"[he-forum 13151] 日本経済新聞3/20 日本経済新聞2008年3月20日付 厳正な学位審査、文科省が求める・国公私大学長に  文部科学省は19日、名古屋市立大や横浜市立大で医学部の学位審査に絡む金銭の授受があったことについて、「こうした不祥事は学位の国際的な信頼性を損ないかねず極めて重大な問題」として、全国の国公私立大の学長に対し、学位の厳正な審査体制を確立するよう求める通知を出した。審査の際の論文発表会を公開で実施したり、学外の審査委員を積極的に登用したりすることを求めている。 "[he-forum 13152] 東日新聞3/20 東日新聞2008年3月20日付 地元3大学が地域関連研究発表  愛知大学、豊橋技術科学大学、豊橋創造大学の学生・院生が卒業(修士)論文で地域について研究したことを発表する「第14回地域関連研究発表会」は、19日、豊橋市松葉町のカリオンビルで開かれた。学生、地元企業、研究機関や行政関係者などが聴講に訪れた。東三河地域研究センター(神野信郎理事長)主催。  発表者は、研究成果をテーマ、目的、調査過程、集まったデータ、得られた結果をまとめ、さまざまな提言をした。  このうち「豊川稲荷表参道商店街における景観整備に関する研究」(技科大修士1年、丹羽睦巳さん)は、豊川稲荷門前の表参道発展会などとともに、店舗の景観を整備することで訪れる人に商店街をアピールする方法を探った。  社会実験として、モデルケースに選んだ2店舗の外観デザインを「昭和初期」のイメージなどに変更し、変更前と比べ、店舗を注目した通行人の数、来店客の変化を調べた。店舗注目度は、2店のうち1店が注目度上昇、1店変わらずという結果で、来店客は2店とも増加したという。  このほか、まちづくりや農業、港湾、市町合併などをテーマにした計10の研究結果が発表され、会場から調査方法や、得られたデータに対する質問が活発に出された。 "[he-forum 13153] 神戸新聞3/20 神戸新聞2008年3月20日付 大学育ちの牛肉いかが 大丸神戸店  神戸大学農学部で飼育している但馬牛「神戸大学ビーフ」の販売が十九日、神戸市中央区の大丸神戸店で始まった。関西では初めて。四月一日までの期間限定で、牛一頭から取れる約百五十キロ分がなくなり次第終了となる。  同学部が繁殖から飼育までを一貫して手掛ける。年間の出荷は約十六頭と限られており、東京でのみ販売されていた。食の安全性をアピールしようと、大丸神戸店が三日の競りで一頭を競り落とした。  地下一階の精肉売場で、モモ焼肉用(百グラム九百八十円)やサーロインステーキ用(同二千九百四十円)など七種類を用意。一番に買い求めた同市東灘区の西口実美さん(78)は「地元の大学が作った牛。どんな味がするのか楽しみです」と話していた。(中川 恵) "[he-forum 13154] 日本経済新聞3/18 日本経済新聞2008年3月18日付 三菱東京UFJ銀、東京農工大に5億4000万円・国立大へ初の長期融資  三菱東京UFJ銀行は日本政策投資銀行と共同で、東京農工大に約5億4000万円を融資した。返済期間は10―15年。2005年の政令改正で国立大学法人の資金調達手段が拡大したのを受けたもので、民間金融機関から国立大への長期融資は全国で初めてという。  12日に行われた入札に約10の金融機関が参加。三菱東京UFJ銀と政投銀が共同で落札し、17日までに融資を実行した。 "[he-forum 13155] 山梨日日新聞3/18 山梨日日新聞2008年3月18日付 横浜国立大ブランドのキャベツワイン 盛田甲州ワイナリーが醸造 香り豊か  盛田甲州ワイナリー(甲州市勝沼町、盛田宏社長)が醸造した、横浜国立大ブランドのキャベツワインが評判を呼んでいる。キャベツは大学のある横浜・保土ケ谷区の特産で、ワインに使うという珍しさも加わって、学生が両親への土産として購入するなど売れ行きも好調という。  同大の「ブランド製品等開発プロジェクト」の一環として、同区で出荷量第1位の農産物キャベツを使った商品を企画。大学近くの酒販店・鈴木屋本店を通じ、同ワイナリーに製造を依頼した。キャベツは、キャンパス近くの生産農家が育てたものを使った。  同ワイナリーによると、キャベツの香りや甘みがワインに溶け込むよう製法を工夫したほか、ブレンドする果汁の選択でも試行錯誤したという。八巻秀樹工場長は「野菜特有の個性や香りが生きるよう、ブドウ果汁との相性やバランスに気を使い、ブレンドテストに時間をかけた」と話す。  キャベツの風味がほのかに残る、さっぱりした飲み口が特徴。商品名は、フランス語で「かわいいおまえ」を意味する「モン・プティ・シュ」で、赤と白各1300本限定で商品化した。  同大によると、昨年12月中旬の発売以来、約2カ月で予想を大きく上回る1300本が販売され、評判も良い。来年度も収穫期を待って製造する計画という。  同ワイナリーは「新たな素材に挑戦でき、視野が広がった。次の製品開発に役立てたい」としている。  キャベツワインは各1300円。鈴木屋本店や大学近くのコンビニエンスストアで販売している。 "[he-forum 13156] 科学新聞3/7 科学新聞2008年3月7日付 岐路に立つ博士課程、学生の質維持に何らかの改革必要   日本の研究競争力を支える基盤となっている大学院博士課程だが、現在、大きな方向転換を求められている。文部科学省の調査によると、理学、工学、農学、保健という自然科学系分野での博士課程の競争倍率は1倍を割っていることが分かった。また、大学の現場からは少しでも入学定員に近づけるために、「レベルの低い学生も採らざるを得ない」という声も上がっている。これまで日本では、研究力を強化するために大学院の規模を拡充してきたが、博士課程についてはその質を担保するための改革が必要になってきている。   旧・文部省の大学審議会では平成3年11月、「大学院の量的整備について」答申を出し、平成12年度時点における大学院学生数を平成3年度の2倍程度に拡大することを決めた。その後、大学院在学者は順調に伸び、3年度の9万8650人から、12年度には20万5311人と約2.1倍になり、さらに専門職学位課程が誕生したことで19年度には約2.7倍の26万2113人と大幅に増えた。   博士課程入学定員も、1万2966人(H3)から2万169人(H12)、2万3417人(H19)と順調の伸びてきた。しかし、入学定員に対する志願者の割合(競争倍率)は低迷しており、19年時点で理学分野で入学定員2070人に対して入学志願者は1419人と競争倍率は0.69倍、工学分野でも定員5503人に3560人の志願者で0.65倍、農学分野0.96倍(1086人/1126人)、保健分野0.92倍(6209人/6774人)となっている。   一方、博士の標準修業年限内での学位授与状況を見てみると、理学で46.1%、工学52.8%、農学52.9%、保健56.2%と学位取得率は概ね半分程度であり、人文7.1%、社会15.1%などと比べれば、学生にとってある程度の魅力はあるといえるだろう。   しかし、博士課程修了者の就職状況は、保健が77.3%と高く、工学59.1%、理学53.9%、農学52.5%となっている。学部や修士の就職率に比べると見劣りするため、将来的への不安感から博士課程へ進学しなくなっているようだ。   志願者が減ってきたのならば、入学定員を縮小すればいいようなものだが、ある国立大学関係者は、入学定員を減らすと、それに伴って運営費交付金が減らされ、教員定数も削られてしまうため、入学定員を減らすことはできないという。   そこで、文部科学省に確認してみたところ、国立大学法人の運営費交付金については、入学手員と連動して増減する仕組みにはなっていないという。もちろん、何の工夫もなくただ減らすだけでは財務省との協議で運営費交付金を減らされる可能性があるものの、教育研究の内容を充実させるための改革の一環として行えば、運営費交付金が減ることはないという。   例えば、大阪大学と大阪外国語大学の統合の時には、学部を180人減らし、修士を23人増やして、実質的に入学手員を157人減らしたが、退職金や特別教育研究経費を除いた基盤的な運営費交付金については、全大学一律のマイナス1%ルール以外には減額されていない。   こうした制度と各大学の認識の差が生まれるのは、国立大学時代に作られた学内ルールが厳然と存在し、まかり通っているためだ。法人化してマネージメント力の強化を求められているものの、実際の運営ルールを変えていくには時間も労力も足りないのが実情だろう。また、社会情勢の変化から次々と制度を変えていく文部科学省の制度設計にも問題がある。各大学とも定員を減らしてしまうと、今は大丈夫でも次の制度改革では不利になるのではないかと疑心暗鬼になっている。   根深い問題だが、こうしたことを解決するためには、次期中期計画期間における運営費交付金算定ルールを早期に策定し、始まる前に現場に浸透させることや新たな学内ルール作りのためのモデル作りを行う必要があるだろう。 "[he-forum 13157] 高知新聞3/19 『高知新聞』2008年3月19日朝刊 原告適格めぐり応酬 高知大学長選考訴訟  昨年の高知大学長選で相良祐輔・現学長を選んだ学長選考会議の決定無効を求  め、対立候補だった高橋正征氏=高知大大学院黒潮圏海洋科学研究科長=が高  知大を訴えた訴訟の第二回口頭弁論が18日、高知地裁であり、争点の一つであ  る原告の適格性などをめぐって双方が主張し合った。  選考会議前の意向投票は当初、高橋氏が相良氏を41票上回ったが、「相良氏の  20票が高橋氏の投票箱に混入していた」と数え直した結果、両氏の差は1票差  になっていた。  原告側はこの経緯について「票のすり替えが疑われる」と指摘し、「候補者の  高橋氏は公正な手続きで選考決定を受ける法的利益がある」「選考会議は投票  のやり直しなどせず、投票数を確定しないまま2つの投票結果を基に選考して  おり、裁量権を逸脱している」とした。  これに対し、被告の同大側は「本件で原告になり得るのは、選考会議の決定に  影響を及ぼす立場の者で、候補者の高橋氏は決定に全く関与できない」と、原  告としての適格性を否定。「選考会議の委員は、2つの投票結果を参考に学長  を選んでも判断に支障はないという共通認識だった。この判断に裁量権の逸脱  はない」と反論した。 "[he-forum 13158] 高知新聞3/19 『高知新聞』2008年3月19日朝刊 文科省も提訴へ 高知大学長選考で原告側  高知大学の相良祐輔・現学長の再任を決めた学長選考会議の決定は無効だと訴  えている高橋正征氏らは十八日、相良氏の次期学長就任を政府が正式に了承し  た時点で、文部科学省に対し、同氏の学長任命取り消しを求める訴訟を起こす  方針を明らかにした。    同省人事課によると、国立大学法人の学長は、閣議での報告・了承を経て、文  部科学大臣が任命する。高知大を含めた今春以降の学長人事について、同課は  「まだ閣議に報告していないが、月内にあと3回ある閣議のいずれかで了承を  もらう」とし、4月1日に同省で辞令交付を予定しているという。    高知大学側は2月28日付で、相良氏を次期学長に任命するよう同省に上申。こ  れに対し原告側は今月初旬、同氏の任命を認めないよう求める内容証明郵便を  文科大臣に送っている。  高知地裁で18日開かれた第2回弁論で、原告側が「(相良氏を次期学長に任命  する)発令の内示はされているか」とただしたのに対し、大学側は「学長(の  就任)に内示はない」「法律上、任命されることに間違いない」などとした。 "[he-forum 13159] 3/24しんぶん赤旗記事 2008年3月24日(月)「しんぶん赤旗」 奨学金でシンポ 1日食費315円/貯金取り崩す 返還必要ない給付制に  日本の異常な高学費で子どもや学生、家計がどのような影響を受けて いるのかを交流し、奨学金制度の拡充を考えるシンポジウムが二十三 日、東京都内で開かれました。主催はシンポジウム実行委員会。十団 体、約五十人が参加しました。深刻な実態をパネリストや参加者が報告 し、教育費の無償化と返還の必要のない奨学金をつくっていこうと確認 しました。  全学連の副委員長が東京大学で世帯年収四百万円以下の学生が全額学 費免除になったと紹介し、学内での聞き取り調査を進めてきたとのべま した。一日の食費を三百十五円に抑えている学生、大学で洗濯、シャ ワーをしているという学生などの例を紹介しました。  新婦人の米山淳子事務局長は教育費の実態アンケートの内容を紹介。 大学生を抱える家庭では家計を切り詰め、預貯金や年金、退職金を充て る、祖父母や親せきからの援助、教育ローンの借金、定年後も働いて学 費を工面しているとのべ、生活全体が教育費で脅かされていると話しま した。  日本学生支援機構労働組合の藤井和子中央執行委員長は一九九八年か らの十年間で有利子奨学金の利用者が十倍に増えていると報告。全国生 活と健康を守る会の代表は夫が失業し、大学院に入った子どもの奨学金 の返済が一千万円にのぼると予想され、将来が不安だとのべました。  日高教の代表は実態調査から「『ローンズ育英』という金貸しだ」と の告発が寄せられていると報告しました。  三輪定宣千葉大学名誉教授・「奨学金の会」会長はフィンランド、デ ンマーク、アメリカなど海外の給付制奨学金の制度を紹介。日本の教育 予算は経済先進国OECD加盟国三十カ国の最下位であり、平均並みに 引き上げることで学費補助・軽減が可能であることを示しました。  実行委員会の中心となった「奨学金の会」では、「教育の機会均等」 を保障する給付制中心の奨学金をつくることを求める署名に取り組んで います。 "[he-forum 13160] 公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.3 公正な学長選考を求める裁判を支える会 ニュースレター NO.3    2008、3,24 ○ 第二回 口頭弁論傍聴記  3月18日の10:30から高知地裁において、第二回口頭弁論が開催されま  した。双方から出された文書の確認が中心でしたが、2つの点で攻防がありま  した。    第一は、次期学長の任命に関わることです。2月28日に相良現学長名で「国  立大学法人高知大学」からの上申が受理されたことはすでにお伝えした通りで  すが、任命がすでにおこなわれているのかどうかについて、原告側弁護人から  質問がなされました。文部科学大臣によって任命がなされた場合には、ただち  に文部科学大臣を相手取って、任命の撤回を求める訴えを起こす必要がありま  すので、これは極めて重要な問題です。    大学側は、「辞令は4月1日にでるので、それ以前には任命の通知等は行われ  ない」という答えでした。更に、原告側弁護人が、事前に「内示」があるのが  普通ではないかと問うと、「内示を事前に行うことはない」との答えでした。  「つまり、まだ任命はされていないということですね」と畳み掛ける原告側弁  護人に対して、大学側は「国立大学法人の申し出にしたがって文部科学大臣が  任命すると定められており、当然任命されるはずである。もし、任命しないの  であれば当然その旨連絡があるはずだが、それはない」と、「当然任命される  はず」という立場を繰り返しました。 さあ、はたしてそううまくいくでしょうか?  二点目は、投票用紙に関することです。投票用紙の枚数が業者に注文した枚数  と合っているということが、大学側の「投票用紙のすり替えなどはなかった」  という主張の根拠になっているわけですが、別の業者に同じ仕様で注文する、  コピーして作るなどの方法を取れば偽造はそれほど難しくないというのは誰に  でも理解できるところです。原告側弁護士はこの点をついて、すり替えがなか  ったというならば、投票用紙そのものを証拠として提出するように求めました。  大学側は、監事による監査が行われており、それで十分なはずで、大学の自治  の観点からも、それ以上の証拠は出す必要はないとの回答でした。原告側弁護  人は,大学内の監査は法廷での司法に基づく検証に代わりうるものではなく、  あくまでも法廷の場に投票用紙を証拠として提出すべきと主張しました。裁判  長が「裁判の過程で必要なら提出するということでいいですね」と締めくくり  ました。  最後に,次回第三回の裁判日程を5月30日(金)11:00~と決定してこ  の日の裁判は終わりました。 ○3・13 裁判報告集会 報告  3月13日昼休み「裁判報告集会」が共通教育212教室で行われました。あい  にくの雨と学内の「人口密度」が低い時期であったということもあって、必ず  しも大入り満員というわけには行きませんでしたが、忙しい中数十人の教職員  が集まりました。  まず、「公正な学長選考を求める会」代表から、第一回口頭弁論の模様が報告  されました。内容については、すでにニュースレターNo2で報告した通りで  すが、当日は資料として原告意見陳述の全文が配布されました。    また、裁判報告と関連して、監事による3月12日付け「監査報告」の問題性  についての指摘がありました。この「監査報告」についてはフォーラムにあり  ますので、直接ご覧いただくのが一番わかりやすいと考えられますが、なによ  り重要なのは、この「監査報告」なるものがフォーラムに現れたのが、2月2  7日であり、その翌日には、前号でもお知らせした「上申」が行われており、  全く内容の矛盾する文書がほぼ同時に作られていることです。ここにも、矛盾  を矛盾と自覚しない現執行部の体質が現れているといえるでしょう。  続いて、「公正な大学運営を求める学生の会」から、選考会議外部委員に対す  る公開質問状への回答が紹介されました。この回答は昨年末に「秘書課」を通  じて来ていたもので、小さな集まりやブログ等においてはすでに内容の報告が  なされていますが、このような集会で報告されるのは初めてです。学生代表は、  外部委員一人ひとりの回答を具体的に取り上げながら、教育機関である大学を、  民間企業と同じ次元でしか語ることのできない外部委員の発想の貧しさや、事  柄の本質の無理解を指摘し、「現在中心になっている4回生が卒業しても在学  生に活動を引き継いでいきたい」と締めくくりました。  続いて、カンパの集計報告があり3月13日 現在で87名1団体から162  万1800円のカンパが集まったことが報告されました。カンパしてくださっ  た皆さんどうもありがとうございます。一応の目標額には達していますが、文  部科学省の対応如何では、長期化も予想されます。今後も募金活動は継続しま  すので、よろしくお願いします。    最後に「公正な学長選考を求める会」代表から、来年度部局長になっても  (「学長」から辞令が出ればの話ですが)、会の代表は継続すること、また当  日よんどころない用事で欠席しているが「公正な学長選考を求める裁判を支え  る会」の代表も同じ決意であるとの報告があり、拍手で確認され、この日の会  は終了しました。 ○ 私たちは「虚偽報告」に基づく「学長任命」を許さない!  これまでに報告したように、41票差の数字のみを記載した相良現学長自身に  よる「上申」が文部科学省によって受理された状態です。これに基づいて実際  に任命が行われるかどうかは、予断を許しません。少なくとも、現時点では任  命の前提となる文部科学大臣による閣議報告は行われていない模様です。「虚  偽報告」に基づく学長任命が、もし行われたならば、それは高知大学にとって  のみでなく、日本の大学にとって拭いがたい汚点となるでしょう。文部科学省、  文部科学大臣に対して「虚偽申告」を認めないよう強く要求していきましょう。 5月31日〔金〕第3回口頭弁論 11:00~ "[he-forum 13161] 時事通信3/24 時事通信2008年03月24日07時30分 政策研究大学院大学と連携=自治大学校  自治大学校(椎川忍校長)は2008年度、自治体幹部候補生を養成する期間1年の特別研修で、政策研究大学院大学(東京・六本木)と連携する新たなプログラムを試行する。研修生は自治大学校の寮に寄宿しながら修士号取得を目指す。同時に、大学校卒業に必要な履修科目も大幅に免除されるメリットがある。試行後に課題を整理した上、09年度以降に本格実施する計画だ。  特別研修は都道府県と市の係長級職員を対象に、(1)年度前半に一般研修、後半に実務経験(2)年度前半に実務経験、後半に一般研修―を行う2パターンだったが、自治体のニーズと研修内容とにずれが生じ、研修生の派遣実績が減少しつつあるため、自治大学校は履修課程の再編を検討していた。  新設する「マスターコース」は、年度前半に政策研究大学院大学の修士コース(「地域政策プログラム」「知財プログラム」「まちづくりプログラム」)を受講し、30単位(週5日、1日90分を3コマ程度)を取得。年度後半は、自治大学校の一般研修である第1部課程に在籍しつつ大学院大学の修士論文指導を受け、修士号取得を目指す。  自治大学校の履修科目については、大学院大学との重複を避けるため演習と一般的法律科目などの4分の3程度を免除。これとは別に地方行財政関係科目を受講させ、成績優秀者には自治大学校卒業証書を授与する。  マスターコースの08年度研修生に9人が内定している。自治大学校は、年度前半に実務を経験しつつ大学院大学で科目を履修し、後半に第1部課程研修を受ける「インテンシブコース」も新設したが、08年度は申し込みがなかった。大学院大学は、自治大学校の一部科目を将来的に単位認定することも検討している。 "[he-forum 13162] 毎日新聞群馬3/22 毎日新聞群馬版2008年3月22日付 群馬大:大学院研究棟が竣工 産学官協力で建設  太田市本町に産学官一体で建設を進めてきた群馬大大学院生産システム工学専攻科などの研究棟の竣工(しゅんこう)式が21日、開かれた。  05年に県商工会議所が金型学科設置を県に陳情したのを契機に、産学官による協力で建設が始まった。敷地面積は約7400平方メートル。鉄骨5階建て延べ床面積約7200平方メートル。大学院研究棟のほか、市民ロビーなどがある産学研究棟がある。  竣工式では、太田商工会議所の正田寛会頭が「ものづくり都市としての持続と発展のために優秀な頭脳が必要。同大学への期待は大きい」とあいさつした。【佐藤貢】 "[he-forum 13163] 日本経済新聞3/24 日本経済新聞2008年3月24日付 東大など、研究成果を海外企業へ売り込み・技術移転機関と提携  研究成果を海外企業に売り込むため、仲介者となる外国の技術移転機関(TLO)などと連携する国立大学が増えている。東京大学はフィンランドの大学TLOと提携、東京医科歯科大学は米国で大学のTLOや特許事務所と契約を結んだ。各大学とも国立大学法人になってから特許収入増に力を入れており、海外での産学連携を強化する。  東大が提携したのはヘルシンキ工科大学にあるTLOで、北欧で手広く産学連携を手がけている。同大TLOのネットワークを生かし、東大工学系の研究成果を海外で特許化し、ノキアやエリクソンなど大手企業やベンチャーにライセンス供与する。 "[he-forum 13164] 時事通信3/25 時事通信2008年03月25日20時54分 大学全入時代の対応検討へ=教育再生懇  政府は25日、教育再生会議の後継組織「教育再生懇談会」(座長=安西祐一郎慶応義塾長)の初会合を首相官邸で開いた。主な役割は同会議報告書の具体化の点検だが、福田康夫首相は「21世紀にふさわしい教育の在り方の議論をお願いする」として、「大学全入時代」を見据えた学力確保の方策やインターネットの有害情報対策など、同会議が積み残した課題の検討も指示した。  首相が言及したのは、(1)大学全入時代の高校教育、大学入試、大学教育(2)国際競争力向上に向けた留学生受け入れ拡大や英語教育(3)ネット社会におけるコミュニケーション能力の養成や有害情報対策(4)家庭教育や幼児教育-など。同懇談会は毎月1回の会合でこうした問題を話し合うが、報告書をまとめるかどうかは未定。  安西座長は記者会見で、家庭教育に絡み「子どもと付き合う時間が長くできる雇用形態、社会の在り方も考えないといけない」と指摘した。 "[he-forum 13165] 産経新聞3/27 産経新聞2008年3月27日付 「食の大学院」来春にも設置申請へ 大阪府立大や市立大など  大阪府立大学や大阪市立大学などが、関西の食文化産業振興のため、企業経営などに高度な知識や技術を持つ人材を養成するための「食の大学院」を設立する方針であることがわかった。早ければ来春にも、文部科学省に設置認可を申請する。近畿経済産業局の久貝卓局長が、26日の定例記者会見の中で明らかにした。  「食の大学院」構想は両大学のほか、大阪外食産業協会、日本フードサービス協会などが中心となって進めている。大学院は博士課程までを備えた5年制とする方向で調整している。「食文化」「食ビジネス」「農学・食品学」「栄養学・生理学」など食に関する学問を横断的に学べる国内では初めての大学院にするという。米国のコーネル大など欧米にはこうした大学院があり、関西の外食業界の中には、社員を派遣している会社もある。  近畿経産局は同日、「『食文化産業』の振興を通じた関西の活性化について」と題した報告書を発表し、この中で「『食の大学院』を中核として、『食の知の拠点』を産学官の連携・協力によって関西に形成することを目指すべきだ」と強調した。  関西には外食業の事業所数も多く、久貝局長は「『食の大学院』のニーズが高いことをPRするなどして、われわれとしても支援していきたい」と話した。 "[he-forum 13166] 陸奥新報3/26 陸奥新報2008年3月26日付 弘大理工学部と八高専が連携大学院の協定締結  弘前大学理工学研究科(南條宏肇研究科長)と八戸工業高等専門学校(井口泰孝校長)は25日、連携大学院の協定を結んだ。弘大理工学部長室で連携教員を設けるなど、相互に知を共有し、地域活性化を図る。  連携大学院は、大学院理工学研究科博士後期課程で県内の研究所から教員を迎えたり、学生を派遣するなどして連携を図ることによってり、教育研究を充実させ、地域に還元させる狙いを持つ。同研究科は既に県工業総合研究センターと協定を結んでいる。  調印式では、南條研究科長と井口校長が連携教員や研究指導、知的財産権の取り扱いなど12条から成る協定書に調印。南條研究科長は「本県は優秀な人材を受け入れる基盤が弱い。協力し、まずは地域を活性化させたい」井口校長は「これまで地元の国立大学である弘大とのつながりが薄かった。本県の高等教育機関でまとまって取り組むことが大事だ」と語った "[he-forum 13167] 共同通信3/25 共同通信2008年3月25日18時52分 大学淘汰「避けられない」 質向上求め中教審提言  中教審大学分科会制度・教育部会は25日、大学の学部教育の質向上を求める提言をまとめた。大学志願者数と定員が同数となる「大学全入時代」の到来を「少子化の中、学士レベルの能力を備えた人材の供給は重要」と積極評価。その一方で「質の維持・向上の努力を怠り、社会の負託に応えられない大学の淘汰は避けられない」と警告した。  2007年度に54%となった大学・短大進学率について提言は「先進諸国に比べて高いとはいえない」との見方を示し、意欲や能力がある若者を積極的に大学に受け入れることが必要とした。  その上で、質向上の方策の1つに、大学に入学する際の高校生の学力をみる手段として、高校と大学が協力して実施する「高大接続テスト」(仮称)の創設を検討することなども求めた。  中教審は、引き続き大学改革に向けての審議を進め、夏ごろをめどに答申をまとめる予定。 "[he-forum 13168] 読売新聞鳥取3/27 読売新聞鳥取版2008年3月27日付 産学連携へ鳥大が協定 中小企業診断協支部と  鳥取大は26日、中小企業診断協会県支部と産学連携協力に関する協定を締結した。同協会と大学との連携協力は、昨年9月の岡山大に続いて全国2例目。同協会は、会員の中小企業診断士が地元中小企業からくみ取った企業のニーズを鳥取大との共同研究に結びつけることなどが期待されている。  協定では共同研究の推進のほか、同協会が、実践的な経営戦略指導を行っている鳥取大MOTイノベーションスクールに講師を派遣したり、医学部で開業手続きや従業員の雇用などについて講義したりする。大学発ベンチャーに対する経営面の支援や、中小企業の経営者を対象にしたセミナーの共同開催も考えている。  調印式では、鳥取大の西田良平・産学連携推進機構長が「協定締結で、より多くの産学連携が進むことを期待している」とあいさつ。同協会の高橋務・県支部長が「大学のシーズ(研究のタネ)を中小企業に役立てる協力をしていきたい」と話した。 "[he-forum 13169] 共同通信3/27 共同通信2008年3月27日19時37分 4法科大学院を「不適合」 大学評価・学位授与機構  法科大学院の認証評価機関の一つ「大学評価・学位授与機構」は27日、2007年度に実施した9つの法科大学院に対する評価結果を発表、学生の選抜方法や成績評価に問題があるなどとして、4法科大学院を「不適合」とした。  同機構による法科大学院の評価は初。26日には、日弁連法務研究財団が愛知大法科大学院を不適合としている。  今回、不適合とされたのは北海道大、千葉大、一橋大の各法科大学院と、香川・愛媛両大の連合法科大学院。  同機構は「あからさまな司法試験対策の授業をしていた例はなかったが、幅広い法曹家を育成するという本来の趣旨を重視した」としている。各大学院は評価結果を基に改善策を講じる。  評価結果によると、北海道大は法学既修者を対象にした2年課程の受験生に、主に法学未修者を対象にした3年課程の併願を容認。2年課程が不合格となっても、同じ試験結果を3年課程の合否判定に使える制度が「適切ではない」とされた。 "[he-forum 13170] 京都新聞3/28 京都新聞2008年3月28日付 保健学科改称し人間健康科学科へ 京大医学部 病気予防へ人材育成  京都大は、4月に医学部保健学科を改称し、医学部人間健康科学科とする。病気の治療だけでなく、あらゆる世代が生涯、健康で豊かな生活を地域で送れるよう、病気の予防や高度な診断、在宅医療、心と体のケアを中心に担う人材を育て、京都から「人間健康科学」の発信を目指す。  大学院医学研究科における人間健康科学系専攻の開設(昨年4月)に引き続く改革。看護学など学科内の4つの専攻を引き継ぎ、先進医療をチームの一員として担うための専門知識を学びつつ保健や福祉、心理学、倫理学、社会学など幅広い分野の教育を展開する。  研究では、医学・薬学の領域を超えて連携。脳科学の成果を取り入れた心身の診断や治療、再生医療を受けたあとのリハビリテーションなど次世代の医療のほか、地域在宅医療の実践や理論構築に取り組む。  保健学科の教育研究棟を改修・増築し、4月から利用。研究棟をフジタカ(長岡京市)の高井保治社長から寄付を受けて開設するほか、年内に「地域医療研究センター」を建設する計画だ。人間健康科学系専攻長・保健学科長の笹田昌孝教授は「薬で数値を上げ下げするのではなく、人の真の健康をつくる人間健康科学を発信、広げていきたい」と話している。 "[he-forum 13171] 時事通信3/28 時事通信2008年03月28日11時20分 ●特集・教職大学院スタート ★教育現場のリーダー育成へ=19校で674人が合格-学校、大学の改革に期待  「力量ある教員の養成」を目指し4月から、新たな専門職大学院として教職大学院がスタートする。時事通信社の3月25日時点での調査によると、教職大学院を開校する19校では、現職教員ら延べ約900人から志願があり、計674人が合格。学校現場でリーダーとなる人材を育成すべく、「実践と理論の融合」を重視した教育が始まる。学校をめぐる環境が厳しさを増し、教員の質向上が求められる中、教職大学院に何を期待するか―。開校を控え、関係者から聞いた。 ◇実習も重視  学校教育法で、専門職大学院は「高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とする」と位置付けられる。法科大学院のほか、最近は会計やビジネス分野などでも多くの専門職大学院が設置されている。教職大学院は、2006年の7月の中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)答申で創設が提言され、07年4月、設置基準などに関する省令が施行された。  中教審答申は、(1)学部段階で教員として基礎的・基本的な資質能力を習得した者の中からより実践的な指導力・展開力を備えた新人教員の養成(2)一定の教職経験を有する現職教員を対象とした、確かな指導理論と優れた実践力・応用力を備えた「スクールリーダー(中核的中堅教員)」の養成―を教職大学院の目的、機能とした。答申の趣旨に沿って、対象は、主に学部卒業生と現役教員の2種類に分かれる。  大学院修了には、2年以上在学し、45単位以上取得することが必要で、修了者には「教職修士(専門職)」の学位が授与される。45単位のうち10単位以上は、学校で行う実習の履修で取得するため、各大学院は小中学校などから連携協力校を確保しなければならない。現職教員の場合は、実習を免除することが可能で、現職教員向けの短期履修コース(1年)のほか、長期在学の3年コースも各大学院の判断で設置することが可能だ。  実習以外では、(1)教科の実践的な指導方法、(2)生徒指導、教育相談(3)学級・学校経営―などに関する領域で授業を開設。専門職大学院は専攻分野の実務の経験がある「実務家教員」が授業を行うのが特徴だが、教職大学院に関しては専任教員の4割以上を小中学校などで教員経験がある実務家教員にするよう義務付けている。  07年11月、教職大学院の設置認可を申請した大学のうち19校について、大学設置・学校法人審議会は開校を許可するよう答申した。当初の開校数が19に上ったことについて、文科省教員養成企画室の金郁夫係長は「思ったより多い」と話す。ただ、同審議会が、認可された19校すべてに運営上の改善点を指摘する「留意事項」を付けるなど、「準備不足の部分もある」(金係長)のも実情。今後は留意事項の改善状況などについて、十分なチェック体制を整備していく考えだ。 ◇倍率2超える大学院も  08年4月に開校するのは、国立15、私立4で、国立が、北海道教育(45=定員数、以下同)▽宮城教育(32)▽群馬(16)▽東京学芸(30)▽上越教育(50)▽福井(30)▽岐阜(20)▽愛知教育(50)▽京都教育(60)▽兵庫教育(100)▽奈良教育(20)▽岡山(20)▽鳴門教育(50)▽長崎(20)▽宮崎(28)―。一方、私立は、早稲田(70)▽創価(25)▽玉川(20)▽常葉学園(20)―となっている。  総定員は706人。3月25日時点で、まだ追加試験を行っている大学院が3校あるが、志願者数は延べ計896人、合格者は計674人だった。設置認可が11月で、入試までぎりぎりの準備期間しかなかったことを考えると、出だしは順調と言える。  ただ、周知期間の短さから、定員の多い大学院には志願者集めの苦労もあった様子。一方で、東京学芸は合格者39人に対し受験者数が85人と、倍率が2倍を超えた。創価も合格者30人に対し、2回実施した試験には延べ69人が受験。担当者によると「全国から出願があった」といい、新たな大学院への関心の高さをうかがわせる。 早稲田も合格者は59人だったが、志願者は102人に上った。現職教員以外の学部生も多く、「想定外で、うれしく思っている」と担当者。また、合格者の中には、私立中高一貫校の教員もいるなど、バラエティーに富んでいる。既に現在学部3年生の40人程度から要綱などの問い合わせもあり、来年度以降にも期待が持てそうだという。 現職教職員とそれ以外の学生の割合は、大学院によってさまざまだ。例えば、宮城教育は合格者33人のうち現職は28人と現職が多いが、16人合格の群馬は現職と学部卒が半々程度の割合だ。 ◇「問題意識」が入学のきっかけ  現職教員として「自ら希望した」東京都江戸川区立春江中学校の中西孝教諭(40)は、4月から1年間の予定で、早稲田の教職大学院に入学する。中西氏は、教職に就いて3月で丸18年になるベテラン。同中学校に赴任して7年、そのうち5年間、教務主任を務めている。  「教務主任という仕事の中で、地域の小学校やPTAとの連携、地域の力を取り込むことが必要と痛感した」という中西氏は、大学院で「学校と地域の在り方について学びたい」と話す。もちろん、地域との関係は経験を通じて積み重ねることも多いが、「実践だけに頼ると、『その人がいなくなったらできなくなってしまった』ということが起こる」という問題意識がある。  実践を理論的に体系付け、多くの教員が、さまざまな場面で共有できるようなノウハウ、知識を習得することが目標だ。大学院の学費は自己負担だが、東京都教育委員会からの派遣という位置付けで、身分は同校教諭のまま。「給料を頂いて学ぶのだから、1年間で吸収しなければならないという気持ちは強い」という。  「生活指導や地域との関係で、息詰まることがある」と中西氏。「そういうときは、見通しを語れる人がいてほしい」と強調する。しかし、教員を指導する立場の指導主事は、多くの教委で十分な人数を確保できていない状況にある。中西氏は、大学院で得たものを基に、こうした現場教員の悩みにも応えていきたいと考えている。 ★教委との連携がカギ=各校でカリキュラムに独自性-現職との交流で大学の活性化も  新しく始まる教職大学院では、「理論と実践力」を軸に、各校がさまざまなカリキュラムを組んで独自性を打ち出している。スキルアップを望む教員は多く、潜在的な志願者も少なくないはずだが、希望する教員が学べる環境を整備するのは教育委員会の役目。新たな大学院の定着には、教委の理解、連携協力がカギになりそうだ。 ◇都教委と4校が連携協定  東京学芸、創価、玉川、早稲田の4国私立大学が教職大学院を開設する東京都。都教委は2006年3月から委員会を設置して活用方策の検討を進めるなど、積極的に教職大学院との連携に取り組んでいる。08年2月には、都教委と4大学院が連携協定を締結。教委と教職大学院のモデルケースとしても注目される。  協定は主に、(1)カリキュラム・指導(2)実習(3)現職教員の派遣・受け入れ(2)新人教員の養成・採用―に関する内容。都教委は、都内の公立学校の現職教員から毎年一定人数を協定校に派遣する。一方で、協定校に対しては、例えば「習熟度・課題別指導方法」など都の教員に必要とされる知識やノウハウについて、カリキュラムに盛り込んでもらい、都のニーズに対応した人材育成を図る。  新人教員養成の分野では、小中学校などでの実習が重視され、10単位以上の履修が修了の要件にもなる。各大学院は、実習のための連携学校確保が必要。都教委は、協定大学院に対し、都内の公立学校を連携学校として提供し、実習が支障なく効果的に行われるよう協力する。  この連携の枠組みで、初年度に教職大学院に派遣される現職教員は計33人。全員が他の志願者と同様、試験を受けて合格し、08年4月から4校のうちのいずれかに通うことになる。33人のうち15人は、幹部候補である「教育管理職A選考」の合格者で、学費も都が負担する。そのほかの18人は、都教委が一般に募集し応募した中から選ばれた教員。身分は教員のままで給与も支払われるが、学費は自己負担となる。  都教育庁では「都内で大学院が増えれば、同じような対応をしていく」(指導部)といい、新たに大学院が開設された場合、同内容の協定を締結し、連携をさらに広げていく考えだ。新人教員養成に関しても、連携校で学位を取得し、一定の条件を満たした場合に採用試験の一部科目を免除するなどの特例措置を検討。大学の教育と都の人材育成がより有機的に結び付くよう、取り組みを続けている。 ◇「課題解決」のカリキュラム  都の協定校でもある早大の教職大学院には初年度、58人が入学する見込みだ。同大の場合、学部新卒者と現職教員の「混成」でクラス・グループを編成。学校での実習と全学生を対象とした共通科目のほか、それぞれのニーズに合わせて、分野別選択・自由選択科目を受講することになる。  同大の特徴は、分野別・自由選択科目の種類の多さだ。「入学した学生がそれぞれ抱えている課題、ニーズに対応し、科目を選ぶことができる」と、同大大学院教職研究科開設準備室の三尾忠男教授。分野別選択科目は、「カリキュラム開発・授業力」「生徒指導・学級経営」「発達障害支援」「学校経営・地域連携」の4分野で、それぞれの分野に各4科目、計16科目が設定されている。  分野別の科目には、「学力調査・評価の方法と活用」「心理教育的アセスメントの個別教育プログラム」「学校経営に活(い)かす教育データ分析の実践研究」などが並ぶ。ニートやフリーターの増加も念頭に置いた「キャリア教育の実践研究」といった現代的な課題に対応した科目もある。自由選択も、カウンセリングや教育論関連など、幅広い内容で24講座設定されている。  一方、群馬大学の教職大学院は、実習に力を入れている。同大の入学者は全19教職大学院の中で最も少ない16人。学部新卒、現職にかかわらず全員が、2年間で計520時間の実習を受けることになる。  1年目は「課題発見実習」。同大の付属幼稚園、小中学校、高校でそれぞれ2日ずつ、見学を主とする実習で、幼児期から高校まで各発達段階への理解を深める。そして、県内の連携協力校で1人当たり3校ずつ計200時間、学校活動に参加したり、実際に指導したりする。  同大は、教職大学院の開設に際し、教委の指導主事や学校長の経験がある実務家教員2人を専任教授として採用。非常勤スタッフも3人採用し実務家教員は計5人、教育学部の研究者7人と合わせ計12人体制だ。そのうち実務家と研究者が2人1組になり、すべての授業をチームティーチングで進める。  連携協力校で行う実習も、実務家と研究者が2人1組で巡回し、理論と実践の両面から課題について分析。こうした分析などを踏まえ、2年目は、学部新卒生は引き続き連携協力校、現職教員は在籍校で、課題解決に向けた実習を行う仕組みだ。 ◇現職教員が「大学を変える」  「教授会に2人が参加するだけで、随分雰囲気も変わりますよ」―。同大教育学部長の松田直教授は、新たに同学部に加わった2人の実務家教員を高く評価する。  同学部の授業について松田氏は、「現職の先生にはあまり役に立たなかったのでは」と自嘲(じちょう)気味に話す。今後は、実際の学校現場を熟知している実務家教員、そして大学院に入学した現職教員らと、「理論と実践について考え、どうしたらいいのか話し合うこと」を大事にしたいという。そして、「児童・生徒らとじかにかかわる力を伸ばす」教育を実現すべきだとの考えだ。 一方で、現職教員側からは、「大学の中で見ていることを教えてほしい」と、目まぐるしく動く毎日の中で「理論」を渇望する声もある。4月から早大教職大学院で教える長島啓記教授は、課題を抱える教員らが大学院での授業、実習を通じ、「リフレッシュして教壇に立ってほしい」と願う。そのためにも「教員が大学院に来やすい環境をつくることが重要」と強調する。  「いずれはすべて(の教育関係の大学院)が教職大学院になるべきだと思っている」という群馬大の松田教授は、県教委との連携などにも精力的に動く。まだ知名度が高いとは言えない教職大学院が定着するには、今後も大学スタッフの努力が必要だ。  いずれにしても教職大学院を中心に、現職教員と大学との交流が進むことは確実だ。それを教育学部の活性化、教育養成の在り方全体の向上につなげるため、地域の積極的な取り組みが期待される。 "[he-forum 13172] 京都新聞3/28(2) 京都新聞2008年3月28日付 宇宙研究の新拠点 京大 人文系学問とも融合  京都大は27日、宇宙研究の拠点形成を目指す部局横断型研究組織「宇宙総合学研究ユニット」と、文化財の調査・分析・活用を担当する「文化財総合研究センター」を4月1日に開設すると発表した。  宇宙総合学研究ユニットは、理学研究科、工学研究科、基礎物理学研究所などの研究者で構成。宇宙論から宇宙工学、生命科学、文明論など人文系学問とも融合した新しい宇宙研究や開発プロジェクトを、宇宙航空研究開発機構などとも連携して進める。事務局は当面、生存圏研究所(宇治市)に置く。  文化財総合研究センターは、埋蔵文化財研究センターの機能を拡充、文化財の分析や活用など文理融合のプロジェクト研究と情報発信にも取り組む。  ユニット長に小山勝二理学研究科教授(62)、センター長に上原真人文学研究科教授(58)を選んだ。また、同時に開設する野生動物研究センター長に伊谷原一・林原類人猿研究センター所長(50)を決めた。  任期は4月1日からで、小山教授は1年間、上原教授、伊谷氏は2年間。  小山教授は京大理学部卒。宇宙科学研究所助教授、名古屋大助教授などを経て、1991年から京大理学部教授、95年から現職。専門は高エネルギー天文学。  上原教授は京大文学部卒。奈良国立文化財研究所主任研究官などを経て96年から現職。2005年から埋蔵文化財研究センター長。専門は考古学。  伊谷氏は酪農学園大卒。林原自然科学博物館人類学研究部長などを経て04年から現職。専門は動物園科学。 "[he-forum 13173] 朝日新聞3/28 朝日新聞2008年3月28日付 JR西が京大大学院に寄付講座 安全向上取り組みの一環  JR西日本は27日、京都大大学院工学研究科に4月から寄付講座を開設すると発表した。05年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故を受けた安全性向上への取り組みの一環。2013年3月までの5年間に計2億5千万円を寄付し、橋やトンネル、盛り土など線路を支える土木構造物について、施設担当者の経験則に頼ってきた維持、管理を体系化し、より効果的で安全性の高い管理手法を研究する。  同社の寄付講座は、聖トマス大学(兵庫県尼崎市)で昨年10月から始まった「『悲嘆』について学ぶ公開講座」に次ぎ2件目。「研究成果を鉄道のほか幅広い社会インフラにも活用し、社会に貢献したい」としている。 "[he-forum 13174] 共同通信3/28 共同通信2008年3月28日 18時06分 国立大教授を県職員に起用 岐阜、専門生かし課長級で  岐阜県は28日、今春新設の限界集落対策や町づくりを担当する地域振興課に、道路など社会基盤の経済評価が専門の高木朗義・岐阜大工学部教授(44)を4月1日付で起用すると発表した。  都道府県が国立大の教授を本庁職員に登用することについて、総務省は「個別の事例は把握していないが、聞いた事がない」としている。  県によると、高木教授の役職は課長級の「地域政策・都市政策監」。週2日は大学で講義やゼミを続け、残りの3日を県庁で勤務する。県と同大が進めている人事交流の一環で、専門を生かして県の都市計画の策定などに携わる。任期は1年だが、更新も可能という。  高木教授は「研究は地域に貢献して初めて意味を持つ。県庁でのこれからの経験を研究にも生かしたい」と意気込みを語っている。 "[he-forum 13175] 山陽新聞3/29 山陽新聞2008年3月29日付 学生に“夢”基金創設へ 岡山大  岡山大は教育活動や学生の生活支援に幅広く活用する「岡山大学21夢基金」を創設する。2004年の独立行政法人化で運営交付金が減るなど「自立」を求められる一方、大学が基金を柔軟に管理運用できるようになったため。10億円を目標に卒業生や地元企業などに寄付を呼び掛ける。  同大の基金は法人化以前から留学生の生活支援や研究者の海外派遣に使う国際交流基金があるが、大学が直接管理できない上、税務署への届け出時に用途も細かく定める必要があった。法人化で届け出が不要になり、運用も自由度が増したため、新たに設立を決めた。  夢基金で行う事業は、教育活動や修学支援、国際交流の推進、地域貢献、キャンパス環境の整備―など。奨学金のような運用から学生が利用する施設整備など、その都度必要に応じて使う。  募金は1口1万円。4月から呼び掛けを始め、創立60周年となる2009年度までを「創立60周年記念キャンペーン期間」として卒業生を中心に支援を求める。  寄付による基金の設立は全国の国公立大で広がり、東京大や京都大などで既に実施。広島大は4月から学力優秀で経済的理由で進学できない学生向けの基金「フェニックス奨学制度」を創設、将来は用途を広げていくという。  岡山大は「文字通り学生に夢を与えられる基金にしたいので、広く協力を呼び掛けたい」と話している。  問い合わせは岡山大学21夢基金事務局(086―251―7004)。 "[he-forum 13176] 共同通信3/29 共同通信2008年3月29日 09時51分 高松に四国初の大学博物館 弥生土器から人工衛星まで  志願者減少のストッパーになるのか。香川大(高松市幸町)に4月下旬、四国初となる大学付属の博物館がオープンする。弥生式土器から最先端の小型人工衛星の研究成果までを展示、市民や受験生に無料で開放する。  名称は「香川大学博物館」。2006年12月に設置が決まり、教育学部の建物内に約300平方メートルのスペースを確保、収蔵室や資料整理室も備えた。  売りは最先端科学。今秋にもH2Aロケットに搭載される予定の小型人工衛星「STARS」の試作品や窓ふきロボット、抗がん作用が期待される「希少糖」などを展示し、付属のパネルで説明する。  ほかにも平安時代の水田跡で見つかった足跡や、瀬戸大橋建設で海底をボーリング調査した際のサンプルといったユニークな展示も。  年数回のオープンキャンパスには、博物館見学を通じて高校生に大学の魅力をアピール、夏休みには小学生向けに体験教室を開く計画もある。  香川大の志願者数は5000人前後で推移してきたが、今春は約3700人まで減っており、館長の丹羽佑一教授(60)は「地域と活発に交流する見本市のような博物館にしたい」と話す。 "[he-forum 13177] 河北新報3/29 河北新報2008年3月29日付 教員の質向上へ大学連携 山形大など FDネットを結成  教員の能力開発を目指し、山形大が設立を呼び掛けてきた大学間の連携組織「FDネットワークつばさ」が28日、結成された。東日本地域の大学、短大、高等専門学校の計34校が参加。協力して教育方法の改善に取り組む。  FDはファカルティー・デベロップメント(教員の資質向上)の略。山形大は2004年、山形県内の他の大学、短大とともに「地域ネットワークFD樹氷」を結成、FD推進に力を入れてきた。ノウハウを生かすため、連携の輪を東日本地域に広げることにした。  参加校の内訳は、東北が秋田を除いた5県の18校、北海道が4校、関東が12校。山形大に事務局を置き、各校のFD担当者からなるFD協議会が中心になって運営する。共通フォーマットを使った学生による授業評価、他の教官が授業を見学して意見交換する公開授業などを行う予定。  山形市内のホテルで行われた結成記念式典には、約40人が出席。山形大の結城章夫学長が「FDはすべての高等教育機関共通の課題。各機関が知恵や経験を出し合って充実させていくことが大事だ」とあいさつ。文科省高等教育政策室長の鈴木敏之氏が「学士課程教育の改革とFD」と題して講演した。  東北からの参加校は次の通り。  ▽青森 県立保健大、青森公立大、青森中央短大▽岩手 一関高専▽宮城 仙台大、東北生活文化大、東北薬科大▽山形 山形大、県立保健医療大、東北芸術工科大、米沢女短大、羽陽学園短大、山形短大、鶴岡高専▽福島 会津大、会津大短大部、いわき短大、桜の聖母短大 "[he-forum 13178] 京都新聞4/1 京都新聞2008年4月1日付 京都府公立大学法人が発足 府立医科大と府立大を運営  京都府立医科大(京都市上京区)と府立大(左京区)を運営する府公立大学法人が1日発足し、法人本部が置かれた府立医大広小路キャンパスで発足式が行われた。  発足式には山田啓二府知事のほか、荒巻禎一理事長、山岸久一府立医大学長、竹葉剛府立大学長ら法人理事と大学教職員が出席した。山田知事は「学術研究、人材育成の拠点として、時代のニーズに応え、発展していただきたい」と法人の門出に期待を寄せ、荒巻理事長は「歴史ある両大学にとって大きな節目。迅速、効率的、透明性のある運営をしたい」と抱負を述べた。  法人化により、大学運営の効率化と教育研究の柔軟な展開が期待される一方、経営責任も問われることになる。 "[he-forum 13179] 時事通信3/31 時事通信2008年03月31日11時50分 ブラザー工業と産学連携協定=名古屋大  名古屋大は31日、ブラザー工業(名古屋市)と産学連携協定を締結したと発表した。広範なテーマでの研究者の交流を目指し、2008年度から共同研究や情報交換、人材交流活動を連携して進める。  特に対象とするのはナノ技術領域や環境技術領域。同社が研究テーマを提案し、同大の産学官連携推進本部が中心となって、随時技術交流会を開催する。同大は「互いの特色を生かしながら国際水準の研究・技術開発を目指したい」としている。 "[he-forum 13180] 山口新聞4/1 山口新聞2008年4月1日付 医師配置や広域連携研究 山口県が寄付講座  医師不足が深刻な問題になる中、山口県と山口大は三十一日、医師の効率的な配置や広域的な医療連携を研究する「地域医療学講座」の開設について協定を結んだ。県の寄付で山口大が設ける「寄付講座」で、研究成果は施策に反映させる。  県庁であった締結式で、二井関成知事と丸本卓哉学長が協定書に署名した。二井知事は「医師の偏在や勤務医不足など課題は多い。地域医療体制の整備を加速化させる」と述べ、丸本学長は「課題解決に貢献し、県との連携を強めたい」と応じた。  講座は二〇〇八、〇九年度の二年間で県が計五千万円を支出。医師配置▽医療機能連携▽過疎地での総合診療医の養成▽広域的な救急医療の支援―の四テーマを研究する。国立保健医療科学院疫学情報室長の福田吉治氏を教授に、北九州市の大手町病院脳神経外科部長の米田浩氏を助教に迎える。  地域医療をテーマに、地元の国立大に寄付講座を設けるのは中国地方五県では初めてとなる。(高橋清子) "[he-forum 13181] 中国新聞4/1 中国新聞2008年4月1日付 (he-forum 13180の修正)新聞名が誤まりです。訂正します。 医師配置や広域連携研究 山口県が寄付講座  医師不足が深刻な問題になる中、山口県と山口大は三十一日、医師の効率的な配置や広域的な医療連携を研究する「地域医療学講座」の開設について協定を結んだ。県の寄付で山口大が設ける「寄付講座」で、研究成果は施策に反映させる。  県庁であった締結式で、二井関成知事と丸本卓哉学長が協定書に署名した。二井知事は「医師の偏在や勤務医不足など課題は多い。地域医療体制の整備を加速化させる」と述べ、丸本学長は「課題解決に貢献し、県との連携を強めたい」と応じた。  講座は二〇〇八、〇九年度の二年間で県が計五千万円を支出。医師配置▽医療機能連携▽過疎地での総合診療医の養成▽広域的な救急医療の支援―の四テーマを研究する。国立保健医療科学院疫学情報室長の福田吉治氏を教授に、北九州市の大手町病院脳神経外科部長の米田浩氏を助教に迎える。  地域医療をテーマに、地元の国立大に寄付講座を設けるのは中国地方五県では初めてとなる。(高橋清子) "[he-forum 13182] 朝日新聞3/31 朝日新聞2008年3月31日付 上位狙いか疑問視か 海外発「世界大学ランキング」  国内の有力大学の間で、海外発「世界大学ランキング」への関心が高まっている。「順位上昇作戦」を展開したり、目標順位を掲げたりする大学もある。一方、「非英語圏は不利」「文系軽視」など、ランキングに対する疑問も根強い。「たかがランキング、されどランキング」――大学関係者がこう語るランキングとの付き合い方をみた。 ◆東大「順位は恣意的」  東京大が21日、米カリフォルニア大バークリー校、米エール大、英ケンブリッジ大という名門大学と教育力を比較する研究会を開いた。  小宮山宏総長は「ランキングの多くは恣意的(しいてき)で、順位に一喜一憂するのは本末転倒」とあいさつ。浜田純一副学長も「ランキングは教育など大学の総合力を正確に反映しているわけではない。むしろ、似ている大学と比べることで長所や短所をはっきりさせた方が有益だ」と話す。  「世界の知の頂点を目指す」(小宮山総長)東大だが、英紙タイムズの07年のランキング(以下同じ)では17位。専門家評価は百点満点だが、国際性が50点以下なのが弱点だ。最近力を入れている国際化は「順位上昇作戦」にも見えるが、浜田副学長は「総合力ではすでに世界の10位以内だと思っている。ランキングの上昇自体が目的の努力をするつもりはない」。 ◆東北大「30以内目標」  一方、ランキングに対応しているように見える大学もある。  一橋大は200位にも入らず、「順位の低さに衝撃を受けた」(加藤哲郎・研究担当役員補佐)。そこで、同じ社会科学の総合大学でありながら06年には東大よりも上位(17位)に入った英ロンドン大経済政治学院(LSE)を現地調査。論文の英訳支援も始めた。加藤補佐は「人文科学と社会科学の部門別ランキングでまず100位以内を目指す」と意気込む。  大阪大(46位)は07年に初めてトップ50入りしたが、「論文の引用回数からみると30位以内に入っていてもおかしくない。10~20位台にはいきたい」(高杉英一副学長)。タイムズ側に対し、評価にあたる専門家が欧米に偏っているのではないかとして改善を求めるなど積極的だ。  慶応大(161位)は安西祐一郎塾長が05年、日本の大学のトップとしては初めてタイムズの編集部を訪れて算出の基準などを尋ね、そのころから塾長の海外出張を約2.5倍に増やした。坂本達哉常任理事は「慶応の国際的な存在感が高まり、結果としてランキングにもプラスに働いているかもしれない。50位に近づきたい」。  東北大(102位)は昨春、井上明久総長が「井上プラン」で「10年後のトップ30入り」を宣言。北村幸久副学長は「そのためにも世界中から優れた研究者や学生を獲得したい」。新年度からは優れた教授に月給を上乗せする「抜群教授」(ディスティングイッシュトプロフェッサー)制度を始めて、優秀な「頭脳」獲得に本腰を入れる。  東京工業大(90位)は「レベルに比べて国際的な知名度が低い」(大倉一郎副学長)弱点への対策として、07年3月から世界的な科学誌「ネイチャー」に大学紹介などの広告を出している。大倉副学長は「電子メールで購読者1万人にも配信されるので、評価にあたる専門家が見る可能性もある」と期待する。 ◆「ミカンとリンゴ比べるよう」  これに対し、ランキングに懐疑的な大学もある。  京都大(25位)の木谷雅人副学長は「多種多様な大学を順位付けできるのか疑問だ。信用が置けるものとは思っていない」。早稲田大(180位)の堀口健治副総長も「ランキングは英語の論文や理系が中心で、人文・社会科学系の力を十分反映していない。順位の上がり下がりに一喜一憂するのは間違っている」と話す。  一方、国立大学協会副会長でもある九州大(136位)の梶山千里総長は「順位を上げることは重要」としながらも、「カンフル剤のような一時的なものではなく、実質の向上がともなうような努力をすべきだ」。  大学は、ランキングとどう付き合えばいいのか。  東大の小林雅之教授(高等教育論)は「大学の力には数量化できないものも多い。リンゴとミカンを比べるようなものなので、距離を置いた方がいい」と言う。一方、神戸親和女子大の間渕泰尚専任講師(同)は「歌のヒットチャートと似ていて、上位でなくても、いい曲(大学)はあるが、上位にあるのはそれなりにいい曲(大学)だ。自校の改善のために賢く使えばいい」と話している。      ◇ 主な大学ランキング  最も有名なのは、英国の日刊紙タイムズの別冊高等教育版などが04年から発表しているもの。(1)研究力(専門家による評価が40%、教員1人あたりの論文引用回数が20%)(2)卒業生の被雇用力(企業の採用担当者による評価、10%)(3)教育力(学生1人あたりの教員数、20%)(4)国際性(外国人教員比率と留学生比率、各5%)から算出している。  上海交通大学が03年から発表しているものは、ノーベル、フィールズ両賞の受賞者数や科学誌「ネイチャー」「サイエンス」の掲載論文数などを基準にしていて、「研究力ランキング」の性格が強い。  米誌ニューズウィークが06年に発表したものは、タイムズと上海交通大学のランキングなどをもとにしている。 "[he-forum 13183] 毎日新聞4/1 毎日新聞2008年4月1日付 大学入試:国立大医学部、入学定員57人増へ--09年度から  文部科学省は31日、国立大12校が09年度から医学部の入学定員を計57人増やす計画を申請したと発表した。6月に大学設置・学校法人審議会に諮問され、同月末に認可される見通し。  医師不足解消のため、07年5月に国がまとめた「緊急医師確保対策」に基づく申請。今回申請したのは、筑波大▽千葉大▽岐阜大▽島根大▽広島大▽徳島大▽香川大▽愛媛大▽大分大▽長崎大▽佐賀大▽鹿児島大の12校。増員数は佐賀大(2人)を除き5人。 "[he-forum 13184] 高知新聞3/29 『高知新聞』2008年3月29日朝刊 高知大学長に相良氏再任 文科省  文部科学省は28日、高知大学の次期学長に相良祐輔・現学長を任命することを  決めた。渡海紀三朗文科相が同日の閣議に報告し、了承を得た。相良氏は4月  1日付で就任。任期は4年。  高知大の学長選考をめぐっては、相良氏再任を決めた学長選考会議の決定無効  を求めて、対立候補の高橋正征氏=高知大大学院黒潮圏海洋科学研究科長=ら  が大学を相手取って高知地裁で係争中。これに対し、大学側は2月28日付で、  相良氏を次期学長に任命するよう文科省に上申していた。  原告側の教授らは「非常に残念。学内の混乱を知った上で、文科省が相良氏の  再任を認めたことは、監督官庁として無責任であり、法廷の場で追及したい」  と、文科省に対しても任命取り消しを求める訴訟を起こす考えをあらためて示  した。  次期学長就任の閣議了承が得られたことについて、大学側は「正式な手続きを  踏んで上申している。それ以上はコメントできない」としている。 "[he-forum 13185] 共同通信4/2 共同通信2008年4月2日20時23分 道徳教育の教材に国庫補助 教育基本計画の答申案了承  中教審特別部会(部会長・三村明夫新日鉄会長)は2日、改正教育基本法に基づき策定する教育振興基本計画の答申案を了承した。道徳教育充実のため教材作りを支援する国庫補助制度や、小中学校約1万棟の耐震化、福田康夫首相が掲げる「留学生30万人計画」などが柱。ただ焦点だった教育予算の拡充については、財務省の同意が得られず具体的な投資額の明記を見送った。  基本計画は、2008年度から5年ごとの教育政策の目標や実施体制などを定めるもので、今回初めて策定する。中教審は4月中旬をめどに開く総会で渡海紀三朗文部科学相に答申。政府は4月中にも計画を閣議決定し、実施に移す。  答申案では、今後5年間に取り組む事項として(1)公立学校の学校選択制の普及や現行の「6・3・3・4制」の弾力化(2)幼稚園と保育所の機能を一元化した「認定こども園」を2000カ所以上に拡大-なども盛り込んだ。 "[he-forum 13186] 時事通信4/2 時事通信2008年04月02日16時03分 ハーバード大、記録的な競争率=学費免除で  【シリコンバレー2日時事】今秋に始まる新年度に向けた米名門大の入学選考結果が2日までに発表され、各校の競争率が軒並み過去最高を記録した。高校を卒業するベビーブーマー(団塊世代)ジュニアの数がピークを迎えている上、各校の学費免除策が好感され、志願者が殺到した。  ハーバード大には過去最多の2万7462人が願書を出し、1948人が合格。競争率は、米最古の私大として1636年に創設されて以来最高の約14倍(昨年は11倍)に達した。スタンフォード大も競争率11倍、エール大が12倍と、いずれも各校史上で最も「狭き門」になった。  「学費高騰で富裕層の子弟しか入学できない」との批判を受け、スタンフォード大は新年度から、年収10万ドル(約1000万円)未満世帯の子弟なら、年3万5000ドル(約350万円)の授業料を全額免除すると発表。ほかの名門私大も同様に学費免除策を強化しており、中低所得層の子弟も名門大を受験しやすくなった。 "[he-forum 13187] 山形新聞4/3 山形新聞2008年4月3日付 荘内銀が山形大院生ローン 授業料や学会出席旅費に  荘内銀行は2日、山形大と協定を結び、授業料や学会出席旅費などに使える「山形大学大学院奨学ローン」の取り扱いを始めた。大学院生が研究に専念できるようにするのが狙いで、県内初の大学院生専用ローン。修了後に県内の企業などで勤務する場合はさらに金利を優遇し、地元就職も支援する。  対象は山形大が推薦する大学院生で、入学金や授業料、図書購入費、海外を含む学会参加費などに使用できる。融資額は10万円以上300万円以下で、在学中は元本の返済を据え置くことができる。金利は変動金利で年2.6%(今月2日現在)。大学院生が県内企業などに就職した場合、その段階から金利をさらに0.5%優遇する。  荘内銀行と山形大は連携協力協定を結んでおり、産学連携活動を資金的にサポートするためにも、新たに奨学ローンの制度を設けたという。 "[he-forum 13188] 長崎新聞4/3 長崎新聞2008年4月3日付 長崎大が教職カリキュラムで協定 JAXA、県内5大学と  長崎大(齋藤寛学長)はこのほど、今月開設する教員養成のための大学院教育学研究科「教職実践専攻」のカリキュラムを連携して進めるための協定を県内五つの公私立大、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と結んだ。  従来の学校教育専攻を廃止し、文部科学省の教職大学院制度を活用した専攻を新設。子ども理解・特別支援教育実践、学校運営・授業実践開発など四コースを設置。県、市町教委との連携も図り、県内の小、中学校での実習に重点を置いたカリキュラムで人材を育成する。  県立大、長崎国際大、長崎ウエスレヤン大、長崎外国語大、長崎総科大の各連携大とJAXAから各一人の講師を受け入れる。締結に際し、長崎大の福永博俊理事は「県全体を通じて、資質の高い教員の育成に努めたい」と語った。 "[he-forum 13189] 河北新報4/3 河北新報2008年4月3日付 教養教育拡充図る 東北大がプラン改訂  東北大は2日、国際的な評価を高めるために取り組むべき課題を示した「井上プラン2007(東北大アクションプラン)」の2008年度改訂版を発表した。  新たに加わったのは、教養教育の拡充を図る項目など。教養教育を担当する「総長特命教授」に06、07年度の退職教授から3人を任命したほか、本年度内に「教養教育院」を創設する。  英語教育の強化策として、08年度から国際的英語能力テスト、TOEFL(トーフル)の受験を1年生全員に義務付けることも決めた。  記者会見した井上明久総長は「教養教育を充実させ、学生の質をさらに向上させたい」と述べた。  アクションプランは大学の総合評価で10年後の世界30位以内入りを目標に、昨年3月に作成された。教育、研究、社会貢献、キャンパス環境、組織・経営の5分野で、国際競争力を高める戦略を打ち出した。 "[he-forum 13190] 毎日新聞4/3 毎日新聞2008年4月3日付 教育振興基本計画:教員増、数値盛らず 中教審部会、答申案まとまる  06年12月に成立した改正教育基本法で策定が義務づけられた「教育振興基本計画」の答申案を、中央教育審議会の特別部会が2日、まとめた。今月中旬に開く同審議会総会を経て、渡海紀三朗文部科学相に答申し、今月中にも閣議決定される見通し。焦点だった教職員定数増へ向けた予算確保の具体的な数値目標は盛り込まれず、委員からは不満の声も出た。  答申案は、▽道徳教材活用のための国庫補助制度の早期創設▽幼稚園と保育園の両機能を持つ「認定こども園」を早期に2000件以上にする▽2020年をめどに「留学生30万人計画」を実現▽生涯スポーツ環境を整備し、成人の週1回以上のスポーツ実施率を50%とする▽大地震で倒壊の危険性が高い小中学校など1万棟の耐震化を優先支援する--などを盛り込んだ。  また、答申案は今後5年間で中心的に取り組む施策の一つとして、学習指導要領の改定と着実な実施を挙げ、「新指導要領の円滑な実施を図るため、教職員定数の改善をはじめとする条件整備を着実に実施する」とした。一方、「財政は大変厳しい。歳出改革の努力を継続する必要があり、施策の選択やコスト縮減が必要」とも記している。  文科省には当初、基本計画で予算確保の数値目標を定める狙いがあったが、財務省との交渉は難航。答申案は「意気込み」を示すだけにとどまり、一部の委員からは「これで『何かが変わる』との印象を受けない」などの声も出た。【加藤隆寛】 "[he-forum 13191] 高知新聞4/3 『高知新聞』2008年4月3日付夕刊 話題(夕刊記者コラム) 闘争の意味  つい10日前の卒業式には蕾だったキャンパスの桜が、きょうは春風に舞ってい  た。高知大学の入学式。2期目を踏み出した相良祐輔学長はどんな胸中でいる  だろうか・・・と考えずにはいられなかった。  全国の国立大学法人で初めて、学長選考をめぐって刑事告発が行われ、係争の  真っただ中にある高知大。文科省は相良氏を学長に任命したが、原告側の教授  らは認めていない。今後は文科省を相手に「学長任命取り消し」を求めるとい  う彼らに「無駄な裁判をやっている場合か」といった批判が挙がるのも当然だ  ろう。当初からこの問題を追ってきたわたしも、この裁判こそが高知大に混乱  を来しているのであれば、そう思う。  だが現実に医学部と農学部以外の学部が反旗を翻している中で、相良学長は次  の4年の舵をどう切るのだろうか。高知工科大や高知女子大の公立法人化の動  きをにらみつつ、道州制時代の大学法人の再編と向き合わねばならない時期。  これまで以上の“リーダーシップ”で学内の異論は封じ込める戦略だろうか。  裁判は今、「選考会議の決定に影響を及ぼす立場の者でないと原告になり得な  い」とする被告側の主張に基づき、入り口の議論がなされているが、これでい  くと、選考会議の権限の前には、異議を訴える権利さえないことになる。原告  側が「問うているのは大学の民主主義だ」といくら熱く語ろうが、その議論に  たどりつくことさえ許されない。それはおかしくないか。  あらためて感じる「国立大学法人法」の危うさ。わが高知大の学長選考問題が、  全国の大学法人にとって意味のある闘いにつながってほしい。 "[he-forum 13192] 河北新報4/3(2) 河北新報2008年4月3日付 昇格したい人手を挙げて 東北大、自薦式導入  東北大は今春、人事制度改革の一環として、事務職員の課長・事務長への登用制度に「自薦式」を導入した。2008年度人事では、自ら名乗りを上げた課長補佐クラスから新課長らを決めた。職員のやる気を引き出して組織の活性化を促すとともに、人事考課の透明性を確保するのが狙い。  課長・事務長は全学で約70人。80人ほどの課長補佐・専門職の中から年に3、4人が昇格している。これまでは所属長の推薦などで昇格者を決めていた。  課長補佐らを対象に2月、新制度実施を伝えたところ、約20人が立候補。理事5人が面談し、業績や昇格後に取り組みたい仕事を聞き取り調査した。資料を用意し、大学への提言を積極的にアピールした職員もいたという。  大学は「結果は本人と所属長にしか告げていない」として、昇格人数を明らかにしていないが、能力や適性を考慮して判断したという。  折原守理事(人事労務・施設担当)は「手上げ式は東北の気質になじまないのではとの懸念もあったが、予想以上の立候補者があった。職員の意欲を感じた」と手応えを語る。  東北大は、卓越した業績を挙げた教授に手当を上乗せ支給する「ディスティングイッシュト(優秀な)プロフェッサー」制度も導入。競争力を高めるための人事制度改革を進めている。  折原理事は「法人化以降、人件費抑制に伴いポストや人員を減らさざるを得ない。人材を育て、教職員一人一人の力を平準化することが必要だ」と話している。 "[he-forum 13193] 毎日新聞石川4/4 毎日新聞石川版2008年4月4日付 ’08北陸アカデミー:北陸先端科学技術大学院大・片山卓也新学長 ◇地域の大学院が連携を  開学から19年目を迎える北陸先端科学技術大学院大(石川県能美市)は、情報や材料などの分野で多くの研究者を輩出する一方、近年の国立大学法人化で厳しい大学間競争にもさらされる。1日にトップに就任した片山卓也・新学長に、白山ろくに位置する大学から北陸の「学」をどう見据え、導こうとしているのかを聞いた。【野上哲】  北陸先端科学技術大学院大は、大学院専門に教育を行う先駆的な国立大学院大として90年に開学。知識科学▽情報科学▽マテリアルサイエンスの3研究科などに3月現在、教員168人を擁し、学生913人(修士639人、博士274人)が学ぶ。  片山学長が掲げるのは「トップレベルの国際的大学院の構築」だ。  教員のレベルは高く、1人当たりの共同・受託研究費は国立大1位、論文数は6位。携帯電話の通信技術、人工臓器など医療材料、植物原料プラスチックなど世界的にオリジナルな研究もある。片山学長は「東大や京大にもないようなトップレベルの研究がある。優秀な研究者をまとめ、海外からも評価されやすいような『コア』(中核)を作りたい」と話す。  一方、質の高い学生を集め、育てることも重要。技術者や研究者など、学生の進路を見据えた「新教育プラン」を今年度から導入した。学部3年から飛び級で入学させ、通常5年の修士・博士課程を4年で終える一貫課程などを整備した。  また、中国やベトナムなどアジア地域からの留学生受け入れも人材確保の柱に置く。現在、学生全体の2割を占める留学生について、奨学金の拡充で「3割には上げたい」。1割にとどまる外国出身教員を増やすことも「国際化」の条件とする。  04年の国立大法人化で、各大学は研究費獲得などで厳しい競争下に置かれている。地方の小規模な教育研究機関にとっては、地域連携がカギだ。  「安穏とはしていられない」。片山学長は強調する。「1大学では、東大など巨大な大学には負けてしまう。地域の大学院がまとまって大きな予算を取ってくるなど連携が必要だ」。金沢大や富山大、福井大などとの共同研究や人材交流などを構想しており「北陸の地で仕事をする者として、旗振り役も務めたい」と意欲的だった。 ==============  ■人物略歴  ◇かたやま・たくや  日本IBMを経て67年に東工大工学部助手、85年に教授。91年、北陸先端科学技術大学院大教授に就任。安心電子社会研究センター長を経て現職。専門はソフトウエア工学。68歳。 "[he-forum 13194] 共同通信4/4 共同通信2008年4月4日 18時28分 全国初の「食の大学院」 10年度にも関西に設立  関西の大学が経済界や国の協力を受け、「食」に関する高度で広範な知識と技術を備えた専門家を育てる全国初の大学院計画を進めている。来年春にも大阪府立大が大阪市立大や私大とともに文部科学省に設置認可を申請し、早ければ2010年度に開校の見通しだ。  栄養学から食品流通や調理、外食産業の経営ノウハウまで多彩な講座を設け、人気、信頼性ともに高い日本食に通じた人材を輩出する総合機関を目指す。食材分析などで「食の安全・安心」にも貢献したい考え。  7日には設立に向けた懇談会が大阪市内で開かれる。石毛直道国立民族学博物館名誉教授を座長に、小嶋淳司関西経済同友会代表幹事ら財界関係者や、大阪府大、大阪市大、同志社大、関西大の各学長らがメンバーだ。 "[he-forum 13195] 共同通信4/4(2) 共同通信2008年4月4日19時08分 卓越教授に脳トレの川島さんら 東北大が25人に辞令  業績の優れた教授に特別な称号と手当を与える「卓越教授」制度を4月から導入した東北大は4日、初代の25人を発表した。教授陣約800人の中から選ばれたのは「脳トレ」などで知られる川島隆太教授(48)らで、井上明久学長から辞令交付を受けた。  正式名称は「ディスティングイッシュトプロフェッサー」で最大20万円が月給に上乗せされる。任期3年で再任も可能。待遇差の設定に異論もあったが、学内での切磋琢磨を期待し導入した。  理工、医学関係の研究に定評ある大学らしく、19人が理系。女性は2人だった。ノーベル物理学賞に有力と報じられた電気通信研究所の中沢正隆教授(55)や、金属探知機とレーダーを組み合わせた地雷識別装置を開発した東北アジア研究センターの佐藤源之教授(50)も名を連ねた。 "[he-forum 13196] 福井新聞4/6 福井新聞2008年4月6日付 教職大学院開講式 教育力向上へ34人決意  教育現場の中核を担う中堅教員や実践的な指導力を備えた新人教員を養成する福井大の教職大学院が新たに開設され、5日文京キャンパスで開講式が行われた。1期生34人が教育技術の向上へ決意を新たにした。  中堅教員が対象の「スクールリーダー養成コース」に45歳前後の19人、福井大など教育関係学部からの進学者や小中高校の講師ら新人教員を受け入れる「教職専門性開発コース」には15人が入学した。  大学院と協力する「拠点校」「連携校」に県内21カ所を選定。院生が勤める学校に専任教官が出向く〝出前方式〟で、授業の進め方やカリキュラム編成について事例研究を進めていく。  履修科目は「カリキュラムと授業」「子どもの成長発達支援」「コミュニティとしての学校」の3系統。通年の実習のほか大学での授業、夏期・冬期の集中講座などのカリキュラムが組まれている。修学は原則2年だが、1年での修了もできる。  開講式では、梅澤章男教育学研究科長が「教職大学院はよりよい学校づくりに向けた教師教育の切り札。積極的に研さんを積んでほしい」とあいさつ。院生たちは履修方法やカリキュラムの説明を受けた。講義は10日から始まる。  福井大教育地域科学部から進学した長田陽佑さん(22)は「これからの時代に必要な教育技術を実践で身につけたい」と意欲を高めた様子。同市至民中の高村祐司教諭(47)は「今までの自分の取り組みを見つめ直すきっかけにしたい」と話していた。 "[he-forum 13197] 神戸新聞4/5 神戸新聞2008年4月5日付 教職大学院スタート 兵教大「授業力」向上へ  兵庫教育大学(加東市)は四日、教員の「授業力」向上などを目的とした教職大学院の開設記念式典を開いた。現職教員三十六人を含む全国最多の八十五人が入学。現場実習など実践的なカリキュラムを設け、将来の校長など現場のリーダーを養成する。(金井恒幸)  教職大学院は、政府による教員資質向上策の一つ。本年度から十九校が開設され、県内唯一となる兵教大は定員百人に百二人が受験。兵庫県出身の三十四人を含め、二十二都府県から八十五人が入学した。  内容は「学校経営」「授業実践リーダー」など四コース。二百以上の学校や教育委員会と連携したインターンシップを導入。どうやって子どもに授業への興味を持たせるかなど、課題を解決する実習に力を入れる。  教育ジャーナリストや米国のスクールカウンセラーなど教授陣も多彩。道徳や生活指導など「心の教育」も重視する。  式典で梶田叡一学長が「教職大学院は教育改革の大きなステップ。今まで以上にレベルの高い教員を養成したい」と意義を強調。入学した姫路市立朝日中学教諭の重近世都子さん(47)は「心の教育を重点的に学び、得たことを学校で子どもたちに返していきたい」と話していた。 "[he-forum 13198] 神戸新聞4/5(2) 神戸新聞2008年4月5日付 廊下で大腸菌培養 神大大学院で内規違反か  神戸大は四日、大学院医学研究科の研究室が、遺伝子組み換え実験で作った大腸菌を実験室外の装置を使って培養していた、と発表した。こうした実験は菌の外部への拡散・流出を防ぐため、事前に登録した実験室内で実施することが、学内規則で定められている。今回のケースは、学内規則に違反する疑いが強く、大学は近く内部調査の結果を公表する。  大学によると、この研究室は五十代の男性教授が指導。実験はがんの病因解明を目的に、遺伝子を組み換えた病原性のない大腸菌を使い、情報伝達などを調べていた。教授らは事前に登録した実験室内ではなく、室外の廊下に保管していた「振とう培養器」で大腸菌を増やしていた。  大腸菌の拡散や流出被害はないという。  先月十七日、文部科学省に匿名の通報があり、学内の安全委員会が関係者に事情を聴いたところ、教授が「部屋が手狭になり、(装置を)外に出していた」と認めたという。教授の研究室は現在、全実験を自粛中。  大学は、遺伝子組み換え実験をする全学部に対象を広げて内部調査している。  高井義美・医学研究科長は「不手際が二度と起きないよう対策を講じたい」としている。 "[he-forum 13199] 毎日新聞長野4/5 毎日新聞長野版2008年4月5日付 信大大学院:岡谷にサテライトキャンパス開設 専門職を養成  信州大大学院の諏訪圏サテライトキャンパスが岡谷市本町のテクノプラザおかやに開設され、開所式が3日行われた。社会人対象の工学系の修士課程「超微細加工技術者育成コース」が置かれ、専門職養成を目指す。産学官が連携するサテライトキャンパス設置は飯田、塩尻両市に続いて3カ所目。  同コースは、07年度の経済産業省・人材育成事業を引き継ぎ、諏訪地域の企業に勤める23人が入学する。精密加工などの講義や連携企業での実習もある。  開所式で、小宮山淳・信大学長は「世界に誇れる技術人になるよう養成していきたい」とあいさつ。岡谷市の今井竜五市長は「レベルアップの最高の手段になると期待している」と祝辞を述べた。【武田博仁】 "[he-forum 13200] 毎日新聞4/5東京夕刊 毎日新聞2008年4月5日付東京夕刊 工学系進学情報誌:「女子高生向け」創刊 16大学が編集協力  工学系大学への進学にターゲットを絞った女子高生向け無料情報誌が今春、創刊した。工学部の進学希望者はここ10年で半減し、特に女子学生が占める割合は他の学部に比べて低い。こうした現状に、大学側が危機感を持っていることが背景にあり、工学系学部がある東京大、東京工業大、早稲田大、中央大など16大学が編集に協力した。  情報誌は、東京都千代田区の企画会社「アネスタ」が発行する「ハッピーテクノロジー」。8万部を製作し、全国の希望する高校に配布している。  A4判72ページの創刊号では、「工学系がわかる」というテーマで、工学系学部の入試科目、研究室での生活や女性に人気のある研究テーマ、卒業後の就職状況など、高校生が気になる情報を紹介している。また、工学部で学んだり、企業の技術者として働く女性たちのインタビュー記事を積極的に掲載した。進路選択の理由や研究開発の面白さ、充実感などを実体験として語ってもらい、志望の呼び水にすることをねらっている。同社は「日本は技術立国と言われるが、先進国の中では女性エンジニアが少ない。進路選択の参考にしてほしい」と話しており、今秋に次号を発行する計画だという。  文部科学省の学校基本調査(05年度)によると、工学系学部生に占める女子学生の割合は約10%で、理学(25%)、農学(40%)に比べても少ない傾向にある。【下桐実雅子】 "[he-forum 13201] 日本経済新聞4/5 日本経済新聞2008年4月5日付 中東各国、日本の大学と交流強化  中東各国政府が日本の大学との間で交流強化に動き出した。エジプトやサウジアラビアなどの政府が先端産業育成に役立てるため、情報通信、工学、省エネ技術などの分野で研究教育を活発にするほか、日本への留学生を増やす考え。  エジプト政府は同国第二の都市アレクサンドリア近郊に建設する「日本エジプト科学技術大学」に関して、日本の大学や政府に研究設備や教員、資金面で支援を打診中。早稲田大学、九州大学などと連携を目指す。情報通信、ロボット工学、材料科学などを柱に据える。 "[he-forum 13202] 西日本新聞4/5 西日本新聞2008年4月5日付 九州大学伊都キャンパス 教育棟完成半年遅れ 図書館も 業者側が契約解除  九州大学は4日、移転整備を進めている同大伊都キャンパス(福岡市西区)で、増築する理系図書館と新築する数理学研究教育棟の利用開始が計画から半年遅れの2009年10月にずれ込む見通しを発表した。建築確認審査の遅れなどから、建設契約を締結していたロッテ建設(東京)と勝村建設(同)の共同企業体(JV)が契約解除を申し出た。同大は「別の業者を探すが、教育研究への影響はほとんどない」としている。  同大によると、工事は2階建ての図書館を4階建てに増築し、6階建ての教育棟と両建物をつなぐ渡り廊下を新築する内容だった。同大は昨年9月の入札で、同JVと約20億7000万円で契約していた。しかし、建築確認を厳格化した昨年6月の建築基準法改正の影響で、今年1月までを見込んでいた審査に遅れが生じ、九大側は直ちに着工を求めたが「JV側は打開策の協議にも応じなかった」という。  契約解除は3月下旬に要請があり、同大は4日、解除を認める文書をJV側に送った。教育棟には教員約70人が研究室を置く予定だが、完成までは移動を見合わせる。  ロッテ建設の担当者は「解除を要請したのは事実だが、具体的内容はコメントできない」としている。 "[he-forum 13203] 時事通信4/6 時事通信2008年04月06日02時34分 わいろ、遊興費に使う=文科省前部長汚職  国立大学の施設整備をめぐる汚職事件で、収賄容疑で逮捕された前文部科学省文教施設企画部長大島寛容疑者(59)が、わいろを遊興費に使っていたことが5日、警視庁捜査二課の調べで分かった。  逮捕容疑の約50万円以外にも、贈賄側から現金を受領した疑いが浮上。同課は利益供与総額が数百万円相当に上る可能性があるとみて調べている。  大島容疑者は2006年4月上旬、国立大学が発注する施設整備計画の補助金情報を教えた見返りに、五洋建設の子会社「ペンタビルダーズ」顧問倉重裕一容疑者(58)から現金約50万円を受け取ったとして逮捕された。  調べによると、大島容疑者は手渡しでわいろを受領し、遊興費に充当。倉重容疑者は五洋建設出身で、2人は10年以上前に知り合い、同容疑者は密接な関係を築こうと働き掛けたとみられる。  2人は海外旅行やゴルフをしていたほか、大島容疑者は逮捕容疑以外にも現金を受領。捜査2課は接待も含めて数百万円相当の利益供与があったとみて調べている。  大島容疑者は2000年4月に文教施設部(当時)計画課長に就任。参事官も歴任し、わいろ受領時は国立大学の施設整備の企画立案を統括する文教施設企画部長だった。  ペンタ社側は事業受注に、大島容疑者から得た情報を活用。05年度まではほとんど受注がなかったのに、06年4月以降の受注額は電気通信大学の改修工事などで、少なくとも2億円に急増させたという。 "[he-forum 13204] 北國新聞4/5 北國新聞2008年4月5日付 産学連携を本格推進 北陸の18信金  北陸地区信用金庫協会は四日、北陸の全十八信用金庫が参加するビジネス商談会「北陸ビジネス街道2008」について、十月三日に金沢市の石川県産業展示館で開催すると発表した。今年は「技と伝統のものづくり」をテーマとし、企業同士の商談に加え、教育機関と企業も事前に引き合わせ、産学連携を本格的に推進する。  北陸の五百社・団体の出展を想定し、県産業展示館の1、2、3号館を借り切る大規模な商談会となる。東海、近畿地区の信金を通じて、両地区の企業からの出展も募る。  前回好評だった個別商談会をさらに充実させ、地場の有力企業や大手企業六十社が参加し、信金の取引先などとの商談を行う。また、「医療・介護・福祉ゾーン」を新設し、環境ゾーンを拡充する。  今月十四日から、来月末まで出展企業を募集する。十八信金の本支店窓口で申し込みを受け付ける。募集数に達した時点で締め切る。問い合わせは、北陸地区信用金庫協会=076(261)2836=へ "[he-forum 13205] 毎日新聞愛媛4/5 毎日新聞愛媛版2008年4月3日付 教育費:大学学費+生活費=204万円 年収32%占め、9割「負担ずしり」  ひめぎん情報センターはこのほど、今年の「大学生の教育費に関するアンケート調査」結果の概要を発表した。教育費の金額はやや減ったが、家計に占める割合は増え、親の年収の低下傾向を反映した結果となった。  調査は今年1月、大学や専門学校などに通う子を持つ県内500世帯を対象に行われ、有効回答率は57%だった。「進学の理由」は82%が「本人の希望」を挙げたほか「専門知識を身に付けるため」21%、「希望の職業に就くため」20%などが目立った。同センターは「入学以前から就職に対する意識の高さがうかがわれる」とした。  受験にかかった総費用は50万1000円(前年比4万7000円減)、1年目の学費128万3000円(同11万1000円減)、学費に生活費などを足した総費用も204万5000円(同2万7000円減)と減ったものの、総費用の年収に占める割合は32%(同0・2ポイント増)を占め、教育費の負担感が「大きい」「どちらかといえば大きい」とした回答は91%に達した。【古谷秀綱】 "[he-forum 13206] 中国新聞4/5 中国新聞2008年4月5日付 広大病院に残業代で是正勧告  広島大が大学病院(広島市南区)の教職員の残業代を払っていないなどとして、広島中央労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが4日、分かった。大学は医師や事務職員ら計約2100人に過去2年2カ月分の自己申告表を配り、実態解明を進めている。  人事部などによると昨年12月、労基署が2度にわたり抜き打ち検査し、医師らから残業代や勤務実態を聞き取り。2月14日に是正勧告をしたという。  大学は3月、退職者を含めた2088人に自己申告表を配布。2006年1月から今年2月までの勤務時間を記入するよう求めている。越智光夫病院長は「結果がまとまり次第、不払い分を支給する」とし、早ければ6月に支払う見込みだ。  残業申告は看護師の場合、時間をパソコン入力しており、学内には「管理職がデータを改竄(かいざん)したのではないか」との指摘もある。 "[he-forum 13207] 毎日新聞4/7 毎日新聞2008年4月7日付 新教育の森:学テ巡り沸く議論 教委の独立性に波及  ◇不参加の愛知・犬山、市長と教育長対立続く  22日に実施する全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、愛知県犬山市が昨年に続いて自治体で唯一、不参加を決めた。しかし、参加派の市長と不参加派の教育長との対立が表面化。テストの意義にとどまらず、教育委員会の独立性にまで及ぶ議論が続いている。【安達一正、花井武人】  ◆委員交代で逆転狙う  「義務教育である以上、国の方針に従ったらどうか」「地域や学校で自主的に物事を考えたい。唯一の不参加は誇りとすべきだ」。今年度のテスト参加問題が議題となった2月の市教委定例会。委員が不参加派3人と参加派2人に分かれ、議論の応酬が続いた。全員一致で不参加を決めた昨年とは一転した光景を、議場の隅で田中志典(ゆきのり)市長が見つめていた。  市長は06年12月に就任。選挙中からテスト参加の方針を表明し、就任後は不参加を推進してきた瀬見井久教育長を「独裁的」などと批判、参加に向けた布石を打ってきた。  最大の「武器」が、首長の教育委員の任命権。教育委員会は政治的な中立性確保のため、首長から独立して合議制で教育事務を処理する。一方で、委員任命は首長が議会の同意を得て行う。田中市長は委員の任期満了などに合わせ07年12月、委員2人を参加派に入れ替えた。  市長は地方教育行政法の改正で今年4月から委員の定数増が可能になったのを受け、テスト実施直前の増員も模索した。評決の逆転による参加を目指したが、性急な手法には市議会内から「教委の独自性を尊重すべきだ」などの批判も出て、早期の増員を断念する形で不参加が確定した。だが、市長は「来年は参加する」と話し、4月8日の臨時議会に1人増員の人事案を提案する予定だ。  ◆授業改革に自負  一方、瀬見井教育長は「ノーコメント」と表だった市長批判を避けてきた。教育長は97年の就任以来、少人数教育などを柱とする教育改革を推進。テスト参加を拒み、市長の「攻勢」にも無関心を装う背景には、市独自の教育への自負がある。  市教委によると、市内の小中学校14校のほとんどで、1クラス30人程度の少人数学級を実現。クラス数増加などに対応するため、市は01年度から市費による講師採用を始め、07年度は常勤8人、非常勤55人を採用した。  「ゆとり教育」による学習量減少を補うためとして、02年度からは小学生向けに独自の副教本(算数、理科、国語)も作成。現場の教師が製作に携わり、子どもらの反応を見ながら毎年改訂作業を行っている。副教本を活用するには授業時間の増加も必要として、04年度からは小中学校に2学期制を導入。年間おおむね30~40時間の授業時間増に結びついているという。  授業では、子どもを数人のグループに分けて問題を一緒に解かせるなど、子ども同士や教師との活発なコミュニケーションを重視。「子ども主体の授業の中で、子どもたちが自ら学ぶ力を身につけている」と市教委は胸を張る。  ◆意見交換会でも賛否  テスト不参加を巡っては、市民の間に賛否の声がある。  不参加決定後の3月下旬、市教委は市民対象の意見交換会を計4回開催。毎回約50~80人が参加した。  会場からは「テストによる評価基準は必要で、『良い教育をしている』だけでは納得できない」「自主独立の精神で今後もやってほしいとは思うが、犬山だけが不参加にこだわる現状に違和感を覚える。テストに参加しても独自性がぶれるとは思えない」と参加を望む声が相次いだ。  一方で、「国が自治体に競争を強いるようなテストには不満。市教委の目指す教育に納得している」「教育内容に自信を持っているのなら、テストは必要ない」と市教委を擁護する声も聞かれた。  市教委は「寄せられた意見は、学テ問題に限らず、今後の犬山の教育のあり方を考える参考にしたい」と話し、意見交換会を続ける意向だ。  ◇参加望む民意、反映させたい--参加派・田中志典市長  --テスト参加を目指す理由は。  市教委は不参加を決める前に、説明会や意識調査を行うなどして、保護者らの意見を聞くべきだった。参加にこだわっているわけではないが、決定前のそうした努力がなされておらず、手続きに疑問を感じる。不参加の決定に対しては、参加を望む市民の声もある。市民の意見の反映が不十分である以上、参加の声を市教委に伝えることが、市長としての私の役割だ。  --テストの意義や目的をどう評価するか。  (学力を測る)評価の物差しとなり、やるだけの意義はある。何事にも長所と短所があるが、良い面を無視して、反対ばかりでは進歩がない。市教委は学テは駄目だと言いながら、業者テストは実施しており、なぜ学テだけこだわるのか分からない。自らの教育に胸を張ることも必要だが、独善的にならず、謙虚に物事を考えてほしい。  --教育委員の入れ替えの目的は。  瀬見井教育長を中心とする市教委の取り組み、功績は認める。しかし、誰も教育長に逆らえない雰囲気があり、組織のあり方をもっと民主的に改善すべきだ。そのためにまず2人を入れ替えた。交代により多彩な意見が教委内に出て、学テを巡る議論が活性化したと思う。  --増員を目指す手法に、教委の独立性を脅かす「政治介入」との批判もある。  公正な民意を教委に反映させたいとの思いでやっているのに、「政治介入」とは全く的外れの見方だ。委員の交代で議論が深まったが、さらに活性化させ、現在の体制を刷新していく必要がある。  ◇対抗すべき相手は国--不参加派・瀬見井久教育長  --なぜ不参加なのか。  学力テストは教育の中に競い合いの原理を持ち込み、義務教育になじまない。国は「授業改善に役立つ」と意義を主張するが、役立たない。授業改善とは、現場の教師が子どもの姿を見ながら進めるものだ。学力の状況を知りたいのであれば、抽出による実施で十分。  --決定前に市民の声を聞くべきだとの声がある。  教委の決定の重みが分かっていない意見だ。制度的に与えられた権限に基づき、5人の委員による合議制で、英知を結集して話し合っている。正当な権限を行使するに際して、あえて広く意見を聞く必要があるのだろうか。  --市長との対立が注目された。  学テ問題は国と地方との問題であり、我々のターゲットは(市長ではなく)国だ。市長の委員の入れ替えなどを静観してきたのは、これまでの我々の教育の取り組みに自信があるから。市長の対応でテストの話題が政治問題化した感じはするが、教育委員会の独立性などを考えるきっかけにもなったのでは。  --2年連続で全国唯一の不参加だが。  国と地方の義務教育における役割は本来違う。国は少人数教育のための教員増に対応した予算措置を講ずるなど、財政的な機能を果たせばよい。市町村教委は、子どもの学力を保障する責任がある。犬山はこの責任を果たしているから、テストに参加する必要はない。他に不参加がない現状は、犬山以外の教委が責任を果たしていない表れ。テストの話題ばかりが騒がれるが、こうした現状こそ、義務教育にとって憂うべき問題だ。 "[he-forum 13208] 朝日新聞4/8 朝日新聞2008年4月8日付 未来生活、世界に提案 東京大学 小宮山宏総長  少子化に伴う「大学全入時代」。国内だけでなく、海外の大学との競争も激しくなってきた。大学が教育や研究で、目に見える成果をあげるには「学長力」が不可欠だ。東京大の小宮山宏総長は「東大を世界の知の頂点に」と訴え、キャンパスの国際化や産学官連携に奮闘する。(山本晴美) ◆環境や高齢化テーマに実験  ――世界の頂点ですか。ちょっと遠い目標では?  「そんなことはない。ボクは東大を日本、さらには世界の課題解決に役立つ大学にしたいと思っている。日本が世界に先駆けて解決しなければならない環境、高齢化といった課題に対し、有効な提案をたくさんできれば、世界の知の頂点に立つのは決して夢ではない」  ――いい提案ができそうですか。  「一例を紹介しよう。千葉県の柏(かしわ)・流山地域でいま、環境や高齢化をテーマにした近未来のまちづくりをめざし、様々な実験を始めている。つくばエクスプレス・柏の葉キャンパス駅前の13平方キロで、東大や千葉大のキャンパスがあるところ」  「ウェブサイトや携帯電話で乗車時刻、場所を指定するような『オンデマンドバス』とか、人と環境にやさしい『屋根つき三輪自転車タクシー』とか、高齢者がトレーニングマシンで無理なく運動できる『十坪(とつぼ)ジム』とか……。自然を汚さず、高齢化社会を心地よく過ごすにはどうすればいいか、大勢の研究者が知恵と技術を出しあって、いろんな実験をしている」  ――千葉大とも連携しているのですか。  「もちろん。千葉大には漢方、はり、きゅうなどの研究成果が豊富にある。千葉県や柏市などの自治体、市民らが参加しているのに加え、この辺に拠点をもつ企業が支援会をつくってくれた。ここから近未来の自動車や住宅も生まれそうだ」  ――社会に開かれた大学になってきましたね。  「もはや研究室に閉じこもり、タコつぼ型に細分化された分野を追究する人たちだけでは通用しない。30年先、50年先を見据えることのできる大学こそが、ヒトとカネを集めながら地域社会といっしょになって、未来生活のモデルをつくらなければ。それを世界に提案できれば大成功だ」 ◆逸材確保狙い 海外拠点は140  ――総長に就任した05年、アクションプラン(行動計画)を発表し、改革を公約にしました。任期4年のうち3年たって、どこまでできました?  「印象としては150%できた。7分野で140項目余りあるから、もちろんできないものもある。だが予想を大きく上回ってできた項目が多い。やはり全体の目標を示し、大学の内外に繰り返し、協力をお願いして回った効果は大きい」  ――予想をはるかに上回ってできたのは?  「国際化が一例。『海外拠点130カ所』を掲げてびっくりされたが、すでに140カ所に迫る。欧米、中国、インド、ロシア……。研究所やオフィスを開き、情報収集、共同研究、留学生交換などをやりやすくする。有能な外国人研究者や留学生を迎えるための宿舎づくりも、130室とか500室とか、千葉と東京でメドをつけた」  ――勉学欲の旺盛なアジアの学生を集めるため、欧米の有力大も躍起と聞きます。  「そうなんだ。負けてはいられない。東大も奨学金を携え、採りに行かないと。企業の資金協力を得て、中国の逸材を毎年10人ほど招く仕組みをつくったが、今度はそれをインドに応用し、毎年30人ぐらい招くつもり。日本人学生の英語力を磨く講座や、英語による授業も増やしている。近未来には、学部学生の3分の1が、外国人留学生になればいいと思ってね」  ――えっ、3分の1も?  「多くの言語や文化、考え方が交じりあう多様性の中でこそ、次世代のリーダーが育つと思う。すべての東大生を1カ月ぐらいは海外に滞在させ、勉強やインターン(研修生)を経験させるのも夢なんだ。そのために今、学生を送り込める国際プログラムを集めている」 ◆資金を集める専門部署設置  ――いろんな改革に先立つものは資金でしょう。  「ほかの先進国に比べると、日本の高等教育には5兆円の財政支出があっていい。でも国の台所事情が許さず、2兆円ほどしかない。運営費交付金は東大だと、毎年12億から13億円ずつ減らされる。この減額を補い、さらに改革を進める資金を得るのに相当な苦労をしている」  ――どんなふうに?  「20人ほどで資金集め専門の渉外本部を作った。優れた教育研究拠点に国が重点配分する資金を、積極的に申請するほか、企業から寄付を募り、基金にして金融機関に運用してもらう」  「ボク自身、ずいぶん企業を回ってお願いした。なんとか08年度中に、基金500億円を達成できるんじゃないか。そのほか、すぐに使わなくていい手元資金を集め、近いうちに運用総額を2千億円にして、運用益から毎年20億円ほどの戦略資金を得られるような態勢にしたい」  ――欧米の名門大は数千億から兆円単位という、けた違いの基金をもつと言います。  「そんな巨額の資金力をもつ大学と、国際舞台で競わなければならないのが現実だ。日本でも、米国のような寄付文化を徐々に根づかせるしかないだろう。そのため政府には、企業や個人が大学に寄付をするとき、法人税、所得税、相続税のそれぞれで税額控除などの優遇を受けられるよう、制度の創設や改善を強くお願いしている」     ◇ 【近年の主な改革】 03年3月 東大憲章を制定 05年1月 経団連の協力で、東大産学連携協議会が発足 05年7月 東大史上初のアクションプランを発表 06年11月 国内外の著名人による「総長諮問会議」が発足 07年6月 大学発のベンチャー支援施設を開設     ◇ 〈プロフィール〉栃木県生まれ。化学工学や地球環境工学の専門家。東大大学院を修了後、助手、助教授から43歳で教授に。工学部長、副学長を歴任し、選挙をへて05年4月、28代目の総長に就いた。07年から国立大学協会会長も。「課題先進国 日本」など著書多数。63歳。 "[he-forum 13209] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に33号(4/12シンポ案内など)] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に33号(4/12シンポ案内など) Date: Wed, 9 Apr 2008 12:28:10 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org To: NQJ35480@nifty.com ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 33号 2008年4月9日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html G8サミットが近づき、すでに入国できなかった活動家などが出てき ています。 今後、さらに治安維持の強化が危惧されます。12日にはG8サミット と監視社会をめぐるシンポを開催します。また、23日には、盗聴法 廃止、住基ネット廃止の院内集会が連続して行われます。ぜひご参 加ください。 ────────────────────────────── 33号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  4/12 シンポジウム「G8サミットで拡大する監視社会」  4/23 盗聴法廃止法案の提出を求める院内集会  4/23 住基ネット廃止法案の提出を求める院内集会 ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆4/12 シンポジウム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  G8サミットで拡大する監視社会  ─「何」から「誰」を守るのか?─  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 4月12日(土)13時30分~16時30分 ところ 全郵政会館大会議室(東京) ○JR中央・総武線千駄ヶ谷駅下車徒歩3分 http://www.jprouso.or.jp/guide/hall/index.html#02 ◇プログラム  G8サミットの現地から    新田真澄さん(プライバシーアクション・札幌)  外国人への監視体制・US-VISIT    旗手明さん(自由人権協会)  監視カメラと顔認識    吉村英二さん(日本消費者連盟)  G8サミットとNシステム    浜島望さん(一矢の会)  G8サミットを理由とする市民運動の規制    弁護士グループから ◇参加費 1000円 ◇共 催  一矢の会/盗聴法に反対する市民連絡会/ネットワーク反監視プ  ロジェクト/反住基ネット連絡会/フォーラム平和・人権・環境  /プライバシーアクション(2008.3.7現在) ◇連絡先  日本消費者連盟 Tel.03-5155-4765  ネットワーク反監視プロジェクト Tel.070-5553-5495  プライバシーアクション Tel.090-2302-4908    ──────────────────────     2008年7月に北海道洞爺湖で行われるG8サミッ    トの警備を理由として、警察などによる市民への    監視が拡大しています。札幌では先頃、地下鉄駅    構内などへの160台にも上る監視カメラの増設を    決定。公園の使用自粛要請やサミット会場周辺へ    の立ち入り規制、上空の飛行禁止措置のほか、公    共交通機関での警備など、""過剰警備""の枠を超え、    近年進む監視社会化を加速度的に強めています。     そうした監視強化の理由として、毎度のごとく    「テロの脅威」が持ち出されますが、いったいど    のような脅威があるのか、具体的・合理的根拠が    示されたことはありません。こうした流れは9.11    事件以降のことですが、2001年の事件以来、6年    以上の間、「テロ攻撃」が日本国内で行われたこ    とは一度もありません。     その一方、サミット期間中、全国の都道府県警    から警備要員が現地に動員されるなどして、市民    生活と関わりのある犯罪対策は手薄になろうとし    ています。     いったい、日本政府は何から誰を守ろうとして    いるのでしょうか?     私たちは、このような不明瞭な「テロの脅威」    を振りかざして、私たちの自由が奪われていく状    況を、とても危惧しています。どんな監視が行わ    れ、どんな自由が奪われているのか、そして、そ    れに対抗していくためには何が必要かを話し合う    ために、上記のようにシンポジウムを開催します。    ぜひご参加下さい。 ◆4/23院内集会(その1) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━  盗聴法×共謀罪=超!監視社会  盗聴法廃止法案の提出を求める院内集会  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき  4月23日(水)12時30分~13時30分 ところ 参議院議員会館第4会議室 ○東京メトロ有楽町線南北線永田町駅・千代田線丸の内線国会議事  堂前駅 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm ◇報告  海渡雄一さん(弁護士) ◇発言  国会議員、市民団体 ◇主催  盗聴法廃止!ネットワーク  盗聴法に反対する連絡会 ◇連絡先  日本消費者連盟 Tel.03-5155-4765  東京共同法律事務所・海渡 Tel.03-3341-3133  国民救援会 Tel.03-5842-5842 ◆4/23院内集会(その2) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━  司法がダメなら立法がやる!!  ─ 住基ネット廃止法案の提出を求める院内集会 ─   行政機関の個人情報運用に「最小化原則」を   情報技術活用に「地方自治」を  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき  4月23日(水)13時30分~14時30分 ところ 参議院議員会館第4会議室 ○東京メトロ有楽町線南北線永田町駅・千代田線丸の内線国会議事  堂前駅 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm ◇講演  住基ネット最高裁判決について   右崎正博さん(獨協大学法科大学院教授) ◇報告 各地域の取り組みから ◇発言 国会議員、市民団体から ◇主催   反住基ネット連絡会 http://www.juki85.org/  盗聴法に反対する市民連絡会 ◇連絡先  日本消費者連盟 Tel.03-5155-4765 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第33号おわり・このメルマガは不定期発行です> ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます ━【まぐまぐ!からのお知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「今年こそ、夏がくる前にやせたい!」「スッピン美人になりたい!」 「ジュースやお茶のまとめ買いをしたいけど、持ち帰るのはメンドウ…」 欲しいものがきっと見つかる!ショッピングサイト http://gather.mag2.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -- *----------------------------------* Yasuhiro ISCIDA 1-4-16, Osugi, Kita-ku, Nagoya 462-0837 GIAPPONE e-mail: NQJ35480@nifty.com Tel & Fax: +81-52-931-3508 *----------------------------------* "[he-forum 13210] 共同通信4/9 共同通信2008年4月9日16時50分 101大学・法人で実施 教員免許更新の試行講習  2009年度から教員免許更新制が始まるのを前に、文部科学省は9日、国の更新講習プログラム開発委託事業として、全国101大学・法人の試行講習を採択した。講習の問題点を確認し改善を図るのが目的。  改正教員免許法の規定では免許の有効期間は10年。教員は更新の際、大学などで必修領域12時間以上、選択領域18時間以上の講習を受け、修了認定を受ける必要がある。最も早い教員は11年3月に免許の有効期限が切れるが、今回の試行講習を受講すれば、更新制実施後の講習が免除されるものもある。  試行講習は5月以降に始まるが、大半は夏休み期間の7、8月に実施。へき地や島しょ部の教員向けに、出張講習をしたり、インターネットを使ったりする講習もある。  必修領域の「教育の最新事情」を扱う講習が多いが、「博物館の活用力を高める」(国立科学博物館)、「学校などに理不尽な要求をするモンスターペアレント対策」(相模女子大)といった特色を打ち出した内容もある。 "[he-forum 13211] 読売新聞4/9 読売新聞2008年4月9日付 医学部生に研究のススメ 大学、人材確保へ体験機会  医学研究に興味を持ってもらおうと、医学部生に研究を体験させる大学が増えている。臨床重視の医学教育改革で大学院進学者が減り、将来、研究や教育を担う人材が不足するという危機感が背景にある。  東京医科歯科大は2005年から、臨床実習前の4年秋から、半年間研究に取り組む「自由選択学習」を必修化した。テーマは遺伝子の機能解析などの基礎医学から医療事故防止などの社会医学まで多彩。学生の希望で、海外の大学で研究することもある。過去3年で論文が10本、権威ある医学誌に掲載されるなど、研究成果も上がっている。  武井ゆりあさん(22)は、がんの抑制に関連する分子の調節機構について研究した。「短い期間だったが、ミクロの研究を通じて、医学全体への広い視点の必要性を学んだ」と話す。  今年2月の成果発表会では、ポスターの前で説明する学生に、同級生や先輩医師から質問が飛び、学会さながらの緊張感が漂った。07年度のアンケートでは約65%の学生が「今後も研究を続けたい」と答えた。  04年から医学部卒業後、2年間の臨床研修が必修化され、若手医師が大学に戻らなくなっている。全国医学部長病院長会議が昨年まとめた調査では、75%の大学が大学院進学者が減少するなど研究者育成に影響が出ていると回答した。  名古屋大は1992年から3年生全員に「基礎医学セミナー」として約半年間の研究を必修化して、「研究の面白さ」を伝える試みを続ける。「臨床医になる人にも研究の視点は大切。データの見方など、研究のイロハを学生で経験するメリットは大きい」と、古川鋼一教授は強調する。  同大は研究者確保を目的に07年から、学部と大学院教育を一体化して、9~10年間で医師免許と博士号を取得できる特別コースを設けた。東京大や東京医科歯科大、神戸大、徳島大なども同様のコースを設置したが、就学期間が延び、授業料や生活費の負担が大きくなるため、進学希望者は伸び悩んでいる。  東京医科歯科大の田中雄二郎教授は「医師の視点を持つ研究者不足は臨床医学の遅れを招く。奨学金の充実など国としての対策が必要」と訴える。(片山圭子) (2008年4月9日 読売新聞) "[he-forum 13212] 共同通信4/7 共同通信2008年4月7日18時52分 サントリーと東大が共同研究 水資源の保全など  サントリーと東大は7日、水に関する研究を共同で進めると発表した。サントリーが東大に4億円を寄付し、東大の教員が水資源の保全などの研究・教育に取り組む。  研究期間は4月から5年間。世界各地で深刻化している水不足や、食料生産に与える影響などの問題を体系的に整理。農学や河川工学だけでなく、芸術や歴史、政治経済などの分野も研究対象にする。  研究成果はインターネットで公開するほか、小中学生向けに本も出版し、水問題への関心を高めたい考え。  記者会見した東大の小宮山宏学長は「国際社会では地球温暖化だけでなく、水の問題が重要課題になりつつある」と研究の意義を強調した。  ウイスキーなどの原料として水を使い、森林を守る活動も手掛けるサントリーの佐治信忠社長は「研究を水源地の保全や節水などの取り組みに役立てたい」と話した。7月4日には記念シンポジウムを開く。 "[he-forum 13213] 北國新聞4/10 北國新聞2008年4月10日付 金大こつこつ省エネ エレベーター休止、日中の消灯 全学挙げ取り組み エレベーター前に張られた運転休止を告げる張り紙=金大角間キャンパスの自然科学研究科1号館  金大は四月から、全学挙げて省エネに取り組んでいる。二〇〇六(平成十八)年度以降、環境保護と経費節減の両面から目標にしている「エネルギー費用の前年度以下」を二年連続で達成できなかったため。早速エレベーター休止や日中の消灯徹底などが始まり、「ちりも積もれば山となる」の節約効果が期待されている。  金大財務企画課が二月中旬、〇七年度のエネルギー削減について「計画達成が極めて厳しい状況」と各部局に通知し、緊急経費節減対策の実施を求めた。  角間キャンパスの自然科学研究科棟では、今月一日からエレベーター九基のうち、三基を休止した。建物は七階建てで人の出入りも多いため待ち時間は延びたが、学生らも「省エネになるなら」と協力的だという。  附属図書館や病院を含めたその他の部局でもそれぞれ省エネ対策を始め、昼間の消灯徹底や冷暖房の時期、設定温度の見直しなどが進められている。教職員からも「図書館内の照明を減らしてはどうか」といった提案があったという。  金大は、運営費交付金の削減や病院再開発事業の影響で厳しい財務状況が当面続くと予想し、〇六年度計画から本格的に光熱水料、燃料費などの経費抑制を打ち出してきた。  しかし、重油価格の高騰などが影響して〇六年度の光熱水料等費は約九億三千六百万円と、〇五年度から二千九百万円余増加した。未確定の〇七年度分についても、「光熱水料等費が〇六年度を上回るのは確実な見通し」(財務企画課)という。  財務企画課は「学生へのサービスや研究に必要な経費は削れないが、まだまだ無駄がある」とし、教職員の協力を得てさらなる経費抑制案を検討する方針である。 "[he-forum 13214] 読売新聞4/8 読売新聞2008年4月8日付 東大が創立130周年を記念、総合学術誌を発売  東京大学が創立130周年を記念し、中高生などに学問の面白さを伝える総合学術誌「アカデミック・グルーヴ」(東京大学出版会、税抜き1200円)を12日発売する。少子化を迎え、早くから大学への関心を呼び覚ますのが狙いだ。 中高生などを対象 知の楽しさ紹介  帯に「東大が世に贈る『学問のおもしろさ』を伝える本。」のコピー。誌名は最先端の学問の場に漂うワクワク、ドキドキ感を表す言葉だという。  経済人の心の動きを分析する行動ゲーム理論、車・人・インターネットの交通渋滞を理学と工学の両面で研究した渋滞学といった斬新な研究を、東大教授らが写真や図表を使って紹介。「シンポジウムに行こう。」「知られざる学術誌の世界」といった特集コーナーで、知の現場の熱気を伝える。  東大は1994年、教養学部の基礎演習テキスト「知の技法」(東京大学出版会)を出版し、累計45万部のベストセラーになった。今回の「アカデミック・グルーヴ」は専門的レベルを守りつつ、親しみやすさを前面に出す。  「すべての学問は仮説である……か?」と、刺激的なタイトルで宇宙物理学の佐藤勝彦教授らの論考も載せ、「知」のあり方を世に問うている。 "[he-forum 13215] 共同通信4/12 共同通信2008年4月12日11時34分 遺伝子実験全学で停止 実験菌廃棄で神戸大  神戸大大学院医学研究科(神戸市)の久野高義教授(57)(分子薬理・薬理ゲノム学)の研究室で遺伝子を組み換えた大腸菌などをずさんに廃棄していた問題で、神戸大は12日までに、学内の全研究室で遺伝子組み換え実験の停止を命じた。  全学で科学実験を差し止めるのは異例。停止命令は学長名で、医学、理学、農学研究科など自然科学系の12部局に11日付で通知した。大学は「全学的な調査が必要と判断した」としている。  また学生を含む遺伝子実験の研究関係者全員に実験に関する調査票を配布。実験内容や廃棄の際の処理方法などについて回答を求める。安全が確認された時点で停止措置を解除する方針という。  神戸大では遺伝子組み換え実験の際、大腸菌などを使った培養液を殺菌せずに実験室の流しに捨てたほか、廊下で実験していた疑いも出ていた。 "[he-forum 13216] 毎日新聞石川4/11 毎日新聞石川版2008年4月11日付 大学法人化検討委:県立大と県立看護大「早期に法人化を」 知事に提言 ◇1法人2大学形態で  県立大(野々市町)と県立看護大(かほく市)の法人化を検討してきた県公立大学法人制度活用検討委員会(座長、近藤修司・北陸先端科学技術大学院大教授)は10日、「1法人2大学の形態で早期に法人化すべきだ」などの提言をまとめた報告書を谷本正憲知事に提出した。谷本知事は「十分参考にして、早急に具体的な対応をする」と、法人化に前向きな姿勢を示した。  検討委は、少子化による学生数の減少などで大学間の競争が激化するのに伴い、効率的な運営で両大学を魅力あるものにしようと、学識者ら15人が昨年12月から4回にわたり議論を重ねてきた。  報告書では、両大学の現状を「県の一組織のため、機動的な人材配置、予算配分などが不可能で、経営の観点から将来の戦略を企画する機能が不在」と指摘。早期に法人化に踏み切り、一元的な経営で連携強化を図るため、1法人による経営を提言した。その上で教員の活動を評価するシステムの構築を勧め、生物資源と看護の大学として県の発展に貢献することなどに配慮するよう求めた。【高橋慶浩】 "[he-forum 13217] 山形新聞4/12 山形新聞2008年4月12日付 2010年度に向け教養教育再構築 結城山形大学長が方針語る  山形大の結城章夫学長は11日、山形新聞のインタビューに答え、2010年4月の実施に向け、教養教育のカリキュラムを全面的に見直していく方針を明らかにした。また、各学部にインセンティブ経費を振り分けるため、経営協議会に組織評価の役割を重点的に担ってもらう考えも示した。以下は一問一答。  -運営交付金の減額、総人件費改革の影響など、大学運営は厳しい時代を迎えている。結城学長は昨年10月の就任以来、学生が主役となる大学創(づく)りを掲げてきた。その意図は。  「教職員の意識改革を迫る意味合いもあった。大学は学生のために存在するというのは、極めて誰でも納得できる常識論だと思う。しかし、場合によっては、大学は自分のためにあると誤解している教職員がいる可能性があると思った。その意識改革を図るための狙いもあった」  -教養教育の充実についても力を入れているようだが。  「任期中の最大の仕事は、教養教育の再構築と思い定めている。山形大学の教養教育が全く不合格というわけではないが、今のままでいいとは思わない。どの程度の規模で行うかは、これからの検討となるが、根幹から思い切って改革するつもりだ。ボトムアップで議論を積み重ねる手法では大きな改革はできず、学長として積極的に提案していく。改革の方向性は教育研究評議会で決定するが、5月の評議会に『教養教育の課題と改革の方向性』について学長提案する方針だ。提案するためのブレーンとして、来週にもワーキンググループを発足する。本年度内に学内合意を得て、09年度に準備、10年度に新しい教養教育のカリキュラムを実施する予定だ」  -大学の意思決定のスピードアップ、事務手続きの簡素化にも取り組んでいるようだが、具体的な成果は。  「大学はこれまで、学内で議論を尽くすというのが文化だった。この手法は確かに大事だが、財政が厳しくなる中で、大学経営は早期に結論を出し、行動に移さなければ成り立たなくなっている。現在は学長、役員会を中心に物事を決めることにしており、意思決定のスピードアップは図られているはずだ。事務手続きは、法人化後も国の機関だった時代のルールを引きずっており、切り替えが徹底していなかった。そこで、さまざまな規定や手続きを見直し、先月までに100以上の改正を行った。さらに、今年7月には、小白川キャンパスの事務体制を見直すことにしている。本部事務局は大学全体の事務に専念することでスリム化し、各学部などキャンパス内の事務は新たに事務センターを設け、集約する方針だ」  -主に大学の経営に関する事項を審議する経営協議会は、有馬朗人日本科学技術振興財団会長や吉本高志大学入試センター理事長ら学長経験者2人が加わるなど、新たな体制となった。どのような議論を期待しているのか。  「経営協議会は大学にとって重要な機関だが、議論が形骸(けいがい)化している印象を持っていた。予算や事業計画など、決めなければいけないことがたくさんあり、山形大学がどうあるべきかという本質的な議論が不十分だったのではないだろうか。改善策として、これまで年4回だった協議会の開催を、本年度から年6回に増やすことにした。また、学部の組織評価を重点的に担ってもらうつもりだ。どの学部が頑張っているか、組織に順位を付け、インセンティブとして5000万円の中から配分することにした。かなり難しい評価作業となるが、これができるメンバーとして人選した結果、かねて尊敬している有馬さんと、東北大学長として人物を知っていた吉本さんに就任してもらうことにした」 "[he-forum 13218] 産経新聞4/13 産経新聞2008年4月13日付 博士離れ深刻 競争倍率0.9倍割り込む  世界に伍(ご)していくための高度研究・教育を担う人材を育成する「大学院博士課程」の平均競争倍率が平成19年度、0.9倍を割り込み、過去15年間で最低を記録、関西の有名国立大の中には、定員を充足するために4月に入って追加募集を実施した大学もあるなど、“博士離れ”がより深刻になっていることが12日、分かった。博士課程修了者の就職率が6割を切るなど、博士号を取得しても国内での就職が難しいことが進学を敬遠する大きな理由になっているとみられる。  文部科学省によると、全国の博士課程の入学定員に対する志願者の平均競争倍率は、3年度に開始した「大学院重点化」計画以降、上昇を続け、8年度には1.08倍を記録。15年度まで1倍を超えていたが、その後、漸減を続け、18年度には0.9倍まで低下。そして19年度は計2万3417人の入学総定員に対し、志願者は2万773人で競争倍率は0.89倍に落ち込み、5年度以降初めて0.9倍を割り込んだ。  背景には、重点化計画に伴い、各大学は博士課程の定員を拡充し、在籍者数も増加したが、博士号取得者を希望する職種が増えていないため、取得後も研究職につけないオーバードクターやポストドクターなどいわゆる“余剰博士”の問題が年々深刻化していることがある。文科省のまとめでは、19年度の博士課程修了者の就職率は58.8%、人文社会系に限れば4割を切っている。  このような就職難を反映し、奈良女子大大学院の一部の研究科では今年度、開設後初の3次募集まで実施したが、志願者は1人も現れず、入学者数は定員を大幅に割り込んでいる。 "[he-forum 13219] 北海道新聞4/12 北海道新聞2008年4月12日付 道がん対策啓発委を設立 大学や行政、本紙が連携  がんの情報を道民に伝え、予防や早期発見の大切さをさらに広めようと、北海道がん対策啓発委員会(事務局・北海道新聞社)の設立総会が十一日、札幌市中央区の北海道新聞社で開かれた。  道、北大、札医大、旭医大、道医療大、道対がん協会、北海道新聞社が参加。七者が一体となって、四月から五年間の「北海道がん対策推進計画」の達成を広報や啓発の面から支えていく。  総会では、がんフォーラムや市民講座の開催、道新ホームページへのがん関連サイトの開設、がん予防道民大会(十月、深川)への協力、道民意識調査の実施など、初年度の事業計画を決めた。  代表理事に選出された今井浩三・札医大学長は「行政、専門家、メディアが一体化すれば力は何倍にもなる。多くの情報を道民に伝え、啓発や検診受診率の向上につなげたい」と話す。  がん対策では、道の推進計画のほかにも、四大学が連携してがん専門の医療人を育てる「がんプロフェッショナル養成プラン」が四月から本格的にスタートしている。  道内では二〇〇六年、一万六千百十三人ががんで死亡。死因の第一位。道民の三人に一人が、がんで亡くなっている。 "[he-forum 13220] 共同通信4/14 共同通信2008年4月14日11時23分 論文引用国内トップは東大 米社がランキング  米国の学術情報会社トムソンコーポレーションは14日、1997-2007年に論文が引用された回数が多い日本の研究機関のランキングを発表。トップは今回も東京大で、世界の約3800機関の中では昨年の13位から順位を1つ上げ、12位だった。  2位は京大(世界28位)、3位は大阪大(同33位)、4位は東北大(同65位)。国内順位は昨年と同じだが、世界順位はいずれも1-5位上がった。  分野別では世界の上位5位以内に、材料科学で東北大(世界3位)と産業技術総合研究所(茨城県つくば市、同4位)、化学で京大(同4位)と東大(同5位)、物理学で東大(同2位)、生物学・生化学で東大(同3位)が入った。 "[he-forum 13221] 朝日新聞4/14 朝日新聞2008年4月14日付 国立大の「努力」で交付金上下 外部の評価もとに  国立大の主な経費を支える運営費交付金について、文部科学省は個々の大学の「努力」をより反映するよう配分のルールを見直す方針を固めた。現在は、大部分が学生数などをもとに自動的に決まるが、10年度からは各大学の教育・研究や運営の改善ぶりについての外部評価の結果を反映させて配分額を決める。  文科省はこの方針を、14日午後に開かれる国立大の学長会議で説明する。  04年度に法人化された国立大は、学生が納める授業料や付属病院収入などの自己収入だけでは、必要経費の半分程度しかまかなえない。運営費交付金は、この収入不足を補うために国が出している補助金だ。主に教員の人件費や光熱費など大学の「基盤的経費」に使われており、08年度予算では約1兆1800億円を計上している。  配分額の決定にあたっては、学生数などに連動して自動的に決まる割合が大きい。各大学の努力や成果が反映される「特別教育研究経費」は徐々に増えているが、それでも08年度で全体の6.7%の790億円に過ぎない。  新ルールで配分に反映させるのは、文科省の国立大学法人評価委員会による、学部ごとの「教育や研究の水準」や大学全体の「業務運営の改善」についての評価結果。具体的な配分方法が決まるのは09年度だが、大学の努力が現在より配分額の増減につながるようになる。地方や文系単科という理由だけで不利になる配分にはしない見込みだ。  国立大は04年度から09年度までの6年間を第1期中期目標期間とし、中期計画に基づいて運営している。10年度に始まる第2期期間の交付金の配分額は、新ルールに基づき、07年度までの4年間の達成状況を判定した評価委の「暫定評価結果」をもとに決めるとしている。  運営費交付金の配分ルールについては、政府の経済財政諮問会議の民間議員が昨年2月、全面的な競争原理の導入を提案。だが、「地方や文系単科など半数の国立大が破綻(はたん)する」などとして、与党や知事会などが反対。最終的に「骨太の方針07」では、「各大学の努力と成果を踏まえたものとなるよう、07年度内をめどに新たな配分のあり方への見直しの方向性を明らかにする」とトーンが弱まった。(増谷文生) "[he-forum 13222] 共同通信4/15 共同通信2008年4月15日18時7分 大学など18校の新設を諮問 統合や短大廃止も  2009年度に予定している大学など18校の新設認可について、渡海紀三朗文部科学相は15日、大学設置・学校法人審議会に諮問した。答申は10月ごろの予定で、内訳は公立大3校、私立大9校、私立短大4校、私立大学院大1校、私立高専1校。  愛知県立大は愛知県立看護大と統合した上で、学部などを再編し、新しい大学としてスタートする。千葉県立保健医療大と新潟県立大は、いずれも短大を廃止して4年制大学に移行。  通信教育制の文化政策・まちづくり大学院大は、町の経済活性化など地域再生をテーマにする研究科を置く。自動車整備士を養成する伊勢崎自動車高専は、認可されれば私立高専として44年ぶりの開設となる。 "[he-forum 13223] 時事通信4/15 時事通信2008年04月15日06時05分 天下り100人超=施設部門から-文科省  文部科学省や国立大学の施設担当部署を経験した職員で、2001年から5年間に建設、設備工事会社に再就職したのは100人を上回っていることが15日、時事通信の集計で分かった。国立大の施設整備をめぐっては、同省の元幹部が警視庁に収賄容疑で逮捕された。集計では同省や国立大の施設部門が、天下り先として業界に依存してきた実態が浮き彫りになった。  人事院が毎年発表する「営利企業への就職の承認に関する年次報告」などを基に、文科省文教施設企画部(旧文教施設部)や地方工事事務所、国立大の施設担当部署に勤務した同省OBの再就職先をまとめた。  この結果、少なくとも建設会社に34人、空調や電気などの設備工事会社に69人が再就職したことが判明。これら103人のうち、同省文教施設企画部を最後に退職したのは8人、国立大からの退職者は95人に上った。  再就職後の肩書は「顧問」「技術部長」が目立った。設備会社で設計積算統括部の担当部長に就いた大学職員もいた。  前同省文教施設企画部長大島寛容疑者(59)が逮捕された汚職事件で、贈賄側の会社顧問倉重裕一容疑者(58)がかつて在籍した五洋建設には、大学の施設部長1人が建築部調査役として再就職していた。  103人以外には、建材会社や設計会社に入った工事事務所長、大学課長がいた。大学病院の管理課を辞め、空調会社に再就職した例もあった。 "[he-forum 13224] 時事通信4/15(2) 時事通信2008年04月15日06時07分 国立大法人化で天下りが「隠れみの」に  全国で年間20人前後が建設・設備業界に天下っていた国立大学だが、2006年以降は職員の再就職の実態を把握することが難しくなった。国立大を経て退職する文部科学省職員も多いが、「大学法人化」以後は、国立大が国の再就職公表制度の対象から外れたためだ。専門家は「国立大が文科省職員天下りの隠れみのになっているのでは」と指摘している。  国家公務員が在職中の職務と関係がある企業に就職するには、退職後2年間は人事院の承認が必要。同院は毎年、各省庁の職員の再就職先を取りまとめて公表している。  文科省に所属していた国立大も公表対象だったが、04年度からは行財政改革の一環で同省から切り離されて「国立大学法人」となった。職員の身分は公務員ではなくなり、06年からは再就職の人事院承認も要らない。  主な国立大8校に職員の再就職について問い合わせたところ、「把握していない」(東北大)、「民間に準じた扱いなので公表していない」(信州大)といい、大学側が自主的に公表している例はなかった。  一方、文科省との人事交流は従来と同様に続いている。90ある国立大(自然科学研究機構など大学共同利用機関も含む)の施設担当部の部長のうち、31人は同省文教施設企画部で勤務した経験がある。同省職員が国立大に出向したまま、退職してしまうケースも多いという。  五十嵐敬喜法政大教授(公共事業論)は「国立大学法人が文科省の隠れみのになっているのではないか」と指摘。「日本道路公団や郵政の民営化と同じで、職員の顔触れは変わらないのに情報公開が後退している」と批判している。 ********************************** 時事通信2008年04月15日06時08分 国立大施設系職員の再就職  年(総数)    主な退職者      再就職先業種(肩書)    2001(18) 東北大施設部長    建設(建築部調査役)             三重大施設部長    設備(顧問)                 広島大施設部長    建設(建築本部長補佐)   2002(20) 秋田大施設部長    建設(技術部長)               東京大機械設備課長  設備(技術顧問)               名古屋大施設部長   設備(技術総括部顧問)   2003(23) 室蘭工業大施設課長  設備(設備本部技術顧問)           岡山大施設部企画課長 建設(建築本部理事・部長)          山口大施設部長    設備(技術顧問)      2004(16) 福島大施設課長    設備(工事本部理事)             名古屋大施設部長   設備(営業本部工事部部長)          広島大施設部長    設備(支店技術顧問)    2005(18) 新潟大施設部長    建設(支店駐在技術部長)           信州大施設部企画課長 設備(工事本部技術顧問)           九州大施設部長    設備(技術顧問)  "[he-forum 13225] 十勝毎日新聞4/15 十勝毎日新聞2008年4月15日付 産学のサロン新設 専門家配置で連携強化  帯広市で策定している「帯広版リサーチ・アンド・ビジネスパーク(R&B)」構想案が固まった。産学の関係者が日常的に接触できる「サロン」を新設、産学連携の専門知識を持つコーディネーターも配置する。長期的には、帯広畜産大学を含めた試験研究機関や企業の集積地形成も探る。市は5月に細部を詰め、議会や帯広商工会議所に説明する。地場資源を生かした新産業化の試みを活発化させる上では、行政の強力な推進体制構築が問われそうだ。  構想策定は砂川敏文市長の3期目重点公約。主に「産」が「学」にシーズ(種)のヒントを提供した従来の連携にとどまらず、「学」が盛んにシーズを送り出して事業化を提案する流れも想定。昨年10月、市をはじめ関係者約20人で検討会を発足した。  構想の目玉は、産学を円滑に引き合わせる仕組みづくり。大学、試験研究機関とパイプを持たない企業には「どのような手順で相談してよいか分からない」との悩みもある。シーズ開発側にとっても、地域貢献につながる産業化の手掛かりを得る上で効果的な情報伝達は欠かせない。専門家も交えた「サロン」を設けることで、課題に対応する。  新産業創出は「農業」「食品」「バイオ」「環境」などの分野で帯広・十勝の強みを生かす。文科省の「都市エリア産学官連携促進事業」指定を受け、十勝圏振興機構などが研究を手掛ける農産物関連のシーズや産業クラスターの実績を基盤とする。  市は今年度、帯畜大などの研究成果を新産業に生かすための研究成果発表会、産学連携をさらに浸透させる講演会を開く。ただ、経済界などには、公約化以降の構想策定に2年間を費やした砂川市長の「本気度」を問う声もくすぶる。構想の実行段階では、行政による取り組みのスピードアップも求められる。市は「サロン形成やコーディネーター選定など構想推進も率先して携わる。企業誘致や人口増にも結び付けたい」(政策推進部)としている。 (岩城由彦) "[he-forum 13226] 読売新聞4/15 読売新聞2008年4月15日付 本紙寄付講座 伊熊編集委員が東大で講義  東京大学教養学部に設置された読売新聞の寄付講座「国際ジャーナリズム(読売新聞)」が9日、開講した。  国際ジャーナリズムの現場の声を聞くことで、学生のマスコミへの関心を高めるとともに、国際政治の理解を深めるのが狙い。読売新聞の東大への寄付講座は初めて。  担当するのは、読売新聞編集委員の伊熊幹雄客員教授、イスラム地域の専門家として知られる山内昌之教授と准教授1人、助教2人。9、10日はオリエンテーションが行われ、計500人近い学生が参加、学生の関心の高さをうかがわせた。  講座の説明の中で伊熊教授は「国際ジャーナリストの仕事はどういう仕事か、どんな訓練や準備が必要か話していきたい」と意気込みを語った。山内教授は「国際政治を前線で見てきた人の話は学者の国際分析と違った視点で学生の刺激になるはず」と講座の利点を強調した。  聴講者の1人、箕浦春菜さん(22)は「流れる情報をうのみにするのでなく、どう生かすかの視点を勉強したい」と期待していた。  講座は1、2年を対象とした総合科目の講義と、3、4年対象のゼミからなり、ソ連崩壊以降のロシアの歩みや、2001年の米同時テロ事件後のブッシュ米政権の外交、安全保障政策などを柱に、現代国際政治について学ぶ。  教材には、国際ニュース通信社や有力紙誌などの報道や論評・解説、ドキュメンタリーを多用し、現役外交官などとの討論の場も設ける予定だ。09年度には、夏休みの1か月間、読売新聞の海外支局での就業体験の実施も検討している。伊熊教授は「大学生の活字離れが言われて久しいが、インターネットの切り張り情報でなく、情報の宝庫である新聞の魅力も伝えたい」としている。  開講を記念し、6月14日には、谷内正太郎・前外務次官や小倉和夫・国際交流基金理事長らをパネリストに、シンポジウム「2008年の選択――世界はどこへ行くのか――」を東大駒場キャンパスで開く。(石田浩之) "[he-forum 13227] 時事通信4/15(3) 時事通信2008年04月15日16時21分 18校開設を諮問=大学設置審に  文部科学省は15日、来年度の開設を申請した公私立の大学12校、私立短大4校、私立の大学院大と高専1校ずつの計18校について、大学設置・学校法人審議会に設置認可を諮問した。大学には短大などから改組する7校が含まれている。  申請は次の通り(かっこ内は学部。短大、高専では学科、大学院では研究科)。  【公立大】千葉県立保健医療(健康科)=千葉市=▽新潟県立(国際地域、人間生活)=新潟市=▽愛知県立(外国語、日本文化、教育福祉、看護、情報科、大学院は国際文化、人間発達学、看護学、情報科学)=愛知県長久手町、名古屋市=  【私立大】弘前医療福祉(保健)=青森県弘前市=▽日本赤十字秋田看護(看護)=秋田市=▽日本医療福祉(保健医療)=埼玉県幸手市=▽東都医療(ヒューマンケア)=同深谷市=▽こども首都教育(こども教育)=東京都中野区=▽東京有明医療(保健医療、ヒューマンケア)=同江東区=▽びわこ学院(教育福祉)=滋賀県東近江市=▽大阪保健医療(保健医療)=大阪市=▽広島都市(健康科)=広島市=  【私立短大】仙台青葉学院(看護、キャリアデザイン)=仙台市=▽有明教育芸術(子ども教育、芸術教育)=東京都江東区=▽貞静学園(保育)=同文京区=▽平成医療(看護、リハビリテーション)=岐阜市=  【大学院大】文化政策・まちづくり(文化政策・まちづくり学)=京都市=  【高専】伊勢崎自動車(自動車整備)=群馬県伊勢崎市= "[he-forum 13228] 毎日新聞4/16 毎日新聞2008年4月16日付 記者の目:迫る巨大噴火、低下する防災力=山崎太郎  「40人学級」という言葉がある。義務教育の話ではない。日本列島には108もの活火山があるが、噴火予知に携わる大学の研究者は全国に計40人ほどしかいない現状を言う。近い将来には30人学級か、学級閉鎖すら起こりうる危機的状況だ。火山の脅威と、火山防災に携わる防人(さきもり)たちの苦悩に目を向けてほしいと、切に願う。  7月にサミットが開かれる北海道・洞爺湖の成り立ちをご存じだろうか。約10万年前に超巨大噴火があり、東京ドーム約12万杯分もの大火砕流が起きた。後にカルデラ地形ができて水がたまり、洞爺湖になった。  カルデラ噴火は日本では数千~1万数千年に1度起きており、前回は鹿児島県・硫黄島周辺での約7300年前。「もうすぐ満期」とも言われている。洞爺湖のほか、熊本の阿蘇や桜島のある鹿児島湾もカルデラ噴火の名残だ。  より発生頻度の高い小~中規模の噴火でも、社会に与える影響は大きい。すぐに復旧・復興に入れず、長期化するからだ。  私が住む長崎県島原市には、90年に噴火した雲仙・普賢岳がある。災害の終息宣言が出されるまでに5年7カ月もかかった。この間、繰り返される土石流などで消えた集落もある。  00年に噴火した東京・三宅島も同様だ。05年に全島避難が解除されたが、島の人口は噴火前の約3800人から1000人近く減り、火山ガスは今も続く。  そんな火山列島ニッポンで、火山の防災力は低下する一方だ。活火山の周囲に観測網を持つ国立大学と気象庁のうち、大学に「カネがない」のだ。  理由は明白。国立大学の独立法人化による運営費交付金の削減だ。交付金は人件費や研究費、施設整備費に充てられる大学の主要な収入源だが、年1%ずつ削減されている。結果、島原など各地の国立大の火山観測所は「生命線」である観測網の保守がままならず、引退した教官らの後任も埋められない。研究成果が利益に直結する医療や工学分野と違い、企業からの資金調達も難しいため深刻だ。  日本火山学会長の藤井敏嗣・東大教授によると、文部科学省が地震予知計画に対して配分する予算は年間約2億5000万円だが、噴火予知計画には約6000万円。4分の1だ。  こうした状況から大学側は今年2月、「火山監視は気象庁、大学は噴火予知研究」と役割分担を明確化する構造改革に乗り出した。必要な火山に、噴火予知のための観測網を集中させる再編案だ。  ただ、それでも「30人学級時代」への備えとしては不十分だろう。大学だけで観測網を維持することが厳しい以上、インフラの整備・保守は公共財として国が担い、大学は解析や研究などに専念する体制づくりが欠かせない。そこで私が提起したいのは「V-net」の構築だ。  95年の阪神大震災後、国は全国約800カ所に高感度の地震計網「Hi-net」を整備し、維持管理も独立行政法人が担っている。高品質なデータを研究者が自由に使えるようになったお陰で、日本の地震学は飛躍的に進歩した。「V-net」は、その火山版。volcano(火山)の「V」だ。全国の主要な活火山を取り囲むように、観測網を整備するのである。  課題は、もちろん予算。厳しい財政の壁を乗り越えるために欠かせないのは「国民の関心と理解」だ。  台風や地震など他の自然災害に比べ、確かに発生頻度は少ない。だからといって軽視できない火山災害ゆえの特質は、前述した通りだ。  それでも身近に活火山がない都市部の人たちには、ピンとこないかもしれない。が、考えてほしい。29ある国立公園の約7割は火山地帯にあり、箱根や軽井沢などの観光地を抱える。温泉も火山の恵みの一つだ。食卓に並ぶ農畜産物も、産地を調べれば火山のふもとが多い。金属資源やミネラルウオーターもそう。日本人の生活に火山は深くかかわっている。普段意識することがないだけだ。  昨年出された第7次噴火予知計画の報告書は「日本の火山監視能力を維持するのは困難。噴火予知体制の弱体化が予想される」と、強く警告している。まさかの時のためにどれだけ投資できるかが、その社会の成熟度を示しているといわれる。いつ噴火するとも知れぬ火山に、どれだけ投資できるか。世界有数の火山国・日本に住む私たちと政府の成熟度が、いま問われている。(島原支局) "[he-forum 13229] 新潟日報4/14 新潟日報2008年4月14日付 新大病院で医療用新システム  新潟市中央区の新潟大学医歯学総合病院(畠山勝義院長)はこのほど、レントゲン写真やMRI(磁気共鳴画像装置)などの医療用画像をデジタル化して一元管理するPACS(医療用画像ネットワーク管理システム)を導入した。現像作業がなくなるため、患者の待ち時間が短縮され、現像やフィルムの保管に掛かるコストが削減できるといったメリットがある。  同様のシステムは、同区の新潟市民病院や長岡市の立川総合病院など一部の病院でも導入しており、病院間の連携も容易になる。  これまでレントゲン写真などのフィルムは、現像を待って患者本人が放射線科から担当医師まで運んでいた。新システムでは、撮影と同時にデジタル情報として院内各科を結ぶネットワーク上で、患者の電子カルテと関連付けて管理する。  各科に設置された1200台の情報端末から同時に閲覧できるほか、600台ある専用モニターを使うと、患部の断面が動画や立体画像で確認することが可能になる。導入費用は4億3000万円に上るが、年間約9000万円掛かっていた現像代が節約される。  保管中の画像も順次デジタルデータ化していく。転院先の病院が希望すれば、コンパクトディスクにデータをコピーしたり、フィルムにして渡すことなども可能だ。畠山勝義院長は「このシステムを活用して、大学病院の役割である高度医療を実践していきたい」と話している。 "[he-forum 13230] 朝日新聞4/15 朝日新聞2008年4月15日付 東大にノーベル賞狙う若手塾 講演武者修行で国際人脈  東京大大学院理学系研究科化学専攻が今春、若手の国際的な人脈作りの支援に本腰を入れ始めた。業績がある割には知名度が低いという日本人研究者の「弱点」を、英語によるセミナーや海外での講演などを通じて克服。将来のノーベル賞受賞にもつなげたいという作戦だ。  研究の質の高さを示す論文の引用回数でみると、東大は化学で世界のベスト5に入るが、ノーベル化学賞受賞者はゼロ。その背景には、外国人研究者との交流や海外での講演経験の不足で、論文は有名でも、著者がどんな人かあまり知られていないという事情もあるという。  そこで、若手研究者を対象に、外国人教員らによる英語によるセミナーを始めた。初回の14日は約120人が参加。活発な質疑応答があり、終了後は懇親会もあった。  講演旅行は毎年15人程度を選抜。欧米やアジアなど数カ所で講演してもらう。批判にさらされることで自らを鍛えるとともに幅広い人間関係を築くのが目的で、米国の若手の間では広く行われているという。  コーディネーター役の山内薫教授は「国際的な賞では、業績に加えて人脈の力も大きい。世界から推されるような人材を育てたい」と話している。(杉本潔) "[he-forum 13231] 4/17しんぶん赤旗 学業断念の若者なくす 石井・小池氏が会見  日本共産党は十六日、「『世界一高い学費』を軽減し、経済的理由で 学業をあきらめる若者をなくすために」と題する政策を発表しました。 (全文は,http://www.jcp.or.jp/akahata/ aik07/2008-04-17/2008041704_01_0.html )  石井郁子副委員長・衆院議員、小池晃政策委員長・参院議員が文部科 学省記者クラブで会見しました。  石井氏は、政策を発表した理由として、「貧困と格差」の拡大の中 で、憲法と法律が禁じている「経済的地位による教育上の差別」が目の 前で起きていると指摘。千葉県の公立高校で期日までに入学金が未納だ からという理由で生徒が入学式から排除されたり、私立大学では毎年一 万人の学生が経済的理由で退学するなどの事態をあげました。  石井氏は、こうした事態を招いた自民党政府の極度に貧困な教育政策 を批判しつつ、それと対照的に無償化をすすめる欧米諸国の事例を紹 介。その根底にある「教育を受けることは基本的人権であるとともに、 社会の発展にも不可欠だ」との精神を強調しました。  小池氏は、政策の特徴について、経済的理由で学業を断念する若者を これ以上ださないためという考え方で、緊急に必要なことを押し出した と強調。高校、大学の授業料減免の拡大などの日本共産党の四つの提言 をくわしく説明しました。提言を実現するための経費は、年間約千九百 億円であり、政府がやる気になれば、ただちに実行可能だとのべました。  記者からの質問にも答えて「たとえば、米軍への思いやり予算を廃止 すれば生みだせる」と答えました。  石井、小池両氏は、「学費値下げの機運が起こっており、多くの団 体、個人によびかけて運動を広げていきたい」とのべました。 政策の骨子 一、公立高校の授業料の減免対象枠を年収五百万円まで広げる。私立高 校の場合は年収五百万円以下の世帯を授業料全額免除に年収八百万円以 下の世帯は一部減額する直接助成制度をつくる。 二、国立大学・高専の授業料の減免枠を引き上げ、世帯年収四百万円以 下は全員授業料免除に。私立大学は年収四百万円以下の世帯を減額とす る授業料直接助成の制度をつくる。 三、国の奨学金をすべて無利子に戻す。年収三百万円に達するまでは返 済猶予に。経済的困難を抱える若者への給付制奨学金制度をつくる。 四、高校と大学の段階的無償化を定めた国際人権規約を批准する。 "[he-forum 13232] 雑誌記事紹介(前衛5月号/若手研究者就職難問題シンポ関連) 前衛 2008年5月号 No.830  〈公開シンポジウム〉 若手研究者の就職難と劣悪な待遇の解決のために 榎木英介 (NPO法人サイエンス・コミュニケーション代表理 事)   岡田安正 (元産業技術総合研究所主任研究官)   坂東昌子 (日本物理学会キャリア支援センター長 愛知大 学教授)   吉田 裕 (一橋大学大学院社会学研究科教授)   石井郁子 (衆院議員 日本共産党副委員長) 詳しい紹介は,http://www.jcp.or.jp/tokusyu/daigaku/ 080202/20080202.html 他 "[he-forum 13233] 日本経団連タイムス4/17 日本経団連タイムスNo.2902 2008年4月17日付 「大学・大学院改革に向けた取り組み等に関する報告書」発表 -大学・大学院改革の動向や今後の課題などをまとめる 日本経団連の産業技術委員会産学官連携推進部会(西山徹部会長)は3月31日、「大学・大学院改革に向けた取り組み等に関する報告書」 を発表した。報告書は、この1年間の大学・大学院改革に関する主な動向、昨年3月に発表した提言「イノベーション創出を担う理工系博士の育成と活用を目指して」のフォローアップ状況、大学の取り組み状況、今後の課題をまとめたものである。同報告書の概要は次のとおり。 ■ 大学・大学院改革に関する検討状況 大学・大学院改革に関しては、この1年の間にも教育再生会議をはじめ各方面でさまざまな検討・提言がなされている。それらの検討・提言での共通の指摘事項は、「高度人材の育成のため、産業界と教育界のきめ細やかな対話、具体的な行動が重要」「激しさを増すグローバル競争をわが国が勝ち抜くため、大学・大学院の研究・教育両面での国際競争力強化が必要」の2点である。 ■ 提言「イノベーション創出を担う理工系博士の育成と活用を目指して」の日本経団連のフォローアップ状況 (1)日本経団連第6回東富士夏季フォーラム(2007年7月)での議論 高等教育に関しては「イノベーション創造型人材の育成」をテーマに、企業が求める人材像、大学・大学院への期待、政府が果たすべき役割などについて意見交換した。 (2)日本経団連「経済Trend」(07年5月号)での特集 産学の関係者による座談会では、イノベーションの推進と高度理工系人材の重要性、産学連携による大学院教育の機能強化などについて議論した。 (3)「採用選考における企業の倫理憲章」の改定 日本経団連が毎年公表している倫理憲章を改定し(07年10月)、早期採用選考活動の自粛が修士課程修了者にも適用されることを明確化した。 (4)「博士セミナー」の開催 博士課程在学生が企業・社会を実際に学ぶ機会として、日本化学会の主催(日本経団連の後援)で化学分野における「博士セミナー」を開催した。 (5)「大学・大学院生への企業の奨学金」の調査 奨学金制度を設けている企業(回答69社中25社)のうち8割(20社)が、返済不要な給付型奨学金を給付していることが判明した。 (6)「大学と企業との人事交流の促進」の検討 サバティカル制度(大学教員の留学や研究のための半年~1年の長期休暇制度)、共同研究等の活用による大学教員と企業との人事交流の促進について、大学と企業の関係者で検討した。 ■ 大学等における教育改革・産学連携への取り組み (1)東京大学 04年度から、共同研究に入る前の段階において、企業と大学の間で十分に議論をし、双方が合意できる共同研究計画を策定するプロセス(Proprius21)を推進している。 (2)東京工業大学 06年度から、修士課程と博士課程を連結させて博士学位取得の標準修学期間を3~4年とする博士一貫コースを設置している。 (3)北陸先端科学技術大学院大学 08年度に、学生のキャリア目標に応じた教育プログラムを提供する「新教育プラン」を開始した。 (4)立命館大学 産学協同で産業界に貢献できる博士課程修了者の輩出をめざす、企業との連携による新たな教育スキーム「トライアングル・フォスター・プログラム」の導入を検討中である。 ■ 今後の課題 提言「イノベーション創出を担う理工系博士の育成と活用を目指して」のフォローアップを引き続き行う。特に、優れた人材を内外から集め、大学が育成し、企業が活用していくため、留学生の“質”と“量”の両面での向上策を検討する。 【産業第二本部技術担当】 "[he-forum 13234] 毎日新聞愛知4/16 毎日新聞愛知版2008年4月16日付 愛教大:教職大学院が開講 現職教員16人含む23人入学  高度の実務専門的な教員を養成する教職大学院が刈谷市の愛知教育大(松田正久学長)に今月から新設され、15日に開講式が行われた。グローバル化や高度情報化などに対応した専門職大学院の一つで、さまざまな問題を抱える教育の水準や質を高める狙い。  教職大学院は教育改革から創設されたもので、司法制度改革に伴う法科大学院と同じ位置づけ。4年制大学の新卒者と現職教員を中心に、教員免許を持つ社会人が入学できる2年制。課程の修了者には教職修士の学位が与えられる。  4月から全国19大学に新設され、東海3県では愛教大と岐阜大だけ。愛教大には教職実践専攻の教育実践研究科を開設。定員50人に対し、県内外から新卒者7人と現職教員16人が入学した。  開講式には全院生23人や教職員をはじめ、来賓の県教委と名古屋市教委、小中学校の関係者など約90人が出席した。同研究科長を兼ねる松田学長が「教育現場が問いかけている諸問題と真摯(しんし)に向き合い、現代的な理論と考察を踏まえつつ、実践的な解決の力量を獲得していく研究と教育はきわめて重要」とあいさつした。  続いて、県教委の村良弘・教職員課主幹が、今井秀明・県教育長の祝辞「実践的な指導力を備えた新人教員の養成や現職教員を対象にしたスクールリーダーの養成に大きく期待する」を読み上げ、開講を祝った。【安間教雄】 "[he-forum 13235] しんぶん赤旗4/17 しんぶん赤旗2008年4月17日付 「世界一高い学費」を軽減し、経済的理由で学業をあきらめる若者をなくすために 2008年4月16日 日本共産党 -----------------------------------------------------------------------  日本共産党が十六日発表した提言「『世界一高い学費』を軽減し、経済的理由で学業をあきらめる若者をなくすために」の全文は次の通りです。 -----------------------------------------------------------------------  この春、多くの新入生が希望に胸をふくらませて学校の門をくぐりました。新入生のみなさんは、有意義な学園生活をおくり、自分のやりたい勉学やスポーツなどにうちこみたいと、期待に胸はずませていることでしょう。日本共産党は、そうしたみなさんの願いが実現するように全力で応援します。 「ひとしく教育を受ける権利」が侵害されている  ところが日本には、進学を手放しで喜べない事情があります。「世界一高い学費」が、高校生や学生、その家庭に重くのしかかっていることです。子育て世帯についての実態調査(国民生活金融公庫)によれば、高校入学から大学卒業までにかかる費用は一人平均千四十五万円、わが子のための教育費は年収の34%に達しています。  とりわけ見過ごせないことは、「貧困と格差」の拡大の中で、学費が高すぎるために毎日深夜までアルバイトをして体を壊したり、学校を去らざるをえない若者が増えていることです。「一年間で二クラス分くらいの人が高校をやめた」「大学に合格したが入学金が払えず、一年間バイトをしてお金をためて再受験する」など、その実態は深刻です。私立大学では毎年一万人の学生が経済的理由から退学しています。  憲法は国民に「ひとしく教育を受ける権利」(第二六条)を保障し、教育基本法は「すべて国民は……経済的地位……によって、教育上差別されない」(第四条)と明記しています。いま起きていることは、憲法と法律が禁じている「経済的地位による教育上の差別」そのものです。 「学費無償化」の方向は世界の流れ  こうした事態を招いた最大の原因は、自民党政府の極度に貧困な教育対策です。高等教育予算の水準(国内総生産にしめる割合)は、OECD(経済協力開発機構)加盟国全体の平均1・0%に対して、日本は0・5%にすぎず、加盟国中で最下位です。その一方で自民党政府は、“学費は、教育で利益を受ける学生本人が負担する”という「受益者負担」の考え方を教育にもちこみ、学費値上げをすすめてきました。一九七〇年に一万二千円だった国立大学の授業料は今では五十三万五千八百円(標準額)で、これほど高騰した公共料金はほかにありません。  国際人権規約(一九六六年に国連総会で採択)は「高校や大学の教育を段階的に無償にする」と定めており、欧米のほとんどの国では高校の学費はなく、大学も多くの国で学費を徴収していません。  教育を受けることは基本的人権の一つであり、経済的理由で妨げられるべきではありません。若い世代が高校や大学で新しい知識や技術、理想を身につけることは、社会の発展にとって不可欠ないとなみであり、それは社会全体にとっての貴重な財産となります。それだからこそ、学費をできるかぎり低額にとどめ、無償に近づけてゆくことが世界の大勢になっているのです。このことは、国民の「ひとしく教育を受ける権利」を保障した日本国憲法の精神にも合致しています。国民の生活や権利にかかわる多くの分野で、ヨーロッパなどで常識になっているルールが確立していないことは自民党政治の大きなゆがみですが、「世界一高い学費」もその一つにほかなりません。  誰もがお金の心配なしに教育を受けられる条件を整えることは、若者に安心と希望をもたらし、日本の未来を支える安定した基盤となります。困難なもとでもまじめに学ぼうとしている若者の努力に応えることこそ政治の責任です。  日本共産党は、経済的理由で学業を断念する若者をこれ以上出さないために、以下の四つの提言をおこなうとともに、「世界一高い学費」を軽減させるための国民的な運動をよびかけます。 日本共産党の提言 (1)公立高校の授業料減免を広げる。私立高校の授業料を減免する「直接助成制度」をつくる  高校は進学率が97%を超え、「準義務教育」というべき実態がある一方で、経済的理由で高校に進めない若者も増えています。平均年収二百十三万円の母子家庭からは、「高校進学の夢も見るなというのか」という悲痛な声が上がっています。また、期日までに入学金が未納だからという理由で、生徒を入学式から排除するという事態までおきています。  公立高校の授業料減免のための国の予算枠(交付税の算定基準)を増やし、国の責任で、減免対象を少なくとも年収五百万円(四人世帯の場合)にまで引き上げます。  私立高校は授業料以外の学費負担も重く、いっそう深刻な事態が広がっています。年収五百万円以下の世帯は授業料全額免除、年収八百万円以下の世帯は一部減額とするような、授業料直接助成の制度をつくることを提案します。専修学校・各種学校(高校に準じるもの)も同様とします。 (2)国公立大学の授業料減免を広げる。私立大学の授業料負担を減らす「直接助成制度」をつくる  大学の初年度納付金は国立八十万円以上、私立百三十万円以上(平均)と庶民が負担できる限界を超えており、所得に応じた負担軽減が必要です。ところが、一九八二年に学生比12・5%あった国立大学授業料の減免予算枠は5・8%に削られ、減免を受ける要件を満たしながらも予算がなくて受けられない学生は少なくありません。私立大学にいたっては国の予算枠は学生比わずか0・1%にすぎません。  国公立大学・高専については国及び地方の減免予算枠を引き上げ、東京大学ではじめたような世帯年収四百万円以下は全員授業料免除とする制度を全国でおこなえるようにすべきです。  また、私立大学の学生にたいしては、世帯年収四百万円以下の場合に一定額が減額となるような授業料直接助成の制度をつくることを提案します。 (3)国の奨学金をすべて無利子に戻し、返済猶予を拡大する。経済的困難をかかえる生徒・学生への「給付制奨学金制度」をつくる  「世界一高い学費」のもとで、奨学金は“頼みの綱”です。ところが国の奨学金(日本学生支援機構=旧育英会)は有利子が約七割を占め、この春も十万人の大学受験予定者が奨学金を受ける資格がありながら無利子奨学金から締め出されました。  国の奨学金を以前のようにすべて無利子に戻すとともに、低賃金などの事情で返済が困難な場合、イギリスのように一定の収入(年三百万円)に達するまで返済を猶予することが必要です。  欧米では、世帯収入や兄弟姉妹の人数などの条件に応じて支給される、返済なしの「給付制奨学金」が主流です。実際、親の失業や病気などの事情で、授業料減免だけでは学業が続けられない場合があります。そうした若者を一人も出さないために、日本でも経済的困難の程度に応じて必要な経済支援をおこなう「給付制奨学金制度」をスタートさせるべきです。 (4)「学費の段階的無償化」を定めた国際人権規約を批准する  国際人権規約(A規約=経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)の第一三条は、高校と大学を段階的に無償化することを定めています。  日本政府は、国際人権規約に加わりながらこの条項について「留保」したままです。無償化条項を留保している国は、条約加盟国百五十七カ国中、日本とマダガスカル、ルワンダの三カ国だけです(二〇〇八年二月現在)。二〇〇一年には、国連・社会権規約委員会から「なぜ世界第二位の経済力の日本が認めないのか」「早く留保を撤回するように」という勧告が出されています。ところが政府は、回答期限の二〇〇六年が過ぎても、勧告への回答を放置したままです。かつて政府は「解除する方向に努力をし、またそういう責任がある」(一九七九年、園田直外務大臣)と明言していました。ただちに「留保」を撤回し、「世界一高い学費」の負担軽減をすすめる姿勢を明確にすべきです。  以上の提言を実現するための経費は年間約千九百億円であり、政府がやる気にさえなれば、ただちに実行可能なものです。日本共産党はその実現のために全力をつくします。 -----------------------------------------------------------------------  国際人権規約A規約(社会権規約)  高校教育の無償化(第13条2項b)  種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること  大学教育の無償化(同条同項C)  高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること  (注)中等教育とは中学と高校などを、高等教育とは主に大学をさす用語 "[he-forum 13236] 共同通信4/18 共同通信2008年4月18日17時32分 教育基本計画の答申要旨 中教審  中教審の教育振興基本計画の答申要旨は次の通り。  【教育の現状と課題】  一、社会が成熟する中で子どもの学ぶ意欲や学力・体力が低下。改正教育基本法に基づき知・徳・体が調和した人間を育てるため、社会全体で教育の振興に取り組む。  一、基本計画は、10年先を見通し、2008年度から5年間で取り組む施策を定める。  【今後10年間で目指す教育】  一、公教育の質を高め信頼を確立する。  一、世界最高水準の教育研究拠点を作り、大学の国際化を進める。  一、欧米主要国に比べ遜色のない教育水準を確保すべく、予算を充実。  【今後5年間に取り組む施策】  一、公立学校活性化のため学校選択制を活用。  一、改定学習指導要領の円滑な実施のため、教員定数を改善する。  一、小中一貫教育などで現行の「6-3-3-4制」を弾力化。  一、全国学力テストを継続的に実施する。  一、道徳教材づくりを支援する国庫補助制度を早期に創設。  一、いじめや不登校の対策に専門家の「学校問題解決支援チーム」を活用。非行防止教室の開催など早期発見に取り組む。  一、幼稚園と保育所の機能をもつ「認定こども園」を2000カ所以上に。  一、世界的な教育研究拠点作りのため11年までに150拠点を支援。  一、20年をめどに「留学生30万人計画」を実現する。  一、大地震で倒壊する危険が高い公立小中学校約1万棟を耐震化。  一、地方自治体も計画を定めて教育振興に取り組む。  一、政府は毎年度、施策の進ちょくを点検し、国民に情報提供する。 "[he-forum 13237] 時事通信4/18 時事通信2008年4月18日11時33分 国立大職員もゴルフ、飲食=複数が贈賄側業者と-文科省  国立大学の施設整備をめぐる汚職事件に関し、国立大学法人の施設部門に所属する複数の職員が、贈賄側の建設会社「ペンタビルダーズ」顧問倉重裕一容疑者(58)とゴルフや飲食をともにしていたことが18日、文部科学省の調査で分かった。渡海紀三朗文科相が同日の閣議後会見で明らかにした。  文科省は、各国立大施設部の事務職員のうち、倉重容疑者の訪問を受けたり、面識があったりした職員から聞き取り調査。ゴルフや飲食をともにした職員が数人いたことが分かった。   ペンタ社や倉重容疑者がかつて在籍していた五洋建設は、これら職員の所属する国立大から工事を受注。大学側は「契約過程に不自然な点は確認されていない」と報告したが、同省は今後、詳細を確認するとしている。  国立大職員に関しては、筑波大施設部長が倉重容疑者と複数回にわたりゴルフをしていたことが既に判明している。また、同省文教施設企画部の職員・OBらが同様の付き合いがあったことも分かっている。  ペンタ社が過去5年間に国立大などから受注した工事は4件(計約3億6000万円分)で、うち2件は筑波大の工事。五洋建設も8件(計約30億9000万円分)を受注している。 倉重裕一(くらしげ・ゆういち)、渡海紀三朗(とかい・きさぶろう) "[he-forum 13238] 京都新聞4/18 京都新聞2008年4月18日付 iPS細胞実用化へ産学連携推進を 京大が関西企業に呼び掛け  京都大は17日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の実用化に向けて産学連携を推進しようと、「iPS細胞研究産業応用懇話会」を京都市左京区の芝蘭会館で開き、新薬の開発や疾患の原因解明の分野への産業界の参入を呼び掛けた。  初めての懇話会に、関西を中心に企業の担当者ら約200人が会場を埋めた。山中伸弥iPS細胞研究センター長は「日本では、iPS細胞を再生医療に応用する研究が多い半面、米国で積極的に進められている疾患の原因解明や薬効、副作用の評価などの研究はまだ少なく、産業界のみなさんに期待したい」と訴えた。  企業を代表して、島津製作所(京都市)の担当者が「例えばiPS細胞の安全性の評価にどんな分析機器が必要なのか教えてほしい。日本の医療機器産業の発展に力を貸してほしい」と述べた。  また、武田薬品工業(大阪市)の研究員は「薬効などを試すためには、基準となるiPS細胞を作ることが必要」と指摘。企業が患者由来のiPS細胞を用いることについて、学内の倫理委員会に研究計画を申請している中畑龍俊副センター長は「患者には企業が使うことに事前に同意してもらい、産業化に支障がないようにしたい」と答えた。  iPS細胞より先行しているES細胞(胚性幹細胞)での特許が産業化に影響を及ぼすのではないかとの質問に、大学側は「(慶応大など)国内のiPS細胞の研究拠点が連携し、特許情報を共有するなどの対策が必要だ」との見解を示した。 "[he-forum 13239] 河北新報4/17 河北新報2008年4月17日付 七十七銀が東北大に寄付講座開講  七十七銀行は寄付講座「地域経済金融論」を東北大大学院経済学研究科に開設した。産業立地、地域間格差など地域経済に関する諸問題をテーマに、理論的、実証的な教育研究に取り組む。  東北大では35番目の寄付講座。「地域経済論」「地域金融論」で構成し、後期の10月から来年3月まで各15回の授業を行う。  専任の教員は各1人。経済学研究科の准教授のほか、外部から金融に詳しい人材を登用する。  七十七銀行は4000万円を寄付した。期間は2008、09年度の2年間で、2年ごとに契約を更新する。  東北大の井上明久総長と七十七銀行の鎌田宏頭取が17日、仙台市青葉区の東北大で記者会見した。  井上総長は「産学連携によって地域経済の発展に貢献したい」とあいさつ。鎌田頭取は「新しい分野で東北の将来を担う優秀な人材が育ってほしい」と述べた。  東北大と七十七銀行は07年1月、東北の経済活性化などを目的に連携協定を結んでいる。 "[he-forum 13240] 4/21しんぶん赤旗記事 2008年4月21日(月)「しんぶん赤旗」 ゆうPress きらり理系女子 研究と家庭 両立ムリ? 国が支援 追い風吹く  “男子は理系、女子は文系”“研究と家庭生活の両立はムリ”―そん な風潮もまだまだ強いなかで、研究者を夢見て頑張る理系女子たち。国 が支援に乗り出すなど、追い風も吹き始めました。(学生は仮名)坂井  希  「高校ではクラスで紅一点。大学も、受かってびっくり、 100人中女子は4人でした」。都内の大学工学部(4年生)の古屋茜 さんが語ります。  理・数・工学系に学ぶ女子学生の多くが、こうした体験に直面しま す。「男子とも話せるので孤独感はないけど、周囲の目はプレッ シャー。『女で理系に来るからには、よほど覚悟があるんだろう』みた いな(笑い)」と古屋さん。 将来不安  研究者を目指す理系女子にとって、一番の不安は将来のこと。身近に 女性の先行モデルが少ないからです。古屋さんの研究室の教授も50代 男性。“24時間研究漬け”の姿を見るにつけ、「女性が研究者になっ たら、結婚や出産はできないんだろうな」と思うと言います。  別の大学で薬学を専攻する大橋春香さん(3年生)も、「女性は研究 者として脂が乗ってくるころと出産・育児の時期が重なる」と不安を口 にします。「授業で研究者の心得について話してくれた講師は全員が男 性。参考にならなかった」  日本の研究者に占める女性の比率は12・4%(2007年)。国際 的に見て最低レベルです。  少ない理由を女性研究者に聞くと、トップは「出産、育児、介護な ど」。「評価、昇進、処遇において女性が不利」が続きます。 粘り強く  個人の努力や家族の支えを頼みに、いばらの道を歩んできた女性研究 者たち。1975年、大阪で第1回婦人研究者問題全国シンポジウム (日本科学者会議主催)が開かれたころから、粘り強い運動が始まりま す。  2002年には、12の理工系学協会が男女共同参画学協会連絡会を 結成。賛同が広がり、参加学協会は67にまで増えました。  政府も2000年代に入り、本格的な支援を始めました。02年、文 部科学省が「女性の多様なキャリアを支援するための懇談会」を設置。 翌年の報告で、大学教員の新規採用は「30%程度は女性を」と提言し ました。06年の科学技術基本計画には「女性研究者の活躍促進」が盛 り込まれ、各種の女性研究者支援制度(表)がスタートしました。  文科省の担当者は「優秀な女性が研究を続けられなければ、日本の科 学技術の発展もない。これは政府あげての掛け声だ」と言います。男女 共同参画学協会連絡会の中村正人委員長(宇宙航空研究開発機構教授) は、「長い運動の積み重ねがあって少しずつ変わってきた。われわれの 取り組みは、悪すぎたバランスを普通に戻すという当たり前のこと」と 話します。 低すぎる若手研究者の地位  女性研究者支援の広がりの一方、男性を含む若手研究者の状態悪化が 深刻です。大学院博士課程を出ても安定した職に就けず、ポスドク(短 期契約の非常勤研究員)などで当座をしのぐ人が多数に上ります。  ある女性ポスドク(32)は「収入は低く、社会保険に入れない場合 もある。身分が不安定で自分の研究に専念できない。男女共通です」と 話します。同時に女性特有の悩みも。「将来が見通せない状況では、結 婚や出産に踏み切れない。付き合っている男性もいるし子どもも欲しい けど、年齢的にタイムリミットはそう遠くない」  日本の高等教育予算は貧しく、大学への交付金は毎年削減されていま す。国立大が法人化された03年以後、削られた人件費は479億円 (06年度)。旧国立大時代の助手の初任給1万人分です。  若手研究者の不安解消には、高等教育政策の転換が不可欠です。  男性研究者を含めた「働き方の見直し」も課題です。お茶の水女子大 は「9時―5時」体制を全学的に実施し、研究者が定時に帰れて業績も あげられる環境の達成を目指しています。  前出の古屋さんは言います。「女性は困難が多い分、研究の社会的意 味などを真剣に考えている面もあると思う。女性がもっと増えて研究の 分野で輝けるように、政府は支援を強めてほしい」 大学が子育てサポート 東京農工大  東京農工大(本部=東京都府中市)は、06年度の文部科 学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成」事業に採 択、女性キャリア支援・開発センターを設立しました。5人の専 任スタッフが女子学生や女性研究者を支援しています。  その一つが「学内研究サポートシステム」。出産・育児・介護中の女 性研究者に、研究支援員を派遣するものです。「定期的に実験の下準備 やデータ処理などを手伝います。一人でやるより早く終わり、保育園の お迎えに行けたりする。“大学が子育てをバックアップしてくれる”と いう心理面での効果も大きいようです」(同センターのコーディネー ター、秋田カオリ特任准教授)  センター長の宮浦千里教授は「女性研究者が継続して研究活動を推進 できるように支援体制を整備しています。国の予算もつき、組織をあげ て動けるようになったことは大きい。本学の優秀な卒業生に母校に戻っ ていただき、再び勉強して再起してもらえるような、本学の特色を生か した取り組みも進めています」と話します。 参考資料等全文は http://www.jcp.or.jp/akahata/ aik07/2008-04-21/2008042105_01_0.html "[he-forum 13241] 読売新聞石川4/19 読売新聞石川版2008年4月19日付 【焦点】麻酔科医 不足深刻 大学病院でも 激務「割に合わぬ」志望減  麻酔科医不足が、県内で深刻になっている。全国統計のある2006年の県内の医師数は、10万人当たり5・7人と全国平均の4・9人を上回るが、麻酔科医不在の病院も増え地域による偏りは大きい。自治体病院に麻酔科医を派遣している金沢大学病院や金沢医科大病院でも状況は進行している。麻酔科は、不規則な勤務体系などが要因で医学生にも不人気で、病院は待遇改善などに乗り出しているが、抜本的な対策は見えてこない。(小泉朋子)  金沢大学病院では3月末に2人が退職、2人が産休に入り、麻酔科医は4人減り、手術に支障がないよう診療科が協力して手術計画を立てることにした。金沢医科大も昨年度末で2人が退職。県によると輪島、珠洲、穴水、宇出津の4つの自治体病院には常勤の麻酔科医不在が続いている。  麻酔科医の不足は、手術数の増加と長時間化に密接に関係している。厚生労働省によると、全国の病院での手術件数は、02年と05年の9月を比較すると12・9%増えている。技術の進歩などで手術で改善するケースが増えたためで、増えている患者の負担を軽減する内視鏡の手術は、5~6時間に及ぶことが多い。  麻酔科医は、手術前から準備しなければならず、手術後の経過観察も重要。「合併症の有無、体重など麻酔は患者一人ひとりに合わせる必要があり、ミスは許されない。手術が立て込むと緊張で怖くなる。人手不足は勤務を過酷にし、悪循環を招いている」と打ち明ける麻酔科医もいる。  過酷な勤務を嫌って開業する麻酔科医も増え、「手術の成功は外科医の手柄。割に合わないというのが本音で、訴訟も増えている。麻酔科に魅力を感じなくなっている」と話す。後遺症が残るなどして訴訟に発展するケースも増え、過酷な労働条件と合わせ、医学生に不人気の要因になっているという。      ◇  県は対策として小児科、産科に加え、麻酔科を目指す学生への修学金制度を今年度設けた。県地域医療推進室の北川龍郎次長は、「学生に使命感を高めてもらうしかない。息の長い取り組みが必要になる」と話している。 能登病院は確保  2007年4月から常勤の麻酔医の不在が続いていた七尾市の公立能登総合病院は今春から、県外の大学病院から3人を確保した。  病院の事業管理者の川口光平さんが示した条件は、「緊急手術以外は、なるべく呼び出さない」「外科医と麻酔医は対等の関係で手術をする」。外科医に合わせて手術のスケジュールが決まることが多く、同じ医師でも外科医の助手のような扱いに不満を持つ麻酔科医は多いという。川口さんは、待遇とステータスの両方の改善を示して、難題の麻酔科医を確保した。同病院の麻酔科医は、ずれ込んではいるが5月以降には着任する見通しという。 "[he-forum 13242] 読売新聞4/19 読売新聞2008年4月19日付 企業の研究施設を大学内に誘致へ、産学連携促進で経産省  経済産業省は18日、産学連携で地域発の技術開発を強化する「地域発イノベーション加速プラン」をまとめた。地域経済再生に結びつける狙いで、大学の敷地内に企業が入居できる研究施設を設置することが柱だ。  2009年度予算で事業費を要求する。  具体的には、経産省所管の独立行政法人、中小企業基盤整備機構を通じ、大学のキャンパス内に共同研究施設を設け、格安の賃料で企業誘致する。大学と企業との「距離」を縮めて連携を強化するとの考え方だ。産学同居で研究設備を有効利用することにつなげる。 "[he-forum 13243] 毎日新聞愛知4/18 毎日新聞愛知版2008年4月18日付 愛教大:存在感ある大学目指す--松田新学長が会見 ◇モノづくりに精通した教員養成  今月1日付で愛知教育大(刈谷市)の学長に就任した松田正久氏(60)が記者会見し、6年間の任期における大学運営の基本方針や改革計画などを明らかにした。この中で松田氏は「存在感のある個性的な大学」をめざし、モノづくりが盛んな県内にふさわしい教員養成や地域に開かれた大学運営を進めることを強調した。  松田氏は冒頭「効率化のみの安易な国立大学の再編・統合には反対」と述べ、国からの運営交付金についても「大学の基盤的経費の一部であり、競争原理による配分はなじまない」と配分の見直しに強く反対した。  県の特徴を生かした地方の教育大ならではの取り組みとして、(1)モノづくり地域に対応し、科学やモノづくりに精通した教員(2)三河地方に多い外国人児童に対応し、その教育に携わる教員(3)奥三河などの独特な文化に対応し、その継承や保存の担い手--などの養成を挙げた。  また、教育改革の課題として、(1)教員の能力や質を高めるため、現在4年制の教員養成課程を教職大学院などで6年制に延ばす(2)近隣大学と共同で大学院に博士課程を新設する(3)来年度から始まる教員免許更新制度に他大学や教育委員会と連携して臨む--などの考えを示した。  さらに、地域に開かれた大学として、市民が自由に参加できる講演会や講座、イベントなどの拡充を図るという。【安間教雄】 "[he-forum 13244] 京都新聞4/21 京都新聞2008年4月21日付 京大とJAXAが連携協定 巨大宇宙望遠鏡など開発進める  世界をリードする宇宙研究、宇宙開発を展開しようと、京都大と宇宙航空研究開発機構(JAXA、東京)は21日、学術研究と事業推進に向けた連携協定を締結した。衛星の編隊飛行による巨大宇宙望遠鏡など、独創的なプロジェクトに取り組む。  同日、京大時計台記念館(京都市左京区)で、尾池和夫京大総長と立川敬二JAXA理事長が協定書を交わした。天文衛星「すざく」「ひので」の開発研究などの連携実績を踏まえ、京大の宇宙に関する研究ネットワーク組織「宇宙総合学研究ユニット」の設立にあわせて、人文社会分野を含む包括的な協力体制を作る。  「宇宙理工学の基礎研究」「宇宙生存空間の融合・学際研究」などを重点分野に、▽ミラーと観測装置をそれぞれ搭載した複数の衛星を編隊飛行させることで焦点距離が数十メートルになる巨大宇宙望遠鏡の開発▽太陽放射線予測など「宇宙天気予報」の実現▽国際宇宙ステーションからの観測による地球大気質変動の将来予測-など、さまざまなプロジェクトを進める。京大での連携講座や講演会なども開く。  尾池総長は「人類の生存圏が宇宙へ広がるなか、学問を融合し総合的にやっていくことが必要で、京大のそれぞれの分野の下地を生かしたい」と話した。 "[he-forum 13245] 朝日新聞社説4/19 朝日新聞社説2008年4月19日付 教育基本計画―中教審はどうしたのか  これでは話が違う。初めての教育振興基本計画をつくるため、文部科学相の諮問機関である中央教育審議会が出した答申のことである。  基本計画は、06年に改正された教育基本法に基づき政府が決める。「教育立国」を掲げ、10年先のあるべき姿を見据えて今後5年間に取り組むべき施策を示すものだという。  教育現場が抱える課題は多い。とくに深刻なのは学力低下問題だ。学力格差をどう縮めるか。考える力をどう育むのか。そのためには、教師の数や質の向上が欠かせない。  だから、この答申で最も注目されたのは、教員を増やすなど予算のかかる措置が具体的にどう描かれるかだった。日本の教育への公的支出の割合は、先進国のなかでも低い。教育への投資は、日本の教育を底上げするには避けて通れない課題である。  ところが驚いたことに、答申には具体的な提言が見あたらないのだ。  中教審は、授業時間と内容を増やす方針を盛り込んだ今回の学習指導要領改訂を答申する際にも、大前提として教員を増やすなどの条件整備が欠かせない、と明言していた。それを放棄したと言われても反論できまい。条件が追いつかないまま、ただがんばれと言われる現場はたまらない。  どうしてこんなことになったのか。答申には、財政措置の必要性にさらっと触れたのに続いて、こんな一文がある。「しかしながら、国の財政状況は大変厳しい状況にあり、これまでの歳出改革等の改革努力を継続する必要がある」。まるで財務省の審議会の答申かと見まがう内容である。  委員の片山善博・前鳥取県知事が「あまりに財政当局に近い内容で、省庁折衝の結果と答申が同じなら審議会はいらない」と怒ったのも当然だ。  答申づくりにあたって、文科省と財務省などとの事前折衝が行われ、財源の見通しがない具体策は盛り込まぬようタガをはめられた、ということのようだ。しかし、官僚たちの言い分を土台にして答申をつくるのでは、審議会で議論する意味がない。  教育現場にどんな環境整備が必要なのか、その設計図を描くことこそが中教審の使命ではないのか。それができないのなら、さっさと解散したらと言いたくもなる。  この答申を受けた基本計画は、来月にも閣議決定される。いま道路財源問題が政治の焦点になっている。財政状況が厳しいからこそ税金の無駄遣いをやめ、優先度の高い分野へ投入しなければならない。教育はその最たるものではないか。  教育が危うい。政府・与党にその自覚があるのなら、この答申にこだわらず、大胆な財政措置を基本計画のなかで打ち出してみてはどうか。 "[he-forum 13246] 沖縄タイムス社説4/21 沖縄タイムス社説2008年4月21日付 [教育基本計画] 後退した印象にみえる  これで将来の人材育成、学力向上が本当に計れると思っているのだろうか。文部科学相の諮問機関である中央教育審議会が答申した「教育振興基本計画」のことだ。  基本計画は二〇〇六年に改正された改正教育基本法で政府に策定が義務づけられた。  今後十年を見通した教育のグランドデザインで、その前半の五年間でやるべき計画を記したものである。  中教審が議論の中心に据えてきたのは、学力の低下に対する学校現場での対応であったはずだ。だが、答申はそうなっていない。  今年一月に中教審が告示した学習指導要領改定で打ち出した授業時間数の増加に対し、私たちは、その取り組みを可能にするにはまず教員数を増やすこと、同時に教員の技量を向上させる学校運営の必要を説いた。  学校現場の環境整備を後回しにして授業時間数だけを増やしても現場が今以上に疲弊するだけで、学力向上には結びつかないと考えるからだ。  今回の答申は、教育界が最大の優先課題としていた教育予算額が提言として盛り込まれていない。  中教審は学習指導要領を改定する際に、教員数を増やすことはその前提になるとしてきたはずなのに、必要とされる教職員の定数改善についての具体的見通しも明記しなかった。  これでは施策として不十分であり、学校現場には後退したとの印象にしか映らないのではないか。  文科省が改正教育基本法に行政目標である基本計画の策定を盛り込んだのは、教育予算を増やすことを確実にしようとの思惑があったからだという。  十八日の中教審総会では安西祐一郎慶応大塾長らが「教育立国を実現するには、教育投資の充実が最低の条件だ」と要望している。  だが、文科省と財務省との事前折衝で「教員定数の改善」に難色を示されたとみられている。  背後に学校現場があり子どもたちがいるのに、答申は現場の要望から大きく外れたものになってはいまいか。同時に、これまで積み上げてきた中教審の議論はどこに行ったのかという思いも禁じ得ない。  基本計画は五月に閣議決定される。財務省などとの調整はそのためだが、それでも抜本的な教育論議はそっちのけで、財源の問題から具体策を盛り込めなかったとしたら残念というしかない。  このままでは何のための審議会なのか、その存在自体が問われていることを忘れてはなるまい。  文科省は「教育投資の充実」や「教職員定数の改善」という文言は盛り込まれたと自賛している。  しかし、学校現場が疑問に思っているのは「歳出・歳入一体改革との整合性を取る」という言葉と横並びにされたことである。  学力低下や学力格差をどう是正していくか。そのためには子どもたちの目線に立った改革が必要なのに、なぜ財政問題でぼかしてしまうのか。人員を確保することが緊急の課題であれば、財政措置は不可欠である。文科省は、教育現場が抱いている危機感の解消に全力を傾けてもらいたい。 "[he-forum 13247] 共同通信4/22 共同通信2008年4月22日10時58分 阪大新棟でシックハウス 当面立ち入り禁止に  大阪大は22日、豊中キャンパス(大阪府豊中市)に1月末完成したばかりの「文系総合研究棟」について、学生や職員の立ち入りを25日から当面禁止することを明らかにした。  研究棟で働く職員2人がシックハウス症候群と診断され、学生も体調不良を訴えたためで、期間は「安全が確認できるまで」としている。大阪大は、原因とみられる建物内の揮発性有機化合物の濃度を下げる作業などを行う予定。  大阪大によると、3月中旬ごろ、高等司法研究科の女性職員2人が「部屋に入ると違和感がある」と体調不良を訴え、4月中旬、2人ともシックハウス症候群と診断された。4月から研究棟で授業を受け始めた学生2人も頭痛や鼻水などの症状を訴えた。  このため大阪大は17日、研究棟への立ち入り禁止を決め、学生や職員に周知を進めている。大学側は「想定外のことで困惑している」と話している。  研究棟は7階建て延べ約6500平方メートルで、高等司法研究科や法学研究科、講義室などがある。 "[he-forum 13248] 神戸新聞4/22 神戸新聞2008年4月22日付 告発情報5カ月間放置 神戸大大学院大腸菌違法廃棄  神戸大大学院医学研究科の久野高義教授の研究室が、遺伝子を組み換えた大腸菌などを違法に廃棄したとされる問題で、複数の学内関係者あてに昨年十月、違法行為を告発する匿名の電子メールが送られていたことが二十一日、分かった。文部科学省から連絡を受け、大学が調査に乗り出した今年三月までの五カ月間、情報が事実上放置されていた格好で、大学の対応の遅れに批判が出そうだ。  関係者によると、メールは医学部の教授ら複数の関係者に届いた。実験に使った大腸菌をそのまま排水口に流すなどずさんな処理実態を指摘する内容で、久野教授の指導に対する批判も書かれていたという。  神戸大は遺伝子組み換え実験に絡む大腸菌違法廃棄などの問題について、今月四日の会見で「三月十七日に文科省から『実験で適正な処理が行われていない』という匿名の通報があったと連絡があり、内部調査を始めた」と説明。しかし、その五カ月前に告発メールが届いていたことが明らかになり、文科省からの連絡以前に、問題に気づいていた可能性も考えられる。  元研究生の一人は「十月の段階で調査していれば、違法行為をもっと早く見つけられたはず。外部に被害が及んだ場合、大学の責任も問われかねない」と憤っている。  神戸大は現在、学内の「遺伝子組換え実験安全委員会」が、関係者への聞き取りや研究室周辺の下水調査などを進めている。一連の問題については「結果がまとまり次第公表する」とコメント、取材には応じていない。 "[he-forum 13249] 北海道新聞4/22 北海道新聞2008年4月22日付 「医進」事業で来月協定 道教委 北大、札医、旭医大と  道内の地域医療に携わる人材の育成を目指し、道教委は、北大と札幌医大、旭川医大の三大学と「連携協力協定」を五月下旬に締結する。医学部受験を支援する道教委の「医進類型指定校」事業に三大学が協力し、指定校の高校生らに対し、各大学の医師や現役医大生が指導をしたり、医学生体験に協力する。  道教委は本年度から函館中部や北見北斗、釧路湖陵など地方都市の道立高九校を医進類型指定校とし、教員を一-二人追加配置。英語、数学、理科の授業増や少人数指導を行っている。  さらに、医学部受験へのやる気を引き出すため《1》医療機関や医大の見学や医師による講演、出前講座《2》医学実験など医学生体験や現役医学部生による受験指導など三泊四日のメディカルキャンプ-などを計画。医学部を持つ道内三国公立大に協力を要請していた。  大学側はこれまでも単発的な医師の出前講座などは行ってきたが、「医学生にも協力を求めるなど医大側の長期、包括的な協力が必要」(道教委)なため、連携協力協定を結ぶことにした。  五月下旬に予定する調印式には、吉田洋一道教育長のほか札医大と旭医大の両学長、北大医学部長が参加する方向で調整している。 "[he-forum 13250] 山陽新聞社説4/22 山陽新聞社説2008年4月22日付 教育基本計画 財政裏付け欠き無責任だ  中央教育審議会は初の教育振興基本計画を渡海紀三朗文部科学相に答申したが、実現性を担保する肝心な数値が盛り込まれず物足りない内容となった。  基本計画は二〇〇六年の改正教育基本法で、新たに政府に策定が義務付けられた。十年先を見通し、今後五年間で進める教育の目標を定めるものだ。  答申は日本が発展していく原動力は「人づくりをおいて他にない」とし、あらためて「教育立国」を宣言して教育振興に取り組むよう求め、七十五の施策を示した。このうち重点的に取り組むべき事項には「確かな学力の保証」など九つの目標と二十二施策を挙げている。  しかし、施策の裏付けとなる教育予算の拡充については「欧米主要国と比べて遜色(そんしょく)のない教育水準を確保すべく充実を図っていくことが必要だ」との表現にとどまり、具体的な数値は示されていない。「確かな学力の保証」や、同じく重点に据える「教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり」にしても、教職員定数の改善や施設の充実などを指摘しながら、教育投資額や増員目標数は盛り込まれず迫力に乏しい。  財務省と文科省の調整が付かなかったためとされるが、省庁間の協議通りに答申したのでは審議会の意味はなかろう。授業時間や学習内容が増加する中で教育効果を高めるには、教師が子どもたちと向き合い十分に指導できる環境整備が必要だ。  裏付けもなく多様な取り組みを求められたのでは、現場は混乱するばかりで逆効果ともなりかねない。中教審は目指す教育と必要な投資をきちんと示し、実現への強いメッセージを発すべきだった。教育という将来への重要な投資をおろそかにしては、「教育立国」実現は到底おぼつかない。 "[he-forum 13251] 中日新聞社説4/19 中日新聞社説2008年4月19日付 教育基本計画 教員増と財政がカギ  中央教育審議会(中教審)が答申した教育振興基本計画は教員増など根幹部分で数値の明記を避けた。財政的裏付けがないからだ。国は財政面も含めて教育政策の明確な方針を示す時期にきている。  「『教育立国』の実現に向けて」との副題が付いた基本計画は、特に取り組むべき重点事項に「確かな学力の保証」や「教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり」などを挙げる。  その施策として「必要な教職員定数を措置する」「現場の情報通信技術(ICT)化を進める」などを並べており「教育投資の充実」を訴えているが、増やすべき定員の数や具体的な投資額には触れずじまいだ。  答申は予算額など数値目標を盛り込めるかが焦点だったが、財務省の反発があって断念したらしい。ある委員から「これでは役人の密室協議で日本の教育が決まってしまう」と批判が出たほどだ。  公財政教育支出は経済協力開発機構(OECD)諸国の平均が国内総生産(GDP)比で5%なのに日本は3・5%にとどまる。  この計画に基づき教育政策を進めるのなら、財政支出を講じ、教員増も必要だろう。現時点では計画が実行できるか疑わしい。  教員は、増やしたくてもできない理由がある。経済財政運営の指針「骨太の方針2006」は「五年間で一万人程度の純減」とし、行政改革推進法には「児童生徒の減少に見合う数を上回る数の純減」と明記されているからだ。  二〇〇八年度の予算編成では千人純増が特例的に認められたが、これは「教育再生」を重要政策に掲げた前政権の遺産といえる。  福田政権はというと、教育政策への姿勢がいまだに見えてこない。教員定数について今後はほかの公務員同様に扱うのか、それとも行革推進法を改正してまで増強方針をとるのか不明だ。答申が踏み込めなかったのは、政府の腰が定まらないことにも原因がある。  東京都は低所得世帯に受験生の塾費用を無利子で貸し出す。公教育放棄との批判もあるが、学力対策が塾任せとなっている現実を見ての政策でもある。  大阪府は公立小学校の低学年で実施中の三十五人学級を廃止する案を明らかにした。基本計画で提言する少人数指導には逆行するが、財政状況が苦しいからだ。  現場を抱える自治体は教育でも早急な対応を迫られている。一方で政府は方向を打ち出せない。これでは「教育立国」は難しい。 "[he-forum 13252] 東京新聞社説4/19 東京新聞社説2008年4月19日付 教育基本計画 教員増と財政がカギ  中央教育審議会(中教審)が答申した教育振興基本計画は教員増など根幹部分で数値の明記を避けた。財政的裏付けがないからだ。国は財政面も含めて教育政策の明確な方針を示す時期にきている。  「『教育立国』の実現に向けて」との副題が付いた基本計画は、特に取り組むべき重点事項に「確かな学力の保証」や「教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり」などを挙げる。  その施策として「必要な教職員定数を措置する」「現場の情報通信技術(ICT)化を進める」などを並べており「教育投資の充実」を訴えているが、増やすべき定員の数や具体的な投資額には触れずじまいだ。  答申は予算額など数値目標を盛り込めるかが焦点だったが、財務省の反発があって断念したらしい。ある委員から「これでは役人の密室協議で日本の教育が決まってしまう」と批判が出たほどだ。  公財政教育支出は経済協力開発機構(OECD)諸国の平均が国内総生産(GDP)比で5%なのに日本は3・5%にとどまる。  この計画に基づき教育政策を進めるのなら、財政支出を講じ、教員増も必要だろう。現時点では計画が実行できるか疑わしい。  教員は、増やしたくてもできない理由がある。経済財政運営の指針「骨太の方針2006」は「五年間で一万人程度の純減」とし、行政改革推進法には「児童生徒の減少に見合う数を上回る数の純減」と明記されているからだ。  二〇〇八年度の予算編成では千人純増が特例的に認められたが、これは「教育再生」を重要政策に掲げた前政権の遺産といえる。  福田政権はというと、教育政策への姿勢がいまだに見えてこない。教員定数について今後はほかの公務員同様に扱うのか、それとも行革推進法を改正してまで増強方針をとるのか不明だ。答申が踏み込めなかったのは、政府の腰が定まらないことにも原因がある。  東京都は低所得世帯に受験生の塾費用を無利子で貸し出す。公教育放棄との批判もあるが、学力対策が塾任せとなっている現実を見ての政策でもある。  大阪府は公立小学校の低学年で実施中の三十五人学級を廃止する案を明らかにした。基本計画で提言する少人数指導には逆行するが、財政状況が苦しいからだ。  現場を抱える自治体は教育でも早急な対応に迫られている。一方で政府は方向を打ち出せない。これでは「教育立国」は難しい。 "[he-forum 13253] 東京新聞4/22 東京新聞2008年4月22日付 原子力のリーダー養成へ 東京大・原子力機構が包括連携  東京大と日本原子力研究開発機構は、原子力分野での人材育成と研究開発強化を柱とする包括的な連携協力を進めることで合意し、協定を結んだ。人材交流や研究施設・設備の共同利用などを通じて原子力界のトップリーダーを養成する。  原子力はエネルギー安定供給や地球温暖化対策を背景に見直されている。また、国際的にも原子力産業界の再編や寡占化が進み、ウラン資源確保に向けた資源外交も活発化している。  このため、原子力分野での高度な技術者や研究者の養成が緊急課題になっているが、国内では十数年前から東大を含めて大学から「原子力」の名前がついた学科や専攻が消滅。教育や人材育成が衰退し、“原子力ルネサンス”に十分に対応できないのが現状だ。  東大は三年前に原子力国際専攻と原子力専攻専門職大学院を設置。昨年は「世界を先導する原子力教育研究イニシアティブ」が、優れた拠点づくりを目指す国のグローバルCOEに採択されるなど原子力人材育成に再び力を入れ始めた。  原子力機構とはこれまでも相互協力関係があり、茨城県東海村にある専門職大学院の講義の六割、実習の九割は原子力機構が受け持っている。ただ、「部局単位での連携で、全体としての共同研究ではなく個人レベルや専攻レベルにとどまっていた」(平尾公彦・東大副学長)。  現在、原子力は原子力発電だけでなく加速器や核融合、医療利用まで広がっている。原子力エネルギーから放射線利用、原子力社会学まで総合的に教育研究している東大と、国内最大の原子力研究者や技術者を擁する原子力機構が包括的に協力することで人材の育成や交流、研究協力、研究施設・設備の相互利用を充実、強化させる。  東大での調印式で小宮山宏・東大学長は「エネルギー資源確保と脱炭素・脱化石の実現は人類の重要な課題。非化石系資源の総動員は待ったなしの状況で、原子力の役割は欠かせない。原子力の人材育成に両組織が協力する意思を明確にしたことが重要」と話した。岡崎俊雄・原子力機構理事長も「協力関係をより広く、強力にすることで世界が必要とするリーダーを育て、優れた研究開発成果を日本から発信できる」と期待をかけた。 "[he-forum 13254] 毎日新聞福島4/22 毎日新聞福島版2008年4月22日付 福島大・福島銀:連携協定を締結 人材交流や共同研究検討  福島大(今野順夫学長)と福島銀行(紺野邦武社長)は21日、産学連携の協力協定を締結した。福島大が県内の金融機関と協定を結ぶのは東邦銀行、福島信金に続き3例目で、今後はインターンシップなどの人材交流や共同研究を検討していく。  協定は、双方が持つ研究実績や金融に関するノウハウなどを活用し、「地域の発展と産業の振興に寄与することを目的」に連携。▽新技術・新規事業に関する情報交換▽地域経済の情報交換▽人材交流やインターンシップの実施--などで協力していく。  この日開かれた締結式で、今野学長は「県内の産学を発展させるためには金融機関の協力が不可欠」と話し、紺野社長は「銀行は知識産業化の様相を強めている。大学のノウハウを積極的に取り入れ、地域社会に貢献していきたい」と意気込みを語った。【松本惇】 "[he-forum 13255] 毎日新聞青森4/23 毎日新聞青森版2008年4月23日付 森公立大:来年4月に独立法人 青森市が設置主体に  青森市の佐々木誠造市長は22日の定例会見で、青森公立大(佐々木恒男学長)の設置団体を来年4月から青森市とする地方独立行政法人にすると発表した。  市は行財政改革プログラムの中で、今年度内に独立法人化を検証し、整理するとしていたが、今年1月の同大臨時評議会での機関決定を受け、市も検討を進めていた。  同大の設置者は現在、市、平内町、今別町、外ケ浜町、蓬田村で構成する青森地域広域事務組合(管理者・佐々木誠造青森市長)で、市によると、法人化以降はこれまで構成町村が支払っていた負担金はなくなるが、授業料の優遇措置は継続するという。佐々木市長は「関係町村の首長におおむね理解は得た」としている。市は21日に組合に対し、事務負担や規約の変更を申し入れ、今後、各市町村の議決や文部科学省への設置者変更の手続き、県の認可などを経て正式に決定する。  大学に対しては自由裁量が与えられる半面、厳しい経営責任を課される独立行政法人化について、同大の佐々木学長は同日の定例会見で「事業戦略遂行のための方法の一つ。まずは教職員の意識改革を徹底的に進める。大学側の希望も設置者に伝え、望ましい法人化を目指したい」と話した。【野宮珠里】 "[he-forum 13256] 共同通信4/23 共同通信2008年4月23日11時53分 教育投資の数値目標明示を 振興基本計画で自民が決議  自民党は23日の文部科学部会・文教制度調査会合同会議で、政府が初めて定める教育振興基本計画に教育投資の具体的な数値目標を盛り込むことなどを求める決議をまとめた。近く首相官邸や財務省に提出する。  決議は「教育現場の条件整備が行われなければ教育再生は実現できない」と強調。教育投資について「欧米の教育先進国の財政支出水準を上回る具体的な数値目標を設定し、充実を図る」としたほか、教員定数も計画的に増やすよう求めている。  今後5年間の教育政策の重点項目を明示する同計画は、18日の中教審答申を踏まえて文科省を中心に策定中で、5月中旬に閣議決定する方針。  ただ答申では「欧米主要国に比べ遜色のない教育水準を確保するためメリハリを付けた投資を行う」などと厳しい財政事情に配慮した表現が目立っているため、この日の会合では「教育に力を入れるとの強い姿勢を打ち出すべきだ」として予算拡充を求める意見が相次いだ。 "[he-forum 13257] 秋田魁新報社説4/24 秋田魁新報社説2008年4月24日付 教育振興基本計画 今後に不安増すばかり  今後の教育に期待を抱かせるどころか、不安を増長させると言わざるを得ない。中央教育審議会が答申した「教育振興基本計画」のことである。  基本計画は「改正教育基本法」に基づき、今回初めて策定された。いわば今後10年を見通すグランドデザイン。問題が山積する中、どんなふうにまとめられるか注目されていた。  それにもかかわらず、肩透かしを食らったような内容にとどまった。中身が通り一遍で、一部を除けば既存の施策の寄せ集めと言っても、あながち的外れではないのである。  もちろん教育ほど地道な取り組みが求められるジャンルもない。教育に対する考え方はさまざまあるにしろ、「人づくり」という根本目標がそんなに大きくブレるはずもない。  計画が目新しさに欠けるとはいえ、教育問題をしっかり見据え、一つ一つこつこつと解決していこうという姿勢で貫かれているとするなら、評価する向きも出てこよう。  何より心配なのは計画の実現性だ。教育予算増額の数値目標や教職員定数改善の具体的な見通しという肝心な部分が盛り込まれなかったのである。  教育現場の多忙化が指摘されて久しい。「人も金も不十分なまま、どうすればいいのか」。悲鳴に近い訴えや悩みを見聞きすることも珍しくない。  これに学習指導要領の改定が追い打ちをかける。「ゆとり教育」を転換する改定は、授業時間数や学習内容の増加が柱。以前にも増して高い次元の目標達成を課しており、教育現場にすれば負担増となるのは間違いのないところなのだ。  あれもこれもと目標を掲げておきながら、人や金といった裏付けがあやふやでは、計画が「絵に描いたもち」に堕する恐れも否定できなくなる。  なぜこんなことが起こるのか。教育が「国家百年の大計」であることは疑問の余地がない。その充実を妨げることなど果たしてあり得るのだろうか。  実は今更指摘するまでもなく、「財政事情」という厚い壁が立ちはだかるのだ。具体的には財務省が予算や教職員の増加を図ろうとする文部科学省に難色を示しているのである。  財政難は今や、国や地方のありとあらゆる分野に及び、最大の懸案事項になっていると言っていい。教育が全く影響を受けないわけにはいかないことも大半の人が分かっている。  しかし、人づくり、つまり教育なくして国も地方も未来につながっていかないこともまた、紛れもない事実なのだ。財政難を言い訳に教育の充実を怠れば、それこそ国や地方の先細りを招きかねない。  今こそ、省庁の枠を超えた「教育哲学」を持つべき時だ。教育の大切さに対する共通理解が深まれば、ほかの予算を回してでも拡充を期すべきだという機運が高まるに違いない。 "[he-forum 13258] 四国新聞4/25 四国新聞2008年4月25日付 四国初の付属博物館オープン-香川大  四国初となる大学付属の博物館が香川大(香川県高松市幸町)に24日、オープンした。教育学部の建物内に約300平方メートルのスペースを確保し、2万年前の石器から最先端の小型人工衛星まで全学部の研究成果や学術資料を展示、無料で開放している。  名称は「香川大学博物館」。約100平方メートルの展示室のほか、約1万点を納める収蔵庫や実習スペースも備える。  この日、同館でオープニングセレモニーがあり、一井真比古学長が「650人の教員と6500人以上の学生の研究成果が財産としてある。社会の中で有効に生かすことが大学の使命」とあいさつ。館長を務める経済学部の丹羽佑一教授が「成功するか否かは地域とのきずなが要となる」と課題を示した。  目玉は、今秋にもH2Aロケットに搭載される小型人工衛星「STARS」の原寸大模型。このほか、窓ふきロボットや抗がん作用が期待される「希少糖」、平安時代の水田跡で見つかった足跡、心臓血管用メス「ワイヤーガイドナイフ」など約20種類の研究成果などを展示している。  展示内容は定期的に行う企画展に合わせて順次入れ替える。6月3―28日は「ウズベキスタンの現代建築と世界遺産展」。8月は昆虫展を予定している。  休館日は日、月曜、祝日、年末年始。開館時間は午前10時―午後4時。 "[he-forum 13259] 河北新報4/25 河北新報2008年4月25日付 産学官連携し人材育成 54団体参加 岩手県  岩手県の達増拓也知事らが呼び掛けてきた産学官連携組織「いわて未来づくり機構」は24日、盛岡市のホテルで設立総会を開き、正式に発足した。県内の54団体が参加。県民所得の向上などを目指す岩手の将来ビジョンをつくり、「人材育成」などに取り組むことを確認した。  総会には県内の経済団体、大学、研究機関などの関係者ら約100人が出席。達増知事、岩手経済同友会の永野勝美代表幹事、岩手大の平山健一学長が共同代表に就任した。  達増知事は1人当たり年間240万円にとどまる県民所得や医師不足などに触れ、「県民の生活、経済の発展に向け、県内の英知を結集したい」と協力を求めた。  機構の運営方法については、共同代表を含む7人によるラウンドテーブルが将来ビジョンなどを提言していくことを決定。「人材育成」「産業基盤の集積・強化」「一次産品の高機能化」「岩手ブランドの国内外展開」「医療と福祉」を検討テーマにすることにした。  具体的な調査や研究はテーマごとに設ける作業部会が担当し、会員団体などが実践に移す方針も確認した。  総会に続く初のラウンドテーブルでは検討課題をめぐって、「自動車関連などの企業誘致のためにも人材育成が重要」「県民所得向上には一次産業の発展が不可欠だ」などの意見が出された。  機構はJR盛岡駅西口のアイーナに事務局を常設し、県職員ら2人が常駐する。  機構の創設は「岩手の発展には産学官のネットワークによる大きな枠組みが必要」と発案された。 "[he-forum 13260] 日本経済新聞4/25 日本経済新聞2008年4月25日付 国立大も株取得可能に・政府方針、企業への特許供与対価  政府は国立大学による企業の株式取得を一部解禁する。研究成果を供与する対価として企業から受け取るストックオプション(株式購入権)の行使を可能にする。資金力の乏しいベンチャー企業でも先端技術を活用した事業が展開しやすくなり、国立大は株式の取得・売却で得た利益を他の研究開発に再投資できる。産学連携の動きに弾みがつきそうだ。  株式取得規制の緩和案は政府の知的財産戦略本部(本部長・福田康夫首相)がまとめた。政府は早ければ秋に予定する臨時国会に国立大学法人法改正案を提出し、来春にも実現の見通しだ。 "[he-forum 13261] 佐賀新聞4/24 佐賀新聞2008年4月24日付 佐賀大とタイの工科大が二重学位協定  佐賀大学は23日までに、タイのアジア工科大学(AIT)とデュアル・ディグリー(二重学位)プログラムの協定を締結した。留学先での修得単位を認め、卒業時に双方の学位を与える制度で、佐賀大側は大学院工学系研究科の修士課程でスタート。アジアトップレベルの人材育成へ、早期派遣を目指す。  AITはタイのバンコクにある大学院大学で、1959年に開学。最先端の工学系教育を英語で実施している研究・教育拠点で、アジアを中心とした約40カ国から2000人が学んでいる。  協定では、佐賀大から留学する場合、1年目に大学院で24単位を修得。2年目にAITで24単位を修得すれば、両大学の学位が同時に得られるよう定めた。毎年3人までとし、授業料は母校に納めれば、留学先については免除する。  両大学は、教員間の交流がきっかけで2007年、学術交流協定を締結。サイド・イランドーストAIT学長がタイで今月17日、二重学位の協定書にサイン。最終的に佐賀大で21日、長谷川照学長が署名した。  佐賀大は二重学位をめぐり、韓国・台湾の3大学と提携の覚書を交わしてきたが、具体的な協定締結には至らず、今回が初めて。長谷川学長は「二重学位は大学間交流の理想型で、学生の就職に有利」と語り、こうした仕組みが大学志願者そのものの増加につながることも期待している。  両大学は今後、専門領域のすり合わせや研究テーマの連続性を見極めながら、留学希望者を募る。軌道に乗れば、佐賀大側は経済学研究科から、経営工学分野への派遣も検討する。 "[he-forum 13262] 読売新聞秋田4/25 読売新聞秋田版2008年4月25日付 高校生 放課後は「大学生」 秋田大で無料聴講 語学に一般教養 近隣校10人が挑戦  秋田大は4月から、大学1年生が主に受講する教養科目の一部を高校生が無料で聴講できる制度をスタートさせた。大学の授業に出席して進路を決める参考にしてもらう狙いがある。希望した秋田市内の高校生計10人が学んでいる。高校生からは「分かりやすくて面白い」「もっと学びたい気持ちが強まった」との声が上がり、好評だ。  秋田大は3月に高校側にこの制度を提案し、秋田、秋田北、秋田中央、秋田南の県立4高校との間で協定を結んだ。このうち秋田高は、大学で履修した単位も高校の単位として認め、秋田南高も認める方向で検討している。  4校が選ばれたのは、授業が行われる秋田市の手形キャンパスに近く、高校の授業の後に大学の夕方の講座に出席できるためだ。  前期(4~7月)は、秋田南高を除く3校から希望した生徒10人が4月8日から受講している。後期(10~2月)は再度希望者を募るが、前期に受講しているうち3人が継続する予定。  前・後期の対象講座は、語学は、基本ドイツ語会話の2講座。一般教養では、現代日本人の生活習慣病をテーマにストレスが健康に与える影響や心身症の発生メカニズムなどを学ぶ医学部の生命と健康1Aや、教育文化学部の日本とアジアの文化2、芸術と文化1、同2、障害と共生IB、工学資源学部の地球の環境と資源4Aの6講座。  高校生には、試験は課されず、大学の単位は認定されないが、学期末に大学から高校側に出席状況と講師のコメントが送られる。  秋田大教務課の担当者は「大学の授業がどんなものか理解してもらい、進路を決める手助けにしてほしい。結果的に秋田大を受験してもらえればうれしい」と話す。  一方、秋田高校の教諭は「高校学習課程の範囲を超えて、広い視野で学問を学ぶことができ、入学後の学問のミスマッチを防ぐことにもなる」と高校生にとってのメリットを説明する。  秋田北高2年の筒井紗季子さん(16)は毎週金曜、午後3時に高校の授業を終えた後、午後4時10分から始まる日本とアジアの文化2を、秋田高2年の小白川彩さん(16)と一緒に受講している。若者言葉や方言、差別語、敬語など身近な言葉の実例からコミュニケーションについて考える授業だ。  2人は高校の制服を着て、キャンパスの講堂で、ジーパンやTシャツ姿の数十人の大学生に交ざり、約90分の講義に耳を傾ける。  筒井さんは「大学はもっと難しいことをやっているイメージだったけど、実際に受けてみると分かりやすくて面白い」と語る。小白川さんは「言語学に興味がある。講義を受けて、大学で言語学を学びたいという気持ちが強まった」と話す。 "[he-forum 13263] Re: [he-forum 11908] 徳島新聞3/2 ----- Original Message ----- From: ""news"" To: ""he-forum"" Sent: Saturday, March 03, 2007 11:35 AM Subject: [he-forum 11908] 徳島新聞3/2 > 徳島新聞2007年3月2日付 > > 鳴門教育大に「教職大学院」 教員再教育など目的、08年開校目指す > >  鳴門教育大学は一日、教員の再教育と即戦力となる新人教員の育成を目的とした「教職大学院」について、六月末までに文部科学省に設置申請することを明らかにした。同大は、二〇〇八年春の開校を目指す。 > >  鳴教大によると、現在の大学院内に、現職教員や学卒者を対象にした「高度学校教育実践専攻」を設置。▽学校・学級経営▽学校臨床実践▽授業実践・カリキュラム開発▽教員養成特別-の四コースを置く。定員は四コース合わせて五十人(現職教員四十人、学卒者十人)。教職大学院の開設に伴い、現大学院修士課程の定員を三百人から二百五十人に減らす。 > >  共通科目として<1>教育課程の編成と実施<2>教科の指導方法<3>生徒指導と教育相談-などを学ぶ。 > >  このほか、現職教員の勤務校や鳴門市内の小学校と連携を図って各校が抱える課題の解決策を考えて指導力を磨いたりする。 > >  教職大学院は、ベテラン教員よる授業方法伝達や十単位以上の学校での実習が特徴。高橋啓学長は「教育環境の変化で、教員の資質向上が求められている。実践力を蓄え、現場の課題に対応できる教員の養成を進めたい」と話している。 > "[he-forum 13264] 岡山大学で9条投票 岡山大学元教員の野田隆三郎です  昨日24日昼休み、岡山大学において9条改定の賛否を 問う学生シール投票をしました。  憲法記念日を前に、全国一斉に行われる 憲法9条 守る?変える?全国投票の一環として    http://qjyot.exblog.jp/  取り組まれたものです。  結果は     9条を  守る   203(69%)           変える  47(16%)         わからない 46(16%)  でした。  この取り組みの朝日新聞記事を上記のHPに アップしています。  また同じ学生投票をきょう25日、埼玉大学学生が 取り組みました。結果はまた報告します。 "[he-forum 13265] お詫び [he-forum 13263] はパソコン操作を誤って誤送信 したものです。申し訳ありませんでした。     野田隆三郎 "[he-forum 13266] 山陰中央新報4/26 山陰中央新報2008年4月26日付 島大など3校が図書館連携で協議会  島根大と島根県立大、松江高専の三校が二十五日、松江市西川津町の島根大で図書館連携に向けた協定書を締結し、利用者への図書サービス向上を進めるための協議会を設立した。  協議会は「島根県大学・高等専門学校図書館協議会」。島根大の付属図書館と医学分館付属図書館、県立大の松江、出雲、浜田の三キャンパスの各図書館、松江高専図書館の計六館が参加する。  手始めとして、六館間の物流システムの相互借貸を実施。従来一冊当たり往復約千円かかっていた他の図書館からの蔵書取り寄せの個人負担を、六館間では学生と教職員を対象に無料化した。  今後は六館間での蔵書貸し出し手続きの簡素化や、昨春から一般公開されている「島根県内図書館横断検索システム」を活用した蔵書情報の共有化の充実に取り組む。  調印式には三校の図書館関係者らが出席。平川正人島根大付属図書館長が「三校の図書館はそれぞれ専門や特色があり、連携には大きな意義がある」とあいさつした。 "[he-forum 13267] 読売新聞4/25 読売新聞2008年4月25日付 京都市民の54% 大学と交流ほとんどなし…市アンケート 地域活動始まった京都だが・・・ 施設利用を半数期待  京都市は24日、「大学のまち・京都」をテーマに市民を対象に行ったアンケート結果を発表した。半数が「大学と市民との交流はほとんどない」と回答し、京町家を使った授業を行う大学が増えるなど、地域をキャンパスとした活動が活発になる一方で、大学と市民の距離感が意外と縮まっていない実態が浮き彫りになった。  2月に20歳以上の市民3000人を対象に選択式アンケートを実施。1104人が回答した。  「京都のまちと大学についてどう感じているか」という設問では、54%が「交流がほとんどない」と答え、「交流が盛ん」は22・2%だった。学生や研究者とどのようなかかわりがあったかという質問に対しては、「特にない」が44・4%と最も多く、「大学祭などの催しに参加したことがある」が20・7%で続いた。  学生との交流の促進に必要な取り組みとしては、「学生ボランティアの支援」「地蔵盆などの地域行事に学生が参加できる仕組み作り」を答えにあげた市民が、それぞれ4割。大学に期待することを問う設問(複数回答)では、半数が「図書館などの施設を気軽に利用できるようにしてほしい」と答え、「大学の催しを地域にアピールしてほしい」(40・7%)、「市民向け講座を増やしてほしい」(36・3%)が続いた。  アンケート結果について、大学政策を担当する市政策推進室は「大学も地域貢献を意識し始め、地域連携の取り組みも始まっているが、大学を核としたまちづくりをより一層進めていきたい」としている。 "[he-forum 13268] 埼玉大学における9条学生投票 元岡山大学教員の野田隆三郎です。 26日埼玉大学で9条学生投票が行われました。 取り組んだ埼玉大学生 石川協子さんの 報告をご本人の了解を得て転送します。 ・・・・・以下転送 石川@埼玉大です。 遅くなりましたが、昨日の投票結果をご報告します。 「憲法9条 あなたは?」 守る     134 (65%) 変える     51 (25%) 分からない  20 (10%) 計      205 「守る」の主な理由 ・戦争はいけないから ・変える必要性がない ・平和憲法を世界平和のために役立ててほしい ・定義をしっかりさせてほしいが今は守らなければならない ・誰も死なせたくない ・世界的に珍しいから、誇れるものとすべき ・特にない 「変える」の主な理由 ・自衛隊をちゃんと明記した方がよい ・攻撃されたときに反撃できない ・日本だけ戦争しないのは良くない ・海外協力も重要 ・自衛隊を無くせるように変えるべき(護憲的?) ・記述の仕方に問題がある ・特にない 「わからない」の主な理由 ・どちらの意見もわかるから判断できない ・本当にわからない 投票は、私の所属するサークル 「社会問題研究会」のメンバーで行いました。 以前質問した、護憲的改憲についての注意が メンバー全体に行き渡っていなかったらしく 変えるに入った票が何票かあります。 こちらの不行届きでごめんなさい。 今回はメンバーの要望で、投票者に 判断の理由を聞くことに重点を置きました。 そのせいで、票数は例年の半分になってしまいましたが、 9条に対する考えを色々聞くことができて参考になりました。 個人的に嬉しかったのは、 やはりメンバーが一丸となって シール投票に取り組めたことです。 政治にもそれほど関心がなく、 人前に出るのも恥ずかしい、というような友だちが 不器用にも一生懸命取り組んでくれたことは 私に希望を与えてくれました。 小さな変化を大事にして、明日への原動力にしたいと思います。 これから取り組まれる市町村の結果も楽しみにしています。 "[he-forum 13269] 時事通信4/28 時事通信2008年04月28日15時56分 海洋研究所准教授を解雇=大学院入試問題漏えい-東大  東京大学大学院の入試問題漏えいで、同大は28日午後、漏えいにかかわったとして、海洋研究所の浦川秀敏准教授を懲戒解雇したと発表した。処分は25日付。問題漏えいがあったのは、新領域創成科学研究科環境学研究系自然環境学専攻の2007年度の入試問題。浦川准教授は、同研究科で教員を務めていた。 "[he-forum 13270] 読売新聞静岡4/27 読売新聞静岡版2008年4月27日付 静岡大に地域窓口 産学連携「協働センター」  静岡大(興直孝学長)は中長期的な運営方針を示した「ビジョン(展望)と戦略」を公表した。地域社会への貢献を強調し、自治体や外部組織、産学官連携の総合窓口となる地域連携協働センターを4月中に新設することを明示した。  主な方針では、教員養成のための教職大学院の2009年度開設を目指し、県立大、静岡産業大との経営分野での共同大学院の設置も目標に掲げた。  大学院では、海外提携先でも学位取得できる制度の拡充や留学生、日本人学生の9月入学、留学生の授業料免除など支援策も盛り込んだ。理系博士課程はすべて英語で授業を行うことも検討する。  学部教育では、卒業認定試験など達成度を把握する体制も挙げた。  研究では、地元産業の特徴に合わせ、生命・環境など学部を超えたテーマごとのプロジェクト型研究を進める。研究を支える補助金など外部資金の積極的な獲得を目指す、としている。  新設する地域連携協働センターは、県や住民組織などとの連携を進めるほか、生涯学習、防災などの学内組織をとりまとめたうえ、知的財産の活用や企業との産学連携の役割も担う。  興学長は「大学の存在意義について議論し、今後の大学運営の方向性を打ち出した。全学で共有するよう周知したい」と話した。 "[he-forum 13271] 読売新聞山梨4/28 読売新聞山梨版2008年4月28日付 教職大学院、梨大が申請へ 来年度開設向け国に  山梨大(貫井英明学長)は、教職大学院の設置を文部科学省に申請する方針を固めた。2009年度の開設を目指す。認可されれば、県内では初。県や県教委と調整中で、5月中に申請する予定だ。  内容は小中学校教育を対象とし、理科教育、いじめ問題への対応などを予定。理科教育は、「理科離れ」が指摘されていること、同大工学部の研究内容やスタッフを活用できることから選んだ。指導にあたる教授には同大の教授のほか、小中学校の教育現場経験者も入る。  定員は15人程度。学部卒業生のほか、教育現場でリーダーとなれる中堅教諭を育てるため、定員の半数程度は、現職の小中学校教諭となることを期待している。  貫井学長は取材に対し、「大学として、山梨の教員のレベルアップに貢献したい。実現、成功には(教員派遣など)県教委の協力、支援が欠かせず、連携を緊密にしたい」としている。  教職大学院は今年4月から全国で設置されているが、カリキュラムに地域性や独自性が反映されている。常葉学園大(静岡市)は、静岡県内に日系ブラジル人が多いため、「国際理解教育論」を必修化。鳴門教育大(徳島県)は、軽度発達障害児の支援を盛り込んだ。京都教育大は、府内の同志社大、京都産業大、立命館大など7私大と合同で大学院を設置し、大学間の垣根を越えて、教員養成に取り組んでいる。 教職大学院 実践的な指導力を備えた新人教員、学校現場で中核となる現職教員の養成などを目的に、今年4月に設置が始まった。標準修業期間は2年で、小学校などでの授業実習も行う。修了者には「教職修士」の学位が授与される。教授には学校長や指導主事経験者など「実務家教員」も置く。東京学芸大、早稲田大など、国立大学法人、私立計19大学でスタートしている。 "[he-forum 13272] 読売新聞4/28 読売新聞2008年4月28日付 企業から医師への資金提供 医学部7割ルールなし  医学部を持つ全国の大学のうち、医師ら教員が製薬企業などから得た研究費や講演料を届け出たり、研究の独立性が保たれるかどうかを審査、監督したりするルールを策定、実施しているのは3割に過ぎないことが、読売新聞の調査でわかった。  特に私立大では、ルールを持つのは回答した24校中1校だけで、医師と企業の資金関係を「開示できる」としたのも2校にとどまり、情報公開の遅れが浮き彫りになった。  調査は全国80大学(国公立51、私立29)に文書で行い、74校(国公立50、私立24)から回答を得た。ルールを作成しているのは23校で、実際に運用しているのは20校(27%)だった。そのうち国公立が19校で、私立は1校だけだった。  教員が企業から得た役員報酬や顧問料、特許権料、株式の保有、講演料や原稿料、研究費などのうち、大学への届け出が必要な場合の金額は「年間100万円以上」としたところが多かった。8校では届け出対象を本人のみとし、15校では家族も含めた。  ルールを持たない51校のうち、25校は「今年度内に作成、または作成を検討する」としたが、26校は「未定」だった。 [解説]私大、開示に後ろ向き…ルール化 慶大のみ  企業から医師への資金提供を巡っては、薬物療法などの目安を定めた診療指針の作成委員を務める国公立大の医師の約9割が、製薬企業から寄付金を受け取っていたことが、読売新聞の調査で既に明らかになっている。しかし、私立大の場合、指針の作成委員に名を連ねる教授らも多いものの、製薬企業との資金関係はベールに包まれているのが実情だ。  寄付金について、国公立大のほとんどは、情報公開制度に基づき、受領した教員、講座名や提供した企業名、金額を開示している。一方、私立大では、今回の本紙調査に対し、10校が寄付金の総額(平均2億9400万円)は回答したが、個別の資金関係を「開示できる」としたのは東京医大、東海大の2校だけだった。調査に「答えられない」とした私立大も数校あり、情報開示に後ろ向きな姿勢が目立った。  資金についてルールを設けている私立大は慶応大だけで、医学部教員に外部委員(弁護士)1人を含めた委員会で、企業の資金提供で行う研究について審査、勧告などを行う。  インフルエンザ治療薬「タミフル」に関する厚生労働省研究班の医師が治療薬メーカーから寄付金を得ていた問題を機に、厚労省は先月、2010年度から、大学の医師が同省研究費を申請する場合、所属大学が資金関係のルールを運用していることを条件とすることを決めた。  ルール策定と情報公開を急ぐべきだ。 "[he-forum 13273] 時事通信4/28(2) 時事通信2008年04月28日21時25分 東大准教授が問題漏えい=懲戒解雇  東京大学は28日午後、2007年度の大学院修士課程入試に先立って、問題の一部を複数の受験生に教えたとして、海洋研究所(東京都中野区)の浦川秀敏准教授(37)を懲戒解雇したと発表した。処分は25日付。内容を伝えられた受験生は全員合格したが、東大は「合否への影響はなかった」と判断し、合否の調整は行わない。  内容が漏れたのは、06年8月7、8日に実施された大学院新領域創成科学研究科の自然環境学専攻の入試。大学側の調査では、受験生からの見返りはなかった。  浦川准教授は事実関係を認め、「試験範囲が広いので、焦点を絞って勉強するために伝えた」と説明したという。   東大によると、浦川准教授は自らの研究室を志望していた複数の受験生に、連絡を取るよう電子メールを送信。応じた受験生らに、06年6月から8月の入試直前にかけ、専門科目の論述問題について「京都議定書」「水産資源の管理方法」などのテーマを伝えた。漏えいしたのは、専門科目7題のうち6題に上った。  准教授は05年4月から海洋研に所属。同専攻の講座を受け持ち、06年に入試の出題委員に就任した。英語の担当だったが、同6月に出題委員会に出席して専門科目の出題内容を知った。問題用紙の持ち出しはなかった。今年2月に、問題を教えられた学生が海洋研の別の教員に相談し、漏えいが発覚。東大は学内調査を進めてきた。不合格となった受験生には、経緯を説明した資料を発送した。  東大は併せて、同専攻長(当時)の大沢雅彦教授ら5人の監督責任を問い、減給などの処分を行った。小宮山宏学長ら3人も給与(1カ月分の10分の1)を自主返納した。 "[he-forum 13274] 西日本新聞4/29 西日本新聞2008年4月29日付 FFG、大学と連携強化 共同研究 寄付講座 融資拡大 九州大、長崎大、熊本大と協定  ふくおかフィナンシャルグループ(FG、福岡市)は28日、傘下行の地盤に拠点を置く九州大、長崎大、熊本大と産学連携協定を締結した。九大との連携強化では、福岡県内の商店街の活性化に向けた共同研究を進め、ふくおかFGの寄付講座として海外企業の合併・買収などを学べる「アジア財務戦略講座」を設けることなどが特徴。ふくおかFGは「大学、企業、行政の間に立ちながら、効果的に企業や産業育成を進めたい」としている。  ふくおかFGは昨年2月に九大と連携協定を締結。この間、傘下の福岡銀行の取引先が抱える技術開発の課題解決に向け、九大教員を仲介した事例が9件あるほか、ベンチャー企業への融資などを行ってきた。  今回は、さらに発展させた「組織対応型連携」との位置付けで、商店街再生をはじめ、キャンパス内で実証試験中のICカードの応用などでも協力し合う。九大が民間金融機関と同連携を結ぶのは初めて。寄付講座では、ノウハウのビジネス活用を教える「研究・技術経営(MOT)論講座」も本年度下期から開設するとしている。  福銀はこのほか、福岡市の六本松キャンパスの移転資金として、九大に対し、昨年10月、123億円の融資枠を設定した。  長崎大、熊本大との連携についても、傘下行を窓口に、取引先の技術・開発相談に応じたり、ベンチャー企業に融資したりするという。 "[he-forum 13275] 河北新報4/28 河北新報2008年4月28日付 東北大基金を創設 寄付の10億円原資に  東北大は28日までに、東北大研究教育振興財団から寄付を受けた10億円を原資に、東北大基金を創設した。運用益は公的資金を補う大学独自の財源として活用する。  財団は創立100周年記念事業として募金活動を展開。寄付金37億6000万円と物品9000万円分、半導体研究所の資産24億円相当の寄贈を受け、10月開館予定の「百周年記念会館(仮称)」建設資金などを除く10億円を大学に寄付した。  大学は基金を運用し、教育研究環境の整備、企業・社会との連携、国際交流促進、学生支援などに充てる。5月にも学内外のメンバー約20人による基金運営委員会を設ける。  同大の井上明久総長は運営費交付金、授業料、科学研究費補助金に次ぐ第4の財源として、独自の裁量で使える基金の創設を100周年記念事業の柱としてきた。  28日、仙台市青葉区の片平キャンパスで目録贈呈式があり、財団の西澤潤一理事長が井上総長に目録を手渡した。井上総長は「世界リーディング・ユニバーシティーを目指し、発展するための財源として活用する」とあいさつ。西澤理事長は「大いなる成果を挙げてほしい」と述べた。  井上総長は半導体研究所の寄贈に対し、名誉所長である西澤氏に感謝状を贈った。 "[he-forum 13276] 長崎新聞4/29 長崎新聞2008年4月29日付 長崎大と親和銀が産学連携の協定調印 企業と大学を橋渡し  長崎大(齋藤寛学長)と福岡、親和両銀行、ふくおかフィナンシャルグループは二十八日、産学連携を推進する協定に調印した。銀行の取引企業が求める技術と、大学の研究成果の橋渡しを図る。  企業が持つ課題やニーズを大学に取り次ぎ、解決や共同研究への展開を図ったり、大学の知的財産を企業に紹介し、事業化の促進などを目指す。大学にとっては社会貢献につながり、知的財産の活用による収入も期待できる。銀行にとっては取引先企業の資金需要が発生する可能性が生まれ、双方にメリットがあるという。  調印式は長崎市文教町の同大であり、齋藤学長と親和銀の鬼木和夫頭取が協定書に調印し、取り交わした。齋藤学長は「研究成果を社会に還元でき、地域との連携につながると確信している」、鬼木頭取は「連携は新しいビジネスチャンスを生み出し、地域貢献にもつながる」とそれぞれあいさつした。  同大は長崎銀、中小企業金融公庫長崎支店、十八銀とも同様の協定を既に結んでおり、齋藤学長は「今回の締結で、県内に広いアンテナを張ることができる」と話した。 "[he-forum 13277] 京都新聞4/29 京都新聞2008年4月29日付 京大アイセムス 桂に 開所式 健康や環境保全研究 京都大桂キャンパスの船井交流センター内に開設されたiCeMSの桂ラボ(京都市西京区)  京都大の世界トップレベル研究拠点「iCeMS(物質-細胞統合システム拠点)」の桂ラボラトリーの開所式が28日、京都市西京区の京大桂キャンパスの船井交流センターであった。化学物質を扱って人の健康や環境保全につなげる研究を行う。  桂ラボは船井交流センター内の2室計200平方メートルで、1日に開設された。主任研究者である北川進(合成・生物化学)、今堀博(分子工学)の両教授のグループが▽体内のアンモニアを化学物質を使って無毒化する▽化学物質と光によってがん細胞を死滅させる-などの研究を進める。  北川教授は「化学物質をバイオテクノロジーと融合させた新しい研究分野を創出していきたい」と話している。 "[he-forum 13278] 時事通信5/1 時事通信2008年05月01日07時30分 留学専門機関の創設案も=中教審特委  中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)大学分科会の留学生特別委員会は、福田康夫首相が掲げる「留学生30万人計画」の骨子策定に向けた基本的な考え方をまとめ、優秀な留学生獲得のための方策など具体的な議論に入った。日本への留学情報を扱う専門機関の創設などに言及している。5月末にも骨子を固め、留学生受け入れ拡大の具体策を盛り込んだアクションプランをまとめる方針だ。  現在、日本への留学生は年間13万人程度だが、「30万人」は2020年を目途に実現するのが目標。「留学生」は出入国管理法の定める在留資格を持ち大学、大学院、専修学校などに在学する外国人を指すが、「留学生予備軍」として、日本語を学ぶ「就学生」や高校留学生への配慮も視野に議論を進める。  骨子の考え方では、留学生受け入れの留意点として、大学院への留学生が増加傾向にあることから、学部レベルと博士・修士課程を区別した目標設定が必要と指摘。また、アニメ、漫画、ゲーム、ファッションといった日本のポップカルチャーへの関心が大きな留学動機になっていることも認識すべきだとしている。  その上で、留学生獲得に向けた検討課題として、(1)大学での英語による授業の増加(2)留学情報を提供し、留学生をリクルートする英国の「ブリティッシュ・カウンシル」のような機関を創設(3)奨学金制度の見直しや宿舎の整備(4)海外も含めた日本語教育拠点の整備促進―などを例示している。また、手続きが過度に煩雑となることで留学生の意欲をそがないよう、入国審査にも格段の配慮が求められると指摘している。  留学生獲得の対象エリアは、アジア、欧米、アフリカ、中東など幅広く想定。ただ、留学生の関心事項は多種多様な上、国費で来たり私費で来たりまちまちであるため、委員からは「地域ごとの対策が必要」「(経済的理由で)来たくても来られない人に着目した戦略が必要だ」との声が上がっている。 "[he-forum 13279] 朝日新聞5/2 朝日新聞2008年5月2日付 国立大が「保護者重視」 校舎案内、就活前に「面談」も  学生だけでなく保護者の皆さんも大切にします――。三重大(津市)は、入学式の日に保護者にキャンパスを案内したり、就職活動を控えた時期に「面談」したりする取り組みを、学部単位で広げている。岐阜大(岐阜市)でも指導教官と保護者が懇談する場を設けている。生き残りをかけて国立大学が競い合う時代。面倒見の良さを売りに「親重視」の流れが生まれている。  三重大人文学部は入学式があった4月8日、初めて保護者に研究室や学内の桜、伊勢湾が見渡せる屋上などを案内した。10人ほどの保護者に説明役の教員が1人付いた。「おおむね好評をいただいたと思います」と、同学部の綾野誠紀教授は話す。  入学式に同伴する保護者は以前から少なくない。同学部では今春、入学者291人に対して、保護者は約100人だった。新入生のガイダンスの間は、保護者に学部長があいさつし、学科別に教育内容の説明もした。  綾野教授は3月まで同学部の広報・地域連携委員長を務め、年間数十校の高校を回った。「高校でも保護者の姿を見かける。人文学部を卒業すればどんな職業に就けるのか、関心の中心は進路。『どの大学に入れるか』と求められる高校と、同様の情報が必要とされていると感じる」  同大の全5学部で、入学式に保護者を案内したのは生物資源学部が最初だ。5年前から、入学式に「保護者歓迎会」を開いている。9月には、3年生の保護者を対象にした指導教官との「面談」もある。昨年は167人が参加した。  同学部広報副委員長の苅田修一准教授は「主な話題はやはり進路。どんな道があるのか、大学院へ進むには、などの質問が多い」。  各学部内には「大学生は大人ではないか」と、保護者への対応強化に異論もあるという。綾野教授も「過保護といえばそうかもしれない」。それでも、「『教育熱心』な保護者が増えたことは確かです」。  大学が保護者に積極的に情報提供する姿勢は、全国の大学に広がっている。独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が05年に全国の4年制大学を対象にした実態調査(回答510大学)では、保護者を対象にした就職に関する相談会を開いている大学は43.7%。ただ、国立大学に限れば17.1%と低かった。  岐阜大応用生物科学部は4年前から、11月に学部3年生と大学院1年生の保護者を対象に就職説明会を開いている。それまでは、5月に学部4年生の保護者が対象だったが、「就職戦線」の早期化を受けて早めた。研究室の指導教官との懇談もある。「就職に関して、保護者にも知っていただき、支えてもらうことが目的」と担当者は話す。  一方、名古屋大は「面談のような活動は聞いたことがない」(広報室)。同じ国立大でも温度差はまだある。  保護者重視の背景にあるのは、04年の国立大学の法人化だ。学生獲得のため、各大学での「企業努力」が必須となった。三重大の担当者は「『面倒見のいい大学』を売りにして、保護者の評価も得る必要がある」と話している。(宮沢崇志) "[he-forum 13280] 読売新聞山梨5/2 読売新聞山梨版2008年5月2日付 山梨大が新学部構想 「環境」「福祉」テーマ、10年度目標  山梨大学(貫井英明学長)が、「環境」と「健康福祉」をキーワードとした新学部を設置する準備を始めていることが分かった。早ければ2010年度の開設を目指すという。新学部が設置されれば、04年に国立大学法人化して以降初めてとなる。同大は近く学内に専門の委員会を設置し、具体的作業に着手する。  新学部は、今後さらに注目され、必要とされる分野で活躍できる人材を養成することと、「魅力ある学部」を設置し、学生確保につなげるのが狙い。「環境」「健康福祉」の2テーマの下で、公共政策や情報、資源循環などを盛り込む構想を進めている。  新学部の教授は学内から募集。定員は100~200人程度で、工、教育人間科学の2学部の定員枠の一部を回す形をとり、新設に伴う大学全体の定員を増やす措置はとらない。現在、学内で参加教授や意見の募集をしている。  貫井学長は「10年度から始めたいが、遅れる可能性も高い。社会の要求に応えられる人材養成が大学の役目」と話している。 "[he-forum 13281] 読売新聞5/1 読売新聞2008年5月1日付 文科省と財務省が教育支出で衝突 教育支出に数値目標GDP5% 「先進国並みに」「方法は他にも」  文部科学省は、教育支出額を今後10年間で国内総生産(GDP)の5・0%まで引き上げるという数値目標を、戦後初めて国が策定する「教育振興基本計画」に盛り込む方針を決めた。  これまで国の財政事情に配慮し、数値目標には消極的だったが、先進各国に水をあけられていることへの危機感から方針転換した。しかし、財務省は支出拡大には慎重姿勢のまま。6月にまとまる「経済財政改革の基本方針」(骨太の方針)も見据え、文科省を後押ししようと、河村建夫元文科相ら自民党文教族議員が1日午前、首相官邸を訪れ、数値目標を入れるよう要請するなど政治闘争の様相も帯びている。  文科相の諮問機関「中央教育審議会」が4月18日にまとめた教育振興基本計画の答申では、「欧米主要国と比べて遜色(そんしょく)ない教育水準を確保すべく、教育投資の充実を図ることが必要」という文言を入れただけだった。  一転して、文科省が打ち出したGDP比5・0%という数値は、経済協力開発機構(OECD)諸国が教育支出にかけている公的資金の平均値。日本は現在3・5%で、日米の大学生を比較した場合、一人あたりの公財政支出(年間)は、日本の67万円に対し、アメリカは106万円と39万円の開きがある。  中教審の審議では「教育投資の充実は国力の維持・向上に最低限必要」(安西祐一郎慶応義塾長)といった意見が相次いだが、財務省との事前折衝で数値を入れることを拒まれて断念。自民党文教族からは「この答申では教育水準は上がらない」などと強い不満があがっていた。  文科省は財源として道路特定財源の一般財源化や税制改革に期待しており、実現すれば全国の教員も5年で2万1000人増やすことが可能になる。  しかし、4月30日に自民党議員約20人と面会した額賀財務相は「教育への投資も重要だが、投資より効果が上がる方法もあるのではないか」と慎重で、先行きは不透明だ。 "[he-forum 13282] 緊急署名のお願い 各位 福島県立医科大学講師で、「人体の不思議展」に疑問をもつ会の末永恵子と申します。 医療系大学とも関係の深い問題に関して、お忙しい中恐縮ですが、下記の署名に御協力をお願いいたします。 また、このメールをお知り合いに転送していただけると、幸甚です。 「人体の不思議展」青森展の中止を求める要望書への緊急署名のお願い (転送歓迎、年齢にかかわらずどなたでも署名できます) 「人体の不思議展」は、実物の人間の死体を標本として一般公開している営利的展示です。 展示会場には、人体をプレート状に水平にスライスしたものや、わざわざ弓を持たせてポーズをとらせているものもあります。 さらには人体標本に触るコーナーまでありました。 現在、同展示に対して批判・疑問の声が各地からあがってきています。 開催地のある寺院は「人体の冒涜展だ!」と門前の掲示板に大書しました。 「人体の不思議展」に疑問をもつ会では、数年前より反対活動に取り組んで参りましたが、今回全国の批判の声を大きく集めるものとして、開催予定の青森展阻止を目的に、「『人体の不思議展』青森展の中止を求める要望書」への緊急署名活動を展開することにいたしました。 できるだけ多くの署名を集め、主催者である「人体の不思議展」実行委員会(東奥日報社・青森放送)に中止を求めたいと思います。 市民の声を集結し、死体の商品化に歯止めをかけましょう。 以上の趣旨をご理解いただき、署名活動にご協力下さいますようお願い申し上げます。(この展示のさまざまな問題点につきましては、要望書の下を御覧ください) 「人体の不思議展」青森展の中止を求める要望書 「人体の不思議展」実行委員会 東奥日報社 代表取締役社長塩越隆雄 様 青森放送   代表取締役社長石田 稔 様  私たちは、本物の人間の死体を標本として展示興行する「人体の不思議展」に反対します。 死体の商品化は、人間の尊厳を冒涜する行為です。貴実行委員会が、速やかに「人体の不思議展」を中止することを、強く要望します。 E-mail:suenaga@fmu.ac.jp (←趣旨に賛同される方は、住所と氏名をメールでお知らせ下さい) [呼びかけ人および呼びかけ団体] 莇昭三(医師)・ 一戸富士雄(歴史研究者)・刈田啓史郎(東北大学元教授)・香山雪彦(福島県立医科大学教授・同大学志らぎく会会員)・川口敏郎(弁護士)・興野儀一(医師)・後藤宣代(NPO法人コモンズ理事)・佐々木泉(愛媛県議会議員 愛媛大学白菊会会員)・末永恵子(福島県立医科大学講師)・富永智津子(宮城学院女子大学教授)・藤野美都子(福島県立医科大学教授)・村口至(医師)・山形孝夫(宗教人類学者)(あいうえお順、2008年5月2日現在) 【「人体の不思議展」の問題点】  ◆死体が興味本位の見世物になっています。 すべての人は、死後遺体となっても人間としての尊厳が守られなければなりません。 遺体に対しては、最大限の丁重な扱いをするのが当然です。 しかし、この展示は興味本位の見世物になっています。 ◆インフォームド・コンセントを経た献体ではない可能性があります。 仮に献体同意書が存在するとしても、果たして上記の扱いを受けることまで納得していたのか、たいへん疑わしいです。 ◆ 展示されている標本は、すべて中国人のものです。 仮に日本の国民が医学教育用に献体の意思を示しても、このような標本化と展示商品化をなされることは、日本の現行法「死体解剖保存法」の制約によって実質的に不可能です。 ◆子どもにとって特に有害です。 大人は、子どもに対して遺体を上記のごとく扱ってはいけないことを教えるべき存在でしょう。なおかつ標本とその解説は、教育的どころか、学術的にも低劣と言わざるをえない内容です。 ◆ 死体が金儲けの道具になっています。展示は、一般市民から高額の入場料を徴収しており、第1回の東京展は、売上高8億円・利益1億円でした(『週刊東洋経済』2004年10月23日)。死体を商品化すると無償の行為としての献体が成り立たなくなってしまいます。 ◆ 主催の新聞社・テレビ会社、後援の自治体・教育委員会・医師会などは説明責任を果たしていません。「人体の不思議展」に疑問をもつ会はすべての主催・後援団体に公開質問状を送付しました。しかし、回答期限がきても1通の回答もありません。 正当性があると考えるなら、なぜきちんと説明しないのでしょうか?   以上のように問題の大きいこの展示に対して、中央の日本医師会・日本医学会・日本看護協会等は、以前行っていた後援を取り止めました。 この展示に協力することは、献体希望者の信頼を得ることと矛盾するからです。 また、「Body Worlds」と称して世界各地で開催されている同様の展示に対しても、宗教界・医学界・教育界をあげての反対活動が活溌になっています。 ドイツ病理学会は、「解剖学的標本は尊厳を以て扱わなくてはならないし、商業的なものであってはならない」と声明を出しました。 国際解剖学会も非難声明を出しています。 以上のような趣旨から、私たちは「人体の不思議展」に反対し、その開催予定地・青森での展示の中止を要望します。 どうか、「緊急署名」に御協力下さい。 詳しい情報は、「人体の不思議展」に疑問をもつ会のWebサイトを御覧下さい。 http://sky.geocities.jp/jbpsg355/ 連絡・送付先 〒960-1295 福島市光が丘1 福島県立医科大学 医学部人間科学講座(末永) E-mail:suenaga@fmu.ac.jp 第一次集約 2008年5月20日 (署名は、他県での開催も含め、「人体の不思議展」を中止するまで継続します。 したがって、いただいた署名は全国的な中止運動のために活かすことになります。) "[he-forum 13283] 信濃毎日新聞5/3 信濃毎日新聞2008年5月3日付 信大がベトナムの2大学と学術交流協定結ぶ  信大(本部・松本市)は2日、ベトナムのハノイ工科大、FPT大のそれぞれと大学間学術交流協定を結んだと発表した。博士号取得を目指す理系の大学院留学生をより多く受け入れ、大学の研究開発力強化につなげる狙い。大学院修了者の専門知識を日本企業で生かしてもらうため、現地に子会社を持つ企業と人材育成の共同研究も始める。  信大がベトナムの大学と協定を結ぶのは初めて。ハノイ工科大は、14学部を持つ国立の総合大学。FPT大は、ベトナムの大手IT企業が2006年に設立した単科大。小宮山淳学長が4月下旬に両大学を訪れ、締結した。  信大によると近年、中国人留学生が減る傾向にある一方、ベトナム人は増加。ベトナム国内の高等教育機関整備が不十分なため、博士号を持つ短大・大学教員は15%程度にとどまり、大学院進学希望者は多いという。協定で学生や教員の交流、学術協力を進め、最長1年の交換留学制度も早ければ10月に始める。  人材育成は、ハノイ市に子会社を持つソフトウエア開発のアヴァシス(上田市)などと共同で取り組む。企業から奨学金を受けた留学生が日本で就職し、将来的に現地子会社の幹部として働けるような仕組みを研究する計画だ。  信大は今後、ベトナム国家大ハノイ校とも協定を結ぶ予定。野村彰夫理事は会見で「日本に関心を持つ若者は多い。優秀な学生を確保したい」と話した。  信大が海外の大学と協定を結ぶのは学部間協定も含め66例目。 "[he-forum 13284] 読売新聞社説4/30 読売新聞社説2008年4月30日付 教育基本計画 目標を数値で示すべきだ  教育投資や学力向上などの目標を数値で示し、国民にわかりやすい内容にするべきだ。  中央教育審議会が、国の中長期的な教育施策を定める初の教育振興基本計画について答申をまとめた。  基本計画は改正教育基本法に基づくもので、今後10年間に目指す教育像と直近5年間に取り組む施策を盛り込む。だが、答申では、教育にどれだけの予算を投入し、教育の質向上につなげるかなど、具体的な展望が見えてこない。  国の計画を参考に地方自治体も計画を作るだけに、計画を閣議決定する前に、より踏み込んだ内容にしてもらいたい。  計画で最大の注目点は、諸外国に比べて低いと指摘される教育への投資である。  しかし、答申は副題に「教育立国の実現」を掲げながら、「必要な予算について財源を確保し、欧米主要国と遜色(そんしょく)ない教育水準を確保すべく教育投資の充実を図る」と抽象的な表現にとどまった。  新学習指導要領では、授業時間や学習内容が増加する。小学校では2011年度、中学校は12年度から全面実施だが、理数については移行措置として来年度から時間、内容ともに大幅に増える。  教職員の増員が不可欠だ。しかし、この点も、「定数の改善をはじめ条件整備を着実に実施する」としか記されていない。  中教審の議論でも、「これを読んで何か変わるとは、思えない。財政当局寄りの表現だ」と批判が出た。自民党の文部科学部会などは、計画に投資や増員の数値目標を入れるよう決議した。  さらに問題なのは、5年間で学力を現在よりどれぐらい引き上げるかが、不明確なことだ。  答申では、「これまで教育施策では目標を明確に設定し、成果を検証して、新たな取り組みに反映させる実践が十分ではなかった」と改善を求めている。だが、目標値がほとんどない。  海外や自治体独自の教育基本計画には、学力などの目標値が明記されているものも多い。  英国は、08年までの5年間に全国テストの英数で11歳児の85%が標準レベルに達することなどを掲げている。フランスやフィンランドなども目標値を示している。  沖縄県では、全国学力テストで国語と算数・数学の正答率の平均値を小6、中3ともに11年度には70%にする、としている。  具体的な指標があればこそ、それを達成するための努力や工夫があるのではないか。 "[he-forum 13285] しんぶん赤旗5/3 しんぶん赤旗2008年5月3日付 「宇宙軍拡」法案 提出へ 自公民、連休明けにも  宇宙開発を平和目的に限るとした一九六九年の国会決議を無力化し、宇宙の軍事利用を推進することをねらいとした宇宙基本法案の修正案が、連休明けにも、自民、公明、民主三党共同で提案される可能性がでてきました。  宇宙基本法案は昨年六月、自民、公明両党の議員提案として国会に提出されました。今国会でも継続審議中の扱いとなっていますが、最近になって、与党と民主党の間で一部修正を行うことで合意が成立。いったん与党案を取り下げたうえで、修正案を提案しようとしています。  宇宙基本法案には、「我が国の安全保障に資する宇宙開発利用を推進する」との文言が盛り込まれ、これまで軍事利用の歯止めとなってきた国会決議を無力化しようとしています。  これまで日本は、平和利用原則のもとで、宇宙科学・技術分野で世界に誇れる成果をあげてきました。宇宙の軍事利用推進をめざす宇宙基本法案にたいしては各方面から見直しを求める声があげられています。  日本国憲法の平和主義に基づく訴えや、核兵器廃絶などの呼びかけをおこなってきた「世界平和アピール七人委員会」は昨年十一月、平和目的に限定した宇宙基本法の制定をめざすべきだとして、与党によって提案された法案の再検討を求めるアピールを発表しています。 "[he-forum 13286] 毎日新聞鳥取4/26 毎日新聞鳥取版2008年4月26日付 県:医師確保へ、鳥大医学部入学者に奨学金特別枠 来年度導入へ検討 ◇指定病院で9年間勤務条件  県は鳥取大医学部の来年度入学者に対し、卒業後9年間、県の指定医療機関で勤務することを条件に奨学金を貸与する特別枠(5人)の創設を検討している。中山間地域の医師確保を狙った苦肉の策。医師の「囲い込み」は加熱する一方だ。【宇多川はるか】  県内の地域医療を支える自治体病院は近年、特に中山間地域で医師不足が深刻化している。智頭病院は常勤の医師が05年度は12人いたが、今年度は9人に減少。西伯病院(南部町)は05年度に14人いたが、定年退職などで3人辞め、11人になった。医師不足で存続が危ぶまれた大山診療所は、島根県出雲市の医師が勤務することになったが、医師の負担軽減のため入院の受け入れをやめる。  県は06年度、医師確保のため鳥取大医学部の地域枠入学者を対象に、県内の病院に一定期間勤務した場合は返還を免除する奨学金を創設した。07年度には県外大学に通う県内出身の医学部生に対しても同様の奨学金を設けた。07年度は33人がこうした奨学金の給付を受けた。  県内での勤務を希望する医師を県職員として採用し、希望する自治体病院に派遣する「ドクターバンク」も06年度に創設したが、2年間の派遣実績はたった1人。県医療政策課は「PRが足りないのだろうか……」と頭を抱えている。  今回の特別枠は、これまでの制度より縛りをきつくした。勤務地は今まで本人の希望を最優先にしていたが、今回は、県職員になって県指定の病院で9年間勤務することを条件にする予定。同課は「鳥取の地域医療を支える人材を確保したい」としている。問い合わせは県医療政策課(0857・26・7195)へ。 "[he-forum 13287] 朝日新聞5/5 朝日新聞2008年5月5日付 公立大学に変化の波 自治体が予算削減・法人化で混乱  地方自治体が設けている公立大が変わりつつある。財政難にあえぐ自治体に予算を大幅に削られたり、法人化されて学内が混乱したりする大学が相次いでいる。「大学全入時代」を迎え国立大も私立大も生き残りに躍起になる中、公立大はどこへ向かうのか。    財政悪化で大学の予算も例外なく削減する自治体が増えている。公立大最大の8学部を持つ大阪市立大では、付属病院を除く人件・物件費を、06年度から5年で20%(約33億円)カットする計画が進む。同大は教授が退職しても補充せず、特に必要な時だけは短時間教える「特任教授」を充てるなどして人件費を削減。学内には「専門科目は減るし、学生が教員に相談に行きづらくなってきた」と心配する声もある。金児曉嗣(かねこ・さとる)学長は「教育の手を抜かないように気を付けたい」と話す。  「海外の大学と協定を結ぶ際に、郵送での協定書のやりとりだけのことも多い」と嘆くのは、愛知県立大の佐々木雄太学長。県の財政悪化で、他部署と同様に大学も海外出張の予算がつかない時代が8年続いた。予算は復活したが昨年度は350万円だけで、165人の教員には全然足りない。公立大学協会長も務める佐々木学長は「大学の特性を認めず、他と同じ扱いをする自治体が大半。このままでは公立大の教育力、研究力を高めるのは困難だ」と話す。  文科省の調査によると、公立大の専任教員1人当たりの学生数は平均11人。10人の国立大には及ばないが、22人の私大よりも少人数教育が行われているのが特徴だ。しかし、小規模な市が設置した大学では、外国語などの授業を非常勤教員に任せて人件費を抑えている。その結果、高崎経済大(群馬県高崎市)は43人、下関市立大(山口県下関市)は41人、都留文科大(山梨県都留市)は36人と、私立大の平均よりずっと多い。 ◆地元に残らぬ人材  ニーズが高いのに地域に教育機関がない看護や芸術などの分野の人材を育成しようと設置された公立大が多い。それだけに各大学は地域貢献を意識し、市民向け講座の開講や地元行事への教員や学生の参加に熱心だ。  人口3万2千人の都留市が運営する都留文科大。市の試算では全国から3千人の学生が集まるだけで年36億円の経済効果があるほか、学生が市内の小中学校で授業を補助するなど地域貢献にも積極的だ。市の担当者は「卒業生が全国へ散って都留のアピールにも役だっている。市にとって大学は不可欠な存在で、運命共同体でもある」。市は06年度からの5カ年計画でも、トップ項目に大学中心の街づくりを掲げる。国からの交付金3億円に加え、08年度は115億円の一般会計当初予算から市独自で3億円を支出する。  最大の地域貢献である人材育成をめぐり、国際教養大は昨年12月、設置する秋田県の県議会で突き上げられた。「県が多額の税金を投じたのに人材が残らないのは問題だ」。県は同大に運営費として毎年約10億円を投じる。だが、今春初めて出した64人の卒業生のうち、県内に就職したのは3人だけだった。  中嶋嶺雄学長は「県内に就職するためだけの大学ではない。県自体がグローバル化に対応していないことを示している」とする。だが、一方では「公立大の使命として、もっと秋田に就職してもらいたい」とも話す。今年度は県内企業による合同説明会に力を入れるという。 ◆教員と対立の例も  公立大を法人化するかどうかは自治体の判断に任せられている。75校のうち、すでに公立大法人となったのは39校。財政難に苦しむ自治体が不採算部門の大学を切り離すことを主目的に法人化されたケースが大半だ。  法人化すれば、これまで自治体が細部まで決めていた大学予算を大学側が自由に使える範囲が増す。また従来、公立大の事務局は自治体の一部署だったため、職員は数年で異動していた。法人化すれば、長く大学の運営を支える職員を大学が独自に採用できるようにもなる。  一方で、首都大学東京や横浜市立大のように、法人化の際に任期制や年俸制の導入をめぐり教員側と自治体が対立、大勢の教員が辞職する事態も起きている。また、自治体が学長とは別に理事長を置き、就任した企業経営者や自治体の元幹部らが学内を混乱させるケースもある。  都留文科大も09年4月の法人化が決まった。学内には「教員の意見が大学運営に反映されにくくなるのではないか」と不安の声も上がる。今谷明学長は、強引な法人化に反発し04年に横浜市立大の教授を辞した経験がある。「法人化後に学科や教員の待遇などで変更が必要になれば、教員と時間をかけて話し合っていきたい」と話す。(増谷文生、岡林佐和)    ◇ 「独立性に確保を」 公立大に詳しい高橋寛人・横浜市立大教授の話  格差が広がる中、公立大は低所得層の進学先として重要性が増している。地方では優秀な学生の進学先という意義も大きい。半数以上が医療・看護・福祉系の学部を持つので今後地域での役割はさらに大きくなり、自治体のシンクタンクとしての期待も高まる。ただし、行政に貢献する一方で政策批判の研究も大切なので、自治体に対する大学の独立性の確保が重要だ。 "[he-forum 13288] 西日本新聞5/6 西日本新聞2008年5月6日付 来年度から共同授業へ 下関、北九州の4学長会議  北九州市と下関市の4大学による「関門地域大学間連携学長会議」が4月30日、北九州市小倉北区のホテルで開かれ、2009年度から一部教養科目の共同実施を目指す方針などを確認した。また、協力を地域全体に広げるため、5月中にも両市にある他の9大学向けに説明会を開くことを決めた。  出席者は下関市立(下関市)、梅光学院(同)、北九州市立(小倉北区)、西日本工業(同)の各大学の学長ら。  同日は(1)一部教養科目の共同実施(2)関門地域を軸に据えた「関門学」の共同企画‐を連携の2本柱とし、参加学生には所属校の単位を認定する方針を確認。他大学にも参加を呼び掛けた上で、具体的な内容や開催場所などの詳細を詰める。  会議は、両市の産・学・官代表者による「関門地域の未来を考える研究会」(座長=矢田俊文・北九州市立大学長)から生まれたもので、各大学の特性を生かした人材育成や地域貢献が目的。  同日は「各校の学生が共同授業を通じ刺激しあう意義は大きい」(中野新治・梅光学院大学長)「関門地域の特性について学問的な共通認識をつくりたい」(坂本紘二・下関市立大学長)などの発言があった。また、カリキュラムについて「授業の寄せ集めではなく、学生を引きつけるテーマ性が重要」(矢田学長)などの指摘があった。 "[he-forum 13289] 京都新聞5/6 京都新聞2008年5月6日付 高さデザイン規制、賛否割れる 大学建設で京都市調査  高さやデザイン規制を緩和してまで京都市内に大学を建設するかどうか、賛否はほぼ半々-。こんな市民の意向が、5日までに市が行ったアンケート調査で分かった。4月に京大病院の建て替えで規制を上回る高さが例外として認められたこともあり、今後の市内での大学整備の在り方にも影響を与えそうだ。  調査は、「大学のまち・京都」を掲げたまちづくりを進めるに当たって市民ニーズを把握するため、2月に20歳以上の市民3000人を対象に実施された。回収率は36・8%だった。  「大学の市内建設をどう思うか」を聞いたところ、「市内での建設が望ましく、高さやデザインの規制緩和などをすべき」が42・8%で、「市内での建設は望ましいが規制緩和は不要」の29%を上回った。  ただ、市外での建設を求める市民も15・5%おり、規制が強化される中での大学建設については、賛否が分かれる格好となった。  年齢別では、70歳以上は「規制緩和すべき」が48・7%で最多だったのに対し、20代では「規制緩和不要」が41・7%で最も多く、高齢になるほど大学設置に寛容な傾向を示した。  大学に期待することとしては、複数回答で「図書館や体育施設などを気軽に利用できるようにしてほしい」(51・1%)、「大学の催しを地域にアピールして」(40・7%)、「公開講座を増やして」(36・3%)と続き、多くの市民が開かれた大学を望んでいた。 "[he-forum 13290] 東京新聞5/6 東京新聞2008年5月6日付 日本の科学力は? 技術・研究を国際比較  日本の技術はいま世界でどのレベルにあるのか。これから注目される技術や新しい研究開発の動きはどうなのか。科学技術立国を目指す日本には気になるところだが、科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センターは初めて「科学技術・研究開発の国際比較調査報告書」をまとめた。製品シェアや論文引用件数など数値データは使わず、専門家たちの主観で評価した「科学力」の国際的な位置付けをみると-。 (栃尾敏)  対象にしたのは▽電子情報通信▽ナノテクノロジー・材料▽先端計測技術▽ライフサイエンス▽環境技術-の五分野。研究水準(大学・国立研究機関の研究レベル)、技術開発水準(企業の研究レベル)、産業技術力(企業の開発力・生産力)を比較した。比べる相手国・地域は米国、欧州、中国、韓国。比較調査作業にかかわった産学官の専門家は延べ三百十九人にのぼる。 米・欧・中・韓 319人が調査  ▼電子情報通信 米国の強さが際立っている。研究者層の質量、新技術創造力、産業技術力が高く、大半の分野で圧倒的優位にある。日本が強いのは半導体メモリー、ディスプレー、有機材料・デバイスなど。今は強いとされる家電製品や携帯電話などへの組み込みソフトウエア、医療や産業用ロボットなど実社会で役立つ実世界ロボティクスなどは優位性にやや陰りが出ているという。  欧州はパワーデバイス、ソフトウエアやネットワーク基礎理論、情報セキュリティーなどで強く、国際標準化の面でリーダーシップが目立つ。急発展する中国は高密度集積回路(LSI)、ディスプレー、データベース、光通信などでレベルアップが著しい。マイクロソフト、IBMなどが中国に設立した研究所や留学からの帰国組を通じて欧米研究者との連携が進んでいることが背景にある、と分析している。  ▼ナノテクノロジー・材料 日本は材料科学、物理学、化学で国際的に優位を保つ。これと圧倒的強さを持つ部素材産業が両輪となり、米国と肩を並べて世界をリードする。その代表格が航空機用カーボンファイバー(炭素繊維)だ。ただ、欧米に比べて教育・人材育成・共用施設といった長期的なインフラ構築戦略が弱く、今後の国際競争力強化に不安が残る。  ▼先端計測技術 多くの分野で高水準にあると評価。特に磁気力や近接場マイクロ波、中性子の利用技術、複合計測技術のレベルが高い。一方でイオンやレーザー利用技術、質量分析技術は技術力が下がり気味か、または世界的に低水準にあるとしている。  ▼ライフサイエンス 全体として欧米に次ぐ水準にある。特に細胞間の情報の受け渡しをする分子やその受容体の発見、およびそれらを発現する細胞の同定と機能解析のほか、モデル細胞や生物の作出、計測・イメージング技術などで優位に立つ。だが、技術のシステム化や大規模プロジェクトによる研究の長期的推進などの点で欧米に比べ遅れている。  ▼環境技術 ほとんどの技術で日本が高水準にある。特に地球温暖化抑止のためのエネルギー関連技術、二酸化炭素(CO2)の回収・貯蓄技術、環境汚染対策のための大気汚染物質や土壌・地下汚染対策技術などのレベルが高く、さらに上昇傾向にある。だが、バイオ燃料の研究では遅れがみられるという。 レベル高いが停滞・下降傾向  今回の調査結果についてJST研究開発戦略センターの有本建男副センター長や取りまとめをした専門家たちは「全体として日本の技術や研究開発水準は高いが、停滞や下降傾向にあるものがかなりあるのが気になる」と評価。「今後は強い分野をさらに強くする。弱くても国として重要なものへの配慮、分野融合の促進など科学技術政策に国の選択と集中が必須で、今回の分析を参考にしてほしい」と話す。 『環境の視点を全分野に』 相沢元東工大学長  総合科学技術会議議員の相沢益男元東京工業大学長に、国際比較調査報告書の分析と、日本の科学技術研究・政策の現状について聞いた。 (永井理)  -日本の状況は。  強い分野も断トツは少なく、新興国の追い上げが厳しい。  -長期的な政策面に遅れが見られるとの指摘があるが。  日本も戦略的に進めている。この点は正しい理解が必要だ。基礎研究は科学研究費補助金で、発展や応用の先が見えてきた研究は政策課題型研究としてJSTやNEDO技術機構などが方向づけして支援する。iPS細胞は、まさに再生医療を目標に掲げた戦略から出た芽だ。  -産学の連携は。  芽から先をどうするかは確かに課題。総合科学技術会議でも戦略を策定中だ。米国は「いいテーマ」に産学の頭脳が集まる力がある。日本にはえりすぐりの「全日本チーム」があまりない。競争環境の違いではないか。  -環境分野に日本の強みがあるというが。  分野ごとの分析では見落としが起きる。環境の視点は全分野で求められている。IT分野でも、機器の省エネ化やIT自体の省エネへの活用が必要だ。多くの技術に環境の視点を入れれば、ハイブリッド車で世界をリードしたように、日本の強みがさらに強くなる。 <記者のつぶやき> レベルは高いが「たこつぼ型」が多く、将来に不安も-というところか。中国やインドの追い上げは激しく、ライバルは欧米だけでなくなった。分野間の融合はますます重要になり、専門性の追求と同時に調整機能を高める必要がありそうだ。 (栃) "[he-forum 13291] しんぶん赤旗主張5/6 しんぶん赤旗主張2008年5月6日付 宇宙基本法案 戦争態勢を強めることになる  自衛隊の軍事衛星保有を公然と認め、宇宙軍拡競争に日本を引き込む宇宙基本法案の審議が連休明けにも始まろうとしています。  自民・公明両党が昨年国会に提出していた法案を一部修正して、自民・公明・民主三党の共同提案とすることに民主党が合意しました。宇宙基本法案のねらいは、国会決議と宇宙航空研究開発機構法が明記し、政府が確認してきた、宇宙の軍事利用を禁止するという制約をとりはらい、アメリカのように、日本が宇宙を戦争のために自由に利用できるようにすることです。憲法の平和原則に違反するのは明白です。 海外での戦争への備え  国会決議や宇宙航空研究開発機構法は、宇宙開発利用を「平和の目的に限り」と明記しています。これを基本に宇宙開発や研究を進めてきたことが、日本への国際的な高い評価につながっています。  「平和の目的に限り」とは「非軍事」(一九六九年五月八日木内四郎科学技術庁長官=当時)のことです。自衛隊は本来、軍事偵察衛星でさえ持つことが「できない」(八三年五月角田禮次郎内閣法制局長官=当時)のです。  宇宙基本法案は、「非軍事」の原則を破棄して、偵察衛星、早期警戒衛星、軍事通信衛星などの保有と宇宙の軍事利用に道を開くものです。  自公民三党案は、「平和の目的に限り」を排除しています。「日本国憲法の平和主義の理念を踏まえ」と書いても、肝心の原則である「平和の目的に限り」を捨て、軍事利用に道を開くのでは、憲法を守ることにはなりません。  「国際社会の平和及び安全の確保並びに我が国の安全保障に資する」との規定は、とりわけ重大です  宇宙基本法案を準備してきた自民党の「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」は、二〇〇六年にだした文書で、宇宙利用が必要なのは、「弾道ミサイル防衛」だけでなく、イラクやインド洋での活動のように、「自衛隊の海外活動を支える」ためとのべています。イラクなどで衛星情報をもとに無差別爆撃をくりかえしている米軍と同じことを、自衛隊にやらせる考えです。イラク派兵を憲法違反とする名古屋高裁判決が確定判決になったいま、海外派兵と結びついた宇宙の軍事利用は許されるはずはありません。  さらに問題なのは、宇宙基本法案が宇宙開発利用に秘密保全の網をかぶせようとしていることです。  宇宙基本法案は、「宇宙開発利用に関する情報の適切な管理のために必要な施策を講ずる」とうたっています。宇宙開発利用の情報を秘匿(ひとく)するため、法的な措置をとるというのは重大です。日本の宇宙科学や技術の成果が秘密のベールにつつまれるのは避けられません。法案の情報管理規定が、「自主・民主・公開」の宇宙開発利用の原則と両立しないのはあきらかです。  「平和の目的に限り」との国会決議はいまも生きています。自公民三党は自己否定につながることをやめるべきです。 国民犠牲を許さない  高額な衛星を何機もうちあげ、更新も必要になる宇宙の軍事利用は、それだけでも軍事予算を肥大化させます。軍事利用に道を開くのは軍需産業を大もうけさせるためでもあります。国民生活予算を削り、軍事予算を肥大化させるなど許せません。  日本を宇宙軍拡に引き込み、国民犠牲を強める宇宙基本法案を阻止することが重要です。 "[he-forum 13292] 毎日新聞青森5/8 毎日新聞青森版2008年5月8日付 県立保健大:教員に任期制導入、5年間で再任判断 活性化目的、今年度から  県立保健大学(青森市)は7日、今年度からの公立大学法人化に伴い、教員の任期を5年と定め、目標の達成度によって再任の可否を判断する「任期制」を導入したことを明らかにした。11年度からは、教員を評価したうえで年俸に反映する方針。公立大学協会(東京都)は「公立大に任期制を取り入れているケースは全国でもまだ少ない」と話している。  任期制を取り入れた人事評価制度は現在試行中で、10年度から本格導入。教員に教育や研究の意識を高めてもらい、大学の活性化を図るのが狙い。  教員に対してはさらに、時間外手当を原則廃止し、1日8時間勤務したものとみなす「裁量労働制」を今年度に導入した。教員は専門性の高い業務を行うため、具体的な仕事の進め方は教員それぞれの判断に委ねたほうが成果や能率のアップにつながると判断した。  この他、経済産業省の外郭団体「工業所有権情報・研修館」が取り組んでいる派遣制度を活用。大学知的財産アドバイザーを今年度から受け入れ、専門家の助言をもとに、大学が自立的に知的財産を運営できるようにする。県が所有していた特許権が今年度からは大学の所有になるための措置で、08年度は全国24の大学が活用している。県内では同大が初めて。  同大学のリボウィッツよし子理事長は「透明性と効率性を備えた経営手法を取り入れ、地域に根ざして発展していきたい」と抱負を語っている。【鈴木久美、後藤豪】 "[he-forum 13293] 陸奥新報 陸奥新報2008年5月8日付 県立保健大が事務局職員に変形労働制導入  県立保健大学(リボヴィッツよし子理事長兼学長)は事務局の繁閑に合わせて労働時間を調整する、変形労働時間制度を導入した。4月の地方独立行政法人移行に伴い、目的の一つでもある経費抑制を図るためで、職員の時間外勤務手当を独法化前に比べて約4割削減できるという。リボヴィッツ理事長は「大学としては全国初ではないか」としている。  7日、青森市の同大学内で行われた独法化後初となる記者会見で明らかにした。  それによると、入学手続きや卒業式など、事務作業が繁忙になる3月と4―7月を9時間労働とする一方、学生の夏休み期間の8月を5時間、9月は6時間にそれぞれ短縮する。  事務局の2006年度の年間時間外手当は、職員26人で計約1900万円に上ったが、変形制の導入で6割程度に抑制できると見込んでいる。  一方、教員に関しては、実際の勤務時間にかかわらず8時間労働したとみなす裁量労働制を導入。さらに教員の資質向上と魅力ある教育内容を目指して人事評価システムを導入し、5年ごとに行われる再任契約や給与改定に反映させる。  また、知的財産アドバイザーとして今年度、独立行政法人工業所有権情報・研修館(本部東京都)に在籍する丞村宏氏(55)を客員教授に招いて、同大の研究成果を適切に管理する体制を構築する。  同大は今年度から記者会見を定例化し、地域に開かれた大学を目指す運営方針に基づいて情報を公表する。 "[he-forum 13294] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に(34号)] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に(34号) Date: Thu, 8 May 2008 11:03:42 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 34号 2008年5月8日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 福田政権の評判はガタ落ちですが、法務省も与党も評判の悪い共謀 罪を断念するつもりはまったくないようです。むしろ、持久戦にもち こんで、世論の関心が薄れるのを待っているかのようです。この機会 に、私たちとしても、再度共謀罪の問題をじっくり考えること、も必要で しょう。市民連は、新しいパンフを出しました。ぜひ、この機会にお読 みください。(詳しくは本号をご覧ください) ────────────────────────────── 34号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  5/21 日弁連共謀罪に反対する院内集会 ■国会情勢  急落する福田政権支持率 自民党政権、歴史的な崩壊過程へ ■集会報告  4/23 二つの院内集会(盗聴法廃止、住基ネット廃止) ■声明賛同のお願い  G8サミット、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する  市民団体共同声明 ■パンフレット  市民連、共謀罪と盗聴法で新しいパンフレットを発行 ■ニュース ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆5/21 院内集会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  日本弁護士連合会  共謀罪に反対する院内集会  http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/080521.html  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 5月21日(水)12時~13時 ところ 参議院議員会館第5会議室 ○東京メトロ有楽町線南北線永田町駅・千代田線丸の内線国会議事  堂前駅 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm ◇報告  喜田村洋一会員(第2東京弁護士会所属、ニューヨーク州弁護士) ◇内容  第169回通常国会においても衆議院法務委員会に付託されている、  いわゆる「共謀罪」新設法案(「犯罪の国際化及び組織化並びに  情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律  案」)について、今注目されているアメリカの共謀罪の内容とそ  の運用状況も踏まえて日本弁護士連合会の主張や問題点等を御理  解いただくため、院内集会を開催いたします。  是非とも御参加ください。      (日弁連Weサイトより) ◇申し込み(参加費無料)  事前申込制。申込みをいただいてない場合は入場いただけません。  下記申込用紙(PDFファイル)を印刷し、必要事項を御記入の上、  Fax.でお申し込みください。  申し込み先:日本弁護士連合会法制部法制第二課  Fax:03-3580-9920  http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/data/080521.pdf ◇主催 日本弁護士連合会  問合せ先  日本弁護士連合会法制部法制第二課  Tel.03-3580-9854 ────────────────────────────── ■国会情勢■ ────────────────────────────── ◆急落する福田政権支持率━━━━━━━━━━━━━━━━━━  自民党政権、歴史的な崩壊過程へ  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ガソリン税を復活した福田政権の支持率が、共同通信が5月1、2 日に実施した緊急電話世論調査によれば、4月の前回調査から6.8パー セント下がり、19.8パーセントに急落しました。これは、福田政権 に対するノーにとどまらず、格差推進、社会保障削減などの弱者切 り捨て、憲法、人権軽視を進めてきた歴代の自民党政権に対するノー にほかなりません。自民党政権の危機は、首相を福田氏から麻生氏 や小泉氏にかえたところで、解決することができないほど深刻なと ころにきています。 ◇G8サミットをテコに延命をはかる福田政権  福田政権・与党は、市民の批判の高まりのなかで、7月のG8サミッ トをテコに政権の延命と浮揚をはかろうとしています。サミット議 長国、サミット成功の大宣伝で自民党政権の危機を突破しようとい うのです。そのために、G8サミットに対する疑問、批判は、いかな る形であれ規制しようという動きが強まっています。  サミット会場である北海道や関連する閣僚会合が開かれる首都圏、 関西、新潟、青森だけでなく全国すべてで監視・管理が強化されて います。  G8サミット、テロ対策を口実に、市民の言論・表現の自由を規制 する監視・管理の強化に反対しましょう。 ◇「共謀罪×盗聴法」の超監視社会を拒否しよう  今国会での共謀罪成立は絶望的になりました。いや、それどころ か共謀罪の審議入り自体、困難な状況にはいりました。  私たちは、油断せず、着実に反対運動を続ければ、共謀罪を廃案 に追い込むことができる情勢を切り開きつつあります。  市民の自主的な活動を規制し、侵害する「共謀罪×盗聴法」の超 監視社会の到来を阻止するために、共謀罪を廃案に!盗聴法を廃止 に!追い込みましょう。 ────────────────────────────── ■集会報告■ ────────────────────────────── ◆4/23 2つの院内集会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  盗聴法×共謀罪=超!監視社会  盗聴法廃止法案の提出を求める院内集会  司法がダメなら立法がやる!!  ─ 住基ネット廃止法案の提出を求める院内集会 ─  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  2008年4月23日、国会参議院議員会館にて、盗聴法と住基ネット の廃止を求めて、2つの院内集会が続けて開催されました。特に参 議院第1党の民主党は、マニフェストに何度も「盗聴法・住基ネッ トの抜本的見直し」を掲げ、両法の廃止法案提出に関わってきた経 緯もあります。 ◇盗聴法×共謀罪=超!監視社会  盗聴法をテーマにした前半の集会では、海渡雄一さん(弁護士) が基調報告を行い、「共謀罪を作らせないためにも盗聴法は廃止す るしかない」と訴えました。  具体的には、  (1) ほとんどの盗聴法の対象犯罪が共謀罪の対象犯罪に含まれて    いる  (2) 現行法でも、共謀罪が盗聴法対象犯罪と一体のものとして行    われていると判断される場合は共謀容疑に対する盗聴が可能    となる という2点から、「ほとんどの盗聴法対象犯罪の共謀は盗聴の対象 となる。共謀罪制定後に、盗聴法拡大があらためて議論されるので はなく、直ちに盗聴範囲が共謀段階まで拡大する」と指摘しました。 ◇司法がダメなら立法がやる!!  続く住基ネットの集会では、右崎正博さん(獨協大学法科大学院 教授)が、08年3月6日の住基ネット訴訟最高裁判決について、「自 己情報コントロール権を一顧だにしないこの判決は、最高裁の人権 感覚の欠如を如実に表すもので裁判官のおごりだ」と厳しく批判さ れました。  当日は両集会とも約60人の市民が参加して、国会議員も両集会で 5人の参加がありました。今後とも、民主党を中心とした野党に、 廃止法案の提出を強く求めていくことを確認して、集会を終えまし た。 ────────────────────────────── ■声明賛同のお願い■ ────────────────────────────── ◆賛同のお願い━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  G8サミット、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する  市民団体共同声明  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  市民連は、以下の共同声明の呼びかけ団体となりました。賛同を 募っています。ぜひお読みいただき、賛同をお寄せください。 ◇共同声明全文─────────────────────── G8サミット、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する 市民団体共同声明  誰にでも言論、思想、表現の自由は認められなくてはなりません。  とりわけ、少数者の言論、政府に対する批判は、言論・表現の自 由の原則であり、民主主義の基本です。しかし、G8サミットを前に、 表現の自由がかつてない危機に直面しています。  G8サミット、テロ対策の名のもと、北海道では、会場警備に自衛 隊まで動員され、監視カメラの増設や公園の使用自粛要請、サミッ ト会場周辺への立ち入り規制、上空の飛行禁止措置のほか、公共交 通機関での警備、全国から北海道への警察官の動員など、異常とも いえる監視、警戒態勢がひかれてきています。また、こうしたなか で、G8サミット、テロ対策を理由に、集会やデモなど正当な市民的 な活動のために来日しようとした外国人の活動家や知識人らがすで に入国できないケースが生じており、出入国管理の強化が現実のも のとなっています。  警備強化はこれにとどまりません。サミット会場である北海道や 関連する閣僚会合が開かれる首都圏、関西、新潟、青森だけでなく 全国すべての自治体で、警察ばかりでなく、学校や病院をはじめと する行政機関や民間をも巻き込む異常ともいえる監視、警戒体制が しかれつつあります。こうしたなかで、G8サミットに反対する意志 表示が「違法」な行為であるかのような雰囲気がつくられつつある ます。  G8サミットという発言力の大きい国々の首脳が集まる会合であれ ば、賛否があって当然のことです。しかし、サミットをめぐって、 賛成や賛美の言論やイベントなどが認められる一方で、これに反対 する言論や表現が警察力も動員して規制・抑圧されるのは、言論、 表現の自由と民主主義、人権を保障する国家のなすべきこととはい えません。  米国の9・11テロ事件以来この6年間、「テロの脅威」を理由とす れば、何をしても許されるかのように、監視・管理の体制が強めら れてきました。しかし、日本でいつ「テロ」事件がおきたのでしょ うか。一度もおきていません。その気配さえありませんでした。む しろ、正当な政治活動や市民たちの異議申し立ての活動をあたかも 「テロリスト」であるかのように宣伝し、その市民的自由を抑圧す る口実に「テロの脅威」を利用してきたのではないでしょうか。  私たちは、G8サミット、テロ対策を理由として、言論・集会など の表現の自由が規制され、監視・管理の体制が強化されようとして いることに強く抗議するとともに、政府に対して、憲法の保障する 言論、集会などの表現の自由にかかわる市民の権利を侵害しないよ う強く要求するものです。 ◇呼びかけ団体  一矢の会/盗聴法に反対する市民連絡会/ネットワーク反監視プ  ロジェクト/反住基ネット連絡会/プライバシーアクション ◇賛同の申し込み方法  以下の書式を使い郵送・Fax・電子メールでお申し込みください ◇市民団体構想声明賛同申し込み書式─────────────  G8サミット、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する  市民団体共同声明に賛同します  ◇団体名 :_______________________  ◇ご連絡先(住所・電話・Fax・メールアドレスのいずれか)       :_______________________       *電話かFAXの場合、どちらかに○をして下さい          電話  FAX  ○団体名以外は公表いたしません。いただいたご連絡先は、この   賛同についての連絡のみに使用します。  ◇賛同締め切り   第1次:2008年5月31日   第2次:2008年6月20日  ◇集約先   郵便の場合:    〒169-0051新宿区西早稲田1-9-19-207    日本消費者連盟G8監視共同声明係   Fax.の場合:    Fax. 03-5155-4767    (同上)   電子メールの場合:    info1@anti-tochoho.org    (盗聴法に反対する市民連絡会)   *上記書式以外で賛同をお送りいただく場合、必ず      声明の名称と賛同の旨    をご明記下さい。  ───────────────(賛同申し込み書式ここまで) ────────────────────────────── ■パンフレット■ ────────────────────────────── ◆新刊━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  2008年5月制作の最新パンフレット  『共謀罪×盗聴法』完成!  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  「盗聴法」に反対する市民連は、共謀罪法案と盗聴法との関わり にこれまでも強い危惧を表明してきました。このたび、この両者に あらためて焦点をあてたパンフレットを発行しました。共謀罪の廃 案と盗聴法の廃止運動にぜひお役立てください。(申込方法は末尾 にあります) ◇もくじ  共謀罪 最新Q&A:海渡雄一  コラム   ウィルス作成罪とコンピューター監視法   三浦事件と共謀罪  共謀罪攻防ドキュメント  なぜ盗聴法に反対するのか  違法に成立させられた盗聴法  年々増え続ける盗聴捜査  共謀罪がつくられ、盗聴法と連動すると  憲法も裁判所も無視する   ブッシュ政権の盗聴・監視捜査体制 小倉利丸 ◇編集・発行  フォーラム平和・人権・環境  盗聴法(組対法)に反対する市民連絡会 ◇体裁  A5判48ページ ◇頒価  200円(送料別) ◇購読申込方法  (1) まず送料をご確認ください。    1~2冊 80円     ~5冊 160円    ○6冊以上は下記の電話などでお問い合わせください。     地域によって送料が変わる場合がありますい     Tel. 03-5155-4765(日本消費者連盟)     Fax. 03-5155-4767     E-mail office.j@nishoren.org  (2) 冊数の代金と送料を郵便振込でお支払いください    郵便振替 :00130-0-22957    加入者名:日本消費者連盟    *振替用紙の通信欄に      「共謀罪×盗聴法」パンフレット  ○○冊     とお書きください。 ────────────────────────────── ■ニュース■ ────────────────────────────── ◆サンケイ新聞 2008/4/4 ━━━━━━━  治安に国民意識の差?ロス疑惑で注目の「共謀罪」  日本は反対多く http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080404/trl0804042028003-n1.htm  ロス事件を題材にして共謀罪推進を主張。「法務省幹部は共謀罪 がない状況をこう懸念する。『犯罪が国際化していることを考えた ら、いつまでも現状のままでいいのだろうか』」という言葉で締め くくる。 ◆保坂展人議員のブログから ━━━━━━━  暫定税率、与党「自滅の再議決」へつき進む 2008/4/28 http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/3513241bf8bbd279c5cf768f0be10d26  山口2区・平岡秀夫さんの勝利は歴史的金字塔 2008/4/27 http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/0c2cf475cb388e3c2e9bc979dfb4b3f3  いずれも現在の国会情勢の内幕がよくわかるレポートになってい  す。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第34号おわり・このメルマガは不定期発行です> ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます ━【まぐまぐ!からのお知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       ★直接はなかなか聞けない女性のホンネを大公開!★    「○○○は許せない!」「キュンとくる髪型はなんといっても…」 特別企画「オトコの秘密基地」 http://rd2.mag2.com/r?aid=20134&rid=10 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca d'informatica e linguistica Universita' Nagoya. Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13295] 時事通信5/9 時事通信2008年5月9日12時51分 教育計画答申に不満相次ぐ=歴代文相  森喜朗元首相ら文相・文科相経験者が東京都内のホテルで9日開いた会合で、中央教育審議会(文科相の諮問機関)が先月まとめた「教育振興基本計画」の答申に対し、不満の声が相次いだ。教職員定数や教育投資の数値目標が盛り込まれていない上、「教育の基本理念が示されていない」ことが不満の根底にある。  出席者は森氏のほか、伊吹文明、海部俊樹、河村建夫、大島理森の各氏らで、渡海紀三朗文科相や同省幹部らが説明役に回った。出席者からは「必要な予算を取るためのものになっていない」「財務省が教員を増やせないと言うのならOBの活用を」などの意見が出た。  これに対し同省は現行、年間で国内総生産(GDP)比3.5%の教育投資を5%(約24兆円)に引き上げることを計画に明記する考えを示した。しかし、具体的な教育政策、理念が不十分との厳しい注文が付き、同省は計画案の修正を検討することになった。 "[he-forum 13296] 毎日新聞5/9夕刊 毎日新聞2008年5月9日付夕刊 教育費:10年間でGDP5% 文科相が要求へ  渡海紀三朗文部科学相は9日午前、東京都内で開かれた文相・文科相経験者との会合で、教育関連予算を対国内総生産(GDP)比で現在の3・5%から、10年間で5・0%への引き上げを求めていく方針を表明した。今後5年間の政府の教育方針を示す「教育振興基本計画」に数値目標を盛り込む。  同計画は改正教育基本法で策定を義務づけられ、中央教育審議会が4月18日に答申を提出したが、渡海文科相は「もう1回書き直して、各省と折衝したい」と見直しを指示する考えを明らかにした。  会合は自民党政調の文部科学部会が主催。森喜朗元首相は「(同計画は)教育予算を取るためのものだが、そうなっていない」と批判し、数値目標の明記を求めた。渡海文科相が表明した方針は、教育支出を経済協力開発機構(OECD)諸国平均の対GDP比5・0%並みに引き上げるというもの。同計画は5月中旬に閣議決定する予定だったが、見直し指示を受けてずれこみそうだ。【仙石恭】 "[he-forum 13297] 岩手日報5/11 岩手日報2008年5月11日付 岩手大で産業研究講座 地元就職へ産学官連携  岩手大と県立大のキャリア講座「地場産業・企業論・企業研究」は10日、盛岡市上田3丁目の岩手大で始まった。初回講師は達増知事が務め岩手で働く意義を力説。学生は今後、経営者の哲学などを聞き、仕事の現場を訪問、地元定着への課題を企業とともに探る。産学官一体で取り組む講座で岩手に根差す人材育成を進め、流出に歯止めをかける。  初回は一般市民にも公開。岩手大と県立大の受講生約50人のほか、市民ら約100人が参加した。  達増知事は新渡戸稲造の就職論などをひもとき「文化的魅力と道義的信頼というソフトパワーが岩手にはある」と、本県で働く意義を説いた。外務省で働き始めたころについて「勘所をつかんだのは3年目。社会は手取り足取り教えてはくれない。3年目で辞める人が多いが、我慢することも大切」と述べた。  学生の「よりよい決断のために心掛けていることは何か」との質問に「人は全知全能ではないが『良知良能』なら可能。手持ちのトランプカードから最善を尽くすことが大切」とアドバイスした。  同講座は、岩手大、県立大が岩手経済同友会や県などと連携した取り組み。両大ともに県内就職率の向上が課題となっており、講座を通じ本県で働き、地域貢献する意義を見いだす。  7月19日まで原則土曜日、岩手大などで開かれ、講師は地場企業経営者らが務める。  岩手大の玉真之介副学長は「産学官一体となった人材定着への本格的な取り組みが始まった。実際に働く人の声も聞く講座も考えていきたい」と話す。 "[he-forum 13298] 産経新聞主張5/12 産経新聞主張2008年5月12日付 教育基本計画 メリハリつけた振興策を  今後5年間で取り組む教育の重点施策を示す国の「教育振興基本計画」の策定が遅れている。  教育予算拡充で財務省などとの調整がつかないためだ。教育投資にはメリハリをつけ公教育の再生を進めたい。  基本計画は、改正教育基本法で策定が義務づけられた。教育目標を数値などで分かりやすく示し、目標実現への施策を明示することで、計画的な教育振興が期待されていた。  しかし中央教育審議会が4月に答申した計画案は、目標と施策が明確に示されたとは、とても言い難い。  答申では表題に「『教育立国』の実現に向けて」と掲げ、「欧米主要国と比べて遜色(そんしょく)のない教育水準を確保する」とした。  施策では、道徳教育充実のため副教材への国庫補助制度のほか、「校舎耐震化1万棟」「留学生30万人計画」など一部に数値目標を挙げてはいる。  だが学力向上や生徒指導など肝心の公教育再生や、世界に通用する大学の教育・研究環境改善に向け、明確な目標や施策が示されてはいない。  審議の中では「いじめや校内暴力を半減させる」「高卒段階で英語で日常会話ができる」といった目標がいったんは提言されたが、答申には盛り込まれなかった。  渡海紀三朗文部科学相は9日の文科相経験者との会合で、現在は国内総生産(GDP)比3・5%の年間教育投資額を、経済協力開発機構加盟国の平均の「GDP比5%」とする数値目標を盛り込む考えを示した。  しかし、財務省などは難色を示している。  教育予算の大部分を占めるのは教職員の人件費だ。文科省や教育関係者からは少人数学級や習熟度別授業などを進めるため教員定数増を求める声が強い。  だが少子化の中でどのくらいの教員増が必要なのか、計画案では不明確だ。  教員の不祥事が絶えず、指導力不足の教員がきちんと把握されていない。ダメ教師をいくら増やしても教育再生は実現できない、という不信感があるのも事実だ。  理数教育で魅力ある授業を進める高校を支援する「スーパーサイエンスハイスクール」など効果をあげている事業がある。熱心な教員や学校を厚く支援する施策推進を計画で明確に示すべきだ。 "[he-forum 13299] 琉球新報社説5/9 琉球新報社説2008年5月9日付 宇宙基本法 「非軍事」の精神を忘れるな  竹取物語の時代から、人は天空に神秘を感じ、あこがれを寄せてきた。宇宙は、誰にとっても夢とロマンあふれる空間に違いない。  自衛隊による独自の偵察衛星の開発、運用など宇宙の防衛利用を容認する宇宙基本法案を、議員立法で衆院内閣委員会に提案することについて自民、公明両党と民主党が大筋合意した。  1969年に宇宙開発事業団法を成立させる際、宇宙開発や利用について、衆院では「平和目的に限り、学術の進歩、国民の生活向上および社会の福祉を図り、併せて産業技術の発展に寄与するとともに、進んで国際協力に資するため」、参院では「平和利用の目的に限りかつ自主・民主・公開・国際協力の原則のもとにこれを行う」とそれぞれ決議した「非軍事」原則がある。  わが国憲法の平和主義に沿い、「非侵略」よりも厳格なものとして規定している。  与党と民主が合意した新法案は、「安全保障に資するように行わなければならない」と明記した。平和利用原則の決議では、宇宙開発で得た技術をミサイル防衛には応用できない。今回の宇宙基本法は、この点を見直し「専守防衛」の範囲ならミサイル防衛への技術転用を可能にするものといえる。非侵略の範囲で宇宙の防衛利用を認めるものだ。  69年の非軍事原則は「平和的目的のための宇宙空間の探査および利用の進歩が全人類の共同の利益であることを認識し、宇宙空間の探査および利用がすべての人民のために」とする、67年の「宇宙条約」の基本精神を諸外国に先駆けて確認した目的、原則だったはずだ。  一方で、宇宙産業の育成を訴える声もある。文部科学省の下にある宇宙開発委員会や宇宙航空研究開発機構(JAXA)など現在の組織体系では宇宙についての研究開発に限られ「宇宙の利用」という側面での広がりは持てない。  宇宙条約の「平和的利用」の解釈には統一見解がないとされる。宇宙法の専門家は、防衛目的なら軍事利用できると判断する国が大勢だとし、非侵略の範囲で認めるのは国際標準とする。  だからといって、「民生」と「軍事」の境目をあいまいにしたまま、法制化に向け、無原則に突き進むのはどうだろうか。宇宙条約の理念に沿い、宇宙開発の平和利用の在り方をめぐる議論こそ深める必要がある。  宇宙開発戦略をめぐり、近隣諸国や国際社会に無用な誤解と不安を与えぬよう慎重でなくてはなるまい。日本は何を目指し、何を目的にしているのかという透明性の努力も欠かせない。宇宙基本法は「非軍事原則」の精神を貫きたい。 "[he-forum 13300] 愛媛新聞社説5/12 愛媛新聞社説2008年5月12日付 宇宙基本法 非軍事の誓いと夢を壊すな  はるか昔から人類は宇宙にあこがれを抱いてきた。ロマンあふれる世界を描いた小説や映画は数知れない。  衆院内閣委員会で九日可決された宇宙基本法案も基本理念に平和利用を掲げて「人類の宇宙への夢実現に資する」とうたっている。与党と民主党が共同提案した法案は今国会で成立する見通しだ。  しかし、その夢を壊しかねない文言が基本法にはある。宇宙開発の目的の一つに「わが国の安全保障」を挙げ、防衛のための軍事利用に道を開こうとしている。自衛隊による独自の偵察衛星の保有を合法化する狙いがある。  宇宙条約の加盟国の間では「非侵略」の防衛目的なら軍事利用は可能とするのが大勢だ。これに対して日本は一九六九年、国会決議で「非軍事」の原則を打ち出した。  日本の非軍事原則は、国際標準の非侵略より厳格とされる。憲法の平和主義に沿う行動を世界に示してきた。  九八年に導入した情報収集衛星も原則に基づいて内閣府が保有、運用している。ただ「解像度が民生レベルで、データの一部を防衛省が受け取る」というのは建前で、実情は軍事利用だ。  基本法は安易な現状追認にほかならない。だからといって自衛隊に衛星の直接保有を認めるのは非軍事の原則をゆがめる。国際標準というもっともらしい理由をつけた政策転換の結果、国際社会に無用な誤解や不安を与えては、研究活動を中心に積み上げた実績に傷がつくだろう。  ミサイル防衛の強化が容易となる。これまで制限してきた早期警戒衛星の導入も「専守防衛の範囲なら可能」とする解釈が成り立ってしまう。  さまざまな情報が防衛機密として公開されなくなる恐れもある。自衛隊にどこまで歯止めをかけるのかを早急に議論する必要がある。  民間事業者の積極活用も産業界の強い要望で実現した。衛星技術の国際競争力を高めるためだ。しかし、民生と軍事の境界をさらにあいまいにしてしまう危うさがあることを肝に銘じておくべきだ。  国会決議から三十九年。安全保障をめぐる情勢は大きく変わった。核ミサイルの開発を進める北朝鮮の動向を探るのが主な目的だろう。だがそれも政府が国民に十分な説明を尽くすのが前提だ。  「自衛権はどこまで行使できるのか」「軍備による抑止力とは」という議論が常にある。この終わりのない論争が国境がないはずの宇宙で起こるのは避けたい。  軍拡の色合いが濃かった宇宙開発競争に、平和思想を唱え続けた日本の役割は大きかったはずだ。宇宙基本法の運用では、やはり非軍事の精神を貫きたい。人類が描き続けた夢を壊してはならない。 "[he-forum 13301] 山陽新聞社説5/12 山陽新聞社説2008年5月12日付 宇宙基本法案 非軍事利用へ議論深めよ  自民、公明、民主三党が共同提案した「宇宙基本法案」が衆院内閣委員会で、賛成多数で可決された。内閣委員長提案の形で本会議に提出され、今国会で成立する見通しだ。  これまでの日本の宇宙開発は、平和目的に限るとした一九六九年の国会決議に基づき、「非軍事」を原則としてきた。法案は、憲法の平和主義の理念にのっとった上で「安全保障に資するよう行う」として、防衛省による偵察衛星の開発運用などを非侵略の範囲で容認、宇宙の防衛目的の利用に道を開く内容となっている。  法案は、政策の司令塔として内閣に首相を本部長とする宇宙開発戦略本部を設置し、施策の推進のために宇宙基本計画を策定するとしている。また、法施行後一年をめどに、本部機能の内閣府移行や宇宙航空研究開発機構など関係機関の組織見直しをする。  日本の情報収集衛星は一九九八年の北朝鮮のミサイル発射を契機に、これまでに四基が打ち上げられている。事実上の偵察衛星で、撮影画像は防衛省も利用可能だが、近隣諸国からの反発を招かないよう大規模災害など多目的活用を図ることとしていた。  問題は、これまでの情報収集衛星の運用実態が明らかにされていないことだ。どのように活用され、具体的に成果があがっているのか。検証作業をすることが先決だ。  法案が成立すれば、「非軍事」という宇宙開発の原則は一段と崩れ、歯止めがかからなくなる恐れがある。防衛省が独自に運用できるようになった場合、「非侵略の範囲」という条件が、守られるのか要警戒だ。なし崩し的に宇宙の軍事化が進むことがないよう、さらに議論を深めていく必要があろう。 "[he-forum 13302] 朝日新聞社説5/10 朝日新聞社説2008年5月10日付 宇宙基本法―あまりに安易な大転換  宇宙の軍事利用に積極的に道を開く宇宙基本法案が、衆院の内閣委員会で可決された。ねじれ国会の中、自民、公明の与党に民主党も加わった議員立法で、今国会で成立する見通しだ。  法案は宇宙開発の目的として「我が国の安全保障に資する」との文言を盛り込んだ。「平和の目的」に限るとした1969年の国会決議を棚上げし、宇宙政策の原則を大転換させるものである。  約40年前の国会決議のころとは宇宙をめぐる事情は様変わりした。多くの国が軍事衛星を打ち上げている。自衛隊も事実上の偵察衛星である情報収集衛星をすでに使っている。核とミサイルの開発を進める北朝鮮の動向を探るためなら、宇宙から情報を得ることに多くの国民が理解を示すだろう。  それでも、国会決議は自衛隊の衛星利用に一定の制約になってきた。政府は情報収集衛星を自衛隊に持たせず、内閣府の管轄にしてきた。情報収集衛星の解像能力も、民間で一般的な水準に抑えられてきた。  今回の基本法は、現状を追認するばかりでなく、そうした制約も取り除いてしまおうというものだ。  ところが、そうすることによる国家としての得失はどうか、自衛隊の活動にどんな歯止めをかけるのか、といった論議は抜け落ちたままだ。しかも、たった2時間の審議で可決するとは、どういうことか。あまりに安易で拙速な動きである。  基本法が成立すれば、自衛隊が直接衛星を持ち、衛星の能力を一気に高める道が開ける。それにとどまらず、将来のミサイル防衛に必要な早期警戒衛星を独自に持つことができたり、様々な軍事目的での宇宙空間の利用が可能になったりする。  だが、内閣委員会で、提案者の議員は具体的な歯止めについて「憲法の平和主義の理念にのっとり」という法案の文言を引いて、専守防衛の枠内であるという説明を繰り返しただけだ。  基本法の背景には、日本の宇宙産業を活性化したいという経済界の意向もある。衰退気味の民生部門に代わり、安定的な「官需」が欲しいのだ。  だが、宇宙の軍事利用は、日本という国のありようが問われる重大な問題である。  衛星による偵察能力の強化は抑止力の向上につながるという議論もあるだろうが、日本が新たな軍事利用に乗り出すことは周辺の国々との緊張を高めないか。巨額の開発、配備コストをどうまかなうのか。宇宙開発が機密のベールに覆われないか。そうしたことを複合的に考える必要がある。  国民の関心が乏しい中で、最大野党の民主党が法案の共同提案者になり、真剣な論議の機会が失われているのも危うい。 "[he-forum 13303] 京都新聞 2008年5月11日(日) http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008051100128&genre=C4&area=K00 「治安管理強化」サミットに反対 下京で市民団体が集会 国内の治安管理の強化をもたらすとしてサミット開催に反対する集会(京都市下 京区)  7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を前に、国内の治安管理の強 化をもたらすとしてサミットに反対している市民団体の集会が11日、京都市下 京区のひと・まち交流館京都であった。  京都市の市民団体「共謀罪に反対する京都連絡会」が、国会での成立阻止を目 指す共謀罪法案の背景に、テロ対策を通じて治安管理の強化を進めているサミッ トの存在があるとして企画し、市民ら約50人が参加した。  集会では大阪弁護士会の永嶋靖久弁護士が講師を務め、2001年の米国同時 多発テロを契機にテロ対策や治安管理が協議されるようになったサミットの歴史 を紹介した。「テロ対策と国際犯罪対策が一体化して強化され、治安管理の国際 的な平準化が進んでいる」と指摘した。 -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca d'informatica e linguistica Universita' Nagoya. Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13304] 時事通信5/12 時事通信2008年5月12日14時47分 「遊学のまち」地域の8大学と連携-長崎  長崎市は9日、多くの若者が集い、学ぶ場所として同市の魅力を高めるため、市内や隣接する地域にある8大学と連携し、「遊学のまち長崎」推進協議会(会長・田上富久長崎市長)を設立した。  会員は、長崎大学や長崎県立大学など8大学の学長。同市を「遊学のまち」とするブランド戦略などを練る。会長を務める田上市長は「(長崎は)江戸時代にさまざまな人が出会い、成果が生まれた場所」とし、「大学は街の中に知恵をもたらす重要な財産。化学反応は必ず起きる」と意気込みを語った。  子どもの数が減り続けている中、定員割れの危機感を募らせている大学と、観光客の減少に気をもむ市の利害が一致。市企画部などは「『学び』と『観光』を融合させることで、街全体を大学とするようなイメージだ」と構想を語る。  同市は、同協議会設立に絡み、「遊学のまち長崎」を推進するためのアクションプランを策定し、内閣府が2008年度に25億円の予算を組んだ「地方の元気再生事業」に応募する。 "[he-forum 13305] 毎日新聞5/13 毎日新聞2008年5月13日付 教育関連予算:教育費増額要求に反論 財務省「欧米とそん色ない」  渡海紀三朗文部科学相や自民党の文教族議員が、教育関連予算の対国内総生産(GDP)比を大幅に引き上げるよう政府に働きかけていることに対して、財務省は12日、欧米各国などの詳細なデータを盛り込んだ反論書を公表した。この中で、財務省は「少子化が進む日本とそうでない他の国のGDP比を単純に比べても意味は無い」と主張。その上で「生徒1人当たりの教育費で見ると、日本は主要先進国とそん色なく、数値目標を掲げるなら、予算の投入量ではなく、教育による成果にこそ適用すべきだ」と、「教育予算のバラまき」を強くけん制した。  教育予算の拡充は、政府が今後5~10年の方策を示す「教育振興基本計画」作りの焦点。文教族は財政再建がハードルとなり、計画に予算拡充の数値目標が盛り込まれずにいることから、4月下旬以降、巻き返しを開始。渡海文科相も9日、「現在GDP比3・5%の教育費を今後10年間で経済協力開発機構(OECD)諸国平均の5・0%へ引き上げるべきだ」とぶち上げた。  これに対し、財務省は反論書で「1人当たり教育費」を算出すれば、先進国中で米国に次いで2番目の公的教育支出国になると指摘。「欧米のように、教育でどんな子どもを育てるのか、学力向上や規範意識など成果にこそ数値目標を設けるべきだ」と訴えた。  5・0%目標に必要な財源7兆4000億円の手当ても「全く考えられていない」と批判した。【清水憲司】 "[he-forum 13306] 毎日新聞岡山5/14 毎日新聞岡山版2008年5月14日付 医療連携:岡山市、岡大と初会合 市民病院問題触れず  岡山市は13日、岡山大との医療連携に関する委員会を開き、今後の協議内容などを確認した。2月に岡大との連携や独立行政法人化で、岡山市民病院を“新病院”化する方針を打ち出した「あり方検討専門会議」の提言を受けた会合だったが、出席した同病院関係者からは「市民病院への言及がなかった」など不満も漏れた。  委員会会長を務める岡山大の千葉喬三学長は「大学は先端研究だけでなく、医療で地域貢献をしなければならない。市と連携することには意義がある」と述べ、高谷茂男市長が「少子高齢化で医療をどうするかなど、岡山大と連携してこれからの医療のあり方を考えたい」と応じた。  出席した市幹部、大学関係者が「医師教育の連携」や「最適な地域医療のあり方」などの協議事項を確認した。委員会には岡山市民病院長らも委員として出席した。同病院は老朽化による建て替えなどが問題となっているが、市民病院に直接かかわる議論はほとんどなく、関係者からは「発端は病院の建て替え問題のはず。実質的には市民病院の改革を話し合うのに、具体論がほとんどなかった」などの声も聞かれた。  また、あり方検討専門会議メンバーの医師3人が「医療現場の意見が反映されていない」として同会議がまとめた報告書から氏名を削除するよう求めていた問題で、市はホームページに3人を含む医療関係者の意見を掲載した。【石戸諭】 "[he-forum 13307] 5/15しんぶん赤旗記事 2008年5月15日(木)「しんぶん赤旗」 宇宙軍事化の法案反対 科学者ら、ネット署名  日本による宇宙の軍事利用を解禁する「宇宙基本法案」に反対するア ピールのためのインターネット署名運動が始まりました。世話人は、国 立天文台の石附澄夫助教。  同法案は、自民・公明・民主による共同提案で、十三日に衆議院本会 議で可決されました。近く参院内閣委員会で審議入りする予定です。  アピールでは、同法案によって、宇宙の際限ない軍事化を招く▽宇宙 産業が「軍需」に頼ることになる▽学問の命である「自主・民主・公 開」に触れていない―などの問題点を指摘。今回の法案に反対するとし ています。  同時に、日本の宇宙政策のあるべき方向として、宇宙のあらゆる軍事 利用の禁止、「民主・自主・公開」の原子力三原則を宇宙開発利用にも 適用すること、日本が宇宙軍縮に向けて先導となることを国として誓う ことなどを求めています。  賛同の署名、メッセージの書き込みを急ぐよう呼びかけています。  ホームページのアドレスは、http://homepage2.nifty.com/ space_for_peace/shomei/ "[he-forum 13308] 岡山日日新聞5/15 岡山日日新聞2008年5月15日付 津山工専と包括連携 岡山大 法人化から20件目  岡山大(岡山市津島中1丁目、千葉喬三学長)は14日、津山工業高等専門学校(津山市沼、稲葉英男校長)と包括連携協定を締結した。包括連携協定締結は、岡山大が20件目、津山高専が2件目。 同大で行われた締結式には関係者10人が出席。協定書に調印した後、千葉学長は「教育の人材育成、研究教育基盤の育成、地域の産業基盤育成など、あらゆることを協力して一緒にやっていきたい」とあいさつ。 稲葉校長は「(同高専は)創造的な実践技術者を育成するのが大きな使命。外に目を向ける一つの手段として、岡山大と包括連携、協力できるのは非常に心強い」と抱負を述べた。 協定では教育、研究・産学官連携、地域・国際社会の発展・活性化、学生交流など6項目で連携を推進する。 第一段として、文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に共同で応募。岡山理科大、倉敷芸術科学大も含め4校で、科学の好きな青少年を育成するプログラムの準備を進めている。 今回の協定は、予算が縮小傾向にある中、お互いの持つ資源を生かそうと、3月末まで同大副学長を務めた稲葉校長からの呼び掛けで実現した。 同大は、法人化直後となる04年8月の岡山県産業・u梛エ什眞弔箸龍・螳瞥茵・睛撒ヾ悄・覿函・銅鐫賃里畔餝舅・箸鮨篆福・海譴泙任紡膤悗了・張掘璽困抜覿箸離法璽困離泪奪船鵐亜・ζ姥Φ罎任陵住山容世覆匹如・腓④弊・未鮠紊欧討い襪箸いΑ "[he-forum 13309] 日本経済新聞東北5/15 日本経済新聞東北版2008年5月15日付 福島大と大東銀、地域振興へ協定・県全域で産学連携  福島大学と大東銀行は14日、産学連携の協定を結んだ。大学が持つ研究シーズと金融機関のノウハウや情報を組み合わせ、地域産業の育成振興を狙う。福島大は同じ福島市の福島銀行などとも同様の協定を結んでいるが、郡山市に本拠を置く大東銀との提携で、県内全域での産学連携に弾みを付ける。  福島大の新技術と県内企業のニーズのマッチングのほか、人材交流などを見込む。大東銀の能勢秀幸社長は「現時点で具体的な案件はないが、息の長い連携にしたい」と説明。福島大の今野順夫学長も「必ずしも十分でなかった福島市と郡山市の地域と産業の連携活動を発展させ、県内に広げたい」と話した。 "[he-forum 13310] 日本農業新聞5/15 日本農業新聞2008年5月15日付 東大で金融講座 今年度後期開講 役職員も教壇へ/農林中金  農林中央金庫は2008年度後期から、東京大学経済学部に寄付講座を開設する。同大学大学院経済学研究科と経済学部、農林中金が14日、発表した。講座名は「証券投資 理論と実践」。金融理論を柱に実務者の視点を加えるため、農林中金の役職員も出講する。  今回設置する講座は、金融理論に関する研究教育の充実を通じ、日本の金融市場の発展に資する人材を育成する狙い。経済学研究科と農林中金が共同で運営する。  経済学研究科の小林孝雄教授が担当し、経済学部で行う。 "[he-forum 13311] JanJanNews 08/5/13 http://www.news.janjan.jp/special/0805/0805126857/1.php 【G8洞爺湖サミット オルタナティブ】G8司法内務大臣会合での治安管理強 化と共謀罪復活に警戒 山本ケイ2008/05/13 共謀罪と治安管理のグローバル化に反対する京都集会。サミット開催が治安管理 強化につながった歴史や日本で初めて司法内務相会合が開かれるなど治安管理強 化の流れが国内では市民運動に振り向けられてしまうことへの危機感が報告された。  北海道・洞爺湖でのG8サミットや国内各地での閣僚会議を控え、各地の警察 の警備態勢が強化される中、治安管理が飛躍的に進む恐れがあるとして11日、 京都市内で「共謀罪と治安管理のグローバル化に反対する5・11京都集会」が 開かれた。弁護士の永嶋靖久さんが世界で国際犯罪やテロ組織に対する対策が急 速に進んでいることが、治安管理強化につながり、日本の共謀罪法案にも反映さ れていることを報告。主催者側もサミットで共謀罪の芽を再び復活させないよう 完全な廃案を目指すことを訴え、サミットに向けて治安管理の面から抗議の声を 上げていく方針だ。  永嶋弁護士は「東京で日本のサミットでは初めてとなる司法内務相会合が開か れます。新聞報道ではそこでは外国で浮上している、若者や移民が過激化し無差 別テロに走る傾向について議題に上るということですが、サミットで話し合われ たことが国連での条約批准や、各国の法令強化につながった歴史があり、司法内 務相会合が開かれる日本でも治安管理関係の法律が強化される恐れがあり警戒し なければなりません」など、組織犯罪や対テロ対策が関係の無い人々にまで及ぶ 危険性を訴えた。  永嶋弁護士や主催者の共謀罪に反対する京都連絡会がまとめた資料によると、 国連、米国、EU諸国、日本など先進諸国は1960年代のハイジャック対策関 連の条約や法律制定に始まり、サミットがスタートした70年代から80年代に かけ、対テロ関係の政策を強化してきた。以降、サミットが開かれる度に対テロ や組織犯罪対策が強化され、「国連で条約が批准されることで各国の関連国内法 が成立したり、規制が大幅に広がった」(同弁護士)など、サミット開催が治安 管理強化につながった歴史があったとしている。  主催者側はこうした動きが現在の日本の共謀罪法案提出につながったと指摘、 「共謀罪法案についても、鳩山法相はサミットまでに成立を、と広言しています が、国会上程以来、足かけ6年、13国会期にわたって成立を阻止し続けている ことを踏まえて今国会で廃案に追い込みたいと考えます」としており、現在、規 制強化が厳しい政府原案が衆議院法務委員会に付託されたままになっていること を報告した。  一時は議論が沸騰した共謀罪だが民主党が参議院で勢力を伸ばしたことで国会 が政府・自民党の思惑どおりに進まない中で、国民の関心も薄くなってしまって いるのが現状ではないだろうか。今回サミットが地球環境や金融危機、食糧問題 に焦点があたる中で、日本で初めて司法内務相会合が開かれることで国内での治 安管理強化が進行する懸念はある。  集会では治安管理強化の現象として「ウイルス作成に関する取り締り強化」 「ロス疑惑・三浦元社長に対する罪状の蒸し返し」「官舎へのビラ配布に対する 弾圧」などが報告され、先進諸国で広がる対テロ、組織犯罪対策強化の流れが国 内では市民運動や活動に振り向けられてしまうことへの危機感が蔓延していた。 -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca d'informatica e linguistica Universita' Nagoya. Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13312] 岩手日報5/16 岩手日報2008年5月16日付 奥州市が産学研究補助 製品、技術に上限50万円  奥州市は、地元中小企業などと研究機関が行う新製品、技術開発を支援する「市産学共同研究推進事業補助金」を創設した。大学などと地場の連携を促し足腰の強い産業を育て、知識集積を進める。同様の補助金は花巻、北上市などが導入済み。奥州市は鋳造分野で岩手大の研究施設を誘致し、技術者養成と知識の地元還元を進めてきた実績があり、一層の連携に期待がかかる。  補助金は大学や高等専門学校、研究所などの機関と、市内の中小企業や起業家とが行う共同研究を支援する。  対象は製品や技術開発全般で工業、農業、食品などの分野は問わず研究費の半額以内、50万円を上限に交付する。2008年度当初の事業費は100万円。  補助金交付要綱は4月から施行したが、実質的な申請受け付けは今月から始めた。  申請を受け付ける市鋳物技術交流センターによると、中小企業と大学などとの一般的な共同研究費用は50万―100万円。しかし価格競争や原材料高に苦しむ中小企業にとって研究費の工面は頭の痛い問題で、補助金創設は企業のニーズに応えたものだという。  同市は既に岩手大との連携拠点として、水沢区に大学院工学研究科の鋳造技術研究センターを誘致。今春、金型・鋳造工学専攻初の卒業生を輩出するなど人材、知識の交流と還元が進む。  ただ、近年は廉価な海外製品との競争が激化、各企業は価格対応に加え品質と技術で差別化を図るため、研究開発力を高める必要性が指摘されている。  同センターの及川康文主任は「市が掲げる副県都構築を進める上でも知識集積と産業力の裏付けは不可欠。これまで築いた産学連携のすそ野を一層広げていきたい」と話す。 "[he-forum 13313] 毎日新聞社説5/15 毎日新聞社説2006年5月15日付 宇宙基本法案 軍事利用に懸念は消えない  宇宙空間の軍事利用に道を開く「宇宙基本法案」が自民、公明、民主3党の賛成で衆院を通過した。3党による議員立法で、今国会で成立する見通しだ。  成立すれば、政府が認めていなかった自衛隊の衛星保有やミサイル防衛(MD)のための早期警戒衛星、高い解像度を持つ偵察衛星の開発・打ち上げが可能となる。しかし、法案が目指す方向性に懸念を表明せざるを得ない。  宇宙利用に関しては、日本も67年に批准した国連の宇宙条約がある。宇宙への大量破壊兵器(WMD)配備を禁止したが、通常兵器配備は可能とされている。  日本は69年に、国会で宇宙利用を「平和の目的に限り」とする決議を全会一致で採択し、政府は「平和目的」とは「非軍事」であると説明してきた。法案はこれを転換し、「非軍事」のハードルを「非侵略」まで引き下げ、防衛利用を認めるものである。  自民党の国防族議員は05年、宇宙分野の企業や防衛庁幹部らと「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」を発足させ、国会決議見直しを検討してきた。今回、法案の第1条に「憲法の平和主義の理念を踏まえ」と加えたことで、民主党が共同提案に同意した。  しかし、法案が将来の宇宙への兵器配備に向けた「入り口」になるのではないか、との懸念が残る。  「考える会」が06年8月に自民党に提言した「わが国の防衛宇宙ビジョン」では、防衛衛星には、情報・通信のための衛星のほかに、システム障害を引き起こす攻撃からの防御を目的とした「拒否衛星」も含まれるとした。この衛星は通常兵器とされる。  また、「防衛宇宙ビジョン」は、国会決議見直しの最終段階として、攻撃衛星のうちの通常兵器配備を指摘している。具体的には「衛星誘導の無人偵察機」を想定しているという。  宇宙への兵器配備は通常兵器であっても、憲法に基づく軍事戦略である専守防衛に反する。法案は確かに「防衛宇宙ビジョン」そのものではないし、「憲法の平和主義」の文言が盛り込まれた。しかし、法案が、これを推進した「考える会」の目指す宇宙利用に向けた第一歩になるのではないか、との疑念はぬぐえない。  一方、宇宙開発の透明性に対する懸念もある。現在の情報収集衛星についても国民に開示されている情報は少ない。「防衛宇宙ビジョン」では「秘密保全制度」の確立が強調され、法案では「情報の適切な管理」がうたわれた。軍事衛星打ち上げには巨費が投じられることになるが、軍事が宇宙利用の柱になることで透明性は一層低下する可能性が高い。  衆院での委員会審議はわずか2時間だった。知らぬ間に法案が通過したというのが国民の実感である。参院には十分な審議で懸念を解消するよう望みたい。 "[he-forum 13314] 東京新聞社説5/16 東京新聞社説2008年5月16日付 宇宙基本法案 『平和目的』こそ原点  宇宙の軍事利用が可能になる「宇宙基本法案」が衆院を通過した。従来の「平和利用」から「安全保障」への大転換だが、衆院では懸念が全く解消されていない。参院で審議を尽くすべきだ。  わが国の宇宙開発の性格を一変させる「宇宙基本法案」があっさり衆院を通過してしまった。  自民、公明、民主の三党共同提案の議員立法で、衆院の内閣委員会ではわずか二時間の質疑で可決され、参院に送付された。  わが国は一九六九年の宇宙開発事業団(現・宇宙航空研究開発機構)発足の際、衆院本会議で宇宙開発について「平和目的に限る」との決議を全会一致で採択し、政府は「平和目的」とは「非軍事」と説明してきた。  これにより「防衛目的」の衛星打ち上げは禁止され、九八年の北朝鮮の「テポドン」発射後に打ち上げられた「情報収集衛星」も、地上の物体を見極める能力は民間衛星以下に抑えられてきた。   法案は、こうした従来の制約を一挙に撤廃するもので、宇宙開発の目的として「安全保障」を明確に盛り込んだ。  その背景には、北朝鮮の核・ミサイルの脅威のほか、平和利用だけでは今後も大きな需要が期待できず、防衛分野の需要拡大で宇宙産業を振興させたいメーカーの思惑が働いているようだ。  問題は、こうした方針転換が何をもたらすかだ。法案が成立すれば、自衛隊が一気に高性能の衛星を持てるようになるほか、ミサイル発射を探知する「早期警戒衛星」の保持も可能になり、歯止めがかからない恐れがある。周辺国の警戒心を呼び起こすだろう。  宇宙開発の透明性も失われる。政府は「情報収集衛星」に関する情報提供さえ渋った。高性能の防衛目的の衛星ならなおさらだろう。法案の「情報の適切な管理」がその根拠に使われかねない。  もともと宇宙開発は多額の予算を必要とする。その中で防衛分野が優先されれば、平和利用が割を食う。両者のバランスをどう取るのかは全く不明だ。  わが国は平和利用の一環として、小惑星探査機「はやぶさ」や月周回衛星「かぐや」など優れた無人探査技術を開発し、世界から高い評価を受けてきた。こうした技術開発が先細りにならないか。  こうした疑問に全くこたえないまま、長年堅持してきた「平和目的」を簡単に放棄しては、わが国の宇宙開発の将来に禍根を残すことになるだろう。 "[he-forum 13315] 京都新聞5/17 京都新聞2008年5月17日付 iPS細胞の特許管理会社を設立へ 散逸防ぎオールジャパンで  京都大は16日、山中伸弥京大教授が世界で初めて作製に成功した「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」にかかわる特許の管理会社を証券会社や銀行などの協力を得て、6月に設立すると発表した。国内の大学や研究機関にも参加を呼びかけ、iPS細胞の研究成果について産業界への技術移転を速やかに進め、医療や新薬開発に役立てることを目指す。  京大によると、研究成果の実用化には、特許の使用許可の交渉やトラブルへの対応などにあたらなければならず、専門知識を持つ弁護士や弁理士など多数のスタッフが必要。しかし、学内では資金がないうえ機動的な対応が難しいため、大和証券グループ本社や三井住友銀行など3社が出資し特許管理会社を立ち上げることにした。  大学が会社に出資することはできないため、京大の役員や研究者が参加する有限責任中間法人が、特許管理会社に出資し同社の株式を所有する。管理会社は、特許を所有する研究者に特許使用料を支払い、再生医療、製薬会社に対し特許使用の許可業務をする。  大和証券グループ本社など3社は、中間法人や特許管理会社に計2億1000万円を出資し、12億円まで出資金を増やす。3社は中間法人や会社の運営にかかわらないという。  東京都内で会見した京大の松本紘理事(研究担当)は「特定の集団や企業が特許使用権を買い集めることを防ぎたかった。将来的には、多くの大学や研究機関が参加するオールジャパン体制でやっていきたい」と話した。 "[he-forum 13316] 毎日新聞5/18 毎日新聞2008年5月18日付 理系白書’08:第1部 イノベーションを考える/3 大学発ベンチャーに… ◇大学発ベンチャーに資金と規制の壁  米国のマイクロソフトやグーグルなど、イノベーションの創出にベンチャー企業の存在は欠かせない。新技術やビジネスモデルで新たな市場を築くことはリスクを伴い、大企業には取り組みづらい賭けだからだ。日本は2000年代に入り、国策として「大学発ベンチャー1000社計画」を進めるなど、ベンチャー育成に力を入れている。だが、数は増えてきたものの軌道に乗った会社は少ない。【河内敏康】  「収益が出るまでには時間がかかる。それは初めから説明していたのに……。資金を引き揚げられたら、やっていけるはずがない」。「夢の人工血液」を目指し02年に設立された関東地方のベンチャー企業。男性幹部(40)はこう言って肩を落とした。資金調達が厳しくなったため事業の継続を事実上断念し、他社への事業譲渡を進めている。大幅なリストラも実施したが、追いつかなかった。  大学での研究成果を基に、06年までにベンチャーキャピタル約40社から計40億円もの資金を集めた。ところが、なかなか製品化に結びつかないと見るや、一昨年以降、突然、資金を引き揚げる社が相次いだ。  ベンチャーキャピタルは、成長が見込まれる未上場会社の株を買う形で支援し、企業価値が高まった時点で株を売って利益を得る投資会社だ。彼ら自身も自分たちの生き残りをかけている。  医薬品の世界では、実用化される研究成果は極めて少ない。リスクが大きいだけに、資金はベンチャーキャピタルなどに頼ることになる。「ベンチャーキャピタルは近年、短期での収益にばかり目が向いている。これではイノベーションにつながるような技術のタネが、埋もれてしまうかもしれない。せめて初期段階までは国の助成が欲しい」と幹部はこぼす。    ◇   ◇  国の規制もバイオ部門では支障となる恐れがある。  再生医療製品メーカー「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)」(愛知県蒲郡市)。清潔に保たれた真っ白な培養室で、患者から取り出した表皮を増殖する作業が静かに進められている。切手大の表皮が2週間もすれば、たたみ1畳くらいの大きさにまでなるという。  J-TECは99年、名古屋大などの技術を基に設立された大学発ベンチャーだ。表皮や軟骨などを培養して増やし、重度のやけど患者などへの再生医療に利用することを目指している。昨年秋には自家培養した表皮の製造承認を、厚生労働省から国内で初めて取得した。海外では20年以上も前に同様の技術が商品化されているが、承認を受けるには準備期間も含め約10年かかった。  当初、国は製造承認に薬事法に基づく治験(臨床試験)は必要ないとの姿勢だった。患者自身の細胞を増やし、再び戻すだけだからだ。ところが、いざJ-TECが設立されると、安全面の懸念などから、国は治験の実施を要求してきたという。さらに設立から2年後、治験開始についても、安全性の評価を事前に確認する新たな関門が設けられた。  製造販売後に使用成績を調査し、製品を30年間保存しなければならないなど、新たなルールも作られた。  小沢洋介社長は「きちんとした産業化を進める上でも一定の規制は必要だが、海外では何をクリアしたら承認されるかというゴールが明確。越えなければならないバーが時間と共に高くなるようなことが日本で続けば、海外に流出するベンチャー企業が出てくる恐れがある」と指摘する。  ◇経営や渉外能力、人材育成も課題  大学発ベンチャーは、産官学による積極的な取り組みも加わり2000年ごろを境に急増した。06年度には1590社に達し、5年間で2.7倍に増えた。しかし、経営状況をみると、全体的に営業利益は赤字続きだ。06年度では、1社当たりの赤字額平均は4530万円。前年度に比べ、1000万円以上も増えている。  経済産業省の研究会が今年4月にまとめた報告書では、大学発ベンチャーの抱える大きな課題として、人材、資金、販路の三つを挙げている。製品化まで時間がかかるため経営面や技術面でリスクが高いことや、販路が限られ新たな開拓が難しいと分析している。  ベンチャー企業に詳しい小田切宏之・一橋大大学院教授(産業経済学)は「製品化までに時間がかかる業種のベンチャー企業にとって、銀行やベンチャーキャピタルから大きな出資を望むのは厳しい。大企業と連携することが重要になる。日本のベンチャーには、経営や渉外能力のある人材がまだ少ない。技術革新につなげるためにも、こうした人材の育成も必要だ」と話している。 "[he-forum 13317] 読売新聞5/17 読売新聞2008年5月17日付 [解説]東大大学院入試の不正 急拡大で学生争奪戦  ◆要約  ◇1990年代からの国の大学院重点化で、有力大学の大学院定員が急増した。 ◇学部を持たない研究科が増え、特に新しい研究室では学生集めに苦労している。  東京大で大学院入学試験の問題を受験生に漏らした准教授が懲戒解雇された。背景には大学院の急拡大がある。(科学部 杉森純)  東大の大学院は、現在15研究科96専攻あり、各専攻ごとに入試が行われる。複数の専攻を掛け持ち受験することもできる。  4月25日付で懲戒解雇となった浦川秀敏・元海洋研究所准教授(37)は、出題委員の1人だった2006年の新領域創成科学研究科の入試で、准教授を指導教員の第1志望にした受験生の携帯に「試験について」というメールを送り、電話してきた受験生に、「環境保護の国際的な取り決めについて勉強しておくように。京都議定書やラムサール条約のようなもの」などと、出題内容を伝えた。  試験は2日間かけて専門科目、英語、小論文、面接が行われた。受験者82人のうち56人が合格、46人が入学した。情報を聞いた複数の受験生は全員合格だった。  准教授は環境微生物が専門で、05年に東大の海洋研に赴任したばかり。指導する学生がまだおらず、「研究の発展のため、学生を採って一緒に研究したかった」と話したという。金銭の授受はなかった。  元々、大学院入試は、選抜より資質確認の要素が強かった。問題は学部の授業内容の確認に近いものも多く、合格者の大多数は内部進学者で、学部と同じ研究室に進む例が多かった。  しかし、こうした状況は、1990年代からの国の大学院重点化で大きく変化した。有力大学の大学院定員が急増し、学生を奪い合う状況さえ生まれている。  東大の場合、07年度の修士課程の入学定員は2747人で、重点化前の1990年度(1358人)の2倍以上。法曹養成などの専門職大学院の定員(445人)を合わせると、学部の入学定員(3053人)を上回る。入学者の過半数が他大学の出身者で、内輪の論理は通用しなくなった。  東大に限らず、学部を持たない独立の研究科も増えた。浦川准教授が協力講座教員となっていた新領域創成科学研究科もその一つで、新しい研究室の場合は学生集めに苦労も多い。  同研究科の教員の1人は「研究室を持った当初、2年連続で大学院生が入らなかった。学生を確保したいという気持ちは分かる」と漏らす。「問題を漏らすのは論外だが、准教授は以前の院試のイメージを持っていたのかもしれない」と指摘する教員もいる。  東大では、6年前に大学院入試で出題ミスがあったのを契機に、大学院入試でも複数の出題委員がミスをチェックし、さらに別の教員が確認する、学部入試並みの制度を導入した。皮肉なことに、こうした厳格化が入試問題を目にする教員の数を増やした。専攻ごとの教員数が少ないため、「2年に1度は、何らかの形で入試にかかわる」(東大准教授)という状態だ。  4月28日の懲戒処分発表の記者会見で、教育担当の岡村定矩(さだのり)理事は「基本は規律の問題。浦川准教授は東大に赴任して日が浅かった」と強調した。しかし、外部の目は格段に厳しくなっている。個人の問題に終わらせれば大学への信頼も揺るがしかねない。 "[he-forum 13318] 朝日新聞5/19 朝日新聞2008年5月19日付 〈学長力〉環境整え「放し飼い」 京都大学 尾池和夫総長  「西の雄」京都大の尾池和夫総長は、ひと味違うリーダーシップ論を展開する。さらに学生は「放し飼い」にするのがいいという。そのココロは何なのか。  ――「ボトムアップ型のリーダーシップ」を唱えていますが、矛盾していませんか。  「違和感はあるでしょうが、矛盾はしていません。京大の総長というのは一匹狼(おおかみ)の零細企業の団地の組合長のようなもの。こうやれ、というようなことを言えば総スカンを食う。だけど世の中はリーダーシップを求める。だからボトムアップというのを前につけたわけです」  ――具体的には。  「法人化の制度の中にはありませんが、学部長や研究所長ら数十人からなる部局長会議を非常に重視して、大事なことはすべてそこで議論する仕組みにしました。コーヒーや紅茶を飲みながら月1回、時間制限なしで徹底的に議論する。僕も自分が納得するまでは引きません」  ――それではスピードのある意思決定ができないのでは。  「研究というのはスピードが勝負ですから、京大の先生はその必要性はわかっている。一方で、あせらず、時間をかけてよく考えるのも大事です。じっくり取り組むがさぼらない、そういうスピードでなければいけないんですよ」  ――もともと国立大の法人化に反対していましたね。  「法人化自体ではなく、法人化の中で議論された、いろいろな仕組みに反対したんです。例えば競争の中で個性が輝く大学と言うから、それは矛盾すると言った。競争にはゴールがあるわけで、用意ドンを始めたとたんに個性はなくなってしまう。バットを振ったら、(一塁ではなく)三塁へ走り出すような人がいてもいい」  ――京大は「自由の学風」と言われますが、今の学生は放任するだけでは育たないのではないですか。  「だから放任ではなく、自由な放し飼いが大事なのです。10年も20年も手入れをして、自然の草がえさになるようにした場所に囲いをして鳥を放すと、健康なおいしい鳥が育つ。教育環境を整えることで、学生が持っている才能を精いっぱい引き出していきたい」  ――東大と何かと比べられますが、それぞれの強みは。  「東大には財務省がよくお金を出してくれるし、マスメディアでも何でも日本の人はみんな東大が一番だと思っている。それは有利ですよ。企業も大学に寄付するなら東大に出しておこうとなって、それらに乗っかって世界一になると言っている。うらやましいわ」  「一方、京大には世界一の先生がいっぱいいる。これはすごい財産です。例えば監督ばかりが目立っているチームもあれば、選手が目立って監督が誰かわからないチームもある。僕は後者の方が好きです。東大で今、誰が有名ですか? 京大だったら(万能細胞の)山中(伸弥)さんとかいろいろいるし、チンパンジーのアイちゃんもいる。いろんな人がいて、好きなことをやって、世界に向かってのびのびと活躍してくれる」  ――最近はそのような活力が失われつつあるのでは。  「法人化の悪影響はあるでしょう。でも、(キャンパスに)並べられた立て看板は日本の大学で一番見事。学生の活力はまだ大丈夫だと思うけどね」  ――法人化や学生気質が変わっていく中で、理想論的なやり方が通用するのでしょうか。  「通用させないといかん、という信念です。自由の学風が破れたら京大がなくなってもいいわ、ですね。実際には産学連携でも寄付でもよくやっているんです。私の方針をよしとする人が企業にもいっぱいいる」  「例えば事務局長を廃止して、役員が事務局をちゃんと掌握できるシステムにした。多くの大学ではできなかったことをリーダーシップを発揮してやりました。自然科学というのは原理を大事にする。僕は法人化の趣旨を一番実現しているのは京大だと思っているんですよ」(杉本潔)    ◇  京大理学部卒。03年12月、24代総長に。地震学者だが、句集や心筋梗塞(しんきんこうそく)の闘病記も出版。自らプロデュースした「総長カレー」は京大名物に。67歳。 "[he-forum 13319] 山陰中央新報5/20 山陰中央新報2008年5月20日付 島根大学がビビットカード導入  ボランティアやサークルなど課外活動に参加すると学生にポイントが与えられる「ビビットカード」の導入が本年度から、松江市西川津町の島根大で始まった。学生の自立心やコミュニケーション能力の育成を図るのが目的で、ポイントカードの導入は全国の大学では初めての試み。  カードは、単位の付かない課外活動に参加した学生にポイントを与え、ためたポイントを教科書や文房具などに交換できる仕組み。入学時、全学生に配り、課外活動をポイントで評価することで学生の意欲を向上させ、積極的な参加を促す。  対象は、イベントなどの街づくり活動や各種セミナーへの参加、資格取得、献血などさまざま。ポイント獲得には証明書が必要で、活動によりポイント数は異なる。  同大は、課外活動への参加が学生の視野を広げ、社会性や人間力が養われると重視していたが、積極的に取り組む学生は一部に限られていた。  コミュニケーション能力不足で就職時につまずく学生が多いこともあり、より多くの学生が参加し、積極性や主体性を身に付けてほしいと、アンケート調査などをもとにプログラムを組んだ。ユニークな取り組みとして、昨年度、文部科学省の学生支援プログラムに選定され、注目を集めている。  同大のマスコットキャラクター「ビビット」をあしらったカードにはICチップが組み込まれ、活動データを分析し、教育との相乗効果を検証する計画。担当者は、授業に取り組む姿勢も向上するのではないかと期待している。 "[he-forum 13320] 日本経済新聞5/20 法科大学院、社会人入学者3割切る・08年度 (日本経済新聞2008年5月20日付)  文部科学省は19日、2008年度の法科大学院(国公私立計74校)の入試実施状況をまとめた。入学者総数は5397人で、前年度に比べ5.5%の減少となった。このうち社会人入学者は12.3%減と二ケタのマイナスで、入学者全体に占める割合は29.8%と初めて3割を切った。  社会人入学者の減少は4年連続。多様な人材を法曹界に招き入れることを目的に創設された法科大学院だが、修了者の新司法試験の合格率が伸び悩む中で、思うように社会人を呼び込めていない現状が鮮明になった。 "[he-forum 13321] 朝日新聞5/20 朝日新聞2008年5月20日付 国立大授業料、私大並みに 財務省、5200億円捻出案  財務省は19日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、国立大学予算で授業料引き上げなどによって最大5200億円を捻出(ねんしゅつ)できるとの試案を発表した。生まれた財源を高度な研究や人材育成、奨学金の拡充に充てるべきだとの主張も盛り込んだ。国から国立大に配る運営費交付金(08年度予算で約1兆2千億円)の増額論議を牽制(けんせい)する狙いがあると見られる。  試案は、授業料を私立大並みに引き上げることで約2700億円、大学設置基準を超える教員費を削ることで約2500億円の財源を確保できるとしている。「義務教育ではないので、一般的な教育自体のコストを(税金で)補填(ほてん)することには慎重であるべきだ」とし、「高等教育の機会均等は、貸与奨学金での対応が適当」とした。  財政審の西室泰三会長は会合後の記者会見で、この提言を6月にまとめる意見書に採用することは否定したものの、教育を受ける機会を損なう恐れもあり、論議を呼びそうだ。西室氏は「国立大学の授業料は個別に決められるが、相変わらず横並びだ」と指摘し、各大学に自主判断で授業料を見直すよう求めた。  この日の財政審は、与党議員らから増額要求が強まっている教育、途上国援助(ODA)の予算について「財政状態からみて増やす状況にはない」との認識で一致。「11年度に基礎的財政収支を黒字化する政府目標の堅持が必要」との考え方を意見書に盛り込むことも決めた。 "[he-forum 13322] 信濃毎日新聞社説5/20 信濃毎日新聞社説2008年5月20日付 宇宙基本法案 政策転換に心配が募る  宇宙開発と防衛をめぐる日本の大本の政策が転換されようとしている。今の国会で成立見通しの「宇宙基本法案」によってである。  法案に対し、国民の関心は薄く、国会での論議も深まっていない。このままでは、将来に禍根を残さないか心配だ。  自民、公明、民主3党の共同で提出された。自衛隊独自の偵察衛星の開発、運用など宇宙の防衛利用を容認する内容である。  1969年に国会は、日本の宇宙開発は「平和目的に限る」とする決議を採択している。平和目的とは「非軍事」だと、解釈されてきた。  これを踏まえ、防衛目的の衛星打ち上げは禁止された。打ち上げられた情報収集衛星については、地上の物体を見極める能力が民間衛星並みとされている。  与党側は宇宙開発の範囲を「非軍事」から「非侵略」に拡大することが必要として昨年、法案を議員立法で提出した。参院選での自民党敗北から、法案の審議が進まなかった。  今回の法案では「憲法の平和主義の理念にのっとる」を加え、民主党が共同提案に同意した。  北朝鮮の核・ミサイルの脅威が高まった。産業界は防衛分野の需要拡大を目指す。そんな事情が追い風になっている。  問題点を指摘しておきたい。  第1は、基本法によって開かれる軍事面での利用が、とめどなく広がらないかという心配だ。  自衛隊が直接衛星を持ち、能力を高められる。将来のミサイル防衛に必要な早期警戒衛星を独自に持つことも可能になる。防衛には機密が付き物だ。「憲法の平和主義の理念」を掲げていても、国民に十分知らされないことが増えていきかねない。  2番目は、近隣諸国との緊張をかえって高める恐れだ。中国は昨年、自国の人工衛星破壊の実験に成功した。敵対国の軍事衛星をも攻撃する能力があることを示している。日本は軍事面の衛星開発競争で緊張を高めるよりも、平和利用の先頭に立ちたい。  3つ目には、平和利用の科学衛星との関係だ。日本は小惑星探査機や月周回衛星で成果を挙げてきた。防衛に傾斜を強めて科学探査をおろそかにすべきではない。  衆院では委員会審議はたった2時間で可決、本院も通過した。参院では論議を尽くし、国民の懸念を解消すべきだ。軍事面での利用拡大の独り歩きにどう歯止めをかけるのか、提案した3党はしっかり説明する責任がある。 "[he-forum 13323] 公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレターNO.4 公正な学長選考を求める裁判を支える会 ニュースレター NO.4    2008、5,19 ○ 任命取り消し請求へ!  すでにご存知のように、4月1日付けで相良氏が高知大学学長に任命されまし  た。文部科学省の良識に私たちがいだいていた一抹の「期待」はあっけなく裏  切られました。どうやら、日本の教育を統括する官庁は「ウソをついてはいけ  ない」という最低限の社会的ルールすらきちんと理解していないようです。  大学執行部は、これで一件落着としたいようです。しかし、ことはそれほど単  純ではありません。昨年来、無理矢理に無理を重ねてきた大学運営の終着点が  あの学長選考結果でした。そして、その重ねてきた無理の代償として,事務組  織・教員組織があらゆる部分で破綻し始めている現状となっているということ  は,誰の目にも明らかでしょう。  そうであるとすれば、相良氏の学長任命をうけて私たちのなすべきことははっ  きりしています。すなわち、この段階に至り、国を相手取っての行政訴訟は避  けて通れない課題となったということです。たしかに、行政訴訟はこれまで取  り組んできた民事訴訟や刑事告発より更に高いハードルです。しかし、現在私  たちの前で行われている不正に対し手をこまねいていて、学生に向かって真理  を説くことができるでしょうか。  それはできない!と私たちは考えます。 ○ 「上申」が何度も受け付けられなかったのは何故でしょうか?  ここで考えてみたいことがあります。今年2月28日に41票差のみを記載し  た「上申」が受け付けられましたが、それまでに実は何度も大学関係者は文部  科学省に相良氏を学長候補者として選考したという書類を持参しています。し  かし、その度に受け付けてもらえなかったということです。このことは大学側  自身が2月29日の第1回公判ですでに明らかにしています。 とすれば、なぜ、それまで受け付けてもらえなかったのでしょうか?持っていっ た書類にはどのように二つの票について記載されていたのでしょうか?あるいは、 文部科学省からは書類を受理するためにどのようなアドヴァイスがあったのでし ょうか?  そして、2月28日の上申書に添付されたとされる「業務監査実施報告書」な  る2月18日付けの文書が,2月27日に突然グループウェアのフォーラム上  に現れたのは何故なのでしょうか?これらの一連のやりとりの過程を明らかに  することが、今回の上申は虚偽記載ではないという大学側の主張と、大学から  上申があったのでそれを受理しそれに基づいて任命しただけだとする文部科学  省の主張を打ち破る手がかりになるでしょう。 ○ 雑誌JWに高知大学学長選考の記事が載っています    皆さんJW(ジュディシャル・ワールド)という雑誌(扱いは単行本のようで  す)をご存知でしょうか?実は取材依頼がくるまで私たちもよく知らなかった  のですが、「司法エンターテインメント雑誌」と銘打ったこの雑誌(発行元は  「リーダーズノート社」)の最新号(vol.3)に,高知大学の学長選考を巡る  問題が掲載されています。  タイトルは「泥沼化する国立大学 『学長選出』」(取材・文 富田充氏)で  すが、いくつもの国立大学の事例をあげているかと思いきや、取り上げられて  いるのは高知大学のみです。たしかに考えてみれば、多くの大学で学長選考を  巡って問題が起こりましたが、「泥沼化」しているのは高知大学くらいですか  ら。 そこでは、私たちの大学で起こった(起こりつつある)ことについて10ページ に渡って詳しく解説がなされています。法律雑誌ですので、国立大学法人法の孕 む問題を明らかにすることが中心ですが、法人法が規定する学長選考会議の功罪 に関し、きちんとした取材に基づいて本学の学長選考規則の問題点や実際の学長 選考でどのようなことが起こったのかなどについて、実名入りで分かり易く説明 が行われています。本会の代表や「公正な学長選考を求める会」あるいは学生の 会代表のコメントもきちんと収録されています。非常に残念なのは、大学側の最 高責任者が「係争中でもあること」を理由に相変わらず逃げの一手でなんのコメ ントも寄せていないことです。  同誌の記事の基本的な主張・スタンスは,高知大学という極めて特殊な事例の  中に法人法の問題点(選考会議の機能、「学長性善説」など)が集中的に現れ  ており、国立大学法人法の見直しの議論をきちんと行うべきではないかという  ことです。私たちもそのような議論の重要性をきちんと踏まえる必要があるで  しょう。他方、高知大学に固有の問題である、学長選考をめぐる不透明な事態  の真相究明と責任追及という当初からの目標を粘り強く追求していく必要があ  ると思います。  この号が編集されたときにはまだ、文部科学省による任命は行われておらず、  「本書が書店にならぶ4月下旬には、相良祐輔高知大学長が正式に決まってい  る可能性がある」と述べられています。結果は皆さんご存知の通りですが、続  けて、同誌は次のように述べます「しかし、学長選出手続きに違法性が疑われ  るからこそ、ことは告発や訴訟にまで発展している。それでも「任命」される  のなら、当の文科省には、高知大の係争をシロと見るだけの確信があるのだろ  う。」  その通り!私たちがこれから問わなければならないのはその「確信」には本当  に根拠があるのかということです。もし、何の根拠もなく任命行為が行われた  とすれば、その責任は重大です。そのような視点から,同誌の記事はこれまで  本学で起こったことに関する適切な解説であると同時に、今後の方向を考える  意味でも大いに参考になるものです。    これ以外の記事(「日本の知財戦略」など)も結構面白いので、定価700円  はお買い得と思います。生協などで「東国原知事」の表紙のJWを見かけたら  手に取ってみてください。(当会はもちろん一切の宣伝費はもらっていません。  ゴルフ接待もありません。念のため) 5月30日〔金〕 第3回口頭弁論 11:00~ "[he-forum 13324] 室蘭民報5/21 室蘭民報2008年5月21日付 室蘭工大が4学科に再編成、少人数教育充実めざす  室蘭工業大学(松岡健一学長)は20日、平成21年度入試から、学科を6学科から4学科に再編すると発表した。同大が組織を再編するのは18年ぶり。少人数による教育を充実させるため4学科に12コースを設ける。教員は共通性の高い分野ごとに4領域に分けることで研究の効率をアップさせる。  学科は現行の6学科を建築・社会基盤、機械・航空宇宙・材料工学、応用理化学、情報・電子工学の4学科に再編する、2年次からはコースごとの教育となる。航空宇宙システム工学コースは大学院まで継続して学ぶことができ、人材育成に役立ちそうだ。  大学院は博士前期課程は9専攻を7専攻14コース、同後期課程は4専攻を5専攻にそれぞれ再編させる。各学科ごとに所属している教員については「くらし環境」「もの創造」「しくみ情報」「ひと文化」の4領域に所属してもらう。  定員は大学が560人、大学院は前期198人、後期24人で変わらない。  松岡学長は再編の視点として、効率よい実践を目指した教育研究体制の構築、学士課程から大学院まで連続した教育体系づくり―などを挙げ、「大学の個性化と特徴化を進めるための組織改革。少子化の影響や工学離れもある」と大幅な再編の理由を説明した。 (佐藤重伸) "[he-forum 13324] 室蘭民報5/21 室蘭民報2008年5月21日付 室蘭工大が4学科に再編成、少人数教育充実めざす  室蘭工業大学(松岡健一学長)は20日、平成21年度入試から、学科を6学科から4学科に再編すると発表した。同大が組織を再編するのは18年ぶり。少人数による教育を充実させるため4学科に12コースを設ける。教員は共通性の高い分野ごとに4領域に分けることで研究の効率をアップさせる。  学科は現行の6学科を建築・社会基盤、機械・航空宇宙・材料工学、応用理化学、情報・電子工学の4学科に再編する、2年次からはコースごとの教育となる。航空宇宙システム工学コースは大学院まで継続して学ぶことができ、人材育成に役立ちそうだ。  大学院は博士前期課程は9専攻を7専攻14コース、同後期課程は4専攻を5専攻にそれぞれ再編させる。各学科ごとに所属している教員については「くらし環境」「もの創造」「しくみ情報」「ひと文化」の4領域に所属してもらう。  定員は大学が560人、大学院は前期198人、後期24人で変わらない。  松岡学長は再編の視点として、効率よい実践を目指した教育研究体制の構築、学士課程から大学院まで連続した教育体系づくり―などを挙げ、「大学の個性化と特徴化を進めるための組織改革。少子化の影響や工学離れもある」と大幅な再編の理由を説明した。 (佐藤重伸) "[he-forum 13325] 毎日新聞新潟5/21 毎日新聞山形版2008年5月21日付 山形大:未来基金、目標10億円 達成は166年後? ◇開始2カ月で集まった額は100万円程度  目標達成は166年後?--。山形大学が今年度始めた「山形大学未来基金」で、結城章夫学長は20日の会見で「(大学OBなどから募る)寄付金の目標額は10億円」との構想を掲げた。だが開始約2カ月で集まった額は「100万円を超す程度」(結城学長)。このペースなら目標達成は2000カ月=約166年後になる計算だ。  基金は山形大独自の返還不要の奨学金の財源として創設。大学OBや在校生の親、県内企業などに1口1000円以上で寄付を募っている。  しかし、3月上旬から5月下旬にかけ集まった金額は約100万円。制度発足から2カ月以上過ぎた5月20日現在も、大学ホームページのトップページには、寄付呼び掛けの文言すら載っていない。  結城学長は「10億円あれば、年間1000万円の利息だけで奨学制度を回せる。目標達成は、5年かかるか10年かかるか分からないが、広く薄く集めたい」と意欲的だが、実現には余程の営業努力が求められそうだ。  奨学金は年間720万円必要で、当面は学長予算から出す。【大久保渉】 "[he-forum 13325] 毎日新聞新潟5/21 毎日新聞山形版2008年5月21日付 山形大:未来基金、目標10億円 達成は166年後? ◇開始2カ月で集まった額は100万円程度  目標達成は166年後?--。山形大学が今年度始めた「山形大学未来基金」で、結城章夫学長は20日の会見で「(大学OBなどから募る)寄付金の目標額は10億円」との構想を掲げた。だが開始約2カ月で集まった額は「100万円を超す程度」(結城学長)。このペースなら目標達成は2000カ月=約166年後になる計算だ。  基金は山形大独自の返還不要の奨学金の財源として創設。大学OBや在校生の親、県内企業などに1口1000円以上で寄付を募っている。  しかし、3月上旬から5月下旬にかけ集まった金額は約100万円。制度発足から2カ月以上過ぎた5月20日現在も、大学ホームページのトップページには、寄付呼び掛けの文言すら載っていない。  結城学長は「10億円あれば、年間1000万円の利息だけで奨学制度を回せる。目標達成は、5年かかるか10年かかるか分からないが、広く薄く集めたい」と意欲的だが、実現には余程の営業努力が求められそうだ。  奨学金は年間720万円必要で、当面は学長予算から出す。【大久保渉】 "Stop being a loser","Burst onto the scene with your new augmented male package and win all female hearts! Enable your love tool to work real wonders in bed! Dow was losing 13 percent, the Soros Fund was up 31.2 percent.he realized that life as an investor was just not enough to satisfy him.was attracting attention. Few had any doubts that he was destined ","Charlene Worley","Charlene@gardendesignco.co.uk","SMTP","Cassandra Gorman","fmorito@zendaikyo.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 13326] 読売新聞5/21 読売新聞2008年5月21日付 充実 北大の「南極学」  未来の優れた極地研究者を養成しようと、北海道大が全国で初めて「南極学」コースを開設し、今年度で2年目を迎えた。海外の大学と連携して、国際的に活躍できる人材の育成に力を入れている。  3月上旬、サロマ湖で行われた南極学コースの「海氷実習」。参加者は10日間、オホーツク海から流れ込んだ海水が凍る湖面の上で、氷柱を掘って内部を分析したり、氷柱を薄く切る技術を学んだりした。  「南極や北極まで出向くのは大変。でも汽水湖のサロマ湖なら、『海氷に近い氷』で安全に実習できる」。指導にあたる青木茂・北大准教授(41)はこう強調する。実習には豪タスマニア大の学生2人も参加した。  今月16日からは、別の学生と教員計4人が、米アラスカ大の協力で、北極海で海氷実習を行っている。  地球温暖化の防止が世界共通の課題となり、南極や北極への関心も高まっている。極地での研究は、各国の協力が欠かせないため、2006年7月、米、英、豪など12か国の大学が国際南極大学(IAI)を設立した。日本からは、寒冷地の雪氷や生物を研究する低温科学研究所を持ち、100人近い南極越冬隊員を輩出している北大が参加した。  各大学は南極学のカリキュラムを設け、互いの学生が受講できる。北大は昨年4月、大学院にIAI認定の南極学コースを開設。通常の修士課程から独立した少人数の特別プログラムで、昨年度は3人が南極学の修了証書を受けた。今年も3、4人が修了を目指している。  昨年9月にはスイス連邦工科大の協力でアルプス・ローヌ氷河で、氷河がゆっくりと解けて、1週間に数センチほど下方に流れる動きを全地球測位システム(GPS)を使って観測した。  参加した末松耕平さん(27)は「実際のフィールドで南極観測隊に参加した先生や海外の研究者から直接指導を受けられるのは魅力」と話す。  国際感覚を身につけるため、今年2月にはスイス連邦工科大とタスマニア大の教授を北大に招き、英語による集中講義が行われた。  青木准教授は「南極と北極は地球環境の異変が最初に表れる。こうした変化を社会に正しく伝えていく若手研究者を育てたい」と話している。(瀬畠義孝) "[he-forum 13326] 読売新聞5/21 読売新聞2008年5月21日付 充実 北大の「南極学」  未来の優れた極地研究者を養成しようと、北海道大が全国で初めて「南極学」コースを開設し、今年度で2年目を迎えた。海外の大学と連携して、国際的に活躍できる人材の育成に力を入れている。  3月上旬、サロマ湖で行われた南極学コースの「海氷実習」。参加者は10日間、オホーツク海から流れ込んだ海水が凍る湖面の上で、氷柱を掘って内部を分析したり、氷柱を薄く切る技術を学んだりした。  「南極や北極まで出向くのは大変。でも汽水湖のサロマ湖なら、『海氷に近い氷』で安全に実習できる」。指導にあたる青木茂・北大准教授(41)はこう強調する。実習には豪タスマニア大の学生2人も参加した。  今月16日からは、別の学生と教員計4人が、米アラスカ大の協力で、北極海で海氷実習を行っている。  地球温暖化の防止が世界共通の課題となり、南極や北極への関心も高まっている。極地での研究は、各国の協力が欠かせないため、2006年7月、米、英、豪など12か国の大学が国際南極大学(IAI)を設立した。日本からは、寒冷地の雪氷や生物を研究する低温科学研究所を持ち、100人近い南極越冬隊員を輩出している北大が参加した。  各大学は南極学のカリキュラムを設け、互いの学生が受講できる。北大は昨年4月、大学院にIAI認定の南極学コースを開設。通常の修士課程から独立した少人数の特別プログラムで、昨年度は3人が南極学の修了証書を受けた。今年も3、4人が修了を目指している。  昨年9月にはスイス連邦工科大の協力でアルプス・ローヌ氷河で、氷河がゆっくりと解けて、1週間に数センチほど下方に流れる動きを全地球測位システム(GPS)を使って観測した。  参加した末松耕平さん(27)は「実際のフィールドで南極観測隊に参加した先生や海外の研究者から直接指導を受けられるのは魅力」と話す。  国際感覚を身につけるため、今年2月にはスイス連邦工科大とタスマニア大の教授を北大に招き、英語による集中講義が行われた。  青木准教授は「南極と北極は地球環境の異変が最初に表れる。こうした変化を社会に正しく伝えていく若手研究者を育てたい」と話している。(瀬畠義孝) "[he-forum 13327] 長崎新聞5/21 長崎新聞2008年5月21日付 ダイオキシン無害化へ 産学官連携の技術研究会発足  県内などの産学官が連携してごみ焼却灰に含まれるダイオキシンの無害化を目指す「汚染土壌等無害化技術研究会」の設立総会が二十日、佐世保市鹿子前町の九十九島観光ホテルで開かれた。同技術の実用化例はほとんどなく、成功すれば環境保全に大きく役立つとしている。  研究会は石橋康弘長崎総合科学大教授が代表幹事を務め、長崎大、熊本県立大、環境工学コンサルト会社のソイック(佐世保市)、松浦、西海、佐世保の各市などで構成。  三市を除く構成員でつくるグループがこれまで、ダイオキシンから塩素を取り除き無害化する処理剤の開発に成功。ごみ焼却灰を埋め立てている処分場で効果を実証し実用化につなげるため、処分場を持つ三市を加え研究会を発足させた。  現在、県内には自治体が運営する二十六の一般廃棄物焼却施設があり、焼却灰は二十八の最終処分場に埋め立てている。  焼却灰に含まれるダイオキシンの基準値は二〇〇二年十二月に設定されたが、研究会は「設定以前に埋められた焼却灰には基準を超えるダイオキシンが含まれている可能性があり、土壌から河川に流れ出す恐れがある」と指摘。総会では石橋代表幹事が「できるだけ無害化して地域に貢献したい」とあいさつした。  活動は来年度まで。本年度は実験用の無害化装置を作製し松浦市の最終処分場で稼働させ結果を分析する。事業費は約二千万円で、県の産炭地域活性化基金などの交付を申請している。来年度は実用装置を作り、三市のいずれかの処分場で試験をする予定。  ソイックの山内秀利社長は「高濃度のダイオキシンにも対応できるよう処理剤を改良し、相性の良い装置を開発することが課題」としている。 "[he-forum 13327] 長崎新聞5/21 長崎新聞2008年5月21日付 ダイオキシン無害化へ 産学官連携の技術研究会発足  県内などの産学官が連携してごみ焼却灰に含まれるダイオキシンの無害化を目指す「汚染土壌等無害化技術研究会」の設立総会が二十日、佐世保市鹿子前町の九十九島観光ホテルで開かれた。同技術の実用化例はほとんどなく、成功すれば環境保全に大きく役立つとしている。  研究会は石橋康弘長崎総合科学大教授が代表幹事を務め、長崎大、熊本県立大、環境工学コンサルト会社のソイック(佐世保市)、松浦、西海、佐世保の各市などで構成。  三市を除く構成員でつくるグループがこれまで、ダイオキシンから塩素を取り除き無害化する処理剤の開発に成功。ごみ焼却灰を埋め立てている処分場で効果を実証し実用化につなげるため、処分場を持つ三市を加え研究会を発足させた。  現在、県内には自治体が運営する二十六の一般廃棄物焼却施設があり、焼却灰は二十八の最終処分場に埋め立てている。  焼却灰に含まれるダイオキシンの基準値は二〇〇二年十二月に設定されたが、研究会は「設定以前に埋められた焼却灰には基準を超えるダイオキシンが含まれている可能性があり、土壌から河川に流れ出す恐れがある」と指摘。総会では石橋代表幹事が「できるだけ無害化して地域に貢献したい」とあいさつした。  活動は来年度まで。本年度は実験用の無害化装置を作製し松浦市の最終処分場で稼働させ結果を分析する。事業費は約二千万円で、県の産炭地域活性化基金などの交付を申請している。来年度は実用装置を作り、三市のいずれかの処分場で試験をする予定。  ソイックの山内秀利社長は「高濃度のダイオキシンにも対応できるよう処理剤を改良し、相性の良い装置を開発することが課題」としている。 "[he-forum 13328] 共同通信5/21 共同通信2008年5月21日01時09分 筑波大と早大が包括協定・医学と理工学兼備の人材育成  筑波大(茨城県つくば市)と早稲田大(東京都新宿区)は20日、医学と理工学両分野の専門的な知識を身に付けた人材の育成などを目的に、教育・研究活動で交流、連携を推進する包括協定を結んだ。今後、具体的な取り組みをまとめ、来年度以降に順次実施する。  協定で、筑波大の医学分野と早稲田大の理工学分野の学士課程を8年間かけて履修し、双方の学士号を取得できる制度を導入。理工学に精通した医師や、医学的知識を備えた理工学研究者の養成を目指す。  このほか、古代オリエント研究やロボット研究などでも連携。共同研究の推進や図書館の共同利用、海外拠点の相互活用なども検討する。  東京都内で記者会見した筑波大の岩崎洋一学長は「法人化した国立大にとって、大学運営について私学から学ぶことは多い」と指摘。早稲田大の白井克彦総長も「国立と私立という形態を超えた連携で、日本の高等教育の新たな挑戦になる」と話した。 "[he-forum 13329] 長崎新聞5/22 長崎新聞2008年5月22日 11社中、黒字は1社 県大学発ベンチャー事業開始5年  県が、世界に通用するベンチャー企業育成を目指して始めた「県大学等発ベンチャー創出事業」は、事業開始から五年が経過した。新設の大学発ベンチャー企業などを対象に一億円や一千万円の大型助成をする制度が高い注目を集めたが、支援企業に選ばれた十一社のうち、成果指標に掲げる黒字化を達成したのは一社だけ。株式公開企業の誕生も目指したが、まだ公開した企業はなく、ベンチャー企業育成の試行錯誤が続いている。  「大学等発ベンチャー創出事業」は、投資を含む一億円の資金支援のほか、専属の創業支援人材を配置するなどして、大学などの高度な研究成果を新しい産業創出に結び付けるのが狙い。「産業振興の起爆剤」(県産業振興財団)という触れ込みで二〇〇三年度にスタート。一億円枠の支援先に三社、一千万円枠には八社を選定。県企業振興・立地推進本部によると、〇七年度までに総事業費は約五億円に上っている。  事業の目玉で株式公開を目指す一億円枠には、半導体分野やライフサイエンス分野で長崎総合科学大や県立長崎シーボルト大(現県立大)、長崎大のベンチャー企業が選ばれた。採択当時、ベンチャー企業経営者からは「早ければ五年を目標に上場したい」との強い意欲も聞かれたが、一億円枠のベンチャー企業で株式を公開した企業はなく、黒字化を達成した企業も出ていないのが現状。中には開発商品の売上高が当初目標に大きく届かない社もある。黒字化は一千万円枠の一社が達成しただけ。  ベンチャー企業育成は「県元気ベンチャー創出事業」に名称を変え、事業を継続してきた。しかし、〇七年度の県政策評価委員会は同事業について「最終的な目標の株式公開は、社会・経済状況の変化を見ながら妥当性を考える必要がある」と成果指標の設定に疑問を投げかけた。ベンチャーをもてはやした時代の変化が、微妙な影を落とす。  県企業振興・立地推進本部は「資金調達、人材不足など課題はさまざま。ベンチャー企業は産業構造の多様化に貢献しているので、全社成功を目指し、支援を続けたい」と事業の意義を強調している。 "[he-forum 13330] 読売新聞5/22 読売新聞2008年5月22日付 法科大学院、10校で定員減を検討 授業料収入より「質」確保  2004年4月にスタートした全国74校の法科大学院のうち少なくとも10校が、定員減を検討していることが読売新聞の聞き取り調査でわかった。  福岡大は22日、全国で初めて20人の定員減を文部科学省に届け出る。法科大学院が乱立気味で定員割れが相次いでいることに加え、昨年の新司法試験の合格率が全体で4割と低迷していることが背景にある。各校が水準低下を防ぐため、授業料収入減を覚悟で少人数教育を選択せざるを得ない状況だ。  調査は先月下旬~今月上旬に実施。姫路独協大と愛知大を除く72校から回答があった。  福岡大は来年度から1学年の定員を50人から30人に変更する。同大の昨年の新司法試験合格者は6人で、定員の12%。今年度入試では、追加合格者を含めた入学者は定員より15人少ない35人だった。山下義昭院長は「少人数教育で、今より多くの法律家を輩出したい」と話す。  また、関東地区と関西地区の2校がそれぞれ調査に対し、匿名を条件に定員減を具体的に検討中と回答したほか、学習院大や神戸学院大、中京大など計7校が、具体的ではないが定員減を検討していると回答した。  複数の大学院関係者は「目先の授業料収入より、優秀な学生の確保を優先しなければ生き残れない」と話した。 "[he-forum 13331] 時事通信5/20 時事通信2008年5月20日18時01分 教育予算、GDP比5%に拡大を=再生懇が緊急提言  政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は20日、政府が近く閣議決定する予定の教育振興基本計画に関し、教育への財政支出を現状の国内総生産(GDP)比3.5%から同5%に拡大することなどを柱とする緊急提言を公表した。  提言は「わが国の教育レベルの低下が現実のものとなりつつある」と指摘。教育投資の具体的な数値目標を同計画に明記するよう求めた。同懇談会の安西座長は記者会見で、「現在日本の教育は曲がり角にあり、教育投資の充実は待ったなしだ」と強調した。 "[he-forum 13332] 時事通信5/21 時事通信2008年5月21日11時48分 宇宙基本法が成立=軍事利用を解禁  自衛権の範囲内で宇宙の軍事利用を可能にする宇宙基本法が21日午前の参院本会議で、自民、公明、民主各党などの賛成多数で可決、成立した。基本法は、宇宙開発に関する従来の原則を転換するもので、ミサイル防衛(MD)に使用する高性能の早期警戒衛星導入などに道が開かれる。公布から3カ月以内に施行される。  共産、社民両党は「宇宙の軍事利用は認められない」として、採決で反対した。  基本法は、「宇宙開発は憲法の平和主義の理念にのっとり行われる」とした上で、その目的として(1)人間の生存と生活に対する脅威の除去(2)国際社会の平和と安全の確保(3)日本の安全保障に資する宇宙開発利用の推進-の3点を明記した。 "[he-forum 13333] 中国新聞社説5/22 中国新聞社説2008年5月22日付 宇宙基本法成立 軍事利用にどう歯止め  宇宙空間の防衛利用に積極的に道を開く宇宙基本法が成立した。従来の「平和目的」から「安全保障」へとかじを切る宇宙政策の大転換である。自民、公明、民主の共同提案による議員立法だ。今後どう運用されていくのか、監視の目を光らせたい。  「平和の目的に限る」を原則としてきたのは、一九六九年の国会決議からである。宇宙の開発利用を「非軍事」に限定すると政府は説明してきた。  これに先立つ六七年に国連の宇宙条約を批准。この条約は平和利用を定めた内容だが、「非侵略」の範囲で軍事利用も認めているため、多くの国が軍事衛星を打ち上げてきた。宇宙基本法は、いわば「非軍事」のハードルを「非侵略」にまで下げ、世界の大勢に足並みをそろえようとするものだ。  従来、平和利用が何より大切という姿勢だった。新法にも「憲法の平和主義の理念にのっとる」という文言は盛り込まれている。ただ、注目しなければならないのは「日本の安全保障に資する」と位置づけたことである。  宇宙政策の原則が、時代の変化につれて変容してきたのも事実だ。八〇年代、政府は「社会で一般化した技術なら」という名目で、自衛隊が米国の軍事用通信衛星を利用できるようにした。九〇年代になると、北朝鮮による弾道ミサイル発射を背景に情報収集衛星を導入。それでも、解像能力は商業衛星並みに抑えてきた。  つまり「平和目的」という理由で一定の制約をかけてきたわけだ。これに対し、新法の狙いは、米国頼みの衛星情報から、より精度の高い自前の情報収集への転換にある。「安全保障」の文言を入れることで制約を取り払い、「軍事利用」に道を開いたわけだ。  これからは解像能力の高い情報収集衛星や、弾道ミサイル発射を探知する早期警戒衛星の導入などが可能になるという。だが、例えば、ほかの衛星を攻撃する衛星はどうなるのだろう。防衛利用をどこまで認めるべきか、歯止めの論議が不可欠である。  宇宙から情報を得ることの必要性について否定する国民はいないだろう。しかし、法整備を宇宙への兵器配備の入り口としてはならない。新法では宇宙政策を総合的に推進するため、首相を本部長とする「宇宙開発戦略本部」の設置などを盛り込んでいる。専守防衛としてどこまでを認めるのか、基本計画づくりの段階で国民がチェック機能を働かせたい。  宇宙産業振興も柱の一つになっている。企業化への優遇策や国際競争力の強化をうたう。確かに技術開発の推進力にはなるだろう。しかし、開発に防衛目的が絡めば透明性が失われ、産軍癒着の恐れもある。平和目的で築いてきた小惑星探査機や月周回衛星などの宇宙技術も伸ばしていくべきだ。  被爆者団体も、宇宙を際限のない「戦場」にすることには憤りと懸念を表明、防衛利用に抗議の声を上げている。宇宙の軍事化をなし崩し的に進めてはならない。 "[he-forum 13334] 朝日新聞社説5/22 朝日新聞社説2008年5月22日 宇宙基本法―軍事には明確な原則を  衆参両院合わせて、国会での実質的な審議はたった4時間。日本が宇宙を軍事利用することに堂々と道を開く宇宙基本法が成立した。  宇宙利用については、平和目的に限るとした69年の国会決議に基づき、「非軍事」が原則だった。だが、基本法は「我が国の安全保障に資する」と付け加えることで、軍事目的にも使っていく方向へ転換させた。  すでに自衛隊は、事実上の偵察衛星である多目的の情報収集衛星を利用してきた。今後は、偵察衛星を持ち、ミサイル発射を監視する早期警戒衛星の保有の道も法的には開ける。  たしかに宇宙技術は40年前とは様変わりだ。だからといって、大原則の変更なのに議論が尽くされなかったのは極めて遺憾だ。与党と民主党が政策合意を目指すのはいいが、広く国民的な議論を巻き起こす努力もせぬまま、数さえ整えば採決してしまうというのは乱暴ではないか。  基本法の運用にはいくつもの課題と懸念がある。  第1条に「憲法の平和主義の理念を踏まえて」とうたっているものの、では何をすることが日本の安全保障に資するのか否かがはっきりしない。  ならば、今後の関連法案づくりなどの機会や審議を通じて、以下のような原則を明確にせねばならない。  攻撃兵器を宇宙に配備するのは専守防衛の憲法原則に反する。衛星を攻撃したり、衛星から地上を攻撃したりといったことは論外である。さらに、国際的な緊張を高めたり、軍拡を誘発したりすることがあってはならない。  たとえば、日本を敵視し、国際ルールを無視して核兵器を開発する北朝鮮の動向を探るためなら、今の情報収集衛星より性能の高いものを持つことに国民の理解は得られるかもしれない。  だが、中国やロシアを想定した将来のミサイル防衛構想に日本の衛星が組み込まれるとなれば、話は違う。東アジアや世界の緊張を高め、軍拡競争の引き金になりかねない。こうした役割を日本が担っていいはずがない。  イランの脅威などを理由に欧州にミサイル防衛網を配備しようという米国の計画が、ロシアの激しい反発を呼んでいることにも学ぶべきだろう。  もっとも大事なのは、現実感覚を失わないことだ。高い偵察能力は抑止力だという理屈もあろうが、早期警戒衛星のような巨費を要するシステムを持つ必要があるとはとても思えない。米国との賢明な役割分担という視点からも考えるべきだ。  また、安全保障の名の下に透明性が曇っては、日本の宇宙開発全体がゆがんでしまうことにもなりかねない。  国会は、具体的な利用方法をめぐって妥当性をきちんと吟味し、原則を確立していく責任がある。 "[he-forum 13335] 京都新聞5/24 京都新聞2008年5月24日付 京大の新総長に松本氏 研究所長出身で初  京都大は23日、次期(第25代)総長に、研究・財務担当理事の松本紘(ひろし)副学長(65)を選んだ。任期は10月1日から6年間で、再選はない。教育研究における国境を越えた大学間の激しい競争や、「地盤沈下」が指摘される京都、関西の現状の中で、「自由の学風」など京大らしさを生かした大学運営が課題となる。  尾池和夫総長(67)の任期満了に伴う法人化後、初めての総長選考。学内の部局代表や学外委員などで構成する総長選考会議が、教職員による投票で過半数を得た松本副学長から、この日あらためて抱負を聞き、満場一致で次期総長に選んだ。  松本副学長は京大工学部卒。同助手などを経て1987年から超高層電波研究センター教授。センター長、生存圏研究所長などを歴任し、2005年10月から現職。専門は宇宙プラズマ物理学で宇宙太陽発電研究の第一人者として知られる。  理事として産学連携や競争的研究資金の獲得、知財の確立などを推進、昨年からはiPS細胞研究の基盤整備も担当し、iPS研究センター設立の中心となった。  学部・研究科長ではなく研究所長出身の総長は、京大111年の歴史で初めて。  選出後の会見で松本副学長は「自由の学風、自学自修など京大の伝統を守りつつ、革新と創造で元気の出せる大学にしたい」と抱負を述べた。 "[he-forum 13336] 時事通信5/25 時事通信2008年05月25日14時48分 社会人入学3割切る=法科大学院  2008年度の法科大学院入試で、国公私立全74校の社会人入学者が前年度比12.2%減の計1609人となり、入学者全体の29.8%にとどまることが、文部科学省の調査で25日までに分かった。社会人の割合の減少は4年連続で、3割を切ったのは初めて。  文科省は「法科大学院修了者が対象の新司法試験は合格率が下がっており、職を持つ人たちが入学をためらう要因になっているのでは」(専門教育課)とみている。   全入学者を出身学部別でみると、法学部以外が同5.3%減の1410人。全体に占める割合は26.1%で、過去最低だった昨年とほぼ同水準だった。  法科大学院志願者の総数は同12.5%減の3万9555人。募集人員に対する倍率は、前年度の約7.8倍から約6.8倍に下がった。  同省は、法曹界に多様な人材を受け入れるため、法科大学院に社会人や他学部出身者の入学割合が3割以上となるよう努力目標を課している。新司法試験の合格率は、初年度の06年度が48.3%、07年度が40.1%だった。 "[he-forum 13337] 静岡新聞5/24 静岡新聞2008年5月24日付 産学官連携を強化 しみず新産業開発振興機構  しみず新産業開発振興機構(理事長・杉山公一清水商工会議所会頭)は23日、静岡市清水区のマナーハウスエリザベートで本年度総会を開いた。新産業創出や新商品開発に向け、県や市をはじめ、静岡大、県立大、東海大などとの産学官連携を強力に進める方針などを決めた。  同振興機構は2001年に設立し、会員企業は同市清水区を中心に77社。総会に出席した市内の産学官の関係者ら約80人を前に、杉山理事長が「互いのきずなを深めて研究開発を行い、地域産業の発展につなげてほしい」とあいさつした。  本年度の事業計画として、昨年に引き続き組織強化と会員事業所の支援、研究会の積極運営、新プロジェクトへの協力などを推進するとともに、知財管理運営会社の設立準備を行うことを報告した。  このほか、県立静岡がんセンターの山口建総長が「県民のための産学連携を目指して」と題して記念講演した。 "[he-forum 13338] 毎日新聞5/24 毎日新聞2008年5月24日付 東大:産学連携でキャラクタービジネスを学問化 30日に公開講座も  東京大学大学院情報学環は、アニメ制作などのファンワークス(東京都渋谷区)などとキャラクタービジネスに関連した産学連携の「キャラビズ研究プロジェクト」を始める。30日にはスタートを記念して、プロジェクトの概要を説明する公開講座も開催する。  これまでにアニメや映画ビジネスの講座を開いてきた同学環の新しいプロジェクト。キャラクタービジネスの分野は、ノウハウなどがいまだ形式化されていないため、実務者に依存する部分が多くなっており、オープン化してより発展させるために学問として形式化していこうというもの。ファン社のほか、玩具メーカーのバンダイと、キャラクターライセンスビジネスに関する情報を発信する専門サイト「キャラビズドットコム」を運営するキャラクター・データバンク社が参加する。  30日には「キャラクターライセンシングビジネスの挑戦:キャラビズにイノベーションは起きるか」と題して、プロジェクトの概要を説明しながら、現在企画中のプログラムを紹介する公開講座を開く。プロジェクトの代表世話人で、同大の七丈直弘准教授らが登壇する予定。午後6時半から東京大学本郷キャンパスで。入場は無料だが、事前登録が必要。詳しくは同プロジェクトのサイトまで。【渡辺圭】 "[he-forum 13339] 毎日新聞5/26 毎日新聞2008年5月26日付 新教育の森:教育振興基本計画 予算増の数値目標、明記したい文科省  ◇財務省は反論書出し対抗  今後5~10年の教育政策の方向性を示す政府の教育振興基本計画。教育投資などの数値目標が盛り込まれるかが焦点となっており、閣議決定を前に文部科学省と財務省の攻防が激化している。【加藤隆寛】  ◆GDP比低い日本  「ずいぶん挑発的な副題じゃないか。我々の政策がウソに基づいているとでも言うのか」。文科省幹部が一通のリポートのページを繰りながら顔をしかめた。副題は「事実に基づいた教育政策のために」。財務省主計局が今月12日、「日本の教育予算は諸外国より劣る」と主張する文科省へ対抗するために公表した「反論書」だ。  文科省は基本計画に「今後10年で、教育予算の対国内総生産(GDP)比を現在の3・5%から5・0%を上回る水準に引き上げる」「5年間で教職員定数を2万5000人増やす」と記載することを目指している。  日本はGDP492兆円に対し、教育支出は17・2兆円(04年)で、GDP比3・5%。経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均は5%で遠く及ばない。渡海紀三朗文科相はGDP比の目標を掲げる理由について、「国力であるGDPを国家としてどんな政策選択に向けていくかを示す値だ」と説明する。  ◆閣議決定で優遇期待  この目標の実現には、約7兆4000億円の財源が必要になる。緊縮財政の下では、予算獲得は容易ではない。しかし、基本計画は閣議で決定される。閣議決定された数値目標には一定の重みがあり、財務省との予算折衝で文科省が優位に立つことが可能となるとの思いがある。  例えば、06年3月に閣議決定された科学技術基本計画は研究開発投資目標を「5年間で25兆円」と明記した。文科省幹部は「閣議決定された基本計画があることで、科学技術関係の予算が一部優遇されているのは事実だ」と話す。  ◆互いに主張譲らず  文科省の思惑にくぎを刺すように、財務省の反論書は自作のデータを示し、「日本も他国並みに教育に金をかけている」「金をかければ教育が改善するわけではない。教育は質が重要だ」などと主張した。基本計画について「投資目標ではなく、学力水準や規範意識をどの程度向上させるのかなどの『成果指標』を掲げるべきだ」と突き放した。  日本で国と地方が支出する予算の合計はGDP比37・2%で、OECD平均の42・1%に比べて少ない。少子化も進んでいる。反論書はこうした条件の違いを示した上で、「生徒1人当たりの教育支出を国民1人当たりのGDPで割ると、日本は20・9%で、主要先進国(21・4%)とそん色ない」と主張する。  ただ、この指摘には、からくりもありそうだ。「主要先進国」とは米国、イギリス、ドイツ、フランスに日本を加えた5カ国を指す。このうち、GDP比でみた全教育支出がOECD平均を上回るのは米仏だけ。アイスランドやデンマーク、スウェーデンなど、GDP比でみた支出が上位の国は除かれている。データ不足の4カ国を除く26カ国のOECD平均値は22・1%だ。  生徒1人当たりの教育支出を国民1人当たりのGDPで割るという計算法について、財務省は「為替レートの影響を排除するためだ。単純に全教育支出を生徒数で割った1人当たりの額で比較しても、為替レートの影響を排除できず、正確に比較できない」と説明する。これに対し、文科省の担当者は「あまり意味のある数値と思えない」と疑問を示す。  両省の議論について、渡海文科相は20日の会見で「お互いが自分の主張をしているだけで、まともにぶつかってないんじゃないかという気がする」と話した。  福田康夫首相は4月30日の会見で、道路特定財源の一般財源化後の使途の一つに「高等教育の充実」を挙げた。新たな財源の獲得を巡る各省や族議員の思惑も交錯する。今後は文科省の原案をたたき台に、財務省や総務省との折衝が本格化する。基本計画は本来なら昨年度中に閣議決定される予定だったが、決定まではまだ時間がかかりそうだ。  ◇中教審答申には記載なく 新指導要領実施迫り、焦りも  今月15日の自民党文教制度調査会合同会議。12日に財務省が公表した反論書に明確に反論できなかった文科省幹部に、議員から怒声が飛んだ。「学力だって体力だって現に落ちているじゃないか。『これだけ上げます。そのために予算が必要です』となぜ書けない」  基本計画はそもそも、中央教育審議会で1年2カ月にわたって審議された。委員からも具体的な数値目標を盛り込むことを求める意見が出されたが、答申前の折衝で、「(予算増は)行革推進法などとの整合性が取れない」とする財務省側に文科省側が押し切られ、数値目標明記を断念した。その後、文教族議員らが数値目標のない答申を批判して官邸などに要請行動。渡海文科相が文相・文科相OBとの会合で、数値目標を入れた省としての原案を作る方針を示したという経緯がある。  文科省はなぜ、「現状で不足している予算を検証・積算し、必要な金額を導く」という手法を取らなかったのか。ある文科省幹部は「例えば、『どれだけ定数を増やせば、どれだけ教師の手が空くか』などの効果を定量的に示したデータはない。中教審でも十分な議論がなされていないことを文科省として書き込むのは難しい」と事情を打ち明ける。少人数教育と学力向上の関係もきちんと実証されておらず、「投資の効果は投資してみなければ分からない」という現状から抜け出せずにいるという。  しかし、教育現場からは、「人と金」の不足に苦しむ悲鳴が上がっている。学習内容を増やす新学習指導要領の完全実施は小学校が11年度、中学校が12年度に迫った。来年度からは理数科目を中心に前倒し実施も始まる。別の文科省幹部は「指導要領をこれだけ変えておいて『定数は増やせません』なんて通らない。それでは現場は怒る」と顔に焦りの色を浮かべる。こうした危機感から、文科省原案に教職員定数の目標値も書き込んだ。  ◇財政縮減が響き、政府方針も後退  文科省が基本計画で数値目標を掲げるようになった原点は、政府の教育改革国民会議による「17の提案」(00年12月)だった。基本計画の必要性を訴え、「投資を惜しんで教育改革は実行できない。財政支出の指標の設定も考えるべきだ」と提言した。  教育基本法改正(06年12月)を巡る議論では、「改正法で基本計画策定を義務づけ数値目標を掲げる」とされた。文科省には、改正議論で注目された愛国心など保守色の上乗せだけでなく、予算面での実効性が見込める法改正との印象が強まった。  だが、財政縮減の流れで、「教育も聖域ではない」との考え方が一般化する。皮肉なことに、改正教育基本法が成立した06年、風向きが完全に変わった。骨太の方針06や行政改革推進法で文教予算の削減方針が打ち出され、教職員定数は「07年度から5年間で1万人純減させる」などと定められた。  政府の教育再生会議の報告(07年6月)では、「(予算に)メリハリをつける」「内容の充実を」などと記述が後退。文科省幹部は「『ハシゴを外された』と思った」と振り返る。 "[he-forum 13340] 毎日新聞社説5/27 毎日新聞社説2008年5月27日付 教育再生 地に足が着いていないのでは  政府の教育再生懇談会が第1次報告を福田康夫首相に提出した。子供をネットの有害情報から守ることや小学校からの英語教育強化などを掲げている。  「再生懇談会? 教育再生会議ではないの」という方もいるかもしれない。  教育再生会議は06年10月、安倍晋三内閣が教育改革政策の目玉として設け、安倍氏退陣後の今年1月に幕を閉じた。その間3次にわたる報告で「ゆとり教育」の見直しと学力の向上、徳育の充実、教員免許の更新制などを提言した。  その最終報告で、提言項目を促進するための新たな会議を設けるよう求めており、福田内閣が2月末に有識者によって構成、発足させた。それが今回の教育再生懇談会である。  一方で、教育の重要施策を審議し答申する文部科学相の諮問機関・中央教育審議会(中教審)がある。今春告示された新学習指導要領はこの答申に基づいている。これで小学校の5、6年生に英語が導入されることになった。  ところが、再生懇は報告で英語教育について「小学3年生から早期必修化を」と主張し、まず大規模にモデル校を設けるよう求める。先生や保護者は「どうなっているのか」と言いたくもなろう。  ことほどさように、学校教育の基本指針で腰が定まらないような印象を与えては、現場は戸惑う。  近く閣議決定される初の「教育振興基本計画」にもそれはいえる。文科省側と、財政再建優先の財務省側が折り合わず、計画を担保する数値目標は宙に浮いた。文科省側はあくまで新指導要領に必要という小中学校の教員2万5000人増や、10年間で国の教育支出を国内総生産(GDP)の3・5%から5%へ引き上げることを主張するが、なお確たる見通しはない。  教育に限らず、政策は立案過程と目的がわかりやすく、一連の流れが見えやすくあるべきだ。今のさまざまな教育政策はどうだろうか。どこで何が論じ合われているのかと戸惑う人は少なくないだろう。  確かに、英語教育の抜本的な見直しを論じ合うことは必要だ。子供たちを囲む有害情報の遮断策も、重要な喫緊の課題といえる。これらについて、さまざまな機関で積み重ねられてきた論議も踏まえて重複を避け、もっと整理した形で改革論議や考え方を示し、方向づけていけば、国民の理解は得やすいはずだ。  それでこそ財政上の特別措置にも納得が得られ、当局同士が角突き合わせる不一致ぶりも避けられるのではないか。  私たちは新指導要領の前倒し実施が決まった際も「とる物もとりあえず」で先を急ぐばかりでは子供の学習意欲をそこねる懸念があると指摘した。教育改革論議では常にその戒めに立ち戻らなければならない。 "[he-forum 13341] 毎日新聞5/27(2) 毎日新聞2008年5月27日付 教育再生懇:第1次報告 小3から英語、5000校 留学生30万人計画  政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は26日、小学3年生から年間35時間以上英語教育を行うモデル校を5000校程度設置することなどを盛り込んだ第1次報告を福田康夫首相に提出した。文部科学省が近くまとめる教育振興基本計画に反映させるよう働きかける。(5面に報告要旨)  ◇重点30大学指定  英語教育で小学3年生からの早期必修化を目標に掲げたほか、小中高校の英語教員の採用方法の改善、学習指導要領の早急な見直しなどを提案した。  このほか、「留学生30万人計画」に戦略的に取り組むよう明記。(1)現在は大学院30%、学部生70%の割合の大学の留学生を同数にする(2)質の高い留学生を受け入れる重点大学を30校指定する--ことも求めた。  一方、有害情報から子供を守るため小中学生の携帯電話所持に法規制をかけることを検討していたが、第1次報告は「必要のない限り持つことがないよう保護者、学校はじめ関係者が協力する」などの文言にとどめた。 "[he-forum 13342] 南日本新聞5/27 南日本新聞2008年5月27日付 鹿児島大学病院に保育園 女性職員確保へ民間委託  鹿児島市桜ケ丘8丁目の鹿児島大学桜ケ丘キャンパスで26日、教職員の子どもを預かる「さくらっ子保育園」の開園式があった。医師不足が社会問題となる中、女性職員が働きやすい環境づくりを目指す。  同大学が設置、運営は民間に委託する。対象は小学校就学までの乳幼児で、水曜日は24時間態勢をとる。総工費は5300万円。  自宅近くの保育園から長男弘祐ちゃん(3つ)を転園させるという鹿児島大学病院手術部の看護師倉ケ崎陽子さん(32)は「遅くまで見てくれるし病後児保育もあるので、働きながら子育てしている者にとって大変助かる」と話した。  定員30人に対し、7人の入園が決まっているという。  式には園長を務める高松英夫病院長ら約70人が出席。高松園長は「医療界の人材不足には女性職員の確保が重要。多くの人が利用できる保育園にしたい」とあいさつした。 "[he-forum 13343] 共同通信5/26 共同通信2008年5月26日18時57分 第1次報告の要旨 教育再生懇談会  政府の教育再生懇談会の第1次報告の要旨は次の通り。  一、必要のない限り小中学生が携帯電話を持たないよう、保護者、学校関係者が協力する。安全確保などの理由から持つ場合は、メール機能のない、通話や衛星利用測位システム(GPS)機能のみの利用を推進する。機能を限定した携帯電話の開発と普及に事業者も協力する。  一、小中学生が持つ携帯電話のフィルタリング利用の義務付けは、今後さらに検討する。  一、英語教育を抜本的に見直し、小学校から大学までの各段階で到達目標を立てる。小学3年生からの早期必修化を目指し、年35時間以上の英語教育を行うモデル校を5000校規模で設置する。  一、中国、韓国などの英語教科書の語彙(ごい)数が日本の2倍以上あることも踏まえ、英語教科書の質、語彙数、分量を抜本的に向上させる。  一、教育委員会は英語能力試験「TOEIC」「TOEFL」の得点や英語検定(英検)合格を条件に課すなど、教員の採用を見直す。  一、外国語活動の専任教員の導入、外国人講師や英語に堪能な社会人の活用などに努める。  一、若い保護者が安心して子育てできるようにする。幼児教育無償化の早期実現など、子育て世代への支援を充実。全市町村で子育て支援措置を一層強力に推進し、「子育て支援利用券」の導入を検討する。  一、認定こども園制度の幼保縦割りなどの問題点を早急に解消し、2000園の早期達成を目指す。  一、「留学生30万人計画」に国家戦略として取り組む。留学生の受け入れに積極的な30大学を選定し、重点的に支援する。留学生の5割が日本国内で就職することを目指し、支援の充実、条件整備を図る。  一、省庁の壁を越え、海外での日本留学に関する情報提供などに一体的に取り組む体制を整備する。  一、環境問題に取り組む企業、民間非営利団体(NPO)と連携するなど、実践的な環境教育を展開する。「持続可能な開発のための教育」や、学校の二酸化炭素(CO2)排出削減に取り組む。  一、公立小中学校の耐震化に市区町村が早急に取り組み、政府は支援を充実させる。 "[he-forum 13344] 北海道新聞5/26 北海道新聞2008年5月26日付 北大も親元に成績表 来年度から 「自立妨げる」批判も  北大は来年度から、学生の成績表を親元に送ることを決めた。特に成績不良の学生について家庭で尻をたたいてもらって留年を防ぎ、最近増えている心の病への早期対応にもつなげるため。今春の入学者から順次、適用学年を拡大する。「自由でバンカラ」といわれた北大生気質の変化を感じさせるできごとに、一部の教員やOBからは「北大まで親に頼る時代になったのか」と嘆く声も聞かれる。  少子化で大学間の競争が激しくなる中、成績表送付の動きは「親の要望がある」「授業料負担者への説明責任」などとして全国に広がっている。北大を除く道内十一の国公立大では、小樽商大など六大学が実施。旧七帝大では東北大が二〇〇四年度から行っている。  北大は来年から毎年五月に、前年度の成績表を授業料納付の連帯保証人に郵送する。大半の学生は親を連帯保証人にしている。個人情報のため、学生の同意が送付の条件。今春の入学者に四月に同意書を配布したところ、現時点で七割程度が同意しているという。成績表は学生本人にも従来通りに配布する。  「学生教育の質向上」(教務課)を図る北大は、必修科目を三回連続休んだ学生にクラス担任らが個別対応するなど、講義への出席指導を強化している。しかし、各年度末に単位不足で留年する学生は全体の8-10%で、横ばいの状態。最近は心の不調を訴える学生が増え、成績不良者の中にはうつ病などで講義に出られないケースも考えられるという。  北大の学生は約半数が道外出身と、多くが親元を離れて暮らしている。教務課は「成績表を見た親が、『不可』が多い場合に本人に事情を聴くなど、出席を促したり体の異変に気づくきっかけにしてほしい」と期待する。  成績表送付は昨年六月から学内で議論し決定。ただ、ベテラン教員らには疑問の声もあり、OBでもある六十代の教授は「ただでさえ今の学生は子供っぽい。親に頼れば、ますます自立できないのでは」とため息をつく。 "[he-forum 13345] 岡山日日新聞5/28 岡山日日新聞2008年5月28日付 包括連携の成果続々 岡山大 今月で20件  岡山大(千葉喬三学長)の包括連携戦略が、順調に進んでいる。04年にスタートした連携は民間企業、地公体、経済団体などへ幅を広げ、14日に締結した津山工業高等専門学校で20件に達した。既に成果も出ており、地域連携の輪は、ますます広がっていきそうだ。  同大は、包括連携契約締結で、互いの活動目標に拘束力を持たせ、より強固に連携事業を推進。同大が掲げる「社会貢献」「教育」「研究」の3要素を団体ごとにアレンジし、連携に盛り込んでいる。 初めての相手は、県産業振興財団(岡山市)内にある技術移転機関の岡山TLO(同)。同大は04年の法人化以降特許取得が可能になったが、売り込みや値付けは専門外のため、仲人役として岡山TLOと連携し、技術移転を推進してきた。 これまでの技術移転は、地場企業を中心に48件。06年度の特許料収入は、約1千万円と全大学中17位で、早稲田大より上位という。今年度も年間10数件程度の契約締結を目指す。 「官」との連携も進む。国土交通省中国地方整備局(広島市)とは、年1回意見交換会を行い、道路や港湾整備などの問題や課題を洗い出し、新技術開発を進める。w)€氈B娃掲・戮錬慣錣鮗・・掘・教咾覆匹謀瀕舛能颪・譴人扈颪④両探邵浤・・・喊綫㌧描・始・任療犒詼瓢澪泙慮擎婿・格・,覆匹鮓Φ翆罅・娃固・戮錬儀鐚・・垢觚・未掘・‘鐱楔胸厠聾Φ羈・・々修箸蓮⊃遊粗輯超Ⅰ蚕僖札鵐拭次米囘跳感戚酊・砲任慮胸厠牢愀源・箸馬・函・G・拊罎貌吋札鵐拭柴發鵬・蛎腑汽謄薀ぅ噺Φ羲爾鮴澆蔚軌・・慇犬離如璽神依・・任噌腓錣擦鮃圓┐襪茲Δ砲掘・ζ姥Φ罎眇篆覆垢襦・_・鎧圓箸蓮∧顕住・抜慙△琶餝舅・箸魴襪屐F餌臧軋或渊餞曚砲△訝單腸畔幻砲鯑瓜埀惴議・了團妊献織襯潺紂璽献▲爐如∨菁・・飽貳霧・・F永幻砲鬟灰鵐謄鵐弔箸靴娠愾阿里砲・錣ち禄个鮨泙辰討い襦・鯒・浪餞錝罅複化鬼屐烹垣蘓佑・莨譟・寛麑椶魴泙┐觝G・戮蓮■隠鰻郛綵椶粒・鼎鰺縦蠅靴討い襦・,泙拭・瓜圓箸蓮∧欸魄緡妬・遒任睿・箸靴討・蝓・・蠶侔襪・蕋嫁・好・邯紂⊇蕕力・閥┻弔・圓錣譴拭・ゞ睛撒ヾ悗瞭阿④盂菷・・娃鞠・碍遒涼羚餠箙圈焚・鎧圈砲鯣蘋擇蠅肪羮・・鵬・鎧拇后米院法△・・笋淇・儷盡法米院法▲肇泪閥箙圈米院砲板侔襦6睛撒ヾ悗離螢譟璽轡腑鵐轡奪廛丱鵐⑤鵐亜蔽楼萍・綏振睛察某篆覆琉豐弔如・睛撒ヾ愨Δ・蚣・箸離薀屮魁璽襪w)€ッた。 地元企業の経営相談に対し、連携して解決を図る取り組みがメーン。専属のマネジャーが、受けた相談の中から、対応できる技術研究に関するものを同大の研究推進産学官連携機構に報告。同機構が学内の専門教授を探し出し、企業とマッチングさせ、課題解決に当たっている。 共同研究、機能評価に至った事例は現在4件。成果を生かし、製品化されたものもある。 企業関連でも成果が出始めている。玉野市に造船所を構える三井造船(東京都)とは、船舶関連のエンジンなど3件の共同研究を実施。既に一部成果が学会発表、製品の改良点に反映されており、研究項目を増やす予定。 DOWAホールディングス(東京都)とは、環境材料分野で包括連携。06年度は環境アセスメントシステム構築に関する共同研究を実施。07年度からはナノ材料の研究開発に取り組む。現在は調査分野の絞り込みを終え、本格的調査に着手する段階に入っている。 14日、津山高専との協定後の会見で千葉学長は「独立した法人になったので、随時、企業、公的機関と(協定を)結んでいきたいと思う。幾つかの枠組みを用意しておけば、何が起こってもうまく対応できると考えているのw)€「如△海譴・蕕眩・┐討い・隼廚Α廚判劼戮討い襦 "[he-forum 13346] 中国新聞5/28 中国新聞2008年5月28日付 東広島市と4大学が連携協定  東広島市と、市内にキャンパスがある広島大、広島国際大、近畿大工学部、エリザベト音大は27日、人材交流や地域課題の共同研究などを柱にした連携協定を締結した。広島県内で自治体と、市域にある全4大学が同時に協定を結ぶのは初めて。文理、芸術など各大学の特色を生かしながら、市が掲げる「国際学術研究都市」づくりを進める。  市役所であった調印式には、蔵田義雄市長、浅原利正・広島大学長、森永規彦・広島国際大学長、椿原啓・近畿大工学部長、中村英昭・エリザベト音大学長が出席。協定書にサインし、握手した。 "[he-forum 13347] しんぶん赤旗5/26 しんぶん赤旗2008年5月26日付 教育予算の貧困 正当化 財務省、国際比較の偽り  「『日本の教育予算が少なすぎる』というのは事実と違う」―財務省がこんな“反論資料集”を作成し、教育予算の増額を求める世論を抑え込むことに躍起になっています。  教育予算をめぐっては、この間、自民党文教族や文部科学省などが「GDP(国内総生産)比で現在の3・5%から5%に引き上げるべきだ」と主張。政府が近く閣議決定する「教育振興基本計画」の素案にも、十年間で「5%を上回る水準を目指す」と書き込まれました。財務省資料は、こうした動きに対抗するためのものです。 胸を張れない  しかし、財務省の示した資料からも、教育投資を増やす必要性は逆に浮かび上がっています。  例えば、日本の教育への公的支出の対GDP比が3・5%でOECD(経済協力開発機構、三十カ国加盟)各国平均5%より少ないことは否定できません。財務省資料も「文部科学省資料」として引用しています。(図上)  財務省はこれに、「わが国はOECD諸国の中で最も生徒の数(総人口に占める在学者数の割合)が少ない」と「反論」します。少子化が進んでいるから、国の教育予算が少ないのは当然だというのです。  しかし、これは国の貧困な教育政策を合理化するものです。少ない生徒数に合わせた少額の教育支出だけを確保すればよいという発想です。家計の教育費負担の重さが少子化を進めていることへの反省もありません。  財務省資料は、「わが国の生徒一人当たり教育支出はG5(米英独仏日の主要五カ国)平均並みの水準」(図下)とも主張します。しかし、ここで際立つのは日本の教育支出に占める私費負担の割合の高さです。G5では米国が日本を上回っていますが、他の国は日本の六割程度かそれ以下です。米国政府は返還の必要のない給与制奨学金に毎年一兆円以上を支出していますが、日本にはそれもありません。「G5平均並みの水準」などと胸を張れる状況ではありません。  そもそも「日本の教育予算は少なくない」という財務省の主張には無理があります。財務省資料がもとにしているOECD「図表で見る教育2007年版」で見ても、初等中等教育(小・中・高校)での生徒一人当たりの公財政教育支出GDP比は、OECD平均3・6%に対し、日本は2・7%で三十カ国中下から三番目。高等教育(大学・短大・高等専門学校)では、平均1%に対し日本は0・5%で韓国と並んで最下位です。 地盤沈下招く  教育財政の問題に詳しい三輪定宣千葉大名誉教授は、財務省資料について「財政効率至上主義が先行し、過去の路線の正当化に終始している」と批判。「こんな考え方を続けていては、日本の教育の地盤沈下は避けられない。教育への公的支出を拡充させる国民的議論と運動がいまこそ必要になっている」と語っています。(坂井希) "[he-forum 13348] 読売新聞群馬5/30 読売新聞群馬版2008年5月30日付 専門医を資格別に養成 群馬大医学部 研修医引き留め狙う  群馬大医学部は2009年度から、2年間の初期研修後、専門性の高い研修を受ける「後期研修医」について、県外の4大学と連携した新たな養成プログラムを実施する。これまで診療科ごとだったコースを専門医の資格ごとに細分化し、何年後にどの資格を取得できるかなどを明確化した。将来設計がしやすいようにすることで、研修医を大学病院に引き留め、将来の勤務先に選んでもらう狙いもある。  研修制度をめぐっては、2004年度に初期研修が義務づけられ、研修先を自由に選択できるようになって以降、都市部などの一般病院で研修を受ける研修医が増加。そのまま研修先に就職するケースも増えたため、全国的に大学病院離れが加速した。このため、深刻な医師不足に陥った大学病院が、地域の病院に派遣していた医師を引き揚げるようになり、現在の地域の病院での医師不足の一因となったとされている。群馬大でも同様の事情を抱えており、医学部卒業生100人に対し、後期研修医は今年度は70人にとどまっている。  新プログラムには、同大の呼びかけで、信州、独協医科、日本、埼玉医科の4大学が参加。専門医の資格ごとに5大学で計195コース(定員699人)を設定(群馬大では63コース248人)するとともに、連携する他大学での研修を組み入れ、より幅広く症例や技術に触れられるようにした。  同大医学部付属病院は「大学に研修医が残れば、地域の病院への派遣機能が戻り、地域医療にもプラスになるはず」としている。 "[he-forum 13349] 四国新聞5/30 四国新聞2008年5月30日付 優秀な人材獲得へ-アジア出身留学生の就職支援  四国で学ぶアジア出身の留学生を対象に四国企業への就職を促す事業を、4県の大学や四国経済産業局が2007年度から実施している。留学生に卒業前の2年間、大学のビジネス教育やインターンシップを提供し、地元企業の特色をアピールしながら就職を指導。アジアの優秀な人材を四国で獲得するとともに、四国企業の今後のアジア展開を促進するのが目的だ。  1日に高松市で08年度開講式がある。四国の大学などには1000人を超える留学生が学び、四国でもアジアへの進出意欲のある企業を中心に留学生の採用に関心が高まっているという。  経済産業省の「アジア人財資金構想」に基づく事業で、四国地域は四国生産性本部に委託し、「四国発グローバル人財創出を目指した留学生支援プログラム」を推進。香川大と高松大のほか、徳島、高知、愛媛、松山、松山東雲女子の計7大学が参画する。  参加する留学生は初年度が20人、08年度は19人で、出身は中国、バングラデシュ、ネパール、タイなど9カ国。成績や日本語能力、奨学金の取得などの条件を満たす優秀な留学生を選抜した。  日本の企業文化への理解を深めるビジネス教育や、ビジネス日本語教育などを大学が実施。企業で就業を体験するインターンシップも行い、一期生には「受け入れ先の仕事を続けたい」という感想が多く、同局は「就職意欲はかなり強い」としている。 "[he-forum 13350] 読売新聞千葉5/29 読売新聞千葉版2008年5月29日付 千葉大園芸学部が西千葉へ移転構想 東大敷地 買収で  千葉大学が西千葉キャンパス(千葉市稲毛区)に隣接する東京大学生産技術研究所千葉実験所の敷地約9ヘクタールを購入し、そこへ園芸学部(松戸市、約15ヘクタール)の移転を検討していることが28日、分かった。千葉大は昨年夏ごろ、敷地を売却する方針を固めた東大から購入を打診され、すでに「全部または一部を取得する意思がある」と回答。千葉大としての結論を来年3月末までに東大に伝える。  現在、園芸学部が独自に移転の可否を検討しており、同学部としての結論を、6月末までに学長に回答することになっている。  千葉大によると、園芸学部の移転構想は10年ほど前にもあり、同じ東大の敷地が候補地となったが、財政上の問題や、松戸市などが強く反発したこと、国公立大の独立行政法人化を控えていたことなどもあって、東大が敷地を継続使用することで落ち着いた。  今回は東大の売却方針が固いことから、千葉大でも「西千葉キャンパスを拡大できる最後のチャンス」(千葉大財務課)として、購入する方針。園芸学部が移転する場合、現在の敷地は売却される可能性が高いという。斎藤康学長が4月、菊池真夫園芸学部長に、移転が考えられるかどうか検討を依頼した。移転しない場合は、東大からの敷地購入も小規模にとどまり、学生寮の移転や留学生の宿舎の用地などの用途が考えられるという。  千葉大園芸学部は来年100周年を迎え、卒業生などにより記念事業も検討されていたが、移転構想が持ち上がったことから、建物建設を伴う事業の検討は一時凍結されたという。  移転構想を4月下旬に知った松戸市は今月、川井敏久市長が「移転は市行政にも市民にも非常に大きな損失」として、菊池学部長と斎藤学長に園芸学部の松戸存続を要望した。 "[he-forum 13351] 毎日新聞千葉5/30 毎日新聞千葉版2008年5月30日付 千葉大:園芸学部の西千葉キャンパスへ移転構想、松戸市長が反対要望書  千葉大学の園芸学部(松戸市)が、大学本部のある西千葉キャンパス(千葉市稲毛区)に移転する構想が持ち上がり、松戸市の川井敏久市長が斎藤康学長と菊池真夫学部長に今月相次いで面会し、移転をとどまるよう求める要望書を提出した。  移転構想は、西千葉キャンパスに隣接する東京大学生産技術研究所千葉実験所が移転の計画を打ち出したことに伴い、昨年夏、東大側から実験所の敷地約9ヘクタールの購入を打診され、持ち上がった。  千葉大によると、東大側にはすでに「敷地の全部または一部を取得する意思がある」と伝えた。6月末までに園芸学部が移転についての賛否を斎藤学長に提出し、来年3月までに最終結論を東大側に返答するという。  園芸学部移転は、他学部との連携が取りやすくなる一方、敷地(現在地は約15ヘクタール)が狭くなる面もある。また、移転の場合は敷地購入資金を得るため、現在地は売却される可能性が高いという。  同学部は1909(明治42)年、県立園芸専門学校として設立。来年は100周年を迎え、記念事業も企画されている。要望書の中で川井市長は「地域に根ざした歴史と伝統のある大学の移転は非常に大きな損失」としている。  同学部の移転は10年前にも持ち上がったが、松戸市の強い反対もあって中止になった経緯がある。【長谷川力】 "[he-forum 13352] 北海道新聞5/30 北海道新聞2008年5月30日付 北大、車に入構料 1回300円 来年から CO2削減、緑化  北大(佐伯浩学長)は二十九日までに、来年一月以降、キャンパスに出入りする車両から一回三百円の入構料を徴収することを決めた。車両の出入りを抑制して二酸化炭素(CO2)の排出削減を図ると同時に、有料化によって見込まれる年間約一億円の収入を、学内の緑化に充てる考え。広大なキャンパスを持つ北大は徒歩で訪れる観光客や市民も多いため、車の通行量を減らして学内の安全性を高める狙いもある。  北大は現在、一定の条件を満たした教職員や納入業者など日常的に出入りする車両に年間通行証を、一般来訪者や営業などの出入り業者に臨時通行証をそれぞれ無料で発行している。一方、観光目的や学生の通学利用は認めていない。  有料化は段階的に実施する。まず来年一月から臨時通行証を、大学が要請した講演者などを除き、有料化する。四月以降は、年間通行証にも年三万円前後の負担を求める方向だ。車両が出入りできる門には二十四時間、人員を配置する。  宅配便や郵便、大学が要請したタクシーの入構などは無料とするほか、既に時間料金制を導入している北大病院駐車場は現行通り。また、収益金の一部を構内循環バスの増便にも充て、来訪者の利便性を高める。  北大によると、臨時通行証でキャンパスに出入りする車両は、年間約五十二万台(二〇〇七年実績)。有料化により、約三割に当たる十六万台の削減を見込んでいる。  北大は、札幌駅から徒歩十分という中心部にありながら、南北に約二キロ、東西に約一キロという広さを誇る。このため、有料化すると観光や中心部での買い物のため、駐車場として利用する人が増えることも懸念される。  現在でも、臨時通行証での出入りには、訪問先を告げて事務局に印鑑をもらって出る必要があるが、印鑑をもらわないままキャンパスを出る車両も少なくない。北大は、これら車両に対する対策も検討する。  佐伯学長は「北大は多くの市民の憩いの場でもあり、静かで安全なキャンパスにしたい」と有料化の狙いを話す。  道外の主要な国立大学法人では、東大が四月から車両入構を有料化したほか、名古屋大、大阪大が既に実施。道内の国立大学法人では、旭川医大が一時間二百円の駐車料金を徴収している。 "[he-forum 13353] 日本海新聞5/31 日本海新聞2008年5月31日付 鳥大に付属高構想 来月設置委員会発足、検討へ  付属の幼稚園、小学校、中学校を抱える鳥取大学(鳥取市湖山町南四丁目)に、付属高校を新設する構想が持ち上がっていることが三十日、明らかになった。大学の教育研究の発展と地域の教育の質の向上を目指し、年度内には実現の是非を含めて結論を出す方針。  鳥取大によると、付属高校設置については二〇〇六年七月に学内で立ち上げた付属学校の在り方検討委員会で話し合いをスタート。付属高校設立をさらに検討する方針が今年三月末に出たことから、六月上旬には大学理事や各学部の代表、付属学校の代表者、教育学の専門家など学内の約二十人で構成する委員会が発足する。  中高一貫教育や小中高一貫教育も視野に入れて設置形態など具体的な方針を検討するとともに、文科省や県、鳥取市と話し合いを進めるという。  県教委では一一年度の県立中高一貫教育校の設置を目指して検討を進めているが、中永広樹教育長はこの日の県議会代表質問で「鳥取大学の動きを見ながら、慎重に検討していく必要がある」と、見直しも含めて検討する方針を示した。  鳥取大の本名俊正理事は「少子化だからこそ、レベルの高い教育が必要とされている。理想の方向を探っていきたい」と話している "[he-forum 13354] 日本経済新聞東北5/31 日本経済新聞東北版2008年5月31日付 地域力連携拠点、山形大に開設  山形大学工学部(山形県米沢市)は30日、地域共同研究センター内に地域力連携拠点「産学金連携横町」を開設した。同様の拠点は中小企業庁の認定を受けた全国319機関がこの日ほぼ一斉に設置したが、大学が主体となるのは全国でも唯一。米沢信用金庫(同)も全面協力する。地元の大学と金融機関がそれぞれの人的資源や経験・ノウハウなどを生かし、地域経済活性化に向けて連携する試みとして注目されそうだ。  産学金連携横町は「統括応援コーディネーター」として山形大学の小野浩幸地域共同センター副センター長、米沢信金の吉野祐治審査管理部副部長ら4人を配し、地元中小企業を対象に経営力の向上や事業承継などを支援する。まず300社を訪問し、重点支援先として30社程度を選ぶ。 "[he-forum 13355] 北海道新聞5/31 北海道新聞2008年5月31日付 「世界に通用する薬を」 塩野義製薬、北大内に研究施設  製薬国内大手の塩野義製薬(大阪市、手代木功社長)が札幌市北区の北大構内に建設していた共同研究施設「シオノギ創薬イノベーションセンター」が三十日、オープンした。  五階建て延べ床面積二千七百九十平方メートル。総工費は約十五億円。同社の研究員二十人が常駐し、生命科学などを研究する北大の教員ら三十人弱が共同研究に参加する。  同日午後、オープンを記念し、シンポジウムが開かれた。手代木社長はあいさつで、「世界に通用する北海道発の薬をつくり、日本の製薬業界にインパクトを与えたい」と語った。 "[he-forum 13356] 読売新聞5/29 読売新聞2008年5月29日付 教育予算7兆増なら幼稚園無料・私大生に30万…文科省検討  「幼稚園、保育所は無償」「私立大学生200万人に30万円支給」――。政府の「教育振興基本計画」で、教育投資の総額が対国内総生産(GDP)比で、現在の3・5%から5%になった場合、文部科学省が検討している増額分1・5%(約7兆円)の使途が29日、明らかになった。  低所得者世帯の大学生の授業料免除や私立の高校・大学生などへの授業料減額などに約2・2兆円をつぎ込むなど大盤振る舞いが目立つ。財務省は反発を強めており、振興計画の閣議決定は6月中旬以降にずれ込みそうだ。  「教育振興基本計画」は、今年度から5年間の教育政策の財政目標を定めるもの。4月の中央教育審議会の答申は、国の財政事情に配慮し、投資額の目標は示さなかった。だが、自民党の文教族議員から「教育にかけるお金をきちんと書き込むべきだ」など“激励”の声があがり、文科省は計画原案で数値目標を織り込んだ。  一方、財務省は「財源や使途が不明」と反発。このため、文科省は増額分約7兆円の使途を急きょまとめた。  年収200万円未満の家庭の大学・短大生の授業料は免除、500万円未満は半額免除する。すべての学校施設の耐震化に約1兆円、3~5歳児までの幼稚園と保育所の無償化費用として計約7700億円を盛り込んだ。また、文科省は同計画に教職員定数の2万5000人増員を盛り込んでおり、この人件費を1750億円と試算している。 "[he-forum 13357] 毎日新聞5/29 毎日新聞2008年5月29日付 教育予算:「GDP5%」で攻防 文科省増額方針、財務省は反発  09年度予算編成をにらんだ財務省と文部科学省の攻防が激化している。文科省や自民党文教族は近く閣議決定する「教育振興基本計画」に国と地方の教育支出額を「国内総生産(GDP)比5%」まで引き上げる方針を盛り込み、予算の大幅増額に布石を打つ考え。これに対し、財務省は「増額を認められる財政状況ではない」と反発。予算増額を伴わない独自の教育充実策を提言するなど、対決姿勢を強めている。  教育予算のGDP比は現在3・5%だが、文科省は同計画で「教育立国実現には欧米並み5・0%の水準が不可欠」と打ち出す方針。「ゆとり教育」の転換を名目に小中学校教職員定数を5年間で2万5000人増員することも計画する。  しかし、国の教育支出を5%に上げるには7兆4000億円もの財源が必要だ。財務省は「消費税3%分もの予算を教育だけに充てることに、国民の理解が得られるとは思えない」と反発している。少子化が進む日本の教育予算は、児童・生徒1人当たりで見ると欧米先進国にそん色がない水準にあることをデータで提示。教職員増員計画に対しても、教師1人が受け持つ授業時間数が欧米に比べて短いことなどを示して、反対の論陣を張る。  さらに、文科省が注力する国立大学の研究支援でも財務省独自の改革試案を公表した。  国立大の学費を私大並みに引き上げるなど措置を講じれば、国が現在国立大に配分している運営費交付金(08年度予算で計1・2兆円)の中から最大5200億円の財源が工面でき、世界的な研究支援などに振り向けられるとするアイデアを打ち上げた。【清水憲司】 "[he-forum 13358] 時事通信5/31 時事通信2008年05月31日15時00分 教育予算めぐり対立=文科省と財務省  今後5-10年間の教育政策の目標を定める「教育振興基本計画」の閣議決定を前に、文部科学省と財務省の折衝がこう着状態に陥っている。文科省が道路特定財源の一般財源化などを当て込んで教育予算拡充に向けた数値目標を入れたいのに対し、財務省は「アリの一穴となり、歳出改革が崩壊する」として認めない方針を貫いているからだ。このため政府関係者からは、「もはや政治決着しかない」との声も上がっている。  文科省は「国の政策の優先度を教育に置くというメッセージを込めたい」(幹部)として、現在、対国内総生産(GDP)比3.5%の公的教育投資額を今後10年で5%以上に引き上げる案を財務省に示した。「5%」なら年間7.4兆円もの予算増となり、文科省は既に公立小中学校の耐震化、幼児教育の無償化、大学授業料の軽減といった使途のイメージも描いている。  数値目標は4月の中央教育審議会(文科相の諮問機関)が出した答申にはなかったが、自民党文教族から「教育予算を取るための計画ではなかったのか」との後押しがあり、文科省も強気の姿勢に転換。さらに「教職員数の純減」を掲げた行政改革推進法(2006-10年度)の期限切れを見越し、「今後5年で教職員定数2万5000人増員」との目標も付け足した。  これに対し財務省は、「歳出改革で社会保障や公共事業を削ってきたことが水の泡になる」(幹部)と反発。文科省は世界トップの学力を目指すため、教育予算でも経済協力開発機構(OECD)加盟国平均(GDP比5%)を上回る必要があるとするが、財務省は「少子化」を考慮していないとして、生徒1人当たりの公的支出で見れば主要先進国と遜色(そんしょく)ないとのデータを提示。諸外国の教育予算の多寡(たか)と生徒の学力との相関関係はないことも示した。  同計画は当初、5月中に閣議決定する予定だった。しかし、両省は互いの主張を展開する「消耗戦」を続けており、着地点を一向に見いだせない状況だ。 "[he-forum 13359] 読売新聞6/1 読売新聞2008年6月1日付 法科大学院の底上げ検討、必須科目の拡充を軸に  司法試験の合格者数増加に伴い、法曹の質の低下が懸念されている問題で、政府は法科大学院で教える最低限の内容を示す「コア・カリキュラム」策定の検討に入った。  法科大学院ごとに異なる教育内容の大部分を共通化し、教育の質を保証し向上させようとするものだ。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)で検討を進め、今後2年間で結論を出す方針だ。  法科大学院のカリキュラムは、文科省の省令などで、取得する単位数の下限や「法律基本科目」、「展開・先端科目」などについて授業を開設することが定められているが、細部は各大学院に任せられている。  司法制度改革で法科大学院の設置が決まった際、修了者の7~8割は司法試験に合格することが理想とされたが、昨年の新司法試験の合格率は全体で4割にとどまった。個別では最高の千葉大法科大学院でも約65%で、一けた台の学校も目立った。教育内容が水準を満たしていないなどとして大学などの評価を行う独立行政法人「大学評価・学位授与機構」などから「不適合」とされた大学院は5校に上り、評価を受けた24校の2割を超している。このため、日弁連など法曹関係者から、コア・カリキュラムの策定を求める声が出ていた。  これを受け、中教審が今年3月に「法科大学院の教育の質の保証に関するワーキング・グループ」を設置。法学者や弁護士、裁判官らが検討を進める。  大学の医学部と歯学部には文科省が策定したコア・カリキュラムが2001年から導入されている。ワーキング・グループでは今後、医、歯学部の状況を参考に法科大学院のコア・カリキュラムの概要やカリキュラムを新司法試験の出題範囲と連動させることなどについて検討する。医学部のコア・カリキュラムは全カリキュラムの約3分の2の分量を占めており、法科大学院の議論でもこれを参考にする。 "[he-forum 13360] 徳島新聞6/1 徳島新聞2008年6月1日付 教職大学院の未来探る 鳴教大が設置記念シンポジウム  鳴門教育大学は三十一日、徳島市内の阿波観光ホテルで、四月に開講した教職大学院の設置記念シンポジウムを開いた。約百五十人が耳を傾ける中、四国四県の教育委員会の代表ら六人のパネリストが、四国で唯一の教職大学院の将来像などについて意見交換した。  高橋啓(はじめ)学長が「各県教委と密接に連携し、地域社会の教育ニーズを踏まえた大学院にしたい」とあいさつ。パネリストからは「厳しい財政の中、現職教員を四人派遣した。修了時には管理職として活躍できることを期待している」(香川県)などの意見が出た。  二十五人を派遣している徳島県教委の担当者は「学力向上や生徒指導といった課題に対応できる専門知識を身に付けさせてほしい」と求めた。  鳴教大の教職大学院は初年度、定員五十人に対して入学者は三十六人しか集まらず、人員確保が課題になっている。 "[he-forum 13361] 日本経済新聞6/2 日本経済新聞2008年6月2日付 りそな銀と阪大、金融工学で連携 共同研究など検討  りそな銀行は金融工学の応用分野で大阪大学と連携する。第1弾として2日から、大阪大学金融・保険教育研究センターに行員を派遣。全5回の特別講義で、銀行が実務の中でどのように金融工学を応用しているかを教える。同分野で研究者らとの交流を深め、共同研究につなげる狙いがある。大学と連携してリスク管理能力を高める試みで、日本の銀行では珍しい。  りそな銀のリスク統括部に所属する3人が今月末まで大学院生らを相手に融資審査のモデル作りやリスク管理の講義をする。例えば住宅ローンの貸出金利を変えた場合、繰り上げ返済の件数がどうなるかを予測する手法などを取り上げる。 "[he-forum 13362] 6/3しんぶん赤旗 2008年6月3日(火)「しんぶん赤旗」 ローン化反対 署名2万 奨学金の会  「奨学金の会(国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育を すすめる会)」は二日、奨学金の高利子化や教育ローン化に反対し、無 償教育にむけた公的奨学金の拡充を求める請願署名提出集会を国会で開 きました。一万九千七百人分の署名が集まりました。  三輪定宣会長(帝京平成大学教授、千葉大学名誉教授)が教育予算は 教育の重要性と教職員・保護者・学生・国民の実態や要求が考慮されて 決まるものだと指摘し、「高等教育の無償化が国際的な潮流にあること からも法律や予算に反映させる世論をつくりたい」とあいさつしました。  日高教の北野庄次委員長は高校の統廃合で通学距離が長くなり、定期 を買えず、切符を買えるときしか学校に通えない生徒や定時制の学校で は家計を背負っている生徒がいることを話し、「憲法で保障されている 教育を受ける権利と機会均等の観点から教育予算を拡充すべきだ」との べました。  特殊法人労連の篠原百合子事務局次長は奨学金制度の拡充を考えるシ ンポジウムの内容をまとめた冊子が大学関係者の間で話題になっている ことをあげ、「学生の生活実態のひどさや奨学金制度が改悪されて いる状況を広げて運動を大きくしていきたい」とのべました。  紹介議員となった日本共産党の井上哲士参院議員が共産党の政策を紹 介し、「賛同し、力を合わせていきたい」とのべました。共産党の石井 郁子衆院議員、社民党の日森文尋衆院議員がメッセージを寄せました。  同会は引き続き署名に取り組み、高等教育の無償化を定めている国際 人権A規約一三条二項の批准をするよう日本政府への働きかけを求めた 国連への意見書の賛同者を集めていきます。 "[he-forum 13363] 毎日新聞広島6/3 毎日新聞広島版2008年6月3日付 シンポジウム:中国地方活性化へ産学官の連携策は 5国立大の学長ら出席  中国地方の産学官が地域の活性化のための連携策について話し合うシンポジウムが2日、南区のホテルグランヴィア広島であった。広島大や山口大など中国地方の主要大学の学長らが顔をそろえ、産業界との協力や地域貢献の在り方について意見を出し合った。5大学などの共催で、中国経済産業局の杉田定大局長がコーディネーターを務めた。  独立行政法人化以降、期待されている地域貢献について、広島大の浅原利正学長は「高いレベルの研究で貢献するには地域に介在するコーディネーターが必要だ」と指摘し、能勢隆之・鳥取大学長は「大学で特徴的なのは掘り起こしの基礎研究。地道に続け、産業に生かせられればうれしい」と抱負を語った。山口大の丸本卓哉学長は「敷居が高いという大学のイメージを払しょくしたい」と人材交流に積極姿勢を示し、本田雄一・島根大学長は「宍道湖や中海の水質保全を改善する研究にはナノテクなど企業の協力が必要」と訴えた。【井上梢】 "[he-forum 13364] 中日新聞6/3 中日新聞2008年6月3日付 老化防止の研究推進 信大に「予防医療センター」  信大病院(松本市)は2日、高齢社会に対応する予防医療の研究拠点「先端予防医療センター」を同市の県旭町庁舎3階に開設した。病院や大学院と連携し、生活習慣病の予防や遺伝子情報をもとにした老化防止の研究を進め、長寿県長野から最先端の予防医学を発信する。  センターは信大病院の各診療科、同大学院、特定非営利活動法人(NPO法人)熟年体育大学リサーチセンターなどと連携。リサーチセンターが分析したインターバル速歩訓練の約4000人のデータを参考に、職員2人が生活習慣病患者に運動指導をするほか、訓練が生活習慣病や介護予防に役立つかどうかを検証。データと遺伝子情報を解析して「何が健康に良いのか」を探り、視覚、聴覚の老化防止や認知症予防の研究も進める。  宇佐美真一センター長は「長く健康でハッピーに生きるため、研究を進めていきたい」とした。  (中津芳子) "[he-forum 13365] 高知新聞5/31 『高知新聞』2008年5月31日付朝刊 学長選考問題 高知大との訴訟取り下げへ 原告側 任命の国提訴準備  昨年の高知大学長選考で相良祐輔氏を学長に選んだ選考会議の決定無効を求め、  高知大を訴えている教授らは30日、文部科学省が高知大学長に相良氏を任命し  たことから、訴えを取り下げる方向で検討に入った。今後は行政事件訴訟法に  基づき、任命から6カ月以内に国を相手取り、相良祐輔氏の任命を取り消す訴  訟を起こす方針。    同大の学長選考をめぐっては、昨年10月に行われた学内意向投票で、2通りの  得票数が確認されたにもかかわらず、選考会議が相良氏再任を決めたことで学  内が紛糾。選考無効を訴える教授らが昨年12月、「何者かによって票が差し替  えられた」として被告人不詳のまま、高知地検に刑事告発するとともに、対立  候補だった高橋正征氏=同大名誉教授=が民事訴訟を高知地裁に起こした。  これまで2回の口頭弁論が行われ、“原告の適格性”をめぐって双方の主張が  対立。30日開かれた第3回の口頭弁論では主張を戦わせる場面はなく、相良氏  が4月1日付で再任されたことから今後の方向性を原告・被告双方と裁判長が  別室でそれぞれ協議した。  取材に対し、高橋氏は「裁判の大きな目的は、国立大学法人法下での大学の民  主主義を問うこと。その中身の議論に入るためにも、次のステップに進みたい」  と述べ、高知大に対する民事訴訟を取り下げる意向を示した。(広末智子) "[he-forum 13366] 公正な学長選考を求める裁判を支える会No5 「公正な学長選考を求める裁判を支える会」 ニュースレター NO.5 2008、6,1 ○ 裁判闘争は新しい段階―行政訴訟―へ!    構成員の皆さんの更なるご支援を訴えます!  すでにニュースNo4でお知らせしたように、私たちが提訴した学長選考への異  議申し立て裁判は新たな段階を迎えました。ここで現状を整理してみましょう。  1 これまでの裁判 ① 性格:民事訴訟 ② 内容:学長選考会議の決定の無効確認の訴え ③ 訴えの相手:国立大学法人高知大学  2 現段階での問題点  実質的な審理に入る前提として、「原告適格」及び「確認の利益」(「選考会  議の決定の無効」を確認したとして、「紛争の解決」にどのような利益がある  のか)の二つを満たしている必要があります。特に「確認の利益」に関しては  4月1日付けで相良氏が高知大学学長に任命されたことにより、決定無効の確  認そのものが無意味と見なされ「確認の利益無し」とされる危険が極めて高い  と考えられます。そうなった場合は、不透明な学長選考を質すために私たちが  求めている実質的な審理に入る前に,裁判そのものがうち切られる可能性が高  いと予想されます。  したがって、裁判という場で学長選考の問題点の中身を継続して明らかにして  いくためには、従来の民事訴訟とは別個に、「文部科学大臣による学長任命  (4月1日付け)」に対し、それに異議申し立てをする新しい訴えを起こす必  要があります。  3 新たに提起される裁判  ① 性格:行政事件訴訟法に基づく行政訴訟  ② 内容:学長任命の取り消し請求  ③ 訴えの相手:国  以上のような状況を踏まえ、私たちは、行政訴訟という新しい段階に踏み込む  ことを決意しました。たしかに、「国」を相手の訴訟というのは誰にとっても  いささかたじろがざるを得ないものです。また、原告適格の問題や民事訴訟と  の関係など解決しなければならない問題も山積しています。しかし、このまま  事態の既成事実化、居直り、風化を許してはならないと私たちは考えます。  裁判が新しい段階を迎えるにあたって、すべての高知大学構成員の皆さんに、  これまで以上の支援を心から訴えたいと思います。 ○ 第三回口頭弁論報告  5月30日(金)11:00から高知地裁において第三回口頭弁論が開かれま  した。  4月1日付け人事異動で新しい裁判長が本裁判を引き継いで担当することにな  りました。冒頭、裁判長は被告側に、学長の任命について事実確認を行い、相  良祐輔氏が高知大学長に4月1日付けで任命されたことを口頭で確認しました。  これを受けて、裁判長から今後の裁判の進め方について、原告、被告それぞれ  と別室で協議したい旨の提案があり、まず原告の高橋先生と原告側弁護団が裁  判長と一緒に別室に移りました。これは刑事訴訟法では「進行協議手続き」と  言うのだそうですが、被告側弁護団もやがて「タバコを吸いに」(被告側主任  弁護士のお言葉?!)法廷から退室したので、法廷には傍聴人のみが残ること  になりました。  裁判所書記官らしき人の説明では「このまま30分くらい協議をして、そのま  ま解散となるか、または口頭弁論の再開と言うことになるかも知れません」と  のこと。私たちは仕方なく、傍聴に来ていた人文学部のA先生(法学)の即席  のレクチャーを受けながら待つことに。  30分ほどして高橋先生と弁護団が戻って来ました。高橋先生が原告席に戻り  かけたので口頭弁論再開かと思ったのですが、これは荷物を取りに来ただけで、  口頭弁論の再開は無し。その場で弁護団から簡単な経過説明がありました。つ  まり、学長の任命という事態を受けて、裁判長から今後の裁判の進行について  提案があり、6月23日(月)の4:00から原告側被告側で協議(非公開)  するとの事でした。    この日はそれで解散でした。第1回も第2回も民事訴訟の裁判とは何をやって  いるのかよく分からないものでしたが、第3回についても,ある人曰く:「今  日の口頭弁論はあったと言うべきなのか、あるいは無かったと言うべきなのか?  」という内容でした。  一面で述べたように、学長選考会議の決定という段階から文部科学省による相  良祐輔氏の学長任命という段階への事態の推移に対応し、訴えの矛先を高知大  学から国へ向け,裁判の争点を新たな「任命取り消し請求」に転換するのが妥  当なことははっきりしています。その際,これまでの民事訴訟をどうするのか  が当面の問題です。もちろん「和解」はあり得ませんから、門前払い覚悟でこ  のまま行くのか、それとも、別の道を考えるのか。そのいずれにしても、今後  闘いの中心となる「任命取り消し請求」をより有効に進めて行くには,どのよ  うな方法が最善であるのかを慎重かつ前向きに検討する必要があるでしょう。 "[he-forum 13367] 毎日新聞岩手6/5 毎日新聞岩手版2008年6月5日付 岩手大:新学長・藤井氏が抱負 「他者思いやる人材育成を」  岩手大学の平山健一学長(66)が4日に退任し、前農学部長の藤井克己教授(55)が5日、新学長に就任する。4日開かれた会見で平山氏は「地域と大学の一体感を持てるようになった」と6年間の成果を振り返った。藤井新学長は「共生の時代のパートナーとして地域とともに歩みたい」と抱負を述べた。  平山氏は02年6月に就任。04年4月の国立大学の法人化後、初の学長として、教員組織の再編や産学官連携の基盤を整備してきた。「教員の意識が進み、県内製造業の活性化に貢献できた」と語った。  藤井新学長は「都市と地方、世代間など格差が広がる時代、他者を思いやる21世紀型の人材を育てたい」と教養教育の再構築を重点課題に挙げた。研究面では、優れた研究拠点に予算が重点配分される文部科学省の「グローバルCOE」の来年度採択を目指すと述べた。【山口圭一】 "[he-forum 13368] 北國新聞6/3 北國新聞2008年6月3日付 心筋用パッド製品化 金大、先端大が共同開発 神戸の企業、ライセンス契約  金大と北陸先端科技大学院大が共同で開発、特許出願した医療器具が、国内のベンチャー企業によって製品化されることになった。器具は心臓手術後に起きやすい不整脈「心房細動」を速やかに治療する心筋用パッドで、高い使用率が見込めるという。二日までに大学と企業がライセンス契約を結んだ。  製品化するのは、心臓病治療を中心に研究開発を行うカルディオ(神戸市)。今後臨床試験などを経て国内外で販売する。  パッドは直径四センチ、厚さ四ミリの円形。心臓手術の際、二枚を左右の心房に装着しておくと、手術後に心房細動が起きた際、弱い電気を直接流すだけで治療できる。心房細動の危険がなくなる一カ月後には、体内で自然分解される。投薬や強い電気ショックといった従来の治療法に比べ患者、医師の負担が軽減できるという。  金大大学院医学系研究科心肺総合外科の渡邊剛教授と北陸先端科技大学院大マテリアルサイエンス研究科の由井伸彦教授のグループが二〇〇五(平成十七)年から心筋用パッドの研究開発を進めていた。 "[he-forum 13369] 日本経済新聞6/4 日本経済新聞2008年6月4日付 群大など関東4国立大、2年後メド「共同大学院」  宇都宮大学、茨城大学、群馬大学、埼玉大学の4国立大学法人は2010年4月をメドに、複数の大学が対等な関係で連携する「共同大学院」の設置を目指す。それぞれの得意分野を生かし、地域に欠かせない専門知識を持った人材を育てる狙い。今年度から単位を完全に互換する連携コースを開設。IT(情報技術)専門家の育成に取り組み、将来は経済や医学分野に広げる方針だ。  3日にソフトウエアの開発設計を教える「人間創生情報学コース」を開講。4大学から計60人が受講した。来年度にはデータベースやWEBサービスなどの技術を教える「社会創生情報学コース」を開く。各大学の3、4人程度の教授が講義を担当。講座は4大学をインターネットで結び、同時中継する形で進める。遠隔授業による大学院の演習は珍しいという。  既存の連合大学院では年間で10単位しか互換できないが、今回は4大学院で同時に同じコースを用意して実況中継することで、どの大学の学生も自由に単位が認定される仕組みをつくった。システム構築などに文部科学省から合計で約3300万円の補助金を受けた。 "[he-forum 13370] 日本経済新聞6/4 日本経済新聞東北版2008年6月4日付 山形大学と地元20数社、食品開発で産学組織  山形大学と地元山形の食品関連企業など20数社は11日、高付加価値食品の開発に向けて会員制の産学協働組織を設立する。同大大学院が昨春開設した「食品創製(MOT)コース」と連携し、基盤研究、開発企画から生産、販売・宣伝まで商品づくりの全過程を支援する仕組み。同大によると、大学院の専攻コースと地元有力企業群が密接に協力し合う形で協働組織を立ち上げるのは全国でも珍しいという。  設立するのは「山形大学食品MOTファンクラブ(YMF)」。3日時点で日東ベスト、シベールのほか、高畠ワイン(山形県高畠町)、三奥屋(同)、城北麺工(山形市)、千代寿虎屋(寒河江市)、樽平酒造(川西町)など山形19社、福島路ビール(福島市)など福島3社が参加を表明。荘内銀行なども加入する。会長には日東ベストの鈴木俊幸会長が就任する見込み。 "[he-forum 13371] 河北新報6/5 河北新報2008年6月5日付 バンドン工科大と協定 エネルギー技術研究 東北大  東北大大学院環境科学研究科は4日、インドネシアのバンドン工科大と学術協定を結んだ。バンドン工科大にサテライトキャンパスを開いて教員を常駐させ、アジアのエネルギーの安全保障に関する教育に取り組む。  サテライトキャンパスには社会科学系教授と工学系准教授の計2人を置くほか、環境科学研究科の教員を1週間ずつ派遣して集中講義を行う。分野は地質、岩石力学、化学工学、流体工学など。  石油産出国と消費国の経済メカニズムや、エネルギーの安定供給技術を題材に、工学と社会科学の分野を融合して学際的な教育、研究を進める。  定員はバンドン工科大大学院の修士課程2人、博士課程1人。東北大と同じカリキュラムを編成し学位も授与する。期間は2011年9月までで、講義は工科大の一般学生にも公開する。  修士課程の学生は6カ月間、東北大で学ぶ。石油資源開発(東京)の寄付講座として開設、授業料や渡航費、生活費は奨学金を支給する。  バンドン工科大で4日、調印式があり、井上明久総長と環境科学研究科の谷口尚司研究科長、土屋範芳教授らが出席した。土屋教授は「日本の教育の輸出と位置付けている。東北大の研究第一主義を現地に根付かせたい」と話している。  バンドン工科大は1959年に開学した理工系の国立大で、1万数千人が学ぶ。前身はオランダ植民地政府が20年に設立したバンドン工業高等学校。 "[he-forum 13372] 毎日新聞6/3 毎日新聞2008年6月3日付 教育予算:「高等教育予算、やっぱり少ない」 財務省の主張に文科省が再反論  国が初めて策定する教育振興基本計画に関し、教育予算増などの数値目標明記を目指す文部科学省をけん制するため財務省が公表した反論書に対抗し、文科省は再反論書をまとめた。「生徒1人当たりの教育予算は主要先進国とそん色ない」と主張する財務省の分析を批判し、「高等教育などの1人当たり予算は、経済協力開発機構(OECD)平均を下回っている」と反論した。  財務省の主張の根拠は、生徒1人当たりの教育予算を国民1人当たりの国内総生産(GDP)で割った値で、文科省は「単純な解釈ができない」と疑問を提示。ドル換算で、日本は就学前1973ドル、高等教育5024ドルだが、OECD平均はそれぞれ3793ドルと8403ドルだとした。さらに「初等中等教育段階は先進国と同程度だが、教員の年齢上昇による人件費増などが要因」とした。  「教育予算が多ければ学力が高いわけではない」との財務省の見解には、「OECDの学習到達度調査(PISA)の結果では、1人当たり教育予算と学力に明らかな関係性がある」とのOECDの分析を紹介した。  財務省が「学力向上など教育成果こそ数値目標を」とした点は、基本計画案に「世界トップの学力水準を目指し、国際調査などで学力の高い層の割合を増やす」などの目標を盛り込んだと反論した。【加藤隆寛】 "[he-forum 13373] 口で護憲を言っても憲法原則の蹂躙に目をつぶったら偽善 佐賀大学の豊島です.もう一週間も経ちますが,大学構内での "[he-forum 13374] 四国新聞6/6 四国新聞2008年6月6日付 政策研究で連携強化-高松市と香川大が協力協定  高松市と香川大(香川県高松市幸町、一井真比古学長)は5日、連携協力に関する協定を締結した。環境や公共交通などの政策研究のほか、産業振興、危機管理など多分野で連携を強め、大学の持つ最新の情報や研究成果を市が地域づくりに積極的に活用する。香川大が市町レベルの自治体と同様の協定を結ぶのは初めて。  市は本年度スタートの新総合計画で大学との連携を重点取り組み事業に設定。両者は今後、事務レベルの連携協議会(仮称)を設置し、具体的に取り組む事案を検討する。  これまで市と香川大は、市が各種審議会などで教授陣を委員に委嘱するなど個別の連携は続けてきたが、包括的な協力協定は結んでいなかった。香川大は近年、各種機関との連携を強めており、2002年に県と同様の協力協定を締結。04年の法人化後は、各金融機関などとも連携協定を結んでいる。  この日市役所で開かれた調印式には大西市長と一井学長が出席し、協定書にそれぞれサイン。大西市長は「大学の持つ専門的な情報、知識を市政運営に生かせるのは心強い」とあいさつ。一井学長は「地域の知の拠点を目指す上で非常に有意義。大学の知的、人的財産はさまざまな場面で役立つと思う」と抱負を述べた。 "[he-forum 13375] 毎日新聞埼玉6/6 毎日新聞埼玉版2008年6月6日付 連携:埼玉大など4大学院がITで 即戦力へ技術者養成  埼玉大は茨城大、群馬大、宇都宮大の関東3大学と大学院連携プログラムを設立した。先端の情報技術(IT)では大学によって専門分野の到達度が異なるため、得意な分野の知識・技術を教え合うことで、即戦力の技術者を養成するのが目的。今月3日から各大学院で講義を始めており、文部科学省の認可が出れば来年度にも4大学共同大学院に発展させる意向だ。  開発の管理やコストなど経済科学系は埼玉大、ウェブサービスや情報セキュリティーといったエンタープライズ系は茨城大、機械の中にコンピューターを入れる組み込み型技術は宇都宮大、理論分野は群馬大など、それぞれの大学が得意分野を出し合った。履修者は2年間で30単位が取得でき、修士の学位が得られる。定員は各大学院とも4人程度。情報系の他の院生も参加できる。  大学に先端IT分野で即戦力となる技術者の養成を求める声は学生側はもとより産業界からも強かった。しかし単一の大学だけで技術の進化が早いIT系の教員を充実させることは難しく、4大学は数年前から共同プログラムの検討を続けてきた。連携プログラムへの布石として06年4月からは4大学院で単位の互換協定も締結した。  講義は実習などで拠点の大学に集まることもあるが、基本的にテレビ会議システムを使った遠隔授業になる。茨城大の田切美智雄・学長特別補佐は「大学として教育の新しいやり方のスタート。教員、学生にとってもメリットが大きい。今後は違う分野でも連携の可能性を話し合っている」と話している。【若井耕司】 "[he-forum 13376] 共同通信6/6 共同通信2008年6月6日10時49分 全国の高専ネットワーク化 中教審が振興策の答申素案  中学卒業後から技術者養成の専門教育をする高等専門学校(高専)の教育充実を審議している中教審は6日、全国の高専をネットワーク化し、各校が持つ知的財産を共有できる仕組みの整備など、文部科学省が今後5年間で集中的に実施すべき振興策をまとめた答申素案を示した。  文科省は最終的な答申を受けた上で、来年度予算の概算要求に向け、夏ごろまでに「高専教育振興施策要綱」を策定する方針。  素案は、高専が即戦力の技術者養成を担っていると位置付ける一方で、2006年度の本科(5年間)卒業生の27%が大学へ編入学している実態を踏まえ、大学との連携による編入学枠の拡大など受け入れ体制の充実を求めている。  工業系に偏っている学科編成も見直し、情報通信やバイオ、医学、環境など新分野との融合、展開が重要と指摘。入学時でなく、入学した後で学生が専攻を選べる制度の創設も提案している。 "[he-forum 13377] 毎日新聞広島・岡山6/7 毎日新聞広島・岡山版2008年6月7日付 中国地方主要5大学シンポ:岡山大副学長ら、活性化策探る--  中国地方の産学官が地域の活性化のための連携策について話し合うシンポジウムがこのほど、広島市内のホテルであった。広島大や山口大など中国地方の主要大学の学長、岡山大副学長らが顔をそろえ、産業界との協力や地域貢献の在り方について意見を出し合った。5大学などの共催で、中国経済産業局の杉田定大局長がコーディネーターを務めた。  独立行政法人化以降、期待される地域貢献について、広島大の浅原利正学長は「高いレベルの研究で貢献するには地域に介在するコーディネーターが必要だ」と指摘し、能勢隆之・鳥取大学長は「大学で特徴的なのは掘り起こしの基礎研究。地道に続け、産業に生かせられればうれしい」と語った。中国地方の大学間連携について、岡山大の曽良達生副学長は「中国地域の産業強化につながる」と話した。【井上梢】 "[he-forum 13378] 時事通信6/7 時事通信2008年06月07日05時29分 「高専」振興に5カ年計画=産学連携、新学科展開で策定へ-文科省  文部科学省は7日までに、技術者養成で期待が大きい高等専門学校の教育を充実させるため、今夏にも「教育振興施策要綱」(仮称)を策定し、来年度から5年間程度の計画で取り組むことを決めた。産業界と連携したインターンシップ(就学体験)の普及や、新分野の学科設置の促進を想定している。  高専をめぐっては、中央教育審議会が将来像や課題を審議中。同省は、7月末にもまとまる答申を要綱に反映させる。  課題の1つが産学連携。インターンシップを実施する高専は既に95%(2005年度)に上るが、3カ月以上の長期の体験を普及させるため企業に協力を促す方針だ。団塊世代の企業退職者を教員などとして登用することで、技術の伝承も図る。 "[he-forum 13379] 大学において急増する非正規雇用の教職員:実態調査と資料提供のお願い 大学において急増する非正規雇用の教職員:実態調査と資料提供のお願い 2008年6月8日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 非正規雇用者は社会全体で増え続け、全労働者のなかに占める割合は33.5%と既に3分の1を越えています(男18.7%、女54.0%、2007年総務省「労働力調査」)。この非正規雇用者の急増が生み出す深刻な諸問題については既に多くのところで指摘され、労働組合側からの反撃も開始されているところです(たとえば「格差社会にいどむユニオン」木下武男、2007年、花伝社)。 では大学はどうなのでしょうか。既に行政職の分野においては少なくない国立大学の職場において非正規雇用者数が正規雇用者数を上回っています。派遣労働者も拡がっています。教育の分野においても多数の非常勤講師という非正規雇用者によって辛うじて維持されています。加えて、近年、様々な形で雇用されている若手研究者も急増しています。現段階で正確な統計はありませんが、国立大学における非正規雇用者数は優に半数を越え、国立大学は非正規雇用者の率が異常に高い組織であると推定されます。こうした非正規雇用者の率の異常な高さは、実は、国立大学における極めて歪んだ雇用関係によってもたらされているものです。 第1に、国家公務員時代に形成された非常勤職員制度が強固に維持され、低賃金、権利上の差別、3~数年の雇用期限など、民間のパートタイマー労働者よりも悪条件での労働が強いられている場合が数多く認められます。 第2に、法人化後、雇用の原資が多様化したことと対応して、有期雇用、年俸制、裁量労働制を軸とした多様な条件による雇用が主として若手層を対象に拡がっています。しかしその現実は、「高学歴ワーキングプア」(水月昭道、2007年、光文社新書)と呼ばれる劣悪な労働環境です。そうした中で、研究室単位での研究補助要員、若手研究者ならびにその予備軍の雇用には不透明な例が数多く報告されています。人件費に回すことのできる予算を握る「ボス」が事実上の雇用者として振る舞い、労基法等の労働法制を無視したアカデミックハラスメントの温床を形成しているとの指摘もあります。 非正規雇用者をめぐる上記の状況は、正規雇用者の雇用・労働条件不安定化の動きとも密接にリンクしています。例えば、執拗に繰り返される任期制導入の圧力、現行給与表体系とは異なった年俸制体系の拡大の動きなどがそれにあたります。こうして働く人々全体の雇用を不安定化させ、互いに競争させ、人件費を極限まで切り下げる路線の推進が加速されているのです。 運営費交付金の逓減が強行され、2010年から始まる次期中期目標期間においては運営費交付金そのものの競争的配分が企図されている現在、各大学の生き残りをかけた競争の中で、非正規雇用の拡大とその労働環境の劣悪化はいっそう強まっていくとみなければなりません。このような状況に私達は真正面から対峙し、将来へ向かって安心して働くことのできる職場をつくる、そのことが大学における教育研究活動発展の重要な基盤構成要素となるという運動を対置しなければならないと思います。そのためには、各大学における非正規雇用の実態を正確に把握し、分析する作業をまず行わなければなりません。 本事務局は、非正規雇用者が劣悪な労働・雇用条件におかれていることに憤りを抱き、かつまたそのような雇用が急増していることに深い懸念をもっておられる全国の大学の方々と力をあわせて、現状分析と打開方策提示に取り組みたいと思っています。是非、各大学、研究機関ごとに以下の情報・データ等を部分的で結構ですからお寄せ下さいますようお願いいたします。 1.非正規雇用者にかかわる就業規則。雇用条件、給与条件等の諸規程 2.雇用条件等を中心にして非正規雇用者をカテゴリー分けしたものとその名称。カテゴリーごとの人数、年令構成など 3.非正規雇用者にかかわって起こっている諸問題の実例 データは本事務局まで電子情報で送っていただければ幸いです。アドレスはinfo@shutoken-net.jp(@を半角にして用いてください)です。夏には第1次の集約結果をご報告したいと思っています。本事務局も自ら、これらの情報・データ等の独自の収集・分析によりこの運動に資する所存です。 "[he-forum 13380] 6月7日しんぶん赤旗 2008年6月7日(土)「しんぶん赤旗」 学費軽減 全く同感 党「提言」 石井副委員長に教授会連合  日本共産党の石井郁子副委員長・衆院議員と足立正恒学術・文化委員 会責任者は六日、東京都内で「国庫助成に関する全国私立大学教授会連 合」の角岡賢一氏(龍谷大学教授)、垣内伸彦氏(愛知大学教授)ら代 表と、党が発表した「学費提言」や国庫助成の増額と制度の改善につい て懇談しました。  石井氏は「学費提言」がマスコミで取り上げられ、反響を呼んでいる ことを紹介。経済的理由で学業を断念する若者を生まないための最小限 の施策をまとめたものが「学費提言」だと説明しました。「提言」は大 学について、国立大学の授業料免除枠の拡大、私立大学生への授業料直 接助成制度の創設、日本学生支援機構の奨学金をすべて無利子にするこ と、国際人権規約の学費無償化を求める条項の留保撤回を提案していま す。石井氏は「国民的な運動をつくるために、共同を広げたい」とのべ ました。  国庫助成教授会連合の代表は「共産党の提言はタイムリーです。私た ちは四十年間学費軽減の運動を続けてきたのでまったく同感です。とく に、学生への直接助成制度は重要です」とのべました。懇談では地方の 私立大学の経営の困難な現状も語られました。学費軽減は国立私立を問 わず、切実になっており協力して国民的運動にしていきたいと話がはず みました。 "[he-forum 13381] 紀伊民報6/9 紀伊民報2008年6月9日付 和歌山大が記念式典 創立60年と観光学部設置祝う  和歌山県の和歌山大学は8日、和歌山市内のホテルで、創立60年と観光学部設置を記念した式典を開いた。約400人が出席して創立からの歴史を振り返るとともに、4学部体制で新たに出発した大学に、地域振興への期待を寄せた。  和大は1949年に創立。2学部体制から校舎の移転、統合などを経て、95年にシステム工学部、2008年に国立大学法人初の観光学部を設置した。  小田章学長は「地域の支援で新学部を設置できた。期待と使命の重さを感じている。4学部それぞれ人材、知的資産を育て、地域に貢献したい」とあいさつした。  来賓の仁坂吉伸知事は「大学が地域振興に力を入れることで、県民との距離が近くなり、まさにわれわれの大学になった気がする。大学から元気をもらえると期待している」とエールを送った。  和大は紀南広域市町村圏や県外では長野県飯田市などの自治体や企業と連携協定を結んでいるほか、田辺市に紀南サテライトを設置するなど、地域とのかかわりを強める取り組みをしている。 "[he-forum 13382] 読売新聞6/10 読売新聞2008年6月10日付 大学病院への製薬会社からの寄付…「避けるべき」32% 一般教員意識調査  製薬企業から大学病院の医師に提供される寄付金などの資金について、「受け取るべきではない」と考える一般の大学教員が3割以上にのぼることが、筑波大産学リエゾン共同研究センターの新谷(しんや)由紀子講師らが行った意識調査で明らかになった。  調査は昨年9月、自然科学系学部・研究科がある大学から無作為に選んだ教員1000人と国立大学法人の経営協議会委員の外部識者592人に調査票を送り、計250人から回答を得た。  臨床研究で利害関係のある製薬企業からの未公開株の取得は「避けるべきだ」が57%を占めた。企業が主催する講演会での講演料などの受け取りも「避けるべきだ」(40%)が、「条件付きで認める」(36%)を上回った。  企業からの寄付金については「条件付きで認める」(45%)がトップだったが、次いで「大学の正式な手続きを経ていても避けるべきだ」(32%)という答えが多かった。大学に届け出る寄付金の基準は、「過去に1円以上あれば、すべて報告するべきだ」との回答が最も多かった。新谷講師は「企業からの資金提供について、一般の大学教員は、より厳しい倫理基準やルールを求めている」と話している。 "[he-forum 13383] 読売新聞6/10(2) 読売新聞2008年6月10日付 大学ランク「過信ご注意」 専門家が警鐘 OECD、各国影響調査  経済協力開発機構(OECD)などが、大学ランキングについて、各国の高等教育への影響を調べている。  この調査で来日した高等教育の専門家、アイルランド・ダブリン工科大のエレン・ハゼルコーン副学長は「ランキングの過信は禁物」と警鐘を鳴らした。  最近は、英国の大衆紙がアイルランドを含むランクを発表、ポーランドやチェコでも始まるなど、ヨーロッパ諸国にも大学ランキングが広がっているという。この結果、「順位が上がると学生や資金が集まるので、どの大学も順位を気にするようになった。産業界でも、英国では、ある順位以上の大学の学生しか採用しない企業が現れた」。  また、経済同様、高等教育のグローバル化が進む中、「留学生獲得のため、大学は世界での順位を上げようとする。チェコの大学は、ドイツ語だけではなく、英語での授業プログラムも導入するようになった」。  しかし、ランキングには問題も多いという。「データの集め方が不正確だったり、総合順位で比較する傾向が強いため、一つ一つの大学の良さが評価されなかったりする。その点、日本のメディアによるランキングは、多様な基準を用いて多面的に評価しようとするところがよい」  順位の結果に、大学も政府も一喜一憂すべきでないという。「大学が自校の改善のために評価結果を用いるのはよいが、順位アップを目標にすべきではない。政府は、国民がランキングを過信しないように、大学に関する多様な情報を発信する責任がある」  国際調査は、ドイツやオーストラリアでも実施され、ハゼルコーン氏らの手で分析が進められる。(石塚公康)  大学ランキング 1980年代後半に米国の雑誌「USニューズ」が始めたのが、本格的なものでは最初。日本でも90年代から、雑誌の特集や書籍の出版がされるようになった。21世紀に入ると、タイムズ・ハイアー社(英国)や上海交通大学(中国)、「ニューズウィーク」誌(米国)が世界ランキングを発表。昨年のタイムズでは、日本では東大の17位が最高だった。 "[he-forum 13384] 北國新聞6/10 北國新聞2008年6月10日付 「石川枠」全国から5人 金大医学類 一定期間、県内勤務が条件  金大医薬保健学域は九日までに、二〇〇九年度からの医学類の入試で、卒業後の一定期間、石川県の医療に貢献する意思のある受験生を対象とした「石川枠」を設ける方針を固めた。国の緊急医師確保対策を受けて増員となる入学定員五人分を充て、医学類の定員は百人となる。全国の優秀な学生を集め、県内の医療リーダーを養成する。  石川枠の入試は、金大医学類が〇九年度入試から後期日程を廃止して導入するセンター試験を課す推薦入試と併せて行う。石川枠で不合格となった場合でも推薦入試、一般入試を受験できる。石川枠入学者は「特待生」として県から修学資金の貸与を受け、卒業後は金大附属病院で研修する。その後は専門医認定などを目標に県内医療機関で数年間勤務することが条件となる。  緊急医師確保対策で国は、医師の不足や偏在を解消するため、〇九年度から九年間に限り毎年度に各都道府県で最大五人(北海道は十五人)の医学部定員増を認めていた。  石川枠について、県は中長期的な取り組みで優れた医師を育てる「石川モデル」としたい考えで、金大の金子周一医学類長は「大学が預かる限りは立派な医師を育てたい」と話した。 "[he-forum 13385] 北國新聞6/10(2) 北國新聞2008年6月10日付 大学と企業をマッチング 金大 北國、北陸銀と包括連携協定  北國、北陸銀行は九日、金大とそれぞれ覚書を交わし、包括的に連携、協力する協定を結んだ。同大指定金融機関の北陸銀行と、地元に本店を置く北國銀行は今後、それぞれが金大と連絡協議会を設立し、包括的連携の具体案を検討していく。  連携については、金大が持つ研究成果や新技術を、両行の取引先企業の需要とマッチングさせて新産業創出を図ったり、人事交流、資金運用の支援など幅広い連携が想定されている。  連絡協議会は七月中にも設立される。金大側は、産学連携や財務、教育、病院経営などの実務者らをメンバーにする考え。銀行側は、取引先企業がどのような大学の研究成果を必要としているか、具体的な情報を持っている営業担当者らを派遣する予定だ。  調印式は、北陸銀行が午前、北國銀行が午後の順番で行われた。  両方の会見で中村信一学長は、銀行との連携について、「企業がどのような技術、研究成果を必要としているか、銀行はよく知っている。学生のインターンシップ(企業体験)、奨学金など経済的支援の面でも効果は大きい」と期待感を示した。 "[he-forum 13386] 日刊工業新聞6/10 日刊工業新聞2008年6月10日付 東大、建物の省エネへ27機関との連携プロを発足  東京大学は9日、ITを使って建物のエネルギー消費状況を把握し省エネにつなげる「グリーン東大工学部プロジェクト」の発足を発表した。通常、施設の設備制御システムは個別に運用されているが、これらの情報を統合するモデル構築で、ファシリティーの規格・設計・構築運用の企業や団体が連携する。発起人・組織として慶応義塾大学のほか東芝、山武、横河電機など27機関が参加する。  このプロジェクトは東京大学の本郷キャンパス(東京都文京区)で、05年に完成した12階建ての工学部2号館(総合研究教育棟)を対象に行う。各設備制御システムを相互接続し、投入・配送・消費エネルギーの状況を総合的に可視化する。参加するのは技術規格標準化関連団体、建設会社、建設設計事務所、ハードウエア・ソフトウエアベンダー、インテグレーター、通信事業者など。 "[he-forum 13387] 西日本新聞6/11 西日本新聞2008年6月11日付 県が医師不足解消へ新制度 医学部生に修学支援 大分大「地域枠」 授業料など貸与  県は10日、大分大学医学部が2009年度から募集する特別選抜地域枠の学生5人に対し、授業料など修学資金を貸与する制度を始めると発表した。学生は卒業後の9年間、知事が指定する県内の病院で研修・勤務すれば、資金返還が全額免除される。県出身の医師が都市部に流出するのを防ぎ、医師不足の解消を図るのが狙い。  県は17日開会の6月定例議会に県医師修学資金貸与条例改正案を提出。09年度の一般会計当初予算案に貸与額約700万円を計上する。  特別選抜地域枠は、県内の小中学校を卒業し、大学卒業から9年間は指定病院での勤務が条件。大学入学から卒業まで6年間、月額5万円の生活費や授業料(年間約53万円)が貸し出される。入学金(約28万円)も貸与対象になる。  大学卒業から5年間は指導医がいる病院で研修を受け、その後は医師不足の病院などに勤務する。  県は07年度から医学部以外の大学卒業生が大分大医学部に学士編入した場合に月額15万円の生活費や授業料などを貸与する制度を実施。卒業後の7年間、知事指定の病院に研修・勤務すると資金返還が免除される。07年度は定員3人に約20人の応募があった。  県医務課は「学士編入では予想以上の応募があった。新たな貸与制度でも、医師として出身地で働くことを目指す入学希望者が集まることを期待したい」としている。 "[he-forum 13388] 毎日新聞岩手6/11 毎日新聞岩手版2008年6月11日付 岩手大大学院工学研究科:金型・鋳造専攻が人気 県外企業の社員入学も ◇人材育成や産学パイプ作りで  岩手大大学院工学研究科の金型・鋳造工学専攻が県外企業から注目されている。日本初の専攻ということで、修了生の争奪戦が激しいだけでなく、自社の社員を入学させる企業もある。背景には学問的な面での人材育成や同大とのパイプ作り、引く手あまたの修了生を獲得したいといった狙いがあるようだ。【安田光高】  北上市の金型技術研究センターで今月3日、金型の分解実習があった。8人の修士1年生に交じって、横浜市の製造会社に勤務する石坂則夫さん(31)が参加していた。入社9年目の中堅社員で、金型の設計を担当。会社ではこれまでの経験で設計していたため、理論を学ぼうと同専攻に入学したという。「会社として金型の技術力がないと勝ち残れない」と話す。  石坂さんのように同専攻には毎年、首都圏などの企業から社会人が集まる。  金型・鋳造専攻は06年4月に日本で初めて設置。日本のものづくりを支える人材育成と、地域の地場産業と連携し、世界に通用するものづくりの拠点を目指している。定員は10人程度だが、社会人も受け入れており、1、2年生の24人中9人が社会人。そのうち5人が県外企業で金型や鋳造を扱っている。  金型コースの岩渕明教授によると、県外企業の多くが業界大手ではなく、中堅企業。少ない修了生を他企業と競争して獲得するより、自社の社員を同大で2年間勉強させ、高度な技術を身につけさせた方が人材確保の面でも効率的なためだ。「大学とのパイプを築く」(石坂さん)という目的もあるという。  岩渕教授は「県外から多くの社会人が来るとは思わなかった。社会人以外の修了生も多くの企業から誘われ、就職できた。この2年間は一定の成果が出せたのでは」と話している。 "[he-forum 13389] 日本経済新聞九州6/11 日本経済新聞九州版2008年6月11日付 九大、スターフライヤーと連携 デザインで共同研究  九州大学は10日、新興航空会社、スターフライヤー(北九州市、堀高明社長)と研究・教育分野などでの包括的な連携協定を結んだと発表した。主にデザイン関連での学術研究を進める。  九大の芸術系機関である大学院芸術工学研究院、大学院芸術工学府、芸術工学部がスターフライヤーと「組織対応型連携協力に関する覚書」を締結した。  スターフライヤーが学部・大学院生向けの講義に講師を派遣したり、九大からインターンシップ(就業体験)を受け入れたりすることを想定。空港施設などの公共デザインやブランド力の向上を目的にした戦略策定などについての共同研究にも取り組む。セミナーや講演会などの開催も予定している。 "[he-forum 13390] 産経新聞6/11 産経新聞2008年6月11日付 産学官で共同研究推進、三重大が伊賀で拠点施設の起工式  産学官の連携による「三重大学研究拠点」(仮称)の起工式が10日、伊賀市ゆめが丘1丁目の建設予定地で行われた。三重大学と民間企業がバイオテクノロジー(生物工学)などの共同研究を進める拠点施設で、来年3月に完成し4月から運用を開始する予定。  同大学にとっては、初めて学外に設ける産学官連携の研究拠点。同市は当初、平成19年度事業として建設計画を立てたが、昨年6月に施行された企業立地促進法に基づき、事業主体を財団法人・市文化都市協会に切り替えて国庫補助による事業化を申請。20年度での建設となった。  開設に向けて同市などは今後、「地域の産業おこしにつなげてもらいたい」として、共同研究の可能な企業を募ることにしている。  拠点施設は、鉄骨3階建て延べ約1400平方メートル。研究室7室と、企業が使うインキュベーション室5室を設置。別棟に栽培実験などに活用する温室などを整備する。用地は、市が予定していた高等教育施設用地を活用。総事業費約4億2500万円のうち、国から約2分の1の補助金を得て建設する。  起工式には関係者約45人が出席し、くわ入れなどをして工事の無事を祈願した。同大学の豊田長康学長は「大学として感慨深いものがある。地域と密着できる出先機関として、地域の人々とフェースツーフェースの連携をしていきたい」と語った。 "[he-forum 13391] 6/12しんぶん赤旗 2008年6月12日(木)「しんぶん赤旗」 つくば研究機関 公務員宿舎に入居 可 財務省認める ポストドクターに朗報 紙議員要求  財務省は十日、茨城県のつくば研究学園都市にある独立行政法人研究 機関で働くポストドクター二百二十二人の国家公務員宿舎への入居を認 めることを決めました。これは同宿舎制度が始まって以来はじめてです。  日本共産党の紙智子参院議員が、二〇〇六年から二度にわたる質問主 意書と国会質問で要求したことで実現したものです。つくばに独立行政 法人研究機関を持っている関係省庁が、研究機関に勤務しているポスト ドクターに入居要望をとり、財務省と協議を続けてきました。  ポストドクターは、博士課程卒業者の短期の非正規雇用制度です。不 安定雇用であることに加えて、福利厚生などの面でも放置されていま す。若手研究者自身だけでなく、日本の科学技術の将来にとっても重大 な問題をはらんでいます。  今回の公務員宿舎への入居の実現は、宿舎に空きがあれば全国で実現 可能で、国立大学で働くポストドクターの宿舎問題の解決へ道を開くも のとなります。 "[he-forum 13392] 山形新聞6/12 山形新聞2008年6月12日付 「山形大食品MOTファンクラブ」設立 産学連携、商品づくり全過程支援  山形大と地元の食品関連企業などで構成する会員制の産学連携組織「山形大学食品MOTファンクラブ(YMF)」の設立総会が11日、山形市のホテルメトロポリタン山形で開かれた。「食農の匠(たくみ)」の育成を目指す同大大学院理工学研究科の「食品MOT(技術経営)」コースと連携し、基礎研究はもちろん、販売や宣伝まで商品づくりの全過程を支援する。  食品MOTコースは、生産技術からマーケティング・経営まで、総合的にマネジメントできる人材を育成する機関を目指し、同大大学院ものづくり技術経営学専攻の社会人コースとして昨年度開設した。国内最大級の市場データベースが安価で利用できるほか、ビジネスプラン作成講座などのメニューがあり、試作品などの加工、評価、検査をサポートする態勢も整えられている。YMFでは、これらの仕組みを地域企業に開放し、ビジネスに結び付けていく。  参加したのは、日東ベストやシベール、城北麺工、県など本県と福島県の正会員28団体。賛助会員として荘内銀行が加わった。会長に選出された日東ベストの鈴木俊幸会長は「工夫と知恵が必要な時代。学、産が結び付いて、大きな成果を挙げていきたい」とあいさつした。  本年度事業として、8月をめどにホームページを開設し、バイヤーやメディアなどに情報を発信するほか、大学講師による専門のコンサルティングを実施。必要に応じ、1万人規模の消費者モニター調査も乗り出すことにした。 "[he-forum 13393] 山梨日日新聞6/11 山梨日日新聞2008年6月11日付 講座開設し外国人向けツアーを企画 大学コンソ、観光の担い手育成  山梨県内の12大学・短大でつくる「大学コンソーシアムやまなし」は26日から、外国人向け観光について学ぶ「インバウンド観光事業企画力養成講座」を開講する。峡南地域にスポットを当てたモデルツアーを手掛ける実践的な内容も盛り込み、外国人向け観光商品開発などの担い手育成を目指す。現在、受講生を募集している。  講座は、文部科学省の社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業の採択を受けた「やまなしインバウンド観光教育プログラム」の一環で、昨年度からスタート。本年度は外国人向け観光の基礎理論などを学ぶ講義に加え、外国人観光客向けのモニターツアーを企画し、実施するという新たな要素を加えた。  ツアー企画には、身延町を中心とした峡南地域の温泉や宿泊、史跡などの観光資源を活用。身延山周辺での宿坊体験などが想定されるが、地元住民らとのワークショップも交えるなど地域の魅力や課題を探りながら2泊3日程度のツアーを設計。留学生らに体験してもらい、外国人のニーズに応えられるツアーの完成を目指す。将来的にはツアーの商品化も検討していく。  講座の定員は20人。受講期間は来年2月までで、全15回の講義を予定している。講義とは別に県内外の観光地を訪れ、食文化やワインなど地域の魅力を体験する現地実習も開く。問い合わせは同コンソーシアム事務局、電話055(244)6707。 "[he-forum 13394] 福井新聞6/12 福井新聞2008年6月12日付 県内8大学、短大、高専 連携強化へ推進会議  県内8つの大学、短大、高専と県のトップ懇談会が11日、県庁で開かれた。各校が共同で取り組む地域貢献活動を支援する「大学連携リーグ」事業の強化に向け、実務者レベルの推進会議を新設することを決めた。早ければ今月中にも立ち上げる方針で、教育・研究機能の充実や経営基盤強化を目指し、新たな連携策を検討する。  2007年度に始まった同事業は、各校が連携して研究・技術レベル向上や人材育成を図ることが狙い。共同研究や小中高校での授業、県民向けの生涯学習講座などを実施している。  推進会議の設置は、少子化による大学入学者の減少など厳しい環境を踏まえ、県側が提案した。教員同士の授業参観交流や社会人対象講座での地域貢献、学生や外部資金確保に向けた合同説明会などの連携策を例に、各校の教員らが内容や課題を話し合う。  懇談会には8校の学長、理事長、校長と西川知事が出席した。学校側からは「社会人講座はニーズがなければ成り立たず、実施前に企業などの需要調査が必要」(県立大・祖田修学長)、「学生の質の変化が大問題で、レベルを上げるために高校との連携が重要になる」(福井大・福田優学長)などの意見が出た。  知事は各校に主体的な取り組みを求めた上で、「連携の議論をできるだけオープンにし、県全体で学校や学生をサポートする地域だということを分かってもらわなければならない」と話した。  また、各校が県内外の大学、研究機関などと取り組む共同研究に県が助成する「連携研究推進事業」で、本年度15件を採択したことが報告された。 "[he-forum 13395] 信濃毎日新聞6/12 信濃毎日新聞2008年6月12日付 バイオマスの活用探る 全県組織が発足へ  信大や県、県内企業などが、間伐材や食品残さ、キノコ生産で使った廃培地といったバイオマス(生物資源)の有効活用を探る全県組織「バイオマスユーティリゼーション研究会」を7月1日に発足させる。当初はバイオマスを農業で使う燃料や食品に使うシステムの構築を目指す計画。原油価格の高騰を背景に産学官、農商工の連携を強め、一部にとどまっているバイオマスの利用を拡大し、産業化にもはずみをつけたい考えだ。  信大地域共同研究センター(長野市)などが呼び掛け、信大の工、農、繊維の3学部と大学院、長野高専、県、長野市、須坂市、千曲市、県農協地域開発機構(長野市)、直富商事(同)、日本電熱(安曇野市)などが加入して活動を始める。テーマごとにプロジェクトを設け、産業化に向け具体的な研究開発に取り組む。  プロジェクトの1つとして、本年度はバイオディーゼル燃料(BDF)の循環システムの研究に着手する。遊休農地で栽培するヒマワリの種から採取した油を販売し、使用済みの廃油を回収。一方でキノコの廃培地から抽出した糖分からエタノールをつくり、回収した廃油と反応させてBDFを精製し、トラクターの燃料などに使う。  ヒマワリの油や廃培地の糖分でドレッシングなどの開発や、ヒマワリ農園で観光振興などにも取り組む。  将来的な開発計画には、廃培地や間伐材を加工した固形燃料のほか、ワインやジュースの製造過程で出るブドウなどの搾りかすを使った機能性食品や化粧品などが挙がっている。  研究会は今後も、幅広く企業や自治体に参加を呼び掛ける。事務局を務める信大地域共同研究センターの藤井国久・産学官連携コーディネーターは「さまざまなアイデアや技術を集めて実用化に結び付けたい」と話している。 "[he-forum 13396] 毎日新聞6/12 毎日新聞2008年6月12日付 大学CIOフォーラム:なくせ「縦割り」の弊害 模索する国立大  大学のIT戦略を統括するCIO(最高情報責任者)が意見交換する第5回「大学CIOフォーラム」が11日、東京都内で開かれた。東大、京都大など全国11大学のCIOが実情を報告。「縦割り」の弊害をどのように改善するか模索する国立大の姿が浮き彫りになった。  国立大が「障壁」として挙げたのは、各部局ごとに人事情報や管理システム、予算権が分散していること▽予算が年度別で長期的な計画が組めないことなど。大阪大の竹村治雄・サイバーメディアセンター長は「今はシステムごとに予算を要求する『自転車操業』状態。ばらばらに更新していると、全体の最適化はできないので、中期的な計画を立てているが、現場の教員との意思疎通が難しい」と話した。会場の大学関係者からも「ネックは予算権。獲得のポイントを教えてほしい」との声があがった。  それに対し、筑波大の腰塚武志副学長は「ようやく予算権をCIOに集約し、大学全体の機器利用を分析して、整備計画をまとめた。全体を見渡せたところで、2台あったスーパーコンピューターを減らすなど、誰でも納得するところから削減している」と説明。東北大も今年4月、学内のIT戦略を担当する情報シナジー機構を改編。各研究室ごとに負担金を算定し、学部から徴収する方法で予算を確保した。  東大の岡村定矩副学長は「ITサポートは教育、研究、事務という目的ごとに考えることを共通認識にした方がいい」と指摘。部局ごとに持っていた研究員などの人事データを、大学全体を網羅したものに切り替え、適正な人員配置を模索。部局ごとの『ローカルルール』を排除するのにも役立つという。  一方、私大の同志社大は学校の事務効率化よりも「学生へのサービス提供」をIT化の目的にする。真胴正宏・総合情報センター長は「学生を集めることが優先。優れた研究者がいても保護者は評価しない」と明言。同大では独自システムで、履修登録・取り消し、成績通知、授業アンケートなどを実施。中でも、成績評価に海外の大学で採用されているGPA(Grade Point Average)制度を導入。平均点が重視されることから、自宅から登録したものの受講してない教科の履修を取り消せば、平均点が下がらないため、利便性は高いとみている。  CIOフォーラムは05年11月にスタート。IT基盤整備について大学共通の課題を議論するために、マイクロソフト、三菱総合研究所を中心に、IT関連企業らが支援して開催している。【岡礼子】 "[he-forum 13397] 共同通信6/12 共同通信2008年06月12日17時01分 支援怠れば「教育亡国」 高等教育投資拡大求め声明  高等教育への支援を怠れば、日本は「教育亡国」の道を歩むことになる-。慶応大の安西祐一郎塾長ら中教審委員の4人が12日の会合で、教育振興基本計画の策定を進める政府に、大学や大学院など高等教育への財政支出拡大を訴える緊急声明を発表した。渡海紀三朗文部科学相にも要望書を提出した。  基本計画をめぐっては、現行の国内総生産(GDP)比3・5%の教育予算を、今後10年間で経済協力開発機構(OECD)諸国平均の同5・0%に拡大するとした文部科学省原案に対し、歳出拡大につながる数値目標の設定に財務省が反発。2007年度中を予定していた閣議決定が大幅に遅れている。  声明は「高等教育のグローバル化で人材の獲得競争が激化している」と指摘。世界最高水準の教育研究環境を整備して優秀な学生を引きつけ、教育の成果や質を向上させるためには、政府による教育投資の数値目標設定や財政支出の強化は重要と主張している。 "[he-forum 13398] 6/13しんぶん赤旗 2008年6月13日(金)「しんぶん赤旗」 将来が不安、 不払い残業告発も 若手研究者アンケート HPに切実な声次々  若手研究者の就職難と劣悪な待遇が社会的な問題となるなか、日本共 産党学術・文化委員会が党のホームページ上で募っている若手研究者ア ンケートに、当事者であるポストドクター(半年から三年の短期雇用研 究員、ポスドク)、非常勤講師、オーバードクター、大学院生から、切 実な声が多数寄せられています。  ポスドクからは、契約終了後の就職が見えず、精神的に追い詰められ ているとの声が、際だって多く寄せられています。  「契約が数年で終わるので、精神的にも経済的にも不安定。企業、研 究職、ポスドクの募集はすべて年齢制限がある。将来は研究と全く関係 のないアルバイト生活をよぎなくされるのだと暗い気持ちです」、 「『うつ』で研究を二度休みました」、「死ぬまで極貧ですか? 自殺 者も数人出ています」  「不払い残業がある」など労働基準法違反を告発する声も寄せられて います。  「契約書では平日のみ一日八時間労働で、時間外勤務はないと書きな がら、土曜、日曜の勤務を強要し、その分の賃金は払わない」、「一日 六時間、週五日、時給千六百円という契約だったのに、実際は一日十二 時間以上の労働。休日も夜遅くまで働いている。内部告発がないのは、 教授に反抗することが自分の将来を破壊することになるから」  非常勤講師からは、講師料値上げ、待遇改善を求める声が、多数寄せ られています。  「前日に飛行機で通勤し、一泊して翌朝授業していますが、移動時間 の時給はなし。準備や採点の所要時間を考慮するとコンビニのバイトの ほうがましです」  党学術・文化委員会は、アンケート結果をもとに、問題の解決にむけ て、関係団体との対話や政府への働きかけを強めることにしています。 "[he-forum 13399] 6/13山形新聞 夜間休日の“迷惑患者”に特別料金 山大病院「救急機能守るため」 2008年06月13日 10:07 緊急性がない場合は特別料金を徴収することを知らせる救急外来の掲示 =山形市・山形大医学部付属病院  夜間や休日の救急外来を訪れる患者のうち「夜の方がすいているか ら」「薬をもらいに来た」など、緊急性のない「モンスター・ペイシェ ント(理不尽な要求を突き付ける患者)」を防ぐため、山形大医学部付 属病院は今月から、緊急処置が必要ない患者に8400円の特別料金 を負担してもらう制度を導入した。救急での軽症患者の増加は全国で問 題となっており、医学部は「一刻を争う重症患者に全力を注ぐという本 来の救急機能を守るため」としている。  医学部によると、2007年度の同病院の救急患者数は9310 人。休日や平日夜間(午後5時-翌午前8時半)に集中し、 約8割は入院の必要がない軽症患者。中には「平日は仕事だか ら」「夜の方がすいている」「数日前から風邪で鼻水が止まらない」な どの理由で利用する人も少なくないという。重症者の対応に支障が出る ほか、患者増による医師の負担は大きく、勤務医不足の要因の1 つと指摘されている。  特別料金は、こうしたケースを念頭に、救急担当医が緊急性や処置の 必要がないと判断した場合に徴収する。患者には受け付け時に説明し、 12日までに「薬をもらいに来た」などの6件で適用した。  この制度に、山形市内の女性(50)は「過重労働から守らない と、医師がつぶれてしまう。緊急度も医師が判断するなら納得でき る」、同市内の男性(64)も「病院に行く必要性の低い人が減る なら良いのでは」と肯定的。一方、「罰金みたい。家族の具合が悪く なったら不安だ」(東根市内の女性)との声もある。  嘉山孝正医学部長は「軽症患者すべてを対象にするわけではなく、あ くまで、重症患者が適切な救急医療を受ける権利を守る姿勢を示すのが 狙い。医師不足の面からも医療機能の分担が必要で、高度な3次 救急を担うべき病院をコンビニのように利用するケースを抑止したい」 としている。 モンスター・ペイシェント 医師や看護師らに対し、理不尽な要求や自 己中心的な行動をする患者を「怪物」に例えた言葉。度を超えた苦情や 現代医学では不可能な要求、病院の利用に対するモラル低下などで、近 年こうした患者の増加が指摘されている。教育現場では、無理難題を求 める保護者をモンスター・ペアレント(親)と呼ぶことがある。 "[he-forum 13400] 山形新聞6/13 山形新聞2008年6月13日付 産科医に「分娩リスク手当」 山形大病院が創設  山形大病院(山形市)は12日、分娩(ぶんべん)に従事する医師に対し、一律に特別手当を支払う「分娩リスク手当」を創設したことを明らかにした。医師の仕事への意欲を高めるのが狙いで、深刻化している産科医不足の解消につなげたい考えだ。  急変などのリスクを伴い、医師の負担が大きい分娩については、東北でも夜間の出産時などに手当を上乗せする病院が出ているが、山形大病院によると、勤務時間の内外を問わず分娩業務に手当を支払うのは、大学病院としては東北で初めて、全国でも3例目という。  山形県内では他地域と同様、過酷な勤務と不十分な待遇、訴訟のリスクが高いことなどを理由に産科医が減少している。最上や置賜地方では医師一人で年間200件以上の分娩を扱う病院もある。  山形大病院の分娩件数は、過去3年間の平均で136件。件数は決して多くはないが、母親が合併症を発症したり、胎児に異状が確認されるなど、3次救急で危険性の高い分娩を扱っている。産科医や分娩に立ち会う小児科医の肉体的、精神的な負担はより大きいと判断し、手当を支給することにした。  手当は一件の分娩業務につき2万円。2人の医師が携わる場合は各1万円、3人の場合は各7000円を支給する。一人当たり年間20万円ほどの収入になる見込みという。  嘉山孝正医学部長は「金の問題ではなく、それぞれの仕事を認めることで、若い医師のやる気を引き出すことができる」と説明。倉智博久産婦人科診療科長は「県内では妊婦の受け入れ拒否の例はなく、必死に頑張っているが、それにも限界がある。産科医を確保するためにも、県内全体の病院にこうした動きが広がってほしい」と話した。  一方で同病院は、夜間や休日など時間外に診療を受ける患者のうち、緊急性がないと判断される患者から、特別料金(一人8400円)を今月1日から徴収していることも明らかにした。緊急の処置が必要ではない患者が時間外に訪れるケースが増え、急病や重症の入院患者の診療に支障が出ているためだという。 "[he-forum 13401] 毎日新聞秋田6/13 毎日新聞秋田版2008年6月13日付 かかりつけ医:育成へ、秋田大医学部に寄付講座 県が関連予算案提出へ  具合の悪い人がまず訪れる地域診療の窓口「かかりつけ医」を育成しようと、県は秋田大医学部に寄付講座を設けることになった。関連予算案を6月議会に提出する。  県医師確保対策推進チームによると、秋田大に担当教授や準教授計3人を配置して10月に講座を開設。地域医療や家庭医学を指導するほか、農村部などの診療所での実習も予定している。学生に加え、現役の医師向けのプログラムも用意する。  また、かかりつけ医と医療機関の連携のあり方についても検討を進める。  かかりつけ医の役割は、主に開業医が担う。患者の既往症などを知ったうえで症状を見極めて適切な処置をするほか、必要な場合は専門的な治療をする病院を紹介する。このため、診療科以外の幅広い知識が求められる。  県によると、かかりつけ医は地域の人たちにとって症状が悪化する前に体調について気軽に相談できる場となる。また多忙を極める総合病院の混雑緩和への期待もある。  同チームの保坂学リーダーは「高齢者が増えていくなかで、医師不足対策と地域医療の充実を進めることができる」と話している。【馬場直子】 "[he-forum 13402] 毎日新聞6/13 毎日新聞2008年6月13日付 ひと:松本紘さん 次期京大学長に決まった    独立法人化で財政的に厳しい環境に置かれる国立大。京都大でも創立以来の「自由の学風」の足元が揺らぎ始めているようにも見える。そんな懸念を意識してか、先月の就任決定後の記者会見では冒頭「自由の学風の伝統をきちんと堅持していきたい」と明言した。  05年10月から、研究や財務担当の副学長兼理事として大学運営に奔走した。山中伸弥教授が世界で初めて人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作成に成功すると、研究センター、産業応用懇話会、特許管理会社の設立など次々と支援策をリード。持ち前の「スピード感」を発揮した。そのためか、周囲からはビジネスや官僚の経験があると思われることが多いという。  「顔つきは悪いが、心は優しいと思っています」と笑う。研究でも教育でも、重んじるのは人間関係。「学問は真実を巡る人間関係である」が信念だ。任期は6年間と長丁場だが「人間が好きなので、マネジメントも楽しんでできるんじゃないか」と意欲を語る。  47歳で始めたゴルフでは、練習に熱中するあまり自宅の畳をえぐり、シャンデリアを壊した。人一倍負けず嫌い。それでいて対応能力は融通無碍(むげ)。「私は(状況に応じて変色する)カメレオン」。5年間で100人規模の若手研究者ポストを作る構想を練るなど、早くも独自色を見せ始めている。【朝日弘行】  【略歴】松本紘(まつもと・ひろし)さん 京大工学部卒。宇宙プラズマ物理学専攻。京大生存圏研究所長などを歴任。妻と2人暮らし。65歳。 "[he-forum 13403] 6/14しんぶん赤旗 2008年6月14日(土)「しんぶん赤旗」 全大教と党が懇談 学費軽減と就職難解決めぐり  日本共産党学術・文化委員会の足立正恒責任者らは十二日、東京都内 の全国大学高専教職員組合(全大教)を訪れ、森田和哉書記長、藤田進 中央執行副委員長らと、党の「学費提言」と若手研究者の就職難解決に ついて懇談しました。  足立氏は、「学費提言」について、経済的理由で学業を断念する若者 を生まないための最小限の施策をまとめ、国民的運動をよびかけたもの と説明。国立大学での授業料減免制度の拡充など、学費負担軽減の実現 に向けて協力を強めたいとのべました。若手研究者問題については、当 事者の問題にとどまらず、学術の将来にかかわる問題として、解決にむ けて共同したいとよびかけました。  全大教からは、「経済的理由で学業をあきらめる若者が増えている。 提案のとおり、免除枠の拡充を東大だけにとどめず、すべての国立大学 に広げるために国の減免予算枠を拡充すべきだ」「一橋大学十校分にも およぶ運営費交付金の削減と人件費5%削減策により、教員退職後のポ スト不補充が広がっている。このために若手教員の養成や人材確保にも 支障が生まれている。これらの解決に取り組んでいきたい」などの意見 が出されました。  懇談では、法人化による教育研究環境の悪化とこれを打開する運動に ついても、活発に意見を交わしました。 "[he-forum 13404] 6/16しんぶん赤旗 2008年6月16日(月)「しんぶん赤旗」 ゆうPress 学費ゼロ 私大でも 早稲田大学ZEROネットの挑戦 “高学費は人生を左右する問題”  全国の私立大学で毎年1万人が経済的理由で中退―。「お金の心 配なく学びたい」と、学生たちが学費負担の軽減へ立ち上がっていま す。(学生は一部仮名)染矢ゆう子  「こんにちは。早稲田大学の学費ZEROネットです」。スーツに身 を包み、首から「学費ZERO調査員」の身分証をさげたメ ンバーが、中庭や校舎で昼食を食べているグループに話しかけ、アン ケートを手渡します。  「日本の学費は世界で一番高いってご存じですか? 困っている実態 を、国会にもっていったり、当局と交渉したりして、引き下げた いんです」との訴えに、多くの人が応じます。 毎日、水風呂  「書かない」といっていた人も、「うち4人兄弟でまじやばいんだ」 という友だちの声を聞いて「書くよ」となったり。  先月、2日間で203人の声が集まりました。  ネットのメンバー、有希さん(人間科学部4年)は「私たちが 聞いたその前日に水道が止められた人もいたし、ガス代が払えず、毎日 水風呂に入っているという人もいました。みんな身なりもよくて、聞か ないとわからなかった」と話します。  雄介くん(商学部3年)も「法曹をめざしているのに学費 が払えずロースクールに行けないとか、学費を稼ぐため夜勤漬けで留年 が決まり奨学金を止められたとか、人生を左右するほど切実な問題。若 者が生きいきするには、学費を下げなければ」と力をこめます。  学費ZEROネット東京は「学費の負担軽減と大学予算の増額」を求 める個人のネットワークとして、5月30日に東京都学生自治会連合の よびかけで結成されました。 世界に遅れる  早稲田大では、結成にむけた学習会に1年生の和也くん(政経学部) が参加し、「日本の学費が世界一高いことを初めて知った。困っている 学生の実態を伝えたい」とネットに加わったことから、アンケート調査 が始まりました。  友だちの夏夫くん(法学部)も「うちも親の年収は400万円以下。 卒業するまでは親の役目だから、と父は教育ローンを組みました。受験 生の時に東大の免除制度を新聞で知って、入学したら自分も運動したい と思っていた」とネットに加わりました。  日本の学費が世界で特別に高く、多くの国が無償になっていることは あまり知られていません。学費無償化をすすめる人権規約に批准してい ないのは日本、ルワンダ、マダガスカルだけという説明に、「日本はそ んなに遅れていたの?」と、運動に共感が広がります。「署名を集めま す」「いっしょにやりたい」という人も少なくありません。6月もひき つづきアンケート調査をおこなっています。  「私大だから財政上のムダをなくしたり、学生のために工夫できるこ とはあるはず。学生の声をもっと大きくし、実際に学費を下げられるよ うな運動にしたい」と有希さん。ZEROネットの挑戦はつづきます。 高学費で困っていること、不安なことは(200人の複数回答) ●学習時間を削っている…18人 ●必要な教科書が買えない…23人 ●バイトを多めにしている…41人 ●食費を削る…49人 ●バイトで睡眠時間を削っている…17人 ●大学院進学をあきらめた…15人 ●親や兄弟に苦労をかけてつらい…90人 ●兄弟や友人に、高学費のせいで大学進学をあきらめた人がいる…18人 ●一人暮らしをあきらめ通っている…46人 東大の免除制度 全国に広げたい  東京大学教養学部学生自治会委員長の西川龍平さん(2年) 東京大 学ではことしから親の年収が400万円以下の人の学費免除が始ま りました。1年生にアンケートをとると「受験勉強に集中できた」「親 が安堵(あんど)した」と制度を歓迎する声がたくさんありました。 「去年入学して、母親が学費のためにパートで働きうつ病になった。あ と1年早く制度ができていたら」という2年生の声が忘れられません。 ほかの大学でもすぐにでも実行すべき制度です。副学部長も「本来国が やるべき免除制度だ」と話していました。学生が声をあげてできた制度 です。声をあげれば実現できます。 日本共産党 私大授業料の直接助成を求める  日本共産党は、東京大学の授業料免除制度をすべての国立大学に広げ ることや、親の年収が400万円以下の私立大学生に国が直接授業料を 助成する制度の導入などを提言しています。 "[he-forum 13405] 朝日新聞6/16 朝日新聞2008年6月16日付 国立大に広報の「プロ」 広告会社・予備校…民間から続々  国立大学で、広報担当者に学外から「プロ」を招く動きが広がっている。広告会社、民間企業の広報担当、科学ライター、予備校・受験産業など、出身はさまざま。少子化や法人化で広報の役割が高まるなか、それぞれの持ち味を生かしながら大学のPRに努めている。(杉本潔) ■報道資料改善、注目アップ  今年4月、信州大の広報・情報室長に就任した伊藤尚人さん(49)は、地元の広告会社の出身だ。「職員は通常の人事異動で配属されるので、戦略的な広報はできない」(野村彰夫理事)と「プロ」を公募したところ、大手広告会社の出身者など25人の応募があった。  さっそく取り組んでいるのが大学のホームページと広報誌の見直しだ。ホームページは学部・学科ごとにバラバラで見る人に親切ではないとして基本的な体裁の統一を提案。広報誌は対象を明確化して広告を掲載することにした。大学側は「アイデアが次々と出てきて、まさに水を得た魚のよう」(野村理事)と評価。伊藤さんは「信大というブランドを築き上げていきたい」と意気込む。  05年に北陸先端科学技術大学院大の広報室長になった松島健一さん(59)は飛島建設の広報室長から転じた。  力を注いだのが報道発表資料の改善。以前は教員が書いたものをそのまま送っていたが、教員に頼んで、やさしく書き直してもらったり、専門用語の説明をつけてもらったりするようにした。「○○を発見した」という場合には「将来何の役に立つのか」にも、ふれてもらった。  その結果、資料から新聞に掲載された件数は前年より6割以上増えた。「内容が面白ければ、書き方次第で注目度を高めることができる。自社の資料に目を留めてもらうために工夫してきた経験が役に立った」と話す。 ■TV・講演「歩く広告塔」  東京大工学部の広報室は昨年7月、家事などを科学の目で読み解いてきた科学ライター、内田麻理香さん(33)を広報専任の特任教員に招いた。同学部の博士課程まで進んだ経歴と、母親という柔らかいイメージに目をつけた。  狙い通り、内田さんはテレビ番組で料理の科学をわかりやすく説明したり、講演会で女子高校生とその母親に理系の楽しさを話したり、引っ張りだこの人気ぶりだ。無料の女子高校生向け工学系進学情報誌に掲載された同学部の広告ではモデル役も務めた。  広報室長の大久保達也教授は「工学は狭くて暗いイメージでとらえられがちで進学する女子学生の割合も低いが、内田さんを見るだけで、そのイメージを破れる。まさに歩く広告塔です」と期待する。  一方、志願者を増やして優秀な入学者を確保するための「入試広報」でも、学外出身者が活躍している。  静岡大では03年10月に全学入試センターを新設した際に専任の教授を公募。河合塾で大学コンサルタントをしていた寺下榮さん(57)と、旺文社で受験雑誌の編集長などをしていた村松毅さん(55)の2人を招いた。  山本義彦副学長は「入試業務は普通の教員にとっては片手間にならざるを得ない。少子化の中で優秀な学生を獲得する方法を、入試のプロに考えてもらおうと思った」とねらいを話す。  2人は06年度入試で、少子化対策や私立大に流れていた受験生を取り込むためにセンター試験の必要科目を減らすよう提案。6学部中3学部が取り入れ、06、07年度の志願者増につなげた。このほか月1回、土曜日にJR静岡駅前で進学相談会を始めたり、合格者のセンター試験の得点を公表して受験生が静岡大を選びやすくしたりした。  さらに受験生の立場から、学部・学科について、わかりやすい名称や、時代に合ったあり方まで提案している。山本副学長は「大学の教員はマネジメントの専門家ではないので、2人がいるメリットは大きい」と話している。 ■法人化で柔軟に  文部科学省が06年3月に実施した調査によると、国立大で広報の専門部署を置いているのは8割弱。担当者を学外から受け入れているところは9%、受け入れ予定なのは7%で、その後も増えているとみられる。  国立大ではこれまで、広報の部署も通常の人事異動の一環に位置づけられてきたため、広報の専門家はあまり育っていない。これに対し、少子化や法人化などで広報の役割が高まってきたことから、法人化による人事制度の柔軟化をいかして学外から「プロ」を招くことで、そのギャップを補おうとしているのではないかという。 "[he-forum 13406] 釧路新聞6/15 釧路新聞2008年6月15日付 北大大学院と人事交流で連携、標津町   標津町と北大大学院の農学研究院(服部昭仁院長)は、森林再生に関する地域振興を目的とした人材交流で、連携することで合意した。当面は、草地の森林再生事業を軸に進め、将来的には、町づくりの分野への取り組みを拡大させたい考えだ。9月下旬には協定書を交わすための調印式を行い、町農林水産課に連携事務局を設置する予定だ。北大農学部が関連した、道内の自治体との連携は富良野市、空知管内栗山町に続いて3例目。地域の森林づくりを軸とした大学との連携協定は、全国でも例がないという。また、調印式と同時に協定締結記念のシンポジウムも開く。 "[he-forum 13407] 毎日新聞石川6/17 毎日新聞石川版2008年6月17日付 金沢大:わが国ベスト10大学を目指す 学域学類発足式  今春から学部学科をなくし「3学域・16学類制」を採用した金沢大は16日、学域学類発足記念式を、金沢市の角間キャンパス自然科学大講義棟で開いた。  同窓生や関係者約500人が出席。中村信一学長が「社会の要請や学生のニーズに応えるもので、教育重視の研究大学実現に向けた第一歩。わが国ベスト10大学を目指したい」とあいさつ。室生犀星作詞の校歌を、金沢大合唱団員が斉唱した。  3学域は人間社会、理工、医薬保健で、各学域の中に法学類などの学類を設けている。整備が進む角間キャンパスには今後、がん研究所、学際科学実験センター、学生宿舎などを建設する。【松田秀敏】 "[he-forum 13408] 物理学会誌掲載の「ある非常勤講師の場合」を全文転載 佐賀大学の豊島です. 物理学会誌の6月号(最新号)に,元信州大学教授の勝木渥氏による 「ある非常勤講師の場合」という文章が掲載されました.非常勤講師を 専業として生計を立てている人の生々しい実態が明らかにされています. 著者と同誌編集部の許可を得て,次に転載します. http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/part-timer.html 入り口(ブログ) http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2008-06-18 最新号なので,通常は掲載一ヶ月後からしか転載の許可が出ないのです が,著者のプッシュもあり異例の早期転載を認めてもらいました.大学 教育にたずさわる者の間でこのようなひどい「格差」が放置されてよい とは到底思えません. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 13409] 時事通信6/18 時事通信2008年6月18日16時22分 今年度は29大学68件=「優れた教育研究」を採択-文科省  文部科学省は18日、大学院の優れた教育研究拠点に予算を重点配分する「グローバルCOEプログラム」の2008年度の採択結果を発表した。今回は医学系など5分野が対象で、29大学、計68件の研究が選ばれた。同省は12年度まで1件当たり年5000万~5億円程度を支給する。  130校から計315件の申請があり、実績などを基に、国立から計55件、私立から計13件が選ばれた。公立はゼロ。全体の採択率は21%だった。  学校別では、東京大が最も多く選ばれて10件で、東北大7件、京都大6件が続いた。私立では慶応大の4件が最多。 "[he-forum 13410] 河北新報6/18 河北新報2008年6月18日付 山形大大学院に新コース 世界戦略練る人材育成  山形大は17日、2009年度から大学院理工学研究科のものづくり技術経営学(MOT)専攻に、世界的な視点に立って経営や技術の戦略を立案する人材を育成する「世界戦略MOTコース」を開設する方針を明らかにした。山形県内企業の技術力を生かし、より付加価値の高い事業を展開できる人材を育て、地域の再生につなげるのが狙いだ。  新設するコースでは、世界市場を俯瞰(ふかん)しながら製品の開発から生産・販売までを総合的に調整、監督できる人材を育成する。総合大学の特色を生かし、文理融合型の実践的なカリキュラムを組むほか、アジア諸国に進出している企業へのインターンシップも計画。商社や金融機関などのネットワークを活用して最新の情報を入手し、学生に教える。  入学定員は6人。工学部などの卒業生のほか、エレクトロニクス分野の企業経営者や企業をサポートする立場の金融機関職員、行政担当者らの入学を見込んでいる。  同コースは「世界俯瞰の匠(たくみ)」育成プログラムと名付けられ、文科省の「科学技術振興調整費・地域再生人材創出拠点の形成プログラム」に採択された。本年度から5年間で2億5000万円の助成を受ける。  本年度はカリキュラムの開発に取り組むと同時に、7月から9月にかけ、企業関係者ら一般を対象にした「地域中小企業のためのグローバル戦略」と題して計5回の公開講座を開催する。  同大地域共同研究センターの小野浩幸副センター長は「これまでのビジネスモデルにとらわれず、グローバルな競争に対応できる人材を育てたい」と話している。 "[he-forum 13411] 山形新聞6/18 山形新聞2008年6月18日付 山形大大学院に新コース 09年度から「世界戦略MOT」  山形大は17日、2009年度から同大大学院理工学研究科ものづくり技術経営学専攻に「世界戦略MOT(技術経営)コース」を開設することを明らかにした。地域の中小企業が国際競争力を持つことができるように、総合的に世界市場を俯瞰(ふかん)できる人材の育成を目指す。  同コースは、文部科学省の科学技術振興調整費に採択された「『世界俯瞰の匠(たくみ)』育成プログラム」に基づき設置する。同大地域共同研究センターの小野浩幸教授は「県内の製造業は、海外との競争が激しさを増し、低価格による収益性の低下が進んでいる。世界戦略を立てられる人材の育成が急務だ」とプログラムの狙いを説明する。  同調整費には08年度、全国から247の提案があり、同大を含む62案が採択された。プログラムは5カ年で資金は各年度5000万円。具体的には新コースを設置し、グローバルマーケティングから品質管理、リスクマネジメントまで、ものづくりの全工程を世界的視野で戦略化できる人材づくりを進める。  新コースの定員は6人で、学部卒業生のほか、エレクトロニクス分野の地域企業の経営者や、金融機関職員、行政担当者などの入学を予定している。カリキュラムは、総合大学の強みを生かし、文理融合による実践的な学習を取り入れ、海外インターンシップの実施や地域の産業界との密接な関係を基盤としたプログラムを展開する。  小野教授は「人材を輩出し、地域のものづくり産業の再生を図っていきたい。成果が挙がれば、恒常的なコースにしていく」と話している。 "[he-forum 13412] 毎日新聞6/19 毎日新聞2008年6月19日付 グローバルCOEプログラム:29大学院、68件に平均2.6億円交付--文科省  文部科学省は18日、大学院の優れた研究に資金を援助する「グローバルCOE(卓越した拠点)プログラム」の今年度の選考結果を公表した。国公私立大130校から315件の申請があり、29校の68件が選ばれた。各拠点には今年度から5年間で平均約2億6000万円が交付される。  プログラムは、「21世紀COEプログラム」の後継。昨年度から始まり、採択拠点を半分に減らす代わりに1件当たりの支援金を倍増した。  昨年度の63拠点との合計131拠点に計約340億円が投じられる。主な採択例は「エイズ制圧を目指した国際教育研究拠点(熊本大)」「次世代型生命・医療倫理の教育研究拠点創成(東京大)」など。【加藤隆寛】  <08年度グローバルCOEプログラム大学別採択状況>  【国立・55件】 採択数 大学名  10 東京大   7 東北大   6 京都大   4 大阪大   3 北海道大     東工大     名古屋大   2 千葉大     一橋大     神戸大     九州大     熊本大   1 帯広畜産大     山形大     東京医科歯科大     横浜国大     山梨大     鳥取大     愛媛大     長崎大     政策研究大学院大  【私立・13件】   4 慶応大   3 早稲田大   1 玉川大     東京工芸大     東京理科大     明治大     立命館大     近畿大 "[he-forum 13413] 読売新聞6/18 読売新聞2008年6月18日付 大学が学術雑誌買えない 値上がり、予算減で 研究に影響懸念  学術雑誌の価格が高騰して、大学が購入を取りやめる事態も起きている。  「大学や独立行政法人が悲鳴を上げている。重要な情報源が維持できない」。4月10日の総合科学技術会議で、金沢一郎・日本学術会議会長は福田首相に窮状を訴えた。  山口大の図書館は昨年末、雑誌を扱う出版社シュプリンガーとの購読契約を打ち切った。千数百万円の経費削減となったが、約1300の電子雑誌が読めなくなり、研究者の個人購読に切り替えた。理系、文系を問わず、過去の成果や最新の動向を知ることは研究の第一歩。学術雑誌が読めなくなれば、その基盤が損なわれかねない。丸本卓哉学長は「買いたくても買えない。研究の根幹にかかわる」と危機感を募らせる。  他大学も、共同で複数の雑誌を割安な価格で一括購読したり、独自に蓄積した論文をホームページで無料公開したりするなどの対策を取る。しかし、研究費や論文の数が増える一方で、大学の図書館の予算は削減傾向にある。雑誌の価格は毎年5~8%のペースで値上がりを続けており、努力だけでは限界がある。  値上がりは、紙媒体と電子媒体の両方を発行することなどで出版社の製作コストが上昇しているのが原因。研究の分野が拡大して、雑誌の数も増え、現在では2000以上の出版社が2万以上の雑誌を発行する。雑誌の購入費用は膨らみ、2004年度に日本の大学の外国雑誌購入の費用は334億円に上った。  国立大学図書館協会は4月、「厳しい財政状況下、努力も限界。学術雑誌の利用環境が崩壊する」という声明を出した。国立大学協会も2月、「一大学の問題ではない。国全体で検討してほしい」と文部科学省に要望した。  一方、出版社側は「我々が勝手に雑誌を創刊しているのではなく、研究者が新分野を開拓し、論文を量産している」(大手出版社幹部)と強気だ。皮肉にも、研究者は論文を投稿して雑誌の権威と価格を支えている側面もある。  5月に東京大で、大学と出版社の双方が出席して開かれた学術雑誌のシンポジウムでは、国の予算増を求める声が相次いだが、解決は容易ではなさそうだ。(山田哲朗) "[he-forum 13414] 日本経済新聞東北6/18 日本経済新聞東北版2008年6月18日付 南東北3国立大が連携し基盤強化 山形・福島・宮城教育  山形大学(山形市、結城章夫学長)、福島大学(福島市、今野順夫学長)、宮城教育大学(仙台市、高橋孝助学長)の南東北3県の国立大学3校が連携することで合意した。第1弾として高校生らを対象とした進学説明会を3校共同で開催する。大学全入時代を迎えて学校間競争が激しくなる中、県境を越えた連携で基盤強化を図る狙い。  合同進学説明会は29日午後、JR仙台駅前の複合商業施設「アエル」内で開く。3校の担当者らが大学の特色をそれぞれアピールするほか、大学ごとに分かれたブースで個別相談にも応じる。3校は受験生獲得では競合関係にあるが、「単独で開催するよりも集客効果が高い」(山形大)と判断した。  今後はファカルティ・デベロップメント(FD、大学教職員の資質向上・能力開発)面での協力や事務職員らの人事交流なども模索する見込み。 "[he-forum 13415] 毎日新聞神奈川6/19 毎日新聞神奈川版2008年6月19日付 横浜国立大:秋季入学制度を導入 外国学校卒業者対象に  横浜国立大(横浜市保土ケ谷区)は今年度から、教育人間科学部の国際共生社会課程で秋季入学制度「横浜21世紀プレミアム入試」を導入する。海外の学校を卒業した学生を対象に若干名を募集する。  外国の学校に2年以上在学して卒業したことなどが条件。現地での成績を含む書類選考と面接で8~9月に選考し、10月に入学する。同大入試課は「国際性のある学生の受け入れを図りたい」と話している。国立大学では東北大、新潟大などが既に秋季入学制度を設けているという。  また、同課程では今年度、最短3年半で卒業できる「早期卒業制度」も設けた。秋季入学の学生が、国内での就職や進学をしやすいように配慮するとともに、4月入学の学生が卒業後に海外での就職や進学を考える際の手助けともなる。  問い合わせは同課(電話045・339・3121)へ。【五味香織】 "[he-forum 13416] 読売新聞愛媛6/19 読売新聞愛媛版2008年6月19日付 愛大 若手育て准教授増 5年で登用 10月に新機関    愛媛大は18日、若手研究者を育成する機関「上級研究員センター」を10月に新設する、と発表した。愛大は准教授などの人数が教授の人数より少ない“逆ピラミッド形”の組織になっているといい、若手育成によって准教授の数を増やし、こうした状況を解消していく。  2006年度から全国の国立大で導入が進む制度。今年度は、沿岸環境科学、地球深部ダイナミクス、無細胞生命科学工学の各研究センターから2人ずつ計6人を対象とする。5年間在籍した後、必要な審査を通過すれば准教授に登用するという。  愛大は5月1日現在で教授305人に対し、准教授272人、講師65人となっている。  小松正幸学長は「従来のように定年で空いた教授ポストを、(学外などから招いた)教授で埋めず、若手研究者を起用して活力ある組織にしたい」としている。 "[he-forum 13417] 徳島新聞6/18 徳島新聞2008年6月18日付 徳島大、授業料を免除 大地震の四川出身留学生対象に  徳島大学は十七日、大地震が起きた中国・四川省出身の留学生全員の本年度の授業料を全額免除することを決めた。対象は学部生二人、大学院生五人、研究生二人の計九人で、総額は約四百五十万円。  大学によると、地震後に留学生の一人から「実家が倒壊したため学費が支払えない」との声が上がった。そこで急きょ九人に聞き取り調査をしたところ、「父親が休職状態」「家族で親類の家に身を寄せている」などの窮状を訴える学生もいた。  このため大学は、安心して勉学を続けてもらえるよう、授業料が半額免除となる予定だった学生を全額免除にすることを決めた。本来免除の対象とならない研究生らには、学生後援会から「災害支援金」の名目で授業料相当額を援助することにした。  二十日に青野敏博学長が九人に授業料免除決定通知書を授与する。 "[he-forum 13418] 読売新聞6/20 読売新聞2008年6月20日付 学長 中四国の「学都」へ総力戦 岡山大学 千葉喬三さん 研究水準高める教育力  「知を巡る競争に勝ち残ったもののみが、国を、大学をも制する」。今年4月、2期目を迎えた就任あいさつは、全入時代に鋭く切り込んだ。めざすは、中四国の「学都」。数ある大学の頂に立つという。壮大な構想の道筋を岡山大学の千葉喬三学長に聞く。 (聞き手は本多宏・科学部長)  ――「学都」、強力なメッセージですね。  国立大の法人化は「天の時」でした。国の付属機関だった時代、地方大は何もさせてもらえなかった。法人化によって個性を出せと求められ、独自の才覚で動けるようになりました。さらに、中四国のどこからでもアクセスできる「地の利」。それに「人の和」、教育の力、学術の力です。国公私立を問わず中四国の中核になる、その意気込みを示したのです。  ――中四国全域から学生が集まるでしょうか。  何でもかんでも関東や関西に行っても、メリットはない。学部の壁を取り払った総合大学院は、岡山大が老舗。間口や受け皿が広く、幅広いことができる。若い人や社会のニーズにも見合う。運営費交付金や人員が削減される中で質を保つには、全体の力を集めるのが必然的な流れです。  ――近隣の大学に理解されないのでは。  戦略的連携と言って、法科大学院を一緒にやろうと提案したが、うまくいきませんでした。でも、好き嫌いやわがままは絶対に言えなくなる。10年後、中四国の大学がすべて残っているという見込みはないですよね。東京や大阪に行かなくても学べる受け皿が一つは必要でしょう。残るなら堂々と先頭を切る意気込みがなければつぶされます。  ――2010年度からの第2期中期目標・計画期間の6年間が勝負と位置づけている。  第2期が終わる時にはセレクションがかかるでしょう。ヒマラヤ山脈みたいに、ピークとして国際的に通用する研究が四つ、五つあり、それを支える教育力を高地のレベルに保っておく。国立大でも上から数えるのが早い高みにしておきたいのです。前提として、伸びそうな若手を研究に特化させ、一方で積み上げた実績をもとに教育で貢献する教員と、研究教育を両立する教員を分ける。中期計画には教員の機能分化を盛り込もうと思っています。  ――学部では問題を発見し、解決する能力を重視していますね。  学問のおもしろさを実感できるような教育が学部教育です。現象の奥に隠された真理を発見する感激が伝わらなければ、勉強しませんよ。それに、教育は先生と学生が共に進化することです。改訂した独自の基礎教科書には演習問題を多く取り入れ、先生も考えるようにしました。  ――独自のAO入試をやるマッチングプログラムはユニークです。  画一的な教育に抵抗を感じ、「変わったことができるなら」という学生が集まっている。陸上中距離のエース小林祐梨子さんはじめ、基礎学力もやる気もある子ばかりですが、偏差値秀才ではない。学部学科を超えた履修、担任制など個性に応じた教育で隠れた才能の発掘に成功しています。ただ、同じやり方を大学全体には広げられません。試行錯誤ですね。  ――優秀な人材を育てても岡山から出て行くのでは。  それは仕方ない。経済界の人にも話していますが、魅力ある受け皿を作ってほしい。多くの学生は、街がおもろないと言う。そこが神戸、広島との違いなんですね。それでも4割近くが残るようになった。地元出身は3割ですから、大学が地域に貢献した結果です。育てた学生をここに縛り付ける必要はなく、世界で活躍するのが一番いい姿じゃないかと思いますが。  ――今の学生をどう見ていますか。  のびのびしてますよ。屈託がなくて、そのくせ批判精神があって、言いたいことは言う。ただ、青雲の志というか、大きいことは考えなくなっている。現実がよくわかっていて、賢いのでしょうが、社会が夢を持たせない構造になったからでしょうか。すべて東京、ではなく、面白いことがあちこちに分散しているのを示さないといけませんね。 ちば・きょうぞう  京都市出身。京都大農学部林学科卒。高知大農学部助手、岡山大農学部助教授などを経て教授。同学部長、理事・副学長などを歴任し、2005年から現職。専門は生態系管理学。68歳。 "[he-forum 13419] 山形新聞6/20 山形新聞2008年6月20日付 生き残りをかけ改革協力 山形大と立命館大が包括協定  山形大と立命館大(京都)は19日、教育の質の向上などを目指した包括的協力協定を東京都内で締結した。当面は、学生や職員の交流などを深め、両大がそれぞれに持つ特性を相互に学びながら大学づくりに反映させる。  今後は、両大の学長が、相手の大学でそれぞれ講演を行うほか、数日間の期間で学生を相互に派遣。相手の大学の講義を受けたり、討論する機会を設ける。また、職員同士が交流する場も設け、大学全入時代に即した新しい大学経営の在り方などについて意見を交換。将来的には単位の互換制度の導入を検討する。  東京・丸の内の立命館東京キャンパスで行われた締結式で、山形大の結城章夫学長は、現在の大学経営の現状について「大学が学生を選抜するのではなく、学生が大学を選択する時代になった」と述べ、「大学は不断の改革努力を重ね、生き残りをかけて特色を出していく必要がある」と強調。「各大学が孤立して競争するのではなく、相互に連携することが大切」と、締結の意義を語った。  立命館大の川口清史学長は大学間の連携の重要性について「大学改革の焦点は教育。教育の質をどう高めていくか、というテーマについては個別の大学だけではできない」と述べた。  また、両学長は、国立大学法人(山形大)と私学(立命館大)、山形と京都という「異質性」を強調。「学生を主役とした大学づくりという点で一致している」と述べ、結城学長は「山形大は官の文化を引きずっている。私学の経営を学び、職員の意識改革も図りたい」、川口学長は「改革は国立大学法人の方が進んでいる。地域に根差した大学という点で、大規模私学である立命館とはきっと違い、それらも学んでいきたい」と、それぞれ語った。 "[he-forum 13420] 共同通信6/19 共同通信2008年6月19日17時25分 大学学部新設など諮問 公園整備の専門職大学院も  2009年度に新設を予定している公私立大の延べ63校の大学院や学部などの認可について、渡海紀三朗文部科学相は19日、大学設置・学校法人審議会に諮問した。国立大3校が計画する専門職大学院の設置などについても意見を求めた。答申は10月末の予定。  大学院を新設するのは熊本保健科学大など8校。兵庫県立大は公園整備などを学ぶ景観園芸の専門職大学院を全国で初めて設ける。本年度から制度がスタートした教職大学院は、山形大や帝京大など国私立の計5校が新設を予定、専門知識を持つ教員の育成を目指す。  駒沢女子大や東京成徳大は併設短大の一部学科を廃止し、4年制の学部に衣替えする。名称を「東京都市大」に変える武蔵工業大は都市生活学部など2つの学部を新設する。 "[he-forum 13421] 時事通信6/19 時事通信2008年6月19日17時17分 医学部定員57人増=来年度から国立大-大学設置審  医師不足が深刻化している問題で、大学設置・学校法人審議会は19日、国立大12校が来年度から医学部定員を計57人増やすとした計画を了承した。政府が昨年まとめた緊急医師確保対策の中で、医学部定員を全国で285人増加させるとした措置の一部。  公立大6校では既に今年度から定員を計63人拡大。文部科学省は、来年度に向けて国公私大からさらに追加申請を受け付けている。 "[he-forum 13422] 毎日新聞長崎6/21 毎日新聞長崎版2008年6月21日付 県庁舎移転!?:現庁舎跡地に統合病院を 長大、建て替え計画で提案 ◇長崎市側は難色「変更困難」  長崎大の河野茂・医学部長は20日、長崎市が同市新地町の現在地に15年度の完成を目指して建て替え計画を進めている新市民病院と、日赤長崎原爆病院(同市茂里町)の統合を検討するよう、田上富久・同市長に提案した。河野医学部長は統合病院の建設地に、県庁舎移転後の跡地を視野に入れていることも明かした。田上市長は「市民病院を良くするために取り込めるものがあれば取り込むが、あくまで現地建て替えを進めたい」と話した。  同市によると、05年に新市立病院建設地検討委員会を設け、06年7月に現在地での建て替えを決定。さらに県医師会や長崎大などでつくる外部会議の報告書を基に昨年8月、新市立病院建設の基本方針をまとめ、同10月、県から都市計画の事業認可を受けて、既に用地買収などを進めている。  大学側からの要望があったのは今年4月。同大医学部は「総務省の公立病院改革ガイドラインを踏まえ、日赤長崎原爆病院の統合などを視野に高機能病院の建設を強く求める」との要望書を市に郵送した。県も統合の必要性を唱え、大学と実現に向け協議。県庁舎跡地のほか、JR長崎駅周辺、市公会堂なども候補地に挙げている。  しかし、市側は同5月に「早期に病院建設して医療サービスを提供するのが責務」などとして、計画変更は困難との意向を伝えていた。  それでも、長崎大側は計画変更をあきらめきれず、河野医学部長の田上市長への直接提案につながったという。【下原知広】 "[he-forum 13423] 日本経済新聞6/20 日本経済新聞2008年6月20日付 教職大学院、5校が開設申請  文部科学省は19日、5大学から2009年4月の教職大学院の開設申請があったと発表した。同日の大学設置・学校法人審議会に諮り、10月末までに設置を認めるかどうかの答申が出る見通し。  教職大学院の新設を申請したのは山形大、静岡大、福岡教育大、聖徳大、帝京大。教職大学院以外では33の大学院と28の学部の設置申請があり、同審議会が可否を審議する。  筑波大や千葉大など国立大12校について、来年度の医学部定員を計57人増やすことも了承された。 "[he-forum 13424] 共同通信6/21 共同通信2008年6月21日2時3分 医学部定員、5百人超増 最多時の8千人台回復へ  政府は20日、地方などで深刻化する医師不足対策として、大学医学部の定員を過去最多だった約8300人の水準並みか、あるいはそれ以上に引き上げる方針を固めた。2007年の定員は約7600人で、07年に決めた緊急医師確保対策などで08年は約7800人に増えたが、さらに500人超上積みする。大学施設や教員の受け入れ体制を考慮しながら、今後10年程度かけて段階的に増員する。  月内に閣議決定を目指す「骨太の方針2008」に、定員を過去のピーク時並みの規模に増やすと明記。それでも対策が不十分と判断した場合は、ピーク時を上回る増員を検討する内容も盛り込む方向だ。  舛添要一厚生労働相は20日夕、福田康夫首相と首相官邸で協議し、具体的な増員の規模や時期については、政府の社会保障国民会議が今後まとめる医療費の将来予測などを踏まえて検討を進めていくことで一致した。 "[he-forum 13425] 西日本新聞6/21 西日本新聞2008年6月21日付 アジアの人材獲得へ 九大、大連で一般入試 来年度、初の海外実施  九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻(ビジネス・スクール)は20日、来年度の入学試験を中国・大連でも実施することを明らかにした。少子化による大学全入時代をにらみ、海外で一般入試を行う大学は私大を中心に増えつつあり、九大も初めて実施する。九大は「アジアの優秀な人材獲得をめぐる大学間の競争は激しくなっており、こちらから乗り込んでいく」としている。  九大ビジネス・スクールは主に社会人を対象にし、2年間の課程で経営学を履修。修了時に経営学修士(MBA)を授与する。大連での入試は書類選考による1次試験合格者を対象に11月6日、教員3人の日本語による面接(2次試験)を行う。合否は、同月8、9日に福岡市内で開く面接の受験者と同条件で判定する。  九大ビジネス・スクールは「アジアで活躍できる人材の育成」を掲げており、中国、タイの12大学と提携し、交換留学などを制度化している。在学生・修了生のうちの外国人率も14%を占めているが、現状の入試では1次試験合否判定後、面接までの期間が短く、中国の受験希望者から「ビザ取得が間に合わない」など、対応を求める声が寄せられていた。  入試会場に大連を選んだことについて九大は、中国の他地域に比べ外語大学の日本語教育体制が充実していることや、日本企業が多いことを挙げている。日系企業や提携大学を通じて、学生募集を告知していくという。 "[he-forum 13426] 共同通信6/24 共同通信2008年6月24日13時27分 健康科学分野で共同大学院 10年春、早大と東京農工大  早稲田大と東京農工大は24日、双方で研究課程を編成し、連名で学位を与える共同大学院を開設すると発表した。理、工、農学などの専門性を組み合わせた先端健康科学分野の博士課程とし、2010年4月の設置を目指す。  高齢化が進む中、健康増進や食の安心・安全の新技術面で活躍できる研究者を育成する。定員は10人程度で両大は09年6月に設置認可を文部科学省に申請する方針。  東京都内で覚書を交わした東京農工大の小畑秀文学長は「研究者に新しい視点が生まれる」とし、早大の白井克彦総長は「世界の食料問題に取り組みたい」と述べた。  複数の大学が研究課程を編成する共同大学院は、政府の教育再生会議がまとめた第2次報告を受けて、文科省が9月をめどに制度創設を目指している。 "[he-forum 13427] 北國新聞6/24 北國新聞2008年6月24日付 教員評価、10年度から試行 県立2大法人化 県が基本方針案  県立大と県立看護大の二〇一一(平成二十三)年四月の法人化に向け、県は二十三日までに法人化の基本方針案をまとめた。教育研究水準の維持向上を図るため、教員の人事制度では教育、研究、社会貢献活動の実績を適正に評価するシステムを構築し、一〇年四月から試行。報酬・給与面で、実績に応じた処遇を行うことも検討する。県によると現在、両大学では勤務評定制度は設けられていない。  基本方針案では、外部有識者を交えた検討委員会の提言を受け、法人化を具体的に進める上での骨格的な事項を定めた。  法人の形態は提言通り、一つの法人が両大学を運営する「一法人二大学」とした。法人の名称は「石川県公立大学法人」とする方向とし、法人本部はいずれかの大学に置く。  法人組織には、地方独立行政法人法に基づき、法人の経営に関する重要事項を審議する経営審議機関を設置し、役員会は役割が重複するため設けない。教育研究に関する重要事項を審議する法定の教育研究審議機関を両大に設置し、学校教育法の法定設置機関である教授会との役割分担も検討する。法定の学長選考機関も設ける。  教員の人事制度では、年俸制や任期制導入の要否も検討する。事務職員は当面は県からの派遣職員が主体となるが、経営戦略の企画立案など特に専門性の高いポストは独自採用のプロパー職員も検討するとした。定型的な業務は民間派遣会社の活用などで経費節減に努める。  目標評価制度では、地方独立行政法人法に基づき、知事は六年間に法人が達成すべき中期目標を策定し、法人は中期計画を策定する。法人の業務実績を評価する委員会も設ける。  県からの運営費交付金に関しては、法人化後の教育研究や改革意欲に支障を及ぼすことのないよう所要の交付金を交付する。原則として、法人の経営状況により、中期目標期間中は当初に定めた交付金の算定ルールを変更しないことも盛り込んでいる。 "[he-forum 13428] 朝日新聞6/23 朝日新聞2008年6月23日付 学士の質 どう保証  学部(学士課程)教育を根本から見直すよう、大学への圧力が強まっている。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は「学士力」、経済産業省は「社会人基礎力」という新たな言葉をつくり、大卒の学士が身につけるべき知識や能力の指針づくりを進める。「大学全入時代」が迫る中、学士の質保証を求める声が強まっていることなどが背景にある。 ◆国の基準提示に反発も  「学士」と言っても学部で学ぶ内容や水準は様々で、一定の質が保証されているわけではない。文科省は日本学術会議に依頼し、学部教育で目指す目安をまとめる方向。経産省も近く大学と協力して社会人として身につけるべき「基礎力」を示し、その点検表を発表する。これに対して大学からは、外からの一律的な基準だと、自律性を損なう恐れがあるとして懸念も出ている。  学部教育の在り方を議論している中教審は、3月の中間報告で「我が国の大学の大きな問題の一つは教育内容・方法、学修の評価を通じた『質』の管理が緩いこと」と指摘。学士力は、その質を保証するために必要な新たな考え方として登場した。「個別のスキルではなく、それらを総合的に使って課題を解決する能力」と担当者は言う。  具体的には「コミュニケーションスキル」「情報リテラシー」「自己管理力」など4分野13項目を参考指針として中教審は提示。今後、学術会議と協力して経済や物理といった分野別の質保証の仕組みもつくる方針で、到達目標の設定や各大学共通の「コア・カリキュラム」の策定などを想定する。  ただ、この仕組みは使い方によっては大学の自助努力を損なうことになりかねない。5月にあった大学関連団体からのヒアリングでは、指針を含む中間報告の方向性に懸念の声が相次いだ。「大学に(学習)指導要領のようなものを導入されては困る」「分野別の到達目標の設定などが他律的かつ一律的な教育の標準化につながる懸念をふっしょくできない」という声だ。  公立大学協会の佐々木雄太会長は質保証に向けた改革の必要性は認めつつ、「例えば、コア・カリキュラムが各大学のシラバス(詳細な授業計画)に入り込んできた場合、大学の独自性を失いかねず、21世紀型の教育から逆行する」と指摘する。  今月3日、文科省から審議の依頼を受けた学術会議の金沢一郎会長は「各大学が特徴を出して学生を引きつけることは大事だが、あまり勝手なことばかりやってもらっては困るというのが今回の趣旨。ただ、一つの考え方を押しつけるわけにもいかず、どこまでを『コア』とすべきか突っ込んで考えていくと非常に難しい」と話す。  中教審もこうした声には配慮を示す。今月12日に示された答申案には、「大学の個性化・特色化に伴う『教育の多様性』の確保に配慮する」という文言が新たに盛り込まれた。 ◆企業、社会人能力要求  経産省の「社会人基礎力」も基本的な発想は似ている。「課題発見力」「主体性」などの評価基準を設定し、学生がどの水準に達しているのか一目でわかる点検表「プログレスシート」をつくり、公表する。  基準をもとに学生など大学側が達成度を書き込み、企業が採用の際に役立てることを想定。すでに先行し、7大学と協力してモデル事業を進めている。  経産省によると、「社会人基礎力」は、企業の人事担当者らの話がヒントになった。大学を卒業したのに必ずしも社会人に必要な能力に達していない人が少なくない。そのため、採用する企業側も大学側も、大学での教育や達成度を客観的に評価する基準を考えたという。担当者は「社会人にとって最低限必要な基礎力をつけるよう大学教育も変わってほしいし、企業も大学で身につけたことをきちんと評価するようになって欲しい」と話す。評価基準やプログレスシートは同省のホームページで公表し、小冊子にして関係者に配布する予定だ。  大学教育の底上げや見直しについての外部からの要請と大学自身の自主性。学士力、社会人基礎力もその微妙なバランスの上に立っている。ライセンスアカデミー進路情報研究センターなどが昨年11月、全国の国公私立大を対象に行った学士力に関するアンケートでは、回答した155大学の98%が「卒業までの到達目標を明確化しなければならない」、94%が「指針は参考になる」とした。だが、4割が「国から提示されるべきことではない」とも回答している。(編集委員・山上浩二郎、大西史晃) "[he-forum 13429] 山陽新聞6/24 山陽新聞2008年6月24日付 岡山大と岡山理大が包括提携協定を締結 授業の相互補完など柱  岡山大(岡山市津島中)と岡山理科大(同市理大町)は23日、教育の充実や研究推進など幅広い分野での連携を図る包括協定を締結した。両大が国内の大学と協定を結ぶのは初めて。  協定では、大学院での単位互換制の導入▽学部・大学院生の海外研修の共同実施▽教授らの共同研究▽教職員の研修プログラムの開発―などを計画。将来的には自然科学系分野で大学院共同研究科の創設を目指すという。  両大はこれまで、大学院自然科学系研究科の教員同士が情報交換をするなど個別に交流を進めてきたが、大規模な教育プログラムや研究内容の充実には大学レベルで手を結ぶことが必要と判断。今年初めから連携の在り方を協議していた。 "[he-forum 13430] 岩手日報6/24 岩手日報2008年6月24日付 大学院中心に再編 岩手大09年度改組計画  岩手大(藤井克己学長)は23日、大学院を中心とする2009年度全学改組計画を発表した。大学院の工学研究科に「コミュニケーションデザイン工学専攻」、農学研究科は「バイオフロンティア専攻」などを新設、より広い知識と実践的な人材の育成を目指す。入学定員も見直し、連合農学研究科には社会人枠(8人)を設ける。09年度学生募集から新たな枠組みとなる予定。  改組は、学生定員の適正化や教員の学部横断的な指導を視野に07年度スタートした「学系」制度に合わせた組織体制の見直しなどが目的。  大学院の博士前期・修士課程は、教育学研究科を3専攻(定員42人)から2専攻(同32人)、工学研究科を9専攻(同129人)から7専攻(同165人)、農学研究科は2専攻(同67人)から5専攻(同)に再編する。  そのほか、工学部と工学研究科(博士後期課程)を改組し、定員は削減する。人文社会科学研究科(修士課程)と連合農学研究科(博士課程)は定員のみ拡充する方針。 "[he-forum 13431] 読売新聞山梨6/24 読売新聞山梨版2008年6月24日付 山梨大が生命科学で早大と連携  山梨大は、早稲田大と生命科学分野で連携し、研究推進を図ることを決めた。すでに両大の間で協定を締結しており、国公私立大学間の連携を推進する文部科学省の新事業「戦略的大学連携支援事業」にも申請した。今後、両大院生の共同研究や相互交流などを進め、共同大学院の2014年度開校を目指す。  山梨大の医学と、早稲田大の理工学を融合し、「脳神経科学」「精神発達学」「感染免疫学」の3分野の研究を推進するほか、医学、理工学に精通した国際的研究者を養成する。また、教職員の人事交流や共同研修も行い、教職員のスキルアップも図る。  そのほか、山梨大は医学分野で県、甲州市、山梨市などの支援を得て、研究に必要な住民の健康情報の提供を受ける。一方、早稲田大は理工学分野で企業の協力などを受け、海外大学からの講師派遣なども行う。  共同大学院の設置を目指し、10年度までに、両大の院生の単位互換制度や設備の共同利用、教員の共同研修、遠隔講義システムの運用などを実施する計画だ。同省の新事業に採択されれば、3年間、国からの支援を受けられる。採択の可否は8月中旬に発表されるという。両大は互いの強みを生かすことで新分野の開拓、医療の発展につながると判断、昨秋から具体的作業を進めてきた。山梨大の貫井英明学長は「優れた人材を育て、医療や研究の向上につなげたい」と話している。 "[he-forum 13432] 毎日新聞高知6/24 毎日新聞高知版2008年6月24日付 高知大学長選不正:行政訴訟提起へ 正式任命で民事取り下げ  昨年10月の高知大学長選考で不正があったとして同大学に対し相良祐輔学長を選んだ選考の無効確認を求める民事訴訟を高知地裁に起こしていた対立候補の高橋正征・同大学大学院教授(当時)らは23日、訴えを取り下げた。文部科学省が4月1日付で相良氏を正式に学長に任命したためで、教授らは改めて国に対して任命行為の取り消しを求める行政訴訟を同地裁に起こす方針。  原告側は「相良学長が国に任命されたことで、大学を訴えても無意味とみなされ、裁判打ち切りの可能性がある。裁判という場で今後も学長選考の過程を明らかにしていくためには、別に国に対する訴訟を起こす必要がある」と話している。  高橋教授らは昨年12月、選考の参考となる「学内意向投票」で票のすり替えなどの不正があったとして、窃盗と偽計業務妨害容疑で被疑者不詳のまま高知地検に刑事告発。同地検は窃盗容疑を公用文書毀棄容疑に変更させて受理している。【千脇康平】 "[he-forum 13433] 北海道新聞社説6/23 北海道新聞社説2008年6月23日付 医療ビジョン 定員増だけで事足りぬ  医師不足の解消に向けた「安心と希望の医療確保ビジョン」を厚生労働省がまとめた。  大学医学部の定員増が柱だ。地方を中心にした深刻な医師不足を考えると、医師数の増加対策は当然で、むしろ遅すぎたくらいだ。  ただ、医師を増やしただけでは問題は解決しない。医師を過不足なく、全国にどう行き渡らせるかという視点が必要だろう。ビジョンにはそれが欠けているようにみえる。  大学医学部の定員は、一九八〇年代前半の約八千三百人をピークに減少に転じ、二〇〇七年には七千六百人にまで減った。医師の需要予測をもとに、政府が一九八二年に医師の抑制方針を、九七年には削減方針をそれぞれ決定したためだ。  確かに、医師の数自体は、毎年三千五百人から四千人のペースで増えている。  それでも医師不足と言われるのは、医師が大都会などでの開業医に偏り、地方の中核病院などに勤務する医師が必要数を満たしていないからだ。道が最近まとめた調査結果でも、道内の病院の36%が「緊急に常勤医が必要」と答えている。  勤務医不足の背景にあるのは、宿直明けの通常勤務など、多くの医師が過酷な勤務を強いられていることだ。厳しい勤務環境から、病院を退職し、開業に転じる医師が増えている。それが、勤務医の労働条件をさらに悪化させている。  打開策として、ビジョンは「非常勤医師の活用により地域医療を支える多様な勤務形態の導入」をうたうが、そもそも、こうした出張医となる人材すら足りないのが、大都会から離れた地方の実情だ。  不足がとくに目立つ小児科や産科への目配りも薄い。たとえば、産科について、医師との連携で助産師が正常分娩(ぶんべん)を扱えるよう、院内助産所などを導入するとしている。  だが、地方には医師の辞職で産科が休診に追い込まれた病院は少なくない。連携すべき医師が不在なのだ。厚労省は地方の実態を十分に把握しているのだろうか。  医師不足に拍車をかけたのは〇四年に始まった新臨床研修制度だ。新卒医師の研修先が、都市の民間病院に集中、出身大学が医師確保のため、地方の自治体病院などに派遣していた医師の引き揚げを始めた。  この連鎖を断ち切らねばならない。ビジョンでは是正策として「医師不足が深刻な診療科や地域医療への貢献を行う臨床研修病院等を積極的に評価」「研修医の受け入れ数の適正化」を掲げる。  これをどう肉付けしていくか。地方の実態に沿った検討が急務だ。 "[he-forum 13434] 沖縄タイムス社説6/24 沖縄タイムス社説2008年6月24日付 [医師増員] 偏在解消を急ぐべきだ  地域の深刻な医師不足に対処するため政府は、医師数の「抑制」という従来の方針を改め、計画的に「増員」していく考えを打ち出した。四半世紀ぶりの路線転換である。  医師が過剰になったり、医療費が増えたりすることを懸念して政府は一九八二年、「医師数の抑制」を閣議決定した。  医師不足が社会問題化したことを受けて二〇〇六年、一部大学医学部の定員増を認めたが、その時にも「引き続き医学部定員の削減に取り組む」との一九九七年の閣議決定は変えていない。  今回、九七年の閣議決定を見直し、「抑制」から「増員」への路線転換を打ち出したことは、医師不足解消に向けて政府が本腰を入れて取り組む姿勢を示したものと受け止めたい。むしろ遅過ぎたぐらいだ。  地域医療をむしばんでいる医師不足には、さまざまな要因が複合的に絡んでいる。  若い医師は先端の技術を学びたいという意向が強く、離島や辺地には行きたがらない。過重労働を強いられる病院勤務に嫌気がさして、条件のいい開業医に変わる医師も後を絶たない。訴訟リスクを抱える産科や小児科などは、敬遠されがちだ。  二〇〇四年に新人医師の臨床研修制度が義務化され、都市部への研修希望が集中した。研修医が減った大学病院は過疎地などに派遣していた医師を引き揚げた。  問題なのは、「医師の偏在」が急速に進んだ結果、必要な医療が受けられないという深刻な現象が各地で起きていることだ。  県議会の二月定例会で仲井真弘多知事は「女性医師の再就業の支援や勤務環境の改善を図り、中長期的な医師確保につなげていきたい」と答えた。  医師不足が深刻な産科や小児科の女性医師の中には、子育てと仕事の両立に悩んでいる人が少なくないという。しばらくの間、「非常勤で、短時間働きたい」と希望する女性医師に対しては、多様な勤務形態を認めるなどの柔軟な子育て支援策が欠かせない。  琉球大学医学部の定員を増やしても、それが直ちに県内の医師不足の解消につながるわけではない。新人医師が、医師不足を訴える離島・辺地や産科・小児科などに勤務して初めて、医師不足解消に役立つのである。  医師不足で困っている地域や医師の少ない診療科目に新人医師を誘導していくためには、魅力的な施策を打ち出す必要がある。  福田康夫首相は、社会保障費の歳出抑制路線は今後も堅持するという。医師増員のための財源はどこから捻出するつもりなのだろうか。政府内の調整は進んでいないようだ。  財源問題が詰められていないため、どのくらい医師を増やしていくのかも、まだはっきりしない。  政府は社会保障費の伸びを年二千二百億円ずつ圧縮する目標を掲げ実施してきたが、抑制路線を維持するのはもはや困難だ。  医療費の削減が、結果として「医療崩壊」を招いている現実を直視しなければならない。 "[he-forum 13435] 中国新聞社説6/22 中国新聞社説2008年6月22日付 医師増員 偏在なくす対策も急務  地方を中心に深刻化する医師不足の現状を考えれば、もっと早く政策転換すべきではなかったのか。大学医学部の医師養成数を抑える政策を取り続けてきた政府が、ようやく定員増にかじを切った。現行の定員を五百人以上引き上げて、過去最多の水準にするという。  大学医学部は国公私立合わせて八十ある。入学定員は一九八一~八四年の約八千三百人をピークに減り、今年は約七千八百人。緊急医師確保対策などで昨年より二百人増えたものの、八千人を割り込んでいる。  政府が抑制策にこだわってきたのは、「医師が過剰になれば、医療費が膨らむ」との懸念が背景にあるようだ。橋本内閣の財政構造改革の一環として九七年に「大学医学部の整理・合理化も視野に、引き続き定員の削減に取り組む」と閣議決定。小泉改革にも引き継がれてきた。  医師の総数は年々増えている。しかし、人口千人当たりの数でみれば、ドイツやフランスの三・四人に対し日本は二・〇人。経済協力開発機構(OECD)に加盟する三十カ国中の二十七位にとどまる。医師過剰を招くという従来の政府の主張は、説得力に欠ける。  将来的に医師数を増やすという点で、政府の削減方針撤回は前進だろう。一方で、若手医師が大都市に集中したり、産科や小児科が敬遠されたりする「偏在」に対しては、それほどの効果を期待できまい。  とりわけ気に掛かるのが、この十年余りの間に、三十歳代男性の病院勤務医が約八千人も減っていることである。過酷な勤務にあえぐ働き盛りの医師が、たまりかねて病院を去るケースも少なくない。  広島県内では、人口十万人当たりの実働医師数が全国で唯一、減少に転じた。診療科の廃止や縮小も相次ぐなど極めて深刻だ。「医療崩壊」が始まっているともいえよう。  厚生労働省が今月まとめた「安心と希望の医療確保ビジョン」は、医師増員に加え、当面の対策も盛り込んだ。医師臨床研修制度の見直し、女性医師が出産・育児と仕事を両立できる短時間勤務の導入、過重な負担を軽減する交代勤務制…。財政措置はもとより具体的な道筋を示すべきだ。  「医師の数を増やすだけでは解決しない」との声も聞かれる。問題の根っこにある医療費の抑制政策を続けるのか。政府の姿勢が問われる。 "[he-forum 13436] 愛媛新聞社説6/24 愛媛新聞社説2008年6月24日付 医学部定員増 目先の危機にも対処を怠るな  政府がかたくなに続けてきた医師数の抑制方針から、ようやく舵(かじ)を切る。  大学医学部の定員を過去最多だった一九八一年の約八千三百人程度にすると、骨太の方針に明記する。ことしより五百人の増員で、さらに上積みする可能性もある。  政府は八二年に医師抑制を決め、九七年には閣議決定でも確認した。人口比では経済協力開発機構(OECD)加盟国で下位になり、国際水準に追いつくにはあと十三万-十四万人必要とされる。  しわ寄せはとりわけ地方の小児科や産科、救急部門で顕著だ。国民皆保険のもとで世界に誇ってきた医療制度の危機で、放置できない。  政府の方針転換に先立ち、すでに愛媛大などは緊急的に定員を増やしている。定員の一部を地域医療の担い手育成枠とする試みもしている。一方で、県立の五病院に限っても麻酔科を中心に三十人近く足りない現実がある。  こうした状況は幾重もの悪循環を招いている。過重労働で勤務医が次々やめ、残った医師をいっそう追い込む。さらに、患者が減って病院経営を悪化させている。  それでも厚生労働省は、問題は地域や診療科ごとの偏在だとして絶対数不足を認めてこなかった。医師を増やせば医療費が膨らむとの考えが根底にある。これには因果関係を否定する見方も根強い。何より現状では「民滅んで制度あり」になりかねない。  ようやくとはいえ認識を根本的に改め、増員に踏み切るのは英断といっていい。  ただし、増員の規模や財源には不透明な部分が残る。  医師数自体はいまも毎年三千五百-四千人増えている。適正規模を見きわめるよう綿密な将来推計が不可欠だ。  福田康夫首相は社会保障費の伸びを毎年二千二百億円圧縮する小泉政権以来の方針を踏襲する考えだ。だが、ひずみの噴出ぶりを見ると機械的抑制は限界と思わざるをえない。医師不足対策を担保する意味でも徹底論議したい。  医学部の定数を増やしても養成には十年ほどかかる。目先の危機への対処も手綱を緩めず進めてもらいたい。  一つには厚労省のいう偏在解消がある。地方へ医師を派遣してきた大学の医局は、研修先を自由に選べる新臨床研修制度で自ら医師不足に陥った。是正が急がれよう。  ことしの診療報酬改定では勤務医と開業医の格差解消が一部にとどまり、勤務医の待遇改善の政策的誘導としては踏み込み不足だった。出産などで退職した女性医師らを県が設けているようなドクターバンクと結びつけ、活用していく方策も有効だろう。  政府の決断を、あらゆる対策で危機に歯止めをかけるターニングポイントにしたい。 "[he-forum 13437] 6/25山形新聞 学芸員養成、履修増加へ 博物館機能強化で文科省 2008年06月25日 08:26  博物館の機能を充実させるため、文部科学省は25日までに、学芸員 資格の取得に必要な大学の養成課程の履修科目を増やすなど、教育内容 の見直しを進める方針を固めた。2010年度からの新課程導入を目指 す。  11日に成立した改正博物館法は展示を柱とした従来の役割に加え、 住民による研究発表の支援や、教育機会を提供する機能の強化を明記。 文科省は「対応するには、学芸員の質を高めることが必要」としている。  学芸員の資格を得るには原則、全国約320校の大学や短大が設置し ている養成課程で、文科省が規定する「博物館情報論」や「博物館資料 論」など8科目12単位以上の履修が必要だ。  しかし、履修内容に対し「多様化する実際の業務に役立っていない」 との問題点も指摘されている。文科省は今後、収集した資料と調査研究 の成果を活用する経営能力や、地域や学校と連携を深めるコミュニケー ション能力の育成が重要と分析。 "[he-forum 13438] 高知新聞6/25 高知新聞2008年6月25日付朝刊 相良氏の学長任命「違法」 高知大名誉教授 取り消し求め国提訴  昨年の高知大学の学長選考で、相良祐輔現学長の対立候補だった高橋正征氏= 同大名誉教授=と、相良氏の再任を決めた学長選考会議委員の1人だった根小田 渡氏=同=が24日、国に相良氏の学長任命を「違法」として、任命取り消しを求 める行政訴訟を高知地裁に起こした。    同大の学長選考をめぐっては、昨年10月の学内意向投票で二通りの得票数が確 認されたにもかかわらず、選考会議は相良氏の再任を決め、2月末には同大が文 部科学省に同氏の任命を上申。同省は4月1日付で任命した。    訴状によると、選考会議の決定を「重大な手続き違背で、違法・無効である」 と指摘。さらに高橋氏が3月3日付で渡海紀三郎文科相に一連の経緯を記した内 容証明郵便を送り、相良氏任命を求める同大の申し出を受理しないよう要請して いたことから、「被告(国)は相良氏を学長に任命することを拒否する義務を負 っていた。にもかかわらず、任命した処分は違法であり、取り消しを免れない」 などとしている。    取材に対し、同省は「訴状が届いていないのでコメントのしようがない」とし ている。(広末智子) "[he-forum 13439] 高知新聞6/24 高知新聞2008年6月24日付 高知大学長選考訴訟 原告が訴え取り下げ  昨年の高知大学長選考で相良祐輔氏を学長に選んだ選考会議の決定無効を求め、 同大を訴えていた高橋正征氏=同大名誉教授=は23日、高知地裁への訴えを取り 下げた。文部科学省が4月1日付で相良氏を同大学長に任命したのを受け、裁判所 側が「訴訟要件がなくなった」と取り下げを求めたことに応じた形。高橋氏側は 24日にも、国に任命処分の取り消しを求める行政訴訟を起こす。  同大の学長選考をめぐっては、昨年10月の学内意向投票で二通りの得票数が確 認されたにもかかわらず、選考会議が相良氏の再任を決めたことで学内が紛糾。 選考のやり直しを求める教職員や学生を代表し、対立候補だった高橋氏が同大を 相手に民事訴訟を起こしていた。    訴えの取り下げに当たっては、高知地裁が「原告(高橋氏)としては速やかに 学長選考をやり直し、高知大学の信頼を回復し、皆が教育と研究に専念できる環 境を取り戻したいと願うものである」などとする原告側の思いを裁判記録に盛り 込むことを提案。原告、被告双方がこれを了解した。    国に相良氏の学長任命の取り消しを求める行政訴訟には、高橋氏のほか、相良 氏の学長再任を決めた際の選考会議委員の1人だった根小田渡氏=同大名誉教授 =も原告として加わる。 "[he-forum 13440] 長崎新聞6/26 長崎新聞2008年6月26日付 長崎大新学長に片峰氏 史上最年少、人材育成など目標  長崎大は二十五日、齋藤寛学長の任期満了(十月十日)後の新学長に、片峰茂氏(57)=大学院医歯薬学総合研究科教授=が決まったと発表した。同大史上最年少で学長に就任する片峰氏は「国立大学法人のメリットを最大限に生かし、ワンステップもツーステップも飛躍するのが目標」と決意を述べた。  片峰氏は長崎市出身。一九七六年に長崎大医学部卒業後、東北大大学院医学研究科修了。長崎大医学部助教授、教授を歴任し、二〇〇二年四月から現職。専門はウイルス学。  選考では片峰氏を含む三人が候補者となり、教員らが学内意向投票を実施。片峰氏が有効投票の64%を獲得した。投票結果を基に学長選考会議(議長・今村定臣日本医師会常任理事)が決定した。任期は十月十一日から一一年九月三十日までの三年間。  記者会見した片峰氏は国立大学法人化で特色ある大学づくりが求められる中、「国立大学時代の重しを引きずり、まだスピードが出ていない。飛ぶ方向を明確にし、助走のスピードを格段に上げることで、就任三年目には大きく飛び立つところまで行きたい」と抱負。前向きな学生や若い研究者へのサポートによる活気づくり、世界に突出した研究成果や人材育成、総合大学として地域をリードすることを目標に掲げた。 "[he-forum 13441] 毎日新聞岩手6/26 毎日新聞岩手版2008年6月26日付 岩手大学:外部資金、前年度より1億2800万円減 法人化後、初の減 ◇共同研究件数も  岩手大学(盛岡市、藤井克己学長)が07年度に獲得した外部資金は前年度比1億2800万円減の7億5600万円で、法人化後初めて減少したことが分かった。企業や団体などとの共同研究件数も同11件減の182件にとどまり、集計を取り始めた90年以来初めて落ち込んだ。同大は「県内に地域密着して取り組んできたが、踊り場を迎えた」と話している。【山口圭一】  外部資金は、企業や自治体などとの産学官連携で共同研究や受託研究によって学外から得た研究費と寄付金を合計したもの。国立大学法人化で独立採算が求められるようになり、全国の国立大では、充実した研究を続けるために外部資金の獲得に奔走、学外からの注目度を反映するとされる。  同大研究協力課によると、01年度に3億9300万円だった外部資金獲得額は年々増加し、06年度には8億8400万円まで伸びたが、07年度は減少。金属系材料研究開発センターとの共同研究が06年度で終えたのと、複数年度にまたがる共同研究で06年度に一括で研究費を受け入れたことが響いたという。  同大では評価の高い金型・鋳造技術の研究を通じて、県内企業を中心に産学連携を進めており、04年度には地域連携推進センターを設置、強化してきた。  斎藤徳美副学長は「県内で大学と手を組める規模の企業は限られる。学内の研究者数からも、共同研究が従来通り青天井で増えることはあり得ない。基礎研究も必要だ」と説明。藤井学長は「企業が求めるレベルが次の段階になり、大学が応えきれていないのかもしれない。テコ入れが必要だ」と語る。 "[he-forum 13442] 日本経済新聞6/24 日本経済新聞2008年6月24日付 大学院生への経済支援広がる 東工大は博士課程の授業料を免除  大学院生に対し、まとまった規模の経済支援策を講じる動きが有力大を中心に相次いでいる。慶応大は今年度から、医学研究科博士課程の1、2年生全員に奨学金を出す仕組みを導入。東京工業大は博士課程全員の授業料を免除したほか、東京大も博士課程の9割が授業料半額免除以上の支援を受けられるようにした。優秀な学生の囲い込みが狙いで、学生を引きつけられる大学とそうでない大学の二極化も一段と進みそうだ。  慶大の医学研究科の奨学金は年最大60万円。博士課程の1、2年生は全員、3、4年生は優れた業績をあげた学生が対象になる。毎年200人が対象となる。 "[he-forum 13443] 中日新聞6/26 中日新聞2008年6月26日付 三重大にベンチャー支援研究室 百五銀などとタッグ  三重大(津市)は野村証券(東京)や百五銀行(津市)と手を組んで、ベンチャー企業の成長を支援する「野村証券・百五銀行・創業革新プロジェクト研究室」を7月に学内に開設することになった。同大で25日、3者が協定書に調印した。国立大学法人が民間企業と企業支援に取り組むのは全国初という。  新しいベンチャー企業ができても、なかなか軌道に乗らず業績が伸びていかない実情から、どうしたら成長できるかを共同研究し、具体化するのが狙い。将来的に上場企業になるような基盤作りを支えるという。  研究室は県内で成長が期待できるベンチャー企業を発掘し、新たな製品開発や販路拡大策などのプロジェクトを個々に設ける。野村証券や百五銀行は提携企業の紹介や経営のアドバイスをし、同大は研究開発の場やスタッフを提供する。  支援する業種は医療やバイオテクノロジーなどの分野が中心。既に県内の4社が対象に上がっていて、2社程度を先行して取り組みたいという。研究資金などは野村証券と百五銀行が年間計500万円を援助する。  研究室の事務局を務める同大医学部産学連携医学研究推進機構の西村訓弘教授は「有望な企業をじっくり育てて成功例を積み上げ、いずれは全国に波及して『三重に来れば何かできる』という企業が県内に集積するようになれば」としている。  (神田要一) "[he-forum 13444] 京都新聞6/25 京都新聞2008年6月25日付 トヨタ自の寄付講座を開設 京大が7月 先端電池で  京都大は24日、工学研究科にトヨタ自動車(愛知県)の寄付講座「先端電池基礎講座」(西尾晃治教授)を7月に開設すると発表した。期間は2011年3月までで、総額は9000万円。  地球温暖化を防ぐため、化石燃料に代わる電気自動車への利用を目指し、既存電池を高性能化する基礎技術と、革新的な反応メカニズムによる電池開発を進める。トヨタ自動車の寄付講座は、名古屋工業大に次いで2件目。 "[he-forum 13445] 時事通信6/25 時事通信2008年6月25日12時21分 骨太方針を了承=「最大限の削減」堅持-自民政調  自民党は25日午前、党本部で政調全体会議を開き、政府の経済財政改革の基本方針「骨太の方針2008」を了承した。政府は26日の同党総務会で正式に了承されれば、27日に閣議決定する方針。  会議では、歳出全般の「最大限の削減を行う」との文言について「最大限の無駄削減に書き直すべきだ」「仕事を増やしてほしいとの地方の声に応えられない」などと修正を求める意見が相次いだ。これに対し、谷垣禎一政調会長は「財政再建路線の放棄と言われるから落せない」と拒否。「機動的な財政運営を福田康夫首相と相談する」と理解を求め、一任を取り付けた。  また、公明党も25日の政調全体会議で斉藤鉄夫政調会長に一任し、正式に了承した。 "[he-forum 13446] 毎日新聞6/26 毎日新聞2008年6月26日付 国立大学病院:共通インターネット会議システムの運用開始  全国に42ある国立大学付属病院の病院長会議は25日、共通のインターネット会議システム(UMICS)の運用を始めたと発表した。複数の医療機関による合同研修や会議などを充実させるとともにコスト削減も図りたい考え。  UMICSは、ネットワークサービス「エイネット」(東京都千代田区)のシステムで、サーバーと専用ソフトウエアからなる。東京大学医学部付属病院内にサーバー1台を設置。各病院はソフトを入れ、ウエブカメラとマイクを揃えれば利用できる。ライセンス利用数を限定せず、必要に応じて大人数の会議から、1対1の情報交換まで柔軟に使えるという。  IT化が遅れている分野の一つとされる医療。病院長会議の合意形成に2年かかったという。大学病院医療情報ネットワーク研究センターの木内貴弘センター長は「ようやく」の思いをにじませ、「UMICSは汎用システムのままで、病院向けのカスタマイズはしていないが、42病院が共通のシステムを使うことで、ネット会議を普及させたい」と話す。多くの大学病院が使うようになれば、会議のために移動する必要がなくなり、導入コストはすぐに回収できる見込みという。【岡礼子】 "[he-forum 13447] 共同通信6/27 共同通信2008年6月27日23時14分 教育の数値目標は明記せず 財務省反対で 教育基本計画、1日決定へ  政府が初めて策定する教育振興基本計画最終案の大枠が27日、明らかになった。文部科学省が求めた「国内総生産(GDP)に占める教育投資の割合を5・0%超に拡充する」など焦点の数値目標の設定は、財務省などの反対で文科省が盛り込みを断念した。  計画策定を契機に教育予算の大幅増を狙った文科省の狙いは大きく後退した。政府内の調整は27日に終了、30日に与党の了承を得て7月1日の閣議決定を目指す。  最終案では、教育投資については「経済協力開発機構(OECD)諸国など諸外国の状況を参考に、必要な予算の財源を措置し、教育投資を確保する」との表現にとどめ、数値の明記は避けた。  さらに小中学校の教職員定数を約2万5000人増やすよう文科省が求めていた点についても人数は示さず、改定学習指導要領の円滑な実施に向けて「定数の在り方を検討する」との文言に修正することで合意した。  最終案について渡海紀三朗文科相は27日午後、「満足できる記述ではないが、毎年の予算要求で頑張っていこうと決断した」と記者団に説明した。  文科省は5月23日、GDPに占める教育投資の割合を現在の3・5%から「OECD諸国平均の5・0%を上回る水準」に拡充するなどの数値目標を盛り込んだ計画原案を発表した。  これに対し財務省や総務省は、政府の歳出削減や地方公務員の削減方針に反するとして反対。折衝は暗礁に乗り上げていたが、重要政策の基本方針である「骨太の方針2008」を27日に閣議決定したことから、町村信孝官房長官が渡海文科相ら関係閣僚に早期決着を指示、数値目標の取り下げで合意した。 "[he-forum 13448] 時事通信6/27 時事通信2008年6月27日17時15分 公益法人を大幅削減=「歳出削減路線」掲げる-福田政権初の骨太方針  政府は27日、経済財政諮問会議と臨時閣議を相次ぎ開き、福田政権で最初の経済財政改革の基本方針「骨太の方針」を決定した。福田康夫首相肝いりの行財政改革では、行政経費や政策の無駄を排除する一環として、行政と関係が密接な公益法人を大幅削減する方針を追加。また、歳出・歳入一体改革を進め、来年度予算で「最大限の削減を行う」との表現も堅持した。低炭素社会の構築、消費者庁創設など福田カラーも押し出した。  首相は諮問会議の席で「概算要求では一般、特別会計を根底から厳しく洗い直し、無駄ゼロや政策の棚卸しを徹底させたい」と述べ、額賀福志郎財務相に来年度予算編成作業の中で財政健全化と重点施策を両立させるよう指示した。 "[he-forum 13449] 6/29しんぶん赤旗 2008年6月29日(日)「しんぶん赤旗」 政治のいま なぜ 教育条件 世界と差 日本81万円 仏2万円―国立大学費  日本の教育予算は、世界の水準と比べてあまりに貧しいレベルに落ち 込んでいます。いまどんな状態なのか。なぜここまで差が広がったの か。考えました。(坂井希) 40人学級 「それで教育できるのか」  日本の教育予算は対GDP(国内総生産)比で3・5%です。OEC D(経済協力開発機構)各国平均は5%。日本は加盟三十カ国中、下か ら二番目という低さです。  この結果、日本の教育の実態は深刻なことになっています。  世界では少人数学級が主流です。ところが日本では国基準で一学級四 十人まで認めているため、平均学級規模は他国と比べ際立った大きさで す。  「欧州で『日本の小学校は平均二十八人学級だ』と話すと『それで教 育できるのか』と驚かれます。『教育は対話を通じた相互活動。一クラ ス二十人程度が限度』というのが、欧州では常識なのです」と、都留文 科大の佐藤隆教授(教育学)は話します。 機会均等へ努力  大学の学費はどうか。日本では初年度納付金(入学金+授業料)が国 立大で八十一万七千八百円、私大で平均百三十万八千三百二十円です。 日本学生支援機構の奨学金は返還が必要な貸与制で、そのうち有利子が 六割を占めています。  英国も欧州の中では高学費ですが、返還しなくてよい給与制奨学金が あり、家庭の年収が五百二十五万円以下の場合で約五十九万円受け取れ ます。卒業後、年収が三百十五万円以上に達してから返還すればよい貸 与制奨学金もあります。  米国では学生の七割が、私立に比べると学費が安い州立大に通ってい ます(日本は私大に七割)。給与制奨学金を44%の学生が利用。貸与 制も含めると82%の学生が財政支援を受けています。  ドイツでは、半数以上の州で授業料無償です。最高年額約六十万―八 十万円の半額給与・半額貸与奨学金を25%の学生が受けています。  フランスは授業料無償で二万一千円の学籍登録料がかかるのみです。 ほかにチェコ、デンマーク、ポーランドなど欧州の多くの国々 で、大学まで無償です。  前出の佐藤教授は「フィンランドも公・私立を問わず学費は大学まで 無料です。給食費や交通費も家庭の負担はゼロです。同国の憲法は日本 国憲法と同様、教育の機会均等を定めています。これを文字通り実現す る立場で、政治が努力しているのです」と話します。 「受益者負担」論で予算抑える  なぜ日本では、教育予算が低く抑え込まれてきたのでしょうか。  「『財政難だから』という政府の説明は違います。『教育は国民の権 利だから公費による教育を拡充する』という考え方がないからです」。 近畿大学の土屋基規教授(教育行政学)は言います。  憲法第二六条は「義務教育の無償」を定めています。ところが政府は 「これは国の努力目標を定めた条文で、個々の国民に具体的権利を与え るものではない」という解釈を続けてきました。  一九六四年二月の最高裁判決は「義務教育の費用はすべて国が持つべ きものではなく、親も応分の負担をすべきだ」との見解を示しました。 この後「無償」の範囲は公立義務教育学校授業料と教科書代に限定さ れ、「教材費や給食費などは家庭が負担して当然」という流れがつくら れました。  一九七一年の中央教育審議会(文相の諮問機関)答申は、大学学費に ついて「大学教育で利益を得るのは学生だから、費用も学生が負担すべ きだ」という「受益者負担」論を提唱。この後、学費はうなぎ上りとな り、現在は七〇年比で国立大で四十五倍、私大で九倍にもなっています。  八〇年代からは臨調「行革」の名の下に教育の民営化や規制緩和が進 行。小泉「構造改革」がこれを加速させました。「良い教育を受けたけ れば自己負担を」という「受益者負担」論は、いっそう強められていま す。  「政府は、親の教育熱心さにもつけ込み、教育の私費負担を増やして きました」。こう話す土屋教授は、「七〇年以降、国の行政費に占める 教育費の割合は、七五年の12%台をピークに、現在8―9%台まで下 がっています。中等・高等教育の漸進的無償化を明記した国際人権社会 権規約第一三条二項(b)(c)もルワンダ、マダガスカルと並んでい まだに留保している恥ずかしい状況です」と批判します。 政治動かすとき  日本共産党はこれまでも、学費値下げや少人数学級、私学助成増額な どを求めてきました。「教育投資の水準を他の先進諸国並みに」という 声は、党派を超えて広がっています。この声に、いまこそ政治はこたえ るべきです。 "[he-forum 13450] 時事通信6/30 時事通信2008年6月30日10時15分 「G8大学サミット」初開催=札幌  北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に先立ち、世界各国の大学の代表者らが地球環境問題を中心に話し合い、学術界からの国際貢献を目指す「G8大学サミット」が30日、札幌市で開幕した。  今回が世界初開催で、主要国や中国、インドなど新興国の計14カ国から米エール大、英ケンブリッジ大、北京大など35大学の学長らが参加した。   サステナビリティー(持続可能性)をテーマに、持続可能な社会の実現に向けた大学の役割や取り組みを討議。主催者のG8大学サミット運営会議の小宮山宏議長(東大総長)は冒頭で「人間の活動が社会的なシステムを壊している現実を見詰める必要がある。われわれの責務として、解決ビジョンを示すべきだ」とあいさつした。  会議は7月1日に閉会し、「札幌サステナビリティー宣言(仮称)」を採択して主要国首脳に支持を働き掛ける。 "[he-forum 13451] 秋田魁新報6/30 秋田魁新報2008年6月30日付 秋大に「総合医」講座、今秋にも開講へ 医師確保の呼び水に  秋田大医学部に、「総合医」(かかりつけ医)養成に向けた研究を行う県の寄付講座が開設される見通しとなった。医師確保総合対策の一つと位置づける県が、今秋の開設を目指し開会中の6月定例県議会に関連予算案1750万円を計上している。設置は2012年度までで、4年半で計1億5000万円余りを提供する考え。  総合医は臓器別の専門医と違い、患者の既往症や家庭環境を把握した上で、総合的な初期診療に当たり、専門的な治療が必要な場合は地域の中核的な総合病院などに紹介する役割を担う。  総合医の養成により、総合病院での軽症患者の受診抑制を図り、オーバーワーク状態にある病院勤務医の負担軽減や偏在と不足の解消、さらには医師の県内定着を目指す。高齢者が住み慣れた地域や家庭で適切な医療や介護サービスが受けられるよう、総合医を中心とした在宅ケアの基盤を整備する狙いもある。  講座名は「総合地域医療推進学講座」(仮称)。主なテーマは、▽総合医養成のためのシステム構築▽地域における保健・医療・福祉の連携▽都市と農村の医療資源の格差解消とマンパワーの適正配置に向けた調査研究—など。医学生のほか、卒後の研修医、開業医らの受講も想定している。 "[he-forum 13452] 7/1しんぶん赤旗 2008年7月1日(火)「しんぶん赤旗」 断面 博士の就職難 大企業の社会的責任を問う  博士課程修了者やポストドクター(半年から三年の短期雇用研究員、 ポスドク)の就職難が社会的な問題となっていますが、これへの大企業 の責任を問ううえで、六月四日の日本共産党の石井郁子衆院議員の国会 質問は、重要な事実を指摘しました。博士の就職難は、政府が「院生の 倍加」政策をすすめながら、大学や研究機関の研究職を増やさなかった こととあわせ、博士を増やすことを求めながら、その採用を増やそうと しない大企業の無責任が、背景にあります。  たとえば、製薬業などバイオ産業の業界団体である日本バイオ産業人 会議は、一九九九年の提言「バイオ産業技術戦略」で、バイオテクノロ ジー産業の市場規模を二〇一〇年に、二十一倍の二十五兆円にするため には、「日本の博士はアメリカの三十分の一」だから、「大学や大学院 での生物系の教育を受けた人材を拡充すべき」として、学部や大学院の 再編、ポスドクを増やすことを要求していました。  こうした提言もあって、政府は、バイオテクノロジー(BT)戦略大 綱(二〇〇二年十二月)で、「BTを支える人材供給の抜本的拡充」の ために、BT関連人材養成プログラムを充実する大学への重点的な支援 を行うとしました。このため、生命科学系の学部や研究科の新設が相次 ぎ、バイオ系ポスドクも急増。ポスドク全体の中で、最も多い四割をし めています。  ところが、民間企業による博士やポスドクの採用は冷え切ったままで す。就職支援雑誌を発行する「毎日コミュニケーションズ」の調査で も、ほぼ毎年博士課程修了者を採用している企業は2・9%、ポスドク はたった0・2%です。製薬大手は、国内研究所を相次い で閉鎖し、医薬品関係の研究者を、この五年で四割も削減しています。  大学や研究機関に対しては、研究成果(論文)を活用するために、博 士やポスドクを増やすよう求めながら、その就職に対しては自らの責任 を果たさない――こんな身勝手な話はありません。まさに若手研究者 の“使い捨て”です。企業は、企業としての研究開発のためにも、増や した博士やポスドクを雇うべきです。  石井議員が、「大企業に、博士やポスドクの採用を増やすべきだ、社 会的責任を果たせと求めるべきではないか」と迫ったところ、政府は 「機会あるごとに求めていく」と答弁しました。大企業の社会的責任 が、若手研究者の就職難をめぐっても、いま鋭く問われています。(土 井 誠) "[he-forum 13453] 時事通信7/1 時事通信2008年7月1日10時31分 ●数値目標明記せず=教育基本計画  政府は1日の閣議で、今後5~10年間の教育政策の目標を定めた教育振興基本計画を決定した。焦点だった教育投資の規模と教職員定数に関する数値目標は、歳出削減路線との整合性を考慮し明記を見送った。重点政策として、幼児教育の無償化検討や福田康夫首相が掲げる「留学生30万人計画」の推進などを盛り込んだ。  同計画は、教育の成果目標として「世界トップの学力水準を目指す」と掲げた。しかし、歳出改革の方向性に配慮し、予算の拡充につながるような表現は最小限に抑えた。  文部科学省は、投資規模の数値目標について「国内総生産(GDP)比5%を上回る水準」を、教職員定数では「2万5000人程度の改善」の明記を目指したが、財務省などが難色を示し、最終的には「諸外国の教育投資の状況を参考にする」「定数のあり方について検討」などの表現にとどめた。  今後5年間で取り組むべき政策では約80項目を列挙。このうち、重点政策には幼児教育無償化の検討のほか、(1)道徳教材に対する国庫補助制度などの方策の検討(2)世界最高水準の教育研究拠点の形成(3)小中学校施設約1万棟の耐震化-を挙げた。 "[he-forum 13454] 朝日新聞6/30 朝日新聞2008年6月30日付 授業の質 連携で高めろ  教育の質を向上させるためのファカルティー・ディベロップメント(FD)と呼ばれる取り組みが、今年度から大学で義務化された。既に8割以上の大学で実践されているが、どれだけ「実効性」のある取り組みにするかが課題とされる。そんな中、ノウハウの共有でより充実したFDを目指そうと、大学間の連携を進める動きが広がっている。(大西史晃) ◆「FD」義務化で各地に協議会  「(居合や吹き矢を)グループに分けて回転させながらやっていた。みんなが楽しめるようすごく工夫されている」「ほめるのがとても上手」  4日、山形市の山形大で、同大の教員ら6人が懇談会を開いていた。直前にあった竹田隆一教授によるスポーツ実技の「武道」の授業を参観した上で、感想を出し合う。  山形大がFDの一環として行っている公開授業の取り組み。公開する側はもちろん、参観する側の授業改善にも生かしてもらうことが目的で、「大切なのは授業中の学生の反応」といったポイントをあらかじめ参加者に伝えるなど、効果を高めるための工夫もうかがえる。  山形大は、FDに熱心に取り組んでいることで知られる。99年からワークショップを始め、その後、学生も対象にした授業改善アンケート、公開授業などの取り組みを次々と導入。さらに、近年力を入れているのが大学の枠を超えたネットワークづくりだ。  04年に、県内6大学・短大のFD担当者からなる協議会「樹氷」を設立。今年3月には対象を東日本に広げ、「つばさ」をつくった。発足時の参加校数は東北地方を中心に大学、短大、高専を合わせて35。それぞれが培ってきたFDの成果の共有などが目的だ。  つばさの設立は、今年度からFDが義務化されたこともきっかけ。議長に就任した小田隆治・山形大教授は「ネットワーク化することで互いの勉強の場が増え、バラエティーも広がる。それぞれの大学や短大に自分たちのニーズに応じた選択をしてほしい」と話す。  会員校には活動に関する情報の共有も呼びかける。竹田教授の公開授業の開催もメールで連絡。岩手県からは一関高専の清水久記教授が見学に来た。工学が専門という清水教授は「工学の授業は一方的になりがち。常に学生を見ながら、個別に指導していく竹田先生のやり方はとても参考になった」。  つばさは、合宿形式のセミナーや、個別の教員の授業改善を支援する「授業改善クリニック」なども計画している。小田教授は「保健医療、短大などの分科会をつくり、学問の専門性や学校の設置形態に合わせたFDを推進していきたい」と、将来像を語る。  こうしたネットワーク化の動きは関西でも進む。4月には、「相互研修型」のFDの推進を掲げた「関西地区FD連絡協議会」ができた。参加する大学・短大は発足時で100校を超えており、授業評価の研究なども共同で行う予定。  代表幹事校である京都大の大塚雄作・高等教育研究開発推進センター教授は「ネットワークをつくれば、自分たちだけでは気付かない点も見えてくる。協議会を、教育を活性化する場にしていきたい」と話す。 ◆中教審「成果は不十分」  FDは一般に、教員の授業内容や方法を改善するための組織的な取り組みのことを言う。99年に努力義務が課され、08年度からは設置基準の改正で、大学のほか短大や高専でも義務化された。文科省の06年度の調査では、全体の約86%の628大学が実施。内容は「講演会等の開催」が416大学と最も多い。  だが、学士課程(学部)教育の在り方について話し合っている中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の部会は今月公表した答申案で、FDが「我が国全体として教員の教育力向上という成果に十分つながっているとは言い切れない」と指摘。課題として一方向的な講義にとどまっている点や、教員相互の評価、授業参観などが十分に根付いていない点を挙げた。  文科省の担当者は「せっかく学生に授業評価させても、それをFDにフィードバックさせていないケースなどがある。FDの必要性を大学自らが自覚し、納得した上で臨んでもらわないと効果は少ない」と話す。  中教審は答申案で、FDのほか事務職員らを対象にした能力開発(スタッフ・ディベロップメント、SD)の重要性を指摘し、「大学間の協同の体制づくりに向け、関係者が主体的な努力を払うとともに、国としても適切に関与していくことが求められる」とした。  私立大学情報教育協会が加盟大学・短大の専任教員を対象に行った07年度の調査では、授業改善に向けた「一大学で解決できない課題」の回答として、大学では「FD成功事例・授業コンテンツのアーカイブ(保存記録)化」が32.2%、短大では「大学間共同による分野別FD研究の振興・普及」が33%と最多だった。 "[he-forum 13455] 時事通信7/1(2) 時事通信2008年7月1日12時41分 東大、7500万追徴課税=研究費で不正経理-国税局  東京大学が、東京国税局の税務調査を受け、2004年度に研究費などの支出に関し消費税の申告漏れを指摘され、重加算税を含む約7500万円を追徴課税されたことが1日、分かった。東大は既に修正申告した。  関係者によると、問題になったのは国などからの研究費に関する支出。研究費を04年度内に使い切ったことにするため、同大の複数の部局で、業者に備品などを発注する際、納品の日付を偽った書類を作成させ、この分の消費税を控除していた。  備品は翌年度に納入されたが、国税局は意図的に時期をずらしたなどとして控除を認めなかった。04年度に不適切と認定された支出は約30億円になるという。  東大は「国税当局の指摘を厳粛に受け止め、必要な是正措置を講じている」としている。 "[he-forum 13456] 中日新聞7/2 中日新聞2008年7月2日付 地域産業、名誉教授が先導 名古屋の研究所が全国初の活動拠点 ◆資金得て研究に没頭  研究者として現役引退した理工系の名誉教授の知識や人脈を活用し、東海地区の最先端のモノづくりを引っ張ってもらおうと、産学連携の研究を進める名古屋産業科学研究所(名古屋市中区)が、全国初となる名誉教授のための活動拠点をつくった。  名誉教授の再登板の舞台は、同研究所が一部署として4月に設立した「研究部」。現在、名古屋大工学部を中心に名古屋工業大、三重大、岐阜大などの名誉教授約20人が研究員として登録する。  これまで国公立大の名誉教授は「大学退職イコール現役引退」。私立大の教授などに再就職するものの、研究施設は与えられず講義に専念するケースが多かった。研究活動を望んでも、名誉教授の称号だけでは研究費も申請できなかった。  しかし名古屋産業科学研究所の研究員になれば、文部科学省や経済産業省に研究資金を申請できる。さらに現役世代が国立大法人化以降、研究予算を獲得するため学会受けする研究に力を入れる傾向にあるため、逆に名誉教授は基礎的な研究に狙いを定めて資金を得て、研究に没頭することもできる。  研究員の毛利佳年雄さん(67)=名大名誉教授=は、既に文科省などから4件の研究費を取った。中高年ドライバーの運転能力測定・訓練シミュレーター開発など企業、行政と連携した試みもある。1億2000万円の研究費も申請中だ。「名誉教授の自由な立場から、大学や企業に面白い共同研究を持ち掛けることもできる」と語る。  同じく名大名誉教授の服部忠さん(67)は「教授時代は学会や学生指導に追われ、再就職の私大では研究費申請も難しかった。ようやく人工知能を使った触媒の研究ができる。名誉教授が日本の科学技術発展の支えになる」と意欲を燃やす。  【名古屋産業科学研究所】 産業にかかわる学術研究などを目的に1943(昭和18)年設立された財団法人。自主研究のほか産学官連携事業の推進、特許の管理などを事業としている。企業や国の寄付金、助成金、特許の管理費などで運営。 "[he-forum 13457] 山陰中央新報7/2 山陰中央新報2008年7月2日付 島大医学部が定員5人増で推薦枠  全国の大学医学部の定員を増やす国の医師確保対策を受け、島根大医学部(出雲市塩冶町)は一日、来年度入試から医学科の入学定員を五人増の九十人とし、増員分を特別推薦枠として募集する、と発表した。同枠の設置は九年間の暫定措置。島根県の奨学金制度の利用を出願要件とし、卒業後九年間の県内勤務を条件に奨学金の返還を全額免除することで、医師の定着を図る。  県の奨学金制度は入学金のほか、授業料と月額十万円を六年間貸与する。総支給額は約一千万円。卒業後、県内で初期臨床研修やへき地勤務を含め、九年間勤務できなければ全額返還させる。  他の出願要件は、学校長の推薦や論文の提出、県担当者による面接、県内の医療機関での体験活動を通した事前の適正評価など。県内の過疎地出身者に限る同学部の地域枠推薦入試(定員十人)とは異なり、出身地は問わない。  出願の受け付けは、十一月四日から同十日まで。十二月の小論文と面接で行う選考試験を経て、センター試験の成績を加味し合格者を決める。一般入試との併願は可能。  問い合わせは同大医学部学務課入試・大学院室(電話0853・20・2087)。 "[he-forum 13458] 山形新聞7/2 山形新聞2008年7月2日付 山形大が「産学連携教授」創設 柴田孝氏が第1号に  山形大は、民間企業などで優れた業績を挙げた人材を登用して産学連携の促進を図る「産学連携教授」制度を創設し、第1号として1日、元NECパーソナルプロダクツエグゼティブアドバイザーの柴田孝氏(61)=米沢市=を採用した。  同大によると、産学連携教授制度を設けるのは全国でも珍しいという。制度は今年6月に創設しており、産学連携教授は1年契約で最長5年まで更新できる。柴田教授は、米沢地域の新たなビジネスモデルを構築する米沢ビジネスネットワークオフィス(BNO)の発足に中心的な役割を果たし、同大客員教授を務めた経験もある。  結城章夫学長は「米沢BNO設立など、多方面で活躍されている方。就任に向けて交渉を重ねてきたが、承諾を得てうれしい」と語る。柴田教授は「産業界と大学をつなぐ知的クラスターづくりに力を入れていく。大学院ものづくり技術経営学専攻(MOT)で、ものづくりを科学する領域を担当してみたい」と意欲を話している。 "[he-forum 13459] 信濃毎日新聞社説7/2 信濃毎日新聞社説2008年7月2日付 教育基本計画 実現の道筋が見えない  「教育立国」を目指すのに、肝心なことが抜け落ちている。政府が初めてつくった「教育振興基本計画」だ。  改正教育基本法に基づいて、10年先の教育のあり方を見すえて、5年間の教育政策の目標と実現への道筋を示している。「欧米主要国を上回る教育の実現」を掲げ、力を入れることとして、小中学校の新学習指導要領による学力の向上、幼児教育の無償化の検討、小中学校1万棟の耐震化の促進などを挙げた。  だが、その裏付けとなる人材と予算の手当てが、基本計画に盛り込まれていない。これでは実現はおぼつかない。  「ゆとり教育」から転換して、授業時間も教える内容も大幅に増えた新指導要領は、来年春から一部前倒しして実施される。このままでは、学校現場の負担が増す一方だ。文部科学省は教育予算を拡充するために、具体的な手だてを講じなくてはいけない。  文科省は、5月に発表した基本計画案では数値目標を掲げていた。国内総生産(GDP)に対する教育投資の割合を、5・0%を超える水準まで引き上げ、公立小中学校の教職員の数も2万5000人程度増やす、というものだ。  それを最終的に引っ込めたのは、財務省の反対を押し返せなかったからだ。歳出を抑えたい財務省は、教育目標は投資の額でなく、学力の向上など成果で示すべきだ-と主張した。  投資を増やすことで、教育をどう変えるのか。財務省を説得できるだけの具体像が、文科省側に欠けていた面は否めない。ただ、教育への投資は、短い間にその結果が現れるとは限らない。  文科省が主張した「GDP比5%」の目標は、経済協力開発機構(OECD)諸国の平均値でもある。日本は現在3・5%、下から2番目だ。経済発展の恵みを、公教育に振り向けてこなかったことは明らかだ。  少子化が進むなかで、子どもたちはより少人数の学級で、先生のきめ細かな指導を必要としている。学ぶ環境を整えていくために、厳しい財政状況であっても、教育への支出を優先すべきだ。  残念なのは、中央教育審議会の姿勢だ。4月にまとめた基本計画に向けた答申が、そもそも数値目標を示すのを避けていた。財務省の反対を考慮したためという。  省庁の言うままに答申するなら、中教審の存在価値はない。本来の役目に立ち返って、広い視野から、現場の抱える問題にこそ、目を向けてほしい。 "[he-forum 13460] 朝日新聞社説7/2 朝日新聞社説2008年7月2日付 教育基本計画―学力向上へ大胆な投資を  様々な政策が総花的に盛られているが、肝心のことが書かれていない。  教育基本法の改正を受けて、初めての政府の教育振興基本計画が決まった。しかし、焦点となっていた教員数や教育予算などの数値目標は軒並み削除された。  10年先のあるべき姿を見据えて今後5年の施策に取り組む。それが基本計画のねらいだ。  文部科学相の諮問機関である中央教育審議会の答申に、数値目標はなかった。これに対し、教育の底上げには数値目標が必要だ、との批判が教育現場だけでなく、与党からも上がった。  文科省は急きょ、数値目標を基本計画に書き足した。教育予算の対国内総生産(GDP)比を、現在の3.5%から経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の5%に引き上げる。教職員を2万5千人増やす――。  だが、何せ付け焼き刃である。なぜ、5%なのか、2万5千人なのか。この投資でどんな成果が得られるのか。説得力に乏しかった。ただでさえ、歳出削減を求められる時代に、ただ金をよこせ、人を増やせだけではさすがに通らなかった。  しかし、今回の文科省の要求の仕方が稚拙だったからといって、大胆な教育投資が必要でないわけではない。  そもそも今回の基本計画から根本的に抜け落ちているのは、日本の教育の問題点をどう総括し、そのための処方箋(せん)をどのように描いていくかである。解決方法をきちんと打ち出していけば、教育予算をどのくらい増やさなければならないかもはっきりする。  例えば、日本の教育が抱える大きな問題は学力低下だ。特に国際的な調査で深刻さが浮き彫りになっているのは、考える力の不足と、できる子とできない子の二極化である。  この解決に必要なのは、子ども一人ひとりの状況に合わせて、きめ細かな指導をすることだろう。それには子どもたちと日々向き合う教師の量を増やし、質を高めていくしかない。  今はかつてない教師受難の時代である。一部のダメ教師の存在をきっかけに、教員免許更新制が導入された。いじめや不登校に加え、学校に理不尽な要求をするモンスターペアレントも増えた。そうしたことに嫌気が差して、教師の志望者が減っている。  そんな中で、人材を集め、質の高い教師に育てるには、教師の待遇を良くし、養成方法を工夫する必要がある。  公立学校への不信が指摘されて久しい。東京都杉並区の公立中の夜間塾などの対症療法ばかりが注目されるのも、不信の裏返しである。  財政が厳しいのはいつの世も変わらない。政府は教育の重要性を言葉で語るばかりでなく、教育投資を着実に増やしていってもらいたい。 "[he-forum 13461] 日本経済新聞社説7/2 日本経済新聞社説2008年7月2日付 「教育」が見えぬ教育振興計画  「教育立国」を高らかに掲げているわりには、総花的で胸に迫るものがない。新しい教育基本法の規定に基づき、政府がきのう閣議決定した初の教育振興基本計画である。  計画には、今後10年間の大きな方向性と5年間に取り組む個別の施策を盛っている。しかし取りまとめの過程では具体的な議論は置き去りにされ、教育への財政支出について数値目標を明記するかどうかをめぐって延々と時間を費やした。  もともと中央教育審議会が4月に出した答申では数値目標は記していなかった。ところが自民党の文教族議員などから批判が高まり、文部科学省は(1)教育支出を10年間で国内総生産(GDP)比5%に引き上げる(2)教職員の定数を5年間で2万5000人増やす――などを打ち出した。  これに財務省などが強く反発し、迷走の果てに結局は数値目標盛り込みを見送ったのが今回の計画だ。  たしかに日本の教育支出はGDP比で約3.5%と、経済協力開発機構(OECD)諸国の平均である5%とは開きがある。特に、国際的な人材育成競争にさらされる高等教育段階での見劣りは憂慮すべきだ。  しかし、ひたすら数字を巡る攻防に終始したのは不毛だった。「学校をこう変える」「こんな人材を育てる」といった未来図を示し、メリハリをつけたうえで投資額を導き出すべきではなかったか。財政規律を重んじる財務省などと議論がすれ違いに終わった要因はここにある。  個々の施策をみても「社会全体の教育力を向上させる」「世界トップの学力水準を目指す」などと多彩ではあるが、突っ込んだ手立ては書き込んでいない。目立つのは「検討する」「図る」「推進する」といった役所用語だ。「教育立国」への決意は、そこからは伝わってこない。  もうひとつ気になるのは、教育の地方分権に向けた熱意が欠けていることだ。計画は地方の自主性を尊重する姿勢をにじませてはいる。しかし本気で分権に踏み出すなら、学習指導要領をはじめとして国の画一的な統制を緩める必要がある。計画にそうした発想はみられない。  10年先まで見据えたという長期計画だが、こうした内容で時代の激変に本当に耐えられるのだろうか。 "[he-forum 13462] 宮崎日日新聞社説7/2 宮崎日日新聞社説2008年7月2日付 教育振興基本計画 これでは現場の負担が重い  政府は今後10年間を通じて目指す教育の姿や、5年間に重点的に取り組む施策を盛り込んだ教育振興基本計画を閣議決定した。  改正教育基本法の目玉である同基本計画の策定を契機に教育予算の確保を目指していた文部科学省だが、財務、総務両省との激しい綱引きの末、焦点の教育投資や教職員定数改善の数値目標はいずれも見送られた。  長期計画で安定財源確保を目指した文科省の狙いは大幅に後退し、将来への展望がない。  渡海紀三朗文科相は「毎年の予算編成の中で必要な主張をしていく」というが、それでは長期計画は「名ばかり」と言われても仕方ないのではないか。 数値目標盛り込めず  焦点となっていた教育投資の数値目標について、文科省が原案に盛り込んだ「国内総生産(GDP)に占める教育投資の割合を5%超に拡充する」との表現は、「経済協力開発機構(OECD)諸国など諸外国の状況を参考に、必要な予算の財源を措置」との表現にとどまった。  最低でも「充実」のニュアンスを出したいとした文科省の思惑は見事に打ち砕かれた形だ。  小、中学校の教職員を約2万5千人増やすとの数値目標も「改善」の2文字も盛り込めず、「教職員定数の在り方などの条件整備を検討する」との抽象的な表現にとどまった。  「教育は百年の計」と言いながら10年の計についても、具体的な道筋を示すことができない日本の教育の現状を見せつけられる。  教育基本法の改正作業の過程で、安定財源確保が期待できる基本計画を盛り込むことが呼び水となったが、肝心の基本計画について文科省側は「方向性は明記できた」と言うにとどまり、今後に多くの課題を残した。 新学習要領大丈夫か  今年3月には小、中学校の教育内容を規定した新学習指導要領が告示されている。  近年の学力低下への懸念の高まりから「ゆとり教育」路線を変更、学習内容を増やし約30年ぶりに授業時間数も増加に転じた。  今回の基本計画は、この新指導要領実施に向けての条件整備になっているのだろうか。  小学校は2011年度から、中学校は12年度から全面実施されるが、授業時間数を増やし、小学校英語必修化や手間ひまがかかる「活用」重視の学習は学校現場、とりわけ教師らにこれまで以上に大きな負担がのしかかる。  文科省が要求してきた教職員2万5千人増は、現行の指導レベルを維持するための数字である。  今回の計画ではそれすら認めないのである。新指導要領下では現場はより多忙となり、教師が子どもと向き合う時間もなくなる。  教育における国の責任が強調される割には基本計画から周到な戦略が見えてこない。とりわけ文科省の責任は重い。 "[he-forum 13463] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に(35号)] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に(35号) Date: Wed, 2 Jul 2008 20:28:38 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org To: NQJ35480@nifty.com ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 35号 2008年7月2日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 前号からちょっと時間がたってしまいました。通常国会は共謀罪審 議もなく終わりましたが、8月に予定されている臨時国会の法務委 員会は要注意でしょう。廃案へむけた大切な国会になると思われま す。ぜひこのメルマガを周囲のみなさんにも勧めてください。いっ しょにがんばりましょう。 ────────────────────────────── 35号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  7/19 原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会  7/20 言論弾圧の水脈──横浜事件から立川反戦ビラ弾圧へ  7/21 緊急シンポ 非正規滞在(オーバーステイ)者  7/22 連続講座 監視と福祉のはざま:「外国人住民台帳」制度 ■国会情勢 危機深まる福田政権 ■共同声明 G8サミット市民団体共同声明 ■パンフレット 『共謀罪×盗聴法』 ■ニュース  G8司法・内務大臣会議の宣言文書  『法と民主主義』が「サミットと『テロ対策』」を特集  サミット人権監視弁護士ネットワークがグリーンピース・   ジャパン2名の逮捕で抗議声明  サミット人権監視弁護士ネットワークが入国規制で抗議声明 ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆7/19 神奈川・横須賀市 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━  原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会  http://www.peace-forum.com/army/20080719poster-chirashi.pdf ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 7月19日(土)pm1:00~ ところ 神奈川県:横須賀市ヴェルニー公園 ○JR横須賀線横須賀駅2分、京浜急行汐入駅2分 http://www.mapion.co.jp/c/here?S=all&F=mapi4714876080701025340 ◇プログラム  プレイベント:pm1:00~ 集会:pm2:00~ 集会終了後パレード ◇連絡先  原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会実行委員会  Tel.046-826-2065  フォーラム平和・人権・環境/原水禁 Tel.03-5289-8222 ◆7/20 集会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  言論弾圧の水脈  ──横浜事件から立川反戦ビラ弾圧へ──  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき:2008年7月20日(日)pm2:00~5:00 ところ:東京・後楽園:文京区民センター3A集会室 ○都営地下鉄三田線・大江戸線春日駅、東京メトロ丸の内線・南北 線後楽園駅 http://www.mapion.co.jp/c/f?el=139/45/20.374&scl=10000&pnf=1&uc=1&grp=all&nl=35/42/20.433 ◇プログラム 講演:「言論弾圧と司法の戦争責任──そして現代」   小田中聰樹さん(東北大学名誉教授) 発言:大島久明さん(横浜事件第三次再審請求弁護団)・木村まき  さん(横浜事件第三次再審請求人)・山本志都さん(立川反戦ビ  ラ弾圧弁護団)・大西一平さん(立川反戦ビラ元被告)・岡田健  一郎さん(立川反戦ビラ弾圧救援会) シンポジウム:「抵抗の言論と表現──現在と未来」  鵜飼哲さん(一橋大学教員)・岡本厚さん(『世界』編集長)・  天野恵一さん(反天皇制運動連絡会) ◇資料代:600円 ◇主催:  横浜事件の再審を実現しよう! 全国ネットワーク   Tel.03-3452-5758   http://members.at.infoseek.co.jp/yoko_hama/main.html  立川反戦ビラ弾圧救援会 Tel.042-525-9036   http://www011.upp.so-net.ne.jp/tachikawatent/ ◆7/21 緊急シンポ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  非正規滞在(オーバーステイ)者  ~排除の上に築く共生でいいのか?~  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 7月21日(月)pm.2:00~5:00 ところ 東京・水道橋:韓国YMCA ○JR中央総武線水道橋駅徒歩6分、御茶ノ水駅徒歩9分 地下鉄神保 町駅徒歩7分  http://www.ymcajapan.org/ayc/jp/map1.htm ◇通訳:英語 ◇プログラム(予定) リレートーク:当事者・元当事者のトークとビデオ パネルディスカッション:  「今すぐ合法化を! ~非正規滞在者のこれまでとこれから」 会場からの質疑討論 ◇主催:外国人人権法連絡会/移住労働者と連帯する全国ネットワ   ーク/差別ウォッチ・ネットワーク ◇連絡先:移住連 Tel.03-5802-6033 ◆7/22 連続講座 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  監視と福祉のはざま:「外国人住民台帳」制度  いま求められる住民登録とは?  http://www.juki85.org/workshop/20080722alienlist.html  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 2008年7月22日(火)pm6:30~9:00 ところ 東京・後楽園:文京区民センター 3D会議室 ○都営地下鉄三田線・大江戸線春日駅、東京メトロ丸の内線・南北 線後楽園駅 http://www.mapion.co.jp/c/f?el=139/45/20.374&scl=10000&pnf=1&uc=1&grp=all&nl=35/42/20.433 ◇プログラム 報告:  新しい「在留管理」構想の概要 西邑亨さん(情報人権WS事務局)  在留外国人問題の現場から 佐藤信行さん(在日韓国人問題研究所)  在留外国人の人権の視点から 旗手明さん(自由人権協会) 質疑討論 ◇参加費 500円 ◇主催 反住基ネット連絡会  Tel.03-5155-4765(日本消費者連盟気付) ────────────────────────────── ■国会情勢■ ────────────────────────────── ◆危機深まる福田政権━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  問責決議と信任決議  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇はじめての首相問責決議────  6月21日に会期を終えた通常国会の参議院では福田首相問責決議 案が採択されました。問責決議案は戦後初めての採択であり、法的 拘束力はないとはいえ、最も直近の民意を反映する参議院の採択で ある以上、福田首相は辞職するか、衆議院を解散し、選挙で信任・ 不信任について、民意を問うべきでした。しかし、福田政権は、今 選挙をおこなえば、野党に転落すると政権維持のためにのみ、問責 決議を拒否したのです。 ◇内閣信任決議と福田政権の危機────  それどころか、与党は福田政権維持のために、衆議院で内閣信任 決議を採決するという茶番を演じたのです。  この問責決議に対する信任決議は、いかに福田政権・与党が追い つめられ、政権を維持するのに汲々としているかを暴露するものに ほかなりません。  問責決議は福田政権の法的拘束力はないという言動とは全く逆に 政権に深い打撃を与えています。市民は福田政権にノーを突きつけ 続けているのです。 ◇臨時国会で共謀罪廃案への道を────  G8サミットで政権の浮揚をはかる福田政権の思惑は成功していま せん。8月下旬か9月に開かれる臨時国会ではインド洋派兵・給油新 法をはじめ対決法案が増え、与野党の攻防が激化することは疑いあ りません。  鳩山法務大臣ら共謀罪推進派は、福田政権の再議決、強行採決の 流れにのることで、共謀罪の成立をはかろうとしています。  民主・野党との連携を強め、共謀罪反対・廃案の運動を確実に発 展させ、臨時国会での共謀罪審議入り・成立を阻止しましょう。そ して共謀罪廃案への道を開きましょう。 ────────────────────────────── ■共同声明■ ──────────────────────────────  2008年4月12日のシンポジウム、「G8サミットで拡大する監視社 会─「何」から「誰」を守るのか?」で呼びかけられた「G8サミッ ト、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する市民団体共 同声明」に、70団体(呼びかけ団体含む)の賛同がありました。以 下に共同声明全文を再掲します。 ◆共同声明━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  G8サミット、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する  市民団体共同声明  http://www.anti-tochoho.org/ut/ss20080412.html  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  誰にでも言論、思想、表現の自由は認められなくてはなりません。  とりわけ、少数者の言論、政府に対する批判は、言論・表現の自 由の原則であり、民主主義の基本です。しかし、G8サミットを前に、 表現の自由がかつてない危機に直面しています。  G8サミット、テロ対策の名のもと、北海道では、会場警備に自衛 隊まで動員され、監視カメラの増設や公園の使用自粛要請、サミッ ト会場周辺への立ち入り規制、上空の飛行禁止措置のほか、公共交 通機関での警備、全国から北海道への警察官の動員など、異常とも いえる監視、警戒態勢がひかれてきています。また、こうしたなか で、G8サミット、テロ対策を理由に、集会やデモなど正当な市民的 な活動のために来日しようとした外国人の活動家や知識人らがすで に入国できないケースが生じており、出入国管理の強化が現実のも のとなっています。  警備強化はこれにとどまりません。サミット会場である北海道や 関連する閣僚会合が開かれる首都圏、関西、新潟、青森だけでなく 全国すべての自治体で、警察ばかりでなく、学校や病院をはじめと する行政機関や民間をも巻き込む異常ともいえる監視、警戒体制が しかれつつあります。こうしたなかで、G8サミットに反対する意志 表示が「違法」な行為であるかのような雰囲気がつくられつつある ます。  G8サミットという発言力の大きい国々の首脳が集まる会合であれ ば、賛否があって当然のことです。しかし、サミットをめぐって、 賛成や賛美の言論やイベントなどが認められる一方で、これに反対 する言論や表現が警察力も動員して規制・抑圧されるのは、言論、 表現の自由と民主主義、人権を保障する国家のなすべきこととはい えません。  米国の9・11テロ事件以来この6年間、「テロの脅威」を理由とす れば、何をしても許されるかのように、監視・管理の体制が強めら れてきました。しかし、日本でいつ「テロ」事件がおきたのでしょ うか。一度もおきていません。その気配さえありませんでした。む しろ、正当な政治活動や市民たちの異議申し立ての活動をあたかも 「テロリスト」であるかのように宣伝し、その市民的自由を抑圧す る口実に「テロの脅威」を利用してきたのではないでしょうか。  私たちは、G8サミット、テロ対策を理由として、言論・集会など の表現の自由が規制され、監視・管理の体制が強化されようとして いることに強く抗議するとともに、政府に対して、憲法の保障する 言論、集会などの表現の自由にかかわる市民の権利を侵害しないよ う強く要求するものです。 ◇呼びかけ団体  一矢の会/盗聴法に反対する市民連絡会/ネットワーク反監視プ  ロジェクト/反住基ネット連絡会/プライバシーアクション ◇賛同団体(下記をごらんください) http://www.anti-tochoho.org/ut/ss20080412.html#one ────────────────────────────── ■パンフレット■ ────────────────────────────── ◆好評発売中━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  2008年5月制作の最新パンフレット  『共謀罪×盗聴法』   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  「盗聴法」に反対する市民連は、共謀罪法案と盗聴法との関わり にこれまでも強い危惧を表明してきました。このたび、この両者に あらためて焦点をあてたパンフレットを発行しました。共謀罪の廃 案と盗聴法の廃止運動にぜひお役立てください。(申込方法は末尾 にあります) ◇もくじ  共謀罪 最新Q&A:海渡雄一  コラム   ウィルス作成罪とコンピューター監視法   三浦事件と共謀罪  共謀罪攻防ドキュメント  なぜ盗聴法に反対するのか  違法に成立させられた盗聴法  年々増え続ける盗聴捜査  共謀罪がつくられ、盗聴法と連動すると  憲法も裁判所も無視する   ブッシュ政権の盗聴・監視捜査体制 小倉利丸 ◇編集・発行  フォーラム平和・人権・環境  盗聴法(組対法)に反対する市民連絡会 ◇体裁  A5判48ページ ◇頒価  200円(送料別) ◇購読申込方法  (1) まず送料をご確認ください。    1~2冊 80円     ~5冊 160円    ○6冊以上は下記の電話などでお問い合わせください。     地域によって送料が変わる場合がありますい     Tel. 03-5155-4765(日本消費者連盟)     Fax. 03-5155-4767     E-mail office.j@nishoren.org  (2) 冊数の代金と送料を郵便振込でお支払いください    郵便振替 :00130-0-22957    加入者名:日本消費者連盟    *振替用紙の通信欄に      「共謀罪×盗聴法」パンフレット  ○○冊     とお書きください。 ────────────────────────────── ■ニュース■ ────────────────────────────── ◆G8司法・内務大臣会議━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  継続的危険と進化する性質を強調する宣言文書を発表  http://www.g8jha2008.jp/contents/documents.html  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  6月11日~13日、東京で開かれたG8司法・内務大臣会議は、「国 際テロは世界的な脅威であり続けて」おりその「継続的危険と進化 する性質を強調」するとした総括宣言と、「より効果的な法制度及 び法執行能力を整備する上で、助力を必要とする国に対するキャパ シティ・ビルディング支援」のため「宣言」を採択しました。  両文書の英文および日本語仮訳は、上記URLで公開されています。 ◆雑誌特集号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  「法と民主主義」6月号が「G8とテロ対策」を特集  http://www.jdla.jp/houmin/2008_06/  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  日本民主法律家協会発行の月刊誌「法と民主主義」が、「政府・ 警察主導の『サミット歓迎』『テロ対策』キャンペーン」の中で、 「別の視点を提供」したいとして、「サミットと『テロ対策』」を 特集しています。  主な収録記事・論文は以下のとおりです。 ◇特集もくじ  グローバリズムのなかのサミットと「テロ」問題 小倉利丸  洞爺湖サミットと昨今の政府・警察の「テロ対策」 清水雅彦  最近の「テロ対策」と刑事法 新屋達之  近時の出入国・在留管理体制の強化と国際的なデータ共有の現状   難波満  市民の自由奪う「監視」の重層的強化──北海道における「テロ  対策」の実態 安藤健  アメリカ合衆国における「テロ対策」の動向 木下智史  テロ規制と監視を強めるイギリスの動向 田島泰彦  ドイツのテロ対策法制について 武藤糾明 △同誌は、上記URLから購入できます。 ◆サミット人権監視ネット━━━━━━━━━━━━━━━━━━  グリーンピース・ジャパン2名の不当な勾留に抗議する声明  http://blog.goo.ne.jp/watch-summit/e/c40f2cd97012888b88471a9f8f9569f8  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  6月28日、サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)は、「グリーン ピース・ジャパン2名の不当な勾留に強く抗議」する声明を発表しました。   ◇声明─────  グリーンピース・ジャパン2名の不当な勾留に強く抗議します 2008年6月28日 サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)  2008年4月16日に、グリーンピース・ジャパンの活動家2名が、調 査捕鯨船が捕獲した鯨肉入りダンボール箱を青森市内の運送会社か ら持ち出し、その鯨肉を東京地方検察庁に提出した件で、青森県警 と警視庁公安部は、6月20日、この2名を窃盗及び建造物侵入容疑で 逮捕し、グリーンピースの事務所を家宅捜索しました。  今回のグリーンピース・ジャパンの2名の行為は、彼らの説明に よると、単なる窃盗及び建造物侵入などではなく、税金でおこなわ れている調査捕鯨の肉を船員が持ち帰るという「業務上横領」を告 発するためになされたものです。しかも、この2名は、すでに詳細 な事実関係を列挙した上申書を作成して東京地検に提出し、いつで も出頭に応じると公けに表明していました。しかも、彼らの行為は、 あくまでも「違法行為の告発」のために行われたとのことです。そ うであるとすれば、2名には、勾留の要件である「罪証を隠滅する と疑うに足りる相当な理由」も「逃亡すると疑うに足りる相当な理 由」〈刑事訴訟法第60条1項2号、 3号〉がないと考えられるにもか かわらず、青森県警と警視庁公安部は彼らを逮捕し、現在も勾留し ています。今回の事件における2名の行為は、あくまで「違法行為 の告発」を前提としてなされたものであり、捜査に協力しているに もかかわらず、逮捕・勾留するのは正義に反し、違法、不当なもの にほかなりません。  こうした「逮捕劇」が、7月初頭に開催されるG8サミットの直前 におこなわれたことには、各所から懸念の声があがっています。マ スコミでは「気になるのは、逮捕に関して7月に開かれる主要国首 脳会議〈洞爺湖サミット〉と絡める見方があることだ。目的のため には違法行為も辞さない、過激な市民団体への警告的な意味合いで はないかというのだ。事実だとすれば強い懸念を禁じ得ない…法律 の運用はあくまで厳正になされるべきだ。政治的な意図が込められ てはならない」〈新潟日報6月20日夕刊〉。またG8にかかわる取り 組みをすすめる活動家からも「サミット前に市民運動全体への萎縮 効果を狙っている」という声があがっています〈信濃毎日新聞6月 20日夕刊〉。  青森県警及び警視庁公安部が、このG8サミットの直前というタイ ミングで、あえて、予想される国際的な非難をも省みず過度な取り 締まりを強行したことの背景には、G8サミットにかかわるさまざま な運動の取り組みに「萎縮効果」を与えようという強い意図がうか がえます。本事件が「公安警察」によって指揮されていることも、 こうした意図を裏付けています。このように今回の事件は、ゆきす ぎた逮捕・勾留・捜索による人権侵害であることにとどまらず、日 本社会の、ひいてはG8サミットに関心をよせる国際社会の取り組み を萎縮せしめる「表現の自由」への挑戦とも言えます。このような 市民団体がおこなった告発行為を、G8サミットの警備と絡めて取り 締まることは、国際的にも全く通用しない対応であり、人道的観点 からの全世界的非難は免れ得ません。  G8サミット人権監視弁護士ネットワークは、今回の事態が今後の G8における自由な表現活動、抗議行動、告発行為への妨げになるこ とを強く懸念します。また目前に迫ったG8サミットでは日本国憲法 で保障された自由な行動、自由な空間が保障されるよう強く要請し ます。 ◆サミット人権監視ネット━━━━━━━━━━━━━━━━━━  法務省によるG8サミット関連の入国制限に抗議する声明  http://blog.goo.ne.jp/watch-summit/e/5cc6cb97cb506d99c1421beecaa1cb81  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  6月30日、サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)が、サミットに 向けて顕著になた入国制限に抗議する声明を発表しました。  声明全文は以下の通りです。 ◇声明─────  法務省入国管理局による学術関係者・メディア関係者に対する不 当な入国の制限に抗議し、自由な表現・言論活動を保障することを 要請します 2008年6月30日 サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)  現在、6月30日及び7月1日に東京を中心として開催が予定されて いる「G8対抗国際フォーラム」に参加する海外からの学術関係者に ついて、8割以上に当たる11名のパネラーが空港に留め置かれて長 時間の尋問を受け、そのうちの数名は会議と会議の間の数日間の予 定が明白ではないという理由で一旦上陸を拒否され、その後、予定 していた期限を大幅に短縮した形で特別に上陸が許可されています。  他方、メディア関係者についても、G8サミット関連のイベントを 取材するために来日する多くの海外のジャーナリストらが、同様に、 特段の理由もなく、各地の空港で留め置かれ、尋問を受ける状態が 続いています。  しかしながら、このような措置は、学術関係者・メディア関係者 に対する不当な入国の制限であると言わざるを得ません。このこと は、G8に関する多様な意見や主張の公表を制限しかねないのみなら ず、自由な調査研究活動や報道活動に対する萎縮的効果を及ぼすお それがあるものです。  当ネットワークは、法務省入国管理局に対し、直ちにこのような 表現・学問の自由を侵害することにつながる不当な審査を正常な審 査に戻し、G8サミット期間中を含めた自由な表現及び言論活動を保 障することを強く要請します。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第35号おわり・このメルマガは不定期発行です> ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます ━【まぐまぐ!からのお知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <あなたもメルマガを発行してみませんか?> 手続きは誰でもカンタン!発行申請後、最短2日でメルマガの創刊が可能です。 まずは発行者登録から⇒ http://rd2.mag2.com/r?aid=18892&rid=2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -- 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八百万円以下の世帯は一部減額となる直接助成制度を提案していると話 し、「国民的運動にしていきたい」と述べました。  私教連からは小村英一委員長らが応対し、提言について「積極的なも のだと受け止めている」と述べました。私教連の調査を示し、経済的理 由による中退・滞納の実態が深刻化していると話しました。私学助成、 学費などの公私間格差の是正について話し合われました。  日高教からは北野庄次委員長らが応対。提言について「世論にしてい ける情勢だ」と述べました。日高教の調査を示し、授業料減免や滞納し ている人が増加していることや滞納を理由にした退学処分が急増してい ることへの憂慮を表明しました。  両団体とも今後、学費問題で共同を強めていこうと確認されました。 高学費なくせ あすシンポ  全日本学生自治会総連合(全学連)は経済的な理由で学べない状況を 改め、世界でも異常な高学費で苦しむ学生をなくそうと、国会要請(四 日)と「学費・教育費シンポジウム」(五日)を行います。シンポジウ ム後は多くの人に訴えるためにアピールウオークをします。  学費・教育費シンポジウムでは、全学連の大嶋祐介委員長、「奨学金 の会」の三輪定宣会長(千葉大学名誉教授)、新日本婦人の会の米山淳 子事務局長、鈴木敏則氏(定時制高校の先生)などがパネリストとして 参加します。  シンポは5日(土)午後1時半開始、東京大学駒場キャンパス 11号館1106教室(京王井の頭線駒場東大前駅徒歩1 分)。全学連電話042(572)6011、メール  zengakuren@infoseek.jp 社会問題にしたい  兵庫県からシンポジウムに参加する学生(20)の話 奨学金とアル バイト代を生活費に充てています。バイトは週に五日ですが、昨年に比 べれば楽です。昨年は午前五時からバイトで、そのまま大学へいき、授 業が終わったらバイトへ、帰宅は午後十一時半でした。授業中に寝てし まうことが多く、勉強に集中できませんでした。  当時は自分のことで精いっぱいで「大学ってこんなもんかな」と思っ ていました。しかし、バイトが変わり余裕ができたことで学習会に参加 でき、日本以外のほとんどの先進国は学費がほぼ無料であることを知り ました。  友達も大変です。両親が病弱なため、派遣社員のお兄さんが友達の学 費を支えています。お兄さんは進学をあきらめました。経済的な理由で 学業をあきらめなければならないなんておかしいと思います。すぐにで も奨学金は無利子に戻してほしい。  「学費に苦しんでいるのは自分だけ」と感じている学生に、一人じゃ ないと知らせたい。シンポをきっかけに学費問題が社会的に大きく広 がっていくことを期待しています。 "[he-forum 13466] 読売新聞山形7/3 読売新聞山形版2008年7月3日付 山大、欧州研究機関と協定 スイスのCERN  山形大は1日、スイス・ジュネーブの欧州合同原子核研究機関(CERN)と共同研究の協定を締結したと発表した。学生派遣などを通して世界的機関のノウハウを吸収し、医療や交通など幅広い分野での活用が期待される素粒子の自転について、最先端の研究を進める狙いだ。  CERNは1954年設立の世界最大規模の素粒子物理学研究機関。ノーベル賞研究者を輩出し、巨大粒子加速器LHCを建設したことで知られる。日本はCERNでドイツやフランスなど11か国と共同で、陽子や中性子のスピン(自転)など素粒子の詳細な構造を研究しており、98年から参加している山形大理学部の岩田高広教授(48)が日本グループの中核だったため、共同研究の協定が結ばれた。岩田教授らがジュネーブを訪れ、6月20日に協定書を交わした。  スピンの性質を利用し、医療分野ではMRI(核磁気共鳴映像法)が開発されたり、交通分野ではスピンで生じる超伝導による「磁気浮上式電車」が研究されたりと、素粒子研究は幅広い分野に可能性を秘めているという。9月にはCERNの研究者を招く講演会も予定。山形大の教員2人がすでにCERNに常勤しており、今後は星の爆発などで発生する宇宙線の共同研究などにも力を入れる。  岩田教授は「最先端の研究を長期的に学べることは大きい。新たな分野への研究にもつながる」と期待する。 "[he-forum 13467] 日本経済新聞7/2 日本経済新聞2008年7月2日付 国立大運営費、学部ごと評価し交付金に差 文科省方針  文部科学省は国立大学の運営費交付金について2010年度から、教育や研究の実績を学部ごとに評価して交付金の配分額に差を付ける方針だ。交付金を一律に年1%削減する現行制度を見直し、大学ごとに削減率を変えることも検討する。配分にメリハリを付けるとともに、成果主義を採り入れて大学間の競争を促す。  運営費交付金は08年度予算で1兆1813億円。教員数や学生数で配分額がほぼ決まり、実績が反映されるのは一部にとどまっている。 "[he-forum 13468] 秋田魁新報社説7/4 秋田魁新報社説2008年7月4日付 教育振興基本計画 深みなく実効性に疑問  教育の大切さはいくら強調しても過ぎることはない。人づくりは物事の基本だからだ。社会経済が不安定感を増し、将来が不透明になっている昨今は、特に重要性が高まっている。  この観点からすれば、先ごろ閣議決定された「教育振興基本計画」は深みに欠けると指摘せざるを得ない。今後、教育をこうしていくのだという哲学が感じられないのである。  確かに字面上は、理想が高らかに語られている。「教育立国」を宣言し、「欧米主要国を上回る教育の実現を図る」という到達目標を掲げたあたりは、ほれぼれするほどだ。  問題はどう実現するかである。具体的な道筋が描けないようではほとんど意味をなさない。ああしたい、こうしたいという希望を並べるだけでは「計画」にはなり得ない。  実際、計画の策定・調整過程で教育の在り方をめぐる本質論議は希薄だったようだ。逆に見れば、根本議論の不足が道筋を描くための裏付け、つまり予算面にも大きく影響した。  計画の焦点は教育予算と教職員定数を大幅に増やす数値目標が明記されるかどうかにあった。せんじ詰めれば、文部科学省が狙う約7兆円の予算上乗せが認められるかどうかである。  財政再建が至上命題の財務省がすんなり通すはずもない。すんなりどころか、「教育だけを聖域にはできない」として、ことごとく退けたのだ。  財務省の言い分も分からないではない。半面、文科省側が財務省を納得させるほどの教育理念や根拠を持っていたかどうかも甚だ疑問だ。本質論議の不足を背景に、予算増で教育がどう変わるのかという具体像を最後まで示せなかったのだ。  国の将来を左右しかねない教育予算論議が事実上、省庁間の争いに委ねられていることもおかしい。教育の在り方について政府内でコンセンサスが得られていない証左であり、早急に議論を重ね、少なくとも一定の方向性は共有する必要がある。  仮に文字通り「国家100年の大計」との共通認識に達し、優先順位が上がれば、その分、予算が拡充されることになる。  ツケが回っていきそうな教育現場のことも心配でならない。学習指導要領が改定され、授業時間数の増加や小学校の英語必修化などで今後、ますます余裕がなくなりそうなのだ。  これに対し、計画は予算や教職員の増加を認めないと言っているに等しい。仕事を増やしておきながら、それをこなすための裏付けが与えられないとすれば、たまったものではない。  計画は教育基本法の改正に伴い、今回初めて策定された。計画名に付いた「振興」とは裏腹に、このままでは教育現場の負担が増すだけになりかねない。最悪の場合、混乱が起きる恐れも否定し切れず、一体何のための計画かとの疑問が生じる場面も出てこよう。 "[he-forum 13469] 山陽新聞社説7/4 山陽新聞社説2008年7月4日付 教育基本計画 本当に投資拡充できるか  政府は、今後十年間を通じて目指す教育のあるべき姿や、五年間に重点的に取り組む施策を盛り込んだ初の教育振興基本計画を閣議決定した。  国の発展の原動力となる人づくりのため「教育立国」を宣言し、「欧米主要国を上回る教育の実現を図る」との到達目標を掲げたが、具体的な道筋は不透明と言わざるを得ない。  基本計画は、二〇〇六年の改正教育基本法で策定が義務付けられた教育政策の柱となるものだ。しかし、その裏付けとなる教育予算や教員定数に対する数値目標は盛り込まれなかった。計画の実効性が担保されるのか疑問である。  教育投資について、文部科学省は「国内総生産(GDP)に占める教育投資の割合を現在の3・5%から経済協力開発機構(OECD)諸国平均の5・0%超に拡充する」と数値目標の明記を主張していた。目標実現には約七兆円が必要となる。このため歳出削減を求める財務省が強く反対し、「諸外国の支出を参考に必要な予算について財源を措置し、教育投資を確保する」と示すにとどまった。  授業時間数を大幅に増やす改定学習指導要領の導入に伴い、小中学校の教職員定数を約二万五千人増やすとの数値目標も見送られた。「教職員定数の在り方などを検討」といった抽象的な表記に変更された。新指導要領の全面実施は小学校で一一年度、中学校で一二年度に迫っている。予算や教員増の裏付けがなければ、しわ寄せを受けるのは教育現場であることは間違いあるまい。  五年間で重点的に取り組む事項では、道徳教育の充実のため独自の教材づくりを国が支援する必要性が指摘された。いじめ、不登校などへの取り組みでは、外部の専門家からなる「学校問題解決支援チーム」などを活用するとした。さらに、大地震で倒壊する危険性が高い小中学校施設約一万棟の耐震化の促進なども盛り込まれた。  教育再生は政府の重要課題である。基本計画をめぐる調整過程で数値目標の明確な論拠、数値では測りにくい教育という将来への投資をどう考えるのかといった本質的な理念が十分議論されたのかどうか疑問が残る。  結果的に数値目標が盛り込まれなかったことで、文科省は毎年の予算確保に苦心することになろう。緊縮財政の下では、予算獲得は容易ではあるまい。教育現場の実態を踏まえた上で主張の根拠を強め、説得力ある議論を深めることが必要ではないか。「教育立国」宣言をお題目で終わらせてはなるまい。 "[he-forum 13470] 毎日新聞社説7/3 毎日新聞社説2008年7月3日付 教育振興計画 骨太の像なく総花のむなしさ  この1カ月余、数値目標を入れる入れない、で文部科学省と財務省などが対立し、結局は文科省が完敗した。そして教育振興基本計画がようやく定まった。そんな政府内の争いが、国民の前から教育論議を遠ざけた。これがそもそもの間違いだ。いくら官僚や文教族議員が熱くなっても、国民が冷めていては不毛なコップの中の嵐にすぎない。  そもそも教育振興基本計画というしかつめらしい名の政策は何か。06年に改正された教育基本法が政府に策定を義務づけた。10年先のあるべき状況を見据え、5年間でなすべき施策を定めるという。  教育基本法の改正前、改正は無用とした反対派に対し推進側が「改正基本法による振興基本計画で長期に安定した財源を確保し、条件整備が着実に進められる」と利点を強調し、説得材料にした経緯もある。  だが、一方で政府は支出抑制を基本とする行財政改革を進める。さらに「教育再生」を最重要政策に掲げた安倍晋三政権が突然倒れたことも逆風になった。  不可解な展開もあった。  基本計画案は文科相の諮問機関・中央教育審議会が4月に答申したが、財政引き締めの状況を踏まえ数値目標はほとんどなかった。これには自民党文教族などから強い不満が出、その意を受けて文科省は(1)教職員定数を5年で2万5000人増やす(2)10年で教育投資額の国内総生産(GDP)比を今の3・5%から経済協力開発機構(OECD)諸国平均5%へ--などと数値を入れた案を作成、財務省との折衝に臨んだ。  授業時間が大幅に増え、小学校に英語も導入する新学習指導要領を円滑に実施するにはこれだけ先生が必要。教育にかける金を先進国並みにしないと高等教育などで太刀打ちできなくなる--などという主張だ。だが財務省は納得せず、投資の根拠や成果の見通しを求めかみ合わなかった。  もちろん基本計画はただ数値獲得を主眼としているのではない。子供の自立、学力と体力、世界最高水準の大学、留学生受け入れ拡充、校舎耐震化などあらゆる課題が「あれもこれも」とばかり盛り込まれた。  すべて重要だ。しかし、大半は既に個別施策としてやったり、進めることができるもので、新たに引きつける理念、訴えかけてくる意思に乏しい。10年後の社会に向け、どのような人格、人材を教育が目指し、そのため5年間に何を最重点にどのように学校、社会、家庭の教育のかたちをつくり出すか。  何をさておいても、の目標が国際学力コンテストの順位を上げることでは寂しい。高々とした理念と、一人一人の子供や学生に思いを致せる想像力に満ちた教育目標と手法こそが、今求められている。  それが国民世論を引きつけ、財務当局を説得する。 "[he-forum 13471] 京都新聞7/4 京都新聞2008年7月4日付 iPS知財管理会社を設立 京大、新薬開発目指す  京都大は3日、山中伸弥教授が世界で初めて作製に成功したiPS細胞(人工多能性幹細胞)にかかわる知的財産を管理する株式会社「iPSアカデミアジャパン」(京都市上京区)を設立した、と発表した。京大だけでなく、他大学や研究機関のiPSに関する知財も管理する予定で、「オールジャパン体制」で研究成果を社会に還元し、新薬の開発や医療への応用を目指す。  知財管理会社は、京大の役員らが参加して5月に設けた有限責任中間法人が全額出資して設立した。資本金は1億円。代表取締役には前奈良県立医科大学長の吉田修・京大名誉教授が就任した。  京大などから管理を任されたiPS細胞の特許について、大学などの非営利で研究を行う機関には無償で、製薬企業などの営利目的の機関には「適切な対価」を求め、それぞれライセンス契約を結んで使用を認める。  当初は京大が出願している特許だけを管理するが、慶応大や東京大などのiPS細胞の研究拠点にも参加を呼びかけ、企業などが特許を使用しやすいよう、関連特許を一元化して取り扱う「パテントプール」の形成を目指す。  管理会社では、大学などの特許出願に関する支援も行う。会見した松本紘理事(研究担当)は「京大のためだけでなく、日本全体でiPS細胞の研究に取り組むための会社にしたい」と話した。 "[he-forum 13473] 京都新聞7/5 京都新聞2008年7月5日付 特任助教ポスト創設へ 京大理学研、博士号取得者を支援  最高学位である博士号を取得しながらも安定した職に就けていない多くの研究者を支援しようと、京都大(京都市左京区)の理学研究科は、任期終了後の教員への採用を想定した助教ポストの創設を目指している。  同研究科の過去10年博士号取得者を対象にした調査では、約3人に1人が任期付きの不安定な立場で研究を続けており、「将来に希望が持てないため、若手研究者を覆っている閉塞(へいそく)した状況を打破したい」としている。  創設を目指しているのは、3年から5年の任期の後、研究成果に応じて、任期のない助教など安定した職への登用が約束される特任助教ポスト約20人分。同研究科では、約20年前には140人いた助教が大学の教員削減の方針の下、現在は80人まで減っており、「理学研究科の教育や研究を維持するためにも、ポスト創設は欠かせない」という。  理学研究科が過去10年に博士号を取得した約1329人を対象にした調査では、33%が国内外で任期付きの研究員を続けている。一方、准教授や助教など任期のない大学教員は28%にとどまった。任期付きの研究員の多くは、数年の任期が切れるごとに職を転々とする状態だという。  加藤重樹・理学研究科長は「博士号取得者の安定した職の不足は限界に達している。高校など大学以外の教員にも採用されるよう、教育委員会への働きかけも強めたい」としている。 "[he-forum 13472] 中日新聞7/5 中日新聞2008年7月5日付 静大発ベンチャー好調 市場調査など支援奏功  学生や研究者らが起業する大学発ベンチャーで、静岡大が順調に企業数を伸ばしている。設立後の支援が充実しており、登録企業のうち廃業したのは1社だけ。イノベーション共同研究センターベンチャー支援ネットワーク室(浜松市中区)の林正浩准教授(46)が「地域や社会に貢献するのが目的」として永続的な存続を目指そうという取り組みが功を奏しているようだ。  6月末までに22社が設立されており、経済産業省大学連携推進課によると「国立大としては多い方」という。  元経営コンサルタントの経験を生かす林准教授は、安易な起業は勧めない。起業までには民間シンクタンクや特許関連の調査会社と連携し、徹底的な市場調査や技術評価を行う。このため起業まで3年ほどかかった例もある。  大学の技術を使って企業と連携しようとする場合、従来は企業の研究開発や技術分野の人たちと接するケースが多く、経営的な視点より技術に重点が置かれがち。しかし、同室は大手企業の製品企画部門などとの交渉を推進しており、業務提携について打診しやすいという利点がある。  こうした点もベンチャー企業の経営安定につなげている要因の一つになっているという。というのも、製品の製造や販売といったベンチャー企業では難しい課題もクリアしやすくなるからだ。  市場環境の変化により経営が厳しくなったベンチャー企業に対しては、マーケティングの再調査やさまざまな展示会への出展協力を惜しまない。マーケティング調査では国内に限らず海外にも目を向け、販路などを探す手伝いをする。  林准教授は「市場の動きを注視しながら起業に結び付けたい。大学が持つさまざまな技術の組み合わせを考えれば、既存の製品を上回る製品ができるのではないか」としている。 静大発ベンチャー企業 (順不同)   企業名        事業内容            所在地 カラビナシステムズ  システムソリューション 富士市 静岡アカデミック・リサーチ サービス業    静岡市 池田電子工学研究所  製造業(電子機器・装置・システム)  浜松市 ワイピーシステム販売 機械装置・消火器具販売  東京都東村山市 SPD研究所     製造業  浜松市 SAW&SPR-Tech 製造業  浜松市 デジタルセンセーション センシング応用機器システム開発  浜松市 電子システムデザイン 電子システムの開発・設計・販売  浜松市 ブルックマン・ラボ  集積回路の設計  浜松市 セサミテクノロジー  電子機器の設計・製作・販売  浜松市 プレサイスゲージ   光計測機器及び光部品の設計製造販売  浜松市 スペースクリエイション 精密機械設計製造業  浜松市 サイエンテックス   各種計測機器の製造販売  浜松市 アローセブン     ソフトウエア・ハードウエア開発・設計・製作  浜松市 デザインルール    情報処理システム・ソフトウエア開発  浜松市 ITSC       情報処理システム・ソフトウエア開発  浜松市 MDルミナス     光学機器・電子機器等の製造販売  浜松市 スプレーアートEXIN アートデザイン  浜松市 GFD        総合食料供給業  浜松市 マイクロプラズマ   大気環境制御機器製造  浜松市 サウンド・コンシェルジュ 建築の音響設計・研究開発  浜松市 ウォーキングDAY  健康器具開発・製造販売  横浜市 "[he-forum 13474] 読売新聞愛知7/5 読売新聞愛知版2008年7月5日付 名大、JAXAが協定 宇宙研究で連携進める  名古屋大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA、立川敬二理事長)は4日、宇宙研究に関する連携協力協定を結んだ。同機構が協定を結んだのは東大などに続き4校目。  名古屋大はJAXAが2003年に発足する以前の1965年から、共同研究や人材交流を行ってきた。  今後、軽くて強い次世代の材料に関する研究など幅広い分野での共同研究を進め、新たに大学院連携講座を開設して、JAXA職員が同大教員として院生らを指導するなど、人材交流も活発化させる。同大とJAXA関係者で構成する「連絡協議会」も設置する。  同大でこの日開かれた締結式で、平野眞一学長は「全学レベルで協力し、航空宇宙産業の発展に寄与していきたい」と抱負を語った。今年4月には、東海地方の航空宇宙産業の競争力強化のため、同大なども参加した産官学連携組織「航空宇宙産業フォーラム」も設立されている。 "[he-forum 13475] 朝日新聞7/8夕刊 朝日新聞2008年7月8日付夕刊 志願倍率に目標値設定 一部の国立大、学部予算に反映  一部の国立大学が学部ごとに志願者数などの目標値を設定し、その達成状況に応じて、各学部に配分する予算を増減させていることがわかった。「アメとムチ」で各学部の努力を促し、優秀な学生と、受験生が納める検定料収入の確保を狙う。少子化や法人化で厳しい競争にさらされる国立大に、受験生側の事情に左右されやすい志願倍率まで一定の「結果」が求められるようになった。  新潟大は年度当初に、次年度入試での志願者数の目標値を各学部に通知する。目標値は、過去3年の平均値から算定。目標を上回った学部には検定料と同額の1人当たり1万7千円を、上回った人数分追加配分し、下回った学部からは人数分没収する。  法人化の翌年の05年度予算から導入。少子化で「全入時代」が叫ばれる中、志願者数を増やすことで「質の高い学生の確保を目指した」(財務企画課)。国立大への運営費交付金が減らされる中、新潟大も経営努力を求められており、検定料で自己収入を確保する狙いもある。  だが、少子化などの影響で地方の大学の志願者数は伸び悩み気味。新潟大も08年度入試では、9学部のうち人文など2学部以外は目標に達せず、残り7学部で計約900万円が没収されることになった。  同大は、努力の成果に応じて差をつけるインセンティブ経費のうち、1千万円を各学部の志願倍率に応じて配分する仕組みも導入。国立大の同じ学部の平均値(前年度分)を上回った学部に1千万円を均等配分するようにし、07年度入試では3学部が対象となった。  香川大は06年度から、学生数に応じて配分する教育経費の5%(07年度は約1300万円)をいったん留保するようにした。学部の志願倍率か卒業生の進路確定率が目標に達すれば2.5%、定員充足率が90%以上になれば残り2.5%を再配分する仕組み。基準に達しない学部は没収される。  志願倍率の目標値は、過去4年間の平均値から算定。07年度入試では経済、農両学部、医学部看護学科が下回ったが、進路確定率が目標値に達したため、実際に没収したケースはないという。  06年度は4.4倍だった香川大全体の志願倍率は翌年度には4倍に。阿部文雄・副学長は志願倍率の目標設定を「意欲と能力のある学生の確保が目的」と話す。留保額を設けることで、教員にオープンキャンパスなどに協力してもらえる環境づくりも目指している。一方、堀江克則事務局長は「結果として収入増につながればありがたい」。  国立大学財務・経営センターの山本清教授は「学部の人気は変わりやすく、数年間の結果を見て判断するべきではないか。入試科目を減らして集めるようなやり方につながらないよう注意する必要がある」と指摘する。(大西史晃) "[he-forum 13476] 読売新聞高知7/8 読売新聞高知版2008年7月8日付 工科大と連携視野 県立女子大改革  7月定例県議会が7日開会し、尾?知事は提案説明で、県立高知女子大の改革について、高知工科大との連携を視野に入れることなど五つの「視点」から進めることを明らかにした。女子大の永国寺と池、工科大の香美市の3キャンパスは併存の必要があるとの認識を示したものの、工科大の公立大学法人化と県立大改革の関連については、「これまで以上に連携を強める」と述べるにとどめた。  県立大改革を進める五つの視点として、▽女子大に限定した改革ではなく、工科大との連携を視野に入れた見直しが必要▽県外への若者の流出を防ぐため、社会・人文科学系学部の整備が必要▽社会人教育の場の充実▽コンパクトシティー構想など高知市の市街地活性化との連携▽大学改革に伴う財政負担を徹底して軽減する――を挙げた。  3キャンパスの役割については、池キャンパスを「健康長寿の拠点」、永国寺キャンパスを「社会貢献をする知の拠点」、香美市キャンパスを「工学、産業振興の拠点」とした。  工科大の公立大学法人化では、県が大学の中期目標を定め、それに基づいて大学が中期計画を策定するなどの準備を進め、2009年4月の法人化を目指すとしている。  このほか尾?知事は、7日開幕した北海道洞爺湖サミットに触れ、県の「排出量取引地域モデル事業」が国のモデル事業に選ばれたことを挙げて、「低炭素社会のトップ・プランナーとして全国に発信したい」とアピール。高速インターネット環境の整備に取り組む市町村に、国庫補助対象事業費の5%以内を支援する1億9560万円の債務負担行為を盛り込んだ約5億2800万円の一般会計補正予算案や、ふるさと納税を活用するための「県こうちふるさと寄付金基金」を設置する条例案など21件を提案した。 "[he-forum 13477] 毎日新聞7/9 毎日新聞2008年7月9日付 学士力:国が指針 大学教育の質保証へ--中教審が答申案  中央教育審議会の大学分科会は8日、大学教育の質を保証する対策として、面接などを重視して合否を決めるアドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試の際も学力を把握したり、学部で身につけるべき能力「学士力」を指針として示すことを求める答申案をまとめた。中教審は近く渡海紀三朗文部科学相に答申する予定で、文科省は大学の指導改善を促す働きかけを強めることにしている。  答申案は、日本が大学全入時代を迎え、「学位が国際的な通用性を失う懸念が強まっている」「『出口管理』の緩さに対して産業界の不信感がある」と危機感を表明。「質の維持・向上の努力を怠る大学の淘汰(とうた)は不可避」として、体制に不備のある大学には「財政面で厳格に対応すること」を求め、補助金などのカットも示唆した。  具体策としては、多文化理解やコミュニケーションスキルなどの項目で測る「学士力」を国が指針として示し、各学部共通で身につけるべき能力の基準にすることを要求。「高大接続テスト」(仮称)を新設することについての研究促進も求めた。【加藤隆寛】 "[he-forum 13478] 朝日新聞7/7 朝日新聞2008年7月7日付 〈学長力〉国際時代の指導力は? 国内外4大学のトップに聞く  グローバル化の波が押し寄せる大学で、学長のリーダーシップはどうあるべきか。そして、日本政府が掲げる「留学生30万人計画」の成否は――。環太平洋諸国の37大学が加盟する環太平洋大学協会の学長会議が日本(慶応大)で開かれたのを機に、シンガポール国立大、豪シドニー大、ロシア極東国立総合大の学長と、協会の新会長に選ばれた慶応大の安西塾長の4人に話し合ってもらった。(司会は編集委員・山上浩二郎)  ――大学の特徴は。  ウラジーミル・イワノビッチ・クリロフ(ロシア極東国立総合大学長) 1899年に設立されたロシア極東部で初めての高等教育機関だ。学生数は4万1千人以上、教員は5千人ほどいる。ロシアでは政府が06年から優秀な17大学を選んで発展させる政策をとっていて、その4位に選ばれた。教育の国際化にも力を入れていて、とくに日本関係のプログラムはロシア最大で、北海道函館市には分校もある。  シー・チョーン・フォン(シンガポール国立大学長) 小国家シンガポールの若者たちを、刻々と変わる世界情勢に対応できる人材に育てようとしている。そのためにはまず、何かに卓越させることだ。さらに世界中のいろいろな大学と交換留学プログラムを持っていて、少なくとも学生の50%は1カ月以上参加している。  ギャビン・ブラウン(豪シドニー大学長) 1850年創立のオーストラリアで最初の大学で、学生数は4万7千人だ。研究、教育環境、学生の体験・経験が三本柱。とくに三つ目を重視していて、討論、スポーツ、演劇などに取り組むのを積極的に勧めている。  ――英紙タイムズの別冊高等教育版などが発表している「大学ランキング」をどうみていますか。  シー ランキングはいろいろある物差しの一つにすぎない。目で見える、さわることのできる要素だけで測っているが、教育はもっと長期的な視野で見なければならない。ランキングを気にしすぎて、本来の教育の目標を見誤ったり、使命を変えたりしてはいけない。  ブラウン ただ、ランキングには有効な時もある。まず政府などの補助金を獲得する際に意味を持つ。さらに世界の研究機関や大学と協力を進める際の一つの指標になり得る。私たちは7年前、「国内で1位、アジアで5位、世界で40位以内」という目標を掲げた。  安西祐一郎(慶応大塾長) 「たかがランキング、されどランキング」だ。慶大への評価を徹底的に分析してみた結果、留学生や外国人教員を増やすなど、もっと国際化する努力が必要だということがわかってきた。短期的にはいい目標ができた。  クリロフ タイムズと上海交通大学のランキングが異なるように、どんなランキングも決して完全ではない。ただ、教育や研究の質について、どこを伸ばしたらいいかを考える一つの参考にはなる。  ――大学の意思決定が重要になる中で、学長のリーダーシップはどうあるべきでしょうか。  ブラウン どの学長もボトムアップの意思決定が大事、と言うでしょうが、おそらくウソをついていますよ(笑い)。冗談はさておき、大学の伝統を尊重するなら、いろいろな人の意見を聞いて、決して意思決定を急ぐべきではないのだろう。だが、いまや大学は巨大なビジネス組織になりつつある。例えば、私の大学なら14億豪ドル(約1500億円)の予算規模をもち、6千人近いスタッフを抱える。学長は最高経営責任者(CEO)のように、強力にリードする必要性も出てきている。  シー 賛成だ。今の大学は企業的な色合いが濃くなっている。私たちの大学も予算規模は12億シンガポールドル(約1000億円)で、何十億シンガポールドル規模の建設計画もある。研究でも商業化できるものはしていくという動きが強まっている。以前は学長といえば学者だったが、いまや学長は「学者プラスCEO」になっている。もう少し進むと「CEOプラス学者」になり、もっと進むと「社長」になるかもしれない。  クリロフ 私は学長を18年やっているが、5年ごとに教授や学生らからなる会議の選挙で選ばれている。学長には5年先、10年先を見据えて、大学を発展させる戦略的なアイデアを考える責務があるだろう。  ――日本政府は最近、「留学生30万人計画」を掲げた。留学生を受け入れるメリットは。  クリロフ 大学の存在意義の一つは国際化で、私たちも教授陣50人を英国、中国、日本などから招いている。留学生は800人で、日本人が3割、韓国人が3割、中国人が25%。北朝鮮からの学生もいる。最初は互いに警戒していた彼らも数カ月で友人になる。最も重要なのはこういった効果だ。  シー 私たちの大学も学生の3割が留学生で、出身地は90カ国。地元出身の学生と寮で一緒に暮らすことで互いに異文化体験をし、教育体験を豊かにしている。また、留学生のかなりの割合が、卒業後も残ってシンガポールの経済を支えている。  ブラウン 私の大学では、約4千人の中国人を含め、留学生が全体の15%を占める。日本について言うと、今年初めて、東北大から25人を5週間のプログラムで迎え入れ、前半の2週間は英語を、後半の3週間はそれぞれの専攻を学んでもらった。このような体験をすれば、大学院に進学するとき、シドニー大を選ぶ人がいるかもしれない。だから文化的な交流は大事だ。  安西 日本の大学の国際化を迅速にするのに留学生を増やすというのは有効だ。日本はシンガポールやオーストラリアなどに比べて人種や言語の多様性が圧倒的に少なくて均質だ。でも今後は日本人もグローバル化した社会で生きていかなければならないのだから、若い人たちには早い段階から留学生と交流し、多様なモノの見方や考え方を身につけてもらいたい。  ――学生を送り込む側から見て、日本は魅力的ですか。  クリロフ 私たちの大学からは函館校や金沢、東海、創価といった日本の大学にロシア人学生を送り込み、日本語や日本文化だけでなく、海洋生物学なども学ばせてもらっている。修士や博士まで取る学生もいて、まったく問題はない。  シー 日本への留学では、日本語が非常に大きな障害になって立ちはだかる。さらに日本の文化やコミュニケーションには微妙なところがある。オーストラリアや米国に留学する場合とは違うので、トップレベルだけでなく普通のレベルの学生も受け入れようというなら、さらなる工夫が必要だろう。  ブラウン 日本の科学技術は優れているので、研究レベルの学生を日本に送るのはちゅうちょしない。ただ、日本の学生がこちらに来ると非常におとなしいと感じる。だから、遠慮がなく、マナーがなっていない若い学生を日本に送るのはちゅうちょします(笑い)。  安西 日本は豊かな文化を持ち、グローバル化も進んでいて、若い人を引きつける魅力もある。言語の障壁はあるが、慶大には英語だけで学べる講義も300くらいあるし、昨年は環太平洋大学協会の博士課程院生を招いた会議も開いた。今後もさらに努力を続けていく。    ◇  構成は杉本潔、石川智也、葉山梢、山本晴美が担当しました。 "[he-forum 13479] 毎日新聞7/8 毎日新聞2008年7月8日付 新教育の森:教育振興基本計画 文科省案大幅後退、好転へ期待感薄く ◇財政の論理に反論できず  政府が1日に閣議決定した教育振興基本計画は「10年で世界トップの学力水準を目指す」などの理想を提示したが、教育予算や教職員定数増の数値目標は盛り込まれなかった。財政の論理を最優先にした基本計画で本当に日本の教育は立て直せるのか、教育現場には不安も広がる。【加藤隆寛】  ◆数値目標記載なし  文部科学省は数値目標について「教育予算増の足がかりに」と意気込んでいた。しかし、財務省、総務省、与党の行政改革推進派議員らの強い反対に屈した。むしろ、「国は教育に金をかけるつもりがない」とのメッセージを国民に伝える結果に終わった。  当初の文科省案から大幅な修正・削除を余儀なくされたのは、注目を集めた「教育予算をGDP(国内総生産)比5%超に」「教職員定数2万5000人増」という二つの数値目標だけではない。  例えば、文科省案にあった「幼児教育の無償化に向けて検討する」は「無償化について検討しつつ、幼児教育の振興を図る」と、「向けて」を削ることでニュアンスが弱められた。「道徳教材の国庫補助制度を早期に創設する」は「補助制度などの方策を検討する」に、「学生などへの経済的支援を拡充する」は「経済的支援を行う」に変わるなど、表現を弱めた個所が相当数に上った。  このため、多様な施策は並んでいても変化への期待感を抱かせない。予算の裏付けも乏しい。財務省などの意向で「国の財政は大変厳しく、新施策を講じるには既存施策の廃止・見直しを徹底すべきだ」と、予算削減を進めるかのような表現まで追加された。  文科省の銭谷真美事務次官は会見で、「(交渉に)反省すべき点がある。もっとエビデンス・ベースド(証拠に基づく)というか……。諸外国との比較、分析に改善の余地があった」と唇をかんだ。  ◆現場に不満と危機感  指導内容や授業時間数の増える新学習指導要領の先行実施を来年度に控え、教育現場はどう受け止めているのか。東京都内の公立中学校の校長は「教育があまり必要とされていないのかと思ってしまう」と話す。「現場は余裕がないが、国からは『与えられた物と人で何とかしろ』と言われている気がますますしてくる。実際には、2万5000人の増員でも足りないくらいだ」と不満を語り、「子どもが国の宝だと思うなら条件整備してほしい。教員希望者がどんどん減ってしまう」と危機感を示した。 ==============  ◇教育振興計画要旨  ■教育をめぐる現状と課題  子どもの学ぶ意欲や学力・体力の低下などが課題。少子高齢化が急速に進む。改正教育基本法の理念の実現に向け、改めて「教育立国」を宣言し、教育の振興に向け社会全体で取り組む必要がある。  ■今後10年間を通じて目指すべき教育の姿 (1)義務教育修了までに、すべての子どもに自立して社会で生きていく基礎を育てる ▽公教育の質を高め、信頼を確立する。世界トップの学力水準を目指す。 ▽社会全体で子どもを育てる。家庭の教育力を高める。 (2)社会を支え発展させるとともに、国際社会をリードする人材を育てる ▽高校や大学における教育の質を保証する。 ▽世界最高水準の教育研究拠点を重点的に形成し、大学などの国際化を推進する。  ■今後10年の教育投資の方向  教育への公財政支出が未来への投資であることを踏まえ、欧米主要国を上回る教育の内容の実現を図る必要がある。諸外国における教育投資の状況を参考の一つとしつつ、必要な予算について財源を措置し、教育投資を確保していくことが必要。  ■今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策  <基本的方向> (1)社会全体で教育向上に取り組む (2)個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人、社会の一員として生きる基盤を育てる (3)教養と専門性を備えた知性豊かな人間を養成し、社会の発展を支える (4)子どもたちの安全・安心を確保するとともに、質の高い教育環境を整備する  <特に重点的に取り組むべき事項>  ■確かな学力の保証 ▽新学習指導要領の円滑実施を図るため、教職員定数の在り方など教育を支える条件整備について検討する。 ▽児童生徒の学力状況を把握するため全国学力・学習状況調査を継続的に実施。  ■豊かな心と健やかな体の育成 ▽道徳教材が十分活用されるよう、国庫補助制度などの有効な方策を検討。伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うため、伝統・文化を継承・発展させる教育を推進する。 ▽子どもの体力の85年ごろの水準への回復を目指す。 ▽いじめ、不登校、自殺などへの対応の推進を図る。 ▽認定子ども園の認定件数2000件以上を目指し、制度改革に取り組む。  ■教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり ▽メリハリある教員給与体系の推進、教員養成課程や採用方法の改善、厳格な人事管理や研修の充実の促進、免許更新制の円滑実施のための取り組みを行う。 ▽教職員配置の適正化を行うとともに、退職教員など外部人材の積極的活用、地域住民による学校支援などを支援。  ■手厚い支援が必要な子どもの教育の推進 ▽障害のある児童生徒の「個別の指導計画」作成を促す。 ▽不登校の児童生徒への学校内外における相談体制整備を進める。  ■地域全体で子どもたちをはぐくむ仕組みづくり ▽全国の中学校区で学校支援地域本部などの取り組みを促す。 ▽全国の小学校区で、放課後子どもプランなどを通じ、学習や体験活動の場づくりが実施されるよう促す。  ■キャリア教育・職業教育の推進と生涯を通じた学び直しの機会の提供推進 ▽職場体験活動などキャリア教育の推進。すべての専門高校において職業教育の活性化を促す。 ▽大学などにおける実践的な職業教育を促す。 ▽生涯学習ニーズに対応し、大学・短大、専修学校などに社会人受け入れに必要な環境の整備を促す。  ■大学などの教育力の強化と質保証 ▽学士課程で身に着ける学習成果(学士力)の達成を目指し、各大学などで教育内容・方法の改善を進めるとともに、厳格な成績評価システムの導入や、教員の教育力向上のための取り組みを支援。 ▽大学間連携の取り組みが充実するよう支援。学部・研究科を共同設置できる仕組みを08年度中に創設。  ■卓越した教育研究拠点の形成と大学などの国際化推進 ▽11年度までに、世界最高水準の卓越した教育研究拠点の形成を目指し150拠点程度を重点的に支援。 ▽20年の実現をめどとした「留学生30万人計画」を関係府省が連携して計画的に推進。  ■安全・安心な教育環境の実現と教育機会の保障 ▽大規模地震で倒壊危険性が高い小中学校施設約1万棟について、優先的に耐震化を支援する。 ▽私学助成、学校法人への経営指導などにより私立学校の教育研究の振興を図る。 ▽幼児教育無償化の歳入改革にあわせた総合的検討や就学援助、奨学金などを通じ教育機会の保障を図る。 "[he-forum 13480] 愛媛新聞社説7/7 愛媛新聞社説2008年7月7日付 教育振興計画 財源がなければ画餅に終わる  「教育立国」を宣言、「欧米主要国を上回る教育の実現を図る」とうたう割には予算の裏付けがなく、実効性に疑問を抱かざるを得ない。政府が先ごろ閣議決定した教育振興基本計画のことだ。  計画はまず、五年間に重点的に取り組む施策として「小中学校教職員の定数の在り方を検討する」としている。具体的な数値目標はないが、増員を意図する。  ほかにも「道徳教育の教材作りの国庫補助制度」「幼児教育の無償化」「小中学校施設約一万棟の耐震化促進」などを掲げている。すべて財源が必要な施策だ。  にもかかわらず、その財源は「経済協力開発機構(OECD)諸国など諸外国を参考に、必要な予算について財源を措置し、教育投資を確保する」としているだけだ。  文部科学省は「毎年の概算要求を通じて予算を確保したい」というが、それではあまりにも心もとない。基本計画で示したはずの「今後十年間を通じて目指す教育の姿」が、毎年の予算折衝次第でぶれかねない。  四月の中央教育審議会答申を受け、政府内で行われた調整では、教育予算や教員の大幅増をもくろむ文科省と、歳出削減を進めたい財務省の間で激しい対立があった。  例えば文科省は、国内総生産(GDP)に占める教育投資の割合を現行の3・5%からOECD諸国平均の5・0%に拡充するなどの数値目標を掲げ、約七兆円の予算上乗せが必要だと主張した。  しかし、その七兆円をどのように使うのか、投資の増額で教育の姿はどう変わるのかといった具体像を、最後まで示せなかった。財務省や総務省を説得できなかったのも無理はない。  結果的に、議論は数値目標を明記するかどうかに終始。少子化が進む日本の教育をどうするかなど、本質的な議論は置き去りにされた。  計画に盛り込まれた「一般行政職に比べて高い教員給与の優遇措置縮減」も疑問だろう。教員には質が求められる。人材の確保には、ある程度の優遇は必要だ。ましてや今は教師受難の時代だ。  授業時間数を大幅に増やす改定学習指導要領の全面実施は、小学校で二〇一一年度、中学校で一二年度に迫っている。予算や教員増の裏付けがなければ、現場の負担だけが増すことになる。  教育は「国家百年の大計」だ。改正教育基本法の目玉として初めて策定された振興計画には、それだけの内容がなく、文科省の気概も感じ取れなかった。  このままでは画餅(がべい)に終わる可能性が高い。単なる数字合わせではなく、現場の実情を踏まえた具体的な議論をもう一度やり直すべきだ。 "[he-forum 13481] 毎日新聞高知7/9 毎日新聞高知版2008年7月9日付 県立高知女子大:「工科大連携」知事は説明責任を 教授らの懇話会が提言書 ◇「拙速」と提言書  県立高知女子大の再編・統合問題で、女子大の教授らでつくる「高知女子大学・高知短期大学の未来を考える懇話会」のメンバーが8日、大学の方向性などについて、十分な説明責任を果たすよう求める尾崎正直知事あての提言書を県に提出した。  尾崎知事が7日の県議会で「女子大と、公立大学法人化を目指す高知工科大との連携を視野に入れる」と述べたことに対し、提言書では「定員割れを起こしている工科大の運営の総括がされないまま、1法人2大学化が先にありきで議論を進めようとしていると考えられ、拙速だ」と主張。加えて「大学・短大全体のトータルデザインが不明確で、学生や県民の意見反映が不十分だ」と訴えている。  同会の代表世話人を務める女子大の田中きよむ教授は会見し、「県庁内にはプロジェクトチームがあるが、大学関係者は入っておらず、政策決定過程はブラックボックス。よりよい大学のためにオープンな議論を求めたい」と話していた。【服部陽】 "[he-forum 13482] 共同通信7/10 共同通信2008年7月10日17時19分 若手医師半数大学に戻らず 低水準続き、地域差拡大  大学医学部、医科大を卒業後、今春2年間の臨床研修を終えた若手医師のうち、大学病院に戻った医師が55・9%にとどまったことが10日、全国医学部長病院長会議(会長・小川彰岩手医科大学長)の調査で分かった。  52・0%だった2007年からはやや上昇したものの、7割を超えていた臨床研修制度導入前の02年と比較すると大きく低迷したまま。  地域別では、02年を上回ったのは大都市を多く抱える関東地方82・3%(02年71・6%)だけ。東北地方32・7%(同63・0%)、中国地方39・7%(73・3%)、四国28・7%(74・0%)と、02年の半分程度の地方も目立ち、地域格差が広がった形だ。  臨床研修を通じて勤務条件がいい民間病院を選ぶ医師が増えているとされており、小川会長は「大学病院は地域医療を支えてきた。大学所属の医師の減少は地域医療のさらなる危機を招く」と話し、臨床研修制度の早期見直しを求める考えをあらためて示した。 "[he-forum 13483] 読売新聞7/10 読売新聞2008年7月10日付 「大学の実力」初調査…一覧で見る学習支援策、退学率 読売新聞朝刊に掲載…20日・東日本編、21日・西日本編  全入時代を迎え、大学の真の実力が問われている。社会が期待する人材を育てているか。単なる偏差値やブランドイメージではなく、教育力が注目されている。  読売新聞社は国内の全4年制大学を対象に教育力に関する初の調査を行い、個別データを7月20日、21日の朝刊に特集記事として掲載する。長期連載「教育ルネサンス」との連動企画。  調査は「大学の実力―教育力向上の取り組み」と題し、725の国公私立大学に約50項目の設問からなるアンケートを発送、499大学から回答を得た。その内容を、清成忠男・元法政大総長、岡村甫(はじめ)・前高知工科大学長、井下理(おさむ)・慶応大教授、沢田進・大学基準協会参与ら、大学教育や経営の現状に強い問題意識を持つ有識者13人による「大学の実力検討委員会」に評価してもらった。  特集記事は、20日が東日本編、21日が西日本編。一覧表にして各大学の回答を掲載する。  最大の注目点は、これまで“門外不出”だった退学率。大学の人材を養成する力や取り組みを表す大きなバロメーターとなる。最近は「入りにくく、出やすい」と言われた日本の大学の体質も変わりつつある。成績評価を厳しくし、卒業を難しくしてでも力を付けさせようという動きが進んでいる。今回の調査から、その傾向はうかがえるのか。  大学の教育の熱心度を計る物差しとなる出席状況の把握や補講の実施状況、習熟度別授業のデータとなるプレースメントテストの実施状況、授業評価アンケートの活用方法など、授業にかかわる具体的な情報が満載。7月下旬から本格化するオープン・キャンパス(学校見学会)の参考となるはずだ。  教育力を組織的に高める取り組みを意味するFD(faculty development)が今年4月、大学に義務づけられた。調査からは多くのユニークな試みが始まっていることも分かった。それらは「教育ルネサンス」で随時紹介していく。 "[he-forum 13484] 伊那毎日新聞7/10 伊那毎日新聞2008年7月10日付 信州大学農学部で「観光立県長野」の再興に向けた学官連携推進会議  県と信州大学農学部は10日、「観光立県長野」の再興に向け、大学と県との連携を図るため、学官連携推進会議を同学部内食と緑の科学資料館「ゆりの木」で開いた。「学」として信州大学のほか、長野大学、松本大学、諏訪東京理科大学、信州豊南短期大学の観光や教育を専門とする教授らが、「官」として環境省、県、伊那市の職員ら約20人が出席。意見を交わしあった。  県では、観光客や観光消費額の減少などに対応するため、08年度から5年間に取り組む主な観光施策や達成目標を盛り込んだ「観光立県長野」再興計画を策定しており、今年2月には同計画を具体化していくためのフリーディスカッションを開催。話し合いの場を広げ情報発信を図るため、県内の大学でもちまわりでテーマを変え会議を開くこととなった。  第1回目の信州大学農学部では「ニューツーリズム その可能性と学官の関わり」をテーマに意見交換を行なった。  事例発表として信州大学農学部森林科学科講師の中堀謙二さんが同学部でのヴァンデルンク(森林散策会)の取り組みについて、伊那市長谷総合支所産業振興課の池上直彦課長が「子ども農村留学」への取り組みについてそれぞれ発表。  意見交換では「従来型の観光教育じゃあ駄目だということがわかってきている。福祉や環境などいろんな形のカリキュラムを盛り込んでいかなくては」「農村が特別なイベントを行わなくても観光が成り立つというところにどうやって落としていくか」など活発な意見が交わされた。 "[he-forum 13485] 7/11しんぶん赤旗 2008年7月11日(金)「しんぶん赤旗」 授業料無料1.7倍 東大 年収400万円以下対象の制度 半額免除は4.7倍 学生の運動 背景に  年収(給与)四百万円以下家庭の学部学生の授業料(年五十三万五千 八百円)無料制度が今年度から始まった東京大学で、全額免除者が前年 に比べ一・七倍に増えていることがわかりました。日本共産党は、「学 費提言」(四月)で東大の制度を全国の大学で実施できるよう予算増額 を国に求めています。  東大の授業料免除制度は、家族構成、家計、学力(成績)などを総合 的に判断する「従来の制度」(半額、全額の免除)に加え、今年度から 年収が四百万円以下の家庭は全額免除とする「新制度」が導入されまし た。  同大学奨学厚生グループがまとめた二〇〇八年度前期分授業料免除実 施状況は、従来の制度と新制度をあわせたものです。  授業料の全額免除を受けたのは、年収四百万円以下の家庭の学生五百 七十六人を含む六百三十四人。全学部学生一万三千八百七十人の4・ 6%にあたります。前年同期の三百六十五人と比べ、一・七倍に増えて います。半額免除も同三十八人から百七十八人(全学生の1・3%)へ と四・七倍に急増しています。  千々岩高美奨学厚生グループ長は、「授業料免除を申請する人も大幅 に増えました。(四百万円以下という)基準が明確になって、申請しや すくなったと考えられます」と話しています。 国は全国に広げて  全日本学生自治会総連合の西川治副委員長の話 全額免除だけでなく 半額免除も大幅に増えており、たいへん重要な変化です。東大の制度も 改善してほしい点はあります。学生の取り組みが東大の制度の背景にあ りました。政府の責任で負担軽減策を全大学に広げるとりくみが重要で す。 "[he-forum 13486] 読売新聞高知7/11 読売新聞高知版2008年7月11日付 県立女子大 移転整備費9億円圧縮  尾?知事は10日の県議会一般質問で、県立高知女子大の移転整備費用について、永国寺キャンパスの存続と池キャンパスの整備費を合わせた概算費用が、2007年9月議会での説明時より約9億円圧縮したことを明らかにした。県の財政負担については、「県全体の償還額が今後、年々減少するので、財政に及ぼす影響は大きくない」との考えを示した。  県の概算によると、池キャンパスについては、永国寺キャンパスにある文化学部を移転させないため、同学部などが入る「C棟」を建設しないことなどで約20億円を圧縮。一方、永国寺キャンパスで耐震改修を行い、新学部棟や体育館の新築をすることなどで約11億円増え、最終的な整備費は約80億円となった。  また、県が10年度はじめの時点で、池キャンパスに看護、社会福祉、健康栄養の3学部、永国寺に文化学部と高知短大の社会科学科を置き、高知工科大のサテライト教室などで社会科学系教育を展開するなどの案を大学側に伝えたことを明らかにした。将来的に永国寺で工科大の社会科学系と連携した新たな学部を設置する試案も盛り込まれている。尾?知事は「学長は大学改革についての方向性は県と同じで、県の方針を前向きに受け止めて対応したいと言っている」と踏み込んだ。  また、工科大の公立大学法人化のメリットについて、これまで説明してきた授業料軽減のほかに、「公立大学法人化で、議会行政が関与して、健全経営が確保できる」とした。 "[he-forum 13487] 毎日新聞東京7/11 毎日新聞東京版2008年7月11日付 産学連携:東京農工大と国民生活金融公庫が覚書  東京農工大産官学連携・知的財産センター(小金井市)と国民生活金融公庫の東京支店(中央区)、三鷹支店は10日、産学連携の協力に関する覚書を締結した。連携を深め、地元の中小企業への支援を充実させるのが目的。公庫は全国の21大学と覚書を締結しているが、都内の大学とこうした覚書を結ぶのは初めてという。  東京農工大では、03年に小金井キャンパスに起業家支援施設を開き、現在は14社が施設内で起業している。いずれも、大学の研究成果である生物科学や環境分野での技術をビジネスにつなげた。  今回の連携で公庫は、こうした起業家や地元の中小企業を対象に融資や事業のアドバイスを始めるほか、大学の研究者を企業に紹介していく。これまで、公庫には取引先の中小企業から技術的な相談先を紹介してほしいとの要望が寄せられていた。覚書の締結式で、千葉一裕・産官学連携・知的財産センター長は「地元に密着した企業を支援し、研究の社会的還元をしたい」と話していた。【山本太一】 "[he-forum 13488] 共同通信7/11 共同通信2008年7月11日22時38分 不払い残業代は2億円 広島大病院、全額支給へ  広島大が大学病院(広島市南区)職員の残業代を払っていなかったとして是正勧告を受けた問題で、不払い分は今年3月までの2年3カ月間で約1億9000万円に上ることが11日、大学側の調査で分かった。  広島大は退職者を含む271人に全額支給する(一部は支給済み)と発表。同日、広島中央労働基準監督署に報告書を提出した。  広島大によると、2月の労基署の勧告後、医師や看護師、薬剤師ら約2000人の2006年以降の勤務実態を調査。271人から約8万9000時間分が不払いだったと申告があった。  改善策として、時間外労働分の書類への記録を徹底。これまで事務職員が行っていた医師の労働時間管理を、実態が把握しやすい診療科長が担当する。  越智光夫病院長は「調査結果を真摯に受け止め、今後は法令を順守し、適正な労働時間管理を図っていきたい」とコメントした。 "[he-forum 13489] 毎日新聞福岡7/12 毎日新聞福岡版2008年7月12日付 九大病院:ヘリポート完成 九州・中国・四国一帯、救急患者受け入れ  九州大学病院(福岡市東区馬出)で10日、救急患者搬送用のヘリポート完成式典があった。15日から、九州・中国・四国一帯の救急患者らを直接、ヘリコプターで受け入れられるようになる。  事故や災害による重症者や緊急手術が必要な患者、離島の急患らを消防のヘリなどで直接、受け入れる。これまでは福岡空港に着陸させて、救急車で運んでいた。今後は県内各地から飛行時間20分以内、長崎市や熊本市からは同約30分で搬送が可能になり、救命率の向上が期待できる。  久保千春病院長は「九大病院は臓器移植など高度先進医療の体制が整っており、西日本での役割は重要。ヘリポート活用でさらに貢献したい」と述べた。  県内では、専任医師が同乗する「ドクターヘリ」を持つ久留米大病院(久留米市)のほか、福岡大病院(福岡市城南区)や済生会福岡総合病院(同市中央区)などにヘリポートがある。【柳原美砂子】 "[he-forum 13490] 毎日新聞社説7/11 毎日新聞社説2008年7月11日付 看護基礎教育 4年制大学化に向け動き出せ  厚生労働省の「看護基礎教育のあり方に関する懇談会」が、これまで専門学校を中心に行ってきた看護師の養成を将来、4年制大学に移行する方向性を打ち出した。医療の高度化などに対応するために、看護職員の資質の向上が求められており、4年制大学での看護師養成は当然の流れである。  日本の大学化の取り組みは遅いと言わざるを得ない。欧州や東南アジアの各国では、すでに大学での養成が行われている。懇談会では「20年先の中長期のあり方」として、大学化を提言したが、悠長なことを言っている時間はない。  大学で看護師養成を行うには、教員の養成や現在ある3年制の専門学校など看護師養成所と大学との統合など、事前の準備に相当な時間がかかる。大学化となれば、厚労省だけではできないので、文部科学省などとの調整も必要だ。  高齢化によって「多病・多死の時代」がすでに始まっている。20年先などと言わず、看護基礎教育の大学化は待ったなしで、準備に取りかかるべきだ。  世界で最も早く進む高齢化の下、看護師の役割は今後ますます重要になる。医療機関だけでなく、広がる在宅医療を現場で支える看護師の仕事は専門性や判断力が求められるようになっている。  現在、専門学校などで8割、大学で2割の看護師が養成されているが、3年制の専門学校では詰め込み教育にならざるを得ない。看護の基礎教育をみると、老年看護学、精神看護学など新しい科目が増えた結果、専門学校では1科目当たりの授業時間や実習時間が減っている。日本看護協会が新卒看護師にアンケート調査したところ「専門知識・技術が不足している」(77%)「医療事故を起こさないか不安」(69%)という答えが返ってきた。こうした点が、就職して1年以内に看護師の1割弱が離職する背景になっている。  医療を支える貴重な人材が、仕事への不安や疲弊によって職場を去っていくことを何とか防ぐことができないものか。欧米では短時間勤務の正職員制度がある。こうした制度を導入して結婚や出産による看護師の離職を減らすための手を打つべきだ。  医師不足への対応策として、看護師により高いレベルの仕事を役割分担してもらうことも今後の課題となっている。また医師と看護師らによるチーム医療を円滑に行うためにも、看護教育の一層の充実を図ることを国民は望んでいる。  大学化を進めると同時にやるべきことがある。看護師の労働条件改善や社会的評価をもっと上げていくことだ。厳しい勤務に耐え献身的に医療を支えている看護師の賃金など処遇を改善し、働きがいのある職場環境を作り上げていく必要がある。 "[he-forum 13491] 西日本新聞7/12 西日本新聞2008年7月12日付 九大 次期学長に有川氏  任期満了に伴う九州大学の学長選は11日、選考会議(議長・重渕雅敏TOTO会長)を開き、次期学長に理事で副学長の有川節夫氏(67)を選出した。任期は10月1日から6年間。  有川氏は同大大学院理学研究科修了。京都大助手などを経て1985年に九大教授。専門は情報科学。2004年から現職で、キャンパス移転などを担当している。  選考会議では、大学院歯学研究院長の赤峰昭文氏(58)、理事で副学長の柴田洋三郎氏(62)を含めた3人から将来構想や教育・研究などの考え方を聴取。合議ではまとまらず、16人の委員による投票を実施。過半数を得た有川氏に決定した。  一方、6月に実施された学内意向投票では、赤峰氏655票、有川氏599票、柴田氏580票。意向投票と選考会議がねじれた結果となった。 "[he-forum 13492] 河北新報7/12 河北新報2008年7月12日付 地域発展へ連携協定 秋田市と秋田大が締結  秋田市と秋田大は11日、幅広い分野で相互に協力し、地域発展につなげようと包括的連携協定を締結した。同大が市町村を対象に協定を結ぶのは初めて。  協定は(1)まちづくりの推進(2)地域産業の活性化(3)教育や文化、芸術の振興―など各種課題への取り組みで協力するとした。事業の企画立案や進行については、連絡調整する部署をそれぞれ定め、協議を行う。  協定の有効期間は3年間。これまでも同大の教員が市の審議会委員として施策にかかわるなどしてきたが、今後は組織的に人的、知的資源を有効活用し、情報交換を進めていく。  協定締結について、秋田市の佐竹敬久市長は「地域振興に関する事業構築を行っていきたい。学生の元気やパワー、柔軟な発想を活力あるまちづくりにつなげる工夫をしたい」とコメントした。 "[he-forum 13493] 共同通信7/10 共同通信2008年7月10日18時48分 医師確保の作業委設置へ 国立大医学部400人増を  舛添要一厚生労働相は10日、栃木県下野市の自治医大などを視察し、地方で深刻化する医師不足対策として、大学医学部の定員増など医師養成の具体策を検討する作業委員会を来週にも設置する意向を示した。  作業委は同大の高久史麿学長ら約10人の医療関係者で構成。舛添氏は記者団に「年末の予算編成に反映させたい」と述べた。  また、医学部定員増に関し「(07年の緊急医師確保対策などで認めた)400人規模で医師数を拡大する構えでいきたい」として、国立大の大幅定員増に向け文部科学省と調整を進める考えを表明。私立大については「定員の約1割増なら(受け入れる)教授や教室もそれほど無理はないだろう」との認識を示した。  政府は重要政策運営の基本指針「骨太の方針2008」で、現在約7800人の医学部定員を過去最多の約8300人まで早急に増員する方針を盛り込んだ。 "[he-forum 13494] 静岡新聞7/13 静岡新聞2008年7月13日付 クイッと“静大日本酒” OBが手掛けた酵母使用  静岡大が「静岡酵母」を使ったオリジナルの日本酒造りに乗り出した。評判の良い静岡の地酒を大学ブランドで開発し、地場産品と大学双方のPRを狙う。全国各地で「大学ブランド商品」の開発が活発化する中、静岡大も参戦した格好だ。  ブランド商品は来年の大学創立60周年を記念して取り組む。静岡の地酒の評価を飛躍的に高めた「静岡酵母」の生みの親で、同大農学部OBの河村伝兵衛さん=昭和40年卒=の功績に着眼し、開発第1弾に日本酒を選んだ。  仕込みは、農学部が藤枝市仮宿の実習水田で栽培した酒米を使う。農薬や化学肥料は使わず、数年前から研究してきた有機水稲栽培技術を活用する。河村さんの紹介で、醸造は島田市の大村屋酒造場の協力を得た。精白度40―50%の純米大吟醸800本の製造を目指す。商品名とラベルデザインは一般市民や学生、教員、OBから公募する。  農学部の学生と教員が6月上旬、30アールの実習水田に酒造好適米「山田錦」の田植えを行った。同学部の鈴木春夫事務長は「大学ならではのこだわりを持って、おいしいお酒を造りたい」と話す。  大学ブランド商品は2004年の国立大学の独立行政法人化以降、大学名と研究成果をアピールする手だてとして公私立を含めた全国の大学で広がりつつある。  米、野菜、精肉、食品加工品、サプリメントなど多種多様な商品がある中、酒類は特に扱う大学が多い。酒所にある神戸大や新潟大などは日本酒を商品化し、鹿児島大は焼酎、東京大は泡盛、京都大はビール、同志社大はワインを手掛けている。  静岡大ブランド日本酒の商品名募集は8月18日まで。ラベルデザインは9月に公募する。問い合わせは同大[電054(238)5179]へ。 "[he-forum 13495] 山梨新聞7/16 山梨新聞2008年7月16日付 工学・医学が連携し人間システム工学 山梨大大学院、検査機器など開発へ  山梨大は15日、来年度に大学院の医学工学総合教育部の修士課程に工学と医学を融合した「人間システム工学専攻」を設置すると発表した。工学部と医学部の教員による複数指導教員制をとり、患者に負担が少ない検査機器の開発などを進める。  同大によると、従来の「自然機能開発専攻」を発展的に改組。定員はほかの専攻から3人を補充して18人。(1)人為的災害に対するリスクマネジメント(2)脳波・心電・生体音響などの多次元信号処理(3)機器の設計・加工(4)音波やレーザー・紫外線などを用いた計測方法-などを組み合わせて学ぶ。  インターンシップを共通科目に組み込み、研究内容に沿った同大の共同研究企業や同大医学部で研修する。研修先では学生に企画発案をさせ、技術の社会還元を図る。  修了者は医学工学融合分野の博士課程への進学も可能。工学技術に医学知識を融合させた教育によって、介護機器や医療・診断機器、救急医療などの分野で活躍する人材育成も目指している。  同専攻の設置は工学、医学部の連携を進めてきた同大の強みを打ち出した格好で、博士課程を中心とした大学院への進学者の減少、学生の工学部離れに歯止めをかける狙いがある。他大学からの進学者確保にもつなげたい考え。 "[he-forum 13496] 日本経済新聞7/16 日本経済新聞2008年7月16日付 社会保障費、自然増8500億円超に 09年度、1000億円拡大  2009年度の社会保障費は、現行制度のままでは今年度より8500億円を超す伸びになる見通しとなった。高齢化で「自然増」は今年度を約1000億円上回る。福田康夫首相は15日、09年度予算の大枠となる概算要求基準(シーリング)について、社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針を了承したが、歳出膨張圧力が一段と高まる。  福田首相は首相官邸で、各省庁の予算要求の上限を定める概算要求基準の基本方針を巡り額賀福志郎財務相と協議。首相は財務省の方針を了承し、「財政再建と予算重点化の両立」を指示した。今年度の予算編成と同様に、社会保障費の伸びを2200億円抑制するほか公共事業関係費を3%、防衛関係費と国立大学運営費交付金・私学助成費をそれぞれ1%ずつ削減する。 "[he-forum 13497] 河北新報7/17 河北新報2008年7月17日付 宮城大教員に年俸・任期制 研究や地域貢献評価  来年度に独立行政法人化する宮城大について県は16日、教員に「年俸制」「任期制」を導入し、研究実績や地域貢献活動を外部評価によって判定する制度を取り入れる方針を固めた。全国の公立大学では、首都大学東京、国際教養大(秋田市)に次ぐ年俸制・任期制の導入になる。  能力主義を徹底することで研究・教育レベルの向上を図り、大学の独自性を高めるのが狙い。法人化後、6年以内に導入する。  年俸制は、教員の研究、教育、地域貢献などの実績をランク付けし、年俸として反映させる仕組み。任期制は、既に食産業学部の講師と助教に導入しているが、教授や他学部にも拡大する。任期は最長5年程度だが、実績に応じて更新もある。  いずれも外部委員を入れた評価機関を設けて判定する。教員の新規採用も外部評価機関の判断に基づいて行う。  村井嘉浩知事は「法人化を機に教職員は、常に緊張感を持って前向きに教育研究に取り組んでもらいたい」と話している。  年俸・任期制の具体案は今後、大学運営の中期目標・計画(2009―14年度)を審議する「公立大学法人宮城大学評価委員会」(委員長・中嶋嶺雄国際教養大学長)で議論する。 "[he-forum 13498] 読売新聞山形7/18 読売新聞山形版2008年7月18日付 産学連携教授、柴田さん第1号  山形大は、地元産業界と連携し、地域活性化に貢献する「産学連携教授」の第1号として、元NECパーソナルプロダクツエグゼクティブアドバイザーで、米沢市在住の柴田孝さん(61)を採用した。  柴田さんは、ノート型パソコンの開発などに携わり、下請けだった企業を開発型企業へ成長させた実績があり、地元企業を発展させるノウハウが期待されている。  同教授制度は、6月に創設。民間企業や行政など幅広い分野で優れた功績を持つ人材を起用し、地域連携を通して大学の研究成果などを地域発展に生かしていくのが狙い。米沢市に置く大学院ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)に所属する。こうした目的で教員を採用するのは全国的に珍しいという。  柴田さんは米沢地域に情報や医療などの分野で新しいビジネスモデルを構築する産学官連携組織の「米沢ビジネスネットワークオフィス」の設立にも尽力した。 "[he-forum 13499] 読売新聞7/18 読売新聞2008年7月18日付 iPS再生医療…京大が広報体制を強化 過剰期待や誤解解消  「新型万能細胞(iPS細胞)を使った再生医療はずいぶん先」――京都大は山中伸弥教授が世界に先駆けて開発したiPS細胞の研究について、患者らの過剰な期待や誤解を解消するため、専属の広報スタッフを配置することを決めた。  昨年11月、人のiPS細胞作製成功の発表以来、患者や家族からの問い合わせが山中教授のもとに数百件寄せられている。iPS細胞を利用した再生医療がすぐにでも受けられると誤解している人も少なくない。だが、iPS細胞は研究途上で、安全性などの観点から、医療応用の見通しは立っていない。  京大では「国費を使った研究で、社会への説明責任がある」として、iPS細胞研究の広報戦略を練るスタッフを全国から1人公募。今年10月以降、広報誌を年4回作製したり、患者向けのシンポジウムを定期的に開いたりして、研究成果を正しく普及させる。  2004年の国立大法人化以降、広報機能を強化する国立大が増えているが、特定の研究分野に限った体制整備は極めて珍しい。 "[he-forum 13500] 西日本新聞7/20 西日本新聞2008年7月20日付 専門医育成45コース創設 長崎大、佐賀大が連携 来春から 医師流出に歯止め  長崎大は19日、佐賀大と連携し、臨床研修医の専門医資格取得を支援する45の専門医育成コースを、来春創設することを発表した。8月にも、両大学にキャリア支援センターを設置し、研修先の紹介や育成コースの開発などに取り組む。県外への医師流出が問題となる中、連携して高度な専門医療を学べる環境をつくることで医師の定着を図る。  長崎大によると、専門医資格は各学会が認定する制度。育成コースは糖尿病、心臓疾患、眼科など臓器や疾患ごとに分かれており、両大学が得意分野を相互補完する形で開設する。  2年間の臨床研修を終えた後期臨床研修医を対象に、定員は計約180人。研修医は支援センターのアドバイスなどを参考に必要な育成コースを選んで学ぶことができ、効率的に資格取得のための実習経験や知識を身に付けることができるという。支援センターのスタッフは長崎大が4、5人、佐賀大が2人の予定。  長崎大の斎藤寛学長は「西九州の連携で全国どこでも通用する専門医を育てられる環境ができた」と話している。 "[he-forum 13501] 日本経済新聞北陸7/19 日本経済新聞北陸版2008年7月19日付 富山大など23大学病院、専門医養成へ連携 地元定着狙う  富山大は福井大、高知大、長崎大など県外の22の大学病院と組み、高度医療に携わる専門医の育成に乗り出す。各大学病院が強みとする診療科で培った最先端の知識や技術を持ち寄って研修プログラムを構築。地方大学単独では育成が追いつかない高度医療の専門医を確保し、地域に定着させるのが狙い。  文部科学省が今年度、新規に取り組む「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」として18日、初認定を受けた。  内科、産科、小児科など、提携先の大学病院で特色ある診療を実施している医師とのネットワークを生かし、工夫された113の専門医養成コースを設ける。医師はそれぞれ、追求したいテーマに沿って診療研究を深めつつ、専門医としての活動領域を広げられる。  コースの中に大学院での臨床研修も取り込み、研修医の確保や地元での開業にもつなげる考え。富山大としては、その特色である和漢薬診療をはじめ「東西医学の統合」を、他県の提携病院に発信する好機とみている。 "[he-forum 13502] 読売新聞社説7/22 読売新聞社説2008年7月22日付 医師不足対策 増員だけでは10年かかる  医師不足を解決するには、相当に思い切った対策が必要だろう。  厚生労働省がまとめた「安心と希望の医療確保ビジョン」を具体化するための有識者会議が発足した。  厚労省は新ビジョンで、医師の養成数をこれまでの「抑制」から「増員」へと方針転換した。  医学部の入学定員を現在の約7800人から、どこまで増やしていくのか。有識者会議はまず、これを明示する必要がある。  医師数の抑制方針がとられる以前は、最大で年間8300人の医師を養成していた。ピーク時の水準までは早急に回復させるべきだろう。その上でさらに増員するのか、展望も示さねばなるまい。  だが、医学部の入学者が一人前の医師になるまでには、10年程度かかる。増員計画と同時に、即効性のある対策も不可欠である。  喫緊の課題は、新人医師の臨床研修制度の改善だ。  かつて新人医師の大半は、大学病院の医局で研修していた。しかし、専門分野に偏った医師が育つ弊害が目立ったために、一般病院でも研修できるようになった。  若い医師に幅広い臨床能力を身につけさせるという、制度の目的は理にかなっている。  ところが、研修医が予想以上に減って人手不足となった大学病院が、自治体病院などに派遣していた中堅医師を引き揚げた。  これが急激な医師不足現象の大きな要因である。研修医の多くは都市部の病院を研修先に選び、医師偏在に拍車もかけつつある。  これを改めるには、研修先の選択方法に工夫が求められる。各都道府県に満遍なく研修医が配属されるような定員調整が必要だ。  また、これまで大学の医局に医師派遣を頼ってきた自治体病院に対し、必要な医師を配置する仕組みや組織作りも重要である。  有識者会議は、診療報酬の在り方にも踏み込んでもらいたい。  今日の医師不足は、言い換えれば「勤務医不足」だ。  総じて勤務医は、開業医より収入が低く、長時間勤務で医療に従事している。産科や小児科、救急など、昼夜を問わず診察を求められる部門は過酷だ。耐えかねた医師が開業医に転身している。  現状に歯止めをかけるには、勤務医向けの診療報酬を大胆に手厚くする必要があろう。開業医が交代で病院の夜間診療を応援する、といった取り組みにも、大いに報いるべきだ。  本当に必要な医療に、財源を集中することが重要である。 "[he-forum 13503] 産経新聞山梨7/23 産経新聞山梨版2008年7月23日付 山梨大「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」に採択  山梨大は22日、文部科学省が今年度から募集を始めた「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」に、申請したプログラムが採択されたと発表した。同大学は浜松医科(静岡県)、北里、聖マリアンナ医科(神奈川県)、昭和(東京都と山梨県)の4大学と連携し、若手医師や教員を相互に派遣。高度に専門性を持った人材を育成したいとしている。  申請28件のうち採択された19件に文科省から補助が出る。山梨大などは診療科別や高度技術取得型、女性医師キャリア形成型など5つの専門医養成コースを設置。山梨大は肝臓疾患、北里大は総合的なガン治療法などそれぞれ得意領域があり、若手医師が連携した他大学も訪れ、自由に学んで専門性を高めることを狙いとしている。また医師不足のなか、山梨大は他大学からより多くの医師が派遣される効果も期待している。 "[he-forum 13504] 時事通信7/24 時事通信2008年07月24日15時44分 奨学金の回収努力、不十分=財務省  財務省は24日、独立行政法人日本学生支援機構が大学生などに貸与する奨学金について、回収努力が不十分として運用改善を求めた。同省の調査によると、返済が滞った場合に保証機関が債務を肩代わりする制度を利用しないことによって、延滞となっている債権が今年2月時点で797件、10億2100万円に上っていた。  同機構の奨学金には、将来返済が困難になった場合に備え、債務者が一定の保証料を支払うことを条件に、財団法人日本国際教育支援協会の代位弁済制度がある。実際に返済が滞った場合は、機構が協会に債務の肩代わりを請求して、協会が奨学金の残額を返済。その後、改めて協会が奨学生に返済を求める。  財務省によると、2006年度の同制度の利用はわずか11件(700万円)にとどまる一方、機構が協会に肩代わりを請求していない事例が多く判明した。機構は債務者と連絡が取れなくなったことなどを理由に挙げているが、財務省は「債務者の監督が不十分」と結論付けた。 "[he-forum 13505] 共同通信7/23 共同通信2008年7月23日21時06分 計画の見直し必要ない 中教審特別委が談話  司法試験合格者を2010年ごろに年3000人まで増やす政府計画について、法科大学院の質に問題があるなどとして見直しを求める意見が出ていることに、中教審・法科大学院特別委員会は23日、「計画の見直しを必要とするほどの重大な問題は存在しない」とする談話を、座長の関西学院大大学院・田中成明教授名で出した。  政府計画をめぐっては日弁連が一部の法科大学院で厳格な成績評価、修了認定がされていないなどとして計画のペースダウンを提言。談話は「一部大学院では改善が必要な問題があり、真摯に取り組むべきだ」としたが「総体としては、多くの大学院で司法制度改革で期待されている役割を十分に果たしている」と反論した。  同委員会は、法科大学院の教育の質向上を検討するため作業部会で、年度内に一定の結論を出す予定にしている。 "[he-forum 13506] 毎日新聞7/24 毎日新聞2008年7月24日付 09年度予算:交付金の削減幅の拡大、国立大が反対アピール  国立大学協会(会長・小宮山宏東京大学長)は23日、政府が09年度予算の概算要求基準(シーリング)で「重点化促進枠」を3000億円に拡大するため、国立大の運営費交付金の削減幅を3%に拡大する方針を固めたことに「教育の質を保つことは難しくなり、一部国立大学の経営が破綻(はたん)する」と反対する声明文を発表した。  同協会は「緊急アピール」として、削減幅拡大で▽地域の医師などの人材育成機能が低下する▽基礎研究の芽をつぶし、これまで積み上げてきた国の高等教育施策の成果を根底から崩壊させる--などと訴えている。 "[he-forum 13507] 平和教育に役立つ本 ""Faslane 365"" 佐賀大学の豊島です.平和教育に役立つと思われる本の紹介です. 社会運動に関することなので,平和教育だけでなく,分野は違います が,大学問題での組合や団体,個人の取り組みにも示唆を与えることが あると思います.8月1日に発売されます.アマゾンで予約 可能です. http://www.amazon.co.jp/Faslane-365-Angie-Zelter/dp/190630761X/ref% 3Dsr_1_2?ie=UTF8&s=english-books&qid=1216801483&sr=1-2 Faslane 365 - a year of anti-nuclear blockades 編者 Angie Zelter(アンジー・ゼルター) 出版社 Luath Press Ltd ISBN-10: 190630761X ISBN-13: 978-1906307615 イギリスの核を廃絶するための「ファスレーン365」と名付けら れた野心的なキャンペーンが一2006年10月から1年間にわたっ て,スコットランドのファスレーン基地前で繰り広げられました.これ は,イギリスの核兵器を更新するかどうかの決定が行われる機会を生か して,核兵器基地の入り口に1年間,各国の市 民 が交替で座り込み,非暴力の抗議をすることで基地の機 能を麻痺させ,核兵器が国際法に違反することを際立たせ,更新 反対の世論を高め,更新の中止=英国の非核化を実現しよう というものです.日本からも筆者を含め12名が,ちょうど1年前の今 日,ゲート前に座り込みました. この1年間にわたる参加各チームの行動を集大成したのがこの本です. 編者であるアンジーさんの総論には,(まだ全部読んでいませんが)こ の計画を思い立った経緯とその初期段階での苦労など,非常に興味深い ことが書かれており.ここには,どこの国の運動にも当てはまるような 知恵が含まれているようです. ご多分にもれず,イギリスでも平和運動や反核運動が低調な中で,1年 365日,毎日100人も動員するような ""mad plan"" がどうし て実現できたのか*,なぜやらなければならなかったかなど,社 会の必要性と運動団体,個人の創造性とに関する重要な数々の示唆が含 まれているように思います. 日本関係では,私の1ページ半の文章(105-106ページ)の他, そのすぐ後に,ピースボートの安原さんによる,若者たちが世界周遊の 船上で,そして現地でどう変わっていったかについての,興味深いレ ポートがあります. このキャンペーン期間の真っ最中にスコットランド議会の選挙が行わ れ,非核化を掲げるスコットランド国民党が勝利しました.スコットラ ンド人はまさに「非核の政府」を勝ち取ったのです.これにファスレー ン365が少なからず寄与したことは間違いありません. 本当に社会的な変化を実現するには何をしなければならないかという, わが国の運動が学ぶべき多くのことが詰まっていると思います.反核運 動や平和運動に限らない,普遍的なアイデアが多く含まれていると思い ます.是非お読みいただくようお願いします. 次のブログ記事等もご覧下さい.関連書籍へのリンクもあります. ブログ http://faslane365.blog86.fc2.com/blog-entry-54.html ウェブ http://www003.upp.so-net.ne.jp/maytime/F365/book-f365.html ------------------  * 実際には189日で,動員も100名に達することは まれでしたが,  それでも空前の規模と言えます. なお,このキャンペーン関連で,筆者は8月3日と5 日に広島でイギリスの非核化についてプレゼンをします. 原水協,原水禁,そして地元の市民グループによる小さな集会と,計3 回プレゼンをします.ご参加いただければ幸いです. http://faslane365.blog86.fc2.com/blog-entry-53.html 8月3日 原水爆禁止2008年世界大会(原水協)国際会議 第一分 科会      厚生年金会館 14:00~18:00 8月5日 被爆63周年原水禁世界大会(原水禁)特別分科会(原 水禁運動交流)      自治労会館3F 14:00~16:30  〃   8.6ヒロシマ平和へのつどい2008 第2部 記 念講演と討論      市民交流プラザ北棟研修室 18:00~19:30 最後の集会ではファスレーン365の中心メンバーでアクロニム研 究所所長のレベッカ・ジョンソンさんが記念講演をします.詳しくは次 のサイトをご覧下さい. http://www.d6.dion.ne.jp/~knaruaki/tudoi/2008/2008page1.html 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 13508] 読売新聞7/25 読売新聞2008年7月25日付 大学売り出す「研究成果」  研究で得られた成果を商品化して積極的に売り出そうという活動が国内の大学で盛んになっている。“大学ブランド”の商品を広報媒体として活用しながら、研究そのものをPRする狙いもある。  国立大学協会によると、全国の国立大が、研究を生かした商品開発や販売に積極的に取り組むようになったのは2004年4月の大学法人化以降。同協会が今年2月の時点でまとめたところ、55の国立大で商品の販売を始めたり、製品化に成功したりしていた。  この中には“大学ブランド”として認知されつつある商品もある。  筑波大の山海(さんかい)嘉之教授が1990年代から基礎研究していたロボットスーツ「HAL」は、腕や脚に装着し、人間の意思に従って体の動きを補助する器具で、高齢化社会が進む中、福祉施設などから問い合わせが増え始めた。そこで山海教授は04年6月、自らが社長となってベンチャー企業「サイバーダイン」(茨城県つくば市)を設立。今年4月からは、つくば市内に研究開発センターの建設を始め、10月からは段階的に年400~500台を生産できるようになる。  小学館の情報誌「DIME」も06年4月~07年12月にかけ、国公私立37大学の農学系39の研究室から誕生した商品を紹介した。  その一つ、佐賀大の野瀬昭博教授が砂漠化防止用に研究している南アフリカ原産の植物「アイスプラント」は、食用野菜「バラフ」として同誌に掲載されて注目を集め、関東や関西のデパートで販売されるようになった。野瀬教授は「野菜が売れれば、多くの学生が私の研究にも関心を持ってくれるはず」と期待を寄せる。  DIMEで、この特集を企画した松元浩一・前編集長は「少子化の中、優秀な学生を集めるには研究成果のPRが必要な時代になっている」と話している。(渡辺光彦) "[he-forum 13509] 中国新聞4/26 中国新聞2008年4月26日付 4大学が研修医育成へ連携  島根大と鳥取大、神戸大、兵庫医科大の4大学は10月から、研修医の育成・確保に向け連携を始める。研修医が各大学病院の得意分野の臨床研究を学べる研修メニューを組む。研修医を大学病院で確保して優秀な専門医や研究者を育て、将来的には地方の医師不足の解消も狙う。  「山陰と阪神を結ぶ医療人養成プログラム」を名付けた。医学部卒業後3年目以降の後期研修医が対象となる。これまでは1つの病院で研修をしていたが、4大学の付属病院や関連病院を1、2年ごとに移りながら研修できる。神経内科や皮膚科など175コースを用意する。  島根大の木下芳一医学部長が神戸大医学部卒であることなどから4大学が組んだ。4年前の新研修制度の導入で、島根大の場合、医学部の卒業生のうち、付属病院に残る研修医は約5割から約2割に減っている。新プログラムで後期研修医を確保するとともに、医療技術の向上を図る。 "[he-forum 13510] 読売新聞7/26 読売新聞2008年7月26日付 国の機関と出資法人、談合損害125億円を回収できず  府省庁など国の機関や国の出資を受けた国立大学法人などが昨年11月までの約5年半の間に結んだ民間企業との工事などの契約で、談合による損害が340億円を超え、そのうち125億円を回収できていないことが25日、会計検査院の調べでわかった。  契約に「違約金条項」を盛り込んでいなかったため、契約相手方が請求に応じないことが主な理由だ。検査院は「税金を使う各機関は積極的に条項を盛り込むべきだ」と指摘している。  調査対象は、39の国の機関と、独立行政法人や国立大学法人など国が2分の1以上を出資する207の法人。2002年4月から07年11月の間、工事、設計、物品購入、役務に関して結んだ契約で、談合発覚後に違約金を請求できる条項の有無と、損害の回復状況を調べた。  その結果、外務省、経済産業省、参議院など10機関と、造幣局や商工組合中央金庫など28法人が条項を盛り込んでいなかった。法務省や環境省など19機関や日本中央競馬会や大阪大学など70法人でも、契約の一部に条項がなかった。  調査対象期間中に発覚した談合事件は、官公庁などが発注した航空写真測量業務の発注を巡る談合など23事件。これらの契約に関して、違約金条項がない発注者が請求した損害総額は計111億円であるのに対し、回収できたのはわずか6億円。一方、条項を盛り込んでいた発注者は損害金232億円のうち212億円を回収でき、条項の有無が、損害回収の明暗を分けた。  1990年代後半から、談合による損害金は、自治体住民が落札業者に対して住民訴訟を起こして返還を求めていた。しかし、訴訟では返還までに時間がかかるなどの理由で、国土交通省が2003年、他省庁に先駆けて違約金制度を導入。これが「標準モデル」となり、全国の公的機関や民間企業が導入を進めていた。 "[he-forum 13511] 福井新聞7/25 福井新聞2008年7月25日付 交付金削減で、見直し求め緊急声明 福井大学長  財務省が2009年度予算の概算要求基準(シーリング)で、国立大に対する運営費交付金の削減幅拡大を検討していることについて、福井大の福田優学長は24日、「教育研究機能に重大な支障をきたす」などとして見直しを求める緊急声明を発表した。  国が配分する運営費交付金は「骨太の方針2006」に基づき、毎年1%ずつ削減されているが、財務省は09年度シーリングから3%に拡大する方針を示している。同大に本年度配分された運営費交付金は約98億円で、3%削減されれば、約3億円の影響があるという。  声明では、3%削減で大学全体の教育研究の基盤経費に相当する資金が失われると指摘。さらに大学の教育研究機能の低下だけでなく、地域の経済成長の可能性を損ねると訴えている。  福井県庁で記者会見した福田学長は「教職員手当の一部凍結などで独自に予算を工面して進めている、原子力研究所の整備や教職大学院の運営、医師確保対策などが非常に困難になる」と強調した。  福田学長は同日、西川知事と面談。声明文を手渡し、財務省や文部科学省への働き掛けを要請した。知事は「大学は地方にとって学術、文化の拠点。国の考え方も聞かなければならないが、地元大学の意向は伝える」と話した。同大は今後、県選出国会議員にも協力を求める方針。 "[he-forum 13512] 日本経済新聞北陸7/25 日本経済新聞北陸版2008年7月25日付 富山大、産学連携拡充へ新組織 地域密着深める  富山大は地域に根差した産学連携や生涯学習などを強化しようと、新たな学内組織「地域連携推進機構」を設置した。従来、関係する各部門がバラバラに機能していたが、同機構の下に統合。情報交換を密にし、迅速な意思決定をめざす。国立大は最近、法人化や少子化の影響で厳しい経営環境に置かれており、産学連携の拡充などを通じて存在感を高め、生き残りを図る考え。  地域連携推進機構には▽産学連携▽生涯学習▽地域づくり・文化支援▽地域医療・保健支援――の4部門を設けた。この4部門を統括する組織として「運営企画会議」を置き、意思決定を一体的に進める。機構長には鏡森定信副学長が就いた。40人程度が所属する。  中核となる「産学連携部門」は、企業との共同研究などに取り組む「地域共同研究センター」、起業家を育てる「ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)」、「知的財産本部」の3組織を統合して設置した。それぞれの組織の壁を取り払い、企業からの窓口を一本化することで、よりスピーディーに連携を進められるとみている。 "[he-forum 13513] 河北新報7/26 河北新報2008年7月26日付 東北大、三井住友銀と協定 中小企業を支援  東北大は25日、三井住友銀行(東京)と産学連携に関する協力協定を締結したと発表した。東北大の工学的技術を三井住友銀行を通じて取引先に提供し、全国の中小企業を支援するネットワーク構築を目指す。  同大がメガバンクと産学連携で提携するのは初めて。半導体や材料、電子関連分野の研究と知的財産を活用。中小製造業を中心とした三井住友銀行の取引先企業が抱える技術的課題について解決策を図る。  三井住友銀行の営業拠点が接する取引先企業の経営課題や技術相談について、銀行本部の専門部署が集約する。企業のニーズに合った東北大の研究室や教授を探しだし、研究者への引き合わせまで支援する。  ほかに、実用化が見込める東北大の知的財産を三井住友銀行の顧客に紹介する。  東北大の産学連携推進本部は「東北大の技術を中小企業に橋渡しできれば」としている。 ◎実験動物研とも協力協定を締結  東北大と実験動物を扱う財団法人・実験動物中央研究所(川崎市)は25日、生命科学、材料科学など異分野融合の共同研究や人材育成を目指し、協力協定を結んだ。  東北大と実中研はこれまで、大学院医学系研究科、加齢医学研究所などで個別の研究協力を進めてきたが、協定により包括的な連携を強める。  研究施設を相互に利用し、既に実績のあるライフサイエンス分野のほか免疫不全症の薬剤開発、社会科学関連の分野で共同研究を推進。研究者の交流を深めるとともに、共同で研究教育の場を設置し、若手研究者、技術者らを育成する。  仙台市青葉区の東北大であった調印式で、井上明久総長は「実中研の技術、品質、信頼と大学の研究を融合し、健康問題解決に貢献したい」とあいさつ。実中研の玉置憲一理事は「東北大の工学的テクノロジーと実中研のノウハウを生かし、新しい生命科学を世界に発信したい」と話した。 "[he-forum 13514] メディア・リテラシー教育に関する本 佐賀大学の豊島です.もう一件,別の本の紹介です.(末尾に別件で予 算削減問題) 「カナダのメディア・リテラシー教育」という本が今年2月に出ていま す.これは小中高を対象とした教育に関することですが,大学のメディ ア・リテラシー教育にとっても,大いに役立つどころか重要な示唆を多 く含んでいると思います. カナダのメディア・リテラシー教育 上杉 嘉見 (著) ,明石書店 (2008/02), 6,510円 ISBN-10: 4750327174 ISBN-13: 978-4750327174 一読して,カナダのこの「先進的な」事例に大いに啓発されると同時 に,考えてみれば至極あたりまえのことを,なぜ日本の教育者が,また 各国の教育者がやっていないのか,ということが強く後悔されます.自 動車が増えれば「交通安全教育」が必要になるように,メディアの影響 力が強まればそのプロパガンダから自己を防衛するための教育も重要に なっていたのです. このような教育の必要性は以前から言われていたことですが,系統的, 組織的な取り組みがされなかったのは大変な失敗というべきででしょ う.もし日本で同じようなレベルのメディア・リテラシー教育が行われ ていたとしたら,世の中は全然違ったと思われます.若者たちは「自己 責任」というコピーに代表される資本主義過激派のプロパガンダに騙さ れず,社会や政治への関心を保ち,少しはまともな政府が選べたでしょ う. 小泉が首相になることもなかったでしょうし,「ワーキング・プア」が 大量に出て,その結果として「蟹工船」がブームになることもなかった でしょう. 驚くことに,この本は大学院の博士論文に加筆したものとのことです. さわりは最終章ですが,その中でも白眉は,カナダのメディア・リテラ シー教育の教科書が教材として扱う「カルチャー・ジャム」に関する部 分です.この先端的な部分を紹介すれば,他の「穏健な」部分のレベル がどの程度かも想像できるでしょう. そこで,この本の,そして最終章の主要な内容である,放送や新聞に関 する部分をとばして,「メディアとしての都市空間」の部分から紹介し ます.「カルチャー・ジャム」とは,「広告のメッセージをドラス ティックに変える目的でそれをパロディー化したり乗っ取る行為」だそ うです.この運動の推進者は,その名も「アドバスターズ」という雑誌 も出しています.(「アド」は広告,「バスターズ」は「ゴーストバス ターズ」でおなじみ.)活動は雑誌にとどまらず,街頭実践,フィール ドワークも行っています. この活動家たちは,「マスメディア,あるいは都市というメディアを介 して発せられる宣伝のメッセージに対抗し,公共の空間において黙殺さ れ続けている不平等なコミュニケーションのあり方を告発する」ため に,パロディー広告や街の壁への落書き,さらにはコンピュータへの ハッキングまでもやるそうです.この活動を取り上げるメディア教育の 教科書は,「誰が都市景観を所有しているのか? 広告主か,あるいは その地域の住民か? 人々が目にするものを,誰が決めるべきなの か?」という問いを生徒に投げかけています. すなわちこの問いかけは,落書きまでする「カルチャー・ジャム」の活 動家について,少なくともその問題意識に関しては基本的に支持する姿 勢だとこの本の著者は見ています. 以上は特に先鋭的に目立つ部分で,もちろん内容の大半は,オーソドッ クスな,テレビや新聞を扱かったものです. 大学としてやれることは,急ごしらえでも教養教育のカリキュラムに 「メディア・リテラシー」の科目を入れて,「リメディアル」教育を実 施することだと思います. ----------------- 別件です.政府は,国立大学への交付金削減について,1%どころか, 3%などという数字を出してきています. http://university.main.jp/blog6/archives/2008/07/post_365.html 1%削減問題しても,全大教はこれに抵抗し撤回させるべく圧力をかけ る運動をして来たのでしょうか?全く見えません.機関紙「全大教」に 関する限り,いわゆる“対話と圧力”の,「対話」のシーンしか見受け られません.先日,所属の組合の定期総会が開かれましたが,執行部の 方針案は,1%削減を避けられない前提とした「骨細」なもので,これ を撤回させるための全国的運動など影も形もありませんでした.ちなみ に,このような定率の機械的予算削減などということは,独法化の際の 国会の付帯決議に明らかに違反すると思うのですが・・・. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 13515] 運営費交付金削減幅3%拡大の閣議決定を許さないためにただちに行動を! 運営費交付金削減幅3%拡大の閣議決定を許さないためにただちに行動を! 2008年7月27日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 国立大学協会は23日、政府が09年度予算の概算要求基準(シーリング)で「重点化促進枠」を3000億円に拡大するため、国立大の運営費交付金の削減幅を3%に拡大する方針を固めたことに「教育の質を保つことは難しくなり、一部国立大学の経営が破綻(はたん)する」と反対するとの小宮山会長名による緊急アピール(末尾資料1)を発表した。これに呼応し、各大学では削減幅3%拡大反対の声が急速に拡がっている。例えば福井大学では福田学長が反対の意思を表明し、西川福井県知事へ交付金確保のために協力要請を行ったことが報道されている(末尾資料2)。文科省も22日に行われた全大教(全国大学高専教職員組合)からの緊急の申し入れに対して「3%のシーリング枠、運営費交付金のこれ以上の削減には反対の立場で取り組む」と表明している。 こうした強い抗議のなかで政府は、「国立大学運営費(交付金)・私学助成費のそれぞれ同1%削減などを続ける」との方針を表明しているとの報道もある(7月26日『毎日』)。しかし、29日(火)の閣議決定で運営費交付金削減枠3%拡大の危険は依然として去っていない。既に1%の削減によって瀕死の状態にある多数の大学は、3%への拡大によって第二期中期目標期間の前に崩壊に至るであろう。すべての大学教職員に対して、そして大学内の各機関に対して29日に予定されている閣議において絶対に削減幅3%拡大を決定させないために、それぞれの方法によって緊急の行動を起こされることを訴える。 【資料1】 平成20年7月23日 概算要求基準における国立大学法人運営費交付金の削減幅を3%とする方向の検討について(緊急アピール) 社団法人 国立大学協会 会長 小 宮 山 宏 国立大学は、これまで、我が国における知の創造拠点として高度人材育成の中核機能を果たすとともに、高度な学術研究や科学技術の振興を担い、国力の源泉としての役割を担ってきました。 しかしながら、国立大学法人の財政的基盤である運営費交付金は、骨太方針2006 に基づき、毎年△1%の適用を受け、削減され続けており、各法人では各々が懸命の経営努力により対応しているものの、その努力も限界に近づきつつあります。 それにもかかわらず、最近、政府部内において、来年度概算要求基準における運営費交付金や私学助成費の削減幅を3%とする方向で検討が行われていると仄聞しています。 そのような運営費交付金等の大幅かつ唐突な削減が行われれば、教育の質を保つことは難しくなり、さらには一部国立大学の経営が破綻することとなります。また、地域における医師等の人材育成機能が低下するだけでなく、学問分野を問わず、基礎研究や萌芽的な研究の芽を潰すなど、これまで積み上げてきた国の高等教育施策とその成果を根底から崩壊させることとなります。こうした結果を招来するならば、「教育振興基本計画」や「留学生30万人計画」等の実施に支障が生ずることも明らかです。 つきましては、国立大学運営費交付金の大幅削減に強く反対するとともに、その確保・充実を求めます。 【資料2】 09年度予算:シーリング 知事に交付金の確保で協力要請--福井大学長 /福井  政府が09年度予算の概算要求基準(シーリング)で、国立大の運営費交付金の削減幅を1%から3%に拡大する方針を固めたことを受け、福井大の福田優学長は24日、西川一誠知事を訪問し、削減反対と交付金確保に向けた協力を要請した。福田学長は、「3%削減は教育研究機能に重大な支障をきたす」などとする声明文を手渡し、「交付金が削減されれば、高等教育がだめになってしまう。知事からも関係省庁に交付金確保を要請してほしい」と訴えた。これに対し、西川知事も「地方の大学の危機的な意識を伝えたい」と同調した。(毎日新聞 2008年7月25日 地方版) net.or.jp","SMTP","首都圏ネット事務局","info@shutoken-net.jp","SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 13516] 読売新聞7/26(2) 読売新聞2008年7月26日付 さまよう「博士」、修了者の25%が「浪人」 大学には残れず 就職も厳しく  大学院の博士課程を修了した若者たちの就職難が止まらない。特に苦労しているのが文系の人たちだ。大学教員は狭き門。民間の受け入れ先も少ない。そんな中、面接のコツを教えたり、就職先を紹介したりする企業も登場している。(社会部 竹井陽平)  文部科学省の調査によると、昨年3月の博士課程修了者1万6801人のうち行き場のない人は4146人。実に25%が「浪人」を余儀なくされたのだ。しかも、この数字にアルバイトなどは含まれていない。  「この先どうなるんだろう」。早稲田大学大学院博士課程に在籍中の牛山美穂さん(28)は不安になる。文化人類学専攻。論文が完成したら複数の大学に送り、助教など研究職を探すつもりだ。が、周囲には博士号を取っても給料の安い非常勤講師をかけもちしなければ生活できない人が多く、牛山さんは「どこでもいいから正規の仕事を」と焦りを隠さない。  「高学歴ワーキングプア」(光文社新書)を著した水月(みづき)昭道さん(41)は「博士号を取っても、大学教員になれるのは数十人に一人」と語る。自身も博士。今は立命館大学の研究機関の研究員だが、2011年3月には任期が切れるため、また就職活動をしなければならない。「コンビニで働いている人もいる。今や大学院はフリーター生産工場だ」  民間企業も採用には消極的。博士課程の修了は最速27歳だが、留学などで30歳を過ぎ、企業の募集年齢を超えてしまう人も多いからだ。さらに企業側には「専門知識で頭はこちこち」「社会常識や協調性に欠ける」といった偏見が広がっているという。  大学院生専門の就職支援会社「D・F・S」(東京・渋谷)の林信長社長(33)は真っ向から反論する。「院生は優秀です。なにせ一つの研究をやり遂げた人たちだから。何もしなかった学生より能力は磨かれている」。同社は一昨年から受け入れ先の企業を開拓。大学院生の就職指導も手がけている。  院生自身が自分の能力に気づいていないケースもある。順天堂大学大学院の博士課程でスポーツ社会学を専攻した市川朋香さん(28)は当初、就職試験に落ちまくった。Jリーグが研究テーマだったため、サッカーチームの運営会社やマスコミを受験。面接では決まって研究成果を“発表”したが、採用担当者の反応は今ひとつだった。  市川さんは、林さんの会社でアドバイスを受けて目覚めたという。「研究を通して、自分には分析力、論理力、発表力が身についているのではないか」と。自己の適性に気づき、IT関連のデータ解析会社を受けた市川さんは、すんなり合格。この春から新入社員として元気に働いている。  バブル時代の教育政策で膨れあがった高学歴な人々が、迷路に入り込み、扉が開くのを待っている。  大学院生倍増計画 大学院生が増えた背景には、大学院生の数を倍にすべきとした1991年の大学審議会の答申がある。大学院を新設する大学への補助金が増額され、大学院が作られた。91年時点で320だった大学院の数は、昨年5月には598に。院生も約10万人から約26万人に増加した。 "[he-forum 13517] 東日新聞7/28 東日新聞2008年7月28日付 技科大と静大が県境超え連携  豊橋技術科学大学(榊佳之学長)と静岡大学(興直孝学長)は連携して推進する文部科学省・産学官連携戦略展開事業「戦略展開プログラム(特色ある優れた産学官連携活動の推進)」に採択され、8月1日に浜松市のオークラアクトシティホテル浜松でプログラム発会式を行う。  同事業は、愛知県から静岡県に至る県境をまたぐ共通の産学連携体コンソーシアムを構築し、地域の各機関がもつ特性を十二分に生かすことにより、地域の産業発展をめざす。  戦略展開プログラム発会式は午後3時30分に開始、興静大学長、榊豊橋技科大学長がそれぞれあいさつする。  続いて文科省研究振興局研究環境・産業連携課技術移転推進室の吉田秀保室長補佐が戦略展開プログラム事業の内容について説明。静大のイノベーション共同研究センター、木村雅和センター長、豊橋技科大の産学連携推進本部、田中三郎本部長補佐がそれぞれ取り組みについて説明する。  日本弁理士会会長、太陽国際特許事務所長で弁理士、中島淳氏が「知財人材の育成~ 大学と地方自治体への期待」と題し、特別記念講演する。  閉会後、情報交換会もある(会費3000円)。 "[he-forum 13518] 7/29しんぶん赤旗 2008年7月29日(火)「しんぶん赤旗」 立命館大学はいま 教学優先へ大学人の取り組み  立命館大学では七月十五日に京都市内で、「立命館の危機を克服し、 新たな学園創造をめざす大集会」が開かれました。約五百人の学生をは じめ、教職員、卒業生、市民など七百五十二人が参加し、活発な意見交 換が行われました。  この間、「拡大路線のひずみ噴出」(「読売」六月二十一日付)、 「改革再生へ正念場」(「毎日」同二十九日付)、「『学生軽視』背景 に」(「京都」同二十一日付)など、立命館大学で生起した諸問題がい ま社会的に大きな注目を集めています。  この直接のきっかけは、「特別転籍」問題です。  学校法人立命館は、入学手続者が定員の一・四倍を超えた生命科学部 で、新入生に他学部への「特別転籍」を募りました。これについて、文 部科学省から、「教育上の合理的な理由があったと判断できず」と指摘 され、私立大学等経常費補助金を25%(約十五億円)減額される重い 処分を受けました。 学生軽視に批判  この問題をめぐり、文学部、産業社会学部、国際関係学部、映像学部 の各学生自治会が、学生大会などで「特別決議」を採択し、「学生を軽 視し経営主義の判断をしたことは立命館学園の社会的信頼を失墜させ た」(文学部自治会)、「経営優先の運営をしてきた理事会は大きく方 向転換を」(国際関係学部自治会)と指摘し、学園指導部の「退陣」を 要求するに至っています。また、多くの学部教授会で同趣旨の「教員団 決議・声明」が採択されています。  同時に、大学が学友会費の「代理徴収」の廃止を突然提案したことへ の怒りも、「大集会」に五百人の学生が参加する背景となっています。 集会では、多くの学生がこの問題で次々に発言。とくに「代理徴収」を 廃止し、大学の予算枠で学生の自主活動を支援する新たな制度を設ける との提案に対し、「学生は大学の顧客ではない。自治の担い手」「自治 への介入は許されない」などの訴えが相次ぎ、学園の自治と自主活動を めぐる学生のエネルギーの大きさが示されました。  さらに、今回の「特別転籍」のほかにも、全教職員に対する突然の一 時金一カ月カット(〇五年)、総長選挙規定の改定(〇六年)、学生に は耐え難い高学費を押しつけておいて前理事長・前総長には「退任慰労 金」の倍増による総額一億六千万円の支給(〇七年)をするという、一 連の問題があります。  「学生や教学を軽視して、経営主義と拡張路線をすすむやり方でいい のか」「これ以上立命館の民主主義を掘り崩してもいいのか」「学園指 導部の『専断』的なやり方はもう限界。民主的な学園創造と運営の新し い体制を」との声が公然とあがり、学園運営の抜本改善を求める学内世 論が広がっています。  こうした声と学内世論を受けて、十五日の「大集会」の「宣言」は、 「〇五年以来の専断的ガバナンスと学園指導部の運営能力の欠如」「退 任慰労金などで明らかになったモラル・ハザード」などと指摘。立命館 大学の「危機」を克服し、新たな学園創造に向かうには、「学部長理事 を中心とした教学重視の立場に立つ常任理事会を再構築していく以外に 道はない」と呼びかけました。 大学自治の意義  立命館大学は、戦後いち早く「学内理事会制」を確立し、学部長を全 員理事として、大学の運営に関しては「学内理事会」にまかせることを 理事会の合意(一九五一年二月)としました。また、大学運営の基本問 題については理事会だけで決めるのではなく、大学の自治の担い手とし て教職員や学生を認め、おのおのの階層の代表として学生自治会、教職 員組合が参加する「全学協議会」体制を確立しました。(一九四八年九 月)  「立命館憲章」では、学園の運営にあたり、立命館は「自主、民主、 公正、公開、非暴力の原則をつらぬき、教職員と学生の参加、校友と父 母の協力のもとに、社会的連帯を強め、学園の発展に努める」とうたっ ています。  自民党政治によって「大学の構造改革」がすすめられ、し烈な大学間 競争が展開されるなかで、立命館大学が教学を優先し、学生と教職員が 生き生きと発言し、学園運営に誇りを持って参加することができる、自 治と民主主義の今日的あり方をどう守り発展させるかが、改めて注目さ れています。 "[he-forum 13519] 7/29しんぶん赤旗2 2008年7月29日(火)「しんぶん赤旗」 交付金削減に反対決議 全大教が定期大会開く  全国大学高専教職員組合(全大教)は、二十六、二十七の両日、東京 都内で第四十回定期大会を開催しました。一年間で千二百人余の組合員 を拡大し組合員数が純増しています。高等教育の危機打開・充実、組合 員拡大、職場要求実現などをテーマに活発な討論が行われました。  大会では、国立大学の運営費交付金について、〇四年の法人化以降、 毎年1%(病院は2%)の削減によりこの四年間で総額六百二億円も削 減されているにもかかわらず、政府が来年度概算要求基準で前年度予算 比3%削減方針を打ち出したことに断固反対し、運動をよびかける特別 決議を採択しました。  決議は、運営費交付金が大幅に削減されれば「単科大学をはじめ地方 大学、高専の存立自体を危うくする」と強調しています。  あわせて運営費交付金を含む概算要求3%削減を決定しようとする二 十九日の閣議に向け、首相、財務省に運営費交付金大幅削減反対の要求 打電行動を各単組が一斉に取り組むことを確認しました。 "[he-forum 13520] 読売新聞7/29 読売新聞2008年7月29日付 [解説]全入時代の大学評価 「学生の面倒見」基準に情報公開の姿勢重要  読売新聞社が実施した「大学の実力 教育力向上への取り組み」調査からは、大学の情報公開に対する姿勢も読み取れる。(編集委員 中西 茂)  【要 約】  ◇全入時代を迎え、「面倒見の良さ」が大学評価の基準として重要になる。  ◇大学側も積極的な情報公開が求められており、事務職員の重要性が増している。  日本の大学は事実上、全入時代を迎えている。定員割れしている大学も多い。そうした中、全国の725大学の7割近い499校が回答した今回の調査(20、21日朝刊掲載)では、400校を超える大学が、退学率や、標準修業年限(4年制大学なら4年)での卒業率を回答した。定員を下回る学生数を答えた大学も100以上あった。  経営的に答えにくい質問にも大学が回答した点に大きな意味があり、まず、その点に敬意を表したい。  調査結果からは、地方の大学に定員割れが目立つことがわかる。東京の私大はさほどでもない。大学の努力だけではどうしようもない面もある。退学率や卒業率は、大学が入学させた学生に厳しく対応している結果とみることも出来るし、留学という要素も加わる。  数字だけでは良しあしは単純には判断できない。後は、この数字を見た側が個々の大学について、読み解いてもらうしかない。  いまや大学は大きく様変わりしている。  20年前、30年前の大学生で、入学時にリポートの書き方を教わった人はどれだけいるだろうか。大規模な大学で、授業に出席するよう働きかけられた経験を持つ人も限られるはずだ。  しかし、今回の調査ではすでにほとんどの大学で、何らかの「大学での学び方教育」を実施していた。出席を促す大学も、回答大学全体の6割以上あった。  教育力向上への取り組みは総じて、小回りのきく大学の方が進んでいて、大規模大学に不十分な点が目立つ傾向もある。知名度が高いからといって取り組みが必要ないわけではない。学力が十分で、特別な配慮や施策は不要と答えた大学は、わずか34校にすぎなかったからだ。  全入状態で、どこまでが合格圏かという偏差値が示せない大学も少なくない。今回の調査は今年4月から、国が大学に組織的な教育力向上の取り組み(FD)を義務化したことが直接のきっかけだ。これからは、入学してからどれだけ学生を伸ばせるかという点が、偏差値に代わる指標として重要になる。調査はそういう問題提起でもある。  回答結果は、あくまで自己評価だ。読者の現役学生からは「評価が甘すぎる」という声も届いた。夏休みに入った大学はいま、オープンキャンパス(大学見学会)が花盛りだ。見学を夏休みの宿題にする高校も珍しくない。大学関係者に質問をぶつけ、教育の中身を吟味してほしい。  また、情報公開は職員の力量がカギを握る。  情報公開に積極的な聖学院大学(埼玉県)では、受験生に渡すデータブックに、卒業生アンケートの満足度、志願者数や受験倍率、専任教職員数、クラス規模、奨学金利用者数までわかるようにしている。聖徳大学(千葉県)では、個々の教員の名前入りで、学生による授業評価と改善点までを記し、冊子にして公表している。  こうした情報を示すには、教職員の協力が欠かせない。産学連携などでも重視されている職員の力を、この際、大学は見直すべきだと思う。  一方で、大学に対する社会の評価も、変わってほしい。面倒見の良い大学が、もっと高く評価されるように、受験生や保護者、さらに社会全体が、大学を評価する上で別の視点を持ってほしい。 "[he-forum 13521] 沖縄タイムス7/29夕刊 沖縄タイムス2008年7月29日付夕刊 国の財政支援法制化/大学院大 運営委審議 より自由な経営探る  沖縄科学技術大学院大学の開学準備を進める沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST、シドニー・ブレンナー理事長)の第六回運営委員会が二十九日午前、恩納村のOISTシーサイドハウスで始まった。新大学院大学の国からの財政支援確保と、私立大学並みの経営の自由度を持たせることを目的とした新法の制定に向けた原案を審議した。新キャンパスの整備や研究事業の進ちょく状況なども報告された。  沖縄での開催は二〇〇七年七月の第四回会合以来、二回目。議論内容は三十日に有馬朗人共同議長らが都内で記者会見して説明する。  新法の必要性については今年一月、自民党沖縄振興委員会の大学院大学に関する小委員会が、OIST運営委員会委員と意見交換し、一年以内に法案を作成する方向性を確認していた。  仲井真弘多知事は冒頭あいさつで、大学院大の研究者子弟らを受け入れるインターナショナルスクールを、うるま市に二〇一一年四月をめどに開校することで旺文社などと基本合意したことを報告。「周辺整備をはじめ、設置推進に向けた取り組みを県民挙げて強化したい」と述べた。 "[he-forum 13522] 毎日新聞愛知7/29 毎日新聞愛知版2008年7月29日付 09年度予算:交付金削減撤回求め緊急声明--愛教大  政府が09年度予算の概算要求基準(シーリング)で、国立大学法人の運営費交付金の削減幅を1%から3%に拡大する方針を固めたことに対し、愛知教育大の松田正久学長は28日、方針撤回を求める緊急声明を発表した。  国立大学協会も23日に同様の緊急声明を出しているが、重ねて訴えたという。  声明によると、同大運営交付金の3%は約1・5億円にあたり、全教員約270人の年間研究費の総額もしくは高熱水費・通信費などの基幹的共通経費に匹敵する。  「人(教職員)がすべて」の教育系単科大学は、すでに総人件費改革による人件費削減でも06年度から5年間に5%削減を求められている。今回の3%拡大で経営が一段と厳しくなり、教員養成への悪影響は必然と訴えている。【安間教雄】 "[he-forum 13523] 毎日新聞福島7/29 毎日新聞福島版2008年7月29日付 09年度予算:国立大運営交付金削減、福大が反対声明「教育の機会均等失う」  福島大は28日、09年度の国の概算要求基準で国立大の運営費交付金の削減幅が3%に拡大される方針に対し、緊急の反対声明を発表した。  国立大の運営費交付金は07、08年度に1%ずつ削減され、同大では各年度約3200万円が削減されたという。定年退職の教員を補充せず非常勤講師を充て、研究費を約4~5割抑えるなどで対応してきたが、3%削減になると常勤教員の補充が難しく教材費など学生の自己負担が増える恐れがあるという。  声明文は「地域の人材育成機能が低下し、国の高等教育の成果を根底から崩壊させる」と批判している。会見した今野順夫学長は「地方では非常勤講師の確保が難しい。授業料を払えず大学をやめる学生がいる中で、負担増加により教育の機会均等が失われる」と語った。国立大学協会も既に、反対の声明を出している。【今井美津子】 "[he-forum 13524] 毎日新聞7/29 毎日新聞2008年7月29日付 大学人件費:600億削減 05年度比6.8%減、目標超えるペース  国立大学法人と四つの大学共同利用機関法人の常勤職員の07年度人件費は9361億8000万円で、05年度人件費の予算額(9967億9000万円)を6・8%(606億1000万円)下回ったことが、文部科学省のまとめでわかった。国立大学法人などの人件費は行政改革推進法で「06年度から5年間で5%(05年度予算を基準)」の削減目標が定められているが、既に目標を超えるペースで削減が進んでいる。  人件費は退職金などを除いた給与や賞与の合計額。06年度比では1・3%減だった。非常勤職員などの人件費は2145億60000万円で、06年度比16・8%(308億9000万円)の大幅増。文科省は「寄付金や競争的資金を利用し、プロジェクトごとに短期で非常勤職員を雇うなど工夫している」と分析している。  また、政府は09年度予算で国立大運営費交付金の削減幅を年3%に拡大しようとしているが、文科省は「削減目標を超過しているから『もっと削ってよい』とみるのは妥当でない」としている。  一方、法人の長(学長など)の07年度報酬額が最も高かったのは京都大の2466万8000円で、▽東京大2380万7000円▽大阪大2374万4000円▽九州大2301万2000円--が続いた。【加藤隆寛】 "[he-forum 13525] BS 討論「大学改革」放送のご案内 高等教育フォーラム登録のみなさまへ NHK番組「新BSディベート」 「日本の大学は生き残れるか~激化するグローバル競争~」の紹介です。 番組の内容は下記をご覧下さい。 なお、この番組の制作担当者から全大教にオーディエンスとして 地方大学の教育研究を担う現場の教員の紹介依頼がありました。 番組の趣旨には、全面的に賛同できるものではありませんが、 現在の国立大学の実態をアピールするため紹介することとしました。 また、この収録日は全大教定期大会と重なったこともあり、 全大教前副委員長の浅野一郎氏(宇都宮大教授)にお願いをしました。 是非ご覧くださるようご紹介します。   放送は、8月3日(日)午後8時~10時、NHK衛星第一放送です。 内容は次の通りです。 全大教 森田和哉 ------------------------------------------------------------- 「新BSディベート」 【テーマ】「日本の大学は生き残れるか ~激化するグローバル競争~」 【収録日】2008年7月27日(日) 【放送日】2008年8月3日(日)衛星第一 第1部 20:10~21:00/第2部 21:10~22:00  【出演者】 ディベーター(論者) 天野郁夫(東京大学名誉教授) 有信睦弘(東芝顧問 中央教育審議会委員)  結城章夫(山形大学学長 前文部科学省事務次官) 高橋洋一(東洋大学教授) 【進行】 司会・進行 山口 勝 解説コーナー 川手飛鳥 【海外ディベーター】ジョン・マクドナルド(ベルギー:EU委員会 教育担当)           于軍(中国:北京海淀区副区長) (内容 予定) 第1部 国際化の中でどう留学生を呼び込むか 論点1  どうする留学生 論点1-1 留学生30万人計画―骨太の方針どう評価する 論点1-2 海外の取り組みをどう評価する 論点2 どう生き残る日本の大学 論点2-1 日本は留学生をどう呼び込むか」 留学生「Q:日本の大学で学ぶ上での課題は?」 海外中継(ベルギー/中国) 「Q:留学生の就職について」 第2部 大学の国際競争力をどう高めるか   オープニング「大学の財政が厳しい中、どのように競争力を高めるか」 論点3  どう見る日本の高等教育 論点3-1 どう見る日本の公的資金    「Q:地方大学の疲弊状況は?」   「アメリカ流の大学経営」 論点3-2 大学運営での寄付や運用は有効か    「米国の大学における寄付金の役割」 論点3-3 「競争原理は有効か」    「米国での大学間の競争は?」 「日米大学の違い」 「企業との接点をどう模索する/ポスドクの苦悩」 "[he-forum 13526] 岩手日報8/1 岩手日報2008年8月1日付 交付金削減に反対 北東北国立3大学会議声明  岩手大、弘前大、秋田大で構成する北東北国立3大学連携推進会議は31日、閣議決定された2009年度予算における国立大運営費交付金の3%削減に反対する声明を発表した。  岩手大の藤井克己学長、弘前大の藁科勝之理事・副学長、秋田大の吉村昇学長が盛岡市上田3丁目の岩手大で記者会見した。声明は、教育・研究関連経費への影響や人材育成機能の低下、地域の「知的創造サイクル」の崩壊などを訴え、大幅削減に反対している。  国立大は04年度の法人化後、毎年運営費交付金が1%削減されている。さらに06年度から5年で5%という人件費削減も進んでおり、各大学は厳しい財政運営を強いられている。  3%削減により、岩手大では運営費交付金約1億9000万円の削減が見込まれ、教授約20人分の人件費に相当する。藤井学長は「非常に深刻な問題。3%の削減になれば人件費の縮減を考えざるを得ない。国への働きかけや対策については今後検討する」と危機感を募らせる。  国立大学協会(会長・小宮山宏東京大学長)も同様の声明を出した。 "[he-forum 13527] 沖縄タイムス7/31 沖縄タイムス2008年7月31日付 新法づくり困難か/大学院大の「特別法人化」  沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)は三十日の第六回運営委員会で、二〇一二年開学予定の沖縄科学技術大学院大学の将来構想をまとめた。国の財政支援を受けつつ、私学のような自主性を兼ねた「特別な学校法人」という運営形態が示され、「懸案だった制度設計が決まり、教育・研究、施設建設とともに出発点に立った」(内閣府)。しかし「世界最高水準」という目標までには、新法制定など「前例のない課題」(岸田文雄沖縄相)が待ち構えている。  国内で「特別な学校法人」として運営されている例として放送大学がある。政府が全額出資する特殊法人だったが、〇二年に改正放送大学学園法がつくられ、新組織となった。しかし今回は「全く何もないところから大学の法制度に組み込むという試み」(政府関係者)で、新法づくりには困難も予想される。  運営委は、世界から優秀な研究者を引きつけるために必要な柔軟性と自由度を担保するために新法制定を要望。同時に、研究に打ち込める環境整備を図るため国の財政支援も求めた。  内閣府は「激しい世界との競争に太刀打ちするには、優れた研究者が余計な心配をせずに優れた講座をすることが大切」と財政面での後押しを約束する。一方で「永遠に国が支援することも考えていない。国際的な評価を得たら、企業からの寄付や共同研究など自力で資金を稼げるようになる」と、あくまで軌道に乗るまでの措置だと強調する。  さらに「石ころに水をやるわけにはいかない。いつかは種になってくれないと」(政府関係者)とくぎを刺すように、研究成果の評価も重視、五年ごとに将来性を判断していくという。  開学までの手続きにも時間的な余裕はない。法人設立準備や大学設置審査などに二―二年半はかかる見通しで、新法の法案は遅くとも来年の通常国会に提出しないと間に合わない。  計画では今年六月末で十九人いる主任研究者を開学までに五十人に増やし、長期的に三百人を目指す。トーステン・ビーゼル共同議長は米・ボストンを例に「良い大学の周辺に新産業が誕生し、雇用も生まれている。ぜひ沖縄で実現したい」と語るが、実現までに乗り越えるべき課題は多い。(東京支社・西江昭吾) "[he-forum 13528] 琉球新報7/31 琉球新報2008年7月31日付 特別法人化を沖縄相に要請 大学院大学で運営委  【東京】沖縄科学技術研究基盤整備機構(シドニー・ブレナー理事長)の第6回運営委員会が30日、東京都内のホテルオークラ東京で行われ、2012年度の開学を目指す沖縄科学技術大学院大学(OIST)の設置形態について、国立や私立ではなく、ボード(理事会)が最高意思決定機関としての役割を担う「特別な学校法人」とすることなどを決めた。  運営委員会は29日に恩納村のOISTシーサイドハウスでもあり、2日間の議論を経て、10年9月から学生の実質的な受け入れを行い、同村のキャンパスで本格的な研究を始めることも確認した。  運営委員会の有馬朗人、トーステン・ヴィーゼル両共同議長が30日、岸田文雄沖縄担当相に「特別な学校法人」化に向けた法制度確立と財政支援を文書で要請した。  構想によると、理事長や学長の選任・解任など重要事項の決定はボードで行う。さらに「長期にわたる政府による財政支援が不可欠」とし、特別な財政支援の仕組みの検討を求めている。 "[he-forum 13529] 中日新聞8/1 中日新聞2008年8月1日付 《経済》 静岡大と愛知・豊橋技科大が 知財活用、共有へ連携強化 きょう、東海iNET発足  静岡大と豊橋技術科学大が中心となり、両大学が蓄積してきた知的財産のマネジメントや地元企業との連携を強化する「東海イノベーションネットワーク(東海iNET)」をつくる。1日に浜松市中区のアクトシティ浜松で発足式を開き、活動を本格化させる。  組織づくりは、文部科学省の産学官連携戦略展開事業に採択されたのを受けた取り組み。両大学は静岡県と愛知県東部の産業発展のために、地域の国公私立大や研究機関、自治体との密接な関係をつくり、各参加機関が持つ知的財産の活用と共有化を目指す。  事業には浜松医科大、静岡理工科大、静岡県立大、愛知大、豊橋創造大、愛知工科大も参加。産学官の連携のための情報を共有するほか地域の企業との連携も深め、大学での研究の事業化も進める。  静岡大では、企業と大学の間を取り持つコーディネーターの育成が重要だとしてトレーナー3人を採用した。豊橋技科大は農工商連携や医工連携といった異分野連合をさらに進め、事業化を図る役割を担う。  発足式には関係者約100人が参加。文科省が産学官連携戦略展開事業の概要を説明し、静岡大イノベーション研究開発センターの木村雅和センター長が構想を話す。  日本弁理士会の中島淳会長の「知財ビジネス支援人材を考える」と題した特別講演もある。 "[he-forum 13530] 毎日新聞岡山8/1 毎日新聞岡山版2008年8月1日付 県立大:トマト銀など金融機関と協定  県立大は、中国銀行、トマト銀行、おかやま信金の3金融機関と相互連携する包括協定を締結した。同大はこれまで総社市と提携を結んでいるが、“産学”での包括協定は初めて。  同大によると、協定の主な内容は、金融機関の仲介で、企業のニーズと大学の技術を合わせた共同研究を推進▽インターンシップなどによる人材育成▽県立大発ベンチャー企業への資金面の支援--など。大学、金融機関双方と地域の発展に貢献することを目的としている。  同大総務課は「金融機関の取引先の地元企業とも協力し、商品開発などができれば」としている。【石川勝義】 "[he-forum 13531] 信濃毎日新聞7/31 信濃毎日新聞2008年7月31日付 県内の産学官連携窓口 来月、信大に一元化  信大(本部・松本市)は30日、県内18の大学や短大、高専とともに産学官連携のノウハウを共有し、企業や自治体との窓口も一元化する「信州産学官連携機構」を8月に設立すると発表した。「ナノテク・材料、IT」「ライフサイエンス」「地域ブランド」の3分野を重点に各教育機関の連携を強める。  機構は信大産学官連携推進本部(松本市)が事務局となり、3分野ごとに大学・高専間や企業との調整、企画を担う連携コーディネーター3人を同本部職員として採用する。小宮山淳・信大学長が機構長に就く。  信大は2003年度から学内の知的財産活用のルールづくりを進めており、こうした手法や情報を機構内で共有しながら、産業界や行政との窓口を一つにして、産官との連携も効率化する。  機構設立は文部科学省の産学官連携戦略展開事業(戦略展開プログラム)に採択されており、同省からの事業費を経費に充てる。同プログラムは5年事業で、本年度は3800万円の支援を見込む。  この日は信大松本キャンパスで白井汪(ひろ)芳(ふさ)理事らが記者会見。民間企業と進める薬品や医療機器の開発で複数の大学が協力して治験(臨床試験)を行う-といった連携例も示した。8月7日には長野市内のホテルで設立記念シンポジウムを開く。 "[he-forum 13532] 日本学術会議提言(8/1) 各位  8/1/2008 日本学術会議の提言「我が国の未来を創る基礎研究の支援充実を目指し て」が、日本学術会議のウェブサイトに公開されています。 提言ファイルのアドレスは、以下の通りです。 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-t60-3.pdf "[he-forum 13533] 時事通信8/3 時事通信2008年8月3日20時13分 国立大、人件費606億円圧縮  国立大学法人と大学共同利用機関法人の計90法人が2007年度に支払った人件費の合計は、05年度予算額より606億円(6.0%)少ない9362億円だったことが3日、文部科学省のまとめで分かった。行政改革推進法は10年度までの5年間で5%以上の削減を定めているが、これを上回るペースとなった。  国立大をめぐっては、政府は人件費などに充てる運営費交付金を毎年度1%ずつ減らしており、来年度には削減幅を3%まで拡大する方針。文科省は「各大学は既にぎりぎりの努力をしており、削減幅を拡大すれば教育研究に支障が出る」(高等教育局)として、予算確保に巻き返しを図る。  同省によると、人件費は常勤役職員の報酬、給与、賞与などの合計。給与水準を引き下げたり、退職者の後任補充を抑制したりして、前年度比では1.3%減となった。  ただし、研究プロジェクトごとに寄付金や受託研究費で雇う臨時職員らへ給与は、前年度比16.8%増の309億円増。団塊世代の大量退職に伴って退職金支払いも6.3%増の65億円増で、広義の人件費は1.5%増の218億円増となった。 "[he-forum 13534] 読売新聞社説8/4 読売新聞社説2008年8月4日付 私大定員割れ 合併・再編も視野に入れよ  こんなに多くの大学が必要なのか。そう思わせるような結果である。  日本私立学校振興・共済事業団が発表した今年度の私立大学入学者の動向で、全国の私大の47%が定員割れを起こしたことが判明した。  募集停止などを除く565校のうち266校にも上る。定員の50%未満だった私大も29校ある。  延べ受験者数はわずかながら増えている。大手私大を中心に、1回の入試で複数の学部を受験できる制度や地方会場での入試を増やしたためだ。定員3000人以上の大規模校は全体の4%しかないが、受験者数の半分を集めた。  人気が集中する都市部の大規模校と地方の小規模校の「二極化」が、一段と鮮明になった。  国公立大志向が強まっていることもあろう。しかし、大きな要因は少子化にもかかわらず、規制緩和で大学設置基準が弾力化され、大学が増えている点にある。  18歳人口は10年前の約160万人より40万人近く減ったのに、大学は国公立も含め約600校だったのが750校以上になった。多様な大学、学部が登場する一方、「大学」の名に値するのか疑わしいところもある。  規制緩和は、新しい大学の参入によって競争を促し、教育の質を高めるのが狙いだったはずだ。だが、AO(アドミッション・オフィス)入試などで安易な入学者確保に走るところも少なくない。  中央教育審議会は7月にまとめた答申案で、「社会の負託に応えられない大学は、淘汰(とうた)を避けられない」との認識を示した。  設置を認めるかどうか審査する大学設置・学校法人審議会は、事前チェックを厳格化すべきだ。文部科学省も、私大の破綻(はたん)に備え、学生の受け皿など処理策を練っておく必要がある。  私大は学部ごとの定員割れの割合に応じて私学補助金を減額され、定員の50%以下ならゼロになる。定員を満たせないと、経営は一層苦しくなる。  破綻すれば影響を受けるのは在学生だ。私学には建学理念や経営方針があるが、早めに思い切った対策を打ち出さねばならない。  人気の低い学部は廃止し、特色のある学部に特化する。地域が求める人材の育成・輩出に絞った学部などに改組する。こうした措置が考えられよう。  国立大学は法人化を前に再編が進み、私大でも一部に合併の動きが見られる。合併・再編も一つの手だ。破綻に追い込まれる前に、大胆な経営判断が必要である。 "[he-forum 13535] 日刊工業新聞8/4 日刊工業新聞2008年8月4日付 新日石、東大農学研究科と連携-バイオマス研究加速  新日本石油と東京大学大学院農学生命科学研究科は、バイオマス利用エネルギーの開発で組織的に連携する。従来から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの受託研究などで共同研究に取り組むなど協力関係にあったが、今回の連携では関連分野などへ一段と研究領域を広げるのが目的。セルロース系バイオエタノールの実用化加速を目指す。  新日石から約10人、農学生命科学研究科からは約20人の研究スタッフが参加。あえて特定の研究テーマに絞らず、研究スタッフ間の交流の中からテーマを創出する。  このほか新日石側が大学院教育のプログラムに支援する。契約期間は3年間。その間の活動費を4500万円とするが、共同研究がスタートした段階でさらに別枠の予算を組むという。 "[he-forum 13536] 中日新聞8/3 中日新聞2008年8月3日付 育て環境リーダー 名大大学院に新講座  名古屋大は、日本を含むアジア、アフリカ地域の学生を環境問題解決に向けた国際的リーダーに育成する特別コースを来年度、大学院修士課程に設置する。企業や自治体での研修などを通じて具体的な知識や技術、実践能力を身に付けてもらい、世界に送り出す。  特別コースは「国際環境人材育成プログラム」。文部科学省が年間1億円の事業予算を本年度を含めて5年間、配分する。名大は月内にも「国際環境人材育成センター」を設立し、専任教員やスタッフを配置する。  名大は2001年に工学、社会科学、理学系にまたがる環境学研究科を大学院に設置。今回、同研究科を中心に、世界的なリーダーとなる人材を育てることにした。  対象の学生は今月と来年2月に行われる環境学、工学両研究科の試験を通じ、アジア、アフリカの留学生計10人と日本人学生5人を選抜する。  特別コースの学生は(1)地球温暖化対策(2)水・廃棄物対策(3)生物多様性保全-の3分野から1つを選択。環境学、工学、生命農学、国際開発の計4研究科の既存科目と新規開設の科目を受講する。講義はすべて英語になる。  1年目は途上国が直面する問題に取り組む能力を身に付け、2年目は中部地方の企業などでインターンシップ(就業体験)を行い修士論文を作成する。インターンシップの費用は大学側が負担し、留学生の入学金と授業料は免除する。  林良嗣・名大環境学研究科長は「2010年にCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が開かれる名古屋で、国際的に通用する環境分野のリーダーを育てたい」と話している。 "[he-forum 13537] 毎日新聞8/3 毎日新聞2008年8月3日付 低レベル放射性廃棄物処分場:大学、病院の排出分を整備--文科省  大学や病院などの低レベル放射性廃棄物について、文部科学省が地中に埋設する処分場を整備することになった。各施設での保管が限界に近づいているためで、10年後の操業開始を目指す。今秋にも立地条件や処分方法の基本方針を決める。  低レベル放射性廃棄物は、原子力施設で使用した衣服や手袋、注射器、建材など。原子力発電所から出た分は、電力各社が出資して作った企業が青森県六ケ所村の埋設施設で処分しているが、それ以外は廃棄物を出した施設が保管している。  文科省によると、全国約2500カ所で保管されている廃棄物の総量は200リットルのドラム缶約51万本分にもなる。一部施設では保管庫が満杯に近づいており、「このままでは研究などに支障が出る」(文科省放射性廃棄物企画室)ため処分場整備を決めた。  低レベル廃棄物全体の7割を保有する日本原子力研究開発機構を実施機関とする法改正案が5月に国会で可決された。同機構は国の基本方針に基づき、場所を選定して処分場を建設。各施設から有料で廃棄物を引き取る。  廃棄物は焼却して体積を減らし、セメントやアスファルトで固化しドラム缶に詰める。処分場は100ヘクタール程度の敷地を確保し、40年後までの処分量と想定するドラム缶50万本を放射能レベルに応じて地下数メートル~十数メートルに埋設。そのまま300年間管理するという。  管理まで含めた総事業費を約2000億円と見込んでおり、文科省は今年度予算案に43億円を計上している。【西川拓】 "[he-forum 13538] 日本経済新聞東北8/2 日本経済新聞東北版2008年8月2日付 秋田大学、資源開発の人材育成 北大など4大学と共同で  秋田大学は鉱物資源に関する学科がある北海道大、早稲田大、東京大、九州大の4大学と共同で資源開発の人材育成に取り組む。関連企業・団体とも連携して来年3月、5大学の3年生以上の学生約20人に集中講義を実施する。資源価格高騰などで高まる人材養成のニーズに関係大学が連携して対応する。  秋田大が1日、4大学とともに申請していたプログラムが文部科学省の補助対象事業に採択されたと発表した。実施期間は2008―09年度の2年間で、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)など6団体と連携する。予算は年間2400万円で調整中。  集中講義は秋田大で実施。地質から探査、採鉱、リサイクル、資源経済まで取り上げ、大学教員が基礎や理論、精錬会社や商社の企業技術者などが実践例を教える。来春の集中講義は5日間とし、09年度は夏季に長い期間で行う。5大学間の出前講義や海外の鉱山のインターンシップ(就業体験)も実施する。 "[he-forum 13539] 四国新聞7/30 四国新聞2008年7月30日付 産学連携支援で香川大など選定/文科省  文部科学省は29日、産業界などと連携して教育活動の充実や人材育成に取り組む専門職大学院と大学を支援する事業に、香川大など延べ72大学の26件を選定したと発表した。  国際競争力の向上を目指す内容が18件、大学と企業が化学や機械などの分野で人材を養成するのが8件。  香川大と関西学院大は地方公務員らを対象に地域金融の専門家を育成するプログラムを開発する。  教職大学院がある奈良教育大と宮崎大は両県教育委員会と一緒に協力して学業不振や問題行動などの子どもへの対処法を研究する。首都大学東京と横浜国立大は熟練技術者を講師に招き、ものづくりのノウハウを教えるプログラムを開発する。 "[he-forum 13540] 全大教教研集会のご案内 全大教 高等教育フォーラム登録の皆様に 全大教は、第20回教研集会を9月13日から15日に 電気通信大学を会場に開催します。 プログラムを全大教ホームページに掲載しましたので 是非ご覧下さい。 http://zendaikyo.or.jp/kousin/katudou/20-kyouken-annai.pdf 不明な点がありましたら全大教までお問い合わせ下さい。 ************************************* 全国大学高専教職員組合  TEL 03-3262-1671 FAX 03-3262-1638 総務部 somu@zendaikyo.or.jp http://www.zendaikyo.or.jp ************************************* "[he-forum 13541] 読売新聞8/5 読売新聞2008年8月5日付 「大学の実力」調査反響 「自己評価」の甘さ 批判  先月20、21日に掲載した「大学の実力 教育力向上への取り組み」調査に対する反響が続いている。大学の自己評価に対して厳しい意見が多い。  調査結果について「大学のことを考えるいい機会になった」と志望校選びに悩む高校3年生からメールが届いた。  総合自己評価で「A」を付けた大学の学生は「正直に言って驚いている」。「大学からのテストの日程や補講の連絡が不足し、迷惑を被っている」という実態を知らせるとともに、「出席確認をすませば、すぐに教室を出てしまうような、モラルのない一部学生のため集中できない授業がほとんどだ」と訴えた。  別の大学の学生は、「予備校と比べて授業の質が低い」とこぼす。「講義に対する教員の意欲が低い。教科書を棒読みし続ける教授もいる。難関大学と呼ばれる大学が、中身で勝負する日が来ることを望む」  「大学名や偏差値だけの進路指導で大学を選ばせたことを大変後悔している」という保護者は「大学の在り方、若者の在り方で、これからの日本社会も生きるか死ぬかになると思う」と大学の自覚を求め、学生への指導に注文を付けた。  当事者の大学からは、教育を見直す上で「刺激になった」とする声も多かった。非回答校を列挙すべきだと提案する私大の教員もいた。一方で、大学内の関係者から「誰が回答したか不明なので教えて」「これから回答できないか」といった、理解に苦しむ問い合わせも相次いだ。(松本美奈、中西茂)  「大学の実力」調査の数値修正 「大学の実力 教育力向上への取り組み」調査で、個々の大学から数値の訂正がありました。この結果、平均2・6%とした昨年度1年間の退学率(先月20日朝刊1面掲載)は2・5%となります。訂正は以下の通り。  ▽千葉工業大=退学率〈1〉27%→13・1%、退学率〈2〉11%→3・3%▽神戸松蔭女子学院大=退学率〈2〉10・16%→3・4%▽目白大=退学率〈2〉11・5%→5%▽神戸薬科大=退学率〈1〉8%→5・7%、退学率〈2〉3・5%→2・8%▽早稲田大=専任教員法定数290→791▽甲南大=定員数6820→7060  ※退学率〈1〉=2004年4月入学者のうち卒業時までの退学・除籍者 退学率〈2〉=07年4月入学者のうち今年5月1日までの退学・除籍者 "[he-forum 13542] 沖縄タイムス8/5 沖縄タイムス2008年8月5日付 専門医 県内で育成/琉大附属病院  質の高い専門医の養成を目指し、琉球大学医学部・附属病院は臨床研修者向けの研修プログラム「多極連携型専門医・臨床研究医育成事業」を二〇〇九年度からスタートする。文部科学省が支援する「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」の一環。  医学部卒業後、初期研修を終えた医師が同大の附属病院に所属し、他大学や病院などで一―二年間専門医療を学ぶ。  琉大附属病院など県内の病院は、全国から年間約百五十人の臨床研修医を受け入れており、人口比では全国で最も高い。  ただ、約二年間の初期研修後、四割は県外で専門医研修を受けるため、県内での専門医養成が課題だった。  同プログラムは他大学との連携強化など百二十七項目の取り組みを展開し、専門医研修を充実するほか、医療のレベルアップとともに、地域医療に貢献する人材を育成する。  五年間で総予算約四億五千万円をかけ、(1)インターネット会議・カンファレンスシステムの構築(2)臨床研究医育成のシンポジウム(3)女性医師の復帰支援や出産、育児のキャリア継続を支援するセンター設立―などを目指す。  同大医学部の大屋祐輔准教授は「他大学や地域病院の得意分野を学ぶことで、レベルの高い専門医養成ができる」と強調。  佐藤良也医学部長は「離島医療を担う医者を養成するセクションをつくるなど、医学部の教育を包括的に進めるよう努めたい」と語った。 "[he-forum 13545] 琉球新報8/5 琉球新報2008年8月5日付 琉大 専門医育成で新制度  琉球大学(岩政輝男学長)は2009年4月から、全国28大学や県内外の約50の医療機関と連携して、より高度な技術や知識を持つ専門医と臨床研究医を養成する研修プログラム「多極連携型専門医・臨床研究医育成事業」を始める。須加原一博琉大医学部付属病院院長は、魅力ある研修プログラムを構築することで、初期臨床研修医の県外流出を食い止め、将来的には「離島など地域医療への貢献につなげたい」と期待を込めた。  研修プログラムは、文部科学省の「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」として選定された。5年間の継続事業で総予算は約4億6000万円。4日に同大で岩政学長らが記者発表した。  県内では従来、全国的に人気が高く、年間約150人の人材が集まる初期臨床研修を終えた後、専門医の取得を目指す優秀な人材が県外に流出することが課題の一つだった。  プログラムでは、医師が琉球大学に所属しながら、希望する医療機関でより高度で専門的な医療を習得することができる。同大では「研修医の大学病院離れ」も食い止めたい考えだ。  10月にも大学付属病院内に後期研修センターを設置。さらに既存の臨床研究支援センターを拡充し、プログラムを円滑に進めるための体制づくりを行う。地域への専門医派遣を支援する地域医療支援センターや、女性医師の復帰支援などを行うセンターの設立も予定されている。 "[he-forum 13543] 河北新報8/5 河北新報2008年8月5日付 若手研究者に経済支援 東北大大学院医学研究科  東北大大学院医学系研究科は来年度、医学部在学中から大学院で研究できる特別進学制度「MD―PhDコース」を拡充し、経済支援を導入する。研究に専念できる環境を整え、優秀な人材を早期に確保するのが狙い。  同コースは医学の基礎研究に携わる若手研究者を養成しようと、01年度に設けた。全国17の大学に同様のコースがあるが、経済的な支援制度を盛り込むのは初めて。  医学部の4年または5年を終えた時点で大学院に進学。3年以上の大学院教育を受けて医学博士の学位を取得し、医学部に復学する。希望によっては復学せずに研究を続けることも可能。  具体的な支援策として、大学院の受験料(3万円)と入学金(28万円)の同額を本人に還元するほか、大学院在学中と医学部復学後に最低月額5万円を支給する。  医学生には04年度から、卒業後2年間の初期臨床研修が義務付けられ、大学院進学者の平均年齢が上昇した。医学系研究科は「大学院進学の遅れは医学研究の土台を揺るがしかねない」と問題視している。  山本雅之医学系研究科長は「柔軟性のある若いうちに研究生活を始める意義は大きい。年5人程度を目標に、東北大の屋台骨となる人材を育てたい」と話している。 "[he-forum 13544] 中国新聞8/5 中国新聞2008年8月5日付 立命館大と協定締結 広島大  広島大と立命館大(京都市)は4日、包括的連携協定を締結した。両大学が建学精神や教学理念に掲げる平和について共同で教育や研究を進め、将来的には国際貢献などにも協定分野を広げる。広島大が他大学と協定を結ぶのは初めてで、立命館大は京都大などに次いで6件目。  広島市中区の広島国際会議場で、広島大の浅原利正、立命館大の川口清史両学長が協定書にサインした。協定は、両大学が先進的に取り組む平和教育をきっかけに、海外の大学とも多方面で連携を深めるのが狙いだ。  具体的には、本年度中に両大学が加盟する国際大学ネットワーク(INU)を活用し、最短1年間で母校と海外の大学からそれぞれ修士学位を取得できる制度を創設する。2009年度からは、平和や国際問題を研究する両大学の大学院で単位互換制度を始める。 "[he-forum 13546] 日本経済新聞東北8/6 日本経済新聞東北版2008年8月6日付 東海理化と山形大、包括協力協定 自動車部品開発目指す  山形大学(結城章夫学長)と自動車用スイッチ大手、東海理化は6日、包括協力協定を締結する。同大理工学研究科の若手研究者を対象に具体的な研究案件を募り、東海理化が研究費を助成する仕組み。特定案件の下での産学連携は数多いが、一私企業が1つの研究科にターゲットを絞った公募型の産学連携は全国的にも珍しいという。  協定のテーマは「自動車部品開発および新規事業領域」。通常の共同研究と異なり、大学の研究者側から中長期的な視点で戦略的研究テーマを募る。協定調印に先立ち、初年度の公募は既に実施。10人の研究者が応募し、審査の上、5件の研究テーマが決まった。  「企業秘密にかかわる」(山形大)として具体的なテーマは明かしていないが、車間距離を検知して事故を未然に防ぐ自動車用センサー、軽くて強いだけでなく環境にも優しい新材料、高齢者も安心して運転できる新機能などが想定される。 "[he-forum 13547] 毎日新聞8/6 毎日新聞2008年8月6日付 医師不足:医学部定員増条件、地域貢献計画を 文科省、大学側に  政府の「骨太の方針08」で大学医学部の定員を早急に過去最大規模(8280人)に増員する方針が盛り込まれたことを受け、文部科学省は5日、国公私立大に対し、09年度の増員希望がある場合は地域医療に貢献する取り組みの計画を提出するよう求めるとともに、定員変更の申請期限を10月末(通常は6月末)まで延長することを伝えた。  09年度の入学定員を08年度(7793人)より487人増やすのが目標。増員に伴う人件費や設備費などの財政支援を09年度予算概算要求に盛り込む。対象は医学部のある国立大42校、公立大8校、私立大29校--の計79校。  「医師不足が深刻な地域や診療科の医療を担う医師の養成プログラム」など取り組みの計画を9月22日までに提出することが増員の条件。【加藤隆寛】 "[he-forum 13548] 共同通信8/7 共同通信2008年8月7日21時43分 法科大学院の統廃合表明 法相「低実績校は整理」  保岡興治法相は7日、修了者が新司法試験の受験資格を得ることができる法科大学院について、合格実績の低いものは統廃合すべきだとの考えを表明した。法科大学院の設置認可を行う文部科学省と近く協議を始める方針も示した。  法科大学院制度は2004年に、法曹人口をめぐる将来の需要増大に対し「質の高い多様な法曹を育てる」との理念の下で設立された。しかし新司法試験の合格率は4割程度にとどまって当初目標の7、8割には遠く及ばず、学生が試験対策への傾斜を強めるなど問題点が指摘されていた。  保岡氏は共同通信などのインタビューに対し「教育能力のない学校は学生に配慮した上で合併かやめるかし、あるべき法科大学院の姿を目指して整理すべきだ」と述べ、今後も改善が見られない場合は統廃合を検討すべきだと強調した。  現在、全国に74校ある法科大学院の現状については「学生にできるだけ広くチャンスを与え、特に地方に配慮して法科大学院の設置を認めてきたが、内容が伴わない学校もあるし、ばらつきがある」と指摘。 "[he-forum 13549] 朝日新聞8/8 朝日新聞2008年8月8日付 「大学全入」遠のく、進学率予想以上の伸び 08年調査  08年4月の大学・短大の志願者数が74万4千人に対し、入学者が68万4千人だったことが文部科学省の学校基本調査で分かった。志願者数と入学者数が同じになる「全入時代」が07年春にも到来すると試算されていたが、文科省は「近い将来に、志願者数と入学者数が同じになる見込みではない」としている。  旧文部省は「09年に全入となる」と97年に試算。その後、進学率が横ばいで推移していたこともあり、中央教育審議会(文科相の諮問機関)は05年の答申で、実現の予想を07年春に前倒しした。しかし、景気回復の傾向が続いていたことや、就職で有利になるとの判断などが影響し、高校卒業後に大学進学を希望する割合はこの数年で上昇。今年は高校卒業生の60.1%が大学・短大への入学を志願。浪人と合わせた志願者は中教審答申の試算より10万人以上多く、入学者は志願者数の約92%にとどまった。  一方、入学者が定員を割った私大はこの春、全体の47%になり、人気が集まる大学とそうでない大学の二極化は進んでいる。 "[he-forum 13550] 信濃毎日新聞8/10 信濃毎日新聞2008年8月10日付 大学院生の20・4%は社会人 信大は横ばい28・9%  大学院に通う学生数26万2700人のうち、社会人は前年度より2600人増え5万3700人と全体の20・4%を占めたことが、文部科学省の2008年度学校基本調査で分かった。信大(本部・松本市)は前年度より0・2ポイント下がったものの、28・9%だった。  社会人は2000年度から8年連続で増え、03年度の約3万5400人から5年間で約1・5倍となった。同省は「知識や技術を仕事に生かしたいというニーズが高まり、大学院側も社会人向けの入試やプログラムを増やしていることが要因」とみている。  定年退職者や主婦らを含む社会人の院生の内訳は修士課程が2万人、博士課程が2万4600人。専門職大学院は9100人で、うち法科大学院が半数近い4400人。  信大の大学院学生数は5月1日現在、2227人。うち社会人は643人で昨年度より25人少なく、内訳は修士・博士前期課程が309人、博士・博士後期課程が300人。専門職大学院(法科大学院のみ)は34人だった。  信大学務課によると、社会人学生は増加傾向。社会人を対象にした「経済・社会政策科学研究科」は週末などに授業をしているほか、工学系研究科情報工学専攻は、インターネットを利用した「イー・ラーニング」システムで自宅でも学べるようにしている。 "[he-forum 13551] 岩手日報8/13 岩手日報2008年8月13日付 共通キャンパス設立へ 県内5大学  岩手大、県立大、岩手医大、富士大、盛岡大の県内5大学は2011年度をめどに、全13学部が連携した「イーハトーブキャンパス」を設立する。地域の中核を担う人材育成が目的で、他大学との単位互換などを通じて幅広い教養を身に付けることができる仕組みを整える。学生のほか県民にも門戸を開放。単位互換を促進する遠隔講義システムの構築や岩手学講座の共同開講、生涯学習の場提供など、「地域に開かれたキャンパス」を目指す。  5大学によるイーハトーブキャンパスは、盛岡市のいわて県民情報交流センター(アイーナ)を共通キャンパスとし、学生らが幅広い教育分野を自由に学べる環境を整備する。  同キャンパスの目的は▽教職員の教育力、受講生の地域還元力向上▽教育研究環境の基盤整備▽知の拠点形成▽高校への教育を通じた大学進学率向上▽地域の活性化―など。  具体的な取り組みとして▽各大学、高校へ授業配信できる遠隔講義(テレビ会議)システムの構築▽教職員の能力開発研修の共同実施▽岩手学講座の開設▽平泉や宮沢賢治など地域文化研究の推進▽生涯学習の場の提供―など20事業を計画。単位互換の対象科目については今後、検討する。  14年度からは、同キャンパスで計8科目16単位程度を4年間で取得した場合、卒業証書を授与することも検討。地域リーダーを目指す学生、県民の励みとする。  5大学はこれまで、2000年に「いわて5大学学長会議」を設立し、一部科目での単位互換や図書館の相互利用、高大連携事業などを進めてきた。  共同事業は連携強化が目的で組織統合は計画していない。5大学は事業推進に当たり、文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に申請。3カ年事業で、採択されれば毎年約1億円ずつ助成される。  岩手大の斎藤徳美理事・副学長は「5大学が連携した教育研究機能の強化は『岩手づくり』に重要だ。目指す方向が共有されたことの意義は大きい」と意欲を示す。 "[he-forum 13552] 読売新聞8/13 読売新聞2008年8月13日付 育児に悩む女性研究者 「理想は2人」でも「両立困難」  結婚している女性研究者の44%に単身赴任の経験があり、65%は夫が同業者。理想の子供の数は2人だが、実現には悲観的――。理工系の学会で作る男女共同参画学協会連絡会による調査から、研究者のこんな家庭像が浮き彫りになった。  調査は昨年8月から11月まで、64学会を対象に実施。大学や企業で研究職、技術職として働く女性3761人、男性1万349人がアンケートに回答した。  男性は半数以上に子供がいたが、女性の65%は子供がおらず、1人が16%、2人が12%。  「子供は2人が理想」という答えが最も多かったが、その実現性については女性の61%が否定的で、理由として74%が「育児とキャリア形成の両立」を挙げた。  実際、未就学児がいる女性は、育児などに割く時間が多いため、子供のいない女性に比べ、在職場時間が週平均12・3時間短かった。  未就学児のいる女性の育児休業を調べたところ、企業で働く場合は67%が希望通りに取得できた一方、大学では46%が取得せず、26%が取得したが希望通りではなかった。その理由は「仕事を中断したくなかった」「希望通りになる職場環境ではなかった」「任期付きなので、育児休業分の任期延長が認められなかった」の順で多かった。  調査では大学などで任期付きで働く博士研究員(ポスドク)の生活実態も分析。回答した1369人のポスドクの平均年収は30~34歳の男性で417万円、女性で378万円。企業の研究者との差は年齢とともに広がり、35~39歳の男性では214万円少なかった。ポスドクの43%は契約上の勤務時間が週40時間未満だが、実際に職場で働いている平均時間は男性が60時間、女性が55時間と長かった。  同連絡会の大坪久子・東京大学講師(日本分子生物学会)は、「30代の若い研究者たちは、出産・育児の時期でもあるが、研究との両立に悩み、将来にも不安を抱いている。特に、女性研究者や、大学などで働くポスドクたちへの支援が不十分」と分析。育児中の研究者を支援する大学・研究機関のモデル事業や、若手の研究者を経済的に支援する日本学術振興会の特別研究員制度の拡充を求めている。(滝田恭子) "[he-forum 13553] 読売新聞8/15 読売新聞2008年8月15日付 大学発ベンチャー苦戦、平均赤字5100万円…経産省調査  大学の研究成果を基に起業したベンチャー企業の多くが、経営を軌道に乗せるのに苦しんでいる実態が、経済産業省の調査で14日明らかになった。  2007年度の営業利益は平均5100万円の赤字で、06年度に比べ赤字幅が400万円も広がった。  大学発のベンチャー企業の3割を占める情報技術(IT)ソフト系などは赤字額が減少した反面、全体の4割を占めて最も多いバイオ系の赤字額が増加した。経産省は課題として、企業経営に携わった経験に乏しい研究者が経営者になるケースが多いことを踏まえ、「人材確保」「資金調達」「販路開拓」の3点を指摘している。  一方、07年度末時点の大学発ベンチャー数は、06年度に比べ94社多い1773社となった。少子化の影響で入学者数が減少する中で、ベンチャーを設立することで特色をアピールする狙いがあるようだ。 "[he-forum 13554] 読売新聞8/14 読売新聞2008年8月14日付 キャンパス探訪 (3)獣医・畜産の現場公開  約47万頭の乳牛や肉牛が飼育される北海道の十勝平野。その中心都市・帯広市に、全国唯一の畜産学部を持つ帯広畜産大学がある。広大なキャンパスには牧草地や農地が広がり、牛や馬などの飼育動物のほか、モモンガやエゾリスも顔を出す。  8月2日に開かれたオープンキャンパスの中で、人気が高いのが、獣医学課程の志望者が同大家畜病院の診療の一端を見る「産業動物見学コース」だ。同院には、道内の畜産農家から、病気になった牛や馬などの大型動物が毎日のように送られ、診療を受けている。  「馬もストレスや食べ物で胃かいようになります」。佐々木直樹准教授(41)(大動物外科学)は馬を使い、胃かいようを診断する内視鏡検査を実演した。鼻から直径8ミリ、長さ3メートルの内視鏡を入れ、モニターで胃の映像を映す。「この馬の胃は健康ですね。大学の5、6年生になると、内視鏡が使えるようになります」と説明すると、約20人の参加者は感心したようにうなずいた。  佐々木教授は「大学の獣医学教室はペットなど小動物向けが人気になり、牛や馬を診療できる大学は少なくなった。ここでは産業動物で、豊富な実践を通じた勉強ができる」とアピールする。  同大では昨年度の入学者252人の約7割が、北海道以外の高校出身だ。今年のオープンキャンパスも、受験予定者190人と家族ら160人が参加、受験予定者のうち約100人が道外。長沢秀行学長(53)は「大学の環境や研究内容、北海道の生活などを、家族を含めて知ってもらう絶好の機会」と位置づける。 ◎  講義棟では、獣医学や生命科学といった研究科目ごとに、パネルや標本、実験器具などが展示された。食品科学のブースでは、学内の加工工場で作った豚の腸詰めソーセージが振る舞われた。  島田謙一郎准教授(40)が「1年生で必修の農畜産実習では、豚の世話を1~2か月した後で解体し、ソーセージを作ります」と説明すると、舌鼓を打っていた女子高校生は少し驚いた表情。「畜産大で学ぶ学生は、動物の貴重な生命から食品ができることを実感してほしい」と島田准教授が強調する。  親元を離れる新入生の多くは、獣医学や畜産、食品や環境の研究への意欲が高い。一方で、広大な自然を持つ北海道での生活や獣医、農業への漠然としたあこがれで大学を選んでしまい、畜産業や獣医学の現場を見て、興味を失う入学者もいる。  「学力だけで選ぶのではなく、帯広畜産大で何をやりたいかの目的意識を、できるだけ明確に持って入学してほしい。情報提供の努力は惜しまない」と長沢学長。  遠方からの参加者も多いオープンキャンパスは、学生の抱く理想と現実のミスマッチを防ぐ貴重な機会になっている。(宮崎敦、写真も)  大学の畜産研究 牛や馬など産業動物を扱う研究は、飼育や繁殖、治療など動物に直接かかわるものだけでなく、飼料作物の栽培、食品の加工や製造、流通、農業経営、環境など多岐にわたる。帯広畜産大は獣医学(6年制)と畜産科学(4年制)の2課程がある。他大学では農学部や獣医学部が多いが、酪農学園大学(北海道江別市)は、全国唯一の酪農学部を置く。 "[he-forum 13555] 読売新聞秋田8/14 読売新聞秋田版2008年8月14日付 資源系教育復権へ 秋田大プログラム 連携全国4大学と、教員育成も  秋田大学(吉村昇学長)は今年度から、北海道大、早稲田大、東京大、九州大と連携して、鉱物資源開発や金属リサイクルなど「資源系」の教育を行い、併せて資源系の若手教員の育成に乗り出すことになった。秋田鉱山専門学校からの流れをくむ秋田大が幹事校となり、同大で集中授業などを行う。  5大学による取り組み名称は「資源開発人材育成プログラム」。資源・素材学会、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、石炭エネルギーセンター、日本鉱業協会、国際資源大学校、石灰石鉱業協会が協力する。秋田大によると、国内の大学で鉱山系の学部、学科、コースのある大学は5大学以外にないという。  プログラムでは、「大学連携資源塾」と題して、資源分野を学ぶ各大学の3年生以上の学生を対象に計20人以上を秋田大に集め、来年3月に5日間、資源開発や金属リサイクル、資源経済など鉱物資源全般の集中講義を行う。  また、資源開発・鉱山の現場を知るため、海外就業実習として毎年、複数の学生をオーストラリアやチリ、インドネシアなど海外の巨大鉱山に派遣する。資源学を専門とする30歳代の若手教員を育成するため、若手教員も研究調査として海外に派遣する。  秋田大工学資源学部の柴山敦准教授(リサイクル工学)によると、資源系の学部や学科は、国内鉱山の閉山が相次いだことなどから社会的なニーズを失い、学科再編などで工学部などに様変わりし、資源系の教員も少なくなり、一つの大学で教育することが難しくなっているのだという。30歳代の若手教員も、5大学にそれぞれ1~2人程度しかいないのが実態で、5大学が連携して資源分野の魅力を学生にアピールすることで、若手研究者を増やすことも、プログラムの狙いの一つでもある。  また、「最近(金属リサイクルやレアメタルなど)資源は大事だと資源系が注目されるようになった」(吉村学長)ことから、資源に詳しい人材育成を求める社会的な機運の高まりも背景にある。吉村学長は「秋田大は、鉱山系の人材開発で日本の中核となる大きな役割を持った」と話している。 "[he-forum 13556] 日本経済新聞関東8/15 日本経済新聞関東版2008年8月15日付 群馬大、ミツバと連携協定 全学で交流、共同研究など推進  群馬大学は産学連携の推進に向けて、自動車部品大手のミツバと連携協力協定を結んだ。多くの卒業生を送り出している同社とはこれまでも、製造技術分野での共同研究や研究者の交流を進めてきたが、工学部など一部の学部に限られていた。協定により全学的な取り組みに発展させることで組織間のパイプを太くし、連携活動をさらに推進させる考えだ。  群大は三洋電機やサンデン、太陽誘電などと学部間協定を結んでいるほか、2005年には太田市に工場を持つ富士重工業と全学の協定を結んでいる。全学での協定はミツバで2社目となる。  自動車部品大手のミツバは桐生市に本社を構え、米国のほか、イタリア、フランスなどの欧州、中国、タイなど海外に幅広く事業を展開している。08年3月期の連結売上高は2254億円。経常利益は38億円。 "[he-forum 13557] 北海道新聞8/16 北海道新聞2008年8月16日付 原子炉専門家を育成 室工大大学院 2010年度に専門コース 【室蘭】室蘭工大(松岡健一学長)は十五日までに、原子力発電施設の製造、保全のスペシャリストを育成する、道内初の専門コースを二〇一〇年度に大学院に開設する方針を決めた。原発用部品で世界有数のシェアを持つ日本製鋼所室蘭製作所と提携し、即戦力の技術者を養成する。  低炭素エネルギーとして世界的に原発需要が高まる中で、原子炉などを手がける同製作所にも中国などから注文が相次いでいる。一方、相次ぐ原発事故などが影響し、国内で原子力を学ぶ大学生・大学院生は、ピークの一九九四年度の二千三百十二人から、〇五年度には七百三十五人に七割弱減少。政府も将来の人材不足を見越して専門家育成に乗り出している。  室工大大学院に開設するのは「エネルギー材料工学コース」(仮称)。  その準備として、今月から経済産業省の原子力人材育成プログラムの一環として、プレスクールを十二月まで開講する。当初の定員は七人で、室工大大学院生六人と日鋼室蘭製作所社員一人が参加。炉の腐食や破損の原因や予防法を講義と実験で学ぶほか、同製作所が製造する原子炉圧力容器を十分の一大で実際と同じ工程で製造し、溶接技術も習得する。  講師は同大建設システム工学科の岸徳光教授(衝撃工学)や同製作所の現場指導者ら。大学院ではプレスクールでの課程を発展させて講義内容を構成する考えで、修了生は原発メーカーや電力会社への就職が想定される。  道内では北大大学院に原発の運転・制御システムなどの講座があるが、室工大は製造過程に特化して、即戦力の技術者養成を目指す。  プレスクールのプロジェクトマネジャーを務める室工大の幸野豊教授は「現場で実技を学べる室蘭は国内でもまれな好環境」と専門コース開設の意義を語っている。 "[he-forum 13558] 読売新聞群馬8/17 読売新聞群馬版2008年8月17日付 中小企業役立つ 博士群大工学部が育成事業文科省支援  群馬大工学部(桐生市天神町)は、中小企業の技術者の人材育成を目的とした新たなプログラム(博士、修士課程)が文部科学省の支援事業に採択されたと発表した。  「一社一博士創出プロジェクト」と銘打ったプログラムで、前橋工科大(前橋市)、足利工業大(栃木県足利市)と共同で10月に始める。化学、機械など幅広いものづくり分野が対象だ。  具体的には、群馬大大学院工学研究科内に「共同研究活用型ものづくりリーダー育成コース」を新設し、夜間も開講する。企業側が課題を持ち込んでの共同研究や、群馬大の提携する海外の大学などへの留学などを計画しており、「企業の役に立つ博士」の育成を目指す。  同大はまた、中国・大連市の大連理工大学と提携し、同大に「環境エネルギー新技術R&Dセンター」を設置したことも発表した。バイオマス(生物に由来する再生可能な資源)や環境保護の技術に強みを持つ群馬大と、省エネ分野で高い技術を誇る大連理工大との共同研究で、環境、エネルギー分野での新技術開発が目標だ。日中の各企業との産学連携も視野に入れている。  群馬大の宝田恭之工学部長は、「国際的な産学連携と研究を進め、優秀な人材の育成を図りたい」としている。 "[he-forum 13559] 河北新報社説8/17 河北新報社説2008年8月17日付 ものづくり立国/たゆまぬ人材育成が肝要だ  ものづくりは、ひとづくりと言われる。製造業のウエートが飛躍的に高まることが確実で、産業構造の変革期を迎える東北。各県で、その担い手を育てる取り組みが活発化している。  揺るぎない「ものづくり立国」を実現するため、産学官が手を携え、幅広く息の長い人材育成戦略を推し進めていきたい。  2010年、自動車、電子機器両産業の集積が進む。宮城、福島にトヨタ自動車グループ各社の拠点工場が相次いで進出。宮城県大和町で半導体製造装置大手・東京エレクトロンの工場も操業し、東芝は北上市に記憶用半導体・フラッシュメモリーの工場を新設する。  すそ野が広い自動車と電子機器にかかわる産業に加え、双方が融合したカーエレクトロニクス産業の振興に対しても、地元の期待は高まる。  ここで忘れてならないのは、各社がこぞって東北を進出先に選んだ理由だ。決め手の一つとなったのは「優秀な人材、労働力を確保しやすい」ことだ。裏を返せば、労働力の受け皿が脆(ぜい)弱(じゃく)な東北の産業構造がもたらした工場進出ラッシュといえる。  だが、単なる労働力の供給に終わらせてはならない。進出企業を地元にしっかりと根付かせ、同時に、それら企業との取引を目指す地元中小企業の開発力・技術力をアップさせるためにも人材の育成が肝要だ。人材確保に危機感を募らせる既存進出企業の不安も和らげよう。  もっとも、東北各県が取り組むのは、主に「10年」を念頭に置いた即戦力の養成だ。  宮城はエンジンやトランスミッション(変速機)といった高機能部品の構造に関する技術を習得する研修などを実施。自動車産業参入を目指す地元企業技術者の能力向上に取り組む。  岩手と秋田で相次いだのは自動車や家電に組み込まれ、部品の働きを制御する「組み込みソフトウエア」の技術者養成を目指す産学官連携組織の設立だ。車の電子化に欠かせず、新しい部品・システムの開発に結び付く技術。人材不足が深刻で、どこの企業も欲しい技術者だ。  長い目で見れば、製造業を取り巻く環境は厳しさを増すだろう。原油や資源の高騰に、中国やインドなど新興国との国際競争も激化する。一層のコスト削減、環境対応も求められる。企業が必要とする人材の質は高くならざるを得ない。  今は多くが東北域外に流出する国立大理工系の学生や高専生らの地元定着は図られよう。肝心なのは「卵たち」の育成だ。  少子化の中で各県の高校再編が進む。その再編効果を生かし工業高校に金型や加工に加え高度なIT技術も学べる環境を整備したい。企業との連携を深め技術者らによる「生きた授業」や生徒が実習するインターンシップも手厚く展開できないか。  現場の大変さや面白さに触れる機会が増えれば理解は深まる。小中学生にも、そうした場を提供したい。子どもたちが「なぜ」をはくぐめるよう、理数科の授業にも工夫が要る。  10年後、20年後を見据えたひとづくりも望みたい。 "[he-forum 13560] 室蘭民報8/19 室蘭民報2008年8月19日付 室工大大学院が原子力コース開設、専門家を育成  室蘭工業大学(松岡健一学長)は平成22年度から、原子力発電の専門家を育成する専門コースを大学院に開設する。原子力など発電プラント部材で世界有数のシェアを持つ日鋼室蘭製作所と連携し、原子力分野の人材育成拠点としての地位確立を狙う。大学の生き残り策として特色の1つに育てる。  改組予定の大学院博士前期課程機械システム・材料工学系専攻内に「エネルギー材料工学コース(仮称)」を設置、独自の専門教育課程として自立させる計画。定員は最大で10人程度を予定。コース開設に先立ちプレスクールを今月18日から12月22日まで開く。  プレスクールは、経産省の原子力人材育成プログラム事業(原子力教育支援プログラム)の採択を受けて事業化した。講師は室工大教員はじめ日鋼室蘭製作所や室工大と学術交流協定を結ぶ武蔵工大(東京)から招へいする。  講義は2群計8科目で構成。集中講義や実験、実習形式で進める。大学院博士前期課程材料物性工学専攻1年の6人と日鋼室蘭の社会人1人の計7人が学ぶ。  岸徳光理事(研究・社会連携担当)は18日に開いた同スクールの開講式で「人材輩出という点で地域貢献したい」と力を込めた。日鋼室蘭の村井悦夫副所長は「第一線の技術者として活躍できる人材育成を期待している」などと語った。 (野村英史) "[he-forum 13561] 朝日新聞8/19 朝日新聞2008年8月19日付 大学発ベンチャー、地方で健闘 岡山大、最多8社誕生  研究成果を使って起業する大学発ベンチャーの設立が地方大学で目立つ。経済産業省の調査によると、07年度は岡山大から全国最多のベンチャー8社が誕生。東大や京大を上回った。経産省は「研究成果の実用化に、地方の大学は生き残りをかけて取り組んでいるため」と分析している。  調査によると、全国の大学発ベンチャーの数は、07年度末で06年度末より94社増の1773社。大学の立地を地方と都市部で比較すると、01年度に261社だった地方のベンチャー企業は、07年度に約3.5倍の909社に拡大。有力大が多い東京都や大阪府、京都府など都市圏の伸び(2.6倍)を上回った。  地方の健闘が目立つ背景には、大学側の様々なベンチャー支援策があるようだ。岡山大はビジネスコンテストを実施し、最優秀賞に賞金200万円を拠出している。  ただ、事業化にこぎ着けても多くは赤字体質から抜け出せない。販路の拡大や資金面での継続的な支援が課題となっている。(久保智) "[he-forum 13562] 日刊工業新聞8/15 日刊工業新聞2008年8月15日付 文科・経産省、産学官連携の支援策を融合  文部科学省と経済産業省は09年度から、産学官連携の重点支援拠点を選定する「産学官連携拠点の形成支援」を始める。両省の産学連携に関する4局がタッグを組み、“拠点化”をキーワードに、縦割りが目立つ各種支援策を実質的に融合する。産学官の研究機関が集積するサイエンスパークや、新事業創出を目指して活動するクラスターから、地域の中核となる20カ所超と世界レベルの10カ所を選ぶ。これに向け、文科省は自治体向けの「知的クラスター創成事業」で32億円、大学向けの「産学官連携戦略展開事業」で10億円などの新規枠を設定。両省は産学官連携の関連予算で08年度比倍増の約230億円を概算要求する。 "[he-forum 13563] 西日本新聞8/20 西日本新聞2008年8月20日付 北九州市立大 「大学運営は順調」 市独法評価委が報告書 研究資金目標を達成  北九州市地方独立行政法人評価委員会(委員長=石田重森福岡大名誉学長)は19日、「大学運営は全体として順調」とする北九州市立大の2007年度の業務評価報告書を北橋健治市長に提出した。  同大の地方独立行政法人化に伴い年に一度審査している。今回は同大が定めた中期計画(05‐10年度)に基づき、5分野152項目について年度別の目標達成状況を調査。「改革の枠組みはほぼ整えられた」と指摘した。  分野別では「教育研究の質の向上」や「業務運営の改善及び効率化」など全分野で5段階評価のうち2番目に高い「計画通り進行している」と評価。特筆すべき点として、学生の悩み相談や就職支援などに取り組む「学生プラザ」や、「ビジネススクール(専門職大学院マネジメント研究科)」の開設を挙げた。  外部からの研究資金獲得額が前年度比11%増となり、10年度の目標額の5億円を超えた点も評価。一方、特許出願件数が2年連続で減少して12件にとどまったことを懸念材料とした。 "[he-forum 13564] 毎日新聞兵庫8/20 毎日新聞兵庫版2008年8月20日付 神戸市外国語大学:市と大学、業務目標順調に  神戸市公立大学法人評価委員会は19日、昨年度から地方独立行政法人となった市外国語大学の業務実績に関する評価結果をまとめ、矢田立郎市長に報告した。市が設定した中期目標と、目標達成のために大学が作った中期計画の取り組みについて、ほぼ順調に推移していると評価した。  中期目標の達成状況は4段階評価で、5項目すべてが「順調に進ちょくしている」という2番目の「A」評価だった。中期計画については57の評価項目のうち、最高の「S」評価が5項目、「A」評価が38項目、「B」評価が14項目だった。【内田幸一】 "[he-forum 13565] 四国新聞8/20 四国新聞2008年8月20日付 徳島文理、香川、県立保健医療/共同大学院設置へ  文部科学省が2008年度からスタートした「戦略的大学連携支援事業」に、19日、香川大など香川県内の医療系学部を持つ3大学が連携し、高度な技術や知識を身に付けた医療人材を養成する構想が採択された。共同大学院などを設置し、地域のニーズに応えられる医療教育システムの構築を目指す。また、香川大など四国3県の7大学が、統一の一般教養科目として四国の歴史や伝統・文化などをテーマとした「四国学」を設ける取り組みも選ばれた。  文科省の同事業の期間は10年度までの3年間。全国で54件が採択され、1件あたり毎年1億円を上限に助成される。  医療人材の養成構想は、代表校の徳島文理大香川薬学部・工学部(香川県さぬき市)と香川大医学部(香川県木田郡三木町)、県立保健医療大(香川県高松市)が連携。近年、医師や看護師、薬剤師らがチームを組んで高度な医療を行うことが求められる中、それぞれを目指す学生が他の医療専門分野を学習し、医療人としての幅を広げる。  共同大学院は、2年間の修士課程で、医療全般を学ぶ新しい研究科の創設を想定。早ければ11年度の設置を目指しているが、08年度中にも文科省が示す具体的な方針を踏まえて詳しい検討に入る。  他の取り組みでは、▽各大学の教員派遣や遠隔講義システムによる共同授業▽社会人教育▽医療情報の共有化システムの構築―などを進める計画で、共同授業は早ければ9月にも始めるという。  徳島文理大の桐野豊学長は「全国でも初の試み。医療人材の優れた養成教育拠点ができれば、県民に手厚いケアができることも示したい」としている。  一方、香川大のほか、高知、徳島両県の大学で行う「四国学」は郷土愛や地域に根ざした人づくりが主な狙い。このほか、各大学で地域のニーズに応じた研究教育を新たな専門科目として設ける。講義はあらかじめ収録したビデオや遠隔講義システムなどを利用し、将来的には生涯学習や社会人教育にも活用する方針。 "[he-forum 13566] 毎日新聞京都8/20 毎日新聞京都版2008年8月20日付 共同大学院:府立医大・府立大・京都工繊大・京都薬大、健康科学分野で開設へ ◇11年度にも  府立医大、府立大、京都工芸繊維大、京都薬科大の4大学は19日、健康科学分野の共同大学院を11年度にも開設する方針を発表した。それぞれに既設の大学院に増設する方向で定員などを検討する。  共同大学院と総合的連携計画が同日、文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に採択された。4大学が連名で6月に申請していた。同事業は国公私立大の連携による地域の教育・研究の拠点づくりが目的で、申請94件に対し採択は計54件だった。  府立医大、府立大、京都工繊大は05年度から連携しており、生命科学教育などで実績がある。健康科学には薬学分野強化も必要なことから、共同大学院構想に京都薬大が加わった。  共同大学院では医学、薬学、工学、生命科学、公共政策などの融合的なカリキュラムを設ける。今後、4大学の幹部らで協議会を作り、共同大学院の名称や組織などを検討する。  また、教養教育の共同化、共同研究や地域貢献、留学生受け入れなども進める。【朝日弘行】 "[he-forum 13567] 読売新聞8/20 読売新聞2008年8月20日付 カーエレクトロニクス人材育成、北九州に3大学院新設へ  北九州市立大(北九州市小倉南区)と九州工業大(同市戸畑区)、早稲田大(東京)は19日、同市若松区の「北九州学術研究都市」に開設しているそれぞれの大学院に、カーエレクトロニクス分野専門の修士課程(3年間)を来年4月に新設すると発表した。3大学院が連携し、どの大学院でも単位を取れるのが特徴となっている。  発表によると、各大学院の教授に加え、自動車、半導体メーカーの技術者らを外部から講師として招き、自動車の制御に用いる電子工学や大規模集積回路、コンピューターのソフトウエアに関する知識や技術などを教える。定員は3大学院で計約20人。カーエレクトロニクス専門の大学院は全国的に珍しいという。  この3大学院構想は同日、大学間の連携を促して施設や教員陣を有効活用する文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に選ばれ、1億円の助成を受けることが決まった。助成金は講師の人件費などに充てられる見通し。  北部九州にはトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)や日産自動車九州工場(同県苅田町)などの自動車産業が集積している。北九州市産業経済局の片山憲一局長は「今後、需要が高まる自動車産業の人材育成に貢献し、地元経済の活性化につながる」と期待している。 "[he-forum 13568] 新潟日報8/20 新潟日報2008年8月20日付 文科省の支援事業に県内10大学  文科省が本年度から始めた「戦略的大学連携支援事業」に、新潟青陵大学を代表校とする県内10の教育機関が人材確保や育成に取り組む事業が採択された。看護師や医療関係者の育成、教職員の資質向上などを核に、県内の教育の充実を目指す。全国では本県の取り組みも含め、計54件が選ばれた。  新潟青陵大などの取り組みには、年間最高1億円が補助される。他の参加校は新潟大、県立看護大、敬和学園大、長岡大、新潟医療福祉大、新潟薬科大、新潟リハビリテーション大学院大、新潟青陵短大、明倫短大で、期間は3年。  事業では、看護学生同士の交流や研究発表会、教員の資質向上、中高生への出前講義などに共同して取り組む。新潟青陵大の大谷一男・常務理事は「大学同士の連携で、新潟県全体の魅力向上につなげたい」と意気込んでいる。  「戦略的大学連携支援事業」は、大学が学生確保で苦戦する中、地域の大学同士が教育研究資源を有効に活用し合い、魅力ある教育環境を整えることが目的。  近隣の大学間が連携する「地元型」に15件、都道府県内の大学間での「広域型」に22件、複数の大学が共同大学院の設置を目指す「教育研究高度化型」に17件が選ばれた。新潟青陵大などの事業は「広域型」。 "[he-forum 13569] 長野日報8/20 長野日報2008年8月20日付 県内8大学ネットワーク講義整備 文科省の連携支援事業に  信州大学(本部・松本市)、諏訪東京理科大学(茅野市)、県看護大学(駒ケ根市)など県内8つの4年制大学が連携する教育プログラムが19日、文部科学省の2008年度戦略的大学連携支援事業に採択された。大学間で授業を共有するICTネットワーク講義システムの整備、学生同士のグループ学習を取り組みの柱とし、実質的かつバラエティー豊かな学びの環境づくりを目指す。  各大学は05年度に単位互換制度を導入したが、通学が難しい県内の広域事情があり、利用者は初年度から19人、16人と低調に推移。より有用性の高い連携策が求められる中で、ICT活用などによる新たな教育プログラムを準備してきた。  構想によると、ネットワーク講義システムは遠隔授業を配信し共有化。映像、音声とも双方向性で教員と学生が質疑応答でき、パソコンデータなどの同時利用も可能になる。他大学の授業を取り込むことで学生の選択肢が増え、基礎学力の補てんも期待されるという。09年度後期から試験的に運用を開始する。  グループ学習は、学生の中から育成する「ピアメンター(学習の推進役)」を中心にグループ内での課題探求を行い、主体的に学習するための意欲を養う。ネットワーク講義システムを生かし、大学を超えたグループ学習や交流も視野に入れて進める。  プログラムでは信大が代表校を務め、08年度内に統括組織「高等教育コンソーシアム信州」を設立。ネットワーク講義の対象授業の集約、単位認定の可能性などについて検討するほか、ピアメンター育成事業を共同実施していく。国支援事業は10年度まで3年期間で、補助金は計3億円。  会見で信大の小坂共栄教学担当理事は「各大学の個性を引き出し、県内高等教育の可能性を広げる取り組みにしたい」と話した。 "[he-forum 13570] 信濃毎日新聞8/20 信濃毎日新聞2008年8月20日付 県内の8大学、基礎教育強化で共同組織設立へ  信大(本部・松本市)など県内の8大学は本年度、学生の基礎教育や人材育成などに共同で取り組む「高等教育コンソーシアム(共同運営組織)信州」を設立する。「大学全入時代」を迎え、学生にどう基礎的な知識や思考力を身に付けさせるかは各大学の悩みの種。共通課題での連携を深めることで、各大学が専門分野などで、より個性的な大学づくりに力を注げるようにする狙いがある。  大学間連携を支援する文部科学省の事業に採択されたことを受けて19日、申請代表校の信大などが記者会見した。  コンソーシアムは、各大学をインターネット回線で結び、理数系の基礎科目や、コミュニケーション能力を高めるための日本語の授業などを相互に配信する。8大学共通の副専攻として「環境」をテーマにした授業を配信する案も挙がっている。  人材育成では、自主性を引き出すグループ学習の推進役を育てるため、希望する学生らによる「育成キャンプ」を開く。各大学の教員が共同で英語などの教育法の研究にも取り組む考えだ。  文科省の支援事業は本年度から3年間で、補助額は年間最高1億円。8大学はコンソーシアムを設立後、各大学を結ぶ基盤整備を進め、来年度には試験的に授業の配信を始めたいとしている。  信大松本キャンパスで会見した同大の小坂共栄副学長は「(2010年度末までの)2年半で連携の土台をつくりたい」と説明。同席した松本歯科大(塩尻市)の森本俊文学長は「教養教育の幅も広げられる」と期待を示した。  また松本大(松本市)の住吉広行学長代行は「高等教育の質を高め、若者が県内の大学で学び、地域のリーダーとなれるようにしたい」と強調した。  文科省の支援事業は、大学運営基盤の強化や教育プログラムの共同開発などが対象。全国から94件の応募があり、一橋大と慶応大による共同大学院設置構想など計54件が選ばれた。 "[he-forum 13571] 河北新報8/20 河北新報2008年8月20日付 岩手の5大学 共通キャンパス10年開始目指す  連携拡大を検討してきた岩手大(盛岡市)など岩手県内5大学は19日、共通キャンパスの設置などに取り組む「いわて高等教育コンソーシアム」を10月までに設立すると発表した。「地域をリードする人材の育成」「大学進学率の向上」「地域社会への貢献」を柱に、岩手の知の拠点づくりを進める。  ほかに岩手医大(盛岡市)、岩手県立大、盛岡大(ともに滝沢村)、富士大(花巻市)が参加する。  共通キャンパスはJR盛岡駅西口の公共施設にある県立大アイーナキャンパスを使い、2010年度スタートを目指す。各大学に遠隔講義システムも設け、既に始めている単位互換の枠を広げる。  共通キャンパスでは高校生らを対象にした公開授業の実施も検討し、大学進学率の向上につなげる。各大学の特色を生かした生涯学習講座も行い、地域や県民の活力アップも図る。  将来的には連携をさらに発展させ、仮想の「イーハトーブ大学」をつくる構想もある。  学生たちが岩手の文化や歴史など「岩手学」を学び、地域リーダーを育てるプログラムで、14年度からのスタートを見込む。  コンソーシアム設立は19日、文部科学省の戦略的大学連携支援事業に採択されて決まった。岩手大の藤井克己学長は同大で開いた記者会見で「5大学で13学部あるが、同じ名前の学部は一つもない。教員と学生の学習の場が広がるとともに、研究面でもつながりができる」と期待した。 "[he-forum 13572] 岩手日報8/20 岩手日報2008年8月20日付 文科省事業に採択 県内5大学共通キャンパス  岩手大、県立大、岩手医大、富士大、盛岡大の県内5大学は19日、全13学部が連携し「イーハトーブキャンパス」の設立を目指す事業が、文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に採択されたと発表した。「岩手学講座」の共同開講や単位互換の促進などを通じて、地域の中核を担う人材を育成する。事業は本年度から3年間で、年間1億円を上限に補助される見通し。  盛岡市上田3丁目の岩手大で開かれた共同会見には5大学の学長らが出席。岩手大の藤井克己学長は「5大学の特徴を生かしつつ、これまでも取り組んできた単位互換などの連携をさらに進めたい」と抱負を述べた。  「イーハトーブキャンパス」は、盛岡市のいわて県民情報交流センター(アイーナ)内に共通キャンパスを設置。各大学・高校へ授業配信できる遠隔講義システムの構築や市民への生涯学習の場提供など20事業を計画する。本年度から基盤整備を進め、2011年度始動を目指す。  文科省が本年度創設した「戦略的大学連携支援事業」には、全国から94件の申請があり、「イーハトーブキャンパス」を含む54件が採択された。 "[he-forum 13573] 共同通信8/22 共同通信8月22日16時59分 群馬大で残業代不払い 4カ月分、2500万円  群馬大が、同大病院を含む職員の残業代を払っていないなどと前橋労働基準監督署から是正勧告を受け、不払い分約2500万円を昨年12月に支払っていたことが22日、分かった。  国立大の残業代不払いは、7月に広島大の2年3カ月、約1億9000万円が判明するなど各地で問題となっている。  群馬大によると、手当が不払いだった残業時間は昨年6-9月の4カ月で計1万1688時間。対象の職員は約920人で、大半が同大病院職員だという。  前橋労基署が昨年9月に立ち入り検査した後、同年6-8月について勤務実態の詳しい調査を要求。大学側は9月を含めた4カ月分を調べ報告し、前橋労基署から11月に是正勧告を受けた。  国立大で残業代不払いが相次いで発覚している背景としては、国立大学法人化し労働基準法の対象になったため表面化したという事情があるとみられる。また同法人化後の事務作業の増加に伴う残業時間増を指摘する声もある。 "[he-forum 13574] 産経新聞8/22 産経新聞2008年8月22日付 東大、阪大生、末は博士か「職員」か 就職は母校の大学が人気  景気減速の影響で新卒者の就職悪化が懸念されるなか、就職先として「大学」の人気が高まっている。特に長年にわたって官界、産業界に“エリート”を輩出してきた東京大学や大阪大学などで母校事務職員を希望する傾向が強く、東大では職員採用の独自試験を導入以降の3年間で計27人が、3月に赤門を巣立ち、翌4月に再び赤門を就職先としてくぐった。法人化後の大学を、安定志向とチャレンジ精神の両方を満たす職場と学生がとらえているようで、母校人気は他大学にも広がる可能性もある。  国立大学の職員採用は、平成16年度の大学法人化に伴い、国家公務員試験から全国を7つのブロックに分けて統一試験を行う方式に変更。さらに、それぞれの大学が独自試験を行うことも可能になった。  この結果、求人情報サービスのエン・ジャパンが、来年卒業する学生を対象に調査した人気企業ランキング調査でも、国立大学法人グループは前年の303位から82位に急浮上した。  東京大学では、これまで以上に企画運営能力の高いスタッフを育成する目的で、17年度に大学独自の採用試験を導入。この結果、大学院修了者も含めて17年度4人▽18年度15人▽19年度5人の東大出身者が、職員として採用された。特に18年度は独自試験による採用者33人の半分近くを東大出身者が占めた。  統一試験組を合わせれば、3年間だけで27人が母校に就職。現在働いている職員のうち、平成15年度以前の母校出身者計3人に比べて急増している。  辰野裕一・東大理事は「法人化された国公立大学は、民間企業と公的機関のちょうど間に位置する。法人化により自由度が増した大学の前には、大きなビジネスチャンスが広がっている。公務員の安定性をもちながら、変化に富む職場として、新卒者にとって魅力が増しているのだろう」と分析。「研究をはじめ、大学の実情を把握しているので、アカデミックスタッフとして活躍してくれるだろう」と期待をかける。  大学職員人気は、独自採用を行っていない他大学にも徐々に広がっている。大阪大学の人事担当者は「統計をとっていないが、感触として阪大卒業者の阪大就職は確実に増えている」と話す。九州大学でも、平成20年度に採用した職員に占める母校出身者の割合は30%に達した。  国立大学の採用試験をサポートする社団法人・国立大学協会では「大学が専門性の高い職員を求めるようになり、今後はさらに独自採用と母校就職が拡大していく可能性もある」と指摘している。 "[he-forum 13575] 山形新聞8/22 山形新聞2008年8月22日付 東北がんネットワーク設立へ 医療向上へ24日に総会  東北地方のがん医療のレベル向上を目指し、東北6県の医療関係者が「東北がんネットワーク」を設立する。県や大学、病院間の垣根を越えて、治療法の情報共有や業務の効率化などを進め、「誰でもどこでも質の高いがん医療を受けられる」ための体制を整える。24日に仙台市内で設立総会を開く。  山形大医学部によると、がん医療の3本柱のうち、外科手術以外の放射線治療と化学療法(抗がん剤治療)は米国に比べて遅れており、特に東北地方では、専門医や治療施設の不足が目立つ。また、がん患者のうち放射線治療を受けたのは2005年、宮城の26.9%に対し、本県は19.4%、最も低い福島は17.4%と、東北6県でも取り組みに違いがあり、患者が受ける医療に差が生まれることも指摘されている。  ネットワークは、こうした課題を受け、県や病院単位ではなく、広い枠組みでがん対策を進めるために設立。▽がん登録▽患者情報を複数の医療機関が共有する「地域連携パス」▽がん患者相談室▽緩和医療▽化学療法▽放射線治療-の6つの専門委員会の活動が中心となる。例えば、放射線治療専門医では、共通の治療法の検討や合同症例検討会などを計画している。約30の医療機関が参加する見通しという。  がん医療の連携については、これまでに東北6大学の意見交換会を開いたり、山形大が「東北がん診療連携ネットワーク協議会」設立を提案するなどの動きがあった。各県の医療関係者が昨年8月、東北がんネットワーク設立準備委員会を結成し、本格的な準備を進めてきた。 "[he-forum 13576] 読売新聞秋田8/22 読売新聞秋田版2008年8月22日付 秋田大と県立大で大学院 共同設置へ 8大学・高専は連携事業  秋田大の吉村昇学長は21日、記者会見し、県立大とともに共同大学院の設置に向けて交渉を始めたことを明らかにした。3年後の2011年度の開設を目指す。共同大学院が実現すれば県内では初めて。また、秋田市内の秋田大など国公私立7大学と秋田工業高専が、「秋田学」といった共同講座の設置や共同研究などで連携を図る事業が、新たに文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に採択されたと発表した。県内の大学が連携を進め、研究の充実や学生の確保を強化する取り組みが本格化してきた。  共同大学院の研究内容や設置方法は、今後、両大学で協議して検討する。  県の担当者は、「工学資源の分野に強い秋田大と、システム科学の分野の研究を進める県立大なら得意分野を補完できる」と話し、両大で研究内容の充実が図れるとしている。  共同大学院は、東京農工大と早稲田大が10年度、京都府立医科大、京都府立大、京都工芸繊維大、京都薬科大の4大学が11年度の開設を目指すなど、全国で地域や分野ごとの連携が進んでいる。  一方、戦略的大学連携支援事業が採択されたのは、秋田大、県立大、国際教養大、ノースアジア大、公立美術工芸短大、日赤短大、聖園学園短大、秋田工業高専。事業は3年計画で、文科省から年間5000万円の補助金が助成される。  8大学・高専は、少子高齢化や自殺予防などをテーマに、「秋田学」「秋田戦略学」といった共同講座を開設し、8大学・高専の学生が単位を互換できるようにする。さらに県内の高校生も受講できるようにして、単位を取得すれば、大学入学後に大学の単位として認める方針。今年10月ごろの開講を目指す。  また、8大学・高専で連携してオープンキャンパスや入試説明会などを開き、学生確保につなげるほか、教職員の合同研修会を行い、質向上を図るなど人材養成機能も強化する考えだ。  吉村学長は「大学間の連携を強化することで、秋田の発展、地域活性化に役立つ研究をしていきたい」と話した。 "[he-forum 13577] 産経新聞山梨8/21 産経新聞山梨版2008年8月21日付 山梨大と早大の大学院連携、文部省の支援事業に選定  山梨大は20日、同大大学院(医学)と早稲田大大学院(生命科学)が申請した連携事業が、今年度から文部科学省が開始した「戦略的大学連携支援事業」に選定されたと発表した。医学と理工学の両方に精通した人材を育成し、6年後には共同で大学院の新設を予定するほか、将来的に認知症やアレルギー疾患などの研究成果を社会に還元したいとしている。  山梨大によると、国内の生命科学研究は医療現場に生かされず、発見しても海外で応用されてしまうケースも多かった。このため研究者間で交流のあった早大と連携し、自治体と一緒に進めてきた山梨大の医学臨床研究と、早大が得意とする生命科学研究を融合させることにしたという。連携は脳神経科学▽精神発達学▽感染免疫学-の3分野で、2年後から大学院生の相互受け入れを予定する。  支援事業には申請94件中54件が選定。甲信越地方では人材育成などを進める新潟青陵大など新潟県内の連携、信州大など長野県内の連携なども選ばれた。 "[he-forum 13578] 読売新聞8/22 読売新聞2008年8月22日付 和歌山大観光学部、中心市街地進出を断念し学部棟構内に建設 費用や立地面で  和歌山大の小田章学長は21日、観光学部の和歌山市中心市街地への進出を断念し、同市栄谷の現在のキャンパス内に学部棟を建設すると発表した。断念の理由について、小田学長は「経済的な面もあるし、我々の期待が高すぎたこともある」と説明した。  同大は、衰退が進む中心市街地の活性化につながるとして、観光学部の拠点を設置する構想を進めてきた。しかし、当初入居を予定していたビルは、共益費などの面で折り合いが付かず、今春の学部開設に間に合わなかった。  同大は、中心市街地に近い市立伏虎中学校(和歌山市七番丁)の校舎を借りられないかを市に打診。市からは市発明館(同市寄合町)などの活用が提案され、民間からのビル利用の話もあった。しかし、費用や立地と活性化の効果を考えた結果、進出を断念。市や県などにはすでに説明をして、理解を得られたという。  一方で、同大は今年6月、同市本町2の商業複合施設「フォルテ・ワジマ」内にサテライトを開設しており、観光学部の授業も実施する予定。小田学長は「中心市街地と縁を切ることはない」としながらも、「(進出について)食い違いがあった。今のキャンパスに学部の拠点が出来てしまったら、出て行くことは無理」と述べ、将来的な進出にも否定的な考えを示した。  新たに建設する学部棟は、紀州材を利用した木造の建物を検討し、2010年4月からの供用開始を目指したいとしている。  中心市街地への進出断念について、大橋建一市長は「このような結果になり、残念。今後、観光学部との連携会議の設置や学生主体のイベントなどを通じ、活性化に向けて連携を深めていきたい」とコメントした。 "[he-forum 13579] 時事通信8/21 時事通信2008年8月21日16時55分 医学部定員増を了承=来年度から国私立26校-大学設置審  医師不足が深刻化している問題で、大学設置・学校法人審議会は21日、国立大22校が来年度から医学部定員を計137人増やすとした計画を了承した。私立大4校が計15人増員する学則変更についても、認可するよう鈴木恒夫文部科学相に答申した。  大学医学部をめぐっては、政府が昨年まとめた緊急医師確保対策で定員を拡大させるとしており、別の国立大12校による来年度からの計57人増員も既に了承されている。 "[he-forum 13580] 毎日新聞高知8/21 毎日新聞高知版2008年8月21日付 高知工科大:県内出身学生確保へ優遇制度を検討  高知工科大(香美市)の佐久間健人学長はこのほど開かれた県議会企画建設委員会で、来年4月の公立化に伴い県内出身学生確保のため、学費を免除した上、返済義務のない奨学金を給付する優遇制度の導入を検討する考えを明らかにした。  工科大は県内産業を担う人材育成などを目的に開学。しかし、06年度入学生から定員割れが続き、県出身者も半数程度にとどまるため、公立大学法人化で学生に根強い国公立大志向に応え、学費も半額程度に抑えて学生確保につなげる考え。  佐久間学長は「公設民営大学としては全国初となるが、後に続く大学の手本となりたい」と決意を表明。公立化に向けた大学づくりとして、県出身学生を対象に「学費免除の上、返済義務のない奨学金制度の導入を検討したい」と述べた。【服部陽】 "[he-forum 13581] 日本経済新聞8/25 日本経済新聞2008年8月25日付 医学部定員1.5倍 10年後、地域偏在を解消  厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン具体化に関する検討会」(座長・高久史麿自治医科大学学長)は24日、大学医学部の定員を10年後に現在の1.5倍の1万2000人程度にすべきだとの中間報告書骨子案をまとめた。提言は2009年度から定員を年間400―500人ずつ増やす内容。病院に勤務する医師が不足し、地域医療が崩壊の危機にひんしていると判断、医師数を抑制してきた政策を転換する。  中間報告書は27日に開く会合で正式にまとめる。厚労省は医師養成数を今年度の約7800人から、来年度は過去最多の8300人程度にする方針を決めていたが、「中長期ビジョン」として継続的に増やす内容を盛り込む。医学部の定員を管理している文部科学省と連携し、来年度の予算で100億円程度を要求する。 "[he-forum 13582] 日本経済新聞8/23 日本経済新聞2008年8月23日付 茨城大など首都圏北部4大学、共同で知財活用推進 運営協設置  茨城大学、宇都宮大学、群馬大学、埼玉大学は共同で、各大学が持つ知的財産の活用をめざす「首都圏北部4大学連合(4u)連携事業」に取り組む。22日、水戸市内で事業のスタートとなる「キックオフ会議」を開催した。今年度から5年間、地域の企業などに対する技術の指導や移転、共同研究を進め、知的財産の活用を推進。首都圏北部地域の活性化につなげる。  4大学は同日、連携事業の運営協議会を設置した。4つの分科会を立ち上げ、4県の産業支援機関や地元の企業関係者などで構成する有識者会議の助言を受けながら、事業を進めていく。文部科学省の「産学官連携戦略展開事業」の採択を受けた。  分科会のテーマは「地域ブランド創出」「知的人材の啓発・教育」「技術移転」「研究シーズの創出」の4つ。分科会ごとに企業に対する技術指導や相談会、特許相談、セミナー、新技術の説明会などの活動を行い、具体的な成果につなげる。 "[he-forum 13583] 読売新聞北海道8/23 読売新聞北海道版2008年8月23日付 「大学発ベンチャー」道内75社に  北海道経済産業局は22日、大学で生まれた研究成果やノウハウを生かして創業したベンチャー企業「大学発ベンチャー」が、今年3月末時点で道内75社になったと発表した。前年同期比で7社増で、内訳としてはバイオ分野が52%、環境分野が19%を占めている。  「大学発ベンチャー」の数を都道府県別で見ると、北海道は6番目で、愛知県を抜いて前年より順位を一つあげた。大学別では北海道大が43社で全国10位にランクされている。道内ではこのほか、千歳科学技術大が7社、東海大(北海道キャンパス)が6社、小樽商科大が5社で続いている。  道経産局は読売新聞などと「全国大学発ベンチャー北海道フォーラム」を催し、ベンチャー企業の支援体制を敷いている。「今回の結果は、まずまずといえるが、大学発ベンチャーをさらに活性化させるためには、人材育成や資金調達、販路開拓面の支援が欠かせない」(新規事業課)としている。 "[he-forum 13584] 朝日新聞8/25 教員にも通信簿 朝日新聞2008年8月25日付  各教員の業績を段階や数値ではじき出す個人評価制度を導入する動きが、大学で広がっている。日本では「客観性に疑問」「順位付けにつながる」と根強い反対があったが、少子化やグローバル化を受け、学生サービス改善や教員資質の向上といった時代の要請に一斉に応え始めた格好だ。給与や人事査定に直結させる大学も出始める一方で、過度の「市場原理」の浸透を懸念する声も漏れる。(石川智也) ◆自己評価 上司が加減点  「1年分記入するだけで一日仕事。印刷すると100ページ以上だよ……」  岡山大(岡山市)のある研究室。パソコンに向かう40代男性教授の口調は愚痴めいている。  同大が04年度から本格実施した個人評価制度は、教授から助手までの全専任教員約1300人が対象だ。教育、研究、社会貢献、管理・運営の4領域ごとに、学部長や研究所長が前年度や過去数年の活動を3段階評価。4段階の総合評価も行う。基になる自己評価の提出期限が9月末のため、夏季休暇中の今が記入の追い込み期。項目は膨大だ。  教育方法や達成度、論文や著作の内容のほか、研究資金の獲得、審議会への参加、などを400字以内で埋めていく。それら「業績」の配点は細かく決まっていて、授業は1コマ1点、論文指導は修士1人が1点、博士1.5点。さらに、学会発表1点、公開講座2点……。学生の評価や医学部付属病院での診療活動も点数化される。  それぞれを学部長が加点・減点し、各教員ごとの最終的な総合点が積み上げられる。学部長の手元には全員の「順位」が入ることになるが、本人に通知されるのは段階評価だけ。「1」の「改善を要する・問題あり」と評価された教員は改善計画書の提出を求められる。  岡山大がこの制度の試行に踏み切ったのは02年。長崎大などとともに国立大では最も早かった。米国の大学を参考に当時副学長だった千葉喬三学長が音頭を取ったが、教員有志は度々「公平な評価は困難」「大学の自由や多様性を失わせる」などと懸念を表明した。  当時は一助教授だった神崎浩・農学部長は「研究面はともかく、教育が数値化されることへの根強い反感があった」と話す。「ただ、大学教員に必要なのは特定の領域に偏らないバランス。明らかに改善が必要な人もおり、底上げの効果はあると今は理解されている」  昨年度からは新たに、最終的な総合点を昇給や勤勉手当の差に反映させる制度も導入した。個人評価は絶対評価のため上位2段階で教員全体の95%を占めたが、給与査定は必然的に相対評価になる。  千葉学長は「主目的は待遇査定ではなく、あくまで説明責任と自己改善」と説明する。「個人評価は店の領収書と同じ。クライアントである学生の授業料と税金で成り立っている以上、活動を目に見える形で示す義務がある。プロ意識を高め、国際的な競争の中で大学全体が信用を得るためにも、必須だ」  各教員が記入した自己評価はホームページで公開しているが、いずれは段階評価や総合点の公表も検討するという。 ◆年棒に格差 250万円も  年俸制などと直結した、より厳格な成果主義の導入も進む。  高知工科大(高知県香美市)の今年度の専任教員の給与は、最大250万円の開きがあった。03年度に始めた教員評価はやはり、1点単位の細かい制度。昨年度は約50人の教授の間で700~2500点と大きな差が出た。この3年分の「成績」で4年目の年俸が決まる。  年俸制適用は希望者のみで、当初は2割ほどが反対していたが、現在は152人の教員のほとんどが適用を受けている。  首都大学東京(東京都八王子市)も昨年度から、評価制に基づく任期制、年俸制を本格実施している。「特に優れた水準」Sから「相当の改善を要する」Cまでの4段階で評価し、上位1割の教員には業績給に標準額の15%を加算。Cの教員は逆に15%減らす。任期は基本的に5年で、C評価が続き改善努力が見られなければ再任しない。  「評価・任期・年俸が三位一体であることに特徴と意義がある」(人事課)という。 ◆国立は9割導入 法人化後に加速  個人評価制度の全国状況を調べている大川一毅・岩手大准教授によると、国立大での導入がより進んでいる。国立大は法人化後、中期計画の達成度を検証されることになったが、多くの大学が計画に個人評価の検討を盛り込んだためだ。積極的に導入している大学が法人評価委員会から高評価を得ているという背景もある。  大川准教授と奥居正樹・広島大准教授による今年1月の調査では、全国国立大の87%が個人評価を実施しており、06年の48%から急増した。  ただ、実施した評価が反映される分野については、41%の大学が「検討中」とし、評価を活用しきれていない実情も浮かぶ。  制度導入にあたり障害・課題となった点については、46%の大学が「昇給・昇進への反映」を挙げ、「労力・コストの増加」(51%)に次いで多かった。評価結果が人事・給与査定に利用されることへの危惧(きぐ)が、教員の間で依然として高いことを物語る。  大川准教授は「導入自体が目標だった段階は終わった。ただ、米国のように、結果を個人に帰(き)し、解雇も引き抜きも当たり前という世界がよいとは思えない。各大学は、評価結果を大学の責任でとらえ、組織改善にいかす態勢を整えるべきだ」と指摘する。 "[he-forum 13585] 毎日新聞群馬8/26 毎日新聞群馬版2008年8月26日付 残業代不払い:病院職員らに 群大に是正勧告--前橋労基署  群馬大が同大付属病院の職員らに残業代を支払っていないとして、昨年11月に前橋労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。不払い分は事務職員ら270人に対し約2500万円で、群大は勧告を受け同年12月に支払った。  群大人事労務課によると、同労基署が昨年9月に立ち入り検査し、勤務実態の調査を要求。群大が同年6~9月に4カ月分を調べたところ、教員を除く職員1080人中、920人が残業しており、うち270人に不払いがあった。1人当たり月平均の残業時間は10・8時間だった。  同課は「サービス残業を人件費に計上しない国立大時代の習慣が残っていた」と説明。再発防止策として管理職に勤務実態を徹底して把握するよう指示したという。【伊澤拓也】 "[he-forum 13586] 朝日新聞群馬版8月26日 朝日新聞群馬版2008年8月26日 群馬大、残業代不払い  群馬大学(前橋市)が昨年6~9月、職員約270人分の残業代計約2490万円分を支給しなかったとして、前橋労働基準監督署の是正勧告を受け、12月に一括して払ったことがわかった。群大に限らず、旧国立大学は04年、一斉に国立大学法人に改組し、職員は国家公務員でなくなった。各地の国立大学法人で残業代の不払いが発覚する背景には、労働基準法が適用されるようになったにもかかわらず、採算や経営が重視される中で、人件費の抑制にはしりがちな事情もある。  群大人事労務課によると、実際は計5万7223時間を数えた残業時間のうち、4万5535時間分しか支払っていなかった。11月に前橋労基署の勧告を受け、12月、約270人(うち病院職員101人)に対して、計1万1688時間分にあたる約2490万円の残業代を支払った。額は、多い人では数十万円にのぼった。  残業をする場合、職員は上司に「時間外勤務申請書」を出すことになっているが、法人化前から、申告してもその通りには支払われない状況が続いていたため、職員自身、短い時間を申告するようになっていたという。同課は「人件費の予算配分が抑制されてきた中で、各部局の管理職側も、1人あたりの残業代は最高でも年間360時間、月間45時間以内に抑えないといけないものだという認識を持っていた」と説明する。  勧告以降、文書や口頭で、各部署の管理職に対して「残業代を抑えたり削ったりしないように」と注意を喚起。あわせて、労働時間の管理についてのマニュアルも作った。 ◆法人化で業務増加 交付金と職員は減  国立大学時代、職員は国家公務員で労働基準法が適用されなかった。人件費の抑制が問題視されにくかった法人化前の感覚を引きずったまま、労基署から残業代不払いを指摘される事例がここ数年、全国で相次いでいる。  法人化後も国は、国立大学法人に対して人件費や光熱費にあてる運営費交付金を出しているが、毎年1%ずつ(09年度以降は3%の方針)削減されるなど、先細りの傾向にある。一方で、法人化に伴い業務は増えて複雑になる半面、職員数は減っている。  こうしたなか、大学は財源の確保や、業務そのものの見直しや効率化を迫られている。競争が激化するなかでは、学生や病院の利用者に対するサービスの維持・向上も至上命令だ。  人事労務課の担当者は「これまで具体化しにくかった業務の見直しを、今回の労基署の勧告を機に徹底したい」と話す。財務課も「本当に残業が必要なのか検証してもらっている」。  事務棟では室温が32度を超えないと冷房を使わないなど光熱費を節約したり、業者に数百万円で依頼していたキャンパスの芝刈りを職員が行ったり。仕事の効率の低下や仕事の増加にもつながりかねないが、「これでかなり節約できている」という。 "[he-forum 13587] 時事通信8/27 時事通信2008年08月27日20時06分 12・8%増の5兆9000億円を概算要求  文部科学省の2009年度予算概算要求の概要が27日、分かった。一般会計の要求総額は前年度比12・8%増の5兆9472億円。「ゆとり教育」からの転換を図るため、小中学校の学習内容を増やす新学習指導要領の円滑実施に必要な経費に重点を置いた。   09年度から移行措置が始まる新指導要領への具体的な対応として、▽非常勤講師1万1500人配置▽道徳教材購入に対する国庫補助制度創設など(47億円)▽算数・数学、理科の補助教材の作成・配布(25億円)-を盛り込んだ。  また、08年度予算で1000人増が認められた教職員定数に関しては、主幹教諭を中心に1500人増を要求。その一方、校長などの管理職手当を改善するとともに、特別支援教育の教員などの調整額を縮減し、「メリハリある教員給与体系」を推進する。  このほか主要施策として、学校耐震化の推進、医師不足対策人材養成推進プラン、「留学生30万人計画」実現に向けた大学の国際化推進などに関する経費を計上した。 "[he-forum 13588] 毎日新聞8/28 毎日新聞2008年8月28日付 国立大学医学部長会議:定員増などを要望  「国立大学医学部長会議」は27日、医師不足による「医療崩壊」を解消するため、国立大医学部の定員増などを求める要望書を政府に提出した。要望書は、国立大医学部の定員増のほか、定員増1人当たり1000万円の運営費を大学に交付することや、医師以外の看護師や薬剤師も確保できるよう医療費の増額なども求めている。 "[he-forum 13589] 読売新聞岐阜8/29 読売新聞岐阜版2008年8月29日付 外部移管も視野 岐阜市が行財政改革検討  岐阜市は28日、市立の岐阜薬科大、岐阜女子短大、岐阜市民病院、中央卸売市場、食肉地方卸売市場などの外部移管も視野に入れた行財政改革の検討を始めたことを明らかにした。今年度中に各部署から意見を取りまとめ、来年度中に具体的な方針を決定する。  2007年度の市の実質収支は63億円の黒字を確保したが、06年度と比べ黒字額が約26億円(約30%)減少。今後も歯止めがかからないことが予想され、細江茂光市長は「聖域なき改革を断行する」と述べた。  市によると、今年度は補正予算計上を予定している道路整備事業費などを一律30%カットするほか、新行財政改革大綱の策定に着手する。来年度予算の編成も大幅な歳出削減を図る方針だ。  市立大学、病院、市場の運営は、独立採算がとれず、運営費の一部を市が一般会計から繰り出している。これらの施設は公共性が高いが、市民以外の利用者も多く、市が単独で維持、運営することの是非について議論がある。  大学については、他大学との提携により、経費の圧縮を図る方法のほか、独立行政法人化や他法人への移管が検討される。病院については、独立行政法人化のほか、経営のみを民間の医療法人に任せる公設民営化や施設を手放す完全民営化も視野に入れている。  市場は県内一円の需要があることから、一部事務組合を設置し、他自治体との共同経営化や民間からの資本参加を模索する。市は、27日に設置した成原嘉彦副市長を委員長とする重要課題検討委員会で具体化する。 "[he-forum 13590] 朝日新聞9/1 朝日新聞2008年9月1日付 高専専攻科に熱視線  高等専門学校(高専)の専攻科が人気だ。専攻科は2年間かけて高度な技術者教育をする。高専の本科を出て専攻科に進む学生は年々増え、07年度は過去最多になった。「中堅技術者」を養成するために発足した高専だが、技術の進歩を受けて学生がより高度な教育を求めるようになったことなどが背景にある。進学や就職で実績を上げていることも人気の秘密のようだ。 ■進学者、5年で1.5倍に  専攻科は、5年(一部は5年半)の課程を終えた本科の卒業生が継続して研究できるようにすることなどを目的に、学校教育法の改正で92年から設置されるようになった。高専教育の改善策について話し合っていた大学審議会(当時)が、高専の研究機能の強化などを求める答申を91年に出したことがきっかけだ。  文科省の調べでは、07年度時点で国公私立の60校が専攻科を設置しており、在学生は3119人。本科を卒業して07年度に専攻科に進学した学生は1535人に上り、ここ5年間で約1.5倍に伸びた。専攻科を設置する高専自体が増えていることに加え、人気も高まっていることが背景にある。 ■進学・就職で実績  千葉県木更津市の木更津工業高専は01年に専攻科を設置。「機械・電子システム工学」など三つの専攻があり、今年度は38人が入学した。志願者は47人で、ここ数年は増加傾向。橘川五郎・専攻科長は「最初は学生集めに苦労したが、就職や大学院の受け入れ先が増えてきており、それが学生に魅力的に映っているのだろう」と話す。  07年度まで3年間の状況を見ると、東京工業大や筑波大の大学院への進学実績があり、就職先も大企業が目立つ。07年度は修了者34人のうち15人が進学、19人が就職した。  2年生の川崎直輝さんは「環境をそれほど変えずに、人間の脳をモデル化する自分の研究を続けられると思ったし、就職や大学院への進学で先輩が実績を残していたから、専攻科に進むことにした」と話す。同学年の中山隼さんは「ロボットの歩行制御の研究をそのまま続けたかったし、国立大に比べても授業料が安いことも決め手」。  同校は専攻科で「実践的技術者」の育成を掲げ、専門性に加えて国際化などに対応できる能力を身につけさせることも目指す。「半導体デバイス」「電磁波工学」といった専門的な授業が目立つ一方、英語にも力を入れ、TOEICなどの受験も奨励している。  また、専攻科では大学評価・学位授与機構の審査に合格すれば、大学の学部卒業生と同等の「学士」の学位を取得することが可能で、同校ではほぼ100%が取得。こうした実績が学生を後押ししているという。  02年度に専攻科を設置した和歌山県御坊市の和歌山工業高専では今年度、16人の定員の3倍近い44人が受験、25人が入学した。志願者は増加傾向にあり、山口利幸・専攻科長は「本科の卒業研究を続けられるし、うちは大学が近くにないため、地元で学んで学士になれる点も魅力のようだ。もっと専門的に勉強したいという学生が増えていることも背景にある」と話す。  同高専は、国立大などと協定を結び、推薦で大学院に入学できるようにするなど、進路の開拓も進めているという。 ■企業も評価  東京工業高専は今年、全国の高専の協力を得て専攻科修了者を採用している企業にアンケートを実施。317社が回答し、専攻科修了者のここ数年の採用状況について、「採用数を増やした」が13.5%、「今後増やしたい」が48.5%に上った。「技術力がある」「専門性の高い教育で即戦力となる」などが理由で、企業の採用意欲が高まっていることがうかがえる。  また、採用後5年以内の専攻科修了者と大学の技術系卒業者を専門知識や行動力など15項目で比べてもらったところ、英語力以外はすべて専攻科修了者の方が評価が高かった。  国立高専の設置・運営を担う国立高等専門学校機構(東京)によると、専攻科は30倍を超える求人倍率がある。機構の企画課は「専攻科は長期のインターンシップを行うなど、より実践的な教育を行っており、社会に出て活躍できる人材が育っているから」と分析する。  ただ、専攻科への進学者が増える一方、専攻科の入学定員は本科の1割程度しかなく、規模の拡大を求める声もある。機構は、高専がある地域の実情を踏まえ、ニーズが高い所については定員を増やすことも検討していくという。 ■中教審「高専」の充実求める答申  中央教育審議会(文科相の諮問機関)の大学分科会は7月、高専教育の充実を求める答申案をまとめた。「実践的・創造的技術者」の養成のため、今後5年程度をかけて取り組む施策をまとめた「高等専門学校教育振興施策要綱(仮称)」の策定などを提言。近く総会に諮り、文科相に答申する。中教審が高専教育を本格的に検討するのは、91年の答申以来。  具体的な施策としては、卒業生の約4分の1(06年度)が大学3年次などに編入学している実態を踏まえ、大学に「高専教育との連続性に十分配慮したカリキュラムの編成」を求めた。基盤整備の面では、設置以来更新していない老朽化した設備があると指摘、計画的な整備の必要性に触れた。専攻科については、学生と企業のニーズがともに高いとし、「地域や各高専の実情に応じ、入学定員の拡充を含め、整備・充実を図っていくことが適当」としている。(大西史晃)    ◇  〈高等専門学校〉 産業界の要望に応える形で、実践的技術者を養成する機関として1962年に創設された。中学校卒業程度の学生を受け入れ、本科の修業年限は5年(商船に関する学科は5年半)。07年度時点で国立55、公立6、私立3の計64校が設置され、本科の学生は約5万6千人。卒業生には準学士の称号が与えられる。分野別学科数は、電気・電子系が78と全体の3割を占め、機械系54、情報系44と続く。 "[he-forum 13591] 毎日新聞9/1 毎日新聞2008年9月1日付夕刊 特集ワイド:大学教員残酷物語 「高校詣で」も仕事!? ◇私立大定員割れ47% 激しい学生争奪戦 ◇訪問マニュアル手に奔走、まるで企業の新人研修みたい  今春の大学入試では、私立大(4年制)の半数近い47%が定員割れをした。教授や准教授の大学教員は夏から秋にかけて、受験生を確保するための高校訪問や大学を開放するオープンキャンパスなどで大忙しだ。「高校訪問の地方出張が多すぎる」「教員本来の仕事ではない」などの嘆きも聞こえる。受験生確保に奔走する大学教員の姿を伝える。【中山裕司】  18歳人口が減少する中、私大が生き残るには三つの要素が必要だという。有名大学などが持つ「ブランド」、都会など交通に利便性のある「立地」、理系と文系に複数の学科がある「総合大学」。もちろん例外はある。  大学による受験生確保の方法の一つは、推薦入試で一般入試より前に入学者を決めてしまうことだ。私大の推薦入学者の割合は年々増え続け、今春は45・9%と過去最高を記録した(日本私立学校振興・共済事業団調べ)。そんな数字も大学間の「学生争奪」の激しさを物語る。  ■  佐藤功さん(仮名)は30歳代の私大准教授。勤務する大学は首都圏にある、いわゆる「中堅大学」。定員割れはないが、大学の立地は悪い。路線バスを利用すると最寄り駅から30分はゆうにかかる。私大生き残りの3要素に当てはまるのは、「総合大学」ということだけだ。  佐藤さんはこの夏、20校以上の高校を訪問した。首都圏はもちろん、首都圏以外の関東や甲信越、東海地方へも足を運んだ。主に訪ねるのは大学関係者が「固定客」と呼ぶ指定校推薦の高校だ。  佐藤さんは高校訪問の際、かばんに「訪問マニュアル」を入れている。大学がコンサルタント会社に依頼して数百万円かけて作成した。A4判数ページのマニュアルには「予約の入れ方」「事前準備」「訪問時の注意」などの項目が時系列に並ぶ。「訪問時の注意」には「服装を清潔に保ちましょう」「笑顔で訪問しましょう」など基本的なことが記されている。また「高校の進路指導室に直接出向く前に、受付であいさつすると人脈が広がります」との記載もある。「企業の新人研修みたいですが、大学教員は関係者以外と接する機会が少ないのでマニュアルが必要です」。佐藤さんはこう説明した。  マニュアルには「予想される質問」の項目もあった。高校の担当者から「最寄り駅からは遠いですね」と大学の弱みを突かれた時はこう答える。「自然に囲まれた落ち着いた空間ですので、学生は勉学に集中でき、伸び伸びと学生生活を送っています」。さらに、他のどの大学が訪問したかを探るため、高校の窓口にある訪問者名簿には目を通す。高校の進路指導室では、他の大学より目立つように大学のポスターを張るよう試みる。いずれも目標が達成できれば、大学への報告書に誇らしげに書くのだという。  ■  ただ、佐藤さんの大学のように首都圏は、他の地域に比べまだ恵まれている。  東京は全国13地域別のうち大学の入学定員充足率は116%で1位(私学事業団調べ)。南関東(埼玉・千葉・神奈川)は充足率109%で2位(京都・大阪と同率)だ。  では、他地域はどうなっているのか。充足率102%で実数で東北地方に次ぐ全国6位の東海地方を訪ねた。  浜本健太郎さん(仮名)は40歳代の私大准教授。この大学も定員割れはしていない。浜本さんが勤める大学は7月下旬、オープンキャンパスを2日間行った。他の学部には高校生ら約50人が集まったものの、浜本さんの学部のコーナーを訪ねたのはわずか4人だった。1日平均2人。「うちの学部は毎年この程度しか集まりませんよ」。浜本さんは無力感を漂わせた。ここ数年は毎年のことだが、あまりの人の少なさに、模擬講義などを手伝ってくれた現役大学生に申し訳なく思う。  浜本さんも、もちろん高校訪問をする。予約を入れ、片道2時間かけて自家用車で向かった。ところが、高校の担当者からは「パンフレットを置くだけでいいですよ」と冷たく言われた。滞在時間はわずか10分。追い打ちをかけるように、自家用車のガソリン代も実費精算ではなく、この原油高騰のおり1リットル100円で精算させられている。  首都圏の佐藤さんは、高校訪問には懸命だった。しかし、東海地方の浜本さんの大学では、近隣の大学も似たような高校訪問をするのでほとんど効果がない。浜本さんの大学を受験する高校生らは、推薦入学で早めに進路を決めるのではなく、一般入試まで「ブランド」「立地」などを満たす大学を目指し続ける傾向にある。受験生を多く集める大学と、少ない大学との「二極化」が進むが、少ない大学では推薦入試でも学生の確保が難しくなってきている。  大学教授や准教授自らがなぜ高校を訪問するのか。かつては大学職員がその役割を担っていた。浜本さんはこう背景を説明した。「18歳人口の減少によって学生が減るとともに大学の収入も少なくなる。私の大学では経費節減のため、半分以上の職員を派遣社員にした。だから、本来は大学職員の仕事だった高校訪問が大学教員にも課せられるようになったのです」  ■  受験生確保は、来春の入試で大きな山場を迎える。大手予備校「駿台予備学校」(東京都千代田区)によると、18歳人口は09年度に2・5万人減少し121万人となり、その後の約10年間は約120万人で推移する。各大学は来春の入試で多くの受験生を確保しようと設備改修などを進めており、今後の経営安定につなげたい考えだという。  教授や准教授の仕事のうち「受験生集め」が大きな比重を占めることに批判もある。「大学崩壊!」などの著書がある法政大学理工学部の川成洋教授は強い言葉で語った。「受験生集めは大学教員の本来の仕事ではない。そんなことでは、研究者の誇りもプライドもなくなる。大学はもともと知を発信する場所だったはず。学生を指導する教育や国際競争力をつける研究などにもっと力を注いでほしい」。耳の痛いことばではある。 "[he-forum 13592] 北海道新聞社説9/2 北海道新聞社説2008年9月2日付 医師の増員 不足の実態にどう対応  大学医学部の定員を、将来は現在の一・五倍に当たる一万二千人程度にまで増やすべきだ-。厚生労働省の検討会が提言した。  地域医療の崩壊が叫ばれるなか、医師の増員は当然だろう。  文部科学省と連携をとりながら、目標年次を定めるなどして、できるだけ早く、提言を実現するよう、厚労省に求めたい。  日本の医師不足は深刻だ。  二〇〇六年の人口千人当たりの医師数は二・一人にすぎない。米国の二・四人、ドイツの三・五人など他の先進国と比べて、少なさが目立っている。  提言は、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の三・一人まで引き上げる必要があるとした。  医師は単に偏在しているだけだ、と厚労省は従来、医学部の定員を抑制してきた。しかし、各地から医師不足を指摘する声が続出し、六月に方針の転換を打ち出した。  これを受け、文科省も来年度の大学医学部の総定員を、本年度より七百七十人増やし、過去最多の八千五百六十人とする方針を決めた。  それでも提言より三千人以上少ない。今後の具体的な増員計画を、早急にまとめる必要があろう。学生増に伴い、質の高い教育を確保するため、教員の増加や教育施設の充実も欠かせないはずだ。  もちろん、医師の全体数を増やしただけでは、地域医療の改善につながらない。大都会への医師の集中、診療科によって大きく異なる医師の充足度の双方を解消しなければならない。  地方での医師不足を加速させたのは、〇四年に始まった新人医師の臨床研修制度だ。  自由に研修先を選べるようになった結果、都市の民間病院に新人医師が集中した。その玉突きで、医師不足に陥った大学病院が、地方の病院に派遣していた医師の引き揚げを続けている。  研修制度の見直しを急ぎたい。厚労省は近く、制度の見直しに向けた検討会を、文科省と合同で発足させる。新人医師の意思を尊重しながらも、各地に満遍なく配置できる仕組みを作ってほしい。  診療科では産科、外科、救急などで医師の不足が顕著だ。高度な技術習得が必要なうえ、時間外診療が多いためで、勤務医を辞めて、開業に転じる医師が後を絶たない。それがさらに、勤務医の労働を過酷なものにさせている。  離島などへき地の勤務医も含め、これらの医師への支援制度が必要だろう。もはや、地域の安心医療を「医師の使命」だけに頼る状況ではないのだ。 "[he-forum 13593] 琉球新報社説9/1 琉球新報社説2008年9月1日付 医学部定員増 根本的な課題克服が優先  医師不足が叫ばれて久しい。助かるべき命が、救急医療機関で受け入れを拒まれ死亡した事例は遠い過去の話ではない。すべての国民が、等しく医療サービスを享受できる体制をいかに構築するかが問われている。  文部科学省は、深刻化する医師不足に対応するため、2009年度の大学医学部の総定員数を本年度より約770人多い8560人程度とする方針を決めた。過去最多だった1982年度の8280人程度より280人の増だ。  文科省は8月中旬までに各大学から意向を聴取した結果、大学側も8560人規模の受け入れが可能と判断した。  琉球大学医学部医学科は、来年度入学者選抜で新たに「地域枠」2人を導入する。これにより従来の定員95人が97人となるが、今回の文科省の意向聴取でさらに5人増を求めた、という。  医学部の定員を増やすことで、医療現場の抱える課題を克服できるのだろうか。  厚生労働省の統計によると、06年の県内医療施設従事医師数は2849人(男性2391人、女性458人)で1998年より551人も増えている。なぜ医師不足が生じるのか、疑問も残る。  「医師は一線から退いても統計数字に入るため、実態把握が難しい」(県福祉保健部)という。  医療訴訟に加え“24時間勤務”の産婦人科医や外科医が敬遠され、整形外科や皮膚科などへの偏在化も指摘される。  日進月歩の医療の世界にあって女性医師は、育児休業で1年間も空白が生じることへの恐れを抱いているとの声も耳にする。  「医療経済実態調査」によると病院勤務医の所得は開業医の半分で、病院勤務の20代男性医師の勤務時間は週57・4時間、同年代の開業医は38・1時間だ。  このような医師を取り巻く労働環境と、格差是正の改善が優先されなければならないだろう。 "[he-forum 13594] 読売新聞長野9/2 読売新聞長野版2008年9月2日付 信大病院に「胸痛センター」 夜間、土日も対応  心筋梗塞(こうそく)など胸の痛みを訴える患者に迅速に対応する「胸痛センター」が1日、信州大病院(松本市)の高度救命救急センター内に開設された。胸痛に特化した施設は、国立大学病院では初めて。  血管が詰まる心筋梗塞は、発症後速やかに詰まりを解消する治療を行わなければ、死亡したり、後遺症が残ったりする。  痛みの大きさと病気の重篤さとが必ずしも比例しないため、「夜中に胸が痛くなっても朝まで我慢する人も多い。気軽に来てもらう施設が必要だった」と池田宇一・胸痛センター長は話す。  松本市や塩尻市などの松本広域医療圏に、心筋梗塞に対応できる病院は4施設あるが、信大病院も含め、夜間や土日も常時、専門医が対応する施設はなかったという。  同センターは、日中は3人、夜間は1~2人の循環器系の医師が待機し、24時間対応する。神経痛など心臓疾患以外の胸の痛みの患者も受け入れ、その後の処置を判断する。 "[he-forum 13595] 十勝毎日新聞9/5 十勝毎日新聞2008年9月5日付 老朽化の帯畜大「碧雲寮」 改修計画が再始動 10年前、学生の反発で頓挫 大学「意見尊重し慎重に」  帯広畜産大学(長澤秀行学長)は老朽化が著しい男子学生寮「碧雲(へきうん)寮」の耐震補強と改修について、再び計画を本格化させている。国内外で大規模地震が相次ぎ、耐震性の低い同寮の安全対策は急務で、凍結状態だった学生側との話し合いを進めている。長年の懸案解決に向け、学生の意見を尊重しながら、早ければ来年度にも着手したい考えだ。  同寮はRC(鉄筋コンクリート)構造5階建て延べ5366平方メートルで、1968年に完成した。定員は380人で全室2人部屋。大学は老朽化に伴う改修を98年に提案したが、完全個室化や寄宿料(月額700円)の大幅値上げなどの問題で学生が反発し、協議は進展していない。  その間も老朽化は進み、「すぐに倒壊することはないが、耐震性は低い」(施設課)と対応を検討。中国・四川大地震や教育施設の耐震化を求める文部科学省の方針もあり、補強の優先度は高まっている。さらに、国の基準に縛られた国立大学時代とは異なり、独立行政法人化後は個室や2人部屋など居住空間は柔軟に設定できることから、大学関係者は課題の1つはクリアできるとみている。  耐震補強は国の補助を活用するため、文科省への来年度概算要求に盛り込んだ。補強と同時に改修も行う計画で、女子寮の「萠宥(ほうゆう)寮」(定員24人)、別科男子寮の「黎明(れいめい)寮」(定員28人)などを一体化させる方針。背景には、碧雲寮の入居率約5割に対し、女子学生が増えた影響で萠宥寮の入居希望者が殺到していることがある。  大学は寮の代表者と話し合い、慎重に計画を進める考え。長澤学長は「四川大地震などもあり、耐震補強・改修の緊急度は高まっている。幅広く学生の意見・要望を聞き、快適な住環境を提供したい」と話している。学生側は「(改修の有無などさまざまな可能性を含め)大学と話し合って決めていきたい」としている。 (池谷智仁) "[he-forum 13596] 十勝毎日新聞9/3 十勝毎日新聞2008年9月3日付 老朽化の帯畜大「碧雲寮」 改修計画が再始動 10年前、学生の反発で頓挫 大学「意見尊重し慎重に」  帯広畜産大学(長澤秀行学長)は老朽化が著しい男子学生寮「碧雲(へきうん)寮」の耐震補強と改修について、再び計画を本格化させている。国内外で大規模地震が相次ぎ、耐震性の低い同寮の安全対策は急務で、凍結状態だった学生側との話し合いを進めている。長年の懸案解決に向け、学生の意見を尊重しながら、早ければ来年度にも着手したい考えだ。  同寮はRC(鉄筋コンクリート)構造5階建て延べ5366平方メートルで、1968年に完成した。定員は380人で全室2人部屋。大学は老朽化に伴う改修を98年に提案したが、完全個室化や寄宿料(月額700円)の大幅値上げなどの問題で学生が反発し、協議は進展していない。  その間も老朽化は進み、「すぐに倒壊することはないが、耐震性は低い」(施設課)と対応を検討。中国・四川大地震や教育施設の耐震化を求める文部科学省の方針もあり、補強の優先度は高まっている。さらに、国の基準に縛られた国立大学時代とは異なり、独立行政法人化後は個室や2人部屋など居住空間は柔軟に設定できることから、大学関係者は課題の1つはクリアできるとみている。  耐震補強は国の補助を活用するため、文科省への来年度概算要求に盛り込んだ。補強と同時に改修も行う計画で、女子寮の「萠宥(ほうゆう)寮」(定員24人)、別科男子寮の「黎明(れいめい)寮」(定員28人)などを一体化させる方針。背景には、碧雲寮の入居率約5割に対し、女子学生が増えた影響で萠宥寮の入居希望者が殺到していることがある。  大学は寮の代表者と話し合い、慎重に計画を進める考え。長澤学長は「四川大地震などもあり、耐震補強・改修の緊急度は高まっている。幅広く学生の意見・要望を聞き、快適な住環境を提供したい」と話している。学生側は「(改修の有無などさまざまな可能性を含め)大学と話し合って決めていきたい」としている。 (池谷智仁) "[he-forum 13597] 読売新聞神奈川9/3 読売新聞神奈川版2008年9月3日付 横浜市大法人評価委 謝礼問題で「運営基盤に大きな課題」  横浜市立大医学部の学位取得を巡る謝礼授受問題について、外部の専門家でつくる同大法人評価委員会は2日公表した昨年度の業務実績に対する評価結果で、「法人運営の基盤そのものに大きな課題を内包していた」と指摘した。  評価委員会は、同大が2005年度に公立大学法人になったのに伴い、地方独立行政法人法に基づき設置された市長の付属機関で、同大の年度ごとの業務実績などを評価している。  昨年度の評価結果では、謝礼問題について「市民の信頼を大きく損なう極めて遺憾なこと」とし、謝礼が慣例化していたことから、大学の体質そのものに問題があったと判断した。内部監査機能の充実やコンプライアンス(法令順守)推進などの取り組みについても「的確に実施したと認められない」と断じた。  また、弁護士らでつくる学位審査対策委員会の最終報告に盛り込まれた教職員の意識改革や職員倫理規定の制定、医局運営の透明性の確保などに全力を挙げるよう求めた。  同大は「評価結果を真摯(しんし)に受け止め信頼回復に全力で取り組む」としている。 元教授人事で抗議書 謝礼問題に絡み、26万円を受け取っていたと認定された元横浜市立大医学部教授の山本勇夫氏(65)が横浜市立脳血管医療センター長に就任したことに対し、患者らでつくる「脳卒中から助かる会」は2日、中田宏市長あてに、不適切な人事でセンターの信用を傷つけるものとする抗議書を提出した。 "[he-forum 13598] 北国新聞9/3 北國新聞2008年9月3日付 教員養成に特化 金大大学院教育学研究科 全国初、来年度改組の見通し  金大大学院教育学研究科が来年度、高度な教員養成に特化した組織に改組される見通しとなった。入学は教員免許取得者に限定し、講義と実習でさらに深い知識を身に付けた教員を地域に輩出する。研究者養成が目的とされる一般的な大学院が「教職大学院」のように教員育成に特化するのは全国初で、関係者の注目を集めている。  国語や理科、障害児教育などに細分化されている現在の十二の専攻を廃止し、「教育実践高度化専攻」(修士課程)に一本化する。  新たな専攻には三コースが設けられるほか、選択外のコースの授業も受講できる。例えば「障害児の体育教育」など、現在は複数の専攻にまたがって十分に学べない分野の学習も容易になるという。地域の学校に出向いての教育実習も導入する。  学級崩壊や学力低下など学校教育を巡る問題が山積し、教員の質向上が求められる中、今年四月には専門職大学院「教職大学院」が全国十九校でスタートした。  ただ、既設の教職大学院は将来の学校管理職候補を養成する意味合いが強いとされる。「教科指導や学級経営、生活指導など学校現場の教育課題に対応できる優れた教員を地域に送り出す」(大久保英哲大学院教育学研究科長)という金大の理念と異なる点もあったため、金大は数年前から文部科学省と協議し、教職大学院ではない新たな大学院のあり方を模索してきた。  大久保研究科長によると、これまでの同研究科修了生のうち教員になったのは約六割。新専攻では修了生の全員を教員とする考えで、「地域の教育を支える先生に大切な姿勢や能力を、新しい教員養成のモデルケースとなる金大で身に付けてほしい」としている。 "[he-forum 13599] 西日本新聞9/2 西日本新聞2008年9月2日付 歯学と工学が全国初の融合 連携大学院を来春開設 九州歯大 九州工大 分野を越え新創造を  九州歯科大学(福田仁一学長、北九州市小倉北区)と九州工業大学(下村輝夫学長、同市戸畑区など)は1日、互いの専門分野を融合させ、新たな研究開発に役立てようと、「連携大学院」開設の締結を結んだ。歯学と工学の連携大学院設置は国内初。バイオテクノロジー関連の分野を重点に協力を図るという。  連携大学院の講義が始まるのは来年4月から。両大学に「歯工学連携教育研究センター」を設け、それぞれ10人ほどの学生を受け入れる。修士、博士の両過程を設置しており、「感染症学概論」など11科目の講義を行う。講師は両大学の教員が務める。  研究では、歯学と工学が連携することで、歯周病菌数を調べて歯周病の進行状況などを判定する器具の開発や、インプラント(人工歯根)よりも実物に近い歯の再生治療などを推進させる方針。  両大学は1998年に学術交流協定を結び、99年には大学院の単位互換協定も締結した。  締結式では、福田学長が「時代の最先端を担う研究を」と強調。下村学長は「分野を越えた新しい創造をして、グローバルスタンダードにつなげたい」と述べた。 "[he-forum 13600] 神戸新聞8/29 神戸新聞2008年8月29日付 神大大学院に寄付講座 神戸のパルモア病院    パルモア病院(神戸市中央区)が、神戸大大学院医学研究科に寄付講座「こども発育学講座」を開講した。病院を子どもの発育に関する研究拠点と位置づけて、健康の総合的な解析を目指すもので、九月から新生児を対象に先天性の難病を早期発見するための血液検査(スクリーニング)が始まる。民間病院が大学に寄付講座を設けるのは全国でも珍しく、近く胎児期から思春期までの継続調査にも乗り出す。  周産期医療を手掛けるパルモア病院での年間出生数は約千二百人と神戸市全体の一割を占める。治療や診察を通じて子どもの発育や健康を科学的に解明したい大学と、小児医療の発展に貢献したい病院の考えが一致した。  講座の設置期間は今年四月から五年間。スクリーニングは熊本大とも連携し、生後四-五日の新生児から採取した微量の血液を使い、細胞内の酵素が欠損するなどして成人で腎不全になる「ファブリー病」など先天代謝異常の有無を調べる。  また健康調査では、母体をはじめ、胎児期から思春期までの健康状態を継続的に詳しく調べ、アレルギー疾患や自閉症などの発症要因の解明などにも取り組む予定。  講座を担当する神戸大大学院の飯島一誠特命教授(52)は「先天代謝異常には、新生児の段階で対処すれば病気の進行を止められる疾患もある。早期の発見、治療につなげたい」と話している。(今泉欣也) "[he-forum 13601] 日本経済新聞北陸9/3 日本経済新聞北陸版2008年9月3日付 大学発VB、新たに4社 北陸3県の昨年度、医療関連目立つ  北陸3県で大学発ベンチャーの増加が続いている。経済産業省のまとめでは2007年度に福井、北陸先端科学技術大学院、富山の3大学で計4社が新たに設立、合計で44社に達した。先行組では他社との提携にこぎ着け事業化に動き出す例もある。ただ、設立から実際に収益を生み出すには課題も抱える。  07年度の設立で目立つのは医療関連企業。福井大発のファルマーコム(福井市)は新薬開発のスクリーニングに使う細胞などの生物材料を製薬会社に提供する。富山大発のパソロジー研究所(富山市)は病気を分類し、病気の原理を調べる病理検査機器の開発を目指す。  ジャイロテック(福井市)は福井大の遠赤外領域開発研究センターで開発した高出力光源が中核技術。工業技術専門商社の轟産業(同)と組み、核融合を起こす高周波の電磁波を発する装置を開発する。北陸先端大発のグリーンサイエンス・マテリアル(熊本市)は、吸水性の高い物質を使った応用製品の製造販売を目指す。九州の一部でしか見つからないラン藻で採れる物質をベースにする。 "[he-forum 13602] 中国新聞9/5 中国新聞2008年9月5日付 島根大医学部で残業代不払い '08/9/5  島根大医学部(出雲市)が今年3月までの2年間にわたり、教職員198人に計約4400万円の残業代を支払っていなかったことが4日、分かった。労働基準法違反に当たるとして、出雲労働基準監督署から是正勧告を受けた。同大は今月の給与で差額を支払うとしている。  同大によると、今年4月、帰宅途中の職員が交通事故で死亡し、時刻が午前6時だったことを不審に思った労基署が立ち入り検査。労使協定に違反する時間外労働が認められたことから労基署が同大に実態調査を求めた。  同大が医学部の497人を対象に2006年4月から2年間を調査したところ、計198人に時間外労働手当を支払っていなかったことが判明したという。  同大は医学部に職員を増やすなどの改善策をとるとともに「労働時間に対する意識改革を図る」としている。 "[he-forum 13603] 山梨日日新聞9/3 山梨日日新聞2008年9月3日付 産学官連携、研究84テーマ紹介 県と山梨大が最新の成果を公開  山梨県と山梨大は2日、ベルクラシック甲府で、新たな産学官連携事業を生み出そうと企業関係者に最新の研究成果を公開するイベントを開いた。  約300人が来場。工業技術センターや富士工業技術センターなど県の研究機関と、山梨大が取り組むさまざまな分野の研究84テーマを、パネル展示や研究者による講演で紹介した。  会場には、企業側が産学官連携や技術開発、知的所有権などについて相談できるブースが設置され、やまなし産業支援機構や科学技術振興機構などの担当者が応じた。経済産業省の「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれた企業など県内13社が研究事例を発表する講演もあった。  県工業振興課は「企業が個別の技術だけで新製品を開発するのは難しくなってきている。今後も製品開発につながる産学官連携の実現を支援していきたい」としている。 "[he-forum 13604] 河北新報社説9/7 河北新報社説2008年9月7日付 医学部定員増/偏在なくす道筋もつけたい  医師不足対策として、大学医学部の定員を大幅に増やそうという動きが本格化してきた。厚生労働省の検討会が現在の1.5倍増を「将来の目標」に掲げ、文部科学省は来年度の定員を過去最多とする方針を決めた。  いずれも、政府が6月に医師数を抑制する従来の方針を転換したことを受けたものだ。  地域医療の崩壊が言われる中で、当然のことであろう。両省が連携して、目標年次とそれに至る手順を決め、しっかりと軌道に乗せてほしい。  同時に、地域間、さらには診療科間にある「二重の医師の偏在」を是正する取り組みが必要だ。そうしなければ、地域医療の再生は到底おぼつかない。大学も地方も知恵を絞り、住民が安心して医療を受けられる態勢を整えていきたい。  厚労省の「安心と希望の医療確保ビジョン具体化検討会」は先ごろ、医学部の総定員を将来的に現在(約7800人)の1.5倍となる約1万2000人に増やすべきだ、と提言した。  目安となったのは経済協力開発機構(OECD)加盟国の人口1000人当たりの医師数(2006年)だ。平均で3.1人。日本の医師数は2.1人だから約1.5倍。ほかの先進国並みの水準を目標とした。なにはともあれ、具体的な数値を掲げたことは評価したい。  これを受ける形で、文科省が発表した来年度の医学部総定員は8560人に上った。本年度より一挙に1割も増え、過去最多だった1982年度の定員をも220人上回る。  質の高い教育を維持するためには、定員増に見合う教員の増加や学習施設・設備の充実が欠かせない。そのための財源確保が当面の焦点となろう。  もちろん、医師数を増やせば、地域医療に光が差すというわけではない。  大都市に集中するといった医師の地域的な偏在に加え、診療科にも偏りがある。救急や産科、小児科は医師が足りない。そのしわ寄せもあり公立病院の勤務医らが過重な労働を強いられ疲弊している。救急患者の「たらい回し」が後を絶たず、妊婦が「出産難民」と呼ばれるほど危機的な状況にある。  大学には、こうした医療の現状を改善するための定員増であることを認識し、地域医療に貢献することを教育の軸に据えて、実効ある医師養成を目指してもらいたい。  地方自治体も医師の地元定着を図る取り組みを強化したい。医学生への奨学金制度や待遇改善策に加えて、大学と連携し学生に地域医療の必要性を訴え、同時に地域の魅力を知ってもらう機会を設けるのも一つだ。  もっとも、医師偏在の解消を図るには国による制度の充実・見直しが不可欠だ。厚労省の検討会は、救急・産科・へき地で勤務する医師に対する各種手当の支給や、地方の拠点である公立病院の医師不足につながっているとされる現行臨床研修制度の見直しなども求めている。  現状を変えるためには、できるものから早急に手をつけていかなければならない。 "[he-forum 13605] 共同通信9/5 共同通信2008年9月5日19時50分 法科大学院の定員縮小を提言へ 中教審  法科大学院の質向上策を検討している中教審大学分科会・法科大学院特別委員会は5日の会合で、入学志願倍率が低かったり、定員の規模に対して教員数を確保するのが難しい法科大学院については、縮小など定員の見直しや統廃合の促進を検討するよう求める改革案を示した。近く、中間報告として正式に取りまとめる。  中教審はこれまで、各法科大学院の改革については、各校の自主的な取り組みに委ねる姿勢だった。しかし、相次ぐ定員割れや、新司法試験合格率の低迷などを受け、改革の方向性を示す必要があると判断した。  特別委ではこのほか、法科大学院を受験する際に受ける適性試験に最低基準を設けることも提言。さらに大学院を修了するのに必要な共通水準を設定するよう求めている。  法科大学院をめぐっては、保岡興治法相が、司法試験の合格実績が低いものは統廃合すべきだとの考えを表明している。 "[he-forum 13606] 読売新聞和歌山9/7 読売新聞和歌山版2008年9月7日付 外部に「理念」伝わったか 進まぬ和大・博物館改革  大学と博物館。和歌山の文化や学術を代表する機関の改革が、思惑通りに進んでいない。背景には、計画を進める側の「理念」が、必ずしも周囲に伝わっていない現実がある。  県立の博物館(和歌山市)、近代美術館(同)、紀伊風土記の丘(同)、自然博物館(海南市)の4博物館施設について、県教委は今春の人事異動で、現職の館長を副館長に降格した。「活性化を図りたい」として、大学教授など、専門家を館長に迎え入れる計画だが、半年近くたっても、就任を受け入れる適材は1人も見つかっていない。  県教委の方針については、内部からも「館長は名誉な職だから、簡単に決まると考えたのだろうが、そんなに甘くはない」との声が聞かれる。確かに、突然、「館長になってくれませんか」と頼んでも、同意は得られないだろう。  一方、「和歌山市の中心市街地に拠点を置き、活性化に一役買う」としていた和歌山大の観光学部も、入居先の候補となった施設と費用などの条件が折り合わず、先月、正式に進出を断念した。  大学側は一時、「地元の協力が見えない」と和歌山市を非難したことがあった。が、実際にどの建物に入居し、費用はいくらかといった議論をどの程度積み上げ、相手に伝えてきたのか、疑問だ。  博物館施設の館長選びと大学の市街地進出。共通しているのは、ともに相手があり、自分の都合だけで進められる計画ではないということだ。  館長不在の事態に、県教委の担当者は「見通しが甘かった」と認める。和歌山大の小田章学長は、記者会見で「我々の期待が高すぎた面もある」と話した。  県教委や和歌山大が目指したもの自体が間違いだとは思わない。だが、実現するには常識的な感覚が必要だ。そのためには、準備段階から、外部との意思疎通を活発にするべきだったのではないだろうか。(上村真也) "[he-forum 13607] 9/8しんぶん赤旗記事 2008年9月8日(月)「しんぶん赤旗」 ゆうPRESS 全学連が「学費・雇用黒書2008」 高学費に(T_T)  日本の大学の学費の高さは異常です。全日本学生自治会総連合(全学 連)は、学費軽減を求める運動の一環として、学生生活に与えている高 学費の影響をアンケート調査し、冊子「学費・雇用黒書2008」に まとめました。(伊藤悠希) 東京都内の私立大学に通う学生は… 通学は片道3時間/週末バイトで疲れて  今年から東京都内の私立大学に通う俊和さん(18)=仮名=は、千 葉県の自宅から片道3時間かけて通っています。1時限の授業に間に合 うためには午前5時半に家を出ます。家に着くのは午後9時ごろです。 「電車で座れることはあまりないです。家に帰ると、疲れてしまい、気 づいたら寝ていることもあります」  実家は専業農家。俊和さんは将来農業を継ぐことを考え大学では品種 改良を学んでいます。灌(かん)水作業に当たると集合は午 前7時半。始発に乗っても間に合いません。遅れて参加します。  3人きょうだいで、3人とも大学に通っています。年間300万円の 学費が家計を圧迫します。俊和さんは学費を考え、国立大学を希望しま したが、不合格。4年制大学をあきらめ、短期大学を選びました。  俊和さんは自宅近くのガソリンスタンドでアルバイトをしています。 授業のない日と土日にバイトを入れていますが、通学時間の関係で思っ たように働けませんでした。「1万円以上は家に入れたい」と話しま す。8月は大学の研修があり、バイト代は3万円ほどでした。「定期代 に2万円。携帯電話代に約7千円。あと、食費を考えると、家に入れる ことができないですよ」  俊和さんは全学連が呼びかけたアンケートを研究室の仲間に協力して もらい、幼なじみや高校時代の友達の話を聞いてきました。親が借金を して入学した人、弟が進学できなくなった人、大学に合格したのに奨学 金が借りられずに進学をあきらめた同級生―。「進学できなかった友達 に『大学、楽しい?』と聞かれても、楽しいとは言えない」と話します。  「お金のことを考えなければ四年制大学に編入したいし、大学院にも 行きたい」と話す俊和さん。親からは編入のことも言われていますが、 その気遣いがつらいと言います。「就職したいという気持ちが強い」 減免制度を国の責任で 全学連書記長 平野 義尚さん  学費負担軽減を求める署名集めや国会要請を行い、親や教職員などの 団体と奨学金制度の拡充を求める「奨学金の会」を結成、シ ンポジウムを開いてきました。高学費による深刻な実態の認識が深ま り、連帯が広がっています。  署名の紹介議員は今回初めて野党4党に広がりました。学生の深刻な 実態を正面から受け止めてくれるようになりました。繰り返し要請して きた結果だと感じています。  東京大学では今年度から世帯年収400万円以下の学生の授業料が全 額免除になりました。「黒書」にはこの制度のおかげで進学できたとい う声が寄せられました。経済的理由で進学を悩んでいる人をはげまして います。  東大のような制度を国の責任で全国に広げ、経済的困窮者の負担軽減 制度の充実を求めたい。 学費「高い」「やや高い」 85%  全学連が呼びかけ、全国各地で学生自身が取り組んだアンケートには 50学園1万人以上から声が寄せられました。「学費・雇用黒書 2008」には、9千人分の声がまとめられています。学費 が「高い」「やや高い」と答えた学生は85%を占め、 親やきょうだいに迷惑をかけているという声が目立ちます。 国立80万円 私立130万円  大学の初年度納付金(入学料・授業料など)は、国立で80万円、私 立で平均130万円です。  そのため、アルバイトに追われ、生活費をきりつめる学生は少なくあ りません。  こうした事態を招いた最大の原因は、政府の貧困な教育対策です。高 等教育予算の水準(国内総生産に占める割合)は、OECD(経済協力 開発機構)加盟国全体の平均1.0%に対して、日本は0.5% にすぎず、加盟国中で最下位です。  一方で政府は、“学費は、教育で利益を受ける学生本人が負担 する”との考え方で、どんどん値上げしてきました。  日本共産党は、4月に「『世界一高い学費』を軽減し、経済的理由で 学業をあきらめる若者をなくすために」と題する政策を出し、政府に授 業料減免や奨学金制度の改善などを求めています。 "[he-forum 13608] 北海道新聞9/7 北海道新聞2008年9月7日付 室蘭工大学長選 現職の松岡氏と名誉教授の佐藤氏、一騎打ちの様相  松岡健一学長(68)の任期満了に伴う室蘭工大の学長選は、候補五人から当選者一人を選ぶ意向投票が八日に行われる。二〇〇九年度の学科再編を主導してきた現職と、「議論が十分にされないまま再編が決定した」と主張する元副学長の佐藤一彦名誉教授(65)の一騎打ちの様相。再編議論を火種に、選挙戦が熱を帯びてきた。  二氏以外の候補は、伊藤秀範教授(56)、岸徳光理事(58)、杉山弘教授(64)。伊藤氏はいち早く佐藤氏支持を表明。岸氏は土木の研究分野で松岡氏と師弟関係にあり、学科再編をともに進めてきた仲。最終的には松岡氏支持に回ると見られる。杉山氏への支持は松岡、佐藤両氏に比べ少ないとみられる。  争点となっている学科再編は、従来の六学科を四学科にするもの。これに対し「情報電子工学系学科」として統合された情報、電気電子の教職員の間には不満がくすぶっている。また、二つの学科に分類された材料物性からも反発が出ている。  ただ、これらの学科の中にも「再編は決定済み。主導してきた松岡氏に今後も任せるのが筋だ」との主張があり、再編への不満がそのまま佐藤氏支持に流れるかは未知数だ。残る三学科のうち建設システムは松岡氏、機械システムは杉山氏の基盤。応用化学、共通講座の動向は不透明だ。  意向投票では、投票総数の過半数を得た候補が当選し、十二日の学長選考会の最終選考を経て正式に決定する。任期は二〇〇九年四月一日から六年。 ," 佐賀大学の豊島です. 「評価」をめぐる現在の大学の状況について,評価 システムの問題点を中心に,少し調べて考察して "[he-forum 13610] ミラーサイトのアドレス ただいまの投稿文の末尾の註にあるサーバーが現在ダウンしています. ミラーサイトをご利用下さい. http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/UniversityIssues/ chukimokuhyo.html >註 >[1] 拙稿「『意見』の根幹は項目設定(アジェンダ・セッティ ング)にある」参照. >http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/ chukimokuhyo.html 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 13611] 読売新聞東京多摩9/11 読売新聞東京多摩版2008年9月11日付 家畜病院が新装 農工大 隣接地に新設  東京農工大農学部(府中市幸町)の家畜病院が、動物医療センター(岩崎利郎センター長)として生まれ変わった。旧病院の隣接地に新設され、高度医療を担当している。多摩地区だけでなく、周辺のペット愛好家からも頼りにされている存在だ。今月18日、開院記念式典が予定されている。  家畜病院は1949年、臨床獣医学の教育・研究の場として設置された。一般の動物病院で対処できない高度な医療を必要とするペットが対象となる。  CT(コンピューター断層撮影法)スキャンやMRI(磁気共鳴画像装置)など、高性能の診断機器を活用している。さらに例えば、心臓病のペットには心臓カテーテル治療や心臓の弁置換手術、がんには外科手術と併用して放射線治療や化学治療を施している。犬や猫を中心にした手術件数は年間延べ約7500件に上るという。  山根義久教授は「ペットの高度医療は飼い主の意識の変化を背景に、ここ10年で進歩した」と説明する。  新しい建物は鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約1500平方メートル。待合室は従来の2倍となった。7月からすでにセンターは稼働しているが、旧家畜病院を事務・研究室棟として使用するための改修が終了したことから、記念式典を開くことにした。  総事業費は約5億7000万円で、うち5億4000万円を日本政策投資銀行と三菱東京UFJ銀行から借り入れ、最長15年かけて診療収入で返済する。2005年に国立大学法人法施行令が改正されて以降、民間金融機関などからの借入金による施設整備は初めて。独立行政法人化された国立大学の財源確保のモデルケースとされている。  岩崎センター長は「犬・猫などペット類を中心にした地域の二次診療機関としての機能を充実させた。病気のペットを回復させ、動物病院に返す役目を果たしていく」と話している。 "[he-forum 13612] 毎日新聞9/10夕刊 毎日新聞2008年9月10日付夕刊 解説:法科大学院に危機感 教育能力に見合う改革必要--毎日新聞アンケート  法科大学院の4割が総定員数(約5800人)削減の必要性を回答した毎日新聞のアンケートは、一定水準の合格率という「実績」を維持できない各大学院の危機感を浮かび上がらせた。だが、実際に定員を見直す法科大学院は一部にとどまる。法科大学院を巡っては「質」も問題視されており、教育能力に見合った改革が求められる。  法科大学院の総定員数は導入時「15~20校で4000人程度」だった。背景には、司法試験合格者を年3000人に増やす政府の方針と、「合格率7~8割」の目安があった。だが、「大学の法学部に優秀な学生を集めたい」とする経営戦略も絡んで74校に増え、「司法制度改革の理念と乖離(かいり)する」(改革に携わった自民党国会議員)との批判も出始めた。法務省幹部は「多くの大学院が質の低い学生しか送り出せない現実が問題だ」と指摘する。  また、法科大学院では学部との兼任教員が依然多く、修了認定も甘いなど養成機能が問題視されている。一方「外車1台分」とも言われる学費が優秀な学生を除外する要因となり、奨学金制度の充実を求める声も上がる。  優秀な法曹志望者を獲得する趣旨を考えれば、一定の定員維持は必要だ。だが、大量の司法試験不合格者を生み出している現状は、法科大学院が養成機関としての機能を十分に果たしておらず、多くの志望者を不幸にしていると言わざるを得ない。【石川淳一】 "[he-forum 13613] 共同通信9/10 共同通信2008年9月10日17時53分 早期の採用活動やめて 東大大学院教授らが要望  企業の採用活動の早期化が化学・薬学・工学系大学生らの学業に悪影響を及ぼしているとして、東京大大学院の教授らが10日、企業に採用の早期化を止めるよう要望する宣言を発表した。国立8大学・大学院の教授に呼び掛け、32の学科専攻から賛同を得た。  発起人の西郷和彦東大大学院教授らによると、理系学生は早ければ卒業前年度の秋から就職活動が始まるため、学生の研究時間が奪われ、就職が決まった後は学業に身が入らないなどの弊害が出ているという。  特に修士課程の学生は入学半年で就職活動が始まるため問題は深刻で、西郷教授は「学生の能力向上を大きく阻害している。技術立国である日本にとって大きな問題だ」と訴えている。  同教授らは企業に対し、会社説明会やインターネットによる情報発信などすべての就職活動の開始時期を卒業年度の4月にするよう要請。応じない場合は「毅然とした態度で臨み、企業名の公表も検討している」としている。 "[he-forum 13614] 読売新聞石川9/11 読売新聞石川版2008年9月11日付 金大院 12専攻を統合 教育学研究科 学校現場重視へ転換   金沢大学は来年度、大学院教育学研究科の12専攻を一本化し、「教育実践高度化専攻」を設置し、教科などの専門分野の研究から、学校現場で実際に課題を解決できる“現場重視”の研究に転換する。対象を現職教員や教員免許取得者らに絞り、優れた実践力・応用力を備えた「スクールリーダー」となる現職教員と即戦力を持つ新人教員を養成するのが狙いだ。  現在は、国語や数学、学校教育などの12専攻に分かれている。このため、例えば、源氏物語を追究し、学校現場に触れなくても、教員免許を取得できる仕組みになっている。  一方、学校では不登校やいじめ、地域や保護者との関係など複合的な問題が噴出している。同大学院では、こうした課題に対応できる教員養成を担おうと、2005年から研究科の改組を検討してきた。  新専攻の特徴は、徹底して学校現場で学ぶカリキュラムにある。修了に必要な32~36単位のうち、12単位は学校に出向き、優れた授業を観察したり、教科や生徒指導の課題を学校側と一緒に解決したりする。障害児教育と国語教育など、複数にまたがった領域も学ぶことができる。  全国では、教員養成に特化した専門職大学院「教職大学院」が今年度から始まり、注目を集めている。ただ、教育学一般や学校経営などの科目が多く、管理職養成の傾向が強い。同研究科は既存の修士課程の枠組みを生かし、「地域のニーズが高い教科指導にも重点を置いた」という。大久保英哲・同研究科長は「即戦力として役立つ人材を送り出したい」と話している。  定員35人。出願期間は22~26日。問い合わせは同研究科((電)076・264・5600)。 "[he-forum 13615] 新潟日報9/10 新潟日報2008年9月10日付 県と新潟大が連携協定を締結  県と新潟大学は9日、人口減少や地域医療などの課題に協力して対処するため、「包括連携協定」を締結した。従来の個別分野ごとの連携にとどまらず、県の部局や大学の学部といった組織の枠を超えた柔軟な課題解決を可能にする狙い。両者は年に数回、「連携協議会」を開き、研究テーマの設定や連携方法を検討する。  同大と県はこれまで、災害復興や農業の活性化といった分野で協力して研究を行っているほか、同大教授らが県の審議会委員となるなど交流が進んでいる。  同大は、協定締結によって両者の接点となる窓口を県文書私学課と同大産学連携課に1本化し、最適な研究者の推薦などを効率的に行うことができるとしている。  同日県庁で行われた締結式では、泉田裕彦知事が「第3者の目で県に施策提案いただくことで、行政の進め方を新しいものにしたい。学長とも定期的に会談したい」と強調。下篠文武学長は「地域医療や人材育成、産学連携などで県と連携を密にし、魅力ある大学にしたい」と話した。  同大は新潟市、刈羽村とそれぞれ包括連携協定を締結済みで、佐渡市とも近く締結する予定。 "[he-forum 13616] 河北日報9/11 河北日報2008年9月11日 資源開発分野の人材育成 5大学が連携  秋田大など5大学が共同で、鉱物など資源開発の人材育成に着手する。資源価格が高騰し、資源分野に精通した技術者や研究者のニーズが高まっているのが理由。専門家による集中講義や鉱物資源が豊かな海外での研修などを行う。  秋田大が中心となり、北海道大、早大、東大、九州大が参加。3年生以上の学生や大学院生、若手教員を育成の主な対象に、2008―09年度に実施する。09年3月に5日間、秋田大で行う集中講義では、各大学の学生約20人が集まり、資源開発やリサイクルなど資源学の基礎を学ぶ。講師は専門教員のほか、民間から鉱山系企業の技術者や産業資源の市場に詳しい商社社員らを招き、実践例を教える。  海外研修は1回当たり約2週間の予定で、今年10月以降に実施する。アジアや南米、オーストラリアの鉱山で、現地の技術動向などを視察する。若手教員を鍛えようと、5大学間の出前講義も計画している。  秋田大の吉村昇学長は「日本の資源系の人材育成において、重要な役割を担っていきたい」と話している。文部科学省の人材養成プログラムに採択された事業で、年間予算は約2400万円。 "[he-forum 13617] 日本海新聞9/11 日本海新聞2008年9月11日付 能勢、岩崎氏が立候補 鳥大学長選公示  鳥取大学(本部・鳥取市湖山町南四丁目)は十日、任期満了(二〇〇九年三月末)に伴う次期学長選考のための意向調査(投票)を公示した。候補者は現職の能勢隆之(66)=医学部、一期=、同大研究・国際交流担当理事で副学長の岩崎正美(65)=農学部=の両氏。二十九日に投票を行い、翌日の学長選考会議で選ぶ。  両氏は所属学部などから推薦を受けて立候補した。十九日に大学運営などについて所信を公表する。投票は助教(旧助手)以上の教員と事務技術役職者ら約八百人が行う。  能勢氏は「交付金減少や全国大学統廃合の波にうまく体制を整えながら、引き続き健全な大学経営を図りたい」と再選に意欲を見せる。  岩崎氏は「持続性ある生存環境社会の構築に向けて、全学挙げて取り組む。そのためには相互信頼とゆとりある職場環境づくりが必要」と話している。 "[he-forum 13618] 日本経済新聞2008年9月11日付 NTTと東工大、情報通信の研究で連携協定  NTTと東京工業大学は10日、情報通信分野を中心とする先端技術の開発・研究を進めるため、連携協力協定を結んだと発表した。両者で「連携協議会」を設け、光通信関連、環境エネルギーなどの分野で技術や人材の交流、設備の活用を進める。独創的な技術を持続的に開発できる体制の構築を目指すという。  具体的にはまず、次世代通信のための省エネ型半導体レーザーの開発、通信にかかわる電力需要の予測や家庭でのエネルギー管理などの研究で協力する。研究者同士の交流会やインターンシップなどを通じた大学院生や博士号取得者(ポストドクター)などの育成にも努める。年に数回協議会を開き、連携の効果や方向性を確認する予定だ。 "[he-forum 13619] 読売新聞三重9/11 読売新聞三重版2008年9月11日付 「厳しい状況、運営全力で」 三重大次期学長が抱負  三重大(津市)の次期学長に選ばれた付属病院長の内田淳正氏(61)は、10日の選考会議後に記者会見を開き、「光栄だが、大学運営は厳しい状況にあり、身の引き締まる思い。今後の運営に全力を挙げる」と抱負を語った。  三重大への国の運営費交付金が年々削減されていることから、内田氏は「教育研究を通して優秀な人材を養成するには、経営基盤の確立が重要。今後は、地域からの資金獲得の努力も求められる」と強調した。  地方大学としての役割については、「地域との共同研究は、トップレベルにある。その貢献度を広くアピールしていきたい」と述べた。また、県内の医師不足問題にも触れ、「現在の医師数で、どの病院にも同じ機能を求めるのは難しい。ある程度は医療を集約させることが必要になる」との考えを示した。  徳島県三好市出身。家族は妻と長男。趣味は、読書とゴルフという。 "[he-forum 13620] 毎日新聞愛媛9/10 毎日新聞愛媛版2008年9月10日付 県:9月補正予算案、一般会計総額100億4383万円 /愛媛 ◇原油高騰、地域医療対策、柱に  加戸守行知事は9日、県の9月補正予算案を発表した。一般会計は総額100億4383万円で、原油価格高騰対策▽地域医療を担う医師確保▽三浦工業創始者、故三浦保さんの遺志で県に贈られた株を元にした「三浦保」愛基金を活用し、福祉や環境分野などで県直営事業を展開▽情報・交通基盤整備--が柱となる。特別会計、企業会計を合わせると159億2479万円で、9月補正予算としては昨年度(56億6640万円)を大きく上回ったが、加戸知事は「原油高騰対策などを除けば、引き続き緊縮型予算」と説明した。16日開会の9月定例県議会に提案する。  一般会計のうち原油価格高騰対策は、中小企業振興資金貸付金のうち、原油価格高騰等・経済変動対策資金に54億円を上乗せする。  その他主な新規事業では、地域医療の医師確保に向け愛媛大に寄付講座を設けるため863万円を計上。「三浦保」愛基金からも「愛媛の救急医療を守る県民運動」推進事業費として250万円を支出し、救急受け入れ患者実態調査や救急医療講習会開催費などに充てる。同基金からは、少子化対策として年内に新設する「えひめ結婚支援センター」(仮称)運営事業費499万円などにも支出する。また情報・交通基盤の整備では、地上デジタル放送難視聴地域解消支援事業費に3850万円を計上した。  特別会計では、県中小企業振興資金特別会計の補正として、えひめ中小企業応援ファンド追加造成事業費に51億円を新規計上し、販路開拓や技術開発の支援などに充てる。【古谷秀綱】  ◇プルサーマル計画考慮、核燃料税率13%へ引き上げ 増収22億円見込む--議会提案へ  9月定例議会には、県核燃料税条例案や県地域医療医師確保奨学金貸与条例案など計28議案が提案される。  核燃料税は原発立地に伴い四国電力から納められる法定外普通税で、79年に新設され5年ごとに延長されてきた。今回は他県に先駆けてプルサーマル計画が実施されることも考慮し、現行税率10%を13%に引き上げる。全国では税率12%が中心で、可決されれば課税方式の違う福島県(税率換算で14%相当)に次ぐ高い税率となる。来年1月15日の施行から向こう5年間の税収は94億円となる見通し。税率据え置きの場合に比べ22億円の増収が見込まれる。  これまでは県事業に使われてきたが、税率アップを機に原発の地元市町(八幡浜市、伊方町)に対する交付金、または補助金としての活用も検討する。使途は放射線監視強化や緊急避難路確保・地域振興のための道路整備などを想定している。【古谷秀綱】 "[he-forum 13621] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に37号] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に37号 Date: Thu, 11 Sep 2008 21:08:44 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org To: NQJ35480@nifty.com ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 37号 2008年9月11日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 臨時国会直前に福田首相が辞任しました。支持率低迷の果ての辞任 だから、政権を投げ出したというよりも投げ出さざるをえなかった、 というべきでしょう。世論が福田政権を追い出したといってもいい のではないかと思います。共謀罪廃案までもう一歩です。 ────────────────────────────── 37号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  9/20 Peace Day Tokyo 2008  9/30 共謀罪反対院内集会 ■国会情勢  福田辞任と茶番の自民党総裁選劇 ■ニュースほか  共謀罪特集記事(東京新聞)  アメリカでの「三浦事件」  「自民党一党劇場」の悪夢を終わらせるために(どこどこ日記) ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆9/20 東京・イベント ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  Peace Day Tokyo 2008  武力で平和はつくれない ともに生きられる世界へ  http://www.worldpeacenow.jp/  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき:9月20日(土)12:00~15:00    パレード出発15:30/ブース出店時間11:00~15:30 ところ:東京・港区 芝公園4号地 ○JR浜松町駅徒歩12分、都営地下鉄三田線御成門駅徒歩2分、大江 戸線赤羽橋駅徒歩2分 http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/map001.html ◇主催:WORLD PEACE NOW http://www.worldpeacenow.jp/ ◇連絡先  許すな!憲法改悪・市民連絡会 Tel.03-3221-4668/アジア太平  洋平和フォーラム(APPF) Tel.03-3252-7651/日本消費者連盟   Tel.03-5155-4765/ピースボート Tel.03-3363-8047/平和をつ  くり出す宗教者ネット Tel.03-3461-9363  ▼詳しいことはこちらから  http://www.worldpeacenow.jp/080920.html ◆9/30 東京・院内集会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  9・30 共謀罪に反対する市民と議員の院内集会  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 9月30日(火)12時30分~14時 ところ 衆議院第2議員会館第4会議室 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm ◇発言  国会議員、法律家、市民団体 など  │いま、安倍首相に続く福田首相の辞任と日本の政治は大き  │な転機を迎えています。私たちは、こうした時代だからこ  │そ市民が大きな声をはりあげていかなくてはならないと考  │えています。  │自由な言論は、市民にとって必要不可欠なものです。共謀  │罪は自由な言論を否定する悪法です。今度の臨時国会で共  │謀罪の審議入り・成立を許さず、廃案への道を開きましょ  │う。 ◇共催  共謀罪法案反対NGO・NPO共同アピール  共謀罪に反対するネットワーク ◇連絡先  日本消費者連盟 Tel.03-5155-4765  アムネスティ・インターナショナル日本 Tel.03-3518-6777  反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC) Tel.03-3568-7709 ────────────────────────────── ■国会情勢■ ────────────────────────────── ◆自民党の惨状━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  福田辞任と茶番の自民党総裁選劇  ─ 次の衆議院選挙で政権交代を実現しよう ─  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇どん詰まりの自民党政権  福田首相が辞任しました。昨年の安倍辞任に続く今回の辞任劇は もはや自民党が、政権担当能力を喪失しているという、どん詰まり の危機にあることを示しました。  福田辞任後の自民党総裁選劇は、いまや自民党が多数の立候補者 による小手先の演出で世論の関心をひく以外ないという惨状をつき だしています。  確かに総裁選劇で自民党は一定の支持率の上昇をえることができ るでしょう。しかし、今回の自民党総裁選が、安倍、福田という二 人の政権投げ出しというかつてない危機に規定されたものである以 上、福田・自民党の思惑の破綻は必至です。 ◇市民を愚弄する自民党  今日の日本の構造的な矛楯は、歴代の自民党政権によってつくら れてきたものです。上げ潮派も財政出動派もいままでの自民党政治 の枠内のものにすぎず、なんら現状の危機を突破する方向を打ち出 せるはずもありません。  安倍、福田の辞任は、歴代の自民党政権がつくりあげてきた構造 的矛楯の激化に対応できない自民党の現状をしめすものです。  目先の総裁選劇を華々しく演出することで、衆議院選をのりきり、 政権を維持しようとする自民党の策動は市民を愚弄するものであり、 厳しく批判さんれなくてはなりません。 ◇今こそ、自民党政権にノーを! 共謀罪廃案へ!  福田辞任によって早まる衆議院選挙で、今こそ自民党政権にノー を突きつけましょう。  市民は、自民党政治にかわる、平和、人権、環境、生活を重視す る政治、政党を求めています。衆議院選挙で市民が大挙主権者とし て登場していくことが歴史の転換を実現していく道です。  次の選挙で与野党交代を実現しましょう。そして、共謀罪廃案へ の道をひらきましょう。 _____________  解説:臨時国会と共謀罪  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   衆議院が解散し、臨時国会が閉会になれば、共謀罪新設法案を  はじめ、衆議院に提出されている全法案が廃案になります。たと  え、共謀罪新設法案が衆議院で成立し、参議院に送られ審議され  ていても、衆議院が解散になれば、政権がかわることになるわけ  ですから、継続審議とはならず廃案になります。   したがって、臨時国会で共謀罪成立を阻止できれば、共謀罪は  3度目の廃案ということになります。1つの法案が3度も廃案にな  るということはその法案が問題法案であることを示すもので、共  謀罪の最後的な廃案の可能性がみえてきます。   しかし、自民党・法務省は、なんとか共謀罪を成立させられな  いかと悪あがきをするでしょう。廃案を確実にするのためにも、  私たち市民が国会にむけて共謀罪反対を繰り返しアピールする必  要があります。 ────────────────────────────── ■ニュース■ ────────────────────────────── ◆共謀罪特集──────  8/17付の東京新聞特報部のコーナーで「帰ってくる?共謀罪 前 法相がG8で約束 秋の臨時国会狙う?」を特集。  衆議院総選挙後では共謀罪の成立は困難なので、政府・与党が臨 時国会で勝負に出る可能性があるとし、最近の与党の動向、サイバー の分離案、警察学論集に掲載された共謀罪立法化に賛成する論文な ども紹介。 ◇東京新聞特報部(詳細は有料) http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2008081702000114.html ◆アメリカでの「三浦裁判」──────  マスコミ各社は現地時間9月5日にロス郡地裁で結審し、判決では 一事不再理と逮捕容疑に含まれる米国の共謀罪での訴追の是非が焦 点になっていると報じている。 ◇東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008090602000257.html ◇朝日新聞 http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY200809060043.html ────────────────────────────── ■政党のウエッブサイトから■ ────────────────────────────── ◆社民党────────────────── ◇保坂展人議員ブログ「どこどこ日記」  「自民党一党劇場」の悪夢を終わらせるために(2008.9.6) http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/12c56ee8d2bf6b52924323bcd771c86e 「『結局、何が改革なのか、何が政策なのか、ワイワイ言いすぎて 違いが判らなかった。まあ、自民党だから一緒と言えば無理もない けど』というクールな視線を生んでいくような気がする。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第37号おわり・このメルマガは不定期発行です> ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます ━【まぐまぐ!からのお知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         ★男の髪型に関する女性のホンネが満載!★ 「男のクセに○○○は許せない!」「○○○には、色気が漂ってます」 そのほかの意見はこちら⇒ http://rd2.mag2.com/r?aid=19993&rid=18 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca d'informatica e linguistica Universita' Nagoya. Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13622] 時事通信9/12 時事通信2008年9月12日5時12分 iPS細胞の特許成立=京都大学  京都大は11日、山中伸弥教授が世界で初めて作った人工多能性幹(iPS)細胞の特許が国内で成立したと発表した。特許は山中教授が特定した4つの遺伝子を体細胞に導入してiPS細胞を作成する方法。特許の文言には「体細胞」としか書かれておらず、京大は「ヒトも含まれる」とみている。  世界では3つの遺伝子や化合物で作成する方法の開発が進められている。今回の特許で権利を主張できる範囲について、記者会見した松本紘次期総長らは「判断するのは裁判所」としつつも、「他の権利も確保されていくようにする」と述べた。  京大は2006年12月に特許を国際出願し、今年5月に日本で一部を分割して出願。今回、この分割した特許が認められた。他に約20の国と地域にも出願。国際出願に先立ち、05年12月に国内で出願しており、特許はこの時期にさかのぼって優先されるという。   今後は京大と金融3社が作った特許管理会社が営利企業にライセンスを提供する。非営利機関は無料。会見で京大産官学連携センターの寺西豊教授は「経済的な価値がどう認められるかは分かりかねるが、(スタンフォード大学に多額の利益をもたらした)遺伝子組み換え特許のように成長してもらいたい」と話した。 "[he-forum 13623] 河北新報9/12 河北新報2008年9月12日付 東北大42億円で4位 07年度国立大利益  文部科学省が11日公表した、法人化している国立大86校と自然科学研究機構など4つの大学共同利用機関の2007年度決算状況によると、利益総額は前年度より約130億円増の計約903億円だった。  政府方針で運営費交付金が削減されたが、受託研究の収益などが伸びたのが要因。一方で、教員の人件費は2年連続減の約6540億円で、文科省は「減少が続けば、中長期的に教育研究機能の低下につながる」としている。  大学別の総利益は、京都大の約63億円が最高。約57億円の大阪大、約55億円の北海道大、約42億円の東北大が続いた。  07年度は、国による出資など実質的に税金で負担した経費を示す「業務実施コスト」が約1兆4084億円となり、国立大などが法人化した04年度より13%減少。財務体質の改善が進んでいることがうかがえた。  研究施設などの減価償却費約3432億円は法人化後の最低で、耐用年数が過ぎた施設の使用を続けていることが要因とみられる。 "[he-forum 13624] 福井新聞9/12 福井新聞2008年9月12日付 法人化元年8800万黒字 県立大07年度決算  県立大と福井大は11日、2007年度の決算を発表した。公立大学法人化して初の決算となる県立大は、外部研究資金の獲得や経費節減に積極的に取り組んだ結果、当期総利益は約8800万円と初年度から黒字となった。福井大も法人化以降、4年連続の黒字だった。  県立大の経常収益(収入)は、県からの運営費交付金26億3100万円を柱に37億8300万円。国からの受託研究や企業との共同研究など外部研究資金は約8400万円で、前年度に比べて約1900万円増えた。経常費用(支出)は36億9600万円で、教員人件費17億5200万円、研究経費4億4100万円などだった。  法人化1年目の決算が黒字となったことについて、県立大側は「外部研究資金の獲得に力を入れ、学部別予算制度で光熱費などの経費節減に努めた表れ」としている。  同日、県が発表した県立大の07年度業務実績評価書によると、同大評価委員会が中期計画の「重点項目」26項目を審査した結果、「特筆すべき進行状況(S)」が2項目、「計画通り進んでいる(A)」が23項目、「やや遅れている(B)」が1項目だった。  法人化4年目となった福井大の決算は、当期総利益が約12億8000万円。医学部附属病院関係の償還金などを除いた実質的な利益は、前年度比約2000万円減の約2億6000万円だった。  経常収益は約259億3000万円で、約5億8000万円増。附属病院の収益が入院・外来患者の増加などで約14億4000万円増の117億1000万円だった。経常費用は約3000万円減の約246億8000万円。  同大財務課は、国からの運営費交付金が削減される中で、病院の収入アップに努め、経費節減を図ったことが前年並みの利益確保につながったとみている。 "[he-forum 13625] 共同通信9/11 共同通信2008年9月11日15時50分 中教審に大学教育を諮問 制度再構成や質確保で  中教審(山崎正和会長)の総会が11日、都内で開かれ、鈴木恒夫文部科学相は「18歳人口の減少や国際化の中で、中長期的な大学教育全体の在り方を見直さなければならない」として、大学教育制度の再構成や質保証の仕組み、国際競争力向上策などを諮問した。  審議を求めた主な事項は(1)社会や学生からの多様なニーズに対応する教育(2)学士や修士など学位の質を保証する仕組み(3)国際的に通用する競争力や大学評価-など。今後、大学分科会で議論していく。  大学は、志願者数と入学者数が一致する「全入時代」の到来を受け、教育の質低下が懸念されている。中教審は2005年1月に「学部学科や研究科といった組織本位の発想を改め、学位を与えるのにふさわしい体系的な教育課程をつくる必要がある」とする答申をしたほか、今年3月には卒業認定厳格化などを求める提言をまとめている。 "[he-forum 13626] 静岡新聞9/12 静岡新聞2008年9月12日付 生命と環境テーマに大学院交流 静大、県大、東海大  静岡大、県立大、東海大の県内国公私立3大学は30日、「単位互換・学術交流に関する協定」を締結する。「生命と環境」をキーワードに大学院交流を促進し、教育、研究、地域連携の各方面で活性化を図る。  協定により他大の大学院で修得した単位を、所属する大学院の単位として認定する。将来的には教員、学生相互の共同研究や試料収集、機器・施設の利用を進め、地域ニーズに応える研究を展開したい考え。  「生命と環境」をキーワードとしたのは、各大学院ともこれらの学問分野で専門的な教育、研究を進めてきた上、県中・東部地域が全国有数の食品、化学、薬品などバイオ関連産業の集積地であるため。協定に先立ち、3大学は4月、「静岡3大学生命・環境コンソーシアム推進協議会」を設立し、連携や交流の方策を練ってきた。 "[he-forum 13627] 東京新聞茨城9/12 東京新聞茨城版2008年9月12日付 地場産業で教員資質 茨大大学院養成プログラムが採択  人材養成を目的とした大学院の取り組みを支援する文部科学省の二〇〇八年度大学院教育改革支援プログラム事業で、地場産業を素材に授業の方法論や教員に必要な資質を養う茨城大大学院教育学研究科のプログラムが採択された。同大が十一日、発表した。  同大大学院のプログラムは教職大学院と同程度に高度な教育を通常の大学院で実現する試み。素材には県内で盛んな養豚を想定。生産から消費までの過程で、学生が各専門の観点から課題を掘り起こし、教材を作成したり授業で活用したりする。実地調査や模擬授業などの実践を重視する。  例えば、流通や食育の観点のほか、物語で豚がどう扱われているかという国語的視点、殺生の倫理的視点などが考えられるという。  教員を目指す大卒者や現役教員ら同研究科修士一年約五十人を対象に、〇九年度から導入する。将来的には、農畜産業を中心に他の素材も扱う。 (高橋淳) "[he-forum 13628] 毎日新聞9/12 毎日新聞2008年9月12日付 鈴木文科相:「大学縮小」議論を 中教審に諮問、再編で「質」確保  鈴木恒夫文部科学相は11日、人口減少時代などに対応した大学のあり方の審議を、中央教育審議会に諮問した。文科省は全国に86校ある国立大学の再編も視野に、公立や私立も含め大学の規模縮小を検討しており、国の高等教育政策の大転換点となる可能性がある。審議の行方次第では大学の再編・淘汰(とうた)が一気に加速しそうだ。  「大学全入時代」で定員充足率の低い大学が増え、教育の質低下が懸念されていることから、鈴木文科相は「転換と革新の議論が必要」と説明。委員からは「補助金の出し方をしっかり議論すべきだ」などの意見が出た。  審議では、大学新設の抑制など設置基準の見直しも検討する見通し。得意分野に取り組みを集中させる「機能別分化」と大学間連携の促進策や、学部学科の枠にとらわれない「学位プログラム」の導入も審議する。文科省幹部は「国立大同士の統合や公立への移管も議論対象になる」としている。【加藤隆寛】 "[he-forum 13629] 朝日新聞9/11 朝日新聞2008年9月11日付 世界の大学ランキング 東大19位、京大23位     中国の上海交通大学高等教育研究所が、「08年世界の大学学術ランキング」を発表した。東京大はアジアで1位、京都大は2位に入ったものの、世界レベルでは米国の大学に圧倒され、それぞれ19位、23位にとどまった。  研究所が03年から始めたもので、英タイムズ紙別冊高等教育版のランキングとともに世界的に有名なランキングの一つ。ノーベル賞、フィールズ賞を受賞した卒業生や教員数、各分野で引用回数が多い教員数、科学誌「ネイチャー」「サイエンス」への発表論文数などを得点化してランクづけしている。  それによると、1位は米ハーバード大、2位は米スタンフォード大、3位は米カリフォルニア大バークリー校で、18位までのうち、16校が米国の大学。昨年20位の東大は順位を一つ上げたが、22位の京大は一つ落とした。  日本でベスト100入りしたのは東大、京大のほか、大阪大(68位)と東北大(79位)の2校。200位までには、九州大、名古屋大、東京工業大、北海道大、筑波大も加わり、計9校が名を連ねた。(杉本潔) "[he-forum 13630] 日本経済新聞北陸9/12 日本経済新聞北陸版2008年9月12日付 金沢大、黒字に転換 07年度決算 富山・北陸先端大は減益  北陸3県の国立大学は11日、2007年度決算を発表した。付属病院の収益改善が寄与し、金沢大学は純損益が2年ぶりに黒字を確保。福井大学は人件費削減が奏功し純利益が倍増した。半面、教育・研究費を増やした富山大学と北陸先端科学技術大学院大学は純利益が減った。少子化や運営費交付金の減少など大学経営を取り巻く環境は依然厳しく、各大学は一段の経費削減と外部資金の取り込みを急ぐ。  金沢大は付属病院で看護師を増やして人件費が拡大した一方、手術件数や外来患者の増加により病院の収益が改善し、黒字転換した。福井大も運営費交付金が7億円減る一方、給与体系の見直しなど人件費削減に加え、付属病院の入院・外来患者の増加も寄与し、大幅増益になった。  富山大は増収減益。産官学地域連携による受託研究、受託事業が約4000万円ずつ増えるなど外部資金の導入が進んだが、教育・研究経費がかさんだことが減益につながった。北陸先端大も光熱費など一般管理費の経費削減などに努めたが、教育・研究費が7000万円増え、減益になった。 "[he-forum 13631] 9/15しんぶん赤旗 2008年9月15日(月)「しんぶん赤旗」 全大教が教研集会  全国大学高専教職員組合(全大教、高木正見委員長)の第二十回教職 員研究集会が十三日、電気通信大学(東京都調布市)で開かれ、全国か ら約百四十人の教職員が参加しました。  基調報告では、国立大学法人に移行して四年間の運営費交付金の減額 に加え、閣議決定で概算要求枠をマイナス3%に決めたことを批判、こ うした状況が続けば「地方大学をはじめ国公立大学の衰退、高等教育総 体の衰退をもたらす」と、政府に高等教育費増額の方向に政策のかじを きることを要求。現状を打開するために「組合の役割は大きく、過半数 組合づくりの運動を精力的にすすめよう」とよびかけました。  集会では、電気通信大学の梶谷誠学長が来賓あいさつし、「高等教育 への政府の施策はきわめて貧困。わが国の基盤である人材力が弱体化す る」とのべました。また、「大学法人化の現状・課題・展望」と題して 金子元久・東京大学大学院教授が記念講演。国立大学の役割をめぐる議 論が必要であり、教育研究の質的中核、高等教育の機会均等など国立大 学の役割についてのべ、その質的改善には「下からの運動が大事だ」と 語りました。  影山任佐・東京工業大学教授が「キャンパスから過重労働とストレス 性障害をなくすために」と題して特別講演しました。 "[he-forum 13632] 毎日新聞高知9/13 毎日新聞高知版2008年9月13日付 高知大学長選不正:行政訴訟 国の裁判所移送申し立てを却下--地裁  高知大学長選考に不正があったとして、高橋正征・同大名誉教授らが国に学長任命行為の取り消しを求めている行政訴訟で、高知地裁は12日までに国側が求めていた東京地裁または高松地裁への移送申し立てを却下した。  行政事件訴訟法では、行政庁を被告とする取消訴訟はその行政庁の所在地の裁判所で行うとする一方、事案処理にあたった「下級行政機関」の所在地の裁判所でも行うことができると定めている。  国側は、高知大は行政組織法上、文部科学省の「下級行政機関」に該当しないと主張。これに対し高知地裁は、高知大は学長選考会議や学内意向投票などを行って学長候補者を選び、文部科学相に推薦したことなどを指摘。高知大が「学長任命処分について事案の処理そのものに実質的に関与したと評価できる」と判断した。  決定に対しては即時抗告ができるが、国側の高松法務局担当官は「今後の対応は関係各省と検討中。1週間内に判断する」としている。【千脇康平】 "[he-forum 13633] 朝日新聞9/16 朝日新聞2008年9月16日付 存在意義 探る女子大  女子大が急速に減っている。この10年で2割近くが共学化するなどして姿を消した。大学間競争が激化するなか、男子にも門戸を開いて志願者増を狙おうという動きだが、そもそも背景には受験生の女子大離れがある。不要論も再燃している。女子大の存在意義はどこに――。(石川智也) ◆「リーダーシップを育つ」  「女性のエンパワーメント(力を与える)に力を注いでいるのは女子大だけ」「男女共同参画社会の実現に不可欠です」  7月中旬。「21世紀に生きる女子大学」と題されたシンポジウムで、お茶の水女子、奈良女子、津田塾、東京女子、日本女子という日本の女子高等教育を牽引(けんいん)してきた大学の学長が東京都内の国際会議場で一堂に会した。5学長は口々に女子大の存在意義をアピールした。  特に強調されたのは「リーダーシップが育つ」という点。米国では、女子大は共学より女性リーダー輩出率が高い、という複数の研究がある。「男性の役割を女性が果たさなければならず、意思決定に携わる機会が多い」と津田塾大の飯野正子学長。東京女子大の湊晶子学長も「18~22歳の時に男性が近くにいると、どうしても頼ってしまう。女性しかいない環境なら自然に決断力が身につく」。  日本の女性管理職の女性比率は10%(07年男女共同参画白書)。ドイツ37%、米国43%との差はまだ大きい。「女子大の役割は終わっていないどころか増している」。主催したお茶の水の郷通子学長は「これまであまり(PRを)やってこなかった。発信が大切」とまとめた。 ◆社会進出進み不要論が浮上  シンポには約200人が参加。パネリストから、「貧困や格差は男支配のなれの果て。女子大の役割は男性の再教育」という発言も飛び出し、盛り上がった。だが、使命の再確認を迫られるほど女子大への逆風は強くなっているともいえる。  女子大は戦後の民主社会にふさわしい女性を育てるという積極的意義を持ちながらも、共学を原則とする新学制の下では、「女性の教育機会を増やすための過渡的な補助手段という政策的な側面もあった」と指摘するのは、湯川次義・早稲田大教授(女子高等教育史)だ。男子系大学側の受け入れ態勢の遅れや共学に対する保護者側のためらいも残っていたためという。  しかし、女性の社会進出も進み、不要論や懐疑論が浮上。良妻賢母教育のイメージから脱却しようと、多くの大学が80~90年代、学部や学科から「家政」の看板を降ろした。  70年に6.5%だった女子の大学進学率は07年は40.6%。日本私立学校振興・共済事業団によると、全国の私立女子大75校の今年度の志願倍率は4.8倍、定員充足率は103.9%で、全私立大の6.8倍、106.5%を大きく下回った。予備校のデータでは、老舗(しにせ)の「名門女子大」の入試難易度も、20年前と比べて軒並み下がっている。  国立の女子大は、お茶の水、奈良女子の二つ。その奈良女子大も「女子大という理由で入学した学生は9%」。高知県は県立高知女子大について、10年度からの共学化を目指す。県は「女子のみの高等教育機関を税金で運営することへの疑問が高まった。法の下の平等からもおかしいとの声もあった」と説明する。4年制大学は増え続ける一方で、女子大はピーク時の98年の99校から、82校に減った。 ◆実学志向、共同で大学院も  女子大有用論者の神戸女学院大の内田樹教授は「市場化、規格化する社会への対抗文化としても女子大は存在意義がある。同じ基準で比べられない大学が多数あるのが健全で、女子大は共学大の模倣や社会ニーズの後追いはやめるべきだ」と話す。  一方で、学生が集まらなければ経営が成り立たないという現実が重くのしかかる。女子大として残る道を選んだ大学では、積極的な巻き返し策を図る。  甲南女子大(神戸市)は06年度に保育士や幼稚園教諭の資格を取れる「総合子ども学科」を設け、昨年度も「看護リハビリテーション学部」を新設。介護や子育てのプロ養成という社会ニーズに合った実学を導入した。  大妻女子、実践女子、昭和女子など都内5大学は、共同の教職大学院を10年に開校する。女子学生に人気が高い教員養成分野の競争力を高めるためだ。経営環境が厳しくなるなか、ライバル校同士の連合は女子大の生き残り策として注目を集める。  7月のシンポに参加した5大学は、国内だけでなく、男女差別の残る途上国での女子教育支援という新たな使命も掲げている。02年から連合をつくり、アフガニスタンの女性指導者を研修に招いている。湯川教授は「共学大が関心を払わない分野に取り組むなどして魅力ある大学になることが必要。それを満たした大学は存続していくのでは」と話している。 「キャンパスきれい」「変な虫つかない」 受験控えた高校生親子に聞く  夏休み中の女子大のオープンキャンパスに出かけ、受験を控える高校生に聞いてみた。  東京女子大に群馬県から来た鈴木璃子さん(17)は「英語教育がしっかりしている大学を選ぼうと思った。特に女子大へのこだわりはない。第1希望は共学だし」。ただ、母親の啓子さん(49)は「私たちの世代にはブランドの大学。入学してほしいという思いもあるけど……」。  埼玉県の佐藤由弥子さん(18)は「5、6校まわったけど、やっぱり女子大の方がキャンパスがきれい。女子大への不安はあるけど少人数で就職の面倒見もいいと聞き、今は心が傾いている」。  日本女子大も親子連れが目立った。長野市の佐藤優さん(17)は「中高と女子校だったので、大学は共学がいい。女子だけだと世界が狭くなりそう」。でも、父親(42)は「一人暮らしになるので女子大の方が安心。変な虫もつかなそうだ」。親の方が積極的というケースも多く、津田塾大でも、都内の高校生(18)は「女子大か共学かにこだわりはないけど、母親が卒業生なので、勧められて来た」と話した。 "[he-forum 13634] 読売新聞9/15 読売新聞2008年9月15日付 島大・鳥大・神大・兵庫医科大…若手医師確保へ相互交流 10月にも開始  島根大医学部と鳥取、神戸両大医学部、兵庫医科大の研修医が互いの大学病院で研修できる「山陰と阪神を結ぶ医療人養成プログラム」が10月にもスタートする。若手医師確保のため、各大学の得意分野を学べる魅力ある研修プログラムでアピールしようと各大学が協力して企画し、文部科学省の選定を受けた。  2004年度の医療制度改革以降、地方の大学病院から研修医が流出している問題を受け、文科省は今年度から複数の大学病院が連携し、それぞれの得意分野を生かして研修できる「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」をスタート。全国から28件の応募があり、4大学のものなど19件が選定された。  心臓外科に強い神戸大、脳卒中など神経内科が得意な島根大など、それぞれに得意分野がある。大学の壁を超えることで、より高度な専門医や研究者を育てるのが狙いで、他大学では1か月から1年程度の研修を受ける。例えば内分泌内科(糖尿病重点)専門医コースは、島根大病院で1年間研修した研修医が、県内の糖尿病症例の多い病院で研修した後、兵庫の糖尿病診療の拠点である神戸大病院に半年間勤め、島根大病院に戻る。  島根大医学部は毎年95人が卒業するが、卒業後も同大で研修を続ける人は2割以下という。小林祥泰・同大病院長は「この事業で大学に魅力を感じてもらい、卒業生の半数以上に残ってもらえれば」と期待している。 "[he-forum 13635] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレターNo.7 ニュースレター NO.7  2008、9、1 公正な学長選考を求める裁判を支える会   事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内   (TEL/FAX 088-844-1489) ○ 行政裁判 第一回口頭弁論へ     いよいよ行政裁判の第一回口頭弁論が9月19日にせまりました。    民事裁判の取り下げ(6月23日)から3ケ月が経ち、私たちはいま満を持し て行政訴訟に向かおうとしています。  裁判での主張のポイントは以下の3点です:  1 権限のない職員が開票済み投票用紙の入った金庫を開けるなどの不正行為 があったにもかかわらず、選考が行われたこと。  2 41票差と1票差の二つの投票結果が確定されないまま選考が行われたこ と。  3 高知大学から文部科学省への上申において、学長選考会議での議論と異な って、41票差の投票結果のみが報告されたこと。  これらの重大な手続き違背の違法があることから、係る学長選考会議による学 長選考は無効となり、それゆえに文部科学大臣は学長任命を拒否する義務を負う ものと考えられます。それにもかかわらず、文部科学大臣が学長を任命したこと は、この義務に違反する違法なものであるということを根拠とし、今回の行政訴 訟では、文部科学大臣による「学長任命処分取り消し」を求めているのです。    私たちは、この行政訴訟で、今回の学長選考過程及びそれに続く任命処分に至 る数々の問題点を白日の下に晒し、口頭弁論と審理を通じて、公正で透明な大学 を取り戻したいと考えています。そして、この目標に達するために、まず「原告 適格」の問題を乗り越え、我々が求めている真相究明に迫らなければなりません。 今回の行政訴訟では、民事訴訟の原告であった高橋正征名誉教授(前黒潮圏海洋 科学研究科長、学長候補者)に、根小田渡名誉教授(前人文学部長、学長選考会 議委員)が加わり,原告は2名となっています。    ニュースレター第6号において、「実質上、構成員全員が原告になったつもり で裁判に臨みたい」と書きましたが、私たちは二人の原告をしっかり支え、さら に,真相究明と公正で透明な大学運営を求める運動を広範に展開していくことが 重要です。今回、裁判の相手が「国」に変わったことで、「お上に逆らうのはよ くないのではないか」というためらいを感じている人もあるかもしれません。し かし,高知大学を再生させるために、私たちがあきらめずにこの局面を乗り越え る連帯の意識をもつことは、在学生と卒業生そしてこれから高知大学に入学する 学生諸君が持つ高知大学に対する誇りに応えることにつながります。  9月19日の第一回口頭弁論に向けて、人々の大きな輪を作り出しましょう!  大学関係者のみではなく、全国に向けてこの裁判の意義を訴え、それを支持す る広範な「世論」を作り出しましょう! ○ 雑誌JWの残部がありますので「特価」にてお分けします  『裁判を支える会ニュース』第四号でご紹介した、『JW(ジュディシャル・ ワールド)』(リーダーズノート社)vol.3の残部が10部程度本会にあります。 定価は700円ですが若干回覧に使ったものなので(しかし、ほぼ新品)500 円で希望する方にお分けします。  生協など高知大学周辺では、この種の本(司法誌)としてはかなり売れ行きが よかったようです。関係者の関心の高さが伺われます。うっかり買いそびれた方、 グループで回覧用にほしい方、この機会に買ってみてはいかがでしょうか。グル ープで学長選考に関して勉強する場合などにも使えると思います。購入ご希望の 方は事務局までご一報下さい。    再度内容をご紹介しておくと、本学の学長選考に関する記事のタイトルは「泥 沼化する国立大学 『学長選出』」(取材・文 富田充氏)です。そこでは、私 たちの大学で起こったことについて10ページに渡って詳しく解説がなされてい ます。きちんとした取材に基づいて本学の学長選考規則の問題点や実際の学長選 考でどのようなことが起こったのかなどについて、図入りで分かり易く説明が行 われています。本会の代表や「公正な学長選考を求める会」あるいは学生の会代 表のコメントもきちんと収録されています。(大学側は相変わらずコメント拒否 ですが)  今後の裁判の展開を考えると、本記事で記載されている「本書が書店にならぶ 4月下旬には、相良祐輔高知大学長が正式に決まっている可能性がある」「しか し、学長選出手続きに違法性が疑われるからこそ、ことは告発や訴訟にまで発展 している。それでも「任命」されるのなら、当の文科省には、高知大の係争をシ ロと見るだけの確信があるのだろう。」という結びはいささか予言的でもありま す。  いずれにしても、『JW』はこれまで本学で起こったことに関する適切な解説 であると同時に、今後の方向を考える意味でも大いに参考になるものです。 「学長任命処分取消請求事件」第一回口頭弁論 9月19日〔金〕  11:00~ 於 高知地裁 "[he-forum 13636] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.8 ニュースレター NO.8   2008、9,15 公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489) ○ 刑事告発の不起訴処分に対して「検察審査会」に不服申し立てへ!  すでに新聞等で報道されているように、昨年12月に私たちが行った「公用文 書毀棄」及び「偽計業務妨害」の刑事告発について、高知地検は嫌疑不十分で不 起訴処分とする決定をくだしました。「嫌疑不十分」とは「全く嫌疑がないわけ ではないが、立件するに足る物的証拠などが足りない」ということのようです。 私たちはこの不起訴処分という決定を不服として検察審査会に申し立てる方針を 固めました。    検察側の不起訴の論拠は以下の2点です。  1 数えまちがえた可能性が高い。  2 投票用紙を偽造するのは難しいので票のすり替えがあった可能性は低い。  これらの判断の根拠となったのは、関係者への「事情聴取」及び任意提出され た投票用紙ですが、いずれも十分に調査・検討されたとは言えません。 まず、検察は告発した私たちへの事情聴取すら一切行いませんでした。実は、私 たちの許には開票に関わった教職員等から「ミスの可能性はほとんどない。もし 必要なら証人として自分の名前を挙げてもらって構わない」という勇気ある申し 出が多数寄せられていました。しかし、私たちはこれらの申し出を検察に伝える 機会をまったく持てなかったのです。  弁護団を通じて確認したところでは、大学関係者からの事情聴取は「数え間違 いを発見した」職員1名(転勤したもう1名の職員からは聞いて聴取していない ようです)に対して行ったとのことです。新聞は「開票作業が杜撰であった」と いう検察の判断を報じていましたが、その記事を読んだほとんどの人は違和感を 持ったのではないでしょうか。つまり、その判断は係る問題に最も近い人物だけ の証言?に基づいて行われた可能性が高いからです。    また、唯一の「物的証拠」である投票用紙に関しても「第三者が容易に偽造で きる物ではない」(『高知新聞』)という状況認識のみで、第三者または当事者 が「精巧に」偽造した可能性や印刷業者がなんらかの形で不正行為に関わってい る可能性については十分検討・捜査が行われていないようです。    以上のように、今回の不起訴処分については、その捜査のやり方があまりにも 皮相的であるので,導かれた結論は到底納得できるものではありません。検察審 査会への申し立てをすることは、この問題を注視している国民と社会に対し, 「不起訴処分がただちに不正がなかったことを意味するものではない=不正の可 能性は払拭できないされていない」ことをと発信していくという意義があります。 検察審査会の議決には拘束力がない(「検察審査会とは」参照)という問題はあ りますが、世論を背景に、検察がもっと綿密に捜査を尽くすよう,検察審査会へ 申し立てを行うことにし、弁護団にその準備を依頼しました。  特に開票作業について関係者へのきちんとした事情聴取が行われないまま、 「開票が杜撰であった」という大学側の一方的な主張があたかも事実であるかの ように扱われるとすれば、今後の裁判の行方のみならず、高知大学の名誉にとっ ても極めて重大な問題であると考えます。開票作業に関わった全ての教職員の名 誉のためにもここで引き下がるわけにはいきません。 ○ 緊急報告!地裁 国側の「移送の申し立て」を却下! 日程は変更の可能性  行政訴訟について緊急の報告があります。9月19日に高知地裁で第一回口頭 弁論を行うということで、これまで準備をしてきになっていましたが、国側から、 東京又は高松の地裁で行うべきであるとの「移送」の申し立てがなされました。 この国側の申し立てはに対し、高知地裁には却下の判断を下しました(9月12 日)されました。しかし,この地裁の決定に対して国側が抗告する可能性が強い あるため、19日に口頭弁論をが行われるかどうかは流動的な情勢となりました。  行政事件訴訟法によれば、裁判は「高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所」 (特定管轄裁判所)で行うのが原則ですが(第12条 4)、「当該処分又は裁 決に関し事案の処理にあたった下級行政機関の所在地の裁判所にも提起できる」 (第12条 3)とも規定されています。私たちはそれその12条3項を根拠と して、高知地裁に提訴したわけですが、ました。今回,国からの「特定管轄裁判 所でやるべき」という申し立てが却下されたことは、これからの行政訴訟のあり 方にも大きな影響を与える画期的なことであると言えます。  口頭弁論が19日に行われるかどうかは国側の対応により微妙です。日程につ いての情報は入り次第お知らせいたします。 ■検察審査会とは?  今回のケースのように「告発」を行う権限は一般市民にもありますが、それを 受けて裁判所に公訴を提起するかどうかの判断は検察にゆだねられています。不 起訴、ないし起訴猶予となった場合、その検察の判断を不服とする者(つまり我 々)の申し立て(不服申し立て)を受けて、検察の判断の適否を審査する機関で す。    11名の委員(一般市民)から構成され任期は6ケ月で、3ケ月ごとに半数が 改選されます。全国に201の審査会が置かれていますが、高知県では、高知、 須崎、中村の3つの審査会があります。  審査会の判断は、「不起訴相当」、「不起訴不当」「起訴相当」の3つがあり ます。「不起訴不当」「起訴相当」の場合には検察は再捜査を行い起訴するかど うかを判断しなければなりません。しかし、最終的な判断は検察が行うため、審 査会で「不起訴不当」「起訴相当」とされ再捜査した事件であっても最終的に不 起訴となる場合も多いようです。 "[he-forum 13637] 朝日新聞9/18 朝日新聞2008年9月18日付 不動産証券化の寄付講座を東京大学公共政策大学院に開設 三井不動産  三井不動産はこのほど、東京大学公共政策大学院に不動産証券化を研究内容とする寄付講座を開設すると発表した。  同講座は、将来の政策課題に対応して、産学官が連携し、有効に政策展開するのに必要な研究を実証的に行うと共に、それに必要な人材を広く国内外から求め、育成していくことを目的としている。  開設期間は、09年4月から12年3月までの3年間。講座名称は、「不動産証券化の明日を拓く」の予定。 "[he-forum 13638] 読売新聞愛媛9/20 読売新聞愛媛版2008年9月20日付 紙産業担い手大学院で育成 愛媛大に全国初 修士コース  愛媛大学は、全国屈指の紙産業集積地である四国の紙産業の担い手を養成する全国初の紙産業大学院修士コースを2010年4月に開設する。経済産業省の「産学連携人材育成事業」の採択を受け、地元の製紙企業や、松山、香川、高知の3大学などから講師を迎え、業界で中核的な人材となり得る若手育成を目指す。  平地の少ない四国では、江戸時代から紙の原料となるコウゾ、ミツマタの栽培が盛んで、和紙の産地として知られた。明治以降、瀬戸内を中心に近代的な製紙業が発展した。  2006年工業統計によると、四国にはパルプ製造業や伝統的和紙製造業など紙関係の435社があり、製造品出荷額は8402億円。そのうち、四国中央市は4810億円を占め、全国一の紙産業集積地となっている。  業界では、大量退職する団塊世代からの技術継承や海外需要に対応した新製品開発が可能な人材確保が課題で、同市や四国中央商工会議所は愛媛大に対し、紙産業に特化した教育課程の設置を要望。同大は、事業委託料として3年間で数千万円を受け取ることができる経産省の制度を活用し、大学院に専門コースを設けることにした。  新設するコースは、愛媛大が管理法人となり、四国中央商工会議所のほか、松山、香川、高知の各大学とで共同事業体を設立。企業や4大学の研究者から13人の講師を募る。  08、09年度中にカリキュラム策定や教材開発などを進め、10年度から年間6人の院生を募集する。1年目は紙産業原論や、紙産業技術史論などの座学を中心とし、2年目に企業や研究施設での現地実習を行って、即戦力となる人材を育てる。  愛媛大農学部の森賀盾雄客員教授は「紙産業の経営から技術論まで総合的な専門知識を学べる場は国内で初めて。紙産業の人材育成拠点を目指したい」としている。 "[he-forum 13639] 北海道新聞9/18 北海道新聞2008年9月18日付 道内5大学が共同大学院 地域医療の担い手育成  札医大と室工大、樽商大、道医療大、千歳科技大の五大学が二〇一二年度に、幅広い専門知識を持った地域医療の担い手を育てる大学院を共同設置することになり、十七日、札医大で連携協定の調印式が行われた。病院経営や医療機器の開発に役立つよう、医学や工学、経営学など多分野の科目を履修できるのが特徴だ。複数の大学による共同大学院は道内初。  共同大学院では、五大学それぞれの教育、研究実績を活用。計画では、医療系大学以外の卒業生は基礎的な医学を必修とし、その上で病院の会計や経営戦略、電子データ活用技術、医療工学などの選択科目を設ける。  一学年二十人程度の修士課程のみで、授業の大半は札幌市中央区に新設予定のサテライトキャンパスで行う。大学院の名称などは未定。  地域医療の充実が求められる一方、特に地方で自治体病院の赤字などが問題になっていることを受け、札医大が設置を呼びかけた。修了者は、経営ノウハウを持った医師や医療にも詳しい自治体職員として、道内各地で活躍することを想定している。  大学院設置への準備期間として、早ければ〇九年度から、五大学それぞれの大学院で地域医療にかかわる共通科目を設け、単位を取得できるようにする。  この日の調印式には、五大学の代表が出席。札医大の今井浩三学長は「新しいタイプの人材を育成することで地域に貢献したい」と決意を述べた。 "[he-forum 13640] 日本経済新聞東北9/20 日本経済新聞東北版2008年9月20日付 東北大と日立、若手交流で新技術 環境・エネルギーテーマに  東北大学と日立製作所は今秋から、若手の人材交流を本格化する。環境とエネルギーを主テーマに、30―40歳の研究者が3カ月ごとに会合を開く。次世代の太陽電池の開発や温室効果ガス削減策などで共同研究を進め、新技術を生み出す狙いだ。  東北大と日立製作所が2006年1月に結んだ連携協定に基づく活動の一環。これまで通信や素材分野などで約100件の共同研究に着手している。  今回始める若手に特化した人材交流では環境やエネルギー、またはこの2分野を組み合わせた新たな研究テーマを発掘していく考え。東北大から工学研究科や環境科学研究科の准教授クラス、日立からは基礎研究所などの研究者が参加する見通しだ。  東北大学は「現場にいる若手の研究者から斬新な切り口の研究テーマを発案してほしい」(産学官連携推進本部)と期待している。 "[he-forum 13641] 山形新聞 山形新聞 本県は年間85億円の流出超過 学生への仕送り額 2008年09月21日 11:44  本県から県外の大学や短大に進学した学生への仕送り額は年間約 159億円で、他県から県内の在学者への仕送り額を差し引くと、年間約 85億円の流出超過になることが20日までに、山形銀行の「やまぎ ん情報開発研究所」の調査で分かった。  進学者への仕送りは家計への負担が重いことから、同研究所は「親世 帯の消費マインドに大きなマイナスの影響を与えるほか、老後の生活資 金など、将来の消費をも圧迫しかねない」と分析している。  県外で学生生活を送る県内出身者は約1万6000人と推計 される。学費を除いた平均的な年間の仕送り額約97万2700 円を掛けると、県外への仕送りの流出は約159億円に上る。一 方、他県から本県へ進学した人は約7600人で、年間約74億 円が流入しているとみられる。  県内高校生の進学状況をみると、昨年度の卒業生1万 2831人のうち、大学や短大に進学した人は前年比2.6%増の 6078人。県外へ進学した人が75%程度を占め、県内の入学者数は 2年連続でマイナスとなった。  全国大学生協連などの調査によると、学生が1カ月に使う生活 費の平均額約12万円のうち、7割近くが仕送りとなってい る。近年、学生がアルバイトなどで得た収入は増加傾向にあるものの、 依然として生活費の多くは親からの援助に依存している。  経済が低成長を続ける中、現役世代の所得が伸びず、親世代を援助す ることは困難になってきている。こうした状況から、学生本人が奨学 金、学資ローン、アルバイトなどを利用して、教育費や生活費を負担す る傾向が強まっているという。同研究所は「親世代の資産減少を抑制 し、老後資金を確保するための有効な対処法として、県内の消費にも好 影響を及ぼすものとみられる」としている。 "[he-forum 13642] 大阪日日新聞9/20 大阪日日新聞2008年9月20日付 公立大として第一級 大阪市立大外部評価  公立大学法人化後2年を経過した大阪市立大について、外部の識者らでつくる評価委員会(委員長・金森順次郎国際高等研究所所長)は19日、2年目の業務実績を「順調に進捗(ちょく)している」とする報告書を平松邦夫市長に提出した。  報告書によると、教育研究の質の向上に向けた取り組みでは「現代的教育ニーズ取組支援」「地域医療等社会ニーズに対応した質の高い医療人要請推進」など、5つの教育プログラムで文部科学省が助成を採択、世界最高水準の人材育成を目指す「グローバルCOEプログラム助成事業」を中心とする先端的都市研究について評価した。  財務内容の改善、効率化については、外部資金獲得のための組織整備を評価する一方で、医学部付属病院において医療サービスの低下を招くことのない経営改善が必要とした。  金森委員長は報告書を提出し、平松市長に対して「公立大学としては第一級の大学。市としても英知を市政に活用していただきたい」と述べた。 "[he-forum 13643] 中国新聞9/22 中国新聞2008年9月22日付 広島市立大が独法化を答申  広島市立大(安佐南区)の法人化を検討していた大学の運営協議会は21日、会合を開き、2010年度の公立大学法人移行に向けた答申案をまとめた。近く浅田尚紀学長に提出する。  答申案は、産学連携を含む教育研究活動を進めるには、市の単年度予算では制約が多いなどの課題を指摘。法人化による運営体制改善を求めている。  具体的な方向性として、積極的な自主財源確保▽多様な雇用・勤務形態の採用など柔軟な人事システム確立―を列挙。「速やかに法人へ移行するのが望ましい」と結論づけた。移行スケジュールは10年度とした。  会合には、6人が出席。協議会の法人化検討専門委員会が8月にまとめた案を基に意見交換し、答申案をまとめた。 "[he-forum 13644] 読売新聞9/21 読売新聞2008年9月21日付 子どもの心 専門家養成、連合大学院新設 来年度、阪大など3大学  学習障害や注意欠陥・多動性障害といった発達障害や、子どもに増えているうつ病、摂食障害などに対処できる人材を育てるため、大阪大と金沢大、浜松医科大は2009年度、連合大学院「小児発達学研究科」を新設する。全国初の試みで、医学や心理学、教育学など文理融合による「子どもの心の専門家」養成に乗り出す。 ・・・  文部科学省は09年度予算の概算要求に同大学院の設置運営費約1億2180万円を盛り込んだ。  3年制の博士課程で入学定員は10人。心理、教育系などの修士課程修了者のほか、医師や教師、看護師ら社会人を対象に、学校カウンセラーや発達障害者支援センターの責任者、児童精神科医などを養成する。  教育研究は、阪大が小児発達神経学、金沢大が脳機能学、浜松医大が疫学統計学など、各大学が得意分野を担当。医学や生命科学、心理学などの基礎教育には遠隔講義システムやインターネットを使ったeラーニングを導入する。  阪大と浜松医大は06年度、発達障害などを解明する「子どものこころの発達研究センター」を連携して設置。金沢大も昨年から参加しており、センター長で、大学院の基幹校となる阪大の遠山正彌(まさや)教授は「子どもの心の課題に多角的な視点で取り組める人材が必要」と話している。  文科省の推計では、発達障害のある小中学生は全体の6%に上る。また、北海道大の研究グループは昨年、うつ病と診断される小中学生の割合は1・5%で、中学1年では4・1%と大人並みの割合になるという調査結果を発表した。 "[he-forum 13645] 読売新聞9/21 読売新聞2008年9月21日付 大学院に「観光MBA」経産省と一橋大が連携  経済産業省は、一橋大と連携し、2009年度に同大大学院商学研究科に観光に特化したMBA(経営学修士)コースを開設する。  旅行会社やホテルなどの経営幹部や、各地の自治体や観光協会などで地域おこしのリーダーとなる人材を育成する狙いがある。  すでに北海道大や和歌山大、立命館大などが学部や大学院に観光コースを設置しているが、MBAは一橋大が初めてとなる。 "[he-forum 13646] 時事通信9/22 時事通信2008年9月22日21時15分 教育の負担軽減策を議論へ=教育再生懇  政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は22日、首相官邸で会合を開き、大学教育改革に関する議論を行い、低所得層の保護者の下で育った子どもでも希望通りの大学で学べるよう、教育費の軽減策などについて年内にも提言をまとめる方針を決めた。  懇談会では今後、奨学金や授業料免除など、私費負担を軽減するための仕組みについて検討。会合後、教育再生担当の渡海紀三朗首相補佐官は「能力のある子どもが家庭の経済状況で格差が生じる事態について考えていかなければいけない」と話した。  また、推薦入試や書類・面接で受験者を評価するAO(アドミッション・オフィス)入試で入学した学生の学力不足が指摘されていることから、センター試験とは別に高卒者の学力を測る高大(高校・大学)接続テストの導入を検討する案も示された。 "[he-forum 13647] 共同通信9/22 共同通信2008年9月22日18時45分 教職大学院の評価機関設立 日本教育大協会が方針  教員養成課程を持つ大学などでつくる日本教育大学協会(会長・鷲山恭彦東京学芸大学長)は22日までに、今春19校でスタートした教職大学院の第3者評価を手掛ける認証評価機関を設立する方針を固めた。協会が中心となって、本年度中にも母体となる組織を発足させる。  教育の質を確保するため、専門性の高い専門職大学院は専攻分野ごとに、文部科学相の認証を受けた評価機関から、5年に1度の評価を受けることが義務付けられている。法科大学院は、大学基準協会などが評価しているが、教職大学院を担当する認証評価機関はなかった。  今後は、教職大学院各校が行う自己評価などを通じて評価基準のマニュアル作成などを進め、2011年度から第3者評価を実施したい考え。  教職大学院は(1)実践的な指導力を備える新人教員の養成(2)現職教員を対象に、指導的役割を果たすリーダーの養成-の2つを主な目的として発足。来年度はさらに5校が開設される予定。 "[he-forum 13648] 産経新聞9/24 産経新聞2008年9月24日付 大学の高校補習に補助金 来年度から文科省 学力低下に対応  希望すれば誰でも大学に進学できる「全入時代」に事実上突入するなか、文部科学省は来年度から、新入生に高校時代の授業内容を復習させる補習授業などの取り組みに補助金を交付する方針を決めた。大学生の学力不足が指摘されるなか、各校が学生の学力向上に取り組むよう促す狙いだ。  文科省の調査によると、高校時代の補習授業を導入している国公私立大は平成18年度時点で33%(234校)。国立では、香川大工学部が18年度から新入生を対象に、数学と物理の補習授業を始めている。  少子化の一方で大学数が増え続けて進学が容易になり、「全入時代」に事実上突入し、学生数を確保するために推薦・AO入試で一般入試を経ない大学生も増えている。このため、大学関係者からは「高校の授業内容の理解が乏しいため、大学の専門教育についていけない学生が増えてきた」との指摘が上がっている。  このため、文科省は、大学生らに高校の授業内容を復習させる機会を広げる必要があると判断した。  来年度から行われる取り組みは、大学、短大、高等専門学校から公募。同省設置の有識者委員会の審査で合格すれば、年間2000万円以内の補助金を1~3年間交付する。  大学生の学力向上策として、高校の授業内容の復習のほか、文科省は、安直な単位認定を厳しくし単位を実質化させるための学習支援策▽成績評価の厳格化-など学生の学力向上を支援する取り組みも各校に促す。  大学生の学力低下に詳しい和田秀樹国際医療福祉大教授は「中学レベルの学生を受け入れてきた大学側にも問題がある。補習授業などへの補助金交付を否定はしないが、大学入学段階で一定の学力を保証する『高大接続テスト』を導入し、入学時点で厳しくすることが先決ではないか」と話している。 "[he-forum 13649] 朝日新聞9/23 朝日新聞2008年9月23日付 NRIと東工大、サービス研究で連携  野村総合研究所(NRI)と東京工業大学は22日、サービス分野に関して連携協定を結んだと発表した。寄附研究部門の設置や共同研究への取り組みなど多面的に連携。08年10月から3年間にわたり、サービス分野でのビジネスチャンスおよび学問・研究体系の創出に向けた研究・教育を進めていく。  両者はサービスでのコンセプト構築、データ分析とシミュレーション、ビジネスプロセスイノベーションの3項目について連携する。寄附研究部門を10月に設置し、サービス分野に関するシミュレーション技法の研究開発に取り組むほか、全学修士課程の学生を対象にサービス設計論など2科目の講座を09年4月に開く。  研究交流会「イノベーションブリッジ」も開催。東工大の教員からの研究成果とNRIからのニーズの発表により、共同研究テーマの創出や研究成果の実用化を目指す。両者は現在、共同研究テーマとしてITインフラの活用や資産運用会社の組織設計、年金制度設計などについて検討している。 "[he-forum 13650] 読売新聞山梨9/26 読売新聞山梨版2008年9月26日付 山学大法学部が難関法科大学合格目標コース  山梨学院大学は25日、来年4月から法学部に法科大学院進学に特化した「特進コース」を開設すると発表した。学生は学部授業とは別に特別プログラムを学習し、さらに学費も全額免除。東大や一橋、慶応などの難関法科大学院を目指す学生を養成する。  新司法試験を経て法曹人を輩出し、将来的には学部全体のレベルアップを図りたい考えだ。  講義は司法試験の有名講師を招き、少人数で行う。1、2年次で法科大学院入試に必要な法律知識の習得を終え、3、4年次で過去問演習や試験対策に取り組むという。  募集は法学部法学科7人、政治行政学科3人の計10人。上条醇(あつし)・法学部長は「法曹界の人材育成とともに、(学費全額免除で)経済的に苦しい学生の法曹への夢をサポートしたい」と話した。  同大は県内唯一の法科大学院を設置している。 "[he-forum 13651] 新潟日報9/26 新潟日報2008年9月26日付 県内3国立大の利益は21億円  文部科学省は26日までに、国立86大学と4つの大学共同利用機関の2007年度決算を発表した。利益総額は前年度より約130億円増の計約903億円。県内3大学は新潟大が約15億6000万円(前年度比約5億4000万円増)、長岡技術科学大は約2億2000万円(同約7000万円減)、上越教育大は約2億9000万円(同約5000万円増)の利益があった。  新大は04年度の法人化以降で最高益。医歯学総合病院で手厚い看護体制を導入し、診療報酬が増えたことなどが要因だった。  2年ぶりに利益が減少した長岡技大は優秀な学生向けに授業料免除制度を新設したことなどが響いた。上教大は4年連続の増益で、大学院生増で授業料収入が増えたことや、人件費削減が奏功した。  全国でみると、総利益のトップは京都大の約63億円が最高。約57億円の大阪大、約55億円の北海道大、約42億円の東北大が続いた。  国による出資など実質的に税金で負担した経費を示す「業務実施コスト」は約1兆4084億円となり、法人化初年度の04年度より13%減少。財務体質の改善が進んでいることがうかがえた。  研究施設などの減価償却費約3432億円は法人化後の最低で、耐用年数が過ぎた施設の使用を続けていることが要因とみられる。  42ある付属病院は外来患者の増加などで全体は増益となっているが、看護師の人件費や設備投資などがかさみ、昨年度と同じ16病院が実質的な赤字状態だった。新大医歯学総合病院は黒字だった。 "[he-forum 13652] 朝日新聞9/29 朝日新聞 2008年9月29日 「非実学」冷遇いいの?文学・歴史学・物理学・天文学…  「学問」と言っても、最近、つらい立場の学問もある。文学、歴史 学、物理学、天文学などなど。成果が比較的分かりやすい工学や医学な どに比べて、効果が見えにくい「非実学」の学問だ。「役に立たない」 と言われ、研究費も減らされる傾向にある。ただ、こうした学問を愛し てやまない研究者はたくさんいる。(原田朱美) ■「即効」なく研究費減  「外部の研究費は、『役に立たない研究だから』と、もらいにく い」。山形大学理学部の玉手英利教授は言う。  玉手教授の研究テーマは「生態遺伝学」だ。「たとえば、エゾシカと 日光のシカは同じ、という研究です」。大きさや見た目が違うシカが、 果たして同じ仲間なのか、違うのか、といったことを遺伝的に調べてい る。「それだけじゃ(他のことに)応用はききませんけどね」  理学部は、他に数学や物理学など生活に直接結びつきにくい学問が多 い。  山形大学のホームページに、6学部の受託研究の件数が出ている。受 託研究とは、国や企業から研究費をもらい、研究をすること。つまり、 国や企業にとって「役に立つ」研究だ。  98~07年度の件数を見ると、工学部が飛び抜けて多く、医、農学 部は微増。理学部は、ほぼ横ばい傾向だ。  「比べられると、困るなあ」。玉手教授は苦笑する。玉手教授はいく つかの外部資金をもらっているが、同じ学部には、全く資金を受け取っ ていない同僚もいるという。  シカの研究は、多くの研究者が様々な生き物について同じように研究 を重ねると、地域全体の生き物の多様性が見えてくる。それは生態系の 保全にもつながる。「成果が出るのに、長い時間がかりますね。実学と 同じ尺度で比べられると困ります」 ■基礎研究「発展のもと」  大学改革に詳しい千葉大学文学部の小沢弘明教授は、学問に企業経営 の論理が入り込み、「大学に求められる役割が変化してきた」と指摘す る。経済のグローバル化が進み、企業は世界競争を強いられている。自 前の技術研究や人材育成に余裕を持てなくなり、その役割を、大学に求 めるようになった。商品化に結びつきにくい非実学は徐々に外に追いや られていった。  一方で、大学側も、こうした分野を守りきれない。国立大学は、04 年度の法人化後、国から支給される運営交付金の削減が続く。  小沢教授の本来の研究テーマは「東欧の国民国家の形成と展開」だ。 「利益が上がるという意味では、役に立ちません」と話す。今年、文学 部から支給された研究費は年間6万円。「コピーのトナーとか買った ら、消えてしまいますよ」。法人化前は、数十万円もらっていた。  最近、研究費削減にとどまらず、ポストも少なくなった。研究者に競 争的資金を獲得するよう求め、獲得ノルマを課す大学もあるという。小 沢教授は「学問は本来、万人に開かれたものなのに、それがなくなって いる」と憤る。  実学重視の流れに、声を上げる人たちも出始めた。日本学術会議は昨 春、「基礎科学の大型計画のあり方と推進について」と題した提言を発 表。基礎科学の研究には、ニュートリノの観測装置「スーパーカミオカ ンデ」や大型望遠鏡「すばる」など、大型の設備が欠かせない。しか し、新たに作ることが難しくなっているという。  提言では、科学技術基本計画の「重点推進分野」など、国がトップダ ウンで進める研究以外でも、研究者個人の問題意識で進められる研究の 支援も求めている。委員の一人、東京大学の永原裕子教授(地球惑星科 学)は「産業と結びついていなくても、必要なものがある。基礎科学は (実学の)発展のもと。若い世代に『役に立たない研究は嫌』という雰 囲気が見えているのが怖い」と憂う。  文系では昨年4月、文科省の科学技術・学術審議会に、人文学と社会 科学の振興策を話し合う委員会ができた。実学と同じ尺度で評価をする のではなく、人文・社会科学としての評価のあり方などを議論している。 ■突然、脚光浴びる例も  山形大理学部の原慶明教授のもとに今春、商社マンが次々訪れた。専 門は植物系統分類学。あるプランクトンがどの仲間と近いのか、という ことなどを調べている。  商社マンの質問は多岐にわたった。「温度が低いところで活性化する プランクトンはいますか」「塩に強い生き物はいますか」。原教授は研 究の過程で、生物がCO2をどれだけ吸い、どんな条件で生きていたの かを調べている。商社は、そこからCO2削減など新たなエコ技術が生 まれないかと期待してきたらしい。  原教授にとって、生き物の分類を調べるための「手段」だった知識 が、思わぬ形で実学に結びついた。「商社は役に立つものを集めるコー ディネート力がある。これからの大学にはそれが必要じゃないか」と思 うようになった。 ■国、産業化に力点―迫られる競争  非実学が冷遇され始めた背景に、国が進める「選択と集中」がある。 研究費を支給する分野を選び、効率化を図るというもの。たとえば、国 の科学技術基本計画は「重点推進4分野」としてライフサイエンス、情 報通信、環境、ナノテクノロジー・材料を挙げ、「優先的に資源配分」 するとしている。ここに選ばれた分野に、非実学分野はあまり含まれて いない。  また、文科省は現在、国立大学に基礎的な運営費として支給する「運 営交付金」を、毎年1%ずつ減らしている。その代わり、大学や研究者 が求めるのが、国の「競争的資金」。研究者がコンペ方式で研究プラン を出し、選ばれると研究費がもらえる。今年度は、文科省や経産省など 7省1府が計約4800億円計上している。毎年度金額は増えている。 しかし、資金の目的を読むと、「新規事業のシーズを生み出す」「研究 成果の実用化」「実用化に向けた技術開発」など、産業化を意識した文 言が目につく。 "[he-forum 13653] 共同通信9/30 共同通信2008年9月30日12時43分 公立大学法人化へ検討指示=広島市長  秋葉忠利広島市長は30日の定例記者会見で、広島市立大の公立大学法人化を進めるため、具体的な検討に入るよう大学側に指示したことを明らかにした。市長は「法人化で行政から少し距離が離れる。地域に根を持つ大学としてゼロベースから大学のあり方を考えてほしい」と述べた。2010年の法人設立を目指す。  公立法人化へ向け大学側が設置した協議会の答申を踏まえた。答申には、大学改革のための実効性を担保する財源、組織、評価が連動しておらず、柔軟な人事制度の導入が困難といった現状、課題が示されている。( "[he-forum 13654] 共同通信9/29 共同通信2008年9月29日13時43分 苦闘する教職員の悲鳴が聞こえる 「大学『法人化』以後」 中井浩一著  「こっちの方がよほどいいです」。某国立大学から移ってきた同僚が、言った。  私大教員にまで戦々恐々の目で見られる国立大の現状。いわゆる遠山プランで、国立大の統廃合・法人化、結果として数の削減がもくろまれ、文科省の試算でも「最悪…八七大学中四七大学がつぶれる」と言われる改革が進行中だ。  国立大はどうなっているのか。現状をじっくり取材し、「独立行政法人化」真っ盛りの大学改革の今を縦横にえぐったのが本書。再編・統合やむなしの声もある中、苦闘する教職員の悲鳴が聞こえる。  しかし、文科省主導の改革は、本当に大学また国民のためになるのか。教員不足、医師不足…が叫ばれるなか地域と携えその要望を吸い上げていくには、やはりパブリックセクターが必要。だからこそ間尺に合った産学連携し「知的財産」の組織的な管理運用を目ざす国立大の姿もある。  置かれた地域に根ざすのが大学の役割。それを知るからこそ苦闘する大学の「今」が見える。  (中公新書ラクレ 1000円+税)=安岡真・筆 "[he-forum 13655] 共同通信9/30 共同通信2008年9月30日13時18分 第1希望「工学」で報告 OECDの大学版学習評価  中教審のワーキンググループは30日、大学などを対象に経済協力開発機構(OECD)が計画している「高等教育の学習成果評価」(AHELO)の試行調査に、日本からは「工学」を参加分野の優先希望第1位として報告することを決めた。  2位以下の分野は、批判的思考力や問題解決能力などを含む「一般的技能」、「経済学」、卒業生が企業でどの程度の成果を出しているかなどを測る「背景情報」の順。  OECDは本格実施に向け、各国の希望を調整し、2010年までに試行調査をする考え。各分野には4カ国前後から、大学など10機関程度の参加を想定している。  文部科学省は日本の参加分野が決定した後、各大学などに参加を募る方針。 "[he-forum 13656] 時事通信9/30 時事通信2008年9月30日12時3分 法科大学院「定員縮小を」=司法試験不振校  法科大学院での教育向上を検討している中央教育審議会の法科大学院特別委員会は30日、司法試験の合格状況が低迷する大学院などに入学定員見直しの検討を求める改善対策案を審議し、大筋で了承した。対策案は他校との統合も促し、「全体の定員が縮小され、修了者が相当の割合で法曹資格を取得できるようになれば、優秀な志望者の入学促進につながる」としている。  74校ある法科大学院では定員割れが相次いでいる。また、修了者が対象の新司法試験の合格率は、制度設計当初は7-8割を想定していたが、今年度実績は33%まで低下。合格者ゼロも3校あった。今後、再編圧力が強まりそうだ。  改善対策案は、定員見直しを検討すべき大学院として、修了者の多くが司法試験に合格しない状況が続く▽教員数を確保できない▽志願倍率が低い-を例示。特に地方校、小規模校には、教育水準に懸念が生じている場合には他校との統合などを模索するよう求めている。  入試の1次試験に当たる「適性試験」を2機関が実施している現状については、一本化を図る必要があると指摘。点数の低い志願者を入学させないよう、統一的な最低基準の設定も検討課題に挙げた。  一方、学部教員との兼任者を大学院の専任教員として数えることを認めた2013年度までの「ダブルカウント措置」は、延長しないよう提言。約8割の大学院が「基本科目の専任教員の確保が困難」と考えているが、4月に計312人いたダブルカウント教員は「早めに解消することが望まれる」とした。 "[he-forum 13657] 毎日新聞秋田9/30 毎日新聞秋田版2008年9月30日付 協定締結:県と秋田大が「地域医療推進」寄付講座で  地域医療の充実と総合医の養成のため29日、秋田大の吉村昇学長と寺田典城知事が協定書を取り交わした。県としては初の寄付講座を同大に置く。  寄付講座は「総合地域医療推進学講座」という名称。秋田大医学部に教授ら3人の専任スタッフを置き、医師不足が深刻化する地域医療について講義、研究をする。将来的には幅広い医療知識で総合的な診療ができる総合医の養成や、県内の基幹病院と連携して医師を循環させるシステムの開発を目指す。県の寄付金額は、今年度は1750万円で、09年度から12年度は年間3500万円。秋田大の本橋豊医学部長は「地域医療は十分に機能していないのが現状。県と大学が一体となり、数々の課題克服に向け努力していく」と抱負を語った。また谷田部知一健康福祉部長は「研究の成果を県の施策に反映させたい」と話した。【百武信幸】 "[he-forum 13658] 山形新聞9/30 山形新聞 2008年09月30日 20:19 企業との共同研究の拠点に 山形大学総合研究所の開所式  山形大学総合研究所の開所式が30日、上山市金瓶の現地で行わ れた。同大が昨年、配電盤メーカーのかわでん(南陽市)の旧中央研究 所を購入し、改修した。民間企業との共同研究などの拠点施設として活 用していく。  研究所は、鉄骨造り6階建てで、建築面積は662平方メー トル。4階から6階までは約300平方メートルのオー プンフロアで、利用者が研究内容に合わせて机などを自由にレイアウト できるようにした。3階は秘匿性の高い研究にも対応できるよう に、独立した6つの個室を整備。2階は倉庫室のほか、打ち 合わせ室や応接室などを設けた。  オープンは10月1日。全体的な施設管理は同大施設部で 行うが、各室の管理は利用者に任せる。現在、民間企業など3団 体から共同研究での利用希望があるという。総事業費は、施設と土地 (1336平方メートル)の購入費、外壁塗装や防水などの改修費を 合わせ約1億円。  開所式では、結城章夫学長が「先進的で独創性のある研究が行われ、 産・学・官・金の連携が進むことを期待している」とあいさつ。テープ カットをして、研究所の完成を祝った。 "[he-forum 13659] 産経新聞10/1 産経新聞2008年10月1日付 【教育】国立大などの利益増 受託研究収益の伸びなど要因  文部科学省が公表した、法人化している86国立大学と自然科学研究機構など4つの大学共同利用機関の平成19年度決算状況によると、利益総額は前年度より約130億円増の計約903億円だった。  政府方針で運営費交付金が削減されたが、受託研究の収益などが伸びたのが要因。一方で、教員の人件費は2年連続減の約6540億円で、文科省は「減少が続けば、中長期的に教育研究機能の低下につながる」としている。  大学別の総利益は、京都大の約63億円が最高。約55億円の北海道大、約42億円の東北大が続いた。  19年度は、国による出資など実質的に税金で負担した経費を示す「業務実施コスト」が約1兆4084億円となり、国立大などが法人化した16年度より13%減少。財務体質の改善が進んでいることがうかがえた。  研究施設などの減価償却費約3432億円は法人化後の最低で、耐用年数が過ぎた施設の使用を続けていることが要因とみられる。  42ある付属病院は外来患者の増加などで全体は増益となっているが、看護師の人件費や設備投資などがかさみ、昨年度と同じ16病院が実質的な赤字状態だった。 "[he-forum 13660] 山陰中央新報10/1 山陰中央新報2008年10月1日付 島根県立大が高評価  島根県公立大学法人評価委員会(委員長・本田雄一島根大学長、五人)は三十日、公立学校法人化した島根県立大の二〇〇七年度の業務実績に関する評価結果を県議会総務委員会に報告した。同年度卒業生の就職率が99・5%と国内の公立大でトップクラスとなるなど高い実績を上げ、数値で評価した四分野での評価はいずれも、五段階で最高ランクのAAに次ぐA評価だった。  同大の組織運営や財務の状況、情報公開の推進など数値化した四分野に、中期計画(〇七-一二年度)の達成状況、研究内容や取り組みなど約百八十項目で評価した。  「自主的、自立的な組織・運営体制の確立」の項目では、大学の志願率が10・2倍と公立大で全国トップとなり、就職率と合わせて高く評価。経費節減や外部研究費の獲得で、県の交付金以外の収入が増加。運営費に占める自己財源の割合が、〇六年度の38・0%から43・9%に上昇した。  一方、課題として大学院の定員割れ対策、自治体や県の中山間地域研究センターなどと結んだ研究協力の協定を具体的化するよう求めた。  同評価は、独立行政法人法に基づき、公立大学法人が毎年度評価を受け、設置自治体の議会に報告する。〇七年四月に法人化した同大は初実施。 "[he-forum 13661] 河北新報10/2 河北新報2008年10月2日付 産科医支援で連携 東北大医学部と八戸市民病院  青森県南地方の深刻な産科医不足を解消するため、八戸市民病院など地元の3自治体病院は1日、東北大医学部と連携して医師派遣や「ハイリスク分娩(ぶんべん)」の対応策を検討する「県南地域参加医療体制強化推進事業」をスタートさせた。  八戸市民病院と東北大が同事業の業務委託契約を結び、東北大が派遣した男性産科医1人が市民病院の周産期医療センター所長として1日に赴任した。これで市民病院の産科医は常勤医5人、研修医3人の計8人体制となった。  周産期医療センターを拠点に、市民病院から三沢市立三沢病院と国民健康保険五戸総合病院(五戸町)への医師派遣のほか、両病院からの妊婦の受け入れ態勢を検討する。若手産科医の育成にも力を入れるという。  青森県南地方では2005年以降、大学の産科医引き揚げなどによる公立病院の産科休診が相次ぎ、三沢病院は1日から産科医の常勤医が2人から1人に減ったほか、五戸総合病院も1人体制が続いている。八戸市民病院を中心とした自治体病院間の産科医療の連携強化が急務になっていた。  八戸市民病院は「東北大医学部のノウハウを生かし、妊婦が安心できる産科医療システムを整備したい」と話している。 "[he-forum 13662] 10/3しんぶん赤旗 2008年10月3日(金)「しんぶん赤旗」 博士問題で学術会議が提言 文教予算を増額し若手研究者育成を  日本学術会議がこのほど、提言「新しい理工系大学院博士後期課程の 構築に向けて」を発表しました。  同会議第三部(理学・工学)の若手・人材育成問題検討分科会がまと めたものです。わが国の大学院博士課程をめぐっては、博士課程への進 学者の減少や短期雇用のポスドク研究者の就職難など、危機的といえる 状況があるなかで、大学院のあり方と必要な政策に焦点をあて、大学は じめ政府や産業界などに提言しています。  「提言」によれば理工系での博士号取得者数は年間約五千人で、大学 や研究機関の教育・研究職への就職は約千五百人にすぎません。任期つ きの非常勤を転々として高齢化するポスドクが増加し、理工系のポスド クは約九千五百人といいます。  また、大学や研究所での定員削減で助教などの若手教員ポストが減少 しているなか、短期的に業績をあげることが求められるプロジェクト型 研究の資金で採用されるポスドク研究者の割合が増加していることは 「独創的な研究を展開することを妨げる恐れがある」こと、そうした競 争的資金の獲得において大学間格差が広がっており、私立大学や地方大 学での若手の人材育成は困難になっていると指摘しています。国内総生 産(GDP)比で高等教育への公的支出が経済協力開発機構(OEC D)加盟国中最低にある日本の文教予算を増額し、長期的な視野に立っ た若手研究者の育成を進めるべきだ、とのべています。  大学や政府や産業界にたいする提言では、大学院教育を見直す、大学 院の学生定員制度を柔軟化する、国際比較でみれば少ない博士人材を長 期的な展望で確保する、大学院生の生活基盤を保証する財政支援や研究 費の支給などの整備、民間や行政など多様な分野へ進むための博士号取 得者への社会的処遇の改善、大学院の実態と若手人材の動きについて情 報提供の強化などを挙げています。 "[he-forum 13663] 学術会議提言ファイル 日本学術会議提言「新しい理工系大学院博士後期課程の構築に向けて」 (2008年8月28日)のPDFファイルは、下記サイトに有る ようです。 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-t62-11.pdf "[he-forum 13664] 毎日新聞京都10/1 毎日新聞京都版2008年10月1日付 尾池・京大学長:退任会見 「激動の5年間だった」  京都大の尾池和夫学長(68)は30日、任期満了を迎えて退任会見を開いた。独立法人化などの経験を振り返り「激動の5年間だった」と述べた。10月1日に国際高等研究所(木津川市)のフェロー(非常勤)となり、専門の地震学研究を続ける。フェローの任期は09年3月末まで。  03年12月16日に学長に就任し、04年4月の法人化も経て5年近く務めた。取り組んだ仕事として、後期入試の廃止▽学内施設の耐震強化▽朝鮮学校出身者の受験資格認定▽一般市民への広報強化--などを挙げた。  法人化については「悪い方向に行かないことが大事だった。大学をつぶさずにすんだ」と語る一方、国の対応について「いきなり授業料値上げを打ち出した。もうちょっと賢い政府であってほしかった」と苦言を呈した。  学生に対しては「先生や友達との対話を根幹としながら、自学自習の伝統を生かしてよく学びなさい」とメッセージ。今後の京大に期待することを問われると「何もない。大学にいる人が考えながらやってほしい。何も心配していない」と答え、「自由の学風」を感じさせた。【朝日弘行】 "[he-forum 13665] 毎日新聞京都10/3 毎日新聞京都版2008年10月3日付 京大:松本新学長が抱負 「大きな飛躍遂げたい」  1日付で就任した京都大の松本紘学長(65)は2日、会見を開いた。教員と職員の対等な協力関係を築くことなどを課題に挙げ、「魅力、活力、実力ある大学として大きな飛躍を遂げたい」と抱負を語った。  国立大の独立法人化を迎えた現在を「激動の変革期にある」として、「いかに乗り越えて大学を発展させていくかが重要課題だ」と述べた。教員と職員の関係については「両者間のギャップをいかに埋めていくかが大きな課題」との認識を示したうえで、「教員が大学の置かれた立場を理解するのに、職員の目線や考え方は大変有効。職員も自分たちが大きな柱の一つだという意識で仕事をしてほしい」と語った。  教養教育を拡大する考えも強調。「10年先を見て全学を挙げて教育の改善に取り組みたい。幅広い教養を持った専門家になってほしい」と話した。【朝日弘行】 "[he-forum 13666] 西日本新聞10/4 西日本新聞2008年10月4日付 長崎大 残業代不払い 労基署が是正勧告 2年間7300万円 付属校教諭らへ  長崎大学が、付属小中学校や特別支援学校の教諭、付属病院の医師と看護師らに残業代の不払いがあったとして、長崎労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが3日分かった。同大は過去2年間にさかのぼり計約7300万円を10月分の給与に上乗せして支払う方針。今月末に改善策を同労基署に報告する。  長崎大によると、今年5、6月に同労基署の立ち入り検査があり、7月に是正勧告を受け、2年間さかのぼり不足分の残業代を支払うよう指導された。額は付属学校教諭74人に計約3900万円、付属病院職員に計約2900万円、学部教員に計約470万円。  原因は、付属学校の場合、残業時間にかかわらず給料に定率を上乗せする仕組みだったため。付属病院は勤務時間外の手術などが残業時間に計上されていなかったためで、学部教員の場合は計算ミスだという。同大の中山守雄副学長は「いつから不払いがあったかは調査中。今後は制度を見直したい」と話した。 "[he-forum 13667] 毎日新聞富山10/2 毎日新聞富山版2008年10月2日付 富山大:複数領域の専門医養成 付属病院に支援センター開設  複数の専門領域を持つ「統合型専門医」を養成しようと、富山大は1日、付属病院(富山市杉谷)内に専門医養成支援センターを開設した。地域医療の担い手として、1人で多分野をカバーして診察できる医師を将来的に30~40人育成することを目指す。予算は5年間で約1億円。  文部科学省の「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」に採択された「地域発信・統合型専門医養成プログラム」の一環。全国28大学の申請の中から、富山大のものを含む19件が採択された。  専門医は、診療科や臓器、治療法など特定の分野で非常に高度な知識や技量、経験を持つ医師のこと。国家試験とは別に、各医学系学会が、必要な資格を備え、試験に合格した医師を認定している。現在、その種類は100を超える。  富山大のプログラムでは、6年間の学部教育後、3年間の臨床研修を経て、さらに同センターで約7年間の専門教育を受ける。これにより、複数の専門医資格を取得した統合型専門医を育成する。  特に、富山ならではの和漢医学や創薬を目指す臨床研究などに力を入れる。地域に密着した医師を養成するなど、特徴的なプログラムを実践する県外の複数の他大学と連携し、得意分野の相互補完も図る。  この日、同大杉谷キャンパス管理棟で、関係者が出席して開所式があった。小林正院長は「医師としてのキャリアを磨き、着実に成果を上げたい」とあいさつし、看板を除幕した。【青山郁子】 "[he-forum 13668] 読売新聞福井10/3 読売新聞福井版2008年10月3日付 設備充実で新人医師確保 福井大病院研修センターきょう着工  「医者の卵」である臨床研修医の教育環境を充実させようと、福井大病院(永平寺町松岡下合月)は、研修医が手技や診察の練習を24時間行える施設「スキルラボ」などを備えた「臨床教育研修センター」を建設する。人材育成拠点として、県内外の新人医師を呼び込むのが狙いだ。3日に本格着工し、来年度から運用を始める。  医師臨床研修制度により、研修医には2004年度から2年間の病院研修が義務付けられた。ただし、研修先は自由に選択できるため、設備やスタッフが整い、症例数も多い都市部の病院に集中する傾向が強く、一方で、地方の医師不足を招いたとされる。  福井大病院では、研修医は毎年35~40人が新しく勤務していたが、04年度以降は激減し、05年度に同病院を選んだのは11人だけ。救急患者の初期診療後、入院などが必要な場合は各診療科へ割り振るという「北米型救急外来」のシステムを取り入れている点など、病院の特徴を積極的にアピールした結果、08年度は31人に増えたというが、制度改正前の人数を確保するには至ってない。  建設される研修センターは、2階建て鉄筋コンクリート造り、延べ床面積1100平方メートル。スキルラボには、気管挿管や注射を練習できるコンピューター内蔵の人体模型など、医療実習用の器具や装置約70種類をそろえたほか、研修医専用の部屋を設け、個人用の机も置く。地域住民向けの健康講座などを開くためのホールも整備する。  総工費は約3億円。建設費の一部は関係者からの寄付を充てる予定で、同大学医学部や旧福井医科大の卒業生、関連病院などに寄付を呼びかけている。山口明夫・福井大病院長は「新人医師がうちの病院で勤務したいと望む呼び水の一つになればと考えている。地域の医師不足解消にもつなげたい」としている。 "[he-forum 13669] 中国新聞10/4 中国新聞2008年10月4日付 県が博士号取得者の就職支援  大学院で理工系の博士号を取得しながら定職がない若手研究者の就職をサポートしようと、広島県は14―23日の計6回、広島大(東広島市)で研究者と県内企業との交流会を開く。国の大学院強化で全国的に博士号取得者が増え、大学内の研究職が飽和状態となる中、中国地方の5県では初めて民間企業への就職支援に乗り出す。  広島大の博士課程後期修了者は文化系を含めて毎年約250人。このうち大学の教職員などへの就職は約1割にとどまる。大学院の理工系の4研究科には博士号の取得後、定職に就いていない無給の研究員「オーバードクター」が101人、有給の研究員だが任期が約3年と不安定な「ポストドクター」も46人いる。  交流会には県内に事業所を置く化学、電子、自動車部品製造など22社が名乗りを上げており、1回につき3―4社が参加する。 "[he-forum 13670] 読売新聞北海道10/4 読売新聞北海道版2008年10月4日付 宇宙の面白さ伝える。北大と陸別町が協定締結  陸別町と北海道大は3日、宇宙科学に関して協力協定を結んだ。北大の大学院生らが同町の「銀河の森天文台」で研究しながら、子供たちに宇宙の面白さを伝えることが主な内容だ。  北大は2000年度から、同天文台で木星オーロラの観測や、陸別中学校への出前授業を行ってきた。今年度、惑星科学の国際研究教育拠点を作ろうと、北大は文部科学省の事業に名乗りを上げ、認められたため、同町と連携を強める狙いで協定を結ぶことにした。  北大は、国から助成される研究費(5年間で計10億円)を使い、大学と同天文台を高速インターネット回線で結ぶ。同町は、同天文台に大学院生らを受け入れて研究を支援し、天文台職員の技能向上を図る考えだ。  協定書に調印した、同町の金沢紘一町長は「日本の科学技術に貢献できれば」と述べた。 "[he-forum 13671] 読売新聞10/2 読売新聞2008年10月2日付 広島市教委 広島大大学院と連携…教員養成、学習指導など  広島大大学院教育学研究科(坂越正樹科長)と広島市教委(岡本茂信教育長)は、教育現場の諸問題や教員養成などについて組織的に連携し、研究協力するとした覚書に調印した。  覚書では▽教員の資質向上▽学習指導の充実▽生徒指導上の諸問題への対応▽生涯学習の推進――など8項目で連携し研究するとした。大学教員が児童生徒を対象に不登校などをテーマに調査分析し、アドバイスすることや、理科の実験授業などへの教員派遣、学生が小中学校で担任のサポート役を体験するなどの連携の推進などが考えられるという。  専門家の意見を現場で生かそうと市教委が要請。大学側も学生が現場体験できるなどメリットは大きいことから同意した。 "[he-forum 13672] 静岡新聞10/1 静岡新聞2008年10月1日付 静大、県大、東海大が協定 大学院で単位互換など  静岡市内にキャンパスを持つ静岡大、県立大、東海大の国公私立3大学が30日、大学院での単位互換と学術交流に取り組む協定を締結した。生命・環境分野をテーマに静岡発のユニークな大学院教育の展開を目指す。将来的には「富士山」「駿河湾」など、静岡ならではの地域特性を生かした包括的な共同研究も手掛けたいという。  生命・環境分野をテーマとしたのは、各大学がそれぞれ専門教育、研究を進めてきた領域である上、県中・東部が全国有数の食品、化学、薬品など関連産業の集積があるため。協定により各大学院生は関連分野の大学院研究科の授業を自由に履修できる。研究施設や機器の相互利用、試料収集などの学術交流も進める。  3大学の学長は同市内のホテルで行った調印式で、連携強化の抱負を語った。静大の興直孝学長は「静岡に拠点を置きながらの国公私立のプログラム展開は、東京でも十分売りになる」、県立大の西垣克学長は「静岡でないとできない学術研究を進め、ローカルからグローバルに発信していきたい」、東海大の松前達郎総長兼学長は「海洋学部に代表される、われわれ独特の力を生かした交流を今後、提案していく」とそれぞれ述べた。 "[he-forum 13673] 琉球新報10/3 琉球新報2008年10月3日付 沖縄研究の国際拠点に 琉大に「国際沖縄研究所」創設  琉球大学(岩政輝男学長)が同大内に「国際沖縄研究所(仮称)」を創設することが2日、分かった。同大に既存のアメリカ研究センター、移民研究センター、アジア太平洋島しょ研究センターの3センターを統合・拡充する形で、琉球・沖縄研究の国際的拠点の構築を目指す考えだ。本格始動は2009年4月となる見通しで、14日に、連携する米ハワイ大学のデビッド・マクレン学長らが来沖し、設置式などを行う予定だ。ハワイ大は今年7月、同大内に沖縄研究センターを開設している。  国際沖縄研究所の設置は、既存3センターの研究成果や特色を生かしつつ、組織を強化し、窓口を一本化することで、国内外の大学や研究機関との連携を円滑に進めるのが狙い。  具体的な研究内容等は今後決定するが、アジア、太平洋、南北アメリカなど、沖縄と歴史的、文化的につながりが深い地域とのかかわりを視野に、同地域の大学や研究者と連携し、歴史や文学、言語、環境、経済など総合的に研究を進める考え。  また、県内外の大学や学芸員など、外部の専門家らによる「研究者コミュニティー」を設置する予定。設置準備を進めている大城肇副学長は「第三者の意見も取り入れながら、開かれた形で琉球・沖縄研究を充実させたい」と強調した。 (佐藤ひろこ) "[he-forum 13674] 毎日新聞福岡10/3 毎日新聞福岡版2008年10月3日付 イチおし@大学:九大ブランドの「九州大吟醸」 地域の環境保全に一役  04年の国立大学の法人化を機に、大学の個性や研究成果のアピール手段として、全国で「大学ブランド商品」開発が盛んになっている。九州大(本部・福岡市東区)は05年度から純米大吟醸酒「九州大吟醸」を扱う。学生が製造から販売までかかわり、売り上げの一部を環境保全活動に充てるのが特徴だ。「飲めば飲むほど、緑が増える酒」と関係者はアピールする。【長谷川容子】  フルーティーな味の「九州大吟醸」は、香りが強い食前酒タイプの「しずく搾り」と、九州の濃い味付けの料理に合う「手づくり」の2種。粋なデザインのボトルは500ミリリットル入りと1800ミリリットル入りがあり、値段は1200~5000円。  05、06年度に製造した計2万本は完売。07年度は1万2200本が売れた。08年度は1万本をやや下回りそうだが、「卒業生や退官する教授への贈答品、教官の出張時のおみやげ用に喜ばれています」。企画した同大大学院農学研究院助教、佐藤剛史さん(34)は話す。佐藤さんの知人を通じて米国のスシバーに置く話も持ち込まれ、手続きを進めている。  酒造りのきっかけは、02年に九州大の学生と教員がNPO法人「環境創造舎」を作ったことだった。当時大学院生の佐藤さんは設立の中心メンバー。福岡都心部からの移転が進む伊都キャンパス(同市西区)周辺の森の環境を守ろうと活動するうち、地元の酒造メーカー「浜地酒造」の常務、浜地浩充さん(42)と知り合った。  環境保全に役立つ酒の製造、販売に共同で取り組むことにし、同NPOが伊都キャンパス近くに水田を借りた。周囲は酒米の産地。農家の協力で学生が酒米を育てる。収穫後は、同社が昔ながらの製法で酒を仕込み、学生はこうじ作り、ろ過などの作業を手伝う。  「既製品に九州大のラベルを張るのではなく、付加価値を付けたかった」と佐藤さん。農学部3年、長瀬拓也さん(20)は「ものができるまでには、いろんな人がかかわっていることを実感します」と話す。  商品は学内生協のほか、福岡市の百貨店、JR博多駅や福岡空港など酒造会社のネットワークを通じて販売。売り上げの5%は同NPOの活動費とし、伊都キャンパスと周辺の竹林伐採後の空きスペースにヤマツツジの株を植えるなどの費用に充てている。この夏には、03年に植えたヤマツツジが赤い花を咲かせ、学生たちを喜ばせた。  佐藤さんは「酒造りを通じて、大学と地域が一緒に環境を守ろうとすることに意義がある。『九州大吟醸』は、両者をつなぐ架け橋的な存在」と息の長い活動を念頭に置く。  5年目を迎えて物珍しさも一段落した中、今後のPR方法が課題だ。来年4月には1、2年生が六本松キャンパス(同市中央区)から伊都キャンパスへ移り、学生の間で認知度が高まると関係者は期待する。汚染米転売問題などで最近、食の問題への関心がますます高まっていることも追い風という。  浜地さんは「うちの日本酒の場合、『原料がはっきりしていて安心感がある』と最近は需要が高まっている。『九州大吟醸』は、学生が製造から販売までかかわり、トレーサビリティー(追跡可能性)も確かだ」と話す。  みんなで仕込み作業を打ち合わせる11月、売り込みのアイデアを出し合うことにしている。 ==============  ■ことば  ◇大学ブランド商品  食品加工品や野菜、米、肉など種類はさまざまで、酒類を扱う大学もある。神戸大や新潟大は日本酒、鹿児島大や島根大は焼酎、東京大は泡盛、京都大と早稲田大は共同開発でビール、同志社大はワインを手がけている。九州大は昨春、大学ブランド商品を販売する大学を集め、全国初のシンポジウムを開いた。 "[he-forum 13675] 共同通信9/30(2) 共同通信2008年9月30日21時12分 私立大下宿生は214万円 入学費用、国立自宅の2倍  今春の大学、短大の新入生が出願から入学までにかかった受験費用や学費、住居費などの総額の平均は、国公立大の自宅生の109万円に対し、私立大下宿生は214万円と約2倍の差があることが30日、全国大学生活協同組合連合会の調査で分かった。  調査は4-5月、52大学、短大に通う学生約4万5000人の保護者を対象に受験料や交通費、入学納付金、住居費などを聞き、28%が回答した。連合会は「4割ぐらいの保護者が予算より多くかかったと感じていた」としている。  調査によると、最も安かったのは国公立理系の自宅生で106万円。最高は私立医歯薬系の下宿生318万円で、差は3倍に及んだ。次いで私立理系の下宿生238万円、私立医歯薬系の自宅生212万円など。  自宅・下宿別でみると、国公立大は自宅生109万円に対し、下宿生190万円。私立大は自宅生130万円、下宿生214万円だった。 "[he-forum 13676] 下野新聞10/3 下野新聞2008年10月3日付 補助金削減に大学機関が反対 声明を発表  県内の大学、短大など十九教育機関で構成する大学コンソーシアムとちぎ(理事長・菅野長右ェ門宇都宮大学長)は二日、二〇〇九年度の国の概算要求基準で国立大の運営費交付金と私学助成費などの削減幅が3%に拡大される方針に対し、反対声明を発表した。  大学の財政的基盤である交付金と助成費は、「骨太方針2006」に基づき、〇七、〇八年度に1%ずつ削減。〇九年度は削減幅が3%に拡大される方針という。  声明文は「大幅な削減が行われれば、教育の質を保つことは難しくなり、地域の人材育成機能低下と知的基盤の芽をつぶす」と批判。削減に強く反対するとともに、交付金と助成金の確保と充実を求めている。  会見した菅野学長によると、宇都宮大では〇七、〇八の各年度でそれぞれ約五千万円が削減された。同大は経費削減を進める一方で、〇九年度までの四年間に計二十一人の教員削減を進めるなど教育現場へのしわ寄せが出ている。菅野学長は「このままでは産学連携や地域連携への影響もある」と不安視した。 "[he-forum 13677] 読売新聞10/5 読売新聞2008年10月5日付 重点観測火山を34から15に、財政難や人手不足で…文科省  全国の国立大学が重点観測する火山を、文部科学省が来年度から、従来の半分以下の15か所に絞り込む方針を決めた。  大学の財政難や人不足で、観測網の維持が難しく「選択と集中」が必要と判断した。対象から外れた火山では、監視の目が手薄になる可能性もある。  観測を強化するのは、桜島や伊豆大島など従来、噴火活動が活発な火山。強化する火山では順次、地震計や傾斜計を増設していく。大きな変化が見られない火山が対象から外れる。  全国34か所の火山を観測する国立大学は法人化後、老朽化した観測機器を財政難で更新できず、年に数千万円の維持費を確保するのがやっと。地味な観測では学問的な成果につながりにくく、研究者も減少した。文科省では、対象の火山を絞り込み、噴火予知など防災につながる研究に専念できるようにする。  対象外の火山の観測を文科省は気象庁に移譲したい考えだが、同庁は「機器をそのまま引き受けるのは困難」としている。移譲が進まないと、上がってくるマグマの位置など詳しい噴火活動をつかめなくなる恐れがある。  火山観測には噴火警戒と学術研究の両面があり、気象庁が監視する火山も34か所ある。うち25か所は大学と共同で機器観測している。 "[he-forum 13678] 読売新聞社説10/6 読売新聞社説2008年10月6日付 留学生政策 30万人受け入れへ議論深めよ  国境を越えた人材の移動が増える中で、欧米諸国の大学は、優秀な留学生の獲得競争にしのぎを削っている。  とりわけ、米国の大学は、中国などアジア諸国の優秀な学生に最も人気のある留学先になっている。日本の大学が後れを取り戻すためには、留学生政策の抜本的な見直しが必要だろう。  政府は、大学などで学ぶ留学生を、現在の12万人から2020年をめどに30万人にまで増やすことをめざす「留学生30万人計画」の骨子を策定した。  政府が留学生受け入れ政策を打ち出すのは、1983年に「留学生受け入れ10万人計画」を掲げて以来、25年ぶりのことだ。  大学や大学院の国際化が進み、研究が活性化すれば、科学技術の振興や産業の国際競争力向上にも役立つ。  日本と諸外国との懸け橋となる優秀な人材を育てることは、国際社会で日本が発言力を増す上でも重要なことだ。  欧米諸国の受け入れ状況は、米国が58万人、非英語圏の仏独でも25万人前後で、日本の12万人を大きく上回っている。  受け入れ人数は、大学の魅力を示すバロメーターだろう。  留学生30万人計画には、国際化の拠点として30の大学を選定し、原則英語のみで学位が取得できるコースを設けたり、外国人教員の採用を増やしたりして教育水準を高めることなどを盛り込んだ。  英紙ザ・タイムズが昨年公表した世界大学ランキングでは、東大が17位、京大が25位だった。教員や学生のうち、外国人が占める比率も評価の指標に入っている。改善が進めば、日本の大学の評価も全体に向上するはずだ。  外国人を採用する日本企業が少ないため、卒業後の就職が難しいことも“障壁”の一つだ。  政府は昨年から、アジア人財資金構想に基づく教育プログラムをスタートさせた。  大学と協力企業で「ビジネス日本語」や「企業実習」など企業側のニーズに合った専門教育プログラムを用意し、これを受講した留学生は、企業が原則採用するという仕組みだ。  こうした産学連携を一層強化していくことも必要だろう。  海外での日本語教育の推進や、日本留学希望者のための海外の窓口一元化なども、30万人計画の重要な柱だ。  こうしたプランの早急な具体化に向けて、さらに議論を深めていかなければならない。 "[he-forum 13679] 北海道新聞10/5 北海道新聞2008年10月4日付 宇宙教育協定に調印 陸別町と北大大学院  【陸別】町と北大大学院理学研究院(山口佳三研究院長)は三日、宇宙科学に関する教育研究のための協定を締結した。今後、町銀河の森天文台の活用や、陸別の子供たちへの「出前授業」などで、協力し合う。  町役場で開かれた調印式では、金沢紘一町長と山口研究院長が協定書に調印。金沢町長は「多くの研究者や学生が来町することで、町民や子供たちが刺激を受け、科学に興味を持って生活できるホットな町になる」とあいさつした。  同研究院は今後、銀河の森天文台にデータ転送などの機材を設置し、来年四月から学生や研究者を派遣する。渡部重十(しげと)・同研究院宇宙観測基礎データセンター長は「陸別は天体観測に加え教育、研究者育成の拠点になる」と期待していた。(佐藤紀章) "[he-forum 13680] 毎日新聞10/6 毎日新聞2008年10月6日付 名古屋大学:次期学長に浜口道成氏  名古屋大学は5日、次期学長に浜口道成・同大大学院医学系研究科長(57)を選んだ。平野真一学長の任期満了に伴うもので、任期は来年4月1日から6年間。  浜口氏は記者会見で「環境や政治が時々刻々と変化する中、日本の資源である人材の育成は大学の使命。海外の一流大学との交流など学生へ多くの教育機会を提供し、インターナショナルな人材を育てていきたい」などと抱負を語った。  浜口氏は三重県伊勢市出身。80年に名大大学院を修了、85年から米ロックフェラー大分子腫瘍(しゅよう)学講座研究員。93年名古屋大付属病院教授、05年から同大医学部長。腫瘍生物学専攻、全国医学部長病院長会議理事。【中村かさね】 "[he-forum 13681] 河北新報10/7 河北新報2008年10月7日付 仙台圏17大学・短大が連携強化 経営効率狙う  仙台市とその周辺にある13大学、4短期大学が国公私立の枠を超え、単位互換の拡充や危機管理体制を整備する共同事業に着手した。独立行政法人化や少子化により、大学・短大経営の先行きに不安材料がある中、効率的に事業を展開するのが狙い。仙台圏の大学、短大の協力はこれまで、産学官の枠組みが主軸だったが、経営に直結する実務面での連携強化が不可欠と判断した。  単位互換は、インターネットで遠隔授業を行う「eラーニングシステム」を導入。複数の大学、短大で同時に受講できるようにする。年度内に機器を設け、2010年度の本格実施を見込む。  危機管理面では、近い将来の発生が予想される宮城県沖地震に備え、各校の責任者による防災ネットワーク事業部会を設立する。災害ボランティアの共同養成や、防災マニュアルの一部共有化に取り組む。  昨年春、はしかの大規模流行で一部の大学が休講に追い込まれたことを教訓に、トラブルに迅速に対応できる体制づくりも協議する。  共同事業は、既存の産学官連携組織「学都仙台コンソーシアム」のネットワークを生かして進める。コンソーシアムのホームページを通じて各校の教員免許更新講習、オープンキャンパスなどの情報を発信する。  市民対象の公開講座は、質の高い学習機会の提供を目指す。教員らの能力向上に努め、受けることができるサービスの均質化も図る。  事業は、本年度始まった文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に採択され、3年間の補助を受ける。  代表校・東北学院大の井上義比古学務部長は「ネットワークを充実させ、知的資源が集中する学都仙台のメリットを生かしたい」と話している。  参加校は以下の通り。  東北大、宮教大、宮城大、仙台白百合女子大、東北学院大、東北工大、東北生活文化大、東北福祉大、東北文化学園大、東北薬科大、宮城学院女子大(以上仙台市)、尚絅学院大(名取市)、仙台大(宮城県柴田町)、尚絅学院大女子短大部、聖和学園短大、東北生活文化大短大部(以上仙台市)、宮城誠真短大(大崎市) "[he-forum 13682] 毎日新聞広島10/7 毎日新聞広島版2008年10月7日付 広島市立大:10年4月めどに法人化 秋葉市長、検討を指示  広島市の秋葉忠利市長はこのほど、同市立大学の運営を公立大学法人に移行する検討を始めるように指示をした。10年4月をめどにしている。  04年4月に国立大学が国立大学法人に移行し、公立大は08年4月までに75大学中39大学が移行、09年度にも6大学が法人化を予定している。  秋葉市長は「大学の在り方、将来性をゼロベースから考える時。地域に根ざした市立大のアイデンティティをいかしてほしい」と話した。移行に伴う運営費負担の増加については、独自財源を充てる予定。【井上梢】 "[he-forum 13683] 読売新聞愛媛10/8 読売新聞愛媛版2008年10月8日付 愛大院に船舶工学コース新設 造船技術者を養成…愛媛  愛媛大学は7日、県内の有力地場産業である造船業の技術者を養成する「船舶工学特別コース」を来年4月から、大学院の生産環境工学専攻内に新設すると発表した。今治市の造船会社「今治造船」の寄付で設け、船舶工学関連の専門教育コースの設置は四国で初めて。  愛媛大や同社によると、経済発展の進む中国への鉄鋼などの資材輸送の増加などで造船業界は好況に沸いているが、国内で船舶工学関連の専門教育コースを設置する大学、大学院は東大や阪大など8大学にとどまる。優れた人材の確保が課題で、グループ全体で国内の船舶建造量トップの今治造船が5年分の教員の給与などを寄付し、コースが新設されることになった。  2年間の修士課程コースで、若い人材の育成のほか、地元企業で実務に就いている技術者の再教育も行う。新規採用する実務経験のある教員2人による講義のほか、実践能力を高めるため、地元企業で約3か月間に及ぶ長期インターンシップも予定している。  募集人員は5人で、そのうち3人程度が社会人特別選抜となる予定。入学願書受け付けは来年1月19~23日。  この日、松山市内の大学本部で、今治造船の檜垣幸人社長から小松正幸学長に寄付目録が手渡された。小松学長は「優れた造船技術者を養成し、地域の発展に貢献したい」と話し、檜垣社長は「韓国や中国との競争、将来起きるであろう技術革新に備え、人材確保が最重要の課題だ」と言葉に力を込めた。 "[he-forum 13684] 産経新聞主張10/5 産経新聞主張2008年10月5日付 法科大学院 法曹の質向上へ再編急げ  中央教育審議会の特別委員会が法科大学院の定員削減や統廃合を促す中間報告をまとめた。レベルの低い大学院が淘汰(とうた)されるのは当然として、本来の設立趣旨を生かせる再編が急務だ。  法科大学院は、司法改革に伴い、弁護士や裁判官ら法曹の新しい人材養成機関として平成16年に開設された。法学部卒業生など既修者向けの2年コースと、社会人など法学未修者対象の3年コースがあり、修了者は新司法試験の受験資格が得られる。  新司法試験の合格率は当初7、8割程度と想定された。ところが修了1期生から想定を大幅に下回る結果となり、3回目の今年の合格率は約33%と前年実績をさらにおよそ7ポイント下回った。合格者ゼロの大学院も3校あり、修了者のレベルや法科大学院の教育の質自体への懸念が高まっている。  法科大学院は現在74校あり、定員は全体で約5800人となっている。当初は20校程度と予想されていたことを考えれば、「乱立」との批判もうなずける。  入学者の質の確保が難しくなっているほか、学部との兼務で専任教員が少ないなど教育体制の課題を多くの大学院が抱えている。  100人を超える大人数の授業や受験対策偏重の授業を行っているところもあり、大学評価機関から設置基準に合わないと指摘された法科大学院もある。受験知識偏重などと批判が強かった旧司法試験制度の反省から導入された意図からは隔たる状況だ。  法科大学院は年間100万~200万円の学費がかかる。入学者には相当な負担だ。法曹のプロを養成するねらいに見合った教育が行われず、合格率が低迷するようなら、志願者は減り、入学者の質はさらに低下しかねない。  実際、74校のうち46校で定員を割り込んでいる。それでも定員削減の検討を進めている大学院はまだ一部にすぎない。  新制度では、法学部出身以外にも多様な人材を法科大学院で鍛え、法曹界を活性化させるねらいが込められていた。  だが、社会人ら未修者の合格率は低迷しており、期待通りの形にはなっていない。地域による弁護士の偏在解消も課題だ。中間報告が指摘するように、再編では大学院同士の「競争的な環境」をつくると同時に、夜間コースや奨学金拡充など幅広い人材養成に一層の工夫が求められるだろう。 "[he-forum 13685] 北国新聞10/8 北国新聞2008年10月8日付 大学経営、民間に学べ 北國銀行で金大職員が研修  北國銀行の「金沢大学主任研修」は八日、同行本店で三日間の日程で始まった。民間が持つ接客や危機管理のノウハウを大学経営に生かしてもらう狙いで、今月と来月の二回で計三十人を受け入れる。初日は、事務系主任職の六人が本店営業部で行員の接客態度などを学んだ。  北國銀行と金大が六月に締結した包括的連携協力協定に基づく取り組みの一環。開講式では同行の村上良平常務が「銀行の経営基盤であるCS(顧客満足)や、お金の流れなど経済の知識を深めてほしい」とあいさつした。この後、参加者は本店営業部で窓口や貸金庫などを見学した。 "[he-forum 13686] 朝日新聞10/6 朝日新聞2008年10月6日付 育児中も論文を  大学で女性教員の占める割合が高くなっている。文部科学省が9月に発表した07年度の学校教員統計調査によると、学部で初めて2割を超えた。キャンパスに保育室をつくったり、午前9時から午後5時の勤務を徹底したり。女性が働きやすい環境を整えようと、大学側も様々な取り組みを進めている。  「ミルクを作るから待っていてね」  9月18日午後、京都大学(京都市左京区)のキャンパスの一角にある「保育室」で、女性2人が赤ちゃん3人の世話をしていた。赤ちゃんは昼寝をしたり、おやつを食べたり。木製のおもちゃなどに囲まれ、安心した表情に見える。  保育室は、年度途中の出産や、転勤で乳児を保育園に途中入園させるのが難しい女性研究者らを支援しようと、昨年12月につくられた。  「女性研究者支援センター」の1階にあり、この日は3カ月と5カ月、1歳の赤ちゃんが利用していた。運営は外部の業者に委託し、保育士らが交代で世話をする。利用料は月5万円だが、日本物理学会などで男女共同参画の推進にかかわり、センターの運営を任されている登谷美穂子特任教授は「多くの人がありがたがって利用してくれている」と話す。  女性研究者の少なさに危機感を持った京大が、センターを設置したのは06年9月。「相談・助言」「交流・啓発・広報」など4本柱の事業の中でも保育面の支援の充実ぶりが目立つ。稲葉カヨ・センター長によると、研究の世界では、「遅れたくない」という気持ちから「出産しても育児休業を取りたがらない傾向がある」。こうした思いに配慮し、家庭と研究の両立を可能にするためだ。  昨年2月にできた病児保育室は、多い月には平均で日に3人を超える利用がある。医学部付属病院の小児科医を兼任で置くなど、大学ならではの利点も生かした。10月から「お迎えつき保育」も始める。  ただ、京大の教員(助手を含む)のうち女性は212人で、全体の7.4%(07年5月1日現在)に過ぎない。さらに職階が上がるにつれて割合は少なくなる。稲葉センター長は「大学の意思決定にかかわれる女性はまだわずかしかいない」としたうえで、「女性が増えれば、授乳室など両立を支える場を整備しやすくなるし、声を上層部に上げていく力にもなる」と期待を込める。 ■支援した5人に成果  早くから女性の支援に力を入れてきたお茶の水女子大学(東京都文京区)は、女性研究者に適した「雇用環境モデル」づくりを進める。06年に学内公募で5人の理系研究者を選び、どのような環境が整えば女性が働きやすいかを検証する取り組みだ。  5人はいずれも小学生以下の子どもがいる。立場も助教から教授までさまざまだ。9時~5時勤務の徹底、学会や研究会の際に子ども同伴で泊まれる宿泊施設の整備、研究補助者の配置といった支援策を次々と打ち出してきた。  結果は現在、分析中だが、目に見える成果も出ている。羽入佐和子副学長は「通常、(グラフの形から)『M字形』と言われ、子育てをすると論文や研究発表の数が一時的に減るとされるが、彼女たちは維持するか向上したことがわかった」。  同大では、研究職を目指す女性への啓発にも力を入れる。9月24日には、「手本」となる同大の女性名誉教授6人との交流会を開催。松田千鶴子名誉教授(数学)は「研究や育児で挫折を感じてもあまり落ち込まず、発想の転換を心がけてほしい」と参加者に語りかけた。  郷通子学長は「私自身、子育てをしながら研究し、教えてきた。先輩女性がアクティブに研究している姿を見れば、学生も『自分もできるんじゃないか』と思う。先生方のそうした姿を見てもらうことが大事」と話す。08年度の女性教員比率は47.6%で04年度より約9ポイント上がり、全体の半数近くになった。 ■男女問わず交流会も  早稲田大学(東京都新宿区)は07年に男女共同参画宣言を発表し、教職員らの男女比「格差」の是正を目指してきた。  今年9月25日には、取り組みの中心となる「キャリア初期研究者両立サポートセンター」を大久保キャンパスに開設。男女を問わず、研究職について間もない人を主な対象に、子育ての相談に応じたり、交流会を企画したりする。くつろぎやすい畳の部屋や授乳室も設けた。  男女共同参画推進室の浅倉むつ子室長は「マンモス大ゆえ、ほかの研究者で出産などを経験した人の姿が見えず、孤立感を深めてしまうこともあった。同じ境遇にある人の交流の場を設け、情報交換できるようにしたい」と話した。  他にも産休を取る際の代替要員の費用を、所属部局ではなく全学予算から出す制度などを導入し、支援を進めている。目標とする女性教員の比率は25%(理工系は15%)という。  浅倉室長は「いろいろな人が研究に携わることは学問の幅を広くするし、深化させる。そして、女性にとっての環境改善は男性にとっての改善にもつながる。決して女性のためだけに男女共同参画があるわけではない」と強調する。(大西史晃)     ◇ ■女性教員2割超 大学側は環境整備  文科省が公表した07年度学校教員統計調査では、国公私立大の学部の女性教員の割合は21.2%。04年度より3.1ポイント上がり、初めて2割を上回った。大学院、短大、高等専門学校のいずれも04年度の調査より高くなっている。文科省調査企画課は、女性の高等教育機関への進学率が上がっていることや、支援制度が整って社会進出が進んでいることが背景にあるとみている。  99年の男女共同参画社会基本法の制定を受け、国立大学協会は翌年、10年までに各会員大学の女性教員比率を20%にするという目標を掲げた。  しかし、07年夏に行った調査では、助手を除いた教員の女性比率は11.4%にとどまっている。 "[he-forum 13687] 10/10しんぶん赤旗(主張) 2008年10月10日(金)「しんぶん赤旗」 主張 4人のノーベル賞 基礎研究支援の大きな契機に  科学界を中心に、日本中が大きな喜びにつつまれています。  ノーベル物理学賞を素粒子物理学者の南部陽一郎、小林誠、益川敏英 の三氏が、続いて、化学賞を発光生物学者の下村脩氏が受賞するという 快挙を遂げました。自然科学における日本の基礎研究の水準の高さが国 際的に評価されたことを、心から喜びたいと思います。 自然の奥深い謎を探究  「物質になぜ質量があるのか」、「宇宙はどのようにできたのか」と いう根源的な謎を探究し、南部氏は「対称性が自発的に破れる」という 大胆な学説を提唱することで、素粒子の質量を説明する理論に貢献しま した。  小林・益川両氏は素粒子の「対称性の破れ」がなぜおこるのかを 「クォークの新しい枠組み」によって解明し、六種のクォークの存在を 予言しました。  素粒子論の発展は、電気抵抗がゼロになる超伝導や、宇宙の生成・発 展の原理の究明、コンピューターなどの半導体技術の開発など、さまざ まな分野の研究の発展にも大きな影響をあたえました。  下村氏が受賞した「緑色蛍光たんぱく質の発見と発光機構の解明」 は、「オワンクラゲがなぜ光るのか」を考えつづけたなかで生みだされ ました。  脳の神経細胞の発達や、がん細胞が広がる過程の解明を促進するな ど、分子生物学や生命科学の発展に大きな貢献をしています。  こうした優れた研究は、いずれも、自然の奥深い謎を探究する基礎研 究の分野で成し遂げられたものです。純粋に知的な好奇心から出発した 研究ですが、長い視野でみれば、生産や医療、生活に役立つ新しい技術 をうみだすことにもつながりました。  基礎研究の重要な役割に光をあて若い世代や子どもたちに科学への夢 をはぐくむことは、人類と日本社会の将来にかかわる大きな課題です。 今回の快挙がその新たな契機となることが期待されます。  その点で指摘しなければならないのは、基礎研究に対する国の支援が あまりにも冷たい現実です。  自民党政治の「構造改革」路線は、「国際競争 力」を高めるとしてすぐに経済効果のでる研究に重点投資し、研 究者を目先の業績競争ばかりに駆り立てました。その結果、 研究現場ではじっくりと長期的視野で研究する環境が弱められ、国立大 学法人では四年間で六百二億円もの予算削減によって、教員の研究費が 底をつく事態もうまれています。民間資金も基礎研究には冷淡です。  次代の科学をになう若い研究者たちが、博士になっても安定した研究 職につけず、ポスドクなどの非正規雇用をくりかえす事態もひろがって います。「高学歴ワーキングプア」といわれ、若い世代から研究への夢 を奪う事態になっているのです。 抜本的な対策の強化を  こうした現状では、基礎研究の発展を望むことはかなわず、ひいては 社会の発展の基盤を損なうことにもなります。日本学術会議は八月、政 府に対して提言を行い、「基礎研究を推進する基盤は大きく揺らぎ、危 機的といえる状況」であると警告し、「早急な対策を講じること」を求 めました。  ノーベル賞受賞を契機に深刻な事態を大本から正し、基礎研究への支 援を抜本的に強めることは、国のはたすべき重要な責任です。 "[he-forum 13688] 10/10朝日新聞 ノーベル賞に沸いているけど… 日本の論文数5位に転落 2008年10月10日  日本の最近10年間の科学系論文数の伸びは主要国中最低レベルで、 数では中国、英国、ドイツに抜かれて2位から5位に転落したことがわ かった。論文数はその国の「科学技術力」を示す重要な指標。ノーベル 賞4人受賞にわく日本だが、先行きは必ずしも安泰とはいえないようだ。  オランダの学術情報出版社「エルゼビア」がつくっている世界中の主 要学術誌の約6割をカバーするデータベースから、スペインの科学情報 調査会社「スキマゴ」が集計し、07年の上位20カ国について、97 年と比較した。  それによると、日本の07年の論文数は9万185本で、米国、中 国、英国、ドイツに次いで5位。97年からの伸び率はわずか5%で、 中国(505%)、韓国(204%)、ブラジル(159%)はもちろ ん、西欧諸国(22~80%)、米国(10%)にも及ばず、下から2 番目だった。  政府は「資源に乏しい日本の未来を切り拓(ひら)く途(みち)は、 独自の優れた科学技術を築くことにかかっている」として、科学技術基 本計画を策定。96~05年度の10年間で約41兆円の政府研究開発 投資をつぎこみ、06年度からの5年間で約25兆円を投入する目標を 掲げているが、米国(年額17兆円)や中国(同10兆円)よりはるか に少ない。(杉本潔) "[he-forum 13689] 10/9朝日新聞社説 朝日新聞 社説 10/10 下村氏受賞―これぞ基礎研究の輝き  なんと2日連続の朗報だ。ノーベル物理学賞の興奮さめやらぬ間に、 こんどは米ウッズホール海洋生物学研究所の元上席研究員、下村脩さん がノーベル化学賞を受賞することになった。  下村さんは、海の中で光るオワンクラゲがもつ緑色蛍光たんぱく質 (GFP)を見つけた。この物質で目印をつけておけば、細胞の中で生 命活動を担うたんぱく質の動きをたやすく観察できる。GFPはいま や、世界中の研究室で欠かせない「道具」だ。  下村さんは便利な道具を開発するために研究を始めたわけではない。 なぜ生物は光るのか、という素朴な疑問から発光のメカニズムを追いか けて、たどりついた物質が幅広い研究の道具に使えることがわかった。 基礎研究の成果がどんな応用につながるのかは予想がつかない。  物理学賞の南部陽一郎さん、小林誠さん、益川敏英さんも素粒子物理 学という基礎科学だった。02年に続く物理学賞・化学賞のダブル受賞 で、日本の科学の底力を世界に印象づけた。  とはいえ、それは必ずしも「いま」の実力ではない。  下村さんがGFPを見つけたのは1960年代だ。小林さんと益川さ んの仕事は35年前だし、南部さんの業績は半世紀もさかのぼる。4人 がそうだったように、ノーベル賞につながる独創的な研究は多くの場 合、20代や30代ぐらいの若いときに生み出される。  いま優秀な若手をいかに育て、かれらが存分に力を発揮できる環境を 整えるか。優れた研究をどれだけ支援していくのか。それが日本の未来 の科学力を左右する。  06~10年度の第3期科学技術基本計画は、研究開発予算の目標と して計25兆円を掲げている。07年度は3.5兆円で、米国の17兆 円や欧州連合の12兆円、中国の10兆円に見劣りがする。もっと思い 切った投資がほしい。  さらに問題は、厳しい財政事情の下で、すぐに実用化できそうな応用 研究に予算が集中し、何に役立つのかわかりにくい基礎研究に対しては 投資が少なくなりがちなことだ。日本学術会議はこの8月、「基礎研究 の基盤をおろそかにすれば、長期的には我が国の科学技術政策に危機的 な状況を生み出す」と訴えた。  予算の配分にあたっては、「基礎研究の土台なしに応用研究の発展は ありえない」という意識がほしい。  最後にものをいうのは人材だ。自然の不思議を追いかける楽しさや答 えを見つけた時の喜びを幼いころから体感させる。柔軟な発想や思考を 伸ばす。子どもたちの理科離れ、学生の理系離れがいわれる今こそ、そ うした教育を工夫すべきだ。  4人の受賞を、日本の科学研究や教育の環境を改善する機会にした い。 "[he-forum 13690] 10/9日経社説 日本経済新聞 社説2 日本を元気づける連続受賞(10/9)  連日の朗報である。ノーベル物理学賞に続き化学賞でも日本人の下村 脩ボストン大学名誉教授の受賞が決まった。物理学賞、化学賞のダブル 受賞は6年前と同じだが、科学分野で日本の受賞者が合計4 人も出れば快さいを叫ばずにはいられない。  化学賞の受賞理由は「緑色蛍光たんぱく質GFPの発見と開発」。G FPの発する明るい緑の光は、生物の組織や細胞の複雑な動きを読み取 る目印として活用されている。  下村名誉教授は米国留学中の1962年にオワンクラゲから発光物 質のGFPを世界で初めて分離し、イクオリンと名付けた。それまで生 物発光は、ホタルと同じようにルシフェリンとルシフェラーゼの反応に よるとされていたが、GFPは発光の仕組みも違う新物質だった。  GFPの光を目印として利用し、生物の生きた組織の挙動を精密に追 跡する仕組みを、同時に受賞が決まった米国の2人の研究者が開 発した。アルツハイマー病で神経細胞が壊れていく経緯や、膵臓(すい ぞう)でインスリンをつくるβ細胞の動きの分析など、GFPは人類に とっての難敵の病気を科学的に解明するうえで強力なツールとなってい る。  下村名誉教授はGFPの発見後帰国して、名古屋大の助教授になり、 60年代半ばには厳しいが研究に専念できる「競争的環境」を求め再び米 国に渡る。昭和天皇も訪問されたウッズホール海洋生物学研究所などで 研究を続けた。物理学賞の受賞が決まった米国籍の南部陽一郎シカゴ大 学名誉教授と同じ頭脳流出組だ。  下村名誉教授は旧長崎医科大学出身でほとんどが旧帝大出身という日 本人受賞者のなかでは異色。実力で世界的成果を上げ、評価されたこと は地方大学を大いに元気づけよう。  物理学、化学両賞で日本の4人が受賞した喜びは尽きないが、 賞は過去の業績に対して贈られる。両賞とも評価された業績は60 ―70年代の研究。いずれも受賞者が若いころに上げた成果だ。そ の意味では好奇心と情熱のあふれる若い研究者が伸び伸びと研究ができ る環境を整えることがいかに大事かも教えている。  科学技術力は研究者の層の厚さに比例する。受賞に浮かれず、若手研 究者育成に力を注ぐことが重要だ。 "[he-forum 13691] 10/8毎日新聞社説 毎日新聞 2008年10月8日 東京朝刊 社説:ノーベル賞 基礎研究が勇気づけられた  02年の小柴昌俊、田中耕一両氏のダブル受賞から6年。そろそろ日本人が 受賞してもおかしくないとの期待が高まっていたが、3人の共同受賞は予想外 で、うれしい驚きだ。  しかも、対象は49年に湯川秀樹博士がノーベル賞を受賞して以来、日本の 「お家芸」とみなされてきた素粒子物理学である。日本の基礎科学の底力が改 めて確認されただけではない。宇宙の成り立ちに深くかかわる "[he-forum 13692] 10/9東京新聞社説 東京新聞【社説】2008年10月9日 ノーベル化学賞 若い研究者も後に続け  日本の科学技術の実力を示す快挙が続いた。三人のノーベル物理学賞 受賞に続き、下村脩氏の化学賞受賞も決まった。この勢いを失うことな く、若い基礎研究者は後に続いてほしい。  下村氏は、オワンクラゲ(発光クラゲ)の発光器官から「緑色蛍光タ ンパク質(GFP)」を発見した業績が評価された。  GFPをつくる遺伝子を他の生物のDNAに組み込めば、特定のタン パク質が作用したとき緑色に光る「標識」として使え、生きた細胞内で の物質の動きの観察が可能になる。医学など生命科学の研究推進に画期 的な成果をもたらした。  前日の三人の物理学賞受賞決定に続き、わが国のノーベル賞受賞は快 進撃といってもいいほどだ。  再度、日本人の研究が世界的評価を受けたことを喜びたい。  下村氏の活躍の場は米国にあった。長崎大で生物発光の研究に取りか かり、名古屋大助教授時代にウミホタルの発光タンパク質の結晶化に成 功したものの、国内での知名度は高いとはいえなかった。  受賞対象の業績は、研究の場を米国に移してからである。  前日、物理学賞受賞が決まった南部陽一郎氏の業績も米国で成し遂げ られた。遡(さかのぼ)れば、同じく物理学賞受賞の江崎玲於奈氏(一 九七三年)、医学・生理学賞受賞の利根川進氏(八七年)も米国など海 外での研究が評価された結果だ。  共通するのは、下村氏らが国内にとどまっていたら、国際的に認めら れたかどうかだ。  米国に世界中から研究者が集まるのは、独創性のある研究の意義を十 分に認め、年齢や地位に関係なく、正当に評価し、それに見合った処遇 をすることが背景にあると指摘されている。  日本人研究者が海外で活躍するのは歓迎だが、その理由が国内では自 由に研究できないためであれば、研究体制を根本的に反省しなければな らない。  わが国も九六年から始まった三期にわたる「科学技術基本計画」で、 若い基礎研究者の処遇を徐々に改善してきてはいる。だが、依然として 博士課程を終えた若手研究者の多くが就職できないなど、とても十分と はいえない。  基礎研究は一見、何の役にも立ちそうにないが、後になって思わぬ成 果を生む。科学技術にはこうした基礎研究の支えが欠かせない。若い基 礎研究者が国内で安心して研究に打ち込める体制づくりこそ今、最も求 められている。 "[he-forum 13693] 時事通信10/9 時事通信2008年10月9日18時43分 経営協議会審議、6校で不適切=国立大評価  文部科学省の国立大学法人評価委員会は9日、国立大と大学共同利用機関の全91法人について、2007年度業務実績の評価結果を公表した。外部の意見を反映させるための経営協議会の審議が6大学で不適切だったなどとして、評価委は「一部で取り組みが不十分」と指摘した。  宮城教育大、福岡教育大など6校は、学外の委員が参加する経営協議会で審議すべき財務諸表、役員報酬規定などを、事後報告で済ませていた。  弘前大、信州大など9校では、博士課程、法科大学院で学生の定員充足率が基準の9割を切っていたことが判明。今後、運営費交付金の返還が求められる。  小樽商科大、静岡大など10校と高エネルギー加速器研究機構では、研究費の不正使用を防止するための規定・体制の整備が不十分だった。   一方、30校と2機関は、教職員の個人評価を給与などに反映させる仕組みを導入済み。評価委は「運営効率化は基本的には順調に進んでいる」とした。 "[he-forum 13694] 長崎新聞10/10 長崎新聞2008年10月10日付 「苦労あったが、楽しかった」退任の齋藤寛長崎大学長 6年の任期振り返る  十日で退任する長崎大の齋藤寛学長は九日、長崎新聞社の取材に応じ、六年間の任期を振り返り、「苦労もあったが、楽しかった」と話した。  齋藤学長は二〇〇二年十月に第十三代学長に就任。〇四年四月に国立大学法人化して最初の学長として、かじ取りをした。「法人化でそれぞれが個性を出し、変革しなければならない時期に学長になったことで自分の持ち味が生かせたのではないか」とし、「『情報公開』と『説明責任』を掲げてやってきた。苦労はあったが、だんだん学内に浸透していき、楽しかった」と振り返った。  地域とともに歩むことを目指した同学長。本県に対しては「長崎は四百年前からまち全体が大学で、全国から若い人が集まり、勉強した。学問をする雰囲気を受け継ぐ代表のようなまちと思う。伝統を受け継いでほしい」とエール。  同大に対しては「長崎大の原爆からの復興は市民の生きてきた道筋とぴったり重なる。これからも教育と研究は地域と連携しながら進めることを世界で最も強く打ち出してほしい」と求めた。  「長崎大での二十五年間、周りには常に学生がいたので、離れるのは寂しい」とも。長野県生まれ。退任後も本県にとどまり、テレビ番組に出演する予定があるが、「しばらくは英気を養いたい」とほっとした表情を見せた。 "[he-forum 13695] 陸奥新報10/10 陸奥新報2008年10月10日付 弘大の博士課程で学生定員充足率が9割切る  国立大学法人評価委員会による、国立大と大学共同利用機関の2007年度業務実績の評価結果で、弘前大学(遠藤正彦学長)は博士課程において、学生の定員充足率が基準の9割を切っていたことが判明した。2009年度までに目標を達成できない場合、運営費交付金の返還が求められることになる。  各大学がそれぞれの中期目標・中期計画を基に5段階で評価し、結果を委員会が審査する。審査の結果、弘大の実績は「中期目標・中期計画の達成のためにはやや遅れている」と評定された。  弘大によると、課題となった大学院博士課程の充足率は06年度70.8%、07年度74.8%、08年度81.2%(ともに5月1日時点)。弘大は06年度までは85.0%、07年度は90.0%を目標としていたため、今回、入学定員の適正化に努めるように求められた。  弘大は既に医学研究科医学科専攻入学定員を55人から5人減とする対策を示している。  総務担当理事の藁科勝之副学長は「進(しん)捗(ちょく)状況から、(指摘は)覚悟していた。指摘されたものは真(しん)摯(し)に受け止め、09年度までに目標のクリアを目指したい」と話した。 "[he-forum 13697] 福井新聞10/4 福井新聞2008年10月4日付 関電に新エネルギー研究センター 福井大などと共同研究  関西電力は3日、新エネルギー技術に関して県内の大学や企業と共同研究を進める「嶺南新エネルギー研究センター」を、美浜町の原子力事業本部内に設立すると発表した。7日から活動を開始する。福井大大学院と福井工大、福井高専と太陽電池やバイオエタノールの研究に取り組む。  同センターは、研究開発室エネルギー利用技術研究所(兵庫県尼崎市)の下部組織となる。センター所長は渡辺敏緒同研究所長が兼務し、当面は所長代理2人と研究員5人の計8人体制。  福井大とは、太陽電池の効率化を目指し、エネルギー変換効率の高い窒化物半導体材料を用いたタンデム(多接合)型太陽電池の基礎技術の開発を進める。福井工大とは、太陽電池の低コスト化・軽量化を目的に、有機アモルファス材料を用いた技術の構築を図る。福井高専とは、木材や古紙などから低コストでバイオエタノールを製造する技術研究を行う。それぞれ当面、3年間をめどにしている。  関電グループが蓄積した技術やネットワークを活用しながら、ともに基礎研究を進める。その後、事業者として商品化に向けた取り組みも行う。  同社は「県が進めるエネルギー研究開発拠点化計画の一環として、新研究センターを設立する。産学官連携を図り、福井県への研究機能の集積に努めたい」としている。  7日は、同事業本部で開所式を行い、共同研究を進める福井高専物質工学科の吉村忠与志主任教授が記念講演する。 "[he-forum 13696] 毎日新聞福井10/9 毎日新聞福井版2008年10月9日付 福井大:付属病院に来春、保育施設 看護師ら夜勤に対応  福井大学は来年4月、子育てと仕事を両立する看護師や女性医師らのため職員専用保育施設を、付属病院がある永平寺町の松岡キャンパスに開設する。  同大学が女性職員に対し実施したアンケートによると、不規則な勤務時間のために育児が困難になり、離職せざるを得ない看護師が多かったという。また、近隣に夜間保育のある施設もなかったため、設置を決めた。  0歳児~小学校就学前の幼児が対象で、定員は20人。平日は午前8時から午後6時半まで預かり、午前7時からの早朝保育と、夜10時までの延長保育もある。また、週に一度、24時間の夜間保育も行い、看護師や医師の夜勤に対応する。  保育施設の開設について、大学担当者は「国立大学の法人化以降、保育施設を設置する大学が増えており、福井大はむしろ遅いほうだ」と話している。【菅沼舞】 "[he-forum 13698] 沖縄タイムス10/10 沖縄タイムス2008年10月10日付 看護大大学院が宮古で博士課程開講/3校の計画国文科省支援 看護大、臨地実習拡大/琉大、児童と模擬学校  文部科学省の大学院・大学支援プログラムに県内から、県立看護大学と同大学院、琉球大学の各取り組みが九日までに選出された。同大学院は「島嶼保健看護」領域を設置し、宮古島市に教授陣を派遣して修士・博士課程を開講。琉大は教員を目指す学生が児童・生徒に授業する「模擬学校(プラクティススクール)」で教育実践する。二〇〇八年度から三年間のプログラムで、同省が財政支援する。  看護大大学院の「大学院教育改革支援」は、宮古島市で高度な教育が受講できるのが特徴。これまで、離島で遠隔講義システムを使った講義の受講は可能だったが、同プログラムでは離島地域の保健看護の向上を目指し、同市での講義を本島にいる学生も遠隔講義で受講できる。二〇〇九年度の定員は修士課程二人、博士課程一人で、十一月から募集を受け付ける。  また、県立看護大学の「島嶼環境を活かして学ぶ保健看護の教育実践」は、島嶼県の保健看護の向上に貢献できる人材育成の一環として、宮古島市を中心に離島での臨地実習を全学的に拡大する。  琉球大学の「模擬学校による教育実践力向上モデルの開発」は、教職課程を履修する一、四年生を対象に学生の判断力やコミュニケーション力向上を目指す。  昨年からの取り組みで、同大や近隣の学童クラブなどで食をテーマにした「食べごと学校」や国語と算数を楽しく学ぶ「コックさん学校」などを実施した。学生は「教職に対する意欲が高まった」「教育実習前に自信がついた」など好評だった。一グループ二十人の学生が模擬学校を“設立”、児童・生徒約三十人の授業を企画する。十一月中旬から実践する予定。  中村透教育学部長は「既成概念にとらわれず、子どもたちとかかわること、人間関係をどう磨くかがポイント」と語る。 "[he-forum 13699] 毎日新聞10/9 毎日新聞2008年10月9日付 文科省:全法科大学院聴取へ 定員改善計画求める  文部科学省が20日以降、法科大学院全74校から教育の質を高めるための対策などについて、一斉にヒアリングを実施することが分かった。先月30日に中央教育審議会の法科大学院特別委員会が示した「中間まとめ」を踏まえ、現状と課題の認識を報告させた上で、具体的な改善計画の提出を求める。  ヒアリング実施は、6日付で各大学院に通知した。特別委の中間まとめでは、新司法試験の合格率が低い場合などには「大学院が自ら定員見直しを検討する必要がある」などと提言したが、通知は「(中間まとめで示した)改善の方向性を真摯(しんし)に受け止め、必要な措置を速やかに講じるようお願いする」とした。文科省のヒアリングは20日~来月11日、各大学院の担当者を順次呼んで実施する。各法科大学院の研究科長クラスを対象に聴取し、法務省の担当者も同席する。合格率が低い大学院などに自覚を促し、定員縮小や他大学院との統合などを積極的に進めさせる狙いがあるとみられる。【石川淳一、加藤隆寛】 "[he-forum 13700] 中日新聞10/10 中日新聞2008年10月10日付 静大とヤマハ発が包括連携協定締結 制御や材料生産を共同研究  静岡大とヤマハ発動機(本社・磐田市)は9日、協力関係を組織的に続けるための包括連携協定を締結した。ヤマハ発は単発的な協定を研究機関などと結んだことはあるが、包括連携協定の締結は今回が初めてとなる。静岡大が地域経済の活性化を目的に協定を結ぶのは、県や浜松市、金融機関などに次いで11番目。 (宮沢輝明)  協定には、制御や材料生産について共同で研究するほか、技術セミナーや合同研究発表の実施などを盛り込んだ。人材交流も進めていく。有効期間は3年間。  ヤマハ発にとっては、技術開発力が上がるのに加え、技術者の知識の向上や、大学を交えた大プロジェクトの構築も容易になるという。静岡大にとっては、大学の研究が地元産業の発展につながり、産業界のニーズを直接知ることができるというメリットも見込まれる。  調印式は同日、静岡大の興直孝学長と、ヤマハ発動機の鈴木正人取締役上席執行役員が出席して、静岡市駿河区の静岡大で行われた。静岡大は「強固な信頼関係の構築を目指し、具体的な企画をいくつも検討する。コラボレーションによる新展開に期待してほしい」とコメントした。 "[he-forum 13701] 時事通信10/11 時事通信2008年10月11日5時17分 奨学金滞納者を通報へ=信用情報機関に  大学生らへの奨学金事業を行う独立行政法人日本学生支援機構は11日までに、銀行などがつくる信用情報機関に滞納者情報を通報する仕組みを導入する方針を決めた。通報されると銀行でローンを組んだり、クレジットカードを作ったりしづらくなる。滞納額が増加する中、一種のペナルティーを科して債権回収を円滑にする狙いがある。   信用情報機関には銀行、信用金庫など約1400の金融機関が加盟。貸し出しの判断材料とするため、この機関を通じて個人への与信情報を交換している。  文部科学省によると、学生支援機構は年内に信用情報機関に加盟する予定。早ければ2009年度から、延滞時に通報することを新規の貸し出し条件とする。通報時期は、滞納開始から3-6カ月後とする。所在不明となった滞納者の住所照会も検討している。  奨学金貸出時に与信情報を照会したり、滞納者以外の債務額などを情報提供したりはしない。 同機構は日本育英会などの事業を引き継ぎ、04年に設立された。3カ月以上の滞納者は07年度末で約20万人で、1年で約6000人増加。同年度に回収すべき債権のうち、未回収額は660億円に上った。 "[he-forum 13702] 時事通信10/11(2) 時事通信2008年10月11日17時38分 日本の高等教育力、世界6位=英情報会社  英国の大学情報会社タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)とQS社は11日までに、高等教育力の国別世界ランキングを初めて発表し、日本は6位に入った。今年5年目となる世界大学順位では、上位200校から慶応大が外れ、前年の11校から10校に減少。国内トップは引き続き東京大だが、昨年の17位から19位へ低下した。国内勢が低下傾向の中、国内4位の東京工業大は90位から61位に躍進した。  近年、大学や企業の国際的な人材争奪が激しくなっており、国内でも国立大が法人化で業績が予算に反映される中、ランキングは一定の影響力があるとみられている。  国別順位は、世界上位500校に入った大学の順位と大学の立地、各国トップ校のレベル、国の経済力の4つが指標。トップの米国を100点として、英国、オーストラリア、ドイツ、カナダと続き、日本は6位(90点)。アジア勢は韓国が9位、中国(香港を除く)が15位だった。  一方、世界大学順位の指標は、世界の学者約6400人の相互評価が4割、教員・学生数比率と、教員の論文の重要度(引用された回数)が各2割、世界約2300社の人事担当の評価が1割などで、米ハーバード大が昨年同様トップ。  日本では、国内2位の京都大が25位で変わらず、大阪大が46位から44位へ上昇。東北大112位、名古屋大120位、九州大158位、北海道大174位、神戸大199位と、いずれも順位を下げ、唯一の私立、早稲田大は180位で変わらなかった。  アジアの有力校は、香港大26位、北京大とソウル大が50位だった。 ◇日本の大学 国内08年   世界08年  07年   高低  (1)東京     19   17   ▼  (2)京都     25   25   -  (3)大阪     44   46   △  (4)東京工業   61   90   △  (5)東北    112  102   ▼  (6)名古屋   120  112   ▼  (7)九州    158  136   ▼  (8)北海道   174  151   ▼  (9)早稲田   180  180   - (10)神戸    199  197   ▼ ◇高等教育力の国別順位     国名     総合点   大学順位  敷地  トップ校 経済力  (1)米国     100    1    1    1    1  (2)英国      98    2    4    2    3  (3)豪州      94    5    2    3    7  (4)ドイツ     92    3    7   15    5  (5)カナダ      同    4    5    5    9  (6)日本      90    6   13    4    6  (7)フランス    89    8    6    8   11  (8)オランダ    86    7    9   14   13  (9)韓国      79   16   12   12   16 (10)スウェーデン   同   13   11   16   19  "[he-forum 13703] 時事通信10/13 時事通信2008年10月13日15時31分 出身大学、さまざまに=ノーベル賞  日本人4人の受賞が決まった今年のノーベル賞。自然科学3賞では、2002年の小柴昌俊さん(物理学賞)、田中耕一さん(化学賞)のダブル受賞まで9人のうち、京都大、東京大出身者は7人を占めたが、今年は4人のうち3人が名古屋大と長崎大。有力候補に名前の挙がる研究者にも両大学以外の出身者が多く、「すそ野」が広がった形だ。  自然科学3賞の受賞者は、1949年の故湯川秀樹博士に始まり、87年の医学・生理学賞を受賞した利根川進さんまで、京大、東大出身者が独占。2000年に東工大出身の白川英樹さんが化学賞を受賞するまで続いた。  今年は、6年ぶりに日本人の受賞が決まったが、東大出身の南部陽一郎さん以外は、名大の小林誠さん、益川敏英さん、長崎大の下村脩さんと、各地の大学が快挙に沸いた。  さらに、「有力候補」として取り上げられる日本人研究者を見ると、「人工多能性幹(iPS)細胞」を開発した京都大教授の山中伸弥さんは神戸大出身。「カーボンナノチューブ」の飯島澄男さんは電通大。「光触媒」の藤嶋昭さんも横浜国大と、バラエティーに富む。  地方大学の「躍進」について問われた益川さんは「近年はインフォメーション(情報)の点ではどこにいても変わらない」と昔との違いを説明、「地方大学の不利な点は、研究者の層(の薄さ)にある」と課題を口にした。  ノーベル賞の歴史に詳しい東京大大学院の岡本拓司准教授(科学史)は「戦前には、東大、京大以外からも(選考当局への)推薦例はある。特色ある研究をする人は昔からいたのではないか」と指摘。「こつこつとやって新しい発見をするには、むしろ大きな組織よりもたどりやすい面もあるのかもしれない」と話している。 ◆受賞年  賞 氏名    出身大学               1949 物 湯川秀樹  京大理                1965 物 朝永振一郎 京大理                1973 物 江崎玲於奈 東大理                1981 化 福井謙一  京大工                1987 医 利根川進  京大理                2000 化 白川英樹  東工大理               2001 化 野依良治  京大工                2002 物 小柴昌俊  東大理                 同   化 田中耕一  東北大工               2008 物 南部陽一郎 東大理                 同     小林誠   名大理                 同     益川敏英  名大理                 同   化 下村脩   長崎大薬               ※物は物理学賞、化は化学賞、医は医学・生理学賞。08年は受賞決定者 ※南部さんは米国籍 "[he-forum 13704] JanJan 10/12 JanJan 2008年10月12日号 日本人ノーベル賞受賞に見る日本の大学の研究環境の悪さ 土井彰  「自由」で「平等」な雰囲気の中でこそ、素晴らしい研究の突破口が開けるのではないだろうか?画期的な成果なんて、決して、研究者のほっぺたを札束で叩けば出てくる類のものではないからである。  今年のノーベル賞受賞者の発表で、日本人が4名もいたことに日本中が沸いている。同じ自然科学を学んでいた者として、私も心から「おめでとうございます」と言いたい。  ただ、これをもって、「日本の科学技術の水準の高さが改めて確認された」とするメディアの報道ぶりには、少々違和感がある。なぜなら、(1)今回の受賞につながる研究成果のことごとくが、今から3、40年あるいはそれ以上も昔に成し遂げられた成果であって、決して「現在の」日本の科学技術の水準を反映しているわけではないし、(2)化学賞を受けられる下村先生の研究の主なる舞台はアメリカであって、決して日本でその素晴らしい成果が得られたわけではない、からである。  むしろ今回の快挙は、「基礎軽視、応用研究重視」という日本の伝統的な科学技術政策とは無縁の所で花開いた、と思う。小林、益川両先生はともに名古屋大学理学部物理学科の(故)坂田昌一博士の研究室出身である。当時、坂田先生が主導されていた研究室や物理学科の民主化に向けての取り組みは、全国的に有名であった。他大学で化学を専攻していた私にも漏れ聞こえていた情報では、なんでも、研究室の最高議決機関は学生、院生も含めた全員を集めた会議で、予算配分についても、教授―助教授―助手といった職階別ではなく、一度全部集めて、各人に研究テーマを出させ、それぞれのテーマの審議の結果に基づいて配分される、といった極めて民主的な運営がなされていたそうである(もっとも、坂田先生が亡くなられて久しい今はもう、そういうやり方は止めになった、と聞くが……)。  私が思うに、こういう「自由」で「平等」な雰囲気の中でこそ、素晴らしい研究の突破口(breakthrough)が開けるのではないだろうか?画期的な成果なんて、決して、研究者のほっぺたを札束で叩けば出てくる類のものではないからである。  とは言っても、自然科学の研究者の大半を占める実験系では、研究費の多寡が各人の研究成果を左右する、といった場面も少なくない。ところがその研究費でさえ、日本政府は現在年平均5兆円の研究開発投資をしているそうだが、これはアメリカの年17兆円、中国の年10兆円にはるかに及ばない。そのせいか、最近10年間の科学系論文数の伸び率は、中国の505%、韓国の204%、西欧の22-80%、アメリカの10%と比べて、たったの5%だった由。で、こういう研究活力を反映する指標のひとつとしての日本の総論文数が、かつての2位から5位に転落したそうな。  90年代に財界を中心として、バブル崩壊と関連づけて、「世界における日本の大学の競争力が落ちてきているのは、大学の間で競争がなく、大学人が大学という狭いギルドの世界に閉じこもって、国民や社会にとって何の役にも立たない「研究と称するお遊び」にうつつを抜かしているためである」といった批判が強くなり、その結果として、国立大学は独立法人化され、更なる実用研究重視路線に則った大学間、教員間の競争の加速が強制され、教員は悲鳴をあげている。  私が数年前まで勤務していた、二流といわれている地方のある国立大でも、教授ー助教授(準教授)-助手(助教)といった職階による選別に加えて、毎年教員は自己申告書を提出して、学科長等の管理者の評価査定を受けることが義務づけられ、いずれは給料にもこの評価結果が反映されることになった。  どういう評価項目があるか、というと、研究分野では、(1)国の科学研究費(科研費)をはじめとする研究費総額が多いか少ないか、(2)国や民間企業との共同研究をしているかどうか、(3)国や地方自治体などの審議会の委員になっているかどうか、(4)世界や日本の学会の役員になっているか、招待講演を年間何回行っているか、あるいは学会、研究会といった集まりを主宰したことがあるか、等々といった項目にそれぞれ点数が付けられ、その総点と上司の判断を加えて、教員各自の評価がなされるわけである。  毎年のようにこういう勤務評定がなされ、それに給料まで連動するようでは、じっくりと自分がやりたい(モノになるがどうかも解らない)大テーマを選ぶのは危険過ぎるので、とりあえずは論文になりやすい「データが出る」テーマに向かう、というのは止むを得ない選択かも知れない。また、評価を上げるためには、学内、学外(諸学会)のボスに気に入られないといけない。  私は自分の経験から言って、こういう「昇進や給料をエサとして教員相互を競争させるやり方では、決していい研究成果は生まれない」と確信している。むしろ、(現在は知らず、かつての)坂田研究室のような、「自由」と「平等」といった真の学問的雰囲気が横溢している研究現場からこそ、今回のような大きなbreakthroughが生まれるのではなかろうか?  そのためには、国の研究投資額を欧米並みに引き上げること以上に、「研究現場の民主化」(それはたとえば、教授が君臨するタコツボ型の「講座制」を打破して、かつての坂田研究室のようにする、といった)が必要であろう。そもそも、「研究を通じて学生を教育する」大学教員の特殊性から言って、(国益のためにも)「いい研究」と「いい教育」のためには、教員には、できる限りの「自由」が許される研究環境が必須である。そういう意味で、他分野では必要かも知れないピラミッド型の職階制は、大学には本来なじまない、と思う。ましてや、せいぜい数十名で構成される学科所属の教員を、身近にいる上司が勤務評定する、というのでは……。  そして研究費については、国の投資額を欧米並みに引き上げるのは当然として、研究費の配分法も民主化してほしい。日本の配分法は欧米と際立って異なっており(注1)、一言で言うと「学会のボスに配分を任せる」やり方であり、批判があっても決して、アメリカのような「研究者相互による審査」(peer review)のやり方に替えようとはしない。これは、学会ボスが学会における権限を保持したいがため、としか言いようがない。  以上が、日本人ノーベル賞受賞に沸く新聞やテレビを見ながら、今のままでは日本の科学技術の将来は暗いなあ、と嘆じる私の率直な感想である。これが「偏屈な私」の杞憂に過ぎないのなら、それは結構なことなのだが……。 注1:学閥・学会ボス支配が続く 不公正な日本の大学研究費配分・評価システム "[he-forum 13705] 長野日報10/11 長野日報2008年10月11日付 産学連携で人材育成 法大、信大と調印・諏訪商議所  諏訪市の諏訪商工会議所が法政大と信大との連携で新たに取り組む、諏訪地域「地力(じりき)知力(ちりょく)アップ人材育成講座」すわ地域「おこし塾」の事業推進に関する調印式が10日、同市のRAKO華乃井ホテルであった。関係者や講座の受講を検討している約50人が見守る中で、同会議所の有賀昭彦会頭と法政大の増田寿男総長、信大の小宮山淳学長が協定書を交わした。  すわ地域「おこし塾」は諏訪地区商工会議所・商工会連絡会議が主催。文部科学省の専門職大学院等における高度専門職業人養成教育推進プログラムから全額助成を受け、受講料無料で行う。地域おこしへの関心がある人15人程度を募集。法政大と信大のスタッフが、対面授業と双方向遠隔講義システムを併用して大学院の社会人向け授業の一部を提供する。  調印式で法政大の増田総長は「もう1度、新しい諏訪の産業を活性化していくのに、ほんの少しでもわれわれの力が役立てばうれしい」と話した。信大の小宮山学長も「連携大学として参画させていただけることは大きな喜び。必ずや10分なお手伝いができると思う」と自信を見せた。  すわ地域「おこし塾」は調印を終えた同日から、受講申し込みの受け付けを始めた。同会議所の有賀会頭は「なんとか地域に住んでいる人が中心になって(諏訪地方を)活性化できないかと夢見ている。受講生は地域のリーダーになっていただくような気持ちを持ってもらいたい」と述べた。  調印式典に続いて開講記念講演会が開かれた。法政大の学事顧問、清成忠男氏が「地域リーダーの育成」を演題に、内閣官房地域活性化統合事務局次長の福山嗣朗氏が「地域活性化と人材育成」をテーマにそれぞれ講演した。 "[he-forum 13706] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に!38号] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に!38号 Date: Sat, 11 Oct 2008 10:58:06 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org To: NQJ35480@nifty.com ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 38号 2008年10月11日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 麻生政権は総選挙を先送りして、臨時国会での審議で得点を稼ごう としています。いまのところ共謀罪の審議入りは予定されていない ようですが、油断は禁物です。総選挙後も見据えて永久廃案を目指 しましょう。 ────────────────────────────── 38号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  10/19 反住基ネット・オータムセッション ■国会情勢  追いつめられる麻生政権 ■集会報告  9/30 共謀罪に反対する市民と議員の院内集会 ■ニュース ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆10/19 東京・イベント━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  反住基ネット・オータムセッション in東京 2008  持続可能な社会保障に、番号・カードは必要か?  http://www.juki85.org/2008AutumnSession/2008AutumnSession.html  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 10月19日(日)10時~16時15分 ところ 東京・飯田橋 SKプラザ(東京清掃労働組合本部)     地下1階ホール ○JR中央線東京メトロ東西線有楽町線南北線飯田橋駅徒歩5分 http://www.tokyoseisou.or.jp/outline/map.html ◇プログラム ・セッション1【現実主義の間】  報告「(仮)社保カード検討会の議論と日弁連意見書」   吉澤宏治さん(弁護士)  講演「(仮)なぜ行政のIT化はうまくいかないのか?」   牧野二郎さん(DDTF代表、弁護士) ・セッション2【原則主義の間】  講演「わが国の『社会保障カード』プランの“罠”」   石村耕治さん(白鴎大学教授) ・セッション3【現場主義の間】  報告「介護・医療・福祉の現場から」   山本勝美さん(東京都保健所心理相談員協議会会長、『福祉労   働』編集委員) ◇参加費 1000円 ◇主催 反住基ネット連絡会 Tel.03-5155-4765(日消連気付) ────────────────────────────── ■国会情勢■ ────────────────────────────── ◆追いつめられる麻生政権━━━━━━━━━━━━━━━━━━  衆議院選挙の引き延ばし狙う  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇崖っぷちの麻生政権─────  いまや明確に麻生政権は崖っぷちに立たされています。これにア メリカから始まった世界的な経済危機が更に追い打ちをかけていま す。  政権発足後のご祝儀相場による支持率の高いときに衆議院選挙に うって出て、なんとしても政権の維持をはかろうとした自民党の思 惑は完全に吹っ飛びました。  いま問われているのは、過去から現在に続く、金持ちを優遇し、 弱者を切り捨て、憲法9条を否定し、戦争政策を推し進めてきた自 民党政治そのものなのです。  小手先の手段で解決できないほど、自民党政治に対する批判は高 いということです。 ◇自民党にノーの声を突きつけよう─────  自民党政治ノーの声を選挙で突きつけられることは必至とみた麻 生自民党政権は、いま選挙の引き延ばしに汲々としています。  そのため、「景気対策」を大上段にふりかざせば市民は反対しな いだろうと、「補正予算成立」の次は「景気対策」と声を大にして 叫びはじめています。それだけではありません。来年1月に期限を むかえるインド洋派兵・給油新法延長の国会決議を強行しようとさ えしています。  いまや、麻生自民党政権は選挙引き延ばしのために、さまざまな 口実を見つけだすという末期的状態にあります。  市民を愚弄する麻生政権の悪あがきを許さず、衆議院選挙で自民 党にノーをつきつけましょう。 ◇油断せず、共謀罪を廃案の運動をすすめよう─────  麻生政権の選挙引き延ばしのなかで、衆議院選挙は11月中旬以 降、いやことによれば、年末年始選挙もありうるという状況にあり ます。  衆議院法務委員会ではいま7つの法案が継続審議になっていま す。そのうち内閣提出法案は共謀罪等新設法案のみで、あとは全て 議員提出法案です。  麻生政権による選挙の引き延ばしというなかで、法務委員会の開 催もありえます。気を引き締め、油断することなく共謀罪審議入り 反対・廃案の運動を推し進めていきましょう。  10・14インド洋派兵・給油新法延長反対国会前行動に参加しよう。 ────────────────────────────── ■集会報告■ ────────────────────────────── ◆9/30 院内集会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  共謀罪に反対する市民と議員の院内集会  三浦事件と共謀罪  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  9月30日(火)午後12時30分より、衆議院議員第二議員会館で40 数名が参加して「共謀罪に反対する市民と議員の院内集会」が行わ れました。  今回の集会では、米国で殺人と共謀罪容疑で逮捕されている三浦 和義さんに関するロス郡地裁の決定をうけ、改めて三浦事件とアメ リカの共謀罪の関係が問題となりました。 ◇賛成者の「落選」を─────  集会は先ず、民主党参院議員で現在、法務委員の今野東議員の報 告から始まりました。今野議員は共謀罪に反対するために法務委員 に就任したと述べ、共謀罪に反対する市民は選挙に向けて、現職議 員への共謀罪の賛否を問うアンケート調査を行い、条件付賛成者を 含めてそれらの議員の落選を目指そうと語ってくれました。 ◇ロス郡地裁における共謀罪取り扱いの問題点─────  次に、「三浦事件」について新倉修さん(青山学院大学教員)は 先日のロス郡地裁の決定を批判しました。この決定は三浦さんの殺 人容疑については日本の無罪判決が適用されましたが、殺人の共謀 については、日本に共謀罪がないことを理由に米国で起訴、処罰で きるというものです。新倉さんは共謀罪のロス郡地裁の取り扱いに ついて2点指摘しました。  第1に、日本には共謀罪は無いが共謀共同正犯という形で「殺人 の共謀」も犯罪として問われ、実際に日本の捜査も「殺人の共謀」 に関して実施され、その上で最高裁の無罪判決が出されており、実 質的に「殺人の共謀」に関する判断もされていると理解すべきであ ること、第2に、日本には(殺人に関する)共謀罪に相当する法律 が無いという結論を日本の刑法の非専門家による証言を根拠にして いることです。 ◇組織犯罪防止条約批准を認めない国会決議を─────  引き続き、弁護士の山下幸夫さんも米国の共謀罪は日本以上の無 期懲役を含む重罪となり、今回の「三浦事件」はロス市警を中心と した米国当局の復讐とそれに協力する日本の法務省の連携が見られ るとし、共謀罪の怖さをあらためて市民に広く知らしめて、日本で は二度と法案が提出されることができない状況を作るべきと訴えま した。  そのためには、山下さんは共謀罪の制定根拠になっている組織犯 罪防止条約自体に反対し、共謀罪の禁止だけでなく、条約の批准を 認めないという国会決議が必要という見解を示しました。この条約 については新倉さんも批准に反対であり、現在では存在意義の無い ものとしていました。  政権交代の可能性が近づいている現在、このような議論は非常に 有意義で、今後の共謀罪廃案運動の展開に資すると期待されるもの でした。  集会のその他の発言者は以下の方々です。  寺中誠さん(アムネスティ・インターナショナル日本)、星川淳 さん(グリーンピース・ジャパン)、大束愛子さん(ふぇみん婦人 民主クラブ)、鈴木猛さん(国民救援会)、中原道子さん(VAWW- NET ジャパン)、高田健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)山 口正紀さん(三浦和義氏の逮捕に怒る市民の会)、吉村英二さん (反住基ネット連絡会)。  また、保坂展人さん(社民党衆院議員)と松岡徹さん(民主党参 院議員)の秘書も参加されました。  (文責:市民連・宮田章) ────────────────────────────── ■ニュース■ ────────────────────────────── ◆三浦元社長、ロス移送へ ◇毎日新聞 2008.10.10 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081010ddm003040003000c.html  「一事不再理」また争点  「共謀罪」解釈巡り──日本で「共同正犯」無罪  弁護側、訴追却下を要求か ◆アメリカの共謀罪:解説記事  アメリカの共謀罪および日本の共謀共同正犯との違いについて、 毎日新聞に簡単な解説が2つ掲載されています。 ◇アメリカの共謀罪  毎日新聞 2008.9.27 http://mainichi.jp/word/news/20080927dde001040021000c.html   2人以上の間で成立した犯罪実行の合意を処罰する規定。犯罪  そのものが実行されなくても、犯罪に至る外的行為が立証されれ  ば有罪となる。カリフォルニア州刑法では、重い罪の共謀罪は重  罪そのものと同じ処罰が可能で、殺人の共謀罪が認定されれば、  禁固25年以上か、終身刑、死刑が適用される。   日本では刑法60条の規定で共同して実行した犯人を共犯として  処罰できるが、犯罪行為の成立が前提となり、共謀そのものを処  罰する規定はない。 ◇共謀共同正犯と共謀罪  毎日新聞 2008.10.10(記事末尾の「ことば」欄参照) http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081010ddm003040003000c.html   日本の刑法で共謀共同正犯は、2人以上が犯罪を共謀し、その  うちの誰かが実行した時に、実行に加わらなかった者も刑事責任  を問う。少なくとも1人が犯罪行為を実行することが要件。一方、  米国ではカリフォルニアなどほとんどの州で共謀罪は、2人以上  の間で成立した犯罪の合意そのものを処罰する。犯罪が実行され  なくても、計画、準備を進めたことなどを立証すれば罪に問える。   マフィアによる犯罪防止などを目的とした国際組織犯罪防止条  約が00年に国連で採択されたことを受け、政府は03年、謀議その  ものを罰する共謀罪新設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を国  会に提出した。だが「表現の自由を脅かし内心の処罰につなが   る」「捜査機関が乱用する恐れがある」などの批判も強く、現在  も立法化されていない。 ◆銃器捜査で初めての盗聴捜査  山梨県警が今年の春以降、全国で初めて銃器捜査で盗聴法に基づ く盗聴捜査を複数回行ったことが報じられています。 ◇朝日新聞 2008.10.9 http://www.asahi.com/national/update/1008/TKY200810080299.html  銃器犯罪で初の通信傍受 山梨県警、すでに数回実施 ◇共同通信 2008.10.9  銃器犯罪で初の通信傍受 山梨県警が今年実施 http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008100901000356.html ◆政府が在外米国人の私的通話を盗聴と元通訳兵らが告発 ◇CNNジャパン  2008.10.10 http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200810100005.html   米国家安全保障局(NSA)がテロ監視活動の一環と称して、外  国に滞在する米国人と国内の家族や恋人らとの国際電話を盗聴、  記録していたとの疑惑が浮上し、米議会が調査に乗り出している。 ◆電子フロンティア財団、NSA監視プログラムをめぐり米政府を提訴 ◇CNETジャパン 2008.9.19 http://www.yomiuri.co.jp/net/cnet/20080919nt15.htm   電子フロンティア財団(EFF)は米国時間9月18日、米国家安全  保障局(NSA)の監視プログラムをめぐり、AT&Tの顧客を代表し  て Bush政権を提訴した。同財団は、米政府が行っている米国民  のインターネット、電話通信に対する令状なしの監視は「極めて  違法性が高い」とし、監視プログラムの中止を求めている。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第38号おわり・このメルマガは不定期発行です> ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html 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Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13707] 読売新聞10/15 読売新聞2008年10月15日付 高知女子大整備を決定 「池」に3学部と大学本部…県議会 「永国寺」は存続、知の拠点に  9月定例県議会は最終日の14日、県が提出した高知女子大の再整備を含む一般会計補正予算案を原案通り可決し、橋本大二郎前知事時代からの懸案だった同大の整備計画の実施が決まった。高知工科大の公立大学法人化に関する議案も可決され、両大学は連携して計画を進める方針。県は今後、高知女子大池キャンパス(高知市池)を健康長寿県づくりの拠点、同大永国寺キャンパス(同市永国寺町)を社会貢献をする知の拠点に、高知工科大のある香美市土佐山田町を工学産業振興の拠点として、本格的に整備する。 ・・・  計画によると、高知女子大永国寺にある生活科学部のうち、健康栄養学科を学部に昇格させて池キャンパスに移転。2010年度から大学本部を池に置き、看護(入学定員80人)、社会福祉(同70人)、健康栄養(同40人)の3学部を抱える主キャンパスとする。  これに伴い、現在ある社会福祉学部棟と看護学部棟に渡り廊下でつながるA棟と、健康栄養学部が入るB棟を建設。文化学部が入る予定だったC棟は計画を取りやめる。今議会では、整備費の一部として1億1000万円が計上された。  永国寺キャンパスは、生活科学部の残る生活デザイン、環境理学科の2学科を募集停止し、文化学部(同80人)の1学部にする。同キャンパスにある高知短大は10年度時点では存続される。  さらに、高知工科大マネジメント学部などのサテライト教室を永国寺に設置することも決まった。将来は、同学部と高知女子大が連携し、新たに社会科学系学部を設置し、その場合、高知短大は廃止される可能性もある。尾崎知事は、高知女子大の共学化を打ち出しており、大学の名称変更も検討する。 "[he-forum 13708] 河北新報社説10/15 河北新報社説2008年10月15日付 地域と自動車産業/産学官連携で道を切り開け  ものづくりには夢がある。コツコツ努力し、粘り強く事をなし遂げる東北には、その土壌がある。  県境を超えた産学官の連携で東北をものづくりの拠点にし、世界に羽ばたいていこう。  11日に仙台市青葉区の東北大100周年記念会館・川内萩ホールで開かれたシンポジウム「地域と自動車産業」(主催・東北大、河北新報社、財団法人東北大研究教育振興財団)の議論は、こんな趣旨が込められているのだろう。  東北の力が今、まさに試されていると言える。  チャンスが目の前にあることは疑いない。周知の通り、トヨタ自動車の車両生産子会社セントラル自動車(神奈川県相模原市)が宮城県大衡村への本社ごとの移転を決定したのを手始めに、有力企業がエンジン、車載用電池、カーエアコンなど東北への新工場建設を続々と表明した。  特定の地域に、これほど集中して投資が行われるのは全国的にも珍しく、しかも自動車産業は2万から3万の部品から成るすそ野の広い産業だ。地元がこの好機を生かさぬ手はない。  今回のシンポジウムは、自動車産業と地域振興の在り方を探るスタート台だ。  一体、ものづくりの原点とは何か。忘れがちだったものづくりの夢、面白さが語られたのは、とても意義深かったと思う。  人間の考えたことが実際にものになる、頭の中にあるものがリアルになる。  難題が多く、一筋縄ではいかないからこそ、達成したときの喜びはとてつもなく大きい。汗と油まみれの現場だとしても、この面白さがある限りやめられない。そして、出来上がったものが人の役に立つとき、うれしさがまたこみ上げる。  ものづくりは、人の夢であり、努力、格闘の場なのであり、実にすがすがしい行為だ。  困難だから、息の長い仕事だからこそ、やりがいがあるのだろう。品質、低コスト、納期など厳しい条件が課されるだろうが、地場企業はそれに挑戦し、進出企業のパートナーとして、ともに成長、繁栄していく道を求めなければならない。  二つ目に強調されたのは連携、つながりの大切さだ。  得意技を互いに生かし、補完し合う中小・零細企業同士の連携、進出企業が地場企業に人材を送り、品質管理や生産技術を指導する連携、組み立てや部品納入などについて県境を超えて分担する連携などだ。  特に、産学連携では大学の役割について大きな提言があった。ともすれば、先端技術や次世代技術の開発にウエートを置き、地元企業の底上げに寄与した力は弱かったのではないかという点だ。産学連携の意味を再考する必要がある。  金融機関も、きらりと光る地場企業の発掘に努め、地場振興につなげてほしい。  自動車産業の相次ぐ進出は、立地というより東北の産業構造を大きく変える歴史的出来事であり、人、もの、金を循環させ、東北の発展を期したい。 "[he-forum 13709] 時事通信10/15 時事通信2008年10月15日16時47分 食育・健康づくり=新潟市、8大学と連携  新潟市は15日、市近郊の8大学と連携協定を締結した。市が各大学に業務委託する形を採り、まず「食育・健康づくり」をテーマに取り組む。  市は、2005年に新潟大、07年に県立新潟女子短大と包括連携協定を結んだ。さらに多くの大学の英知を地域に活用しようと、2大学を含む市内の8大学が9月に設立した「大学連携新潟協議会」と連携協定を結ぶことにした。  新たに連携に加わったのは、新潟薬科大、新潟国際情報大、新潟青陵大、新潟医療福祉大、日本歯科大新潟生命歯学部、敬和学園大学。  篠田昭市長と下條文武新潟大学長が協定書に署名。その後、篠田市長と8大学の学長らが握手し、協定締結をアピールした。  篠田市長は「『食育と健康』は8大学に多くの専門家がいるテーマ。市の知恵袋になってもらいたい」と期待を述べ、下條学長は「大学の枠を超え、得意分野を生かしながら地域に貢献していきたい」と抱負を話した。 "[he-forum 13710] 新潟日報10/16 新潟日報2008年10月16日付 新潟市と8大学が協定締結  新潟市は15日、市内を中心とする県内の8つの大学と連携協定を結んだ。大学の知的財産を生かして市の事業を進める狙い。2010年度までの3年間、「食育・健康づくり」をテーマに連携事業に取り組む。  協定を結んだのは新潟市内の新潟大、新潟薬科大、新潟国際情報大、新潟青陵大、新潟医療福祉大、日本歯科大学新潟生命歯学部、県立新潟女子短期大学と、新発田市の敬和学園大。  各大学と市は今後、食育学習の教材作成や、生活習慣病予防のためのプログラム開発をするほか、地元農産物の消費方策の調査、各区における生活習慣と健康状態の関連調査も行い施策への反映を目指す。市は、4事業で委託料1500万円を大学側に支払う。  8大学の代表が出席した協定締結式で篠田昭市長は「大学に知恵袋になっていただき、暮らしの質を高めたい」と期待を込め、下條文武新大学長は「得意分野を生かし、地域社会の発展に取り組みたい」と抱負を述べた。  8大学は9月に「大学連携新潟協議会」(代表・新大)をつくった。協定はこの協議会と市が締結した形。今後、大学側は自治体に限らず、民間企業などとの連携も視野に入れているという。 "[he-forum 13711] 共同通信10/16 共同通信2008年10月16日18時51分 大学病院の臨床研修また半数割れ 続く“地域格差”  来春医師になる大学生ら約8000人の臨床研修先を決める「マッチング」結果が16日明らかになり、大学病院に行く医師の割合が昨年と同じ49・1%と、4年連続で半数を割り込んだことが分かった。  都道府県別では、東京など大都市の病院が人気を集める一方、富山、島根など5つの県では募集定員に対して確保できた学生の割合(充足率)が5割にも届かないなど、“地域格差”があらためて浮き彫りになった。  日本医師会などでつくる協議会によると、マッチングに参加し、希望病院を登録した医大生は8167人。このうち7858人の研修先が決まり、内訳は大学病院が3859人(49・1%)、民間や自治体などが運営する市中病院が3999人(50・9%)だった。  都道府県別の充足率のトップは、昨年に続いて東京の91・7%。次いで沖縄(84・0%)、神奈川(80・1%)、福岡(79.9%)、京都(77・2%)、大阪(74・5%)の順。最も低かったのは富山の39・2%で、鳥取(43・3%)、長崎(48・7%)、高知(48・8%)、島根(49・5%)と続いた。  大学病院別の充足率は東大、慶応大など都市部の23病院が100%だったのに対し、東北や北陸地方を中心とする22病院で50%を切った。 "[he-forum 13712] 河北新報10/17 河北新報2008年10月17日付 医師定着へ専修コース 小児科や産科学費免除 山形大  山形大医学部(山形市)は16日、医師の減少が著しい小児科、産婦人科、救急医学、外科の専門医養成を目指し、各科の専修コースを新設すると発表した。募集対象は山形県外出身の在学生。専門医にまで育てることで、県内定着と、専門分野への医師の偏り解消を狙う。同学部によると、学部教育から専門医教育まで一貫した医師養成プログラムの編成は、全国で初めて。2009年度の開設を目指す。  文部科学省が深刻化する医師不足に対応するため、来年度の大学医学部の総定員数を大幅に増加させる方針を打ち出す中、山形大医学部は「医師の地域バランスや診療科の偏在を解消しなければ、問題の解決にはならない」(嘉山孝正・医学部長)と判断。その抜本的な対策として専修コースを設けた。  専修コースは、山形県外出身で卒業後も県内の病院で専門医教育を受けることを希望する人が対象で、4年生になる時点で選択。定員は小児科、産婦人科、救急医学が各2人、外科専修コースが4人で計10人。4年生からの3年間、授業料(年間約53万円)が全額免除される。  山形県が県内の病院に勤務を希望する学生を対象に行っている奨学金制度(年間200万円支給)にも推薦する。定員に満たない場合は2次募集を行い、県内出身者も対象にするという。  卒業後は同病院や山形県内の病院で卒後臨床研修(2年間)、専門医になるための後期臨床研修(4―6年間)を受け、専修コースと継続性を持ったプログラムで学ぶ。このため、卒業後、最低6年間は山形県内にとどまることになる。  卒業後に山形県での勤務を希望しなかった場合は、授業料に利息を加えて返還する必要がある。嘉山医学部長は「これまでは山形で学んでも、東京や仙台に人材が流出していたが、専門医の教育を受ければ、山形に定着する可能性がかなり高くなるだろう」と期待している。 "[he-forum 13713] 共同通信10/17 共同通信2008年10月17日21時48分 日弁連、3法科大学院に不適合 山梨学院、東海、京都産業  法科大学院認証評価機関の日弁連法務研究財団(東京、理事長・新堂幸司東大名誉教授)は17日、2008年度上期に評価した7校のうち山梨学院大、東海大、京都産業大の法科大学院3校を「不適合」と判定した。これまでに全国の法科大学院計74校のうち31校が同財団などの評価を受け、不適合は計8校となった。  評価結果によると、山梨学院大は定期試験で合格点に達しなかった学生に実施される再試験で、定期試験と同一問題を出題し、全員に単位取得を認めたケースなどがあり「厳格な成績評価が阻害されている」と指摘された。  東海大は民法、刑法などの法律基本科目の授業に続けて、同じ教員主宰の「自主演習」があり、実質は新司法試験対策となっているとして「カリキュラムの基本的な制度設計に誤りがある」と判断された。  京都産業大も学生の履修が法律基本科目に大きく偏り、各科目群をバランスよく履修できるよう配慮されていなかったという。 "[he-forum 13714] 日本経済新聞10/19 日本経済新聞2008年10月19日付 教育費、高校・大学で1人平均1023万円 年収の56%の世帯も  日本政策金融公庫は同公庫の教育ローンを利用した世帯を対象にした教育費の実態調査の結果をまとめた。高校入学から大学卒業までにかかる教育費は子供1人当たりの平均で1023万円。世帯年収に占める教育費の割合は平均34%で、年収が200万円以上400万円未満の世帯では56%に達していた。  調査は同公庫が200万円以内で教育資金を貸し付ける「国の教育ローン」の利用世帯のうち、1万490件を対象に実施。2753件から回答を得た。  授業料や通学費、教科書代など、在学中の子供にかかる年間費用は高校で92万5000円、大学では150万4000円。国公立大は104万9000円、私大は159万7000円で、約1.5倍の開きがあった。 "[he-forum 13715] 日本経済新聞10/18 日本経済新聞2008年10月18日付 東北6県の大学発VB、07年度10.8%増127社 経産局調べ  東北経済産業局がまとめた2007年度の大学発ベンチャー企業に関する基礎調査によると、東北6県に本社を置く大学発ベンチャー企業数(3月末時点)は127社で、06年度比で10.8%増えた。ただ、回答企業の約7割が資金不足に陥っていると答えており、ベンチャーが資金調達に苦慮している現状が浮かび上がった。  直面する経営課題について聞いたところ、資金調達に加え、販路開拓と人材の育成・確保を挙げる企業が多かった。新規株式公開した企業数は依然としてゼロで、同局は「販路拡大などの面でベンチャー企業の支援を一層充実させていきたい」(根井寿規局長)としている。  ベンチャー企業数を東北にある出身大学別にみると、東北大学の56社が最多で、全国の大学でも7位。全国の公立大で最も多かった会津大学の25社が続いた。 "[he-forum 13716] 産経新聞10/17 産経新聞2008年10月17日付 近畿の14大学などがコンソーシアム設立へ 科学技術立国・日本を支える人材育成目的に  医学、工学の高度な知識・技術をもち、科学技術立国・日本を支える人材育成を目標に、大阪大学、関西大学など近畿地方の14の大学、研究・医療機関が、学部や学校の枠組みを超えた教育プログラムを提供する「臨床医工情報学コンソーシアム(連合体)関西」を、近く設立する。コンソーシアムでは手始めに、武庫川女子、関西、大阪電気通信など5大学が平成21年度に工・薬学部などの学部生を対象に始める共通講座を、支援する。  現在、生命科学や医療の分野では、コンピューターによるシミュレーションなど工学系、情報科学系の知識・技術が不可欠。科学技術分野での日本の国際競争力を高める観点からも、分野をまたがった幅広い知識をもつ研究者が求められている。コンソーシアム代表に就任する大阪大臨床医工学融合研究教育センターの倉智嘉久センター長は「先端分野で働く人材を育てる新しいシステムにしたい」と意気込みを語る。  コンソーシアムで行う共同教育の原点になったのは、大阪大が平成17年度から始めた「社会人再教育プログラム」。企業研究者や医師、大学院生を対象に、医療現場で必要とされる情報処理など工学系の知識や、反対に工学系研究者に求められる医学の知識を提供しており、毎年約500人が受講している。  今回、同プログラムで培ったノウハウを、5大学に提供。学部生という、より早い段階から職業に直結する異分野の知識・技能を提供し、プロの研究者、職業人育成を目指す。共通講座は座学だけでなく、実習や演習も多く含み、5大学はそれぞれ、単位認定する。  また、コンソーシアムでは、専門教育だけでなくすべての学問のバックボーンとなる「教養教育」や、女性人材の育成、高校など初等・中等教育機関との連携も視野に、活動の範囲を広げる。  倉智センター長は「高度な知識・技能をもった職業人育成は、日本という国にとっても重要な課題であり、異分野に触れることで、学生の感覚も変わる。近畿の大学が連携する基盤としてコンソーシアムを発展させ、すべての意欲ある若者に最高最先端の教育を提供したい」と話している。      ◇  大学コンソーシアム 複数の大学が、情報交流や産学連携推進など共通の目的に向け設立する組織。全国大学コンソーシアム協議会には40組織が加盟。エリアごとに設置しているものがほとんどで、都道府県の枠を超えた大学コンソーシアムは少ない。 "[he-forum 13717] 河北新報10/17 河北新報2008年10月17日付 人材・資金確保に悩み 東北の大学発ベンチャー  大学・高専の研究を生かして設立された東北のベンチャー企業が、人材や資金、販路開拓に悩んでいることが16日、東北経済産業局が発表した「2007年度大学発ベンチャー企業基礎調査」で分かった。資金面では特に、研究開発や設備投資の資金不足を訴える声が多い。  直面する経営課題(複数回答)で最も多かったのが「販路の開拓、顧客の確保」(77.4%)と「資金調達」(同)。これに「人材確保・育成」(74.1%)が続いた。  資金確保については単一回答で、32.3%が「研究開発費で資金不足を感じている」とし、22.6%が「設備投資で資金不足」と答えた。「資金は十分」は9.7%にとどまった。  ベンチャー・キャピタルについては、61.3%が「支援を受けていない」と回答。22.6%が「支援を希望しているが、実現していない」とし、「出資を受けている」は9.7%のみだった。  07年度に東北で新設された企業は8社。内訳は東北大関連が4社、岩手大関連が2社、福島県立医大といわき明星大関連が各1社。  東北と全国の大学発ベンチャー企業の推移はグラフの通り。東北は07年度末で127社となり、地域別では関東(744社)、近畿(352社)、九州(170社)に次いで4番目に多かった。  調査は08年2、3月に全国の大学発ベンチャー企業1506社を対象に実施。うち東北は114社を対象に調査し、回答率は27.1%だった。 "[he-forum 13718] 朝日新聞10/20 朝日新聞2008年10月20日付 「おもてなし」でもトップ級に 東大病院、猛勉強中(1/2ページ)  東京大学医学部付属病院(東京都文京区)が「おもてなし」の姿勢を身につけようと取り組んでいる。医療水準はトップ級でも、患者に接する態度に気を配ってこなかったという反省からだ。国立大学も法人となり、サービス精神が求められる時代。「親方日の丸」体質の改善を目指す。  マナーや対話術などを学ぶ「接遇(もてなし)講座」はこの2年半で約50回を数える。看護師を中心にのべ3千人以上が参加した。例えば、こんな内容だ。  良いマナーの普及を担当する外来接遇係の看護師が2枚の写真を示して解説する。  「左はやぼったくみえます。右は身だしなみが整い、すっきりして頭がよさそう。できるスタッフという印象を与えます」  続いて講師として招かれた化粧の専門家が、自然なメークと清潔な髪のまとめ方を指導した。最後に、栄木実枝看護部長が「人は見た目が9割と言います。患者に印象のよい看護師でありたいと思います」と呼びかけた。  東大病院は06年4月、「接遇向上センター」を発足させた。法人化で民間と同じような病院運営を迫られるなか、患者との接し方を問題視する声が出たからだ。「医療レベルは大学病院のトップを切ってきた自負があるが、患者に親切であったかというとお役所的な部分があった」とセンター長の大内尉義教授。「民間病院ではイメージアップの取り組みに予算を付けるのは当たり前。今さらと言われるかもしれないが、時代の流れを受けての見直しです」  診察に待ち時間はつきものだが、最初に一言、「お待たせしてすみません」と言えているか。患者の顔よりパソコン画面のカルテを見てばかりの診断説明になっていないか。そんな接し方一つが病院の評価につながるという意識に欠けていたという。  センター設立のきっかけには、「気持ちよく受診してもらえば治療効果も上がるはず」という期待もあった。  講座のほか、笑顔やあいさつ、身だしなみの基本をまとめた冊子を職員に配布。特別講師に、乳がん患者の経験をもつ元テレビ朝日アナウンサーの山口容子さんや映画監督の山田洋次さんを招き、「心の通った人とのつきあい」を語ってもらった。好感度の看護師を投票するコンテストも実施する。  医師の参加が少ないのが課題だが、外来担当の看護師は「まだまだだけど、言葉遣いとか患者への対応が少しずつ変わってきた」と話す。  昨秋から院内の売店で「サンキューカード」(40円)の販売を始めた。ポストカードの形式で、気持ちのよい思いをした相手にメッセージを贈って励ましにしようという試み。職員間のやりとりが主だが、患者からの反応も期待しての売店販売だ。月に100枚ほど売れているという。(井上恵一朗) "[he-forum 13719] 読売新聞110/20 読売新聞2008年10月20日付 女子教育の伝統 連綿と 奈良女子大学 久米健次さん 古都から情報発信  男女の共同参画が叫ばれるはるか昔から、優れた女性を社会に送り続けている奈良女子大学。東のお茶の水とともに国立女子大の双璧(そうへき)を成す。全入時代の激風にさらされる女子教育トップランナーの生きる道は? 来年の創立百周年を前に、久米健次学長に聞く。 (聞き手は本多宏・科学部長)  ――国立の女子大学の存在意義とは。  前身の女子高等師範学校時代は教員養成という明確な目標がありましたが、現在は必ずしもそうではありません。特に2004年の法人化後は自ら問い続けていますが、少子高齢化、グローバル時代に活躍する女性を育てるという強い意識があります。  ――大学院での研究者や高度専門職業人の養成にも力を入れていますね。  理科系の大学院では男性が多いため、女性が遠慮しがちです。その点では、女性が積極的に学び、人材のすそ野を広げることに貢献してきたと自負しています。旧7帝大などに比べ、大学院の規模は大きくありませんが、例えば、数学と物理専攻の修士課程修了者数は、国公私立大全体の女性修了者の1割以上を占めるという調査もあり、一定の役割を果たしています。  ――古都奈良を生かした教育を重視しています。  教室での座学と同時に、現場を知りながら学ぶ動機を持たせるのが大きなテーマです。人材育成と地域の様々な資源を結びつけたいと思っています。生活環境学部の学生らがアイデアを出し、奈良漬の入ったアイスクリームやサブレなどの新商品を開発した「奈良漬プロジェクト」は大変話題となりました。  生活文化や歴史、景観などを3学部が協力して幅広く学ぶ「生活観光」にも取り組んでいます。昨秋の正倉院展では、スタンプラリーの印字面デザイン、町家での研究発表などを学生が企画しました。学生たちが学びながら、奈良からの情報発信に貢献しています。  ――大学の国際化への取り組みは。  奈良はシルクロードの東端でもあり、アジア全体を対象に見据えています。大学間の国際交流協定もアジア中心に進め、30校のうち、17校がアジアの大学です。大学院生の1割以上が中国、韓国、台湾などからの留学生で、強い結びつきができつつあります。  また、タリバンの支配で荒廃したアフガニスタンの復興には女子教育が重要との観点から、02年より国内の女子大5校が国際協力機構(JICA)と協力し、女性教員らを短期研修に招いたり、国費留学生を受け入れたりして積極的にサポートしています。  ――研究面でも海外に視野を広げていますね。  01年に設置した共生科学研究センターでは、紀伊半島から東アジアを視野に入れた広域的な環境変動に関する研究を行っています。05年に設けた「アジア・ジェンダー文化学研究センター」は、女性の高等教育を発展させるための研究拠点です。インドやパキスタン、新疆ウイグル自治区など広い地域で生活文化を調べています。  ――卒業生の結束が強い印象があります。  「佐保会」をはじめとした同窓会活動が活発です。生涯の友人として、家庭と仕事の両立など様々な苦労や喜びを分かち合い、支え合っていることには感激します。ただ、裏を返せば、社会をリードする人材を育成するという教育目標の実現が道半ば、とも言えます。大学として卒業生を含めたキャリア支援ができないかを模索しています。  ――学長のリーダーシップとは。  小規模な大学で教職員も少ないので、大学の隅々まで把握し、情報や意識の共有に努めています。「現場を忘れないトップダウン」が理想です。ただ、現場の事情がわかるだけに、急激な改革はやりにくい面があり、学長の危機感が伝わらないこともあります。  ――最近の学生をどう見ていますか。  堅実でまじめなのは変わりません。昔に比べ、企画の提案や説明などが上手です。ただ、少し控えめな面があります。高い潜在能力があるのですから、貪欲(どんよく)に頑張る人がもっと増えてほしいと思います。 くめ・けんじ  鳥取市出身。京都大理学部卒。奈良女子大理学部助手、助教授を経て、1992年に教授。副学長などを歴任し、2003年から現職。専門は原子核物理学。59歳。 "[he-forum 13720] 山陽新聞社説10/20 山陽新聞社説2008年10月20日付 法科大学院 厳しい自己改革が必要だ  法科大学院の現状に不安を抱かせる結果が、また明らかになった。法科大学院の認証評価機関である日弁連法務研究財団は、二〇〇八年度の上期に認証評価した七校のうち三校について、設置基準などを一部満たしていないとして「不適合」と判定した。  法科大学院の認証評価機関は同財団など三つあり、各校は五年に一回、評価を受けることが義務づけられている。不適合とされると、文部科学相が対象校に報告を求め、必要な改善指導をする。  現在、法科大学院は七十四校あり、今回を含めて三十一校が評価を受け計八校が不適合となった。割合は約26%に上り、実に四校に一校が運営などに問題があったことになる。  法科大学院は〇四年以降、全国各地に創設された。時代とともに司法へのニーズが多様化する中、法曹人口を増やして法的な思考力だけでなく、幅広い教養や人間味を兼ね備えた質の高い法律家を育成するというのが設立理念になっている。  「身近で開かれた司法を目指す」という司法制度改革の一環だ。今回の評価では、学内での成績評価が甘かったり、バランスの悪いカリキュラムを組んでいたことなどが問題として指摘された。  こんな状況で期待される法曹養成機関としての役割が、きちんと果たせるのか。残念ながら懸念を覚えざるを得ない。  法科大学院については、厳しい自己改革が求められるような課題が相次いで表面化している。当初は修了者の70―80%が新司法試験に合格すると想定されたが、〇六―〇八年の合格率はそれぞれ48%、40%、33%と下がり続けている。  さらに定員割れや教員不足の法科大学院も少なくない。最高裁の報告書は、新司法試験の合格者が中心となった最近の司法修習生に関して「実力にばらつきがあり、下位層が増加している」と分析した。  法科大学院の質向上策を検討している中教審大学分科会の法科大学院特別委員会は先月、各校の自主的な定員削減や統廃合などを推奨するという中間報告をまとめた。文部科学省と法務省は、これを基に各校へのヒアリングを実施し、年内にも改善策を出すよう求めるという。  学校によって事情は異なるだろうが、まず定員規模に応じた質の高い教員を確保した上で、指導内容を充実していくことが不可欠である。志願者や社会の信頼を得るためにも、これまでの取り組みをしっかり検証し改革を進める必要があろう。 "[he-forum 13721] 日刊工業新聞10/20 日刊工業新聞2008年10月20日付 国連大学、2010年にも東大、早大などと共同大学院を開設  国際連合大学は2010年にも東京大学、早稲田大学などとの共同大学院を開設する。国連大は東京に本部を置き研究を手がけるが、学部や大学院の学位取得の教育はしていなかった。日本の大学にとっては学生が“国連大・東大卒”などと名乗れ、全世界14カ所の国連大の拠点を活用できるのが魅力。国連大を窓口に、アフリカなど日本が手薄な地域とつながる日本の“教育外交”が進む点も注目されそうだ。  国際連合(国連)機関の一つである国際連合大学は、東大をリーダーとするサステイナビリティ学研究機構(IR3S)と7月に持続可能な開発分野で連携協定を結んだ。これを受けて参加大学の一部と、文科省が2010年度実施で準備中の共同大学院制度を活用することにした。候補は国連大本部(東京都渋谷区)と行き来しやすい東大、早大と茨城大、さらに国連大高等研究所と生物多様性で連携する横浜国立大学だ。対象は日本の参加大学学生と留学生になる。 "[he-forum 13722] 読売新聞秋田10/17 読売新聞秋田版2008年10月17日付 ≪医療ルネサンス≫秋田大に地域医療推進学 県費初の寄付講座  秋田大は今月1日から、医学部に「総合地域医療推進学講座」を開設した。県は医師確保対策と位置付け、講座にかかる費用を寄付する。県費による「寄付講座」は初めて。  講座では、〈1〉様々な病気の患者を総合的に診療できる「総合医」の養成〈2〉都市部と農村部の間で生じている医療機関や設備の格差を是正し、都市部に偏在する医師を適正配置する研究〈3〉秋田大が県内の基幹病院と連携し、学生らを大学と病院で交互に実習させる「循環型医師養成システム」の構築に向けた研究――などに取り組む。  講座は2012年度末までの期限付きで設置する。  県は、人件費や研究費など講座に要する費用として、今年度は1750万円、次年度からは毎年3500万円を大学に寄付する。  秋田大の本橋豊・医学部部長は「大学を出た後、地域に残って地域医療をできるような医師を一人でも多く育てていきたい。まずは、総合医の養成プログラム研究に力点を置きたい」と話す。  講座を担当する同大の長谷川仁志教授(循環器内科)は「いかに研修医や学生に実力をつけさせることができるか。それが秋田の医療を支えるメンバーを増やすことにつながる。学生も研修制度も日本一にしたい」と語る。  県は秋田大に対し、毎年4月末までに研究成果の報告を求め、成果を県の医療施策に反映していく考えだ。  谷田部知一・県健康福祉部長は「地域医療の確保、充実は県政の重要課題。医師確保、都市と農村の問題など講座への期待は大きい」と話している。 "[he-forum 13723] 朝日新聞10/20(2) 朝日新聞2008年10月20日付 企業寄付金受けると「研究結果に影響」2割 厚労省調査  全国の大学医学部・薬学部の教授を対象に厚生労働省研究班がアンケートをしたところ、製薬企業から奨学寄付金を受け取れば、その企業が有利になるよう判断に「バイアス(偏り)が生じる」「やや生じる」と答えた研究者が2割いたことがわかった。  奨学寄付金は企業から教育研究の奨励を目的に大学などに贈られ、研究者や分野を指定されることもある。  研究班(研究代表者=長谷川隆一・国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部長)は8~9月、全国の国公私立大学の医学部・薬学部から無作為に選んだ43学部の会計担当者と教授215人に調査票を送り、33学部の担当者と教授112人から回答を得た。  「奨学寄付金を受け取っている場合に判断にバイアスが生じるか」との質問に、「生じる」と答えた教授は3.6%、「やや生じる」が17%。「生じない」は67.9%だった。情報公開を求められた場合の対応は、3割に当たる10学部が「企業名、金額ともに非公開」とした。  薬害オンブズパースン会議の水口真寿美弁護士は「バイアスを2割もの人が自覚的に感じるということは重く受け止めるべきだ。情報公開の姿勢も不十分。大学と研究者、企業は積極的に社会に説明していく必要がある」と言う。  インフルエンザ治療薬タミフルの副作用についての厚労省研究班で昨年3月、所属する大学教授らの講座が、この薬の輸入販売元から多額の奨学寄付金を受けていたことが判明。同省はメンバーを研究班から外している。(立松真文) "[he-forum 13724] 毎日新聞福島10/21 毎日新聞福島版2008年10月21日付 公立大中期目標検討委:知的財産活用など求める報告書提出  県立医大と会津大の中期目標を調査検討してきた県議会の「公立大学法人中期目標調査検討委員会」(渡辺敬夫委員長)が20日、「NPOや民間団体との連携」などを盛り込んだ報告書を遠藤忠一議長に提出した。  中期目標は、両大学の公立大学法人化にあたり、06~11年度の6年間で達成すべき業務運営目標を定めたもので、県が05年度に策定した。県は見直しを進めており、県議会も独自に検討してきた。  報告書では、地域貢献のため、両大学に知的財産の活用に積極的に取り組み、知的財産の管理体制を整備するよう求めたほか、県立医大に対して▽医師派遣の充実強化▽中期計画にできるだけ数値目標を設定する▽会津統合病院の付属化の明示--などを要求している。渡辺委員長は「医師派遣に関し市町村枠を設けてほしいとの意見もあった」と話した。【西嶋正法】 "[he-forum 13725] 北海道新聞10/21 北海道新聞2008年10月21日付 道工試と北大が協定 新産業創出へ共同研究 施設利用や人材交流  北大大学院の工学研究科と情報科学研究科は二十日、道内のものづくり産業振興やIT技術など新産業創出を目指し、道立工業試験場と連携・協力協定を結んだ。協定に基づき、共同研究に取り組むほか、相互の研究施設利用や人材交流を通して連携を強化する。  北大と道工試はこれまでにも、個別のテーマでは協力してきたが、今後は道工試の職員が大学で専門的な研究に携わったり、学生が道工試でより実践的な実験に取り組むことが考えられるという。  「研究成果に対する評価を組織的に行うことで評価はより確かになる」「道内企業から道工試に技術的な相談があった場合、より広いネットワークを活用し答えることができる」などと官学連携への期待は高まっている。 "[he-forum 13726] 北海道新聞10/22 北海道新聞2008年10月22日付 道内3大学、食の安全・安心テーマ 文科省の連携支援事業 【江別】国公私立大学間の連携を図る文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に選ばれた酪農学園大と北大、帯広畜産大は二十一日、江別市の酪農大で記者会見し、「食の安全と安心」をテーマに人材育成に取り組む事業の概要を発表した。  三大学が取り組むのは「食の安全・安心の基盤としての地域拠点型教育研究システムのネットワーク形成」。事業期間は本年度から二〇一〇年度までの二年半で、総事業費は、二億五千万円を見込む。  三大学が研究成果を持ち寄って、農学や食品偽装などを戒める倫理学など総合的な「食の安全・安心基盤学」の教育プログラムを作成。恵庭市や富良野市など道内八自治体にサテライト教室を開設し、プログラムに基づいて生産者や農協職員ら地域で農業に携わる人に授業を行って、食の安全・安心を推進する「マイスター」を養成する。  また、地場型食品生産の振興に向け、無農薬・有機栽培など環境に優しい循環型農業の実践例を食品加工業者に情報提供する。  酪農大には同日、連携の拠点となるエクステンションセンターを開設した。十一月二十六日にセンター設置記念のシンポジウムを札幌で開く予定。 "[he-forum 13727] 読売新聞広島10/22 読売新聞広島版2008年10月22日付 工業高と大学 連携し成果…広島 情報通信技術で研究会発表も  広島市立広島工業高校は、広島市立大などと連携して情報通信技術の研究を行い、大学や企業の研究会で発表するなど成果を上げている。  「緊張したけれど、企業でも通用するレベルと言われびっくりした」。東京大で先月19日に行われた情報通信技術のシンポジウムで、自分たちで開発したマラソン大会の自動記録計測システムを発表した情報電子科3年の川浦貴文さんは充実した表情だった。  同高は2003年から、市立大、広島大と連携し、インターネットを中心とした情報通信技術の教育に取り組んでいる。きっかけは市立大から、ネット経由で家電を制御する機器を作ってほしいと依頼されたことだった。「我々はソフトウエアは専門だがハード作りは苦手。ものづくりが得意な工業高校に協力をお願いした。高校生と大学生が共同で作業することで互いに大きな刺激にもなった」と、同大の前田香織教授(49)は説明する。  当初は大学生に仕組みを習いながらだったが、生徒らは技術を次々と習得。ロボットの遠隔操作や市内各地に設置した気象観測装置のデータ回収と表示システムなど、内容は次第に高度になった。  06年度には、専門高校の特徴ある教育を支援する文部科学省の「目指せスペシャリスト」事業にも選ばれた。今年2月の校内マラソン大会に向け、無線タグを使ったタイムの自動計測システムに取り組み、ほぼ自力で開発した。大会では446人の参加者の99%の読み取りに成功した。  05年に製作した二酸化炭素濃度の計測装置の結果は、市役所などに自動配信されて表示され、市民の意識啓発に役立っている。  プログラミングなどの基礎は授業で習うが、製作や実験は放課後を利用して、自主的に取り組んでいる。「自分たちのアイデアが形になり、成果として出ることでやる気と自信が出る。好奇心や遊びが、最高の学びだと実感している」と、指導する谷口和久教諭(43)は話す。  シンポジウムに招待するなど活動を支援している東京大の江崎浩教授(45)は「高大連携でここまで成果を上げているのは珍しい。他の地域でも取り組みが広がるよう後押ししたい」と話している。(吉田典之) "[he-forum 13728] 中日新聞10/22 中日新聞2008年10月22日付 富山市と富大 官学連携強化へ協定 人材交流や共同事業 依頼窓口を一本化  富山市と富山大は二十一日、教育や研究、まちづくりなどさまざまな分野で協力し、地域の発展に役立てようと人材の交流や共同事業など連携を強化する協定書を交わした。同大が地方自治体と包括的な協定を結ぶのは、二〇〇五年の県に続き二回目。 (対比地貴浩)  同大によると、これまで市と大学がそれぞれ協力を依頼する場合、個人レベルで交渉することが多かった。互いに窓口を一本化することで、スムーズに協力し合えるようにする。  市役所での調印式で、西頭徳三学長は「教員個人が市の委員会に参加することはあったが、これを契機に交流が組織的になる」とあいさつ。市職員の講義、産学官によるベンチャー企業や新事業の支援など既に実施中の活動をさらに広げ、人材育成の取り組みを共同で行うことなどを提案した。  森雅志市長は「人口減少時代に入り、行政も今まで通りにはいかない。研究・教育機関である大学と連携すれば、市全体の活力につながる」と意義を強調し、情報交換を呼び掛けた。協定の有効期間は同日から五年間。 "[he-forum 13729] 毎日新聞10/22 毎日新聞2008年10月22日付 記者の目:ノーベル賞4氏受賞、うれしいが…=河内敏康  08年のノーベル賞は、日本人3氏と米国籍の南部陽一郎氏が受賞する快挙となった。物理と生命科学の基礎分野の功績が世界に認められたもので、一見「科学立国・日本」の底力を見せたかのように映る。だが、彼らの研究は30年以上も前に完成していた。決して日本の科学研究の現状を反映したものではない。目先の成果ばかりを追う今の実利研究重視の風潮が続くようなら、日本の科学研究の将来はおぼつかない。  ノーベル賞を担当した私にとって、今年は落胆から始まった。素粒子ニュートリノの質量発見で、物理学賞の最有力候補に挙がっていた戸塚洋二氏が今年7月、亡くなったためだ。  それだけに、物理学賞で南部、小林誠、益川敏英の3氏同時受賞の一報を聞いた時は言葉にならないほどうれしかった。興奮冷めやらぬまま、翌日には下村脩(おさむ)氏の化学賞受賞が飛び込んできた。生命科学分野では不可欠な「道具」の基になるたんぱく質を発見した功績。下村氏を探し出し、評価したノーベル委員会の眼識に感服した。  なぜ彼らの研究がすばらしいのか。私は、彼らの発見そのものが、知りたいと思う人間の欲求に根ざし、いちずにそれを突き詰めた成果だからだと思う。  南部、小林、益川3氏の研究は、根源的かつシンプルな問いから発している。「質量はなぜあるのか」「宇宙にどうして物質が存在するのか」。こうした疑問は、誰でも一度は考えたことがあるかもしれない。ただ、たいていの人はあきらめてしまう。下村氏も「なぜ生物は光るのか」という好奇心から始まっている。  暗いニュースばかりの中、「ノーベル賞に4氏」は、多くの日本人を勇気付けた。「日本の科学の底力」と前向きにとらえたい気持ちは分かるが、喜びにひたっているだけでは駄目だ。益川氏も受賞後会見で「30年も前の話」と指摘した。  なぜ、喜びに水をさすような解釈をするのか。それは、こうしたすばらしい研究が今後も日本で続出するとは思えないからだ。  理由は二つある。まず、教育システムだ。益川氏は子供のころから数学や理科に非凡な才能を発揮したが、英語をはじめ文科系の科目はからっきし苦手だったという。秀でた研究者を生み出すには、異質を許容する教育も必要だろう。だが、今はすべての教科の成績がおしなべてよくなければ認められない。テストの点に基づく偏差値で大学を決めている。  小林氏は、名古屋大の坂田昌一博士が提唱した新しい素粒子模型を新聞などで知り、坂田研究室の門をたたいた。今の学生に同じような主体性があるだろうか。ある大学関係者は「今の子供たちは自分の興味で勉強を始める前に、偏差値であきらめてしまう。卒業後もこの考えが抜けきらないほどだ」と嘆く。  より深刻なのは、日本の科学研究のあり方だ。成果を重んじるあまり、研究の中身や取り組む姿勢が小粒になってはいないだろうか。今の科学研究は、執筆した論文数が評価の尺度の一つになっている。「ネイチャー」や「サイエンス」など有名雑誌に掲載されれば評価も高い。評価は次の研究費の獲得に直結する。研究者は論文がたくさん書けるよう、成果の出やすい研究テーマを選ばされている。  益川氏がかかわった論文は約30編しかない。受賞対象となった小林、益川両氏の論文の投稿先も日本物理学会誌で、世界から見ればマイナーといえる。  さらに、将来の産業化が見えやすい研究テーマほど優遇される傾向が潜む。例えば、再生医療をはじめ応用科学のビッグプロジェクトには多額の研究資金が投入されている。優れた成果が生まれ、本当に人の役に立つことを期待しているが、研究分野が同じだからという理由で巨額の資金が投入されるケースもあるようだ。一方、基礎研究への支援は先細り気味だ。基礎から応用まで幅広く与えられる科学研究費補助金は毎年増加傾向にあるが、採用数は応募の約4割しかない。そのうち数学と物理系はわずか約5%だ。それを補う形で使うことができる大学の運営費交付金は毎年約1%削減されている。  ある研究者は「研究は多様性の基に発展がある。今の科学行政は近視眼的で、応用科学ばかりにお金がいく」と指摘する。下村氏のように基礎研究の分野では、応用など全く考えてもみなかったものが突然、花開くケースは少なくない。  今回のノーベル賞を機に、目先の成果に惑わされない、じっくり腰を据えた基礎研究への支援や、日本の研究を支える次世代の子供たちを育てる教育のあり方の見直しが求められる。(東京科学環境部) "[he-forum 13730] しんぶん赤旗10/24記事 2008年10月24日(金)「しんぶん赤旗」 石井衆院議員が質問主意書 博士課程修了者 就職確保と研究条件改善を  日本共産党の石井郁子衆院議員は二十三日、「大学院博士課程修了者 の就職確保と研究条件改善に関する質問主意書」を提出しました。現 在、大学院博士課程修了者(年間約一万六千人)のうち半数が就職でき ず「高学歴ワーキングプア」など社会問題化しています。  主意書は、ヘルシンキ工科大学で工学博士の学位を取得し、イギリス でポストドクターとして研究を行ってきた五十歳の研究者が、帰国後研 究職がなく非常勤講師で生計をたてながら無給で研究を続けている例な どを紹介。研究職確保の方策と研究条件の改善を求めています。  国立大学の法人化後、教育研究費に当たる運営費交付金が六百二億円 削減され、これは一橋大学規模の大学が十校なくなったに等しいと指 摘。運営費交付金の削減と人件費削減の押しつけをやめるべきと迫って います。企業による採用者の確保と教師や公務員の増員による採用の道 も求めています。  週十五コマの授業を持たなければ生活が維持できないという非常勤講 師の異常さも指摘。専任教員との「同一労働同一賃金」の適用を求め、 非常勤講師を専任教員として採用することが身分の安定につながるとし ています。  いまの状況では基礎研究分野での将来のノーベル賞の受賞は「夢のま た夢となりかねない」と、OECD(経済協力開発機構)加盟国で最も 低い高等教育にたいする公的支出をOECDの平均なみに引き上げるこ とを求めています。 "[he-forum 13731] 時事通信10/22 時事通信2008年10月22日18時5分 院生の就活、遅らせて=国立大8校、工学部長らが声明-経団連にも要請  修士課程の大学院生の就職活動早期化が教育・研究を妨げているとして、東大、京大など国立大の工学部長らで構成する8大学工学部長会議は22日、企業による採用活動を2年生の4月以降にすべきだとする声明を発表した。同日、日本経団連に提出した。大学側からも1年生に活動自粛を徹底させる。  声明では、就職活動が1年生の夏ごろから始まると指摘。半年以上になる場合があり、内定者の拘束も長時間にわたるという。早くから就職活動に巻き込むことで、博士課程への進学などの選択肢を奪っているとの危機感も訴えた。 "[he-forum 13732] 毎日新聞島根10/23 毎日新聞島根版2008年10月23日付 弁護士:定着へ新制度 島大大学院法務研究科、優秀者の授業料免除  山陰地域の弁護士の地域定着を図ろうと、島根大(本田雄一学長)は来年度から大学院法務研究科の成績優秀な入学者5人程度の、入学料と授業料を免除する制度を新設した。島根、鳥取両県の高校や大学などを卒業した入学者に限る山陰地域枠3人と一般枠2人を、入試成績と、入試とは別に実施する面接で選抜する。  同大大学院法務研究科は04年4月に設置された。定員は30人で、06年司法試験に1人、07年は3人、今年は4人が合格。8人の合格者のうち5人が山陰の高校や大学などを卒業している。  免除制度の期間は3年間。継続要件として、7段階で示した科目評価の平均点GPAが、2年次と3年次において前年次2・0(成績評価Bで70~74点)以上とされている。【御園生枝里】 "[he-forum 13733] 読売新聞10/24 読売新聞2008年10月24日付 社会人向け大学専門講座 最新の看護技術など人気  再就職やキャリアアップに役立つ勉強をしたいという社会人を対象にした「履修証明プログラム」が今年度、スタートした。秋にも千葉大看護学部で始まるなど国立では14大学が導入。人気も上々のようだ。  学校教育法の改正により可能になった制度で、背景には、従来の公開講座などでは物足りなく、より高度な講座を求める社会人側の要望と、少子化時代に対応して新たな学生を集めたいという大学側の狙いがある。  履修できるのは、大学入学資格のある社会人。看護や農業など専門分野を選び、知識や技術を習得する。120時間以上の講義や演習、実験を義務づけ、修了者には証明書が交付される。  千葉大では看護学部に想定を超える受講希望者が集まった。元看護師ら64人の応募者の中から、書類審査で選ばれた23人が今月1日、最新の看護技術や知識を学び始めた。受講生は12月中旬までに計360時間、在宅ケアシステムやリハビリテーションに関する講習を受ける。病院などでの実習も予定。同大によると、受講者は出産などで離職中の人や結婚を機に看護師を辞めた人がほとんどという。  プログラムを統括している吉本照子教授(看護学)は「充実した講師陣や病院などとのネットワークがある大学だからこそ、体系的に学べるカリキュラムを組むことができる。修了生たちは、再就職すればきっと戦力になるはず」と自信を見せる。  各大学のプログラムは、おおむね数か月程度で修了。計14日間という短期のカリキュラムをつくった鹿児島大の林業生産専門技術者養成コースなどもあり、仕事を抱えた社会人でも、受講することができる。  社会人教育に詳しいNPO法人「産学連携推進機構」(東京都千代田区)の妹尾(せのお)堅一郎理事長は、「大学に通うことが不可能な社会人に新たな扉を開いた。専門的に学習することができるし、看護など人手不足の分野では人材確保にもつながる」とメリットを強調。「潜在的なニーズはもっとあるはずなので、大学側は多様な講座を開設して、社会人に学び直しの機会を提供してほしい」と呼びかけている。(渡辺光彦) "[he-forum 13734] 読売新聞10/23 読売新聞2008年10月23日付 四国4県の8大学 講義を相互にネット配信 得意分野を結集 2011年度「四国学」手始め  四国4県の国私立8大学は22日、講義をインターネットで配信し、各大学で学生が同時に受講するシステムを導入すると発表した。2011年度に4県の歴史や文化を学ぶ「四国学」を開講し、将来は通常の授業に拡大、単位も取得できるようにするという。「大学全入時代」の到来を間近に控え、優秀な人材を確保するのが狙いで、地域に根ざした〈サイバー・キャンパス〉で生き残りを目指す。  参加するのは、香川大(香川県)、徳島大、徳島文理大、鳴門教育大、四国大(徳島県)、高知大、高知工科大(高知県)、愛媛大(愛媛県)で、この日、準備を進める組織「e―Knowledge(イー・ナレッジ)コンソーシアム四国」の設立総会を高松市の香川大で開き、各大学から計約40人が出席した。  設立趣意書などでは、50年に四国の人口は現在の約400万人から約280万人に減少すると予測され、「全国の高校生に四国の大学に入学したいとの思いを抱かせる工夫が求められる」と指摘。各大学が得意としている分野を集結させれば、入学希望者の増加が期待できるとしている。  この日の総会では、遍路道の歴史・文化や徳島県の阿波藍、黒潮文化圏など、各大学が取り組んでいる研究テーマを講義する「四国学」を、インターネット授業の第1弾とすることを決めた。今年度中に講義内容を検討して専用のホームページを開設し、09年度以降に試験講義を行う。  「四国学」に続いて、農学、医学、工学、経済学などについても、インターネットで授業を相互に公開するほか、生涯学習教育でも活用するという。会長に就任した角田直人・香川大理事は「各大学が連携し、講義内容を充実させたい」と述べた。 "[he-forum 13735] 四国新聞10/23 四国新聞2008年10月23日付 8大学「四国学」確立へ/情報技術活用し講義共有  四国の8大学が情報通信技術により、郷土に関する講義のコンテンツを共有する「e―Knowledgeコンソーシアム四国」の設立総会が22日、香川県高松市幸町の香川大であった。瀬戸内海や遍路、水問題などをテーマにした各大学の講義を「四国学」として確立し、学生が受講できる環境を整備。四国への理解を促し、地域で活躍する人材を育成するのが狙い。来春からの試験運用を計画している。  同事業は、▽四国に根付き、専門的知識により地域貢献する人材の育成▽全国に四国の魅力を発信する―などを目指す取り組み。文部科学省から本年度の戦略的大学連携支援事業として採択された。  総会には、コンソーシアムを構成する香川大と徳島大、鳴門教育大、高知大、四国大、徳島文理大、高知工科大、愛媛大の理事ら約40人が出席。会長に選出された香川大の角田直人副学長が「質の高いコンテンツの構築と人材育成で成果を挙げ、全国に普及する内容にしたい」と意欲を示した。  計画では、四国の資源の魅力や地勢、文化などに関する教養教育科目群「四国学」と、地域の課題に取り組むための専門教育科目群を併せて「四国の知」として構築。インターネットを使った双方向の同時講義やパソコンでの受講も可能とし、単位互換も実施する方針。  教養教育科目は、瀬戸内海や遍路、水問題、産業など地域性のある既存の講義の整理ほか、新設も検討。専門教育科目では、各大学の強みを生かせる共同講義を設けることも検討しているという。 "[he-forum 13736] 共同通信10/22 共同通信2008年10月22日20時12分 通勤手当2億6千万円が節約可能 大学職員など  会計検査院は22日までに、国立大学などが交通機関を利用する職員に支給した通勤手当について、支給額の算定基準が不適切として、2006、07両年度で計約2億5902万円が節約できた、と指摘した。  指摘額が最も多かったのは京都大の約1億1206万円。ほかに九州大、三重大など計6大学と大学共同利用機関法人「自然科学研究機構」(東京都)、厚生労働省所管の独立行政法人「労働者健康福祉機構」(川崎市)が、両年度で約5300万-約700万円の節約が可能と指摘された。  検査院によると、国は04年、一般の会社の大半が最も安い6カ月定期券を基に通勤手当を支給している実態を踏まえ、支給額の算定基準を1カ月定期券から6カ月定期券に変更。  しかし、京都大などは、年度途中の採用や退職、転勤により返納などの事務手続きが煩雑になるとして、1カ月定期券の価格のまま算定を続けていた。  検査院は「算定基準を一般の社会情勢に適合するよう定めなければならない」と改善を求めた。 "[he-forum 13737] 時事通信10/23 時事通信2008年10月23日13時48分 大日本住友製薬、大阪大学と共同研究を開始=精神神経分野で  大日本住友製薬は23日、統合失調症やうつ病など精神神経分野において、11月から大阪大学と共同で創薬の基礎研究を開始すると発表した。同大学大学院の医学系や薬学研究科など5講座と連携し、「精神神経創薬コンソーシアム(略称:ネディック)」を設立。大阪大学では遺伝子レベルでの研究が進んでおり、産学連携で早期に新規創薬のターゲット創出を目指す。第一期の研究期間は08年11月から11年10月までの3年間で、同社は約3億円を投じる。 "[he-forum 13738] しんぶん赤旗10/20インタビュー記事 2008年10月20日(月)「しんぶん赤旗」 4つのノーベル賞と日本の科学・技術の未来 学問 じっくり育てて 先細る基礎研究への投資 総合研究大学院大学教授 池内 了さん  南部、小林、益川の三氏のノーベル物理学賞、下村氏の化学賞のそれ ぞれの受賞でわが国の基礎研究の水準の高さと、重要な役割にあらため て光があてられました。しかし、足元の基礎研究をめぐる状況はどうで しょうか。総合研究大学院大学教授の池内了さんに寄稿してもらいまし た。(グラフとその説明は編集局) 写真 (写真)いけうち・さとる 1944年生まれ。専門は宇宙論、科学・ 技術・社会論など。著書に『科学者心得帳』『禁断の科学』ほか。  本年のノーベル物理学賞が南部陽一郎、小林誠、益川敏英 の三氏に、化学賞が下村脩氏に授与されることになった。日本の基礎科 学の実力が世界一流であることが示されて喜ばしいことである。特に、 科学を目指す若い人への励ましになれば、先輩からのこの上ない贈り物 になるだろう。  しかし、科学の現状を見るにつれ、喜んでばかりいられない気分にな る。 光当たる分野  日本は「科学技術創造立国」の旗を立てて科学技術振興のために大盤 振る舞いをしており、第三期に入った科学技術基本計画では五年間で二 十五兆円を投資することになっている(これとてもアメリカや中国の予 算に比べれば少ないのだが)。日本の未来は科学技術の底上げが必要と ばかり、緊縮予算が続く中での異例の措置なのである。  とはいえ、この基本計画の重点分野が情報技術・生命技術・新素材・ 環境とあるように、応用的な技術に偏っており、現在光が当たっている 分野ばかりである。目先の利益しか考えられていないのだ。その煽(あ お)りを食って、長期の視野に立つ基礎科学への投資が先細りという現 状にある。  研究の主体を担う国立大学では、二〇〇四年の法人化以来、経常研究 費に充てるべき運営費交付金は年々減らされ、累計で5%減になった。 人件費と教育費は削ることができないから、研究費に回る分には雀(す ずめ)の涙ほどでしかない。日常の研究の遂行に困難を来す事態になっ ているのだ。  削減分は「競争的資金」に回され、文部科学省が募集する予算に応募 しなければならない。その結果、大学教員は論文を量産することに追わ れるようになった。研究論文という業績がなければ予算が獲得できず、 研究が続行できなくなるからだ。「論文を書くか、さもなくば破滅」と いう事態が現実に進行しているのである。このような事態が続けば、大 きな構想を時間をかけて花開かせる研究が立ち枯れていくことは目に見 えている。 経済論理優先  さらに、企業などからの外部資金が獲得でき、特許が取れる研究、つ まり「役に立つ」研究が大学に求められるようになった。大学に経済論 理が持ち込まれているのだ。それによって、文化にのみ寄与する地味な 分野や、すぐに役に立つわけではない基礎科学分野はわきに追いやられ 衰亡し始めている。基礎的な科学が豊かな土壌を作り、その上に応用分 野の花が咲くことが忘れられ、ひたすら短期的な成果のみが求められて いるのだ。  いずれも国の科学技術政策がもたらした歪(ゆが)みである。金を投 じていることが、むしろ研究を貧しくさせているのは皮肉なことと言え よう。五十年で三十人のノーベル賞獲得という目標を掲げているが、こ のような状況が続くと、それは夢のまた夢となってしまうだろう。  本年のノーベル賞の業績は一九六〇―七〇年代になされたこと、好奇 心からの基礎的な研究であること、この二点を忘れるべきではない。六 〇―七〇年代は、まだ大学は貧しかったが(そのため南部・下村両氏は 渡米されたのだが)、自由な雰囲気と基礎研究を重んじる気風があっ た。少ないが研究を持続できる経常研究費もあったのだ。その過去の遺 産が今脚光を浴びているのであって、現在の科学技術政策がもたらした ものではない。  もうそろそろ役に立つことばかり求めず、じっくり学問を育てること に政策転換すべきではないだろうか。このままの状態が続けば国の科学 力は衰えるばかりであり、気づいたときは取り返すことが不可能になっ ているかもしれない。 基礎研究費 日本は最低  『科学技術白書』(2007年版)によると、主要国の研究費の性 格を比較しています。民間の研究を含むものの、研究費総額に占める基 礎研究の割合は日本は最低です。白書も「我が国は基礎研究の割合が低 い」と書いています。 グラフ 大学の予算 毎年削減  国立大学の運営費交付金(08年度、1兆1813億円)は、教員 数などに応じて国から支給されており、教職員の人件費や光熱費はじめ 教育・研究の基盤的経費を含んでいます。2004年の法人化以降、 毎年削減され、削減額の総額は602億円にのぼります。私立大学 も国庫助成を毎年削減されています。さらに自公政権は、来年度の交付 金を3%削減しようとしています。 グラフ 貧困な高等教育への公的支出  日本の高等教育にたいする公的支出は貧困です。GDP(国内総生 産)比で欧米の半分しかお金を出していません。 グラフ 雇用・収入 劣悪な若手研究者  ノーベル物理学賞の対象は小林、益川両氏の場合、二十代、三十代の 業績。研究者として歩み始めたころです。今の若手研究者の状況はどう でしょう。  たとえば理工系で博士号取得者は年間五千五百人で、研究職などに就 ける人は千五百人に過ぎません。政府が一九九〇年以来、「大学院生の 倍増」政策をすすめたものの、教員の人員増や大学・研究機関の予算の 抜本的拡充など大学院生の急増にみあう、当然の施策をしてこなかった ためです。非常勤講師や、一年から五年の短期契約の研究者「ポストド クター(ポスドク)」など短期雇用の職につくことを余儀なくされ、最 近では博士課程への進学者が減少する事態です。  ポスドクは現在約一万六千人にものぼります。十月の文科省調査(一 千六百人)によると、平均年齢は三十三歳で、職名は「特別研究員」 「博士研究員」など百種類を超えるほど多様な雇用形態。非常勤が4 2%で、月給の平均額は税込みで三十万六千円。二十万円未満が1 3%、十万円未満も6%いました。  国立教育政策研究所の理系高学歴者の調査では、ポストドクターは 「将来の見通し」に対する強い不安感から、調査対象の約一割強に抑う つ状態が認められ、メンタル面への支援が必要と指摘しています。 グラフ "[he-forum 13739] 沖縄タイムス10/26 沖縄タイムス2008年10月26日付 非常勤の講義大幅減/琉大外国語/交付金減で方針 講師は反発  琉球大学で外国語の非常勤講師が担当する講義数が早ければ来年度から大幅に減少することが分かった。二十五日に那覇市内で開かれた「大学等非常勤講師ユニオン沖縄」の総会で報告された。ユニオンは、十一月の団体交渉で、大学当局に説明を求めることにしている。  現在、琉球大学では外国語講師陣の担当時間数の約75%を非常勤が担う。大学側はこれを50%まで減らす方針を示している。  非常勤講師からは「経費節減で講義のコマ数を減らすのはおかしい」「語学教育の後退につながるのでは」と不満の声が上がっている。  二十二日に同大で開かれた英語の非常勤講師対象の説明会で、大学側は国からの交付金が年々減額され、経営が厳しい状況を説明。カリキュラム編成で、二〇〇九年度共通英語教育から非常勤講師の講義数を現在の半分にすると伝えた。  女性非常勤講師の一人は「予算が厳しいからと、急にコマ数を減らされると生活が苦しくなる」と訴えた。  同大の平啓介副学長は本紙の取材に対し、「学生が自発的に語学を学べるようにカリキュラムを編成する。専門科目で、学生個々が専門英語を学べるようにしたい」と語った。  同大は、〇四年度の国立大学法人化以降、国からの交付金が毎年約一億円ずつ減額されている。 "[he-forum 13740] 山形新聞10/27 山形新聞 2008年10月27日 16:58 大学新設認可を文科省に答申 準備不足で不可1校  大学設置・学校法人審議会は27日、国公私立の延べ67校が予定し ていた2009年度の大学や学部、大学院などの新設を認めるよう文部 科学省に答申・回答した。うち大学の開設は11校だった。  これとは別に、通信教育で「文化振興政策の研究」をするとしていた 文化政策・まちづくり大学院大(京都市、定員25)は、教員、設備面 などで準備不足と判断され、認められなかった。開設不可の答申は3年 ぶり。  来春開校の11大学のうち、千葉県立保健医療大や新潟県立大など5 校は短大からの改組。愛知県立大は愛知県立看護大と統合、学部などの 再編で新組織に移行する。  大学院の新設は、埼玉、石川両県立大など8校。大学では学部設置が 13校、学科が3校。短大では新設が4校、学科が3校、通信教育の開 設が1校それぞれ認められた。教職大学院は、山形大と聖徳大が認めら れ、これで21校となる見通し。  日本保健医療大(埼玉県)など4校は、大学や大学院研究科などの新 設申請を取り下げ、南九州大(宮崎県)が予定していた人間発達学部設 置など13校の申請は保留となった。 "[he-forum 13741] しんぶん赤旗10/28 2008年10月28日(火)「しんぶん赤旗」 国立大病院 6割赤字 病院長 「医療の質低下」危ぐ  全国に四十五ある国立大学付属病院の六割以上の二十八病院が赤字状 態に陥っていることが二十七日、国立大学付属病院長会議の調べでわか りました。また、国立大学協会のアンケートでは、「医療の質および安 全性が低下する」と危ぐする病院長が八割以上にのぼることも判明しま した。国立大学付属病院長会議は同日、臨時総会を開き、政府にたいし て予算拡充などの対策を要望しました。  同会議によると、赤字の大きな要因の一つは、国の財政支援策である 運営費交付金の大削減です。同交付金のうち、病院関係の交付金は二〇 〇四年度に五百八十四億円でしたが、〇八年度には三百九億円へと約五 割も削減されました。削減された二百七十五億円は、二十八病院の赤字 合計七十六億円の三・六倍にのぼる額です。  資金繰りが苦しくなった各病院は、より多くの患者を受け入れて収入 の確保をめざしました。その結果、医師・医療従事者に過重労働として のしかかり、臨床研究や教育活動に支障が生じています。また先端医療 のための投資にも十分な予算が確保できなくなっています。  国立大学協会のアンケート調査によると、病院長の82%が「医療の 質および安全性が低下する」、93%が「非採算的な高度診療機能が低 下する」と回答。「医師確保が困難になる」は91%にのぼります。 「臨床系講座の研究機能」については全員が「低下する」と回答しまし た。 "[he-forum 13742] 石井郁子衆議院議員10/23質問主意書 大学院博士課程修了者の就職確保と研究条件改善に関する質問主意書 右の質問主意書を提出する。 平成二十年十月二三日                              提出者  石井郁子 衆議院議長 河野洋平 殿 大学院博士課程修了者の就職確保と研究条件改善に関する質問主意書 ノーベル物理学賞を南部陽一郎氏、小林誠氏、益川敏英氏が受賞、続い て化学賞を下村脩氏が受賞するなど、日本の基礎研究の水準の高さが世 界に示された。しかし、これらの成果は一九六〇年から七〇年代の研究 が評価されたものである。一方で、現在の基礎研究がおかれている貧困 な研究条件のもとで将来もノーベル賞受賞者がうまれるのか疑問の声が 各方面からよせられている。研究の主体を担う国立大学は小泉構造改革 のもと法人化され、以来、基礎的教育研究費や人件費である運営費交付 金が毎年減らされ、また教職員の人件費削減が押しつけられている。そ して即成果につながる研究にたいして予算が重点的につけられるなかで 「基礎研究の将来が危ぶまれる状態」が続いている。また、大学院の博 士課程を卒業しても研究職のポストがなく非常勤講師や短期雇用のポス トドクター(博士号取得後の任期付き研究奨励制度を受けている人)に つくことを余儀なくされ、「高学歴ワーキングプア」とさえいわれる事 態が進行している。 このような事態は我が国の基礎研究の衰退をまねくとともに学術・研究 の豊かな発展を阻害し、社会的基盤を損なうものといわなければならな い。基礎研究分野での将来のノーベル賞は「夢のまた夢」になりかねな い。このような現状を改善するため長期的視野にたち基礎研究を重視す るとともに人を育てる政策へと転換することが求められている。 そこで今回は研究者養成とりわけ大学院博士課程修了者の就職確保と研 究条件改善について以下質問する。 一、今年「日本物理学会誌」(六月号)に「ある非常勤講師の場合」 (勝木渥著)という一文が寄稿された。それには研究職につくことがで きず非常勤講師をつづけながら無給で研究を継続している五〇歳の人が いるという痛ましい例が紹介されている。日本の研究者のおかれている 現状を告発するものであり紹介したい。 一九八二年国立大学の信州大学で固体物理学を学び卒業したT氏は東北 大学修士課程で低温物理の実験系の研究室に所属した。一九八八年三月 から九二年三月までの四年間フィンランドのヘルシンキ工科大学低温研 究室で研究員として超流動ヘリウム3の研究を行い工学博士の学位を取 得、九二年三月から二年間イギリスのランカスター大学でポストドク ターとして超流動ヘリウム3の研究をおこない九四年三月に帰国した。 帰国後研究職もなく一〇年余にわたり複数の大学の非常勤講師を勤め、 それで生計をたて東京大学物性研究所(柏市)で無給の外来研究員とし て研究を続けている。 首都圏の四つの大学で一週間に一五コマの授業をこなしその合間をぬっ ての研究である。年間四五〇万円の収入しかなく、その上国民年金や健 康保険料が全額自己負担である。しかもその授業コマ数が次年度確保さ れる保障もなくきわめて不安定な状況におかれている。一週間に一五コ マをうけもつことは国立大学の専任教員ではありえないし、私立大学で は六コマが標準的である。このように生活を維持するため非常勤講師の 仕事におわれながら長期にわたって研究を続けるということはあまりに も過酷といわなくてはならない。このような例はけっして特異なもので はない。 政府は能力のある研究者がこのような状態で研究をつづけなくてはなら ない実態をどう認識しているか。 二、もう一つ例をあげたい。国立大学のK大学理学部生物学科を卒業し たKさんは東京大学の理学部動物学専攻に入り博士課程を修了した。博 士課程修了後に理化学研究所のライフサイエンスのポスドクを四年間つ とめその後アメリカの大学に二年間留学した。帰国後大学の公募に願書 を提出しても職はなく、現在常用型派遣会社の労働者として働き、東京 のある大学で専門外の電池開発にたずさわっている。月々手取り二五万 円で、多額の奨学金の返済もあり苦しい生活という。この方は「派遣会 社の技術社員としてただ生きている」だけで、「三四歳の時点で研究者 としては死にました」「こんな働き方なら、博士号をとる必要はなかっ た」と述べている。 政府は、博士課程を修了してもその高度な知識と能力をいかす場がなく 派遣会社の技術社員として生活しなければならないというのでは社会に とっての大きな損失と考えないか。 三、大学院の博士課程修了者(約一万六千人)のうち半数近くが就職で きず、今社会問題化している。政府が一九九〇年以来「大学院の倍増」 政策をすすめたものの、教員の増員など博士が活躍できる場を確保して こなかった責任は大きい。 大学や行政法人まかせにする態度はゆるされない。政府として若手研究 者にたいする研究職確保の方策をどのように考えているのか。また、若 手のみならず、若い頃適切な研究職につけなかった研究者(おおむね五 〇歳以上)に対する研究職確保の方策はどのように考えるか。 四、政府はポストドクター支援の拡大をはかってきたというが、文部科 学省の調査でさえ平均給与は月額三〇万六千円にしかすぎず、一年から 五年の契約期間をすぎれば引き続き就職が確保される保障もない不安定 な状況におかれている。安定的な就職を確保する抜本的施策がもとめら れるが政府として、具体的にどのようなことを考えているのか。 五、この間の国立大学法人の運営費交付金削減また五年間で五%の人件 費削減の押しつけが退職教官の定員不補充など教育・研究職の確保、拡 大を困難にしている元凶となっている。この五年間での運営費交付金の 削減額は六〇二億円で一橋大学規模の大学が一〇校無くなったに等し い。この四年間の国立大学法人の人件費削減による教職員の削減数を年 度毎にあきらかにしてもらいたい。 六、国立大学の運営費交付金の削減、人件費削減の押しつけをやめない かぎり教育・研究職の確保・拡大は困難である。政府として運営費交付 金については増額する、人件費削減はやめると言明すべきだがどうか。 七、若手研究者の就職難を解決するためには企業による博士課程修了者 の採用を増やす必要がある。平成二〇年六月四日の文部科学委員会で私 の質問にたいして森口政府参考人は「今後とも若手研究者の採用を一層 すすめてもらうよう働きかけていきたい」と答弁していたが、いつどの ように働きかけ何人の就職確保拡大につながったのかも具体的に明らか にされたい。企業による採用をふやすための来年度以降の取組について 具体的に明らかにされたい。また、他の先進国に比べても少ない教師や 公務員の増員をはかるとともに博士の採用の道を拡げるようにすべきだ がどうか。 八、また同日の質問にたいし、森口参考人はテニュアトラック制(ポス ドク後に研究職が保障される制度)導入に向けた支援、科学技術関係人 材のキャリアパス多様化促進事業など進めていると答弁していたが、ど の大学で何人テニュアトラック制が実施されているのか具体的に明きら かにされたい。今後テニュアトラック制による雇用創出をどれだけ生み 出していくのか具体的に明らかにされたい。 九、キャリアパス多様化促進事業がどのように取り組まれどのような成 果をあげているか具体的に明らかにされたい。博士の就職難は科学技術 分野だけではない。この事業の対象を人文・社会科学系にも拡げるよう にすべきだと思うがどうか。また採択機関を抜本的に増やすこと、機関 間の情報交換、連携・交流を強化すべきではないか。 十、先に大学非常勤講師の例をあげた。非常勤を一五コマ受け持って四 五〇万円の手取りではあまりにも安すぎるし専任教員との格差が激し い。一五コマ受け持たなくては生活が維持できないような状態を改善す るため、時間単価を引き上げる必要がある。文部科学省として目安をし めすべきだがどうか。専任教員との「同一労働同一賃金」の原則を適用 した場合、非常勤講師の一コマ給与をどれだけ確保すべきだと考えるか。 十一、また大学の教育の相当な部分を非常勤講師に依存していることも 問題である。先に例としてあげたT氏が授業を受け持っている国立大学 では非常勤講師数が専任教員数より上回り、教員数は非常勤講師四に対 し専任教員三という割合だった。 政府として、大学教育において非常勤講師が占める割合についてどのよ うな認識をもっているのか。これまで調査をおこなったことがあるの か。さらに今後調査を行う意思があるのか。 十二、非常勤講師は調整弁としてつかわれており人権上の問題でもあ る。このような安上がりの教育ではなく、非常勤講師が研究者として活 動でき、生活が保障されるよう専任教員として採用し身分の安定をはか るべきだがどうか。 十三、大学院博士課程入学者数は、志願者の意思や受け入れ側の条件な どから、分野や年度によって変動するのが自然であり、画一的に定員充 足率で評価することは大学院教育にとって適切ではない。大学院の定員 制度の柔軟化をはかるべきだと考えるがどうか。 十四、高等教育費にたいする公的財政支出が、OECD諸国の平均はG DP比で一.一%であるのにたいし、我が国のそれは〇.五%にしか過 ぎない。このことが日本の高等教育の教育と研究にさまざまなゆがみを もたらしている。高等教育費に対する公的財政支出を諸外国並にひきあ げ、抜本改善をはかるべきだがどうか。 右質問する。 "[he-forum 13743] 時事通信10/27 時事通信2008年10月27日16時46分 大学、短大15校に開設認可=看護系が多数  大学設置・学校法人審議会は27日、私立弘前医療福祉大(青森県弘前市)など大学11校、短大4校について、2009年度の新設を認可するよう塩谷立文部科学相に答申した。うち大学6校は短大からの改組や大学統合に伴う開設。計15校の中で9校が看護学部・学科を置く。  設置審は2大学での教職大学院新設も了承。今年度スタートした同大学院は21校となる。  一方、通信教育制の文化政策・まちづくり大学院大(京都市)については、教員組織、施設などが不十分で開設を認めなかった。  教職大学院3校は解決すべき問題があるとして、審査を12月まで継続する。ほかに大学1校、高等専門学校1校が開設申請を取り下げた。  大学経営が厳しくなる中で新設が相次いでいるが、文科省大学設置室は「03年度からは基準さえ満たせば開設を認める運用となった。少子化時代の高等教育のあり方は中央教育審議会で議論される事項だろう」と話している。  開設を認可、了承した大学、短大などは次の通り。  【公立大】千葉県立保健医療(千葉市)▽新潟県立(新潟市)▽愛知県立(愛知県長久手町、名古屋市)  【私立大】弘前医療福祉(青森県弘前市)▽日本赤十字秋田看護(秋田市)▽東都医療(埼玉県深谷市)▽こども教育宝仙(東京都中野区)▽東京有明医療(東京都江東区)▽びわこ学院(滋賀県東近江市)▽大阪保健医療(大阪市)▽広島都市学園(広島市)  【私立短大】仙台青葉学院(仙台市)▽有明教育芸術(東京都江東区)▽貞静学園(東京都文京区)▽平成医療(岐阜市)  【教職員大学院】国立山形(山形市)▽私立聖徳(千葉県松戸市) "[he-forum 13744] 時事通信10/28 時事通信2008年10月28日11時04分 一橋、慶大が連携=EU研究大学院軸に  一橋大学と慶応大学は28日、学部・大学院同士の単位互換、事務職員の人事交流など大学間の連携を進めるとした協定を締結した。欧州連合(EU)の研究を行う共同大学院設置の計画を軸に、他分野へも協力関係を広げる。  記者会見した一橋大の杉山武彦学長は「それぞれ自主独立の人材を送り出してきたという共通点がある」と述べ、相性の良さを強調。慶応大の安西祐一郎塾長は「両大学が組めばアジアでトップのEU研究と教育が推進できる」と述べた。  共同大学院は2011年度以降に設置する。欧州における国家の経済的、政治的な統合を研究し、アジアでの実践などに応用する。 "[he-forum 13745] 時事通信10/27(2) 時事通信2008年10月27日20時37分 改善なければ大学名公表=奨学金延滞で  文部科学省は27日、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金の返済が2割以上滞っていることに関し、延滞状況の改善が進まない大学は名称などの公表に踏み切る方針を決めた。厳しい措置を講じることで、各大学の取り組みを強化させるのが狙い。2009年度から実施する。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)財政投融資分科会で明らかにした。   支援機構の奨学金は、国が民間から調達した財政融資資金を主な財源として、各大学を通じて学生に貸し出している。文科省によると、奨学金の回収率は79.2%(07年度)にとどまっており、融資時の大学側の審査の甘さなどが原因と指摘されている。  同分科会の吉野直行会長(慶大教授)は会合後の記者会見で、回収率の向上に向け「奨学金の学生を紹介する大学がもう少し規律を持って(学生に)返済させるようにすべきだ」と述べ、大学側に一層の努力を求めた。 "[he-forum 13746] 朝日新聞10/27 朝日新聞2008年10月27日付 ワイン、砂丘…国立大、地方色生かし研究所続々  ワイン、乾燥地、宇宙など、地方の国立大学が地域の特徴を生かしたユニークな研究所に力を入れている。法人化後は新顔も急増。激化する大学間競争の中で、独自性を示すことで優秀な学生を確保し、生き残りにつなげる狙いもある。 ●校名の商品発売  甲府市にある山梨大の「ワイン科学研究センター」は、国内の大学で唯一のブドウとワインの研究所だ。ブドウの生産量が日本一の山梨で60年以上の歴史がある。  研究の柱は、(1)アルコール造りに欠かせない酵母などの研究(2)健康などに有用な効果がある成分の研究(3)病気に強いブドウ作りの三つ。05年にはセンターが開発した技術で醸造された「山梨大ワイン」をメーカーと共同で売り出した。  新品種を使った赤ワインや、世界で初めて海に住む酵母を使った甘口ワインなど現在4社から11銘柄が出ていて、地元を中心に年1万本近く売れている。  昨年度に1年次からワインの専門教育を受ける特別コースを始めたところ、7割は県外からの入学者だった。さらにワイン技術者を対象にした再教育コースも開講していて今年6月、約150時間の授業・実習を受けた7人を初代の「ワイン科学士」に認定した。柳田藤寿センター長は「日本にはワインの専門家の称号がないので、これを標準にしていきたい」と話す。  貫井英明学長は「センターは産学官連携のシンボル」と説明する。「横並びで競争しても人数が多くて伝統がある大学には勝てない。他の大学にない技術を持つことが、優秀な学生の確保や大学の生き残りにもつながる」と話している。 ●海外でも有名に  鳥取市の鳥取砂丘の一角に直径36メートル、高さ15メートルの巨大ドームがそびえる。鳥取大の「乾燥地研究センター」の実験用ドーム。様々な乾燥地の気候をシミュレーションできる自慢の施設だ。内部には、乾燥地特有の熱風を再現する装置や人工的に雨を降らせる装置などがそろう。  センターは戦後、国内の砂丘地の農業利用研究からスタート。その後は研究対象を世界の乾燥地へと広げてきた。恒川篤史センター長は「国内ではオンリーワンの研究所です」。  国際的な知名度も高く、大学院の博士課程では20人中11人が海外からの留学生。国が優れた拠点に資金を重点配分するCOEプログラムにも、02~06年度、07~11年度と連続して選ばれた。最近では、中国などからの黄砂の観測や人に与える健康被害、バイオ燃料の開発、乾燥地の野生生物の保全など研究の幅をさらに広げ、「世界に貢献したい」と意気込んでいる。  鳥取大では、来年度から大学院に「国際乾燥地科学専攻」を新設するなど、乾燥地に関する教育研究にさらに力を入れる。能勢隆之学長は「名実ともに大学の売り物にしていきたい」と話す。「オープンキャンパスの時もセンター行きのバスは満員だった。大学の最大の命題である受験生確保にもつながる」と期待している。 ●第一人者を招く  北海道室蘭市にある室蘭工業大の「航空宇宙機システム研究センター」は法人化後の05年に発足した新施設。国内の大学では唯一という航空と宇宙の両方を対象にする研究所だ。  大気中をマッハ6以上で飛ぶ超音速飛行機や、離陸して大気圏外でロケットエンジンに切り替える再使用型宇宙船「スペースプレーン」など、革新的な技術の確立を目指す。センター長には宇宙航空研究開発機構から棚次亘弘さんを招いた。まず、5年以内に長さ3メートル程度の無人実験機をマッハ1・4で飛ばして回収する計画だ。  研究設備の充実ぶりは国内の大学でトップクラス。試験用の風洞は最速でマッハ4の気流を起こせる。小型ジェット機の飛行を世界中の主要空港・航空路で再現できるフライトシミュレーターもある。  松岡健一学長は航空宇宙分野に力を入れる理由として、(1)もともと航空の講座があった(2)第一人者の棚次さんを招くことができた(3)地元の北海道が航空関連の産業誘致に力を入れている、の三つをあげる。  今年度、大学院修士課程に航空宇宙システム工学専攻を新設したところ、志願者は定員を大幅に上回った。来年度には工学部に「機械航空創造系学科」とも発足させる。「本学の特徴を明確にして、受験生にもアピールしたい」と話している。 ●5年間で533施設  国立大学は全国に86ある。文部科学省によると、国立大学の研究所・研究センターなどの数は08年度現在976施設。うち半分以上の533施設が、法人化によって、各大学の判断でつくれるようになった04年度以降にできている。年間100以上、1大学で年に1施設余り増えた計算になる。  急増の理由として、(1)大学の活動をアピールしたり地域の要請に応じたりするため、研究者レベルで進めていたような研究を研究所に格上げした(2)COEプログラムの受け皿として研究拠点を整備した、ことなどが考えられるという。(杉本潔) "[he-forum 13747] 日本経済新聞10/28 日本経済新聞2008年10月28日付 国立大学病院、過半数が赤字 現金収支計算書ベースで  国立大学付属病院長会議は27日、2007年度決算で45の国立大学病院のうち28病院がキャッシュフロー(現金収支)計算書ベースで赤字だったと発表した。国からの補助金が減っていることなどが響いているという。  現金収支計算書は現金の収入と支出を示す。営業活動で得る現金収入から投資や借入金返済による支出を差し引いた現金収支は、大学病院全体で76億円の赤字だった。国からの補助金である運営費交付金は減少が続いており、07年度は367億円と3年前と比べ3割以上減少。経費削減などの経営改善努力が求められている。  文部科学省が公表した07年度決算では、赤字病院の数は特殊性を加味した修正ベースでも16だった。しかし国立大学法人会計基準による損益計算書は借入金の返済を反映していないため、経営実態をより実態に近づけるため現金収支計算書で計算した。 "[he-forum 13749] 陸奥新報10/29 陸奥新報2008年10月29日付 弘大大学院医学研究科が基礎研究生支援で新制度  研究者を一人でも多く育てたい―。弘前大学大学院医学研究科(佐藤敬研究科長)は、同研究科の「巻渕基金」を元に、来年度からの同研究科基礎系講座の入学生一人の入学金と3年分の授業料を全額支援する「大学院生支援制度」を新たに設ける。同研究科は「巻渕基金に感謝し、制度で大学院教育、研究のさらなる充実を果たしたい」としている。  巻渕基金は、弘大卒業生で医師の故巻渕秀夫氏の遺志と遺族の理解を得て2004年に創設。これまで一部が弘大生用のラウンジ新設費用に充てられている。  大学院生支援制度では、弘大医学研究科(博士課程)基礎系講座(全十講座)に所属する新入生(社会人を除く)を毎年一人選抜、収入のない大学院生が対象となる。対象者一人に対し、入学金28万2千円と授業料53万5800円を3年分支援する。  大学院進学者数は伸び悩みがたびたび指摘されており、原因として(1)大学医学部卒業者の初期臨床研修が04年度から義務化されたこと(2)大学院生の経済的な負担が大きいこと―などが挙げられている。  同研究科では支援制度が少なく、医師免許を持つ臨床系の大学院生のように、医師のアルバイトなどで学費や生活費を捻(ねん)出(しゅつ)することができない他学部出身者の基礎系大学院生は、経済的な問題で研究に専念できない人が多いというのが現状だ。  同制度は、特に大学院進学を希望する他学部出身者を後押しする制度として注目される。  同研究科学事委員長の若林孝一教授は「医学は臨床だけでは発展しない。研究に専念する環境を整えることは5年、10年後の医療の発展に結び付き、研究者のマンパワーの確保にもつながる」と制度に期待を寄せている。 "[he-forum 13748] 山形新聞10/28 山形新聞2008年10月28日付 山形大が教職大学院を開設へ 優れた人材の育成目指す  山形大は来年度、高い実践力を備えた教員を養成する教職大学院を開設する。県内公立校と連携した実習や、幅広い分野の講義を取り入れ、「授業づくり」「学校づくり」に優れた人材の育成を目指す。大学設置・学校法人審議会が27日、設置を認めるよう文部科学省に答申した。東北では宮城教育大に続き2校目。  定員は20人。学部卒と現職教員を対象にした「学習開発コース」(13人)と、現職教員のみの「学校力開発コース」(7人)の2コースを設ける。現職教員は計10人とし、派遣する県教育委員会とも連携し、一定の現場経験を持つ教員を想定している。  2年間で計10週行う実習は、同大付属学校のほか、村山地域の小中高15校で実施。都市圏の神奈川県川崎市内や海外での実習を追加できる。実習以外にも、学校と地域との連携などを学ぶフィールドワークの場として、同大が最上地方で展開している「エリアキャンパスもがみ」を活用する予定だ。  教育学だけでなく、全学部の教授らが講義を担当するのも特徴。各分野の先端研究などを学び、教材開発や教科指導力の向上に役立てる。  飯沢英昭地域教育文化学部長は「授業や学校づくりの中核となる『スクールリーダー』を養成したい」としている。 "[he-forum 13750] 四国新聞10/28 四国新聞2008年10月28日付 大学院、09年春開設へ/香川県立保健医療大学  香川県が2009年4月の開設を目指している香川県立保健医療大学(香川県高松市牟礼町)の大学院について、大学設置・学校法人審議会は27日、設置を認めるよう文部科学相に答申した。事実上の認可を受け、県は来春の開設に向けて学生募集などの準備を進める。  同大によると、大学院では保健医療学研究科(修士課程)の中に、看護学分野と臨床検査学分野を設ける。両分野の学生が共通して学ぶ専攻共通科目を配置するなどして、保健・医療・福祉の連携による総合的サービスを提供できる高度専門職業人を養成する。  施設は、大学の既存施設を改修して大学院生用の研究室を設置。担当教員は大学と兼務する専任教員28人のほか、他大学などとの兼任教員(非常勤講師)六人を配置する計画。  入学定員は8人。医療現場で働く看護師や臨床検査技師らも社会人特別選抜で受け入れる。募集要項の配布は11月下旬、入試日程は、出願期間が来年2月中旬、試験は3月上旬を予定している。大学院設置について湯浅繁一学長は「大学院では、保健医療に関する高度な知識と技術を活用できる人材を養成することにより、県民の健康増進などに貢献していきたい」とコメントしている。 "[he-forum 13751] 時事通信10/29 時事通信2008年10月29日20時31分 大学認可、基準明確化を提言-設置審  大学、学部新設などの可否を判断する大学設置・学校法人審議会は29日、設置基準をより明確化すべきだとする提言を中央教育審議会に報告した。現状については「自覚と責任を欠くような準備不足の申請が増えた」と分析している。  少子化に伴って大学経営が厳しくなる中、教育研究の質を確保する狙いがある。  提言は、現行基準を「具体性がなく、不適切と思える申請でも『不可』とする明確な根拠を示しづらい」と批判。数値が示されていない専任教員の勤務日数や授業時間数、図書冊数などの規定を明確化するよう求めた。  審査期間を現行の5-7カ月から1年半程度まで延長することも要望した。  審査なしでも学部・学科の設置を認める届け出制度に関しては、「抜け道的に使われれば、審査の意義が薄れる」と指摘。看護師養成の学部・学科が届け出のみで理学療法士養成を行うようになった事例などを挙げた。  設置認可をめぐっては、設置審が定めた内規が2003年に廃止されるなど規制緩和が続いてきた。一方、昨年度までの5年間で不認可となったケースは7件、審査途中で申請が取り下げられたのは21件に上った。 "[he-forum 13752] 秋田魁新報10/29 秋田魁新報2008年10月29日付 秋田大、保健学専攻に博士課程 09年度開設  秋田大学は2009年度から、大学院医学系研究科の保健学専攻に博士後期課程(3年)を開設する。看護職を養成する県内の大学では初の博士課程で、31日に文部科学省から正式な設置認可が出る見込み。少子高齢化が全国トップレベルで進んでいる本県の課題の解決に取り組む人材を育成する。本橋豊医学部長らが28日、県庁で会見して明らかにした。  病気療養児の支援や児童虐待の減少、女性健康問題の解決などを研究目標にする「女性・小児発達支援科学分野」と、高齢障害者支援や慢性閉塞(へいそく)性肺疾患への対策などを研究目標とする「高齢者生活機能支援科学分野」の2分野。「地域再生への貢献と保健学の発展」を理念とする。  入学定員は3人。入試では修士課程の修了者を対象とした「一般選抜」のほか、おおむね3年以上の看護職経験がある大卒者を対象とした「社会人特別選抜」を行う。 "[he-forum 13753] 山陰中央新報10/30 山陰中央新報2008年10月30日付 医師確保に向けて、島大大学院が専門コース開設  島根県内の医師不足に対応しようと、島根大大学院医学系研究科(出雲市塩冶町)は、来年度から県と協力し、医師の定着を支援する「地域医療支援コーディネーター」を養成する。医師確保の専門家を養成する教育課程の創設は全国初。  同コーディネーターの養成は、地域の医療ニーズを把握し、医学生やへき地で働く医師の相談に乗り、医師の定着や適正な配置を図るのが目的。大学院の養成課程を修了し、現場経験を積んだ人材を、県がコーディネーターとして認定する。  養成課程の募集対象は、医師不足を抱える自治体の健康福祉部門で働く職員など。二年間のカリキュラムでは、四カ月間、県内の医療現場を回り、医師の勤務実態や医療の現状を把握。医師の実態を知ると同時に、労働心理学や医療関連の法律を学ぶことで、相談に乗るほか、適切なアドバイスができる能力を身に付ける。  木下芳一医学部長は「地域の医療ニーズと、現場の医師のニーズに精通した専門家がいることで、医師確保対策も立てやすくなる」と述べた。  県医療対策課によると、昨年十月の調査で、県内の医師の充足率は80・2%。二〇〇二年から松江、出雲圏域を除くと全域で医師数が減少し、中山間地や離島の医師不足が深刻化している。 "[he-forum 13754] 東京新聞10/30 東京新聞2008年10月30日付 群馬大付属病院 時間外料金を導入へ 救急の軽症患者から4200円  群馬大医学部付属病院(前橋市)は二十九日、平日夜間や休日の救急診療に訪れた軽症患者から「時間外料金」として四千二百円を新たに徴収すると発表した。十二月一日から実施する。入院や手術が必要な重症患者の診療を優先するのが目的で、病院側は「救急医療の質を維持するためには不可欠な措置」として理解を求めている。 (中根政人)  国立大学法人が運営する病院での時間外料金導入は、山形大に続いて二例目。県内の公的病院では、前橋赤十字病院(同市)が同じく救急医療の強化を目的に、十二月から時間外料金を導入することを決めている。  時間外料金は、入院を必要としない軽症患者が平日の午後五時から翌午前八時半の間や土日祝日などに来院した場合に徴収する。入院が必要な患者や救急外来を受診するための紹介状を持参した患者は対象外となる。  群馬大医学部付属病院では、軽症患者の受診の増加によって、救急部が取り扱う患者数が二〇〇七年度は九千七百三十一人だった。このうち、平日の夜間や休日など時間外に訪れた患者数は七千六百十一人で、八割近くを占めた。  同病院は、時間外の救急診療を二人の医師で行う状況が続いており、新たな料金の導入について「現場の医師が慢性的に不足する中、現状のままでは重症患者の治療を優先する体制が維持できなくなる」と理由を説明している。 "[he-forum 13755] 埼玉新聞11/1 埼玉新聞2008年11月1日付 大学院設置を認可 県立大 定員20人、来年2月試験    来年四月の開設を目指す埼玉県立大学大学院(保健医療福祉学研究科)=越谷市三野宮=に対し、文部科学相は三十一日、設置を認可した。  「リカレント教育(社会人再教育)に軸足をおいた大学院」を基本コンセプトに、実務経験や現場で培った問題意識を活用した教育を実践。多様化する県民ニーズに対し、保健医療福祉サービスを統合して提供できる人材を二年間の修士課程で育成する。  保健医療福祉学専攻の中に、看護学、リハビリテーション学、健康福祉科学の三つの専修分野を設置。社会人が仕事と両立できるよう、土曜日と平日夜間(午後六時~同九時十分)の開講や、四年を上限とした長期履修制度を導入するほか、JR北浦和駅近くに通学可能なサテライトキャンパスも設置する予定。  入学定員は二十人。十二月下旬から募集要項を配布し、来年一月下旬に出願、二月下旬に入学試験を予定している。 "[he-forum 13756] 河北新報11/3 河北新報2008年11月3日付 ユネスコ・スクールを支援 教員養成6大学が連携  宮城教育大(仙台市青葉区)は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定する「ユネスコ・スクール」の加盟校支援を目的に、教員養成系学部を持つ全国の大学間のネットワークを創設する。同大で8日、加盟校や教育関係者らによる「ユネスコ・スクールの集い」を開き、共同声明を発表する。  大学間ネットに参加するのは宮教大のほか、岩手大(盛岡市)、岡山大(岡山市)、金沢大(金沢市)、玉川大(東京)、奈良教育大(奈良市)。  ユネスコ・スクールは、国連が提唱する「持続可能な発展のための教育」(持続発展教育)の拠点校として環境教育、国際理解教育、人権教育などを展開する。  6大学は連携して、持続発展教育のカリキュラム開発や教員の派遣に当たり、ユネスコ・スクールをサポートする。  宮教大は宮城県内の自治体と環境、英語教育などに関する協定を結び、持続発展教育を推進。仙台市、気仙沼市、大崎市が「仙台広域圏」として2005年、世界初の同教育の推進拠点に認定された。  今年8月には、奈良教育大に続き全国2番目のユネスコ・スクールとなった。宮城県内の小中学校や高校の加盟を支援。気仙沼市や白石市の21校が申請しており、近く認められる見通しだ。  8日の集いでは、大学間ネットの参加校や教育委員会の関係者らが「ユネスコ・スクール支援のための大学の存在」と題し討議。大学の支援の在り方や教育現場からの期待を報告する。  仙台市は、ユネスコ支援の民間団体「仙台ユネスコ協会」が1947年に世界で初めて設立されたことで知られる。  宮教大の見上一幸理事(総務担当)は「ユネスコ運動発祥の地・仙台から、ユネスコ・スクールの持続発展教育を盛り上げたい」と話している。 [ユネスコ・スクール]ユネスコの理念を学校現場で実践する幼稚園、小・中・高校、専門学校、特別支援学校、教員養成系の大学など。1953年に発足し、2008年10月末現在、177カ国の約2000機関が加盟する。国内は31校で、うち東北は宮城2校、岩手1校、秋田1校。 "[he-forum 13757] 朝日新聞11/3 朝日新聞2008年11月3日付 早まる就活 学校苦慮  大学生の就職活動、企業の採用活動に、大学側が危機感を募らせている。早期化、そして長期化に、だ。国立大学協会などは今夏、97年の就職協定廃止後、初めて「学業に支障がある」として、経済団体に適正化を申し入れた。しかし、すでに一部の職種で選考を終えた社もあるうえ、秋になり、企業の説明会も本格化している。 ■3年秋に内々定?  都内の私立大学に通う3年生の女子学生(20)は9月中旬から、在京テレビ局のアナウンサーのエントリーを始めた。10月は、面接試験が次々行われた。「多くの局で選考が終わったと聞いています」  学生と企業が接触し始めるのは、3年生の夏休みだ。学生は、希望企業に、仕事を実体験する「インターンシップ」を申し込む。学生たちは「事実上の就職活動のスタート。人事担当者に気に入ってもらう大切な場です」。昨年、ある損害保険会社の1日インターンシップに参加した関西大4年生の男子学生(22)は「ずばり就職セミナーという感じでした」。  秋に入り、会社説明会も次々、開かれている。横浜国立大学3年の男子学生(22)は「先輩の手帳を見たら、秋以降、説明会の日程が来春までびっしり書き込まれていた。私も準備をしなければいけないと焦っています」。今、就職情報会社のホームページを見ながら、説明会の日時をチェックする毎日だ。  リクルート(東京)がまとめた「就職白書2007」によると、アンケートに答えた861社のうち41.4%が、09年3月卒業生の採用スケジュールが前年より「早まる」と回答。理由に、優秀な人材の確保82.9%、競合対策56.9%などが並ぶ。他社に先んじて、いい学生を確保しようと、企業は採用を早める。一方、従来通り、4月から活動する企業もあり、学生たちの活動は、必然的に長期化することになる。 ■「学業妨げ」問題視  早期化、長期化は、国立大学協会などでつくる「就職問題懇談会」で、たびたび問題視されてきた。懇談会が、大学の就職指導担当者らに行った調査でも、早期化を指摘する回答が増加傾向だった。  このため、国大協は、公立大学協会、日本私立大学団体連合と7月9日、日本経済団体連合会(経団連)に要望書を提出した。これらの団体が就職問題でまとまって動くのは、97年の就職協定廃止後、初めてだ。  要望書では(1)学部や大学院の最終学年の当初や、それ以前の学生に採用・選考活動をしない(2)採用活動は長期休暇などを活用するなどし、大学教育を尊重する(3)正式内定は、卒業、修了年次の10月1日以降とする、などを求めた。懇談会座長の平野真一・名古屋大総長は「優秀な人材を育てるのに最適の時期を就職活動に奪われるのは、あまりに悔しい」と訴えた。  大学院修士課程修了後の就職が中心の理系学生を抱える教員も反発を強める。東京大、京都大など有力大学工学部長らでつくる「8大学工学部長会議」は10月、経団連に修士院生の採用活動を2年次の4月以降に始めることなどを求める声明を手渡した。採用・就職活動が1年の夏から翌年の5月ごろまで続くため、「大学院の教育研究を大きく妨げている」としている。 ■学生には対応支援  一方で、大学側は、早まる就職活動に戸惑いつつも、対応せざるをえないのが実情だ。  早稲田大学(東京都新宿区)では3年生の7月から本格的な就職ガイダンスを始めている。キャリアセンターの西尾昌樹課長は「この時期の学生は浮足立っているため、落ち着いて職業観や企業を見極めるよう助言している」。あまりに早く内定し、本当によかったのかと「内定ブルー」に陥ったり、複数の内定をもらっても絞りきれなかったりする学生がいるからだ。  秋の段階では、有名企業に集中する傾向がある。また、民間の採用が早期化する一方で、公務員試験の時期は変わらず、両立できない問題も起きている。西尾さんは「大学で何を勉強したかや成績が評価されないのは残念。3、4年でサークルの責任者を経験して成長する学生もいるのに……」と嘆いた。  関西大学(大阪府吹田市)は4月、3年生と大学院生を対象に最初の就職ガイダンスを開く。キャリアセンターの冨山浩嗣事務長は、4年前の初回は「早いかな」と思ったが、今は「妥当かな」と感じている。この春は、就職希望者の7割以上が参加した。  毎年6、10、12月に3年生向けのガイダンスを行う福岡大学(福岡市)は3年前から、6月の参加者が増え始め、今年は8割の学生が出席した。就職・進路支援センターの立花時弘室長は「就職活動が早まれば、それだけ授業に集中できなくなってしまう。大学側としては少しでも遅くしてもらいたいのが本音だ。ただ、センターとしては対応せざるをえない」と、ジレンマを話した。 ■「好ましくない」経団連  就職協定は企業側の要望を受け、97年に廃止された。経団連は現在、加盟企業に卒業・修了学年に達しない学生への面接などの選考活動を慎むよう倫理憲章で定める。ただ、守らなくても罰則はなく、拘束力は弱い。  今回の国大協などの要望に、経団連の雇用管理グループは「就職活動の早期化、長期化は好ましいこととは考えていません。学業を大切にしてほしいという考えは大学側と同じで、今後も規定を守ることを求めていきたい」としている。  一方、文部科学省は、学生が一定期間授業に出られない▽卒業研究の指導が十分できない、などの影響が出ている点を懸念。学業に専念できるようにし、卒業時の資質や能力を高める方が、学生にも企業にも望ましいとしている。10月14日付で学長らに出した通知では、大学側の申し合わせや憲章の内容を教職員や学生に周知し、企業に働きかけるように求めた。同省担当者は「就職活動で学生の本分が侵されている。申し合わせと倫理憲章を尊重するよう求めていくことで、学業に励める環境にしたい」と話している。 "[he-forum 13758] しんぶん赤旗11/1 2008年11月1日(土)「しんぶん赤旗」 研究者の就職難問題 若手博士に職「重要」 石井議員に政府が答弁書  政府は三十一日、日本共産党の石井郁子衆院議員の提出した「大学院 博士課程修了者の就職確保と研究条件改善に関する質問主意書」に対す る答弁書を決定しました。  大学院博士課程を修了しても研究職のポストがなく非常勤講師や短期 雇用の研究員につくことを余儀なくされている事態(ポストドクター問 題)が進行していることについて、答弁書は、博士課程修了者が「十分 活躍できる社会が形成されることは重要」との認識を示しました。  博士課程修了者の就職確保については、文部科学省が支援しているテ ニュアトラック制(ポストドクター終了後に研究職が保障される制度) は、二十一大学、約二百五十人の若手研究者を対象にしていること、同 省の「キャリアパス多様化促進事業」によって、二〇〇七年度には三百 七十人以上の若手研究者が産業界などに就職し、「就職先の企業におい て高く評価されている」ことが明らかになりました。  また、「博士課程修了者が、教員や公務員も含め社会の多様な場で活 躍することは重要」として、「キャリアパス多様化促進事業」によって 人文・社会科学系の若手研究者を対象にした就職支援が各大学において 取り組まれることを「期待している」と答弁しています。 "[he-forum 13759] 時事通信11/4 時事通信2008年11月4日18時43分 医学部定員、来年度から693人増へ=文科省  医師不足が深刻化している問題で、文部科学省は4日、77大学が2009年度に医学部の入学定員の拡大を計画し、増員数は計693人に上るとの集計を発表した。定員は全国で8486人となる見通しで、ピークだった1980年代前半の8280人を206人上回る。  内訳は国立42校で363人、公立8校で59人、私立27校で271人。大学設置・学校法人審議会の審議などを経て、年内に正式に確定する。  このうち73校の504人については、政府が「医学部定員を過去最大程度まで増員する」とした6月の閣議決定を受けた措置。各校は定員拡大の代わりに、養成した医師を地域に定着させる「地域貢献策」を同省に提出した。   地域貢献策を集計したところ、▽県内などからの地元出身者を別枠で入学させる「地域枠」「地域定着枠」を設けるのは47校▽卒業後に地域医療に従事することを条件にした奨学金を設定するのは62校-だった。  73校中ほぼ全大学が、医師が特に不足する産科、小児科の教育内容の強化を打ち出した。34校は学部段階から取り組むとしている。  文科省は計画が着実に実施されるよう、医療関係者らで構成する「計画評価委員会」を設置。履行状況を定期的に点検する。  09年度の入学定員については、各大学が今年8月時点で計760人程度の増員を検討。しかし、指導教員を確保するために地域の医療機関から、派遣医を引き揚げさせるなどの計画も一部あり、同省が調整を進めていた。 "[he-forum 13760] 毎日新聞福島11/5 毎日新聞福島版2008年11月5日付 福島大:07年度業務実績 評価は「順調」  福島大はこのほど、国立大学法人評価委員会による07年度の業務実績評価内容を発表した。業務運営や財務内容など4項目で、5段階評価で上から2番目の「順調に進んでいる」と見なされた。  また教育研究では、小学生を対象とした教育プログラム「わくわくJrカレッジ」の実施が高く評価された。今野順夫学長は「地域社会の発展のため学術文化拠点としての強化を推進したい」としている。  04年の国立大の独立法人化に伴い、各大学が6年間の中期目標・計画を策定。同委員会が年度ごとの進ちょく状況を評価し、結果は10年度以降の運営費交付金額に反映される。【今井美津子】 "[he-forum 13761] 秋田魁新報11/5 秋田魁新報2008年11月5日付 社説:大学・自治体連携 特色出し地域に役立て  全国の大学が生き残りを懸けて地域に根ざす運営に力点を置き、自治体など地域との連携を強めている。県内の各大学も、このところ連携協定を結ぶケースが相次いでいる。  秋田大はきょう5日、小坂町と包括協定を締結する。「環境との共生」を掲げる同大が、鉱山の町として培われてきた技術を生かして金属資源の再生にも取り組み、近代化遺産などによる活性化を目指す同町との連携を拡大し、より強固にする。成果を注目したい。  国立大学は2004年度に法人となり、運営の自由度はぐんと増したが、国の運営費交付金は年々削減され、どこも経営基盤の強化が喫緊の課題だ。交付金の配分には教育研究はもちろん、地域貢献活動の評価も反映されるという。だが経済・産業界からは研究面の成果主義導入を強く求める意見がある。  「大学全入時代」とされる。少子化の進展の中でも大学数は増えており、えり好みしなければ希望者は全員入学できる。大学は、選ばれる、存在感のある運営に躍起だ。学生納付金に多くを負う私立大も、生き残りへ危機感を募らせる。  そんな中、各大学とも基本理念や目標の柱などに掲げる「地域の振興」や「地域との共生」などを、目に見える形でアピールしようというのが、地元自治体などとの相次ぐ連携協定の締結である。だが、それは「地域に役立つ」大学へと脱皮するためのスタート台にすぎない。  秋田大の自治体との連携協定は昨年の県を手始めに、秋田市、大館市、小坂町と続き、能代市とも結ぶ計画だ。県立大は先月、八郎湖の再生や町おこしに取り組む潟上市と連携協定を締結した。国際教養大も昨年、八峰町と協定を結び、海外からの留学生が町の児童や園児の英語授業を手伝っている。  今春、観光学科を創設したノースアジア大は意欲的だ。既に県内の主要観光地を抱える小坂町、男鹿市、仙北市など7自治体と協定を結び、先月は五城目町観光協会とも締結した。学生が県内各地の観光現場で学べるのは魅力的である。  連携する自治体にとっては、それぞれの地域課題の解決に大学の知恵を借り、研究者のノウハウを生かし、人材供給面の恩恵にもあずかれる。連携する双方の思いが一致することで、大学が身近になり、その存在感は高まるはずだ。  心配なのは大学が連携の締結を急ぐあまり、取り組みの実効をおろそかにすることだ。形を整えるだけでなく、着実に成果を挙げるべきである。  各大学は、建学の精神を踏まえつつ、時代と地域が求めるものに応えられるように、大学の特色を前面に出すべきではないか。「大学全入時代」を迎え、魅力を付加していかなければ生き残れないからである。地域に頼りにされ、役立つ大学運営を望みたい。 "[he-forum 13762] 共同通信11/4 共同通信2008年11月4日21時35分 73大学が地域医療充実の貢献策 医学部定員693人増  医師不足の深刻化に対応するため、文部科学省は4日、医学部がある79の国公私立大(防衛医大を除く)のうち、77の大学で2009年度の医学部定員を計693人増やし、総定員数を8486人とする計画を公表した。総定員は、1981年度の8280人を上回り過去最多となる。  特例措置として増員する73校は地域医療充実の貢献策を示し、多くの大学が奨学金や入試での「地域枠」設定で、地元に根付く医師の養成に取り組むとした。  増員は、政府が昨年決めた緊急医師確保対策分として189人、重要政策を示す「骨太の方針2008」での特例措置分が504人。  文科省によると、特例で増員するには地域貢献策への取り組みが前提で、全73校が地域の病院や診療所での実習をし、地域医療教育を強化すると打ち出した。  62校が、卒業後の一定期間、地域医療に従事する学生への奨学金を設ける。入試で地元高校出身者を対象とするなどの「地域枠」を設けるのも47校に上った。  深刻な医師不足が懸念されている産科や小児科の教育内容を充実させる大学も34校あった。  定数増の内訳は国立大が42校で363人、公立大8校で59人、私立大27校で271人。大学別では10人前後の増員が多く、順天堂大と岩手医大の20人が最も多かった。昭和大と近畿大は増員がなかった。 "[he-forum 13763] 西日本新聞社説11/5 西日本新聞社説2008年11月5日付 法科大学院 地方を切り捨てぬ改革を  司法改革の理念である実社会で活躍する多様な法曹=法律家(裁判官、検察官、弁護士)を、本当に育てられるのか。創設から4年目を迎えた法科大学院制度が、早くも揺らいでいる。  法科大学院の修了生を対象にした新司法試験の合格率は、48%だった2006年の1回目から減り続けている。今年は前年より7ポイント低い33%にまで落ち込み、合格者ゼロの大学院が3校あった。  これを受け、中教審の特別委員会は入学定員の削減や統廃合を提言した。全体として法科大学院の定員を絞り込んで学生の質と教育の質を確保し、合格率の向上を目指そうという考えである。  文部科学省は今月中旬まで各校から聞き取りをして、年内にも改善策の提出を求める方針だ。結果次第ではより強い行政指導に乗り出すことも考えられる。  法科大学院には社会に開かれた司法改革を支える役割がある。その「質」が疑われるとは、ゆゆしき事態である。  新司法試験の合格率は70-80%と想定されていた。当初の目算が外れたのは、大学院の乱立と過大な定員にある。  法科大学院は全国に74校あり、総定員は約5800人だが、定員割れが46校もある。2年続いて定員不足に陥っている大学院は28校に上る。実績が伴わない大学院に学生が集まらなくなるのは自然の流れであり、定員削減や統合再編もやむを得ないだろう。  ただ、制度設計を誤り、74校も認可した文科省の責任も指摘したい。バスに乗り遅れるなとばかりに相次いだ申請を認めた失敗のツケがきている。  事態の改善についても注文がある。文科省は大学院個々の合格率や改善策ばかりに目を向けずに、あらためて法曹養成機関の適正配置を考えてもらいたい。  法科大学院は6割以上が関東、関西に集中している。定員が100-300人の大規模校も首都圏、関西圏がほとんどだ。  法曹の大部分である弁護士の大都市偏在と相似形であり、このままでは、地域に根差す弁護士の養成という司法改革の大事な狙いは一向に実現しないだろう。大学院の定員削減も再編も、まずはこうした大都市圏から進めるべきだ。  学費だけでも年間100万-200万円必要で、地方の学生が大都市圏で学ぶ経済的負担は重い。一方で、地元で弁護士になる夢を抱く学生は少なくない。地方の法科大学院の存在意義は大きいのだ。  九州・沖縄にも国立、私立合わせて計7大学に大学院があるが、定員が100人の九州大を除いて、すべて小規模校である。国が目指す法科大学院改革が、地方切り捨てになってはならない。  同時に、地方の大学院の合格率が総じて低迷しているのは事実だ。福岡大は来年度から50人の定員を20人減らし、個別指導を充実させるという。何が足りないのか、ほかの大学院も指導態勢を検証し、ぜひ自己改革をしてほしい。 "[he-forum 13764] 四国新聞11/5 四国新聞2008年11月5日付 「e物産市」運用開始/香川大大学院が「商社」役  経済産業省が地域産品の販路開拓を目的に開設したインターネット上の商店街「にっぽんe物産市」が4日、本格運用を開始した。e物産市では、香川大大学院地域マネジメント研究科などがつくる協議会が特産品を出品する「地域商社」に採択されており、14日から販売を始める。  e物産市は通販サイトを通じて、地域産品の生産者が全国の消費者や小売店のバイヤーと接触する機会を提供し、販路の拡大を図るのが狙い。全国30の地域商社が商品の発掘や出品の仲介役を果たす。  香川県内では同研究科や三豊市などの協議会が地域商社となり、当初はミカン、ちりめんじゃこ、ボイセンベリージャムなど三豊の特産を中心に出品。今後、取り扱う商品を拡充していく。また、生産者の思い入れ、商品にまつわるエピソード、お薦めの食べ方などを情報発信する独自サイトも開設する。  e物産市には「あじっと(ASIT)倶楽部」の店舗名で出店。阿波、讃岐、伊予、土佐のローマ字の頭文字をつなぎ、徐々に対象エリアを拡大したい考えを表した。出品の問い合わせは協議会<090(9556)5858>へ。  e物産市のアドレスは、https://ebussan.jp/ "[he-forum 13765] 中国新聞11/5 中国新聞2008年11月5日付 医師定着の支援者養成 島根大大学院が全国初 ▽来年度コース開設  医師の島根県内への定着を進めようと、島根大大学院医学系研究科(出雲市)は来年度から、地域で働く医師、看護師を支援する地域医療支援コーディネーターの養成を始める。地域医療の担い手不足は全国で問題化しているが、定着促進の専門家を育てる教育課程を、大学院として設けるのは全国で初めてとなる。  コーディネーターは、医師や看護師の相談にのり、キャリアアップの希望や悩み、不安を把握。県や島根大などとの連絡調整を通じて解消を図り、県内への定着を進める。地域医療ニーズの把握にも努め、将来的にはコーディネーターのネットワークを活用した医師の適正配置も目指す。  養成コースは二年間の修士課程で、四カ月間の実習などを通じて、地域医療の現状や抱える問題、対策、医療人支援の必要性を学ぶ。メンタルケアに必要な心理学の知識についても身に付ける。県や市町村で地域医療関係の仕事に携わる社会人を想定。初年度は三人程度の入学を見込んでいる。(和田木健史) "[he-forum 13766] 陸奥新報11/5 陸奥新報2008年11月5日付 博士養成へ産学官協働 弘大など参加のスーパー連携大学院  全国の国立大学長らが出席する国立大学協会の通常総会が4日、弘前市内で開かれ、文部科学省の今年度戦略的大学連携支援事業に採択され、10月から始動している「スーパー連携大学院構想」などについて報告が行われた。同事業代表校である電気通信大学の梶谷誠学長が、産学官が連携して博士養成に取り組む同事業について「大学は博士課程の充実が求められる。地方大学や産業界などが一緒に参加するという構想」などと報告したスーパー連携大学院の構想は、全国の地方大学と産業界、行政による包括的連携で地域社会の活性化とアカデミア以外の分野で活躍する博士を養成することが目的。大学だけの連携でなく、産学官の協働が最大の特徴。  電気通信大学、北見工業大学、弘前大学、熊本大学など9連携大学や複数の広域地方大学、日本電気、日立製作所、富士通研究所などの提携企業のほか、中央官庁、地方行政機関などが連携する。  首都圏に連携の拠点を設け、産学連携によるカリキュラム作成、博士論文を産学連携による研究テーマにするなどの教育研究を実施するという。  既に第1回協議会と委員会合同会議が開かれており、今年10月から2年半にわたり構想実現に向けた準備が進められる。今年度は、部会の開催や提携9大学が中国への視察などを予定している。 "[he-forum 13767] 毎日新聞北海道10/30 毎日新聞北海道版2008年10月30日付 ほっかいどう経済NEWS:住友ベークライト、北大に「寄付講座」 ◇糖鎖機能解析へ  プラスチックメーカー「住友ベークライト」(東京都品川区)は11月1日、北海道大大学院先端生命科学研究院に寄付講座「糖鎖機能解析分野」を開設する。2年間の予定で、機能解析に役立つ「糖鎖アレイ」の研究開発や、疾患との関係をテーマに、同社と同大が共同研究する。  糖鎖は、ポストゲノムの研究テーマの一つとして注目を集めている。単鎖が鎖状につながった生命分子で、たんぱく質の細胞表面に結合し、正常でないとがんや糖尿病などの疾患につながるとされている。  寄付講座では、糖鎖アレイの研究開発のほか、糖鎖アレイを使った疾患との関係などを解析する。同研究院で糖鎖研究を行う西村紳一郎教授ら3人が担当する。同社はこの研究から2015年までに糖鎖関連商品の開発したいとしており、数十億円の売り上げを見込む。【千々部一好】 "[he-forum 13768] 西日本新聞11/8 西日本新聞2008年11月8日付 来年1月から 願書受け付け 九大院新領域学府  九州大学(有川節夫学長)は7日、来年4月に「大学院統合新領域学府」を設立し、オートモーティブサイエンス(自動車科学)とユーザー感性学の2専攻を開設すると発表した。福岡女子大学、西南学院大学と連携し、企業からも教授陣を招く。来年1月7日に願書の受け付けを始める。  オートモーティブサイエンス専攻は、日産自動車の高橋忠生副会長やハイブリッド車開発に携わったトヨタ自動車の渡辺浩之技監らを教授に迎える。交通工学や心理学、環境学、経済学も取り入れた総合的研究に取り組み、九州の自動車産業の研究開発能力向上を目指す。  ユーザー感性学専攻は、利用者の視点で「感性」を研究し、サービスや商品開発などに携わる人材を育成する。  募集定員はオートモーティブサイエンス専攻が修士課程21人、博士課程7人▽ユーザー感性学は修士課程30人。 "[he-forum 13769] 読売新聞11/5 読売新聞2008年11月5日付 広島大大学院、全国初「口腔健康科学専攻」設置へ  広島大は、高度化する医科や歯科診療に対応できる人材を育成するため、2009年度から大学院医歯薬学総合研究科に全国で初めて「口腔健康科学専攻(修士課程)」を設置する。  設置するのは、クリニカルコースとリサーチコースの2コース。クリニカルコースは、歯科衛生士や歯科技工士の有資格者が対象で、病院などで歯科医師や栄養士と連携してチーム医療にあたるマネジャーを養成するほか、少子高齢化に対応し、介護支援、摂食・嚥下(えんげ)リハビリテーションなどを行う人材を育成する。教育者や研究者を目指すリサーチコースでは、口腔機能と全身の健康関係、バイオテクノロジーを活用した組織再生医療の研究などを行う。  同大では「医科歯科の分類にとらわれず、患者を総合的に支援できる多分野の知識を持った人材を育てたい」としている。定員12人。10日から応募要項を配布する。問い合わせは同研究科学生支援課(082・257・5051)。 "[he-forum 13770] 読売新聞茨城11/8 読売新聞茨城版2008年11月8日付 筑波大、医師育成拠点を設置 来年4月、水戸協同病院に  筑波大は、水戸協同病院(水戸市宮町、401床)内に来年4月、地域医療に携わる医師育成の拠点となる「筑波大付属病院水戸地域医療教育センター」を設置する。大学側は公募で採用する内科、外科の医師10人程度をセンターに教員として配置、研修医を受け入れやすくする。  センターでは主に初期診療の能力向上に向けた学生や医師の臨床教育・研修を行う。協同病院側には医師不足解消のメリットがある。  双方は、これまでも医師派遣や生活習慣病学寄付講座の設置などで連携してきた。協同病院を運営する県厚生農業協同組合連合会(県厚生連)によると、県内で運営する6病院中、取手や土浦などの県南地域は医師数がほぼ足りているが、水戸協同病院は理想の医師数40~50人に対し、現在は常勤で22人にとどまっているという。昨年11月に大学付属病院へ連携を提案し、検討会を設けてセンター設置構想をまとめたという。  2004年度に導入された臨床研修制度で、大学を卒業した新人医師が、待遇がよく、多くの基本症例を学ぶことが出来る民間病院に流出する傾向が高まっているが、こうした大学の医局離れに歯止めをかける試みとしても注目を集めそうだ。  岩崎洋一学長と、県厚生連の市野沢弘・代表理事会長は7日、大学本部棟で連携協力に関する協定を締結した。協定は2014年3月末までの5年間。岩崎学長は「地域における医療福祉の一層の向上へ貢献を果たしていく」とあいさつ。市野沢代表理事会長は「地域の医師不足は深刻で、県北では医療崩壊の危機にある。医師供給の拠点が出来たのは喜ばしい」などと述べた。 "[he-forum 13771] 科学10/31 科学2008年10月31日号 厳しい国立大学病院経営、本来の使命遂行へ  国立大学附属病院の経営は限界にきており、地域医療の中核として高度先進医療を実現するためには、来年度予算を充実するとともに、次期中期計画期間における運営費交付金算定ルールも適切なものにしなければならない。国立大学附属病院長会議は10月27日の総会で、国立大学病院の現状と使命遂行のための今後の取り組みについて提言をとりまとめた。常置委員長の河野陽一・千葉大学医学部附属病院長は「医療崩壊は危惧ではなく事実となっている。社会全体で議論を始めることが大事だ」という。   国立大学病院はこれまで、医療人の育成、先端医療の研究開発を進めるとともに、地域の中核として質の高い医療を提供してきた。例えば、今年8月の1週間の初診患者のうち紹介患者は62%で、うち19%が地域の中核的医療機関からの紹介だ。新入院患者のうち48%が紹介で、うち25%は中核的医療機関からの紹介となっており、地域における最後の砦としての機能を果たしている。   分娩件数や救急患者も増加しており、分娩件数はこの4年で33563356件増えて19年度には1万5584件に、救急車搬入患者数は2万2667人増え、7万112人にもなっている。さらにハイリスクの分娩が増えているという。1患者あたりの平均入院日数は21.7日から18.3日と約3.5日短縮したことで、新入院患者は8万3044人増え、51万3090人となっており、限られた病床を有効活用して医療の抑制にも取り組んでいる。   また、最後の砦として機能を果たすため、集中治療室(ICU)や小児集中治療室(NICU)に地域医療機関から受け入れている患者が多数いるが、これらの重症・難症の患者の治療は、通常よりICU等に入院している期間が長くなり、保険診療上の加算期間を超えて入院しているため、超えた部分は請求できない。   不採算であっても治療の必要上から入院している患者が多く、1大学病院あたりICUで約5900万円、NICUでは約4600万円が請求できない経費になっている。   しかし、財政面で見ると、19年度決算における病院セグメント情報では6大学病院が赤字となっており、文部科学省の修正損益ベースでは16大学病院が赤字となっている。ただし、国立大学法人法のセグメント情報では財務諸表のうち損益計算書のみであるため、借入金の償還額は計上していないため、病院長会議で実際のキャッシュフロー計算書を作成したところ、28大学病院が赤字となり、全病院合計で76億円の赤字になるという。   赤字の大きな要因となっているのは、運営費交付金の大幅な削減だ。病院への運営費交付金は16年度の584億円から47.1%(275億円)も減少している。今年度は前年度と比べ58億円減少していることから、同じ医療を提供するためには58億円の純利益をあげる必要がある。医薬品等の購入を行う必要があるため、130億円ほどの増益を図らなければならないものだという。   こうした状況が続いた場合、どのような影響が出るのかを病院長にアンケート調査した結果、医療の質及び安全性の確保は82.2%、非採算的な高度診療機能は93.3%、臨床系講座の教育機能は82.2%が低下すると答え、臨床系講座の研究機能については全員が低下すると回答した。また病院運営についても、93.3%が労務問題に悪影響が出ると回答し、医師確保でも91.1%が確保困難、地域医療への貢献では91.1%が低下すると回答している。   大学病院で高度医療機器の開発や提供ができなくなったり、臨床研究を行う時間がなくなったりすると、教員のモチベーションが低下し、医師確保が困難→医師不足・看護士不足→医療の質及び安全性の確保が困難→大学病院の使命の遂行が困難→大学病院の崩壊→日本の医療の崩壊といった負のスパイラルが危惧されるという。   そこで病院長会議では、来年度の予算編成において地域貢献が可能となるよう医師不足対策人材養成推進プラン等の実現を図ること、22年度から始まる第2期中期目標・計画期間における病院運営費交付金の見直しにあたっては国立大学病院がその使命を果たしうるものにすることを、政府に求める提言を取りまとめた。 "[he-forum 13772] 河北新報11/11 河北新報社説2008年11月11日付 大学発ベンチャー/産学官が連携し支援拡充を  大学・高専など学術研究機関の技術や研究成果を生かして設立された「大学発ベンチャー企業」が、右肩上がりで増えている。東北でも増加の一途をたどり、ものづくり産業の一翼を担う動きとして注目されている。ただ、多くの企業が資金調達や販路開拓などで苦戦しており、企業が増えたと手放しで喜べる状況ではない。  経済産業省の調査(2007年度)によると、大学発ベンチャー企業は全国で1773社(前年度比11.5%増)に上る。経産省が「大学発ベンチャー1000社計画」を提唱して支援策を打ち出してきたのに加え、大学が地域貢献を求められるようになったことが、知的財産の社会還元である大学発ベンチャー企業の増加に結び付いているとみられる。  東北は127社(前年度比10.8%増)で、大学別では東北大が56社で最も多く、会津大25社、岩手大23社、山形大8社などと続く。業種別ではソフトウエアやバイオテクノロジー、機械・装置、素材・材料などが多数を占める。01年度からの企業数の伸びは約3.1倍と、首都圏や近畿圏を上回っており、東北はこの分野で存在感を高めつつある。  これに対し、各企業が直面する課題は、「資金調達が難しい」「販路の開拓、顧客の確保が難しい」「人材の確保、育成が難しい」の3点に集約される。東北経済産業局のアンケートでも、この3点を課題に挙げる企業が圧倒的に多く、大学発ベンチャー企業の厳しい現実が浮き彫りになった。  資金面でみれば、現在は官民出資によるベンチャーファンドなどが定着しており、地域でのベンチャー向け資金は10年ほど前に比べれば格段に潤沢になったといわれる。  だが、研究成果を市場性のある製品にして販路に乗せ、資金回収するという一連のビジネスプランがなければ、ファンドなど投資機関側は、ベンチャーといえども容易に資金提供には応じない。企業側が経営戦略をきちんと描けるかどうかが、資金調達の大きな鍵となるといっていいだろう。  大学教授ら研究者が、最先端の技術・知的シーズ(種)を基に起業するケースが多く、企業経営の未経験者が経営トップに就くことも珍しくない。企業側が課題に挙げるように、経営戦略を描けるマネジメント面での人材が不足しており、この点が資金調達にもマイナスになるという悪循環に陥っている。  必要なのは、投資する側が納得できるような経営目標を、企業側が設定することだろう。自治体など産学官が連携し、経営ノウハウを持ったベンチャー向け人材の育成・供給、販路開拓を狙った展示会の開催、企業への経営指導などを、積極的に展開することも求められる。  大学発ベンチャー企業は小回りが利く分、大企業が手掛けないような斬新な製品開発の可能性を秘め、地域の研究者らにとって新たな雇用の受け皿にもなりうる。景気の後退局面だからこそ、支援策を考えたい。 "[he-forum 13773] 沖縄タイムス11/12 沖縄タイムス2008年11月12日付 施設整備を前倒し/大学院大/補正計上で分科会了承 【東京】政府の独立行政法人評価委員会の沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)分科会が十一日、都内であった。本年度第一次補正予算の大学院大学関連で四十五億六千八百万円が計上されたことに伴い、来年度供用開始に向けた研究棟建設など、施設整備計画を前倒しで進めることを了承した。  OISTのシドニー・ブレンナー理事長の出張旅費に関して「業務と関係のない支出があるのでは」とする一部報道を受け、OIST側は内部調査した結果、「業務外使用などの不正はなかった」と説明した。  内閣府は、旅費規定で必要な書類の一部が提出されていないなど、事務手続きが十分留意されていない側面があったとして、改善を図るとした。 "[he-forum 13774] 読売新聞11/11 読売新聞2008年11月11日付 大学卒業生に教育力調査 母校で「人間形成」5割 「就職に役立った」は3割  大学経営に関心を持つ大学人と企業人などで作るNPO法人21世紀大学経営協会(理事長=宮内義彦オリックス会長)は、大学・短大の卒業生に対する教育力調査の結果をまとめた。  今春、インターネットで学部卒業後3~7年の人に限定して行い、830の大学・短大を卒業した7597人から回答を得た。  まず、母校の教育への総合評価5項目では、「そう思う」と肯定的に答えた人が、「大学教育は卒業後の仕事や生活に役立っている」や「人間形成が図れた」では約半数あった。ただ、「学習意欲がわく授業が多かった」は3人に1人、「就職活動や就職試験に役立った」は3割にとどまった。設置者別では、国立大の評価が全体的に高かった。  大学教育や大学生活で習得できた能力については、「感性や人間性の豊かさ」「豊かな教養による社会を見る広い視野」が6割を超えた。一方で、「語学など国際化への対応能力」や「地域社会の知識やボランティアなどによる社会参加体験」が2割台。「もっと学んでおけばよかったと思う能力や知識」では、語学が5割、情報技術(IT)の能力が4割と高かった。  また同協会は今春、全国の4校で個別の調査も実施した。このうち、私立高知工科大学(高知県香美市)では、ウェブから回答する形で、同世代に同様の調査を実施。225人から有効回答を得た。  総合評価では、5項目とも私大平均を上回り、「人間形成が図れた」「母校への受験を薦めたい」「大学教育が役立っている」の4項目は肯定的な回答が6割を超えた。  教育内容などの個別項目では、29項目中18項目で私大の平均以上。「教員との交流が多い」(83%)、「少人数指導が受けられる」(79%)、「地域社会との交流が深い」(72%)などが高かった。  佐久間健人学長(67)は「重点的に取り組んできた少人数教育や教員との密な交流を実感してもらえた。よさを守り続けたい」と話した。  同協会ではこうした個別調査の委託も受けている。西田一郎常務理事(前国際基督教大副学長)は「調査を授業やカリキュラムの改善に役立ててほしい」としている。(中西茂、松本美奈) "[he-forum 13775] 産経新聞11/12 産経新聞2008年11月12日付 【教育】大学全入時代 中教審、作業部会設置し具体策研究 ■進むべき改革の道探る  希望すれば誰でも進学できる「大学全入時代」に入り、大学教育のあり方をめぐる議論が本格化している。「ゆとり教育」世代の学生の質低下が懸念される一方、55%という高い大学進学率で学生のニーズが多様化する中、これからの大学に求められるものは何か。中央教育審議会の大学分科会が作業部会を立ち上げ、具体的な検討に動き出したのだ。“大学再編”さえも視野に入れながら大学の進むべき道を探る過程になりそうだ。(福田哲士)  ≪学位プログラム≫  「今の大学は、入れ物をみても中身がよく分からない状況。中身をみせるためにも学位プログラムの確立が必要」「学生の力を高めるための制度でなければ、意味がない」  10月29日に開かれた「学位プログラム検討ワーキンググループ」第1回の会合では、大学の将来を見据えた委員から厳しい意見が相次いだ。  大学分科会が立ち上げた13のワーキンググループの中でも、大きな柱と位置づけられているのが、この「学位プログラム」に関するグループだ。  「学部」という組織内で行われていた従来の教育システムに対し、教育目標や研究目的に沿ったカリキュラムで教育するのが「学位プログラム」の考え方。突き詰めれば、学部や学科という枠を取り払って、日本の大学のあり方を根底から変える可能性もあるという。  ≪再編視野?≫  今回始まった審議は、これまでの審議と何が違うのか。文科省は「これまでは観念的な議論が中心だったが、これからは『大学は具体的に何をすべきか』を検討していく」と説明する。  平成20年度における国内の大学数は4年制が752校、短大で385校。しかし、私立4年制の定員割れは今春、47・1%と過去最悪を更新。地方の小規模大学を中心に経営難は深刻化している。  だめな大学はつぶれてもおかしくない時代で、大学は改革を迫られている。  こうした現状を踏まえ、鈴木恒夫文部科学相(当時)は9月、「中長期的な大学教育のあり方について」として中教審に諮問。  社会や学生の多様なニーズにいかに対応していくか▽グローバル化が進む中で大学教育のあり方▽人口減少期における大学像-の3点がポイントとなった。  「大学のあり方自体を見直すということ。具体的に問題点を洗い出せば、あるべき姿がみえてくる。大学再編につながる可能性もある」(文科省担当者)  ≪質どう確保≫  大学全入時代は、ニーズに応えなければ学生を確保できないという“刃”を大学に突きつけた。その一方、大学はさらに高い「質」を問われている。これは、大学の経営全般に影響を及ぼしかねない問題だ。  ある大学分科会のメンバーは「学生を集めるために入学しやすく、卒業しやすい大学では『質』を維持できない。しかし、高い水準の教育を維持するには、資金が必要。このバランスをどう取るのかが課題」と指摘する。  「学位プログラム」と並んで、大きな柱となっている「質保証システム検討ワーキンググループ」では、こうした課題にも踏み込んでいくことになりそうだ。  とはいえ、こちらも手探りのような審議が始まったばかり。座長の広島大高等教育研究開発センター長、山本真一教授は「まだ入り口に着いたばかり。どこから手を付けていけばいいのかと思うほど。のんびりはできないが、長い道のりになるのでは」と話す。  「人間は本来、好奇心がいっぱい。それに応える教育システムが必要だ」。今年、ノーベル賞物理学賞を受賞した益川敏英京都大名誉教授は、塩谷立文科相にこう苦言を呈した。  質確保と同時に、未来のノーベル賞学者を育てる世界レベルの教育・研究環境をどう整えるか、全入時代の大学改革は緒に就いたばかりだ。                    ◇  ■設置されたワーキンググループ  学位プログラム      国内外の教育課程などの分析   通信制と通学制の大学   メディア活用教育のあり方など  質保証システム      諸外国の設置基準などの分析   学生支援         学生の修学支援などのあり方   資料調査整理       様々な調査の新規企画と整理   大学グローバル化     国際競争力向上への取組分析   国際的な大学評価活動   国際的な大学ランキング分析   高等教育規模分析第1   大学進学率の国際比較など    高等教育規模分析第2   大学設置認可の現状などの分析  全国共同利用       人的資源などの有効活用を分析  地域の人材養成需要    地域の人材需要に関する分析   OECD教育の成果評価  学習成果の評価の専門的な調査  専門的人材養成のあり方  医療系人材などの論点整理など "[he-forum 13776] 読売新聞岡山11/12 読売新聞岡山版2008年11月12日付 救急治療室創設へ連携 岡山市 岡山大  岡山市と岡山大が協力し、地域医療の向上を目指す「岡山大・市保健医療連携に関する委員会」(会長=高谷茂男市長、千葉喬三・岡山大学長、委員14人)は政令市移行に向け、救急や一般の患者を受け入れ、すべての症状を診察する「ER」(救急治療室)を創設する目標を盛り込んだ連携構想を示した。県によると、ERを備えた病院は県内にはなく、行政と大学が連携しER体制をつくることも珍しいという。  ERは、全症状の患者を診断し、応急処置など初期診療を行う。手術などの治療は、専門の医師、診療科などに引き継ぐ。  10日に委員会がまとめた構想では、市と岡山大が、医師や看護師が対応する「岡山総合医療センター」(仮称)を開設し、その中にERを設ける。ERは1~3室を想定。ER専門の医師を中心に3交代制を取り、24時間365日対応する。  また、センターは同大学から研修医を受け入れ、学内に地域医療の向上に役立つ講座も開設することなどを確認。センターの設置場所、人員、費用などは未定で、双方の協力事項は今年度末までに決める。外部の病院との連携や、構想の中で市民病院をどう位置づけるかについても協議する。  市によると、市内の主要7病院を利用した救急患者は、2006年度で計約16万人。5年間で約3割増加し、うち9割が軽症者という。同委員会は、患者自身では症状の判断が難しく、より高度な医療機関を頼ろうとする傾向が強まっているとみており、「このままでは、各病院で手術や入院が必要な重症患者を十分受け入れられなくなることが懸念される」とし、ERの必要性を強調している。  高谷市長は「市民が安心できる政令市に向け、大きな柱が出来た。岡山型の救急医療体制『岡山ER』を実現させたい」と意気込む。千葉学長も「他の地域にない最適な医療体制実現のため、もっと手を携えるべきだ。使命感を持ち構想を進めたい」と話している。 "[he-forum 13777] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に!(39号)] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に!(39号) Date: Wed, 12 Nov 2008 10:46:32 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org To: NQJ35480@nifty.com ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 39号 2008年11月12日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 衆議院の解散の先送りが共謀罪法案にも好ましくない影響をもたら す可能性があります。法務委員会の今後の動きは要注意です。今号 では、米国の共謀罪について三浦さん死亡事件をふまえた解説を掲 載しました。ぜひお読みください。 ────────────────────────────── 39号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  11/20 日本版US-VISIT開始1年院内集会 ■国会情勢  追いつめられる麻生政権(その2) ■共謀罪シリーズ(New!)  米国の共謀罪と三浦さん逮捕・死亡事件 ■ニュース ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆11・20 日本版US-VISIT開始から1年 院内集会━━━━━━━━  え、外国人登録証がなくなるの?  2009年入管法改悪・「在留カード」導入案に待った!  http://www.amnesty.or.jp/modules/piCal/index.php?action=View&event_id= 0000001921  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 2008年11月20日(木) 12時45分~14時15分 ところ 衆議院第2議員会館 第1会議室 ○東京メトロ有楽町線南北線永田町駅・千代田線丸の内線国会議事  堂前駅 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm ◇プログラム (1)指紋押捺制度廃止からUS-VISIT日本版導入まで   報告:佐藤信行(在日韓国人問題研究所) (2)当事者からの発言/ビデオ上映など (3)どうなる? 2009年入管法改定   「外登証」廃止して、「在留カード」「外国人台帳制度」へ   報告:旗手明(自由人権協会) (4)「在留カード」が導入されたら…懸念される問題点   教育(子ども)/医療サービス/難民申請者 ほか、国会議員や参加者からの発言など | 「管理」ではなく「人権」システムを! |  | 院内集会では、2009年に提出が予想される外国人登録証廃止・ | 「在留カード」導入案の枠組み、また実際に導入される場合に | どのよう問題が懸念されているのかを中心に考えます。また、 | 改めて、日本版US-VISITによる生体情報提供義務に反対を表明 | します。 ◇主催  アムネスティ・インターナショナル日本/移住労働者と連帯する  全国ネットワーク/外国人人権法連絡会/在日韓国人問題研究所  /外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会/盗聴法(組  織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 ◇問合せ アムネスティ・インターナショナル日本(担当・川上)  Tel.03-3518-6777 ────────────────────────────── ■国会情勢■ ────────────────────────────── ◆追いつめられる麻生政権(その2) ━━━━━━━━━━━━━  景気対策を理由に衆議院解散を延期  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇オバマ氏圧勝、麻生政権に打撃 ─────  米国の大統領選で民主党のオバマ氏が圧勝しました。  政治の変革を求める声は、今や世界の声となってきています。日 本が例外でありえるはずがなく、オバマ氏の勝利は麻生自民党政権 の選挙引き延ばしの悪あがきに大きな打撃を与えています。  麻生首相は、景気対策を理由に予定されていた11月30日の衆議院 選挙を延期しました。これで、延期は3回目になります。その最大 の理由は、景気対策が優先というものですが、実は今解散をしたら 選挙で与党が過半数を確保できない可能性が高いということにあり ます。  しかし、いかに、麻生首相があがこうと、来年夏には衆議院議員 は任期切れをむかえます。時がたてばたつほど、麻生政権は選択肢 がせばまり、危機を深めることになるのは疑いありません。 ◇「壮大な選挙買収」なる景気対策 ─────  政府の追加経済対策に強調されている2兆円の定額給付金につい て、国民新党の亀井代表代行は「壮大な選挙買収事件、票を金で買 おうという悪質な選挙買収」と述べていますが、全くその通りです。  自民党政権の景気対策とは、みずからがつくりあげてきた政治・ 経済構造の変革とはおよそ無縁のものであり、所詮この程度のもの でしかありません。しかも、その景気対策のつけが数年後消費税の 大幅な値上げとなってかえってくるのです。  いま、求められているのは、大企業、金持ち優先の政治の抜本的 変革であり、労働者、弱者、貧者に優しい、生きる未来と展望を与 える政治です。  麻生自民党政権は、直ちに衆議院を解散し、市民の信を問え! ◇今こそ、平和と人権と格差是正の政治を ─────  長期の自民党政権によって進められてきた、憲法9条を否定し、 戦争への道をおしすすめ、大企業と富者を優遇し、労働者、弱者、 貧者を切り捨て、市民の言論・表現の自由を否定する政治と、いま こそ決別しましょう。そして、きたるべき衆議院選挙で野党の勝利 を実現しましょう。  11日臨時国会初の衆議院法務委員会が開かれ、法務大臣のあいさ つなどがおこなわれました。次は14日(金)に一般質疑、国籍法改 正案の審議が行われます。その後審議される議案はまだ確定してい ないとのことですが、油断することなく、共謀罪審議入り反対・廃 案の運動をおしすすめましょう。 _____ ▽関連情報が「ニュース」欄にあります。 ────────────────────────────── ■共謀罪シリーズ■ ────────────────────────────── ◆#01 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  米国の共謀罪と三浦さん逮捕・死亡事件  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  今年の2月ロス「銃撃事件」で殺人と殺人の共謀容疑で逮捕され た三浦和義さんがロス市警の留置所で死亡しました。ロス市警は死 因について自殺と発表していますが、その発表に強い疑いがもたれ ています。今後、三浦さんの死の原因について、家族、弁護士、支 援者らの手で真相の解明が進められていくことになります。 ◇責任は日米政府、捜査当局にある  三浦さんの逮捕・死亡について、市民にいろいろな意味で強い衝 撃を与えています。  三浦さんは、ロス疑惑事件で最高裁で無罪が確定した人です。し かもその判決は三浦さんから依頼されたとされる実行犯とされる人 が一審で無罪(確定)とされたように、共謀性についても踏み込ん で審議されたものであり、実質的に共謀についても無罪とされたに 等しいといえます。  その三浦さんをロス市警は、殺人と殺人の共謀で逮捕したのです。 この暴挙に対して、日本政府・外務省・法務省はなんらの抗議もしま せんでした。日本の法務省・警察は、このロス市警に資料提出など で協力さえしたのです。この日本政府の姿勢こそ、無罪が確定した 三浦さんのロス市警による逮捕を許し、三浦さんを死に追い込んだ のです。 ◇米国の共謀罪の危険性  三浦さん逮捕・死亡事件は、米国の共謀罪は日本の最高裁で無罪 が確定した人を、同一の事件で再逮捕・起訴し牢獄に送り込むこと が可能な恐るべき法律であるということをつきだしました。  果たして米国で、殺人と殺人の共謀罪で起訴された事件につい て、殺人は無罪、殺人の共謀は有罪という判決がでることが考えら れるでしょうか。全くないとはいえませんが、殺人で無罪になった 人を共謀で有罪にするということは現実にはほとんどないでしょう。  確かに日本と米国の司法制度の違いはありますが、日本で殺人の 共謀共同正犯で起訴された三浦さんの無罪判決が確定した以上、同 一の事件について米国で再び逮捕・起訴はできないと考えるべきで す。  ロス郡地裁の三浦さんの逮捕状の殺人無効、共謀有効なる決定 は、本来分離できないはずの同一の事件を日本の判決のうえで、更 に米国で裁こうというものにほかなりません。  これは、一事不再理の原則を否定するものです。今回のようなこ とを許すならば、第2、第3の三浦さん逮捕事件がおきるでしょう。  米国の共謀罪の危険性は、共謀罪そのもののもつ危険性です。日 本で一度共謀罪がつくられれば、共謀罪は実行行為以前の話し合う ことを処罰の対象とするものである以上、おそるべき言論弾圧法と て「発展」し、多くの冤罪事件をつくりあげていくていくことは疑 いありません。共謀罪は絶対つくらせてはなりません。廃案!ある のみです。                   (角田富夫) ────────────────────────────── ■ニュース■ ────────────────────────────── ◆国会議員のメルマガから ◇平岡秀夫の「今日の一言」 2008.10.30  総理は「政局か政策か」  http://www18.ocn.ne.jp/~shuyu29/0810/081030.html ◇保坂展人のどこどこ日記 2008.10.30  麻生総理は「解散権」を縛られたのか  http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/61dbfea78d615c2bfd1a72f86939b52c ◆マスコミ ◇日本への軍事部品密輸が米国の共謀罪で有罪に  http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081108-OYT1T00231.htm  読売新聞 2008.11.8  読売は11月8日ネット版で「軍用にも使われる暗視用照準器など  を日本に不正輸出したとして、密輸の共謀罪に問われていた日系  米国人で米陸軍大尉の飯柴智亮被告に対し、シアトル連邦地裁は  7日、禁固1年と1日の実刑判決を言い渡した」と報じている。共  謀の「共犯者」であるはずの日本側の人物は陸上自衛隊員といわ  れているが、石破前防衛大臣は否定。真相の解明が求められる。  ___  ▽参考:飯柴米陸軍大尉の声明  http://spikemilrev.com/news/2008/7/29-3.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第39号おわり・このメルマガは不定期発行です> ☆共謀罪を廃案に!  をまぐまぐ大賞2008に推薦する!  ⇒ http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/form.html?0000207996 ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます ━【まぐまぐ!からのお知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 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Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13778] 朝日新聞11/14 朝日新聞2008年11月14日付 国立大の9割「法人化以降に格差拡大」 学長アンケート  全国の国立大学長に朝日新聞がアンケートしたところ、9割以上が04年度の法人化以降、大学間の格差が「広がった」と感じていることが分かった。東京大、京都大などの有力大とそれ以外の大学の間で、特に財政面の格差拡大を指摘する意見が多かった。国から配分される運営費交付金の削減が、教育内容にも影響するようになっているという。 アンケートは、全国の86大学に送り、84大学から回答があった。  法人化は、国立大を国の組織から切り離し、自立性を高めることが目的。アンケートでは、主に法人化後、4年間の変化について質問した。  「法人化により、国立大間の格差は広がったと思うか」という問いには、92%の77大学が「広がった」と回答。同じ国立大でも、東大、京大などの旧帝国大、理工系、教員養成系(教育)大学などの違いで、法人化当初から、「体力差」への懸念があった。室蘭工業大の松岡健一学長は「過去の資産のある大規模大に資金が集中している」と指摘。岩手大の藤井克己学長は「旧帝大は余裕があるため、新たな展開を可能にしている。格差拡大は『地力の差』にあると思う」との意見を寄せた。  法人化後の問題点では、73大学が「運営費交付金など国からの予算配分の仕組み」を挙げた。国立大の主要財源となる交付金は08年度予算で1兆1813億円。法人化した04年度より600億円余り減った。各大学とも毎年1%を目安に教育研究経費の効率化を求められ、交付金もそれに応じて減らされている。広島大の浅原利正学長は「一律削減により、もともと財政基盤の異なる旧帝大と地方大(特に教育系単科大)の格差が広がった」とした。  交付金の削減分は、外部の研究資金や寄付金などで補うことが期待されるが、鹿屋体育大の福永哲夫学長は「外部資金獲得は大規模有名大学あるいは医理工系分野に有利に働く」と指摘した。  教育そのものへの影響も出始めている。交付金削減で、37大学が「資金が足りなくなり、教育研究や学生サービスに悪影響が出た」と回答。愛知教育大学のように、「教職員の定年退職後不補充により、特に卒業研究指導など教育への悪影響(が出ている)」などの状況がみられる。一方で、旧帝大の7大学でこの回答を選んだところはなかった。  格差拡大や交付金の在り方について、文部科学省次官だった山形大の結城章夫学長は「大学の改革努力を前提に、交付金の削減をやめ、増大に転じること」、熊本大の崎元達郎学長は「高等教育の公財政投資を欧米並みに、現在の国内総生産(GDP)比0.5%から1%に増加させること」を提案している。(大西史晃、葉山梢)      ◇  アンケートは、8月から9月にかけて郵送で実施。徳島大と上越教育大を除く84大学の回答を集計した。文中の数字は、84大学に対する割合を表す。 "[he-forum 13779] 朝日新聞11/13 朝日新聞2008年11月13日付 群大学長選び三つどもえ  鈴木守学長が来年3月末で任期満了を迎える群馬大学で、新学長の選考作業が進んでいる。13日には、副学長で元医学部長の小沢瀞司(せい・じ)氏(67)、現医学部長の高田邦昭氏(56)、工学部長の宝田恭之氏(56)=50音順=の3人の候補者について、教職員による「意向聴取投票」を実施する。地域での存在感が大きい国立大学法人のトップ選びは、早ければ17日の学長選考会議で決着する。(高重治香)  3人は、3キャンパスで行われた教職員組合主催の立会演説会や、同組合の公開質問状への回答で意見を述べている。  政府が国立大学法人の運営費交付金を毎年3%カットする方針を決めたことについて、小沢氏は「容認できない。国立大学協会として戦略的に戦うべきだ」と主張。高田氏は「他の国立大学法人と連携しながら役割をアピールする必要がある。旧帝大とは立場が違う、地方の大学としても意見を言うべきだ」、宝田氏は「最大限反対する。ただし、血税をいかに効率的に使うかという不断の努力が前提だ」とそれぞれの信念を開陳した。  大学の外部から資金を獲得することの重要性は全員が指摘した。  また、来年度末に治療を始める重粒子線治療施設が大学の財政を圧迫するのではないかという質問に対して、同大重粒子線医学研究センター長を務める小沢氏は「年600人を治療すれば運営経費をカバーできる見込みだが、そうなるまでの期間は赤字だ」と予測。文部科学省への概算要求や募金の計画に着手していることを明らかにした。  一方、高田氏は「財政的に大きな問題があるが、いかに成功させるかを考えるべきだ。他の病院、地元自治体との連携が重要だ」と主張。宝田氏は「これまで学内でも情報の共有が不十分だった。全学的な協力体制のもとで、健全運営のための経営企画をしたい」と訴えた。  次期学長の任期は09年4月~13年3月。任期は1期目が4年、2期目が2年。最大2期までで、鈴木学長は2期6年間務めて退任する。  08年度の同大入学者のうち群馬県出身者は約51%。 ◆投票結果参考に選考会議が決定  国立大学法人の学長選考の基本的な方法は、国立大学法人法で定められている。同法は、学部や研究科の所属長らからなる「教育研究評議会」と、学長が任命する外部有識者を含む「経営協議会」から選出された委員に、学長または理事を加えた「学長選考会議」が学長を選ぶと規定する。  群馬大の学長選考会議は、評議会、協議会のメンバー各4人と理事3人からなり、経営協議会メンバーの高橋康三・上毛新聞社社長が議長を務める。また、学長候補は評議会、協議会が推薦することとしている。  法人化前は学内投票で学長を決める大学がほとんどだったため、今も多くの大学で教職員に意向を尋ねる投票が行われる。ただし、学長選考会議が投票結果をどのように選考に反映させるかについて一定の基準はない。  群馬大では講師以上の教員、副課長・副事務長以上の職員などを対象に「意向聴取投票」を行っている。同大の常勤教職員は約2千人おり、今回の有権者はこのうち約580人。投票は、不適任と考える候補に「×」をつける方式で、「有効投票総数の半数を超えて不適任とされた候補の人数」のみが公表される。選考会議は投票結果を「参考」にして、学長を決める。  高知大では07年、意向聴取投票で2位だった候補が選考会議で学長に選ばれたことから、1位だった候補が大学を相手取って高知地裁に提訴、高知地検に告発する事態に発展した。滋賀医科大、新潟大でも訴訟が起きた。  群馬大では04年の法人化以降、06年は投票が行われたものの、候補は鈴木守学長1人だったため、新しい学長選考の仕組みの本格的な運用は今回が初めてになる。 "[he-forum 13780] 琉球新報11/14 琉球新報2008年11月14日付 2大学法人化見送り 県行革推進本部  県三役や各部局長で構成する県行政改革推進本部(本部長・仲井真弘多知事)の本年度2回目の会合が13日午前、県庁で開かれた。県立芸術大学と県立看護大学を一体とした独立行政法人化の実施を見送り、南部保健所と中央保健所の統合計画を削除した計画の一部変更が報告された。2008年度上半期計画で実施が良好な項目は、42項目のうち33項目(実施済み3項目含む)で、全体の約8割となった。  県の行財政改革プラン(06―09年度)では、芸大と看護大について、09年4月を期限として一体的に管理運営する「1法人2大学」を検証していた。検証の結果、(1)芸大の一部老朽校舎への対応を優先する(2)法人化後の採算性の保持が困難で、教育研究への影響が懸念される―などの理由で同プラン期間内の法人化を断念した。  南部保健所と中央保健所については、09年4月までの統合を検討したが、(1)完全統合に向けた庁舎の増改築費用の確保が困難(2)一部県民への行政サービスの低下を招く―などの理由から統合計画を削除した。  県立図書館の宮古・八重山分館については、09年3月末までに廃止する計画を盛り込んだ。しかし、同分館を所管する仲村守和県教育長は10月、3月末の廃止を見送る方針を示しており、計画は見直される予定。 "[he-forum 13781] 中日新聞11/14 中日新聞2008年11月14日付 富大病院 新病棟2年後完成へ 起工式 6人部屋解消、個室増  富山大病院の新病棟起工式が十三日、富山市杉谷の建設予定地であり、関係者らが工事の安全を祈った。病棟は二〇一〇年十一月末に完成予定。現在の六人部屋を解消し、最高四人部屋にして患者一人当たりのスペースを広げるほか、個室を大幅に増やす。  起工式には西頭徳三学長、小林正病院長ら大学や病院関係者ら約六十人が出席。神職が祝詞を読み上げた後、玉ぐしをささげた。  新病棟は、鉄筋コンクリート製七階建て延べ床面積約一万三千平方メートルで病床数は二百九十五床。これまでなかった食堂や臨床研修の教育スペースなどを新設し、防犯やプライバシーを守る環境づくりにも力を入れる。総工費は約三十八億二千二百万円。  病院は今後、一一年秋ごろから旧病棟の改装を始めるほか、外来診療棟や中央診療棟の改装・改修も予定するなど十年にわたる再整備計画を実施していく。 (対比地貴浩) "[he-forum 13782] 科学11/7 科学2008年11月7日号 来年度の科技関係予算、総合科学技術会議が優先度判定   総合科学技術会議は10月31日、首相官邸で本会議を開き、来年度科学技術関係予算についての優先度判定等を決定した。新規施策のSABC評価では、S評価は1件のみで、経済産業省の革新型蓄電池先端科学基礎研究事業(30億円)が選ばれた。また継続施策200件のうち「加速」となったのは、組織的な大学院教育改革推進プログラムなど12件。重点化が進んでいるという評価もあろうが、評価基準の曖昧さや財政の厳しさから“しかたなく”結果を出しているという印象はぬぐえない。   優先度判定等を行ったのは、科学技術関係の来年度概算要求4兆858億円のうち政策的経費1兆5496億円分。そのうち新規施策(760億円)はSABC評価、継続施策(6876億円)には改善・見直し指摘で加速・着実・減速という3段階評価を行った。また、科研費や私学助成、国家基幹技術など(7404億円)については総括的見解付けを行い、その他の大規模新規研究開発1件40億円、社会還元加速プロジェクト37件239億円、健康研究5件177億円については重点的に取り組むこととなっている。   新規施策のSABC評価では、Sが1件、A34件、B43件、C7件という結果になった。また継続施策(200件、6876億円)については、加速12件、着実・効率的に実施186件、減速2件というかたちになった。   評価結果から見えてくるのは、国家基幹技術などの大規模プロジェクトが予算を圧迫することで、結果的には新規施策の絞り込みが進んだということだ。また分野によっては、A評価とB評価の指摘事項が同じような場合、戦略重点科学技術、最重要政策課題、競争的資金への関わりの度合いが強い方がA評価になり、関わりの度合いが低い方がB評価となっている。さらに産学連携や地域関連施策などでは、研究としの評価軸だけで、実態的な状況を考慮していない評価も見受けられた。こうした判断方法が正しいかどうかは、意見が分かれるところであろう。   今回新たに「健康研究分野」が設けられ、府省の枠を超えた一体的な取り組みについて健康研究推進会議で概算要求方針を決定しており、今回の評価でも5件177億円については優先順位判定は行われていない。この健康研究分野では、基礎研究の成果を活用して、新しい治療法や医薬品・健康機器を開発するのが目的だ。しかし、その担い手となる大学病院は疲弊しており、医療崩壊の危機に陥っている。そのため、診療報酬の見直しや医療制度改革などの根本的な問題を解決しなければ、いくら予算を付けても効果的な研究が展開できるとは思えないが、そうしたことについては府省の枠を超えられていないのか、十分な指摘はなされていない。   継続施策については、「着実・効率的に推進」が186件と93%が3段階評価の中間に評価された。しかし一つ一つの指摘内容を見てみると、玉石混淆であり、これらを一律の評価とすることの意味がどの程度あるのかは疑問が残る。 "[he-forum 13783] 時事通信11/15 時事通信2008年11月15日15時03分 観光人材育成へ産学官連携=カリキュラム作成や養成講座  観光庁は、旅行代理店やホテルなど観光産業を支える人材の育成・確保に向けて検討を始めた。教育環境を充実させるため、大学用のモデル的なカリキュラムを作成するとともに、経営者や従業員が経営上のノウハウを身に付けられる仕組みの構築を目指す。産学官の関係者らによる同庁の作業部会が2008年度中に報告書をまとめる。  観光系学部・学科を持つ大学は年々増加し、08年度で37校(定員3900人)ある。ただ、これらの大学で観光業界に就職する卒業生は2割程度にとどまっている。業界に就職しても短期間で離職するケースがあり、教育内容と業界ニーズとのミスマッチも指摘されている。  そこで同庁は、観光系の大学が人材の供給源として定着するよう環境を整えることにした。作業部会での検討を通じて、歴史や接客などが重視されている現在の教育カリキュラムを見直し、業界が求める財務管理や経営戦略といった分野を充実させたモデルを提案する。09年度には一部大学でモデル授業を実施してもらう考えだ。  既に業界に従事している地方のホテル経営者や従業員のスキルアップに向けては「再教育の場」の構築を検討。地方大学と連携した短期間の養成講座の設置などを想定している。 "[he-forum 13784] しんぶん赤旗11/17 しんぶん赤旗2008年11月17日付 “ワーキングプア博士”解消を 小柴氏が記念講演 東京でシンポ -----------------------------------------------------------------------  博士になっても不安定な研究職にしかつけないポスドク問題など“高学歴ワーキングプア”を解消しよう―。東京大学で十六日、シンポジウムが開かれました。大学・研究機関の研究者ら二百人以上が参加し、活発に討論しました。主催は労働団体、教職員組合、科学者らで構成する実行委員会。  二〇〇二年のノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊・東京大学特別栄誉教授(平成基礎科学財団理事長)が記念講演しました。小柴氏は、素粒子ニュートリノ研究の発展にふれながら、基礎研究の大切さを強調。「自然を理解したら、その先にまた謎がある」として、今後の科学を担う若い研究者を激励。そのためには「基礎研究を国が本気になって応援することを願いたい」と述べました。  二年間のポスドク経験後、国立大学で四年間の任期付きの助教になった男性(30)は、数年ごとに職を失う状況では「将来設計ができず、成果の出にくい研究に手を出しにくい」と述べました。  茨城県つくば地区のポスドク経験者(36)はアンケート結果をもとに報告。「ポスドクは、研究所の人材育成に位置づけられておらず、使い捨てだ」と述べるとともに、「弱い立場にあり、パワーハラスメントや時間外労働の当然視など問題が深刻化しやすい」と訴えました。 -----------------------------------------------------------------------  ポスドク(ポストドクター=博士研究員) 大学院の博士課程を修了した後、大学や研究機関で、短期の任期付きで研究奨励金や給与などを受けて研究する人。ポスドクの形態は多様で、研究環境、給与、社会保険などの条件はまったく異なります。研究以外の仕事で生活を支えながら研究を続ける「支援なしポスドク」もいます。 "[he-forum 13785] 石井郁子衆議院議員質問主意書に対する政府答弁書 石井郁子衆議院議員が提出した「大学院博士課程修了者の就職確保と研 究条件改善に関する質問主意書」(2008年10月23 日)と政府答弁書(2008年10月30日)の 対照表が、日本共産党の下記のサイトに掲載されております。 http://www.jcp.or.jp/tokusyu/daigaku/index.html "[he-forum 13786] 11/18しんぶん赤旗 2008年11月18日(火)「しんぶん赤旗」 国立大学授業料の全額免除 申請者のわずか28% 2割超が受けられず 本紙調査  国立大学で二〇〇八年度前期の授業料の免除申請をした学生のうち、 全額免除を受けられたのは28%で、半額免除を含めても78%である ことが本紙調査でわかりました。免除を申請した人のうち、二割以上の 学生が免除を全く受けられない実態が浮き彫りになりました。  国立大学の授業料は年間五十三万五千八百円(前期分は二十六万七千 九百円)。高すぎて負担できないため、免除を申請する学生が年々増え る傾向にあります。大学側は少ない予算の中で、全額免除者を減らし、 半額免除者を増やすなど、苦しい対応を迫られています。  本紙が全国の八十二大学に授業料の免除者数を問い合わせたところ、 十一月十七日までに五十五大学から回答がありました。そのうち免除者 数を公表できないなどとする十七大学を除く、三十八大学について集計 しました。  その結果、授業料の免除申請者数は全学生の8・7%にあたる一万九 千七百三十三人。申請者が10%を超える大学も十五ありました。申請 率(全学生のうちの申請者の割合)が国の予算枠である5・8%を大き く上回りました。そのため、全額免除者数は、五千五 百六十二人で免除申請者の28%(全学生のうち2・ 4%)と少ない一方、半額免除者数は九千八百三十九人(同 4・3%)となりました。  申請者で、免除が全く受けられない学生は四千三百三十二人にのぼり ました。 "[he-forum 13787] 11/9しんぶん赤旗主張 2008年11月9日(日)「しんぶん赤旗」 主張 滞納への制裁 これは奨学金でなく金貸業だ  政府による奨学金制度の見直しをうけ、日本学生支援機構 (旧日本育英会)が奨学金の滞納者情報を信用情報機関に通報するしく みを来年度から導入する方針を決めました。返還が数カ月遅れると“ブ ラックリスト”に載せられ、銀行でローンを組んだりクレジットカード の作成が困難になります。  「延滞率の高い大学名の公表」や「回収業者への成功報酬付与」も検 討しています。これらは政府が「骨太方針二〇〇六」(〇六年 七月決定)で打ち出した奨学金の「有利子上限(3%)の撤 廃」や「回収強化」の具体化です。奨学事業を金 融事業に変質させるものです。 学業を守る制度が  奨学金とは、憲法の「教育を受ける権利」にもとづいて、経済的な理 由で学業をあきらめる若者をうまないためのものです。営利を目的に、 返済能力のある人だけに融資する金融事業とは、目的も貸し出す対象も 全く異なります。  「世界一高い」学費のために、四年間の学生生活には、約九百万円が 必要です。一般の家庭にとって過重な負担であり、奨学金は欧米諸国の ように返還の必要のない給付制とすべきです。ところが日本は貸与制 で、卒業後何百万円もの借金を背負わせています。  若者の二人に一人は低収入の非正規職についています。多くの若者に とって、すぐに返還するのは困難です。こうした奨学生に、返還を猶予 するのでなく、数カ月遅れたことで制裁するとは、非情というほかあり ません。  こんなことがまかり通れば、進学意欲をもつ若者が、奨学金を借りる ことさえちゅうちょせざるをえなくなります。返済する見通しや条件を 持つ者しか借りられないのでは、奨学金ではありません。  政府は滞納増を口実にしていますが、それは奨学生の急増 (十年で二・六倍)によるもので、単年度の返還率は94%、繰り上げ 返済も含めれば100%を超えており、機構の業績悪化や奨学生のモラ ル低下があるわけではないのです。  しかも返還が遅れている理由をみると、低所得が45%、無職・失業 が24%など、経済的困窮が圧倒的です。現行の奨学金にも、災害、傷 病、失業や失業に準ずる理由による生活困窮の場合は、返還を猶予する 制度があります。この要件を満たしながら、未申請のために、無用な取 り立てに追われている奨学生が少なからずいます。猶予制度を弾力的に 運用するなど、ていねいな支援こそ必要です。  奨学金の変質の震源地の一つは、財界団体の経済同友会が、奨学金は 「金融事業だから民間に委ねるべき」と提言(〇七年)したように、金 融市場の拡大をもくろむ銀行業界にあります。  投機に熱中し、貸し渋っている大銀行の要求にこたえる一方、若者の 教育権を保障するために必要な数十億円は出し渋る―政府のこの逆立ち した姿勢を、根本から正さなければなりません。 安心できる制度へ  日本共産党は、学費問題の「提言」(四月発表)で、奨学金は以前の ようにすべて無利子に戻し、低賃金などの事情で返済が困難な場合、イ ギリスのように一定の収入(年三百万円)に達するまで返済を猶予する ことと給付制奨学金の導入を提案しています。  誰もが安心して利用できる奨学制度への充実こそ、いま必要で す。 "[he-forum 13788] 毎日新聞群馬11/18 毎日新聞群馬版2008年11月18日付 群馬大:次期学長に高田氏 選考会議が選出  群馬大学(前橋市)は17日、学長選考会議(高橋康三議長)を開き、鈴木守・現学長の任期満了に伴う次期学長に同大医学部長の高田邦昭氏(57)を選出した。任期は09年4月1日~13年3月末。国立大学法人化以降の学長選は2回目で、今回は高田氏をはじめ副学長の小沢瀞司氏(67)、同大工学部長の宝田恭之氏(56)の3人が立候補していた。  高田氏は東京大大学院理学系研究科博士課程修了。杏林大学助教授を経て93年4月から群馬大学教授、07年4月から現職。  同会議は群大の「教育研究評議会」と「経営協議会」のメンバー計11人で構成される。メンバーは高橋康三・上毛新聞社長や曽我孝之・前橋商工会議所会頭、富岡賢治・県立女子大学長ら。  国立大学法人法に基づき同会議が10月中に3人の候補者を選んで面談を実施した。13日に、学長不適任者がいるか投票する「意向聴取」を教職員に実施。同大総務課によると「不適任」が過半数に達した候補者はいなかった。来年2月までに同会議が高田氏を学長として申告し、文部科学相が任命する。【鈴木敦子】 "[he-forum 13789] 日本経済新聞11/19 日本経済新聞2008年11月19日付 教員養成改革で有識者会議が初会合  文部科学省は18日、大学での教員養成カリキュラムの在り方について議論する有識者会議(座長・横須賀薫宮城教育大名誉教授)を設置し、第1回会合を開いた。2009年度から教員免許に10年ごとの有効期限が設定されるなど、教員養成を巡る制度が変わりつつあるのを受け、教育学部や教職大学院での教育内容の改善策を探る。 "[he-forum 13790] 北海道新聞11/13 北海道新聞2008年11月13日付 研究分野で給与格差 ポストドクター 月10万円以上  月額給与は工学系と人文・社会系で十万円以上の開きがあり、非常勤比率は女性が男性よりも高い-。博士号取得者や大学院の博士課程修了者で大学や研究機関に任期付きで勤めている「ポストドクター(ポスドク)」を対象に、文部科学省が初めて行った研究活動・生活調査で、こんな雇用の実態が明らかになった。  調査は昨年十一月-今年一月にインターネット上で行われ、北大を含む全国の千三十五人(男性七百八十人、女性二百五十五人)から回答を得た。  回答者の平均年齢は男性三二・八歳、女性三三・八歳。勤務形態は常勤48%、非常勤42%で、男女別では女性は常勤の比率が男性より4ポイント低い45%、逆に非常勤は女性が6ポイント高い47%だった。  月給平均額は男性三十一万四千円、女性二十八万二千円で、女性が三万円以上少ない。研究分野別では最も高い工学系が三十三万円、最も低い人社系は二十一万三千円と十二万円近くの差があった。文科省は「女性の非常勤比率の高さが給与に影響しているが、常勤者だけみても男女間で二万円以上の開きがあった」と説明する。  育児休業の取得状況は「取得しなかった」96%、「希望したができなかった」2%、「取得した」2%。できなかった理由は「非常勤職員のため」「給与が保障されてない」などの回答が多かった。  同省によると、二〇〇六年度のポスドクの延べ人数は前年度比5・8%増の一万六千三百九十四人。少子化などで大学教員の数が抑えられ、雇用状況は厳しさを増している。 "[he-forum 13791] 中日新聞11/19 中日新聞2008年11月19日付 金沢大 来れ『ビジネス道場』 産学官連携へ 新潟の事業紹介  金沢大が本年度から取り組む産学官連携事業に向けたフォーラムが十八日、金沢市昭和町の県立音楽堂で開かれた。  同大は文部科学省の事業採択を受け、大学の研究成果と地域、企業ニーズを合致させて事業化を目指す「ビジネスクリエイト道場」と題したセミナーを来年一月から開く計画。アイデアや技術を持ちながら、事業化への道筋を模索している企業や研究グループを対象に、各分野の専門家を講師に招き十回連続で開催する。  この日は、新潟県の佐渡島で地域活性化に取り組む「合同会社S・M・A・I・L」代表の吉井靖さんが特別講演。インターネットを活用した地域ブランド作りや産業創出の試みを紹介。また、今後の産学官連携を探るため、農業と商工業が連携し、事業化につなげている県内企業家らを交えたパネル討論もあった。 (本安幸則) "[he-forum 13792] 陸奥新報11/21 陸奥新報2008年11月21日付 弘大が新エネ研究センターを青森に設置 他大学と共同大学院も  弘前大学は20日、青森市内で会見し、「北日本新エネルギー研究センター」について、来年4月、青森市松原2丁目の旧市民図書館内に設置すると発表した。県内外大学との連携、支援を得て(1)二酸化炭素(CO2)排出削減(2)エネルギー自給率アップ(3)地域新産業創出―に向けた研究拠点とする。  会見では、文部科学省が来年3月に施行、2010年度からスタートする「大学教育課程の共同実施制度」に応募し、将来的に他大学との共同設置型大学院を設置する構想も表明した。研究センターと連携し、エネルギー分野の人材育成を図る。  会見ではセンター設置の背景に、地球温暖化問題対策や日本のエネルギー供給体制を変換すること、新エネルギー資源の利用により地域の新産業を創出、雇用を生み出す必要があること―を挙げた。青森公立大と北海道、秋田の3大学と連携し、東北、東京各大学の支援を得た上で研究拠点を形成し、エネルギー問題に対処する研究を進展させる。  研究内容は太陽、水素エネルギーなどを対象とした「エネルギー変換技術開発」、海洋エネルギー発電や地中熱利用などを扱う「新エネルギー利用システム開発」、防災関連の「エネルギー防災安全システム開発」、産業関係の「エネルギー産業創造開発」の4部門。  人員はスタート時点で少なくとも専任教員を1人、来年度中には4人を配置。青森市に設置する理由には、北海道・北東北の中心部という立地条件、交通アクセス性の高さを挙げた。センターは、旧市民図書館へ暫定的に5年間設置し、その後、同市内の別な場所に改めて置く。  また、共同設置型大学院は学部に直結していない独立した大学院との位置付け。エネルギーに関する教育分野で、青森公立大、北海道、秋田などの大学と連携し、「総合エネルギー学履修コース」などを設けたい意向だ。  会見で遠藤正彦学長は「センターは期待が大きく、自然エネルギーの一大研究所をつくるため頑張っていきたい」と意欲を語った。 "[he-forum 13793] 産経新聞11/21 産経新聞2008年11月21日付 横浜市が奨学金改正へ 大学は廃止、高校は減額し増員  横浜市は奨学金制度を見直し、高校生と大学生の奨学金制度を来年度から、返済義務のない高校奨学金は月額1万2000円から2000円を減額し、定員を150人から200人程度に増員するほか、無利子で卒業後10年以内に返済する月額4万4000円の大学奨学金は募集を停止、受給中の学生が卒業する24年度に廃止する。27日から始まる定例議会に、改正条例案を提出する。 "[he-forum 13794] 中国新聞11/19 中国新聞2008年11月19日付 広島大が印の大学と初の協定  広島大が、インド有数の理工系大学アンナ大と、2009年3月までに大学間協定を結ぶことで合意した。インドの大学との協定締結は初めて。優秀な留学生を確保し、現地に進出する日系企業への人材供給も視野に入れている。少子化に伴い国内の入学者が減少傾向をたどる中、広島大は留学生の受け入れ拡大を急いでいる。アンナ大はインド南部タミル・ナドゥ州の中核的な州立大学で、学生数は約2万2000人。広島大は留学生の獲得に向けて重要な足掛かりを得たとしている。  タミル・ナドゥ州は「インドのデトロイト」と呼ばれ、自動車や情報関連産業を中心に企業進出が進んでいる。広島大は留学生を大学院工学研究科で教育し、日系企業に送り込むことも検討。アンナ大は、学生の就職先が日系企業に広がることを期待している。 "[he-forum 13795] 産経新聞11/20 産経新聞2008年11月20日付 小畑学長を再任 東京農工大  国立大学法人東京農工大学(東京都府中市)は19日、次期学長候補者に現学長の小畑秀文氏(65)が決まったと発表した。文科大臣の任命を受けて正式決定する。任期は平成21年4月1日から2年間。  小畑氏の専攻はパターン工学。同大副学長などを経て17年5月から現職。今年9月から10月にかけて次期学長が公募され、小畑氏1人が応募。選考会議の面談や職員の意向調査を実施を受けて決定した。 "[he-forum 13796] 毎日新聞島根11/24 毎日新聞島根版2008年11月24日付 支局長からの手紙:島根大学の経済効果  今回は少し硬めの話です。できる限りかみくだいてみます。  島根大学が地域への経済効果をはじき出しました。経済効果は年間404億円。直接の効果は277億円ですが、この277億円が波及することでさらに127億円を生み出し、計404億円となります。  404億円といってもピンときません。いろいろな数字と比べてみます。今年度の浜田市の一般会計当初予算が321億円。はるかに上回る金額です。世界に目を向けると、南太平洋に浮かぶバヌアツ、サモア、ソロモン諸島といった国のGDP(国内総生産)に匹敵します。  もっと身近なものに換算すると、即席ラーメンが2億7000万袋も買え、カレーライスを6060万皿食べることができます。1万円札で積み重ねると約400メートルになり、重さは約4トン……。この辺りにしておきましょう。  大学のどこから生み出されるのでしょうか。6000人以上の学生と教職員が生活し消費することで205億円▽学生が学んだり研究することで97億円▽いろいろな施設やイベントを通じての外部からの来訪者の消費で87億円▽広いキャンパスや多数の施設の維持管理に15億円。6000人の学生の生活や研究を通じての消費がもたらす波及効果は想像以上です。阪神タイガースが優勝すれば800億円以上の経済効果があるとか、NHKの朝ドラ「だんだん」の経済効果が99億円といわれています。しかし、島根大学の場合はその年限りというのではなく、毎年、安定して生み出し続けていくわけですから“質”が異なります。  これだけ経済効果を生み出す大学を、私たちはどのくらい活用しているでしょうか。身近なものとしては、公開講座やオープンキャンパスなどがあります。地域を研究する学生と協力して街づくりを試みることもできるでしょう。農業をはじめ地場産業の研究課題を二人三脚で進めることも可能です。私が知る限りでは、まだまだ活用する余地は大きいように思います。  地方の国立大学を巡る環境は厳しくなるばかりです。財務省は経費削減を迫り、文科省は地方大学の整理さえほのめかしているそうです。404億円以上の経済効果を発掘するのも、経済効果以外の島根らしい価値を生み出すのも大学を取り巻く市民次第。一度、気軽に足を向けてみませんか。【松江支局長・松本泉】 "[he-forum 13797] 産経新聞11/23 産経新聞2008年11月23日付 東大、女子にご執心! 「3度目の正直」なるか学生増  東大、女子求む-。平成21年度入試で、東京大学が女子学生の獲得に躍起になっている。東大は、女子学生の数が男子の約4分の1と東京六大学で最も少ない。2年前から女子学生向け説明会を開いてアピールするが、結果は振るわず。今年も来月23日に説明会を開く予定だ。ただ「魅力ある男がいれば、女子も集まる」との声も。「3度目の正直」となるか。  「女子高校生のための東京大学説明会」と題されたイベントは12月23日、東京都千代田区の学術総合センターで開催。進学相談会のほか、女性准教授ら2人による基調講演や、女子学生らによるパネルディスカッションなどが行われる。  昨年は定員500人の会場に約750人集まったとあって、今年の会場は1000人規模。「3度目で関心も高まっているはず」と東大本部の針貝俊彦入試グループ長も期待する。 東大によると、1~4年生の学部生の総数は計14274人(5月1日現在)。うち女子学生は2762人とわずか19・3%。東大以外の東京六大学の女子学生比率は30~50%で、圧倒的に東大の女子学生が少ない。  女子学生を増やしたい背景には、科学技術創造立国と男女共同参画を掲げ、女性研究者の育成を後押しする国の方針や、女性の雇用拡大が求められていることがある。「女性が多く集まるところは、活気にあふれている」(東大関係者)との声も強い。  そこで、19年度入試から始まったのが「女子学生3割作戦」。入試説明会や夏のオープンキャンパスで女子高生にアピールした。3年目の今回は期待も大きいが、東大本部入試グループ長の針貝さんは「今年こそ3割達成したいが…」とどことなく自信なさげだ。  東大OGの評論家、樋口恵子さんは「今は東大女性への偏見は少なくなったが、浪人したくないから無理しないのかも。しかし、東大に女子が少ないのはPR下手もある。東大にいい男がたくさんいれば、女子も自然と増えるのではないか」と話す。 "[he-forum 13798] 読売新聞社説11/25 読売新聞社説2008年11月25日付 大学の地域貢献 ネットワーク構築が課題だ  大学のキャンパスで、地域のお年寄りや子供連れなどの姿を、よく見かけるようになった。  図書館や博物館の一般開放、市民講座の開設など地域貢献を積極的に進める大学が増えている。  全国の市区町村と大学の間で締結された連携協定は、500件を超えている。  少子化が進む中で、大学が学生を確保していくためには、地域での存在感を示すことが大切だ。  独立行政法人に移行した国立大学が、寄付金集めを進めていく上でも、地域や社会への貢献が問われるようになった。  2006年に施行された改正教育基本法は、大学に対して「知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供すること」を新たに求めている。  厳しい財政事情を抱える地方自治体にとっても、大学の施設や人材を活用する意義は大きい。  「地域に開かれた大学」は、時代の要請とも言える。  大学の地域貢献の方法は、多様化しつつある。  最近、東京・渋谷駅の連絡通路に設置された岡本太郎の巨大壁画の招致運動の一つの核となったのは、街づくりへの協力を掲げる研究センターを設けた地元の青山学院大学だった。  群馬大学では、授業の一環のインターンシップとして、学生が地域の日系ブラジル人児童の日本語学級を訪ね、学習をサポートする事業を展開してきた。  銀行などの協力も得て基金を設け、学生ボランティア活動を支援する宇都宮大学の事例もある。  こうした活動をさらに後押しするためには、地域に貢献する大学への政府の支援を、より一層進めていくことも必要だろう。  大学と自治体の担当者間のパイプはできたが、担当者以外には、連携の意義が理解されず、組織全体の動きは鈍い場合が多いとの指摘もある。両者の間で、より一層の意思の疎通が大事だ。  多様化する地域の要望に対して一つの大学だけで対応することは難しくなってきている。  政府は今年度から、戦略的大学連携支援事業を始めた。複数の大学が共同事業体を作り、連携して地域の要望などに応える。  大分大学など8校による「高度人材養成拠点の構築」をはじめ54の取り組みが選定された。  全国の765の大学が知的インフラとしてネットワークを構築することが出来れば、地域の活性化へ大きな力となるに違いない。 "[he-forum 13799] 毎日新聞11/25 毎日新聞2008年11月25日付 大阪府:医学生に奨学金  大阪府は医学生らを対象に、府内の周産期や救命救急分野の病院への勤務を条件に、返済を免除する奨学金制度を来年度導入する方針を固めた。医師不足が深刻化する中、既に39道府県が同様の制度を導入している。  府内の大学の医学生と臨床研修医が対象で、支給開始は医学部5年生からを想定。府外の医学生でも、府内の高校を卒業していれば資格が得られる。月額20万円を検討している。府のほか、東京都、神奈川県など5都県も来年度からの導入を予定している。 "[he-forum 13800] 時事通信11/25 時事通信2008年11月25日7時30分 高校・大学生の奨学金制度見直し=横浜市  横浜市教育委員会は、高校生と大学生を対象とする市奨学金制度を見直す。2009年度から高校奨学金の月額支給額を減らして募集枠を拡大する一方、大学奨学金の新規募集を停止する。  大学奨学金は他の機関の奨学金制度が充実しているため、応募者が毎年10人程度と少ない。このため、大学奨学金を高校奨学金に移管し、不況を背景に応募が増加している高校生をより多く支援することにした。  見直し案では、返済義務のない高校奨学金の金額を現行の月額1万2000円から1万円に減額し、募集枠を150人程度から最大200人程度にまで拡大する。一方、無利子貸し付けで返済義務のある月額4万4000円の大学奨学金は09年度から募集せず、受給中の大学生が卒業次第廃止する。  同市の公立高校の授業料は現在月額9900円。市教委は今後、授業料改定時(増額)に合わせ、奨学金支給額が授業料を下回らないよう見直していく。 "[he-forum 13801] 読売新聞11/25 読売新聞2008年11月25日付 「宇宙基本計画」骨子判明、日本の衛星情報を外交に活用  宇宙に関する国家戦略の基本方針を定める「宇宙基本計画」の骨子が24日、明らかになった。  政府の宇宙開発戦略本部で検討し、来年5月に策定、以後5年間の新たな宇宙開発や防衛利用の具体策を示す。  政府がまとめた骨子では五つの基本方針により、計画の具体化を図るとしている。特に、宇宙開発を軸とした国際協力の推進を強調。  日本の情報や技術を、政府開発援助も含めた「外交ツール」として活用することで、国際社会に貢献する。  具体的な中身として、アジア・太平洋地域の三十数か国に対し、気象観測情報や大規模災害時の衛星画像を提供することに触れた。  一方、国内政策では、中小企業や大学などが持つ技術を生かし、産官学の連携で技術基盤の強化を図る必要を指摘している。  宇宙基本法により、新たな情報収集衛星の打ち上げなど、宇宙の防衛利用拡大が図られる。この点については専守防衛の範囲内で、安全保障分野での新たな宇宙開発を検討するとした。 "[he-forum 13802] 産経新聞11/27 産経新聞2008年11月27日付 増田前総務相が東大公共政策大学院の客員教授に  東京大は26日、平成21年4月から公共政策大学院の非常勤客員教授として前総務相の増田寛也氏を起用すると発表した。「資本市場と公共政策」の講座を担当する。  増田氏は旧建設省職員を経て岩手県知事となり、改革派の旗手として活躍。安倍改造内閣で総務相として入閣、福田内閣でも再任された。東大は「国や地方の政策決定の実態について、経験を生かした講義をしてもらえると思う」としている。 "[he-forum 13803] 共同通信11/26 共同通信2008年11月26日19時39分 文科省、大学設置基準を厳格化へ 質の保証目的  文部科学省は26日までに、教員の定員数や資格、授業方法、施設の要件など、大学を開設するのに必要な最低条件を定めた「大学設置基準」を厳しくする方針を固めた。大学の質の保証が目的で、中教審の審議を経て関係省令改正を目指す。  設置基準は大学の多様化を進めるため、1991年改正で規定を削減。規制緩和の流れもあり、90年で507校だった大学数は2007年には756校に増えた。  ところが最近は、専任教員の多くが大学以外の業務に従事していたり、図書館などの施設が不十分だったりするなど質に懸念がある状態となり、審査する大学設置・学校法人審議会から、基準を厳しくするよう求める意見が出ていた。  文科省は(1)校舎の広さなど数値的な基準がない大学院大の施設要件(2)大学以外に本業を持つ教員の割合や勤務日数-などを、設置基準で明確にすることを検討。  設置審議会による審査スケジュールの延長や、大学が届け出た計画通りに運営しているかを確認する調査方法の見直しも検討していく。 "[he-forum 13804] 北国新聞11/27 北國新聞2008年11月27日付 留学生増員、1000人規模 金大、2020年めどに  金大は二〇二〇(平成三十二)年をめどに、海外からの留学生を現在の三倍以上の千数百人規模に増員する。今年度中に中国やタイ、ベトナムなどに常設の海外分室を初めて設置し、各国のトップ大学と重点交流協定を結んで学生、研究者間の交流を促進する。「東アジアの知の拠点」として地位を確立した後は欧米への展開も計画する。  金大に在籍する留学生は現在、約三百五十人。増員は、国内に約十二万人いる留学生を二〇二〇年をめどに三十万人に増やそうと文部科学省などが策定した「留学生三十万人計画」を受けて進められる。  学内には長野勇理事(研究・国際担当)・副学長をリーダーとする学長の諮問機関「国際交流本部」を新設し、具体策を検討する。国が来年度中に選定する「グローバル30(国際化拠点大学30校)」入りも目指す。  海外分室(リエゾン・オフィス)は、留学情報の提供や留学生受け入れを円滑に進めるため、各国主要都市の大学内に開設する。分室の設置は中国やタイ、ベトナム、インドネシアで内定している。  さらに、大学間交流協定を締結した上で積極的に留学生、研究者交流を行う「金大モデル」を構築するため、各国のトップ大学を対象に重点交流協定校を設定する。重点交流協定校からの留学生には授業料の減免などを行う方針。中国の華東理工大(上海市)と既に協定を締結しており、今後十校程度を順次協定校に設定する。  長野理事・副学長は「広く東アジアから優秀な人材を受け入れることを柱に金大の国際化を進めていく」と話した。 "[he-forum 13805] 新潟日報11/27 新潟日報2008年11月27日付 上教大、次期学長に若井氏  3月末で現学長の任期が切れる上越市の上越教育大学で26日、学長選考会議が開かれ、次期学長に同大大学院学校教育研究科の若井弥一(61)教授が選出された。任期は来年4月1日から4年間。  若井氏は東北大学大学院教育学研究科修士課程修了、同博士課程退学。仙台大学助教授や上教大教授を歴任し、現在は同大付属図書館長も務めている。専門は教育法、教育行政学。旧松之山町出身。  同大では6月に同大教授や学外者ら8人でつくる学長選考会議を開催し、学長選の実施要領を決定。10月に学長の推薦適任者を公示、若井氏と同大教授、計2人が推薦された。11月26日に教職員の意向投票を行い、その結果を受けて、選考会議が若井氏を時期学長に選んだ。 "[he-forum 13806] 毎日新聞鹿児島11/27 毎日新聞鹿児島版2008年11月27日付 鹿大:秋季入学シンポ、懸念相次ぐ 授業の負担増、教育期間短縮など ◇授業の負担増/教育期間短縮/進路指導複雑  「鹿児島大学における秋季入学を考えるシンポジウム」が22日、鹿児島市の同大稲盛会館であり、全国の大学関係者ら約250人が参加した。秋季入学は留学生受け入れ促進などが狙い。鹿大も「9月入学枠」設定を検討している段階だが、シンポでは懸念の声が相次いだ。  文部科学省の今泉柔剛・大学改革推進室長が「世界標準の秋季入学」などと理解を求めたのに対し、大学関係者は「4月入学の学生と一緒に授業ができず、負担が2倍になる」と指摘。別の大学関係者も「学生は就職活動を抱え、秋季入学で教育期間が実質3年になる」。高校関係者も「進路指導が複雑化する」などと、懸念を示した。【大塚仁】 "[he-forum 13807] 読売新聞茨城11/27 読売新聞茨城版2008年11月27日付 県と茨城大包括協定 人材・施設活用や共同事業  県と茨城大(池田幸雄学長)は26日、地域の発展などに連携して取り組むための包括協定を締結した。協力関係を強化することで、人材や施設を相互に活用したり、共同事業を企画・運営したりしていく。県が大学と包括協定を結ぶのは、2005年2月に締結した筑波大との協定に続き2例目。  地球温暖化や少子高齢化など様々な課題を解決するために、大学の持つ知的資源を大いに活用したいと考えた県と、地域貢献活動への積極的な取り組みを推進する茨城大の思惑が一致し、実現した。茨城大は、12月に供用が開始されるJ―PARC(大強度陽子加速器施設)のビームライン2本を管理運営しており、ビームラインの利活用推進の観点からも、連携強化の必要性が高まっていた。  協定締結を受け、両者は、〈1〉教育〈2〉地球温暖化対策〈3〉農業〈4〉地域振興――などの分野で連携を図っていく方針。具体策は今後、連携推進委員会を設置して協議するとしている。 "[he-forum 13808] 室蘭日報11/26 室蘭日報2008年11月26日付 室工大で市民懇談会、大学のPRなど積極的に意見交換  室蘭工業大学(松岡健一学長)市民懇談会が25日、同大で開かれ、各委員から人材や地域産業の育成への支援、大学の積極的なPRの必要性など幅広い意見が出た。  同委員会は室蘭、登別、伊達の3市長、経済界、一般市民、言論界に学内の委員を加えた20人で構成。新年度からの学部・大学院の改組、ものづくり基盤センターの活動など大学の取り組みを松岡学長が説明した。  懇談では「地域活性化に期待される大学の役割」がテーマ。このうち、登別市・小笠原春一市長は「包括連携協定に盛り込まれている連携推進協議会の設置をすべき」との要望に松岡学長は「早急に組織を立ち上げていきたい」と答えた。室蘭市・佐藤博経済部長は「学生が地元に残るように出来ないか」と意見を述べた。  さらに「大学から行政に提案をすべきでは」などの声も出た。一方、大学側は、小中学校に工大の教員を定期的に派遣して授業を行うカリキュラムについて室蘭市教委に提案したことが報告された。 (佐藤重伸) "[he-forum 13809] 神戸新聞11/26 神戸新聞2008年11月26日付 神大発、広がる産学連携 研究や技術・経営相談  神戸大学の産学連携の実務を受け持つ神戸大学支援合同会社(神大LLC、神戸市灘区)が、実績を上げている。活動を本格化させた今年、共同研究や技術・経営相談のために企業と結んだ契約は十件近くにのぼる。山本啓輔代表社員は「来年には、契約の中から複数の成功例が出てくる」と自信をみせる。(段 貴則)  国立大学法人で初の産学連携推進を目的とするLLCとして、二〇〇七年設立。大学内の連携創造本部が戦略・企画立案に特化し、同LLCは技術移転や特許・契約管理など実務を受け持つ。今年四月には、大学研究者の発明や新技術を特許化し、企業に供与するTLO(技術移転機関)としての承認も国から得た。  最大の特徴は「従来の共同研究と違い、結論をはっきり出す仕組み」と、松下電器産業(現パナソニック)の映像技術研究所長を務めた山本代表社員。企業OBが、定期的に大学と企業を訪れ、課題の発見、解決など共同研究などの推進に責任を持つ仕組みで、山本代表社員は「新産学連携」と銘打っている。  地元企業との連携も始まっている。兵庫信用金庫(姫路市)を通じ、産業廃棄物の中間処理を手掛ける西播グループ(姫路市)と契約。埋め立て以外に処理法がない焼却灰を再資源化する共同研究が始まった。  山本代表社員は「大学の知恵を民間に移すモデルとして全国に通じるものにしたい」と話している。 合同会社 2006年施行の会社法に盛り込まれた企業形態。出資比率で利益配分や経営への関与が決まる株式会社と異なり、出資額は低くても技術や知識で貢献した人に配当額を増やす-など、運営の自由度が高くなる。 "[he-forum 13810] 毎日新聞12/1 毎日新聞2008年12月1日付 新教育の森:知識偏重の理科、育たぬ探究心 ノーベル賞科学者らが苦言…改善策は  ノーベル物理学賞の受賞が決まった小林誠さんと益川敏英さん、化学賞に決まった下村脩さんが、理科教育や大学入試のあり方などについて辛口の批判を展開している。識者にも現状を尋ね、改善策を探った。【三木陽介、山本紀子】  ■教科書  ◇もっと分厚く「なぜ」に導け  「問題を解くことにウエートが置かれている。大変コンパクトになっていて肝心なことが1行、2行で書いてある。(中略)分厚くていいから読本というようなアプローチが必要ではないか」(小林さん、毎日新聞での対談で)  日本の教科書は他国と比べてどうなのか。NPO「理科カリキュラムを考える会」の滝川洋二理事長は「日本の教科書はこれ以上削れないというぐらい最低限の中身しかない」と痛烈だ。  同会は科学技術振興機構の委託を受け、06~08年に先進6カ国の中学の理科の教科書と比較調査した。報告書は「他国の多くが生活にかかわる先端的科学技術(医療など)を多く紹介しているのに比べると、将来の生活とのつながりが弱い」とした。  ◆批判浴びる検定制度  教科書の執筆に約20年間携わっている渡辺正・東京大生産技術研究所教授は「教科書検定が元凶」と言い切る。教科書は出版社が作り、文部科学省の検定をパスしなければいけないが「学習指導要領の範囲を少しでも逸脱すると通らない」という。  例えば小中学校の教科書。「電気」の章でエジソンの伝記を紹介しようとしたら「伝記は不要」と見送られた。渡辺教授は「理科は『なぜ?』と興味を持たせることが一番大切なのに、先進国に類のない検定で、どの教科書も同じような知識の『詰め込み型』になってしまう」と指摘する。  探究心を刺激するために教科書を厚くすべきだとの指摘は、政府の教育再生懇談会でも出され、文科省は11月に教科用図書検定調査審議会に制度改定原案を示した。教科書にある程度の自由な記述を認め、学習指導要領の範囲を超えた内容も書けるようになる。だが、どの程度の「逸脱」が認められるのか、見通しは不明だ。  ■入試  ◇選択式では学力測れない  「マークシート方式でやっていくと、体験したことのない問題はスキップせよとなる」(益川さん、日本学術振興会での会見で)  「選択式の試験問題で、教師は『知らない問題はパスしろ』と指導し、考えない人を育てている」(益川さん、文科相への表敬訪問で)  大学入試の方法は大学側に裁量があるが、1次で大学入試センター試験、2次で各大学の記述試験という2段階選抜が主流だ。  益川さんが指摘する「マークシート方式」「選択式」とは、センター試験のことだ。かつては国公立大入試の象徴だったが、私大の参加数も年々増え、08年度は10年前の2・6倍になった。文科省大学入試室は「短い期間で大量の受験者の学習の到達度をみなければいけない制約の中ではやむをえない」というが、弊害への指摘は以前から根強い。  「センター試験の点数は要するに『受験学力』であって、本来の学力を反映していない」と話すのは村上隆・中京大教授。02~06年、国立大学入学者選抜研究連絡協議会会長を務めた。難関大ではセンター試験で9割以上の正解率だった学生がざらだが、村上教授によると、ある東大教授は「100点取るような学生がうようよいるが、教えると驚くほどできない」とあきれていたという。  東大生産研の渡辺教授も「『なぜ』と考えさせる部分が省かれた教科書に合わせて作られた入試で合格しても大学では通用しない。入試までの教育に費やす時間と労力がもったいない」と指摘する。  ■研究環境  ◇大胆な挑戦を歓迎しよう  「上流(基礎研究)を枯らしたら下流が枯れる。科学の道は50年、100年のオーダー。結果が出るのはすぐではない」(益川さん、日本学術振興会での会見で)  「難しい研究課題が避けられる傾向がある。困難に直面してもあきらめず、目標に向かって突き進み、最後までやりとげてほしい」(下村さん、米国での会見で)  挑戦の気概が薄れ目先の成果にとらわれがち。そんな指摘に、政府の総合科学技術会議議員で「大学進化論」の著者、相澤益男・東京工業大前学長も同意する。  「自ら申請して予算獲得する、科学研究費のような競争的研究費を得るにあたり、研究者が結果を出すことを優先し、リスクが高い課題を避ける傾向がある。論文や特許につながる研究テーマが評価される現実はあるが、もっと挑戦的な目標設定が必要だ」  総合科学技術会議は、科研費に一定の比率で「大挑戦研究枠」を設けることを提唱。若い研究者が大胆な課題に取り組めるよう、評価のあり方を見直すべきだと主張している。  さらに相澤さんは「優れた研究者を育てるには人材の国際的な流動化が必要。日本人学生を海外に出るよう促し、外国から優秀な教員や学生を集めるべきだ。いまポストドクターは8割が日本人で2割が外国人だが、数値が逆転するくらいでもいいのでは」と話す。  ◆留学生もっと増やせ  日本で学ぶ留学生は約12万人で、仏独の25万人、米国の58万人を大きく下回る。中央教育審議会大学分科会制度部会の委員を務める東芝顧問の有信睦弘さんは「自由な発想を培うために、留学生を増やし、切磋琢磨(せっさたくま)する環境を作る必要がある。考え方が違うことへの許容力・理解力をもつことが、研究者の懐を深める」と指摘する。  有信さんはさらに「原理現象を地道に追究する研究者が十分に育っていない。今の大学院が特定分野の研究に力を入れるあまり、学生への教育がおろそかになっている」と苦言を呈し、「理系であっても一般教養をきちんと学び、専門分野に必要な基礎知識を取得してほしい」と話す。  ◇小中学生、テストの得点高いけど--実験・観察、興味今一つ  ◇授業に助手派遣、教え手の充実やっと  「理科離れ」といわれているが、国際的なテストでの平均点は上位だ。03年に小学4年生と中学2年生を対象に行われた「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS)では、中2が6位(46カ国・地域中)、小4が3位(25カ国・地域中)だった。  しかし、「理科の勉強が楽しいか」との質問で、「強くそう思う」と答えた割合は中2が19%で国際平均値(44%)を25ポイントも下回った。  この結果からは、テストの解答力はたけているが、意欲や関心は今一つ--という日本の子ども像が浮かぶ。  有名私立高の教員はここ数年、理科離れを肌で感じている。以前は実験用具を生徒にいじられて壊されることが多かったが、今はその心配はない。「興味が薄れている証拠」と自戒を込め苦笑する。  国も本腰を入れ出した。06年度から始めた「理科支援員」制度では、実験や観察を充実させるため、小学5、6年生の授業に大学生や元教員らを助手として派遣している。小学校の教員自身に理科が苦手というケースも多いため、来年度からは大学で理工系を専攻した先生を増やす方策の検討にも入る。 "[he-forum 13811] 琉球新報11/30 琉球新報2008年11月30日付 県と内閣府 再燃を警戒 自民PT「大学院大不要論」  自民党政務調査会の無駄遣い撲滅プロジェクトチーム(PT・園田博之座長)が28日、党内で開いた会合で、沖縄科学技術大学院大学や沖縄振興開発金融公庫のあり方を見直す内容を盛り込んだ対策案を提示した。沖縄振興委員会は27日、急きょ会合を開き、内容の撤回を求める決議を採択。PTの会合でも批判が集中したため、取りまとめにはさらに党内各部や省庁との調整が必要として案の決定は先送りされた。県や内閣府関係者はPTの動向に注視しながら「今後も同様な指摘が上がらないとは限らない」と警戒を強めている。  沖縄の政策に関する提言をまとめたのはPTの内閣府担当班(主査・河野太郎衆院議員)。最終的に対策案に盛り込まれた内容は、大学院大学については達成目標の明確化を求めるなど「トーンダウン」(内閣府)した。  しかし、21日、内閣府が班から示された素案では「目標を明確にできなければ大学院大学は不要」「沖縄の産業振興は国が行うべきではない」などさらに厳しい指摘もあった。沖縄公庫に関しては素案通り、日本政策金融公庫との2012年以降の統合が盛り込まれたままだ。  情報を受けた県や内閣府は早速、対応を協議し沖振委を開催。県選出・出身国会議員もPTの動きをけん制するため党有力者に働き掛けるなど、水面下で対応に追われた。  PTの結成動機は近年問題になっていたタクシー代やレクリエーション経費などの無駄削減。沖縄の振興政策がやり玉に挙がったことに、ある国会議員は「沖縄振興に予算がつぎ込まれる一方、基地問題が進展していないことへの不満は聞こえていた。それが表面化したのでは」と推測。ある政府関係者は「PTの議論は突然再燃した。衆議院議員選挙に向けた民主党対策の側面もあるのでは」とみる。  PTの提言には強制力はない。佐藤勉沖縄担当相も28日の閣議後会見で「私が全面的に受け入れるとかいう話ではない」と受け流す意向だ。  だが、ある国会議員は「最初でたたいておかないと、どう飛び火するか分からない。今後も警戒する必要がある」と警戒する。  一方、有力国会議員からは「県や内閣府にも緩みがあるのではないか。このような暴論が出ないよう沖縄政策の妥当性を積極的にアピールすべきだ」との声もある。(宮城久緒) "[he-forum 13812] 琉球新報社説12/1 琉球新報社説2008年12月1日付 無駄遣い論議 沖縄が標的なら筋違い  政府の歳出削減策を検討する自民党の「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」で、沖縄政策の見直しが俎上(そじょう)に載せられている。沖縄科学技術大学院大学(仮称)不要論や、「沖縄の産業振興は国が行うべきではない」などの指摘も出ているというから、穏やかではない。メンバーが沖縄問題の経緯をよく承知せず、短絡的、感情的に沖縄を「標的」とするなら筋違いであり、論議の在り方こそ見直すべきだ。  霞が関で官僚からメタボならぬ「ムダボ検診」などと揶揄(やゆ)される同チームは、福田政権時に設置された。道路特定財源で職員用のマッサージチェアやカラオケセットを買ったり、職員が深夜帰宅時にタクシー運転手から現金やビール提供を受けていた実態が相次いで発覚。税金の使途に責任を持つ与党として対応を迫られていた。  厳しく精査しないことには「国民の信頼」は取り戻せない。論議の結果、競争性のない随意契約を2008年度中に原則廃止し競争入札に移行することや、国家公務員のレクリエーション費の凍結・廃止などを柱とした政府支出削減案が打ち出された。  省庁側の抵抗を排しつつ、歳出削減策をまとめた意味は大きい。問題は、その後の沖縄政策に関する論議である。無駄撲滅に異論はないし、沖縄政策といえども聖域扱いをすべきではないだろう。  ただ、政府の沖縄予算には歴史的経緯と特殊事情がある。何のために沖縄担当相を置き、歴代政権が沖縄問題を最重要課題の一つとしてきたのか。経緯や背景をよく知らず、一律にやり玉に挙げているとしたら、あまりに悲しい。  確かに、科学技術系で世界トップ級を目指す大学院大学の設立には大きな予算が必要だ。精査して確固たる計画にしていく姿勢が求められる。  しかし、いきなりの不要論は困る。それを言えば、住民を苦しめる米軍基地こそ不要である。本質論を抜きに「沖縄を甘やかすな」的な意見は控えてほしいし、無駄遣い論議の場にふさわしくない。 "[he-forum 13813] 沖縄タイムス11/28 沖縄タイムス2008年11月28日付 大学院大見直し提言検討/自民無駄撲滅班/沖振委反発 振興対応を決議  【東京】政府の政策を点検している自民党無駄遣い撲滅プロジェクトチーム(園田博之座長)が、沖縄大学院大学構想について「事業コストに対する効果が不明確」とするなど、沖縄政策の見直しを求める提言を検討していることが分かった。反発した同党沖縄振興委員会は二十七日、沖縄の振興に支障を生じない対応を求める決議を採択。仲井真弘多知事とともに保利耕輔政調会長らに申し入れた。  同チームは二十八日の全体会議で、沖縄政策を含めて各省庁施策に対する点検結果を取りまとめる予定。作業班が園田座長に提出した報告書では「沖縄の特殊性に配慮しながらも、より効率的な資本投下となるよう達成目標を定め、公表するなど、抜本的に見直すべきだ」と指摘している。  社会資本整備では短期的な目標の明示を求め、沖縄振興開発金融公庫を二〇一二年度に日本政策金融公庫へ統合するよう要望。産業振興費でも、廃止や交付金化を含めて改善するよう促している。  仲井真知事は申し入れ後、記者団に対し「沖縄施策の根幹にかかわる。法律に基づいて行っており、本来、無駄の点検対象になるべきではない。見識を疑う」と批判した。  申し入れに対し、保利政調会長は「状況を把握しない状態で報告書が出たのではないか」と述べ、園田座長は「党としてどう取りまとめるかは決まっていない」と答えたという。 "[he-forum 13814] 南日本新聞11/29 南日本新聞2008年11月29日付 鹿銀・鹿大が農業で連携 経営システム開発へ 生産性向上支援  鹿児島銀行(鹿児島市)と鹿児島大学(同市)は28日、農業の生産・収益性向上を図る経営管理システムを共同開発する連携協定を結んだ。大学の持つ知識を生かし、来年末をめどにシステムを構築、鹿銀の取引先農業法人に導入する。行政とも連携し「産官学金」の枠組みで農業経営の大規模化、高度化を支援する。  鹿銀によると、システムは、(1)栽培管理(2)原価計算(3)財務計画(4)販売管理-を詳細に把握、それぞれを関連づけ、多面的な経営分析を可能にする。  農業分野では、経営管理が確立しておらず、勘に頼るなど、十分な経営分析をしていない生産者が多かった。データ化により、銀行は融資や経営改善のアドバイスをしやすくなるという。  開発には、すでに一定のデータ収集に取り組んでいる日野洋蘭園(さつま町)が協力。システム構築には日本システム(鹿児島市)も参加する。  鹿児島市の城山観光ホテルで協定書に調印した永田文治頭取は「大学の知的集積を地域に仲介し、農業の発展につながることを期待している」。吉田浩己学長は「農学部を中心に全学を挙げて協力したい」と話した。 "[he-forum 13815] 信濃毎日新聞11/30 信濃毎日新聞2008年11月30日付 県内の8大学、教育連携へ「コンソーシアム」設立  信大(本部・松本市)など県内8大学は29日、学生の基礎教育などに共同で取り組む「高等教育コンソーシアム信州」を発足させ、長野市内で記念式典を開いた。大学間に高速通信ネットワークを整備し、各大学の授業を映像と音声で相互に配信し、教育資源を有効活用する。来年秋をめどに試験的に始め、メンタルヘルス対策や就職支援などの学生支援でも連携する。  信大のほか県看護大(駒ケ根市)、佐久大(佐久市)、諏訪東京理科大(茅野市)、清泉女学院大(長野市)、長野大(上田市)、松本歯科大(塩尻市)、松本大(松本市)が参加。代表者らによる互選で、小宮山淳・信大学長を会長に選んだ。  式典前の会見で、小宮山会長は「各大学の個性を生かしながら、全大学に共通する教養、基礎科目などの資源を共同で活用する。全県をキャンパスと考え、学生同士や教職員の交流を密にしたい」と説明。副会長の住吉広行・松本大学長代行は「連携による魅力向上で県内外から学生を集め、地域の活性化につなげたい」とした。  一連の取り組みは、大学間連携を支援する文部科学省の事業に採択され、本年度から2010年度まで年間約1億円の補助を受ける。将来的には県内の短大や専修・専門学校、各種団体などの参加も見込んでいる。 "[he-forum 13816] 東京新聞12/1夕刊 東京新聞2008年12月1日付夕刊 『型破り』より成果優先 弱体化する基礎研究  ろくに論文を書いていない。なのに教授のような口ぶりで研究や教室運営に口を出す。「なんでこんなに威張っとるんや」。一九七〇年春、素粒子論研究のため、京都大の大学院に進んだ山脇幸一(62)は、名古屋大から移ってきて間もない助手、益川敏英にしばしば反発した。  二年後、小林誠も名古屋大から助手で入ってきた。「京大の研究室はまるで名大に乗っ取られたようだった」。現在、名古屋大教授の山脇は懐かしそうに思い起こす。  益川は名古屋大で博士号を取り、助手を務めた三年間、論文を二本しか書いていなかった。でも「おれたちは世界の中心を論じている」。そんな気概を山脇は強く感じた。  自由闊達(かったつ)かつ先輩後輩の区別なく学問を論ずる。それが、故・坂田昌一教授が創設した名古屋大理学部E研(素粒子論研究室)のスタイルだった。「物質の根源であるクォークは四種類」。六〇年代にこの説を唱えたE研は、クォークはあっても三種類と考えられていた学会で異端視されていた。  それでもE研出身者は「四種類」にこだわり、はやりを追いかけるような論文は書かなかった。代わりに議論に議論を重ねた。その結果、益川と小林は「クォークは六種類」という大胆な発想にたどり着く。今回ノーベル物理学賞の対象となった「CP対称性の破れ」と呼ばれる現象を理論的に説明した。  なかなか論文を書かない助手。「今の時代だったら完全にアウトだ。はやらない研究を続ける余裕もなくなりつつある」と山脇は言う。     ■  国立大が独立行政法人化された二〇〇四年度以降、各大学の教育・研究経費となる運営費交付金は毎年1%ずつ減らされた。代わりに文部科学省や経済産業省などからの研究費の獲得競争が激しくなっている。  こうした研究費は、実用、応用の可能性の高いバイオ、再生医療、宇宙などの分野に集中しがち。自然の原理や法則を追究する基礎研究の分野でも、早い成果を求めて「まず論文を」と、大学内で突き上げが厳しくなっている。  小林、益川を生んだ名古屋大理学部にもその波が押し寄せる。特任講師、藤博之(35)は「論文数で評価される時代。練りに練った研究がやりづらい。過度の成果主義は基礎研究の素粒子理論になじまない」と漏らす。  そうした時代への警鐘なのだろう。益川はノーベル賞受賞決定後、こんな言葉を口にする。「今のような基礎研究の状況が続くと、五十年、百年後にどうなっているか。考えてほしい」   (文中敬称略)     ◇  ノーベル物理学賞の小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授(64)、益川敏英・京都産業大教授(68)、南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授(87)=米国籍=と、化学賞の下村脩・米ボストン大名誉教授(80)らへの授賞式が十日、スウェーデン・ストックホルムで開かれる。四氏の受賞は科学技術立国を掲げる日本に追い風だが、その一方で、基礎研究の軽視や若者の理科離れが進む。快挙の足元を探った。 "[he-forum 13817] しんぶん赤旗11/29 しんぶん赤旗2008年11月29日付 高い学費 研究を圧迫 全院協が文科省など要請  全国大学院生協議会(全院協、秋山道宏議長)は二十八日、研究環境の改善などを求めて財務省、文部科学省、国会議員への要請行動をおこないました。各地から約三十人の大学院生が参加しました。 “書籍を買えない”  要請内容は(1)学費の段階的無償化と減額・免除制度につながる予算措置(2)国立大学運営費交付金と私学助成のマイナスシーリングをやめて大幅増額を(3)院生の研究環境と経済的支援の向上(4)無利子奨学金の採用枠や返還免除枠の拡大と給付制奨学金制度の創設(5)院生の就職実態の調査と就職率向上―の五項目。  国会内でおこなわれた財務、文科両省への要請で秋山議長らは、全院協が実施した大学院生の経済実態にかんするアンケート調査の結果も示して、「学費の負担が重すぎ、親に依存せざるをえなかったり、長時間のアルバイトのため研究時間が圧迫されたりしている」と指摘。書籍が購入できなかったり、学会に参加できなかったりと院生の研究活動そのものに支障が出ている現状を訴えました。  各地の院生からは、「就職率が五割を切っているなかで、奨学金の返済に不安があり、借りることがためらわれる」「大学運営費交付金が削減されたため、きちんとした研究条件が保障されなくなっている」「高い学費は授業にみあうものなのか。授業料を決めた根拠は何か」などの声が相次ぎました。  財務省の担当者は「国立の授業料の根拠はない。私学との均衡を図るために上げてきた」と回答。文科省の担当者は、来年度予算の運営交付金などの削減には反対しているとのべました。  両省への要請には日本共産党の大門実紀史参院議員の秘書が同席しました。 "[he-forum 13818] 12/3しんぶん赤旗 2008年12月3日(水)「しんぶん赤旗」 科学者会議の研究集会分科会 若手研究者の就職難や雇い止め、生活苦深刻  大学院の博士号取得後に短期契約で大学などに在籍する研究者・ポス トドクター(ポスドク)や非常勤講師など若手研究者の就職難や劣悪な 待遇が社会問題になっています。日本科学者会議は名古屋大学で開いた 総合学術研究集会(十一月二十二~二十四日)の「若手研究者の研究生 活と雇用」の分科会で研究者ら五人が、実態や背景、今後の課題を報告 しました。 社会保険への未加入が96%  首都圏大学非常勤講師組合委員長の松村比奈子氏は非常勤講師のアン ケート調査(回答者一千人余)を紹介しました。専業の非常勤講師は全 国で二万六千人いるとのべ、アンケート結果からは、職場の社会保険へ の未加入者が96%、年収二百五十万円以下が44%、担当授業数は週 九つ、雇い止め経験者が50%、といった平均像が浮かび上がるとし て、専任教員との賃金格差や、突然雇い止めを言い渡される不安、研究 者として扱われない苦しみを抱えているとのべました。  全国大学院生協議会の代表は、大学院生の経済実態のアンケート調査 の結果を紹介し、最大の悩みが「就職不安」で、次に「経済上の不安」 だと報告。ここ数年アルバイト時間が増え続け「書籍を購入できない」 「学会に行けない」「研究時間がない」など研究生活が悪化しているこ と、奨学金返済額が平均三百十四万円、博士課程修了時は六百万円以上 抱えているとして、学費減額や免除制度、無利子奨学金の採用枠拡大に つながる予算措置を政府に求めたいとのべました。  理系のポスドク研究員の立場から浜田盛久氏は、不安定で劣悪な労働 条件と就職難の二つの困難に直面している実態を文部科学省などの資料 から明らかにしました。任期は一~三年が多く、六カ月未満や日々雇用 のケースもあると指摘。また年々高齢化し、今では十人に一人が四十歳 以上であること、月収十数万円で生活している人も多く、ある分野では 二割の人が三カ月以上の無給を経験という調査を紹介。結婚もできない といった悲痛な声があることなどをのべ、常勤職員化や失業保険の適用 など緊急課題を提案。大学の若手研究職を増やすなど就職難の解決策 と、「若手研究者自身の運動が必要」とネットワークづくりなどの課題 をのべ、「大学院で学んだ専門が生かされる社会をぜひ」と訴えました。 国の政策など背景の分析も  大学問題にくわしい研究者は背景などを報告。  千葉大学名誉教授の三輪定宣氏は、一九九〇年代の政府の大学院拡充 政策によって大学院学生を急増させたが、修学・進路保障を伴わないの で当事者に大きなしわ寄せをもたらしたと発言。さらに科学技術政策 で、任期後の待遇などの手当をしないまま「ポストドクター等一万人計 画」などを推し進め、国の政策が問題を深刻化させていると指摘。博士 課程卒業者の就職率が50%台で、留年や失業者、非正規就職者の累積 などをあげ、「若手研究者の研究生活・雇用保障は自助努力でなく」、 国の責任で制度的に改善を、とのべました。  名古屋大学助教の石井拓児氏は、今日の「大学改革」を経済のグロー バル化に対応して進められた「新自由主義大学改革」ととらえ、そこで 若手研究者ポストの流動化・不安定化が起きていると指摘。新産業の創 出を課題にする経済界・産業界は、伝統的な大学の枠組みを壊したかっ たとして、プロジェクト型の研究を担う若手研究者の育成を目的に任期 制導入が進められてきたとのべました。しかし、これは「学問体系の継 承・発展に重大な問題になる」と強調しました。 "[he-forum 13819] 朝日新聞12/1 朝日新聞2008年12月1日付 〈学長力〉愚直でいい 質を大事に 名古屋大学 平野真一総長  ノーベル賞に名古屋大学がわいている。今年、卒業生の小林誠さん、益川敏英さんが物理学賞、元助教授の下村脩さんが化学賞を受賞。01年の野依良治さん(化学賞)に続く快挙に、目標の「世界に通用する知的成果の創造」に自信を深める。「愚直でも質を大事にする」と語る平野真一総長が目指す大学像とは。(太田航) ◆若い感性尊重 ノーベル賞に  ――ノーベル賞を受ける3人は名古屋大に学生や研究者として在籍していました。世界的な研究者が輩出した素地はどこにあるのでしょう。  「名古屋大は1939年に一番新しい帝国大学として出発した。そのため若い先生方が研究環境が十分でない中、意欲に燃えて大学をつくってきた経緯がある。私が工学研究科にいた時、小林さんは大学院の理学研究科にいたが、学生たちに研究を手伝わせたり、歯車の一つのように扱ったりせず、若い人の発想や考えをとても大切にして学ばせていた」  「また、名大を卒業してそのまま、ここの教員になった人の割合が、ほかの大学より少ない。それだけ外に開かれていると言えるし、いい人に来てもらって活躍の場を提供しようという雰囲気がある」  ――大学運営で気を使うところは。  「国立大学の法人化以降、学長のリーダーシップが言われるが、私はトップダウンでやることがリーダーシップだと考えていない。教育や、大学の危機への対応は組織を挙げて取り組まなければいけないが、研究を一方向だけに定めるのは間違いだ」  「もちろん研究が社会に貢献し、経済を盛り上げるのは大切だ。しかし、イノベーションというのは基礎科学、学術の基礎があって初めてあるもの。小林さん、益川さんの理論も、すぐ何かの材料に結びつくということはないが、宇宙の成り立ち、私たちの成り立ちという根元の問題で、重要なところを言ってくれている。別の学術と融合して、次に伸びていく基本となるところを無視してはいけない」  ――資金面から、研究をどのように支えていますか。  「総長裁量経費という年4億5千万円ほどの枠の中で、文理融合や分野を超えた連携を進める研究に支援をしている。それとは別に若手の研究者にも特別な支援枠を設けている。昨年度から、大学院博士後期課程の学生約200人に、年30万円の『学術奨励賞奨学金』を3年間渡している。博士後期課程の2年生100人には、1人あたり40万円を支給して海外の大学に1カ月以上派遣する『国際学術交流奨励事業』がある。研究者としての幅を広げてもらうため、力を入れている」 ◆じっくり研究 国の制度必要  ――ノーベル賞受賞の一方で、下村さんのような海外への頭脳流出という問題点も浮かび上がりました。  「私も70年ごろ、大学の研究員として米国留学したが、日本との設備、研究費の格差はとても大きかった。研究に打ち込める環境は間違いなく向こうにあった。国や大学が今、環境整備に努めているとはいえ、まだ仕組みは日本に整っていない」  ――改善策はないのですか  「野依さんは29歳で名大助教授になり、33歳で教授になった。名大では代々、若手の登用などに努めてきたが、資金面の支援は十分でない。米国だと大学が基金を持っていて若い人につけられる。名大も基金を設けているが、なかなか集まらない。日本の大学が基金から独自に援助するのは難しい」  「若い研究者が置かれている境遇から言うと、心配なのは、任期制などで短い期間での仕事で勝負をかけないといけないことだ。国全体の制度として、若い人が数年かけて自分の仕事をまとめあげていく場を与えないといけないと思う」  ――名大は学生数1万5千人で、うち留学生が1200人。受け入れに積極的です  「優秀な留学生が入ることで、大学は間違いなく活性化する。徹夜で実験をやり、何かやり遂げて帰りたいという気持ちが彼らにはある。名大の留学生の約4割は中国から。中国に戻っても、各地に同窓会の支部をつくり、帰国後も交流している。向こうの学生に名大の活動を知ってもらおうと、05年に上海に連絡事務所をつくった。名大は研究、教育で誇れる実績を上げていると思うが、愛知県や名古屋という場所は、世界にあまり知られていませんから」  「ただ、留学生の宿舎など生活環境面での支援は不十分だ。名大では今度、100人ぐらいが入れる寮を作るが、それでも全部で250人ほどの部屋しかない。国は20年に留学生を30万人を受け入れると言うが、このままでは対応できない。国を挙げて整備しないと」 ◆ごみの再利用 モデル化貢献  ――名古屋にある大学ならではの教育のあり方とは。  「(自動車産業など製造業が盛んな)この地域はものづくりを通して人を育ててきた。風土は大切だ。『名大は愚直でいい、質を大事にする』と言い続けている。また名古屋市は日本で最も進んだごみ分別の街だが、名大では十数年前からごみ再利用のモデル化をしてきた。名古屋市が環境都市であることに、大学も貢献したと思っている。」  ――地元学生が占める割合が高いですが、ほかの地域への魅力発信も課題でしょうか。  「専門分野で、大学関係者には名古屋大のレベルの高さはよく知られているが、東海地域以外では知名度が低いかもしれない。保護者にしたら、名大に入り、地域の会社に勤め、親元に近いところで生活してくれるのが一番だ、という気持ちがあるかもしれないが、いろんな地域で活躍してくれる人が出てほしいと思う。地域のDNAを引き継ぐ大学だというところを大事にすると同時に、日本全体、世界に冠たる大学になるべく努めていく」     ◇ 【大学の近年の主な動き】 01年12月 野依良治教授がノーベル化学賞受賞 04年4月  環境調和社会に向けた学際研究拠点のエコトピア科学研究機構(現エコトピア科学研究所)を設置 05年11月 海外初の上海事務所を開設 08年10月 卒業生の益川敏英さん、小林誠さんがノーベル物理学賞、元助教授の下村脩さんが同化学賞受賞 09年    創立70周年     ◇ 〈プロフィール〉愛知県出身。セラミックス研究の専門家。名古屋大院修了後、東京工業大助教授などを経て、83年に名古屋大教授。同大工学部長から、04年4月、12代総長に。趣味はアマチュア無線。66歳。 "[he-forum 13820] 毎日新聞岡山12/1 毎日新聞岡山版2008年12月1日付 岡山大大学院:高度な助産師育成、医師の負担軽減 来年4月から年15回講習  産科医療の崩壊を食い止めるため、岡山大大学院保健学研究科が来年4月、助産師、看護師を対象に知識・技術向上のための講座を開講する。通常出産での産科医の役割を軽減させ、ハイリスクの妊婦に集中させる。  同研究科の中塚幹也教授によると、医師と助産師には妊婦健診、超音波検査、分べんなどの共通の仕事がある。現状では超音波検査などの技術がある助産師は少ないが、新生児蘇生技術などを身につければリスクの少ない出産で産科医の負担を減らせるという。  講習では、産科以外にも子育てや不妊症について学び、地域で子育てボランティアを立ち上げられるような人材の育成を目指す。  また、中塚教授によると、産科医療の現場では、医師同様に助産師も全国で約6700人不足しており、医療機関の約75%で定員割れが続いている。助産師は女性の資格のため出産を機に職場を離れている女性も多く、高度な能力を身につけて復帰すれば産科医療の充実を図れるという。  講習は年間15回を予定し、うち5回程度は通信教育として受講可能。定員は約20人。募集期間は15日~来年1月16日。問い合わせは同大鹿田キャンパス代表(086・223・7151)。【石川勝義】 "[he-forum 13821] 時事通信12/3 時事通信2008年12月3日17時52分 大学交付金の削減見直しを=自民が決議  自民党は3日、文教関係合同会議を開き、2009年度予算編成に関する決議を行った。大学の経費節減努力は「限界」として、国立大学運営費交付金の毎年度1%削減などを掲げた「骨太の方針2006」を見直し、大学関係予算を確保することを求めた。  同交付金は、国立大学法人化の04年度以降、約600億円が削減されている。決議は、人材育成と研究開発を担う大学への支援は中長期的な景気対策になるとして、「減額どころか増額すべきだ」と指摘。同交付金のほか、削減されている私学助成も合わせ、「最大限の予算確保を図る」ことを求めた。 "[he-forum 13822] 西日本新聞12/3 西日本新聞2008年12月3日付 大学運営費削減の撤回を 日教組、全大教が要請  日教組と全国大学高専教職員組合(全大教)は2日、2009年度予算の概算要求基準(シーリング)で国立大の運営費交付金などを3%削減する政府方針を撤回し、高等教育予算の拡充を求める要請書を文部科学省と財務省に提出した。  要請書は、08年度の運営費交付金は国立大が法人化した04年度に比べ計約600億円削減され「教育・研究の水準を維持することが困難になっている」と指摘。国内総生産(GDP)に占める高等教育への支出割合を05年時点の0・5%から、経済協力開発機構(OECD)諸国平均の1%程度に引き上げるよう求めた。  日教組に加盟する日本国公立大学高専教職員組合の芝池英樹書記長は、要請書提出後の集会で「各大学が厳しい状況にあるという問題点を社会に訴えたい」と述べた。 "[he-forum 13823] 十勝毎日新聞12/3 十勝毎日新聞2008年12月3日付 道東5大学が協定 来年度から教員免許更新制 講習共同開設へ8日調印 帯畜大、帯大谷短大は選択担当  来年4月導入の教員免許更新制で、帯広畜産大学(長澤秀行学長)と帯広大谷短期大学(中川皓三郎学長)などの道東5大学が教員向けの更新講習を共同開設する。3支庁にまたがる大学が広域的に連携し、共同体を作るのは道内でも先駆的な取り組み。帯畜大と帯大谷短大の地元2校では、教育研究成果を社会に役立てようと、「農業」「環境」「家庭」などの“得意分野”を生かした講習を模索している。  大学などが開設する更新講習については、複数の大学が存在する都市部では教員が受講場所を選択しやすいが、道東では根室管内に大学がないなど、支庁ごとに受講条件を整えるのは難しい。地理的にも他支庁と比べ広く、利便性の考慮も課題となっている。  このため、北海道教育大釧路校が道東5大学に対し、講座開設で協力しようと呼び掛け、釧路公立大学、釧路短期大学も加わり「共同体」(コンソーシアム)を形成することで合意。8日午後1時から帯広市内で協定に調印する。  講習は必修と選択の2領域に区分され、来年7月下旬から8月中旬に行う。教育政策の動向や学校内外との連携などを課題とする必修領域では教員養成を専門とする道教育大が中心となり担当。生徒指導や教科指導、教育充実をテーマとする選択領域で帯畜大と帯大谷短大が講座を設ける。  帯畜大は国立大唯一の獣医農畜産学単科大学でもあり、高校教員免許教科の「農業」「理科」に「環境」も加えた3分野で講習を検討。「総合的な学習にも役立つなど、本学の特色を生かし教員が興味を持てるよう工夫したい」(学務課)と説明する。帯大谷短大では中学の「家庭」「国語」を想定し、「教員になっている卒業生も多く、少しでも役立ちたい」(教務課)としている。講習は大学教員による対面講座のほか、帯畜大で道教育大釧路校の講習も受けられるようモニター授業を提供する。 (児玉匡史)  教員免許更新 必要な資質能力を持ってもらおうと、小・中学校、高校などの教員を対象に、10年ごとに30時間の更新講習を義務づけた全国一律の制度。受講・修了しなければ教員免許状が失効する。2007年6月の改正教育職員免許法成立で09年4月の導入が決定。来年、十勝では約340人の教員が講習対象となる。 "[he-forum 13824] しんぶん赤旗12/3 (2) しんぶん赤旗2008年12月3日付 宇宙基本計画「方向性」決定 軍事利用推進盛り込む  政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生太郎首相)は二日、国会内で会合を開き、宇宙基本計画の「基本的な方向性」を正式に了承しました。今後の日本の宇宙開発利用について、「安全保障」の名目で防衛省による軍事利用の推進を検討するなど五項目を掲げ、従来の「技術開発」から「利用」重視に転換するとしています。  同本部は今後、具体化を進め、来年五月を目標に宇宙基本計画を策定する予定です。  会合では、開発が暗礁に乗り上げているGXロケット計画について、本格的開発に着手するかどうかの判断を、二〇一〇年度概算要求までに先送りすることも決定しました。  GXロケットは、独自技術の開発と打ち上げビジネスへの民間支援を掲げて、官民共同で進めてきましたが、技術的見通し、需要や所要経費の見通しが得られず、検討が必要だとしました。今回、安全保障分野で使用する方向で、需要の見通しを得ることも決定しました。  麻生首相は会合の冒頭、宇宙開発を「官民一体となって戦略的にやっていきたい」とあいさつしました。 「基本的な方向性」5項目と主な内容 (1)国民生活の向上(資源探査、気象観測、災害監視など) (2)安全保障の強化(防衛省による宇宙利用、情報収集機能の拡充・強化、最先端技術の追求など) (3)宇宙外交の推進(災害時の衛星画像提供、リーダーシップ発揮など) (4)戦略的産業の育成(国内需要の顕在化、税制・金融上の措置、打ち上げ射場の整備など) (5)宇宙科学研究の推進(月・惑星探査、天文学・工学研究、有人宇宙活動など) "[he-forum 13825] 毎日新聞宮城12/4 毎日新聞宮城版2008年12月4日付 情報教育:ネット倫理教育に本腰 東北大で専門家育成 ◇全国初、来年度から大学院で 小中高カリキュラムも開発  インターネットを悪用した犯罪やいじめが社会問題化する中、東北大は全国で初めて、情報を活用する際の倫理を教える「情報教育」の専門家育成プログラムを始動させる。来年度から大学院に講座を新設し、専門家を育成するとともに、現役の教員と協力し小中高のすべての段階のカリキュラム開発に取り組む。東北大大学院情報科学研究科情報リテラシープログラムセンター代表の関本英太郎教授(メディア文化論)は「時代に求められたテーマ。有為な人材を育てたい」としている。【伊藤絵理子】  文部科学省の今年度の「大学院教育改革支援プログラム」に採択された。  関本教授らによると、これまで情報に関する教育はコンピューターの扱い方など技術的な分野に偏り、倫理や意義づけなどの教育はほとんどなかった。しかし、携帯電話やパソコンの進化で、有害情報が氾濫(はんらん)し、ネットいじめも深刻化。こうした課題に対応するため、情報の活用に必要なスキルを教える「情報教育」の専門家育成に取り組むことを決めた。  同研究科に、「情報リテラシー教育専門職養成プログラム」として、▽教育現場でのカリキュラムを検討する「情報教育デザイン論」▽テレビや映画などを通し情報を批判的に読み解く「メディアリテラシー」▽世論調査の方法や特徴を学ぶ「調査データ解析」--などの講座を新設する。  来年度から最大で修士課程4人、博士課程2人を受け入れ、小中高のすべての段階で情報教育を指導する専門家として育成する。学生、教員、社会人など幅広く想定している。  また、実践的な場として現役の教員との交流・研修会や勉強会を開催。教育現場での在り方についても意見交換する。  同研究科は、プログラムに関する説明会を20日午後1時半、同研究科2階中講義室で開催する。問い合わせは同センター(電話022・795・3940)へ。 "[he-forum 13826] 山梨日日新聞12/4 山梨日日新聞2008年12月4日付 梨大と早大、学生相互受け入れへ 大学院連携で調印  山梨大と早稲田大は3日、連携大学院協定に基づく包括協定に調印した。山梨大の医学と早大の理工学を融合した生命科学分野の国際的研究者の育成を目指す。両大は共同教育プログラムを策定し、2010年度から互いに大学院生の受け入れを始める。  甲府富士屋ホテルで行った調印式には、山梨大の貫井英明学長や佐野太副学長、早稲田大の白井克彦総長や堀口健治副総長らが出席。貫井学長と白井総長が協定書に署名した。  貫井学長は「両大の足りない部分を補完し合って、医療現場を知っている科学者、生命科学を心得ている医師を育て、地域に成果を還元したい」と抱負を語った。  白井総長は「国立大と私立大が本格的に連携する事例は少ない。国際的な視野を持った研究者を育てたい」と話した。  両大は発達障害などを研究する「精神発達学」、花粉症などアレルギーの原因や治療法を研究する「感染免疫学」、「脳神経科学」の3分野で先端研究に取り組む。14年度には共同大学院の設置も計画している。 "[he-forum 13827] 産経新聞12/2 産経新聞2008年12月2日付 「10~20年後を視野に改革」 横浜国大の鈴木次期学長が抱負  横浜国立大の次期学長に就任予定の鈴木邦雄副学長(60)は1日、横浜市保土ケ谷区の同大で会見し、「10~20年後を視野に入れた努力・改革を主体的に進める」と抱負を述べた。  鈴木副学長は「(横国大は)18歳人口の減少、運営費の経費削減、教職員の負担増が顕著になっている」と現状を分析。その上で「意欲のある学生を一人でも多く受け入れ、質の高い教育研究を実践し、優れた卒業生・修了生を社会に送り出す」と、原点に立ち返って競争力を高めていく考えを語った。  鈴木副学長は仙台市出身で、専門分野は生態学と環境マネジメント。昭和45年に東北大理学部を卒業。横国大助手を経て57年に教授、平成13~15年に環境情報研究院長、18年から副学長。 "[he-forum 13828] 日刊工業新聞12/2 日刊工業新聞2008年12月2日付 京大、iPS細胞実用化を促進-国内外・産学問わず協力  京都大学は1日、ヒトiPS細胞(万能細胞)樹立から1年が経過したことを受け、iPS細胞研究センター(CiRA)長の山中伸弥教授らが会見し、研究の経過や今後の展望を語った。iPS細胞の1日でも早い実用化のためには「国内外、産学を問わず協力し、その上で日本、京大の知財を確保する。この順番を絶対に間違えてはいけない」(山中教授)と強調した。  この1年で京大と慶応義塾大学、東京大学、理化学研究所とのネットワーク構築やスーパー特区採択などオールジャパン体制の基盤が整った。08年9月にiPS細胞の作製に関する基本特許が成立し優位性を確保した。  知財体制については、山中研究室での研究報告段階から知財専門家が聞き、京大全体の会議を待たず、CiRAの判断で迅速に特許出願できる体制を整えた。  08年10月には、カナダのトロント大学とCiRAが協定を締結している。今後も早期の実用化につながるのであれば、国際連携や、研究者間での未発表データの交換などを進める考えを示した。 "[he-forum 13829] 12/3しんぶん赤旗 国立大交付金の削減反対 全大教・日教組が国会要請   全国大学高専教職員組合(全大教)と日本教職員組合(日教組)は 二日、政府が来年度予算で国立大学・高専などの運営費交付金を3%削 減することに反対し、高等教育予算の拡充を求める国会要請をしました。  日本共産党は石井郁子衆院議員が要請をうけ、高木正見・全大教委員 長らと懇談。高木氏は、「国立大学などでは、これまでの運営費交付金 の削減によって基礎的な研究費が大幅に削減され、教員ポストも減少し た。大学院生などが研究者の道をあきらめる状況さえあり、学問の発展 を阻害する大変な事態だ」とのべ、深刻な現状打開へ支援を求めました。 石井議員は、「大学問題をふくめ、自民党政治による構造改革が生んだ 深刻なひずみを正そうという動きがいたるところでおきている。そのた めの財源は、政治のあり方を変えれば十分ある。当面、来年度予算にむ けて頑張りたい」と答え、運動を激励しました。  要請行動の後に行われた全国集会には約百三十人が参加。集会に日本 共産党の志位和夫委員長が連帯メッセージを送りました。 (「しんぶん赤旗」2008年12月3日付) "[he-forum 13830] 毎日新聞愛媛12/4 毎日新聞愛媛版2008年12月4日付 愛媛大:次期学長に柳沢氏 同大理事、候補に選出  任期満了に伴う愛媛大の学長選が3日行われ、同大学理事で教育・学生支援機構長を務める柳沢康信・理学部教授(60)=行動生態学=が次期学長候補に選ばれた。文部科学大臣の任命を経て来年4月1日に学長就任予定。任期は3年。  柳沢理事は3日夕、松山市の同大学本部で記者会見。同大学が法人化後、次代を担う若い世代を育てる教育機関の原点に戻り、さまざまな先進的取り組みを行うと共に世界的レベルの研究センターを作ってきたとして、これら小松正幸・現学長の路線を「基本的に継承する」と表明した。その上で「まだ多くが初期段階にあり、さらに実質化して発展を目指したい」と決意を語った。専門の行動生態学では、宇和海などにスキューバダイビングをして魚の生態を観察。アフリカのタンガニーカ湖でも長期にわたり調査をした。  富山県射水市出身。70年に京大理学部動物学科卒。愛媛大理学部助手などを経て96年から同教授。05年から理事。【古谷秀綱】 "[he-forum 13831] 富山新聞12/5 富山新聞2008年12月5日付 富山大学長に西頭氏再選 投票で過半数 「改革を仕上げる」  富大の学長選考会議(議長・金岡祐一富山国際学園理事長)は四日、同大五福キャンパスで開かれ、西頭徳三学長が再選された。同会議では候補適任者三氏を面接した上で欠席者と議長を除く委員二十人が無記名投票を行い、西頭氏が過半数の十一票を獲得した。西頭氏は会見で「これまで取り組んできた大学改革を仕上げたい」と述べた。任期は二〇〇九年四月一日から二年間。  初めに、教職員を対象に行われた二度の意向投票ではいずれも、大学院理工学研究部(理学)の平井美朗理学部長、大学院医学薬学研究部(医学)の倉知正佳特任教授、西頭学長の得票順だったことが報告された。三氏が抱負を述べ、選考会議の委員との質疑応答が行われた。  選考会議では、意向投票の結果を尊重すべきだとする声と、会議の結論は別問題とする意見に分かれたため、金岡氏が「協議による候補者の絞り込みは困難」と判断、無記名投票を行った。この結果、西頭氏十一票、平井氏七票、倉知氏二票となり、西頭氏の再選が決まった。  西頭氏は「教養教育の統合、人文社会芸術系大学院(修士・博士課程)の創設などを今後も進めたい」と抱負を述べる一方、意向投票の結果を二期目の大学運営に生かすとした。  さいとう・とくそう 京大大学院修士課程修了、山口大、鳥取大などを経て1990年から愛媛大農学部教授、同学部長、評議員、副学長を歴任、2003年11月から高岡短大学長、05年10月から現職。専門は農業経済学。南砺市出身、富山市在住、70歳。 "[he-forum 13832] 時事通信12/5 時事通信2008年12月5日11時42分 国立大で新生児ICU増設=周産期医療強化、文科相が表明  妊婦の救急搬送が病院に拒否される事態が相次いだ問題を受け、塩谷立文部科学相は5日、大学病院での周産期医療を強化する計画を表明した。新生児集中治療室(NICU)の稼働率が9割を超えることなどから、NICUがない国立大9校の付属病院に、2012年度までに最低6床ずつ新設するなどの施設整備を進める。  塩谷文科相は「周産期医療の体制構築は喫緊の課題。特に少ない国立大病院の病床数を高めていきたい」と語った。高度な医療を習得できる場を増やし、産科・小児科医の技能を向上させる狙いもある。  大学病院(本院)のNICUや母体・胎児集中治療管理室、継続保育室の病床数は、医学部のある国立42校で平均11.4床。公立の16.0床、私立の29.8床を下回る。計画では、4年間で国立大の半数にこれらを最低20床ずつ確保する。  NICUなどには専任医師を常駐させる必要があるため、公私立大を含め、人材確保・養成も支援する方針だ。 "[he-forum 13833] 共同通信12/5 共同通信2008年12月5日11時22分 4年間で国立大全病院にNICU 文科省が整備計画  満床などを理由に、病院が妊婦の受け入れを相次ぎ拒否した問題を受け、文部科学省は5日、2009年度から4年間で、現在9つの国立大病院で新生児集中治療室(NICU)がない状況を解消し、全国立大病院の半数に当たる21病院では、周産期医療の関係病床数(国立大平均11・4床)を各20床に増やす整備計画を公表した。  文科省調査で、大学病院の関係病床数(分院を除く)が私立大の平均29・8床、公立大の平均16・0床に比べ、国立大が少ない実態が判明。文科省は若手医師育成の充実や産科・小児科の女性医師の復帰支援なども含め、地域の周産期医療の拠点として国立大病院の機能強化を目指す。  しかし、妊婦受け入れ拒否の要因とされているNICU不足は、厚生労働省研究班の調査で全国で約1000床に上るとされ、ほかの大学病院や国公私立の病院の整備も急務となっている。  計画では山形大、福井大、山梨大、佐賀大、長崎大などNICUがない9大学病院に最低各6床を設置。NICUと、母体・胎児集中治療室(MFICU)、継続保育室(GCU)を合わせた周産期医療の関係病床数を少なくとも21大学病院で各20床にする。  09年度予算で58億円を概算要求しており、今後、人材確保や施設の状況などをみて対象病院を決める。 "[he-forum 13834] 毎日新聞12/6 毎日新聞2008年12月6日付 法科大学院:9割が定員削減検討 19校は10年度から--全74校調査  文部科学省が10~11月に全国74法科大学院を対象に実施したヒアリングで、4分の1を超える19大学院が10年度入試(09年実施)からの定員削減を決めていることが分かった。また、このほか49大学院が定員の見直しについて「検討を始める」と回答。新司法試験の合格率低迷などを受け、多くの大学院が現状に危機感を抱いている実態が浮かんだ。  5日に開かれた中央教育審議会の法科大学院特別委員会で文科省が報告した。具体的な大学名や削減人数などは明らかにしなかったが、9割超の68大学院が何らかの対応を考えていることが判明した。「現状維持する」とした残る6大学院はすべて私立だった。  「検討を始める」と回答した大学院には、10年度入試からの削減を視野に入れているケースもあるが、「全体が(削減に向けて)動けば対応できるようにする」などの消極的な意見もあった。入学時の適性試験に新たに最低基準を設けるなどの改善策を進めるとした大学院も複数あった。  委員からは「大規模校も教員体制などを踏まえて適正定員を検討し、全体の音頭を取っていくことが必要」などの意見が出た。  特別委の中間まとめ(9月30日)では▽質の高い教員の確保が困難▽新司法試験の合格率が低い--などの場合に「大学院が自発的に定員を縮小する必要がある」と提言。文科省は中間まとめが示した方向性に基づいて、各大学院に対応を求めてきた。【加藤隆寛】 "[he-forum 13835] 北海道新聞12/7 北海道新聞2008年12月7日付 道内大学 研究費の不正防止に全力 教員に誓約書 行動規範策定  道内の大学で、教員による公的研究費の流用などを防ぐため、不正防止計画や規定を独自に策定する動きが広がっている。文部科学省などが二〇〇七年二月以降に公表したガイドラインに沿った形だが、各大学の熱心な取り組みの背景には、不正の発覚で公的研究費が減額されれば、学校の経営自体も苦境に追い込まれかねないという危機感があるようだ。  道教大が昨年十一月、策定した不正防止計画では《1》教員に公的研究費利用のルールを順守する誓約書を提出《2》学会のために出張する場合は学会の配布資料の添付-などを詳細に定めた。同大は「公金を研究に利用する以上、国民への説明責任があり、具体的に研究費の適正な執行を決めた」としている。  旭川医大は昨年十月に「学術研究にかかる行動規範」を策定。《1》費用の水増しや架空取引《2》研究・調査データの捏造(ねつぞう)、改ざん、盗用-などの禁止を明記。併せて不正行為防止対策委員会を発足させ、不正行為を内部調査し、厳正に処分するなどの態勢も整備した。  同大は「不正行為で公的研究費が減額や打ち切りになれば大きなマイナス。第一に不正防止に努めるが、仮に不正が起きても、きっちり内部調査する態勢を整えた」としている。  不正防止計画を既に策定した千歳科技大も「不正行為を行えば大学全体の研究や運営に影響が出る」と懸念。「不正防止への対応を毎年見直し改善させる」としている。  一方、北大は不正防止計画の策定に向け、今年一月、全教職員を対象にアンケートを実施したが、策定のめどは立っていない。  早稲田大教授が公的研究費約千五百万円を私的流用した問題が〇六年に発覚。その後も公的研究費の不正使用が相次いだことから、文科省、経済産業省などはガイドラインや指針を策定し、全国の大学に不正防止の態勢づくりなどを求めている。 "[he-forum 13836] 産経新聞12/6 産経新聞2008年12月6日付 重い教育費 大学4年間で約700万円 高校からは1000万円超  大学4年間でかかる教育費が、子供1人当たり平均約700万円にのぼることが5日、教育ローン利用者を対象にした日本政策金融公庫の調査で分かった。高校からの出費を加えると、私立大学生では総額1000万円を超えており、教育費が家計を圧迫している実態が浮かんだ。  調査は、公庫の教育ローンを利用した約2800人から回答を得た。  大学の入学時にかかる費用は平均約95万円。また、授業料や通学費、教科書代などの教育費は、年間で平均約154万円かかっている。国公私立別では、私立大学が約159万円で、国公立大学の約104万円と50万円以上の差があった。  大学4年間の教育費の総額は平均約697万円。高校からの教育費を加えると、国公立大生は834万円にとどまったが、私立大生では、文系学部で1003万円、理系学部で1140万円と、ともに1000万円を超えた。  子供が下宿している場合、さらに仕送りが家計にのしかかる。年間の仕送り額は平均96万円で、1月当たりは8万円。年間100万円以上を仕送りしている世帯は45・5%を占めた。  教育費の捻出(ねんしゅつ)方法は、「教育費以外の支出を削る」が61%でトップで、「奨学金」が49%、「本人のアルバイト」が42%。節約している支出は「旅行・レジャー費」が62%で最も多かった。  公庫では「多少苦しくても、子供のために教育費を捻出する世帯が多く、低所得層ほど家計を圧迫する傾向が強い」と話している。 "[he-forum 13837] 毎日新聞愛媛12/5 毎日新聞愛媛版2008年12月5日付 地域医療学講座:県寄付で愛大医学部に新設へ へき地の医師育成  へき地など地域で活躍する医師を育成しようと、県と愛媛大は4日、来年1月から同大学医学部に県の寄付講座として「地域医療学講座」を新設する協定を結んだ。県は今年度に800万円、その後4年にわたり毎年度3200万円を寄付。主に人件費に充てられる。  同講座は、地域医療充実のため設けた入試枠「地域特別自己推薦」(10人)で入学する学生をはじめ、来年4月から全学年を対象に講義を行い、多様な病気を治療する「総合診療」や予防医学などの学習▽地域の診療所などを対象にした医療支援システムの研究などを進める。  また、へき地の公立病院などに「地域サテライトセンター」を数カ所設け実地研修や研究の拠点とする。当面は来年4月、西予市立野村病院内に最初のセンターを開く予定。講座の教員は3人で、うち2人がサテライトセンターで活動する。【古谷秀綱】 "[he-forum 13838] 共同通信12/2 共同通信2008年12月2日17時29分 大学運営費削減の撤回を 日教組、全大教が要請  日教組と全国大学高専教職員組合(全大教)は2日、2009年度予算の概算要求基準(シーリング)で国立大の運営費交付金などを3%削減する政府方針を撤回し、高等教育予算の拡充を求める要請書を文部科学省と財務省に提出した。  要請書は、08年度の運営費交付金は国立大が法人化した04年度に比べ計約600億円削減され「教育・研究の水準を維持することが困難になっている」と指摘。国内総生産(GDP)に占める高等教育への支出割合を05年時点の0・5%から、経済協力開発機構(OECD)諸国平均の1%程度に引き上げるよう求めた。  日教組に加盟する日本国公立大学高専教職員組合の芝池英樹書記長は、要請書提出後の集会で「各大学が厳しい状況にあるという問題点を社会に訴えたい」と述べた。 "[he-forum 13839] 朝日新聞12/8 朝日新聞2008年12月8日付 大学の火山観測、富士山・桜島など16は強化 8つ撤退  文部科学省は大学が観測している全国の33火山のうち、活動が盛んな16火山で観測研究を強化する一方、8火山で観測から撤退する体制見直し案をまとめた。大学の火山観測研究は、予算と人材の不足で観測網の維持が難しくなっており、思い切った「選択と集中」を図る。  見直し案では、活動が盛んな桜島、有珠山、三宅島などや、潜在的な爆発力が大きい富士山など計16火山を研究価値が高い火山と位置づけ、5年程度かけて地震計や傾斜計などの観測機器を増やす。  一方、それら以外で気象庁が重複観測している8火山からは順次撤退する。残りの9火山は当面観測を維持する。近く科学技術・学術審議会の火山部会に見直し案を示す。  大学は噴火予知やメカニズムなどの研究に集中し、活動監視や警報発令を担う気象庁との役割分担もはっきりさせる。大学と気象庁の観測データの共有化も進める方針だ。  火山を観測しているのは全国で10大学、研究者は計40人程度。現在の観測体制を維持するには人材不足のうえ、国立大法人化で観測費用も確保しづらくなり、抜本的見直しが避けられなくなっていた。  日本は世界有数の火山国で、活火山は北方領土、海底火山、無人島を含めて108ある。気象庁はそのうちの34火山を連続監視している。(安田朋起) "[he-forum 13840] 毎日新聞12/8 毎日新聞2008年12月8日付 新教育の森:増えるAO入試…大学側も必要な熱意 目標と意欲見極め学生伸ばす工夫を  小論文や面接によるAO入試を行う大学が増えている。意欲の高いユニークな人材を取る目的で導入されたが、学力不足も叫ばれる。優秀な生徒を見極め、育てるには、大学側の相当の工夫が必要なようだ。【山本紀子】  ◆私大入学者の9.6%  「メキシコで貧しい子どものための学校を造りたい」。メキシコに留学した高校生はそんな夢を語り、慶応大のAO入試に合格した。東京都内の女子高生は「人の心を癒やす建築物が造りたい」と、早稲田大創造理工学部の建築学科を目指す。  AO入試では、具体的な目標を持つことが求められる。  「そんなこと、ホントにできるの?」。面接では数人の教授が厳しい質問を次々投げかける。受験者同士のグループディスカッションを課す大学もあり、コミュニケーション能力や意欲がはかりにかけられる。  文部科学省によると、08年度には国公私立の498大学がAO入試を実施し、合格者は4万7000人を超える。私大での普及が進み、私大入学者の9・6%がAO入試合格者だ。AO入試を行う大学が年々増えていることについて、文科省大学入試室は「学力だけを偏重せず、能力や意欲を多様な手段で見極め、学生の入学意図と共通の理解を持とうとする大学が増えているのではないか。入試は主に夏に行われるため、早い時期に学生を確保できるメリットもある」と話す。  ◇選考作業の労いとわず あふれるパワーに応える--導入第一号の慶大湘南藤沢キャンパス  慶大の湘南藤沢キャンパス(SFC)は90年度に日本で初めて、AO入試を導入した。  「一人一人を丁寧に見る入試が実現できる。合格者はエネルギーに満ちていて、入学後にすぐ走り出すことができる」。SFCの阿川尚之総合政策学部長は評価する。  同学部は今春、1年生のモチベーションを高めるため、米大統領選の予備選挙を模した架空選挙を実施した。学生有志が「小沢」「福田」などの名前で立候補し、政策を掲げて支援者を集め票数を競った。立候補したのはほとんどがAO入試の合格者。「東国原」を名乗る男子学生は自腹を切って宮崎県庁を訪ね、地元の役人と地方活性化について話し込み、激しい「選挙活動」で10キロやせた末、当選を勝ち取ったという。  阿川学部長は「AO組のパワーは他学生や教員にも伝わる。キャンパスをただの秀才ばかりにしたくない。やる気と好奇心のある学生は面接での表現法が稚拙でも『何かやるかもしれない』と思わせる」と語る。  ◆入学後も高い成績  AO入試合格者の入学後の成績も、05年まで一貫して一般入試組より高い。一方でAO入試を支える教職員の負担は重い。2000字の入学志願書を読み込み、面接をこなし、人物評価を行うなど事務作業は膨大だ。慶大の98年度調査によると、出願者940人の書類審査と面接に計2282時間を費やした。1人2・4時間かかった計算だ。調査報告書は「ほしい学生を獲得する当然のコストだが、選考負担は教員にとって許容の限界に近い」と記す。  「手間ひまはかかるが、学生の質はもともと高い。AO入試を続け、AO入試で取った学生の面倒を見るのは『慎重に選んで植樹し、水をやって育てた若木が立派な大木となる』のを見守るような充実感かもしれない」。阿川学部長はそう結ぶ。  ◆学力不足で廃止も  一方で、「学力に難がみられる」と制度を見直す大学もある。筑波大は09年度入試から国際総合学類でのAO入試を廃止した。「学力がおぼつかない」として、AO入試合格者に通信教育を受けさせていた一橋大商学部も、09年度から中止を決めた。  九州大法学部は10年度から廃止する。毎年の追跡調査で当初は、AO入試の合格者が成績がよかったが、一般入試組が逆転したという。「特殊な力や意志を持つ人が入ってこなくなった。積極的な学生も一部いるが、大きな労力をかけてやる意味を見いだせなくなった」。直江真一法学部長は受験生の変化を強調した。  生徒の質の変化を嘆く声は他にもある。ある大学関係者は「小論文や面接の対策が塾や学校で充実したせいなのか、画一化された受験生が来るようになった」とこぼす。  ◆出願に一定成績課す  こうした中、中央教育審議会の大学分科会は今年1月、AO入試に「学力検査や大学入試センター試験を用いるべきだ」と提言した。学力志向は高まる一方で、センター試験を利用したり、高校時代に一定の成績だったことを出願条件とする大学も増えている。  東北大もその一つで、「学力重視のAO入試」を掲げる。合格者も年々増やし、00年度は全合格者のうちAO入試による者が8%だったが、08年度は17%(436人)にも達した。東北大高等教育開発推進センターの石井光夫教授は「追跡調査による入学後の成績は良好で、意欲やリーダーシップも高い評価が出ている。出願要件の成績基準が厳しすぎると嘆く高校もあるが、今の手法でよく機能していると思う」と話す。09年度からは最後に残っていた文学部も参入し、10学部全部がAO入試を行う。  慶大も05年度から、書類と面接だけのA方式に加え、高校時代の評定平均4・5以上を出願要件とするB方式をAO入試に加えている。  ◇キミのやる気は本物か--予備校は徹底指導  ◇容赦ない面接特訓、志願書作りに半年  「君、他の専攻を目指した方がいいんじゃないの」  推薦やAO入試に力を入れる予備校「早稲田塾」の講座。パワーポイントを手に作品を説明していた高3男子は「えっ」とうつむいた。建築や美術系の学科を目指す生徒のためのデッサン講座で、11月下旬、AO入試の本番を控えた面接特訓が行われた。講師や仲間が面接官となり、容赦ないせりふを連発する。「120の想定問答を作れ」と指示され準備はしているものの、返答に詰まって立ち往生も珍しくない。  東京都内の私立女子高3年生(18)は「自分を外にさらけ出さないタイプだったけれど、面接の練習で素直に出せるようになった」と話す。  早稲田塾のAO推薦入試担当、新城肇さんは言う。「入学志願書をチョコチョコと作文すれば受かると思われがちなAO入試だが、本気で挑まないと受からない。志望理由を深めるためには、少なくても出願の半年前から準備が必要。ネットリサーチしたり、中央省庁に直接取材に出向く子もいる」  早大政治経済学部と慶大法学部のAO入試に合格した女子生徒(18)は「夏いっぱい志願書作りに取り組んだ。一般入試の勉強もあって焦ったけれど、具体的な将来目標を描き、夢を具体化するために半年間頑張れたことは、自分の力になった」と振り返る。  AO入試はどうすれば成功するのか。AO入試に詳しい新城さんは、慶大SFCの制度を最も評価している。「成績をあまり重視せず、面接で人間の『エネルギー値』を見ている。入学後すぐに4年生や大学院生もいるゼミに飛び込ませ、やりたいことを追求させる。入学後のカリキュラムと入試制度が連動しているため、学生が一直線で伸びていく」。AO入試に懸ける大学側の思いが弱いと、入試が機能せず、志望者も減っていくという。 "[he-forum 13841] 共同通信12/8 共同通信2008年12月8日19時51分 研修医、278人が違法バイト 新制度開始から4年間で  医師免許取得後、各診療科で幅広い知識や診療方法を学ぶことを義務付けた現行の臨床研修制度が始まった2004年度から昨年度までの4年間に、研修先以外での当直など違法なアルバイトをしていた研修医が計278人に上ることが8日、厚生労働省の調査で分かった。  知人の医師やバイト先の医療機関から頼まれ、当直や採血などをしたケースが多いという。  同省は「免許があるとはいえ、経験が浅い研修医が研修先以外で診療行為をするのは危険がある。背景には医師不足問題などがある」としている。  厚労省によると、278人の研修先の医療機関は計61で、うち大学病院が16、大学病院以外の市中病院が45だった。聖マリアンナ医大病院(川崎市)で30人の違反があったほか、大阪大病院や神戸大病院、兵庫医大病院、大阪市立総合医療センターなどで確認された。  地域別にみると、最も多かったのは近畿地方の39病院の研修医161人。次いで関東信越(19病院、108人)、九州(1病院、5人)、北海道(1病院、3人)、東北(1病院、1人)だった。東海北陸や中国四国はゼロ。 "[he-forum 13842] 北海道新聞12/10 北海道新聞2008年12月10日付 室工大と企業、連携進む 共同・受託研究 昨年度7件増、123件  室蘭工大が二〇〇七年度に民間企業などと行った共同研究や受託研究は、前年度比七件増の百二十三件、研究費は同二千三百六十万円減の一億九千九百六十万円と、いずれも過去二番目の高水準だった。地域貢献を掲げ企業などとの連携を強める室工大の取り組みの順調さを裏付けている。(東野純也)  室工大地域共同研究開発センターがまとめた。共同研究は同二件増の九十一件、研究費は同八百四十万円増の一億一千五百三十万円。受託研究は同五件増の三十二件、同三千二百万円減の八千四百三十万円だった。  企業や公益法人、行政機関などからの受託研究は大口が前年に比べやや減ったが、共同研究は一件当たりの研究費も百二十七万円と前年を上回った。  室工大は、国立大の独立行政法人化などを機に、地方大学の特色を出そうと、企業や地域と連携を活発化させている。共同、受託研究の件数はこの七年で倍以上となり、企業などがかける研究費用も増加傾向にある。  同センター長の加賀寿教授は「繰り返し研究を持ちかける企業も多く、大学への期待は高まっている」と手応えを話す。実績が評価され、日本経済新聞社発表の全国大学の地域貢献度ランキングでは、昨年の一位に続き、今年も二位だった。  企業など向けに教員の研究を分かりやすくまとめた「シーズ集」に掲載する教員は、今年は二十二人増えて計九十人と、全教員の半数近くになった。加賀教授は「今後は研究を新規事業や商品開発につなげるなど、より企業ニーズに応えられるようにしたい」と話す。 "[he-forum 13843] 日刊工業新聞12/10 日刊工業新聞2008年12月10日付 NTT、北大と包括協定-産学連携、計10校に  NTTは9日、北海道大学と包括的な連携協定を結び、04年の国立大学法人化後から進めてきた産学連携の枠組み作りに一定の区切りをつけた。提携校は東京大学や京都大学などの旧帝国大に加え、早稲田大学、慶応義塾大学の有力私大を含めた計10校を数える。グローバル競争が過熱するなか、産学連携の組織力で研究開発や人材育成などを強化、成果のスピードアップと上積みを目指す。  北大との協定はNTTと、事業会社のNTT東日本が大学との連携に初めて加わる。情報通信やナノテクノロジー分野などの共同研究で合意。従来の研究者単位の協業から、組織的な研究プロジェクトに発展させ、人材の適正配置や異分野融合研究を進める狙いだ。これに合わせ「連携プログラム協議会」を設置し、1年ごとに進ちょくを確認するほか、新規テーマの発掘を積極的に行う。 "[he-forum 13844] 北海道新聞12/11 北海道新聞2008年12月11日付 北大が留学生に貸付金制度 円高直撃、経済面で支援  北大は十日、急激な円高や世界的な金融危機の影響で学生生活が苦しくなっている外国人留学生に対し、一時金貸付制度の創設など経済的支援を行うことを決めた。  貸付制度は、在籍期間が六カ月以上残っている私費留学生が対象。円高で仕送り額が目減りするなど一時的に困窮した場合、五万円を上限に、無利子、無担保で貸し付ける。返済期間は六カ月以内。  また、韓国のウォン安、インドネシアのルピア安が著しいため、両国の留学生に限って授業料納付期限を延長する特別措置も実施。来春の卒業・修了予定者を除き、本年度の後期分をまだ納めていない三十六人について、十月末だった期限を来年三月末まで延ばす。  北大の留学生は八十一カ国・地域の千二人で、うち私費留学生は六百五十二人。同大留学生交流室は「円高に伴う相談は、まだ寄せられてないが、生活への影響は大きいはずだ」とみており、支援策の周知徹底を図る。 "[he-forum 13845] 読売新聞多摩12/11 読売新聞東京多摩版2008年12月11日付 私費留学生に緊急奨学金 東京外大 円高対策で支給へ  東京外国語大(府中市)は10日、円高の影響で経済的に厳しい生活を送っている留学生のために、緊急支援として奨学金を支給すると発表した。30人に1人10万円ずつで、支給総額は300万円。円高対策で留学生を支援するのは全国的に珍しいという。  支給の対象は、円高の影響を強く受けている韓国やインドネシア、ネパールなど8か国が母国の私費留学生。対象となる留学生は118人おり、成績よりも経済的な事情を優先的に考慮する。支給枠は、学部生15人と大学院生15人。今年4月1日と10月31日の通貨を調べた結果、円に対する韓国・ウォンの価値が約25%下がっており、その他の対象となる国でも2割近く落ちていたという。  「家賃が支払えなくなった」などの相談が寄せられたこともあり、同大は対策に乗り出した。奨学金の財源には、同大の同窓生らの募金で作る同大百周年記念教育研究振興基金を充て、来年3月までに支給する。同大広報課は「今後の経済情勢を見て、必要であれば更に対策を検討したい」と話している。 "[he-forum 13846] 下野新聞12/10 下野新聞2008年12月10日付 宇大次期学長に進村武男氏  宇都宮大学学長選考会議(春日正男議長)は九日、来年三月末の任期満了に伴う次期学長候補者として、同大工学研究科長の進村武男氏(65)を選考した。文部科学大臣の任命で正式決定する。任期は来年四月一日から三年間。  今回の選考では当初、四人が公示された。同大職員による第一次意向調査(投票)などで絞られた三人を対象に八日、同大幹部職員による第二次、第三次意向調査が行われ、いずれも進村氏が最多票を得た。意向調査や面接などの結果に基づき、同会議が最終決定した。  記者会見した進村氏は「『地域に信頼される大学』を大きな柱にしたい」と抱負を述べた。少子化、交付金削減など大学を取り巻く環境が厳しさを増す中、学部横断による大規模プロジェクトで特色を出す方針という。  進村氏は金沢大学大学院工学研究科・修士課程修了。精密加工、磁気援用加工が専門。二〇〇七年四月から、宇都宮大工学部長を務める。 "[he-forum 13847] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に!40号(12/11)] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に!40号(12/11) Date: Thu, 11 Dec 2008 02:34:32 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org To: NQJ35480@nifty.com ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 40号 2008年12月11日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 総選挙の日程がどんどん先送りされています。この国に民主主義は あるのだろうか、と思います。  権力の座にしがみつくのに都合のよい時にしか選挙を行わない、 というのはどこの国でも独裁政権がやることです。人々の支持のえ られない独裁者にとって共謀罪は喉から手が出るほど欲しい法律に 違いありません。  共謀罪を廃案にする熱い冬にしましょう。たぶん、今年最後のメ ルマガです。来年をよい年にしましょう。 ────────────────────────────── 40号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  12/17 アメリカの共謀罪と三浦さん逮捕・死亡事件を考える  1/15 イギリスの共謀罪を考える ■国会情勢  直ちに衆議院選挙の実施を! ■集会報告  11/20「在留カード」導入案に待った! 院内集会 ■共謀罪シリーズ(第2回)  アメリカの共謀罪と東京裁判 ■市民連からのお知らせ (再掲)2008年5月制作の最新パンフレット『共謀罪×盗聴法』  市民連ウエッブから(リンク集):   共謀罪反対の基本を知るために  2008年発行メルマガバックナンバー一覧 ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆12/17 院内学習会━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  アメリカの共謀罪と三浦さん逮捕・死亡事件を考える  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 12月17日(水)13時~15時 ところ 衆議院第2議員会館第3会議室 ○東京メトロ有楽町線南北線永田町駅・千代田線丸の内線国会議事  堂前駅 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm  | 「誰が三浦さんを死に追い込んだのか」「ロス疑惑事件  | とは何か」「三浦さん逮捕を可能にしたアメリカの共謀  | 罪とは何か」を考える院内学習会をひらきます。  | 講師に「ロス疑惑事件」に詳しいジャーナリストの山口  | 正紀さんをお招きします。ぜひご参加ください。 ◇お話  三浦和義さんを殺した『ロス疑惑』報道   山口正紀さん(ジャーナリスト)  アメリカの共謀罪   法律学者(交渉中) ◇主催 盗聴法に反対する市民連絡会 ◇連絡先 日本消費者連盟 Tel.03-5155-4765  ネットワーク反監視プロジェクト Tel.070-5553-5495 ◆1/15 学習会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  イギリスの共謀罪を考える  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 1月15日(木)18時30分~21時 ところ 東京・渋谷区勤労福祉会館第2洋室 ○東京・山手線渋谷駅徒歩5分 http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kinro.html ◇お話 「イギリスの共謀罪とその適用実態」      山口響さん(ピープルズ・プラン研究所) *詳細は次号に掲載します。 ◇参加費 500円 ◇主催 盗聴法に反対する市民連絡会 ◇連絡先  日本消費者連盟 Tel.03-5155-4765  ネットワーク反監視プロジェクト Tel.070-5553-5495 ────────────────────────────── ■国会情勢■ ────────────────────────────── ◆崖っぷちの麻生政権━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  直ちに衆議院選挙の実施を!  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  いまや麻生政権は、崖っぷちにあるといっても過言ではありませ ん。  ついに政権を支える石原幹事長代理は、5日講演で「国民の6割、 7割が一度民主党にやらせてもいいかなと思っている。選挙はいば らの道になる。自民党もがけっぷちだが、麻生政権もがけっぷち」 (東京新聞)と話すほど、政権の危機は深まっています。  衆議院選挙での敗北を恐れる自民党は、その危機の深さの前にお それおののき、なんの展望もないにもかかわらず、ただ選挙の引き 延ばしに躍起となっています。国会の会期は12月25日まで延長とな りましたが、これから来年1月の過程は、来年9月の衆議院議員の任 期切れをひかえ、与野党対決の激化は不可避です。、  麻生政権の悪あがきを許さず、次の衆議院選挙で野党の勝利を実 現しましょう。 ◇共謀罪の最後的な廃案までもう一歩 ─────  衆議院法務委員会は、11月18日の国籍法の一部改正法案の採決以 来、開かれていません。開かれるかどうかは未定です。  私たち市民の共謀罪廃案・反対運動は、共謀罪の最後的な廃案ま でもう一歩のところにきたということができます。  今国会での採決はもはやありません。次の通常国会でも共謀罪の 成立を阻止すれば、共謀罪廃案に大きく近づきます。  次の衆議院選挙で与党は、3分の2の議席を確保できないどころか、 過半数の維持すら難しく、共謀罪の成立は絶望的といってもよいで しょう。  2003年の共謀罪新設法案の提出から5年、私たちの共謀罪反対運 動はついに共謀罪の廃案を射程距離にとらえました。  市民の自由な活動にとって、言論・思想を規制する共謀罪は百害 あって一利なしです。  気を引き締め、共謀罪新設反対・廃案の運動を進めましょう。 ────────────────────────────── ■集会報告■ ────────────────────────────── ◆11・20 院内集会━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  2009年入管法改悪・「在留カード」導入案に待った!  院内集会  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  日本版US-VISIT 開始から1年となる2008年11月20日、衆議院第2 議員会館で、来年度からの入管法改定、在留カード・外国人台帳制 度導入案に反対する院内集会が80人を集めて行われました。  集会では、指紋押捺制度廃止運動から日本版US-VISIT導入までの 動きや、来年から予定されている入管法改定等の解説、その問題点 などについて、在日外国人、団体職員、医師等、様々な立場の方々 から多様な問題提起や批判が行われました。 ◇住民としての「外国人」という認識  佐藤信行さん(在日韓国人問題研究所)は、指紋押捺制度廃止運 動の最大の成果は、制度の廃止だけではなく、在日外国人を政府・ 自治体に住民として認識させるきっかけとなったことであると指摘 しました。  また、現在まで続く各種運動により獲得した権利(日本版 US-VISITに対しては高校生への指紋採取を制度から除外させた)を 手放すべきではないと主張しました。 ◇「在留カード」制度と「外国人台帳」制度  旗手明さん(自由人権協会)は、来年度の入管法改定により自治 体による「外国人登録証」が廃止されて「在留カード」が導入され、 さらに「外国人台帳制度」が新設されることの問題点を指摘しまし た。  現行制度では、出入国等の情報については法務省、入国後は、居 住情報を中心に「外国人登録制度」により自治体が管理するという 2元的管理でしたが、改定後は入国後の外国人の職場、生活等の個 人情報を警察を含む各省庁が職場等から情報提供させてそれらを法 務省が一元管理することになります。  つまり、外国人にとって会社や職場が入管・警察等の出先機関と なり、行動を逐一、監視・チェックされることになります。しか も、このカードは罰則を伴う常時携帯、及び提示義務があり、これ らは自由権規約に違反していると、国連から批判されています。 ◇非正規滞在者の排除  さらに「外国人台帳制度」により、オーバーステイなどの非正規 滞在者や難民申請中の外国人が排除されることで、現行制度では一 定範囲の行政サービスを受けられる非正規滞在者等が既存のサービ スを受けられないことになります。これでは、日本を支えている多 くの非正規滞在外国人が医療すら受けられずに国外に出て行かざる 得なくなるのは明らかです。  このように問題だらけの入管法改悪、「在留カード」導入を是 非、阻止しようと決意がみなぎる集会でした。(市民連 宮田) ────────────────────────────── ■共謀罪シリーズ■ ────────────────────────────── ◆#02 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  アメリカの共謀罪と東京裁判  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇アメリカの共謀罪と東京裁判  今年2月の三浦さん逮捕事件で活用されたのはアメリカの共謀罪 でした。同罪が適用されたのは、三浦さん逮捕事件だけではありま せん。1945年8月のポツダム宣言の受諾に基づいておこなわれた東 京裁判にも適用されたのです。 ◇共謀罪、東京裁判に適用  東京裁判では東条ら28人のA級戦犯が「平和に対する罪」、「殺 人罪」、「通例の戦争犯罪及び人道に対する罪」とそれらの罪の共 謀容疑で起訴され、、7人に死刑、16人に終身刑等が言い渡されま した。この東京裁判にアメリカの共謀罪が適用されていました。  キーナン首席検事は東京裁判の冒頭陳述で   「本起訴状中に起訴されている第一の犯罪は共同謀議でありま   す。・・・・。合衆国連邦裁判所によって下されたる定義がこ   の犯罪の共通の概念に対する適当な表現として受け入れて支障   なかろう」 と東京裁判への共謀罪の適用の正当性を述べ、アメリカの共謀罪に 関する判例を紹介しています。 ◇何が問われたのか。  起訴状、冒頭陳述では、日本の指導的地位にあった被告たちが、 1928年1月1日から1945年9月2日までの間、つまり田中義一内閣のと きから1945年ミズりー艦上での無条件降伏文書調印までの間、アジ ア、世界支配の野望をいだき、一つの共同計画をつくりあげ、一個 又は数個の侵略戦争を遂行しようとする継続的共同謀議をおこなっ てきたと断罪しています。  日本が、大きくはアジア、太平洋侵略、支配への道を突き進んだ ことは疑いありません。しかし、これを一つの共同計画でくくり、 継続的な共同謀議のもとおしすすめてきたというのには無理があり ます。日本の侵略は支配層内の内外政策をめぐる軋轢・対立、複雑 な対外関係などのなかで、進んだのであり、継続的共同謀議による 支配層の一致のもと進められたわけではではありません。  確かに継続的な共同謀議による一つの共同計画の遂行とすれば、 当時の日本の指導層を共謀の名の下に次々にくくり、責任を問うこ とは簡単です。しかし、それは、あまりにも無謀です。 ◇アメリカの共謀罪の危険性  そもそも東京裁判という戦争犯罪を裁く裁判にアメリカの共謀罪 を適用したこと自体に問題があったのです。  一つ共同計画のもとに継続的な共同謀議がおこなわれたとくくれ ば、共謀が行われたとする1928年から45年の18年の間、当時の指導 層を次々に「一網打尽的」に逮捕し、処罰することができます。そ れでは、戦争責任の立証は、実に雑な、簡単なものとならざるをえ ないでしょう。  このように東京裁判からもアメリカの共謀罪がいかにその適用に あたって「伸縮自在」な危険極まりないものであるかは明らかです。 一度共謀罪がつくられれば、恐るべき言論・思想処罰法として「発 展」していくことになるでしょう。日本で共謀罪を絶対につくらせ てはなりません。 *アメリカの共謀罪について関心のある方は、今年出版された「共  謀罪とコンスピラシー」(小早川義則 成文堂 8400円)をご覧  ください。                  (角田富夫) ────────────────────────────── ■市民連からのお知らせ■ ──────────────────────────────  市民連発行のパンフレットや出版物です。ぜひ、この機会にお求 めください。 ◆好評発売中━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  2008年5月制作の最新パンフレット  『共謀罪×盗聴法』  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  「盗聴法」に反対する市民連は、共謀罪法案と盗聴法との関わり にこれまでも強い危惧を表明してきました。このたび、この両者に あらためて焦点をあてたパンフレットを発行しました。共謀罪の廃 案と盗聴法の廃止運動にぜひお役立てください。(申込方法は末尾 にあります) ◇もくじ  共謀罪 最新Q&A:海渡雄一  コラム   ウィルス作成罪とコンピューター監視法   三浦事件と共謀罪  共謀罪攻防ドキュメント  なぜ盗聴法に反対するのか  違法に成立させられた盗聴法  年々増え続ける盗聴捜査  共謀罪がつくられ、盗聴法と連動すると  憲法も裁判所も無視する   ブッシュ政権の盗聴・監視捜査体制 小倉利丸 ◇編集・発行  フォーラム平和・人権・環境  盗聴法(組対法)に反対する市民連絡会 ◇体裁  A5判48ページ ◇頒価  200円(送料別) ◇購読申込方法  (1) まず送料をご確認ください。    1~2冊 80円     ~5冊 160円    ○6冊以上は下記の電話などでお問い合わせください。     地域によって送料が変わる場合がありますい     Tel. 03-5155-4765(日本消費者連盟)     Fax. 03-5155-4767     E-mail office.j@nishoren.org  (2) 冊数の代金と送料を郵便振込でお支払いください    郵便振替 :00130-0-22957    加入者名:日本消費者連盟    *振替用紙の通信欄に      「共謀罪×盗聴法」パンフレット  ○○冊     とお書きください。 ◆市民連ウエッブから━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  共謀罪反対の基本を知るために  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇なぜ共謀罪に反対するのか  http://www.anti-tochoho.org/nkyz.html#nz ◇条約は必ずしも共謀罪の新設を求めてはいない  http://www.anti-tochoho.org/nkyz.html#jy ◇共謀罪と盗聴法が連動していた!  http://www.anti-tochoho.org/nkyz.html#tc ◇共謀罪 Q&A  http://www.anti-tochoho.org/kyz1/qaex.html ◇コンピュータ監視法案 Q&A  http://www.anti-tochoho.org/kyz1/qacs.html ◆共謀罪メルマガ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  2008年発行バックナンバー一覧  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  今年発行した31号以降のバックナンバーの目次です。 ◆39号 11/12────────────────────────  http://archive.mag2.com/0000207996/20081112104632000.html ───────────────────────────── ◇これから予定されているアクション  11/20 日本版US-VISIT開始1年院内集会 ◇国会情勢  追いつめられる麻生政権(その2) ◇共謀罪シリーズ(New!)  米国の共謀罪と三浦さん逮捕・死亡事件 ◇ニュース ◆38号 10/11────────────────────────  http://archive.mag2.com/0000207996/20081011105806000.html ───────────────────────────── ◇これから予定されているアクション  10/19 反住基ネット・オータムセッション ◇国会情勢  追いつめられる麻生政権 ◇集会報告  9/30 共謀罪に反対する市民と議員の院内集会 ◇ニュース ◆37号 9/11 ────────────────────────  http://archive.mag2.com/0000207996/20080911210844000.html ───────────────────────────── ◇これから予定されているアクション  9/20 Peace Day Tokyo 2008  9/30 共謀罪反対院内集会 ◇国会情勢  福田辞任と茶番の自民党総裁選劇 ◇ニュースほか  共謀罪特集記事(東京新聞)  アメリカでの「三浦事件」  「自民党一党劇場」の悪夢を終わらせるために(どこどこ日記) ◆36号 8/11 ────────────────────────  http://archive.mag2.com/0000207996/20080811153802000.html ───────────────────────────── ◇これから予定されているアクション  8/21 アメリカの共謀罪  8/30 グローバル社会でのテロと格差を考える (2)  9/20 Peace Day Tokyo 2008 ◇国会情勢  今こそ、自民党政治にノー!、共謀罪廃案!へ ◇声明  グリーンピース職員2名の逮捕・起訴に対する私たちの見解 ◇資料  G8司法・内務大臣会議記者会見 法務大臣発言 ◆35号 7/2─────────────────────────  http://archive.mag2.com/0000207996/20080702202838000.html  ───────────────────────────── ◇これから予定されているアクション  7/19 原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会  7/20 言論弾圧の水脈──横浜事件から立川反戦ビラ弾圧へ  7/21 緊急シンポ 非正規滞在(オーバーステイ)者  7/22 連続講座 監視と福祉のはざま:「外国人住民台帳」制度 ◇国会情勢 危機深まる福田政権 ◇共同声明 G8サミット市民団体共同声明 ◇パンフレット 『共謀罪×盗聴法』 ◇ニュース  G8司法・内務大臣会議の宣言文書  『法と民主主義』が「サミットと『テロ対策』」を特集  サミット人権監視弁護士ネットワークがグリーンピース・   ジャパン2名の逮捕で抗議声明  サミット人権監視弁護士ネットワークが入国規制で抗議声明 ◆34号 5/8─────────────────────────  http://archive.mag2.com/0000207996/20080508110342000.html  ───────────────────────────── ◇これから予定されているアクション  5/21 日弁連共謀罪に反対する院内集会 ◇国会情勢  急落する福田政権支持率 自民党政権、歴史的な崩壊過程へ ◇集会報告  4/23 二つの院内集会(盗聴法廃止、住基ネット廃止) ◇声明賛同のお願い  G8サミット、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する  市民団体共同声明 ◇パンフレット  市民連、共謀罪と盗聴法で新しいパンフレットを発行 ◇ニュース ◆33号 4/9─────────────────────────  http://archive.mag2.com/0000207996/20080409122810000.html  ───────────────────────────── ◇これから予定されているアクション  4/12 シンポジウム「G8サミットで拡大する監視社会」  4/23 盗聴法廃止法案の提出を求める院内集会  4/23 住基ネット廃止法案の提出を求める院内集会 ◆32号 2/24 ────────────────────────  http://archive.mag2.com/0000207996/20080224221332000.html  ───────────────────────────── ◇これから予定されているアクション  2/28共謀罪に反対する市民と議員の院内集会 ◇国会情勢  緊迫する国会、激化する与野党の攻防 ◇集会報告  1/23学習会報告 ◇レポート  国会への盗聴捜査報告の検討・まとめ(2000年~2006年) ◇ニュース ◆31号 1/18 ────────────────────────  http://archive.mag2.com/0000207996/20080118191730000.html  ───────────────────────────── ◇これから予定されているアクション  1/23 盗聴法学習会 ◇解説 盗聴法の廃止にむけて ◇国会情勢  インド洋派兵・給油新法の再議決に抗議する ◇集会・活動報告  12/18 市民連学習会 「なぜG8サミットに反対するのか?」  12/19 共謀罪の新設に反対する市民と表現者の院内集会 ◇ニュース ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 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Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13848] 山陰中央新報12/11 山陰中央新報2008年12月11日付 島根県立大学長に本田雄一氏  島根県立大(浜田市野原町)の第二回理事長選考会議(議長・宇津徹男浜田市長)が十日、開かれ、二〇〇九年三月で任期満了となる宇野重昭理事長(78)に代わる、同年四月からの新しい理事長予定者に、島根大学学長の本田雄一氏(67)を選んだ。任期は二〇一三年三月末までの四年間。本田氏は法人化後の規定で学長を兼ねる。同氏は「高い就職率や大学院研究科統合などの、宇野理事長の運営方針を踏襲したい」と話した。  理事長候補として本田氏と、県立大キャリアセンター長の堀内好浩教授(67)が上がっていた。  選考会議は十一月末に続いて、県立大、県立大短大部、島根女子短大、県立看護短大それぞれにある四つの同会議が順次非公開で開催された。  会議終了後、会見した宇津議長は「大学の経営面での実績や、複数のキャンパスをまとめた実績などから四会議の総意として本田氏を選んだ」と説明。同席した宇野理事長は「大学管理者の経験があり、島根県を熟知。資質を満たす方だ」と話した。  本田学長は「責任の重さを痛感している。島根医大との統合などの経験を生かし、法人化後の新たな大学の在り方を模索、確立したい」と話した。  県立大事務局によると、任命権者の知事が十二月中に本田学長を新理事長に任命する予定。  本田学長は宮城県出身。東北大大学院農学研究科博士課程修了。島根大農学部助教授、同教授を経て〇三年四月に島根大の学長になり現在二期目、任期は来年三月末まで。専門は植物病理学。 "[he-forum 13849] 新潟日報12/14 新潟日報2008年12月14日付 大学の社会貢献の在り方探る  大学の社会貢献の在り方を探ろうと、新潟大は13日、フォーラム「足元からの社会連携」を新潟市西区の同大五十嵐キャンパスで開いた。学生や教職員、地元住民ら約100人を前に、地域で活動する学生サークルや市民団体など12組がそれぞれの取り組みについて報告した。  フォーラムは、地域の意見を大学の社会貢献に反映させるのが狙い。ことしで4回を重ねた。  活動報告では、学生らが地元の夏祭りに参加した様子や、学生や地域住民を対象にしたホームページが紹介された。  同大社会連携研究センターは、前回フォーラムで住民から提案のあった「菜の花プロジェクト」に着手したことを発表。耕作放棄地で菜の花を育てて菜種油を食用に使い、廃油を燃料にする事業で、同センターの松原幸夫教授は「各地で取り組んでいるが、赤字のところが多い。黒字になる事業展開を考えたい」と意気込んだ。  続いて、学生や住民らが「あったらいいなこんなまち やったらいいなこんなこと」をテーマに意見交換を行った。  報告を聞いた新潟市中央区の主婦神田愛子さん(60)は「若い人が地域の中でいろんな活動をしているのを初めて知った。交流の機会が多くて新潟大の近くの人がうらやましい」と話していた。 "[he-forum 13850] 東京新聞12/16 東京新聞2008年12月16日付 産学連携で成果に期待 DOWAホールディングス、群大と包括協定調印  群馬大学とDOWAホールディングス(東京都千代田区)は十五日、研究開発や人材育成などで産学の連携を図ろうと、太田市役所で包括協定に調印した。同社の吉川広和会長は「共同研究や人材交流、相互に施設の有効利用が進み、成果が上がることを期待している」と話した。  同社は非鉄金属の精錬・加工事業を主とするグループの持ち株会社。今年五月に子会社が太田市内で熱処理事業の新工場を操業。群馬大工学部が同じ分野の研究をしていることなどから、同市と太田商工会議所の仲介で協力が決まった。  同大大学院に来年四月から、同社の資金提供を受けて「寄付講座」を開設。博士号を持つ社員が講師として派遣される。同社傘下の埼玉県本庄市にある研究施設の利用なども検討している。  同大学院の宝田恭之工学研究科長は「工学は理論だけでは面白くない。応用面について一緒にやっていけるのは非常にありがたい」と話していた。 (川口晋介) "[he-forum 13851] 中日新聞12/16 中日新聞2008年12月16日付 金大、北陸先端大 共同研究の成果報告 院生、教員ら70人交流  金沢大(金沢市)と北陸先端科学技術大学院大(能美市)の「第八回研究交流会」が十五日、北陸先端大であり、両大学の大学院生や教員ら約七十人が共同研究の成果などについて理解を深めた。  北陸先端大の若手研究者人材養成プログラム「キャリア目標に応じた人材養成の戦略的展開」から、金沢大の女性研究者支援プログラム「やる気に応えます金沢大学女性研究者支援」について、両大学の教授がそれぞれ説明した。両プログラムは、本年度文部科学省の科学技術振興調整費の採択を受けた。  この後、二〇〇七年度に両大学が進めた共同研究八テーマのうち、二テーマの教育研究活動が報告された。  両大学は〇三年に教育研究の連携支援協定を結び、共同研究にあたる一グループに、年間二十万円を補助している。交流会は互いの研究をさらに発展させようと、毎年持ち回りで開催している。 (田嶋豊) "[he-forum 13852] 秋田魁新報12/16 秋田魁新報2008年12月16日付 秋田大が学生支援策 経済悪化を受け授業料など貸与  秋田大学は、国内外の経済状況の悪化を受けて、経済的に困窮する学生に生活資金や授業料などを無利子で貸与する「緊急支援策」を年内にスタートさせる。同大と取引のある業者に対しても、支払い事務の迅速化を進めるなどして資金調達に役立ててもらう。吉村昇学長らが15日、県庁で会見を開き、明らかにした。  今回の支援は、日本学生支援機構の奨学金や銀行ローンなどを利用できない学生(留学生、大学院生を含む)が対象で、卒業3年以内に全額返済することが条件。書類審査や面接を経て、1回の申請で10万円を上限に資金貸与する。  また、9月に行われた同大大学院の試験に合格し、来春入学する学生の中で、保護者のリストラや倒産などのため、入学金が支払えなかったり、授業料を納入できない学生には、相当額を特別支援金として貸与する。吉村学長は緊急支援策について「経済情勢が悪化し、学生の困窮が深刻化する中で、大学として黙って見過ごすわけにはいかない」としている。 "[he-forum 13853] 日本経済新聞12/16 日本経済新聞2008年12月16日付 大学の火山観測への国の支援、16カ所に絞る 09年度から文科省  文部科学省は15日、全国33カ所で実施している大学の火山観測に対する国の支援を、来年度から阿蘇山など16の火山に絞り込む方針を決めた。大学の火山観測体制が予算や人材の不足で維持が厳しくなったためで、残り17の火山の一部では観測から撤退する可能性がある。  活動が活発であるか、活動性は低くても潜在的な爆発力が大きい火山に観測・研究の重点を置き、施設更新や観測機器の整備を進める。特に阿蘇山と霧島山では施設の老朽化で研究に支障が出る恐れがあり、防災科学技術研究所などを通じた早急な支援を盛り込んだ。  国内には108の活火山があり気象庁では警報発令を目的に約30の火山を連続観測している。文科省は、運営費交付金の削減などで苦境にある大学の研究を下支えするため、今後は気象庁との観測データ共有も進める。 "[he-forum 13854] 共同通信12/16 共同通信2008年12月16日11時55分 文科省、就職問題で緊急会合へ 相次ぐ内定取り消し受け  新卒者の就職内定取り消しが相次いでいることを受け、塩谷立文部科学相は16日の閣議後会見で、大学や短大、高等専門学校の関係団体などで構成する就職問題懇談会を19日に緊急開催し、学生へのきめ細かな就職支援を要請する考えを示した。  企業には内定を取り消さないよう求めるとともに、各大学などに対し、年末年始も対応窓口を開いて、学生と連絡が取れるような態勢を整えることや、学校が持つ求人情報をより丁寧に学生に提供することなどを話し合う。  年明けには、専修学校や高校の関係団体も同様の会合を開く予定。  塩谷文科相は15日、日本経団連など経済関係の4団体に、内定取り消しの防止などを要請する文書を送っている。 "[he-forum 13855] 時事通信12/15 時事通信2008年12月15日18時8分 国立大の火山観測支援=16カ所重点、防災科研など-文科省は予算増  国立大学が主に担当してきた火山観測体制が、予算・人材難で維持が難しくなっている所があるため、文部科学省の科学技術・学術審議会測地学分科会火山部会は15日、活発に活動していたり、潜在的な爆発力が高かったりする熊本・阿蘇山など16火山を重点的な研究対象とし、防災科学技術研究所などが支援する方針を決めた。  同省の火山観測関連予算(大学分を除く)は約2億円だが、来年度は数倍に増やすことを目指している。 "[he-forum 13856] 定員外職員、パート職員の再雇用または定年延長について(情報のお願い) 定員外職員、パート職員の再雇用または定年延長に関する情報提供のお願い 全大教単組の皆様、 日頃の取組み御苦労様です。高エネ機構職組の書記長の中村です。 高エネ機構では、法人化前から継続して雇用されている定員外職員(フルタイム・年 俸制)とパートタイム職員(1日6時間勤務・時給制)に対して、一般事務職員と同じ 60歳定年の定めをしています。しかし一般事務職員には年金受給年齢までの再雇用制 度があるのに対して、定員外職員・パートタイム職員には再雇用制度がありません。 現在継続的に雇用されている定員外職員・パートタイム職員の方の定年年齢が間近に なりつつあり、高エネ機構職組としては緊急に再雇用制度の導入もしくは定年延長を 要求する準備を進めています。 皆様の大学法人等で、これらの職種に対応する方について、すでに年金支給年齢まで の再雇用制度もしくは定年延長が実現していましたら、その規程の具体的な内容につ いてぜひ教えていただけないでしょうか。我々が労使協議を行ううえで、極めて重要 な資料となります。よろしくお願いいたします。 追記 1.先日の熱海での労働セミナーで、山口大学と大阪教育大学の方から、定員外職員 の再雇用が実現しているという情報をすでにいただいています。 2.先日、最寄の土浦労基署および職業安定所に標記の件についてご相談したとこ ろ、「正規職員と同様に継続的に雇用されているのであれば、当然、再雇用制度が整 備されているべきである」との回答をいただきました。これも重要な資料です。 高エネルギー加速器研究機構職員組合 書記長 中村 一 Hajime.nakamura@kek.jp "[he-forum 13857] Re: [he-forum 13856] 定員外職員、パート職員の再雇用または定 高エネルギー加速器研究機構職員組合 書記長 中村様  東北大学職員組合です。  東北大では、1980年7月以前採用の准職員(旧日々雇用 職員)については、「准職員就業規則附則4」および「昭 和55年7月以前採用准職員についての取扱い(改正高年齢 者雇用安定法対応)」によっています。  時間雇用職員については、定年、雇用上限年齢という ものを設けているわけではないので、高年齢者雇用安定 法違反の問題はないということです。  以下、当時の理事発言および規則等をご参照下さい。 ************************************************* 1.「2006年2月23日団体交渉での人事担当理事発言」 http://tohokudai-kumiai.org/docs06/dkh060223.html 「昭和55年7月以前採用准職員については、雇用上限年齢 を段階的に引上げていくとともに、給与水準については、 正規職員の取扱いや算定方法を踏まえて設定する。時間 雇用職員については、前回も説明したが、就業規則上、 雇用上限年齢を設定していないので、法人化以前に採用 された人が年齢を理由に雇止めされることはない。」 ************************************************* 2.「国立大学法人東北大学准職員就業規則」 http://www.bureau.tohoku.ac.jp/kitei-etsuran/reiki_honbun/ au10104391.html (雇用上限年齢) 第7条 准職員の雇用の上限年齢は、満60歳とする。 ただし、庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる 業務に従事する職員については満63歳とする。 附 則 4 55年7月以前任用職員に係る第7条第1項の規定の 適用については、同項中「満60歳」とあるのは、次 の表の左欄に掲げる当該55年7月以前任用職員の生年 月日の区分に応じそれぞれ同表の右欄に掲げる字句 とする。  55年7月以前任用職員の生年月日     字句  昭和21年4月2日から昭和22年4月1日まで  満63歳  昭和22年4月2日から昭和24年4月1日まで  満64歳  昭和24年4月2日以降           満65歳 ************************************************* 3.「昭和55年7月以前採用准職員についての取扱い (改正高年齢者雇用安定法対応)」  1.昭和21年4月2日以降に生まれた者から、  65歳に向けて、満額年金の支給開始年齢に合わせて、  段階的に雇用上限年齢を引き上げる。  2.日給の水準は、再雇用職員の月額と同様に、  国の再任用職員の給与をベースに、継続雇用給付金等を  勘案しつつ設定した。一般職(一)、一般職(二)とも  同一単価とし、日給8,120円とする。  3.ボーナスは、再雇用職員に準じ、支給する。  (年間2.35月)  4.退職手当は、再雇用職員に準じ、支給しない。  5.1の措置は、働く意欲がある者を対象とするのは  当然のことであるが、フルタイム職を希望しない者に  ついては、時間雇用職員就業規則による時間雇用職員  として雇用するものとする。  6.上記以外の労働条件については、准職員就業規則  (時間雇用職員就業規則)、准職員等給与規程、准職員  等労働時間等規程に準ずる。 On 2008/12/16, at 16:13, Hajime Nakamura wrote: > 定員外職員、パート職員の再雇用または定年延長に関する情報提供のお願い > > 全大教単組の皆様、 > > 日頃の取組み御苦労様です。高エネ機構職組の書記長の中村です。 > 高エネ機構では、法人化前から継続して雇用されている定員外職員(フルタイム・年 > 俸制)とパートタイム職員(1日6時間勤務・時給制)に対して、一般事務職員と同じ > 60歳定年の定めをしています。しかし一般事務職員には年金受給年齢までの再雇用制 > 度があるのに対して、定員外職員・パートタイム職員には再雇用制度がありません。 > 現在継続的に雇用されている定員外職員・パートタイム職員の方の定年年齢が間近に > なりつつあり、高エネ機構職組としては緊急に再雇用制度の導入もしくは定年延長を > 要求する準備を進めています。 > > 皆様の大学法人等で、これらの職種に対応する方について、すでに年金支給年齢まで > の再雇用制度もしくは定年延長が実現していましたら、その規程の具体的な内容につ > いてぜひ教えていただけないでしょうか。我々が労使協議を行ううえで、極めて重要 > な資料となります。よろしくお願いいたします。 > > 追記 > 1.先日の熱海での労働セミナーで、山口大学と大阪教育大学の方から、定員外職員 > の再雇用が実現しているという情報をすでにいただいています。 > > 2.先日、最寄の土浦労基署および職業安定所に標記の件についてご相談したとこ > ろ、「正規職員と同様に継続的に雇用されているのであれば、当然、再雇用制度が整 > 備されているべきである」との回答をいただきました。これも重要な資料です。 > > 高エネルギー加速器研究機構職員組合 > 書記長 中村 一 > Hajime.nakamura@kek.jp *********************************************************** 東北大学職員組合 小野寺智雄(書記)  onodera@tohokudai-kumiai.org  http://tohokudai-kumiai.org/  内線 片平(91)5029 tel 022-227-8888 fax 227-0671 *********************************************************** "[he-forum 13858] 12/17しんぶん赤旗主張 2008年12月17日(水)「しんぶん赤旗」 主張 来年度の大学予算 3%削減を中止し抜本増額を  来年度予算の政府の概算要求基準(シーリング)は、国立大学の運営 費交付金や私立大学への国庫助成などの大学予算を、これまで毎年1% 削減してきたのに加えてさらに2%削減し、合わせて3%削減するとし ています。これに反対し、大学予算の増額を求める声が多くの大学関係 者からあがっています。 大学の深刻な実態直視を  自公政権の「構造改革」路線によって大学の教育研究基盤が脆弱(ぜ いじゃく)化し、これ以上の予算削減は、「国民に対してはたすべき責 任を負えなくなる」という立場からの強い訴えです。麻生太郎内閣はこ うした声に耳を傾け、大学予算の削減を見直すべきです。  国立大学協会が十月に文部科学相に提出した来年度予算の要望書 は、「削減が続けば、今後数年を経ずして教育の質を保つことは難 しくなり、さらには一部国立大学の経営が破綻(はたん)するばかり か、学問分野を問わず、基礎研究や萌芽的な研究の芽を潰(つぶ)すな ど、これまで積み上げてきた国の高等教育施策とその成果を根底から崩 壊させることとなります」とのべています。  国立大学の運営費交付金は、毎年1%の一律削減によって、法人化後 の四年間で総額六百億円余が削減されました。一橋大学十校分の運営費 交付金に相当します。  この結果国立大学では、「人員削減で授業が閉講したり隔年開講にな り、卒業単位を四年間で取りにくくなった」「研究室や図書館で購入す る図書、学術誌が激減した」「実験器具の更新ができない」「教員の研 究費が大幅に減り、年間十五万円の研究室も少なくない」など、深刻な 事態がひろがっています。  このうえ来年度3%削減されれば、年間で三百五十億円以上の削減と なり、大学にあたえる影響は甚大です。ある教育系単科大学では、3% の削減額は、各教員に配分する教育研究費の総額に匹敵するといいます。  私立大学でも、国庫助成を1%削減したうえ、定員割れした私学には 「不要だ」とばかり補助金がカットされてきました。来年度の3%削減 は、「私立学校の健全な発達に資する」(私学振興助成法第一条)どこ ろか、「お金を集められない私学はつぶれなさい」ということになりか ねません。  一方で政府は、競争的資金(評価によって配分する研究費)を旧帝大 系大学や一部の大手私大に集中させています。まさに「弱肉強食」の大 学政策です。多くの大学教員は、研究費獲得とそのための業績にかりた てられ、長期的視野にたって自由に、腰をすえた研究や教育にとりくむ ことが困難になっています。 大学予算の増額へ転換を  国立、私立を問わず、財政難に苦しむ多くの大学の現状は、自公政権 の「構造改革」路線が学術分野でも事実上破綻していることを示してい ます。にもかかわらず、なお3%削減に固執するとしたら、日本の学術 研究と高等教育に対する国の責任を投げ捨てるに等しいといわなければ なりません。  大学は、学術研究と高等教育を担い、文化、産業の基盤をささえる大 事な役割があります。その発展を考えるなら、何よりもこうした大学予 算の削減を中止し、思い切って増額する方向に政策を切り替えることこ そ必要です。 "[he-forum 13859] Re: [he-forum 13856] 定員外職員、パート職員の再雇用または定年延長について(情報のお願い) 高エネ研 書記長 中村様 和歌山大学教職員組合、書記の馬場と申します。 よろしくお願いします。 標記の件、 和大の規程では、以下のとおり、65歳までとなっています。 (附則で経過措置が定められています。) 「定時臨時職員」という文言が出てきますが 正規職員への登用試験を経て、今年4月からは「定時 (8時間)臨時職員」という方は、いなくなりました。 なお、和大の臨時職員さんは、1年更新を繰り返しており、 雇い止めは原則ありません。 以上、ご参考まで・・。 ----- 第9章 定年,退職,雇止め及び解雇 (定年) 第28条 臨時職員の定年は,満65歳とする。 2 定年による退職の日は,定年に達した日以後における最初の3月31日(定時臨時職員は 3月30日)とする。  ~ ~  附則 2 次の表の左欄に掲げる期間における第28条の規定の適用については,同条中「65歳」 とあるのは,同表の左欄に掲げる区分に応じそれぞれ同表の右欄に掲げる字句とする。 平成18年4月1日~平成19年3月31日 62歳(臨時用務員にあっては63歳) 平成19年4月1日~平成22年3月31日 63歳 平成22年4月1日~平成25年3月31日 64歳 ----- 書記 馬場潔子 wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 和歌山大学教職員組合 〒640-8510 和歌山市栄谷930 E-mail:wakumi@cypress.ne.jp URL http://www:cypress.ne.jp/wakumi/index.html wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww ----- Original Message ----- From: ""Hajime Nakamura"" To: Sent: Tuesday, December 16, 2008 4:13 PM Subject: [he-forum 13856] 定員外職員、パート職員の再雇用または定年延長について(情報のお願い) > 定員外職員、パート職員の再雇用または定年延長に関する情報提供のお願い > > 全大教単組の皆様、 > > 日頃の取組み御苦労様です。高エネ機構職組の書記長の中村です。 > 高エネ機構では、法人化前から継続して雇用されている定員外職員(フルタイム・年 > > > 俸制)とパートタイム職員(1日6時間勤務・時給制)に対して、一般事務職員と同じ > > > 60歳定年の定めをしています。しかし一般事務職員には年金受給年齢までの再雇用制 > > > 度があるのに対して、定員外職員・パートタイム職員には再雇用制度がありません。 > > > 現在継続的に雇用されている定員外職員・パートタイム職員の方の定年年齢が間近に > > > なりつつあり、高エネ機構職組としては緊急に再雇用制度の導入もしくは定年延長を > > > 要求する準備を進めています。 > > 皆様の大学法人等で、これらの職種に対応する方について、すでに年金支給年齢まで > > > の再雇用制度もしくは定年延長が実現していましたら、その規程の具体的な内容につ > > > いてぜひ教えていただけないでしょうか。我々が労使協議を行ううえで、極めて重要 > > > な資料となります。よろしくお願いいたします。 > > 追記 > 1.先日の熱海での労働セミナーで、山口大学と大阪教育大学の方から、定員外職員 > > > の再雇用が実現しているという情報をすでにいただいています。 > > 2.先日、最寄の土浦労基署および職業安定所に標記の件についてご相談したとこ > ろ、「正規職員と同様に継続的に雇用されているのであれば、当然、再雇用制度が整 > > > 備されているべきである」との回答をいただきました。これも重要な資料です。 > > 高エネルギー加速器研究機構職員組合 > 書記長 中村 一 > Hajime.nakamura@kek.jp > > > > "[he-forum 13860] 長野日報12/17 長野日報2008年12月17日付 信大に寄付講座設置へ 医師不足で県予算要求  県内の医師不足対策として、県衛生部は来年度、信州大学に寄付し、地域医療の在り方について研究を依頼する「寄付講座」を設置する方針を固め、来年度の予算要求に盛り込んだ。設置期間は来年度から3年間。医師の確保や養成のほか、病院間ネットワークを含めた地域への医師供給などについて方策を探る。  医師養成プログラムの開発や研修システムの構築などを通じ、産婦人科や小児科、麻酔科などの医師の養成や確保につなげたい考え。医療機関のネットワーク構築による地域への医療供給体制の充実も研究の柱に据える。講座の名称や予算額などは未定だが、数千万円の予算規模になる見通し。  地域医療に関する寄付講座は、長崎県や宮城県、石川県など12県が15講座を開設している。自治体との連携による大学への寄付講座開設は、少子化などで学生確保を図りたい大学にとってもアピールの機会になるとみられる。  県医師確保対策室の桑島昭文室長は「優れた育成プログラムができれば多くの医者が集まる要因にもなる。県自前の医師を育てるとともに、信大の魅力を向上させる講座にしたい」と意気込んでいる。 "[he-forum 13861] RE: [he-forum 13859] Re: [he-forum 13856] 定員外職員、パート職員の再雇用または定年延長について(情報のお願い) 東北大学職員組合  小野寺様 和歌山大学職員組合 馬場様 定員外職員、パート職員の再雇用・定年延長に関する 情報提供ありがとうございました。 少なくない数の大学で施行されているようですね。 高エネ研の当局は前例がないと動かない傾向があるので 各大学の例は交渉の力となります。 皆様、他の大学の例もありましたら、教えてください。 よろしくお願いします。 高エネルギー加速器研究機構 職員組合 中村 一 "[he-forum 13862] 陸奥新報12/18 陸奥新報2008年12月18日付 「落ち着いて学業継続を」 弘大が円高で留学生に助成金  弘前大学(遠藤正彦学長)は17日、円高で生活に支障を来している海外からの留学生を手助けしようと、正規の留学生に対して1人当たり10万円の特別教育助成金を支給することを決めた。同日開かれた記者会見で、教育・学生担当理事の須藤新一副学長は「留学生に落ち着いて学業を継続してもらうための対応」と話した。  対象は弘前大学の正規留学生(国費外国人留学生、外国政府派遣留学生、休学者は除く)。現在、弘大の正規留学生は韓国、中国、インドネシア、バングラデシュ、モンゴルからの学部生と、岩手大学との連合農学研究科大学院生を含む大学院生の合わせて52人が在籍する。  財源は学長裁量経費を充て、本人の申請に基づいて支給する。申請した留学生には、第1次締め切りの19日までに申請すると、26日までに支払われ、最終締め切りの来年1月16日までに申請すると、同23日までに支払われる予定。全員が申請すると総支給額は520万円となる。財務・施設担当理事の小川清四郎副学長は「貸与ではなく支給を決めたのは全国で初めてのことでは」としている。 "[he-forum 13863] 山形新聞12/17 山形新聞2008年12月17日付 山形大が私費留学生に貸付制度 円高による負担軽減へ  山形大は16日、急激な円高で生活が苦しくなっている外国人留学生に対し、一時金を貸し付ける制度を始めた。円高を理由とする貸付制度は初めての試みだという。  制度は短期交換留学生を除く、私費留学生が対象。円高で仕送り額が目減りするなど一時的に困窮した場合、5万円を上限に、無利子、無担保で貸し付ける。返済は一括または分割払いとし、分割の返還期間は6カ月以内。貸し付け回数は原則1人1回で、学内外の寄付で造成された国際交流事業基金を財源とする。  同大には10月1日現在、182人の留学生が在籍しており、うち104人が私費留学生。ほとんどがアジア地域で、特に韓国、インドネシアなど円高が大きく影響している国の出身者が多い。同大国際交流ユニットは「円高により、仕送り額を多くするなど経済的負担は大きくなっているようだ。制度の周知を図っていきたい」と話している。 "[he-forum 13864] 北海道新聞12/18 北海道新聞2008年12月18日付 韓国人留学生に5万円 室工大が支給 円高、ウォン安で困窮 【室蘭】室蘭工大(松岡健一学長)は十七日、円高、ウォン安の影響で、経済的に苦しくなっている韓国人留学生九人のうち、室工大や他団体から奨学金を受けていない私費留学生四人に対し、一人当たり五万円を支給することを決めた。文部科学省学生支援課留学生交流室は「直接の支給は全国的にも珍しい」としている。  室工大の外国人留学生は十四カ国八十五人。このうち、私費留学生は五十一人いる。韓国人留学生から生活困窮への相談が多いことから、異例の直接支援を決めた。支給は十九日。  室工大国際交流センターは、韓国人以外の留学生からの円高に伴う相談はいまのところないと話すが、「影響が広がれば、さらに対策を考えたい」としている。  道内大学の留学生への円高対策としては、北大が五万円を上限に無利子、無担保で貸し付ける支援策を行っている。 "[he-forum 13865] 西日本新聞12/18 西日本新聞2008年12月18日付 県が熊大に寄付講座 協定を締結 地域医療体制を研究  県は17日、熊本大医学部付属病院に寄付講座を開設するため、同大と協定を締結した。地域医療体制の研究や、地域医療を担う医師の養成を目指す。県が大学に寄付講座を開設するのは初めて。  講座名は「地域医療システム学寄付講座」で、来年1月から2014年3月まで開設。特任教授1人と特任講師1人を置く。本年度に県が500万円を寄付。来年度以降は、公立病院を抱える市町村などからも寄付金を募り、年間2000万円を寄付する予定。寄付総額は1億500万円になる。  同大はこの寄付金を使って、効率的な医師の配置を検討。へき地の診療所や拠点病院に学生を派遣し、実習指導なども行う。  協定締結後、蒲島郁夫知事は「熊本大との連携を強固にして地域の医師を確保したい」、同大の崎元達郎学長は「新生児、産科医療を中心に医師不足が深刻。寄付講座の成果がすぐに出ることを期待している」と話した。 "[he-forum 13866] 中日新聞12/17 中日新聞2008年12月17日付 浜松医大と阪大、金沢大が共同で 4月に連合大学院を開設 子どもの専門家養成  発達障害や青少年犯罪など、子どもにまつわる問題の専門家を育てる「連合大学院」が、浜松市東区の浜松医科大をはじめ、大阪大、金沢大の3大学の共同で来年4月に開設されることになった。医学、心理学、教育学など学問の枠を超えた研究機関。当初の見通しより開設が1年先延ばしとなったものの、研究者や実践的指導者を育成する拠点となることが期待される。  3年制の博士後期課程の大学院で、名称は「小児発達学研究科」。修士課程修了者か医師、看護師、臨床心理士など、子どもの心の問題に携わっている社会人が対象。  専攻分野により3大学に振り分け、浜松医大は発達や行動などの測定を研究する疫学統計学、大阪大は分子生物遺伝学、金沢大は社会認知生物学など。遠隔会議システムで他大学の講義を聴講することもある。  一学年の定員は10人で、既に09年度入学志願者の募集を始めている。  浜松医大と大阪大は06年、広汎性発達障害や注意欠陥多動性障害(ADHD)など発達障害の要因を探る「子どものこころの発達研究センター」を設置、翌07年には金沢大が加わり、共同で研究を進めていた。  連合大学院 2つ以上の大学が協力して設置する大学院。得意分野を生かし、より高度な教育や研究を可能にする。研究の中核となる博士課程の設置を目指す場合と、相互に単位を取得できるようにする場合がある。 "[he-forum 13867] 福井新聞12/18 福井新聞2008年12月18日付 601万冊、一度に検索 県立図書館が県内大学などと協定  県立図書館は17日、県立大など福井県内の大学や短大7校の付属図書館と相互協力協定を締結した。福井大とは昨年10月に協定を結んでおり、これで県内すべての高等教育機関と県市町図書館の計45館の蔵書約601万冊を一度に検索でき、各図書館の窓口で本を借りられる体制が整った。  来年1月から、このうち35館の蔵書約547万冊を検索できるシステムの運用が始まり、一般県民にとっては縁遠かった学術専門書が利用しやすくなる。  今回締結したのは、県立大(蔵書約32万冊)福井工大(約16万冊)仁愛大(約8万冊)仁愛女子短大(約9万冊)敦賀短大(約6万冊)福井医療短大(約2万冊)福井高専(約9万冊)。  県立図書館の蔵書約99万冊、12市町の図書館約329万冊、福井大の約61万冊をインターネットでまとめて検索できる県立図書館の「県内図書館総合目録(横断検索)システム」への加入が決まった。  福井工大、敦賀短大、福井医療短大は来年度中の同システムへの参加を目指しており、池田や美浜など5町の7館(計約30万冊)は今後順次参加していく。福井工大の蔵書検索については、1月のシステム運用開始に合わせ、同システム画面から大学図書館の検索画面に接続できるようにする。  今回の締結で、県と市町図書館の窓口で高等専門機関の蔵書約143万冊の中から専門書を借りられるようになり、遠隔地利用者にとっても大学や短大の図書館が“身近”になる。一方、学生や教職員は自校の図書館で公立図書館の約458万冊の貸し出しが受けられる。  福井市の県立図書館で行われた協定調印式には、各校の図書館長や学校長ら8人が出席。県立大の赤羽義章図書館長は「車がない学生にとっては公立図書館へ行きにくい面があった。ネットワークの成立は大変ありがたい」と話し、福井工大の大家寛図書館長は「より深く勉強したいと願う県民に貢献できる」と述べた。  横断検索システムは1月4日以降、県立図書館のホームページ(http://www.library.pref.fukui.jp)からアクセスできる。借りたい図書が見つかったら近くの図書館に申し込めばよい。図書は、県立図書館の定期宅配便で各図書館に届けられる。 "[he-forum 13868] 時事通信12/18 時事通信2008年12月18日20時39分 大学改革、第三者評価で公費配分=教育再生懇  政府の教育再生懇談会は18日、大学教育改革に関する議論のたたき台をまとめた。各大学が受けている第三者評価の結果を、国からの助成金の配分額に反映すべきだと提案。評価が極端に低ければ公費の投入対象から外すこともあり得るとした。大学の質を担保するのが目的だが、実現すれば大学の淘汰(とうた)にもつながりそうで、議論を呼びそうだ。  詳細を詰め、携帯電話の弊害から子供を守る対策や教育委員会改革の提言と併せて、来年1月にまとめる3次報告に盛り込む。  すべての国公私立大は7年に1度、大学評価・学位授与機構などの第三者機関から、経営状態や教育内容に関する評価を受けるよう義務付けられている。  しかし懇談会は、「各大学が設定した努力目標に達しているかといった基準で評価されており、大学間の比較ができない」と効果を疑問視。評価方法を見直した上で、結果を国立大の運営費交付金や私大の私学助成金の配分額に反映させるよう提言。評価が一定レベルに達しなければ、私学助成金などの投入対象から外すことも考えられるとした。 "[he-forum 13869] 時事通信12/19 時事通信2008年12月19日11時10分 法科大学院、共同運営も=島根、岡山、香川大が検討  教育の質向上や統廃合が課題となっている法科大学院について、島根、岡山、香川の国立3大学は19日までに、共同大学院を設置できるか検討に入った。3校は同日、文部科学省に報告する。法科大学院で共同化を目指す動きが明らかになったのは初めて。  3校は既に教育面で連携を開始。大学院を一本化すればカリキュラムの充実や教員確保で利点があり、早ければ2010年度の設置を目指す。入学定員も見直すとみられる。  法科大学院は全国で74校に増え、定員割れが相次いでいる上、08年度の新司法試験の合格率は33%まで低下。中央教育審議会の特別委員会は定員削減、統合を促している。 "[he-forum 13870] 共同通信12/19 共同通信2008年12月19日17時5分 大学支援60件が目的十分達成 文科省、事業の事後評価  文部科学省は19日、世界的な教育研究に取り組む大学を支援する「21世紀COEプログラム」のうち2003年度に採択され、5年間の事業を終えた54大学計130件の事後評価を公表。「目的は十分達成された」とする最高評価は60件だった。  大学別では東京大が8件、京都大が6件、大阪大が5件、東北大が4件など。「惑星系の起源と進化」をテーマとした神戸大の研究は若手研究者らを対象に講義を開き、人材育成に貢献したことなどが評価された。  2番目に優れた評価の「目的はおおむね達成」は60件、「ある程度達成」は10件だった。  プログラムは医学系や社会科学、数学・物理学・地球科学など5分野が対象で文科省が1件につき年間5億円を限度に支援した。 "[he-forum 13871] 毎日新聞12/19 毎日新聞2008年12月19日付 大学医学部:定員693人増 09年度は過去最大  大学設置・学校法人審議会は18日、私立大24校について、来年度から医学部定員を増やす学則変更を認めるよう塩谷立文部科学相に答申した。また「意見伺い」を受けていた国立大39校の医学部定員増について「可」と回答した。文科相は認める方針。既に8月に答申を受けた分などと合わせ、来年度から国公私立大の医学部定員を計693人増やし、過去最大規模の計8486人とすることが事実上決まった。  693人の内訳は▽国立大363人(42校)▽公立大59人(8校)▽私立大271人(27校)。医学部のある大学79校中77校の定員を増やす。また審議会は、10月に設置申請の判定を保留していた帝京大と、設置についての「意見伺い」を受け保留にしていた静岡大、福岡教育大の教職大学院について「可」とした。だが、県教委との連携を図ることなど、留意事項(注意点)を付けた。【加藤隆寛】 ==============  ◇09年度医学部入学定員  定員(編入含む)。()は08年度からの増加人数  【国立】 北海道大       105  (5) 旭川医科大      112 (12) 弘前大        120 (10) 秋田大        115  (5) 東北大        110 (10) 山形大        120 (10) 筑波大        108  (8) 群馬大        110 (10) 千葉大        110 (10) 東京大        108  (8) 東京医科歯科大     90 (10) 新潟大        120 (10) 富山大        105 (10) 金沢大        110 (10) 福井大        110 (10) 山梨大        120 (10) 信州大        110  (5) 岐阜大        100 (10) 浜松医科大      110 (10) 名古屋大       108  (8) 三重大        120 (10) 滋賀医科大      110 (10) 京都大        105  (5) 大阪大        105  (5) 神戸大        105  (5) 鳥取大         90 (10) 島根大        105 (10) 岡山大        110 (10) 広島大        110 (10) 山口大        105 (10) 徳島大        105 (10) 香川大        105 (10) 愛媛大        105 (10) 高知大        105 (10) 九州大        105  (5) 佐賀大        100  (5) 熊本大        110 (10) 長崎大        105  (5) 大分大        105 (10) 宮崎大        105  (5) 鹿児島大       105 (10) 琉球大        107  (7)  【公立】  札幌医科大      110  (5) 福島県立医科大    100  (5) 横浜市立大       90 (10) 名古屋市立大      92 (12) 京都府立医科大    105  (2) 大阪市立大       90 (10) 奈良県立医科大    105  (5) 和歌山県立医科大    95 (10)  【私立】 岩手医科大      110 (20) 独協医科大      110 (10) 自治医科大      113  (3) 埼玉医科大      110 (10) 杏林大        105 (15) 慶応大        110 (10) 順天堂大       110 (20) 帝京大        110 (10) 東京医科大      113  (3) 東京慈恵会医科大   105  (5) 東京女子医科大    110 (10) 東邦大        110 (10) 日本大        120 (10) 日本医科大      110 (10) 昭和大        110  (0) 北里大        110 (10) 聖マリアンナ医科大  110 (10) 東海大        110 (10) 金沢医科大      110 (10) 愛知医科大      105  (5) 藤田保健衛生大    110 (10) 大阪医科大      110 (10) 関西医科大      110 (10) 近畿大         95  (0) 兵庫医科大      110 (10) 川崎医科大      110 (10) 久留米大       110 (10) 産業医科大      105 (10) 福岡大        110 (10) 合計        8486(693) "[he-forum 13872] 時事通信12/18(2) 時事通信2008年12月18日17時38分 教員定数、1000人改善で合意=閣僚折衝  2009年度予算編成をめぐる18日の閣僚折衝で、中川昭一財務相、鳩山邦夫総務相、塩谷立文部科学相は、小中学校の教職員について、純増800人を含む1000人分の定数改善を行うことで合意した。また、新学習指導要領での理数教科の授業時数増に対応するため、非常勤講師の配置を1万4000人に拡充する。  そのほか、国立大学運営費交付金、私学助成は、それぞれ1%削減することで合意。全体額は削減するものの、厳しい雇用情勢を配慮し、各大学での就職活動の取り組みを支援する事業や、大学病院での周産期医療体制の充実を図る事業などを新設し、予算を重点配分することも決めた。  "[he-forum 13873] 読売新聞12/19 読売新聞2008年12月19日付 来年度予算案、一般会計は88兆5000億円  中川財務・金融相は18日、2009年度予算の財務省原案について、11府省庁の閣僚と折衝した。  これを受けて財務省は、一般会計を総額88兆5000億円程度とする方針を固めた。税収は46兆1000億円程度と想定し、新規国債発行額は33兆3000億円程度とする。  文部科学省との折衝では、公立小中学校の教職員定数を約800人増とすることで合意した。文科省は1500人の増員を求めていた。7月に決めた概算要求基準(シーリング)に沿って、私学助成費は08年度比1%減、国立大運営費は1%減とする方針を確認した。  また、厚生労働省とは、社会保障費の伸びを年2200億円抑制する方針について正式に合意した。総務省との合意で、地方交付税交付金などを前年度比4100億円増の15兆8200億円とする。 "[he-forum 13874] 日本経済新聞12/20 日本経済新聞2008年12月20日付 3大学の共同法科大学院構想「改善の1つの方法」 文科相が評価  岡山、島根、香川の3大学による共同法科大学院設置構想が浮上したことについて、塩谷立文部科学相は19日の閣議後の記者会見で「法科大学院を巡っては新司法試験の合格率の低さなど問題があり、その改善が課題になっている。(共同大学院設置の)動きがあるとすれば、改善の1つの方法だろう」と評価する考えを示した。  3大学は早ければ2010年4月にも共同法科大学院を設立。各キャンパスに教員と学生を分散配置し、共同でカリキュラムの作成や入学志願者の選抜に当たることを検討している。地方の法科大学院では教員確保が難しい大学もある。3大学は共同化によって、教員確保などを容易にすることも狙う。( "[he-forum 13875] 朝日新聞12/20 朝日新聞2008年12月20日付 熊本大次期学長に谷口氏   熊本大学の次期学長が19日、前工学部長の谷口功氏(61)に決まった。学長選考会議(稲垣精一議長、23人)が選んだ。   今回の選考対象は谷口氏のほか、医学部付属病院長の倉津純一氏、医学薬学研究部長の原田信志教授、発生医学研究センターの山村研一教授。大学教職員ら約1250人の「意向投票」(有効投票1097票)は谷口氏が422票、倉津氏が366票、原田氏が257票、山村氏が52票を獲得。得票率10%以上だった3人に絞り、選考会議が書面審査や面接をして全会一致で谷口氏を選んだ。   谷口氏は記者会見で「人の命、人と自然、人と社会の諸科学の深化を通して教育と研究の発展を図り、成果を社会に還元したい」と抱負を語った。任期は09年4月から6年間。谷口氏は東京工大大学院博士課程を修了し、77年に熊本大助手。講師、助教授、教授と工学部で教え、02年11月から今年11月まで工学部長。 "[he-forum 13876] 北海道新聞12/21 北海道新聞2008年12月21日付 地域再生、政策提言へ 樽商大など22大学が学会  小樽商大、室蘭工大を含む全国二十二大学が中心となって二十日、地域再生を目指す「地域活性学会」を設立した。地域活動に取り組むNPOなどに門戸を広げるのが特徴で、今後、実践的な政策提言を国に行う。  東京都内で開かれた設立総会には早稲田大、大阪大など参加大学やNPOの関係者ら約二百五十人が出席した。  活動の柱は《1》地域活性化を担う人材の育成《2》研究成果の地域還元《3》国内外の研究者ネットワークの構築-など四項目。会長に法政大の清成忠男・学事顧問を選出した。  発起人代表の増田寿男法政大学総長は「地域に明るい未来をもたらす学会になってほしい」とあいさつ。総会後、「地域活性と人財育成」と題してシンポジウムも開いた。  学会理事の小樽商大・伊藤一教授(流通システム論)は「地域活性化の解決策を考える活動にしたい」と語った。 "[he-forum 13877] 中国新聞12/21 中国新聞2008年12月21日付 地域活性化に大学の力を 学会設立、官民と連携  地域の衰退を食い止めるために各地の大学が行政や民間と連携、人材育成や政策提言など実践的な課題に取り組む「地域活性学会」の設立総会が二十日、大学や民間非営利団体(NPO)関係者ら約二百五十人が出席して東京都内で開かれた。  内閣府などと協力、地方再生をテーマにした講義を開設している法政大、岡山大、島根大など二十二の大学が中心となって結成。会長に選出された清成忠男きよなり・ただお・法政大名誉教授(地域経済論)は「日本は伝統的に地域が人材を輩出してきた。地域間格差が広がる中、自ら活性化に取り組む人づくりをするのが大学の役割」と講演した。  総会後には大学研究者らによるシンポジウムを開催。大学生を商店街や農村のまちおこし活動に参加させ、実践的に地域を研究させる取り組みなどが報告された。  学会は今後、各地でセミナーなどを開催、学会誌も発行して国内外の研究ネットワーク形成を図る。また地方自治体や産業界にも広く参加を呼び掛ける。 "[he-forum 13878] 北國新聞12/21 北國新聞2008年12月21日付 「子どもの心」専門家育成 金大に新大学院 大阪大などと連合  金大は来年度、子どもの心の専門家を育成する博士後期課程大学院「小児発達学研究科」を大阪大、浜松医科大と連合で新設する。言語学から遺伝子科学まで、文系と理系を横断して体系的に学ぶ連合大学院は全国初。財務省原案に運営費交付金が盛り込まれた。  連合大学院では、うつや不登校、虐待被害、発達障害など現代の子どもが抱える心の問題に科学的な視点から取り組む児童精神科医やスクールカウンセラーなどを養成する。入学定員は計十人で、金大に設けられる「こころの相互認知科学講座」は三人を受け入れる予定。入学試験は来年一月二十二日に大阪大で行われる。  厚生労働省が心のケアを専門とする外来や病棟を備えた「子どもの心の診療拠点病院」を全都道府県に整備する方針を固めるなど、国はこれまで手薄だった子どもの心の診療体制構築に力を入れ始めている。連合大学院は先進的な研究や専門家育成の面で重要な役割を担うことになる。 "[he-forum 13879] 12/22しんぶん赤旗記事 2008年12月22日(月)「しんぶん赤旗」 ゆうPRESS 未来奪う“新卒切り” 日本綜合地所 53人内定取り消し  来春卒業予定の学生の就職内定の取り消しが全国で相次いでいます。 内定を取り消された高校生や大学生は11月25日の時点で331人。 その後も広がっており、採用試験を行いながら合格者を1人も出さずに 採用を打ち切った企業もあるなど、卒業を前に多くの若者たちが不安を 募らせています。(田代正則)  大手不動産会社、日本綜合地所(東京都港区)は学生など53人の採 用内定を取り消しました。同社は13日、内定を取り消した学生と家族 への説明会を本社で行いました。  一度は脱いだリクルートスーツに再びそでを通した学生たちが、同社 のビルに足早に入っていきました。  説明会で、西丸誠社長は内定取り消しの理由を「入社してもらって も、しあわせにできない」と説明。「迷惑料」を100万円払うと述べ たといいます。  学生たちは、「納得できる回答ではない」「ここに至った経緯を隠し ているのではないか」と怒りや不信感を表明しました。  大阪から大きなスーツケースを持って説明会に参加した男性。「会社 に宅地建物取引主任者の資格を取るよう指示され、資格専門学校に9万 円払ったが補償はなかった」と話します。  日本綜合地所は、2007年のマンションの発売戸数が全国6位、首 都圏では2位の大手企業。基本方針では、「すべての関係者の人権を尊 重し、社会経済の健全な発展に貢献する」「業務に関する法令、その他 社会的ルールを順守する」「利益と倫理が相反する場合は、迷わず倫理 を優先する」と述べています。 労働契約は成立済み 泣き寝入り必要ない  笹山尚人弁護士の話 企業が正社員として採用内定を出した時点で労 働契約が成立します。それを取り消すことは解雇にあたり、「客観的に 合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」は無 効です。(労働契約法16条)  学生が留年で卒業できなかった場合などをのぞき、解雇には厳しい審 査が必要になります。  正社員として採用したら、定年退職まで雇用し続けるのが前提ですか ら、それまでの期間に景気の変動があることは、当然準備して採用に踏 み切ったはずです。世界金融危機だけでは理由になりません。  内定を取り消された人は、泣き寝入りする必要はありません。解雇の 了承を求める書類への署名には応じてはいけません。会社からは「不景 気だから」というような抽象的な言葉ではなく、具体的な数字や事実で の説明を求めることが大事です。ひとりでは難しいと思ったら、労働組 合や専門家に相談してください。 会社の指示で資格の勉強  都内大学に通うAさん(男性、22歳)は、日本綜合地所から内定取 り消しを受けました。  4月時点ですでに内定を受けており、ゼミでの研究に熱心に取り組ん でいました。日本綜合地所からは、就業前から、宅地建物取引主任者の 国家資格を取得するよう指示を出され、夏休み返上で勉強しました。  卒業論文のテーマには、「男性の育児休暇」を選びました。安心して 暮らせ、男性も女性も生き生きと働ける社会をつくりたいと考え、ヨー ロッパの制度などを4月からずっと調べていました。日本綜合地所は、 社員の育児支援をアピールしている企業です。  11月に卒論の中間報告をした3日後、内定を取り消されます。留年 してもう1年間、学生を続ける余裕はありません。それ以降、就職先を 探すため、ゼミに参加できなくなりました。  Aさんは、「迷惑料をもらっても、就職先がなければどうしようもな い」といいます。ゼミの仲間にも「人生をくるわせてひどい」と怒りの 声が広がっています。 共産党・民青同盟 実態調査や指導要請  日本共産党は、日本民主青年同盟(民青同盟)の若者たちと協力し、 各地で高校・大学から実情を聞き取り、自治体や労働局など関係機関に 企業の内定取り消しをやめろと指導するよう申し入れなどを行っていま す。  笠井亮衆院議員、谷川智行衆院東京比例予定候補と党東京都議団は8 日、都内4年制大学の4割にあたる39大学で少なくとも82人が内定 を取り消されていたという調査結果を明らかにし、東京都と東京労働局 へ、内定取り消しの根絶、雇用確保、失業者の生活支援を申し入れまし た。  兵庫県では11月19日、瀬戸恵子衆院比例予定候補と平野貞雄兵庫 7区予定候補が民青同盟と一緒に、関西学院大学から聞き取りを行いま した。  応対した森田伸一キャリアセンター次長は、当時報道で2人と発表さ れていた内定取り消し学生数が、5人に増えたことを話し、「労働者は モノじゃないんだから、企業でじっくり育成できるようにすべきやと思 う。学生に安定した雇用を確保したいし、ぜひがんばってほしい」と述 べました。 大学の就職担当者も切実な声  日本共産党東京都議団が行った採用内定取り消し調査には、大学担当 者から切実な声が寄せられました。いくつか紹介します。  ■早い時期から 「従来の内定取り消しは、3月ぎりぎりまで頑張っ たけれどどうしてもダメというケースが多かったが、今回は早い時期 に、資金繰りが厳しくなったと、8月終わりから9月ごろにかけて行わ れたのが特徴です」  ■企業に不信感 「内定式を10月に行い、企業によっては研修も 行っている状況であったため、取り消し企業に不信感を持っている」  ■先が読めない 「9月以降の米国の金融危機から一気に内定取り消 しがきた。いままったく先が読めない。2、3月に経営状況 が悪化し、卒業決定後に取り消しになる場合は『第二新卒』として扱わ れ、就職活動で最も悪い状況になる」  ■社会的責任を 「企業の社会的責任を果たしてほしい。学生に口頭 だけで取り消しを告げられたところもあった。不誠実な対応に憤りを感 じる」 就職連絡会が中央行動  教職員組合や青年・学生団体などでつくる「高校・大学生、青年の雇 用と働くルールを求める連絡会」(就職連絡会)は10日、学生の内定 取り消し問題の解消などを求めて、東京都内で中央行動を行いました。  集会であいさつした日本共産党の小池晃参院議員は「内定取り消しは 指名解雇と同じだ」と厳しく批判。問題の解決に向けて、ともに奮闘す る決意を述べました。 "[he-forum 13880] 読売新聞12/19 読売新聞2008年12月19日付 学長 “オンリーワン”自負強く 滋賀大学 成瀬龍夫さん 教育改革 高い評価  経済学部と教育学部、両輪で進んできた滋賀大学。琵琶湖に近い2キャンパスから、個性豊かな人材を送り出して、来年、創立60周年を迎える。旧制彦根高商と滋賀師範の学灯を受け継いだ伝統を次代にどうつなぐのか。その展望と戦略を就任5年目の成瀬龍夫学長に聞いた。 (聞き手は田口晃也・論説委員) ――法人化後、学長として重点的に取り組んできたことは何ですか。  運営体制の整備と財政基盤の確立です。研究推進や全学教育、学生支援など重要なテーマごとに専門部会を設け、理事の分担と権限を明確化しました。財政面では、支出の8割以上を占める人件費を抑制するため、外部の有識者や定年退職した教員らを柔軟な雇用形態で活用する「特任教員制度」を始めました。この4年間でスプリングボード(跳躍台)を築き、魅力ある大学となる将来構想を描ける段階に入ったと思います。  ――二つの学部にはどんな特色がありますか。  教育学部は、琵琶湖を舞台にした環境問題の研究教育で半世紀以上の歴史があります。2000年度からは国際協力機構(JICA)の委託で途上国から教員や指導者を受け入れ、研修も行っています。  経済学部は、近代的な経営管理に才覚を発揮した近江商人の戦前からの研究成果を、企業の社会的責任(CSR)を先取りした「三方よし」の標語とともに全国に発信してきました。両学部とも「オンリーワン」という自負があり、地域ブランドの向上にも貢献しています。  ――文部科学省のGP支援事業に多数選ばれ、教育への評価が高いですね。  06年度に4件選定されました。「びわ湖から学ぶ環境マインド」は教育学部の蓄積を生かしたもので、経済学研究科の「リスクリサーチャー養成の教育プログラム」は、企業経営にかかわるリスクの評価・管理を専門的に教育する新しい試みです。いずれも法人化に合わせた教育改革が定着した象徴的な成果です。  ――教育や就職の面で、卒業生から積極的な支援を受けていますね。  卒業生は大学の大きな資源です。経済学部では1999年度から、金融やメーカーなどの現役社員による経営講座や就職相談などを続けています。教育学部出身の教員OBによる実践的指導も行われるようになり、一時は1割台に低迷した教員採用試験の合格率が近年、7割以上にアップしています。  ――福沢諭吉が「学問のすゝめ」のなかで提唱した「士魂商才」を重視する狙いは。  「士魂商才」は、経済学部の前身である彦根高等商業学校の建学の理念でもあり、経営の才覚とリーダーとしての教養を兼ね備えた人材の養成を指します。3年前から、新入生を対象にした学長講義のなかでも取り上げてきました。実学を学ぶだけでなく、統率力や向上心の大切さを伝えたいと思っています。  ――滋賀医科大、京都教育大、京都工芸繊維大との4大学統合構想は今、どうなっていますか。  4大学の学長が年1回の意見交換を続けていますが、当面は各大学が自らの体制強化に専念することにしています。ただ、新制大学として発足した当初から総合大学化やキャンパス統合を目指してきた滋賀大にとって、統合は有望な選択肢です。  ――地域や産業との連携で独自の取り組みを進めていますね。  自治体やNPOの職員を対象に、まちづくりの担い手を養成する教育プログラムを昨年から始めました。織物などの伝統産業のブランド化や地域振興イベントの開催などにも協力しています。今後は、こうした活動の中心になっている産業共同研究センターの拡充が課題です。  ――10年度からの第2期中期目標・中期計画(6年間)では何を重視しますか。  社会の要請に応えられる高度専門職業人の養成を中心に、特色ある分野での世界的研究教育拠点の形成、社会貢献です。運営費交付金の削減など、大学を取り巻く環境は厳しさを増していますが、人的リソースを有効に活用し、学部の再編を進めることで、目標を実現する道筋をつけたいと考えています。 なるせ・たつお  高知県出身。大阪外国語大中国語科卒。京都大経済学研究科博士後期課程単位修得。京都府立大女子短大部助教授、滋賀大経済学部助教授を経て教授。学生部長、経済学部長などを歴任し、2004年から現職。専門は社会政策、地方行財政、生活経済。64歳。 "[he-forum 13881] 中日新聞12/22 中日新聞2008年12月22日付 三重大院に地域産業活性化の研究科  三重大に地域産業活性化を狙いとする大学院「地域イノベーション学研究科」が来年4月に新設されることが正式に決まった。文部科学省が来年度政府予算で実施項目に挙げた。  国立大学法人支援課によると、新研究科では大学院生が地域の産業構造を調べながら、課題解決に結び付く起業やプロジェクト活動を実際に体験し、学んでいく。工学や生物学などの研究者とともに企業経営の経験がある教員を民間から採用する。  大学院生の募集は、修士課程が10人、博士課程が5人の計画。同課は「課程を設けて地域イノベーションを研究する大学はあるが、大学院レベルで取り組むのは全国初」としている。 (大島康介) "[he-forum 13882] 読売新聞12/22 読売新聞2008年12月22日付 奨学金滞納、校名公表に基準「延滞率」平均の2倍超  大学生らに奨学金を貸与する事業を行う独立行政法人「日本学生支援機構」は22日、奨学金の返済が滞っている卒業生が多い学校の名前を公表する際の基準案をまとめた。  学校全体の「延滞率」が平均の2倍を超えた学校を公表する内容だ。来年2月までに学校側と調整し、早ければ2011年度末から公表を始める。 学生支援機構  延滞率は、卒業後3年以内で奨学金の返済義務のある者の合計人数のうち、年度末時点で1日でも滞納している人数の割合とする。各校の延滞率から、大学、短期大学、大学院、高等専門学校、専修学校専門課程の種類別に平均値を算出し、この2倍を超えていた学校は、同機構のホームページに学校名と延滞率、延滞者数を記載する。  小規模校は奨学生が少なく、わずかな延滞者数の違いで延滞率が大きく変わるため、一定規模以上の学校だけを対象にする案もあったが、「小規模校は逆に延滞者をなくすのも容易なはずだ」という観点から全学校を対象にすることにした。  延滞金は年々増加しており、3か月以上延滞がある奨学生に対する債権の合計は、2003年度末は1564億円だったのが、07年度末は2253億円に上っている。このため、同機構は「機構に推薦している学校にも返済の責任を持ってもらいたい」として学校名の公表を決めた。  奨学金制度 成績優秀な学生を経済的に支援する制度で、日本学生支援機構のほか私大なども独自に設けている。同機構の奨学金は貸与のため、返済義務がある。無利息と利息付きの2種類があり、無利息には、「高校成績表の各科目平均が5段階で3・5以上もしくは大学成績が学部内上位3分の1以内」「家計の年収998万円以下(私大・自宅通学の場合)」などの条件がある。利息付きでも、「平均以上の成績」「家計1344万円以下(同)」であることが必要だ。 "[he-forum 13883] 山陰中央新報12/23 山陰中央新報2008年12月23日付 島根大学長候補に山本副部長  島根大学(松江市西川津町)は二十二日、来年三月末で任期満了を迎える学長の選考会議を開き、次期学長候補に副学長の山本広基氏(61)を選んだ。文部科学省に上申し、任命される。任期は同四月から三年間。  学内外の識者十人でつくる学長選考会議(議長・宇野重昭島根県立大学長)で、学内推薦のあった山本氏と医学部公衆衛生学の藤田委由教授(60)の二人を選考。国立大学法人化後の知識と経験を踏まえ、経営手腕を発揮できるなどの理由から、山本氏に決めた。  選考の参考として、学内の役員、教職員ら九百五十人を対象に行った意向調査で、山本氏は有効投票数七百七十三票のうち、過半数の四百十二票を獲得していた。  記者会見した山本氏は「学生の満足度を上げ、地方国立大学のトップを目指す」と所信を表明。少子化に伴い入学志願者数が減少傾向にあることに対し「教育内容と進路支援の充実が、優秀な学生の確保につながる」と強調した上、地域医療や中山間地域などの課題解決に向けた地域貢献を推進する考えも示した。  山本氏は大阪府出身で、島根大大学院農学研究科修士課程を修了。同大生物資源科学部教授、同学部長を歴任し、〇四年四月から現職。専門は農薬環境科学、土壌微生物学。 "[he-forum 13884] 陸奥新報12/23 陸奥新報2008年12月23日付 弘大開設の高度救命救急センターに予算8億円  22日に内示された2009年度予算財務省原案で、弘前大学(遠藤正彦学長)が要求する県内唯一の三次救急医療施設として期待される高度救命救急センターについて、システムに関する要求額約8億円が全額認められたことが分かった。弘大医学部付属病院の花田勝美院長は「(実現に)大きな弾みが付いた」としている。  このほか、弘大医学部医学科定員10人増員も盛り込まれ、3年次編入学と合わせると120人となり、過去の最大定員と同人数。  今年度の二次補正予算が決定した場合、一次補正予算と合わせると、新規事業がほぼすべて認められることになる。弘大の財務・施設担当理事小川清四郎副学長は「次期中期目標、中期計画が予定取り進められると期待している」と話した。  09年度の弘大運営費交付金内示額は約112億4900万円。このうち、研究や特別支援事業に充てられる特別教育研究経費は約4億3千万円の増額となった。  高度救命救急センター関係では、ハイケアベッドや浮遊型ベッドなど、重篤な傷病者の診療に必要な高度救命救急基盤システムに関し、概算要求と同額の約4億円が認められたまた人工呼吸器血液浄化装置など救急患者を治療する設備の高度救命救急高次治療システムは、実質借金に当たる財政投融資で賄われ、4億円弱と同額で認められた。  同センターは弘大医学部付属病院の新外来棟と立体駐車場の前に設置し、延べ床面積約2420平方メートル、地上二階、地下一階。重症患者用4床と一般用6床の計10床を設置する。専任の医師14人、看護師38人、事務職員など50人体制となる予定。  同センターは10年7月の開設を目指し、今年度中に来年度予算が成立した場合、09年4月から着工する方針。総事業費は約27億円で、建物に約10億円を見込む。財政投融資返済分などを含めると、年間約3億円の赤字と推定されるため、弘大側は「県、市町村などに協力してもらい、支援を求めている」としている。  同センターの施設の基盤整備は財政投融資で要求しており、24日に内示される予定。小川副学長は「実質的に高度救命救急センター設置が認められたと考えている。建物について内示はまだだが、ほぼ認められると考えている」と期待を寄せた。  県健康福祉部の佐川誠人次長は「津軽圏域の救急体制を大きく充実させる第一歩になる。県民にとっても喜ばしいこと」と歓迎し「高度救命救急センターを柱に、自治体病院、開業医も含めて地域全体で初期二次三次と、しっかり連携できる救急体制づくりをしてほしい」と話した  高度救命救急センターに絡み、県は2009年度当初予算の編成までに、財政面も含めた各種支援の可否などについて、弘大と協議しながら検討を進める方針。 "[he-forum 13885] 朝日新聞12/22 朝日新聞2008年12月22日付 〈学長力〉日本の顔 育成拠点に 東京外国語大学 亀山郁夫学長  翻訳したドストエフスキーの小説「カラマーゾフの兄弟」(光文社古典新訳文庫)が100万部を超えるベストセラーとなるなど、ロシア文学研究者としても知られる東京外国語大学の亀山郁夫学長。経営者として、どう大学運営に臨むのか。そして目指す大学像とは。(原田朱美) ◆著作活動通じ 教養向上実践  ――ロシア文学研究者という立場と、学長という役割に違いはありますか。  「学長になって以来、研究など大学運営に直接かかわりのない作業は、できる限り、少なくしています。でも、仕事が二つに分かれているというより、一体だと認識しています。今まで、研究をしながらも、東外大の教養教育のレベルアップを常に意識し、自分なりにグローバル化の時代に必要な教養とは何かを考えてきましたから」  「日本の教養の基礎部分をつくり上げていく使命は、著作活動を通して実践していると思います。そして、いろんなところで、人文学の大切さを伝えていくことは、学長としての任務でもあります。全然矛盾しません」  ――大学のグランドデザイン(基本指針)で「拠点大学化」という言葉を使っていますが。  「東外大は、国際化、グローバル化の最前線で、ビジネス面、研究面で日本の顔となれる国際人を育てる義務があります。その拠点となる大学という意味です。ある地域にかかわる専門的で総合的な知識を蓄え、かつ一教養人として世界に通用する何かを持っているのが真の国際人です。東外大には、言語、文化、社会研究を中心に、学問分野を超えた言語文化研究、国際社会研究が集まっています」  ――文系で、一つの学部しか持たない単科大学は学生集めに苦労しています。危機感はありますか。  「全国から優れた学生が集まっていて、不安はありません。ただ、かつて70年代は、外国語学部という名称の中に日本の『夢』が込められていましたが、国際化、グローバル化が進み、いま、外国というイメージの中に私たちの心をかきたてる何かがなくなったのは心配です」  「東外大がもつグローバル性と、外国語学部の名称が持っているある種のブランド性を守っていくのに必死です。教育、研究面で大学が持つ資源をまだ社会にアピールしきれていません」 ◆学部教育改革 バランス重視  ――学部教育改革を表明していますが、具体的には。  「世界の言語研究、文化研究、社会研究、国際研究が四つの柱です。このバランスが良い大学を作りたい。現状は、どう見ても、言語、文化といった人文科学に偏っていて、配置されている教員の数も多い。社会、国際という社会科学が手薄です」  「大学院は来年4月に総合国際学研究科という名前で再スタートします。今言った四つの柱がしっかりと見えるようになっています。しかし、学部ではまだそれが見えていません。今なお、『外国語を勉強するところ』というふうにしか外には見えない。4本の柱がしっかりと受験生にも見える形で改革を実現していきたい」  ――実現するためのハードルはありますか。  「東外大は、教職員を合わせて350人です。うち教員は210人。1学年の定員750人の大学でこの数は、旧帝大系に比べてかなり少ない。そして、教員というのは安定した環境での研究を好みますから、変化に保守的です。しかし『外国語大学なのだから外国語を教えれば社会的責任を果たせる』というのではだめです。確かにここでしっかり外国語教育をしなかったら、アイデンティティーがなくなってしまう。ただ少子化の時代に、それだけでは良い学生を集め続けられないことも現実です」 ◆小規模の利点 柔軟な対応力  ――どう解決しますか。  「教職員を説得し、変化に対する恐怖をぬぐうことができたらいいなと思います。小規模大学のメリットは世界の変化に柔軟に対応できることですから」  「今後、半年の間に大学の今後の運営戦略を決める第2期の中期目標と中期計画を策定します。これが勝負の分かれ目で、それにどれだけ盛り込めるか。理想を掲げ、東外大のプレゼンス(地位)を、日本だけじゃなくて、世界で上げることが私の使命だと思っている。可能な限りの努力をしようと思っています」  ――01年に一橋大、東京工業大、東京医科歯科大と4大学連合を締結しました。成果はあったのでしょうか。  「今までに(それぞれの特徴をいかした講義を共用する)複合領域コースをつくってきましたが、成果はまだまだこれからです」  「4大学は、人文科学(東外大)、社会科学(一橋大)、自然科学(東京工大)、応用科学(東京医科歯科大)と、ほぼすべての学問領域をカバーします。それぞれが強い個性を持ち、しかも単独でしっかりやっていける。今春、4大で『21世紀地球教養コース』を立ち上げようと提案したところです」  ――連携の重要性をどう考えていますか。  「グローバル化し大学間の競争が激しい現状では、小規模大学はいかに有効な連携の枠組みを作れるかが生命線です。私の夢は、この大学を中心に、この多摩地区を国際性あふれるアカデミックゾーンに作り替えることです」    ◇ 【近年の主な出来事】  00年 東京都北区から府中市にキャンパスを移転 01年 東京医科歯科大、東京工業大、一橋大と「4大学連合」を結成 08年6月 大学院の全面改組を決定。09年4月から「総合国際学研究科」を開設 08年7月 留学生支援を主とする「国際教育支援基金」で、寄付の目標額2億円を達成    ◇ 〈プロフィール〉 栃木県生まれ。専門はロシア文学。93年から東京外国語大学教授。07年9月から学長。59歳。02年「磔(はりつけ)のロシア」で大佛次郎賞受賞。今年11月、ロシアのメドベージェフ大統領から「プーシキン・メダル」(同国の文化普及の貢献者に対する勲章)を贈られる。 ◆記者からひとこと  撮影の場所を決めかねていると、散らかった学長室の机を指し、「『混沌(こんとん)』って感じで、いいと思わない?」と笑った。1ポーズ撮り終えるたびにカメラマンに近寄り「見せてー」。子どものような好奇心は、「知」への探求心の支えにもなっているようだ。 "[he-forum 13886] 毎日新聞12/23 毎日新聞2008年12月23日付 政府規制改革案:19分野で決定へ  政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は22日、各省庁に求める第3次答申を決定した。大学における教職課程の設置基準の緩和や、認可保育所をパート労働者が利用しやすくするなど、計19分野の規制改革案が柱。26日に閣議決定する。  答申は、募集人員が多い小学校教員の競争率確保のため、大学で教員養成課程の設置基準を緩和するよう求めた。また、認可保育所は現在、パート労働者の利用は事実上門戸が閉ざされているが、パート労働者でも利用しやすくする規制緩和案を盛り込んだ。  そのほか、タクシー会社への外部評価導入▽自家移植医療への民間参入▽米の減反政策の見直し▽農地情報のデータベース化▽耕作放棄地利用への法的緩和▽ワンルームマンション建築規制緩和▽公共職業訓練の充実--などを求めている。 【塙和也】 "[he-forum 13887] 富山大学学長選をめぐる事実経過のご報告 高等教育フォーラムの皆様  はじめまして。富山大学教職員組合書記次長の大野と申します。  去る10月から11月にかけて行われた富山大学学長選挙で、学長選考会議は2度の意向投票でいずれも2割の得票しかなかった西頭徳三現学長を次期学長候補に選出するという、前代未聞の事態が起こりました。  これは大学構成員の意向を全く無視して学長を決めることが可能であると全国の大学に知らしめる、悪しき前例となりうる事態であり、大学自治を真っ向から否定する暴挙であるといえます。  富山大学教職員組合は選考結果発表後、直ちに声明を発表し、これは富山発の一大全国スキャンダルであると訴え、西頭学長の就任辞退を求めました。富山大学の8学部のうち、4学部教授会もまた声明を発表し、このままでは大学運営は立ちゆかなくなると訴えています。  全国の大学関係者の皆様にも、事の重大性を認識していただきたく、ここに学長選をめぐる事実経過をご報告するとともに、よろしくご支援を賜りますようお願い申し上げます。 ――以下事実経過―― ○10月14日 学長選考会議 学長候補適任者3名を公示  候補適任者は次の通り。   西頭徳三(現学長)   平井美朗(理学部長)   倉知正佳(大学院医学薬学研究部特任教授)  選考会議は学内委員12人と学外委員12人で構成される。 学外委員を任命するのは学長である。 (参考)国立大学法人富山大学学長選考会議規則 http://www.u-toyama.ac.jp/jp/public/info/gakucho/pdf/kisoku_g1.pdf 第2条 学長選考会議は,次に掲げる者をもって組織する。 (1) 国立大学法人富山大学経営協議会規則第2条第4号の委員 (2) 国立大学法人富山大学教育研究評議会規則第2条第3号から第7号までの 委員の中から,教育研究評議会において選出された者 12人以内 国立大学法人富山大学経営協議会規則 http://www.u-toyama.ac.jp/jp/public/info/keiei/pdf/kisoku_k.pdf 第2条 経営協議会は,次に掲げる委員をもって組織する。 (4) 役員又は職員以外の者で大学に関し広くかつ高い識見を有するもののうちから,教育研究評議会の意見を聴いて学長が任命するもの 12人以内 委員名簿 http://www.u-toyama.ac.jp/jp/public/info/gakucho/pdf/meibo_g.pdf 学外委員  金岡祐一(富山国際学園理事長)議長       石井隆一(県知事)       示村悦二郎(元北陸先端科学技術大学院大学長)       舘野政也(とやま医療健康センター顧問)       金川克子(石川県立看護大参与)       中尾哲雄(ITホールディングス会長・インテックホールディングス会長)       山田圭藏(元北陸電力会長)       北野芳則(元YKK副会長)       松井竹史(テイカ製薬社長)       東野宗朗(県教育長)       森雅志(富山市長)       橘慶一郎(高岡市長) 学内委員  畑中保丸(医学薬学教育部長)       広瀬貞樹(理工学教育部長)       小川洋通(人文学部長)       佐藤幸男(人間発達科学部長)       三浦哲男(経済学部長) 副議長       平井美朗(理学部長)       宮脇利男(医学部長)       前田一樹(芸術文化学部長)       済木育夫(和漢医薬学総合研究所長)       山田恭司(理学部評議員)       寺山清志(工学部評議員)       遠藤俊郎(付属病院評議員) ○10月28日 組合から各候補に公開質問状を送付  組合は11月10日、3候補からの回答を全学教職員に配布。  学長選考会議は各候補の所信を事務室等で閲覧させるだけだったため、学内有志が「学長候補者の所信を聞く会」の開催を検討。杉谷地区と五福地区では学内有志主催で「所信を聞く会」を開催し、高岡地区ではは意向投票管理委員会の主催で「所信を聞く会」を開催することになった。 ○11月4日 学長選候補者所信の閲覧開始 ○11月10日 「学長候補者の所信を聞く会」杉谷地区(医・薬学部キャンパス)  11月11日 「学長候補者の所信を聞く会」五福地区(人文・人間発達・経済・理・工学部キャンパス)  11月12日 「学長候補者の所信を聞く会」高岡地区(芸術文化学部キャンパス)  それぞれ夕刻から候補者3氏が所信演説を行い、その後質疑応答が行われた。 ○11月13日 学長選考第1次意向調査 不在者投票  学長選考会議は当初不在者投票を認めない方針であったが、教職員から抗議が相次ぎ、1日だけ不在者投票の時間を設けることになった。 ○11月14日 学長選考第1次意向調査 開票結果 平井候補 378票(43.3%)      倉知候補 304票(34.8%)      西頭候補 191票(21.9%) 投票率 76.9% 有権者 学長、理事、助教以上の専任教員、附属学園主幹教諭以上の教員、主査以上の事務職員、技術専門員、技術専門職員、長クラスの医療系技術職員 ○11月25日・27日 学長選考第2次意向調査 不在者投票 ○11月28日 学長選考第2次意向調査 開票結果 平井候補 314票(58.0%)      倉知候補 116票(21.4%)      西頭候補 111票(20.5%) 投票率 88.5% 有権者 学長、理事、准教授以上の専任教員、管理職手当を支給されている事務職員・教室系技術職員・医療系技術職員 ○12月1日 学長選考会議学内委員に意向投票の尊重を申し入れ ○12月4日 学長選考会議  選考委員のうち、学外委員は9名、学内委員は11名が出席。候補者3氏によるプレゼンテーションと質疑の後、選考委員で審議。学内委員の平井理学部長は自身が候補者のため審議に加わらず。  出席した学内委員によると、プレゼンテーションは3氏とも大差はなく、審議がまとまらないまま投票に入り、学外委員の大部分が西頭候補に投票した(と思われる)結果、西頭候補が11票、平井候補が7票、倉知候補が2票の結果になった。意向投票で最下位の候補を選出することに対して、学内委員から異議が噴出したが、学外委員に押し切られたという。  選考結果は午後3時に全学に公表された。 ○12月8日 組合中執声明を発表 ○12月10日 人文・経済・人間発達学部 教授会声明を発表  http://www.hmt.u-toyama.ac.jp/seimei.pdf  http://www.eco.u-toyama.ac.jp/soumu/seimei.pdf  (人間発達学部声明はHP未公開)   ○12月18日 理学部 教授会声明を発表  http://www.sci.u-toyama.ac.jp/news/seimei081219.pdf ○12月18日 金岡学長選考会議議長が審査経過に関する談話を文書で学内に公表。 ○12月22日 西頭学長が「次期学長候補者に選考されて」と題する文書を学内に公表。 ――以上――  なお関連文書のうちウェブ上に公開されていないものは、目下開設準備中の富大職組HPで公表する予定ですので、今しばらくお待ち下さい。 08/12/23(火) 15:30:06          大野 圭介 ------------------------------------------------------------ 富山大学人文学部 Email ohno@hmt.u-toyama.ac.jp    FAX 076-445-6141 http://www.hmt.u-toyama.ac.jp/chubun/ohno/ "[he-forum 13888] 共同通信12/24 共同通信2008年12月24日12時57分 中教審、大学教育向上策を答申 文科相に  中教審(山崎正和会長)は24日の総会で、大学が学生の成績評価や卒業認定を厳しくし、教育方法や卒業単位数を見直すなどして学士課程の水準を維持、向上させるよう塩谷立文部科学相に答申した。  答申は、学生が大学で共通して身につけるべき「学士力」について、知識や論理的思考力、コミュニケーション能力などの指針を提示。学部などの分野別に共通する教育内容を示した「コア・カリキュラム」を学会がつくることや、大学が学習成果を明確にした教育課程を編成するよう求めた。  書類審査や面接などによるアドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試は、学生数の確保目的で早期に実施することを避け、学力を適切に把握して行うよう求めた。  また、高等専門学校についても各校の知的財産を共有する仕組みをつくり、教育研究活動に生かすことなどの振興策を答申。教員の確保では定年退職した技術者らも積極的に活用、施設や設備の更新も促進するよう促した。大学への編入学枠を拡大し、進路の多様化に対応するよう求めた。 "[he-forum 13889] 共同通信12/24(2) 共同通信2008年12月24日19時06分 法科大学院定員4千人に削減を 日弁連が意見書  日弁連は24日、新司法試験合格率が想定を下回っている法科大学院の入学定員について「充実した少人数教育を実現するには(現在の全国計約5800人から)4000人程度に減少させることが考えられる」とする意見書を公表した。  意見書は「大規模校でも100人規模の削減」を求め、削減の指標として司法試験の合格実績を過度に考慮してはならないと主張。「(定員は)教育の機会均等の理念から、全国に適正配置されることが必要。地方の法科大学院の犠牲の上に削減が進められてはいけない」としている。  法科大学院をめぐっては、質向上策を検討している中教審大学分科会の法科大学院特別委員会が9月、各校の自主的な定員削減や統廃合を推奨する提言(中間まとめ)を公表している。今回の日弁連意見書は提言への見解をまとめたもの。 "[he-forum 13890] 北海道新聞12/25 北海道新聞2008年12月25日付 北海道TLO解散へ 北大が機能承継を検討  道内大学が持つ知的財産を民間企業で生かすため、技術移転などを手がけてきた北海道ティー・エル・オー(札幌、北海道TLO)が本年度末で解散する方向であることが二十四日、わかった。技術移転事業は北大が承継することを検討している。実現すれば国立大学法人で他大学の技術移転事業を受け持つケースは初めてとなる。  北海道TLOは一九九九年十二月、道内の大学や高専の教員と、北電など道内企業の計五十一の個人・法人が出資して設立した。  TLOとは技術移転機関の略。教員から研究成果の知的財産を譲り受け、同社が特許出願し、民間に有償提供する技術移転事業や、公的な競争資金の獲得、ベンチャー企業支援などを主な業務としていた。  設立から二〇〇八年三月末までの実績は、特許出願数が国内百三十五件、海外四十六件、民間企業との技術移転契約六十八件など。八社の大学発ベンチャー設立にかかわった。  〇四年に国立大学が独立行政法人化されたことで、知財を大学が管理することになったため、TLOとしての主要業務だった特許出願が激減していた。  北大は〇七年十月、知財管理や民間企業との連携を担当する「知財・産学連携本部」を設立。北海道TLO解散後は、同本部内にTLO事業を受け持つ部署を新設し、他大学に関する技術移転事業なども引き受ける方向で検討している。  文部科学省によると法律の承認を受けたTLOは今年七月現在、全国で四十七機関ある。 "[he-forum 13891] 毎日新聞12/26 毎日新聞2008年12月26日付 利益相反:大学医学部「指針」33% 文科省、研究の信頼性確保促す  公正な臨床研究を進めるため、利益相反に関する指針を整備した医学部のある大学は約3割にとどまることが文部科学省の調査で分かった。また企業から使途を定めず支給される「奨学寄付金」を申告対象にするとした大学は67%だった。文科省は患者の安全確保や研究の信頼性を損ねないよう、大学に指針作りを促した。  利益相反は、大学の医師や研究者が企業から研究費や報酬などを受けている状態。調査は11月、医学部のある国公私立の79大学を対象に実施し全大学が回答した。  その結果、利益相反のための指針を持っていたのは33%、08年度中に策定予定と答えたのが37%、今後策定または未定が30%だった。国立大(42大学)は53%が策定済みだが、私立大(29大学)は14%、公立大(8大学)は皆無だった。  利益相反の申告対象者に、研究を支援する分担研究者を含めたのは56%、研究者の家族は48%にとどまった。研究仲間や家族を隠れみのにすることも指摘されており、対象範囲が広い方がより公正さが担保される。  厚生労働省は、研究者の利益相反を審査する委員会が学内に未設置の場合、10年度以降、所属する研究者からの同省研究費への申請を受け付けないことを決めている。  調査をまとめた曽根三郎・徳島大教授は「利益相反自体が悪いのではなく、説明不足で弊害や研究への不信が起きることが問題。指針を作ってほしい」と話す。【永山悦子】 ==============  ■ことば  ◇利益相反  大学の教職員らが共同研究など産学連携活動に伴って企業や個人から利益(兼業報酬、未公開株式など)を受けることで教育・研究という大学での責任の公正さが疑われる状態。必ずしも法令違反になるわけではないが、社会から不信を持たれる可能性がある。 "[he-forum 13892] しんぶん赤旗12/25 しんぶん赤旗2008年12月25日付 30の国立大に独自奨学金 本紙の独自調査で判明  本紙が実施した国立大学授業料免除等実態調査では、大学独自の奨学金制度についても聞きました。回答のあった六十六大学のうち、三十の大学が、独自の奨学金が「ある」と答えました。回答から制度を紹介します。 ◇  北海道大学 企業の寄付をもとに支給。〇九年度の募集を最後に終了。  北海道教育大学 地域に貢献できる人材の育成を促進するため、優秀学生に対して支給。  室蘭工業大学 国立高等専門学校から三年次に編入学した学生に授業料の半額相当額を支給。  旭川医科大学 旭川医科大学医学部看護学科学生に月額三万五千円貸与。卒業後、すぐ同大学病院に常勤の看護職員として勤務した場合は勤務月数に相当する月数分の返還を免除。  弘前大学 一時的に経済的理由により生活が困難な学生に生活費にあてる資金を貸与。一人十万円を上限とし、原則一回。  山形大学 優秀学生に二年間、一人年額三十六万円支給。  茨城大学 企業の寄付金をもとに、介護・福祉関係を目指し、将来茨城地域で活動できる学生に一人三十万円支給。  宇都宮大学 優れている学生に十万円の奨学金を支給。  埼玉大学 企業等からの寄付による企業奨学金。  東京学芸大学 授業料免除申請者で授業料免除を受けられなかった学生を対象に選考し給付する奨学金。家計急変時の奨学金。来年度から学費負担軽減の一環として「教職特待生制度」を開始。  東京海洋大学 〇八年度から、国家公務員採用I種試験合格者に三十万円を上限に支給。  お茶の水女子大学 入学時に成績が優秀であると認められた学生二十人に五十万円を給付(一回)。  横浜国立大学 学術交流奨励事業派遣留学生奨学金。年間三十人、一人十万円支給。  新潟大学 入学試験成績優秀者に各学部から三人、年間二十万円、年間学業成績優秀者に各学部・各年次から三人、年間十万円を支給。  金沢大学 成績優秀者に一年分の授業料相当額を給付する制度。  山梨大学 同大学教育研究支援基金をもとに一人二十五万円支給。  岐阜大学 三年次以上で医学科を修学後、同大学の医学系研究者を志願する学生に修学資金八百万円を支給。  愛知教育大学 交流協定大学への留学を希望する申請者中から選考二人に年間六十万円支給。交流協定大学の推薦に基づき選考し、二人に年間百万円。  名古屋工業大学 同窓会奨学金制度。年間十五人に十万円給付(一回)。免除猶予申請不許可者に対して入学料または授業料相当額を貸与。  三重大学 生物資源学部の三年生に年間六十万円支給(二年間)。  滋賀医科大学 医学科・看護学科の成績が各学年一位の学生に月五万円支給(一年間)。  大阪大学 二年次を対象に教養教育において優秀な学生に一人二十万円を支給。  奈良女子大学 二回生以上の学生で両親がいない、母子家庭など学資負担者に特別の事情があり経済的に困窮し、優秀な学生に月一万五千円支給。  和歌山大学 家計が急変し、修学困難となり、授業料免除・日本学生支援機構等の支援を受けられない学生などへ無利子貸与。  鳥取大学 優秀学生奨学金制度。  広島大学 後期分の授業料を免除する成績優秀学生奨学制度(〇六年度から)。入学金、授業料の全額免除を受けられる制度(〇八年度新入生から)。  徳島大学 工学部の学生に一人年間百二十万円を給付する企業の奨学生制度。  高知大学 医学部学生に月四万円を一年間のみ支給。農学部森林学科学生に月五千円を一年間のみ支給。  九州大学 二年次以上の学生で、成績優秀、経済的困窮度が高い学生に奨学金を支給。  鹿児島大学 入学試験で優秀な成績を修めた学生に支給。 ----------------------------------------------------------------------- 国の奨学金拡充を急げ  世界一高い学費のもと、授業料免除制度とともに、“頼みの綱”になっているのが、奨学金です。ところが、国の奨学金(日本学生支援機構=旧育英会)は有利子が約七割を占めています。学生や保護者からあがっている「国の奨学金を無利子にしてほしい」「低収入の場合は返済を猶予してほしい」「欧米のように、返済なしの給付制奨学金にしてほしい」などの声にこたえ、国の奨学金の拡充が求められています。 "[he-forum 13893] 読売新聞三重12/26 読売新聞三重版2008年12月26日付 三重大大学院産学連携で企業即戦力養成来春、研究科を新設  三重大(津市)は25日、地域産業と連携し、ビジネスと研究開発の能力を持った人材を養成する「地域イノベーション学研究科」を来年4月、大学院に新設すると発表した。地域産業の活性化が目的。産学が連携して人材を育成する試みは、国立大で初めてという。  同科は、工学や生物資源学、医学などの分野で新商品の開発などを学び、企業の即戦力となる人材を育てる。大学教員と企業の研究担当者が専門教員として共同で指導する。来年4月、同科で使用する専門の研究機器を整備し、県内の企業などにも製品開発や試作品の評価に活用してもらう。  豊田長康学長は「地元企業の求めに応じ、世界を相手にビジネスができる人材を養成したい」としている。  募集定員は修士課程10人、博士課程5人。社会人も受講できるよう夜間の授業なども行う。来月9日午後6時から、同大で入試説明会を開く。 "[he-forum 13894] 琉球新報12/25 琉球新報2008年12月25日付 琉球大学:大学院に観光科 国立で初開設、人材育成目指す  琉球大学大学院は24日、2009年度に観光科学研究科(修士課程)を開設すると発表した。同日付で文部科学省から正式に設置認可を受けた。国立大学の観光系研究科は全国初。  観光科学研究科は観光産業科学部の上位機関として持続可能な観光概念に基づく地域振興や観光産業の発展を担う高度専門職業人の育成が目的。観光科学の基礎的素養や実践力、課題解決能力を持つ人材の育成を目指す。  研究科の募集人員は6人。新卒進学者や留学生、社会人が対象。来年1月に募集要項を配布する予定。問い合わせは同大法文学部観光産業科学科入試担当098(895)8184。 "[he-forum 13895] 沖縄タイムス12/25 沖縄タイムス2008年12月25日付 琉大観光学部大学院を設置/県内初 来年4月開設  琉球大学(岩政輝男学長)は二十四日、二〇〇九年四月から、大学院観光科学研究科(修士課程)を開設すると発表した。  県内大学としては初で、初年度の定員は六人。文部科学省が同日付で認可した。  岩政学長らは「持続可能な観光学の概念を体系化し、地域振興や観光産業の発展を担う専門家を育成したい」と意欲を示した。  琉大は二〇〇五年度に観光科学科、〇七年度に産業経営学科をそれぞれ法文学部内に設置。本年度から両学科を独立、統合し「観光産業科学部」を開設するなど、大学院設置の準備を進めてきた。  平敷徹男同部長は「十分に体系化されていない観光学の地位を向上させ、観光政策の企画、立案能力のある人材を育成したい」と意気込みを語った。来年一月上旬に募集要項を配布する予定。  問い合わせは同大法文学部・観光産業科学部学務係、電話098(895)8184。 "[he-forum 13896] しんぶん赤旗12/24 しんぶん赤旗2008年12月24日付 高い学費 貧困拡大… 国立大授業料 免除申請増える 本紙が全国調査  本紙が全国八十二の国立大学を対象に実施した「授業料免除実態調査」には、二十日締め切りで六十六大学から回答がありました。  二〇〇四―〇八年度の前後期の学費免除者数や独自の奨学金制度などを回答用紙に記入してもらう方式。授業料免除を申請する学生の増加や、全額免除の激減などが明らかになりました。中間集約(十一月十八日付)につづき、まとめを報告します。(伊藤悠希) --------------------------------------------------------------------------------  本紙調査によると、〇八年度前期の免除申請者は学生全体の9・2%。〇四年度前期の8・3%と比べ増加しています。  国立大学の授業料免除の国の予算枠は全学生の授業料の5・8%。ほとんどの大学でその率を上回っていました。地域的には北海道、沖縄では14%を超える大学もあり、10%を超えている大学は二十四でした。  国立大学の授業料は年間五十三万五千八百円(前期分は二十六万七千九百円)。一方、年収が二百万円以下の勤労者が、〇六年、〇七年と連続して一千万人を超えるなど、働いても低い収入しか得られない国民が増えています。貧困の広がりのもと、高すぎる授業料が家計を圧迫しており、免除申請者の増加につながっています。 全額免除激減  全額免除を受けたのは申請者数の25・8%で、〇四年度前期の35・0%と比べ、10ポイントも減っていることがわかりました。  一方、半額免除を受けたのは、申請者のうち、〇八年度前期で52・2%、〇四年度前期の36・5%と比べ大幅に増加しています。  また、全額、半額の免除を受けられない学生は、回答した大学の集約でも約七千二百人にのぼっています。 予算枠拡大を  授業料免除を申請する学生が増えると、大学側は半額免除を増やして対応することになります。〇四年度には全額、半額の免除は約半々でしたが、〇八年度では全額免除は半額免除の半分しかいません。すでに、全額免除をやめて、すべて半額免除にしている大学も出ています。  本紙調査からも、国の予算枠拡大の必要性が明らかです。 経済理由優先  授業料免除の基準は各大学とも学生の成績と家庭の収入をもとにしています。  東京大学は今年度から世帯年収四百万円以下の学生の授業料を全額免除する制度を開始しました。新入生の場合は、成績基準はありません。  京都大学では、〇五年度から成績にかかわりなく経済的に困っている学生が後期授業料の全額免除を受けられる制度を始めています。〇九年度からは新入生の場合、成績基準をなくしました。これにより、前期についても経済的理由のみで免除が受けられるように改善されます。 "[he-forum 13897] 時事通信12/25 時事通信2008年12月25日20時51分 振興調整費評価、約2割が不合格=文科省  文部科学省は25日、科学技術振興調整費による研究課題の評価結果をまとめ、政府の総合科学技術会議に報告した。対象となった82件のうち、「不合格」のC、D評価は約23%の19件で、昨年の12%(67件中8件)からほぼ倍増。中でも、評価項目すべてで最低の「D」評価を受けたものも1件あった。  振興調整費は、総合科技会議の方針に沿って設定された研究課題に配分される研究費。支出を受けて研究を行う大学などは、専門家による評価を受ける。  文科省によると、今回の評価対象は2006年度に始まった課題の中間評価26件と、昨年度に終了した課題の事後評価56件。「計画以上の取り組み」とされるA評価が8件あった一方、リチウムイオン電池の標準化を目指した慶応大の研究は「成果はほとんど得られていない」とされ、4つの評価項目すべてで最低の「D」ランクだった。 "[he-forum 13898] 日本経済新聞12/28 日本経済新聞2008年12月28日付 大学院の独自奨学金が低調、導入は5割どまり  大学院が独自の奨学金制度を導入している割合は全体の52%にとどまっていることが、文部科学省の「大学院活動状況調査」で分かった。学費の支払いが困難な学生向けの授業料免除制度も37%と3校に1校どまりだった。関係者からは「大学院の学生への経済支援を拡充すべきだ」との意見が出ている。  調査は2007年10月時点の状況について、大学院を置いている国公私立の590大学について集計した。 "[he-forum 13899] 読売新聞12/27 読売新聞2008年12月27日付 京大、ロンドンに拠点…人材獲得競争力を強化  京都大は来年2月13日、初の全学的な海外戦略拠点をロンドンに設ける。欧州の大学や企業との共同研究や人材交流を進め、国際競争力を高めるのが狙い。松本紘学長が26日、大阪市で開かれた関西プレスクラブでの講演で明らかにした。  計画ではロンドン市内に事務所を置き、専門スタッフ1人を配置。オックスフォード大、ケンブリッジ大、パリ大など欧州の有力大学や企業と連携交渉を進める。  京大は中国、アフリカ、東南アジアなど海外32か所に拠点を持つが、いずれも学部や研究所が研究のために設けたもの。松本学長は「世界中の大学で人材獲得の国際競争が激化しているが、京大は遅れている。この拠点を足がかりにしたい」と述べた。 "[he-forum 13900] 毎日新聞富山12/19 毎日新聞富山版2008年12月19日付 富山大:学長選考に異議、教授会が声明 「就任辞退」理学部も  今月4日の富山大学長選考会議で次期学長に再任された西頭徳三学長(70)に対し、人文、人間発達科学、経済の3教授会に続き、理学部教授会が18日、「教職員の意向調査が無意味であると宣言したに等しく、到底容認できない。このまま就任しても正常な大学運営は不可能」などと、学長就任辞退を求める声明を発表した。  今回の学長選には西頭学長のほか2人が推薦された。11月に教職員を対象に2回実施された意向調査で、西頭学長は大差で最下位だったが、学外委員が半数を占める選考会議は議長を除いて無記名投票を行い、西頭学長が20票中11票を得た。  既に人文、人間発達科学、経済の3教授会が11日に同様の声明を出している。8日には、教職員組合中央執行委員会も就任辞退を求める声明を発表した。【青山郁子】 "[he-forum 13901] 朝日新聞社説12/28 朝日新聞社説2008年12月28日付 宇宙基本計画―軍事頼みでは先が細る  5月に宇宙基本法ができてから初となる来年度の政府予算案で、宇宙関係は3488億円と、前年度の10%増という大盤振る舞いが認められた。  宇宙技術を育て、国民の役に立てていくのは大切なことである。  しかし、内閣官房に置かれた宇宙開発戦略本部が来年の宇宙基本計画づくりに向けて今月まとめた基本方針を見ると、本当に日本の宇宙開発が活発になって国民生活に生かされるのか、大いに疑問がわいてくる。  これまで重点はロケットや衛星の技術開発に置かれてきた。基本方針は、それを利用重視へと変えるという。宇宙開発の将来を見据え、産業として育てようとするなら当然のことだ。  各省庁の縦割りで宙に浮きかけていた気象衛星ひまわりの後継機づくりについて、政府の責任だとはっきりさせたことも、重要な一歩だ。  問題は、日本の宇宙開発がその軸足を軍事の分野に大きく移そうとしていることである。  宇宙基本法は軍事衛星など安全保障目的の宇宙利用に初めて道を開いた。今回の基本方針も、重点分野として国民生活の向上に次ぎ、安全保障を挙げた。産業界も安定した需要が見込めるとしてこの分野の拡大を期待する。  戦略本部は、弾道ミサイルの発射を探知する「早期警戒衛星」の導入などを検討するという。だが安全保障の問題に関しては、宇宙計画が先走っていい話ではない。そもそも、日本が自前の早期警戒衛星を打ち上げるかどうかは、防衛計画の中では何も決まってはいないのだ。  しかも防衛機密のベールに包まれると、コスト評価が甘くなりがちだ。産業として競争の中で技術を鍛え育てていくうえでもマイナスになる。  そこで気になるのは、官民共同開発の中型ロケットGXの扱いだ。開発が難航し費用が大きく膨らんでいるが、自民党の一部が続行を強く主張してきた。戦略本部は技術や費用の検討がなお必要だとして判断を先送りしつつ、安全保障目的のロケットと位置づけ、開発を続ける可能性も残している。  河村官房長官は「宇宙予算を5年で2倍に」と言うが、開発の可能性も需要予測もはっきりしないものを安保の名の下に官需で救うというのでは、このご時世に国民の支持は得られまい。  宇宙開発に政府の役割が重要なのは間違いないが、官需への依存を減らしていくことこそが産業育成の面では大事なはずだ。基本方針は、宇宙分野以外からも広く知恵を求めてすそ野を広げることを大きな課題としている。この点からも、できるだけ民生分野で技術を磨くことが得策だろう。  産官学の壁を越え、斬新な発想で日本ならではの技術を育て、利用を広げる態勢づくりこそが必要だ。 "[he-forum 13902] 時事通信1/2 時事通信2009年1月2日16時2分 国境越え、産学連携を支援=米特許情報サイト  【シリコンバレー2日時事】米有力バイオベンチャーのB-ブリッジ・インターナショナル(カリフォルニア州)は2日、日本の大学の技術移転機関(TLO)を含む各国大学と連携、最先端のIT(情報技術)や生命科学、超微細技術を柱に、特許情報の国際比較や海外事業化を支援する包括サイトを立ち上げる計画を明らかにした。世界的な景気後退で民間投資の抑制が鮮明となる中、存在意義が高まる国際的な産学連携の実効性向上を目指す。  名称を詰めた上、今春をメドに英語版サイトの運用をスタート。このほど公開した試験版は、医療の高度化、代替エネルギー、娯楽など18の産業分野を対象に、日米英他計7カ国、約60の有力大や民間研究機関と連携、当初3000件程度の特許を取り扱う。  新サイトは、難解な技術用語に傾斜しがちな特許情報を、製品・サービスの具体的構想や潜在需要に関するグラフやデータを交えて紹介するのが特徴。研究者と企業の目利き役双方が特定の特許や研究成果について、自由に意見交換できるブログ(日記風ホームページ)も開設し、事業化に当たっての国際課題の解決につなげる。  京大、阪大が加盟する関西TLO顧問を兼ねるB社の桝本博之最高経営責任者(CEO)は、「日本の大学発起業に逆風が吹く中、知的財産の有効活用を促し、国境を越えたプロモーション活動を後押ししたい」と話している。 "[he-forum 13903] 2009年度国立大学法人予算案の概要について 2009年度国立大学法人予算案の概要について 2009年1月5日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 さる12月24日に閣議決定された2009年度政府予算案のうち文科省管轄事項については文科省ホームページ(http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h21/yosanan/001.pdf )に掲載されてい る。本事務局は2009年度国立大学法人予算案の概要に関する文科省資料を入手したので、取り急ぎ若干の注釈を加えて公表する。政府案の本格的な検討結果は追って掲載する予定である。資料については、本事務局のホームページを参照されたい( http://www.shutoken-net.jp/2009/01/090105_2jimukyoku.html )。 1.平成21年度国立大学法人予算案概要 (注)「※当初内示▲3%▲354億円減)」とあるが、復活折衝の結果、「▲1%▲118億円」となった。ただし、2%の減額圧縮分は重要課題推進枠にあてはめられる。 2.平成21年度国立大学法人予定額の概要 (注)原資料は複写等に耐えられない恐れがあるので、事務局の方で網掛け等の処理を施した。 3.国立大学法人法人別運営費交付金予算額 (注)平成17年度(2005年度)以降のデータに来年度の各大学運営費交付金予算額(案)を加えたものを本事務局で作成した。 "[he-forum 13904] 日本経済新聞1/5 日本経済新聞2009年1月5日付 大学の国際化、遅れ気味 外国人教員の採用進まず  大学教員のうち外国人の割合は3.4%にとどまり、受け入れを増やすための施策を実施する予定もない大学が約6割に上ることが、文部科学省の調査で分かった。政府が2020年度までに日本への留学生を現在の2.5倍の30万人に増やす計画を立てるなど、大学にとって人材の国際化は大きな課題だが、現場の取り組みは遅れ気味だ。  文科省がまとめた大学院活動状況調査によると、大学に勤務する外国人教員数は07年度に5763人。教員は全体では16万7000人余りおり、外国人が占める割合は3.4%。前年度は3.5%で、比率は伸び悩んでいる。 "[he-forum 13905] 中日新聞1/4 中日新聞2009年1月4日付 名大に複合材研究拠点 大学院に来月新設  東海地方に集積するモノづくり産業の技術基盤を強化しようと、名古屋大大学院は2月、工学研究科内(名古屋市千種区)に複合材工学研究センターを新設する。三菱重工業が開発する国産旅客機「MRJ」で、主翼と尾翼に使われる炭素繊維強化プラスチックの研究から手掛け、複合材の世界的な研究拠点を目指す。  MRJは「YS11」に次ぐ約40年ぶりの国産旅客機。愛知県営名古屋空港(豊山町)を舞台に、産・官・学連携による国家プロジェクトとして推進されている。大学の複合材研究施設は全国的に珍しく、名空港隣接地に飛行研究施設をつくる宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)とともに「学」の一翼を担う。  炭素繊維強化プラスチックは軽量にもかかわらず硬度が高いのが特徴。自動車や飛行機向けの次世代素材として注目されている。名大工学研究科は「東海地方が世界に誇るモノづくりの拠点であり続けるため、複合材の研究が不可欠」と判断し、センター設置に踏み切る。  スタッフは航空宇宙工学を中心に、マテリアル理工学や分子化学工学、電子情報システムの研究者11人。宇宙機構の委託を受け、2月から炭素繊維強化プラスチックの基礎試験を始める。新年度以降は三菱重工との共同研究を本格的に進め、2011年秋に予定されるMRJの初飛行までに成果を出したい考えだ。  初代センター長に就任する上田哲彦教授(航空宇宙工学)は「航空宇宙産業を次世代の基幹産業とするため、全力を尽くす。その後、自動車や他の分野にも研究対象を広げ、東海地方の製造業を側面的に支援していく」と意気込んでいる。  【複合材】 使用目的に合わせ、強度や耐熱、軽量などの付加価値を付けるため2つ以上の素材を一体的に組み合わせた材料。近年、注目を集める炭素繊維強化プラスチックは、年内にも就航が予定されている米ボーイング社の次世代中型旅客機「ボーイング787」で、主要構造の約50%に用いられている。 "[he-forum 13906] 読売新聞広島1/6 読売新聞広島版2009年1月6日付 広大が失業者採用 非常勤20人、あすから受け付け  広島大(東広島市鏡山)は5日、最近の経済情勢の悪化で職を失った人を対象に、非常勤職員20人を採用すると発表した。7~9日に申し込みを受け付ける。大学がこうした形で職員を採用するのは全国的にも珍しいという。  雇用期間は19日から3月末までの2か月余り。職種は東広島と霞(広島市南区)の両キャンパスでの図書整理や、霞キャンパスの大学病院の清掃業務など。時給900円で、勤務時間は平日の午前9時から午後5時まで。  応募資格は、最近の雇用情勢悪化に伴って雇用主の都合で解雇された県内在住の人で、ハローワークを通じて休職中であること。年齢は問わないが、離職証明書などが必要。面接は13、14両日に広島市中区の東千田キャンパスで行う。申し込みの際に面接の日時を指定する。  広島大総務室人事グループでは「大学として地域のために貢献したいと考えた」としている。問い合わせは、同グループ(082・424・6026)。 "[he-forum 13907] 朝日新聞1/5 朝日新聞2009年1月5日付 〈学長力〉ときめき呼び起こす 東京芸術大学長 宮田亮平学長  芸術界にあまたの人材が輩出した東京芸術大。近年は映画やアニメなど、これまで大学と関係が薄かった分野にも進出している。宮田亮平学長自身は、東京駅の4代目「銀の鈴」などの金属工芸で知られる芸術家だ。芸術と大学経営。対極にあるようにも見える二つの仕事を軽やかに両立させている。(葉山梢) ◆アニメ表現も学術評価必要  ――大学が07年度にまとめたアクションプラン(行動計画)の副題は「世に『ときめき』を」でした。  「だれでもときめきの心を持っている。特に幼いころほど、豊かな感性がある。保育園や幼稚園に通う子どもたちは、みんな、お絵かきや歌が好きでしょう。それが、小学校、中学校と進むにつれ、うまいか下手かで評価され、比べられることで、全員にあるはずの感性、ときめき力をなくしてしまう」  「芸術を通して、人々のときめく心を、もう一度、呼び起こしたいというのが私の信念です。しいていえば、それが開かれた大学として私たちが果たすべき社会還元だと思っています」  ――キャンパスのある台東区や足立区、横浜市などとの共同プロジェクトに力を入れていますね。  「街に出て人々に接し、具体的な環境の中で活動することは、私たちに専門領域を超えた力を与えてくれる。こうした活動は芸術による街づくりの可能性を開くものでもあって、今後も積極的に取り組んでいきたい。街に出た芸大に、『明るくなった』『学内に入りやすい雰囲気になった』などの言葉をいただくようになったのが、とてもありがたい」  ――今年度、アニメーション専攻を作りましたね。  「絵巻物の『鳥獣戯画』を思い浮かべてほしい。躍動する動物たちの表現は、現代のアニメーション表現にもつながっている。日本のアニメや漫画が世界中に受け入れられている今、日本独自のアニメーション表現を学術的に評価していくことは、時代の要請でもあると思う」  「正直に言えば、『なんで大学でアニメなんだ』という声が学内にあった。でも、芸大は次代を担う表現者の育成を重視しているから、アニメーション専攻も作品の創作はもちろん、放送や通信などの分野で新しい映像コンテンツ産業を事業化していく、つまり、プロデュースできる人材の育成も目指していく」  ――舞台芸術の分野などへの関心はどうですか。  「声楽科の中にオペラ専攻があって、毎年定期公演を行っている。大変な人気で、チケットは売り切れです。ただ、会場の奏楽堂はオペラ用の舞台ではない。そこで08年に初めて新国立劇場の大劇場を借りて、オペラの練習を行った。得難い経験で、交流や発展に向けた大きな進歩だと思う」 ◆現場に顔だし喜び共有する  ――法人化で資金面の苦労はありますか。  「07年、政府の有識者会議が相次いで国立大学の運営費交付金に『競争原理の導入』を提言し、科学研究費補助金の実績に基づいて配分するという話を出してきた。しかし、科研費に『芸術』という引き出しがないのに、こうした話が出たことに、強い怒りを感じました。それで頑張って08年度から科研費に『芸術学』という分科を加えてもらった」  「芸大の申請件数は07年度の31件から08年度は71件に増えた。採択率はそれほど高くないけど、これから努力していけばいい。科研費の勉強会を開いていても、以前は関心がなくがらがらだったのに、最近は満員になる。先生たちの意識も高くなってきている」  ――教職員をうまくリードするコツは?  「自分自身が現場力の人間だと思っているから、現場の意見を大事にしたい。自分とちょっと違うと思っても、安易に否定するようなことはしない。そして、現場によく顔を出すようにし、自分の肌で知ることが一番大切だ。現場の喜びを共有できれば、こんなにうれしいことはない。それと、現場が努力してやったことを、自分がやったみたいに言いふらしては絶対ダメ。現場のモチベーションが下がってしまいます。特に気をつけていることだ」  「07年に作った社会連携センターの課長には、初めて芸大生え抜きの職員になってもらった。課長というと、文部科学省から来る人が多いけど、プロパーでも優秀な人はどんどん仕事ができる地位に就いてもらいたい。するとモチベーションが上がる」  ――公用車を自転車にしたそうですね。  「学長になる時ちょうど運転手さんが定年だったので、黒塗りをやめた。“オープンカー”に乗っていると、いろんな人から情報が入ってくる。コミュニケーションがすべての源だから、長所は計り知れない」  「学長の仕事は、芸術をリヤカーに積んで、どこでも走っていってときめきを伝える行商人。芸術というのは、人が来るのを待っていては伝わらない。自分から持っていかないと。そういう意味で自転車はいい」  ――学長となってからも、積極的に作品を制作していますね。  「時間は、神が全世界の人に平等に与えたもの。1日24時間を、どう使うかが重要だと思う。決断したことは必ず作品にする。そういう習慣をつけておくと、大学経営にもうまく反映される。創作活動をやるのは一つの現場力でもあるけど、学長力にもつながるんじゃないかな」     ◇ 【近年の主な出来事】 05年 大学院映像研究科に映画専攻を設置 06年 同研究科にメディア映像専攻を設置    東京都足立区に千住校地を開設し、音楽学部音楽環境創造科を移転 07年 創立120周年    「東京芸術大学アクションプラン」をまとめる    地域や産業との連携の窓口「社会連携センター」を設置 08年 同研究科にアニメーション専攻を設置     ◇  新潟・佐渡島生まれ。東京芸術大大学院美術研究科修士課程修了。美術学部長などを経て05年12月から学長。専門は鍛金。イルカがモチーフの「シュプリンゲン」シリーズが代表作。63歳。 ◆記者からひとこと  写真撮影のため、一緒にキャンパスを歩いていると、学生から次々と話しかけられていた。学生が話しかけやすい雰囲気を持つ学長って、あまりいないのではないか。教授時代は学園祭で自ら佐渡のイカを焼いて売っていたという。「現場力」と「オープンカー」効果なのかもしれない。 "[he-forum 13908] 河北新報1/7 河北新報2009年1月7日付 東北大病院、残業代未払い 260人分5500万円  東北大病院(仙台市)が医師の残業代を月30時間で打ち切り、2006―07年度の未払い額が約5500万円に上ることが7日、明らかになった。残業代が支払われなかった医師は延べ約260人で、一人150万円以上のケースもあった。病院は1月中に未払い分全額を支払う。  病院によると、国立大学法人化された04年4月以降、手術記録などで残業が確認できる産科や小児科、麻酔科の医師には月60時間の残業を認めたが、ほかの医師は労使間協定で確認した月30時間程度で打ち切っていた。  勤務時間は医師の自己申告制で、当時は出勤と退勤時刻だけを届けていた。病院によると、医師の業務は診療と個人の研究との区別が付きにくいため、残業の実態把握が難しかったという。  勤務医から相談を受けた仙台労働基準監督署が07年12月、未払いを指摘。08年3月には是正を勧告した。病院は残業代を適正に支払うよう改めた上で、06―07年度の未払い分を調査していた。 "[he-forum 13909] 読売新聞群馬1/7 読売新聞群馬版2009年1月7日付 小児科医13人引き揚げ 群大医会方針、9病院から  群馬大が館林厚生病院(館林市)など関連病院への常勤医の派遣数の縮小を検討している問題で、同大小児科医会が6日夜に同大で開かれ、来年度は、同病院など最大で9病院から計13人を引き揚げることを決めた。県内では、最大で8病院の11人が引き揚げられ、うち館林厚生は、現在の2人から0人となるため、入院治療ができなくなる見通しとなった。 ◆館林厚生、入院不可能に  同医会によると、来年度の常勤医の派遣数は、館林厚生が2人減となるほか、公立富岡総合病院(富岡市)が3人から2人(1人減)、県立小児医療センター(渋川市)が13人から11人(2人減)、同大医学部付属病院が18人から16人(2人減)など。佐久総合病院(長野県佐久市)も、4人から2人になる。ほかの県内4病院については、常勤医の意向に未確定の部分があるため、公表を控えた。  同医会には関連病院への派遣も含め、小児科医77人が所属。出産や開業などで3月末に離職者や常勤を外れる医師が十数人出るため、派遣先の縮小を検討していた。  同日夜に記者会見した同大小児科の荒川浩一診療科長は「医会で、『苦渋の選択で、派遣できない』という現状を説明した。非常勤で補えるよう検討したい」と話した。  一方、館林厚生のある邑楽館林地区の1市5町は、同大と県に約12万9000人分の署名を提出し、医師確保を依頼してきた。館林市の安楽岡一雄市長は「大学からの正式な話は伺っていない」とした上で、「署名の重みを真摯(しんし)に受け止めてもらえなかったことは大変遺憾。住民が不安を募らせることのないよう、今後も小児科が維持できるように全力で取り組む」とのコメントを出した。 "[he-forum 13910] 読売新聞秋田1/7 読売新聞秋田版2009年1月7日付 共同研究など連携協定へ 秋田大、県立大、国際教養大  秋田大、県立大、国際教養大の県内の3国公立大が、共同研究、教育の相互補完、事務機能を強化に向けた連携協定を締結する準備を進めている。少子化で大学全入時代を迎え、各大学が、それぞれの特色を生かし手を組むことで生き残りをかける。  県学術国際部によると、3大学が目指す協定内容は、〈1〉地域活性化を目指した共同研究〈2〉教員や教育システムの相互補完〈3〉職員の人事交流による事務機能の強化――の3点。今年度内の締結に向け、詳細を詰めている。  具体的には、各大学が北秋田市の阿仁地域や由利本荘市の鳥海地域といった一地域を拠点に行っている自然、文化、歴史などの地域研究に、3大学が共同して取り組み、産業育成や観光資源の開拓といった地域活性化につなげる。  また、英語などの外国語に強い国際教養大の教員を秋田大や県立大に派遣するなど、各大学が得意とする教育分野を生かし、教員を派遣し合ったり、授業を相互に受けられるようにしたりする。  さらに、職員の人事交流を進め、事務作業の見直しや改善につなげていく。  協定締結により、各大学の特色を補完し合うことで研究の充実を図り、事務のスリム化も進め、県をあげて学生に選ばれる大学の環境作りを目指す。 "[he-forum 13911] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.9 ニュースレター NO.9 2008、12,24  公正な学長選考を求める裁判を支える会  事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内  (TEL/FAX 088-844-1489) ○行政裁判 越年へ!  刑事不起訴への不服申し立ては目下準備中  行政訴訟について9月15日発行の本ニュースNo.8において、裁判地について係 争中ということをご報告しましたが、いまだに審理中です。  すでに先のご報告から3ケ月が経過していますので、少しおさらいをしておき ます。  ・ 本年4月私たちは「高知大学長任命の無効確認」を求める行政裁判の提訴に 踏み切りました。  ・提訴を受けた高知地裁は第一回口頭弁論を9月19日と決定し、関係者に通知 しました。  ・ところが、これに対して国側から、東京又は高松の地裁で行うべきであると の「移送」の申し立てがなされました。  ・この国側の申し立ての根拠となったのは、行政事件訴訟法における、裁判は 「高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所」(特定管轄裁判所)で行うのとい う規定です(第12条 4)。つまり、国の申し立てにある「東京又は高松の地裁」 とは「特定管轄裁判所」という訳です。  ・一方、同じ行政事件訴訟法には、「当該処分又は裁決に関し事案の処理にあ たった下級行政機関の所在地の裁判所にも提起できる」(第12条 3)という規定 もあります。私たちは、これを拠り所として高知地裁に提訴を行ったのです。  ・この争いは私たちの勝利に終わりました。9月12日に高知地裁が私たちの主 張の正当性を認めて、国側申し立てを却下したことはすでにお伝えした通りです。  ・ところが国はこの決定を不服として、高松高裁に抗告(異議申し立て)を行 いました。この結果、9月19日に予定されていた口頭弁論は流れました。  ・その後、高松高裁で審理(非公開)が行われていますが、それから3ケ月以 上経過した現在も結論は出ていません。弁護団を通じて問い合わせましたが、時 間がかかっている理由、今後の見通しについては不明です。  予想以上の長期戦になりつつありますが、大学内の状況を見るに、ますます私 たちの裁判の重要性は高まってきています。  一方、これもすでにNo.8号でご報告した、「刑事不起訴に対する不服申し立て」 については弁護団と最後の詰めの段階に入っています。もう少しお待ち下さい。 ○ 評価が低いのは裁判のせい?    「大学評価・学位授与機構」による第一期中期計画の評価が一月に公開されま す。様々な状況から考えて、高知大学にとってかなり厳しい評価が予想されます。 そのような空気がさすがに ”KY” ぞろいの執行部でも感じ取れるのでしょう か、学長周辺では「機構や文部科学省の評価が低いのは国を訴えるような不届き 者がいるからだ」などと言っているようです。    しかし、このような認識は当を得ているのでしょうか?  「大学評価・学位授与機構」による評価は大学から提出された報告書(各学部 からの「現況報告書」と大学からの「達成度報告書」)に基づいて行われます。 10 月に機構による訪問調査があり、この達成度報告書に対して機構側から数々 の厳しい指摘がなされたことは、すでに各学部の教授会でも報告がなされたこと と思います。これらの指摘に共通する最もクリティカルな評価は高知大が出した 達成度報告書では評価ができないこと、教育研究活動の結果を検証するための根 拠となる数値データがほとんど挙げられていないことはそもそも評価する・され る以前の問題であるということでした。言うまでもなく、この報告書を書いたの は、裁判を支える会ではありません。執行部が作成したものです。  また、この訪問調査のヒアリングで大学院一元化改革について質問がありまし た。担当理事が「実態は以前と全く変わりません」と回答して、機構側を仰天さ せ、さらにはエルダープロフェッサーに関する質疑では,ちぐはぐな応答を繰り 返して終いには大学側から定員削減の責任を逆に問う場面もあり、機構委員が好 印象を持ったとは言い難い内容でした。裁判についての質問はありませんでした。    更に、次期中期計画に関して文部科学省との「意見交換」が11 月21 日に行わ れ、文部科学省から本学改革の歴史的経緯や状況に関して無配慮なコメントがあ りました。これに対して、本学の理事らはまともな説明も反論もできなかったよ うです。    そして、1 月1 日付けで事務局長(財務担当理事)が転出するのは大学にとっ て大きな損失ですが、もちろんこれも私たちのせいではありません。    さて皆さん、もしも大学評価・学位授与機構や文部科学省の高知大学に対する 評価が低いとしたら、それは執行部の無能のせいでしょうか、それとも裁判のせ いでしょうか? ○富山大学長選で意向投票結果(なんと三倍の票差)無視される!!!  さる12 月4 日、富山大学で行われた学長選考において、同大の学長選考会議 は現職の西頭徳三氏を次期学長として選任しました。ところが、これは二回にわ たって行われた意向投票の結果を完全に無視するものでした。特に第二次意向投 票(投票権が専任の教授・准教授、管理職手当てをもらっている職員にある)に おいては、西頭氏はトップの平井候補の314 票に対してわずか111票しかとれま せんでした。    これに対して、富山大学の人文、人間発達、経済の三学部教授会は12 月10 日 それぞれの教授会において抗議声明を発しています。  私たちの大学とは状況は異なりますが、国立大学法人における学長選考の問題 点が噴出した出来事として、今後の動きを注目したいと思います。  人文学部教授会の声明は以下のURLで見ることができます。  http://www.hmt.u-toyama.ac.jp/seimei.pdf "[he-forum 13912] 日本経済新聞1/10 日本経済新聞2009年1月10日付 製薬企業の寄付「受領ルールない」2割以上 厚労省が大学調査  製薬企業からの寄付金の取り扱いについて、医大などの2割以上が受け取りのルールがなく、研究上の判断などで寄付を受けた企業に有利な判断をしてしまう偏り(バイアス)が生じると考える教授も2割を超えることが9日、厚生労働省研究班の調査で分かった。同省は「疑いを持たれないよう経理処理や情報公開のルール作りが不可欠」と話している。  調査は全国の国公私立大学の医学部、薬学部の3分の1に当たる43校と各校5人ずつの教授を対象に、昨年8―9月に調査票を郵送。33校(回答率76.7%)と教授112人(同52.1%)が答えた。 "[he-forum 13913] 静岡新聞1/8 静岡新聞2009年1月8日付 連合大学院4月開設、小児発達学研究科 浜松医大  浜松医科大は今年4月に大阪大、金沢大とともに連合大学院「小児発達学研究科」(博士課程)を開設する。修士以外にも教育に携わる社会人に門戸を開放するほか、他分野の講義受講や他大学の学生との集中演習などをカリキュラムに盛り込み、子どもの心の問題に総合的に対応できる専門家の養成を目指す。  連合大学院は、複数の大学が得意分野の講座を提供し合う大学院の形態で平成16年度に制度化された。これまでは教育学系や農学系の同一分野同士が多かったが、新たな連合大学院は学問の枠を超えた全国初の“異分野融合型”。浜松医科大は画像生物学、社会支援学、疫学統計学を担う。  入試は各大学共通で実施。修士以外にも、子どもの心にかかわる経験を持つ医師や学校教員、スクールカウンセラー、看護師ら第一線の現場で活躍する社会人に門戸を広げたのが特徴の1つ。面接や書類による資格認定審査を通過すれば修士と同じように受験できる。  1年目は他分野も含めた基礎学力を身に付けるため遠隔会議システムを活用して他大学の講義も受講できる。2年目は夏季、冬季の長期休暇に他大学の学生と1カ所に集まり演習を実施する。3年目は浜松医科大の専門分野の中からテーマを選んで論文作成に当たる。  社会人の入学者に配慮し、1―2年目は夕方以降に授業を設定した。連合大学院全体の専属教員は23人。初年度の入学定員は3大学で計10人(浜松医科大は3人)で出願は既に締め切った。  連合大学院を担当する浜松医科大子どものこころの発達研究センターの武井教使教授は「異分野を知ることで新たな観点から解決法を探ることができる。教育現場で活躍する人に学んでもらい、社会に還元できる人材を育てたい」と意気込む。 "[he-forum 13914] 読売新聞1/9 読売新聞2009年1月10日付 消えゆく夜学 大阪市大も募集停止へ「格差広がる」声も 勤労学生今は昔?  60年近い歴史を誇る大阪市立大学の第2部(夜間課程)が、2009年度を最後に学生募集を停止する。企業や役所で働きながら学ぶ学生が減り、両立を支えるという本来の役割が失われてきたためだ。全国でも、夜間学部や夜間主コースを持つ大学は1999年度の104校から、今年度61校まで減少するなど、〈夜学の灯〉は急速に消えつつあり、景気悪化で経済的苦境に立たされる学生の増加が懸念される中、「苦学生の受け皿がなくなる」との声も上がっている。 ・・・  大阪市大の2部(商、経済、法、文の4学部)は50年に設立された。授業料は第1部の半額程度で、昨年10月1日現在の学生数は976人。地方から出てきた勤労学生らを受け入れ、これまでに計7700人の卒業生を輩出してきた。  元日弁連会長の鬼追(きおい)明夫弁護士(74)は57年の卒業生。弁護士事務所で勤務しながら学び、司法試験に合格した。「今の自分があるのは勉強の場を与えてくれた2部のお陰。多くの学生が貧しかったが、夢に向かって必死に努力していた」と懐かしむ。  しかし、時代とともにそのあり方は大きく様変わり。大学の調査では、2部新入生の正社員の割合は85年度に52%だったが、08年度は151人中1人だけ。ほとんどは昼間はアルバイトなどをしており、入学後に定職を見つける学生も07年度は17%にとどまった。  一方で、学力低下も指摘されているという。08年度の入試では、2部受験生の合格最高点は、全学部で、同じ試験を実施する1部の合格最低点より下だった。大学の担当者は「学力の面で2部を選ぶ学生が増え、勤労学生に高等教育の場を提供するとの趣旨が薄れた」と廃止理由を説明する。  これに対し、廃止に反対する学生らは「市大二部廃止問題を考える会」を結成。11月に2部学生305人にアンケートを実施したところ、53%が進学の理由に比較的安い学費を挙げたとして2部存続を求める。  大学の07年度の調査でも、親の年間所得が400万円未満という学生の比率は、2部が35・4%、1部は15・2%と大きな差が出ており、同会の泉谷亨輔代表(25)は「経済的に苦しい学生にとって2部は絶対に必要。景気が悪化する中、教育の格差が広がりかねない」と訴えている。  関西国際大の濱名篤教授(教育社会学)は「大学間の競争が激化する中、効率的な経営が求められているが、教育の多様な機会は残すべきだ。このまま不況が続けば、夜学の必要性が再び高まる可能性はある」と話している。 "[he-forum 13915] 新潟日報1/8 新潟日報2009年1月8日付 県が地域医療学の講座開設へ  県は7日、医師不足対策として2009年度、新潟大大学院に「総合地域医療学」の寄付講座を開設すると発表した。幅広い診療能力を持つ「総合地域医療医」の養成や、医療現場の連携推進を通して、病院勤務医の支援、医師不足の緩和を目指す。  期間は11年度までの3カ年。担当する教授と教員計3人を配置する。県が運営費用として年3400万円程度を寄付。関連費用は09年度当初予算案に計上する。  講座では、総合地域医療医を養成するプログラムの研究開発を行う。医療の専門化・細分化が進む一方で、地域医療の現場では幅広い知識や診察技術が求められる。大学教育から卒業後の研修を通じ、一貫してこうした力を身に付けられるプログラム開発を目指す。  医療現場の連携推進では、テレビ会議システムなどの情報技術(IT)を活用。地域の医師が難しい症例の診断時に新大医師と相談する、医療機関の間で患者の診療情報を共有するといった連携方法を研究開発する。魚沼基幹病院の建設など、医療体制が今後大きく変わる魚沼地域を研究エリアに設定する。  県医薬国保課によると、地域医療に関係する寄付講座はこれまでに全国13県、15大学で開設されている。  泉田裕彦知事は7日の会見で「地域医療を担う人材を育成できる態勢をつくり、魚沼基幹病院に向けた第一歩としたい」と話した。 "[he-forum 13916] 読売新聞1/9 読売新聞2009年1月9日付 地方国立大 「出張入試」に力  少子化が進む中、優秀な学生を幅広く集めようと、地方の国立大が近年、地元以外にも試験会場を設ける「出張入試」に力を入れている。  狙い通りに志願者を増やせた大学もあればそうでない大学もあり、専門家は、会場の増設だけではなく、大学の魅力を明確に打ち出すことを重視すべきだと指摘する。  出張入試の効果があったとするのは室蘭工業大だ。同大は2007年、札幌市と仙台市に入試会場を作り、昨年は名古屋市にも増設。ここ数年900人前後で推移していた志願者数は、昨年1074人に増加した。入試課の担当者は「もともと一定の志願者がいる地域に進出し、高校や予備校にアピールしてきた成果が出たのでは」と話す。  今年から兵庫県西宮市で出張入試を始める香川大は、関西地方で志願者の掘り起こしをはかる。  同大が昨年の志願者の出身地を分析したところ、四国地方47%、中国地方32%に対し、関西地方は11%だった。かつては、関西地方が20%以上を占めていたことや、受験世代の子供を持つ同大OBが比較的多く住んでいることから狙いをつけたという。入試グループの山田三千夫リーダーは「受験しやすい環境を作れば香川大に目が向くはず」と話す。  大手予備校「代々木ゼミナール」によると、今年、出張入試を行うのは18校。07年11校、08年17校と増加している。しかし、現実にはこの手でたやすく志願者を増やせるわけではないようだ。  東海地方の志願者を取り込もうと、昨年から工、理学部が名古屋市に入試会場をつくった富山大。工学部の志願者は前年から180人ほど増やしたが、反対に理学部は100人近く減らした。名古屋市には、福井大や山梨大なども進出し競合が激しいという。富山大の入試担当者は「受験生の動向を分析しきれない」と困惑気味。また、長崎大は卒業生が首都圏で教員になるケースがあることから昨年、教育学部の一部コースについて、横浜市で試験を行った。しかし「受験生へのアピール不足」(入試課)がたたり、横浜会場の志願者はゼロという結果だった。  教育評論家の和田秀樹さんは「地方の国立大は知名度が不足しているので、出張入試をする地域の高校や予備校に対し、事前に大学の魅力をしっかり売り込まないといけない。そうしないと、期待した成果は得られないだろう」と指摘している。(渡辺光彦) "[he-forum 13917] 北海道新聞1/12 北海道新聞2009年1月12日付 北見工大に医療工学専攻 道内初、大学院へ新設検討 【北見】北見工大は、大学院の博士後期課程に道内初の「医療工学専攻」を設置する検討を始めた。高齢化社会を見据え、人工血管の開発など工学の技術で医療に貢献する研究者を育成する。早ければ二〇一〇年度の設置を目指す。  現在、北見工大の博士後期課程はシステム工学、物質工学の二専攻。これを再編し、医療工学専攻の新設を目指す。博士後期課程の改組は、一九九七年の同課程設置以来初めて。  医療工学専攻の研究対象は、義手、義足をはじめとする補装具の開発、コンピューター断層撮影装置(CT)など画像診断のデータ処理、新しい化学材料を応用した人工血管など人工人体組織の開発などが考えられる。こうした分野を専門にする研究者がすでに学内に十人前後いる。  また、北見市内の医師、歯科医師らが北見工大の教授らとともに〇三年に「北見医工連携研究会」を設立し、学内の医療工学系の優れた業績を毎年表彰し若手研究者を後押しするなど全国的にも珍しい取り組みをしていることも、今回の検討着手の背景にある。  博士後期課程の見直しを担当する同大理事の高橋信夫教授は「過疎地や寒冷地に求められる医療技術に役立つ研究をしたい」と話している。 "[he-forum 13918] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に!41号(1/9)] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に!41号(1/9) Date: Fri, 9 Jan 2009 20:19:03 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org To: NQJ35480@nifty.com ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 41号 2009年1月9日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 明けましておめでとうございます。今年こそこのメルマガ最終号を 出して、共謀罪を廃案に追い込みましょう。新年早々の勉強会を計 画しています。是非ご参加ください。 ────────────────────────────── 41号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  1/10 集会・パレード:ガザに光を!即時停戦を求めるピースパ     レード&シンポジウム  1/11 集会・デモ:スピークアウト&デモ:イスラエルは占領と     ガザ侵攻をやめろ!  1/15「イギリスの共謀罪を考える」学習会 ■国会情勢  2009年、共謀罪の3度目の廃案を実現しましょう! ■共謀罪シリーズ(第3回)  イギリスとアメリカの共謀罪 ■政党のウエッブサイトから ■ニュース  イスラエルによるガザへの侵攻に関する2つの声明 ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆1/10 集会・パレード━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ガザに光を!  即時停戦を求めるピースパレード&シンポジウム  http://www.ywca.or.jp/news.html#20090107  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 1月10日(土)pm1:00-5:10(上映会・ピースパレード)          pm6:30-8:30(シンポジウム) ところ ○東京・港区芝公園 増上寺慈雲閣(上映会)     地下鉄都営三田線御成門駅徒歩3分 http://www.mapion.co.jp/c/here?S=all&F=mapi6004861090109170114     ○東京・港区芝公園 23号地(ピースパレード出発地)     地下鉄都営三田線「御成門」駅A1出口徒歩5分 http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/map001.html     ○東京・港区神谷町 聖アンデレ教会(シンポジウム)     東京メトロ日比谷線「神谷町」駅1番出口徒歩10分 http://www.nskk.org/tokyo/church/map_html/andrew_m.htm ◇プレイベント(増上寺慈雲閣 pm1:00-)  上映会 『パレスチナ1948・NAKBA』(監督 広河隆一) ◇ピースパレード(芝公園23号地 pm3:30-)  | パレードのテーマは「ガザに光を!」。  | ペンライトや懐中電灯などの光るものをぜひ持参ください。  pm3:30「芝公園23号地」集合  pm4:00 パレード開始  pm5:10「六本木三河台公園」にて終了。キャンドルで祈り      を捧げます。 ◇シンポジウム(聖アンデレ教会 pm6:30-8:30)  リレートーク   池田 香代子さん(『世界がもし100人の村だったら』再話者)   広河 隆一さん(ジャーナリスト)  パレスチナに関わるNGOのアピール他  現地ガザからの声(電話録音)(予定) ◇参加費無料 ◇主催:1・10 ガザに光を! ピースパレード実行委員会 ◇問合せ  ピースボート 電話:03-3363-7561  日本YWCA 電話:03-5367-1872 ◆1/11 集会・デモ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  スピークアウト&デモ:イスラエルは占領とガザ侵攻をやめろ!  http://midan.exblog.jp/  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 1月11日(日)pm2:00(開場)-4:45(デモ終了) ところ 東京・新宿 四谷地域センター・多目的ホール(12階) ○東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅徒歩5分 http://www2.odn.ne.jp/~hao65350/page002.html ◇プログラム  アピール   阿部浩己さん(国際人権法/神奈川大学法科大学院教授)   鵜飼哲さん(ティーチイン沖縄/一橋大学教員)   小倉利丸さん(ピープルズプラン研究所/富山大学経済学部教   員)  リレーアピール   国富建治さん(新しい反安保行動をつくる実行委員会)    杉原浩司さん(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)    園良太さん(憲法カフェ)   北林岳彦さん ほか ◇デモ(出発pm5:00)  四谷地域センター発、新宿方向へ  | できるだけ、各自で手作りのプラカードなどを持参して下さ  | い(主催者側も用意します)。 ◇参加費 300円 ◇主催:「スピークアウト&デモ:イスラエルは占領とガザ侵攻を  やめろ!」実行委員会 Tel.090-6498-6448 ◆1/15 学習会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  1・15「イギリスの共謀罪を考える」学習会  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき  1月15日(木)18時30分~21時 ところ 東京・渋谷区勤労福祉会館第二洋室 ○東京・山手線渋谷駅徒歩5分 http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kinro.html ◇お話 「イギリスの共謀罪とその適用実態」  山口響さん(ピープルズ・プラン研究所)  |  共謀罪は初めイギリスでつくられ、アメリカにわたって更  | に「発展」しました。その危険性は、日本の最高裁で無罪判  | 決が確定した三浦和義さんを逮捕し、死亡事件を引き起こし  | たことに示されています。  |  イギリスの共謀罪のことはあまり知られていませんが、数  | 百年の歴史をもっています。しかも日本の共謀罪は、話し合  | うこと自体を処罰し、それを促進する何らかの行為を必要と  | しないなど、アメリカよりは、イギリスの共謀罪に似ていま  | す。  |  今回、共謀罪の危険性をさらによく知るために、イギリス  | の共謀罪の学習会を開きます。大勢のご参加をお待ちします ◇参加費 500円 ◇主催 盗聴法に反対する市民連絡会 ◇連絡先  日本消費者連盟 Tel.03-5155-4765  ネットワーク反監視プロジェクト Tel.070-5553-5495 ────────────────────────────── ■国会情勢■ ────────────────────────────── ◆1月5日、通常国会はじまる━━━━━━━━━━━━━━━━━  2009年、共謀罪の3度目の廃案を実現しましょう!  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  共謀罪の最終的な廃案を実現できるかもしれない絶好のチャンス が到来しています。    2003年3月の共謀罪新設法案の提出から6年、2度の廃案、提出を 繰り返してきた共謀罪は、この2年間審議入りもできていません。1 月5日開会の通常国会でも審議入りできる可能性はありません。衆 議院選挙が遅くとも今年の9月までにあります。それまで成立でき ず、選挙になれば共謀罪は廃案です。  私たちの共謀罪反対の運動は、ついに政府・法務省の共謀罪の審 議入り・成立を許さず、3度目の廃案を実現できるかもしれないと ころまできました。3度目の廃案を実現し、今度こそ政府・法務省 に共謀罪の提出を断念させましょう。 ◇自民党の内紛が表面化する麻生政権  麻生政権は、かつての森政権の末期をこえる危機に直面していま す。いまや支持率は20パーセント以下まで落ち込み、政権の維持に 躍起となっています。  国会の情勢の核心は、麻生政権がいつまでもつかということにつ きます。1月の補正予算案-定額給付金をめぐる攻防次第では、自 民党内から一部の議員が反乱し、反対票を投じるのではないかとさ えいわれています。自民党から17名の反乱が出れば、衆議院で3分 の2議席を確保できす、参議院で否決された法案は再議決できず、 衆議院は解散せざるをえません。  麻生政権は、経済対策の名のもと、政権の延命をはかってきまし たが、そのいい訳はもはや市民に通用しません。  国会の情勢は、基本的な流れとしていつ選挙があってもおかしく ない状況にきています。 ◇人が人らしく生きられる社会のために  長期にわたる自民党政治のもたらしたものは、派遣労働者の大量 の首切り、3万人をこえる自殺者に示される金持ち優遇、弱者きり 捨て社会でした。弱者の声を踏みにじる社会で人権と自由が保障さ れるはずはありません。事実、格差社会の進行とともに社会の監視 ・管理化が急ピッチで進められています。  今、こうした自民党政治に各方面から批判の声があがっています。 きたる衆議院選挙こそ、格差と貧困、自由と人権の規制、戦争への 道を進む自民党政治にノーを突きつけるチャンスです。  衆議院選挙で野党の勝利を実現し、市民の力で人が人らしく生き られる社会への道の一歩を開きましょう。 ────────────────────────────── ■共謀罪シリーズ■ ────────────────────────────── ◆#03 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  イギリスとアメリカの共謀罪  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇数百年の歴史をもつイギリスの共謀罪  イギリスのコモンロー(慣習法)上の共謀罪は数百年の歴史をもっ ています。イギリスの共謀罪は、誣告(ぶこく)罪などが契機で発 展し、次第に国民に対する有害な行為、不道徳な行為をふくむよう になり、刑事犯罪にまで拡大していきました。  産業革命後、共謀罪は労働運動に積極的に適用され、賃上げや作 業時間短縮などの団体交渉やストライキに共謀罪が活用されました。 労働組合は1824年の団結禁止法の撤廃によって、合法的存在として 認められ、発展します。  労働者が団結し、組合をつくり、賃上げなどの当たり前の要求を 実現するためには、共謀罪適用との攻防が避けられなかったのです。  イギリスの共謀罪の歴史は、共謀罪が市民や労働者が話し合い、 共同すること自体を対象とする、危険極まりない法律であることを 示しています。  イギリスで生まれ、成長した共謀罪は、アメリカで裁判官に「こ の原理の限界までの拡大傾向」と危惧されるまで発展することにな ります。 ◇アメリカの共謀罪  アメリカの共謀罪は、イギリスのそれを引き継ぎながら、その 「限界」まで発展したものといわれています。  イギリスのコモンロー上の共謀罪は、共謀それ自体を処罰するも ので、実体犯罪がおこれば共謀罪はそれに吸収されてきました。例 えば、殺人の共謀がおこなわれ、実際に殺人がおこなわれれば、殺 人罪に共謀は吸収され、殺人と殺人の共謀で処罰されることはあり ませんでした。  しかし、アメリカの共謀罪は三浦さん逮捕・死亡事件に示される ように、殺人と殺人の共謀で処罰・重罰化できます(本メルマガ39 号「共謀罪シリーズ #01」を参照)。  また、イギリスの共謀罪は、共謀罪の成立には共謀を促進する何 らかの行為を必要としませんが、アメリカの共謀罪にはすべての犯 罪に対してではありませんが、何らかの促進する行為が必要とされ ています。  この共謀を促進する何らかの行為は、共謀罪の危険性を減少する ものという意見もありますが、逆に東京裁判のように共謀罪の対象 期間を延長させることでより危険性を倍加させるものともいえます (本メルマガ40号「共謀罪シリーズ #02」参照)。 ◇共謀罪の歴史の示すもの  イギリスでつくられ、成長し、アメリカで発展した共謀罪の歴史 が示すものは、一度共謀罪がつくられれば、共謀罪は話し合い、言 論の段階での行為を対象とするものである以上、冗談や中途半端な 確認や中止になった合意さえ、権力に都合のよいように利用され、 「伸縮自在」に適用されかねない法律だということです。  イギリスとアメリカの共謀罪は、共謀罪は絶対につくらせてはな らないということを示す実例ということができます。(角田富夫) ────────────────────────────── ■政党のウエッブサイトから■ ────────────────────────────── ◇平岡秀夫の「今日の一言」  定額給付金の行方(2009.1.5) http://www18.ocn.ne.jp/~shuyu29/0901/090105.html 「「定額給付金」を巡っての与野党攻防の結果如何によっては、麻 生総理は、責任を取って総理大臣を辞任するか、国民の信を問うた めの解散・総選挙に踏み切るか、の選択を迫られる可能性があり得 ます。」とのこと、要注意です。 ◇保坂展人のどこどこ日記  「派遣村」は政治と時代を動かした(2009.1.5) http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/4871b089fc5e1ed05821f8d941486088 「派遣村の登場は薄っぺらな小泉時代の「自己責任論」を吹き飛ば した。人が寒さに凍え、飢えて倒れていくのを無視して通過するよ うな社会に日本が転落していくのか。そうではなくて、助け合い、 智恵を出し合って、生活危機を乗り切っていく社会を回復するのか、 大きな分水嶺がここにある。」 ────────────────────────────── ■ニュース■ ────────────────────────────── ◆パレスチナ・ガザ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  イスラエルによるガザへの侵攻に関する2つの声明  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  イスラエルの空爆によって、ガザ地区の犠牲者は毎日増えつづけ ています。以下、昨年暮に出された二つの抗議声明を紹介します。 ◇ガザ空爆に抗議する12.30緊急行動 ───────────── ニシム・ベンシトリット駐日イスラエル大使殿  本日私たちは、イスラエルがこの3日間に渡って続けている、ガ ザに対する軍事行動に抗議するためにここに集まりました。  報道によれば、本日12月30日早朝までに、イスラエルによる空爆 でパレスチナ人345人が死亡し、1450人が負傷しています。あちこ ちに死体がころがり、四方で火の手が挙がっていても、狭い、たっ た360平方キロの土地には逃げる場所さえない。ガザの150万の住民 すべてが猛烈な爆弾の炸裂音と閃光のなか、死の恐怖と家族や友人 を失った悲しみのどん底にいます。どこにも出口がないたった360 平方キロの土地のなかで寒さと飢えに苦しみながら、ひしめくよう に暮らしてきた150万人の人々の上に、あなた方の軍隊は爆弾を落 とし続けているのです。  あなたは日本のマスコミに対し、この攻撃は正しい、ハマースに よるロケット弾攻撃には、我慢の限界を超えていた、とコメントし ています。しかしそもそも、なぜハマースが、ほとんど何の効果も ないロケット弾を発射するような事態に至ったのか、よく考えてみ てください。ガザには、他でもないあなたがたの国の建国のために その地を追われたパレスチナ難民が、押し込まれるようにして暮ら していた。そこをイスラエルが、1967年の戦争によって占領したの です。  あなたがたの国は40年あまりに渡ってガザ占領を続け、抵抗する 子どもや若者を逮捕し、拷問で手足を折り、家族や関係者の住む家 屋をブルトーザーで破壊するといった支配を続けてきました。こう したイスラエルの惨く非人間的な支配のなかでこそ、ハマースはパ レスチナ民衆の支持を得て成長したのです。ハマースの武装作戦に は、パレスチナ人の中においても賛否両論があります。しかしまず、 あなたがたの国が行ってきた占領こそが、現在に至るすべての問題 の元凶だということを正しく認識してください。2005年、ガザ内部 の入植地からは撤退しましたが、イスラエルがパレスチナ全土を占 領状態に置き、ガザの境界における人の出入りをすべてコントロー ルすることは何ら変わりませんでした。ハマース政権の成立以後は 封鎖を強化して人の出入りを禁じ、ガザ住民が衛生な水も電気もな い劣悪な環境下で生きることを強い、その生殺与奪を握ってきまし た。民主的に選ばれた政権を世界から孤立化させ、パレスチナ人の 未来への希望を奪い続けてきたあなたがたが被害者ぶるのは、厚顔 無恥にもほどがあります。  冷静に比較してみてください。あなた方の国は、違法に占領して いる東エルサレムやゴラン高原を除いても、ガザの56倍の大きさが あります。あなた方の国は人口600万人にして16万人の兵力をかか え、さらに40万人の予備役兵さえもっています。ほとんどが人口希 薄な地域に落下して終わったハマースのロケット弾がイスラエル市 民の生活にとって本当に脅威だったとしても、150万人の住民すべ ての上に爆弾を降り注ぐような軍事作戦は、いかなる意味でも正当 化されるべきものではありません。  アメリカやイギリスの政治指導者が、自分たちの利益のためにあ なたがたの行動に理解を示したからと言って、世界各地の民衆は、 イスラエルの行動を決して許しません。今すぐ空爆を止め、地上戦 への準備を中止してください。そしてパレスチナ人の人権を奪い続 ける現在の政策を改め、入植地を撤去し、パレスチナ人と対等に共 存してゆく姿勢を見せてください。  2008年12月30日          ガザ空爆に抗議する12.30緊急行動参加者一同 ◇NGO共同声明 ─────────────────────── 駐日イスラエル大使 ニシム・ベンシトリット殿 ガザに対する軍事攻撃の即刻停止を求めます  私たち、パレスチナ自治区ガザ地区において人道支援・開発支援 活動に携わってきた団体は、2008年12月27日にイスラエルが開始し た、ガザへの軍事攻撃に驚愕するとともに情勢の悪化に深く憂慮し ています。報道によれば、29日までの犠牲者は300人、負傷者は 1400人を超えましたが、攻撃が続いていることから、犠牲者の数が 増えることを懸念しています。また、ガザの人口の半分を占める子 どもや女性を含む一般市民に被害が及んでいると伝えられています。 いかなる理由であれ、多数の民間人を巻き込んだ軍事行動の非人道 的行為は厳しく非難されるべきものです。  ガザの人たちは、イスラエルによる長期の封鎖の影響で、食料・ 医薬品・電気・水道・調理ガスなどの生活必需品が不足した劣悪な 環境の下で、尊厳を奪われる生活を強いられてきました。子ども達 の多くは充分な栄養を取れず、病院・診療所は、慢性的な医療資材 の欠乏で、半ば麻痺状態になっています。そのような中で起きた今 回の大規模軍事攻撃は、ガザの人々に身体的および精神的に大きな 傷を負わせています。そして軍事攻撃が続けば、犠牲者・負傷者が 増える一方で、全てが不足する中で人々が充分な治療を受ける機会 はますます失われるという悪循環が加速すると思われます。  私たちは、いかなる状況の下でも、民間人に対する軍事攻撃は容 認されてはならないと考えています。ガザの武装勢力による無差別 ロケット攻撃も、イスラエル政府による多数の民間人を巻き込む大 規模軍事攻撃もともに非難されるべきものと考えます。今回のイス ラエル軍による軍事行動は、過剰な報復という不均衡性を持ち、多 数の民間人を殺戮したことから正当性に欠くものと考えます。また、 こうした行為は紛争の平和的な解決をより一層遠のかせるものであ り、即刻中止されるべきと考えます。  ガザの人々にとって必要なのは、物資や人々の自由な往来が可能 になることで、国際支援に依存することなく、自ら経済を発展させ、 尊厳を持って生きることが出来るようになることです。それはまた 紛争解決の前提条件でもあります。しかし今、残念ながら、私たち の支援活動も含めて、国際社会による人道支援・開発支援活動の多 くが封鎖の為に困難に直面、あるいは中止を余儀なくされ、ガザの 人々を絶望の淵に追いやっています。  そのために、私たちは、イスラエル政府に対して、多くの民間人 を巻き込むガザに対する軍事攻撃の即刻停止および負傷者および病 人のイスラエルでの治療の許可を求めると同時に、ガザへの医薬品 ・食料などの人道物資を含む物資の搬入、そして国際人道支援団体 の自由な出入りを認めるよう、ここに要請いたします。 呼びかけ:  特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク  社団法人アムネスティ・インターナショナル日本  生物多様性フォーラム  特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)  日本山妙法寺  日本パレスチナ医療協会  日本YWCA  特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン  パレスチナの子供の里親運動  ピースボート  平和をつくり出す宗教者ネット  『1コマ』サポーターズ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第41号おわり・このメルマガは不定期発行です> ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます ━【まぐまぐ!からのお知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    「学生時代あんなに勉強したのに、英語がまったく話せない…」  英語コンプレックスの人でも、英語を口ずさむようになる方法があるんです    詳しくはこちら⇒ http://rd2.mag2.com/r?aid=22478&rid=5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca d'informatica e linguistica Universita' Nagoya. Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13919] 沖縄タイムス1/14 沖縄タイムス2009年1月14日付 奨学金回収策を強化/日本学生支援機構/「理念を無視」疑問と批判も 滞納者、ブラックリストに/現役生、不同意は打ち切り  日本育英会など五団体が合併した独立行政法人日本学生支援機構は、奨学金滞納者情報を、全国の金融機関でつくる個人信用情報機関に登録する(通称・ブラックリスト)など、回収強化策に乗り出した。延滞や返還中の人に加え、奨学金を利用する現役大学生にも、滞納時の情報機関登録に同意するよう通知。「同意しなければ奨学金を打ち切る」としている。関係者には「返したくても返せない人も多く、制度の趣旨を逸脱している」と強硬回収を疑問視する見方も強く、波紋を広げそうだ。(嘉数浩二)  同機構の奨学金は全国で百三万人(二〇〇七年度)、県内でも相当数が利用。信用情報機関は全国千四百の金融機関が会員で融資などの判断基準にもなるため、登録されればローンやクレジットカード利用が困難になることも想定される。  同機構は昨年十二月、三カ月以上の延滞者を登録すると発表。請求書に同意書を同封したほか、各校を通し学生にも通知を始めた。沖縄タイムスの取材に「今春卒業生を除いて、現役学生で奨学金を受け取っていても、同意しなければ打ち切りになる」とした。  ほかにも延滞者の借用情報を入手し、多重債務とみられる場合は即時に差し押さえなど法的手段に入ると言明。〇五年度から始めた回収業務の民間委託は年々増え、昨年度は八千二百三十一件に。同機構は〇七年度の返還率が八割を切り六百六十億円が未返還とし、「安定運営のため回収強化が必要」としている。  一方、奨学金問題などに取り組む沖縄なかまユニオン(比嘉勝子代表)の十二日の学習会では、実際に通知が来た当事者から「四年で利子を含め約四百万円借りた。雇用環境の厳しい県内で、延滞する若者が続出する」「突然、委託を受けた民間業者から一括払い請求書が来た。分割で返したいが、電話しても機械応対で事情が説明できない」など不安が相次いだ。  同ユニオンの西岡信之さん(大学非常勤講師)は「教育の機会均等を保障する憲法や教育基本法の理念を無視した手法で、教育の金融ビジネス化だ。進学をあきらめる学生が増え、制度は崩壊する」と批判した。  強硬取り立てに反対する同機構労働組合(学支労)は、現役学生への同意書について、弁護士から「採用(契約)時になかった条件を加え、同意を強制するやり方は違法性が高い」との指摘を受けたという。  同ユニオンは二月中旬、関係団体とともに同機構や国に要請行動を行う。加入・問い合わせは比嘉、電話090(9783)9866。 "[he-forum 13920] 朝日新聞1/15 朝日新聞2009年1月15日付 富山大、お家騒動 学長再選に6学部反旗  富山大学(富山市)で昨年12月に再選された西頭徳三(さいとう・とくそう)学長に対し、8学部のうち6学部の教授会が異議や懸念を表明。その有志らが21日、学長選考を考える集会を開くことになった。次期学長を決める学長選考会議の前段階に、教職員を対象に実施した2度の意向投票では、3人の学長候補で西頭氏がいずれも最下位だったためだ。  学長選考会議は12月4日にあり、出席委員20人の投票で西頭氏が11票を得て再選された。選考会議は、富山県知事ら首長や地元財界人ら学外の委員が半数を占める。  西頭氏のほかに、大学院医学薬学研究部特任教授と大学院理工学研究部教授が推薦されていた。11月にあった2度の意向投票では、西頭氏はいずれも、1位に約200票離され、投票総数の約2割しかとれず最下位。ただし選考会議で、意向投票の結果は「選考の参考」とされていた。  この結果に、8学部のうち経済、人文、人間発達科学、理学、医学、薬学の6学部の教授会が相次いで、「大差のついた意向投票の結果を前にして最下位候補を選任した決定は、他の国立大学法人でも類例はない」「大学の自治を著しく侵害している」などと、異議や選考方法の見直しを求める声明を出した。  富山大は05年10月、旧富山大、富山医薬大、高岡短大の国立3大学が統合してできた。西頭氏は旧高岡短大の学長だった。旧高岡短大が前身の芸術文化学部と、工学部は意思表明をしていない。  文部科学省などによると、03年の国立大学法人法の制定以降、国立大学法人の学長選考に関する意向投票で、3位以下だった人物が学長候補に選ばれた例はないとみられるという。  西頭氏は「新執行部は教職員の意見を踏まえつつ、大学改革を仕上げる大きな責務を負っている。この責務を全うできる体制を構築したい」と文書で続投を表明している。(雨宮徹) "[he-forum 13921] 時事通信1/14 時事通信2009年1月14日20時36分 留学生に緊急奨学金=急激な円高に対応-広島大  広島大学(広島県東広島市)は14日、急激な円高で母国からの実質的な仕送り額が激減している私費留学生16人に、緊急経済支援として最高10万円の奨学金を支給すると発表した。経済的負担への懸念を軽減して学業に専念できるようにするのが狙いで、今月中に交付する。  対象は、円に対して自国の通貨が大きく下落している国からの私費留学生。他の奨学金を受給しておらず、円高の影響で学業の継続が困難な学生の中から16人を各学部長や研究科長らが推薦した。 "[he-forum 13922] 朝日新聞1/19 朝日新聞2009年1月19日付 〈新・学歴社会〉就職漂流 博士の末は ■現状は―4大学で非常勤 年収140万円  塾の講師、図書館の棚卸し、学校の警備員――。いったい、いくつの職業を経験しただろうか。10年余り、年収100万~150万円で暮らした。大学の教員には、100回以上応募。しかし、なしのつぶてだった。  新田伸也さん(46)が東北大学で理学の博士号を取得したのは96年。それから、長いフリーター生活が続いた。08年春、ようやく、国立の筑波技術大学(茨城県つくば市)の准教授になった。「自分よりはるかに優秀な先輩たちが次々と脱落していくのも見てきた」と振り返る。現在の年収は約750万円。「自分は幸運だった」と実感している。 東京都の男性(41)は02年に一橋大学で法学博士号を取得した。大学教員の公募に30回以上応募したが採用されず、四つの大学で憲法や法学などの非常勤講師をしている。昨年の年収は140万円ほどだったが、「最近では一番高い方」という。  とはいえ、昨年11月に一つの大学から、「今年度限り」という通知が送られてくるなど、不安定な立場であることは変わりない。さらに大学院時代に借りた奨学金約300万円の返済も残っている。「両親と同居していなかったら生活できない」。親には「研究者の道を断念したら」とも言われるが、「年齢的に企業への就職は難しいし、大学教員に採用される可能性も少ない。今となっては退くことも進むこともできない」。  博士号は原則、大学卒業後に大学院で計5年間、勉強と研究を続けてようやく取得できる。しかし、学歴社会の「頂点」であるはずの博士のその後は、必ずしも明るくない。就職率は約6割にすぎず、理系に多いポスドク(ポストドクター=任期付きの博士研究員)や文系に多い専業の非常勤講師という不安定な立場にある人が、それぞれ約1万5千人(文部科学省調べ)、約2万6千人(首都圏大学非常勤講師組合調べ)にのぼる。  さらに、それらにすら就けずにフリーター化している博士は数倍いるともいわれる。「高学歴ワーキングプア」は、もはや珍しくない。 ■背景は―院生増やしたが、狭い受け皿  なぜ、こんな事態になったのか。かつては「末は博士か、大臣か」と並び称されたはずなのに。  最大の理由は「入り口」である博士の数を増やしたためだ。国は91年度から10年間で大学院生を倍増化する計画を推進。研究者だけでなく、企業など社会の多方面で活躍できる高い専門知識・能力を備えた人材を育てようとした。その結果、博士課程の在学者は、91年度の2万9911人から、07年度は7万4811人と、2・5倍に増えた。  ところが、「出口」の就職先が広がらない。博士に人気が高い大学の教員や公的研究機関の研究職の数は、減少傾向だ。さらに期待されていた企業への就職者数も、全就職者数の約6分の1と、米国の約3分の1に遠く及ばず、受け皿自体が狭い。「専門能力は高いものの、他の分野の知識やコミュニケーション能力が不足している場合が多い」というのが企業側の理屈だ。また、待遇の面で博士を優遇しない企業も多い。  文科省の今泉柔剛・大学改革推進室長は「博士の増加は間違いではなかった。責任は彼ら自身や大学院教育、産業界・社会などすべてにある」。ただ「文科省も関係者への働きかけが不十分だったかもしれない」と認めた。  そこで、こうしたミスマッチを解消しようとする試みも出てきた。文科省が06年度から始めた「キャリアパス多様化促進事業」では大学を中心に12機関で博士に企業の採用説明会などを実施。07年度は企業などに370人以上を送り込んだ。  さらに、電気通信大など約20大学が企業と連携して2年後に開学を目指す「スーパー連携大学院」では、企業がカリキュラムの検討段階から参加し、共同研究などを通じて、産業界が求める博士を育成していく。電通大の梶谷誠学長は「企業は博士はいらないから採用しないのではない。博士の中身を変えるべきだ」と話す。 ■対応は―「定員減を」「国力下がる」二分  大学などの取り組みの一方で、「こうした対症療法には限界がある」として、博士を「増産」してきた政策そのものの転換を求める声も出てきている。博士課程の定員削減だ。ただ、これには「国力低下につながる」「状況は分野ごとに違う」といった反論も根強い。  中央教育審議会大学院部会の臨時委員を務める石弘光・放送大学長は「博士の数を増やしたことで質も下がり、出口もさんたんたる状況になっている。入り口を締めるという発想は当然だ」と言う。そのうえで、定員減は一律ではなく、就職など質を評価して行うべきだとする。  約150人の博士を企業に就職させたコンサルタント会社「フューチャーラボラトリ」の橋本昌隆社長も「博士は今の半分くらいでいい。国が戦略を立てて分野を選んで減らせば、国力の低下にはつながらない」。  こうした意見に対し、ノーベル化学賞の受賞者でもある野依良治・理化学研究所理事長は「グローバルな知識基盤社会に日本が生き残るためには、十分な質を持つ博士が今以上に必要だ」と反論する。諸外国との比較から、むしろ理工系で20~30%、文系では3~4倍に増やさなければならないと主張する。  文科省によると、日本の人口当たりの大学院生の数は欧米の約半分。永山賀久・国立大学法人支援課長は「博士は国際的にみれば圧倒的に足りない。就職できない人がいるから減らすというのは、国全体としてみれば間違いだ」と言い切る。  「社会の多方面で活躍できる人材を育てるために博士を増やしたのに、それに対応できなかった大学に最大の責任がある」と反省するのは元日本物理学会理事の高部英明・大阪大教授だ。「もし大学が変わらないのであれば、博士を減らす以外にない。大学自身の意識改革が問われている」(杉本潔) "[he-forum 13923] 毎日新聞群馬1/18 毎日新聞群馬版2009年1月18日付 群馬大:雇用状況深刻化、09年度から入学金・授業料の減免制度を拡大 ◇対象外だった20~30人救済  雇用状況の深刻化を受け群馬大学は17日までに、保護者の解雇などで家計が厳しくなった学生に対する入学金や授業料の減免制度を、09年度から拡充することを決めた。従来の制度では対象外だった学生20~30人が救済されるとみられる。また、毎日新聞の調べでは、県内の他の公・私立大学にも今後、検討する動きがある。学費の問題で進学をためらっている家庭は、まずは各大学に相談してみてはどうだろうか。【塩崎崇】  群馬大(学部生)の授業料減免制度では、保護者が死亡したり災害に遭った場合は家計困窮だけで審査の対象になる。このほかの場合は成績条件が加わり、生活保護受給世帯や母子家庭は前年度までの修得単位のうち評価B以上が60%以上(新入生は高校2年と3年の平均成績が3・2以上)、それ以外の家計困窮は65%以上(同3・5以上)が、それぞれ条件だった。  しかし、「雇い止め」や「派遣切り」が多発している現状を受け、家計困窮学生の救済策を昨年末から検討した結果、09年度からは雇い主側の都合で失業した場合も、B以上が60%以上で審査の対象になるよう運用を変更することにした。保護者側の理由による失業は今後、検討する。  新たな成績基準をクリアしていれば、家計が厳しい順に減免の対象になる。減免は半期ごとで、半期授業料(26万7900円)の全額または半額が免除される。  また、入学金(28万2000円)の減免も運用を変更する。入学金の減免は成績は無関係だが、保護者が死亡または風水害などで納入が困難な場合しか原則的には認められなかった。09年度からは倒産や解雇などで家計が急変した場合も加えることにした。  入学金や授業料の現行の減免制度について、県内にキャンパスがある他の4年生大学15カ所に聞いたところ、減免制度がある場合は、学業成績と家計状況を総合的に見て決める方法がほとんどだった。また、減免制度はないものの、相当額を奨学金として給付する大学もある。  今後については、現時点で制度や運用の変更を明言している大学はないが「他大学や雇用状況を見て検討する可能性もある」や「奨学金制度を弾力的に運用する方針」などと回答したところも多かった。  減免制度や奨学金給付制度は、経済困窮の理由が起きた時期が「入学の1年前まで」や「入学後」のように限定されるなど、条件は複雑だ。減免を希望する学生や保護者は、所得証明や解雇通知、通帳などの書類をしっかり保存したうえで、大学の説明をよく聞くことが必要となる。 ==============  ◇授業料減免制度など県内各大学の現状 大学名      入 授 奨 群馬       △ ○ × 県立女子     × ○ × 県立県民健康科学 × ○ × 市立前橋工科   ○ ○ × 市立高崎経済   ○ ○ × 高崎健康福祉   × × ○ 創造学園     × × × 桐生       × ○ × 関東学園     ○ ○ × 共愛学園前橋国際 × × ○ 高崎商科     × × × 上武       △ △ × 群馬社会福祉   × × × 東京福祉     × × ○ 群馬パース    × × × 東洋       × × ○  ◇表の見方  注1:「入」は入学金の減免、「授」は授業料の減免、「奨」は返済不要の奨学金給付制度  注2:○は減免制度あり。ほとんどは学業成績と家計状況を総合的に勘案して決める。群馬大の△は、保護者が死亡したり被災した場合は成績に関係なく対象となる。倒産や解雇は原則対象外だが、09年度から見直す。上武大の△は、保護者の死亡や後遺障害で家計に困窮している受験生の入試枠で、倒産や解雇は対象外。×は制度なし。  注3:調査対象は学部生のみで学業優秀な特待生枠や社会人枠、留学生は含まない。常設の規定に限っており、上記以外に地震災害など特例的に認める場合もある。 "[he-forum 13924] 朝日新聞1/16 朝日新聞2009年1月16日付 山梨大、実質1億3200万円増 病院設備など 運営費交付金内示  山梨大学は、文部科学省から09年度の運営費交付金96億5700万円(対前年度比マイナス2・9%)が内示された、と発表した。ただ大学側は、効率化に伴う交付金一律1%の減額や退職者減による影響を除けば、実質的には1億3200万円増になったとしている。  運営費交付金対象の主な事業で金額が大きいのは、設備関係。大学病院の医療用設備「注射薬自動払い出しシステム」の更新に1億6950万円、山梨大が力を入れている先端生命科学の研究の充実に必要な研究用設備「先端生命科学研究支援システム」の導入に4368万円など。  このほか、医学部入学定員が10人増え120人になることから、その指導者の経費(2人分)などに400万円がついた。  内示額が前年度比で2億8400万円減った背景には、「国立大学」から「国立大学法人」に移行したことに伴い、運営の効率化が進むとして、文科省が毎年、運営費交付金の1%(09年度は7400万円)を減らしていることや、退職者の減少に伴う退職手当の減少(前年度比マイナス3億4200万円)がある。  貫井英明学長は、内示額について「本学が目指す『地域の中核として、人的・物的資源を活用して地域に貢献する』とした法人運営方針から満足できるものです」とコメントした。 "[he-forum 13925] 長崎新聞1/20 長崎新聞2009年1月20日付 長大医学部の「地域医療枠」を拡大 地方の医師不足対策  長崎大の河野茂医学部長は十九日、深刻化する地方の医師不足に対応するため、医学部の入学者定員の中に設けている「地域医療枠」を、現在の五人から四倍の二十人に拡大する方向で検討していることを明らかにした。学内で最終調整しており、三月ごろ正式発表の見込み。二〇一〇年春入学の学生から適用する予定。  十九日に河野医学部長が県庁を訪れ、金子知事に同大の「離島・へき地医療学講座」の継続を要望した席で計画を示した。  長崎大によると、現在の医学部の入学定員は百五人で、内訳は一般選抜(前期)八十五人、受験生の意欲や適性など人物重視で選抜するアドミッションオフィス(AO)入試が十五人、学士編入枠が五人。このうちAO入試の中に五人の地域医療枠を設け、受験対象者を県内の小、中、高校の出身者に限定して将来の地域での医師確保を目指している。  これに対し、来年度入試からは「地域医療枠」を二十人に拡大する方向で調整。現在のAO入試とは切り離し、県内高校の学校長の推薦による推薦入試を検討している。新臨床研修制度の導入による研修医の県外流出や大学病院離れが地方の医師不足を招いており、学校長の推薦を得ることで大学卒業後も県内に残る可能性を判断する狙いがあるとみられる。  一方、長崎大は医学部入学定員の増員についても、文部科学省に申請する方向で検討している。 "[he-forum 13926] 河北新報1/18 河北新報2009年1月18日付 院生向け助成制度 弘前大が創設  弘前大は大学院の博士後期課程に入学し、最先端やユニークな研究をした学生に対して1人50万円を助成する制度を創設した。対象者は私費の外国人留学生を含む22人。  対象は医学、保健学、理工学、地域社会の各研究科と、岩手大大学院連合農学研究科に在籍する弘前大生。入学の際に各研究科の推薦で学長が認定し、2009年4月の入学生から適用される。  弘前大の大学院博士課程充足率は07年度が74.8%、08年度は81.2%と目標の9割を割り込んでいる。国立大学法人化後の国の業務実績評価でも改善を指摘されている。  須藤新一副学長は「制度の導入で研究が活性化してレベルが向上し、意欲のある学生が入ってくることを期待する」と話している。 "[he-forum 13927] 新潟日報1/20 新潟日報2009年1月20日付 県内大学6校授業料免除など  県内にある21国公私立大学・短大の中で、経済的に困窮する学生の入学金や授業料を一定程度免除する新たな特別措置を設けるところが6校に広がっていることが19日、分かった。既存の奨学金制度では救済できない学生の増加に応えたもので、急速な景気悪化の影響が大学進学にも及んでいる実態が浮き彫りになった。  6校は、既に特別措置を取ることが明らかになっている新潟大、長岡造形大のほか、新潟青陵大と同短大、長岡大、新潟工科大の4校。  新潟青陵大と同短大は同日、この春から入学者の1割程度(09年度は大学21人、短大38人)を対象に授業料(大学で年間70―110万円、短大で同58万円)を1年間、半額にすることを決めた。新潟青陵学園の関昭一理事長は「困っている優秀な学生を助けたい。在学生にも特別措置の適用を検討したい」とする。  長岡大は1、2年生時の授業料を半額免除する従来の「米百俵奨学金」の対象を広げ、09年度から成績のほかに経済状況で選ぶ枠を5人設ける。免除額は2年間で1人当たり計65万円。同大学事務局は「奨学金制度に対する要望が増えている。学費で進学をあきらめないようフォローしたい」と強調した。  新潟工科大は、一般入試前期A日程の成績上位24人を対象にした従来の特待生制度(入学初年度の授業料を半額免除)で、今春入学の上位数人に対しては免除期間を4年に拡大する。同大学は「今回は緊急のため成績でしか選べないが、来春からは経済的状況も加味したい」としている。  このほか、新潟大が08年度後期の授業料免除の対象枠を100人分増やし、長岡造形大が09年度新入生のうち20人程度に入学金相当額(30万円)を給付することを決めている。 "[he-forum 13928] 国立大学の学長選考問題に関する全大教声明                            2009年1月20日                            全国大学高専教職員組合                            中央執行委員会        国立大学の学長選考問題に関する声明                           この間いくつかの大学で、教職員による意向投票結果に反する学長 選考が学長選考会議によって行われている。  学長選考に関わる問題は、基本的に大学自治の枠組みの中で解決 すべき事項である。しかし、今回の富山大学の学長選考問題はこれま でに例をみない事例であり、その全国的影響を考慮すれば、全国組織 として黙過しえない問題であり、ここに声明を発表するものである。  富山大学第2次意向投票で58%を獲得した第1位者に対し、現職学長 として立候補した第3位者は20.5%であったが、学長選考会議は第3位者 を学長として選出した。現職学長のこの間の大学運営について実に8割 近い意向投票者が信任の意思を表明しなかったという事実は重い。 また、意向投票第1位者が約6割の支持を得ながら選考されないという 事例も過去に例をみない。  これらの経緯は、大学の自治のあり方に重大な問題を提起している。 大学は、多様な価値観を共有する研究教育組織であり、構成員の意思 の尊重と合意形成が何よりも重要となる。それ故、学長選考は、法人化 以降も意向投票という形で継続されているのである。これを無視したと 言うほかない今回の学長選考は、今後の大学運営に重大な支障と禍根 をもたらすことは必至であろう。それは何よりも富山大学にとって重大な 損失をもたらすこととなる。学長選考の再考を促したい。  このことと合わせて、現在の学長選考制度のもつ問題性を指摘したい。 学長は、教育研究評議会と経営協議会の双方から同数の委員で構成 される学長選考会議の選考により選出されるが、その他に学長は、学長 又は理事を学長選考会議委員総数の3分の1を越えない範囲で選考会 議に加えることができる。(国立大学法人法第12条に規定)  従って、特に現職学長が立候補する場合、学長が指名した委員が過 半数を占めることで極めて有利となり、大学構成員の意志を無視した 選考が生じるのであり、大学によっては、選考結果をめぐって訴訟に 持ち込まれる場合もあった。法人法はこうしたチェックアンドバランスの 仕組みが働かない欠陥をもっている。  この間の一連の学長選考をめぐるトラブルは、学長選考のあり方を見 直す必要性を示している。私たちは、各大学における学長選考内規の再 検討や、さらには、国立大学法人法の改正も含めた法人制度の見直し が必要であると考える。 ************************************* 全国大学高専教職員組合  TEL 03-3262-1671 FAX 03-3262-1638 総務部 somu@zendaikyo.or.jp http://www.zendaikyo.or.jp ************************************* "[he-forum 13929] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.10 ニュースレター NO.10                     2009、1,20 公正な学長選考を求める裁判を支える会 事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489) ○高松高裁が裁判地に関する国側の主張(即時抗告)を退けました  ー高知地裁での裁判実施の展望が大きく開かれました  前回のニュースレターNo9において、行政訴訟の裁判地に関して係争中という ことをご報告しました。その際「もう少しお待ち下さい」とお伝えしましたが、 ついに1月13日、高松高裁は、「本件即時抗告を棄却する」という決定を行い ました。  つまり、国側の「裁判を東京地裁か高松地裁に移せ」という主張は、全面的に 退けられ、当初の予定通り高知地裁で裁判を行うよう高裁が決定したということ です。内容的にも、ほぼ我々(原告側)の主張が認められています。  この決定に対しては、国側は5日以内に憲法違反を理由とする最高裁への特別 抗告ができます。したがって国側の出方によっては、まだこの問題が最終決着し ないという可能性はまだ残されています。  しかし、高知地裁での裁判の開始という展望は確実に切り開かれつつあります。 前号の記事の最後を「大学内の状況を見るに、ますます私たちの裁判の重要性は 高まってきています。」と結びましたが、富山大の学長選考を巡る問題(裏面参 照)も考えると、学内のみでなく全国的にも私たちの裁判の重要性は増していま す。  民事訴訟の提訴から数えると、すでに一年以上が経っていますが、まだ私たち は裁判の入り口にたどり着いたばかりです、ねばり強く闘いを進め、審理を通じ て不透明で不公正な学長選考の実態を白日のもとにさらしましょう。そして、そ のことを通じて私たちの大学を「まともな」大学に変えて行こうではありません か。  この一年間、大学運営において、「なぜこんなことが行われるのだ」、「なぜ、 こんなことがまかり通るのだ」というようなことばかりだったというのが多くの 人に共通する思いなのではないでしょうか。それら、すべての「おかしなこと」 の出発点が一昨年の学長選考です。そこからきちんと正すことこそが、高知大学 から「おかしなこと」を一掃する道です。  私たちは、裁判を単に法律の条文解釈や、手続きを巡る議論で終わらせるつも りはありません。高知大学を変えていく闘いの第一歩が、行政訴訟の開始という 形で今踏み出されようとしているのです。   ○ 富山大学長選続報  ニュースレターNo9において、富山大学の学長選考で、意向投票の結果を完 全に無視する決定を学長選考会議が下し、これに対してこれに対して、大きな批 判が巻き起こっていることをお伝えしました。その続報です。 相次ぐ教授会声明  富山大学の人文、人間発達、経済の三学部教授会が12月10日それぞれの教 授会において抗議声明を発したことはすでにお伝えしました。それに引き続いて、 理学部、医学部、薬学部の三学部教授会がそれぞれ、「声明」や「要望」を出し ています。富山大学は全部で8つの学部からなる大学ですから、これで、工学部、 芸術文化学部の二学部を除く6つの学部がこの問題について声明を出していると いうことになります。それぞれの「声明」の内容は少しずつ違いますが、大筋に おいて学長選考会議の決定を批判し、学長に「良識ある決断」(薬学部教授会声 明)を求めるというものです。 監事の奇妙な動き  富山大学教職員組合の伝えるところでは、富山大学監事が、人文、人間発達科 学、経済、理の教授会声明及びそのウェブサイト掲載について各学部長宛の監査 実施連絡書を提出したということです(12月24日、26日)。同職員組合は 「監事の監査権限を濫用した、教授会による自由な見解表明に対する介入である」 として同監事に対して1月13日付けで委員長名の公開質問状を発しています。 文部科学大臣によって任命された監事が、伝えられるとおり、その中立性を疑わ れるような行動を取っているとするならば、これは国の任命責任も問われるよう な由々しき事態であり、我々も注目したいと思います。 支援の動きの拡大  「富山大学発 日本の大学の危機(学長選考の異常さ)を全国に訴える会」が 1月12日に発足し、「教職員の意向調査を無視した今回の富山大学の学長選考 は、学問共同体としての大学に求められる大学自治を蹂躙する暴挙である」とい うアピールを発し、このアピールへの賛同署名をweb上で募っています。これは 以下のURLから入ることができます(web署名した個人の名は特定されないよ うになっています)。  http://tomidaikiki.hp.infoseek.co.jp/   また、「国立大学法人法反対首都圏ネットワーク」http://www.shutoken-net.jp/  のホームページではこの間の富山大学の動きを細かくフォローしています。各 学部の声明、上で述べた職員組合の監事への公開質問状などを見ることもできま す。また、これまで山形大と高知大だけだった「学長選挙転覆問題」のところに は富山大学の問題がアップされています(高知大学より文字が大きいのが少し癪 ですが・・・)。上で触れたアピールへの賛同署名にはこちらから入ることもで きます。 "[he-forum 13930] 読売新聞社説1/21 読売新聞社説2009年1月21日付 株式会社大学 教育充実と経営安定を図れ  株式会社が開設した大学の弊害が、目立ってきた。大学には、教育内容の充実と安定的な経営が欠かせない。  経営のエキスパート養成を掲げた大阪市のLCA大学院大学が、2009年度から学生募集を停止する。大幅な定員割れと親会社の経営難が理由だ。教育面で一定の評価を得ていただけに、教育関係者の衝撃は大きい。  学校教育法では、学校を開設できるのは、国と自治体、学校法人だけだ。だが、03年に規制緩和で、自治体が申請して認定された構造改革特区に限り、株式会社にも学校設立が認められた。学校経営への新規参入による経済活性化と教育の質向上が狙いだった。  株式会社立大学をめぐっては、これまでにも経営母体の予備校と混然一体になった授業を行っていたLEC東京リーガルマインド大学など2大学が、文部科学省の改善勧告や指導を受けてきた。  これらは教育の質の問題だったが、株式会社立の学校は、当初から教育面とともに経営の継続性・安定性が危惧(きぐ)されていた。  構造改革特区法では、経営破綻(はたん)の恐れがあれば自治体が転学あっせんなどに責任を持つよう義務づけられており、自治体の責任は重い。常に経営情報の収集・分析に努めておかねばならない。  株式会社立学校は、大学が6校、高校が21校、小中学校が各1校ある。赤字のところが多い。  株式会社立学校は、学校法人と異なり、私学助成や税制上の優遇措置が受けられず、約3分の1は学校法人への移行を望んでいる。すでに運営主体を株式会社から学校法人に変えた大学もある。  特区で規制緩和の対象となった事業は、軌道に乗れば全国展開されるが、政府の構造改革特区推進本部の評価・調査委員会は今年度も、株式会社立学校については結論を先送りする見通しだ。  学生の満足度が高く、黒字の学校もある。だが、弊害の目立つ現状では全国展開は困難だろう。株式会社立学校という仕組み自体に改める点はないのかどうか、評価委や文科省は、利点と弊害を見極める必要があろう。  LEC大の問題を受け、文科省の大学設置・学校法人審議会は07年、同省に大学設置基準の見直しなどを求めた。大学の質を担保するため、規制緩和によって要件が緩められた大学設置基準の再検討作業が、現在進められている。  基準の改正を急ぐと同時に、ずさんな申請には厳正に対処していく姿勢が大切だ。 "[he-forum 13931] 琉球新報1/20 琉球新報2009年1月20日付 語学減に反対署名 琉大学生236人分提出  語学授業数の縮減など琉球大学の新カリキュラム案に反対する学生有志ら6人は19日、同案廃止を求めた236人分の署名を大学に提出した。併せて、昨年12月に求めた同案廃止や説明会開催要求への大学側の回答に対する抗議文を岩政輝男学長ら理事3人あてに提出した。署名は学生らが大学内外に呼び掛け集めたという。  抗議文は大学側が「新カリキュラムは新入生対象で、在学生に説明する必要はない」としていることに「これまで通りの授業が受けられないことを告知するのは法人としての責務」と訴えた。また「非常勤の仕事で生計を立てている講師の存在がまったく無視されている」と強く非難した。 "[he-forum 13932] 東京新聞1/21 東京新聞2009年1月21日付 学術発展と人材育成 包括連携協定を締結  筑波大は二十日、東京理科大との間で包括的な連携協力協定を締結した。つくばエクスプレス(TX)で結ばれた同大薬学部のある千葉県野田市の野田キャンパスを中心に、幅広い分野で協力関係を深め、学術の発展と人材育成を目指す。  連携協力するのは教育、研究、産学連携、地域貢献、施設相互利用など。研究面では、分子レベルで生体の観察と治療を同時にできる技術開発を目標とした「医薬工連携事業創出プロジェクト」などを、双方が大学を挙げて支援する。  調印式で、筑波大の岩崎洋一学長は「ユニークで卓越した研究成果が期待できる」とあいさつ。東京理大の塚本桓世理事長は「互いに良いところを学び合い、教育研究を発展させたい」と話した。 (小沢伸介) "[he-forum 13933] 朝日新聞1/20 朝日新聞2009年1月20日付 三重大、地域密着に活路 少子化時代、「広報」「産学連携」で勝負  三重大学が「地域密着」をキーワードに広報活動や産学共同研究に力を入れている。独立行政法人化から4年。大学間の競争が激しくなる少子化時代を生き残るためだ。(姫野直行)  「熊野古道 再発見~様々な道~」  ガイドブックのようなこんなタイトルで熊野古道の見どころを写真入りで紹介するのは、広報誌「三重大X」の08年冬号。県立熊野古道センターと熊野地方の文化について共同研究を行っていることもアピールしている。  地域の人たちに、大学の取り組みを知ってもらおうと、05年3月に創刊。学内向けではなく中高生や社会人を対象にしているのが特徴だ。  大学の専門的な研究を、写真やイラストを駆使して短く簡単に紹介する。イベント情報を掲載したり、プロのカメラマンに撮影を依頼したりと、読み手を意識し、大学の広報紙とは思えない凝った誌面を目指している。  カラーA4変型判、30ページ前後の季刊。銀行のロビー、近鉄の駅構内などで無料配布している。創刊当時は1万3千部だった部数も、今は2万部を超えた。  好評を得た企画の一つが、06年秋号のピアノ演奏。モーツァルト生誕250周年を記念し、ピアニストの兼重直文教授が18世紀と現代のピアノを演奏、HPで聞き比べられるようにした。  最初から順調だったわけではない。研究を紹介するコーナーでは、論文のような原稿ばかり。そのたびに教授らを説得し、短く軟らかな記事に仕上げた。研究対象を現地まで出向いて取材した当初は、「何でそこまでする必要があるのか」と批判されることもあったという。  創刊時から編集する三重大広報チームの井上真理子さんは「4年でやっと定着してきた」。大学の広報誌の枠にとらわれずに、さまざまな企画を立てたいという。  ●情報発信、ラジオでも  地域への情報発信は学生も担う。毎週金曜日の午後8時半から25分間、レディオキューブFM三重で放送している「Campus CUBE」。  皇学館大、鈴鹿国際大、高田短大の学生とともに三重大の学生パーソナリティーが、大学に関する情報や音楽を流している。  番組は07年10月、同FMが県内の大学に呼びかけてスタートした。三重大は広報誌などでの情報提供以外の新たな情報発信手段を探していたこともあり、参加を決めた。  三重大広報チームによると、学生が番組づくりに参加することで、広報誌を読まないような若者に情報を発信できるメリットがあるという。  ●共同研究、全国で13番目の多さ 中小企業と連携、商品化 四日市に地域拠点も  三重大の産学連携による共同研究は07年度247件。三重大によると、これは10年前の約5倍の数で、私立を含め全国の大学で13番目に多いという。特徴は、積極的に地元の中小企業と連携している点だ。  例えば、伝統工芸の「伊勢型紙」とLED(発光ダイオード)に関する共同研究。さまざまな発色が可能なLEDを使った「心が安らぐ色」がテーマ。研究だけにとどまらず、発熱が少ないLEDの特性を生かした伊勢型紙の照明など、商品化まで結びついた。産学連携コーディネーターの相可(おうか)友規さんは「単に研究で終わってはだめ。いかに研究がマーケットにつながるかが重要」という。  三重大は03年10月に、企業が集中する四日市市に社会連携の地域拠点として「四日市フロント」を設立した。産学連携コーディネーターが常駐し、地元企業への技術支援や共同研究の働きかけで、大学の「知」を地元企業や自治体に還元し、地域を活性化することを目指している。  豊田長康学長は「かつては『象牙の塔』だったが、今の地方大学には地域貢献が重要」と話している。 "[he-forum 13934] 読売新聞金沢1/15 読売新聞金沢版2009年1月15日付 金大、2地銀と連携進む  金沢大学と地元地銀2行との間で昨年6月に締結された「包括的連携協力協定」の取り組みが広がりを見せている。研究・教育の基盤となる国からの運営費交付金が削減される中、大学、銀行双方とも提携が生み出す効果に期待を寄せている。(藤元陽)  金沢大の中村信一学長と北陸銀行(本店・富山市)の高木繁雄頭取は14日、同大で記者会見し、39歳以下の若手研究者を対象とした助成制度の創設を発表した。協定に基づき、北陸銀が年間500万円の枠内で、分野を問わず基礎・基盤的な研究に対し、1件あたり最大100万円を助成する。  協定は北国銀行(本店・金沢市)とも結んでおり、大学職員が両行の店舗で接客サービスを学んだり、学生に金融の仕事を知ってもらう研修制度を設けたりするなど、金融の現場や知識を活用した交流を展開。産学連携の推進やベンチャー企業の育成など、人材交流を通して教育・研究の活性化と地域社会への貢献を目指している。  連携強化の背景には、国が国立大に配分する運営費交付金の削減がある。2006年の「経済財政改革の基本方針」(骨太の方針)では、07年から5年間にわたり交付金を毎年1%ずつ削減することになり、大学側は、独自に研究費を確保する必要に迫られている。  会見で、中村学長は「国立大学が担う『次世代の人材育成』という使命を実現するため、非常に心強い取り組み」と助成制度の創設を喜び、「留学生獲得に向け、銀行の海外事務所を活用させてもらいたい」と提携強化に期待を寄せた。  一方、銀行側も大学との提携に、「企業の社会貢献」という社会的評価を受ける以上の効果を見いだそうとしている。  北国銀行法人営業課の大江聡課長代理は「協定締結後は、大学の様々な部署の人と会う機会が増えた」と話す。今までの営業では、商談を進めるのは大学の財務担当者が中心。人事、企画、学務など、新たな職員と接する機会が増え、大学側の未知のニーズを発掘できるようになったという。  大江課長代理は、今後の連携の発展を見据え、「地元企業と大学間の仲介役として、共同研究や新しい事業の橋渡しもできるのではないか」と話している。 "[he-forum 13935] 日本経済新聞1/22 日本経済新聞2009年1月22日付 帝人化成、山形大に寄付講座 高分子工学の研究開発に重点  帝人グループで高機能樹脂事業を手がける帝人化成(東京・千代田)は4月から山形大学工学部(山形県米沢市)に高分子ナノ構造制御工学をテーマとする寄付講座を開設する。学生への教育機能も備えるが、実用化に向けた研究開発機能をより重視する。山形大は「第一線の若手研究者が集う高分子工学の拠点」として期待している。帝人化成と同大工学部の双方にとって寄付講座の開設は初めて。  講座は大学院理工学研究科に設置。今春定年退官予定の井上隆教授(東京工業大学名誉教授)を客員教授に招く。同教授は高分子の高次構造制御や材料特性が専門で、繊維学会賞やオーエンスレーガー賞などの受賞歴をもつ第一人者。  講座では同教授を中心にナノ構造制御技術の開発や高性能材料の創製などに取り組む。プラスチック成型加工技術の高度化などにもつながるという。  開設期間は3年間。研究運営費として帝人化成が年額2000万円を負担する。工学部のある米沢市は帝人発祥の地としても知られる。 "[he-forum 13936] 徳島新聞1/24 徳島新聞2009年1月24日付 徳大、ネット上で仲介 大学の研究者と情報求める企業  徳島大学は、インターネット上で全国の大学の研究者と企業を仲介するシステムを開発し、本格始動させた。大学と企業双方の研究内容を一覧でき、詳しい情報や相手側との連携が必要なら、徳大の仲介で相手と情報交換できる。産学連携が活発化し、新商品開発や共同研究につながると期待されている。  産学官マッチングシステム「TPAS-Net」(ティーパス・ネット)と呼ばれ、徳大知的財産本部がグリーンネット社(東京)と共同開発した。同本部によると、特許情報などを検索できるホームページ(HP)は多いが、ネット上で連携に向けた仲介まで行うシステムは初めてではないかという。  情報の検索は、トップページから氏名などを登録してIDを取得し、知りたい情報のキーワードを入力して行う。関連する特許や研究者に関する情報が一覧でき、連絡したい相手がいれば同本部の担当者の仲介でメールを送る。また、キーワードを登録すれば、最新の関連情報が週一回メールで自動配信される。  情報は数年前から入力を始め、国内の特許は約八百六十万件、研究者・企業情報は約十二万件に上り、随時更新されている。HPで一般公開されている情報が中心だが、研究者が研究や技術を紹介する「シーズ情報」約四千件、自らの研究や技術で足りない部分を求める「ニーズ情報」約二百件も登録している。  今後、研究者と企業には、TPAS-NetをPRや連携の場として積極的に利用するよう働き掛ける。  同本部の佐竹弘産学連携研究企画部長は「大学は敷居が高いというイメージを払い、県内の中小企業などに研究者のノウハウを活用してもらえれば」と話している。  三カ月間は試用期間として利用無料。四カ月目から月三千円で一つのIDを得られる。問い合わせは同大知的財産本部<電088(656)7592>。HPのアドレスはhttp://www.sangakukan.net/tokushima/ "[he-forum 13937] 山形新聞1/24 山形新聞2009年1月24日付 大学での男女共同参画は? 山形大でシンポジウム  山形大における男女共同参画の在り方を議論する場として、「男女共同参画シンポジウム」が23日、山形市の同大小白川キャンパスで開かれた。  同大は、男女共同参画を着実に進めるため、昨年11月に「男女共同参画推進準備室」を設置。本格的な取り組みの第一歩で広い視点から議論する場としてシンポジウムを企画した。冒頭、同大の結城章夫学長が「シンポジウムを契機に、大学における男女共同参画の在り方、地域の中で山形大が果たしていく役割について考えていきたい」とあいさつした。  基調講演では、板東久美子内閣府男女共同参画局長が「多様な人材の活用は活力・競争力向上の生命線であり、男女共同参画はその基本的な柱」と強調。諸外国に比べ、女性の社会的参画が進んでいない現状を示し「女性の活躍の推進は女性のためととらえるのではなく、組織全体の『経営戦略』『発展戦略』と認識する必要がある」と指摘した。  パネルディスカッションでは、塩満典子お茶の水女子大教授、荒木由季子副知事、坂本由美子山形新聞報道部記者、日本たばこ産業の大森征樹氏がパネリストを務めた。それぞれが大学における男女共同参画の実践事例や県の施策、外国の取り組みや育児休職取得の体験談などを紹介。最後に、結城学長が同大の「男女共同参画推進宣言」を行った。 "[he-forum 13938] 共同通信1/23 共同通信2009年1月23日11時45分 留学生在留期間を延長―法務省 30万人計画実現へ  法務省は23日、外国人留学生の在留期間を延長し、「留学」と「就学」に分かれている在留資格も一本化するなどして、留学生の負担を軽減する方針を決めた。  政府が昨年7月に策定した「留学生30万人計画」の実現に向けた措置で、法相の私的懇談会「出入国管理政策懇談会」が提言した。法務省は今国会に入管難民法改正案を提出する。  森英介法相は23日の閣議後記者会見で「留学生を日本に迎えるための一助にし、安定的に勉強できるようにしたい。受け入れは国際的な視野を持った日本人の育成にも寄与するものだ」と述べた。  法務省によると、現在「留学」による在留期間は最長2年で、大学に4年通う間に更新手続きが必要。留学生の負担が大きいことから、更新せずに済むよう延長する。  また在留資格は、大学生らが「留学」、高校生らは「就学」と区別しているが、高校から大学に進む際に切り替えが不要となるようにする。  さらに学校を卒業後、就職活動期間として認めている最長180日間の在留期間を1年程度に延長する。 "[he-forum 13939] 共同通信1/21 共同通信2009年1月21日19時7分 法科大学院の統廃合を提言 日弁連が初めて  日弁連は21日、法曹(裁判官、検察官、弁護士)養成をめぐり「教育実施に必要な体制を整えることが困難な法科大学院は、他大学院との統合や、学生募集を停止して廃止することも含めた措置を主体的判断で講ずるべきだ」とする提言を公表した。  法科大学院(全国に74校)の創設、運営に協力してきた日弁連が、統廃合を求めるのは初めて。  提言は「質量とも十分な専任教員と、一定の質を備えた入学者を確保できない」場合などに統廃合が必要とし、「現に在学する学生に不利益が及ばないよう配慮されるべきだ」とも述べている。  また日本の法律系教員の質や数の現状に照らすと、法科大学院の定員は現在の計約5800人から約4000人に削減するようあらためて求めた。 法科大学院の統廃合を提言 日弁連が初めて  日弁連は21日、法曹(裁判官、検察官、弁護士)養成をめぐり「教育実施に必要な体制を整えることが困難な法科大学院は、他大学院との統合や、学生募集を停止して廃止することも含めた措置を主体的判断で講ずるべきだ」とする提言を公表した。  法科大学院(全国に74校)の創設、運営に協力してきた日弁連が、統廃合を求めるのは初めて。  提言は「質量とも十分な専任教員と、一定の質を備えた入学者を確保できない」場合などに統廃合が必要とし、「現に在学する学生に不利益が及ばないよう配慮されるべきだ」とも述べている。  また日本の法律系教員の質や数の現状に照らすと、法科大学院の定員は現在の計約5800人から約4000人に削減するようあらためて求めた。 "[he-forum 13940] 毎日新聞多摩1/24 毎日新聞多摩版2009年1月24日付 協定:東京と神戸市両外大が 単位互換制度など  東京外国語大(府中市朝日町)は23日、神戸市外国語大(神戸市)と「教育・研究交流協定」を結んだ。大学院間で研究成果を発表し合うほか、10年度からは単位互換制度をスタートさせる。  東京外大学長室であった調印式では、東京外大の亀山郁夫学長と、神戸市外大の木村栄一学長がそれぞれ協定書にサインした。  両校は4月以降、教員や大学院レベルで共同研究を実施。10年度から単位が交換できる集中講座や遠隔授業を始める。将来的には学部レベルでも単位互換を取り入れるという。【山本将克】 "[he-forum 13941] 共同通信1/23(2) 共同通信2009年1月23日6時11分 京大で100人雇い止めへ 非常勤職員、10年度から  京都大が2010年度中に契約期限を迎える非常勤職員約100人について、契約を更新せず「雇い止め」にすることが23日、分かった。  厳しい財務状況を背景に、各地の国立大でも同様の動きがあり、学内からは「非常勤職員が教育、研究活動を支えている職場の実態を考慮していない」と反発の声が上がっている。  雇い止めの対象となるのは、05年度に採用された非常勤職員。京大は05年3月に就業規則を改定し、同年4月以降に採用された職員の契約期限を上限5年としたため、10年度以降は契約満了となる職員がいる。  京大によると、昨年12月現在、時給制で働く非常勤職員は約2600人。うち約1300人は就業規則の改定後に採用された。京大職員組合の調査では、少なくとも90人が勤務継続を希望しているという。  国から京大への運営費交付金は毎年約10億円ずつ減額され、常勤職員数や人件費も抑制傾向が続いている。  一方で研究室などの職場では、削減された常勤職員の仕事を肩代わりし、非常勤職員の負担が実質的に増えているという。  京大人事企画課は「非常勤職員の業務は臨時的で補助的。雇用期間の上限は採用時に個別に伝えており、トラブルにはならない」としている。 "[he-forum 13942] 京都新聞1/23 京都新聞2009年1月23日付 京大、大量雇い止めへ 非常勤職員 10年度以降  京都大(京都市左京区)が2010年度以降に契約期限を迎える非常勤職員について契約を更新せずに「雇い止め」にすることが23日、分かった。10年度だけで少なくとも約90人が対象となる見込みで、厳しい経済情勢下で新たな職場が見つかっていない職員も多く、学内から「大学の教育、研究活動を支え、経験も身に付けた貴重な人材を使い捨てにしていいのか」と反発の声が上がっている。  10年度に雇い止めとなるのは、05年度に採用された非常勤の事務職員や研究員、看護師らで、1年ごとに契約を更新し、時給制で働いている。京大は05年3月に就業規則を変更し、同年4月以降に採用した職員の契約期限の最長を5年とした。それまでは契約期限の上限がなかった。10年度に契約期限を迎える職員は186人で、これまでに約90人が期限の撤廃を求めている。  京大によると昨年12月の非常勤職員は約2600人で、半数の約1300人が05年4月以降に採用された5年の期限付きの職員。常勤職員は約5400人(昨年5月時点)。  国から京大への運営交付金が06年から07年に約13億円など削減される中、大学は常勤職員を削減し、非常勤に切り替えて人件費を抑えている。京大は「補助的、臨時的な業務に当たる非常勤職員を雇用し、大学の恒常的な業務を遂行するのはやむを得ない」としている。  ただ、研究室や学部の事務室や図書室などでは、削減された常勤職員の仕事を実質的に引き継いだケースもあるという。京大職員組合は「常勤職員と同じ仕事をこなしている非常勤職員も多い。経験を積んだ職員を、5年の期限を理由に雇い止めすれば、無駄が発生する」としており、期限撤廃を求めている。 "[he-forum 13943] 1/26しんぶん赤旗記事 2009年1月26日(月)「しんぶん赤旗」 教員免許更新制 受講料は本人負担 文科省 石井議員に説明  四月から本格実施される教員免許更新制の必要経費の大部分が、免許 更新講習を受ける教員本人の負担と、講習を開く大学の持ち出しで賄わ れることが、二十五日までに明らかになりました。日本共産党の石井郁 子衆院議員に、文部科学省の担当者が説明しました。  同省は〇九年度概算要求で四十七億円を要求していましたが、本予算 案では十億円しか認められませんでした。  予算案に盛り込まれたのは「免許状更新講習開設事業費等補助」。補 助の対象は講習を開く大学などで、限定的です。▽山間地・離島・へき 地に出張して講習を開く場合▽対象教員が少数の教科・科目にかかわる 講習を開く場合▽障害のある教員の受講に必要な支援を行った場合―な どに、「これらの経費が受講者の負担とならないよう全額を補助する」 (文科省)としています。  それ以外の講習は、講習を受ける教員本人の受講料で賄います。文科 省によれば、受講料を一時間千円程度と想定している大学が多く、計三 十時間分、三万円が、受講者負担となる見込みです。受講のために交通 費や宿泊代がかかった場合も補助はなく、全額自己負担です。大学は集 めた受講料の範囲内で講習を開くことになり、超えた分は持ち出しとな ります。  教員免許更新制のもとでは、現職教員約百十万人全員が、十年ごとに 免許更新講習を受けることを義務付けられます。今後毎年約十万人が、 講習を受けることになります。このままでは、受講者側にも大学側に も、多大な混乱が起こることは避けられません。  石井議員は「この制度は、免許はく奪の圧力で教員を委縮させるもの です。教員のレベルアップに役立つどころか、百害あって一利なしで す。矛盾を告発し、何としてもやめさせなければなりません」と話して います。 "[he-forum 13944] 大分新聞1/26 大分新聞2009年1月26日付 入学料を全額免除 大分大が支援制度  大分大学は、急激な景気悪化が原因で入学料(二十八万二千円)を納付できない新入学生について、入学料を全額免除する特別支援制度を設ける。二〇〇九年度入学生に限った措置。  免除するのは昨年九月以降の景気悪化に伴い、事業者の一方的な理由で失職したり、事業が倒産した保護者を持つ学部、大学院新入学生。免除するのは計四十人で、入学手続きの時に申請する。  大分大の入学定員は学部、大学院計約千三百人。授業料減免などの支援制度もあり、「景気の悪化で進学を断念するケースが出ないように対応したい」(学生支援課)としている。 "[he-forum 13945] 中日新聞福井1/27 中日新聞福井版2009年1月27日付 教育ローン、各銀行の動向 経済不安背景、申し込み増  大学入試センター試験が終わり、いよいよ本格的な受験シーズンに突入する。受験生は合格すればひと安心だが、保護者は喜んでばかりはいられない。数百万円は掛かる学費や生活費の調達に心配がよぎるからだ。県内に本支店がある銀行の教育ローンの動向を探った。  「前年と比べて明らかに申し込みが増えている」と話すのは福井銀行の担当者。昨年9、10月は前年比で2倍、11、12月も1・2-1・3倍で推移している。担当者は「営業努力もあるが、米国発の金融危機による経済不安も背景にある」と分析する。  用途は入学後の授業料や下宿代以外に、交通費や宿泊費といった受験費用にも適用。東京など遠方での入試に活用できる。  教育ローンを将来の顧客獲得策に位置付けるのは福邦銀行。在学中の元金据え置きと追加融資が可能な学資ローン「まなび隊!」は、卒業後に学生本人が借り換えて返済できるのが特徴だ。  就職して最初の6カ月間は元金返済が据え置きとなり、7カ月目から開始となる仕組み。親からの自立を促すとともに「住宅ローン利用など生涯にわたって主力銀行として取引の継続を」と囲い込みを狙う。  教育ローンの年利はおおむね6%未満と、他の融資より低めに設定されている。そんな中でも、北陸銀行(富山市)は1%台まで引き下げ、利用拡大に力を入れる。  同行は5月8日までの日程でキャンペーンを実施し、給与受け取り指定などの条件を満たせば最優遇金利(変動型、年1・60%)を適用する。主な使途が学費であることから、焦げ付きが少ないのも低利にする理由だという。借入限度額を設定したカードを発行し、在学中はATM(現金自動預払機)で必要額を引き出せる商品もある。  各行とも入学金納付が集中する2、3月はさらに増えると見込む。ほかにも、無利子の県奨学金制度や日本学生支援機構、「国の教育ローン」(日本政策金融公庫)などの公的融資もある。問い合わせは各機関へ。  (原田晃成) "[he-forum 13946] 京都新聞1/26 京都新聞2009年1月26日付 奨学生、苦しさ訴える 京でデモ 滞納者情報通報に抗議  景気後退で就職・雇用情勢が悪化するなか、奨学金を返済できない若者らの立場をアピールする街頭活動が25日、京都市中京区などの繁華街で行われた。学生たちがプラカードを掲げて行進し、「滞納者の『ブラックリスト化』反対」「学費を無料に」と訴えた。  奨学金を貸与している日本学生支援機構が先月、金融機関でつくる個人信用情報機関に滞納者の情報を通報する方針を正式発表したのを受けて、京都市内の学生有志が街頭活動を呼びかけた。通報されると銀行ローンやクレジットカードの利用にも影響する可能性があるため、学生たちは「滞納者のブラックリスト化につながる」と主張。四条河原町付近を行進しながらビラを配った。  同機構によると滞納者は年々増え、2007年度の未返還額は660億円。街頭活動を呼びかけた京都精華大4年の山田史郎さん(24)は「卒業後に正社員になれればいいが、フリーターや派遣社員では返したくても返せないのが実情。そもそも日本は学費が高すぎる。若者の学ぶ機会を保障すべきだ」と話していた。 "[he-forum 13947] 読売新聞新潟1/26 読売新聞新潟版2009年1月26日付 地域医療3大学連携でシンポ  新潟大医学部は、秋田、琉球の両大医学部と連携して研修を行う「NAR大学・地域連携『+α専門医』の養成プログラム」を2008年度から始めた。25日には3大学の担当者が出席して初のシンポジウムが新潟市中央区の新潟大で開かれ、地域医療の実態や連携のあり方が話し合われた。  このプログラムは、04年の新臨床研修制度導入で地方の大学病院から研修医が流出している問題を受け、文部科学省が08年度から補助事業として開始。各大学病院が連携して研修を充実させ、医師確保や良医の育成につなげるのが狙いだ。5年間で年1億円程度の予算が配分される予定で、全国19件が選定され、3大学のプログラムも選ばれた。  3大学では、事業開始に合わせて研修センターを設置し、専任教員を配置。各大学での症例について意見交換できるテレビ電話システムも導入する。今後は大学間で研修医の交流も促進する方針だ。  シンポでは、文科省の選考委員会長を務めた荒川正昭・新大名誉教授が「3大学が持つそれぞれの強みを若手医師へのアピールにつなげてほしい」と呼び掛けた。プログラム責任者の鈴木栄一・新大教授は「地方で若手医師を集めるには、連携で充実した研修プログラムをアピールするのが大事。しっかり魅力を高めたい」と意気込みを語った。 "[he-forum 13948] 1/29しんぶん赤旗 2009年1月29日(木)「しんぶん赤旗」 学生支援機構 奨学金取り立て強化へ 滞納者 ブラックリストに 学生に“同意しないと打ち切る”  日本学生支援機構(旧日本育英会)は、奨学金の取り立て強化の一環 として、滞納者の情報を全国の金融機関でつくる個人信用情報機関に登 録して不良債務者扱いする「ブラックリスト化」の準備を始めていま す。返還中の人に加え、奨学金を利用している現役学生にも、滞納時の 情報機関登録の同意書を提出するよう求め、「同意しなければ奨学金を 打ち切る」としています。  本来、教育を受ける権利を保障するための奨学金を民間のローンと同 様のものに変質させるものです。京都では、学生五十人が「ブラックリ スト化反対」を掲げてデモを行いました。  同機構の奨学金を利用する学生は全国で百二十二万人(二〇〇八年 度)。信用情報機関は全国千四百の金融機関が会員で、ブラックリスト は融資などの判断基準になるため、登録されればローンやクレジット カード利用が困難になります。  支援機構は、昨年十二月、三カ月以上の延滞者を登録すると発表。直 後から大学等を通して、学生から同意書を集め始めました。  同機構は「同意しない人は、返還する意思があるのかあやしいのでお 金を貸すわけにはいかない」としています。  「奨学金のブラックリスト化反対」「学費をタダに」を掲げてデモ行 進を行った京都精華大四回生の山田史郎さん(24)は「先輩は就職先 もなく、失業者の増加や内定取り消しが社会問題になっています。本来 なら返済を猶予したり、学費を下げるなど学生の救済が必要なときに取 り立て強化でしめつけるのは逆です」と批判します。  京都府学生自治会連合の福田耕書記長(21)は「ぼくもやむを得ず 同意書にサインしましたが、学生は卒業後に就職できるか不安が大き く、『(同意書を)書くのが怖い』と話します。母子家庭の友人は、学 費をためるため、派遣会社で朝から深夜まで働き、体も心もボロボロに なりました。借金型の奨学金は、困っている学生の命綱になっていな い」と話します。  学生支援機構労働組合の岡村稔書記次長は「ある大学では、三月卒業 の学生に対しても、同意しなければ学位を与えないか、一括返還をさせ ると脅しながら同意書を集めています。もともと学力と収入が奨学金貸 与の基準だったのに、新たな条件を加えるのは、違法ではないかとの弁 護士の指摘もある」と話します。 "[he-forum 13949] 時事通信1/28 時事通信2009年1月28日17時17分 教職大学院、19校中17校に問題=文科省  文部科学省は28日、新設大学など延べ428校の運営状況を調べた2008年度の設置計画履行状況調査の結果を発表した。延べ135校で学生数の過不足、カリキュラム編成上の問題などが見つかり、「留意事項」として改善を求めた。同年度に設置が始まった教職大学院では19校中17校に留意事項を指摘した。  調査は、最初の卒業生が出ていない大学、短大、大学院が対象。135校の内訳は教職大学院17校、法科大学院18校、大学・短大・その他の大学院が延べ100校だった。  文科省は、大学や学部を新設したばかりの243の学校法人を対象にした別の調査結果も発表。57法人で学生数が定員の7割を下回る学科や研究科があったほか、53法人で定員超過、11法人で理事や監事の欠員が見つかるなどし、計140法人に留意事項を指摘した。 "[he-forum 13950] 徳島新聞1/29 徳島新聞2009年1月29日付 鳴教大大学院、25年間欠員続く 定員削減に現実味  現職教員の再教育を主眼とする鳴門教育大の大学院は、一九八四年の開設から二十五年間、定員割れが続いている。全国の都道府県教委から派遣される現職教員の入学人数が自治体の財政悪化で伸びず、全国に教職大学院ができたこともあって、今後も増加は望めそうにない。国立大学法人化の影響で鳴教大の財政状況はますます厳しくなる見通しで、定員削減が現実味を帯び始めた。(社会部・芝原好恵)  鳴教大大学院は、兵庫教育大、上越教育大(新潟)の両大学院とともに現職教員の再教育を担う全国初の機関として設置された。入学定員は百五十人でスタートし、八五年度に二百人、八六年度から三百人に拡大。現職教員二百人、学部新卒者百人の枠を設けた。  甘い試算で設定  現職教員の定員設定に当たっては、文部省(現文部科学省)が全都道府県教委に問い合わせるなどして派遣可能人数を調査。この総数を、鳴教大と上越教育大、兵庫教育大で三等分した。  文部省の試算の甘さや兵庫教育大が地理的に近いこともあって、鳴教大は当初から院生確保に難航。都道府県教委は、大学院への派遣中も教員に給与を支払わなければならないために派遣を渋った。バブル崩壊などによる自治体の財政悪化が追い打ちをかけ、教員派遣は九七年度の百三十人をピークに減少傾向が続いており、二〇〇三年度には百人を切った。  昨年四月には全国十九大学が専門職大学院「教職大学院」を設置。これまで三大学で担ってきた教員の再教育が十九大学で行われるようになり、本年度の鳴教大大学院への教員派遣は過去最低の六十人に落ち込んだ。  確保へ苦心の策  教員派遣の減少に歯止めがかからない中、大学は学部新卒者を獲得して定員を確保しようと懸命だ。臨床心理士養成コースの人気を受け、欠員のあるコースの定員を振り替えたり、大学院で小学校などの教員免許を取得できるコースを設けたりして何とか院生の人数を維持してきた。  現在は私立大と連携し、学部新卒者を大学院に送り込んでもらうことで活路を見いだそうとしている。〇七年度の四国大を皮切りに、本年度は関西国際大(兵庫)、比治山大(広島)、京都産業大と連携協力協定を締結し、入試方法などを検討している。今後も数校と協定を結ぶという。  入試を担当する村田博理事は「私立大にとっても、国立大との提携はイメージアップにつながるなどメリットは大きい。教員志望の卒業生の実践力を養う場にしてほしい」と話す。  鳴教大は予算面でも“逆風”下にある。政府は〇四年の国立大学法人化以来、研究成果に応じて予算を重点配分する流れを強めているからだ。財務省が〇七年に行った試算によると、国が拠出する国立大の運営資金を研究成果などに応じて再配分した場合、研究よりも教員育成を主とする教育大は大幅に予算を削られ、鳴教大は89・6%減という衝撃的な数字がはじき出された。  鳴教大が六月中にまとめる一〇年度から六年間の運営方針では、定員問題に踏み込まざるを得ない状況にある。ただ、いったん定員を削減すると、さらなる予算減、教職員数減につながりかねない。生き残りをかけ、苦しい決断が迫られている。 "[he-forum 13951] 読売新聞群馬1/28 読売新聞群馬版2009年1月28日付 保護者失職で入学金減免 群大  景気の急速な悪化を受け、群馬大学は新年度から、入学金と授業料の減免対象を拡大することを決めた。  授業料減免の対象は現在、保護者の死亡か災害被災以外では成績条件があり、生活保護受給世帯か母子家庭で、前年度の成績で評価B以上が「60%以上」(新入生は高校2年と3年の成績の平均が3・2以上)、それ以外の理由による家計の困窮は「65%以上」(同3・5以上)。新年度からは、「60%以上」の対象を、保護者が雇用主の都合で失業した学生にも拡大する。減免は半期ごとに、半期授業料(26万7900円)の全額または半額を、提出書類をもとに困窮の程度を査定して、半額か全額の免除を決める。  入学金(28万2000円)についても、従来は、保護者が死亡した場合や災害で被災した場合などに限られていた全額か半額免除の対象者を、新年度からは入学前1年以内に、保護者の勤め先の倒産や解雇で、家計が急変した場合も加えることにした。  一方、今回の景気悪化を受けた授業料や入学金の減免制度の拡大については、高崎経済大学が「検討中」としている。 "[he-forum 13952] 沖縄タイムス1/28夕刊 沖縄タイムス2009年1月28日付夕刊 大学院大学 新法案3月閣議決定へ 【東京】内閣府は二十八日午前、自民党本部であった沖縄振興委員会・大学院大学小委員会で、沖縄科学技術大学院大学構想について、今国会に提出予定で大学運営の在り方を定める法案の骨子を説明した。  佐藤勉沖縄担当相は三月上旬にも法案を閣議決定する方針を示し、「今国会での早期成立を目指したい」として党内の協力を求めた。  法案では、世界最高水準の実現に向けて国の特別な財政支援を行うと同時に、自主性や柔軟性を兼ね備えた学校法人にするため「私立学校法の特例」を明記。  理事会はノーベル賞受賞者ら著名な科学者で構成することや、大学運営では透明性を確保し説明責任を果たすことも盛り込む。  二〇一〇年度に文部科学省へ法人設置認可の申請を出す予定。今後、学長や教授陣の人選や教育課程を定める手続きに加え、設置認可審査に約一年要することなどから、内閣府は「一二年度までの開学には法案の今国会での早期成立が不可欠」とした。 "[he-forum 13953] 神奈川新聞1/28 神奈川新聞2009年1月28日付 「極限のものづくり」へ川崎に新拠点/慶大と、早大、東工大、東大の4大学  「拡張ナノ空間」と呼ばれる未開拓領域の理工学研究を推進する慶応大学、早稲田大学、東京工業大学、東京大学の四大学コンソーシアム(共同事業体)は二十七日、川崎市幸区の新川崎地区に世界最先端の研究・技術開発拠点を立地させると発表した。「極限のものづくり」に四大学の研究者が協力して挑み、産学連携を通じて実用化する拠点を目指すことで四大学と川崎市は同日、基本合意を締結した。  事業体の正式名称は「ナノ・マイクロファブリケーションコンソーシアム」。昨年三月に発足し、市は研究拠点誘致を目指していた。この日、阿部孝夫市長のほか、事業体代表の松本洋一郎・東京大学総長特任補佐ら各大学の理工学部長が川崎市役所で会見した。  研究拠点は新川崎地区の「かわさき新産業創造センター(KBIC)」内の二室(約二百八十平方メートル)で、四月入居予定。  当面は数千万円規模の施設整備で数十人の研究者が常に出入りする拠点としてスタート。三年程度をめどに隣接する第三期事業地区(一・八ヘクタール)に、民間企業や国の協力を得ながら数千平方メートル規模のクリーンルームを備えた研究施設つくる方向で準備を進める。  松本代表は新川崎を研究拠点に選んだ理由について、「ナノ(一マイクロメートルの千分の一)とマイクロ(一ミリメートルの千分の一)、ミリの世界をつなぐ新しい工学を切り開きたい。最終的にナノテクノロジーを生かすには実際に生活に使われてこそ意味があるもので、いわば極限のものづくり。川崎は市の熱意もあり、一緒にやれる企業が集積している。強い大学が協力し、世界の大学と戦いたい」と説明。産学連携による最先端研究を目指す意向を明らかにした。 ◆拡張ナノ空間 1マイクロメートル以下の微細領域。この空間の現象の理解が進まないことがナノテクノロジーの製品化が進まない一因になっている。研究が進み超微細加工技術が可能になれば、エレクトロニクス分野だけでなく医療、環境、エネルギー分野への応用が期待される。共同事業体では例えば数年で、ごく微量の血液を採取して血液検査までを行う「無痛超高速血液診断装置」を搭載したマイクロチップなどの実用化なども目指す。 "[he-forum 13954] 毎日新聞富山1/28 毎日新聞富山版2009年1月28日付 富山大:学長選考問題点、次回までに検討  富山大の学長再任を巡る問題で、学長選考会議(24人)が27日、富山市五福の同大で開かれた。昨年12月4日の再任後初の会議で、金岡祐一議長ら学内外の委員19人が参加。出席した委員によると、次期学長選考までに、選考の手続きの問題点などを検討する方針などが示されたという。  同会議の学外委員全員は今年3月、任期満了を迎える。出席委員によると、金岡議長から学長選考の進め方や規則、委員構成について課題を洗い出し、次期委員に申し送る考えが明らかにされたという。また、学内委員で学長選考のあり方を考えるワーキンググループを作り、3月開催予定の次回会議までに答申する予定。  今回の選考では、学内教職員による2度の意向投票で大差で最下位だった西頭徳三学長が、同会議の無記名投票で再任された。このため、学内から強い異論が噴出し、これまで工、芸術文化の2学部を除く計6学部が就任辞退などを求める声明や要望書などを出している。【青山郁子】 "[he-forum 13955] 河北新報1/28 河北新報2009年1月28日付 がん専門医を集中育成 山形大医学部5カ年計画  山形大医学部は27日、本年度から5カ年計画で、「東北がんEBM(科学的根拠に基づいた医療)人材育成・普及推進事業」を実施すると発表した。がん診療のリーダー育成やインターネット講義を行い、がん患者が居住地に関係なく、適切な治療を受けることができるようにするがん治療の均てん化(平準化)を目指す。  国は2006年に施行した「がん対策基本法」で、がん治療の均てん化の方針を打ち出したが、東北6県では、がん診療拠点病院に指定されている39の病院で、抗がん剤治療の専門医が計11人しかいないなど、環境整備が遅れている。そこで文部科学省の補助を受け、対策に乗り出した。  具体的には(1)抗がん剤と放射線治療の専門医育成(2)医師、看護師、薬剤師、技師ら医療関係者を対象にしたがんに関するインターネット講義―の二つの事業を展開する。  専門医育成では、受講生が大学の教員として働きながら、研修も受けられる。学会や研修会への参加も費用面で支援する。研修期間は抗がん剤専門医が2年、放射線専門医が5年。昨年8月から既に7人が研修を受けており、新年度は計12人を受け入れる計画だ。  インターネット講義は、登録した東北の医療関係者に対し、リアルタイムで講義を配信し、各地域の診療レベルの底上げを図る。受講者と講師の間で質疑応答が可能。講義後は、視聴者が好きな時間に見られるオンデマンドで随時視聴が可能になる。登録料は無料。  嘉山孝正医学部長は「ほかの大学にはない試み。現場で働いている医師や看護師に対し、高度な教育を施すことができる」と語った。 "[he-forum 13956] 河北新報1/30 河北新報2009年1月30日付 公立大法人化 青森市が定款誤記  青森市は29日、4月に公立大学法人化する青森公立大(青森市)の移行手続きで、変更手続きを済ませた定款の内容に誤記などが2件あったことを明らかにした。定款変更は2008年12月の市議会定例会で可決されているため、市は近く専決処分で訂正し、3月定例会で報告する。  市企画財政部の橋本勝二部長が同日の市議会各会派代表者会議で報告し、「あってはならないミス」と陳謝した。  市企画調整課によると、本来は理事の任期は4年だったのに、「6年を超えない範囲内」と誤って記載。「地方独立行政法人法の条文を勘違いしたためだ」という。さらに教育宿舎など2棟の屋根の材質が鋼板だったのを、銅板と誤記した。  市は法人認可をする青森県知事に08年12月22日、定款を添えて設立認可を申請。県は文部科学省との協議中に指摘を受け、今月20日、市に修正を求めた。  市は議案段階でも大学の敷地面積を間違うなど2度訂正していた。代表者会議では「法人化を急ぎ、事務が処理しきれないのではないか」「不祥事(の多発)を重んじて物事を進めるべきだ」などの意見が出た。 "[he-forum 13957] 河北新報1/30(2) 河北新報2009年1月30日付 東北大 有朋寮跡地などを一般競争入札で売却  東北大は30日、仙台市太白区の学生寮跡地などを売却する一般競争入札を公告する。青葉山新キャンパス(青葉区)の移転整備事業費の確保策で、法人化以降、国立大学法人所有の土地を一般競争で売却するのは全国で初めて。  売却物件は、太白区鹿野の旧有朋寮跡地(約0.8ヘクタール)と太白区八木山の外国人研究員宿泊施設跡地(約1.2ヘクタール)。いずれも現在は更地となっている。  旧有朋寮跡地は国道286号線に面し、仙台市長町中に隣接。約1.1ヘクタールの土地を分割して約0.3ヘクタールは年度内に市と売買契約を結ぶ方針で、残りを一般に売却する。  旧有朋寮は2006年12月、廃寮の決定に反対して使用を続けた学生に対し、建物の明け渡しを求めて強制執行が行われた。  外国人研究員宿泊施設跡地周辺は、都市計画法の特別用途地区「文教地区」に指定され、遊興施設などは建設できない。宿泊施設は07年12月に取り壊された。  国立大学法人が財産を処分する場合、公的機関への売却が優先される。東北大は宮城県や仙台市、地元学校法人との交渉を経て、契約に至らなかった土地を一般競争で処分する。入札はともに3月24日で、予定価格は公表しない。  青葉山新キャンパスには雨宮、片平両キャンパス(青葉区)の農学部と電気通信研究所が移転し、11年度に開学予定。事業費は数百億円を見込み、雨宮キャンパスや大学所有地の売却益を充てる。  東北大は「市況が低迷しているが、新キャンパス整備のため少しでも高い価格で売却したい」と話している。 "[he-forum 13958] 時事通信1/30 時事通信2009年1月30日12時17分 歯学部定員、縮小を=不人気、低合格率の大学-有識者会議が報告書・文科省  歯科医師の数が過剰だとして、文部科学省の有識者会議は30日、入学志願者が集まりにくく、国家試験の合格率が低迷する大学に歯学部定員の縮小を求める報告書をまとめた。歯科医によって技能の格差が大きいことから、臨床実習の充実も促した。  文科省は今後、各大学から教育体制について改善計画を提出させる。また、厚生労働省と連携し、大学のカリキュラムや国家試験のあり方を再検討する。 "[he-forum 13959] 沖縄タイムス1/30 沖縄タイムス2009年1月30日付 研究者165人 特許申請7に/大学院大学県民会議 開学前に成果報告  沖縄科学技術大学院大学設置促進県民会議(会長・仲井真弘多知事)が二十九日、那覇市内のホテルで開かれた。県内の経済団体を中心とした会員八十人が参加し、これまでの研究成果や開学に向けた法整備の準備、周辺の環境整備の進捗状況が報告された。  沖縄科学技術研究基盤整備機構のロバート・バックマン理事は、国際性や柔軟性などをコンセプトに、神経科学や分子生物学など複数の分野にまたがる研究を特徴とする同大学の構想を紹介。「開学を前に、うるま市の研究所ではこれまで十九の研究ユニットが発足し、研究者数は百六十五人に達した。研究論文は百二十四を超え、七つの特許を申請した」と現在の研究成果を報告した。  内閣府大臣官房審議官の槌谷裕司氏は沖縄振興の観点から、国が予算措置による同大学の支援をする必要性を強調。文部科学省への一〇年度の認可申請までに、支援ための法整備を進める考えを説明した。  県科学技術振興課の棚原政忠課長は、県が進める周辺整備事業を報告。海外からの研究者受け入れには外国人子女・帰国子女を対象とした教育施設の設置が求められるとし、「すべての教育を英語で実施するインターナショナルスクールをうるま市に設置する予定。開校に向け地元の合意形成と準備を進める」とした。 "[he-forum 13960] 共同通信2/1 共同通信2009年2月1日5時5分 中教審、新任に東大学長ら 大学教育の質向上など検討  塩谷立文部科学相は1日付で、中央教育審議会の委員に小宮山宏東大学長ら新任10人を含む30人を任命した。任期は2年。会長には10日の総会で、三村明夫新日本製鉄会長が選出される見通しだ。  中教審は2001年の文科省発足後、今回で5期目となる。06年の教育基本法改正を受けた義務教育制度の見直しは一段落し、今期は大学教育の質の向上や、小学校から大学までの各段階で将来の進路を考える「キャリア教育」の充実などが検討課題となっている。  新任は小宮山氏のほか曽我邦彦日本PTA全国協議会会長、前田穣)宮崎県綾町長ら。地方自治体の代表は前田氏ら3人で、石井正弘岡山県知事と小嶋善吉静岡市長の2人は再任された。女性委員は計10人。  三村氏が会長に就任すれば、財界出身者として2人目となる。07年から会長を務めた劇作家の山崎正和氏は1月末の任期切れに伴い退任。 "[he-forum 13961] 陸奥新報2/1 陸奥新報2009年2月1日付 青森市内7大学が研究や講義で連携  青森市内七大学の連携拠点「大学コンソーシアム青森」の開所式が31日、同市安方一丁目の同施設で行われ、参加大学の学長らが教育基盤強化や共同研究、地域貢献に努めることを確認した。  コンソーシアムは、大学間の単位互換などを目的に、参加大学の学生に配る共通カードのシステム管理を担うほか、合同講義も行う。共同研究に関する管理や一般向け公開講座の拠点としての役割も果たす。七大学の受験希望者のため、各大学の情報も提供する。  ビル一階の一画を借りて開設し、システムサーバー室、事務・講義スペースを合わせて約100平方メートル。県立保健大学の上泉和子副学長がセンター長を務め、専任職員二人を配置。本格的に活動する新年度からは、一人増員する。  開所式では、同大学のリボウィッツ・よし子学長ら各大学の学長七人がテープカットをし開設を祝った。  上泉副学長は「情報を発信し、地域住民らいろんな人に利用してもらえる施設にしたい」と抱負を語った。  参加大学は県立保健大、青森公立大、青森大、青森短期大、青森中央学院大、青森中央短期大、青森明の星短期大。 "[he-forum 13962] 毎日新聞2/1 毎日新聞2009年2月1日付 実験室での事故:防ごう! 安全確保策に取り組む研究者たち  大学の実験室などで起きる事故を防ごうと、東京大や大阪大などの研究者らが「研究実験施設・環境安全教育研究会」(会長、大島義人・東京大教授)を作った。実験で出る有害ガスの流れを、不慣れな学生にも一目で理解させる方法の開発や、安全性の高い実験室の設計指針作りなどを進めている。【渋江千春】  ◆引火を再現  1月に東大で開かれた研究会の会合で、山本仁・大阪大教授(化学)は、2メートルほどのプラスチック管を斜めに傾け、机の上に固定した。瓶から液体を出し、管の上の端に垂らす。下の端に炎を近づけると、一瞬で管全体に炎が走った。  液体は「ジエチルエーテル」だった。他の物質を溶かす溶媒として実験によく使う試薬だが、引火性が高い。「炎は秒速10メートル。(男子百メートル世界記録保持者の)ウサイン・ボルト選手でないと逃げられません」。山本さんは冗談交じりに危険性を訴えた。阪大の安全管理担当として、学内の薬品取扱講習会でも引火の様子を見せている。  04年に国立大が独立行政法人化するまで、安全管理は個々の研究室任せだった。独法化で大学が労働安全衛生法上の「事業者」とされ、労働災害防止を求められてようやく、各大学は事故の統計を取り始めた。  ◆知識、技術が不足  学生や教員のけがなどの事故報告は、東大で04年からの3年間で約270件。阪大は年約250件で、うち半数が実験関連だった。いずれも分析すると知識・技術や想像力の不足、設備上の問題が誘因だった。  研究会の大島会長は、00年から東大環境安全研究センターに勤め、実験廃液の処理法を学生に教えた。その中で「実験を問題なく完結させるには、廃液処理のほか、安全に関する幅広い知識や技術を学生に教え、必要な設備や情報も提供すべきだ」と考えるようになり、07年7月に研究会を設立した。今では10以上の大学・高専や、実験器具や試薬などの14企業から計約80人が参加し、3グループに分かれて活動している。  ◆危険を「視覚化」  「教育プログラムグループ」は、実験の排ガスの危険を教える方法を考え出した。  実験は、局所排気装置(ドラフト)という箱の中で行うことが多い。有害ガスを実験者が吸わないためだ。本来は箱の扉を小さく開け、腕だけ入れて実験する。ところが扉を大きく開けて頭を突っ込む学生がいる。  そこでドラフト内で白煙を出し、ガスの流れをはっきり見せる手法を編み出した。分かりやすく印象に残る教育法として、引火の再現実験などと共に普及させ、安全意識を向上させたいという。  「実験支援ツールグループ」は、化学物質の取り扱い上の注意が一目で分かるデータベースを作った。  東大などで事故が多かった約30物質を選び、必要な情報を整理した。急性毒性、刺激性、反応性など6項目を5段階で示し、一覧できる図にまとめた。「塩酸が目に入った」などの実例や「保護眼鏡を着用していなかった」など原因を添え、具体的な管理法や関連法規もつけた。今後、公開を目指す。  ◆盗難防止も重要  支援ツールグループは、管理しやすい試薬庫も作った。安全管理には盗難防止も重要だ。  東大では07年、約100人分の致死量に当たる青酸カリなどが盗まれた。試薬庫は、使用者を把握するため、鍵を1本しか作らず、教員が管理するのが原則だ。しかしこれでは多人数で使うのに不便で、違反行為も起きやすい。  そこで鍵の代わりに、地下鉄などに乗るためのICカードや、携帯電話を使って開閉できるようにした。関係者は、自分のカードや携帯を登録しておけばよい。いつ、だれが開閉したかは自動的に記録される。この試薬庫は研究会の会員企業が近く市販する。  「実験室計画グループ」は事故の起きにくい実験室作りを研究している。アイカメラを着けた学生に室内を歩かせ、視線の当たる器具や時間を調べた。危険なのによく見ていないガスボンベなどの器具があると分かった。  このデータなどを参考に、実験室設計のガイドラインを作る予定だ。日本の実情に即し、狭い実験室でも安い費用で安全が確保できるようにしたいという。  「大学での研究は、未知の領域に挑むのが目的。安全が確立された実験だけではすまず、未知の危険を予知・回避する能力が必要です。研究の効率を保ち、安全確保もできる安全管理を生み出して普及させたい」と大島会長は話している。 "[he-forum 13963] 日本経済新聞2/1 日本経済新聞2009年2月1日付 仏BNPパリバ、東大大学院に金融の寄付講座  仏金融大手のBNPパリバグループは4月、東京大学大学院数理科学研究科に寄付講座を開設する。設置するのはファイナンス数理の専門講座で、実務家を派遣してデリバティブ(金融派生商品)の価格理論やリスクマネジメントなどを講義する。寄付講座は2011年度までの3年間。  金融技術の高度化に伴って重要性が増している数値計算などの研究・教育を実践する。 "[he-forum 13964] 読売新聞岩手2/3 読売新聞岩手版2009年2月3日付 【暮らしナビ】社会人向け大学講座  選抜・履修に優遇学位取得の道も  県内の大学で、シニア世代や社会人を対象とする生涯学習講座が広がりを見せている。大学の講座といっても、学位取得を目標にする本格的なものから、日常生活に役立つ知識や教養を学ぶといった気軽なものまで様々。社会人を受け入れる大学にとっては、少子高齢化時代の生き残り策でもあるようだ。(青木佐知子) ■増える社会人院生  「研究成果を基に、正確な花粉予想を出していきたいと思います。ご静聴ありがとうございました」  岩手大の大学院連合農学研究科で1月29日に開かれた学位認定の審査会。山形大や弘前大とテレビ会議システムで結ばれた会議室で、盛岡市で内科クリニックを開業する医師の須藤守夫さん(71)は、緊張した面持ちで発表を終えた。  須藤さんは20年以上前から、クリニックの屋上に観測装置を置き、花粉の個数を調べている。データは日本気象協会に提供するほか、その年の花粉の飛散量をクリニックのホームページで予報してきた。  四十数年ぶりに大学の門をたたいたのは、「農学の観点からスギの生態を学び、気象条件が花粉量に及ぼす影響を知りたかった」からだ。農学博士号の取得が目標だ。  診療業務を終えた夜間、岩手大の雑賀優教授に花粉量の分析方法などを電子メールで送り、週末に大学の研究室で指導を受けてきた。雑賀教授は「医師という激務の中で研究を続けられ、若い学生の刺激になった」とたたえる。  岩手大は、須藤さんのような実社会で活躍する人たちに広く門戸を開いている。社会人選抜では、一般の学生に課される学力試験はなく、小論文や面接、勤務先の推薦書などで合否が決まる。履修方法や学費も配慮されている。3年分の学費で最長5年間在籍できる制度があるほか、講義も3~4日間で集中して受けることも出来る。  こうした優遇制度もあり、同大学院の社会人の数は年々増え、今年度は大学院生150人のうち、3分の1を社会人が占めるまでになった。 ■学生と一緒に聴講  学位取得を目的にはしなくとも、毎週の講義を若い学生に交じって聴講する方法もある。  各大学のホームページなどで授業概要を調べ、興味のある講義を選択する。最初の講義を聞いてから申し込むことも可能で、岩手大の場合、受講料は1講座で4000~6000円。  県立大は、盛岡駅西口のアイーナや滝沢キャンパスで、ストレス解消法やメタボリック症候群対策といった健康講座を開設しており、60~70歳代の人気を集めている。  社会福祉学部が民生委員らを対象に07年から実施している「コミュニティーカウンセラー教育・研修プログラム」も、人気講座の一つ。自殺や家庭内暴力といった深刻な相談を受けた時、どのように対処すればよいかを、臨床心理学に基づいて指導している。  各大学が社会人の取り込みに力を入れる背景には、少子化に伴う18歳人口の減少がある。県立大研究地域連携室の佐藤光勇主査は「若者が減る中、学問研究だけではなく、県民の幅広い学びの需要に応じることで大学の存在感を高めていきたい」と話す。   ■単語帳  ハートシステム 独立行政法人・大学入試センター(東京都目黒区)が運営する大学進学情報サイト(www.heart.dnc.ac.jp/index.php)。社会人選抜を行っている大学を探すことができるほか、各大学の公開講座の情報も掲載されている。全国の大学情報が蓄積されており、学びたい内容や興味にあったテーマから、自分に適した情報を選ぶことができる。 ■ナビゲーターから  せっかく学んだ知識を、実際に役立てられれば、張り合いにもなると思います。他県の自治体やNPOの中には、自分の得意分野を登録しておけば、それに合った仕事やサークル活動などを紹介してもらえる仕組みを設けている所もあるようです。大学側も、地域ニーズに合った講義を設けるだけでなく、受講後の活動の場も含め、より充実した内容にしていってほしいと思います。(山口) "[he-forum 13965] 河北新報2/2 河北新報2009年2月2日付 仙台市が東北大の最先端工学支援 企業誘致へ1億円超  仙台市は1日までに、東北大大学院工学研究科が今秋の設置を目指す最先端工学分野の産学研究拠点について、運営費の一部を負担する方針を固めた。負担費用4400万円を2009年度当初予算案に計上する。同研究拠点は大学と企業との共同研究に重点が置かれることになっており、市は、共同研究を支援し軌道に乗せることで、企業などの研究開発施設の新たな立地を促したい考えだ。  研究拠点の名称は「東北大大学院工学研究科情報知能システム(IIS)研究センター(仮称)」で、仙台市青葉区にある工学研究科の施設内に設置される。大学院情報科学研究科と電気通信研究所の研究者も加わり、運営組織を構成する。  センターが扱うのは、デジタル信号処理(DSP)システムや半導体、ロボット工学などの分野。DSPは、自動車の自動走行システムや携帯電話の音声送受信など広い用途が期待されている。  共同研究の相手は大手の情報家電、自動車メーカーなどを想定するほか、市内にあるソフトウエア関連の中小企業などに対しても研究参加を呼び掛ける。  運営費の一部負担は、企業と共同で研究水準のレベルアップを図りたい東北大側と、新たな企業誘致や地元中小企業の技術力向上を目指す市側の思惑が一致した。新年度分の4400万円を含め、市は11年度までの3年間で計1億3200万円を負担する方針。  市は「厳しい経済情勢だが、新製品開発や生産性向上に対する企業の意欲は根強い。将来、需要が見込める分野に絞って共同研究を促進し、企業誘致やビジネスチャンスにつなげたい」と話している。  市は研究開発施設の誘致を重点施策に掲げており、昨年9月には東北大と、青葉山新キャンパスへの研究開発施設立地を誘導するための協定を締結している。市は立地企業への固定資産税相当額の優遇措置を設け、東北大と連携した企業への営業活動も進めている。 "[he-forum 13966] 四国新聞2/3 四国新聞2009年2月3日付 地域貢献の重要性確認/香川大学などシンポ  四国の8大学が情報通信技術により、郷土に関する講義を共有する「e―Knowledgeコンソーシアム四国」の目指すべき方向を話し合うシンポジウムが2日、香川県高松市内のホテルであった。大学教授や文部科学省の担当者が、情報通信技術による大学連携のメリットや国内外の現状などを講演。パネル討論会では、加盟する大学の教授らが意見を交わし、地域貢献の重要性を確認し合った。  香川大などが加盟し、来春からの試験運用を計画している同事業は、四国への理解を促し、地域で活躍する人材を育成するのが狙い。瀬戸内海や遍路などをテーマにした各大学の講義を「四国学」として確立し、学生が遠くからでも受講できる環境も整える。  この日の講演では、東京工業大名誉教授で、メディア教育開発センターの清水康敬理事長が、海外の現状を交えながら遠隔教育の有用性や課題について解説。文部科学省大学改革推進室の今泉柔剛室長は文科省の支援体制や大学連携に期待する成果などを紹介した。  パネル討論会には、清水理事長、今泉室長とともに愛媛大の柳沢康信理事ら5人が参加。「第1次産業を四国の強みに変えられるような人材育成に取り組んでは」「地域との結びつきを生み出すコーディネーターの育成が必要」などの意見が出され「地域に貢献できる組織を目指そう」と結んだ。 "[he-forum 13967] 下野新聞2/3 下野新聞2009年2月3日付 産業人育成で授業協力 宇大と富士重工など連携  宇都宮大学は、富士重工業のクリーンロボット部(宇都宮市陽南一丁目)などと協力し、産学連携で次世代の産業人を育成するための総合教育プログラムの開発、実証に乗り出す。工学部機械システム工学科のカリキュラムに、製品開発チームを編成して製品を開発する講座や、技術者による設計製図の講義などを組み込む計画で、新年度から順次実施する。  国の産学連携人材育成事業に採択された取り組み。両者をはじめ、電気制御盤設計・製作の中島電機工業(足利市福富町、中島健一社長)、小学生向け科学教室も運営するアナログ回路や制御ソフト開発のエスオラボ(甲府市)の四者が協力し、二〇一〇年度まで実施する。  「高いデザイン能力を有する技術者」を育てるため(1)機械工学の専門的学力(2)問題発見や解決能力(3)言葉や図面をツールに口頭・文書で他者と意思疎通できるコミュニケーション力(4)報告・連絡・相談という社会人基礎力-の資質醸成を図る。  同学科(一学年八十五人)のカリキュラムを再構成。一年生の授業では、業務概要や技術者倫理など企業人による講義と工場見学を通し、技術者像や企業活動のイメージを醸成、実務と学問の関連性を意識させるカリキュラムを導入する。  設計製図では、図面の役割や管理手法について企業技術者の講義を組み込む。設計構想図や計画図を手書きで作成することで、製品イメージを図面に落とし込む能力も養う。  富士重工業では「サービスロボット設計」講座も実施する。企業が新入社員に仕事を与えるのと同じように受講者を製品開発チームに編成し、議論・討論方式で製品の立案から製作まで実際の製品開発事例として取り組む。中島電機工業は電子基盤の回路設計のノウハウを講座に生かす。  また同大などでは小中学生向け科学教育プログラムも開発する。  同大大学院の横田和隆准教授は「産業界のアイデアをもらいプログラムを開発したい」としており、富士重工業では「社会に出て即戦力となる人材を育てたい」と話している。 "[he-forum 13968] 読売新聞社説2/3 読売新聞社説2009年2月3日付 浅間山噴火 監視の努力がいかされた  長期間にわたって地道に集めたデータが物を言う。その好例だ。  群馬・長野県境にある浅間山(2568メートル)が噴火した。小規模というが、噴石も飛散し、噴煙は一時2000メートルの高さまで達した。  近隣の長野県軽井沢町のほか東京都心や、横浜市、千葉県君津市など広域で降灰が観測された。  今後も、小規模噴火や中規模噴火が繰り返される可能性があるという。火口周辺では、噴火の熱で雪が解けて、泥流が発生する恐れも指摘されている。  大噴火したこともある山だ。当分、警戒は怠れない。周辺自治体や政府は、異変を見逃さないよう監視を続けることが大切だ。  今回は直前予測が成功した。以前から東京大が観測網を設け、近年の浅間山の活動も踏まえて気象庁と観測を強化していた。地震増加や山の膨張などのデータを1日までに得て、気象庁が同日、「噴火警戒レベル」引き上げを公表し入山規制も始まっていた。  予測成功は、警戒レベル公表の制度が2007年12月に導入されて、初めてとなる。それまで気象庁は、火山活動について情報を提供するだけで、対応は住民たちの判断に委ねられていた。  制度導入前の2000年に噴火した北海道・有珠山は一例だ。気象庁の監視体制も十分でなく、長年、有珠山を研究してきた北海道大が噴火を警告した。家を放棄して避難するよう住民に求めるべきか、自治体は判断に悩んだ。  今は、気象庁と関係自治体が事前に協議しておくことになっている。これを踏まえ、「平常」「火口周辺規制」「入山規制」「避難準備」「避難」の5段階でレベルを公表する。浅間山は今回、レベル2から3に上がっていた。  日本は火山国だ。108の活火山がある。浅間山の例は、他の火山でも、監視を続けることが重要なことを印象づけた。  ただ、こうした体制が整っている火山は21か所にとどまる。自治体の対応が固まっていないこともあるが、火山の観測体制が先細りなことも響いている。  これまでは各地の国立大が観測と研究を主導し、気象庁にもデータを提供していた。しかし、財源難で老朽化した観測機器を更新できない。研究者も減った。  文部科学省は来年度から、国立大が重点観測する火山を今の半分以下の15か所程度に絞る。浅間山や桜島など活発な火山以外は監視が手薄になる。それでいいか、検討しておく必要もあるだろう。 "[he-forum 13969] 朝日新聞2/2 朝日新聞2009年2月2日付 〈学長力〉育む 女子の決断力 奈良女子大 久米健次学長  女性への大学の門戸が閉ざされていた時代から女子教育を担い、優れた人材が輩出した奈良女子大。今年は創立100年の節目を迎える。男女共同参画が叫ばれるなか、男性学長として女子大の行く末をどう見据えるのか。(石川智也) ◆実学志向応援 卒業時に満足  ――単刀直入に聞きますが、共学化は考えていませんか。  「今のところ、女子大であることを活(い)かしたいと思っています。ただ、女子学生だから教え方や研究の方法が変わるということではない。うちの文学部や理学部にしても、女性向きの学問や分野というわけでもない。なかなか論理化しにくいが、すべてを女子のみで行う環境は決断力を養い、女性リーダーが輩出しやすいという面もあります。男女共同参画といっても、それを検討する審議会のメンバーはほとんど男性。まだまだ女子大の役割はあると思う。志願者も減っていません」  ――念頭にないと。  「正直なところ、7年ほど前に、近畿圏の他大学との再編を探ったことがあります。しかし、1プラス1が3になるような相乗効果は見込めなかった。生き残りのための単なる効率化は特色を弱め、マイナス面の方が大きい」  ――ただ、受験生の女子大離れは進み、共学化などで女子大の数も減っています。  「確かに逆風は強い。先ほどの話と矛盾するようだが、女子大というだけでは、生き残っていけないでしょう。まず大学として魅力的であることが前提。それは、共学大が関心を払わない分野に取り組んでいることかも知れないし、性差とは関係なく高い水準の研究をしていることかもしれません」  「特に今のような時代、『なぜ女子大のままなのか』は常に問われます。であれば、まず、女子大であろうとなかろうと、良い大学である努力をしなければならない。共学化のことを問われると、私は『それを検討する前にもっとやることがある』と言っています」  ――学内の変革で着手したことはありますか。  「奈良女子大は、女子高等師範学校が前身ですが、教員になる卒業生は数%。実学志向にあわせて管理栄養士のコースを作ったり、グローバル化時代に活躍できる女性のキャリア形成支援プログラムを設けたりといった改革を進めました。女子大という理由で入学してくる学生は1割程度ですが、卒業時の満足度は高い」  「女子大と共学大はそれほどかけ離れたものではない。共学大でも実際は男女が別れて活動していることが多いし、女子大も隔絶された存在だったわけではないのですから。特色ではあっても、特異なものではありません」 ◆地域に根ざし 新商品開発も  ――国立の女子大は二つだけですが、東のお茶の水女子大へのライバル意識は?  「多少は意識している。向こうは東京なので、こちらとしては奈良という土地の静かさ、堅実さ、着実さといったイメージを追っていきたいと思っています。そのために、地域との結びつきを強めている。生活環境学部の学生がアイデアを出し、奈良漬けの入ったアイスクリームなどの新商品を開発した『奈良漬プロジェクト』のほか、古都の文化や歴史、景観などを幅広く学ぶ『生活観光』の講義も設けました。正倉院事務所や奈良文化財研究所と協力した歴史研究や、文化遺産をデータベース化してサイトで公開する事業も進めている」  「学校名の『奈良』『女子』『大学』をそれぞれ生かしていくのが当面の目標。そして、社会的存在であることを強く意識するということ。地域の女性リーダー育成のための公開講座などが、その代表的活動です」  ――大学院生の1割以上が留学生ですね。  「奈良はシルクロードの東端で、アジアからの留学生が多い。男女同権が完全に進んでいない国・地域も多いので、女子大ということで選びやすい面もある。そうした受け皿にもなれればいい」  「また、男女差別の激しかったタリバーン支配から脱したアフガニスタンの復興のため、国費留学生を積極的に受け入れています。女性教員研修も奈良女子、お茶の水、津田塾、日本女子、東京女子の5大学の連携事業として02年から始めました」  ――その5大学では唯一の男性学長ですね。  「『男女共同参画の最終的姿とは』とか『専業主婦をどう考えるか』などの問いは男だとなかなか口にしにくい。私個人としては、いろんな意味で多様性が尊重される社会がよいと考えている。同じように、女子大の存在意義についても考え続けています。女子大があるのは世界でも数カ国。普遍的人権観からすれば、女子大は過渡的な措置で、いずれ役割を終える。一方、男女の性差こそ普遍的とすれば、いつまでも存在し得る。逃げているようですが、どちらにも割り切れないものを感じる。それは、私が男の女子大学長だからでしょうか」     ◇  鳥取市出身。京都大理学部卒。奈良女子大助教授、教授などを経て03年から現職。専門は原子核物理学。趣味はクラシックギターと農作業。大学生の娘2人はいずれも県外の共学大に通う。「父親のいる大学には来たくなかったのかも」。60歳。 "[he-forum 13970] 山陰中央新報2/4 山陰中央新報2009年2月4日付 鳥大医学部付属病院 4月以降救急専属医不在に  中海圏域を中心に山陰両県の救命救急医療を支える鳥取大学医学部付属病院(米子市西町)救急災害科の八木啓一教授(54)ら救急専属医四人が三月末で全員退職し、四月以降、同院の救急専属医が不在となる期間が生じる可能性もあることが三日、山陰中央新報社の取材で分かった。  八木教授は「医師流出と負担増の悪循環で体力、気力ともに限界。救急医療の窮状を認識してほしいの思いもあり、昨年末、辞表提出に踏み切った」としている。  同科の救急専属医は、八木教授と四十代の准教授、卒後五、六年目の二人の若手医師の四人。三人が救急専門医の資格を持つ。八木教授は二〇〇四年十月に救命救急センターが開設されて以降、同センター長も務める。  同センターは、交通事故による多発外傷や心停止など最重症の三次救急患者を年間約九百人受け入れている。  同科は、医学生への教育と卒業後の臨床研修において必須のコアカリキュラムとされる救急医学の教育を担当。さらに学外でも、県消防学校での教育や県内各地での救命講習などの役割を担う。  後任教授の確保について豊島良太病院長は「四月一日にすぐ着任できる方向で検討している。規則的には可能」と話す。同病院長によると今回は通常の公募でなく、病院側が一人または複数の候補者を指名し、受諾した候補者を学内の選考委員会で審査する異例のノミネート方式で選ぶ予定。  教授以外の救急専属医は公募するが、確保のめどはたっていない状況で「万一、救急専属医不在が生じれば、救命救急センターでの応援経験がある他科の医師で対応することになる」という。  島根大学医学部付属病院(出雲市塩冶町)でも〇八年七月、救急部の坂野勉教授(57)が辞表を提出しており、三月末で退職する。後任は未定だが、既に後任教授の公募は終了しており「教授不在期間は長くても一カ月程度だと思う」(同教授)。同院では四月以降も、准教授と講師ら三人の救急専属医は残る。 "[he-forum 13971] 読売新聞2/4 読売新聞2009年2月4日付 鳥取大、私費留学生に緊急奨学金…「不況や円高直撃」 一律5万円  鳥取大は3日、世界的な不況や円高で経済的に苦しい私費留学生約90人に対し、緊急奨学金5万円を一律支給すると発表した。「経済情勢の変化が留学生の生活を直撃している。研究に影響が出ないよう支援する」としている。  支給対象は、2月1日時点で同大学に在籍する私費留学生131人のうち、財団法人などからの奨学金を受けていないか、奨学金が月6万円以下の学生。27日まで申請を受け付ける。財源の約450万円は、学長判断で研究などに支出できる「学長活動費」から捻出(ねんしゅつ)する。  同大学の留学生は203人で、72人は国費留学。私費留学生は母国からの仕送り額が減るケースが相次ぎ、特に韓国の場合、昨年1月に100ウオンで11・2円前後だった為替レートが3日現在、6・45円にまで急落。留学生の生活に影響が出ているという。 "[he-forum 13972] 科学技術・学術審議会/学術分科会研究費部会 提言 平成21年1月8日付 科学技術・学術審議会/学術分科会研究 費部会 『基礎研究・研究者の自由な発想に基づく研究について」(提言) 目次 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 ・ 研究者の自由な発想に基づく研究はすべての研究活動の基本 である。基礎研究は我が国の発展の源であり,その成果は人類・社会の 発展に貢献するものである。・・・・・・・・・・・2 ・ 我が国の大学等の基盤的経費については削減が続いており, 研究環境は危機的状況にある。基盤的経費の確実な措置が求められ る。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 ・ 研究者の自由な発想に基づく研究を支援する科研費はここ数 年伸び悩んでいる。科研費の拡充を着実に進めていくことが必要であ る。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 ・ 短期的に成果を求める成果主義の風潮は研究活動に影響を与 えている。基礎研究を長い目で見守る環境の整備が求められる。11 おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/toushin/090123.pdf "[he-forum 13973] 2/5しんぶん赤旗 2009年2月5日(木)「しんぶん赤旗」 交付金削られ教員減少 石井副委員長 九大副学長らと懇談  国立大学が法人化され、教育研究経費や人件費など「運営費交付金」 が毎年削減され続けている問題で、日本共産党の石井郁子副委員長は四 日、九州大学の今泉勝己副学長や松元昭憲理事・事務局長らと懇談しま した。  二〇〇四年の国立大学法人化により運営費交付金は毎年1%ずつ(国 立大学病院は2%)削減され、計六百二億円も減額されています。人員 削減により学問の継承が困難になるなど、教育と研究が危機的状況にお かれています。  今泉副学長は運営費交付金の削減について「大学として楽しいことで はない」と懸念を表明しました。同大は、削減の影響で昨年度までに減 らした教職員は百七十六人。退職した九百十九人の研究者の補充は七百 十二人に抑えられているといいます。  他方で、独自の運営努力として文系、理系問わずに研究者一人あたり 約五十万円の研究費を確保している状況を説明。交付金削減により講座 がなくなるなどの影響はまだでていないと話しました。  同席した総務部長は、「削減が続くと大変だ。公教育費を増やしてほ しいというのが本音だ」と語りました。  また懇談のなかで、九大では三人の内定取り消しのあることがわかり ました。総務部長は独自の対応として、学生後援会から十五万円の支援 金を出していると説明しました。  その後、石井副委員長らは九州大学教職員組合の人たちとも懇談しま した。  今回の懇談は、日本共産党の全国的な大学実態調査の第一弾です。田 村貴昭、田中みゆきの両衆院九州・沖縄比例候補らが同席しました。 "[he-forum 13974] 2/6しんぶん赤旗 2009年2月6日(金)「しんぶん赤旗」 交付金削減に危機感 石井氏と懇談 福岡教育大学長語る  国立大学が法人化され、教育研究経費や人件費など運営費交付金が毎 年1%ずつ削減されている問題で、日本共産党の石井郁子副委員長は五 日、福岡教育大学(福岡県宗像市)の大後忠志学長らと懇談しました。 懇談は前日の九州大学に続き、党の大学実態調査の一環です。  大後学長は、教育系学問は事業化し、もうけをあげる研究にはなじま ないとの認識を示し、産学連携等研究費など「外部資金の導入が難し い。このまま(交付金の)削減が続けば教育系から倒れていく」と、今 後の大学運営に強い危機感を表明しました。  同大は収入の六割弱を運営費交付金に依存。その七割が人件費だとし ています。交付金が毎年削減される影響で人件費の抑制が避けられず、 退職教員の不補充などで対応していると説明します。  大後学長は一方で、「教育の質を落とすわけにはいかない」と繰り返 し強調。石井副委員長に対し「1%削減がどこまで続くのかわからず、 将来の計画を立てづらい。きちんとした措置をお願いしたい」と要望し ました。  懇談のなかで、教員免許更新に際し必要となる講習について、国から の予算が確保されていないため、一人三万円の受講料を徴収し運営する 方針であることも、分かりました。  石井副委員長らはその後、同大学教職員組合の役員とも懇談し、法人 化による影響などを聞きました。両懇談には、しのだ清衆院九州・沖縄 比例予定候補らも同席しました。 "[he-forum 13975] 読売新聞2/5 読売新聞2009年2月5日付 大学、実績で公費に差…教育再生懇 3次報告案で改革提言  政府の教育再生懇談会(安西祐一郎座長)が今月上旬にも麻生首相に提出する第3次報告案が明らかになった。  小中学校への携帯電話持ち込みの原則禁止、大学改革、教育委員会改革を柱とし、大学改革では、各校の実績に応じて配分する公費に差をつけることで質の向上を図る方針を盛り込んだ。教委改革では、教育長や教員人事担当者への民間人登用などを求めた。  報告案では、授業料などの私費が大学財政に占める割合が、日本は66・3%と経済協力開発機構の加盟国平均(26・9%)より高いと指摘。「経営安定のため学生確保を優先し、学生や教育の質の低下を招いている」などの問題点を挙げ、国立大学法人運営費交付金や私学助成金などの公費の増額を提案した。その際、主に学生数や学部数で配分が決まる現行制度を見直し、大学の教育・研究に対する第三者評価の基準を確立した上で実績に応じた配分に改めるよう求めた。「努力しない大学は淘汰(とうた)もやむを得ず、公費を投入しない」とする厳しい姿勢も打ち出した。  このほか、〈1〉大学入試の厳格化〈2〉高校生の基礎学力を測る「高大接続テスト」の導入〈3〉トップクラスの人材育成のための大学院生への支援拡充――なども提案した。  一方、子供の携帯電話利用では、昨年12月にまとめた素案に沿って、小中学校への持ち込みを原則禁止とした。家庭には利用のルール作りを求め、電話会社にも通話や全地球測位システム(GPS)機能などに限定した機種の販売促進や公衆電話の確保を要請した。 "[he-forum 13976] 東京新聞2/6 東京新聞2009年2月6日付 PFI方式で運営管理 国立大付属病院で初導入 筑波大が事業契約締結  筑波大は五日、老朽化が進む付属病院の新棟建設を核とした再開発で、特別目的会社「つくばネクストパートナーズ」(つくば市)と事業契約を締結した。国立大学法人の付属病院で初のPFI方式を導入し、5%程度の経費縮減が見込めるという。 (小沢伸介)  同社は、日立ビルシステム(東京都千代田区)など四社が出資。病棟の建設や病院の運営支援、維持管理を二十三年間にわたり請け負う。契約金額は千百八十六億円。  新棟は六百十一床の急性期病棟で、高機能手術室や救急医療設備を設ける。二〇一二年九月末の完成、翌年一月のオープンを予定している。  調印式で、岩崎洋一学長は「安心で安全な医療環境を提供し、先端的な医療を担う人材育成、新しい医科学の研究開発を推進する」とあいさつ。  石田康社長は「日立グループの企業病院でのノウハウや人材を活用し、大学の価値向上に貢献したい」と抱負を述べた。 "[he-forum 13977] 長崎新聞2/5 長崎新聞2009年2月5日付 学長直轄「長崎大学病院」へ機構改革 診療に重点、医師確保・増益狙い  長崎大(片峰茂学長)は新年度から、医学部・歯学部付属病院を大学本部所管の「長崎大学病院」とする機構改革を実施する方針を固めた。病院の人事、予算面の裁量権を大幅に拡大し、効率的、機動的な運営を図る。国の運営交付金の削減や医師不足などで大学病院の経営環境が悪化する中、「研究」と「診療」の機能を切り離して医師の就労環境を整え、病院の収益増につなげようとの狙い。  長崎大で教員として勤める医師は四百四十八人(昨年十月現在、非常勤の有期雇用四十三人含む)。そのほとんどは医・歯各学部に所属し、病院での診療実績とともに研究業績を挙げるよう求められている。  しかし、近年は医師不足に伴い診療業務の負担が増加。教員の教育・研究にかける時間が減り、教育研究機関としての機能低下が懸念されている。また経営的には、医業収入は伸びたが、運営交付金の削減分や設備投資の債務償還分をカバーしきれない状況という。  四月からは病院を学長直轄の本部所管とし、学長の任命を受けた病院担当理事が病院長を兼務。人事は独立、予算も枠内で自由に使えるようになり、効率的、機動的な運営を可能にする。  教員の医師は全体の四割弱の約百七十人を病院所属とし、診療に重点化。研究の負担を軽くするとともに、給与など待遇面も改善。医師の意欲向上による増収、人材確保につなげる考えだ。  ◆解説/「研究」切り離し懸念も  長崎大医学部・歯学部付属病院の大幅な機構改革は、国の交付金削減など悪環境の中で大学の安定した運営を確保するには、大学全体の収益の約半分を占める病院の経営基盤強化が不可欠だからだ。  大学病院の収入は主に医業収入と国の運営交付金だが、交付金は国立大学の独立行政法人化に伴い年々削減されている。長崎大の場合、収支予算の不足分を補う病院運営交付金は二〇〇四年度に約九億円あったが、〇七年度にはゼロ。〇八年度収支は初めて赤字に転落する見通しだ。  一方で長崎大は老朽施設の更新を進めており、昨年の新病棟完成で二百十億円の借金を背負った。債務償還はピークの一五年度に三十億円に上ることから、収入増を図らないと、病院だけでなく大学全体の経営が危うくなる恐れがある。  機構改革は「研究」と「診療」に医師のすみ分けを図り負担を軽減。「一人で年間一億円稼ぐ」といわれる医師の力を百パーセント発揮させる考えだ。就労環境の改善により医師の「大学病院離れ」に歯止めをかける思惑もある。  ただ、一般病院と異なり、大学病院に集う医師は「研究」にも魅力を感じているはず。そこを切り離すことは、大学病院の求心力を弱めることにならないか懸念される。地域への医師派遣機能を担う大学病院の存立は地域医療の浮沈にかかわるだけに、改革の行方が注目される。(生活文化部・小出久) "[he-forum 13978] 共同通信2/7 共同通信2009年2月7日8時58分 医学生、卒後は半数が他地域流出 研修医の地域定着率、文科省調査  医学部卒業生のうち出身大学がある都道府県に残って研修医となったのは49・1%と、2人に1人は他地域へ流出している実態が7日、文部科学省の2008年度の定着状況調査で分かった。今回の調査に合わせて調べた03年度は57・8%で8・7ポイント低下していた。  こうしたデータを同省が分析したのは初めて。33都道府県で定着率が03年度より低下したが、特に北陸や山陰、九州などの12県は20-35%と地元確保が難しくなっている状況が判明、地方の医師不足や地域偏在を示した。背景には豊富な臨床例が経験でき、条件の良い都市部などに地方の人材が集まっていることがあるとみられる。  調査は昨年9月に実施。過去のデータがない東京や大阪の計3校と出身地に戻ることが条件の入学枠がある自治医大を除く、国公私立医科系75校について、卒業直後の動向を調べた。  都道府県別(データは5%刻みで分析)で08年度の定着率が最も低かったのは島根と宮崎の20-25%。25-35%は青森、富山、福井、鳥取、大分、宮城、高知、長崎など。  高かったのは65-70%の北海道と大阪で、60-65%の神奈川、愛知、奈良、熊本などが続いた。  03年度との比較で低下幅が大きかったのは千葉、鳥取、島根、山口で25ポイント減だった。上昇したのは秋田、栃木、長野、沖縄など7県でうち和歌山は15ポイント上昇し、60-65%となった。 "[he-forum 13979] 沖縄タイムス2/8 沖縄タイムス2009年2月8日付 開学時に50研究班 大学院大/分科会で中期目標審議  【東京】政府の独立行政法人評価委員会の沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)分科会が六日、都内であり、二〇〇九―一一年度の中期目標を審議した。沖縄大学院大学の開学時に教員の半数以上が外国人となるよう目指すことなどを確認した。  私立の形態をとりつつ国の財政支援を受けるが、内閣府は「開学時に五十の研究班を想定し、一つの班で必要な研究経費は年間約二億円」と説明した。  委員からは「世界と競争できる資金をどう確保するのかが、最も懸念される」と指摘があった。内閣府は「競争的資金の獲得に強い問題意識を持っている」と述べ、海外の大学のような研究基金も検討するとした。  恩納村キャンパスの〇九年度一部供用開始を受けて、国内外の大学院生受け入れを拡大。教員のテニュア(終身在職権)や定年の扱いを含めた人事制度などが検討課題に挙がった。 "[he-forum 13980] 中国新聞2/7 中国新聞2009年2月7日付 次世代歯科医の育成探る 7・8日に広島大大学院 ▽体質や生活習慣考え治療  広島大大学院医歯薬学総合研究科(広島市南区)は七、八の両日、患者の体質や生活習慣に応じた次世代の歯科医療をする歯科医「バイオデンティスト」育成のための初の国際ワークショップを広島市中区のアステールプラザで開く。  研究科に在籍する院生や教員の国際的な素養を高めるのが狙い。米、カナダ、タイ、台湾から招いた研究者による講演やシンポジウムがあるほか、歯科医療で先進的な東京医科歯科大と新潟大の取り組みを紹介する。院生三十二人による英語でのポスター形式の研究発表もある。  国の大学院教育改革支援プログラムにも採択された広島大のバイオデンティスト育成計画は、歯を抜いたり義歯を入れたりする従来の画一的な医療から脱却し、遺伝や環境の要因を生物学的に考慮した次世代医療の確立を目指している。  岡本哲治研究科長は「日本発の歯科医療として世界に発信するため、英語力や国際的な素養も兼ね備えた人材を育てたい」と話している。(藤村潤平) "[he-forum 13981] 読売新聞富山2/7 読売新聞富山版2009年2月7日付 富山大学長選めぐり質問状  昨年12月の富山大学長選を巡り、学内の意向調査で最下位だった西頭徳三学長が選考会議で再任されたことに反発する教員らが6日、選考会議の金岡祐一議長あてに、会議の過程を明らかにするよう求める公開質問状を送った。  質問状を提出したのは、「学長選考問題を考える会」(世話人=小倉利丸・富山大経済学部教授)。「選考会議が意向調査の結果をどう参考にしたのか」など15の質問を列記した。  質問状は西頭学長や選考会議のメンバーにも送った。回答期限は設けず、今後の対応を見る考えだ。  大学内で同日、記者会見した小倉教授らは「選考が公正なものなのか、重大な疑惑がある」と話した。来週にも西頭学長あてに新たな質問状を提出する予定だ。  西頭学長の再任を巡っては経済学部や人間発達科学部など6学部の教授会が抗議声明などを発表。これに対し選考会議は先月末、学内委員による作業部会を発足させ、選考ルールの見直しを検討することを決めた。 "[he-forum 13982] 毎日新聞富山2/7 毎日新聞富山版2009年2月7日付 富山大:学長選考問題を考える会「選考会議の過程に問題」 議長に公開質問状  富山大の学長選考を巡り、西頭徳三学長の再任に反対する「学長選考問題を考える会」(世話人=小倉利丸教授ら4人)は6日、学外委員が半数を占める学長選考会議による選考過程に問題点があったとして、同会議の金岡祐一議長あてに公開質問状を郵送した。  今回の学長選には、西頭学長のほか2人が推薦された。11月に教職員を対象に2回実施された意向調査では、西頭学長が大差で最下位だったが、選考会議による無記名投票で逆転した。  質問状では、学長選公示日の昨年10月14日に開かれた同会議で、審議に必要なはずの候補者3人の推薦書が金岡議長の判断で抜き取られた▽「参考」にされるべき意向調査の結果について審議された形跡がなく、初めから無視された--などと指摘。その理由についてただしている。  この日記者会見した小倉教授は、推薦書は候補者となるのに必要な20人分の推薦者の名前が書かれていたことを理由に金岡議長のみが閲覧し、他の委員に公開していない点について「規則に沿って議事運営していない」と批判。金岡議長に、早急に回答するよう求めている。学長あての質問状も来週提出を予定している。【青山郁子】 "[he-forum 13983] 共同通信2/7 共同通信2009年2月7日19時57分 53国立大1300人超雇い止め 09年度、契約上限見直しも  全国87の国立大のうち、2009年度中に契約満了で「雇い止め」となる非常勤職員は少なくとも53大学で計1355人に上ることが7日、共同通信のアンケートで分かった。28大学が「研究や業務に支障が出る」などとして、契約期間の上限見直しを実施済みか、検討中だった。  非正規労働者の雇い止めが問題化する中、緊縮財政を迫られている各大学が専門知識を備えた人材確保に苦慮している実態が明らかになった。  アンケートは1月下旬-2月初めに、全87大学の人事担当部署から聞き取りをした。76大学(87%)が非常勤職員について「就業規則で契約期間の上限を定めている」と回答。09年度中に契約満了となる非常勤職員の人数を挙げたのは32都道府県の53大学(61%)。  上限を3-5年の間で設定しているのは69大学(79%)。最長は大阪大の「6-10年」で、上限を設けていない11大学(13%)は必要に応じ1年ごとに契約更新していた。  上限の延長や撤廃を実施または検討中としたのは28大学(32%)。理由は「優秀な人でも勤務が3年間に限定され、組織の職務遂行能力が維持できない」(山梨大)、「長期の研究に支障が出る」(佐賀大)などで、職員の入れ替わりが研究活動の障害となっている実情が浮かんだ。 "[he-forum 13984] 毎日新聞秋田2/8 毎日新聞秋田版2009年2月8日付 官学連携:秋田大と横手市、地域おこし協定に調印  横手市と秋田大学が、官学連携で地域おこしを図ることになり、五十嵐忠悦市長と吉村昇学長が7日、市庁舎で協定書を取り交わした。協定締結記念事業の一環で、大学教授による講演会や市民との懇談会、鳳中学校での講義なども行われた。  調印式には市側から副市長・教育長・総務企画部長、大学側から理事副学長・事務局長らが同席。吉村学長は記者会見で、学内にプロジェクトチームをつくり、総合的まちづくりを提言▽横手市にサテライト(分校)をつくり、高校生の全体的な資質向上を目指す構想を示した。地域貢献の重点分野としては、「食」「観光」「先端工業」を挙げた。  秋田大の官学連携は秋田市、大館市などに次いで県内5番目だが、県南では初めて。五十嵐市長は「地域が抱えるさまざまな課題について、展望が開けるものと思っている」と期待を表明した。  行動期間は当面3年間で、まちづくり▽農業をはじめとする地域産業▽教育、文化・芸術--などについて情報交換し、官学協同で元気のある地域社会づくりを目指す。【佐藤正伸】 "[he-forum 13985] しんぶん赤旗2/7 しんぶん赤旗2009年2月7日付 困窮学生支援続ける 高橋議員に秋田大学長表明  日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は五日、秋田県入りし、秋田大学、秋田労働局、県を訪問し、懇談しました。鈴木さとし党県民生活対策室長(衆院東北比例予定候補)、山内梅良県議らが同行しました。  秋田大学では吉村昇学長、溝井和夫医学部付属病院長、谷川成美事務局長と懇談。  高橋議員が同大の困窮学生支援策、授業料免除拡大について「いい取り組みをされている」と話すと、吉村学長は「(経済事由で大学を)やめさせたくない。引き続き財政措置をする覚悟を持っている。来年度も続けたい」と話しました。  国の国立大学法人運営費交付金削減(毎年1%ずつ)で、同大は五年間で五億円減らされたといいます。吉村学長は「これは大学教員が五十人減ったのと同じことになる」と憤りました。  医師不足対策としての地域枠を含む医学部定員増と交付金削減について、溝井病院長は、「学生が増えた分、教官も増えないといけない。しかし、文部科学省は設置基準で教官数を据え置いたままにしている」と指摘しました。  秋田労働局では、雇用情勢について詳しい説明を受けました。  県との懇談では、佐藤文一副知事が、国の経済雇用対策交付金について、「縛りがあって融通性に欠ける。雇用創出が大事なのだからもっと柔軟性があっていいのではないか」とのべ、雇用保険を受給していない離職者の職業訓練について「もっとも弱い人たちだ。県は独自に実施するが、これは本来国がやるべき課題だ」と話しました。 "[he-forum 13986] 産経ニュース2/10 橋下知事、府大交付金廃止を検討 大阪府 2009.2.10 12:07  大阪府の橋下徹知事が、大阪府立大学(堺市中区)に支出している運 営交付金の廃止を検討していることが10日、分かった。今月上旬の幹 部あてのメールに「約100億円の交付金を医療や福祉分野に回すこと はできないか」などと記載し、平成22年度に交付金を廃止し、大阪市 立大学(大阪市住吉区)との統合も視野に入れている。橋下知事はこの 日朝、報道陣の取材に応じ、「公立大に100億円が投じられているの はバランスが悪い。市大と統合し、大阪の強みを発揮してほしい」と述 べた。  府によると、橋下知事は今月8~9日、幹部あてのメールで交付金の 廃止を検討するよう指示し、「公立大は大阪市に任せる」「府大は工学 部が強いので、いくらでも買い手はある」などと書き込んだ。そのうえ で、交付金を廃止し、福祉や医療分野の新たな施策の創設に充てること 検討するよう指示したという。  府大は平成17年、旧府立大と大阪女子大、府立看護大が統合。7学 部で学生数は約7800人。府は教員の人件費や教材費など大学運営費 の補助に充てられる交付金を支出している。毎年120億円程度支出し ていたが、20年度は1割削減し、108億円支出した。 "[he-forum 13987] 時事通信2/9 時事通信2009年2月9日20時18分 第3次報告を首相に提出=教育再生懇談会  政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は9日、大学改革などに関する第3次報告を麻生太郎首相に提出した。大学の質向上のため、私学助成や国立大学法人運営費交付金などの公費支援を大幅に拡充し、教育内容や研究水準の向上への取り組みが進んでいる大学には、公費を重点配分して差をつけるよう提言。全大学に義務付けている第三者評価を厳格に実施することも求めた。  3次報告は、「大学が経営安定化のため、学力不問による学生確保を行い、質の低下が指摘されている」と危惧(きぐ)。学生に必要な学力があることを確認するため、高卒者の基礎学力を測る「高大(高校・大学)接続テスト」の導入を求めた。  併せて、授業料における私費負担が大きい現状を問題視。大学への公的支援の大幅強化を求めた上で、納税者の理解を得るため、教育内容や研究水準などの評価結果に応じて公費配分に差をつけるよう提言。「(質向上への)取り組みが不十分な大学には公費は投入しないことも選択肢に含める」とした。学生の経済的負担を軽減するため、返済が前提となっている日本学生支援機構の奨学金に、渡し切りの給付制を導入することなども求めた。  このほか、(1)必要ない限り小中学生に携帯電話を持たせない、(2)教員採用や管理職の人事の透明性の確保など教育委員会改革を行う、などを盛り込んだ。  報告を受けた麻生首相は、今後、公立学校の質の向上策や理数教育の充実、経済格差による教育格差の是正、スポーツ振興などをテーマに審議するよう要請。  懇談会は今月中にもノーベル物理学賞の小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授と北京五輪男子四百メートルリレー銅メダリストの朝原宣治氏ら新メンバーを加え、議論を始める。 ●教育再生懇3次報告のポイント 【携帯電話】 1、保護者は家庭内で利用ルールを決める 1、小中学校への原則持ち込み禁止など学校での取り扱い方針の明確化 1、通話など機能限定型の携帯電話の普及拡大 【大学改革】 1、高大接続テストを具体的に検討 1、第三者評価の在り方を見直し 1、公的支援を拡充し、配分方法を大胆に見直し 1、給付制奨学金の導入 1、大学院生への有償の研究アシスタント制度を拡充 【教育委員会改革】 1、選考基準の公表や本人への成績開示など、教員採用の透明化 1、教員人事を教員出身者の身内だけで行わないよう、人事担当の教委事務局幹部を民間などから登用 1、教育委員の公募など選任方法の検討 "[he-forum 13988] 西日本新聞2/10 西日本新聞2009年2月10日付 経営改善へ大学直轄運営 長崎大病院 「研究」から「診療」重点へ  長崎大学は9日、医・歯学部付属病院を4月から国立大学法人の大学本部が直轄する「長崎大学病院」とし、診療に重点を置いた組織として独立させる方針を明らかにした。国の交付金削減などで収支が悪化していることを背景に、業務効率化と経営改善が目的。同大によると「診療」と「研究・教育」のすみ分けを図る大学病院改革は全国的に珍しいという。  改革案は同大幹部らでつくる大学病院改革検討委員会(委員長・調漸(しらべすすむ)理事)が片峰茂学長の諮問を受け、昨年秋から着手していた。今月中にも片峰学長に最終答申する。  検討委によると、従来は医学部と歯学部の教授会が推薦していた病院長を、学長が任命する病院担当理事の兼務とし、大学直轄の組織に改編。両学部で約450人いる医師の約4割に当たる166人の人事権を病院に移し「研究・教育」に当たる学部教員とのすみ分けを進める。  予算も学部から独立させ、病床稼働率の向上や平均在院日数の短期化などの効率化を図る。  同病院は2004年4月の国立大学法人化後、人件費などに充てる国の「運営費交付金」が減額されて収支が悪化。08年度は初めて3億‐5億円の赤字に転落する見通し。一方、教員が研究に割ける時間は減少しているという。  調理事は「大学病院の崩壊は地域医療の崩壊につながる。全国の大学病院が同じような状況にあり、早急な改革が必要だ」と説明している。 "[he-forum 13989] 読売新聞社説2/10 読売新聞社説2009年2月10日付 公的教育投資 国際競争に堪えうる大学に  国を担う人材の育成には、教育への十分な投資が欠かせない。特に、各先進国が力を入れている高等教育分野は、資源の乏しい日本が国際競争を勝ち抜くために重要である。  政府の教育再生懇談会が第3次報告で強調したのもこの点だ。  「大学全入時代」の教育のあり方について、高等教育への公的支援に納税者の理解を得るためには、「教育の質の担保に努力しない大学は淘汰(とうた)もやむを得ない」としている。その上で、評価できる大学への支援拡充を求めた。  高等教育の質が低下すれば、大学卒業者らに与えられる学位が海外で通用しなくなったり、優秀な留学生を呼び込めなくなったりして、日本の高等教育全体の評価を下げかねない。  各大学の優れた事業などについて、競争原理を導入した公的資金の配分が徐々に始まっている。これらを、さらに充実させていく必要があろう。  経済協力開発機構(OECD)が昨年発表した国内総生産(GDP)に対する公的教育支出の割合(2005年)をみると、日本は04年より0・1ポイント下がり、過去最低の3・4%になった。比較可能な28か国で最下位だった。  最近公表された民間の国際大学ランキングでは、日本は他の先進国に比べて低迷している。  企業や卒業生からの寄付が潤沢な米国の大学などと、単純な比較はできない。だが、教育学者からは「寄付に対する文化の違い」だけでなく、米国の大学では基金運用に多数の専門職員を配置し、努力しているとの指摘もある。  日本の大学でも、自助努力の一環として検討に値するだろう。  昨年策定された国の教育振興基本計画では、教育への投資充実を求めている。  基本計画は決定直前になって、文部科学省が急遽(きゅうきょ)、今後10年間に投入する教育投資の目標額を盛り込もうとした。しかし、十分な準備もなく粗雑な算定だったため、目標額を明記できなかった。  基本計画を受け、中央教育審議会も中長期的な大学教育のあり方を審議している。教育専門家らだけではなく、経済学者なども交えて議論すべきではないか。  どの分野でどういう成果を上げるために、どれだけの公的な資金をつぎ込むのか。  教育の分野では、数値目標を掲げるのが難しい面もある。だが、可能な限り数字で指標を示し、メリハリを付けた現実的な施策を打ち出してもらいたい。 "[he-forum 13990] 西日本新聞2/10夕刊 西日本新聞2009年2月10日付夕刊 九大六本松キャンパス 引っ越し作業始まる  九州大学六本松キャンパス(福岡市中央区)の伊都キャンパス(同市西区、前原市、志摩町)への移転に伴う引っ越し作業が10日午前、始まった。9日に後学期の試験が終了しており、ひっそりとしたキャンパスから資料や実験器具などが運び出されていった。  初日の移動は比較社会文化研究院の三研究室。段ボール箱や大型の分析機器などが次々とトラックに積み込まれ、教室では机やいすの解体作業が進められた。同院の桑原義博准教授(42)は「研究生活のスタートがこのキャンパス。寂しい気持ちと新たに頑張ろうという気持ちが半々」と話した。  同キャンパスからの引っ越し作業は今月中旬から本格化。3月末までにほぼ完了する。  九大は2019年をめどに箱崎、六本松キャンパスの伊都への統合移転を計画。箱崎では05年から段階的に移転が進められている。今回、六本松の学生・教職員約5600人が移ることで、伊都が九大最大のキャンパスとなる。 "[he-forum 13991] 共同通信2/10 共同通信2009年2月10日18時42分 中教審会長に三村明夫氏 大学改革など「全力投球」  中教審は10日、文部科学省内で総会を開き、新会長に新日本製鉄会長の三村明夫氏を選任した。副会長には兵庫教育大学長の梶田叡一氏と渋谷教育学園理事長の田村哲夫氏を選んだ。任期は2年。  中教審は、職業教育の在り方や大学教育の質向上策の審議などを本格化させる予定。総会で三村会長は「全力投球したい」とあいさつした。  三村会長は群馬県出身で、山崎正和前会長のもとで副会長を務め、昨年7月に政府が初めて策定した教育振興基本計画の取りまとめに当たった。財界出身の会長は1998年に就任した根本二郎日本郵船会長(当時)に続き2人目。 "[he-forum 13992] NHKニュース2/11 NHKニュース2009年2月11日 サルコジ政権の経済対策への反発が広がっているフランスで、今度は大学の合理化に反対する教職員や学生による大規模なデモが行われ、参加者は、政府に対し、改革案の即時撤回を求めました。フランスでは、先月にも政府の経済対策に反発する全国規模のストライキが行われています。 フランスでは、10日、パリやリヨンなどの主要都市で、教職員と学生による合同のデモ行進が行われ、主催者側によりますと、あわせて6万人が参加しました。サルコジ政権は、国立大学を合理化するため、学長の権限を強化して研究職の職員を自由に選定させることや、教職資格を与える基準をより厳しくすること、さらに、全国で教職員ポストを900人削減することを盛り込んだ改革案を掲げています。これに対して、教職員や学生は、大学に競争原理を持ち込み自由な研究を阻害するばかりか、大学の序列化を進めるとして、反発を強めており、すでに複数の大学で無期限のストライキに突入しています。パリでのデモの参加者からは「教育が商品化されることは断じて許されず、徹底して抵抗する」といった声や「教育関係者だけでなく、あらゆる人々がサルコジ政権の改革に怒りを爆発させようとしている」といった声が聞かれました。フランスでは、先月にも政府の経済対策に反発する全国規模のストライキが行われており、サルコジ大統領の支持率も、おととしの就任以来最悪の36パーセントにまで落ち込んでいます。 "[he-forum 13993] 国際アピール、署名活動を展開 皆様へ 下記のとおりフランスでは大学の独立と自由を守るためにストライキを 行っています。HP内のフランスのアピールにご賛同いただける方はご協力を お願いします。 すべての大学関係者に対する国際アピール、署名活動を展開 ■http://math.univ-lyon1.fr/appel/spip.php?article10 フランスの大学は無期限のストライキに入った。  フランスは、独立と自由と敬意を享受する、高等教育および優れた研究の公共サー ビスを有していた。政府は、ここほんの数ヶ月で、暴力的に、しかもなんの合議もな く、この公共サービスを破壊し、不安定性と恣意性が支配する一種の知識マーケット に変質させることを決定した。  (教育と研究を担当する)教員は安定な身分を失い、授業時間数は(学長の一存で)ど うにでもなり得る様になる。  独立性をもたず不安定な非常勤教員と入れ替えるために、常勤教員のポストは劇的 に減らされようとしている。  博士候補生に対し、大学は、最初の6ヶ月については、何の理由もなくその身分を 奪う事が出来る様になる。しかもまた、当人には何の了承も得ず、そして何の権利も 持たせず、企業の為に奉仕させられる事になろうとしている。  初等?中等教育教員を養成するシステムは破壊されている。  (何よりも競争にさらされ、国家の強化された支配下で)「自主独立化」し、充分 な予算を持たない大学は、まもなく授業料を徴収せざるを得なくなり、また地元財界 に服従せざるを得なくなる事は、想像に難くない。  フランス国立科学研究センター(CNRS)は廃止され、テクノクラート(高級管理職技 術者) による予算配分機関に変えられている  研究者は、すべての学会から拒絶された不適切で馬鹿げている「定量的」な基準に もとづいて評価される。 ----------------------------------------- 東京芸術大学教職員組合 書記長 荒井竜一 E-mail geishoku@w4.dion.ne.jp "[he-forum 13994] 西日本新聞2/12 西日本新聞2009年2月12日付 高学歴ワーキングプア 博士の就職難 深刻 院生増加策も受け皿不足  昨年のノーベル賞受賞は日本の科学力を世界にアピールしたが、博士号取得者の就職難は深刻化する一方という。国は90年代から政策的に博士を増やしてきたが、大学のポストは少なく、企業も年齢面などで採用に2の足を踏みがちだ。各大学院も就職支援に力を入れているが、急速な雇用情勢の悪化もあり、高学歴ワーキングプアという社会問題となりつつある。 (宮内瑞穂)  博士号を所得した後、1、2年の短期で大学・研究所などに籍を置く研究職をポストドクター(ポスドク)と呼ぶ。その1人、九州大学大学院に籍を置く桜井玄さん(30)は「30代で准教授に次ぐ助教などの正規職員になれたら幸運。ポスドクにすらなれない分野もある」と語る。  昨年4月に現職を得たが、任期は1年。他大学の助教などに応募しているが「来年度の行き先は未定」。約180万円の年収さえ失う可能性があり、そうなれば研究費を払いながら大学に在籍することになる。生活費は塾や短大の非常勤講師で稼ぐ予定だが、奨学金250万円の返済は3年後に迫っている。    ◇   ◇  文科省によると、2008年度の博士課程卒業者数(約1万6000人)のうち、教員や企業の技術者などの正規就職者は約6割。残り4割のうち最も多いのがポスドクと言われ、04年度の約1万4000人から、06年度には約1万6000人に増えた。「高学歴ワーキングプア 『フリーター生産工場』としての大学院」の著者で自身もポスドクの水月昭道さん(41)=京都在住=は「水面下でフリーター化している博士はポスドクの数倍はいる」と見ている。  博士号取得者急増のきっかけは、91年度に政府の大学審議会が出した提言「大学院の量的整備について」だ。専門能力を持つ人材育成などを目的に、2000年度までに大学院生の数を2倍に増やす必要性を訴えた提言を受け、大学も積極的に院生獲得に乗り出した。博士課程在学者は91年度の約2万9000人から、08年度約7万4000人に膨れ上がった。  しかし、主な就職先である大学の正規職員は減少傾向にあり、期待されていた企業への就職も伸び悩んでいる。「博士課程進学=大学の先生という暗黙の了解がかつてあった」と語る水月さんは「民間企業は年齢制限が厳しく、博士号取得者を受け入れるための給与体系が整備されていない」と問題点を指摘する。    ◇   ◇  文科省は06年度から「キャリアパス多様化促進事業」で全国12カ所の大学などに予算を配分、就職説明会などを実施してきた。その1つの九州大学は「研究分野にこだわらず、職種を広げ、博士の論理力や分析力を『売り』に就職支援」した結果、2年半で約60人を民間企業に送り出せた。経産省は中小企業などが出資する研究組合に、研究者1人につき最大二110万(年間)の賃金補助を出す制度の創設を検討している。  病院経営などに携わる「麻生」(福岡市)は積極的に博士号取得者を採用してきた企業の1つ。古野金広専務(60)は「博士には物事の全体像を把握できる能力が高い人が多い」と評価しながらも、「要はジャンルにこだわらずチャレンジ精神を持つ人材が求められる」「35歳以上は年齢が問題になる場合もある」とも打ち明ける。  「博士は研究ばかりでコミュニケーション能力が低いといった偏見が企業側に依然根強い」と九州大キャリア支援センターのコーディネーター井上剛實さん(64)は嘆く。水月さんは「多大な税金を投じて育てた博士が社会で生かされないのは大きな損失。新たな仕組み作りが必要」と語っている。 "[he-forum 13995] 読売新聞社説2/12 読売新聞社説2009年2月12日付 教職大学院 教委との連携強化が課題だ  教職大学院が質の高い教員を養成していくためには、教育委員会との連携を一層強めていく必要があろう。  文部科学省の大学設置・学校法人審議会が、昨年4月にスタートした教職大学院19校の運営状況などを調査した。その結果、教委との連携や入学者の確保など、教職大学院が抱える共通の課題がわかった。  教職大学院は、大学新卒者を指導力のある新人教員に、現職教員を学校運営の核になれる中堅教員に育てるのが目的だ。  調査結果によると、教委から派遣されて入学する現職教員が予想外に少なかったのが目立つ。  教職大学院は、実践的な指導力を身につける実習を重視している。このため、地域の小中高校など実習の場となる学校を確保することが義務づけられている。それには教委の協力が欠かせない。  志願者を増やすためには、教職大学院の修了者に、教員採用や処遇にあたってのメリットを示すことも必要だろう。処遇などを決めるのも、教委である。  東京都教委は、教職大学院と個々に協定を結び、その修了者については、学長推薦による採用選考を行うことを決め、初任者研修の一部免除も検討している。  また、これらの教職大学院との間で設けた協議会で、都教委が提示したカリキュラムなどの実施状況も評価している。  こうした取り組みが、教職大学院と教委の結びつきを強める。今回の調査結果では、都道府県教委によって、教職大学院との連携について温度差があるという。各教委は、地域の実情に応じた取り組みを検討してもらいたい。  ほかにも、実習を免除する基準や判定方法、大学新卒者と現職教員が一緒に受ける授業の形態などが、課題として指摘された。  実習は一定の教職経験があれば免除されるが、その基準などを明確にする必要がある。  新卒者と現職教員が同じ授業を受けることは、双方に役立つ面もある。だが、一緒に受ける方が効果的な授業と、そうでないものをよく吟味すべきだ。  都教委と教職大学院による協議会の報告では、実習の場を提供した学校に良い刺激を与えた例を挙げている。ある小学校では、若手教員が教職大学院生の学ぶ姿を見て、自分も行きたいという気持ちになった、という。  教員志望者や現職教員の進学意欲を高めてもらう努力を続けることが重要だ。 "[he-forum 13996] 山陽新聞2/11 山陽新聞2009年2月11日付 総合医療センター運営に岡山大協力 岡山市と合意 来月中に正式締結  岡山市と岡山大は10日、新たな地域医療体制の構築に向けて連携協議を進めている委員会の第3回会合を市役所で開き、市が構想案を示している岡山総合医療センター(仮称)の運営に岡山大が協力することなどを盛り込んだ協定を結ぶことで合意した。3月中に正式に締結する。  市の構想案では、センターに365日、24時間、すべての症状を受け入れて初期診療を行う「岡山ER(救急外来)」を設置。軽症患者の増加で本来の対応に支障が出ている二次・三次救急医療機関の負担軽減につなげる。岡山大はERに必要な人的、技術的協力を行い、ERからは専門治療が必要な救急患者を受け入れる。岡山大はERに研修医も派遣する。  合意した連携事業は2010年度から具体化させる。センターの設置時期や場所は未定だが、開設までは市立市民病院(岡山市天瀬)を活用する。 "[he-forum 13997] 毎日新聞高知2/13 毎日新聞高知版2009年2月13日付 県立高知短大:「存続を」 学友会、県に要望--署名計2万人余  県立大学改革の一環で県が廃止を検討している県立高知短大(高知市永国寺町)について、短大の学友会などが12日、存続を求める要望書と1万7350人分の署名を尾崎正直知事あてに提出した。署名数は既に提出したものを合わせ2万850人分となった。  高知短大は社会科学科を持つ夜学専門の短大で、社会人教育や生涯学習などの機能を持つ。県は昨年、県立高知女子大への社会科学系の新学部設置に合わせ、短大を「定員ゼロ」にする方針を示し、永国寺キャンパスでの社会人教育などについて議論している。  学友会などでは短大存続の上、夜間開講の実現や短大卒業資格の確保を求めており、昨年9月から街頭などで署名を集めてきた。  この日は学友会のメンバーら約10人が十河清副知事を訪問。学友会の小松佐智男会長が「社会人教育を残し、卒業資格が取れるものとして大学を存続させてほしい」などと要望した。  ◇副知事「働きながら学べる場は必要だ」  十河副知事は「永国寺は地の利もよく、働きながら学べる場は必要。要望を踏まえて十分に検討していきたい」と話した。【服部陽】 "[he-forum 13998] 大分合同新聞2/13 大分合同新聞2009年2月13日付 大分大、留学生に10万円緊急支給  大分大学は十二日、世界的な景気悪化の影響で苦しい生活を強いられている留学生を支援するため、緊急支援一時金として十万円を支給すると、発表した。  対象は四月一日以降も在籍予定で、奨学金を受けていない留学生。中国や韓国などからの三十五人になる見込み。申請受け付け後、三月中に支給する予定。使途は自由で、返還する必要はない。  大分大学によると、同様の支援は東京外国語大学(東京都)や弘前大学(青森県)などの国立大学で実施しているが、九州内では初めてという。 NPO法人も支援策  県内の大学、行政、経済団体などでつくるNPO法人「大学コンソーシアムおおいた」(別府市)は十二日、留学生へのアルバイト求人情報の提供などの支援策を実施すると発表した。企業などからのアルバイト情報はコンソーシアムおおいたで取りまとめ、各大学に提供。家庭で不要になった電子レンジ、家具などの提供も呼び掛け、留学生に無料で提供する。県内全域で実施する。 "[he-forum 13999] 読売新聞秋田2/14 読売新聞秋田版2009年2月14日付 《医療改革提言 秋田の現場から5》秋田大・本橋豊医学部長に聞く 「報酬是正し医師再配置を」  医師が不足しているうえ、医師が集中する秋田市と、それ以外の地域で格差が生じている本県。医療過疎が進む地域では、激務を強いられる中核病院の勤務医が減り、病院機能の縮小に追い込まれている。  連載では、各地の窮状に対し、勤務医の労働環境の改善、開業医による中核病院の夜間・休日外来への応援、若手医師の受け入れ態勢の強化などが進みつつある現状を紹介した。しかし、こうした取り組みはほんの一部にとどまっており、地域医療の崩壊は目前に迫っている。  医療現場が抱えている課題を克服するために何が必要なのか。秋田大医学部の本橋豊学部長に聞いた。 *  県内の中核病院で、勤務医が足りない事態を招いたのは、医師の報酬体系のゆがみに一因がある。時間外勤務や救急医療などで過重労働を強いられている病院の勤務医が、労働に見合った待遇を得られなければ、病院から去ってしまう。  「医師は高給取り」と言われるが、それは一部にすぎない。厚生労働省の昨年度の調査では、開業医の平均年収は2532万円、病院勤務医は1415万円。国立大学の教員は50歳(教授クラス)で1000万円程度だ。給与が低く、自分の時間もほとんどない大学病院よりは民間の総合病院、総合病院よりは開業しようとなる。  こうした待遇や労働環境の不均衡で、大学に若手の医師が残らないようになってしまった。  大学はこれまで、郡部などの医療過疎地域に医師を定期的に派遣し、地域医療を維持してきたが、いまでは人員の余裕がなくなり、秋田大も一部の病院から医師を引き揚げざるを得ない状況になっている。  病院勤務医の給与を激務に見合うよう引き上げる仕組みを考えなければ、現状を変えるのは難しい。 *  〈病院に人材を供給し地域医療を維持する秋田大とともに、その現場を支えているのはJA秋田厚生連だ。県内9病院を経営し、地域医療の中核をなす。10月に北秋田市に新たに開業する北秋田市民病院を運営する指定管理者になることも決まった。だが、「開業時に必要な常勤医31人をそろえるのは難しい状態」(北秋田市)だ。本橋学部長は続ける〉  医師不足の現状を考えると、北秋田市民病院が医師を確保するのは容易ではない。北秋田市民病院に象徴される事態は県内各地の医療現場で起きている。だが、秋田大にも何十人もの常勤医を派遣できる余裕はない。  一方、県の医療政策も医師不足には有効策が見いだせないでいる。病院設置や建て替えに補助金を出し支援しているが、県立病院ではない民間病院に対し、強い指導力を発揮できない。医師の偏在解消に向けて、医師を再配置しにくい実情がある。  しかし、崩壊の瀬戸際にある地域医療を再生させるためには、早急に対策を打ち出さなければならない。  まずは、医師報酬の不均衡を是正して大学病院の勤務医の給与を見直し、大学卒業後、各地の病院で2年間の臨床研修を終えた若手医師が大学に戻ってくるようにしたい。  そのうえで、県、厚生連、秋田大が一体となった新たな医師派遣システムを作り、各病院と調整しながら、医師を再配置できる仕組みを早急に整える必要がある。(おわり)  この連載は、鈴木幸大が担当しました。      ◆ 《提言要旨》  小泉政権の構造改革路線で、診療報酬、介護報酬が削減され、医療・福祉の現場にゆがみが生じた。病院や介護施設の経営は苦しく、必要な人材の確保も難しくなっている。抑制一本やりの路線を転換すべきだ。  日本の高齢化率は2050年に39・6%に達する。社会保障費が、さらに膨らむのは避けられない。真に必要な施策には、財源投入を惜しんではならない。  もちろん無駄を省く取り組みは不可欠だ。医療機関の“はしご受診”は、医療費の増大と医師の疲弊を招く。検査の重複や大量の投薬は無駄なだけでなく、副作用の危険も大きい。無駄遣いは、結局、負担増を招くということを国民も理解する必要がある。  また、ICチップを埋め込んだカードで医療、介護などに関する個人情報を一元的に管理し、医療機関が共有できるようにするなど、無駄を防ぐシステム作りも求められる。 "[he-forum 14000] 毎日新聞富山2/13 毎日新聞富山版2009年2月13日付 富山大:選考問題を考える会、西頭学長あてに公開質問状提出 ◇「学内の意思無視」と  西頭徳三・富山大学長の再任に反対する「学長選考問題を考える会」(世話人=小倉利丸教授ら4人)は12日、「学内の意思を無視して学長職にとどまろうとしている」として、西頭学長あてに公開質問状を提出した。  今回の学長選では、西頭学長ら3人が候補者となり、昨年11月に教職員を対象に2回実施された意向調査では西頭学長が大差で最下位だった。ところが、同12月の選考会議の無記名投票で逆転した。  質問状では、教職員の2割しか支持を得ていないのに、なぜ学長を続けようとするのか▽学外選考委員や監査委員に一つの企業とその関連会社から複数選んでいるのはなぜか--などについて回答を求めている。  同日記者会見した小倉教授は、西頭学長が今月に入り人間発達科学、人文、理の3学部で大学運営方針などを説明したが、学部側が満足できる回答が得られなかったと指摘。「本当に西頭学長でいいのかという不安が教職員に広がっている」と批判した。【青山郁子】 "[he-forum 14001] 新潟日報2/16 新潟日報2009年2月16日付 企業に博士派遣、新大が新事業  大学院の博士課程を修了したものの、研究者としての定職に就けない「ポストドクター」に地元企業で活躍してもらおうと、新潟大学は高学歴者のインターンシップ(就業体験)事業に乗り出した。同大で任期付き研究員として働く該当者3人を、来月上旬まで4週間の日程で新潟市などの製造業者に派遣。16日には地元企業の理解促進のためのシンポジウムを同市で開く。  国が1991年に始めた大学院生の倍増計画をきっかけに、同大でも自然科学系(理、工、農学)の博士課程修了者が91年度の約30人から2007年度には69人に増加。このうち例年十人前後が大学や民間研究機関の研究者ポストが空くのを待ちながら、短期の研究員や大学の非常勤職員として働いている。  高学歴インターンシップは、こうした人の目を研究職以外にも向けると同時に、企業側にも高度な知識を持つ「即戦力」としての存在を知ってもらうのが狙い。同大地域共同研究センターを中心に、行政や県内製造業者らが1月に設立した協議会が運営主体となり、経済産業省の補助金も活用する。  受け入れ企業の負担を減らすため、派遣される該当者が取り組む部品設計やプログラム作成などのカリキュラムは大学側が準備。企業秘密の保持に関する契約もあらかじめ交わした。  16日のシンポは午後2時半から同市中央区の新潟グランドホテルで開催する。同センターの尾田雅文教授は「ポストドクターの活躍の場を広げるとともに、新たな形の産学連携にもつなげたい」と話している。 "[he-forum 14002] 中国新聞2/16 中国新聞2009年2月16日付 国立4大学で非常勤雇い止め  中国地方の国立大5校のうち、広島大を除く4校が来年3月末までに非常勤職員計169人の契約を更新せず、「雇い止め」にすることが分かった。専門性が高く、長期の研究を担う教育機関での一律の「雇い止め」は実態にそぐわない現実があり、見直しの動きも出ている。  最も多いのは、岡山大の103人。雇用期間を「3年以内」とする就業規則に基づき、3月末に46人、2009年度中に57人の非常勤職員の契約更新をしない。業務は「新たに雇用する非常勤職員が引き継ぐ」(人事課)という。  来年3月までに13人の「雇い止め」を計画する島根大は契約期間を「3年以内」としながら、長期の研究計画や仕事の専門性により延長を認めている。山口大は同時期までに2人の契約更新をやめるが、非常勤職員約750人の大半に上限を設けていない。  さらに、昨秋からの景気悪化による雇用不安に配慮する大学が出てきた。契約期間が「5年以内」の鳥取大。来年3月までに契約期限を迎える計51人について、人事課は「社会情勢をかんがみ、特別な取り扱いを検討中」としている。 "[he-forum 14003] 産経新聞2/14 産経新聞2009年2月14日付 「就職協定」復活へ 「活動」早期化に歯止め 文科相  大学3年生が“就活”でゼミを欠席するなど、就職活動の早期化に歯止めをかけるため、塩谷立文部科学相は13日、閣議後の会見で「大学と企業が連携協力し、秩序ある就職活動を行えるよう環境を整備したい」と述べ、平成9年に廃止された「就職協定」を復活させたい意向を明らかにした。6月までに大学側と企業側の協議の場を設け、現2年生の就職活動からの適用を目指す。  以前の就職協定では、企業の面接解禁日を8月1日などとしていたが、形骸(けいがい)化の指摘を受けて廃止された。現状では大学側の就職問題懇談会の「申し合わせ」と、日本経団連の「倫理憲章」がそれぞれ内定を10月1日以降とすることなどを盛り込んだガイドラインを作り、双方が尊重する形を取っている。  しかし、「青田買い」の影響などで大学3年次からの就職活動が一般化。同懇談会の調査では、20年度は4~5月が実質的な内定のピークで、倫理憲章などが守られない状態が継続。昨年7月には国立大学協会などが「貴重な学びの時間が奪われている」として、是正を求める要望書を経団連などに提出していた。  今後は3月上旬に同懇談会を開いて大学側の意向を確認し、主要経済団体との意見交換の場を設ける。実効性を確保するため、協定を守らない企業名の公表など、罰則を求めることも検討する。  塩谷文科相は「3年以上、しっかりと勉学に励んだ学生が企業に採用される環境をつくりたい」と強調した。 "[he-forum 14004] 佐賀新聞2/17 佐賀新聞2009年2月17日付 佐賀大非常勤職員 3年雇用制全廃へ  佐賀大学(長谷川照学長)は非常勤職員の待遇改善策として新年度から、3年までとしてきた契約期間の上限を全廃する方針を決めた。非正規労働者の雇い止めが社会問題化し、財務状況の厳しさから契約を更新しない大学も増えているが、佐賀大は「人材活用を優先したい」として一律的な3年雇用をやめる。全廃は九州・沖縄の国立大学法人では初めてという。  同大人事課によると、職員約2250人のうち、非常勤や医療系契約職員は約390人。2004年の法人化で契約期間上限を3年としたが、薬剤師や診療放射線技師など専門性が高く、有資格者の補充が難しいケースは特例的に延長してきた。  そうしたコメディカル分野に限らず、事務・技術系の人材も確保する狙いがあり、就業規則を見直す。各職場の雇用計画で柔軟に期間を設定。毎年の契約更新は必要だが、上限は撤廃するため、5年にわたるプロジェクト型研究での雇用継続も可能になる。  非常勤職員の労働条件をめぐっては、佐賀大教職員組合も待遇改善を求めてきた。  全国の国立大学法人には、国からの運営費交付金の年1%削減に加え、総人件費の削減が課せられている。その中で非常勤職員を多く採用し、契約期間の上限延長や撤廃を検討・実施する大学がある一方、緊縮財政で雇い止めを計画する大学も出るなど、対応が分かれている。 "[he-forum 14005] 東京新聞茨城2/17 東京新聞茨城版2009年2月17日付 茨城大大学院 教員数、基準満たさず 昨秋発覚、報告せず  茨城大(池田幸雄学長)大学院教育学研究科・学校臨床心理専攻で、同大の設置基準で定める教員数が不足しながら、在籍する院生や文部科学省に報告していなかったことが分かった。同大が十六日明らかにした。同大は「新年度から教員を一人増やすので問題ないと思った」としているが、文科省は「望ましい状態とは言えない」と、大学側から詳しく事情を聴いている。 (沢田佳孝)  大学設置基準では、同専攻は本来、教授らで構成する研究指導教員が三人必要だが、大学側は二人しか配置していなかった。昨年十月ごろ、同大が教育内容や専門分野について、大学評価・学位授与機構(東京都)に認証評価を受けるため調査していた中で、教員不足が発覚したという。  こうした事態が生じたことについて、田切美智雄・学長特別補佐は「原因については把握していない。過去についても分からない」としている。  大学によると、同専攻には院生十九人が在籍しているが、修士号取得については問題はないと説明している。文科省は「教員不足により、教育の質が担保されていたかどうか。報告を受け、しっかりした対応を求めたい」と話している。 "[he-forum 14006] 新潟日報2/17 新潟日報2009年2月17日付 産学交流の新潟モデル目指す  大学の博士課程修了者や大学院生が県内企業で就業体験する「高学歴インターンシップ」について広く知ってもらおうと、新潟大学は16日、新潟市中央区のホテルでシンポジウムを開いた。実際に大学院生を受け入れた県内企業などが成果や課題を報告した。  博士課程修了者に対し大学の研究者ポストは少ないため、ポストが空くのを待ちながら不安定な任期付き研究員として働く人も少なくない。同大はこうした人に進路選択の幅を広げてもらおうと、昨年10月から博士課程修了者らを県内製造業者に短期間派遣する事業を始めている。  シンポは大学や企業関係者ら約60人が聞き入った。パネルディスカッション形式で行われ、同大の坪川紀夫地域共同研究センター長が「博士課程修了者を地域の中核人材として育て、産学交流の『新潟モデル』を構築したい」と強調。  院生を受け入れた携帯電話部品製造のサンアロー化成(佐渡市)の石井裕子専務は「若手社員の成長や、新しい知識や技術の活用に効果があった。どんな仕事をしてもらうかなど事前に院生と十分なコミュニケーションを取っておくことが大切」と指摘した。 "[he-forum 14007] 北海道新聞2/17 北海道新聞2009年2月17日付 道、地方の医師確保強化 奨学金枠と派遣助成拡大  道は十六日、地方の医師確保対策を強化するため、新年度予算案に関連経費約一億円を計上する方針を固めた。これまで札幌医大を対象にしていた制度を新たに旭川医大にも広げるなどの形で、地方勤務が条件の奨学金制度の対象医大生を倍増させ、自治体病院へ医師を派遣する大学への助成も拡大する。  奨学金は、卒業後の地方病院勤務を条件に札医大が設けている「地域枠」の入学者を対象に本年度新設され、在学中の六年間で計千二百万円を貸し付ける。卒業後の九年間、医師確保が困難な医療機関での勤務と研修を条件に、返済を免除する。  新年度は十人だった貸付枠を札医大は十五人に引き上げ、新たに旭医大の地域枠の七人も加え、計二十二人に広げる。新年度予算案には約五千万円を盛り込む。  医師派遣への助成は、自治体運営の医療機関に道を通じて医師を派遣する大学に対し、派遣医師一人につき年間八百万円を道が負担、地域医療の中核である自治体病院の医師確保を後押しする。  札医大は二〇〇一年度から、この制度を使っており、本年度は二十人の枠で十三医療機関に計十五人を派遣した。新年度予算案には従来の札医大の二十人枠に加え、新たに旭医大分として六人分を計上する。  北大にも制度活用を働きかけたが、地域枠の設定がないため、奨学金の対象学生がおらず、医師派遣も調整がつかなかった。道は、北大と引き続き協議を続けていく方針だ。 "[he-forum 14008] 琉球新報2/18 琉球新報2009年2月18日付 大学院大学、10年間「全額補助」 【東京】沖縄科学技術大学院大学(OIST)の2012年度開学に向け、内閣府が準備を進める法案の骨子(要綱)が17日、明らかになった。法案名は「沖縄科学技術大学院大学学園法(仮称)」。大学院大学の運営費や研究者の教育研究活動は国が半額を補助するが、法律施行後、少なくても10年間は上限を設けず補助することなどが条文として盛り込まれている。19日に開かれる自民党の内閣部会と沖縄振興委員会の合同会議で全文を示し、了承を求める。3月初旬の閣議決定を目指す方針。  法律案の骨子は17日、ホテルオークラ東京で行われた沖縄科学技術研究基盤整備機構(シドニー・ブレナー理事長)第7回運営委員会(ボード・オブ・ガバナーズ)で内閣府が運営委員に示した。  会合では10年2月ごろまでに複数のノーベル賞受賞者から学長を絞り込み、内定する意向が確認された。会合後の会見で学長選任について有馬朗人共同議長は「3月に50人程度を挙げ、絞り込みたい」と述べた。  法案では「沖縄科学技術大学院大学学園」(仮称)を「沖縄で国際的に卓越した科学技術に関する教育研究を行う学校法人」と規定。「国や関係する沖縄の地方公共団体と密接な連携を図らなければならない」とし、学園が地元振興に寄与することが明記された。 "[he-forum 14009] 2/19しんぶん赤旗主張 2009年2月19日(木)「しんぶん赤旗」 主張 教育再生懇報告 構造改革の推進でなく転換を  麻生内閣の教育再生懇談会が第三次報告を発表し、「大学教育が危機 にある」として「高等教育への公的支援の在り方を改革する」ことを提 言しました。そこには、大学設置認可の行き過ぎた規制緩和を是正する 方策などもありますが、全体としては、大学が直面する深刻な危機を逆 手にとり、「大学の構造改革」をいっそう推進しようとするものです。 選別した大学に予算集中  報告は、「学生及び教育の質の低下」を打開するために「公的支援の 大幅な強化」を検討するとしています。同時に、「大学の質の担保が前 提」として大学に自助努力を求め、その評価によって大学を選別し、選 別された大学に予算を集中するというのです。こうした方向に、今日の 大学危機の解決は望めません。  報告に特徴的なのは、「大学の構造改革」へのまともな反省がまった くみられないことです。しかし、大学の危機を生みだした最大の原因 は、そこにこそあります。  自公政府は、国立大運営費交付金や私立大一般補助など一律の基準で 交付される基盤的経費を連続して削減し、その一方で、国の評価によっ て配分される競争的資金の獲得を各大学に競わせてきました。その結 果、国立大は法人化後四年間で六百二億円の交付金が削減され、私立大 は経常費にしめる補助の割合が10%にまで落ち込みました。大学の教 育研究基盤の弱体化や、大学間格差のいっそうの拡大をもたらし、地方 の大学や中小の大学、教育系大学などでは、教育・研究の維持に支障を きたす深刻な事態に直面しています。  にもかかわらず報告は、大学の基盤的経費の配分にまで評価によって 格差をつける、競争的資金化を求めています。国立大運営費交付金につ いては、「骨太方針二〇〇七」が「各大学の努力と成果 を踏まえたもの」にする方針をすでに提起し、大学関係者から強い批判 が出されています。報告はこの方針の具体化を後押しするとともに、私 立大への国庫補助も同様に競争的資金化しようというのです。  しかも、「取り組みが不十分」とみなす大学には「公費を投入しな い」とまでいいます。また、給付型奨学金や授業料免除の拡大などもい いますが、「優秀な学生」に対象をしぼり、ここでも選別を助長するも のとなっています。  こうした方向では、一部の大学や学生に光が当たっても、多くの大学 で基盤的経費がさらに削減され、教育・研究が存立しえなくなるととも に、経済的に困難な学生の多くは放置されます。公費獲得のための競争 が激化し、教育・研究に腰をすえて取り組める環境が弱まるなど、大学 の危機がさらに深まることは明らかです。 基盤的経費の増額こそ  大学教育の質を高めるためには、なによりも政府がすすめてきた「構 造改革」を見直すことが求められます。国立大運営費交付金や私大補助 の連続削減を中止し、大幅に増額することにより、経営の安定と教育条 件の抜本的改善をはかることこそ必要です。  そうした施策が実行されてこそ、大学教育の充実・改善をはかる大学 の自主的努力も、実りある成果が期待できるでしょう。また、経済的困 難をかかえるすべての学生に対して公費支援を強めることこそ国の責任 です。 "[he-forum 14010] 朝日新聞富山2/19 朝日新聞富山版2009年2月19日付 富山大の学長選考 投票上位2氏あす集会  富山大学の学長選考を巡って、教職員らによる意向投票で最下位だった現職の西頭徳三氏が再選された問題で、投票で1位の平井美朗・大学院理工学研究部教授と、2位の倉知正佳・大学院医学薬学研究部特任教授が20日、教員らの意見を聞く集会を開く。  関係者によると、集会では平井氏が「これからの大学運営について」、倉知氏が「大学執行部のあり方について」と題して、考えを話し、参加者と意見交換をする。  平井、倉知の両氏に対して、西頭氏は1月15日付で学内関係者に出した文書の中で「私への批判票が約80%である点を考慮し、他の2人の候補にお願いし、いわゆるトロイカ体制で大学運営と改革を進めていきたい」と次期執行部への参加を求めていた。  集会の主催者側は「西頭氏の提案に対して、まだ回答しておらず、仮に提案を受けるような場合でも、両氏が集会参加者の意見を聞き、了解を得る必要がある」と開催の趣旨を説明している。 "[he-forum 14011] 福井新聞2/18 福井新聞2009年2月18日付 福井大、原子力研究所を4月に開設 世界トップレベル目指す  福井大は17日、世界トップレベルの原子力研究開発拠点を目標とする附属国際原子力工学研究所を、4月に同大文京キャンパスに開設すると発表した。所長に就く竹田敏一・大阪大大学院教授を含めた研究員34人体制で始動する。カリキュラムづくりなどを進め、2011年4月から学生を受け入れる。  施設などの受け入れ態勢が整い次第、敦賀市に移転するが、時期は未定。同大は「研究所は11年4月以降なら、いつでも移転できる状況になる」と説明している。  同研究所は、福井県のエネルギー研究開発拠点化計画の一環。北陸、関西、中京圏の大学との広域連携拠点として、設立に向けた検討を進めてきた。同日の同大役員会で正式に開設が承認された。  ▽カリキュラムなどを構築する原子力工学基礎▽原子力工学研究開発▽放射線の医学利用を研究する医学物理・化学▽耐震、防災技術を研究する原子力防災工学―の4分野で構成。特に高速増殖炉「もんじゅ」を生かした研究を中心に据える。  竹田教授は高速炉研究の第一人者で、原子力学会理事などを務めた。また有馬朗人元文部大臣と木村逸郎京都大名誉教授が研究所顧問に就く。  原子力研究機関を有する大学は全国に3つあり、福井大の附属研究所は京都大に次ぐ人員規模になる。福田優学長は会見で「県内原発の安心安全を学問的にサポートしていく。アジアを含め、技術の担い手を育てていきたい」と開設への意気込みを述べた。  研究所開設に伴い、福井大大学院の工学研究科原子力・エネルギー安全工学専攻は11年4月から、研究所教員が担当する「原子力工学特別コース(仮称)」と、「原子力総合コース(仮称)」に再編される。定員は2コース合わせ前期27人、後期12人。 "[he-forum 14012] 継続雇用制度の導入の特例措置期間の終了について 皆様 はじめまして。国立天文台職組の千葉と申します。 継続雇用制度の導入の特例措置期間の終了について 改正高年齢者雇用安定法における「継続雇用制度の導入」の特例措置の期間が、大企業 (常時雇用する労働者数が300人を超える)については平成21年3月31日で終了します。す なわち、労使協定が整わない場合には、「希望者全員を対象」とすることが義務付けられ ます。 この状況の変化を背景として、新たな労使協定を締結する環境ができるわけですが、各大 学、高専、共同利用機関等で労使協定改定の動きがありましたら、ご教示ください。 国立天文台職組 執行委員 千葉庫三 "[he-forum 14013] 山陰中央新報2/20 山陰中央新報2009年2月20日付 経済不安が大学受験にも影響  二十五日から二次試験が始まる島根大学(松江市西川津町)の志願者数が、前年度から大幅に増加した。厳しい家計を理由に、自宅から通える地元や近隣の国公立大を志望する傾向が強まっているのが一因とみられる。急速な景気の悪化が、受験生の志望校選びに影響を及ぼしているようだ。  島根大の前後期を合わせた志願者数は、前年度比六百七十人増の五千八十二人。増加数は中四国地方の国立大で最大になった。  近年にない低倍率となった前年度の反動もあるが、同大入試センターの田中均副センター長は「もともと強かった国立大指向や現役合格志向に、経済事情も重なった」との見方を示す。  松江北高校の佐藤誠進路指導部長も「地元志向がより強まり、一人当たりの受験校も減っている」と指摘。私大受験も移動費の負担を避けるため、センター試験のみで受験できる大学を選ぶ生徒が増えたという。  また、景気が急速に悪化した昨秋以降の面談で、厳しい家計を理由に急きょ進路を変更する例も多く、「所得格差が志望校選びの幅を狭めている」と話す。  一方、経済的な理由などで修学が困難な生徒・学生を支援する島根県育英会には、奨学金支給の条件を確認する保護者らの問い合わせが相次ぎ、一部で既に前年度を上回る申請があるという。 "[he-forum 14014] 東京新聞茨城2/20 東京新聞茨城版2009年2月20日付 正規雇用化へ 賃金得ながら技能習得 大学2病院研修医向け講座 ◆雇用・経済対策  厳しい経済状況下で非正規労働者の「派遣切り」や「雇い止め」が相次いでいることを受け、県は緊急経済・雇用対策として総額九十七億六千四百万円を盛り込んだ。正規雇用化につながる雇用対策が目玉事業だ。  正規雇用化につながる政策は、求職者に特定業種の仕事を紹介し、賃金を得ながら技能を習得してもらう「雇用・研修一体型事業」で五億一千八百万円を計上。二百四十六人の雇用創出を見込む。  これまで失業中の求職者が職業訓練中、生活費が出ることはなかったが、同事業は賃金を得ながら技能を習得できる。求職者を受け入れるのは農業や林業、介護職など八業種。いずれも人手不足に悩まされている業種で、雇用創出と同時にこれらの業種の担い手確保を目指す。  県は各業種の事業者と契約し、求職者は事業者に直接雇用される形となる。求職者には各種研修会や資格試験の受講機会が確保され、今後の雇用につながる。  また、市町村が実施する雇用対策に対しても十一億六千三百万円を盛り込んだ。 ◆医療  医師確保対策の事業費は前年度当初比一・五倍となる一億六千九百万円を計上した。  新規に筑波大と、東京医科大の県内にある病院に寄付講座を設置。両大から専任教員各二人を講座に招き、研修医らに地域医療への理解を深めてもらう。さらに講座の成果を普及させるため、鹿行や県西地域に受講した医師を派遣し、若手医師や研修医向けに研修を実施してもらう。  また、筑波大医学部の地域枠入学者五人に対し、新たに奨学金を貸与する。 ◆教育  基礎学力の充実に二億六千百万円を盛り込んだ。県内の小学四年生全員(九百八十八クラス)を対象に夏休み中、五日間の特別授業を実施。担任のほか、教員志望の大学生らボランティアの協力も得て、算数の基礎学力向上を目指す。また、小学校を中心に非常勤講師百人を新たに配置。個別指導、習熟度別指導を強化する。  深刻化している携帯電話やインターネットを使った「いじめ」問題などへの対策に四百万円を計上。中高生や保護者、教員を対象に、全校で講習会を実施する。携帯電話やネットの危険性を認識してもらい、いじめ被害の未然防止を図る。 (沢田佳孝) "[he-forum 14015] 琉球新報社説2/20 琉球新報社説2009年2月20日付 大学院大学 金の卵産むニワトリに  「本当に沖縄の経済発展に役立つのか」「基地絡みの単なるハコモノ振興策」「予算不足で頓挫する」。県内外から、そんな疑念や疑問が絶えないのが、政府が恩納村で建設中の「沖縄科学技術大学院大学(仮称)」だ。当の与党・自民党ですら党内の無駄遣い撲滅プロジェクトチームが「事業コストに対する効果が不明確」とやり玉に挙げる始末だ。  疑念や疑問の源流をたどると、沖縄の米軍基地問題にたどり着く。これは政府の他の沖縄振興策にも共通するが、県民が求める米軍基地の撤去や過重負担の軽減に政府が応じられない代わりに「沖縄振興策」というアメをばらまき続けている。  大学院大学も北部振興策や基地所在市町村への振興策などと同様、普天間飛行場の移設問題などの絡みで出てきた沖縄振興策の一つだ。だが、政府の「沖縄科学技術大学院大学概要」の説明の中に「基地絡み」との話は一切見当たらない。  「概要」の中で、政府は同大学の沖縄設置の目的を「世界の科学技術の発展に寄与」し、「沖縄をアジア・太平洋地域の先端的頭脳集積地域として発展、経済的自立を図る」と強調している。  しかし、「国設民営」される同大学が世界の一流の研究者を集める費用をどう負担し、年間1人2億円とも試算される研究者の膨大な研究費や滞在費、半数以上を占める外国人学生の公募費用や奨学資金をどう捻出(ねんしゅつ)するか、などの肝心な部分の説明はない。  そのあたりがあいまいなままだったことも疑念や疑問を生んできた。そんな中で政府、自民党は19日、「沖縄科学技術大学院大学学園法(仮称)」案を了承した。  法案では運営経費の2分の1以内を国が予算補助し、しかも施行から「10年間」は補助の上限は設けないという。つまり、全額補助だ。  かなり手厚い措置だ。法案は3月3日の閣議決定が想定され、決定されれば同大学はいよいよ開学となる。  同大学を基地絡みの単なる「ハコモノ振興策」に終わらせるか。それとも世界的な科学技術の先端的な頭脳集積拠点として活用・発展させ「金の卵を産むニワトリ」に育てるか。ここまで来たら、地元・沖縄にも覚悟が必要だ。  膨大な予算だ。より効果的に沖縄振興に結実するようにもっと注文を付け、無駄遣いを監視したい。 "[he-forum 14016] 朝日新聞2/20 朝日新聞2009年2月20日付 広島大小児科医師、10人辞職へ 地域病院に派遣困難  広島大学病院小児科医局の医師10人が今年度末で辞職することが、広大への取材でわかった。ほかに、昨年9月からすでに2人が辞職し、今年4月以降も1人が辞める見込み。4月に後期研修医7人が入局するが、同医局がこれまで通りに地域の各病院に医師を派遣するのは困難で、小児医療が十分提供されなくなるおそれがある。  広大によると、同医局には約120人の医師がおり、うち約100人が広大病院以外の広島県内の公立と民間の30病院へ派遣され、常勤している。  3月末で辞職するのは、広島市立舟入病院(広島市)や呉共済病院(呉市)に派遣されている医師ら8人と、広大病院内で勤務する2人。辞職する医師たちのほか、昨秋から今年度末までに3人の医師が出産にともなう休暇に入る。このため4月以降は各病院への派遣体制を見直さざるを得なくなり、入院機能を維持できずに、外来のみとなる病院が出てくる可能性もある。  呉共済病院では、4人の小児科医のうち広大からの1人が年度末に退職するため、市内の3病院で実施している夜間救急輪番制のあり方を見直すよう関係機関に求めているという。  13人の辞職理由は「県外の医療機関に赴任する」5人、「開業する」4人、「家庭の都合」2人、「眼科医になる」1人などだが、多くが「疲れた。体力が持たない」と述べているという。小児科は夜間に診療を希望する患者が多く、他科より勤務がハードだとされる。  医師の大学病院離れの背景には、04年に始まった国の新臨床研修制度がある。制度によって、新人医師は大学の医局を経ずに自らの意思で全国どこの病院でも研修先に選べるようになった。大学病院の医局に入ると中山間地域へ派遣されることなどを理由として、都市部の民間病院に人気が集中。大学病院で研修する割合は新制度実施前の7割から半分以下に減少した。  広大の小林正夫教授(小児科学)は「大学病院以外の病院にも地域の病院への派遣機能を持ってもらわないと、地域医療は破綻(はたん)する」と話している。(辻外記子) "[he-forum 14017] 河北新報2/16 河北新報2009年2月16日付 実学の宮城大正念場 4月から独立法人  県立宮城大が新年度、独立採算で運営する独立行政法人に生まれ変わる。県が大学に支出する運営費交付金も段階的に減少。地元産業界への人材供給や大学の社会貢献をいかにアピールして外部資金を獲得するかが、喫緊の課題になっている。  「法人化を機に在り方を大きく変革し、もっと県民の期待に応えられるようにしなければならない」。1月下旬、宮城大の運営を検討する評価委員会で、村井嘉浩知事がハッパをかけた。  評価委員会では、県からの運営費を、2014年度までに計約8000万円削減する計画も示された。県の県立大学室も3月末で廃止される。  開学の精神に「高度な実学による地域貢献」を掲げた宮城大だが、理想と現実の隔たりに関係者の危機感は強い。  05年4月に新設された「食産業学部」。今春の卒業予定者129人の就職内定率(1月現在)は99%だが、県内就職率は23%にとどまった。  評価委員で水産食品加工業「鐘崎」の吉田久剛社長は「卒業生は即戦力として期待しているが、地元業界には宮城大に食産業学部があるという実感が薄い。地元企業と結びつく努力が不十分なのではないか」と指摘する。  食産業学部は、県立農業短大を組織改編で組み入れた経緯もあり、水産系の教員は2人しかいない。馬渡尚憲学長は「新年度から地元の食品加工業会と連携して、教員の充実や就職機会の拡大に努めたい」と話す。  研究活動を通じて地域貢献を担う教員の意識改革も欠かせない。  宮城大の教員が07年度に獲得した寄付金、受託研究費などの外部資金は、1人当たり61万円。全国の公立大教員の平均(143万円)を大きく下回った。  教員によるセクハラや飲酒運転、教授会の内紛など大学のイメージを失墜させるトラブルも相次いでいる。  外部資金の獲得には意欲ある教員の確保が急務と考える宮城大は新年度以降、実績に基づく教員の任期制・年俸制導入を検討する。新規採用も外部評価機関の判断で行う。  地域との連携でも、地元企業の関係者を講師に招く「地域人材育成プログラム」を展開する。専任研究員3人を配した「地域振興事業部」を設置し、自治体や企業との連携、受託研究を拡大する方針だ。  馬渡学長は「地域の産業活性化に貢献すると同時に、大学へのニーズを高める好循環をつくりたい」と意気込んでいる。 [宮城大]1997年4月開学。大和町の大和キャンパスに事業構想、看護の2学部、仙台市の太白キャンパスに食産業学部を設置。教員は136人、大学院生・学生は1864人。 "[he-forum 14018] 朝日新聞2/14 朝日新聞2009年2月14日付 学芸員・司書、資格の難易度アップ 専門性高める狙い  文部科学省は13日、博物館や美術館の学芸員と図書館司書の資格を得るために大学で必要な単位や科目数を増やす方針をまとめた。「得るのが簡単」との批判もある両資格について、専門性を高めるねらい。3月に省令を改正し、12年度から実施する。  学芸員資格は、現行の8科目12単位以上から、10科目19単位以上に増やす。より実践的な事柄を学んでもらおうと、「博物館資料保存論」や「博物館展示論」などを新たに必修にする。司書は、14科目20単位以上から、13科目24単位以上に。レファレンスサービスや課題解決支援サービスなど、図書館サービスの向上を担える人材育成を目指す。  地方や小規模な大学では教員が少ないところもあるため、施行までに3年間の準備期間をおく。教員が確保できない大学は、養成課程をなくす可能性もある。現在、大学で学芸員や司書資格を得る学生は、それぞれ年間約1万人とされる。(小川雪) "[he-forum 14019] 北海道新聞社説2/21 北海道新聞社説2009年2月21日付 臨床研修制度 医師不足は解消されぬ  新卒医師の臨床研修制度について、厚生労働省と文部科学省の合同検討会が見直し案をまとめた。  今の制度は、各地で起きている医師不足の一因と言われ、見直しは当然、必要だろう。だが今回の案が、直ちに医師不足の解消につながるとは思えない。  臨床研修はかつて大学の医局を中心に行われていたが、二〇〇四年に始まった現行制度で、新卒医師が自由に研修先を選べるようになった。  東京をはじめとする都会の民間病院を選ぶ研修医が多く、大学医局は人手不足に陥った。このため、医局が各地に派遣していた医師を引き揚げるようになったことが、地方での医師不足につながっている。  見直し案では、都道府県ごとや病院ごとの研修医の定員を定め、大学の定員を優遇するとした。  今、研修先として大学病院を避ける医師が多いのは、経験できる症例数が民間病院に比べて少ないうえ、雑用が多かったり、処遇が民間より低かったりするためだ。  この根本的な原因が解消されなければ、大学病院を志望する研修医は増えないだろう。魅力的な研修プログラムを組む努力も、大学側に必要ではないか。  見直し案のもう一つの柱は、必修診療科の削減だ。  現在二年間で学ぶ七つの必修科を三科に減らし、残りを選択科にする。余裕のできた期間で、志望する専門科の研修に重点を置けるようにする。これにより、研修中でも即戦力となる医師を養成するという。  そもそも現行制度ができたのは、かつての医局での研修が専門領域に偏っていたためだ。幅広い知識を備えた医師を養成するという方向性自体は間違ってはいない。  とりわけ、地域医療では初期診療や、いくつもの疾病に対応できる総合診療を担う医師が欠かせない。見直し案がこうした医師の養成につながるか疑問が残る。  医師不足がいっそう顕著な産婦人科と小児科を必修から外したことにも、首をかしげる。研修で興味を持ち、これらの診療科を志す若い医師がいるはずだ。  医師不足が進んだのは、臨床研修制度だけが理由ではない。  政府は一九八〇年代前半から医師の抑制策を進め、昨年やっと増員へ方針を転換したばかりだ。医学部の定員増に伴い、教員や施設の拡充が欠かせなくなる。  長時間労働など過酷な勤務に嫌気がさし、開業に転じる勤務医も少なくない。待遇改善が必要だ。  医師不足の解消には、こうした複合的な要因を一つひとつ取り除いていかねばならない。 "[he-forum 14020] 中国新聞社説2/22 中国新聞社説2009年2月22日付 医師研修見直し 地方への定着促したい  免許を取ったばかりの新人医師は二年間、大学や市中の病院で実地研修を積まなければいけない。その仕組みが見直されることになった。  制度導入からわずか五年。異例の見直しが決まったのは、東京など大都市に研修医が集中し、地方の医師不足が深刻になってきたことが背景にある。見直しは当然といえよう。  現行の制度は、大学病院や市中病院で内科、外科など七つの必修科目と、将来進みたい診療科などの研修を義務付けている。研修医と病院双方の希望が合えば、自由に研修先は選んでいい。  今回、厚生労働省と文部科学省の検討会がまとめた見直し案では、都道府県や病院ごとに研修医の募集定員の上限が設けられる。大学病院には定員枠を多く配分するという。  現状のままでは、大都市の有力病院に人気が偏り、地方の大学病院に残る人材はめっきり減っているからだ。大学は埋め合わせのため、地域の病院に派遣していた医師を引き揚げ、地域の医師不足に拍車を掛ける事態になった。  臨床研修制度がスタートする以前は、新人医師は主に出身大学の付属病院に配置。専門の診療科で研修するケースが大半だった。  研修先として地元の大学病院を選ぶ医師を増やし、かつて大学医局が担っていた地域への医師派遣機能を立て直す―。見直しにはそんな思惑もうかがえる。大都市と地方の偏りをなくすには、選択の自由をある程度、制限することもやむを得まい。  見直しのもう一つのポイントは、研修プログラムの弾力化である。必修科目を内科、救急、地域医療の三つに絞り、二年目は専門にしたい診療科でしっかり研修できるようにする。研修医を即戦力として活用する苦肉の策といえる。  これまでの研修では、専門だけでなく、幅広い科で一定水準の診療ができる医師を育てる狙いがあった。それだけに必修科目の削減に、「質の低下につながる」と懸念する声も聞かれる。プログラムの工夫とともに、卒業前も含めた医学教育全体の見直しも検討すべき時期だろう。  臨床研修の改善は一歩前進だが、それだけで医師不足が解消するわけではない。過酷な長時間労働は、勤務医が辞める大きな原因だ。地域で頑張る医師の待遇改善に本腰を入れなければ、真の解決にはなるまい。 "[he-forum 14021] 宮崎日日新聞社説2/21 宮崎日日新聞2009年2月21日付 臨床研修制度 必修削減に懸念を抱くが…  新卒医師の臨床研修制度が見直される。狙いは即戦力となる若手医師の確保と医師不足ならびに偏在の解消である。  2本柱の1つは2年間で義務付けている内科、外科、小児科など7診療科目の必修を内科、救急、地域医療の3科目に絞り、残りのうち2科目を選択必修にする。  必修科目の研修は実質1年に短縮され、2年目からはそれぞれ専門科目での研修となる。  あと1つは研修医の都市部集中に歯止めをかけるため都道府県や研修病院ごとに定員を設けることである。新制度は2010年度から実施される。 ■専門オタク化の反省■  現行の臨床研修制度は04年度から始まった。医師国家試験の合格者に基本的な診療能力を身に付けさせることが目的だった。  それ以前は新卒医師の大半は出身大学の医局に残り、大学病院で専門分野に入った。  そのため専門性は高いが、自分の専門以外は診療できない医師が目立つようになったことへの反省から生まれた制度だった。  しかし、研修先を自由に選べるようにしたことで予想外の弊害が生じた。待遇が良く、国際的な最先端医療を行う指導医がいる一般医療機関などに人気が集まるようになった。出身地の病院を選択した人もいるはずだ。  必然的に大学医局に残る研修医が減り、県立延岡病院に対する宮崎大学医学部の医師派遣止めのように地方の大学病院が地域の自治体病院から医師を引き揚げるようになった。  医師不足・偏在を引き起こした元凶とされるゆえんである。 ■全人的医療担う医師■  研修病院ごとに設定される定員は大学病院を優遇する見通しだ。医師の空白、過疎に悩む地域にとっては期待が持てる。  しかし、縛りがあるから、行きたい医療機関が定員いっぱいだから、などの理由で出身大学の医局に残っても意欲は減退するし、早晩、新制度行き詰まりの要因になるだろう。  研修先の自由化によって、大学病院に研修医が残らなくなった元凶を摘出しなければ根本的な解決にはならない。  研修医を徒弟のように下働きさせ、酷使する体質が残っていないか。研修内容なども旧態依然としていないか。改善する努力があってこそ新制度が生かされる。  心配な点もある。現行の研修制度では多くの診療科を経験することで医師の治療域が広がった。  1人で当直している夜に「どんな患者が来院してもなんとか対応できる」など研修医たちからの評価も高かった。  必修科目の削減によって、そういった利点が失われるのではないか。そんな懸念を抱く。  広く、ある程度の深さもある全人的医療を担う医師を育てることは超高齢化社会に向かう時代の求めでもある。 "[he-forum 14022] 読売新聞2/20 読売新聞2009年2月20日付 「医療費明細書 無料化を」文科省、大学病院に再要請  初診料や検査料など払った医療費のすべての内訳を記した明細書の無料発行が、全国の大学病院(158施設)で進みそうだ。  文部科学省が、各大学病院あてに実施を求めたもので、特に国立大学病院(42校の45施設)に対しては、積極的な実施を促した。  明細書発行は昨年4月、会計が電算化されている400床以上の病院に義務づけられた。ただし、「患者が求めた場合に限る」「手数料をとることができる」ことが、規則で認められた。  これに対し、舛添厚生労働相は、国立病院ではすべての患者に無料で発行するよう指示。国立がんセンターなど厚労省所管の高度専門医療センター8施設は、4月から実施。独立行政法人国立病院機構の146施設も昨年9月に実施を決め、2施設で試行的に始めた。  文科省も同月、無条件で発行するよう各大学に通知したが十分浸透せず、今回改めて要請した。同省によると、42の国立大学のうち40大学が発行しているものの、いずれも患者からの求めがあった場合に限っている。また11大学で、最高2100円の手数料を徴収している。未実施2校のうち、山形大学は4月から無条件での発行を表明している。 "[he-forum 14023] 日本経済新聞2/21 日本経済新聞2009年2月21日付 新型インフル、8割が訓練実施せず 大学病院の対応遅れる  大学病院の8割が新型インフルエンザに対応した訓練を実施したことがなく、所在地の行政機関との連携体制も4割近くで構築できていないことが、文部科学省が実施した調査で分かった。設備の整った大学病院は大流行(パンデミック)の際に患者治療や感染拡大防止の拠点になる可能性もあり、文科省は早急に対応を進めるよう大学側に求めている。  調査は昨年12月1日時点での新型インフルエンザへの対応について、国立43、公立11、私立86の計140の大学病院について実施した。 "[he-forum 14024] 佐賀新聞2/23 佐賀新聞2009年2月23日付 佐賀大学長選考きょう公示 長谷川氏の動向焦点  9月末の任期満了に伴う佐賀大学(佐賀市)の学長選考は23日公示され、学内外からの候補者公募が始まる。現職の長谷川照氏(70)は佐賀新聞社の取材に対し、「第2期中期目標・計画の策定を区切りにしたい」として今期限りで勇退する意向を示してきたが、続投を求める声があり、要請があれば推薦を受諾する可能性が出てきた。ほかに医学部OBを推す動きがあったが擁立には至らず、別の候補者が届け出るのか、公示後が注目される。  入学志願者数と定員が同数となる「大学全入時代」を迎える中、運営費交付金削減や外部資金の獲得競争で、より厳しい局面が予想され、4年前の選考と比べると、学長を目指す新たな動きは目立たない。ただ、過去2回と同様、「本庄と鍋島(医学系)から候補者が出て争う構図になるのでは」と語る関係者もおり、予断を許さない。  長谷川氏は京都大大学院理学研究科出身。佐賀大理工学部長を経て、佐賀医科大との統合に伴う学長選で2003年10月、新「佐賀大学」の初代学長に就任。国立大学法人化後、05年の学長選考で再任された。「専門教育にも広い視野が必要」として教養教育の充実を唱え、中長期ビジョンにも反映。現在、第2期中期目標・計画(10―15年度)策定を手掛けている。  規則で、4年の任期を終えた現職は2年間の再任も可能なことから、動向が焦点となる。  学長選考は、学部長や学外の識者でつくる学長選考会議(議長・指山弘養県商工会議所連合会長、14人)が実施。規則は前回とほぼ変わらず、20歳以上の推薦者10人を集めた候補者を公募、教職員による意向投票を2回(候補者が1人のケースは1回)実施し、面接で最終選考をする。新人が選ばれれば、任期は10月1日から4年間。  具体的な選考手続きや候補者の推薦期限などは23日、佐賀大のホームページなどで公表される。 "[he-forum 14025] 日刊工業新聞2/23 日刊工業新聞2009年2月23日付 東工大、社会人に“製造業大学院”4月開設-将来は単位取得も  東京工業大学は大学院レベルの製造業専門教育を広範に手がける「社会人教育院」を4月に開設する。社会人教育を行う大学は多いが、名称に「社会人教育」を前面に出した学内横断的な機関を設立するのは初めてという。化学物質の安全性を電機や自動車などユーザー企業担当者が学ぶ講座や、モノづくりと先端技術の融合を中小企業幹部が体得する講座などを設ける。将来は単位化可能とされる「履修証明書」を出すため、修士・博士号の取得を狙う個人の参加も見込んでいる。  09年前期に開講するプログラムは(1)化学物質の安全性管理(9科目設定し、1科目15回開講で1万5000円。4科目以上で履修証明書を発行)(2)モノづくり技能と先端技術を統合した製造中核人材育成(7カ月間の毎週土曜開講で約31万円など)(3)中堅・中小企業の次世代幹部向け技術経営(MOT)(1年間平日夜45回開講で約25万円)など。 "[he-forum 14026] 中國新聞2/23 中國新聞2009年2月23日付 県、大学の地域課題研究支援  広島県は新年度から、広島県内の大学や短大に対し、地域課題の解決に向けて学生が取り組む調査研究や、「地域学」をコンセプトにしたカリキュラムづくりへの支援を始める。大学の魅力づくりとともに、地域との連携を引き出す狙いがある。  地域課題の研究支援は、商店街の活性化や地域の環境改善などの課題について、ゼミ単位や学生グループから研究計画を募り、15程度のテーマを選定。研究費の半額を助成する。それぞれ1年間の研究結果をまとめ、成果を地域に公表して生かしてもらう。また、各大学が地域の魅力や可能性などについて学ぶ「地域学」をカリキュラムに盛り込む取り組みを支援。宮島(廿日市市)の歴史や文化を多角的に学ぶ県立広島大の「宮島学」や、京都をフィールドとした「京都学」など、先行事例の研究や講師を招いた研修、市民向けの公開講座にかかる経費の半額を県が負担する。助成は、県内を中心とした24大学・短大などでつくる「教育ネットワーク中国」(代表幹事・市川太一広島修道大教授)を通じて実施する。関連事業費150万円を2009年度当初予算案に計上している。 "[he-forum 14027] 中日新聞2/24 中日新聞2009年2月24日付 ネットで講義をどこでも 岐大などの連合大学院がシステム開設  岐阜、静岡両大の連合大学院など全国に6カ所ある農学研究科の連合大学院で、インターネットを利用してどこからでも講義の発信、受講ができるシステムが完成した。2009年度から各連合大学院の博士課程の教育で導入される。  岐阜大連合農学研究科の鈴木徹教授は「全国の最先端の講義が聴けるようになる。システムが有効利用できれば、大学院教育が本質的に変わっていくだろう」と期待する。  6カ所の連合大学院は、全国18の国立大法人が近隣の2-4大学と組んで設けている。従来は、このうち12大学間で衛星回線を使った同様のシステムが利用されてきたが、質疑の際に回線の切り替えに時間がかかるなど課題があった。  新システムでは、文部科学省が全国の大学や研究機関を結ぶために整備したネットワーク「SINET3」を利用。高画質の画面で質疑応答も即座にできるため、同じ教室で講義を受けているのと変わらないという。  岐阜大によると、6カ所の連合大学院で1000人の大学院生が利用する見込み。今後、単位の互換性を持たせるようにする方針。  23日には18大学をネットワークで結んだ開設式があり、岐阜市の岐阜大ではシステムが整備された連合大学院棟に、関係教職員や院生約30人が参加。岐阜大の木曽真教授による「糖鎖小宇宙から見た農学と生命科学の世界」と題した記念講演が、18大学に発信された。  (稲垣時太郎) "[he-forum 14028] 読売新聞宮崎2/24 読売新聞宮崎版 タイの大学と協定締結 宮崎大  宮崎大医学部看護学科とタイのプリンスオブソンクラ大(PSU)看護学部が22日、宮崎市のホテルで、交流協定を締結した。外国で働ける看護師を育てるのが目的で、学生の交換留学や教員の相互派遣を行う。  会場では、池ノ上克・宮崎大医学部長とラダワン・プラティーチャイクン・PSU看護学部長が協定書に調印した。宮崎大によると、今年は学生4人の交換留学と教員2人の相互派遣を予定し、期間は数週間から約1か月。今後は、留学や派遣人数も増やすという。  宮崎大と統合した旧宮崎医科大医学部医学科と、PSU医学部が交流協定を締結していたことなどが縁で、看護系も協力することが決まった。草場ヒフミ・看護学科長は「異文化を知ることで、外国での活動に積極的に参加できる」と話し、プラティーチャイクン・同部長も「互いの大学の研究や教育を高められるチャンス」と期待していた。 "[he-forum 14029] 沖縄タイムス2/24 沖縄タイムス2009年2月24日付 大学除籍理由 5割が経済/県内7校 02-07年度2641人 不況深刻 拡大を懸念  二〇〇二―〇七年度の県内七大学の除籍者二千六百四十一人のうち、経済的理由によるものが約五割(千三百九十九人)を占めていたことが沖縄タイムスの調べで分かった。景気悪化で〇八年度後期の学費未納者も増加しており、多重債務問題などに詳しい琉球大学の花城梨枝子教授は「これまで以上に学費を払えない学生が大学を去っていくケースが増える可能性がある」と懸念している。(宮城貴奈)  調査は琉大、沖国大、沖大、沖女短、県立芸大、県立看護大、名桜大、沖縄キリスト教学院の八大学にアンケート用紙を送り、一月三十日の締め切りまでにキリ学を除く七大学が回答した。 学費が払えない  「経済的理由」の割合が高かった年度は〇六年と〇二年でともに57%。以下、〇四年の55%、〇三年52%と続いた。  個別の除籍理由への回答はほとんど記述がなかったが、ある大学では「親の失業やリストラ」「親の仕事で受注量が減った」「家族の病気や入院、手術」と具体例が挙がった。また〇二―〇七年度の除籍者全員が「学費納付が困難」だった大学もあった。ある大学の職員は「除籍だけでなく、学費支払いが困難で自主退学する学生もいる」と話した。  消費者教育が専門の花城教授は、景気悪化で「親の経済状況の悪化で授業料を払えない学生が増えている」と指摘する。四年次に上がってから除籍になるケースも出ている。 多重債務に警鐘  花城教授によると、家庭の経済的な事情で高校、大学で貸与を受けた奨学金を家計の足しにする学生もおり、「本来教育の機会は均等であるべきだが、貧しい人が大学に行けない状態になっている。無理して大学に行っても、結局は奨学金という名の借金をつくり、卒業後に仕事がなければ、多重債務につながる」と警鐘を鳴らした。  〇八年度後期は、県内のほとんどの大学で授業料の延納希望や未納者が前年同期に比べ増加、奨学金希望者も増えているという。  県内の私立大学では経済的な理由で授業料が未納の学生を対象に緊急奨学金増設が相次いでいる。 "[he-forum 14030] 2/25しんぶん赤旗 2009年2月25日(水)「しんぶん赤旗」 文化 学問 富山大学学長選考問題 大学自治の保障くずす 例のない3位得票者の就任 大学内外から「再考を」の声  国立大学が法人に移行して五年になろうとしています。いくつかの大 学では、学長選考会議で、教職員による意向投票で第一位になった人が 選ばれず、場合によっては訴訟になるケースさえ生まれ、大学の自治に 大きな問題を投げかけています。  昨年十二月、富山大学の学長に、教職員の投票で第三位の最下位だっ た現職の西頭徳三氏が再選されたことに対し、大学内外から「学長選考 の再考を」と声が上がり、反響を広げています。  富山大学では、次期学長を決める選考会議の前に、教職員による意向 投票が二度実施されました。第二次投票(投票率88・5%)では、三 人の候補者のうち投票総数の58%を獲得した第一位者に対し、西頭氏 は約二割しか(第一次も)獲得できず最下位でした。  同大学学長選考規則では意向投票を「選考の参考とする」と定めてい ますが、学外委員十二人(学長が任命)と、各学部長などの学内委員十 二人で構成する学長選考会議は出席者による投票を行い、西頭氏が十一 票を得て当選しました。意向投票で第三位者が学長に選ばれるのは全国 に例がありません。  学長選考の結果に対し、全八学部のうち、経済、人文、人間発達科 学、理学、医学、薬学の六学部の教授会が、教職員の意向投票を「無視 した」として、相次いで抗議や遺憾の声明や要望書などを発表しました。  各声明では、教職員の意向投票での西頭氏の得票は、「事実上学内不 信任を突きつけられた形」「学長を含めた現執行部にはっきりと不信任 を示した」と指摘し、学長選考会議の結果は「異常な事態であり、大学 自治への重大な侵害である」「教職員の衆知を結集した円滑な大学運営 を実現するための重大な障害になる」「健全な組織運営は期待できず、 教職員の活力も失われかねない」「社会的にも本学の信用に疑念を投げ かける」とのべています。  また全国大学高専教職員組合(全大教)が声明を発表。学長選挙の問 題は「大学自治の枠組みの中で解決すべき事項」とことわりながらも、 今回のことは「大学は、多様な価値観を共有する研究教育組織であり、 構成員の意思の尊重と合意形成が何よりも重要」「学長選考の再考を促 したい」とのべるとともに、国立大学法人法で現職学長にとって有利な 規定があるなど学長選考制度のもつ問題性にふれて「学長選考のあり方 を見直す必要性も示している」と指摘しています。  二〇〇三年制定の法人化法の際、衆参両委員会で、「法人化にあたっ ては、憲法で保障された学問の自由や大学の自治の理念を踏まえ、…自 主的・自律的な運営の確保に努める」という付帯決議が採択されていま す。大学によっては、教職員の意向投票結果に「基づいて」(東京大 学)、あるいは「基礎に」(京都大学)総長予定者を決定する、と定め ているところもあります。  学長を教職員による投票にもとづいて選ぶことは、戦前から続けられ てきた大学の民主的な伝統であり、学問の自由と大学の自治にとっての 重要な保障となっているからです。(三木利博) "[he-forum 14031] 読売新聞2/25 読売新聞2009年2月25日付 女性教員採用の大学支援、理系対象に給与補助…文科省  大学の女性教員比率を引き上げるため、文部科学省は新年度から女性を新規採用した大学に財政的な支援を行う。女性の比率が特に低い理学、工学、農学系を対象に、研究費や、300万円を上限に年間の給与の半分を補助する。公募で5大学程度を選び、それぞれ1億円を補助する計画で、女性増員の起爆剤になるか注目されている。  人件費を優遇する試みは、北海道大が2006年度から独自に実施している。新たに女性を採用した場合、学部や研究所などが全額負担する人件費の4分の1を大学本部が支出する。  女性を多く採用すれば、各学部などは余裕のできた予算でさらに教員を増やしたり、昇任させたりできる。北大は20年までに女性の比率を20%にするという目標を掲げており、このシステムで約40人が採用された。  ただ、ほぼ3年が過ぎて課題も見えてきた。教員数が約270人と、全教員の1割以上を占める工学部のような巨大な組織では、予算全体への波及効果が薄い。女性研究者支援室長の有賀早苗教授は、「教員数の多い理・工・農については、来年度から補助を2分の1に引き上げたい」と話す。  名古屋大も新年度から女性教員が最も増えている部局を一つ選び、1人分の人件費を本部が3年間支出する予定。女性がどんどん増えるようにと、「雪だるまプロジェクト」と名付けた。  同大では05年、教員の公募に際して「業績評価で同等と認められた場合には、女性を積極的に採用する」と公に宣言。女性の応募者が増えた。男女共同参画室長の束村博子准教授は宣言による一定の効果を認めつつも、「自然増だけでは女性は増えていかない。女性を採用する強い動機付けが必要」と指摘する。  女性教員の比率は、国立大学協会が00年6月に「10年までに20%」という数値目標を設定した。しかし、文科省が育児との両立支援などを始めた06年度以降も、微増にとどまっている。  科学技術振興機構の北沢宏一理事長は「環境整備だけでは不十分。逆差別というような反対を抑え、女性を優先採用するなどのルール作りが必要だ」と話している。(滝田恭子) "[he-forum 14032] 中国新聞2/25 中国新聞2009年2月25日付 3病院へ常勤派遣中止 広島大が来月末 ▽小児科医10人辞職  広島大病院(広島市南区)が、三月末までに呉共済病院(呉市)など広島県内の三病院で小児科の常勤医師の派遣を中止することが二十四日、分かった。県内の公立と民間の計三十病院に小児科医師を常勤で派遣してきたが、小児科医十人が大学の医局を辞職するのが要因という。  呉共済病院以外の二病院とは、現在交渉している。非常勤医師の派遣も検討しているが、夜間診療への影響が出そうだ。  広島大病院の小児科医局には約百二十人が所属し、うち約百人が県内の病院に常勤で派遣されている。三月末で職を離れる十人以外にも昨秋から二人が辞め、四月以降も一人が辞職する意向を示す。理由は開業などさまざまだが、多くが「体力的に厳しい」と疲労を訴えているという。  これに対し、四月から医局に入る研修医は七人にとどまる。このため呉共済病院に派遣中で、三月末に辞職する医師一人の補充を断念。小児科の常勤四人制を維持できなくなる。その影響で共済病院は、呉市内の公的三病院で実施する夜間救急輪番制の見直しを関係機関に要請した。  医師不足の背景には二〇〇四年導入の臨床研修制度がある。新人医師が自由に研修先を選べるようになり、都市部の大規模病院に人気が集中。過疎地域に派遣される大学病院は敬遠されている。広島大病院には、全診療科を合わせて、免許取得五年目までの医師が〇三年度は約九百人いたが、本年度は約七百人に減少した。  小児科医局をまとめる小林正夫教授は「医師派遣を大学病院だけで担うのは限界。例年は年度末の辞職は六、七人だが、今春はやや多く見直しは避けられなかった」とする。  一方、小児科と同じく過酷な勤務が問題化している産婦人科は、広島大病院では三月末に六人が辞職し、四人の研修医が入る見込み。二人減の約九十人となるが、県内の三病院で昨年、七人の常勤医師を引き上げており、現在の計十九病院への派遣を継続する。(藤村潤平) "[he-forum 14033] 佐賀新聞2/25 佐賀新聞2009年2月25日付 佐賀大、内定取り消し学生の来年度授業料免除 国立初か  佐賀大は24日、内定取り消しで卒業せずに大学に残ることを選択した学生の授業料を全額免除すると発表した。文部科学省によると「把握している範囲では、国立大学法人としては初めて」という。  4年生の男女各1人が該当する見込み。女子学生は不動産業界から内定を取り消されて留年。男子学生はコンピューター関係の企業から、内定後に低賃金など劣悪な労働条件を示されて暗に内定辞退を促されたため、研究生として大学に残るという。 "[he-forum 14034] 全大教・技術職員部会ですFw: 東大データ削除のお願い 皆さん ご苦労様です。 2月26日に配信した「全大教技術職員交流集会」の 昇格データにおいて東京大学のデータの削除をお願いします。 全大教技術職員部会 関東甲信越ブロック担当者として 確認せず配信してしまい、皆さんにご迷惑をかけ 申し訳ございません。 今後とも、よろしくお願いします。 高エネルギー加速器研究機構  荒岡 ----- Original Message ----- From: To: ""araoka"" Sent: Friday, February 27, 2009 12:35 PM Subject: 東大データ削除のお願い > 高エネルギー加速器研究機構 荒岡様 > > 東京大学職員組合です。 > > 東京大学の昇格データは、大学当局との紳士協定で > 「非公開」を条件に入手したものです。 > 全大教にも、その旨は事前にお伝えし > 会議資料として紙配布のみとの約束で提供したデータです。 > > このデータが学外に出ることになると、 > 今後の昇格協議に大きな影響が出てしまい、 > 場合によっては今後一切協議に応じないことも予想されます。 > > 至急、東大のデータを電子ファイルから削除をお願いします。 > また既にメールなどで流してしまった場合には、 > その方全員に削除をするようお伝え下さい。 > > 約束をしたにもかかわらず、このような対応をされるのでは > 今後、東大から昇格データの提供をすることはできません。 > > 全大教の森戸書記次長へも電話で伝えましたが > よろしくお願いいたします。 > > >> 東大職組御中 >> >> ご苦労様です。 >> >> >> 全大教の技術職員部会で 関東甲信越ブロック担当をしています >> 高エネルギー加速器研究機構の荒岡です。 >> >> >> 2月14日に東京(全水道会館)で開催されました「全大教技術職員交流集会」の >> 報告をします。 >> >> この文章は技術職員部長の佐藤和昭さん(山形大学)がまとめたもので、 >> 全大教新聞に掲載予定のものです。 >> >> また、技術職員交流集会で配布された昇格調査のアンケート結果を添付しました。 >> >> >> ***************************************************************** >> >> 技術職員交流会議報告(2009.2.14 全水道会館) >>                  部長 佐藤和昭 >> >>  34単組55名が参加して2月14日に開催された技術職員交流会議について簡単に報告しま > す。各単組にアンケートをお願いした昇格実態調査表に基づ >> き、前半は大学・高専併せて処遇問題に関する情報・意見交換を行いました。法人化前 > と比較した昇格実態について「良くなった」と答えた単組では、技術部 >> の役割や組織を教員に認めさせることで全体的な底上げが図られ、さらにマネジメント > ポストでの昇格改善が進んでいます。一方「悪くなった」と答えた単組 >> からは、「技術専門職員の発令が遅くなった」、「50才で4級に昇格しないと、現給保障 > が切れたときに給与が下がる」といった声が聞かれました。 >>  後半は大学と高専に分かれ、大学は2009年度のとりくみについて議論し、処遇改善と > 継続雇用に関してきめ細かな調査を行い、交流を深め合うことにな >> りました。高専協議会(9単組12名)では、主な議題として「技術職員の組織化」を取り > 上げ、2008年8月の高専機構本部からの通知以降の各単組での >> 取り組み、ならびに現在の組織に関する情報の交換を行いました。各単組からの報告で > は、「協議会で確認した組織の長を技術職員とすべく活発な活動に取り >> 組んでいる」、「組織整備,施行が既に行われるも組織長が教員となった」、「当局が > 全国の様子を見ており、現在までに具体的動きがない」などの報告が行 >> われました。3月の教研集会(米子)にて組織化に関する話し合いを継続することを確認 > しました。 >> >> >> ♪-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-♪ >> 全大教技術職員部会 関東甲信越ブロック担当 >> >> 荒岡 修 >> >> araoka@post.kek.jp >> >> 高エネルギー加速器研究機構 >> >> TEL 029(864)5348 FAX 029(864)2580 >> ♪-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-♪ >> > > ========================================== > 東京大学職員組合 > 〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 > Tel:03-5841-7971 Fax:03-3813-1565 > E-Mail > HP URL > ========================================== > > 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新しい教養教育と、11学部の専門教育で06年から始めた独自の「到達目標型教育」を推進。政府の中央教育審議会が審議している「大学教育の質の保証」にも応える。  研究組織では、大学院研究科や原爆放射線医科学研究所、各研究センターの再編を想定。1949年の開学以来、各学部の上に設け拡充してきた12の研究科を大きく4領域にくくり、学士・大学院教育の充実や、新分野や異文化融合型の研究に対応する。教員を既存の教育組織から分離し、柔軟に構成する案を示している。 "[he-forum 14036] 読売新聞2/27 読売新聞2009年2月27日付 国公立大の教育・研究費、主要大と地方では3・7倍の格差  東京大学など主要な国立大の教員1人当たりの教育・研究費がこの5年間で1・5倍に増える一方、地方の国公立大では0・8倍に減り、両者で3・7倍もの格差が生じていることが26日、日本化学会が発表したアンケート調査でわかった。  国からの交付金が一律に削られるなかで、国や企業に提案して得る競争的資金が主要な大学に集中しているのが原因。調査結果をまとめたサントリー生物有機科学研究所の楠本正一所長は、「地方大学で十分な教育や研究が困難になり、科学技術力が低下する」と懸念している。  調査は、全国の化学系学部・研究科を対象に実施し、242の学部・研究科のうち95が回答した。  国立大の法人化前の2003年度、東京大などの旧帝大と東京工業大の教員1人当たりの教育・研究費は1240万円で、その他の国公立大は640万円だった。法人化で競争的資金が増えた結果、08年度は主要な国立大が1910万円に増える一方で地方の国公立大は510万円に減少し、両者の差は、03年度の1・9倍から3・7倍へと拡大した。 "[he-forum 14037] 山梨日日新聞2/27 山梨日日新聞2009年2月27日付 都留文大 法人化月内に認可 4月から運営開始 予算など裁量拡大  都留文科大の法人化を目指している都留市は、今月中に県から法人設立の認可を受ける見通し。同大は2009年度から、公立大学法人としてスタート。同市が策定した大学の中期目標に沿い、4月から具体的な計画を作成し、自主的な大学運営を進める。  市政策形成課によると、法人化に伴い、大学の予算編成と執行、人事などで市側の規制を緩和し、大学の自主性を尊重する。運営は、これまでの教授会から理事会が中心となる。予算執行も大学の裁量を拡大する。一方で、大学側には経営努力が求められる。学部・学科や学生数、授業料などは現状を維持する予定。独自の奨学金制度の創設も検討する。  同大は(1)運営に関する重要事項を審議する「理事会」(2)経営面を審議する「経営審議会」(3)大学の教育研究を審議する「教育研究審議会」-を新たに設置する。理事会は市民ら七人で構成し、運営に市民の声を反映する。理事長は同市出身で元東京ガス代表取締役専務の西室陽一氏に、他のメンバーも内定している。経営審議会は現在、人選を進めている。教育研究審議会は学長らで構成する。  法人化後の指針となる中期目標(09-15年度)は(1)教育界を中心にさまざまな分野で活躍できる人材育成(2)「教育首都つる」を核としての地域貢献(3)柔軟で機動力のある大学運営の推進-などを目標に掲げている。大学は目標に基づく中期計画の策定を進めている。目標の達成状況は、市から受ける運営費交付金の算定に反映される。  市はこれまで、法人化に向けて関連条例の廃止や整備を実施。同課は「今後もスムーズに法人化へ移行する体制を整えたい」としている。 "[he-forum 14038] 神戸新聞2/28 神戸新聞2009年2月28日付 「医工連携」で産業振興 人材育成に乗り出す大学   医療分野と工業分野の橋渡し役となる人材の育成に、武庫川女子大学(西宮市)など、関西の大学や団体が相次いで乗り出した。医療産業都市構想が進む神戸市では、神戸大学や市が医療機器の開発などを目指す社会人対象の専門コースを開設し、中小企業の事業拡大を支援する。医療分野に工業技術を生かす「医工連携」による高度な人材を輩出することで、医療・バイオ産業を活性化し関西経済を浮揚させる狙いもある。(段 貴則)  武庫川女子大は、関西大学や大阪電気通信大学など四大学と共同で、新しい学際領域「臨床医工学・情報学」の高度な人材を養成する。今春、学部生を対象に共通講座を開講。医療現場や生命科学の研究には、工学や情報学も密接に絡むため、各分野に精通した人材を育てる。将来は、大学院生や社会人も対象に教育を行う。  今回の取り組みには、大阪大学など関西の九つの大学や研究・医療機関とともに昨年結成した「臨床医工情報学コンソーシアム関西」が、研修などに協力する。  関西ではこれまでも、関西学院大学(西宮市)と兵庫医科大学(同)のように、医学部がない関西有力私大「関関同立」が医科大学と個別に提携。医療・バイオ関連産業の集積をにらみ、人材育成を進めてきた。  武庫川女子大の福尾恵介教授は「医療・福祉に携わるのに必要な倫理観や職業観を身につける教育も特色。人材を育てることで関西経済や医療現場の発展に寄与できる」と話す。 ◇  医療産業都市構想が進む神戸市では、中小企業の社員らを対象にした人材育成が活発だ。  神戸大学大学院は二〇〇七年度、医療機器の開発を目指す社会人を対象に工学研究科博士課程前期課程に「医工連携コース」を開講。第一期生八人が今月、二年間のコースを終え、論文発表会を開いた。  神戸市産業振興財団は〇八年度、大学院に従業員を派遣する余裕がない中小企業にも配慮した「医工連携人材育成セミナー」を始めた。今月二十五日には第二期のセミナーを開講。先端医療振興財団(神戸市中央区)やシスメックス、神戸製鋼所などから講師を招き、オリジナルテキストで講義を進める。  同財団の永井千秋理事は「機械モノに強い中小企業が多い神戸の産業構造を生かした人材育成が必要」と指摘。「まず最低限必要な知識を学び、医師と共通の話ができるようになれば、医療機器の開発に地元企業が本来持っている技術力を生かせる」と話している。 "[he-forum 14039] 読売新聞2/11-2/28 読売新聞2009年2月11日~28日 法科大学院 (1)理想の教育 合格率の現実(2月11日)  模擬法廷授業では、おもちゃの包丁を使って犯行を再現もした(大宮法科大学院で)=立石紀和撮影 「異議あり! 誘導です」と弁護人席から声が飛ぶ。「記憶を喚起するためです」と検察官席。両者にらみ合いの後、裁判官役が「尋問の方法を変えて下さい」と促した。  大宮法科大学院(さいたま市)の法廷教室で昨年12月に行われた模擬法廷授業。弁護士の黒田純吉教授(59)が担当する「刑事訴訟実務」の講義だ。2年生10人が参加し、殺人未遂事件の裁判を3者に分かれて熱演した。ホワイトボードに図を描いて位置関係を説明し、おもちゃの包丁で犯行を再現するなど、裁判員制度も意識した。「3日間練習したけど思ったようには進まなかった。もう1回やってみたい」と検察官役の小泉真知子さん(28)。  1週間前には、婦女暴行事件の公判記録と刑事訴訟法の条文を基に、弁護人がどんな場面で異議申し立てを行っているのか、裁判官がどんな状況で申し立てを認めるのかを学んだ。  裁判で問われるのは、法律という道具を使って問題を解決する力。授業でも、尋問の「技術」ではなく、実際の裁判で問われる「思考力」を磨こうとしているのだという。 ◎  大宮法科大学院は2004年、埼玉県で小学校から大学まで運営する学校法人佐藤栄(さとえ)学園が、第2東京弁護士会(東京都)と提携して開学した。  合言葉は「弁護士が弁護士を育てる」。法科大学院は、専任教員の3割程度以上を実務経験のある教員とする規定があるが、大宮では、30人のうち18人が現役の弁護士。このうち16人は第2東京弁護士会所属だ。  法科大学院には、既修者コースと未修者コースがあるが、大宮には、法律の基本知識があって2年で終える既修者コースはなく、基本から3年間学ぶ未修者コースだけだ。社会人向けに夜間コースにも力を入れる。  法科大学院では、弁護士の指導を受けながら、実際の事件を請け負って訴訟実務を学ぶ科目「リーガル・クリニック」もある。大宮では特に、年間を通して、希望者全員が受講できる。さいたま市で開業していた萩原猛弁護士(53)(教授)が学内に法律事務所を開いて常駐しているからだ。他の教授陣もかかわって実際の訴訟手続きを行っており、刑事事件だけでも、年間約30件のうち3分の1に学生がかかわる。  こうした特徴から、大宮は「法科大学院の精神を最も忠実に表した大学院だ」と説明する。 ◎  だが司法試験合格率という現実がある。1期生97人のうち3年での修了生は64人で、07年には43人が受験し、合格者は6人にとどまった。08年の合格者は16人と伸びたが、合格率では74校ある法科大学院の中で42位だった。  設立構想時に、第2東京弁護士会長として深くかかわった久保利英明教授(64)は、「大宮の司法試験合格者は学校の成績上位者。授業でしっかりと学ぶことが司法試験対策になっている」と断言する。「未修者コースの修了者は、今年1月に法曹として働き始めたばかり。人間的にも優れた法曹を育てている自信がある。長い目で判断してほしい」  法科大学院協会、文部科学省と法曹三者は、法科大学院の成績と新司法試験の合格率の相関性も調べている。  腰を据えて理想の行く末を見届けるか、不合格者が積み重なる現実を危機ととらえるか。関係者の意見は分かれる。法科大学院制度が岐路に立たされていることは間違いない。(向井ゆう子)  既修者コースと未修者コース 憲法、刑事法、民事法など、法学の基礎を修得済みと法科大学院が認定した場合、既修者コースとなる。未修者とコースを分けている大学院が多い。既修者は、法学部出身や旧司法試験対策を行ってきた学生が主で、現状では新試験突破にも有利とされる。 9割が「定員削減含め検討」  法科大学院は、裁判員制度とともに、政府が推進する司法制度改革の柱の一つ。米国のロースクールをモデルに2004年に誕生した。10年までに新司法試験合格者を3000人に増やすという02年の閣議決定と連動している。  合格率2~3%の超難関で知られる旧司法試験が知識を問う暗記型だったことの反省から試験内容も見直し、法科大学院には、広く法曹への門戸を開き、法学部以外の出身者や社会人を入学者の3割以上とすることを求めた。  現在の総定員は74校で5795人にまで膨らんだ。その結果、当初7~8割とされていた修了者の新司法試験合格率は3~4割と低迷を続けている。このため、文部科学省の中央教育審議会は昨年9月、各校の定員削減に言及する報告を、日本弁護士連合会も今年1月、定員削減や統廃合を求める提言をまとめた。文科省が昨年12月までに実施した各校へのヒアリングでは、9割の法科大学院が「定員削減を含めて検討中」と答えた。国立は1~2割減の方向で検討しているとされる。 ----------------------------------- 法科大学院 (2)数も質も 伝統校の模索(2月12日)  多数の法曹を輩出してきた伝統校も厳しい競争にさらされている。  法科大学院の定員数には、各校のプライドがにじむ。東京大、早稲田大、中央大。1学年の定員が最大の300人を数える3校は「ビッグ・ロースクール」と呼ばれる。  1月の夜。静まりかえった中大の市ヶ谷キャンパス(東京都新宿区)にある法科大学院の教室で、1年生9人が本田宗哉さん(36)の話に聞き入っていた。2005年度の修了生で、1年前に弁護士登録したばかり。実務講師として後進の指導にあたる。  中大は、日本の法曹の5分の1、弁護士の4分の1を生み出してきた。そんな伝統校の売り物は、本田さんのような先輩12人が、課外で1年生の学修を支援する「フォローアップ演習」だ。  中大は、法律の基本知識がある既修者コース200人、未修者コース100人を募集している。演習の対象である未修者の1年生の8割が受講。2週間に1回、2時間ずつ、1年生で学ぶ「民法」「刑法」など基本科目について、授業の進度に合わせ、疑問に答えたり、復習したりする。  実際に新司法試験を突破した先輩の話を聞けるチャンスでもある。本田さんも演習後、学生と近くの中華料理店で懇談するのが恒例だ。学生の悩みや不安も受け止める。  「勉強の仕方で相談にも乗ってもらえるし、法曹として活躍する話が聞けて励みになる」と受講者の白木規章さん(31)。本田さんも「母校に恩返しがしたかった。学生の姿を見て、仕事でくじけそうな時に、初心を思い出し勇気づけられる事もある」と言う。 ◎  早大法科大学院の入試は特徴的だ。書類選考の後、「携帯電話の学校持ち込み」「離婚調停」といった大学側が与える場面について、受験生一人一人と教授2人が議論する。法律知識は一切問わず、コミュニケーション能力と論理的思考力を見る。  既修、未修ごとに定員を定めて募集していない。合格してから学内の認定試験で既修と判定されれば2年で卒業できるが、現実にはほとんどの学生が未修者だった。  その早大が昨年12月、2011年度から既修者コースを設けると発表し、他大学を驚かせた。既修者を定員全体の半分程度にする。  未修者コース修了生が初めて受験した07年の新司法試験。早大の合格者は115人で、東大の178人、中大153人に水をあけられた。合格者のうち既修者(浪人生を除く)は8人で、東大では115人、中大では89人が既修者だったのと対照的だった。  早大の教務主任、古谷修一教授(50)は「一般に流布するのは合格者の数。早稲田は通りにくいと受験生に敬遠されてしまう」と心配する。  だが、大学が既修者に力を注ぎすぎれば、多様な人材が法曹を目指すという制度の理念が揺らぐ。早大の入試合格者に占める社会人の割合は、04年度35・6%だったが、09年度には14・7%に減った。  合格者数だけに目を向けると「質」を見失いかねない。(向井ゆう子、写真も)  定員と志願倍率 法科大学院制度が発足した2004年度は68校で総定員は5590。入学者数は定員を177人上回った。しかし、74校になった翌年度以降は定員割れが続き、08年度の総定員5795に対し、入学者は398人少ない。最小規模は定員30で10校ある。04年度に7万2800人だった志願者数は、08年度は3万9555人まで落ち込んだ。 ----------------------------------- 法科大学院 (3)学費支援 揺れる現場(2月13日)  法科大学院は学生をどう支援しているのか。  定期試験が終わったばかりの今月4日、山梨学院大学法科大学院(甲府市)の自習室は学生で埋まっていた。1学年の定員が40、現学生数96人の同大学院では、24時間使える図書室に学生の人数分の自習机が確保されている。  自習机のうち40は個室で、最上級生が優先的に使える。ノートパソコンは全員に無償貸与されている。しかも、徒歩3分の場所に家具付き、家賃2万円の寮があり、87人がこの恩恵に預かっている。  さらに、成績優秀者には、初年度だと150万円になる学費を全額ないし半額免除とする制度がある。現在、全額は31人、半額は29人が対象だ。この学生たちは寮費も免除されている。加えて、大学院修了後も寮や自習室を使える仕組みも用意している。  赤字は当然だが、「法曹養成で実績がないだけに、当初から、意欲や能力があるのに経済的に環境の厳しい学生を積極的に受け入れたいと考えた」(荒牧重人・法務研究科長)。  面倒見のよさは、おおむね好評だ。北海道出身で、公務員を辞めて旧司法試験に挑んできた近藤徹さん(40)は「この大学院に入ることが最後のチャンスだと思った」、福岡県出身の下吹越淑子(しもひごしよしこ)さん(35)は「身ひとつで来て、安全な環境で学べるのがありがたい」と語る。「他の奨学金と合わせて経済面の心配はありません。後は自分がどう勉学に打ち込むかです」と東京出身の印南(いんなみ)真吾さん(31)。  山梨学院では、1年目から「地域社会と法」といった授業を設けるなど、「地域にねざした法曹養成」を意識している。こうした姿勢と学生支援体制とが相まって、全国から集まった学生たちから、「山梨が好きになった」「もし、弁護士として開業するなら、候補地の一つ」という声もあがる。 ◎  2009年度から、法学の基本知識がある既修者コースの新入生全員に、入学金を含む学費(151万3000円)を全額免除する――。青山学院大学法科大学院(東京・渋谷)が事実上の学費無償化となる給付奨学金制度の導入を発表したのは昨年6月だった。  1学年の定員は既修者20、未修者40。大学院には「優秀な既修者に未修者を刺激してほしい」(山崎敏彦・法務研究科長)という思いがあった。しかし、ふたを開けてみると、既修者コースへの志願者そのものが激減した。07年度168人、08年度104人に対し、09年度は17人。  元々、既修者としての成績を厳格に見る選考をしてきた。合格者は07年度4人、08年度3人。09年度の合格者2人には、山崎研究科長自身も「未修者の手本になってほしい」と期待を伝えたが、入学手続きはされないままだ。  高額な学費の大学院に、社会人などの幅広い層の学生を集めるには、充実した支援策は欠かせない。一方で、学費のディスカウントには「学生集めのためだ」という批判も出る。さじ加減は極めて難しい。(中西茂、向井ゆう子)  学費と奨学金 法科大学院の初年度納付金は国立が一律108万6000円、私立は150~160万円台が多いが、200万円を超える大学もある。2007年度で日本学生支援機構の貸与奨学金を在学生の約6割、約8200人が利用する。大半の大学が独自に学費減免制度や貸与奨学金を設けており、地元弁護士らが奨学金を設けた例もある。 ----------------------------------- 法科大学院 (4)地方で深刻 統廃合の影(2月14日)  地方の小規模大学に法科大学院の統廃合の影が忍び寄る。  通称「四国ロースクール」は香川大学(高松市)のキャンパスの一角にある。愛媛大学(松山市)と一緒に設けた全国唯一の連合法科大学院だ。豊島(てしま)の産業廃棄物不法投棄問題など、環境問題に縁の深い土地柄だけに、環境法に力を入れるなど、地域に根ざした法曹養成を掲げている。  普段の授業が行われるのは香川大だ。松山から電車で移動するだけで約2時間半かかるため、憲法や行政法などを担当する愛媛大の教員5人は、授業のある日には高松に泊まる。愛媛大では夏休み、弁護士とともに法律相談の科目「リーガルクリニック」の集中講座を開く。  香川大は四国の国立大で唯一の法学部を持つが、法律、政治、文学などを学ぶ愛媛大の法文学部は四国で最も歴史が古い。最初は双方が独自の道を模索したが、単独では教員確保も難しかった。  だが、新司法試験合格者は2007年、08年ともに3人(受験者数は07年9人、08年21人)にとどまった。四国は弁護士過疎地域を抱え、弁護士数は4県で最多の愛媛でも116人、最少の徳島では60人にすぎない(08年3月現在)。  法科大学院制度の狙いの一つに弁護士過疎の解消もあった。中山充・連合大学院研究科長は「地域に良い法曹を供給するため、2けたの合格が欠かせない」と力を込める。 ◎  昨年12月、連合大学院では、互いの授業を参観し合う期間を設け、問題点を指摘し合った。中旬には教授らが、合格者を多数輩出している首都圏の伝統校のカリキュラムを検討した。検討には1校3時間を超える例もあった。  昨年9月には、5割を超える合格率を出している神戸大学を訪れ、教員の話を聞いた。  さらに、連合大学院では、岡山、島根両大とともに、08年度からカリキュラムや成績評価システムの共同化での連携を進め、3大学院相互で授業参観もしてきた。  カリキュラムや成績評価の「共同化」は、共同大学院の設置につながるとの見方もある。連合大学院が出す学位は最終的には、いずれかの大学のものになるが、昨年11月に制度が改正され、共同大学院として、複数の大学や大学院が連名で学位を授与できるようになった。  共同大学院構想には、地理的に中間地点で、法曹養成でも実績のある岡山大が積極的だが、他大学は慎重だ。事実上の統廃合につながりかねないからだ。1月中旬、3大学の学長が岡山大に集まったが、共同大学院の設置問題には触れずじまいだった。  愛媛大の小松正幸学長は「共同大学院になれば、四国に法科大学院は事実上なくなる。学生への負担が大きすぎる」と強く反対する。  地方国立大の法科大学院には、弁護士会が支援基金を設けるなど、地元の威信もかかる。定員削減を求める声が高まる中、弁護士偏在解消や教育の機会均等の確保の観点も忘れるわけにはいかない。(向井ゆう子)  法科大学院の全国分布 法科大学院74校(国立23、公立2、私立49)のうち、東京都内(24校、定員2610)と近畿(15校、同1420)で定員のほぼ7割を占める。その他の学校数と定員は、北海道2校(130)、東北2校(150)、東京以外の関東8校(430)、中部11校(495)、中国4校(200)、四国1校(30)、九州・沖縄7校(330)。 ----------------------------------- 法科大学院 (5)認証評価制度に異論も(2月18日)  法科大学院に認証評価機関の厳しい目が注がれる。  「自分たちでは十分やっていると思っても、外部から見れば足らないと思う部分もある。指摘されやすい点は事前に手を打とうと思った」  2009年度に認証評価を受けるため、1年以上前から準備を進めてきた龍谷大学法科大学院(京都市)の浜井浩一教授(48)が語る。  評価機関に、自己点検した評価書を提出、評価機関による訪問調査で、教員や学生への聞き取り、学内の試験の答案内容までチェックされる。これまでに、教育内容が水準を満たさない「不適合」とされた法科大学院は、評価を受けた31校中8校に上る。  龍谷大法科大学院は、文部科学省から司法試験予備校との業務提携を問題視され、開校が1年遅れた。新司法試験の合格率も芳しくはなく、「不適合」まで受けるわけにはいかない。昨年12月からは、自己点検を機に教員同士による授業評価を始めた。授業の進め方や構成、教員の話し方や言葉遣いなど、独自の評価シートを作った。学生への授業アンケートも、ホームページで公表する準備を進めている。 ◎  一橋大学法科大学院(東京都国立市)は08年3月、「不適合」とされた。3科目の授業のクラス規模が大きすぎると判断されたためだ。  指摘された科目の一つは、学生の人気ナンバーワン授業だった。法曹関係者は、訴状や判決文など、限られた時間内で文章を書く能力が求められる。その授業は、課題を出してその場で文章を書かせ、複数の教員が講評する形で、教員や生徒が多い方が多様な意見が出て教育効果が高まるとの判断から、2クラス合同で100人の授業にした。指摘後は改めたが、学生からは前の形での存続を求める要望書が出たほどだった。  「受験対策でなく、将来を見据えた高度な訓練のため、工夫して編み出した。形式論であてはめるのではなく、学校の創意工夫を認めてもいいのでは」と法科大学院長の村岡啓一教授(58)。  昨秋の中央教育審議会の中間報告は、認証評価制度について「形式的な評価にとどまっているとの問題点が一部で指摘されている」と述べ、教育の質に重点を置いた評価への改善を促した。一つでも問題があれば不適合を出す機関と、総合評価で判断する機関とのばらつきもあるようだ。  文部科学省は「受験対策に偏っていないかという点の評価はできた」(専門教育課の神田和明課長補佐)という立場。ただ「授業の内容に踏み込んだ評価はまだ難しい」とも。評価自体の質向上も求められている。(名倉透浩)  認証評価 学校教育法改正で2004年度から、文部科学省の認証を受けた評価機関の評価を受ける義務が全大学に課された。法科大学院は5年に1度、日弁連法務研究財団、大学基準協会、大学評価・学位授与機構のいずれかの評価を受ける。「不適合」が出ると文科省が調査して指導する。一般の大学は7年に1度の評価。 ----------------------------------- 法科大学院 (6)法学部の役割 再考の時(2月19日)  法科大学院の登場で、法学部も変化を迫られる。  机の上には英語の法規集。ホワイトボードには「原告」「被告」を表す英単語が記されていた。1月中旬、神戸市の神戸大学六甲台キャンパスの一室で、法学部の斎藤彰教授のゼミで学ぶ男子学生4人が英語の準備書面作りに取り組んでいた。3月に香港で開かれる模擬国際商事仲裁の大会に出場するためだ。  学生たちは、企業間の架空の紛争場面を盛り込んだ設問を基に、数か月かけて原告、被告双方の準備書面を書き上げる。大会では、法解釈の正確性や論旨の整合性とともに、説得力のある英語での弁論そのものも審査される。  今年の出場校は17か国、65校。米国のハーバードなど名門法科大学院も名を連ねる。英語を母語としない学部生には難関だが、斎藤教授は「学生が困難に挑戦する機会を与えるのが狙い」と説明する。  日本の大学教育、特に法学部は、伝統的に教員が一方的に知識を伝授する講義が中心とされてきた。歴史ある法学部が看板の大学も多く、就職でもつぶしが利くため、法曹を目指す学生以外は、なぜ法学を学ぶのかという目的意識が薄いと言われてきた。  斎藤教授は従来の法学部と法学教育の在り方を見直し、法律という道具と運用能力を生かして学生が成長する材料を与えようと、3年前からゼミで大会参加を始めた。学生の自主性に重きを置き、じっくりと課題に取り組む点から最良の教材ととらえている。 ◎  神戸大は新年度から「21世紀型市民としての法学士育成計画」と名付けた法学部改革に着手する。裁判員制度の導入などで、個人の法的な判断力がより問われる時代。問題を自ら提起し、調査・分析、解決策を示す能力を学生に身につけさせたいと考えた。斎藤ゼミの取り組みを計画の先駆例と位置付け、英語での弁論練習を公開する。  また、1年からのゼミも含め、実地調査を増やし、学生が問題提起、調査、発表する形に重点を置く。「法律知識だけでなく、問題解決能力を身につけた人材を社会に送り出したい。そんな法学士が社会で果たす役割は大きい」と計画を主導する品田裕教授。  一方で、かつて全員参加だった法学部のゼミ参加率が、最近、4年生で7~8割に減った現実もある。法科大学院の予備校に通うことを不参加の理由に挙げる学生もいる。  法科大学院制度を作る際、法学部の在り方は、中央教育審議会でも議論になった。学部時代に法学の基本を身につける既修者と未修者で、入学時から差が出ることに懸念の声があった。だが、法科大学院を設けない大学への配慮や、大学経営への影響の大きさから、見直しの必要性を指摘するのにとどまった。  文部科学省の調査では、全国の大学で「法」の名前が付く学部の在学生は約18万人(2008年5月現在)、同年の法科大学院入学者のうち法学系学部出身者は約4000人。法曹を目指すのは一部に過ぎない。法学部の役割を改めて問い直す時期が来ている。(向井ゆう子)  国際商事仲裁 異なる国籍の企業間などにおける紛争解決手段のひとつ。1審制で、裁判のように法廷が開かれ、仲裁人が裁定を下す。申立数が増加しており、代理人を務める弁護士の需要が高まっている。 ----------------------------------- 法科大学院 (7)授業と試験対策にズレ(2月20日)  法科大学院の授業と、その先の現実に、学生は落差を感じている。  大学院での勉強は充実していた。少人数で緊張感のある授業。講義は興味深く、授業を1度も休んだことはなかった。東京都内の私立法科大学院の3年生で、5月に初の司法試験に挑戦する男性(43)が、この3年間を振り返る。  一橋大学で社会学を学び、卒業後、銀行に入った。金融商品の開発を手がけると、いつも「法」の問題が最後に浮上。顧問弁護士の仕事ぶりも目の当たりにした。一方で、銀行の仕事に行き詰まりを感じていた2004年、法科大学院が開校、弁護士を目指したいという自分の背中を、妻は黙って押してくれた。  学費は奨学金に頼っている。弁護士になっても、ならなくても、返済は20年間続く。大学院修了後、5年で3回という新司法試験の受験制限も重くのしかかる。「もし3回落ちたら、大学院に行った3年間はすべて無駄。なぜ3回なのか」と心は揺れる。 ◎  都内で弁護士になったばかりの今井靖博さん(28)も「模擬裁判やエクスターンシップ(法律事務所などでの修習授業)など、大学院の教育自体は充実していた」と振り返る。  慶応大学法学部出身。旧司法試験にも挑戦、2004年に明治大学法科大学院の法学既修者コースに入学した。  修了後に受けた第1回の新司法試験は不合格。1日10時間の自主的な勉強と浪人仲間との勉強会を重ね、2回目に合格した。  初回の失敗について、今井さんは「旧司法試験の思考から抜け出せなかった」と分析する。新司法試験の論文式試験では、論証パターンを暗記する旧試験の勉強は役に立たない。提示された具体的な事案から事実を拾い、必要な法律の条文を当てはめて解決策を示す必要があり、全く違う「法的思考力」が要求される。  法科大学院も、実際の事件を弁護士とともに扱う「リーガルクリニック」など実務を経験する授業で、思考力を鍛えることを目指している。  しかし、「新司法試験の合格率が予想より低くなると聞いてからは、実務の勉強に割く時間はなかった。実務を学ぶのは楽しいが、あくまで弁護士になった後の話。試験対策としては役に立たない部分が多かった」。  制度の影の部分から目をそらしてはならない。(向井ゆう子) ◇ 学生ら制度批判  連載には法科大学院の学生らからも投書が届いている。  社会人経験のある現役学生は「法学未修者が3年間で合格できるほど新司法試験は生易しいものではない。制度設計の不備を抜きにして、学生の質が悪いと言うのは公正さを欠く。『試験対策をしないように』という文部科学省の指導にどんな意味があるのか」と痛烈に批判する。  東京都内の法科大学院を修了し、司法試験浪人中の秋田県の男性(25)は「崇高な理念で始まった制度だが、結果的に多くの学生を不幸にしている。最大の問題点は5年で3回の受験制限」と指摘した。  新旧の司法試験 新試験が始まった2006年以降、両試験が並行して実施されているが、旧試験は10年度で打ち切りになる。代わりに法科大学院修了と同等の資格を与える予備試験を11年度から。新試験に大学院修了後5年以内に3回までという受験制限を設けたのは、人材の流動性確保のため。 ----------------------------------- 法科大学院 (8)答案練習 予備校頼み(2月21日)  「現実」を行く司法試験予備校には、学生の根強い支持がある。  「ピーク時には1日数十人が相談に訪れる。専任スタッフでは対処しきれないこともあり、相談の足は絶えない」  「伊藤塾」(東京・渋谷)の塚本雅基さん(46)が語る。同塾が昨年設けた法科大学院情報センター室の主任コンサルタントだ。  センターのスタッフは3人。法科大学院進学希望者の相談に無料で応じ、入試制度や試験内容の傾向、面接の心構えや審査のポイントなどを説明している。クラシック音楽が流れるセンター室を今月に訪れた学習院大学2年の女子学生(20)は、1時間の相談の後、「法科大学院に合格した塾OBの体験を踏まえた情報が聞け、とてもためになった」と笑顔を見せた。  司法試験予備校は、試験の新たな関門となる法科大学院が2004年に開校したことを受け、こうした相談窓口や無料セミナーを次々と始めた。ここに進学希望者が集まる背景には、法科大学院の情報公開が必ずしも十分ではない点がある。法科大学院のホームページでは、古い情報がそのままだったり、目立たない形で情報が変えられていたりする例も見られる。  「辰已法律研究所」(東京・新宿)の後藤守男所長(57)も「入試の判定基準について、適性試験・面接・小論文などの点数配分が公表されていないところが有力校に多い」という見方だ。 ◎  予備校は、法科大学院生にも一定の支持を受けている。 伊藤塾では、インターネット上でいつでも講義を受講できる環境を、法科大学院開校前に整備した。塾生の約2割が現役大学院生。その多くは、ネット授業を受ける在宅受講者だ。辰已法律研究所では、模擬試験の答案練習会参加者の3~4割が現役大学院生だという。  法科大学院は、受験技術優先の傾向が著しくなり、「法曹となるべき者の資質の確保に重大な影響を及ぼした」という反省からできた。司法試験対策をするのではなく、専門教育に特化する教育機関とした。新司法試験は、法科大学院修了を受験資格としている。  予備校との「ダブルスクール」の割合は不明だが、伊藤塾の伊藤真塾長(50)は「法科大学院生の多くが、何らかの形で予備校でも学んでいるのが現状だろう」と見る。「法科大学院では試験対策はしてくれない。予備校では実際の司法試験問題の答案を学習することで、自分の弱点が見つかるから、非常に役立つ」と東京大学法科大学院の男子学生(3年)。  「受験技術偏重」の反省からいわば「予備校否定」とも言われる中でスタートした法科大学院だが、「現実」を目指す学生たちには、お金はかかっても、試験対策のためには予備校を求めているのが実態のようだ。(安田幸一)  法科大学院の入学者選抜 大学入試センターや日弁連法務研究財団が実施する適性試験を受け、出願時に提出する。適性試験は長文読解力や論理把握力などが問われる。大学院の入試では、面接や小論文が課されるほか、学部の成績が考慮されるところも多い。英語能力試験TOEFLなどの成績を考慮する大学院もある。点数の配分は非公表が多い。 ----------------------------------- 法科大学院 (9)修了者増え 就職厳しく(2月25日)  法科大学院修了者の就職は厳しさを増している。  法律事務所や企業の法律専門職の求人広告を掲載するインターネットサイト「ジュリナビ」が昨年5月に誕生した。法科大学院65校が資金を出し、文部科学省も助成、明治大学法科大学院と株式会社「ジュリスティックス」が共同運営する。だが、求人数は常時30程度にすぎない。  我が国では弁護士1人の事務所が3分の2を占める。司法試験合格者は1990年ごろまで500人前後の時期が長く続き、就職活動も個人的な人脈頼りだった。しかし、2008年度の合格者は2200人を超えている。  ジュリナビ設立を主導した明大の鈴木修一教授(弁護士)は「修了生を企業法務などで幅広く活用していくべきだが、企業が必要性を感じていない」と指摘する。ジュリナビの調べでは、新司法試験に合格、08年12月に法曹資格を得た1731人中、民間企業就職者は58人。1477人が弁護士事務所に就職した。検事任官は73人、裁判官は75人だ。  経済情勢の悪化で、08年度司法試験合格者の就職活動も厳しいが、就職活動は大学院修了後になるため、大学院側も本格的支援はしていない。  司法試験に失敗した修了生の進路はもっと深刻だ。ジュリナビの求人で、民間企業での採用例は三井物産などごく限られている。就職支援サイト「リーガル・マップ」は、これまで400人の修了生と企業の間を取り持ったが、9割が試験に失敗して法曹の道をあきらめた人だ。  そうした中で、東京都は09年度から、司法試験と重ならない日程で、修了者を意識した採用試験を始める。 ◎  司法試験突破後の司法修習は、かつて2年間だったが、法科大学院制度が始まって1年間に短縮された。修習生は合格発表と同時に、就職活動にも追われることになる。  大阪弁護士会の都市型公設事務所「大阪パブリック法律事務所」(大阪市北区)が、1月に弁護士会館で開いた私塾には、司法修習生11人が参加した。「バッジを着けたその日からプロの弁護士や。本番で失敗せんよう、今失敗しろ」と事務所長の下村忠利弁護士。修習生は真剣な表情で、被疑者への接見の練習など刑事弁護の技術を学んだ。  参加者の一人が「法曹人口増加で就職は厳しい。即戦力になりたい」と動機を語る。  都市型公設事務所は、各地の弁護士会が中心になり設立し、日本弁護士連合会も支援する。経済的な理由で通常の弁護士事務所に相談できない住民の法律相談を受け、国選弁護を引き受けるほか、弁護士過疎地域で活動を希望する新人弁護士の育成も手がける。  このため、司法修習生の就職支援にも積極的で、第2東京弁護士会の東京フロンティア基金法律事務所(新宿)は、01年の開設以降、13人を育てて過疎地などに送り出した。法科大学院の中に事務所を置いて、学生の教育に携わる動きもある。  法科大学院修了生をどう生かすか。社会全体で考える必要がありそうだ。(向井ゆう子)  1期生の7割が司法試験突破 文部科学、法務両省によると、法科大学院が初めて修了生を出したのは2005年度で、法学既修者コース(2年制)のみ2176人。このうち、08年度までに新司法試験を突破したのは1504人(69.1%)だった。172人が3回の受験に失敗し、新試験の受験が事実上できなくなった。 ----------------------------------- 法科大学院 (10)同志社大法科大学院教授 コリン・ジョーンズさんに聞く 「修了者」評価する社会に(2月26日)  米コロラド州生まれ。44歳。2005年から同志社大学法科大学院教授。著書に「手ごわい頭脳 アメリカン弁護士の思考法」(新潮新書)、「アメリカ人弁護士が見た裁判員制度」(平凡社新書)。  法科大学院教授である米国人弁護士が、日米の制度を比較する。  「日本では司法試験が目的化して、大きな短所になっている。米国の司法試験合格率は高く、試験を意識した教育をしているのは三流、せいぜい二流の法科大学院だ。日本は、米国の二流、三流を目指してしまっている」  同志社大法科大学院のコリン・ジョーンズ教授は、日本の法科大学院制度の現状を、こんな風に見る。米国では国と州に法律があり、過去の判例を重要視するため、「法律のすべてを教え込むことを最初からあきらめてしまっている」という面も見逃せない。  「法科大学院修了を評価する空気が社会に全くない。合格できなければ『法曹になれなかった人』という烙印(らくいん)を押されてしまう。米国では法科大学院を出れば将来の道は広くなるが、日本では、将来が狭まってしまっているのが現状。法科大学院制度のブランド化の失敗だ」 ◎  米カリフォルニア大バークレー校で日本語と日本文学を学び、東北大法学研究科博士前期課程を経て、米デューク大法科大学院修了。ニューヨーク州などで約12年、弁護士を務めたが、国際的な分野に強い法科大学院を作りたいという同志社大に招かれた。  大学院ではアメリカ法を教えている。「学生は興味はあるが余裕がない。本来の制度の趣旨は、いろんな選択科目を設け、司法試験を意識しないで各大学院がそれぞれ理想の教育を行い、多様な法曹を養成することだ。教育というのは一生のもの。法科大学院もそのつもりでやっているが、現状のままでは特色を保つのは難しくなるだろう」  司法試験の合格、不合格にかかわらず、法科大学院修了を「資格」とすべきなのか。  「そうあるべきだ。司法試験合格が目的でなくステップにならないと、限られた目的のための教育でしかなくなる。5年、10年たって、働いてみないと、学んで良かったとわからないこともある」 ◎  ただ、司法試験の合格率を上げた場合、大学院の教育の質は誰が評価・保障するのか。  「米国では合格は当たり前なので、就職率で法科大学院を評価する。日本でも、市場にまかせれば、何年かすれば司法試験受験者と合格者のバランスはとれるだろう」  市場にまかせた場合、質の低い法曹を生み出す恐れはないか。  「候補が多いほど、良い弁護士が出るだろう。質の低い弁護士が少ない方がいいと言うのなら、有能な弁護士も少ない方がいいとなる。そもそも良い法曹の正確なものさし自体が不明確だ」  米国では、日本の司法書士や行政書士の仕事も弁護士が果たす。日本でも弁護士がこうした業務を行うことは可能だ。「日本では、こうした職業は、弁護士と一部競合関係にあるのに法曹人口を考える議論にも出てこない」と制度作りそのものにも疑問を投げかける。個人的見解と断りながらも「(法曹には)一種のエリート意識があった。エリート主義から脱することが、(多様な人材が法曹を目指す)法科大学院制度の本当の意義のひとつではないか」。  米国から輸入した制度を根付かせるには、日本にとっての理想の法科大学院像を、関係者がねばり強く探究する姿勢が欠かせない。(聞き手・向井ゆう子) ----------------------------------- 法科大学院 (11)韓国、日本を反面教師に(2月27日)  韓国で法科大学院が始動する。  ホワイトボードにハングルが入り乱れる。「今日は休憩なし」という教授の言葉に、学生から不満は出ない。  韓国ソウルの成均館大学法学部が入る「法学館」の一室で、法科大学院の入学予定者約40人が刑法の基本を学んでいた。1月5日からの6週間で、憲法、刑法、民法を集中的に教えるプレ・スクール。基礎を固めた上で授業に臨めるよう、3月に法科大学院を開校する韓国のほぼすべての大学が同時期に実施した。  成均館大の最大の特徴は、企業法務を特化分野と掲げ、大学運営に韓国最大の財閥サムスングループがかかわる点だ。関連企業でのエクスターンシップ(実地研修)を予定する。しかも、国際分野は、英米法、日本法、中国法などを23科目設け、授業はそれぞれの言語で行う。  入学予定者の出身大学は、韓国トップのソウル大が50人を占め、国策で作られた研究者等養成機関「韓国科学技術院(KAIST)」の卒業生も10人いる。国際的な英語力テストTOEICの平均点は921・3点。日本の受験者の上位3%に入る高得点だ。社会人経験者が4割を占め、公認会計士資格や博士号を持つ人もいる。  「合格率9割を目指す。司法試験にどう通すかではなく、いかに落ちる学生を減らすかだ」と法科大学院のチェ・ボンチョル教授(前法学部長)。 ◎  高い合格率が期待される背景には、韓国政府の周到な制度設計がある。認可された法科大学院は25校(1学年定員2000人)。首都圏に15校、地方に10校で、国立と私立もバランス良く配した。定員も事実上、政府が割り振った。最大の定員は国立のソウル大で150人。次いで延世、高麗、成均館の私立3校と地方の国立2校が120人で、最小規模は40人。  法科大学院の乱立を許して定員が膨らみ、司法試験合格率の低迷を招いたとされる日本と対照的で、韓国の法科大学院関係者は「日本を反面教師にした」と口をそろえる。  韓国には日本と同様の司法試験制度がある。法学部が司法試験予備校化しているという反省に立ち、米国をモデルに法科大学院の制度設計を進めた。ただ、韓国で検討が始まったのは、日本で本格的な議論が始まる前の1995年ごろ。導入方針が固まったのは2004年末で、政府が大学に最終認可を出す08年8月まで、日本より時間をかけた。  日本との最大の違いは、法科大学院を設立する大学の法学部を廃止することを決めた点。法学部は、08年入学者が最後になった。法科大学院だけでは赤字経営にならざるを得ないだけに、学部廃止は経営的に厳しいが、大学側にも「痛み」を求めた格好だ。  日本でも、中央大、新潟大が日韓の法科大学院の在り方についてシンポジウムを開くなど、韓国に学ぼうという動きが出ている。  韓国は日本の失敗に学んだ。日本が韓国の痛みの引き受け方に学ぶ意味はあるだろう。(向井ゆう子) ----------------------------------- 法科大学院 (12)理想の司法 議論続く(2月28日)  法科大学院を巡っては、様々な提言がある。  民法、特に担保法の権威として知られる東京大学の米倉明名誉教授は、2005年から法科大学院の在り方について、専門誌「戸籍時報」(日本加除出版)に毎月、寄稿を続けている。07年には「法科大学院雑記帳―教壇から見た日本ロースクール」(同)という名前で一部を一冊にまとめた。東京大法学部、早稲田大法学部と法科大学院を経て、現在、愛知学院大学法科大学院で教べんをとる。  最新の寄稿(戸籍時報2月号)では、法科大学院修了と同等の資格を与える「予備試験」(11年導入予定)に所得制限を設けないと、一般学生が広く利用すると指摘。「予備試験という魔法の杖(つえ)のひと振りで、大部分の法科大学院はなくなるのだから、統・廃合など試みず、静かに待っていればよろしい」と皮肉たっぷりだ。  制度自体を眺めるには03年出版で、村上政博・一橋大教授の「法科大学院 弁護士が増える、社会が変わる」(中公新書)がある。  日米両国での弁護士経験を踏まえ、各国の法制度や法曹養成システムの違いを紹介。日本の制度の導入までの経緯、カリキュラム、教員構成、評価の方法、授業料などを紹介。「法科大学院構想は、大学側が予備校を上回る教育を約束して始まり、教育を充実させる責務は大学側が負う必要がある」と指摘した。  10年までに新司法試験の合格者を3000人程度に増やす政府の目標と、法科大学院制度に真っ向から異議を唱えるのは、河井克行自民党衆院議員だ。法務副大臣時代に大学院14校を視察した経験を基に昨年10月、「前法務副大臣が明かす 司法の崩壊」(PHP研究所)を出版した。  「(予備校による暗記教育の)行きすぎた是正が行われた結果『夢物語』に走った」と法科大学院制度を批判し、新司法試験の受験資格から大学院修了を外すべきだと主張する。政治の世界の議論が低調な中、一石を投じている。 ◎  新司法試験は09年度の試験で4回目。受験機会は5年のうちに3回と制限されているため、法科大学院の法学未修者(3年)コース一期生の多くは、最後の受験に臨む。知識を問う「短答式」試験の配点が半減、思考力を問う「論文式試験」の成績がより重要になる。法科大学院の教育の成果が真に試される年だ。  だが、法務省が得点方式の変更を正式に発表したのは、試験まで4か月を切った1月23日。試験の実施要項を示した際だった。受験生からは「変更の時期が不適切」と批判が出ている。  法科大学院制度を含む司法制度改革推進計画は、「国民の視点から抜本的に見直し、司法の機能を充実強化する」と基本理念をうたっている。だが、法曹人口の議論は国民不在で行われ、法科大学院は学生不在の制度設計が続く。  現状では、法曹人口も法科大学院の定員も単なる「数合わせ」に陥りかねない。本当に国民が何を求めているのかを知る姿勢が欠かせない。(向井ゆう子) ◇  次週からは「大学の実力」シリーズの第3弾、「学士力」がテーマです。  司法制度改革の流れ 1990年代後半、経済界を中心に裁判迅速化や法曹人口増を求める声が強まり、97年、自民党が司法制度特別調査会を設置。99年からは政府の司法制度改革審議会で、国民の司法参加や新しい法曹養成機関について議論した。2001年6月、同審議会が、裁判員制度と法科大学院創設を盛り込んだ最終意見書を小泉首相(当時)に提出し大枠が固まった。 "[he-forum 14040] 室蘭日報3/2 室蘭日報2009年3月2日付 室工大でバードアイ技術者の育成が9日スタート  室蘭工業大学(松岡健一学長)の「ものづくりバードアイ技術者の育成」が9日からの実証講義でスタートする。設計・製図から素形材、機械加工、検査、評価までを俯瞰(ふかん)的にカバーするものづくり工程の管理者を育成。他大学、企業と連携しながら平成23年度からのカリキュラム化を目指す。  20―22年度の3カ年事業で、経済産業省の平成20年度産学人材育成パートナーシップ等プログラム開発・実証事業に採択された。20、21年度はカリキュラム化に向けた実証講義90コマを実施。機械システム工学、材料物性工学の両科(今年4月からは統合して機械航空創造系学科)の4年生10人が受講する。  実証講義の内容はものづくりにかかわる全科目のほか、鋳造、引っ張りの実験、製造業を訪れてのインターンシップなど。講師は同大教員のほか、全国の大学、高専、道立工業試験場から招く。企業は日本製鋼所室蘭製作所、キメラなどが協力する。  22年度は実証講義の結果を基に開講準備作業を実施。23年4月から機械航空創造系学科の3年生約40人を対象に、2年間のカリキュラムをスタートさせる。  清水一道・同大准教授は「景気後退で製造業全体が厳しい時代だからこそ、人材育成の重要性が増している。大学卒業後、ものづくりの各分野で即戦力となり、管理者にもなる人物を育てたい」と話している。 (山田晃司) "[he-forum 14041] 毎日新聞富山3/2 毎日新聞富山版2009年3月2日付 ’09記者リポート:富山 学長選考巡り揺れる富山大 ◇2度の教職員意向調査で最下位、学外委員過半数の選考会議1位 ◇5学部教授会が“反旗” 西頭学長「続投し、改革」  富山大が学長選考を巡って揺れている。昨年12月に西頭徳三学長(70)が再任されたことに教職員が反発。8学部中、人文、人間発達科学、経済、理、医の5学部の教授会が、就任辞退や選考方法の見直しを求め、声明文などを出す事態となった。先月の全学集会では150人を超える教職員が再任辞退を求めたが、西頭学長は「改革の続行」を掲げ、あくまで続投の構えを崩さない。任期は4月1日から。この騒動の結末は……。【青山郁子】  ◇学長選の経過  今回の学長選は昨年10月に公示され、西頭学長▽平井美朗・理学部長(60)▽倉知正佳・大学院医学薬学研究部特任教授(66)の3人が推薦された。11月に2度行われた教職員対象の意向調査は、いずれも平井氏が首位、倉知氏が2位。西頭学長の得票は2割程度で、最下位だった。  半数を学外委員が占める学長選考会議は12月に開かれ、24人中22人が出席。審議で結論が出ず、議長を除く21人による無記名投票の結果、西頭学長が11票を獲得して再任を決めた。同大理学部教授会によると、国立大の学長選考で、意向調査で3位以下だった候補が選考会議で逆転した前例はなく、教職員の意向は無視された形だ。  学外委員は、議長を務めた金岡祐一・富山国際学園理事長▽石井隆一知事(当日欠席)▽中尾哲雄・インテックホールディングス(IH)会長ら、行政、企業、教育関係者らが務める。西頭学長は、主に学外委員からの支持を得たとみられる。  ◇教職員の反発  西頭学長への不信感の背景の一つには、学部の再編問題がある。2年前、補助金にあたる運営交付金を国が5%削減したことがきっかけだった。  現・富山大は05年、富山大(富山市五福)、富山医薬大(同市杉谷)、高岡短大(高岡市二上町)が再編統合した。キャンパスはこの3カ所に分かれ、学生は、一般教養科目を所属学部があるキャンパスで受講している。  西頭学長は、学生の共通教育の共通化など人員削減策を提案。人文学部の教員の約半数はこれらの科目を教えることから「学部の解体につながる」と反対。教員を新設の「研究部」所属とする組織改編案も学部の意義や責任の所在をあいまいにすると反発を招き、西頭学長への不満が高まっていた。  ◇広がる亀裂  一方、西頭学長を支持した学外委員。傘下のインテック(富山市)が同大の授業評価システムなど複数のシステムを受注するなど、大学と利害関係にあるIH関係者が委員などを複数務めることについて、西頭学長の再任に反対する「学長選考問題を考える会」(世話人=小倉利丸教授ら4人)は「特定企業との癒着」と指摘する。  これに対し、金岡氏は「選考は各委員の見識に任せた。会議の進め方に瑕疵(かし)はない」と強調。イ社から出向中の山森利平・同大監事は、声明文を出した4学部に対し、教授会の出席者数や決議方法について監査請求を行い、「なぜ前例がないといけないのか」と、教授会などを批判した。  西頭学長は今年に入り、各学部の懇談会に相次いで出席。教職員に、大学改革への協力を呼び掛けている。毎日新聞の取材に対し、西頭学長は「続投の意思に変わりはない。共通教育の一本化は他学部と交流できるメリットがある」と語った。  また、学外委員に一企業グループの関係者が複数就任する現状については、「再編統合前からつながりがあるインテックグループは富山大をよく理解しており、問題ない」との見方を示した。  だが、現状では、教職員と、学長・学外関係者との間の亀裂は広がる一方だ。文部科学相の学長任命のタイムリミットが迫る中、富山大の研究、教育、理性の府としての見識こそが問われている。 "[he-forum 14042] 日刊工業新聞2/27 日刊工業新聞2009年2月27日付 電通大、深センの大学パークと連携-日中の企業人教育推進  電気通信大学は中国・深セン市の「深セン虚擬大学園(仮想大学パーク)」と連携協定を結ぶ。同園には北京大学、清華大学など中国・欧米の約50の大学などが、企業人教育や産学連携で分校を置いている。電通大は初の外国オフィスをここに置き、留学生確保や国際的な大学間・産学連携を進める。日系企業も多い同地だけに、同園も初の日本の大学の駐在に期待し、オフィスを無償で貸与する。3月19日に現地で調印する。  深セン虚擬大学園は各大学が分校(サテライトキャンパス)を置き、大きな一大学のように機能している研究パークで、講義室、研究室、インキュベーション施設、寮など備える。会員は中国40、香港6、外国5大学などで主活動は深セン、香港の企業が集まる深港産学研基地の企業人向け教育だ。修了生はおよそ大学院2万4000人、学部1万9000人、ショートプログラム1万2000人の実績がある。 "[he-forum 14043] 沖縄タイムス3/2 沖縄タイムス2009年3月2日付 相談増 8日に3回目 奨学金ホットライン/返済猶予や免除で なかまユニオン那覇市で会合  独立行政法人日本学生支援機構が回収強化策の一つとして、奨学金滞納者の情報を金融機関の個人信用情報(通称・ブラックリスト)に登録するとした問題で、沖縄なかまユニオンは1日、那覇市内で会合を開いた。  2月16日に25人分の返済猶予や免除の申請をしたことを報告。8日に県内で3回目の電話相談会「奨学金返済ホットライン」を開くことも決めた。  同ユニオンの西岡信之さんは、機構側とのやりとりについて、「機構の電話窓口には全国から1時間に1万件の相談が寄せられているらしい。4月以降は窓口を増やすと言っていたが、とても対応できないだろう」と報告。  返済の相談をしたくてもできない人がまだいるとして、昨年12月、今年2月に続き3度目の相談会を今月中に行うことを確認した。  ホットラインは8日午後1―5時に開設。相談員が電話を通して返済猶予や免除の申請用紙に書き込み、19日に同機構へ提出する。番号は090(9783)9866か、090(3970)8772。 "[he-forum 14044] 共同通信2/28 共同通信2009年2月28日6時30分 臨床研修見直しに抗議 医療の質落とすと学生団体  医師不足対策として国の検討会がまとめた臨床研修の見直し提言に対し、全国約30大学の医学生ら約200人でつくる「医師のキャリアパスを考える医学生の会」(代表・東京女子医大4年、川井未知子さん)が、「教育体制の整わない病院にも未熟な医師を強制的に配置し、医療の質の低下を招く」などと抗議声明を出した。声明は27日付。  都道府県と病院ごとに募集定員の上限を設けるとした提言の柱について撤回を求め、近く与野党の国会議員や医療関係者に送る。  上限設定は研修医の偏在を是正するためだが、声明では「(偏在は)学生が公開の情報で病院を選択し、教育に力を入れている病院に希望が集まった結果。(上限設定は)研修医からよい教育を受ける機会を奪う」と批判。  さらに「地域医療に求められているのは研修医ではなく熟練医師。日本の医療の将来にとって、研修医が質のよい教育を受けることこそが必要」としている。 "[he-forum 14045] 河北新報2/28 河北新報2009年2月28日付 周産期医療のやりがい伝授 医学生に特別講座  周産期医療を支える医師を増やそうと、青森県は2009年度、弘前大医学部の学生を対象に特別研修を始める。医師不足が深刻な小児科や産婦人科を志望する医学生の多さに着目し、「夢の実現」を応援しようと企画。命の誕生を扱う周産期医療の魅力を知ってもらい、慢性的な医師不足の打開を目指す。  具体的には「周産期医療分野への医学生誘導事業」として、弘前大医学部に研修を委託。産科医療専門医と新生児(小児科)専門医の2つの「誘導コース」を設け、希望者に講義や病院での臨床実習を5カ月程度受けてもらう。  県が08年に県内の医学生と臨床研修医に行ったアンケート(回答者352人)で志望診療科を尋ねたところ、小児科は63人、産婦人科は37人いた。内科(90人)、未定(74人)に続いて3、4位を占め、潜在的な人気の高さが明らかになった。  県医療薬務課は「小児科や産婦人科の志望者は臨床研修でいきなり現場の厳しさに触れ、離れてしまう」と指摘。誘導コースでは仕事のやりがいや勤務環境の改善状況も伝え、周産期医療のイメージアップを図る。  このほか、周産期医療の女性勤務医の支援体制づくりにも取り組む。弘前大医学部と連携。出産や育児をきっかけにした退職を防ごうと、短期休暇中に代替医師を派遣するシステムを構築する。  一連の事業は周産期医療体制強化特別対策として、09年度一般会計当初予算案に総額1856万円が計上された。県の重点事業にも指定されている。 "[he-forum 14046] 非常勤職員雇い止め問題に関する運動の紹介 非常勤職員雇い止め問題に関する運動の紹介 2009年3月2日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 この3月末で雇い止めとなる非常勤職員はかなりの数に上っています。文科省は実態把握や調査を行っていませんが、中国新聞は「中国地方の国立大5校のうち、広島大を除く4校が来年3月末までに非常勤職員計169人の契約を更新せず、「雇い止め」にすることが分かった。『中国新聞』2009年2月16日付」と報道しています。 この問題の解決を求めて京都大学(『京都新聞』2009年1月23日付など)をはじめ多くの大学で運動が展開され、佐賀大学では、3年雇用制全廃(『佐賀新聞』2009年2月17日付)という成果も上がっています。 また、東京大学では過半数代表者などが呼びかけ人となり、以下のようなネットによる学内署名を開始しましたので、紹介します。 ********************** 短時間勤務職員(非常勤職員)の雇止め規定の撤廃を! ■主文  私たちは、東京大学短時間勤務有期雇用教職員就業規則の第11条第2項を速やかに削除し、短時間勤務職員(非常勤職員)に対する雇止め規定を即刻、撤廃することを強く求めます。 ********************** 呼びかけ文などネット署名の詳細は、「東京大学 短時間勤務職員(非常勤職員)の雇止め規定の撤廃を!」というURLを参照ください。 http://www.uthijokin-petition2009.blogsite.org:80/hijokin2009/ 雇い止め問題に関する情報などもまとめられています。なお、署名は東京大学の学内者に限られております。 以上 net.or.jp","SMTP","Shutoken-Net","info@shutoken-net.jp","SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 14047] 朝日新聞3/2 朝日新聞2009年3月2日付 学長、誰が選ぶ? 富山大、教職員の意向反映されず     国立大学の学長は、何を基準に選ばれるべきなのか――。富山大で行われた学長選考で、教職員らの投票で最下位だった候補者が選ばれたことから、学内の不満が噴出した。学内の意向と反対の結論を出したのは、学外委員が半数を占める「学長選考会議」。国立大学法人法で、新しく設けられた決定機関だ。富山大に限らず、選考会議が出した結果をめぐる不満から、訴訟となるケースもある。(雨宮徹) ■選考委員、半数近く学外者  富山大の学長選考は昨年暮れにあった。学長の西頭徳三(さいとうとくそう)氏(70)を含む3人が推薦され、同11月に教職員が投票した2度の意向投票では、西頭氏はいずれも投票総数の約2割で最下位。だが学長選考会議では、意向投票の結果は「参考」扱いとされた。  西頭氏は、富山県総合計画審議会の会長職務代理を務めるなど、県内の政財界に幅広い人脈がある。同大によると、西頭氏が学外に持つ「委員」や「顧問」などの肩書は40以上になるという。  選考会議のメンバーは24人。うち、今回の選考会議には、富山県知事ら地元首長や、北陸電力など財界人ら学外委員が議長を除く9人、学内委員が11人出席。投票の結果、西頭氏が過半数の11票を得て再選が決まった。  ある学内委員は「教職員の支持が少なかったのに、学長に選ばれたのは、学外委員の多くが投票したとしか考えられない」と振り返る。一方、学外委員の一人は「西頭氏は学外の仕事を積極的にこなし、地域の問題に熱心に取り組んでいる。西頭氏になり、富山大は県民に開かれていて親しみやすくなった」と西頭氏が支持を得た理由を話す。  学内は複雑だ。  多くの教職員の意向が無視された格好になり、8学部中6学部の教授会が異議や懸念を表明。キャンパスで1月21日、教職員有志ら約150人が集まり、抗議集会を開いた。(1)決定の取り消し(2)西頭氏の次期学長の就任辞退(3)選考規則の見直しの3点を求めると決議した。  選考会議も同27日に会合を開いた。会議議長の金岡祐一・富山国際学園理事長は会合後、「投票と大きな差があることは問題があると認識している。だが、ギャップは常に出てくる」とし、再考しないことを明言した。 ■3大学で訴訟に発展  学長選をめぐり、混乱したのは富山大だけではない。  学内の意向投票で、1位以外の候補者が次期学長に選ばれたケースは、滋賀医科、岡山、新潟、山形、高知、大阪教育、九州などの大学がある。滋賀医科、新潟、高知の3大学では訴訟になった。滋賀医科、新潟では、国や大学を相手に、選考の無効などを訴えた教授ら原告側が敗訴している。高知大は係争中だ。  しかし、なぜ、こうした事態が起きるのか。国立大学の独立法人化に際して、03年に制定された「国立大学法人法」が強く影響しているからだ。  同法は、これまで学内選挙で学長を決めていたルールを、学内、学外委員が同数の学長選考会議で決めることを明記した。文部科学省の担当者は「法人化で学長に経営者としての責任が生まれた。それまでは経営という概念がなかったため、学外委員にも選考にかかわってもらうことが必要になった」と話す。  また、学外委員の任命権は学長にあり、富山大関係者も「学内の支持に加え、学外委員の『評価』が、より重要視されるようになった」という。 ■教員権限強い大学も  ただ、選考会議の役割は、それぞれの大学で、大きく異なっている。意向投票の実施を含め、細かいルールは選考会議の意思に委ねている。  たとえば、東京大は、内規で選考会議の権限を「1次候補者の十数人を、2次候補者5人程度にしぼる」ことに限っている。2次候補者5人から教員が投票で1人にしぼり、選考会議が最終的に新総長を正式決定する。京大もほぼ同様で、投票で候補者を1人にしぼり、結果を「基礎」に選考会議が新総長を決める。京大は「『参考』に比べて『基礎』は、より投票結果に重きを置くということです」と話す。  一方、東京医科歯科大は「選考会議が必要と認める場合、学内意向調査ができる」としているが、法人化後に投票が行われたことはなく、選考会議に実質的な決定権がある。また、05年に「学長選の廃止」を表明した東北大は、選考会議の規則に他大学のような意向投票の規定がない。  文科省によると、86ある国立大学法人で、9割が意向投票を内規で定めている。ただ、「ほとんどが投票結果を『参考』程度にとどめている」という。富山大も、これに含まれる。投票結果と、選考会議の結論が異なるケースが、どの大学でも起きうるわけだ。  富山大の教職員の中には、「大学の自治はどこにあるのか。投票が無視されるなら、投票をやる必要がない」との不満がある。同大の規定では、選考ルールを変える場合も選考会議の決定が必要だ。西頭氏は「選考会議に、次の選考に向けた規則の検討や改善を要請したい」とし、ルール変更の検討も始まった。 "[he-forum 14048] 日刊工業新聞3/3 日刊工業新聞2009年3月3日付 東大、TLOの全株式取得-自由資金大幅増に期待  東京大学はこのほど、研究成果の技術移転を手がける東京大学TLO(東京都文京区、山本貴史社長、03・5805・7661)の全株式を取得した。東大TLOは東大発ベンチャー企業(VB)の株式を保有しており2、3年内にVBの上場が相次ぐ予定。東大はTLOの配当など自由資金の大幅増が見込めることから、完全一体化した。赤字のTLOが多い中で、TLOの成功事例として注目されそうだ。  国立大は04年の法人化前は、TLOなど外部組織に出資できなかった。東大TLO(旧CASTI=キャスティ)は、法人化前の98年に個人出資で設立。後に国立大はTLOに限り出資可能になり2年前に創業者ら個人株主から一部株式を取得して5割超の株主になった。  さらに個人株主が大学の姿勢を見定めるのに時間をかけ、今回、東大が100%株主になった。 "[he-forum 14049] 沖縄タイムス3/3 沖縄タイムス2009年3月3日付 沖縄科学技術大学院大学関連法案閣議決定  【東京】政府は3日午前、2012年度までの開学を目指す沖縄科学技術大学院大学の設置や運営方法を定める「沖縄科学技術大学学園法案」を閣議決定した。柔軟性、自主性を確保するため「学校法人」として設置した上で、研究費助成を法人設立から10年以内は2分の1を超えて補助できるとする国の特別財政支援などが盛り込まれた。同日、国会に提出する。  学園理事会の理事は過半数を外部から招き、沖縄振興に関する有識者も含むよう定めた。 "[he-forum 14050] 毎日新聞3/2夕刊 毎日新聞2009年3月2日付夕刊 公共政策大学院:地方議員に学問ノススメ 3大学院で24人 「政調費でOK」追い風  専門職大学院の一つ「公共政策大学院」へ、実際の自治を担う地方議員が通うケースが増え始めている。地方分権推進で専門知識が求められるようになったほか、使途が問題化しがちな議員の政務調査費を学費に充当することが司法判断で認められたことも背景にあるようだ。【井崎憲】  毎日新聞が先月調べたところ、全国八つの大学院のうち3大学院で24人が学んでいる。  「理論が議会活動ですぐ実践できる醍醐味(だいごみ)がある」。東京都中野区の区議会議長、市川稔さん(54)は、07年から、夜間の会合の合間を縫っては明治大大学院ガバナンス研究科の授業でノートを広げる。04年から行政の監視機能強化を盛り込んだ議会基本条例が各地で制定され「役所だけの説明に頼らない政策知識が試される」という危機感がある。  行政経験者中心の教授陣が給食費未納問題から都市再開発まで多様な行政課題を扱う。受講者には他区議や埼玉県議、栃木県内の市議もおり、研究生の2割近くが地方議員だ。  議員獲得に熱心なのは明治大で、ガバナンス研究科の授業は平日は夜間のみ。議会活動と両立できるよう配慮されており、これまで30人以上の議員や首長が学んだ。  この動きの追い風になったのが、司法判断で学費に政調費を充てることが認められたことだ。政調費は公私の区別が付かない支出で批判が根強い。明治大ガバナンス研究科の学費を政調費から支出していた練馬区議(当時)に対し区民が返還を求めたが、東京高裁は06年、「区政に還元するのが目的」と妥当性を認め、判決は確定した。  市川さんは年間130万円の学費を政調費から支払う。「判決が出て支払いに充てやすくなった」と話す。ただ、同じ研究科の議員でも政調費を充てるかはまちまちで、埼玉県議、菅克己さん(42)は「取得する学位は個人のものになる」と学費は私費から支払っている。 ==============  ■ことば  ◇公共政策大学院  03年度に始まった専門職大学院の一つ。修了者は行政、国際機関の政策立案者への道が想定される。首都圏では早稲田大、東京大などにある。従来課程が近い立教大大学院21世紀社会デザイン研究科でも地方議員が学ぶ。 ==============  ■全国の公共政策大学院の地方議員数※は従来の修士課程  北海道大  3  東北大   0  東京大   非公表  一橋大   0  早稲田大  5  明治大   16 ※中央大   1 ※立教大   5  京都大   0 ※同志社大  1  徳島文理大 0  (2月末現在) "[he-forum 14051] 共同通信3/3 共同通信2009年3月3日18時24分 学長任命しないよう要請 富山大教授ら文科相に  西頭徳三学長(70)の再選を決めた富山大学長選考は教職員の意向を反映していないとして教授ら4人が3日、「学長に任命せず、選考やり直しを指示してほしい」とする異例の要請書を塩谷立文部科学相あてに提出した。  教授らによると、昨年実施の選考は西頭学長を含め3人が立候補。2回の教職員意向調査で、西頭学長の得票は2割程度で最下位だったのに、選考会議は結果を考慮せず、再選(任期は4月から2年)を決めたとしている。  富山大は選考会議を学部長ら学内委員と、富山県知事のほか地元政財界から学長が任命した学外委員の計24人で構成し、「参考とするため(教職員の)意向調査をすることができる」と定めている。  これに対し教授らは「学外委員には大学と取引のある企業グループの関係者が多く公正性を欠く。会議手続きにも問題がある」と主張している。  選考をめぐっては、6学部の教授会が抗議、懸念を表明。西頭学長は就任辞退の考えはないとする一方、選考の見直しに言及している。 "[he-forum 14052] 河北新報3/3 河北新報2009年3月3日付 山形県議会 政策立案で山形大と連携 専門知識を活用  山形県議会は2日、政策立案機能の強化を目指して、山形大と今月、相互協定を締結する方針を明らかにした。県議会事務局によると、都道府県議会と大学との政策連携は、全国でも初めてという。  協定締結により、県議会は政策条例の制定や、県当局に対する政策提言を検討する過程などで、大学が有する豊富な専門知識の積極的な活用を目指す。日常的な議員の調査活動でも、大学の協力が得やすい状況を整備していく。  一方、学生の県政に対する参画を促すため、議会側からの情報提供も強化する。今後、学生のインターンシップの受け入れや、社会科学系の学生ゼミの支援などについても、議会側が協力していく方針だという。  山形大との連携状況を踏まえ、県議会は、東北公益文科大(酒田市)や東北芸術工科大(山形市)との提携も視野に入れている。  大学との協定は、議会の活性化策を探る検討委員会が2日にまとめた最終報告書の中で、「政策立案機能の充実・強化策」として打ち出した。  阿部信矢県議会議長と山形大の結城章夫学長が6日、協定に調印する予定。 "[he-forum 14053] 3/3しんぶん赤旗 2009年3月3日(火)「しんぶん赤旗」 非常勤講師 採用取り消し不当 撤回求め大同工大を提訴  愛知県の大同工業大学(名古屋市南区)に非常勤講師の採用内定を取 り消された高森晃一さん(38)は二日、内定取り消しは不当だとして 同大学を相手取り、解雇撤回や慰謝料を求めて名古屋地裁に提訴しまし た。  高森さんは昨年十一月、同大学に労働条件について問い合わせたこと から採用内定を取り消されました。授業案内なども含め、本名ではな く、他大学でも通用しているペンネームを使用して開講したいと問い合 わせたところ、大学側は本名で行うよう回答。理由を聞くと、一方的に 採用を取り消されてしまいました。  高森さんは東海圏大学非常勤講師組合を通じて大学側に団体交渉を申 し入れましたが、拒否されました。その後、愛知県労働委員会にあっせ んを申請しましたが、大学側は解決金を提示するのみで解雇の撤回を認 めなかったため、提訴に踏み切りました。  提訴のあと行った記者会見で高森さんは、「ひどい雇用状況にありな がら、声をあげられない非常勤講師はたくさんいます。誰かが声をあげ ないと、不安定な雇用状況はますます悪化するばかりです。非常勤講師 全体の待遇改善をはかっていくためにも、提訴に踏み切りました」と語 りました。 "[he-forum 14054] 読売新聞3/4 読売新聞2009年3月4日付 文科省中教審が参考指針  大学の学部教育(学士課程教育)で付けておくべき力「学士力」が問われている。全入時代で学生確保の競争は激化する一方だが、現在の大学には「社会の期待にこたえる教育内容になっていない」「国際社会で通用するような成果を出していない」といった声が高いからだ。  文部科学省の中央教育審議会は、そんな認識に立って、昨年12月の答申「学士課程教育の構築に向けて」をまとめた。その中で、必要な学士力の参考指針として、「文化や社会の知識や理解」「コミュニケーション能力や問題解決力など職業生活に必要な技能」「自己管理力」などを挙げた。  日本の大学の現状に対しては、「他の先進国の大学では、何を教えるかより何が出来るようになるかを重視した取り組みが進むが、日本は教育目的が総じて抽象的」「多様化が進み、学士課程を通じた最低限の共通性が重視されていない」と指摘した。  課題として、〈1〉体系的な教育課程が編成されていない〈2〉学生の学習時間が短く、授業時間以外の学習を含めて1単位とする考え方が徹底されていない〈3〉成績評価が教員の裁量に依存していて、客観性を担保していない〈4〉学生の学習意欲や目的意識が低下している〈5〉教職員の研修が教育力向上に十分つながっていない――といった点を指摘した。 ◇  ◇    「学士力」とは  (中教審答申が示した「参考指針」)  ・多文化・異文化に関する知識の理解  ・人類の文化や社会、自然に関する知識の理解  ・コミュニケーション・スキル  ・数量的スキル  ・情報リテラシー  ・論理的思考力  ・問題解決力  ・自己管理力  ・チームワーク、リーダーシップ  ・倫理観  ・市民としての社会的責任  ・生涯学習力  ・総合的な学習経験と創造的思考力 "[he-forum 14055] 3/4朝日新聞 朝日新聞 2009年3月4日 東大、会議は午後5時まで  仕事と生活の調和目指す  東京大学は3日、新年度から、原則、午後5時以降の公的な会議を行 わないことを決めた。この日定めた「男女共同参画加速のための宣言」 の中の一項で、教員に、仕事と生活のバランスを考えてもらい、特に女 性研究者の活躍を促すのが狙いだ。  東大によると現在、事務部門は午後5時以降の会議を行っていない が、教員の会議は授業終了後に始められたり、予定が延びたりして、終 了が午後5時を回ることもある。今後、開始時間を早めたり、会議のス ピードアップを図ったりして、午後5時終了を徹底したいとしている。  宣言ではこのほか、教員を公募する際に女性の応募を歓迎する趣旨を 明示し、積極的に採用することをうたっている。東大の女性教員比率は 9%と低く、これらを通じて、10年3月までに女性の採用比率を2 5%以上にしたいとしている。(杉本潔) "[he-forum 14056] 中国新聞3/6 中国新聞2009年3月6日付 尾道大の法人化を検討へ  尾道市の平谷祐宏市長は5日、市立尾道大(久山田町)の公立大学法人化を検討する部長級の担当参事を4月1日付で置く考えを明らかにした。  市議会定例会の総体質問で答えた。行財政改革などへの取り組みを尋ねられた平谷市長は「大学の法人化については新年度から担当参事、主査を置いて具体的に検討していきたい」などと述べた。  市によると、担当参事は他部に属さずに市長の直属とする方針という。市は法人化のメリットを、これまで市長決裁が必要だった人事や予算編成が比較的自由になり、カリキュラムの充実などニーズに応じた重点配分が可能になるなどと分析している。 "[he-forum 14057] 共同通信3/4 共同通信2009年3月4日20時56分 診療報酬算定の明細を無料発行 山形大病院  山形大医学部は4日、付属病院のすべての患者に対し、4月1日から無料で「個別の診療報酬算定項目がわかる明細書」を発行すると発表した。山形大によると、大学病院としての明細発行は全国初で、診療内容や費用の情報を患者と共有することが目的。  今までは検査や処置など診療区分ごとにしか記載しなかったが、新しい明細書には、点滴で使った薬剤名や人工呼吸などの処置内容を具体的に記した上で、それらの点数や金額を明記する。  プライバシー保護のため、患者が意識不明で同意が得られない場合などには従来の明細書を発行するという。  診療報酬は公的医療保険で受診した場合に適用され、1点につき10円が患者や保険から医療機関側に支払われる。  嘉山孝正医学部長は「医療への不信感を取り除くだけでなく、診療報酬の不正請求を防ぐなど患者と病院の双方にメリットがある」としている。 "[he-forum 14058] 琉球新報3/6 琉球新報2009年3月6日付 「環境」も研究対象追加 大学院大 【東京】独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構(シドニー・ブレナー理事長)の今後の運営方針となる次期中期計画が5日までにまとまった。沖縄科学技術大学院大学(OIST)の認可を2011年3月までに文部科学省に申請することや、10年度をめどにサンゴや海洋生物などを研究する環境科学分野の「大学院コミッティ」を開設することなどが明記された。計画期間は09年4月1日から12年3月31日まで。独立行政法人評価委員会で5日、了承された。  「大学院コミッティ」は、研究者間の交流を促し、将来の博士課程教育で中核的役割を果たす同大学院大学独自のグループ。沖縄科学技術研究基盤整備機構には現在、神経科学、分子科学、数理・計算生物学の3つがあり、研究者は複数に所属できる。  次期計画で示されている今後の研究開発活動は(1)09年度中にゲノム解析用計算ツール開発に着手(2)環境科学分野で個体群生物学・生態学の研究者を採用(3)神経科学と構造生物学の分野を強化充実―などとなっている。  ほかに(1)住民理解を深めるため学校訪問、施設の一般公開、見学者受け入れを図る(2)教授らの給与体系、終身在職権、定年の扱いは国際基準に即するよう検討、教育研究の基本組織などを09年中に明確にする―などが盛り込まれた。 "[he-forum 14059] 産経新聞3/5 産経新聞2009年3月5日付 国立大学協会の新会長に浜田東大次期学長  国立大学協会は4日、東京都内で総会を開き、新会長に今春から東大学長に就任する浜田純一氏(58)を選出した。また、副会長には鷲田清一・大阪大学長(59)=新任、井上明久・東北大学長(61)、丸本卓哉・山口大学長(66)=いずれも再任=を選んだ。任期はいずれも平成22年3月末まで。  浜田氏は記者会見で、「各大学とも厳しい財源の中、さまざまな取り組みに頑張っている。その努力を社会に訴えていきたい」と就任の抱負を語った。 "[he-forum 14060] 共同通信3/4(2) 共同通信2009年3月4日19時19分 東大の雇い止め規定を撤廃要求 教授ら教職員有志  東京大で働く非常勤職員の雇い止めを防ごうと、小野塚知二大学院教授ら教職員有志の代表者が4日、東京都内で記者会見し、雇用期間を最長5年間としている大学の規定を撤廃するよう訴えた。約530人分の署名も集め、3月末までに大学に提出する。  撤廃されなかった場合、約3300人の非常勤職員のうち約2200人が4月以降に順次、仕事を失うといい、小野塚教授は「仕事に慣れた非常勤職員がいなくなれば、研究や教育活動に支障が出る」と話している。  非常勤職員は、各研究室の経理や資料整理、図書館業務などに携わっている。東大は国立大学法人に移行した2004年度以降、新たに雇用した非常勤職員について契約を1年単位とし、更新を最高4回までとする規定を設けている。  会見には、3月末で雇い止めとなる30代の女性職員も同席し、「子どもを受け入れてくれる保育所が見つからず、新たな仕事を探せない。人を育てる大学で、人間を使い捨てするようなことは許されない」と訴えた。 "[he-forum 14061] 沖縄タイムス3/7 沖縄タイムス2009年3月7日付 迫る新学期 不満の渦 琉大の外国語講義削減/大学 詳細説明なし 教員「見切り発車」・学生「改革に疑問」  琉球大学が4月からの新入生を対象に外国語の講義数を大幅に減らす問題で、学生や授業を受け持ってきた非常勤講師、専任教員らは不安が消えないまま、新学期を迎えようとしている。5日には、法文学部の教員9人が、大学の在り方を考えようと公開討論会を開催。「授業を半分にして英語力は上がるのか」「議論が煮詰まらないまま見切り発車している」など大学が唱える「改革」の妥当性を疑問視する声や、学内外に詳細な説明がないことへの不満が相次いだ。6日発表された前期日程の合格者からも、不安の声が漏れた。(社会部・嘉数よしの)  5日の公開討論会。大学側に削減反対の署名や中止要請書を提出した法文学部の3年生(22)は悔しさをにじませた。「学生の学習権にかかわるのに、署名を出しても応えようとしない。誰のための改革なのか分からない」  学生たちは再度、新カリキュラムの廃止に向けた運動を展開する計画を進めている。  公開討論会は「黙っていては解決しない」と危機感を持った法文学部教員が急きょ開催。「専任教員らが沈黙している。学生の学ぶ権利をもっと大事にすべきだ」と自戒を込めながら話した。  英語非常勤講師は、担当授業が減らされた影響から、「収入減で引っ越しを余儀なくされたり、困っている講師がいる。人権問題だ」と嘆き、別の非常勤講師は「非常勤と大学の関係はまるで植民地と宗主国」と不信感をあらわにした。  4月に同大に入学する女性は「大学の都合もあると思うが、減らしてほしくない」と不安を打ち明けた。  法文学部教授会は2月、「今取り下げても混乱を招く。(実施は)苦渋の選択」と容認していたが、3月5日には「学内外から出ている疑問は解消されていない」と、平啓介理事らに説明を求めた。  琉球大学教授職員会は4日、同問題を含む公開質問状を岩政輝男学長あてに提出した。  平理事は本紙の取材に対し、「新聞投稿で説明した。一般の人への説明は予定していないが、法文学部の教授会では説明しようと考えている」と回答。新入生に対しては「学部学科からオリエンテーションなどで説明される」とした。 "[he-forum 14062] 読売新聞3/8 読売新聞2009年3月8日付 新設大学の教員名公表…文科省 認可後の変更抑止  文部科学省は来年度から、大学や学部の新設の際、教員名簿やカリキュラムなどの資料を公表することを決めた。  2004年の設置基準の緩和で大学の質の低下が指摘される中、認可後に大学側が安易に計画変更することを抑止する狙いがある。週内にも全国の大学などに通知する。  文科省は現在、大学の名称や住所などを公表しているが、それ以外の情報の公開は大学の自主的な取り組みに任せている。  しかし、設置基準の緩和を受けて、大学や学部などの新設が相次いだ結果、経営が安定しない大学の中には人件費を抑制するため、実績のある教授を若手に代えたり、カリキュラムを変更したりするケースも増えている。  このため、同省は2月下旬に省令を改正した。来年度からは、〈1〉カリキュラムや職員数、図書数などを記した基本計画書〈2〉学則〈3〉設立趣旨〈4〉教員名簿――などを同省のホームページ上で閲覧できるようになる。同省は当初の計画を公表することで、大学側の都合による変更を抑制したいとしている。 "[he-forum 14063] 京都新聞3/8 京都新聞2009年3月8日付 教養教育の前進探る 府立大、府立医大、工繊大と府  大学の教養教育のあり方を考えるフォーラムが7日、京都市左京区の京都府立大であり、約90人の大学教員らが意見交換した。  同フォーラムは、連携して教育の高度化に取り組んでいる府立大、府立医科大、京都工芸繊維大の3校と京都府の主催。文部科学省に認可された「戦略的大学連携支援事業」の一環として初めて共同で開いた。  府立大の竹葉剛学長が「現在の教養教育が社会に求められている内容かどうかを話し合い、前進したい」とあいさつした。民間企業や病院、京都府の人事担当者が学生に求める教養について持論を展開。自分の考えを人に伝える「コミュニケーション能力」を高める必要性を強調した。  一方、大学側は自校の教育内容を説明し、3大学連携による教養教育の有効性を解説した。京都市青少年科学センターの日高敏隆所長ら7人のパネリストによるパネル討論もあった。 "[he-forum 14064] しんぶん赤旗3/7 しんぶん赤旗2009年3月7日付 人文学 もっと重視を 東京外大学長、石井副委員長らに要望  国立大学が法人化されて五年たち、運営費交付金の毎年1%削減によって教育研究に深刻な影響が出ている問題などで六日、日本共産党の石井郁子副委員長(衆院議員)と笠井亮衆院議員は東京外国語大学を訪れ、亀山郁夫学長と懇談しました。党の大学実態調査の一環です。  同大は、約五十の言語や世界の文化、社会の教育、研究を通じて社会に寄与する役割をはたしていますが、国からの運営費交付金は三十一億円(〇八年度)、法人化後に四億円が削減されました。  各教員の研究費は三十万円。専門誌など共通資料を購入して残るのはその半分です。削減分を補うために競争的資金の獲得におわれ、教職員のストレスと疲弊感は相当なものといいます。  亀山学長は、昨年来の金融危機で被害をうけた留学生に一人十万円を援助したことも紹介しながら、「交付金の削減がつづくのは大変苦しい。技術立国政策のもとで人文系学問が切り捨てられるのは悲しいことだ」とのべ、交付金の増額を要望しました。  また、「外国語大学は少人数の専攻が多い。しかし学生に対する教員数の割合は国立大のなかでも一番少なく、教員が大変苦労を強いられている。人文学をもっと重視し、必要な教員数を確保できるようにしてほしい」と強く訴えました。  石井議員は「構造改革路線の結果、大学は深刻な状態にある。国会で政府を追及し大学関係者の声にこたえたい」とのべました。 "[he-forum 14065] 読売新聞富山3/9 読売新聞富山版2009年3月9日付 富大学長選考 学内外に波紋広がる 意向調査巡り対立  富山大学の学長選考で、教職員らによる意向調査の結果、最下位だった西頭徳三(さいとうとくそう)学長(70)が、選考会議で再任された問題が、学内外に波紋を広げている。一部の教員が文科省に選考に関する法改正の検討を求めるなど、選考のあり方そのものを問いかけている。(井上亜希子) ◆学内の反発  東京・霞が関の文部科学省に3日、「学長選考問題を考える会」世話人の小倉利丸教授や岡村信孝教授ら4人が訪れ、西頭学長の再任について異議を訴えた。  4人は、〈1〉文部科学相が西村学長を任命しない〈2〉学長選考会議に再選考を指示する〈3〉国立大学法人法の学長選考に関する規定を改正する――の3点を要請。規定の改正を求めたのは初めてという。  ただ同省は、「大学の自主性を尊重するのが原則。人物に問題がなければ任命する」と説明するにとどまる。学長は、大学側が文科省に上申し、文科相が任命する手続きだが、同省によると、これまで上申された候補が拒否されたことはない。新学長の任期は4月からで、西頭氏は「改革をやり遂げたい」と続投に意欲を見せている。 ◆意向調査  問題の発端は、学内教職員らの投票による意向調査だ。意向調査は職位別に2回実施され、3候補のうち西頭氏はいずれも最下位だった。  だが、同大学長選考規則では「選考会議は、学長候補者の選考の参考とするために、意向調査を行うことができる」と記述されている。調査はあくまで「参考程度」という位置付けで、実際の選考過程で調査結果をどのように扱うかなど明確な基準はない。  今回の選考会議で、金岡祐一議長は「各委員がそれぞれ参考にしたのだろう」と述べる。一方、意向調査管理委員会の委員長を務めた小倉利丸教授は、調査の趣旨の一つに「人事権や学問の自由など大学の自治がある」と主張する。  文科省人事課によると、86大学法人の多くが意向調査を実施するが、位置付けは「参考程度」が大半。このため、意向調査と選考会議の結論が異なり、教員側が反発した例が全国的に相次いでいる。2005年に新潟大、07年には滋賀医科大などで訴訟にまで発展したが、原告側が敗訴。選考会議の結果が覆ったケースはない。 ◆「改革」と法人化  国立大学は04年度に法人化され、西頭氏は05年、旧富山大と富山医科薬科大、高岡短大が統合した新しい富山大の初代学長に、最も規模が小さい旧高岡短大から選ばれた。  人文系の学部について「研究部」への再編を目指すなど、一連の改革はまだ道半ばだが、「改革が現場に周知されず、トップダウンで意思決定される」(富山大教授)と不満も強い。  法人化に伴い、学長には経営手腕も求められるようになった。そこで、従来の学内投票から、学外の委員も交えた選考会議で決定されるよう改まった。意向調査は法人化前の“名残”とも言える。  文科省人事課は「学長の選考が、外部から経営面でも判断されるようになり、意向調査とのねじれが生じているのでは」とみる。また、国立大学法人化に詳しい立命館大学の本間政雄副総長は「選考結果を巡る問題の根底には、学内自治として教員中心の秩序を求める勢力と、大学改革を進めようとする勢力のせめぎ合いがある」と分析している。 "[he-forum 14066] 京都新聞3/9 京都新聞2009年3月9日付 大学の果たすべき役割探る 大阪で関西学士会の開設記念企画  旧帝国大7大学の同窓会組織「学士会」の西日本における活動組織「関西学士会」の開設記念企画「大学の本領-関西からの提言」(学士会主催、京都大など共催)が8日、大阪市北区の大阪大中之島センターで開かれた。松本紘京大総長、鷲田清一大阪大総長、有川節夫九州大総長の3人が、大学の教育と研究、果たすべき役割を語り合った。  西日本での活動を始めるにあたり、大学が抱える課題を考えようと企画した。3大学の総長が大学院生6人と座談した後、人材育成や法人化などについて語った。  鷲田大阪大総長は「1番大切なのは学生の知性を刺激すること。学問の細分化が進み、高学年ほど教養教育が必要になっている」とコミュニケーション能力をつける大学院教育を紹介、「博士をもっと社会が評価してほしい」と注文した。  松本京大総長も「教養教育を10年かけて見直す」と強調、「幅広い教養のためには先生の個性を伝えることが必要」と改革の方向性を示した。国際化についても、アジアの大学との単位互換を進める考えを示し、「よその国に学生自ら飛び込んでいく勇気を持ってほしい」と呼びかけた。 "[he-forum 14067] 室蘭民報3/8 室蘭民報2009年3月8日付 室蘭工業大学の21年度留学生が100人突破確実  平成21年度から室蘭工業大学(松岡健一学長)に通う外国人留学生は2月1日現在で99人の来日が決まり、過去最多となることが分かった。同大では平成19年4月に国際交流センター(酒井哲也センター長)を開設して留学生の受け入れ態勢を整えた成果が出始めた。秋には短期留学生が訪れることから、最終的には100人の大台を突破することは確実だ。  留学生の推移は15年度62人、16年度61人、17年度55人、18年度48人、19年度52人、20年度82人なっている。  国際化に対応するため、同センターを立ち上げたほか、留学生に月額5万円の奨学金を1年間に限って全員に支給、2年目以降は成績に応じて出すことにした。  さらには、東京や大阪での面接実施などの入試改革やマレーシアでの進学説明会を実施。これらの積極的な取り組みが徐々に浸透してきた。  21年度に訪れる留学生の出身国別の内訳は中国が42人でトップ、ついでマレーシア33人、韓国9人、ラオス5人、インドネシア、サウジアラビア(いずれも2人)など。12カ国、99人の留学生が4月から工大で学ぶことが決まった。  同センターでは「本学から留学する学生も出ており、留学生は刺激になっている。秋には短期的な留学生が訪れる予定で100人を突破するのではないか」と話している。 (佐藤重伸) "[he-forum 14068] 毎日新聞京都3/8 毎日新聞京都版2009年3月8日付 がん診療連携拠点病院:京大病院を指定へ 来月、府立医大に続き2カ所目    京都大病院(左京区)が4月1日付で、国から「都道府県がん診療連携拠点病院」に指定される。府内では府立医大病院に続き2カ所目で、大学病院の複数指定は全国で初めて。地域の主要病院に対する診療支援が主な役割で、府立医大と協力してがん医療体制を強化する。  厚生労働省は都道府県拠点病院を原則1カ所ずつ指定。府は07年3月に府立医大、京大とがん対策総合戦略推進会議を発足させるなど連携しており、「京大を抜きにがん医療体制は考えられない」と判断。昨年10月に国に推薦し、2月23日付で内定通知を受けた。  府立医大は府内に診療ネットワークがあり、緩和ケアで指導的役割がある。一方、京大は人材育成で総合大学の強みを生かせるほか、放射線治療が先進的。両大学病院は連携しながら地域の主要病院に対し、医師・薬剤師・看護師らを対象とする研修▽症例相談や診療支援▽がん医療の情報交換--などを実施する。府健康対策課は「両大学病院の得意分野を生かし、全国最高水準のがん診療体制を構築したい」としている。【朝日弘行】 "[he-forum 14069] 読売新聞香川3/8 読売新聞香川版2009年3月8日付 香川大付属病院 県がん診療拠点に  香川大医学部付属病院(三木町)が県内で初めて、厚生労働省の「都道府県がん診療連携拠点病院」に指定された。同病院と同様に「地域がん診療連携拠点病院」に指定されている県立中央(高松市)、高松赤十字(同市)、香川労災(丸亀市)、三豊総合(観音寺市)の各病院と協力し、がん患者の治療や緩和ケアなどに取り組む。  厚労省はがん治療の質を高めるため、1年間に1200人以上のがん患者を治療し、放射線療法や化学療法の専門医が最低でも1人いるなどの条件を満たす病院を拠点病院に指定。その中から〈まとめ役〉となる施設を、都道府県がん診療連携拠点病院にしている。  香川大付属病院は今後、拠点4病院と協議会を設置し、緩和ケアに関する研修会の開催や、患者の診療計画一覧表の作成などを進める。県医務国保課は「病院同士で情報を共有すれば、治療の高度化や患者サービスの向上が見込める」と期待する。 "[he-forum 14070] 岩手日報3/8 岩手日報2009年3月8日付 減免枠を2500万円増額 県立大の授業料  滝沢村滝沢の県立大は、2009年度以降の授業料免除の総枠を拡大、これまでの授業料収入5%以内(約6200万円)の245人から、約2500万円増の7%以内(約8700万円)に広げ、約320人の利用枠を確保する。  減免の条件は▽修得単位数が一定基準以上▽学資負担者の08年度の所得額が一定基準以下▽奨学金受給者か日本学生支援機構奨学金への申込者-など。  2日から申請を受け付けており、4月20日まで受け付ける。4年制大学生、短大生、大学院生の計約2500人中のうち約320人を見込む。  免除要件を満たせば原則として家計の困窮度が高い順に半額免除になる。全額免除は、成績優良者を優先してきたが、経済的困窮度の高い順に変更した。  同大の授業料は、4年制の大学生と大学院生が年額53万5800円、短大生が39万円で授業料収入は約12億円。  同大は昨年12月、景気悪化に伴う緊急支援策として08年度後期授業料免除の追加措置を実施。2月末現在で75人の学生が後期授業料を免除された。全額免除が3人で、半額免除が72人。免除額は949万9500円。08年度は前期、後期延べ522人(4年制大学生、短大生、大学院生)が免除された。  緊急相談窓口には、在学生や高校生の保護者らから▽派遣で働いている父が解雇される見込みだが免除の対象になるか▽進学したいが経済的に苦しいので免除制度について知りたい-など、100件を超す相談があった。  相沢徹理事長は「09年度、10年度はさらに景況が悪化する可能性もある。学費の問題で大学を辞めるようなことがあってはならない」としている。 "[he-forum 14071] 神戸新聞3/7 神戸新聞2009年3月7日付 明石市、兵教大と協定 発達障害支援施設開設で    発達障害者と家族らを支援するため、明石市が四月、同市二見町東二見に「発達支援センター」を開設することになり、市は六日、兵庫教育大(加東市)と運営時の連携協力に関する協定を結んだ。同センターは、福祉と教育の関係者が連携し、幼児から成人までそれぞれの成長段階に応じた支援を展開する予定。明石市によると、同様の施設を自治体が独自に設置するのは県内初という。(大森優子)  同センターは、四月にオープンする保健福祉施設「ふれあいプラザあかし西」内にできる。ケースワーカーや保健師、市教委の指導主事らが常駐し、発達障害のある本人や家族、学校園の関係者らの相談に対応。就学前の子どもとの接し方から、学齢期の教育現場のサポート方法、成人後の就労支援まで各段階で支えるとしている。  兵教大との連携は、発達障害などについて専門知識を持つ同大の教員や大学院生らが週に数回訪問。個別相談への対応や、センター職員への助言のほか、明石市内の学校園への巡回相談などを行う。  明石市役所で行われた調印式には、北口寛人市長や梶田叡一・兵教大学長らが出席。北口市長は「幼少期から成人後まで切れ目ない支援を求める声は、多く寄せられていた。大学と連携して期待に応えられる施設を目指す」と述べた。 "[he-forum 14072] 神戸新聞3/11 神戸新聞2009年3月11日付 柏原病院に医師派遣 神大と県が地域医療で協定   医師不足が深刻化している兵庫県立柏原病院(丹波市柏原町)を、神戸大学大学院医学研究科が医師派遣などで支援する「地域医療連携推進事業」が新年度から実施されることになり、十日午前、井戸敏三知事と野上智行神戸大学長が協定書を交わした。  柏原病院には二〇〇三年以前に内科医が十四人いたが、現在はわずか四人。三百三床のうち、百四十六床しか稼働できず、厳しい運営を強いられている。  事業では、神戸大大学院と県が共同で地域医療システムの在り方を研究する。大学院からは内科医二人が柏原病院に派遣され外来診療を担当。県は職員を大学院に派遣し、医療行政の研究・教育に当たらせる。期間は三年で、県が年間三千万円を同大学院に支出する。  協定の調印式で井戸知事は「この事業を地域医療再建のためのスタートにしたい」と述べ、野上学長は「県との連携で、医師や医療スタッフを養成し、それを支えるシステムを作るというトータルな取り組みができる」と語った。  柏原病院の酒井国安院長は「内科の外来診療の体制を立て直すことで、外科など他の診療科や入院医療にも余裕が生まれると思う。この事業が医師配置の新しい仕組みとして成功するよう頑張りたい」と話した。(森本尚樹) "[he-forum 14073] 室蘭民報3/10 室蘭民報2009年3月10日付 産学連携で技術者育成―室工大で実証講義スタート  室蘭工業大学(松岡健一学長)の「ものづくりバードアイ技術者育成事業」が9日、同大ものづくり基盤センターの実証講義でスタートした。全国の大学、企業との産学連携で、設計から素形材、機械加工、検査、評価までの全製造工程を俯瞰(ふかん)的に統括・管理する技術者を育成。座学や実験、インターンシップを展開し、平成23年度からのカリキュラム化を目指す。  20―22年度の3カ年事業。経産省の産学人材育成パートナーシップ等プログラム開発・実証事業に採択された。20年度補助費は2570万円。20、21年度はカリキュラム化に向けた90の実証講義を行い、機械システム工学、材料物性工学の両科(4月に統合して機械航空創造系学科)4年生10人が受講する。  実証講義はものづくりに関係する全科目のほか、鋳造、引っ張り実験、製造業でのインターンシップなど。講師は同大教員のほか、全国の大学、高専、道立工業試験場から招く。インターンシップ先として日本製鋼所室蘭製作所、キメラ(室蘭)などが協力する。  初日の実証講義は、清水一道・同大准教授の「材料力学」など。清水准教授は最初に「機械が正しく設計され、正しく製作され、正しく運転されなければ、破損事故を起こす」と全工程を統括する必要を力説。その上で金属材料の機械的性質について講義した。  この後は道立工業試験場技術支援センターの鴨田秀一所長の「材料プロセス学」、慶応義塾大の小茂鳥潤教授の「弾塑性(だんそせい)力学」を開講。学生のほか、国の雇用安定助成金などを活用した社員教育に力を入れているキメラの社員も、訓練の一環として受講した。  実証講義を基に、22年度までにプログラムを作成し、23年4月から機械航空創造系学科3年生を対象とした2年間のカリキュラムを開始する。  清水准教授は「不況で製造業が厳しい時だからこそ、幅広い知識と専門技術に加え、課題解決能力を備えた『生産俯瞰人材』を育てたい」と語っている。 (山田晃司) "[he-forum 14074] 時事通信3/10 時事通信2009年3月10日17時27分 バイエル薬品、奈良県立医科大学に寄付講座開設  バイエル薬品は10日、奈良県立医科大学に寄付講座「血栓制御医学講座」を開設すると発表した。講座は、血栓形成の分子細胞メカニズムの解明とその制御が研究領域。開設期間は09年度からの6年間で、同社は総額1億8750万円を寄付することになる。 "[he-forum 14075] 産経新聞3/11 産経新聞2009年3月11日付 奨学金滞納者 ブラックリストに賛否 精神的ダメージ/仕方ない  奨学金の返還が3カ月間滞ると個人信用情報機関に登録します-。独立行政法人「日本学生支援機構」が打ち出した対策に、賛否が分かれている。延滞の抑止などが目的だが、「奨学金制度を続けるためには必要」と理解を示す学生がいる一方で、「サラ金の滞納者と同じようにブラックリストに載せるのはおかしい」と疑問視する声もある。(安田幸弘)  ◆同意しなければ打ち切り  同機構が対策を発表したのは昨年12月のことだった。  個人信用情報機関への登録は、本人の事前の同意が必要なため、機構は現在、奨学金を利用する全学生に「個人信用情報の取扱いに関する同意書」に署名するよう求めている。4月30日までに同意しなければ、「奨学金の貸与を打ち切る」方針で、新たに奨学金を希望する新入生も同意が前提になる。  3カ月以上滞納した人の個人情報は、早ければ来年4月から、金融機関などが加盟する個人信用情報機関に提供する予定だ。現在の滞納者に対しても、今後、同意書を配布していく。  ◆デモやシンポも  個人信用情報機関に登録されると、どんな影響があるのか。債務整理や借金問題に詳しい大森顕弁護士は「いわゆるブラックリストに登録されると、クレジットカードやローンの利用が難しくなり、日常生活に支障をきたす恐れがある。また、落後者の烙印(らくいん)を押されたように感じ、精神的にダメージを受ける懸念もある」と話す。  滞納しなければ登録される心配はないが、疑問を持つ人もいる。東京都内の大学院に通う男性(26)は、機構の奨学金を利用しているが、「同意しなければ貸与を打ち切るというのは、ほとんど脅迫。最初の契約になかったことをいきなり言われても納得できない」といい、まだ同意書を出していない。  京都市内では今年1月に学生ら約50人がブラックリスト化に反対するデモを行った。4月12日には、東京・京橋で「奨学金の貸金業化を考えるシンポジウム」(仮称)が開かれる予定だ。  ◆次世代の奨学金に  疑問の声の一方で、理解を示す学生もいる。機構の奨学金を利用する東京都内の男性(23)は「返すことを前提に借りているので、特別な事情がないのに滞納するのはフェアじゃない。(機構の対策は)仕方がないと思う」。別の大学4年の男性(23)も「滞納者が増えると今後の奨学金へ回せる額が減るので責任をもって返すのは当然」と話す。  機構の奨学金は、利用者の増加に合わせて滞納額も増えている。3カ月以上の延滞債権額(返済期日が来ていない分を含む)は、平成19年度末で2253億円に上り、回収努力は継続的な課題だ。財務省から回収の強化を求められていることも今回の対策につながった。  機構は「返還金が次の世代の奨学金につながるということを理解してほしい。経済的な事情や病気で返還できない人は、返還期限を遅らせることができる猶予制度もあるので届け出てほしい」としている。 ■自炊で節約志向の大学生  全国農業協同組合中央会(JA全中)が全国の一人暮らしの大学生(男女計600人)を対象に、「一人暮らしの大学生の食生活実態調査」をインターネットで実施(2月6~13日)したところ、9割の学生が3食のうち1食以上を自炊し、5人に1人は3食とも自炊していることが分かった。  節約志向の高まりとみられ、親から送ってもらってうれしい物の第1位は「お米」(63・7%)、2位は「レトルト、インスタント食品」と保存できる食品を求めており、約8割の学生が「価格」に気をつけて食生活を送っているという。  JA全中は「外食の値上がりや、不況による親の仕送り負担の軽減を意識して自炊し、節約しているようです」と分析している。 ◇ 【用語解説】日本学生支援機構  旧日本育英会など5団体が平成16年に合併してできた独立行政法人。奨学金の貸与事業や留学生の支援事業などを行う。奨学金は、無利子の第1種と有利子の第2種。両方合わせて、貸与を受けた人は10年度は50万人で、右肩上がりで増え続け20年度は122万人に。返還者数(19年度末)は約222万人、滞納者(同)は約29万7000人。 "[he-forum 14076] 信濃毎日新聞社説3/12 信濃毎日新聞社説2009年3月12日付 臨床研修 基礎軽視は本末転倒だ  厚生労働省と文部科学省の検討会が、新人医師の臨床研修制度について、提言をまとめた。必修の診療科目を大幅に減らし、2年の研修期間を実質1年に短縮できるよう見直す内容だ。  狙いは、現場の医師不足解消にある。専門性の高い実習ができる大学病院に研修医を呼び戻しやすくして、即戦力として活用する効果が期待されている。  研修期間の短縮は、医師を確保する早道のようにもみえる。だが、その通りに実行したら、制度の理念はゆがめられる。  いまの制度は、専門分野に偏ってきたこれまでの医師養成のあり方への反省に立っている。基礎の段階で幅広く経験を積み、総合的な診療能力を身につけることを目的としている。  そもそも医師教育と、医師不足対策は別の問題である。臨床研修の短縮には賛成できない。  現行制度では、内科、救急、地域保健・医療、外科、産婦人科、小児科、精神科の7診療科が必修となっている。  見直されると、必修は内科、救急、地域医療の3科に減る。2年目から、将来専門にしたい診療科に専念できるようになる。  小児科や産科を、なぜ必修から外すのかが分からない。なり手がますます減ってしまうだろう。精神科も、患者の心をくみ取る経験から学ぶものは大きいはずだ。  臨床研修がいまの形になった2004年度以降、大学病院では人手不足が深刻化している。研修先を自由に選べるようにしたところ、症例数が多く実践的な医療を学べる都市部の民間病院に、研修医が流れているからだ。  この結果、大学病院が自治体病院などに派遣している医師を、相次いで引き揚げる事態となった。各地で医師不足に拍車がかかったとされるゆえんだ。  医師が足りない原因は、それだけではない。根本には、長年にわたって医師数を抑え、医療費を抑制してきた国の政策がある。提言はそこを素通りしている。  医師の確保は第一に、病院勤務医など現場の待遇改善によって図られるべきだ。さらには、医師の計画的な配置や、専門医の養成のあり方について議論を深める必要がある。  臨床研修の2年間は、医師として生きていく土台をつくる時期にあたる。さまざまな医師や患者に出会い、実地の経験を重ねることは、まわり道にみえて、将来の豊かな医療につながるはずだ。そのための時間を惜しみたくない。 "[he-forum 14077] 時事通信3/11 時事通信2009年3月11日18時1分 経団連、大学側と協議へ=就活早期化是正で-文科省が呼び掛け  大学生らの就職活動が早まっている問題で、日本経団連などが大学関係団体と対策を協議する会合に参加することが11日、分かった。経団連からは雇用委員長の鈴木正一郎王子製紙会長が出席する予定で、学生の採用をめぐって幹部が大学側と同席するのは異例。就職活動のルールが形骸(けいがい)化した現状の改善につながる議論が期待される。  12日の会合には経団連、経済同友会、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会が文部科学省の呼び掛けに応じて参加。国立大学協会など大学、短大、高専の8団体でつくる就職問題懇談会のメンバーと意見交換する。 "[he-forum 14078] 中日新聞3/12 中日新聞2009年3月12日付 研究者の子育て応援します 名大に全国初の学童保育  研究者ら大学関係者の子育てを支援しようと、名古屋大(名古屋市千種区)が東山キャンパスに小学生専用の学童保育所の建設を進めていることが分かった。今夏にも開設する方針で、全国の大学で初の試み。子育てが障壁となって研究を断念せざるを得ない女性も多く、全国の大学のモデルケースになりそうだ。  名大にはゼロ-5歳児を対象とした学内保育所「こすもす保育園」はあるが、子どもが小学生になると、預け先は地域の学童保育所か名古屋市のトワイライトスクールなどになる。研究者は夜間に及ぶ研究も多く、学内に施設を求める声が出ていた。  新しい施設は、急な仕事にも対応できるよう午後9時まで利用でき、近隣小学校から大学まで子どもの送迎も予定している。  今回のプロジェクトのメンバーで、自らも子育て中という名大男女共同参画室の佐々木成江・特任准教授(38)は「女性研究者にとって『小一の壁』といわれる小学校入学時は、出産に次いで研究を断念する第2のピーク。学内に施設があれば、研究を夕方に中断することもなくなり、子育てとの両立がしやすくなる」と話す。  施設は増築する保育園2階に整備し、約120平方メートルで定員60人。夏休みにも利用できる。また、大学ならではの利点を生かし、「子どもを預ける研究者が、例えば建築工学なら秘密基地をつくるといったユニークなプログラムを提供するようにしたい」という。  文部科学省などによると、女性研究者の割合は全体の13%(昨年3月現在)。大半が5-2割の欧米諸国と比べて低く、名大も約11%にとどまっている。 "[he-forum 14079] 毎日新聞秋田3/10 毎日新聞秋田版2009年3月10日付 リポート教育:秋大・産学官交流フォーラム 「不況時こそ大学の“知”を」 ◇企業が資金、共同研究も  秋田大(吉村昇学長)の工学資源学部は6日、秋田市のホテルで「産学官交流フォーラム」を開催。西田眞学部長は企業関係者らに「不況の今こそ『知の拠点』である大学から社会に秋田生まれの技術を発信したい」と呼びかけた。学生が企業の協力を得て取り組んだ研究結果も発表された。【岡田悟】  同学部は99年、県内主要企業などを会員に迎えて「産学官連携推進協議会」を設立。情報提供や共同研究に取り組み、素材やリサイクル部門でこれまでに多くの技術が実用化されている。  フォーラムでは、製錬などを手がけるDOWAホールディングスの名村優・執行役員技術担当が基調講演。廃棄物からレアメタル(希少金属)を取り出す事業所が県内に多いことを挙げ「各部門の中で、今後は環境・リサイクル部門が会社を引っ張るだろう」と話した。同学部とは現在、八つのテーマで共同研究に取り組んでいるという。  同社は09年度から3年間、寄付講座「リサイクルプロセシング講座」を同学部に設ける。「事業の現場で生かせる技術や人材を育成したい」と狙いを説明した。   ■  ■  フォーラムでは、大学の知の集積である「シーズ」と社会の側の「ニーズ」がそれぞれ紹介された。  伊藤淳・秋田銀行営業支援部次長は高齢化が著しい秋田で「地域医療モデル」を発信することや、農業に製造業やITのノウハウを活用するなどのアイデアを提案。「ピンチをチャンスととらえ、時代に応じて変化しよう」と呼びかけた。  また県環境あきた創造課菜の花バイオエネルギーチームの佐々木誠・チームリーダーは稲わらを使ったバイオ燃料の実証事業を、大学側からは斉藤準・同大ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー長が最先端の磁場計測技術を紹介した。   ■  ■  同学部では、企業が研究テーマを示し資金を提供する形で、学生と共同研究に取り組んでいる。  環境物質工学専攻博士前期課程2年の角田伸弘さんは高価な希少金属の使用量を減らした自動車廃棄ガスの浄化触媒について、電気電子工学科4年の近藤雅哉さんは音のパターンを解析して一人暮らしの高齢者の異常を感知するシステムの研究成果をそれぞれ発表した。  角田さんは非鉄大手・三井金属鉱業(東京都)とともに研究に取り組み、同社でのインターンシップも経験した。「企業は研究施設の規模が大きく、納期があるため時間の流れが速い。いい刺激になった」と振り返った。 "[he-forum 14080] 日本経済新聞3/12 日本経済新聞2009年3月12日付 産学連携組織の全国網 官民70機関参加、地方企業活性化狙う  地域で産業集積や産学連携を進める全国の機関を結ぶネットワークが発足する。技術の活用法や販路などについて情報交換することで各地での成果を底上げし、地域の企業活動を活性化するのが狙い。日本貿易振興機構(ジェトロ)などとも連携し地方の中小企業の海外展開にもつなげる。  ネットワークは地域で産業集積を進める法人組織や大学を中心とした産学連携機関、都道府県の中小企業支援センターなど70機関が加盟し、17日に発足する。地域の中小企業を支援する中小企業基盤整備機構やジェトロなども参加する。 "[he-forum 14081] 共同通信3/11 共同通信2009年3月11日20時28分 京大、雇い止め撤廃求め署名提出 教職員ら約2千人分  京都大が2010年度以降、雇用期限を迎える非常勤職員を「雇い止め」することについて、京大職員組合は11日、期限の撤廃を求める教職員ら約2000人の署名を松本紘学長あてに提出した。  職員組合によると、大学の各研究科長や研究所長ら管理職8人も署名。2000人とは別に、雇用の継続を希望する非常勤職員112人の署名も提出した。  職員組合は同日、大西珠枝副学長らと団体交渉。常勤職員と変わらぬ恒常的業務をこなす事務職員や、専門知識が必要な放射線技師らについて「業務が軌道に乗ってきたところで退職してしまう」と主張。雇用期限の撤廃や正職員化で対応するよう要求した。  大学側は「国からの運営費交付金が毎年1%ずつ減額されている」などと厳しい財務状況を挙げ、予定通り雇い止めを行う方針を示したという。 "[he-forum 14082] 京都新聞3/11 京都新聞2009年3月11日付 京大、制度変更しない方針 非常勤「雇い止め」問題  京都大(京都市左京区)が今月末で5年の契約期限上限を迎える非常勤職員を「雇い止め」にする問題で、京大は11日、制度を変更しない方針を京大職員組合に伝えた。組合は「放射線技師など職場で専門性が高い仕事をしている非常勤職員がいる」として、今後は個別の事例ごとに雇用の継続を求めて交渉を続けるという。  この日の団体交渉で、組合が非常勤職員の契約期間上限の撤廃を求める署名を提出した。教職員を中心に1993人が賛同し、別途集めた部局長・評議員対象の署名でも研究科長3人を含む計11人が賛同した。仕事の継続を求める非常勤職員112人の署名も提出された。  組合の松波孝治委員長らは「やめさせないでほしいという声が高まっている。公的な教育機関がやっていいことか」と話している。一方、京大総務部は「専門性の高い仕事については正規職員への採用を進めており、例外を認めたり制度を変える必要はないと考えている」としている。 "[he-forum 14083] 京都新聞3/12 京都新聞2009年3月12日付 京大教員、65歳定年延長へ 「優遇」に反発の声も  京都大は11日までに、現在63歳となっている教員の定年を段階的に引き上げて2013年度に65歳とする方針を決めた。高齢者雇用安定法に基づく措置だが、非常勤職員を最大5年間で「雇い止め」とする方針は変えておらず、学内からは「なぜ教員だけ優遇されるのか」と反発の声も上がっている。  京大は10日の部局長会議で10年度末に教員の定年を64歳とし、13年度末にもう1年延長する方針を示した。理由として高齢者雇用安定法で65歳までの雇用が事業主に義務付けられたことや、13年度の実施に向けて定年を段階的に引き上げている東京大などの国公立大で65歳定年への動きが加速し、優秀な人材確保のためにも不可欠と説明したという。  京都では、京都教育大(京都市伏見区)も現在の63歳から65歳への引き上げを検討している。 "[he-forum 14084] 読売新聞3/12 読売新聞2009年3月12日付 京大、女性の参画推進アクションプランを発表 教職員の採用・昇任など  京都大は11日、女性教職員や学生が活躍できる職場環境を整えるため、男女共同参画推進アクションプランを発表した。  2009年度からの5年計画。国の補助を受けて実施してきた育児サポートなどを行う「女性研究者支援センター」を大学の独自事業として継続し、教職員の採用・昇任時に性別によって不利益な評価をしないことの確認などが盛り込まれている。  19年には事務系職員の女性比率を係長で25%(昨年10月で約15%)、課長補佐級で15%(同約6%)、課長以上で10%(同約5%)とする目標も定めた。一方、教員については「性差に関係なく、能力を基本として選ばれるべきだ」などとして数値目標は盛り込まれなかった。 "[he-forum 14085] 時事通信3/12 時事通信2009年3月12日12時4分 委員追加して議論再開=教育再生懇  政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は12日、ノーベル物理学賞を受賞した小林誠氏や北京五輪銅メダリストの朝原宣治氏ら新委員6人を加え、議論を再開した。スポーツ振興など新たなテーマについて6月にも中間報告をまとめる。  懇談会は、新たなテーマを▽国際社会で通用する人材の育成▽経済的に困難な家庭への支援など安心な教育環境づくり▽科学技術人材の育成▽スポーツ庁の検討も含めたスポーツ振興策―とすることを確認。また、「教育委員会改革」と、政治参加意識を深めることを目的とした「主権者教育」に関するワーキンググループをそれぞれ設置することも決めた。  麻生太郎首相は会合の冒頭、「国民の期待に応えられる、世界から期待される日本人をつくっていくことが教育だと思っているので、いろいろなご意見をお願いしたい」と積極的な議論を求めた。 "[he-forum 14086] 朝日新聞茨城3/12 朝日新聞茨城版2009年3月12日付 医師確保で県が2大学と連携 茨城  深刻化する医師不足の解消につなげるため、茨城県は筑波大学(つくば市)と東京医科大学(東京都)の2大学との連携強化に乗り出す。県出身者の入学枠「地域枠」を両大学に新設するほか、寄付講座も設置し、筑波大は神栖済生会病院、東京医科大は筑西市民病院と小美玉市医療センターに医師を派遣するという。  地域枠は09年度から筑波大医学群医学類に初めて設けられる。対象者は県内高校の卒業者か、在住者で定員5人。在学中は月15万円の貸与を受けられる。卒業後の医師免許取得後、県指定の病院で9年間働けば返還が免除される。9年のうち半分以上は、県北や県西など医師不足の29市町村の医療機関に勤務することが条件。  阿見町に付属の「霞ケ浦病院(茨城医療センター)」を設置している東京医科大でも、推薦入学者を対象に、10年度から定員3人の地域枠が設置される。  将来は両大学の地域枠計8人と、自治医科大(栃木県)に進学した県内出身者と、既存の県医師修学資金貸与制度の利用者を合わせ、毎年20人前後の新卒医師を確保するという。  寄付講座の設置は、大学所属の医師派遣が主な目的。筑波大では、付属病院の耳鼻科の40歳代と総合診療科の30歳代の医師2人が派遣先の神栖済生会病院で診察に当たるほか、医学類の学生100人がグループに分かれ年間で計32週間、同病院や市内の在宅患者宅などで実習する。市内の学校や公共施設で市民を対象に健康教室なども開く。寄付金2千万円は県が負担し、学生の交通費は神栖市が負担する。  東京医科大の寄付講座では、筑西市民病院に内科と泌尿器科などの医師、小美玉市医療センターに内科と整形外科などの医師を週3日ずつ派遣し、診療を受け持つ。県が1千万円、派遣を受ける両市が500万円ずつ、寄付金を負担する。 "[he-forum 14087] 日本経済新聞3/13 日本経済新聞2009年3月13日付 「女性医師にワークシェアを」、国大協が提言  国立大学協会は国立大病院で女性医師の比率が高まっているのに、出産などで職場を離れる間の医師不足への対応は遅れているとして、ワークシェアリング(仕事の分かち合い)の仕組みづくりなどに積極的に取り組むよう各大学に求める提言をまとめた。「女性医師の離職防止や復職支援を怠ると、医師不足がさらに深刻化する」と警鐘を鳴らしている。  提言は大学卒業直後は90%を超えている女性医師の就業率について、結婚や出産を機に35歳前後でいったん76%程度まで低下すると指摘。中堅医師として最も活躍が期待されている時期に育児と仕事の両立を迫られ、休職中に手術技術などのブランクが生じる懸念もあるとした。 "[he-forum 14088] 北海道新聞3/13 北海道新聞2009年3月13日付 室工大、宇宙機構と協定 次世代宇宙船を開発 【室蘭】室蘭工大(松岡健一学長)は十二日、宇宙航空研究開発機構(宇宙機構、東京)と連携協力協定を結ぶ方針を固めた。同大には国立大学法人で唯一、航空宇宙分野の研究センターがあり、協定締結で次世代型宇宙船の研究、開発を同機構とともに推進する狙いだ。  二十五日に東京で調印式を予定しており、協力内容は新しい宇宙輸送システム開発に向けたエンジンや機体の共同研究が柱となる。  同大は二〇〇五年に航空宇宙機システム研究センターを設置。超音速で大気圏外に出る「スペースプレーン」の基盤技術研究などを進めている。〇八年度に道内で初めて大学院に航空宇宙システム工学専攻を設置、〇九年度からは学部生向けのコースも設ける。  同大地域連携推進課は「実用化を見据えた研究推進につながる」と期待している。  宇宙機構とは北大など六大学が連携協力協定を結んでいる。 "[he-forum 14089] ≪声明≫ 国立大学法人法(第30条ほか)すら蹂躙する文科省「国立大学法人の組織・業務全般の見直し」の違法性を告発する ≪声明≫ 国立大学法人法(第30条ほか)すら蹂躙する文科省「国立大学法人の組織・業務全般の見直し」の違法性を告発する 2009年3月14日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 要約 現在、文科省は、「国立大学法人の組織・業務全般の見直しについて」方針の作成をすすめ、全国立大学法人に、これにもとづいて中期目標の原案を行わせようとしている。 しかしながら、国立大学法人全般の組織・業務の見直しを行うことは文科省の権限外である。また、今回の「見直し」の根拠とされる国立大学法人評価委員会の「視点」は適正な手続きを経ずにつくられた疑いがある。さらに、文科省が各国立大学法人の中期目標の原案作成に先立ち「見直し」方針を示すことは明確な法人法第30条違反である。 そもそも、第1期中期目標期間の業務実績に対する評価委員会の評価結果が出ていないうちに、それと無関係の「見直し」をはじめるということは、評価結果に基づく組織・業務の見直しという説明すら反故にするものである。我々は、文科省が「見直しスケジュール」を撤回し、国会と各国立大学法人に対して謝罪することを要求する。 1. 奇妙なラインを出現させた文科省「見直しスケジュール」 2009年2月5日、文部科学省高等教育局国立大学法人支援課は、「国立大学法人の組織・業務全般の見直しのスケジュール」(以下、「見直しスケジュール」と呼ぶ)と題する作業日程表をまとめ、流布した。これは、私たちがこれまで目にしてきた、国立大学法人評価委員会(以下、評価委員会)が2007年4月に決定した「中期目標期間評価のスケジュール案」(以下、「評価スケジュール」と呼ぶ)とよく似ている。 しかし、二つのスケジュールを見比べてみると、そこには、作成主体の違いだけでなく、内容上の大きな違いがあることに気づく。「見直しスケジュール」には、文科省の作業を示した段に、「評価スケジュール」にはなかったオレンジライン(矢印)が出現する一方、「評価スケジュール」の国立大学法人の段にあった「組織及び業務全般にわたる検討(次期中期目標、中期計画に関する検討)」が消えてしまっているのである。ここには、スケジュールの変更として片づけることのできない重大な問題が存在する。 2. 「国立大学法人の組織・業務全般の見直し」をする権限をもたない文科省がそれを行えば、通則法35条違反となる 「見直しスケジュール」が作成されたのと同じ2月5日付、文科省高等教育局国立大学法人支援課長永山賀久氏が各国立大学法人の「中期目標・中期計画担当理事」宛に配信した「事務連絡」(「国立大学法人の組織・業務全般の見直しについて」)によれば、今後、文科省は、評価委員会が1月28日にまとめたとされる「国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点」(以下、「視点」)に沿って国立大学法人の組織及び業務全般の見直し内容を作成し、「6月を目途に文部科学大臣から各法人にお示しする予定」だという。そして、やはり2月5日に作成された文書「国立大学法人の組織・業務全般の見直しについて」では、「各法人は、文部科学大臣から示される見直し内容を踏まえ、中期目標・中期計画の素案を作成する」こととされている。以上のプロセスを図示したものが「見直しスケジュール」のオレンジラインにほかならない。 だが、以下に掲げる法律の条文を読めばわかるように、国立大学法人法(以下、法人法)が独立行政法人通則法(以下、通則法)を準用することによって文科大臣に授権しているのは、条文に「当該国立大学法人」とあるように、個別の国立大学法人に関して、業務継続の必要性や組織の在り方などを検討し、所要の措置を講じることだけである。 独立行政法人通則法(〔 〕内は法人法における読替え。) 第三十五条 主務大臣〔文部科学大臣〕は、独立行政法人〔国立大学法人〕の中期目標の期間の終了時において、当該独立行政法人〔国立大学法人〕の業務を継続させる必要性、組織の在り方その他その組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、所要の措置を講ずるものとする。 2 主務大臣〔文部科学大臣〕は、前項の規定による検討を行うに当たっては、評価委員会〔国立大学法人評価委員会〕の意見を聴かなければならない。 3 審議会は、独立行政法人の中期目標の期間の終了時において、当該独立行政法人〔国立大学法人〕の主要な事務及び事業の改廃に関し、主務大臣〔文部科学大臣〕に勧告することができる。  すなわち、個別の国立大学法人の組織・業務についてではなく、「国立大学法人の組織・業務全般の見直し」、国立大学法人全体に関して、それらの組織のリストラクチュアリングに関する一般的な方針を示すことは、通則法35条が予定していないことである。今回の国立大学法人支援課長の「事務連絡」や「見直しスケジュール」のオレンジラインは違法の疑いがある。 3. 「見直し」策定のプロセスが評価委員会の意見を聴くことなく進められていれば、通則法35条2違反となる 文科省「見直しスケジュール」の中では、「国立大学法人の組織・業務全般の見直し」は、評価委員会の「視点」という専門的観点を取り入れてつくったかのように描かれている。 ところが事実はそうではない。2008年10月9日の国立大学法人評価委員会第24回総会において、「文部科学大臣の措置案」、すなわち今回の「国立大学法人の組織・業務全般の見直しについて」をつくる前段階の議論をお願いしたい、という提案が文科省からされ、「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しに関するワーキンググループ」が設置されることになった。そして、この機関が3回の会合を重ねてまとめた「視点」が、2009年1月28日の第25回総会に報告されたのである。  このプロセスには幾重にも問題がある。まず、「国立大学法人評価委員会運営規則」(2005年10月31日)はワーキンググループなる機関の設置について規定していない。当然、その設置根拠などについて出席委員から質問があってよいはずだが、そうした発言はなかった。また、ワーキンググループのメンバーの人選は、一任してほしいという野依委員長の発言があっただけであり、その審議事項、スケジュール、議事録等も一切情報公開されていない。事実上、評価委員会の「視点」は、文科省と一部メンバーのみの密室協議でまとめられたものであるといってよい。こうした運営は、議事録の公表、会議の公開などにより議事の公正性・透明性を確保することを定めた国立大学法人評価委員会の諸規則に反している。 さらに、第25回総会における「視点」の扱いも不明確である。それが単なる報告事項なのか、総会における審議決定事項なのか、議事録が公開されていないため判然としない。すなわち、「視点」が法令上の根拠をもつ国立大学法人評価委員会の意見であることを示す証拠は、現在のところ何も存在しないのである。すなわち、文科省は評価委員会の正式の意見を聴取することなく「見直し」をすすめていることになり、法人法が準用する通則法35条2に違反している疑いがある。  なお、このように重大な内容が審議されていた第24回総会の議事録が公開されたのは、第25回総会の後の3月13日のことである。委員のためではなく、外部に向けた情報公開を目的とするのであれば、少なくとも議事録は、次の会議が開かれる前に作成し、他の資料とともに公開するのが当然だと思われるが、ここ2年あまり、評価委員会の情報公開は極めて低調である。 4. 国立大学法人に、「見直し」を「踏まえて」中期目標の作成を求めているので、法人法30条違反となる 法人法は、文部科学大臣が中期目標を定める際、「あらかじめ、国立大学法人等の意見を聴き、当該意見に配慮する」(第30条3)ことを義務づけている。この規定は、通則法の枠組みを修正し、中期目標の実質的な作成主体を国立大学法人にするために設けられた措置であった。そして、(実際に大学側の意思が貫徹していたといえるかどうか疑問だとはいえ)各法人が中期目標の「素案」(原案)を作成するという運用上の工夫が行われてきた。 ところが、先に見たように、2月5日の文科省「国立大学法人の組織・業務全般の見直しについて」は、「各法人は、文部科学大臣から示される見直し内容を踏まえ、中期目標・中期計画の素案を作成する」(傍点は首都圏ネットワーク事務局)と述べている。「見直しスケジュール」でも、中期目標策定プロセスの起点は各国立大学法人の素案(原案)ではなく、それに先だって文科省が作成する「見直し」であることがはっきりと図示されている。 これらの措置は、国立大学法人の原案作成権限を前提とする法人法30条に違反する。さらには、大学の教育研究の特性に対する配慮義務を定めた法人法3条にも違反するといえよう。 5. 「見直しスケジュール」の撤回と謝罪を要求する 今回の「見直し」は、評価委員会による国立大学法人の業務実績の結果が確定していない段階に開始された。中期計画の達成状況を踏まえて、組織業務や次期中期計画の内容、それらと関連する運営費交付金のあり方を検討するというのが、従来の説明であった。今回の「見直し」は、この説明を反故にしていると言わざるを得ない。 以上のように、「見直しスケジュール」には数々の重大な疑念がある。加えて、ここで想起されねばならないのは、2003年における国立大学法人法審議過程で各大学の中期目標・計画策定作業に文科省が不当な介入を行っていたことが厳しく糾弾され、そしてそのことを踏まえた国会の附帯決議(とりわけ文末の参考に掲げる参議院附帯決議の五項・九項・十一項など)が採択されたということである。文科省はそうした歴史的経過を全く無視し、今度は法そのものも特別決議も公然かつ平然と蹂躙して大学への不当な介入を繰り返している。このことは、国権の最高機関である国会を文科省という一行政機関の下に置くものであり、法治国家の見地からも許されるものではない。 よって、我々は、文科省が「見直しスケジュール」を撤回し、国会と各国立大学法人に対して謝罪することを要求する。 以上 参考 参議院 附帯決議より 五、中期目標の実際上の作成主体が法人であることにかんがみ、文部科学大臣は、個々の教員の教育研究活動には言及しないこと。文部科学大臣が中期目標・中期計計画の原案を変更した場合の理由及び国立大学法人評価委員会の意見の公表等を通じて、決定過程の透明性の確保を図るとともに、原案の変更は、財政上の理由など真にやむを得ない場合に限ること。 九、国立大学法人評価委員会の委員は大学の教育研究や運営について高い識見を有する者から選任すること。評価委員会の委員の氏名や経歴の外、会議の議事録を公表するとともに、会議を公開するなどにより公正性・透明性を確保すること。 十一、独立行政法人通則法第三十五条の準用による政策評価・独立行政法人評価委員会からの国立大学法人等の主要な事務・事業の改廃勧告については、国立大学法人法第三条の趣旨を十分に踏まえ、各大学の大学本体や学部等の具体的な組織の改廃、個々の教育研究活動については言及しないこと、また、必要な資料の提出等の依頼は、直接大学に対して行わず、文部科学大臣に対して行うこと。 net.or.jp","SMTP","首都圏ネット事務局","info@shutoken-net.jp","SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 14090] ≪声明≫に引用されている資料について 各位 先ほど本事務局が配信した「≪声明≫ 国立大学法人法(第30条ほか)すら蹂躙する文科省「国立大学法人の組織・業務全般の見直し」の違法性を告発する」で引用されている以下の4資料については,本事務局ウェブサイトで掲載した声明本文からリンクが張られており,見ることができます.   「国立大学法人の組織・業務全般の見直しのスケジュール」   「中期目標期間評価のスケジュール案」   「事務連絡」(「国立大学法人の組織・業務全般の見直しについて」)   「国立大学法人の組織・業務全般の見直しについて」 詳細は,以下のURLを参照ください. http://www.shutoken-net.jp/2009/03/090316_5jimukyoku.html 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 net.or.jp","SMTP","首都圏ネット事務局","info@shutoken-net.jp","SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 14091] 日本海新聞3/14 日本海新聞2009年3月14日付 人員体制13人に拡充 鳥大救命救急センター  救急科専門医四人全員の三月末での退職で運営が危ぶまれていた鳥取大学医学部付属病院(米子市西町、豊島良太院長)の救命救急センターが、これまで十人だった人員体制を四月から十三人に拡充することが十三日、分かった。ただし、専門医はセンター長に就任する教授のみで、引き続き専門医の確保を急いでいる。  豊島院長が、同病院運営諮問会議で説明した。センター長に就任するのは一九八八年に鳥取大学医学部を卒業し、現在国立病院機構災害医療センター(東京都立川市)部長を務める本間正人医師(46)。  これまでは専門医の資格を持つ教授、准教授、助教二人を含む計十人で運営。新体制では准教授は補充せず、助教を四人から八人に増員する。このほかにも七月から専門医一人が就任予定で、年内には専門医を四人確保したいという。  豊島院長は「つぶしてはいけないという思いで全国を探して回った。院内の応援もあり、四月からの体制は整った」と話した。昨年度のセンターの患者のうち軽症の一次患者が八割以上を占め、現場を圧迫している現状から「これまでの二の舞にならぬよう、軽症者に利用を遠慮してもらうよう啓発したい」と適切な運営を目指す考えを示した。  同センターでは、八木啓一センター長など四人の医師が人員体制や設備の不備などを理由に退職する。 "[he-forum 14092] 時事通信3/16 時事通信2009年3月16日15時43分 塩野義製薬、大阪大学に研究センター設立=分子イメージング技術の研究で  塩野義製薬は16日、大阪大学(大阪府吹田市)に「医薬分子イメージングセンター」を設立すると発表した。体内における薬の働きを陽電子放出断層(PET)撮影法などを使って診断する分子イメージング技術に関して、阪大大学院医学系研究科と共同研究を進めるため建設する。総工費は約4億円で、2010年4月に完成する予定。 "[he-forum 14093] 毎日新聞3/16 毎日新聞2009年3月16日付 原子力学科:大学で復活 温暖化対策で脚光「技術者不足」 早大・東大…新設や改称  原発の事故や不祥事でイメージが悪化し、90年代以降、大学の学科や専攻の名から次々と原子力の文字が消えた。だが、地球温暖化対策で原子力が世界的に脚光を浴び、大学で原子力を専攻できる学科が復興し始めた。10年春には、武蔵工大(4月に東京都市大に改称)と早稲田大が原子力専攻の大学院を共同で設立するという全国初の試みも登場している。【西川拓】  武蔵工大は63~03年に研究用原子炉を運転し、原子力の研究と教育の実績がある。昨年4月に原子力安全工学科を開設した。原子炉は廃止されていたが、残った制御機器などを活用する。昨年、エネルギー問題に関心を強める早稲田大の呼びかけで、共同の大学院を設立することになった。武蔵工大の堀内則量(のりかず)・原子力研究所長は「温暖化問題解決には技術に加え、政策も学ばなければならない。団塊世代の大量退職で技術者が不足する。早急に育成しなければならない」と語る。  13基の商用原発が立地する福井県では、福井大が4月に国際原子力工学研究所を設置する。将来は複数の大学と共同で大学院を設置することも視野に入れる。福井工大は05年度、原子力技術応用工学科を開設した。  原子力の名称も復活している。東海大は来春、エネルギー工学科を原子力工学科に改称する。00年度までは原子力工学科を名乗っていた。大学は「悪い印象は薄れた。受験生に教育内容が分かりやすいよう改称を決めた」と説明。東京大も05年度、大学院に原子力専攻と原子力国際専攻を開設し12年ぶりに原子力の名を持つ専攻を復活させた。  チェルノブイリ原発事故(86年)や茨城県東海村の臨界事故(99年)などを機に、多くの大学は原子力工学をエネルギー工学や量子工学へ改組・改称した。日本原子力産業協会によると、90年代初めに原子力関係の学科や専攻は約20カ所あったが、その後の10年で半減した。  しかし、稼働率が下がると、二酸化炭素排出量の削減が難しい。米国やイタリアなど原発建設を再開する国も出ている。一方で、老朽化する原発が増え、安全な運用と廃棄物処理、廃炉を進める上でも人材が必要だ。文部科学省などは07年度から「原子力人材育成プログラム」を始めている。岡芳明・日本原子力学会長は「(閉鎖的な)原子力村から脱却し、社会の信頼を得なければならない」と話す。 "[he-forum 14094] 朝日新聞3/16 朝日新聞2009年3月16日付 留学生増で予算増 文科省が交付金に新ルール  留学生を増やせば、使える予算も増えます――。文部科学省は、国立大学が私費留学生を増やした人数に応じて国の運営費交付金を多くもらえる仕組みを作り、各大学に通知した。09年度から実施する。条件を良くすることで福田前首相が提唱した「留学生30万人計画」の実現につなげたい考えだ。  交付金のうち、各大学の意欲的な取り組みに応じて算定される「特別教育研究経費」の一つに、「留学生受け入れ促進等経費」を設けた。国が奨学金を出す国費留学生は、従来も受け入れ人数をもとに交付金を出していたが、私費留学生についても交付金措置によって教育面などの支援を促すようにした。  文科省の担当者は「私費についてはこれまで各大学の努力でやってもらっていた。支援は、留学生の受け入れを増やすインセンティブと考えている」と話す。  09年度の場合、07年度の留学生数や過去の平均増加率を基に、これだけ増えるだろうという「想定値」を文科省が各大学に提示。あらかじめ想定値分の交付金を措置しておき、達成できないと頭数に応じて返納してもらう。  例えば東京大は、学部や大学院への私費留学生が07年度の1345人より、138人増えると想定。学部正規生は4万2千円、大学院博士課程正規生は16万8千円といった単価で計算し、約1600万円を措置する。  30万人計画は、大学の国際化などを進めるため、福田前首相が昨年1月に提唱。昨年5月1日現在で12万3829人(過去最高)だった留学生を2020年をめどに30万人に増やすことを目標にしている。(大西史晃) "[he-forum 14095] 沖縄タイムス3/16 沖縄タイムス2009年3月16日付 相談殺到 職員も懸念 奨学金滞納者ブラックリストに/日本学生支援機構 月12万件混乱も 「事情聞けぬまま進む」  旧日本育英会などが合併した独立行政法人日本学生支援機構が2009年度以降、3カ月以上の奨学金滞納者を全国の金融機関でつくる個人信用情報機関に登録する(通称・ブラックリスト)問題で、同機構への相談が月平均12万件、多い月で26万件と急増していることが分かった。同機構が15日までに明らかにした。同機構の職員からも「本来は返済免除や猶予に該当する人の相談さえ受けられないまま、ブラックリスト登録が進む」との懸念が出ている。(嘉数浩二)  同機構の奨学金は全国で約120万人が利用。07年度末の返還率は8割を切り660億円が未返還のため「安定運営には回収強化が必要」とし、方針は変更しないという。だが、奨学金相談の職員は40人。現場から「対応できない」との声が上がる中、金融機関からの借り入れやローン、クレジットカード利用を困難にするブラックリスト登録が〝強行〟される。同機構は独法化に伴う設置法で職員数が定められており、運営面は所管する文部科学省が大きな影響力を持っている。  今秋、70人超のコールセンターを新設する予定だが、その間も手続きは進む。同機構労組(学支労)の岡村稔書記次長は、滞納理由で経済問題が最も多いことを挙げ、「若者の不安定雇用や家族の病気など問題は複雑。コールセンターを設置しても、経験のない非常勤職員では相談に応じられない」と批判。信用情報機関に登録する手法自体が混乱の原因とし、「強硬策を続ければ経済的に厳しい学生ほど進学をあきらめる。教育の機会均等をうたう奨学金制度が崩壊する」と危惧した。  県内で奨学金問題に取り組む沖縄なかまユニオン(比嘉勝子代表)にも、「事情を話したいが機構側と連絡が取れない」との声が相次いでいる。  ユニオンが2月中旬、同機構の基準に照らして提出した返済猶予申請25件も、いまだ回答はない。19日に再度上京し、3回目の集団申請を行う。  比嘉代表は「相談者は皆、返済する意思はある。県内の雇用情勢、低所得、家庭の事情で困っているので、話し合い、一定期間の猶予など現実に即した対応を取ってほしい」と訴えた。 "[he-forum 14096] 3/17しんぶん赤旗 2009年3月17日(火)「しんぶん赤旗」 「高学歴難民」救え 石井議員 奨学金返済でも追及  日本共産党の石井郁子議員は衆院文部科学委員会で十三日、「高学歴 難民」「高学歴ワーキングプア」の深刻な現状などについて、政府の対 応をただしました。  石井氏は、正規雇用につけない博士課程修了者が現在十万人を超えて いる状況を紹介。「政府自らが大学院生の急増化方針をとってきたにも かかわらず、そのポストの確保は不十分だ」と批判しました。  塩谷立文科相は、「若い人たちが専門の研究を大いにできるように、 活躍の場を広げていかなければならない。喫緊の課題として検討を進め たい」と答えました。  また石井氏は、研究活動をしつつ、非常勤講師もして生活の糧を得な ければならない研究者の実例を示し、「多くの研究者は不安定な生活を よぎなくされ、奨学金の返済にまで手が回らない。強制返済させること をやめさせ、返済猶予枠をさらに広げるなど、政府の責任で救済すべき だ」と求めました。  塩谷文科相は、「(奨学金の返済猶予が)五年というのは一つの目 安。厳しい人には相談にのるよう指導したい」と述べました。  また奨学金の返済が延滞した場合に、奨学生の個人情報が個人信用機 関に登録され、住宅ローンを組んだりクレジットカードを使うことがで きなくなるなどの事態に陥ると指摘。「教育的である奨学金制度を根本 から変えるものだ」と厳しく批判し、返済なしの奨学金給付制度の導入 の必要性を指摘しました。  塩谷文科相は、「返済が厳しい人には基準の見直しもしたい。給付制 度については、一つの方法として今後慎重に検討していきたい」と答弁 しました。 "[he-forum 14097] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.11 ニュースレターNO.11 2009、3,15 公正な学長選考を求める裁判を支える会 事務局:高知県高知市曙町2-5-1高知大学教職員組合内 (TEL/FAX088-844-1489) ○いよいよ第一回口頭弁論が4月10日高知地裁で開かれます  前回のニュースレターNo10 において、行政訴訟の裁判地に関して高松高裁が、 国側の「裁判を東京地裁か高松地裁に移せ」という主張を全面的に退け、当初高 知地裁が決定した通り高知地裁で裁判を行うよう命じたということをご報告しま した。その際、国側の特別抗告の可能性がまだ残されているということも併せて ご報告いたしましたが、国は特別抗告を行わず、高松高裁の決定が確定し、高知 地裁で裁判が行われることになりました。  以下、国側主張、原告側主張、裁判所による判断を一覧表にして示します。 争点は国立大学法人が行政事件訴訟法にいう「事案の処理に当たった下級行政機 関」と見なしうるかどうかという問題でした。 ────────────────────────── 【国側主張】  1)高知大学は「事案の処理に当たった下級行政機関」には当たらない。  2)国による学長任命手続きは「法人の申し出」から「発令」までである。  3)原告らには「原告適格」がないので現場検証などの必要性はなく、高知で 行う理由はない。 【原告側(私たち)主張】  1)高知大学は「事案の処理そのものに実質的に関与した下級行政機関」に当 たる。  2)高知大学は、学長任命の事案の処理そのものに実質的に関与している。 【裁判所の判断】  1)国立大学法人は「国の一定の指揮監督の下に国の『行政』の一翼を担う法 主体」であり、「下級行政機関」と見なしうる。  2)高知大学における学長選考は、国による任命手続きの一環である。  3)「原告適格」の有無と裁判地は無関係である ──────────────────────────  以上のように、原告側(私たち)の主張が認められ、裁判は高知地裁で行われ ることになりました。ここでの対立は一見すると些末な法律解釈の問題のようで すが、上の表の二つ目の論点を見ていただくと、そうではないことがわかります。 すなわち、国側の主張では、裁判の対象となる学長任命手続きとは「申し出から 発令」までのプロセスだけということになりますから、もしこれが認められれば、 高知大学での不透明な学長選考過程は裁判で取り上げるのが極めて難しくなった だろうということが予想できます。しかし、今回裁判所が高知大学における学長 選考は任命手続きの一環と認めた(判例となった)ことで、まさに私たちがこれ まで問題にしてきた「不透明な学長選考」を裁判のなかで正面から取り上げる展 望が開けたのです。    そして、それを受けて、いよいよ第一回口頭弁論が4月10日午後3時から高 知地裁で開催されることが決定しました。  満を持してこの日を迎えたいと思います。 ○相良体制のこの一年はどのようなものだったのでしょうか?  時間の経つのは早いもので、民事訴訟の提訴(2007年12月26日)からすでに1 年以上が経過しています。行政訴訟の提訴(2008年6月24日)から数えても8ケ 月経ってやっと裁判の入り口が見えてきた状態です。通常このような展開になる と、人々の意識も風化し、「まだ裁判やっているんですか」というような意見が 出てくるものです。ところが本学の場合、事情はかなり異なっているようです。    むしろ、以前よりももっと多くの学内関係者が裁判の帰趨に注目しているのを 感じます。それらの人々の共通認識は「早く今の執行部にお引取りいただかない と高知大学に未来はない」というものです。昨年4月の発足以来の現執行部の無 策については枚挙に暇ありませんが、重大な3点だけをここに挙げます。      1 現執行部は、大学院を一元化し、それと同時に教員組織と教育組織の分離 を強行しました。しかし、当初から危惧された通り、運営にあたっては無理を重 ねざるをえず、構想の破綻は誰の目にも明らかになっています。それにもかかわ らず、執行部の目にはそれは全く映っていないばかりか,さらに無用の組織いじ りを進めるようです。    2 執行部は大学評価・学位授与機構による評価について、一般的な危機意識 をしきりに煽っています(「道州制で統合されるぞ云々」)。しかし、『ニュー スレターNo9』でも明らかにしたとおり、今回の評価には執行部が作成した報告 書や訪問調査時の対応のまずさなどが極めて重大な影響を及ぼしている可能性が あり、まずその点について検証・総括し,説明責任をきちんと果たすことが先決 であるはずです。しかし、執行部の人々にはこれも理解できないようです。    3 執行部の最も重要な仕事は、上記2の総括をもとに次期中期目標・計画を 策定することであるはずです。ところが、この問題についても、各学部にまる投 げしたままです。最も重要なポイントである「大学の機能別分化論」における 「本学の立ち位置」についてすら、まだ一行の文章も公にしてはいません。  私たちは、執行部を構成する個々の人々の個人攻撃をするつもりはありません (個人としては面白い人たちもふくまれていますから)。しかし、正統性のない 学長に任命された執行部はこうならざるを得ないと考えています。その意味で、 相良体制のこの一年の漂流ぶりをみれば,私たちの運動の正しさに対する確信は さらに深まるのではないでしょうか。このような事態に終止符を打つためにも、 裁判を中心とした私たちの運動を大きく前進させる必要があると思います。 "[he-forum 14098] 毎日新聞富山3/17 毎日新聞富山版2009年3月17日付 富山大:学外委員人選巡り「考える会」が「公正に」--学長選考会議  富山大の学長選問題で、西頭徳三学長の再任に反対する「富山大学長選考問題を考える会」(共同世話人=小倉利丸教授ら4人)は16日、4月から任期が始まる次期学長選考会議の学外委員(12人)について、「特定の企業・団体や人的関係に偏らない公正な人選を進める」ことなどを求める見解を発表した。  同大では現在、西頭学長と新執行部が学外委員の人選が進めている。これに対し、小倉教授は「学内意向調査結果と真っ向から対立する決定がなされるという異常な事態を繰り返さないため、人選は非常に重要」として、現職委員の再任も認めないよう求めている。【青山郁子】 "[he-forum 14099] 読売新聞富山3/18 読売新聞富山版2009年3月18日付 平井、倉知氏を理事に・・・富大新執行部  富山大の西頭徳三学長は17日、同大で開かれた教育研究評議会で、学長選を争った平井美朗・大学院理工学研究部長や倉知正佳・同医学薬学研究部特任教授ら6人を理事とする人事を報告した。任命は4月1日付。学内意向調査で最下位だった西頭学長が再任されたことで学内から反発が出ており、2人を新執行部に加えて学内の融和を図る狙いがあるとみられる。  同大などによると、理事は全員が新任で、2人のほか佐藤幸男・人間発達科学部長、済木育夫・和漢医薬学総合研究所長、古田俊吉・経済学部教授。理事兼事務局長には、鹿野芳郎・宇都宮大理事が就く。また、新たに理事の補佐職を設け、今後、数人程度を選考する予定。現執行部や各学部長らからなる評議会では、新執行部について異論はなかったという。  西頭学長は「(学長候補だった)3人で力を合わせていく。三つのキャンパスをさらに融合させる形で学問、教育を進展させたい」と話した。 "[he-forum 14100] 朝日新聞富山3/17 朝日新聞富山版2009年3月17日付 平井氏、執行部入り 富山大学長選考  富山大学の学長選考で教員らの意向投票で最下位だった現職の西頭徳三氏が再選された問題で、教員有志が16日、西頭氏ら次期執行部を構成する理事就任予定者が進めている、学長選考会議の次期学外委員の選任作業に対し「透明で公正な人選をするべきだ」とする見解を表明した。  国立大学法人法では、学長選考会議メンバーの半数は学外委員で構成し、「学内委員の意見を聴いて学長が任命する」と定められている。現執行部と選考会議の委員の任期は、3月31日で切れる。  教員有志や大学関係者によると、次期執行部には西頭氏、意向投票で1位の平井美朗・大学院理工学研究部教授、2位の倉知正佳・大学院医学薬学研究部特任教授が入ることが大筋合意されている。また、関東地方の大学で理事を務める文部科学省出身者も入る見込みという。  西頭氏に学長就任辞退を求めていた教員有志は記者会見し、平井氏らの執行部入りで人事刷新の目標はほぼ達成されたとした。その上で学外委員には「学長選考で意向投票の結果を尊重する人物を選ぶ」「現在の委員の再任を認めない」などを求め、学内委員の意見を聴いてから人選をするべきだとした。 "[he-forum 14101] 日本経済新聞3/18 日本経済新聞2009年3月18日付 山形大、高専と広域連携 大学院進学促す  山形大学工学部(山形県米沢市)は東北から首都圏までを視野に高等専門学校との広域連携に乗り出す。各高専から大学院への進学を促すとともに、学部学生や院生への刺激効果を狙う。第1弾として木更津工業高等専門学校(千葉県木更津市)と教育研究交流協定を結び、単位認定にまで踏み込んだ。今後は東北6県の国立7高専はじめ10校程度をメドに同様の協定締結を目指す。  4月に発効する木更津高専との協定には共同研究の推進、教員の資質向上を目指すFD(ファカルティ・デベロップメント)研修の共同実施などを明記。大学院理工学研究科の授業で高専専攻科2年生を受け入れ、正式に大学院に進学後は修得単位として認定する。  東北6県には八戸、一関、秋田、宮城、仙台電波、鶴岡、福島の各高専があるほか、工学部が昨年10月に連携協定を結んだ東京都荒川区には東京都立産業技術高等専門学校もある。工学部は「合意できれば各高専とも連携したい」と協定締結を働きかける意向だ。 "[he-forum 14102] 毎日新聞三重版 毎日新聞三重版2009年3月17日付 新県立博物館:県、三重大と協定 文化資産、活用方法を検討  県が14年度のオープンを目指す新県立博物館での文化資産活用方法などを連携して検討するため、三重大学と県との連携協定書調印式が16日、県庁で行われた。  双方の知的資産を活用し、県の文化振興を図るのが目的。双方が持つ知的資産と、県内外の自然・文化資産を新県立博物館でどう活用するか協議するとともに、調査研究や収集保存、展示など博物館運営の課題についても検討し、整備計画の具体化を目指す。開館までには、より具体的な連携内容を盛り込んだ相互協力協定を締結する。  調印式で野呂昭彦知事は「連携相手として三重大学は最も重要なパートナーで、心強く思う」とあいさつ。豊田長康学長も「大学の能力を最大限活用し、県民に素晴らしい博物館と思ってもらえるように協力したい」と述べ、協定書に調印した。【田中功一】 "[he-forum 14103] 中国新聞3/17 中国新聞2009年3月17日付 医工連携促進へ2大学が協定  広島大(東広島市)と広島市立大(安佐南区)は16日、包括協定を結んだ。情報技術を医療に取り入れ、高度な画像診断技術などを開発する「医工連携」を発展させるための共同研究や教育を進める。医工の知識を併せ持つ人材を育てるため、大学院の設置へ協議を本格化させる。  広島大東広島キャンパスで締結式があり、広島大の浅原利正学長が「世界的な教育研究体制を築き、新しい医療技術を開発する」とあいさつ。広島市立大の浅田尚紀学長は「情報技術の資産を活用し、医療の高度化に対応したアイデアを生みだしたい」と述べた。  協定により、コンピューターでの画像診断技術の向上や、検査情報を蓄積した医療データベースの活用を図る。分子レベルの生命現象やゲノム(全遺伝情報)を解析し、臨床医学の研究に生かす。教員や学生の交流を活発にし、大学院の共同設置へ協議を進める。 "[he-forum 14104] 登録解除 ニュースレターなど配信いただいていますが、登録解除したいので よろしくお願いします。 ********************************************** 〒760-8522      香川県高松市幸町1番1号   香川大学教育学部          事務長補佐 瀬 戸 修 一  (E-Mail) seto@ao.kagawa-u.ac.jp (TEL) 087-832-1403  (FAX)   087-832-1418 ********************************************** "[he-forum 14105] 読売新聞三重3/20 読売新聞三重版2009年3月20日付 豊田・三重大学長 「共感し合う地域を」 今月退任で最後の講演  今月末で退任する三重大学(津市)の豊田長康学長(58)が19日、同大医学部で、教職員や学生ら約180人を前に学長として最後の講演を行い、改革に取り組んだ5年間を振り返った。  豊田学長は、大阪大医学部卒。三重大医学部講師から1991年に同大教授になり、2002年に学長補佐を経て、04年4月、国立大学の法人化と同時に学長に就任。「地域に根ざし世界に誇れる独自性豊かな教育・研究成果を生み出す」を理念に掲げ、運営から経営への意識改革に取り組んだ。  学長としての最後の講演会では、「自己申告書」と題し、大学経営の計画、実行、評価、改善について、自らの自己評価を教職員らに報告する形で総括した。  豊田学長は、地域貢献を目指し、市町や企業などと連携するために協定を結んだことや、学生や教職員が協力して環境活動に取り組み環境管理の国際規格ISO14001の認証を取得したことなどを紹介した。  また、大学のホームページに開設した学長ブログを通じて積極的にメッセージを発信。「学長が身近に感じられ、三重大の動きがよくわかる」などと各方面から好評で、豊田学長も「トップ自らが情報発信することの大切さを痛感」と話し、最後に「学生や教職員が共感、共鳴する職場や地域づくりを目指してほしい」と締めくくった。  講演後に記者会見した豊田学長は、もっとも印象深いことについて、07年に政府の経済財政諮問会議で国立大の運営費交付金削減が議論された際、地方の国立大の意義を緊急声明で強く訴えたことを挙げ、「トップの役割は、自ら戦うことであると知った。それで大学内での一体感が生まれ、基礎固めができた」と語った。  豊田学長は4月から、同大学長顧問を務める。 "[he-forum 14106] 読売新聞高知3/20 読売新聞高知版2009年3月20日付 工科大に志願者殺到 一部40倍超 来年以降は沈静化か  毎年定員割れで悩んでいた高知工科大(香美市土佐山田町)の2009年度入試で、新年度から公立大学法人となることから前年度比7・8倍の志願者が殺到、志願倍率が40倍を超える学群もあった。複数回受けられ、科目数が少ない私大型の試験で公立大に入学できることが受験者増につながったとみられ、半額ほどになる授業料や、国公立大の合格実績を上げたい高校側の思惑も拍車をかけた。しかし法人化後は、全国の国公立大に準じた前後期の分離分割方式に変わることになっており、福田直史・入試広報部長は「この現象は今年限り。来年から倍率は2~3倍に落ち着くだろう」と分析している。  同大によると、個別試験を課さないセンター利用1次の工学部システム工学群の試験で、12人の定員に558人が応募し、志願倍率は46・5倍。環境理工学群でも45・3倍となった。  個別試験を課す一般入試A1でも、システム工学群で定員38人に779人が応募し、志願倍率は20・5倍、受験者数を合格者数で割った実質倍率でも11・4倍となった。福田部長は「受験者増は予想していたが、はるかに超えた」と振り返る。  そのため、会場は例年よりも大規模な場所を押さえていたにもかかわらず、変更を余儀なくされた。1月31日から行われた一般入試A1の福岡会場では、80人収容できる会場から、直前に180人収容可能なホテル宴会場に急きょ変更。次々と届く願書の処理にも職員は追われ、試験当日は、学部長や研究科長も試験監督をするなどして乗り切った。  公立大学法人化すると、現在の年間授業料120万円(工学部)、94万円(マネジメント学部)が、53万8500円となる見通しで、受験者増の要因と見られる。また、国公立大の合格実績を上げたい高校側が、生徒に受験を勧めた例もあったという。  10年度入試から、センター試験の1次、個別学力試験の2次となり、今年のような受験者増はなくなる見通し。一方、公立大になると合格者の8割程度の入学が確実で、合格後の入学辞退者が少なくなり、大学側では入学者の計算ができるメリットがあるという。      ◇  同大の発表によると、10年度入試の定員は460人で、60%を一般入試、40%を推薦入試で募集する。一般入試の2次試験は、前後期日程方式で行う。私大型で勉強していた現高校1、2年生に配慮して、前期試験では、センター試験が5教科7科目必要なA方式と、3教科3科目のB方式の2通りを導入。推薦入試では、定員の25%を県内高校卒業者枠、15%を全国枠として行う。 "[he-forum 14107] 共同通信3/18 共同通信2009年3月19日14時10分 法科大学院、入学適性試験厳格化 下位15%を最低ラインに  定員割れや新司法試験の合格率低迷が問題となっている法科大学院の質向上策として、中教審法科大学院特別委員会の作業グループは19日、入学する際の適性試験について、受験者全体の下位から15%程度の人数を目安に、入学最低基準点を設定すべきだとする素案をまとめた。  素案は、優秀な学生を確保するために定員削減とともに、適性試験に合格最低基準を設けるべきだとした同特別委の中間提言を受けてまとめた。  また、受験者数を合格者数で割った競争倍率が2倍を下回っている法科大学院に対し、早急な入学定員の見直しを求めた。素案は同日午後の同特別委で審議、検討する。  素案は、非常に低い点の受験者を入学させないよう適性試験を厳格化するとともに、現在年1回の試験を複数回にして、受験機会を増やすことも提言。  素案の基準を昨年の試験に当てはめると、大学入試センター実施の試験では約1万1800人の受験者中約1800人が、日弁連法務研究財団実施試験では約8900人の受験者中約1300人が、基準に達しない計算になる。 "[he-forum 14108] 毎日新聞愛媛3/18 毎日新聞愛媛版2009年3月18日付 イハラサイエンス:愛媛大に寄付講座 産学で技術研究、大学院理工学研究科に  ◇来月から  愛媛大と、産業用の油圧配管継ぎ手製造で国内最大手のイハラサイエンス(本社東京都品川区、中野琢雄社長)はこのほど、松山市の同大学本部で記者会見し、4月から同大学大学院理工学研究科に寄付講座「新加工技術の創成サイエンス講座」を設けると発表した。当面3年間開講し、同社が年1000万円を寄付して、各種の流体を効率よく流す配管システムの設計や低コスト・省エネ製造技術などの研究を産学連携で進め、大学院生の実践的な教育を目指す。  同社は半導体製造、工作機械、造船などの分野で配管継ぎ手製造に大きな実績を持つ。また愛媛大は、同講座特命教授を務める岡部永年・同大学サテライトオフィス東京所長が、独自の金属加工技術「軸肥大加工法」の研究を進める。同加工法は、パイプ状素材の両端から圧力を掛け、さらにねじる力などを加えることにより、任意の場所に膨らみを作ったり曲げる新技術。現在は素材から削り出している各種配管部品が、ほぼ削りくずを出さずに製造可能となり、大幅な省資源・省エネに繋がると期待される。  講座には、同大学から岡部特命教授ら、同社から助教1人と、技術協力スタッフを随時派遣する。教育を受ける大学院生は10人程度となる見通し。【古谷秀綱】 "[he-forum 14109] 読売新聞3/18 読売新聞2009年3月18日付 本物知る教育者養成 大阪教育大学 長尾彰夫さん 教員免許の更新にも責任  関西はもとより、日本の教育を支えているといっても過言ではない。多くの教員を送り出してきた大阪教育大学は、その重大な責務を果たすため、創意工夫を積み重ねてきた。強い使命感を持ち、子どもたちと真摯(しんし)に向き合える理想の教育者は、いかにして養成されるのか。長尾彰夫学長に聞く。 (聞き手は本多宏・科学部長) 平野、天王寺、池田に開かれた師範学校の伝統を受け継ぐ柏原キャンパスは、奈良県境に近い山あいにある。最寄り駅と結ぶ長いエスカレーターも“名物”だ ――年頭のあいさつで幹部教職員に「今年はチェンジに踏み出す年」と呼びかけましたね。  国立の教育大は大きな曲がり角にあります。以前は「教員を目指すなら国立大の教育学部や教育大」が暗黙の了解でしたが、教員養成課程を卒業しても教員になれるのは全国平均で6割以下です。有力私立大も教員養成に乗り出しており、競争が激化しています。大阪教育大として、どんな教員を育てるのか、他大学との違いを出せなければ、国立大といえども生き残れない時代なのです。  ――2010年度からの中期目標・中期計画では何を重視しますか。  大阪府の教育に責任を持てる大学にすることです。09年度からの教員免許更新制によって、教員の養成だけでなく、研修が加わります。天王寺キャンパスを整備し、3000人規模を受け入れる準備をしています。  ――橋下徹知事が掲げる「学力向上」については。  大きな課題です。教育や学力の在り方を考える契機として、プラスに受け取るべきだと思っています。ただし、学力はテストの点数や順位の上下だけでは測れません。例えば、コミュニケーション力や対人関係処理能力、ボケとツッコミのような当意即妙のやり取りができる力も大切です。  ――教員養成の具体的な取り組みは。  まずは、卒業生が教員になる割合をアップさせることが前提です。3年前から元教員らをスタッフに迎えて試験対策のキャリアサポートデスクを設置しました。面接練習、グループ討論などをサポートしています。  ただ、教員は本来、長い時間をかけて育てるものです。専門科目にも専任教員を厚く配置し、専門性の高い学問や文化、芸術などを幅広く学ぶのが大阪学芸大時代からの伝統です。教員としての技量には直接結びつかなくても、本物を知っている知識人であってほしいと願うからです。  ――教員を目指す人は減っていますが……。  楽な仕事ではないし、社会から厳しい目を向けられることも多くなりました。それでも、教室で将来を担う子どもたちと喜怒哀楽を共にできることに、やりがいやロマンを感じている人は、まだたくさんいます。高大連携の一環で7年前から、府立八尾高の生徒に2部(夜間部)の講義を開放しています。受講をきっかけに、目的意識を持って志願してくれる生徒も多く、学生たちにもいい刺激を与えているようです。  ――教員以外の進路はどうなっていますか。  卒業生の約3割がサービス業やメーカー、金融などの企業に就職しています。すべての学生が教員に向いているわけではなく、教師を絶対視しているのではありません。むしろ、ヨーロッパをリュック担いで回るとか、山登りを徹底してやってみるとか、学生時代にしかできない経験で教師に対するイメージを揺さぶり、一度は崩してもいいのでは。多くの選択肢の中から適性を見いだす、自由な雰囲気があるべきです。  ――01年の付属池田小児童殺傷事件以降、学校の安全に対する取り組みは。  03年に学校危機メンタルサポートセンターを設置し、児童らの調査やサポートを続けています。教養基礎科目に「学校危機と心のケア」、教員養成課程には必修科目「学校安全」を開設しました。eラーニングで防犯教育を提供するシステムも開発中です。実効性のあるものを全国の教育関係者に提供したいと思います。  ――最近の学生をどう見ていますか。  結論を求め過ぎるところがあります。異質なものから学ぶことが得意でないので、自分の限界に気づかない危険性もあります。教師を目指すなら学校以外の世界を知り、自分とは相いれないものを取り込む姿勢を大事にしてほしいですね。 ながお・あきお  大阪府出身。大阪教育大教育学部卒。大阪大文学研究科博士課程単位取得退学。大阪教育大講師、助教授を経て1993年に教授。夜間学部主事、理事兼副学長などを歴任し、昨年4月に現職。専門は教育方法学。62歳。 戦後の発展 教育のおかげ  教え育む人を教え育む。これが教員養成だが、容易ではない。「教育がよくて国がよくなったとは言われないが、悪い方に傾き出すと、教育が悪いと批判される」と学長が言うように、学校や教育はことあるたびにやり玉に挙がる。子どもたちが学校を教科を、好きになるのも、嫌いになるのも、先生次第と言っていいだろう。ただ、戦後の発展が教育のおかげと胸を張っていい側面があることも間違いない。豪放磊落(らいらく)、偉丈夫の長尾学長にして、そこまで公言できない事情はあるようだが、代わりに申し上げておく。 (本多) "[he-forum 14110] 共同通信3/18 共同通信2009年3月18日21時42分 研究開発に投資継続を 有識者会合で研究者ら  政府の経済危機克服のための第3回の有識者会合が18日、首相官邸で開かれ、学校関係者や研究者から、経済危機の中でも将来に向けた教育、研究開発への投資を怠らないよう求める提言が相次いだ。  理化学研究所の野依良治理事長は「(金融)危機拡大は新たなイノベーション(技術革新)の絶好機だ」と強調し、高等教育システム強化のために積極的な公的資金を投入するよう求めた。東レの榊原定征(さかきばら・さだゆき)社長は、研究施設に1兆円規模で投資することに加え、学校で使用するエネルギーを太陽光発電などで賄い、生きた教材にする「グリーンスクール構想」を提言した。  東大大学院の黒田玲子教授は研究者が活躍するために保育所の充実を提案し、「やっていけないのは科学技術予算の削減だ」と訴えた。  安西祐一郎・慶応義塾長は「経済危機が学歴格差を生む状況になっている」と指摘、学生に対する学費減免を支援することで「教育無格差立国」の実現を目指す案を提案した。京都市立堀川高校の荒瀬克己校長は、研究開発校を指定し、資金も投入することにより学校を活性化する案を示した。 "[he-forum 14111] 中日新聞3/23 中日新聞2009年3月23日付 患者サポートへ職域超えた連携 岐大病院、難病拠点指定から4年  岐阜大病院(岐阜市柳戸)が難病医療拠点病院に指定され、4月で丸4年。医療、福祉の職種を超え、患者を支える関係者のネットワークができつつある。  「いろんな立場の人が支えてくれるのでありがたい」  2007年夏から神経系の難病、筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)を患う義母・静江(62)さん=仮名=を世話する本巣市の主婦深沢由美子(35)さん=仮名=は、感慨深げに話す。  静江さんは人工呼吸器が必要で、首から上しか動かせず寝たきりの状態。静江さんは1年前に入院していた岐阜大病院を退院し、自宅療養に切り替えた。退院前に、難病医療専門員をはじめ、大学病院の主治医や訪問看護師、地元のかかりつけ医、ケアマネジャーら十数人が集まって担当者会議を開いた。  往診や看護師の訪問の時間など、日常のサポート態勢を話し合った。病院側からの情報提供だけでなく、患者の不安を取り除く方法などをやりとりした。  県内の難病患者は約8200人。高齢化とともに増えつつあり、患者支援は重要度を増している。  拠点病院の指定には、特定非営利活動法人県難病団体連絡協議会(難病連)の松田之利会長の存在が大きかった。自身も母親を約30年前にパーキンソン病で亡くした。病気や患者会の情報もなく「何を生きがいに生きればいいのか」と苦しむ母親にこたえられずに1人悩んだ。「専門医が近くにいなくても、安心して地元で療養できる環境を整えなければ」。拠点病院の指定に向けて県や岐阜大病院に働きかけた。  2月20日に大学病院で開かれた「難病ケアコーディネーター研修会」。県内の保健師、訪問看護師ら52人が集まり、神経難病患者に対する面接方法を学んだ。  以前は、職種を超えて医療、福祉の関係者が集まる会議はなかなか設けられなかったが、大学病院では現在、入院から在宅療養に移るすべての患者に対して会議を開く。松田さんは「ようやく病院と地域の連携が進んできたようだ」と喜ぶ。  ネットワークが実現したメリットは、患者だけにとどまらない。神経内科を担当する松野泰子看護師長は、患者や家族とのかかわりが増える中で、考え方が変わったという。「病院内ではどうしても一患者としてとらえてしまうが、患者さんも家族の一員として役割を持っている。その役割を生かせる在宅医療を考えられるようになった」  県難病医療連絡協議会長で、岐阜大病院の森脇久隆院長は「地域によって、医療、福祉の職種を超えて連携できる環境に差がある」と課題を挙げる。患者の家族への負担はやはり重いまま。大学病院の難病医療専門員の堀田みゆきさんは「もっと社会資源で患者や家族を助けることができるはず」と提言する。患者と家族の苦しみをいかに分散し、和らげるか。関係者の連携と専門スタッフの育成がさらに望まれる。  (徳田恵美)  【難病】原因不明で治療方法が確立しておらず、病状が慢性に経過し、後遺症を残す可能性がある特定疾患のこと。現在、調査研究対象となるのは123疾患で、そのうち医療費の助成を受けられるのは、リウマチやベーチェット病など45疾患。岐阜大病院が2005年度に難病医療拠点病院に指定され、06年度に「難病医療連絡協議会」の事務局が置かれた。研修会などを通じて専門スタッフを育成するほか、県内の約30の病院などと連携、情報を収集し、患者の療養環境を整える。問い合わせは事務局=電058(230)7100=へ。 "[he-forum 14112] 中国新聞3/19 中国新聞2009年3月19日付 研修医確保へ無料住居 広島大病院  ▽11年度までに建設  広島大病院(広島市南区)は二〇一一年度までに、敷地内で家賃無料の研修医用宿泊施設(レジデントハウス)を建設する。大都市の病院を研修先に選ぶ傾向が強い新卒医師を福利厚生面の充実で引きつけ、地域の医師不足解消につなげる。  計画ではレジデントハウスはマンション形式の九階建てに、1LDK九十二戸と談話室を備える。主な入居対象者は卒業後二年までの研修医。建設費約九億五千万円のうち約五億円を同大が負担。残り約四億五千万円は同大医学部卒業生や市民から寄付を募る。  臨床研修制度の導入に伴って、新卒医師は当直手当などの待遇が良く、経験を積みやすい大都市の総合病院に集中している。広島大病院で来年度研修を始める内定者は三十八人。定員六十人に対し63・3%にとどまる。  ハウス建設で他大学の出身者を含めた研修医の確保を目指す。越智光夫院長は「研修医が増えれば、その後も大学病院に残る人数が増えるはず。地元に定着する医師を育てたい」と意義づける。  中国地方では、島根大医学部付属病院(出雲市)が昨年四月、家賃が月額約一万四千円のレジデントハウスを開設。十七戸のうち十六戸に研修医が入居している。(衣川圭、藤村潤平)  ●クリック 臨床研修制度  2004年度にスタートした。新卒医師に病院での研修を2年間義務づける。従来、新卒医師は出身大学で研修を受けるのが慣例化していたが、制度導入後は研修先を自由に選ぶようになった。勤務医不足が進む中、研修医を貴重な戦力とみなす病院は人材確保に力を入れている。大学病院などの地方病院は、研修医の定員に満たないケースが多い。 "[he-forum 14113] 河北新報3/22 河北新報2009年3月22日付 障害ある学生をサポート 宮教大が支援室設置  宮城教育大は新年度、「障害学生支援室」を設置し、聴覚や身体に障害のある学生の修学を大学を挙げてサポートするシステムを構築する。全国的に障害のある学生の進学が増え、入学後の対応に苦慮する大学も多いが、宮教大は「障害学生支援のモデルを目指す」としている。  2008年度、宮教大に在籍する障害学生は16人。内訳は聴覚障害8人、肢体不自由5人、視覚障害1人など。  支援室には学生の相談に応じるコーディネーターや事務員を置く。障害種別に応じた専門部会を設け、必要な援助策を検討する。  これまで、障害学生には担当教員を通じて個別に対応していたが、窓口を一本化し、より細かなニーズの吸い上げや支援に当たる。  宮教大は04年度、「障害学生修学支援プロジェクト」を始動させた。ボランティアサークルと連携し、教育環境の整備に取り組んだ。  障害学生の半数を占める聴覚障害者には講義を要約筆記するノートテークや手話通訳、教員の声を文字に変換する音声認識通訳でサポート。送迎用駐車スペースの確保、校舎のバリアフリー化なども進めてきた。  大学全入時代を迎え、入学者確保を狙って障害者を積極的に受け入れる大学は増えているが、入学決定後に支援体制を整備するケースが多い。  施設の改築や専門的ケアにはコストがかかり、二の足を踏む大学も少なくない。高まっている障害者の進学志向に十分に応えられていないのが実情だ。  宮教大の高橋孝助学長は「全障害領域をカバーする教員養成大学として、障害学生の教育を受ける権利を保障する責務がある。支援のノウハウを蓄積し、普及させたい」と話している。 "[he-forum 14114] しんぶん赤旗3/23 しんぶん赤旗2009年3月23日付 奨学金返済3カ月遅れ ブラックリスト化 学生に同意書強要 大学院生、「脅迫的だ」  政府の方針を受けて、日本学生支援機構(旧日本育英会)は奨学金の返済を延滞した利用者を個人信用機関に通報する制度を二〇一〇年度に導入しようとしています。返還が三カ月遅れると“ブラックリスト”に載せられる制度です。ローンを組んだり、クレジットカードの利用が困難になります。同機構は、いま順次利用者に「同意書」を求めています。これに応じなければ奨学金が受けられないというやり方は「教育基本法が禁じる信条や経済的地位による差別にあたる」との声があがっています。(伊藤悠希)  二〇〇九年度日本学生支援機構の奨学金ガイドには次のように記載されています。「奨学金の貸与を受けるには、個人信用情報の取扱いに関する同意書を提出しなければなりません」「同意書の提出をしなかった場合には奨学金の申込資格はありません」。前年度まではなかった記述です。  「奨学金がないと大学には通えない。同意書を書くしかなかった」と話すのは京都の私立大学に通う一回生のAさん。両親は離婚し、父親と暮らしています。父親は病気で働けず、生活保護を受けています。高校生の時から無利子と有利子の奨学金を利用しています。「将来は不安。返せない人を切り捨てるようなことはしてほしくない」  同意書に不安を感じ、提出しない人もいます。東京都内の大学院生Bさん(26)は「“同意書を提出しないのは返す意思がないとみなし、継続しない”というのは脅迫的なやり方です」と言います。Bさんは学部生のときから五年間利用しています。現在は博士課程一年。無利子で月十二万円利用しています。アルバイトと奨学金で学費と生活費を支えています。両親は定年退職しており、経済的に頼れません。  同意書を提出するかどうかはそれぞれですが、AさんもBさんも奨学金延滞者のブラックリスト化に反対しています。 月16万円の生活では 奨学金滞納ブラックリスト化 卒業しても職なく  政府や機構側は延滞者の増加を、個人信用情報機関への通報制度の導入の理由に上げています。しかし、延滞者の増加(七年で一・四倍)は奨学生が急増(七年で一・六倍)したことによるもので、単年度の返還率は94%、繰り上げ返済を含めれば100%を超えており、機構の業績悪化や奨学生のモラルの低下にあるわけではありません。 ■1年契約  しかも、奨学金の延滞理由は低所得が45・1%、無職・失業が23・5%となっています(表・〇六年度機構調査)。経済的な困難が圧倒的です。  返済額が四百五十万円、毎月約二万円の返済が二十年続くというCさん(23)は一年契約で働いています。  月収は十万円。ほかにアルバイトをして、月十六万円で生活しています。年金保険料、必要経費などを払い、奨学金を返済すると自由になるお金はわずかです。  来年度は契約を更新できますが、次はわかりません。「返せる経済力がない人の場合、ブラックリストに載せたところで、返済ができないことに変わりはありません」 ■異議あり  ブラックリスト化に反対している「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」には、「同意書を提出しなければ奨学金の継続、貸与開始を認めないというのは強制であり、問題だ」「回収率改善の根本的解決策とはならないと思われる」などブラックリスト化反対の声が大学から寄せられています。  通報制度は二〇〇六年七月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太方針)二〇〇六」で出された奨学金の回収強化の具体化です。政府と機構側は通報制度に続いて、延滞者の高い大学名の公表、延滞九カ月で法的措置、有利子金利上限(3%)の撤廃などをねらっています。  奨学金は大学生の三人に一人、大学院生の二人に一人が利用しています。無利子が三割に対し、有利子が七割となっています。  奨学金は憲法と教育基本法の「教育を受ける権利」に基づいており、経済的な理由で学業をあきらめる若者をうまないためのものです。営利を目的に、返済能力のある人だけに融資する金融事業とは目的も貸し出す対象も全く異なります。  「給付制の創設や無利子枠を拡充し、返済しやすい制度を国がつくってほしい」と利用者や機構の職員らは訴えています。 "[he-forum 14115] 共同通信3/23 共同通信2009年3月23日18時58分 専門職大学院10校に適合評価 基準協会  大学基準協会は23日、2008年度に実施したビジネススクールや、技術経営、会計を専門とする経営系専門職大学院10校の認証評価結果を公表。教育内容や管理運営など、いずれも基準に適合しているとした。経営系専門職大学院に対する認証評価は初めて。  適合の評価を受けたのは国立3校、私立7校。ただ、全大学院それぞれに教育体制などで改善すべき課題があると指摘、芝浦工業大大学院工学マネジメント研究科工学マネジメント専攻と早稲田大大学院ファイナンス研究科ファイナンス専攻には改善の勧告もした。  同協会は大学44校と短大5校に対する認証評価結果も公表。大学39校と短大5校は適合としたが、京都学園大、聖徳大、相愛大、東京基督教大、立正大の5校は定員充足率や財務状況などの問題があり、改善を図る必要があるとして、判断を保留とし、2011年6月末までに改善報告書を同協会に提出するよう求めた。 "[he-forum 14116] 信濃毎日新聞3/24 信濃毎日新聞2009年3月24日付 信大病院に5月「こまくさ図書館」  信大病院(松本市)は23日、松本市と、5月7日に同病院にオープンする新外来棟内に設ける「こまくさ図書室」の業務連携の協定を結んだ。市中央図書館の分館機能を持ち、平日に外来、入院患者らが自由に利用できる。公立図書館と国立大学病院の図書館業務での連携は、全国で初めてという。  同図書室は新外来棟の中央受付横に設置。約50平方メートルに市中央図書館などから常時3000冊の蔵書を借りて置き、病院が独自に医学関係書1000冊を用意する。読書スペースを別に設け、病気や健康の相談には、院内の「医療福祉支援センター」で対応する。  松本市と東筑摩郡波田町の図書館計10館とネットワーク連携し、約96万冊の中から希望の本を取り寄せたり、返却したりすることができる。貸し出しには同市の図書館利用カードが必要となる。  今後、信大医学部の図書館とも連携するほか、病気で院内図書室まで来られない入院患者にもサービスを提供できるようにする計画だ。  同病院で行われた調印式で菅谷昭市長と小池健一病院長が協定書を取り交わした。2期目の公約として「健康寿命延伸都市・松本」を掲げる菅谷市長は「健康や医療の情報提供に積極的に取り組んでいただき感謝する」とあいさつ。小池院長は「全国のモデルと位置付け、患者さんへのより良いサービスを考えていきたい」と述べた。 "[he-forum 14117] 朝日新聞3/23 朝日新聞2009年3月23日付 教職大学院、制度に課題  学校のリーダーとなる先生を育てるため、教職大学院ができて1年になる。院生は現職教員や学部新卒者。従来の研究型の大学院と違い、事例や実践を通した授業に力を入れる。しかし、院生が確保できるかどうかは、先生を送り出す側の教育委員会が握り、院を修了しても給料や採用の優遇もない。今後、制度設計が改善されなければ、効果が上がらない可能性もある。 ◆実践重視 現場で指導  静岡県伊東市の小学校で教えていた土屋和広さん(36)は、東京学芸大学の教職大学院に通った。「不登校やいじめ問題への対応、国語の教え方の改善の手がかりを得たい」と思っていた。  1年のコースで、実習と事例研究、理論を学び、指導方法や課題が見えてきたという。  いじめであれば、発生前に手を打つことの大切さを知った。そのために子どもたちの自己肯定感をふだんから高める工夫を研究した。「以前は子どもが騒いでいたら、『何やってんだ』と怒っていたが、今後はまず話を聞くなど、接し方が大きく変わると思う」。4月、土屋さんは学校に戻る。  上越教育大学(新潟県上越市)の教職大学院生が今月10日、2~3人のグループに分かれ、1年の成果を発表した。院生が実習した連携協力校の教員や市教委関係者も多数訪れた。  ある院生3人のチームは異学年学習をテーマに週2日、小学校で行った。最初の2カ月は学校行事に参加し、授業を補助した。子どもと信頼関係をつくるためだ。その後、高学年と低学年が入り交じったさまざまな授業を10回以上試みた。効果として、子どもが学習に向かう姿勢が積極的になる、悩みや喜びが異年齢の子どもに共有できる、教師も普段と異なる組み合わせで互いに刺激になったという。  同大の場合、教員のテーマに合わせて院生のチームをつくる。そして地元教委の協力で、チームごとに協力校・施設で実習する。「現場では現職の院生が、新卒の若い院生の指導係としても機能している」と担当教授は話す。  実習に工夫をこらす大学も少なくない。福井大学は「出前方式」だ。院生が現職なら学校に勤務したまま、大学教員が2人一組で現場に出向き指導する。  授業の改善や生徒指導、学校経営などを大学側の担当者が指導するが、結果は大学に持ち帰り、反省点や課題を洗い出し、指導を深める。大学側の担当教員は「現職のリーダー的な先生は現場を離れにくい。大学から出て行き、地域に根ざす手法が求められている」と話した。 ◆現職教員の確保難題  08年に学生を受け入れた教職大学院は19校。総定員706人に対して院生は631人で、定員割れの大学も少なくない。  最も定員割れが激しかったのは愛知教育大学だ。「入試が既設大学院の後になったことや、愛知県の採用試験が他県より入りやすかったため」と説明する。学部新卒者が採用試験に受かれば、そのまま就職し、大学院を素通りしてしまう。  一方で、文科省は、大学院に進んだ新卒者が修了時100%採用試験に合格するよう非公式に求めている。大学の担当者は「合格しなかった新卒者に2年後、全員合格を求めるのは難しい。それが前提だと、そもそも新卒者の受け入れに慎重にならざるをえない」と打ち明ける。  現職教員の院生の確保にも問題はある。大学院に通うため、休職する場合もあるが、多くは地元教委からの派遣に頼る。岡山県教委は現職10人を派遣した。授業料は本人負担だが、給料は支給。ただ派遣にともない、代わりの先生が必要になるため、予算に直結する。「今後も続くかどうかは予算のこともある」と県教委幹部は言う。  また、東京都のように、実習などの教育内容にも注文を出し、大学側と協定を結ぶケースもある。ただ、ある大学教員は「学力テストの点数を上げるなど教委側の要求を何でも受け入れると大学の自立性の問題とかかわる。逆に意向を尊重しないと教員派遣に影響が出るかもしれない」と心配している。(編集委員・山上浩二郎)  《解説》 教職大学院は制度設計上、あいまいな点を残したまま、スタートした。  まず、政府による予算の投入がほとんどなく発足した点だ。大学教員が増えなかったため、既存大学院の教員を回すことしかできなかった。財政難とはいえ、個人の奮闘努力に頼る教育は、いずれ、質の低下を招く恐れがある。  教職大学院は、高度な職業人の養成の場でもある。しかし、豊富な知識を得、実践を積んでも、給与体系は一般の教員と変わらない。また採用試験を受けるにしても、東京都などで1次免除などの優遇策はあるものの、多くは他の受験生と同じ扱いだ。大学院に進んでもメリットに乏しく、きちんとした制度になっていない。  教育目的もあいまいだ。「管理職・教育庁の行政職の養成」なのか、「現職への教科指導、学級経営の研修」なのか、はっきりしない。また、教育委員会から、無条件で受け入れるようになってしまえば、教委や学校の幹部登用などへの受け皿になりかねない。  日本は、教職課程を学べば、教員免許が取れる。ただ、だれでも教員になるわけでなく、質の担保は採用試験が担っているとも言える。ところが、教員に指導方法を学ばせるため塾へ派遣したり、免許がなくても学校で教えたりする「先生」も現れた。学校の教員より、免許をもたない先生の評価がいいとなれば、教員免許そのものの意義自体が問われる。  教職大学院の実践例は悪くはない。しかし、土台ともいえる教員の専門性についての合意や、教員養成全体の仕組みも合わせて考え直さなければ、有効に機能しないだろう。      ◇  〈教職大学院〉 法科大学院などと同じ専門職大学院の一つ。専任教員の4割以上が元校長などの実務家で、修了に必要な45単位のうち、10単位以上を小中学校などの「連携協力校」での実習にあてる。2年が標準だが、1年や3年以上も可能。08年度の19校に加えて、09年度から5校が開設する。今月、教育内容などの大学運営を評価する評価機構が発足した。 "[he-forum 14118] 北海道新聞3/25 北海道新聞2009年3月25日付 北大病院、企業と共同研究へ新部門  北大病院は四月、地域の健康を主テーマに、道内外企業などとの共同研究テーマを探る地域健康社会研究部門を新設する。大学病院が共同研究を発掘するための部門を設けるのは珍しいという。  製薬や医薬品卸など道内外の企業十社の寄付を受け開設する。保健科学研究院や歯学研究科の研究者が所属。医学や歯学、介護などの分野で、大学側の研究成果や技術と、企業側の得意分野などを分析し、共同で取り組めるテーマを探る。  予防医学にも重点を置き、従来の研究成果を一般向けに普及させる方策を探る。北大大学院保健科学研究院の武田直樹教授は「病院が地域社会の健康づくりに貢献することにもつながるのではないか」と話している。 "[he-forum 14119] 読売新聞茨城3/25 読売新聞茨城版2009年3月25日付 「医療教育センター」開所 筑波大と水戸協同病院連携  筑波大と県厚生農業協同組合連合会が連携し、同連合会が運営する水戸協同病院(水戸市宮町)に「筑波大学付属病院水戸地域医療教育センター」が開設され、24日、開所式があった。医学生や初期研修医を受け入れ、総合診療や救急医療の教育や研修を行い、地域医療を担う医師の養成が期待されている。  大学付属病院の施設が民間病院に設けられ、教育や研修を行うのは全国でも初めてだという。  センターでは、同大が公募、採用した11人の医師が診療にあたる一方、教員として指導する。研修医らにとって、様々な症例を診療できる総合診療の技術を身につける場になるという。  大学病院の教育ノウハウと、水戸協同病院の豊富な臨床数をアピールし、県内外から多くの初期研修医を集め、最終的に県内の医師数の増加につなげたいという意図もある。  水戸協同病院は、2001年度に43人いた常勤医が現在は21人と半減し、401床のうち、稼働病床は173床。10人の後期研修医も水戸協同病院に在籍して診療し、医師が増えるため稼働病床も約220床に増える見込み。  水戸協同病院の平野篤院長は「地域医療、水戸市民、県民のためのセンターとなった」と開設を宣言し、筑波大付属病院の山田信博院長は「医師不足解消のために、他の病院でも同様の取り組みができれば」と話していた。 "[he-forum 14120] 共同通信3/25 共同通信2009年3月25日17時13分 経営系専門職大学院を評価 4校「優れている」と認定  経営系専門職大学院の認証評価機関「ABEST21」は25日、青山学院大大学院国際マネジメント研究科国際マネジメント専攻などビジネススクール4校の評価結果を公表。いずれも「優れている」「非常に優れている」教育プログラムと認定した。  ほかに認定を受けたのは、一橋大大学院国際企業戦略研究科経営・金融専攻、神戸大大学院経営学研究科現代経営学専攻、筑波大大学院ビジネス科学研究科国際プロフェッショナル専攻。  評価の中で、青山学院大大学院に教員の教育研究業績評価の制度化や、一橋大大学院には産学連携の一層の強化などを改善課題として指摘した。 "[he-forum 14121] 沖縄タイムス3/25 沖縄タイムス2009年3月25日付 来年2月に一部供用 大学院大/OIST理事が方針  国や県、中北部の自治体、経済団体の代表らでつくる「沖縄大学院大学周辺整備推進協議会」(委員長・仲里全輝副知事)の第2回会合が24日、県庁で開かれた。大学院大学の開学を目指す沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)のロバート・バックマン理事は、2010年2月中旬に一部供用開始したい考えを明らかにした。  バックマン理事は、現在工事が進められている第1研究棟と管理棟が年内に完成し、業者から引き渡される計画を説明。10年1月2日からは、うるま市の研究施設から研究者や事務方とその家族ら300人以上が恩納村に移転するとした。  また、12年の全面供用開始時には、倍の約600人規模になるとの見通しも示した。  その上で、うるま市にある19の実験施設を円滑に移転するため、整備予定のバイパス道路を12月までに整備するよう要請。さらにスーパーコンピューターを導入するとして、電力供給についても対応を求めた。  道路整備を所管する沖縄総合事務局側は、「開学に合わせて確実に共用できるように進めたい」とした。 "[he-forum 14122] 薬事日報3/24 薬事日報2009年3月24日付 【文科省検討会】薬学大学院のあり方まとまる‐6年制と4年制の違い明確化  文部科学省の「薬学系人材養成のあり方に関する検討会」は23日、4年制学部と6年制学部で異なる大学院教育のあり方の具体的な内容を盛り込んだ第1次報告を概ね了承した。6年制の大学院では、臨床薬学・医療薬学を中心とした高度・専門的な研究能力を持つ薬剤師を養成し、4年制大学院では創薬科学などを中心とした薬学領域における研究者の養成に重点を置く。会議での意見を踏まえて、今月中に第一次報告として文科省に提出する。  報告書では、6年制学部の大学院は臨床的課題を対象とする研究領域を中心に、高度な専門性や優れた研究能力を有する薬剤師の養成に重点を置いた教育研究を行い、4年制大学院は創薬科学をはじめとする薬学領域における研究者の養成を主な目的とするなど、今後の薬学系大学院教育の基本的な考え方を明記。  具体的には、6年制大学院は幅広い医療関連分野で活躍できる人材を養成するため、臨床現場での実践的な教育活動や、専門領域の学術的知識や研究能力を体系的に修得させる教育プログラムが必要と指摘。また、臨床現場での教育活動を実践するフィールドを確保するため、大学関係者は病院・薬局等医療関連施設との積極的な連携に努める必要があるとした。  4年制大学院には、研究者に求められる創薬科学等の研究遂行に必要な基本知識、技術を体系的に習得させる教育プログラムの必要性を挙げた。  教育研究組織のあり方については、体系的な教育課程の編成とそれを支える教員の教育指導研究能力向上が重要とした。その上で、教員については、各大学院の教育内容に応じて、適切に配置すべきなど弾力的な扱いとした。  また、入学者の質を確保するため、実効性のある入学者選抜の工夫に加え、大学院が求める学生像や教育を受けるために必要な水準を示した「入学者受け入れ方針」(アドミッション・ポリシー)の明確化を求めた。  大学院修了者の多様な進路を開拓するため、各大学院において医療現場や医薬品の研究・開発企業などとの連携強化を図るなど、修了者が活躍できる環境や場の拡大に向けた取り組みも必要とした。このほか、教育の質向上を図るため、大学院評価のあり方について、今後、検討が必要ともした。 "[he-forum 14123] 中国新聞3/26 中国新聞2009年3月26日付 大学の知的資源を島に活用  江田島市と県立広島大は25日、食育や福祉事業などを推進する包括協定に調印した。大学の知的資源を生かし、特産のミカンや花などの活用策を見いだすなどして、島おこしに期待をかける。市が教育機関と協定を結ぶのは初となる。  市と大学の地域連携センターや福祉関係の研究部門は、定期的に意見交換会を開いて情報交換や課題を検討。人的交流も進める。地元の食材を生かした特産品づくりや、高齢者向け健康づくり支援公開講座などを想定している。  江田島市は総合計画で「3F(フルーツ、フラワー、フィッシュ)を生かした元気づくり」「健康長寿とふれあいのまちづくり」などを主要テーマとしている。食育や健康福祉分野に力を入れる県立広島大との間で締結に合意。県内の自治体で最低水準の平均寿命への対策も進める。 "[he-forum 14124] 京都新聞3/26 京都新聞2009年3月26日付 財政難で市立看護短大廃止へ 京都市、佛大新学科に協力  京都市は25日、市立看護短大(中京区)を2011年度末に廃止する方針を明らかにした。医療の高度化への対応や財政難などが理由で、10年度以降は学生を募集しない方針だ。教員は佛教大が11年度に中京区の二条キャンパスに新設する予定の看護学科が受け入れる。市は奨学金制度の創設や実習先の提供などで佛大の運営に協力していく。  市立看護短大は全国初の公立看護短大として1954年4月に開設。現在は看護科で約150人の学生が勉強している。受験者数は毎年、定員(50人)の約7倍に上る。  近年、医療の高度化とともに、全国的に3年課程の短大から4年課程の大学に移行するケースが増えており、市も約1年前から4年制移行を含め運営の在り方を検討してきた。  市によると、市立看護短大を4年制大学にすれば、建物の改修費などで20億円以上の経費がかかるため、4年制への移行を断念。昨年末に市内の大学を対象にしたアンケート調査で、看護学科の開設時期など条件に合う佛大に協力を求めることで合意したという。  私立は公立よりも入学金や学費が高くなるため、市が佛大看護学科の学生を対象にした奨学金制度の創設を検討している。  看護短大の廃止に伴い、教員(現在16人)は佛大に再就職でき、うち1人は初代学科長に就任する予定。  門川大作市長は記者会見で「佛大に市立看護短大で長年培われたノウハウや伝統を引き継いでもらうことは看護学校の新しい発展につながる」と述べた。 "[he-forum 14125] 朝日新聞3/26 朝日新聞2009年3月26日付 東京外大とICUが交流協定 図書館相互利用や単位互換  東京外国語大学(府中市)と国際基督教大学(三鷹市、ICU)は25日、学部・大学院で単位を互換することなどを柱とした教育・研究交流などに関する基本協定を結んだ。どちらも語学教育に定評があり、キャンパスも徒歩で行き来できるほど近いことから、「中身の濃い交流をしたい」としている。  外語大の亀山郁夫学長とICUの鈴木典比古学長がICUで調印し、記者会見した。  それによると、09年度から図書館の相互利用を始め、2010年度から単位を互換できるようにする。外語大は前後期制、ICUは3学期制であることから、互換の方法などは今後調整する。このほか、部活動の交流や対抗試合の実施なども進める。  外語大は外国語学部の単科大で、50にのぼる言語と世界各地の文化・社会研究を進めてきた。ICUも教養学部の単科大で、人文・社会科学から自然科学まで、学際的な教育・研究をしている。  会見で亀山学長は「現代に必要とされる国際教養人を育てたい」、鈴木学長は「互いの長所に学びながら、それぞれの発展を図る」などと話した。協定締結に向け、両学長を中心に1年ほど前から準備を進めてきたという。 "[he-forum 14126] 富山新聞3/26 富山新聞2009年3月26日付 首長3氏は再任されず 富山大経営協議会 学外委員2人減の10人に  今月末で任期満了となる富大経営協議会の学外委員から、石井隆一知事と森雅志富山市長、橘慶一禛J高岡市長の首長三人が外れる見通しとなった。経営協議会の学外委員は学長選考会議の委員を兼ねており、同会議からも三氏が外れることになる。  経営協議会は国立大学法人法に基づいて設置されており、学長、理事・副学長、事務局長の学内八人と、首長や県内主要企業代表、他大学関係者ら学外十二人の計二十人で構成されている。学外委員十二人は学長選考会議の委員も務め、これに学内の学部長や評議員ら十二人を合わせた二十四人で学長選考に当たっている。  富大では、学長選考をめぐる混乱から、執行部や学長選考のあり方などの見直しが議論されてきた。こうした中、教育研究評議会は二十五日までに、経営協議会の学外委員を二人減の十人にするとともに、石井知事と森、橘市長には再任を要請せず、学長選考会議の学外委員も十人以下にすることを申し合わせた。  知事と両市長に再任要請しないことについて、教育研究評議会の評議員の一人は「委員から外したというわけではなく、三氏とも極めて多忙であることなどを勘案した結果」としている。  また、学長選考会議で検討を重ねてきた選考方法の見直しについては、二十五日までに具体案がまとまらず、新年度に持ち越されることになった。 "[he-forum 14127] 信濃毎日新聞3/26 信濃毎日新聞2009年3月26日 県、対象広げ医学生奨学金募集へ  県は4月1日から、全国の医学生を対象とした奨学金制度の2009年度の利用者を募集する。一定期間、県が指定する医療機関に勤務すれば返済を免除しており、新たに産婦人科や小児科など特定の診療科を重点的に学ぶ臨床研修医も対象に加えた。奨学金を貸与する人数は医学生、研修医合わせて20人。  募集は4月17日まで。同25日に面接試験を行う。問い合わせは県医師確保対策室(電話026・235・7144)へ。 "[he-forum 14128] 3/27しんぶん赤旗 2009年3月27日(金)「しんぶん赤旗」 退学・入学辞退相次ぐ 学生に経済困難直撃 国などに援助要求 本紙大学調査  経済的な理由で入学を辞退したり、退学・休学する学生が増えていま す。本紙が国公私立の約六百の大学に景気悪化による学生への影響につ いてアンケート調査をしたところ、二十六日までに回答のあった百二十 八大学のうち、約一割にあたる十二大学が退学・休学・入学辞退の申請 が増えたと答えています。  経済的困難で入学辞退者が相次ぎ、緊急に学費減免などの経済支援入 試を実施した首都圏のある大学では、「応募者が殺到した」といいま す。一方、アンケートに回答した大学の93%が、国や自治体にたい し、授業料免除措置や給付制奨学金の拡充などの援助を求めています。  景気悪化が学生に与えている影響では、退学・休学申請が増えたほ か、回答の七割にあたる八十四大学が「授業料や奨学金についての相談 が増えた」と答えています。「内定取り消しなど就職活動が困難になっ た」と答えた大学も二十四にのぼりました。  アンケートでは、新入生・在学生への新たな経済支援(入学料・授業 料減免、給付制奨学金などの拡充、留学生への支援、内定取り消し被害 者への救済など)についても質問。「実施している」(三十九大学)、 「検討している」(二十一大学)をあわせて、回答のあった大学の約五 割が、支援策に乗り出しています。これに、本紙が二月に実施したホー ムページによる調査(二月十四日付報道)で実施していることがわかっ た大学(アンケート回答との重複を除く)五十三大学を加えると、〇九 年度から新たな支援策に乗り出す大学は百を超えています。  首都圏の別の大学では、いったんは経済的理由から推薦入学を辞退し た学生が、緊急支援入試を受験して合格。入学金と授業料の半額に相当 する給付金を受けることができ、進学の夢をはたしています。  回答には、国が実施している定額給付金のばらまきを批判し、「私学 の現場では、社会正義の成ることを真剣に求めて訴えています」とつ づったものもありました。 "[he-forum 14129] 時事通信3/26 時事通信2009年3月26日19時17分 11法人が目標達成「不十分」=国立大、04~07年度の評価-文科省  文部科学省は26日、国立大と大学共同利用機関の全90法人について、2004~07年度の実績を国立大学法人評価委員会(野依良治委員長)が評価した結果を発表した。業務運営、財務などで「目標達成が不十分」と指摘されたのは福岡教育大など11法人あった。  国立大は04年度の法人化に当たり、最初の6年間で達成すべき中期目標を立てている。評価委は、目標が最初の4年間でどれだけ達成されたかを分析した。  法人ごとに教育、業務運営、財務など7~8項目について5段階評価したところ、いずれの法人も最低ランクの「重大な改善事項がある」となった項目はゼロだった。  ただ、福岡教育大は業務運営、自己点検充実の2項目が下から2番目の「不十分」。弘前、東京、東京学芸、電気通信、金沢、静岡、三重、兵庫教育、和歌山、鳴門教育大もそれぞれ1項目が「不十分」と評価された。 "[he-forum 14130] 毎日新聞3/27 毎日新聞2009年3月27日付 文科省委:国立11大学に「赤点」 目標達成度評価、交付金に反映へ  文部科学省の国立大学法人評価委員会は26日、国立大学法人と大学共同利用機関法人計90法人の教育や運営などに関する中期目標達成状況の評価と、各学部や大学院の研究科などの評価結果を公表した。大半の達成状況は良好だったが、11法人に「達成状況が不十分」な項目があり、計26学部・研究科が複数の評価項目で「期待を下回る」などとされた。文科省は10年度以降の運営費交付金配分の際、評価の高低に応じて額を増減させる。  国立大の法人化に伴い、各大学が6年間(04~09年度)の中期目標を設定し、同委員会が評価する制度がスタート。次の6年の計画策定と、10年度予算に反映させるために04~07年度分を総括した。  法人の目標達成状況は教育や研究、財務内容など7~8項目を5段階で評価。最低の「重大な改善事項がある」はなかったが、福岡教育大が2項目で、東京大など10法人が1項目で下から2番目の「不十分」とされた。  学部・研究科は7項目を4段階、2項目を3段階で評価。各項目とも9割超の組織は「期待される水準にある」などとされたが、東京工業大大学院イノベーションマネジメント研究科が4項目で「期待を下回る(最低)」とされ、京都大は10学部・研究科で「期待を下回る」とされるなど低評価が目立つ大学もあった。【加藤隆寛】 ■中期目標達成状況が不十分とされた国立大学法人 ▽業務運営の改善・効率化=弘前大、電気通信大、三重大、和歌山大、福岡教育大 ▽財務内容の改善=金沢大、兵庫教育大、鳴門教育大 ▽自己点検・評価など=東京学芸大、福岡教育大 ▽施設設備の整備・活用など=東京大、静岡大 ==============  ■複数項目で低評価だった学部と研究科(大学院)                       (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9) 弘前大人文学部                               △        △  〃 人文社会科学研究科                          △        △  〃 医学部                                △        △  〃 医学研究科                              △        △ 東京工業大イノベーションマネジメント研究科  ▲  ▲  ▲  ▲ 富山大人文学部                                  ▲     △  〃 人文科学研究科             ▲                 ▲     △ 岐阜大医学部                                △        △ 京都大文学研究科                        ▲  ▲  〃 人間・環境学研究科                    ▲  ▲ 和歌山大教育学部                        ▲              △  〃 教育学研究科                             △        △ 鳥取大農学研究科                        ▲              △  〃 連合農学研究科                      ▲  ▲ 島根大総合理工学研究科            ▲     ▲ 広島大保健学研究科                                   ▲  △ 山口大農学研究科               ▲  ▲ 徳島大総合科学部                              △        △ 香川大法学研究科               ▲                       △  〃 医学部                                △        △  〃 医学系研究科                    ▲  ▲  ▲  △        △ 愛媛大医学系研究科                          ▲           △ 琉球大理工学研究科                       ▲              △  〃 保健学研究科                             △        △  〃 農学部                                   ▲     △  〃 農学研究科                              △  ▲     △  ※(1)教育実施体制(2)教育内容(3)教育方法(4)学業の成果(5)進路、就職状況(6)教育の質向上度(7)研究活動(8)研究成果(9)研究の質向上度  ※(6)(9)は3段階、他は4段階評価。▲は「期待水準を下回る」、△は「向上しているとは言えない」と判定された項目(学部と研究科の一体評価も含む) "[he-forum 14131] 読売新聞山梨3/27 読売新聞山梨版2009年3月27日付 「開かれた山梨大に努力」 退任の貫井学長 3学部融合に苦労  山梨大学の貫井英明学長(67)が31日に退任する。国立大学が法人化された2004年4月から間もない同年10月に就任し、大学改革に手腕をふるった。4年半の任期を振り返ってもらった。(聞き手・越村格)  ――4年半を総括するとどうか。  法人化により運営費交付金は減ったが、病院収入などで財政は比較的安定していた。一大変革の時期に学長になり、ある意味では自由裁量で大学運営を行えるようになった。責任もあるが学長権限も増え、やることがたくさんあったが、「チャンスだぞ」と思ってやってきた。できる限りのことはできたと思う。  ――就任から力を入れてきたことは。  学内の意識改革だ。法人化で外部資金の獲得や地域貢献は大学運営で欠かせなくなった。教職員には「大学の外に目を向け、積極的に出ろ」と折に触れて言い続けてきた。そのためには大学が一つになることが重要で、学内のインターネットで「学長メッセージ」を出すなどして情報の共有化や透明性の確保を図った。また、組織改編も行い、意思決定の迅速化を図ったり、広報室を設けたりした。もちろん、学生の就学環境の向上もある。教室の改修、カリキュラムの改善、ワイン人材育成拠点づくりなどを進めた。  そうした成果の一つが、大学の「売り」でもある環境、燃料電池などクリーンエネルギー研究だ。  ――苦労した、やり残した点は。  3学部の融合、連携だ。医学部は元は山梨医科大で、大学として生まれ育ちが違う。加えて、異分野の連携は、教員の性格もそれぞれ異なり、一緒にやるのはとても難しい。「医工融合」などの共同研究を戦略的に行うなどしてきたが、これからも進めていかなければならない。学内で協議していた「健康」「環境」などの新学部が、目標の2010年度設置が困難となった。遅れは残念だが、11年度を目標に検討していく。  ――後任には何を求めるか。  財政的にも少し余裕がある。加えて、付属病院は県内の医療体制を支えている。そうした現状を認識して、次の方針を決めていってほしい。  ――学生、県民に一言。  学生は山梨大に誇りを持ち、社会にかかわり、勉強に励んでほしい。「開かれた大学」はこれからも進めていく。県民はどんどん山梨大に訪れ、公開講座や施設を利用してほしい。 "[he-forum 14132] 北海道新聞3/27 北海道新聞2009年3月27日付 国立大の中期目標 北見工大最高評価 「業務運営」分野で  国立大学法人評価委員会は二十六日、国立大と共同利用機関の全九十法人が効率運営などのために策定した中期目標(二〇〇四-〇九年度)のうち、〇七年度までの達成状況について公表。道内七大学はいずれも高い評価で、北見工大は「業務運営」の分野で最高の評価を得た。  評価は教育、業務運営、財務など七-八項目についてそれぞれ五段階で判定。九十法人全体では、九割以上が(上から二番目の)「良好」または(同三番目の)「おおむね良好」だった。福岡教育大など十一法人は一部項目で下から二番目の「目標達成が不十分」だったが、最低の「重大な改善事項がある」との法人はなかった。  道内七大学は各項目ですべて「良好」「おおむね良好」以上だった。北見工大は、教職員の個人評価に力を入れて給与などにも反映している点が評価され、「業務運営」の項目で最高の「非常に優れている」を得た。 "[he-forum 14133] 共同通信3/26 共同通信2009年3月26日 高知工科大が公立に 4年制で初の認可  高知県は26日、高知工科大(香美市)が公立大学法人への移行を文部科学省などから認可されたと発表した。文科省によると、4年制私立大が公立大に転換するのは全国初。  同大学は県が土地と建物を提供、学校法人が運営する「公設民営方式」で1997年に開学した。4月から事実上の県立大としてスタートする。  県によると、公立化すると、国から支給されている私学助成金はなくなるが、約2倍の交付税措置が期待できる。そのため授業料を半額ほどに引き下げられるという。  大学は少子化で定員割れに悩み、授業料が下がれば学生を確保しやすくなることから移行を申請していた。  移行方針が明らかになった後の2009年度入試は、460人の定員に対し、約5800人が志願した。 "[he-forum 14134] 毎日新聞福井3/26 毎日新聞福井版2009年3月26日付 高浜町:地域の初期医療を守る 寄付講座開設、福井大と協定  医師確保に取り組む高浜町は25日、福井大学医学部と地域の初期医療に関する寄付講座開設の協定書を交わした。病院経営に詳しい伊関友伸・城西大准教授によると、町村が単独で地域医療に関する寄付講座を設けるのは全国で初めてだという。  今後は町内にある社会保険高浜病院(同町宮崎)と和田診療所(同町和田)に同大学の研究室を設置するなどして、学生や初期・後期研修医に地域医療の研究拠点を提供する。当面は11年度までの設置で、町は計6500万円を拠出する。  地域医療では、病気の初期段階の治療が重要とされる。しかし、大学では専門性の高い医者が教えることが多く、初期医療に必要な総合力を身につけにくいという。提携で、同大学は臨床教育の現場を確保でき、同町は医師の確保や定着を図り、地域医療の先進事例を作り上げることを期待している。【高橋隆輔】 "[he-forum 14135] 北国新聞3/27 北國新聞2009年3月27日付 24時間利用中止へ 金沢大自然科学系図書館  金大自然科学系図書館は新年度から、二〇〇五(平成十七)年の開館以来続けてきた学生向けの二十四時間利用体制を中止する。角間キャンパスの同図書館には警備員や防犯カメラが設置されておらず、夜間の安全性が確保できていなかった。大学側は「何か起きてからでは遅い」と説明するが、学生からは「不便だ」と惜しむ声が上がっている。  自然科学系図書館の開館時間は平日午前八時四十五分から午後八時までだが、研究教育の便宜のため、カードキーを持つ学生・教職員は午後八時の閉館以降も利用できる「特別開館」を行ってきた。  閉館後は、職員が帰宅して不在となり、警備員の巡回や防犯カメラによる監視もない「無法状態」。これまでに飲食禁止の規則を破ったり、電気ストーブを持ち込む利用者もいたという。事件や事故、図書の紛失などは起きていないが、「今後利用者に危険が及びかねない」として、特別開館の中止を決めた。  〇七年度の年間データによると、同図書館閉館後の利用者は全体の7%程度。金大は費用を要する警備員の雇用や防犯カメラの設置を見送った。学生からは「夜に集中して勉強したい」という要望があり、新年度からは同図書館を含むすべての金大図書館で平日の開館時間を午後十時まで延長して対応する。  国立大の中では京大が今年一月、防犯カメラと警備員を置いた二十四時間利用可能の「自習室」を附属図書館内に設けて話題になった。金大側は「閉館後の利用者の多くが試験前に一夜漬けをする学生で、このような生活を改めてもらいたいという思いもある」(川添真澄情報サービス課長)と話している。 "[he-forum 14136] 共同通信3/27 共同通信2009年3月27日 2法科大学院が「不適合」 学位授与機構が評価  法科大学院の認証評価機関「大学評価・学位授与機構」は27日、2008年度に実施した法科大学院16校の評価結果を公表。厳正な成績評価制度になっていないとして同志社大と神戸学院大の法科大学院2校を「不適合」とした。残る14校は適合だった。  認証評価は教育の質確保のため義務付けたもので、2校は指摘された項目について同機構の評価を再度受けられる。  結果によると、同志社大は授業科目で不合格相当となった学生に、もう一度機会を与える「再評価」制度の公平性や透明性の確保が不十分とした。  神戸学院大には、低い出席率でも定期試験を受験できることは問題があると指摘。法学未修者に対する入学者選抜の方法も適切ではないとした。  07年度実施の認証評価で学生の選抜方法や成績評価に問題があるなどとして不適合とされ、今回、追評価を受けた北海道大、千葉大、一橋大は問題点が解消されたとして適合とされた。  このほか大学11校、短大2校、高等専門学校2校の結果も公表し、すべて適合とした。 "[he-forum 14137] 毎日新聞茨城3/28 毎日新聞茨城版2009年3月28日付 医師不足対策:県、2大学に寄付講座 医師確保、育成目的に来月から  医師不足対策の一環として、県は4月から筑波大学(つくば市)と東京医科大学(東京都)に地域医療のあり方を研究してもらうための「寄付講座」を開設する。これに伴い両大学は県内でも医師の少ない県西、鹿行地域に大学所属の医師を派遣するほか、県出身者を対象とした地域入学枠を新設するなど地域医療の確保に向けて県との密接な関係づくりを進める。27日までに県と両大学がそれぞれ協定を結んだ。  寄付講座の目的は地域医療を担う人材育成と同時に、地域への医師派遣を伴うことから、「即効性も期待できる点」(県保健福祉部)だという。期間は共に3年。  筑波大の講座では、民間の神栖済生会病院(神栖市)を拠点に、鹿行地域を研究モデル地域に指定。大学所属の医師2人が同病院で診察に当たり、医学生100人が分かれて1週間ずつ実習を行う。また、東京医科大の講座では、筑西市民病院(筑西市)と小美玉市医療センター(小美玉市)に週3日ずつ医師が派遣され、地域医療連携のあり方を研究する。寄付はそれぞれ各年2000万円で、東京医科大分には筑西、小美玉両市が500万円ずつ負担する。  医師不足対策で自治体が地元の国立大などに寄付講座を設ける取り組みは全国的に広がりをみせているが、対象が私立大の例は珍しい。東京医科大は阿見町に付属の霞ケ浦病院(4月から茨城医療センターに改称)を持っていることから実現に至った。  調印式で、東京医科大の臼井正彦学長は「茨城の医療のメッカ的な存在にしたい」と述べ、筑波大の山田信博理事は「地域の医療を支えるだけでなく、質の向上を努めることが役目」と意義を強調した。【八田浩輔】 "[he-forum 14138] 4/1しんぶん赤旗 2009年4月1日(水)「しんぶん赤旗」 大学病院予算増を 国立大医学部研究充実求め 小池議員  小池晃議員は三月二十四日、参院厚生労働委員会で、国立大医学部に 対する抜本的な予算拡充を求めました。  質疑の中で、文部科学省の久保公人審議官は、国立大学付属病院への 運営費交付金が、国立大学法人発足時(〇四年)の五百八十四億円から 二百七億円(〇九年度予算)へと三分の一に減っていることを明らかに しました。  小池氏は、「これでまともな研究・教育や地域医療への貢献ができる のか」と追及。舛添要一厚労相は「文科相や関係機関に必要な指導と助 言をしていきたい」と述べました。  小池氏は、現在検討されている医師の臨床研修制度の見直しについて 「地域の研修枠に上限を設けて大学に研修医を集めようとしているが、 より良い医師を育てるという臨床研修制度の目標からいって本末転倒 だ」と指摘。「しかも、教育・研究環境がこんなお寒い状況では矛盾が 広がるだけだ」とのべ、大学病院の予算拡充を求めました。 "[he-forum 14139] 4/1しんぶん赤旗2 2009年4月1日(水)「しんぶん赤旗」 “交付金削減は限界” 東京学芸大学長と石井副委員長懇談  国立大学が運営費交付金を毎年1%削減され、教育研究に深刻な影響 が出ている問題で三十一日、日本共産党の石井郁子副委員長(衆 院議員)と笠井亮衆院議員は東京学芸大学を訪れ、鷲山恭彦学長 と懇談しました。日本共産党の全国的な大学実態調査の一環です。  教員養成課程を多く抱える同大学は、運営費交付金が収入の六割以上 を占める一方、人件費が支出の七割を超えます。そのため五年間で三億 五千万円の交付金削減に、大学教員の人件費の削減で対応せざるをえな いのが実情。施設整備も付属学校のトイレ改修が精いっぱい、図書館の 増築もできないといいます。  鷲山学長は、「学部教員の一割近い三十人が減った。これ以上人員の 削減が続けば、専攻を維持できない課程が出ることも懸念される」との べ、「削減もいまは限度ギリギリ。これ以上やると、崩壊しかねない状 況です」と訴えました。  また「国は人員や予算を削減しておいて、一方で成果を上げろという が、矛盾している」と、現場を理解しない大学評価への疑問も語りまし た。  石井議員は「ここで出されたような現場の声が政治を動かすうえでは 大事です」と語り、政策や国会活動にいかす考えを述べまし た。  一行はその後、大学教職員組合とも懇談。それには学生自治会の代表 も参加しました。 "[he-forum 14140] 共同通信3/30 共同通信2009年3月30日17時9分 法科大学院9校が「不適合」 認証評価、6校が異議  法科大学院の認証評価機関「大学基準協会」は30日、2008年度に実施した14校の評価結果を公表。基準を満たしていないとして9校を「不適合」とし、5校を「適合」とした。  9校は大阪学院大、神奈川大、関西大、関東学院大、甲南大、東北学院大、日本大、白鴎大、名城大。うち大阪学院大、関東学院大、日大を除く6校が協会に「事実誤認がある」などとして異議を申し立てた。  結果によると、9校の大半に厳格な成績評価がされていないと指摘。関東学院大などは科目の履修が、法律基本科目に偏っていると判断された。  広島修道大と南山大など適合5校のうち駿河台大、中京大、桐蔭横浜大の3校に対し、司法試験対策とみられる授業などの中止や改善を勧告、この点について報告を求めた。  法科大学院をめぐっては、新司法試験の合格率低迷や定員割れなどから、試験対策に力を入れざるを得ない背景があるとみられるが、協会は「専門知識と幅広い教養を持った法曹を養成するという原点に基づいて評価をした」としている。  認証評価は質確保のため義務付けられ、結果は文部科学省に報告される。 "[he-forum 14141] 朝日新聞3/30 朝日新聞2009年3月30日付 低評価の大学、不満の声 国立大の評価結果公表  26日に公表された、文部科学省の国立大学法人評価委員会による評価結果で、教育内容などに「不十分」「水準を下回る」と評定された各大学から不満の声が出ている。結果は、大学の財政基盤となる国からの運営費交付金の額に反映されるだけに、評価委に意見申し立てをした大学は22に上った。(杉本潔、葉山梢、編集委員・山上浩二郎)     ◇  香川大は、医学系研究科が教育方法、学業の成果、進路・就職の状況の3項目で「期待される水準を下回る」とされた。評価の根拠となる資料が足りなかったからだという。角田直人副学長は「訪問調査の時、資料を要求してくれれば対応したのに、要求がなかった」と憤る。  意見申し立ての場で不足資料を出そうとしたが、許されなかったという。「国家試験の合格率は常にベストテンに入るレベルで、自己評価では問題はないと考えている」と強調した。  三重大は業務運営で「達成状況が不十分」とされた。「外国人教員を増やす」という目標が未達成だったことと、07年度の大学院博士課程が定員の90%に満たなかったことが理由だ。  豊田長康学長によると、33の目標のうち達成できなかったのは、外国人教員数のみという。「達成率は97%なのに不十分とは納得いかない」と意見申し立てをしたが却下された。大学院の定員は08年度は93%となり、外国人教員も09年度に6人採用するという。「全体の予算削減のため傾斜配分するのは格差拡大にならないか心配だ。しゃくし定規のやり方は逆効果ではないか」と指摘する。  福岡教育大も申し立てをしたが却下された。  業務運営と自己点検・評価等の項目で「不十分」だった。業務運営の面では、外国人と女性の教職員数を増やす目標を立てた。女性教職員は順調に増えて全体の3割近くになったが、外国人は増えなかった。女性の増加分が十分に評価結果に反映されなかったことには納得がいかない。担当者は「高い目標を設定すると、どうしても達成が難しくなる」と話した。  財務内容が「不十分」とされたのは鳴門教育大(徳島県)だ。判断項目として外部研究資金などを増やすことが盛り込まれている。同大は、科学研究費補助金を40件に増やすことを目指した。しかし、実際は04年度こそ44件だったが07年度は33件にとどまった。これが響いたという。担当者は「目標設定の時、数字を書くことに議論はあった。結果的にクリアしなかったので仕方ない」と話した。  東京大と京都大はどうだったか。  東大は社会連携・国際交流等について「達成状況が非常に優れている」とされた半面、「その他の業務運営」については「不十分」だった。付属農場で使用禁止の農薬を使っていた問題や大学院入試での問題漏洩(ろうえい)が影響した。高橋宏志副学長は「再発防止策の実行を進めるとともに信頼の回復に努めたい」という。一方で「中期目標は社会に対する約束であり、その達成状況を反映して資源(運営費交付金)の配分がなされるのは当然のこと」としている。  京大は教育研究について、学業の成果で「期待される水準を下回る」とされた学部・研究科が七つ、進路・就職の状況でも四つ。江崎信芳副学長は「根拠を示したつもりだが、こういう結果になった以上、真摯(しんし)に受け止めて改善に努めたい。進路・就職では主に大学院で学位認定に時間がかかることが問題とされたので、学位への考え方を検討していきたい」と話した。     ◇  評価方法 法人化で各大学などに義務づけられた中期目標のうち、04~07年度分について行われた。業務運営、財務内容など運営分野は、国立大学法人評価委員会が達成状況を、▽非常に優れている▽良好である▽おおむね良好である▽不十分である▽重大な改善事項がある、の5段階で評価。  教育・研究分野は、大学評価・学位授与機構が、まず学部・研究科ごとに、期待される水準を、▽大きく上回る▽上回る▽水準にある▽下回る、の4段階で評価後、評価委が大学全体の達成状況を5段階で評定した。  大学関係者の間では、「評価疲れ」という言葉が飛び交うほど、教職員が評価のための資料作成に追われる状態だという。 "[he-forum 14142] 読売新聞社説3/31 読売新聞社説2009年3月31日付 国立大法人評価 教育研究の質向上につなげよ  大学に対する評価は、質の向上に役立つものでなければなるまい。  文部科学省の国立大学法人評価委員会が、86の国立大学法人に対する評価結果を公表した。評価する項目や基準を検証し、見直していく必要がある。  国立大学は2004年度に法人化したのに伴い、教育・研究の質や業務運営、財務内容について、6年間の中期目標とそれを達成するための中期計画を立てて、評価を受ける仕組みになった。  目標の達成度が5段階で評価され、結果は国から配分される運営費交付金の一部に反映される。今回は、07年度まで4年間の暫定的な評価結果である。6年間を終えた時点で、残る2年間と合わせて結果が確定する。  各大学とも、大半の項目は「おおむね良好」という真ん中以上だった。一部に「不十分」もあったが、最低の「重大な改善事項がある」という指摘はなかった。  始まったばかりとはいえ、評価にあたった関係者からは「評価が甘かった」との声が聞かれる。  目標の設定や計画の認可には文科省も関与するが、実質的には大学の立てた目標と計画が評価の基になっている。目標が低ければ達成度は高くなり、目標が高すぎれば達成度は低くなりかねない。  国立大学は私立大学と異なり、公的機関として高等教育を受ける機会を提供する使命や、地域に貢献する役割も持つ。こうした面での業績について、今回の結果はどう判断したのかわかりづらい。  まもなく10年度から始まる次の中期目標を決める時期になる。  大学をめぐっては、世界的な教育・研究拠点、地域貢献など、機能別に分化させていくべきではないかという議論が活発だ。  評価結果をどの程度、運営費交付金の配分に反映させるのか早急に決定すると同時に、こういった大学ごとの役割を踏まえた目標設定や評価も大切だろう。  この評価とは別に、国公私立大学は、外部の機関から7年以内に1回、第三者評価を受けることが義務づけられている。こちらは、外部機関の基準で判断する。  今回の国立大学法人に対する教育・研究面の評価は、実際には評価委の要請で大学評価・学位授与機構が担当した。第三者評価も同機構が行うケースは多い。違いが見えにくい。  膨大な準備が必要となる大学側の「評価疲れ」が指摘される。二つの評価をもっと整理し、大学側の負担を減らす工夫も重要だ。 "[he-forum 14143] 日刊工業新聞3/31 日刊工業新聞2009年3月31日付 首都大東京と都産技研、都政課題解決で連携  首都大学東京、東京都産業技術研究センター(都産技研)は30日、都政の重点課題を解決するために新たに連携戦略会議を設置し、新タイプの産学公連携事業を始めたと発表した。環境、高齢者、安心・安全をキーワードに人材や施設などを交流・活用して共同研究を実施する。中小企業が共同研究成果を元に取り組む製品の実用化、製品化を支援することで産業界へと早期に成果還元させるのが狙い。  09年度の重点課題解決型研究テーマは「生活環境に調和した小型省エネルギー機器の開発」。家庭電化製品などに高効率次世代インバータ技術を適用し、電力の有効利用を図る。  連携戦略会議は大学の学部長や都産技研の部長級の全16人で構成する。年間2テーマについて共同で3年間研究する。 "[he-forum 14144] 佐賀新聞3/31 佐賀新聞2009年3月31日付 産学官連携事業スタート 新年度は13事業  佐賀大や県内自治体、産業界の6団体が昨秋に締結した包括連携協定に基づく事業が新年度からスタートする。自動車産業の人材育成や認知症高齢者のサポート事業など13事業で総事業費は約4200万円。大学の知的資源や人材を生かしながら、幅広い分野で課題解決や活性化につなげる試みを展開する。  参加しているのは佐賀大、県、県市長会、県町村会、県商工会議所連合会、県商工会連合会。  新年度の事業は、教育・文化・生涯学習・人材育成▽地域、産業振興▽情報化社会の構築▽地域医療、福祉の向上の4分野で、佐賀大と県を中心に事業を展開。事業費は両者が出し合い、佐賀大は約775万円を負担。国の補助金なども活用する。  既に大学などで実施している自動車産業の人材育成やインターネットなどを活用した唐津東松浦地区の離島住民への遠隔診療システムづくりのほか、タマネギなど県産農産物の有効成分を基にした機能性食品開発、県と大学間の職員相互派遣、自治体や企業での学生の就業体験も進める。  2年目以降は「各事業ごとに各団体と負担を検討する」(佐賀大)という。  佐賀大の長谷川照学長は「地域の課題を大学の教育の中にも取り込むなどこれまでの努力が認められて、このような連携事業につながった」と評価。県統括本部の山崎忠文副本部長も「佐賀大なしにできない事業もあり、大いに期待している。財政事情は厳しいが、事業費の確保に知恵を絞りたい」と話した。 "[he-forum 14145] 共同通信3/30(2) 共同通信2009年3月30日17時17分 シャープ工場に府大の研究拠点 環境技術で連携  大阪府立大(堺市)と大手電機メーカー「シャープ」(大阪市)は30日、シャープの工場内に大阪府大の研究拠点を開設することを柱とする包括連携協定を結んだ。  企業の工場の中に大学が拠点を持つのは珍しいという。  大阪府大によると、シャープが来春までの稼働に向け堺市に建設中の液晶パネルや太陽光発電パネルの工場に、大阪府大が既存の「エコロジー研究所」の学外拠点を今秋開設。建屋の一部を借り、生命環境科学部や工学部の教授や学生らが研究する。  これに先立ち4月から、工場の廃棄物を再資源化する技術や、廃熱や発光ダイオード(LED)の照明で植物を栽培する技術を共同で研究する。  大阪府大は「工場の地元の大学として産学連携で地域に貢献したい」、シャープは「環境分野に強みを持つ大阪府大との共同研究で、環境に配慮した工場づくりを進めたい」としている。 "[he-forum 14146] 信濃毎日新聞3/31 信濃毎日新聞2009年3月31日付 県が信大医学部に寄付講座  県は30日、費用負担をして09年度から信大医学部に開く寄付講座の協定を同大と結んだ。専任の医師2人が地域医療を担う医師の養成や定着、医師を効率的に配置するシステムなどを研究する。地域医療の実情を知るため、県内病院で診察もする。  寄付講座「地域医療推進学講座」は09年度から11年度まで開き、県が人件費など年間3千万円を負担する。 "[he-forum 14147] 北国新聞3/31 北國新聞2009年3月31日付 「周生期」寄付講座に 金大病院、専門医養成へ 産科と小児科、一体的に学習  金大大学院医学系研究科は新年度、産科と小児科を一体的に学べる場として寄付講座「周生期医療専門医養成講座」を開設する。文部科学省の支援で今年度まで実施してきた養成プログラムの後を継ぎ、不足が深刻な周生期分野の医師を育てる。新五年生の四割が受講を希望する人気ぶりで、金大は講座を地域医療対策のモデルケースとして全国発信したい考えだ。  寄付講座では妊娠から出産、新生児、乳児期までの「周生期」を包括して学ぶ。前身であるプログラムと同様、医学部四年生以上を対象に能登や加賀、国外の病院での合宿研修や分娩(ぶんべん)、超音波検査などのシミュレーション教育を実施する。  プログラムを修了した先輩から評判が伝わり、新五年生百八人のうち四十人が受講を希望しているという。産婦人科医でなくとも必要な産科や小児科の初期診療能力を習得してもらう狙いがあり、一人で幅広い領域を診なければいけない地域医療の担い手養成にもつながると期待される。  四月からは新井隆成特任准教授が寄付講座の特任教授に就く。井上雅之特任助教に加え、合宿研修協力病院でもある恵寿総合病院(七尾市)産婦人科の土肥聡医員が特任助教を兼任する。  昨年、石川県の認証を受けたNPO法人「周生期医療支援機構」(代表・井上正樹金大産婦人科学教授)も本格稼働し、米家庭医療学会が認定する産科救急のセミナーを全国で開催して地域・周生期医療を支援する。  新井特任准教授は「大学と地域拠点病院が協力してやってきたプログラムで成果を挙げてきた。寄付講座ではさらに医学教育研究に力を入れる」と話した。 "[he-forum 14148] 毎日新聞栃木4/1 毎日新聞栃木版2009年4月1日付 宇都宮大:私費留学生に授業料を支援--不況受け  昨秋以降の世界的不況を受けて宇都宮大学(菅野長右ェ門学長)は31日、私費留学生を対象に15万円を限度とした授業料支援を行うと発表し、希望者を公募する。  対象は同大学部、大学院に在籍する私費留学生。条件は、出身国の通貨の対日本円為替レートが、昨年8月ごろと比べ8割以下に落ち込んでいる▽昨年度、奨学金や授業料全額免除を受けていない▽今年度前期の授業料免除申請を行うこと。  同大在籍の私費留学生は現在121人で、26人が上記条件を満たしているという。希望者は同大学生支援課(電話028・649・5098)へ。【吉村周平】 "[he-forum 14149] 毎日新聞富山3/31 毎日新聞富山版2009年3月31日付 富山大:人間発達科学部長に北村教授 西頭学長の再任も決定  富山大人間発達科学部教授会と和漢医薬学総合研究所教授会は、現職の佐藤幸男学部長と済木育夫所長が4月に同大理事に就任するのに伴い、次期学部長と所長に北村潔和教授(59)=運動生理学=と門田重利教授(62)=天然物化学=をそれぞれ選出した。任期は同学部長が今月31日から、所長は4月1日から、いずれも2年間。  西頭徳三学長の再任問題を巡っては、任命に必要な文部科学省への上申手続きが完了。西頭学長の4月からの再任が正式決定した。【青山郁子】 "[he-forum 14150] 毎日新聞愛媛3/31 毎日新聞愛媛版2009年3月31日付 愛媛大:「地域と連携、基盤作る」 2期6年、小松学長きょう退任  愛媛大・小松正幸学長が31日で退任するのを記念し、慰労する会が29日夜、松山市のホテルで開かれた。2期6年の任期について、小松学長は「地域との連携など、地方の大学は地方のためにあるとの考えで施策をとり基盤を作ってきた。次の10年は愛媛を発展させるための中核大学にする方針で進んでいってほしい」と期待した。  加戸守行知事らが発起人となり、行政や経済の関係者ら約300人が出席した。小松学長はあいさつで、「国立大が法人化する大変な転換期にあたり、長いようであっという間に過ぎた」と感慨を話した。さらに「学生の支援・教育、学術研究の推進、地域貢献、国際的連携の四つを愛媛大の使命に掲げ、自主的で自立的な運営体制ができた」とし、「教職員の教育力が高まり、学術研究の分野でも大きな成果が上がった」と振り返った。  これを受け、1日に就任する柳澤康信・新学長は「地域と連携する意識を高めていき、何年か先に地元の人たちに『愛媛大は我々の誇り』と思ってもらえるようにしていきたい」と決意を語った。【小泉健一】 "[he-forum 14151] 読売新聞高知3/31 読売新聞高知版2009年3月31日付 「教員支え研究力向上」高知工科大公立化、岡村新理事長に聞く 地域貢献、大きな柱に  全国4例目となる公設民営の私立大として12年前に開学した高知工科大(高知県香美市土佐山田町)が、公設民営型大学のトップを切って4月に公立大学法人化する。これまで知事や副知事が兼務してきた理事長には、前学長の岡村甫(はじめ)教授(70)が初めて専従で就任。東京六大学リーグで東大野球部史上最多の17勝を挙げたエースが、工科大の発展に向けて“再登板”する。目指す方向や意気込みなどを聞いた。 (島田喜行)  公立大学となるメリットは何ですか。  授業料が半額になることで、経済的に恵まれない人でも十分進学できるようになるのが一番大きいです。また、私立大では授業料を学生に還元するのが第一で、研究費に回すことはできませんでした。公立大では、教育優先だった制約がなくなり、交付金を教育と研究に自由に配分できます。研究力の向上につながると思います。  何を果たすべきで、どの方向を目指しますか。  これからは国民の税金で運営するので、何かを還元しなくてはいけません。地方大として特色を出すため、地域貢献を大きな柱に、学長のかじ取りの下にオンリーワンを目指します。  理事長の仕事をどう考えますか。  事務職員をまとめて教員をサポートすることが主な任務です。大学の主役は教育、研究を行う教員。極論を言うと、理事長はなくても大学運営はできます。しかし、教員が研究だけに全力で集中できる環境をつくることは、大学の発展にとって重要です。ローマ軍が強かったのも食糧などを補給する兵站(へいたん)がしっかりしていたからです。  理事長として何を目指しますか。  「日本一の大学事務局」という夢を描いています。そのためには事務職員が幸せでないといけない。無理な残業や休日出勤はさせないつもりです。仕事以外の生活を大切にしてほしいのです。それができて初めて学生を幸せにできると考えています。  事務局を向上させるには何が必要ですか。  上に立つ人間には、管理者ではなく、うまく人を配置できるマネジャーになってほしいと思います。間違ったことを強制して、しかも従わないと非難する「管理職」にはなってはいけません。各人の能力に見合った仕事を的確に与えてあげることが大切。足の遅い選手を中堅手にしても仕方ないですから。  最後に大学としての目標をお聞かせ下さい。  研究とそれを支える事務が一体となって、世界で一流の大学を目指します。それをやめてしまったら、二流に成り下がってしまいます。学長とともに〈2段ロケット〉で頑張っていきます。 "[he-forum 14152] 信濃毎日新聞3/31(2) 信濃毎日新聞2009年3月31日付 信大が法科大学院の定員削減決定 規模は学長に一任  信大(本部・松本市)は30日、長野市で役員会を開き、同大法科大学院の定員を削減すると決めた。削減数は未定で、小宮山淳学長に一任した。2010年度入試から新定員で学生を募集する方針。  同校の定員は40人だが、05年の開設直後に設置申請書類の虚偽記載が発覚したのを踏まえ、06年度から「少人数教育でしっかり取り組む」として、募集人員を自主的に30人に抑えている。小宮山学長は取材に対し「30人が削減のスタートラインになることは十分ありうる」とし、30人未満になる可能性を示した。  04年に全国でスタートした法科大学院は新司法試験の合格率が低迷。中央教育審議会大学分科会の特別委員会は昨秋、「質向上」策の中間まとめを発表し、新司法試験合格実績が低い大学院などは主体的な定員見直しや統廃合を検討するよう求めた。信大も昨年初めて29人が修了、うち19人が新司法試験に臨んだが、合格者はいなかった。昨年、全国74の法科大学院で合格者がゼロなのは信大を含め3校だった。  小宮山学長は「少人数教育によって今以上に教育の充実を図りたい」と強調。「定員削減で経営面は苦しくなるが、法科大学院は地域法曹の養成に向けて開設に手を挙げた。削減数は教育の充実を最優先に総合的に判断したい」としている。 "[he-forum 14153] 下野新聞4/2 下野新聞2009年4月2日付 産学連携、足銀行員4人ら宇大のコーディネーターに  宇都宮大学地域共生研究開発センター(石井清センター長)は一日、産学連携を推進するため足利銀行行員四人と、宇都宮市職員一人の計五人を、新たに非常勤のコーディネーターに迎えた。  五人は日常業務で企業を訪問する中で、技術開発などのニーズを掘り起こし、宇都宮大学の研究(シーズ)と結び付け、産学連携によるビジネス具現化に取り組む。金融機関、自治体の職員がコーディネーターになるのは初めて。  新たにコーディネーターとなったのは、足利銀行法人開拓室の矢島雅照次長、黒崎雄一郎本店常駐・課長、篠原克好小山支店常駐・室長代理と、峰町支店の和久靖次長、宇都宮市職員で現在は県産業振興センター総合支援部産学交流支援課に勤務する鹿山凱宏さん。  石井センター長が足利銀行の四人に辞令を交付。石井センター長は「皆さんの企業を見る目で、産学連携推進にお力添えをいただきたい。自由な動きの中から、コーディネーターのあり方を提案してほしい」と、あいさつした。  辞令を受け取った矢島さんは「地銀の行員として面白い動きができそうだ。仲間と情報を交通整理しながら、ニーズとシーズを結びつけるハブ的な役割を果たしたい」と話していた。 "[he-forum 14154] 毎日新聞山口4/2 毎日新聞山口版2009年4月2日付 山口大:工学部に女子寮完成  宇部市の山口大工学部敷地内にこのほど、国立大工学系では国内初となる女子寮「山口大学常盤台女子寮」が完成した。  女子学生の増加や、保護者の要望を受けて建設した。寮は4階建てで全個室64室のワンルームマンション型。1室18平方メートルで、バス・トイレ・キッチン・エアコンを備えているほか、多目的ルームや各階ごとに保護者らを受け入れるゲストルームを設けている。入寮資格は、同市外の学生。すでに留学生3人を含む41人が入居している。完成式では丸本卓哉学長や入寮生代表らがテープカットし祝った。 "[he-forum 14155] 読売新聞高知4/2 読売新聞高知版2009年4月2日付 逆風の船出 期待と不安 新年度スタート  新年度が始まった1日、県内の官公庁や企業でも、辞令交付式や入社式が開かれ、厳しい経済状況の中、真新しいスーツに身を包んだ新職員や社員らが、期待と不安を胸に新たなスタートを切った。  県では、2009年度採用職員への辞令交付式が県庁正庁ホールで行われ、尾崎知事が出席した69人に辞令を手渡した。  今年度の採用は、新卒などの66人と、国や高知市との交流人事8人、退職後の再任用9人。式には、新規採用などの66人と、交流人事の3人が出席した。辞令交付後、新職員は「全体の奉仕者として、誠実かつ公正に職務を執行します」と宣誓した。  尾崎知事は「今年度は県庁が全力で動き始める特別な年。県民の皆様と手を携えて進み、決して〈小役人〉になってはいけません」と歓迎の言葉を述べた。人事課に配属された秋田大地さん(18)は「一日も早く県民のために働けるようになり、県庁の中で、自分の意見も発言できるようになりたい」と話していた。  公立大学法人となった高知工科大(香美市土佐山田町)の新理事長に就任した岡村甫前学長(70)には、県庁で尾崎知事から辞令が交付された。  尾崎知事は「県民の期待は非常に大きい。四国の知の拠点を目指してほしい」と要望。岡村理事長は「公立大となり最初の理事長として、知事からの負託を重く受け止めている。全国で、高知に工科大ありと言われるようにしたい」と抱負を語った。また、東大にサテライト教室を置く構想も明らかにした。  岡村理事長は、東大工学部教授、同学部長などを経て、2001年度から高知工科大学長を務めた。  高知市南はりまや町の四国銀行本店では、新入社員48人が入行式に臨んだ。青木章泰頭取は「厳しい環境ではありますが、この危機を好機ととらえ、やりがい、働きがいを持って業務に取り組んでください」とエールを送った。  新入社員は5月1日まで研修を受けた後、それぞれの部や支店に配属される。 "[he-forum 14156] 河北新報3/27 河北新報2009年3月27日付 国公立大入学金 免除延納申請641人 東北  今春の東北の国公立大合格者のうち、600人以上が入学金の免除や延納を申請していることが27日、河北新報社の調査で分かった。進学や修学の資金確保に悩んでいる新入生や学生を支援する動きも、各大学で広がっている。  16校の国公立大対象にアンケートを実施、東北大、青森公立大など13校から回答を得た。  入学金免除、延納の申請者(26日現在、大学院含む)は計641人に上った。東北大が374人と最も多く、弘前大84人、福島大80人など。本年度、授業料を滞納している学生は250人だった。  支援策では、東北大が1月に「学生に対する緊急支援策検討タスク・フォース(特別作業班)」を設置。全学生を対象に授業料の減免や分割などを検討している。円高に苦しむ私費留学生には今月、一律5万円を支給した。  岩手県立大は昨年12月、授業料の納入が困難な学生や進学希望者に対応する「緊急相談窓口」を設けた。新年度、授業料減免のための予算は本年度を約2500万円上回る約8500万円を確保する。  秋田大は、これまで半額だった授業料の減免を3分の1に縮小し、恩恵を受けることができる学生を増やす考えだ。  入学金の免除、延納申請は本年度、13校で729人。新年度の人数に後期日程入試の合格者は含まれず、今後さらに増える可能性がある。  東北大は「現段階でも学部新入生の申請は本年度に比べて多い。不況や雇用情勢の悪化が影響しているのではないか」とみている。 "[he-forum 14157] 長野日報3/31 長野日報2009年3月31日付 県内の医師不足解消へ 「地域医療推進学講座」開設  県の寄付により4月1日に信州大学医学部に開設する「地域医療推進学講座」について、県と信大は30日、開設に関する協定の調印式を県庁で行った。村井仁知事と小宮山淳学長が協定書を取り交わし、県内の医師不足解消に向けた研究成果に期待を寄せた。  県内唯一の医師養成機関の信大と県が連携し、産婦人科や小児科、外科、麻酔科など地域医療に従事する医師の養成や確保、地域病院への医師派遣などの医療供給体制の構築を図るのが狙い。設置期間は3年間で、「成果が上がれば継続も検討したい」(県衛生部)としている。県からの寄付金は年間3,000万円。  講座には信大医学部長の久保恵嗣教授と信大医学部付属病院第1外科講師の中沢勇一准教授、同病院地域医療人材センター研修担当コーディネーターの山田智子助教(産科)を配置。地域医療の実態把握や医療業務協力のため、中沢准教授は大町総合病院(大町市)の総合診療科に、山田助教は下伊那赤十字病院(下伊那郡松川町)の産婦人科にそれぞれ週1日勤務する。  協定書を交わし、村井知事は「講座を通じ連携が一層強化されることは心強く意義深い。実践的な研究を深め成果を上げてほしい」と期待。小宮山学長は「地域の医師不足については医師養成機関として重く受け止めている。決意を新たに教育の充実や実態把握を図り、地域医療のあり方について情報発信していきたい」と述べた。 "[he-forum 14158] 共同通信4/2 共同通信2009年4月2日13時11分 鳥取大病院、重症患者に重点 救急医一斉辞職で  教授、准教授を含む救急専門医4人全員が心身の疲労などを訴え、3月末で一斉辞職した鳥取大病院救命救急センター(鳥取県米子市)で2日、後任のセンター長に就任した本間正人教授(46)と豊島良太病院長が記者会見した。  豊島病院長は「地域住民に不安と心配をかけた」と謝罪。今後は軽症患者は地域の病院に受け入れてもらう方針を説明。「重症患者だけを診るセンター本来の姿に戻していきたい」と話した。  センターは、生命の危険がある患者を24時間態勢で受け入れる3次救急医療機関だが、受け入れる患者のほとんどが軽症だった。  辞職した4人が所属していた救急災害科はこれまで専門医4人と応援医師3人の計7人態勢だったが、本間教授と、ほかの科から所属変更するなどした医師ら9人の10人態勢となる。ただ、このうち救急専門医は本間教授だけで、准教授は当分の間、空席という。  本間教授は「3次救急は国民にとって水と同じ必須のライフラインなので充実させたい」と抱負を語った。 "[he-forum 14159] 山陰中央新報4/3 山陰中央新報2009年4月3日付 鳥大医学部救命救急センター 新体制が始動  過酷な勤務環境や協力体制の薄さを理由に、救命救急センター長ら救急専属医四人が三月末に全員退職した鳥取大学医学部付属病院(米子市西町)で一日、後任の救命救急センター長、本間正人・救急災害科教授(46)を支える新体制が始動した。従来より七科多い九診療科が同センターに応援医を派遣、内科系と外科系の医師が各一人以上常駐する体制となった。さらに、従来は常勤医と研修医の二人で回してきた夜間当直から研修医は外し、常勤医二人体制とする。  一日に着任した本間センター長は「今回、非常に重要なのは医師が補充されたことのみならず、救急を支えていく体制が、病院挙げて出来た点にある。高度な医療を救急の患者に提供する可能性が広がった」と話した。  救命救急センターに応援医を出していた診療科は、三月時点では整形外科と第一外科のみ。新体制では、第一、第二、第三内科、神経内科、精神科、放射線科、泌尿器科の七科が新たに医師を一人ずつ出す。整形外科と第一外科も引き続き応援医を投入。特に整形外科からは、半年から一年間の救急応援経験を持つ助教二人を、四月末ごろまで緊急応援医として投入する。  「今回の問題を機に、これまでは非協力的だった診療科も救急の重要性を改めて認識し、病院挙げての協力体制となった」と豊島良太病院長。  緊急応援医として入る整形外科出身の岸本勇二助教(35)は「全国的に見てもこれだけの専門家が一堂に会し、救急診療に当たるのはまれ。研修医の実地教育面で非常に効果的」と話す。  ただ、医学部生への卒前教育や県消防学校の教育などは、六月末までは救急専門医が本間教授一人の状態が続くため「手薄になる」と同病院長。  また、同院は救命救急センターと別に、一次救急患者を対象とする救急室当直を設けていたが三月末で廃止。機能を縮小し同センターに吸収した。今後は、軽症の救急患者は県西部医師会の急患診療所など地域病院に段階的に誘導していく。 "[he-forum 14160] 朝日新聞4/2 朝日新聞2009年4月2日付 医師不足は解消されるのか ◆島大・木下芳一医学部長に聞く/地元で働く意識養成◆  全国的な医師不足は、お産制限や診療科目の縮小・廃止など県内の医療機関にも影響を及ぼしている。県内唯一の医師養成機関、島根大学の木下芳一医学部長(53)に現状や今後の展望を聞いた。(水田道雄)  ――医学部医学科に入学する学生の人数は  08年度は95人、09年度は定員を10人増やして105人。留年せずに6年間で卒業するのは8割程度。卒業生のうち県内に残るのは、大学病院や県立中央病院、そのほかの医療機関を合わせても3割程度というのが現状だ。  ――04年度から始まった「卒後臨床研修制度」が地域医療や医師養成の壁になっているといわれますが  総合的に診療ができる医師を養成するのが厚生労働省の考え方だったが、実際にスタートしてみると、便利のよい都市部の医療機関に研修医が集中した。地方が特色ある研修プログラムを打ち出せなかったという反省もある。  ――入学定員を増やせませんか  学生を増やせば教員も増やさないといけない。現状では今年度は教員1人分の人件費が増額されただけ。国立大学の場合、医学部の教員は勤務時間の半分近くは付属病院で診療している。教員を増やせば医師の引き揚げになり、減らせば教育の質が低下する。  ――卒業生が地元に根付くためには  大学は単なる人材派遣センターではない。県内で仕事をする意識を持った医師を養成する場だと思う。県内出身の医師を養成するため、06年度から推薦入試に「地域枠」=キーワード参照=を、09年度から「緊急医師確保対策枠」=同=を設けた。県内の中学や高校に出向き、医療に興味を持ってもらうための出前講座を開いたり、高校の進路指導担当の教職員と意見交換したりして、県内出身者の確保に努めている。  ――医学部生が地域のことを知る機会は  地域全体で学生を教育してもらおうと、県内の40カ所以上の病院や診療所で開業医らから直接指導を受ける実習の機会を設けている。県内の勤務医離れを食い止めるため、今年度から勤務医のメンタルケアなどを担当する全国初の「地域医療支援コーディネーター」の養成講座を開く。  ――国の医療政策に対する意見は  臨床研修制度の見直しを検討しているが、この制度で研修した医師たちが、どのような医療に従事しているかの評価がなされていない。医療にかかわる国の財源も限られている。このままでは「医療崩壊」から回復できなくなってしまう。どの程度の医療を国民に提供するのか、まず指針を明確にしてほしい。 ◇キーワード◇ ◎地域枠◎  県内の過疎地域などに生まれ育ち、将来、地域医療に貢献する意思がある推薦入学者に奨学金を貸与し、一定条件で返還を免除する。市町村長が面接を実施。09年度入試で10人が入学。 ◎緊急医師確保対策枠◎  推薦入学者に6年間で総額約1千万円の奨学金を貸与し、県内の過疎地などの医療機関で9年間勤務すれば返還を免除する。09年度入試で5人が入学。出身地は問わない。 "[he-forum 14161] 読売新聞新潟4/3 読売新聞新潟版2009年4月3日付 教育力持つ大学に、若井・上教大新学長が抱負  上越教育大の新学長に就任した若井彌一氏(61)が2日、記者会見し、「教員を目指す学生が目標を実現できる教育力を持つ大学でありたい」と抱負を語った。そのうえで「教育の世界は非常に面白いことを伝える努力をし、教育課題に関する高いレベルの研究を行い、この大学を国内はじめ、世界に知られるような存在にしたい」とした。  若井氏は東北大学大学院教育学研究科博士課程を経て、1983年から上越教育大助教授、93年に同大教授となり、同大附属図書館長や附属小校長を歴任。専門は教育法、教育行政学。 "[he-forum 14162] 毎日新聞4/4 毎日新聞2009年4月4日付 新教育の森:少子化と不況、学生確保に私大あの手この手  ◇新校舎や名称変更、受験料優遇に広告  少子化で18歳人口が減り続ける中、私立大学が学生確保に躍起になっている。今年度の入試でも、新校舎建築や大学名変更でアピールしたり、受験料を優遇したりする大学も現れ、激しい学生争奪戦が展開された。【山本紀子】  ◆イメージチェンジ  志願者数が昨年度の178・7%に達した千葉工業大。ここ数年、理系離れと工学離れで志願者が減り気味だったというが、なぜなのか。  「キャンパスに20階建て100メートル級の新校舎を建てたのが一つの要因。駅前の立地なのでインパクトがあったのかもしれません」。入試広報課は分析する。金融危機のさなかに新設された金融・経営リスク科学科も、タイミングのよさからか最大約19・8倍となる人気だった。さらに、複数の学科を受験しても、1学科分の受験料しか取らない優遇制度を始めたことも背景にあるという。  千葉工大は「受験料収入が減るのは事実だが、10万人単位の受験生が集まるマンモス大学と違い、大きな額ではない。うちに来たいという意欲ある受験生を大切にしたい」と話す。  大学の名称を変え、志願者数が昨年度の124・4%となったのは東京都市大(旧武蔵工業大)だ。同じ学校法人が運営する東横学園女子短大を統合し、文系の2学部も新設した。「工業という冠がそぐわなくなったので、名称を変更した。イメージが変わった効果なのか、去年まで苦戦していた工学系の学科も伸びた」と大学側は分析する。  東京女子大も昨年度より2000人近く志願者を増やした。「専門性と学際性が出るよう」約20年ぶりに学部を大改編。東京や横浜、新宿といったターミナル駅に大きなポスターを張り、首都圏を走る電車につり広告を出した。「主要駅でメッセージを発信したのは初めて」といい、広告効果もあったようだ。  ◆併願でも試験1回  受験生を集める入試改革として、最近広まっているのは「全学部統一入試」と呼ばれるスタイル。1回の試験で複数の学部学科を併願できるシステムで、関西の私大が数年前から始め、関東にも広まった。  今年度入試から取り入れた中央大は、受験生が約3100人増えた。一方、07年度から始めた法政大は、08年度入試で受験者が過去最高の9万5000人を記録したが、今年度は一転して約1万1300人も減った。法政大は「倍率が高くなりすぎて受験控えが起きた」と分析する。  今年度は、有名難関私大が受験者を軒並み減らしたといわれている。法政大とほぼ同じ志願者数減となった立命館大は「不況の影響が大きい。国立大を第1志望とする人が、第2志望で合格確実な私大に出願する傾向があり、余波を受けたようだ」と分析している。  ◇「公設民営」が注目する定員割れ対策 公立大に転換、授業料安く  ◆苦境に立つ地方私大  ネームバリューの乏しい地方の私大は苦戦を強いられている。  日本私立学校振興・共済事業団私学情報室の堀敏明室長は「規模が大きくブランド力もある有名私立20大学に大学生の4割が集まり、残る6割の学生を500大学で分け合っているのが現状。地方の大学は知名度を上げることが容易ではなく、不況の影響で国立大を選ぶ人も多いため、現状は苦しい」と話す。共済事業団の08年度調査では、学生が定員に満たない大学は47・1%に上る。  昨春、入学者が定員の半分以下となった鳥取環境大。今年は定員を48人減らしたが、6年連続で定員割れした。「地方の人は都会にあこがれ、都会の人は不況で家から通える大学に通う。地方は大都市圏に比べて経済環境が厳しく、就職先も多くないことが苦しい理由」。大学側は説明する。  定員割れする大学は地方に集中している。共済事業団の調査では、東京の大学の入学定員充足率は116%だが、中国地方は89%、四国は83%と地域で著しい差がある。  鳥取環境大は鳥取県と鳥取市が出資し、民間が経営する。こうした「公設民営」型の大学はどこも、学生集めに苦労しているのが実情だ。しかし今春、公設民営から公立大学法人となることを決め、爆発的に志願者数を伸ばした大学がある。  ◆高知工科大の奇跡  「高知に工学系の大学を」と県が出資して97年に設立した高知工科大。07年度には約18%、08年度には6%の定員割れをした。今春、公立大学法人の制度を利用して私大から公立大に転換したところ、志願者数は前年度の10倍以上にもなった。授業料が年124万円から50万円台まで安くなることが、激増の背景とみられている。  高知の奇跡に続こうと、定員割れに悩む公設民営の名桜大(沖縄県名護市)も、公立法人化の検討を始めた。「沖縄は高校や大学への進学率が全国で最も低く、所得格差が進学格差を生み出している。公立になれば、最大年120万円の学費が半分以下になり、教育の機会均等が実現できる」と大学側は期待する。  静岡県と浜松市が設置した民営の静岡文化芸術大も「国公立志向が強い地方で、質の高い学生に来てもらえる」と来年度から県立大を目指す方針を決めている。  大手予備校、代々木ゼミナールの坂口幸世・入試情報センター本部長は「公設民営の大学は、思い切った改革か公立化を図らないと難しい」と指摘。私大については「首都圏の有名大は定員割れとは無縁だが、地の利の悪い地方は苦しい。手に職がつく実学系の学部を、他大学に先駆けて設置するのが生き残る方法の一つ」と話す。  ◆学費下げ高校訪問  自助努力で定員割れを解消した私大もある。  一時は、学生数が定員の半分にまで落ち込んだ九州ルーテル学院大(熊本市)。全員参加だった留学を希望者だけに絞り、テレビ広告をやめるなどして、年100万円超の学費を60万円程度に下げた。さらに、県立高の校長をリクルートして「進学アドバイザー」とし、県内の高校をくまなく回る作戦を始めた。  県立高校長OBの鋤崎勝也副学長は「全高校を年5回ずつ訪問する。PRより、その高校を出た卒業生の情報提供が中心。成績や就職先のほか、不登校で休学中といった悪い話も打ち明ける。とにかく直接話すこと」と秘訣(ひけつ)を語る。20人を1クラスにして、1人の教員が4年間担任を務め、少人数授業にも取り組む。「全180人のこぢんまりした大学なので目が行き届く。大きい大学は宣伝すればわっと集まるでしょうが、地道にやるしかありません」  共済事業団の堀室長は「地方の大学には、地方の産業が求める人材を輩出する使命があり、存在意義は十分ある」と話す。事業団の調査では、18歳人口は減少傾向なのに、この20年間で私大の数は約360校から570校に増えた。堀室長は「需要に対し大学が多すぎる。いずれ再編が必要だろう」と見ている。 ==============  ■志願者増加数の上位20大学■ 大学名   志願者数 志願者増加数   倍率 昨年度比(%) 東洋   69157   9519 12.7  116.0 千葉工業 17653   7776 14.2  178.7 青山学院 54930   7720 21.4  116.4 芝浦工業 28858   4893 22.2  120.4 高知工科  4888   4436 19.6 1081.4 日本   90273   4331 12.9  105.0 京都産業 29887   3648 20.4  113.9 中央   85092   3111 23.1  103.8 国学院  18280   2968 15.7  119.4 松山    8668   2963 10.0  151.9 東京都市 14448   2833 14.4  124.4 東京農業 25422   2702 14.5  111.9 西南学院 19578   2641 16.8  115.6 成城   18891   2304 15.9  113.9 関西学院 52180   2203 17.1  104.4 東京女子 11571   1987 13.8  120.7 独協   16473   1912 13.8  113.1 玉川    9850   1814 11.2  122.6 亜細亜   9263   1708 10.6  122.6 福岡   39436   1644 14.1  104.4  ※代々木ゼミナール3月31日調べ。 "[he-forum 14163] 日本経済新聞東北4/4 日本経済新聞東北版2009年4月4日付 東北大、地域産業へ人材育成 経営計画改訂版を発表  東北大学の井上明久総長は3日記者会見し、大学改革プラン「井上プラン2007」の09年度版を発表した。地域の産業に対して人材育成で貢献することや科学オリンピック受賞者ら世界的に優秀な学生を確保する戦略を盛り込んだ。  東北ではトヨタ自動車グループの進出に加え、宮城県のクリーンエネルギー産業構想など自治体が中長期的な産業振興策を打ち出している。将来、産業のすそ野が広がる動きに対応し、関連する企業で活躍できる人材の育成で大学が積極的に取り組む。  世界的な才能を持つ若者の入学も進める。科学オリンピックの受賞者らが一般入試とは別に入学する制度を検討する。 "[he-forum 14164] 共同通信4/3 共同通信2009年4月3日19時35分 法学未修者の履修単位増へ 法科大学院の質向上策  法科大学院の質向上策を検討している中教審特別委員会の作業グループは3日、基礎的な力を身に付けるため、法学未修者が1年次で履修する法律基本科目を6単位程度増やす案をまとめた。  特別委は、入学する際の適性試験で合格最低基準を設けるとした案と合わせ、今月中にも最終的な改善方策をまとめ、各大学院に改革を求める。  法律の基礎的な理解や法的思考力が十分身に付いていない司法試験受験者や司法修習生がいる、との指摘があり、対応を検討していた。  大学で法律を専攻せずに入学する法学未修者は通常、修了までに既修者の2年に対し3年かけるが、司法試験合格率が既修者の半分程度と低く、作業グループは基本科目の学習を増やす必要があると判断した。  また、法律基本科目、法律実務基礎科目について、全学生が習得すべき共通の教育内容(コア・カリキュラム)が必要として特別委が中心となって年度内にも策定する方向となった。 "[he-forum 14165] 読売新聞4/5 読売新聞2009年4月5日付 自民に「法曹養成制度」見直し論、法科大学院の問題点指摘  2010年ごろまでに司法試験の年間合格者を3000人に増やす目標を掲げて導入された、法科大学院の創設など法曹養成制度の見直しを求める動きが自民党内で出てきた。  「定員を半分に削減すべきだ」「本当に中身のある教育をやっているのか」――。3月24日に自民党本部で開かれた同党の「法曹養成・法曹教育及び資格試験のあり方に関する小委員会」(委員長=保岡興治・前法相)では、法科大学院の問題点を指摘する意見が相次いだ。小委員会の開催は約9か月ぶりのことだ。  小委員会が久々に議論を再開した背景には、法曹養成見直し派が中心となり、「法曹養成と法曹人口を考える国会議員の会」(会長=高村正彦・前外相)を3月13日に結成したことがある。約50人のメンバーで5人の法相経験者が名を連ね、メンバーにはかつて司法制度改革に関与した議員もいる。同議連事務局長の河井克行・前法務副大臣は「改革当時に予期していたよりも状況がひどくなっているからではないか」と説明しており、司法試験年間合格者の目標値などの見直しを強く求めていくと見られる。 "[he-forum 14166] しんぶん赤旗4/5 しんぶん赤旗2009年4月5日付 大学9割超「公的支援を」 学費軽減や無利子奨学金拡充 本紙調査 175校回答  経済悪化のもと、世界一高い学費が学生生活の困難を加速し、九割超の大学が国や自治体にたいし、学費軽減や無利子奨学金の拡充などの支援を望んでいる―。本紙が実施した全国大学調査で浮き彫りになりました。(三月二十七日付で「中間まとめ」を報道)  本紙は、全国の国公私立六百十二大学を対象に、緊急経済支援についてのアンケート調査を二月末から三月末にかけて実施。百七十五大学から回答を得ました。  回答した大学の八割近くが、景気悪化による学生生活の困難をあげています。  授業料や奨学金の相談の増加や内定取り消しなど就職活動の困難をあげたほか、休学や退学、入学辞退、授業料の滞納などが増えたとする大学も一割以上にのぼりました。  一方、学費軽減などの新たな支援策を実施している大学は、私立で42%、国立31%、公立12%。私立では授業料減免や給付制奨学金の拡充の支援策が多く、国立では留学生支援が多くなっています。新たな支援策を検討している大学も少なくありませんが、障害となっているのが、大学予算の削減です。  経済的に困窮している学生への支援を強めるために国や自治体にどんな援助強化を望むかとの質問(複数回答)には、66%にあたる百十五校が「無利子奨学金の拡充」と回答。続いて、「授業料減免等奨学事業に対する措置の拡充」(八十七校)、「給付制奨学金の創設」(七十七校)、「運営費交付金、私学助成の増額」(七十二校)となっています。回答した大学の94%が国と自治体の援助の強化を望んでいます。 "[he-forum 14167] 読売新聞三重4/4 読売新聞三重版2009年4月4日付 三重大と企業の研究拠点、ゆめテクノ伊賀の完成式 生物工学など取り組み  三重大と企業の共同研究拠点「ゆめテクノ伊賀」の完成式が3日、三重県伊賀市ゆめが丘の同施設内テクノホールで開かれ、関係者約100人が出席した。教授陣8人と民間企業が協力し、バイオテクノロジー(生物工学)や環境などの先端研究に取り組む。  上野新都市「ゆめぽりす伊賀」開発事業は、目標とした「住む・働く・学ぶ・憩う」の4機能のうち、高等教育機関の誘致が課題として残っていた。同市と三重大が2003年1月に結んだ「相互友好協力協定」を元に、共同研究施設の設置で合意。経済産業省の補助金を受けるため、建設・運営主体は、財団法人・伊賀市文化都市協会(理事長・角田康一副市長)が引き受けた。  施設は5336平方メートルの敷地に建てられ、鉄骨3階建て、延べ約1463平方メートル。研究室7室と民間業者が使うインキュベーション室5室、90人を収容するテクノホールのほか、照明実験室、低温実験室などを備え、付属温室が別棟として建っている。総事業費は約4億3667万円。  完成式では、内保博仁市長が「伊賀の文化遺産を生かし、独自産業を生み出してほしい」とあいさつ。三重大の内田淳正学長も「松尾芭蕉の感性、忍者の努力と忍耐、橋本策・医学博士の独創性。伊賀は研究に必要な要素をすべて備えている。大学を挙げて全面的に支援したい」と述べた。  センター長に就任した前田広人教授は、これから取り組む課題としてバイオマスエネルギー、地下水や海洋調査、森林資源の保全、食の安全などを挙げ、「科学分野だけでなく、芭蕉や忍者などに関する人文系の研究も想定している」と説明した。前田氏ら教授陣8人のほか、民間業者の研究員や大学院生、留学生らが同拠点で研究を開始する。 "[he-forum 14168] 4/5しんぶん赤旗 2009年4月5日(日)「しんぶん赤旗」 大学9割超「公的支援を」 学費軽減や無利子奨学金拡充 本紙調査 175校回答  経済悪化のもと、世界一高い学費が学生生活の困難を加速し、九割超 の大学が国や自治体にたいし、学費軽減や無利子奨学金の拡充などの支 援を望んでいる―。本紙が実施した全国大学調査で浮き彫りになりまし た。(三月二十七日付で「中間まとめ」を報道)  本紙は、全国の国公私立六百十二大学を対象に、緊急経済支援につい てのアンケート調査を二月末から三月末にかけて実施。百七十五大学か ら回答を得ました。  回答した大学の八割近くが、景気悪化による学生生活の困難をあげて います。  授業料や奨学金の相談の増加や内定取り消しなど就職活動の困難をあ げたほか、休学や退学、入学辞退、授業料の滞納などが増えたとする大 学も一割以上にのぼりました。  一方、学費軽減などの新たな支援策を実施している大学は、私立で4 2%、国立31%、公立12%。私立では授業料減免や給付制奨学金の 拡充の支援策が多く、国立では留学生支援が多くなっています。新たな 支援策を検討している大学も少なくありませんが、障害となっているの が、大学予算の削減です。  経済的に困窮している学生への支援を強めるために国や自治体にどん な援助強化を望むかとの質問(複数回答)には、66%にあたる百十五 校が「無利子奨学金の拡充」と回答。続いて、「授業料減免等奨学事業 に対する措置の拡充」(八十七校)、「給付制奨学金の創設」(七十七 校)、「運営費交付金、私学助成の増額」(七十二校)となっていま す。回答した大学の94%が国と自治体の援助の強化を望んでいます。 表 図 "[he-forum 14169] 時事通信4/6 時事通信2009年4月6日5時16分 大学の77%、学生評価を導入=授業改善に反映-文科省調査  国公私立の4年制大学のうち77%の571校で、授業の分かりやすさ、教員の熱意などを学生に点検させる「逆評価」を大学全体で導入したことが、文部科学省がまとめた2007年度の大学教育改革状況調査で分かった。527校では評価が低かった教員に報告書を提出させるなど、授業改善に反映するための取り組みを組織的に行っていた。 "[he-forum 14170] 朝日新聞4/6 朝日新聞2009年4月6日付 「原子力」の冠、復活 学科・専攻名 08年度は7大学に  国内の大学で、原子力の名を冠した学科や専攻が復活しつつある。複数の大学が連携した大学院や研究所も新設される。一時は、ほとんど姿を消した原子力の学科・専攻の復活。背景には、原子力の再評価や技術者不足といった事情があるようだ。 ■温暖化などで再評価  文部科学省原子力計画課によると、「原子」の名が付いた学科は、84年度は東北大、大阪大など10大学にあったが、90年代に入って減少し、02年度には、ついにゼロになった。大学院の専攻でみても、9大学のうち7大学で姿を消した。  それが08年度は、学科があるのが東京都市大(3月まで武蔵工業大、東京都世田谷区)など2大学、大学院の専攻でも5大学と、増加に転じた。  減少した最大の理由は学生の人気の低下だ。その陰には86年に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原子力発電所の事故や、95年の高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故など、相次ぐ事故による原子力への「逆風」があった。  一方で、最近の復活の背景には、二酸化炭素の排出が少なく、地球温暖化対策に有効とされることや石油価格の上昇による世界的な再評価の動き(「原子力ルネサンス」)、さらに日本の原子力を支えてきた団塊の世代の技術者の大量退職にともなう人材不足がある。 ■応じきれぬほど求人  東京都市大は昨春、工学部に原子力安全工学科を新設した。同大には川崎市に原子力研究所があり、89年まで原子炉も運転していた。堀内則量教授は「原子力が再評価される一方で、技術者が不足している。スタッフも設備もある大学として、ニーズに応えたかった」。  定員は30人。08年度はのべ142人が志願し、34人が入学した。09年度の志願者は約220人と5割以上増加。廃炉での運転シミュレーションや茨城県東海村にある日本原子力研究開発機構の研究炉での実習など実務的な教育に力を入れて、現場で管理・監督にあたるような技術者の育成を目指す。2年生の坂田光太郎さんは「中学生のころから原子力のパワーに魅力を感じていた。大学院まで進んでメーカーで原発を設計したい」と言う。  10年度には、早稲田大と原子力の共同大学院も設置する予定だ。堀内教授は「原子力の教育研究には費用と手間がかかる。それらを出し合うとともに、それぞれのよさも加味していきたい」と話す。  東海大(神奈川県平塚市)は08年度、工学部エネルギー工学科の中に原子力技術コースを設けた。10年度には同学科を原子力工学科に改称して、原子力の名が付いた学科を9年ぶりに復活させる予定だ。  東海大は56年に日本の大学では最初に原子力教育を始め、これまでに約3700人の卒業生を送り出してきた。しかし、90年代になると原子力工学科の人気は低下し、新エネルギーや環境にも対象を広げたエネルギー工学科に再編された。  それにともない、以前は半分程度いた原子力関連企業などへの就職者も約3割に下がったが、最近はそれらの企業からの求人が増えて応じきれない。大江俊昭教授は「原子力教育の老舗(しにせ)として、原子力をしっかり教えて、世の中が求める人材を供給していきたい」と話した。 ■原発銀座 教育拠点に  原発が多くあって「原発銀座」とも呼ばれる福井県にある大学でも、原子力の学科・専攻などが誕生している。  福井大(福井市)は今年4月、付属の国際原子力工学研究所を新設した。北陸・中京・関西地方の大学などの研究者とも連携。世界的な研究教育拠点を目指すとともに、原子力に関する体系的な教育カリキュラムも整えていく。  同大では04年度、大学院の工学研究科に原子力・エネルギー安全工学専攻を新設した。鈴木敏男研究科長は「国内の大学の原子力の教育研究体制がほとんど崩壊していたので、多くの原発がある福井県にある大学として何とかしたかった」という。  同県敦賀市の同機構敦賀本部内に研究室を開設するなど、地の利を生かした実地研修を取り入れる一方、地域との共生についての教育にも力を入れてきた。修士課程修了者の約3分の1が原子力関連企業などに就職している。  福井工業大(福井市)では05年度、工学部に原子力技術応用工学科を新設した。「学部レベルで原子力を学べる西日本唯一の大学」がうたい文句だ。田中光雄教授は「県内には多くの原発があり、関連企業などからのニーズもあった」と話す。今春卒業した一期生は、約7割が原子力関連企業などに就職した。3年生の大坂尚史さんは同県鯖江市の出身で「地元の産業の力になりたい」と選んだ。「授業は難しいが面白い。将来は原発の運転をしたい」と話す。  東京大(東京都文京区)では93年、改称によって原子力の名が付く学科・専攻が消えたが、05年度に大学院工学系研究科に原子力国際専攻と、社会人を対象にした専門職大学院である原子力専攻を新設した。田中知教授は「原子力の人材は国際的に不足している。大学には人材を育てる使命がある」と話している。(杉本潔) "[he-forum 14171] 読売新聞4/5 読売新聞2009年4月5日付 「役立つ」でも産学連携二の足…中小製造業、費用に不安  大学での研究成果を商品化に役立てるなどの産学連携について、大阪府の中小製造業の経営者の67.3%が「経営課題の解消に役立つ」と感じながら、実行した例は4.3%にとどまっていることが、大阪市信用金庫が実施したアンケートでわかった。大学側に話を持ちかけることに二の足を踏む経営者が多い。  産学連携への障害(複数回答)について、「(謝礼などの)費用がどれくらいかかるか分からず不安」という回答が51.9%と最も多かった。「研究者と意思疎通できるかどうか不安」(40.0%)、「なじみがなく敷居が高い」(36.0%)も上位を占めた。  自社が抱える課題について相談する相手は、金融機関(56.3%)や同業者(54.7%)が多く、大学は2.8%にとどまった。  調査は2月に実施し、555社が回答した。 "[he-forum 14172] 西日本新聞4/6 西日本新聞2009年4月6日付夕刊 「知」の新拠点始動 九大伊都キャンパスで式典  九州大学六本松キャンパス(福岡市中央区)からの移転に伴い、今月から新入生を含む約5600人を新たに迎え入れる伊都キャンパス(福岡市西区など)で6日、「センターゾーン」(23ヘクタール)のオープン記念式典があった。7日に入学式があり、13日から全学部の1、2年生が本格的に講義を受ける。  2005年の工学部移転に次ぐ節目の統合で、関係者約400人が出席。有川節夫学長は「水素フリーウェー構想や燃料電池の実証実験など、学術研究都市づくりがさらに加速すると確信している」とあいさつ。中島孝之副知事が「アジア各地から優秀な人材が集まる世界の拠点大学として、ますますの発展を願う」と祝辞を述べた。センターゾーンは「大学の顔」との位置付け。並木道を挟んだ講義棟2棟▽食堂やコンビニエンスストアが入った生活支援施設▽総合体育館‐などからなる。2019年度までに残る箱崎地区の移転を行う計画。 "[he-forum 14173] 4/7しんぶん赤旗 2009年4月7日(火)「しんぶん赤旗」 私大生・親 ともに悲鳴 平均仕送り額は過去最低 生活費1日あたり1200円 入学費用5人に1人借金 東京私大教連 首都圏で調査  「私大生の一日の生活費は千二百円」―東京地区私立大学教職員組合 連合(東京私大教連、岡野内正委員長)の調査で、首都圏の私立大学に 通う学生の深刻な生活実態が明らかになりました。  調査は昨年五―六月、一都四県の十六大学・短大に入学した学生の保 護者を対象に実施。約四千八百人から回答がありました。  入学直後の出費が落ち着く六月の自宅外通学生への平均仕送り額を見 ると、九万五千七百円で、一九八六年の同項目の調査開始以来の過去最 低額を更新。仕送り額から平均家賃を引いた「生活費」は、十年前に比 べて半減し、三万六千円で、一日当たり千二百円となりました。  自宅外通学者の入学の年にかかった費用は三百四万円で、世帯の年収 の三割を超えています。世帯の税込み年収は十八年前の水準に後退して います。  自宅通学生も含めて五人に一人が入学費用のために借金をし、借入額 の平均は百六十四万円でした。九割の家庭が入学費用を「重い」と感じ ています。  日本学生支援機構(旧日本育英会)などに奨学金を希望して申し込ん だ家庭は62・9%、「希望する」と「申請した」が、自宅外通学生で は初めて七割を超えました。  アンケートには、「奨学金を借りたくても利子がつくので断念しまし た」「家庭の収入が少ないという理由で、子どもを大学に進学させない わけにはいきません。授業料への直接助成制度を望みます」など、保護 者の切実な声が寄せられています。 グラフ グラフ "[he-forum 14174] 北海道新聞4/7 北海道新聞2009年4月7日付 帯畜大に新動物病院 道東の拠点化目指し開業  【帯広】帯広畜産大の付属家畜病院を大幅に増改築した「動物医療センター」(宮原和郎センター長)が完成し、六日開業した。症状の重いペットの治療専門棟を設けるなど、大学で培った最先端技術で道東の動物診療の拠点を目指す。  鉄骨二階建ての三棟からなり、延べ面積は三千二百平方メートル。動物治療と研究を兼ねた施設で、総工費は四億三千万円。  動物病院や家畜相手の獣医師らと連携し、主に重症の二次診療に特化し治療する。がん治療では新たに、培養細胞を元の体内に戻す「免疫療法」を導入。切開部分を最小限にとどめ負担を減らす「腹腔(ふくくう)鏡手術」や温浴療法なども取り入れる。  愛犬と訪れた帯広市内の主婦(45)は「設備も充実し、利用しやすくなった」と話していた。受け付けは平日午前九時から同十一時半までで、予約が必要。  七日午後三時からは、一般の利用者を対象にした見学会も開く。  問い合わせは同センター(電)0155・49・5683へ。 "[he-forum 14175] 京都新聞4/7 京都新聞2009年4月7日付 滋賀医大で「総合がん治療学」 県が寄付講座  滋賀県はがん専門医らを育て、緩和ケアを普及する寄付講座「総合がん治療学」を滋賀医科大で開設するため、同医科大と6日、協定書を調印した。  同医科大に設置される県の寄付講座は、2007年度から始めた周産期医療を普及する講座に続き2講座目。  この日、嘉田由紀子知事と馬場忠雄学長が県庁で協定書を取り交わした。馬場学長は寄付講座を通じて、がん医療の高度先進医療の普及や人材育成、初期からの緩和ケアの導入を進めると説明、「県指定のがん拠点病院として、滋賀の医療に貢献したい」と述べた。  嘉田知事も「医療は公的インフラとして投資しないといけない分野。専門知識を生かせるよう取り組んでほしい」と話した。  総合がん治療学は、08年12月の「県がん対策推進計画」策定を受け、12年3月末まで3年間実施する。県が3年間の寄付金8400万円を拠出し、現役の医師、看護師、薬剤師らが受講する。 "[he-forum 14176] 山梨日日新聞4/3 山梨日日新聞2009年4月3日付 山梨大学内で太陽光発電 年度内の稼働めざし装置整備へ  山梨大は本年度、学内に太陽光発電装置を整備する。甲府・玉穂両キャンパス屋上に最大出力80キロワットの太陽光パネルを設置し、学内で使用する電力の一部に充てる。10月にも着工し、年度内の稼働を目指している。  同大によると、甲府キャンパスは工学部棟屋上に最大出力50キロワット程度、玉穂キャンパスは同大付属病院屋上に三30キロワット程度の太陽パネルを設置する予定。同大で使用する電力(工学部最大1200キロワット、医学部最大3300キロワット)の一部に充当する。整備費は約8000万円で、半分は国の補助を見込んでいる。  同大の太陽光発電装置をめぐっては、付属幼稚園(最大5キロワット)のほか、小学校(同4.5キロワット)、中学校(同5キロワット)、特別支援学校(同10キロワット)で既に導入している。  同大は3年前から玉穂キャンパスで使用する燃料を重油からガスに転換しており、年間約8%の二酸化炭素排出量を削減。2008年度からは甲府キャンパスでも暖房装置を重油から電気に切り替えている。同大は「目に見える形で環境への取り組みをアピールし、学生や教員の環境への意識を変えるきっかけにしたい」(施設・環境部)としている。 "[he-forum 14177] 4/8しんぶん赤旗(主張) 2009年4月8日(水)「しんぶん赤旗」 主張 退学・入学辞退増 国の責任で学生救う緊急策を  昨年来の景気の急激な悪化のもとで、経済的な理由による入学辞退や 退学・休学が急増し大学教育に深刻な影響がうまれています。  全日本教職員組合などが設けた教育費ホットラインには「親の収入が 三割も減った。休学するしかない」「会社倒産で職を失った。学費が払 えない」など、切実な声があいついで寄せられています。 憲法・教育基本法に反し  「しんぶん赤旗」が国公私立の大学に行ったアンケート調査でも、回 答のあった百七十五大学のうち一割を超える大学が「退学・休学・入学 辞退が増えた」と答え、六割の大学が「授業料や奨学金の相談が増え た」と答えています(五日付既報)。憲法・教育基本法が、「ひとしく 教育を受ける権利」を保障しているもとで、絶対にあってはならない事 態です。  日本共産党が「学費提言」(「『世界一高い学費』を軽減し、経済的 理由で学業をあきらめる若者をなくすために」昨年四月発表)でよびか けた諸方策の実現が、いよいよ求められています。  こうしたなかで、学生への緊急支援の措置を新たにこうじる大学が確 実に広がっています。本紙の調査でも、三割の大学が「実施している」 と答え、「検討している」大学を加えると五割にのぼります。家計の急 変によって学費を納入できない学生に学費を減免したり、給付制奨学金 を支給するなどの制度を拡充した大学は、三十五校にのぼります。  このうち私立大学は二十六校です。二年連続で学費を見直し、三十万 円近く値下げするなど、学生全体の負担軽減に踏み出した私立大学もあ ります。学費が相対的に高い私大で軽減策が積極的にとられていること がうかがえます。  しかし、各大学の新たな支援策は身銭を切ってのものであり、経済的 理由で学業をあきらめる若者をなくすには限界があります。学費減免制 度を新設したある大学では応募者が殺到し、優秀な若者を救いきれな かったといいます。  肝心なのは、国の対応です。本紙への回答でも、九割を超える大学が 国や自治体に援助の強化を求めています。七割の大学が無利子奨学金の 拡充を求め、五割が、学費減免や独自の奨学金に対する国の支援の拡充 を求めています。  政府は、大学の授業料滞納者数の把握など現状すらつかもうとしない ばかりか、国立大学への運営費交付金や私立大学への助成金を今年度も 削減しました。  そのうえ、学生支援機構の奨学金の滞納者の“ブラックリスト”化を すすめ、それに同意しない学生には奨学金を打ち切るというのです。多 くの学生が、不安にかられ、それを理由に進学を断念する若者すらうま れています。 奨学金制度の改悪中止を  ブラックリストなど奨学金の強引な回収強化策をただちにやめ、現行 の奨学金返済の猶予制度を、厳しい雇用情勢を考慮して、弾力的に運用 するとともに、無利子奨学金の採用枠を拡充することを強く求めます。  同時に、経済的理由で学業をあきらめる若者をうまないために、国立 大学・高専への運営費交付金を増額し、学費減免枠を広げること、私立 大学の学費負担軽減策に対して、経常費補助とは別枠で、緊急な補助を 行うことを、重ねて要求します。 "[he-forum 14178] 4/9しんぶん赤旗 2009年4月9日(木)「しんぶん赤旗」 国立大運営交付金 存立の危機を招く 石井議員 削減撤回を要求  日本共産党の石井郁子議員は八日の衆院文部科学委員会で、国立大学 運営費交付金を毎年1%削減する路線を撤回するよう迫りました。  国立大学が独立行政法人化された二〇〇四年と比べて、運営費交付金 は七百二十億円も削減され、交付金削減を受け、地方の国立大や教員養 成大学は深刻な状況に追い詰められています。  石井氏は、全国の国立大学で行った懇談で、学長らが「(人件費抑制 で)学部教員の一割近い三十人が減った」「削減分を補うために競争的 資金の獲得に追われ、教職員のストレスと疲弊は相当なもの」「こ のまま削減が続けば、教育系から倒れていく」と訴えたことを指 摘。元文科事務次官の結城章夫山形大学長が「これ以上の運営費交付金 の削減は、日本の科学研究を崩壊させ、国立大学の存立を危うくしかね ない」(「日経」三月二日付)と述べたことも紹介し、「運営費交 付金の削減はやめ、増額すべきだ」と強く求めました。  塩谷立文科相は、「独法化の実績をふまえ、今後のあり方を検討すべ きだ。将来の教育のあるべき姿を明確にし、今後の予算措置に努力した い」と述べました。 "[he-forum 14179] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.12 ニュースレター NO.12   2009、4,6   公正な学長選考を求める裁判を支える会   事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内    (TEL/FAX 088-844-1489)  4/10 第一回口頭弁論へ!  前回のニュースレターNo11においてお知らせしたように、行政訴訟の第一回口 頭弁論が高知地裁において4月10日(金)午後3時に開催されます。当日は我 々原告側(高橋正征名誉教授、根小田渡名誉教授及び弁護団)から,高橋正征先 生の意見陳述が予定されています。    前期の授業が開始される忙しい時期ですが、多くの教職員・学生・卒業生が高 知地裁での第一回口頭弁論の傍聴に集まられることを訴えます。  被告(国)側の答弁書(3月26日付)を見ると、当初の予想通り国側はあく までも、原告2名には「法律上の利益」が無く、「原告適格」が欠けているとい う論法で裁判に臨んで来るようです。「原告適格」の問題は民事訴訟ではかなり 高いハードルでしたが、今回は舞台が変わって行政訴訟。「行政事件訴訟法の一 部を改正する法律」(平成16年)第9条第2項によって「原告適格」の拡大の可 能性があり,まずこの第一関門を突破して実質の審理に入っていくことに全力を 挙げたいと思います。  当面裁判で最初に争われるのは、原告になっていただいた二人の先生の「法律 上の利益」ですが、それは単なる個人の「利益」ではなく、「大学の自主性・自 律性や個性豊かな魅力ある国立大学を実現するという当該大学の利益や、当該大 学の貢献を期待している一般社会の公益」もまたこの裁判を通じて実現しうると 私たちは考えています(引用したのは、なんと「被告側答弁書」の一節です)。  「20票の相良票の発見?!」から「関係者の厚遇」にいたるまで、信じられ ないことが次々と起こったこの事件について、門前払いにするのか、それとも裁 判の場できちんと真相をあきらかにするのか、裁判所の良識も今問われています。  現学長が任命されてから一年が経ちましたが、問題は風化するどころか、以前 よりも寧ろ重要性を増しています。学内的には『ニュースレター No11』で明ら かにした執行部の惨状があり、学外的には富山大学学長選考に見られるような、 「国立大学法人法」下での学長選考の問題点の露呈があります。  この裁判の帰趨は、高知大学にとっても、全国の国立大学法人にとっても極め て重要なものとなりつつあります。  裁判への更に広いご支援をお願いします。  連載 開示文書から 第一回  この間私たちは裁判を支えると共に、大学側に「法人文書開示請求」を行い、 今回の学長選考に関わる文書の開示を求めました。昨年9月に請求した文書が開 示されましたが、裁判地の問題に決着がつかなかったため、内容についてお知ら せするのは見送っていました。今回、裁判と平行してこの文書の内容についてご 報告して行きたいと思います。  第一回 は11月12日付けの文部科学省への「上申書」です。この時には受 け取ってもらえず、続いて2月15日に持っていったときにもダメ。最後に2月 28日に持っていってやっと受け取ってもらえたというものです。詳しい解説は 次回に行いますが、注目して頂きたいのは、3つの「選考報告書」の内容は同じ、 つまりこの第一回の報告書も票差は41票差となっていることです。 "[he-forum 14180] 読売新聞静岡4/10 読売新聞静岡版2009年4月10日付 産学連携 雇用生みたい/静岡  工学部と情報学部が集まる浜松市中区の静岡大浜松キャンパスに、「イノベーション共同研究センター」がある。  産学連携の拠点として1991年に発足した「地域共同研究センター」が前身。大学発ベンチャーの支援・育成施設なども造られ、2003年10月に学内の産学連携組織を統合して現在のセンターになった。  センターは共同研究開発、ベンチャー経営支援、プロジェクト企画管理の3部門を持つ。企業などが静大と共同研究を進めたい場合、センターのコーディネーターが学内に約700人いる研究者との橋渡し役になる。  静大の共同研究は、04年の法人化の前年頃から伸び、工学部や情報学部を中心に年間約250件で推移する。その半数近い約48%が県内企業との共同研究。県内中小企業は22%、研究費でも全体の34%を県内企業が占め、地域への貢献度は高い。 ☆  大学での研究成果を活用して教員や学生が起こした企業や、研究技術を活用した企業などの「静大発ベンチャー」は現在22社に上る。  その一つ、「MDルミナス」は電磁波を使った点光源型小型放電ランプの開発と応用などを手がける。夜間の道路や競技場のナイター照明などのほか、近年は自動車の前照灯に使われるHID(高輝度放電)ランプを、電磁波によって点灯させる研究を進める。  神藤(かんどう)正士代表は昨年3月で大学院電子科学研究科長を定年退職し、現在は若手研究者支援室マネジング・プロフェッサー。長くプラズマを研究し、マイクロ波の研究も30年以上続けている。電磁波で小型ランプを点灯させる技術の基本特許を4年前に大学として出願し、技術を実用化するため07年1月に「MDルミナス」を起業した。センター内の貸しオフィスと実験室を借り、スタッフらと研究にいそしむ。  「自分の研究が世に出るのは喜び。それに、大学へ少しでも利益が還元できればと考えた。センターの存在、バックアップがあったからこそ起業できた」(神藤代表)。センターのベンチャー経営支援部門はオフィスを貸し出すほか、経営や販路開拓の面でもサポートする。地元の浜松信用金庫なども03年12月に3億円で「静大ファンド」を設立。07年4月には2号ファンドも設立され、5億円のうち2億円が静大発ベンチャー向けの基金になっている。  「起業した会社はそのまま地域の会社になる。ただ、いつまでもベンチャーでは駄目。どこまで大きくなれるか、どれだけ雇用を創出できるかだ」。木村雅和センター長は「産学連携」の意味と課題をそう解説する。 ☆  静大と豊橋技術科学大(愛知県豊橋市)が拠点校となり、県内と愛知県東部の大学などの産学連携活動を支援したり、県境を越えた地域連携などを進めたりする「東海iNET」が、文部科学省の産学官連携戦略展開事業に採択され、08年度から始まった。各大学が保有する知的財産を活用し、産学官が連携して地域産業に貢献することを目指している。  光電子工学の研究開発を通じて技術の集積や新産業の創出などを狙った文科省の知的クラスター創生事業も、07年度から第2期に入った。静大は浜松医科大や豊橋技術科学大とともに中核を担う。  かつて静大工学部では、地元出身の「テレビの父」・高柳健次郎が教鞭を執った。静大の電子工学部門は外部からの評価も高いという。MDルミナスの神藤代表は「高柳に始まる歴史、伝統も無意識のうちに活用しているのかもしれない」と語る。地域で刻まれた歴史が成果となって地元に戻り、それをまた地元が支える輪ができつつある。 "[he-forum 14181] 陸奥新報4/10 陸奥新報2009年4月10日付 医療に糖鎖生物学応用、弘大大学院が講座設置 がん研究など期待  弘前大学大学院医学研究科(佐藤敬研究科長)は9日、歯磨き用品大手サンスター(本社大阪府高槻市)からの寄付で2009年3月末から3年間、同研究科付属高度先進医学研究センターに設置する「糖鎖医学講座」の記者会見を開いた。  1年ごとに3千万円の寄付を受け、次世代のバイオテクノロジーとしての糖鎖生物学を医学の教育・研究の中に取り込み、特にプロテオグリカンなどの構造と機能の関係を明確にし、医学や医療の応用研究に取り組む。  弘大は07年8月にサンスターと研究提携の推進に関する協定を締結。これまでサンスターから派遣された研究員と共同研究、プロテオグリカンなどの研究部会を立ち上げ、研究を行ってきた。  新たに設置する糖鎖医学講座では、動物実験で明らかとなっている潰瘍(かいよう)性大腸炎への効果、がんの増殖・転移を抑制する応用研究などを行う予定。また同センターにすでにある基礎的な糖鎖工学講座と連携した上で、教授や准教授らスタッフ5人ほどが講座に携わる。  サンスタースイスSAの工藤治夫取締役は「(大学側と)連携を密にしながら、社会に貢献していきたい。いろんな要素を取り入れながら、将来的には商品化もしたい」と意欲を見せた。 "[he-forum 14182] 信濃毎日新聞4/9 信濃毎日新聞社説2009年4月9日付 法科大学院 理念の旗は掲げつつ  裁判官や検察官、弁護士を養成するための法科大学院が試練を迎えている。2004年に全国でスタートしたものの、新司法試験の合格率は年々下がり、3回目の昨年は33%に落ち込んだ。当初目標に遠く及ばない。  「質」の低下を心配する声が、関係者の間に広がっている。  10年ごろに年間合格者を3000人まで増やす-。これが国の方針だ。しかし思い通りになっていない。「質を維持しつつ、大幅な増加を図る」との考えは根本から見直しを迫られている。  原因の一つとして、定員の多さが考えられる。法科大学院は全国に74校があり、総定員は約5800人だ。このうち仮に3000人が合格したとしても、合格率は当初目標の70-80%には届かない。絞り込みが必要だろう。  こうした中、中央教育審議会の特別委員会は昨秋の中間まとめで、合格実績の低い法科大学院などに対して定員見直しや統廃合を検討するように求めた。  この提案を、そのまま受け入れるわけにはいかない。地方の法科大学院がつぶされる可能性が大きくなるからだ。  司法制度改革では「弁護士過疎」の解消も大きな柱になっている。大都市への集中がさらに進む恐れがある。定員を見直すなら、全国的なつり合いを考えて都市部から手をつけるべきだ。  長野県内では、信大が05年4月に法科大学院を開設した。県弁護士会も弁護士を専任教員で派遣するなど支援している。  定員は40人だ。ただ開設時のつまずきもあり、06年度から募集人員を自主的に30人に抑えてきた。信大は先ごろ、教育の充実に向けて定員を削減する方針を決めた。10年度入試から新定員で募集するという。  3年課程で、昨春、初の修了生を送り出した。このうち19人が新司法試験に挑んだものの、合格者はゼロだった。合格者が出なかったのは全国で3校だ。  残念な結果だけれど、旧司法試験時代から多くの合格者を出してきた都市部の大規模校とは違う。地域に根差した人材養成を掲げる信大の法科大学院を、もっともり立てなくてはならない。信大も学生もさらに努力して、地域の願いを実現してもらいたい。  国も合格一辺倒では困る。バランス感覚に優れた多様な人材を育てる、というのが理念のはずだ。受験技術が優先されるようでは、改革の目的に背く。国民の期待に応えられない。 "[he-forum 14183] 共同通信4/10 共同通信2009年4月10日6時45分 東大、5時から会議しません 男女共同参画加速を宣言  東京大は10日までに、女性研究者の積極的な採用のほか、「仕事と生活の調和を目指し、公的な会議は原則として午後5時以降行わない」とする男女共同参画加速のための宣言を出した。育児などで女性が退職するのを減らし、男性も積極的に家庭にかかわってもらおうという狙いだ。  午後5時近くまでの講義の後に会議を開く学部もあり、一部教員から「絶対無理」との声も上がったというが、東大の男女共同参画オフィスは「まずは意識を持つことが重要」とし、昼食時の会議開催や議事進行のスピードアップといった工夫をしていく。  東大は、全体の約9%となっている常勤女性研究員について、2010年3月までに採用比率を25%以上にする数値目標を定めている。  育児支援のため昨年、4つのキャンパスに教職員や学生向け保育園を開設。生活や育児の相談に当たる女性研究者支援相談室も設けた。  今年2月には、女性限定で意見や情報の交換ができるインターネットのサイトを開くなど、環境整備を進めている。 "[he-forum 14184] 共同通信4/10(2) 共同通信2009年4月10日 20時2分 不適合基準の厳格化求める 法科大学院評価で中教審  中教審法科大学院特別委員会は10日、法科大学院の適格性をチェックする認証評価機関が「不適合」と認定する際の基準を厳格化し、教育の質に重大な欠陥が認められた場合に限定するよう見直しを求める素案を大筋で了承した。今月中にまとめる法科大学院の質向上に向けた最終報告に盛り込む方針。  法科大学院は5年に1回、日弁連法務研究財団など3つの評価機関のいずれかの評価を受けることが義務付けられている。これまで68校のうち22校が基準を満たしていないとして不適合となったが、一部の大学院が異議を申し立てている。  特別委の審議では不適合の認定基準が評価機関によって、評価項目の1つでも基準を満たさなかった場合だったり、法令違反などが確認されたケースだったりするなど評価基準にばらつきがあることが問題点として指摘された。  これらを踏まえ特別委は、各評価機関の独自性に配慮しながら評価基準に共通認識を持つ必要があるとした上で、不適合認定の基準を厳格化することなどを素案に盛り込んだ。 "[he-forum 14185] 沖縄タイムス4/10 沖縄タイムス2009年4月9日付 患者・家族の不安拡大 琉大骨髄移植医の退職問題/「理由を公表して」 過重労働改善も要望  県内で唯一、骨髄バンクを介した移植が可能な琉球大学医学部附属病院の骨髄専門医3人が退職することに、患者や家族の不安が広がっている。同病院では3月に小児科の骨髄専門医1人が辞めた直後で、「なぜ次々に医師が辞めるのか」「病院は早く理由を調べて公表すべきだ」と訴える。一方、病院側は退職について「新聞報道で初めて知った。医師の所属する医局と調整し対応を決めたい」としている。  2007年に白血病で骨髄移植を受けた男性の妻(33)は、今年2月末に担当医から直接辞意を聞いた。現在も夫は月1~2回通院している。「移植できて感謝している」と話す。一方、「白血病は再発が怖い。今度は県内で治療できなくなるかもしれないと考えると怖い」と不安を口にした。  昨年10月に移植を受けた崎原正志さん(28)と妻の千尋さん(31)=那覇市=は約2週間前、別の担当医から退職について聞いた。「病状や治療方法を丁寧に答えてくれた。最近体調が悪いと聞いていたが、まさか辞めるとは」と驚く。  正志さんは今月、一時体調を崩して再入院。最近退院した。千尋さんは「担当医は『心配な時はいつでも電話して』と言ってくれた。急な高熱や痛みで、夜中、救急に行くべきかどうか迷った時に相談したこともあった」と話す。  医師退職の原因が過重勤務にあると新聞報道で知り、夫妻は心を痛めている。「医師の退職は患者だけの問題ではない。医療体制を守るためにも病院は、医師の勤務実態など問題の所在を明らかにしてほしい」と求めた。  がんの子どもを守る会沖縄支部の片倉弘美幹事は「小児科医の退職をきっかけに要望した治療体制の継続についても、病院からまだ正式な回答がない」と病院側の対応に憤る。「別の医師も退職すると聞いて驚いている。早急な回答を要求したい」と述べた。(黒島美奈子) "[he-forum 14186] 毎日新聞高知4/11 毎日新聞高知版2009年4月11日付 高知大学長選不正:行政訴訟 国、全面的に争う姿勢--地裁第1回弁論  07年10月に相良祐輔学長が当選した高知大学長選で不正があったとして、対立候補だった高橋正征・同大名誉教授らが国の学長任命行為の取り消しを求めている訴訟の第1回口頭弁論が10日、高知地裁(小池明善裁判長)であった。国側は答弁書で全面的に争う姿勢を示した。  訴状によると、選考の参考にする学内意向投票で高橋票が相良票を41票上回ったが、開票終了後に大学の事務局職員が票の入った箱を無断で開け、数え直したところ1票差となった。選考では41票差と1票差の両方が参考資料とされ、相良学長が選ばれた。高橋名誉教授は「違法・無効な選考会議に基づく国の学長任命処分は違法だ」と訴えている。  一方、国側は答弁書で票のすり替えがあったという訴えを「根拠のないもの」。さらに学長選考決定については「適法な手続きのもとに行われた」として、請求を退けるよう求めている。  この日の弁論で、高橋名誉教授は「大学が徹底した調査や責任追及をせず、国が是認していることは極めて遺憾」などと意見陳述した。【服部陽】 "[he-forum 14187] 毎日新聞4/9 毎日新聞2009年4月9日付 医療クライシス:コストカットの現場で/6 政府の医学部定員増方針  ◇教員人件費に支援薄く  「学生が増えるなら教員も増えるのか」  08年8月、横浜市立大医学部の教授会。09年度からの医学部定員増の計画を検討中、教授らが声を上げた。  政府はその2カ月前「骨太の方針08」を閣議決定。長らく続いた医師数抑制策を転換し、医学部定員増を打ち出した。これを受け文部科学省は、全国の大学医学部に増員計画の提出を求めた。  07年度まで1学年定員60人の横浜市大医学部が希望したのは「15人増」だった。08年度の医学部臨時定員増などの25人と合わせ、計100人とする計画。多くの医学部が定員100人程度の中、同大にとっては悲願とも言える目標だった。  だが、9月下旬、文科省は「15人は多すぎる」と難色を示す。国立大にも教員増なしで可能な定員増を求めたとして、横浜市大には「5人増」を提示。しかも「公立大には教員増の人件費への支援はできない」とされた。  定員増へ向け横浜市は、09年度予算に8900万円を盛り込んだ。うち人件費は常勤教員3人分の3600万円。同大は向こう3年間で9人の増員を見込むが、梅村敏・医学部長は「学生が60人から90人へ1・5倍に増えたのに、教員3人増ではとても足りない」と話す。  これまで5人1組で行っていた臨床実習を7~8人1組にするなどして対応するが、梅村学部長は懸念する。  「目が行き届かない面も出てくるだろう。学生のレベルが下がり、数年後の医師国家試験の合格率などに結果が表れる。研究活動に時間を割ける医師は減り、将来的に日本の医療水準は下がる」    ■   ■  定員増では、国立、私立大への支援も十分ではない。国立大の運営費交付金と私立大への私学助成金は、08年度補正予算と09年度予算で計46億円。国立大学医学部長会議で医学部教育などの検討委員長を務める嘉山孝正・山形大医学部長は「解剖台や顕微鏡の購入も必要なのに、10人増に対し年間約817万円。これで何ができるのか」と憤る。  そもそも、日本の大学医学部の教員数は、海外と比べて大幅に少ない。嘉山学部長の調査では、07年の1ベッド当たりの病院医師(指導医)数は、米テキサス大がんセンター1・45人、ボストンS・E病院1・24人に対し、東京大と慶応大0・58人、群馬大0・41人などにすぎない。  嘉山学部長は「国は増員を命令して、わずかな交付金を出すだけ」と批判する。1956年の大学設置基準で学生720人に対し教員140人としていることを挙げ「当時とは教育内容も大きく変わり、遺伝子研究なども扱うようになった。150人は必要だ」と基準の見直しを求める。  今年4月、全国の大学医学部の新入生は、08年度より約500人多い約8500人となった。だが、日本の人口1000人当たりの医師数は2・0人(04年度)で、経済協力開発機構(OECD)平均の3分の2。追いつくには大幅な医師増が必要だが、低医療費政策を続ける限り実現は難しく、「医療クライシス」の出口は見えない。=おわり    ×   ×  この連載は、高木昭午、清水健二、河内敏康、樋岡徹也、五味香織、渋江千春が担当しました。 "[he-forum 14188] 福井新聞4/2 福井新聞2009年4月2日付 世界の原子力拠点に 福井大附属研究所が開所  福井県のエネルギー研究開発拠点化計画で重点施策の一つに位置付けられている福井大附属国際原子力工学研究所の開所式が1日、福井市の同大文京キャンパスで行われた。高速増殖炉「もんじゅ」や原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん)などの現場を活用し、原子力分野の研究開発、人材育成で世界トップレベルの拠点を目指す。  研究所には、他大学などからの客員教授を含め研究員34人を配置。国立大の原子力研究所としては京都大に次ぐ規模となる。▽原子力工学基礎▽原子力工学研究開発▽原子力防災工学▽医学物理・化学研究開発―の4分野で構成する。  10年3月までに県内の原子力関連施設を生かしたカリキュラムや他大学に開放する集中講義科目などを設定し、11年4月から学生を受け入れる予定。アジアを中心に海外からの留学生も積極的に招く方針。  当面は総合研究棟内に研究室を置き、年内には同キャンパス内に実験室を整備。施設などの受け入れ態勢が整った段階で敦賀市に移転する。 "[he-forum 14189] 高知新聞4/11 高知新聞 2009年04月11日付 高知大学長選 国「任命拒否は自治侵害」 高知地裁口頭弁論 手続き違法性否定  昨年4月に文部科学省が高知大学の学長に相良祐輔氏を任命したのは「違法」 として、同大名誉教授が、国に任命取り消しを求めた行政訴訟の第一回口頭弁論 が10日、高知地裁であった。国は答弁書で同大の選考手続きや文科省への申し出 には「何ら形式的違法性はみられない」とし、「選考方針が不当であるといった 理由で任命を拒否するようなことがあれば、それこそ大学の自治に対する不当な 国家権力の介入として、大学の自治の本質を侵害することにもなりかねない」と 全面的に争う姿勢を示した。    原告は、一昨年秋の同大学長選考で相良氏の対立候補だった高橋正征氏(当時 =同大大学院黒潮圏海洋科学研究科長)と、学長選考会議委員の1人だった根小 田渡氏(同=同大人文学部長)。    訴状によると、原告は選考会議の決定を「重大な手続き違背で違法・無効」と し、「選考手続きに形式的な瑕疵(かし)があれば、文科大臣は学長任命を拒否 すべき義務がある」と指摘。その上で「被告(国)は同大の学長選考過程を認識 していたにもかかわらず、任命しており、取り消しは免れない」などとしている。    これに対し国は、国立大学法人法や閣僚の国会答弁などを根拠に大学の自主性 や自律性を尊重するため、学長は、学内の選考機関による選考を経た後に文科大 臣が任命する仕組みとし、学長任命については選考手続きに形式的な違法性があ るか、明らかに学長の資質を満たさない場合を除き、「国が(任命を)拒否する ことはできない」と主張。高知大の選考は学内諸規則に抵触していないとの見方 から学長任命は適法であるとした。    さらに、任命に当たり考慮すべきなのは「より個性豊かな国立大学を実現する といった当該大学の利益や、その貢献を期待している一般社会の公益」とし、対 立候補や学長選考会議員の「個別的利益でない」と両氏の原告適格性を否定した。    国立大学法人の学長選考をめぐっては、新潟大や滋賀医大でも訴訟になってい るほか、最近では富山大で選考会議が決めた学長を任命しないよう国に要請する 動きが出ている。 原告側意見陳述 「国の責任問う」  10日あった高知大学長の任命取り消し訴訟で、原告側は「大学当局は徹底した 調査や責任追及をせず、それを文部科学省が是認していることは極めて遺憾」と の見解を示し、「国が学長の任命責任をいかに果たすべきか真剣に問いたい」と 意見陳述した。    原告の高橋正征氏は学長選考の経緯や国立大学法人化による大学の裁量拡大に 言及しながら、「だからと言って国の関与が全くなくなるのではない」「国民の 負託を受けた高等教育機関として透明性の確保は言うに及ばず、よもや不公正な 運営があってはならない」と指摘。    その上で、「大学法人の自律性を重んじつつ、公明正大な大学運営を担保する ため」として、国の学長任命責任を問う考えを重ねて強調した。    原告側は次回6月16日の第2回弁論で、国の主張に対し具体的な反論を行う。   ズーム 高知大学長選考訴訟  高知大学が07年10月、国立大学法人化後初めて行った学長選考で、選考会議は 相良祐輔氏の再任を決定。ところが、事前に行われた学内意向投票で2通りの得 票数が判明し、学内で同会議の決定無効と学長選考のやり直しを求める動きが強 まった。同年12月、対立候補だった高橋正征氏が大学を相手取り民事訴訟を起こ すとともに、「何者かが票を差し替えた」として被告発人不詳のまま、教授らが 偽計業務妨害容疑などで刑事告発(嫌疑不十分で不起訴)。08年4月、文科省が 相良氏を学長に任命したため同民事訴訟を取り下げ、同年6月、高橋氏らが新た に国に任命取り消しを求めて提訴していた。 "[he-forum 14190] 信濃毎日新聞4/15 信濃毎日新聞2009年4月15日付 信大学長選2氏が候補者に 法人化後初 複数での争い  信大(本部・松本市)は14日、小宮山淳学長の任期満了に伴う次期学長選考の候補者に、白井汪芳(ひろふさ)理事(68)と山沢清人工学部教授(64)の2氏が決まったと明らかにした。2004年の国立大学法人化後、複数の候補者による選考は初めて。教員や一部職員による意向投票を経て、5月15日までに学長選考会議で選出する。  白井氏は信大大学院繊維学研究科修士課程修了、繊維学部長などを経て04年から現職。山沢氏は東北大大学院工学研究科修士課程修了、信大工学部助教授などを経て1993年から現職。09年3月まで工学部長。  目指す大学像として白井氏は「社会の中の、社会のための大学」「地域拠点大学の雄」、山沢氏は「学生が生き生きと学び、教職員が教育研究に専念できる学舎(まなびや)の実現」を掲げている。  学長選考は法人化に伴い、それまでの教員投票から変更。教授や准教授、講師、助教の専任教員20-25人の連名か、信大経営協議会の学外委員の推薦を受けた候補者を決め、教職員約千人の意向投票を行う。意向投票の結果を参考に、経営協議会の学外委員8人を含む学長選考会議(議長・塩野宏東大名誉教授、17人)が審議、投票によって選出する。意向投票は4月30日、選考会議は5月7-15日を予定している。  法人化後初の前回選(07年)は候補者が小宮山学長1人だった。信大の規定で再任は1回限りで、小宮山学長は再任任期(2年)が満了する9月末で退任する。新学長の任期は10月1日から4年。 "[he-forum 14191] 時事通信4/13 時事通信2009年4月13日17時23分 東大、京大、阪大で変わらず=論文重要度、日本トップ3  トムソン・ロイター(本社ニューヨーク)は13日、世界の大学・研究機関の所属研究者が過去11年間(2008年まで)に発表した論文が他の論文に何回引用されたかの統計によるランキングを発表した。22分野の総合では、日本のトップスリーは東京大(世界11位)、京都大(30位)、大阪大(34位)の順で、昨年の発表と13位までは変わらなかった。  一般に、他の論文に引用される回数が多いほど、重要な論文とみなされる。日本の4-10位は、東北大、科学技術振興機構、名古屋大、九州大、理化学研究所、北海道大、東京工業大。11-20位は、産業技術総合研究所、筑波大、広島大、慶応大、自然科学研究機構、千葉大、岡山大、神戸大、東京医科歯科大、金沢大だった。  日本の研究者が強い分野では、材料科学の日本トップが東北大(世界3位)、物理学では東京大(2位)、化学では京都大(4位)、生物学・生化学では東京大(3位)で、昨年の発表と同じだった。 "[he-forum 14192] 産経新聞関西4/14 産経新聞関西版2009年4月14日付 大阪大産研、ナノテクで産業界と連携 支援施設建設へ  大阪大学は13日、同大学の産業科学研究所(産研)=大阪府茨木市=の新施設としてナノテクノロジー(超微細技術)に特化した共同研究を支援するインキュベーション施設を建設すると発表した。ナノテク分野で産業界との連携施設を設置するのは全国で初めて。来年3月の完成を目指す。IT(情報技術)、バイオなど幅広い先端産業にかかわりを持つナノテクの研究成果などを中小企業に開放し、大学、企業の連携を加速することで、次世代型の情報機器や治療方法の実用化につなげる。  インキュベーション施設は地上5階・一部地下1階建てで延べ床面積は5000平方メートル。十数億円かけて建設し、3階、4階の24室(1室あたり60平方メートル)を、民間企業に1カ月あたり18万円程度で貸し出す。5階には、解析機器などを共同で利用する「科学教育機器リノベーションセンター」を置く。  主な入居対象として半導体などの電子部品、材料、医療、環境などナノテクに関連する分野を手がける中小企業を想定。入居企業は、研究を進めるさいに大学の研究者の協力を得られるほか、解析機器や電子顕微鏡、電子露光装置などナノテク研究に必要な産研の設備を活用できる。  産研はナノテク分野で、北海道大、東北大、東京工業大、九州大の各研究所を結ぶネットワーク型共同研究の中核拠点になっている。各大学から研究室を誘致するほか、ナノテクへのニーズが高い東大阪市内の中小企業との連携も強化するなどで、ナノテク技術の実用化に力を入れる。  阪大は平成16年度に国立大学法人化して以降、産研の組織改革や、海外の研究機関との連携にも力を入れている。  産研の山口明人所長は「中小企業が国際競争力をつける上で、ナノテクは大きなポイントになる。大学と中小企業の研究成果の融合を進めることで、新しい形の技術革新につなげていきたい」と話している。 "[he-forum 14193] 読売新聞4/15 読売新聞2009年4月15日付 東大・読売寄付講座が開講、明石・元国連事務次長が講義  東京大学法学部に開設された読売新聞社の寄付講座「グローバル・リーダーシップ講座」の初講義となる連続公開セミナーが14日、東京都文京区の同大本郷キャンパスで開かれ、約150人の聴衆が参加した。  第1回のセミナーは、元国連事務次長の明石康氏が「国連平和維持活動(PKO)の変遷と展望 日本の参加はなぜ低調か」と題して講義。明石氏は「日本は、カンボジアと東ティモールのPKOに参加し、まじめな良い仕事をして関係国に感謝された」とした上で、「その後はぱっとしない。現在、日本が参加しているPKOの総派遣人数は、国連加盟国の中で82、83番目くらいの情けない状態にある」と批判。さらなる日本の国連活動の参加拡大を訴えた。同講座は、世界を舞台に地球規模の課題解決にリーダーシップを発揮できる人材養成を目指して開設された。講座は、今後3年間行われる。連続公開セミナーは年間8回程度を開く予定。 "[he-forum 14194] 岩手日報4/14 岩手日報2009年4月14日付 岩手大動物病院長に女性 大学付属で全国初  盛岡市上田三丁目の岩手大動物病院長に、同大農学部教授の佐藤れえ子さん(54)が就任した。同大によると、全国の大学付属動物病院で女性院長は初めて。佐藤院長は「多くの人に親しみを持ってほしい。地域社会に開かれた病院を目指す」と意気込みを語る。  佐藤院長は仙台市出身。一九八一年に岩手大農学部助手。九二年に助教授、二〇〇六年に教授となった。専門は獣医内科学と獣医免疫学。  小さい時から動物が好きだった。助手時代には自費で東京に出向き、積極的に研修会などに参加した。学生に「どんな分野も貪欲(どんよく)に学んでほしい」と期待するとともに「病んでいる動物の痛みに敏感であってほしい」と願う。  岩手大動物病院は、犬や猫など伴侶動物と牛や馬などの産業動物の診療業務と臨床研究を行っている。最近は「高度な医療を受けさせたい」と願う飼い主のニーズに応え特殊検査装置、特殊治療装置を導入。かかりつけ医から紹介された動物を検査、診療をする二次診療に軸足を移してきた。  教育病院としての役割も重視し、県内外の獣医師を集めて教育講演会や臨床研修会などを開いている。佐藤院長は「獣医学の進歩は目覚ましい。学生の育成は大きな役割」と話す。東北にある大学付属の動物病院は、岩手大と北里大獣医学部(青森)のみ。佐藤院長は「東北の拠点として地域社会に役立ちたい。かかりつけ医がいない場合でも気軽に相談に来てほしい」と呼び掛ける。 "[he-forum 14195] 沖縄タイムス4/15 沖縄タイムス2009年4月15日付 「拙速な成立 将来禍根」大学院大法案 民主作業班が対応協議 今国会成立には慎重  【東京】民主党は14日、国会に提出された沖縄科学技術大学院大学学園法案に関する作業チームの第1回会合を開き、対応を協議した。ネクスト文部科学副大臣の鈴木寛衆院議員は、国からの運営費の全額補助を10年間に限る法案を問題視し、「拙速な法案成立は将来に禍根を残しかねない。2012年の開学予定ならば、今年の秋ごろの臨時国会成立でも十分間に合うはずだ」と述べ、今国会での成立に慎重な姿勢を示した。  法案では大学を特別な学校法人として、開学から10年間は国から2分の1を超える補助を行えるとし、全額補助される見通しとなっている。  一方、会合では時限にとらわれず、国からの補助で安定した経営が可能な国立大学としての設置が望ましいとの意見が上がったという。  鈴木氏は「国立大学としての設置は暫定的なチームの意見。沖縄にとってベストなものにするため、十分な設置形態を目指す議論が必要」と述べ、次回会合での国や県内関係者からのヒアリングや、委員会付託された場合の現地視察を実施する考えを説明した。  このほか、会合では研究施設などハード面の整備が先行しているとし、執行された予算の調査を求める意見や、琉球大学など地元の研究施設との連携が不十分との指摘があった。  国や県は研究者を獲得する根拠となる大学理念を策定する学長の選考に早期に着手するため、今国会で法案を成立させたい考え。13日は仲里全輝副知事ら沖縄科学技術大学院大学設置促進県民会議のメンバーが上京し、民主党幹部に法案成立を要請していた。 "[he-forum 14196] 中日新聞4/15 中日新聞2009年4月15日付 県と6大学など防災研究組織を設立 報道機関と連携し県民へ情報発信  静岡県内の6大学と静岡地方気象台、県などが協力し、防災に関する共同研究や情報発信に取り組む連携組織「しずおか防災コンソーシアム」を21日、設立する。これまで個々に研究していた学者が情報交換し、中日新聞社など地元の報道機関7社と連携しながら成果を発信し、県の防災力アップを目指す。  6大学は静岡大、浜松医科大、県立大、静岡文化芸術大、東海大、富士常葉大。県は昨年12月、防災教育・研究の相互協力の強化を目的に、6大学と個々に防災に関する協定を締結した。コンソーシアムは研究者らの交流と成果発表の場と位置づけ、防災をテーマに共同研究グループをつくり、国などの大型研究予算の獲得も目指す。  各大学にはそれぞれに得意な研究分野がある。防災総合センターで地震発生のメカニズムを研究する静岡大、災害時医療の浜松医科大、環境防災学部で研究や人材育成を進める富士常葉大などが、横の連携を模索する。  設立の中心メンバー里村幹夫・静大防災総合センター長は「静岡は地震対策の先進県だが、地元大学の貢献は少なかった。協力関係もなかった各大学の研究者らが補い合い、防災行政に協力できれば」と意義を説明。  また報道機関の参加について、コンソーシアム事務局担当で県危機管理局の岩田孝仁危機報道監は「災害時だけでなく、県民への啓発やニーズの吸い上げにはメディアの協力が不可欠。今後、広く参加を呼びかけたい」と話している。  交流の成果を基にした講習会、研究者、行政、メディア関係者による勉強会の設置なども予定している。 "[he-forum 14197] 読売新聞4/14 読売新聞2009年4月14日付 臨床実習1500時間義務化、在学中に実施…文科省検討会合意  医学教育のあり方を検討している文部科学省の専門家検討会(座長・荒川正昭新潟大名誉教授)は13日、医学部在学中の「臨床実習」について、1500時間以上行うことを義務づける方向で大筋合意した。  医師不足の一因になったとされる卒後の臨床研修は事実上、半分に短縮される形になったが、同研修で行われてきた基礎的な部分を卒前研修に組み込むことを狙ったという。同省は今後、大学設置基準の見直しなどを行い、新たな臨床研修制度と同様に2010年度スタートを目指す。  臨床実習は、医学部5年目から始まるが、全国医学部長病院長会議の07年度の調査では、2250時間以上行っている大学が7大学ある一方、1500時間に満たない大学が27大学あるなど、大学によってばらつきがあった。特に、6年目は医師国家試験の受験対策に追われ、実習そのものが形骸(けいがい)化していると指摘されてきた。  見直し案は、臨床実習の時間を増やすほか、内科や外科などの診療科目の実習を充実させ、実習終了時の到達目標を明確にする。  また、臨床研修制度で必修から選択必修になる小児科や産婦人科などの分野についても在学中から体系的に学ぶこととし、卒業までに医師としての総合診療力を身に着けさせることを目指すとしている。  一方、臨床実習に入る前に知識の習熟度を測る「共用試験」については、統一的な合格基準を設け、学生の質を担保する。 "[he-forum 14198] 4/16しんぶん赤旗 2009年4月16日(木)「しんぶん赤旗」 基礎研究費増やせ 世界に逆行する日本指摘 石井議員  日本共産党の石井郁子議員は十五日の衆院文部科学委員会で、基礎研 究予算の増額を求めました。  総務省によると、自然科学に使用した研究費のうち、基礎研究費の占 める割合は、二〇〇三年度の15%から、〇七年度には13・8%に減 少。その上、日本の基礎研究費の割合は、フランスやドイツ、米国など に比べて最低です。  石井氏は「主要国が基礎研究費を増やしているなかで、日本は逆行し ている」と強調。「『選択と集中』という科学技術政策が、国際競争力 につながる研究に資金を重点化し、他方で基礎研究への支援を弱めてき たことは明らかだ」とのべ、「『選択と集中』を根本的に見直し、基礎 研究予算の増額を図るべきだ」と求めました。  さらに石井氏は、年間六十万円の研究費でやりくりするある地方国立 大学の生物学研究者の現状を紹介し、「普段の学生の実験、卒論指導、 院生の研究指導の最低限の消耗品がでるかどうかだ」と告発。「研究者 が自由に使える研究費を増やし、のびのびと研究できるようにすべき だ」と主張しました。  塩谷立文部科学相は「基礎研究は重要な位置付けで取り組んでいかな ければならない」とのべ、「当然、(予算を)増額したいという気持ち は持っているので、しっかり対応していきたい」と答弁しました。 "[he-forum 14199] 佐賀新聞4/17 佐賀新聞2009年4月17日付 長谷川、佛淵の2氏候補に 佐賀大次期学長  佐賀大学学長選考会議(議長・指山弘養県商工会議所連合会長、14人)は16日、9月末の任期満了に伴う学長選考で、現職の長谷川照氏(70)と医学部教授で付属病院副病院長の佛淵孝夫氏(56)の2人を候補に決定した。今後、教職員による2回の意向投票を実施し、6月中旬の選考会議委員による面接で次期学長を選出する。  選考会議が同日、2人の推薦書などを審査し、資格を満たしていると判断した。法人化後、学外にも門戸を広げているが、前回に続いて応募はなかった。  長谷川氏は京都大大学院理学研究科出身。佐賀大理工学部長を経て、佐賀医科大との統合に伴う学長選で2003年10月、新生「佐賀大学」の初代学長に就任。国立大学法人化後、05年の学長選考で再任された。  佛淵氏は九州大医学部卒で、旧佐賀医科大に1998年着任。整形外科(股関節外科)が専門で、人工関節置換術などを手掛けている。昨年四月から副病院長(経営企画担当)を務め、医療情報部長を併任している。  日程案によると、5月中旬に本庄、鍋島キャンパスで所信表明演説会を実施。6月上旬にかけて2回、教職員の投票による意向調査がある。それらの結果を踏まえ、6月中旬に最終選考の面接があり、次期学長が発表される。 "[he-forum 14200] 朝日新聞4/17 朝日新聞2009年4月17日付 法科大学院定員 東大・京大が2割減へ 「質向上」狙う  法科大学院の再編論が高まる中、東京大と京都大が、10年度から入学定員を2割削減することが明らかになった。文部科学省は74校ある大学院の総定員を絞り、全体の質を高めたい考えで、法曹界で実績のある両大学もこうした方針に沿う形で削減を決めた。他の国立大も同様の対応を取るとみられる。  司法制度改革の柱に据えられた法科大学院は、04年の開校から5年で大きな転機を迎える。  法科大学院をめぐっては、想定を上回る大学院が設置されたこともあり、「修了者の7、8割」と想定された新司法試験の合格率も、08年は3割程度に低迷。試験で合格者を1人も出せない大学院もあり、教育内容、学生とも「質の低下」議論が起きた。合格した司法修習生の実力低下も問題になり、司法制度改革を推進した自民党のほか、現場の裁判官や弁護士からも疑問の声が上がっていた。  定員300人と全国で最も多い東大は来年度240人に減らす。井上正仁・法学政治学研究科長は「教育の質と効果を高めるため、カリキュラムの見直しなどと合わせて検討して決めた」。京大も同様の理由で200人から160人に減らす予定で、山本克己・法学研究科法曹養成専攻長は「大学院全体で合格率を上げる必要もある」と話した。定員削減は、大学の判断だが、文科省の指導もあった。  今回、国立の有力大が自ら削減することで、文科省は地方の国立大や私立大に、さらに削減や統合を促したい考えだ。各校が加盟する法科大学院協会幹部によると、23校ある国立大のほとんどが、1~3割の定員を削減する方針という。法科大学院のあり方を議論している中央教育審議会(文科相の諮問機関)の委員会は17日にもまとめる最終報告で、実績を残している大学院も含め、教育体制充実などのため定員削減を求める内容を盛り込む予定だ。  一方、私立大には削減方針への温度差もあり、今後、総定員がどの程度になるか、不透明だ。 定員300人の早稲田大は11年度以降の削減を検討している。教務主任の古谷修一教授は「流れに抗しがたい」としながらも、「全体を減らすからという理由以外に、減らす理由はない。(削減規模は)国立並みは無理だろう」。同じ定員300人の中央大は削減を考えていない。福原紀彦・法務研究科長は「成果をあげているところも含めて一律に削減を求める発想は納得できない。文科省は、各校の実態を見て、教育の質を向上させる体制を整えるべきだ」と話す。(石川智也、大西史晃) "[he-forum 14201] 時事通信4/16 時事通信2009年4月16日23時49分 研究費配分で独立機関=自民がイノベーション促進法案  自民党がまとめた「研究成果実用化(イノベーション)促進法案」(仮称)の原案が16日、判明した。産業の国際競争力を強化するのが目的で、省庁の垣根を越えて効率的に研究費を配分する独立機関を創設するのが柱。同党は、今国会への法案提出を目指している。  日本の科学技術の実用化・産業化は、産学官の連携不足のほか、各省庁の縦割り行政の壁に阻まれ、欧米各国に遅れを取っているとされる。  同法案では、研究者が研究活動に専念できる環境を整備するため、知的財産の管理や研究資金の調達を担う「研究管理専門職」を各大学に新設。研究活動に必要なデータの収集などを行う「研究技術支援専門職」も置くとした。その上で、2つの専門職の待遇については、研究者並みの報酬や地位を与えることを大学などの研究機関に求めた。   また、科学技術政策を企画立案する総合科学技術会議の機能強化や、優秀な人材を海外から招くための大学・大学院改革なども進めるとしている。  さらに、臨床研究体制の整備の一環として、新薬承認の迅速化や安全対策の強化を図るため、厚生労働省から独立した医薬品庁(仮称)の創設を提唱。海外に比べ弱いとされる医療機器分野の競争力強化の推進も盛り込んだ。 "[he-forum 14202] 下野新聞4/15 下野新聞2009年4月15日付 産学官連携へ説明会 17日、宇大など4大学  宇都宮、茨城、群馬、埼玉の四大学で組織する首都圏北部4大学連合は十七日午後一時から、小山市城東一丁目の小山商工会議所で企業の経営者や開発担当者を対象に、産学官連携を目指した新技術説明会を開く。  「大学の研究シーズを産業界で生かそう」をテーマに、各大学の教員ら七人が研究成果を紹介する。地元からは宇都宮大学農学部付属演習林長の小金沢正昭教授が「メインテナンスが容易な円筒型電気柵-野生鳥獣被害防止-」、宇都宮大産学官連携コーディネーターで鹿沼商工会議所中小企業相談所長の入江史朗さんが「地域経済の発展は自らの知恵と行動で-機械金属加工技術-」と題し、産学連携の成功事例を紹介する。その後、個別の技術相談や共同研究の相談にも応じる。  参加、相談は無料。説明会の詳細や個別相談の申し込みについては、宇都宮大知的財産センターのウェブサイトに掲載されている。アドレスはhttp://www.sangaku.utsunomiya-u.ac.jp/chizai/index.html "[he-forum 14203] 朝日新聞4/17(2) 朝日新聞2009年4月17日付 NICUなど220床を追加 文科省、24大学病院に  危険が大きい出産に対応するため、文部科学省は、国公私立の計24の大学病院に「新生児集中治療室」(NICU)など計約220床を追加設置することを決めた。政府が調整中の補正予算案に盛り込む。  ハイリスクの出産をめぐり、東京都内で昨年10月、妊婦が複数の病院に受け入れを断られて亡くなっている。この問題をきっかけに、NICUの増床など周産期医療設備の充実が指摘されていた。  文科省によると、NICUがない大学病院は現在、国立が全42校中9校、私立が全29校中2校。また、NICUなどの周産期医療設備が20床以上あるのは国立が8校なのに対し、私立は21校。公立は3校。整備は私立が進み、国立が遅れているのが現状だ。  このため、文科省は今年度当初予算で、NICUがない国立大学病院9校のうち5校、すでにある5校の国立計10校に、NICUを37床、NICUを出た乳幼児の経過観察などのために使う「継続保育室」(GCU)を46床設ける経費を盛り込んだ。  さらに今回、NICUがなかった山梨のほか、旭川医科、金沢、京都、滋賀医科、広島、島根、山口、愛媛、長崎、熊本などの国立16校▽名古屋市立、大阪市立の公立2校▽慶応、NICUがなかった川崎医科などの私立6校の計24校に、NICU54床、GCU124床、「母体・胎児集中治療管理室」(MFICU)45床を設ける。文科省は計223床の費用として、今年度当初予算分(10億円)の約4倍の39億円を補正予算案に計上する方針だ。  今年度当初予算と補正予算で、国立大学のNICUの床数は昨年度末時点の244から73増えて317に。NICUとGCU、MFICUを20床以上備える国立大学は13校増えて21校となる。  NICUを設置するためには、専任の医師を置く必要がある。文科省は各大学病院に「医師を確保するにしても、地元の他病院にいる医師を呼び戻すような対応は、地域医療への打撃となるのでやめてほしい」と求めている。(青池学) 【NICUなどが整備される大学病院】 ■国立16校(N36床、G105床、M27床) 旭川医科、弘前、新潟、群馬、☆山梨、信州、富山、金沢、京都、滋賀医科、広島、島根、山口、愛媛、長崎、熊本 ■公立2校(N6床、G7床、M3床) 名古屋市立、大阪市立 ■私立6校(N12床、G12床、M15床) 慶応、東京医科、愛知医科、大阪医科、☆川崎医科、産業医科 《注》☆はこれまでNICUがなく、今回整備される病院。かっこ内は床数。NはNICU、GはGCU、MはMFICUの略 "[he-forum 14204] 毎日新聞北海道4/17 毎日新聞北海道版2009年4月17日付 新教育の森:ほっかいどう 不況の影、大学生活にも波及  ◇奨学金申請が急増 独自制度や特別枠創設  深刻化する世界的な不況が大学生活にも暗い影を落としている。経済的に厳しい生活を余儀なくされる学生が増え、今春の新入生たちが行った奨学金や学費免除の申請件数が急増している。独自の奨学金制度を作る私立大もあり、各大学は対応に追われている。【千々部一好】  □■予算不足も  1、2年生が学ぶ北海道大(札幌市北区)の高等教育機能開発総合センター。1階の奨学金の申請窓口には、新入生らが次々と訪れた。法学部に入学した自宅通学の女子学生(18)は「昨秋のリーマン・ショックの影響で、親の収入が減ったと話す友人がクラスにいます。うちも経済的に大変なので、二つの奨学金と塾講師のバイトで生活費のほか、学費の一部も自分で出したい」と話す。静岡県から工学部に入学した男子学生(18)は「高校2年のとき、家が全焼し大変なことになった。幸い無利子の奨学金がもらえたので、いいバイトを探して親に負担をかけないようにしたい」という。  奨学金の説明会は3日間連続で開かれたが、参加者は延べ約1200人と昨年より200人以上増えた。  一方、年収の少ない家庭や成績優秀者を対象にした授業料免除の申請手続きも行われており、工学部では437人が申請し、昨年の365人を約2割上回った。大学側は授業料免除の費用として5億2000万円を見込んでいるが、工学部同様に全学部で2割以上増えれば、予算が足りなくなる事態も懸念される。  □■授業料を給付  札幌大(札幌市豊平区)、札幌学院大(江別市)、北海道医療大(石狩管内当別町)の道内私立大は今春、授業料や入学金などの一部を給付する奨学金制度を独自に作った。  札幌学院大は約1700万円の予算を確保し、年間授業料の半額(10人程度)、前期授業料の半額(20人程度)を給付する。ゴールデンウイーク明けに応募を締め切るが、「3月下旬の入学者向けプレ・ガイダンスでも相談に来る学生や保護者が多く、予想していた以上に関心が高い」(学生課)という。  札幌大では2人、道医療大では23人が大学独自の奨学金を受け取った。  □■今月から募集  奨学金を扱う日本学生支援機構(本部・東京都新宿区)は今春、全国の新入生対象の奨学金について昨春より約7500人多い約35万1000人分(予算ベース)を用意した。今月から募集を始め、7月から支給する。  同機構は金融不安に対処するため、昨年11月に奨学金の臨時募集を初めて行った。90年代のバブル崩壊期にもなかった異例の措置で、予想の倍以上の9000人を超える申し込みがあった。今春も通常の募集枠に加え、5500人の特別枠を設けて、奨学金の急増に対処する。  同機構は「来春、進学予定の高校3年生向けの奨学金の予約募集も追加する予定。経済的な困難から進学をあきらめる事態が出ないようにしたい」(広報課)と話している。=金曜日に掲載します "[he-forum 14205] 琉球新報4/13 琉球新報2009年4月13日付 収入300万以下は猶予 日本学生支援機構、奨学金返還で条件 【東京】日本学生支援機構(旧日本育英会)が3カ月以上の奨学金延滞者の個人情報を個人信用情報機関(通称ブラックリスト)に登録する準備を進めている問題で、同機構が12日までに内規事項として明らかにしていなかった経済困難者の奨学金返還猶予を認める条件を公表した。機構によると、給与所得者の場合年間収入金額が300万円以下で、給与所得者以外は年間所得金額が200万円以下(必要経費等控除後)としている。  県内で相談事業を展開する沖縄なかまユニオンの比嘉勝子代表は「運動の盛り上がりで機構側にも変化が見えてきた。猶予制度の利用を訴えるとともに条件のさらなる緩和や返済額を元金に充てさせることなども実現させたい」と話した。  機構は2008年12月にブラックリスト登録同意書を対象者に送付したが同意書がなければ、ブラックリストへの登録はしない意向だ。  機構が9日、公表した返還猶予条件によると災害者、傷病者、生活保護受給者は証明書や診断書などの1年ごとの提出で状況が改善されるまで返還猶予を認める。失業者や無就職者、機構が定める条件に該当する経済困難者は所得証明書など必要書類を1年ごとに提出し、5年限定で認める。  首都圏なかまユニオンなどが主催する奨学金問題を考えるシンポジウムが12日午後、都内の中央区立京橋プラザ区民館で行われ、ブラックリスト登録撤回などを求める緊急提言を採択した。 "[he-forum 14206] 朝日新聞4/18 朝日新聞2009年4月18日付 国立大の格差拡大 化学系研究費2倍→4倍  強いところはより強く、弱いところはより弱く――。法人化された国立大学で「格差」が広がっている。日本化学会(会員数約3万2千人)が調べたところ、旧帝大など一部の有力大と地方大で、化学系の教員1人あたりの教育研究費の差が、この5年間で約2倍から4倍近くに拡大していた。地方大は金額自体、5年間で約2割減っていた。  文部科学省は04年度の法人化とともに「護送船団方式」を見直し、より魅力的な研究計画を出すところ、より実績があるところに多く資金を配分するようになった。化学系の格差拡大は国立大全体の縮図といえ、当初からあった「弱肉強食」の不安は現実になってきている。地方大の教授らは「机や棚も買えない」「機器が古びて研究ができない」と悲鳴を上げている。  日本化学会は大学、企業の研究者らで構成。調査は全国の大学・大学院の化学科・化学専攻など242を対象に実施し、95の学科・専攻が回答した。この中から、東大、京大、北海道大といった旧7帝大に東京工業、筑波、広島を加えた国立の有力10大学と、旧2期校など地方国立大30校・公立大2校のグループを取り出した。  それによると、教授、准教授ら教員1人あたりの教育研究費の平均は、有力大グループは法人化前年度の03年度に1240万円だったのが、08年度は5割強増えて1910万円に。一方、地方大グループは03年度の640万円から08年度は510万円と約2割減少した。両グループの格差は、03年度の1.94倍から08年度は3.75倍に拡大した。  教育研究費の内訳は、▽国の運営費交付金▽国の科学研究費補助金(科研費)▽その他の公的資金▽企業との共同研究などで得る産学連携資金――の四つ。運営費交付金以外の三つは一律配分ではなく競争によって選ばれたところが得られる資金(競争的資金)だ。有力大グループが得た産学連携資金やその他の公的資金はこの5年間で2倍強に増えたのに対し、地方大は24~15%減っている。  文科省は近年、「各大学の特色が出るように」と競争的資金を増やしてきた。さらに、件数を絞って1件当たりの額を多くしたプロジェクトも増やしている。この結果、もともと研究者の層が厚く、体制が充実している有力大がいっそう資金を集める傾向が強まった。  「稼げない」大学のよりどころが運営費交付金で、教育研究の基盤として学生数などに応じて配分されるが、これについても財政再建策の一環で毎年1%ずつ減らされている。まさに「弱り目にたたり目」の状態だ。  資金配分の問題に詳しい竹内淳・早稲田大教授は「米国ではトップ大学の10分の1以上の研究費を得ている大学は80校余りあるが、日本では13校しかない」とすそ野の狭さを指摘する。「科学技術創造立国を目指す日本の課題は一線級の研究環境にある大学を増やし、国全体の研究力を上げること。それなのに、最近の流れはそれに逆行している」  文科省の永山賀久・国立大学法人支援課長は「競争的資金はそれぞれの大学が力に応じて獲得していると考えている。教育研究を支える基盤的経費の確保に努めたい」と言う。(杉本潔) "[he-forum 14207] 毎日新聞4/18 毎日新聞2009年4月18日付 東大:新学長、入試制度改革「すぐに検討」  東京大の第29代学長に1日付で就任した浜田純一氏(59)が17日、東京都文京区の同大学で就任の記者会見を行い、筆記試験で学力を測る入試制度について「公正さという意味では完ぺきだが、優れた人材をすべてすくい取れているのか。今に代わる仕組みがあるのか、すぐに検討を始めたい」と述べ、改革に着手する考えを示した。(4面に「ひと」)  浜田学長はメディア法の専門家で、総務省の電波監理審議会会長も務めている。「メディアはこれまでのように事実を社会に伝えるだけでなく、次の時代をどうすれば良いのかといったメッセージも出していくべきだ」と報道機関に注文を付けた。【井上俊樹】 ----------------------------------- ひと:浜田純一さん 東京大学第29代学長  「東京大学は旗艦大学として全国の国立、私立大学と連携しながら、日本の知の水準を着実に高めていく責務を負っている」。17日の就任会見で、創立133年目を迎えた東大の第29代学長を務める重責をそう語った。  モットーに掲げた「知の公共性」という言葉には、単に高等知識を身につけることだけではなく「その知識を用いて、誰もがより快適に安心して生活できる社会づくりにいかに寄与するか」という意味が込められている。学生たちには「アフリカの砂漠や中東の都市、アジアの村にも入って行って世界に貢献してほしい」と訴える。  そのための課題が大学自身の「国際化」だ。東大の外国人教員比率は5.1%、留学生比率は6.6%。いずれも20%前後に上る米国の主要大学と比べて大きく見劣りする。留学生や外国人研究者の増員、外部人材の登用など、小宮山宏前学長が進めた改革路線を継続し、「交渉力と行動力を備えたタフな東大生を育てていきたい」という。  自らを「マイノリティー出身」と評す。歴代学長を法学部や工学部など有力学部の教授出身者が占める中、初めての研究所(新聞研究所)教授出身の学長。しかも初の戦後生まれだ。「周りの話によく耳を傾け、柔軟な発想がある。周囲に安心感を抱かせる存在」と部下が評する包容力で、学生数約2万8000人の巨艦のかじを取る。【井上俊樹】  【略歴】浜田純一(はまだ・じゅんいち)さん 兵庫県明石市生まれ。72年東大法卒、80年法学博士。専門はメディア法。趣味は山歩き。任期6年。59歳。 "[he-forum 14208] 読売新聞 読売新聞2009年4月19日付 大学病院「総合診療部」次々廃止に…不採算のうえ不人気  臓器別に細かく専門分化され過ぎた医療への反省から、患者を総合的に診ようと設立された「総合診療部」を、統廃合する大学病院が相次いでいる。  医師不足や財政難が理由だが、診断のついていない患者の受け皿がなくなるうえ、若手医師を育てる場が減ることを懸念する声も出ている。  総合診療部は2000年前後までに、約50大学病院に設置。ところが、05年9月に北海道大が廃止。07年4月には杏林大が廃止した。新年度からは京大が廃止し、群馬大は救急部と統合した。それ以前には02年9月、設立の翌年に廃止した島根大の例もある。  廃止理由について、北大は「利用度が上がらなかった」と説明。杏林大は「専門の診療科の方が患者に人気がある。総合診療を担当する医師も少ない」とする。京大病院は「専門診療科への引き継ぎなどがスムーズにいかず、効率的でない面があった」としている。ほかにも廃止を検討しているところもある。  ある大学病院の総合診療医は「総合診療は時間がかかる割には、手術や高額な検査を行わず、経営側から見れば不採算部門。経営に余裕がなければ風当たりが強くなる」と漏らす。  臓器別の専門診療科よりも地位が低く見られがちなことも、医師側に不人気な理由としてあるという。  日本総合診療医学会副運営委員長の大滝純司・東京医大教授は「総合診療科は、診断のついていない患者の初期診療を担い、臓器別の専門診療科からこぼれてしまう患者の受け皿になるとともに、医師教育の役割もある。研修医に人気のある一般病院ではむしろ増えている」とこうした動きに懸念を示す。同学会では近く、全国の大学病院の総合診療部にアンケートを行い、活動状況を調べる。  患者の視点から開かれた医療の実現を目指すNPO法人「ささえあい医療人権センターコムル」の辻本好子理事長は「大学病院の総合診療部には、高齢化が進む中で必要性が高まっているプライマリーケアを担う人材育成の場として期待を持っているので、統廃合の動きは残念に思う」と話している。 "[he-forum 14209] 北海道新聞4/18 北海道新聞2009年4月18日付 北大、法科大学院の定員減を検討 10年度から1-2割  北大は十七日、法科大学院の入学定員(百人)を二〇一〇年度の入試から一-二割程度減らす方向で検討に入った。五月にも決定する。  各地の法科大学院が定員割れや新司法試験の合格率低迷に直面する中、文部科学省は昨秋、全国の大学院に対し、教育の質向上のため定員見直しの検討を要請していた。  北大の法科大学院入試の出願者は〇四年の開設以降、五百-九百人台で推移したが、今春は四百六十四人。うち百三十二人が合格し、九十四人が入学した。新司法試験の合格率も〇六年は68%、〇七年は49%、〇八年は31%と下がっている。  松久三四彦(みよひこ)北大法科大学院長は「新司法試験の合格率が全国的に低い。現状を改善し、じっくり教育するための定員見直しは、各大学院が協力して取り組むべき課題と受け止めている」と話している。  北大のほか、道内で入学定員三十人の法科大学院を置く北海学園大は「今のところ一〇年度からの定員削減は検討していない」と話している。 "[he-forum 14210] 山陽新聞4/19 山陽新聞2009年4月19日付 岡山大法科大学院が開校5年 合格率低迷、志願者減少…生き残り模索へ  岡山大法科大学院が2004年4月に開校し、5年を経過した。幅広い人材から質の高い法曹を養成するという理念でスタートしたものの、新司法試験の合格率が全国的に低迷する中、岡山大も思うように合格者を増やせていない。志願者の減少、優秀な学生・教員の確保などの課題に直面しており、他大学との連携も視野に入れた生き残り策の模索が始まっている。  「地方の法科大学院を取り巻く現状は危機的」。3月、関係者を集めて岡山大で開かれたシンポジウム。学生の中央志向や教員不足などが顕在化する中、香川大大学院香川・愛媛大連合法務研究科の中山充科長は訴えた。  「危機的」とされる要因の1つは、法科大学院修了者を対象にした新司法試験の合格率。当初、政府構想では7、8割のはずだった。しかし法科大学院の乱立もあり、06―08年の全国平均は48%、40%、33%と徐々に低下。岡山大も43―31%(合格者11―4人)にとどまる。 "[he-forum 14211] 読売新聞4/18 読売新聞2009年4月18日付 法科大学院、司法試験合格下位校は統廃合を…中教審提言  法科大学院のあり方を検討している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別委員会は17日、法科大学院改革を巡る提言の最終報告をまとめた。  司法試験の合格率が低い大学院などに入学定員の自主的な削減や大学院同士の統廃合を検討するよう求めた。法曹の質と量を向上させるため、2004年に一斉開学した法科大学院にとって厳しい内容で、文科省は今後、最終報告書を各大学院に送付し、自主改革を迫る。  最終報告によると、定員削減の対象となるのは、〈1〉入学時の競争倍率が2倍に満たない〈2〉司法試験の合格率が低迷している――などの大学院。特に、小規模校や地方の大学院については、教員の確保が難しく、志願者が集まりにくいことから、統廃合を検討するべきだとした。法科大学院74校のうち、半数近い36校が定員50人以下で、今後、こうした小規模校を中心に再編が進む可能性がある。  一方、最終報告は、三つの評価機関が法科大学院の教育内容をチェックしている第三者評価について、「『不適合』の認定は大学院教育の質に重大な欠陥がある場合に限定する」ことを求めた。今年3月までに22校が不適合の認定を受けたが、1クラスの人数が基準より数人多かっただけで不適合となるケースもあったためだ。また、評価機関によって評価基準にばらつきがあることも指摘し、「協議の場を設けて調整を図る必要がある」とした。  ◆3校で合格者ゼロ◆  法科大学院は、当初の想定を大幅に上回る74校が乱立したことにより、新司法試験合格率の低下を招いた。昨年は前年比7・2ポイント減の32・98%。大学院別でも20%未満が33校に上り、愛知学院、信州、姫路独協の3校は合格者数がゼロだった。  入学希望者数の低迷も深刻で、昨年度まで2年連続で入学者が入学定員の8割未満にとどまった大学院は10校あった。姫路独協大は40人だった定員を今年度から30人に減らしたが、それでも今春の入学者は定員割れ。竹橋正明・法務研究科長は「さらなる定員減も検討するが、地方の法科大学院には存在意義があるので、ニーズの掘り起こしも図らないといけない」と話す。  一方、合格率の高い大学院でも定員削減の動きが出ており、東京大は来年度から300人を240人に減らし、京都大も200人を160人に削減する。東京大の井上正仁・法学政治学研究科長は「学生の質の向上をはかるため」と説明している。 "[he-forum 14212] 朝日新聞4/19 朝日新聞2009年4月19日付 大学での「起業家教育」促進へ 経産省が新組織  経済産業省は、大学での「起業家教育」を促進するための組織「大学・大学院起業家教育推進ネットワーク」を5月に設立する。  全国の大学・大学院で開かれている起業家講座に活躍中の起業家を講師として派遣するほか、ベンチャー企業の仕事を体験するインターンシップ制度を設ける。特色ある授業は「モデル講座」に認定し、見学会も開く。今年度の予算は5300万円。サッカーJリーグ「アルビレックス新潟」を躍進させた池田弘・会長らが運営に助言する。  設立に先駆けた大和総研の調査では、全国の大学(回答校536校)の46%で何らかの起業家教育が実施されていることが判明。だが、「実践内容に、ばらつきが目立った」(同総研)という。  調査の報告書によると、米国の大学・大学院の起業家教育の講座数は5千以上で、この20年で約20倍に増加。日本で起業する人の比率が米国の約半分という統計もある。同省担当課は「日本の起業家教育は底上げの余地があり、これを推進することが日本経済の活性化につながる」とみている。  起業家教育に取り組む全国の約250大学での教育内容や教員などの情報を検索できるデータベースも同時に作成し、同省のホームページで公開をする予定だ。 "[he-forum 14213] 毎日新聞愛媛4/17 毎日新聞愛媛版2009年4月17日付 協定:愛媛大と三浦工業、研究の連携推進へ 環境・水処理・省エネなどで    愛媛大(柳沢康信学長)と、小型ボイラーを中心とする機械メーカー、三浦工業(本社松山市、高橋祐二社長)は16日、「研究連携推進に関する協定」を結んだ。同社は99年から同農学部に寄付講座を設けているが、今後は環境・水処理・省エネ分野で幅広い連携を目指す。  松山市道後樋又の同大学本部で、柳沢学長と高橋社長が協定書に調印した。柳沢学長は「連携を全学に広げたい」とあいさつし、研究成果の商品化などにも一緒に取り組み、産学連携の質の向上を図りたいとした。高橋社長は、今年創業50周年を迎える同社がボイラー依存から医療関係や食品加工の機器、ろ過装置など熱・水分野へ事業を広げていると説明。「愛媛大と技術を公開し合ってスピーディーな商品開発を目指したい」と話した。  協定期間は1年間だが、終了を希望しない限り自動延長される。同大学が自治体や企業などと連携協定を結んだのは17例目。【古谷秀綱】 "[he-forum 14214] 4/20しんぶん赤旗 2009年4月20日(月)「しんぶん赤旗」 学問・平和への思い 京大で益川さん、尾池前総長対談  ノーベル物理学賞受賞の益川敏英氏(京都大学名誉教授)と、同大学 前総長の尾池和夫氏による対談が十九日、京大百周年時計台記念館(京 都市左京区)で行われました。学問と教育、平和への思い、労働組合活 動のエピソードなど二時間にわたり語り合い、会場いっぱいの市民や学 生らが聴き入りました。  両氏が会員である京大職員組合OB会が開いたもの。  益川氏は「いまは授業料が高く、親の学歴で階層がわかれている。勉 強したい人が安心してできる社会にしてほしい」と話しました。尾池氏 は「学生の生活と自由を守ることが一番大事だという信念でやってき た」と述べました。  幼少のころの戦争体験を語った両氏。益川氏は、「戦争体験を語れる 最後の世代。子や孫に同じ体験をさせたくない。九条の問題で狙ってい るのは交戦権だ。僕は戦争はいやです」と力を込め、尾池氏は「生理的 に戦争がきらい。学生には、正しい法律を変えようとする動きから守ら ないといけないと言ってきた。九条はまさにそれです」と訴えました。  OB会代表世話人の加藤利三京大名誉教授があいさつしました。  京大経済学部の男子学生は「実用でなく真理を追究する二人のはっき りした科学的立場に感銘を受けた」と話していました。 "[he-forum 14215] 4/22河北新報 河北新報 2009年04月22日水曜日 時間外未払い 労基署が是正勧告 山形大  山形大が昨年度、事務職員193人分の時間外手当約3200万円を 支給せず、山形労働基準監督署から2月に是正勧告を受けていたことが 21日、分かった。大学は既に未払い分を全額支給した。  山形大によると、未払いが判明したのは大学本部と農学部を除く5学 部。昨年4月から今年1月にかけ、計約1万3500時間分の時間外手 当を支給しなかった。月平均のサービス残業が50時間に上った職員も いたという。  未払いの理由について同大総務部の担当者は「職場の責任者の時間外 勤務データの取り扱いがルーズだった」などと説明している。  労基署は昨年11月と今年1月、大学を抜き打ちで立ち入り調査し 「医学部職員の労働時間管理が不適切」と指摘。同大が事務職員全約8 50人の時間外労働の実態を調査した結果、未払いが判明した。  結城章夫学長は21日の定例記者会見で「法人化前の国家公務員の意 識が抜けず、今回の事態を招く一因になった。勧告を真摯(しんし)に 受け止める」と話した。 "[he-forum 14216] 4/21山形新聞 山形新聞 2009年04月21日 18:58 山形大で「サービス残業」 山形労基署が是正勧告、未払い3220 万円  山形大が事務職員に残業分の割増賃金を支払わず、「サービス残業」 の実態があったとして、山形労働基準監督署から労働基準法に基づき是 正勧告を受けていたことが21日、分かった。同大は、事務職員 193人に対し、昨年4月から今年1月までの未払い時間外労 働賃金計約3220万円を支払った。最高は、本部勤務の男性のケー スで、月50時間以上の時間外勤務を申告していなかった。  同大が同日開いた定例記者会見で明らかにした。結城章夫学長は「真 摯(しんし)に受け止め、全職員の労働時間の適正化と時間外労働の縮 減に取り組む」とした上で、「国家公務員の時代を引きずっている。職 員の意識改革も進めていきたい」と語った。  山形労基署が昨年11月と今年1月に医学部と付属病院に 立ち入り検査し、医療事務職員を含む職員の時間外労働状況を調べた結 果、退勤時間と建物から出る時間が食い違っている点などが見つかっ た。同労基署は労働時間管理が不十分だとして改善を指導、未払いの時 間外労働賃金を支払うよう求めた。  山形大は勧告を受け、全ユニット長会議を開いて労働時間管理を徹底 するよう申し合わせたほか、医学部だけでなく、すべての事務職員 850人を個別に調査。農学部を除く5学部と本部の職員193 人で「サービス残業」を行っている実態が浮かび上がった。不払い分の 時間外労働は1万3503時間に上った。  人事担当の北野通世副学長は「2008年度以前にも(サービス残 業は)あったと推測せざるを得ないが、記憶に頼る部分があり、現時点 では調査をするつもりはない」と話している。 "[he-forum 14217] 4/22読売新聞 (2009年4月22日15時15分 読 売新聞) 医師の当直勤務は「時間外労働」、割増賃金支払い命じる判決  奈良県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医2人が、県を相手取り、夜 間や休日の当直などは時間外労働に当たり、手当支給だけで賃金を払わ ないのは労働基準法に違反するとして、2004、05年分の時間外割 増賃金計約9200万円の支払いを求めた訴訟の判決が22日、奈良地 裁であった。  坂倉充信裁判長(一谷好文裁判長代読)は「当直時間に分娩 (ぶんべん)や新生児の治療など通常業務を行っており、割増賃金 が不要な勤務とは到底いえない」として、県に対し、労働基準法上の請 求期限の時効分を除く、当直分の割増賃金として、それぞれ736万円 と802万円の支払いを命じた。  通常勤務並みという医師の当直勤務を時間外労働と認めた初の判断。 産科医の過重労働が問題となる中、全国の病院運営に影響を与えそうだ。  また、坂倉裁判長は、緊急時に備えて医師が自宅で待機する「宅直」 については「医師間の自主的な取り決めで病院の内規にもなかった」と して、割増賃金を認めなかった。 "[he-forum 14218] 毎日新聞京都4/20 毎日新聞京都版2009年4月20日付 対談:ノーベル賞の益川氏と尾池・京大元学長、大学運営や平和運動語る  ◇授業料値上げに苦言--尾池氏  ◇空襲を体験「戦争は嫌」--益川氏  ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英・京都産業大教授と、尾池和夫・京都大元学長の対談「京都大学と学問・社会 人類の未来」が19日、左京区の京大であった。2人は大学運営のあり方や平和運動について語り合い、学生ら500人が聴き入った。京大職員組合OB会が主催した。  益川氏は京大で基礎物理学研究所長などを歴任し03年に退官、尾池氏は03~08年に学長を務め、2人とも組合幹部を務めた。  大学運営や教育について、益川氏は「もうかる研究は他でできても、基礎研究は大学しかできない。学歴の階層化が進み、学費が高くなっているが、勉強したい人が勉強できる社会にしてほしい」と話し、尾池氏も「国立大学の法人化と共に授業料も値上げされた」と苦言を呈した。  2人とも1940年生まれで戦争体験を持つ。益川氏は、名古屋の空襲で自宅に不発の焼夷(しょうい)弾を受けた記憶を語り、「不発でなければ死ぬか大やけどをしていた。そんな思いは子供たちにはさせたくない。戦争は嫌だ」と話した。尾池氏も「戦争体験がない若い世代には、世界中にいる戦争の被害者の話を聞いてほしい」と訴えた。【熊谷豪】 "[he-forum 14219] 読売新聞4/20 読売新聞2009年4月20日付 学長「人間力」育む教育を 鳥取大学 能勢隆之さん  砂丘農業から発展した乾燥地研究、二十世紀梨の品種改良、鳥インフルエンザ対策。鳥取大学の伝統は、地域社会のニーズに寄り添う実学的な研究と、それらの科学的な普遍化、体系化にある。山陰から世界を見据える「地域貢献型大学」の現在と将来像を、2期目を迎えた能勢隆之学長に聞く。 (聞き手は本多宏・科学部長) ――4月から新しい任期に入りました。この4年間で重視してきたことは。  大学として教育を最も重要な機能、使命とする意識改革です。大学教員の多くは自分たちを研究者ととらえ、論文や学会を中心に考えたがりますが、今最も必要なのは人材の養成です。  鳥取大には元々、地元のフィールドや資源で研究成果を積み上げながら、じっくりと学生を育てる文化がありました。この伝統を基礎に、学生の人格形成に役立つよう、先生たちが研究で培ってきた様々な経験や人生観を彼らに伝えてほしいのです。   ――地方にある大学の役割をどう考えていますか。  鳥取大はいわば、地方の中小企業です。大企業のやることやミニ東大は目指さず、中小ならではの先端、他大学にはない「オンリーワン」を目指すべきです。  文部科学省の「グローバルCOEプログラム」に選ばれ乾燥地科学研究、世界的なキノコ研究と生物資源としてキノコの活用を図る取り組みは、その一例です。鳥インフルエンザなど人獣共通感染症の国内唯一のセンターも持っています。   ――研究活動での自治体や企業との連携は。  地元と一緒に仕事をすることが根付いています。様々な分野でつながりを深めており、企業や自治体から研究費などの面で支援してもらっています。法人化によって、地域と共に考え、一緒に活性化していかない限り、大学経営が成り立たないとわかってきました。   ――地域との連携は教育にどのように活用していますか。  「フィールドサイエンス入門」という講座では、昨年から農学部以外の学生も田植えを体験していますが、学生たちに好評です。工学部は地元企業でのインターンシップを取り入れ、地元で頑張っている方々に共感する学生も増えています。  入学者の約7割が関西の都市圏を中心にした県外出身者です。地域密着型という鳥取大の特色に関心のある学生の期待に応えることも心がけています。   ――入試では今春から、工学部の一部学科でAO入試を廃止しましたね。  偏差値以外の能力で優れた学生に入学してほしいという思いは変わりません。ただ、卒業に必要な学力に達するのが難しいケースもあります。学生にとってAOで入学することが本当にいいことなのか、見直す時期にきています。  一方、指定校推薦による農業高校や工業高校からの入学者には、一般入試の学生より優秀で首席で卒業する学生もいます。受験の成績だけで能力をとらえてしまいがちですが、遅咲きでも磨けば光る人がいるのは確かです。   ――地元に定着する人材は増やせますか。  それは地元の自治体や産業界も切望していますが、現在、卒業後に地元に残るのは3分の1程度です。学生が望むような給与などの待遇が追いついていない実情があります。教員採用の面でも都市部とは異なり、ほとんどありません。  地元では過疎が最大の課題です。今年3月に明治大、鳥取県との3者で結んだ連携協力協定でも重要なテーマになりますし、明治大と鳥取大の教育研究の実績を活用し、新しい視点から取り組みたいと思います。鳥取県に軸足を置いて学び、研究することで、全国の過疎地域に貢献する人材を輩出できれば、と考えています。   ――各国立大学法人は2010年度から第2期中期目標・計画期間が始まります。鳥取大の将来像は。  少子化が進む以上、入学定員の削減や他大学との統合は視野に入ってきます。ただ、その前に、成果を社会に還元できるプロジェクト型の研究を増やしたり、学群やコース制といった教育の幅を広げたりする大学独自の取り組みが必要です。法人化の利点を生かしつつ、さらに意識改革を進めたいと思います。 のせ・たかゆき 鳥取県米子市出身。鳥取大医学部卒。医学部助手、厚生省職員などを経て、同学部教授。医学部長、副学長を歴任し、2005年から現職。専門は公衆衛生学。66歳。 地域の特性磨き世界へ  しのつく雨。背広がぬれるのもいとわず、笑顔をカメラに向け続けた学長は、COEに選ばれた乾燥地研究も、キノコ研究も「よそにまねできないものをたまたま、持っていたので」と奥ゆかしい。砂丘に大きな足跡を刻んだ遠山正瑛名誉教授、「梨の神様」と慕われた林真二元学長。鳥取とともに歩んだ先人の名前が浮かぶ。産業界からも「あの先生のおかげ」という声をよく聞くという。地域の特性を世界に通じる研究へと磨き上げる。10年度からの第2期中期目標・計画では、さらに進んだ地域貢献型大学の姿を見たい。 (本多) "[he-forum 14220] 共同通信4/22 共同通信2009年4月22日16時58分 求む、地域活性化の知恵 文科省、全都道府県に産学官拠点  文部科学省は22日までに、都道府県と大学、産業界が共同で科学技術分野の研究開発を進め、成果を地域経済の活性化につなげるための産学官連携拠点を全都道府県に1カ所ずつ整備する方針を固めた。  地方の産業構造に変革をもたらす狙いで、国はいわゆるハコものを整備し、実際に地域経済の発展に生かすための運用策は都道府県側の知恵とやる気に委ねる。政府、与党の追加経済対策の一環で、2009年度補正予算案に695億円を計上する。  文科省は「科学技術で地域を元気にする場になるよう、知恵を絞ってほしい」としている。  文科省所管の科学技術振興機構が施設を建て、実験などに必要な装置を配備する。規模は1カ所最大30億円。各都道府県に、どの大学や企業と組むか、何をテーマに活動するかのシナリオの提案を募り、各拠点の運用を担ってもらう。  施設は大学内に設置する方向で検討。新築でも、既にある施設の増築でもよく、文科省や経済産業省などが以前から進める産学官連携事業の拠点としても使える。  文科省は、開発成果を地元企業が気軽に使え、実用化と普及の足掛かりになる場に育つことを想定。既存の産学官連携事業で開発された、半導体製造などに有用なプラズマ微細加工装置を地元企業が活用できる名古屋市の「プラズマ技術産業応用センター」などを参考に検討した。 "[he-forum 14221] 河北新報4/23 河北新報2009年4月23日付 超大型加速器 東北誘致へ研究会 産学官連携し発足  国際プロジェクトで建設される超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」について、産学官が連携して東北に誘致する環境を整えようと、「東北加速器基礎科学研究会」の設立総会が22日、仙台市青葉区の仙台国際ホテルで開かれた。  研究会は東北6県と仙台市、各県の国立大、東北経済連合会など31団体で構成。発起人代表の井上明久東北大総長が「東北を世界の学術拠点にする足がかりとなる活動で、産業にも多大な影響をもたらす」とあいさつした。  研究会代表には、井上総長と東経連の幕田圭一会長を選出。名誉顧問には、ノーベル物理学賞受賞者で平成基礎科学財団(東京)理事長の小柴昌俊氏の就任が決まった。本年度事業として市民向けシンポジウム開催のほか、ILC計画の誘致表明をしていない日本政府の動向や受け入れに必要な条件の調査を決めた。  ILCは電子と陽電子を衝突させ、宇宙誕生直後の状態を再現し、宇宙の成り立ちなどの解明を進める施設。世界に1カ所だけ設置される計画で、国内では岩手県の北上山地も有力候補の一つという。  出席した岩手県の達増拓也知事はあいさつで「計画に協力できれば県民にとっても誇りだ。必要な情報を提供したい」と強調。宮城県の村井嘉浩知事も「わくわくする動き。力を合わせて頑張ろう」と呼び掛けた。 "[he-forum 14222] 毎日新聞神奈川4/21 毎日新聞神奈川版2009年4月21日付 鈴木・横浜国立大学長:「卒業生らと連携し、存在感ある大学に」  横浜国立大の鈴木邦雄学長が20日、県庁で記者会見し、今後の大学運営について「卒業生や地元企業と連携し、存在感のある大学に進んでいきたい」と述べた。鈴木学長は今月就任し、任期は4年間。今年度から海外の大学と学生や研究者の交流を図る事業「国際教育シャトルベース」を始めるなど、国際性を重視した教育と研究を強化する。  同大の留学生数は昨年度で大学、大学院を合わせ772人に上り、全国有数という。鈴木学長は「国際性のある大学として留学生、外国人の研究者を増やしたい」と意欲をみせた。【木村健二】 "[he-forum 14223] 沖縄タイムス4/23 沖縄タイムス2009年4月23日付 民主、現法案に反対 大学院大法案/作業班が方針確認「運営 国立大で」  【東京】民主党は22日、沖縄科学技術大学院大学学園法案に関する作業チームの第2回会合を国会内で行った。大学院大学設置には賛同するが、運営形態は国立大学が適切と判断し、「特別な学校法人」としている現法案には反対する方針を確認した。政府側が同党の見解に沿って法案を修正しない場合、国会審議に臨まない姿勢を示した。  会合には同党県連の喜納昌吉代表と玉城デニー副代表が出席し、沖縄側の考え方などについて意見交換した。玉城氏は「県民は良いものができる、子供たちのためになるというイメージがあるが、法案の中身が情報共有されていない」と疑問を呈した。  作業チームは、国立大法人でも外部資金の獲得や世界レベルの研究者招致は可能とし、大学院大学の発展の障害にはならないとの考えで一致。今後、県内視察も検討している。  会合後、ネクスト文部科学副大臣の鈴木寛参院議員は記者団に「10年後、県民に多大な財政負担を押し付ける今の法案には重大な問題が多く含まれている」と指摘。「政府側が現法案で強行してきた場合、われわれはノーと言わざるを得ない」と述べた。  喜納氏は「沖縄の本来の特性を生かせるようにしないといけない。10年後、財政補てんできるか疑問。将来を考えると国立大の方がいい」と述べた。同党県連が一員となっている沖縄科学技術大学院大学設置促進県民会議が13日に今国会成立を同党に要請したことに関し、喜納氏は「(同会議と)方向性が違う」とし、脱会する可能性も含めて県連で意見集約する意向を示した。 県民会議成立求め 大型連休明け臨時総会  沖縄科学技術大学院大学の設置や運営方法を定める同大学学園法案に民主党が反対し、今国会での成立が不透明な情勢となっていることを受け、県内各界の113団体でつくる「沖縄科学技術大学院大学設置促進県民会議」(会長・仲井真弘多知事)は22日、臨時総会を5月の大型連休明けに開く方針を固めた。  法案の早期成立を求める新たな決議を採択し、仲井真知事ら役員が上京、要請行動を展開する見通し。  臨時総会は、5月7、8の両日を軸に調整。23日に県民会議幹事会(幹事長・仲里全輝副知事)を開き、正式に決定する。今国会での法案成立を逃せば、今後の開学に向けた作業に支障が出ると懸念。仲井真知事は県民一丸となって早期成立を求める姿勢を強くアピールし、民主党などの理解と協力を得たい考えだ。  仲井真知事ら県民会議役員は23日夕、急きょ上京。24日に民主党や政府・与党へ法案の早期成立を要請する。(島袋晋作) "[he-forum 14224] 4/29山形新聞 山形新聞 2009年04月28日 20:03 論文盗用で鶴岡高専准教授を処分 停職6カ月  鶴岡市の鶴岡工業高等専門学校(横山正明校長)は28日、総合 科学科の男性准教授(41)が、県内の私立大などの研究論文集に 発表した論文について、東京の私立大男性教授の論文を盗用したとし て、同日付で停職6カ月とすると発表した。同校で論文盗用によ る懲戒処分は初めて。  同校によると、准教授は2002年に男性教授が発表した言語学系 の論文を、ほぼ全面的に盗用し、03年に県内の私立大の研究論文 集に発表した。准教授は事実関係を認めた上で、06年の同校研究 論文集も、男性教授の同じ論文の一部を盗用したことを自ら明らかにし た。04年に独立行政法人国立高等専門学校機構の設立後、同校を 含めた全国55の高専で、論文盗用による懲戒処分は初めてとして いる。  3月中旬に、男性教授から同校に、准教授の論文が自分の論文 によく似ているとの問い合わせが寄せられた。同校は今月上旬、校長ら による懲戒審査委員会を設け、本人から事情を聴いた結果、事実関係を 認めた。准教授は4月上旬、男性教授に直接謝罪。盗用について 「研究者として論文を発表し、業績を上げなければならないというプ レッシャーがあり、盗用してしまった」と話しているという。  横山校長は「誠に遺憾であり、男性教授と論文集を出した大学などに 多大な迷惑を掛けた。度重なる盗用行為は、研究者として、さらに学生 を指導する教員としてあるまじき行為。今後、全教員で倫理意識の徹底 を図り、本校の信用回復に努めたい」と話している。 "[he-forum 14225] 信濃毎日新聞4/27 信濃毎日新聞2009年4月27日付 女性科学者 活躍できる場をもっと  優れた業績を挙げた女性科学者に贈られる猿橋賞に、ことしは慶応大准教授の塩見美喜子さんが決まった。その発言から、喜びと同時に、女性科学者の悩みも浮き彫りになる。  「(米国で)男性と同等に扱ってもらいラッキーだった」。自分の研究をいったん中断して、留学の夫とともに渡米した。夫と同じ研究所に職を得て、RNA(リボ核酸)の研究に取り組むことができた。  日本にいたままだったら、才能開花も難しかったかもしれない。  日米の差は研究者の中で女性が占める割合に、はっきりと表れる。2008年版「男女共同参画白書」によると、米国が34・3%なのに、日本は12・4%。フランス27・8%、英国26・0%に比べても見劣りする。  大学や大学院の女子学生は増えているのに、研究職に就ける女性は少ない。しかも、講師、准教授、教授と役職が上がるにつれて女性の比率は低くなる。  大学、企業とも女性科学者の業績を正当に評価して、活躍の場を提供してほしい。技術の国際競争力を増すには、女性ならではの視点も欠かせない。  「『私にできるかしら』と思わず、自信を持って」。塩見さんは後輩に、エールを送る。猿橋賞の精神そのものでもある。賞は、女性初の日本学術会議会員で気象研究所地球化学研究部長を務めた猿橋勝子さんにちなみ、女性科学者に明るい未来を-の思いが込められている。  今回で29回を数える。賞に励まされ、多くの女性科学者たちが頑張ってきた。信州出身では、地震研究の石田瑞穂さんと神経伝達研究の持田澄子さんが受賞している。若い人たちもその後に続いてもらいたい。  「保育所は順番待ちで苦労した」。塩見さんのこの言葉も厳しい環境を物語る。大学や企業が女性を受け入れても、保育に心配があれば仕事に打ち込めない。  猿橋さんは、女性が科学研究に専念できるよう、家事や育児の負担から解放される社会福祉制度の充実を訴えた。科学者だけでなくすべての女性に共通する課題、とも述べていた。  持田さんも、日本では結婚、出産で女性の研究者が辞めていく現実を指摘し「研究を続けられるよう男性がもっと手伝ってほしい」と語っている。  女性科学者たちからのメッセージを重く受け止め、施策を講じることが日本の未来を切り開く。 "[he-forum 14226] 琉球新報4/27 琉球新報2009年4月27日付 琉大法科大学院、定員2割減へ  琉球大学法科大学院は22日までに、2010年度以降の入学定員を現在の30人から2割減らす方針を固めた。08年の新司法試験の合格率低下を受けて、文部科学省から定員の見直しを求められたため。定員を減らして競争率を高め、優秀な学生の確保と新司法試験の合格率向上につなげる狙いだ。  同大法科大学院の高良鉄美院長は「定員減は本意ではない」とした上で「2割減で文科省と調整中だが、それでも多いと指摘される可能性がある。地域特有の問題に対応できる法曹を沖縄独自で養成する仕組みを残すことが課題」と語った。  琉球大法科大学院では07年、16人が新司法試験を受験し7人が合格(合格率43%)した。08年は受験者24人のうち合格者は3人(同13%)だった。  全国に74校ある法科大学院の志願者数は開設された04年の合計7万2000人(志願倍率17倍)を除き毎年減少傾向にある。08年には3万9000人で、46校が定員割れした。同年の新司法試験合格率は33%で、07年の40%を7ポイント下回った。  定員割れや新司法試験合格率低迷を受けて、文部科学省の諮問機関・中央教育審議会は法科大学院の質向上策を検討。17日にまとめた最終報告では、志願者数が定員の2倍を下回ったり、新司法試験の合格率が低い法科大学院に、10年度から入学定員削減を実施するよう求めている。 "[he-forum 14227] 北国新聞4/26 北國新聞2009年4月26日付 北陸医療の新拠点 金大病院再整備  金大附属病院の再開発整備完了を記念した式典は二十五日、同病院新外来診療棟で行われ、学内外の関係者約二百七十人が北陸の新しい医療拠点完成を祝った。出席者は五月七日に開院する外来診療棟の最新設備も見学し、地域医療の要であり先進医療の発信地となる新たな金大附属病院に期待を寄せた。  式典で富田勝郎病院長は、病棟、中央診療棟に続く外来診療棟の完成で十年にわたる再整備が終わったと紹介し、「最高の診療、研究、教育が我々の使命。職員一同『医の心』で最善の医療に取り組んでいく」と述べた。  中村信一学長も「次世代を担う医療人の育成と臨床医学の発展に一層努力する。目標である日本のベストテン大学にまた一歩近づいた」とあいさつした。  文部科学省の徳永保高等教育局長が塩谷立大臣の祝辞を代読し、森喜朗元首相、谷本正憲知事、山出保金沢市長が祝福を寄せた。  金沢大学病院医療支援機構理事長で金沢経済同友会代表幹事の飛田秀一北國新聞社社長は、「支援機構として新たなフロンティア医療や高度な人間ドックに挑戦する医療関係者を側面から応援していく」と述べた。  この後、関係者がくす玉を割り、出席者は懇親を深めた。  新外来診療棟は鉄筋コンクリート造り地下一階地上四階建てで、延べ床面積は一万八千七百十九平方メートル。総工費は約六十七億円。一階から三階に各診療科が入り、四階には輸血部やホールがある。一階奥では北陸初の病院出店となった「タリーズコーヒー」などが営業する。同病院の再開発整備に係る費用は二〇〇八(平成二十)年度までに約四百四十三億円。計画では一二年度までに既存施設の解体を終える。  新外来診療棟は二十六日午前十時から正午まで一般公開される。受け付けは午前十一時半まで。 "[he-forum 14228] 秋田新聞4/28 読売新聞秋田版2009年4月28日付 秋田大工学資源学部 ボツワナで技術者育成へ 教育水準など調査団派遣  地下資源の研究に約100年の歴史を持つ秋田大工学資源学部(秋田市)が、アフリカ南部のボツワナ共和国に新設される国立大で技術者の育成に協力することになった。各国が地下資源の争奪戦を繰り広げる中、秋田大はこれを日本の資源獲得の布石にしようと、調査団を27日、現地に派遣した。  秋田大工学資源学部は地質調査から採鉱、製錬という資源開発の一連の流れを学べる国内唯一の大学。前身の秋田鉱山専門学校開学から数えて2011年に創立100周年を迎える。文部科学省が昨年度に始めた「資源人材育成プログラム」で鉱山開発の研究・教育を担う国内5大学の一つに指定され、昨年8月には、プログラムの幹事校として各大学の教授、学生らが学ぶ「資源塾」を開催した。  秋田大は今年1月、文科省から「地下資源の研究が進んでいる秋田大に、ボツワナの資源開発に力を貸してほしい」と要請を受けた。  ボツワナは、ダイヤモンド生産量が世界1位で、レアメタル(希少金属)のニッケルなどの地下資源も豊富だ。現在、二つ目の国立大学「ボツワナ国際科学技術大(BIUST)」を設立し、鉱学部を置く準備を進めている。  調査団は、地下のどんな地質に資源があるかを調べる鉱床学が専門の水田敏夫教授(61)を団長に3人の研究者で構成。現地の教育水準を調べ、どの程度の教育ができるか検討し、鉱山なども視察する予定だ。約5年をかけて新大学の設立を目指す。将来的には、秋田大の教員や学生も派遣し、採掘する鉱山などで教育・研究を行う考えだ。水田教授は、「研究者、教育者として資源が眠る国で新しい大学を作る協力ができるのは楽しみ」と意気込む。  吉村昇学長は、「人材育成を手がけることで、親日の研究者、技術者を資源国に増やし、日本が資源争奪戦に乗り遅れないようにしたい」と語る。  駐日ボツワナ大使館のオスカー・モツワハエ大使は、「鉱物資源の開発を進めるうえで、秋田大が最良のパートナーだと思っている。今回の日本との協力モデルが、ほかのアフリカ諸国にも広がっていくことを期待する」と話している。 "[he-forum 14229] 山形新聞4/29 山形新聞2009年4月29日付 最上地域活性化へ協力協定 新庄信金と山形大など  新庄信用金庫(井上洋一郎理事長)と山形大工学部(大場好弘学部長)、山形大地域共同研究センター(小野浩幸センター長)の3者は28日、産学金連携強化による新庄・最上地域の活性化を目指し、連携協力協定を結んだ。  連携は、新庄信金の地元ネットワークを生かし、大学の研究技術などを効果的に結び付け、地域産業の新たな取り組みや課題解決などを支援する。この活動の実効性を高めるため、地域共同研究センターの協力を得るとともに、人材交流なども積極的に進めていく。同様の3者協定は米沢信用金庫に続き2例目。  今後の具体的な活動として、セミナーを通した情報発信やビジネスマッチング、技術面・経営面の相談会などを行う予定。また、産学金連携のコーディネーターによる相談窓口を設置するほか、県内外に広がる信金ネットワークを活用した支援などにも取り組んでいく計画だ。  新庄市のベルフォール玉姫殿で行われた調印式では、井上理事長、大場学部長、小野センター長が協定書を交わし、地域活性化への相互協力を確認した。井上理事長は「最上地域にたくさんある、小さくても光る企業を全力で応援していく」と語った。 "[he-forum 14230] 福井新聞4/28 福井新聞2009年4月28日付 健康長寿、世界のモデルに 福井県と東大が協議書  高齢化社会の課題解決に向け、「ジェロントロジー(総合長寿学)」の学際的な視点で共同研究を行い政策立案に結び付けようと、県と東京大高齢社会総合研究機構は27日、協議書を取り交わした。「健康長寿」を打ち出している本県を実地的な研究の場として、世界のモデルとなる高齢者を標準としたまちづくりを目指す。  取り組みの一つとしては、診療報酬明細書(レセプト)などを用いて医療と介護、特定検診に関するデータを把握、分析し、後期高齢者医療制度や国民健康保険の将来の姿を予測する。その上で医療、介護の効果的な連携の在り方も探る。  医療、介護、特定検診の3種類のデータをつなぎ合わせて分析するのは、都道府県レベルでは本県が初めて。健康長寿の解明や、特定検診と地域性、医療費の関係などの分析にも役立てる。  協議書の締結式は県庁で行われ、同機構からは鎌田実機構長と森田朗教授ら計4人が出席。鎌田機構長は「住み慣れた地域で自分らしく老いることができる社会の実現に向け、東大―福井モデルを構築したい」と抱負を語った。  これに対し、西川知事は「高齢化社会の課題解決に一緒に取り組んでいただけるのは心強く、大変期待している」と述べ、互いに協議書にサインした。  引き続き、鎌田機構長ら4人の講演会が福井市の県国際交流会館で行われた。森田教授は「日本の高齢化の進み方は規模、速度ともに人類初めての経験」と指摘。若くて元気のある人を中心にしたまちづくりではなく、高齢者の視点に立った発想の転換が不可欠とした。 "[he-forum 14231] 毎日新聞4/28 毎日新聞2009年4月28日付 宇宙基本計画:計画案、早期警戒衛星研究盛る 安保など積極活用  政府の宇宙開発戦略本部の専門調査会は27日、宇宙開発利用分野で初の国家戦略となる宇宙基本計画案をまとめた。弾道ミサイル発射をいち早く検知できる早期警戒衛星の開発に向けた研究着手を盛り込むなど安全保障や産業振興、国民生活などに積極的に宇宙を活用していく姿勢を前面に打ち出した。  基本計画は10年程度先を見通した5年計画で、昨年8月に施行された宇宙基本法に基づき策定される。今後、国民から意見を求め、5月末に決定する。  計画案によると、地球環境観測や高度情報通信、宇宙科学など9分野に分けて人工衛星の開発を推進。09~13年度に現状の2倍にあたる34基の衛星打ち上げを目指す。必要な予算や人員の確保は「財務省と協議している」として、「検討中」と書くにとどまった。  有人宇宙活動については従来の路線を転換。月の資源調査などを目的に「有人を視野に入れたロボットによる月探査」を掲げた。まず20年ごろに日本の得意とする二足歩行ロボットなどによる無人探査を行い、次の段階として人間とロボットの連携による本格探査を目指す。しかし、有人ロケット開発については明記せず、将来の輸送システムの研究開発で「月探査などにも留意する」と述べるにとどめた。  また、「安全保障分野の宇宙の役割は今まで以上に高まっている」と指摘し、防衛分野で必要な衛星は新しい防衛計画の大綱などの議論の中で検討する。【西川拓】  ◇巨額支出、慎重論も--防衛省  政府が27日にまとめた宇宙基本計画案には、早期警戒衛星の研究推進が盛り込まれた。北朝鮮の弾道ミサイル発射の探知を、米国の早期警戒衛星に依存しているため、自民党を中心に自前の早期警戒衛星を保有すべきだとの声が強まっている。一方で、巨額の支出が必要なことから、防衛省内で慎重論も根強く、年末に改定される防衛大綱・中期防衛力整備計画(中期防)での主要論点となりそうだ。  早期警戒衛星は、約3万6000キロ上空の静止軌道から、赤外線センサーで地球上の熱源をとらえ、ミサイルの発射を確認する機能を持つ。  自民党国防族を中心に「宇宙基本法が成立したのだから、自前の衛星を持つべきだ」との意見が強まっているが、早期警戒衛星は1基あたり5000億円以上かかると言われる。地球全体をカバーするには3基程度は必要で、データベース構築も加えれば兆円単位の予算が必要となる。【仙石恭】 "[he-forum 14232] 読売新聞社説4/28 読売新聞社説2009年4月28日付 宇宙基本計画 軍民共用の推進が合理的だ  宇宙開発を安全保障に役立て、外交ツールとしても活用する方針を明確に示した。  政府の宇宙開発戦略本部がまとめた宇宙基本計画案は、向こう10年程度を目標に据えて、今後5年間に取り組む宇宙開発の具体策を盛り込んだ。  これまでタブーだった防衛目的の宇宙利用では、将来の早期警戒衛星の導入を念頭に、早期警戒機能のためのセンサーの研究の推進を明記した。  現状は米国の早期警戒衛星の情報に全面的に依存している。北朝鮮の核とミサイルの脅威に対し、自前でミサイル発射の早期探知が可能になれば、迎撃できる確率も増すに違いない。  だが、技術面で課題も多い。センサーは静止軌道から熱感知できる性能を求められる。ミサイル発射時の熱を火災の熱などと誤認しないためには、さまざまな熱源の情報を蓄積したデータベースの開発も必要になる。  計画案は、具体化には防衛とほかの目的の機能を併せ持たせるデュアル・ユース(軍民共用)の検討を進めるべきだとした。  センサーやデータベースは、火山や山火事の早期警報、都市部のヒートアイランド現象の解析などにも利用できる。軍民共用の運用を想定した開発が合理的だ。開発コストの抑制も期待できる。  日本の宇宙開発は従来、「平和利用」を「非軍事」と誤って解釈し、この種の議論を避けてきた。計画策定を機に、世界に例が多いデュアル・ユースを積極的に推進すべきだろう。  計画案は「宇宙外交」の推進も掲げた。中国が、アフリカで資源確保と引き換えに衛星開発に協力するなど先行してきた分野だ。  日本も近年、衛星画像を活用して、アフリカ南部のボツワナで鉱物資源探査の技術協力を進め、インドネシアで穀物の収穫予測に協力している。こうした取り組みを強化し、これまでの遅れを取り戻さねばならない。  ただ、どんな宇宙活動も、前提となるのは確かな技術力だ。その涵養(かんよう)が欠かせない。  計画案は、今後10年間に政府が開発する衛星や宇宙探査機を一覧表に掲げた。切れ目なく経験を重ねることで、産業競争力も培うことができる、との判断からだ。  独自の有人宇宙活動でも、政府として初めて、ロボットと人による月探査の実現に触れた。1年程度で具体案を検討する。  計画案を、日本の宇宙開発の総合力強化につなげたい。 "[he-forum 14233] 山陽新聞社説4/29 山陽新聞社説2009年4月29日付 宇宙基本計画 軍事利用には歯止め必要  政府の宇宙開発戦略本部の有識者らによる専門調査会は、宇宙基本法に基づく初の国家戦略となる「宇宙基本計画」の原案をまとめた。  日本の宇宙政策を研究開発から利用重視へ転換するのを基本方針とした。今後十年程度を見越した上で、二〇一三年度まで五年間の取り組みとして、地球環境観測・気象衛星や有人宇宙活動など、九つの開発利用計画を盛り込んでいる。  計画では五年間で三十四基の衛星を打ち上げる。アジアの災害時に衛星の観測情報を提供して国際貢献するほか、小型衛星の打ち上げ機会を増やして宇宙産業の振興も狙う。日本得意の二足歩行ロボットによる月面探査を実現し、有人活動との連携も検討するなどだ。  内容はあまりに総花的で、予算の裏付けもない。計画をそのまま実行すると五年後には現在の二倍以上の予算が必要との指摘もあり、実現は難しかろう。  問題は非軍事を原則としてきた宇宙開発に、宇宙基本法の施行によって防衛目的の宇宙利用が解禁されたことだ。計画の柱の一つとして安全保障目的の衛星が挙げられ、現在三基の情報収集衛星を五年以内に四基に拡充し、早期警戒衛星のセンサー研究の推進も明記された。  しかし、衛星自体の保有の判断は今年末にまとまる新しい防衛計画大綱や次期中期防衛力整備計画に委ねるとした。まだ正式に決まっていない衛星について、基本計画で先走るのは、順序が逆ではないか。  既に運用されている情報収集衛星についても、本当に役に立っているのか、検証作業がなされていない。巨額の税金が投入される宇宙開発は納税者の理解と支持が欠かせない。防衛機密に隠れた宇宙の軍事化を進めてはなるまい。歯止めが必要だ。 "[he-forum 14234] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.13 ニュースレターNO.13 2009、5,1  公正な学長選考を求める裁判を支える会  事務局:高知県高知市曙町2-5-1高知大学教職員組合内  (TEL/FAX088-844-1489)  4/10 第一回口頭弁論開催!  行政訴訟の第一回口頭弁論が高知地裁において4月10日(金)午後3時に開 催されました。授業開始の時期と重なったため、「授業があって傍聴できません が、がんばってください」というメッセージを多くの方からいただきました。そ んなこともあって当日の傍聴者が何人くらいになるのかいささか心配していたの ですが、教職員、在学生、卒業生その他多くの人々で傍聴席はほぼ埋まりました。    裁判は定刻に開始され、原告側から,高橋正征先生と弁護団長の谷脇弁護士の 意見陳述が行われました。  高橋先生は時折、満員の傍聴席にも目をやりながら、「国立大学法人は国民の 負託を受けた高等教育機関として透明性の確保は言うに及ばず、よもや不公正な 運営があってはならない。」「行政訴訟を通じ,国が国立大学の自律性を重んじ つつも、公明正大な大学運営を担保するために学長の任命責任を如何に果たすべ きかについて真剣に問いたい。」と堂々と意見を述べられました。  こうして、いよいよ行政裁判が開始されました。  争点は二つです。  一つは、原告適格の問題、もう一つは国による任命行為に違法性がなかったか という点です。一つ目をクリアし、二つ目の問題の実質的な審議に入れば、本学 の学長選考の真相に迫るだけではなく,学長の専横を許しかねない現在の国立大 学法人法の制度的不備を指摘し,国に是正への行動を取らせる可能性も開けてく るでしょう。    裁判で問われるのは、法律上の観点からの任命行為の正当性であり、その展開 は予断を許しません。しかし、私たちの目から見れば、先般の学長選考の結果が 「より個性豊かな国立大学を実現するといった当該大学の利益や、その貢献を期 待している一般社会の利益」にかなうことであったかどうかの結論は、この一年 間で出ていると思われます。露骨な論功行賞人事、思いつきや気まぐれによって 振り回される組織運営、「中期目標・中期計画」策定の混迷など、当該学長が中 心となって取り巻いている現執行部の迷走ぶりは、挙げていけばきりがありませ ん。    あとは、大学構成員と一般社会・国民の「常識」に合致した法律上の結論がで るかどうかです。  私たちの闘いが体現しているのは「大学の利益」や地域社会の利益のみではあ りません。これは日本の高等教育の未来に関わる重大な闘いです。真に「公益」 を代表するのは誰か、今後の裁判とそれを支える運動のなかで,はっきりと指し 示していこうではありませんか。裁判を傍聴していくことが、私たちはあの学長 選考の疑義をまだまだ忘れていないぞという強い意思表明になるのです。  連載開示文書から第二回  前号で11月12日付けの文部科学省への「上申書」を資料として見て頂きま した。その際にも述べたように、文部科学省には都合三回「上申書」を持ってい っています。     1回目11月12日受け取ってもらえず。   2回目2月15日受け取ってもらえず。   3回目2月28日受理 ということになります。  前回も触れましたが、これら3つの「選考報告書」の内容は、日付以外は全く 同一です。3回目が他の場合と違うのは、この時には監事による『監査報告書』 が添付されていたことです。    1回目、2回目にはなぜ受理されなかったのか?『監査報告書』なるものはど のような経緯で作成され、どのような経緯で「上申書」に添付されるに至ったの か?そして、本当にそれは内容上「上申書」を補強するものといえるのか?等の 疑問がわいて来ます。これらの問いに対しては文部科学省の担当官等責任ある人 々から裁判の場で回答されるものと思います。    そして、もう一つの大きな問題は、「上申書」では終始一貫して「41票差」 の数字が記載されていることです。事前に文部科学省から何らかの示唆があった のかどうかは定かではありません(それも裁判ではっきりするでしょう)が、こ のことは、そもそも「意向投票実施結果報告書」に記載された数字とは異なった 「結果」を「参考」にして選考を行うという学長選考会議のとったやり方は本来 ありえないことを示しています。    さらに、考えなければいけない事があります。最終的に受理された「上申書」 に「41票差」のみが記載されていることに関して学内にわき起こった「虚偽記 載ではないか」という疑問に対して、当時の河本朝光事務局長(現広島大学理事) は平成20年3月25日付けの「学長候補者の文部科学省申し出書類に係る事務 局見解について」なる学長選考会議議長あての文書の中で、以下のように言って います。      文部科学省提出の「学長選考者の選考について(申し出)」は、「選考報告書」 以下、経歴、監事報告書等を一体として報告を行ったものである。  つまり、『監事報告書』も一緒に持っていったから、「虚偽申告」には当たら ない、というのです。さて、そうなると、1回目、2回目の報告には「監事報告 書」は添付されていない以上、これらは虚偽申告(未遂)ということになります。 つまり、河本局長(当時)は「虚偽申告」に決裁をだしたということになってし まいます。    どうやら、河本氏にはぜひ証人として広島からお出でいただく必要がありそう です。 6月16日(火)11:00~ 「学長任命処分取消請求事件」第2回 於高知地裁 "[he-forum 14235] 読売新聞4/30 読売新聞2009年4月30日付 飛び入学 (7)指導者、選考法…壁多く 飛び入学の検討を盛り込んだ広島大の中期計画 飛び入学の導入を断念する理由は様々だ。  「学内にいろんな意見があり、一致が見られず、結局行き詰まった」。前広島大学入学センター長の杉原敏彦さん(54)(現・広島県立広島観音高校長)はそう切り出した。  国立大学が国立大学法人に衣替えした2004年度、各国立大は中期計画を発表した。広島大はその中に、「時代に対応した入学者選抜」として「飛び入学制度の検討」を明記した。  当時、先行していた千葉大学、名城大学の飛び入学生の募集に、毎年一定数の志願者が集まっていた。広島大理学部にも、前向きな意見があり、導入への後押しになった。  だが今は、制度導入を事実上断念している。千葉大などを調査して、大きな壁に突き当たったからだ。  飛び入学生のための特別講義に、専門の教員陣。杉原さんは「本学にはその余力はないと思った」と振り返る。高3の教育を、大学がある程度手当てすることも、「過去に経験がなく、具体的に想像がつかなかった」という。  教員らの考えに隔たりがあったことも壁になった。  高い学習意欲を持つ高校生の受け皿を作るべき、といった導入論者の意見に対して、教育担当の上真一(うえしんいち)副学長(58)は、「早くに大学の進路を選ぶため、ミスマッチ(不釣り合い)が起きる可能性が高い。そうなると対応しづらい」と消極的。平行線をたどった。  地元の高校の校長会から「高1から高2で基礎固めをし、高3で応用を含めた発展的な学習を行う。飛び入学は現実的でない」との意見が寄せられたことも、大きな判断材料となった。 ◎  長岡技術科学大学(新潟県長岡市)でも、飛び入学の検討を中期計画に位置づけたが、早々に導入しないことを決めた。泉敏彦・入試課長(55)は「将来も導入する可能性は低い」という。  文部科学省によると、「本格的に検討している大学はない」(大学振興課)のが現状だ。同省が05年、全大学を対象に調査を実施したところ、29大学50学部が「導入を検討している」と回答したが、翌年、この大学に絞って調べたところ、回答した23大学36学部のうち、「導入を決めた」としたのはゼロ。「導入を断念」(5学部)「検討を一時中断」(19学部)と、半分以上は消極的だった。  導入できない理由については、「指導体制を整備できない」「優れた資質を選ぶのが難しい」などの声が最も多く、「様々な分野を高校で履修しないと入学後の勉強が難しくなる」「人格形成の面で問題」など、教育効果に対する疑問も少なくなかった。 ◎  広島大では、飛び入学の導入断念を受け、既に導入していた50歳以上を対象とする入試を推進するよう方針を転換した。背景には、人格が完成した中高齢者ならば受け入れやすいとの判断がある。  一芸入試、大学院への飛び入学など、選抜制度はほかにもある。多様な学生を獲得するため、多様な方法が模索されている。(安田幸一)  国立大学法人の中期計画 国立大学法人が2004年度から6年間で、教育・研究の質の向上や業務運営、財政状況などについての活動目標を達成するために作製した「マニフェスト」。文部科学相の諮問機関「国立大学法人評価委員会」は先月末、86の国立大学法人について、07年度までの達成状況の評価結果を公表した。それによると、大学院の入試問題漏えいが発覚した東京大など、11大学が、業務面で「不十分」とされた。最低の「重大な改善事項がある」という指摘はなかった。 "[he-forum 14236] 沖縄タイムス5/4 沖縄タイムス2009年5月4日付 集積拠点の整備着々/大学院大学「核」に研究も本格化  沖縄科学技術大学院大学を核とした、研究機関やベンチャー企業などの集積拠点形成に向けた県内の基盤整備が着々と整い始めている。県が2007年度、全国に先駆けて導入したゲノム(全遺伝子情報)解析機器「次世代シーケンサー」を活用した先端バイオ研究も、黒麹菌の解読を皮切りに本格化。関係機関が連携して臨床研究に取り組むネットワーク形成に向けた具体的な検討も始まった。ベンチャー企業も現在、九州最大の28社が集積。県は今後、健康・医療ビジネスの創出も視野に、作業を加速させる。(島袋晋作) ゲノム研究 産業・医療 運用に幅  「次世代シーケンサー」を活用し、産業、医療への応用を目指す先端バイオ研究。県は2007年3月にうるま市の沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センターに3台を設置すると同時に、機器を取り扱える研究者を養成。昨年9月から本格的に運用が始まっている。  黒麹菌など微生物有用遺伝子のほか、ヒト・疾患関連遺伝子の解析も予定。本年度からはいまだになされてない日本人の遺伝子解析で、活用される。そのほか、琉球大学と沖縄工業高等専門学校が、がんなど遺伝子疾患の研究で使用する。  外部の研究機関からも積極的に活用され、運用の幅も広がりつつある。県農業研究センターは、「次世代シーケンサー」に、岩手生物工学研究センターが開発した遺伝子発現解析技術を取り入れ、ゴーヤー、パパイアの品種改良に取り組んでいる。  機能性の高い品種の作出を目指し、雌雄を苗の段階で判別して栽培する技術に生かす考え。3年で実用的な技術へつなげる計画だ。  また、アグーの遺伝子保存などの研究でも応用されているほか、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「バイオマスエネルギー転換要素技術開発」でも活用されている。  だが、最近になって、全国でも「次世代シーケンサー」導入の動きが出始めている。今後、他地域との競争が予想される中、「沖縄は1年以上先に進んでいる。今後も沖縄でならすぐ測れるという点をアピールする必要がある」としている。 微生物資源ライブラリ 収集3万をDB公開へ  バイオベンチャーなどの研究開発と商品化をサポートするため、琉球大学とトロピカルテクノセンター、科学技術振興センターなどが、バイオマスからのエタノール生産を促進するなどの機能性を持つ亜熱帯特性を有する微生物を収集している。  県の亜熱帯特性を有する微生物に関する研究推進事業で、将来的にデータベース(DB)化して情報を公開する考え。すでに1万7000余の微生物を集め、冷凍保存している。事業が終了する2009年度までに3万を目指している。  また、医療やバイオマス、環境、農業、食品・健康のそれぞれの分野で応用できる機能性評価も実施し、DBの利便性を向上させる考えだ。  これまでに集まった微生物としては、琉球大学熱帯生物圏研究センターの新里尚也助教が研究しているシロアリの腸内細菌などもある。木材を食べるシロアリの消化機能に着目。バイオエタノールの生産に応用できる可能性があるという。  機能性の高い有用な微生物が見つかれば、遺伝子の分析などに「次世代シーケンサー」を活用することも想定している。 医療基盤整備 琉大などが共同企業体  「次世代シーケンサー」によるゲノム研究で得られた成果を健康医療分野で活用するためには、治験を含めた臨床研究の基盤づくりも求められる。琉球大学と県医師会、南西地域産業活性化センターは今年1月、「りゅうきゅう臨床研究ネットワーク共同企業体」の協定を締結。臨床研究の促進をはじめ、国際的な連携や産業界と連携した新たなビジネスも視野に、3者が連携体制の構築に乗り出している。  かつて日本では、米国などと比べて薬の試験や検査期間が長く、「創薬後進国」とも言われてきた。その指摘を受け政府は2007年3月、「新たな治験活性化5カ年計画」で、「国際競争力強化の基礎となる医薬品・医療機器の治験・臨床研究実施体制を確保し、日本発のイノベーションの創出を目指す」とした。  ただ、治験を含む臨床研究の推進に向けたネットワーク整備の取り組みは全国的に進められているものの、日常診療に多忙な医師だけでは困難な状況がある。  このため、県内では窓口を一本化するなど、臨床研究を支援する仕組みづくりが進められている。  また、インフォームドコンセントや参加者の心身ケアなどに携わる臨床研究コーディネーター、データの品質管理を行うデータマネジャーなどの専門人材や、より高度な臨床研究を推進するための臨床研究専門医の育成も課題だ。  そのほか、治験や臨床を科学的かつ倫理的に監視、審査する倫理審査委員会のあり方なども含め、同ネットワークの検討委員会が包括的に検討を進めている。 "[he-forum 14237] 琉球新報社説5/1 琉球新報社説2009年5月1日付 大学院大学 国民が納得のいく論議を  恩納村で建設が進められている大学院大学の2012年開学が瀬戸際に立たされている。政府が今国会に「沖縄科学技術大学院大学学園法案」を提出したものの、民主党が原案のままの成立に難色を示しているからだ。  日程的には学長の絞り込み、法に盛り込まれる学校形態の確立後の措置などに各1年程度かかることが予想され、今国会での法成立がタイムリミットとされている。  補正予算成立後の審議入りでは政府・与党、民主党とも一致している。双方が国民の納得を得られるよう論議を深めてほしい。  原案は大学院大学を「特別の学校法人」と位置付けるほか、運営費などの全額補助に10年の制限を設けた。  これに対し、民主党は「11年後の外部資金獲得の展望がなく、経営破綻(はたん)の恐れがある」と指摘、政府が継続的に支援できる「国立大学法人」への修正を求めている。  大学院大学は「学術研究の府」である。研究は連綿と続く。単なるハコモノ造りの公共工事ではない。「将来に禍根を残すな」と安定経営のための担保を求める民主党の主張には一理ある。  政府はポスト沖縄振興計画の目玉として01年6月に大学院大学構想を決定した。  世界的な権威を招いて自然科学系の世界最高水準の研究を進め、沖縄をアジア・太平洋地域の先端研究の中核拠点とする構想だ。基地の重圧にあえぐ沖縄にとって、「知の集積」「世界への発信」を目指す平和的な構想に期待する声も少なくない。  自民党は今国会での成立に向け積極的に取り組む意向をみせている。民主党の中に「駆け込み審議は拙速、今国会にこだわらない」とする向きもある中で、鳩山由紀夫幹事長は「邪魔するつもりはない。今国会に上げるべき」と発言、法案の一部修正などを視野に今国会での成立を図る考えを示している。  当初、07年3月に予定されていた開学は大きくずれ込んでいる。  ただ、拙速になってもいけない。懸念材料を抱えたまま、見切り発車のような形になっては開学の趣旨にも沿わないだろう。論議を尽くして指摘される課題をクリアし、確固たる運営のレールを敷くことが「世界最高水準」の看板にふさわしい学府づくりにつながる。 "[he-forum 14238] 毎日新聞5/2 毎日新聞2009年5月2日付 新教育の森:大学でのセクハラ、被害認定少なく 調査機関あっても権限に限界  大学教授らが、指導者の立場を利用して性的な嫌がらせをするセクシュアルハラスメントの被害が後を絶たない。人権意識の高まりから、ほとんどの大学が調査機関を設けているが、密室で行われることの多いセクハラ被害が認定されるケースは少ない。【井崎憲】  ◆研究室で個人指導中  「客観的な証拠や第三者の証言がないとセクハラと認定するのは難しい。被害に関係する証言をしてくれる他の学生はいませんか」。昨年12月、日本大学の人権救済委員会の調査スタッフは、男性教授からセクハラを受けたと申し立てていた女子学生と個別に会い、調査が難航していることを説明した。  被害にあったという女子学生は3人で、訴えている主な被害はこうだ。  研究室で個人指導を受けた際、「ミスが続いた」と下着姿にさせられて抱きつかれたり、ゼミ合宿では、他の学生に気づかれないようテーブル下でひざを執拗(しつよう)に触られた--。  ◆証言集めやっと動く  3人は教授のゼミをやめ、昨年4月以降、人権救済委に被害を申し立てた。教授は「セクハラ行為は一切なかった」と否定、調査はいったん頓挫した。学生が「きちんと調査してほしい」と再三申し出たこともあり、昨年秋ごろから第三者の証言探しが本格化した。  救済委は、他の学生の証言などから、被害申告の一部に一定の信ぴょう性があるとの判断に傾き、上部組織の人権侵害防止委員会に審議を要請。防止委は最終的にセクハラ被害は認定しなかったものの、3人がゼミをやめた事実を重視して「厳重注意処分に相当」と総長・理事長に勧告し、日大は今年2月、同教授を厳重注意処分とした。だが、学生には「複数の被害申告があっても認定されないなんて」と不満が残った。  ◇相談・調査、学内の体制は整ってきたが 主張食い違うと及び腰  大学・大学院でのセクハラは、単位認定や論文指導、就職あっせんで強い立場にある教授と女子学生の間で起こることが多い。従来は、被害者が申し出ても大学が問題として取り上げることは少なく、泣き寝入りするケースがほとんどだった。  男女平等意識の高まりから、社会問題化するようになった99年に文部省(当時)が「セクハラ防止規程」を各大学に示し、被害申告に対する相談・調査体制を整備するよう求めてから、被害調査や防止に向けた大学の取り組みが本格化した。  文部科学省によると、07年度の段階で、すべての国立大が相談窓口と調査機関を設置。公立大の設置率は相談窓口100%、調査機関96%、私立大も95%と88%で、今ではほとんどの大学で体制は整っているといえる。  調査機関はアカデミックハラスメントなどの人権侵害事案も含めたトラブルを対象にしており、弁護士ら専門家がメンバーに入ることもある。被害申告があれば聞き取り調査を重ねて事実認定し、人事処分の勧告や調停を行う。だが、セクハラは一般的に「密室性」がネックとなり、客観的な証言や証拠は乏しい。「加害者」とされた相手も否定することが多い。  06年、男女雇用機会均等法改正に伴って厚生労働省が出したセクハラ指針は、それまでの「配慮義務」を「講ずべき措置」と強化し、主張の食い違いで事実確認ができない場合、第三者からの事実関係の聴取を求めている。  だが、大学の調査機関には捜査機関のような権限はなく限界がある。双方の主張が対立すれば、事実認定は難しい。「冤罪(えんざい)」の可能性もある。セクハラ被害を訴えられたことのある大学の元教員は「風評被害が広まると教員としては致命的だし、インターネットでの誹謗(ひぼう)中傷は消えないままだ」と話す。「加害者」と指摘された教授側が認定や処分の取り消しを求める訴訟になったり、被害を訴える学生を「名誉棄損」などで反訴するケースもある。「被害学生の訴えは切実だが、慎重にならざるを得ない」(私立大調査機関担当者)というのが本音のようだ。  ◆少ない処分公表  事実認定されて処分が下っても、公表されることは少ない。かつての国立大は教職員が文科省職員の扱いだったため、懲戒処分は省への報告義務があった。セクハラを理由にした懲戒処分は、02年に17件、03年は15件で、04年は30件と増加傾向だった。だが大学法人へ移行した04年の翌年からは、こうしたデータはない。公立大や私立大も報告義務がなく、日本私立大学協会などの全国組織も把握はしていないため、実態は分かっていない。「機会あるごとに適切な対処を求めているが、それ以上の権限はない」(文科省人事課)という。公表は各大学の判断に委ねられ、学内で公表しても、報道機関への発表に踏み切るケースは少数といえる。  調査期間が長引く問題も指摘されている。日大の3人のケースでも1年近くかかった。これ以上長引くケースもあるが、セクハラ被害に敏感な女子大を中心に、「調査期間は90日以内」(津田塾大)「6カ月以内に結果を上部組織に報告する」(お茶の水女子大)などと事前に期間を区切っている大学もある。  ■法務局に申し立て  ◇人権侵害事案として調査、措置  ◇相手方に注意与える「説示」/侵害やめるよう「勧告」  大学の調査で認定されなくても、精神的苦痛による損害賠償を相手や大学に求める民事訴訟を起こすなど、被害者が外部組織に問題を持ち込むこともできる。しかし実際は、多額の訴訟費用のほか、就職活動や課題論文を抱えていれば、出廷がネックとなる。訴訟に持ち込まれるのはまれだ。  こうした場合、人権侵害事案を調査する法務局への申し立てがある。法務局にも強制的権限はなく、任意の調査にとどまる。しかし、人権侵害が認定されれば、被害者に法律上のアドバイスをする「援助」のほか、被害程度に応じて相手方に注意を与える「説示」、侵害をやめるよう「勧告」の措置が取られる。  08年、全国の法務局では、申し立てのあったセクハラ被害について援助や説示を中心に412件の措置が取られている。法務省調査救済課は「判決と違って措置に法的拘束力はないが、国の機関が出す措置なので、相手方への効果はあると思う」と話す。  内閣府男女共同参画局調査課によると、セクハラについては各自治体が共同参画の観点から、第三者機関を設けて対応。昨年度段階で全都道府県・政令市64のうち、22の自治体がセクハラ問題に対応できる第三者機関を設け、苦情処理を行っている。  ただ、大学生が被害者の場合、事実認定の有無にかかわらず、被害の回復は難しい。日大の女子学生3人のうちの一人は「好きなゼミに入って将来に向けて勉強したかった。その時間はもう戻ってこない」と話す。  ◇教員と学生の力関係を意識した聴取を  大学教員や院生が中心となって活動する「キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク」メンバーの田中かず子・国際基督教大教授(社会学)は「言い分が違うからと、早々に『事実認定できない』と結論づけるべきではない。信ぴょう性の判断ができるまで丁寧に双方の事情を聴くべきだ。その際、教員が優位な立場にあることを忘れてはいけない」と述べ、学生との力関係を意識した調査が重要としたうえで、こう提唱する。「目先の受験生確保でなく、人権尊重という普遍的なルールづくりこそ今の大学には必要で、受験生や社会もこうした視点で大学を評価していくべきだ」 "[he-forum 14239] 日刊工業新聞5/4 日刊工業新聞2009年5月4日付 横浜国大と横浜市大、医工連携による人材育成を本格化 【横浜】横浜国立大学と横浜市立大学は、医工連携による人材育成を本格化する。医学と工学両分野の博士号を最短4年間で取得できるダブルディグリー(双方向学位)制度を09年度から導入した。両校は共同で医学と工学の独立性を維持したまま、効率的な教育を行うためのプログラム構築に着手。両分野に精通した人材育成を進めていく。国内の大学同士が異分野でダブルディグリー制度を導入するのは珍しいケースという。  両校は情報通信技術(ICT)によるユビキタス医療の実現に向けた共同研究を行っている。研究を具現化するに当たり、両分野に精通した人材育成が不可欠と判断。同制度の導入を決めた。  これに伴い横浜国大は09年度から医工連携の教育プログラム拠点として「PEDモジュール・スタジオ」を新設。社会人や研究者なども通学できるように、講義時間帯は土日や夕方以降とした。一部科目を横浜市大にも設置する。 "[he-forum 14240] 中日新聞5/6 中日新聞2009年5月6日付 「名大をグローバル化」 就任1カ月の浜口学長  名古屋大の浜口道成学長(58)が就任して1カ月。昨年、ノーベル賞受賞者が相次ぎ、底力を世界に発信した名大の新学長が掲げるのは「グローバル化」だ。大学法人化2期目に向け、どうかじ取りするか意気込みを聞いた。 (聞き手・渡辺泰之)  -どのような大学を目指すのか。  「名古屋大」を英語の「ナゴヤユニバーシティー」にしていく。中部地区だけにとどまっていられる時代ではない。この地域の産業は世界トップレベルだが、われわれ教育界はそこまで達していない。  また、法人化2期目の重要な課題の1つが財務。国は今後も運営費交付金を削減してくるだろう。どう次世代への活力をつくり上げていくか。間違えれば、名大であっても消滅していく運命にある。この地域の特性を生かした国際化戦略を練っていくことが生き残る道だ。  -グローバルに活躍できる人材をどうつくるのか。  私がいた医学部は海外の一流校と提携している。留学して鍛えられると、学生は自分の中に眠っている可能性に気が付き、がらっと変わってたくましくなる。これと同じことを味わってほしい。本年度、1年生から英語を集中的に学ぶプログラムがスタートしており、英語で議論できる能力をつけさせていく。  -大学生の学力低下が叫ばれている。  普遍的な真理に対する飢餓感がなくなってきていると感じている。昨年、ノーベル賞を受賞した益川、小林、下村先生を生んだ原動力は知識に対する飢餓感。今は全く逆で、インターネットなどを通して情報はあふれているが、飢餓感を持って知識にぶつかるということがない。  -大学教育の現状をどう考えるか?  諸外国に比べて、高等教育に対する国の投資が少なすぎる。この現状もあまり知られていない。ある総理大臣が「米百俵の精神」と言ったが、これが実現できていない。苦しい時代だからこそ高等教育に投資し、人材をつくり上げることを国全体でやらないといけない。  -創薬科学研究科の創設が検討されているが。  現状は、県内の4私立大と協力し、大学院を設置すべく議論を進めている。この地域はバイオが弱い。東京や関西に人材が流れてしまっている。社会へのメッセージとしてもやらないといけない。課題は多いが、1年間くらいかけて議論し、結論を出したい。 "[he-forum 14241] 毎日新聞5/6 毎日新聞2009年5月6日付 ポスドク:1人採用で5百万円…文科省が企業に「持参金」  博士号取得後に任期付き研究員(ポスドク)として大学や公的研究機関で働く人たちの民間企業への就職を増やそうと、文部科学省が、ポスドクを採用した企業へ1人につき500万円を支給する。国策としてポスドクを増やしながら受け皿不足が指摘される中、「持参金」で企業側の採用意欲を高める狙い。文科省が企業対象の事業を実施するのは珍しく、09年度補正予算案に5億円を計上した。  政府は90年代、高度な研究人材を増やそうと、大学院を重点化し博士号取得者を増やした。博士の受け皿となるポスドクは1万6000人を超えたが、企業への就職は進んでいない。日本経済団体連合会の06年調査で、技術系新卒採用者のうち博士は3%だ。  文科省の調査によると、ポスドクの6割以上は企業への就職も視野に入れているが、企業側の技術系採用は修士が中心で、85%が「過去5年にほとんど採用していない」と答えている。企業側が「食わず嫌い」している状態だ。  文科省の新施策では、まず企業からポスドクの活用方針や業務内容、支援策などの採用計画を募集。科学技術振興機構で審査した上で、採択された企業に対してポスドク1人につき500万円の雇用経費を支払う。支援期間は1年間だが、「使い捨て」にならないよう、終了後のキャリア構想も審査するという。文科省は「実際に採用した企業からのポスドクの評価は高い。何とかよい出会いを増やしたい」と話している。【西川拓】 "[he-forum 14242] 朝日新聞5/5 朝日新聞2009年5月5日付 高校「専攻科」卒業生、大学編入可能に 文科省が方針  高校3年間の学習を終えた後、さらに技量を高めたり、資格を取ったりするために看護科や水産科などに併設されている2年制の「専攻科」について、文部科学省はこれまで認めてこなかった修了者の大学への編入学資格を認める方針を固めた。早ければ11年度から実施するとみられる。  「大学でさらに専門性を高めたい」という希望が多いことを踏まえ、専攻科で学んだことを大学の前期課程などと同等とみなせるよう、学校教育法などの関係法令を改正する考えだ。これにより、専攻科を終えた生徒は大学入試を受けて学部の1年生から始めなくても、編入学が受け入れられれば3年次からスタートできるようになる。  文科省によると、高校に専攻科を設けているのは看護科、水産科、工業科など全国で142校で、生徒数は約9千人。修業年限は法令で「1年以上」と定められているが、実際には2年間のところが多い。  専攻科の教育目的を大別すると、(1)高度な技術の習得(工業、商業など)(2)資格取得(水産、看護、福祉など)(3)社会人の再教育(農業)――に分けられる。高校看護科は8割、水産科では6割が専攻科を設置しており、看護師免許や海技士免許の取得を目標にカリキュラムを設定しているところが多い。  特に看護の専攻科では「さらに高度な医療の技術や知識を身につけたい」と大学編入を求める生徒が少なくないといい、文科省はカリキュラムや必要な教員数、施設・設備のあり方を検討し、設置基準を明確にした上で大学編入を制度化する考えだ。  大学への編入学は、短大や専修学校の専門課程などで認められている。専攻科で実現すれば、すべての学校種から大学への編入が可能になる。(編集委員・山上浩二郎) "[he-forum 14243] 下野新聞5/1 下野新聞2009年5月1日付 産学連携へ初会合、宇大コーディネーター会議  宇都宮大学地域共生研究開発センター(石井清センター長)は三十日、産学連携推進のための同大コーディネーター会議の初会合を同大で開き、今後、毎月一回の会合の中で、同センターからの情報提供や各コーディネーターの状況報告、事例の検討を行っていくことを確認した。  初会合には同大や商工会議所、県産業振興センター、足銀などから十五人が出席。石井センター長は「大学と中小企業の技術協力はまだまだ少ない。敷居が高かったり、企業に大学のことが知られていないことがある。産学連携し、地域と共生していきたい」とあいさつした。  同会議は、企業の技術開発などのニーズを掘り起こし、同大の研究(シーズ)と結び付け、産学連携によるビジネスの具体化に取り組む組織。本年度から日常業務で企業訪問をする足利銀行の行員らもコーディネーターに加えた。 "[he-forum 14244] 毎日新聞社説5/6 毎日新聞社説2009年5月6日付 早期警戒衛星 拙速の導入論は避けよ  政府の宇宙開発戦略本部が、初の「宇宙基本計画」案をまとめた。国民の意見を募る「パブリックコメント」を経て今月下旬に決定する。計画案には、ミサイル発射をいち早く探知できる早期警戒衛星の導入に向けたセンサー研究が盛り込まれている。しかし、同衛星の開発・保有には巨額の費用がかかることや、衛星の必要性そのものをめぐって政府・与党内にも議論がある。ただちに導入の方向を打ち出すのは疑問だ。  早期警戒衛星は、米国のDSP(国防支援計画)衛星やロシアのコスモス衛星の一部がこれにあたり、弾道ミサイル発射などの熱源を赤外線センサーで探知する。ミサイル防衛(MD)には欠かせないとされる。  昨年、宇宙空間の軍事(防衛)利用に道を開く宇宙基本法が成立し、政府は早期警戒衛星導入を視野に入れてきた。4月の北朝鮮のミサイル発射では日本は米国衛星の情報を入手したが、政府・与党内に独自保有の意見が一気に盛り上がった。  北朝鮮のミサイルは日本の脅威であり、これを理由にした衛星保有の主張はわかりやすい。  しかし、事はそう単純ではない。まず費用対効果の問題である。DSP衛星は大陸間弾道ミサイルなど長射程のミサイルには有効だが、日本にとって脅威である北朝鮮の「ノドン」など中距離弾道ミサイルに対しては監視能力が落ちると言われる。これを改善するため米国が開発中の新衛星は低高度軌道であるため、日本周辺だけを監視対象としても数基の衛星が必要となる。日本が開発・保有し、しかも独自の解析能力を持つには数兆円がかかるとされる。  政府・与党内に費用面で懸念の声が上がっているのは当然だ。北朝鮮などの脅威には、日米同盟の役割分担と両国の連携の中で対応する姿勢を放棄してはならないだろう。  また、オバマ米政権のMD政策も見極める必要がある。ゲーツ国防長官は10会計年度でMD予算の削減を表明した。日本が配備する既存システムについては増額され、当面日本のMD政策には影響ないとみられるが、国防政策全体の中でMDの比重は低下する。ブッシュ前政権と違ってMDの共同開発を日米安保の柱と位置付けているわけでもない。今後のオバマ政権の方向しだいで、日本の安全保障政策に影響する可能性があることも念頭に置かなければならない。  さらに、外交面では、早期警戒衛星導入によるMDシステム強化が引き起こす隣国の中国、ロシアの反応についての分析も必要だ。  早期警戒衛星の導入は、今年末に決める防衛計画大綱、中期防衛力整備計画の改定作業の論点の一つとなる。慎重な対応が求められる。 "[he-forum 14245] 朝日新聞5/6 朝日新聞2009年5月6日付 衛星小さく、開発費安く 国が民間・大学の参入後押し  人工衛星を使ったビジネス開拓を後押しするため、文部科学省と経済産業省は重さ20~50キロの「超小型衛星群」の開発に乗り出す。ベンチャーや大学からアイデアを募って、宇宙航空研究開発機構などと共同で5~10機の実証機をつくり、数年以内の打ち上げを目指す。  人工衛星からの画像や観測データは、農作物の生産量予測、災害監視、資源探査など、さまざまな分野でビジネス展開が考えられる。だが、重さ500キロ~数トンの中・大型衛星は開発に数十億円以上の費用と5年以上の期間がかかり、ベンチャーや大学などが参入するのが難しかった。  重さ50キロに満たない超小型衛星なら、機能は限定されるが、短期間、低コストの開発が可能になる。計画では、ベンチャーや大学から衛星にどのようなカメラやセンサーを搭載するのかや、ビジネス展開に向けたアイデアを募り、宇宙機構が衛星づくりの基本部分を支援する。  衛星は一辺50センチ程度、重さ20~50キロに抑え、市販部品を使うことなどで、製造コストを数億円以下にする。費用の3分の1程度をベンチャーや大学側に負担してもらう。宇宙機構は今年1月に一辺約70センチ、重さ約100キロの小型実証衛星を打ち上げており、今後、小型化技術をさらに磨く。  政府の経済危機対策の一環で、両省が開発費計約50億円を補正予算案に盛り込んだ。  超小型衛星は一度にたくさん打ち上げられ、将来的には数十機を組み合わせるなど、多様な運用も見込める。今月策定される政府の宇宙基本計画も、原案で、超小型衛星について「ベンチャーや大学への支援推進を通じて、産業拡大、雇用創出に当たる」などと開発を促していた。  宇宙機構は06年から超小型衛星を公募しているが、これまでは研究開発や教育目的に限られていた。従来の公募でつくられた東大阪宇宙開発協同組合の「まいど1号」など6機が、1月に大型衛星に「相乗り」する形で打ち上げられた。(行方史郎) "[he-forum 14246] 5/8朝日新聞 朝日新聞 2009年5月8日3時2分 奨学金の返還猶予、4万人から10万人に拡大 文科省  不況で失業するなどし、学生時代に受けていた日本学生支援機構(旧 日本育英会)の奨学金返還が困難になった人たちのため、文部科学省 は、機構が返還を猶予できる人数を現行の約4万人から10万人に増や す。また、親の失業などで急に家計が悪化した在学生のために、年度途 中でいつでも申請できる無利子奨学金の貸与人数も、現行の倍の8千人 に増やす。  機構の今年度の奨学金貸与者数は大学生、短大生ら計約115万人 で、貸与総額は9475億円。奨学金は無利子と有利子があり、文科省 も財源の一部を出している。  卒業などで貸与が終わると返還義務が生じるが、病気や災害のほか、 失業、低所得などの経済的理由から返還が猶予されることもある。文科 省によると、経済的理由による返還猶予(最長5年)を認められた人は 07年度でのべ約4万人いた。08年度実績もほぼ同じ規模となる見通 しだ。  昨秋からの急激な景気悪化で文科省は「返還困難になる人は、さらに 増えるはず。セーフティーネットが必要だ」と判断。機構への貸付金1 0億円を今年度補正予算案に盛り込み、機構が10万人まで猶予できる ようにする。  機構の奨学金は、入学前に申請する「予約採用」と、入学後に申請す る「定期採用」が大半を占める。このほかに保護者らが急に失業した場 合を考慮し、年度途中で随時申請できる無利子の「緊急採用」、有利子 の「応急採用」がある。昨年度は、さらに「臨時採用」を急きょ新設し た。  文科省は、今年度も随時申請できる奨学金の需要が高いと想定。特に 「緊急採用」は税金を原資としており、今回の補正予算案に15億円を 計上し、機構の貸与人数を4千人から8千人に拡大する。(青池学) "[he-forum 14247] 沖縄タイムス5/8 沖縄タイムス2009年5月8日付 著名学者ら成立要望へ 大学院大学法案/県民会議きょう総会  沖縄科学技術大学院大学学園法案の今国会成立が不透明な情勢となっていることを受け、沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)の有馬朗人運営委員会共同議長(元東京大学総長)やノーベル賞受賞者らが8日、同法案の早期成立などを求める緊急アピールを連名で発表する。  有馬氏の呼び掛けに、ジェローム・フリードマン氏(マサチューセッツ工科大学教授)、李遠哲氏(台湾中央研究院名誉会長)、トーステン・ヴィーゼル氏(ロックフェラー大学名誉学長)といったノーベル賞受賞者ら国内外の著名な学者たちが賛同。  同日午後、那覇市内で開かれる「沖縄科学技術大学院大学設置促進県民会議」(会長・仲井真弘多知事)の緊急総会で、尚弘子琉球大学名誉教授から報告される予定。  県民会議も総会で同様に、同法案の早期成立を求める新たな決議を採択。これを受け、仲井真知事ら役員が来週にも上京し、法案に難色を示している民主党の国会議員のほか、自民党議員、佐藤勉沖縄担当相らを訪ね、3度目となる要請行動を展開する。 "[he-forum 14248] 西日本新聞社説5/8 西日本新聞社説2009年5月8日付 奨学金滞納 後輩のためにも返さねば  不況が深刻の度を増している。将来の夢を抱いて大学などに進んだ新入生も、授業料や日々の生活費などに頭を巡らして胸を痛めているのではないか。  そうした事態の助けになる1つが奨学金だが、一方で、借りた奨学金を返さない滞納者の増加が問題となっている。厳しい時だからこそ、返済能力がありながら「借り得」を決め込んでいる不届き者がいれば、なおさら許されない。  国の奨学金制度は貸与制で、高専や大学、大学院などの学生が対象だ。無利子、有利子の2種類がある。事業は2004年、日本育英会から独立行政法人の日本学生支援機構が引き継いだが、旧育英会時代から年々拡充しており、いまでは大学生に限ると30%近くの約80万人が、この奨学金の世話になっている。  ところが、07年度の未返還額は660億円に上る。これは、同じ07年度に貸与した奨学金総額の8%に相当する。さらに、3カ月以上滞納して貸し倒れの可能性がある延滞債権が20万人分、2253億円になるという。  元奨学生が卒業後に返す金は次の奨学金の原資となる。このため、支援機構は11年度までに延滞債権の半減を目指して滞納対策の強化に乗りだした。どこの世界でも「借りたら返す」のがルールであり、後輩のためにも、返済義務を果たすよう強く求めるのは当然だろう。  対策の1つが、金融機関でつくる個人信用情報機関に滞納者情報を通報する制度の導入だ。本年度から、新入生やすでに貸与を受けている在学生から同意書を取り、これを条件に貸与を始めた。  卒業後に返済が滞らなければ通報はないが、滞納が長期化すれば通報され、銀行ローンやクレジットカードの利用が難しくなる。そうならないよう、返済に努めてもらうのが狙いである。「そこまでするのか」と反発もあるが、もともと20年以内の返済を前提に貸与される奨学金だ。病気や失業などで返済が苦しければ猶予制度もある。滞納者への一定の規制強化は仕方ないのではないか。  このほか、支払い督促申し立てなど法的措置に入る時期を、従来の滞納「1年以上」から「9カ月以上」に短縮するなど、回収策も強めるという。  いずれも昨年の有識者会議の提言を実施に移したものだ。提言には滞納率の高い大学名の公表もあったが、卒業生の滞納と大学の責任とは直接は結び付かず、慎重な検討が要るだろう。ただ、大学は奨学金の申請窓口であり、返還義務の周知徹底など協力すべきことは多い。  同時に、奨学金事業の一層の充実も訴えたい。景気悪化が子どもの進路選択に影響を及ぼしているといわれる。政府は追加経済対策の中に無利子奨学金を受ける学生の微増などを盛り込んだが、真正面から取り組むべきだ。返済不要の給付奨学金の創設を真剣に考えていい。奨学金の重要性はますます高まっている。 "[he-forum 14249] 北海道新聞5/10 北海道新聞2009年5月10日付 しわ治療 心も若返り 北大病院整容・美容外科外来 高齢者向けに開設  北大病院(札幌市北区、浅香正博院長)は五月、形成外科に「整容・美容外科」外来を開設した。道内の大学病院では初。対象は高齢者で、健康保険の適用外だが、年を取って生じたたるみやしわなどの治療で「見た目の改善に加え心のケアも図り、心身ともに充実した生活の提供を目指す」としている。  専門外来は月二回で完全予約制。日本形成外科学会専門医でつくる日本美容外科学会理事の山本有平・形成外科教授ら二人が担当する。  加齢で衰えた、たるんだまぶた、ほお、腹部、垂れた乳房、顔や体のしわなどを手術などで改善する。「抗加齢(アンチエイジング)医療の外科治療」と位置づけており、若者などに要望の多い二重まぶたや豊胸、隆鼻などは行わないという。  同病院によると、高齢化社会を背景に、加齢による容姿の変化に悩むお年寄りが、全道の各地から来院。自費診療となるが、そうした要望に応えようと、専門外来を開設した。  山本教授は「科学的根拠に基づく美容医療を提供し、高齢者の生活の質の向上に寄与したい。年だからとあきらめず、一度相談してほしい。美容外科を希望する若手が近年増えており、良質な医師の育成や先端的な技術の開発なども目指したい」と話している。  希望者は、まず形成外科外来(火、水、木曜日の午前中、予約不要)を受診した上で、「整容・美容外科」外来の予約が必要。  同病院によると、国立大学法人が運営する病院の美容外科外来は全国で八番目。 "[he-forum 14250] 西日本新聞社説5/11 西日本新聞社説2009年5月11日付 法科大学院 定員削減を改革に生かせ  4回目を迎える新司法試験が13日から始まるが、それを前に、全国の法科大学院74校の大半が、2010年度から11年度にかけて入学定員の削減を考えていることが明らかになった。  中央教育審議会の法科大学院特別委員会が先月、定員の削減などを強く求める最終報告をまとめたばかりだ。  新司法試験の受験資格は原則、法科大学院の修了生にしか与えられない。その資格の「質」が不十分だという声に対する1つの回答であろう。司法改革を支える法科大学院制度は、04年の創設から5年で大きな転機を迎えたといえる。  実社会で活躍する多様な法曹(裁判官、検察官、弁護士)を養成する。そうした法科大学院の理念を実現するためには、改善をためらってはいられない。各大学院は自主改革を急ぐべきだ。  大学院修了生の7-8割と想定されていた新司法試験の合格率は、目算が外れている。初年だった06年の48%(合格者1009人)から減り続け、08年は33%(同2065人)にまで落ち込んだ。政府は合格者を10年までに年3000人程度に引き上げることを目指しているが、達成は難しい状況となっている。  こうしたなかで、法科大学院協会の調べに対し、41校が定員を削減すると答えた。検討中も入れると、削減数は1000人程度になり、現行5765人の総定員は約2割少なくなる見通しだ。  定員が300人の東京大や200人の京都大は10年度、それぞれ2割減らすと公表した。九州・沖縄では、すでに福岡大が本年度から50人の定員を4割減らしており、定員100人の九州大など残り6校も削減を具体化するとみられる。  定員を絞り込むのは合格率向上をにらんだ員数合わせの側面もあるが、身を削る各校の姿勢は評価したい。  ただ、定員削減が改革の目的ではない。定員減で学生の質を確保するとともに、教育の質を良くする必要がある。  定員割れの大学院が半数を超える。一方で、新司法試験の合格率の低さが社会人を含めた法学未修者を遠のかせ、幅広い人材が集まらない。こうした悪循環を絶つには、どうすべきか。各大学院が真剣に向き合うべきは、この点だ。  これまで、04年春に開校した法科大学院68校のすべてが認証評価機関から評価を受け、約3分の1に当たる22校が「不適合」と認定された。専任教員が足りない、厳格な成績評価がされていない、履修科目が偏っているなど、教育環境が未整備の大学院が少なくない。早急に改善を図るべきである。  地域に根差す弁護士を養成するには、九州を含めて地方の大学院の存在が大きい。各校が連携して教育課程を共同で実施することも、もっと考えていい。  中教審の最終報告は定員に見合った教育体制の充実も求めており、定員削減を改革に生かす視点が大事だ。 "[he-forum 14251] 産経新聞茨城5/11 産経新聞茨城版2009年5月11日付 障害者専門の大学院設置へ 筑波技術大  聴覚と視覚に障害がある学生を対象とする国内唯一の国立大学「筑波技術大」(茨城県つくば市天久保、村上芳則学長)が、来春の大学院開設を目指して準備を進めている。今年中には文部科学省の認可を受けられる見通し。障害者専門の大学院が開設されるのは国内で初めてという。   同大には視覚障害者が機械工学やコンピューターなどを学ぶ保健科学部と、聴覚障害者がはり・きゅうや理学療法などを学ぶ産業技術学部がある。学生は4学年で約350人。  大学院はそれぞれの専門性を高めるための修士課程として、保健科学専攻(定員3人)と産業技術専攻(同4人)を設置する。文科省の認可を受け次第、来年初めに入学試験を実施する計画だ。将来的には障害がある留学生の受け入れについても検討するという。  同大は昭和62年に3年制の筑波技術短大として開設。平成17年には4年制の筑波技術大を併設。4年制大の1期生が卒業するのに合わせて大学院開設の準備を進めていた。 "[he-forum 14252] 山梨日日新聞5/9 山梨日日新聞2009年5月9日付 自主財源確保が課題 都留文大法人化1ヵ月 助成金得られる研究奨励  4月に都留文科大が公立大学法人に移行してから1カ月。法人化で大学の裁量権が拡大した一方で、一層の自助努力が求められるなど経営責任も明確化。これまで歳入を支えてきた市交付金も削減される可能性があり、自主財源確保が大きな課題となっている。大学は魅力ある研究テーマを拡充することで、学生や国の研究助成金獲得を目指すが、効果は未知数。「自立経営」への道筋はまだ見えていない。 ▼赤字の可能性も  「スピード感ある経営を展開し、地域に根ざした大学をつくり上げたい」。4月1日に開かれた法人化記念式典。西室陽一理事長はあいさつの中で意思決定の迅速化を繰り返し要求し、大学職員に意識改革を訴えた。  4月1日から公立大学法人に移行した都留文科大。法人化により予算編成や人事などで市の関与が低くなり、大学運営の自主性が高まった。一方で、中期目標を策定し、定期的にチェックするなど今まで以上に経営面での努力が求められるようになった。  さらに、経営面で重くのしかかるのが歳入の3割を占める運営費交付金の削減だ。市は来年度以降も当面、運営費交付金を減額しない意向だが、原資となる地方交付税は年々減少。交付税算定の根拠となる大学生1人当たりの単位費用はピーク時に比べ、4割近く減っており、「数年後に赤字決算に陥る可能性もある」(市の財政担当者)。  こうした状況の中、大学は中期計画(2009-15年度)で教員就職者を07年度の138人から4割増の200人とする数値目標を設定。民間企業も含めた就職率も80・1%から85%まで引き上げる。  大学のPRを目的とした高校訪問も300校から400校に増やし、少子化で大学全入時代と言われる中、「就職に強い大学」をアピール。入学生を確保することで、授業料収入の維持、拡大を図る考えだ。 ▼迅速な意思決定  また、外部資金を獲得できる研究を奨励するため、これまでは研究者に一律支給していた研究費にインセンティブ(誘因)を導入することを検討。審査委員会が「魅力ある研究」と認めれば、研究費を上乗せする。大学総務課は「優良な研究を全国に発信し、国の研究助成金などの獲得につなげる」と強調する。  ただ、民間企業との共同研究で特許取得も見込めるなど、比較的、外部資金の獲得が容易な理系大と比べ、文系の都留文大では「大幅な自主財源増は見込めない」(大学総務課)のも実情。「当面は小さな取り組みの積み重ねで、外部資金の獲得を進めていくしかない」という。  大学運営の自由度が増した一方で、より経営の自立性が求められている都留文科大。西室理事長は「学生の確保など競争が厳しくなる中、従来通りのやり方では生き残れない。意思決定を迅速に行い、時代の流れにマッチした大学づくりを進める必要がある」と話している。 "[he-forum 14253] 共同通信5/12 共同通信2009年5月12日7時41分 国立大法人化「研究に支障」 研究教育費用の削減で  自律的運営に向け大学ごとに独立した法人格を付与する2004年度の国立大法人化の影響について、国公立大の教員の54%が研究教育費用が削減され、研究に支障があると回答していたことが12日、全国大学高専教職員組合(全大教)の調査で分かった。  人員削減の影響で担当する授業の負担が「かなり増えた」「激増した」は合わせて3分の1に上り、研究時間が圧迫されているなどと訴えた。  調査は昨年5-10月に実施し、66の大学や研究所の教員約5700人が回答した。  教育研究費と研究への影響について「費用は減ったが、支障はない」が19%、「大きな変化はない」は16%だった。  法人化の主な問題点(複数回答)としては「多忙化、ゆとりがない」が67%、「多忙化による教員の連帯意識の希薄化」が41%など。 "[he-forum 14254] 京都新聞5/12 京都新聞2009年5月12日付 国立大初 京大、関経連に入会 阪大、神戸大も 産学連携強化へ  京都大、大阪大、神戸大は11日、関西経済連合会に国立大として初めて入会したと発表した。産学連携事業のさらなる推進に向けた企業との連携強化が狙いで、同日、大阪市内で開かれた関経連理事会で承認された。  大学の最先端の研究成果を関西の企業に広く公表して連携事業を広げるとともに、大学執行部と企業経営陣との長期的視野による戦略的な対話を進める。京大産官学連携本部の牧野圭祐本部長は「社会貢献に向け、京大から関経連と2大学に呼び掛けた。企業のトップと話し合う機会がなかなかなかったが、今後はじっくりと話したい」とし、関経連は「関西経済界に新たな活力が生み出せることが期待される」(秘書広報部)としている。  関経連にはこれまで、立命館、関西大、関西学院大、早稲田大、慶應義塾など11大学・学校法人が入会している。 "[he-forum 14255] 時事通信5/12 時事通信2009年5月12日15時14分 東大3位、京大5位=トップは香港大-アジアの大学ランク 【ロンドン12日時事】英教育・就職情報会社QSは12日、アジアの大学を教育環境などさまざまな観点で評価したランキングを発表、香港大がトップの座を獲得、3位に東京大が選出された。京都大(5位)、大阪大(6位)、東京工業大(9位)も高い評価を受け、日本勢は上位10位(11校)内で4校を占めた。  同社は毎年、英紙タイムズと共同で、世界の大学ランキングを発表していることで知られ、今回QS社単独で、初めてアジア版をまとめた。同社などが発表した2008年の世界の大学ランキングでは、東大が19位で香港大は26位だったが、同社では順位の逆転について「地域の特性などを考慮しており、分析の手法は異なる」と説明している。 "[he-forum 14256] 共同通信5/11 共同通信2009年5月11日20時36分 京都で「フリーターに職を」 産・官・学が協力  地元の中小企業向けに即戦力の労働者を育成、供給しようと、京都府と京都市などは11日、府の基金を利用した「京都未来を担う人づくり推進事業」を始める、と発表した。  京都商工会議所、約50大学で組織する「大学コンソーシアム京都」も参加。山田啓二知事は記者会見で「20代-30代半ばのフリーターや離職者を対象に考えている」と話した。府によると産・官・学が連携して雇用創出に取り組むのは全国初という。  府と市が設立する「サポートセンター」が6月22日から対象者を公募。7月から面接などで約100人を選考し、9月から臨時雇用する。  約100人はその後、ものづくり、IT、経営、会計、医療福祉などの分野に分かれ、京都大などで講座を受講。地元企業で研修するほか、行政の仲介で企業とのマッチングを通じ、来年3月の就業を目指す。  府は2009年度に緊急雇用対策基金の3億円を予算計上している。 "[he-forum 14257] 京都新聞5/12(2) 京都新聞2009年5月12日付 産学公連携、中小向け人材育成へ 京都府などが推進事業  京都府と京都市、京都商工会議所、京都大などは11日、産学公連携で若い離職者や非正規労働者を中小企業向けの人材に育てる「京都未来を担う人づくり推進事業」の実施計画を発表した。府と市が近く設立するサポートセンターが本年度から3年間、毎年100人を公募のうえで雇用し、一般企業の初任給程度の給与を支払いながら高度な職業訓練サービスを提供する。  景気悪化による若年者の雇用不安の緩和とともに企業が求める技能を持つ人材を地域に供給し、雇用のミスマッチ解消を図る。国の緊急経済対策を受け、府が2月に創設した府緊急雇用対策基金75億円から3億円を充てる。産学公連携の人材育成事業は全国で初めてという。  京都大をはじめ大学コンソーシアム京都に加盟する10程度の大学が人材養成の教育プログラムを開発する。経済界は協力企業の組織を設け、研修を受け入れるほか、多くの人材の採用を目指す。  対象者は20歳-30代半ばの離職者や非正規労働者、不安定な身分のまま大学などで研究を続けるポストドクター(博士研究員)を想定する。6月下旬から全国公募する。本年度の教育期間は9月から半年間。原則、年度ごとに府内企業に全員の就職を目指す。  山田啓二知事や門川大作市長、立石義雄京商会頭ら各団体のトップ5人が京都市中京区の京商で記者会見した。山田知事は「基金を使い、一過性でなく定期的な雇用につながる人づくりにチャレンジしたい」と述べた。 "[he-forum 14258] 北海道新聞5/12 北海道新聞2009年5月12日付 北大のTLO承認 他大学の技術移転も支援  北大は十一日までに、大学技術移転促進法に基づく技術移転機関(TLO)としての承認を文部科学相と経済産業相から受けた。今年四月、産学連携本部内に設けた「TLO部門」が、北大以外の道内大学も含めて特許出願や民間への技術移転業務を行う。文科省によると、国立大学法人の学内組織が他大学のTLO業務を行うケースは全国でも初めて。  同部門は、今年三月に解散した民間の技術移転機関北海道ティー・エル・オー(札幌)の機能を承継するため発足。現在は産学連携コーディネーターや事務職員ら十四人体制で、三人を北海道ティー・エル・オーから引き継いだ。今後二人のコーディネーター増員を予定している。  TLO部門では、道内大学の研究成果の特許出願や、特許利用権の民間企業への有償提供、大学発ベンチャーの支援などを行う。道内他大学の技術移転を受け持つ「広域連携室」を設置。まず、室蘭工大、北見工大、酪農学園大と技術移転業務を行うための協定を結ぶ。  近く民間企業などによる無料の会員組織を立ち上げ、特許情報の一部開示などを行う。北大にはバイオやナノテク、情報技術(IT)系で有効とされる特許もあり、権利の有償提供などで年間二千万円程度の収益を見込でいる。  TLO部門の荒磯恒久部門長は「道内大学の知財を有効活用することで、産学連携活動を地域に根付かせ、研究成果や科学技術の蓄積を北海道の地域活性化に生かしたい」と話している。 "[he-forum 14259] 下野新聞5/12 下野新聞2009年5月12日付 県商工連が宇大と協定 全商工会に窓口設置、中小企業の技術支援へ  県内三十九商工会の会員企業の技術力向上に向け、県商工会連合会(田中俊一会長)は二十日、宇都宮大(進村武男学長)と社会連携推進協定を結ぶ。全商工会に「宇都宮大学技術相談窓口」を設置。同大の地域共生研究開発センター(石井清センター長)と連携して地域の中小企業のニーズと同大の研究(シーズ)を結び付け、産学官連携や新技術開発などを推進する。  十一日の理事会で協定締結を正式決定した県商工連は、「全国では、経営相談や人材育成セミナーなどで県立広島大学と包括協定を結んでいる広島県商工会連合会に次ぐが、商工会に窓口を設けて新技術開発などで産学連携する協定としては初めて」としている。  下請けの中小企業が単独で、独自技術の開発や技術力向上に取り組むには限界がある。県商工連は中小企業診断士や法律家などの約百四十人の専門家を派遣できるようにしているが、技術系は十人ほどと少なかった。  今後は六月をめどに、全三十九商工会に窓口を設置。会員からの技術相談を受け付けた上、県商工連に連絡。同センターの産学連携コーディネーターに任命された県商工連職員が内容を検討し、橋渡しする。企業、大学側は技術提供や共同研究への道を探っていく。  相談分野は、機器開発、材料開発、情報通信、システム開発、バイオ、人間環境工学など。連携の取り組みが始まれば、会員企業の地元商工会は経営革新計画の策定支援や融資あっせんもする。県商工連は専門家派遣や販路開拓などへの支援も行う計画だ。(小林治郎) "[he-forum 14260] 書評『さらば、公立大学法人 横浜市立大学』 神沼公三郎(北大)です  先日、吉岡直人氏の労作を拝読したので、感想をお伝えします。  2009年4月16日づけでこの「he-forum」に配信された「『意見広告の会』 ニュース472」に、吉岡直人氏の著書  「さらば、公立大学法人 横浜市立大学―『改革』という名の大学破壊―」       (下田出版株式会社、2009年3月25日、2,100円[税込み]) が紹介された。また、同「ニュース472」には、一楽重雄氏による同書の書 評も掲載されている(一楽氏が不定期刊メールマガジンの『カメリア通信』 第57号[2009年3月10日]に掲載した書評)。  吉岡氏は横浜市大の「改革」のなかで、少なからぬ人たちとともに大学の 民主主義を求めて勇気に満ちた発言を繰り返し、その後ついに2008年3月、 自己判断で同大を退職した。私は吉岡氏を存じ上げないので、大変に失礼 ながらWebで検索してみたところ、吉岡氏のご専門は実験地震学、岩石力 学である。一楽氏は横浜市大の「改革」に対してやはり勇気ある主張を重ね、 今も同大で研究・教育に携わっている。  吉岡氏の労作のタイトルに惹かれ、また一楽氏の書評に共感を覚えて早 速、同書を購入し、過日の連休のある日、時間にまかせて同書を読み始め た。ところが、読み進むうちに、途中で休憩するのももどかしいほど労作にひ きこまれ、一気に読破した。おかげで連休中のいっとき、とても充実した時間 を過ごすことができた。  それからすでに10日あまりたつのに、労作から受けたショックがいまだに 脳裏に焼き付いて離れない。労作はそれほどに衝撃的な内容だった。全編 を貫いて、「行政権力のあからさまな介入によって、大学内の民主主義」が 「完膚無きまでに破壊し尽され」、「大学の自治」が「徹底的に蹂躙された」 (まえがき)ありさまが赤裸々に語られている。労作の特徴をひと言で言えば、 民主主義抑圧、新自由主義の中田横浜市政とその代理人の行政官僚(大 学の事務職員)、それらに追随する研究者群などに吉岡氏は限りない怒りを 覚えながらも、それでいて非常に多くの事実を冷静に、客観的に整理して、 読む者に横浜市大の大学破壊の実態を余すところなく伝えているのである。  横浜市大の就業規則には、「懲戒の事由」に「法人の名誉又は信用を著し く傷つけた場合」と、さらに「法人に対する誹謗中傷等によって、法人の名誉 を傷つけ」た場合が規定されている。専門家の見るところ、前者の事由もさる ことながら、後者はそれを拡大解釈すれば大学当局が教職員に対して何で もできるとのこと。そのため、これほどに詳しい事実を告発した労作を振り返 って吉岡氏は、「私も在職中にこの本を出版していたら、懲戒解雇となったか もしれない」と述べている。    行政官僚と追随研究者が示したあっと驚く言動のうち、いま次の事例を紹 介しておこう。2002年の大学戦略会議幹事会に出された「部外秘資料」には、 次の項目を含めて多数の衝撃的な内容が書かれている。幹事会で大学総務 部長がこれらを強調したという。 ○教員は商品だ。商品が運営に口だして、商品の一部を運営のために時間  を割くことは果たして教員のため、大学のためになるのか。 ○意欲のない学生はキックアウトすればいい。 ○横浜市から金をもらってこの大学が成り立っているという意識がない。 ○(大学病院について)医療の安全が優先しすぎて、経営にたいする感覚が  薄らいでいないか。 ○定員を増やせば偏差値が下がる。定員を増やすのではなく、教員を半分に  すればいい。 ○事務局が設置者権限を持っている・・・。 ○教員は横浜市に雇われているという意識がない。  さらにもう一つ。ある日、吉岡氏は何かの会合で少し酒が入ったあと、帰路 の電車で、上記総務部長の側近といわれていた企画課長と一緒になった。 企画課長も同じく少し酒が入っていた。吉岡氏が数日前の大学でのことを話 題にするや、企画課長は「いつまでガタガタ言ってんだ、この野郎!」と罵声 を浴びせてきた。「いくら酒が入っていたとは言えあまりのことに、私の酔いは すっかり覚めてしまった。しかしこれが横浜市で出世する役人の実態なのであ る。この件といい、(上記)総務部長の件といい、当時の大学を闊歩していた役 人連中の雰囲気を最も如実に表していると言えよう。」(吉岡)  この総務部長が大学に着任したのは2001年4月である。横浜市大の民主主 義否定はそのころ、あるいはその少し前から傾向が出始めていたが、2002年 4月に中田市長が誕生するや、はっきりした形であらわれるようになり、2005 年に公立大学法人に移行してますます強まった。そして、いまも続いていると いう。大学に対する自分の対応にかかわって白を黒と言いくるめる市長、行政 官僚言いなりの学長、理不尽な任期制・年俸制・教員評価、不明朗な教員人 事、秘密主義、医学部問題、・・・・・。実に多くのことが紹介されているが、個 々の事例については全国の多くの人たちが実際に労作を購読し、吉岡氏の文 章にじかに触れて理解されたらよいと思う。そのほうが、今日の大学問題を考 える運動の広がりに結びつくし、また吉岡氏を励ますことにもなる。  これらの事例を述べたあとで吉岡氏は、「これでは大学という場で最も尊重さ れなければならない自由闊達な精神、個性豊かな精神、批判的な精神は死に 絶えてしまう」と結んでいる。吉岡氏の描くこの基本的大学像が横浜市大では 無惨に蹂躙され、大学の精神が破壊されたと判断したため、吉岡氏は自主的 に退職の道を選択したのであろう。氏の専門分野の場合、大学退職は研究の 最前線から距離を置くことを意味するのではないだろうか。いずれにしても、好 きな研究からの離脱を選択した吉岡氏の無念さは察するに余りある。  横浜市大の経過は同大学に固有のものではない。全国の多くの大学で、横 浜市大ほどではなくても、類似の事態が発生していると思われる。私の所属す る大学でも、すぐにいくつかの事例を指折り数えることができる。そうした全国 的情勢を踏まえると、横浜市大の経緯を詳細に、客観的にまとめて、独自の大 学論を展開した労作の意義は非常に大きい。  繰り返しになるが、各位には労作をぜひ購読されるようおすすめしたい。冒頭 に示した「『意見広告の会』ニュース472」によると、労作を求めるには次の方法 がある。 *吉岡直人氏に直接、連絡する(吉岡直人) *あるいは紀伊国屋本店、同横浜支店(そごう)の店頭、さらには紀伊国屋書  店Book Webでも入手可能。 "[he-forum 14262] 読売新聞5/13 読売新聞2009年5月13日付 「日本の大学、さらに改革を」…OECDが報告書  経済協力開発機構(OECD)が国際化、労働市場の変化などに対応するため、日本は大学改革をさらに進めるべきだとする報告書をまとめた。英リバプール大学のハワード・ニュービー副学長ら欧米の専門家5人が、文部科学省の資料や2006年5月の訪日調査をもとに執筆した。  04年の国立大学の法人化に伴い、日本の高等教育はどう変わったか――。報告書は、この点に焦点を当てて現状を批判的に検討している。  報告書はまず、大学の自立性は高まったが、定員や授業料、学部・学科の再編については、文科省がまだ実質的な権限を維持していると分析。特に文科省が標準額を設定して授業料を抑える現行の仕組みを批判して、自由化を提案した。  その理由については、主要な国立大学には裕福な家庭の子弟が多く、卒業生の収入も多いと指摘。学科の違いや、教育にかかるコストを考慮して授業料を値上げすれば、大学は経営基盤を強化できるとしている。  授業料の値上げを提案する一方で、報告書は日本の高等教育分野での公的支出割合の低さにも着目。高等教育から貧困層を排除しないよう、奨学金の仕組みを改め、卒業後の所得に応じて返済額を決める方法を示している。  報告書によると、日本の高等教育費に占める学生本人や家族の負担割合は、OECD加盟国で最も高い60%(平均は17%)に達する。これとは対照的に、公的支出は加盟国平均が76%なのに、日本は韓国に次いで低い40%に過ぎない点が問題視された。  こうした提言に対し、文科省国際企画室の氷見谷直紀室長は、「国立大には将来、国のために働く人材を養成するという側面がある。単純な受益者負担の考えはなじまない」と反論。従来通り、授業料の抑制で教育の機会均等を実現するべきだと主張している。  世界の高等教育システムに詳しい熊本大学の大森不二雄教授は「海外では日本の大学の存在感が薄いのは事実。今回の報告書は、どうしたら世界の大学と肩を並べて競うような活力を得られるのか、考える手がかりになる」と話している。  報告書の日本語版は年内に明石書店から出版される予定。 (滝田恭子) "[he-forum 14261] 毎日新聞5/13 毎日新聞2009年5月13日付 少子化対策PT:第7回/教育費の負担重い日本 大学の学費は家計の53%に  少子化問題に取り組む「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム(PT)」(主宰・小渕優子少子化対策担当相)の第7回会合が12日、内閣府で開かれた。「学校教育」をテーマに、現状と問題を議論し、将来施策への提言を話し合った。  PTメンバーは、NPOファザーリング・ジャパン代表理事の安藤哲也さん、経済評論家の勝間和代さん、第一生命経済研究所主任研究員の松田茂樹さん、日本テレビ解説委員の宮島香澄さん、東京大学社会科学研究所教授の佐藤博樹さん。このほか有識者として、学校選択制など新しい取り組みを次々に進める東京都品川区教育委員会の若月秀夫教育長、教育費に詳しい東京大総合教育研究センターの小林雅之教授を迎えた。  若月さんは、公立学校に通う小中学生の教育費は、塾の費用を除いても1人当たり年間約40万円で、10年前から3割増加していると報告。国の就学援助が縮小傾向にあり、「高齢者と比べ、子どもや若者への財政支出ははるかに手薄。家庭の負担感は増している」と訴えた。品川区では3割の児童が公立中学校へ進学をせず、家計への負担が大きい私立中学校に流れているという危機感から学校選択制を導入した経緯を語った。  教育費の分析や諸外国との比較をしている小林さんは「少子化の原因の一つは重い教育費の家計負担にある」と指摘した。日本では大学など高等教育費の負担が重く、家計に占める割合は53%と世界一だったという。さらに成績上位生徒の場合、親が低所得でもあっても、家計から無理をして教育費をねん出している実態が明らかにされた。小林さんは奨学金制度について触れ、現状では規模や変換方法などに課題が少なくなく、授業料とセットの改革▽所得連動型ローンや教育減税などの施策▽一人ひとりに応じたきめ細かな対応--が必要で、「親子とも教育費や奨学金に関する知識や活用力をつけ、人生設計に生かせるよう啓発するべきだ」と提言した。  小渕担当相は「半分は大臣として、半分は子どもの親として聞いていたが、教育費については頭が痛いなあと思った」と漏らした。また「昔の人は『金がなくても子は生まれ育つ』と言うけれども、今の子どもや若者が抱える問題は確かにあり、学力や経済の『負の連鎖』も明らか。国として予算配分をしていかなければならない」と語った。少子化対策PT関連では、20日に大学生との討論会「アラハタ世代と考える恋愛、結婚、仕事、出産、子育て」、26日には「家庭・地域・まちづくり」をテーマに第8回会合が行われる。【浜田和子】 "[he-forum 14263] 沖縄タイムス5/14 沖縄タイムス2009年5月14日付 琉大説明に異論噴出/外国語授業減 学生ら「多くが困る」  琉球大学は13日、今春入学生から実施している外国語の講義数を大幅に減らす新カリキュラムについての説明会を開いた。大学側は「改革」の理由として、学生アンケートで大学の語学教育で力が身に付いていると感じている学生が少ないことや、非常勤講師の依存率が高いことを挙げた。一方、参加した高校教員や学生からは「授業を減らしてどう力を付けるのか」「勉強していても自己評価が低いのは当然」などの異論が上がった。  説明会には、保護者も含め約70人が参加。新カリキュラム実施後の説明会開催に、開始当初から学生や教員から「説明を聞いても意味がない」「何のための説明会か分からない」との声が上がり、紛糾した。  同大大学教育センターの津波高志センター長は学生アンケートについて、「8割以上の学生が身に付いていないと感じている。他大学との比較はしていないが、琉大としては問題だ」と強調。非常勤講師の依存率に関しては「約7割と全国的に見て高い。必修授業数は減らしたが、4年間継続して学べる形にした。改革は間違っていない」と話した。  新里里春副学長は「単位の実質化」として、登録上限を20単位とした経緯などを説明。「4年間で160単位取れる計算。学生の学習上問題はないと考える」とした。  参加した法文学部の学生は「授業が取りにくいなど、多くの学生が困っている。大学は学生のことを考えていない」と肩を落とした。  県立高校の男性教員は「説明が理解できなかった上、中間テストの時期で、参加できない教員がほとんど。アリバイ的にやっていると感じた」と話した。 "[he-forum 14264] 琉球新報5/14 琉球新報2009年5月14日付 語学半減に批判続出 琉大がカリキュラム説明  琉球大学(岩政輝男学長)は13日、本年度入学生から導入された共通教育新カリキュラムについての説明会を開いた。大学教員や学生ら80人が参加し、同カリキュラムで語学の授業数が半分に減らされたことなどについて批判が相次いだ。  説明会では同大学の津波高志大学教育センター長が従来の共通教育について(1)卒業生アンケートで8割以上が『語学力が身に付かなかった』と回答した(2)外国語科目で非常勤講師への依存度が全国他大学と比べて高い―と2点の問題点を挙げ「新カリキュラムでは各学部の専攻科目に語学教育を分散し、効果的に学べるようにした」と述べた。新里里春副学長は、語学の授業数を減らした経緯について「外部評価で非常勤講師削減などについて意見があった」などと説明し、理解を求めた。  新カリキュラムでは語学の単位数が従来の1コマ1単位から2単位に倍増した。そのため、従来の半分の授業数でこれまでと同じ単位が取れる。  大学は授業数半減について「学生の意欲に応じて、より多く履修することができるため、教育の質は維持される」としているが、半期で取得できる単位数の上限が20単位とされているため、各学部では希望通りに履修できない1年生が続出し、反発が高まっている。  説明会は県内高校の進路指導担当者らを主な対象者として開かれたが、大学外部の教育関係者の参加はわずか8人だった。 "[he-forum 14265] 信濃毎日新聞社説5/13 信濃毎日新聞社説2009年5月13日付 宇宙基本計画 軍事利用が心配になる  日本が宇宙の軍事利用に本格参入する展開にならないか、不安が募る事態である。  政府の宇宙開発戦略本部がこのほどまとめた「宇宙基本計画」の原案に、他国による弾道ミサイル発射を検知する早期警戒衛星のセンサーなど、安全保障分野での活用を目的とする研究が重要な柱として位置付けられた。  原案は、昨年5月に成立した宇宙基本法に基づくもので、日本の宇宙利用に関する施策を示す。防衛ばかりでなく、天文学や気象、宇宙産業など、幅広い利用目的が盛られている。  あれもこれもという総花的な内容で、予算の裏付けもなく、実現性が疑われる面も否めない。  ただ、心配な問題がある。  日本は1969年の国会決議で、宇宙利用は「平和目的に限る」とした。ところが中国やインドなどの新興国も含め、各国が宇宙開発にしのぎを削る時代となり、政府は方針を転換。宇宙基本法では専守防衛の範囲内で軍事利用を認めることにした。  北朝鮮によるミサイル発射で、自民党内部に、北朝鮮に対する抑止力として軍事的な対抗手段を持つべきだとする声が高まっているときでもある。政府や政治家がこのような状況を利用し、平和目的よりも軍事利用を優先させる動きにならないか、注意が要る。  同法に基づき、昨年夏に首相を本部長とする宇宙開発戦略本部を発足させ、宇宙基本計画の取りまとめ作業に入った。あまりにも性急な動きである。  重大な方針転換にもかかわらず、宇宙基本法の実質的な審議時間はわずか4時間だった。軍事利用にどう歯止めをかけるかなど、突っ込んだ論議もないまま国会決議がなし崩しにされた。  宇宙開発利用は、憲法の平和主義の理念にのっとる-。同法はこううたってはいるものの、自衛隊を海外に派遣した時のように、政府が都合よく解釈し、運用する心配がぬぐえない。実際、浜田靖一防衛相は警戒衛星の保有に前向きな姿勢を示している。  民生用の衛星と違って、安全保障にかかわる衛星は国際入札の例外とされている。日本にも軍産複合体が出来上がったり、軍事技術の開発に民間の研究者が従事させられたりする懸念もある。  宇宙基本計画は今月末にも戦略本部が正式に決定する見通しだ。拙速に事を進めるようでは国民の理解は得られない。計画がはらむ問題について、国会での議論をあらためて求める。 "[he-forum 14266] しんぶん赤旗5/9 しんぶん赤旗2009年5月9日付 宇宙基本計画案 研究制約する“軍事の網” 防衛省との連携迫る  政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生太郎首相)が四月末に発表した、宇宙基本計画案。有人宇宙活動、天文衛星や惑星探査機など華々しい計画の裏で、自衛隊による軍事衛星の活用を初めて国家戦略として位置づける危険な内容です。同時に、これまで軍事とは無関係だった研究の分野にまで防衛省との連携を迫り、軍事機密の網で自由な研究活動を脅かしかねない重大な問題をはらんでいます。 --------------------------------------------------------------------------------  「我が国における宇宙の開発及び利用に係る諸活動は、平和の目的に限り、かつ、自主、民主、公開、国際協力の原則の下にこれを行うこと」。日本の宇宙開発利用の原点ともいえる国会決議です(一九六九年、参院特別委員会)。 「平和目的」脱落  ところが、今回の計画案では「平和の目的に限り」がすっぽり抜け落ちているばかりか、「自主、民主、公開、国際協力の原則を尊重しつつ推進する」と明記されたのは、陸域・海域観測や気象、通信、有人宇宙活動といった九つの分野のうち、天文衛星などの「宇宙科学」分野のみ。しかもあくまで「尊重」という位置づけです。他の八分野には、原則は明記されていません。  一方で計画案は、画像衛星の研究開発について「安全保障上のデータ管理」が必要だとして、撮影や画像配布を規制するルールを要求。また、民生技術を防衛分野で積極的に活用するための「関係機関間の連携」の必要性をあげています。 学術交流を敵視  基本計画の策定作業と並行して、防衛省も宇宙利用の検討を進めてきました。そのなかで、資源探査衛星の光学センサー(検出器)の防衛用途への応用や、民生・学術分野の技術をもつ研究機関との「協力関係の構築」をうたっています。  もともと、軍事技術と研究の自由とは相いれないものです。宇宙基本法を推進した自民党は「わが国においては、平和利用決議の下で、特段の注意を払うことなく積極的な学術交流を行っているが、諸外国に見られるような厳格な技術管理がなされているとは言いがたい」(二〇〇六年の宇宙開発特別委員会報告書)と、自由な学術交流を敵視。同法に「情報の適切な管理」が盛り込まれた経緯があります。 JAXA移管も  一方、日本の宇宙開発を担う宇宙航空研究開発機構(JAXA)の立川敬二理事長は四月の国会で、軍事研究を引き受ける可能性を問われ「事案ごとに具体的な話があれば政府と相談して確定したい」と述べ、容認の姿勢を示しました。(日本共産党の吉井英勝衆院議員への答弁)  政府は、JAXAの所管を学術研究中心の文部科学省から切り離し、内閣府に移管することも狙っています。研究の自由を制約する計画案の先には、科学者を軍事研究に動員する意図があることは明白です。(中村秀生)  宇宙基本法と宇宙基本計画 宇宙基本法は、宇宙の軍事利用に公然と道を開く狙いで、昨年、自民・公明・民主の各党が強行した法律。同法にもとづいて現在、政府は今後の宇宙開発利用の指針となる宇宙基本計画の策定作業を進めています。同計画案への国民の意見を五月十八日まで募り、同月下旬に正式決定される予定です。 "[he-forum 14267] 夏季ボーナス切り下げ問題の情報交換を 全国のみなさんへ 5月1日に、夏季ボーナス切り下げを内容とする人事院勧告が出されました。 茨城大学では、人事院勧告に沿った夏季ボーナス切り下げを提案してくる模様です。 大学から団体交渉開催の申し入れがありました。 こうしたなかで、茨城大学教職員組合は、全教職員の夏季ボーナス切り下げ反対 署名に取り組んでいます。 もちろん、国立大学法人の労働関係に、人事院勧告と国家公務員関係法は適用 されません。 したがって、人事院勧告に準拠する夏季ボーナスの引き下げは、不当であり、違法 です。 とはいっても、全国の学長・役員会は、これまでの経過からすると、強引に夏季ボーナ スの切り下げを実施してくるでしょう。 全国の大学では、どのような動きとなっていますか? このメーリングリストで情報を提供していただけませんか? 2009.5.14  茨城大学教職員組合 ==================== 茨城大学教職員組合  〒310-0056 茨城県水戸市文京2-1-1    Phone/Fax:029-228-3060(内5014)    e-mail:ibakyo@bd.wakwak.com URL:http://www.ibakyo.or.jp/ ==================== "[he-forum 14268] Re: [he-forum 14267] 夏季ボーナス切り下げ問題の情報交換を 茨城大学教職員組合さま 全国のみなさま  広島大学教職員組合の小笠原です。昨日、広島大学でも組合に対 し文書で申し入れがありました。  削減内容もやり方も人事院臨時勧告にそろえた対応の提案で、5 月中の団体交渉と労働者代表への意見聴取手続をとりたいと申し入 れがありました(6月1日が基準日であるため)。  労使間の実質的なやりとりを想定できない内容と日程ですし、継 続中の交渉課題もその分先送りになります。単なるボーナス削減の 協力をお願いされてもできませんし、茨城大教職員組合さんのご指 摘どおり違法行為であるとも思われます。   上記申入れに際し、以下の資料提示がありました。  (1)人事院勧告の概要(人事院作成)  (2)人事院勧告の骨子  (3)総務大臣談話  (4)内閣官房長官談話  (5)「独立行政法人における期末手当・勤勉手当等の取扱につ いて」(平成21年5月8日付け、総務省行政管理 局長から各府省官房長官あての事務連絡)  (6)「公明党行政改革推進本部・総務部会による緊急申し入れ について」(平成21年5月13日付け、総務省行政 管理局独立行政法人総括から各府省独立行政法人担当者あての事務 連絡)等  最後の(6)は公明党が「独立行政法人や特殊法人等について も」「適切な措置」を求めたことが書かれているもので、公明新聞 (5/13・1面)のコピーも添付されています。    これらの資料の中に「国立大学法人でも適切な措置をとるよう」 明記はされていないのですが、おそらく文科省の担当部署からこれ ら資料添付と共に各国立大学法人への「要請」があったのではない かと予想されます。的はずれでしたらご指摘ください。  組合の取り組みとしては、組合員と大学構成員に広く知らせるた め、メール配信や、広報誌、ポスター掲示に取りかかっています。 署名運動も参考にしたいと思います。 他大学の情報もご紹介頂ければと思います。 --------------------------- 広島大学教職員組合書記局 直通:082(422)7556 内線:5390 union@hiroshima-u.ac.jp --------------------------- On 2009/05/14, at 14:44, ibakyo wrote: > 全国のみなさんへ > > > 5月1日に、夏季ボーナス切り下げを内容とする人事院勧告が出 > されました。 > 茨城大学では、人事院勧告に沿った夏季ボーナス切り下げを提案 > してくる模様です。 > 大学から団体交渉開催の申し入れがありました。 > > こうしたなかで、茨城大学教職員組合は、全教職員の夏季ボーナ > ス切り下げ反対 > 署名に取り組んでいます。 > もちろん、国立大学法人の労働関係に、人事院勧告と国家公務員 > 関係法は適用 > されません。 > したがって、人事院勧告に準拠する夏季ボーナスの引き下げは、 > 不当であり、違法 > です。 > とはいっても、全国の学長・役員会は、これまでの経過からする > と、強引に夏季ボーナ > スの切り下げを実施してくるでしょう。 > > 全国の大学では、どのような動きとなっていますか? > このメーリングリストで情報を提供していただけませんか? > > > 2009.5.14  茨城大学教職員組合 > > > ==================== > 茨城大学教職員組合 > >  〒310-0056 茨城県水戸市文京2-1-1 >    Phone/Fax:029-228-3060(内5014) >    e-mail:ibakyo@bd.wakwak.com > URL:http://www.ibakyo.or.jp/ > ==================== > hi-net.or.jp","SMTP","広島大学教職員組合書記局","ogasawara@hiroshima-u.ac.jp","SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 14269] 北海道新聞5/15 北海道新聞2009年5月15日付 室蘭工大、東京都市大と連携拡大 航空宇宙や交流講義も  室蘭工大は、包括連携協定を結ぶ東京都市大(旧武蔵工大)との研究や大学運営などにおける連携を本年度、拡大する。都市大が開発した水素バスの走行試験を秋に室蘭で計画、共同研究分野は航空宇宙工学などにも広げ、双方の教員が出向く集中講義も行う。職員交流などを通じ私大の運営手法も採り入れる考えだ。(東野純也)  連携拡大は昨年度、文部科学省の戦略的大学連携支援事業に選ばれたのに伴う措置。新エネルギーとして期待される水素の研究協力をはじめ、幅広い連携に財政支援を三年間受ける。取り組みは本年度から本格化する。  検討を進めていた水素バスの走行試験は十月ごろから約一カ月を予定。バスは約二十人乗りで、市の公用車に代えて使用する計画。試乗会などのPR活動も検討している。  共同研究の分野は、航空宇宙工学の発電システム開発、原子力分野の材料研究のほか、生体工学や超電導など水素以外にも広げる。  教育面では、教員相互訪問による集中講義を大学院の十科目ほどで行う。学習プログラム開発も目指し、本年度は物理のテキストを共同制作。本年度実施の大学院入試からは互いの学生が進学できる特別推薦枠を設ける。希望があれば相手の大学の海外研修などにも参加できるようにする予定。男女共同参画など社会的テーマでの講演共催も目指す。  運営面では昨年度に事務職員二人を二週間交流させたが、本年度も期間や人数を拡大して継続する。入試や広報のノウハウも交換し、室工大としては少人数で運営する私大の手法を、効率化が求められる国立大運営に生かしたい考えだ。  両大でつくる連携推進委員会の岸徳光・室工大教授は「研究から学生教育まで、すべての面で双方がメリットを得られるようにしたい」と話している。 "[he-forum 14270] 毎日新聞大阪5/15 毎日新聞大阪版2009年5月15日付 大阪大:ナノテク産学連携に施設 来年度開設へ  次世代の基幹技術として期待され、競争が激化しているナノテクノロジー(超微細技術)の産業化を支援するため、大阪大学は10年度、産業界との連携拠点「ナノテクインキュベーション棟」を開設する。関西の中小企業が入居し、大学の研究者との共同研究や先端機器の利用が可能になる。阪大は「大学と中小企業の研究成果を融合させることで、関西圏のナノテク関連産業の振興につながる」と期待している。  ナノテクノロジーは物質を10億分の1メートルの世界で扱う技術の総称で、電子部品や医療機器などへの応用が期待されている。  施設を設けるのは阪大産業科学研究所(産研、茨木市)。産研の研究部門が入るほか、24室の研究室を設け、1カ月18万円程度の賃料で企業に貸し出す。入居企業は、産研や他企業の研究者との情報交換や線形加速器などの先端機器の利用ができるため、製品開発の効率が高まることが期待される。産研の山口明人所長は「特許出願などもサポートしたい」と話している。【高野聡】 "[he-forum 14271] 「宇宙基本計画案」への意見募集が明日18日まで 佐賀大学の豊島です. 「宇宙基本計画(案)」というのがいわゆる「パブリックコメント」を募集しています.相当長大な文書であるにもかかわらず,募集期間が4月28日~5月18日のわずか3週間弱というひどいもので,アリバイ作りとしか言えません.しかし出来るだけ反応すべきだと思います. 首相官邸,「宇宙基本計画(案)」意見募集のページ http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/pc/090428/090428pc.html 特にこの問題は「科学技術の分野そのもの」と言っていいので,大学関係者の責任は大きいと思います.やはり中心的な問題は,ミサイル発射を探知する「早期警戒衛星」という形で,宇宙の軍事利用に公然と踏み出すことにあるでしょう.ほかにも多くの問題がありそうです. 何しろ明日までなので,じっくり検討する暇はないと思います.斜め読みで十分と思います.そのため,パソコンで語句検索しやすいように,改行にともなう空白文字を削除したファイルを作りました.特定のキーワートの出現頻度を調べるだけでもこの文書の性格が分かります. http://ad9.org/p9net/keikakuan-noCR.doc 私も,この軍事利用の一点だけに絞って文章をまとめて見ました.推敲の上明日中に提出するつもりです. (間もなくゲラをブログに上げます.)  http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/ この案をまとめた会議の座長は,社会・経済・外交の問題でTVでよく発言する寺島実郎氏です.有名人では漫画家の松本零士氏も. メンバー一覧 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/pdf/1.pdf 豊島耕一 http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 hi-net.or.jp","SMTP","toyosima@ta2.so-net.ne.jp;toyo@cc.saga-u.ac.jp","toyosima@ta2.so-net.ne.jp;toyo@cc.saga-u.ac.jp","SMTP;SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 14272] 憲法9条 守る?変える?全国投票 岡山大学元教員の野田隆三郎です。 憲法記念日を前に、去る4月27日昼休み、 岡山大学生協前で憲法9条改定の賛否を問う 学生シール投票を行いました。  結果は          岡山大学         全国80箇所   憲法9条を守る   171 (64%)     13420 (81%)          変える   53 (20%)      1582 (10%)      わからない   43 (16%)       1548 (9%)       計      267            16550  でした。(左側) この投票は4月19日~5月9日の期間、 全国27都道府県の80箇所で行った    憲法9条 守る?変える?全国投票 の一環として実施したものです。  投票の様子は全国各地の新聞で取り上げ られました。        http://qzth.exblog.jp/  投票結果は新聞記事を添えて、近くすべての 国会議員に届けます。 -------------------------------------- Power up the Internet with Yahoo! Toolbar. http://pr.mail.yahoo.co.jp/toolbar/ "[he-forum 14273] 5/18しんぶん赤旗 2009年5月18日(月)「しんぶん赤旗」 国立大“交付金削減もう限界” 人員・研究費減で教員にストレス…党国会議員団調査  「運営費交付金の削減がつづくのは大変苦しい。人文系学問が切り捨 てられている」「これ以上削減がつづけば教育系大学から倒れてい く」。石井郁子副委員長・衆院議員など日本共産党国会議員団がおこ なっている大学実態調査で、学長との懇談の席上、大学運営に責任をお う立場からだされた切実な訴えです。  国立大学が法人化されて五年たちました。「法人化前の公費投入額を 十分に確保する」とした国会決議(〇三年五月)にもかかわらず、大学 の基盤的経費である運営費交付金は毎年1%削減され、五年間で七百二 十億円も減っています。  今回、国会議員団が訪れた東京学芸大、東京外国語大、九州大、福岡 教育大でも、教育・研究現場の深刻な実態が明らかになりまし た。その特徴を紹介します。  その一つは、人件費削減によって教職員数が減少し、必要な授業を維 持することさえ困難になっていることです。東京学芸大では、附属学校 を除いて教員の一割にあたる三十人の教員が減り、その穴埋めに他の教 員の授業負担を増やすとか、任期制の特任教員や非常勤講師で補ってい るといいます。教員定数をふやすなどとてもできません。鷲山恭彦学長 は、「これだけ人員を減らす一方で成果をあげろというのは矛盾してい る」とのべ、国への批判を隠しませんでした。いずれの大学でも人員削 減は限界にきています。  もう一つは、教員一人あたりの研究費が減少し、その面でも困難がう まれていることです。東京外国語大では、一人あたり年間三十万円しか なく、その中から世界の雑誌など専門誌を購入すると残るのは半分で す。これで授業に必要な経費や研究旅費などをすべて賄わねばなりませ ん。新しいコンピューターも買えないといいます。 自由な研究不可能  こうしたなかで、必要な研究費を確保するには、国などの審査によっ て配分される「競争的資金」の獲得に挑戦しなければなりません。大学 院の専攻ごとに数億円規模で配分される大型の研究資金(「グローバル COE」など)や、研究者ごとに配分される科学研究費補助金などがあ ります。  しかし、グローバルCOEは国公私立三十数大学に重点配分されるだ けであり、科学研究費補助金も申請数に対して採択されるのは二十三% (〇八年度)にしかなりません。教育系大学の場合は、こうした資金を うける機会は少ないのが実態です。  しかも、競争的資金の申請作業のために教員が多くの時間を割かれ、 授業負担の増加などと合わせて、ゆとりをもった自由な研究ができない といいます。東京外国語大の亀山郁夫学長は、「教員に大変なストレス をうんでいる。プロジェクトにおわれるのでなく、じっくりと教育研究 にとりくめないといけない」と、強く訴えました。  いずれの学長の発言からも伝わってくるのは、それぞれの大学が果た している役割への誇りであり、これを守ろうとする使命感です。教育系 大学は地方の教育界にすぐれた人材を送り出す責任をおっています。外 国語大学は世界の多様な言語や文化についての教育・研究をつうじて、 社会の進歩に寄与しています。国立大学がこうした役割をひきつづきは たすために、予算削減のなかでぎりぎりの努力を強いられているのです。 大本に「構造改革」  石井議員は、四月八日の衆院文部科学委員会で質問にたち、これまで の調査で明らかになった実態や学長の切実な訴えなどを紹介しながら、 政府に運営費交付金の1%削減の中止を求めました。しかし、塩谷立文 部科学大臣は「今の状況あるいは御指摘を踏まえて検討していきたい」 と答弁するにとどまりました。  運営費交付金の削減で国立大学が陥っている深刻な実態を社会に告発 し、その大本にある「構造改革」路線からの転換を求める世論と運動を さらにひろげることが必要になっています。(改正 充 党学術・文化 委員会事務局次長) "[he-forum 14274] 山形新聞5/13 山形新聞2009年5月13日付 有機エレクトロニクス拠点へ協力要請 山形大学長が県知事に  山形大の結城章夫学長が12日、県庁を訪れ、吉村美栄子知事に有機エレクトロニクスの世界的な研究拠点づくりを目指す同大の構想を説明し、協力を求めた。  山形大は有機EL(自発光素子)をはじめ、有機太陽電池や有機トランジスタなど有機エレクトロニクスの研究棟を設置するとともに、国内外から優秀な研究者を集め、世界に通用する研究拠点をつくる構想を進めている。  この中で、国内外のノーベル賞級の研究者を集めるため科学技術振興機構の新制度への申請を検討しており、申請の前提となる県との連携を依頼した。  吉村知事との懇談後、取材に応じた結城学長は「即答はなかったが、検討いただけると期待している」と話した。県との合意が得られれば、6月にも申請を行う。 "[he-forum 14275] 朝日新聞5/16 朝日新聞2009年5月16日付 大学への予算配分に成果主義 財務省、研究実績など重視  財務省は、大学への予算配分の際、学生や教員数などの「規模優先」を改め、学生の学力向上や研究業績などの結果を重視する方向で検討に入った。学生の学力低下や定員割れ大学の急増への危機感から、成果主義の拡大を図る。大学の統廃合などの再編や定員の削減も求める方針だ。  財務相の諮問機関の財政制度等審議会(西室泰三会長)に15日報告した。財政審も基本的に同意し、予算編成の方向を示す「建議」に盛り込まれる見通しだ。  財務省によると、08年度は全国の私立大学の47%で定員割れが起きた。少子化の影響で、98年の8%、03年度の28%から急増している。  また国公立大学を含め、推薦やAO入試が増えたこともあり、大学生の学力低下が指摘されている。35大学で調査したところ、国立大の6%、私立大の20%の学生の英語、国語、数学の基礎学力が中学生レベル以下だったという。  財務省は今後、文部科学省や各大学に、入試のあり方の見直しのほか、大学数や入学定員を少子化に見合う規模に縮小するよう求める。また、大学や学部、研究ごとに厳格な目標を設定し、成果に応じた予算配分を目指す。「基礎的運営費」などすべての大学に交付してきた予算は比率を下げる考えだ。(山口博敬) "[he-forum 14276] RE:夏季ボーナス切り下げ問題の情報交換を(東京海洋大学) 茨城大学教職員組合さま 全国のみなさま 東京海洋大学越中島職員組合の岩崎と申します。 本学では一昨日、学内三つの労働組合(東京海洋大学品川職員組合、 東京海洋大学越中島職員組合、国立大学練習船労働組合)と 過半数組合が成立していない品川事業場の過半数代表者に対して、 大学側から人事院勧告に準拠して0.2ヶ月分のボーナスカットを 実施したいとの提示があり、意見照会と「説明会」開催についての 申し入れがありました。 少なくとも陸上職の二つの組合と過半数代表者については、合同で 団体交渉に臨む方向で調整中です。 交渉では、年度途中でボーナスカットを実施する「経営上の必要性」 (カット分の予算の使途を含む)が見えないこと、仮に経営上やむを 得ないとしても、一律の給与カットは納得できないことなどの点を 追及していきたいと考えているところです。 ちなみに、先日(15日)品川職員組合と越中島職員組合の執行部で 別件で学長と面会する機会があったのですが、その際に学長は 13日の公明党の申し入れによる影響を口にしておりました。 広島大学の小笠原さんが指摘されている、文部科学省から各大学への 「要請」の存在を裏付ける一事実として、報告いたします。 今後とも各大学の情勢をメーリングリスト上で情報交換できれば 幸いに存じます。どうぞよろしくお願いします。 "[he-forum 14277] 中国新聞5/20 中国新聞2009年5月20日付 広島大が研究費不正で陳謝  広島大は19日、公的研究費の不正使用について記者会見し、3655万円の不正を認めた上で、教員と業者による物品架空発注の監視体制を強める方針を示した。研究費交付元は同日、ペナルティー措置を表明し、大学財政への影響も出始めた。  東広島市のキャンパスで、財務・総務担当の河本朝光理事は「社会的信用を損ない深くおわびします」と陳謝し、山根八洲男副学長とともに頭を下げた。  不正があったのは2003―07年度で、関与した教員は大学院の4研究科と原爆放射線医科学研究所の11人。内訳は、医歯薬学総合研究科が最多の約2700万円で、教員は5人に上った。原医研と工学、生物圏科学、総合科学研究科は約490―20万円。私的流用はなかったという。  教員の架空発注に応じ、代金をプールした取引業者は8社で、納品書とは別のパソコンや試薬などを卸した。  大学は同日、広島大を離れている4人を除く7人の教授と准教授の処分審査会を設置。再発防止策として既に、物品納入を現場で確認する職員を37人配置。教職員の意識啓発を進め、会計監査人の指導も依頼する。  研究費交付元の一部も同日、対応を表明。広島県は2006年度に交付した「ひろしま産業創生補助金」のうち、不正使用された約20万円の返還を要請した。 "[he-forum 14278] 日刊工業新聞5/20 日刊工業新聞2009年5月20日付 神戸大、兵庫・加西市と包括協定-農・人文分野で共同研究  【神戸】神戸大学は19日、兵庫県加西市と文化、教育、学術分野での連携、協力を進める包括協定を結んだ。協定期間は3年間で、状況に応じて随時見直していく。包括協定の締結はこれで4番目。同大は、加西市に農学関連の研究施設を設置し、畜産や新種改良などを行っているほか、同施設の近隣にある第二次世界大戦時の海軍飛行場跡地の調査を人文学部が進めている。まずは、農学分野と人文分野での共同研究を通して地域活性化につなげる。  協定に調印した福田秀樹学長は「地域活性化に対する貢献は大学の使命。特に大学関連の施設がある自治体との連携は重要だ」と加西市との協働に意欲と期待を示した。加西市の中川暢三市長も「農学分野での産学官の取り組みを強化していきたい。(同大の)農業分野のネットワークについて期待している」と述べた。 "[he-forum 14279] 下野新聞5/21 下野新聞2009年5月21日付 県商工連と宇大が産学連携 協定調印、事業推進へ  県商工会連合会(田中俊一会長)と宇都宮大学(進村武男学長)は二十日、宇都宮市内で県内商工会の会員企業のニーズと、同大の研究成果(シーズ)を結び付ける社会連携推進協定を締結した。  調印式には県商工連と宇大の関係者や来賓の野口明県産業労働観光部長らが二十人が出席。  田中会長は「県内三十九商工会に相談窓口を設置し宇都宮大学と連携を図りたい。県内の中小、小規模事業所の発展を願っている」とあいさつ。進村学長は「商工会の県内のネットワークを活用できる機会をいただいた。全国的にも新しい取り組みなので著しい効果がでるよう頑張りたい」と抱負を述べた。  協定調印に伴い、県商工連は県内全商工会に「宇都宮大学技術相談窓口」を設置。宇大の産学連携コーディネーターに任命された県商工連職員が内容を踏まえ、橋渡しする。既に、県北の企業から食品保存加工技術の相談などが寄せられているという。 "[he-forum 14280] 日刊工業新聞5/21 日刊工業新聞2009年5月21日付 IDEC、鹿児島大と農工連携-来月に研究シーズ発表会 【横浜】横浜企業経営支援財団(IDEC、横浜市中区、清水利光理事長、045・225・3700)は、鹿児島大学と産学連携に関して業務提携することで基本合意した。月内にも契約を結ぶ見通し。農学部や水産学部を持つ鹿児島大の研究シーズを中核に、横浜市内企業と鹿児島県内企業との農工連携を推進していく。IDECが九州地方の大学と提携するのは今回が初めてのケースとなる。  農林水産省が発表した07年の都道府県別農業算出額によれば、鹿児島県は4053億円と全国4位の産出額を誇る農業大県。加えて、鹿児島大は農学部や水産学部を抱え、アグリバイオや食の安全といった研究シーズを数多く保有する。  IDECは今回の業務提携を機に、横浜の工業技術と鹿児島の農林水産業を結び付け、地域の枠を超えた農工連携の実現につなげる。IDEC内にサテライトオフィスを設置するなど、鹿児島大の首都圏での活動を支援していく。 "[he-forum 14281] 吉岡氏の著書が紹介されています 神沼公三郎(北大)です  本日の「全国国公私立大学の事件情報」(下記アドレス)に、吉岡直人氏 のご労作(著書)  「さらば、公立大学法人 横浜市立大学―『改革』という名の大学破壊―」 が大きく紹介されています。 http://university.main.jp/blog/  このHPの画面を下のほうに追跡していくと、先日、私がhe-forumに投稿し た拙文が掲載され、さらにその下では、HPの管理人が吉岡氏の同僚研究 者(横浜市大)の個人HPを紹介しています。その個人HPにより、横浜市大と 横浜市の実態を詳しく知ることが出来ます。 ________________________ 神沼 公三郎(KANUMA, Kinzaburo) 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター   森林圏ステーション    〒060-0809 札幌市北区北9条西9丁目    ☆Tel.011-706-3853(研究室直通)    ☆Fax.011-706-3450(事務室)    ☆E-mail:kanuma@fsc.hokudai.ac.jp   ☆地域資源管理学分野のホームページ     http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/~hozen/sigen/         "[he-forum 14282] 信濃毎日新聞5/22 信濃毎日新聞2009年5月22日付 信大新学長 地域に根ざして活路を  信州大学の次期学長に、工学部の山沢清人教授が選ばれた。2004年に国立大学法人となってから、初の学長交代になる。  地方国立大を取り巻く環境は、厳しさを増す一方だ。国立大の財源の基盤である国の「運営費交付金」は減り続けている。少子化で、受験生の確保にも頭が痛い。そのなかで教育、研究と大学経営を両立させ、地域にどう貢献していくのか-。状況が困難だからこそ、いっそう新学長のリーダーシップが重要になる。  大学の教育と研究を充実させるには、国や企業から研究資金を呼び込むことが欠かせなくなっている。第一のカギは、地域に密着し、課題を共有することである。  たとえば「蚕都」の上田市にある繊維学部は、蚕糸の伝統と先端技術を融合させ、ファイバー工学の分野で成果を挙げつつある。  県内の自治体や企業との共同研究を広げていくことも大事だ。情報発信力が求められる。学長は率先して、キャンパスを地域に開く努力を傾けてほしい。  第二のカギは、さらに特色を磨くことだ。長野県は日本有数の山岳と自然に恵まれている。既に環境分野に力を入れたカリキュラムが組まれている。山岳科学総合研究所を中心に、山岳地帯の環境と生態系の研究も進みつつある。学部間の連携も図りながら、独自の研究を深めてもらいたい。  人材を育てる拠点としての役割も重い。5年目を迎えた信大法科大学院は正念場だ。態勢を立て直し、実績に結びつけてほしい。  信大病院は、県内の医療の中核であり、最後の砦(とりで)でもある。大学病院の経営は厳しく、研修医も集まりにくくなっている。経営を改善しつつ、どう魅力を高めるか。学長の手腕が問われる。  ただ、大学側の努力だけでは、どうにもならない問題もある。  日本の高等教育への公的財政支出の割合は、経済協力開発機構(OECD)の加盟国のなかで最下位にある。国は高等教育にそもそもお金を出していない。  法人化以降、国の研究費は成果主義の色合いが強まり、成果がすぐに出にくい基礎研究や教育の分野には配分されにくくなっている。経営基盤の弱い地方の大学や、地道な研究にも目を配り、手厚く支えるのが国の役割である。  信大は今年、創立60周年を迎える。各地に分散したキャンパスは、それぞれの地域に根を張り、歴史を刻んできた。この分散をメリットととらえ、生かす取り組みを、新学長に望みたい。 "[he-forum 14283] 《声明》国立大学法人評価委員会「第26回」「持ち回り」総会は捏造ではないのか? 《声明》国立大学法人評価委員会「第26回」「持ち回り」総会は捏造ではないのか?―評価委員会に不透明かつ不正常な運営を改めることを求める           2009年5月23日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 要旨  文部科学省のホームページによれば、国立大学法人評価委員会の「第26回」総会は、「平成21年3月12日から19日で持ち回り開催」されたことになっている。 参照URL 国立大学法人評価委員会(第26回) 配付資料 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/1259573.htm  しかし、「第26回」総会の開催方法・日程・配付資料には多数の矛盾がある。これらの物証と状況から、われわれは、「第26回」総会を開催したとする文部科学省の発表は捏造ではないかという強い疑念を抱く。  文部科学省および国立大学法人評価委員会はかかる事態を招いた責任を明らかにし、それが不正行為であることが判明したならば、責任者を処分すべきである。当然のことながら、この間行われた決定は白紙に戻さなければならない。そして、不正行為が二度とくり返されることのないよう、大学等の関係者に開かれた透明性ある組織運営により、あらためて審議を行うべきである。 1. 運営規則および公表資料から確認できる諸矛盾 (1) 「持ち回り」は例外であり、緊急的な場合にのみ許される  国立大学法人評価委員会は、2007年12月の総会で運営規則の一部を改正し、次のような条項を加えた。 (書面による議決) 第三条 委員長は、やむを得ない理由により委員会の会議を開く余裕がない場合においては、事案の概要を記載した書面を委員及び当該事案に関係のある臨時委員に送付し、その意見を徴し、又は賛否を問い、その結果をもって委員会の議決とすることができる。 2 前項の規定により議決を行った場合は、委員長が次の会議において報告しなければならない。 3 前二項の規定は、分科会及び部会の会議について準用する。  今回開かれたとされる「第26回」の「持ち回り」総会とは、この「書面による議決」のことだろう。だとすれば、総会を「持ち回り」にしなければならないような「やむを得ない理由」とは何だったのか。文部科学省HPに公表されている委員会資料にはまったく説明がない。 (2) 「第26回」総会の内容は、「持ち回り」で開催するには重大すぎる  「第26回」総会で委員に諮られたとされるのは、第2期の国立大学法人運営費交付金の配分方針の審議という最重要事項を担うワーキンググループの設置の可否である。われわれがすでに指摘したように、国立大学法人評価委員会の運営規則は、委員会内にワーキンググループなる組織を設置することを認めていないのであるが、かりにそれを設置することについて委員会の合意があったとしても、今回の議題は「持ち回り」開催で承認してもよいような軽いものとは思えない。 (3) 総会開催日程が接近しており、ワーキンググループの活動は不可能である  「第26回」総会の「持ち回り」開催が締め切られたとされる3月19日から、「第27回」総会が開催された3月26日開催までは1週間しかない。「第27回」総会において、このワーキンググループがいつ活動したのかを示す資料が配付されていないため確認することができないが、かりに、文部科学省の説明通り、3月19日にすべての委員から了承がとれ、「国立大学法人等の運営費交付金に関するワーキンググループ」の設置が承認されたとしても、十分な時間・回数のワーキンググループを開催し、審議を行うには、あまりに期間が短い。 (4) 「第26回」総会の開催中に、「第26回」総会の案内が通知されている  3月13日、「第26回」総会が「持ち回り」総会が開催(3月12~19日)されている最中であるにもかかわらず、3月26日に「第26回」総会を開催する案内することが通知されている。 参照URL http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/kaisai/1256457.htm 国立大学法人評価委員会(第26回)の開催について 平成21年3月13日 文部科学省 1.日時 平成21年3月26日 木曜日 15時から17時 2.場所 文部科学省東館 3F1特別会議室 3.議題 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の中期目標期間の業務の実績に関する評価について 中期目標・中期計画の変更について 平成20年度評価の評価チーム体制について  等 (5) 3月13日に開催通知された「第26回」総会予定議題の中には、運営費交付金に関する件が入っていない (6) 総会議事録に「持ち回り」を裏づける発言がない  「第26回」総会の「持ち回り」が事実であるならば、その決定プロセスを裏づける総会議事録が存在するはずである。しかしながら、5月15日になってようやく公表された第25回総会においても、会議の最後の事務局アナウンスで、次の総会は3月26日に開催すると述べられているだけである。  以上の物証および状況証拠から、われわれは、「第26回」「持ち回り」総会は、文部科学省が発表した通りに開催されていなかったのではないかと強く疑う。さらには、この総会で設置され、「第27回」総会に報告を行った「国立大学法人等の運営費交付金に関するワーキンググループ」には活動の実態がなかったのではないかと疑う。 2. 真相を究明し、責任を明らかにすること求める  国立大学法人評価委員会が、3月26日の総会において第2期中期目標期間の運営費交付金に関する方針を了承したのは、4月17日の総務省、政策評価・独立行政法人委員会に結果を報告する必要に迫られたからだろう。そのため、事務局は下準備をすすめ、3月13日、来る3月26日に「第26回」総会を開催することを通知した。  ところが、3月16日、首都圏ネットワークから、文部科学省「国立大学法人等の組織・業務全般の見直し」の方針を批判する声明(≪声明≫ 国立大学法人法(第30条ほか)すら蹂躙する文部科学省「国立大学法人の組織・業務全般の見直し」の違法性を告発するhttp://www.shutoken-net.jp/2009/03/090316_5jimukyoku.html)が出された(※声明は3月14日付で作成されたが、MLへの配信など一般に公表されたのは16日であった)。ここでは、「国立大学法人等の組織及び業務の見直しに関するワーキンググループ」の設置経緯を検討し、評価委員会がまとめたとされる「国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点」が、文部科学省と一部メンバーのみの密室協議でまとめられたものだと批判した。  このような批判があることを知った文部科学省は、3月26日に、事前に設置の承認を得られていない「国立大学法人等の運営費交付金に関するワーキンググループ」がいきなり報告を行い、これを承認すれば、さらなる批判を招くと考えたのではないか。そして、ワーキンググループの設置の承認をとりつけたように体裁を取り繕おうと画策したのではないか。3月12~19日の、「やむを得ない事情」はなく、日程的に矛盾し、かつ無理がある「第26回」「持ち回り」総会は、このようにして捏造された。  万一、われわれの疑った通りであったならば、文部科学省は、ありもしない評価委員会の活動を捏造し、国立大学関係者と国民の目を欺いていたことになる。かかる不正行為は絶対に許されることではない。文部科学省および国立大学法人評価委員会の責任者は責任を厳しく問われることになる。 3. 国立大学法人評価委員会の組織運営を徹底的に見直し、関係者および国民に開かれたものとすべきである  今回のように異常な事態を招いた根本的な原因は、一昨年来、運営費交付金の「選択・集中」と国立大学の「再編・統合」を執拗に求めている財務省の圧力に屈服し、文部科学省が、国立大学法人の第2期中期目標期間を、国立大学の「機能別分化」をすすめる期間と位置づけてしまったことにある。この方針により、大学の中長期的なアカデミック・プランに基づいて目標を形成していくという、国立大学法人法も許容している中期目標の策定手続きを根本からくつがえしてしまったことは、先に私たちの声明が批判した通りである。  本来ならば、主務省がこのように誤った政策方針をとろうとしたとき制止するのは、大学の教育・研究に関する専門的識見を持つメンバーで構成される評価委員会の役割である。外部の圧力に惑わされることなく議事運営を行っていれば、説明不可能な事態に陥ることも避けられたはずである。 国立大学法人評価委員会は不正行為を二度とくり返すことのないよう、国立大学法人法案の国会審議の際に挙げられた附帯決議に示されている初心に返り、徹底的な組織運営の見直しをすべきである。国立大学法人の目標・評価および財政のあり方について、大学の現場の実態を汲み取り、関係者とともに真摯な議論を重ねるべきである。そして、国民に対して公開を義務づけられている機関として、次の会合を開催するまでに議事録を公表し、外部に対して議論の流れが理解できるようにすべきである。 参考資料 国立大学法人法の国会附帯決議(評価委員会 第1回総会配付資料) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/03110501/009/003.pdf 以上 "[he-forum 14284] 5/23しんぶん赤旗 2009年5月23日(土)「しんぶん赤旗」 重点配分の研究資金2700億円 大学運営費に使え 石井議員  日本共産党の石井郁子議員は二十二日の衆院文部科学委員会で、二千 七百億円もの資金を一部の研究に重点配分する方法でなく、大学の運営 費交付金など基盤的教育研究経費強化のために回すべきだと追及しまし た。  二〇〇九年度補正予算案の関連法案は、二千七百億円の基金をつく り、研究者を中心に、五年間で約三十課題、一テーマ九十億円程度の支 援を行うというものです。  石井氏は「大学の構造改革の方針」にもとづき〇二年から実施された 「21世紀COEプログラム」などの競争的資金が、東京大学や京都大 学など七つの旧帝国大学に集中してきたことを指摘。その一方で、大学 では運営費交付金や私学助成の削減などで「富める研究室」と「貧困な 研究室」が二極分化している実態を日本化学会の調査結果から示しまし た。  日本化学会がおこなった、教員一人当たりの研究教育費調査は、東 大、京大など科研費十位以内の国立有力十大学と地方国立大学三十校な ど二グループを比較。格差は〇三年度の一・九四倍から〇八年度には 三・七倍に拡大したことを明らかにしています。  石井氏は、「重点配分はこうした研究のゆがみに一層の拍車をかける ものだ。大きな山を築こうと思えばすそ野を広くしなければならない。 国立大学の運営費交付金に回せば増額方向に転換することになる」と迫 りました。  塩谷立文科相は「実態をふまえて改善すべきは改善すべきだ。基盤経 費については削減された事実を踏まえてどうあるべきか検討しなければ ならない」と答えました。 "[he-forum 14285] 四国新聞5/23 四国新聞2009年5月23日付 香川大、教養学部を新設へ/国立大で3校目  香川大(一井真比古学長)は大学改革の柱として、2011年度から教養学部を新設する方針を固めた。「地球市民」の育成を理念に、国際学や語学など幅広い知識と、課題解決に向けた実践力の養成を目指す。教養学部が新設されれば、国立大では東大、埼玉大に次いで3校目となる。  構想によると、教養学部は教養学科の1学科で、地球・環境、言語・地域、心理・人間、ツーリズムの4つの「主専攻」(各40―50単位)の選択制。いずれも地域社会でのフィールドワークを重視し、課題解決に向けた実践力を養う方針。  併せて幅広い知識を備えるため、歴史学や政治学、言語学、芸術・文学など10の「副専攻」(各20単位程度)を設定。学生が主専攻と副専攻2つを組み合わせ、自らカリキュラムをつくるのが特徴という。  教養学部の定員は、130人を想定。教育、経済両学部のそれぞれ一部の定員を両学部から分離して充てるため、大学全体の定員に変更はない見通し。キャンパスは香川県高松市幸町を予定している。  香川大は大学改革を進める中で、各方面のニーズを調査。高校生や保護者に実施したアンケートから「国際」「幅広い知識」、企業から「課題解決の能力」とのキーワードが浮かび上がったのを踏まえ、新学部の構想を取りまとめていた。来年5月に、文部科学省に設置認可を申請する。  また、香川大は組織面でも、教員の所属組織を新設する大幅改編を計画。現在は学部に所属する教員について、学部の枠を超えた活用を可能にし、全学的な教育体制を整える。 "[he-forum 14286] 5/25しんぶん赤旗主張 2009年5月25日(月)「しんぶん赤旗」 主張 国立大の交付金削減 教育・研究が崩壊しかねない  「運営費交付金の削減がつづくのは大変苦しい。人文系学問が切り捨 てられている」。日本共産党国会議員団が行っている国立大学実態調査 で、学長から切実な訴えがだされています。先ごろ発表された教職員組 合(全大教)の教員アンケートや化学会の実態調査からも、「学生教育 や研究を行うための経費がまかなえない」という事態が明らかになりま した。 教員・研究費削減は限界  五年前に国立大学が法人化されて以来、国からの運営費交付金が毎年 削減され、その額は五年間で七百二十億円にのぼります。これ以上の削 減がつづけば、社会の知的発展をささえる大学の教育・研究基盤が崩壊 しかねません。  ある教育系大学では、人件費の削減で教員の一割が減り、その穴埋め に他の教員の授業負担を増やしたり、非常勤講師などで補っています。 別の大学では、予定していたいくつかの授業が閉講になり、英語の授業 数は半減したといいます。ある学長は、「これだけ人員を減らす一方で 成果をあげろというのは矛盾している」と、国への批判を隠しませんで した。  教員に配分される経常的な研究費も、多くの大学で法人化の前に比べ て半分以下に減り、年間十数万円という教員が少なくありません。そう した結果、授業のビデオ教材や実験器具、学術誌などの購入に支障をき たしています。  必要な研究費を確保するには、国の審査によって配分される競争的資 金を獲得しなければならなくなっています。しかし、こうした資金は採 択率が低く、しかも旧帝大系の大学に半分以上が集中しています。化学 会の調査によれば、地方大学の教員研究費は、競争的資金を含めても旧 帝大系の教員に比べて四分の一しかありません。  さらに、競争的資金の申請や大学評価をうける作業に教員が多くの時 間を割かれ、授業負担の増加もあって、じっくりと研究にうちこめない ことが、大きなストレスになっています。全大教のアンケートでは、教 員の六割が「メンタルヘルスの不安がある」と回答しています。  国立大学の存立と発展をはかるうえで、教員数と研究費のこれ以上の 削減がもはや限界であることは誰の目にも明らかです。運営費交付金の 削減を中止し、十分な基盤的経費を確保することは、待ったなしの課題 になっています。  ところが、麻生太郎内閣は依然として運営費交付金の削減をやめよう とはしていません。それどころか、現行の一律配分から国の大学評価に もとづき交付金を重点的に配分する方式に変えようとしています。ま た、二千七百億円もの基金をつくり、「世界最先端の研究」とみなす三 十分野にしぼって一分野あたり九十億円を五年間投入するなど、大学間 格差をいっそうひろげようとしています。 「構造改革」から脱却を  こうした方向は、国立大学が直面する深刻な困難をいっそう激化する だけです。その大本にあるのが、大学の「構造改革」路線です。  国立大学における教育と研究の発展をはかるためには、いまこそこの 路線からの脱却をはかる必要があります。それによって大学の基盤的経 費を十分確保することをはじめ、欧米に比べて半分にすぎない大学予算 の大幅増額へと政治の舵(かじ)をきるべきです。 "[he-forum 14287] 読売新聞5/24 読売新聞2009年5月24日付 法人化「ゆとりない」67%…全国大学高専教職員組合アンケート  大学に法人格を与えて自律的な運営を促す国立大や公立大の法人化の影響について、国公立大教員らの54%が、研究教育費の削減で必要な研究教育が行えないと感じていることが全国大学高専教職員組合のアンケートでわかった。  教員の人件費や教育研究経費などとして国が国立大に支出する運営費交付金は2004年度の法人化以降、毎年1%ずつ削減。公立大法人の多くも自治体からの交付金が減っている。アンケートは昨年5~10月に行い、66の国公立大などの教員5659人が回答した。  法人化後の研究教育費と、研究教育への影響について「少し減ったが、支障はない」は19%、「大きな変化はない」が16%。法人化の問題点(複数回答)としては67%が「評価作業や会議で、ゆとりがない」、55%が「基礎的、基盤的な経費の削減」、41%が「過度の競争的経費導入、多忙化による教員の連帯意識の希薄化」を挙げた。 "[he-forum 14288] 読売新聞宮崎5/26 読売新聞宮崎版2009年5月26日付 臨床技術訓練所を開設 宮崎大学医学部  宮崎大医学部(清武町)は、学生や研修医が救急医療や診察、治療方法を学ぶ「臨床技術トレーニングセンター」を開設した。実際に患者を診察する前に技術を身に着けるとともに、若手医師らに医療への関心をより深めてもらうことが狙い。(毛利雅史)  センターは同学部福利棟2階を改装して活用。以前からあった上半身、下半身、腕など体の各部位の形をした訓練器具に加え、肺疾患を調べる気管支鏡、胃カメラを体験できるシミュレーター、気管切開や乳児の気道管理を学ぶ模型(トレーナー)などを新たに導入した。改装及び機材購入費は計約7000万円。  例えば、気管支鏡のシミュレーターは、装置に内視鏡を入れると気管支が画面に映し出され、無理な操作をすると装置が患者のせきのような音を発する。また、心肺蘇生(そせい)法を学ぶ模型は、心臓マッサージの位置や強度、早さが適切かどうかなどをランプで知らせる。こうした装置により、誤りを確認しながら、技術を体得できる。  同センターによると、日本の医学教育はこれまで講義中心で、知識偏重の傾向があった。臨床実習は教授や医師らが治療する様子を見て学び、その後、教授らの指導の下で、実際に治療する形だった。  センター開設で、学生や研修医は実際に治療に当たる前に練習できるようになる。〈1〉危険がない〈2〉時間を掛け、繰り返し訓練できる〈3〉チームによる治療を訓練できる――といったメリットがあるという。  同学部は今後、高校生など大学外への開放や、他大学と合同の専門医養成にも取り組む計画。  センターは25日、報道陣に公開された。同学部医学教育改革推進センターの小松弘幸准教授は「充実した設備を持つことで、若い人が医学により興味を持ち、さらに医師の確保にもつながれば」と話していた。 "[he-forum 14289] 日刊工業新聞5/26 日刊工業新聞2009年5月26日付 茨城大など、バイオ燃料作物で地域活性化プロジェクト  【水戸】茨城大学は茨城県や日立市、阿見町、茨城県工業技術センターと連携し、バイオ燃料作物を利用した地域活性化プロジェクトをまとめた。新バイオ燃料として期待されるスイートソルガムを阿見町内の耕作放棄地で栽培し、バイオエタノールを精製。それを自動車の燃料に利用し、燃焼評価や二酸化炭素(CO2)削減効果の検証を行う。今後3年間でバイオ燃料の実用化に向けたシステムの完成を目指す。  同大学の農学部と工学部の教員16人がメンバーで、07年からプロジェクトを進めてきた。  スイートソルガムはアフリカ原産のイネ科の作物で、全長5メートルにもなる。生育期間が4カ月と短く、熱帯から寒冷地まで幅広い地域で栽培できる。同じバイオ燃料作物のサトウキビより生育期間や栽培地域の点で優れており、エタノール収量はほぼ同じだ。栽培する品種や使用する肥料を検証し、耕作放棄地での栽培方法の確立を目指す。 "[he-forum 14290] 東京新聞茨城5/24 東京新聞茨城版2009年5月24日付 国内初 大学院設置に情熱 日本唯一の障害者向け高等教育機関「筑波技術大」学長 村上 芳則さん(62)  聴覚と視覚に障害のある学生を専門に受け入れる日本唯一の高等教育機関である国立大学法人「筑波技術大」(つくば市)。前身の筑波技術短大から数えて五代目の学長にこの四月、就任した。  大阪大時代の恩師に同短大に誘われたのがきっかけ。機械工学のカリキュラムはすべて作った。一九九六年からは四年制大学の設置準備にまい進。二〇〇六年に実現すると、今度は大学院の設置が主な仕事となった。  「障害者への教育はまったくの専門外で初めてだったが、大学人として大学の設置にかかわることができ、いい経験をさせてもらったと思います」  本年度に初の四年制卒業生を送り出すのに合わせ、情熱を注いできた大学院が来春、設置される見通しとなった。障害者だけを受け入れる大学院は国内初で、世界でも三番目となる。  二年間の修士課程のみのスタートで、聴覚障害者がデザインなどを学ぶ産業技術学専攻と、視覚障害者が理学療法などを学ぶ保健科学専攻を設け、定員は計七人。概算要求を経て十二月には設置が正式決定される見込みだ。  「大学院は専門科目ばかりでなく、目や耳から得る情報の制約をどう取り除くかを学ぶ科目も用意する。障害者自身がその方法を考えることで、より効果的な情報保障のシステムがつくれるのでは」。さらに院生に対し、「ゆくゆくは本学の教員に育ってくれれば」と期待する。  海外から障害のある留学生の積極的な受け入れも計画。留学生活を始める前に、日本語手話や点字を教育するための語学センターを再来年にも設置する。このため、先行例として米ギャローデット大の調査を始める。  「手話や点字は言葉の壁が高い。手話だと日本と韓国で半分程度は異なる。海外の障害者が日本で学ぶための日本語教育も、本学が担っていかなければならない」と強調。  また、教員を希望する学生が多いことから、情報や工業、美術など特定の科目で特別支援学校の教員を養成するための教職課程を設ける準備を進める。  「聴覚障害者は一つの学年に八百人から千人いるが、本学に進学できるのは五十人。卒業生がリーダー的存在となることで、障害者のより上質な社会自立を目指していきたい」 (小沢伸介)  むらかみ・よしのり 1946年、広島県福山市出身。関西大工学部卒。大阪大基礎工学部機械工学科助手、同助教授を経て、90年4月に筑波技術短大助教授となり、筑波技術大で教授、産業技術学部長、副学長などを歴任。工学博士。専門は流体工学、音響学など。 "[he-forum 14291] 毎日新聞5/26 毎日新聞2009年5月26日付 中退者:大学など、経済的理由15.6%--08年度  全国の大学と短大、高等専門学校の08年度の中途退学者のうち、「経済的な理由」で退学した者の割合は15・6%で、前年度より1・6ポイント増えたことが文部科学省の調査で分かった。国公私立全1225校を対象に07、08両年度末の状況を尋ね、計1148校から回答を得た。中退者は08年度が4万9394人、07年度が6万3421人で、経済的な理由による者はそれぞれ7715人(15・6%)、8893人(14%)。08年度末の授業料滞納者は1万4662人(前年度比4030人増)で、回答校の全学生の0・6%(同0・2ポイント増)だった。  同省は私立高校の授業料滞納状況も調査。回答した1323校の08年度末の滞納者は9067人(同791人増)で、全生徒に占める割合は0・9%(同0・1ポイント増)だった。  大学、高校とも72%が「08年度は07年度より学生・生徒の経済的支援に関する相談が増えた」と回答。しかし08年9月以降、新たな支援策を実施したり、既存の支援策を拡大した大学などは219校(17・9%)、私立高校は56校(4・2%)にとどまった。【加藤隆寛】 "[he-forum 14292] 読売新聞5/27 読売新聞2009年5月27日付 職員の力 (2)無駄排除 東大の挑戦  世界一の“無駄なし大学”を目指し、東京大学が改革を始めた。  書類の束が所狭しと並ぶ東大の工学系事務部で、尾越和博副理事(60)が職員に尋ねた。「机にまで書類を積んだら、仕事しづらくない?」  すかさず隣に立つ西成活裕教授(42)が、「その日の分だけ置くと、はかどりますね」とフォローする。2人は、「電話は1人1台ずつ必要?」「メールを開く時間は決めている?」など仕事の効率についての質問を重ね、メモにして事務部を後にした。  東大は今年4月、〈スリムな組織・スマートな運営・スピーディーな業務〉の「3S」作戦を開始した。尾越さんは業務改善担当の副理事として同月、工学部事務部長から昇格。「東大に必要なのは改善ではなく、改革」と意気込む。パートナーの西成教授は、いかに無駄を省くかを考える「無駄学」で知られる研究者。「暑い時期に髪は不要」と頭をそり上げるほどの意気込みだ。  巨大な組織を3Sにするためには現状把握からと、今月18日、二人三脚の無駄取り行脚が始まった。 ◎  5年前の国立大学法人化に伴い、運営費交付金に効率化係数がかけられ、毎年1%削られるようになった。東大の今年度の削減幅は約7億5000万円。これまでも公共料金の口座引き落としや契約手続き簡素化などを推進。改革には現場の知恵が欠かせないとの判断から、尾越さんら生え抜きの職員3人を初めて副理事に抜てきした。  高等専門学校勤務の経験もある尾越さんには、学内の無駄や不具合が目についていた。何も決まらない長い会議、誰もいないのにつけっぱなしの照明。大学全体のCO2排出量は16万トン以上と、東京都内の事業所で最も多い。学生らへの対応で“お役人”風を吹かせていることも耳にした。  製造現場や企業などでの無駄取り指導に取り組む西成さんによると、成功のカギは目的と期間を定めることにある。狙いも定めずに続けると、それ自体が無駄になりかねないからだ。尾越さんは目的を「世界トップの無駄なし大学」とし、期間は「1年」にした。 ◎  教職員約9000人の労力と時間がうまく教育・研究の成果につながっているか。現場行脚の初日、約2時間かけて5か所を回るうち、尾越さんらには無駄が見えてきた。パソコンをつけっぱなしだと不急のメールも開けたくなる、書類が多すぎて業務の全体が見えない、などだ。  同時に、大学側の自助努力ではらちが明かない無駄も見つけた。例えば、受託研究費の申請書。外部資金の獲得は法人化した大学には不可欠だが、その申請書式が同じ省庁内でも異なるため、作成にやたらと手間がかかる。  だが、まずは足元から。「無駄取りはチームワークで取り組まないと」と西成さんが言えば、尾越さんも「何度も現場に行って話し合いましょう」と応じる。  日々の積み重ねが、無駄を取り除いていく。(松本美奈)  効率化係数 教職員の人件費や光熱費など大学の基盤的経費として、国から国立大学法人に配分される運営費交付金を、毎年1%削減する仕組み。政府の歳出削減路線の中、2004年の国立大学の法人化に伴い施行された。今年度の運営費交付金は1兆1695億円で、昨年度より118億円削減。中規模の国立大学1大学分を削っている計算になる。 "[he-forum 14293] 山梨日日新聞5/28 山梨日日新聞2009年5月28日付 河口湖観光協会、都留文科大と連携 自然と観光 共生探る方策づくり業務委託  河口湖観光協会(井出常済会長)と都留文科大(今谷明学長)は27日、観光振興と環境保全の両立に産学連携で取り組む業務委託契約を結んだ。河口湖を中心とした国内有数の観光エリアの自然環境を維持しながら、観光振興を図るための方策を同大が研究し、同協会に提言する。  同協会によると、河口湖で開催される花火大会が与える水質や魚などへの影響や、動植物の生息実態などの把握を進め、環境保全に必要な対策を検討。「経済優先で進んできた観光業から、自然との共生を重視した形態に移行していく」(同協会)という。  観光客の河口湖に対する意識調査も実施し、今後の観光事業に生かす方針。調査は聞き取り方式で行い、同大の学生も夏休みなどを利用して参加する。  業務委託期間は来年3月31日までで必要に応じて延長する。将来的に市民やNPO、行政、企業などが一体となって観光振興やまちづくりを進めていくきっかけにする。また、業務のとりまとめを行う「環境調整アドバイザー」に同大の渡辺豊博教授(地域環境計画)を委嘱。同大にとっては今年4月の公立大学法人化後、初の地域との連携事業となる。  この日は富士河口湖町内で業務委託締結式が行われ、井出会長は「今後は環境に配慮した観光を進めないとならない。大学の協力を得て必要な取り組みを進めたい」とあいさつ。アドバイザーに委嘱された渡辺教授は「学術組織としての知恵を集め、地域に貢献できるよう頑張りたい」と話した。 "[he-forum 14294] 中国新聞5/28 中国新聞2009年5月28日付 法科大学院の入学定員削減  法曹養成の拡充を図る法科大学院の入学定員を2010年度から、中国地方の国立大3校は広島大と岡山大が2割、島根大は3割削減することが27日分かった。04年に設置された法科大学院は大都市圏を中心に74校を数える。新司法試験の合格率の低迷などから、政府は定員の見直しを打ち出し、地方に拠点を置く中小規模校が一律削減に追い込まれている。  広島大は当初、定員60人から「10人減」を想定していた。しかし文部科学省のヒアリングで、今後の志願者数や合格率の再検討から、首都圏にある複数の国立と同じ削減幅を要請された。結果、教授会で「2割削減はやむを得ない」と応じることを決め、26日文科省へ報告した。  山陰で唯一の法科大学院を持つ定員30人の島根大は、2割削減で文科省と話し合っていたが、志願者数の伸び悩みなどから、27日の教授会で3割削減を固めた。定員60人の岡山大は「6月初めに決めるが、2割以上の削減は避けられない」としている。 "[he-forum 14295] 山梨日日新聞5/28(2) 山梨日日新聞2009年5月28日付 山梨大 教職大学院申請へ 理数教育、不登校対応に重点  現場教員の再教育や即戦力となる新人教員を養成しようと、山梨大は教職大学院の来年度開設を目指して文部科学省への設置申請の準備を進めている。認可されれば県内初めて。理数教育の指導力向上、いじめや不登校など学校運営上の課題対応を軸にしたカリキュラムを編成する方針。  教職大学院は教員養成専門の大学院で、全国で24校が開設。指導力や子どもとのコミュニケーション能力を高め、学校現場で即戦力となる人材の育成を目指している。  同大によると、共通基礎科目として、教育課程の編成や教科の実践的な指導法、教育相談、学校経営を学ぶ。同大付属幼稚園や小中学校、特別支援学校など連携協力校となる県内15校での実習も予定。修了に必要な単位は46単位とする。  定員は、現職教員8人と教員免許を取得している大卒者6人の計14人を予定。現職教員については今後、県教委が希望者を募る。専任教員は12人としている。  開設後、義務化されている第三者評価と、学内協議会による内部評価を実施し、課題を検証していく。同大は昨年度、開設申請に向けて準備したが、専任教員など人材が確保できず見送った経緯がある。  同大教育人間科学部の寺崎弘昭学部長は「県内は2007年度の中学生の不登校率が全国ワーストで、全県1学区制の県立高では特色ある学校づくりが求められる。課題が多い現場でリーダーシップを発揮できる教員を養成したい」と話している。 "[he-forum 14296] 新潟日報5/29 新潟日報2009年5月29日付 県と新大が地域医療寄付講座  医師不足対策として、県が運営費を寄付する「総合地域医療学講座」が6月1日、新潟大に設置される。医師の育成や医療機関の連携推進を通じ、地域医療の充実を目指す。設置に先立ち、泉田裕彦知事と下條文武学長が28日、県庁で協定書に調印した。  講座は新大大学院に設置し、井口清太郎特任教授ら医師3人のスタッフを配置。幅広い診療能力を持つ「総合地域医療医」の育成に向け、大学教育から卒業後の研修までの一貫したプログラムを研究開発する。勤務医を支援するため、情報技術(IT)を活用した連携の在り方も検討する。  スタッフは研究活動だけではなく、医学部生への講義や実習、研修医の指導、へき地病院などの診療の応援も担う。  期間は2011年度までの3カ年。県が総額約1億円を寄付する。  研究の対象エリアは県が魚沼基幹病院を設置する魚沼地域とし、県は研究の成果を同病院の整備に生かしたい考えだ。  下條学長は調印式で「講座を通じ、大学としての地域医療への貢献をさらに推進したい」と話した。 "[he-forum 14297] 北海道新聞5/29 北海道新聞2009年5月29日付 喜茂別町再生へ北大と連携協定 【喜茂別】今年二月に後志管内留寿都村との合併構想が破談した同管内喜茂別町が六月三日、北大公共政策大学院とまちづくりに関する連携協定を結ぶ。菅原章嗣町長が親交のあった同大学院の山崎幹根(みきね)教授(地方自治論)に協力を求めて実現した。期間は三年間。  喜茂別町は、本年度中に財政の見通しや、活性化策を盛り込んだまちづくり指針「自律プラン」をまとめる予定だ。山崎教授を作成委員会に招いて助言してもらう。同町と隣接している札幌市南区との連携、農産物などの地域資源の活用でアイデアを提案してもらうという。  このほか、町民や町職員を大学院に派遣し、研究者や学生とともに喜茂別町の現状や課題などを議論。一方、大学院側は学生を募って同町に出向き、町職員や町民への聞き取りなどフィールドワークを行う。 "[he-forum 14298] 朝日新聞三重5/25 朝日新聞三重版2009年5月25日付 三重大大学院工学研究科に実践企業学  企業で即戦力となる人材を養成するため、三重大大学院工学研究科は今年度、「実践企業学」という講義を新設した。四日市市のコンビナートにある大手化学メーカーなどから講師を招き、専門的な研究をビジネスにどう生かすかを学んでもらうのが狙いだ。  講義は5月から12月まで計6回。講師は、同大の社会貢献の拠点として03年にできた「四日市フロント」の産学連携コーディネーター横森万さん(61)が人選。化学メーカーや石油会社、電機メーカーなど毎回2社の開発担当者らを招く。  学生は、企業がめざす研究開発や製品化の過程を知り、社会人に求められるコミュニケーション能力や決断力などを磨くことが期待される。  工学研究科の伊藤智徳教授(54)=物理工学=も、NTTで半導体研究に携わった経験がある。「企業では自ら考えて答えを導ける人が重宝される。視野を広く持ち、専門外の研究にも柔軟に取り組むことのできる人材を育てたい」と話している。(小若理恵) "[he-forum 14299] 読売新聞5/29 読売新聞2009年5月29日付 軍事転用可能な技術情報、大学・企業に流出監視を義務付け  政府は、大量破壊兵器の開発など軍事転用の恐れがある技術や情報の管理を強化することを決めた。  大学や企業、研究機関に対し、技術情報を管理する部門の設置を国の規則で義務づける。核開発を進める北朝鮮などの国への不正な物資の輸出が問題となる中、先端研究を行う大学などからも不正流出が起きる可能性を踏まえ、規制強化が必要と判断した。安全保障上の理由による科学分野への情報規制は初めてとなる。  この規制は、今国会で改正された外国為替及び外国貿易法(外為法)が、経済産業省に対し、技術情報の流出防止の基準を設けるよう求めたのを受けたもの。経産省は、特定分野の情報流出をチェックする管理部門の設置を関連省令で義務づける。  管理部門の監視対象となるのは、核や生物・化学兵器につながる原料と装置、ミサイルや無人飛行機に必要な航法・推進装置など15分野。これ以外でも、安全保障にかかわると判断される場合は対象になる。  現行法では、日本に短期滞在する外国人が技術や情報をUSBメモリーや電子メールで送付したり、帰国した外国人が第三者に情報を提供したりする行為は規制できない。新しい規制では、日本人、外国人を問わず、こうした行為はすべて対象となり、経産省の許可が必要となる。  研究機関などに置かれた管理部門は、海外への情報提供が法令に違反していないか確認を行う。提供先の入手の意図も確認事項に含められる見込み。不正な流出が発覚しながら放置するなど、改善命令に従わない機関の責任者には、6か月以下の懲役か50万円以下の罰金が科せられる。  研究機関では、留学生や外国人研究者が安全保障上問題のある情報に触れる機会を制限する可能性もある。また、管理部門が職員らの電子メールを閲覧した場合に、個人情報の保護や研究の公開性と、どう整合性を持たせるかなど、制度面の課題は多い。  規制強化を受け、文部科学省は、有識者を招いた「安全・安心科学技術委員会」で、大学などの技術情報管理のあり方について検討を始める。 "[he-forum 14300] 中国新聞5/29 中国新聞2009年5月29日付 広大がサンパウロに学術拠点  広島大は、ブラジル・サンパウロ市の広島文化センター内に「広島大学ブラジルセンター」を開設した。中南米最大のサンパウロ大と大学間協定を締結することでも基本合意した。現地の広島県人会の協力も得ながら留学生の受け入れを強化し、研究者の学術交流を進める。  広島文化センターに設けた執務室を拠点にPR活動を展開。日本文化を紹介する公開講座や大学説明会などを開く。約8万人が学ぶサンパウロ大と今夏にも大学間協定を結ぶ見通し。中南米の他大学とも交流を深める。  広島大は29日に広島市中区のホテルである広島日伯協会の創立30周年記念式典でセンター開設を報告する。広島大の海外の教育研究拠点は中国、ロシア、ケニアに続き4カ所目となる。 "[he-forum 14301] 南日本新聞5/29 南日本新聞2009年5月29日付 鹿児島大の知で新産業を 企業支援へ横浜の財団と連携  鹿児島大学は28日、横浜企業経営支援財団(横浜市)と産学連携協定を結んだ。鹿大の知的財産を活用し、交流を進めて新技術や産業創出につなげる狙い。横浜に約10万7000ある事業所の多彩な企業ニーズを見込み、横浜と鹿児島の企業を結ぶ「産産連携」も視野に入れている。  同財団は横浜市の企業を公的に支援する同市の外郭団体で金融機関や早稲田など神奈川県外の8大学とも連携している。農、水産の両学部がある鹿大は食品、食材を含む農水産業関連の研究成果などが豊富なことから、財団側が申し入れて昨年末から協議。九州では鹿大が初の協定先となった。  今後は財団が主催する産学交流サロンや各事業所が参加する展示会で大学の研究成果を発信。双方の技術やデータ、情報ニーズなどのよりよい組み合わせを探り、共同研究や開発に結びつける。  鹿大産学官連携推進機構(安部淳一機構長)の中武貞文准教授は「県域を越えて大学の知恵を発信することで知財活用の新たな流れができ、双方が活性化される。今後もさまざまな場で知の活用が図られるようにしたい」と話している。 "[he-forum 14302] 東奥日報5/29 東奥日報2009年5月29日付 52国立大が教養教育考える/弘大  大学における教養教育の在り方を考える「国立大学教養教育実施組織会議」が二十八、二十九日、弘前市の弘前大学で開かれた。全国から国立大五十二校が参加し、教養教育を実施する組織体制や成績評価の方法をめぐって意見を交わした。  最終日の全体会議では、当番大学である弘大の遠藤正彦学長が「教養教育の在り方に高校生の学力低下が大きな影響を与えている中、個々の大学がしっかりした方針を持って取り組んでいくことが必要だ」とあいさつ。  続いて、初日の分科会での協議結果をめぐって意見を交わした。弘大は、同大が一部の科目で実施している、学生が授業目標や達成状況を記録する「学習ポートフォリオ」を紹介。「省察を加える教員の負担が大きいのですべての科目で導入するのは大変だが、教育の質の改善を図る上では、一科目での実施でも効果がある」と報告した。 "[he-forum 14303] 読売新聞5/31 読売新聞2009年5月31日付 親に成績通知、国立大も…「知りたい」要望増え  学生の成績を保護者に通知する国立大学が増えている。私立大では以前から通知が一般的だったが、少子化で国立大でも学生の確保が課題になる中、「父母らと連携して留年や中退を防ぎたい」という狙いがある。もう一つの背景は「わが子の成績を知りたい」と望む親が増えていること。大学側は「サービス向上」という感覚で、学生側の抵抗感も意外に少ないようだ。  岡山大は今年3~4月、2年生以上の保護者に成績表を郵送した。履修科目と評価を記載し、進級・卒業要件の説明書も同封した。今後は年度末ごとに成績を伝え、1年生は前期分だけの成績も9月に送る。従来は農学部、工学部だけだったのを全学部に広げた。  学内の検討では「小学生じゃあるまいし」という意見も出たが、佐藤豊信副学長は「学習状況を伝えれば、留年などの手遅れにならない可能性が高い。通知は時代の流れ」と話す。  親の要望もある。2007年度入学生の保護者アンケートで、84%が知りたい情報に「成績」を挙げた。きょうだいが私立大に通う親から「通知はないのか」と問い合わせもあるという。  キャンパスで学生に聞くと、工学部3年の男子は「高校でも通知表があったので構わない」、医学部1年の女子は「親が見ると思えば頑張る」と話した。  大阪大工学部は、現在の2年生以下を対象に、前年度分の成績を毎年6月に保護者に知らせることを決めた。馬場章夫学部長は「精神的にもろい学生が増えた。保護者に伝えることで、学生に『ちゃんとフォローしているよ』というメッセージを送りたい」と話す。  神戸大では05年以降、学部ごとに通知を導入し、今年は4学部になった。学務課は「保護者の要望が増えており、他の学部にも検討を頼んでいる」と言う。  地方を中心に、すでに全学部で通知している大学も少なくない。島根大は01年、高知大は04年、広島大は05年、和歌山大も06年から全学で実施した。  一方、京都大は「保護者の要望は若干はあるが、学内で成績送付は議論になっていない。『自由の学風』という伝統も影響している」(広報課)という。 子離れ・親離れできていない  教育評論家の尾木直樹・法政大教授の話「保護者サービスの充実は大学の危機感の表れだが、入学式に大勢の親が来るのと同様に、子離れできない親、親離れできない大学生が増えたことの象徴でもある。自立を促す観点に乏しい高校までの教育も問われるべきだ」 "[he-forum 14304] 河北新報6/1 河北新報社説2009年6月1日付 最先端研究支援/長期的な視点で基盤整備を   不況のときこそ技術革新が必要だ。技術革新、科学技術の発展は、景気回復の鍵を握っている。  経済危機脱出を目標に掲げた2009年度補正予算。そこに盛り込まれた「世界最先端研究支援強化プログラム」は、2700億円の研究開発基金を設け、最先端のテーマ30程度に超大型の支援をするという政策だ。  科学技術を基礎に経済的に繁栄してきたわが国にとって、学術研究の振興は欠かせないテーマである。政府が技術立国を維持し、さらに発展させていこうという決意を、基金創設という形で示したこと自体は前向きにとらえたい。  多くの研究資金に使用できる範囲や期間に制約がある中で、新たな基金は複数年度にわたって使えるよう自由度が高められており、歓迎する意見もある。だが、緊急経済対策として唐突に出てきただけに、少なからず戸惑いの声も出ている。  そもそも、強化プログラムは日本経団連が4月に行った提言を受け、わずか半月ほどで予算化が決まったという経過がある。内容は財界の考え方そのものであり、大学関係者が危惧(きぐ)するのも、研究現場が思い描く学術支援の方向性とは違うのではないかということだ。  基金は先端研究に集中投資する。1テーマ平均90億円もの資金を、30程度の研究課題に絞って支援し、3―5年で世界的な成果を挙げてもらうことをもくろんでいる。  緊急経済対策という創設の経緯を考えれば、短期間での結果を求めることも分からないわけではない。しかし、先端技術を支えるのは基礎研究だ。そこをおろそかにしては、後々、ツケが回ってこないとも限らない。  残念ながら、わが国の高等教育への公財政支出は先進国で最低レベルにある。平均的な大学助教の基盤研究費は数十万円程度ともいわれるほど少なく、日本学術振興会の科学研究費補助金(科研費)など、競争的資金をもらえなければ、きちんとした研究ができないのが現実だ。その科研費の採択率は20.3%(08年度)しかない。  日本学術会議は現在、「日本の展望―学術からの提案」の取りまとめ作業を進めている。これまでの議論では、短期間で結果が出る研究ばかりではなく、長期にわたって科学発展の下支えとなるような研究にも目を向けるべきだとの意見が強く打ち出されている。  科学技術の振興を図ろうというなら、現場の声に対応することも必要だろう。基金を使って、研究基盤の土台を整備するという長期的な視点を忘れてはならない。強化プログラムが終わった後、大きな礎となって残るように。大切なのは遠近感のある複眼を持つことである。 "[he-forum 14305] 佐賀新聞5/27 佐賀新聞2009年5月27日付 学内の女性研究者支援へ 佐賀大が新組織 若手育成、育児、介護も  佐賀大学(長谷川照学長)は、女性研究者を仕事と生活の両面で支援する学内組織を7月に立ち上げる。育児や親の介護などのサポート体制を整え、研究者になるための基礎学習も手助けする。支援充実で、現在13.6%の研究職の女性比率を2011年度までに15%超に引き上げることを目指す。  支援事業を統括する「かささぎサポート・ラボ」(職員3人)を新設。研究者育成、育児、介護支援の3部門それぞれに責任者の教員と新規採用するコーディネーターを1人ずつ配置する。  研究者育成では、大学院生らを対象にキャリア教育を実施、女性研究者が少ない自然科学系の増員につなげる。子育て対応では、夜間保育や学童保育体制整備のほか、付属病院小児科や育児サポート団体と連携し、病気中や病後の子どもの保育も検討する。介護支援では、情報提供や相談体制を整え、講座も開く。  総事業費は3年で約1億2400万円。文部科学省のモデル事業に採択されている。  佐賀大によると、教授から助手までの研究職692人のうち、常勤の女性は13.6%にあたる94人。全国平均をやや上回っているが、家庭と両立できずに辞めていくケースもあり、支援策が課題になっていた。 "[he-forum 14306] 時事通信5/31 時事通信2009年5月31日2時28分 博士課程の縮小要請へ=財政支援で大学院再編促す-近く国立大に・文科省  修了者の就職難などが指摘されている大学院の博士課程について、文部科学省は30日、全国の国立大学に定員の縮小を要請する方針を固めた。大学間での院統合も含めた組織再編を促す。今後、定員・組織を見直す大学を財政支援する仕組みを整え、自主的な取り組みを後押しする。  国立大大学院の入学定員は合わせて約5万7000人で、うち博士課程が約1万4000人。文科省は長年、学部から大学院に教育研究の重点を移す政策を継続してきたが、博士課程では就職への不安などから定員割れが相次いでおり、軌道修正を決めた。  有識者で構成する国立大学法人評価委員会(野依良治委員長)は、この方針を大筋で了承。同省が近く大臣名の書面で要請し、各大学が6月中に素案をまとめる2010年度からの中期目標に反映させる。  要請書案が定員、組織の見直し対象として挙げたのは、大学院博士課程以外に、少子化で需要の先細りが見込まれる教員養成系学部、各大学が既に定員縮小の検討を始めた法科大学院。ほかの学部などでも必要に応じて見直すよう求めている。 "[he-forum 14307] 共同通信6/1 共同通信2009年6月1日17時14分 入学定員1000人削減へ 法科大学院協会が調査  法科大学院協会(東京)は1日、全国74校の法科大学院のうち2011年度までに入学定員の削減を決めたり、検討中としている大学院が少なくとも65校に上るとの調査結果を発表した。協会は、最終的な削減数は計1000人程度とみており、現行で5765人の総定員数は2割程度減少する見通し。  調査は今年1~4月にかけ実施した。結果によると、具体的な削減数について「4割以上」と回答したのは新潟大など5校で、「4割未満、2割超」10校、「2割ちょうど」20校、「2割未満」が10校、「検討中」19校―などだった。  開校後、既に定員を削減しているのは関東学院大、姫路独協大、福岡大の3校で、削減予定がないとした回答も北海学園大、専修大、中央大、立教大など5校あった。  文科省が昨年秋に実施した調査では、約9割の法科大学院が定員を見直す意向を示していたが、具体的な削減数については把握していなかった。 "[he-forum 14308] 6/2しんぶん赤旗 2009年6月2日(火)「しんぶん赤旗」 奨学金 ブラックリスト化やめよ 参院委 文科相「実態調査する」 山下議員追及に  日本共産党の山下芳生議員は1日の参院決算委員会で、奨学金の返済 を滞納した利用者を個人信用機関に通報する「ブラックリスト化」につ いて、「『教育の機会均等』を保障する制度の趣旨と相いれない。即刻 撤回すべきだ」と迫りました。  日本学生支援機構の2009年度奨学金案内は、3カ月以上返済を滞 納すると「ブラックリスト化」され、クレジットカード使用や住宅ロー ンが組めなくなると明記。「同意書」の提出まで求めています。1回ブ ラックリストに載ると、返済しても5年間はリストから消されません。  山下氏の質問に、塩谷立文科相は「いまのところ被害が出ていない」 と述べ、「ブラックリスト化」に固執する姿勢を示しました。  山下氏は「被害が出ている」とし、“大学院まで借りた場合の返済金 額を考えると自信を失い、進学を断念した”という大学院進学を 希望していた国立大4年生の声を紹介。「奨学金制度が学問を断念させ ている。実態を調査し、再検討せよ」とただしました。塩谷文科相は 「実態は調査する」と述べました。  山下氏は、すでに奨学金を借りている在学生にまで同意書提出を求め ていることを批判し、「同意書を提出しなくても、奨学金を打ち切るべ きでない」と追及。塩谷文科相は「それはございません」と 答えました。  また山下氏は、「学費を負担に感じる」学生が6割にのぼるという実 態調査を示し、「速やかに学費の負担軽減に取り組むべきだ」と要 求。塩谷文科相は「検討する」と答えました。 "[he-forum 14309] 信濃毎日新聞6/2 信濃毎日新聞2009年6月2日付 信大に難病訪問診療センター開所 全国の国立大学で初  信大病院(松本市)は1日、パーキンソン病や脊髄(せきずい)小脳変性症など45の難病(特定疾患)の患者を訪問し、在宅診療する「難病訪問診療センター」を開設した。県内は、人口当たりの神経難病の患者数が全国平均より多く、医師が偏在しているため、診療を強化する狙い。同病院は「国立大学病院で難病患者を対象に訪問診療する取り組みは初めて」としている。  同センターは神経内科の専門医1人、看護師1人の態勢で、車に乗って県内全域を診療して回る。医師は患者の病状について診断、助言。投薬などの治療はせず、訪問診療後、かかりつけ医に治療方法などを助言し、連携して治療を進める方針だ。  信大病院が県の委託を受けて患者や家族の相談に応じていた「難病相談・支援センター」が受付窓口になり、新設した難病訪問診療センターに連絡。日程を調整し、診療日を決める。同センターはこのほか、介護者を休ませるために、難病患者が2週間程度一時入院できる病院を探す役割も担う。  同日、信大病院前で開いたセンターの開所式には約30人が出席。センター長の吉田邦広准教授(49)は「大学病院は地域医療の支援が求められており、患者とかかりつけ医、大学病院のネットワークを作りたい」と話していた。 "[he-forum 14310] 岐阜新聞6/2 岐阜新聞2009年6月2日付 岐阜大60周年で基金創設 財政基盤強化へ  岐阜市柳戸の岐阜大学は1日、国立大学として創設60周年を記念し、学生支援の充実などを目的とした「岐阜大学基金」を創設すると発表した。  大学運営は、国から交付される運営費交付金が年々削減されるという厳しい状況にある。基金は、卒業生や教職員、地元企業や地域住民から広く寄付を募り、財政基盤を強化するために設ける。  基金による事業展開として、優秀な学生や大学院生を対象にした奨学金制度を新設するほか、将来性が見込める若手研究者に対する教育研究活動や地域貢献活動、キャンパス環境整備などを支援していく。1日から受け付けを開始し、5年間で10億円を目標にしている。 "[he-forum 14311] 時事通信6/2 時事通信2009年6月2日5時1分 大学生ら、授業料滞納1万5000人=文科省  大学、短大、高等専門学校の授業料を2008年度末時点で滞納していた学生は1万4662人に上ることが、文部科学省の調査で分かった。学生全体に占める割合は前年同期比0.2ポイント増の0.6%で、同省は「不景気の影響が出た。学校側は、学生が経済的理由で就学機会を失うことがないよう対応してほしい」と求めている。  調査は、国公私立の大学、短大、高専について07、08年度末の状況を集計。全国1225校のうち1148校から回答があった。  これによると、08年度中に経済的理由で中途退学した学生は7715人。約7割の学校では経済的支援に関する相談件数が増加した。  学校側の対応としては、経済危機が深刻化した昨年9月以降、219校が奨学金制度を新設、拡大したり、授業料や入学料の猶予減免を新たに実施したりした。  全国の私立高校を対象にした別の調査では、08年度末に授業料を滞納していた生徒は同0.1ポイント増の0.9%に当たる9067人だった。  文科省は「09年度予算、補正予算に奨学金事業への支援などを盛り込んだ。これらの施策を活用し、きめ細かい対応をお願いしたい」としている。 "[he-forum 14312] しんぶん赤旗6/2 しんぶん赤旗2009年6月2日付 奨学金 ブラックリスト化やめよ 参院委 文科相「実態調査する」 山下議員追及に  日本共産党の山下芳生議員は1日の参院決算委員会で、奨学金の返済を滞納した利用者を個人信用機関に通報する「ブラックリスト化」について、「『教育の機会均等』を保障する制度の趣旨と相いれない。即刻撤回すべきだ」と迫りました。  日本学生支援機構の2009年度奨学金案内は、3カ月以上返済を滞納すると「ブラックリスト化」され、クレジットカード使用や住宅ローンが組めなくなると明記。「同意書」の提出まで求めています。1回ブラックリストに載ると、返済しても5年間はリストから消されません。  山下氏の質問に、塩谷立文科相は「いまのところ被害が出ていない」と述べ、「ブラックリスト化」に固執する姿勢を示しました。  山下氏は「被害が出ている」とし、“大学院まで借りた場合の返済金額を考えると自信を失い、進学を断念した”という大学院進学を希望していた国立大4年生の声を紹介。「奨学金制度が学問を断念させている。実態を調査し、再検討せよ」とただしました。塩谷文科相は「実態は調査する」と述べました。  山下氏は、すでに奨学金を借りている在学生にまで同意書提出を求めていることを批判し、「同意書を提出しなくても、奨学金を打ち切るべきでない」と追及。塩谷文科相は「それはございません」と答えました。  また山下氏は、「学費を負担に感じる」学生が6割にのぼるという実態調査を示し、「速やかに学費の負担軽減に取り組むべきだ」と要求。塩谷文科相は「検討する」と答えました。 "[he-forum 14313] 産経新聞6/2 産経新聞2009年6月2日付 法科大学院、700人削減へ 22年度定員 司法試験合格率低迷で  法科大学院74校のうち、約9割にあたる65校が平成22年度以降に定員削減を予定もしくは検討しており、22年度の総定員数は現在の5765人から700人程度減少する見通しであることが1日、法科大学院協会の調査でわかった。  法科大学院は20年度、74校中46校が定員割れし、司法試験合格率は33%と低迷。中教審の特別委員会は抜本的な定数削減や、「適性試験」で最低基準を設けることを求め、日弁連も定員を4000人まで削減するよう提言している。同協会は最終的な削減数は計1000人程度とみている。  調査は同協会が1~3月、全74校にアンケートを実施(うち1校は公表拒否)。具体的な削減計画を示したのは47校で、検討中としたのが18校あった。  削減率が最も大きいのは新潟と神戸学院の2校で、41・7%減。ほかに鹿児島、東北学院、広島修道、神奈川の計6校が4割以上削減する。  一方、削減予定がないとしたのは中央や立教など私立5校。関東学院、姫路独協、福岡の3校は今年度から定員削減を行っている。  20年度の新司法試験合格者がゼロだった信州と愛知学院は、信州が「検討中」、愛知学院が「20~11・4%減」としている。  入学者選抜について適性試験の比重を上げたり、論述試験を充実させるといった改善をしているとしたのは約8割の59校。成績評価についても62校が再試験廃止などの工夫をしていると答えた。        ◇ 【法科大学院の定員削減予定】            削減率  院数 学校名               4割以上 6  新潟、鹿児島、東北学院、神戸学院、         広島修道、神奈川          4割未満 10  金沢、静岡、学習院、創価など    ~2割超                      2割   21  北海道、東京、京都、筑波など    2割未満 10  一橋、神戸、青山学院など      検討中  18  東北、信州、首都大学東京、慶応など 予定なし 5  北海学園、専修、中央、立教など   削減済み 3  関東学院、福岡、姫路独協      (法科大学院協会まとめ)              "[he-forum 14314] 京都新聞5/13 京都新聞2009年5月13日付 京大吉田寮 新築を提案 現存最古の学生寮  京都大は、現存で日本最古の学生寮とされる吉田寮(京都市左京区)の新築案を12日までにまとめ、寮生との協議を始めた。西村周三・学生担当理事は「学生寮は教育上有意義なものと考えている。定員を増やし発展させていきたい」とし、来年度の一部着工を目指している。  吉田寮は1913(大正2)年に建設。木造2階建てで約180人の学生が生活する。京大の学生自治、学生文化の象徴として知られ、映画「鴨川ホルモー」のロケ地ともなった。過去に老朽化で廃寮が検討されたが学生が反対し、新寮建設の話し合いも行われたが、合意が得られなかった。  大学案は、寮の北に計画する国際交流拠点施設とともに、1996年に火災で焼失した食堂跡を含む土地で留学生と混住型の新寮A棟(定員200-250人)を建設。現寮生の新寮移行後、今の吉田寮を取り壊しA棟と同規模の新寮B棟を建設する。  B棟建設には学生の意見を取り入れ、共用スペースや現在の木造建物の一部を残すなど寮の歴史や文化を伝えることも検討する。  京大は4月20日に寮生に案を提示、5月12日までに2回、寮生と話し合った。A棟と国際交流施設を一体として文部科学省に概算要求を行いたいとし、6月中旬までの合意を目指している。  京大は今後、寮生と入寮基準など新寮の管理運営について話し合う。吉田寮の取り壊しが前提のB棟建設に向けて、大学は寮生でつくる自治会との一定の合意を求めている。  西村理事は「今の吉田寮は耐震性に問題があり、学生と留学生の受け入れを増やすためにも寮を建設したい」と話している。  吉田寮自治会執行委員会は「A棟建設は定員増などのメリットがあり積極的に合意を目指したい」としている。 "[he-forum 14315] 6/3山形新聞 2009年06月03日 08:05 山形大、一時金を一部凍結 一般職員など0.2カ月分  山形大は2日、人事院の臨時勧告に準じ、職員の夏季一時金支 給額について、一般職員と学部長など特定幹部職員の期末・勤勉手当を 0.2カ月分、役員の期末手当を0.15カ月分凍結することを明らか にした。約2000人が対象で、凍結額は約1億4000万 円。  同大によると、一般職員と特定幹部職員は当初支給予定の期末・勤勉 手当計2.15カ月分が1.95カ月分となり、役員の期末手当は 1.60カ月分が 1.45カ月分となる。一般職員のケースでは、平均 年齢の約42歳で1人当たり約7万1500円の凍 結。学長は約23万2000円減額し、支給額は約 224万 円となる。  いずれも特例措置として、就業規則を改定して対応した。結城章夫学 長は同日、定例の記者会見で「民間企業の厳しい状況や、人事院勧告の 内容などを考慮した。労働組合との交渉で合意は得られていないが、国 の財政支援を受けている国立大学法人として、当然の措置だと考えてい る」と述べた。 "[he-forum 14316] 朝日新聞6/5 朝日新聞2009年6月5日付 東大、学内融資でも利息とります 「真の経営体目指す」  東京大学は今年度から、大学本部が学内の学部や研究所などに貸している資金について利息をとることを決めた。国立大学の法人化から6年目を迎え、「真の経営体を目指して、内部であっても頂くものはしっかり頂く」(本部財務戦略グループ)ことにした。徴収1年目となる10年度には1800万円程度の「収入」を見込んでいる。  東大には企業や個人から教育や研究など目的を限定された寄付金が年に50億~60億円程度あり、翌年度以降に繰り越した分の累計は約300億円。年度ごとの通常の予算とは別に、これを学内資金として国債などで運用していて、学部などから施設の建築費や改修費などで借り入れ要請があった場合には、ここから貸している。これまでは無利子だったが、貸さずに運用していれば運用益が出ていたとして、それに相当する額を利息としてとることにした。利息は年度末の残高に応じて翌年度に徴収。ただ、返済中の分については今年度は猶予して来年度から徴収する。当初の利率は年0.8%としている。  東大によると、08年度には医学部の施設改修費に3億円、07年度には数物連携宇宙研究機構の施設建設費に20億円、医学部付属病院の看護師宿舎の建設費に8億5千万円の計28億5千万円を貸した。  田畑磨・本部財務戦略グループ長は「銀行などから借り入れれば2%以上の利息になる。今回の制度なら、大学全体にも借り入れた部局にも、メリットがある」と言う。これに対し、利息を払うことになる部局の幹部は「払うべきものは払うが、大学からはその分、十分な支援をお願いしたい」と注文をつけている。  学内でも利息をとる制度は一部の国立大ではすでに導入しているが、リーダー格の東大が導入したことで、今後、他大学にも波及しそうだ。  文部科学省国立大学法人支援課は「学内の資源配分なので利息をとっても問題はない。法人化前には考えられなかった新たな発想で、法人化のメリットが活用されているといえる」としている。(杉本潔) "[he-forum 14317] 毎日新聞高知6/5 毎日新聞高知版2009年6月5日付 高知女子大:11年春共学化へ 計画から1年遅れ 保健・福祉分野へ門戸開放 ◇校名は変更方針  県立高知女子大(山根洋右学長)は4日、2011年4月から男女共学にすると発表した。共学化は、保健・福祉分野を希望する男子学生への門戸開放や、県内高校生の進学機会の確保が目的。大学名は変更する方針で、今後、設備面や募集要項の作成などの準備を進めながら県などと検討を進める。【服部陽】  県立大改革を進める県は06年9月にまとめた改革基本計画で共学化を表明。さらに、尾崎正直知事は昨年9月の県議会で、県が女子大の再編を目指す2010年をめどに「共学化を行いたい」と強調していた。女子大側は先月末にあった学内の教授ら17人でつくる評議会で、全学部・学科の完全共学化を正式に決定した。  この日、会見した山根学長は大学側として初めて共学化を表明。全国に先行して少子・高齢化が進む県内で看護・福祉分野の人材育成が求められていると位置付け、「60年の伝統を生かした上で県内外から優秀な人材を招き入れ、教育立県としてのミッションを果たしたい」と述べた。  さらに実施時期については、トイレや更衣室などの施設整備▽募集要項の準備や広報活動の充実▽男女平等の教育カリキュラム--などの体制づくりのため「知事が言う時期とは1年ずれるが、教育の質を保証するため」と説明した。  今後、県が共学化を盛り込んだ学則に変更し、来年度初めまでには文部科学省に届け出る。10年度入学の受験生向けの募集要項にも共学化の予告を盛り込むという。大学名について山根学長は「名実ともに一致すべきだ」として、変更する考えを明らかにした。  大学の発表を受け、尾崎知事は4日の定例会見で「大学の決定を真摯(しんし)に受け止める」と表明。時期が1年遅れることについては「特段の影響はない。学生を受け入れるための中身を整えるべきで、妥当だと思う」と述べた。  女子大は1949年開学。県は県立大学改革の一環として、現在の4学部体制から10年4月に生活科学部を再編し、健康栄養学部を新設する計画。さらに社会科学系の新学部の設置も検討している。女子大によると、全国で公立女子大は、群馬県立女子大と福岡女子大のみという。 "[he-forum 14318] 朝日新聞6/4 朝日新聞2009年6月4日付 「歳出引き締め」後退、再建は消費増税頼み 財政審  財務相の諮問機関の財政制度等審議会(財政審)は3日、10年度予算編成に向けた意見書を公表した。経済危機を受け、これまでの「引き締め路線」の軌道修正が目立つ。政府の経済財政諮問会議が着手した財政再建の新目標づくりも増税が前提。高齢化や格差拡大で社会保障費の抑制は難しくなり、将来の消費税アップは避けられないとの思いがちらついている。      ◇  「財政規律を確保できる形で考えてほしい」。財政審の西室泰三会長は、10年度の予算編成の基本的な考え方を示した意見書を与謝野財務相に手渡した後、記者会見でこう説明した。  10年度予算は09年度予算よりも税収減が確実で、意見書は「公債依存度が大幅に上昇する見込みだ」との見通しを示した。「非効率な歳出の改革を先行すべきだ」(財務省幹部)との考えから、とりわけ医療と大学に重点を置き、具体的な問題を提起した。  医療分野では、地域間や診療科目による医師の偏在を取り上げ、中央社会保険医療協議会(中医協)が決めている診療報酬の配分方法に一因がある、と指摘。10年度の改定で、開業医と勤務医の待遇差の是正などを求めた。  大学予算については、国立大学法人に、横並び意識を捨てて研究や教育成果を評価した上で予算の配分を決める「成果主義」を強化することを促した。  もっとも、一般会計の25%を占め、少子高齢化で膨らむ社会保障費については、昨年までの歳出抑制路線から大きくトーンダウン。前年の意見書には、自然増を毎年2200億円ずつ抑える数値目標が盛り込まれたが、今年は数値を明示していない。  09年度予算で社会保障費の抑制目標は事実上崩壊し、経済危機対策では「安全・安心」が旗印となっている。西室会長は「具体的に言っていないのは、『骨太09』で示してほしいからだ」と諮問会議の判断にゲタを預けた。  一方で意見書は、将来世代へのツケ回しを減らすため、歳入増の必要に言及。「安定財源の確保が一刻も早く求められている」とした。ただ、財源として有力視される消費増税については、具体的な言及を避け、従来の政府方針の紹介にとどまった。総選挙が近い現状を踏まえ、与野党の対立をあおって政局を揺さぶりかねないとの判断だが、財政の「お目付け役」としては物足りない中身だった。      ◇  財政再建の新たな目標の柱として、政府の経済財政諮問会議で議論が本格化したのが、債務残高の国内総生産(GDP)に対する比率の抑制だ。日本は主要国の中でも比率が際立って高く、経済規模に見合った額に債務を抑える必要がある。  これまでは、税収で借金返済を除く歳出をまかなう「基礎的財政収支の黒字化」を11年度に達成することが優先され、債務残高には焦点が当たっていなかった。だが、11年度の黒字化は不可能に。3日の諮問会議で内閣府が明らかにした試算では、黒字は20年代初めだ。赤字の間は債務は増え続け、長期金利が上昇すれば負担はさらに重くなる。  同日の諮問会議で民間議員は、債務残高GDP比の引き下げを柱に、基礎的財政収支も改善させる新たな目標をつくるよう提言。与謝野経済財政相は会議後の会見で「フロー(収支)とストック(債務残高)の両方の目標を決めないと定かな結果をもたらさない」と述べた。  新たな目標は、歳出削減と同時に10年代半ばまでに消費税増税を含む税制改革を行うことが前提だ。与謝野氏は会見で、増税は「(財政再建に)間接的には恩恵がある」と述べ、財政再建と切り離せなくなっている。 民間議員は次回の会合で具体的な目標案を示す予定で、月末にまとめる経済財政改革の方針「骨太の方針09」に盛り込まれる。(山口博敬、橋本幸雄)      ◇ ■財政審の建議(意見書)の骨子 【総論】 ・我が国財政は極めて危機的な状況 ・15.4兆円を投じる「経済危機対策」は緊急避難で一時的な措置 ・11年度までの基礎的財政収支黒字化の目標は達成困難 ・債務残高の対国内総生産(GDP)比の安定的引き下げが不可欠 ・10年度予算は税収減などから公債依存度が大幅に上昇する見込み ・10年度予算でも「骨太06」の歳出改革の方向性は維持 【社会保障】 ・現在の社会保障給付は将来世代へのつけまわしに依存している。一刻も早く社会保障の安定財源を確保することが極めて重要 ・診療報酬の配分見直し、医師の適正配置に早急に取り組む必要 ・国民医療費確保の安定財源が必要。自己負担増も視野に 【その他】 ・大学の過剰が学力低下の要因。大学の質の向上と量の抑制が急務 ・温室効果ガスの排出量削減目標は、達成への道筋が描ける水準に設定し、財政措置は歳出改革と整合性がとれたものに ・農政改革では、農地集積を通じた農業経営体の規模拡大が必要 "[he-forum 14319] 陸奥新報6/5 陸奥新報2009年6月5日付 弘大へ太陽光発電設備の導入盛る 補正予算で文科省  文部科学省は4日、2009年度補正予算に基づく文教施設費の内訳を発表した。本県では弘前大学への太陽光発電設備導入が盛り込まれた。  弘大によると、太陽光発電設備は30キロワット規模で、文京キャンパス内の弘前大学創立50周年記念会館屋上にパネル1基を設置する予定。パネル設置には300平方メートル程度の広さが必要と想定しており、発電した電力は会館内の照明などに使うことを検討している。県によると、津軽地区では平川市庁舎に設置されている30キロワット規模の太陽光発電設備が最大。弘大のパネルは2例目となる。 "[he-forum 14320] 愛媛新聞6/4 愛媛新聞2009年6月4日付 松山労基署が愛媛大に賃金是正勧告  愛媛大医学部の元非常勤女性研究員の賃金に不払いがあったとして、同大が松山労働基準監督署から不払い賃金を支払うよう是正勧告を受けていたことが3日までに分かった。同大は近く賃金約137万円を支払う予定。女性は勤務当時にアカデミックハラスメントを受けたと訴え、同大は3月、講師ら2人を訓告処分にしていた。  愛媛大と女性によると、女性は2000年4月から医学部で教育協力者や研究支援者、国関係機関採用などの形で研究に従事。今年3月、女性が同労基署に賃金不払いを申告していた。賃金支払い請求権の時効は2年で、労基署は07年4月~09年3月分について女性の主張を認めた。 "[he-forum 14321] 北海道新聞6/5 北海道新聞2009年6月5日付 北大、技術移転で連携協定 北見工大・酪農学園大と初 協定書を締結し握手する(左から)鈴木忠敏・酪農学園大エクステンションセンター所長、佐伯浩・北大学長、鮎田耕一・北見工大学長  北大は4日、北見工大と酪農学園大のそれぞれの研究成果に基づいて特許出願や民間への技術移転業務を行うため、北大に開設されたTLO(技術移転機関)部門と連携協力する協定を両大学と結んだ。  同日、北大で行われた協定書締結式で、佐伯浩北大学長は「道内大学が知的財産活動で連携すれば新市場が生まれ、北海道経済の発展につながる」と意義を強調した。  北大は3月に解散した北海道TLOが果たしてきた技術移転業務を承継するため、4月に産学連携本部を改組しTLO部門を設置した。  国立大学法人の内部組織が地域の他大学の技術移転業務を担当するのは国内でも初めてで、北大は今後、他大学や高専とも連携協力協定を結ぶ。 "[he-forum 14322] 産経新聞福井6/5 産経新聞福井版2009年6月5日付 サテライト講座の単位化を検討 大学連携リーグ 福井  県内8校の大学、短大、高専でつくる大学連携リーグと西川一誠知事の懇談会が4日、県庁で開かれた。本年度から福井市のアオッサでスタートした連携企画「サテライト・キャンパス講座」について学生の単位として認める仕組みを検討していくことになり、来月にも各校の教員が企画運営委員会に加わることを申し合わせた。  福井大、県立大などの学長や理事長が出席し、県が同講座の単位化や大学間で単位を互換できる講義の同キャンパス開講について意見を求めた。学校側から異論はあがらなかったが、各校とも学内の審議会や教授会に諮る必要があるため、教員を交えて検討を進めることで合意した。  県は単位化する講座の例として、各大学の教養科目や県立恐竜博物館の「恐竜学」、プレゼンテーションに主眼を置いた英語などの語学教育などをあげている。  しかし実現までにハードルは多く、質疑の中で福田優・福井大学長が「講座を単位として認められる内容にする必要がある」などと課題を提示。複数の講師が担当する講座の特性から、単位取得をだれが認めるかについて仕組みをつくる必要があるとの意見もあがった。  また、県は現在無料の講座を学生の単位取得が可能な講座にした場合、一般参加者から聴講料を徴収する可能性があると指摘。企画運営委員会でこれらの課題を整理し、話し合うことになった。  サテライト・キャンパスは学校の垣根を越えて複数の教授・講師陣がリレー形式で講義を行い、学生のほか社会人も受講できる学習拠点。大学連携リーグが6月に開設した。 "[he-forum 14323] 時事通信6/5 時事通信2009年6月5日19時46分 博士、教員課程の縮小を=国立大に要請-文科省  文部科学省は5日、86ある国立大学に博士課程や教員養成系学部の定員縮小を要請する文科相名の文書を通知した。各大学が月内に素案をまとめる2010年度からの中期目標に反映させる。  国立大は04年度の法人化に際し、教育・研究や業務運営について6年間の目標を策定しており、今年度は2期目の目標を立てる。同省は、目標に具体的な数値や達成時期を盛り込むことも求めている。 "[he-forum 14324] 共同通信6/5 共同通信2009年6月5日23時32分 法科大学院59校が定員割れ 今春入学、13校は50%未満  全国の法科大学院74校のうち、80%の59校で今春の入学者が入学定員を下回り、うち13校は50%未満だったことが5日、文部科学省のまとめで分かった。入学総定員5765人に対する入学者は計4844人で充足率は84%だった。  志願者数は全体で延べ2万9714人と3万人を割った。受験者数は同2万5857人で合格者は同9186人、競争倍率は2・8倍だった。  法科大学院は、修了者の新司法試験合格率が昨年は平均33%と低迷、質向上が課題とされている。法科大学院協会が実施した今春の調査では、少なくとも65校が2011年度までに定員削減をしたり検討するとしており、定員削減の動きに拍車が掛かりそうだ。  文科省によると、千葉大(定員50人)は競争倍率が8・5倍と高く71人を合格としたが、入学者は41人と定員割れとなっていた。  私立大では、姫路独協大(30人)が入学者5人、京都産業大(60人)が同19人、東北学院大(50人)が同18人などと定員割れ。国立大では、昨年の新試験の合格率が0%だった信州大(40人)が入学者17人で、定員の半数を割った。  入学者割合が100%を超えたのは12校で、熊本大(30人)が入学者35人、名古屋大(80人)が91人、上智大(100人)109人などだった。 "[he-forum 14325] 毎日新聞岩手6/6 毎日新聞岩手版2009年6月6日付 岩大フェア:“岩手の味”を東京で 12~14日、銀座のアンテナショップで ◇「岩大みそ」など県産品販売  岩手大学(盛岡市、藤井克己学長)は12~14日、東京・銀座にある県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」で県内企業の商品を紹介、販売する「岩手大学フェア2009」を開く。同大の教員5人が開発に携わった11商品と農学部農場が製造する「岩大みそ」などを集め、首都圏で県産品と大学を併せてPRする。  岩手大地域連携推進センターによると、同大で初めての取り組み。同大は地域活性化を図るため、教員が県内企業の商品開発に研究成果を提供、助言するなどの産学連携を進めている。  糖の吸収を抑える桑の葉の働きを解明した農学部の鈴木幸一教授(昆虫生理学)は、桑の葉を練り込んだ冷麺(れいめん)やウインナーなどの開発に協力。教育学部の田中隆充准教授(デザイン学)も岩谷堂箪笥(だんす)など県内工芸品のデザイン改良に携わっている。  同センターの早川浩之専門員は「県内企業が首都圏でPRできる機会は多くない。県産品を知ってもらい、企業の販路拡大につなげたい」と話す。  フェアに出品する商品などへの問い合わせは、同センター(電話019・621・6491)。【山口圭一】 "[he-forum 14326] 読売新聞6/6 読売新聞2009年6月6日付 職員の力(8)研修重ね「支え手」自覚  職員研修が大学と地域を融合させる。  ゴールデンウイークのはざまにもかかわらず、山形大学(山形市)の一室では、十数人の学生と教員、職員がホワイトボードの前でひざ詰め議論を交わしていた。  「庭を使えないかな」「雨が降ったらどうするの」  学生や教職員が4年前から参加する国際交流行事について、いかに盛り上げるか、どうしたら町の活性化につなげることができるか、知恵を出し合っているのだ。  年4回開かれるこの行事の開催地は、大学から車で30分以上かかる山形県河北町。交流のきっかけは、同大が2003年に始めたスタッフ・デベロップメント(SD)と呼ばれる職員研修だった。  3人程度の職員チームが市町村と協力して、地域と大学の交流を図る。机上の空論に終わらせず、成果まで求める――。同町との交流を任された同大職員の山川正敏さん(35)は、「行ったこともない町。どうなることやら」と、不安でいっぱいだったという。  町職員と話し合ううち、町が国際交流に力を入れており、関連行事に三上英司・同大准教授(47)がかかわっていることを知った。三上さんは三上さんで、多くの学生を参加させたいと願いながら、移動手段がないのに困っていた。  早速、山川さんは大学にかけあい、町と大学を結ぶバスを出してもらうなどするうち、町と大学のパイプは太くなった。「職員なのに学内を知らない自分、学内の分断ぶりにあきれた」と、山川さんは苦笑する。 ◎  この山形大で、一昨年11月、大学の枠を超えたSD「職員サミット」1回目が開かれた。提唱したのは、桜美林大学大学院で職員養成の授業を担当する高橋真義教授(62)だ。  多様な学生をきちんと社会に送り出すには、柔軟な発想と演出のできる「プロデューサー職員」が不可欠だと、高橋さんは考える。「職員は大学を支える大黒柱だという気概を持って」と熱っぽい。  そのためには、自分の大学に誇りを持ってほしい。サミットのメーンは、「大学自慢」コンテスト。昨秋は山口大で開催し、今年は芝浦工業大(東京)が舞台となる。 ◎  山形大の地域交流事業は、河北町以外でも続いている。県北部の新庄市など8市町村との連携もそうだ。少子高齢化を抱える地域に学生を送り込み、現地体験を通して学ぶ授業や課外活動を行っている。  「継続することが重要だが、難しい」と話す担当の小田隆治教授(54)は、山形大だけでなく、年間20を超える大学で研修を指導している。大きな阻害要因は「大学組織の不健全さ」。前例踏襲、職員の頑張りを認めない、“出る杭(くい)”をやたら打つ。「ダメな組織で職員だけ研修しても根付かない」とため息をつく。  職員の変革を求める大学自身が、組織としてのありようを問われる時代だ。(松本美奈、写真も) ◇  来週からは、宇宙教育をテーマにお届けします。  スタッフ・デベロップメント 職員の資質向上・能力開発のための組織的な取り組み。研修や講演会などを行う大学が多い。これに対して、教員の資質向上のための組織的な取り組みはファカルティー・デベロップメント(FD)と呼ばれ、大学設置基準の改正で昨年4月から大学に義務づけられた。 "[he-forum 14327] 朝日新聞6/3 朝日新聞2009年6月3日付 5年で衛星34機打ち上げ目標 政府の宇宙基本計画決定  政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生首相)が2日、宇宙開発利用の国家戦略となる宇宙基本計画を決定した。一連の計画に必要な予算や人員は盛り込まれなかったが、添付した別紙で「官民合わせて最大2.5兆円の資金が必要」との試算を初めて示した。  計画は今後10年間を見通して5年間に推進すべき施策と位置付けられている。  安全保障の分野では、現在3機で運用している情報収集衛星について「4機体制を実現する」とした。さらに、懸案とされる早期警戒衛星については「センサーの研究を推進する」とした。今年末を目標に見直しが進んでいる防衛大綱との「整合性を確保する」として、弾道ミサイルを探知する早期警戒衛星そのものについて踏み込んだ記述にはならなかった。  計画では宇宙の開発利用を拡大させるため、地球観測や災害時の情報把握、科学研究などの分野で、人工衛星の打ち上げ回数をほぼ倍増させ、5年間で34機を目標に置いた。このうち月探査では、2020年ごろにまず二足歩行ロボットなどによる無人探査を目指す。有人宇宙活動については「1年程度をかけて意義、成果、資金見積もりなどを検討する」とした。  野田宇宙開発担当相は記者会見で「有人活動は計画の大きな柱」と述べ、麻生首相が出した指示に基づき、ただちに検討を開始すると表明、1年後をめどに方針を明確化させる考えを示した。  宇宙開発予算は今年度当初の時点で約3500億円。試算で出された2.5兆円の資金については、民間からの投資を含んだものだが、資金を確保するには現状をはるかに上回る予算が必要となりそうだ。(行方史郎) "[he-forum 14328] しんぶん赤旗6/3 しんぶん赤旗2009年6月3日付 政府が宇宙基本計画決定 軍事衛星の活用盛る 憲法9条踏みにじる  政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生太郎首相)は2日、初めての宇宙基本計画を正式に決定しました。防衛省・自衛隊による軍事衛星の活用、民生技術を軍事分野に活用することなどを盛り込みました。これまで「非軍事」を原則にしてきた日本の宇宙政策を百八十度転換し、宇宙空間を軍拡に利用するもので、憲法9条を踏みにじる重大な問題点をはらんでいます。  基本計画は、宇宙開発利用の力点を、従来の「研究開発」重視から「利用」重視に転換。そのうえで「宇宙を活用した安全保障の強化」「戦略的産業の育成」など、基本的な六つの方向性(別項)を掲げました。  具体的計画として、安全保障、地球観測、気象など5分野の宇宙利用システムの構築、宇宙科学、有人宇宙活動など4分野の研究開発プログラムの推進を定め(別項)、今後5年間で人工衛星や探査機など34機の打ち上げを見込んでいます。そのために必要な資金は、戦略本部事務局の試算によると、官民合わせて最大約2兆5000億円。  「安全保障を目的とした衛星システム」では、米軍と自衛隊が一体で進める、ミサイル防衛のための早期警戒衛星導入に向けたセンサー(検出器)の研究を明記しました。  大規模災害監視などの名目で導入した情報収集衛星(事実上の軍事偵察衛星)の性能について、従来の制約を取り払って「商業衛星を凌駕(りょうが)する解像度」に高めることや、5年内に地球上の特定地点を1日1回以上撮影できる4機体制にするとしました。 「軍拡」へ露骨な転換 吉井議員の話  昨年、自民・公明・民主の各党によって、宇宙基本法がわずか4時間の国会審議で成立しました。宇宙開発利用の目的に「安全保障」を入れることで、「非軍事」が原則だったこれまでの日本の宇宙開発のあり方を、「軍拡」へ百八十度転換するもので、日本共産党は強く反対しました。基本計画はこの転換を露骨に具体化したものです。  日米共同で進めるミサイル防衛のための早期警戒衛星の導入は、法案審議では「別途考えるべき課題」としていたのに、早くも今回、搭載機器の研究が明記されました。  また計画は、宇宙産業の育成を掲げています。宇宙科学の発展や国民生活を豊かにするのは当然です。宇宙開発に名をかりて、国民の税金を使って、軍需利権と結びつくゼネコン型公共事業のような新しい利益の場を宇宙につくることは、許されないことです。  小惑星探査機や天文衛星の活躍など、日本の平和的な宇宙開発は、国際的に高い評価を受けてきました。しかし今後、研究者が軍事衛星の開発に動員されたり、研究発表で制約をうけることなどが心配されます。また、研究が軍事目的ではないかとの懸念を生み、国際的な信用を失いかねません。科学技術の発展の障害となります。  密室で策定された基本計画の危険性を国民に知らせ、世論を広げる必要があります。憲法の平和原則に撤した宇宙開発へ、国民多数と結んで国会内外で奮闘したいと思います。 --------------------------------------------------------------------------------  宇宙基本計画 昨年施行された宇宙基本法にもとづいて策定される、今後10年程度を見通した5年間の宇宙開発利用についての国家戦略。5年後をめどに見直されます。 ■基本的な六つの方向性…▽宇宙を活用した安心・安全で豊かな社会の実現▽宇宙を活用した安全保障の強化▽宇宙外交の推進▽先端的な研究開発の推進による活力ある未来の創造▽21世紀の戦略的産業の育成▽環境への配慮 ■9分野のシステム・プログラム…▽宇宙利用システム(アジア等に貢献する陸域・海域観測衛星システム、地球環境観測・気象衛星システム、高度情報通信衛星システム、測位衛星システム、安全保障を目的とした衛星システム)▽研究開発プログラム(宇宙科学プログラム、有人宇宙活動プログラム、宇宙太陽光発電研究開発プログラム、小型実証衛星プログラム) 宇宙の軍事利用めぐるおもな動き 1969 宇宙開発事業団が発足。宇宙開発を「平和の目的」に限り「自主・民主・公開・国際協力」の原則を明記した国会決議(宇宙の平和利用決議)。国会も政府も「平和の目的」を「非軍事」だと明確化 1985 自衛隊が通信衛星を利用するさい、政府は「平和の目的」の解釈として、利用が一般化している衛星と同様の機能の衛星に限って認める見解を表明(一般化理論) 1998 事実上の軍事偵察衛星である情報収集衛星の開発に着手 2003 情報収集衛星を打ち上げ。内閣官房が運用し、防衛省(庁)が利用する形態 2004 日本経団連が、平和利用原則の解釈の見直し、産業化の促進を提言 2006 自民党防衛族、防衛省幹部、軍需産業による研究会が、海外活動のインフラ整備など、自衛隊による宇宙活用の必要性を提言  自民党が「平和の目的」の解釈変更を狙う政策提言。議員立法による新法制定に着手 2007 自民・公明両党が、宇宙開発利用の目的に「安全保障」を盛り込んだ宇宙基本法案を提出 2008 民主党が自・公に加わり一部修正した同法案を共同提出。わずか4時間の国会審議で成立  宇宙開発戦略本部が発足。宇宙基本計画の策定作業開始 2009 防衛省が宇宙開発利用に関する基本方針をまとめる  日本経団連が、早期警戒衛星や軍用電波傍受衛星の導入など要望  初の宇宙基本計画を策定 "[he-forum 14329] 6/8しんぶん赤旗 2009年6月8日(月)「しんぶん赤旗」 国際人権規約 高校・大学の学費無償化条項 留保 日本など2国だけ  高校と大学の学費を段階的に無償化することを定めた国際人権規約の A規約(社会権規約)第13条を留保している日本など3カ国のうち、 ルワンダが昨年12月に留保を撤回していたことが分かりました。これ で、同条項を留保している国は、条約加盟国160カ国中(09年5月 現在)、日本とマダガスカルの2カ国だけとなりました。  国際人権規約は1966年、国連総会で採択されました。日本政府は 79年にこの条約に加わりながら、中等・高等教育の学費無償化条項は 留保したままです。  国連の社会権規約委員会は2001年、日本政府に対し、留保を撤回 するよう勧告しました。ところが政府は、回答期限の06年が過ぎて も、まだ回答をしていません。  日本の学費は世界でも異常な高額です。とりわけ貧困と格差の拡大の 中で、学費が高すぎるために毎日深夜までアルバイトをして体を壊す学 生や、学校を去らざるをえない若者が増えていることは見過ごせません。  日本共産党は、無償化条項の留保を直ちに撤回して国の姿勢を転換 し、学費を計画的に引き下げることを求めています。 国内総生産  日本       2位  マダガスカル 125位  日本の国内総生産は、515兆837億円(2007年度) で世界2位。それに対し、マダガスカルは125位で73億ドル (07年、約7200億円、1ドル=98円で換算)、ルワンダは 150位で33億2000万ドル(同、約3300億円)です。  国際人権規約 1966年の国連総会で採択され、76年に発効した 人権の国際的保護を定めた条約。48年の国連総会決議であった世界人 権宣言の内容の条約化をはかったもの。A規約は「社会権的基本権」 を、B規約は「自由権的基本権」を規定しています。 "[he-forum 14330] 6/8しんぶん赤旗2 2009年6月8日(月)「しんぶん赤旗」 ゆうPRESS 高い学費 もう限界  日本の大学の異常に高い学費が青年の夢や進路を阻み、雇用と景気の 悪化が追い打ちをかけています。学費の負担軽減は待ったなしです。学 生自治会でつくる全学連(全日本学生自治会総連合)は12、13の両 日、学費の引き下げなどを求めて国会要請行動と集会を開きます。高い 学費の影響や引き下げへの思いを3人の青年に聞きました。(染矢ゆう 子) お金なきゃ勉強しちゃだめ? ■信州大学農学部3年の男子学生(20)  会社を経営する父の収入がこの不況でさらに落ち込み、昨年冬「学費 は払ってあげられない」と告げられました。両親はいつになく暗 い表情でした。  奨学金をすべて学費にあて、教科書代や自分の生活費のためバイトを 始めました。  毎日遅く帰ってくる父に申し訳ない、と思いつつ大学に通っていま す。大学と高校の受験を控えた妹と弟が大学に行けなくなるかもしれな いのに、勉強する価値があるのか、と思うこともあります。  学生自治会の執行部の一員として、アンケートや大学との交渉をして います。対話すると、家計に負担をかけてしまって申し訳ない、両親が やりくりに苦労していて申し訳ない、と話す学生が多くいます。  私も13日の全国学生集会に参加します。「お金がある人しか勉強し ちゃいけないんですか?」と政府に問いたい。 両親の貯金が底尽きた ■経済的理由で大学を退学した長谷川光洋さん(21)  昨年、父親に「大学をやめてくれないと生活できない」といわれ、2 年で和光大学(東京)を退学しました。  入学したときから、いつかはこうなると覚悟していましたが、「これ で終わり」と思うと力がなくなりました。  両親は共働き。しかし父親の賃金が下がり、ボーナスもなくなり、年 収は2人合わせても320万円。学費120万円と仕送り 120万円など私のための支出は年300万円を超えていたそうです。  両親は、貯金を全部使い果たしました。福井県の実家に戻ると、父親 は「ごめんな」と謝りました。  退学し、働き始めると人とのかかわりが減りました。大学ではいろん な人に出会えて友達もできる。学ぶ権利は保障されるべきだと思います。  大学で学費を下げる運動に出合えてよかった。学費が高いことがおか しいなんて考えたこともなかったので、ぐっときました。出合わなけれ ば今も国立大に行けなかった自分を責め、親を責めていたと思います。 睡眠時間は1~2時間 ■関東学院大学工学部2年の女子学生(19)  母親のパート代だけでは余裕はありません。「自分で払うから大学に 行くね」といって入学しました。  学費と一人暮らしの生活費を奨学金とバイトでまかないます。学費は 年128万円。無利子と有利子を合わせて月16万円の奨学金のほ とんどが学費でなくなります。まだ足りないので6月分の奨学金が振り 込まれるまで納入を遅らせてもらっています。  週に3~4日、カラオケ店で深夜バイトをしています。睡眠時間は 1~2時間です。授業中寝てしまうことも多いです。一人暮らしの費用 がたまるまでは茨城県の実家から神奈川県の大学まで片道2時間半かけ て通っていました。  兄も同じように、学費と生活費を自分で払っています。「やりたいこ とをやるんだからつらい思いをするのは仕方がない」と思っていまし た。でも、外国では学費が無償だと聞いて「変えられるかもしれない」 と気持ちがラクになりました。  国会要請は授業とバイトで行けませんが、私もできることをやりたい。 運動広がる  学生を中心に「学費を下げたい」の一致点で加入でき、学費引き下げ の署名活動などにとりくむ「学費ゼロネット」の結成が全国に広がって います。  現在、京都、東京、大阪、兵庫、千葉、愛知で活動。東京では今年、 22学園で1000人以上から実態アンケートを集めています。(グラ フ)  吹田市にある大阪大学の学生らでつくるゼロネットOSAKAは、吹 田市議会に要請。市議会は全会一致で高学費問題の改善を求める意見書 を可決しました。 図  学費ZEROネット東京のアンケート調査に寄せられた学生の声の一 部を紹介します。 ◆高校の友だちの多くが、学費の問題で進学を断念した(和光大) ◆入学金が準備できず、入学できなかった友人がいる(東京学芸大) ◆兄弟も私立大に通っているので、父が残業を増やし、家に帰ってくる 日が週に2~3日(早稲田大) ◆8人兄弟の友人は、下の子たちを高校・大学へ行かせるため、中卒で 働いている(東京大) ◆弟も大学進学を考えているので、親は土日も働こうか悩んでいる。働 きづめで病気になってしまわないか不安(東京農大) ◆学校がメーンなのか、バイトがメーンなのかわからない生活(和光大) ◆高校までアメフトをやって全国大会で2位になったが、部費、遠征費 を払えないので参加できない(早稲田大) "[he-forum 14331] 6/8朝日新聞 朝日新聞 2009年6月8日 学費滞納、4千人増加 08年度  08年度の全国の国公私立大、短大、高専の学費滞納者数は計1万4 662人で、07年度の1万632人から、4千人以上増えたことが文 部科学省の緊急調査でわかった。一方、経済的理由での中退者は1割強 減った。  調査は、今回の経済危機を受けて行われた。国公私立大学、短大、高 専計1225校を対象に、08年度末(今年3月20日時点)と07年 度末(昨年3月31日時点)の学費滞納者数、中退者総数、経済的理由 での中退者数などを尋ねた。94%にあたる1148校が回答した。  結果によると、学費滞納者は08年度1万4662人(全学生数の 0.6%)で、07年度から38%増えた。08年度の大学の滞納者数 を国公私別にみると、国立大は前年度から78%増の2742人。私立 大は同32%増の1万659人、公立大は同26%増の421人だった。  中退者総数は08年度が4万9394人で、07年度の6万3421 人から大幅に減った。経済的理由を挙げた中退者数も08年度7715 人で、前年度より1200人近く減った。文科省は「数字は今後、分析 が必要だ。減少の理由はよくわからない」としている。 "[he-forum 14332] 朝日新聞6/7 朝日新聞2009年6月7日付 国立大学に「埋蔵金」3000億円 07年度段階  全国に90ある国立大学に07年度段階で約3千億円の「埋蔵金」があることが財務省の調査で分かった。各大学の毎年度の予算の剰余金を合計したもので、財務省は今後、文部科学省や各大学に積極的な活用を促し、当面の交付金の抑制につなげたい考えだ。  国立大学は04年度に国立大学法人化。目的ごとに細かく予算を決めていた仕組みを改め、基礎的な運営費として一括交付し、大学の裁量で使い道を決められるようにした。予算が余った際も、国庫に返納する必要がなくなった。  「独立採算」の色合いを強めたことで効率化が進み、04~06年度は1~4大学が赤字だったが、07年度は全大学で黒字化を達成。04年度から毎年700億~1100億円の予算が未使用のまま余り、4年間の総額は3001億円。各大学が施設整備費や物品購入費、研究開発費、人件費などに自由に使うことが可能で、財務省はこれを「埋蔵金」と位置づけている。  政府は「骨太の方針06」に基づいて、国立大学への交付金を07年度から年1%ずつ削減している。大学側からの反発は強いものの、財務省は予算の効率運用の継続を求めるとともに、「埋蔵金」の積極的な活用を促して交付金の増額を回避したい考えだ。(山口博敬) "[he-forum 14333] 朝日新聞6/10 朝日新聞2009年6月10日付 研究費獲得 教員に報奨金、1%を現金支給 大阪府立大  大阪府立大(堺市中区)は6月末から、国や企業から研究費や寄付金を獲得した教員に対し、報奨金をボーナスに上乗せして支給する。府立大は橋下徹知事から「府民に存在意義が十分理解されていない」と批判され、存廃を含めた抜本的改革の議論が進む。報奨金で教員の意欲を引き出し、研究の充実や大学経営の改善につなげる狙いだ。(藤田さつき)  府立大によると、国から支給される科学研究費補助金や、民間から受託研究費などを獲得した教員に、獲得額の1%を現金で支払う。研究費の額が比較的小さい人文系の教員らも対象にできるように、獲得最低額は100万円とした。  ただし巨額の研究費などを獲得しても、報奨金の上限は50万円。6月末のボーナスに合わせて、報奨金の支給を始める。今回は08年度に研究費などを獲得した教員182人に計2017万円が渡されるという。  府立大は06年度から、研究費などを獲得してきた教員に、図書券や商品券を支給してきた。08年度は、2千万円以上を獲得した教員に一律10万円の商品券を渡したが、「使い道が限られて先生たちにメリットに感じてもらえなかった」(府立大幹部)という。このため現金支給に切り替えた。  府立大によると、年間約195億円の収入総額(08年度予算)のうち、こうした研究費などの外部資金は約15%を占めており、大学の収入アップにもつなげたい意向だ。同様の報奨金制度は九州大で例がある。 "[he-forum 14334] 長崎新聞6/9 長崎新聞2009年6月9日付 長崎大学病院、救命センター設置へ 長崎市新病院計画は見直し必至  長崎大学病院(河野茂病院長)は8日までに、最重症の3次救急患者を受け入れる「救命救急センター」を設置し、長崎市内では大学病院と市立市民病院にしかない新生児集中治療室(NICU)を大学病院に集約する方針を固めた。市は2013年度開院予定の新市立病院計画で救命センター設置と周産期医療の充実を明らかにしているが、計画の見直しを迫られるのは必至だ。  救命センターをめぐっては県内には国立病院機構長崎医療センター(大村市)にしかなく、県都長崎市に設置を求める声が以前からあった。長崎大はこれまで大学病院での設置に慎重な姿勢だった。昨年は県と歩調を合わせて市に対し、市民病院と成人病センター、日赤長崎原爆病院を統合して高機能病院を建設、そこに救命センターを設置するよう要望した経緯がある。  しかし、市は今年2月、長崎大、県の提案を拒否。市民病院と成人病センターを統合する計画を決定し、20床の救命センター設置を盛り込んだが、医師の大幅増員が必要なため計画の実現性を疑問視する声もあった。  河野病院長は「新市立病院で医師がどれだけ確保できるか不透明。大学でなければ対応が難しいと判断した。医師の臨床研修制度の見直しで救急分野が充実されることもあり、救命センター設置で研修医を引きつけたい」とし、早ければ年内にも救命センター設置を申請する考え。  一方、NICUはこれまで市民病院に15床、大学病院に9床あり、市民病院に重点化する方向だったが、昨年末、文部科学省が国立大全病院に整備する計画を決定。大学病院は市民病院の病床を集約しながら、13年度にはNICUと新生児の継続保育室(GCU)を合わせ30床程度を設置、緊急処置の必要な妊婦や赤ちゃんを受け入れる総合周産期母子医療センターを目指すことにした。既に今月からNICU6床が、医師や看護師らの配置基準を満たし診療報酬の加算対象となったという。  河野病院長は「未熟児医療の体制は両病院ともぎりぎりで、集約するしかない。大学は高度医療も担っており、母親が脳出血したときなどもすぐに対応できる」と話す。  長崎市の楠本征夫病院事業管理者は7日の公立病院関係者の会合で「救命センターを大学が先に設置するなら、市はそれに(体制を)合わせることになるだろう」とし、市が新病院で計画している地域周産期母子医療センター(42床)についても見直す可能性が高いとの考えを示した。 "[he-forum 14335] 読売新聞富山6/10 読売新聞富山版2009年6月10日付 「3大学協開催協力を」氷見市長、富大に要請市民病院問題  氷見市の堂故茂市長は9日、5月上旬に富山大付属病院の遠藤俊郎院長を訪ね、金沢医科大氷見市民病院の医師確保に向け、金沢医科、金沢両大との「3大学間連携協議会」の開催に協力を要請していたことを明らかにした。  堂故市長によると、要請に遠藤院長は「医師不足に対して、お互いに協力してやっていかなければならない」と応じるなど前向きな姿勢を示したが、その場で具体的な開催時期は決まらなかったという。  協議会を巡っては、氷見市が十分な意見交換をしないまま同市民病院の公設民営化を進めているとして、富山大が2007年12月、協議会設立に向けた準備会を離脱。富山大は協議会参加の意思は示しているが、3大学の連携ができない状態が続いている。 "[he-forum 14336] 読売新聞宮崎6/11 読売新聞宮崎版2009年6月11日付 宮大、研究者の育児支援  子育て中の教員や研究生を支援するため、宮崎大は搾乳室の設置や子育て中であることを知らせるバッジの配布を進めている。出産や育児などがハンディーキャップにならない環境を整備することで、女性の要職への登用や研究職離れに歯止めを掛けることが狙い。(毛利雅史)  宮崎大医学部(清武町木原)は2006~07年度、「女子大学院生支援プログラム」を実施。同学部の敷地内に病後児保育室を備えた保育園を開設し、学会への旅費の補助などの経済支援を実施した。  このプログラムの一環で、教員や卒業生らを対象に、学内の委員会などの意志決定機関に登用する女性数の数値目標を設定することについてアンケート調査を実施。その結果、賛成が16%、反対は50%に達した。女性教員を支える同大清花Athenaサポート室は「宮崎大医学部では『実力で評価すべき』として、数値目標に反対する人が多いようだ」とみる。  一方、同サポート室によると、同大の女性教員は昨年4月1日現在、609人中81人(13・3%)、女性の大学院生は297人中86人(29%)。女性教員の割合は全国平均の11%をやや上回るものの、国が定める自然科学系の女性の採用目標(25%)を達成するのは難しい状況だという。  こうした現状を踏まえ、同大は08年度から文部科学省の補助を受け、「逆風を順風に 宮崎大学研究者育成モデル」を3年計画で開始した。  事業では昨年9月、医学部に搾乳室と休憩室を備えた同サポート室を設置。先月14日には農学部などがある木花キャンパス(宮崎市学園木花台)にも開設した。サポート室には、社会福祉士の資格を持つ女性職員らが常駐。大学周辺の保育所の紹介のほか、家族の介護に関する相談にも応じる。  また、3月からは育児中の職員や、その職員の同僚など育児を応援する人をアピールするバッジとシールを作成して無料配布。入学式でこれらの取り組みを紹介するほか、企業から講師を招き、研究者を目指す女性への助言を内容とする講演会を開いている。  サポート室長で、同大フロンティア科学実験総合センターの伊達紫教授は「女性を優遇するのではなく、支援により研究環境を整えることが大切。それにより女性の実力が正しく評価され、大学のボトムアップや、若い人に研究職に魅力を感じてもらうことにつながれば」と話している。 "[he-forum 14337] 日本経済新聞6/9 日本経済新聞2009年6月9日付 科学技術振興機構が2大学に助成金、インフル関連研究拡充  科学技術振興機構(JST)は8日、インフルエンザ関連の研究を拡充すると発表した。東京大と北海道大の治療薬研究などに3~5年間で計6億8000万円を助成する。  東京大医科学研究所の河岡義裕教授らは新型インフルエンザに感染した人の体内で起こる反応を解析。海外では若者で重症化するなど季節性インフルエンザにはない特徴があり、病態の解明につなげる。複数のウイルスが遺伝子を交換し合って混合ウイルスが生まれる「遺伝子再集合」のメカニズム解明も進める。  北海道大の喜田宏教授らは理論上144通りの組み合わせが存在するA型ウイルスすべてに対する抗体を集めた「抗体ライブラリー」を構築する。免疫の働きを利用してウイルスを攻撃する抗体医薬の開発などに結びつける計画だ。( "[he-forum 14338] 建通新聞大阪6/9 建通新聞大阪版2009年6月9日付 阪大テクノクライアンスなど2棟の補助確定 文部科学省は2009年度の補正予算で、国立大学法人等整備費補助金(文教施設費)対象を公表した。大阪大学では新たに建設するテクノクライアンス棟と免疫学フロンティア研究センター棟に対して補助が確定した。今後、設計などの作業を進める。大阪大学では、工学系研究棟の耐震改修などを合わせ、合計5施設に補助。神戸大学では、総合研究棟の耐震改修など2施設を対象とする。  09年度補正では、国立大学法人等施設の耐震化対策事業、太陽光発電設備の導入、先端研究施設の整備、老朽研究施設のエコ改修に重点的に補助する。全国で国立大学の125件、大学共同利用機関法人の5件、国立高等専門学校機構の4件が補助対象となった。  大阪大学の5施設はすべて吹田キャンパス内。テクノクライアンス棟は、鉄骨造9階建て延べ1万1,070㎡。先端科学研究施設の整備として補助。海外企業を取り込んで国際展開できる「国際共同研究講座」などを設置する施設として計画。免疫学フロンティア研究センター棟は、鉄筋コンクリート造9階建て延べ6,200㎡。先端科学研究施設の整備として補助。世界トップレベル研究拠点(WPI)構想による施設で、各国から免疫学の研究者が集まる。  工学系研究棟は鉄筋コンクリート造延べ3,930㎡。産研棟は鉄筋コンクリート造延べ2,350㎡。ともに耐震改修とエコ再生事業を行う。このほか、太陽光発電施設を整備する予定だ。  神戸大学では楠キャンパスで、基礎系総合研究棟で耐震改修・エコ再生事業を実施。規模は鉄筋コンクリート造延べ3,580㎡。六甲台キャンパスでは、太陽光発電設備を整備する計画だ。 "[he-forum 14339] 中日新聞6/11 中日新聞2009年6月11日付 岐大にiPS研究施設 京大と連携  人体のあらゆる細胞に変化できる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)の基礎研究などを担う施設が、岐阜大(岐阜市)に完成した。iPS細胞開発に初めて成功した山中伸弥教授らが所属する京都大物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)の国内唯一のサテライト機関と位置づけられ、がん化の仕組みを解明するなど安全性の高いiPS細胞づくりを目指す。  施設の運用は、岐大の主任研究者である木曽真教授(62)のチームが中心となって行う。木曽教授は、糖が鎖状につながって細胞膜に結合している「糖鎖」の研究で世界的な先駆者。糖鎖には多くの種類があり、動物の種や血液型の違いなどに強いかかわりがある。iPS細胞にも特異な糖鎖が結合しており、構造を解明し、がん化に関連する糖鎖がないかなどを調べる。  研究施設は、連合農学研究科棟の4階に設置。安全な化学実験をするためフード付き実験台をそろえるなど、国内有数の設備を整えた。iPS細胞のほかに、5~100ナノメートル(ナノは10億分の1)の範囲を指す「メゾスケール」で細胞膜の分子の動きも研究する。  木曽教授は「岐阜大医学部の再生医科学の研究者らとも協同したい。iPS細胞を生かして難病のパーキンソン病やALS(筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症)の治療法確立につながるような基礎研究も展開したい」と話している。  26日には施設の披露式があり、アイセムスの中辻憲夫拠点長らが出席する。 "[he-forum 14340] 朝日新聞2009年6月8日付 東大はアジアで3位 英情報会社が位置づけ 2009年6月8日 印刷 ソーシャルブックマーク  英国の教育情報会社「QS」が09年アジアトップ200大学を発表した。日本勢は10位以内に4校、50位以内に16校が入ったが、1位は香港大、日本国内トップの東京大は3位だった。  同社は毎年、英タイムズ紙別冊高等教育版と共同で世界の大学ランキングを発表しているが、アジア限定のランク付けは初めて。世界ランキングと同様、研究者や企業による評価、論文の引用数などの指標に加え、アジアの状況に詳しい人に評価を任せるなどした。  東大は08年の世界ランキングでは19位でアジア最上位だった。今回も社会科学、自然科学など五つの専門分野ですべてトップだったが、留学生の割合など国際性の評価が低かった。 "[he-forum 14341] 四国新聞6/12 四国新聞2009年6月12日付 候補者2人決まる 7月2日に決定へ/香川大学長選  香川大は11日、一井真比古学長(64)が9月末に任期満了となることに伴う学長選で、候補者に一井学長と伊藤寛工学部長(63)の2人が決まったと発表した。7月1日に学内投票を行い、2日に学内外の委員でつくる「学長選考会議」が投票結果などを総合的に判断して選出する。  2人は4月末に、学内から推薦を受けた学内推薦候補者に決定。以降、経営協議会の学外委員から推薦を受け付けていたが、6月初旬の期限内に推薦がなく、2人が最終的な候補者に決まった。  19日の学長選公示に合わせて、同大は2人の所信表明をホームページなどに掲示。7月1日に講師以上の教員、課長以上の事務職員ら投票資格者約540人による投票を行う。  2日には、各学部長や経営委員会の学外委員らでつくる学長選考会議を開催。投票結果や所信表明、面接などに基づき、次期学長を決定する。 "[he-forum 14342] 沖縄タイムス6/12 沖縄タイムス2009年6月12日付 大学院大法案が衆院通過/参院沖北委で来週にも審議/民主、参考人質疑へ  【東京】沖縄科学技術大学院大学学園法案が、11日開かれた衆院本会議で全会一致で可決され、参院に送付された。同日あった沖縄北方特別委員会で、自民、民主、公明が共同提出した修正案と修正部分を除く原案をそれぞれ全会一致で可決していた。  参院沖北委は16日にも理事懇談会を開き審議日程を調整し、早ければ来週中にも審議入りする見通し。民主は参院でも賛成の意向を示しているが、参院沖北委では沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)関係者に対する参考人質疑を求める動きが出ている。  衆院を通過した法案の修正は、国が運営費の全額を2分の1を超えて補助できることを定めたほか、理事や評議員の選任で運営の透明性を確保する文言を追加した。  11日の衆院沖北委の質疑で佐藤勉沖縄担当相は国の財政支援について、世界最高峰水準の研究を実現するため国が責任を持つことが必要との見解を示した上で、「沖縄の自立的発展に寄与するため、大学院大学にも研究機関としての競争力を高め企業の受託研究など外部資金の獲得を促す仕組みも必要だ」との考えを述べた。  清水治内閣府沖縄振興局長は大学の研究水準の維持について、OISTの代表研究者は任期を5年間とし、外部の専門家による評価を経て契約の継続を検討していることを説明。「OISTと同様に、大学院大学でも教授を原則5年間の任期で契約し、厳格に評価する仕組みを導入する検討を進めている」と述べた。  開学による周辺への経済効果については、知的クラスターの形成による企業誘致のほか、研究者や事務員など500人以上の直接雇用が生じる試算を明らかにした。 "[he-forum 14343] 山梨日日新聞6/12 山梨日日新聞2009年6月12日付 NICUを2年後めどに設置 山梨大医学部付属病院  山梨大の医学部付属病院が2年後をめどにNICU(新生児集中治療室)を設置することが11日、分かった。  NICUの設置をめぐっては昨年、国がNICUのない全国24の大学病院に、計220床の整備を要請してきた。これを受け山梨大でも検討を進めてきた。今年度、国が補正予算に施設の整備予算総額39億円を盛り込んだことから、具体的な準備に入った。  山梨大の計画によると、整備するNICUの病床は6床で、先天性の重度の心疾患を持つ新生児を、優先して治療を行う方針だという。開設時期は2年後の2011年4月を目指していて、このための費用約4億5千万円は国から助成される。  NICUの立ち上げに必要な医師確保について、山梨大では既存の医療機関に派遣している医師の引き揚げは行わない方針で、開設までの2年間で医師の養成に努めるとしている。 "[he-forum 14344] 毎日新聞福井6/12 毎日新聞福井版2009年6月12日付 国立大運営費交付金:削減反対求める 福井大が緊急声明  福井大は11日、教職員の人件費や施設維持に使われる国立大学法人の運営費交付金の削減をやめるよう求める緊急声明を発表した。現在、政府・与党は10年度以降の予算編成に影響を与える経済財政運営の基本方針「骨太の方針2009」を議論しており、福田優学長は「財政面でがけっぷちに立たされている状況を広く知ってもらいたい」と話している。  同大学によると、「骨太の方針06」に基づき、現状でも国立大学法人の運営費交付金は毎年度1%ずつ削減されるなどしており、同大学の09年度の運営費交付金は04年度に比べ13億円の減額になっている。【安藤大介】 "[he-forum 14345] 山陽新聞6/12 山陽新聞2009年6月12日付 初期臨床研修と大学院研究を両立 岡山大がプログラム開始 全国初  岡山大は本年度から、国家試験に合格した新人医師に義務付けられている2年間の初期臨床研修と大学院の研究を両立させる「ART(先進医学修練)プログラム」の運用を始めた。医学生の臨床専門医志向が高まる中、医学研究の重要性をアピールし、研究者育成につなげる狙い。同大によると、全国初の取り組みという。  初期研修を終えた医師には、3年目以降の後期研修で引き続き病院に勤務▽大学院に進み研究―などの選択肢がある。だが、近年は臨床志向が高く研修医が市中病院にとどまり、研究を志す医師が大学病院に集まらないとの指摘がある。  同プログラムでは、学部4年から大学院の講義を履修できるようにした。卒業後、岡山大病院(岡山市北区鹿田町)と岡山市立市民病院(同天瀬)で研修すると同時に院生として研究もすることで、通常は初期臨床研修を終えてから4年かかる博士号の取得が2、3年早くなる。 "[he-forum 14346] 共同通信6/12 共同通信2009年6月12日6時17分 進む高大連携、補習も増加 文科省の大学調査  2007年度に高校生向けの体験授業を行った大学が前年度の441校から488校に増えるなど、高校との連携を進める大学が前年度から増えていることが12日、文部科学省の調査で分かった。大学は学生確保を狙うが、新入生に補習を実施する学校も年々増え、学生受け入れに多様な取り組みを求められる状況も浮かんだ。  調査は全国すべての国公私立の四年制大学742校を対象に実施。高校生に大学を紹介するオープンキャンパスを開いたのは15校増の699校で、教員ら高校関係者との定期的な意見交換を行っているのも24校増えて、318校となった。  また、大学の通常の授業を高校生に受講させたのは13校増の197校で、うち73校は授業を修了すれば、大学入学後に単位として認めていた。  一方、大学の授業に対応できる学力がついていなかったり、学部の学習に必要な科目を高校で履修していなかったりした新入生のために、補習を実施したのは10校増の244校。学力別にクラス分けをしていたのも283校(前年度258校)あった。  このほか、リポートの書き方やプレゼンテーションのやり方など、入学後に大学で必要な技能を教える新入生向けの教育を実施したのは、570校(同501校)と全体の約8割を占めた。 "[he-forum 14347] 毎日新聞茨城6/9 毎日新聞茨城版2009年6月9日付 産学官連携イノベーション創成機構:茨城大に全学的組織を発足 ◇ベンチャービジネス支援を一元化  茨城大は、民間企業との共同研究や大学発のベンチャービジネス支援を目的とした学内組織「産学官連携イノベーション創成機構」を発足させた。学外機関との橋渡し役を担うほか、知的財産権も一括管理し、研究開発に専念できる環境の整備が狙い。今月16日に日立キャンパス(日立市)で開所式が行われる。  茨城大ではこれまで、理工学研究科内にベンチャー支援組織を設け、工学系を中心に03年以降15件の起業があった。しかし、知的財産権の管理は別組織が担当していたほか、農学部や教育学部など別分野のベンチャー熱を吸い上げようと、全学的な組織改編に至ったという。新組織では松田智明副学長を機構長に、人材育成や知的財産、共同研究推進など5部門で部門長職を新設する。  8日に県庁で会見した同機構専任教員の中澤哲夫教授は「窓口を外からみても内からみても一元化し、全学的ベンチャーマインドの醸成につなげたい」としている。【八田浩輔】 "[he-forum 14348] 日本経済新聞6/8 日本経済新聞2009年6月8日付 緊急奨学金、学生が渇望 応募殺到、大学の想定超える  昨年来の急速な景気の悪化を受け、大学などが設けた緊急の奨学金制度に学生の応募が殺到している。独立行政法人「日本学生支援機構」(東京)の貸与奨学金には想定の倍の学生が応募。実際の給付者の7倍の相談があった大学もある。奨学金を受給してもアルバイトを余儀なくされる例もあり、就学の厳しさは増す一方。専門家は「奨学金などの充実に長期的に取り組むべきだ」と指摘している。  「応募者数は想定以上」。奨学金の貸付事業などを手がける日本学生支援機構の担当者は驚きを隠さない。経済危機を受け昨年末から今年2月初旬にかけて、奨学金の貸与者を緊急募集したところ、利子つきの条件にもかかわらず9千人超が応募。約56億円を貸し出すことになった。当初、応募は4千人程度と予想していたという。 "[he-forum 14349] 西日本新聞6/11 西日本新聞2009年6月11日付 奨学金返還滞納 なぜ「ブラックリスト」登録 日本学生支援機構 梶山千里理事長に聞く  日本学生支援機構(横浜市)は本年度から、奨学金の返還滞納者の個人情報を金融機関が加盟する信用情報機関に登録する制度を始めた。滞納の抑制が目的だが“ブラックリスト”に登録されると融資を受けられなくなる可能性が大きく「厳しすぎる」との批判もある。この問題について同機構理事長の梶山千里・前九州大学長に聞いた。 (報道センター・野村大輔) ■「借りたら返す」も教育 猶予人数増やし配慮  ‐現在の滞納状況と滞納する理由は何か。  「2007年度の未返還額は約645億円で、要返還者約250万人のうち約30万人が滞納者だ。滞納する理由は経済状況の悪化が主だが、意図的に返さない人もいると思う」  ‐機構は十分な回収努力をしてきたのか。  「日本学生支援機構は04年、日本育英会の事業を継承して発足、催促や啓発を徹底してきた。この結果、04年度に93.4%だった新規の返還金回収率は、07年度には94.7%にまで改善した。しかし、育英会時代の奨学生を含めると80%台に落ちてしまう」  ‐ブラックリストに登録されると、クレジットカードを作れなかったり住宅ローンを組めなかったりする恐れがある。  「返還金は次世代の奨学金の財源で、返してもらうのが前提だ。返還猶予制度もあり、周知してきたが、その手続きすらしない人には一定のペナルティーは仕方がない」  ‐リストへの登録をちらつかせた奨学金支給は教育の場にふさわしくないという議論もある。  「借りたものを返すのも教育だ。大半の人は返還しており、公平性も守らなければならない。考え抜いた末に登録が最も有効と判断した。ほかにいい手段があれば教えてほしい」  ‐不況下で根本的な対策も必要なのでは。  「景気の悪化で、奨学金の希望者や返還猶予を求める人はさらに増えるだろう。補正予算で返還を猶予できる人数を4万人から10万人に増やし、無利子奨学金の貸与人数も約8000人に倍増した。信用情報機関への登録も、より良い奨学金制度への改革と理解してほしい」 "[he-forum 14350] 毎日新聞6/8,10 毎日新聞2009年6月8日、10日付 学びたいのに:奨学金の課題/上 母子家庭「やっていけない」  教育にかかる費用が家計を圧迫している。日本では国や自治体の教育費負担が少ないためだ。とりわけ不況や家庭の事情による低所得世帯が増え、子どもたちに進学のチャンスを与える奨学金制度の乏しさが浮き彫りになってきた。「学びたい」という若い願いをもっとかなえることはできないのか。まずはある母子家庭が直面した問題から考えたい。【山崎友記子、立山清也】  ◇私立校進学後に父急死/他制度併用禁止で働きづめ  「なんでパパ死んじゃったの……」。高校2年の真紀さん(17)=仮名=は4年前、泣き疲れて眠りに落ちる夜を過ごしていた。父は職場から帰宅してくも膜下出血で倒れ、亡くなった。37歳の若さだった。  一人っ子の真紀さんは小学生のころから家の経済状況が良くないことを感じていた。それでも両親は娘が受験で苦労せずに済むようにと、私立の中高一貫校に進ませた。母はパート、個人で建設業を営む父は土日も働き詰め。それでもたまの休みには真紀さんを遊びに連れて行ってくれた。  母雅美さん(39)=同=は悲しみに暮れている間もなかった。労災申請は認められず、独立したばかりで年金保険料の支払いが足りなかったため、遺族年金も出なかった。中学校には授業料免除制度があったが、高校に上がると教育費の負担は大幅に上がる。でも娘の気持ちを考えると「家庭環境が急に変わったのに、学校や友人関係まで変わるのはかわいそう」と思った。  悩んでいた時、中学の教諭に東京都の奨学金制度を紹介された。貸与額は月3万円。学校から「公的な奨学金との併用はだめだが民間なら可能」と聞き、遺児家庭を支援している「あしなが育英会」の奨学金制度を見つけた。学校に了解を取り、二つの制度で計月6万円を借りて昨春、真紀さんの高校生活が始まった。  ところが半年後。高校の事務担当者から「併用はできない。どちらか選んでください」と指摘された。授業料だけで月3万5000円。施設整備費なども含めれば、学校に納める額は年間70万円を超える。通学定期代も高い。保険会社の契約社員として働きだした雅美さんの月収は15万円で、約2万円の児童扶養手当を含めても家賃や生活費に消える。「一つの奨学金では、とてもやっていけない」  都の奨学金業務を担当する都私学財団の担当者は「複数の奨学金を借りると、返還する際の負担が大きく、生徒にとって良くない。各校には説明しており、学校の認識が足りなかったのではないか」と話す。  しかし併用は全国一律で禁じられているわけではない。神奈川、愛知、大阪など23道府県では認められ、どこに住んでいるかで借りられる額が倍近く違う。雅美さんは割り切れない。      *  困り果てた雅美さんは区の福祉の窓口に駆け込み、母子家庭に月額最高4万5000円を無利子で貸す「母子福祉資金」の存在を知った。ただしこれも奨学金との併用は認められないという。結局、奨学金は両方とも辞退し、福祉資金を借りることにした。それでも足りないため、土日もアルバイトに出る。  そんな母を見て真紀さんは心配でならない。「体は大丈夫なのかな。倒れて入院したこともあるのに」。母は娘の前で苦労を一切口にしない。  高校では新聞配達のバイトだけが認められている。同じ母子家庭のクラスメートがやっているが、授業中に疲れて眠っているのを見て「勉強ができなくなっては仕方がない」と思う。  真紀さんはいま国立大への進学をめざしている。夢がある。「脳内出血の薬を開発したいんです」。突然倒れた父は手術もできない状態で、処方できる薬もなく、ただ息絶えていくのを見守っていることしかできなかった。「医学部は授業料が高いけれど、薬学部なら何とかなるかもしれない。ただし浪人と下宿だけは絶対にできない」  第一志望に決めた大学の競争倍率は10倍近く。勉強机の電気を消すのは午前1時近くになる。  ◇授業料以外の支出大きく  文部科学省の調査によると、高校の平均的な年間学習費(全日制)は公立約52万円、私立約104万円。3年間なら公立約150万円、私立約300万円が必要になる。特に負担が重いのは修学旅行積立金や制服代、通学費など授業料以外の支出だ。公立でもPTA会費や生徒会費、施設整備費などは少なくなく、もはや「公立なら経済的負担が軽い」とは言えない。  フランスをはじめ欧米各国では日本の高校にあたる公立学校の授業料はほとんどが無料。私学に通う生徒の割合は日本では約3割だが、英国や米国、ドイツは1割以下だ。奨学金制度に詳しい小林雅之・東京大大学総合教育研究センター教授は「日本では『親が教育費を負担するのは当然』と考える風潮があるが、もはや限界。今後親になる世代は年金や介護、医療費負担が増え、今のような教育費を担うのは一層難しくなる」と話し、家庭の財力で子の将来が決まらぬよう、奨学金制度などの充実を提言する。 ==============  ■ご意見お寄せください  かさむ教育費の負担や奨学金の問題などについて、体験や連載への感想をお寄せください。表題を「学びたいのに」とし、郵便とメールは欄外のあて先へ、ファクスは03・3212・5177。 *********************************** 学びたいのに:奨学金の課題/下 将来へ、負担重く  ◇月8万円を4年間…返還総額500万円超  今年3月初め、横浜市の男性(30)の元に日本学生支援機構(旧日本育英会、横浜市)から一通の文書が届いた。  「貸与総額(約560万円)を27日までに一括返還しなければ、法的手段に訴えます」。1年ほど前から督促状が来ていたが、月約2万4000円の返還は難しくなっていた。  男性は東京都内の私大に在学中、うつ病を発症した。卒業後も非正規雇用の仕事にしか就けず、年収は100万円に届くかどうか。「一括返還」の文字に驚き、奨学金の問題に取り組む労働組合「首都圏なかまユニオン」に駆け込んだ。交渉のすえ、傷病と経済的困窮を理由に返還を猶予してもらうことができた。  とはいえ、待ってもらえるのは最長で5年。大学在学中に母親を亡くして1人きりの男性にとって、夢は自分の家族とマイホームを築くことだが「奨学金を返し終わるのに20年以上かかる。夢をかなえるのはもう無理かもしれない」。  欧米では返済義務のない「給付型」の奨学金が主流なのに対し、日本ではほとんどが「貸与型」。大学を出ても正社員への道が狭まるいま、返還の負担は子どもたちの将来に重くのしかかる。    *  大阪府内の私立大学。「今日カラオケ行かない?」。友達に誘われた美咲さん(18)=仮名=は「ごめんね、用事があって」とやんわりと返す。誘われるたびに断っているのでつらいけれど、アルバイト代は通学定期や学費に消えてしまう。  中学生になるまでは、こんな生活が待っているなんて思わなかった。6年前、大手通信会社に勤める父にがんが見つかり、わずか2週間後に亡くなった。働きづめで会社に寝泊まりする日々が続いていた。  専業主婦だった母佐知子さん(49)=同=は一人で3人の子を抱え、社宅を出た。アパートを借り、自治体の非常勤職員として働き始めた。だが昨年3月で契約が切れてしまった。今は短期のバイトしか見つからず、月収は多くて5万円。遺族年金と足しても間に合わない。電気やガスが止められ、米が買えずにすいとんを食べてしのいだこともある。  それでも佐知子さんは上の子2人を大学に進学させた。「自分も親に短大を出させてもらったおかげで、資格を身につけて社会に出ることができた。わが子が進学を願うなら、親としてせめて同じことをしてやりたい」  高校時代、母の苦労を目の当たりにしてきた美咲さんは、「学費のことは不安だけれど、私が安定した仕事に就いて、お母さんのお金の問題を解決してあげなきゃ」と思った。兄(20)が通う大学から推薦がもらえ、受験料はかからずに済んだ。  兄は支援機構から無利子の奨学金を借りている。保証人が見つからず、月5万4000円の奨学金から2000円余りの保証料を払い、保証機関を利用した。美咲さんも申し込んだが、無利子は希望者が多くて通らず、やむなく有利子で月8万円を借りることにした。保証機関をつけると保証料が月々5000円近くかかるため、一足先に社会に出るはずの兄が美咲さんの保証人になることにした。  美咲さんの4年間の奨学金総額は384万円。利率を3%と仮定すると、返還総額は約517万円に上る。月2万円強ずつ支払っても、返し終わるまで20年かかることになる。「社会人はマイナスからのスタートか」と思うと、ため息が出る。「もう少し安く大学に通える制度があったらいいのに」  それでも「大学に入って、本当に良かった」。受けてみたい授業がある。サークルで先輩との付き合い方も知った。経済を学び、ファイナンシャルプランナーの資格を取って金融機関で働くのが目標だ。  来年は高校2年の弟が進路を決める年。進学を望むなら、兄がしてくれたように今度は自分が保証人になり、弟の夢を支えたい。【山崎友記子】  ◇有利子貸与、全体の7割に  受益者負担を掲げた国の教育に対する支出削減・抑制策で、大学授業料は75年度からの30年間で国立が15倍、私立は4・5倍になった。日本学生支援機構の奨学金事業規模も拡大し、08年度の貸与者数は122万人で10年前の約2・5倍。貸与額も9305億円と3・5倍になっている。  奨学金には無利子貸与と有利子貸与の2種類がある。99年度以降、有利子は月額10万円を超える額も貸与できることになった。事業費ベースでみると無利子はこの10年間に1・4倍しか伸びていないが、有利子は10倍に成長し、貸与額全体の約7割を占める。  その結果、卒業生の負担は膨らみ、例えば月12万円を有利子で4年間借りると、20年払いで返還総額は約775万円に達する。こうした現状には機構内部にも「過大な負担」との批判があるが、文部科学省は「学生のニーズがある」との姿勢を崩さない。  就業形態の変化や雇用情勢の悪化で、返還の延滞が問題化している。国は追加経済対策で無利子枠と返還猶予を倍増するが、今年度限りの対策に過ぎず、同省幹部からも「抜本的な解決にはほど遠い。国と国民が教育を考え直す時期が来たのではないか」との指摘が出ている。【立山清也】 ==============  ■ご意見お寄せください  かさむ教育費の負担や奨学金の問題などについて、体験や連載への感想をお寄せください。表題を「学びたいのに」とし、郵便とメールは欄外のあて先へ、ファクスは03・3212・5177。 "[he-forum 14351] 6/16しんぶん赤旗 2009年6月16日(火)「しんぶん赤旗」 交付金削減撤廃学生への支援を 国大協総会政府に要望  国立大学協会(浜田純一会長)は15日、東京都千代田区の学士会館 で総会を開きました。  総会では、(1)国立大学運営費交付金の1%削減の撤廃と拡充― (2)授業料標準額の減額や授業料の減免の拡大、奨学金の拡充など学生 に対する経済的支援の充実―(3)OECD(経済協力開発機構) 諸国水準をめざした大学等への公財政支出の拡充―の3項目で、5月か ら政府や経済財政諮問会議、各党議員など各方面に要望していることが 報告されました。  「要望」は「『安心社会』実現に貢献する国立大学の振興に向けて  活力ある人材育成と教育の機会均等」と題したもの。運営費交付金削減 によって「基礎研究や萌芽(ほうが)的な研究の芽をつぶすだけでな く、地域医療の最後のとりでとしての機能や一部国立大学の経営が破た んするなど、高等教育・研究基盤が根底から崩壊し、回復不可能な事態 に立ち至ることが危ぐされる」と指摘します。  また、経済危機によって、大学への進学や修学に向けた学生・保護者 の不安は深刻の度を増しているとして、「国際比較の観点からも、日本 の学生に対する経済的支援は極めて貧弱であり、教育の機会均等は大き く脅かされて」いる、とのべ、運営費交付金の削減方針を次年度以降撤 廃すること、授業料の標準額の減額など必要な措置を講ずるよう、求め ています。総会では、授業料・入学料標準額を減額するなど基本的な考 え方や学生への支援の意義などを示す「学生納付金の在り方について」 の中間まとめが報告されました。 "[he-forum 14352] 共同通信6/15 共同通信2009年6月15日18時20分 来年度からの授業料値下げ求める 国大協総会で中間報告  国立大学協会は15日、東京都内で総会を開き、厳しい経済情勢を踏まえ、能力や意欲のある学生の進学機会を奪ってはいけないとして、来年度から6年間の授業料や入学金の目安になる標準額の引き下げを国に求めるとする検討会議の中間報告を了承した。秋に最終報告をまとめる。  ただ、国の運営費交付金が毎年1%ずつ減額されて厳しい経営が続いているとして、交付金増額を値下げの前提にしており、実現までの壁は高そうだ。国による授業料減免の拡大や給付型奨学金の創設も求めた。  2004年度の法人化まで国立大の授業料は全校一律だったが、現在は各校の判断で決める仕組み。標準額の20%増まで値上げでき、据え置きや引き下げもできる。標準額は05年度に53万5800円に引き上げられて以降、据え置かれている。  国立大の運営の指針となる6年間の中期目標の第1期が本年度で終了。国大協は来年度からの第2期に向けて授業料や入学金の在り方を検討していた。 "[he-forum 14353] 読売新聞6/14 読売新聞2009年6月14日付 生き残りへ、公立法人化模索…鳥取環境大学長・古沢 巌さん 1年内に方向性/学科再編に一定の効果  鳥取環境大(鳥取市)が2001年に開学して8年。今年度の入学者は152人と定員(276人)の55%にとどまり、6年連続の定員割れとなった。経営の立て直しに向け、看護師不足を背景にした「看護学科設置」や「他大学との統合」、さらに「県立化」も取りざたされている。今春に再任され、大学存続に向けた改革に挑む古沢学長に課題を聞いた。 … 京都市出身。京都大大学院農学研究科修士課程修了。京都大農学部教授を経て、1998年に同大学副学長。定年退官後、福山大生命工学部教授を務め、2005年4月に鳥取環境大学長に就任。今年2月の学長選で再任された。専門は植物病理学。「海と山に囲まれた鳥取は、環境分野の教育・研究には最適なロケーションです」  ――入学者数をどう見ていますか  開学以来、毎年40人ずつ減っていたのが、今春は初めて前年度の141人を上回りました。学科改編や奨学金制度の充実がそれなりに効果を上げており、一定の評価はできるのでは。V字回復とは言えませんが、大学の新しい姿を知ってもらうには、もう少し時間がかかるでしょう。新設した「環境マネジメント学科」のPRに努めたい。  ――定員割れで国からの補助金の確保が懸念されています  全体の学生数が定員の50%を切らないとゼロにはなりません。ただ、現状でもかなりカットされ、1億4000万~1億5000万円と少ない。経営を立て直すには、やはり学生数を増やすことが不可欠です。  ――様々な改革案が浮上しているようですが、現段階での実現可能性は  看護学科設置は、まず無理でしょう。県や市から十分な資金援助が得られるなら別ですが、教員の人件費や施設整備費を考えると、1学年80人の学生を集めても、毎年6000万円の赤字になるとの試算があります。そもそも学生が集まらないので看護学科を作りましょう、という発想ではダメです。  ――他大との統合は  それも厳しい。有名私立大に対し、メリットが提示できません。例えば近畿大(大阪府)は、広島県や福岡県に分校のような形で単独学部のキャンパスを設けていますが、周辺人口が多く、学生が集まる見込みがあるからです。  ――優れた環境学が売り物のはずですが  有名私立大の多くが、環境に関連する学科を既に持っています。うちの大学の教育が、群を抜いて優れているとは正直、言い切れません。  一方で、今の経営形態のまま生き残るには、定員を250人くらいに減らし、環境分野により特化した教育内容に変えて「鳥取でしか学べないことがある」と評価されるところまで持っていく改革が必要です。  ――そうなると「県立化」の可能性が高いのでしょうか  「県立化」という表現は正確ではありません。もともと設置主体が県と市なので、公立大学法人を目指すことになりますが、行政側が判断することで、大学側からお願いする訳にはいきません。ただ、公立法人化すれば受験生を集めやすくなるのは確かです。とくに地元の県立高の場合、国公立大か有名私立大を目指す傾向が強いですから。  ――結論はいつ頃出るのでしょう  現在、県や市の幹部、高校の先生などを交えた改革検討委員会で方向性を協議しています。私立大のまま生き残るか公立法人化するかなど、1年以内に方向性を出すつもりです。 (聞き手・高山千香) 公立大学法人  公共サービスの実施部門が独立した法人格を持ち、運営の効率化を図る地方独立行政法人の一つ。2004年に始まり、公立大からの移行が相次いでいる。鳥取環境大と同じ「公設民営」でスタートし、定員割れに悩まされていた高知工科大(高知県香美市)も今年4月に移行。国の交付税措置が受けられ、同大学では学生の学費負担が半減、定員割れが解消された。 "[he-forum 14354] しんぶん赤旗6/14 しんぶん赤旗2009年6月14日付 “学び守る運動を”学生集う 学費軽減10万署名よびかけ 全学連 -----------------------------------------------------------------------  学費負担軽減と就職の内定取り消しを許さないことを掲げた全国学生集会が13日、東京都目黒区の東京大学駒場キャンパスで開かれました。全日本学生自治会総連合(全学連)が主催。41学園166人が参加しました。集会後、アピールウオークをしました。  全学連の小山農委員長は学費や就職の問題をみんなで共有し、学びを守る運動をつくり、多くの国民に広げようとのべ、新しい「学費の負担軽減、高等教育予算増額をもとめる」署名を年内に10万人分集めようとよびかけました。  学費と就職活動の早・長期化の実態や各地の取り組みが報告され、「お金がなくて学業を断念することは自分たちや親の責任ではなく、政治の責任だ」との発言があいつぎました。  東大教養学部自治会の委員長は2クラスで学費問題を自分たちの問題としてとらえて学ぼうという決議をあげたと紹介。  愛知県の代表は学費無償化をめざす個人加盟のネットワーク「学費ゼロネット愛知(仮称)」の設立を報告しました。  都内の4年生は友人が内々定を取り消されたとのべ、自身も内定をもらっているが、担当者から「取り消されるかもしれない」と言われていると話しました。  奨学金とアルバイトで生活費をまかない、4年時の学費をためている福祉系の私立大学2年生は「福祉職は低賃金で卒業後の奨学金返済が不安。学ぶ機会も働く機会も保障される社会をめざして、学生や保護者などと一緒に活動していきたい」とのべました。  三輪定宣千葉大学名誉教授が講演。日本高等学校教職員組合、新日本婦人の会の代表が発言しました。 "[he-forum 14355] 毎日新聞6/12 毎日新聞2009年6月12日付 大学運営費:「国立大に余剰金」財政審指摘は心外…文科相  政府の財政制度等審議会が「国立大学で多額の剰余金が生じ、約3000億円の積立金がある」と指摘したことについて、塩谷立文部科学相は12日の閣議後会見で「半分は会計処理上の形式的な利益で、現金が残るわけではない。大学運営は大変厳しく、剰余金ととらえられるのは心外だ」と批判した。  04年度の国立大学法人化以降、研究成果などに応じ配分する競争的資金が重視され、大学規模などに応じて配分される運営費交付金は削減が進んでいる。大学からは「このままでは経営破綻(はたん)する」などの声も上がっているが、財務省は3000億円を活用可能な「埋蔵金」と位置付けさらに削減を進める意向。「高等教育に予算を投じ、家計負担の割合を下げることが経済活性化につながる」と主張する文科省との対立が激化しそうだ。  財政審は3日にまとめた「10年度予算編成の基本的考え方」で「国立大が資金不足に陥っているとは言い難い」と指摘。しかし塩谷文科相は「1555億円は財政融資資金の償還期間と整備施設の減価償却期間の差などで生じる形式的利益で、現金が残るわけではない」と反論。また年度をまたぐプロジェクトの費用で、目的外に使えない積立金が計1446億円あるとした。  政府の「骨太の方針06」は毎年度1%ずつの交付金削減方針を掲げる。国立大学協会は10日「研究の芽をつぶす」などとし、削減方針撤廃を求める書面を財政審などに提出した。【加藤隆寛】 "[he-forum 14356] 読売新聞6/16 読売新聞2009年6月16日付 大学合併を国が支援、少子化に対応…中教審1次報告案  中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の大学分科会が、中長期的な大学政策のあり方についてまとめた第1次報告案が明らかになった。  少子化の進展を受け、合併などで経営効率化を目指す大学に対する国の支援充実などを盛り込んだのが特徴だ。  報告案は日本の大学の現状について、〈1〉37・1%が単年度の授業料収入で経常支出をまかなえない〈2〉私大の47・1%が定員割れしている――と指摘したうえで、〈1〉大学の取り組みへの支援〈2〉適正な規模の検討〈3〉大学間の連携促進――を中心に、今後の大学政策の具体策を提起した。  「大学支援」に関しては、合併時の準備経費などへの国の補助制度や定員調整を行う大学への支援制度の創設を提言した。一方で、定員割れしている大学に対しては、学部設置の認可を厳格化するよう求めた。  「適正規模」に関しては、日本の大学入学者に占める25歳以上の割合が約2%にとどまり、経済協力開発機構(OECD)諸国平均(20・7%)を大幅に下回っている点を強調。社会人や高齢者などの就学策の充実を求めた。 "[he-forum 14357] 日本経済新聞6/16 日本経済新聞2009年6月16日付 多摩の中堅中小、3大学と連携 次世代エネルギー関連など開発  東京・多摩地区と神奈川県、埼玉県の中堅中小企業が首都大学東京などと環境技術で連携に乗り出す。温暖化ガスの排出が少ない次世代エネルギー関連の製品などを産学共同で開発する。まずは3年後に200件の開発着手を目標とし、将来の環境関連産業の集積地をめざす。  参加するのは、多摩地区と神奈川県、埼玉県の中堅中小企業約350社がメンバーの首都圏産業活性化協会(TAMA協会)と東京都、首都大学東京、電気通信大学、東京農工大学など。各大学の技術移転機関(TLO)と商工団体、金融機関も協力する。  TAMA協会などは「広域多摩イノベーション案件会議(仮称)」を設置し、環境分野での社会的ニーズや技術的課題などを情報交換。会員企業と3大学などが共同で技術開発に取り組む。 "[he-forum 14358] 読売新聞佐賀6/17 読売新聞佐賀版2009年6月17日付 「活力ある佐賀大」 次期学長佛淵氏が抱負  佐賀大の次期学長に選出された佛淵(ほとけぶち)孝夫・同大医学部教授(57)が16日、同大で記者会見し、「活力のある元気な大学にしたい」と抱負を語った。  大学運営については、法人化による他大学との競争激化や、福岡県と長崎県に挟まれた地理的環境から、「じっとしていると埋没する」と指摘。佐賀大の強みを分析し、「(学生や職員が)頑張れる環境をつくるために予算や人事などで透明性、公平性のある運営をしたい」と述べた。  座右の銘は「志は高く、そして創意工夫」。専門の股(こ)関節外科分野で、佐賀大医学部付属病院の患者数がここ数年、日本一を続けていることを挙げ、「佐賀でも工夫して頑張ればできる」と力を込めた。  趣味はスポーツと囲碁、将棋。「かじ取りをするよりも、自分が機関車になるタイプ」と自己分析する。      ◇  佛淵教授は鹿児島県南九州市出身。九州大医学部を卒業し、同大医学部助教授などを経て1998年に佐賀医科大(現佐賀大医学部)教授に就任した。昨年から佐賀大医学部付属病院副病院長も務めている。学長就任は10月1日で、任期は4年。 "[he-forum 14359] 毎日新聞6/16 毎日新聞2009年6月16日付 グローバルCOEプログラム:大学院資金援助、9校選出--文科省  文部科学省は15日、大学院の優れた研究に資金援助する「グローバルCOE(卓越した拠点)プログラム」の今年度の選考結果を公表した。国公私立大85校から145件の申請があり、9校の9件が選ばれた。各拠点には今年度から5年間で平均2億円程度交付される。今年度は「学際・複合・新領域」の研究が対象。選ばれた拠点(カッコ内はプログラム名)は次の通り。【加藤隆寛】 ==============  北海道大(境界研究の拠点形成)▽東京大(ゲノム情報ビッグバンから読み解く生命圏)▽東京工業大(地球から地球たちへ)▽東京女子医科大(再生医療本格化のための集学的教育研究拠点)▽早稲田大(アクティヴ・ライフを創出するスポーツ科学)▽名古屋大(地球学から基礎・臨床環境学への展開)▽京都大(極端気象と適応社会の生存科学)▽大阪大(認知脳理解に基づく "[he-forum 14360] 毎日新聞6/16 毎日新聞2009年6月16日付 グローバルCOEプログラム:大学院資金援助、9校選出--文科省  文部科学省は15日、大学院の優れた研究に資金援助する「グローバルCOE(卓越した拠点)プログラム」の今年度の選考結果を公表した。国公私立大85校から145件の申請があり、9校の9件が選ばれた。各拠点には今年度から5年間で平均2億円程度交付される。今年度は「学際・複合・新領域」の研究が対象。選ばれた拠点(カッコ内はプログラム名)は次の通り。【加藤隆寛】 ==============  北海道大(境界研究の拠点形成)▽東京大(ゲノム情報ビッグバンから読み解く生命圏)▽東京工業大(地球から地球たちへ)▽東京女子医科大(再生医療本格化のための集学的教育研究拠点)▽早稲田大(アクティヴ・ライフを創出するスポーツ科学)▽名古屋大(地球学から基礎・臨床環境学への展開)▽京都大(極端気象と適応社会の生存科学)▽大阪大(認知脳理解に基づく未来工学創成)▽九州大(自然共生社会を拓=ひら=くアジア保全生態学) "[he-forum 14361] 読売新聞宮崎6/13 読売新聞宮崎版2009年6月13日付 宮崎大次期学長 菅沼氏を選出  宮崎大の学長選考会議が12日開かれ、次期学長に副学長の菅沼龍夫氏(61)=写真=を選出した。住吉昭信学長の任期満了(9月30日)に伴うもので、菅沼氏の任期は10月1日から4年間。  学長選考には菅沼氏のほか、理事の碇哲雄氏(59)と工学部名誉教授の平野公孝氏(65)の推薦届が出されていた。10日に教員、職員による意向投票があり、菅沼氏537票、碇氏127票、平野氏182票だった。この結果などを踏まえ、同会議が決めた。  会議後の記者会見で、菅沼氏は「大学のミッションは教育・人材育成、研究、社会貢献」と示したうえで、「学生、教職員が一体となり、それぞれの本分を遂行できる場を作り、地域と共に持続的に発展できるよう全力を尽くしたい」と、抱負を述べた。  菅沼氏は長野県出身。信州大大学院を修了後、鹿児島大医学部助教授、宮崎大医学部教授、同学部副学部長などを務めた。専門は解剖学。 "[he-forum 14362] 読売新聞宮崎6/17 読売新聞宮崎版2009年6月17日付 宮崎大が農学部再編 専門家育成目指す  宮崎大は、来年4月から農学部の5学科を6学科に再編する方針を決めた。国内の農業や大学の農学教育の役割が急激に変わっているためで、スペシャリストの育成を目指す。改編は2000年以来、3回目。大学院についても同月から、医学獣医学総合研究科を新設する予定。  同大によると、農業や教育の役割の変化に伴い、現在の体制では、地球温暖化や食の安全の確保、持続的な農産物の生産、人と動物の感染病克服など、様々な問題に対応しにくくなっているという。  このため、食料生産科学科や生物環境科学科、地域農業システム学科など5学科を、〈1〉植物生産環境科学科〈2〉森林緑地環境科学科〈3〉応用生物科学科〈4〉海洋生物環境学科〈5〉畜産草地科学科〈6〉獣医学科――に再編する。定員は計265人で、5学科の場合と変わらない。  同大は「各学科の中心科目を必修にして、より深く学び、スペシャリストを養成する」と強調。新学科の名称についても、企業や官公庁など外部から見て教育内容が分かりやすく、「就職で有利になる」と効果を説明している。  大学院に新設する同研究科は定員23人。人と動物の共通感染症の防疫や治療には医学と獣医学の両方が必要なことや、指導的な立場で活躍できる産業動物臨床獣医師が県内で不足していることなどから、両方を融合させた。 "[he-forum 14363] 中日新聞6/17 中日新聞2009年6月17日付 金沢大TLOなど10大学連携 創薬へ技術移転加速 来春までに 海外5件着手目指す  金沢大学TLO(技術移転機関)を中心に十大学連携による創薬などへの技術移転事業「KUTLO-NITT(キュトロニット)」が拡大している。医薬メーカーとの契約を結んだほか、五月には米国・アトランタの展示会に共同で初出展。百件を超えた引き合いを足掛かりに「来春までに五件の開発スタートを目標」(平野武嗣金沢大TLO社長)に据える。(鈴木智重)  キュトロニットは、創薬や医療機器開発への技術移転で巨額の開発費や人材不足の課題を解消しようと、金沢、富山、金沢医科、石川県立、新潟など日本海側の七大学で昨年七月に開始した。四月には福井、同志社、山形大も加入。約二千六百人の研究成果について、海外の製薬会社を中心に営業活動する。  元製薬、ワクチン開発の担当者や国際業務にたけた人材八人を交渉の“専門家”にそろえたのが特徴。開始当初から交渉した国内メーカー二社のうち、一社と創薬に向けた開発契約を結び、もう一社も間近という。製薬会社と契約交渉では知識や独特の商慣習のため「従来の態勢では対等な交渉が難しかった」(平野社長)という。  各国の製薬会社の有力者が集まる米での展示会では、十大学からえりすぐった十四の研究成果を発表。金沢大TLO単独で出展していた昨年までと比べても関心が高かったといい、商談を進め契約成立を目指す。  金沢大TLO発足から今年三月末までの六年半で、特許出願三百二十三件のうち五十九件でライセンスなどの収入を得ており、累計は約一億円。医薬などライフサイエンスは特許数で半数を占めるものの、実際に技術移転に結び付いていなかった。平野社長は「優秀なのに目につかなかった研究を実業化させる仕組みとして、(キュトロニットに)手応えを感じている」と話している。 "[he-forum 14364] しんぶん赤旗6/16 しんぶん赤旗2009年6月16日付 交付金削減撤廃 学生への支援を 国大協総会 政府に要望  国立大学協会(浜田純一会長)は15日、東京都千代田区の学士会館で総会を開きました。  総会では、(1)国立大学運営費交付金の1%削減の撤廃と拡充―(2)授業料標準額の減額や授業料の減免の拡大、奨学金の拡充など学生に対する経済的支援の充実―(3)OECD(経済協力開発機構)諸国水準をめざした大学等への公財政支出の拡充―の3項目で、5月から政府や経済財政諮問会議、各党議員など各方面に要望していることが報告されました。  「要望」は「『安心社会』実現に貢献する国立大学の振興に向けて 活力ある人材育成と教育の機会均等」と題したもの。運営費交付金削減によって「基礎研究や萌芽(ほうが)的な研究の芽をつぶすだけでなく、地域医療の最後のとりでとしての機能や一部国立大学の経営が破たんするなど、高等教育・研究基盤が根底から崩壊し、回復不可能な事態に立ち至ることが危ぐされる」と指摘します。  また、経済危機によって、大学への進学や修学に向けた学生・保護者の不安は深刻の度を増しているとして、「国際比較の観点からも、日本の学生に対する経済的支援は極めて貧弱であり、教育の機会均等は大きく脅かされて」いる、とのべ、運営費交付金の削減方針を次年度以降撤廃すること、授業料の標準額の減額など必要な措置を講ずるよう、求めています。総会では、授業料・入学料標準額を減額するなど基本的な考え方や学生への支援の意義などを示す「学生納付金の在り方について」の中間まとめが報告されました。 "[he-forum 14365] 新潟日報6/13 新潟日報2009年6月13日付 長岡技科大次期学長に新原氏  長岡技術科学大は12日、9月15日で任期満了を迎える小島陽学長(66)の後任となる次期学長に新原(にいはら)晧一・同大特任教授(67)を決定したと発表した。  11日に開いた学長選考会議で、3人の候補の中から新原教授が7代目学長に選ばれた。就任は9月16日で、任期は4年。 "[he-forum 14366] 北海道新聞社説6/8 北海道新聞社説2009年6月8日付 宇宙基本計画 軍事の拡大を懸念する  宇宙の軍事利用の拡大につながらないか。危惧(きぐ)を抱かざるを得ない。  政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生太郎首相)が決めた宇宙基本計画だ。  基本計画は昨年成立した宇宙基本法に基づく初の国家戦略である。従来、研究に力点を置いてきた日本の宇宙政策を利用重視に転換しようと打ち出したのが特徴だ。  具体策として5年間に官民で最大2兆5千億円を投じ、34基の人工衛星を打ち上げる目標を明示した。  アジアで災害が発生した際には衛星による観測情報を各国に提供するという。宇宙の平和利用を前進させる施策は歓迎したい。  衛星やロケットの開発事業は産業としてすそ野が広い。国内産業の振興を促すことも目指している。  懸念されるのは、安全保障分野での宇宙利用計画である。基本法は国是である「専守防衛」の条件の下で、宇宙の軍事利用に道を開いた。しかし、基本計画ではそこが強調されすぎてはいないか。  目を引くのは、ミサイル発射を探知するセンサーの研究推進が盛り込まれたことだ。  センサーはミサイル防衛(MD)システムを強化する早期警戒衛星に不可欠な装置である。研究推進は衛星導入の足がかりとなるものだ。  北朝鮮による4月のミサイル発射問題では、日本は米国の警戒衛星から情報を入手した。与党内には以前から自前の衛星を持つべきだとの声があり、その後の核実験実施でさらに勢いづいている。  しかし脅威を前面に出して、事を性急に進めるべきではない。  もともとMD計画は多くの問題点をはらんでいる。技術、情報の共有は日米の軍事一体化を進め、憲法に抵触する恐れのある集団的自衛権につながりかねない。  周辺国の警戒を招き、緊張を高める。軍拡競争は避けねばならない。  衛星導入には数兆円規模の予算が必要とされ、費用対効果の面から政府内にすら慎重論がある。このため年末に決定する防衛計画大綱の改定作業の中で、導入の是非を時間をかけて議論することにしている。  その結論が出る前に、衛星の「心臓部」である装置の研究推進を掲げるのは先走りすぎている。  米国のオバマ政権は、軍事費の削減を目指してMD計画の縮小を打ち出した。日本もむしろ立ち止まって、冷静に見直すときである。  宇宙技術はそもそも軍事、民生の両面を併せ持つ。しかし平和外交を掲げるからには、軍事面だけが突出することがあってはならない。  夢を広げる宇宙政策はあくまで平和目的が大原則だ。 "[he-forum 14367] 信濃毎日新聞6/19 信濃毎日新聞2009年6月19日付 「大学全入時代」に危機感 国公立も受験者争奪戦  入学志願者と定員が同数となる「大学全入時代」を背景に、信大を含めた国公立大学も受験生獲得に力を入れている。国立大は2004年度に独立行政法人化して効率的な経営を求められており、中京圏の国公立大もこれまで受験者が少なかった県内で説明会を始めた。私立では今春、志願者減少による経営難で学生募集停止を決める大学も相次いでおり、国公立も安穏としてはいられないようだ。  5月末、名古屋大(名古屋市)と愛知県立大(愛知県長久手町)の入試担当者が長野市内で、進学希望の県内高校生ら約50人を前に大学を紹介した。両大学とも北信地方では初の説明会。合同で開くのも初めてだ。両大学の現役学生も大学生活の様子を紹介した。  「うかうかしてはいられない」と、愛知県立大入試・広報課の担当者。名古屋市内では近年、関東、関西の有名私大や国立大が合同説明会を開くなど、各地の大学による学生確保に向けた取り組みが活発化。競争激化を受け、中京や関西などの私立大学が相次ぎ2010年度からの募集停止を決めた。  文部科学省によると、少子化を背景に2000年度入試で47万1300人だった国立大志願者数は、08年度には41万1500人に減少。そんな中、県商工労働部によると、昨年3月に県内高校を卒業し、大学などへ進学した学生の84%が県外へ流出。そのうち首都圏が51%と最も多く、愛知県は7%にすぎない。  この点が中京圏の大学には「開拓の余地がある」と映るようで、愛知県立大の担当者は説明会を通じ「学生の関心を名古屋に向けたい」。県内受験者は毎年40人ほどという名大の田上隆・入試課長も「一部地域に限らず、異なる環境から人材が集まれば学内の刺激につながる」と話す。  一方、信大は昨年、東海・北陸地域の国立大が05年から合同で開いている説明会に初めて参加。同大入試課は「(信大が)総合大学であることを知らない学生もいた。知名度アップの意味はある」と受け止め、今年も参加する予定。東大も05年から、旧帝国大学の国立大を中心に全国主要都市で合同説明会を始めており、こうした動きは、国立大が独立行政法人化され、国からの運営費交付金が減らされる中で活発化している。  中京圏の国公立大の“参入”について、長野市内のある高校で進路指導に当たる男性教諭は「今までにない。これまでと違う地域に手を広げようとしている」と指摘。北信地方は依然として関東方面の大学を受ける生徒が多いとするが、「中京圏からのPRが続けば受験生の心理に影響が出てくる可能性はある。県内も受験生の取り合いになるかもしれない」とみている。 "[he-forum 14368] 共同通信6/19 共同通信2009年6月19日16時57分 大学院、学部の新設を諮問 共同設立の教職大学院も  塩谷立文部科学相は19日、2010年度に新設を予定している公私立大延べ62校の大学院や学部などの認可について、大学設置・学校法人審議会に諮問した。答申は10月の予定。  大学院を新設するのは札幌市立大や嘉悦大など9校。大学院設置基準が改正され、3月から複数の大学が共同で大学院のカリキュラムを編成できるようになったことを受け、大妻女子大、実践女子大、昭和女子大、東京家政大、日本女子大の5校が初めて共同で教職大学院を設置する。  北海道文教大や尚絅学院大は併設短大を廃止し、4年制の学部に学科を設置する。 "[he-forum 14369] 共同通信6/18 共同通信2009年6月18日20時36分 LEC大、来年度の学生募集停止 「株式会社立」定員割れ続く  株式会社立大学として初めて設立されたLEC東京リーガルマインド大(東京都千代田区)は18日、来年度以降の学生募集を停止すると発表した。学生がいる間は授業を続け、会計大学院は引き続き募集する。  LEC大は「学部に在籍している学生の環境維持のために経営資源を集中させる」と説明。小泉改革の規制緩和で生まれた経営形態の行き詰まりは、利潤追求が目的の株式会社による大学運営をめぐる論議に影響を与えそうだ。  LEC大は、司法試験予備校を経営する株式会社「東京リーガルマインド」が設置。構造改革特区の特例措置で株式会社による大学設立が認められたのを受け、2004年に「デジタルハリウッド大学院大」(東京)とともに開校した。  東京や札幌、大阪、広島、福岡など12カ所にキャンパスがあるが、06年度以降、定員割れに歯止めがかからず経営が悪化。本年度は本部のある千代田キャンパスだけで募集していた。  LEC大によると、在学生は全国で計459人。法律や会計学を学ぶ総合キャリア学部に在籍している。今春の新入生は1年次の募集定員160人に対して18人と大幅に定員を割っていた。  LEC大をめぐっては(1)多くの教員が予備校と兼務し、専任教員としての勤務実態がない(2)補助教員のゼミ指導は資格試験の過去問演習で、授業の質疑応答と言い難い-などの法令違反があるとして、文部科学省が07年に学校教育法に基づく改善勧告を出し、運営の問題点が以前から指摘されていた。 "[he-forum 14370] 朝日新聞山梨6/18 朝日新聞山梨版2009年6月18日 理数系の専門教員を積極養成 山梨大・県教委・県立科学館が連携  子どもの理数離れを食い止めようと、山梨大(甲府市)と山梨県教育委員会、山梨県立科学館の3者は連携して、小中学校の理数系教員の養成に取り組む。文部科学省所管の科学技術振興機構の委託事業に採択され、今年度から2年間で約2千万円の助成を受ける。  12日に、3者が発表した。同大教育人間科学部の2、3年生10人と、現職の小中学校教員10人の計20人を募集する。  同大で力を入れているワイン科学や県立科学館のプラネタリウム学習などの講義のほか、実験やフィールドワークもある。  2年間で講義や実習を計300時間予定。試験や実験の実技などで合格すれば、他の教員に指導するコア・サイエンス・ティーチャー(CST)として認定される。養成を2年間試行し、CSTの派遣は13年4月からの見通し。  会見した寺崎弘昭・同大教育人間科学部長は「理数嫌いや理数離れは指導する教員にも当てはまる。まずは少人数でも核となる理数系教員を養成したい」と話した。  同大によると、現在教員を志望している学生の多くが選択の実験科目を履修していないという。そのため、CSTは他の教員に実験の手ほどきや助言をする役割が期待される。佐藤安紀県教委教育次長は「学校現場の構造的な問題にメスを入れる、画期的な事業になる」と期待している。(福山亜希) "[he-forum 14371] 読売新聞福井6/19 読売新聞福井版2009年6月19日付 理数系に強い教師養成 福井大、来年度から  福井大は2010年度から、理科分野の専門的な知識を持った教師「コア・サイエンス・ティーチャー(CST)」を養成する取り組みを始める。小学校を中心に、理科指導への苦手意識を抱く“教師の理科離れ”を解決するのが狙い。児童・生徒への指導に限らず、周囲の教師にもアドバイスできる“スペシャリスト”の育成を目指す。  科学技術振興機構(JST)と国立教育政策研究所が2008年に全国の公立小学校380校の教師935人へ実施したアンケート調査では、理科の指導を「苦手」「やや苦手」と感じる教師は、学級担任を務める教師の半数を占めた。JSTの担当者は「小学校では特に理工系出身教師が少ない。理科の苦手意識は年齢が若いほど目立つ」と指摘する。  こうした現状から、JSTは今年度から「理数系教員養成拠点構築事業」を始め、福井大など5大学の事業を採択した。  福井大の事業では、大学院の教育学研究科に設けている長期履修コース(3年)で、小中学校教員免許取得を希望する理工系学部生を受け入れ、免許取得に必要な科目の履修以外に、小中学校や、県立恐竜博物館(勝山市)などの研究機関で長期インターンシップを実施。現職の小中学校教師向け養成コースなども大学院に設ける。  コースの修了者はCSTに認定。さらに、知識や技能、指導力といった指標による大学独自の資格制度〈CST1~3級〉を作り、実力向上への意欲を高めていく。  JSTからは09年度から4年間、毎年約2400万円の助成を受ける。  事業を中心になって進める同大学教育地域科学部の中田隆二教授は「地域や学校において、実験方法の指導や教材研究などで中心的な役割を果たす人材を育てたい」と話している。 "[he-forum 14372] 朝日新聞福井6/18 朝日新聞福井版2009年6月18日付 福井大、国立大学運営交付金「削減撤廃を」 国会議員へ要望書  政府の「骨太の方針2006」に基づいて毎年1%ずつ削減されている国立大学の運営交付金について、福井大学(福田優学長)は11日、国に削減撤廃を求める要望書を地元選出国会議員へ渡した。同大は、削減前と比べると今年度までに13億円減額された。「地域の教育・研究・医療の拠点としての機能が弱体化し、地域の発展を阻害しかねない」と訴えている。  骨太の方針2009がまとまるのを前に、国立大学協会が今月初めに運営費交付金の削減撤廃を緊急アピールしたのを受けた行動。福大では教職員の手当の一部を支給凍結しているほか、教育研究費を抑えてやりくりし、老朽化した設備の更新費などに充てているという。財務省は、こうした未使用の予算を「埋蔵金」とみなして交付金を抑制する方針とされている。 "[he-forum 14373] 日刊工業新聞6/19 日刊工業新聞2009年6月19日付 東工大、環境・エネ関連の教員ら集約し全学横断組織立ち上げ  東京工業大学は約200人におよぶ環境・エネルギー関連の教員らを集め、研究の相乗効果を引き出す「環境エネルギー機構(仮称)」を11月に立ち上げる。東工大は太陽電池、燃料電池で過去10年の論文数が日本の研究機関でトップだが、研究者が部局・キャンパスに分散している。またこの分野は社会状況や資源価格でニーズが変動する。そのため、フレキシブルな全学横断組織で、産学連携や大学院生教育を進めるのが効果的と判断した。本拠地として新設する「エネルギー環境イノベーション棟」は、最新の太陽電池パネルで屋根・外壁全体を覆う。日本の理工系トップ大学を象徴する建物となりそうだ。  環境エネルギー機構は全学から材料、電気・電子、機械、バイオ、社会理工学など異分野の教員を集めるため、産学連携プロジェクトの提案や外部資金の獲得が進むとみられる。大学院生は大部屋で議論し、複数教員の指導を受け、効果的な人材育成が期待される。 "[he-forum 14374] 毎日新聞佐賀6/17 毎日新聞佐賀版2009年6月17日付 佐賀大:「活力ある元気な大学に」 次期学長・佛淵氏が所信表明  佐賀大の次期学長に選出された医学部教授の佛淵(ほとけぶち)孝夫氏(57)が16日、同大で所信表明会見を開き「私に期待されているのは実行力と行動力。活力ある元気な大学にしたい」と抱負を述べた。学長就任は10月1日付の予定。  佛淵氏は鹿児島県出身。股(こ)関節外科が専門で、付属病院副病院長も兼任している。  佛淵氏は大学を取り巻く現状について「競争の中にあり、今のままでは埋没してしまう」との危機感を示す一方、「佐賀大の強みや足りないものは何か、まずはじっくり現状分析したい」と語り、腰を据えた取り組みをする意向を表明。  その上で「かじ取り役というより、自ら機関車となって引っ張るタイプ」と述べ、研究費獲得や就職支援の企業回りにも自ら動く考えを示した。  また、理事の選考については「10、20年先の種をまくため、できるだけ自分の年齢と変わらないか、より若い人を入れたい」と世代交代に言及した。【姜弘修】 "[he-forum 14375] 新潟日報6/18 新潟日報2009年6月18日付 新大塚田医学奨学金で若手支援  ことしで20周年を迎えた「新潟大学塚田医学奨学金」の授与式が17日、新潟市中央区の有壬記念館で行われた。毎年、医療の発展に力を注ぐ若手研究者を支援しており、今回は難聴のメカニズムなどを研究している同大助教ら3人に計190万円を贈った。  奨学金は塚田服装専門学校(同市、1986年閉校)の塚田実津江学校長が同大付属病院=当時=に入院した際、若い医師が研究に没頭する姿に感銘し、同校の売却資産約1億円を元に90年に創設。塚田さんは2007年に亡くなったが、同大では意思を受け継ぎ、この日で計77人に約5千万円を贈った。  ことし選ばれたのは、がん抑制遺伝子を研究する教育研究院医歯学系生化学第一の助教広瀬哲史さん(32)ら3人。式では内山聖同大医学部長が「これまでに受賞者の8人が教授になったほか、研究内容も年々高度になっている。奨学金が役立っている証」とあいさつ。ことし初めて、実津江さんの顔が刻まれた金メダルも製作され、3人に手渡された。  広瀬さんは「実験には試薬代やマウス飼育費がかかるので本当にありがたい」と話していた。 "[he-forum 14376] 6/23朝日新聞 2009年6月23日 朝日新聞 仕事直結の授業中心、「新大学」創設へ 中教審の報告案  中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は22日、会議を開き、職 業教育に絞った「新しい大学」を創設する方針を打ち出した。教養や研 究を重視する今の大学・短大とは別の高等教育機関(新学校種)。実務 の知識や経験、資格を持つ教員が職業に直結する教育を担う。実現すれ ば、高校卒業後の学校制度が大幅に変わることになる。  これまでの議論では、新大学の名称は「専門大学」「職業大学」など が考えられている。報告案によると、新たな教育課程は、実験や実習な ど仕事に直結する授業に重点を置き、割合として4~5割を例示してい る。このほか関連する企業での一定期間のインターンシップを義務づ け、教育課程の編成でも企業などと連携する。修業年限を2~3年また は4年以上を考えている。  中教審での議論は、就職しても早期に仕事をやめる若者が増えている ことや、かつてと仕事内容や雇用構造が大きく変わったことから始まっ た。この過程で、一般(教養)教育や研究に多くの時間を割く、これま での大学と目的が異なる新たな高等教育機関の設立が具体化してきた。  今後の議論を踏まえて方針が了承されると、文科省が制度設計の作業 に入る。設置基準などの仕組みができれば、新大学への移行を希望する 専修学校(専門課程)などが集まるとみられる。  ただ、現状の専修学校の制度は、私学助成対象とならない代わりに設 置基準が緩く、自由な運営や教育ができる。また新大学が、地域の大学 や短大などと競合する場合もあり、反発が出る可能性もある。22日の 会議でも「現行の大学にも多様性があり、議論は尽くされていない」と の反対意見が出た。中教審は今夏をめどに報告をまとめる方針だ。(編 集委員・山上浩二郎) "[he-forum 14377] 日本経済新聞6/23 日本経済新聞2009年6月23日付 博士課程「定員削減を」 就職難、文科省が国立大に通知  大学院生の就職難が問題となっていることを受けて、文部科学省は、大学院博士課程の入学定員の削減や組織などの見直しを検討するよう全国の国立大学法人に通知した。同様に定員削減などが課題となっている法科大学院や教員養成系学部についても見直しが必要としており、各大学が月内に素案をまとめる2010年度からの中期目標に反映させることを求めている。  文科省によると、全国の国立大大学院の入学定員は計約5万7000人で、うち修士課程が約4万3000人で博士課程は約1万4000人。博士課程は1989年には7346人とこの20年で倍増したが、景気悪化の影響で専門知識を持っていても就職しづらい状況が生じている。昨年10月時点で定職につけない博士号取得者は、年間の定員を超える約1万6000人にのぼるという。 "[he-forum 14378] 東京新聞群馬6/19 東京新聞群馬版2009年6月19日付 群大提案の2件採択 科学技術振興調整費 多文化共生の人材育成など  群馬大は十八日、文部科学省が公募した本年度科学技術振興調整費の対象事業に、同大が申請した人材育成の事業計画二件が採択されたと発表した。デジタル技術発展に不可欠な基礎工学の専門家を育てる事業と、外国人の地域社会への融和を手助けする「多文化共生推進士」を養成する事業。同大は「地域社会に役立つ人材輩出に努めたい」としている。  基礎工学の専門家養成計画は「デジタルを活かすアナログナレッジ養成拠点」と名付けられた。デジタル機器の品質を支える技術の向上を目指す人材を募集、企業の新技術につながるような知識を講義や実習で伝授する。  もう一つは「多文化共生推進士養成ユニット」。ブラジル人ら外国人の就業や地域活動への参加を促進するため、教員や医師、経営者らに文化の多様性などを学ぶ機会を与える。講座修了者には知事が「多文化共生推進士」の認定証を授与。将来的には外国人問題を扱う「(仮称)多文化共生推進センター」設置を目標にしている。ともに事業の実施期間は五年間。  会見した高田邦昭学長は「社会貢献を目的とした事業を実施できることは非常に喜ばしい。地域の産業や文化の質を向上させる取り組みにしたい」と述べた。 (中根政人) "[he-forum 14379] 日本経済新聞6/20 日本経済新聞2009年6月20日付 大学・研究機関の特許注目度ランキング 大学の上位進出目立つ  特許分析会社のパテント・リザルト(東京・台東)は2009年3月末時点で、注目度の高い特許を保有する大学と研究機関のランキングをまとめた。毎年恒例の調査で、首位は昨年に続き産業技術総合研究所。今年は大学の上位進出が目立ち、4位の慶応義塾大をはじめ上位20位に7校が入った。実用化を念頭に置いた技術開発を進める大学が増えているようだ。  調査対象は今年3月末時点で、有効特許を1件以上持つ計339の大学と研究機関。特許件数だけでなく、第三者の閲覧回数や競合出願人による無効審判請求回数なども加味し、注目度を指数化してランキングした。 "[he-forum 14380] 産経新聞6/21 産経新聞2009年6月21日付 大学発 ブランド食品続々 産学連携で独自色 (1/3ページ)  赤いそばの実から採れた希少なハチミツ、奈良漬を使った菓子…。大学の研究室がその成果を生かし、メーカーと連携して地元の名産をアレンジした大学発のブランド食品が次々と生まれている。少子化時代で入学者の減少が見込まれる中、各大学は食品開発で特色を打ち出す一方、新たな生き残り策のひとつとして力を入れる事情もあるようだ。(中島幸恵)  ≪知識と技術力の結集≫  今月中旬、東京・新宿高島屋で、大学が開発した自慢の食品を一堂に集めたイベントが開かれた。参加したのは27の国公私立大および水産大学校。会場では約300種類の食品が展示・販売され、連日にぎわいをみせた。  昨年に続き2回目となるこのイベントを仕掛けたのは、「美味サライ」ディレクターの松元浩一さん。松元さんはトレンド情報誌「DIME」の編集長時代、平成18年から2年間にわたり、大学発のブランド食品を連載。「大学は最先端の研究をしていながら、その成果がほとんど知られていない。研究の奥深さを知ることで食の抱える問題が見えてくる」と松元さん。  赤い花が咲くそばの実から、日本ミツバチが採取した希少な「高嶺ルビーはちみつ」。信州大(長野県松本市)が地元の家具メーカー「タカノ」と共同研究し、10年近くかけて製品化にこぎつけた。  ヒマラヤの高地に育つ赤いそばの花を日本の風土に合うように品種改良を重ねて定着させたもので、一般的なハチミツの100倍の抗酸化活性を持つのが特徴だ。商品化に取り組んだ同社担当者は、「大学が持つ知識と、企業の技術力を結集させた名産」と胸を張る。  ≪生き残りかけた試み≫  奈良女子大(奈良市)では、生活環境学部の学生たちが中心となって、奈良漬を練り込んだカステラやアイスクリームを開発した。授業で、まちづくりの調査にかかわっていた学生たちが地元でも奈良漬があまり食べられていないことを知り、若い人にもっと奈良漬を食べてほしいと18年、「奈良漬プロジェクト」を発足。地元にある奈良漬の店をいくつも回り、レシピを考案した。「老若男女を問わず、奈良漬を気軽に食べてもらえるよう菓子という形にしました」と、同大教務補佐の森田尋子さん。  こうした大学発の逸品が次々と開発される背景には、少子化の影響がある。大学入学者の減少で淘汰(とうた)されることを懸念する大学側が、特色を打ち出すことで生き残りを図る狙いがある。さらに、新たな収入源として考える向きもあるようだ。  イベントに参加していたある地方大学の関係者は、「研究室に閉じこもって好きな研究をしていては、大学として生き残れない時代。新たな収入源として確保できるよう、アピールする必要性も出てきた」。  注目を集める大学発ブランド食品。華やかな裏には大学側の苦しい現状が見え隠れする。 "[he-forum 14381] 読売新聞社説6/22 読売新聞社説2009年6月22日付 奨学金 確実に回収し制度の充実を  厳しい経済情勢の中で奨学金を支えとする学生も多いことだろう。  教育の機会均等を保障し、有為な人材を育てる上でも、奨学金制度は欠かせない。健全な奨学金制度を維持し発展させるため、貸与した奨学金を確実に回収するのは当然のことである。  独立行政法人の日本学生支援機構は、返済滞納者についての情報を個人信用情報機関に登録することなどを決め、回収の強化に乗り出している。  進学率の上昇や学費値上げを背景に奨学金の利用者は年々増え、大学院生の4割、大学生の3割を占める。年間約9500億円の事業費は、返還金のほか国の一般会計予算や財政融資資金などでまかなわれている。  この奨学金のうち、返済期日を3か月以上過ぎて延滞されているリスク管理債権は2253億円に上り、10年間で倍増した。  未収率は、特殊法人だった日本育英会が日本学生支援機構に再編されて以降改善されつつあるが、それでも約20%もある。政府の行政改革推進本部は効果的な回収方法の検討を求めていた。  個人信用情報機関への情報提供は、多重債務防止のためとされているが、滞納者が失業している場合など、より困難な状況に追い込まれると懸念する声もある。  しかし、病気や失業、生活保護受給などの事情があり、本人から申請があった場合は、奨学金返還は一時猶予される。  日本学生支援機構は、こうした制度について、丁寧に説明していく必要がある。  滞納が増えた背景には、窓口となる大学が奨学生に対して返済を十分に働きかけてこなかったこともある。滞納率の高い大学については、改善が進まない場合、文部科学省が校名を公表することも必要だろう。  滞納者には早い段階から督促することや、住所不明者に対する調査を徹底することが肝要だ。  日本学生支援機構の奨学金は貸与制で、返還免除は特に優れた業績を残した大学院生など例外的なケースに限られる。  しかし、アメリカやヨーロッパでは、返還の必要のない給付型奨学金を受けている学生も多い。  教育費の在り方を考える文科省の有識者懇談会は、奨学生を増やすことなどを近くまとめる報告書に盛り込む方針だ。  返還免除制度の拡充や、給付型奨学金制度の導入についても、さらに検討していくべきだろう。 "[he-forum 14382] 山形新聞6/24 山形新聞2009年6月24日付 システム創成工学科など新設 山形大工学部  山形大は23日、来春、工学部の学科を改編し、ものづくりの技術者養成などを目的に「システム創成工学科」と「バイオ化学工学科」を新設すると発表した。  システム創成工学科は、現在、物質化学工学科や機械システム工学科など5学科に設置している夜間コースを1学科に統合して設置。ものづくりの現場で技術的リーダーとなる独創的な人材の育成を目標にする。  夜間の授業が中心になるが、昼間に開講されている他学科の科目も自由に履修できる「フレックスコース」にする。同大によると、フレックスコースの導入は国立大学法人で初。入学料、授業料は昼間コースの半額で、経済的に厳しい環境にある学生のニーズにも応えることができるという。  バイオ化学工学科は、生命現象を原子・分子レベルで解明し、その応用を図るバイオ化学と、工学を融合させた新しい学問。食品、医薬品、化学メーカー、福祉、環境などさまざまな産業分野で活躍できる人材の育成を目指す。  大場好弘工学部長は「バイオ関連の新しい産業をサポートし、ものづくりに貢献できる人材を育てたい」と話した。 "[he-forum 14383] 河北新報6/24 河北新報2009年6月24日付 システム創成工学科など新設 山形大工学部  山形大は23日、来春、工学部の学科を改編し、ものづくりの技術者養成などを目的に「システム創成工学科」と「バイオ化学工学科」を新設すると発表した。  システム創成工学科は、現在、物質化学工学科や機械システム工学科など5学科に設置している夜間コースを1学科に統合して設置。ものづくりの現場で技術的リーダーとなる独創的な人材の育成を目標にする。  夜間の授業が中心になるが、昼間に開講されている他学科の科目も自由に履修できる「フレックスコース」にする。同大によると、フレックスコースの導入は国立大学法人で初。入学料、授業料は昼間コースの半額で、経済的に厳しい環境にある学生のニーズにも応えることができるという。  バイオ化学工学科は、生命現象を原子・分子レベルで解明し、その応用を図るバイオ化学と、工学を融合させた新しい学問。食品、医薬品、化学メーカー、福祉、環境などさまざまな産業分野で活躍できる人材の育成を目指す。  大場好弘工学部長は「バイオ関連の新しい産業をサポートし、ものづくりに貢献できる人材を育てたい」と話した。 "[he-forum 14384] 中国新聞6/24 中国新聞2009年6月24日付 広島大が次期中期計画の素案  広島大は23日、国立大学法人の運営や教育研究の指針となる第2期中期目標・計画(2010―15年度)の素案を役員会で決めた。主に1年間の教養教育を学士課程の全期間に拡大。異分野を融合した新たな研究分野の開拓を目指し、研究者集団を柔軟に編成できる体制も整える。  素案は総合研究大学として教養教育の充実を基盤とし、特長のある分野で世界的な教育研究拠点を形成することを基本方針とした。  教育では幅広い領域の知を理解できる人材の養成を狙い、教養教育を学士課程の全期間を通じ実施。大学院の修士課程でも教える。  研究では分野の枠を超えた新たな知の創造を掲げる。教員を既存の教育組織と切り離し、医学と工学の融合や環境・新エネルギーなど、重点テーマへ柔軟に配置する。 "[he-forum 14385] 河北新報6/24(2) 河北新報2009年6月24日付 大学発ベンチャー苦境 東北で事業見直しや資金難  大学発ベンチャー企業が岐路に立っている。経済活性化の鍵と位置づける国の方針に沿って東北でも数は増えているものの、世界的不況を受けて多くは商品化を前に事業計画の見直しを迫られ、資金不足に陥っている。研究志向が強い教授らは経営に疎く、支援を期待される地元金融機関は冷ややかだ。日本経済の救世主とされるベンチャーの未来に不安が広がっている。 (編集委員・大和田雅人) <東北企業130社>  経済産業省が先月、公表した2008年度の大学発ベンチャーに関する調査結果は関係者に衝撃を与えた。バイオテクノロジーを中心に企業数は累計で1809社と過去最高を更新したが、廃業も280社に上った。  東北の企業数は約130社。このうち60社を数える東北大は廃業ゼロで、IT関連に強い会津大も健闘している。順調のようだが、内実は生みの苦しみに直面している。  一つは人材確保。東北大の場合、現役教授が自己資金を調達して会社を設立、妻ら親族を代表に据え、教授は役員として研究を続けるケースが多い。仙台市内にオフィスを借り、事務職員を雇うと「1千万円の運転資金などすぐになくなる」(農学研究科教授)。  成果が製品として市場に出回るまで2、3年かかり、その間の資金調達、販路開拓は財務に詳しい民間人をスカウトする手はあるが、人件費がかさむとともに研究肌の教授とぶつかるケースもしばしば。 <実体経済疎く>  医学系の教授と仙台市で会社を起こした50代の社長は一時、障害者向け福祉器具などで年商3000万円を挙げたが、途中から開発コストが増えて撤退。たもとを分かった。「最初は良好な関係でもつまずいた時に、研究者は簡単に投げ出してしまう傾向がある。実体経済に疎い」と話す。一方、教授側には研究の中身に口を差し挟まれたくないとの思いがある。  もう一つの課題は資金。2004年、東北の官民が出資してベンチャーを支援するファンドをつくった。成長の見込める企業にファンドが数千万円規模で投資、企業は10年以内の株式市場上場を目指し、利益を出資元に返す仕組み。  大学側は積極的な投資を期待したが、東北大でも10社ほどが認められた程度。「有望な案件を持っていっても首を縦に振ってくれない。技術の高さを評価してほしい」(産学連携課)と冷たい反応に戸惑い気味。商品化の初期段階こそ資金が必要と訴える。 <問われる覚悟>  ファンドを運営する東北イノベーションキャピタル(仙台市)の阿部寛常務は「預かった資金を扱う以上、いいかげんな投資はできない。事業計画、教授の人柄、全体のチーム力を判断し、本気で荒波を乗り越える覚悟があるかがポイントとなる」と話す。  市中の金融機関は当初から慎重。七十七銀行営業支援部は「技術力はあっても商品化まで年月がかかる。返済が滞る恐れがあり、融資先としてなじまない」とつれない。  ベンチャーにリスクは付きもの。不況で苦境に立つ現状は、サポートの在り方を十分に議論しないままベンチャー支援を始めたつけともいえる。 [大学発ベンチャー]大学が持つ知的財産を産業、雇用創出に生かそうと経済産業省が推進している。東北経済産業局の調査では東北の企業の71%が「資金不足」と回答。金融機関の支援を受けているのは10%。多くは自治体の補助金でやりくりしている。 "[he-forum 14386] 6/25しんぶん赤旗 2009年6月25日(木)「しんぶん赤旗」 学費値上げ示唆の財政審建議 「受け入れがたい」 「経済的支援 飛躍的充実を」 国立大学協会が所見  国立大学協会(会長・濱田純一東京大学長)は24日、国立大学運営 費交付金の削減などを盛り込んだ財政制度等審議会(財政審)の建議 (来年度予算編成についての基本的考え方、3日発表)について、「考 え方の基調は受け入れがたい」とする所見を発表しました。  建議は、個々の大学の「自己収入の確保」を求めるなかで、「授業料 設定の多様化」にふれ、授業料の引き上げを示唆しています。これにた いし、国立大学協会の所見は、いまの経済情勢のもと、格差の固定化が 懸念され、経済的理由によって大学進学・修学を断念する層が存在して いる事実に、財政審は目を向けていないと批判。特に、次の四つの事実 に目を向けるよう求めています。  (1)日本の高等教育への支出における私費負担の割合(6 6%)は、OECD(経済協力開発機構)諸国平均(27%)を大きく 上回っている(2) 日本の国立大学の授業料は過去30年間で大き く上昇し(15倍)、実質的に世界最高水準になっている(3)家 計の収入の高低により、大学進学率に大きな落差が存する(ある調査で は、低収入層の進学率は高収入層の半分にとどまる)(4)学生へ の経済的支援は極めて貧弱(たとえば給付制奨学金の比重はOECD諸 国中、最低水準)である―。  所見は、こうした事実を踏まえて、「運営費交付金を拡充し、授業 料・入学料標準額を減額するとともに、国公私立を通じ、給付型奨学金 を創設するなど、経済的支援の飛躍的充実を図るべきである」とのべて います。また、これらの施策が、「少子化対策の一翼を担うものであ る」としています。 "[he-forum 14387] 6/25しんぶん赤旗2 2009年6月25日(木)「しんぶん赤旗」 就活、学業と両立ルールを 山下議員に 文科相が検討約束 参院委  日本共産党の山下芳生議員は24日、参院行政監視委員会で、深刻な 経済状況により昨年秋以降「内定取り消し」が相次ぐなか大学生の就職 活動の早期化・長期化はより深刻化していると告発し、政治の責任で 「学業と両立できる就職活動のルール」をつくるよう求め、政府は検討 を約束しました。  山下氏は、「企業の説明会が平日に入ることが多いため、授業を休ま ないといけない」「就活のため、卒業論文指導のゼミに出席できない」 などの深刻な声を紹介。国立大学協会、公立大学協会、日本私立大学団 体連合会の会長が昨年7月に連名で「大学教育及び大学院教育に悪影響 を及ぼす」と、就職活動の早期化の改善を日本経団連に要請したことも 示しました。  現在の就職活動の問題について、山下氏は(1)学問・研究する 時間が奪われる(2)自分をみつめ、働くことの意味を考える余裕 がなくなる(3)交通費など経済的負担が大きい―という3点を指 摘。塩谷立文部科学相は「今の3点はその通りだと考える」と認めまし た。  その上で山下氏は、▽会社訪問や採用試験の開始日などの設定▽違反 した企業にペナルティーを科す―など実効性ある公的なルールが必要だ と強調しました。  塩谷文科相は、授業がある日は企業が就職活動の会合を行わないこと などが最低限必要だとし、「ルールをつくることは当然必要だ。企業へ のペナルティーも含め検討したい」「企業の社会的責任において、企業 には規律と節度ある方向で考えていただきたい」と答えました。 "[he-forum 14388] 朝日新聞6/23 朝日新聞2009年6月23日付 株式会社立大学、はや苦境 LEC大が来年度の募集停止  LEC東京リーガルマインド大学(本部・東京都千代田区)が、来年度の学生募集停止を決めた。規制緩和、構造改革の波に乗り、国内初の「株式会社立大学」として注目されたが、学生は集まらず、事実上、大学を閉鎖せざるを得ない状況に追い込まれた。株式会社立大学の募集停止は、これで2校目。学校経営の難しさが、あらためて浮き彫りになった。 ■改革申し子、危ぶまれた前途  「(株式会社立大として)一番最初に認可を受けた大学。残念だ」。塩谷文部科学相は19日の記者会見で、LEC大の募集停止に、こう感想を述べた。  LEC大は資格試験予備校などを経営する株式会社「東京リーガルマインド」が設立した。04年春に開校し、全国14都市にキャンパスを展開した。  だが、07年1月、名ばかりで勤務実態が伴わない「専任教員」が多数いたことなどが大学設置基準に違反するとして、文科省から学校教育法に基づく初の改善勧告を受けた。LEC大によれば、これで他大学に転学する学生が相次いだ。改善勧告は大学のイメージダウンにつながり、07年度の入学生は59人。06年度の157人から激減した。入学者減は止まらず、募集を14カ所から4カ所に絞った08年度は23人。千代田区のキャンパスだけに絞った今年度は18人しかいなかった。  徐々に縮小した経過もあり、省内では募集停止決定に驚きの声はない。代わりに漏れてくるのは、「恨み言」だ。  90年代以降、大学の設置認可制度は次々と緩和されたが=年表=、特に小泉政権の03年度、大幅な緩和が行われた。「構造改革特区」(国の規制が撤廃される特別区域)で、株式会社による大学設置が可能になった。  これを受け、次々、会社立大学が開校。だが、文科省によれば、現在の6校のうち、LEC大を含め5校が赤字になっている。文科省のある幹部は「大学運営を株式会社に任せることに省内では反対論が強かったが、規制緩和の大きな波に抵抗しきれなかった」と話す。 ■学生増で好調な例も  LEC大も当初は好調だった。入学者は開学した04年度と05年度は定員(160人)を上回った。法科大学院を目指す女子学生(21)は「他の大学だったらダブルスクールにお金がかかる。ここなら資格試験予備校の授業を無料で受けられるのが魅力で入学した」。  だが、3年目には定員を下回り、07年度は充足率が4割を割るなど大幅に減少。今春の累積赤字は30億円に達し、資格試験予備校など他事業部門の黒字で穴埋めしながらの経営だった。  大阪市のLCA大学院大学も昨年末、募集停止を決めた。LEC大同様に学生が集まらず、苦境が続いた。大学を運営する「株式会社LCA―I」(東京都台東区)は当時、取材に「経営が非常に厳しかった。見込みが甘かった」などと述べた。  一方で、順調に学生を増やす会社立大学もある。  東京・秋葉原にキャンパスがある「デジタルハリウッド大学」は05年に開校した。受験倍率は2~3倍という人気を保ち、2年前、定員を190人から250人に増やした。 アニメやコンピューター・グラフィックス(CG)、ウェブなどに特化した教育内容。CGデザイナーやアニメ番組プロデューサーなどを講師にして、制作現場で即戦力になるクリエーターを養成する。  担当者は「利益を追求しながらも、利用者にどれだけよいサービスを提供できるかという点で努力してきた。会社なので、素早く意思決定し、実行できる利点もある」と話す。 通信制のビジネス・ブレークスルー大学院大学(本部・千代田区)も倍率が2倍程度が続き、定員を増やした。受け入れるのは社会人や経験者のみで、学生の平均年齢は36~38歳。授業はインターネットで受ける。伊藤泰史副学長は「特区の活用で、校舎や敷地といった設備に費用をかけず大学をつくれた。その分、授業など教育内容に投資できた」と話す。 ■厳格化へ「揺り戻し」の動きも  大学経営自体が厳しい中、塩谷文科相は、会社立6校のうち5校が赤字という現状に、「一概に株式会社立がダメということではないが、問題意識は持っている。今後十分に検討すべきだ」と語った。  実際、中央教育審議会大学分科会が今月15日に出した報告では、LEC大などを認めた規制緩和の反省もあり、設置認可の厳格化の方向性が打ち出されている。教員の要件や施設など申請書類をもとに、より厳しく審査する考えが盛り込まれ、これまでの「揺り戻し」の内容になっている。  グロービス経営大学院大学(本部・千代田区)は、株式会社立で誕生したが、08年に学校法人に変わった。理由は東京、大阪に続き、名古屋で開校するためだ。学校法人になれば、自治体単位で特区認定を受ける必要がない。鈴木健一事務局長は「より公益性の高い団体と認知されるという利点もあり、学校法人に変更したが、株式会社立だからといって不利だと思ったことはない。この制度がなかったら、そもそも学校経営に参入しなかった」と話す。  学校を設立した会社でつくる学校設置会社連盟の山口教雄事務局長は「企業が学校をつくる制度自体に問題があるという声が出るだろう。しかし、独自の取り組みで成果を上げる学校もあり、腰を据えた議論が必要だ」と話した。 ■大学設置認可の規制緩和をめぐる動き 91年度 学部の種類の例示を撤廃/カリキュラムの弾力化など 95年度 設置認可の審査期間を短縮(大学の新設は20カ月→15カ月) 01年度 審査期間をさらに短縮(15カ月→8カ月) 03年度 構造改革特区で株式会社による大学設置が可能に/設置認可の審査期間を短縮(8カ月→7カ月。株式会社立大は特例で3カ月に)/大学設置、定員増の抑制方針を撤廃/専任教員の要件に関する審査内規を撤廃 04年度 LEC大が開校 06年度 名ばかりの「専任教員」が多数存在するとして、文科省が学校教育法に基づく初の改善勧告をLEC大に出す(07年1月) 09年度 LCA大学院大学が募集停止/LEC大が10年度からの学部の募集停止を決定  ※文科省資料などから作成 "[he-forum 14389] 朝日新聞6/25 朝日新聞2009年6月25日付 千葉大キャンパス移転構想に地元や同窓会から反発  松戸市の千葉大園芸学部を千葉市の西千葉キャンパスへ移転する構想を進める同大本部が、費用工面のため柏市の柏の葉キャンパス(環境健康フィールド科学センター)の売却を検討していることがわかった。面積は17ヘクタールで温室、研究棟などがある。柏市は「容認できない」と強く反発、19日、大学側へ文書で申し入れた。  松戸市だけに限られていた反対の動きが一気に広がった。同窓会「戸定会」代表も同日、塩谷文部科学相に反対声明文を渡した。  同学部の移転構想は、西千葉キャンパスに隣接した東大生産技術研究所の敷地約9ヘクタールの購入を東大から持ちかけられたことから始まった。大学本部は、構想実現の費用を生み出すための検討を重ねてきた。しかし、今年3月末の東大への回答期限までに結論が出ず、「夏まで」と延ばしてきた。  同学部関係者によると、斎藤康学長が5月末の同学部教授会に示した案は、移転費用を土地購入費と施設整備費など総額200億円強と見積もった。費用を出すために、緑地約5ヘクタールをのぞいた園芸学部敷地、千葉市の学生寮のほか、柏の葉キャンパスの売却を提案したという。新たに農場の建設が必要となるが、これは千葉市の明治大誉田農場の一部購入であてるとした。  同学部教授によると、本部は6月末にも計画を固める意向だったという。だが、学部内の反対は根強く、まとまらなかった。この案でもまだ移転費用が数億円は足りないうえ、地価の算定根拠が不十分という意見や、数年先の売却時点での地価予測が不透明などの疑問が出された。  柏の葉キャンパスのある柏市は19日、担当者が大学本部を訪れて反対を申し入れた。同市は北部地域で県、東大、千葉大と連携して「国際キャンパスタウン構想」を進めていて、千葉大の離脱は構想にも大きな影響を与える。  卒業生2万人がつくる「戸定会」も、総会で反対声明を出し、文科相に申し入れをした。声明は、(1)松戸キャンパスは近代園芸資産そのもの(2)中央官庁や研究機関が集まる茨城県つくば市にも近い(3)環境科学センターの売却は大学の大きな損失、などとしている。  同大本部は今回の売却案について、「あくまでも選択肢の一つ」と話している。(園田二郎) "[he-forum 14390] 京都新聞6/24 京都新聞2009年6月24日付 杉浦地域医療研究センター開設 京大病院で式典と講演会  あらゆる世代が健康に暮らすための地域医療の教育研究、情報発信の拠点となる京都大医学研究科人間健康科学系専攻「杉浦地域医療研究センター」の開設記念式典と講演会が23日、京都市左京区の京大病院西構内の同センターで開かれた。  センターは、全国でスギ薬局などを展開するスギホールディングス(愛知県安城市)の杉浦広一会長、昭子副社長の夫妻が京大に寄贈した。「杉浦ホール」で行われた記念式典で、光山正雄医学研究科長は「医師、看護師、薬剤師など、それぞれの専門性を生かしたチーム医療、地域医療のために活用したい」とあいさつした。杉浦会長は「地域の方々が安心して暮らせる社会の実現と、これからの医療を担う学生や関係者の研究拠点になることを願っている」と期待を述べた。  続いて、大村昭人帝京大医療技術学部長が「医療立国論-地域医療再生に向けて」と題して講演し、医療のマンパワーが不足する日本の現状を危ぶみ、積極投資による医療再生を訴えた。 "[he-forum 14391] 京都新聞6/25 京都新聞2009年6月25日付 芸術入り口に宇宙知って 京大と京都精華大がコラボ  京都大宇宙総合学研究ユニットと京都精華大は24日、宇宙科学と芸術を融合した文化や学問の創造を目指すプロジェクト「宇宙とアート」を立ち上げたと発表した。京大の最新の研究成果を素材にした芸術作品の制作や商品開発を行う予定で、宇宙のロマンを京都から世界に発信する。  宇宙ユニットは天文学や宇宙航空工学など学際的な研究分野が集まり2008年に発足し、芸術との融合で宇宙科学をもっと身近な学問にしようと京大が精華大に呼び掛けた。  プロジェクトには両大学から教員と学生約20人ずつが参加した。これまでに、精華大生がデザインとイラストを担当した宇宙ユニットの紹介パンフレットや名古屋市に今月オープンしたサイエンスカフェのランチョンマットを制作した。  紹介パンフには、京大花山天文台で撮影されたオリオン大星雲の画像などをあしらい、異分野の研究者が協力して宇宙を研究する様子をイラストで分かりやすく表現した。  今後、天文学をテーマとする講演と映像パフォーマンスを組み合わせたイベントを開くほか、宇宙研究の成果を広く発信するため、絵はがき、携帯電話用のソフトなどの商品開発も計画している。  宇宙ユニットの磯部洋明特定助教は「アートを入り口に多くの人が宇宙科学に近づいてもらえたらうれしい。宇宙を素材にすることで芸術の可能性も広がるのではないか」と話した。 "[he-forum 14392] 山形新聞6/25 山形新聞2009年6月25日付 山形大工学部が荒川区にサテライト 本県企業との橋渡し役  山形大工学部の分室となる荒川サテライトが東京・荒川区に新設され、開所式が24日、現地で行われた。区内企業への技術支援などに加え、本県企業との連携の橋渡し役を担う。  工学部と荒川区は昨年10月に共同研究や人材育成などに関する協定を締結しており、サテライトはこれに基づく活動拠点。区役所に近い複合ビルに約25平方メートルの事務室を4月に確保した。100人規模の会合が可能な多目的室も使うことができ、スタッフ1人が常駐する。  本格的な事業は今秋をめどにスタートする予定。企業の技術者、経営者らを対象にした同大大学院ものづくり技術経営学(MOT)専攻の授業や、一般向けの公開講座の開催などを計画している。  開所式には大学関係者や区幹部、区議会議員、地元企業の役員ら約70人が出席。大場好弘工学部長が「フェースツーフェースの連携拠点を目指す。互いに幸せになれるよう汗をかき、結果を出す」とあいさつ。西川太一郎区長は「企業経営者は大喜びだ。区を挙げて歓迎する。産業振興に向けて協力をお願いしたい」と述べた。山形大の都内の拠点は、東京サテライト(港区)、地域共同研究センターの大田サテライト(大田区)に続き3カ所となった。 "[he-forum 14393] 河北新報6/26 河北新報2009年6月26日付 秋田大、横手に「分校」来月開設 市と連携組織  秋田大(吉村昇学長)は7月、横手市の地域活性化に貢献するため、市との連携組織「横手分校」を市内に開設する。市全体を活動拠点に、公開講座や産学官連携による研究成果を市民に還元するのが狙い。大学と自治体が地域活性化で全面協力する連携組織は珍しく、秋田大は活動地域の拡大や他大学との協力も視野に取り組みを進める。  事務局は市中心部の公共施設に設置する予定。職員を配置し、市民や企業からの相談、要望に応じる体制をつくる。市内の公共施設や学校、農地、企業などさまざまな場所を活用する。  組織開設後は、中学生向けに大学教員が指導する科学教室を開催するほか、高校生が大学の授業を体験できる講座を開講したり、県内の他大学と入試説明会を実施したりする。歴史や健康をテーマにした市民講座も開く。  地域経済の活性化に力を入れ、(1)生産過程で間引きしたスイカの活用法の研究(2)100近い蔵がある増田地区のまちづくり(3)大根をいぶって作る「いぶりがっこ」の大学ブランド商品化―などに教員や学生がかかわる。  秋田大と横手市は2月、人材育成や産業振興を図る包括協定を結んだ。今回の試みは協定内容を具体化した第1弾となる。横手市は「市内に大学はなく、研究成果に触れる機会が少なかった。活動を市内の活性化につなげたい」と期待する。  秋田県内は秋田市に大学が集中し、県南部や北部の高校生が宮城県や岩手県、首都圏の大学に進むケースが少なくない。  秋田大はこうした現状を踏まえ、連携の対象を横手市から県南部全体に広げ、県北部にも同様の組織をつくる方針。高校生が受講した講座分を、入学後に単位互換できるシステムの導入なども検討する。  秋田大は「大学が地域課題を解決するには、積極的に外に出ていく姿勢が必要だ。市民の関心も高く、地域とともに活気のある取り組みにしたい」と強調する。 "[he-forum 14394] 産経新聞6/26 産経新聞2009年6月26日付 関西にナノテクの核を 阪大、共同研究拠点に認定  ナノテクノロジー(超微細加工技術、ナノテク)に強みを持つ大阪大学の産業科学研究所(産研)が25日、文部科学省からナノ分野の「物質・デバイス領域」のネットワーク型共同研究拠点として認定を受けた。今後、他の4大学の研究機関と連携してナノテクを利用した、電子ペーパーや超高感度バイオセンサーなどの実用化を推進。関西にナノテク関連産業を集積させる核となることが期待されている。  産研とともに研究拠点に認定されたのは北海道大学電子研、東北大学多元研、東京工業大学資源研、九州大学先導研。参加する研究者数は約2260人で、ナノテク分野では世界有数の研究ネットワークになる。  ナノテクは、ナノメートル(10億分の1メートル)のスケールで物質を加工するものづくりの技術。分子、原子レベルで操作することで、優れた機能を持った物質を作ることができるため、IT(情報技術)、バイオ、環境など幅広い次世代型産業に応用できる。  今後、産研を中心に、研究テーマに合わせて効率的に各研究機関の設備を利用したり、大学横断型の研究チームを編成したりするなどして研究を加速。電子ペーパーといった新しい情報機器をはじめ、疾病の原因を詳細に特定できる超高感度バイオセンサー、特定の患部に薬剤を送り込むドラッグ・デリバリー・システムなどの実用化を図る。  また、産研は、産業科学ナノテクノロジーセンターなど最先端の研究設備を保有する一方、来年3月の完成を目指して、企業との共同研究を促進するための研究棟(地上5階・一部地下1階建て延べ床面積5千平方メートル)の建設も進めている。完成後、3、4階の24室を電子部品、高機能材料、医療、環境などナノテク関連の研究に取り組む企業に貸し出す。  今後、研究棟を中心に大学間、企業間の連携を進め、国際的な研究ネットワークの形成にも取り組む。山口明人所長は「ナノテク研究の中心的な役割を担っていけるのは大きな名誉。ナノテク産業の集積を通じて関西経済の活性化にも貢献していきたい」と話す。 "[he-forum 14395] 毎日新聞富山6/26 毎日新聞富山版2009年6月26日付 富山大:中国・中南林業科技大と経済学部間で交流 共同研究など協定を締結  富山大経済学部(富山市五福、三浦哲男学部長)は25日、中国・湖南省の中南林業科技大学経済学院(陳文俊学院長)と部局間交流協定を締結した。今後、共同研究などで学術交流を推進する。  中南林業科技大は林業や木材の研究が盛んで、陳学院長が08年3月から半年間、富山大の極東地域研究センターに客員研究員として滞在した。特に馬駿・富山大経営学科教授との共同研究は、研究会などで高い評価を得た。これらをきっかけに、陳学院長が交流拡大を希望。昨秋、富山大の代表団が中国を訪れ、経済学部との交流協定を結ぶことが決まった。  この日は中国側から陳学院長、周先雁学長ら3人が富山大を訪問。西頭徳三・富山大学長や三浦学部長らと協定書に調印した。また西頭学長は富山大と富山ガラス工房で共同開発した「越碧(こしのあお)」シリーズの馬上杯を贈り、周学長は絵画を贈るなどして交流を深めた。西頭学長らは「(学部間交流が)大学間の交流に発展してほしい」と期待していた。【青山郁子】 "[he-forum 14396] 共同通信6/26 共同通信2009年6月26日20時12分 重点枠、3000億円規模に 10年度予算で諮問会議  政府は26日、経済財政諮問会議を開き、2010年度予算の大枠を示す概算要求基準(シーリング)について議論した。与謝野馨財務相は会合後の記者会見で、雇用や医師不足対策などの最優先課題に手厚く予算配分するため、09年度に匹敵する3千億円規模の重点枠を設ける考えを表明した。  09年度予算で1兆円を計上した「経済緊急対応予備費」を10年度も継続。その中から一部を振り替えて重点枠の財源を捻出することで、歳出全体が膨らむのは避ける仕組みとする方向だ。  09年度予算では、前年度の6倍超に当たる3300億円の重点枠を設定。公共事業をはじめとした裁量的経費の削減幅を一律2%上乗せして財源を確保した。今回の概算要求基準では、公共事業費の3%カットや大学・防衛予算の1%削減などは継続するが、衆院選を控えてこれ以上の減額に与党の反発が強いことから、削減幅の上乗せは見送る。  経済緊急対応予備費は、昨秋からの経済危機に対応するため、09年度に臨時に創設した。10年度予算でも残し、公共事業などについても必要額を確保できるように配慮する。  政府はこれらの案を与党と調整し、7月1日に概算要求基準を閣議了解する予定だ。 "[he-forum 14397] 読売新聞神戸6/27 読売新聞神戸版2009年6月27日付 神大大学院、南あわじで地域文化探究…市と協定締結 人形浄瑠璃調査など  神戸大大学院(神戸市)の国際文化学研究科は26日、兵庫県南あわじ市をフィールドに継続的な共同研究や事業を行うため、同市と連携・交流協定を締結した。同科との協定は、県内の自治体では初めて。人形浄瑠璃をはじめ、留学生を含む学生らが同市を地域文化探究のステージとして活用するとともに、少子高齢化など市が抱える様々な課題を巡り共同で調査・研究に取り組む。  同科は、学生が地域に入り、文化や特性を学びながら活性化を考える実践的な研究、教育の場として同市に協定を打診。淡路人形浄瑠璃などと、それを育んだ地方文化の調査・研究を中心に、大学院生や教員が市を訪れて活動、成果を地元に還元する。学生らのホームステイや、同科に多い海外からの留学生との交流会も計画し、異文化の理解など市民の生涯学習も後押ししたいという。  今年度は、8月上旬に文化人類学や芸能研究専攻の教員5、6人と大学院生20人が人形浄瑠璃の調査で訪問。11月は人形浄瑠璃をテーマに国内外の研究者を招いたシンポジウムを市内で開く考えだ。市も、活気づくりや地元文化の発信を託せるメリットに期待し、子どもを対象にした「わんぱく塾」の活動企画も学生に要請したいという。  市中央庁舎での協定書調印式で、中田勝久市長と書面を交換した水田恭平・研究科長は「研究、教育はともすれば抽象的な知に傾きがち。その意味で、学生にとっても具体的で貴重な場になると思う」と期待。中田市長も「誇れる歴史や文化も一般にはやや関心が低い。見つめ直すためのインパクトにもなれば」と話した。協定の効力は3年で、双方に異論がなければ更新される。 "[he-forum 14398] 信濃毎日新聞6/27 信濃毎日新聞2009年6月27日付 信大、法科大学院定員を30人から18人に削減  信大(本部・松本市)が、同大法科大学院の定員を、現在の30人から40%減となる18人にする方針を固めたことが26日分かった。同大学院は削減の理由について「効果的な教育を行うのにふさわしい体制を考えた」としている。新定員は、来春入学の2010年度入試から適用する。  同大学院の定員は40人だが、05年の開設直後に設置申請書類の虚偽記載が発覚したことから、06年度以降は自主的に募集を30人に抑えている。新定員は、当初の40人からは55%の削減となり、文部科学省は「検討中の大学院もあるが、定員の削減幅としては最大の部類ではないか」(専門職大学院室)としている。  04年に全国でスタートした法科大学院は、修了者の新司法試験合格率が平均33%(08年)と低迷。中央教育審議会大学分科会の特別委員会が今年4月にまとめた報告書では、新司法試験の合格実績や入学競争倍率の低い大学院に対し、教育水準の向上や入学定員の見直しなどを求めている。  信大は3月末の役員会で定員削減の方針を決め、検討を進めていた。定員を大きく減らすことについて、同大学院の米田保晴・法曹法務研究科長は「国立大全体の動向を勘案しながら検討した結果」と説明している。  信大法科大学院は昨年、初の修了者29人のうち、19人が新司法試験を受験したが合格者はいなかった。全国の法科大学院74校のうち、合格者がいなかったのは信大を含め3校。信大法科大学院の09年度入試では、受験者73人のうち、39人が合格。実際に入学したのは17人だった。 "[he-forum 14399] 京都新聞6/25(2) 京都新聞2009年6月25日付 彦根の3大学が単位互換講座 協定に調印、10月から開講  滋賀県彦根市にキャンパスのある滋賀大、滋賀県立大、聖泉大の3大学は24日、単位互換協定書に調印した。学生が利用しやすいJR彦根駅前の大学サテライト・プラザ彦根で、10月から3講座を開講する。今後、長浜市の大学にも参加を呼び掛け、県北部での単位互換の動きを広げる方針。  単位互換の講座は学部生が対象で、滋賀大が「社会の比較」、県立大が「東洋思想時空論」、聖泉大が「コンピュータ特論」。協定期間は当面5年で、利用状況に応じて講座を増減させる。  調印式で、滋賀大の成瀬龍夫、県立大の曽我直弘、聖泉大の井深信男の3学長が協定書に署名した。  大学間の単位互換は、県内の全12大学による「環びわ湖大学コンソーシアム」が2008年度利用約300人で、学生総数(約3万7000人)の1%未満と低迷している。  滋賀大の成瀬学長は「大学間の距離が遠すぎては連携が難しい。県北部と県南部でそれぞれ連携の輪をつくる動きになる」と、今回の3大学連携の意義を説明。「大学同士の統合は現在考えていないが、連携を通じて教育内容の充実を図りたい」と話した。 "[he-forum 14400] 6/28毎日新聞 毎日新聞 2009年6月28日 2時30分 成果至上主義:研究者の7割「今後に不安」 労組が調査  国立や独立行政法人の研究機関に所属する研究者の7割が今後の研究環境に 不安を感じていることが、研究者の労働組合でつくる国立試験研究機関全国交 流集会実行委員会の調査で分かった。「抑うつ」「焦燥感」など健康状態に問 題を感じる研究者も7割近い。最近の早期結果を求める成果至上主義に、強い 不安や閉塞(へいそく)感が広がっているとみられる。  4~5月、インターネットで調査。実行委に所属する労組のうち15単組7 36人が回答した。男性83%、女性17%で、終身雇用の研究者は93% だった。  今後の研究環境に不安を感じると回答したのは71%。「役立つ成果ばかり 求められ、基礎研究の研究費が得にくい」「失敗を許容する雰囲気が薄れつつ ある」などの理由を挙げた。不安を感じない人は4%だった。  また、疲労感や無力感、孤独感など65%が何らかの問題を抱えていた。具 体的には「生きていく自信がない」「軽いうつと診断された」「睡眠不足」な ど、強いストレスを受けている様子がうかがえた。「特に問題ない」は28% にとどまった。  伊藤武・副実行委員長は「終身雇用の研究者も研究環境に強い不安を抱いて いる。最近は任期付きなど、不安定な立場の研究者も増えた。強い不安の中で 良い成果が出るとは思えず、研究環境の改善を訴えたい」と話す。【永山悦子】  ▽隅蔵康一・政策研究大学院大学准教授(科学技術政策論)の話 研究の世 界はもともと成果主義で激しい競争にさらされているが、バランスが大切だ。 "[he-forum 14401] 6/29朝日新聞 朝日新聞 2009年6月29日 国大協「撤廃を」 国の交付金削減方針  国立大学協会が、毎年減らされている国立大への運営費交付金につい て、削減方針を撤廃するよう求める緊急アピールを出した。文部科学省 や財政制度等審議会など各機関にも要望書を送った。  国立大学法人の経営基盤である運営費交付金は、政府の「骨太の方針 2006」に基づいて毎年1%ずつ削減されている。協会によると、こ の5年間で23大学分の運営費が消えた計算になる。付属病院の経営も 圧迫され、07年度には42病院のうち16病院が赤字に転落したとい う。アピールは「遠からず教育の質を保つことは難しくなり、研究の芽 をつぶすだけでなく、地域医療の最後のとりでが破綻(は・たん)す る」とし、国からの財政支援を経済協力開発機構諸国並みに拡充するよ う求めた。日本の高等教育への公財政支出は、対GDP比0.5%で、 加盟国(平均1.1%)の中で最下位だ(05年実績)。  また、今月15日に開かれた総会で、授業料の目安になる「標準額」 を来年度から引き下げることを国に求める中間報告を了承した。運営費 交付金の増額を前提にしている。  国立大の授業料は04年度の法人化まで一律だったが、現在は各大学 が決め、標準額の2割増まで値上げできる。標準額は、法人化時の52 万800円から、05年度に53万5800円へ引き上げられた。 "[he-forum 14402] ボーナスカット問題についての投稿 佐賀大学の豊島です. こちらの組合の「ニュース」に本日掲載された,ボーナスカット問題についての投稿を転載し紹介します.下記のブログ,ウェブサイトにも転載しています. 豊島耕一 http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 --------------- われわれの懐から抜き取られる1億円は何に使われるのか? これに抵抗しないことは教育上好ましいのか?            平賀源外(理工学部組合員)  この夏一人当たり10万円前後の金がわれわれの懐から「大学」に移転される.大学側が一方的にボーナスの減額を決めたからだ.これに対して組合は,「不同意」と言いながらこれを直ちに止めるための有効な手だて・行動を取ろうとしない.これでは組合は,職員の利益・権利の擁護という,その最も根本的な機能,「本分」を果たしていないことが明らかになってしまう.組合員を増やすどころか,組合員にさえ見捨てられかねない.相当な金額の組合費を払いながら,それに対してミニマムな「メリット」すらないのだから.  このような一方的な賃下げ(ボーナスカット)がされようとするとき,世界の常識はストライキを含む,法的に認められた最大限の抵抗でこれを止めさせようとすることだろう.わが組合も,この「常識」に沿った対応を取るべきである.  そのような対応を取ろうとしないのは,長年続いている「公務員タタキ」にあらかじめ萎縮しているからとしか思えない(もっともわれわれはすでに公務員ではないのだが).しかし,「人勧に合わせるため」という言い分に法的な根拠も,また他の合理的な理由もなく,仮にメディアが攻撃して来てもいくらでも反論できる.その材料はいくらでもある.  にもかかわらず,あらかじめ反論をあきらめるような態度を取るとすれば,自らの「コミュニケーション能力」のなさを宣言するようなものだろう.これはわれわれが行っている学生への教育の趣旨とも正反対である.  「ストは学生に迷惑がかかる」という言い方も耳にする.もちろん授業がキャンセルされ,別の日に補講が設定されたりすれば学生には不便をかける.しかし,「迷惑がかかる」事態が生じたとすれば,まずその第一義的な責任は一方的な賃下げをしてきた大学当局にあることを明確にしなければならない.そのうえで,この「第二義的な」組合の責任論について見てみると,正当な争議行為が法的に責任を問われないのは常識なので,これは法的な議論ではなく,いわば道義的・道徳的レベルの議論であろう.しかしむしろ次のように,不便さにまさる道徳的メリットがあるのではないだろうか.  自らの権利を正当に主張し,その擁護のために実際に行動する,それを身をもって示すということは,広い意味ではこれこそ学生への重要な「教育」の一環である.きょうびわが国でストライキは「希少現象」と言えるほどのものになっている.これが組合の実際の闘争戦術として語られ,また仮に実行されるとすれば,それはこの大学に付加価値を与えることにすらなるかも知れない.このような議論を傲慢という人もいるかも知れないが,私は決してそうは思わない.  逆に,このような一方的で不当な賃下げに何らの抵抗も示さないとすれば,「忍従」,「屈従」の見本を学生に示すことになり,その反教育性こそがむしろ重大である.学生たちがこれを「反面教師」として見てくれるかどうかは定かではない.  組合的に「全国で足並みをそろえて」という考えもいただけない.今の全大教を見る限り,これでは最悪のレベルに「横並び」するだけであろう.むしろわが組合が「リーダーシップ」を取ること,「ユニークさ」を示すことこそ,今は重要である.  また,経済への効果という点でも,今回の賃下げには正当性がない.「景気回復」への効果がマイナスであることは明白だろう.今年の「春闘」に際しては総理大臣すら,経営者団体に対して「賃上げ」を要請したではないか.せっかくのアリガタキ定額「給付」金も台無しである.  このまま黙っていると,他で同じことが起こっても「あそこの組合も我慢したのだからうちも我慢しよう」ということになりかねない.このような「自粛」(=自虐)のスパイラルが経済をますます落ち込ませていくし,また回復を遅らせる.長く続くわが国の不況は,このように国民が,労働者が自らの権利を主張しないことによって補強されロックされた,いわば「権利不況」であると私は見る.  新しい執行部に大いに期待したい. ----------- "[he-forum 14403] 6/30朝日新聞 朝日新聞 2009年6月30日5時41分 ポスドク採用で480万円支給 文科省、企業の募集開始  大学や研究機関の「ポスドク」と呼ばれる任期付き博士研究者(ポス トドクター)を採用した企業に、1人あたり480万円支給――。科学 技術振興機構が29日、対象企業の募集を始めた。不安定な立場のポス ドクの就職を促すための緊急措置だ。  文部科学省の事業で、研究職で最低1年間雇うことが応募の条件。ポ スドク経験があって職に就いていない人も含め、全体で100人程度分 の支給を見込んでいる。  企業側が出したポスドクの研究計画をもとに審査を行い、採用時点で 480万円を支給。1年間だけの「使い捨て」にならないように、成果 や雇用が継続されているかの確認もする。  文科省によると、ポスドクは06年度で1万6千人。大学や研究機関 のポストは限られ、安定した職に就けない博士が増えている。35歳以 上が約3割を占め、社会保険の未加入者も全体の4割に上る。  7割以上が企業への就職を希望するが、日本企業の新規採用は修士ま でが多く、採用状況は厳しい。企業で働くのは博士全体の2割以下で、 米国の半分に満たない。  文科省は「採用はまだ少ないが、採用した企業の評価は高い。『食わ ず嫌い』解消の呼び水にしたい」としている。(行方史郎) "[he-forum 14404] 6/30山形新聞 山形新聞 2009年06月30日 15:48 鳥取大に33万円の賠償命令 地裁「職員に残業を強要」  鳥取大に勤務する女性職員が、上司に過重な労働を指示され精神的苦 痛を受けたとして、大学に慰謝料など220万円の支払いを求めた訴訟 の判決で、鳥取地裁は30日、33万円の賠償を命じた。  朝日貴浩裁判官は判決理由で「残業を強要した上、本来業務以外の仕 事もさせており、雇用契約を守っていない」と指摘した。  女性はストレス性障害を発症したが、朝日裁判官は因果関係を認めな かった。  判決によると、女性は1995年から鳥取大に非常勤職員として勤 務。上司が代わった2003年以降、勤務時間外の来客対応やイベント の準備を指示され、仕事量や残業時間が増えた。  鳥取大は「判決の中身を見ていないのでコメントできない」としてい る。 "[he-forum 14405] 毎日新聞鹿児島6/30 毎日新聞鹿児島版2009年6月30日付 産学官連携プロジェクト:企業の環境技術を共同研究 鹿児島市と鹿大が発表  鹿児島市と鹿児島大はこのほど、企業から温室効果ガス削減のための研究テーマを公募し、「産学官連携」で環境対策に取り組むプロジェクトを発表した。森博幸市長は「鹿児島ならではの環境技術が生まれることが目標。他都市でも活用できるシステムになれば」と期待感を示した。  プロジェクトは、市内の小中学校を利用し、塗料による輻射(ふくしゃ)熱低減など、企業が持つ環境対策の技術を共同で研究する。連携することで、大学側は公共施設利用で実用に近い形での研究が可能となる。また、企業側は市と大学との連携で、いわば「お墨付き」の商品開発が可能という。さらに、市は得られたデータを、今後の公共施設建設に応用する。  鹿児島大の吉田浩己学長は「行政の施設を借りて、大学と企業が共同で実証研究する、全く新しい試み」と意義を強調した。  研究テーマの募集期間は7月1~31日。問い合わせは鹿児島大産学官連携推進機構(099・285・8492)。【川島紘一】 "[he-forum 14406] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.14 ニュースレターNO.14 2009、6,19  公正な学長選考を求める裁判を支える会   事務局:高知県高知市曙町2-5-1高知大学教職員組合内   (TEL/FAX088-844-1489)   6 月16 日「弁論準備手続」報告!  行政訴訟の「弁論準備手続」が高知地裁において6 月16 日(火)午前11 時に 開催されました。小法廷(ラウンドテーブル)での審議で、多くの傍聴者が入る ことができないため、今回は敢えて広く参加を呼びかけませんでした。以下当日 の模様を報告します。    裁判は定刻に開始されました。本来非公開ですが、我々大学関係者は傍聴を認 められ、最大20 名ほど座れる傍聴席はほぼ埋まりました。原告側弁護団はこれ に先立ち、被告側の原告適格なしという答弁書に対する反論として「原告第一準 備書面」を5 月29 日に提出していました.これを受けて裁判長から原告側被告 側それぞれに以下のような要請がありました。    被告(国)側に対しては「原告第一準備書面」にある「原告高橋氏は学長任命 処分の相手方である」という主張に対する反論を書面で提出すること。一方、原 告(我々)に対しては、被告側答弁書の「本案」(原告適格以外の部分。つまり、 国が行った学長任命は正当であったという主張)に関して、反論を書面で提出す ることです。   裁判所が原告適格についての弁論(入り口の議論)の決着を待たず、原告側に 「本案」に関する主張を提出させる判断をしたということは、いよいよ実質的な 審理に入ることを意味し,画期的です.それゆえ,今回の審議は今後の裁判の展 開にとって極めて重要な一歩になったといえます。  次回は9 月18 日11 時30分から今回に引き続いて「弁論準備手続」が行われ ます。       原告側第一準備書面の要点         ※注:この部分は、原文では表形式となっており、縦軸が高橋・根小田両氏の 原告適格、横軸が被告(国)側・原告側主張となっているが、転載の都合上、以 下のように記している。 1 高橋正征氏の原告適格 【被告(国)側主張】  ①高橋氏は「学長任命処分の相手方以外の者」である。    ②高知大学学長選考規則は学長選考の手続きとして、学長、理事、大学教員ら について、学内意向調査の資格を有する旨定めるが、これは大学内部においての み妥当する法規制のない自主的内部規範にすぎず、行政事件訴訟法にいう「関係 法令」には該当しない。したがって、第一次学長候補者であった高橋氏には「法 律上の利益」が認められない。 【原告側主張】  ①高橋氏は「学長任命処分の相手方」である。なぜなら高橋氏は「学長という 法的地位を巡って」相良氏と「競願関係」にあり、相良氏を任命することは、実 質的には高橋氏の任命を拒否することであり、高橋氏は、「自己に対する任命拒 否処分があった場合、その取消を求める法的利益があると同様、」競願者である 相良氏を学長に任命した「本件処分の取消を訴求しうる原告適格を有する」    ②憲法第23 条が保証する大学の自治の核心は「大学の運営はその大学におけ る研究者、教授等の自主的判断に任され、特に学長、教授その他の研究者の選任 は、大学の自主的判断にもとづくとする原理である」。「学長選考規則にもとづ く学内意向投票の結果の尊重こそがその核心となるものである」。したがって、 「大学の自治」及び高橋氏の「再手続きによる学長任命の可能性」の回復は「法 律上の利益」に当たり、高橋氏には原告適格がある。 2 根小田渡氏の原告適格 【被告(国)側主張】  学長任命処分においては、個々の学長選考会議の委員の個別的利益を考慮する ものではない。  また、高知大学学長選考会議の総意は、相良氏を学長候補者とする旨決定して いる以上、根小田氏は高知大学学長選考会議の委員を代表して取消訴訟を提起し ているのではなく、高知大学の一教員の立場で訴訟を提起しているものと考えら れる。学長任命処分においては、教員、職員等の個別的利益が考慮されていると は考えられないから、根小田氏にも法律上の利益は認められない。 【原告側主張】  「学長選考会議構成員には学長選考過程の違法不当を糺す権利と義務とが承認 されなければならない。」  「当該違法行為が放置されたままの状態に置かれ」た場合「大学の自治さらに は学問の自由という憲法で保障された基本的人権が侵害されるという重大な結果 をもたらす」  よって、「学長選考会議構成員」である根小田氏には「法律上の利益が認めら れてしかるべきである」   連載開示文書から第3回  情報開示によって、大学側が開示した文書は次の3 種類です。1、学長候補者 の任命申し出関係書類2、学長選考過程における疑問点について3、業務監査実施 報告書。    1 の問題点(はじめから内容が同じ!)については1~2 回でご報告しました。 このあと何回かにわけて、2 についてご報告します。これは、2008 年1 月11 日 に文部科学省の質問に対してメールで大学側が回答したものです。つまり、2007 年11月12 日に文部科学省に持っていった上申書が受け取ってもらえず、その約2 ヶ月後に出したものということになります。このあと2 月15 日にも「上申書」 は受理されていませんので、文部科学省側は、この回答には満足してはいなかっ たものと考えられます。  A4 版24 枚の資料の内7 枚が文部科学省の問いにQ アンドA のような形でこた えたもので、問いは全部で18 あります。添付された資料は4 種類あり、1、学長 選挙管理委員会委員名簿2、学内意向投票管理委員会の委員名簿3、学生有志によ る学長選考会議学外委員に対する公開質問状4、それに対する回答(4通)です。  資料3と資料4については、名前の消し方(****様)から見て、どうも、 「高知大学学長選考を考える」というサイトから「コピペ」したもののようです。 サイトの管理者に許可を得てのものかどうか確認していませんが、「やたらにイ ンターネットから資料をコピペするな」という教育は学生に対してだけでなく、 本部職員にも必要なようです。    それでは、この文部科学省とのやりとりの内容について次回から見ていきたい と思います。   "[he-forum 14407] 7/1読売新聞 (2009年7月1日 読売新聞) 京大雇い止め、提訴へ 元非常勤職員2人  今年3月限りで労働契約を打ち切られた京都大の元非常勤職員の男性 2人が、「雇い止めは無効」として、京大に地位確認と未払い賃金の支 払いを求めて1日、京都地裁に提訴する。非常勤職員について、京大 は、2010年度中に5年間の雇用期限を迎える約100人の契約を更 新しない方針を示しており、教員や職員組合から反対運動が起きている。  原告側によると、2人は2005年7月と同9月以降、半年から1年 単位で京大と労働契約を結び、更新しながら勤務していたが、今年3月 末、期間満了で解雇された。これについて、「4月以降の労働契約継続 に合理的期待があった。従事してきた業務は現在も存在し、雇い止めの 理由がない」と主張している。  2人が所属する労組は団体交渉を求め、2月以降、キャンパス内で座 り込みを継続。京大は4月、土地明け渡しを求める訴えを同地裁に起こ している。 "[he-forum 14408] 東日新聞7/1 東日新聞2009年7月1日付 豊橋技科大が大規模再編  豊橋技術科学大学(榊佳之学長)は30日、学内で記者会見し、来年度から実施する学部・大学院の再編内容について公表した。現行の8課程(専攻)を5課程に再編し、学部3年次編入生の定員枠を拡大、これまでの3学期制を2学期制に改めるなど、76(昭和51)年の開学以来、最大規模の再編となる。生命科学者である榊学長の考え方を反映し、総合教育院を設置、「生命科学」などを全学部の必修にするなど、先進的な取り組みも加えた。  豊橋技科大は機械システム工学はじめ、生産システム、電気・電子、情報、物質、建設の6課程で出発。その後、知識情報工学(88年)、エコロジー工学(93年)を加え、計8課程。  これを再編により、来年度から基幹産業を支える先端的技術分野として①機械工学②電気・電子情報工学③情報・知能工学、持続的発展社会を支える先導的技術分野として④環境・生命工学⑤建築・都市システム学の計5課程に改める。大学院も同様。  教員はこの5課程のほか、総合教育院の6学系に属すことになる。  再編の理由として、社会産業構造の変化やグローバル化時代に対応した人材育成の要求などを挙げ、高い専門性に加え、幅広い視野をもち、社会の変化に柔軟に対応できる技術者を養成できる組織づくりを強調。  総合教育院を設置し、生命科学や環境科学を必修化する。  また開学以来の伝統である「らせん型教育」を強化。学部2年次にプロジェクト研究(ミニ卒論)を課すほか、4年次の実務訓練の充実、大学院博士課程におけるテーラーメイド(希望業種)・バトンゾーン(企業協働)教育」を導入。企業で働きながら学んだり、企業を退職した優れた技術者を客員教授や特任教授として招く。  技科大の主な学生となっている高専生の学部3年次の編入人員枠を60人(12年度実施)拡大し、360人とするほか、大学院も連動。そのほか現在の3学期制を2学期制に改め、合わせて1コマ75分授業、1日6コマを90分、5コマににし、他大学との単位互換をしやすくする。  こうした大再編に合わせて、世界の産業を支える力強い人材育成をモチーフにしたコミュニケーションマークを制定した。榊学長は質問に対し「大学自体の再編問題もあるが、学内を充実していき、どんな事態にも対処できるようにしていきたい」と答えた。 "[he-forum 14409] 毎日新聞福岡7/1 毎日新聞福岡版2009年7月1日付 産学官ネットワーク:「大学のまち福岡」の魅力発信 福岡市など発足 ◇福岡市、21大学、商議所  「大学のまち福岡」の魅力発信などを目的に産学官が連携する「大学ネットワークふくおか」の設立総会が29日、福岡市内のホテルで開かれた。福岡都市圏の21大学、福岡商工会議所をメンバーに、国内外への情報発信を強化する。  ネットワークには福岡市の九州大や福岡大の他、久留米大(久留米市)、福岡経済大(太宰府市)なども参加。これまで福岡市は各大学の学長との意見交換会を毎年開催し、市民への公開講座などを実施してきた。しかし、市内の学生数はここ数年減少傾向にあり、若年人口の減少に伴い地域間競争も激化していることなどから、商議所も加えて、各大学との連携もこれまで以上に緊密にすることにした。  総会で、吉田宏市長は「大学の知的な蓄積を地域に還元することが福岡の発展につながる。福岡都市圏という一つのキャンパスに複数の大学があるというイメージで世界レベルの学園都市を築きたい」とあいさつ。九州大の丸野俊一副学長は「優秀な研究者や学生を集めるには各大学の研究成果を集積してデータベース化し、オンラインで公開して世界に発信する取り組みが必要だ」と述べた。ネットワークは今後、県外へのPR事業や、市長と学生の意見交換会などを企画するという。【河津啓介】 "[he-forum 14410] 京都新聞6/30 京都新聞2009年6月30日付 京大職員の地位確認を求め提訴 雇い止めの2人  京都大の時間雇用職員組合「ユニオン・エクスタシー」の組合員2人は30日までに、京大による3月末での「雇い止め」は不当として、4月以降の京大職員としての地位確認を求める訴訟を京都地裁に起こすことを決めた。1日に提訴する予定で、2人は「裁判を通じて雇い止めの不当性を広く訴えたい」としている。  2人は、京大の非常勤職員が最長5年で「雇い止め」となる制度の撤廃を求め、今年2月から時計台記念館前(京都市左京区)で座り込みを始め、クスノキの下にテント村「くびくびカフェ」を設け京大に団体交渉の開催などを求めている。京大は3月末で2人と雇用契約を更新せず、4月には座り込みの土地の明け渡しを求めて2人を提訴した。  2人は6月末に、くびくびカフェを明け渡しを求められている場所から正門横に移動させており、京大に訴えを取り下げるよう求めていく。カフェは今後も続ける予定で、「京大に限らず、さまざまな場所で雇い止めが行われている。いろんな人が雇用問題などについて語り合える場にしたい」と話している。 "[he-forum 14411] 共同通信6/30 共同通信2009年6月30日15時48分 鳥取大に33万円の賠償命令 地裁「職員に残業を強要」  鳥取大に勤務する女性職員が、上司に過重な労働を指示され精神的苦痛を受けたとして、大学に慰謝料など220万円の支払いを求めた訴訟の判決で、鳥取地裁は30日、33万円の賠償を命じた。  朝日貴浩裁判官は判決理由で「残業を強要した上、本来業務以外の仕事もさせており、雇用契約を守っていない」と指摘した。  女性はストレス性障害を発症したが、朝日裁判官は因果関係を認めなかった。  判決によると、女性は1995年から鳥取大に非常勤職員として勤務。上司が代わった2003年以降、勤務時間外の来客対応やイベントの準備を指示され、仕事量や残業時間が増えた。  鳥取大は「判決の中身を見ていないのでコメントできない」としている。 "[he-forum 14412] 岡山日日新聞7/2 岡山日日新聞2009年7月2日付 「順調」に上方修正 県立大自己評価  公立大学法人岡山県立大(総社市窪木、三宮信夫理事長)は1日、08年度業務実績を県地方独立法人評価委員会(末長範彦委員長)に報告した。公立法人化から2年目で、決算見込みで前年度に続き純利益を出し、自己評価も「順調」と上方修正した。県民一人当たりの負担額(試算値)は1366円だった。 "[he-forum 14413] 大分合同新聞7/2 大分合同新聞2009年7月2日付 学部の再構成に結論 再任の羽野大分大学長  大分大学は任期満了(9月30日)に伴う次期学長に、現学長の羽野忠氏(63)を再任した。任期は2年。羽野氏に今後の大学経営や地域との連携などについて話を聞いた。  ―2期目に向けた抱負は。  1期目の4年間は大学法人としての組織づくりと、職員の意識改革に取り組んだ。これからの2年は大分大学のイメージを決める重要な時期なので、飛躍しないといけない。  ―具体的には。  国が求める学部構成の見直しは、わたしの任期中に結論を出したい。現在の教育福祉科学、経済、工、医の4学部体制で将来も受験生の確保は可能か、という視点に立って考える。専門知識を身に付ける大学院教育では、特に前期修士課程(2年)を充実させたい。  ―地域や自治体との連携も大事な課題だが。  地域・自治体と大学が“がっぷり四つ”に組んだ取り組みが必要だ。例えば、大学の教員が行政などの各種委員会に学識者の代表として出ることが多いが、主張すべきはしっかり主張すべきだし、施策の実行段階にも何らかの形で加わるなど、責任ある態度で臨むことを求めたい。各種委員に就く教員が固定化しないような仕組みも考える。  ―昨年の県教委汚職事件に絡んで教育福祉科学部教授が辞職している。連携の“中身”も問われている。  お互いのチェック機能が足りなかった。連携する際には組織としての自立性が必要だ。教育福祉科学部にとって教員養成は使命だし、採用試験対策を強化したのは事実だが、事件との関係は不明のまま。学生の努力で合格者が増えるのはいいが、アンフェアではいけない。連携で得られた結果については第三者による評価が必要だ。 (聞き手は社会部・友永敬介) "[he-forum 14414] 琉球新報7/2 琉球新報2009年7月2日付 学長人選が本格化 来年度中に設置認可申請 【東京】沖縄科学技術研究基盤整備機構(シドニー・ブレナー理事長)は、沖縄科学技術大学院大学学園法案の施行と同時に学長の人選、教員採用の作業を本格化させ、2010年度中には文部科学省に沖縄科学技術大学院大学の設置認可申請を行う方針だ。  法案は3月の通常国会に提出され、成立までに約4カ月要することになったが、「今国会で成立できれば、予定している今後の日程に影響はない」(内閣府)としている。  機構は2月から学長選任に向けた作業を開始。法律の施行後、絞り込みを始め、候補者への打診、交渉を本格化させる。「国際的な学術会から優れた学者を招聘(しょうへい)する必要がある」(内閣府)ことから学長内定には1年程度要し、10年の早い時期に内定する方針。学長は常勤となり、沖縄での活動が中心となる。  教員の採用に関しては、学長就任者の方針も踏まえながら、国際公募で計画的に採用する。現時点で約20人の教員がいるが、開学時には50人程度を目指す。  学長内定以降、学園への寄付行為・教育課程の準備作業を始める。申請後、文部科学相から設置認可が下りるまでは約1年程度かかる見込みだ。  開学時の大学院大学の運営経費は09年度予算と主任研究員の規模を参考にした内閣府の試算によると約100億円程度を見込む。(宮城久緒) "[he-forum 14415] 神戸新聞7/2 神戸新聞2009年7月2日付 南あわじ市と神大大学院 地域活性化へ協定締結   地域の発展に共同で取り組もうと、南あわじ市と神戸大学大学院国際文化学研究科が「連携・交流に関する協定」をこのほど締結した。同研究科と県内の自治体が協定を結ぶのは初めて。豊富な知的資源をもつ大学と、淡路人形浄瑠璃などの文化財産に恵まれた同市が連携を深め、地域の活性化や異文化理解の促進を目指す。(橋本 薫)  連携活動としては、淡路人形浄瑠璃などの文化を大学院生らが研究し成果を地元に還元することや、少子高齢化や外国人居住者の増加など現代社会が抱える問題を共同で調査することなどを想定している。  本年度の具体的な事業としては、8月に大学側から約25人が同市を訪れ、淡路人形浄瑠璃を守ってきた地域社会を研究するフィールドワークを実施。また、子どもならではの視点を分析するため、10月に開かれる「わんぱく子ども映画祭」の作品を同研究科の教員が研究する。  11月には、協定締結の記念事業として、同市で国際シンポジウムを開催。国内外からゲストを招くほか、研究成果の発表を通じ、地元住民との交流を図る。  市中央庁舎(同市市善光寺)で開かれた協定書調印式には関係者10人が参加。中田勝久市長は「市の振興に大きな影響があることを確信している」と期待を込めた。同研究科の水田恭平研究科長は「具体的な社会、生活の場で検証作業ができることは、学生にとって貴重な体験になる」と話した。  協定は調印した6月26日から3年間有効で、両者に異議がなければ更新される。 "[he-forum 14416] 四国新聞7/2 四国新聞2009年7月2日付 香川大学長選で学内投票を実施/2日決定へ  香川大は1日、一井真比古学長(64)の任期満了に伴う学長選で、講師以上の教員や課長以上の事務職員らによる学内投票を行った。候補者は一井学長と伊藤寛工学部長(63)で、2日に開票する。  2日には、学内外の委員でつくる「学長選考会議」を開催。1日の投票結果や2人の所信表明などを総合的に判断し、新学長を選出する。 "[he-forum 14417] 7/3山形新聞 山形新聞 2009年07月03日 12:44 東北大、院生自殺で科長を訓告 再発防止に全力尽くす  東北大(仙台市)は3日、大学院理学研究科に在籍していた男子大学 院生=当時(29)=が昨年、担当准教授による不適切な指導が原因で 自殺した問題で、花輪公雄理学研究科長を訓告処分にしたと発表した。 既に辞職した准教授について「停職相当」とした。  東北大は自殺の原因として「複数の教員が指導する制度が機能してい なかった」と説明。再発防止のため、副指導教員が積極的に関与するこ とや、指導の過程をほかの教員や学生らにオープンにしていくとした。  花輪科長は「処分を真摯に受け止め、再発防止に全力を尽くしたい」 と謝罪。大学は今後男子大学院生の家族を訪れて直接謝罪する方針。  男子大学院生は昨年8月、研究活動でよく行っていた滋賀県で自殺。 大学は5月「指導に重大な過失があり、自殺につながった」とする報告 書を公表した。 "[he-forum 14418] 神戸新聞7/3 神戸新聞2009年7月3日付 神戸大が関経連加盟 教育現場に戸惑いも   神戸大が、京都大、大阪大とともに国立大学法人としては初めて、企業を主な会員とする関西経済連合会(関経連)に加盟した。神戸大は「教育、研究が最優先であることは変わらない」とするが、国立大学の独立行政法人化に伴って「経営」の視点が求められる状況などを踏まえ、入会を決めた。関経連は「産学連携を進めやすくなる」と歓迎。一方、教員らの間には、経済的な発想とは相いれない側面のある教育・研究機関が経済団体に入ることへの違和感もあるようだ。(黒川裕生)  産学連携の調整などを担当する神戸大連携創造本部によると、今年1月、関経連側が加盟を打診。同大は2003年に同本部を開設し、地元経済界との関係強化を図ってきた経緯があるため、「断る理由がない」と入会を決めたという。  共同シンポジウムの開催などで連携する京都、大阪大と歩調を合わせ、5月に加盟。しかし当面、具体的な事業の予定はない。  国立大は04年4月に法人化され、以降、教員の人件費や教育・研究費に充てられる「国立大学法人運営費交付金」は毎年1%ずつ減らされている。同本部によると、神戸大では削減額が年間約2億円に上り、実験設備の更新費や図書購入費などの抑制を迫られているという。  このため、企業との共同研究で得られる資金や特許料収入など、学費以外の「外部資金」獲得を目指し、産学連携に力を入れる傾向は拡大。同本部は「関経連とのパイプができることで、インターンシップ(就業体験)や就職などの人材交流はもちろん、大学での研究成果を事業化したり、企業の委託研究を受けたりしやすくなるはず。方向性を明確に定め、一歩を踏み出した意義は大きい」と強調する。  関経連によると、06年ごろから学校法人の加入が増加。現在は、関西学院大や関西大など11法人が加盟している。少子化に伴い、経営基盤の安定化を図ることが目的の一つとみられる。  こうした状況に対し、現場には「教育・研究機関である大学で経営の論理が優先されるようになれば、本来の目的が果たせない」と危ぶむ声も。神戸大の文系学部教授は「経済界からの支援を期待して入会を決めたのだろう。企業の利益につながる研究をする理系の学部が優遇され、学生の間に不平等が生じなければいいが」と不安視する。  この教授はまた、3回生のときから就職活動が本格化するため、多くの講義が成り立たなくなっていると指摘。「今回の加盟が、企業側に再考を促すきっかけになれば。学内でも今後、加入の是非などをめぐり議論を深める必要がある」と話している。 "[he-forum 14419] 四国新聞7/3 四国新聞2009年7月3日付 香川大学長に一井氏が再選/「行動力評価」  香川大は2日、一井真比古学長(64)の任期満了に伴い次期学長を決める「学長選考会議」を開き、一井学長を再選した。同日会見した一井学長は「引き続き教育改革に全力を尽くしたい」と抱負を述べた。再選の任期は10月1日から2年間。  選考会議は、学内外の委員で構成。教員や職員らによる1日の学内投票の結果と候補者2人の所信表明を参考に委員が投票を行い、一井学長が7票を得て、伊藤寛工学部長(63)の4票を上回った。選考会議は「行動力と安定感で評価が高かった」とコメントした。  会見で一井学長は、2011年4月の教養学部の新設や学部の枠を超えた全学的な教育研究体制の確立に加え、「人文社会系の博士課程の設置、付属病院の建て替えも具体化していきたい」と意欲を示した。  一井学長は、1970年に京都大大学院農学研究科修士課程修了。農学部教授や農学部長などを歴任し、05年10月から学長を務めている。 "[he-forum 14420] 時事通信7/3 時事通信2009年7月3日16時54分 13大学を国際化拠点に=留学受け入れ促進で-文科省  文部科学省は3日、海外からの留学生受け入れを促進する国際化拠点整備事業の対象として、国私立13大学の取り組みを選定したと発表した。英語での授業、日本語教育、専門スタッフによる生活支援などの計画を評価した。各大学に2009年度から5年間、毎年2~4億円を交付する。  このうち、東北大のロシア代表事務所、早稲田大のヨーロッパセンター(ドイツ)など8大学の海外拠点を「共同利用事務所」に指定。他大学も現地説明会、面接試験に利用できる施設として整備する。 "[he-forum 14421] 沖縄タイムス7/3 沖縄タイムス2009年7月3日付 大学院大学法が成立  【東京】沖縄科学技術大学院大学学園法が、3日午前開かれた参院本会議で全会一致で可決され、成立した。国からの財政支援についての根拠法が成立したことで、学長人選や運営方針の整備など2012年開学に向けた準備が本格化する。  同法は大学の設置形態を特別な学校法人とし、国からの財政支援については運営費の全額を2分の1を超えて補助できることを定めている。財政支援は施行から10年後に見直される。 "[he-forum 14422] 読売新聞秋田7/4 読売新聞秋田版2009年7月4日付 秋田大、横手に分校設置へ 地域の課題解決、活性化めざす  秋田大は3日、横手市役所に大学の拠点施設「横手分校」を設置すると発表した。今年2月、秋田大が横手市と連携協定を結んだことがきっかけで、拠点施設の設置は初めて。地域の課題解決と活性化に、大学の知力を生かすという。  同市は協定締結後、市民や市内の企業を対象に、大学の知力で解決してほしい課題についてアンケート調査を実施。その結果、年間3000トン以上にもなる間引きスイカの活用や、同市増田地区の「内蔵(うちぐら)」の観光資源化などの意見が寄せられた。  今後、これらの課題に対し、各学部の教員や学生が解決のために知恵を出し合う。また、同市山内地区特産の「いぶりがっこ」を学生らが生産し、大学発のブランド商品として売り出すことも予定しており、学生の若い力を地域の活性化につなげたいとしている。  分校には、同市が専属の非常勤職員1人を置く。吉村昇学長は、「地域の課題解決のために、大学の知を存分に生かしていく。横手で成功し、県北にも分校を作りたい」と意気込みを語った。 "[he-forum 14423] 共同通信7/3 共同通信2009年7月3日18時47分 秋田大、ボツワナに大学設置協力 資源外交に沿った事業  鉱物研究で知られる秋田大工学資源学部は3日、アフリカ南部ボツワナで地下資源の調査・開発を行う人材を育成するため、同国が進める国立大学設立に協力すると発表した。豊富なレアメタル(希少金属)の確保につなげたい日本政府の資源外交に沿った事業。  秋田大によると、今年1月、ボツワナから2011年開校予定の同国2番目の大学、ボツワナ国際科学技術大学の資源学部設立への協力要請があった。今月中に教員を現地に派遣して教育プログラムの作成などを進めるほか、将来的な留学生受け入れを念頭に人材育成に協力していく。  秋田大によると、ボツワナはダイヤモンドやニッケルなどを産出し、鉱山資源が国家収入の9割を占める。しかし、砂漠が広がる厳しい自然環境や技術上の問題から、豊富な地下資源が未開発のままになっている。 "[he-forum 14424] 京都新聞7/4 京都新聞2009年7月4日付 国際化拠点に京大、同大、立命大 文科省 留学生受け入れ2倍超に  文部科学省は3日、留学生の受け入れや英語による授業の拡大など国際大学にふさわしい環境を整備する「国際化拠点整備事業」(グローバル30)に、京都大、同志社大、立命館大など13大学を選んだ。京滋の3大学の連携も検討されており、「大学のまち京都」の国際化への大きなはずみとなりそうだ。  政府による「経済財政改革の基本方針(骨太の方針)2008」「留学生30万人計画」を受け本年度から始まるプログラム。留学生と日本の学生が一緒に学ぶことで、世界で活躍する人材を育てるのが狙い。英語だけで卒業できる学部・大学院のコース開設、留学生の受け入れ拡大、海外拠点開設などをそれぞれの大学が進める。本年度から5年間、各大学に年2~4億円の事業費が交付される。  京都府内の留学生は昨年5月で約5千人。選ばれた3大学は2020年までに在学留学生を計約1万700人にすると計画しており、倍増以上となる。京都は世界の若者が学ぶ都市となるが、宿舎の確保、生活や就職支援などが大きな課題となる。  ほかに選ばれたのは、東北、筑波、東京、名古屋、大阪、九州、慶応、上智、明治、早稲田の各大学。 "[he-forum 14425] 7/6しんぶん赤旗 2009年7月6日(月)「しんぶん赤旗」 企業は研究費を払え 沖縄科技大院法案 紙氏が追及  日本共産党の紙智子議員は1日の参院沖縄北方問題特別委員会で、沖 縄科学技術大学院大学学園法案について質問しました。  紙氏は、民間企業との共同研究を開始している独立行政法人沖縄科学 技術研究基盤整備機構が2005年度から08年度までの7件の共同研 究のうち企業から資金提供を受けたのは本田技研1件のみであることを 明らかにしました。日立製作所基礎研究所に対しては関係施設の施設整 備費、光熱水費、消耗品費など500万円を支払う契約を結んでいまし た。  紙氏は「こうした契約は適切でなく、大企業がきちんと研究経費を支 払う共同研究を獲得していく必要がある」と追及。佐藤勉沖 縄担当相は、「今後そういうことのないようにちゃんとチェックし て利益になることは大学側に還元をさせていただく」と答弁しました。  大学と民間企業との共同研究は大学側が施設を提供し、企業側が必要 経費を負担するのが通常の姿です。このため巨額の国費を投ずる沖縄大 学院大学の行方を案ずる与野党議員からは、紙氏の質問に驚きとともに 「当然だ」「調査して報告せよ」などの声があがりました。 "[he-forum 14426] 7/7しんぶん赤旗 2009年7月7日(火)「しんぶん赤旗」 大阪 ポストドクター過労死裁判 研究者の使い捨て許さない 支援の輪広がる  田辺製薬(現田辺三菱製薬)の契約社員研究者だった男性(当時3 2)=大阪市淀川区=の通勤途上での急死を、過労死認定するよう求め ている裁判が大阪高裁で続いています。博士課程修了後、安定した研究 職につけず、短期雇用、低賃金という劣悪な環境に置かれている「ポス トドクター」(博士課程修了後の非常勤研究員)の業務の過重性を問う 全国初の裁判として注目され、支援が広がっています。(浜島のぞみ)  この男性は中国人の苗登明(みょう・とうめい)さん。京都大学大学 院農学部の博士課程を修了後、1995年5月、田辺製薬に一年間の契 約社員として入社。抗がん剤開発の研究チームの一員でした。帰宅は連 日、午後10時すぎ。疲労困憊(こんぱい)の状態で、10月上旬の人 間ドックでは心電図異常を指摘されました。 路上で倒れた  95年12月20日朝、苗さんは自宅から駅に向かう路上で倒れ、病 院に搬送されましたが、死亡が確認されました。「虚血性心不全の疑 い」でした。  96年5月、苗さんの妻は、大阪の淀川労基署に労働災害申請しまし たが、業務外とされ、労働保険審査会への審査請求も棄却。再審査請求 も棄却されました。2005年8月、妻は、過労死認定を求める行政訴 訟を大阪地裁に起こし、同年12月には会社を相手どって損害賠償請求 訴訟を起こしました。  行政訴訟で大阪地裁は今年1月、請求を棄却。妻は控訴し、大阪高裁 で争っています。  岩城穣弁護士は「会社にタイムカードはなく、自己申告による就業表 があるだけ。苗さんは帰宅後も論文を読み、週末には卒業した大学院の 実験室に行って勉強するなどしていた。精神的負荷も強かった」と話し ます。  1991年に始まった「大学院重点化政策」で、国立大学の大学院生 と博士課程修了者は急増しました。予算が不十分なため、教育・研究環 境が悪化。一方で若手研究者の就職難の激化を招きました。96年から の「ポストドクター等一万人支援計画」は、あふれた博士課程修了者の 多くがプロジェクト型の短期雇用というのが現状。支援制度として破た んしています。 不安定な身分  「田辺製薬契約研究員、苗登明さんの過労死裁判を支援する会」が6 月19日、京都市内で結成されました。会長に選出された宗川吉汪・京 都工芸繊維大学名誉教授は「不安定な身分であることも、正規の研究者 になるために頑張らなければという気持ちに拍車をかけたにちがいな い」と述べ、「研究者の使い捨て」が生んだ悲劇だと指摘します。   苗さんの妻は語ります。「夫が亡くなって半年後に長男が生まれまし た。まじめに生き、人の倍働いていた人がなぜ死ななければならなかっ たのか強い怒りを感じます。2人の子どもにはお父さんが立派な研究者 だったことを伝えたい。日本では命が粗末に扱われない国だということ を伝えたい。人間の尊厳を重視する社会にしていきたいと思います」 ◇  「支援する会」事務局 大阪過労死を考える家族の会(あべの総合法 律事務所内)06(6636)9361 "[he-forum 14427] 産経新聞主張7/7 産経新聞主張2009年7月7日付 博士課程削減 精鋭送り出す教育環境に  文部科学省が国立大学の大学院博士課程の定員削減などを求める通知を出した。博士号を取得しても定職に就けない高学歴者の就職難が背景にある。私立大にも共通する課題だ。  文科省は平成3年に審議会答申を受け、大学院生倍増の目標を打ち出すなど大学院重視の政策を進めてきた。  大学院を国際的に通用する研究者や優れた技術者らを育成する拠点として整備する狙いで、大学院への予算も厚くなった。  これに伴い私立を含め大学院が増えた。国立大の博士課程の入学定員をみると、平成3年度の約7500人から15年度に1万4000人を超え、ほぼ倍増した。  一方、文科省の調査では、国公私立合わせた博士課程修了者約1万6000人の進路で、就職していない者や不明などが5000人近い。大学教員や常勤の研究職への就職は限られ、非常勤の薄給で研究を続ける人も多い。  大学院修士課程2年、博士課程3年を通じ、学費負担も大きい。苦学しても定職に就けない状態では、優秀な人材の博士課程離れが進む。このままでは、先駆的な研究が先細りしかねない。  今回の文科省の方針は、法人化した国立大の6年ごとの中期目標の策定期にあたり、大学の組織運営見直しの一つとして改革を求めたものだ。  大学院は増えすぎて質に懸念が出ており、この方針は遅すぎたといえる。ただ、定員削減によって教育・研究環境の悪化を招くことがあってはならない。博士課程は基礎研究を担い、科学立国を支える研究者育成の重要な拠点だ。  各大学の特徴を生かし、他大学と博士課程を連携、統合するなど教育・研究の充実につながる再編を積極的に進めてほしい。  旧態依然の大学院教育は変えねばならない。民間企業からは博士課程に対し「専門にこだわり融通がきかない」などと採用を敬遠する雰囲気が依然としてある。  これに対し、分野の違う複数のテーマの研究を院生に義務づける大学もある。大学側には院生の高い研究能力を生かして育て、PRする工夫がさらに必要だ。  日本の大学も改革を進めてきたが、厳しい競争におかれる米国の大学に比べ、若手研究者を鍛え、登用する面でまだ課題が多い。今回の見直しを新たな改革の契機として精鋭を育ててもらいたい。 "[he-forum 14428] 日本経済新聞7/7 日本経済新聞2009年7月7日付 群馬大、金型の人材育成で講座 DOWAの寄付金を受け 【前橋】群馬大学はDOWAホールディングスからの寄付金を受け、寄付講座「DOWA金型生産システム工学講座」を開設した。自動車分野などものづくりに不可欠な金型の新技術開発と人材育成を手掛ける。  同講座は、大学院工学研究科の生産システム工学専攻の中に設置した。同専攻は群馬県太田市の太田キャンパスに2007年春に新設された部門。DOWAからの寄付金の額は総額3000万円。今年度から3年間、毎年1000万円ずつ寄付する。 "[he-forum 14429] 産経新聞7/6 産経新聞2009年7月6日付 全入時代 中教審が報告 「大学再編」国も支援を  中長期の大学教育の在り方を議論している中央教育審議会大学分科会は、大学の統合や連携に国が支援していく必要性などを訴えた第1次報告をまとめた。大学全入時代に、「教育の質向上」と「量的規模の在り方」の2つの課題をどう解決するか。従来の「大学」「学部」の枠を超え教育研究を進める「学位プログラム」導入の必要性を挙げ、「大学再編」も視野に入れた方策が盛り込まれた。(福田哲士)  ■学位プログラム  過去20年で大学は250校、学生数は77万人も増加した。平成15年度に大学の設置基準が緩和され、20年度は4年制大が752校、短大は385校を数える。  大学の生存競争は厳しい。大学進学率は55%にのぼる一方、昨春の私立4年制の定員割れは47・1%と過去最悪。地方や小規模の大学運営は厳しさを増す。  報告では「社会人ら多様なニーズを持つ人を対象とする教育機関」に変わることなど、生涯学習の中で大学が果たす役割の重要性をあげた。その上で新たな大学の在り方として「学位プログラム」の導入の必要性を訴えている。  学位プログラムは、「大学」「学部」といった従来の“垣根”を取り払い、学生が自分の研究したい内容によって、他大学や他学部での活動も含めたカリキュラムで研究を行うことができるシステム。米国はハーバード大などが導入するなど一般的に行われており、欧州でも各国間で取り入れられている。また国内でも共同学位として大学間で提携するケースも出始めている。 報告では、学位プログラムを導入した際、学部や学科はどういう形態になるのか▽教員や学生はどこに所属することになるのか▽学校教育法などの法律との整合性-などについて検討する必要性を指摘している。  さらに大学教育の質低下は、設置基準の緩和が大きく影響していると指摘。配置すべき教員の要件や施設の規模、研究環境など設置基準について具体的に検討、明確化することが必要としている。  ■グローバル化  グローバル化にも言及。日本の大学について理工系に中心に研究面では国際的な評価が高い割に、留学生や研究者の受け入れや海外の大学との連携などに課題があり国際的な魅力に結びついていないと指摘。「国際的に通用する学位を作り上げていくことが、大学の国際競争力を向上させる」としている。  また欧州の大学改革の動向を見据え、「海外の大学と積極的に交流し、短期留学やダブル・ディグリー(共同学位)などを取り入れていく」など国際的な大学ネットワークの必要性を訴えた。  もう一つの課題である「量的規模の在り方」についても厳しい指摘がなされた。「教育の質と経営基盤の安定は表裏一体で、自主的な研究組織や収容定員の見直しへの支援策を整備すべき」とし、18歳人口が減少する中、社会人や留学生らへの門戸をさらに広げることや学士・修士・博士の定員見直しを求めている。  具体的な支援の方法としては、複数の大学が教育課程の共同実施や地域コンソーシアム(大学連合)に取り組むことに対し、準備経費など支援を充実させていくことなどを挙げた。  しかし、教育の質を維持していくために定員割れの大学には厳しい内容も。  私立4年制大学を中心に定員割れが激しく、すでに4大学が22年度から募集停止するなどの状況から、大きく定員割れをしている大学や学部に対しては全体的な収容定員の増加につながるような新学部の設置は認可しないなどの厳格化が必要だとしている。 "[he-forum 14430] 信濃毎日新聞7/4 信濃毎日新聞2009年7月4日付 法科大学院 信大の底力を見せたい  信大が、法科大学院の定員を大きく削減する方針を固めた。現在30人に抑えている募集人員を、来春入学者から18人の新定員にする考えだ。  信大は昨春、初の修了生を送り出したものの、新司法試験の合格者はゼロだった。  早く合格者を出さないと存在意義が問われる-。大幅な定員削減を打ち出した背景には、そんな危機感がある。  県内唯一の法科大学院である。県民の期待は大きい。県弁護士会などの協力も得ながら、将来、県内で活躍する人材を育てるために踏ん張ってほしい。  法科大学院は、裁判官や検察官、弁護士の養成を目的にしている。全国で74校が開校した。  2004年にスタートしたものの、順調とはいえない。今春の入学者を見ると、全体の8割の大学院が定員割れした。信大も正規の定員40人を下回る17人だった。  新司法試験の合格率は昨年、全国平均33%に落ち込んでいる。  中央教育審議会の特別委員会は4月にまとめた報告書で、新司法試験の合格実績や入学競争倍率の低い大学院に対して、教育水準の向上や入学定員の見直しなどを求めている。  こうした“指導”もあり、全国74校で現行計5700人余の定員のうち、2011年度までに2割ほど減る見込みだ。  信大など地方の小規模な大学院が置かれた状況は厳しい。しかし地方を統廃合して大都市に弁護士が偏ることになれば、司法改革の趣旨に反する。全国的なバランスを見ながら、都市部の定員をどう調整するかが大事になる。  法科大学院は少人数制の米国のロースクールがモデルとされる。討論やゼミ、模擬法廷などの実務も通じて、必要な素養を身に付けさせるのが本来の狙いだ。合格実績ばかりにとらわれ、予備校化したら意義が損なわれる。  信大は、現在18人の教員の数は減らさない考えだ。大学院を挙げたきめ細かな取り組みが実を結ぶことを期待したい。  新司法試験をめぐり課題が浮かんできた。当初、修了生の7-8割が合格すると考えられていたが現実は違った。  受験は原則、5年間で3回に限られる。多様な人材を集めたくても、高い学費を払ってどれだけ多くの社会人や他学部出身者が法律家を志すか、心配になる。  国は学生支援を強化すべきだ。新司法試験に落ちた修了生への対応も整えてもらいたい。 "[he-forum 14431] 日刊工業新聞7/7 日刊工業新聞2009年7月7日付 産学官で「クラウド」推進-連携強め競争力  インターネットを通じてIT資源・サービスなどを提供する「クラウドコンピューティング」の発展を目指す産学官組織が発足することになった。通信事業者や通信機器メーカー、大学、公設研究機関が集結、17日に新組織を設立する。クラウドの利用技術の開発や標準化について議論するほか、異なる事業者のクラウドサービスに互換性を持たせる仕組みなども検討する。クラウドは米国が先行しているが、国内のクラウド関連事業者の連携を強め、競争力を高めていく考え。  発足するのは「グローバルクラウド基盤連携技術フォーラム」で、NTTグループやKDDI、富士通、NEC、東京大学、慶応義塾大学、情報通信研究機構(NICT)などが発起人となる。総務省もオブザーバーとして参画する。クラウド全般の技術発展を目指す産学官組織は国内初という。 "[he-forum 14432] 7/8山形新聞 山形新聞 2009年07月07日 22:40 山形大が授業料免除枠を拡大 前期分、前年度比で94人増  山形大は7日、経済情勢の悪化を受け、前期の授業料免除対象 枠を拡充したことを明らかにした。国の規定に自主財源を上乗せしたこ とで、免除者数は前年度同期比で94人増加した。  本年度前期の授業料免除申請者数は912人で、前年度同期より 118人の増加。同大小白川事務部学生支援ユニットによると、これほど 一気に増加したケースは近年ないという。授業料免除は、成績基準(成 績優秀者など)と家計基準(収入や家族構成など)の二つの条件を満た した学生が対象。免除される授業料は前期26万7900円(工 学部Bコースは13万3950円)の全額か半額となる。  国立大学法人の授業料免除は、国からの運営費交付金の中で規定され ており、授業料収入見込み額の5.8%を充てることができる。同 大もその財源(約1億3700万円)を授業料免除に充ててき たが、本年度は免除対象者の増加に対応し、自主財源の1700万円 を上乗せした。  その結果、前期の全額免除者数は420人(前年度同期比 30人増)、半額免除者数は327人(同64人増)となった。 結城章夫学長は「後期については、その際の申請者数を見てから方針を 決めたい」としている。 "[he-forum 14433] 東京新聞7/8 東京新聞千葉版2009年7月8日付 移転断念を正式決定 千葉大園芸学部  松戸市の千葉大園芸学部が、大学本部のある千葉市への移転を検討していた問題で、同大は七日、臨時役員会を開き、本部に隣接する東京大の敷地を購入しないことを正式に決めた。これにより移転構想は白紙になった。  役員会には斎藤康学長と理事五人が出席し、移転問題を協議。千葉大財務課は「審議の結果、東大跡地は購入しないことが了承された」という。購入断念の理由について同課は「財源が確保できない」「移転すれば赤字になる可能性がある」と説明した。  園芸学部の敷地を売却し購入費に充てる案も協議されてきたが、先月末の同学部教授会で、移転すると大幅な赤字になる可能性が指摘され、移転撤回の方針が決まっていた。  松戸市の川井敏久市長は「残してほしいという市民の願いがかなった。園芸学部の歴史と文化を守るため今後も協力を惜しまない。今年の創立百周年は市を挙げて祝いたい」との談話を出した。  市民団体「移転に反対する松戸市民の会」の山室一雄会長は「十五万人を超える署名活動をはじめ、反対運動が良い結果になりうれしい。応援してくれた市民に感謝します」とコメントした。 (武田雄介、川田栄) "[he-forum 14434] 読売新聞千葉7/8 読売新聞千葉版2009年7月8日付 千葉大園芸学部 移転を正式断念 国立大 財政難が影  千葉大は7日の臨時役員会で、西千葉キャンパス(千葉市稲毛区)に隣接する東大の敷地を購入しないことを決めた。これにより、園芸学部(松戸市)の千葉市への移転を断念し、一時売却を検討した柏市の環境健康フィールド科学センターの存続も正式に決まった。独立行政法人化で国立大の財政状況が厳しくなる中、最終決定はキャンパス移転の難しさを浮き彫りにした。     (北條豊)  「結論的には、資金が足りないということです」。役員会終了後、記者会見した斎藤康学長は、そう振り返った。園芸学部(約15ヘクタール)と科学センター(約17ヘクタール)の売却を目指したが、反対する松戸、柏両市に配慮して緑地を残すなどの計画変更によって20億円以上の赤字が見込まれ、移転断念に追い込まれた。  当初の移転計画では、主なキャンパスが千葉市内に集約され、全学連携した研究や教育の推進と経費削減が期待できるとしていた。2004年に国立大学が独立行政法人化されて以来、補助金が原則毎年1%ずつ減額され、効率化が急務であることも背景にあった。  60年の歴史の中で千葉大は移転について何度か検討してきたが、東大が07年、西千葉キャンパスに隣接する生産技術研究所千葉実験所用地(約9ヘクタール)を売却する方針を決めたことから、「最後のチャンス」と本格的な検討に入った。  その一方、予算不足のため、移転経費を捻出(ねんしゅつ)するには、既存施設の土地売却益に頼るしかないのが現状。  文部科学省によると、国立大では東大、東北大、九州大などでキャンパス移転・統合計画が進められているが、いずれも5年以上前からのもので、千葉大は法人化後では初の大規模なキャンパス移転計画になるはずだった。  このうち、東北大は基本的に同じ仙台市青葉区内に移転。九大も騒音問題を抱える空港近くのメーンキャンパスを同じ福岡市の郊外などに移転するなど、いずれも順調という。15万人以上の反対署名が集まった松戸市のように、「強い反対がある中での大学移転・統合はあまり例がない」(文科省)という。  斎藤学長は移転計画が復活する可能性について「将来のことは分からない」としたが、今後、景気が回復しても、資金問題と地元の同意を両立させるのは容易ではない。 "[he-forum 14435] 河北新報7/8 河北新報2009年7月8日付 女性・小児診療を充実 東北大病院の新外来棟が完成  東北大病院(仙台市青葉区)の新しい外来診療棟が完成し7日、大学、病院関係者を対象に見学会が開かれた。女性の疾患を多面的に治療する「女性センター」を設置し、小児の診療科を一つの階に集め機能強化を図った。  新診療棟は5階地下1階で、延べ床面積約1万2200平方メートル。病院南病棟と既存の外来診療棟の間に建設した。総工費は約43億円。早ければ8月に診察を始める。  女性センターは1階で産科、婦人科、乳腺・内分泌科などを集めた。内視鏡の効率的な運用を図るため、消化器内科や心療内科を中心とする内視鏡センターも設けた。  3階には小児科、遺伝科、小児腫瘍(しゅよう)科、小児歯科など、子どもに関する外来を置いた。別棟にある歯科診療部門も年内に移動する。  既存の診療棟は1978年の完成で、老朽化して手狭なこともあり、秋から改修して引き続き使用する。  見学会に先立ち、青葉区の艮陵会館で記念式典が開かれ、里見進院長が「質の高い最先端の医療を提供できる環境が整った。より信頼される病院になるよう努力する」と述べた。 "[he-forum 14436] 河北新報社説7/9 河北新報社説2009年7月9日付 アカハラ/大学の意識改革が不可欠だ  東北大大学院理学研究科の男子学生=当時(29)=が昨年8月、指導教員の男性准教授(52)に博士論文を差し戻された後に自殺した問題で、東北大は「准教授は職務を怠り、停職1カ月に相当する」と結論付けた。  厳しい指導で不備を指摘されるならまだしも、院生は十分な説明もなく論文を返され、博士号取得がかなわなかった。絶望は察するに余りある。有為な若者の死を思えば、処分の軽重に議論が分かれるかもしれない。  大学側によると、論文は審査を受けられる水準だったことが草稿の内容などから分かっている。仮にそうでなかったとしても、准教授は院生と十分な議論をして、その後の指導に意を注ぐべきだったのではないか。  教育・研究機関で、教員が優越的な立場を利用して行う不適切な言動のことを「教育研究ハラスメント」「アカデミックハラスメント(アカハラ)」などと言う。教員と学生の人間関係がこじれてしまうケースは、学部生よりも大学院生との間で顕著のようだ。  学生の自主的研究を認めなかったり、研究内容を不当に低く評価したり。提出論文を長期間放置しておくなど、指導そのものを行わない今回のようなケースもある。  本人の悪意の有無は問題ではない。セクハラと同様、被害を受ける側が、精神的圧迫や耐え難い苦痛を抱えてしまうことで不幸な結果を招きかねない。  東北大が2007年度にまとめた学生生活実態調査によると、大学院生の男性12%、女性16%がアカハラ被害を経験している。また、15%の院生が教員との人間関係に悩み、驚くことに「自殺を考えたことがある」人は22%にも上る。  アカハラは、学内では顕在化しづらい。学生が亀裂が一層深まるのを恐れ、大学側に訴え出ない傾向が強いからだ。そのまま研究室内の日常的な出来事として見過ごされてしまう。  大学関係者は深刻に受け止めるべきだ。専用の相談窓口を開設してケアしている大学はまだ少ないとされる。個人間のトラブルとしてでなく、大学全体として学生の悩みに向き合う意識改革を図ってほしい。  もう一つの問題は、大学院そのもののあり方だ。研究者育成の拠点として、各大学は博士課程の強化に重心を置いてきたが、志願者は04年度から5年連続で定員割れしている。  低迷の原因は、限られた学内ポストをめぐる競争や就職難。将来の人生に展望が開けないまま、学内外に滞留している博士号取得者は少なくない。そんな実態も院生へのプレッシャーとなっているのではないか。  文部科学省は先月、博士課程の定員縮小を全国の国立大学に要請した。各大学が社会の要請に沿った大学院の組織再編の方向をきちんと位置付けることも求められる。  大学院が持つ最高の研究機関としての機能は、今後も維持されるべきだ。それと同時に、人材を育てるという本来の役割を見失うことのないよう、確かな改革を進めてほしい。 "[he-forum 14437] 毎日新聞和歌山7/9 毎日新聞和歌山版2009年7月9日付 和歌山大:紀州材の新学舎 観光学部は『癒やし』もテーマ ◇栄谷キャンパスに今秋着工  和歌山大学(和歌山市栄谷)が08年4月に新設した観光学部の新しい学部棟を、県特産の紀州材を使った木造2階建てにすることが分かった。今秋に栄谷のキャンパス内に着工する予定で、来春の供用開始を目指している。小田章学長は「紀州材を使うことは、地元の林業の振興、地域活性化にもつながる」と話している。【山下貴史】  小田学長によると、構想段階では経済学部本館棟と付属図書館の間に造る方針で、総事業費は3億~4億円程度。原則として紀州材を使い、すべてはまかなえない場合でも、他の国産材を使って建てるという。観光学部は現在、経済学部講義棟などを使っている。  林野庁と県林業振興課によると、国の09年度補正予算で決まった「緑の産業再生プロジェクト(森林整備加速化・林業再生事業、1238億円)」の木造公共施設整備を活用するため、和歌山大は今月7日に同課に要望書を提出した。同課は今後、大学側の計画を精査したうえで、補助金を出すか決める。  観光学部は、07年度に経済学部の観光学科として設置され、翌08年度には国立大学法人として初の観光系学部として開設された。学部の拠点を巡っては、一時、和歌山市の中心市街地のビルなどにする構想があったが、経費や立地条件などで同市などと折り合いがつかずに断念、同大キャンパス内に設置することになっていた。小田学長は「観光学部は『癒やし』もテーマ。国のハコ物は普通、鉄筋コンクリート造りだが、木造の学部棟は癒やされるだろう。木造は時代への逆行ではなく、先取りだと考えている。学生、先生たちも喜んでくれると思う」と話している。 "[he-forum 14438] 時事通信7/9 時事通信2009年7月9日0時0分 教職大学院11校が定員割れ=工夫例参考に学生確保へ-文科省  力量ある教員の養成を目的に設置された教職大学院24校のうち11校で、今年度の入学者数が定員を下回ったことが8日、文部科学省の集計で分かった。同省は今後、志願者数向上や教育内容を工夫している大学院を参考に、入学者を確保するための対策を検討する。  集計結果によると、11校中6校は開設から2年連続の定員割れとなった。24校の延べ志願者数を合格者総数で割った全体の競争倍率も1.34倍と低迷した。  文科省は同日、大学や教育委員会の関係者を集めた協力者会議の初会合を開催。定員割れを解消した大学院の取り組みや、奨学金・授業料減免制度の事例などを紹介した。  協力者会議は9月をめどに改善方策の中間取りまとめを行う方針だ。 "[he-forum 14439] 京都新聞7/8 京都新聞2009年7月8日付 京教大の寺田学長が辞意表明 集団暴行問題 責任痛感と  京都教育大(京都市伏見区)の学生6人が集団準女性暴行容疑で逮捕され不起訴処分になった問題で、京教大は7日、寺田光世学長(67)が「学長として責任を痛感した」として辞意を表明した、と発表した。今月下旬をめどに学内に設けた「不祥事に関する特別対策委員会」が中間報告をまとめた後、辞表を出す。  寺田学長は2005年4月に学長に就任。現在2期目で、任期は11年3月まで。任期途中の学長辞任は、国立大学法人として前例がないという。  大学によると、寺田学長は6日の大学の経営協議会で、「学生の不祥事により社会に多大な迷惑をかけた。本学の教育に対する社会的信頼を大きく損ね、関係する方面に多大な混乱と迷惑をかけた」として、辞意を表明したという。  京教大の男子学生6人は、今年2月、中京区の飲食店で、酔って抵抗できない状態の女子大学生を暴行したとして、6月1日に京都府警に集団準女性暴行容疑で逮捕され、その後、女子大生が告訴を取り下げ、不起訴処分になった。大学から3月末に無期停学処分を受けている。 "[he-forum 14440] 日本経済新聞7/10 日本経済新聞2009年7月10日付 三重大と三菱UFJ系、共同研究などで包括協定を締結  三重大学は9日、三菱UFJフィナンシャル・グループのシンクタンク、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京・港)と共同研究・人材交流の促進などを柱とする包括的連携実施協定を結んだ。共同事業の第1弾として10月に東海地区で産学官協力に関するフォーラムを共催する。  三重大が得意とする環境、食料、健康などの分野を中心に、自治体などからの受託研究に共同で取り組む。双方の研究者が交流して情報交換も進める。  三重大は2008年に百五銀行や野村証券と同様の協定を締結している。全国にネットワークをもつシンクタンクとの協力は今回が初めて。三菱UFJリサーチが国立大学と連携するのは名古屋大学に次いで2件目。 "[he-forum 14441] 室蘭民報7/10 室蘭民報2009年7月10日付 佐藤室工大学長と学生が初の懇談、ざっくばらんに  室蘭工業大学の佐藤一彦学長と学生50人が9日、大学会館多目的ホールで懇談会を開いた。今春に就任した佐藤学長が学生との意見交換を望み、実現したものでざっくばらんなトークで大いに盛り上がった。  懇談会は平成19年11月、松岡健一前学長が学生と意見交換を行って以来。  最初に佐藤学長が自身の学生時代の思い出を語り「学生は自分のやりたい勉強に没頭できる。時間の使い方を心掛けて」と懇談に入った。  学生からは「学長の仕事内容は」「お薦めの図書は」から「大学の運営方針」、留学生からも「生活支援対策は」など幅広い質問が出た。さらに、4月から全面禁煙となったことで「喫煙所を設置すべきでは」などの意見もあった。  このうち、佐藤学長は読書の大切さを説きながら「源氏物語を読んでみては」などとアドバイス。工大祭に学生が出店予定の「学長たこ焼き」の中身を聞かれ「アイスクリームはどうですか」と気さくに答え、学生も満足そうだった。 (佐藤重伸) "[he-forum 14442] 西日本新聞7/10 西日本新聞2009年7月10日付 九大に医療ロボ拠点 センター新設 産学連携で実用化促進  九州大学は9日、医療用ロボットなどの最先端医療技術の研究開発拠点となる「先端融合医療研究開発センター」を福岡市の九大病院地区に新設する計画を明らかにした。研究開発から臨床試験、治験まで一貫実施できるのが特徴。機械メーカーや製薬会社との産学連携を強化し、体の内側から手術できる内視鏡ロボットなど、先端医療技術の実用化に取り組む。  センターは国の先端イノベーション拠点整備事業に採択され、事業費のうち12億円を国が補助する。経済産業省は、九大が医療用ロボット技術や化学合成技術の拠点になると期待している。  計画では、センターは地上5階建て、延べ床面積約5千平方メートル。九大内に既にある高度先端医療センターなどを集め研究開発機能を強化。協力企業の実験室を設け田辺三菱製薬や日立製作所、島津製作所、安川電機などとの連携を推進する。九大の薬学部、農学部、工学部での医療分野関連の研究成果も集約する。  九大では、胃カメラのようにのみ込んで体の内側から腹腔(ふくくう)内を手術する内視鏡ロボットや患者を遠隔手術できる機械、直径1ミリのがんを検出できる化合物、などの研究開発を進めている。九大大学院の橋爪誠教授(先端医療医学)は「企業と手を組んで製品化、事業化を進めたい。九州のロボット産業振興にも役立つ」と話している。 "[he-forum 14443] 中日新聞7/8 中日新聞2009年7月8日付 名大にエコカー拠点 産学官で研究、名城大はLED  名古屋大が東山キャンパス(名古屋市千種区)に、環境対応車(エコカー)の素材やシステムに関する産学官連携の研究施設を新設することが分かった。東海地方にはトヨタ自動車やホンダ、三菱自動車など各社がエコカーの生産・開発拠点を置いており、モノづくりの新たなけん引役を目指し、来年秋にも開所する。名大によると、エコカー関連技術を集約した大学の研究施設は全国で初めて。  燃費が良く二酸化炭素(CO2)の排出も少ないハイブリッド車や電気自動車などエコカーをめぐっては、世界市場で存在感が増すにつれて、メーカーの開発競争が激化している。  名大が新設する「グリーンビークル材料研究開発拠点」では、日本が強みを持つ炭素繊維複合材など超軽量素材で自動車のボディーを一体成型する技術の開発を目指す。エコカーへの搭載に向け、太陽電池、蓄電池などの電池技術を組み合わせた高効率システムの研究にも取り組む。  さらに、東海地方には三菱重工業や川崎重工業など航空機メーカーの拠点もあり、エコカーと航空機双方の技術交流を促す。  施設は4階建て、延べ床面積約2500平方メートル。総事業費は約15億円。経済産業省の支援で、部材の組成分析機などを導入する。  また、名城大も次世代の光源と注目される発光ダイオード(LED)の研究センター設立を計画している。経産省の支援で天白キャンパス(名古屋市天白区)に「最先端研究センター」(仮称)を建設し、2011年3月までにオープンする。  名城大にはLEDで世界的権威の赤崎勇特任教授もおり、材料に炭化ケイ素を活用することで消費電力を減らし、寿命を延ばす技術の確立に挑戦する。 "[he-forum 14444] 北海道新聞7/10 北海道新聞2009年7月10日付 北大にバイオセンター 来年度完成、新薬開発を促進  北大は9日、同大構内に動物実験施設や高性能分析装置を備えた「先端バイオセンター」(仮称)の建設を決めた。産学官で推進している世界レベルの医薬品や機能性食品の開発を下支えするのが狙い。総事業費20億円で本年度内に着工、2010年度中の完成を目指す。  新薬開発などにかかわる施設が集積している北大北キャンパス(札幌市北区北19西9)に建設する。鉄筋5階建て、延べ床面積は約4千平方メートル。総事業費の3分の2を経済産業省が補助する。  先端バイオセンターでは、糖尿病などの疾患を持つマウスなどの実験動物を使って開発中の新薬の効果や副作用を研究、安全な薬の開発に結び付ける。また観察対象物の損傷を抑えることができるデジタル電子顕微鏡も導入する予定だ。 "[he-forum 14445] 毎日新聞7/10 自民党:給付型奨学金など求め教育改革案  自民党の文部科学部会と文教制度調査会は9日、経済的に困難な高校・大学生に対する授業料減免や給付型奨学金制度の創設などを盛り込んだ教育改革案を河村建夫官房長官に提出した。  改革案は、私学助成と国立大学法人運営費交付金の充実や、幼児教育無償化に向けた就園奨励費拡充なども求めている。 "[he-forum 14446] 東日新聞7/12 東日新聞2009年7月12日付け 豊橋技科大に先端融合研究所  豊橋技術科学大学(榊佳之学長)が、来年度からスタートする第2期中期目標・中期計画のメーン事業にしている「エレクトロニクス先端融合研究所」に対し、計画の承認だけでなく、今回の国の補正予算で、建物の建設費まで付いた。     同大学が開学以来、大きな特色にしてきた「インテリジェントセンシングのフロンティア(半導体、LSI工場)」をベースに、生命科学や農学、医療など先端科学との融合を図り、世界的な研究拠点をめざす。  大学法人化に伴い、同大学は、西永頌前学長のもとで、第1期中期目標・中期計画を立て、進めてきた。今年度が最終年度となる。  榊学長の就任に伴い、第2期中期目標・中期計画づくりを行い、文部科学省に承認を求めていた。 LSI工場は、設計から製造まで一貫して行える施設で、国内の大学では豊橋技科大だけ。そのため、大きな特徴になっており、国のグローバルCOEプログラムにも指定されている。現在、石田誠副学長を中心にプロジェクトを進めている。  エレクトロニクス先端融合研究所は、このLSIをベースに、生命科学、農学、医療、情報通信、環境、社会科学、ロボティクスなどの先端科学との融合を図っていく研究拠点施設。来年度中に同センターを設け、研究所に昇格させる。  合わせて、若手研究者を育成するテニュア・トラック制も認められた。5年後に間に合う若い世代の研究者を世界から募集する。その間の人件費および研究費は国の負担となり、エレクトロニクス先端融合研究所の大きな戦力となる。  すでに始めている大学もあるが、認められたことで、今後、希望者を募集する。  研究所は、広さ1500平方メートル規模。補正予算でテニュア・トラック制とともに、研究所の建設費が認められたことで、榊プログラムの実現に向けて、大きな一歩を踏み出した。  榊学長はこのほど開いた懇談会で、「エレクトロニクス先端融合研究所は、LSI工場を発展させて、私の専門である生命科学や農学などと融合を図り、先端科学の一翼を担うもの。中核メンバーとなる若手研究者の育成が認められただけでなく、申請しておいたら、今回の補正予算で建物まで建設していいということになった。相当高度なものを詰め込んだ施設になる。次の6年間の発展の芽になると思うし、学内の期待も高い」と意欲的に説明した。 "[he-forum 14447] 読売新聞大阪7/11 読売新聞大阪版2009年7月11日付け 知事「府立大あり方」 私大学長と意見交換  府立大(堺市中区)のあり方について検討している橋下知事は10日、関西、近畿、大阪工業の府内私立3大学の学長らと意見を交わした。私立大側から「府立大の研究成果は高く、大学院がしっかりしている」と実績を評価する声が上がる一方、府から多額の補助金が支出されていることに「もっと(私立と)平等にするべきで競争性が必要」と見直しを求める意見も出された。  橋下知事は「府立大がやっている研究自体は不必要とは思ってないが、府立でやる意味はあるのか」と、年間約100億円の府立大への運営補助金を疑問視した上で大学の魅力や存在意義の発信が不十分との認識を示した。 "[he-forum 14448] 陸奥新報7/11 陸奥新報2009年7月11日付 弘大と弘前市立病院が専門医養成で連携  弘前大学大学院医学研究科、同医学部付属病院と弘前市立病院は10日、「弘前大学専門医養成病院ネットワークに関する協定」を締結した。県内では勤務医を中心に深刻な医師不足が続いており、弘大を中心に県内自治体病院などとネットワークを整備することで専門医養成、医学部教育、卒後研修医の教育などで連携し、地域医療の充実に役立てる。弘大と自治体病院との協定締結は初めて。  協定ではネットワークを生かし、医師免許取得後3年目以降の医師を対象とした専門領域ごとの研修プログラムの確立、専門医研修、指導する中堅医師の確保、医療面での連携、専門医、学会が認める認定医資格取得の促進などで連携、協力する。  同日、市立病院で行われた締結式では、佐藤敬弘大大学院医学研究科長、花田勝美弘大医学部付属病院長、松川昌勝市立病院長が協定書に署名した。  佐藤研究科長は「地域で医師がキャリアアップを図るためのシステムが明確となった」、花田病院長は「専門医をしっかり養成していかなければ地域医療は育たない」とシステムの意義を強調。  また松川院長は「医師を地域で育て、地域医療の充実に生かす有効な制度。弘大と協力関係を深め、成果に期待したい」と述べた。  協定の有効期限は2010年3月末までで、有効期間満了の1カ月前までに双方から申し出がない場合、1年間、自動的に更新される。  弘大は今後、県内の他の病院ともネットワークを広げたとしている。 "[he-forum 14449] 共同通信7/10 共同通信2009年7月10日19時31分 文科省、教育連携38件を支援 人材育成などで  文部科学省は10日、共通の教育プログラム開発などに向けて協力し合う大学、短大、高専を支援する事業に38件を選んだと発表した。期間は3年間で事業への参加校は大学計153校、短大計28校、高専計13校。  地域と一体となって人材育成を目指す「総合的連携型」が25件、教育の質を高めるために学校間で協力する「質保証特化型」が13件。いずれも年間最高で1億円を財政支援する。  旭川医科大や旭川大などは近隣6校が参加する「旭川キャンパス」で、単位互換や卒業研究の合同発表を通じ幅広い知識を持つ地域人材の育成を図る。  宮崎大や東海大、南九州大の3校は家畜生産の実践型教育プログラム開発で連携する。 "[he-forum 14450] 7/13しんぶん赤旗 2009年7月13日(月)「しんぶん赤旗」 共産党「学費提言」 発表から1年余 「骨太方針」に軽減の方向明記 世論と運動 政府動かす 石井衆院議員に聞く  日本共産党が「『世界一高い学費』を軽減し、経済的理由で学業をあ きらめる若者をなくすために」(学費提言、2008年4月)を発表 し、そのなかで学費軽減の運動を呼びかけてから1年余、切実さを増す 学費軽減について、石井郁子衆院議員(文部科学委員)に聞きました。  学費提言は、経済的理由で学業を断念する若者をこれ以上出さないた めに、高校生、大学生への授業料減免と直接助成制度の新設、無利子奨 学金の拡充など緊急に必要な対策を押し出したものです。  小泉「構造改革」による貧困と格差の広がりに加え、昨年秋からの経 済悪化のもと、「世界一高い学費」の負担は、高校生や大学生の生活と 教育を受ける権利にいっそう深刻な影響を与えています。  昨年春には、千葉や長崎の県立高校で入学金の納付が間に合わなかっ た新入生が入学式に出席させてもらえなかった出来事が社会問題にな り、今年春には学費が未納という理由で卒業証書を渡さない、回収する という、教育の現場であってはならない問題が起こっています。  全日本教職員組合、日本高等学校教職員組合、全国私立学校教職員組 合連合の3団体が共同で3月8、9日に行った「入学金・授業料・教育 費緊急ホットライン」電話相談には、数日後に迫った学費納入期限を前 に、途方に暮れる私立学校の保護者など、非常に深刻で緊急性の高い相 談が多くありました。 懇談も重ねた  国会で、こういう声もつきつけて、政府に対策を求めました。  政府の答弁も、「家庭の経済状況等によって修学の機会が失われると いうことは何としても避けなきゃいかぬ」(2月23日衆院予算委員 会、河村建夫官房長官)、「やむをえない理由による授業料の未納は、 生徒個人の責任ではない」(3月25日衆院文部科学委員会、金森越哉 初等中等教育局長)とのべるなど、以前あった「自己責任」論と比べる と、大きな変化が感じられます。  提言を出して以降、労働組合や大学関係の団体と懇談を重ねてきまし た。  国立大学協会との懇談では、「気持ちはまったく同じ。国公私立いっ しょになって、高等教育予算のパイを広げていきたい」との意見がださ れ、日本私立大学団体連合会との懇談でも「私たちの考えと大きく変わ りません」との意見がだされました。  最近、国立大学協会が、「昨今の経済危機の中で教育の機会の均等を 確保するため、授業料標準額の減額、授業料の減免の拡大、奨学金の拡 充など必要な措置を早急に講じていただきたい」という要望を政府関係 機関に出しました。また、6月24日には、授業料の引き上げを示唆し ている財政制度等審議会建議に対し、「経済的理由によって大学進学・ 修学を断念する層の存在に目を向けない財政審の発想は、『教育安心社 会』をめざす我が国の在り方に逆行している」と厳しく批判する所見を だしています。  昨年4月から、東京大学が年収400万円以下の家庭の学生の授業料 を全額免除する制度を、独自に実施しています。「しんぶん赤旗」 の調査でも明らかになったように、全国の大学が身銭を切って、学生へ の支援をせざるをえない状況です。  全学連も、毎年、学費・雇用黒書をまとめ、告発してきました。私も 07年の京都での学費シンポジウムで学生から、カロリーの高い菓子パ ン1個を昼食にしている話を聞いて、学費のために自分の体を痛めつけ なければならない事実が、提言をつくるばねになりました。 格差を認める  国民の世論と運動が、いま政府を、動かしていると思います。6月2 3日に閣議決定された「骨太の方針2009」は、授業料減免等教育費 負担の軽減の方向が明記され、7月3日に出された文部科学省の「教育 安心社会の実現に関する懇談会」の報告でも、家計負担の高さと格差を 認めるなど現状認識の接近とともに、より具体的に経済支援が盛り込ま れています。  私たちは、国立大学の授業料が、過去30年間に15倍に、私立大学 も4・5倍になり、物価指数の2倍と比べ、異常な高騰をしていると批 判し、値上げに反対してきました。そうした国会での論戦が生きて、2 006年以降、値上げをさせていません。国民的な運動の反映ですが、 そこから一歩すすんで、授業料標準額の引き下げ、減免の拡大が、国民 的な共通の課題になってきたと実感しています。  世界が高校、大学の無償化に向かっているとき、自民党政治は、家庭 に「世界一の高い学費」を負担させてきました。問題の根底には、自民 党政治のゆがみがあります。学費を軽減し、ルールある経済社会をとも につくっていきたいですね。 "[he-forum 14451] 中日新聞石川7/12 中日新聞石川版2009年7月12日付 金大 節約しまいかプロジェクト 経費↓じわり 研究との両立 見極めが課題  金沢大が昨年度から「SETSUYAKU(節約)しまいかプロジェクト」の名で取り組んでいる経費節減策が、じわりと効果を挙げている。学内で使う電気、水道、ガスなどを節減し、教職員が巡回するチームも編成し、学内の無駄に目を配る。「大学の役割を果たしながら、どこまで踏み込めるか」と一層の節約の道を探る。(本安幸則)  「暖房の温度設定を一八度にしていたら風邪をひいた、と怒られました」。ある日の会議で教員から指摘されたといい、財務企画課職員が苦笑いを浮かべた。  「事務局はそこまで細かい方針を定めていないが、一人一人が節約意識を持ってくれることが何より大事」と説明する。  国立大学法人化に伴い、大学の収入となる国からの運営交付金は毎年1%削減が続く。本年度は金沢大で一億三千万円。「対応策は、外部資金の獲得か経費節減」とする中、プロジェクトが動いた。  光熱水費や電話の通話料、コピー機の保守管理料の抑制などを盛り込む。さらに毎月第三金曜は早めに帰宅する「はよう帰りまっし日」と名付けた日も。電子メールを全教職員に送り、呼び掛けている。  昨年度は電気、ガス、上下水道、重油すべての項目で、前年度に比べて使用量が減る効果が出た。上下水道は10%以上、重油は前年度比約10%の減。しかし燃料価格の上昇で、金額ではトータルで八千八百万円の増となった。「節約がなければ、経費はさらに膨らんでいた」(財務企画課)と話す。  一方で、課題も口にする。「新しい技術を学生に教え、研究を進めるのが大学。その役割を果たしながら、どこまで節約できるか見極めるのが難しい」。節約の広がりと、定着も欠かせない。同課は「環境教育の一環として学生にも取り組みが広がれば、効果はさらに高まるはず」としている。 "[he-forum 14452] 朝日新聞7/13 きょういく特報部2009 家庭の教育費軽減「実現に年1.3兆円」 文科省懇談会     幼児教育の無料化、高校生の授業料援助、大学生の奨学金枠の拡大――。識者を集めて議論してきた文部科学省の「教育安心社会の実現に関する懇談会」が、こんな教育費の負担軽減策をまとめた。親の収入格差が、超えがたい教育格差につながっている現状を踏まえたものだ。ただし、実現のために必要な年間の追加予算は約1兆3千億円。文科省は、将来の消費増税を財源にすることを念頭に道を探っている。 ■低所得者層の負担軽減狙う  塩谷文科相が懇談会をスタートさせたのは5月25日。安西祐一郎・前慶応義塾長、東京工大学長や中央教育審議会副会長などを務めた木村孟・東京都教育委員長、元京都市教育長の門川大作・同市長らを集め、今月3日に提言をまとめた。  「教育とは、機会均等を図る『人生前半の社会保障』であり、社会の活力の原動力としての『将来への先行投資』」  懇談会の提言は、冒頭でこう理念をうたった上で、主に所得が低い家庭を対象にした具体策を列挙する。  幼稚園、保育所といった幼児教育は無料に。少子化対策としても効果があると考えたという。小中学生の学用品代や給食費などをまかなう就学援助費は市町村ごとに格差が出ているため、高めの水準にそろえる。高校では、私立の入学金や教科書代など、まとまった資金が必要になる入学関係費を奨学金で支援。公立より高い私立の授業料は、家庭の負担が公立並みになるよう差額を公的に負担する。  支援策は大学にも及ぶ。授業料を下げた場合、相当額を国が大学に支給する。奨学金制度も改革し、支給対象を広げ、卒業後に収入が少ない場合は毎回の返済の減額を検討する。  こうした施策を試算した結果、文科省は、年間で新たに総額1兆3千億円の予算が必要とはじいた。  日本の教育予算の貧弱さを示す指標としてよく持ち出されるのが、国内総生産(GDP)比の国際比較だ。経済協力開発機構(OECD)の08年版の資料では、日本は3.4%。データのある28カ国中で最下位だ。  これについて、報告書は「5%の水準を踏まえ本格的に検討を」と求めた。この「5%」は昨年、文科省が教育振興基本計画に盛り込もうとしたが、財務省の反対で断念した「いわく付き」の数字だ。今回も財務当局は難色を示したが、押し切る形で明記したという。  報告を受け、文科省はまず小中高校の新しい支援制度の検討を始める。近く、地方の教育委員会や現場の教員、保護者らに呼びかけ、制度のあり方を練る予定だ。 ■文科省 消費増税で実現探る  家庭の教育費負担を減らそうという提案は、最近、政府内の他の会議でも続いている。  「教育再生懇談会」は5月末、河村官房長官に第4次報告を提出。幼児教育無料化、授業料減免など「教育安心社会懇談会」と似た提言を盛り込んだ。「安心社会実現会議」も、返済不要の奨学金などによる大学生の負担軽減策を提言。間を置かずに閣議決定された「骨太の方針09」にも、「教育費負担に対応するため、財源確保とあわせた中期的な検討を行いつつ、当面、軽減策の充実を図る」との文言が入っている。  文科省の施策は長年、学校など「教育を提供する側」への支援が主だった。教員の増員、大学への予算投入などによって教育環境を良くし、それによって学力や教育効果を高める、という考え方に重きを置いてきた。  それが、一連の「小泉改革」以降、壁にぶつかった。教員数も、大学への運営費配分も削減圧力が続く。一方で、所得格差は広がり、家計が悪化する世帯が増え、教育費の負担感は増した。そこへ、昨秋のリーマンショックに始まる経済危機が追い打ちをかけた。  麻生政権が掲げるキーワードの一つが「安心社会」。この波に乗るように、文科省も「教育を受ける側」への援助、特に低所得層への教育費支援を重視する方向に動いた。  しかし、話は単純ではない。政策転換をはかりたくても、予算が付かなければ「絵に描いた餅」に過ぎない。選挙をにらんだ大型補正予算は教育分野にも手厚く投入されたが、厳しい財政が続く中、制度を改め、支出増がずっと続くことについて、財務省の腰は重い。  文科省は、奨学金の拡充など「できるものから手を付ける」考えだが、本格的に実現するための財源として想定しているのは、近い将来に予想される消費税の増税だ。高齢者福祉だけでなく、教育にも十分予算を投入するよう様々な提言で世論に訴えるとともに、税制論議の機会をとらえ、教育への投資の必要性を主張しつづける構えだ。  塩谷文科相は「税制改革の時期には盛り込んでいけるように考えを固めていく」。文科省の幹部の一人は「総選挙で政治の枠組みがどうなったとしても、家庭の教育費負担を減らす政策を進められる環境作りを念頭に置いている」と話す。(上野創、星賀亨弘) "[he-forum 14453] 読売新聞愛媛7/10 読売新聞愛媛版2009年7月10日付 愛媛大に生命科学研究拠点…難病治療など目指す たんぱく質合成法活用、6部門に43人配置  愛媛大は、東温市志津川の医学部本館内に、生命科学研究拠点「プロテオ医学研究センター」を開所した。同大の遠藤弥重太教授が世界に先駆けて開発した無細胞たんぱく質合成法を活用して、遺伝子に基づいて合成されるたんぱく質の仕組みを解明することで、がんや難病の診断、治療法の開発などを目指す。同大では、六つ目の先端研究センターとなる。  無細胞たんぱく質合成法は、小麦の胚芽を使って試験管内で様々なたんぱく質を大量に合成できる画期的な手法。遺伝子の解読から、遺伝情報に基づくたんぱく質合成の解明へと生命科学の重点が移行する中で、安価で大量のたんぱく質合成を可能にしたとして注目を集めた。  同センターでは、感染症や加齢制御、難治性神経疾患など6部門の研究に43人の研究者を配置。他の5部門と横断的に携わる「医用タンパク質技術部門」の部門長を遠藤教授が務める。  開所式で柳沢康信学長は「世界的な先端研究拠点であると同時に、地域医療に理解のある医療人を養成する研究と教育にまたがるセンターにしてもらいたい」とあいさつ。能勢真人センター長も「生命や疾病の仕組みに迫る研究を進め、発信していきたい」と抱負を述べた。  当面は各部門ごとに研究を進め、本館の改修工事が終わる2年後をめどにセンターの専用フロアが開設される見込み。 "[he-forum 14454] 朝日新聞7/13(2) 朝日新聞2009年7月13日付 最先端ITで弁護士育成 九州・沖縄の4法科大学院連携  スクリーンの中で熱弁をふるう教授がいるのは、数百キロ離れた別の大学。ノートと鉛筆は持ち込み禁止。メモはパソコンで打ち、学生同士の討論もチャット(ネット上の雑談)で行う――。テレビ電話会議システムを使った講義が九州・沖縄の4大学の法科大学院で行われている。IT(情報技術)を活用した遠隔授業で、質が高く、司法過疎を見据えた未来型弁護士の育成を目指す。 ■ノート禁止 PCのみ、チャットで討論  福岡市東区にある九州大法科大学院の教室。約50人の学生の前には、黒板の代わりに三つの大型スクリーンが並ぶ。教授は教室に設置された6台のカメラをパソコンで操り、講義する自分自身の顔、発言する学生、教室の全景を代わる代わるスクリーンに映す。  同時刻、約300キロ離れた鹿児島市の鹿児島大法科大学院の教室で、学生たちが同じ講義を受けていた。三つのスクリーンには九州大と同じ映像が映る。  質問しようと鹿児島の学生が手を挙げた。福岡にいる教授が鹿児島のカメラを遠隔操作し、学生が大写しになる。画面を通した専門的な会話が一対一で繰り広げられる。教授と学生のやりとりはスムーズで、気になる時間差は全くなかった。  スクリーンによる授業は、九州、熊本、鹿児島、琉球の国立4大学の法科大学院が連携して進める最先端の遠隔講義システムだ。NTTに開発を依頼し、1校あたり数千万円をかけて導入した。他の大学院との差異化をはかり、競争に生き残るべく、04年から運用を始めた。運用の中心を担う米田憲市・鹿児島大法科大学院教授は「最先端システムを、法曹を目指す学生が使っている」と胸を張る。  講義中、学生の手元にあるのはノートパソコンだけ。キーボードに視線を落とさずに文字を打つ「ブラインドタッチ」を身につける目的で、一部授業はノートと鉛筆が持ち込み禁止だ。九州大法科大学院2年の梶田崇雄さんは「大学時代は紙とペンだったので驚いた。むしろ、パソコンは持ち込み禁止、という考えがあったから」と話す。  この時行われた講義では、学生が班別に行った架空の法律相談を全員で検証した。議論はネットを通じたチャットで行った。教室に響くのはキーボードをたたく音だけだ。パソコンの画面には「俺(おれ)、過去の判例調べてみる」「よろしく~」とのやりとりが。教授もチャットに参加し、「判例を集めたネット上のデータベースを使うとよい」と助言を送った。 ■講義の充実など狙う  遠隔授業の狙いは、大きく二つある。  一つは、講義内容の充実だ。九州・沖縄の各法科大学院は、学生数や司法試験合格者数で首都圏に及ばない。  法科大学院創設から5年の鹿児島大で学ぶ学生は30人。この間、司法試験の合格実績は年1人か2人。ITを駆使した授業に、九州大の西山芳喜法科大学院長は「地域の大学力を高めるためには、互いに手をつなぎ合うことが必要」と意義を語る。  各校の教員が、それぞれの専門分野や得意科目を受け持って複数の大学向けに教えることで、限られた人材で質の高い講義を提供できる。現役弁護士や裁判官など、実務家教員の講義を共有できるのも魅力だ。  複数の教員が協力して一つの講義を進めることもできる。また、専門分野が重なる教員にとっても、お互い、研究・教育上の刺激になると大学側は期待している。  もう一つの狙いは、過疎化する地方の法曹界への対応と、ITに強い法律家育成だ。  離島が多い鹿児島や沖縄では、離島の住民が法律相談をしたくても、弁護士側が「移動時間と費用がかかりすぎる」などの理由で断る場合も少なくない。そんな悩みを抱える住民の声に応えるため、鹿児島大が中心となって、このシステムを推し進め、他大学を巻き込んだ。鹿児島大は、テレビ電話を活用して法律相談を行い、電子データで資料をやりとりするという将来像を描く。また弁護士が少ない過疎地でも、都市部と同じレベルの司法サービスを住民に提供したいと考えている。  ある司法関係者は「法曹界はIT普及が最も遅れている業界の一つで、資料のやりとりもいまだにファクスが主流。優秀な弁護士だが、パソコンを使いこなせないという人もいる」と指摘する。学生時代からパソコンなどに慣れ親しむことによって、ITに苦手意識を持たず、使いこなせるようになると期待されている。  一方、裁判員裁判の導入で日本の法廷も口頭主義になりつつある。パソコンに向かうだけでなく、人と直接やりとりするコミュニケーション能力を高めることが法律家には必要だ。  鹿児島大は、IT講義とあわせ、少人数で行う討論やカウンセリング、模擬裁判などの演習科目を重視する。学生が実際に離島に出向き、相談者と面会してアドバイスをする法律相談実習も必修科目にしている。米田教授は「司法過疎地が多い地方の弁護士には、直接対話はもちろん、ネットを通じたコミュニケーション力が求められている。IT講義で、弁護士になれば必要になる、この二つの技術を磨いてほしい」と話した。(森本浩一郎) "[he-forum 14455] 沖縄タイムス社説7/5 沖縄タイムス社説2009年7月5日付 [大学院大学法成立] 山積する課題の点検を  沖縄科学技術大学院大学学園法が成立した。国による手厚い財政支援や管理運営の仕組み、設置主体などを定めた法律が全会一致で可決、成立したことで、2012年開学に向け、大きなハードルを越えたことになる。  大学院大学についてはこれまで、財政支出にかかわるさまざまな問題点が与野党双方から指摘されてきた。  自民党の無駄遣い撲滅プロジェクトチームの中には一時期、「事業コストに対する効果が不明確」だとして設置構想の見直しを求める声が強かった。  財務省も、09年度予算執行調査の中で、「戦略的な産学官連携が十分進んでいない」ことなどを指摘し、改善を求めている。  関係者は法律ができたからといって安心するのではなく、手綱をいっそう引き締めて指摘に応えてもらいたい。  沖縄科学技術大学院大学は「国際的に卓越した科学技術に関する教育研究」を行うことと、「沖縄の自立的発展」に寄与することを目的にした大学だ。大学院大学が、この二つの使命を兼ね備えていることを「何をいまさら」と軽視してはならない。  大学創設は、使命や役割を明確にするという準備段階の理念づくりと、それに沿った学長選びが最も重要だ。  「ハコモノ投資」と揶揄されたり、「巨額の税金を投入するプロジェクトにしては目的があいまい」だと言われないためにも、目指すべき方向や達成目標を明確に示さなければならない。  大学院大学は「世界最高水準」「国際性」「柔軟性」「世界的連携」「産学連携」という五つの基本理念を掲げている。  国内では前例のない発想が実を結びつつあるのは「科学技術」と「沖縄」を政治主導でドッキングさせ、予算確保と制度創設の水路を開いたからである。  ただ、基本理念を実現するのが容易でないことも確かだ。第一級の研究者を海外から呼び込むためには待遇や住環境などを魅力のあるものにしなければならず、その経費だけでもたいへんな額になる。  財政支援の根拠法が成立したとはいえ、将来、膨れる経費の負担問題が浮上してくるのは避けられそうもない。  「沖縄の自立的発展」にどのように寄与していくのか。期待されているのは知的クラスター(集合体)の形成であるが、大学院大学が具体的にどのような役割を担うのかもまだはっきりしない。  「小さく生んで大きく育てる」―県民の期待を集めて開学した県立芸大は今、県外教授陣を確保するために四苦八苦し、財政難にあえいでいる。  国の後ろ盾があるとはいえ、科学技術大学院大学には施設整備費のほかに、開学後も相当の運営費が必要である。民間からの寄付金集めなど財政自立化が進まなければ、将来は危うい。  開学に向け越えなければならないハードルが多いのは否定できないが、大学院大学は、沖縄の将来像を考える上でさまざまな可能性を秘めていると思う。 "[he-forum 14456] 新潟日報7/15 新潟日報2009年7月15日付 新大病院に高度救命センター  新潟大学医歯学総合病院(畠山勝義病院長)は14日、県内初の高度救命救急センター「高次救命災害治療センター」を10月1日に開設すると発表した。同センターが入る新中央診療棟も同時にオープン。オペ室などを棟内に集中し、迅速で効率的な治療を目指す。  同センターは急性中毒や広範囲のやけどなど特殊疾病の重症患者を全県から受け入れるほか、中越地震など2度の震災を踏まえ、災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣など、災害時の医療支援を強化。病床数は集中治療室(ICU)を含め、現在の救急部の10床から24床に増やし、救急専門医ら専任医師も8人増の20人体制とする。  新中央診療棟は地上5階、地下1階建てで、延べ床面積約1万1400平方メートル。建設費は約56億円。同センターがその4階に設置されるほか、手術部門、MRIなど画像診断部門を集中させる。  同病院の遠藤裕救急部長は「専門医集団を抱える県内唯一の大学病院として、救急医療の中核的役割を発揮していきたい」と話している。 "[he-forum 14457] 東奥日報7/15 東奥日報2009年7月15日付 後期研修医確保へ本腰/弘大病院  弘前大学医学部付属病院(花田勝美院長)は、専門医を目指し、同病院での後期臨床研修を希望する若手医師の窓口として「キャリアパス(経験や資格取得を積み重ねての成長)支援センター」を今春開設した。全国的に研修医の大学離れが指摘される中、同病院の充実した教育体制を学内外に発信していくのが狙い。効果が見えるのはこれからだが、病院関係者は「弘大出身者以外でもUターンやIターンを考えている医師に向け、積極的に情報発信していきたい」と力を込めている。 "[he-forum 14458] 中国新聞7/15 中国新聞2009年7月15日付 3大学が医・工教育で連携へ  広島大、広島市立大、広島工業大は来年度から、医療、情報科学、工学の3分野にわたる知識と技術を身につけた人材の育成に向け、連携プログラムを開講する。学部と大学院を連結したカリキュラムで異分野にまたがる教育・研究を深めさせ、新たな医療機器やソフトウエアの開発にもつなげる。  各大学で20人程度の受講を想定する。双方向型の遠隔授業をはじめ、技術者を目指す学生向けの病院実習、地場の医療系企業へのインターンシップなどを組み込んだプログラムを用意。受講生に到達目標を設定させる指導法も取り入れる。  3大学によるプロジェクトとして、文部科学省が本年度公募した「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」に選定された。3年間で約2億円が補助金として支給される見込み。 "[he-forum 14459] 毎日新聞夕刊7/15 毎日新聞夕刊2009年7月15日付 職業指導:全大学で導入へ 義務化も視野に--中教審、来年度から  ◇入社3年内の離職率35.9%  就職後すぐに離職する若者が増えるなど、学生の職業・勤労観形成が課題になっているとして、中央教育審議会大学分科会は、すべての大学や短大で「職業指導(キャリアガイダンス)」の授業を導入する方向で検討を始めた。科目として義務化するか、各大学に努力義務を課すにとどめるかなど、具体的な制度設計を急ぎ、早ければ来年度からの導入を目指す。【加藤隆寛】  同分科会の作業部会が「社会人として必要な資質能力を高めるためにも、職業指導を教育課程に位置付けることが必要」と提案し、14日の会議で大筋了承された。  分科会の委員からは「大学には本来(職業について)何らかの意図を持って入るはず」との意見も出されたが、「将来が見通しにくい社会構造になっている」などとして、入学してから職業意識の形成を図ることや、自分の適性を考えることの必要性を認める意見が大勢を占めた。  1~2年次の選択科目などを想定しており、大学設置基準の改正なども視野に議論する。文部科学省によると、既に74%の大学が職業意識に関する何らかの科目を設置済み。分科会では、これらの授業内容を分析した上で、適切な授業のあり方などを探る。厚生労働省のまとめでは、05年の大学卒業者の入社3年以内の離職率は35・9%。 "[he-forum 14460] 秋田魁新報7/13 秋田魁新報2009年7月13日付 秋田育英奨学金、返還滞納額が最高に 倒産や就職難影響か  県育英会(野口周治郎理事長)が本県出身の大学・短大進学者に貸与している秋田育英奨学金の返還滞納額が2008年度末現在で7170万円となり、同会にデータの残る00年度以降、最高額となったことが分かった。滞納者数も133人で過去最多。同会は「卒業後に勤務先が倒産するなど、経済状況の悪化が滞納につながっているのではないか」とみている。  同奨学金の滞納額と滞納者数は08年度、前年度からそれぞれ403万2千円、23人増加した。  滞納額は00年度以降、増加傾向にあり、督促活動を強化した07年度を除けば、前年度比で400万—1200万円ほど増え続けている。滞納者数も00年度の53人から約2・5倍となった。  同会の担当者は、滞納額増加の理由について「勤務先の倒産やリストラ、卒業時に就職できないケースが増えるなど、近年の経済状況の悪化が影響しているのではないか」と推測。さらに、「本県では『子どもの学費は親の責任』と考え、親が返還しているケースも少なくない。親の経済状況が苦しい中、子どもも安定した収入を得られず、結果的に滞納してしまう人もいるようだ」とも話す。 同会では滞納者に対して文書や電話による連絡、家庭訪問などを実施し、場合によっては返還計画を記した誓約書の提出も求めている。 "[he-forum 14461] 北海道新聞7/15 北海道新聞2009年7月15日付 「文系」「理系」入試導入 北大、2011年度から  北大(佐伯浩学長)は14日、2011年度入試から、学部の枠を超えて「文系」「理系」のくくりで学生を募集する「総合入試」を導入すると発表した。総合入試は前期日程の全12学部が対象で、募集定員は全入試の45%、このうち文系で16%、理系は55%に達する。16年ぶりの入試改革で、学部ごとの入試や、面接などで意欲や適性をみるアドミッション・オフィス(AO)入試は継続する。  総合入試は学生が入学時に学部を決めず選択の幅を広げることで年間約150人いる休学・退学者を減らし、教養分野の教育充実も目指す。総合入試の募集定員は文系は100人、理系が1027人。近年、類似する分野の研究が増えている工学部や理学部などは総合入試の募集定員を多めにし、理系4学部は前期日程で学部別入試を行わない。一方、専門職の医、歯、獣医学部の募集定員は少ない。理系では数学など特定科目の配分を多めにする定員枠を設ける。  総合入試で入学した学生は1年間、他の入試で選抜された学生と一緒に文系、理系ごとに「総合教育部」に所属、1年間教養科目などを学ぶ。学部・学科選択は2年の進学前に行い、本人の希望や成績と、定員の状況をみて判断。文系から理系、理系から文系への移行もできるという。 "[he-forum 14462] 日本海新聞7/14 日本海新聞2009年7月14日付 京大施設と協定 活性化策を共同研究 日南町  鳥取県日南町(矢田治美町長)は13日、過疎化や少子化の進む中山間地の活性化策を、京都大学経営管理大学院経営研究センター(京都市)と共同研究する協力協定を結んだ。同町の官学連携は鳥取大学、島根大学に続いて3つ目で、同センターが地方自治体と協定締結するのは初めて。同日、同町霞の町役場で調印式が行われた。  同町は、2006年に鳥大と、07年に島大と協定を結び、農林業振興や過疎地医療、人材育成、芸術事業など多分野で成果を発揮している。  京大とのかかわりは長く、同大学院の小林潔司教授が20年以上前から同町をフィールドに研究に取り組んでいる。全町民を対象に、住民の日常生活を克明に記録する「アクティビティダイアリー調査」を実施し、中山間地の現状を示す基礎データとして有効に活用されている。今年7月1日に同センターが発足したのを機に、さらに研究教育活動を発展させようと協定を結んだ。  調印式には同センターの大本俊彦センター長と小林教授が出席。大本センター長と矢田町長が互いに協定書に調印し、握手を交わした。矢田町長は「日本の30年後の姿といわれている日南町を研究して、全国のモデルとなる大きな成果が出ることを期待している」と話した。 "[he-forum 14463] 7/15朝日新聞 朝日新聞 2009年7月15日 教員免許更新、大学講習ガラガラ 228講座中止に  今年度から始まった教員免許更新制で実施される教員向けの講習につ いて、15日現在で39大学が計228の講習の開催を中止したことが 文部科学省の調査でわかった。いずれも申し込みがゼロだったり、極端 に少なかったりして、大学側が「経営効率が悪い」などと判断したとい う。受講できなくなった教員は401人おり、代替の講習を探さねばな らなくなっている。  教員免許の更新は10年に1度義務づけられ、今後、全国で毎年約1 0万人の教員が対象になる予定だ。文科省は制度開始に当たって全国の 大学にできるだけ多くの講習を開くよう協力を呼びかけてきた。しか し、各地の受講予定者数に対し、大学側がどれぐらいの講習の数を設け るのが適正か考えず、任せきりで十分に調整しなかったため、こうした 状況を招いたとみられる。  文科省によると、教員免許更新の講習を開く大学は510。このう ち、通信制を除くと、教員の新たな知識などを学ぶ「必修」科目の開催 は延べ315大学・901講習(定員約11万2400人)、生徒指導 などに役立てるための「選択」科目が496大学・8540講習(定員 約13万6600人)に及ぶ。  しかし、全体的に「供給過剰」の状態で、ほぼ日程が固まった5月末 の段階で、定員に対する申込者の割合は「必修」が約6割、「選択」が 約4割と大幅に定員割れを起こしていた。  大半の講習は大学、教員ともに比較的余裕がある夏休み期間に設定さ れており、これからが本番だ。国立の広島大学(広島県東広島市)の場 合、8月中に「選択」科目を69講習開く予定だったが、開講の条件を 「希望者8人以上」と設定しており、31講習がゼロも含めてこれを下 回ったため、中止にしたという。広島県内には免許更新の対象者が年間 2千人程度いるとみられるが、受講者側は自宅からの通学の便利さを優 先して大学を選ぶなどの傾向があるという。  ほかにも、群馬大、埼玉大、富山大、長崎大など国立を中心に10講 習以上中止した大学が出ている。取り上げるテーマや内容、大学の設備 の充実度などで人気、不人気の差が開くケースも目立つという。文科省 の担当者は「今後は地域での量的な調整も含め、教育委員会と大学の情 報交換をより進めるようお願いしたい」と話した。(編集委員・山上浩 二郎)      ◇  〈教員免許更新制〉 幼稚園から高校までの現役の教員が対象。今年 4月以降に教員免許を取得した人について10年の有効期限を設定。そ れ以前に免許を得た人も35歳、45歳、55歳を区切りとし、それぞ れ期限までの2年間に大学などで講習を受けることを義務づけた。修了 しないと教壇に立てなくなるが、文科省は「普通に受講して最低限の理 解が得られたと判断されれば更新される」と説明している。制度をめ ぐっては「多忙な教員の負担をさらに重くする」といった批判もある。 "[he-forum 14464] 徳島新聞7/17 徳島新聞2009年7月17日付 徳島大「地方の救急」着手 脳卒中・心疾患対応を整備  徳島大学は16日、地方の救急医療体制の充実を図る「脳卒中・心疾患のための最適救急体制の開発プロジェクト」に着手すると発表した。医師不足が深刻な海部郡をモデル地区に、脳卒中や心疾患の救急体制の現状を調査。そのデータを基に、郡内外の病院が連携して効率的な救急体制を整備する。  徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部の救急集中治療医学、脳神経外科、循環器内科などの教授7人が担当。郡内の県立海部病院や町立3病院、民間医療機関などと連携し、2009年度から3年間取り組む。  1年目は郡内の患者の発症状況をはじめ、救急体制や治療の現状を把握するため、今年10月から調査を開始。海部病院と3町立病院に専用のパソコンを置き、対象患者に関する▽搬送方法や所要時間▽病状▽治療方法-などを記録する。また月に1、2回、大学の担当者が病院や消防署などを訪れ、郡外の病院に救急搬送された件数や所要時間などの聞き取り調査も行う。半年間で100件ほどのデータを収集する予定。  来年度以降は、これらのデータを基に必要な医師数や設備を割り出し、郡内外の病院が連携した効率的な救急体制を考案。11年度にはこの救急体制の試験運用を行う。  調査開始に当たり、同大は21日、担当教授3人が海部病院で、海部郡医師会の医師や各町の医療担当者、消防関係者を対象に説明会を開く。  県によると、県立海部病院の昨年度の救急搬送件数は719件で、このうち脳卒中は52件、心疾患は16件だった。 "[he-forum 14465] 共同通信7/17 共同通信2009年7月17日11時19分 医学部定員来年度も369人増へ 「地域枠」県外大学もOK  深刻な医師不足を解消するため、文部科学省は17日、本年度に過去最多となった大学医学部の総入学定員枠を来年度も369人増やし、国公私立79校で総定員8855人にすることを決めた。文科省は今後10年間、この総定員規模を臨時措置として続ける方針。  都道府県が地元勤務を義務付ける代わりに奨学金を出す「地域枠」は、近隣の都道府県の大学にも設定できるように変更したのが特徴。都道府県ごとに7人まで認める。  文科省は「医師不足解消のため県境をこえて積極的に連携してほしい」としている。  また、歯学部の定員を減らす大学は、減員の範囲で最大10人の医学部増員を認め、大学全体では30人の増員枠とする。具体的な増員計画は各大学が10月末までに文科省に申請する。 "[he-forum 14466] 日刊工業新聞7/17 日刊工業新聞2009年7月17日付 東工大、アジア4校と連合-国際連携のルール共通化  東京工業大学は香港科学技術大学、中国・清華大学、シンガポール・ナンヤン工科大学、韓国科学技術院(KAIST)と「アジア理工系大学トップリーグ」を立ち上げる。世界ランキング上位の理工系大学に絞っており、学生・教職員交流で教育研究の相乗効果が高いとみている。東工大は同リーグ事務局のほか、博士研究員(ポスドク)らが常駐する研究ラボを各大学に提供する。これにより参加大学間の共同研究、日本企業との産学連携、国の大型プロジェクトへの共同提案が進むと期待している。21日に東京・大岡山の東工大で開く、同リーグ副学長会議で正式決定する。  2大学間の国際連携協定は一般的で、東工大でも100校超と結んでいる。しかし学生の短期留学、教員派遣など交流時のルールはばらばらで手間がかかる。コンソーシアムなら共通ルールのため、流動化がより進むとみられる。 "[he-forum 14467] 朝日新聞7/20 朝日新聞2009年7月20日付 「出版会」で大学に売り込め 国立大、法人化で倍増  国立大学の間で、教員らの研究成果を自らの手で社会に発信しようと、「出版会」の設立が相次いでいる。地方大学であっても、「○○大学出版会」と、学校名を冠した本を通じて、大学名と独自の研究を全国にPRしようと懸命だ。 ◇「地域性」も活用しPR  04年度の法人化前に出版会があった国立大は10校程度。それが法人化後の5年余で10校以上増えた。  法人化前は、財団法人、中間法人などが主流だったが、新しくできた出版会は、多くが学内の組織(直営)で、経費も人員も「大学持ち」なのが特徴だ。文部科学省国立大学法人支援課は「法人化で直営が可能になり、各大学が広報に力を入れるようになったこともあって増えているのではないか」という。  法人化直後に、出版会を立ち上げたのは弘前大(青森県弘前市)だ。遠藤正彦学長自らが設立を提案。「地方というハンディを背負った本学の研究者が、研究成果を容易に出版できるよう手助けしたかった」。さらに「法人化後の大学間競争の中では、出版会を持つことは一つのステータスにもなる」と話す。  これまでに毎年10冊前後のペースで刊行。教科書や学術書に加えて、ねぷたや津軽学、漆塗りといった地域の伝統文化を紹介した本や白神山地の研究誌など地域性が強い本も多い。大学からは毎年900万円程度の「持ち出し」があるが、遠藤学長は「出版にあたっては、売れないからだめ、ではなく中身で判断できる。それが大学の中に自前の出版会がある強みだ」と話している。 ◇知名度・教育の質にも効果  東京外国語大(東京都府中市)の出版会は今春、第1弾の3冊を刊行した。ドストエフスキーの小説の翻訳が100万部を超えるベストセラーになった亀山郁夫学長自らがドストエフスキー論を執筆した。  外大にはたくさんの書き手がいて、一般の出版社から出されている本も多い。しかし、宮崎恒二理事は「大学名を冠した出版会から出すことで、もっと、外大の名前を世の中に知ってほしい」と言う。さらに、「外大のような文系大学では、業績は論文よりも単行本が中心になる。業績評価の向上にもつなげたい」と期待する。  40冊程度の企画を検討中で、今後、3カ月に1冊ペースで出したいという。宮崎理事は「大学出版会ならではの、冒険の余地もあると思う」と話している。  東京芸術大(東京都台東区)の出版会は、画集や楽譜、学生による舞台公演や映画のDVD、音楽のCDなどを2~3カ月に1作品のペースで出している。今後は、「絵の見方」のような芸術の入門書も出していきたいという。  北郷悟理事・副学長は「芸術大学なので、教員は研究者であるとともに絵や音や映像などによる表現者でもある。これらの活動を社会に知ってもらうのに出版というのは非常に有効な手段だ」と言う。「いい内容だが、製作費がかかって、なかなか出版できないようなものを支援していきたい」と話す。  一方、筑波大(茨城県つくば市)の鈴木久敏理事・副学長は、出版会の設立には、学内の教育研究の質の向上につなげる目的もあるという。「例えば、教科書を書いてもらうと、教育内容が頭の中で考えている時より、もう一段階精選されるので教育の質が向上する。わかりやすく書くことを意識してもらうことで別の目線が出てきて、新しい研究につながる可能性もある」と話した。 ◇品質と市場性、両立が課題  これらに対し、直営ではなく、有限責任中間法人という別組織で設立したのが東京農工大(東京都府中市)だ。小野隆彦理事・副学長は「大学から資金などの支援はないが、その分、活動の制約も少ない」と言う。  農工大の出版会では「難しい本は出さない」という方針を掲げ、大学出版会が多く手がけている教科書や学術書ではなく、一般書を中心に据えた。そのために、雑誌編集の経験があるOBを専務理事に招いた。  これまでに刊行したのは3冊。「人が学ぶ」というシリーズでは、昆虫や植物の知恵を紹介。左ページは解説、右ページはイラストという見開きスタイルにして、「中学生でも読める」ようにした。今のところ、収支はほぼトントンという。  大学出版部協会(事務局・東京)によると、大学出版会については国立大より私立大の方が先行していて、加盟している32のうち22を占める。  私大では大学ブランドの確立を目指して自校らしさを強く打ち出してきた出版会が多い。一方、国立大では学術出版が主目的の場合が多かったが、最近新設された出版会は私大型に近づいているのではないかという。植村八潮副理事長(東京電機大学出版局長)は「国立大出版会の設立ブームはしばらく続くだろうが、『大学持ち』がずっと続く保障はない。質を保ちながら市場性も意識した出版活動が求められる」と話している。(杉本潔) "[he-forum 14468] 毎日新聞社説7/20 毎日新聞社説2009年7月20日付 新職業教育校 既存の学校では無理か  新タイプの学校というなら明確な必要性と役割がいる。だが既存の学校だけではどうにもならないのか。  職業教育改革を検討している中央教育審議会は中間報告で、実践的な職業教育に特化した新たな学校制度案を提起した。今後各界の意見を踏まえて答申にまとめる。  こんな案だ。大学、短大、専門学校など既存制度の枠外の高等教育機関で、入学者は高校卒業者。修業年限は2~3年、もしくは4年以上。実験、実習など演習型授業が4~5割を占め、関連企業へのインターンシップ(就業体験)を義務づける。設置基準は大学、短大のそれを基本にするが、教員配置では専門職の実務経験者を重視する。  どんな分野か。ソフトウエア設計・開発、デジタルコンテンツの開発、バイオテクノロジーなどといくつかを例に挙げたが、もっと多岐にわたることを想定している。  中教審は昨年文部科学相の諮問を受け、若年無業者増加や早期離職の傾向に教育はどう対処すべきかを論議してきた。折しも大不況と雇用崩壊が若年労働市場を直撃し、問題はより深刻となった。一方、企業側は「人材育成に手が回らない」と即戦力性を求める傾向が強まっている。  今回の新学校案の背景には、現在の高校、大学などの教育では将来の職業やキャリア設計の意識が十分育たず、卒業後の職選択がマッチしていないという考え方がある。  高校では高度経済成長期に中堅人材を輩出した専門学科がかつての約40%から今は約25%に減少、進学を想定した普通科が70%を超える。また戦後の大学制度は教養・学問研究と職業人養成が混然とし、実践的な職業教育の考え方に乏しい。高校進学率が約97%、大学など高等教育進学率が約77%に達した今、適性や能力、目的意識の差異や多様性はつかみきれないという側面もある。  中教審も既存校の改善工夫を求めているが、できることは多くある。例えば「全入時代」で私立大学は半数が定員割れを起こす状況で、大学自らが人材教育や職業実践力育成の方針と実績を示さなければ生き残れない。国公立も例外ではない。  また普通科傾斜の高校教育については、大学入試の教科偏重をやめることで改善は可能だ。  職業教育特化の課程は従来の大学の設置趣旨や理念にもとり、国際的に通用するか心配、というのも当たるまい。専門実務者、つまり実社会のプロたちが大学教育に吹き込む新風をむしろ期待したい。  「今もこんなにたくさん、いろんな学校があるのに」。この素朴な疑問に、いろんな解決のヒントや可能性が潜んでいるのではないか。 "[he-forum 14469] 時事通信7/20 時事通信2009年7月20日2時32分 募集削減840人超=法曹の卵、東京偏在進む-法科大学院10年度入試  志願者減少が続く法科大学院で、2010年度入試の募集人数が09年度より840人以上減り、4900人程度になることが19日、時事通信社の調査で分かった。地方の小規模校で高い削減率が目立ち、大学院のある都道府県別に募集人数をみると、24校が集まる東京が全体の5割近くまで拡大。弁護士の偏在を助長しないか懸念される。  調査は6月末~7月初めに実施。募集人数を「未定」と答えた3校のうち、神戸大、熊本大については法科大学院協会が3月時点の検討状況を聞いたアンケートから引用した。  その結果、全74校(09年度入学定員は計5765人)のうち53校が計844人の削減を予定。削減率では、定員40人から18人とする信州大の55%が最大。龍谷大(09年度60人)、鹿児島大(同30人)50%、新潟大、神戸学院大(いずれも同60人)が42%で続く。一方、中央大、早稲田大(いずれも同300人)、慶応大(同260人)など都内の10校を含む20校が縮小を見送る。  大学院の所在地別に募集人数をみると、東京都が09年度比3ポイント増の49%となり、全国で割合、伸び幅とも最大となった(未定の首都大学東京は09年度と同数で計算)。次いで京都府が微減の10%、大阪府がほぼ横ばいの7%だった。 "[he-forum 14470] 朝日新聞7/20(2) 朝日新聞2009年7月20日付 アジアの理工系大学と連携協力の枠組み 東京工業大が設立  東京工業大(東京都目黒区)が、アジアの有力な理工系大学と、今月21日に「アジア理工系大学トップリーグ」を設立する。教育研究や人材育成で連携協力するとともに、国際的知名度を高めてアジアから優秀な留学生を獲得したいとしている。  リーグに加わるのは、東工大と香港科学技術大、清華大(中国)、ナンヤン工科大(シンガポール)、韓国科学技術院の5大学。いずれも08年の英タイムズ紙別冊高等教育版などの世界大学ランキングで100位以内に入っているトップ大学。東工大では、キャンパス内に東工大が強い材料科学の共同研究室を設けたり、学生や教員の交流を進めたりしていく。 "[he-forum 14471] 毎日新聞7/17夕刊 毎日新聞2009年7月17日付夕刊 医師不足:79大学で10年間、医学部定員369人増 大半を「地域枠」に--文科省  文部科学省は17日、全国79大学の医学部の入学定員を来年度から10年間、過去最多だった今年度より369人増やして8855人にすると発表した。政府が昨年6月、医師養成数の抑制方針を26年ぶりに転換したことを受けた措置。増員分の大半は、卒業後の勤務地を指定する「地域枠」に充て、不足が著しい地方の医師確保策を本格化させる。  医学部定員は82年の閣議決定で、将来は医師が過剰になるとして減員が続けられ、03~07年度は7625人まで減った。その後、医師不足の問題化で暫定的な定員増が図られ、今年度は80年代前半のピーク時と同水準まで回復した。  来年度は47都道府県に各7人までの増員を認める。卒業後に地元で数年間勤務することを条件に奨学金を出す「地域枠」とし、都道府県が大学と協議して割り振りを決める。学生のUターンを促すため、例えば東京都内の大学に他県が地域枠を設けることも認める。  また、解剖や医薬品開発などの研究者育成を目的とした学部・大学院一貫教育の特別コースとして全国で最大10人(1大学3人以内)▽歯学部を併設する大学で、歯学部定員減の転用分として最大30人(同10人以内)--の増員も認める。その結果、全体の定員は07年度からの3年間で約16%(1230人)増えることになる。  文科省は5年後に再検討し、必要があれば上積みを図る構えで、「来年度から始まる新たな大学教育カリキュラムと臨床研修制度で、地域や診療科間の偏在も解消したい」としている。【清水健二】 "[he-forum 14472] 沖縄タイムス7/19 沖縄タイムス2009年7月19日付 健康バイオ産業アジアの核へ 琉球大・県・産業界が拠点形成へ連携 1000人の雇用目指す/来月から本格化  琉球大学と県工業連合会、産学官ネットワーク形成に取り組むOKINAWA型産業振興プロジェクト推進ネットワーク、県の4者が連携し、8月から健康バイオ産業の新たな拠点形成に乗り出す。農業、食品加工、予防医療サービスなど多方面への波及効果が期待される健康バイオ産業を高度化し、県内産業を活性化させる取り組み。10年後には日本・アジアの健康長寿中核拠点「健康バイオアイランド沖縄」の確立を目指す。(島袋晋作)  産学官の代表的な機関が連携して特定の産業分野に特化し、拠点形成を進めるのは初めて。  具体的には、10年後に事業規模を1000億円まで拡大。年商100億円企業を10社誘致し、1000人の新規雇用創出を目指す。技術面では生物資源のデータベースを100万件、健康長寿遺伝子のデータベースを60万件蓄積。特許取得件数も500件を目標としている。  琉球大学産学官連携推進機構が調整機関となり、産学官連携の戦略を検討・提案。それぞれの設備を共同利用するなど有機的な連携体制を整備する。さらに、持続的・発展的なイノベーション(技術革新)が可能となるよう、評価・改善の管理体制も構築する。素材を生産したり、健康食品を加工する従来型の産業に加え、栄養機能食品産業や特定保健機能性食品産業を高度化し、医薬品、予防医療サービスも産業化する計画だ。  同計画は今年6月、地域産業の競争力向上を目指して経済産業省と文部科学省が公募した「地域中核産学官連携拠点」にも選定されており、両省の関連施策の活用や事業展開が優先的に受けられる。これとは別に、文科省が2009年度補正予算に695億円を計上した「地域産学官共同研究拠点整備事業」を活用して、県内に拠点施設を整備。共同研究や人材養成、交流促進などに役立てる。 "[he-forum 14473] 河北新報7/20 河北新報2009年7月20日付 歯周病の新治療器開発へ 東北大とリコー光学など連携  東北大と精密機器製造のリコー光学(岩手県花巻市)などが連携し、新しい殺菌技術を応用して歯周病などの口腔(こうくう)感染症を治療する機器の研究開発プロジェクトが始動する。活性酸素と可視光レーザーを照射し、殺菌力がより強い「フリーラジカル」と呼ばれる物質を生成、病原性細菌を死滅させる。実用化されると、従来の器具では届かない部位の治療も可能になり、患者の負担軽減も期待される。  プロジェクトは、新事業創出を目指す産学官連携の取り組みを委託契約で支援する経済産業省の「地域イノベーション創出研究開発事業」に採択された。2010年度末までの事業期間中に試作機器を開発し、動物実験で治療効果や安全性を検証、次の臨床研究に向けた土台を整える。  共同研究体は東北大、リコー光学のほか、光、レーザー応用部品機器の設計・製造などを手掛けるパックス(仙台市)と、全体を管理するインテリジェント・コスモス研究機構(ICR、同)で構成する。  東北大大学院歯学研究科の研究グループなどによると、歯周病の治療は病原菌を含む歯根表面の歯垢(しこう)を超音波式などの器具ではぎ取るのが一般的だが、深い部位には器具が届かず十分な治療効果が得られない場合があった。人工歯根(インプラント)の周囲炎では歯根の表面形状が複雑なため、歯垢を除去しにくいケースも多い。  開発するのは、活性酸素の一つの過酸化水素を噴霧するとともにレーザー光を照射し、フリーラジカルを局所的に発生させる機器。不対電子と呼ばれる不安定な電子を持つフリーラジカルは、ほかの物質から電子を奪って酸化する力が強い。過酸化水素とレーザーが届けば治療できるため、従来手法より治療可能部位などが広がる。  歯学研究科の菅野太郎助教らの研究グループと東北大未来科学技術共同研究センターが07年から共同研究に入っていた。将来の商品化をにらみ、レーザー関連装置も製造するリコー光学などを巻き込んだ体制で開発を加速させる。  ICRは「東北のものづくりの力を生かした医歯工連携で、全く新しい考え方の歯科治療器を東北から生み出していく取り組み。ぜひ成功させたい」と話している。 "[he-forum 14474] 毎日新聞7/23 毎日新聞2009年7月23日付 獣医師育成:課題は公衆衛生教育の充実 文科省専門家会合、16大学点検  獣医師を育てる大学の教育を見直す文部科学省の専門家会合が22日開かれ、獣医学部・学科を持つ国公私立計16大学についての点検結果が公表された。同会合は報告書で「多くの大学で公衆衛生等の社会的要求が高まっている分野の教育内容に課題がある」と分析し、教育の充実と学生に教える専門家の育成が急務だと指摘した。  すべての獣医学部・学科で最低限実施するのが望ましい73の履修科目を選び、それらが各大学で十分教育されているか、5段階(上からA~E)で評価。その結果、公衆衛生に関連する実習科目で、全体的に教育内容の充実度が低いことが判明。例えば環境汚染物質や環境影響評価を学ぶ環境衛生学実習や、牛海綿状脳症(BSE)など人獣共通感染症に関する動物の疾病予防などを学ぶ動物衛生学実習は、計12大学で必要とされる教育内容の6割未満(C~E)にとどまった。食品添加物や食中毒の検査を学ぶ食品衛生学実習も9大学が同様にC以下で内容が不十分だった。【江口一】 "[he-forum 14475] 共同通信7/23 共同通信2009年7月23日16時9分 九大・鹿大、法科大学院で連携 学期単位で“留学”実現  九州大(有川節夫学長)と鹿児島大(吉田浩己学長)は23日、両大学の法科大学院が学生を相互に受け入れる教育連携協定を締結した。特別聴講学生として、3年生前期のカリキュラム全部を相手方の大学で履修して単位を取ることができる。  両大学によると、科目ごとの制度は各地にあるが、法科大学院で学期単位での互換を認めるのは全国初という。学生寮なども利用でき、最長1年間まで延長可能。法科大学院間で“留学”が実現する形だ。  有川学長は「普段と違う先生に学ぶことで学生に緊張感が生まれ、教育効果は数十倍に上る」と期待。鹿大の采女博文法科大学院長は「知的財産法など鹿児島大に不足している分野で、深く勉強したい学生を(九大に)送り出したい。多くの学生に切磋琢磨し合ってほしい」と話している。 "[he-forum 14476] 京都新聞7/23 京都新聞2009年7月23日付 計1千万円を支援、共同研究公募 府立大、府立医科大、工繊大  京都府立大、府立医科大、京都工芸繊維大は22日、3大学による共同研究を公募し、5つのテーマに計1千万円を支援すると発表した。生命科学や環境などの分野の研究で連携を推進し、外部資金の獲得や成果の地域への還元を目指す。  3大学は現在、共同大学院の開設を計画したり、教養科目の単位互換制度を導入して連携を進めている。今回、各大学の異なる分野での研究を融合した新たな研究を支援しようと公募を決めた。  共同研究の枠組みには、3大学のほかに他大学や企業などが加わってもよい。本年度、3つの研究テーマに各300万円、共同研究を立ち上げるための2つの研究会活動に各50万円を支援する。費用は、府立大と府立医科大を運営する府公立大学法人と工繊大が半分ずつ負担する。  7月末まで公募し、8月中に決定する。来年度以降の支援は、あらためて検討する。3大学は「大学間競争が激しい中、3大学の連携を進め、外部資金が獲得できるような質の高い研究の立ち上げを促したい」としている。 "[he-forum 14477] 信濃毎日新聞7/23 信濃毎日新聞2009年7月23日付 県内8大学、来年度の遠隔講義システム開始へ試験運用進む  信大(本部・松本市)など県内8大学が取り組む「高等教育コンソーシアム信州」の遠隔講義システムが、来年度の運用開始に向けて試験を重ねている。4回目の運用試験があった22日は、信大繊維学部(上田市)の教員の講義を映像、音声ともに8大学・11カ所に中継。大学間での意見交換もして、同システムの使い勝手を確認した。  コンソーシアムは昨年11月に発足。信大のほか、県看護大(駒ケ根市)、佐久大(佐久市)、諏訪東京理科大(茅野市)、清泉女学院大(長野市)、長野大(上田市)、松本歯科大(塩尻市)、松本大(松本市)が参加する。  5月21日に始めた試験運用は、システムの作動確認とともに、遠隔講義でのマイクの位置や目線の置き方など教職員の注意点を把握するのが目的。各大学の教育について教職員が意見を交わす機会にもしようと、過去3回の運用試験では、学生の学習とコンピューターの関係などを講義のテーマに取り上げた。  22日は、信大繊維学部の粂井資行・特任教授が学生の海外留学を進める取り組みについて話した。8大学の教職員計52人が聴講。講義の後、各大学から自校の取り組みを紹介する映像と音声が送られた。「声が小さく聞こえる。マイクが遠いのでは」との指摘があり、問題点をチェックした。  コンソーシアムの「推進チーム会議」リーダーの小坂共栄・信大副学長は「各大学の個性ある授業を大勢の学生が聞くことで、足りない内容を補い合える。県内の4年制大学のレベルアップにつなげたい」と話した。次回の試験運用は30日で、一般の人も聴講できる。問い合わせは信大内の事務局(電話0263・37・2194)へ。 "[he-forum 14478] 陸奥新報7/23 陸奥新報2009年7月23日付 世界気象を球体スクリーンに投影 弘大に「アースビジョン」  弘前大学(遠藤正彦学長)は創立60周年記念事業の一つとして、世界の地震、気象データなどを球体スクリーンに投影する「アースビジョン」を設置した。22日に開かれたオープニングセレモニーには、関係者33人のほか、弘前大学教育学部付属小学校から5、6年生16人が出席し、設置を祝った。  「アースビジョン」は科学に対する関心を高めようと同大が進めるサイエンス・パークの一つとして設置。直径1・5メートルの大型旧形スクリーンにタッチパネルやトラックボールを操作することで、最新の地震、気象情報をモニタリングできるほか、弘大の地域交流の様子を紹介するコンテンツも楽しむことができる。  オープニングセレモニーでは、遠藤学長が「円形のものはわが国で初めて。360度自由な視点で楽しんでほしい」とあいさつした。  理工学研究科付属地震火山観測所の小菅正裕准教授が使い方や特徴を解説しながら、付属小の児童たちがアースビジョンを体験した。6年の松山大輝君(12)は「雲の動きを見たり、各地の情報がリアルタイムで分かるので驚いた。今度は家族と一緒に見学したい」と笑顔で話した。 "[he-forum 14479] 東奥日報7/24 東奥日報2009年7月24日付 授業料免除申請が増加/弘大  弘前大学の2009年度前期の授業料免除申請者が855人に上り、08年度後期と比べて51人多かったことが分かった。保護者の所得などが基準以上だった学生が多く、実際に免除になった学生は同じく30人少ない649人だったが、同大学は「保護者の経済事情に配慮し、念のため申請してみた学生が多かったのかもしれない」と推測している。 "[he-forum 14480] 読売新聞7/26 読売新聞2009年7月26日付 四国の4国立大、都市部の病院経験へ連携  徳島、愛媛、香川、高知大は10月から、神戸大や日本医科大(東京都)と連携し、優れた専門医の養成と地元定着を目指す「四国本州メディカルブリッジ高度医療人養成プログラム」を始める。今年度、文部科学省の「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」に選定された。  対象は、専門医の習得に向けて学ぶ後期臨床研修(卒後3~5年目)の医師。四国の4大学や関連病院で地域医療を中心に学ぶとともに、神戸大や日本医大で約3~6か月、高度救急など都市部で症例数が多い先進医療を経験する研修プログラムを設ける。  2004年度の医療制度改革以降、地方の大学病院で研修医の流出が問題化。四国でも3割だった流出率が5割まで上昇している。プログラムの中心になっている徳島大病院の赤池雅史・病院教授は「都市部の病院での経験を、母校の大学関連病院で生かせる体制づくりも進めたい」と話している。 "[he-forum 14481] 読売新聞社説7/26 読売新聞社説2009年7月26日付 法科大学院 少数精鋭で質の高い教育を  信頼される司法制度を構築するには、有能な裁判官、検察官、弁護士の養成が必要だ。その養成機関としての役割を担えない一部の法科大学院の淘汰(とうた)は避けられまい。  今春、法科大学院に入った学生が対象だった2009年度入試の志願者数は、前年度より25%減少し、初めて3万人を割った。競争倍率は、74校のうち42校で2倍未満だった。定員30人のところ、入学者が5人の大学院もあった。  10年度入試が間もなく本格化するが、志願者数の低迷は続くとみられる。司法制度改革の柱として04年に誕生した法科大学院は早くも転換期にあるといえよう。  法科大学院の修了者には司法試験の受験資格が与えられる。その合格率は当初、7~8割に達するとの見通しだった。  だが、実際の合格率は振るわず、昨年は33%だった。法科大学院に入っても法曹への道が開かれない現状が、志願者減につながっていることは間違いないだろう。  法科大学院には、司法試験の受験指導に偏らず、法理論や実務面で、法律家としての基礎を身に着けさせることが望まれている。  しかし、質の高い志願者が集まらなければ、大学院は能力的に劣る学生を受け入れざるを得ない。学生は十分な力を身に着けられないまま司法試験に臨み、不合格となる。まさに悪循環である。  中央教育審議会は、入試の倍率が2倍未満の法科大学院に対し、定員を減らすよう求めている。これまでに約50校が定員削減を決めたのは、学生の質の確保の観点から、当然のことといえる。  悪循環のそもそもの原因は、74の大学院が乱立していることにある。今後、実績を残せない大学院が敬遠される傾向は、さらに進むだろう。その結果、経営が悪化し、淘汰されるケースが出てくるのもやむを得まい。  大学院同士の統合や再編も積極的に進めるべきだ。  政府は、昨年は2000人余だった司法試験の合格者を、10年には3000人に増やす方針だ。都市部に集中する弁護士の偏在解消などのため、この増員計画は堅持していかねばならない。  その際、合格者の質の低下をどう抑えるかが課題である。各大学院が、少数精鋭のきめ細かい教育を実践することが求められる。  11年度からは、法科大学院を経なくても司法試験を受験できる予備試験が始まる。この受験者が多くなれば、法科大学院は存在意義が問われることになる。 "[he-forum 14482] 中日新聞7/26 中日新聞2009年7月26日付 名大、留学生向けに英語で全講義 11年秋に新設  名古屋大(名古屋市)は2011年秋から、海外からの留学生を対象に、地域の特色を生かした「自動車工学」など計11コースを学部と大学院に新設する。講義のすべてを英語で行い、ノーベル賞受賞者を相次ぎ輩出した大学の強みを生かして、海外の優秀な留学生を呼び込む。  名大は、学術面では成果を出しているものの、国際的な規模で、優秀な学生をひきつけるまでにはなっていない。質の高い教育を英語で、留学生に提供することで、同大は、「『NAGOYA UNIVERSITY』として世界に発信したい」ともくろむ。  大学の国際競争力を高めようと文部科学省が今月採択した「国際化拠点整備事業(グローバル30)」に基づく。同事業は名大のほか東京、京都、早稲田、慶応など計13大学が選ばれ、卒業まで英語だけで講義を受けられることが条件になっているが、留学生向けに新たに設けるコースの設定は各大学の独自性に任されている。  学部は5コースで、理系の「自動車工学」「物理系」「化学系」「生物系」と文系の「国際社会科学(法学・経済学)」。工学部や理学部など既設の学部からは独立しており、従来の学部の枠を超えて横断的に学ぶことができる。例えば自動車工学では素材や機械、燃料、設計、電子回路など車に直接かかわる分野から、数学、物理などまで学べる。  現在、既設の学部に在籍する留学生とは違って、入学から卒業まで英語だけで学ぶことができ、日本語の能力は必要としない。学部の学生と同様に学士資格を得られ、大学院にも進学できる。  大学院の修士、博士課程にも6コースを設置。学部を卒業した日本人も進学できる。  11年10月にスタートし、初年度の定員は約180人。学力試験や面接などの入学選考を来年秋に行う。卒業後に日本で就職を希望する留学生には、キャリア教育や企業へのインターンシップを推進する環境も整える。  グローバル30は、20年をめどに留学生を約12万4千人(08年)から30万人に増やす国の計画の一環。約1300人の留学生がいる名大は、20年までに3千人に増やす。 "[he-forum 14483] しんぶん赤旗7/25 しんぶん赤旗2009年7月25日付 学費下げ 予算増額を 全学連が政府に要請  全日本学生自治会総連合(全学連)は24日、文部科学省、財務省、厚生労働省に学費の段階的な値下げ、高等教育予算の引き上げ、就職活動のルールの確立などについて要請しました。  小山農(みのる)委員長は、経済的理由で学業をあきらめる学生を出さないために学費負担軽減を求め、低所得世帯に対する授業料等減免措置の拡充や奨学金貸与人数の増加などを盛り込んだ文科省の「教育安心社会の実現に関する懇談会」報告の立場で取り組みを進めるよう訴えました。  要請項目は、国立大学授業料標準額の値下げ、国立大学運営費交付金と私立大学への国庫助成の増額、奨学金の無利子枠の拡充と給付制奨学金の導入、高等教育の漸進的無償化を掲げた「国際人権A規約13条2項C」の留保撤回、高等教育予算のOECD諸国並み(GDP比5%)への引き上げを行うことなどです。  要請参加者は学生の実態を報告。実家が倒産し、毎月17万円の奨学金とアルバイトで学費と生活費をまかなっている1年生が卒業するまで学費が払えるかと不安をかかえながら大学に通っていることや今年度から休学して学費をため、家族へ仕送りをしている8人きょうだいの学生について述べました。  厚労省には就職活動の早期化・長期化を改め、学業と両立できるように違反企業への罰則などを含むルールの作成、内定取り消しの再発防止に努めるよう求めました。 "[he-forum 14484] Re: [he-forum 14480] 読売新聞7/26 解除希望 --- news wrote: > 読売新聞2009年7月26日付 > > 四国の4国立大、都市部の病院経験へ連携 > >  徳島、愛媛、香川、高知大は10月から、神戸大や日本医科大(東京都)と連携し、優れた専門医の養成と地元定着を目指す「四国本州メディカルブリッジ高度医療人養成プログラム」を始める。今年度、文部科学省の「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」に選定された。 > >  対象は、専門医の習得に向けて学ぶ後期臨床研修(卒後3~5年目)の医師。四国の4大学や関連病院で地域医療を中心に学ぶとともに、神戸大や日本医大で約3~6か月、高度救急など都市部で症例数が多い先進医療を経験する研修プログラムを設ける。 > >  2004年度の医療制度改革以降、地方の大学病院で研修医の流出が問題化。四国でも3割だった流出率が5割まで上昇している。プログラムの中心になっている徳島大病院の赤池雅史・病院教授は「都市部の病院での経験を、母校の大学関連病院で生かせる体制づくりも進めたい」と話している。 > > > "[he-forum 14485] 7/28時事通信 時事通信社 2009年07月27日 15:44更新 公務員ボーナス、過去最大の減額=月給も引き下げへ-人事 院勧告  景気悪化に伴う民間給与の減少を受け、人事院は 27日、 8月に行う2009年の国家公務員給与改定勧告で大幅な引き下げを 打ち出す方針を固めた。現行年間4.50カ月の期末・勤勉手当 (ボーナス)は、過去最大となる0.30カ月以上の減額となる のが確実。月給も国家公務員が民間企業を上回る「官民逆格差」が千円 単位で生じており、大幅なマイナス改定となりそうだ。  月給、ボーナスとも引き下げが勧告されるのは、03年以来 6年ぶり3度目。月給は基本給を定める俸給表をマイナス改定する 可能性が高い。また、地域別の官民格差についても政府からの要請を受 け、公表する方針。勧告日は8月の第2週を軸に調整してい る。  "[he-forum 14486] 7/17東京新聞 東京新聞 2009年7月17日 朝刊 国家公務員65歳定年 中・高年の給与引き下げ  国家公務員の定年延長を検討している人事院の有識者研究会(座長・ 清家篤慶応義塾塾長)の最終報告が十六日、明らかになった。現在六十 歳となっている国家公務員の定年を六十五歳まで段階的に引き上げる一 方、中高年層と六十歳以降の給与引き下げで総人件費増大を抑制するよ う提言している。  人事院は、七月中に正式決定される最終報告を踏まえ、来年度にも定 年延長に向けた法令改正を政府などに求め、二〇一三年度からの導入を 目指す。  最終報告は、定年延長の理由として、年金の支給開始年齢が一三年度 から段階的に六十五歳まで引き上げられることに伴い、六十歳定年のま まだと無収入の期間が生じることなどを挙げた。  報告によると、幹部職員については、職場の活力維持のため六十歳を めどとした役職定年制を導入。  役職定年後は(1)専門職として省庁で働き続ける(2)公務員の身 分を残したまま公益法人や大学に出向する(3)加算された退職手当を 受け取って早期退職する-のいずれかを選ぶ。  総人件費増大を抑制するため、六十歳までの中高年層の給与は段階的 に引き下げ、六十歳以降で一気に引き下げ幅を拡大する。また、定年延 長に伴い、幹部以外の一般職員は昇進スピードが五年遅れることになる。  国家公務員の定年延長は、公務員制度改革の工程表でも検討事項に挙 げられていた。 "[he-forum 14487] 山陽新聞7/12","山陽新聞2009年7月12日付 岡山大キャンパスに学童保育施設 教職員や学生の子ども預かる    岡山大は教職員や学生の子どもを預かる学童保育施設「かいのき児童クラブ」を津島キャンパス(岡山市北区津島中)内に開設、21日から利用を始める。地域の学童保育利用者が増えて受け入れが厳しくなる中、開所時間を長くすることで、終業時間が遅くなりがちな研究者や医療職のニーズに応える。  同大付属図書館西隣にプレハブ平屋130平方メートルを建設、指導員5人を配置する。定員約50人。当面は夏休み、冬休みなど長期休暇のみの開設だが、来年度以降、放課後の運営も検討するという。   ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 14488] 大阪日日新聞 大阪日日新聞2009年7月28日付 大学改革で提言 関西経済同友会  関西経済同友会の大学改革委員会は27日、大学に対して新しい時代に必要な教育の提供を求める「社会が求める大学の人材輩出戦略~まずは学部教授会の改革から~」と題する提言を発表した。文部科学省や教育再生会議などの教育関連機関に提出する。  「大学が社会・企業のニーズに応えた人材を輩出できていない」という問題意識をもとに調査しており、産業界が求める人材像として▽幅広い教養を有し、課題発見能力や課題解決能力の高い人材▽コミュニケーション能力の高い人材▽学習能力の高い人材-などを挙げた。  提言では大学に対して「高度な専門学力だけではなく、教養教育の重要性の認識」を求めるとともに「学部自治が学長のリーダーシップの阻害要因」と指摘し、「学部の壁を取り払い、学生ファーストの視点に立った経営を行うべき」としている。  同委員会の帯野久美子委員長(インターアクト ジャパン社長)は「検証可能な形で情報開示をしている大学はほとんどない。ミッションを明確にし、企業のニーズに応じた人材を輩出してほしい」と苦言を呈した。 "[he-forum 14489] 南日本新聞7/28 南日本新聞2009年7月28日付 鹿児島大学病院に新中央診療棟完成  鹿児島大学病院(鹿児島市桜ケ丘8丁目)が病院再開発の一環として建設を進めていた新中央診療棟が完成し27日、鹿大医学部で落成記念式典があった。脳腫瘍(しゅよう)手術中にMRI撮影ができる手術室が九州で初めて設置されたほか、集中治療室(ICU)も8床から15床(全個室)に増えた。9月1日から順次稼働する。  同棟は地上5階建てで、延べ床面積8174平方メートル。手術部や集中治療部、検査部などが入る。新型インフルエンザなど毒性の強いウイルスにも対処できる検査室も整備された。  式典には関係者約100人が出席、県内の中核医療施設としての機能向上を祝った。高松英夫病院長は「長年の夢がようやく実現し姿を現した。完成を機に、県民の命を守る拠点病院としてさらに尽力していく」とあいさつ。式典後、内覧会も行われた。 "[he-forum 14490] 日本経済新聞7/28 日本経済新聞2009年7月28日付 大学の特許収入、08年度9億9000万円で最高 米大と依然格差  全国の大学などの特許収入総額が2008年度は約9億9千万円と03年度の調査開始以来最高になったことが27日、文部科学省の集計で分かった。前年度に比べ27%増えた。研究成果を社会に役立てる大学の取り組みが実を結びつつあるが、産学連携で先行する米国では100億円以上を稼ぐ大学も複数あり、依然隔たりは大きい。  1046の国公私立の大学と、高等専門学校や大学共同利用機関の合計1112機関を対象に、産学連携の実施状況を調べた。大学が保有する特許を企業などにライセンス供与したり譲渡したりした件数(08年度)は全国で5306件となり、前年度比21%増となった。 "[he-forum 14491] 朝日新聞7/28 朝日新聞2009年7月28日付 東工大が「経営教授」を採用 大学運営実務に専念  東京工業大学(東京都目黒区)が、教育研究はせずに大学運営に専念する「経営教授」(マネジメントプロフェッサー)制度を始めた。今月、その第1号として国際担当の教授が就任。産学連携担当教授も着任する予定で、大学運営の効率化につなげたいとしている。  国立大では近年、国際、産学連携、外部資金の獲得、広報など教員と職員の中間的な業務が増えている。通常は担当役員の下で、担当の教授が実務にあたっているが、彼らには教育研究という本務があるため、十分な時間を割くのが難しい。一方、専従の特任教員を採用する場合もあるが、その位置づけがあいまいだった。  そこで、東工大ではマネジメントセンターという全学組織を設置。センターに所属する教授(経営教授)が担当役員の下で実務にあたる体制を作ることにした。採用も学部ではなくセンターで行うので、研究業績に関係なく、実務経験が豊富な人材を採用できる。  国際担当となった遠藤悟教授(51)は日本学術振興会国際事業部企画官からの転身で、東工大の海外拠点作りや、海外の理工系大学とのネットワーク作り、留学生への対応などにあたる。「大学の事情を理解したうえで、具体的な方策を考えていきたい」と意欲を見せる。東工大の牟田博光理事・副学長は「役員は日々意思決定に追われているので、実務的なことを任せられる補佐的な存在がいれば助かるし、運営の効率化にもつながる。必要に応じて教授の数を増やしていきたい」と話している。 "[he-forum 14492] 朝日新聞7/30 朝日新聞2009年7月30日付 理系めざすなら、女子大へ 5大学が都内で講演会  「女子大の理系」をアピールしようと、都内を中心にした五つの大学が共同で31日、女子高校生や中学生を対象にした「サイエンスフェスティバル」を東京女子大(杉並区)で開く。ノーベル物理学賞を受けた小柴昌俊さんの講演で理系への関心を高めてもらい、卒業生や現役学生が女子大ならではの魅力をPRする。将来の女性研究者を掘り起こす狙いも込めている。  参加しているのは、東京女子のほか、お茶の水女子、津田塾、日本女子と奈良女子の5大学。いずれも理学部などの理系学部や学科を持つ。フェスティバルは一昨年に始め、今年で3回目。  小柴さんの演題は「やれば、できる」。「『理系分野は楽しい、と興味を持ってもらえる話を』とお願いしている」と、実行委員会責任者の大山淑之・東京女子大教授(数学)。  女子高校生や中学生に、まず理系に目を向けてもらおうと企画した。日本の研究者のうち女性の比率は13・0%(08年)で他の先進国と比べて低く、理系はさらに低いとされる。「多様な視点や発想を採り入れることが、日本の科学技術の水準向上に不可欠」との危機感が開催の背景にあるという。  そして、「女子大にも理系があることを知ってほしい」。共学の大学での勤務経験もある大山教授によると、理系の女子学生はゆっくりでも着実に理解する傾向が見られる。女子大は一般に、少人数教育などで指導がきめ細かいので、そうしたタイプの学生に向いており、就職状況も良いという。  フェスティバルでは、卒業後の進路を実感してもらうため、企業などの一線で働く30歳前後の卒業生5人が仕事のことなどを話す。現役の大学生や大学院生は学生生活について語り、質問にも答える。  31日午後1時から、杉並区善福寺2丁目の東京女子大講堂で。入場無料、一般の参加も可能。問い合わせは、同大教育研究支援課(03・5382・6451)。(小石勝朗) "[he-forum 14493] 日本経済新聞7/30 日本経済新聞2009年7月30日付 東大VCがファンドを設立 研究成果活用のベンチャーに投資  独立系ベンチャーキャピタル(VC)の東京大学エッジキャピタル(UTEC、東京)が、東大の研究成果などを活用したベンチャー企業に投資するファンドを新たに設定することが分かった。31日に銀行や生命保険会社などの出資を受けて約35億円で設立する。金融危機が深刻化した昨秋以降はVCのファンド設立が急減しており、運用難の機関投資家の資金を呼び込むことを狙う。  UTECは、東京大学が2004年にベンチャーへの投資を目的として設立したVC。ファンド設立は今回で2回目で、名称は「UTEC2号投資事業有限責任組合」。1号ファンドはジャスダック・ネオ市場に上場したがん治療法開発会社のテラに創業期から投資するなどの実績がある。 "[he-forum 14494] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.15 ニュースレター NO.15                     2009、7,31 公正な学長選考を求める裁判を支える会  事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内      (TEL/FAX 088-844-1489)  緊急!驚くべき「学系長」選出方法案!   学長専制・学部自治破壊を阻止しましょう!  行政訴訟は次回9月18日に弁論準備手続きが行われます(11時高知地裁)。こ れに向け、原告団・弁護団・支える会は討論・準備を重ねています。被告(国) 側は、「原告適格」を問題にすることで、事実上の門前払いをねらっていますが、 前号でも報告したように、裁判は実質的な審理に入る可能性が大きくなってきま した。これに関しては、近々に勉強会を開催する予定です。    一方、大学を取り巻く状況を見ると、「内閣府・規制改革会議タスクフォース」 が「学長選考の適正化」というテーマで全大協から意見聴取を行い、そこで高知 大学の事例について詳しい報告が行われました(6月12日)。    このような事態に危機感を募らせたのか、学長はその「専制体制」をさらに徹 底する組織運営を策定しようとしています。  去る7月16日の教育研究部会議の席上、桜井教育研究部長(総務担当理事)か ら次のような驚くべき「予告」(改組実施検討本部での決定のようです)があり ました。    1) 9月中に学系長の選考を行う  2) 各新部門から2名の学系長候補者を出し、学長がその中から選ぶ  3) つづいて学部長、部門長を選出する。学部長は11月末までに選出する  4) 学系長、学部長、部門長は兼任しない  5) これらの「長」の任期を統一し、来年4月1日からとする  この提案には以下のような重大な問題があります。  まず、第一に各学系長は4名から10名(医療学系)の候補者から学長が任命す るということになるということです。現在の制度も形式上は学長による任命とな っていますが、事前の申し合わせで、学部長が選ばれています。今回は、そこを 根本的に変え、学長が複数候補の中から自由に選べるようにするというやり方な のです。さらに、22年度からの学系長は研究費の配分,教員の採用・昇任人事, 教員評価の面で実質的に学部長よりもはるかに大きな権限をもつだろうと考えら れることから、学系長に副学長を兼務させることが示唆されています。学長が自 分のお気に入りを選んで学系長に据えた上で、執行部に取り込むという作為が透 けて見えます。まさに、「学長専制」以外の何物でもありません。    また、学部長・部門長などの兼務を禁じるということになっているのも問題で す。    学部長と部門長、学系長を必ず別の人間が務めなければならないとした場合、 実質上一つの組織に二人以上の「長」がいるのと同様になります。例えば教員の セクハラ案件があったとして、学生に対するものなら教育組織の長である「学部 長」の責任となりますが、もし同僚に対するものなら教員組織の長である「学系 長」あるいは「部門長」の責任ということになります。そして全国の学部長会議 に高知大学から出席するのは教員に対する管理権が半分しかない(あるいは、管 理責任を半分免除された)「半人前学部長」ということになるでしょう。このよ うな体制で、人事・予算の執行はどのように行われるのか。これらの重大な問題 に対して執行部は責任ある回答が全くできません。    また、兼務を禁ずることで管理職手当をもらう人間の数が増え、財政上の負担 となるのではないかとの質問に対し、桜井理事は「学科長の管理職手当をどうす るかなどを検討しているので必ずしも増えるとは限らない」と回答したそうです。 すなわち、学科長など現場で学生教育の陣頭指揮にあたっている人間の給料を削 って、学長の「お気に入り」に、お手盛りの「ご褒美」を配分するというのがこ の案の中身ということです。  学系とは「教員評価」を行う組織であると執行部は再三強調してきました。そ の「長」を学長が勝手に選ぶという仕組みがもし認められたら、教員一人ひとり の身分や待遇は、ピアレビュー云々以前に、学長の意を受けた一握りの「学系長」 の価値観や評価によって好きなように決められてしまうでしょう。この間、勤勉 手当の査定等において、学長がどれほど好き勝手をやってきたかを見ればそれは 明らかです。    さらに問題なのは、全ての学部長の任期を来年4月1日からに統一するという ことです。現在の理学部長の任期は再来年の4月までです。また教育学部長の任 期は来年の2月末までです。たしかにこれまでも、任期途中で諸事情からお辞め になる学部長はいました。しかし、「任期をそろえると便利だから、任期途中の 学部長は辞めろ、足りないなら一ヶ月延長しろ」というようなことを言った学長 はいままでに一人もいません。もしそうなれば、その暴挙により、学部自治・大 学自治が破壊され,ひいては憲法が保障する学問の自由や言論の自由さえもが侵 害されてしまうことに繋がりかねません。    執行部側は、8月末あるいは9月初めにも、この「案」を正式決定したいよう です。実施のためには、様々な規則の改正が必要ですが、このような規則改正の ための議論も手続きも行わないまま、ともかく学系長の選出を強行しようとして いるのです。これを許すのかどうかは裁判の帰趨とならんで、高知大学が「大学」 の名に値する存在たりうるかどうかの試金石です。    「学長専制」をもたらした一昨年の学長任命の無効を裁判の場で訴えるのと平 行して、「専制体制」の徹底化を目論むこの「案」に対して広範な反対の声をあ げ、実施を絶対に阻止しましょう。それが、裁判での勝利の展望をも切り拓いて いくはずです。   "[he-forum 14495] 朝日新聞7/331 朝日新聞2009年7月31日付 親の年収が大学進学率左右 200万円未満は28%  年収200万円未満の家庭の高校生の4年制大学進学率は3割に満たず、一方で1200万円以上の家庭では倍以上の6割強に――。東京大学の大学経営・政策研究センターが調査したところ、保護者の収入が多くなるほど右肩上がりに大学進学率が高くなることが確認された。国公立大では所得による差はあまりないが、私立大への進学で大きな差がついていた。  子どもの受ける教育や進学率が、親の所得差によって影響され、「教育格差」につながっているとして社会問題化している。調査は、こうした実態を探るためで、05年度に全国の高校3年生約4千人を抽出して3年間追跡した。保護者から聞き取った年収を200万円未満から1200万円以上まで七つに区分し、進路との関係をみた。  それによると、最も低い200万円未満の層の4年制大学への進学率は28.2%。600万円以上800万円未満は49.4%、800万円以上1千万円未満は54.8%、1200万円以上だと62.8%に至った。  進学先をみると、国公立大は年収600万円未満はどの層も10%強、1200万円以上でも12%強と大きな差はない。他方、私大進学の差は顕著で、200万円未満は17.6%、600万円以上800万円未満は36.8%。1200万円以上では50.5%で、200万円未満の2.9倍になった。  国立大の年間授業料は平均約54万円、私立大は同約85万円。大学は「全入時代」を迎えたとされるが、所得が低い家庭では、国公立大以外に行きづらい様子がうかがえる。センター長の金子元久教授(高等教育論)は「このままでは大学教育を受けられる人が所得の階層で固定化してしまう。進学したくてもできない人を支援するセーフティーネットの政策をつくる必要がある」と指摘している。  一方、就職率は進学率の傾向と表裏の関係になっている。200万円未満の層は35.9%だったが、年収が高くなるほど率は低くなり、1200万円以上では5.4%だった。  文部科学省の調査では、06年春の高卒者の4年制大学への進学率は45.4%。総務省の家計調査では、同年の勤労世帯の平均年収は約630万円だった。(編集委員・山上浩二郎) "[he-forum 14496] 読売新聞8/3 読売新聞2009年8月3日付 全国初「国立大学病院の土地貸します」  病院の経営が、大学の独立法人化に伴う国からの交付金減少で厳しさを増していることから、群馬大学は、前橋市昭和町の医学部付属病院内の土地を民間事業者に貸し出すことを決めた。  賃貸収入が入るほか、その土地に事業者の負担でコンビニやレストランが入る施設を建設してもらうことで、サービス向上とともに経費削減も図る。同大によると、国立大学病院内の土地の民間への貸し出しは全国初めての試みという。  貸し出す土地は、これまで病院の施設があった約1000平方メートルで、現在は、施設の取り壊し作業中。2010年度から20年間の貸し出しを予定しており、同大は年間数百万円の収入を見込んでいる。  この土地にできる新施設の建設は、病院内の売店などのサービスを提供している財団法人「同愛会」(同市昭和町)が担うことが公募で決まった。2階建てを予定しており、患者から要望の多いレストランや理髪店を1階に入れ、2階には同大の研究施設などを設ける。9月頃までに詳細設計を行い、年内に着工、来年夏までには完成させて利用できるようにするという。  国立大学付属病院長会議の07年度分の調査によると、全国にある45の国立大学付属病院のうち、28病院が赤字だった。同大も07、08年度と2年連続で数億円の赤字だといい、山口正・同大昭和地区事務部長は、「国立大学も競争に突入している。民間活力の導入で経費削減を図っていきたい」と話している。 "[he-forum 14497] 神戸新聞8/5 神戸新聞2009年8月5日付 神大がポーアイに新拠点 文理融合、産官学集う   神戸大学は4日、神戸・ポートアイランドに、理系・文系の枠を超え、産官学の研究者が集う研究拠点を新設すると発表した。扱う主要テーマは「環境」「エネルギー」「医療」で、隣接地で建設中の次世代スーパーコンピューターなども活用し、内外に先導的研究成果を発信したい意向。利用開始は2011年度からの見込み。  神戸大によると、建設予定地は、ポートライナーのポートアイランド南駅の南側。約2500平方メートルの敷地に7階建て延べ4000~5000平方メートルの施設を建設する。建設費は十数億円を予定している。  研究チームは10程度を想定し、他大学や産業界の研究者も参画。約6年ごとに研究成果を評価し、体制を見直す。  神戸大は07年度から、4つの研究科を横断的に結ぶ「自然科学系先端融合研究環」を設置しており、その成果が研究拠点の計画につながった。  会見した福田秀樹学長は「違う分野の人が一つのエリアに集まって意見交換するのは、互いに切磋琢磨でき、非常にいい方向に研究を展開できると思う」と話した。(霍見真一郎) "[he-forum 14498] 日本経済新聞8/2 日本経済新聞2009年8月2日付 在米シンクタンクが本格稼働 東大など日本の5大学が設立  東京大学、早稲田大学など日本の5大学が共同で米国の首都ワシントンにシンクタンクを設立、本格活動を始めた。ハーバード大など9大学を含む米研究機関から協力を受け、まず「気候変動問題」や「金融危機の政治経済学」に取り組む。米学界との人脈を築き、大学としての政策提言機能を高める。日米政界間のパイプが細る中、米国の日本離れに歯止めをかける狙いもある。  シンクタンク「日米研究インスティテュート」は東大、京都大の2国立大と早大、慶応大、立命館大の3私立大学が共同で今春設立。6月に日本学術振興会のワシントン拠点内に事務所を開設した。日本の国私立大による共同シンクタンク設立は異例。 "[he-forum 14499] 読売新聞8/4 読売新聞2009年8月4日付 国内屈指の昆虫標本120万点、愛媛大博物館が11月オープン 入館無料、研究紹介や社会教育期待  愛媛大学は、研究活動などで集めた鉱物や化石、昆虫などの実物標本や資料などを展示する博物館「愛媛大学ミュージアム」を11月に開設する。農学部が所蔵する国内屈指の昆虫標本約120万点もすべて収蔵し、一部を展示。一般に公開したうえ、入館無料とし、同大は「研究成果を発信するとともに、子どもたちが自然科学に興味を抱くきっかけになれば」としている。  松山市文京町の城北キャンパスの旧共通教育棟の1階部分(約1400平方メートル)を使用。常設展示は、地球内部や宇宙に関する研究成果や鉱物、化石が並ぶ「進化する宇宙と地球」▽昆虫標本や環境科学などを紹介する「生命の多様性」▽東アジアの古代鉄文化などを紹介する「人間の営み」▽「愛媛大学と愛媛の歴史」――の4分野に分類する。  目玉となる昆虫標本は、農学部の前身の県立農林専門学校に、昆虫分類学を専門とする石原保教授が着任した1945年以降、歴代教官や200人を超す学生による収集や、協力者の寄贈で集めたもの。戦前から収集している北海道大や九州大に次ぐ標本数を誇り、四国産の昆虫が充実し、よく分類・整理されているという。  全国の87国立大のうち、半数が博物館を持つが、四国では香川大に次ぐ規模で、地方大学が自力で設置した中では大規模だという。有料にしている大学もあるが、大学に親しんでもらおうと無料とした。  一般公開は11月14日からで、同大は、公開に向けて解説などのボランティアとして市民サポーターの募集も検討している。今後、様々な企画展を行う予定で、柳沢康信学長は「研究の紹介、標本展示などを通じた社会教育、学芸員資格の取得を目指す学生の実習の場など、様々な役割を果たせる」と期待している。 5日から2万点展示  同大は、昆虫標本のうち約2万点を展示する「昆虫展」を5~9日に城北キャンパスの旧共通教育棟で開く。午前9時30分~午後5時で、7、8両日は午後8時まで開催。無料。 "[he-forum 14500] 山形新聞8/5 山形新聞2009年8月5日付 山響、ドキュメンタリー映画祭と相互協力協定 山形大、非常勤講師やボランティア派遣  山形大(結城章夫学長)は4日、山形交響楽団を運営する山形交響楽協会(三宅高子理事長)、特定非営利活動法人山形国際ドキュメンタリー映画祭(田中哲理事長)の両団体と相互協力協定を結んだ。教育やスタッフ派遣などで互いに協力する。いずれも期間は3年間で、4年目以降も自動的に更新する。  山形交響楽協会との協力活動として、大学側は学生が演奏会などの合唱団メンバーとして出演し、「アフィニス夏の音楽祭」にスタッフを派遣する。協会からは地域教育文化学部に非常勤講師を派遣するほか、実習機関としても学生を受け入れる。大学とプロの交響楽団との協定締結は全国で3例目になるという。  一方、山形国際ドキュメンタリー映画祭との間では、大学側が映画祭などへのボランティア派遣や付属図書館のドキュメンタリー映画ライブラリーの充実を図り、映画祭側はフィルムの貸し出しや実習機関としての学生受け入れ、映画監督講演会の開催などで協力する。  締結式では、結城学長が「両団体と山形大はこれまでもさまざまな交流を重ねてきたが、今後は組織的、継続的な交流にしていきたい」とあいさつ。協定書を交わした後、山形交響楽協会の三宅理事長が「さらに連携を強め、感性をはぐくむ教育文化活動を支援したい」、山形ドキュメンタリー映画祭の大久保義彦副理事長は「所蔵するフィルムは20年間の現代史で知的財産だ。ぜひ活用してほしい」と語った。 "[he-forum 14501] 8/6朝日新聞 朝日新聞2009年8月6日7時46分 大学院生に実質的な給与を 基礎科学力委が提言  昨年、日本から4人のノーベル賞受賞者が出たことをきっかけにつく られた文部科学省の「基礎科学力強化委員会」(座長=野依良治・理化 学研究所理事長)が4日、「日本の基礎科学は現在、十分な世界水準に あるとはいえず、大学院教育などの抜本的改革が必要」とし、大学院生 には実質的な給与を出して支援すべきだとする提言をまとめた。  提言では日本の現状について「現実逃避ばかりで危機意識が希薄。欧 米のみならず急速に発展するアジア諸国の状況を直視すべきだ」と分 析。アジアでは博士課程を中心に大学院生の拡充に乗り出している点に 触れ、日本でも大学院教育に財政支援を増やし、同時に「大学側の意識 改革を進めるべきだ」とした。  修士や博士課程の学生を、「教育アシスタント」や「研究アシスタン ト」に位置付けて、「実質的給与型の経済的支援の拡充を図るべきだ」 と言及。大学側に対して、こうした人材の雇用を義務づける必要性を訴 えた。国内外に開かれた大学院にするために、幅広くいろいろな大学・ 分野から学生が集まるよう、同一校、同一分野の出身者を最大で3割程 度に抑え、外国人学生を2割以上にする、などの目標を掲げた。(行方 史郎) "[he-forum 14502] 8/3西日本新聞 西日本新聞 2009年8月3日 22:09 公務員ボーナス過去最大の減額 人事院勧告へ  人事院は3日、2009年度の国家公務員一般職の給与に関する勧告 のうちボーナス(期末・勤勉手当)について、月給の0・35カ月分引 き下げるよう勧告する方針を固めた。ボーナスの年間引き下げ幅として は、1999年に勧告した0・30カ月分を上回り過去最大となる。月 給についても約0・2%引き下げることで最終調整している。11日に も内閣と国会に勧告する。  国家公務員一般職のボーナスは5月の人事院の臨時勧告を受け、夏季 ボーナスが当初支給予定だった月給2・15カ月分から0・20カ月分 すでに減額されている。今回の勧告通り実施されれば、今冬の支給予定 額(月給の2・35カ月分)から0・15カ月分が追加減額されること になる。  人事院が実施した民間給与実態調査の結果、国家公務員の月給は平均 で民間に比べ約千円高かったことを受け、月給も引き下げる。月給の引 き下げは4年ぶり4回目。月給とボーナスの同時引き下げは6年ぶり3 回目。  人事院は、新築や購入から5年以内の持ち家に住む職員(08年度で 約2万6千人)を対象とした住居手当(月額2500円)の廃止を勧告 に盛り込むことを決めており、手当の廃止で民間との給与水準格差は平 均で約200円縮小される。残る約800円分について、月給の引き下 げが必要と判断した。 "[he-forum 14503] 日刊工業新聞8/7 日刊工業新聞2009年8月7日付 博士課程、6年連続定員割れ-研究水準の低下懸念  修了者の就職難などが問題となっている大学院博士課程の志願者数が2009年度は延べ1万9667人にとどまり、入学定員を下回ったことが、文部科学省の学校基本調査で分かった。  数字の上では、大学や分野を選ばない限り希望者がすべて進学できる「全入時代」が6年連続で続く。修了者の質や研究水準の低下が懸念され、大学院改革が急がれる。  財団法人文教協会のまとめでは、同年度の博士課程の入学定員は前年度比1・5%増の2万3905人。延べ志願者数を定員で割った志願倍率は04年度から1倍を割り、09年度は0・82倍まで低迷した。実際の入学者数も2・3%減の1万5890人で、定員充足率は66・5%まで落ち込んだ。  一方、修士課程や専門職大学院を含めた大学院全体の学生数は0・5%増の26万3976人。社会人の割合は0・4ポイント増の20・8%まで拡大している。 "[he-forum 14504] 朝日新聞8/7 朝日新聞2009年8月7日付 大学進学「2人に1人」時代に 不況で就職率は減少  4年制大学への進学率が09年春、50.2%と初めて半数を超えたことが6日、文部科学省の学校基本調査の速報値でわかった。少子化の一方で全体の定員が増えたことが背景にあり、この20年で倍になった計算だ。一方、昨秋来の不況で大学生の就職率は68.4%と6年ぶりに下がり、就職も進学もしていない人は8千人増の6万8千人、大学卒業者の12.1%を占めた。  調査は今年5月1日現在で、幼稚園から大学院まで、国公私立すべての学校を対象に実施した。  それによると、今春の4年制大学入学者は60万9千人(国立10万2千人、公立2万8千人、私立47万8千人)で、18歳人口に占める割合を示す進学率は前年比1.1ポイント増の50.2%。大学進学率は1969年15.4%、89年24.7%、99年38.2%と伸びてゆき、2人に1人が進学する時代に至った。  20年前に200万人を超えた18歳人口は少子化で減り続け、今春は121万人。一方、短大が相次いで4年制に改組したこともあって大学全体の定員は増え続け、志願者に対する入学者の割合は今春、91%に達した。表裏の関係で短大の進学率は減少傾向が続いており、今春は前年比0.3ポイント減の6.0%。ピークだった94年(13.2%)の半分以下になった。  一方、08年度に30日以上欠席した不登校の児童生徒は、小学校が2万3千人、中学校10万4千人。過去2年は増加が続いたが、今回は小学校で前年度比約5.3%減、中学校で1.1%減に。ただし、総数は小中で12万7千人に及び、依然として多い。  08年度の高校中退者は6万6千人で、比率は2.0%。「経済的理由」は3.3%で、その生徒の在学中の状況を今回初めて調べたところ、授業料の減免措置を受けていた生徒は3割、奨学金を受けていた生徒は1割にとどまっていた。  中退者をめぐっては、「今でも生活が苦しいのに、将来の負担増まで抱えられない」と奨学金をあえて受けずに辞める生徒が少なくないとされる。文科省は「授業料の減免制度をもっと周知し、さらなる支援策も検討する」としている。(上野創) "[he-forum 14505] 産経新聞関西8/7 産経新聞関西版2009年8月7日付 池田銀と神戸大 産学連携協定締結  池田銀行は6日、神戸大学と産学連携の基本協定を締結したと発表した。池田銀の取引先企業のニーズと神戸大が持つ技術シーズ(種)をマッチングさせたり共同研究を推進したりするほか、池田銀はグループ企業とともに、神戸大関連のベンチャー企業などに投資や融資を行う。池田銀が大学と産学連携で手を組むのは同志社大などに続いて6校目。  今月中にも連携専用の総額1億円の投資ファンドを創設し、神戸大発のベンチャー企業や産学連携を行う企業を対象に投資を行う。連携協定の有効期間は来年3月末までで、その後は両者の合意に基づいて1年ごとに更新する。  関西ではこのほか、りそな銀行が産学官連携での実践的なノウハウ習得を目的に、立命館大学研究部理工リサーチオフィス(滋賀県草津市)に行員1人を7月から1年間出向させるなどしており、金融機関と大学の連携が拡大している。 "[he-forum 14506] 岩手日報8/9 岩手日報2009年8月9日付 交付金減、募る危機感 岩手大法人化5年  国立大が国立大学法人となり5年が経過した。国からの運営費交付金は毎年1%削減され、その額は岩手大で年間約6500万円に上る。同大は光熱水道費の節約や退職教員の不補充などで支出を削減、企業との共同研究で外部資金獲得に努力している。しかし、大学間競争が激化し格差が拡大する中、「経済基盤が弱い地方の大学は窮地」と、危機感を募らせる。本県唯一の国立大学岩手大。その存在意義が今、問われている。(報道部・高橋宏昇)  同大の2008年度の水道使用量は04年度に比べ約34%、6万5千トン減の12万2千トンだった。漏水防止工事を進め、日ごろの節約を実行した成果だ。岩手大財務部の田中久仁彦財務企画課長は「灯油は15%、電気は2%と使用量が減った。全学挙げてのこまめな節約努力の結果」と強調する。  同大の09年度予算は135億3900万円。収入のうち運営費交付金が67億4千万円で約50%を占める。続いて授業料・入学検定料が34億8100万円、科学研究費補助金と産学連携などによる外部資金獲得は16億4500万円を見込んでいる。 "[he-forum 14507] 河北新報8/9 河北新報2009年8月9日付 東北大が産科医不足解消に力 文科省事業採択  東北大は本年度、産科・新生児科などの医師不足解消を目指し、女性医師らの育児支援などを盛り込んだ「周産期医療若手・女性医師支援プロジェクト」に着手する。2013年度までの5年間で、医学生らに周産期医療分野を志望してもらうための研修の拡充、女性医師が仕事と育児を両立できる支援体制の強化などを図る。  事業は文部科学省の「周産期医療環境整備事業」に採択された。5年間の事業費は3億円で、研修施設整備などに充てられる。  主な事業は(1)産科臨床実習を拡充し、医学生のモチベーション喚起(2)病院内保育所(来年4月開所予定)で女性産科医・小児科医らの優先枠確保(3)短時間勤務を希望する女性産科医らのワークシェアリング実施(4)離職した女性医師向けにインターネットによる在宅再教育システムの構築(5)医師の負担を軽減する助産師・臨床検査技師との業務分担体制づくり―など。  保育所では専任保育士を雇用するほか、ワークシェアリング体制を構築するため、医師の勤務先となる東北大病院と地域の医療機関との調整を担うコーディネーターを配置する。  東北大によると、過去10年間で産科医は10%近く減少し、近年は医学部卒業後、産科に進む医師が全体の約4%にとどまっている。勤務実態の厳しさに加え、女性医師らの場合は出産・育児との両立が大きな課題となっていた。  東北大病院総務課は「女性医師が継続勤務できれば、男性医師にとってもプラスになる。性別を問わず、周産期医療で活躍できる人材の確保を目指す」と話している。 "[he-forum 14508] 産経新聞群馬8/8 産経新聞群馬版2009年8月8日付 群大病院、民間に土地貸し出し 国立大病院初 商業施設を建設へ  独立行政法人化に伴い国立大学への交付金が減少する中、群馬大医学部付属病院(前橋市昭和町)は民間事業者に一部敷地を貸し、新施設の建設・運営を委託することを決めた。同大によると、国立大病院敷地の民間貸し出しは全国で初めて。  同大によると、貸し出される敷地は約1000平方メートル。公募で選ばれた財団法人「同愛会」(同町)と交渉を進めており、コンビニエンスストアやフードコートが入る施設「アメニティーモール(仮称)」の建設を計画しているという。契約期間は来年度から20年で、同大は約4億円の建設費節約や年間数百万円の収入を見込む。  現在は設計案を策定中で、完成は来年夏ごろを予定。入院患者らからアンケートを取り、DVDレンタルなどの新サービスも検討しているといい、同法人は「民間ならではのきめ細やかで柔軟なサービスを提供したい」としている。  国立大学付属病院長会議の平成19年度調査によると、全国45の国立大病院の中、約6割の28病院が現金収支で赤字を計上。同大でも19、20年と続けて数億円の赤字となっていた。同大昭和地区の山口正事務部長は「サービスの向上が期待できる上、経営の安定化を図ることも可能になる」と話している。 "[he-forum 14509] 沖縄タイムス8/8 沖縄タイムス2009年8月8日付 学長公募を開始 OIST/海外科学誌にも広告  沖縄科学技術大学院大学の設立準備を進める沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)は同大学院大学の学長予定者を公募している。同機構のウェブサイトで詳細を掲載している。  OISTによると、学長予定者は世界最高水準の教授、研究者の採用や、他大学、研究機関との協力体制構築を可能にする優秀な学術上の功績を有することなどが条件。  ネイチャーやサイエンスといった科学誌にも、8月中にそれぞれ2回ずつ広告を掲載する。  一方、管理職のスカウト業務で実績のあるエゴンゼンダーインターナショナル社に委託し、学長の人選に関する調査も進めているという。 "[he-forum 14510] 読売新聞8/8 読売新聞2009年8月8日付 和歌山大に観光学系大学院…山本学長、11年春開設検討  和歌山大の山本健慈学長(60)は7日、和歌山市栄谷の同大で就任の記者会見を行い、観光学系の大学院設置を検討していることを明らかにした。2011年春の開設を目指すという。  山本学長は山口県玖珂町(現岩国市)出身で、京都大教育学部卒。同大大学院教育学研究科を経て、1977年に和歌山大教育学部助手、95年に同学部教授。07年から和歌山大副学長とサテライト部長を務め、今月1日付で学長に就任した。  山本学長は「地域や社会へ、責任ある参加が出来る大学を目指したい」と抱負を述べ、現在の学生については「人間としての基礎的な力に問題がある。学生一人一人に学びが息づくように、教職員が同伴、伴走できるようにしたい」と語った。  大学院(仮称、観光学研究科)は、観光学部3年生が卒業する11年4月、進路として選択できるように開設したい考えで、来年度、文部科学省に設置申請を行う予定。定員やカリキュラムなどは未定という。 "[he-forum 14511] 神奈川新聞8/8 神奈川新聞2009年8月8日付 KASTと横浜国立大が包括提携協定 神奈川科学技術アカデミー(KAST)と横浜国立大は7日、人材育成や研究開発などに関する包括連携協定に調印した。技術者に対する経営マネジメント教育の充実をはじめとした社会人向け人材育成で相互協力する。  KASTと大学との包括連携協定は東京工業大に次いで2件目。  横浜国立大とはこれまで、先端科学の分野で共同研究や教育講座の開催、講師の派遣などで連携してきた。横浜国立大で会見した藤嶋昭KAST理事長は「関係をさらに密接にして連携事業を進めたい。この協定が新しい再出発だ」とあいさつ。鈴木邦雄横浜国立大学長は「大学が持つ人材とKASTが持つネットワークを活用して多くの成果を出したい」と述べた。  社会人向け人材育成を手掛ける経営学部の八木裕之学部長は「技術者が経営幹部になるケースは少ないが、連携により将来のリーダーを育てたい」と意欲を示した。  会見の場で藤嶋理事長は「両者が持つ知的財産の分野でも提携を」と鈴木学長に提案するなど、包括連携の展開に期待した。 "[he-forum 14512] 8/11読売新聞 (2009年8月11日10時46分 読 売新聞) 国家公務員の月給・ボーナス、6年ぶり下げ  人事院(谷公士総裁)は11日午前、2009年度の国家公務員一般 職(行政職)の給与について、月給を平均863円(0・22%)、期 末・勤勉手当(ボーナス)を過去最大の0・35か月分(7・8%)そ れぞれ引き下げるよう内閣と国会に勧告した。  月給・ボーナス同時の引き下げ勧告は6年ぶり。景気悪化で民間企業 の給与水準が低下し、公務員の給与が民間を上回る「官民逆格差」が生 じたため、これを是正するものだ。  月給は基本給(俸給)を平均0・2%(596円)引き下げるが、初 任給を含め、30歳未満の若年層は据え置く。本省の課長・室長級以上 の管理職は0・3%引き下げる。自宅の取得後5年間支給している住居 手当(月額2500円)は廃止する。  ボーナスは、民間の状況を踏まえ、4・15か月分とする。5月の臨 時勧告で夏期ボーナスがすでに0・2か月分減額されているため、冬期 ボーナスは0・15か月分減らして2・2か月分の支給となる。  勧告通りに実施されると、平均年収は前年度比15万4000円 (2・4%)減の635万6000円となる。年収の減少は4年ぶり で、16万5000円(2・6%)減だった03年度に次ぐ過去2番目 の減少幅だ。財務省によると、国の費用負担は1390億円程度減る見 込みだ。  また、人事院は勧告にあわせ、13年度からの年金支給開始年齢引き 上げに伴い、定年年齢を段階的に引き上げ、25年度に65歳とするた めの検討を進める方向も打ち出した。  これに関連し、総務省は11日午前、人事院勧告に準じて全国の地方 自治体が期末・勤勉手当などの給与改定を行った場合、約3840億円 の減額になると発表した。  ◆勧告の骨子◆  ▽民間との給与格差を是正するため、4年ぶりに月給を引き下げる。 行政職は平均863円(0・22%)の引き下げ。  ▽期末・勤勉手当(ボーナス)を過去最大の0・35か月分引き下 げ、4・15か月分とする。  ▽今回の改定で、平均年収は15万4000円(2・4%)減とな る。減少幅の大きさは過去2番目。 "[he-forum 14513] 人事院勧告 8月11日付の人事院勧告が,人事院のサイトに掲載されています。 http://www.jinji.go.jp/kankoku/h21/h21_top.htm "[he-forum 14514] 長崎新聞8/12 長崎新聞2009年8月12日付 長崎大、特許収入で全国6位 独製薬会社との契約など要因  長崎大が民間企業との共同研究などで得た「特許収入」が、全国の大学などの中で2008年度は6位(前年度は22位)に急伸したことが文部科学省の調査で分かった。収入増加の要因としてドイツ製薬会社との契約が挙がっており、知的財産の活用に期待が高まっている。  産学連携などの施策に関する企画、立案に反映させることを目的に、全国の大学などを対象に1983年から毎年実施。(1)民間企業などとの共同研究(2)受託研究(3)知的財産の創造・管理・活用(4)寄付金の収入(5)治験の収入-などの状況を調査している。  08年度は1112の大学などを対象に実施。「特許出願件数」の総数は9435件で前年度に比べ434件減少。企業などとの契約成立を示す「特許権の実施件数」は同比916件増の5306件、収入は同比27%増の約9億9千万円だった。  長崎大は04年の独立法人化から08年度までに特許権を245件所有。このうち08年度は実施件数が43件、収入が4434万5千円で、これまで最高の全国6位になった。同大は例年20位前後で、前年度の全国22位(20件、897万8千円)から大幅に順位を上げた。1位は東京大(1535件、1億8930万円)だった。  大学の知的財産を民間企業で実用化する仲介役となる技術移転機関「長崎TLO」(長崎市)は、収入増加の要因として昨年9月のドイツ製薬会社との契約を挙げる。同大大学院医歯薬学総合研究科の衛生化学研究室(中山守雄教授)が研究した有機化合物が、アルツハイマー病の早期診断を実現する可能性があると評価された。  長崎TLOの技術移転スペシャリストの梅津照彦さん(65)は「少資源国として知恵は財産。特許を介し世界に進出することで、地域活性化につながる」と話した。 "[he-forum 14515] 共同通信8/14 共同通信2009年8月14日6時21分 大学の情報公開指針作りへ 文科省、項目や方法を検討  文部科学省は14日、受験者数や入学者数、学生の卒業後の進路などの情報を大学に積極的に公開してもらうため、公開が必要と考えられる項目や方法を定めた指針を作ることを決めた。秋以降、中教審の部会で議論する。  指針を示すことで受験生の進路選択の参考になるほか、大学側も積極的に改革に取り組み教育内容を向上させる結果になることを狙う。  全国に765ある大学すべてがホームページで情報を公開しているが、多くは学部や教育内容の紹介といった基本的な情報にとどまっているのが実情。文科省は学生や教員の数、財務状況、外部評価の結果などを指針に盛り込むことを想定している。  文科省は「社会への説明責任を果たすために積極的な情報公開が必要」として、公開が不十分な場合、ペナルティーの必要性も考慮。情報公開に向けて学部や学科、研究室の情報をまとめる専門部署設置の支援も検討している。 "[he-forum 14516] 日刊工業新聞8/11 日刊工業新聞2009年8月11日付 経産省、起業家教育を支援-早大・弘前大など指定  経済産業省は起業家(アントレプレナー)教育(用語参照)の本格支援に乗り出す。早稲田大学大学院や弘前大学など10大学・大学院を「起業家教育モデル講座」として指定するほか、10月には起業家教育関係者らが参加する全国大会を東京都内で開催、最新の指導方法などノウハウの共有化を図る。わが国では廃業率が開業率を上回る状況が続いており、次なる成長を描く上でベンチャー創出の必要性が高まっている。経産省は2011年度までに20―30大学・大学院をモデル講座に指定するなど、起業家教育の強化を通じた新ビジネス創造を目指す方針だ。  経産省は11日、募集した「起業家教育モデル講座」の選定結果を公表する。早大大学院などのほか、静岡大学大学院工学研究科、文京学院大学経営学部経営学科、法政大学経営学部市場経営学科、九州大学大学院経済学府マネジメント専攻など10講座を指定する。応募総数は26件。 "[he-forum 14517] 毎日新聞8/11 毎日新聞2009年8月11日付 基礎科学力強化総合戦略:文科省が発表  日本の基礎科学進展のため文部科学省は、資金の拡充や人材育成などさまざまな施策をまとめた「基礎科学力強化総合戦略」を発表した。  有識者による「基礎科学力強化委員会」(座長、野依良治・理化学研究所理事長)が今月まとめた「基礎科学力強化に向けた提言」の中で「世界水準をしのぐ基礎科学力なくして、我が国の未来はないが、現状は危機意識が希薄」と厳しく指摘。人材育成▽研究費などの公的資金拡充▽世界トップの拠点形成など研究推進システムの強化--の3点を求めた。  これを受けて戦略は「社会総がかりで取り組む」との基本姿勢を打ち出した。内容は小学校の理科教育から、最先端の研究者支援まで多岐にわたる。  具体的には、来年度予算の概算要求に11の新規事業を盛り込む。非常に高い潜在能力を持った基礎科学研究者に、最長10年間研究を支援する新事業では、1人年間5億円程度の研究費を支給する方針。また、大学院生の経済支援と教育をリンクさせ、博士課程の大学院生らを、研究費で雇用して研究に参加させる制度などを新設するという。 "[he-forum 14518] 京都新聞8/13 京都新聞2009年8月13日付 京都市立芸大を法人化 12年度目標に 中心部移転も検討  京都市は12日、京都市立芸術大(京都市西京区)を2012年度を目標に公立大学法人化する方針を発表した。近く市幹部や市立芸大の教員で組織する大学整備・改革推進会議を設置し、法人組織の枠組みを示した基本計画を年度内にも策定する。今後、キャンパスの市中心部への移転も検討するという。  方針では市立芸大の現状について、受験者が減少傾向になっているほか、大学での教育・研究が市民に十分に還元されていないと分析した上で、大学が問題意識を持って主体的に改革に取り組み、意志決定の迅速化を図るために公立大学法人化を目指すとしている。  また、キャンパスの移転については、大学を市民の身近な存在とし、学生の学ぶ意欲を高めるために検討するとしている。  法人化をめぐっては、学識経験者で構成する市立芸大の在り方を考える懇談会(尾池和夫座長)が今春、「法人化は非常に有効な手段である」と門川大作市長に提言していた。  市立芸大以外の国公立の芸術大4校では、東京芸大、愛知県立芸大が既に国立、公立の大学法人になっており、金沢美術工芸大が10年度の公立大学法人化を予定、沖縄県立芸大も法人化を検討している。 "[he-forum 14519] 毎日新聞福井8/2 毎日新聞福井版2009年8月2日付 日曜ひろば:高浜で医学部寄付講座の中心運営者・井階友貴さん ◇医師を地域で育てる 診療所でも研修、指導医も充実--井階友貴さん(28)  全国的な医師不足のしわ寄せで、地方の医療崩壊が危ぶまれる中、福井県高浜町が地域ぐるみで医療を守る仕組み作りに立ち上がった。町が今後3年間で計6500万円を福井大医学部に出資して、学生らに初期医療を学んでもらう寄付講座を今年4月、町内に設置した。地域で働く医師を地域で育て、住民にも地域医療について考える契機にしてもらおうとの目的で、市町村単位で医学部の寄付講座を設けるのは全国初という。その講座の運営を中心となって担うのは同町和田にある国民健康保険和田診療所の井階友貴所長(28)だ。【高橋隆輔】  ◆高浜町の医師数は、08年には00年ごろの半分に当たる7人まで減少した。  医療システムの再構築を目指したワーキンググループが昨年8月から8回の会合を重ね、町に寄付講座の設置を提言しました。町長も議会もすぐに予算を認めてくれて、非常に短期間でスタートできました。講座を盛り上げるメンバーは「高浜の医師は地域が育て、地域が守る」をモットーに、医学生による診療の補助▽町に成果を還元できる研究活動▽総合医を育てる医学教育▽住民啓発--を4本柱としてさまざまな活動をしています。  ◆医学生に研修の機会を提供する寄付講座だが、メリットは学生だけでなく、町にとっても大きい。  医師を地域で育てられるという発想はなかなかないと思います。今や地方の医師は大学からの派遣を当てにできない。医師は自分を高められる環境に集まるので、医学教育を重視することは大切です。地域医療はその地域住民のもので、千葉県東金市や兵庫県丹波市では住民が立ち上がり、地域医療が生まれ変わったと言われています。とはいえ、住民も何をすればいいのかいきなりは分からないでしょうから、町の医療の現状に目を向けることや、町内にかかりつけ医を持つことなど、具体的なお願いや情報提供をして啓発しています。フォーラムの実施や町広報誌での連載などを続けた結果、町の医療を考えたいという住民も集まり始め、うれしく思っています。  ◆寄付講座開設から約4カ月。既に感じている手応えもある。  寄付講座開設以前にも、町は希望する学生の研修を受け入れていましたが、昨年は年間35人。今年は予定者も含め既に45人います。地域医療はさまざまな病気に対応する総合力が必要ですが、専門医志向の強い大学病院などでの研修ではなかなかそれを身につけることができません。ここは往診や公民館での診療も行う診療所でも研修でき、指導医も充実しています。寄付講座は学生にとってもメリットは大きいはずです。また、住民へのアンケートの結果、関心の高まりも数字に表れています。学会で報告できる機会やマスコミへの露出も増えて取り組みを広く知ってもらうこともできつつあり、方向性は間違っていないと感じています。  ◆高浜町での地域医療従事も2年目。見知らぬ土地でのスタートだった。  妻が小浜市出身で、私の出身の丹波市との間(北近畿地方など)で地域医療に取り組んでいる所はないかと探し、自分からアプローチしてやって来ました。高浜は医療者だけが医学教育に取り組むのでなく、行政や住民が後押ししてくれる環境があります。念願の在宅医療にも和田診療所で取り組むことができ、ますます今の仕事が好きになりました。  ◆日ごろの診療と、寄付講座の運営に多忙な毎日。  私は診察の時にだけ患者と接する大病院より、患者と手を取り地域にとけ込む地域医療が純粋に好きなのです。医療に取り組むうちに、地域が再生してほしい、良くなってほしいと願うようになりました。寄付講座はまだ始まったばかりで、反省したり改良したりする段階までも進んではいませんが、取り組みが実を結び地域医療を再生する案の一つと見てもらえるようになればと思います。 ==============  ■人物略歴  ◇いかい・ともき  1980年10月、兵庫県丹波市生まれ。05年に滋賀医大を卒業後、研修医として滋賀県栗東市の済生会病院に勤務。その後、兵庫県立柏原病院で内科医を務め、08年4月から和田診療所に勤務。今年4月からは所長に就任した。町内各地への往診もこなし、住民の健康を支えている。 "[he-forum 14520] ≪声明≫新自由主義的改革の中軸たる国立大学法人法体制の抜本的改革を求める ≪声明≫新自由主義的改革の中軸たる国立大学法人法体制の抜本的改革を求める 2009年8月17日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 1.何が行われ、何が行われなかったのか 2009年は国立大学法人の第一期中期目標期間の最終年度であり、次期中期目標の策定作業が本格化する年でもある。この6年間に何が行われ、何が行われなかったのか、その結果を誰がどのように評価し、国立大学の姿をどのように変えようとしているのか、これらを分析し、国立大学法人法体制とは何であったのかを総括するのにまことにふさわしい。 この6年間、国立大学の大学としての姿を崩すような事態がつぎつぎと起きた。大学の研究・教育等の基盤を支える年間の運営費交付金はこの間に720億円減額された。これは中規模の国立大学が年に1大学ずつ削減されたことに相当する金額である。これらを原資として国策に対応した競争的資金がつぎつぎとつくられた。その結果、国策として奨励されている分野・研究室には過剰な予算が集中し、そうでない基礎研究や文科系の分野は日常的な経費すらまかなえない状況になっている。従来からあった大学間、学問分野間の格差は法人化以降ますます拡大した。 法人化で自律性が高まるという当初の掛け声とは裏腹に国立大学法人は政府の強い統制下に置かれ続けた。総人件費を5年間で5%削減することが閣議決定されると(2006年の行革推進法により法制化)、各法人の中期目標はただちにこの数値目標に従うように書き換えられた。この間、教員の総労働時間は著しく増加したにもかかわらず、研究・教育に割くことのできる時間は全く増えていない。若手研究者には外部資金等による期限付雇用以外の就職口がほとんどなくなり、その育成に重大な支障をきたしつつある。正規職員の削減と契約職員や派遣職員の増大は、過労死寸前の長時間・過密労働と職務経験をまったく蓄積・継承できない職場環境を同時に生み出している。 国立大学法人法の建前からすれば、国立大学は、自らの努力で労働や研究・教育環境を改善しうるはずであった。しかし、実際には、一般の教職員は法人の意思決定過程から締め出され、ボトムアップによる経営改善は以前にも増して困難になった。あろうことか、複数の大学で、学内の意向投票を無視した学長の人選が(一部は犯罪の疑いを伴って)強行された。乏しくなる一方の運営費交付金と人件費が学長裁量経費や全学運用のポストに集められ、華々しいプロジェクトが次々と打上げられた。 2.誰がどのように総括し、どのように変えようとしているのか 評価結果(しかも中期目標期間の前半4年間の暫定評価)が確定しないうちから、文部科学省は国立大学法人の組織・業務全般の「見直し」に着手した(国立大学法人評価委員会(第25回)2009年1月28日)。その結果、大学院博士課程、法科大学院、教員養成系学部、附置研究所、融合・学際的な学部・研究科等を具体的なリストラの対象とする「見直し内容」(文部科学大臣決定「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」2009年6月5日)がまとめられ、これを次期中期目標の下敷きとするよう各法人に指示が下された。この「見直し内容」に照らして不十分だと指摘された場合には、文部科学大臣は、大学が策定した中期目標の原案を変更できるとされ(国立大学法人評価委員会(第29回)2009年6月24日)、さらに、中期目標の策定プロセスは、総務省によっても監視され、場合によっては勧告権を発動してでも修正されることになっている(政策評価・独立行政法人評価委員会、2009年5月21日)。 このように、第2期中期目標の策定を前に、国立大学法人法第30条の前提とされている法人による中期目標の原案策定権は、跡形もなく消し去られた。運営費交付金の削減、学長選考過程の乗っ取りなど、これまでにも制定過程における政府答弁や国会附帯決議を無視した法の運用は数々行われてきたが、今回のものはそれとは次元の異なる、法人法そのものの無視である。 これら“完全なる脱法行為”は、2009年に入り、評価委員会のこれまた違法な組織運営(詳細は2009年5月23日付首都圏ネット声明を参照)を伴って、怒濤のようにすすめられた。背景には、財務省が描いている国立大学の再編プラン(財政制度等審議会、2009年5月15日)、さらには経済界が「究極の構造改革」と位置づける道州制移行をにらんだ大学大再編の構想がある。 3.法人法体制の継続か、抜本的改革か―国立大学政策を総選挙の争点に いま、新自由主義的改革(小泉改革)の綻びが拡がり、それを進めてきた自民党・公明党連合政権(自公政権)は崩壊の危機に立たされている。これに対して、“政権交代”ムードに乗ろうとする民主党の政策は、矛盾に満ちているとはいえ、自公政権への厳しい国民的批判を反映し、一定の範囲で現状打開の積極的な政策を提示している。一方、虚構の2大政党論による“政権交代”ではなく、これまでの新自由主義的改革からの根本的脱却と新たな社会のあり方をめざして、具体的な政策を模索・提示している政党・会派・社会的グループが着実に成長しつつあることにも注目しなければならない。また、これらに対抗して自公政権の中にも、従来の政策を転換し、国民の声に応えようとする動きが生まれている一方、新自由主義的改革をいっそう純化・徹底する方向で事態を打開しようとする勢力が根強く存在することも無視してはならない。 このように、今、日本社会には、これまでの新自由主義的改革によって社会全体に拡がった矛盾と危機をどのように克服し、そして新たにどのような社会を目指すのかという課題が突きつけられている。8月30日に行われる総選挙は、そうした課題への重要な回答の場とならねばならない。国立大学法人法体制は新自由主義的改革の中軸の一つをなしている。前述のように国立大学法人法体制下の大学の危機は極めて深刻であるにも関わらず、必ずしも社会全体の共通認識になっていない。それは、国立大学側が法人法成立過程において批判や懸念を表明したものの、成立後は個別要求の繰り返しに留まっており、法人法体制の構造的問題を広く社会に訴えてこなかったことによると言わざるをえないのではないか。8月30日の総選挙が国立大学法人法による第1期中期目標期間は最終年度を迎えているなかで行われることに留意するならば、それは法人法体制の抜本的改革へ向けての第一歩となることが重要であろう。そのためにも、総選挙に参加する諸政党、諸会派に対して、当面の緊急措置として次の事項を検討し、適切な形で政策に盛り込むことを期待するもので・u柆栫「襦・・w)w)1.国立大学法人法成立時に行われた衆参両院における附帯決議の重要な条項が事実上無視されている現状に鑑み、国立大学法人法関連条項の改廃等によって附帯決議条項遵守に法的拘束力を与える措置を講じる。 2.運営費交付金における現行「総額決定・効率化係数による逓減方式」を廃止し、国立大学法人法準備過程で国立大学協会側が検討した「積算形式による概算要求方式」に変更する。 3.国立大学教職員人件費を国家予算における必要経費として計上する。 4.国立大学法人を行政改革推進法の適用外とする。 8月30日の総選挙後の新国会に対しては、上記の緊急措置を行った上で、さらに国立大学法人会計制度、評価制度にもメスをいれ、法人法体制抜本的改革に向けての慎重かつ厳密な議論とその具体化を求めるものである。 以上 net.or.jp","SMTP","首都圏ネット事務局","info@shutoken-net.jp","SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 14521] 声明の文字化け修正 各位 昨日配信した,「≪声明≫新自由主義的改革の中軸たる国立大学法人法体制の抜本的改革を求める」において一部文字化けがありましたので訂正させていただきます. 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 *********************** ≪声明≫新自由主義的改革の中軸たる国立大学法人法体制の抜本的改革を求める 2009年8月17日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 1.何が行われ、何が行われなかったのか 2009年は国立大学法人の第一期中期目標期間の最終年度であり、次期中期目標の策定作業が本格化する年でもある。この6年間に何が行われ、何が行われなかったのか、その結果を誰がどのように評価し、国立大学の姿をどのように変えようとしているのか、これらを分析し、国立大学法人法体制とは何であったのかを総括するのにまことにふさわしい。 この6年間、国立大学の大学としての姿を崩すような事態がつぎつぎと起きた。大学の研究・教育等の基盤を支える年間の運営費交付金はこの間に720億円減額された。これは中規模の国立大学が年に1大学ずつ削減されたことに相当する金額である。これらを原資として国策に対応した競争的資金がつぎつぎとつくられた。その結果、国策として奨励されている分野・研究室には過剰な予算が集中し、そうでない基礎研究や文科系の分野は日常的な経費すらまかなえない状況になっている。従来からあった大学間、学問分野間の格差は法人化以降ますます拡大した。 法人化で自律性が高まるという当初の掛け声とは裏腹に国立大学法人は政府の強い統制下に置かれ続けた。総人件費を5年間で5%削減することが閣議決定されると(2006年の行革推進法により法制化)、各法人の中期目標はただちにこの数値目標に従うように書き換えられた。この間、教員の総労働時間は著しく増加したにもかかわらず、研究・教育に割くことのできる時間は全く増えていない。若手研究者には外部資金等による期限付雇用以外の就職口がほとんどなくなり、その育成に重大な支障をきたしつつある。正規職員の削減と契約職員や派遣職員の増大は、過労死寸前の長時間・過密労働と職務経験をまったく蓄積・継承できない職場環境を同時に生み出している。 国立大学法人法の建前からすれば、国立大学は、自らの努力で労働や研究・教育環境を改善しうるはずであった。しかし、実際には、一般の教職員は法人の意思決定過程から締め出され、ボトムアップによる経営改善は以前にも増して困難になった。あろうことか、複数の大学で、学内の意向投票を無視した学長の人選が(一部は犯罪の疑いを伴って)強行された。乏しくなる一方の運営費交付金と人件費が学長裁量経費や全学運用のポストに集められ、華々しいプロジェクトが次々と打上げられた。 2.誰がどのように総括し、どのように変えようとしているのか 評価結果(しかも中期目標期間の前半4年間の暫定評価)が確定しないうちから、文部科学省は国立大学法人の組織・業務全般の「見直し」に着手した(国立大学法人評価委員会(第25回)2009年1月28日)。その結果、大学院博士課程、法科大学院、教員養成系学部、附置研究所、融合・学際的な学部・研究科等を具体的なリストラの対象とする「見直し内容」(文部科学大臣決定「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」2009年6月5日)がまとめられ、これを次期中期目標の下敷きとするよう各法人に指示が下された。この「見直し内容」に照らして不十分だと指摘された場合には、文部科学大臣は、大学が策定した中期目標の原案を変更できるとされ(国立大学法人評価委員会(第29回)2009年6月24日)、さらに、中期目標の策定プロセスは、総務省によっても監視され、場合によっては勧告権を発動してでも修正されることになっている(政策評価・独立行政法人評価委員会、2009年5月21日)。 このように、第2期中期目標の策定を前に、国立大学法人法第30条の前提とされている法人による中期目標の原案策定権は、跡形もなく消し去られた。運営費交付金の削減、学長選考過程の乗っ取りなど、これまでにも制定過程における政府答弁や国会附帯決議を無視した法の運用は数々行われてきたが、今回のものはそれとは次元の異なる、法人法そのものの無視である。 これら“完全なる脱法行為”は、2009年に入り、評価委員会のこれまた違法な組織運営(詳細は2009年5月23日付首都圏ネット声明を参照)を伴って、怒濤のようにすすめられた。背景には、財務省が描いている国立大学の再編プラン(財政制度等審議会、2009年5月15日)、さらには経済界が「究極の構造改革」と位置づける道州制移行をにらんだ大学大再編の構想がある。 3.法人法体制の継続か、抜本的改革か―国立大学政策を総選挙の争点に いま、新自由主義的改革(小泉改革)の綻びが拡がり、それを進めてきた自民党・公明党連合政権(自公政権)は崩壊の危機に立たされている。これに対して、“政権交代”ムードに乗ろうとする民主党の政策は、矛盾に満ちているとはいえ、自公政権への厳しい国民的批判を反映し、一定の範囲で現状打開の積極的な政策を提示している。一方、虚構の2大政党論による“政権交代”ではなく、これまでの新自由主義的改革からの根本的脱却と新たな社会のあり方をめざして、具体的な政策を模索・提示している政党・会派・社会的グループが着実に成長しつつあることにも注目しなければならない。また、これらに対抗して自公政権の中にも、従来の政策を転換し、国民の声に応えようとする動きが生まれている一方、新自由主義的改革をいっそう純化・徹底する方向で事態を打開しようとする勢力が根強く存在することも無視してはならない。 このように、今、日本社会には、これまでの新自由主義的改革によって社会全体に拡がった矛盾と危機をどのように克服し、そして新たにどのような社会を目指すのかという課題が突きつけられている。8月30日に行われる総選挙は、そうした課題への重要な回答の場とならねばならない。国立大学法人法体制は新自由主義的改革の中軸の一つをなしている。前述のように国立大学法人法体制下の大学の危機は極めて深刻であるにも関わらず、必ずしも社会全体の共通認識になっていない。それは、国立大学側が法人法成立過程において批判や懸念を表明したものの、成立後は個別要求の繰り返しに留まっており、法人法体制の構造的問題を広く社会に訴えてこなかったことによると言わざるをえないのではないか。8月30日の総選挙が国立大学法人法による第1期中期目標期間は最終年度を迎えているなかで行われることに留意するならば、それは法人法体制の抜本的改革へ向けての第一歩となることが重要であろう。そのためにも、総選挙に参加する諸政党、諸会派に対して、当面の緊急措置として次の事項を検討し、適切な形で政策に盛り込むことを期待するものでku栫「襦 1.国立大学法人法成立時に行われた衆参両院における附帯決議の重要な条項が事実上無視されている現状に鑑み、国立大学法人法関連条項の改廃等によって附帯決議条項遵守に法的拘束力を与える措置を講じる。 2.運営費交付金における現行「総額決定・効率化係数による逓減方式」を廃止し、国立大学法人法準備過程で国立大学協会側が検討した「積算形式による概算要求方式」に変更する。 3.国立大学教職員人件費を国家予算における必要経費として計上する。 4.国立大学法人を行政改革推進法の適用外とする。 8月30日の総選挙後の新国会に対しては、上記の緊急措置を行った上で、さらに国立大学法人会計制度、評価制度にもメスをいれ、法人法体制抜本的改革に向けての慎重かつ厳密な議論とその具体化を求めるものである。 以上 "[he-forum 14522] 声明の文字化け(再再送) 各位 先ほど送った再送メールでもまだ改善されていませんでした.大変お騒がせいたしました. なお,本事務局のHPにも声明文を掲示してありますので,ご活用ください. http://www.shutoken-net.jp/2009/08/090818_1jimukyoku.html 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ≪声明≫新自由主義的改革の中軸たる国立大学法人法体制の抜本的改革を求める 2009年8月17日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 1.何が行われ、何が行われなかったのか 2009年は国立大学法人の第一期中期目標期間の最終年度であり、次期中期目標の策定作業が本格化する年でもある。この6年間に何が行われ、何が行われなかったのか、その結果を誰がどのように評価し、国立大学の姿をどのように変えようとしているのか、これらを分析し、国立大学法人法体制とは何であったのかを総括するのにまことにふさわしい。 この6年間、国立大学の大学としての姿を崩すような事態がつぎつぎと起きた。大学の研究・教育等の基盤を支える年間の運営費交付金はこの間に720億円減額された。これは中規模の国立大学が年に1大学ずつ削減されたことに相当する金額である。これらを原資として国策に対応した競争的資金がつぎつぎとつくられた。その結果、国策として奨励されている分野・研究室には過剰な予算が集中し、そうでない基礎研究や文科系の分野は日常的な経費すらまかなえない状況になっている。従来からあった大学間、学問分野間の格差は法人化以降ますます拡大した。 法人化で自律性が高まるという当初の掛け声とは裏腹に国立大学法人は政府の強い統制下に置かれ続けた。総人件費を5年間で5%削減することが閣議決定されると(2006年の行革推進法により法制化)、各法人の中期目標はただちにこの数値目標に従うように書き換えられた。この間、教員の総労働時間は著しく増加したにもかかわらず、研究・教育に割くことのできる時間は全く増えていない。若手研究者には外部資金等による期限付雇用以外の就職口がほとんどなくなり、その育成に重大な支障をきたしつつある。正規職員の削減と契約職員や派遣職員の増大は、過労死寸前の長時間・過密労働と職務経験をまったく蓄積・継承できない職場環境を同時に生み出している。 国立大学法人法の建前からすれば、国立大学は、自らの努力で労働や研究・教育環境を改善しうるはずであった。しかし、実際には、一般の教職員は法人の意思決定過程から締め出され、ボトムアップによる経営改善は以前にも増して困難になった。あろうことか、複数の大学で、学内の意向投票を無視した学長の人選が(一部は犯罪の疑いを伴って)強行された。乏しくなる一方の運営費交付金と人件費が学長裁量経費や全学運用のポストに集められ、華々しいプロジェクトが次々と打上げられた。 2.誰がどのように総括し、どのように変えようとしているのか 評価結果(しかも中期目標期間の前半4年間の暫定評価)が確定しないうちから、文部科学省は国立大学法人の組織・業務全般の「見直し」に着手した(国立大学法人評価委員会(第25回)2009年1月28日)。その結果、大学院博士課程、法科大学院、教員養成系学部、附置研究所、融合・学際的な学部・研究科等を具体的なリストラの対象とする「見直し内容」(文部科学大臣決定「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」2009年6月5日)がまとめられ、これを次期中期目標の下敷きとするよう各法人に指示が下された。この「見直し内容」に照らして不十分だと指摘された場合には、文部科学大臣は、大学が策定した中期目標の原案を変更できるとされ(国立大学法人評価委員会(第29回)2009年6月24日)、さらに、中期目標の策定プロセスは、総務省によっても監視され、場合によっては勧告権を発動してでも修正されることになっている(政策評価・独立行政法人評価委員会、2009年5月21日)。 このように、第2期中期目標の策定を前に、国立大学法人法第30条の前提とされている法人による中期目標の原案策定権は、跡形もなく消し去られた。運営費交付金の削減、学長選考過程の乗っ取りなど、これまでにも制定過程における政府答弁や国会附帯決議を無視した法の運用は数々行われてきたが、今回のものはそれとは次元の異なる、法人法そのものの無視である。 これら“完全なる脱法行為”は、2009年に入り、評価委員会のこれまた違法な組織運営(詳細は2009年5月23日付首都圏ネット声明を参照)を伴って、怒濤のようにすすめられた。背景には、財務省が描いている国立大学の再編プラン(財政制度等審議会、2009年5月15日)、さらには経済界が「究極の構造改革」と位置づける道州制移行をにらんだ大学大再編の構想がある。 3.法人法体制の継続か、抜本的改革か―国立大学政策を総選挙の争点に いま、新自由主義的改革(小泉改革)の綻びが拡がり、それを進めてきた自民党・公明党連合政権(自公政権)は崩壊の危機に立たされている。これに対して、“政権交代”ムードに乗ろうとする民主党の政策は、矛盾に満ちているとはいえ、自公政権への厳しい国民的批判を反映し、一定の範囲で現状打開の積極的な政策を提示している。一方、虚構の2大政党論による“政権交代”ではなく、これまでの新自由主義的改革からの根本的脱却と新たな社会のあり方をめざして、具体的な政策を模索・提示している政党・会派・社会的グループが着実に成長しつつあることにも注目しなければならない。また、これらに対抗して自公政権の中にも、従来の政策を転換し、国民の声に応えようとする動きが生まれている一方、新自由主義的改革をいっそう純化・徹底する方向で事態を打開しようとする勢力が根強く存在することも無視してはならない。 このように、今、日本社会には、これまでの新自由主義的改革によって社会全体に拡がった矛盾と危機をどのように克服し、そして新たにどのような社会を目指すのかという課題が突きつけられている。8月30日に行われる総選挙は、そうした課題への重要な回答の場とならねばならない。国立大学法人法体制は新自由主義的改革の中軸の一つをなしている。前述のように国立大学法人法体制下の大学の危機は極めて深刻であるにも関わらず、必ずしも社会全体の共通認識になっていない。それは、国立大学側が法人法成立過程において批判や懸念を表明したものの、成立後は個別要求の繰り返しに留まっており、法人法体制の構造的問題を広く社会に訴えてこなかったことによると言わざるをえないのではないか。8月30日の総選挙が国立大学法人法による第1期中期目標期間は最終年度を迎えているなかで行われることに留意するならば、それは法人法体制の抜本的改革へ向けての第一歩となることが重要であろう。そのためにも、総選挙に参加する諸政党、諸会派に対して、当面の緊急措置として次の事項を検討し、適切な形で政策に盛り込むことを期待するものでku栫「襦 1.国立大学法人法成立時に行われた衆参両院における附帯決議の重要な条項が事実上無視されている現状に鑑み、国立大学法人法関連条項の改廃等によって附帯決議条項遵守に法的拘束力を与える措置を講じる。 2.運営費交付金における現行「総額決定・効率化係数による逓減方式」を廃止し、国立大学法人法準備過程で国立大学協会側が検討した「積算形式による概算要求方式」に変更する。 3.国立大学教職員人件費を国家予算における必要経費として計上する。 4.国立大学法人を行政改革推進法の適用外とする。 8月30日の総選挙後の新国会に対しては、上記の緊急措置を行った上で、さらに国立大学法人会計制度、評価制度にもメスをいれ、法人法体制抜本的改革に向けての慎重かつ厳密な議論とその具体化を求めるものである。 以上 "[he-forum 14523] 声明の文字化け(第4) 各位 文字化けの原因は1行の文章の長さが原因でした.再三のメールで申し訳ありませんでした. 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 ++++++++++++++++++++++++++ ≪声明≫新自由主義的改革の中軸たる国立大学法人法体制の抜本的改革を求める 2009年8月17日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 1.何が行われ、何が行われなかったのか 2009年は国立大学法人の第一期中期目標期間の最終年度であり、次期中期目標の策定作業が本格化する年でもある。この6年間に何が行われ、何が行われなかったのか、その結果を誰がどのように評価し、国立大学の姿をどのように変えようとしているのか、これらを分析し、国立大学法人法体制とは何であったのかを総括するのにまことにふさわしい。 この6年間、国立大学の大学としての姿を崩すような事態がつぎつぎと起きた。大学の研究・教育等の基盤を支える年間の運営費交付金はこの間に720億円減額された。これは中規模の国立大学が年に1大学ずつ削減されたことに相当する金額である。これらを原資として国策に対応した競争的資金がつぎつぎとつくられた。その結果、国策として奨励されている分野・研究室には過剰な予算が集中し、そうでない基礎研究や文科系の分野は日常的な経費すらまかなえない状況になっている。従来からあった大学間、学問分野間の格差は法人化以降ますます拡大した。 法人化で自律性が高まるという当初の掛け声とは裏腹に国立大学法人は政府の強い統制下に置かれ続けた。総人件費を5年間で5%削減することが閣議決定されると(2006年の行革推進法により法制化)、各法人の中期目標はただちにこの数値目標に従うように書き換えられた。この間、教員の総労働時間は著しく増加したにもかかわらず、研究・教育に割くことのできる時間は全く増えていない。若手研究者には外部資金等による期限付雇用以外の就職口がほとんどなくなり、その育成に重大な支障をきたしつつある。正規職員の削減と契約職員や派遣職員の増大は、過労死寸前の長時間・過密労働と職務経験をまったく蓄積・継承できない職場環境を同時に生み出している。 国立大学法人法の建前からすれば、国立大学は、自らの努力で労働や研究・教育環境を改善しうるはずであった。しかし、実際には、一般の教職員は法人の意思決定過程から締め出され、ボトムアップによる経営改善は以前にも増して困難になった。あろうことか、複数の大学で、学内の意向投票を無視した学長の人選が(一部は犯罪の疑いを伴って)強行された。乏しくなる一方の運営費交付金と人件費が学長裁量経費や全学運用のポストに集められ、華々しいプロジェクトが次々と打上げられた。 2.誰がどのように総括し、どのように変えようとしているのか 評価結果(しかも中期目標期間の前半4年間の暫定評価)が確定しないうちから、文部科学省は国立大学法人の組織・業務全般の「見直し」に着手した(国立大学法人評価委員会(第25回)2009年1月28日)。その結果、大学院博士課程、法科大学院、教員養成系学部、附置研究所、融合・学際的な学部・研究科等を具体的なリストラの対象とする「見直し内容」(文部科学大臣決定「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」2009年6月5日)がまとめられ、これを次期中期目標の下敷きとするよう各法人に指示が下された。この「見直し内容」に照らして不十分だと指摘された場合には、文部科学大臣は、大学が策定した中期目標の原案を変更できるとされ(国立大学法人評価委員会(第29回)2009年6月24日)、さらに、中期目標の策定プロセスは、総務省によっても監視され、場合によっては勧告権を発動してでも修正されることになっている(政策評価・独立行政法人評価委員会、2009年5月21日)。 このように、第2期中期目標の策定を前に、国立大学法人法第30条の前提とされている法人による中期目標の原案策定権は、跡形もなく消し去られた。運営費交付金の削減、学長選考過程の乗っ取りなど、これまでにも制定過程における政府答弁や国会附帯決議を無視した法の運用は数々行われてきたが、今回のものはそれとは次元の異なる、法人法そのものの無視である。 これら“完全なる脱法行為”は、2009年に入り、評価委員会のこれまた違法な組織運営(詳細は2009年5月23日付首都圏ネット声明を参照)を伴って、怒濤のようにすすめられた。背景には、財務省が描いている国立大学の再編プラン(財政制度等審議会、2009年5月15日)、さらには経済界が「究極の構造改革」と位置づける道州制移行をにらんだ大学大再編の構想がある。 3.法人法体制の継続か、抜本的改革か―国立大学政策を総選挙の争点に いま、新自由主義的改革(小泉改革)の綻びが拡がり、それを進めてきた自民党・公明党連合政権(自公政権)は崩壊の危機に立たされている。これに対して、“政権交代”ムードに乗ろうとする民主党の政策は、矛盾に満ちているとはいえ、自公政権への厳しい国民的批判を反映し、一定の範囲で現状打開の積極的な政策を提示している。一方、虚構の2大政党論による“政権交代”ではなく、これまでの新自由主義的改革からの根本的脱却と新たな社会のあり方をめざして、具体的な政策を模索・提示している政党・会派・社会的グループが着実に成長しつつあることにも注目しなければならない。また、これらに対抗して自公政権の中にも、従来の政策を転換し、国民の声に応えようとする動きが生まれている一方、新自由主義的改革をいっそう純化・徹底する方向で事態を打開しようとする勢力が根強く存在することも無視してはならない。 このように、今、日本社会には、これまでの新自由主義的改革によって社会全体に拡がった矛盾と危機をどのように克服し、そして新たにどのような社会を目指すのかという課題が突きつけられている。8月30日に行われる総選挙は、そうした課題への重要な回答の場とならねばならない。国立大学法人法体制は新自由主義的改革の中軸の一つをなしている。前述のように国立大学法人法体制下の大学の危機は極めて深刻であるにも関わらず、必ずしも社会全体の共通認識になっていない。それは、国立大学側が法人法成立過程において批判や懸念を表明したものの、成立後は個別要求の繰り返しに留まっており、法人法体制の構造的問題を広く社会に訴えてこなかったことによると言わざるをえないのではないか。 8月30日の総選挙が国立大学法人法による第1期中期目標期間は最終年度を迎えているなかで行われることに留意するならば、それは法人法体制の抜本的改革へ向けての第一歩となることが重要であろう。そのためにも、総選挙に参加する諸政党、諸会派に対して、当面の緊急措置として次の事項を検討し、適切な形で政策に盛り込むことを期待するものである。 1.国立大学法人法成立時に行われた衆参両院における附帯決議の重要な条項が事実上無視されている現状に鑑み、国立大学法人法関連条項の改廃等によって附帯決議条項遵守に法的拘束力を与える措置を講じる。 2.運営費交付金における現行「総額決定・効率化係数による逓減方式」を廃止し、国立大学法人法準備過程で国立大学協会側が検討した「積算形式による概算要求方式」に変更する。 3.国立大学教職員人件費を国家予算における必要経費として計上する。 4.国立大学法人を行政改革推進法の適用外とする。 8月30日の総選挙後の新国会に対しては、上記の緊急措置を行った上で、さらに国立大学法人会計制度、評価制度にもメスをいれ、法人法体制抜本的改革に向けての慎重かつ厳密な議論とその具体化を求めるものである。 以上 "[he-forum 14524] 朝日新聞8/17夕刊 朝日新聞2008年8月17日付夕刊 松川事件の資料室、存続危機 福島大、人件費めど立たず  福島県の東北線で列車が脱線転覆し、乗務員3人が死亡した「松川事件」から、17日でちょうど60年。福島大学の一室に、死刑を含む有罪判決を受けた20人全員が、その後無罪となった歴史的冤罪事件の資料を収集、展示した「松川資料室」がある。いま、歴史を証言する、この研究拠点の存続が危ぶまれている。  事故が起きたのは、福島大から、わずか2キロの場所。大学は事件の風化を防ごうと、1988年10月に校舎の一室を資料室とした。裁判資料や元被告らの手紙、当時の新聞や雑誌記事など約10万点を収集。07年4月には、福島県松川運動記念会と同大が資料の整理や公開に関する協定を結び、充実させてきた。その協定期間が来年3月で切れる。  資料室の管理をするのは、同大の伊部正之名誉教授(67)=労働経済学。ほかにスタッフはいない。伊部名誉教授は長年、事件の資料を集め、07年3月の退職後も研究員として大学に残った。しかし、来年3月で任期は満了する。記念会は「資料に精通した人がいなければ、ただの物置になってしまう」と、来年度以降も研究員を配置するよう大学側に求めている。  しかし、国立大学法人に対する文部科学省の運営費交付金が減らされるなどし、同大の人件費予算も減少。資料室を管轄している同大地域創造支援センターの伊藤宏之センター長(64)は「正規の教員の補充もままならないなか、来年度も研究員の人件費を大学が出すのは、たやすいことではない」という。  同大では今、松川事件を主要な研究テーマとする研究者はいない。資料室の今後について、今野順夫(としお)学長(65)は「物理的に資料を管理することはできるが、事件についてどのように説明をしていくか検討段階だ。大切な資料なので、どう活用し、どう引き継いでいくか。難しい課題だ」と話している。(北川慧一) "[he-forum 14525] 日刊工業新聞8/18 日刊工業新聞2009年8月18日付 東大の共同研究費、昨年度37%増の63億円  東京大学は2008年度の共同研究費の総額が前年度比37%増の63億円なったことを明らかにした。件数は1214件で同20%増だが、法人化後の産学連携活動が産業界に浸透し、1件当たりの研究費の大型化が進んでいる。とくに共同研究前に産学で議論をする東大独自の「プロプリウス21」が好評で、1件平均1100万円超を稼ぐようになっている。  東京大学の08年度の企業や公益法人などとの共同研究は、全件数の13%が1000万円以上の規模で、これらが研究費総額の66%を稼いでいる。最高額は4億円超、1億円以上はほかに3件ある。全体での1件当たりは約520万円で、前年度の約450万円と比べて増え、法人化前などには100万―200万円規模が多かった状況とは様変わりになっている。 "[he-forum 14526] 8/20産經新聞 2009.8.20 00:56 産經新聞 国家公務員の一時的な給与引き下げも 民主・岡田氏  民主党の岡田克也幹事長は19日夜のテレビ朝日番組で、衆院選マニ フェスト(政権公約)に盛り込んだ国家公務員の総人件費2割削減に関 し、人員削減に先行して時限的な給与引き下げを実施する方針を表明し た。  岡田氏は「一定の期間を区切って思い切って(給与を)下げる」と述 べた。併せて新規採用の抑制や、地方への業務移管に伴う地方公務員へ の転籍で人員削減を進める考えを示した。  これに関連し、民主党幹部は「採用抑制と団塊世代の大量退職で数年 後に人員が減れば、給与もある程度は引き上げる」と述べた。また給与 引き下げに際し、国家公務員に争議権など労働基本権を認める考えも示 した。 "[he-forum 14527] 8/21日経 2009年8月21日 日本経済新聞 政府、人事院勧告を完全実施へ 公務員給与減額  政府は20日、一般職国家公務員の月給と期末・勤勉手当(ボー ナス)を引き下げるとした2009年度人事院勧告(人勧)を完全実 施する方針を固めた。減額幅は4年ぶり引き下げの月給が 0.22%、6年ぶり引き下げのボーナスが年間で0.35カ月分。ボー ナスの減額は過去最大だ。年間給与ベースで見ると、平均で15万 4000円(2.4%)減となる。  25日にも給与関係閣僚会議を開き決定する。通常8月に出され る人勧の完全実施が同月中に短期間で決まるのは異例。(09:32) "[he-forum 14528] 日刊工業新聞8/20 日刊工業新聞2009年8月20日付 NEDOと山梨大など、燃料電池の低コスト化へ材料研究センター本稼働  新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と山梨大学、山梨県は19日、燃料電池の国際共同研究拠点「山梨大学燃料電池ナノ材料研究センター」を本格稼働させると発表した。燃料電池普及の課題である低コスト化や耐久性向上の研究を加速するのが狙い。国内外の研究者を集めた体制を敷き、固体高分子形燃料電池(PEFC)に用いる電極触媒や電解質膜などの新材料の開発を進める。  同センターは山梨大甲府キャンパスに隣接した場所に設置、25日に開所する。事業予定額は建物と設備を含めて約27億円。センター長にはNEDOプロジェクトリーダーの渡辺政廣山梨大教授が就く。研究者数は海外の研究者9人を含む30人。反応を原子レベルの分解能で観察できる電子顕微鏡など、世界最先端の研究設備、実験環境を用意し、研究成果の創出につなげる。 "[he-forum 14529] 京都新聞8/20 京都新聞2009年8月20日付 低炭素革命 研究拠点に 京都工維大 温暖化防止推進へ  京都工芸繊維大(京都市左京区)は20日までに、地球温暖化を防ぐ低炭素社会実現のための教育研究プロジェクトを全学的に推進することを決めた。石油由来のプラスチックなどを代替する植物由来のバイオマテリアルを研究開発する日本初の大学院新専攻を来春開設するなど、「低炭素化革命」の拠点を目指す。  ■来春 大学院に新専攻  工繊大は2001年に国際環境規格「ISO14001」の認証を取得するなど教育研究で環境を重視してきた。このほど、文部科学省「教育研究高度化のための支援体制整備事業」の採択を受け、教育研究体制を刷新する。  木村良晴教授らを中心に世界最先端の成果を出しているバイオマテリアルの研究を加速するため、大学院に日本初の「バイオベースマテリアル学専攻」を来春新設する方針を決め、文科省に設置認可を申請した。植物由来による高い安全性や環境負荷の少ない生分解性などの特色を生かし、産学協同で実用化を進める。  さらに、砂漠の緑化に役立つ植物の開発や昆虫を研究素材とする生命科学研究の推進など、さまざまな分野から低炭素社会の実現に向けた教育研究に取り組んでいく。知的財産や国内外の研究事情に詳しい実務者を支援総括部門に招くとともに、若手研究者や研究支援スタッフを大学に迎え、環境分野で21世紀の日本を担う産業を育てる。  竹永睦生理事・副学長は「石油はいつかは枯渇し、植物で作るしか道がなくなる。高性能の素材を開発し世界をリードしていきたい」と話している。 "[he-forum 14530] 西日本新聞8/21 西日本新聞2009年8月21日付 九大と宇宙機構 協定 若田さん 「本物に触れる好機」  国立大学法人・九州大学(有川節夫学長)と宇宙航空研究開発機構(宇宙機構、立川敬二理事長)は20日、研究や教育、人材育成面での連携協力協定を結んだ。これまでは研究者レベルだった協力関係を強化し、日本の宇宙開発のために力を合わせるという。この日、福岡市東区の九大で調印式があった。  宇宙機構は2年前から全国の大学と同様の協定を締結しており、九大で8校目。九州の大学では初めて。宇宙理学、宇宙工学、航空技術の3分野で共同研究や連携講座などを行う。将来は宇宙医学や文化芸術など他分野への拡大も目指す。  この連携により、九大は宇宙機構の大型設備を利用できるほか、学生の教育効果などを期待。宇宙機構は大学側の研究支援や宇宙利用の促進につながるとしている。  具体的には、宇宙機構の人工衛星と九大の地上観測網を利用した磁気嵐の研究や、九大が先進的に取り組む宇宙ゴミ(デブリ)の共同研究などが検討されている。  九大は宇宙飛行士の若田光一さん(46)の母校で、若田さんは今回の協定に「九大の学生が、大学の勉強とはひと味違った本物に触れるチャンスになると思う」とのコメントを寄せた。 "[he-forum 14531] 毎日新聞社説8/24 毎日新聞社説2009年8月24日付 視点 衆院選 科学技術立国 研究の土台作り忘れず=論説委員・青野由利  研究者にとっては異例ずくめの大型研究費だろう。配分先選びが進められている「最先端研究開発支援プログラム」だ。  経済危機対策の一環として、政府が補正予算に組み込んだ。「総理が配分先を最終決定する」がうたい文句で、自民党のマニフェストにも科学技術創造立国の実現方策として盛り込まれた。今月中にも配分先を決める予定という。  問題意識は悪くない。「予算が単年度決算で使いにくい」「雑用が多く研究に専念できない」という研究者の悩みに応えようとした点だ。  しかし、プログラムの設計には首をかしげる部分がある。まず、驚くのはその金額だ。2700億円を約30人の中心研究者(30課題)に配る。研究期間は今年度から3年以上5年以内。1件あたりの研究費は30億~150億円に上る。  文部科学省が拠出するもっとも基本的な研究費である「科学研究費補助金(科研費)」の今年度の予算総額は1970億円で、これを5万件以上に分配する。性質の異なる研究費とはいえ、今回の研究費がいかに高額かがわかる。  しかも、1カ月で交付先を決定する「スピード審査」だ。「3~5年間で世界をリードする」という目的に沿えば、短期間では成果の出ない独創的な研究ははじかれてしまう。実績のある研究者だけが選ばれるとすれば、本来進めるべき若手研究者育成にはつながりにくい。  これだけの研究費を少数の人に投じる一方で、研究を幅広く支える国立大学の運営費交付金、私立大学の助成金が毎年削減されていることも気にかかる。これでは、研究費格差が開き、基礎研究が立ち行かなくなる恐れが強い。  ここ数年の科学技術政策は、「選択と集中」のかけ声の下に、トップダウンで成果の見える研究に研究費が重点配分されてきた。支援プログラムもその一環で、自民党にこの路線を変更する様子はない。  一方、民主党は国立大学法人などの改善、研究者奨励金制度の創設などを掲げる。国の科学技術政策を決定している総合科学技術会議の改組も提案している。しかし、どのように日本の科学者や技術者を育てていくのか、具体像は見えない。  日本の科学技術は今、欧米先進国のみならず、中国やインドなど新興国との競争にもさらされている。そこで大事なのは、近視眼的な成果主義に陥らないことだ。長い目で研究の土台を築いていくことの大切さに政治は目を向けてほしい。 "[he-forum 14532] 南日本新聞8/24 南日本新聞2009年8月24日付 「戦略的大学連携」初の合宿授業 鹿屋で100人受講  鹿児島県内の大学、短大など12校でつくる「戦略的大学連携支援事業推進会議」は22~24日、初めての合同合宿授業を鹿屋市の国立大隅青少年自然の家で開いている。大学生など約100人が参加。23日は自治体や企業の専門家による講義があった。  同会議は文部科学省の補助を受け、共通の教育プログラム開発などに取り組んでいる。合宿授業はその一環で、学生は「持続可能な地域再生」など4テーマに分かれて受講し、単位を取得できる。  同日は専門家ら計11人が講演。鹿屋市串良町の柳谷集落の豊重哲郎公民館長(68)は、自主財源確保のための集落営農や、空き家を利用した芸術家移住などの活動を紹介した。  第一工業大学1年の本山涼太さん(19)は「いろいろな学生の意見や専門家の講義を聞けて勉強になる」と話した。25~27日は11班に分かれ、柳谷集落など現地を訪問する。 "[he-forum 14533] 朝日新聞8/23、24 朝日新聞2009年8月23、24日付 教育費、家計負担軽くなる? 〈総選挙〉政策・公約チェック(上)  総選挙の投開票まで、あと1週間。政権交代がかかった今回の選挙では、教育政策をめぐって各党が数多くのマニフェスト・公約を掲げて競い合っている。何が語られているか。実現可能性は。2回にわたり「総ざらえ」で点検する。初回は、家庭の教育費負担の軽減策をみた。(上野創、青池学)     ◇ ■進学支援  文部科学省の学校基本調査の速報値によると、4年制大学への進学率はこの春、50.2%と初めて5割を超えた。その分、家庭の教育費負担も増える。日本政策金融公庫の調査によると、高校入学から大学卒業までにかかる費用は1人あたり平均1023万円に上る。ここをどう手当てしていくかは、各党が公約で重きを置く点の一つだ。  自民は、返済しなくていい「給付型」の奨学金制度を高校生、大学生について設けることを目玉に掲げる。「今でも家計が苦しいのに、さらに借金が増えたら返済の負担に耐えられない」。そう考えて奨学金を利用せず進学をあきらめる学生は少なくない。ならば「給付型」で支援しようという考えだ。  この「給付型」は自民・公明の連立与党重点政策に盛り込まれている。自民はさらに低所得者の授業料無償化を訴え、公明は▽中・高校生の教育関係費の一部の税額控除▽所得に応じた高校授業料の減免▽経済的に困難な小中高校生の支援基金の設立――などもうたう。  低所得層を重点的に支援するこうした与党側の政策に対し、「高校無償化」で全体を支援するというのが民主案だ。政権をとれば10年度から実施するとしている。  具体的には、公立高校生の家庭に、年間授業料に相当する12万円程度の就学支援金を出して実質的に無償化。私立の家庭にも同じく年間12万円程度を出し、低所得者には倍の24万円程度を支給する。大学生向けには希望者全員が受けられる奨学金制度を創設するとしている。  高校無償化は、民主、社民、国民新の3党が合意した「共通政策」にも盛り込まれた。共闘関係にある新党日本も高校無償化を掲げる。  社民は無償化の対象に入学金を含めたうえで、3分の1に下げられた義務教育費の国庫負担率を2分の1に戻すことを盛り込む。国民新は、進学などで実家を離れた子どもをもつ家庭向けの「仕送り減税」も唱える。  共産は、公立無償化に加え、私立の入学金、授業料について年収500万円未満は全額助成、800万円未満は半額助成とする「授業料直接助成制度」を提示。給付型奨学金の創設と、国の奨学金の無利子化も掲げている。  みんなの党も高校、専門学校、大学について、給付型などによる奨学金制度拡充をうたっている。 ■子育て  各党の公約には、子育て支援策も多く盛り込まれている。  自民が前面に打ち出したのは幼児教育の無償化。3~5歳児の幼稚園・保育所の費用負担を段階的に軽くし、12年度から完全に無料にするとしている。公明は自民同様の無償化と共に、児童手当の支給対象を現在の小学生から中学生まで引き上げ、額を倍増させることを盛り込んだ。  幼児教育無償化は民主も政策集で触れてはいるが、眼目は「子ども手当」。月額2万6千円を中学卒業まで支給する考えで、まず来年度、半額支給から始めるとする。  他の野党も、社民は18歳まで月額1万円(第3子以降は2万円)、みんなの党は中学卒業まで月2万~3万円支給するとしている。共産は幼稚園と保育所の費用軽減を掲げつつ、公的保育(市町村立の認可保育所)を増やして待機児童をゼロにするという。  教育に対する日本の公費支出は他の先進国より格段に低く、その分を家庭が負わされている――。こんな指摘は言われて久しい。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本の国内総生産(GDP)比の教育予算は先進国の最低レベル。05年のデータは3.4%と、資料がある28カ国で最低だ。  今回の総選挙では、ほとんどの政党がこれをOECDの平均レベル(5%)に引き上げるとうたっている。自民、公明、共産は数値を入れずに「OECD諸国並み」とし、民主や社民は「5%」と明記している。 ■実現の道筋  様々に並ぶ教育費の負担軽減策と予算拡充案。しかし、本当に実現できるのだろうか。  例えば、教育予算のGDP比をOECD加盟国の平均レベルにもっていくには7兆円以上が必要とされる。自民と公明が掲げる幼児教育無償化は、文科省の試算では7900億円が必要だ。民主は子ども手当に5兆3千億円、高校無償化と奨学金の拡充に9千億円かかるとしている。  自民は11年度までに消費税引き上げを含めた税制改正を行って財源に充てるとするが、「OECD並み」実現には単純計算で3%近く消費税率を上げなければならない。そもそも、こうした税制改正は「景気回復」を前提にした話だ。  民主は、天下り法人への補助金や非効率な政策など無駄を削減し、政策の優先順位を厳格にしていく中で実現するとしている。しかし、教育関係の公約を実現するにはそれ以外の施策を相当削り込まなければ困難だ。いずれにしても、実現までの具体的な手順は有権者には見えていない。  本当に最優先で実現すべき政策なのか、疑問が投げかけられている公約もある。  例えば、高校の授業料については、現在でも低所得者向けの減免制度がある。経済的に困難な生徒は、むしろ授業料以外でかかる学用品、制服、修学旅行の積み立てといった費用の負担が厳しく、その支援策こそ先決だという指摘も強い。 漫画家・倉田真由美さん―公立校の教育、底上げが必要  いま小3の息子がいて、年末に第2子を出産予定です。やはり関心があるのは教育や子育ての政策です。各党が教育や子育てをメーンのテーマのように取り上げていますが、私たち一般の人間にはありがたいですね。  ただ、例えば幼児教育の無償化は自民党がうたい、民主党も言及しているけど、認可外の保育所はどうなるんだろう。高額の認可外保育所もありますが、そこも無償になるのかどうかは書いていない。公約は具体的じゃないと判断材料にならないですね。  親として注文があります。学校で、インターネットの危険性をきちんと教えてほしい。例えば児童ポルノは、表面化していない事件がいっぱいあると思う。親が危険性をわかっていないこともあるだろうから、学校で教えるべきです。  近々、息子を連れて福岡から東京に転居します。中学校のことを考えると、東京では公立と私立のレベルの差が大きくて、公立に通わせていいのか心配になります。ほぼ全員が公立中に行く福岡では考えもしなかった問題です。  だれもが行ける公立校でこそ、高い水準の授業が受けられるようにするべきです。子どもが受ける教育の水準が、子ども自身の学力ではなく、親の経済力によって左右されるのはおかしい。公立校の教育の底上げが必要ではないでしょうか。  4年前に争点となった「郵政民営化」なんて、専門家じゃないから今も全然わからない。それでも当時はその是非だけを基準に投票してしまったけど、いま考えれば大事なことは他にいくらでもあった。前回の選挙を反省材料にしたいですね。 小林雅之・東大教授―全体で支える意識を  日本の教育予算が少なく、家計の負担が重い問題について、ようやく政治家が関心を持つようになった。ただ、自民などが掲げる給付型奨学金も、民主などが打ち出す高校無償化も、先進国ではすでに整備されている。どちらかではなく、両方が必要だ。  こうした政策が総選挙の時だけ語られ、実現されないままになってしまっては困る。危機的な財政のなか、財源をどうするかは難しい問題だが、予算の組み替えなどで対応していくべきだ。教育費は社会全体で支えていく、という方向に人々の意識を切り替えていく必要もある。そういう視点で考える人が増えないと、教育予算を増やしていくのは難しい。 *********************************** 教育の中身、充実できるか 〈総選挙〉政策・公約チェック(下)  総選挙で教育政策はどう語られているか。それは何を意味しているのか。各党の公約点検企画の後編は、様々な制度にかかわる問題を中心にみた。(青池学、上野創)     ◇ ■少人数教育  教員が忙しい。同じ教室で学ぶ子どもの習熟度に大きな差が出ている――。教育現場のそんな状況を踏まえ、各党がこぞって公約に掲げたのが「少人数学級の推進」。1学級の子どもを少なくすれば、子どもを今よりもていねいに教育できる、という考えからだ。  日本の小学校の1学級あたりの児童数は28.2人。経済協力開発機構(OECD)加盟国では下から2番目の低水準だ。中学校も下から2番目の33.2人で、OECD平均の23.8人とは約10人の開きがある。文部科学省の幹部も「日本は学級規模でいえば後進国」と認める。  これまで政権を担ってきた自民は公約に「4年以内に少人数学級を実現」と記載した。ただ、地域ごとに事情が異なることを考慮し、1学級あたり何人を目指すのかは記していない。公明も目標人数は具体的に記さず、少人数学級や、1学級を複数の教員で指導するチームティーチングの推進を掲げる。  野党では共産が「30人以下学級」、社民が「学級生徒数は20人を目指し、当面は30人以下学級の早期完全達成をはかる」とした。  一方、民主は「教員1人あたり生徒数」という指標を改善し、少人数学級を進めるとしている。日本は小学校19.2人、中学校14.9人だが、これをOECD平均の小学校16.2人、中学校13.3人に減らすことを目指す。  小泉政権下で成立した行政改革推進法や、閣議決定された経済財政運営の基本方針「骨太06」により、文部科学省は教員増の要求を抑えつけられてきた。財政再建路線のもとで教員を含めた公務員全体の定員削減が進められたためだ。  それだけに、教員配置を手厚くし、少人数学級を進めると各党が一斉に訴えている現状について、文科省幹部は「歓迎すべきことだ」と口にする。  ただ、少人数学級を実現するうえでどれだけの経費が必要となるかという数字は、自公も、野党の民主、共産、社民も公約に示していない。  仮に民主が目指すOECD平均並みの教員配置を小中学校で実施した場合、「教員は十数万人増、人件費は8千億円程度かかる」と文科省はみている。 ■国立大学運営費  大学を運営する基盤的な経費として国から各国立大学に交付される「運営費交付金」は政府の財政再建路線のもとで削減が続いており、小泉政権が閣議決定した経済財政運営の基本方針「骨太06」で対前年度比1%削減を07年度から11年度まで続けることが決まっている。  04年度に総額1兆2415億円だった交付金は、09年度は1兆1695億円。5年で720億円が削られた。国立大からは削減方針の撤廃を求める声が繰り返し上がっている。  自民は公約で運営費交付金を「充実」させると表現しているが、同党の幹部の一人は「増やすのは財政的に困難。従来の削減方針を変えるということではない」。  これに対し、民主は「自公政権の削減方針を見直す」と訴え、共産は「削減された720億円を直ちに復活させる」、社民は削減方針を「転換」するとしている。  そもそも、大学などの高等教育機関に対する日本の公財政支出は、対国内総生産(GDP)比0.5%で、OECD加盟国では最下位だ。  しかも、支出の変化をみると、00年の額を100とした場合、05年はイギリス148、アメリカ132、韓国136、OECD平均は127でいずれも100を超えているのに対し、日本は93。加盟国で100を切ったのは日本だけだ。  政権交代すれば、大学への予算配分が手厚くなるかもしれない――。文科省にはほのかな期待感が漂うが、運営費交付金は1%削減するだけで100億円が浮くことから、省内には「他の政策を実現するため、引き続き削減のターゲットにされる可能性がある」との見方もある。 ■全国学力調査  全国の小6、中3全員を対象とし、文科省が07年度から始めた全国学力調査。予算は年間60億円程度必要だが、「金と労力に見合うほどの分析結果が得られていない」「その分を他に振り向けた方がいい」という声が現場や教育委員会には根強い。  これについて、自民は今後も続けることを公約で明示しているが、共産、社民は、全員を対象にする現在の方式をやめ、サンプルを取り出す抽出調査に改める方針を示している。民主も公約には記載していないが、省庁の事業の必要性を洗い直す「事業仕分け」の中で、「抽出で十分」と判断している。  今年度始まった教員免許更新制も、与野党の対立点だ。教員に10年ごとに免許更新講習を受けることを義務づける制度で、自民は継続方針だが、共産は「政府言いなりの『物言わぬ教師』づくりを進めるのがねらいだ」、社民は「教員の負担を増すだけ」としてそれぞれ中止を訴えている。民主も、「事業仕分け」の結果、「効果が不透明。教員の負担が増し教育現場が疲弊する」として「廃止」と判断している。 ■「基本法」  自民は公約で、安倍政権当時に成立させた改正教育基本法の理念を「かたちにする」としている。  教育基本法は戦前の軍国主義教育への反省から「個」の尊重をうたったが、安倍政権は06年12月の改正で「我が国と郷土を愛する態度を養う」といった「公」重視の項目を盛り込んだ。今回、その理念のもとで、道徳教育や伝統文化教育の強化などを掲げる。  「教育基本法」は、実は民主も改定をねらっている。マニフェストの母体となる公約集の文部科学政策のトップには、党独自の「日本国教育基本法案」の概要を掲載。「党の教育政策の集大成」と位置づけ、国会に提出する姿勢を示している。  この法案は、基本法改正が論議されていた当時、対案として国会に提出したものだ。公約集では触れられていないが、前文には「我々が目指す教育」として「日本を愛する心を涵養(かんよう)すること」と書かれている。  民主の保守系議員には「愛国心をめぐる表現は自民党より踏み込んでいる」と自賛する声があるが、旧社会党出身議員や日教組系議員を抱える党内では、「愛国心」に関する考えは一様ではない。今後、党内対立の火種になる可能性がある。  この基本法案には、地方の教育行政を教育委員会から首長に移すことも盛り込まれている。「合議制による教育委員会は責任が不明確で、いじめや不登校といった問題に対処できない」「選挙で直接有権者から選ばれる首長の責任で改善を進める方がよい」という考えからだ。  だが、教育委員会制度もまた、戦前の教育への反省から、教育の政治的中立を保つために創設された経緯がある。  基本法案には、政治的中立が保たれているかどうかをチェックする「教育監査委員会」の設置もセットで盛り込まれているが、民主の支持団体の日教組も含めて論議を呼ぶのは必至だ。党内にも「政権交代したとしても、提出までに数年は議論の時間が必要だろう」との声がある。 経済評論家・勝間和代さん―「機会の平等」推進に予算を  教育の家庭の負担の多さがやっと問題視されていますが、「遅い」と思います。  格差社会がなぜ悪いか。さまざまな実証研究が示していることは、格差が広がるほど社会全体の幸福度が下がるという点。「勝ち組」と言われる人々も、社会不安、リスク増大、転落のプレッシャーなどで幸福度は下がります。  教育に予算をかけ、「機会の平等」を進めるのは社会全体に必要なことでしょう。  ただ、教育は学問だけではない。教科の知識以前に、問題解決能力や他人の意見を聞いて自分の意見を組み立て、伝える力などを育てないと社会に出て行けない。企業は採用後に再教育するコストをかけなくなっているんです。  数学は論理的思考につながり、歴史は過去を知って未来を思い描くために学ぶ。目的を考えずに、計算と年号を覚えさせるだけの授業を続けても仕方がない。私同様、仕事を持ちながら子育てをしているお母さんたちから「どこの学校なら創造力や社会で役立つ力を育ててもらえる?」とよくきかれます。親の私立志向が高まるのは、授業を時代に合うように工夫してくれるからです。  私立は先生の質のばらつきが少ないのも大きい。10年に1回の研修などではなく、公立の教師の質を上げる効果的な方法を本気で考えてほしいです。同時に、待遇改善や教員の増員、昇進などでモチベーションを上げる。予算はそっちにも使わないといけない。  大学改革は各党の注目度が低いけれど重要です。ばりばりにアカデミックなのは上位校だけにし、それ以外は、社会のニーズを基にどんな人材を輩出するかデザインを明確にし、職業訓練に力点を置くべきです。入試を改善すれば、高校教育、義務教育も変わります。  教育投資は将来的に6%のリターンがあるといわれますが、育った人材が社会に出て付加価値を生むことが前提です。国が予算をかけても、フォローアップをきちんとしなければ意味がない。そういう当たり前のことを政治家にもお願いしたい。 耳塚寛明・お茶の水女子大副学長―実効性ある改革へ、じっくり議論を  教育政策が重視すべき両輪は平等と質だが、日本の教育は今、その両面で岐路に立つ。総選挙後に政権を担う党が取り組むべき課題は何か。  一つ目は、対GDP比で先進国中最低水準にある教育への公財政支出をどう増やすか、だ。  06年に安倍政権が成立させた改正教育基本法は、政府に教育振興基本計画を定めることを義務づけた。その後、基本計画をつくる段階では、公財政支出引き上げの数値目標を盛り込むかどうかで文科省と財務省で攻防があり、結局削られた。  数値目標がなければ、実際には予算はきちんと確保できない。この点で、改正教育基本法は、教育政策上の意義をすでに失ったといえる。今後の政権には、平等と質を確保する基盤である公財政支出をどう拡大させるかに取り組むことが求められている。  二つ目は格差是正。所得階層を問わず教育費を支援するか、低所得層に絞るかという問題はあるが、まず後者への支援を急ぐべきだ。  第三は、大学教育の質の確保だ。日本の場合、少子化や入試の多様化で、入試を通じて学生の質を維持・向上させる仕組みが崩れた。グローバル化が進む中、日本での学歴が国際的に通用しなくなる恐れがある。それをどう防ぐかも大事な課題だ。  ここ数年の教育政策の形成過程をみると、政権が有識者会議を立ち上げ、時間をかけずに結論を出し、実行するという流れができている。  そこでは実証性に欠ける「思いつき改革」ばかりが提案され、現場が混乱した印象を受ける。総選挙後に政権を担う政党には、データに基づき、長期的な見通しをもって教育政策を企画実行することが求められている。 "[he-forum 14534] 読売新聞富山8/25 読売新聞富山版2009年8月25日付 富山大大学院設置申請取り下げ 文科省審議会が課題指摘  富山大学が2010年度を目指していた文系大学院設置について、文科省への申請を取り下げていたことが24日、わかった。同省諮問機関の大学設置・学校法人審議会で、設置計画について、課題が挙げられたためで、同省によると、国立大が設置申請を取り下げるのは、全国で法人化が始まった2004年度以降初めて。  設置申請が出ていたのは、人文、経済、人間発達科学、芸術文化の各分野を学ぶ「大学院人間総合科学教育部」。同大は5月に申請したが、7月の審議会を経て、8月上旬に取り下げを文科省に伝えた。  同大によると、大学院では、人文系の幅広い分野を横断的に研究することを目指している。審議会からは、教員の数や研究内容との整合性、設置の趣旨について、議論が不足している点などが指摘されたという。今後、課題を改善した上で、来年度に再申請する予定。  同大は05年に富山医薬大、高岡短大と統合、法人化後、最初の09年度卒業生が進学できるよう新たな大学院設置を進めてきた。先送りになったことで、卒業生は、現行の大学院に進学することになる。  佐藤幸男・同大副学長は、「今後、時間をかけて計画を練り、より良い大学院を作りたい」としている。 "[he-forum 14535] 読売新聞8/25 読売新聞2009年8月25日付 福田学長が再任…福井大  福井大は24日、学長選考会議を開き、福田優学長(66)の再任を決めた。任期は2010年4月1日から3年。  福田学長は1973年に京都府立医科大大学院医学研究科博士課程を修了。福井大副学長を経て2007年4月から現職。同大学の学長任期に関する規則では、同会議で認められれば1回に限り再任できる。 "[he-forum 14536] 日刊工業新聞8/25 日刊工業新聞2009年8月25日付 東工大、“一挙両得”で人件費圧縮-研究専念の非常勤に転換  東京工業大学は研究面で優れた業績を挙げているエース級の教授が研究に専念し、併せて大学の人件費負担を減らす新人事制度を始めた。教授の雇用形態を、削減が進む国の運営費交付金による常勤教員ではなく、外部資金による非常勤教員に転換するが、収入など不利益が生じないよう工夫をした。この結果、著名な教授ら6人が立候補し、“人員整理”とは異なる魅力的な手法として認識され始めた。  国立大の通常の教員(常勤教員)は教育・研究のほか、入試監督など各種委員会や学内管理も義務となっている。人件費の原資は運営費交付金に限られるが、その交付金は削減が続いている。  一方、非常勤教員は研究に専念することが可能だが、雇用条件は常勤教員に比べて大きく劣る。人件費原資には外部資金が活用できる。東工大は産学共同研究や国の研究資金など外部資金が潤沢で、この形の雇用を増やしたいと考えた。 "[he-forum 14537] 共同通信8/27 共同通信2009年8月27日6時27分 医学部長会議は民主「評価」 公約比較、自民「残念」  国立大学医学部長会議(委員長・安田和則北海道大医学部長、42大学)は自民、民主両党の衆院選マニフェスト(政権公約)の医療・教育分野を比較し、評価結果をまとめた。自民党には「医療崩壊を止める施策が見えないのは残念」と厳しい見方を示し、民主党には「具体的施策が盛り込まれ大いに評価できる」とした。  評価結果によると、自民党については、医師確保の目標数を明記していないことから「マニフェストとはいえない」と指摘。「評価できる」としたのは大学病院の医療体制整備ぐらいだった。  民主党については、2006年に閣議決定され、医療費抑制につながった社会保障費2200億円削減の撤回などを打ち出した点を評価し「国民が納得する医療が実現できる可能性を感じさせる」とした。大学病院が抱える借入金への対応が記載されていないことは不十分とした。  医学部長会議は医師不足の現状を踏まえ、医学部定員増と教育の質向上に必要な教員確保や予算増を例年、政府に要請。しかし政府側の対応は不十分とし、要望内容を基準に今回、主要2政党のマニフェスト評価に踏み切った。安田委員長は「教育や医師の質の確保について明確な記述はまだ不足している」としている。 "[he-forum 14538] 京都新聞8/26 京都新聞2009年8月26日付 京教大学長、31日付で辞任 学生の集団準女性暴行で  京都教育大は25日、学生6人が集団準女性暴行容疑で逮捕され不起訴処分になった事態を受け、寺田光世学長が31日付で辞任すると発表した。新学長は10月1日に就任する予定で、9月中は武蔵野實理事・副学長が学長代理を務める。  寺田学長は、事件の責任を取って辞任することを表明していたが、文部科学省に再発防止策などをまとめた報告書を提出し、「学生不祥事の再発防止に向けた大学の取り組みに道筋をつけることができた」として今月末での辞任を決めた。  大学は学長選考会議で新学長の選考を進めており、9月中に新学長を決める。 "[he-forum 14539] 読売新聞山口8/27 読売新聞山口版2009年8月27日付 産学連携広く知って 山大、横浜の財団とフォーラム  山口大と横浜企業経営支援財団(横浜市)による「長州ファイブと横浜開港150周年記念フォーラム」が26日、宇部市内のホテルで開かれ、大学や行政関係者ら約400人が参加した。  同大は、県内企業の新事業創出や産学官連携に力を入れており、首都圏の企業などとの足がかりを得ようと昨年10月に同財団と産学連携協定を締結。連携を広く知ってもらう狙いでフォーラムを企画した。  同大の丸本卓哉学長が「財団との連携を深めて活動の幅を広げたい」、同財団の清水利光理事長は「定期的なテレビ会議などにも取り組みたい」とそれぞれあいさつ。開港して間もない横浜から伊藤博文ら長州の5人が英国に渡って学んだことにちなんで、2人が当時を思わせるシルクハットをかぶってステージで握手すると、大きな拍手が起きた。  宇部、横浜両市の企業関係者らによるパネルディスカッションのほか、5人を主人公にした映画「長州ファイブ」の五十嵐匠監督らの講演があった。 "[he-forum 14540] 産経ニュース8/26 産経ニュース2009年8月26日14時08分 大阪府立大の買収 大工大運営の常翔学園が名乗り  大阪府の橋下徹知事が存廃も含めた改革を検討している大阪府立大(堺市中区)について、大阪工業大(大阪市旭区)を運営する学校法人「常翔学園」が買収に名乗りを上げていることが26日、分かった。府の関係者によると、大阪府へは今春ごろに打診があったという。文科省によると「私大が公立大の買収を打診した話は聞いたことがない」という。府立大の買収をめぐり具体的な名前が挙がったのは初めて。  複数の関係者によると、今春ごろ学園側から大阪府の担当者に「運営を引き受けたい」という申し出があった。7月に府庁で開かれた橋下知事と府内の私大関係者との意見交換にも同学園の関係者が出席。「理工系が強く、産学連携にも積極的」などと、私学側からみた府立大の魅力を強調する意見も多く上がったという。  橋下知事は府立大の運営をめぐり、年間100億円以上の巨費を投じていることに関連し、「なぜ府が運営費を支出しているのか議論しないといけない」と述べ、存廃も含めて抜本的に検討する意向を表明。今秋をめどに何らかの方向性を示すとしている。  橋下知事によると、これまでに複数の私立大が運営に興味を示しているという。取材に対し常翔学園側は「答えられない」と回答している。  公立大を所管する文科省大学振興課によると、今年4月に私立大から公立大となった高知工科大(高知県香美市)のようなケースは過去にもあるが、私立大が公立大の運営を引き継ぐケースは「聞いたことがない」という。  しかし、公立大を運営する公立大学法人を設立した自治体の議会で法人の解散が議決され、運営を引き継ぐ大学側との間で交渉がまとまれば、「運営主体が移ることについては関係法令上、問題はない」という。  文科省は「府立大は歴史ある総合大学なので、統廃合も含めた今後の議論の行方を注視している」としている。  常翔学園は、大阪工業大、摂南大、広島国際大などを運営。府立大は、平成17年に旧府立大と大阪女子大、府立看護大が統合された。学生数は約7800人で、府は21年度、教員の人件費や教材費など大学運営費の補助に充てられる交付金として約108億円を支出している。 "[he-forum 14541] 中国新聞8/27 中国新聞2009年8月27日付 山陰の大学教育の向上目指す  島根大と島根県立大が連携し、大学教育の質の保証と向上を目指す「山陰地区FD連絡協議会」の設立総会が26日、松江市であった。大学教育の情報交換や人材交流などを進めていく。  島根大の山本広基学長、県立大の本田雄一学長たちが出席。山本学長は「県内だけでなく鳥取の大学とも連携し、山陰の大学教育を向上させたい」。本田学長は「協議会を通じて、教員だけでなく、職員や学生の交流を密接にしていきたい」と述べた。  高等教育の質の保証と向上を意味するFDの課題として、教員相互の授業評価が浸透していない▽教育の業績評価が進んでいない▽非常勤講師への支援ができていない―などが挙がり、効果的な活動の必要性を確認した。今後は、FDの情報共有や研修プログラムの開発などに取り組む。 "[he-forum 14542] 中日新聞福井8/27 中日新聞福井版2009年8月27日付 駅西に原子力研究拠点 敦賀市、工学や放射線医療  敦賀市は26日開かれた市議会全員協議会で、JR敦賀駅西地区に建設する原子力研究拠点施設の概要を明らかにした。高性能燃料の開発や高速増殖炉の実用化研究など原子力工学を中心に幅広い研究を行う。本年度に実施設計を行い、来年度に着工、2011年度の完成を目指す。  4月に福井市に開所した福井大付属国際原子力工学研究所を移転する形で建設し、名称も同じにする。原子力の研究関連施設としては、若狭湾エネルギー研究センターに次いで市内で2カ所目。  建物は鉄筋コンクリート5階建てで、一部平屋。敷地面積約2100平方メートル、延べ床面積約6700平方メートル。土地区画整理に伴い、JR西日本が所有する同市鉄輪町1丁目の駐車場を市が買い取って建設。事業費は市のエネルギー拠点化計画推進基金を充て、20億円以内としたい考え。  平屋建て部分には市民向けの講義室や展示ホール、5階建て部分には実験室や研究室、教員室を設ける方向。原子力工学などを研究する各地の大学研究者や大学院生、原子力関連産業の技術者らが利用し、原子力災害時の防災対策や放射線医療などの研究も行う。県内では福井工大の参加も決定している。  施設の詳細は実施設計で詰め、市は9月定例会に同設計費5100万円を提案する。  全員協議会では、河瀬一治市長などが説明し、河瀬市長は「地域に開かれた研究所を目指し、将来に向け大きく育てていきたい」と意気込みを述べた。議員からは財源、施設の安全面などについて質問が出された。  (安福晋一郎) "[he-forum 14543] 読売新聞山形8/28 読売新聞山形版2009年8月28日付 山大医学部、定員5人増 来年度入学医師不足に対応  医師不足に対応するため、山形大医学部は、医学科の2010年度入学定員を現行より5人増やし、125人とすることを決めた。既に文部科学省に増員検討報告書を提出した。  文科省は全国の大学医学部で370人程度の増員を計画しており、山形大医学部は県の地域医療再生計画と連携して定員増を申請する予定。同医学部は入学定員を08年度に10人、09年度に10人増やし120人となっている。大学教員の設置基準に照らすと、同医学部の定員が120人を超えた場合、教員数も増やさなければならないため、教員5人程度を学内外や大学病院から招くことを検討している。9月中に関係書類を文科省に提出し、10月下旬に認可申請する。 "[he-forum 14544] 河北新報8/28 河北新報2009年8月28日付 大学講義受け単位“予約” 秋田大、高校生対象に新制度  秋田大は本年度、高校生を対象に「単位取得予約型授業」を始めた。単位を取った高校生が卒業後、同大に進学すれば、入学と同時に単位が認められる制度で、東北の大学では初の試みという。魅力ある授業を通して低迷する秋田県の大学進学率を向上させるとともに、将来の学生を確保するのが目的。前期の1科目が既に終了、後期の2科目は10、11の両月にそれぞれ開講する。  秋田大や県立大、国際教養大など秋田市内にある大学、短大、高専8校が2008年度から3カ年計画で進める文部科学省の連携支援事業の一環。秋田を知り考える秋田戦略学をテーマに、各校の教員が授業を担当する。受け入れ態勢が整った秋田大がまず先行した。  授業は、教養教育科目に組み込まれた大学の選択科目(1単位)。初の授業となった前期の「生命科学への招待」では、工学資源学部の伊藤英晃教授が担当。6月から7月まで金曜日の夜、計8回行われた。受講を希望した1~3年の高校生14人が、大学生約10人と一緒に学び、最終日には試験を受けた。10月に単位認定される見通し。  高大連携授業について、参加した高校生からは「ためになった」「難しい大学の講義内容を丁寧に解説してもらった」などの感想が寄せられ、おおむね好評だったという。  秋田大の事務局では、「勉学意欲を喚起できたと思う」と手応えを感じている。  後期は、「バリアフリー・環境」「地域理解と活性化」の2科目。それぞれ秋田の課題や解決の方策などを探る。ともに計8回の講義が予定され、高校生にとっても興味深い内容となっている。  現状では秋田大だけの実施のため、高校生にとって単位の取得は同大入学に限ってしか保証されない。このため来年度以降、他の大学などでも導入を目指し、受け入れ態勢を整備する。また、秋田市以外の受講生が利用しやすいように、インターネットを使った遠隔授業の計画も進められている。  文科省の学校基本調査によると、今春の短大・大学への進学率は全国平均53.9%。秋田県は43.9%と、低水準にとどまっている。 "[he-forum 14545] 読売新聞千葉8/28 読売新聞千葉版2009年8月28日付 千葉大園芸学部の樹林地 松戸市、管理費を助成  松戸市と千葉大は27日、同市松戸にある園芸学部の敷地の約3分の1に当たる樹林地約5ヘクタールを「特別保全樹林地区」に指定し、管理費の一部として1平方メートルあたり年に30円、計約150万円を市が助成する契約を結んだ。契約期間は9月1日から10年間。市によると、大学の敷地を対象に「保全地区」などとして市が管理費を助成するのは県内では珍しいという。  市は、園芸学部の千葉市移転構想の結論が出る前の5月、移転しないことを前提に大学側に助成を提案。その後、大学側が移転を断念したため、交渉が進んでいた。契約期間中は、大学側が保全地区内での伐採や宅地造成、工作物の新築などを行う場合、原則として市長と事前協議が必要になる。  松戸市は「隣接する公園と一体となって市民に親しまれている貴重な緑地で、後世に残すためにも必要な助成」としている。 "[he-forum 14546] 8/28朝日新聞 朝日新聞 2009年8月28日 博士課程学生に「給与」年180万円 文科省概算要求へ  博士課程の学生がする研究に対して年180万円程度の「給与」を支 払う制度を創設するため、文部科学省は新年度の概算要求に約66億円 を盛り込むことを決めた。職業意識をもって研究に専念してもらう狙い があり、2千人程度の枠を見込んでいる。  大学に博士課程の学生を対象にした「特別研究アシスタント」のポス トを設け、公募や選抜で選ばれた学生と大学が雇用関係を結び、生活を 支えるための実質的な給与を支払う。来年度にポストを設ける大学を募 り、まず5年間にわたり支援する。  博士課程の学生は、学費を払って研究を学ぶ一方、指導教官から共同 研究者として実験などを任されていることが多い。現状では、博士課程 に進み研究を続けたいと思っても、待遇やその後の進路への不安から、 あきらめるケースもあり、新制度は優秀な学生を確保する狙いもある。  博士課程の学生への経済支援では、個人を対象にした特別研究員制度 があり、約4600人が月20万円の「研究奨励金」を受けているが、 生活費を前面に出した支給は初めて。米国では科学や工学の大学院生の 約4割が生活費相当の経済支援を受けている。  ノーベル賞学者ら有識者による基礎科学力強化委員会も「学生への経 済支援の拡充」を提言しており、同省は「日本の基礎科学力向上に必要 な制度だ」と話している。  総選挙で優勢が伝えられる民主党も、党政策集で「科学技術人材の育 成強化」を掲げている。(行方史郎) "[he-forum 14547] 共同通信8/28 共同通信2009年8月28日18時10分 文科省、教育費の負担軽減に重点 10年度概算要求  文部科学省は28日、2010年度予算の概算要求を発表した。一般会計総額は本年度当初予算比で14・5%増の6兆461億円。不況を受け、高校生向けに返済不要の「給付型奨学金」を創設するなど教育費の負担軽減に重点を置いた。  ただ民主党は10年度からの高校の実質無償化を主張。小学6年と中学3年の児童・生徒に実施している全国学力テスト(要求額57億円)なども見直す方針を固めており、政権交代の場合、要求の大幅な変更は必至だ。  給付型奨学金には455億円を計上。年収350万円以下の世帯の生徒約45万人が対象で、入学金や修学旅行費、教科書代などを、都道府県を通じて支給する。  ほかの負担軽減策では、幼稚園の授業料を減額している地方自治体向けの幼稚園就園奨励費補助金に25・2%増の255億円を計上。大学の授業料減免制度も拡充し、奨学金を貸与する学生数は115万人から120万人に増やす。  公立小中学校の教職員定数は、地方公務員削減を定めた行政改革推進法に抵触しない範囲で最大となる5500人増員を要望。公立小中学校などの校舎5千棟の耐震化を含む学校施設整備関連は2775億円を求めた。  科学技術では、一部メーカーの撤退でシステム構成を改めた理化学研究所の次世代スーパーコンピューター開発に450億円を計上した。 "[he-forum 14548] 毎日新聞8/29 毎日新聞2009年8月29日付 新教育の森:免許更新のため、先生が講習受けた  ◇夏休み集中開講…教育最新事情から伝統芸能まで  10年ごとに学校の先生に30時間の講習受講を課す教員免許更新制度が今年度から始まった。「ただでさえ忙しいのに」と先生たちからぼやきも漏れるこの制度。一体何を学んでいるのだろうか。講習が集中した夏休みにのぞいてみた。【井上俊樹】  ◆2日間で12時間  夏休み中の学生たちに代わって、教室では約60人の先生たちが試験を受けていた。7日夕、東京都小金井市の東京学芸大。前日から2日にわたって続いた教員免許更新講習もこれで最後。今後10年間の教員免許が掛かっているだけに、解答用紙にペンを走らせる先生たちの表情は真剣だ。学芸大は今年度の更新講習の募集定員が1万3000人と、全国最大の実施機関。先生たちが受講しやすいように、約8割は8月に開講した。  この2日間、先生たちは「学校を巡る近年の状況の変化」「学習指導要領の改訂の動向」「学校における危機管理上の課題」など、各80分の講義を計9コマ受講した。教員免許更新制度で義務付けられている30時間のうち、「教育の最新事情」を学ぶ「必修」の12時間分だ。講義の細かい内容は各実施機関や講師に委ねられているが、必修講習は基本的にどこで受けても大きな違いはない。  具体的には、何を学んだのか。例えば、「子供の発達に関する最新の知見」という講義では、障害児教育が専門の講師が特別支援教育の現状や発達障害の定義、症状などを解説。「発達障害児の中には感覚が非常に過敏な子供がいる。授業中突然パニックを起こす子供がいたら、もしかしたら汗をかいてチクチクしているのかもしれない。そうした感覚障害があることも理解しておいてください」などと話した。また、「学校を巡る近年の状況の変化」の講義では、講師は国際比較のデータを示しながら、学力低下問題や不登校の現状などを説明した。  ◆自由多彩な選択科目  「必修」に比べ、残り18時間の「選択」科目は文字通り選択肢が多い。文部科学省も「教科指導、生徒指導その他教育の充実に関する事項」としか定めておらず、教育に関係あれば、事実上何を扱っても自由。学芸大も今年度、「現代日本語文法」「コンピューターハードウエアの最新事情」「バスケットボールのシュート指導法」など、182もの講習を用意した。先生たちの普段の授業に関係ある講義が多いが、受講者は必ずしも担当教科にこだわる必要はなく、個人的な興味や趣味の延長で選んでも構わない。  国立劇場(東京都千代田区)を運営する日本芸術文化振興会が7月に開講した4日間の集中講座「伝統芸能にみる日本のこころ」も、先生たちに人気がある講習の一つだ。歌舞伎や文楽、能楽など伝統芸能の基礎や歴史を一通り学べるうえ、実際に歌舞伎鑑賞もできるとあって、首都圏だけでなく、東北地方や関西、四国からも泊まりがけで集まった。  「雪の教育活用を探る」(北海道教育大)、「ロボット技術の現状」(岡山理科大)、「サンゴ礁生物の生態」(琉球大)など、地域性や得意分野を生かした講習を開講する大学もある。  ◆60点以上で修了認定  必修にしても、選択にしても、受講者は講習の最後に修了認定試験を受けなければならない。100点満点で60点以上取れば合格というのはどこで受けても同じだが、試験は記述式や穴埋め式、選択式など実施機関によってまちまちだ。講習によっては実技試験の場合もある。  もっとも、昨年度、全国130の大学・法人で実施した「予備講習」の受講者約4万5000人のうち、不合格者はわずか36人だった。「予備講習」とはいえ、今年度から正式に始まった更新講習と基本的に変わらず、合格者は更新講習を受講したとみなされる。資料を持ち込めるケースも多く、東京学芸大も「講義を聴いてさえいればまず落ちることはない」と話している。  ◇他の研修と重複、受講費は自己負担 参加する意義見いだせず、制度改善は必至  「今まで知らなかった専門的な知識を学べて勉強になった」(横浜市の小学校の33歳男性教諭)、「普段の授業に役立つかどうかはともかく、教養は広がった」(千葉県の中学校の53歳女性教諭)、「現場の教師ならば知っているレベルの話ばかりで意味がなかった」(東京都の小学校の43歳女性教諭)--。受講後、先生たちに感想を聞くと、受け止め方はかなり分かれた。ただし、教員免許更新制度そのものについては、ほぼ例外なく批判的だ。  先生たちが指摘したのが、他の研修制度との整合性で、とりわけ03年度に義務化された10年経験者研修との重複を疑問視している。10年研修は教員免許更新制度の導入を見送る代わりに始まったにもかかわらず、更新制度がスタートしても存続した。校外、校内合わせて年間40日程度に上る10年研修のほかにも、それぞれの学校や自治体で5年目や20年目など独自の研修があり、先生たちは「負担が多すぎる」と主張する。  金銭的負担もある。受講費用は決まっていないが、おおむね3万円程度で、全額自己負担だ。都内の高校の男性講師(34)は「たかが3万円と思うかもしれないが、給料が安く不安定な講師にとっては痛い」と言う。離島や山間へき地の場合は、交通費や宿泊費などの負担も加わる。  校長や副校長、教頭ら管理職が免除される不公平さを指摘する声もあり、千葉県の中学の女性教諭(53)は「線引き理由があいまいだ」と訴える。何よりも、埼玉県の中学の男性教諭(54)が「大会前の部活動を放ってまで来る価値があるのか」と言うように、長時間学校を離れて参加するほどの意義を見いだせないところに最大の不満があるようだ。  こうした課題は実施機関側も認識している。東京学芸大の田中喜美副学長は「我々の立場としては、教員の専門性を高めるための講習内容にしていかねばならない」と断った上で、制度そのものについては「システムとして大きな問題を抱えており、改善していく必要がある」と言い切る。文科省も実施から5年後に内容の見直しを行うことにしている。また、民主党は衆院選マニフェストで、更新制度を含めた教員免許制度全体について「抜本的に見直す」としている。 ==============  ◇教員免許更新講習の例(選択講習)  微分積分とその応用▽地震と火山▽地球温暖化について▽天体望遠鏡実習▽合唱指導法▽日本の古典文学▽日本国憲法▽国際政治の最新事情▽ハリー・ポッターとイギリス文化▽水泳の指導力向上▽金属工芸の基礎技法▽アンケートの調査票を作ってみる▽発達障害の子供たちの理解と支援▽スクールソーシャルワーク▽不登校・引きこもり対策=いずれも東京学芸大 ==============  ■ことば  ◇教員免許更新制  教員の指導力向上を目的に、07年6月の教員免許法改正で導入が決まった制度で、幼稚園から高校までの教員が対象。今年4月以降に教員免許を取得した人は取得から10年間、それ以前に取得している人は35歳、45歳、55歳になる年度末までが教員免許の有効期間となり、期限までの2年以内に計30時間の講習を受講し、試験に合格しないと失効する。  今年度の対象者は11年3月末までに対象年齢となる教員のうち、08年度に行われた予備講習の修了者を除く約7万4000人。講習は主に大学で行われるが、文部科学省が指定する独立行政法人なども開講できる。インターネットによる受講も可能。今年度は510大学で実施するが、大半が定員割れで、228講習が中止になった。 "[he-forum 14549] 日本経済新聞8/29 日本経済新聞2009年8月29日付 教員の免許更新制度、大学の講座「定員割れ」  教員の指導力向上を狙い今年度から始まった「教員免許更新制」。受講が義務付けられた講習が夏休み中の各地の大学キャンパスなどで開かれているが、「定員割れ」が相次いでいる。時間の融通がつきやすい夏休みは受講の好機と見られていたが、実際の授業ですぐ生かせる実践力より専門性重視の内容が多く、現場教師のニーズとミスマッチがあるとの指摘も聞かれる。  文部科学省によると、講習を実施する510大学のうち39大学が講習への申込者がゼロや10人以下だったとして228講習を既に中止。全体の申し込みも定員の6割以下だったという。 "[he-forum 14550] 岩手日報8/29 岩手日報2009年8月29日付 岩手大が県外団体と初協定 産学官連携狙う  岩手大学(藤井克己学長)は28日、横浜市の財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC、清水利光理事長)と産学官連携に関する基本協定を締結した。岩手大が県外の産学官連携推進組織と連携協定を結ぶのは初めて。大学の持つ知的資産を活用し、首都圏の中小企業との共同研究などを推進するとともに、企業間連携に発展させ県内企業への波及効果も狙う。  調印式は同日、横浜市中区の同財団で行われ、岩手大からは藤井学長らが出席した。  協力事項は▽横浜市をコアにした産学官による地域連携の推進▽大学の研究成果と横浜市内企業のマッチング▽財団が保有する産学官-金融連携ネットワークの活用-など。  IDECは市内の中小企業(約10万事業所)などを対象とする公的な支援機関。市内の理工系大学やメガバンクを含む金融機関などのネットワークを活用した産学官連携に取り組んでいる。  連携により、岩手大はIDECが4月に設置した横浜産学連携サテライトでの情報提供や、協議などでの利用のほか、見本市への出展などにより、大学の知的資源の新たな活用先を探る。大学発ベンチャーの販売支援、メガバンクとの連携も期待される。  岩手大の斎藤徳美副学長は「情報を首都圏に発信し、県内企業との連携、資金調達などにより地域に活力を呼び込みたい」としている。  IDECは2007年度から全国の大学と連携を進めており、横浜市以外の大学では岩手大が11校目。北海道、東北では最初となる。 "[he-forum 14551] 河北新報9/2 河北新報2009年9月2日付 東北大の利益45億円 08年度決算トップ3に  文部科学省は1日、法人化した国立大86校と四つの大学共同利用機関の2008年度決算について、利益総額が前年度より132億円減り、計771億円になったと発表した。このうち経費削減など経営努力による利益は382億円。  研究のための外部資金獲得や付属病院収入が増えて経常収益は519億円増加したが、看護師の採用増による人件費増などで経常費用も674億円増えて利益が減った。  大学別の利益は京都大が68億円で2年連続トップ。北海道大の49億円、東北大の45億円、東大の42億円が続いた。赤字の大学はなかった。  43ある付属病院など診療施設の利益総額は前年度より1億円減の386億円だった。 "[he-forum 14552] 共同通信8/31 共同通信2009年8月31日17時6分 大学・企業の共同研究5年で倍増 地元で活用も  大学と企業が連携し先端技術や農産物などを開発する共同研究が、2008年度に1万7638件と、最高になったことが31日までの文部科学省の調査で分かった。最近5年間でほぼ倍増した。地方の大学と地元企業が組むケースも定着し始めており、厳しさを増す地域経済のてこ入れ策としても活用されつつある。  同省によると、大学や短大、高専で行われた共同研究は、03年度は9255件だったが、毎年右肩上がりで増加。08年度は計356校で実施。研究件数の1、2位は東大、京大が占めたが、上位30校には北海道や東北、信州、広島など地方の大学も名を連ねた。  研究相手は企業が85%に当たる1万4974件を占め、次いで公益法人が1800件、自治体は365件だった。分野別では、生命科学やナノテクノロジー(超微細技術)などが多かった。  文科省は、法人化されて特許権の管理体制整備が進み、社会貢献を重視する大学に対して、大学の専門性を活用したいという企業の思惑が合致したと分析。政府の研究資金の提供が増えたことも急増の背景とみている。 "[he-forum 14553] 長崎新聞9/2 長崎新聞2009年9月2日付 NICU集約調整難航 長崎大学病院と市民病院、病床不足など課題  長崎大学病院に長崎市立市民病院の新生児集中治療室(NICU)を集約する構想の調整が難航している。8月31日に長崎市内で両病院の医師や開業医らが協議し、集約しても不足する病床への対応や、産科医の集約といった課題が明らかになった。  長崎市内のNICUは大学病院と市民病院だけにあり、両病院は限られた新生児専門医を有効活用するため、NICUを集約する方向で大筋了承していた。  協議では、大学病院が2012年度までにNICU6床、継続保育室(GCU)18床の計24床を整備する計画を説明。これに対し地元医師会が、現状も両病院合わせてNICUなどが24床しかなく、開業医からの搬送を断るケースがあるとして、大学の計画では病床が不足する可能性を指摘した。  大学病院は13年度以降にNICUとGCUを計30床以上に拡張するまでの措置として、13年度の市民病院建て替え時に一般小児科医で対応できる9床程度を設置するよう要望。市民病院は「それでは集約化の意味がない。(9床は)混合病棟に組み込まれ、周囲に医療スタッフがいない時間ができて危険」と拒否する意向を示した。  市民病院建て替え時にNICUとGCU計24床を整備するよう求める意見もあったが、病院側は医師確保の困難さや採算性の悪さを理由に「難しい」とした。  また大学病院産婦人科は、NICU集約に伴い母体搬送が集中するため産科医の集約も必要になり、「市民病院などに派遣している医師を大学に戻さなければならない」と説明した。 "[he-forum 14554] 共同通信8/31(2) 共同通信2009年8月31日21時17分 法科大学院、制度初の入学定員減 来年度、国立大は399人  文部科学省は31日、国立大の法科大学院23校の入学定員が、2009年度の計1760人から来年度は計399人減の計1361人となったと発表した。専門職大学院全体でも366人減り、03年度の制度創設以来、初の定員減となった。  法科大学院をめぐっては、司法試験合格率が低迷する学校が固定化し、入試の競争倍率が2倍未満の学校も半数を超すなどの課題が指摘されきた。中教審の法科大学院特別委員会が4月、入学定員の削減や入学選考の厳格化を求める報告書をまとめたことを受け、各校が自主的に削減した。  文科省によると、削減数は多い順に東大60人▽京都大40人▽新潟大25人▽信州大22人。北海道大や九州大など5校が20人減、ほかの14校は4~15人減らす。  文科省の調査では、国公私立全74校の今春の総定員5765人に対し入学者は4844人で、充足率は84%。法科大学院協会は、11年度までに計千人程度が削減されるとみている。  一方、国立大の学部入学定員は90人減の9万6182人。文科省が既に決めている医学部の入学定員の増員分は含んでいない。  修士課程は854人増の4万840人、博士課程は139人減の1万3977人となる。 "[he-forum 14555] 国立10大学理学部長会議、国立32大学理学部長会議へ提言案の検討を要請 国立10大学理学部長会議、国立32大学理学部長会議へ提言案の検討を要請 2009年9月2日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 本事務局は、国立大学理学部長会議に関する以下の情報を入手しましたのでお知らせします。 国立10大学理学部長会議は当番校である東北大学理学部の花輪公雄学部長名で、国立32大学理学部長に書簡を送り、来る10月9日開催の国立大学法人32大学理学部長会議において添付のような文書を議論し、提言として公表したいと表明しました(注)。 添付の文書については、本事務局の以下のURLを参照ください。 http://www.shutoken-net.jp/2009/09/090903_teigen.pdf 【注】花輪公雄東北大学理学部長からの書簡には要旨以下のような説明が付けられています。 《提言(案)をまとめるに至った背景》 1.今年の5月28日開催の10大学理学部長会議(当番校は東北大学)は,このような提言をしようと議論し,合意に達し、案文を作成した。 2.この過程で,10大学ではなく,32大学に拡大して提案した方が効果的であるとの意見が出て,これも合意された。 3.これを受け,提言(案)は最終的に10月8日開催の10大学理学長会議で議決し,可能であれば,9日開催の32大学理学長会議で議決したい,と考えている。 《提言(案)に関しての観点》 1.この提言は,第1期中期目標・中期計画から第2期への移行の段階で,疲弊している大学の現状を訴え,政策を変えてもらう声を上げようとしたものであること. 2.とりわけ重要な教育経費の充実,評価方法の改善,人材育成システムの確立の3つに絞った提言にしたこと. 3.提言の文書は短い方が効果的,との判断で,簡潔にA4版,1枚に収めたこと. "[he-forum 14556] 東奥日報9/3 東奥日報2009年9月3日付 弘前大学が5年連続黒字  弘前大学は2日、2008年度財務諸表を公表した。大学の収入に当たる経常収益は減少したものの、人件費などの経費節減により、14億8300万円(前年度比11.41%減)の総利益を上げた。借入金償還などを除いた現金ベースでは5億6300万円の黒字で、国立大学法人化から5年連続で黒字となった。 "[he-forum 14557] 日本経済新聞9/3 日本経済新聞2009年9月3日付 いでよ農業経営のプロ 佐賀大大学院に養成コース  佐賀大学は2日、農業経営のプロを育成する農業技術経営管理学(農業版MOT)コースを10月から大学院に開設すると発表した。知的財産法や管理会計など農業経営の基本を習得させ、国が進める集落営農組織の法人化を担う人材を育てる。大学院での農業版MOTコース設置は全国初。  佐賀大は2010年4月に大学院農学研究科を改組するのに先立ち、大学院に同コースを設ける。定員は約40人で、IT(情報技術)を活用した生産効率化など最先端技術についても学ぶ。15単位取得すれば佐賀大が発行する農業技術経営管理士の資格を取れる。  全国に集落営農組織は1万3436あるが、企業経営の手法を取り入れて法人化している組織は約1割どまり。国は法人化拡大を目指しているが、人材不足で進んでいない。佐賀大は同コースで法人化の担い手や農業ベンチャーの経営者らを育成、人材不足解消を目指す。 "[he-forum 14558] 毎日新聞島根9/3 毎日新聞島根版2009年9月3日付 松江市:定住で奨学金返還免除 対象は大学、高校など  松江市は2日、定住対策の一環として、奨学生が学校卒業後に市に一定期間居住した場合、奨学金の返還を免除する貸付制度「ふるさと奨学金」を創設すると発表した。景気悪化の影響で、修学が困難な若者が増加傾向にあることを考慮した。9月議会に提出する補正予算案に盛り込む。  対象は大学、短大、高専、高校、専修学校に在学中で、松江市に保護者が住み、本人も定住する意思がある人。無利子で大学・専修学校は月額1万5000円、高専・高校は1万円。返還免除は、貸与期間の2倍以上の期間、市内に居住することが条件。  今年度は11月に10人程度を募集する予定。現行の松江市奨学金との併給も可能という。松江市奨学金では、新たに専修学校(月額3万2000円)が貸付対象に加わる。【御園生枝里】 "[he-forum 14559] 毎日新聞愛媛9/3 毎日新聞愛媛版2009年9月3日付 愛媛大:植物工場など新設 補助金で年度内にも着工  愛媛大は2日、経済産業省の09年度「先進的植物工場施設整備費補助金」への申請がこのほど採択され、6億5000万円の補助金で農学部などに植物工場2棟などを新設すると発表した。  愛媛大の進める植物工場研究は太陽熱利用型のハイテク温室で、トマトなどが対象。これまでに松山市樽味3の農学部内の温室(500平方メートル)を使い、植物の生育状態を各種センサーで調べて、温室内の温度や二酸化炭素濃度などの環境を最適に自動制御する「知的な」植物工場の研究を進めてきた。今回の採択で、同学部に1200平方メートルの温室と研究研修棟(2~3階建て)、西条市に500平方メートルの温室を新設すると共に、近く「知的植物工場基盤技術研究センター」を設けて、植物工場の普及や必要な人材育成に向け研究を加速する。年度内にも施設着工を目指す。  また同大学医学部が医師・医学研究者不足の解消を目指す「地域・大学一体型先導的研究者育成システム」も文部科学省の「組織的な大学院教育改革推進プログラム」(09~11年度1億2200万円)に採択された。所属講座の枠に縛られない疾患領域別の「感染・炎症・免疫学」「ゲノム医科学」など計10コースに大学院生を所属させ、基礎と臨床が融合した教育研究を進めることなどが特色。【古谷秀綱】 "[he-forum 14560] 中国新聞9/3 中国新聞2009年9月3日付 広島大、龍谷大と包括協定  広島大は2日、龍谷大(京都市伏見区)と、現象数理学分野の共同研究などを柱とする包括協定を結んだ。同分野で両校と協定締結済みの明治大(東京都千代田区)を含む3大学は、学生の単位互換などにも取り組む。  現象数理学は、生命科学や地球環境、経済学などあらゆる現象を数値解析し、収集したデータを数式に当てはめて将来予測などに生かす学問。難病の治療法解明も期待されている。3大学は同分野の研究や教育で国際的にも評価を受けている。  東広島市の広島大キャンパスで締結式があり、明治大の納谷広美学長の立ち会いで協定書にサインした。  広島大の浅原利正学長は「強力なトライアングルを形成し、世界最高水準の教育を提供する」と述べ、期待を込めた。協定では来年度から本格的に単位互換などを始め、出張講義も計画している。 "[he-forum 14561] 徳島新聞9/4 徳島新聞2009年9月4日付 徳島大と上勝町が調印 地域再生の人材育成事業で協定  徳島大学と上勝町は3日、農山村の地域資源を生かしたビジネスを創出しようと、人材育成事業に共同で取り組むための連携協定を結んだ。インターネットを使った葉っぱビジネスで成功している同町の「いろどり」の例を参考に、徳島大が取り組んでいるICT(情報通信技術)を活用して地域再生を図る。  徳島市内の徳島大学本部で協定書の調印式が行われ、関係者10人が出席。青野敏博学長が「疲弊した地方の再生に役立てる事業にしたい」と述べ、笠松和市町長は「大学の協力で農山村の資源を生かす人材が育ち、地元に定着してくれることを期待する」と話した。  今後、両者が徳島大学地域創生センター内に設けた研究室で「いろどり」のマーケティングや販路開拓方法をテキストにまとめるほか、上勝町福原の空き住宅を利用した「徳島大学上勝学舎」で人材育成講座を開く。 "[he-forum 14562] 毎日新聞徳島9/3 毎日新聞徳島版2009年9月3日付 徳島大病院:西病棟が完成、今月下旬稼働 先進的な救急医療施設  ◇第1種・第2種感染症病床備える  徳島市蔵本町の徳島大学病院(香川征院長)が07年1月から建設していた西病棟が8月完成、今月下旬から稼働する。救急治療施設として先進的で、10階に高い清浄度を誇る細胞治療センター(28床)を整備。1階にペストなどより危険な第1種感染症病床(2床)、6階にインフルエンザなどの第2種感染症病床(6床)があり、両方を備えるのは全国の国立大病院で初という。【井上卓也】  西病棟は地上11階、地下1階の鉄骨コンクリート造りで、延べ床面積1万9100平方メートル。病床数381床で、隣接の東病棟(315床)と合わせて全体で696床となる。同病院の再開発計画第3期として、東病棟(98年)、中央診療棟(03年)に続いて建設され、総工費は約70億円。  武蔵野美大との共同事業として、1階にモニュメントを設置したホスピタルギャラリーを整備するなど、便利さ・快適さを重視。小児医療センターが入る3階には、子どもたちが自由に遊んで楽しめるようプレールームが置かれた。11階には展望レストランがある。  14日には記念式典が予定されており、20、21日に入院患者が移動した後、物品の運搬などを経て今月下旬から、利用が開始される。 "[he-forum 14563] 共同通信9/4 共同通信2009年9月4日19時27分 先端研究30件を支援へ 民主は凍結も示唆  政府の総合科学技術会議(議長・麻生太郎首相)は4日、世界をリードし得る最先端研究を支援するため、本年度補正予算2700億円でつくる「先端研究助成基金」の支給対象30件を決めた。山中伸弥京都大教授による新型万能細胞「iPS細胞」の再生医療応用研究などが選ばれた。  麻生首相が同会議で「最後は私が決める」と繰り返していた、肝いりの事業。民主党もこの制度には基本的に協調姿勢を取ってきたが、岡田克也幹事長は同日、「新政権がスタートすれば精査の対象。凍結もありえる」と話した。  決定した助成先はほかに、画期的ながんの放射線治療装置開発(白土博樹北海道大教授)、世界最高性能の有機ELデバイス開発(安達千波矢九州大教授)など。ノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんの次世代質量分析システム開発も選ばれた。  制度上、3~5年にわたり、それぞれ30億~150億円を給付できる。  支給対象は7月に公募を開始し、565件の応募があった。有識者でつくるワーキングチームが書面審査やヒアリングを行い、8月末に約60件の候補を選定。4日の総合科学技術会議直前に開かれた最先端研究開発支援会議で30件に絞り込んだ。 "[he-forum 14564] 読売新聞9/5 読売新聞2009年9月5日付 金融が大学との提携加速、新技術や特許企業に仲介 関西で独自ファンド相次ぐ  関西の金融機関が地元大学との連携を強めている。大学の持つ優れた新技術や特許などを中小企業に紹介し、新規事業の立ち上げなどにつなげるのが狙いだ。大学側も、少子化による競争激化で経営が厳しく、技術が実用化されれば研究資金獲得などが期待できるため、双方の思惑が合致した格好だ。 (杉目真吾) ■差別化に懸命  中小企業の多い関西では、不景気で企業の資金需要が細る一方、「優良企業を囲い込もうと、大手も含め、低利での融資競争が激しい」(地銀幹部)のが現状だ。国の制度を利用した低利融資も広がっており、金融機関は、従来の顧客をつなぎ留め、新たな融資先を開拓するために、投資ファンドの設立など他行との差別化に知恵を絞っている。  池田銀行は8月、神戸大との間で、取引先企業との共同研究や技術マッチングを推進する産学連携協定を結び、関連ベンチャー(新興企業)に投資や融資を行う専用のファンド(総額1億円)を創設した。「地域経済を活性化させれば、自行の収益にもつながる」(同行)との考えだ。  京都銀行もグループ会社と2008年、同志社大発ベンチャー向けファンド(総額2億円)を設立、投資を始めている。 ■出会いの場演出  大学と企業との出会いの場を提供する取り組みも活発だ。大阪市信用金庫は11月、大阪市立大と共同でセミナーを開き、新規事業立ち上げを支援する。京都信用金庫が04年から開いている交流フォーラムには、すでに1000社を超える企業が参加。大学も、理工系だけでなく、文化、芸術系に広がり、「日用品や繊維関係などでも連携の成果が出始めている」という。  一方で、摂津水都信用金庫(大阪府茨木市)は昨年7月、大阪大などが保有する知的財産を、中小企業で実用化につなげるイベントを開いたが、具体的な成果に結びつかなかった。「企業のニーズと大学の持つ技術の間に想定以上の距離があった」(同金庫)ためで、今年度の開催は見送られた。  マッチングを成功させるには、「仲介役となる専門知識を持った人材の育成が必要」(私立大)だ。  りそな銀行は7月から、立命館大に営業畑の行員1人を出向させ、産学連携に携わる専門家づくりに乗り出した。企業と大学双方のニーズ収集など、実践的なノウハウの取得に取り組ませ、今後の他大学との連携ビジネスにもいかす考えだ。 "[he-forum 14565] 9/5しんぶん赤旗 2009年9月5日(土)「しんぶん赤旗」 国立大 法人制度改革を 全大教の教研集会始まる  全国大学高専教職員組合(全大教、中嶋哲彦委員長)の第21回教職 員研究集会が4日、静岡大学(静岡市)で開かれ、全国から約250人 の教職員が参加しました。  集会では、興直孝静岡大学学長が来賓あいさつしました。天野郁夫東 京大学名誉教授が「国立大学法人の行方」と題して記念講 演。国立大学の法人化は小泉「構造改革」の一環だったが、 第1期中期目標・計画の終わりにある今、法人化が高等教育に何をもた らしたのかを総括する必要性を強調、「国が高等教育の戦略計画を もつべきだ」とし、政権をになう民主党の高等教育政策が不透明ななか で、大学全体が声をあげるべきだとのべました。  基調報告で、長山泰秀副委員長は、法人化後の5年間で、国の運営費 交付金が720億円(23校分)も削減され、病院をもつ大学や地方大 学、単科大学など、多くの国立大学が存続の限界だと批判。法人法改正 も視野にいれ、法人制度の改革が必要と語りました。  豊田長康三重大学前学長が「地方大学及び付属病院の経営等をめぐる 状況について」と題して特別講演しました。  集会は、6日までの日程で13の分科会で討論されます。 "[he-forum 14566] 山陰中央新報9/7 山陰中央新報2009年9月7日付 松江で4大学連携の医療人養成研修会  島根大と鳥取大、神戸大、兵庫医科大の4大学病院が6日、昨年秋から進める事業「山陰と阪神を結ぶ医療人養成プログラム」の研修会を松江市内のホテルで開いた。事業を活用した研修医からは、他大学病院への派遣を通じて「見聞を広められた」と提携を評価する意見が出された。  事業は、卒業後2年間の初期研修を終えた各大学病院の後期臨床研修医が対象。各大学病院が得意分野を生かしたメニューを持ち寄り、研修医が大学の枠を超えて行き来することで、より高度で幅広い研修ができる。  この日の研修会は関係者約80人が出席。文科省担当者の講演の後、研修医や教官ら7人がパネルディスカッションした。  研修医の立場からは、鳥取大病院の山■(崎の大が立)亜矢子皮膚科医科医員が、島根大病院での研修を振り返り紹介。食物アレルギーなど島根大の得意分野を吸収できたとし「自分の診療を客観視する、いい機会になった。人脈もできた」と評価した。  教官たちからも「研修の幅が広がり、研修医の意欲が高まった」との声が相次いだ。  一方、ただでさえ人手不足にある病院現場からの派遣は容易ではない中で、島根大病院の森田栄伸皮膚科教授は、鳥取大病院皮膚科との間で、互いに一対一の交換で研修医を派遣した工夫を紹介した。 "[he-forum 14567] 産経新聞9/7 産経新聞2009年9月7日付 大学・企業共同研究 5年で倍増1万7638件  大学と企業が連携し先端技術や農産物などを開発する共同研究が、平成20年度に1万7638件と、最高になったことが文部科学省の調査で分かった。最近5年間でほぼ倍増した。地方の大学と地元企業が組むケースも定着し始めており、厳しさを増す地域経済のてこ入れ策としても活用されつつある。  同省によると、大学や短大、高専で行われた共同研究は、15年度は9255件だったが、毎年右肩上がりで増加。20年度は計356校で実施。研究件数の1、2位は東大、京大が占めたが、上位30校には北海道や東北、信州、広島など地方の大学も名を連ねた。  共同研究の中には、大学と地元企業が組んで、玄米粉を使ったクロワッサンの開発(岩手大)や、長期入院の小児患者ら向けの遠隔通信システム(島根大)など、実用化される例も出ている。  ただ、研究相手に中小企業が占める割合は、まだ2割程度。文科省は「地方の大学が大企業と組もうとする傾向もある」とし、自治体が大学と地元企業を橋渡しするなど地域の連携強化が課題だ。 "[he-forum 14568] 9/8朝日新聞 朝日新聞 2009年9月8日 日本の論文、「質」9位に転落  日本の科学系論文の質の向上が最近10年間頭打ちで、質を示す指標 は4位から9位まで落ちたことが学術情報会社「エルゼビア・ジャパ ン」の調査で分かった。論文の数も2位から5位に転落した。  調査は、世界の主要学術誌のほとんど(1万8千種類)を網羅してい るオランダの親会社のデータベースを利用して行われた。今年7月現在 で、引用された回数などから論文の質の高さを示す指標を算出して08 年と98年を比較した。  その結果、日本の指標は0.407から0.444に上がったもの の、上昇の度合いは上位10カ国中最低で、フランス、カナダ、イタリ ア、オーストラリア、スペインの5カ国に抜かれた。1位の米国、2位 の英国、3位のドイツは変わらなかった。中国は10位のままだが、指 標は0.182から0.400に急上昇し、日本に迫っている=表。  論文数をみると、日本が世界に占める割合は98年の7%から08年 は5%に低下。しかも07年からは数そのものが減少に転じている。一 方、中国は10年間で6.4倍に急増して、米国に次ぐ「論文大国」に 躍進した。  エルゼビア・ジャパンの三木律子代表取締役は「論文の質の向上には 数の増加が必要だが、日本では増えていない。国立大学の法人化で研究 者が雑務に追われ、研究時間が減ったことが影響しているのではない か」と話している。 "[he-forum 14569] 9/9しんぶん赤旗 2009年9月9日(水)「しんぶん赤旗」 主張 学費ゼロ お金の心配なく学べる社会へ  「高すぎる学費を引き下げて」という切実な願いの実現にとりくむ 「学費ゼロネット」が7日、初めての全国交流会を開きました。  学費が払えず退学に追い込まれる、教科書が買えない、奨学金を借り た上にアルバイトを三つかけもちせざるを得ない―。報告された学生の 実態は深刻です。  同時に交流会では、悩みを語り合い、学費無償化の世界の流れを学ぶ 中で、「何とかしよう」と立ち上がって連帯の輪をつなぐ各地の取り組 みが報告されました。 異常な低予算・高学費  「世界一高い学費」が学生と家族に重い負担を強いています。「学費 で家族に迷惑をかけて申し訳ない」と、つらい思いを抱いている若者た ちも大勢います。  高校入学から大学卒業までにかかる費用は平均で1023万円、世帯 年収に占める教育費の割合は34・1%に上ります(日本政策金融公 庫)。経済協力開発機構(OECD)の8日の発表による と、日本の国内総生産に占める教育の公的支出の割合はわずか 3・3%、比較できる28カ国中27位でした。  憲法26条は、すべての国民に「ひとしく教育を受ける権利」を保障 しています。教育基本法も経済的地位による教育上の差別を禁止してい ます。それにもかかわらず、「世界一高い学費」が、「経済的な地位」 によって国民を教育上差別しているのです。こんな実態は一刻も放置で きません。  憲法も教育基本法も踏みにじる事態を招いた最大の原因は、歴代の自 民党政府の極めて貧困な教育対策にあります。  1970年代から「教育で利益を受けるのは学生だから本人が負担せ よ」という財界仕込みの「受益者負担論」を打ち出し、学費値上げを繰 り返してきました。その結果、70年に1万2千円だった国立大学の授 業料は53万5800円(標準額)へと、45倍にも高騰しています。 しかも自民党政府は、授業料値上げと並行して、学ぶ権利を支える奨学 金に有利子制を導入し、いまでは有利子が7割を占めるまでに拡大して います。  こんな古い考え方で教育行政を続けている国は日本ぐらいです。  教育を受けることは国民の権利であり、その権利は出身家庭の貧富で 左右されてはなりません。何より学生が人類の英知に学び、技術を身に つけて社会に生かすことは社会全体の安定と発展につながります。教育 の最大の「受益者」は国と社会にほかなりません。  世界では、こうした考え方に立って高校と大学を無償化し、奨学金は 給付制とする流れが主流になっています。 政治が動き出すとき  総選挙でも高学費が大きな議論になりました。その中で全政党が給付 制奨学金の導入で一致する変化が生まれています。与野党を超えて協力 し、給付制奨学金を実現しようではありませんか。国公立大では「世帯 年収400万円以下は全員免除」などの制度を全国に広げ、私立大でも 授業料の直接助成制度を作る必要があります。自民党政治を根本から転 換し高等教育の無償化をめざすべきです。  「学費ゼロネット」の名前には「学費のゼロ」とともに、「学費で 困っている人をゼロにする」という二つの意味が込められているといい ます。その実現に向けて、政治が動き出すときです。 "[he-forum 14570] 毎日新聞9/9 毎日新聞2009年9月9日付 選択のあとに:09政権交代 減額続く交付金 「教育の質、保てない」国立大は悲鳴  ◇教員削減など  経済協力開発機構(OECD)が8日に公表した教育調査で、他国と比較して大きく見劣りするのが大学など高等教育費の貧弱さだ。ただでさえ乏しい教育費が小泉政権から続く歳出抑制策で減らされ続けており、各大学からは「教育の質を保てない」との悲鳴が漏れる。OECD平均並みの教育予算を目指す民主党の具体策が問われる。  「大学教員の数が付属校よりも少なくなるなんて」。東京学芸大の馬淵貞利副学長は嘆く。04年度以降、国立大の主要財源である国からの運営費交付金は毎年度1%ずつ減額され、86ある国立大への全交付額はこの5年間で720億円減った。  学芸大の削減額は毎年度約7000万円。付属の小中高校など計13校はクラス編成があり教員を減らすのが困難で、代わりに大学教員を削減した結果、04年度の約380人から350人以下に減り、付属校の教員とほぼ同数まで落ち込んだ。  交付金削減で「施設補修工事を先送りした」(福岡教育大)、「教員の補充ができずになくした講義もある」(上越教育大)と教育の質の維持が困難との声が上がる。国立大学協会は「このままなら一部国立大は破綻(はたん)し基礎研究の芽はつぶれる」と訴える。  子ども手当支給や高校無償化が目玉になっている民主党マニフェストでも、高等教育は奨学金創設がうたわれているだけ。ある国立大学関係者は「最高学府の質が維持されなければ国際競争に勝てない。新政権にすぐにでも陳情し現状を訴える」と語った。【井崎憲、井上俊樹】 "[he-forum 14571] 読売新聞山口9/8 読売新聞山口版2009年9月8日付 特許1件当たりの価値 山大が全国1位に 産学連携の取り組み評価  全国の大学や研究機関が保有する特許に対する企業などからの注目度の高さを示す「価値ランキング」で、山口大が保有する特許1件当たりの「価値」が全国1位になった。同大は「企業がより関心を持ちやすい形で特許を出願するなど取り組みの成果」としている。(大塚晴司)  調査したのは、特許分析・情報提供会社「パテント・リザルト」(東京都)。今年3月末現在で1件以上の特許を持つ大学や研究機関339を対象に、事業化を目指す企業からの閲覧や早期審査請求の件数、競合するライバルからの無効審判の申し立て件数などを基に、独自の「パテントスコア」という指標で数値化。出願から20年という権利の残存年数も考慮し、価値の高さを割り出した。  その結果、山口大が保有する特許42件の総スコアは6803となり、1件当たりの平均スコアは162。内視鏡手術などで発光ダイオード(LED)を用いて患部を照らす「体内部位発光装置」などが高く評価されたとみられている。  また、総スコアも全機関で16位。大学や大学の知的所有権を管理する技術移転機関(TLO)では慶応大、名古屋大などに次いで6位に入った。  出願から保有まで1件当たり170万~180万円かかることから、山口大では、産学公連携・イノベーション推進機構が中心になり、出願前に審査委員会を開いて厳選。企業側が事業化しやすいよう、研究成果をより具体化した形で出願するなどの工夫にも取り組んでいる。  特許庁で約35年間、特許の審査や審判を担当してきた同機構の佐田洋一郎・知的財産部門長は、「大学の研究成果を埋もれさせず、いかに産業に結びつけ、事業化できるかということを重視して特許を出願している。産学連携への取り組みが高く評価された結果ではないか」と分析している。 "[he-forum 14572] 河北新報9/2 河北新報2009年9月2日付 食料生命環境学科を新設 山形大、来年度  山形大は1日、来年度に農学部の生物生産、生物資源、生物環境の3学科を改組し、食料生命環境学科を新設すると発表した。  農学には農業だけでなく食料や生命、環境など幅広い分野が含まれる。改組は社会的なニーズに対応し、各分野の課題を解決する能力を持つ人材を育てるために行う。  食料生命環境学科に設けるコースは安全農産物生産学、食農環境マネジメント学、食品・応用生命科学、植物機能開発学、森林科学、水土環境科学の六つ。安全な農産物や食品に関した教育、環境問題に重点を置く。  入試は学部一括で実施。新入生は山形市の小白川キャンパスで基礎教育を受け、2年から専門コースに進む。安田弘法農学部長は「実験や実習を充実し、学生に総合的な判断力を身に付けさせたい」と話している。 "[he-forum 14573] 共同通信9/8 共同通信2009年9月8日18時2分 日本、教育の公的支出は最下位層 OECD06年調査  経済協力開発機構(OECD)は8日、加盟国の06年国内総生産(GDP)に占める教育費の公財政支出割合について調査結果を公表、比較が可能な28カ国で日本は3・3%と下から2番目だった。  日本は調査で下位低迷が続き、支出割合は1992年以降ほとんど変わらない。幼稚園や大学段階の家庭負担は国際的に大きいことも判明した。  文部科学省は昨年、教育振興基本計画にGDP比5%とする目標を盛り込もうとしたが、財務省の猛反発で見送った経緯がある。「5%」への引き上げを目指す民主党が財務省の抵抗を突破し、来年度予算で教育費の拡充を果たせるかは新政権の試金石になりそうだ。  結果によると、加盟国の対GDP比平均は4・9%。1位はアイスランドの7・2%、デンマーク、スウェーデンが続き、北欧が上位を占めた。日本は最下位だった05年調査の3・4%より0・1ポイント減少。文科省は「教育費の多くを占める教員の人件費が減ったため」と分析している。  公的支出を教育段階別に見ると、日本は小中高までの初等中等教育は2・6%で下から3番目、大学などの高等教育は0・5%と各国平均1%の半分で最下位。  全教育費に占める私費負担の割合は33・3%と韓国に次いで2番目に高く、平均の2倍以上だ。 "[he-forum 14574] 共同通信9/9 共同通信2009年9月9日12時2分 集団暴行事件の京都教育大学長に位藤氏記事を印刷する  京都教育大(京都市伏見区)は9日、学生による集団暴行事件の責任を取って8月31日付で辞職した寺田光世前学長(67)の後任に、びわこ学院大の位藤紀美子教授(国語教育学)(63)を選んだと発表した。  10月1日付で就任し、任期は4年。  位藤氏は愛媛県出身。広島大助手、京都教育大教授などを経て4月から現職。  集団暴行事件について「二度とこのような不祥事を招かないよう、被害学生の修学に万全を期し、再発防止策を継続的に実施したい」などとするコメントを出した。 "[he-forum 14575] Re: 岩手日報8/29 管理人さま 貴重な情報を長年ありがとうございます。 退職し、このアドレスが使えなくなります。 配信の停止をお願いします。 新しいアドレスは h-nakachi@okinawa-u.ac.jp こちらに配信をお願いします。 news wrote: > 岩手日報2009年8月29日付 > > 岩手大が県外団体と初協定 産学官連携狙う > >  岩手大学(藤井克己学長)は28日、横浜市の財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC、清水利光理事長)と産学官連携に関する基本協定を締結した。岩手大が県外の産学官連携推進組織と連携協定を結ぶのは初めて。大学の持つ知的資産を活用し、首都圏の中小企業との共同研究などを推進するとともに、企業間連携に発展させ県内企業への波及効果も狙う。 > >  調印式は同日、横浜市中区の同財団で行われ、岩手大からは藤井学長らが出席した。 > >  協力事項は▽横浜市をコアにした産学官による地域連携の推進▽大学の研究成果と横浜市内企業のマッチング▽財団が保有する産学官-金融連携ネットワークの活用-など。 > >  IDECは市内の中小企業(約10万事業所)などを対象とする公的な支援機関。市内の理工系大学やメガバンクを含む金融機関などのネットワークを活用した産学官連携に取り組んでいる。 > >  連携により、岩手大はIDECが4月に設置した横浜産学連携サテライトでの情報提供や、協議などでの利用のほか、見本市への出展などにより、大学の知的資源の新たな活用先を探る。大学発ベンチャーの販売支援、メガバンクとの連携も期待される。 > >  岩手大の斎藤徳美副学長は「情報を首都圏に発信し、県内企業との連携、資金調達などにより地域に活力を呼び込みたい」としている。 > >  IDECは2007年度から全国の大学と連携を進めており、横浜市以外の大学では岩手大が11校目。北海道、東北では最初となる。 > > > > "[he-forum 14576] 読売新聞社説9/10 読売新聞社説2009年9月10日付 OECD調査 教育費増は効果的な政策で  先進諸国に見劣りする教育予算を拡充していくことに、誰も異論はあるまい。教育政策に優先順位をつけ、着実に実施していくことが必要だ。  経済協力開発機構(OECD)が、加盟各国の教育関連データを公表した。  国と自治体を合わせた2006年の教育予算が国内総生産(GDP)に占める割合では、各国平均4・9%に対し、日本は3・3%と、下から2番目だった。  教育予算は、各国とも教員の人件費が多いが、対GDP比は、教育への取り組み姿勢を表す国際指標として評価されてきた。  注意が必要なのは、このデータは学校など教育機関への支出に限られている点だ。例えば、民主党が掲げる「子ども手当」も、幼児教育などのために確実に使われる保証がなければ、データには含まれないという。  民主党は政策集で、教育予算について、先進国の平均水準であるGDP比5%以上を目標に引き上げるとしている。  ただ、予算額は具体的な教育政策あってのものだ。数値目標だけを独り歩きさせてはならない。  昨年7月に策定された国の教育振興基本計画には、文部科学省が当初、10年間でGDP比5%まで増やすという数値目標を盛り込もうとした。  だが、その実現には7兆円余りが必要なうえ、文科省の示した内訳も粗雑な内容だったことから、見送られた。  OECDのデータには難点もあるが、重要な示唆もある。  日本は、教育支出のうち、家計を中心とする私費負担が重い。特に、幼児教育は6割近く、高等教育は7割近くを占めており、2、3割程度の加盟国平均に比べ、負担の重さが際立っている。  また、日本の高等教育予算は、GDP比では0・5%と、加盟国平均の半分にすぎない。  大学の授業料が高いのに、奨学金などを受けている学生の割合が低いことが、その一因だ。  民主党は、大学生などの希望者全員が受けられる奨学金制度の創設を打ち出している。  今年3月時点で、大学などの中退者のうち、経済的な理由によるものは15%余りを占める。経済的理由で、進学や学業の継続を断念することのないようにしていかねばならない。  同時に、日本が、科学技術立国として国際競争力をつけるためには、研究・開発費など予算の充実も欠かせない。 "[he-forum 14577] 東京新聞茨城9/10 東京新聞茨城版2009年9月10日付 臨床検査施設設置へ 筑波大付属病院検査結果の判明早く  筑波大(つくば市)は七日、臨床検査大手の三菱化学メディエンス(東京都港区)と共同で「つくば臨床検査教育・研究センター」を付属病院の敷地内に設置し、二十年にわたり運営する事業契約を締結した。  付属病院は国立大学法人として初の民間資金を活用したPFI(民間資金活用による社会資本整備)方式で再整備している。だが、検査部門は幅広い医療分野との連携で業務が拡大しつつあり、当初計画の変更が難しいPFI事業から同部門の一部を切り離した。  センターは、同病院や地域の医療機関から検体検査を請け負うほか、大学側が教職員を派遣して臨床検査技師の教育と研修、検査に関連した技術開発などを行う。患者にとっては、検査結果が現在よりも早く判明する利点があるという。  施設は同社が十月に着工し、共同で設立する特定非営利活動法人(NPO法人)の下で二〇一一年一月に運営を始める計画。事業費は二十年間で総額約百二十億円。  五十嵐徹也病院長は「検査部門の拡大と発展を考えており、地域に開かれたセンターとして地域医療に貢献したい」と話している。 (小沢伸介) "[he-forum 14578] 共同通信9/10 共同通信2009年9月10日21時17分 新司法試験合格者、初の前年割れ 2043人、3千人達成困難に  法務省は10日、法科大学院修了者を対象とする2009年新司法試験の合格者を発表した。昨年より22人少ない2043人で、目安とされた「2500~2900人」を大きく割り込んだ。合格者数が前年を下回ったのは4回目の今年が初めて。合格率も過去最低を更新し、昨年より5ポイント低い28%となった。  10年ごろに年間合格者を3千人にまで増やすという政府計画の実現は極めて難しい状況になった。法務省人事課は「合否の判定基準は変わっていない。(法曹となる)能力のある人が2043人にとどまった」としている。  今年の試験は、昨年より1131人多い7392人が受験。合格者は男性1503人、女性540人だった。平均年齢は28・8歳で、最年長55歳、最年少24歳。  合格者のうち、大学の法学部卒業者を中心とする既修者コース(2年)の出身者は1266人で、合格率は昨年比5ポイント減の39%。未修者コース(3年)出身者は777人、合格率は同3ポイント減の19%だった。  法科大学院74校のうち合格者数が多い上位5校は、東大216人(合格率56%)、中央大162人(同43%)、慶応大147人(同46%)、京都大145人(同50%)、早稲田大124人(同33%)の順。合格率トップは昨年に続き一橋大の63%で、83人が合格した。  今回初めて全74校から合格者が出たが、合格率40%以上の大学院が8校あった一方、一けた台も14校に上り、ばらつきが大きい状態は変わらなかった。  新司法試験は法科大学院修了後5年間で3回しか受験できず、今回493人が不合格3回目となり、受験資格を失った。 "[he-forum 14579] 京都新聞9/11 京都新聞2009年9月11日付 京滋5大学を支援 文科省、教育プログラムで  文部科学省は10日、大学、短期大、高等専門学校による学士力の確保や教育力向上の取り組みを支援する本年度の「大学教育推進プログラム」に、95校96件を選んだと発表した。京滋からは京都工芸繊維、京都府立、長浜バイオ、京都橘、同志社の5大学5件の取り組みが選ばれた。  昨年度の「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」を引き継いで実施する。  府立大の「実践と交流を通じて高める食の専門家力」は、学生が少人数のグループで地域に入り、学校や幼稚園、住民と連携し交流しながら、「生活習慣病予防のための健康食」などの現代的な課題を解決する食のアドバイスを行い、課題探求能力やコミュニケーション能力を養う。  京都工繊大の「サスティナブルデザイン力育成プログラム」は、1200年継承された持続可能な生活様式や都市文化における「京都の知恵」から学び、環境負荷の少ないものづくりや新しい生活価値を提案し、地域の創造に生かす技術者、デザイナーを育成する。 "[he-forum 14580] しんぶん赤旗9/12 しんぶん赤旗2009年9月12日付 大学非常勤職員 雇い止め横行 “業務に不可欠な存在” 期限撤廃や雇用延長求め運動  「仕事ができるようになったのに、どうして雇い止め?」――いま、全国の国公立大学で、非常勤職員の雇い止めが問題となっています。 全大教教研集会分科会で交流  国立大学は、国から人件費5%削減が課せられたことから、常勤職員を削減する一方、非常勤職員を急増させました。大規模大学では数千人に達しています。非常勤職員の業務は、大学の一般事務から研究室の実験補助まで幅広く、ほとんどが恒常的なものです。3年で異動する常勤職員も多いなかで、業務に精通した非常勤職員はなくてはならない存在となっています。  ところが、国からの運営費交付金の削減など収入の確保の見通しが不透明なことから、ほとんどの大学は法人化後、新規採用の非常勤職員に3~5年の雇用期限をもうけました。  このため、各大学で毎年、数人~数十人の非常勤職員が雇い止めとなる問題が浮上しました。  こうしたなかで、各大学では、雇い止めを許さない運動が広がっています。4~6日に静岡大学で開かれた全国大学高専教職員組合(全大教)の教職員研究集会の分科会で各大学の運動が交流されました。 ニュース配布  京都大学では、今年度末に雇用期限をむかえる非常勤職員数十人が雇い止めとなります。京都大学職員組合は、「恒常的業務をになう時間雇用教職員は、期間を定めない労働契約とすべき。雇い止めは、多大な非効率と損失をもたらす」と署名活動や組合ニュース配布、団体交渉などで期限撤廃をもとめてきました。  組合ニュースを記者クラブに配布したところ、マスコミに運動が紹介されました。今年6月には教職員有志143人が総長への要望書を提出。総長から非常勤職員の雇用制度見直しの検討を示唆する回答がありました。組合は、雇い止め問題の早期解決にむけて引き続き取り組んでいます。 まさに正念場  大分大学職員組合は、時間雇用職員の雇用上限が3年となっていましたが、昨年末から今年2月まで5回にわたって交渉し、雇用を1年延長させ、雇い止めをやめさせました。  東京農工大学職員組合では、非常勤職員にアンケート調査を行い、当局との交渉で、雇用上限3年を6年に延長させています。  全大教によると、今年4月から雇用延長または実質一律雇い止めが廃止されたのは、大分大学、東京農工大学など9大学、以前から雇用延長を行っているか実質一律雇い止めが廃止されているのは19大学となっています。  藤田進・全大教中央執行委員は「各大学のとりくみで、期限の撤廃や延長など成果をあげているが、今年度末に雇い止めとなる職員は多数いる。たたかいの正念場はまさにこれから」とよびかけました。 "[he-forum 14581] 中国新聞社説9/13 中国新聞社説2009年9月13日付 教育費の国際調査 機会均等、立て直し急げ  先進国の中で、依然「低空飛行」が続いている。国内総生産(GDP)に対する国や地方自治体の教育支出の割合である。  先日、経済協力開発機構(OECD)が公表した2006年分の加盟国調査によると、各国平均4・9%に対し、日本は3・3%。28カ国中「ワースト2位」だった。  とりわけ気になるのが、全教育費に占める「私費」の負担だ。33・3%と韓国に次いで2番目に高く、各国平均の2倍以上にもなる。公的支出で足りない部分を各家庭で補っている姿が見えてくる。  経済格差が深刻でない時代なら、まだそれでもよかったのかもしれない。しかし低所得者層が増えている中、各家庭の「教育費格差」は見過ごせない問題だろう。  文部科学省の全国学力テストの分析でも、保護者の年収と子どもの成績が比例する傾向があることが明らかになったばかりだ。勉強したいと望む子どもたちには、質の高い教育機会が保障されるシステムを考える必要がある。  私費負担の割合が67%と、各国と比べて特に高いのが大学や専門学校などの高等教育である。経済的な理由で中退する若者を増やさないためにも、奨学金の拡充も急がねばならない。  民主党は教育予算を「対GDP比5%以上」にするという目標をうたっている。各国のほぼ平均値だ。  具体的な政策としては、教員の増員を挙げている。日本は教員1人当たりの児童生徒数が多く、一人一人のニーズに応えにくい。教員の忙しさも増す中、子どもとしっかり向き合う時間をつくれるようにとの狙いだ。教員の質を高めるため、3年後には教員養成を6年に延長する方針も示している。  高校生のいる世帯に対しては、授業料の無料化や助成をする公約を掲げている。家庭の学費負担を軽くするためだ。  日本の教育予算は、対GDP比の数値は低くても、児童生徒1人当たりの支出はそう少なくない、という見方もある。先進国の中で最悪の財政状況の中、他予算とのバランス論もあるだろう。  ただ、教育の機会均等の保障さえ危ぶまれるような公教育の状況は放置できない。現場の実態を踏まえながら、より効果的な対策から優先的に打ち出していくべきだ。 "[he-forum 14582] 西日本新聞9/12 西日本新聞2009年9月12日付 九大病院で新病棟開院式典  九州大学病院(福岡市東区)の新外来診療棟が28日にオープンするのを前に、開院を記念した式典が11日、福岡市東区の現地であった。  九州大学の関係者や地元国会議員ら約450人が参加。九州大の有川節夫学長は「新病棟の開院で、これからの100年に向け、高水準の医療を提供することが可能になった」とあいさつした。その後、新病棟前で、開院に合わせ設置された石板が披露されたほか、テープカットがあった。  同病院は、老朽化した建物と設備を一新するため、1998年から病院施設の再整備に取り組んできた。新病棟の完成で、再整備は完了した。 "[he-forum 14583] 中国新聞社説9/12 中国新聞社説2009年9月12日付 新司法試験 見直しに地方の視点を  裁判官や検察官、弁護士を増やすために創設された法科大学院が、スタートから5年で早くも試練を迎えている。  おととい発表された法科大学院修了者を対象とする2009年新司法試験の合格者は、昨年より22人少ない2043人。目安とされた「2500~2900人」を大きく割り込んだ。合格者数が前年を下回ったのは初めて。合格率も過去最低の28%に落ち込んだ。  法科大学院は、裁判員制度などと並ぶ司法制度改革の柱の一つである。暗記と受験テクニックに偏りがちだった旧司法試験の反省から、大学院でまず実務・実践的な法理論を学ぶ。そのうえでいわば「修了試験」として新試験を受ける仕組みだ。  政府は、10年ごろに年間合格者を3千人にまで増やす方針だった。しかし、計画の実現は極めて難しい状況になった。当初の構想では、新司法試験の合格率を70~80%としていた。ところが、年々下がって今回は2割台になってしまった。  中国地方4法科大学院の合格率は広島大25%(合格者21人)、岡山大25%(13人)、広島修道大13%(6人)、島根大4%(1人)。いずれも全国平均を下回った。  合格率低下の大きな原因は、法科大学院が74校にも上り、総定員が約5800人と膨らんだことにある。安くない学費を出して法曹界を目指す学生たちには「こんなはずでは」との思いも強かろう。  今春の入試では、法科大学院への志願者数は、前年度より25%も激減。8割の59校で入学者が入学定員を下回った。法科大学院の乱立が司法試験合格率の低下を招き、志願者減につながっているのは間違いない。優秀な人材が法曹界への転身を敬遠し始め、それがさらに学生の質を下げるという悪循環に陥っていないだろうか。  危機感を抱いた日本弁護士連合会や中央教育審議会が、相次いで定員削減を提言した。学生の質を確保する観点からも、やむを得ないだろう。  文部科学省は各校と調整を進め、来年度は定員を399人削減する。11年度までに計千人程度減す方向だ。中国地方の4校でも2~4割減になる。  ただ、このような事態を招いた責任は文科省にもある。規制緩和政策で基準に達したところはすべて認可したからだ。  定員削減や統廃合は避けられないとしても、見直しには地方の視点が欠かせない。司法改革は「弁護士過疎」の解消も大きな柱である。「地域に根ざした人材育成」のためにも、まず都市部を中心に手をつけるべきだ。また、大学院側も他校と連携や統合するなどの生き残り策を探ってほしい。  法科大学院に法学部以外の出身者や社会人など多様な背景を持った学生を集める。新しい教育を核として質量ともに分厚い法曹人を生み出していく。司法改革の基礎には、こんな理念がある。法科大学院と司法試験の在り方を含め、法曹の養成制度を見直したい。 "[he-forum 14584] 信濃毎日新聞社説9/12 信濃毎日新聞社説2009年9月12日付 信大4人合格 法曹を地元で育てたい  信大法科大学院(松本市)から初めて、新司法試験の合格者4人が誕生した。  最初の修了者を出した昨年は、合格者がゼロだった。早く合格者を出さないと存在意義にかかわる-。そんなプレッシャーがあった。関係者は胸をなで下ろしていることだろう。  ここで気を抜くことはできない。合格したといっても、まだ4人だ。法科大学院の削減・再編論議も出ている。  地方の小規模校をめぐる環境は厳しい。信大は気を引き締めて、県内で活躍できる人材をさらに育ててほしい。  法務省の発表によれば、2009年新司法試験の合格者は全国で2043人。今回初めて全74校から合格者が出た。  しかし合格者数は前年を下回っている。政府は、10年ごろに年間3千人に増やす計画を掲げるものの、容易ではない。  合格率も過去最低を更新し、28%になった。信大は26人が受験し、合格率は15%余だった。  法科大学院は、少人数で実務教育をする米国のロースクールがモデルという。ここに入れば誰もが法律家になれる。そう信じていた人は多いはずだ。  現実は違った。合格率は当初、修了者の7割程度と言われたが、全体で3割に満たない。  法科大学院は乱立気味で、今春、信大はじめ全体で8割が定員割れになっている。  危機感を持ったのだろう。中教審の法科大学院特別委員会は4月、報告書で入学定員の見直しを提言した。合格実績を重視する動きも強めている。「入り口と出口」に目を光らすことで学生の質と教育の質を高め、合格率を引き上げる狙いという。  来春の定員は、74校全体で千人程度が削減される見通しだ。逆風はさらに強くなる。  合格さえすればいい、という風潮にならないか心配だ。受験対策ばかりが優先されれば、予備校と変わらなくなる。社会人ら多様な人材も集めにくくなるだろう。学生の質を高めたいのなら、国はもっと支援を強めるべきだ。  合格者は、大都市圏の法科大学院に集中している。「弁護士過疎」をなくすのが、司法改革の趣旨の一つだ。地域的な偏りが広がらないよう、全国的なバランスを考える必要がある。  信大は、県弁護士会と連携しながら、学生にきめ細かく対応することで一定の成果を出した。取り組みを軌道に乗せたい。 "[he-forum 14585] 毎日新聞島根9/11 毎日新聞島根版2009年9月11日付 県立大:教育推進事業に今年度2件採択  県立大の本田雄一学長は10日、文部科学省が実施している大学改革のための財政支援制度「大学教育・学生支援推進事業」大学推進プログラム「テーマA」に、県立大の浜田・松江各キャンパスから、今年度新規事業として2件が採択されたと、発表した。  県立大浜田キャンパスの事業は「情報教育におけるステップ式学習プログラム-統計情報を活用した総合政策学習の基盤形式を求めて-」(プログラム責任者・藤原眞砂教授)。事業期間は09~11年度。事業費は3584万円。文科系学生でも理解できるテキストや教育体系を構築して統計処理の高度な技法を習得させることが狙いという。  県立大短期大学部・松江キャンパスの事業は「おはなしレストラン、はじまるよ!~読み聞かせによる人間力の育成~」(プログラム責任者・岩田英作凖教授)。事業期間は浜田と同じ。事業費4989万円。  本田学長は「本学から、4件中2件が採択され、極めて高い水準の取り組み。うれしく思います。これからが勝負」と話していた。【大賀英作】 "[he-forum 14586] 朝日新聞社説9/12 朝日新聞社説2009年9月12日付 法科大学院―法曹が連帯し質向上を  法科大学院を卒業した人を対象にする新司法試験の合格者が発表された。4回目のことし、年々下がってきた合格率はさらに27%にまで落ちた。  合格者も初めて前年を下回り、2043人。来年あたりをめどに合格者を3千人にする計画なので、本来なら2500~2900人が目安だった。  法務省は、大学院修了生の水準が反映された結果という立場だ。  しかし合格者の多い上位校では、今回3度目の受験機会だった06年度の修了生でみると、合計7割前後が合格を果たした。「修了者の7、8割が合格」の理想を達成しているといえる。  問題は大学院間の格差が広がり、下位校が全体の足を引っ張っていることだ。今回も、合格者5人以下の大学院が74校のうち24校もあった。  04年から開校した法科大学院は乱立気味で、1学年の総定員は約5800人だ。大学院側はこれを大幅に削減する方針だが、もっと早く手を着けるべきだった。すでに6割の大学院で入試の競争率が2倍に満たない状態になっている。実績を上げられない大学院の再編は避けられまい。  法曹界には「法科大学院を出た司法修習生の質が落ちている」との嘆きがある。日本弁護士連合会は昨年、「合格者増のペースダウン」を求めた。  だが、市民に司法を利用しやすくするため法曹人口を増やすことは、裁判員制度や法テラスと並ぶ司法改革の3本柱だ。その中心が法科大学院である。合格者数を絞ることより、全体の質を高めることを考えねばならない。  弁護士会と裁判所、検察庁の法曹三者は、法科大学院教育の充実について、連帯して責任を持っていることを改めて認識してもらいたい。  旧司法試験のような一発勝負の勝者ではなく、法科大学院から司法修習へというプロセスによって、人間性豊かで思考力を持った法律家を育てる。それがこの制度の理念だ。一部で法科大学院が予備校化しているとも言われる。そうであれば本末転倒だ。  法科大学院と司法研修所、法曹三者が学生の育成過程をきめ細かく分担し、法律家として独り立ちさせるまで責任を持たねばならない。  大学院の充実のためには、法曹の現場を経験した人材を教員としてもっと送り込む必要がある。  最高裁長官を昨年、70歳で定年退官した島田仁郎氏は今年、東北学院大の法科大学院で教壇に立った。合格者の少ない下位校だ。半年前まで最高裁のトップにいた法律家が、自ら東京の自宅から仙台まで通勤し、学生たちに直接教えたのだ。  経験豊かな法律家が、現実に法がどう運用されているかを伝える意味は大きい。大勢力である弁護士界から教育の場に転じる人がもっと出てほしい。 "[he-forum 14587] 朝日新聞9/14 朝日新聞2009年9月14日付 家計負担、高等教育で突出 OECD調査     教育への日本の公的支出は、28カ国中27番目――。8日発表された経済協力開発機構(OECD)の09年版「図表でみる教育」は、日本の教育に対する公的支出の水準の低さと、家計負担の大きさを、あらためて浮き彫りにした。一方で、進学率の高さなどの教育成果を評価する項目もあった。  日本で06年に、国や地方自治体の予算から教育機関に出された公的支出の割合は、国内総生産(GDP)比3.3%で、トルコの2.7%に次いで低かった。00年以降の日本は、最下位か、下から2番目に定着してしまった感がある。  一方で、教育支出に占める私費負担の割合は33.3%で、OECD平均の15.3%を大幅に上回って最高水準だった。特に、家計負担の割合が21.8%と、韓国に次いで高く、他国を大きく上回った。その割合は、就学前(38.3%)と、大学などの高等教育(51.4%)が突出。高等教育において、日本は「授業料が高く、奨学金などの学生支援態勢が比較的整備されていない国々」のグループに分類された。  結果を聞いた塩谷文科相は「日本の教育費は家計に『おんぶにだっこ』してきた。教育の必要性を訴えてきたが、財政の問題が一番大きい。忸怩(じくじ)たる思いだ」と述べた。  報告書の中には、日本の教育への参加率や成果を評価する項目もあった。  07年の高校の卒業率は93%で、OECD各国平均の82%を大きく上回り、ドイツ、フィンランド、ギリシャに次ぐ4位だった。男子と女子の卒業率の差は2%で、各国平均の9%より小さいことも特徴になっている。大学・短大などへの進学率は76%で、平均の71%を上回った。4歳以下の児童の在学率も平均より高い。  15歳児を対象にした06年の「生徒の学習到達度調査」(PISA)で、経済・社会的背景に恵まれない生徒が「成績優秀者」に占める割合は34.9%。比較できるデータがある28カ国中、ポーランドに次いで高い水準だった。  また、日本の先生の授業時間は小、中、高校の各段階で平均時間より短いものの、勤務時間は1960時間(07年)とデータがある17カ国中で最も長かった。小学校の学級規模は1クラス28.2人と、平均(21.4人)よりも多く、この傾向をOECDの分析担当者は「日本の教育は、1クラス当たりの子どもの数が多いため、教育予算を抑えることができている」としている。  また、民主党が公約で、先生の数を増やして、少人数学級を進める方針を打ち出していることについて、分析担当者は「方向性としては正しい」と指摘している。  〈キーワード〉「図表でみる教育」 OECDが毎年発表する加盟国の教育状況の調査報告書。学習の効果や教育への財政的・人的投資、学習環境など国際比較ができる指標を開発して分析している。「生徒の学習到達度調査(PISA)」も指標の一つ。09年版(英語)は、OECDのホームページ(http://www.oecd.org/edu/eag2009)から無料でダウンロードできる。日本語版は、明石書店から10月上旬に発売される。税込み7980円。 "[he-forum 14588] 毎日新聞社説9/14 毎日新聞社説2009年9月14日付 新司法試験 抜本的見直しが必要だ  もはや本来の目標や想定から大きく外れた。新司法試験の09年結果にはそう感じざるを得ない。  法科大学院修了者が対象の新司法試験は06年から実施されている。法務省は合格率7、8割を見込んだが、初めから5割に届かず年を追って下落、4回目の今回は27・6%と過去最悪を更新して2割台に落ち込んだ。初めて合格者数も前回を下回り、2043人。目安の2500~2900人に遠く及ばなかった。  このままでは、2010年には合格者を3000人と想定し、法曹人口を18年には5万人(08年約3万1000人)と描いた政府の計画は画餅(がべい)に帰すほかない。  一方で、法科大学院は74校で1学年定員約5800人。後れを取るまいというふうに相次いで設立され、「乱立」とも評される。その内実は一定ではなく、各校の合格率は大きな開きが生じている。  新司法試験をめぐるこうした状況は制度発足時から懸念された。中央教育審議会は今春、法科大学院の入学者の質の確保、修了者の質の保証、教育体制充実、評価システム確立を柱に改善を強く求め、入学定員削減を迫った。入学者選抜や修了認定を厳格にし、高水準の教育を保つ。当然のはずだが、多くの大学院にそれができていない実態がある。  だが、法科大学院にメスを入れれば万事解決する話ではない。  裁判員裁判、法テラスとともに司法改革の柱である新司法試験は、法曹人口を大幅に増やし、市民が日常のトラブルなどでも適正な法的解決がしやすくすることが主眼だ。  また最難関試験で合格率数%だった旧来の司法試験とは違って、新制度は法学知識偏重の「ペーパーテスト秀才」ではない、人間性、教養、柔軟な発想力など幅広い適材を求めたはずだ。法科大学院に法学部出身者以外の未修者コース(3年)があるが、今回の合格率は18・9%で法学部出身者向け既修者コース(2年)の半分にも満たなかった。  法科大学院側からは、結局は法学系以外の社会人らに不利な試験になっていないかという指摘もある。試験内容や選考基準などを本来の目的に照らし、詳しく検証してほしい。  合格者大幅増で「質の低下」の指摘もあり、日本弁護士連合会は増員のペースダウンを提言した。弁護士の就職難という状況もある。  だが忘れてならないのは、司法が市民生活にとけ込み、気後れなく活用できることは、これからの社会の活性化に不可欠ということだ。  その理念を下ろさず、どう問題点を改善するか。政府、教育界、法曹界は試行錯誤をいとわず、一致して取りかかってほしい。正念場だ。 "[he-forum 14589] 毎日新聞9/15 毎日新聞2009年9月15日付 大学教員:研究時間、6年前より2割減 講演、学生指導…「社会還元」に時間割き  大学の教員が研究にあてる時間が07年度は、6年前に比べて約2割減ったことが文部科学省の調査で分かった。「成果の社会還元」が教育、研究に次ぐ第3の使命とされた教育基本法改正などの影響で、講演や審議会出席などの社会貢献や、学生の指導に割く時間が増えたためだという。  調査は研究開発に投入された人的資源を調べるため、5~10年ごとに実施している。08年11~12月、国内の大学の教員、博士課程在籍者ら計1万1749人に平均的な1日の勤務内容や年間休日数、論文発表数などを尋ね、7050人から回答を得た。  その結果、大学教員では前回調査の01年度には勤務時間の46・5%を自分の研究にあてていたが、今回は36・2%に減っていた。教育や社会貢献にかける時間は2~3割増えた。  博士課程在籍者でも自分の研究にあてる時間の割合が、前回の70・9%から65・9%に減った。大学院生への支援を目的とした賃金がもらえる教育や研究の補助役の業務が普及したためとみている。  文部科学省の佐藤明生・調査調整課長は「研究時間が減少したからといって、論文発表数などの成果が著しく下がったというわけではなく、一概に可否は言えない」と話した。【西川拓】 "[he-forum 14590] 共同通信9/15 共同通信2009年9月15日19時8分 京大が次世代育成センター 優秀な若手研究者にポスト  京都大は15日、優秀な若手研究者に研究に専念できるポストを与えて支援する新事業「白眉プロジェクト」を発表した。大学によると、文系理系問わず全分野を対象に支援するのは珍しい。  大学の説明によると、「次世代研究者育成センター」(センター長・伏木亨理事補)を新設し、年間20人を募集。学内外の有識者や経済人による「伯楽会議」などで選考する。水準に達しなければ定員を下回ることもあるという。  採用後は同センターに所属。給与のほか、年間100万~400万円の研究費の支給を受けられる。採用は5年間で、期間中、教育や管理に携わったり評価を受けることもなく研究に没頭できる。  30~40代を想定しているが年齢制限はなく、任期中に就職先が決まれば辞めることもできる。  松本紘学長は「定年延長を進める中で、若手研究者にもポストが必要。将来、学術界で指導的立場に立つ人材を育成したい」と期待している。 "[he-forum 14591] 岩手日報9/16 岩手日報2009年9月16日付 岩手大がエコ活動1位 温暖化対策を点数化  岩手大(藤井克己学長)は、エコ・リーグ(全国青年環境連盟)主催の「エコ大学ランキング」国公立大学部門で1位に輝いた。大学が実践する地球温暖化対策を点数化して表彰。環境に配慮した教育や社会貢献活動に力を入れる大学づくりが高い評価を受けた。  表彰式は15日、JICA地球ひろば(東京)で行われ、岩手大から大塚尚寛副学長(環境・情報統括管理担当)、環境マネジメント学生委員会の高橋幸(さち)委員長(人文社会科学部3年)が出席。小川拓哉実行委員長から賞状が贈られた。  ランキングは大学の地球温暖化対策の活発化を目的に初めて実施。二酸化炭素(CO2)排出状況や環境教育支援などについてアンケート調査し、有効回答のあった全国107大学を点数化。国公立、私立それぞれの1位を決めた。  岩手大は107大学中最も高い107点(125点満点)を獲得。▽CO2排出量の削減に関する取り組みと削減量▽環境マネジメント学生委員会の設置―などが認められた。  表彰式に出席した高橋委員長は「環境活動のネットワークを広げ、今後も充実した活動に取り組みたい」、大塚副学長は「環境配慮活動をより強化、充実させ、環境意識の高い人材育成に努めたい」と決意を新たにしている。 "[he-forum 14592] 京都新聞9/16 京都新聞2009年9月16日付 5年間 自由な研究環境 京大、若手育成プロジェクト始動  京都大は15日、次世代を担う研究者の育成に向け、世界の若手研究者を最長5年間雇用して自由な研究環境を提供する「白眉(はくび)プロジェクト」を本年度から始める、と発表した。中国の故事にちなみ、学内外の有識者でつくる選考委員会「伯楽会議」が、将来世界をリードする人材「白眉」を獲得していく。  研究分野を問わず、博士学位を取得した研究者を毎年最大20人ずつ雇用し、研究費を最大で年間400万円、給与を月額40~65万円支給する。大学独自の予算で運営し、採用者が100人に達した段階での予算規模は年間10億円を想定する。  研究に専念できるよう、全員を新設する次世代研究者育成センターの所属とし、各部局の教育・管理業務に携わる必要がないようにする。また、成果だけにとらわれず腰を据えて研究活動ができるよう、毎年度の研究報告や任期終了時の成果発表を除き、大学による中間評価は行わない。  本年度は16日から公募を開始し、書類選考と伯楽会議による面接を経て、来年1月までに採用者を決める。  松本紘総長は「自発的で創造的な研究ができる人材を慎重に選びたい。5年の雇用期間中に、優秀な人は学内外への就職が決まるだろう」と話している。 "[he-forum 14593] 秋田魁新報9/14 秋田魁新報2009年9月14日付 第2病棟が完成、秋大病院 先進医療の機能強化  秋田大医学部付属病院(秋田市広面)の再開発整備事業で、現病棟(第1病棟)東隣に増築が進められていた新病棟(第2病棟)が完成し、13日、同病棟で記念式典が行われた。新たな病棟は個室や2、4人部屋の計325病床と診察室などで構成。1階には最新機器を導入した内視鏡室や超音波室、救急治療室が備わり、高度先進医療を担う本県の中核病院としての機能が一層強化された。  式典には医療関係者や工事関係者など約150人が出席。救急搬送口でテープカットを行った後、溝井和夫病院長が「第1段階として新病棟が完成した。地域だけでなく国際的にも貢献できる病院になるよう努力を重ねていきたい」とあいさつした。  同病院は1976年に完工。医療機器の大型化などに伴って現病棟が手狭となり、老朽化も顕著になったため、段階的な再開発整備を進めてきた。新病棟は2007年1月に着工し、今月完成。総工費は約62億円。地上8階、地下1階の制震構造で、延べ床面積は1万3452平方メートル。  1階には現在検査部や外来にある内視鏡室、超音波室を集約し、「内視鏡・超音波センター」とする。最新の内視鏡やエコーなどの医療機器を導入、がん発見や心疾患などの先進治療を担う新病棟の目玉として機能させるという。手術も想定した救急治療などを行う救急部も置く。  病床は▽2階・泌尿器科47床▽3階・精神科36床▽4階・循環器内科と心臓血管外科52床▽5階・産科婦人科43床▽6階・消化器内科51床▽7階・耳鼻咽喉科と呼吸器内科50床▽8階・血液・免疫系内科46床—の計325床。 "[he-forum 14594] 陸奥新報9/16 陸奥新報2009年9月16日付 次代担う「知」の発信を コラボ弘大お披露目  産学連携・地域連携の拠点として建設された弘前大学創立60周年記念会館「コラボ弘大」が15日、関係者にお披露目された。  コラボ弘大は鉄筋コンクリート8階建てで、放送大学青森学習センターや共同研究のスペースを貸し出すレンタルラボ、大学院地域社会研究科、機器分析センターなどで構成。  1階エントランスロビーには世界の気象・地震状況を地球儀でリアルタイムにモニターできる「アースビジョン」や、創立60周年記念金工作品の「幸せのリング」(宮田亮平東京芸術大学長作)が展示され、来場者を出迎える。  15日は自治体や金融機関、産学連携企業などから約90人が参加。お披露目式は8階ホールで開かれ、遠藤正彦学長は「コラボ弘大を中心に産学連携を強力に推進していきたい」とあいさつ。相馬●一弘前市長が「次世代の可能性を切り開くものとなることを祈っている」と祝いの言葉を寄せた。  引き続き、参加者は4班に分かれ、階ごとに概要説明を受けながら施設を見学した。 ※●は金へんに昌 "[he-forum 14595] 神奈川新聞9/15 神奈川新聞2009年9月15日付 7大学共同で「北仲スクール」、都市テーマに来春開設/横浜  県内外の7大学が15日、共同で運営する教室「北仲スクール」を横浜市中区に開設することに合意し、協定書に調印した。まちづくりを学ぶ「都市デザイン」と、都市文化や芸術を学ぶ「都市文化創成」という都市をテーマにした共同講座を開講し、2010年4月から正規の授業を始める。文部科学省の大学連携支援プログラムの採択事業で、7大学共同のスクール開設は全国で初めてという。  協定を結んだのは、県内にキャンパスのある横浜国立大、横浜市立大、東京芸術大、神奈川大、関東学院大、東海大のほか、京都府に本部を置く京都精華大の計7大学。  北仲スクールは、みなとみらい線馬車道駅近くの歴史的建造物「北仲ブリック」内に開設され、受講できるのは原則として7大学の学生。各大学の教授らが講師を担当し、基礎科目として「アーバンアート論」「映像文化論」「都市デザイン論」などを講義する。横浜市内で行われる展覧会や映画フェスティバルなどの都市型文化イベントを制作するワークショップ科目も設けられる。  調印式は横浜市保土ケ谷区の横浜国立大で行われ、同大の鈴木邦雄学長が「大学間のネットワークを活発化させ、未来都市創造を担う人材育成に取り組みたい」とあいさつした。 "[he-forum 14596] 中日新聞9/16 中日新聞2009年9月16日付 08年度の中期計画おおむね順調 県公立大学法人評価委  県内の公立大学の業務実績を評価する県公立大学法人評価委員会(委員長・山本進一名古屋大学長顧問)は、2008年度の各大学の運営や教育の充実について「中期計画をおおむね順調に実施していると認められる」との評価結果をまとめた。  県は07年4月、県立大と県立看護大(今年4月に統合)、県立芸術大の3大学を運営する県公立大学法人を設立。魅力ある大学づくりに向けて12年度まで6カ年の中期計画を策定し、外部の有識者が毎年、進ちょく状況を評価している。  本年度は、「業務運営の改善及び効率化」「財務内容の改善」「教育研究などの質の向上」などに分類される計236項目を評価対象とした。このうち13項目で「計画を十分には実施していない」と遅れを指摘したが、全体では前年度と同様に「おおむね順調」と判断した。  「計画を十分には実施していない」とされた取り組みとしては、「外部研究資金の積極的獲得」で、科学研究費補助金などの獲得額が前年度実績から減少したと指摘。「評価結果の積極的な公表」については、「計画ではホームページや印刷物で公表するとしたが、どの大学もホームページに公表していない」と評価を下げた。  一方、県立大と県立芸術大で今年4月から、大学院博士後期課程が設置されたことに対し「実現に向け、教職員が真摯(しんし)に取り組み、努力した」と積極的な評価もみられた。  (岩崎健太朗) "[he-forum 14597] 大分合同新聞9/18 大分合同新聞2009年9月18日付 看護科学大・芸文短大 業務実績を評価  県地方独立行政法人評価委員会(矢野利幸委員長)は公立大学法人の県立看護科学大学と県立芸術文化短期大学(いずれも大分市)の昨年度の業務実績について「計画を順調に実施している」と評価する報告書をまとめた。両大学が示した自己評価をもとに、年次計画の達成状況を検証した。  評価は「教育研究の質の向上」や「業務運営の改善と効率化」「財務内容の改善」など5項目をS、A~Dの5段階で判定する。  看護科学大は「教育研究の質の向上」で最高評価のS(特筆すべき進行状況)、そのほかすべてでA(計画通り)の評価を受けた。  全国初の高度実践看護師(NP)の大学院教育での実践やNPの制度化に向けた構造改革特区の提案、ウズベキスタンの看護教育改善プログラム策定への参加、同国への医療用ベッドの寄贈が高い評価を得た。  芸文短大はすべての項目でA評価。地域の素材で住民と連携しながら体験学習する「サービスラーニング」や、自治体と協定を結び地域の教育研究拠点として貢献していることが評価された。  今後の課題として▽国の科学研究費補助金申請で採択率を上げるためのレベルアップ(看護科学大)▽入試方法の見直しで留学生の入学実績をつくる(芸文短大)―といった指摘を受けた。 "[he-forum 14598] 下野新聞9/20 下野新聞2009年9月20日付 国際分野人材養成へ連携 宇大、作新大、白鴎大  海外進出企業や自治体、国際機関などで国際的な仕事に携わる人材を養成するため、宇都宮大と作新学院大、白鴎大は19日、「地域の大学連携による学生の国際キャリア開発プログラム」を実施すると発表した。  今後3年間で、国際分野での実務経験者による「国際キャリア開発教育」や「国際実務英語」、さらに企業などでの実習(インターンシップ)を含む6科目を開発。同時に春休みや夏休みに講座を開く。主に3大学の学生が対象で、100~120人を想定。他大学や高校生も受講できるという。  国際医療福祉大、国際協力機構(JICA)、県経済同友会などの協力も得る。同日、宇都宮市内で会見した宇都宮大の進村武男学長は「各大学の特色を生かして進めたい。10年先を見越して取り組む事業になる」と述べた。  文部科学省の「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」に選定され、2011年までの3年間、財政支援を受ける。 "[he-forum 14599] 毎日新聞9/19 毎日新聞2009年9月19日付夕刊 最先端研究開発支援プログラム:支給対象者、再検討へ--鈴木副文科相  ◇「選考プロセス、拙速」  2700億円の研究費を30人の研究者に配分する「最先端研究開発支援プログラム」について、鈴木寛・副文部科学相は19日未明の会見で、支給対象者の再検討も含め見直すことを明らかにした。  このプログラムは09年度補正予算で計約4・3兆円を計上した46基金の一つ。総選挙後の9月に麻生政権が、ノーベル賞受賞者の田中耕一・島津製作所フェローや人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥・京都大教授などの支給対象者30人を公表した。岡田克也・民主党幹事長(当時)は「この時期に決まることに違和感を覚えないわけではない。凍結も当然ある」と話していた。  鈴木副文科相は「2700億円という額以上に、支給対象者の選考プロセスに問題がある」と指摘。「麻生首相の『とにかく早くやれ』という指示で、十分議論のないまま、荒っぽい方法で選考された。30人という人数を含めて再検討したい」と話した。今後、川端達夫文科相、科学技術担当相を兼務する菅直人副総理・国家戦略担当相を中心に精査するという。  一方、川端文科相は18日、09年度補正予算の一部を執行停止する方針が閣議決定されたことを受け、文科省分の補正予算全項目を見直し、改善策を提案するよう坂田東一事務次官に指示した。国立メディア芸術総合センター(仮称)の設立費(117億円)、学校耐震化や太陽光パネル設置などのエコ改修、電子黒板整備などを含む「スクール・ニューディール構想」(4881億円)などは、重点見直し項目に挙げられた。【奥野敦史、加藤隆寛】 "[he-forum 14600] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.16 ニュースレター NO.16                     2009、9,15                       公正な学長選考を求める裁判を支える会  事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内  (TEL/FAX 088-844-1489) 高知大学学長任命処分取消裁判で問われているのは何か!  行政訴訟は次回9月18日に弁論準備手続きが行われます(11時半高知地裁)。 根小田、高橋両先生の「原告適格」が現時点での最大の争点ですが、「学長任命 処分」そのものに関わる実質的攻防が文書でのやりとりという形ですでにはじま っています。  ここで、裁判の本格的な開始を前にして、本裁判でなにが争われているのか、 そして形式上裁判で争われていることの背後でなにがとわれているのかを再確認 しようと思います。  裁判で直接的に問われているのは、「国」による「学長任命処分」の不当性、 違法性です。そして、その背景にあるのは2007年の高知大学の学長選考の意 向投票に際して、41票差で現学長の対立候補(裁判の原告の高橋正征氏)が勝 っていたものが後に1票差とされた不透明な処理があります。  しかし、2年前の高知大学学長選考問題は、この意向投票の実施管理の疑惑に とどまるものではありません。これは、学長の大学管理運営責任者としての責任 及び大学ガバナンスの欠陥を示すものであり、その後の高知大学の内外での停滞、 混乱につながっていることを私たちは忘れてはなりません。高知大学は「難破船 になりかかっている」との指摘や「裸の王様と茶坊主でいつまでもつか」という 厳しい声が聞かれます。私たちは、高知大学の威信と信頼の回復への一歩のため にも、再度この裁判の意味確認しおしすすめて行く必要があります。   学長選考に関して大学管理運営責任者としての学長の取るべき3つの責任  この学長選考は、学長選考会議の不祥事であると同時に、相良学長を最高責任 者とする高知大学のガバナンスの重大な欠陥を示したものであるといえます。高 知大学の最高責任者としての相良学長は、学長選考に関して、以下の3つの問わ れるべき責任があります。  1 投票管理に関しての職員への監督責任  意向投票の実施管理において学長が指名した担当事務職員が投票管理業務の終 了後、管理委員会からの指示もなく、理由もなしに管理金庫を開け、票の「点検」 をしたことは、事務職員の「非行」であるのに、それを厳正に管理、是正できな かったこと。 2 文部科学省への「虚偽申告」  学長選考会議の選考後において文部科学大臣に高知大学から学長候補者の申出 をした際の経過説明書を、学内外に説明している(1票差)ことと異なる意向投 票の票数結果(41票差)を記載したまま決済していること。すなわち、誤りと する内容を文書として作成し、申出の経過説明書としていること。  3 学長任期実質10年という不正    今回の学長選考の手続きは元来、法人化直後に学長選考規則の制定が求められ ていたにも関わらず、3年も放置し(させ?)、その3年の放置を藉口にして、 相良学長のみに特定適用とする特例条項(それまでの4年半の任期を計算に入れ ない)を挿入したこと。これは自分自身の任期を4年半、4年プラス2年(つま り10年半)とするための任期規定かを疑わせるに十分な、専制君主なみの規定 を設けたのです。これについて見識のある学長であれば、当然、自分にのみ合理 性のない特例規則を止めさせるのが、学長管理者の見識であり、義務であるはず である。しかし、ご存知の通り相良氏はそうしませんでした。    以上の三点だけでも、相良氏は学長の適格性を欠くものといってよいのではな いかと思われます。  裁判のなかで直接問われるのは国の任命行為の妥当性ですが、実質審議に入れ ばその中で、いくつかまだ明らかになっていない1、2に関する事実関係も明ら かになるはずです。したがって、上記三点の責任追及も風化させずねばり強く継 続していくことが、高知大学の「高知大学の威信と信頼」を取り戻すために重要 であるといえるでしょう。  この問題についてのより詳しい論考(KURK生「高知大学学長任命処分取消 裁判の問う、もう一つ重大なこと」)が以下のホームページに載っています、ご 一読下さい。  http://homepage3.nifty.com/osanpo_pochi/doc/toukou_1.pdf 9月18日 11時30分~ 弁論準備手続き 於 高知地裁 "[he-forum 14601] 東京新聞群馬9/21 東京新聞群馬版2009年9月21日付 高崎経済大 2011年に公立大学法人化 県内初 運営の効率化図る  高崎市立高崎経済大は、二〇一一年四月に公立大学法人化する方針を決めた。県内で公立大学法人化を決めたのは初めて。  高経大はここ数年、教員の不祥事や入試問題のミスが相次いだ経緯もあり、少子化で学生の獲得競争が激化する中、学内の透明性を確保し、運営の効率化を図る。  高経大によると、法人化の方針は九日に開かれた評議会で決定。法人化されると、評議会は廃止され、経営や教育・研究の各分野に分けて案件を審議し、理事会で全体の運営方針を決める見通し。財務諸表などの情報公開も進める。  高経大は法人化の方針を市へ伝え、市は来月一日に本庁の総務部に「高崎経済大学法人化推進室」を新設する。 (菅原洋) "[he-forum 14602] 読売新聞三重9/23 読売新聞三重版2009年9月23日付 レジ袋全廃を実践、三重大にコンビニ  来月オープン エコバッグも無料貸し出し「先進的な取り組み」  三重大(津市)に10月1日、大手コンビニエンスストア「ミニストップ三重大学店」がオープンする。スーパーなどでレジ袋の有料化が進む中、同店ではレジ袋を全廃し、袋を持っていない客にはエコバッグを無料で貸し出す試みを始める。(青山丈彦)  営業時間は午前7時から午後10時まで。大学の建物に調和したベージュ系の配色で、隣接する第二食堂と通路でつなぐ。  同大には、大学生協の食堂が2か所あるが、昼食時にはいつも行列ができるという。店内で飲食するスペースは、通常よりも広く取っており、混雑の解消とともに、夜間も研究する学生や教授らへの便宜を図る。さらにレジ袋全廃で、環境運動を一層推進させる狙いもある。店内で貸し出したエコバッグは、次に来店した際に返却してもらう。  同大は新入学生にエコバッグを配布しており、学生や教職員ら約1万人にはすでに配られている。  同大環境ISO総括環境責任者の朴恵淑教授は「大学生協でも実施しているレジ袋有料化をさらに前進させ、レジ袋を一切置かず、バッグを貸し出すことにしたのは、全国的にも先進的な取り組み。コンビニでは初の試みでは」と話す。三重大は2007年に環境管理の国際規格「ISO14001」の認証を取得しており、「学生らへの環境意識を高める実践の場になる。身近な環境改善に貢献する今回の『三重大モデル』が、全国に広がってほしい」と、世界一の環境先進大学を目指す意気込みを語った。 "[he-forum 14603] 河北新報9/22 河北新報2009年9月22日付 商店街にキャンパス 山形大工学部、産学連携の拠点に  山形大工学部は10月1日、米沢市の中心商店街にサテライトキャンパスとして「ものづくり・ひとづくりキャンパス」を開設する。地元企業の国際競争力を強化するため、産学連携の拠点にする考えだ。  山形大は今春、大学院のものづくり技術経営学(MOT)専攻に、世界的な視点に立って経営戦略を立案できる人材を育成する「グローバル戦略コース」を新設した。  新しいキャンパスは、戦略コースの研究拠点となる施設で、デパートなどが並ぶ米沢市門東町の平和通りに面したオフィスビルの1、2階部分(約260平方メートル)に開設。講義や実験を行うほか、地元企業との産学連携事業、経営者育成のセミナーなどに活用する。  本年度は地元の中小企業の関係者約20人を対象に「米沢ものづくり若手経営者塾」を6回実施。10月1日に山形市のホテルでキックオフセミナーを開き、橋本久義政策研究大学院大教授が「サブプライムに負けるな 日本の中小企業の底力」と題して講演する。  山形大の小野浩幸地域共同研究センター長は「シャッター街になりつつある中心市街地の活性化に、大きな役割を果たしていく」と期待している。 "[he-forum 14604] 信濃毎日新聞9/24 信濃毎日新聞2009年9月24日付 大学と企業の共同研究 最多に 信大は255件、全国15番目  大学と企業が連携し先端技術や農産物などを開発する共同研究が、2008年度に1万7638件と、最高になったことが、文部科学省の調査で分かった。最近5年間でほぼ倍増した。信大は255件で、全国の大学で15番目に多かった。信大のように地方の大学と地元企業が組むケースも定着し始めており、厳しさを増す地域経済のてこ入れ策としても活用されつつある。  同省によると、大学や短大、高専で行われた共同研究は、03年度は9255件だったが、毎年右肩上がりで増加。08年度は計356校で実施。研究件数の1、2位は東大、京大が占めたが、上位30校には北海道や東北、広島など地方の大学も名を連ねた。  研究相手は企業が85%に当たる1万4974件を占め、次いで公益法人が1800件、自治体は365件だった。分野別では、生命科学やナノテクノロジー(超微細技術)などが多かった。  文科省は、法人化されて特許権の管理体制整備が進み、社会貢献を重視する大学に対して、大学の専門性を活用したいという企業の思惑が合致したと分析。政府の研究資金の提供が増えたことも急増の背景とみている。  信大研究推進部によると、研究相手は企業が228件で最も多く、うち県内企業が82件。次いで独立行政法人7件、地方公共団体6件だった。分野別では製造技術が最多で90件、医学や食品技術などの「ライフサイエンス分野」が70件だった。  ただ、信大の共同研究実績は05年度171件、06年度231件、07年度がピークの267件で、08年度は12件減った。同推進部は「経済危機の影響からか、県内企業との共同研究が減少した」とする。  一方、実用化される例も少なくない。信大繊維学部(上田市)は今年1月、大阪府の衣料関連企業と、ウイルスや、アレルギーを引き起こすタンパク質の侵入を防ぐマスクを開発し、販売を始めたと発表した。全国でも、玄米粉を使ったクロワッサンの開発(岩手大)や、長期入院の小児患者ら向けの遠隔通信システム(島根大)などがある。  研究相手に中小企業が占める割合は、まだ2割程度。文科省は「地方の大学が大企業と組もうとする傾向もある」とし、自治体が大学と地元企業を橋渡しするなど地域の連携強化が課題だ。 "[he-forum 14605] 共同通信9/23 共同通信2009年9月23日21時5分 文科相が補正予算凍結判断で大学等視察へ  川端達夫文部科学相は23日、文科省内で記者団の取材に応じ、同省の本年度補正予算(約1兆3000億円)に盛り込まれた国立大学法人の施設整備事業(664億円)を凍結するかどうか判断するため、25日に東京海洋大(東京都港区)を視察することを明らかにした。  川端氏は22日に引き続き23日も、幹部職員から補正予算の執行状況などをヒアリング。執行を停止する予算の総額について「視察の結果も踏まえて、今月中にまとめたい」と述べた。  文科省によると、664億円は校舎の耐震化や老朽施設の改修、太陽光発電設備の導入などに対する補助金。6月に大学ごとの交付額は決定済みで、現在は各大学で工事業者の選定などが進められている。  国立大学法人の施設整備事業は、政府が18日にまとめた補正予算に関する基本方針で、原則として執行停止する事業の1つに挙げられた。  川端氏は東京海洋大のほか、映画フィルム収蔵庫の増築(40億円)を実施予定の東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館(神奈川県相模原市)も25日、視察する。 "[he-forum 14606] 朝日新聞9/24 朝日新聞2009年9月24日付 救命救急センター どう再建 ◆鳥取大の本間正人教授に聞く   今年3月、救急医4人全員が一斉に辞職し、鳥取大学医学部付属病院(鳥取県米子市)の救命救急センターは一時、崩壊の危機に直面した。再建に取り組んでいる新センター長の本間正人教授(47)に、地域における救命救急のあり方や、医師の勤務態勢について聞いた。 (佐藤建仁) ◆「重症者の施設」徹底 ――センターはなぜ、崩壊寸前に追い込まれたのでしょうか   救命救急センターは本来、第3次救急に分類される重篤な患者さんの命を救う場所です。しかし、ここでは軽症の第1次救急の患者さんが9割近くを占め、スタッフに大きな負担を与えたことが原因だと思います。大学病院に救命救急センターの看板を取り付け、「24時間誰でも来て下さい」とアクセスをよくした結果、「コンビニエンス病院」と勘違いしてみんな来てしまったのでしょう。 ――センターをどのように立て直していきますか   救命救急センター設置の趣旨を再確認し、混乱した状況を平穏に戻すことが必要です。8月1日から、夜間・休日に受診された患者さんのうち、入院を必要としない方からは、診療費とは別に5250円の時間外診療特別料金の支払いをお願いしています。軽症の場合には、日中の受診や、近隣の病院への受診を誘導するためです。鳥取大学が提供できる高度な医療は、センター周辺の患者さんだけでなく、もっと広い地域、県境を越えた半径90キロのエリアの重症患者に提供しないといけないと考えています。第3次救急に全力を注ぐ態勢を構築することが当面の目標です。 ――近隣の病院は、軽症患者を受け入れるでしょうか   鳥取大学が救命救急センターを設置する前は、各病院が救急患者を受け入れていました。米子地域は病院の数が非常に多く、医師の数も多いので、患者さんを受け入れることは可能だと思います。近隣の病院での受け入れが難しい場合、我々が支援するような態勢をとるのが次のステップです。結果的に、地域の救急医療のレベルが上がることにつながると考えています。 ◆3交代で医師負担軽減 ――医師の過酷な労働環境は改善されましたか   現在、救急災害科は私を含め2人ですが、外科や内科など9科から派遣された医師11人と、研修医を含めた約15人がセンターに所属しています。午前8時半~午後5時、午後4時~翌日午前10時、午前8時半~午後9時の三つのシフトを組み合わせた勤務交代制を導入しました。救急医療では労働力は常に必要なのではなく、必要な時に招集できればいい。携帯メールで医師を呼び出すシステムも採り入れました。安全な医療を提供する上でも、働いている人の健康を保つために過重な労働をなくすことは大事です。この勤務態勢はまだ導入しているところが少なく、シフトには本人の希望も反映しています。学会に参加したいなどの医師のニーズにもあうという長所があります。 ――センターは維持できるのでしょうか   勤務交代制を導入できたのは、院内の各科から医師補充の協力を得られたからです。逆に、人数が減ればシフトが組めなくなり、ある時間帯は閉鎖するということにもなりかねません。病院全体で支援すれば、センターは維持できることはわかった。問題は、この支援がどこまで続けられるかにかかっています。「地域の救急の要が消えます」という病院長の一言が心に突き刺さり、センター長を引き受ける決心をしました。地域を支える若い救急医を育てることが、これからの私の使命だと思っています。 ● 取材後記 ~ センターの役割 住民の認知必要 ●   「状況を変えるには私が辞めて訴えるしかない」。他科からの支援が得られない状況に絶望した八木啓一・前センター長の言葉は、皮肉にも「救急崩壊」が現実となることで病院の結束を引き出した。勤務交代制を導入するなど、改革を次々と実行する本間さんの手腕を高く評価する声は多い。しかし、院内の協力が続くことはもちろん、救命救急センターの役割が地域住民に正確に認知されることが再建の鍵だと感じた。 "[he-forum 14607] 西日本新聞社説9/23 西日本新聞社説2009年9月23日付 新司法試験 放置すれば理念が揺らぐ  こんなぶざまな状態を放置はできない。4回目となった今年の新司法試験は合格率が過去最低を更新したばかりか、合格者数が初めて前年を下回った。制度のあり方を抜本的に見直すべきだ。  新司法試験は原則、法科大学院の修了生しか受験できない。合格率は48%だった1回目の2006年以降、下がり続け、今年は28%になった。それでも合格者数は毎年増えていたが、今年はついに2043人と昨年より22人減ったのだ。  政府は、新制度で合格者数を段階的に増やし、来年ごろには3千人にする想定だったが、遠く及ばない。これでは、弁護士、裁判官、検察官の法曹人口を現在の約3万1千人から18年ごろまでに5万人にする計画の実現は極めて難しい。  司法改革で見込まれた「合格率7―8割」という目算は、当初から外れている。なぜか。法務省は「合否の判断基準は変わっていない」と、受験する大学院修了生の能力不足を指摘する。  そうであるならば、まず法科大学院の「質」こそ問われるべきだろう。  もともと大学院は全国で74校と乱立気味で、総定員が1学年約5800人に膨らんだ。今春の入試では志願者数が前年度より25%も減り、定員割れは全体の8割に当たる59校に上った。乱立が新司法試験の合格率低下を招き、それがさらに優秀な志願者を遠のかせるという悪循環に陥っているのは間違いない。  中央教育審議会は4月、報告書で入学選考の厳格化や定員削減を求めた。入試段階から学生の質を見極め、教育水準を保証する。教育の質を高めるためにも定員減は必要だろう。各校の自主的な取り組みで、2年後には全体で定員が2割程度減るという。それでも実績を挙げられない大学院の再編は避けられまい。  法科大学院の設立を安易に認めてきた文部科学省の責任は重大である。法務省と連携し、各大学院を指導すべきだ。  その際、地域に根差す法律家養成を目指す地方の法科大学院の重要さを忘れないでほしい。大学院は関東、関西に6割以上と集中しすぎている。今回、九州大など九州・沖縄の7校の合格率はすべて全国平均に届かなかったが、定員削減や連携強化など改善努力を続けている。  さらに、新司法試験自体に問題はないか。社会人や法学以外の学部出身者にも門戸を開き、大学院に3年制の未修者コースを設けたのは、人間性あふれる多様な人材を集めるためだ。試験の内容や仕組みがそうした特性をくみ取るものになっているのか、検証が必要だろう。  法曹人口を増やし、市民に身近な開かれた司法にする。それが司法改革の理念であり、その理念を支えるのが新司法試験と法科大学院である。裁判員裁判や法テラスの定着もかかっている。  今後とも合格者数が増えなければ、改革の理念から遠ざかる。政府や関係者は、そのことを肝に銘じるべきだ。 "[he-forum 14608] 読売新聞9/24 読売新聞2009年9月24日付 多すぎた法科大学院…新司法試験、崩れた構想  法科大学院の修了生を対象にした新司法試験の合格率が低迷している。  4回目となった今年の合格者数は2043人で、初めて前年割れとなり、合格率も27・64%と3割を切った。法科大学院で充実した教育を行い、修了生の7~8割が合格できる――。そんな当初の構想は崩壊し、受験生たちからは「国による詐欺だ」との声も漏れる。なぜ、新司法試験の合格率はこれほどまでに低いのか。  ◆受験資格◆  「幅広い人材を法曹にとの理念はどうなったのか」  合格発表があった今月10日。愛知県内の受験生の男性(26)は、その低い合格率に衝撃を受けた。自身も2回目の挑戦だったが、不合格。新試験は5年間で3回不合格だと受験資格を失うため、次がラストチャンスになる。  大学で美術を学んだが、法曹界が幅広い人材を求めていると知り、受験勉強をして、法科大学院の法学部以外の出身者を受け入れるコース(未修者コース)に入った。勉強のためアルバイトはできず奨学金を受けた。今後約700万円を返さなければならない。「次の試験に失敗したら、その後、別の仕事を探せるだろうか」と不安は募る。  中国地方の法科大学院の教授は、未修者コースを修了した30代の教え子が3回目の受験に失敗し、受験資格を失った。「不況の上、年齢も高いこともあり就職も難しい。学校も支援するが、今後同様の修了生が増えたらサポートしきれるか……」と頭を抱える。  ◆過剰定員◆  「法科大学院の数が多すぎて、定員数が膨れあがってしまった」。ある法務省幹部は合格率の低さの原因をそう解説する。  法科大学院と新司法試験は、幅広い見識を持つ法曹を数多く養成するという司法制度改革の一環で生まれた。国が掲げた目標は、2010年頃までに司法試験の年間合格者数を3000人へ引き上げるというもの。新司法試験は、知識詰め込み型の勉強が必要とされた旧司法試験と比べ思考力重視の内容とし、法科大学院は修了者の7~8割が新試験に合格できるような教育を行うこととされた。  当初、適度な学校数と考えられていたのは20~30校。ところが、実際には74校が乱立し、定員は約5800人に膨れた。今年の試験に失敗した結果、受験資格を失った人は571人。関係者からは「就職困難な人を毎年大量に生み出すのは社会問題」との声もあがる。  ◆教育の質◆  14日開かれた中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の法科大学院特別委員会。特に今回の試験で、法学部出身者(既修者)より未修者の合格率が約20ポイントも低かった結果を受け、「合格の基準が未修者をすくい上げるものになっていないのでは」との指摘が相次いだ。だが司法試験を所管する法務省は、「既修者と未修者で合格ラインを変えるわけにはいかない」と言う。  一方、司法試験合格後、司法修習生となった人が法曹資格を得るために受ける卒業試験でも、不合格者数が増えている。不合格となった法科大学院出身者の答案には、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則などを理解していないものもあり、法科大学院の教育の質も問われている。  新司法試験の合格率の低さから、すでに法曹を目指す人は減り始め、半分以上の学校で入試の競争倍率が2倍を切った。各校はようやく定員削減に乗り出し、来年の入学者の総定員は4900人程度になる見通しだ。しかし、青山学院大法科大学院の宮沢節生教授は「定員削減はまだ不十分。現状を放置すれば法曹志望者は今後も減り、特に未修者が遠ざかって、多様な法曹を養成できなくなってしまう」と指摘している。(中村亜貴)  ◆新司法試験=2004年以降に開校した法科大学院の修了生を対象とし、毎年5月に実施。法学部出身者向けの既修者コース(2年制)修了生は06年から、他学部出身者や社会人向けの未修者コース(3年制)修了生は07年から受験している。合格率が3%前後と難関だった旧司法試験も10年までは存続する。 "[he-forum 14609] 毎日新聞福岡9/24 毎日新聞福岡版2009年9月24日付 連携推進協定:西日本高速道路、九大と締結へ 共同研究や人事交流  西日本高速道路と九州大は、共同研究と人事交流を図る「連携推進協定」を締結する。大学の若い技術者をインターンシップで同社に受け入れ人材育成を図ると共に、九州道の耐久性などについて九大の研究ノウハウを活用するのが狙い。29日に九大箱崎キャンパスで調印式を行い、年内にも産学共同研究の成果を検討する「技術交流会」を開催する。  同社によると、九州は全国に比べて高温多湿で、大分道・日出JCTなど場所によっては濃霧が発生して高速道路が通行止めになることも多い。同社は九大との連携により、こうした九州特有の気象条件を考慮した道路建設・管理の技術開発やコンクリートの耐久性向上の研究を進めたい考えだ。  また、同社は技術職員らを九大に教授・准教授として出向させる一方、九大からは主に大学院生のインターンシップを積極的に受け入れる予定だ。連携の成果は定期的に両者で会議・交流会を開き、検証を重ねていくという。  同社は昨年3月、大阪大と協定を結び、床板コンクリートのはく離に関する統計分析などを共同で行っている。九大との提携は初めてで「産学連携で道路の安全性が高まれば、九州道だけでなく、国内すべての高速道路に大きな貢献ができる。気象による通行規制が減れば、利用者のメリットも高まる」と期待を寄せる。【夫彰子】 "[he-forum 14610] 共同通信9/25 共同通信2009年9月25日19時22分 補正見直しで大学など視察 文科相、一律停止はせず  川端達夫文部科学相は25日、文科省の本年度補正予算約1兆3千億円に盛り込まれた、国立大学法人や独立行政法人向けの施設整備費補助金を見直すため、補助金交付先の東京海洋大(東京都港区)などを視察した。  川端氏は視察後、記者団に「新しくハコモノを造ることにはブレーキをかけるが、施設老朽化対策など大事な事業もある」と述べ、一律に補助金の執行停止をせず、事業ごとに緊急性などを考慮して継続か凍結か選別を進める考えを示した。  また川端氏は「本当に必要な事業が本予算でなく補正予算に計上されることが一番の問題だ」と話し、予算編成の方法を改めるべきとの見解を表明した。  視察には副大臣、政務官も同行。東京海洋大では、大学職員らから講堂の耐震化工事の実施状況や、研究用機材の老朽化などの説明を受けた。  文科省によると、補正予算のうち国立大学法人、独立行政法人向けの補助金は計約2600億円。全国の大学の施設改善(664億円)や、「国立メディア芸術総合センター」整備(117億円)などが含まれている。 "[he-forum 14611] 佐賀新聞9/27 佐賀新聞2009年9月27日付 佐大と佐賀地検 建物改修の入札・発注見合わせ  鳩山新政権が2009年度第1次補正予算の執行を一時留保したことに伴い、佐賀大学と佐賀地検が建物改修の入札、設計発注を見合わせた。佐賀大は10月からの工事を想定し、教職員が引っ越しを終えたばかり。困惑しながら、公共事業見直しの行方に気をもんでいる。  佐賀大は、築50年の文化教育学部9号館(鉄筋コンクリート3階建て、延べ床面積2598平方メートル)の改修工事入札を見合わせた。来年3月までの工期で、老朽化対策や耐震補強を進める計画だった。  教職員ら約40人は今月、本庄キャンパスの複数施設に引っ越し。資料や備品収納のプレハブ仮設費など、既に1千万円近い費用をかけている。大型実験器具の運び出しで床をはがした部屋もあり、「中止になれば、復元費用も必要」(同学部)と戸惑う。  国交省九州地方整備局は、佐賀地検の庁舎耐震補強の設計発注を見合わせた。庁舎は築40年で鉄筋コンクリート4階建て、延べ床面積2950平方メートル。07年の耐震診断で、震度6強以上で倒壊の危険性が高いとされた。第4四半期(来年1~3月)に工事を発注する予定だった。  補正予算については、大臣らが事業を精査。10月2日までに結果を集約し、見直す事業を同日以降に閣議決定する見通し。 "[he-forum 14612] 時事通信9/26 時事通信2009年9月26日14時44分 障害学生15%増の6200人=大学など支援進む-08年度調査  全国の大学、短大、高等専門学校に2008年度に在籍した障害のある学生数が前年度比15.4%増の6235人だったことが、独立行政法人日本学生支援機構(本部横浜市)の調査で分かった。学校側も授業で補助を付けるなど支援を充実させている。  調査では全1218校が対象で、08年5月時点の通信制、大学院なども含めた状況を集計。年度ごとに障害の定義が変わっているため単純比較はできないが、学生数は調査を始めた05年度以降で最も多く、学生全体に占める割合も0.03ポイント増の0.20%で最高だった。  障害種別の人数では、肢体不自由の学生が2231人で最多。聴覚・言語障害の1435人、病弱・虚弱の1063人が続いた。  在籍先の学校数は719校で、割合は1.3ポイント増の59.0%。学校種別では年限の長い大学、高専がそれぞれ72.4%、71.9%、短大は31.5%だった。  障害学生が授業を受ける際に教職員、学生らがノートテイク(筆記通訳)や手話通訳などの補助を行っていた学校は、前年度より58校増えて543校。05年度の206校に比べて約2.6倍となった。  同機構特別支援課の担当者は「門戸が開かれてきている」と評価。「障害で進路が閉ざされてはいけない。学校に適切な情報提供を行うなどして、受け入れをさらに促したい」と話している。 "[he-forum 14613] 毎日新聞9/26 毎日新聞2009年9月26日付 新教育の森:教育にかける公費、乏しさ浮き彫り 重すぎる日本の私費負担  ◇OECDデータ比較  経済協力開発機構(OECD)が「図表で見る教育09年版」を公表した。加盟30カ国の教育に関するさまざまなデータを比較分析したリポートから読み取れる日本の教育の現実とは--。【井上俊樹】  ◆対GDP比3.3%  日本の06年の公的財源からの教育支出の対国内総生産(GDP)比は3・3%(OECD平均は4・9%)で、比較可能な28カ国中ワースト2位、大学などの高等教育への支出に限れば0・5%(同1・0%)で最下位、すべての公的支出に占める教育費は9・5%(同13・3%)で27カ国中最下位--。OECDのリポートで改めて浮き彫りになったのは、他のOECD諸国に比べて著しく乏しい公的教育支出の現状だった。  一方で際立っているのが私費負担の重さで、公私合わせたすべての教育支出に占める私費割合は33・3%と、日本と同様に私立大学が大半を占める韓国(41・2%)に次いで2番目に高かった。とりわけ負担が重いのが大学などの高等教育段階で、OECD平均(27・4%)をはるかに上回る67・8%が私費で占められ、やはり韓国に次いでワースト2位だった。  これに対し、大半の大学が国公立で、授業料も無償か低額、または奨学金制度が充実しているヨーロッパは総じて私費負担が少なく、最も負担の軽いノルウェーは高等教育段階でも3%にすぎない。  ◆大学入学が家計圧迫  重い負担は家計を直撃している。東京地区私立大学教職員組合連合が首都圏の16私大・短大の新入生家庭を対象に行った調査によると、08年度の初年度納付金の平均は130万9061円。5人に1人は入学費用を借り入れにより工面していた。自宅外通学者の家庭では入学年度にかかる費用が年収の3分の1にも達していた。国立大の授業料も過去30年で15倍になり、もはや低所得者層の受け皿とは言えない状況だ。  初等中等教育(小中高)段階でも決して負担が軽いわけではなく、私費割合はOECD平均(8・8%)より高い10・1%。日本は私立高校に通う生徒が約3割、東京都に限れば半数以上と、欧米の主要国(数%~20%程度)に比べて多いのが大きな理由だ。しかも、その私立高校ではこのところ授業料値上げが相次いでいる。大阪府では今年度、府内の私立94校の半数以上の50校が、東京都でも233校中54校が値上げした。中には一気に年間20万円近い値上げに踏み切った高校もある。日本私立中学高等学校連合会によると、08年末時点の授業料滞納率は2・7%。経済情勢の悪化で07年度末の3倍に増えた。  ◆目標5%、財源は?  民主党は公的財源からの教育支出をGDP比で「先進国の平均水準(5%)に引き上げる」目標を掲げている。無論、それには財源が必要だ。北欧諸国の場合は教育費を無償にする代償として、国民は税率25%前後の付加価値税(消費税)など、世界最高水準の高い税負担を課せられている。仮に民主党の目標を達成するとすれば、新たに必要な財源は8兆円程度になる。  ◇1学級当たりの児童数、平均21・4人 日本28・2人、多さくっきり  OECDの調査では、日本の1学級当たりの児童・生徒数の多さも明らかになった。07年は小学校が28・2人で、23カ国のうち、韓国(31人)に次いで多く、最少のルクセンブルク(15・8人)とは12人以上、OECD平均(21・4人)とも7人近い差がある。中学校も33・2人とOECD平均(23・9人)を大きく上回った。  ◆学級編成基準の違い  日本の小中学校の学級編成基準は上限40人。文部科学省によると、例えば米カリフォルニア州の小学1~3年生、イギリスの小学1・2年生はいずれも上限30人、ドイツは4年生まで標準24人と、政府の基準自体が日本より少ない。日本でも都道府県の負担で教員を増やして「30人」や「35人」といった少人数学級を実現している自治体も増えているが、欧米諸国に比べれば、まだまだ見劣りする。  学力向上だけでなく、いじめや不登校対策など、きめ細かい指導をするためにも、少人数学級の実現を求める声は多い。文科省によると、仮に学級編成基準を30人に引き下げるには、教員の給与総額で年間8000億円程度が必要になるという。  ◇4年制大学進学率は18位 卒業率90%はトップ、平均69%  今春の大学進学率が初めて50%を超えたことが話題になったが、4年制大学(医学部などは6年制)に限れば日本の大学進学率は必ずしも世界トップ水準というわけではない。  今回の調査対象となった07年時点では日本は46%で、27カ国中18位。1位のオーストラリアは86%に達し、OECD平均でも56%。ただ、日本の場合は高校卒業後、短大や専門学校に進むケースが多く、これらを含めた高等教育機関全体では76%と、OECD平均(71%)を上回る。  一方、日本の高等教育機関の中退率は著しく低く、卒業率(05年)は90%と19カ国中トップ。OECD平均は69%で、最も低いアメリカの場合は47%にとどまる。OECDは日本の教育成果の一つに挙げるが、「入りさえすれば卒業できる」日本の高等教育機関の実態を改めて浮き彫りにした、ととらえるほうが的確だろう。  ◇給付型奨学金の拡充と財源の議論を--欧米の教育費事情に詳しい東京大学大学総合教育研究センターの小林雅之教授(教育社会学)の話  教育費には大きく分けて三つの考え方がある。  一つ目は教育は社会全体で支えるという考えのもと、税負担が大きい代わりに私立大も含めて無償にするスウェーデンのような北欧型。二つ目が返済が必要なローン型奨学金を利用して学生自身が負担する個人主義的なアメリカ型。  これに対し、親が子供の教育の面倒を見るのが当たり前というのが日本や韓国の考え方だ。  しかし、このままの高い学費で、しかもかつてのような経済成長も期待できないとすれば、所得の高い人は高学歴で子供も高学歴・高所得、所得の低い人はその反対という「階層の再生産」化がますます強固になる。そうやって可能性が閉ざされた社会には活力がなくなり問題だ。  民主党が掲げる「GDP比5%」は現実的には難しいが、日本の公的教育支出は明らかに少なすぎる。  ある程度高い授業料は取るが、一方で低所得層対象に返済をしなくてもよい給付型奨学金を拡充すべきだ。ただそれには何らかの形での増税は避けられず、今後議論する必要がある。 "[he-forum 14614] 京都新聞9/27 京都新聞2009年9月27日付 京大外科 脱“白い巨塔” 3科が交流センター設立  地方の医師不足や激務である外科医離れが深刻な問題になる中、京都大医学部(京都市左京区)の三つの外科が中心となって設立した全国でも例のない交流センターが本格的に動きだし、他大学や医療関係者から注目されている。各科の教授が決めていた大学関連病院の人事権や研修方法などを集約し、閉鎖的になりがちな医局の枠を超えて優秀な外科医を育て、地域に人材を適切に配置しようとする試みだ。  大学医学部では、教授を頂点とした医局が関連病院を含めた人事権を持ち、臨床研修なども縦割りで行ってきた。だが、新たな臨床研修制度が2004年から始まり、研修医が自由に病院を選べるようになったため、待遇が良く、症例の多い都市部の民間病院に人気が集中。医局に残る研修医が激減した。とりわけ外科は産婦人科などとともに、激務で訴訟になるリスクも高く、研修医に敬遠されて深刻な人材難に陥っている。  こうした大学病院離れと外科医不足の解消を狙い、京大医学部の消化管、肝胆膵(すい)・移植、乳腺三外科の教授らが中心となり、06年12月に京大外科交流センターを設立した。徐々に会員を増やし、現在は三外科の卒業生などを中心に医師635人、京都や滋賀、大阪などの関連病院67法人が会員になっている。  8月には社団法人になり、新たな臨床研修制度(後期研修も含め5年間)を終えた医師が現場に出始める今年から、本格的に稼働している。  柱は研修と人材配置。手術の技能向上のための実地研修を始めた。関連病院の医師ニーズや症例数などの情報を開示し、会員から希望者を募って引き合わせる人事調整も動きだしている。今後、職場情報のデータベース化や、女性医師も働きやすい就労環境の整備支援なども予定する。  理事長の小泉欣也医師は「10年間の徒弟制度に耐えないと一人前の外科医になれないといわれたり、上からの命令で関連病院に行くような医局の慣習は若い医師から敬遠されている。きちんとしたプログラムで地域医療に貢献できる外科医を育てたい。将来的には他大学とも連携し、京都全体の外科交流センターにできれば」と話している。 "[he-forum 14615] 西日本新聞9/29 西日本新聞2009年9月29日付 佐賀大の長谷川学長会見 在任6年間振り返る 「有明海総合プロジェクト」などで成果  9月末に退任する佐賀大学の長谷川照学長(70)は28日の定例会見で、在任6年間を「旧佐賀医大との統合と独立行政法人化を同時に行うのが難しかった。自分たちで大学をつくる意識でチャレンジした」と振り返った。  長谷川学長は、学部の垣根を越えた「有明海総合プロジェクト」などの成果を挙げる一方、「組織を変えるまでは及ばなかった」と反省した。10月1日に学長に就任する佛淵孝夫氏(57)へは「大学は若者だけのものではない。社会のための、社会の中の大学にしてほしい」と注文した。  長谷川氏は旧佐賀医科大学と統合した2003年10月に学長に就任。05年10月に再任された。 "[he-forum 14616] 毎日新聞和歌山9/29 毎日新聞和歌山版2009年9月29日付 県立医大:08年度295事項実績評価、40項目「計画上回る」  県公立大学法人評価委員会(月山和男委員長)は、県立医大の08年度の業務実績の評価結果をまとめ、公表した。年度計画に記載された295事項について、計画を上回ると評価したのが40項目、十分に実施しているとしたのが243項目だったのに対し、12項目については十分に実施していないと評価。「総合的に中期目標・計画の達成に向け、おおむね順調」とした上で、教育研究組織の見直し、事務の効率・合理化などに課題があるとした。  06年4月の独立行政法人化以後、3回目の評価。教育面では、医師国家試験合格率が95・3%と、目標(95%)を上回り、国際交流に積極的に取り組んだなどとされた。一方、学内の各種委員会の見直しは進まず、事務が専門分野に十分対応できていない面もあり、今後の人材育成に期待したいとした。【最上聡】 "[he-forum 14617] 西日本新聞9/29夕刊 西日本新聞2009年9月29日付夕刊 さらば六本松キャンパス 移転作業完了 九大が閉校式  九州大学六本松キャンパス(福岡市中央区)で29日、同大学伊都キャンパス(同市西区など)への移転完了に伴う閉校式が行われた。1921年に旧制福岡高校が設置されて以来、宇宙飛行士の若田光一さんや作家片山恭一さんら11万人以上が学んだ「六本松」の歴史に幕が下りた。  六本松キャンパスの引っ越しは3月末に完了予定だったが、伊都キャンパスの建設工事の一部が遅れ、数理学研究院や図書館の教職員が六本松に残っていた。  閉校式には、大学関係者や同窓生、地元住民ら約80人が出席した。有川節夫学長は「六本松キャンパスの精神は伊都キャンパスに引き継がれ、優れた人材が育っていくことを願う」とあいさつ。正門に掲げられた比較社会文化研究院など4枚の看板が取り外された。 "[he-forum 14618] 西日本新聞9/28 西日本新聞2009年9月28日付 バングラの貧困層支援 グラミン銀と九大連携 研究機関設立へ覚書  九州大学は27日、貧困層救済のため独自の融資制度を築きノーベル平和賞を受けたグラミン銀行グループ(バングラデシュ)と、提携研究機関の設立に向けた覚書を締結した。  研究機関は、国際産学組織「グラミン・クリエイティブ・ラボ(GCL)@九州大学」と「グラミン・テクノロジー・ラボ(GTL)」。GCLは利益を社会問題の解決に使う「ソーシャル・ビジネス」に関する研究や教育、普及などを行う。来年度中に活動を始める。GCLは数カ国の大学に設置されており、国内は立教大学に続き2例目。  GTLは、発展途上国の実情に即した技術や製品の開発が狙い。同グループが技術開発で企業や大学と連携するのは世界初で、発展途上国のニーズや実験の場などを提供する。九大、同グループ、NTTの3者で具体的な検討に入り、本年度中に参加企業などを募集、年度末までに設立のための契約を結ぶ予定。九大は2007年に同グループの1社と学術交流協定を結び、同国向けのICカード式電子通帳の研究を進めている。  福岡市で行われた締結式には、同行総裁でノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が出席。「世界トップの日本の技術が、発展途上国の生活に変化をもたらすことを期待したい。日本の企業もそのために取り組んでほしい」と話した。 ■「日本の技術で母国発展を」 電子通帳発案者のアハメッド九大准教授  九州大学がバングラデシュで普及を目指すICカード式電子通帳の実証試験が、11月から首都ダッカで始まる。同国のグラミン銀行グループとの提携事業。発案者は、同大学で情報技術の研究に携わるバングラデシュ人のアシル・アハメッドさん(39)。「日本で学んだ成果を生かし母国を豊かにしたい」と福岡、ダッカを飛び回っている。  アハメッドさんは1988年、コンピューター技術を学ぶため来日。大分高専や東北大学、通信会社などを経て、2年前から九大で開発途上国の社会情報基盤構築の研究開発に取り組み、現在はシステム情報科学研究院特任准教授を務める。  電子通帳の事業は、同銀行が貧困層の自立支援のため無担保・低利で行う少額融資制度と連携。入出金管理に九大独自のICカードを利用し、効率化や不正防止に役立てる。同銀行傘下のグラミン・コミュニケーションズの一員でもあるアハメッドさんが、九大伊都キャンパス(福岡市)で実用化された電子マネー機能付きの学生証をヒントに考えた。同銀行総裁のムハマド・ユヌス氏も、取り組みを高く評価しているという。  母国は最貧国の一つに数えられる。学生時代から支援に熱心なアハメッドさんは、自分の奨学金の一部を幼少期を過ごしたエクラシュプール村に送り、子どもたちの教育を支えた。情報格差を埋めようと奨学金を元手に日本人の知人と基金を設け、同村の小学校など16カ所で新聞を購読させた。その輪が約250カ所に広がり、半数が自費購入する現状を「人々が情報に関心を持つようになった」と喜ぶ。  20日にはアハメッドさんらの編著で、九大の取り組みを紹介する「BOPを変革する情報通信技術-バングラデシュの挑戦」(集広舎、1890円)を出版した。「情報技術は途上国の暮らしを豊かにする」。そう確信し、アハメッドさんは母国での実証試験に臨む。 "[he-forum 14619] 10/1山形新聞 山形新聞 2009年10月01日 09:12 山形大、斎藤前知事の教授採用案を撤回 役員会、学内の反発重視  山形大が前知事の斎藤弘氏(51)を教授として迎え入れる構想 が浮上し、同大が30日、役員会で協議した結果、学内の反対意見 が根強いことを考慮し、教授採用の人事案を白紙撤回した。斎藤氏につ いて大学側は当初、10月1日付で国際交流担当教授就任を 予定していた。  複数の山形大役員らによると、斎藤氏は結城章夫学長直轄の大学連携 推進室で、国際交流を担当する予定だったが、同大6学部の学部 長と医学部付属病院長が連名で「学内が混乱し、各学部の運営に支障を 来す」との趣旨で人事案再考を求める要望書を提出、斎藤氏の教授就任 に反対の姿勢を鮮明にした。  個別契約任期付き教員として斎藤氏の受け入れを検討してきた役員会 は、学内の強い反発を重視。10月1日に後期がスタートす る学内の混乱を回避するため、斎藤氏を教授採用する人事案を撤回した とみられる。「連携に関する協定書」(2006年5月)を結 ぶ県との関係にも配慮したもようだ。  山形新聞の取材に対し、結城学長は「人事のことでありコメントは差 し控える」と述べた。斎藤氏の教授任用を再検討するかどうかについて は「現段階で計画はない」としている。  同じく斎藤氏は「(教授就任で)山形県のために違った角度から貢献 できると期待していたが、特にお話することはない」とコメントした。  福田康夫首相(当時)が08年1月、施政方針演説で打ち 出した「留学生30万人計画」に基づき、同大は海外から受け入れ る留学生を年間2000人(現在約170人)に増やすためのプ ロジェクトを予算要求中。斎藤氏は高い語学力を評価され、担当ポスト が一時用意された。  斎藤氏は高校時代に米国留学の経験があり、東京外国語大を卒業後、 米国ジョンズ・ホプキンス大高等国際問題研究大学院修了。日本銀行を 退職し、05年2月から知事を1期務めた。今年 1月の知事選で、新人の吉村美栄子氏に敗れた。 "[he-forum 14620] 10/1山形新聞2 山形新聞 2009年10月01日 10:05 学生「託児サポーター」が保育 女性研究者ら支援、山形大が運用へ  女性研究者や職員の子どもの一時保育を学内で行う託児システムの運 用が、10月中旬から山形市の山形大小白川キャンパスで始まる。 研究や会議などで要請があった時にキャンパス内に託児ルームを設け、 「託児サポーター」として研修を受けた学生が保育を行う。サポーター を目指す学生の現場実習が30日、同市の子育て支援施設「子育て ランドあ~べ」で始まった。  同大の女性研究者、教職員は本年度で100人強。仕事と家庭の 両立支援として、男女共同参画推進室が中心になり、学内での一時保育 を始めることにした。文部科学省の科学技術振興調整費「女性研究者支 援モデル育成」に採択された同大の事業の一環として国の補助を受ける。  普段は保育園や幼稚園を利用しているケースがほとんどのため、一時 保育を行うのは実験や研究、会議などで託児の要望があった平日の午後 5時から同8時。子育て中の大学院生も利用できる。預かり対象は 小学生以下。10月中旬から受け入れを始める。本年度は試験運用 期間として無料。来年度以降は有料(金額は検討中)にする。  男子学生4人を含む33人が託児サポーターの研修に参加、 30日からは、親子が集う広場や一時保育施設がある子育てランドあ~べ での現場実習が始まった。10月7日まで4班に分か れ、1人1日ずつ実習する。保育に当たった学生には時給 850~900円が支給される。 "[he-forum 14621] 共同通信9/30 共同通信2009年9月30日19時40分 重大医療事故、結果の公表は2割 全国80大学病院  全国80の大学病院のうち、患者に後遺症が出るような重大な医療事故について、「原因などを調査し、結果を必ず公表している」としているのはわずか21・3%に当たる17病院にとどまっていることが30日、全国医学部長病院長会議のアンケートで分かった。  残る63病院は「原則公表だが、事例によっては非公表」と回答。当事者の過失の有無などが判断材料という。  80大学病院は一昨年の同会議総会で、重大事故に関しては調査結果を公表することを申し合わせており、情報開示の徹底に向けた一層の取り組みが求められそうだ。  同日、医療事故対策委員長を務める嘉山孝正山形大医学部長が記者会見し「『必ず公表』の割合を上げる必要はあるが、すべての大学病院が基本的には公表する姿勢を取っており、その点は評価したい」と話した。  80病院の内訳は、国立が43、公立8、私立29。重大事故の調査結果を「必ず公表」としたのは、国立10、公立2、私立5。「事例によっては非公表」は、国立33、公立6、私立24だった。  一方、事故の報告については、すべての大学病院が「病院長らへの連絡義務」などの規定や期限を設定し、調査委員会を立ち上げる基準を設けていた。調査委に弁護士ら医療従事者以外が「必ず入る」としたのは23。7施設が「入らない」とした。 "[he-forum 14622] 共同通信9/29 共同通信2009年9月29日21時15分 神戸大病院で残業代不払い 1億6千万、労基署が指摘  神戸大が付属病院の職員延べ788人に総額約1億6千万円の残業代を支払っていないとして、神戸東労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが29日、分かった。  職員は研修医が中心で、実態よりも少なく残業時間を申告していた。不払い期間は計約1年8カ月にわたり、神戸大は4月までに支払った。  2004年度の国立大法人化以降、労働基準法の対象となったことで、広島大や東北大など付属病院のある国立大を中心に残業代不払いが相次いで発覚している。  神戸大によると、是正勧告を受けたのは08年10月と今年2月の2回で、不払いの期間は07年2月から08年9月まで。  残業について神戸大は、実際に診察に当たったり医師から指導を受けたりした時間を申告するよう研修医に指導していたが、労基署から待機などを含め拘束時間すべてを労働時間として扱うように求められたという。  神戸大は「労働時間について労基署と認識の違いがあった。是正勧告を真摯に受け止め、今後は健康管理の観点から適切な労務管理に努めたい」としている。 "[he-forum 14623] 陸奥新報9/30 陸奥新報2009年9月30日付 弘大病院・高度救命センター 24時間体制へ人員確保  弘前大学医学部付属病院(花田勝美院長)は29日、来年7月に開業を目指す高度救命救急センターの進(しん)捗(ちょく)状況について公表した。花田院長は同センター開設の意義について、若手医師の定着、救急専門医養成、緊急被ばく医療の専門家育成、ヘリポート設置による緊急災害への対応などを挙げ、「3次救急を引き受けることで住民の安心・安全につながる」と、改めて救急医療の最後のとりでとなることを強調した。  懸念されていた24時間体制で運営できる人員については55人で行い、すべて院内から確保。医師は14人で、救急部4人のほか、消化器・乳腺・甲状腺外科、脳神経外科などから10人が専任でセンターに移る。36人の看護師も今年度新卒者募集を大幅に増やしたことで充足可能となった。  また医師確保により地域病院の医師の引き上げにつながるのではという懸念について、花田院長は「支障を来すことのないように指導している」とし、万一引き上げがあった場合について、浅利靖救急部長は各医療機関と協力してカバーする考えで、「次世代の救急医を教育し、将来地域に還元するという気持ちでやっていきたい」と述べた。  一方、同センターは償還金を含め年に約2~3億円の赤字を見込み、このうち運営費は2億円弱とみられる。運営費の一部は弘前、黒石、平川市、藤崎、板柳、大鰐町、西目屋、田舎館村、秋田県大館市の津軽医療圏から支援を受ける予定で、9市町村すべてが支援を承諾。負担金額は救急患者の受け入れ数などを基にして試算し、弘前市が大部分を占める予定。今後、課題となる地域の救急医療機関との役割分担、連携について各医療機関や行政側と話し合いを重ねていく。 "[he-forum 14624] 神戸新聞10/1 神戸新聞2009年10月1日付 神戸市の新設小児救急拠点 神戸大など運営参加    神戸市は30日、同市中央区のHAT神戸に開設を決めている夜間・休日の小児初期救急医療拠点について、同市と市医師会、神戸大などで連携してつくる「市小児救急医療事業団(仮称)」が運営する、と発表した。市医師会や神戸大は、医師の確保などに努める。市によると、こうした取り組みに大学が参加するのは珍しいという。  新たな拠点は、2010年度冬にオープン予定。軽症患者を年間通じて受け付ける。  市によると、同日、市と市医師会、神戸大が基本合意書を締結。今後、市や市小児科医会、同大医学部を中心に事業団をつくる。市医師会は会員に対して拠点への協力を要請し、同大は医師を派遣するなどする。  神戸市内の休日・夜間の小児初期救急は現在、急病診療所(中央区)と小児科休日急病診療所(西区)で対応しているが、医師不足のため深夜対応できず、入院などに対応する2次、3次の医療機関に頼っているのが現状。初期救急の拠点を設けることで、2次救急病院などの負担軽減を図る。  一方、市は、10月から神戸大に、子どもの初期診療などをテーマとする講座を開設。本年度から13年度までで、人件費や研究費などとして年間最大9000万円を負担する。 (紺野大樹) "[he-forum 14625] 福井新聞9/30 福井新聞2009年9月30日付 医師不足で福井大医学科増員へ 県が奨学金拡充  福井県内の医師不足に対応するため、県は2008年度に創設した奨学金制度「県医師確保修学資金」の貸与人数を拡充し、10年度入試から福井大医学部医学科の定員を5人程度増やす方針を決めた。福井大や国と今後具体的な協議を進める。  国は今年7月、都道府県が貸与する奨学金の対象者が卒業後に地域で勤務することを前提に、10年度から10年間をめどとして、各都道府県にある大学医学部の定員増員を認める方針を示した。これを受けて、県、福井大は厚生労働省や文部科学省に10年度の増員を近く申請。全国の状況を踏まえた審査の上で12月に正式な増員数が決まる。その後、県は来年度の当初予算で必要な予算措置を行う予定。  福井大は県が創設した奨学金に基づき、本年度の医学科推薦入試で「福井健康推進枠」を新設し、定員5人以内で募集した。合格後に県の奨学金に応募することが条件で、卒業後に県内の指定医療機関で9年間勤務すると返還が免除される。県外高校の出身者も対象で、本年度は県外出身者4人、県内出身者1人が合格した。  福井大は既に10年度の推薦入試の募集要項を発表し、同推進枠の定員は本年度と同じ5人以内としたため、今回の増員分は、一般入試での受け入れを検討している。  医師確保に関しては、福井大は08年度から、県内高校出身者を対象に、県内で医師になる意思があるか、嶺南医療振興財団の医学生奨学金に応募する人を受け入れる「地域枠」も設けている。推薦、一般入試を合わせた本年度の募集総定員は105人だった。  県医務薬務課は「民主党はマニフェストで医学部定員を1・5倍にするとしており、政権交代でも国の方針に大きな変更はないのではないか」とみており、今後も福井大などと連携して医師確保に努める考え。  全国の大学の医学部定員について政府は、医療費抑制などを理由に1981年度の8280人をピークに抑制方針を続けていたが、医師不足の深刻化を受けて08年度から拡充に転じている。 "[he-forum 14626] 長崎新聞10/1 長崎新聞2009年10月1日付 長崎大がイサハヤ電子と産学連携で協定 次世代技術の開発など目指す  長崎大(片峰茂学長)は30日、半導体メーカーのイサハヤ電子(諫早市、井嵜春生会長兼社長)と産学連携の協定を結んだ。大学の研究力と民間企業の技術力を結合し、次世代技術の開発や研究者・技術者の育成を目指す。  具体的には、再生エネルギー分野を中心に技術開発を進める。手始めに、風力発電の制御装置をより高電圧に耐えられるような仕組みにして、発電機の小型化や低価格化を図る。  同社は既に、携帯電話など家電全般に使う半導体デバイス(素子)のトランジスタ製造で、高温多湿の劣悪な環境でも機能する信頼性の高い部品を、同大と共同で開発し、特許を申請している。  長崎市文教町の同大であった調印式で、井嵜会長はこれらの新技術について「できるだけ早いレベルで実用化し、世界に発信したい」と述べた。  このほか研究者同士の交流も推進し、同社は学生のインターンシップ(就業体験)も受け入れる。同大が製造業企業とこうした協定を締結するのは初めて。片峰学長は「産学連携は中央の大学に比べ立ち遅れており、今回の協定は大学の発展の重要なステップ。世界でオンリーワンの技術を開発できるよう祈念する」と期待を寄せた。 "[he-forum 14627] 共同通信10/1 共同通信2009年10月1日17時12分 農工大と早大が共同大学院開設へ 初の国・私連携  東京農工大と早稲田大は1日、10年度から、全国初となる国立大と私立大の連携による共同大学院を設立し、理学や農学などの分野を融合させた「共同先進健康科学専攻」を開設すると発表した。  記者会見した農工大の小畑秀文学長は「単独では研究の層の厚みが不十分だったが、一緒にやることで十分な研究ができる。大学間競争が激しい中での生き残り策の一つだ」と意義を強調した。  同専攻は博士課程の後期で、入学定員は10人。農工大が力を入れる生命工学や環境科学、早大は医科学などの分野から教授陣が集まり、健康の保持増進を目的にした先進的研究をする。  学生は両大学に籍を持ち、互いのキャンパスを行き来しながら学ぶ。学費では国立と私立の差がある。指導教員を農工大の教員にすれば年約82万円、早大にすれば年約102万円となるが、奨学金の活用で学生の負担が少なくなるようにするという。 "[he-forum 14628] 10/3日本発生生物学会会長声明 he-forum 読者各位   10/2 私もその末席を汚しております日本発生生物学会が,会長名で、下記の 声明を発表するようです。 会員宛に送付されたメールの文章と合わせて,ご紹介致します。     品川敦紀(山形大学理学部) ************************************************* 日本発生生物学会会員 各位 今般  新政府による最先端研究開発支援プログラム ,来 年度科学技術予算配分方針の見直しに対して添付のような学会長声明を 出しました。 特に最先端研究開発支援プログラムに関しては *発生関連で優れた研究が採択されているのに このような見解を出す のは不適当 *採択課題が決まってから否定的声明を出すのはおかしく 選ばれた 方々に良いプログラムとなるよう頑張って頂くのが 研究者として期待 すべきこと *自由競争で研究費を獲得した研究者に対して別の研究者が足を引っ張 る構図となりかねない *このような声明を出せば 結局 予算がカットされ別の財源に使われ るだけだ *もっと大きな無駄があり、日頃何も言って来なかったのに 急にこの プログラムだけに何故 *本プログラムは通常の科学技術予算とは別に 経済危機克服に産業構 造を変える研究開発目的で構想されたもので 科学技術支援策として批 判するのは筋違い などのご意見があり また *意見の分かれる政治的色彩をもつことに 学会は関わるべきではない とのご意見もあると思います。 また 他の学会にも本件に関し呼びかけはしますが 発生生物学会長声 明だけが突出し孤立する可能性もあります。 それでも と考えました。 行き過ぎた“選択と集中の論理”と “成果主義” が凌駕する  昨今の科学技術施策には 大いに疑義があり学会も 時を捉えて 疑 義くらいは表明すべきではないかという考えによります。 新政府発足のこの機は 数少ない科学技術政策転換の可能性を持つ時で もあります。 かえって悪くなる可能性があるのかもしれません。 声明の責はすべて 学会長の私にあります。 掲示板,事務局へのメイル(jsdbadmin@jsdb.jp) などで ご意 見をお寄せ頂けると幸いです。 なお国大協提言についてはhttp://www.kokudaikyo.gr.jp/active/ 5voice.htmlでご参照下さい。 日本発生生物学会会長 相沢慎一 *********************************************************************** 日本発生生物学会会長声明  新政府は先に決定された最先端研究開発支援プログラム、更には来年 度の科学技術分野の予算配分方針を見直すことが伝えられている。  先の国大協アピール(6月1日)にあるように、科学技術研究活動は これに携わる者の知的好奇心・探究心に依拠するものであり、それゆえ に優れた知的・文化的価値を有することを何よりの科学技術政策の基盤 としなければならない。研究者の自由な発想に基づく多様な研究の推進 こそが学術政策の基本である。科学技術研究の成果を求めて研究の推進 と強化を図ることが、我が国の将来と世界への貢献に必要であることは いうまでもないが、本プログラムに象徴される昨今の行き過ぎた“選択 と集中の論理”と “成果主義”は、却って我が国の科学技術研 究を跛行させ崩壊させるものである。  本学会は受精に始まる生命の発生の謎を解明する学術的な研究を基盤 としつつ、iPS 細胞などの基礎再生医学研究の将来を展望する研 究者の集う学会である。その会長として、新政府にあっては以下の点に 留意して我が国の科学技術研究推進のあり方を抜本的に再検討されるよ う要請する。  1) 科学技術研究の推進強化は、学術研究、基礎研究、応用 研究を結びつけ、また基盤的支援と重点的支援を組み合わせて、長期的 かつ総合的な計画性をもって実施されるべきである。このような研究推 進の方策の原点に立ち返って、科学技術支援策のあり方を再検討される こと。  2) 科学技術支援策は、研究の世界的な現状の分析と判断と を基盤として決定されるのが本来の姿である。産業界・政界などより科 学技術研究の現状について評価判断や提案のあることは当然であるが、 これに偏重してはならない。科学技術支援策が科学技術研究者の判断を 基盤として決定される仕組みに再構築されるよう、総合科学技術会議な どのあり方について再検討されること。 平成21年10月3日 日本発生生物学会 会長 相沢 慎一 "[he-forum 14629] 読売新聞佐賀10/3 読売新聞佐賀版2009年10月3日付 佐賀大学長に佛淵氏着任「きちんと教育し送り出す」  佐賀大の学長に1日付で就任した佛淵(ほとけぶち)孝夫氏(57)が2日、記者会見し、「大学の原点は学生。きちんと教育し、社会に送り出したい」と抱負を述べた。任期は4年。  佛淵学長は「(好きな研究、好きな教育をしていた)昔の大学から抜けていないところがある」と指摘。国立大学法人化で国からの運営交付金や人件費が年々減っている中で、大学の存在意義を見いだすことの重要性を強調した。10人の学長補佐らを入れた拡大役員懇談会を新設し、週1回の意見交換を始めたことも紹介した。  佛淵学長は九州大医学部卒。股(こ)関節外科が専門で、佐賀大医学部付属病院副病院長などを歴任した。自ら執刀する手術の予約が約150件残っているといい、「『手術ができる学長』というのも一つの個性」と笑顔を見せた。  1日付で理事(副学長)4人と非常勤理事1人も就任した。次の皆さん。(敬称略)  【理事】瀬口昌洋(64)▽中島晃(62)▽米倉茂(59)▽宮崎耕治(60)  【非常勤理事】緒方龍雄(66) "[he-forum 14630] 毎日新聞社説10/3 毎日新聞社説2009年10月3日付 教育政策 「第3の改革」の気概を  政権交代で政策に変更が加えられるのは当然のことだが、教育については「なぜ変える」だけではなく、それらによってどのような教育改革に結びつけていくのか、大きなビジョンをうたいあげてほしい。  なぜなら、教育の目的はさまざまな意味で「生きる力」を育成することであり、それは政策変更で即「成果」が表れるものではない。まして公教育支出は社会全体で負担をという今、なおさらのことだろう。  現実はどうか。この10年ほど、教育政策は落ち着きを失ったようなブレを見せ、大きな目標に向かって確かな歩みを進めている感がない。  新政権は高校無償化を来年度から実施し、大学奨学金の拡充、現行の全国学力テストや教員免許更新制度見直しも表明している。また教員養成課程を6年に延ばす考えだ。  無償化や奨学金は経済格差の中での就学難を補う。学力テスト見直しは全員参加方式(悉皆(しっかい)方式)の必要はないという判断だ。教員の質向上は免許更新制より養成教育でという。また教育予算の比率や子供1人当たりの教員数で先進諸国の中で後れを取っていることも、改善課題に挙げられている。それらは一つ一つ重要項目で、取り組みの着実な進展を望みたいが、では、全体でどのようなビジョンを描くのか。  明治の学制発布を第1、敗戦後に6・3・3・4制に「単線型」化した現行学制を第2の教育改革という。行き詰まり始めた70年前後から「第3の教育改革」論議が高まる。80年代に臨時教育審議会は「個性の重視」「国際化・情報化への対応」「生涯学習社会」を改革理念に示した。だが、単線型の基本は変わらず、抜本的な変革にはまだ遠い。  特に気になるのは、学校現場の先生に聞くと、学力より学習意欲低下や動機付けの難しさがしばしば問題として挙げられることだ。単線型学校制度では「皆と同じように」進級、進学する。そして7割以上が大学など高等教育に進んでいるが、目的がはっきりしない学生が多く、今は就職用の専門教育をする学校を別途作る構想も論議される状況だ。  こうした時だからこそ、新政権は「第3の改革」の骨太ビジョンを示す意義と必要がある。例えば、何歳でも勉強のやり直し機会や意欲が持てる社会。選択肢の多い分岐型、複線型の学校。飛び級や選抜教育。仮にこうした理念を実現するなら、制度設計や条件整備は難関だらけだ。「横並びでないと不安」という精神風土も変える覚悟が必要だろう。  しかし、そんな気概でビジョンの論議に踏み込まなければ、新政権の政策は金のつけどころを変えただけということになりかねない。 "[he-forum 14631] 読売新聞10/2 読売新聞2009年10月2日付 岡大病院に病児保育施設、子育て中の医師ら支援  子育て中の女性医師らをサポートするため、岡山市北区の岡山大病院内に1日、病児保育施設「ますかっと病児保育ルーム」が開所した。子どもの急な発病への対応に苦慮していた女性医師らからは「安心して仕事に打ち込める」と歓迎の声が上がった。  対象は同大学関係者の子どもで、生後6か月から小学3年までの定員4人。配膳(はいぜん)室を改装し、個室、シャワー室、トイレ、洗面所を設け、乳児用ベッドや簡易ベッド計4台を備えた。月~金曜の午前8時~午後5時半に開く。看護師、保育士各1人が常駐する。  同大学が女性医師397人に復職に必要な条件を尋ねたところ、43・1%が病児保育施設を挙げていた。開設準備を担当した片岡仁美講師は「大学には学内保育所や学童保育施設もあり、働きやすい環境がまた一つ整った」と話している。 "[he-forum 14632] 西日本新聞10/2 西日本新聞2009年10月2日付 九大伊都キャンパス 理系の高機能拠点に ウエストゾーン 2期工事が完了  九州大学伊都キャンパス(福岡市西区など)の「ウエストゾーン」の第2期工事が完了し、同キャンパスで1日にあった竣工(しゅんこう)披露式では、大学関係者約80人が理・工学系の研究拠点の完成を祝った。数理学研究教育棟と総合学習プラザ、理系図書館で構成される同ゾーンは、学部から大学院まで一貫した教育・研究が可能となる。  理系図書館は「伊都図書館」の名称で、134万冊の収蔵が可能。数理研究教育棟と渡り廊下でつながっており、学生が利用しやすい構造。「数学系の学生が、システム情報や工学系と連携した研究が期待できる」(同大広報室)と研究面でも機能向上が見込まれる。  総合学習プラザには工学系の講義室のほか、4月に新設された自動車産業にかかわる高度な人材を養成する「統合新領域学府オートモーティブサイエンス専攻」の研究室などが設置されている。  理系図書館前広場であった披露式で、有川節夫学長は「箱崎、六本松キャンパスから(数学系が)集約でき、研究院レベルでの分断状態が解消された」と述べた。  今後、文系や農学系、中央図書館などが2019年度までに伊都キャンパスに移転する予定。 "[he-forum 14633] 日本海新聞9/16 日本海新聞2009年9月16日付 鳥大病院救命救急センター 整備計画を発表  鳥取大学医学部付属病院(鳥取県米子市西町、豊島良太病院長)は15日、救命救急センターの施設整備計画を発表した。増築する建物に同センターの機能を移す計画で、医師の移動距離を短縮させるほか処置室を増やし、ハード面の課題解消と態勢の強化を図る。来年3月着工、同年10月の完成を予定している。  同センターは2004年に開設されたが従来の建物をそのまま利用しており、センターと医師の待機部屋や診断機器がある部屋が離れているなどの構造的な支障があった。  新しい建物では待機部屋を併設するほか診断機器との距離が縮まり、医師の移動距離が大幅に短くなる。また、1室の処置室を3室に増やし、複数患者への対応を容易にする。事業費は機器整備を含め約5億円。  同病院では、今年3月末で救命救急センターを担ってきた救急科の専門医4人全員が退職する問題があったが、その理由の一つとして施設の不備も挙がっていた。 "[he-forum 14634] 河北新報10/2 河北新報2009年10月2日付 「街中サテライト」山形大工学部、商店街にキャンパス  山形大工学部は1日、産学連携の拠点となる「米沢街中サテライト ものづくり・ひとづくりキャンパス」を、米沢市の中心商店街に開設した。  開所式で、山形大工学部の大場好弘学部長は「大学から街中に出ることで、産学連携や中心街の活性化にも貢献していきたい」とあいさつ。関係者がテープカットして開所を祝った=写真=。  キャンパスは、同市中心商店街のオフィスビル1、2階(約250平方メートル)に入居。同大大学院ものづくり技術経営学(MOT)専攻「グローバル戦略コース」の研究拠点となる施設で、講義や実験スペースを備えるほか、地元企業との産学連携事業やセミナーなどを行う。 "[he-forum 14635] 下野新聞10/1 下野新聞2009年10月1日付 鳥獣被害解消へ連携 県と宇大、農工大が協定  福田富一知事は30日、宇都宮大の進村武男学長、東京農工大の小畑秀文学長と鳥獣被害解消のための協定を結んだ。県環境森林部によると、野生動物管理の分野で複数の大学が参加し協定を結ぶのは初めてという。  両大学は野生動物の研究で蓄積があり、大学院を共同で20年間運営している縁もある。両大学は問題解決のための研究を連携して進め、県はその成果を施策に生かす。また、宇大は野生鳥獣の保護管理を担う人材の養成を県と共同で進める。  県内で鳥獣による農産物や森林資源などに対する被害金額は毎年億単位に及んでいる。2005年度までは3億円台だったが、06年度に5・5億円に増加。07年度5・2億円、08年度4・1億円と推移している。  県と両大学が締結したのは「野生動物管理のための研究推進に関する包括連携協定」。両大学は本年度から3年間、県内の調査地で生態学と社会科学を融合した研究を行う。  県と宇大は人材養成に関する協定も結んだ。同大が7月に設置した里山科学センターで、専門技術者の地域鳥獣管理士を5年間で60人養成する。養成プログラム第1期生15人程度を16日まで募集。講義を23日から始める。  この日の調印式で福田知事は「イノシシの農業被害が近年顕著で対策は喫緊の課題。人材育成と研究成果の活用で対策を進めたい」と期待を示した。 "[he-forum 14636] 毎日新聞10/3 毎日新聞2009年10月3日付 新教育の森:付属校増やし、小中学生確保 将来の学生「囲い込み」に走る私立大学  首都圏や関西の有名私立大学の間で付属や系列の小中学校を増やす動きが加速している。少子化で大学同士の競争が激化するなか、早い段階で優秀な生徒を囲い込むのが狙いだ。【井上俊樹】  9月13日、早稲田大学(東京都新宿区)のシンボルの大隈講堂で、早稲田の付属・系列校計7校を目指す小学生を対象にした初の合同学校説明会が開かれた。午前と午後の2回に分けて行われた説明会に参加した親子連れは約1200人。周辺では保護者らにパンフレットを配る進学塾関係者の姿も目立った。  ◆早大進学100%の魅力  今年注目を集めたのが、来年4月、練馬区の早稲田大学高等学院に新設される中学部だ。早稲田には原則として全員が大学まで進める「付属校」と、別の学校法人が運営し、大学への内部進学枠が30~90%の「系属校」の2種類あるが、新設の中学部は付属校では初の中学となる。学校側の説明が、試験科目や面接時間など来年2月1日に行われる入試に及ぶと、熱心にメモを取る保護者の姿が見られた。  夫婦とも早稲田OBという横浜市港北区の主婦(40)は小学5年の長男(11)を連れて参加。「周りは半分以上、中学受験する。私たち夫婦も大学時代が楽しかったから、息子にも早稲田に通ってほしい。100%大学に上がれる中学ができるのは大きい」と期待をのぞかせた。  ◆「関関同立」相次いで  早稲田は地方にも触手を伸ばしており、09年春には、大阪府茨木市の既存の中高一貫校を系列化して「早稲田摂陵中学・高校」を開学。来春には佐賀県唐津市にやはり中高一貫系属校の「早稲田佐賀」を開設、寮も設置して九州全域から生徒を集める計画だ。このほか、首都圏の私大では中央大が来春、初の付属中学を開設し、青山学院大や慶応義塾大などでも付属校を増やす計画がある。関西では「関関同立」と呼ばれる、関西大、関西学院大、同志社大、立命館大が相次いで小学校を開設。既存の学校法人を合併して付属化したり、提携校との間でエスカレーター式の入学枠を設けて事実上系列化したりと、首都圏以上に激しい「囲い込み」競争を展開している。  こうした競争の背景にあるのが少子化だ。92年に約205万人いた18歳人口は現在約121万人。89年度に16万人いた志願者が12万人余に減った早稲田大の土田健次郎副総長は、「以前のように一般入試だけで学生が集まる時代ではなくなった」と語る。  他方で中学受験者数は増え続けている。中学受験塾大手の日能研(横浜市港北区)によると、首都圏では小学6年生の5人に1人、関西でも10人に1人以上が受験するという。日能研進学情報室の井上修室長は「家計が悪化しても教育費を削るのは最後。逆に将来のために教育に投資しようと考える親も多く、当面受験者が減ることはないだろう」と言う。大学側からすれば、学生の質を落とさずに学校規模を維持するには少しでも早い段階から生徒を囲い込まざるを得ないのだ。  ◆ブランド力に陰り  とはいえ、小さなパイを奪い合う状況に変わりはない。早稲田摂陵の場合は受験者が募集定員に届かず、中高とも大幅な定員割れでスタートした。私大経営に詳しい高等教育総合研究所(東京都千代田区)の亀井信明社長は「少子化で大学に入りやすくなっており、保護者も以前のようにエスカレーター式に上がれるという理由だけで選択するわけではない。付属、系列校でも大事なのは教育の内容。大学のブランドだけで生徒が集まるとは限らない」と指摘している。  ◇高校生にもアプローチ  ◇高大連携--大学の授業受講で推薦入学/聴講分の単位先取り  高校生が大学で授業を聴講したり、大学の教員が高校に出張して授業したりする「高大連携」。近年急速に拡大しているこの取り組みを利用して、生徒集めにつなげる大学もある。積極的なのが立命館大(京都市北区)だ。  05年度の理工学部と情報理工学部を皮切りに、各地の高校と「高大連携に関する協定」を締結した。目玉は高校3年生を対象にしたプログラム。5~6月に計4回行われるウェブ授業と、夏休み中に大学で丸2日間行われる対面授業を受講した上で、リポート提出など一定条件をクリアした生徒を「高大連携特別推薦」枠で受け入れる制度だ。09年度は6学部が全国の高校66校と協定を締結し、636人が受講登録した。立命館志望者以外も受講できるが、08年度までの4年間に受講登録した2081人のうち半数超の1172人が入学した。  桜美林大(東京都町田市)の高大連携は、授業を聴講した高校生が入学すれば、受講分の単位を大学の卒業単位に算入するのが特徴だ。高校時代に単位を「先取り」することで入学へとつなげるのが狙いだが、毎年35~70人前後の受講者のうち入学者は数人から20人程度にとどまっている。桜美林大は124単位を取得すれば3年で卒業できる制度を01年度に導入しており、年間120人程度が一足早く大学院に進んだり、留学したりしている。大学側は単位の先取りで早期卒業が容易になるとアピールして、連携の拡大を目指している。 ==============  【私立大学による付属校・系列校開設を巡る最近の動き】 早稲田  09年 摂陵中高を系属化       大阪府茨木市      10年 早稲田大高等学院に中学部設置 東京都練馬区      10年 早稲田佐賀中高開校      佐賀県唐津市 中央   10年 中央大付属高校に中学設置   東京都小金井市      11年 横浜山手女子学園中高を付属化 横浜市中区 青山学院 計画  中学高校を新設        神奈川県相模原市 慶応義塾 計画  小中学校を新設        横浜市青葉区 関西   08年 北陽高校を付属化       大阪市東淀川区      10年 関西大北陽高校に中学設置   同      10年 関西大初・中・高等部開校   大阪府高槻市 関西学院 08年 関西学院初等部開校      兵庫県宝塚市      10年 千里国際学園中高を付属化   大阪府箕面市 同志社  06年 同志社小学校開校       京都市左京区      11年 同志社国際学院初等部開校   京都府木津川市 立命館  06年 立命館小学校開校       京都市北区      06年 守山市立守山女子高を付属化  滋賀県守山市      07年 立命館守山高校に中学設置   同 "[he-forum 14637] 西日本新聞10/3 西日本新聞2009年10月3日付 「必要とされる大学に」 宮崎大 菅沼新学長が抱負  宮崎大学新学長の菅沼龍夫氏(61)が2日、宮崎市の同大で教職員を前に就任あいさつ。「農林・畜産・水産業での産学連携など、教育・研究の成果を地域に還元し、地域から必要とされる大学を目指す」と抱負を語った。  菅沼氏は医学部の教授(解剖学)で、1日付で学長に就任した。あいさつでは新政権についても触れ、「国の財政状況は厳しく、人件費が削減されて教員増が難しい状況。鳩山政権で見直される概算要求事項を注視したい」と述べた。  菅沼氏は1989年、同大と統合する前の宮崎医科大医学部教授となった。統合後の2007年からは副学長を務めていた。学長の任期は13年9月まで。 "[he-forum 14638] 毎日新聞宮崎9/29 毎日新聞宮崎版2009年9月29日付 宮崎大:「総合医」養成へ 地域医師不足解消に期待  宮崎大学医学部は10年度から、幅広い疾患の診療に対応でき、医師不足の解消にもつながる「総合医」の養成を本格化させる。準備段階として今春、地域医療連携室を設立しており、来年度には独立した講座に格上げ、医師派遣を始める計画だ。県や県医師会の財政支援による寄付講座での運営も検討されている。【石田宗久】  04年度に導入された新医師臨床研修制度による医師の都市偏在や、医療の高度・専門化のため地域で深刻化する医師不足への解消が狙い。宮大が目指す総合医は、内科や外科、救急などを初期段階で幅広く、住民に近い地域医療の現場で担う。  必要に応じて大学病院などの高度医療機関とも連携。所属医師は地域の医療機関と大学を定期的に行き来できるようにして研究、キャリアアップできる。産休明けの女性医師の現場復帰支援にも柔軟に対応。結果的に県内の医師数増につなげたい考えだ。  地域医療連携室にはまず特任教授ら2人を配置し、学生向けのセミナーを不定期で開催。来年度以降、一定期間のへき地勤務を終えた自治医科大出身医師や、宮大医学部の地域枠推薦で学び、卒業した若手医師らの受け入れを進める。  池ノ上克医学部長は「『調子が悪い』と訪れる住民を総合的に診療でき、地域で活躍する医師を育てたい」と話している。 "[he-forum 14639] 毎日新聞鳥取10/2 毎日新聞鳥取版2009年10月2日付 鳥取大:施設内を禁煙 職員らビラ配布 中国5県の国立大で初  受動喫煙の防止や学生、教職員の健康増進のため鳥取大は後期授業が始まった1日、大学全施設を禁煙にした。中国5県の国立大学で初めて。学生から強い要望があったという。夏休み明けで登校する学生らに教授や職員ら12人が同日、禁煙を知らせるビラを配った。  6月の禁煙決定から大学側は掲示やメールなどで学生らに周知を徹底。禁煙教室も開いた。学生から禁煙に反対する声も出ると予想していたが、実際に反対の声が出たのは教職員からだったという。  本名俊正副学長は「他大学の調査では、入学時と大学4年時の喫煙率を比べると男子が4倍、女子が10倍増えるというデータもある。キャンパスが禁煙なら、喫煙する学生も減るはず」と期待する。  喫煙者の地域学部3年の後藤大輔さん(21)は「全面禁煙は受け入れがたいが、吸わない人のことを考えると我慢しなければいけないかなとも思う」と話していた。【遠藤浩二】 "[he-forum 14640] 毎日新聞10/2夕刊 毎日新聞2009年10月2日付夕刊 日本学生支援機構:電話8割つながらず 奨学金問い合わせで  大学生向けの奨学金を巡り、貸与先住所のずさんな管理で約130億円の未回収金が生じている独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)で、返還猶予や住所変更を受け付ける相談電話へのダイヤル件数の約8割が、通話中のためつながらない状態であることが分かった。人員不足が原因。支援機構は逆にダイヤル数の8割がつながる態勢を目標に掲げ、1日から態勢を強化。民間委託で担当者数を倍にした。  相談電話は返還困難な奨学生への指導や住所変更の受け付けなどを行っている。支援機構の電話相談システムに記録された今年7月のダイヤル数は約19万4400件。しかし、実際につながったのは約3万5500件、約18%にとどまった。長時間待たされ、担当者とつながる前に切ってしまうケースが多いという。  横浜市に住む奨学生の母親(63)は9月、相談電話に10日間ほどかけ続けたが、つながらなかった。「1日3回かけたのに冗談じゃない」と憤る。私立大に通った長男(32)が奨学金211万円を15年で返す計画だが、別のアパートに住む長男夫婦は子供ができるなどすれば転居の可能性が高いため、支援機構に届ける住所地を母親の住所に変更しようとした。電話がつながらなかったことで、結局、簡易書留で住所を送った。母親は「つながらなくて『もういいや』と思う人がいっぱいいると思う」と話した。  支援機構の職員でつくる労働組合「奨学金の会」などによると、相談電話の混雑ぶりは独立行政法人となった5年前から悪化。独法化に伴う国の補助金削減を受けて職員を減らし、奨学金担当の職員は今年1月現在で155人で、旧育英会時代の半分程度になった。その一方、不況により貸与者が増え、相談件数は増加傾向にあるという。  支援機構は「今後の運用状況を見て、さらに改善したい」と話している。相談電話の番号は0570・03・7240。【苅田伸宏、松谷譲二】 "[he-forum 14641] 毎日新聞9/30夕刊 毎日新聞2009年9月30日付夕刊 日本学生支援機構:奨学金ずさん管理、130億円未回収 転居把握せず--検査院指摘  大学生に奨学金を貸与する独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)で2253億円もの未回収金が生じている問題で、このうち約130億円は、機構側による貸出先住所のずさんな管理が主な原因であることが、会計検査院の調べで分かった。奨学生の転居は卒業直後にピークを迎えるのに、卒業後半年間は接触しないシステムを続けてきたためで、検査院は改善を求める方針。一方、貸与型奨学金を巡る問題点が改めて浮かんだことで、専門家からは、海外で主流の給付型の導入を求める声が強まっている。  支援機構によると、奨学金を貸与する学生には入学直後と卒業直前に住所を知らせるよう求め、転居ごとの届け出も呼び掛けている。卒業直前の住民票提出は今年度から義務化されたが、提出しなくともペナルティーはない。  卒業後は、ただちに返還を求めると奨学生の負担が大きいとして、8月中旬に返還開始の通知を送り、実際には10月から引き落としを始める。ただし、このシステムでは、滞納者と実際に接触を試みるのは早くても卒業から半年後。就職などに伴う転居が多い卒業直後には奨学生と接触しないため、転居先の届け出がないまま未回収になるケースも少なくないという。  検査院は、住所が分からないことで、悪質な延滞者への督促が不十分になるだけではなく、資力の乏しい奨学生に対して事情に応じた返還指導もできなくなる点を問題視。卒業後、早い段階で住所を把握できるようにするため、就職先や住所変更を把握し得る大学や同窓会との連携を含めて改善を求める方向で調整している。【苅田伸宏、松谷譲二】  ◇「給付型」検討を--奨学金問題に詳しい小林雅之・東大教授(教育社会学)の話  未回収額が増加した原因は、進学率の上昇による貸与者増に加え、返済できるのに返さない奨学生に対する回収の甘さだ。返済できなくて困っている人かを見定めるためにも、住所情報の取得は不可欠。先進国の奨学金は、返済不要の給付と貸与の併用が主流。深刻な不況の影響で返済できない奨学生はさらに増える。日本の制度は限界に来ており、給付型の導入を検討すべきだ。 ==============  ■ことば  ◇日本学生支援機構の奨学金  無利子の第1種、有利子の第2種があり、すべて貸与型。08年度で第1種2793億円、第2種6512億円、計122万人に貸与した。10年前より金額で3・5倍、人数で2・4倍に増加。07年度の延滞債権は2253億円と10年前の倍に達し、文部科学省は昨年、11年度までに半減する目標を示した。延滞理由の上位は低所得や失業。 "[he-forum 14642] 四国新聞10/3 四国新聞2009年10月3日付 一井学長が決意を表明/香川大新役員就任式  香川大は2日、一井真比古学長の再任に伴う新役員の就任式を香川県高松市幸町の同大で開いた。一井学長は教養学部の新設などを課題に挙げた上で、「学内の意見を聴きながら、引き続き教育改革を進めたい」と決意を表明した。  就任式には、一井学長や再任・新任の役員、教職員ら約200人が出席。一井学長は「教育改革を核とする大学改革は社会の要請であり、期待も大きい。2年間の任期で改革を成功に導いていきたい」と意欲を示した。  同大は教育改革として、2011年4月の教養学部新設ほか、人文社会系の博士課程設置、学部の枠を超えた柔軟な教育組織の確立などを掲げている。 "[he-forum 14643] 四国新聞10/1 四国新聞2009年10月1日付 副学長6人に倍増/香川大が新役員体制  香川大は30日、一井真比古学長の10月1日付の再任に伴う新役員体制を発表した。理事兼副学長を現行の3人から4人に増やすのに加え、理事を兼務しない副学長を新たに2人置き、各分野の教育・研究体制の強化を図る。任期は2011年9月30日までの2年間。  新任の理事は副学長を兼ねる4人。教育担当は経済学部長の細川滋氏(61)、学術・広報担当は農学部長の田島茂行氏(61)、教育改革・計画担当は工学部長の伊藤寛氏(63)、医療担当は医学部付属病院長の石田俊彦氏(64)が就く。再任の理事は、労務担当に高木健一郎氏(62)、総務・財務・環境担当に松川保氏(56)。  また、理事を兼務しない副学長は、国際・連携担当に医学部教授の田港朝彦氏(65)、情報担当に教育学部教授の柴田昭二氏(59)の2人が就任する。 "[he-forum 14644] 毎日新聞愛知10/1 毎日新聞愛知版2009年10月1日付 愛教大:教育創造機構を設置 センター再編14部門で構成  ◇相互連携強め活動拡充  愛知教育大は学内の教育や研究の各センターを連携させるため、統括組織の教育創造開発機構を1日付で発足させる。関連センターの再編と新設による5センター計14部門で構成し、学部や大学院と同じ位置づけにする。機構の設置は国立大学法人になって各大学が独自にできるようになった。愛教大では初めて。  機構を構成する5センターは、従来の3センターを二つに再編した「大学教育・教員養成開発センター」(教科教育研究、教育実習、FD・学習支援、教員免許更新支援、愛教大史資料の5部門)、「教育臨床総合センター」(教育臨床研究、発達支援研究の2部門)と、新設する「国際交流センター」(留学生支援、国際協力、協力校交流推進の3部門)、「地域連携センター」(地域連携、外国人児童生徒支援の2部門)、「科学・ものづくり教育推進センター」(理系機器共同利用、科学・ものづくり教育推進の2部門)。  機構長は松田正久学長が務め、各センターにセンター長を置く。教授や准教授などの教員は、5センター全体で専任10人と兼任10人の計20人。  30日に発足式があり、松田学長は「機構の設置で各センターの相互連携を強め、有機的な活動を拡充させる。特に地域連携や国際交流に期待し、本学の存在感を高めたい」とあいさつした。【安間教雄】 "[he-forum 14645] 朝日新聞社説9/28 朝日新聞社説2009年9月28日付 先端研究支援―視野を広げて見直しを  総額2700億円という巨額の研究費の行方が注目されている。  補正予算に盛り込まれた「最先端研究開発支援プログラム」だ。研究者30人に平均90億円ずつ配り、「3~5年で世界のトップをめざす」という。かつてない大胆な研究支援である。  鳩山新政権の発足を前にした今月初め、麻生前政権がまさに駆け込みで、対象の研究者30人を決めた。  これに対し、当時、民主党幹事長だった岡田克也氏は「政権発足後に精査の対象にする」と述べた。新政権はいま補正予算見直しを進めており、文部科学省はその執行を止めている。  独創的な科学技術は、日本の将来にとってきわめて重要だ。ましてや、巨額の予算を振り分けるのだから、公正で、かつ効果的でなくてはならない。  だが、今回の選考はあまりに拙速ではなかったか、という声が学界などからわき上がっている。  公募期間は3週間で、構想を練る時間は少なかった。600件近い応募に対して、選考期間はわずか1カ月しかなく、専門家の意見を十分に聞くだけの余裕も少なかった。  この計画はもともと緊急経済対策の一環として提案されたが、法案審議のなかで、先端研究の推進は決して臨時の措置ではないとクギを刺したうえで民主党も賛成し、可決された。  付帯決議には、件数を30件程度と限定しないこと、難しい課題に挑戦するいわゆるハイリスク研究にも目を向け、分野間のバランスも勘案して適正に資源配分することなどを盛り込んだ。より多様な研究を、より柔軟に支援する狙いといっていい。  こうした意図は尊重されたといえるだろうか。  選ばれた30人を見ると、うち11人が東大に集中している。ノーベル賞受賞者など著名な研究者も多く、実績重視の傾向もうかがえる。  研究の分野や、研究がどの段階まで進んでいるのかによって、必要な費用は大きく異なるし、政府がどこまで支援すべきかも変わってくる。新政権の責任できちんと再点検すべきだ。  一方、最先端研究を育てるうえで忘れてならないのは、すそ野を広げることだ。若手の自由な発想を生かした研究を進めてこそ、思いもかけないような画期的な成果が生まれてくる。  オバマ米政権は補正予算で2兆円規模の破格の研究費を計上し、「長期的に基礎研究を育てる」ことに力を入れる。既存の支援計画の予算を増やし、より多くの、とりわけ若い研究者を支援するのもその一つだ。日本も視野を広げ、同様の工夫をしてはどうか。  独創的な研究は一朝一夕には生まれない。どう育てていくのか。今回の支援事業の進め方は、鳩山政権の科学技術政策の試金石にもなるはずだ。 "[he-forum 14646] 朝日新聞10/1 朝日新聞2009年10月1日付 海外拠点新設、筑波大が発表 ベトナム・ホーチミンと中国・北京  筑波大学は9月24日、海外の大学などと学術交流を進めるための海外拠点を、2カ所新設すると正式に発表した。ベトナム・ホーチミン市の拠点はすでに8月から活動している。10月1日には中国・北京市に新設される。  ホーチミン市の拠点は、熱帯生物学研究所内に設置。筑波大で医学を学ぶベトナム人留学生も多いことから、感染症の共同研究や留学生受け入れなどの準備をする。北京市の拠点は日本学術振興会北京研究連絡センター内に置く。中国側の研究教育機関と幅広い分野で学術交流を深め、留学生の確保にあたるという。 "[he-forum 14647] 琉球新報10/4 琉球新報2009年10月4日付 国公立学費:4年で240万 県外は生活費も  高校まで年額十数万円から20万円前後だった子どもたちの学費は、大学では一気に倍以上に膨れ上がる。県外大学への進学では自宅外通学が基本となるため、学費とは別に、生活費などの仕送りも必要だ。費用はかさむ一方だが、日本学生支援機構などの公的機関や、大学が独自で運営する奨学金制度も活用できる。 ◆4年間の学費  「3人分の授業料だけで出費は年200万円を超える。大学では教育費が掛かると聞いていたが、学校の納付書を見ると実感する」。長男と三女が県内の大学に、次男が高校に通う女性=50代、糸満市=はため息をつく。授業料に加え、教科書や専門図書の購入費、交通費なども家計を圧迫する。「学資保険や定期預金で、こつこつと貯金をしていてよかった」。  県内では、琉球大(国立)、県立看護大、芸大の3大学の場合、4年間に掛かる学費はトータルで240万円。私立大の場合、国立と比べて高額な入学料や授業料に加え、施設費などの諸経費も支払わなければならない。  一方、自宅外通学となることがほとんどの県外大学への進学では、学費以外に生活費や住居費などの仕送りをしなければならない。  日本学生支援機構は2006年同学生生活調査で、全国の国立、公立、私立大学に通う学生の学生生活費(年間の学費と生活費の合計)の平均額をそれぞれまとめた。それによると、自宅外通学者の学生生活費は、国立大は年間176万円、公立大は163万円だった。私立大は246万円で、国公立と比べ70~80万円多く掛かることになる。 ◆奨学金制度  ただ、経済事情や成績評価など、学生が一定以上の条件を満たしていれば、日本学生支援機構や県などの公的機関や、大学、大学後援会などが運営する奨学金を利用できる。  沖縄大学の「推薦入試特別奨学制度」は、成績優秀な推薦入学者の授業料を半額免除する制度。センター試験で高得点だった入学生の授業料を半額免除する「センター試験利用入試減免制度」もある。同2制度は、成績評価が一定基準を満たしていれば、4年次まで適用される。そのため、4年間のトータルで見れば160万円以上の減免となる。  同大学入試広報室の担当者は、これら2種類の奨学制度について「学生の支援だけではなく、卒業までの4年間、学内行事などでリーダー的役割を担う学生を取り込む目的もある」と説明した。  沖縄国際大学には、授業料相当額かその半額、4分の1のうちどれかの金額を給付する「一般奨学金」、授業料と施設設備資金相当額を給付する「特待奨学金」などがある。  名桜大学、沖縄キリスト教学院大学でも、学業奨励奨学金など、さまざまな奨学制度を設けている。  琉球大学は経済的事情と学業成績両方の基準を満たす学生向けに、前期・後期の授業料を全額、または半額免除する制度を実施。前期・後期で毎回、800~千人の学生が免除を受けている。  日本学生支援機構の奨学金を見ると、第1種は自宅通学の場合月額5万4千円を、自宅外は6万4千円を無利子で貸与する。第2種は有利子。3万円~12万円の額を選択して貸与する。(山城祐樹) ◆支援制度の活用も 本人交え、話し合い重要  国立大か私立大か、県内か県外か-。子どもたちが選択する進路によって、出費は大きく変わってくる。教育資金は子どもが小さく出費の少ないうちからコツコツと貯蓄しておくのが理想的だが、そう単純には進まないのが現実だ。子どもが大学に進学する時、どのような点を考慮する必要があるか。ファイナンシャルプランナーの高橋賢二郎さんに聞いた。  高橋さんは浦添市で高橋FP事務所を経営。保険や住宅ローンなどライフプランの見直しなどのほか、子どもの進学に伴う資金計画の相談も受けている。  高橋さんは「県外進学なら、学費以外に生活費の仕送りも必要になる。親がどこまで支援するか、まずは夫婦でしっかり話し合うことが必要」と話す。  高橋さんによると、県内では夫婦合わせて年収500万円以内、という家庭が一般的。「全部の費用の面倒を見るとマイナスになってしまう」。  奨学金などを利用するのが得策だが、県内の家庭ではまだ、各種支援制度について認知度が低いのが現状のようだ。  高橋さんは「支援制度を知らないため、家庭の収入が低いことから子ども本人が『進学は無理』と思いこみ、あきらめてしまうケースが多い」と指摘。「奨学金には無利息で借りられるものもある。知識のある人に相談するなどして、現在の収入からどのようにすれば進学できるかを前向きに考えてほしい」と訴えた。  その上で、進学とそれに伴う費用について子どもを交えて話し合う必要性も強調。「子どもの進学は家族のプラン。『おまえは何も心配しなくていい』とただ安心させるのではなく、進学後の本人の自覚を促すためにも一緒に考えてみては」と語った。 "[he-forum 14648] 読売新聞山形10/4 読売新聞山形版2009年10月4日付 有機EL拠点に影響懸念 関係者「白紙なら地元打撃」  政府による2009年度補正予算の見直しを巡り、文部科学省が2000億円超の執行停止の方針を示したことで、山形大学が計画する有機エレクトロニクス(電子工学)の研究拠点創設への影響が懸念されている。執行停止の対象は明らかにされていないが、関係者は「計画が白紙になれば、大学だけではなく地元産業界にも打撃」と困惑顔だ。  同大の計画によると、研究に必要なクリーンルーム(無じん室)などを備えた十数億円規模の「有機デバイス研究棟」を米沢市内の工学部敷地に新設。同大の城戸淳二教授をはじめ、世界で活躍する研究者を集めて複数の研究チームを作り、有機ELだけでなく、有機太陽電池や有機トランジスターなど新分野の研究にも活用する考え。  しかし、政権交代に伴い、鳩山首相が全閣僚に、国立大学法人の施設整備費などの執行停止を検討して2日までに報告するよう指示。各省庁は執行停止事業を報告したが、政府全体の目標額に届いておらず、政府は各省庁にさらなる積み増しを求める方針。  研究拠点創設が執行停止の対象になっているかは明らかではないが、研究者の1人は「首相は温室効果ガス25%削減を掲げている。環境保全に貢献する研究を止めるのは矛盾」と話し、有機EL関連会社の役員は「地元産業に成長してきたのに」と心配する。同大関係者は「研究拠点は地域振興や雇用創出につながる。地元国会議員を通じて計画通りの執行を求めたい」と話している。 "[he-forum 14649] 河北新報10/5 河北新報2009年10月5日付 医学部定員増に悲鳴 教育水準低下の懸念 東北  医師不足対策として文部科学省が本年度から実施している大学医学部定員増に対し、受け入れ側の東北の医大・医学部から不満の声が上がっている。各大学で学生が10人程度増えて少人数教育に支障が出始めている上、指導教員の手当ては一切なし。実験機器などが不足する所もある。国は定員増を続ける方針で、さらに人数が増える来年度以降、十分な医師養成教育ができなくなる恐れが出てきた。(編集委員・大和田雅人)  各大学の状況は表の通り。1年が110人となった東北大では、1人の教員が5~10人に教えるグループ制の臨床実習などで人数が増えた分、細かいところに目が届きにくくなったという。  教育担当の柴原茂樹教授は「大教室での講義と違い、実習は詰め込めば何とかなるものではない。少人数を続けようとすればグループ数を増やすほかなく、教員の負担が増す」と言う。  一気に15人増えた岩手医大は机や顕微鏡、実験台を購入、2000万円を出費した。「医療機器は高価。これ以上、学生を増やすのは限界」(学務部)と悲鳴を上げる。  各大学が口をそろえる問題が教員不足。教員数は大学の規模によって規定されており、各大学は増員を国に要求したが認められなかった。  医師である教員は日中、付属病院で診察しながら講義を受け持つ。柴原教授は「研究に打ち込む医師も多く、このままでは疲弊する」と訴える。  学生は6年学んだ後、臨床研修に臨むが、研修先の病院は教育水準の低下を危ぶむ。東北大病院の加賀谷豊卒後研修センター副センター長は「先進医療が進み、覚えることは多い。大学では一人一人手を取るように教えてほしい。教員不足では、質の悪い医師を増やすだけ」と語る。  文科省は7月、来年度も定員をさらに370人増やす計画を発表。民主党も政権公約で「医師養成数の1.5倍増」を掲げ、定員増は続くとみられる。教員不足などへの対応について文科省は「新政権が発足したばかりで何も決まっていない」(医学教育課)との立場だ。  定員増分は、卒業後も地元に残ることを奨励する「都道府県枠」の設定が期待されたが、医師養成には10年近くかかることから東北大は3年次に選択、山形大などは枠を設けないなど対応はさまざま。  全国医学部長病院長会議の専門委員長を務める嘉山孝正山形大医学部長は「教育環境が整わないのに、今から地域枠を設けるのは無理がある。教員増員など態勢整備が先だ」と話す。 "[he-forum 14650] 朝日新聞10/5 朝日新聞2009年10月5日付 地方の医師不足対策 医学生に新奨学金検討 文科省  川端達夫文部科学相は、医学部生が卒業後に地域医療に従事すれば返済を一定期間猶予する国の奨学金制度を新設するよう、同省の事務当局に指示した。地方の医師不足を解消するきっかけにしたいといい、早ければ来年度の実施を目指す考えだ。  地方の医療現場では、勤務医が足りないことで個々の負担が重くなり、辞めて都市部の病院に移ったり開業したりしてさらに人手不足が進む悪循環が起きている。これに歯止めをかけるため、自治体ではすでに、独自の条件を付けた奨学金で地元に医師を定着させる動きが出ている。  例えば鳥取県では、地元の鳥取大学医学部の学生を対象にしたもののほか、15人の枠内で全国どこの医学部生であっても月に10万円を支給する制度を設置。奨学金は形式上は貸与だが、一定期間、県内の医療機関で働けば返済を免除することにしている。  文科省はこうした各地の事例を参考にしつつ、返済猶予だけでなく免除も視野に入れて制度のあり方を詰める。  一方、川端文科相は、医師や看護師が仕事と育児を両立できるよう、国立、私立の各大学病院への院内保育所の整備を進めることも指示した。女性の医師や看護師らが出産を機に現場から離れてしまうケースが多いことを踏まえ、職場環境を整え、地域医療の拠点である大学病院の人手不足解消につなげたいという。(見市紀世子、青池学) "[he-forum 14651] 毎日新聞長野10/3 毎日新聞長野2009年10月3日付 信州大:新学長が会見 「知の継承、創造を」  信州大の学長に1日付で就任した山沢清人氏(65)と、新理事・副学長8氏が2日会見した。学長の任期は4年で、理事、副学長は2年。山沢新学長は、人間力豊かな人材の育成▽社会的責任と貢献▽社会環境の変化に対応する強靱(きょうじん)な経営の推進を目標に掲げ、「知の継承と新しい知の創造に注力していきたい」と抱負を語った。また新理事らが各学部の強みや特徴などを説明した。【渡辺諒】 "[he-forum 14652] 10/5朝日新聞 朝日新聞 2009年10月5日 東北芸術工科大、入学から卒業まで支援 学科ごとに「担当職員」  入学から卒業まで継続的に学業や就職活動の支援をします――東北芸 術工科大(山形市、松本哲男学長)は10月からきめ細かく学生の面倒 をみる「担当職員」を各学科に1人置く。学生と大学職員の連携を密に しキャンパスライフをより充実させるのが狙いだ。  大学の説明によると、事務局組織のうち「教務課」「学生課」「就職 支援室」を「教学事務室」に再編統合し、8学科の各実習棟に担当職員 を配置する。1年時から学業や生活面を継続的に支援し、就職活動もサ ポートする。  五十嵐真二・事務局長によると、組織再編のきっかけはこの夏にヒア リングをした若手職員の意見だという。これまでの大学の就職指導につ いて、「メンタル面や単位取得に問題を抱えている学生がいても、お構 いなしに就職支援をしている。事情が分かっていたら、個別の指導が出 来るんじゃないか」と、縦割りの弊害を指摘された。  五十嵐事務局長は言う。「就職活動が本格化する3年生になって、急 に就職指導の職員が学生の前に現れるのが今の体制。これを変える必要 があると考えた」。手探りのスタートとなる。「8人の担当職員が週1 回集まって話し合う予定。みんながパイオニアだから、うまくいったや り方を参考にすればいい」  企業動向や選考方法などの知識が必要な就職支援は一番の課題と言え る。専門家を招いた職員研修も行う予定だ。(八鍬耕造) "[he-forum 14653] 10/5朝日新聞2 朝日新聞 2009年10月5日 就職支援 公益大、学内で会社説明会  酒田市の東北公益文科大で9月29日、トラック貨物輸送大手の第一 貨物(本社・山形市)が4年生向けの会社説明会を開いた。世界同時不 況などで就職状況が厳しい中、大学は学生への支援態勢を強化し、同社 に働きかけて説明会が実現。学内で個別の会社説明会を開くのは珍しい という。  公益大キャリア開発センターによると、4年生の就職希望者194人 のうち、内定したのは8月末時点で50%程度にとどまっており、内定 率は前年同期比で約15ポイント低い。特に製造業などで求人数が減っ ている。首都圏の就職状況も厳しいため、Uターンする学生と競合して 地方の競争率が高まっているという。  同センターは、学生と面談するなどきめ細かく対応している。今月は 大学後援会と初めて就職懇談会を開くなど求人開拓にも取り組んでい る。10月1日からは職員を1人増やして4人にする。センター長の高 橋英彦教授は「状況は厳しいが、打開しないといけない。秋の求人で何 とか就職させたい」と話す。  説明会に出た4年生(21)は今年3月から6社ほど受けたが決まっ ていない。「秋の採用は若干名で、企業もよほどでないと採用しない。 厳しいが何とか就職したい」 "[he-forum 14655] 下野新聞10/6 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 下野新聞2009年10月6日付 宇大への光産業拠点整備 知事「国補正に努力」  大学の光技術(半導体やレンズなど)を企業に移転するための研究拠点を宇都宮大に新設するなどの国の地域産学官共同研究拠点整備事業が、新政権による補正予算見直し候補に挙がっている問題で、福田富一知事は5日、「政策決定は国に行われるので、重要な光産業の拠点施設とのとらえ方は変えないが、何とか補正予算で認められるよう努力していきたい」と述べた。  同日の県議会予算特別委員会で斉藤具秀県議の質問に答えた。  また野口明県産業労働観光部長は「宇大にある国内有数のオプティクス教育研究センターを、光に関する産学官連携の研究開発拠点に位置付け、シーズの発掘から実用までの研究開発を切れ間なく実施し、成果を独自製品などとして推進していくことが、光産業振興には重要」と説明。  斉藤県議が「政権交代で大学のシーズを中小企業に移転させる拠点施設整備できなくなると本県にとって極めて痛手になる。県も整備推進に向け積極的に頑張ってほしい」と要望。野口部長は「国の動向が不透明なので情報収集に努めるとともに、事業実施に向け宇大と連携しながら努力したい」と述べた。  この事業は695億円で、科学研究の拠点を各都道府県に1カ所ずつ整備する内容。 "[he-forum 14654] 読売新聞山形10/6 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 読売新聞山形版2009年10月6日付 補正見直し有機EL「黄信号」 「人材流出」懸念の声 山大・城戸教授「世界に遅れ」  政府による国立大学法人の施設整備費補助金など2009年度補正予算の執行見直しを巡り、山形大学が計画している有機エレクトロニクス(電子工学)の研究拠点創設への影響の懸念が拡大している。執行停止の対象は公表されていないが、同大関係者は「赤に近い黄色信号の状況ではないか」と危機感を抱く。計画が白紙となれば、人材流出や地域産業育成の遅れにつながりかねないという。  計画では、十数億円規模で、研究に必要となる実験室やクリーンルーム(無じん室)などを備えた延べ床面積5600平方メートルの「世界でも類のない」という研究施設の年内着工を目指している。10年中の供用開始を条件に、「有機太陽電池」研究で世界的権威のあるオーストリアの研究者、「有機トランジスター」分野の国内トップの研究者の招請もほぼ内定しているという。  有機EL研究で第一人者の同大の城戸淳二教授は、「世界最高峰の研究者たちを集める象徴。白紙となれば欧州やアジアの競合国に流れてしまう」と懸念し、「今、事業継続をはたらきかけていかなければ、最も重要な今後5年間の研究に遅れを取ってしまう」と訴える。  同大工学部がある米沢市には、県が03年に「有機エレクトロニクス研究所」を設立し、昨年5月には三菱重工、ロームなどが共同で照明用パネルの合弁会社を設立。県は03~09年度の研究開発に40億円、08~10年度の事業化に対して8億円を支援。来年度以降の研究支援のあり方などを協議している段階だという。県商工労働観光部の佐藤和志部長は「地元では財源の問題だけで片づけられない重要な構想。国には研究が十分に継続できる方策を探ってほしい」と強調する。  同施設が執行停止の対象かは明らかではないが、文部科学省は2000億円超の執行停止の方針を示している。だが、政府全体で目標額に届かず、政府は各省庁にさらなる積み増しを求める方針という。 "[he-forum 14656] 毎日新聞埼玉10/6 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 毎日新聞埼玉版2009年10月6日付 まちかど:埼玉大と武蔵野銀、県活性化へ協定  今年で開学60周年を迎える埼玉大学と武蔵野銀行は1日、連携して県の活性化に貢献するため、「連携に関する協定」を結んだ。  協定は、人材育成や産学連携に関して相互協力することを定めている。上井喜彦学長は「大学が蓄えてきたものを具体的に活用することで地域活性化に貢献できれば」と話し、加藤喜久雄頭取も「今回の提携を機に埼玉県が元気になる取り組みをしていきたい」と述べた。  今後は学長と頭取が参加して協議会を開催したり、武蔵野銀行本店ロビーで埼玉大学で美術を専攻する教授が絵画展を開くなど協力を図る。【西田真季子】 "[he-forum 14657] 秋田魁新報10/7 秋田魁新報2009年10月7日付 秋田大、22億の入札保留 国の補正予算見直しで  秋田大は6日、国の補正予算執行見直しに伴い、国の補助を受けて実施予定の施設整備や設備導入25件の入札を見合わせていることを明らかにした。国の追加経済対策の一環として予算計上された事業で、同大が保留している事業費の総額は約22億3千万円。講義や研究などで使う実験・実習装置の整備などを進める計画だった。  同大財務課によると、補正予算一部執行停止の閣議決定を受け、先月中旬に文部科学省から手続きを一時留保するよう文書で要請があった。予定していた事業は計29件で、総額約22億9千万円。このうち、先月末までに契約済みの4件(計約6千万円)を除く事業の入札手続きを見合わせている。  同課は「近日中に国の結論が出ると聞いている。連絡を待って対応したい」としている。 "[he-forum 14658] 陸奥新報10/7 陸奥新報2009年10月7日付 地域医療再生へ連携 西北中央病院と弘大が協定  弘前大学大学院医学研究科(佐藤敬研究科長)、弘前大学医学部附属病院(花田勝美院長)、五所川原市の西北中央病院(相澤中院長)は6日、医師不足解消と地域医療再生に向けた専門医育成を目指す弘前大学専門医養成病院ネットワーク協定を締結した。協定は弘前市立病院に続き2例目。  協定の内容は、医師免許取得後3年目以降の医師を対象にした専門領域ごとの研修プログラム確立や専門医研修の実施、医療面での積極的な連携、ネットワーク機能を活用した資格の取得促進など。  協定締結式で佐藤科長は「一つずつ積み重ねてやがて大きな成果にしたい」、花田院長は「西北中央病院は広い地域を任され症例の宝庫。得られることは多く、専門医育成にはこの力が必要」、相澤院長は「津軽半島の医療の充実には大変有効」と述べた。 "[he-forum 14659] 愛媛新聞10/5 愛媛新聞2009年10月5日付 愛媛大に医療支援拠点 医師養成・確保へ  国の地域医療再生基金を利用した県内医療の立て直しで、県は5日までに、全県的な取り組みとして医師養成・確保へ愛媛大医学部に「地域医療支援センター(仮称)」を置くなどの方針を固めた。10月中旬に国に提出する地域医療再生計画に盛り込む。  県は8月、同計画の対象に八幡浜・大洲と宇摩の2医療圏を選定。国は計画区域を2次医療圏が基本としたが、県全体での実施が効果的な事業も認めており、センター設置などを両圏域の計画に盛り込む。事業費は約5億円とみられる。  八幡浜・大洲の計画では地域救急医療学講座、宇摩の計画では地域医療再生学講座をそれぞれ愛媛大医学部に開設予定。ともに地域の病院を講座のサテライト機関とし、医師を確保・養成する。 "[he-forum 14660] 京都新聞10/7 京都新聞2009年10月7日付 医師確保など県、17億4千万円申請へ 国の「地域医療再生計画」  滋賀県はこのほど、医師確保や医療機能強化を目的とした国の「地域医療再生計画」に、県全体の医師や看護職員の確保、救急医療や在宅医療の推進対策として、計17億4千万円を申請することを明らかにした。  ■救急医療や在宅医療の推進も  医師確保対策には6億6千万円を申請する。滋賀医科大学への寄付講座設置や医師養成の奨学金、子育て医師向けのベビーシッター費用補助などを想定している。看護資格を持つ人に再就職を促す事業など、看護職員の確保には1億3千万円を充てる。  在宅医療の推進には6億円を計上。「在宅療養支援中央センター」の設置や、訪問看護ステーションの機能強化などに活用する。救急医療対策には3億5千万円を充てる。救急輪番に参加した病院への支援や、救急の適正利用に向けた県民啓発などに使う。  同計画は2次医療圏での申請が基本。選定されれば100億円が交付される圏域に、3病院再編計画が進む「東近江医療圏」、25億円が交付される圏域に、医師不足が目立つ「湖東・湖北医療圏」を申請することが決まっている。県全体で取り組んだほうが効果的な事例にも適用されることから、2圏域の交付金の一部を、県全体の事業に充当することにした。 "[he-forum 14661] 毎日新聞奈良10/7 毎日新聞奈良版2009年10月7日付 奈良教育大:国際レベルの教育を 長友新学長が抱負  1日付で奈良教育大(奈良市高畑町)の学長に就任した長友恒人さん(66)が、同大学で記者会見し、「小規模大学という環境を生かしながら、国際的に通用する教師教育をしていきたい」と抱負を語った。  具体的には、近隣の教育委員会との連携▽理数科や文化財教育を生かした個性化・特色化などを進めるとした。また、昨秋に構内で見つかった新薬師寺の遺構については「保存を基本に、教育にどのように活用できるのか、一般公開も含めて検討していきたい」と話した。  専門は物理学と文化財科学。73年3月に京都大大学院を退学。同年4月に奈良教育大助手、91年に教授に就任し、付属図書館長、副学長などを歴任。今年3月に定年退職した。【花澤茂人】 "[he-forum 14662] 毎日新聞熊本10/7 毎日新聞熊本版2009年10月7日付 熊本大:60周年、県内外で記念事業 「熊本学、提供したい」  熊本大は11月1日の設立記念日に合わせ、県内外で「設立60周年記念事業」をする。谷口功学長は「熊本大学の文化的イメージを高めたい」としている。  10月31日は7回目の「国際学長フォーラム」を開く。テキサス大(アメリカ)や大連理工大(中国)など約30大学の学長らを招き「高等教育のグローバル化と国際的教育研究連携の可能性と課題」について討議する。熊本大での開催は2年ぶり。  11月2日午前9時半から、熊本市大江の県立劇場で記念式典と講演会がある。細川護熙元首相の妻佳代子さんが「可能性への挑戦」、脳科学者の茂木健一郎さんが「心と脳」をテーマに講演する。一般公開だが、事前申し込みが必要。  また東京・上野の国立科学博物館で11月20~29日開かれる国内10大学の「サイエンスフェスタ」にも参加する。01年に自然科学研究科が開発したアルミより軽く熱にも強い新素材「超合金KUMADAIマグネシウム」など約50点を展示する。  谷口学長は「60周年の今年に限らず、来年以降も観光客の長期滞在などをねらい『(熊本の言葉や文化などを講義する)熊本学』を提供したい」と話している。問い合わせは同大総務部総務課096・342・3115。【大塚拓三】 "[he-forum 14663] 共同通信10/8 共同通信2009年10月8日22時47分 東大は22位、京大は25位 世界大学ランキング  【ロンドン共同】英教育専門誌、タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は8日までに、今年の「世界大学ランキング」を発表、日本では東京大が22位(昨年19位)、京都大が25位(同25位)など計11校が上位200位に入った。  1位は米ハーバード大で、2004年の開始以来6年連続トップを維持。2位以下は英ケンブリッジ大、米エール大、英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)の順だった。アジアの大学では、香港大が24位(同26位)、中国の清華大が49位(同56位)などで、東大がアジアのトップを維持した。  同誌は、アジアの大学が昨年よりランキングを上げたと指摘している。  ランキングは世界の大学関係者、企業の人事担当者の評価や、研究論文の引用回数、スタッフ1人当たりの学生数など、教育力と研究力を総合的に分析して決める。  日本の大学では、大阪大43位(同44位)、東京工業大55位(同61位)、名古屋大92位(同120位)、東北大97位(同112位)、慶応大142位(同214位)、早稲田大148位(同180位)、九州大155位(同158位)、北海道大171位(同174位)、筑波大174位(同216位)となっている。 "[he-forum 14664] 西日本新聞10/9 西日本新聞2009年10月9日付 大学の教育の質向上目指し 教職員ネットワーク発足 授業内容改善、職能開発へ 福岡市内6校連携  九州大など福岡市内の6大学が連携し、大学の教育向上に取り組む「九州地域大学教育改善FD・SDネットワーク(Q‐Links)」が8日、発足した。同日、事務局を務める九大の箱崎キャンパスで開かれた代表者会議では、教職員研修の現状や教員の意識改革の必要性、業績評価の在り方などについて意見が交わされた。  参加大学は九大のほか、福岡女子大、西南学院大、中村学園大、福岡大、福岡歯科大。FDは教員の授業内容改善への取り組み、SDは職員の職能開発をそれぞれ意味する英語の頭文字で、教職員の技術や意識を改善し、学生にとって魅力ある大学にするのが目的。  Q‐Linksでは、本年度から5年間、研修や調査、情報収集・公開などを行う。来年1月ごろに第1回シンポジウムを開く予定。九大の丸野俊一副学長は「最終的には各大学が自由に連携を組めるよう、核となって知的財産の貯蓄やノウハウの提供を進めていきたい」と話し、今後は九州のほかの大学にも参加を呼び掛けるという。 "[he-forum 14665] 沖縄タイムス10/8 沖縄タイムス2009年10月8日付 停止は大学院大のみ 内閣府事業/南北大東地デジなどは執行  【東京】政府がまとめた2009年度1次補正予算の執行停止事業で、内閣府沖縄担当部局が直接受け持つ4事業のうち、執行停止となったのは沖縄科学技術大学院大学の第3研究棟の前倒し着工のための整備促進事業(31億5000万円)だけだったことが7日、分かった。  南北大東島への地上デジタル放送推進、沖縄特別自由貿易地域内への長屋型賃貸工場整備、不発弾対策の3事業は執行される。  内閣府以外の沖縄分の予算では、農林水産省が交付金を活用して県食肉センターを建て替える事業が予定通り執行される。  同省が老朽化した県内6製糖工場の設備更新などのために計上した製糖施設緊急整備対策事業(16億円)は、県の算定で予定より費用が少なくなるため1億8千万円を返納する。  執行停止が決まった大学院大学の整備促進事業の内訳は、第3研究棟(延べ面積約1万平方メートル、地上2階地下1階建て)の約26億円と、260台を収納可能な立体駐車場の約5億円。09年度補正予算と10年度当初予算で計53億4590万円を充て、12年4月の開学半年前をめどに完成する見通しだった。  仲井真弘多知事は「極めて残念。予定通りに開学できるよう、配慮してもらいたい」と述べ、8日に予定している国庫支出金要請の際、前原誠司沖縄相に予算確保を求める考えを示した。 "[he-forum 14666] 毎日新聞大分10/8 毎日新聞大分版2009年10月8日付 大分大学:学部数など見直し検討へ 羽野学長が抱負  1日付で再任した大分大の羽野忠学長は7日、大分市で会見し、任期(2年間)内に学部や大学院研究科などの組織改編について検討する考えを明らかにした。  羽野学長は経済など4学部で運営する現在の組織について、学問分野の変化や社会の要請などに応じる必要があるとの見解を示し「学部数や学生数などを受験生や地域のニーズに応じて見直す必要がある」と述べた。具体的な検討は今後という。  2期目の課題に地域社会との連携や、特色ある大学づくりを挙げ「全学の先頭に立って、課題の解決にあたる」と抱負を述べた。政権交代に伴う大学関係の補正予算について「予定通りの執行を望む」と述べた。 "[he-forum 14667] 毎日新聞新潟10/9 毎日新聞新潟版2009年10月9日付 長岡技術科学大:産学連携強化を--新原・新学長  長岡技術科学大の7代目の学長に就任した新原〓一氏(67)がこのほど、長岡市上富岡町の同大で会見した。  新原氏は「長岡には素晴らしい技術をもっている企業が多い。(大学は)将来を見据えた基礎研究をして、産学連携を図る。そういう面では、組織と組織の付き合いも非常に重要なものになってくる」と産学連携の強化を図る方針を示した。また「学生には専門知識に加えて、安心・安全への取り組みなど世の中の動きや経営感覚、戦略も身につけさせたい」と語った。  任期は13年9月15日まで。新原氏は鹿児島県出身。大阪大大学院原子力工学専攻修士課程修了。同大教授などを経て、07年4月から長岡技科大特任教授。専門はナノ材料工学。【長谷川隆】 "[he-forum 14668] 毎日新聞宮崎10/7 毎日新聞宮崎版2009年10月7日付 宮崎大:学長就任あいさつ 学生の国際交流に力  今月1日付で宮崎大の学長に就任した菅沼龍夫氏(61)がこのほど、毎日新聞宮崎支局に就任のあいさつに訪れ、「学生や教員のかじ取り役として、責任の重さを実感しています」などと決意を語った。  菅沼学長は「漫然と4年間を過ごすのではなく、国外にも目を向けて幅広く学んでほしい」と、学生の国際交流に力を入れる方針を示した。8月に新型インフルエンザの致死率が季節性インフルエンザの約5倍に上ると推計したオランダ・ユトレヒト大の西浦博研究員(理論疫学)が、旧宮崎医科大学の卒業生だったことを挙げ「国際的な視野を持ち、さまざまな社会問題を自らの問題としてとらえて取り組む姿勢が求められる」と話した。  専門は解剖学。長野県出身。89年に宮崎大に赴任。休日は日南や北浦で趣味の海釣りを楽しむという。【川上珠実】 "[he-forum 14669] 琉球新報社説10/8 琉球新報社説2009年10月8日付 補正予算削減 事業精査し無駄をなくせ  連立政権が6日まとめた本年度補正予算の見直しは公共事業を中心に2兆5169億円を執行停止とし、さらに削減を進める方針だ。沖縄関係では沖縄科学技術大学院大学の整備促進費31億円が執行停止となり、波紋を広げている。  大学院大学設置は沖縄振興を担う事業として県を挙げて取り組み、財政支援の関連法も国会で、民主党ほかの全会一致で成立したばかりだ。補正予算の執行停止の理由、来年度予算の対応を問いただしたい。  鳩山政権の補正予算見直しは、「子ども手当」などの公約政策を来年度から実施する財源を捻出(ねんしゅつ)するため、予算の無駄遣いを徹底削減する―というものだ。  国家財政が窮迫する中で補正予算から来年度予算へと、不要不急、効果の乏しい事業を徹底的に除外する基本姿勢に異論はない。  ただし無駄、不要な事業予算停止の判断は事業内容を精査し、担当省庁や地方との念入りな調整が必要だ。  執行停止となる省庁別の最大は国土交通省の約8875億円。その中で高速道路の車線拡幅事業3255億円が凍結となった。  同事業は国交省が、衆院選挙の投票日直前に高速道各社へ事業許可を出し、整備方法を問題視する民主党議員が「国民無視」と批判していた。車線拡幅の必要性や緊急性、手続きの妥当性を厳しく検証し、来年度以降の事業継続や予算措置を判断してもらいたい。  大学院大学の補正予算停止は来年度予算への付け替えとなるのか、政権の対応を注視したい。  むしろこの際、国会でも論議となった先端的な科学技術拠点の沖縄への立地の根拠や、それが沖縄振興にどう結び付くのかなど、ハコ物づくりに終わらせないための検証と議論を深めてほしい。  今回の補正予算停止は公約の財源確保が主目的で、直ちに事業の必要性を否定せず、来年度以降への予算先送りが多いとされる。  ただ、年度内の予算支出削減による景気抑制を懸念する声もある。政府は緊急雇用を軸に追加景気対策も検討しており、いっそう効果的な予算運営が求められる。  全体的な目配りの中で政権の公約政策をも金科玉条とせず、場合によっては公約事業の見直しや修正など、国民の立場に立った柔軟な対応が必要だ。 "[he-forum 14670] 西日本新聞10/7 西日本新聞2009年10月7日付 新生児集中治療室 長崎大病院に集約 長崎市地域医療検討会  2013年度開院予定の新長崎市立病院の在り方などを協議する「長崎市地域医療検討会」が6日夜、第2回会合を開いた。新市立病院に設置を予定していた新生児集中治療室(NICU)については、設備、マンパワーの集約などを理由に同病院での開設は見送り、24床を長崎大病院に設置する、と結論づけた周産期医療専門部会の報告書を了承した。  長崎大病院は2012年度までに、現在6床のNICUに加え、18床の継続保育室(GCU)を増設し計24床とする計画を決定。新市立病院も24床のNICUとGCUの設置を予定しており、同検討会は「市内に2カ所あるのは非効率」などの意見を受けて、両病院の医師らでつくる専門部会で検討していた。  報告書は「設備、マンパワーの面からNICUの集約に異論はない」とした上で「複数科にわたる疾患の取り扱いを考えると大学病院に設置せざるをえない」と判断。ただ、地域の出生数に対し、24床では不足が見込まれるため、新市立病院の小児科で救急治療を行う医師が対応し、機能を補完することにした。 "[he-forum 14671] 京都新聞10/7(2) 京都新聞2009年10月7日付 iPS細胞の提供拡大 京大以外の機関から民間へも 京大など  京都大と京大が所有するiPS(人工多能性幹)細胞に関する特許の管理会社・iPSアカデミアジャパン(京都市上京区)は7日、京大以外の大学や非営利の研究機関が民間企業にiPS細胞を11月1日から提供できるようにすると発表、取り扱いに関する条件を公表した。iPS細胞研究をさらに広げるのがねらい。  京大は現在、マウス・ヒトのiPS細胞を、非営利機関に対しては無償で、民間企業に対しては100~150万円で提供している。しかし、京大以外がiPS細胞を第三者に提供することは認めていなかった。  今回、非営利機関が民間企業に細胞を提供することを認め、提供を受けた企業は特許のライセンス料として5年で100万円をアカデミアジャパンに支払うとした。細胞の使用目的は社内での基礎研究に限る。  また、京大から提供を受ける場合は、提供料として5万円を京大に、ライセンス料の100万円をアカデミアジャパンに支払う。 "[he-forum 14672] しんぶん赤旗10/10 しんぶん赤旗2009年10月10日付 授業料免除 国がぜひ 小池・笠井氏同行 学費ゼロネット要請  「学費のゼロ=無償化をめざす」と「学費で困っている人をゼロにする」ことを掲げている個人加盟のネットワーク「学費ZERO(ゼロ)ネット東京」(塚田幹人代表)は9日、学費負担軽減などを求めて文部科学省へ要請しました。日本共産党の笠井亮衆院議員、小池晃参院議員が同席しました。  塚田代表は国立大学の授業料の値下げ、私立大学への助成の増額、高等教育の無償化を定めた国際規約の留保撤回などを求めました。  東京大学の2年生は東京大学が2008年度からはじめた制度(世帯年収400万円以下の家庭の学生の授業料を全額免除する)について、アンケートを取ると「評価する」とともに「国がやるべきこと」との声が多かったと紹介。「自分も入学前に免除対象者になることがわかって安心して入学できた。国の制度としても位置付けてほしい」と話しました。  東京学芸大学の学生が母子家庭の先輩は奨学金とアルバイトを三つかけもちし家計を支えていると話しました。「奨学金は家計をも支えています。返済義務のない給付制の奨学金の創設など奨学金の拡充を求めたい」と話しました。  文科省の担当者は奨学金の抜本拡充や国立大学の授業料免除枠にあてる運営費交付金の維持、拡充の検討などをあげて、「学生の声をしっかり聞く」と答えました。  小池参院議員は「高等教育の無償化は世界の流れ。その方向で検討してほしい」とのべました。 "[he-forum 14673] 西日本新聞10/11 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 西日本新聞2009年10月11日付 九大の伊都キャンパス移転  2019年度まで段階的に進められる。まず07年3月までに工学系の移転が完了。09年4月からは1、2年生対象の全学教育などが始まった。今後は、14年度に理学系、18年度に文系、19年度に農学系が移転する計画。医学部(福岡市東区)や、芸術工学部などの大橋(同市南区)、理工系大学院などの筑紫(福岡県春日市)の各キャンパスは現在地に残る。 学生よ 農村に出よ 九大が地域密着プログラム 現場で学び成果還元 全学部対象 資金確保し定着目指す  九州大が移転先の福岡県糸島地区で、2007年度から、農村地域をキャンパスに見立てた教育プログラムを進めている。大学教育の質向上を狙う文部科学省の助成事業を活用した試み。通称「糸島現代GP(グッド・プラクティス=優れた取り組み)」。農学部以外の学生にも門戸を開き、農業体験など地域の力も借りて実践的な人材育成につなげる一方、大学の研究成果を還元するなど地域活性化への貢献も目指す。「伊都キャンパス」移転を機に始まった地域密着路線の成果と課題を探った。  ●「悩み」を語り    「最近、農薬の効かん害虫が増えとるとですよ。どうしたもんか」「何にでも効く汎用性の農薬でなく、作物や虫の種類に絞った薬を選んだ方がいい」−。    9月中旬、JA糸島本所(福岡県前原市)。20人近い地元農家らが「農業の悩み」について、九大の教授たちと語り合った。    地域貢献分野のプログラムの一つで、3回目の開催だが、後継者難や鳥獣被害、周辺住民との関係など多くの「悩み」が提起された。九大側がその場で助言できなかった課題は、今後の研究課題として持ち帰る。    農家の悩みを受け止めることで親近感を持ってもらい、大学教育への協力を取り付ける狙いもある。これまでの会合を通じ担当教員と意気投合し、学生たちの体験授業の受け入れ先となった農家も多いという。  ●単位に認定も    糸島現代GPは、文科省から「社会的要請の強い現代的教育ニーズ」があるとして助成事業に選ばれた。目指すのは「地域に愛着を持ち、農業を理解できる法律家やエンジニアなど各分野の専門家の育成」。    農学部生に限定せず、全学部の1、2年生に門戸を開く。大学院農学研究院の教員5人が中心となって専用の講座を開設。07年度のスタート時には1講座だけだったが、9月末に始まった本年度後期は5講座に増えた。受講者は総計約200人で、伊都キャンパスにいる文科系も含めた対象学生の1割弱に当たる。    卒業に必要な単位に認められる授業として、農業体験を通じ食物連鎖を考える「命のあり方・尊さと食の連関」、自然環境と生活のかかわりを学ぶ「糸島の水と土と緑」などがあり、地元農家を臨時講師に招くことも多い。    プログラムの骨格を考案した佐藤剛史助教の講座は「糸島の環境保全のススメ」。田植えやカキ養殖の体験、農道沿いの草花探しといったフィールドワークが多い。学生に人気で定員20人の5倍を超す聴講希望が集まる。大学移転は開発事業の呼び水ともなるだけに、「糸島の豊かな農村風景を壊してはいけない」と訴える佐藤助教。学生を農作業や自然の営みに触れさせることで、地域の価値の再認識につなげたいという。    本格的な農作業を単位認定する「農村留学」も近く開講予定。学生は数日間、早朝から地元酪農家に通い、搾乳や牛舎清掃などの作業を通じ農家の抱える課題を探り、解決策を考える。  ●人間的に成長    「大学が地域に愛されていることを知り、地元の方々に恩返しがしたくなりました」−。学生たちのリポートには、地域への愛着を示す文言が増えてきた。佐藤助教は「専門性だけでなく、人間的な成長にもつながっている」と強調する。    助成事業の年限は3年で、本年度が最終年だ。この間の総事業費は約6千万円。全額を国の助成金でまかなってきた。来年度からは独り立ちを求められる。大学の予算を元に、地元自治体や農協からも資金面を含め協力を得て新たな展開を探りたい意向。    取り組みの責任者、農学研究院の中司敬教授は、そうした点を踏まえ「研究成果の地域還元を積極的に進めていきたい」と話す。牛乳など地元農産品のブランド化や、市民向けの公開講座を増やすなどして密着路線の定着を目指す方針だ。 "[he-forum 14674] 河北新報10/8 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 河北新報2009年10月8日付 都内に就活支援拠点 山形大が専門サテライト開設  山形大は学生の首都圏での就職活動を支援するため、東京都港区のJR浜松町駅近くにあるオフィスビル内に「就職支援東京サテライト」を開設した。  山形大は2004年、港区のJR田町駅近くに首都圏での情報発信拠点「東京サテライト」を設置。主に産学連携の業務を行い、企業説明会などを開催して学生の就職活動も支援してきたが、就職相談に応じるキャリアカウンセラーがいないなどの課題があった。  大学は今年9月、就職情報サイトの運営などを手掛ける文化放送キャリアパートナーズ(東京)と協定を締結し、就職支援の専門的な拠点施設を設けることにした。  具体的には、カウンセラーが就職全般の個別相談に応じ、筆記・面接試験の対策や情報収集の支援、宿泊施設の助言などをする。山形大就職支援室は「学生が首都圏で効率よく就職活動できるようになることを期待したい」と話している。 "[he-forum 14675] 朝日新聞新潟10/8 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 朝日新聞新潟版2009年10月8日付 新大、釜山大と協定へ  新潟大学法科大学院は、韓国・釜山大学法科大学院と教員の交流などを進める協定を結ぶ。韓国でも新たな裁判制度の導入に伴い、「法科大学院」制度がスタートした。教員同士の交流を通じて指導方法や教育実態を共有し、教育の質を高めて優れた法律家を養成するのが狙いだ。新潟大は、9月に教員が北海学園大法科大学院(札幌市)で出張授業を行う交流に乗り出しており、将来的には3大学の連携も視野に入れている。 (大内奏)    ◇ ◇ ◇  交流協定を結ぶのは今月17日。釜山大の研究科長らが新潟大を訪れて調印し、調印後、ミニシンポジウムを開く。両国の民法教育や、大学で法律を学んでいない未修者向けの教育について報告、意見交換する。今後も教員同士の交流を続け、互いの教育成果を共有するという。  韓国も司法制度改革が進められ、日本より一足先に一般市民が刑事裁判に参加する「国民参与裁判制度」が始まった。法律家養成の仕組みも変わり、今年3月には法科大学院制度が始まった。1月に新潟大法科大学院の本間一也・研究科長らが釜山大を訪れた際、「日本の法科大学院とは実質的な交流がなく、実態を知りたい」と持ちかけられた。釜山大側は未修者の教育方法や司法試験合格者数の問題などについて関心を持っているという。  韓国は法科大学院の設置数や入学定員を絞り、未修者向けの教育に国家的に取り組んでいるという。  釜山大はソウル大に次ぐ格式ある国立大学で、法科大学院の入学定員は120人と大規模だが、地方にあるため新潟大との共通点も多い。本間研究科長は「韓国は後発だが、日本の失敗を学んでいる。こちらは日本より組織的、長期的に取り組む未修者教育について知りたい」と話す。  新潟大は国内の法科大学院との連携に乗り出している。今年6月には北海学園大の関係者と今後の方針を協議。9月には新潟大の四ツ谷有喜・准教授が北海学園大で民法の出張授業を開いた。同大の教員も聴講し、意見交換した。12月には未修者教育用の教材について話し合うという。  北海学園大の丸山浩研究科長は「お互いにアイデアを出し合い、教育方法のヒントを見つけたい」と期待を込める。本間研究科長は「将来的には3大学が連携し、両国の法曹養成制度についても研究していきたい」と話している。 "[he-forum 14676] 緊急学習・討論集会「国公立大学の発展を阻む国立大学法人法・地方独立行政法人法体制の抜本的変革へ向けて」 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 緊急学習・討論集会「国公立大学の発展を阻む国立大学法人法・地方独立行政 法人法体制の抜本的変革へ向けて」の案内       2009年10月13日  国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 鳩山政権成立以降,自公政権の政策の見直しが急ピッチで進められています. 民主党のマニフェストや公表されている高等教育に関する個別政策の中には, 国立大学運営費交付金の削減方針の見直しや国立大学病院運営費交付金の 確保など注目すべきものも含まれています.また,鳩山首相も総選挙のさなか 8月23日に行われた党首討論の中で自公政権の行った国立大学の法人化は誤 りだったと述べています. しかし,奨学金制度の充実,教員養成システムなどについては,文部科学大臣 や副大臣なども会見で触れて現実的課題とされているものの,国立大学に関す る具体的な政策課題や基本方針はまだ明らかにはされていません.第二期中 期目標期間を迎えるにあたり,来年度予算案作成に向けて鳩山政権が準備を 進めている段階で,私たちから具体的な要求を新政権に突き付けることが,今 求められています. そのために,国立大学法人体制の位置づけや,鳩山政権の性格,さらに緊急に 改善すべき国立大学法人法の問題点や,地方独立行政法人法に縛られている 公立大学法人の問題なども含め,下記のように学習討論を深める集会を緊急に 開催することとしました. 2003年の国立大学法人法制定に反対した多くの皆さん,法人化の歪の中で様々 な問題を抱え、その打開を検討・模索している多くの皆さんの参加を訴えるもの です.                       記 緊急学習・討論集会「国公立大学の発展を阻む国立大学法人法・地方独立行政 法人法体制の抜本的変革へ向けて」 主催:国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局・東京大学職員組合 後援:全国大学高専教職員組合 日時  2009年10月25日(日) 12時30分~18時 場所  東京大学本郷キャンパス 旧理学部1号館 150室   http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_06_08_j.html 入口は建物の南側(上記URLの地図では右側)にあります. プログラム  趣旨説明  報告    国立大学法人法体制の歴史的背景と民主党政権の高等教育政策(仮)     小沢弘明(千葉大学)   国立大学法人法の問題点と緊急に修正すべき点(仮)     国立大学法人法首都圏ネットワーク事務局   地方独立行政法人法と公立大学(仮)     進藤兵(都留文科大学)  国公立大学をとりまく問題   運営費交付金制度   医学部と附属病院   全職種に急速に拡大する非正規雇用   学生の困窮と学費   若手養成とポスドク   そのほか    各大学からの報告と討論    法人法体制の抜本的変革へ向けて 参加費  資料代等1000円を予定 プログラムはまだ確定しておりません.追加の情報は,本事務局のHP (http://www.shutoken-net.jp/)に随時掲載するので,ご注意ください. 問い合わせ先  国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局   電子メールアドレス info@shutoken-net.jp                (@を半角にしてお使いください) "[he-forum 14677] 朝日新聞10/12 朝日新聞 2009年10月12日 インフル対策大学に要請へ 文科省、入試に向け  新型インフルエンザが今冬、大流行した場合に備え、文部科学省は大 学入試の対応方針を決め、各大学に受験会場の衛生管理や受験生への情 報提供などを要請する。今後大学側に通知し、全国で説明会を開く予定 だという。  要請の内容は、例えば、各大学の一般入試で追試験や振り替え受験を 実施▽マスクや消毒液の用意▽熱やせきなどの症状がある人の別室受験 ▽相談態勢の準備 ――などを事前に検討するよう求める。ま た、新型インフルエンザへの対応が受験生に伝わるように、郵送での周 知や専用電話の開設、ホームページの活用なども要請する。  来年のセンター試験は本試験が1月16、17日。追試験を当初の予 定から1週間後の1月30、31日に延期し、会場を従来の2カ所から 全都道府県に広げる。文科省は「受験生ができるだけ、安心して試験を 受けられるように配慮してほしい」と話している。 "[he-forum 14678] 公開シンポジウム(金子勝vs橘木俊詔vs武者陵司)のお知らせ 公開シンポジウム「日本経済:富と貧困の蓄積」のご案内  東北大学社会階層と不平等教育研究拠点(CSSI)では、来る11月3日 (火・祝)に公開シンポジウム「日本経済:富と貧困の蓄積」を開催いたし ますので、ご案内申し上げます。  世界金融危機は、世界と日本の経済のあり方に根底からの疑問を突 きつけました。グローバリゼーションとは何であったのか。バブル崩壊後 約20年を経て、日本社会の何が変わり、何が変わらなかったのか。金融 危機後に新たな転換が生じるのか。このシンポジウムでは、グローバル 資本主義と日本資本主義の構図を、「富と貧困の蓄積」をキーワードに論 じていきます。パネリストには、この大テーマを論じるにふさわしい方々を お迎えしています。  参加を希望される方は、下記申込欄にご記入の上、10月27日(火)ま でに、当拠点グローバルCOE事務室(coesec@sal.tohoku.ac.jp)あてお知 らせ下さい。当拠点ホームページ(http://www.sal.tohoku.ac.jp/gcoewiki/jp/wiki.cgi) のお申し込みフォームをご利用することもできます。なお、お申し込みは 先着順で定員に達し次第締め切らせて頂きますのでご了承下さい。 ------------------------------- 日本経済:富と貧困の蓄積 ―グローバル資本主義とはなにか? ―バブル崩壊後、日本経済の「富と貧困の蓄積」の構造はどう変わったのか? ―金融危機を経て今後どう変わるのか? パネリスト 金子 勝 慶應義塾大学経済学部教授 橘木俊詔 同志社大学経済学部教授(CSSI学外研究協力者) 武者陵司 武者リサーチ代表、ドイツ銀行グループアドバイザー 総合司会 野村正實 東北大学経済学研究科教授(CSSI事業推進担当者) 川端 望 東北大学経済学研究科教授(CSSI事業推進担当者) 日時:2009年11月3日(火)13:00-16:30 場所:東北大学東京分室会議室 千代田区丸の内1丁目7番12号 サピアタワー10階 [新幹線東京駅日本橋口徒歩1分、東京駅八重洲北口徒歩2分] 地図 http://www.jebl.co.jp/outline/sapiatower/index.html 主催:東北大学 社会階層と不平等教育研究拠点 ------------------------------- 参加申込欄[本申込書にご記載頂いた個人情報は本目的以外には使 用いたしません] 公開シンポ(11月3日 13:00~16:30  ) 参加  不参加 レセプション(11月3日 17:00~19:00 会費無料) 参加  不参加 ご氏名: ご所属: ご職業: ご連絡先  電話:   E-mail: ------------------------------- お問合せ先: 東北大学文学研究科 社会階層と不平等教育研究拠点 グローバルCOE事務室  〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 TEL:022-795-6011 E-mail:coesec@sal.tohoku.ac.jp ---------------------------------------------------- 川端 望 郵便番号980-8576 仙台市青葉区川内27-1 東北大学大学院経済学研究科 Tel&Fax 022-795-6279 mailto:kawabata@econ.tohoku.ac.jp http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm ---------------------------------------------------- "[he-forum 14679] 10/14山形新聞 山形新聞 2009年10月14日 01:49 教員養成課程6年制へ 文科省が調査費要求  文部科学省は13日、現在は四年制大学卒業で教員免許を与える養成 課程を、大学院2年も加えた6年に延長する方針を固めた。2010年 度予算の概算要求で制度構築に向け調査費を盛り込む。政務三役が担当 部局に指示した。  志望者には学部卒業後、大学院での修士号取得を義務化し、現行2~ 4週間の教育実習も1年に延ばす。新たなカリキュラム作成や、高度な 指導のための教授陣選考など具体策を検討する。  今年スタートした教員免許更新制は10年度にも中止する方針。既に 更新した教員には、専門免許の単位に振り替えるなどの救済策も検討す る。  民主党はマニフェスト(政権公約)で「養成課程は6年制とし、養成 と研修の充実を図る」と明記。教員養成制度の抜本的な見直しに早期に 取り組む姿勢を示していた。  受け皿には24校ある「教職大学院」を活用する。ただ、現在の修了 者数は毎年800人強しかおらず、公立小中高校で年間約2万人に上る 採用者数には程遠いため、文科省は都道府県ごとの教職大学院設置も検 討。教育現場と直結した実習体制の強化など実務を重視したカリキュラ ムの充実を図り、新制度に移行させる考え。  教育学部以外の学部・学科を卒業した学生も、2年間で教職大学院を 修了すれば免許を取得できるようにする。  一方、教員の質の向上策として教職大学院で学び「教科指導」「生 活・進路指導」「学校経営」などの分野で高い能力を持つ教員に「専門 免許状」を与える制度も新設。免許取得後8年以上の実務を経験した教 員を対象にする。 "[he-forum 14680] 河北新報10/14 河北新報2009年10月14日付 松川事件の資料室 研究員の確保難航  福島市松川で1949年、列車が転覆し3人が死亡した松川事件。被告20人に死刑などが言い渡され、最高裁で全員無罪となった冤罪(えんざい)事件を風化させまいと、約20年前に設立された福島大の「松川資料室」の存続が危ぶまれている。膨大な裁判記録などを保存しているが、長期的に管理するスタッフの確保が難しくなっている。資料の散逸を懸念する声は強く、福島大で今月開かれる松川事件60周年の全国集会では、存続を求めるアピール採択も予定されている。  福島大に松川資料室が開設されたのは88年。元被告の手紙や裁判の記録など約10万点を所蔵し、今も年間200~400人が訪れる。唯一の研究拠点として高く評価され、学者や法律家、社会運動家からの問い合わせも多い。  資料を収集・管理してきたのは、労働経済論などが専門の福島大名誉教授の伊部正之さん(67)。定年後も研究員として大学に残って資料室を担当しているが、任期は来年3月まで。福島大ではほかに、松川事件に詳しい研究者は見当たらないのが実情だ。  資料室を管理する福島大地域創造支援センターは「ただ資料を置いてあるだけでは、資料室として機能しない。専属のスタッフは必要だと考えている」と言う。だが、独立行政法人化後、大学経営も厳しさを増し、伊部さんの後継者となる人材のめどは立っていない。  松川事件60周年記念全国集会実行委員会の石川信事務局長補佐は「事件を次の世代に伝えるためには、専門の研究員がいる資料室の存続が必要だ」と訴え、「資料室の資料は国民の共有財産。学術的な価値を考えれば、文部科学省が支援を検討してもいいのではないか」と提起する。  全国集会は17、18日に福島大であり、伊部さんや松川事件の主任弁護人を務めた大塚一男弁護士(東京弁護士会)らが講演、参加者が事件現場を訪れる。一般の参加も可。連絡先は実行委024(522)7368。 [松川事件] 1949年8月17日、東北線松川―金谷川間でレールの継ぎ目が外され、上り列車が脱線転覆、乗務員3人が死亡した。旧国鉄などの労組員20人が起訴され、一審で全員有罪(うち死刑5人)、二審で17人有罪(死刑4人)の判決を言い渡された。被告のアリバイを示す団交記録が見つかったことなどから、最高裁は有罪判決を破棄、仙台高裁での差し戻し審で全員に無罪が言い渡され、63年に確定した。下山、三鷹事件とともに「謎の戦後三大事件」とされる。 "[he-forum 14681] 共同通信10/14 共同通信2009年10月14日1時49分 教員養成課程6年制へ 文科省が調査費要求  文部科学省は13日、現在は四年制大学卒業で教員免許を与える養成課程を、大学院2年も加えた6年に延長する方針を固めた。2010年度予算の概算要求で制度構築に向け調査費を盛り込む。政務三役が担当部局に指示した。  志望者には学部卒業後、大学院での修士号取得を義務化し、現行2~4週間の教育実習も1年に延ばす。新たなカリキュラム作成や、高度な指導のための教授陣選考など具体策を検討する。  今年スタートした教員免許更新制は10年度にも中止する方針。既に更新した教員には、専門免許の単位に振り替えるなどの救済策も検討する。  民主党はマニフェスト(政権公約)で「養成課程は6年制とし、養成と研修の充実を図る」と明記。教員養成制度の抜本的な見直しに早期に取り組む姿勢を示していた。  受け皿には24校ある「教職大学院」を活用する。ただ、現在の修了者数は毎年800人強しかおらず、公立小中高校で年間約2万人に上る採用者数には程遠いため、文科省は都道府県ごとの教職大学院設置も検討。教育現場と直結した実習体制の強化など実務を重視したカリキュラムの充実を図り、新制度に移行させる考え。  教育学部以外の学部・学科を卒業した学生も、2年間で教職大学院を修了すれば免許を取得できるようにする。  一方、教員の質の向上策として教職大学院で学び「教科指導」「生活・進路指導」「学校経営」などの分野で高い能力を持つ教員に「専門免許状」を与える制度も新設。免許取得後8年以上の実務を経験した教員を対象にする。 "[he-forum 14682] 10/14朝日新聞 朝日新聞 2009年10月14日15時11分 教育実習1年・大学院2年必修を検討 教員養成で文科省  教員養成をめぐり、文部科学省の政務三役は、大学の学部4年間だけ でなく大学院の2年間も必修とし、修士号を免許取得の条件とする「教 員養成課程6年制」を導入する方向で検討を始めた。現在は2~4週間 の教育実習についても1年間に延ばす考えで、子どもと向き合う経験を 増やし、よりていねいに教員を養成する方針だ。  文科省の政務三役は、10年に1度、現役教員に大学などで講習を受 けることを義務づける教員免許更新制を10年度限りで廃止する方針を 固めており、教員養成の6年制化はそれに代わる教員の質向上の手だて と位置づけている。  民主党の総選挙のマニフェストにも盛り込まれており、大学院修了 後、最初に取得する一般免許状のほか、8年以上の実務経験を積んでか ら取得できる専門免許状を設けることも想定している。文科省は、現在 の教員免許更新制で講習を受けた教員の受講分について、将来専門免許 状を取る際の単位に振り替えられるようにすることも検討する。  ただ、6年制の実現に向けては、大学院側の受け入れ態勢が整うか、 1年間にわたる教育実習の受け入れ先が確保できるかという問題があ り、相当の準備期間が必要になるとみられる。(青池学) "[he-forum 14684] 10/15毎日新聞 毎日新聞 2009年10月15日 東京朝刊 教員養成制度:民主新制度、教員養成課程6年に 経験10年で1年研修  民主党政権が導入する新たな教員養成制度の概要が分かった。大学 "[he-forum 14683] 10/15日本経済新聞 日本経済新聞 10月15日 大学授業料の減免を拡充、13万5千人に 文科省が方針  文部科学省は14日、授業料減免を受けられる国私立大の学生数 を現行の10万5千人から13万5千人程度に拡充する方針を 固めた。経済的に困窮する学生への支援策として、国立大運営費交付金 や私学助成金を増額する方針で、15日に提出する来年度予算の概 算要求に必要経費を盛り込む。困窮する高校生の低所得世帯について も、制服代や教科書代などを給付する制度の創設を検討する。  文科省によると、授業料の標準額は国立大が年間53万6千円 (2009年度、昼間学部)であるのに対し、私立大は約84万 8千円、短大は約68万7千円(08年度)。国立大の学部生 の10%強にあたる4万6千人が減免を受けているが、私立大学・ 短大の学生では全体の1%に満たない2万3千人にとどまっている。 (10:06) "[he-forum 14685] 大阪日日新聞10/15 大阪日日新聞2009年10月15日付 看護師686人に1億4350万支払い 大阪市大病院  大阪市立大医学部付属病院(同市阿倍野区)は14日、2008年4月から11月にかけて看護師686人に対して未払いだった約6万7千時間分の超過勤務手当(総額約1億4350万円)について、すでに支給した分を含め16日支給の給与で全員への清算が完了すると発表した。同病院は看護師の自己学習の時間を慣例的に超勤として認めておらず、08年12月に大阪南労働基準監督署から是正指導を受けていた。  同病院運営本部によると、同年11、12月に行われた同労基署の立ち入り検査で、看護師の労働実態が、上司による超勤命令書に記載された超勤時間と、タイムカードに当たるICカードによる出退勤管理システムの時間が異なることが判明。  調査の結果、主に新規採用看護師が勤務終了後に技術習得のために行う自己学習を超勤として認めておらず、患者への対応が長引くなどして命令書に記載した時間をオーバーした場合も、時間を書き直していないケースが見つかった。  08年4~11月に最大382時間の超過勤務があった看護師もいたという。今年5月で190人に支給済みで、残りの看護師には10月の給与で支給する。  同病院は07年度以前も同様の実態があったことを認めたが、事実確認が難しいとして、さかのぼっての清算はしない考え。同病院運営本部庶務課は「(労基署の)指摘と調査内容を真摯(しんし)に受け止め、超勤を命じる看護師長の意識改革のための研修や、出退勤システムの更新を検討する」としている。 "[he-forum 14686] 共同通信10/15 共同通信2009年10月15日2時2分 授業料減免を13万人に拡充 文科省、国私立大学生に  文部科学省は14日、経済的に困窮している学生の支援策として、授業料の減免を受けられる国立大・大学院や私立の大学・短大の学生数を、現行の10万5千人から13万5千人程度に拡充する方針を決めた。  文科省は減免に積極的に取り組む国私立大に、対象人数などに応じて原資となる国立大運営費交付金や私学助成金を増額する方向で検討しており、15日提出の来年度予算の概算要求に必要経費を盛り込む。  鈴木寛文科副大臣が関係部局に指示した。  文科省によると、2008年度の国立大の学部学生は44万7千人で、うち10%強の4万6千人が授業料減免を受けていたのに対し、私立の大学・短大は、206万3千人の学生のうち2万3千人と1%未満にとどまるなど国立と私立の間で支援の“格差”が指摘されていた。  このため文科省は私立大・短大は全学生の約4%に相当する8万人程度にまで減免の範囲を広げる一方で、国立大は大学院生も含め5万5千人分を対象に、概算要求額を積算する考えだ。  文科省によると、授業料は国立大の標準額が53万6千円(09年度、昼間学部)であるのに対し、私立大は約84万8千円、短大は約68万7千円(08年度)に上っている。  川端達夫文科相は、9月の就任直後に省内に出した指示書で、国私立大の授業料減免に伴う運営費交付金や私学助成金の増額を検討するよう求めていた。 "[he-forum 14687] 共同通信10/14(2) 共同通信2009年10月14日13時6分 大学病院医師の勤務環境改善へ 文科省、支援態勢を充実  文部科学省は14日、診療以外の業務に忙殺されているの医師の環境を改善するため、医療関係職員を増員する方針を決めた。15日が再提出期限の来年度予算の概算要求に関連費を計上する。  鈴木寛文部科学副大臣が、14日の政策会議後の記者会見で明らかにした。  勤務医の労働環境をめぐっては、医師不足から長時間労働を強いられる上、説明書類の作成や患者のアフターケアなど診療以外の負担が大きいとされ、過労死や医療ミスにつながりかねないとの懸念が出ていた。  文科省は改善策としてソーシャルワーカーや医療事務職など関連職員を増やし、医師の業務軽減を支援する。医師が地域や診療科により偏在している状況の改善についても鈴木副大臣は「前向きに取り組む」と語り、医学部の定員増や教員、設備の拡充とともに検討する考えを明らかにした。 "[he-forum 14688] 読売新聞10/14 読売新聞2009年10月14日付 植物工場で連携強化…島根県と島根大 安定栽培目指す  「島根県・島根大学連携推進連絡協議会」が13日、県庁であった。島根大側は、ワサビを安定栽培する植物工場設置について連携を強化することを提案した。  植物工場は、光や温度などの栽培条件を人工的に制御する施設。太陽光発電パネルによるエネルギーで栽培に適した環境を作り、ワサビなどを栽培する。農作物を安定供給ができ、農薬を使用しないため安全性も高いという。経産省の補助金交付が8月に決まり、今後、工場を整備する。  島根大は県に、実用化に向け、農業技術センターなどを通じた企業や農家への周知や普及の際の施設整備などの協力を求めた。  連絡協議会は2004年から始まり、今年で5回目。双方の幹部ら約20人が出席した。地域への医師定着支援などにあたる地域医療支援コーディネーターを養成する事業など11項目が新たに加わり、今年度は12分野で63項目についての連携を確認。島根大がプログラミング言語「Ruby(ルビー)」の開発者まつもとゆきひろさんを客員教授に迎えることも報告された。 "[he-forum 14689] 10/15中日新聞(福井版) 中日新聞【福井】2009年10月15日 各大学「振り替え受験」対応急ぐ 新型インフル大流行に備え  新型インフルエンザの大流行に備え、文部科学省が大学入試センター 試験と各大学の個別学力検査への対応方針を公表したことを受け、県内 では推薦入試の追試験を検討する大学も出てきた。各大学とも日程調整 などの対応を急いでいる。  文科省が示した方針では、各大学が追試験や受験日をずらす「振り替 え受験」を実施し、「感染者の受験機会を最大限確保することが望まし い」としている。  この方針を受け、仁愛大(越前市)は来月から選考が始まる推薦入試 の追試験に向け、日程の確保や試験問題の検討に入った。追試験の実施 が決まれば、同大のホームページなどで発表するという。  福井工大(福井市)は一般入試の日程調整を迫られている。センター 試験の追試験が当初予定より1週間後の1月30、31日に設定され、 予定していた一般入試の日程と重なったためだ。  同大は全国20会場で試験を行うため、調整は容易ではない。今月末 からは推薦入試も始まるため、入試広報課の担当者は「突然のことなの で、まずは推薦入試から対応したい」と、戸惑いの声を上げる。  福井大(福井市)は、AO入試や推薦入試など同大独自の選考で新型 インフルエンザへの対応を決めた。受験者にマスクの着用を呼び掛ける ほか、試験の1週間前に受験者の健康状態を把握し、感染者がいれば別 室受験できるようにする。  同大入試課の伊藤文雄課長は「一般入試での対応は他の国立大ととも に現在検討中。県内で猛威を振るった場合の対応についても決めていき たい」と話している。   (増田紗苗) "[he-forum 14690] 徳島新聞10/16 徳島新聞2009年10月16日付 徳島大学の次期学長に選ばれた 香川征(かがわ・すすむ)さん  国立大学法人化から6年。少子化や国の予算削減などで大学間の競争が激しさを増す中、生き残りをかける徳島大学のかじ取り役を任されることになった。「地域の活性化をけん引する知の拠点であり続けられるよう、教職員一丸となって大学づくりに励む」。重責を感じながらも決意の言葉は力強い。  泌尿器科学が専門の医師で、1999年に徳島大医学部付属病院(2003年から徳島大学病院)の院長に就任。老朽化した病棟の建て替えを推進し、女性や糖尿病患者を対象にした特定外来を設けた。訪れる人の利便性を考え、他の大学病院に先駆けて院内にコンビニエンスストアやコーヒー店も。「まずは、しっかりとした情報収集。いいと思ったことはすぐ実行する決断力も必要」。病院経営で培ったノウハウを、大学全体の組織運営にも役立てるつもりだ。  今、痛感しているのは、企業が求める能力と大学が育てる人材のギャップ。「大学で学んだことが、社会で生きないと意味がない。学生が本当に学びたいものは何か、正確に把握し、教養課程を再構築する」と力を込める。学部の枠を超えた教育・研究の推進や国内外の大学教員、学生が交流する「連携大学院」の実現など、大学の“体力強化”へ温めている構想はいくつもある。  「フットワークの軽いアイデアマン」が周囲の評。自身は「せっかちなだけ」と苦笑する。大学時代は野球部に在籍。レギュラーにはなれなかったが、貴重な経験だったと振り返る。「いろいろな仲間ができるのが何より。学生は勉強だけでなく課外活動も楽しんでほしい」  時間を見つけては庭木の剪定(せんてい)と草むしりに励む。「無心になれて運動にもなる。きれいになった庭を眺めると気分がいい」。2人の娘は独立し、久代夫人(63)と2人暮らし。藍住町奥野。64歳。 "[he-forum 14691] 共同通信10/16 共同通信2009年10月16日16時38分 大学に「労務管理」求める判決 鳥取大病院の院生事故死  大学病院での過酷な勤務の末に交通事故死した大学院生の医師について、大学側の安全配慮義務違反を認めた16日の鳥取地裁判決は「院生の業務内容は勤務医と変わらない」と判断。大学側に勤務医と同等の「労務管理」が必要であることを示した。研修名目などで酷使されることが多いとされる大学院生の処遇改善にもつながりそうだ。  裁判で大学側は「診療は授業科目の『演習』で、自由意思で辞められるもので『業務』ではない」と主張。遺族側は「業務そのもの」と反論していた。  朝日貴浩裁判長はこの点について「院生として在学し、診療もしていたのだから安全配慮義務があったのは明らか」とし、診療行為の法的性質を論じる必要はないと判断。院生が極度の疲労や睡眠不足に陥るのを避ける必要があったと指摘し「大学側は漫然と放置した」と厳しく批判した。  判決によると、大学院生だった前田伴幸さん=当時(33)=は同病院の外科で長時間勤務を強いられ、2003年3月、鳥取大病院でほぼ24時間徹夜で勤務した後、そのまま派遣先の病院へ乗用車で出勤中にトラックと衝突、死亡した。 "[he-forum 14692] 東京新聞社説10/16 東京新聞社説2009年10月16日付 教員養成6年制 志望者が減少しないか  教員の資質向上策として養成期間を六年とし、修士号取得の義務化が検討されている。大学院を増やさなくてはならず、学生には時間と学費の問題が生じる。教員志望者が減ることにならないか。  民主党は教員養成課程についてマニフェストで「六年制(修士)とし、養成と研修の充実を図る」と記しており、川端達夫文部科学相は就任直後に「着手は早速にさせたい」と述べていた。  新制度は大学卒業後に大学院で修士号を取得させるほか、教育実習を一年間通して行うことなどが検討されている。  六年制は教育先進国とされるフィンランドなどをモデルにしたようだ。大学院教育を施し、教員の質を高めるとの狙いは分かるが、免許取得までに医師並みに六年かかる問題は決して小さくない。  まず、養成機関が整備されていない。文科省は「教職大学院」の活用を考えているようだが、現在の修了者は年千人に満たない。一方で教員採用者数は公立小中高校だけでも毎年二万人にのぼる。  教員養成の大学院を各地に一気に増設しなければならなくなるだろう。大学院教育の質を保証しつつ、カリキュラム編成や指導教授の確保は可能なことなのか。  なにより、教員を目指す学生には現行に比べ、大学院の学費と二年の時間がかかることになる。  六年がかりで勉強しても教職は多忙なわりに収入が見合わない。免許を得ても採用されなければつぶしが利かなくなる。若者はそんな懸念を抱くのではないか。  教員の待遇が変わらないままで養成六年制に移行すれば、教員志望者は減少するにちがいない。  本年度から始まった教員免許更新制は来年度限りで廃止される見通しだ。導入目的が不明、講習内容が乏しいと批判が多く、廃止は妥当といえよう。しかし、それに代わる制度が六年制では愚策を繰り返すおそれがある。  喫緊の課題は教員が子供と向き合う時間を確保し、教育に集中できる環境づくりであり「教員数の充実」を優先すべきだ。  いまは、教育学部などで四年間の課程を修めるほか、文学部や理学部などであっても教職課程を履修すれば教員免許が取得できる。「開放制教員養成制」といい、人材の多様化につながっている。  大学院で画一的に教員養成するよりも、社会人採用を広げたほうが、より速やかに数の充実や質の向上が図れるのではないか。 "[he-forum 14693] 中国新聞10/16 中国新聞2009年10月16日付 山口大次期学長に松崎・医学部付属病院長  山口大は15日、丸本卓哉学長(67)の任期満了に伴う学長選を開票し、次期学長に同大大学院医学系研究科教授で同大医学部付属病院長の松崎益徳氏(62)を選んだ。任期は来年4月1日から4年間。  松崎まつざき 益徳ますのり氏 72年に山口大医学部卒。同大付属病院第2内科勤務などを経て、01年から同大大学院医学系研究科教授、05年から病院長。専門は循環器内科。大分県佐伯市出身。 "[he-forum 14694] 10/19朝日新聞 朝日新聞 2009年10月19日 私大の補助金増額を教職員組合が要望  日本私立大学教職員組合連合(私大教連)は、10年度予算で私大の 経営費の補助を増額するよう求める緊急要望書を文部科学省に提出した。  私大教連によると、私大の経常費支出総額に対する補助割合は、19 80年度は29.5%だったが、07年度は11.1%まで下がった。 特に学生や専任教員の数などで金額が決まり、私大の基盤経費となって いる「一般補助」の削減幅は大きく、09年度までの28年間で、1大 学あたり3億6千万円から2億2千万円へと4割減った。要望書は「地 方や中小規模の大学は存続が危ぶまれる事態に直面している」としてい る。  文科省は、定員割れしている大学の補助金の減額率を拡大させてい る。これについても「定員充足や財政の状況は個々の大学の経営努力に よるものではなく、(人口減など)構造的要因に影響されている」とし て、定員充足率にかかわらず補助金を交付するよう求めた。 "[he-forum 14695] 10.25緊急学習・討論集会に参加される皆様に情報提供のお願い X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 10.25緊急学習・討論集会に参加される皆様に情報提供のお願い 2009年10月19日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 今週にはいり,文部科学省の国立大学法人評価委員会の第28回,第29回 の議事録が矢継ぎ早に公開されました. そこでは,6月5日付の文部科学大臣決定「国立大学法人の組織及び業務 全般の見直しについて」を承認するとともに,各国立大学の第二期中期目 標・中期計画について見直しの内容が反映されているかどうかをチェックす ることを承認しています. すでに,本事務局の声明『国立大学法人法(第30条ほか)すら蹂躙する文 科省「国立大学法人の組織・業務全般の見直し」の違法性を告発する』 (http://www.shutoken-net.jp/2009/03/090316_5jimukyoku.html 2009年 3月14日)において指摘したように,このような文科省の中期目標・中期計画 への介入は,国立大学法人法にも抵触する大きな問題を含むものです. 本事務局は,各大学で作成した中期目標や中期計画の素案が,文科省お よび国立大学法人評価委員会によってどのように審議され,変更されたの かを注目したいと考えています. そこで,参加を予定されているみなさまには,各大学の中期目標・中期計 画の素案の検討状況について情報を提供していただければ幸いです. また,この話題に限らず,第二期目を見据えた各大学の状況について, 報告をいただければと思います. 資料を使って報告される方は,10月24日までに本事務局までお送りいただ ければ,印刷して配布いたします.当日資料を持ち込む方は,30部程度コ ピーしていただければ幸いです.パワーポイントなどを使って報告しても結 構です.PCとプロジェクタを用意しますので,USBメモリなどに入れてデー タをお持ちください. 問い合わせ,資料送付先は  国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局  電子メールアドレス info@shutoken-net.jp                (@を半角にしてお使いください) "[he-forum 14696] 毎日新聞10/20 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 毎日新聞2009年10月20日付 理学部長会議:短期的成果偏重の大学交付金改善求める  理学部や理工学部を持つ32の国立大学法人でつくる理学部長会議は9日、国立大への運営費交付金の削減政策や、短期的成果に過度に依存した評価システムを改め、安定的な基盤経費や基礎科学の研究・教育を充実させることなどを盛り込んだ提言を発表した。今後、政財界や関係機関に提出するという。  国立大が独立法人化された04年度以降、運営費交付金は毎年1%ずつ削減されており、同会議によると削減額は08年度までに計602億円に上る。  世話役を務めた花輪公雄・東北大理学部長は「競争的資金を獲得しようとしても、短期的で直接的な成果を求められる。すぐには実用に結びつきにくい理学には合わない」と話した。【西川拓】 "[he-forum 14696] 河北新報10/18 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 河北新報2009年10月18日付 松川事件資料室存続へ 福島大、研究員と契約更新  福島市松川で1949年に列車の転覆で3人が死亡し、死刑などを言い渡された被告20人がその後、全員無罪となった松川事件の裁判記録などを所蔵する福島大「松川資料室」の存続問題で、大学は17日までに、担当する研究員との契約を更新し、現状のまま存続させる方針を固めた。  松川資料室は88年に開設され、冤罪(えんざい)事件の研究拠点として高く評価されている。福島大名誉教授の伊部正之さん(67)が研究員として、資料の収集・管理を担っていた。  伊部さんの任期は来年3月で切れるが、後任の確保が難しいことから、大学は任期3年で契約を更新する。2年以内に後継者を見つけ、伊部さんには指導に当たってもらう方針だという。  福島大は、元被告や支援者らでつくる福島県松川運動記念会と資料室に関する協力協定を結び、運営などについて定期的に話し合ってきた。記念会は大学の厳しい財政事情を踏まえ、基金設立も検討している。  福島大では17日、松川事件60周年記念全国集会が開かれ、全国から約1200人が参加した。福島大の今野順夫学長は「裁判員制度が始まり、冤罪事件に関心が高まる中、松川資料室を後世に引き継いでいきたい」とあいさつ。伊部さんや松川事件で主任弁護人を務めた大塚一男弁護士が講演し、事件を原点から振り返った。 "[he-forum 14698] 共同通信10/20 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 共同通信2009年10月20日18時26分 大阪府立大、理系特化へ 改革案検討、11年度にも  大阪府の橋下徹知事が存廃を含めた抜本的な改革に乗り出す方針を示している大阪府立大(堺市)が、現在の7学部を理系に特化した4グループに再編する改革案を検討していることが20日、分かった。  11年度の移行を目指しており、今年11月末にも改革案をまとめ橋下知事に提出する方針。  府立大によると、改革案では理、工、経済など現在の7学部は廃止。新たに理工、生命環境、健康保健、現代システム科学の4グループに再編する。うち3グループは理系、1グループは文理にまたがる分野となる。  試算では、大学院生を含む学生数約7900人が最大で千人程度、教職員約720人が70人程度それぞれ削減され、府から受けている年108億円の運営費交付金を約90億円に圧縮できるとしている。  改革案には、各学部の教授を中心に強い反発が出ており、改革案が実施できるかは不透明だ。  府立大幹部は「理工系や生命科学など強みのある分野に重点化し、大学の競争力を高めたい」と話している。 "[he-forum 14699] 信濃毎日新聞社説10/20 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 信濃毎日新聞社説2009年10月20日付 教員養成 6年制は課題が多い  教員の資質の向上を目的に本年度スタートした教員免許の更新制度が、来年度にも廃止される。鳩山政権の方針である。  代わりに打ち出されたのが、教員養成課程の延長だ。現行の4年制に大学院2年を加えて6年制にする。早ければ2012年度に移行する方針という。  免許更新制は、安倍内閣が07年に導入を決めた。10年に1度、30時間以上の講習を教員に義務づける。受講しないと免許を取り消されるため、先生たちは休日返上で講習を受けている。  現場の負担が大きく、実効性にもかねて疑問が出ていた。廃止することに異論はない。  教師の質を高めることにも賛成だ。ただ、それだけの準備もなしに、唐突に6年制を導入するのは考えものだ。教員を目指す学生や学校現場は戸惑う。  鳩山政権の目指す教育政策の全体像がまだ見えない。先の総選挙も、教育費負担の軽減策が焦点となり、教育の中身に踏み込んだ論議は乏しかった。  教育は社会の担い手をはぐくむ土台になる。10年、20年先も見据えたうえで、教育の質をどう高めていくのか。まずは全体の見取り図を描いてはどうか。教員養成の方向性は、そのなかにおのずと位置付けられる。  6年制は民主党の政権公約でもある。構想では、志望者は学部を卒業した後、大学院で修士号を取得する。教育実習も1カ月程度から1年に延ばすという。  真っ先に心配になるのは、教師を目指す学生の経済的負担が重くなることだ。民主党は大学生を対象にした奨学金制度を拡充する方針だが、財源も含めて中身を詰めるのはこれからになる。  「出口」の問題もある。教員採用試験は「狭き門」だ。養成に6年を費やして、先生になれる保証がないとすれば、有能な人材が遠ざかってしまうおそれはないか。  養成の受け皿の「教職大学院」も足りない。文部科学省は増設を検討しているものの、人材の確保をはじめ、急ごしらえでできることではない。  そうした態勢を整えるまでは、まず現職教員の研修を充実させることだ。実際に教壇に立ち、子どもと向き合っている現場の教師が、力をつけられる環境にすることが大事である。  社会人が教員になる道を広げることも効果的だろう。多様な人材が得られるうえ、人生にさまざまな道があることを、教師が身をもって示すことができる。 "[he-forum 14701] 沖縄タイムス社説10/20 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 沖縄タイムス社説2009年10月20日付 [教員養成6年制] 教育力を向上するには  文部科学省は教員免許制度を見直し、大学院2年を加えた6年制(修士)導入を検討する。教員の質向上を目的としている。学校現場の教育力をいかに高めるかという総括的な議論に深めてほしい。  フィンランドなどの欧州では主流で、それをモデルにしているという。民主党が政権公約(マニフェスト)に掲げた教育改革で、2010年度に調査、早ければ11年にも新制度に移行する考えだ。  文科省は全国24校ある教職大学院を各都道府県に最低1校設置したい考えで、指導教官の増員などにも財源確保が不可欠だ。  教員の質向上に予算を割く必要性について、現状の問題点を洗い出す作業も含めて明らかにすべきだろう。  学校は日々児童・生徒と向き合う職場のため、大学で学んだ学問をそのまま当てはめることはできない。現場感覚が求められる。  新制度では教育実習を現行の2~4週間から1年程度に拡充する。大学1年のときから実習を可能にして、小学校の入学児童を卒業するまで見届けるケースも想定しているという。  志望者が卒業するまでに学校現場をよく見聞し、教育を職とするイメージを広げるトレーニングは大事だ。鈴木寛副大臣は「6年制にすればより強固な意志を持った人が教員を目指す。実習を受け入れる側の熱意も高まる」と期待する。  反対論もある。学費負担が大きくなり、志望者が減るかもしれない。大学院へ進むとつぶしがきかない―などだ。  民主党は奨学金制度の充実も政策に挙げているが、基本的にはそれも“借金”だ。欧州をまねるなら、思い切った学費助成や少人数学級の導入、画一的な教育でなく現場の裁量権を拡充させた新たな教育文化を構築すべきだ、といった指摘も当然だろう。  教員の質向上を検討するには、現在の学校における教育実践力の点検も必要だ。  現役校長からこんな嘆きを聞いた。「運動会や学芸会がバラエティー番組のような演出になる」。テレビではやりのにぎやかな踊りが学校の催しを席巻する。  指導の手間はあまりかからないだろうが、表現力を磨くオペレッタなどと比べて教育効果はどれほど望めるのか。それを好む子どもの「主体性」という言葉に押し流される風潮はないだろうか。  養成や採用後の研修を一体的に再構成し、職員間でも互いに刺激し合いながら教育の質を高めてもらいたい。  自公政権が今年導入した「教員免許更新制」は、教員の力量アップにはつながらないとの批判もあり、廃止する方針だ。  民主の免許制度改革には、現場で10年程度経験を積んだすべての教員が大学院などで1年程度の研修を受け「専門免許状」を取得することを事実上義務化する考えも含まれている。  教育にも政権交代の風が吹きつつある。目指すべき教員像、学校環境、教育文化とは何か、明確なメッセージを発信してもらいたい。 "[he-forum 14700] 徳島新聞10/17 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 徳島新聞2009年10月17日付 県と徳大が医療提携 合意書締結、医師育成や派遣など  徳島県と徳島大学は16日、県立中央病院と徳島大病院が医師育成などソフト面で連携し、地域医療再生や効率的な病院運営に取り組むための合意書を締結した。隣接する両病院の地理的条件を最大限に活用する「総合メディカルゾーン」の一環で、医師不足が深刻な県南部や西部への医師派遣などの支援策も盛り込まれた。  合意内容は6項目。両病院は「二つで一つ」をコンセプトに▽県南部の医療充実など「県地域医療再生計画」に盛り込まれた事業▽地域・救急医療を担う医師育成▽新生児集中治療室(NICU)など周産期医療の拠点化、中央病院の小児救急医療拠点化▽がん診療の充実に向けた機能整備や県西部への医師派遣など人的支援-を連携して進める。  医薬品や診療材料の共同調達のほか、高額医療機器の共同利用、24時間運営する保育所の共同運用などにも段階的に取り組む。  県庁であった締結式には、県から飯泉嘉門知事や塩谷泰一病院事業管理者、徳島大から青野敏博学長や香川征徳島大病院長らが出席。知事は「県民の安全・安心を守る医療再生の全国モデルにしたい」とあいさつ。青野学長も「大学の持つノウハウや人材を活用し、県内の医療充実に貢献したい」と述べた。  県と徳島大は2005年8月、総合メディカルゾーン構想を進めることで合意。06年9月には、現在改築中の中央病院と徳島大病院を結ぶ連絡橋の整備や駐車場の共同利用など、ハード面で一体化する合意書を交わしている。 "[he-forum 14702] 静岡新聞10/22 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 静岡新聞2009年10月22日付 研究交流協定に調印 静岡大と沼津高専  静岡大(静岡市駿河区)と沼津高専(沼津市)は21日、教育研究交流協定を結んだ。共同研究などを通じて学生と教員の相互の交流を深める。  同大で行われた調印式で、静岡大の興直孝学長は「技術を持つ人材を社会に展開していくことが重要な時代。パイプを太くしていきたい」と抱負を述べ、沼津高専の柳下福蔵校長は「これを機に今まで以上に連携を強めたい。沼津高専の特許出願数を増やしたい」と期待を込めた。  同大と同高専は今年2月、知的財産と産学連携情報を共有するための協定を結んでいた。今回、人材育成面でも交流を促進することを目的に包括協定に移行した。同高専の学生を同大が実習生として受け入れたり、同大が出前授業を行ったりする。学生の単位互換も検討している。 "[he-forum 14703] 読売新聞三重10/21 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 読売新聞三重版2009年10月21日付 三重大産学連携研究機関 津中心街へ来年移設参加企業の拡大目指す  三重大が設置した産学連携研究機関「野村証券・百五銀行・創業革新プロジェクト研究室」の発足1周年記念シンポジウムが20日、津市大門の津センターパレスで開かれ、同大は来年、同機関をセンターパレスに移設する計画を発表した。県都の中心街へ移すことで、参加企業を増やすのが狙い。事業の第1弾として県内2社が支援対象企業に選ばれており、関係者は「地域活性化の起爆剤となれば」と期待を込めている。(加藤雅浩)  同機関は、大学と民間企業が手を携え、地元企業などを支援するのが目的。〈1〉企業経営や研究開発マネジメントを通じ、実効性の高い支援体制を確立させる〈2〉博士号を取得した人の中から、ビジネス界で活躍できる人材を育成する――などの事業を手がける。野村証券や百五銀行が資金提供や人材を派遣し、三重大が博士号を取得しながら就職先が決まらない学生を集めたり、研究分野でサポートをしたりして支援に当たる。  支援対象の2社のうち、松阪市の製油会社が三重大内に設立した子会社は今月、純度の高い肌の保湿成分「セラミド」を配合した化粧品の販売にこぎ着けた。三重大が有効性についての“お墨付き”を与えることで商品のブランド力も高めたという。  シンポジウムで、同大の西村訓弘学長補佐は「プロジェクトを通じて、いかに企業の成長を達成させるかが大事だ」と語った。野村証券から同機関に派遣されている山本修司さんは「いずれは支援企業が株式公開できるまでに成長してくれれば」と夢を膨らませている。 "[he-forum 14704] 毎日新聞10/22 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 毎日新聞2009年10月22日付 大学:建学精神や伝統を講義で…広がる「自校教育」  大学が自らの歴史や特色を講義で教える「自校教育」が全国で広がっている。04年度に始まった大学認証評価制度で大学の理念を学生に周知できているかが問われるようになったほか、建学の精神や伝統を教えることで、薄れがちな校風を醸成したり、帰属意識を高める狙いがあるようだ。【井崎憲】  「ヘボンってどんな人?」。16日に明治学院大(東京都港区)であった共通科目「明治学院研究2」の講義冒頭、講師が学生に問いかけた。ほとんどの学生は同大創設者と知っているが、人物像は知らない様子だった。  日本語をアルファベットで表す「ヘボン式ローマ字」考案で知られる米宣教師ヘボンは幕末に来日し、1863年に同大の源流となる塾を設立した。講義はヘボンの思想の背景にあるプロテスタント精神などが紹介され、明治学院で学ぶ意義を自覚してもらう内容となっている。  キリスト教系大では国内最古の歴史を持つという同大は、04年度から大学史講義を始めた。大西晴樹学長は「就職面接で『明治学院で学んだ』と胸を張れるようになる。アイデンティティーや心の支えを醸成する効果はある」と話す。  早稲田大(新宿区)はかつて、東京六大学野球の早慶戦で教授が自主休講するほどの愛校心で知られたが、最近は他大出身教授が増え、こうした習慣も薄れた。05年度から共通科目「早稲田を知る」を開き、創設者らの志を教え、「教室とは別次元の教育的効果がある」と早慶戦観戦を必修としている。  また、北海道大学も前身の札幌農学校に赴任したクラーク博士らゆかりの人物を学ぶ講座を開いている。  岩手大の大川一毅准教授(高等教育)が全国立大を対象にした05年のアンケートでは、回答した国立大63校のうち22校(34%)が自校教育に取り組み、08年調査では62校中33校(53%)と実施率が上昇。08年には全公私立大も対象に加えたところ、公立10、私立93校が取り組んでいた。  04年度から国立大は法人化して他校と差別化を図るようになったほか、全大学が認証評価機関による評価を義務付けられ、理念の周知がチェックされることも自校教育を後押ししている。  大川准教授は「今後も自校教育は広がっていくだろうが、何を目指すのかという将来に向けた理念を伝える方向にシフトするのでは」と話している。  ◇認証評価制度  大学などの高等教育機関の設置基準を緩和する一方、教育の質を事後的にチェックするために導入された。大学の場合、文部科学相が認めた大学基準協会、日本高等教育評価機構、大学評価・学位授与機構の3機関から、7年に1度、認証評価を受けることが義務付けられている。評価基準は大学の理念のほか、教育内容、研究環境、学生支援、財務状況などがある。 "[he-forum 14705] 朝日新聞10/19 X-SpamInfo: FortiGuard - AntiSpam ip, connection black ip 219.118.71.64 朝日新聞2009年10月19日付 新政権、教育も「人」に重点 文科省予算要求をよむ  来年度の予算編成に向け、各省庁が希望額を提出する「概算要求」。今年も例年通り8月にまとめられたが、民主党を中心にした政権交代で一から見直すことになり、その改訂案が15日に各省庁から提出された。文部科学省が求めた総額は5兆7562億円。自公政権の8月時点の額から2900億円減らしつつ、「高校無償化」も盛り込んだ。内容をつぶさにみると、新政権が教育行政に込めたメッセージが見えてくる。 ■外国籍生徒にも助成  「ソフトとヒューマン(人材)への投資、マニフェスト実現のための予算を確保し、その他は厳しく見直した」。15日の記者会見の冒頭、川端達夫文科相は、今回の見直し作業に当たった方針を改めて強調した。  概算要求はあくまで各省庁の希望額。その後の査定で減らされるのを見越し、かなり多めに出すのがこれまでの常だった。しかし、文科省の今回の見直しでは、総選挙のマニフェストを実現する財源を確保するため、全体的に絞った。要求額は、実際についた今年度予算の実績と比べると4745億円増、率にして9%増と、この段階としては抑制的だ。  8月時点の要求額との差では、電子黒板の導入など、学校ICT(情報通信技術)環境整備関連の減額が目立つ。8月時点では全国の学校に5万4千台分を整備する費用として139億円を要求していたが、見直しで7億円にまで削った。  そうした中、最重要課題として盛り込まれたのが高校の授業料の実質無償化のための費用、4501億円だ。国公立の授業料相当額として年間11万8800円以内で支援し、私立の生徒にも同等額(低所得層は倍額)を助成。専修学校の高等課程の生徒らも対象に含む。  この制度では、外国籍であっても、朝鮮学校などの民族学校、インターナショナルスクールなど、学校教育法で「各種学校」に分類される教育機関の高校段階の生徒について同額の助成を想定している。自民党を中心にした政権では実現が難しい案件だが、日本に住み、保護者が税金を納めるなどしている以上、同じように手当てすべきだと考えたという。民主党は定住外国人の地方参政権の早期実現を基本政策にしており、こうした考え方とも通じている。  高校生の支援策としては、返済不要の給付型奨学金の創設(123億円)も盛り込んだ。年収350万円以下の世帯の生徒約45万人が対象で、教材費や学用品代、制服代など授業料以外に使うことを想定している。  ただ、給付型奨学金はもともと8月段階の概算要求に455億円が盛り込まれており、そこからは330億円余りの減額になる。文科省は授業料助成と給付型奨学金のセット(要求額は計4624億円)で「総合的な高校実質無償化策になる」と説明しているが、現場の教員には「低所得層に絞った支援こそ緊急課題」という声が強い。今後どう拡充していくか、新政権の大きな課題となる。 ■理数の教員増求める  地域間の点数競争の観が強くなり、結果開示の是非でも揺れている全国学力調査。現行では小6、中3の全員を対象に国語と算数・数学の2教科で実施しているが、来年度からは40%を取り出す抽出調査に切り替える。これにより、予算要求は8月時点の58億円から36億円に削減。内訳も、学力調査そのものの費用は28億円にとどめ、残りは将来的に実施教科や対象学年の拡大を検討するための調査費に使うとしている。  10年度限りで廃止の方向となった教員免許更新制に割く費用も、8月段階の13億円から4億円に削った。文科省の政務三役は、教員の新たな質向上策として大学院の修士課程も必修とする教員養成6年制化を検討しており、今回、調査費などとして3億円を別途盛り込んだ。  教職員の数を増やす「定数改善」については、5500人増で8月時点の要求と同じだ。ただ、8月時点では校長、教頭らを補佐する「主幹教諭」を2500人分入れていたが、今回は448人に減らし、代わりに理数の教員を2052人分盛り込んだ。鈴木寛副大臣は「私たちは現場を支える人を増やす」と前政権との違いを強調する。  国立大学の運営の基盤として学生数などに応じて配分される「運営費交付金」は、小泉政権の「骨太の方針06」路線で、毎年前年度比で1%削減されてきた。今回求めたのは、今年度予算より13億円多い1兆1708億円。政務三役は「前政権の枠には縛られない」としており、削減の流れを押し返せるか、これからが正念場になる。 ■切り離せぬ財源問題―耳塚寛明・お茶の水女子大副学長(教育社会学)  高校無償化を最優先し、後は細かく削りながら対応したという印象だ。この短期間で新政権の特徴を出したのだから、まずはよくこなしたと思う。  ただ、教育に関する民主党のマニフェストを見ると、今後根本的に制度を変えなければならないものが多く、次回、2011年度に向けた予算要求が「本番」になると思う。多額の予算を必要とするものが多く、難航するのは必至だ。  高校の授業料を無料にし、大学の奨学金を拡充し、幼稚園の教育費も支援する――という家計負担減の政策は重要だが、現実問題として予算をどこからもってくるのか。学校の教職員を大幅に増やすという方針も、やはり財源をどう確保するかという問題がついて回る。  新政権のもとでは、子どもたちの教育のため、国民みんながこれまでより負担を増やさなければならないという方向に向かおうとしている。反対者も増えるだろう。  私たちがどういう社会を目指すのか、根本的な議論が必要だ。 "[he-forum 14706] 河北新報社説10/23 河北新報社説2009年10月23日付 教員養成6年制/制度の改廃で成果上がるか  文部科学省は本年度導入した教員免許更新制を来年度にも廃止し、養成課程を大学院修士コースを含めた6年制とする方針を固めた。教育は「国家百年の計」。教育の根幹にかかわる制度がくるくる変わるようでは、現場への影響が心配だ。  見直しは民主党が衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約)に沿っている。大胆な方向転換が提示されるのは当然としても、現行制度の検証もないままの朝令暮改は疑問だ。  新制度では教員志望者に大学の学部卒業後、修士号取得を義務付ける。現行2~4週間の教育実習は1年間に延ばし、教職への最初のハードルを数段高く設ける形になる。  教員になる勉強をじっくり積むシステムには、一定の評価もあろう。あらかじめ高い素養を身に付けた意欲のある人に教職を目指してもらうという意図は分かるが、職業選択の幅を狭めてしまうことにならないか。  6年制は教育先進国フィンランドを意識しているとされる。教職の社会的ステータスが高いフィンランドでは、教師は尊敬される存在で専門職として位置付けられてきた歴史がある。  本年度の免許更新制導入の背景を見ても分かるように、日本では教員の適格性の欠如、指導力低下が強く懸念されてきた。それが今の教育界の現状だ。一足飛びに6年制に移行し、打開を図れる問題だろうか。  不適格教員を生むことを恐れるあまり、多様な個性を切り捨てれば教育現場は画一化される。経験を積んで「良き教師」に成長する若者の可能性を摘むことになるのではないか。  1年間の教育実習も、受け入れる学校側の負担、学生の労力を考えれば、制度化は容易でない。結果的に教職志望者が減ってしまう不安すら抱かせる。  現職教員の質を高める対策としては、8年以上実務経験した人を対象に「専門免許状」を与える制度を新設する。(1)教科指導(2)生活・進路指導(3)学校経営―の各分野で一段高い職業能力の開発を図る狙いだ。  これらの新制度は、全国に24校ある「教職大学院」を核にして進める予定で、文科省は都道府県ごとの教職大学院設置も検討するという。東北で現在開設されているのは宮城教育大と山形大。大学院教育の質と量を全国的に整えるには時間が要る。  更新制導入による更新時講習と認定試験も、教員の能力向上を目指したはずだった。しかし、講習内容は実施する大学などに任され、試験の評価基準も一律ではない。制度が形(けい)骸(がい)化する不安が強くあり、廃止の論拠の一つだったことは確かだ。  「多忙な現場の教師に負担を掛けるだけ」「日常的な研修制度の充実の方が有効ではないか」といった批判の声は当初からあった。しかし、新制度がこれらの疑問に対する的確な回答になっているようにも思えない。  教育現場で教師の意欲と能力が、どう発揮されるかが最大の問題だ。制度をいじるばかりで本来の教育成果を引き出せなくなるのは本末転倒。先を急がず腰を据えた議論を望みたい。 "[he-forum 14707] 時事通信10/22 時事通信2009年10月22日19時54分 ワクチン接種、国の責任で=国立大医学部長会議が要望へ  医療従事者への接種が始まった新型インフルエンザワクチンについて、全国42大学で構成する国立大学医学部長会議は22日、任意接種ではなく、風疹(ふうしん)などと同様に法定接種とするよう政府に要望することを全会一致で決めた。ワクチンの安全性について十分なデータの蓄積がない一方で、社会的要請が強いことを理由に挙げている。要望書を近く厚生労働省に送付する。  要望ではまた、法定接種とすることに制約が伴うならば最低限、副作用が出た場合などは国が責任を持って対応し、接種した医師は免責することや、厚労省の情報発信は医師でもある足立信也政務官に一本化することも求めた。 "[he-forum 14708] 毎日新聞10/24 毎日新聞2009年10月24日付 新教育の森:支援範囲広く、指導力向上厚く 予算要求にみる改革…ハードからソフトへ  文部科学省は来年度予算の概算要求をまとめた。民主党のマニフェスト関連事項を盛り込む一方、継続事業などは「しがらみを排して見直した」(川端達夫文科相)という。新政権が目指す教育改革の姿を、要求の中身から展望する。【加藤隆寛、本橋和夫】  ◆どうなる「事項要求」  要求総額は5兆7562億円。自公政権下で8月にまとめた要求総額より2899億円少ないが、今年度当初予算を4745億円上回る。マニフェスト記載事項の中でも、政策実行手順を「工程表」として示した3事項を優先するとしたが、「高校無償化」以外の「大学奨学金充実」と「医師養成と大学病院の機能強化」は、金額を示さず具体的施策を予算編成過程で検討する事項要求にとどめた。  藤井裕久財務相は会見で、事項要求について「断固査定する。ほとんど実現できないだろう」と発言。2事項だけでなく多くの要求が厳しい査定にさらされるのは必至で、最終的にどこまで容認されるかは不透明な状況だ。  高校の無償化に関しては、授業料相当額を助成するだけでなく、年収350万円以下の世帯を対象とした給付型奨学金の新設(123億円)にも踏み切った。授業料以外の入学金、教科書代などに充てる奨学金で、返済は不要。基準額は1年目が公立で3万4000円、私立は19万7000円。2年目以降は1万1000~1万6000円。  実は、8月の要求でも高校生向けの給付型奨学金新設に455億円が盛り込まれていた。低所得者を重点的に支援しようとした前政権に比べ、新政権は支援範囲をなるべく広げようとする姿勢が目立つ。幼稚園就園奨励費も、8月要求の255億円から209億円に減額。子ども手当の新設でその分はカバーできるという考えが背景にある。  大学奨学金の制度設計は先送りされた。事項要求の枠内で奨学金の貸与人数増、私大の授業料減免枠拡大などの具体策を詰める。貸与人員を5万人増やすなどとした8月要求は、同様の施策に1787億円を計上していた。  ◆5500人の教職員増  教職員定数は8月要求と同数の5500人増を求めた。ただし、内訳で「主幹教諭2500人」を「主幹教諭448人と理数担当教員2052人」に組み替えた。新学習指導要領への対応や少人数指導の実現など、より現場を意識した変更だという。  退職教員を中心に非常勤の「サポート先生」1万9500人(今年度比5500人増)も配置する計画。8月要求は3万2900人を想定しており人数は4割減となる。  ◆体力調査は「全員」継続  小6と中3の全員を対象に実施してきた全国学力テストは、40%(学級ベース)の抽出方式に改める方針。1位から47位まで都道府県の順位が付くレベルの精度には至らないが、「最上位グループ」「上位グループ」などの大まかな位置付けが可能という。実施費用は8月要求の57億円に対し、36億円で済む。結果の活用事業や、他教科や他学年に対象を広げるための調査費などが他に1億円かかる。  小5と中2の全員を対象に昨年度から実施している全国体力テストは、来年度も全員対象方式を継続する方針。  ◆消えた「電子黒板」  8月要求には、電子黒板5万4000台設置などを含む学校のICT(情報通信技術)環境整備費として122億円が盛り込まれたが、今回要求ではゼロに。教員のICT活用力向上やデジタル教材の開発費などに7億円が計上された。川端文科相が今年度補正予算の見直しから一貫して掲げてきた「ハードからソフト・ヒューマンへ」の基本方針を反映し、公立学校の耐震化事業費も8月要求の2775億円から1086億円に削り込まれた。  このほか、農山漁村での長期宿泊体験などの事業費を12億円から6億円に圧縮。「演劇教育」を中心とするコミュニケーション教育の充実に新たに1億円を盛り込んだ。  ◇人権規約にのっとり無償化/非常勤より「正規」増やす--鈴木寛副文科相に聞く  鈴木寛副文科相に概算要求の狙いなどを聞いた。  --高校無償化を最優先する理由は。  民主党は「学ぶ権利」を中心に考える。国際人権規約の締約国160カ国のうち、「中・高等教育の無償化」を定めた条項の批准を留保しているのは日本とマダガスカルだけ。規約違反が何十年も放置されてきた。日本を普通の国にしたい。  --大学は奨学金拡充で対応するのか。  もちろん拡充するが、併せて授業料も減免する。年収400万円以下世帯の授業料を全額免除している東大並みのことを、他校にもやってほしい。  --非常勤講師の要求数は前政権時より少ないが。  これまで、常勤で手当てすべきところを非常勤で対応してきた状況はいびつだった。11年度予算では堂々と正規教職員を増やしていく。民主党教育改革の第1段階は学費負担の軽減で、第2段階は「教育力向上」がテーマ。教員の質と数の充実、教材の見直しを図り、教員免許制度も改革する。  --第3段階は?  ガバナンス(統治)の問題に取り組む。学校運営のあり方を変え、地域住民が参加する学校理事会制度をスタンダード化していく。教育委員会のあり方も見直す。ここまでに4年はかかるだろう。  --学校ICT化は推進しないのか。  情報化は大事だが、ハードだけ買ってそれが使われない学校を作るつもりはない。教員の指導力養成やデジタル教材の開発が優先されるべきだ。 ==============  ◇文科省の主な来年度予算概算要求事項と金額                             <単位・円> 高校授業料の実質無償化    4501億 〓         (0) 高校奨学金の充実        123億 〓      (455億) 全国学力テスト          36億 〓       (57億) サポート先生の配置        77億 〓      (136億) 豊かな体験活動推進         6億 〓       (12億) コミュニケーション教育       1億 〓         (0) 学校のICT環境整備         0 〓      (122億) ICT活用教育の調査研究      7億 〓       (17億) 公立学校施設耐震化など    1086億 〓     (2775億) 私立学校施設整備        192億 〓      (298億) 医師養成など          事項要求        (595億) 大学奨学金などの充実      事項要求       (1787億) --------------------- 総額           5兆7562億+事項要求 (6兆461億)  ※カッコ内は自公政権下で8月に要求した同種事項の額。矢印はその額からの増減 "[he-forum 14709] 西日本新聞10/24 西日本新聞2009年10月24日付 九大伊都地区 留学生宿舎建設を停止 政府の補正予算見直しで  政府の2009年度補正予算の見直しで、九州大学が伊都キャンパス(福岡市西区など)内に計画していた留学生宿舎2棟(580室)の整備予算32億4000万円の執行が停止され、本年度に着工して10年度中に完成する計画が白紙となったことが分かった。新政権誕生のあおりを受けた形で、九大は「伊都キャンパス周辺は民間の学生向けアパートが少なく、早く完成させたいのだが」と困惑している。  九大によると、宿舎建設は留学生を増やしていく方針や、民間アパートの不足を受けて計画。「伊都国際村」のコンセプトに基づき、日本人学生の入居もできる。鉄筋コンクリート10階建てで、1人部屋(550室)と夫婦用居室(30室)の2種類を備える。  文部科学省は前政権時代、設計と整備を合わせた予算を09年度補正予算に組み込んでいた。ところが、9月に鳩山由紀夫首相が「国立大学法人などの施設整備費も執行停止の対象に」と指示したことを受け、文科省が同24日、発注していない整備分の執行停止を九大に通知してきたという。設計分は、すでに契約が完了していた。  文科省の執行停止額は、全体で3387億円。九大は「国全体の動きなので従わざるを得ない。19年度を予定する(箱崎キャンパスからの)移転完了や入学者数への影響はないと思うが、留学生宿舎は大学の発展に必要」としており、編成される場合は10年度補正予算に、遅くとも11年度の概算要求で予算復活を目指すとしている。 "[he-forum 14710] 中国新聞10/24 中国新聞2009年10月24日付 産学官拠点構想が宙に浮く  山口県や山口大が進めていた産学官の連携拠点施設の構想が棚上げになっている。独立行政法人科学技術振興機構(JST)の公募に、新施設の建設費を含む総事業費23億5千万円の構想を提案したが、新政権が公募事業の予算枠の圧縮を決定。県などは構想の大幅修正を迫られている。  構想は「山口イノベーション創出推進拠点」(仮称)として、宇部新都市あすとぴあ(宇部市)に3階建て延べ約4千平方メートルの施設を建設。企業の技術者や大学の研究者が集い、環境や省エネ、素材の実践的な技術開発を進める。早くて2011年春の開設を想定していた。  JSTは「地域産学官共同研究拠点整備事業」として今夏に公募をかけ、47都道府県すべてが手を挙げた。事業費は全額国が交付し、今月中には採否が決まる予定だった。  しかし、民主党が軸の新政権は16日、本年度補正予算の見直しで同事業の予算695億円のうち6割強の432億円の執行停止を決定した。  突然の「待った」に関係者は困惑。50企業にニーズの聞き取りをした山口大産学連携課の重本隆之課長は「地域活性化策として期待していたが…」。県新産業振興課の橋口総司課長も「施設建設が無理となり、事業の形が大幅に変わる」と戸惑う。  国は既存施設の活用を想定し、執行停止額を除いた263億円を電子顕微鏡や先端の検査装置など設備費に回す方針。30地域程度が選ばれる見通しだが、今後の選定条件やスケジュールは文科省、JSTとも「現在、検討中」という。 "[he-forum 14711] 朝日新聞10/26 朝日新聞2009年10月26日付 6年制薬学部、人気低迷  臨床現場で幅広く活躍できる薬剤師を育てるために導入された薬学部の6年制。その1期生にあたる4年生が、来年から薬局や病院で、5カ月間の実務実習を始める。チーム医療の一翼を担える薬剤師への期待は高いが、一方で、薬学部志望者は激減。定員割れの大学が続出するなど、薬学部を取り巻く環境は厳しさを増している。  「お薬が体に合わなかったことはありますか?」  白衣を着た学生が質問すると、患者役の女性が「ぜんそくのようなせきが出て苦しかったことがあります」と答えた。  今月2日、東京薬科大学(東京都八王子市)で行われた4年生対象の服薬指導の実習。40人が八つのグループに分かれ、病歴や薬の副作用の経験、食物アレルギーの有無を聞き取っていく。  模擬患者は、地域住民や大学の卒業生から選ばれたボランティアだ。「『ご心配なく』という患者への心遣いの言葉がよかった」と言われて、ほっとした表情を浮かべる学生もいた。  4年生は来春から、薬局と病院で2カ月半ずつ、計5カ月間の実務実習が待っている。それに備え、処方箋(しょほうせん)に基づく調剤や、点滴バッグに薬を注入する無菌混合調製の実習も受けている。  入学後、薬の研究開発から、病院勤務に志望を変えた吉田謙介さん(23)は「専門知識を生かし、患者が薬の副作用で苦しまないようにしたい」と抱負を語る。病院薬剤師を目指す大久保直美さん(22)は「がんで亡くなった祖母は、投与される薬の名前を手帳に書いて、間違いないかどうか看護師に確認していた。薬剤師になったら、患者が安心して治療を受けられる環境を作りたい」と言う。  実務実習はこれまで大学によって内容や期間がばらばらだった。東薬大が4年制だった時の学内実習は38時間。模擬患者相手の実習は一部の学生しかできなかった。6年制になり、5倍近い183時間を確保し、全員が参加できるようにした。  東大病院の助教授・副薬剤部長から転身した山田安彦教授は「医薬品の進歩は目覚ましい。薬の調剤だけでなく、薬学の知識を臨床現場に応用し、処方の作成段階から助言できる薬剤師を育てたい」と言う。 ■規制緩和で定員増  しかし、薬学部の経営には逆風が吹き、薬剤師の将来も明るいとは言えない。  東薬大は6年制に対応するため、病棟や調剤室を備えた教育棟を約22億円かけて新設し、実習用の薬にも年間数百万円を費やす。ところが、6年制となる前年の05年度までは、5千人以上の志願者を集めていたものの、6年制になった06年度は3355人と大幅に減り、その後も横ばいが続く。  大手予備校代々木ゼミナールの集計では、薬学部定員の約9割を占める私大の志願者(推薦などを除く)は、05年度の約12万5千人から、06年度は約8万1千人と3分の2に激減した。  なぜ、人気が落ちたのか。  まず、学費負担が大きい。私大薬学部の場合、年間授業料は平均約200万円なので、6年間で1千万円超かかる。修学年限が医、歯学部と同じになっても収入が増える保証はない。人事院の民間給与実態調査(09年4月)によると、薬剤師(平均年齢34.5歳)の給与は月額約34万2千円。大卒が条件ではない看護師(同35.5歳で約33万6千円)とあまり変わらない。  「薬剤師過剰」が現実化しつつあることも影を落とす。規制緩和を進めた小泉内閣は大学の設置や定員増の抑制方針を03年度に撤廃。日本薬剤師会などが「薬剤師の質の低下」を理由に抑制の継続を求めたが、聞き入れられなかった。  その結果、私大の薬学部開設が相次ぎ、学部数は02年度の46から08年度に74(6年制)となり、定員も同じ期間に8100人から1万2170人(同)に増えた。志願者減と学部増が重なり、今年度は約4割の私大薬学部が定員割れとなった。  代々木ゼミナール入試情報センターの坂口幸世(ゆきとし)本部長は「以前は倍率が高かったので、多くの大学が、少子化でも確実に入学者を見込めると考え、大学の生き残り策として開設した結果だ」と指摘する。 ■歯科医と同じ道?  一方で薬剤師の需要は頭打ちになろうとしている。厚生労働省が90年代以降進めた医薬分業政策で、薬剤師が不足気味になった。患者が病院や診療所から直接薬をもらわず、医師の処方箋を調剤薬局に持ち込む方式が一般化し、たくさんの薬剤師が必要になったからだ。薬局の薬剤師数は94年の約6万人から06年に約12万5千人へと倍増したが、すでに院外処方箋の伸びは止まった。  医療従事者は、医療現場の実態を踏まえた将来計画に基づいて養成されるべきだが、実際はそうなっていない。  医学部は政府が定員の抑制方針を転換したが、逆に歯科医師は過剰で、歯学部定員の抑制が課題だ。薬剤師も文部科学省と厚労省の連携不足によって歯科医師と同じ道をたどる可能性がある。  ただ、「病院勤務の薬剤師は足りない」との声も強い。  厚労省の配置標準では、一般病院は入院患者70人当たり1人、大学病院などの特定機能病院は同30人当たり1人の薬剤師を置けばよい。  しかし、日本病院薬剤師会の堀内龍也会長は「薬の適正使用や医療安全のためには入院患者10人当たり1人の薬剤師が理想。当面40~50人の患者が入院する病棟ごとに専従者を置き、夜も病院全体で最低1人の配置を目指すべきだ。それには、病院で働く約4万5千人の薬剤師を倍増させる必要がある」と訴える。(編集委員・出河雅彦) "[he-forum 14712] 共同通信10/23 共同通信2009年10月23日19時13分 132億円は滞納者が住所不明 奨学金返済で会計検査院指摘  独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)が大学生らに貸与した奨学金の返済状況を会計検査院が調べた結果、住所を確認できない滞納者の未返済分が少なくとも約132億8千万円に上ることが23日、分かった。検査院は、大学との連携を強めるなど住所不明者の調査体制を整備するよう改善を求めた。  検査院によると、奨学金は2007年度末、貸与残高が約5兆2009億9千万円。うち3カ月以上も返済されず貸し倒れの可能性がある延滞債権が約21万4千件、約2252億5千万円で、1999年度に比べ2倍以上に増えた。  3カ月以上の延滞債権のうち、住所不明者の分は約1万3千件で約132億8千万円。就職や転勤による転居届の提出がなかった上、追跡調査をせず、そのままになっていた。  届け出があり、住所を確認できていたケースでも、07年度に回収業者に委託した約8千件の6割が連絡を取れず、支払い督促書を送った約3万5千件では、うち1269件があて先不明で返送され、新たな住所不明者として浮かび上がった。  さらに07年度末に貸与が終わった利用者に対し、07年8月に「返還開始のお知らせ」を返還誓約書に記された住所に送付したところ、約23万1千件のうち1464件があて先不明で戻ってきた。 "[he-forum 14713] 京都新聞10/24 京都新聞2009年10月24日付 「宇治おうばくプラザ」しゅん工 京大構内、地域住民も利用可  京都大宇治キャンパス(宇治市五ヶ庄)の教育・交流施設「宇治おうばくプラザ」の完成記念式典が23日にあり、大学関係者など220人が施設のしゅん工を祝った。大型ホールを備えた地域に開かれた施設で、24、25日のキャンパス公開で市民にお披露目する。  プラザは、鉄筋コンクリート2階建て。300人収容の多目的ホール「きはだホール」のほか、大小のセミナー室5室、大学院生や留学生、研究員の交流スペース、民間業者が運営するレストランとコンビニがある。いずれも地域住民も利用できる。  松本紘京大総長や久保田勇宇治市長によるテープカットの後、完成披露式があり、松本京大総長が「世界の研究者、地域の皆さん、学生たちが活発に交流できる施設の運営を進めたい」とあいさつした。  24日午前10時から正午まで公開講演会「新たな宇治キャンパスへのいざない-最先端科学をより身近に」が開かれるほか、25日にも化学やエネルギー理工学、生存圏、防災各研究所の公開ラボや講演会、防災よろず相談などが開かれる。 "[he-forum 14714] 東京新聞10/27 東京新聞2009年10月27日付 苦学生救う 無償の奨学金 『給付型ないのは日本だけ』  「子ども手当」「公立高校授業料無償化」の次に民主党政権が対応を求められているのが、大学・大学院などの学費を支援する奨学金だ。日本の制度はほとんどが「借金」。無償となる給付型奨学金制度への関心が高まっている。 (井上圭子) ◆卒業後に返済義務  「妹と弟がいて私だけにお金をかけられない」。東京都内の国立大学に自宅から通う四年生のA子さん(23)は、日本学生支援機構の有利子奨学金月五万円を受ける。アルバイト代と合わせ授業料など年約百万円を自分で払う。  町工場勤務の父親は不況で収入が減り、母親はパート勤務。現在は就職活動中でアルバイトができず授業料も滞納気味だ。卒業後は奨学金返済が待つ。返済額は高校時代分も合わせ四百万円を超す。「就職も決まらず卒業後の返済めども立たない。今すごく不安」  学費は高騰する一方だ。昨年の消費者物価は三十年前に比べ二・九倍の増加なのに、私立大学の授業料は五・六倍増、国立は四七・二倍に増えた。日本政策金融公庫の昨年調査によると、入学金や授業料に交通費など加えた教育費は、学生一人当たり四年間で国立大学五百七万六千円、私立大学だと七百三十五万八千円かかる。だが、奨学金の多くは貸与型、つまり借金だ。  全労連など労組九団体でつくる「奨学金の会」の西川治さんは「わずかにある民間の給付型奨学金はほぼ成績優秀者向け。働きながら学ぶ低所得層は勉強時間が限られ、最初から不利」と話す。  日本学生支援機構労働組合の岡村稔書記次長は「日本は困窮者ほど借金が膨らむ制度。世界中で給付型がないのは日本だけ」と指摘する。 ◆教育投資、社会に利益  奨学金制度に詳しい東京大学大学総合教育研究センターの小林雅之教授(教育社会学)は「教育投資が個人の収益率を上げ、回り回って社会に利益をもたらすという考えから給付型の充実が世界の流れ」と話す。  「米国の大学は高授業料だが学生獲得のため奨学金制度も充実、国や大学などから手厚く給付される。英国では学生の三分の二が何らかの給付型奨学金を受給。フィンランドは大学院まで無償化し教育に力を入れた結果、失業率も医療費も減った」 ◆早大、学芸大が導入  人材確保を狙い給付型を独自に導入する動きも出始めた。早稲田大学は昨年度、首都圏以外の学生五百人に年四十万円を四年間支給する「めざせ!都の西北奨学金」を創設した。入学前に募集し給付決定をする。経済的理由から受験を断念しないように配慮した。  東京学芸大学は二〇〇七年度に給付型奨学金制度を創設、東京大学は昨年度から、低所得家庭の学生に対し授業料を全額免除している。  先の総選挙のマニフェストで、自民党は新たな給付型奨学金の創設を盛り込んだ。一方、民主党は貸与型の充実が柱。来年度予算の概算要求でも、大学への授業料減免枠拡大を盛り込んだだけで、給付型創設などは検討課題のようだ。  経済協力開発機構(OECD)は先月、「学生一人が大学など高等教育を修了するには、約二万八千ドル(約二百六十万円)の奨学金など政府投資が必要だが、人材が社会で活躍することで経済的リターン(所得税収増、社会保障費減など)はその二倍以上」と報告した。  「能力ある人が教育を受けられないのは社会の損失。格差を固定化しないために奨学金などのテコ入れが必要」と小林教授は話す。 "[he-forum 14715] 毎日新聞山梨10/23 毎日新聞山梨版2009年10月23日付 県公立大学法人評価委:県立大の中期目標素案を説明--初会合  来年4月から公立大学法人に移行する県立大の中期目標を定めるため、「県公立大学法人評価委員会」の初会合が23日、甲府市飯田5の同大で行われ、中期目標の素案が委員に説明された。  同委員会は、大学の業務実績への評価や中期目標に意見を出すことが役割。この日、5人の委員が任命され、川村恒明・神奈川芸術文化財団理事長が委員長に選出された。  中期目標の素案は、大学や県の職員で構成する庁内検討委が作成。期間は来年4月からの6年間。基本目標として地域の課題に対応した研究、自主・自律的な運営の推進などを掲げている。また、就職率100%▽看護学部の半数以上が県内医療機関に就職▽地域貢献のため、地域や小中高との連携--なども目標に示した。  中期目標は来年の6月県議会に提出される予定。【小林悠太】 "[he-forum 14716] 共同通信10/27 共同通信2009年10月27日0時22分 国立大入試で追試 インフル対策、本試験1週間後  国立大学協会は26日、北海道函館市で総会を開き、来年度の入学試験で受験生が新型インフルエンザにかかり2次試験を受けられない場合について、本試験の1週間後の追試験や大学入試センター試験を参考にした合否判定など、各大学が救済策をとることで合意した。  文部科学省によると、国立大学2次試験での追試などの救済策は、1995年の阪神大震災や、2008年の大雪の際に一部大学で実施したが、全国の国立大が足並みをそろえるのは初めて。  大学入試の新型インフルエンザ対策をめぐっては、大学入試センターがセンター試験の追試の日程を1週間ずらし、1月30、31日に変更するなどの特例措置を決めている。  国大協によると、2次試験の救済策は来年度入試に限った特例措置。追試験を受ける場合は、本試験1週間前から当日までに、受験生に追試験受験申請書や診断書を提出させるなど、センター試験の対応を参考にする。  実施方法や手続きなどは各大学が決め、実施日程などは受験票を送付する際に通知する。合格者は、前期・後期日程ともに本試験と追試験で合わせて決める。追試を実施せず、センター試験の結果で合否を決めるケースもありうる。  ただ文科省は「東京芸術大など芸術系大学は2次試験に作品制作などの実技試験を課しているので、追試は難しいだろう」としている。  国大協は26日付で、追試験実施にあたり、各大学に判断材料となる情報を提供するためのワーキンググループを設置した。情報を随時とりまとめ、新型インフルエンザの流行状況によっては救済策の変更も検討する。  総会後に記者会見した国大協の浜田純一会長(東大学長)は「受験生の皆さんが心配しており、大学側も対応を準備しなければならないということで方向性をまとめた。今後も状況の推移をみながら対応していきたい」と話した。 "[he-forum 14717] 北海道新聞10/27 北海道新聞2009年10月27日付 旭大、進学困難な学生の学費免除 【旭川】旭川大は、経済的理由で進学困難な新入生を対象に入学金や授業料などの納付金を全額または半額免除する「福祉人材養成奨学生制度」を来年度から新設することになり、入試要項を26日、発表した。  対象学科は保健福祉学部コミュニティ福祉学科。2006年3月以降に高校卒業か卒業見込みで経済的理由により進学が困難な人に対し、4年間の納付金の全額免除(1人)か半額免除(10人)を行う。出願時に所定の出願書類や保護者の源泉徴収票などが必要。専願制で他大学や同大他学部との併願はできない。書類審査と面談で選考する。募集は第1期が11月9日~12月22日。第2期は来年2月1~27日。問い合わせは同大入試広報課(電)0166・48・3121へ。 "[he-forum 14718] 朝日新聞10/27 朝日新聞2009年10月27日付 筑波大、留学生向け奨学金制度  大学の国際化を進める文部科学省の事業「国際化拠点整備事業」(グローバル30)の支援対象に選ばれた筑波大学(つくば市)は、留学生を支援するため、大学独自の奨学金制度「つくばスカラーシップ」を設立した。これを呼び水に、同大は留学生の拡大を図る考えだ。同省によると、留学生向けの独自の同制度は珍しいという。(横山健彦)  制度は9月に設けられ、来年秋に実施する。「グローバル30」に基づき、英語による授業だけで単位が取得できる学部レベルの2コースを選んだ各数人の留学生を対象に、入試の成績により月額10万円か同6万円を支給する。採用されるのは計13人。返済は求めない。さらに、入学金(28万2千円)と入学した年度の授業料(8カ月分約35万7千円)を免除するほか、来日費用として10万円を支給する「厚遇」ぶりだ。同省留学生交流室は「大学側が優秀な学生を集めようとしている表れだろう」と話している。  留学生は母国の学校が終わるのが夏で、来日しても日本側の国や民間団体などでは奨学金の募集が終わっていることが多い。筑波大の新制度は、新たな募集が始まる翌年春までの「つなぎ支援」の役割もあるという。  同大では現在、1500人以上の留学生が学んでいる。グローバル30の対象コースを拡大させ、留学生を20年度末には4500人に増やす計画。宿舎の整備など受け入れ態勢の充実も図るという。 "[he-forum 14719] 10/26朝日新聞 朝日新聞 2009年10月26日 山形大、エコ3位 重油控えガス活用でCO2削減  環境NGOが実施した「エコ大学ランキング」で、山形大(結城章夫 学長)が全国3位になった。「省エネ」を進めようと08年度に導入し た「ESCO(エスコ)事業」が成果を上げた。鳩山首相が掲げた大幅 な温室効果ガス削減にも有効な役割を果たすと注目される環境ビジネ ス。山形市の飯田キャンパスで、最新の省エネ対策をのぞいた。     ◇  ゴーゴー、ゴーゴー。山形大医学部付属病院の西側にある中央設備機 械室の一室は、発電機の轟音(ごうおん)で隣の人との会話もままなら ない。天然ガスで2台のエンジンを回して発電。その廃熱や冷却水を利 用した冷暖房装置で、病院内に快適な風を送り込んでいる。病院の光熱 費削減に役立つ最新の省エネ技術だ。  同大の光熱費はもともと年間約8億円と高額で、その半分が飯田キャ ンパス。高度な医療機器があり、24時間の空調が必要なことなどから 削減は難しかったが、病院の増築にあわせて、施設の省エネ対策を民間 業者に委託する「ESCO事業」を導入した。  同大は06年度から2年間、約5億円の工事を三菱UFJリース、明 電舎、わだ電気設備事務所の「ESCO事業者」に委託した。天然ガス の発電機の導入のほか、3台のボイラーを重油とガスの切り替え方式に して重油の消費量を抑制。各施設に熱を送るバルブ類は断熱材で覆い、 熱を逃さないように徹底している。  病院の増築にあわせて08年度に稼働した。工事費は新エネルギー・ 産業技術総合開発機構(NEDO)の補助金のほかは事業者側が調達 し、大学側は24時間体制の維持管理費を含めた年約7千万円を11年 間、事業者に支払う仕組みだ。増築で年5億円に膨らむと見込まれた光 熱費は、ESCO事業効果で増築前の4億円のままとなり、大学にとっ ては7千万円を支払っても、3千万円が浮いた計算になるという。  また、大学全体のCO2排出量は07年度の2万8361トンから0 8年度は2万6860トンとなり、病院増築にもかかわらず5%以上削 減できた。  エコ大学ランキングでは、こうした試みが高く評価された。実施した 環境NGO「全国青年環境連盟(エコ・リーグ)」が全国の大学にアン ケートし、エネルギー消費量、省エネ対策、教育面での取り組み、先進 的な事例、の4項目を点数化。125点満点で96点を獲得した山形大 は、有効回答107校中3位に入った。  ESCO事業導入を進めた山形大工学部施設管理チームリーダーの葛 西聖仁さん(38)は「大学には実験装置など省エネしづらいものが多 いが、この取り組みで、何も変わらず省エネできた。エコ大学3位は素 直にうれしい」と話している。(南日慶子)     ◇ 〈キーワード〉エコ大学ランキング 全国の大学の環境系サークルで作 る環境NGO「全国青年環境連盟」(エコ・リーグ)を中心とした実行 委が、大学の温室効果ガス削減の現状を把握し、省エネ対策などを情報 発信しようと今年初めて実施した。全国334の大学にエネルギー使用 量や地球温暖化対策などの記入を求めるアンケートを送付。エネルギー 消費量(40点)、省エネ対策(40点)、学生教育(30点)、先進 的な事例(15点)と125点満点で点数化した。1位の岩手大は10 7点、2位の九州工業大は98点、3位の山形大は96点だった。  ESCO(エスコ)事業 「Energy(エネルギー) Serv ice(サービス) Company(カンパニー)」の略。民間業者 が工場やビルの省エネを図る改修や維持管理を請け負い、節約できた経 費の一部を報酬としてもらうビジネス。公共施設での導入も増えてお り、青森県は県庁や県警本部に採用している。山形県では05年度に導 入の可能性を調べ、酒田市の日本海病院が候補になったが、その後独立 行政法人化され、見送られた経緯がある。 "[he-forum 14720] 10/26朝日新聞2 朝日新聞 2009年10月26日 医学部後期日程の定員5増を申請 山形大  山形大は20日、10年度入試で医学部医学科の定員を5人増やし、 計125人とする方針を明らかにした。文科省が地域の医師確保対策と して定員増を認めており、後期日程の定員増を同省に申請した。12月 中旬にも決定される。  同大は08、09年度に医学科の定員を10人ずつ増やしており、認 められれば3年連続の定員増となる。  10年度一般入試の募集要項も公表した。工学部はAコースを「昼間 コース」と改称、夜間が中心だったBコースは「フレックスコース」と して昼夜どちらでも履修できるようにした。さらに昼間コースにバイオ 化学工学科を新設、フレックスコースは現在の5学科を一本化してシス テム創成工学科にする。農学部も現在の3学科を食料生命環境学科の1 学科にする。  また、受験者が新型インフルエンザに感染するなどした場合に備え、 文科省の要請に従って、追試験や振り替え受験などを実施する方向で検 討しているという。  募集要項は各キャンパスの入試担当窓口で入手できる。ホームページ からも請求できる。 "[he-forum 14721] 10/28しんぶん赤旗 2009年10月28日(水)「しんぶん赤旗」 学費負担減らして 奨学金の会が文科省に要求  全学連や労働組合、個人でつくる「国民のための奨学金制度の拡充を めざし、無償教育をすすめる会」(奨学金の会)は27日、文科省に返 還の必要のない給付制奨学金の創設などの学費負担軽減を求めました。 その後、衆院議員の文科委員に要請しました。  文科省に対し、会長の三輪定宣千葉大学名誉教授は高校と大学の漸進 的無償化を定めた国際人権規約を日本政府が留保していることについ て、総選挙の際に同会が行った質問書で新政権の3党とも留保撤回に賛 成していると示し、撤回を求めました。  さらに、奨学金の返済について、文科省が来年度から開始するとして いる個人信用情報機関を活用した「回収強化」策を即時中止するよう求 めました。返済が3カ月滞った場合にブラックリストに載せることを求 める「同意書」の提出を強制していることを批判し、奨学金の継続を断 念して進学をあきらめたなどの被害の実態を調査することを求めまし た。同意書に気づかず提出している学生についてはもう一度意思を確認 できるような対応を取るよう要求しました。  文科省側は同意書提出拒否の理由を調査しており、「制度に反対」 「返済できるか不安」との回答に対応していくとのべました。奨学金の 継続利用者のうち同意書の未提出者については9月以降も振り込みを継 続するとの日本学生支援機構(旧日本育英会)の通知に基づいた対応を 取るが、新規申し込み者については同意書の提出が貸与条件になると答 えました。 "[he-forum 14722] 神戸新聞10/28 神戸新聞2009年10月28日付 神大大学院に「計算科学専攻」設置 来年4月    神戸・ポートアイランドで次世代スーパーコンピューター(スパコン)の整備が進む中、神戸大は27日、大学院に来年4月「システム情報学研究科」を新設すると発表した。コンピューターの高性能計算技術を学び、物理学や生物学などに応用する「計算科学専攻」を設置。全国初となる「計算科学博士」の学位を授与する。理化学研究所などと連携し、研究者の育成を図るという。  大学設置・学校法人審議会が同日認可した。従来の工学研究科情報知能学専攻を、システム情報学研究科として独立させ、計算科学専攻のほか、データ処理などを学ぶ情報科学専攻とシステム科学専攻を設ける。定員は前期課程が計80人、後期課程が計14人。  神戸大によると、計算科学専攻は国内の他大学にはなく、全国初の学位取得のため、前期・後期課程の一環教育の特別コースを置く。新薬の治験や車の風洞実験、地震を起こす地殻変動のシミュレーションなど、幅広い研究に取り組むという。  産業界や他大学との連携による講義も予定し、同大は「スパコン整備を視野に、新たな学問領域の創出と高度な人材育成を目指したい」としている。(中島摩子) "[he-forum 14723] 山梨日日新聞10/28 山梨日日新聞2009年10月28日付 山梨大教職大学院認可へ 文科省 山学大栄養学部も  大学設置・学校法人審議会は27日、山梨大が来年度に予定している教員養成を専門とした教職大学院の設置を認めるよう、文部科学省に回答した。同省の設置認可は30日にも出される見通しで、認可されれば県内初の教職大学院となる。県教委と連携して現職教員の再教育などを行い、学校現場で即戦力となる「スクールリーダー」の養成を目指す。  同省は教員免許を与える養成課程を6年に延長する方針を固めており、同大の教職大学院も新制度の受け皿となる見込みだ。  計画によると、同大教職大学院では、教育課程の編成や教科の実践的な指導方法をはじめ、教育相談や学校経営についても学ぶ。同大付属の幼稚園や小中学校、特別支援学校のほか、県内の連携協力校で実習を予定している。2年間の課程で、修了に必要な単位は46単位とする方針。定員は現職教員と教員免許を取得した大卒者の計14人を予定。現職教員は設置が認可され次第、県教委が希望者を募る。  同大は昨年度、専任教員など人材が確保できずに開設申請を見送ったが、今年5月に申請していた。  一方、同審議会は、山梨学院大が設置を来年度に予定している健康栄養学部管理栄養学科など公私立の延べ50校についても、学部や学科、大学、大学院などの新設を認めるよう文科省に答申・回答した。  山梨学院大が設置予定の新学部は県内初の管理栄養士の養成機能を持つ。管理栄養士の国家試験受験資格が得られるほか、栄養士の資格、栄養教諭1種の免許状などが取得可能となる。  このほか大学の開設は5校。うち新見公立大、ヤマザキ学園大、横浜美術大の3校は短大からの改組となる。大学院設置は札幌市立大など7校。  全国初の共同教職大学院の開設を目指していた昭和女子大、大妻女子大、実践女子大、東京家政大、日本女子大の5校は、昭和女子大の申請書類の虚偽記載問題を受け、設置申請を取り下げた。戸板女子大など6校は、大学や大学院などの設置申請を取り下げた。  群馬社会福祉大が予定していた看護学部設置など11校の申請は保留となった。 "[he-forum 14724] 佐賀新聞10/28 佐賀新聞2009年10月28日付 内定率伸び悩みで、異例の就職説明会 佐賀大  佐賀大学は27日、来春卒業・修了見込みの学部生や大学院生を対象にした合同会社説明会を開いた。経済不況に伴う採用抑制などで就職内定率が伸び悩んでおり、79人が採用担当者との面談に臨んだ。3年次の就職ガイダンスが始まったこの時期に、4年次向けの説明会を実施するのは初めて。  佐賀大キャリアセンターによると、昨年10月上旬の内定率は約80%。今年は集計段階で未確定だが、同期比で12ポイントほど下回っているという。  就職希望者にアンケートを実施したところ、追加の説明会の要望が多かったため、開催を決定。佐賀、福岡両県を中心に36企業が参加した。  20社以上の事務系の採用試験を受け〝内定ゼロ〟の女子学生(22)は「覚悟していたが、こんなに厳しいなんて」と曇り顔。同様に既に20社超を受けたという男子学生(22)は、「食品関係志望だが、必要としてくれる会社ならどこでも」と積極的にブースを回っていた。  大学院の男子学生(23)は「進学せず、好況だったときに就職していれば」と悔やみ、このまま学生として〝残留〟することも視野に入れていた。  同センターによると、これまでに内定取り消しの情報はない。ただ、今春の卒業生が就職先の経営難で転職を迫られたケースがあり、再就職支援も視野に、企業に対して既卒者も採用するかどうか、求人票に記入を求めるようにした。 "[he-forum 14725] 朝日新聞10/28 朝日新聞2009年10月28日付 5大学7大学院の新設認可を答申 文科省審議会  文部科学省の大学設置・学校法人審議会は27日、来春の開設を目指す公私立の大学5校と大学院7校の新設を認めるよう川端達夫文科相に答申した。新たな学部の設置は12校13学部、新学科は大学が4校、短大が1校、通信教育は1校が認められた。  審査継続(保留)は11校で、12月までに再審査される。新設される大学と学部、大学院、それぞれの定員は次の通り。  【大学の新設】《公立》新見公立(看護学部60人)=岡山県新見市《私立》東北文教(人間科学部90人)=山形市▽日本保健医療(保健医療学部100人)=埼玉県幸手市▽ヤマザキ学園(動物看護学部180人)=東京都渋谷区・八王子市▽横浜美術(美術学部190人)=横浜市  【学部の新設】《私立》盛岡(栄養科学部80人)=岩手県滝沢村▽東京工科(医療保健学部280人、デザイン学部200人)=東京都大田区▽文教(健康栄養学部100人)=神奈川県茅ケ崎市▽山梨学院(健康栄養学部40人)=甲府市▽新潟リハビリテーション大学院(医療学部80人)=新潟県村上市▽椙山女学園(看護学部100人)=名古屋市▽中京学院(看護学部80人)=岐阜県瑞浪市▽立命館(スポーツ健康科学部220人)=滋賀県草津市▽大阪医科(看護学部85人)=大阪府高槻市▽関西(社会安全学部250人)=大阪府高槻市▽宝塚造形芸術(看護学部100人)=大阪市・兵庫県宝塚市▽南九州(人間発達学部80人)=宮崎県都城市  【大学院の新設】《公立》札幌市立(デザイン研究科18人、看護学研究科18人)=札幌市《私立》埼玉学園(経営学研究科10人)=埼玉県川口市▽十文字学園女子(人間生活学研究科5人)=埼玉県新座市▽嘉悦(ビジネス創造研究科10人)=東京都小平市▽日本赤十字豊田看護(看護学研究科10人)=愛知県豊田市▽くらしき作陽(音楽研究科10人)=岡山県倉敷市▽聖マリア学院(看護学研究科12人)=福岡県久留米市 "[he-forum 14726] 北國新聞10/28 北國新聞2009年10月28日付 経営ノウハウを民間に学ぶ 北國銀が金大職員研修  北國銀行の「金沢大学主任研修」は27日、同行本店で3日間の日程で始まり、同大の主任職8人が本店などの見学や講義を通じて、民間企業の経営ノウハウを学んだ。  同大との包括的連携協力協定に基づく取り組みで、大学職員に柔軟な発想力や効率的な業務方法を身に付けてもらう狙い。昨年に続いての開催となる。2、3日目は日銀金沢支店の見学などを行う。研修は11月末にも実施する。 "[he-forum 14727] 中国新聞10/28 中国新聞2009年10月28日付 福山市大の魅力、連載でPR  福山市立大の学長に就任予定の稲垣卓さん(66)=福山市東町=が市のホームページ(HP)で連載企画「学長予定者メッセージ」を始めた。高校生やその保護者に向けて、再来年春に開学予定の大学やまちの魅力を月1回のペースで発信する。  公開中の第1回では教育と現代教養の2学部からなる教育課程や教員の編成が大詰めを迎えていることや、新学舎の着工準備が進む建設地(港町)の様子などを報告。今後は、(1)大学の目標(2)人材育成(3)他大学との違い―などを、まちの動きや歴史、文化と絡めて紹介する。  大阪教育大学長だった2006―07年度、大学のHPでキャンパスや講義の様子を伝える「学長ブログ」を展開。好評だったため、福山でも設けることにした。 "[he-forum 14728] 共同通信10/29 共同通信2009年10月29日18時16分 大学病院、5年連続半数割れ 地域格差も浮き彫り  来春医師になる大学生ら7875人の臨床研修病院を決める「マッチング」結果が29日公表された。大学病院が3916人(49・7%)、民間や自治体などが運営する市中病院が3959人(50・3%)で、大学病院の比率は前年(49・1%)より上昇したものの5年連続で半数を割り込んだ。  募集定員に対して確保できた学生の割合(充足率)を都道府県別にみると、トップは東京の92・0%で、次いで神奈川の89・0%。都市部の病院が依然として高い人気を維持している一方、昨年39・2%と全国最下位だった富山が59・2%へと大幅アップ。しかし鳥取(36・7%)と島根(31・0%)が3割台にとどまるなど、地域格差があらためて浮き彫りになった。  臨床研修をめぐっては国が5月、(1)都道府県や病院ごとの募集定員を設定(2)地域への医師派遣機能を持つ大学病院などの定員枠を優遇-するなど制度を見直した。  厚生労働省は「偏在解消には至っていないが、大学病院や都市部以外の病院で人員が増加に転じており、制度改正による一定の効果は見受けられる」としている。 2009/10/29 18:16 "[he-forum 14729] 毎日新聞愛媛10/29 毎日新聞愛媛版2009年10月29日付 愛媛大ミュージアム:地域に研究成果発信 来月14日、城北キャンパスに開館  愛媛大ミュージアムが来月14日、松山市文京町の城北キャンパス内にオープンする。今年開学60周年を迎えた記念事業の一環。大学の敷居を低くし、地域に学術研究の成果を公開・情報発信することを目的としている。常設展は「宇宙と地球の進化」「愛媛大学と愛媛の歴史」「生命の多様性」「人間の営み」の4ゾーンに分け、岩石・鉱物、古生物、地球深部、宇宙進化、昆虫、環境科学、遺跡などに関する実物の資料やパネル、模型、映像などで構成する。一般の人も自由に無料で入館できる。  芝生を張った中庭には、松山市出身でフランスに在住する濱田亨さんが2トンの石で彫刻した作品「叡(えい)知」も飾られた。開放的な空間でくつろぎながら、入館者に鑑賞してもらう。施設内に喫茶コーナーも設ける。  来月14、15両日の「あいだい博」に合わせ、学部や協賛団体ごとのブース形式で発表する企画展もする。来年6~7月には、「ジュラ紀の恐竜と化石展」を計画している。  午前10時~午後4時半(入館は午後4時まで)。火曜と年末年始、入試日などは休み。問い合わせは同ミュージアム(089・927・8293)。【小泉健一】 "[he-forum 14730] 朝日新聞社説10/27 朝日新聞社説2009年10月27日付 教員養成6年制―まず教職大学院の拡充を  先生の力量をどう向上させるか。これからの学校に求められる先生像とは何か。鳩山政権の教育施策の柱の一つ「教員改革」議論が動き出した。  文部科学省は、小中高などの教員養成期間を6年に延ばし、大学院で修士課程をおさめることを条件とする制度の検討を始めた。教育実習にも1年をかけるという。自公政権下で今春から導入されたものの、効果が疑問視されていた教員免許更新制は、来年度限りで廃止する方針だ。  先生に降りかかる問題は複雑化し、必要な知識や技量は高度になっている。専門性と実践力を兼ね備えた修士の先生を増やすことには賛成したい。ただ一足飛びに教員免許の要件とするには課題が多すぎないか。  免許取得に6年もかかると、教員志望者が減る恐れがある。大学院まで出ても採用されるかどうかわからないからだ。学費も重荷になるだろう。  6年間続けて理論を深めるだけでは、すぐに現場で役立つとは限らない。実践力をつけるために実習に1年もかけられれば理想的だが、受け入れる現場の負担は並大抵ではない。  まずは大卒で免許を取って現場へ出て、何年か経験を積んだのち、また大学院で学ばせるような制度の方が現実的であり、効果的かも知れない。  昨年から、授業づくりや学校運営のリーダーを育てる場として「教職大学院」が始まった。大学新卒者が進んだり、希望する現職教員が休職して通ったりしている。全国に24校、院生はまだ1300人足らずだ。  この教職大学院の拡充から始めてみてはどうか。修了者の採用や待遇、現職教員の入学については各教育委員会が配慮する。奨学金を用意する、といった支援策も必要になろう。  学校現場では「やる気の20代、行動力の30代、企画力の40代、まとめ役の50代」という。経験年数に応じて課題も変わる。教員養成は採用や研修のあり方とも一体で考えたい。社会人経験者をはじめ多彩な先生を学校に引き寄せる工夫もしてほしい。  同時に、教える環境の充実も議論するべきだろう。  現役の先生たちからは、日々雑務に追われる嘆きが聞こえる。そのゆとりのなさが指導力低下につながっている面もある。大学院に入ることを含め、先生たちが勉強する余裕を持つためにも教員の数を増やす必要がある。  不適格教師排除の議論から始まった免許更新制のように、先生の尻をたたくだけでは教育の質は高まらない。せっかく指導力をつけても、現場に余裕や裁量の余地がなければ生かせない。  情熱を持った優秀な若者が先生をめざして競う。子どもとともに先生も、のびのびと学び、教えられる。そんな改革を目指したい。 "[he-forum 14731] 毎日新聞社説10/17 毎日新聞社説2009年10月17日付 教員養成6年 何を目指すのかを語れ  教員の質向上のため大学院修士課程修了を教員免許の取得条件にし、養成課程を6年にする。民主党政権が進める方針に波紋が広がっている。総選挙マニフェストで方向は明らかにしていた政策の一つだが、細かな設計は未定だ。現場の意見聴取や論議に時間をかけ、関連法案を11年にも通す腹づもりという。詰めるべき条件や問題点は多い。  教育現場からこんな疑問、懸念の声が上がる。  延長は教職志望の意欲をそぎ、また学生の経済負担も増して、優秀な学生をむしろ減らすことにならないか。今でも多くの地方で教員採用試験は難関で、6年勉強して教職になれなかった場合を考えると学生は不安だ。これまでの学部の教育内容を改善・充実させるのが先決で、単なる延長では解決策にならない。  また、「教師力」は本来現場の豊富な経験で鍛えられるもので、座学より早く教室に立つべきだという考え方もある。  このため6年制案では、現行2~4週間の教育実習を1年程度に拡充する。さらに大学1年生の時から実習を可能にして、小学校の入学児童を卒業学年まで見守るようなケースも理想として考えるという。  また自民党政権が導入したばかりの免許更新制度に代わって、10年程度を経た教員に大学院などでの研修を課して専門免許状を出す構想だ。  これに伴い「受け皿」として教職大学院の大幅増設、指導教官の質・量、そして財源の確保が必要となる。カリキュラムも全面的に組み直されなければならない。  その大前提に、こうした大きな改革によって新政権はどんな教育成果や人材育成を目指すのかを語るべきだ。本来そこが最も肝心なのだ。  政権交代の結果、既存制度に大なたが振るわれ、官僚色を極力排した「政治主導」の新政策が推進されるのは当然だろう。文部科学省でも今週開かれた教育現場の実情を聞く会で政務三役が官僚抜きで会を進行し、様変わりを印象づけた。  その席でも指摘されたが、教育現場の実情と文科省の認識、情報には従来ずれがある。例えば、いじめ自殺問題や教員採用の不明朗さなどでは対応の遅れにそれが端的に表れた。その教訓を生かし、常に現場の実情に照らした政策判断ができるような体質転換を望みたい。  教員養成6年制問題はその試金石でもある。オープンな論議を積極的に展開してほしい。それで何を目指すのか。これまで中央発信の教育政策はいわば通達行政で、理念や目的は何かというところまで論議を高めていく経験も発想も乏しかった。  絶好の機会と考えたい。 "[he-forum 14732] 10/30しんぶん赤旗 2009年10月30日(金)「しんぶん赤旗」 学費支援 応募10倍増 国立大独自の給付奨学金 5年間で 国大協が報告  大学独自の学費負担軽減制度に応募する学生が急増していることが国 立大学協会(国大協)の調査でわかりました。29日、約200人が参 加した東京都内での大学改革シンポジウム「教育費負担の在り方と国立 大学の授業料」で報告されました。  国立大学に対しては国による授業料減免制度や日本学生支援機構(旧 日本育英会)による貸与制の奨学金がありますが、不十分なため大学独 自の学生支援制度が広がっています。国大協のこれまでの調査による と、返済の必要のない給付制奨学金制度を実施している大学は2004 年度の10大学から09年度44大学に増加。申請者数は253人から 2393人と9・5倍になっています。また、独自の授業料減免制度を 設置している大学は04年度1大学から09年度は27大学に増加。申 請者数は5406人から5・5倍の2万9520人でした。  制度を導入していない大学は給付制奨学金で35大学、授業料減免制 度で54大学、いずれも多くが財源不足を理由としています。報告した 国大協のメンバーは大学独自の制度運用は限界にきており、国の給付制 奨学金の創設、授業料減免制度の支出、授業料等標準額の引き下げが必 要だと語りました。  シンポジウムではパネリストから、高等教育への公財政支出が経済協 力開発機構(OECD)加盟国中最低水準であることへの批判や予算の 拡充を求める発言がありました。  国大協の濱田純一会長(東京大学総長)は新政権に対して提出した運 営費交付金の拡充、教育費負担の軽減の要望にふれ、「教育費問題は大 学にとって最も重要な問題。新政権のもとで高等教育への真剣な議論が 行われることを期待する」とのべました。 "[he-forum 14733] 10/30山形新聞 山形新聞 2009年10月30日 13:42 鳥取大、過労事故死で控訴せず 徹夜の院生医師が居眠り  鳥取大医学部の大学院生で医師だった前田伴幸さん=当時(33)= が鳥取大病院で徹夜勤務をした直後に交通事故死したのは大学側の責任 として、両親が約1億1600万円の損害賠償を求めた訴訟で、約2千 万円の支払いを命じた鳥取地裁の判決に対し、鳥取大が控訴しない意向 を原告側へ伝えたことが30日、大学などへの取材で分かった。  能勢隆之学長は「本学の主張の一部が認められず遺憾に感じている が、遺族の心情を察して控訴しないことを決めた」とのコメントを発表 した。  原告側代理人の松丸正弁護士は「この判決を契機に、医師の過酷な勤 務条件が改善されてほしい」と話した。  16日の鳥取地裁判決は「大学は疲労や睡眠不足から居眠り事故を招 かないために必要な措置を怠った」と指摘。研修などの名目で無給のま ま医療業務に従事する院生の医師に対しての、大学の安全配慮義務違反 を認めた。 "[he-forum 14734] 共同通信10/30 共同通信2009年10月30日13時42分 鳥取大、過労事故死で控訴せず 徹夜の院生医師が居眠り  鳥取大医学部の大学院生で医師だった前田伴幸さん=当時(33)=が鳥取大病院で徹夜勤務をした直後に交通事故死したのは大学側の責任として、両親が約1億1600万円の損害賠償を求めた訴訟で、約2千万円の支払いを命じた鳥取地裁の判決に対し、鳥取大が控訴しない意向を原告側へ伝えたことが30日、大学などへの取材で分かった。  能勢隆之学長は「本学の主張の一部が認められず遺憾に感じているが、遺族の心情を察して控訴しないことを決めた」とのコメントを発表した。  原告側代理人の松丸正弁護士は「この判決を契機に、医師の過酷な勤務条件が改善されてほしい」と話した。  16日の鳥取地裁判決は「大学は疲労や睡眠不足から居眠り事故を招かないために必要な措置を怠った」と指摘。研修などの名目で無給のまま医療業務に従事する院生の医師に対しての、大学の安全配慮義務違反を認めた。 "[he-forum 14735] 朝日新聞10/30 朝日新聞2009年10月30日付 筑波大、留学生向け奨学金制度 優秀な学生の呼び水に  大学の国際化を進める文部科学省の事業「国際化拠点整備事業」(グローバル30)の支援対象に選ばれた筑波大学(つくば市)は、留学生を支援するため、大学独自の奨学金制度「つくばスカラーシップ」を設立した。これを呼び水に、同大は留学生の拡大を図る考えだ。同省によると、留学生向けの独自の同制度は珍しいという。  制度は9月に設けられ、来年秋に実施する。「グローバル30」に基づき、英語による授業だけで単位が取得できる学部レベルの2コースを選んだ各数人の留学生を対象に、入試の成績により月額10万円か同6万円を支給する。採用されるのは計13人。返済は求めない。さらに、入学金(28万2千円)と入学した年度の授業料(8カ月分約35万7千円)を免除するほか、来日費用として10万円を支給する「厚遇」ぶりだ。同省留学生交流室は「大学側が優秀な学生を集めようとしている表れだろう」と話している。  留学生は母国の学校が終わるのが夏で、来日しても日本側の国や民間団体などでは奨学金の募集が終わっていることが多い。筑波大の新制度は、新たな募集が始まる翌年春までの「つなぎ支援」の役割もあるという。  同大では現在、1500人以上の留学生が学んでいる。グローバル30の対象コースを拡大させ、留学生を20年度末には4500人に増やす計画。受け入れ態勢の充実も図るという。(横山健彦) "[he-forum 14736] 読売新聞10/30 読売新聞2009年10月30日付 「最先端のエコビル」…名古屋大新研究棟、全館LED照明に  名古屋大学は29日、来年度発足する「素粒子宇宙起源研究機構」が入る総合研究棟(地上7階)の全館に、LED(発光ダイオード)照明を設置すると発表した。同機構は、ノーベル物理学賞を受賞し、同大特別教授も務める益川敏英・京都産業大教授(69)が機構長に就任することが決まっており、研究拠点となる。名大は「最先端のエコビルになる」としている。  総合研究棟は、補正予算の事業見直しで建設手続きを一時停止していたが、見直し対象にならなかったため、来年1月から着工することになった。LEDの採用で、年間約69トンの二酸化酸素が削減され、電気代は約36%節約できるという。  館内には、益川教授と同時にノーベル物理学賞を受賞した高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授の小林誠さん(65)の部屋を設けるほか、理学部と工学部の研究室を入れて学部間の交流を活発化する。総合研究棟は2011年3月に完成する。 "[he-forum 14737] 朝日新聞山梨10/30 朝日新聞山梨版2009年10月30日 まちづくりが課題 公立大学法人になった都留文科大  今年4月、「都留市立」から「公立大学法人(地方独立行政法人)」になった都留文科大学(都留市田原3丁目)。人口約3万2200人の都留市は自治基本条例で、「知的資源を活用し、教育首都を目指したまちづくり」と位置づけている。一方で、少子化が進む中、大学としての生き残り策や、地域社会への貢献策、「学園のまちづくり」も課題になっている。  1953年に前身の県立臨時教員養成所として設立。その後、教員養成系大学として知られている。しかしほかの大学との競争も激しくなっている。  全体の受験者数を合格者数で割った競争倍率は2006年度に3.6倍だったが、翌年から09年度までは2.2~2.6倍で推移。07、08年度に連続ダウンした後、09年度にようやく、志願者4598人、受験者2942人で、ともに増加に転じた。  独法化のメリットについて、高田理孝副学長は「まだ過渡期なので、教員側もわかっていない部分があり、手探り状態。1年間なり、2年間くらいやると、落ち着くところに落ち着く」と説明する。  同大学によると、全学生3245人(10月現在)のうち88%が市内に住んでいると見られる。大学周辺は近年、学生向けのアパートや飲食店の進出が目立ち、地域開発が進む。  一方で、学生の居住が大学周辺のアパートに集まったため、市中心部にあった学生の下宿屋の空洞化が著しい。  このため商店街の地盤沈下が進む市中心部と、大学周辺との格差が生じている。  市は09年度の予算で、同大学への運営費交付金として7億2600万円を盛り込んでいる。「市立」だった昨年度は6億5700万円を支出している。  費用対効果について、大学の非常勤理事の田中一利・市商工会長は「地域への経済効果は年間に30億~40億円になるだろう。企業誘致と同じ。市民と密接な関係になっている」と話す。 "[he-forum 14738] しんぶん赤旗10/31 しんぶん赤旗2009年10月31日付 学費軽減 雇用つくれ 全学連 文科・厚労省に要請  全日本学生自治会総連合(全学連・小山農委員長)は30日、学費負担軽減と高等教育予算の増額などを文科省に、雇用の創出などを厚労省に求めました。  文科省に対し、学費や生活費、家族への仕送りをするために休学して働いている8人きょうだいの学生の実態を紹介。全学連が集めた「学費・雇用黒書2009」(46学園・4006人が回答)では高学費を負担と答えている学生が65%に上ることを示し、高学費が学生や家計に与える影響などの実態をつかんで対策を取ることを要望しました。  新政権が奨学金の拡充については具体的に示していないと指摘し、自民・公明政権が出した概算要求(無利子奨学金2万人増など)より後退しないよう求めました。  文科省側は2010年度の国立大学の授業料標準額(53万5800円)の改定をしないこと、無利子奨学金を拡充すると答えました。  厚労省に対し、「3年生の6月から就職活動をしているが、まだ決まらず卒業研究が進まない」「3年生の12月から就職活動のため静岡から東京に通い、これまで交通費は10万円以上かかっている」などの就活中の学生の実態を紹介。「黒書」では63%の学生が「正規職につけるか不安」と回答していると示し、大企業に新規採用抑制をやめさせ雇用責任を果たすよう指導するなど安定した雇用の確保を求めました。 "[he-forum 14739] 毎日新聞青森10/31 毎日新聞青森版2009年10月31日付 弘前大:遠藤氏を学長に再任  弘前大は30日、次期学長に現職の遠藤正彦氏(73)を選出した。独立行政法人移行前の02年からの学長を含むと、実質連続3期目となる。再任された新学長の任期は10年2月から2年間。  学長選考会議(議長・佐藤敬・医学研究科長)は、遠藤氏と教育学部長の昆(こん)正博氏(63)を学長候補とし、学内意向投票を参考にして決定した。  遠藤氏は63年に弘前大医学部を卒業。81年に同大医学部教授に就任し、医学部長などを歴任した。遠藤氏は「高度救命救急センターなど基盤整備をさらに進め、大学の自立性を高めて国際的な情報を発信する魅力ある大学にしたい」と抱負を述べた。【塚本弘毅】 "[he-forum 14740] 朝日新聞10/30(2) 朝日新聞2009年10月30日付 国立大学の4割が講義をデジタルアーカイブ化--文科省調査  文部科学省は、全国の国公私立大学におけるIT化の整備状況を調査し、「平成20年度学術情報基盤実態調査」としてまとめた。  調査によると、学内LANを整備している大学は全体で99.1%。このうち77.3%が1Gbps以上の回線を整備しており、69%は無線LANを導入している。  また、講義をデジタルアーカイブ化しているのは全体の21.7%。国立大学では40.7%が実施している一方で、私立、公立はそれぞれ19.8%、14.7%と国立の半数を下回ることがわかった。  また情報化における人事・組織面での課題について、54.9%の大学が「技術職員不足の解消」と回答。以下「情報関連組織の再編・統合」(43%)、「事務職員不足の解消」(24.6%)の順に多かった。  さらに、経費面では「学内LANの管理・運用に係る経費の確保」が49.3%でトップ。設備面では「セキュリティ対策の充実」が58.8%を占めた。 "[he-forum 14741] 共同通信10/30(2) 共同通信2009年10月30日17時40分 障害者にも知識と指導力を 筑波技術大学長が会見  国内で初めて視覚、聴覚障害者向けの大学院を設置する筑波技術大(茨城県つくば市)は30日、記者会見を開き、村上芳則学長は「社会はより高度な知識とリーダーシップを持った人材を障害者にも求めている」と話した。  同大学によると、視覚障害者のための大学院は世界初、聴覚障害者向けでは世界で3番目。2年間の修士課程だけだが、修士号取得後、他大学の博士課程に編入できる制度も検討する。  また海外からの留学生に日本語の点字や手話などの語学学習を行う態勢づくりにも力を入れる。村上学長は「将来的には留学生の積極的な受け入れや入学定員増、博士課程の設定も検討したい」としている。  独立行政法人日本学生支援機構によると、2009年度の国内の大学院生で体に何らかの障害がある人は0・14%、351人。 "[he-forum 14742] 朝日新聞10/31 朝日新聞2009年10月31日付 医学と獣医学を「融合」 宮崎大、研究科を来春開設へ  宮崎大学(宮崎市)は30日、医学と獣医学を融合した「大学院医学獣医学総合研究科(博士課程)」を来年4月に開設すると発表した。新型の豚インフルエンザやエイズ、牛海綿状脳症(BSE)など、世界的に広がる人間と動物に共通する感染症対策の研究などが目的。大学側によると、両学科を一緒にした大学院研究科は全国初という。  宮崎大は今年5月に研究科設置計画を文部科学省に提出し、同省が30日付で設置を認めた。構想を練ってきた菅沼龍夫学長は取材に対し、新型インフルの世界的流行など人畜共通感染症対策の必要性、重要性は高まっていると指摘。「両者の立場から協働して研究することで成果が期待できる」と話した。 "[he-forum 14743] 朝日新聞11/2 朝日新聞2009年11月2日付 セクハラ根絶へ 大学模索  男女雇用機会均等法の改正でセクシュアル・ハラスメント防止の配慮義務が規定されてから10年。各大学は、相談や対応をまとめたガイドラインをつくり、積極的に研修に取り組む。しかし、それでも「セクハラで教授を処分」などと報じられることは珍しくなく、逆に、加害者側が裁判で争うケースもある。セクハラ根絶に向け、大学は何ができるのか。 ■「研究室は密室 起こりやすい」  舞台に、電話で話す恋人同士の男女。  「えー?、バイトとか行ったら、おれの知らない男いっぱいいて、危ないって」  「……考え直してみる」  中央大が先月開いたハラスメント防止啓発のイベント「フォーラムシアター」だ。出演する6人の学生が考えた。学内で起こるのは教員と学生間だけのハラスメントだけではない。学生同士でも起きる。  自分はサークルやバイトを好きにやりながら、彼女にはそれを禁じて束縛する彼と、友人に相談しながらも従う彼女。背景にある「女は男の言うことをきけ」という差別を表現する。途中で客席からも意見を聞く。「彼氏が心配し過ぎだ」「彼の彼女への態度がフェアじゃない」。実際に観客にセリフとして返してもらい、劇を続ける。  舞台の指導をしたのは、セクハラ問題などのワークショップ活動をする「演劇デザインギルド」。メンバーの竹森茂子さんは「演じて当事者の追体験をすれば、セクハラかどうか気づいてもらえる」。演じた総合政策学部5年の大谷浩二さんは「頭では分かっていたつもりだったが、問題点が理解できた」。観客の2年生の女子学生も「私の彼みたい。セクハラだとは思ってなかった」と話した。  早稲田大も、ハラスメント対策の講習として05年度からフォーラムシアターを取り入れる。  課題は関心の低さ。昨年度の参加者は60人程度にとどまった。今年度は、過去にセクハラ問題があった部署や、もともと参加者の少ない理系の教職員や学生などに呼びかける予定だ。担当の棚村政行教授は「『これくらいいいだろう』『どうしてそれがセクハラなのか』という本音を出し合って、セクハラとは何かを学ぶ場にしたい」と話す。  研修だけでなく、各大学は相談の窓口を設けている。広島大ではハラスメント相談室を05年に開設した。  相談室では、パワーハラスメントやアカデミックハラスメントも受け付けている。毎年約80件の相談があるが、セクハラは1割程度。重視されるのは、被害者が何を望んでいるか。「厳重な処分をしてほしい」「表ざたにしたくない」「相談したこと自体相手に知られたくない」。人それぞれに違う。  相談室には、専任の教員2人が配属され、個々のケースに応じて「調整」をはかる。学生のゼミの変更、職員の異動、加害者の所属長に注意など、働きかけも様々だ。担当の北仲千里准教授は「刑事事件や懲戒処分となる前に問題を見つけて対応できれば、深刻な状況にならずに解決できる」と話す。  ただ、NPO法人ヒューマンサービスセンター(東京都港区)でセクハラ被害の相談を受ける深澤純子さんは最近、大学が組織ぐるみでセクハラ被害を隠蔽(いん・ぺい)しようとするケースが目立つと感じている。相談後、カウンセラーが話を聞き、対策委員会が調査、医師が診断、治療……と時間をかけるうちに、問題をうやむやにしたり、被害者を消耗させたりするなど、大学側が被害者を管理しようとしていると思われる場合もある。  加害者が、大学幹部だったり、セクハラ対策の部署に親しい人がいると、追及を避けているとしか考えられないケースもあった。深澤さんは「大学でセクハラが起こりやすいのは、研究室という密室があるから。大学の教員は、それぞれが専門家意識があり、隣の研究室のことには干渉しない。継続的に被害を受け、だれも相談に乗ってくれない環境で孤立し、精神的に追いつめられることもある」と指摘している。 ■「未公表事案多い」指摘も  大学がセクハラ対策に本格的に動き出したのは、99年の男女雇用機会均等法改正がきっかけだ。改正に向け、文部省(当時)も大学がセクハラ防止対策をとっているか調査している。  大学は、問題が起きれば、独自調査を行い、処分するようになった。国立大学が国立大学法人化する前、03年度までの文部科学省の資料では、セクハラで教職員が懲戒免職や停職などの懲戒処分を受けたのは年15件前後。大学教員や弁護士でつくる「キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク」が報道などを通じて明らかになった処分件数をまとめた調査では、03、04年度では40件近かったが、最近は半減した。  調査に協力する北仲准教授は「相談を受ける側の実感としては減っていない。大学が発表せず、明らかになっていないセクハラも多いのだろう」と話す。  処分を不服として、加害者側が訴訟を起こすこともある。愛知大では02年、セクハラ相談から、ある教授を10日間の出勤停止処分にし、担当の全科目から外す措置をとった。教授側は不当として講義させるよう求める仮処分を申請、裁判所はいったん認める決定を出した。最終的な判決では大学の主張が認められたが、強制的な調査ができない大学にとって、事実認定や処分は難しい問題でもある。  当時副学長として担当した渡辺正教授は「ガイドラインはあっても、実際に対処するのは初めてのこと。未整備な面もあった」と振り返る。経緯は「キャンパスセクハラ対策の進化」として共著で本にした。「セクハラを表に出したがらない大学は多いが、実際に問題が起きた時、どう対応すべきかは、他大学の事例を参考にするしかない。そうした情報を共有するネットワークも必要ではないか」と話した。(星賀亨弘) "[he-forum 14744] 愛媛新聞11/3 愛媛新聞2009年11月3日付 脊椎疾患外来を開設 愛媛大病院  愛媛大病院(東温市)は2日、背骨に関する病気全般を治療する「脊椎(せきつい)センター」を開設した。従来、背骨の病気は脳神経外科と整形外科で扱い、別々の治療方針で診療に当たってきたが、両科の脊椎を専門とする外科医を集約し、窓口を一元化。より精度の高い治療を目指す。  同病院によると、背骨の病気は腰や首、背中の痛み、手足のしびれなどの症状があり、腰椎(ようつい)椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症などが代表的疾患として知られる。  こうした脊椎疾患は高齢化で患者が増え続けており、重点的に取り組むため専門外来を開設。脳神経外科と整形外科の専門医が科を超えて治療方針を検討することで、より多角的な診療が可能になり、需要が高まる脊椎外科医の養成につなげる狙いもある。 "[he-forum 14745] 中日新聞長野11/5 中日新聞長野版2009年11月5日付 県と信州大、産学官連携強化へ  県と信州大は4日、互いの人材や知的資源などを有効に活用するため、包括的な連携協定を結ぶことを明らかにした。両者はすでにナノテクノロジー(超微細技術)を生かした産業振興など多くの事業で協力しているが、県の中長期的な計画立案での助言といった幅広い分野で組織的な連携を強化する。村井仁知事と山沢清人学長が10日、県庁で調印式を行う。  県と信州大は、これまで以上に産学官連携を強める狙い。教授や職員間といった個人的なつながりが主だった関係から、組織同士の協力関係を明確にする。協定締結後は、すでに協力している各事業の評価などを通じて、次世代産業の振興に向けた全体計画を定めていく。  県側には、観光などこれまで連携が手薄だった分野での協力を得られるとの思惑もある。信州大側は、県との協力を密接にすることで、国の補助などを受けた大型プロジェクトに取り組む可能性を広げたい考え。  信州大研究推進部の担当職員は「交流人口の増加による地域活性化や、産業廃棄物の利活用など、幅広い分野で協力できるのではないか」と期待している。  県企画課によると、協定締結は信州大側が打診した。県が包括的な連携協定を結ぶのは、中日本高速道路と東日本高速道路、コンビニ3社に続き6番目。大学では初の包括連携協定になる。  (大平樹) "[he-forum 14746] 中期目標「素案」審議関連文書(「10・15事務連絡」「10・14評価委員会資料」)を公表、批判する 中期目標「素案」審議関連文書(「10・15事務連絡」「10・14評価委員会資 料」)を公表、批判する 2009年11月4日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 1 本事務局は、文部科学省高等教育局国立大学法人支援課が2009年10月15日付 で、各国立大学法人中期目標・中期計画担当者宛に通知した「事務連絡」「 中期目標及び中期計画の素案の審議について」および、同時に送付された10 月14日開催の国立大学法人評価委員会 国立大学法人分科会配付資料を、その 重大性に鑑み、本事務局ホームページに掲載することにした。 2 文部科学省は先に、国立大学法人はいっせいに第二期中期目標期間において 教育研究組織の改廃を検討すべきとし、大学院博士課程、法科大学院、教員 養成系学部、附置研究所、融合・学際的な学部・研究科を対象とする「見直 し内容」(文部科学大臣決定「組織及び業務全般の見直し(内容)」2009年6 月5日)を決定し、ただちに、この方針に従った検討を開始するよう指示した (国立大学法人支援課「事務連絡」6月10日)。この動きと並んで、国立大学 法人評価委員会は、「見直し内容」が、各法人が作成した中期目標の「素案 」(原案の前段階のもの)に反映されていない場合、「検討」および「修正 」を求める方針を取り決めた(2009年6月9日、総会)。今回の一連の文書は 、この方針ならびに「検討」「修正」手続きを具体化したものである。以下 に、その内容を要約紹介する。 3 ○文部科学省高等教育局国立大学法人支援課「中期目標及び中期計画の素案 の審議について」(各国立大学法人中期目標・中期計画担当者宛「事務連絡 」)2009年10月15日 「第2期中期目標及び中期計画の素案」を文部科学省ホームページに公表した こと、11月6日に予定されている評価委員会総会(第30回)までにさらに差し 替えを認めること、および、今後の中期目標・中期計画「素案」「原案」の 策定スケジュールなどについて通知するとともに、以下5点の「10・14評価委 員会資料」を添付している(以下の資料番号は10月14日開催の国立大学法人 評価委員会 国立大学法人分科会のもの)。 ○資料1-2 第2期中期目標・中期計画に関するワーキンググループについ て 第2期中期目標・中期計画に「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しに ついて」(平成21年6月5日文部科学省決定)に示された「見直し内容が適切 に反映されているか等について、専門的な観点から審議を行う」ために、国 立大学法人分科会の下にワーキンググループを設置(委員長 池端雪浦、委 員 荒川正昭・宮内忍・平野眞一)した。 ○資料1-3 国立大学法人の第2期における中期目標及び中期計画の素案の 修正等の実施方針(案) 6・5文部科学大臣決定の「見直し内容」に従って、「素案」の「修正」「検 討」を行う際の手順を、「各法人の目指す方向性が明らかになるよう、一層 の個性化が明確となる中期目標及び中期計画とすること」「見直し内容等に 沿って検討を行うこと」「検討の結果を中期目標及び中期計画の素案や年度 計画に具体的に盛り込むこと」「具体的な取組内容を可能な限り定量的に明 らかにすること」などにわけて、詳細に指示している。 ○資料1-4 国立大学法人の中期目標及び中期計画の素案についての意見 (案)  「素案」を確認した結果、全法人に対して「各法人の目指す方向性が明ら かになるよう、一層の個性化が明確となる中期目標・中期計画とする」よう 、「さらなる検討を求める」こととしている。そして、「別添」として、実 例を挙げながら、博士後期課程、法科大学院、教員養成系学部などの「修正 を求める必要がある事項」を指摘。また、総人件費改革は、「第2期中期目標 期間も引き続き所要の取組が求められる」と念を押している。さらに、全法 人の「各法人の基本的な目標等と主な取組」を一覧化したり(別添資料4)、 「事後的に検証できるとは言い難い記述」例(別添資料6)をまとめるなどし て、「素案」の書き方に全面的な方向づけと介入を行っている。 ○資料1-5 中期目標及び中期計画原案へ文部科学大臣の修正等意見が反 映されなかった場合の対応について(案) 「修正」「検討」を求めた記述が中期目標及び中期計画原案へ反映されなか った場合、文部科学大臣は、法人に「理由」「説明」を求め、それに対する 法人の回答内容を国立大学法人評価委員会が審議、文部科学大臣が「所要の 対応」を行う、というプロセスを明らかにしている。 ○資料1-6「組織及び業務全般の見直し」に基づく取組内容が中期目標及 び中期計画以外に反映された場合の取り扱いについて(案) 「組織及び業務全般の見直し」に基づく取組内容が中期目標及び中期計画以 外(年度計画、アクションプラン)に反映された場合でも、「一部は国立大 学法人評価の枠組みを活用しつつ、『組織及び業務全般の見直し』への取組 状況に関するフォローアップを行い、各法人の取組全体確認」するとしてい る。 4 なお、国立大学法人の「第2期中期目標及び中期計画素案」は現在、文部科学 省ホームページに掲載されているが、トップページ「新着情報」にはなく、 一般には気づかないような場所にひっそりとリンクが置かれている。また、 「10・14評価委員会資料」の文部科学省ホームページ(国立大学法人評価委 員会のコーナー)への掲載はおよそ3週間後とされている。 なぜ、文部科学省は「素案」を堂々と公表しないのか、すでに評価委員会委 員には配付されている資料を公開するだけの作業がなぜこんなに時間を要す るのか、不明である。 5 われわれは、上記のような「10・15事務連絡」「10・14評価委員会資料」の 内容および、公表・通知の仕方には、重大な問題があると考える。 (1) 国立大学法人に対する違法かつあからさまな権力的介入である これまでわれわれが批判してきたように、当初(国立大学法人評価委員会「 中期目標期間の業務実績評価に係る実施要領」2007年4月6日)、国立大学法 人の権限とされていた組織・業務の検討を文部科学省の権限に移し、その一 般的方針を示した上で、中期目標に反映させることを迫るという一連の「組 織及び業務全般の見直し」方針は、「中期目標の実際上の作成者が国立大学 法人である」(国会附帯決議)とした国立大学法人法(第30条)に明確に違 反する。 「10・14評価委員会資料」は、こうした違法な方針に基づき、国立大学法人 の中期目標の原案策定権を縛るプロセスを具体化するものであり、違法行為 の継続にほかならない。また、素案に「組織及び業務全般の見直し」が反映 されなかった場合に権力的修正を行うと述べたり、「参考にしうる記載例」 「事後的に検証できるとは言い難い記述」(書いてはならない例)を列挙し たりした同「10・14評価委員会資料」を、「事務連絡」と装って送りつける 行為は、各法人に対する行政指導以外の何者でもない。 (2) 教育研究組織の「不断の見直し」を強要し、かつ財政上の責任を負わな いことを公言している 「10・14評価委員会資料」は、中期目標を統制するだけでなく、その内容に も大きな問題をはらんでいる。評価委員会はこの中で、教育研究組織を「不 断に見直す」として、「規模及び課程を維持」すると書くことの禁止、教員 組織(研究組織)を中期目標に記載することの禁止など、大学が中期目標期 間中、安定的した組織体制により研究・教育を行うことをくりかえし否定し ている。一方、「中期目標及び中期計画に記載されていることをもって個別 に予算措置を行うことを意味するものではない」と公言し、国立大学法人の 中期目標達成に政府として追うべき財政上の責任を放棄している。 (3) 文科大臣の中期目標原案「修正」権を不当に拡大している 評価委員会はこれまで、各法人の作成した中期目標の素案に対して文科大臣 が「修正」を行いうる場合を「不適切な場合」に限定することよって、「中 期目標の実質的な作成主体が各国立大学法人」であることを担保しようとし てきた。ところが、今回、評価委員会は、中期目標の内容を「より適切な記 載にする」ために、文科大臣が各法人に「検討」を求める権限を認めた。こ のため、文科大臣が中期目標の内容を改変しうる範囲が不当に拡大された( 傍線は首都圏ネットワーク事務局)。 (4) 総人件費改革が中期目標全体を拘束することを確認した6・10「事務連絡 」がくり返されている そもそも総人件費削減は、第1期当初の中期目標・計画にもないことであり、 小泉構造改革のもとで、急遽書き換えを命じられた経緯がある。教員数増加 をマニフェストに掲げている民主党が政権党なった現在、抜本的な見直しを 行うべきである。 (5) 評価委員会総会が開催されておらず、情報公開もない 一連の文書は、国立大学法人評価委員会国立大学法人分科会の議事を受けて つくられている。しかし、この会合は総会ではないため、評価委員会の総意 ではない。また、10月14日国立大学法人分科会は、議事録や配付資料が公開 されておらず、開催通知も行われていない。出席者や議事の詳細が一切わか らない密室審議である(配付資料の公開すら3週間もかかると公言している) 。 6. かかる不当かつ違法な「素案審議」を、われわれは認めることはできない。 文部科学省および国立大学法人評価委員会は、すみやかに関連文書を回収し 、これまでの「素案」審議を白紙に戻すべきである。 以上 なお,詳細は本事務局ホームページを参照されたい。 http://www.shutoken-net.jp/2009/11/091106_13jimukyoku.html "[he-forum 14747] 共同通信11/6 共同通信2009年11月6日17時46分 国立大、中期目標の達成ほぼ順調 08年度評価  国立大学法人評価委員会は6日、国立大と共同利用機関の計90法人が立てた中期目標・中期計画に対する2008年度の達成度について「9割以上の法人が順調またはおおむね順調」との評価を公表した。  (1)業務運営の改善と効率化(2)財務内容の改善(3)自己点検・評価及び情報提供(4)その他業務運営―の4項目を「特筆すべき進ちょく状況」「順調」「おおむね順調」「やや遅れている」「重大な改善事項がある」の5段階で評価した。  4項目とも「重大な改善事項がある」との評価の法人はなく、どの項目も92~99%の法人が「おおむね順調」以上だった。福島大など12法人が、いずれかの項目で「やや遅れている」とされた。  教職員の人事評価を給与などに反映させる仕組みを導入している法人は広島大など15法人が加わり、計47法人になった。  秋田大など12法人で、大学院修士、博士、専門職学位のいずれかで定員充足率が90%未満だった。弘前大、山梨大、信州大は2年連続で「入学定員の適正化に努めることが求められる」と指摘された。 "[he-forum 14748] 日本海新聞11/6 日本海新聞2009年11月6日付 県版「ドクターヘリ」 鳥大と連携 来年度、運航開始へ  鳥取県は、県消防防災ヘリコプターに医師が乗り込み、患者を治療しながら病院に搬送する県版の「ドクターヘリ」を運航させることを決め、ヘリに搭載する医療機器の経費を11月補正予算に盛り込む方針を固めた。2010年度に運航開始予定。超音波診断装置や人工蘇生(そせい)機器などを導入し、鳥取大学医学部(米子市)と連携して救急救命を試みる。  県医療政策課によると、搭載するのは腹部エコーを調べる携帯型の超音波診断装置や自動で心臓マッサージを行う蘇生装置、医師と医療機関がスムーズに連絡を取れる衛星電話など。約5千万円の経費を見込む。  県防災ヘリは1機で、普段は鳥取空港(鳥取市)に待機している。ドクターヘリとして出動する場合、米子港(米子市)で医師を乗せてから現場に向かう予定だ。空港から港まで約30分という。  ドクターヘリで山間地に出動すれば、救急車搬送よりも早く病院に到着するケースもあるほか、高速道での渋滞回避に効果を発揮できるという。同課は「医師と患者の接点を早めることで救命効果が高まり、一人でも多くの命を救うことができる」としている。 "[he-forum 14749] 毎日新聞11/7 毎日新聞2009年11月7日付 国立大学:業務「不十分」計19法人 定員不足など--08年度評価  文部科学省の国立大学法人評価委員会(野依良治委員長)は6日、86国立大学法人と4大学共同利用機関法人の08年度業務実績の評価結果を公表した。延べ19法人が一部の業務の取り組みで不十分と評価され、改善を求められた。  評価結果によると、7法人で学外の有識者も含めた経営協議会での適切な審議がなかった。うち東京学芸大は07年度決算に関する経営協議会が定足数を満たさず、不成立となった。また、教職員の給与改定など経営協議会で審議すべき事項なのに報告で済ませた例が室蘭工業大、福島大、筑波技術大、埼玉大、信州大、京都工芸繊維大で見つかった。  一方、大学院の修士、博士、専門職学位(法科大学院、教職大学院)の各課程の定員充足率が90%未満だった大学が12法人に上った。弘前大、秋田大は04年度から毎回、定員の適正化を求められてきたが、08年度も充足率を達成できなかった。他の10法人は福島大、政策研究大学院大、上越教育大、北陸先端科学技術大学院大、山梨大、信州大、愛知教育大、兵庫教育大、奈良先端科学技術大学院大、鳴門教育大。【本橋和夫】 "[he-forum 14750] 北海道新聞11/7 北海道新聞2009年11月7日付 国立大の運営目標達成順調 08年度進ちょく状況 北大は女性教員採用で評価  国立大学法人評価委員会は6日、国立大など90法人が定めた運営の中期目標・計画について、達成に向けた2008年度の進ちょく状況は総じて順調とする評価をまとめた。  評価は《1》業務運営の改善、効率化《2》財務内容の改善《3》自己点検・評価や情報提供《4》その他-の4項目。それぞれ5段階で行った。この結果、9割以上の法人が4項目とも、上から3番目の「おおむね順調」以上だった。  北大は《1》が最も良い「特筆すべき進ちょく状況」で、女性教員の積極的採用などが評価された。  道教大と小樽商大、北見工大は4項目とも2番目の「順調」。旭川医大は《2》が4番目の「やや遅れている」とされた。室工大は《1》が「おおむね順調」だったが、経営協議会の運営の取り組みが不十分と指摘された。 "[he-forum 14751] 東奥日報11/7 東奥日報2009年11月7日付 弘大業務達成度が一段階アップ  国立大学法人評価委員会は6日、弘前大学など全国の国立大学法人の2008年度の業務実績に関する評価結果を公表した。弘大は「業務運営の改善および効率化」の項目で、大学院博士課程の定員充足率が依然として指標を下回っていると指摘されたが、教職員の業績評価の導入など他の事項が改善されたため、達成度の評価が07年度の「やや遅れている」から「おおむね順調」に一段階上がった。 "[he-forum 14752] 読売新聞11/7 読売新聞2009年11月7日付 法科大学院、社会人苦戦…新司法試験の合格率2割切る 「法学部出身」枠増やす動きも  法律の知識だけでなく、幅広い視野を持つ法曹を育てたい――。  そんな思いで社会人経験者の教育に力を入れてきた法科大学院が苦境に立っている。今年で4回目を迎えた新司法試験で、社会人経験者らの合格率は2割にも満たなかったからだ。合格の可能性が高い法学部出身者の枠を増やすなど、これまでの教育方針を転換する学校も出てきた。  法学部以外の出身者や社会人経験者を主とする「未修者コース」(3年)に絞り、夜間のみ開講している筑波大法科大学院。「家族もいて、学費も捻出(ねんしゅつ)しなければならない」と語る30代の男性会社員の学生は、平日は仕事帰りの夕方から、土曜は終日、授業を受ける。  ただ、同大の学生の勉強時間は、昼間も勉強できる他大学の学生と比べれば少なく、今年の新司法試験の合格者は3人(受験者は34人)。「豊富な経験を持つ法曹を育てるという司法制度改革の理念に沿った教育体制と自負しているが、現実は厳しい」と新井誠専攻長は悩ましげだ。  早稲田大法科大学院は、法学部出身者の「既修者コース」(2年)の学生が1割、未修者コースの学生が9割と、社会人経験者の教育に力を注いできた。しかし、既修者コース中心のライバル校に後れを取り、今年の全体の合格率は、東大56%、慶応大46%に対し、早大は33%だった。  このため、早大は2011年度入学者から、法学部出身者の枠を大幅に広げることを決定。定員270人中150人は既修者コースになる。教務担当の古谷修一教授は「受験で勝てる方にかじを切らざるを得ない」とため息をついた。  鹿児島大の法科大学院は、地域で司法サービスを担う法曹の養成を掲げてきた。学生は種子島などの離島で3泊4日の法律相談実習を行い、弁護士と一緒に、土地の境界線を巡る紛争などの相談に乗っている。しかし、今年の合格者は2人だけ。来年度からは、学生に大規模校で刺激を受けさせるため、九州大との交換留学制度を始めるという。  今年の新司法試験の合格率は28%で、既修者は39%、未修者は19%。大学院側には「未修者は3年の勉強では既修者に追いつけない」という声が根強く、日本弁護士連合会法科大学院センターの中西一裕弁護士は「出題方式など新試験のあり方を再検討する時期に来ている」と指摘している。 "[he-forum 14753] 読売新聞鹿児島11/7 読売新聞鹿児島版2009年11月7日付 鹿大次期学長吉田氏再任へ  鹿児島大は6日、現学長の吉田浩己氏(65)を次期学長候補者に選出したと発表した。文部科学相への上申後、来年1月12日付で任命される。任期は2013年3月31日まで。  同大の経営協議会(14人)と教育研究評議会(30人)から推薦された2人について、学内外の16人で構成する学長選考会議で投票を行い、吉田氏が過半数を獲得した。  吉田氏は、同大大学院医学研究科博士課程を単位取得後に退学。愛媛大助教授、鹿児島大医学部の教授、学部長などを経て、07年から学長を務めている。 "[he-forum 14754] 信濃毎日新聞11/8 信濃毎日新聞2009年11月8日付 県短大4年制化に大学整備基金から財政支援 長野市長方針  県が検討している県短大(長野市)の4年制大学移行について、長野市の鷲沢正一市長は7日、信濃毎日新聞の取材に対し、市が大学誘致の目的で積み立てた「大学整備基金」を活用して財政支援する考えがあることを明らかにした。運営が県から独立行政法人に移行する場合を想定している。  鷲沢市長は「県立のままで長野市が経営に意見するのはふさわしくない」とした上で、「4年制化で独立行政法人化という話になれば、大学整備基金を使う用意はある」と話した。県立のまま4年制に移行する場合は、「制度上、基金を使うことは難しい」とした。  基金は現在約13億5千万円。同市が20年以上前から十数年間にわたって積み立てていた。2003年度の清泉女学院大学(同)開設の際に初めて同基金を活用、1億5千万円を助成した。鷲沢市長は、昨年県議会文教企業委員会に4年制化を陳情した際や、今年10月の県短大80周年記念式典で支援の意向を示していた。  他県では、新潟県立新潟女子短大が4月、4年制の新潟県立大学に移行するのに伴い、運営が県から公立大学法人になったのをはじめ、短大の4年制化に伴い独立行政法人化する例がある。  長野県短大のあり方を検討している県企画課は「4年制化はまだ議論の段階。だが、地元の市が協力姿勢を示していることについてはありがたいと思っている」としている。 "[he-forum 14755] 日本海新聞11/10 日本海新聞2009年11月10日付 鳥大のバイオフロンティア事業 ハコモノ補助金が中止  鳥取大学米子キャンパス(鳥取県米子市西町)に計画している遺伝子組み換えマウスの研究施設建設をめぐり、国の補正予算の見直しを受けて整備費に充てる補助金が暗礁に乗り上げている問題で、鳥取県は9日、新たなハコモノ整備への補助金は中止されることを明らかにした。県と鳥取大は計画を見直し、キャンパス内の既存施設を活用できないか協議に乗り出した。  「とっとりバイオフロンティア」と呼ばれるバイオ産業の拠点施設で、鉄筋6階建て延べ床面積約2500平方メートルを計画。文科省の「地域産学官共同研究拠点整備事業」による補助金26億1400万円を工事費に充てる予定だった。  国は同事業費695億円のうち432億円を削減する方針を提示したが、削減の詳細は示されていなかった。  国の方針について、県は「新たなハコモノ整備を中止し、優れた成果が期待できる地域、設備に限定された」と説明。バイオフロンティアに対する補助金の減額規模はまだ不透明だが、相当額が減る見通しという。  県と鳥取大は既存施設の活用を模索する方針だが、県財政課は「代用が不可能な場合、県単独事業として整備することも視野に入れざるを得ない」としている。 "[he-forum 14756] 山形新聞11/11 山形新聞 2009年11月11日 08:02 託児サポーターの学生31人を認定 山形大の女性研究者ら向け  山形大の女性研究者や職員の子どもの一時保育を学内で行うサービス の開始を前に、託児サポーターとして研修を受けた学生に対する認定書 授与式が10日、山形市の同大小白川キャンパスで行われた。  託児サポーターに認定されたのは、人文、地域教育文化、理、農の各 学部の学生31人。ことし9月から、山形市の子育てランド あ~べなどでの保育実習を含む22時間の研修を受けてきた。授与 式では、結城章夫学長が学生一人一人に認定書を手渡し「サポーターの 誕生は頼もしい。学内外の人々が皆さんの活動に注目している」と激 励。人文学部3年の外山佳澄さんが学生を代表し「安心して任せ ることのできるサポーターを目指す」と決意を述べた。  一時保育を行うのは実験や研究、会議などで託児の要望がある平日の 午後5時から同8時で、預かり対象は小学生以下。同大男女 共同参画推進室によると、小白川キャンパス内で対象となる教職員は 70~80人程度だという。本年度は試験運用期間として無料。 11月16日から利用予約を始め、12月1日から託児 サービスの運用を開始する。 "[he-forum 14757] 中日新聞長野11/11 中日新聞長野版2009年11月11日 県と信州大、包括的連携協定結ぶ 精密機械や医療で活性化  県と信州大(松本市)は10日、互いの人材や知的資源などを有効に活用する包括的な連携協定の調印式を県庁で行った。村井仁知事は「常に相談できる関係を明確に表現した」と意義を強調。山沢清人学長も「産業界を含めた3者の協力で県内の活性化が進む」と意気込みを語った。  県は、県内企業の精密機械技術の発展につなげるほか、医療機器や機能性食品の生産などの強化も図りたい考え。信州大は、医学部に置く拠点で臨床研究を行い、製品化に協力する。  県内で生産量が多いキノコについては、栽培後の培地を使ったバイオエタノールの研究開発にも取り組む。  両者による連携推進会議を本年度内に設置し、具体的な協力策を協議することにしている。  (大平樹) "[he-forum 14758] 朝日新聞11/9 朝日新聞2009年11月9日付 医療者に情報、早く広く 富山大、活用仕組み作り  第一線で働く医療関係者の臨床や研究向けに、富山大学医薬学図書館が蔵書などの活用策を積極化させている。図書館の24時間開放のほか、看護師向け文献データベースの利用説明会開催や、学会資料のネット活用支援など。大学を軸にした情報のネットワーク化で富山県内の医療の質の向上を目指す。  今秋のある平日の夜、杉谷キャンパスの教室に仕事帰りの看護師ら約50人が集まり、パソコンに向かった。図書館職員の「肺炎という単語を入力し、検索してください」の指示に続き、カタカタとキーボードをたたく音が響く。  図書館が、県内の病院で働く看護師向けに「データベース利用説明会」を開いて3年目。図書館の利用方法の説明に始まり、蔵書検索機(OPAC)の使い方や、オンライン上での文献の入手の仕方、無料の電子ジャーナルの紹介もある。  年1回のペースで開催、これまでに約200人が参加した。その1人は「よい看護を提供するために、レベルの高い情報を知る重要性を強く感じた。インターネットで調べられれば、時間の節約にもなる」と、さっそく図書館の利用証を作っていた。 ■年500人が利用証  同大は5年以上前から医療情報の提供に積極的に取り組んできた。時間や経費が限られる中で文献探しに苦労する医師や看護師の手助けになればと図書館の24時間開放をスタートさせ、全国で一、二を争う早さで自動貸し出し機を取り入れた。今では新規、継続あわせて年間500人ほどが利用証を作っている。  蔵書だけではない。前図書館長で医学部副学部長の白木公康教授は「医学、看護の世界では最新のエビデンス(根拠)や診断基準が次々に出てくるため、インターネットは欠かせない」と話す。 ■サイト契約支援  白木教授は県内の病院や医療関係者を回り、国内の学会や雑誌で発表された論文のテキストを見ることができるウェブサイト「メディカルオンライン」への契約を呼びかけた。 07~08年度は、学長裁量経費を使って、病院への導入を支援し、現在、20近くの病院が採用している。  「大学の呼びかけで病院を巻き込んで、ここまで大きな仕組みづくりをした例は全国でも珍しい」と白木教授。「知識だけ持っていても十分ではないが、知識がないと困る。医療、看護の質を上げることは、何より患者のためになる」と重要性を語る。(中林加南子) "[he-forum 14759] 陸奥新報11/12 陸奥新報2009年11月12日付 「環境考える場に」 弘大が白神観察園開園祝い式典/西目屋  弘前大学白神自然観察園の開園式が11日、西目屋村中央公民館で開かれた。同園は教育、研究、社会連携による地域貢献推進施設で、植物園としては約18ヘクタールと日本最大。式典では関係者約100人が開園を祝い、同園でのテープカットや整備した遊歩道の歩き初めをして今後の発展に期待を寄せた。  同園は西目屋村川原大川添に今年4月開園。教育の場だけでなく、赤外線カメラによる動植物の夜間モニタリングや地球温暖化に対応する気象観測施設を設置し、研究や地域貢献の場としても活用する。  開園式で遠藤正彦弘大学長は「地元の方々と共に自然保護、環境保全、地球温暖化などについて考えていきたい」などとあいさつ。同村の関和典村長らの祝辞に続き、遠藤学長から地権者の齋藤行正さんに感謝状が贈られた。  式後、同園に移動した出席者たちはテープカットで開園を祝うと、遊歩道を歩き、豊かな自然を満喫した。  佐々木長市白神自然観察園長は「自然環境教育のモデル施設を目指し、今後、地元の方々と協力していきたい」などと意気込みを語った。 "[he-forum 14760] 時事通信11/12 時事通信2009年11月12日15時30分 大学情報の公表義務化を=中教審検討  大学からの情報発信を充実させるため、国の中央教育審議会が授業内容、教員紹介などの公表を義務付ける方向で議論している。公表をためらう大学が少なくなかった入試情報、就職率、中退率も対象になりそうだ。文部科学省は、中教審の了承が得られれば大学設置基準を改正し、2011年度から義務化したい考えだ。  中教審は、公表情報・指標を大学間で比較できるデータベース(DB)の構築についても検討。進学希望者、海外からの留学希望者らが大学を選びやすくなる一方、大学側では教育内容の改善が進むと期待される。  同省は既に、中教審の部会に「教育」「学生」など五つの分野別に公表事項をまとめた案を提示。教育分野では▽授業科目別の年間計画▽担当教員の名前・実績▽卒業認定基準―などを挙げた。  学生分野では▽在学者数▽定員▽就職・進学率▽中退率―などの事項を列記した。実現すれば、定員割れの状況も把握できる。  入試については、学部、学科別の募集枠ごとや、推薦、AO、一般入試などの方式ごとに受験・合格・入学者数を出させることを想定。大学の選抜姿勢がうかがえるようになる。  07年度の文科省の調査では、国公私立大学のうち、ホームページで学部・学科別学生数を公表していたのは55%。在学者総数は62%、合格者、入学者などの人数は64%にとどまった。  同省によると、米、英、韓国では政府などが大学情報を集約したDBを整備。インターネットで閲覧でき、進学希望者らが活用しているという。 "[he-forum 14761] 毎日新聞三重11/13 毎日新聞三重版2009年11月13日付 包括協定:三重大、JAと 共同研究や情報交換、地域活性化を期待  地域社会に貢献する活動をすることを目的に三重大学とJAグループ三重は12日、包括協定を結んだ。農業関連をはじめとした幅広い分野での共同研究や情報交換などに取り組み、産学連携による地域経済の活性化を目指す。【大野友嘉子】  協定調印式は津市栗真町屋町の三重大学で行われ、JAグループ三重の田中利宣会長と、三重大の内田淳正学長が協定を交わした。具体的な活動は今後、両者で設置する「連携協議会」で詰めるが、農業にかかわる人の育成や、三重大の実験で得た成果をJAで活用したり、JA三重厚生連が手がける病院経営の知識を共有するなど、幅広い分野で連携する予定だ。  式では内田学長が提携について「食や健康の分野などで包括的な連携ができればいい。特にJA三重厚生連は地域の医療に大きく貢献しており、三重大も一緒に地域の医療を支えていきたい。また、日本の地域活性化の源である農業のために大学とJAが一緒になって新しいアイデアを出し、進めていくことができればいい」と説明した。  田中会長も「県内の農業の維持、発展を目指して日々活動しているが、現在の農業の状態は厳しい。消費者は安心、安全な食の確保を求めており、地域の状態に合った支援が必要だ。三重大とは幅広く連携していきたい」と述べた。  JAグループ三重は3年前に三重大の生物資源学部と連携する協定を結び、学生が提案した研究の費用の一部を負担している。一方、三重大はこれまでに民間企業や金融機関などと協定し、多くの産業分野で連携を強めている。 "[he-forum 14762] 読売新聞埼玉11/13 読売新聞埼玉版2009年11月13日付 埼大 さいしん 連携  埼玉縣信用金庫(熊谷市)と埼玉大学(さいたま市桜区)は、地域活性化を目的とした連携協定を締結した。協定は、「相互の資源活用」「人材育成」「産学連携」の3項目での協力を明記。具体的には、県内各地に展開する同信金が、取引先の優良な中小企業と埼玉大学を仲介、企業の技術開発などを支援し、地場産業の発展につなげる。  10日に埼玉大で行われた協定締結式では、同信金の安田裕信理事長と同大の上井喜彦学長が調印を交わした。上井学長は「大学創立60周年を機に、埼玉での存在感を高めるため、産学連携を強めている。協定は地域に大きな意味を持つので、末永く連携したい」とあいさつした。  同信金はすでに東洋大、埼玉工業大、日本工業大とも協定を締結。埼玉大も埼玉りそな銀行、武蔵野銀行と協定を結んでおり、県内外の企業との様々な共同研究を行っている。  埼玉縣信金と埼玉大は、協定締結後の第1弾の事業として、12月8日に「産学交流セミナー」をさいたま市内で行う。問い合わせは、同信金(048・526・1111)まで。 "[he-forum 14763] 愛媛新聞11/12 愛媛新聞2009年11月12日付 開学60周年迎え記念式典 愛媛大  愛媛大(柳沢康信学長)は11日、新制国立大としての発足から60年を迎えた記念式典を松山市文京町の同大城北キャンパスで開催。大学関係者ら約300人が出席し、新たな飛躍を誓った。  愛媛大は1949年5月、旧制松山高等学校、愛媛師範学校、愛媛青年師範学校、新居浜工業専門学校を母体として発足。県立松山農科大の移管(54年)や医学部新設(73年)などを経て、現在は6学部7研究科、学生約1万人の総合大学に発展している。2008年度までの卒業生は6万8071人、大学院修了生9572人。  式典では柳沢学長が「歴史と伝統を受け継ぎ、地域発展への貢献や世界レベルの学術研究推進、人材育成を通じ『地域にあって輝く大学』を目指します」とあいさつ。清水潔文部科学審議官や加戸守行知事らの祝辞のあと、学歌斉唱などで節目を祝った。 "[he-forum 14764] 毎日新聞京都11/13 毎日新聞京都版2009年11月13日付 京都工繊大:大学院に新専攻 循環型材料を開発--来年度  京都工芸繊維大(左京区)は10年4月、生物資源から作るプラスチックなどを研究する「バイオベースマテリアル学専攻」(入学定員22人)を大学院工芸科学研究科修士課程に開設すると12日発表した。石油・石炭由来とは違う循環型材料を開発し、環境分野での貢献を目指す。大学によると、研究室単位では同様の取り組みをする他大学はあるが、専攻としては例がないという。  大学によると、生物資源から作るプラスチックなどは「バイオベースマテリアル素材」と呼ばれ、世界的な開発競争が起きている。トウモロコシなどのでんぷんからプラスチックが作られているが、飲料水の容器などとして広く利用されている「PET」に比べると性能が劣るという。  新専攻では、新素材の開発や構造解析などを専門とする研究室を計五つ設置。教授、准教授ら約10人を配置し、専門知識や技術のほか、社会への情報発信力を持つ人材を育成する。【朝日弘行】 "[he-forum 14765] 読売新聞11/12 読売新聞2009年11月12日付 大分大が業務実績評価を公表 羽野学長「ほぼ満足できる結果」  大分大は、国立大学法人評価委員会による2008年度業務実績評価の結果を公表した。四つの評価項目で、いずれも5段階中2番目に良い「計画の達成に向けて順調に進んでいる」との評価を受けた。  評価は、6月末までに全国の国立大学が提出した実績報告書や財務諸表などを基に行われた。項目は「業務運営の改善及び効率化」「財務内容の改善」「自己点検・評価及び情報提供」「その他業務運営(施設設備の整備・活用、安全管理等)」の四つ。  大分大は今年度が計画の最終年度となる「第一期中期目標」を定め、効率的な大学運営や教育研究の質向上に取り組んでおり、いずれも「順調に進んでいる」と高評価を受けた。  特に就職への不安を抱える学生を支援するために設置している「ぴあルーム」事業は、「特色ある取り組み」と評価された。  羽野忠学長は「ほぼ満足できる結果。今後も地域社会と共に発展する大学を目指して取り組みたい」とのコメントを発表した。 "[he-forum 14766] 愛媛新聞社説11/16 愛媛新聞社説2009年11月16日付 愛媛大60年 はぐくみ続けたい地域の財産  戦後の教育改革で多くの新制国立大学がうぶ声をあげたのは1949年。教育の機会均等を旗印に、官立学校を合併して大都市部などをのぞく一県一大学を実現した。  愛媛大もそのひとつだ。松山高等学校、愛媛師範学校などを母体に創立。6学部7研究科に約1万人の学生を擁する総合大学に育った。  その愛媛大が60年前に開学式を開いた日と同じ今月11日、記念式典があった。  県内を中心に高等教育のニーズにこたえ、また研究成果を地域へ還元してきた。地域医療でもリーダー役を担う。そんな姿勢が支持されればこその60年といっていい。  おとといは学術研究活動の成果を展示解説するミュージアムがオープンした。国内屈指の昆虫標本コレクションをはじめ自然科学から人文科学まで見ごたえがあり、さっそく高い関心を呼んでいる。  難解だと敬遠されがちなテーマを研究室から解放、県民にふれてもらう試みだろう。開かれた大学の象徴といえ、大いに活用したい。  これら大学の存在意義を県民もかみしめ、地域の財産としてさらにはぐくみたい。  少子化・全入時代で大学経営は厳しい。拍車をかけたのが国立大学法人移行だ。  人事や予算の面で裁量が増す一方、国からの運営費交付金は毎年削減され、大学はコスト削減や外部資金の獲得を迫られるようになった。  とくに問題視されるのが、中期目標を文部科学省が決定し、達成度合いなどを予算配分に反映する仕組みだ。文科省が過剰に介入する余地を残すうえ、そもそも短期的成果を要求する競争原理が大学の研究になじむのかという疑問がぬぐえない。学問の自由に照らしても問題だろう。  そうした状況でも愛媛大の実績には目を見張る。  たとえば文科省のグローバルCOEプログラムに沿岸環境科学と地球深部ダイナミクスの両研究センター、政府の革新的技術戦略に無細胞生命科学工学研究センターが選ばれた。先端ぶりの証明だ。  国際活動としてインドネシアとの交流に乗り出す一方、県政の課題である南予活性化に力を注ぐなど地域貢献にも熱心で、県民には心強い。  ただし何十年も前の素粒子理論などで昨年、日本人がノーベル物理学賞、化学賞を受け、地道な基礎研究の大切さを再認識させたのは記憶に新しい。これも大学の本分で、要はバランスだろう。  その点もふまえつつ教育・研究の質をより高めて県民にも知られるよう努めれば、愛媛大への意識は変わるにちがいない。人材流出県に甘んじる本県には大きな刺激だ。  70、80周年へむけ、人材結集の拠点となることも愛媛大に期待される役割だろう。 "[he-forum 14767] 神戸新聞11/14 神戸新聞2009年11月14日付 大学の研究にも影響 スパコン開発凍結   政府の行政刷新会議が13日実施した事業仕分けで、神戸・ポートアイランド2期地区で整備中の次世代スーパーコンピューター推進事業に「凍結」という極めて厳しい判定が下された。世界最高性能を目指すスパコン開発の計画が行き詰まりかねない結論に、計画を後押しする神戸市や地元経済界、大学などに衝撃が走った。  「本当に驚いている」。神戸市企画調整局の花田裕之主幹は困惑する。「予定通り進むよう政治判断をお願いしたい。予算がつかなければ地元経済に及ぼすマイナスの影響も大きい」と述べた。  神戸商工会議所の中西均専務理事は「理解しにくい結論」と怒りをあらわにする。「科学技術立国の根幹事業で遅れは許されない。文部科学省は巻き返しを」と求めた。企業によるスパコン利用や人材育成にあたる計算科学振興財団(神戸市)の青戸忠明事務局長は「広い分野に貢献し、国際競争力の向上に欠かせない装置。当初の計画通り進めてほしい」。  仕分け作業で説明した理化学研究所の平尾公彦・特別顧問は「非常に残念。近視眼的な見方で、もっと日本の将来に思いを巡らせてほしい」と無念そうな表情を見せた。  次世代スパコンの整備に合わせ、研究態勢を整えつつあった県内の大学にも動揺が広がった。  甲南大は4月、スパコン予定地の近くに「フロンティアサイエンス学部」を開設。最先端の生命科学を研究し、「スパコンとの連携で世界的な成果を挙げたい」と意気込んでいたが、「詳細が分からず、コメントできない」と戸惑う。  神戸大は、大学院に「システム情報学研究科」を来年4月に新設することを発表したばかり。高性能の計算技術を物理学や生物学に応用する全国初の「計算科学専攻」を設けるが、結果を受け、関係機関との情報交換に追われた。 "[he-forum 14768] 読売新聞秋田11/16 読売新聞秋田版2009年11月16日付 秋田大創立60周年で式典  秋田大学の創立60周年を記念した式典が15日、秋田市内であり、卒業生ら約190人が参加した。これに合わせ、卒業生らが大学全体の同窓会組織を発足させ、大学の発展に向け、協力していく体制を整えた。  この日の式典で、吉村昇学長は「時代の課題に取り組める人材の育成と、地域に根差し、世界に発信する拠点作りを目指す」と語った。式典には秋田選出の国会議員ら多くの来賓も参列。佐竹知事は祝辞で「秋田大学は秋田を発展させていく力そのものだ」と述べた。  秋田大学は学芸学部(現教育文化学部)と鉱山学部(現工学資源学部)の2学部からなる新制大学として1949年に発足した。70年設置の医学部などと合わせ、これまでに約4万5000人の卒業生を輩出している。  同大ではこれまで、学部別の同窓会組織しかなかったが、卒業生はこの日、四つある組織の相互交流などを目的に「全学同窓会」を発足。会長には、工学資源学部の同窓会長の菊地芳朗氏が選出された。 "[he-forum 14769] 岩手日報11/17 岩手日報2009年11月17日付 県内「志願者減」の懸念 教員養成6年制  教育改革を進める鳩山政権は早ければ2012年から、教員養成を従来の4年制から修士課程2年を含む6年制にする。教育実習は現行2~4週間から1年(30単位)に延長する。本県では少子化に伴い教員採用は狭き門となっており「6年間勉強しても就職が保証されるわけではない」と志願者の減少を心配する声も。大学院の整備は「人も金も必要」と新制度の実現を危ぶむ大学関係者も少なくない。  民主党はマニフェスト(政権公約)で「教員の質と数の充実」を打ち出していた。その具体策の一つが6年制。受け皿として現在全国に24校ある教職大学院を活用する。しかし、同大学院の定員は計1300人足らず。公立小中高で毎年約2万人の教員採用者数に遠く及ばない。  岩手大教員養成機構長の塚野弘明教育学部教授は「教職大学院を設置するためには教職経験を持つ実務家教員の確保など予算の裏付けや時間が必要になる。これまで大学は運営交付金の減額やそれに伴う教員の削減を余儀なくされてきたので受け皿の整備には難題が多い」と指摘する。  県内の10年度の教員採用試験は受験者1777人に対し、合格者が137人で倍率は13倍。少子化に伴う学校の統廃合などで、高倍率が続いている。  岩手大教育学部3年佐藤清香(さやか)さん=一関一高出身=は「経済的に親に迷惑をかけることになるので、学生にとって6年制は厳しい。今は修士を終えても、県内では簡単に教職に就けない。こうした状況を改善しないと志願者は減るのでは」と懸念する。  岩教組の豊巻浩也委員長は「若くて一人前じゃなくても、先生は子どもと接して育っていく。現場が育てるという考えからしても、2年間学んで先生の完成品をつくるという政策には賛同しかねる」と6年制には慎重な姿勢だ。  文科省は、教育実習の期間延長に加え、教員免許更新制度の廃止などの方針を示している。塚野教授は「これまでの教員養成カリキュラムは『理論と実践の融合』などに課題があった。学校現場は学級崩壊やモンスターペアレント、多忙化など年々大変になっており、大学の養成と現場での育成がうまく連携するような制度を望みたい」としている。  教職大学院とは より高い専門性を教員に求める社会の要望に応えるため、文部科学省の中央教育審議会が設置を提言し、2008年4月に開設された。修業年限は2年で、45単位以上を修得すると教職修士の学位が得られる。実習重視の狙いもあり「専任教員の3割以上はおおむね5年以上の実務の経験を有する者(実務家教員)」などの設置基準がある。東北では宮城教育大と山形大が設置している。 "[he-forum 14770] 山形新聞11/17 山形新聞2009年11月17日付 山形大などの研究者招聘事業を採択 科学技術振興機構  山形大と県は16日、有機エレクトロニクスの世界的な研究拠点整備に向けて、国内外トップクラスの研究者を招聘(しょうへい)する事業が科学技術振興機構(JST)から採択されたと発表した。有機太陽電池などの分野で活躍するオーストリアの大学教授らを招く計画で、同時に進めている研究施設の整備や若手研究者の国際公募と合わせ、次世代技術のプロジェクトがいよいよ動きだす。  山形大と県が申請したJSTの「地域卓越研究者戦略的結集プログラム」には全国の大学と都道府県から12件の応募があり、採択は信州大と長野県の「エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用」と合わせ2件のみ。採択ポイントは、研究の事業化に向けた期待度、大学・自治体の支援体制などに加え、「招聘する研究者レベルが郡を抜いていた」点が特に評価された。  今回のプロジェクトでは、ヨハネス・ケプラー大(オーストリア)のニアジ・セルダー・サリチフチ主任教授をはじめ、ほか2人の海外卓越研究者と国内研究者を招く予定。さらに、照明向け有機EL(エレクトロルミネッセンス)の第一人者の城戸淳二教授が在籍卓越研究者として所属する。これらのトップ研究者を“ドリームチーム”と位置付け、有機薄膜太陽電池、自由に曲げられる有機ELパネル、塗布型の有機デバイスなどを開発。研究成果の技術移転により、製品化と地域産業の振興も図っていく。事業期間は5年で、予算は年2億2000万円。このうち半分は地元負担で大学や県が支出する。  山形大が打ち出した有機エレクトロニクスの世界的な研究拠点整備構想は、既に国際公募で助教クラスを採用する文科省の科学技術振興調整費が採択され、今回のJST事業で研究体制が整った形だ。研究の舞台として、米沢市の同大工学部敷地内に整備する研究棟は年内に着工し、来年秋の完成を見込んでいる。  今回の構想は、有機エレクトロニクスの次世代分野の研究開発が中心。有機EL照明の製品化については、県が有機エレクトロニクス研究所(米沢市)を中核に展開しており、研究所の方向性や製品化に向けた具体策など、新年度からの支援方針はまだ決まっていない。 "[he-forum 14771] 山陽新聞11/18 山陽新聞2009年11月18日付 岡山総合医療センター 救急、福祉連携の二本柱 岡山市と岡山大が基本構想素案  岡山市と岡山大は17日、新たな地域医療体制の構築を目指して協議する委員会の第4回会合を市役所で開き、岡山総合医療センター(仮称)の基本構想素案を明らかにした。ER(救急外来)と保健・医療・福祉の連携が2本柱で病床数は400床、土地代を除く事業費は約146億円。  素案では、整備候補地として、岡山操車場跡地の一画(北区北長瀬表町)、現在の市民病院用地(同天瀬)、岡山大に隣接する市の駐車場用地(同鹿田町)と比較した結果、操車場跡地を「必要面積が確保され、敷地の制約条件が少ないため、早期整備が可能」とした。  操車場跡地23・7ヘクタールのうち、候補となった土地は西端にある市所有の更地約1・8ヘクタール。市政で20年来の課題である跡地活用が進む可能性が出てきた。  センターは市民病院の病床をほぼ引き継ぎ400床。岡山大と連携したER部門の救急科、内科、小児科、脳神経外科、産婦人科など18診療科の予定。 "[he-forum 14772] 山陽新聞社説11/19 山陽新聞社説2009年11月19日付 医療センター できるか新たな地域連携  岡山は「医療県」「福祉県」を自認してきた。岡山市と岡山大の協議委員会が基本構想の素案を明らかにした岡山総合医療センター(仮称)は、蓄積された地域医療・福祉の新たな展開拠点を県都で構築することを意図したものだ。  素案によると、センターはER(救急外来)と、保健・医療・福祉の連携の二本柱で構成される。岡山大と連携したER部門は24時間365日、どのような症状の患者も断らずに受け入れ、初期診療の後、症状に応じて院内の各診療科や他の医療機関に振り分ける。  一方、センター内に保健・医療・福祉連携ネットワークセンター(仮称)を設置し、予防からリハビリ、介護まで切れ目のない支援体制を整えるという。  ひっ迫する救急医療の現場にとってはメリットがある。また救急から在宅介護まで、多種多様な社会資源が必要に応じて結びつき、いのちを支えるイメージは、まさに求められる地域医療・福祉の姿だろう。だが、実現には多くの課題がある。  まず、人材が確保できるかどうか。初期診断を行う救急医や、緊急性の判断をして患者を振り分けるトリアージナースらが質量ともに必要だ。  岡山市は人口10万人当たりの病院数、医師数が政令指定都市中2位を占め、医療資源に恵まれている。だが、それだけに患者に合わせて他の医療機関と連携するネットワークづくりは簡単ではなかろう。医療機関の間の公平性の問題もある。これに多彩な保健・福祉メニューの選択を加えたコーディネート機能の確立はとりわけ難しい。  こうした問題を一つずつ解決していくには、各医療機関や関係団体などと丁寧に意見を交わし、議会や市民レベルで議論していくことが欠かせない。 "[he-forum 14773] 東奥日報11/18 東奥日報2009年11月18日付 弘大と大館病院が専門医養成協定  弘前大学大学院医学研究科(佐藤敬研究科長)と、同大医学部付属病院(花田勝美院長)、秋田県の大館市立総合病院(舘岡博院長)は17日、専門医養成の病院ネットワークに関する協定を締結した。弘大と大館病院はこれまでも医師派遣や医学生の臨床実習、患者の受け入れで協力関係を築いてきたが、さらに連携を強化し、将来的な医師不足の解消と地域医療の充実を目指す。 "[he-forum 14774] 岩手日報11/18 岩手日報2009年11月18日付 教育と研究交流促進へ 一関高専と山形大工学部協定  一関市の一関高専(丹野浩一校長)と山形大工学部(大場好弘学部長)は17日、教育と研究の交流を目的にした連携協定を結んだ。一関高専専攻科を修了した学生の山形大大学院進学に向けた支援や共同研究などを目指す。  締結式は一関高専で行われ、丹野校長と大場学部長が協定書に調印し、取り交わした。丹野校長は「しっかりした人間教育の在り方を示すスタート」、大場学部長は「交流を通しいいものを作っていきたい」とあいさつした。  一関高専の本科(5年制)卒業生は、山形大3年次に編入する学生が毎年数人いる。一方、大学卒業に相当する高専専攻科(2年制)修了から山形大大学院への進学は少ないという。  高専専攻科2年の希望者に、同大工学部での科目履修を無償で可能にするなどして進路の選択肢を広げる。一関高専が大学と連携協定を結ぶのは東北大大学院、岩手大に続き3校目。 "[he-forum 14775] 徳島新聞11/18 徳島新聞2009年11月18日付 鳴門教育大学の次期学長に選ばれた 田中雄三(たなか・ゆうぞう)さん  「教育大学の学長になるなんて、想像もしていなかった」。鳴教大で初めての医学部出身学長は、そう切り出した。通称は「ひげの先生」。柔和な物腰が印象的だ。  鳥取市出身。小学4年生のときにシュバイツァー博士の伝記を読み、医師を志す。1971年に鳥取大医学部を卒業後、大学に残り診療や医学教育に従事した。専門は精神医学。自分自身を「自己不全性格」と分析する。自信が持ちづらいタイプなのだという。  それは必ずしも否定的なことではない。「いきなり大きなことをやろうとはしない。地道に努力して目の前のことを着実にクリアしていく」。理事としての5年間、山積する大学運営の課題を、一つ一つ確実に解決。手堅さでは定評がある。先の見えないこの時代、堅実さこそトップに求められる姿勢なのかもしれない。  医者としての20年間の経験を教員養成に生かそうと91年、鳴教大の生徒指導講座の教授に就任した。95年からはスクールカウンセラーとして鳴門市内の中学校を訪問。生徒や保護者の悩みに耳を傾け、心のケアに尽力してきた。  「相手が伝えたいことをじっくり聞くのが精神医学の基本。思いもかけなかった、いろんなことに気付かされる」。来年4月の就任後は学長と学生、教職員が自由に意見交換できる場を設け、さまざまな考えを聞いて判断材料にする意向。  現場で求められる教員像を「子ども、保護者、同僚と確かな人間関係を築ける人材」とし、コミュニケーション能力と専門性の高い教員の養成を一番の目標に掲げる。そのために、理論・実践・検証を徹底し、根拠に基づいた教育の重要性を説く。  父親は小学校の教員だった。「父の影響で教育の分野に進んだわけでは・・・。でも教育現場が肌に合っている点は父に似ているのかな」。座右の銘は「人事を尽くして天命を待つ」。  鳴門市撫養町小桑島。67歳。 "[he-forum 14776] 理由もなく、適正手続にも違反する賃金の切り下げは許されない he-forumのみなさん 深谷信夫@茨城大学教職員組合執行委員長、です。 全国の国立大学法人などでは、8月の人事院勧告を根拠とする基本賃金 とボ-ナスの切り下げをめぐる団体交渉が行われている。いくつかの妥結 の報にも接している。もちろん、私たちの大学でも、11月12日に第1回目、 11月18日に第2回目の団体交渉を行い、交渉が継続している。 そのなかで、気になることがある。 第一に、期末手当基準日支給条項という賃金規程の規定内容は確認され ているのだろうか、ということ 第二に、その規程との関連で、就業規則と賃金規程の適正改定手続は手順 を踏んで実行されているのだろうか、ということ この二つの問題は、賃金交渉の最終局面を左右する重要な法律問題である。 第一の問題。 茨城大学の「基準日」規程を例にすれば、12月1日に在籍していれば、過去 6ヶ月間の勤務内容にもとづいて、期末手当を受領する権利がある、ということ である。例外として、12月1日に在籍していなくても、支給される場合がある。 それはこういうことだ。 6月からまじめに仕事をすれば、50万円のボーナスがもらえるといわれて仕事 をしてきた、そして、6ヶ月間まじめに働いてきた、12月1日には、約束の50万 円が12月10日にもらえることになった、という規定だ。 ところが、12月10日になって振り込みを確認したら、30万円になっていた。 こんなことは法律的に許されない。 どうすればいいのか、どうしなければならないのか。 百歩、どころか、百万歩譲って、「基準日」前の11月30日には絶対に個々の 教職員に就業規則と賃金規程の改定内容を周知しなければならない。 これだって、JALのような経営危機に陥っていなければ、まじめに働いた6ヶ月 の最終日である11月30日に、50万円と約束したが、30万円にしてほしい、など という個々の労働者との労働契約内容の一方的変更は許されるものではない。 この場面でも、充分に、法律的に争える。 しかし、ここでは、議論を手続論に限定する(もう少し広い議論は、組合HP 掲載の資料論文を参照してください)。 第二の問題。 11月30日までに、就業規則と賃金規程の改定内容を教職員に周知するため には、その前に、労働基準監督署に届け出なければならない。労基署に届け 出るためには、その前に過半数代表者の意見聴取手続きを踏まなければな らない。 ともかく、すべての教職員の労働条件を変更するためには、就業規則を変更 しなければならない。たとえ、労使合意が成立したとしても、就業規則の改定 が行われなければならない。 ここでも、どういう規定の仕方で、就業規則と賃金規程を改定するのかという 問題は残る。 将来にわたっての切り下げという規定にするのか、今年度の一時的な改定と するのか、もちろん、後者のように規定すべきだ。そして、団体交渉の場でも、 この規定形式の問題は、議論されなければならない。 さて、過半数代表者の意見聴取の前には、労働組合との団体交渉の場に おける誠実交渉義務が履行されなければならない。 第四銀行事件最高裁判決では、就業規則による労働条件の不利益変更問題 について、労働組合との誠実な交渉の結果の就業規則の不利益変更であるか ら、例外的に、その不利益変更も認められると判断された。 だから、一回、二回の交渉で、団体交渉を打ち切って、使用者が就業規則の 不利益変更に進むことは許されない。 ともかく、手順を踏んで、制度変更は実施されなければならない。 さて、茨城大学の例でいえば、切り下げの理由と切り下げの内容をめぐって、 団体交渉が継続されている。 茨城大学教職員の賃金は、他の国立大学法人よりも低く、国家公務員よりも低く 水戸市の地方公務員よりも低く、同規模の民間企業の労働者よりも低い、とくに 職員は低い、という公的な機関の賃金比較を大学に突きつけている。この事実 から、なぜ、賃金とボ-ナスを切り下げなければならないのかと大学に説明を求 めている。 そして、適正手続を踏む時間はもう残っていないということを主張している(組合は 8月人事院勧告の国家公務員への完全実施閣議決定後、再三にわたり、大学 方針の早期提案、団体交渉の申し入れをしてきた。しかし、大学から組合へ団体 交渉の日程調整依頼がきたのは11月6日、第1回目の団体交渉開催は11月12日 であった)。 いずれの問題でも、学長は、明確な回答をしていない。 こうした状況のなかで、大学がどういう最終提案をしてくるのか、どういう決着を 迎えるのか、私も予測がつかない。 まさに、団体交渉は、最終盤を迎えている。11月24日に、団体交渉は継続する。 ==================== 茨城大学教職員組合  〒310-0056 茨城県水戸市文京2-1-1    Phone/Fax:029-228-3060(内5014)    e-mail:ibakyo@bd.wakwak.com URL:http://www.ibakyo.or.jp/ ==================== "[he-forum 14777] 朝日新聞11/16 朝日新聞2009年11月16日付 筑波大と茨城大、問題指摘各1件 文科省の業務実績評価  筑波大と茨城大学は文部科学省の国立大学法人評価委員会(野依良治委員長)による08年度の業務実績評価の結果を公表した。両大学とも問題を指摘された点は1件のみで、昨年度とほぼ同水準の評価となった。評価委は、業務運営▽財務内容▽自己点検と情報提供▽その他、の4部門について、両大学が提出した年度計画が達成されているかどうかを評価した。  筑波大では、民間企業などとの共同研究を増やす計画だったが、07年度の335件から295件に減った。取材に対し同大は「不況で共同研究の打診自体が減った」と説明している。  茨城大は学長直属の地域連携推進本部の運営について「十分に実施していない」と指摘された。あるアンケート業務を自ら定めた期限までに終えられなかった点が響いた。10日に記者会見した同大は「同本部の教員は学部の仕事とかけ持ちで、時間が足りなかった」と説明した。 "[he-forum 14778] 朝日新聞11/17 朝日新聞2009年11月17日付 大阪府立大学、理工系中心のスリム化方針に反発の声も  大阪府の橋下徹知事に存廃を含めた抜本的改革を迫られた大阪府立大学(堺市中区)が揺れている。「年間100億円超の府費を投じるのは疑問」と迫る知事に対し、大学側は改革の主導権を握ろうと躍起だ。学部を7から4に削減し、総合大学から理工系中心の大学に転換するスリム化方針を打ち出し、生き残りを図る。11月末に改革案をまとめる予定だが、反発する声が身内から上がっている。(左古将規)      ◇  16日夜。府立大の奥野武俊学長は、家族の新型インフルエンザの疑いが判明して公務を自粛し、自宅待機している橋下知事からの伝言を電子メールで受け取った。「府立大が大阪の理系大学として、全国、世界にその名をとどろかせることができるかの正念場です。大改革の成就を期待します」と記されていた。  橋下知事が求める府立大改革のキーワードは「選択と集中」だ。  9月8日、府政の基本方針を決める戦略本部会議で、担当の府民文化部が「府立大学のあり方」と題したA4用紙38ページに上る討議資料を提示した。現行7学部のうち理、経済、人間社会の3学部の内容が「大阪市立大にもあり、重複感がある」などと指摘していた。府特別参与として討議資料づくりに携わった木谷哲夫・京都大産官学連携センター教授は「府立大は強い理工系分野を守り育てるべきだ」と説いた。  府が府立大に支出している運営費交付金は年間約108億円。一方、大阪市も市立大(同市住吉区)に同約121億円を支出している。橋下知事は戦略本部会議を受け、「大阪全体でどれだけのお金を大学に投入するべきか、市とも議論したい」と述べ、府立大と市立大の統合をにおわせた。しかし、市側は具体的な話し合いに応じていない。  市立大との統合が難しくなった今、橋下知事の関心は府立大の改革案に移っている。 ◇  府立大は10月19日、各学部の教授ら約30人から成るプロジェクトチームを立ち上げた。検討中の改革案は、現行の工、生命環境、理、経済、人間社会、看護、総合リハビリテーションの7学部を、理工系、生命環境系、健康保健系、現代システム科学系(いずれも仮称)の四つの「学域」に改組し、理工系に特化した大学にするというもの。  2011年度の新入生から新体制で受け入れを開始。改革が完了する16年度には、教員数(現在約720人)を約1割減らし、府からの運営費交付金も今年度の約108億円から90億円程度に減らせるとしている。  「府はあまりにも無理解だ」。削減対象となった経済学部のベテラン教授は憤る。同部の今春の志願倍率は6倍に上った。「同じ経済学部でも大学ごとに専門分野が違う。文系は理系のように巨額の予算も必要ない。人気もあり、金もかからない学部をなぜなくす必要があるのか」  大阪府大学教職員組合中央執行委員長で、同じく削減対象の人間社会学部の望月彰教授は「知事は大きな権限を背景に拙速な議論を迫っている。大学の自治がないがしろにされている」と語気を強める。週2回のプロジェクトチームの会合では反論が相次いでおり、先行きは不透明だ。  学生にも戸惑いが広がる。人間社会学部1年の女子学生(19)は「保育士の資格が取れるので府立大を選んだ。学部がなくなって後輩が入ってこなかったら悲しい」。大学院工学研究科2年の男子学生(26)は「総合大学じゃなければ受験していなかった」と話す。  大手予備校「河合塾」の近藤治・教育情報部長は「理工系大学に変われば、受験生にとって魅力は半減する。新たに特色を出そうとしても、定着するには10年以上かかる」と指摘する。 〈大阪府立大学〉 1949年、大阪府内の旧制専門学校7校を母体に浪速大が発足し、55年に大阪府立大に改名。05年に大阪女子大、看護大の2府立大と統合した。理工系は京都大、大阪大に次ぐ関西トップクラスの位置づけだが、文系は大阪市立大に次いで中堅とされる。学生数は大学院生を含めて約8千人。 "[he-forum 14779] Re: [he-forum 14775] 徳島新聞11/18 news wrote: > 徳島新聞2009年11月18日付 > > 鳴門教育大学の次期学長に選ばれた > 田中雄三(たなか・ゆうぞう)さん > >  「教育大学の学長になるなんて、想像もしていなかった」。鳴教大で初めての医学部出身学長は、そう切り出した。通称は「ひげの先生」。柔和な物腰が印象的だ。 > >  鳥取市出身。小学4年生のときにシュバイツァー博士の伝記を読み、医師を志す。1971年に鳥取大医学部を卒業後、大学に残り診療や医学教育に従事した。専門は精神医学。自分自身を「自己不全性格」と分析する。自信が持ちづらいタイプなのだという。 > >  それは必ずしも否定的なことではない。「いきなり大きなことをやろうとはしない。地道に努力して目の前のことを着実にクリアしていく」。理事としての5年間、山積する大学運営の課題を、一つ一つ確実に解決。手堅さでは定評がある。先の見えないこの時代、堅実さこそトップに求められる姿勢なのかもしれない。 > >  医者としての20年間の経験を教員養成に生かそうと91年、鳴教大の生徒指導講座の教授に就任した。95年からはスクールカウンセラーとして鳴門市内の中学校を訪問。生徒や保護者の悩みに耳を傾け、心のケアに尽力してきた。 > >  「相手が伝えたいことをじっくり聞くのが精神医学の基本。思いもかけなかった、いろんなことに気付かされる」。来年4月の就任後は学長と学生、教職員が自由に意見交換できる場を設け、さまざまな考えを聞いて判断材料にする意向。 > >  現場で求められる教員像を「子ども、保護者、同僚と確かな人間関係を築ける人材」とし、コミュニケーション能力と専門性の高い教員の養成を一番の目標に掲げる。そのために、理論・実践・検証を徹底し、根拠に基づいた教育の重要性を説く。 > >  父親は小学校の教員だった。「父の影響で教育の分野に進んだわけでは・・・。でも教育現場が肌に合っている点は父に似ているのかな」。座右の銘は「人事を尽くして天命を待つ」。 > >  鳴門市撫養町小桑島。67歳。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;hama@jin.hokkai-s-u.ac.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;hama@jin.hokkai-s-u.ac.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 14780] Re: [he-forum 14776] 理由もなく、適正手続にも違反する賃金の切り下げは許されない ibakyo wrote: > he-forumのみなさん > > > 深谷信夫@茨城大学教職員組合執行委員長、です。 > > 全国の国立大学法人などでは、8月の人事院勧告を根拠とする基本賃金 > とボ-ナスの切り下げをめぐる団体交渉が行われている。いくつかの妥結 > の報にも接している。もちろん、私たちの大学でも、11月12日に第1回目、 > 11月18日に第2回目の団体交渉を行い、交渉が継続している。 > > そのなかで、気になることがある。 > 第一に、期末手当基準日支給条項という賃金規程の規定内容は確認され > ているのだろうか、ということ > 第二に、その規程との関連で、就業規則と賃金規程の適正改定手続は手順 > を踏んで実行されているのだろうか、ということ > この二つの問題は、賃金交渉の最終局面を左右する重要な法律問題である。 > > 第一の問題。 > 茨城大学の「基準日」規程を例にすれば、12月1日に在籍していれば、過去 > 6ヶ月間の勤務内容にもとづいて、期末手当を受領する権利がある、ということ > である。例外として、12月1日に在籍していなくても、支給される場合がある。 > それはこういうことだ。 > 6月からまじめに仕事をすれば、50万円のボーナスがもらえるといわれて仕事 > をしてきた、そして、6ヶ月間まじめに働いてきた、12月1日には、約束の50万 > 円が12月10日にもらえることになった、という規定だ。 > ところが、12月10日になって振り込みを確認したら、30万円になっていた。 > こんなことは法律的に許されない。 > どうすればいいのか、どうしなければならないのか。 > 百歩、どころか、百万歩譲って、「基準日」前の11月30日には絶対に個々の > 教職員に就業規則と賃金規程の改定内容を周知しなければならない。 > これだって、JALのような経営危機に陥っていなければ、まじめに働いた6ヶ月 > の最終日である11月30日に、50万円と約束したが、30万円にしてほしい、など > という個々の労働者との労働契約内容の一方的変更は許されるものではない。 > この場面でも、充分に、法律的に争える。 > しかし、ここでは、議論を手続論に限定する(もう少し広い議論は、組合HP > 掲載の資料論文を参照してください)。 > > 第二の問題。 > 11月30日までに、就業規則と賃金規程の改定内容を教職員に周知するため > には、その前に、労働基準監督署に届け出なければならない。労基署に届け > 出るためには、その前に過半数代表者の意見聴取手続きを踏まなければな > らない。 > ともかく、すべての教職員の労働条件を変更するためには、就業規則を変更 > しなければならない。たとえ、労使合意が成立したとしても、就業規則の改定 > が行われなければならない。 > ここでも、どういう規定の仕方で、就業規則と賃金規程を改定するのかという > 問題は残る。 > 将来にわたっての切り下げという規定にするのか、今年度の一時的な改定と > するのか、もちろん、後者のように規定すべきだ。そして、団体交渉の場でも、 > この規定形式の問題は、議論されなければならない。 > さて、過半数代表者の意見聴取の前には、労働組合との団体交渉の場に > おける誠実交渉義務が履行されなければならない。 > 第四銀行事件最高裁判決では、就業規則による労働条件の不利益変更問題 > について、労働組合との誠実な交渉の結果の就業規則の不利益変更であるか > ら、例外的に、その不利益変更も認められると判断された。 > だから、一回、二回の交渉で、団体交渉を打ち切って、使用者が就業規則の > 不利益変更に進むことは許されない。 > ともかく、手順を踏んで、制度変更は実施されなければならない。 > > さて、茨城大学の例でいえば、切り下げの理由と切り下げの内容をめぐって、 > 団体交渉が継続されている。 > 茨城大学教職員の賃金は、他の国立大学法人よりも低く、国家公務員よりも低く > 水戸市の地方公務員よりも低く、同規模の民間企業の労働者よりも低い、とくに > 職員は低い、という公的な機関の賃金比較を大学に突きつけている。この事実 > から、なぜ、賃金とボ-ナスを切り下げなければならないのかと大学に説明を求 > めている。 > そして、適正手続を踏む時間はもう残っていないということを主張している(組合は > 8月人事院勧告の国家公務員への完全実施閣議決定後、再三にわたり、大学 > 方針の早期提案、団体交渉の申し入れをしてきた。しかし、大学から組合へ団体 > 交渉の日程調整依頼がきたのは11月6日、第1回目の団体交渉開催は11月12日 > であった)。 > いずれの問題でも、学長は、明確な回答をしていない。 > こうした状況のなかで、大学がどういう最終提案をしてくるのか、どういう決着を > 迎えるのか、私も予測がつかない。 > まさに、団体交渉は、最終盤を迎えている。11月24日に、団体交渉は継続する。 > > > > > ==================== > 茨城大学教職員組合 > >  〒310-0056 茨城県水戸市文京2-1-1 >    Phone/Fax:029-228-3060(内5014) >    e-mail:ibakyo@bd.wakwak.com > URL:http://www.ibakyo.or.jp/ > ==================== ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;hama@jin.hokkai-s-u.ac.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;hama@jin.hokkai-s-u.ac.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 14781] 文科省による「行政刷新会議事業仕分け対象事業意見募集」の紹介 文科省による「行政刷新会議事業仕分け対象事業意見募集」の紹介 2009年11月20日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 文部科学省HPには“行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください”との訴えが掲載されています。なお、国立大学運営費交付金については25日に行政刷新会議の議題となるもようです。詳細は以下のURLを参照ください。 http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm "[he-forum 14782] 陸奥新報11/18 陸奥新報2009年11月18日付 専門医養成ネット協定締結 弘大と大館総合病院  弘前大学大学院医学研究科(佐藤敬研究科長)、弘前大学医学部附属病院(花田勝美院長)、大館市立総合病院(舘岡博院長)は17日、医師不足解消と地域医療再生を目指す弘前大学専門医養成病院ネットワーク協定を締結した。  協定は弘前市立病院、西北中央病院に続き3例目。県外病院との締結は初めて。  協定では、医師免許取得3年目以降の医師を対象に専門研修、専門医養成につながる卒前・卒後教育などで連携、協力する。  協定締結式で佐藤科長は「明確にシステム化することで、専門医養成のあるべき姿を学生や若い医師にも知ってもらいたい」、花田院長は「専門医養成は地域医療の安定につながる」と話した。  舘岡院長は「地域循環型の医師確保対策面からも非常に有意義。医学研究、教育、医療の各分野で協力関係をさらに深め、成果に期待したい」とした。 "[he-forum 14783] 読売新聞11/18 読売新聞2009年11月18日付 福岡教育大、次期学長は寺尾・教育学部教授に  福岡教育大は17日の学長選考会議で、寺尾慎一・教育学部教授(58)を次期学長とすることを決めた。任期は2010年2月20日から4年間。  学長選には2人が立候補。教職員や事務職員らによる学内の意向投票などを踏まえ、同会議で決定した。  寺尾教授は広島大教育学部卒、同大大学院博士課程後期中退。専攻は教育方法学で、1997年から福岡教育大の教授を務めている。 "[he-forum 14784] 朝日新聞11/20 朝日新聞2009年11月20日付 阪大、退職金前払い制度導入へ 軽い負担で常勤増狙う  大阪大学が、退職金を前払いする正職員制度を、国立大で初めて来年度から導入する方針を固めた。退職金の負担を軽くしてフルタイムで働ける常勤職員を増やす狙いだが、当初は現在の非正職員を対象に採用し、5年間で試験に合格しなかった非正職員は契約を更新しないため、「体のいい雇い止めだ」との反発が出ている。  教員をサポートする事務系と技術系の職員が対象。定年時の退職金に代わって、9万円~12万5千円の特別賞与を年2回の賞与に上乗せする。60歳定年制など他の待遇は普通の常勤職員とほぼ同じ。  当初5年は現在約370人いる非正職員から募集。筆記試験や面接で選考する。将来は外部からも採用する方針。看護職員を対象に退職金の前払い制度がある国立大はあるが、「事務系職員を対象にしたのは国立大で初めて」(文部科学省)という。  阪大によると、04年4月に「国立大学法人」になった際、国が負担する退職金の財源手当ては当時の定員枠が上限になったため、正職員を増やして退職金を積み立てると負担が膨らむ。大学関連予算が伸び悩むなか、負担が少ない制度を導入することにしたという。  当面は非正職員を対象にすることについて、阪大は「有期雇用の非正職員たちの地位を安定させたい」(人事課)と説明する。対象者は毎年受験できるが、15年3月までに合格できない場合は契約を更新しない考え。  対象者の大半は40~50歳代の女性。現在は「異動なし」で週30時間勤務が原則だが、新制度では「異動あり」の週40時間勤務となることも、「育児や介護との両立が難しくなる」と不安の声があがる一因だ。  阪大は11月下旬の役員会で新制度を正式に決定する考え。非正職員たちを支援する阪大教職員組合は、大学側に新制度を撤回するように求めている。(堀篭俊材)      ◇  〈退職金前払い制度〉 退職金を在職中に賞与や賃金に上乗せする制度。企業や団体は、退職金を毎年少しずつ支払うことで、将来の退職金支払いに備えた長期にわたる運用や積み立ての負担を軽くできる。日本の退職金制度は賃金の後払いの性格を持つとされ、労働者を定着させる制度として広がったが、終身雇用制が揺らぐなか、松下電器産業(現パナソニック)が98年度から始めるなど多くの企業で前払い制度の導入が相次いだ。 "[he-forum 14785] 時事通信11/20 時事通信2009年11月20日18時15分 教員養成6年制、奨学金検討=文科副大臣  鈴木寛文部科学副大臣は19日の記者会見で、民主党がマニフェスト(政権公約)に盛り込んだ教員養成課程の6年制(修士)実現に向け、法科大学院で導入している事例を参考に、修士課程での奨学金を検討する意向を示した。  同副大臣によると、6年制の検討で、中核的な機関に想定している教職大学院の学費は、入学金を含め2年間で135万~178万円程度掛かる。教育現場からは、6年制への移行で学費負担が増えると、教員志望者が減るとの懸念が出ている。 "[he-forum 14786] 毎日新聞11/17 毎日新聞2009年11月17日付 教育転換:政権交代の波/1 教員養成6年化 ◇急激な変革、現場危惧  「教師になるのに6年かかると言われたら? やはりちゅうちょします」。早稲田大教育学部2年で教員志望の男子学生(20)は記者の質問に少し考えた後、そう答えた。群馬県内で小さなパン工場を営む実家の家計は苦しく、学費と生活費のすべてを奨学金と夜間の清掃アルバイトでまかなう。奨学金を返済し終えるのは卒業から20年後の予定だ。  男子学生は教員志望者らでつくる「T-team」という学内のサークルに所属している。採用1年目の若い女性教師の自殺を報じる新聞記事に衝撃を受けた学生たちが07年に設立した。週に2回、教師役と生徒役に分かれた模擬授業や勉強会を中心に活動している。民主党政権が掲げる教員養成の6年制化が実現すれば、自分のような境遇の学生が教員になりにくくなるのでは、と危惧(きぐ)する。  「今の状態で6年制にしたら教員希望者が激減して、教員養成大学や教育学部はやっていけなくなる」。10月29日に東京都内で開かれた国立大学協会のシンポジウム。不況で大学生の授業料減免や奨学金受給者が増加している実態を報告した北海道教育大の本間謙二学長は、シンポ後の取材にそう語った。06年度入学から6年制になった薬学部。志願者は私大で05年度の13万8000人が09年度約7万9000人と4割以上も減少した。  教員養成6年制化は、日本教職員組合が廃止・縮小を求めてきた教員免許更新制や全国学力・学習状況調査(学力テスト)などと異なり、これまで国会での論戦もなかった。唐突にも見えるが、党内では教育畑の若手・中堅議員らを中心に10年以上前から細々と検討が続いてきた。きっかけは教師の質の低下の社会問題化だった。  「大学や現場の先生と話し合う中で、4年間の教員養成や2週間の教育実習では対応できないという結論になった」。6年制化をいち早く提唱してきた藤村修衆院議員(60)が言う。民主党は07年、6年制化の法案を初めて国会に提案した。  07年度にうつ病などの精神疾患で休職した公立学校の教員は過去最多の4995人。東京都の小学校では2年目から5年目の若手が2割を占めた。現場経験もないまま教壇に立った若い教師が子供たちや保護者との対応で神経をすり減らし、追いつめられている。「T-team」の学生の間でも意見は分かれる。教育学部1年の女子学生(18)は「意欲のある先生ばかりになれば教育は良くなるはず」と期待する。  同サークルが今月8日、「激論! 教員養成課程」と題して開いた討論会。パネリストの一人で早大の付属高校で教える榎本隆之教諭(45)は民主党案を「今まで『エコノミークラス』しかなかったのに、一気に『ビジネスクラス』にシフトする変革だ」と例えた。そして続けた。「エコノミーもビジネスもファーストクラスもある。そんな多面的な仕組みを考えるべきではないか」=つづく    ×  ×  民主党政権が発足して2カ月。新政権は新しい教育政策を次々と打ち出す。学びの場はどう変わろうとしているのか。大きなうねりの中にある教育現場から報告する。 ==============  ■ことば  ◇教員養成6年化  政府は大学院の修士課程修了を教員免許取得の条件とし、現行2~4週間程度の教育実習も1年程度に延長する方針。また、今年度始まった教員免許更新制の代わりに、採用後も一定年数を経た後に大学院などで学ばせる制度も検討している。 "[he-forum 14787] 政府・国会に対する緊急要望事項 ―国立大学の教育・研究・医療の維持、発展のために― 政府・国会に対する緊急要望事項 ―国立大学の教育・研究・医療の維持、発展のために―      2009年11月20日  国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 2003年4月に法人化された国立大学は、来年3月で6年間の第一期中期目標期間を終 え、次の中期目標期間を迎えようとしています。国立大学法人法の審議過程において は、必要な予算や人員の確保、大学運営における学長への権限集中や文部科学省から の統制などの観点から国会で激しい議論が戦わされました。残念ながら政府案通り採 決されましたが、国会での審議を反映させて、衆議院で10項目、参議院で22項目もの 附帯決議がなされました。しかしながら、法人化後の実態は、大学の自主性が増大す るという掛け声とは裏腹に、予算や人員の削減が進み、大学の自主性に基づくべき中 期計画や中期目標の計画立案にも文科省から強い介入が続けられています。さらに、 国家財政の「選択と集中」によって、国立大学間に大きな格差が生じ、評価作業やプ ロジェクト立案など増える業務の中で、教職員の疲労感は極限まで高まっています。 こうした中で、科学技術を担う若手研究者の養成にもひずみが生じています。前政権 までの間続けられてきた一連の政策を転換し、日本の大学が真に発展しうる条件を整 えていただきますよう、われわれは、政府・国会に対して以下の要望をします。 1.中期目標の原案策定プロセスにおける文部科学省の介入をただちにやめさせること 国立大学法人の中期目標は大学の研究・教育等の自律的発展と、社会的要請に対する 主体的な応答をベースにしたものでなければなりません。しかしながら、第二期中期 目標期間を目前にして、文部科学省は、評価委員会の評価結果とは無関係に組織・業 務の全般的な改廃方針を立て、各国立大学法人の中期目標がこれに従ったものとなる よう、統制を強めています。法人となった国立大学に対して文部科学省が全体的な方 針を指示し、各法人の中期目標の原案策定権を奪うことは、明確な違法行為です。文 部科学省が現在すすめている中期目標の原案策定作業をただちに停止し、組織・業務 の全般的な改廃方針を破棄するよう命じていただきたく存じます。 2.来年度予算において、運営費交付金を法人化当初の水準に戻すこと 衆議院附帯決議6項は「運営費交付金等の算定に当たっては、公正かつ透明性のある 基準に従って行うとともに、法人化前の公費投入額を十分に確保し、必要な運営費交 付金等を措置するよう努めること」とし、参議院附帯決議12項も「運営費交付金等の 算定に当たっては、… 中略 … 法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国 立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めるこ と」と明記しています。しかるに、運営費交付金は毎年1%の削減がなされ、国立大 学全体おいても法人化された2004年度から2009年度までに年予算で720億円減額され ているのです。この減額分の多くが研究室に配分される経費に転嫁され、基礎的基盤 的な教育研究の推進が極めて困難となっています。従いまして、2010年度の運営費交 付金においては運営費交付金の削減政策をやめ、速やかに法人化当初の水準を回復す ることを求めます。当然のことながら国立大学病院への運営費交付金も同様です。併 せて財政投融資によって行われた国立大学病院の施設整備費の返済も免除することを 求めます。 3.国立大学を総人件費削減の対象からただちに除外すること 衆議院附帯決議8項ならびに参議院附帯決議19項は、「国は、高等教育の果たす役割 の重要性に鑑み、国公私立全体を通じた高等教育に対する財政支出の充実に努めるこ と」と明確に述べています。しかるに、2005年成立の行政改革推進法は国立大学法人 に対しても人件費を5年間に5%削減することを命じており、各国立大学はやむを得ず 削減をつづけてきました。もはや人件費の削減は限界に到達しており、これ以上進め れば大学の機能が維持できなくなる恐れがあります。民主党が2007年に提出した行政 改革推進法改正案でも述べられていますが、国立大学法人を総人件費削減の適用対象 からただちに除外することを求めます。 4.学生、大学院生に対する支援を拡大すること 衆議院附帯決議第6項は、「学生納付金については、経済状況によって学生の進学機 会を奪うこととならないよう、適正な金額とするよう努めること。」と述べ、参議院 附帯決議第13項はそれに加えて、「授業料等減免制度の充実、独自の奨学金の創設 等、法人による学生支援の取組についても積極的に推奨、支援すること。」と述べて います。しかしながら、経済不況の波は若者の勉学の機会を奪い、将来の研究開発を 担う若手研究者の育成にも深刻な影響を落としています。授業料の値下げと免除枠の 拡大、給付型奨学金の充実を求めます。 以上 "[he-forum 14788] 行政刷新会議による事業仕訳結果への意見書の紹介 行政刷新会議による事業仕訳結果への意見書の紹介   2009年11月20日 国立大学法人法首都圏ネットワーク 行政刷新会議による事業仕訳結果について,以下のような学協会から,意見が表明されて いますので紹介します. 1.日本地球惑星科学連合  本日11月20日、日本地球惑星惑星科学連合は,関連48学協会のご承認の下, 行政刷新会議の事業仕分け結果に対して,木村学会長名および学協会名で, 文部科学省への意見書提出及びプレスリリースを行いました.  詳細につきましては,以下をご覧ください.  http://www.jpgu.org/whatsnew/091120_coment.pdf 2.生物学関連9学会長 (社)日本植物学会会長・日本発生生物学会会長・日本生態学会会長・日本植物生理学会 会長・日本藻類学会会長・(社)日本薬学会会頭・特定非営利活動法人 日本分子生物学 会理事長・(社)日本生化学会会長 http://bsj.or.jp/osirase/osirase_open.php?shu=1&did=277 3.日本地質学会長 http://www.geosociety.jp/uploads/fckeditor//press/2009/2009.11.20iken.pdf "[he-forum 14789] 11/21しんぶん赤旗 2009年11月21日(土)「しんぶん赤旗」 「仕分け」に異議あり 学術・文化団体 日本学術会議  日本学術会議は20日、金澤一郎会長の談話を発表しました。  談話は、行政刷新会議の事業仕分けで、基礎科学や科学技術関連の項 目について厳しい判定が出ていることに懸念の声も聞こえるとし、中・ 長期的視野に立った学術研究推進が重要と指摘。科学・技術の成果は多 くの研究者の長期にわたる継続的努力の積み重ねであり、多くの研究計 画が多数の研究者の議論の積み重ねで作られており、「基礎研究への投 資がたとえ短期間であっても大きく減少することは、研究を実際に担う 人材の離散を生じる」だけでなく、国際競争力の低下、国家的損失を招 くことは明らかだとのべています。 生物・薬学分野9学会  生物学や薬学分野9学会の会長と理事長が連名で、19 日、政府に若手研究者の育成・支援の強化を求める要望書を 提出しました。13日の行政刷新会議による「事業仕分 け」で若手研究者の研究費や雇用にかかわる予算を減らすことが 求められたのに対し、この判断が日本の科学技術の発展を大きく 損なうことを憂慮するとして提出したものです。  要望書は、民主党が科学技術政策で21世紀のわが国がめざす べきは「科学技術で世界をリードする国」でなければならな いとのべていることを指摘。「科学技術を発展させるには、 大学院生や若手研究者に希望を与え、その創意性を最大限に引き 出すことが何よりも大切」だと強調しています。  iPS細胞(人工多能性幹細胞)に象徴される先端的研究 成果も、大学院生やポストドクター(博士課程修了後の短期 雇用研究者)が研究開発の現場を支えている状況であることを説 明。仕分けの議論では、こうした現状への認識が正確になさ れていなかったとのべています。  そのうえで、若手研究者に対する体系的な育成・支援策を 示すこと、大学院生に対し欧米なみまたは現状以上の支援を行う こと、ポスドク等の任期つき研究者をわが国の科学技術の基本的 な担い手と位置づけること、定職を得た若手研究者に創意性と自 立性が十分発揮できるよう研究支援を強化することを求めています。 ウイルス学会・細菌学会など  行政刷新会議の事業仕分けで、文部科学省の感染症研究国際ネット ワーク推進プログラムが「廃止または予算縮減」とされたことを受け、 日本ウイルス学会、日本細菌学会など4学会の幹部らが20日、 緊急記者会見し、プログラムの継続と発展を強く訴えました。  ウイルス学会の野本明男理事長は「なくすことは感染症に対するわが 国の安全にとって大変問題。海外の研究者との信頼関係の上に成り立っ ており、一度つぶしたら二度とできず、日本の国際的信用は失墜する」 と述べました。  この事業は、今年度まで5年間実施してきた海外研究拠点形成 プログラムの第2期に当たります。国内8大学2研究 機関とアジア、アフリカの8カ国12施設とをネットワーク化 し、人材交流や共同研究を実施。その実績は国内外で高く評価され、今 後、フランス・パスツール研究所の国際ネットワークとの連携も 予定しているといいます。 基礎科学研究団体  行政刷新会議の「事業仕分け」で次世代スーパーコンピューター開発 予算が来年度計上見送りを含む削減を求められた問題で、シミュレー ションにかかわる基礎科学の研究者たちでつくる「計算基礎科学コン ソーシアム」が18日、緊急声明を発表しました。  声明は、スーパーコンピューターが半導体技術やバイオテクノロジー など、やがて国民生活につながる最先端の技術開発で役立っているだけ でなく、素粒子や宇宙など基礎科学の研究でも重要な役割を果たしてい ると強調。世界最高性能を持つスーパーコンピューターの開発は、「新 たな革新的技術を開拓する原動力であ」るとして、「プロジェクトの遅 延無き継続を強く求める」とのべています。 芸団協  日本芸能実演家団体協議会(野村萬会長、72団体、9万5000 人)は18日、「行政刷新会議『事業仕分け』に関する意見」を文部科 学省に提出しました。  今回の事業仕分けについて、これまでの文化政策形成を無にするよう な議論が進められているとし、その仕分け結果を政権としてそのまま採 択することに異議を表明。「施策の成果評価が成されていないことを短 絡的な理由で一律に廃止・削減を実施することは、日本における文化芸 術活動の停滞を招く恐れがあり、拙速である」とのべています。 オーケストラ連盟  日本オーケストラ連盟(児玉幸治理事長、加盟30団体)は19日、 行政刷新会議が進める「事業仕分け」の「文化への予算」について、文 部科学省に意見書を提出しました。  意見書では、今回の仕分け事業が、まず削減ありきの前提で進められ たこと、これまでの文化政策形成を無にして経済効率や数値で示せる成 果、効果だけを優先することについて、「世界の通念からも非常識な結 論であり恥ずかしい思いさえする議論の結果」と批判しています。  また、このままでは芸術の質の低下は避けられないとし、「長期的視 点に立脚する文化政策ビジョンに基づいた予算編成」となるよう求めて います。 "[he-forum 14790] 11/21しんぶん赤旗2 2009年11月21日(土)「しんぶん赤旗」 お金の心配なく学びたい 全学連 学費負担軽減など各党要請  全日本学生自治会総連合(全学連)は20日、学費の負担軽減と就職 難の解決などを求めて各党の議員に要請しました。各地から69人が参 加し、学費値下げや授業料免除の拡大、給付制の奨学金の創設や就職活 動の早期化・長期化をあらためる実効性あるルールをつくることを求め ました。  事前集会で小山農委員長は「新しい国会で誰もがお金の心配なく学べ る社会を実現するための第一歩にしよう」とあいさつ。各地の参加者が 発言し、大阪の1年生は「友人は奨学金が利用できずにアルバイトをし ていたが後期分が払えず退学した」とのべました。  学費値下げを求める署名のとりくみが各地から報告されました。愛知 の私立大学では昼休みにキャンパス内で宣伝して500人分を集めまし た。東京大学では1000人分を集め、自治会だけでなく地域の人も参 加できる「学費駒場ネット」を結成。長野の信州大学では学園祭で宣伝 をし、学費値下げへのメッセージを集めるなどして2日間で130人分 を集めました。  日本共産党からは宮本岳志衆院議員が応対し、「力を合わせて頑張り ましょう」とこたえました。  全学連は21日に全国学生交流会と都内各地で街頭署名宣伝を行いま す。 "[he-forum 14791] 中日新聞静岡11/21 中日新聞静岡版2009年11月21日付 高度医療で地域貢献を 浜松医大病院の新病棟が完成  浜松医科大医学部付属病院(浜松市東区)で20日に竣工(しゅんこう)記念式典があり、来年1月から稼働する新病棟。祝賀会で中村達病院長は「開院32年。難病の駆け込み寺となれるよう、高度医療で地域に貢献できる病院にしたい」と意気込んだ。  新病棟は地下1階、地上8階建て、延べ床面積約3万平方メートルの鉄筋コンクリート造。50年先を見据えた病院をテーマに、災害に強い、高度先進医療の提供、患者アメニティーの充実、地域医療の中核としての役割-など7項目を主眼にした。事業費は約120億円。  手術室11室の患者情報を電子システムで共有化し、白石義人手術部長は「医師不足の折、何かあれば他の医師もすぐ駆けつけることができ、安全性が高まる」と強調。個室を増やして面積を広げ、VIP室もつくった。  現病院棟から病棟部分を新病棟に移した後、外来棟部分は来年度から改修工事が始まる。 (石川才子) 寺尾学長「選択と集中で少ない医師生かせ」  新病棟が完成し、地域医療の中核として、ますます力が期待される浜松医科大。寺尾俊彦学長に、地域医療について聞いた。 (聞き手・石川才子)  -県内でも地域医療が疲弊している  かつては各地域にミニ総合病院があり、そこで医療が完結する施設完結型だった。医療が進歩し、一施設だけでやれる医療が減り、地域完結型に移行した。しかし、ミニ総合病院は存続し続け、各病院の医師は増えず、アンバランスが起きた。市町村合併はやったが、病院合併は手つかずだった結果。  -解決策はあるのか  地域医療を守るには、高度な救急医療体制の維持が必要。選択と集中で少ない医師を生かすことだ。まずは、日常の医療と高度な医療のすみ分け。これには病院と診療所間、そして地域を超えた病院間の連携が必要。ミニ総合病院の合併も選択肢であり、袋井と掛川の両市民病院の統合はモデルだと思う。  -県内唯一の医師養成大学として  浜松医大を卒業し、県内の医療機関に就職する医師は50%だが、この数字は全国では多い。人口10万人あたりの医師数も全国で4番目に少ないが、人口密度の違いがあり、単純に比較できない。来年度の各県の研修医数が、その県の医大の入学定員をどれだけ上回るか計算すると、静岡は全国でトップ5。本年度から、大学で地域医療を志す医師の養成プログラムを始めた。卒業生や研修医を根付かせ、県内完結型の医療を目指したい。 "[he-forum 14792] 北国新聞11/21 北國新聞2009年11月21日付 高次人間ドック開設へ 来夏、金大病院内に  金大附属病院は20日までに、病院内に高次人間ドックを導入する検討を始めた。来年夏に同病院敷地内に開業予定の医療施設「金沢先進医学センター」と連携し、精度の高い画像診断装置「PET-CT」など最新の設備を活用する。北陸三県の経済人らによる「金沢大学病院医療支援機構」も実現を後押しする。  今月11日に開かれた病院運営委員会で、金沢先進医学センターの開業に合わせ、人間ドックを含め、最新設備の活用策を検討する方針が報告された。同センターは、民間事業者が整備、運営する医療施設で、がん病巣の存在をとらえるPET(陽電子放射断層撮影)と、位置や形態を把握するCT(コンピューター断層撮影)を組み合わせた「PET-CT」、PET検診に使う放射性薬剤の製造装置「サイクロトロン」などを備える。施設の運営主体となる医療法人社団「金沢先進医学センター」が設立されている。  金沢大学病院医療支援機構は、金大附属病院の高次人間ドックの導入やフロンティア医療の推進を支援する目的で、今年4月に設立された。  高次人間ドックについては、東大をはじめ、大学病院に設置する動きが広がっている。金大附属病院は今年、外来診療棟の完成で10年越しの再開発事業が終了し、より地域に密着した役割として、高次・高度な人間ドックの導入を求める声が出ていた。 "[he-forum 14793] 読売新聞11/21 読売新聞2009年11月21日付 法科大学院、地方に危機感 学生来て! 都市圏で入試/学費免除  新司法試験の合格実績が低迷する地方の法科大学院が、都市部で入学試験を実施したり、成績優秀者の授業料を免除したりと、優秀な学生の確保に懸命になっている。21日には、島根大法科大学院(松江市)が初めて大阪市内で入学試験を実施。ただ、今月上旬に初めて東京で試験を行った香川・愛媛大の法科大学院(高松市)では、志願者数が過去最低を更新するなど依然として厳しく、「学生の中央志向が強く、このままでは生き残れない」と切実な声が漏れる。  今年度の司法試験合格者が1人だった島根大法科大学院では、開設された2004年度の志願者は304人だったが、昨年度には84人まで減少。今年度から成績上位者の学費を免除する制度も導入し、過去の願書取り寄せ状況から「潜在的な志願者が多い」と今回、大阪に入試会場を新設した。  広島修道大(広島市)は受験者の負担に配慮し、これまで筆記と面接の2回にわけていた試験を1回にまとめて実施するという。  また、香川・愛媛大の法科大学院は「優秀な学生がいても、『学費が免除されるので私立に行きます』と言われると、打つ手がなかった」と、今回の入試から優秀者の学費免除制度と東京での試験を採り入れた。  だが、志願者数は42人と、今年度の73人からさらに減少。東京会場の志願者はわずか7人にとどまり、地方の法科大学院の窮状が改めて浮き彫りになった。  志願者数の減少は、9月に発表された新司法試験の合格率が27・64%と初めて3割を割り込み、リスクを恐れた優秀な人材が法科大学院を敬遠したことも一因とみられる。志願者増には合格率の引き上げが一番だが、ある法科大学院の教授は「幅広い教養を身に着けた法曹を養成するのが法科大学院の役割だったはず。司法試験のための教育でいいのか」と苦しい胸の内を明かした。 ◇  法科大学院 2004年度にスタート。当初は修了者の7~8割が新司法試験に合格するとみられていたが、合格率が低迷。今年度の入学者総数は昨年度から11%減り、約8割にあたる59法科大学院が定員割れとなった。中央教育審議会の特別委員会は定員削減や統廃合の検討を求めている。 "[he-forum 14794] 毎日新聞11/22 毎日新聞2009年11月22日付 愛知教育大:創立60年式典 「転換期」反映  東海地方で唯一の教員養成単科大学・愛知教育大(愛知県刈谷市、松田正久学長、学生4310人)が創立60周年を迎え、21日に記念式典を催した。教員養成6年制や教員免許更新制など、政権交代で教育政策が変わろうとしている実情が式典に反映された。【安間教雄】  式典には在校生や教職員、卒業生、教育関係者ら約400人が出席した。式辞で松田学長は「新政権により、教員養成制度のさまざまな施策が出されつつあるが、全体像はいまだ見えていない。事態がどう動こうとも、平和で豊かな未来を築く人間の教育を行う高等教育機関として、子供たちの未来がゆるぎなきものとなるよう、ますます役割は重要になると確信する」と述べた。  文部科学省の小松親次郎・大臣官房審議官は「教育の重要性がますます高まる今後、一層の活躍と発展を期待する」という川端達夫・文部科学相のメッセージを代読した。  愛教大は1949年に開学した新制の国立大学・愛知学芸大が始まり。当時の県内三つの師範学校が統合し、小中学校の教員養成大学として創設された。66年に愛知教育大と改め、70年に現在地へ移転・統合した。  78年に大学院(修士課程)、08年には教職大学院を設けた。卒業生約5万人。今年3月の学部卒業生の70.5%が教員になっている。 "[he-forum 14795] 大分合同新聞11/22 大分合同新聞2009年11月22日付 大分大 授業の映像高校に配信  大分大学(羽野忠学長)は日常の授業の映像を大分県内の高校に配信するサービスを始めた。高校生に自分の好きな分野の本格的な学習に早くから親しんでもらう同大の「高大接続教育」の一環。少子化で受験生が減少する中、大学の研究内容を積極的に情報発信することで意欲的な学生を獲得する狙いもある。県内の大学では初めての取り組みで、全国の国立大でも珍しいという。  配信先は大分雄城台、大分商業(大分市)、日田、安心院(宇佐市)の県立4校。県の高速通信回線「豊の国ハイパーネット」を通じ、「哲学概論」など教育福祉科学部の3科目から希望するものを毎週1回の授業時間(午後4時半~6時)に同時中継している。  このほか毎月1回、同大の教員が交代で専門分野の授業をする「高校生のための特別講座」を中継。部活動などで決まった時間帯の受講が難しい生徒のため、経済学部の1講座(全14回)の録画映像を高校の希望する時間に配信している。  受講する高校生は通常講座が延べ約60人、特別講座は大学に直接訪れる生徒を含めると延べ約300人。配信を受ける高校からは「大学での学習内容を体験することができ、生徒の学習意欲を高めている」(日田高)、「大学が近くにない地方の高校なので、映像配信は大学教育に触れる貴重な機会」(安心院高)と好評だ。  同大ではゼミ形式の授業を地元の高校生に開放し、学生とチームを組んで研究できるようにしているが、参加者は大学に直接通える大分市中心部の高校生に限られていた。  今回の配信サービスでは、高校の教室の映像も大学で見ることができ、質問や指名など双方向の通信ができるようにしており、距離による受講機会の損失をなくす狙いもある。授業の初めに教員や講師がモニターを通じて生徒の出欠確認をするなど、教室の一体感を生み出す工夫をしている。  大分大学は「高校生が受験勉強と大学で学ぶ内容との違いを埋め、自分が長く勉強していきたいと思える分野を見つけてもらいたい」(経済学部の宮町良広教授)との考えで、配信先の高校を増やす方針だ。 "[he-forum 14796] 共同通信11/20 共同通信2009年11月20日19時6分 奨学金延滞8割が年収3百万未満 正社員は3割  学生時代に受けた奨学金の返還を延滞している社会人らのうち、84%は年収300万円未満であることが20日、日本学生支援機構の2007年度調査で分かった。延滞者のうち正社員は31%。正規雇用の機会に恵まれず、低所得から返還できないケースが多かった。  機構は「少しずつでも返してもらえるよう柔軟な対応を検討したい」としている。  調査は07年12月に実施、6カ月以上の滞納者約7300人が回答した。  延滞している人のうち、年収が「100万円未満」と答えたのが37%と最多。「100万円以上~200万円未満」が29%、「200万円以上~300万円未満」は18%。「400万円以上」は8%だった。  就職状況では、派遣社員やアルバイトが36%で、正社員31%、無職16%、主婦8%―だった。  延滞理由(複数回答)は、「本人の低所得」が41%でトップ。「親の経済困難」も37%あり、「本人の借金返済」24%など、経済的な理由を挙げる人が多かった。「本人の失業・無職」も20%いた。高校や高専、短大を卒業した人は、いずれも「親の経済困難」を理由に挙げる人が多かった。 "[he-forum 14797] しんぶん赤旗11/23 しんぶん赤旗2009年11月23日付 奨学金は返済不要に 宮本議員 給付制度の創設要求  OECD(経済協力開発機構)30カ国の中で、大学の授業料が有料で給付制奨学金もない国は日本だけ――。日本共産党の宮本岳志議員は18日衆院文部科学委員会で、こんな実態を政府に突きつけ、大学にも返済不要の給付制奨学金を創設するよう求めました。  OECDで大学に公的な給付制奨学金のない国はアイスランドと日本の2カ国。しかしアイスランドは授業料が無償です。宮本氏は「両方ないのは日本だけだ」と指摘しました。  「世界一高いといわれる授業料をとりながら、貸与制と有利子制の奨学金しかない。あまりにも日本の到達点は世界に遅れている」と宮本氏が迫ると、川端達夫文科相は「奨学金制度の充実は私たちも要求しているが、給付型の奨学金制度の導入には慎重な検討も必要」と述べました。  宮本氏は、総選挙前の党首討論では給付制の奨学金を広げる方向で与野党が一致したことを紹介。若い人がお金のために勉強を断念することがないよう、大学にも給付制の奨学金を広げることを重ねて要求しました。 "[he-forum 14798] 毎日新聞福島11/21 毎日新聞福島版2009年11月21日付 県立医大:研究拠点の新築断念 国の補正予算減額、既存棟を増築へ  県は20日、国の1次補正予算の減額に伴い、県立医大に予定していた「地域産学官共同研究拠点」の新築を断念し、既存研究棟を増築して施設を設けると発表した。文部科学省の補助金を充てる予定だが、総額が695億円から263億円に削減されたため、現行計画で補助金交付が採択されるのは困難と判断。事業費を約20億円から約11億5000万円に圧縮した。  同拠点は、他大学や民間企業と連携し、新規抗がん剤や医療機器の開発を行うため新設する。従来の計画では、鉄筋コンクリート5階建て延べ床面積3035平方メートルの研究棟を新築し、動物用MRI(磁気共鳴画像化装置)などの研究機材を入れる予定だった。  新計画では、現在ある「実験動物研究棟」を約700平方メートル増築し、周辺の研究棟も利用するため渡り廊下で結ぶ。導入する研究機材は変更せず、分散配置を予定している。  県は同日、新計画を国に提出した。今月中に選定結果が通知される見込み。【関雄輔】 "[he-forum 14799] 毎日新聞社説11/23 毎日新聞社説2009年11月23日付 視点 科学の仕分け 理系首相に期待したい=論説委員・青野由利  「次世代スーパーコンピューターで世界一になる意味は?」「国民に夢を与える」。一見、会話は成立しているが、実はかみ合っていない。  科学技術を対象とする行政刷新会議の「事業仕分け」では、さまざまな事業で仕分け人と文部科学省・科学者の間の溝が浮き彫りになった。背景には、双方が抱える問題があるようだ。  文科省側の問題は、具体的な成果予測を尋ねる国民目線の質問に説得力のある答えが示せない点だ。科学界で「当たり前」でも、市民にとっては違う。きちんと説明できなければ、「甘い」と言われても仕方ない。  ただし、それでばっさり予算削減とされるのには違和感がある。事実上「計画凍結」とされたスパコンにも、日本が独自技術として持つことの重要性や、半導体、創薬などへの波及効果があるはずだ。  仕分けの判断基準には、短期的「費用対効果」など、科学研究になじみにくい要素もある。  特に基礎科学は投じた資金がそのまま成果につながる保証はない。無駄を承知で広く薄く投資しておくことが、思いもかけない果実を生む。若手支援策のような人材育成も、投資効果を測ることは難しい。  予算縮減が打ち出された放射光施設「スプリング8」で議論になった「受益者負担」も、基礎研究者の利用を考えると単純ではない。感染症研究国際ネットワークのように、厚生労働省の業務だといわれても、現実の仕組みが伴わない場合もある。  しかし、なにより科学界をとまどわせているのは、科学技術の国家戦略が示されないまま、個々の事業の足切りを仕分け人が裁定していることだろう。  国際競争の観点から、日本はどの分野に重点を置き、どのように人材や産業、その基盤となる基礎科学を育成していくのか。そのために、一時的に削っても影響の少ない事業は何か。立ち止まって考えた方がいいのは、どういう事業か。  そうした、科学技術政策全体のビジョンと優先順位が見えないまま、予算削減が打ち出されていけば、科学界に危機感が広がる。若手研究者の意欲低下につながっては、元も子もない。  この財政状況で、科学技術だけが「聖域」といかないのはわかる。一方で、財政難だからこそ、将来への投資を失敗しないようにしたい。  鳩山由紀夫首相は、政治判断による科学技術関連予算の復活の可能性も示している。理系首相ならではの、国民も科学界も納得するような、国家戦略に基づく予算編成に期待したい。 "[he-forum 14800] 朝日新聞11/21 朝日新聞2009年11月21日付 仕分け「競争力低下招く」 科学予算削減に各学会が意見  行政刷新会議の事業仕分けで、科学研究の予算が「縮減」などとされたことに対し、日本学術会議は20日、金澤一郎会長が「(基礎研究への投資減少は)人材の離散だけでなく国際競争力の低下を招く。鳩山内閣は総理を筆頭に理系出身の多くの閣僚を含み、科学・技術に深い造詣と理解を有するものと信じる」とする談話を発表した。  日本気象学会など48の学会・協会で作る日本地球惑星科学連合も同日、次世代スパコンなどの大型科学技術プロジェクトについて「事業見直しがそのまま実行されれば、数百人の博士が失職する」とする意見書を発表。次世代スパコン事業を進める理化学研究所の研究者約30人でつくる「理研科学者会議」も、「過度な効率主義・成果主義に傾いた評価が、我が国の将来に大きな禍根を残す結果につながりかねない」と訴える提言を野依良治理事長に出した。  日本植物学会や日本生化学会など8学会も19日、「日本の科学技術の発展を大きく損なうことを憂慮する」として、科学技術への支援強化を求める要望書を文科省に提出した。 "[he-forum 14801] 読売新聞11/20 読売新聞2009年11月20日付 仕分け、科学技術にはなじまない…緊急提言  政府の総合科学技術会議(議長・鳩山首相)の有識者議員は19日、行政刷新会議が行った「事業仕分け」で科学技術分野でも廃止や大幅縮減が相次いだことについて、「短期的な費用対効果のみを求める議論は、長期的視点から推進すべき科学技術にはなじまない」とする緊急提言を発表した。  有識者議員は白石隆・元政策研究大学院大学副学長ら8人。緊急提言は「計画が縮小して人材が散逸すると予算が復活しても水準を元に戻すことは難しい」と人材育成の重要性も指摘している。  このほか学会や研究者団体からも事業仕分けの方針見直しを求める声が相次いだ。計算基礎科学コンソーシアムなど計算機を使った研究をする科学者3団体は同日、計画が凍結に近い見直しとなった次世代スーパーコンピューター開発について、計画継続を強く訴えた。宇宙、気候変動予測、新薬の創出などに利用されるスパコンの研究計画が凍結されれば我が国の科学技術の進展にとって大きな損失になると強調した。  日本生化学会など生物系の9学会も同日、若手研究者支援の予算縮減の方針について、「日本の科学技術の発展を大きく損なう不適切な判断」とし、見直しを求める要望書をまとめた。そのなかで、「民主党の科学技術政策への期待が、事業仕分けにより失望に変わりつつある」と指摘している。 "[he-forum 14802] 共同通信11/24 共同通信2009年11月24日12時6分 科学技術予算、削減撤回を 国立7大学と早慶トップ  行政刷新会議の事業仕分けで多数の科学技術関連予算が大幅削減の判定となったのを受け、国立大7校の学長と早稲田大総長、慶応大塾長が24日、東京都内で記者会見し、削減撤回や基礎研究支援の拡充を訴えた。  国立大7校は北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大。  9人は(1)公的投資の明確な目標設定と継続的な拡充(2)研究者の自由な発想を重視した投資の強化(3)大学の基礎的経費の充実と新たな枠組みづくり(4)若手研究者への支援(5)政策決定過程における大学界との「対話」の重視―を政府に求める共同声明を発表。  京都大の松本紘学長は、米国や中国など諸外国は軒並み基礎科学への投資を増やしていると説明。「現在の日本の方針は科学技術立国の基盤を崩壊させかねない」と指摘した。北海道大の佐伯浩学長は「若手研究者が続いていくことがすそ野の広い研究環境をつくるために重要だ」と述べ、若手支援の充実を訴えた。 "[he-forum 14803] 朝日新聞11/23 朝日新聞2009年11月23日付 「医学生 残って」 切り札は「里親」  医師不足が深刻化する中、卒業後も地域に残って働く医療の担い手を育てようと、滋賀医科大(大津市)が、全国的にも珍しい取り組みを始めている。学生のために、地元の医療機関で働く卒業生らが「里親」となる制度で、人間的な結びつきを強めることで、地元定着を狙うものだ。文部科学省の学生支援プログラムに採択された。 ■OBら「バンク」登録 大学が仲介して交流  京阪神のベッドタウンとして人口が急増する滋賀県は、人口あたりの医師数、診療所数、病院ベッド数ともに全国平均を下回る。一方で地元の同大医学科学生約600人のうち、県内出身者は2割に満たず、卒業生の半分は県外で就職してしまう。  どうすれば、卒業後も滋賀に残ってもらえるのか。  大学側は思案をめぐらせた。実は学生の半数以上が「将来、滋賀県で働きたい」「働いてもいい」と考えていることが、07年12月の学生へのアンケートでわかっていたからだ。そこでひねり出したアイデアが、OB、OGを中心に、学生と人間的なつながりを築いてもらえる大人を地元で見つける里親制度だ。  大学を卒業して地元で働く医師・看護師に「里親」、医療関係者ではないが学生支援に意欲を持つ地元住民に「プチ里親」として「里親バンク」に登録してもらう。大学側はこの中から性別や専門分野など学生の希望に合う人を紹介。メールのやりとりから始め、実際に会って話をするなど付き合いを深めてもらう。夏と冬には1泊2日程度の合宿を行い、里親やプチ里親と直接会う機会を設ける。  対象は医学科、看護学科の1、2年生。現在、学生の約15%にあたる48人が登録している。  9月の合宿には、琵琶湖に浮かぶ人口400人足らずの沖島を学生34人と教員12人が訪れ、公民館に併設された島唯一の診療所を訪ね、地域医療の現状を学んだ。常駐する医師はおらず、週1回、約3キロ離れた対岸から医師が船で交代でやって来る。急病人が出ると、消防団が船で対岸に搬送する。  夜は、大学の先輩でもある里親に沖島での苦労談を聞いたり、食事しながら医療の将来について意見交換したり。大阪市出身の医学科1年、島田加奈さん(20)は「沖島のことも診療所のことも初めて知った。地域医療についてもっと知りたいと思うようになりました」。  沖島の対岸の近江八幡市で開業医をしている石塚千恵さん(46)は、子育てをしながら医師を続けてきた経験を学生に伝えたいという思いから、今夏に里親になった。「いろいろな人に助けられ医師を続けてきた。地域医療に興味を持ち、滋賀で働いてくれる人が一人でも多くいてくれたら」と願っている。 ■奨学金支給など各地で取り込み  医学部生への地元定着策は各大学、自治体で広がっている。  多くは独自の奨学金制度だ。広島大医学部の推薦入学は、昨年度から県内の高校卒業生を対象に「ふるさと枠」を設けている。月20万円の奨学金が支給され、卒業後9年間、県内の公的医療機関に勤め、半分以上を中山間地の公立病院や指定診療所に勤めると返還が免除される。  鳥取県では、鳥取大医学部生を対象にしたもののほか、15人の枠で全国どこの医学部生でも月10万円を支給する制度を設置。一定期間、県内医療機関で働けば返済を免除する。  医学教育だけでなく、地方の良さを伝える授業を採り入れる大学もある。福島県立医科大は今年度後期から、必修科目に福島の歴史や文化を学ぶ「福島学」を開設。知事やこけしの絵付け師などを講師に招き、福島の魅力をアピールしている。  一方、国は、医学部生が卒業後に地域医療に従事すれば返済を一定期間猶予する奨学金制度の新設を検討している。ただ、実施時期は未定だ。 ■選択肢広がった―「里子」の谷村真依さん  先輩医師と一対一で交流できるのがいいと思い、里親制度に登録しました。昨夏は、一緒にテニスもしました。  今年2月、医療を学ぶ合宿研修に行きました。県西部の高島市では、広い地域に、小さな診療所が一つしかないところがあり、先生が複数の診療科をかけもちしていました。出張医療もしていて、奥地の小屋みたいなところで週1回ほど診療する。こういう地域があるんだと、初めて知りました。  福田先生には、自分の娘のように温かく接してもらっています。安心して、進路の相談もできます。里親制度を通じて実際の医療現場に触れられて、将来の選択肢が広がりました。 ■自分も他県出身―「里親」の福田方子さん  滋賀医科大を卒業し、勤務医として県内4カ所の診療所で働いています。里親制度には昨春申し込み、里子の谷村さんとは月に1回ほどメールでやりとりしています。今はまだ学業や進路の相談より、学校生活についての報告がほとんどです。  私の両親は医者ではなかったから、医者がどんな仕事をしているか、あまり知りませんでした。里親制度の一番の魅力は、地域医療の現場に足を運び、先輩医師と交流する機会を得られるところにあると思います。  私は神戸出身ですが、滋賀が大好きです。谷村さんも将来、滋賀で働いてくれたらうれしい。里親としてサポートしていけたらと思います。(浅野有美) "[he-forum 14804] 毎日新聞11/24 毎日新聞2009年11月24日付 事業仕分け:国立10大学部長、「成果主義」危惧 緊急提言を発表  東京大や東北大など国立10大学の理学部長会議は23日、政府の事業仕分けについて、「科学技術研究と次世代人材育成で後世に憂いを残す判断が下されたと危惧(きぐ)する」との緊急提言を発表した。  提言は、判断の背景に、短期で成果の得られる研究を重視する「短期成果主義」があると指摘し、その考え方からの脱却を求めた。また、今週から議論される国立大運営費交付金や基礎研究を支える科学研究費補助金については拡充を要望したほか、奨学金制度では貸与型でなく給付型として確立するよう訴えている。【下桐実雅子】 "[he-forum 14805] 読売新聞11/24 読売新聞2009年11月24日付 特集 私の教育直言 家計救う給付型奨学金 小林雅之 東京大学教授(教育社会学)  学力低下、深刻化する進学格差――。山積する課題をどう解決したらいいのか。教育のあるべき姿について、識者や関係者から話を聞いた。 小林雅之(こばやし・まさゆき) 1953年生まれ。放送大学助教授などを経て東京大学・大学総合教育研究センター教授。専攻は教育社会学。近著に「進学格差―深刻化する教育費負担」(ちくま新書) 機会均等は教育の最も重要な理念だが……  奨学金問題を20年以上研究していますが、この1年くらい、急に大きな問題になってきて、色々な機会に取り上げてもらえるようになってきました。機会の均等は、教育で一番重要な理念です。スタートラインが違ったところで競争しろと言われても非常に難しい。せめて社会に出るスタートラインは同じにする。そのためには、教育は平等に受けられることが非常に重要になってくる。今日のような社会では最低限の条件かもしれません。同時に、有為な人材になろうとした人が、教育を受けられないことで能力を発揮できないという問題があります。人材が有効に活用できなければ社会的損失です。だからこそ、機会均等は、教育を考える場合に一番重要な理念の一つなのですが、日本の高等教育では具体的な政策はあまりないのです。  一つは地域間格差の是正です。47都道府県の大学短大進学率を見ると、一番高い東京は7割を超え、低い沖縄、鹿児島あたりと4割近い差があります。大学は東京と関西に固まっていて、文部省は、できるだけ地方の人も自宅から通学できるように大学をつくっていくという考え方で、是正政策をとってきました。1975年からは大学を大都市でつくらせないという政策で地方を振興しようとしました。この結果、格差は少し縮まった。ところが、1990年から18歳人口が急増しました。第2次ベビーブームの人たちです。現実に大学に入れないという問題が起きてきますので、今度は大学を拡張します。その中でまた格差が広がってしまっているわけです。  そして、もう一つが奨学金中心の政策です。しかし、高等教育の中でずっと大事だと言われながら、それほど重視されてこなかったのが日本の現実の姿だと思います。 学生生活調査の信用度  所得階層間格差については、これまで全国規模の調査がありませんでした。文部科学省が長く続けてきた学生生活調査(2004年から独立行政法人日本学生支援機構が実施)と社会学者のSSM(社会移動)研究グループの調査で、お互いに証拠を示しながら対立する結果が出ている。前者は、格差が非常に縮小している、後者は、格差は拡大するか、少なくとも縮小はしていないという結論です。また、SSMのグループは、経済力の差が学力の差を生み出して、それが進学格差につながっているということも明らかにしました。  もし全く所得にかかわりなく平等に大学に入っているなら、所得層を五つに分けると、すべて20%ずつになるはずですが、学生生活調査では、国立大学はつい最近までは20%より上、つまり、所得の低い人のほうが多いという結果になっていました。しかし、個々の大学で事情が違う。よく言われるのは東大に高所得層が多いことです。5割以上の人が年収1000万円以上です。しかし,所得の低い人も多い。450万円以下の層は1割余りいます。  全体としては東京の国立大学は非常に所得の高い人が多い。東京の所得水準が高く、ある程度の所得水準でないと生活費を負担できないから、地方から進学しにくい。それと学力の問題が重なっています。ところが、地方では、かなり所得の低い層が国立大学に行っており、国立大学全体では所得階層の低い人たちが結構行っていることになる。ただ、これが疑問視されてきています。  私立大学はもっとドラスティックです。1000万円を超える最も高い所得層が非常な勢いで減っている。1968年からのデータで見ると、社会全体ではその高所得層の2割の人たちが45%を占めるに至ったのに、現在では20%を切っている。本当にこんな変化が起きているのかという批判があります。  奨学金の基礎調査として各大学の学生部が実施するのですが、奨学金を受けている学生を多く対象にしてしまっていないかという指摘がある。実際、調査では日本学生支援機構の奨学金を受けている人が従来から3割以上います。しかし,現実の学生数で割ると、現在で3割ですが、かつては2割ほどだった。  一方で、SSMの調査は、サンプル数が非常に小さい、全国調査ではないという問題があって、本当に全国の実態を正確に把握しているものはなかったのです。 私立大で顕著な所得階層と進学率の関係  そこで、東大の大学経営・政策センターが2005年に初めて行った全国規模の調査が注目されました。高等教育のグランドデザイン策定のための基礎的調査研究が目的ですが、その中で、私がかかわった全国の高校生4000人とその保護者に対する調査を行いました。進路希望がどう形成され、どう決定されるかを追いかけました。進学や就職をして、もう1回進学したいと思っているか、逆にやめたいと思っているかを1年後、2年後、3年後という形で追跡しています。保護者には最初の1回だけです。現実的に進学について考える時期に、進学するなら教育費をどう負担するのか、奨学金はどう考えているのかを聞いたわけです。対象は公立高校か私立高校の全日制で、保護者と同居している人に限っています。1地点10サンプル、400か所でとりました。  その結果、国公立大学は大体、所得階層とあまり関係がない。低所得層の人も行っています。ある程度、学生生活調査の結果が正しいことを裏づけました。問題は私立大学です。400万円以下の所得の人が二十数%。1000万円以上の人が45%ぐらいいて、かなり高くなっています。最も高い所得層が私立大学には多くないのですが、それは国公立大学に行っている人と浪人が結構いることによります。進学率全体で見ると、やはり所得階層と非常に相関が強く、特に私立大学で顕著だということです。これに地域差などをかけると、もっと大きな差が出てきます。 「無理する家計」はもつのか  中学3年生のときの成績と所得階層を重ねて見た場合、所得が高いほど進学率が高い傾向は見てとれます。注目すべきなのは、成績が高いと、所得に関係なく進学していることです。400万円以下の層でも7割が進学しています。ある意味では驚くべきことです。私はこれを「無理する家計」と呼んでいます。400万円以下の人が本当に子供を大学にやって家計的に大丈夫なのか。  教育費負担の問題は、日本の場合、本人より保護者のほうが重要ですので、私たちは保護者にもいろいろ聞きました。保護者は家計や子供の学力など、客観的な制約条件で進学するかどうかが規定されるわけですが、この額なら何とか負担できるという主観的な負担感の要素も入ります。教育熱心な家庭の家計は無理する家計ではないか。親が無理をしないなら、学生のほうがアルバイトをたくさんやり、勉強しない大学生をつくってしまう。両方無理することで成り立つ可能性もあるわけです。  調査では、学費や生活費をどの程度負担する意思があるかも聞きました。当然、学費と生活費を負担するという親は、所得階層が高いほど多くなります。調査時期が高3の11月から12月ですから、具体的に進路を決めた段階の現実的な答えです。どれくらい学費がかかると思うかも聞いていますが、かなり正確に知っています。むしろ高めに答えている。その費用を負担しようとしていることになります。  学費は、高所得層の場合、9割近い人たちが全額を負担するつもりですが、驚くべきなのは、400万円以下の層で5割の人が全額を負担するつもりだと答えたことです。国立大学でも、授業料56万円と入学金30万円ほどを負担しようとしている。全く負担できない人は8%しかいない。非常に強い意志を持っていることがわかります。生活費でも3分の1の人は全額を持つと言っています。自宅外ですと100万円以上かかります。  ただ、こういった無理が本当に続くかどうかが問題です。皮肉にも、日本が世界でも進学率が高い国になったという背景には私立大学が非常に伸びたことがある。そこから授業料を負担してでも子供を大学にやる親がいて、無理して進学率を支えてきた面がある。そのことが逆に、奨学金政策を熱心にさせなかったと考えられる。本当にこういったやり方を続けることができるのかが今、問われています。国立大学も授業料が急速に上がってきて、低所得層の負担感が上がっているという結果も出ています。  国際的にみると、日本と韓国が家計負担がものすごく大きい。半分以上が家計負担です。日韓とも私立大学が多い、授業料が高い、そのわりに奨学金が少ない、公的な負担が非常に少ないという構造です。韓国の場合も国立大学の授業料は相当高いです。OECDの統計が出るたびに、日韓が1、2位を争っている。両国の家計負担が飛び抜けて高い。ちなみに、その他の私的負担として、例えば民間の寄付や企業が持っている部分がありますが、これはアメリカが圧倒的に大きいです。 広がるローン回避  では、教育費負担をどうするか。所得や地域間格差が拡大すれば、無理する家計の無理が続かず、教育費の格差が固定化、拡大するおそれがあります。少子化の原因とも言われており、その意味でも今、教育費負担の軽減策が非常に問題になってきたと思います。将来の教育費に対する負担感が非常に強くなってきたため、子供のファイナンシャル・プランが立てにくく、将来に希望が持てない。逆に言うと、将来の見通しが明確になる対策が必要になる。単に教育機会を保障するというだけではなくて、教育費負担を軽減して機会を保障するということが問われています。そのためには、経済的支援がきちんとあることを明確にして、進学しても大丈夫だと示す必要がある。  問題として、現在の奨学金の形でいいか、本当に必要とされているだけ受給されているのかということがあります。各国で大きな問題になっていることが日本でも今、問題になりつつあります。返済の見込みがないからそもそも申し込まない。進学先を自宅から通える範囲に限定する、費用のあまりかからない専門学校を選ぶ、ひいては進学を断念するということが起きています。ローン回避は、イギリスとかアメリカでも大きな問題になっているわけで、こういった問題が奨学金の場合もあるわけです。  日本学生支援機構の奨学金は急速に増えております。多くの人たちがローンの奨学金を当てにして進学していることは間違いない。それに対して、受給率は3割程度ですから、まだ足りないとも言えます。問題は、借りたくないという方が低所得層に多いことです。奨学金はもともと低所得層の人たちの進学を助けて、教育の機会均等を達成するためのものですから、奨学金が奨学金の役割を果たせないということになってしまう。  これは各国共通の問題になっています。どこも授業料が非常に高くなっているからです。基本的にはヨーロッパはまだ無償ですが、それ以外の国は授業料を取り始めていて、特にイギリスはかなり高額な授業料ですし、アメリカ、韓国、中国、日本は、非常に高騰しています。対応して奨学金を上げていくことが基本ですが、そこの改革の仕方がかなり違っている。  もう一つ大きいのは情報ギャップがかなりあることです。奨学金の仕組みは、各国ともかなり複雑です。奨学金を必要としている低所得層に知らない人が多い。知っている人は得をして、知らない人は損をする仕組みになってしまっている。中国で大問題になり、アメリカとかイギリスでも相当問題になってきて、日本でも地方では、こういう問題が相当残っていると考えられます。 高授業料・高奨学金政策  授業料の問題は、奨学金とあわせて考えなくてはいけない。必ずセットの改革が進行しています。高授業料・高奨学金政策はハーバード大学などでとられている政策で、定価の授業料は大体3.3万ドル、330万円ぐらいですが、実際には平均でも7000ドルぐらいしか払っていない。払っている人はもちろん全部フルに払っていますが、払っていない人は全くゼロです。これはある意味でディスカウント、割り引いているわけです。定価は高いが、低くしている。  これは大学の授業料の性格によります。実は品質というものが見えない性格を持っていますから、定価を高くすることはブランドイメージがあるんです。300万円というとすごくいい教育をしているように聞こえ、10万円と言われたら教育の質が低いのではないかと思われますから、定価は非常に高く設定し、払えない人が出てきますから給付奨学金で低くするというやり方をしています。  教育費は、もともと公的負担が多かったのですが、だんだん私的負担に移ってきて、しかも親から子に移っているのが現状です。ローンは、親ではなく、子供が負担すると考えられる。ところが、先ほど申し上げたローンの負担回避問題から、各国とも急速にまたグラント(給付型奨学金)を重視する方向に変わってきて、これがこの2、3年で急速に変わったことです。 各国で授業料の徴収や高騰  オーストラリアは今から20年ほど前、高等教育貢献スキームと言われる仕組みを導入しました。それまで国公立大学は授業料を全く取っていなかったのですが、授業料を取るとなると、やはり教育の機会均等が大問題だということで、後払い制度にした。在学中は授業料を徴収しない。これはローンと同じです。ただ、おもしろいのは、前払いだと割引がある。最初は25%、今、20%になりました。  イギリスは、1998年から授業料徴収を始めました。現在では最高が3200ポンドです。ポンドは大分下がりましたが、当初は60万円くらいでかなり高かった。ドイツは、一部の州で一部の学生から取っています。  授業料の大幅な値上げが起きているのは、アメリカ、イギリス。中国も急速に上がってきたため、今、政府が6000元(約9万円)以上取ってはいけないと上限を設定しています。中国の場合はさまざまです。独立学院といって国公立大学が経営している私立大学があります。合格ラインが国公立大学より低いため,国公立大学に合格しなかった高校生の受け皿になっているのですが,これが1万元(約15万円)ぐらい授業料を取っている。普通の私立大学はもっと高い。韓国も非常に問題になっていて、特にソウル地区の国立大学の授業料も相当高いのです。  共通するのは、教育を受ける人が増えたので負担が増えたというマス化問題、公財政が中国を除いて非常に逼迫しているということ、学生1人当たり教育コストが非常に高くなっているということです。いい教育をしようとしたらコストがかかる。  アメリカの場合には、高授業料・高奨学金政策で、ハーバードだけでなく、今、広範に普及していて、例えば2008年度の公立4年制大学の授業料は大体1ドル100円だと44万円ですが、実際には19万円。私立も168万円なのですが、実際には100万円。私立で4割、公立では5割も割引しています。全員に同じ割引をしているわけではなくて、割引が全くない人から全額割引までいます。スポーツ選手や成績優秀者になると、割引どころか授業料がマイナスになる、つまりくれるわけです。  イギリスの場合には、2006年度に各大学が授業料を設定できることになりました。このときはまだ3000ポンド(約45万円)です。現在、3225ポンド。9割の大学が当時、3000ポンドにしたのです。2700ポンド以上に設定した場合は、大学が自分たちで決めて給付奨学金を出さなければいけない。イギリスでは政府が決めるということを嫌いますので、大学が自分たちで決める仕組みをつくりました。これはゼロから5000ポンドですから、授業料を超えて多く出してもよく、その受給基準や受給額は各大学が自分たちで決められる仕組みをつくった。政府としては最低でも300ポンド、1割ぐらいは出してほしいとしていたのですが、ふたをあけてみたら、ほとんどの大学が大体1000ポンドぐらいの給付奨学金を出しています。ですから、授業料が3000ポンドといっても、実際は2000ポンドということです。それ以外に政府給付奨学金(メンテナンスグラント)が今、非常に拡大して、もうほとんどカバーできるようになっています。これはブラウン政権のばらまき政策だという批判があるんですが、その結果、約3分の2の学生が給付奨学金を受けてku桙「泙后・修谿奮阿法∪・椶竜ヾ悗任△襯好船紂璽妊鵐函Ε蹇璽鵝Ε・鵐僖法爾箸いΔ箸海蹐・・販舛叛験菷颪離蹇璽鵑鮟个靴討い泙后・任垢・薀ぅ・螢垢両豺腓癲∈潦愧罎呂曚箸鵑票・販舛叛験菷颪鯤Г錣覆い箸い・伝箸澆吠僂┐討い襪鵑任后  スウェーデンなど北欧諸国の場合には、もともと授業料がない上に、生活費も給付奨学金とローンで大体カバーできます。給付奨学金は所得が低い人にたくさん行くようになっていて、所得の高い人はローンでカバーする形です。学生自身は在学中、負担することはありません。 ローン負担が大きな課題  もう一つ大きな最近の方向として、ローン負担が大きな課題になったということです。アメリカの場合、給付奨学金が充実しているだけでなく、貸与奨学金もかなりあって、政府保証の民間金融機関ローンが一番大きい。返済できないときに政府がかわって保証する。さらに、各州にある保証協会と二重保証になっています。政府保証だと、ほとんど回収できるので、もう最初から債券化してしまって売ってしまう。学生からすると、借り手がどんどんかわってくる。これには、結局、銀行がもうかるだけではないかという批判が強いのです。  クリントン政権のときに、政府が直接やればいいとなって、直接ローンを始めました。この直接ローンがいいのか、政府保証民間金融機関ローンがいいのかで大論争が起きました。日本でいうと、郵政がいいのか、クロネコヤマトがいいのかという問題と似ていますが、サービスを競争することによってお互いよくなったと言われています。  また、大学の理事会にはだいたい、金融機関の人や地元の人が入ってきますが、政府保証民間金融機関ローンによる金融機関と大学の癒着が相当問題になって、それも政府保証ローンをやめようという理由になりました。  さらに、サブプライムローンの問題がありまして、実は政府保証がついても、民間金融機関のローン債券を投資家たちが買わなくなってしまい、ブッシュ政権の第二期には政府が買い取る政策を始めました。その結果、結局、ローン債券は政府が持っている。それなら、政府が直接やったほうがいいということで、オバマ政権は民間金融機関に対するローンの補助金を全部打ち切る政策を言い出しました(学生支援と財政責任法案(Student Aid and Fiscal Responsibility Act=SAFRA)。これを全部グラントに回すということで、今、下院を通って上院で審議中です。そういう形でグラント重視に変わったわけです。  それからもう一つ、各国は、ローンの場合も返済免除の仕組みがかなりある。昔は日本育英会でも教員になると免除があったのですが、今はない。オバマ政権は、連邦ローンの一部については、25年間で返済し切れないときには、残額は帳消しにすることにした。イギリスも同じ仕組みを持っています。それから、10年間公共サービスに勤めた場合には、ローンは10年間支払い終わった時点で残額があれば帳消しにする、そういう仕組みが提案されている。公共サービスといっても幅が広く、民間でも公共的な性格が強いものが入ります。実現すると相当大幅な改革になります。 給付型奨学金が必要  中国も3年前に行ったときにはほとんどローンでやっていく姿勢だったのですが、8月に行ったら、やはりもたないということでした。ローンの場合、一番の問題は未返済問題が大きくなることです。中国では戸籍制度が緩んで、追跡システムがありません。対策の一つはローンの保証金。リスクを取る積み立てを始めて、政府と大学が半分ずつ持つ。おもしろいのはリスクの高さが大学によって違うんです。最高でローン総額の15%ですが、清華大学や北京大学は低い。危ない大学ほど高くなる、  もう一つは、グラントを大幅に拡大しました。国家励志奨学金という、経済的に恵まれていない人で、かつ成績優秀者について出すものをつくりました。日本の文科省に当たる教育部でも、各大学でも、経済的な理由で退学するということはあり得ないと言っていました。少なくともスローガン的にはそうなっているということです。  韓国も、現在の李明博政権になって、彼自身が苦学して大学を出たこともあるようですが、生活保護や、地方の出身者に対して給付奨学金を導入しました。韓国と日本は給付奨学金がなく、授業料免除があるというのが共通の特色だったのですが、韓国はついに給付奨学金を導入したのです。  繰り返しになりますが、無理する家計というのが格差を顕在化させなかった。ところが、このまま今のような格差が続いていくともたないということです。アルバイトの問題もかなり大きくなっています。単位の実質化といって、大学は今、学習の管理に乗り出し、授業に出るよう促しています。日本の大学では、アルバイトが社会勉強になっていいと、大学の教員も言っていたし、社会もそう思っていたのですが、本当に学習させようと思ったら、アルバイトが多過ぎるということは問題なわけです。  フランスやドイツ、イギリスでは、アルバイトに精を出すことで成績不良になる、奨学金がもらえないので、さらにアルバイトをするという悪循環になっている学生が多いのです。アメリカの場合には、アルバイトをまったくしない学生よりも、適度にしている学生のほうが卒業率が高いという調査結果もある。そういう違いはありますが、いずれにしても過多は問題です。  さらにローン回避の問題も考えると、給付奨学金というのはやはり必要だろうと思います。ただ、あまりにも複雑で選択肢が多くなると、情報ギャップの問題が大きくなります。例えばアメリカの教育減税は7種類あって一つしか選べないのです。これは相当金融知識があって、どの減税が一番いいかわかる仕組みを知らないと選べない。奨学金も、給付奨学金は数種類あり、州レベル、連邦レベル、大学、民間、さまざまあります。ローンも、銀行のローン、政府保証ローン、政府のローンと、非常に複雑になってしまう。  ですから、見通しが明確になりプランを立てられるよう、高校のうちにしないといけないわけです。予約奨学金の制度や、キャリア教育、金融教育という仕組みも必要だろうと思います。アメリカの場合には進学時点でファイナンシャル・プランを大学が送ってきます。この大学に入ったらこういうふうにして学費、生活費を賄うんだとわかる仕組みです。こういう仕組みも必要だと思います。  大きな問題としては、大学に対する補助が授業料を下げるわけです。国立大学も補助がなければ授業料を上げざるを得ないし、私学助成で私立大学の授業料はある程度下がっています。民主党政権は機関から個人に補助を持っていくと盛んに言っていますが、高等教育では機関補助と個人補助をどうするかが問題になっているということだと思います。 (読売新聞東京本社調査研究本部教育研究会、2009年10月30日) "[he-forum 14806] 朝日新聞11/24 朝日新聞2009年11月24日付 東大院、海外と共同学位 シンガポールの大学院と協定  東京大学公共政策大学院が、シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院とダブル・ディグリー(共同学位)制度の覚書を結んだ。東大が、この制度を導入するのは初めて。  ダブル・ディグリー制は、国外の大学と協定を結び共同でカリキュラムを作り、単位の相互振り替えなどを行うもの。単なる単位互換とは違い、所属大と留学先の大学の二つの学位を取得できる。欧米の大学では広がっているが、日本では69大学にとどまる(07年度)。  東大は「正規学生として留学することで、本格的な国際性を身につけるとともに、将来、留学先の国・地域での活躍の可能性を広げる」と期待する。  公共政策の研究機関との連携として、東大は現在、コロンビア大やパリ政治学院などと交換留学協定を結んでいるが、これらの大学院とのダブル・ディグリー制も交渉中という。 "[he-forum 14807] 11/25朝日新聞 朝日新聞 2009年11月25日12時4分 国立大運営費に厳しい指摘 事業仕分け  来年度予算要求の無駄を洗い出す行政刷新会議の「事業仕分け」は2 5日、東京・市谷の国立印刷局市ケ谷センターで、後半戦2日目の作業 に入った。文部科学省が所管する国立大学の運営費交付金(概算要求額 1兆1707億円)については、「大学の経営改善の余地は大きい」と して、「予算のあり方の見直し」を求めた。環境省が所管する地球温暖 化対策の関連事業は、「廃止」の判断が相次いだ。  国立大学の運営費交付金は文科省が増額を求めているが、仕分け人は 各大学に多数の文科省OBが「天下り」していることを問題視。「経営 努力が足りない」「削減努力の余地は十分ある」などと指摘した。  温暖化問題について各地域で普及・啓発活動を行う「国民運動推進 員」の育成事業(同8億円)は「廃止」に。環境省所管の財団法人「全 国地球温暖化防止活動推進センター」が取り組んでいるが、仕分け人は 「効果が乏しい」「経費の支出方法に疑問」などと指摘した。  同センターの事業で、自治体や企業などが温暖化対策に関連して実施 する地域活動を支援する「一村一品・知恵の環(わ)づくり」事業(同 3億円)も、「温暖化防止に寄与するか疑問」「国が実施する必要があ るのか」として、「廃止」を求めた。 ■事業仕分けの主な結果 ●全国地球温暖化防止活動推進センター等基盤整備形成事業・国民運動 推進員の育成(8億円、環境省) (結果)廃止 (理由)経費の支出方法に問題 ●「一村一品・知恵の環づくり」事業(3億円、同) (結果)廃止 (理由)効果に疑問 ●国際交流基金運営費交付金及び運用資金(121億円、外務省) (結果)見直し (理由)他省庁に重複事業があり、整理が必要 ●国立大学運営費交付金(1兆1707億円、文科省) (結果)予算のあり方の見直し (理由)経営改善の余地は大きく、予算の使い方の検証が必要 "[he-forum 14808] 11/25時事 時事(2009/11/25-12:25) 科技予算削減は「不見識」=野依さん、事業仕分け批判  ノーベル化学賞受賞者で理化学研究所理事長の野依良治さんが25 日、文部科学省で開かれた政策会議先端科学技術調査会に出席、「科学 技術は生命線。コストと将来への投資をごっちゃにするのは見識に欠け る」と述べ、科学技術予算に厳しい判断の続く「事業仕分け」を批判し た。  野依さんは「世界水準をしのぐ科学技術なくして我が国の存在はな い。小手先の政策では、国は存続しない」と主張。事業仕分けで「凍 結」とされた次世代スーパーコンピューターについても「外国から買っ て来ればという人がいるが、それはその国への隷属を意味する。歴史の 法廷に立つ覚悟があって言っているのか」と語気を強めた。 (2009/11/25-12:25) "[he-forum 14809] 11/25しんぶん赤旗1 2009年11月25日(水)「しんぶん赤旗」 事業仕分け 科学技術予算削減 9大学長が“異議” 連名の声明 学術文化の喪失憂慮  政府が進めている事業仕分けのなかで、科学技術予算の大幅削減が提 案されていることに対して、東京大学など9大学の学長が24日、東京 都内で記者会見を開き、連名の声明を発表しました。  声明は、日本の大学予算はOECD(経済協力開発機構)諸国中最低 水準にあると指摘。「さらに削減されれば、科学技術立国の基盤の崩 壊、学術文化の喪失に至ることを強く憂慮する」と訴えています。  事業仕分けの進め方について、「現下の論議は、学術や大学のあり方 にかんして、世界の潮流とまさに逆行する結論を拙速に導きつつあるの ではないか」と批判。「それによって更なる国家の危機を招くのではな いか」としています。  そのうえで、(1)公的投資の明確な目標設定と継続的な拡充 (2)研究者の自由な発想を尊重した投資の強化(3)大学の基盤的経 費の充実と新たな枠組みづくり(4)若手研究者への支援(5) 政策決定過程における大学界との「対話」の重視―の5項目について具 体的要望を提示しています。  声明を発表した9氏は、佐伯浩・北海道大学長、井上明久・東北大学 長、浜田純一・東京大学長、浜口道成・名古屋大学長、松本紘・京都大 学長、鷲田清一・大阪大学長、有川節夫・九州大学長、白井克彦・早稲 田大学総長、清家篤・慶応義塾長。  記者会見で清家氏は、「気候変動、少子化などで人類社会の持続可能 性に赤信号がともる中、日本の発展だけでなく、世界に貢献しないとい けない。長期的な基礎研究は非常に重要だ」と強調しました。 "[he-forum 14810] 11/25しんぶん赤旗2 2009年11月25日(水)「しんぶん赤旗」 主張 科学予算削減 基礎研究と若手支援つぶすな  行政刷新会議の「事業仕分け」で科学研究予算の廃止や大幅削減が相 次ぎ、総合科学技術会議の有識者議員や日本学術会議、9大学の学長、 さまざまな学会や研究者団体、若手研究者から厳しい批判の意見書や声 明が出ています。  海外の有力な科学誌も「予算削減は科学による収穫も奪う」と批評し ています。 計り知れない損失に  文科省所管の競争的資金の半分強が「事業仕分け」の対象となり、そ のほとんどが「予算縮減」や「見送り」となりました。  新たな革新的技術を開拓し、気候変動予測などの究明の力となる「次 世代スーパーコンピューター」、和歌山毒カレー事件で使用されたヒ素 の科学鑑定に威力を発揮した大型放射光施設「スプリング8」、地震発 生の究明にも資する「深海地球ドリリング」、新型インフルエンザ対策 として期待される「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム」な ど、温暖化対策や国民生活にも貢献する基盤的研究も含まれています。  基礎研究を振興する「科学研究費補助金」(科研費)や若手と女性研 究者への支援に大なたを振るおうとしていることも重大です。  科研費は、研究者の自由な発想による申請に対し多くの研究者による 審査に基づいて配分され、日本の学術発展に多大な貢献をしてきまし た。日本のノーベル賞研究のほとんどが科研費から生まれたといっても 過言ではないといわれており、予算の縮減は日本の基礎研究の衰退に直 結します。  見逃せないのは、若手研究者支援を“過保護だ”として縮減しようと していることです。安定した研究ポストが削減され、ポスドク(任期付 き研究員)の多くが深刻な就職難に直面している下で、現在の支援策は 不十分ながらも研究を保障する「オアシス」の役割を果たしています。 iPS細胞(人工多能性幹細胞)に象徴される先端的研究の多くを支え ているのは大学院生やポスドクです。彼らは研究開発の重要な担い手で す。研究事業が相次いで縮小し、若手研究者支援も細るなら、大量のポ スドクが失業しかねません。  科学研究は人類に新しい知見をもたらし、経済発展や国民の健康で豊 かな暮らしを支える基盤となっています。21世紀の科学を担うべき若 手研究者が大量にリストラされれば、日本社会にとって計り知れない損 失となります。  関係者から“費用対効果で評価されれば長期的視点に立って研究する 場が日本からなくなる”との憂慮と批判が燎原(りょうげん)の火のよ うに広がっています。ある学会の声明が“民主党への期待は大きな失望 に変わった”と言うのも当然です。  これでは自公政権が進めた「行政改革」の名による基礎研究予算の削 減と何ら変わりません。 科学者の声尊重して  鳩山政権は、研究者らの意見に真摯(しんし)に耳を傾け、乱暴な 「事業仕分け」の評価を来年度予算に反映させることはやめるべきです。  科学者の声を尊重し、科学、技術の多面的な発展をうながす政策への 転換こそ急務です。  5兆円に上る軍事費や国民の血税を分けどる政党助成金、「もん じゅ」の大事故で破たんが明白な「高速増殖炉サイクル研究開発」や大 企業に投入する技術開発補助金こそ削減すべきです。 "[he-forum 14811] 11/25しんぶん赤旗3 2009年11月25日(水)「しんぶん赤旗」 「労基法違反許されない 安全脅かす」 時間外協定7割どまり 医師含まないケースも 医師ユニオン・ 医師連盟調査  地域の拠点病院のうち、時間外労働に関する労働基準法の「36協 定」を結んだ所は7割にとどまることが22日、全国医師ユニオ ンと全国医師連盟の調査で分かりました。協定があっても医師以外の職 種を対象とする病院も多く、ユニオンなどは「労基法違反は 許されず、医療の安全を脅かす」として早急な改善を求めて います。  調査は、全国約8000の病院の中から大学病院、国公立病院、赤 十字病院など地域の拠点となる1549病院を選び、労働基準監督署 に直近1年半に結ばれた36協定を開示請求しました。開示され たのは約7割の1091病院。開示がなかった病院はこの 1年半に締結が行われなかったとみられます。  36協定なしに残業をさせることは違法ですが、協定に医師が 含まれると確認できたのは6割弱。対象は看護師などだけで医師 が除外されているものが少なくありませんでした。  1カ月の時間外労働は45時間以下の協定が過半数でしたが、 ユニオンは「ほとんどが24時間高度医療を提供する病院である現状か ら協定は全く守られていないと言える」と指摘しています。  一方で、過労死ラインといわれる月80時間以上の時間外を定めた協 定が168病院(15%)もあり、最長は200時間でし た。  ユニオンなどは「公的医療機関の多くに労基法違反があることが判明 した。勤務医の労働問題に関する行政の無作が医師抑制政策を安易に実 行させ、勤務医を疲弊させ、医療崩壊を引き起こした」とし て速やかな労働条件改善を求めています。 "[he-forum 14812] 11/25毎日新聞 2009年11月25日 毎日新聞 事業仕分け:国立大交付金を見直し 温暖化2事業廃止  政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は25日、予算の無駄を洗い 出す「事業仕分け」の後半2日目の作業に入った。全国の国立大学など90法 人に対する「国立大学法人運営費交付金」(文部科学省、10 "[he-forum 14813] 毎日11/25 毎日新聞2009年11月25日付 教育転換:政権交代の波/6 大学奨学金 ◇「返済不要」の創設急務  「娘は大学を卒業するとき、奨学金だけで800万円もの借金を抱えて社会に出るのです」  夫がリストラに遭い、パートをしながら大学1年の長女(20)と高校3年の長男(17)を育てる山口県宇部市の女性(46)は、新政権が掲げる教育支援策に強い疑問を抱く。「子どもの未来のためと言いながら、お金のかかる大学生には目が向けられていない」と。  今春、隣県の私立大の理学部に進んだ長女は、有利子で月12万円の奨学金を独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)から受けている。高校3年間も奨学金で公立校に通った。通算7年、彼女の返済総額は800万円を超える。  長男は、体育教師を目指したこともあったが、家計の厳しさから大学進学を断念。来春から寮のある県内の建築会社で働く。「夢を追わせてあげたかった」。女性は無念さをにじませる。  家計が暗転したのは7年前。大手企業に勤めていた夫が、突然のリストラ。仕事は見つかったが収入は激減し、いま、女性のパート代を含め一家の年収は300万円を切る。  昨春、志望校を落ちて浪人した長女は、カラオケ店のアルバイトで夏季講習費を稼いだ。合格はうれしかったが、授業料は年間140万円。アパートの入居費用などもあり、女性は実家に頼み込んで母親(75)から200万円を借りた。「大変やねえ」の言葉に、「ごめん、元気でおってね」としか答えられなかった。  民主党が公約の目玉に掲げた教育支援策は、大学生の子どもを持つ家庭には届かない。1人あたり月額2万6000円を支給する「子ども手当」は中学生以下、「授業料無償化」は高校生が対象。2人とも通り過ぎた。  さらに、その財源と目される「特定扶養控除」の縮小が検討されている。現行は16歳以上23歳未満の子どもがいる場合、1人あたり63万円が所得の課税対象から外される。支援が受けられないうえに扶養控除もなくなれば「泣きっ面にハチです」と、女性は嘆く。  大学などの高等教育費の貧弱さは他国と比較しても際立つ。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、06年の公的財源から高等教育への支出は、対国内総生産(GDP)比でわずか0・5%。加盟28カ国中最下位だ。逆に保護者による私費負担の割合は67・8%で、OECD平均(27・4%)を大幅に上回る。ノルウェーはわずか3%だ。  東京大大学総合教育研究センターの小林雅之教授(教育社会学)によると、ヨーロッパ、特に北欧では大学の授業料は無償で、生活費のための奨学金制度も充実しているという。文部科学省によると、08年度の全国の大学、短大、高等専門学校の中退者のうち「経済的な理由」で退学した割合は15・6%。小林教授は「返済しなくていい給付型奨学金と授業料減免の拡充策を早急に検討すべきだ」と話す。=おわり    ◇  この連載は井崎憲、井上俊樹、三木陽介、田中博子が担当しました。 ==============  ■ことば  ◇大学奨学金  民主党は公約で「希望者全員が受けられる奨学金の創設」を掲げ、給付型奨学金の検討も進める。文部科学省の来年度予算の概算要求には「大学奨学金の充実」も盛り込まれたが、額が明記されない「事項要求」にとどまり、先行きは不透明だ。 "[he-forum 14814] 《紹介》 国立大学法人10大学理学部長会議緊急提言 緊 急 提 言 事業仕分けに際し,“短期的成果主義”から脱却した判断を望む -科学技術創造立国を真に実現するために- 国立大学法人10大学理学部長会議 平成21年11月23日 (参加大学:北海道大学,東北大学,筑波大学,東京大学,東京工業大学, 名古屋大学,京都大学,大阪大学,広島大学,九州大学) 現在,行政刷新会議による「事業仕分け」が進行中です。予算の効率的な使用を 目指し,無駄を排除することは当然のことであり,かつ,議論や結論に至る過程 を公開することも望ましいことであります。ここに,関係者のご尽力に敬意を表 するものです。しかしながら,科学技術・学術研究と次世代人材育成についての 事業仕分け前半の結果を見ますと,後世に憂いを残すような判断が下されたので はないかと危惧の念をもたざるをえません。例えば,我が国の科学技術研究の基 盤設備となる「次世代スーパーコンピューティング技術の推進」事業は,世界一 を目指す必要があるのかというような,科学に従事する者には受け入れがたい理 由で「事実上の凍結」との判断が下されました。女性研究者支援事業や若手研究 者育成事業など,今後の科学技術の発展を支えるための重要な施策に対しても, 予算縮減等の判断が下されております。このような判断に至った背景には,短期 に成果が上がる研究や,産業振興に直接結び付く研究を重視する,という考え (“短期的成果主義”)があるのではないでしょうか。11月24日からは,事 業仕分けが再開され,国立大学法人運営費交付金や大学等奨学金,大学教育改革 の支援事業など,科学技術・学術研究と次世代人材育成の基盤に関わる多くの事 業が対象となる予定です。この事業仕分けの後半においても,“短期的成果主義” の観点から拙速な判断がなされることを危惧し,大きな危機感を抱いて,ここに 緊急提言を行うものです。 私達,国立大学法人10大学理学部長会議は,まず,事業仕分け前半でなされた 科学技術・学術研究や次世代人材育成に関わる事業に対する判断の再考を求めま す。事業仕分け後半においては,“短期的成果主義”から脱却し,基礎科学が有 する特徴と,基礎科学を担っている国立大学法人を含む学術機関が置かれている 現状に十分に配慮し,適切に判断されることを強く望みます。科学技術創造立国 を目指す我が国が,人類の持続的繁栄に世界の先頭に立って貢献していくという 観点からの議論を願うものです。 私達は,事業仕分け後半の議論に当たり,とりわけ科学技術・学術政策に関して 以下の三点を提言いたします。 (1)「国立大学運営費交付金」などの基盤的経費の拡充を 過去五年間にわたり,国立大学法人運営費交付金が毎年1%の割合で削減され, また,教育研究・学術分野に過度の競争原理が持ち込まれました。このため,教 職員の定員を削減せざるをえず,教育研究活動の足元が次第に掘り崩されていま す。特に,基礎的な学問である理学の分野には,極めて深刻な影響が現れていま す。現在の最先端の科学技術は,長い時間をかけた基礎科学研究の上にこそ花開 くもので,これをおろそかにすることは,近い将来の我が国の科学技術を根底か ら崩壊させるものと考えます。 大学のもう一つの使命である人材の育成を担保する質の高い教育も,教職員の定 員削減により大きく損なわれようとしています。科学技術創造立国を目指す我が 国の,次代を担う研究者や技術者の養成が危ぶまれているのです。私達は,国立 大学法人運営費交付金などの基盤的経費を回復することのみならず,更なる拡充 を強く求めます。 (2)「科学研究費補助金」の拡充を 近年,確かにごく一部の研究者に研究費の過度の集中がみられます。仕分け作業 では,その反動かもしれませんが,競争的資金に対しての誤解が見られます。い わゆる競争的資金の中でも,文部科学省と日本学術振興会が所掌する「科学研究 費補助金」(科研費)は,研究者の自由な発想による申請に対し,多くの研究者 が時間をかけ,厳正な審査に基づいて配分されており,我が国の科学技術・学術 研究の発展に,筆舌出来ないほどの多大の貢献をしてきました。我が国が誇るノ ーベル賞研究のほとんどが,この科研費のなかで生まれたものといっても過言で はありません。短時間に少数の審査員で決められた高額な競争的研究資金と,我 が国の学問研究に不可欠な役割を果たしてきた科研費などの研究費を同一視し, 削減対象とすることは決してあってはならないことです。 (3)人材育成のための安定的な経費配分を 我が国の大学や大学院の学費は世界でも突出して高額であり,一方で学生への経 済的援助は貧弱な状態で放置されてきました。欧米諸国では,奨学金は給付を意 味しますが,我が国ではそのほとんどが貸与であり,先進国の常識からは大きく 逸脱しています。欧米諸国においては,大学院教育は学生本人や研究機関の利益 のためではなく,広く社会に貢献できるような高度な能力をもつ人材の育成を目 指すものとして,公的に支援すべきものされています。私達は,「給付型」奨学 金制度の確立を要望します。 また,博士研究員(いわゆるポスドク)は,前人未到の研究課題に取り組み,将 来ノーベル賞など世界に認められるような研究となることを夢見て,日夜研究に 励む一人前の研究者であります。そして,ポスドクは,世界最先端にある我が国 の科学技術研究の現場を支える重要な基盤的要素になっています。ポスドクの雇 用は,決して博士課程修了者への生活保護でもなく,セーフティネットでもあり ません。ポスドクの活躍は,定員削減で疲弊した大学・研究機関の活力を取り戻 す鍵ともなっています。我が国の科学研究の将来を担う優秀な若手研究者の成長 を支え,夢を与える施策に安定的な予算配分がなされることを強く要望します。 <平成21年度 国立大学法人10大学理学部長会議 構成員> 北海道大学 山口 佳三 東北大学 花輪 公雄 筑波大学 宮本 雅彦 東京大学 山形 俊男 東京工業大学 岡 真 名古屋大学 國枝 秀世 京都大学 吉川 研一 大阪大学 東島 清 広島大学 出口 博則 九州大学 宮原 三郎 <付 記> 国立大学法人32大学理学部長会議は,本年10月9日に「理学の教育と研究に 対する基盤的支援の充実について(提言)-かけがえのない自然を理解し,共存 する豊かな人類社会を実現するために-」(以下のウェッブサイトに掲載)と題 する提言を行いました。また,この提言とともに,近年の基盤的経費の減少や過 度の研究費の集中の弊害などに関する資料も公開されています。今回の緊急声明 と併せて一読されるよう願うものです。 http://www.sci.titech.ac.jp/top/21_2009/2009rigaku_teigen.pdf "[he-forum 14815] 11/26しんぶん赤旗 2009年11月26日(木)「しんぶん赤旗」 事業仕分け 国立大研究費を「縮減」 人件・施設費も「見直し」  政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は25日、2010年 度予算概算要求の「廃止」「見直し」などの点検を行う「事業仕分け」 第2弾2日目の作業を行いました。  9大学の学長らが削減反対を要求している国立大学運営費交付金につ いて、民主党国会議員や民間の「仕分け人」は、一般管理費(大学職員 の人件費や施設の修繕・維持)について「見直し」、「特別教育研究経 費」(世界最先端の研究など)を「縮減」と判定しました。  旧自公政権は、国立大学交付金を毎年1%ずつ(5年間で720億 円)削減してきました。その結果、基礎研究が衰退し、地方大学、人文 系、教育系大学は深刻な事態に陥っています。民主党は先の総選挙公約 で国立大学交付金の削減方針を見直すとしていました。  縮減とされた「特別教育研究経費」は、ノーベル物理学賞受賞に結実 した東京大学宇宙線研究所のスーパーカミオカンデや高エネルギー加速 器研究機構の「Bファクトリー」など世界最先端の研究の推進にもかか わるものです。  「仕分け人」の中村桂子氏(JT生命誌研究館館長)は、「大学の先 端的取り組み支援」の予算要求が「3分の1程度縮減」と判定されたこ とに見直しを要求。しかし、「仕分け人」統括役の枝野幸男衆院議員 (民主党)に却下されました。  3時間近く立って傍聴していた大学院生(25)は、「『人件費削 減』と簡単に言いますが、切られるのは『人』です。軽々しく言ってい いんですか。人の存在は無駄ではない。特別研究員約5000人の命も かかっている」と憤りを語りました。 増額へ共同広げる  全国大学高専教職員組合(全大教)の竹中寛治書記次長の話 大学の 基盤を支える運営費交付金は、毎年1%、病院部門では2%削減され、 大学の教育・研究・医療水準の維持、運営に多大な弊害をもたらしてい ます。  大学の教職員は教育・研究・医療の現場で非常な苦労、努力を強いら れています。  運営費交付金について大学関係者の要望はハッキリしています。一刻 も早く削減をやめ、直ちに増額することの一点です。  5年間で720億円も削減された基盤的経費について、一体これ以上 何を「見直す」のか。  全大教は運営費交付金の増額めざし、すべての大学関係者との共同を 広げて政府、国会への働きかけを強めていきます。 "[he-forum 14816] 11/26しんぶん赤旗2 2009年11月26日(木)「しんぶん赤旗」 ノーベル学者ら声明 事業仕分け 科学技術立国に逆行  政府の行政刷新会議の事業仕分けで科学研究予算の廃止、大幅削減が 相次いでいることに、ノーベル賞受賞者らが25日、東京都文京区の東 京大学内で記者会見し、緊急声明を発表しました。声明は、「事業仕分 け」の結論を学術と科学技術の予算編成にあたって反映させないことを 求めています。  会見にはノーベル賞受賞者の江崎玲於奈、利根川進、野依良治、小林 誠の各氏と、数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞受賞者の森重文 氏が出席。  声明では、進行中の事業仕分けの作業が「対象諸事業の評価に大いに 問題があるばかりか、若者をわが国の学術・科学技術の世界から遠ざ け、海外流出をひきおこす深刻な結果をもたらし、『科学技術創造立 国』とは逆の方向を向いたもの」と批判。予算編成にあたってそのまま 反映させるのではなく、「大学や研究機関運営の基盤的経費や研究開発 などに配慮し、将来に禍根を残すことのないよう強く望む」と結んでい ます。この声明にはノーベル賞受賞者の益川敏英氏も賛同しています。  会見で、小林氏は「問題は科学技術全体がどうなるかだ。個別の事業 の否定的な面を取り上げて予算を減らすという結論は非常に短絡的。科 学技術で世界をリードするという政権の方向性とどう整合性があるのか 理解できない」と発言。利根川氏は、アメリカのオバマ大統領が科学技 術を重視していることに言及し、日本の事業仕分けの様子は「別世界 だ」とのべました。 "[he-forum 14817] 読売新聞11/26 読売新聞2009年11月26日付 ノーベル賞学者ら仕分けに異議  4人のノーベル賞受賞者を含む5人の科学者が25日、東京・本郷の東京大学で記者会見し、政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で科学技術予算を削減する判定が相次いでいることを厳しく批判した。  日本を代表する科学者がそろって国の政策を批判するのは極めて異例だ。  会見したのは、ノーベル賞受賞者の江崎玲於奈、利根川進、野依良治、小林誠の4氏と、数学界のノーベル賞と言われる「フィールズ賞」を受賞した森重文氏。小林さんは「科学技術で世界をリードするという鳩山政権の政策とどう整合性があるのか、全く理解できない」と指摘。利根川さんは、経済が悪い時でも科学技術に投資し、将来を見据えて人材を育成していく、とするオバマ大統領の発言を紹介し、今回の仕分けについて、「別世界のこと」と皮肉った。  5人は「着実な知の積み上げの継続が中断されると、人材が枯渇し、取り返しがつかない事態に陥る。科学技術創造立国とは逆の方向」とする緊急声明を発表した。 "[he-forum 14818] 毎日新聞11/26 毎日新聞2009年11月26日付 事業仕分け:名大学長「日本は死ぬ」…科学・学術予算削減  政府の行政刷新会議の事業仕分けで科学技術・学術関係の予算削減が相次いでいることについて、名古屋大学の浜口道成学長は25日の定例記者会見で、「明確な国家戦略もなく、効率というキーワードだけで一律にカットしている。赤字が解消しても日本は死んでしまう」と痛烈に批判した。  浜口学長は、特に若手研究者の育成や女性研究者支援に関する予算の縮減が求められたことに、「日本の資源は人材しかない。次世代の産業開発を生み出す研究者を切ろうというのは、日本が生きる唯一の道を閉ざしているとしか思えない」と述べた。「現場を知らない人たちが短期的な視点でマイナス要因だけ見て決めている」と、仕分けの手法についても疑問を投げかけた。【高橋恵子】 "[he-forum 14819] 東京新聞11/26 東京新聞2009年11月26日付 日本の英知『科学削るな』  行政刷新会議の事業仕分けで科学技術関連事業に厳しい判定が相次いだことを受け、日本を代表する学者や研究者が二十五日、「国の目指す科学技術創造立国とは逆向き」「想像を絶する事態だ」などと反論した。   ノーベル賞を受賞した江崎玲於奈、小林誠、利根川進、野依良治の各氏と、数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞した森重文氏が、東大でそろって記者会見して共同声明を発表した。  小林氏は「個々の事業のネガティブな面だけとらえて結論を出すのは非常に短絡的。『科学技術で世界をリードする』との現政権の方針と整合性がなく理解できない」と批判した。  森氏は、二十五日の仕分けで「見直し」となった国立大学法人運営費交付金の重要性を強調。「科学におけるブレークスルー(進歩)の芽と人材を育てる上で大切だ」と拡充を要望した。  利根川氏は、研究拠点の米国でオバマ政権が科学技術を重視している現状を紹介。次世代スーパーコンピューター開発にも触れ「世界一を目指さなければ二位にも、三位にも入れない」と訴えた。  野依氏も「科学技術予算を減らすのは論外。むしろ倍増しなければならない。優れた研究者も優れたインフラがなければ力を発揮できない」と険しい表情で強調した。  一方、新型万能細胞(iPS細胞)を開発した京都大の山中伸弥教授も二十五日、iPS特許に関する記者会見で「iPS細胞は十年間支援していただいて幸運にも花開いた成果の一つ。十年前にどの研究が特許につながるのか言い当てるのは不可能。もともと日本の科学研究費は欧米より少ないのに、さらに下げるのは想像を絶する」と訴えた。 "[he-forum 14820] 西日本新聞社説11/26 西日本新聞社説2009年11月26日付 科学技術振興 研究体制改革も忘れるな  初めから「世界一」になることが分かっていれば、誰も苦労はしない。目標を立て、未知なるものへ挑み続けるからこそ新しい発見があり、成果も上がる。  「世界一でないと駄目なのか」。行政刷新会議の「事業仕分け」では、この一言とともに次世代スーパーコンピューター(スパコン)開発予算が事実上「凍結」となったのをはじめ、科学技術振興関連予算が相次ぎ見直し対象になった。  開発中のスパコンは毎秒1京(1兆の1万倍)回という世界最速の計算速度を目指し、現実にはできない大規模な科学実験の模擬実験などに使う。米国では実際の核爆発を伴わない模擬実験などを通じて、保有する核兵器の信頼性や安全性を検証するためにも利用されている。  スパコンによる模擬実験は科学振興に欠かせないことから、開発凍結判定に対し、研究者や学会などが次々と反対を表明した。波紋の広がりを受け、菅直人副総理兼国家戦略相が予算維持の考えを示すなど、政府の対応も迷走している。  無駄を省き、効率的な予算執行を図る。この点に異存はない。大いに結構なことだ。だが、短い時間の中で費用対効果ばかりに目を奪われ、欧米に比べて貧弱な日本の研究体制の問題点など本質的な議論が乏しかったのは事実だろう。  スパコン論議が、科学技術振興のあり方が語られないまま進む予算削減の象徴と受け止められているのだ。  「科学技術立国」を掲げる日本だが、実情は実にお寒い状況である。  所管省庁の縦割りによる単年度が基本の予算支給のため、複数年度での運用や、研究者の裁量による人件費、施設整備費などへの使用が極めて難しい。  科学技術の研究は分野が多岐にわたるため、学際的なチームによる研究が不可欠だが、大学を含めた各研究機関の連携も十分とは言い難い。研究に対する事前事後の評価システムもないに等しい。  皮膚細胞などから心臓などの臓器や組織の再生が可能な新型万能細胞(iPS細胞)を世界に先駆けて開発した京都大の山中伸弥教授の場合、その後の研究では人的にも資金的にも層の厚い欧米勢に後れを取っている、との指摘もある。  こうした研究体制の見直しは急務である。研究者が自主的に施設整備などにも自由に使える研究者優先の支援制度として、前政権時代に創設された「先端研究助成基金」は、その一環だった。  結果的には政権交代のあおりを受け、2009年度補正予算見直しで、予算額が大幅に縮小されたが、趣旨そのものは最大限生かされるべきであろう。  これは一例だ。鳩山内閣には鳩山由紀夫首相や菅副総理など閣僚に理系出身者が並ぶ。日本の科学技術振興はどうあるべきか。その戦略が見えないままでは心もとない。科学技術政策全体の構築が必要であり、日進月歩の科学技術に挑む研究体制の改革も忘れてはならない。 "[he-forum 14821] 山形新聞11/27 山形新聞2009年11月27日付 事業仕分け判定だけで予算編成しないで 県議会が国に意見書提出へ  県議会は26日の臨時会本会議で、国の2010年度予算編成に際し、地方の意見を踏まえ、行政刷新会議が進めている事業仕分けの結果による「一方的な判断」に基づき事業廃止や予算見直しを行わないよう求める意見書の提出を決めた。  意見書は議会運営委員会の発議。事業仕分けの結果を踏まえ、道路整備事業の見直しや農道整備事業の廃止で、地方で生活する国民生活に重大な影響が及ぶと強調。山形大で取り組む先端有機エレクトロニクス研究拠点形成が廃止と判定された例などを挙げ、地方の実情に対する理解が十分に得られていないと指摘している。  地方交付税の抜本的な見直しに関し「三位一体改革による交付税の大幅削減と景気後退による地方税減収で、地方自治体は厳しい財政運営を強いられている」として、復元・強化を基本に見直すよう要望する。  県議会は同日、このほか意見書2件の提出を決めた。事業仕分けに関連し、予算削減と判定された地上デジタル放送の受信対策の推進を求める意見書、さらに日本海沿岸東北自動車道と東北中央自動車道など地方にとって重要な路線の整備促進を求める意見書を提出する。  意見書はいずれも衆参両院議長、内閣総理大臣と関係大臣に送付する。 "[he-forum 14822] 時事通信11/26 時事通信2009年11月26日22時9分 大学予算の拡充を=国大協が緊急アピール  社団法人国立大学協会(会長・浜田純一東京大学長)は26日、政府に大学向け予算の拡充を要望する緊急アピールを発表した。行政刷新会議の事業仕分けで科学技術予算が削減を求められたことなどを受け、「大学予算の縮減は国の知的基盤、発展の礎を崩壊させる」と訴えた。  アピールは「資源小国であるわが国にとって、国力の基盤は『知』と『技』にある」と強調。「大学に対する公的投資の拡充に向け、政治のリーダーシップを強く発揮されるよう切に望む」と求めた。 "[he-forum 14823] 長崎新聞11/27 長崎新聞2009年11月27日付 長崎大のグローバルCOE予算縮減 事業仕分け、見直し求める声も  行政刷新会議が25日行った事業仕分けで、世界をリードする研究拠点を構築するグローバルCOEプログラムの予算が3分の1程度の縮減と判定されたことを受け、二つの同プログラムに取り組む長崎大には不安が広がり、縮減の見直しを求める声が上がった。  同大では「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」(2007~11年度)「熱帯病・新興感染症の地球規模統合制御戦略」(08~12年度)という二つの研究がグローバルCOEプログラムに採択され、研究費用が配分されている。  片峰茂学長は26日、「熱帯病・新興感染症の地球規模統合制御戦略」の一環として同大で開いた国際シンポジウムであいさつ。事業仕分けで予算縮減と判定されたことを紹介し、「国際貢献は重要だが予算カットの対象になっている。困難な中で成果をアピールしていくことが必要」と述べた。  その後の取材に対し片峰学長は「個別の事業について最終的な予算配分がどうなるか分からない」と不安をのぞかせた。また別の対象項目の仕分けでも同大がケニアやベトナムに置く感染症研究拠点の運営に関する予算が縮減と判定されたとして、「大学として支え続けなければならないが限界もある。一度拠点を閉鎖したら再開するのは困難」と述べた。 "[he-forum 14824] 北海道新聞11/27 北海道新聞2009年11月27日付 函館など12市長、助成継続へ声明 産学官連携事業  政府の事業仕分けで、文部科学省の「地域科学技術振興・産学官連携事業」が廃止とされたことを受け、対象地域の札幌、函館、帯広の各市長と道外9市長は26日、予算確保を求める共同声明を発表した。  声明では、同連携事業は地域の特色を生かした産業振興を図るために不可欠な事業であるとし、「一方的に廃止するとした評価は、長年にわたる地方の努力を無にする行為」と行政刷新会議の姿勢を批判した。  道内市を代表して記者会見した函館市の西尾正範市長は「廃止は地方の発展を大きくそぐ」と訴えた。  同連携事業は、新産業の創出を目指して、地域の産学官が連携する研究開発に助成する。札幌では農水産物を使った医薬品材料の開発、函館は水産資源増殖と抽出物質による製品開発、帯広では農畜産品の食品開発などに取り組む。来年度以降の助成総額は約32億円となる見通しだった。 "[he-forum 14825] 河北新報11/27 河北新報2009年11月27日付 地域科学事業の廃止判定に抗議 鶴岡市など共同声明  仙台、鶴岡、北海道の函館など12市の市長は26日、行政刷新会議が13日の事業仕分けで地域科学技術振興・産学官連携事業を「廃止」と判定したことについて「長年の地方の努力を無にする行為だ」と批判する緊急共同声明を発表した。  声明は「短時間で十分な説明を聞かず一方的に廃止とした」と刷新会議の対応を非難。同事業を「国の高い技術力を維持し、地域の振興発展を図るため不可欠な取り組みだ」として、予算を確保するよう求めている。  同事業は、地域の大学や研究機関による革新的技術の開発や、地域産業創出のための研究開発を支援する。  同事業廃止をめぐっては、富山、福岡など7道府県の知事も予算の確保を求める緊急共同声明を発表している。 "[he-forum 14826] 日本海新聞11/27 日本海新聞2009年11月27日付 11億円再申請 鳥大バイオ拠点施設整備費大幅減額  鳥取大学米子キャンパス(鳥取県米子市)に計画しているバイオ産業の研究拠点施設をめぐり、国の補正予算の見直しで整備費に充てる補助金が大幅に減額となる問題を受け、平井伸治知事は26日の県議会本会議で、当初予定していたハコモノを含む約25億円規模の補助金を断念し、半額以下となる約11億円の補助金を国の機関に再申請したことを明らかにした。  県や知事答弁によると、新施設の建設が困難となり、計画を縮小。キャンパス内の既存施設を活用し、補助金を機器整備や改修費に充てる。不足分は国の交付金を活用するという。  県や鳥取大は、鉄筋6階建て延べ床面積約2500平方メートルの研究施設を計画し、文科省の「地域産学官共同研究拠点整備事業」による補助金で建設する予定だった。  しかし、国は同事業費695億円のうち432億円を削減する方針を提示。平井知事は本会議で、計画を見直して今月20日に再申請したと説明したが、「(補助金に)30地域が集まっており、競争的な資金になっている。いまは審査を見守る状況」とした。  県によると、遺伝子を分析する機器やマウスの飼育設備などに補助金を充てるといい、平井知事は「県内のバイオ産業の突破口を開き、雇用を生み出す。情熱を傾けて実現する必要がある」と話した。  上村忠史議員(県議会自民党)の代表質問に答えた。 "[he-forum 14827] 山梨日日新聞11/27 山梨日日新聞2009年11月27日付 山梨大病院院内助産室を開設 産科医の負担軽減へ  山梨大付属病院は26日、助産師が主体となって正常分娩(ぶんべん)や産後ケアに当たる「院内助産室」を開設した。国立大で院内助産を導入するのは全国初といい、妊婦と家族のお産に対する満足度や助産師の能力の向上、産科医の負担軽減につなげる。  対象は、本人が希望し、産科医が出産に伴うリスクが低いと判断したケース。助産外来と併せ、健診時から慣れ親しんだ助産師が介助から産前産後のケアまで行い、妊婦の多様なニーズに応える。  同室には、分娩台や超音波診断装置などの設備のほか、間接照明も設け、リラックスできる雰囲気にした。お産の際の緊急事態には、院内に待機する産科医が対応するため、「安全水準は下がらない」(同病院)という。  同室でのお産は早ければ来月にも始まる見通しだが、本格的な分娩開始は来年7月以降。当面はベテランの助産師8人の態勢で対応するといい、将来的には200件ほどの分娩を取り扱いたい考えだ。26日には開設式が行われ、妊婦、赤ちゃん、家族、助産師の「四つの心」との意味を込めて名付けた「よつ葉ルーム」の看板を島田真路院長らが設置した。 "[he-forum 14828] 読売新聞11/26 読売新聞2009年11月26日付 岡山大に救急医養成講座 岡山市が補正予算案に盛り込む  岡山市は25日、地域医療の向上に向けた「岡山ER」設置構想で、ER(救急治療室)で活動する救急医を養成する講座を新年度から岡山大に開くための寄付などを盛り込んだ計77億3900万円の一般会計補正予算案を発表した。27日開会の11月議会に提案する。  市は岡山大と協力して、ERを備えた岡山総合医療センター(仮称)を運営する構想で、2010年度から救急医の養成などを行う講座を同大学に開講する。10~13年度に計1億3600万円を限度額とする寄付を行うための債務負担行為を設定する。  ほかに、国の緊急雇用創出事業交付金を活用し、区役所の窓口業務など14業務に臨時、嘱託職員計43人を雇用する事業費(1710万円)、新型インフルエンザへの対応を含めた予防接種対策費(4億1800万円)などを計上する。  11億4200万円の特別会計補正予算案も提案する。特別会計と合わせ約23億2900万円の一般財源が必要となり、市は08年度決算の繰越金8億3300万円と、財政調整基金14億9600円を取り崩して対応する。 "[he-forum 14829] 読売新聞茨城11/27 読売新聞茨城版2009年11月27日付 仕分けで交付金減額 筑波大学長 抗議声明    政府の行政刷新会議が進めている「事業仕分け」で、国立大学の運営費交付金が「見直し」、特別研究経費は「縮減」と結論づけられたことについて、筑波大学の山田信博学長は26日、教育研究活動に大きなダメージを与えるとし、減額に反対する抗議声明を発表した。  声明では、既に科学研究費などの競争的研究資金が削減されている中、運営交付金まで大幅に減額された場合、「国際的にも高い評価を得ている本学の教育研究活動の量と質の低下に直結する」と結論を批判。「高等教育は未来への投資であり、短期的な成果や費用対効果のみで判断すべきでない」として、縮減の回避を強く求めている。  筑波大によると、同大学の収入の約6割が運営交付金で、今年度は419億円。ただ、近年は国立大学全体で、毎年1%程度の減額が続いている。 "[he-forum 14830] 秋田魁新報11/26 秋田魁新報2009年11月26日付 横手に「教育特使」派遣へ 秋田大、教員の指導力向上狙う  秋田大(吉村昇学長)は25日、同大教育文化学部の教員を「横手分校教育特使」として横手市に派遣、小・中・高校の教員研修などを行うと発表した。教育研究の成果を生かして教員の指導力向上を図るのが目的。同大は今年8月、社会貢献の一環として横手分校を設置した。  同大によると、派遣されるのは5人程度。近日中に任命する。本格始動は来年度からだが、本年度中も学校からの要望に応じて試験的に派遣する。来年度からは、市教育委員会や学校と協議しながら、継続的に教員研修などを実施する。  教育特使に任命が決まっている教育文化学部の浦野弘教授は「これまでは学校や地域の教育委員会の要望に応じて教員が校内研修に派遣されることが多かったが、校内研修をどう行うべきかなどの課題に対し、知見に基づいて積極的に提案していきたい」と抱負を語った。 "[he-forum 14831] 秋田魁新報11/26(2) 秋田魁新報2009年11月26日付 秋田大、就職難受け高卒者採用へ 臨職で3人  県内高校生の就職が厳しさを増していることを受け、秋田大(吉村昇学長)は25日、来春に県内高校を卒業予定の3人を臨時職員として採用することを明らかにした。年内にハローワークを通じて募集する。  1年更新で最長3年まで雇用する。仕事は事務補助で勤務時間は6時間。給与は検討中だが、月給10万円程度を想定しているという。  1人20分程度の面接試験を実施予定。同大が高卒者を採用するのは2003年4月以来。 "[he-forum 14832] 朝日新聞11/27 朝日新聞2009年11月27日付 松川事件 福大と記念会、平行線  ●松川事件の資料室、スタッフ配置案/非常勤か正規教員か  東北線で列車が脱線転覆、3人が死亡した松川事件の資料を収集、展示している福島大学の「松川資料室」をめぐり、同大は来年度、非常勤のスタッフを配置する方針であることが分かった。現在、研究員を務める同大名誉教授とは来年3月で契約が切れる。同大とともに資料室を運営する県松川運動記念会は「正規の身分保障がなければ事件の研究は継承できない」と反発している。(北川慧一)  同大は1988年10月、校舎の一室に資料室を設け、裁判資料や元被告らの手紙などを収集してきた。同記念会とは2007年4月に資料の整理や公開に関する協定を結んだ。資料室の管理は、研究員を務める同大名誉教授の伊部正之氏(67)=労働経済学=が長年、携わってきた。  同記念会の関係者らによると、25日に開かれた資料室の運営委員会で、大学側からスタッフの配置案が示された。それによると、資料室を管理する伊部氏の後継者として、「研究補助員」1人を選任する。今後3年間で資料整理の手法を習得したり、松川事件に関する研究をしたりする、としている。  資料室を管轄する同大地域創造支援センターの伊藤宏之センター長は「正規の研究員を採用することは難しい」としており、人件費予算も決まっていないという。研究補助員を指導する伊部氏の人件費については、同記念会が負担するよう求めている。  一方、同記念会は約10万点に上る資料を収集、多数の論文を発表してきた伊部氏の研究を引き継ぎ、発展できる人材を配置するよう要請した。この日の委員会では、契約形態や待遇面を含め、どんなスタッフを配置するかの結論は出なかったという。  同記念会の大学一・理事長(75)は「何が事件を引き起こしたのかその全体像はまだ明らかではない。二度と同様の事件を起こさないようさらなる究明が必要で、新たな研究員には正規の教員としての身分保障が不可欠だ」と話している。 "[he-forum 14833] 朝日新聞関西11/27 朝日新聞関西版2009年11月27日付 大阪府立大、改革案をまとめる 理系中心に転換  大阪府立大学(堺市中区)は26日、現行の7学部を4学域に再編し、総合大学から理系中心に転換する改革案を固めた。津戸正広・経済学部長が「教育内容の議論が不十分」とする反対声明を報道陣に配るなど学内の異論は収まっていないが、府は12月に新体制の方針を決め、2011年4月のスタートを目指す。  改革案によると、現行の工、生命環境、理、経済、人間社会、看護、総合リハビリテーションの7学部を、現代システム科学、工学、生命環境科学、地域保健学の4学域に再編。教員は「数学教育センター」「外国語教育センター」など科目ごとのセンターに所属し、各学域の学生に教える。社会人向けの「生涯教育センター」などは、学部が廃止される文系教員の一部の受け皿になる。  奥野武俊学長はこの日、報道陣に「もっと時間がほしかった。苦渋の決断」と話した。橋下徹知事は今年2月の記者会見で「100億円超の府費を投じるのは疑問」と発言し、今月中の改革案作成を大学に求めていた。 "[he-forum 14834] 朝日新聞社説11/27 朝日新聞社説2009年11月27日付 科学技術予算―国の基盤、ゆえに精査を  科学技術の予算が、いつになく世間の目を集めている。  行政刷新会議の「事業仕分け」によって、関係予算が軒並み減らされたり廃止されたりし、科学界から一斉に悲鳴や反発の声が上がったからだ。ノーベル賞受賞者たちがずらりと並んで声明を発表する異例の一幕もあった。  この分野の予算は、日本の将来にとって重要との位置づけから、緊縮財政の下でも例外的に伸びてきた。  ところが一転、厳しい財政状況を反映して来年度予算では27年ぶりにマイナスに転じることが確実なうえ、「聖域」なしの削減もつきつけられた。  科学界が危機感を抱く背景には、欧米やアジア諸国が予算を増やして科学技術の競争力を高めようとしていることや、基礎研究や人材育成の場である大学がすでに、予算の削減でその力が弱ってきていることがある。  予算をいかに効果的に使って、日本の力を伸ばしていくか、改めて知恵を絞るべきときだ。  今回の仕分けは、あまりに一方的との批判も強いが、意味もあった。一つは、予算を求める側には本来、その必要性をきちんと説明する責任があると示したことだ。  また、いったん始まったらまず見直されることのなかった既存の計画にも大胆に切り込んだこともある。  たとえば、宇宙開発委員会で経済性や将来性に厳しい指摘が出たのに、自民党の一部議員の主張で続いていたGXロケットを「見送り」とした。  国立大学の法人化の是非が問われ、各省ばらばらの研究費の配分態勢にも注文がついた。もっともな指摘だ。  一方で、感染症研究の国際ネットワークや、ウイルスなどの実験材料のバンクなど、地味だが継続が大切な分野への目配りを欠いた仕分けもある。  今後の本格的な予算案づくりは、仕分け作業での指摘も生かしつつ、何より長期的な視点で進める必要がある。  日本の強みを生かし、人々に恩恵をもたらす科学技術を発展させるには、どこに力を入れるのか、どう人材を育てていくのか。鳩山内閣は専門家の意見をしっかり聞き、さすが理系政権といわれるような構想を練ってほしい。  大型の計画では不断の検証も欠かせない。今回、次世代スーパーコンピューターは「見直し」とされた。スパコンが重要なことは間違いないが、一部の参加企業が撤退したのに当初の計画のままでよいのか、などが問われた。  82年から約10年続いた第五世代コンピューター計画の失敗について内閣府の研究所が検証結果をまとめたのは、なんと昨年のことだ。計画の遂行には常に柔軟な見直しが欠かせない。  必要なところに必要な資金を投じる。国民が納得できる、そんな科学技術支援策を探りたい。 "[he-forum 14835] 共同通信11/26 共同通信2009年11月26日21時50分 野依氏ら科学予算で要望 「しっかり支援」と首相  行政刷新会議の事業仕分けで科学技術予算に厳しい判定が相次いでいることをめぐり、野依良治理化学研究所理事長ら6人のノーベル賞受賞者が26日午後、官邸で鳩山由紀夫首相と会談し、配慮を求める要請文を手渡した。首相は「科学技術はしっかり支援する」と応じた。  要請文は「資源の乏しいわが国にとって科学技術の脆弱化は国家の衰退を意味する」などと指摘。仕分け作業後の刷新会議や来年度予算編成を念頭に「未来への投資である科学技術への格別の配慮」を求めた。  会談で野依氏は「科学技術は厳しい国際競争に勝たなくてはいけない」と強調。小柴昌俊平成基礎科学財団理事長は「科学研究は世界一でなければ意味がない。1番と2番では百倍以上、価値が違う」と訴えた。  首相は終了後、記者団に「科学技術は資源のない国の重要な知的財産だ。受賞者の意見を参考に方向を考えたい」と述べた。 "[he-forum 14836] 毎日新聞奈良11/29 毎日新聞奈良版2009年11月29日付 事業仕分け:国立大運営費削減に反対 奈良女子大など声明  政府の行政刷新会議による事業仕分けで、国立大学への運営費交付金が「見直し」などと判定されたことについて、県内の国立3大学の学長が28日、奈良女子大で共同記者会見した。学長らは「高等教育政策の基本方針の確立と大学予算の充実を」と訴える共同声明を発表し、事業仕分けの判定の見直しを求めた。  会見したのは、奈良女子大(奈良市)▽奈良教育大(同市)▽奈良先端科学技術大学院大学(生駒市)の学長3人。事業仕分けでは、科学技術・学術関係予算や国立大学運営費交付金などが、相次いで「見直し」や「削減」などと判定された。3大学では総収入のうち運営費交付金が60~70%を占めており、奈良女子大の野口誠之学長は「交付金1%の削減は教授3人の削減にあたる。研究分野が一つ削減されることになる」と危機感をあらわにした。  奈良教育大の長友恒人学長は「予算削減ありき。高等教育はすぐに成果が出るものではない。国家百年の計がなければ国が疲弊していく」と指摘した。奈良先端科学技術大学院大学の磯貝彰学長は、「自民党政権は科学技術立国を唱え、他の予算を削っても、科学技術への投資は増やしてきた。(民主党政権は)国の方針がないのに、個別に事業を見て仕分けされるのは少し違うのではないか」と批判した。【泉谷由梨子】 "[he-forum 14837] 毎日新聞佐賀11/28 毎日新聞佐賀版2009年11月28日付 事業仕分け:国立大学法人経費見直し 佐大学長、再考求める  ◇「教育、研究にしわ寄せ」  行政刷新会議が進めている「事業仕分け」で、国立大学法人の経費に充てられる運営費交付金が「見直し」とされたことについて、佐賀大の佛淵孝夫学長は26日、定例会見で「教育や研究へのしわ寄せが必ず起こる。これ以上減らさないでほしい」と、再考を強く求める考えを示した。  運営費交付金は、国立大の人件費や研究費などを賄うために使われているが、25日の仕分け作業で「交付金のあり方や位置付けを見直す」とされた。佐賀大では、同交付金が08年度収益の36・8%を占めている。  佛淵学長は「我々も努力しないといけないが、地方大学の財政は特に厳しい」と現状に触れたうえで、仕分け作業について「大学はすぐに出る成果を求めているわけではない。現場のことも理解してほしい」と苦言を呈した。【姜弘修】 "[he-forum 14838] 京都新聞11/30 京都新聞2009年11月30日付 プラカード掲げ学費ゼロをアピール 学生ら京都市役所前などで行動  大学や高校の「学費ゼロ」の実現を訴える宣伝行動が29日、京都市中京区の市役所前などであった。  京滋地区私立大学教職員組合連合や京都府学生自治会連合などでつくる実行委員会の主催。新政権が公立高校の実質無償化を掲げている状況を追い風に、学費ゼロで高等教育を受けられる社会の実現を目指して実施した。  京都や大阪の大学生や高校生、教職員ら約200人が参加。学生らが次々とアピールに立ち、「学費が高いので週6回もアルバイトをして体を壊した学生がいる」「非正規社員で就職して月収が17万円しかないのに、奨学金を月2万円返している」などと声を上げた後、プラカードや横断幕を掲げて市内をパレードした。 "[he-forum 14839] 中日新聞石川11/30 中日新聞石川版2009年11月30日付 金大 3カ年『里山里海』活動 三井物産基金支援 珠洲を中心に  金沢大は二十九日、三井物産環境基金の支援を受け、二〇〇九年十月~一二年九月までの三カ年計画で、大学と地域の連携プロジェクト「能登半島における持続可能な地域発展を目指す里山里海アクティビティの創出」(里山里海アクティビティ)をすると発表した。  プロジェクト代表の中村浩二金沢大教授が珠洲商工会議所会館で会見。同大の活動拠点がある珠洲市を中心に活動エリアを選定。在駐の「協働ディレクター」一人と「地域コーディネーター」二人を配置し、里山里海資源を活用したアグリビジネス、ツーリズムなどを創出したり、三年間で大都市圏の大学や企業、行政から延べ千人の若者・学生を能登に呼び寄せ、調査研究や里山里海保全活動を展開したりする計画。県や奥能登各自治体も支援する。  二十九日に同会館で始まった「第一回能登総合シンポジウム」では、連携プロジェクト最初の事業として、シンポジウムや中村教授をコーディネーターとしたパネルディスカッションがあった。  パネリストからは、農林水産業に関する年表をつくると役立つ▽里山だけでなく里海の環境調査も実施してほしい▽研究者の調査結果を地元住民が知るシステムをつくってほしい-などの要望・提言があった。  総合シンポジウムは十二月一日まである。 (近江士郎) "[he-forum 14840] 毎日新聞11/28 毎日新聞2009年11月28日付 事業仕分け:東海・北陸の12国立大「危惧の念抱く」  27日に終了した「事業仕分け」で教育・学術関連費が次々と削られているのを受け、東海・北陸の国立12大学の学長が27日、「大きな危惧(きぐ)の念を抱く」とする共同声明を発表した。  声明を出したのは富山、金沢、福井、岐阜、静岡、浜松医科、名古屋、愛知教育、名古屋工業、豊橋技術科学、三重の各大学と北陸先端科学技術大学院大学。業務の効率化や経費節減など改革努力を引き続き実行するとしたうえで「日本の進むべき方向と将来像を明確に、教育研究・学術予算を吟味することを強くお願いする」としている。【高橋恵子】 "[he-forum 14841] 毎日新聞高知11/28 毎日新聞高知版2009年11月28日付 高知女子大:「県立大」に名称変更 共学化実施で、11年度から  2011年度から男女共学になる県立高知女子大(山根洋右学長)は27日、共学化に合わせて大学の名称を「高知県立大」に変更することを明らかにした。加えて、遅くとも12年4月には公立大学法人化するとの意向を表明した。  女子大は今年6月に共学化を表明し「名実ともに一致すべき」との考えから名称変更を検討。学部長ら8人の運営会議が教授会や学生、同窓会の意見を聞き、今月26日の評議会で高知県立大に決定。他の検討対象はなく、異論も出なかったといい、山根学長は「シンプルだが、大学のポジションが分かり広く理解をいただけると思う」と述べた。  法人化を巡っては、県が設立団体となる見込みで、法人が運営するため、従来の県予算や条例に従った大学運営とは違い、県からの交付金などを大学の裁量で自由に使えるメリットを強調。一方、今春に私立大から公立大学法人化した高知工科大と同じ法人の傘下に入る可能性について、山根学長は「念頭に入っていない。自由度が増したユニークな大学づくりを進めるためにも、まずは自分たちの足で法人化を進めたい」と期待を込めた。  県が進める県立大学改革の一環で、女子大は来年4月に生活科学部を再編し、健康栄養学部を新設。社会科学系の新学部の設置も検討されている。【服部陽】 "[he-forum 14842] 朝日新聞11/30 朝日新聞2009年11月30日付 国立大の窮状アピール 学長ら「予算削減、教育に影響」  封筒はリサイクル、学長も自分で運転して移動――。「事業仕分け」で大学予算が議論されたことを受け、国立大学協会が26日、予算の充実と大学界との対話を求める緊急アピールを発表した。8大学の総長・学長が「これ以上の削減は教育や研究に影響が出る」と訴えた。  記者会見では、まず東京大の浜田純一総長が「これ以上、予算を削られると、日本の国力と若者の将来にかかわる」と語った。そして、各大学の学長らが次々、窮状を訴えた。  大阪大の鷲田清一総長は「国立大は2004年の法人化の時に事業仕分けをしたようなものだ」と話し、「かつて、運転手は学部数より多かったが、最後の1人が来年3月に退職する。カラーコピーはモデルだけで、ほかは配るのは白黒、封筒は裏返してリサイクル」と経費削減の努力を紹介した。  また、九州工業大の下村輝夫学長が「職員に事故を心配されるが、自分で運転して三つのキャンパスを行き来している。学長自らが運転する時代なんです」と言うと、東京芸術大の宮田亮平学長は「私の場合、移動はオープンカーの自転車です」と応じた。  国立大学法人の経営基盤である運営費交付金は政府の「骨太の方針2006」に基づいて毎年1%ずつ削減されてきた。仕分けで、交付金は「大学教育・研究の重要性は異論なし」とされたが、「法人化の是非も含めてあり方を見直す」との結論に。アピールは「大学予算の縮減は国の知的基盤、発展の礎を崩壊させる」とし、民主党が政策集に載せた「交付金の削減方針を見直す」という姿勢を貫くよう求めた。 "[he-forum 14843] 四国新聞12/1 四国新聞2009年12月1日付 予算確保・拡充求め共同声明/四国の国立5大学長  行政刷新会議の事業仕分けで、科学技術予算の削減や国立大運営費交付金の見直しなどの判定が出たことを受け、香川大など四国内の国立5大学の学長は30日、予算の確保・拡充を求める共同声明を発表した。近く関係府省などへ提出する。  同日、四国中央市で開いた四国国立大学協議会で採択した。声明は香川大、徳島大、鳴門教育大、愛媛大、高知大の各大学長の連名。  声明では、事業仕分けの判定について「教育研究水準の低下、教育研究基盤の崩壊をもたらす」と批判。その上で、▽運営費交付金の削減方針撤廃▽科学研究費補助金など競争的資金の拡充▽地域科学技術振興・産学官連携関係事業の経費継続―を要望している。 "[he-forum 14844] 読売新聞茨城12/1 読売新聞茨城版2009年12月1日付 茨城大学長が抗議声明 国立大交付金「見直し」  政府の行政刷新会議が進めている「事業仕分け」で、国立大学の運営費交付金が「見直し」、特別教育研究経費は「縮減」と結論づけられたことについて、茨城大学の池田幸雄学長は30日、教育研究活動の質や量を低迷させ地域振興などへの影響も免れないとし、減額に反対する抗議声明を発表した。  声明では、過去5年間に約3億5000万円の運営費交付金がすでに削減されており、「収入財源の約50%を占める運営費交付金が減額されれば、教育研究活動の足元が崩壊しかねない」と訴えている。  廃止と判定された産学官連携事業についても、2人のコーディネーターを採用し、民間企業らと地域振興や経済活性化の推進に取り組んでいることから、「自由な発想や可能性の芽を摘んでしまう。地域振興が不十分になる」と批判し、関連予算の確保を求めた。 "[he-forum 14845] 徳島新聞12/2 徳島新聞2009年12月2日付 鳴教大、残業代不払い 特別支援学校教員に  鳴門教育大学が、付属特別支援学校(徳島市上吉野町2)の教員に残業手当を十分に支払っていないとして、徳島労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが1日、分かった。労基署は25日までに各教員の残業時間と残業手当の総額をまとめて提出するよう求めている。大学は「実態を調査した上で不払い分を支給する」としている。  鳴教大経営企画本部によると、11月6日に労働基準法違反の疑いで労基署の査察を受け、27日に学長あての勧告書を受け取った。内容は▽2007年12月から09年11月末までの2年間の残業の実態を調べて教員に不払い分を支給する▽勤務中の教員が十分休憩が取れるようにする-の2点。  付属特別支援学校は小、中、高等部に児童生徒が計60人在籍し、教員は30人。勤務時間は午前8時半から午後5時15分。通常、45分間の休憩を取らなければいけないが、各教員は昼食時間も児童生徒の給食指導などに追われ、十分休憩が取れていないという。  鳴教大は法人化した04年4月から教員との間で残業時間を1日3時間、年間で360時間にとどめる労使協定を結んでいる。08年9月に労基署から付属の幼稚園、小、中学校、特別支援学校の教員の勤務実態を十分把握するよう指導を受けていた。  特別支援学校では、教員がいったん帰宅した後に児童生徒の家を訪問するケースが多く、超過部分の大半がサービス残業として扱われていた。  鳴教大経営企画本部によると不払い分の支給を受ける教員は管理職を除く25人程度の見通し。企画本部の木下篤課長は「申請があった残業は支払っている。あらためて勤務実態を調べ、改善したい」と話している。  旧国立大学は04年の法人化後、労働基準法の適用対象となった。全国各地で教職員への残業不払いが発生し、同様の是正勧告を受ける例が相次いでいる。鳴教大の不払い発覚は初めて。  鳴教大職員労働環境協議会委員長の村田守教授は「労働の対価である残業代の不払いは許されない。職員が泣き寝入りしないよう、大学は職員全体の就労時間の把握に努め、きっちり支払ってほしい」と話している。 "[he-forum 14846] 京都新聞12/1 京都新聞2009年12月1日付 京都大から、知のメッセージ 前総長の尾池さん、式辞まとめ出版  前京都大総長の尾池和夫さん(69)の総長時代の式辞などをまとめた「変動帯の文化-国立大学法人化の前後に」が出版された。組織のリーダーとして、地震学者として、さまざまなエピソードから「現場へ自分で行き、現象を自分で見る」ことの大切さを語りかけている。  尾池さんは、2003年12月から08年9月まで京大総長を務めた。著作には、国立大法人化(04年4月)など激動期の入学式や卒業式、シンポジウムなどでの36の式辞とあいさつを掲載した。  ■高等教育へ国費充実を-  07年3月の卒業式では、法人化による授業料の値上げの問題を指摘、値上げ反対の立場から「少子化にいちばん深く関係しているのが、授業料を含む教育費の負担。先進国で日本は目立って高等教育への国費の支出が少なく、国費の負担をもっともっと充実しなければならない」と訴え、「日本を人の体に例えると、大学は『脳』。脳への栄養補給を減らせば、20年後には日本の知能はだめになる」と、「事業仕分け」への学術界からの批判につながる持論を展開している。  ■現場での事実確認大切-  宇宙や自然災害、チンパンジーなど京大の研究も紹介し、「研究者にとって、現場を踏んで事実を観察し、そこから得た成果を人類のために生かすことが基本」と語る。自身が開発に携わったビール「ホワイトナイル」の話題など、多才な活躍ぶりも伝わる。  尾池さんは「この本は『京大』からのメッセージ。研究者、総長として、知の蓄積の一部を伝えた。本を通じて多くの人に『京大』を知ってもらいたい」と話している。京都大学学術出版会刊。税込み2310円。 "[he-forum 14847] 朝日新聞11/29 朝日新聞2009年11月29日付 国立大運営費交付金・奨学金、予算減を回避  行政刷新会議の事業仕分けでは「廃止」「予算削減」という判断が続いたが、第2弾で25日に議論された国立大学の運営費交付金、義務教育費国庫負担金といった項目については理解を示す発言が相次ぎ、予算を減らすという判断は回避された。民主党はマニフェストで教員の人数や教育予算の拡充をうたっており、こうした教育行政の根幹の部分については守っていこうという姿勢が見てとれる。 ■念頭にマニフェスト  義務教育費国庫負担金の制度は、公立小中学校の教職員の給与の3分の1を国が負担するというものだ。文科省は、教職員を来年度5500人増やすとして約1兆6千億円を要求している。  「民主党マニフェストは『教員を増やす』となっている。総理指示も出ている」。この問題の事業仕分けの冒頭、枝野幸男衆院議員が議論の前提を設定した。予算削減が主な目的である事業仕分けでは異例の発言だ。民間仕分け人で、元東京都杉並区立和田中学校長の藤原和博氏は現場の窮状を語った。「文科省、県教委、市町村教委の3層が現場に文書を流してくる。それを減らさないと事務負担が減らず、先生は忙しいままだ」  国の負担割合はもともと2分の1だった。それが06年度に小泉政権が三位一体改革の一環として3分の1に引き下げた経緯がある。教育関係者には今も批判が根強く、枝野氏はこう促した。「国の100%負担にしたらどうか」。事業仕分けでは、これも異例の「予算増提案」だ。厳しい口調で切り込むことが多い参院議員の蓮舫氏も、珍しく静かに議論を見守った。  そんな中で出た結論は「見直し」。ただし、その対象はあくまで「教員の調査・報告義務の削減、国と地方のあり方の抜本的整理」。予算削減には触れなかった。 ■「あり方」議論に  教育研究の基盤として、学生数などに応じて配分されるのが国立大学の運営費交付金だ。法人化後は資金獲得の競争が強まっており、地方大学や小規模大学には、比較的安定して支給されるこの交付金をよりどころにするところが多い。  しかし、それも政府の「骨太の方針」に基づいて毎年約1%ずつ削減されてきた。この5年間で720億円減り、小さな大学なら20校余りの配分額に相当するという。  枝野氏が「お金にならない研究がどんどん駄目になる。どう考えるのか」と尋ねると、文科省幹部は「もう限界」。一方の財務省側が「競争的環境の中で優秀な研究者が資金を得る部分については伸ばしている」と述べると、枝野氏は「科学技術ほどの大きなお金を芸術、文学、哲学に出しているの?」。文科省に対しても「守りの姿勢だけで問題を解決できると思っているんですか」と語気を強めた。  論点は、法人化の是非にも及ぶ。「学長の裁量度が高まった」と評価する声の一方で、「民間人を登用してさらに効率化を」「大学教育がどうあるべきかもっと検証すべきだ」といった意見も出た。  仕分けの結論は「大学教育・研究の重要性は異論はない」とした上で「法人化の是非も含めてあり方を見直す」というもの。ここでも、予算削減は言及されなかった。  3カ月以上の延滞債権が08年度末で2386億円に上って問題になっている日本学生支援機構の奨学金事業についても、回収の甘さや機構への官僚の出向、天下りを見直すという結論になったが、やはり「削減」という意見は出なかった。それにとどまらず、学生の厳しい状況を踏まえて返済不要型の奨学金を検討すべきだとの声も出た。(見市紀世子、上野創、青池学) "[he-forum 14848] 読売新聞11/29 読売新聞2009年11月29日付 「原子力」キャンパスに復活  「原子力」「原子核」などと冠した学科・専攻を復活させたり、新設したりする大学が増えてきた。原子力発電を再評価する風潮の高まりが背景にある。(長谷川聖治)  文部科学省によると、1984年の時点で「原子」と名のつく学科、専攻は、10大学の学部、9大学の大学院にあった。チェルノブイリ原発事故(86年)、高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ事故(95年)、JCO臨界事故(99年)など原子力施設の事故の影響で、人気は凋落(ちょうらく)。国立大学の法人化に伴う学科統合が重なり、廃止、改組が相次いだ。2002年度には、ついに、原子とつく学部学科を持つ大学がゼロになった(大学院は2大学に残った)。  だが、風向きは大きく変わってきた。石油の高騰によりエネルギーの安定供給に懸念が生じ、温室効果ガスを出さない原子力発電が脚光を浴びるようになった。グリーンピースなど反原発を標榜(ひょうぼう)していた環境保護団体からも、原子力の役割を認める意見が出始めた。  世界中で原発の新増設が計画され、その多くに、東芝、三菱重工、日立のいずれかがかかわっているが、大学で原子力を学べなくなったため、原子力分野の技術者は不足している。  まず動いたのは、原発を多数抱える福井県の大学だ。福井大が04年、大学院に原子力・エネルギー安全工学専攻を、福井工業大は05年、工学部に原子力技術応用工学科を新設。東京大も同じ年、大学院に原子力国際専攻コースなどを置いた。  1956年に日本で初めて原子力工学専攻を設け、原子力教育の先駆けとなった東海大工学部は、来年4月、01年以降停止していた原子力の専攻を復活させる。エネルギー工学科を原子力工学科(定員40人)に改称し、原子力の高度技術者(マイスター)の育成を目指す。東海大の大江俊昭教授は「次代の原子力産業を担う人材を」と意気込む。  昨年、工学部に原子力安全工学科を設置した東京都市大(旧武蔵工大)は、来年4月に早稲田大と共同で大学院の原子力専攻を新設する。早大の鷲尾方一教授は「原子炉管理に強い都市大と、理工学系の基盤研究に実績がある早大が組むことで、原子力だけでなく、機械、物理、材料などにもたけた人材を育てたい」と語る。原子力関連学科・専攻の新設を模索している大学はほかにもある。  文科省など国も、2年前から、大学、高専の学生に原子力関連施設で実習などを積ませる「原子力人材育成プログラム」を実施しているが、来年度はこのプログラムを拡充し、国際的に活躍する人材の育成を目指す計画という。 "[he-forum 14849] 朝日新聞11/30 朝日新聞2009年11月30日付 留学生30万人計画の行方は…事業仕分けで「予算削減」  「留学生30万人計画」。福田内閣が提唱した、この計画の行方に大学関係者が気をもんでいる。鳩山由紀夫首相はアジアとの学生交流拡大に意欲的だが、民主党政権は留学生支援事業の一部を執行停止。事業仕分けでも予算削減を迫った。グローバルな留学生争奪戦が激化する中、予算問題だけでなく受け入れ態勢づくりの課題は多い。 ■補正減額、寮建設宙に  「留学生の枠を広げても、優秀な人が来るとは限らない」  「30万人とか30とか、数字のかけ声はやめるべきだ」  今月25日。行政刷新会議の「事業仕分け」で、30万人計画の中核的施策の一つ「国際化拠点整備事業(グローバル30)」も俎上(そじょう)に上り、民間「仕分け人」から厳しい指摘が飛んだ。  グローバル30は名前の通り、留学生の受け入れ拠点となる30大学を選ぶもの。今年度からの事業で、文部科学省が7月、まず13大学を採択した。英語だけで学位が取れるコースの設置を課すほか、2020年までに2600人以上の留学生受け入れ、生活支援や就職支援の体制整備、海外での留学生の窓口設置、などを求めている。各大学には年2億~4億円、5年間継続で助成金が交付される。  だが、仕分けで「こんなに使わないと基盤整備ができないのか」「大学の質が高ければ自然と人は来る」などの意見が出され、結局、予算縮減の評価になった。理由は「効果が不明」「大学の本来業務としてやるべきだ」と説明された。防戦となった文科省高等教育企画課は「国際化対応は大学の自助努力が基本だが、呼び水としての最初の支援は必要」。予算削減の公算が大きくなった来年度への対応には「1校あたりの交付額を減らしても採択校を増やすのか、今後検討する」と話した。  採択校13大学は27日、縮減の判断を見直すよう求める共同声明を発表した。  新政権でメスが入ったのは新年度予算だけではない。  福岡市郊外にある九州大の伊都キャンパス。整備中の10階建ての留学生宿舎の建設が、9月以降、宙に浮いた状態になっている。用地も取得し設計も進んでいたが、総事業費53億円が20億円に削られた。補正予算執行見直しで、文科省の留学生支援事業も対象になったからだ。  九大はグローバル30の採択校でもある。留学生は、今秋は約1700人と、1年前より200人も増えた。20年度に留学生を3900人に増やす構想もまとめている。9月入学者のうち100人が寮に入れず、大学側はアパートのあっせんに奔走した。臼杵純一・留学生課長は「宿舎の確保は留学生にとって大きな魅力で、優秀な人を呼ぶためには必須条件だ。あきらめず求め続けたい」と話す。  民主党はマニフェストなどで30万人計画に触れていない。鳩山首相は10月の日中韓サミットで、3国の大学間交流促進を合意。文科省は概算要求で、アジアからの留学生を受け入れる教育拠点への支援事業として新規に10億円を盛り込んだ。だが、新政権の見直しを受け、それ以外の30万人計画推進事業は、前年度と同額の要求に絞られた。 ■国際競争に不安  日本への留学生計画を初めて明確に打ち出したのは、83年の中曽根内閣の「10万人計画」だ。当時の1万人程度から、20年かけて10万人を達成したものの、その後は伸び悩んでいる。30万人計画は、18歳人口の減少に加え、国際競争力強化の必要性から、福田内閣が立ち上げた。特に成長著しいアジアからの優秀な留学生獲得競争で、日本は欧米や豪州の大学から後れを取っている。  日本の大学が直接海外で学生集めに取り組む動きはグローバル30で緒に就いたばかりだ。  採択校の一つ、早稲田大の大野高裕・国際部長は「一番の悩みはお金で、予算削減は厳しい。だが、いずれ助成金はなくなる。大学の力を高めるために国際化は欠かせず、助成に頼らない仕組みを整えることも必要」と話す。  早大は、5学部と大学院の6研究科で英語コースを設け、11年度までに外国籍教員を26人採用する。海外での採用活動費などを含め人件費で助成金の大半が消える。13年に900人分の寮も建設する予定だ。そのほか、外国語文書の翻訳外注費や職員・教員の研修費負担も考えれば、助成金だけではとても賄えない。  文科省のまとめでは、英語の授業のみで卒業できる学部は5大学、大学院で68大学。国外の大学と共同でカリキュラムを作り学位授与で連携する「ダブル・ディグリー」を実施している大学も69大学(07年度)にとどまる。卒業後の受け入れ態勢も課題だ。日本学生支援機構によると、07年度の卒業・修了生の6割以上が日本で働くことを希望するが、就職率は35%にとどまっている。  日本学術振興会北京研究連絡センターの福西浩センター長は「今の30万人計画には具体案がない。このままでは国家戦略としてアジアでの交流拠点作りを進める欧米にさらに水をあけられる」と指摘する。30万人計画は昨年7月に6省庁が骨子をまとめたが、政府としてこれ以上詳細な計画を策定する予定はない。明治大国際日本学部の横田雅弘教授(異文化間教育学)は「今は留学生獲得競争の重要な局面で、首相の強い指導力が必要だ。中長期的な人材育成の理念を示してほしい」と期待する。(石川智也、見市紀世子) "[he-forum 14850] 信濃毎日新聞12/1 信濃毎日新聞2009年12月1日付 信大7・3億円配分減に 事業仕分け 影響懸念を表明  政府の行政刷新会議の事業仕分けで、科学技術や産学官連携関連の事業予算について「廃止」「予算削減」などの判定が相次いだのを受け、信大は30日、松本市の本部で記者会見を開き、仕分け通りの見直しが行われた場合、少なくとも7億3千万円以上の研究費などが削減されるとの見通しを明らかにした。  山沢清人学長は会見で「科学技術で地域活性化を支援するのが信大の責務。技術立国日本を支える人材育成の義務もある。(仕分け結果の)予算編成への反映を見過ごすわけにはいかない」と訴えた。  信大は、事業仕分けの結果、計23事業(事業費計約21億円余)に悪影響が出ると主張。「廃止」とされたのは「工学広域化ナノカーボン最先端開発拠点形成プログラム」など8事業で、ファイバー工学の教育研究事業などの15事業が「予算削減」や「見直し」などの対象となっている。  これらの事業費から人件費を捻出(ねんしゅつ)する研究員や事務職員64人の雇用にも影響するという。  信大は今後、事業を共同で提案している県や、同様の立場にある大学、自治体と連携し、事業継続の必要性などを国に働き掛けていくとしている。 "[he-forum 14851] 神戸新聞12/1 神戸新聞2009年12月1日付 スパコン事業推進を 県内3大学の学長が要望書    神戸・ポートアイランドで進む次世代スーパーコンピューター(スパコン)事業が、政府の行政刷新会議による事業仕分けで「事実上凍結」と判定されたのを受け、県内3大学の学長が30日、川端達夫・文部科学相に判定の見直しを求める要望書を提出した。  福田秀樹・神戸大学長▽熊谷信昭・県立大学長▽高阪薫・甲南大学長-の3人。神戸大は来年4月、計算科学などを学ぶ「システム情報学研究科」を大学院に新設予定で、県立大もスパコンの近くに大学院設置を目指している。甲南大は今年4月、スパコンとの連携も視野に入れた「フロンティアサイエンス学部」を開設した。  要望書で、3学長は「事業の凍結・遅延は、わが国の科学技術の展開、国際的な競争力の優位性に悪影響を及ぼす」とし、「事業仕分けによるわずか1時間程度の作業による結論の出し方には問題がある。広く科学技術者の意見を聴取すべき」と主張。その上で「3大学も、今後の利用や研究教育活動に支障をきたすので、ぜひ当初の計画通り建設を」と求めている。(中島摩子) "[he-forum 14852] 神戸新聞12/1 神戸新聞2009年12月1日付 スパコン事業推進を 県内3大学の学長が要望書    神戸・ポートアイランドで進む次世代スーパーコンピューター(スパコン)事業が、政府の行政刷新会議による事業仕分けで「事実上凍結」と判定されたのを受け、県内3大学の学長が30日、川端達夫・文部科学相に判定の見直しを求める要望書を提出した。  福田秀樹・神戸大学長▽熊谷信昭・県立大学長▽高阪薫・甲南大学長-の3人。神戸大は来年4月、計算科学などを学ぶ「システム情報学研究科」を大学院に新設予定で、県立大もスパコンの近くに大学院設置を目指している。甲南大は今年4月、スパコンとの連携も視野に入れた「フロンティアサイエンス学部」を開設した。  要望書で、3学長は「事業の凍結・遅延は、わが国の科学技術の展開、国際的な競争力の優位性に悪影響を及ぼす」とし、「事業仕分けによるわずか1時間程度の作業による結論の出し方には問題がある。広く科学技術者の意見を聴取すべき」と主張。その上で「3大学も、今後の利用や研究教育活動に支障をきたすので、ぜひ当初の計画通り建設を」と求めている。(中島摩子) "[he-forum 14853] 共同通信12/1 共同通信209年12月1日18時57分 「若い芽つぶさないで」と訴え 事業仕分けに若手科学者  行政刷新会議の事業仕分けで、優れた大学院教育を支援する「グローバルCOEプログラム」の予算が縮減の判定となったのを受け、同プログラムに参加する20代~30代の若手研究者と大学院生らが1日、東京大で記者会見し「若い芽をつぶさないで」と必死の表情で訴えた。  出席した若手は東京大、奈良先端科学技術大、大阪大、九州大の6人。  奈良先端科学技術大バイオサイエンス研究科の柳谷耕太博士研究員(30)は生活費を得る見通しがまったく立たなくなった大学院生時代に同プログラムから経済支援を受けた経験を紹介。「多くの学生がギリギリの生活すらできずに辞めざるをえなくなる。若い芽をつぶさず、花を咲かさせてあげて」と声を震わせた。  また、九州大システム生命科学府の大学院生、八木田悠一さん(25)も「研究に全力を注げる環境を維持してほしい」と縮減の見直しを求めた。 "[he-forum 14854] 共同通信11/30 共同通信2009年11月30日20時35分 沖縄大学院大に疑問続出 科学技術予算の優先度判定で  政府総合科学技術会議の有識者議員による来年度の科学技術関係予算の優先度判定で、沖縄科学技術大学院大の開学準備を疑問視する意見が相次いだため、近く有識者議員が地元沖縄県と恩納村の関係者を招いて意見を聴く場を設けることになった。津村啓介内閣府政務官が30日、明らかにした。  議員や外部専門家からは「長期的に持続可能なスキームとは思えない。研究開発投資の失敗例になるのでは」「目指すような才能ある学生が沖縄に集まるか非常に疑問」との意見が寄せられた。  優先度判定の原案では結局、「優先」「着実」「減速」3段階で真ん中の「着実」の評価とし、「意思決定の仕組みなどに多くの懸念があり、見直しも含めて検討する必要がある」と指摘した。  津村政務官は「より良く実現するためにどうしたらいいか、地元の意向を聴いて判定したい」と話した。  同大学院大は政府の沖縄振興策の目玉で、2012年度の開学を目指している。内閣府が来年度予算の概算要求で開学準備に149億円を計上した。 "[he-forum 14855] 賃金交渉妥結の報告(茨城大学教職員組合) he-forumのみなさんへ 深谷信夫@茨城大学教職員組合執行委員長です。   過日、賃金交渉の留意点について発言させていただきましたが、 茨城大学教職員組合は、去る11月24日、大学との間で、 期末手当引き下げとその代償措置としての地域手当引き上げを基本的な内容とする合 意を実現しました。 年度途中の基本給切り下げには応じられないという組合の立場らか、期末手当引き下 げ問題を先行交渉しました。 茨城大学の教職員をめぐる特殊な条件を生かし、団体交渉の誠実交渉義務の履行を早 期に大学に求め、 賃金規程を踏まえた賃金改定の適正手続の履行を明確にしたことが、 一方的な不利益変更を回避できた要因でしょう。 一件落着ですが、 今後、基本給切り下げと来年度の期末手当引き下げをめぐるきびしい団体交渉が継続 するでしょう。 詳しい賃金交渉の経過と内容は、「09年度冬期賃金交渉の報告」をご覧下さい。 「09年度冬期賃金交渉の報告」 →http://www.ibakyo.or.jp/kihon/taikai/091125kimatukinben.pdf 2009.12.2  深谷信夫  ==================== 茨城大学教職員組合  〒310-0056 茨城県水戸市文京2-1-1    Phone/Fax:029-228-3060(内5014)    e-mail:ibakyo@bd.wakwak.com URL:http://www.ibakyo.or.jp/ ==================== "[he-forum 14856] 東京新聞12/1 東京新聞2009年12月1日付 悲鳴上げる研究者 仕分けで減る科学予算  行政刷新会議の事業仕分けで、科学技術関連予算について廃止や削減など厳しい判定が相次いだ。ノーベル賞受賞者をはじめ大学など科学界は反発。政府は専門家の意見も踏まえて政治判断する構えだが、長期的な戦略は示されず、財源問題も立ちはだかる。工学博士号を持つ鳩山由紀夫首相の「理系内閣」は、初の予算編成でどんな判断を下すのか。決着までには曲折も予想される。 (榊原智康)  「あらゆる科学の分野から悲鳴が上がっている。日本という国がぶっつぶされようとしている」-。  十一月二十七日夜、ジャーナリストの立花隆氏は、自然科学研究機構など大学共同利用機関のトップらとともに東京大で開いた会見で、痛烈に事業仕分けを批判した。大型研究プロジェクトに交付される「特別教育研究経費」が「縮減」となったことを問題視。「世界的に評価が高い国立天文台のすばる望遠鏡も止まってしまう」と憂えた。  事業仕分けでは前半で多くの科学技術関連事業が取り上げられ、次世代スーパーコンピューターなどの大型事業から、競争的研究資金や地域での産学官連携まで、ほとんどの項目で廃止や縮減との判定を受けた。  科学界から反発が起こった後の後半戦の仕分けでも、流れは止まらなかった。十一月二十五日には国立大学法人運営費交付金のうち、大学や大学共同利用機関の大型実験施設の運転経費にあてる特別教育研究経費も「他の予算との重複がある」と減額を求められた。  この経費は、すばる望遠鏡(ハワイ島)や東大のスーパーカミオカンデ(岐阜県飛騨市)、高エネルギー加速器研究機構の加速器「Bファクトリー」(茨城県つくば市)などの運営費を含む。ノーベル物理学賞受賞者の小林誠・同機構特別栄誉教授は「大規模プロジェクトを進める途中での削減は理解しかねる」と疑問を呈した。  「まったく中身に立ち入らないで結果だけ示された」と不満を漏らすのは、海洋研究開発機構・地球内部ダイナミクス領域の深尾良夫領域長。  地震や火山噴火の謎に迫る地球内部ダイナミクス研究は、探査船「ちきゅう」による「深海地球ドリリング計画」とセットで審査され、議論はちきゅうに集中。ダイナミクス研究への質問はほとんどなかったが、仕分け人は財務省の指摘をほぼ踏襲し「予算計上見送りか半減」とした。  同研究に参加する百二十人のうち八十五人が任期付きの研究員で予算の六割が人件費。仕分け通りになれば日本の地球科学が停滞するだけでなく、研究員の多くが職を失う恐れがあるという。  科学技術への政府投資は、前政権の下で作られた科学技術基本計画(二〇〇六~一〇年度)で「五年間で二十五兆円」との目標があり、年々増え続けていた。事業仕分けは、聖域化されてきた科学技術分野に大なたを振るう結果となった。  科学技術予算は、事業仕分けとは別に政府の総合科学技術会議の評価も受ける。同会議は鳩山首相ら閣僚七人と有識者議員八人で構成。各省庁の主要事業に優先度をつける判定作業を現在進めている。政府は、二つの評価を参考に結論を出すことになる。  研究の意義や科学の重要性を叫び始めた研究者に対して、ここに至るまでの説明不足を指摘する声もある。  政策研究大学院大の角南篤准教授(科学技術政策)は事業仕分けについて「国民からの支持が高い調査結果を見ても、科学技術を別の視点から議論する面で一定の意義があった」と分析。さらに国が目指す「科学技術創造立国」が国民に浸透していなかったことを突きつけたとみる。  「これまでは専門家の間だけで議論しており、必要性について『言わずもがな』の面があった。国民が必要性を理解できる説明が求められている」と強調する。  ノーベル賞受賞者らによる会見で、江崎玲於奈氏もこう述べた。「これまで科学は問題なしに優遇されてきた。今回は大変な事態だが、われわれが考え直すチャンスでもある」 ●記者のつぶやき  今回の科学技術をめぐる仕分けは「玉石混交」なのでは。しがらみで続いてきた事業をスパッと切ったものもあれば、ほぼ議論なしで結論した問題あるケースもあった。日本の科学をどうするのか、どこに力を入れるのか。予算編成で新政権のビジョンが問われる。 "[he-forum 14858] 河北新報12/2 河北新報2009年12月2日付 「人材育成停滞する」事業仕分け反対アピール 東北大研究者  行政刷新会議による事業仕分けで、若手研究者育成などを目指す文部科学省の「グローバルCOEプログラム事業」が予算削減されたことに対し、事業採択を受けている東北大の脳科学の研究者らが1日、緊急アピールで「人材育成が停滞し、科学技術の国際競争力が損なわれる」と反対を表明した。  東北大「脳科学グローバルCOE」のメンバーらが、同じ生命科学分野で採択を受けている全国12大学の関係者と共同で表明。グローバルCOEプログラムは、成長が見込まれる分野の若手研究者の雇用・支援を進めており、「資源に乏しい日本にとって、国際的な力量を持つ研究者の育成は不可欠だ」と訴えた。  脳科学グローバルCOEは年間約3億円の助成を受け、現在、博士研究員や大学院生約60人を雇用・資金援助している。リーダーを務める大学院医学系研究科の大隅典子教授(神経発達学)は「予算が削減されれば雇用を維持できなくなり、現在進めている認知症や発達障害の治療に向けた研究に遅れが出る恐れもある」とした。  東北大ではこのほか、地震予知研究などを行う「地球惑星グローバルCOE」に所属する若手研究者有志も、文部科学相あてに予算削減反対の意見書を提出。代表者の北佐枝子研究員は「地震の多い日本にとって、研究を担う人材が育たなくなるリスクは大きい」と訴えている。 "[he-forum 14857] 読売新聞11/30 読売新聞2009年11月30日付 「里山里海」でビジネス創出 金沢大が奥能登地域で活動へ  金沢大は、三井物産環境基金の支援を受けて奥能登地域を中心に3年間、里山里海を活用して地域ビジネスなどを生み出し、地域の持続可能な発展を目指す活動「里山里海アクティビティ」に取り組む。珠洲商工会議所で29日、記者発表するとともに、シンポジウムを開いた。  同大の「能登半島里山里海自然学校」などでの成果を受け継ぐ第2段階との位置づけで、里山里海を活用した農林漁業、観光などでのビジネス創出を目指す。また、都市圏の大学、企業などの里山里海の調査研究や環境保全活動を能登に呼び込み、地域外との交流拡大を図る。体験交流プログラムの構築にも取り組む。  活動の推進には、公募した「協働ディレクター」1人を同大研究員に採用して駐在させてあたらせるとともに、手助けする「地域コーディネーター」2人を配置する。交流拡大の目標として、2012年9月までの3年間で延べ1000人を掲げている。予算は、同基金からの800万円のほか、同大、県、市町が出し合い、年間計1400万円を見込んでいる。  シンポジウムでは、泉谷満寿裕・珠洲市長が「地域の活性化、ブランド化につながれば」と期待を寄せ、持木一茂・能登町長が「自治体の枠を超えて連携していかなければならない」とあいさつ。プロジェクト代表の中村浩二教授が活動の概要を紹介し、佐藤哲・長野大教授らが講演し、パネル討論が行われた。  同会議所では、金沢大主催で、黄砂研究の成果発表や「能登における教育研究の新展開」についてのパネル討論など、能登総合シンポジウムが1日まで行われる。 "[he-forum 14859] 日本海新聞12/2 日本海新聞2009年12月2日付 研究費も暗礁に 鳥大バイオ産業構想  鳥取大学米子キャンパス(鳥取県米子市)に計画しているバイオ産業の研究施設をめぐり、国の本年度補正予算の見直しを受けて整備費に充てる補助金が減額となる問題に絡み、今後の研究費に充てる補助金も暗礁に乗り上げている。政府の行政刷新会議が行った来年度予算概算要求の「事業仕分け」で、都市エリア産学官連携促進事業が「廃止」と判定されたため。研究は同事業の活用を前提にしており、関係者は継続を求める方針だ。  都市エリア事業は、地域の強みを生かした新産業創出を目指す文科省の委託事業。研究の進ちょくに応じて▽一般型▽発展型-の2タイプで実施している。  鳥取大の染色体工学技術を生かしたバイオ産業構想は2006-08年度、一般型に採択され、国から毎年約7千万円が交付された。遺伝子組み換えマウスを活用し、大学や地元企業、行政が連携して高機能食品の開発に取り組んできた。  県は来年、施設整備に併せ、発展型で申請を検討していた。採択されれば、10年度から3年間か5年間、毎年2億円程度が交付される。高機能食品の開発に加え、食品の効能を検証したり、食材から健康に有用な成分を抽出するなどの研究を目指していた。  県産業技術センターによると、発展型には健康食品や薬品関連の県内企業20社程度が参加する見通し。担当者は「廃止されると新たな事業展開ができない。民間のチャンスもつぶすような格好で容認できない。何とか復活を」と戸惑いを隠せない。  都市エリア事業が廃止された場合、県は他の補助金が活用できないか検討する方針だが、商工労働部は「研究のペースが落ちる可能性がある。どう財源を確保するか、事業を縮小するか、状況を見ながら考えていきたい」と話している。  研究をめぐっては、米子キャンパスで鉄筋6階建ての施設を来年度から建設する計画だった。しかし、整備費に充てる文科省の「地域産学官共同研究拠点整備事業」について、国は同事業費695億円のうち432億円を削減する方針を示したため、県内関係者は施設整備の見直しも迫られている。 "[he-forum 14860] 河北新報12/2 河北新報2009年12月2日付 「人材育成停滞する」事業仕分け反対アピール 東北大研究者  行政刷新会議による事業仕分けで、若手研究者育成などを目指す文部科学省の「グローバルCOEプログラム事業」が予算削減されたことに対し、事業採択を受けている東北大の脳科学の研究者らが1日、緊急アピールで「人材育成が停滞し、科学技術の国際競争力が損なわれる」と反対を表明した。  東北大「脳科学グローバルCOE」のメンバーらが、同じ生命科学分野で採択を受けている全国12大学の関係者と共同で表明。グローバルCOEプログラムは、成長が見込まれる分野の若手研究者の雇用・支援を進めており、「資源に乏しい日本にとって、国際的な力量を持つ研究者の育成は不可欠だ」と訴えた。  脳科学グローバルCOEは年間約3億円の助成を受け、現在、博士研究員や大学院生約60人を雇用・資金援助している。リーダーを務める大学院医学系研究科の大隅典子教授(神経発達学)は「予算が削減されれば雇用を維持できなくなり、現在進めている認知症や発達障害の治療に向けた研究に遅れが出る恐れもある」とした。  東北大ではこのほか、地震予知研究などを行う「地球惑星グローバルCOE」に所属する若手研究者有志も、文部科学相あてに予算削減反対の意見書を提出。代表者の北佐枝子研究員は「地震の多い日本にとって、研究を担う人材が育たなくなるリスクは大きい」と訴えている。 "[he-forum 14861] 河北新報12/1 河北新報2009年12月1日付 東北大と仙台市、環境問題で協定調印 研究開発など連携へ  仙台市と東北大大学院環境科学研究科は30日、環境問題について共同研究や人材交流を進める連携協力協定の調印式を市役所で開いた。  奥山恵美子市長は「東北大が持つエネルギー問題や新しい環境政策の知見を有効に利用し、環境先進都市としてはずみをつけたい」と強調した。  谷口尚司大学院環境科学研究科長は「環境問題に取り組むには、産学官の連携が不可欠。地域を舞台とし、研究に力を入れたい」と語った。  両者は今後、人材交流や次世代技術の研究と商品開発などで連携を進める。産学官の意見交換の場などとして、環境科学研究科内に地域連携環境教育・研究センター(仮称)を設置することも検討する。 "[he-forum 14862] ≪紹介≫ 東京大学での大学関係予算アンケート ≪紹介≫ 東京大学での大学関係予算アンケート   2009年12月3日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 東京大学では,全教員を対象にして,前田副学長名で「大学関係予算に関する 教員緊急アンケートについて(お願い) ―未来の日本の国づくりのために―」 を12月10日までの日程で実施しているので紹介する. アンケートは,以下のように8問の選択式である. なお,千葉大学でも同様のアンケートが実施される予定である. ******************************** 大学関係予算に関する緊急アンケート 政府予算における国立大学に対する補助は、その教育研究活動の基盤を支える 「運営費交付金」(基盤的経費)と、競争的資金(科学研究費補助金、COE、GP (Good Practice:教育改革に向けた優れた取組の支援)などの個人・グループ を中心とする支援)に大別されます。近年では、大学関係予算の全体規模が抑 制される中、その構成は、大学機関全体への基盤的経費からプロジェクト型競 争的資金へと比重が移りつつあります。このような全体状況を踏まえ、皆様の お考えをお聞かせください。 Q1.大学機関の財源の過半(東京大学の場合は約4割)を占める「運営費交付 金」については、平成16年度の法人化以降、毎年度一定割合の削減が課せら した。 東京大学の場合、過去5 年間で47 億円(お茶の水女子大学の運営費交付金総額 と同程度)が削減されました。法人化以降の「運営費交付金」の削減について、 大学全体の状況をどう思いますか。  1. 削減は限界に達しており、削減方針を直ちに見直すべきである  2. 更なる削減の余地があり、削減方針を見直す必要はない  3. わからない(又はどちらともいえない) Q2.法人化以降の教育研究経費の状況について、御自身の教育研究活動との 関わりにおいて、どう思いますか。  1. 継続的・安定的な活動が非常に困難になってきている  2. 継続的・安定的な活動がやや困難になってきている  3. 特に変化はない  4. 継続的・安定的な活動が一層可能になってきている Q3.「運営費交付金」の削減を求める意見には、「国立大学の教職員数や人件 費が過剰ではないか」というものがあります。国内外で東京大学が名誉ある地 位(「世界を担う知の拠点」)を占める上で、教職員数や人件費の全体規模に ついて、どう考えますか。  1. 過剰である  2. どちらかといえば過剰である  3. どちらかといえば過少である  4. 過少である  5. わからない(又はどちらともいえない) Q4.日本の大学全般について、教員の研究時間が減少しているという指摘があ りますが、皆さん御自身の研究時間については、過去5年間程度の範囲では、 どうでしょうか。  1. 大きく減少(おおむね1割以上)  2. 少し減少(おおむね1割未満)  3. 特に変化はない  4. 少し増加(おおむね1割未満)  5. 大きく増加(おおむね1割以上) Q5.前の設問で「大きく減少」「少し減少」と回答した方にお尋ねします。 (それ以外の方は、この設問は無回答で結構です。) 減少の理由について、お答えください(あてはまるもの全て)。  1. 競争的資金などの獲得に向けた申請書類の作成  2. 全学・部局の管理運営に関する業務の増大  3. 学生に対する教育負担の増大  4. 教育研究活動の支援スタッフの不足  5. その他 Q6.競争的環境づくりのため、これまでの政府予算では、大学機関への「運 営費交付金」削減の一方で、科学研究費補助金、COE、GP など、個人・グルー プを中心とするプロジェクト型支援予算(競争的資金等)の充実が図られてき ました。近時、これらの予算事業についても削減を求める議論があります。競 争的資金等の削減について、御自身の教育研究活動との関わりにおいて、どう 思いますか。  1. 大いに問題がある  2. 少し問題がある  3. 特に問題はない Q7.競争的資金等が削減され、各種のプロジェクトが廃止・凍結となった場 合、若手研究者の育成に大きな弊害が生ずるという意見があります。これにつ いて、どう思いますか。  1. 大きな弊害が生じる  2. 多少の弊害が生じる  3. 特段の弊害は生じない Q8.社会経済の発展のため、大学の国際競争力を高めることが、各界からの 強い要請となっています。これについて、「国際競争力を高めるためには、競 争的な環境づくりや経営の効率化が重要であって、大学関係予算を増やす必要 は無い。」という意見があります。現状に照らして、こうした意見をどう思い ますか。  1. 予算を増やすことが必要  2. 予算を増やすことは不要  3. わからない(又はどちらともいえない) <アンケートは以上です。最後にご所属・職位についてご回答願います。> 以下略 "[he-forum 14863] 北大当局の超理不尽な態度 神沼公三郎(北大職組委員長)です。  北大では人事委員勧告準拠の賃金不利益変更問題について、 10月29日、11月5日、11月11日と3回の団交を重ねたあと、ずっと 団交が再開されていませんでした。そして本日(12月4日)になって 大学当局が、第3回団交をもって終了すると伝えてきました。これは 不当きわまりない態度です。大学当局との法的全面対決を選択せ ざるを得ないでしょう。  この間、大学当局はつぎのとおり不当労働行為を少なくとも3回、 明白な法律違反を1回、犯しています。 (1)11月11日の第3回団交のとき、いい加減な内容の代償措置を 組合側に示したあと、これで(賃金不利益変更の)団交は終わりだ と言って、理事(事務局長)を先頭に、部屋から出て行ってしまった (不誠実団交の不当労働行為)。 (2)契約職員のボーナス切り下げを組合に何も伝えず、11月12日に 当局が過半数代表に説明会(11月17日)開催を通知した資料のなか にこの項目が入っていた。組合は過半数代表者からの連絡で、この 項目があることを初めて知った(不誠実=情報非公開の不当労働行 為)。 (3)結局、契約職員(8時間雇用の非正規雇用職員)のボーナス切り 下げを団交で1回も議論することなく、大学当局は12月1日に契約職 員就業規則の改定を行った(労働契約法違反)。 (4)11月12日以降、組合は6回から7回、第4回団交の早期開催を要 求したが、結局、開催されなかった(正当な理由のない団交引き延ば し、そして拒否=不当労働行為)。  これらの項目を含めて、以下に経緯を紹介しますが、法的全面対決 になると、2005年度に発生した寒冷地手当問題のときに次いで、北大 では2回目になります。前回もそうでしたが、今回も組合側が負ける要 素は見つかりません。      人事院勧告準拠の賃金不利益変更問題に関する経過 1. 2009年10月6日(火)、団体交渉申し入れ。                   2.北大当局は団交の開催について何の連絡も寄こさないまま、10月 13日(火)に学長名文書を(1)部局長へ、(2)職員へ。あたかも北大で、 人事院勧告準拠の賃金切り下げが決定したかのような紛らわしい内容 の文書。これを読んで誤解した人が多い。                                                                           3.10月29日(木)、第1回団交  第1回団交の冒頭に、うえの「2」の行為について厳重に抗議する。団 交の開始に当たり、大学当局は賃金不利益変更について何も資料を用 意しなかったので、組合が「とにかく何か資料を出せ」と言ったら、急いで 「人事院勧告の概要」のコピーを取ってきて配布した。                                  4.11月5日(木)、第2回団交                        5.11月11日(水)、第3回団交(大学当局、途中退席)  この団交の最後に、大学当局(事務局長=理事)はいっぺんの紙片に 書いた代償措置3項目(およそ代償措置に値しない内容)を組合側に配 布したあと、代償措置に関して何の議論もしないまま、もう今回の賃金不 利益変更に関する団交はすべて終わりだ、と言って部屋から出て行った。 組合側は、出ていく当局者に、不当労働行為だから法的対抗措置をとる と叫ぶ。                                 6.11月12日(木)  北大職員課が朝から神沼に、会いたいとの連絡。最初は断ったが、しつ こく言ってくるので仕方なく夕方、書記長と二人で職員課長、同課長補佐 に会ったところ、「昨日の終わり方は申しわけなかった。代償措置に限り、 組合と協議したい。」とのこと。 7.11月12日  大学当局から過半数代表者に、11月17日に賃金不利益変更の説明会 を行う旨、mail連絡。11月11日の団交を強引に終わらせたのは、恐らく11 月17日に説明会を予定していたから、と思われる。そのため、とにかく説 明会よりも早くに、というよりも説明会の通知を出すよりも早くに組合との 交渉を終わらせたかったのだろう。 8.11月12日  ところが、大学当局から過半数代表者への連絡文書のなかに、契約職 員(=8時間勤務の非正規雇用職員)のボーナス切り下げ項目が入って いた。これは、今回の賃金切り下げ問題が始まって以降、大学が組合に 全く知らせていなかった事項である。組合はこの項目を、過半数代表者か らの連絡により初めて知る。  なお、2005年度に発生した寒冷地手当問題の解決に当たり、2006年7 月13日に北大職組委員長と北大学長のあいだで交わした確認書の第5 項目は次のとおり。 「5.今後とも,給与その他の労働条件の変更の提案にあたっては,十分な 労使協議の時間を確保し,その根拠となる関係資料を提示して両者誠意を もって交渉すること。」 9.11月16日(月)  11月16日の組合執行委員会で「6」の申し入れについて討議し、単なる 協議の場ではなく団交の場で代償措置について議論する、という方針を 決定する。 10.11月17日(火)  朝、神沼が上記の方針を職員課に伝えて、団交の継続を確認する。 11.11月17日  北大当局による過半数代表者への説明会。 12.11月18日(水)-11月27日(金)  その後、たびたび当局に第4回団交の早期開催を求めるが、いずれの場 合も待ってほしいとの返事。  組合は契約職員(8時間雇用の臨時職員)のボーナス切り下げ問題(「8」) を重視。このままでは、同問題について一回も団交を行わないまま基準日 (12月1日)を迎えることになる。 13.11月30日(月)  学長あての緊急申し入れ書を提出。それを職員課に提出するとき、神沼 がこの文書の趣旨を次のように発言(質問)する。 「そもそも、なぜ契約職員(=8時間勤務の非正規雇用職員)のボーナス切 り下げという課題をいっさい組合に伝えなかったのか。このままでは団交を 一度も行うことなく、明日の基準日を迎え、そしてボーナスを切り下げること になるが、これは明らかに労働契約法に違反する。」 14.12月2日(水)  朝、神沼が、新たな抗議文を持って職員課を訪れる。そのさい、「第4回団 交はいつになるのか」と質問。課長「いま検討している。」 15.12月4日(金)  書記長が職員課に、第4回団交を早く開催するよう申し入れ。午後1時す ぎ、職員課から書記長に電話があり、「事項を伝えたい。すぐ終わる。」 神 沼と書記長の二人で職員課長、同課長補佐に会ったところ、「(賃金切り下 げ問題は)前回の団交(11月11日の団交)で終了しており、もう話し合うこと はない。」  以上です。 "[he-forum 14864] 信濃毎日新聞社説12/3 信濃毎日新聞社説2009年12月3日付 科学技術予算 国民が納得できてこそ  政府の行政刷新会議による事業仕分けが科学技術の予算にも切り込んでいる。  その結果、次世代スパコンが見送りに限りなく近い縮減となった。GXロケットは計上を見送り、地球内部ダイナミクス研究は見送りまたは半減、大型放射光施設スプリング8や世界トップレベル研究拠点は縮減、感染症研究国際ネットワーク推進は廃止または縮小-とされた。  科学技術予算はこれまで未来を託すものとして、なかば聖域的扱いを受けてきた。それが崩れた。科学者らの反発は強い。  ノーベル賞受賞者らがそろって会見し、「若者を学術・科学技術から遠ざけ、海外流出を引き起こす」と批判している。  信州への影響も大きい。地域科学技術振興・産学官連携事業の廃止に伴い、信大などの炭素繊維カーボンナノチューブを使った商品開発にも影響が出る。  研究者や産業界の落胆は分かる。だが、科学技術関連の予算は必要性や効果について、十分な検証がされないまま枠が確保されてきた面がある。予算を使う側からの情報発信も不十分だった。  事業仕分け全体の手法について世論調査で国民の多くが肯定的に評価しているのは、国民の目にみえないところで予算が配分され、無駄遣いされているのではないかとの不信感があるからだ。  削られた側が復活を目指すなら、研究の意義を分かりやすく説明すべきだ。「一緒くたの仕分けは見識を欠く」と反発するだけでは、国民の支持は得られない。  政府も、仕分けで削ったものを今後復活する場合は、丁寧な説明で透明性を高めねばならない。  今回の仕分けだけでは、民主党政権の科学技術政策の全体像が見えてこない。科学技術政策全般で次の点を要望したい。  一つは、研究者の意欲をそがないことだ。限られた財源をどう有効に使うか工夫が要る。今は予算化できなくても長期的な展望を示すことが求められる。  二つには、宇宙の平和利用を明確に示すべきだ。宇宙基本法で防衛省が独自の偵察衛星を開発、運用できるようにしたが、宇宙を軍拡の場にしないことが大切だ。  三つ目には、基礎分野も重視する必要がある。昨年ノーベル化学賞を受賞した下村脩さんはオワンクラゲの研究から緑色蛍光タンパク質を発見し、今や医学にも大きく貢献している。すぐには利益に結び付かなくても、思わぬ用途を開くことのいい例である。 "[he-forum 14865] 中国新聞12/4 中国新聞2009年12月4日付 <寄稿>この国のゆくえ 浅原利正・広島大学長 ▽教育・医療の基盤整備を  2009年も余すところ1カ月となった。09年はわが国の近代史でも特筆すべき年になった。1955年の結党以来、50年以上にわたり、わが国の政治舞台において第1党の地位と政権を担ってきた自民党に代わり、民主党が政権を担うという政権交代がなされた年である。紛れもなく、国民が政権交代を選択したのである。  20世紀終盤から、情報化を中心とした科学技術の進歩により、世界の時間軸は短くなった。市場原理主義が幅を利かすようになり、「もの」の価値が過大に評価され、心のゆとりがなくなってきていた。その頂点が昨年、全世界レベルで発生した金融危機であり、20世紀型資本主義社会の崩壊を意味するものであるといえる。  21世紀はまさに激変の時代である。新しい社会の構築が模索されているのが現状であろう。 ■ □ ■  わが国はこれまで世界に誇れる平安文学や木造建築、武士道、茶道、華道、能狂言、歌舞伎、浮世絵など優れた固有の文化を背景に、経済成長や、国民の健康で豊かな暮らしを支えてきた科学技術を基盤として発展してきた。第2次世界大戦後は戦禍をこうむった焼け跡から奇跡的とも思える復興を成し遂げ、経済を立て直し、世界をけん引するまでになってきた。  資源の乏しい東アジアの小国が科学技術の開発・応用に努め、20世紀後半には世界のリーダー的立場になるという快挙は決して偶然ではないように思われる。日本は、科学技術創造立国として、唯一ともいえる資源である人材を有効に活用し、科学技術を基盤として発展してきたことは間違いのない事実である。  古来より教育や医療は国の基盤といえるものであった。古代ローマ帝国では「教育や医療にかかわるものは、人種や国籍にかかわらず、すべて市民権を与える」とされていた。国を支え、発展させるために基盤となる教育や医療がいかに重要だったかを示している。  現代社会でも同様である。宇沢弘文・東大名誉教授は、最近の論評の中で「教育、医療、環境は社会的共通資本であり、日本では市場原理主義が浸透していく中で、その社会的共通資本の原点が壊されようとしている」と述べている。社会の共通資本を確保し、充実させることの重要性は計り知れない。国の未来を考える時、一層その重要性は認識されなければならない。20世紀末から、わが国では市場原理主義が闊歩(かっぽ)し、わが国の優れた社会や文化が破壊されつつある。 ■ □ ■  新政権ではマニフェストで国民に約束したこと(特に工程表に掲げてあること)が最重要課題とされている。行政刷新会議での事業仕分けを見ると、医療や教育などの基盤整備事業が、限られた短い時間で、しかも短絡的な評価を受けて削減の対象とされている。  特に、わが国の科学技術の発展を支えてきた高等教育の基盤研究費や運営費交付金にも削減のメスが入ろうとしている。既に公表されている事実だが、わが国の大学などの高等教育費の貧弱さは他国と比較しても際立っている。  わが国の06年の高等教育費への公的支出は国内総生産(GDP)比で0・5%と、経済協力開発機構(OECD)加盟の28カ国調査で最下位である(OECD調査2008)。逆に、高等教育費に占める保護者負担割合は67・8%でOECD平均の27・4%を大幅に上回る。いかに教育への公財政支出が少ないか、理解いただけるであろう。  医療についても同様の状況である。世界保健機関(WHO)によるわが国の医療レベルの評価は世界トップレベルであるにもかかわらず、わが国の医療費は国際的にみて先進国(OECD加盟30カ国)中で21位という低位にある(OECD調査2008)。特に06年度以降、国の骨太方針2006に基づく医療費抑制策により、傾向はますます顕著になっている。  こうした事実を受け止めて、早期の対応をしないと、世界的に医学・医療が急速に進歩している環境下では、早晩、医療レベルの低下を招くことになる。その結果、国民皆保険制度に支えられ、国民すべてが等しく最高の医療サービスが受けられていたわが国の医療を維持することが困難になり、「ツケ」が、国民に等しく降り注ぐことになることは必定である。 ■ □ ■  確かにわが国の経済は世界的金融危機を受けて不安定な状況にある。経済基盤の立て直しが必要なことも理解できるが、デフレスパイラルに陥るなどの要因で多くの国民が将来に不安を抱いている。  このような時にこそ、いかに社会変化が激しかろうとも、国の基盤となるものはしっかりと守り、支えていかなければならない。むしろ社会が大きく揺れている時こそ、基盤整備が確実になされることが重要であり、それをおろそかにすることは将来を危うくすることにつながると思われる。それは教育や医療への確実で安定的な投資である。人材育成を礎として科学技術を発展させ、医療基盤を整備してこそ、わが国の将来がある。  わが国のゆくえを考える時、国家百年の計、長期的な視点に立って物事を判断することが重要であり、財政負担を短絡的に減らすことばかりに目を奪われ、逆に日本の将来を危うくするような負担を強いてはならない。そのためにも、継続的に、かつ安定的に、教育、医療などの基盤整備に取り組まなくてはならないと考える。   ◇  ◇  あさはら・としまさ 三次市作木町出身。1971年広島大医学部卒。専門は消化器外科。現在の西城市民病院(庄原市)勤務などを経て、85年に同学部助手。99年教授となり2004年広島大病院長。07年5月から現職。63歳。 "[he-forum 14866] 北海道新聞12/3 北海道新聞2009年12月3日付 知の向上へ予算拡充を 道内7国立大学長が声明  政府の事業仕分けで科学技術・学術関係予算の削減や廃止が相次いだことを受け、北大や道教大など道内の国立7大学の学長が2日、北大で会見し、大学への投資拡充などを求める声明を発表した。  声明では、大学予算の縮減は国の知的基盤の礎を崩壊させるとして、大学への公的投資の拡充を要求。道内の国立大に給付される運営費交付金が5年間で計73億円減らされている現状に触れ、教育研究水準の向上のため、事業仕分けの見直しも求めている。  会見で、北大の佐伯浩学長は「(事業仕分けで)減らされる交付金などは北大で年間20億円に上る」と明かしたほか、道教大の本間謙二学長は「大学運営費の7割は交付金。このままでは5カ所ある校舎のうち一つを閉校にしないといけない」と訴えた。 "[he-forum 14867] 共同通信12/2 共同通信2009年12月2日20時3分 45国立大病院“赤字”82億円 「経営努力にも限界」  全国45の国立大病院が大学本部から受けた支援金(実質的な赤字)の合計額が08年度だけで約82億円に上るという国立大学協会の調査結果が2日、分かった。旭川医大の吉田晃敏学長が札幌市であった記者会見で明らかにした。  政府の行政刷新会議は大学予算の見直しや、診療報酬の配分見直しを判定したが、吉田学長は「病院の経営努力にも限界がある」としている。  同協会の調査によると、04年度に約18億円だった支援金は08年度には約82億円に増加。07年度は16病院が赤字だった。  各病院は国立大が法人化した04年度以降、経営努力で手術件数や診療単価は増加したが、診療報酬改定や運営費交付金の減少で経営は困難になった。病院への交付金総額は04年度は約584億円で、09年度は65%減り約207億円という。  国立大学協会経営支援委員会病院経営小委員長の吉田学長は「地方の病院が消えていく状況で、医師を派遣している大学付属病院は地域医療の最後のとりでだ」と話した。 "[he-forum 14868] 共同通信12/3 共同通信2009年12月3日22時16分 事業仕分け「将来に深く憂慮」 国立大工学部長らが緊急宣言  行政刷新会議の事業仕分けで科学技術関連事業の廃止、予算縮減が相次いだことに対し、全国の国立大工学系学部の学部長53人が連名で「日本の将来にとって深く憂慮せざるを得ない」とする緊急宣言を文部科学相に3日、提出した。  宣言では、産学連携、教育研究高度化、留学生支援の予算のほか、国立大の基盤的経費である運営費交付金までが廃止や縮減、見直しとされたことに「教育研究を大きく後退させ、わが国の存立基盤を脅かす」と指摘。「科学技術で世界をリードする国」を堅持するために長期的視点に立った配慮をするよう求めた。  このうち6人が都内で記者会見。「廃止縮減対象は教員、研究者の1割以上の雇用に関係する」(東京農工大)「既に若い人が先のことを心配しだしている。夢が奪われている」(横浜国立大)などと口々に訴えた。 "[he-forum 14869] 山形新聞12/4 山形新聞2009年12月4日付 有機エレ研究支援の「継続」を要望 結城山形大学長ら文科省を訪問  山形大が取り組む有機エレクトロニクスの先端研究拠点づくりへの支援が、政府の行政刷新会議の事業仕分けで「廃止」とされたことを受け、同大の結城章夫学長は3日、高橋節副知事らとともに東京・霞が関の文部科学省を訪れ、後藤斎政務官に事業継続を直接要望した。  後藤政務官は「イエスノーは言えない」と前置きし、「趣旨は分かった。仕分けで出たような事業への厳しい見方は共有しなければならない。大臣に伝え、十分検討する」と答えた。  要望は川端達夫文部科学相あてで、結城学長は事業の国家戦略的な重要性、地域の産学官連携推進に果たす役割の大きさを強調した。終了後、報道陣に対し、「手応えはあった。地方の大学の疲弊や、研究の地域における重要性は理解していただいたと思う。今後も必要であれば何度でも要請する」と述べた。  山形大の事業は、国内外のトップクラスの研究者招聘(しょうへい)が中心。科学技術振興機構の採択を既に受けている。信州大も同時に採択されており、要望は信州大、長野県と合同で行った。 "[he-forum 14870] 山陽新聞12/3 山陽新聞2009年12月3日付 岡山総合医療センター設置で審議 岡山市の総合政策審議会  岡山市の総合政策審議会(会長・高橋香代岡山大大学院教育学研究科長)が2日、市役所内で開かれ、市と岡山大が新たな医療体制の構築に向けて設置を目指す岡山総合医療センター(仮称)について審議した。委員からは期待感を示す声や課題の指摘など活発な意見が出された。  市側が示した構想に、地域団体代表の2委員は「センターができれば安心との感想が市民に多い」「全面的に賛成」と賛同した。  他の委員からは課題をただす質問も多く、構想にある各病院のネットワーク化を困難視する意見に、市は「難しい挑戦だが基幹病院の医師は(多くが)岡山大出身なので可能性がある」と見通した。  さらに市は「将来的には各病院は得意分野に収れんするだろう。救急の軽症患者をセンターで受け入れれば、他病院の専門医は(重症患者に)力を入れられ、共存共栄になるのではないか」とした。  医師確保策への質問も複数あり、市は「岡山大で寄付講座を開いて救急医の研修を行う。救急を本格的にやりたいという後期研修医が来ると聞いている」と説明した。 "[he-forum 14871] 京都新聞12/4 京都新聞2009年12月4日付 新学長に佐和隆光氏 滋賀大  滋賀大は3日、成瀬龍夫学長の任期満了に伴う次期学長に、立命館大政策科学研究科教授の佐和隆光氏(67)を選任した。任期は来年4月1日から4年。  佐和氏は環境経済学の第一人者として知られる。1967年、東京大大学院博士課程中退、80年から京都大経済研究所教授。2006年3月の退官まで京都大経済研究所長で、現在も国の中央環境審議会や交通政策審議会の委員、京大特任教授を務める。  佐和氏は滋賀大での勤務経験はなく、同大学が学長を外部から招くのは5年半ぶり。3日の教員・事務員の選挙、学部長らによる選考会議で決まった。 "[he-forum 14872] 信濃毎日新聞12/4 信濃毎日新聞2009年12月4日付 信大学長ら、科学技術振興や産学官事業の継続要請  信大の山沢清人学長は3日、文部科学省を訪ね、政府の行政刷新会議による事業仕分けで「廃止」や「予算削減」と判定された科学技術振興や産学官連携事業の継続を後藤斎政務官らに要請した。また、信大工学部、繊維学部を含む全国の国公立大工学系学部長53人は同日、連名で「日本の将来を深く憂慮せざるを得ない」と予算削減の再考を求める緊急宣言を発表した。  文科省への申し入れで山沢学長は、産学官連携事業などについて「地方大学の優れた研究者が核になって地域や日本の産業活性化につなげるプログラム。推進してほしい」と求めた。この日は国会内で広野允士民主党副幹事長にも要望。同行した遠藤守信・工学部教授は「産学官がしっかりと成果を上げれば力強い地域ができる」と訴えた。  事業仕分けでは、遠藤教授らが中心となり、超微細な炭素素材「ナノカーボン」の応用を探る研究への支援などが「廃止」と判定されている。後藤政務官は「途中経過でありイエスかノーかは言えないが、趣旨は理解している」と応じた。  一方、国公立大の工学系学部長53人と、世界最高水準の教育研究拠点づくりを目指す同省の「グローバルCOEプログラム」に採択されている大学の研究責任者ら140人は同日、事業仕分けの結果に異議を唱える緊急宣言や共同声明をそれぞれ発表した。  信大は繊維学部が同プログラムの拠点に選ばれているが、仕分けでは縮減対象とされた。共同宣言に加わった平井利博・同学部長は「一度走り始めたプロジェクトの方針を簡単に変えられては、計画的に研究を進められなくなる」と強調している。 "[he-forum 14873] 大阪日日新聞12/4 大阪日日新聞2009年12月4日付 理系中心4学域に再編 府立大改革案、知事は歓迎  大阪府立大(堺市中区、奥野武俊学長)は3日、現行の7学部から理系中心の4学域に再編する改革案を取りまとめ、橋下徹知事に提出した。橋下知事はこれまで同大に対して抜本的な改革を求めており、改革案を「よく踏み込んでいる」と歓迎した。  府立大の在り方をめぐっては、橋下知事が厳しい財政状況の中で運営費交付金として年間約100億円の府費を投じていることから、府民の理解を得られるような改革を要求していた。  大学改革案によると、学部から研究や教員の行き来をより柔軟に展開できるという学域に変更。情報、環境、マネジメントをテーマにした「現代システム科学域」を軸に、「工学域」「地域保健学域」「生命環境科学域」(それぞれ仮称)で構成し、2011年度からの生徒の受け入れを検討している。  取り組みが完了となる16年度時点で大学の生徒数は現行よりも約千人減の5400人。また職員もプロパー化を図り府からの派遣による職員160人を14年には15人に削減するなどスリム化を進め、府の運営費交付金は90億円に縮減することを目指すという。  この日は橋下知事が奥野学長から改革案を受け取り、「文系の人たちは猛反対するだろうが、大学、大阪全体のマネジメントを考えてつくってくれた」と評価。「費用を削るための改革ではないので、強みを発揮してもらえればいい。期待している」とエールを送った。  ただ学内では廃止となる文系学部などから反発の声もある。  改革案提出後の記者会見で奥野学長は「これまで文系を担当してきた先生を説得している状況で、全員が賛成しているわけではないが、大切なのは優秀な学生を育てること。その一点では一致している」と話していた。 "[he-forum 14874] 読売新聞12/6 読売新聞2009年12月6日付 事業仕分け 科学政策 国民的な議論必要…小林信一・筑波大学教授  行政刷新会議の事業仕分けで、科学技術分野の様々な事業が、「廃止」や「予算削減」と判定された。科学技術基本法の施行から15年近く、国を挙げて振興してきたはずの研究開発や理科教育が、なぜ国民や政治家に理解されていないのか。科学技術政策が専門の小林信一・筑波大学教授に聞いた。 (滝田恭子)      科学技術予算は研究振興と同時に、国民の生活を良くし、安心して暮らせる社会を作るための国のお金だ。だが日本では科学技術政策が科学者や産業界の方を向きがちで、国民は置き去りにされてきた面がある。  1996年から始まった科学技術基本計画のもと拡大した予算を、科学者は自分の研究を支えるお金と受け止めた。だが国民は研究成果がいずれ社会に還元されると期待し、両者にズレが生じた。予算化のプロセスが国民から見て不透明なまま大規模な研究が始まり、目標の達成に有効なのかという事前評価が十分なされていない。  政策決定に力を持つ総合科学技術会議も、科学界に向けてメッセージを発しているように見える。内向きの議論はやめて、国民に話しかけるように変わるべきだろう。予算も専門家だけで評価せず、社会全体で考えていくべきだ。  各国は基礎研究の強化に基づくイノベーション(社会改革)を志向している。科学技術予算が縮小し、研究に空白ができると、取り返すのにその何倍もの時間とお金がかかり、結局は国民に不利益が生じる。科学者は、今回の事業仕分けを、科学界にも社会にも有意義な研究の在り方を考える機会にしてほしい。 "[he-forum 14875] 読売新聞社説12/6 読売新聞社説2009年12月6日付 予算編成作業 科学・文化を衰退させるな  科学技術や文化、教育などは、費用と手間がかかる割に成果がすぐには見えてこない分野だ。それを費用対効果で仕分けしてよいのだろうか。  知的創造活動の基盤整備や人材の育成は、長期的視野から取り組むべき課題である。  行政刷新会議の事業仕分けの結果、この分野の多くの事業が「廃止」や「縮減」と判定されたが、大胆に判定を見直して適切な予算措置をとることが必要だ。  科学技術関係では、次世代スーパーコンピューターの開発が「事実上の凍結」とされたほか、大学の研究成果を地域の産業育成に生かす地域科学技術振興・産学官連携などが「廃止」とされた。  これに対しノーベル賞受賞者の江崎玲於奈博士らは「科学技術創造立国」に逆行する作業だと批判した。当然であろう。  長期的戦略を欠いた予算削減は知の探究の基盤を崩すもので、日本の国際競争力維持の観点からも大きな禍根を残しかねない。  2000年の「子ども読書年」を機に超党派の国会議員が提唱して創設された「子どもゆめ基金」と、子ども読書応援プロジェクトも「廃止」と判定された。  基金は読書の街づくりや読み聞かせなど、年間約2000件の民間事業を支援してきた。  衆参両院で全会一致で採択された決議により、来年は「国民読書年」と定められている。活字文化推進の重要性を踏まえ、これらの事業は存続させるべきだ。  また日本芸術文化振興会を通じた芸術支援の予算は、「圧倒的縮減」と判定された。  バレエやオペラ、演劇の制作で国際的評価も高い新国立劇場の運営費や、優れた文化芸術活動の支援費用を中心とした予算だが、国庫負担を将来はゼロにするよう求める仕分け人もいた。  だが、商業ベースに委ねていたのでは文化・芸術は育たない。欧米諸国も国が積極的に支援をしたり、寄付税制を整備し民間による支援を促進したりしている。  文化振興は地方に委ねるべきだとの主張もあるが、自治体の文化予算は厳しい財政事情により削減される傾向にある。国が筋道を示し支援に取り組む必要がある。  教育予算では、英語教育改革総合プランが「廃止」とされた。  11年度から小学校5、6年生で必修化される英語の補助教材の予算が否定され、現場は困惑している。混乱が拡大しないよう、政府は早急に事業継続の方針を明確にすべきだ。 "[he-forum 14876] しんぶん赤旗12/5 しんぶん赤旗2009年12月5日付 高等教育予算の増額を 大学人合同シンポ  大学生、大学院生、私立・国立大学教職員が高等教育予算の増額を求める大学人合同シンポジウムを4日、東京都内で行いました。各地から50人が参加しました。  高等教育の漸進的無償化を定めた国際人権規約(A規約13条2項C)の速やかな留保撤回、高等教育の公財政支出を経済協力開発機構(OECD)の平均まで拡充する―との要求を確認しました。  国庫助成に関する全国私立大学教授会連合の今井証三氏は政権交代後、文科省の政務官がA規約13条2項Cの留保撤回を示唆したことは明るい見通しがあるとのべました。  全国学生自治会総連合の小山農委員長が高学費に苦しむ学生の実態を報告。  全国大学院生協議会の秋山道宏議長は高学費が研究を圧迫している実態を紹介しました。  日本私立大学教職員組合連合の丹羽徹委員長は私学助成の経常費補助2分の1の実現を強調しました。  全国大学高専教職員組合の中嶋哲彦委員長は、法人化後、国立大学の運営費交付金の削減で、研究費や、人件費が削られている実態をのべました。  日本共産党の宮本岳志衆院議員(文部科学委員)が連帯のあいさつをしました。 "[he-forum 14877] しんぶん赤旗12/6 しんぶん赤旗2009年12月6日付 ポスドク支援拡充を 東京で集会 予算削減論を批判  博士課程を修了しても短期雇用で劣悪な研究労働条件にあるポストドクター(ポスドク)、非常勤講師などの若手研究者が多数生みだされています。この問題を解決する方策をめぐって5日、東京都港区で「ポスドク・フォーラム」が開かれました。  国公労連、筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会、全国大学高専教職員組合、日本科学者会議、全国大学院生協議会の5団体でつくる実行委員会が主催したもの。  集会では、ポスドク当事者であるNPO法人サイエンス・コミュニケーション理事の榎木英介さんが講演しました。榎木さんは政府の事業仕分けで、科学技術関連予算、とくに若手研究者支援の予算削減の判定に「衝撃を受けた」とのべ、数年前、フランスで社会的な支持を得た「研究を救え運動」の経験を引き、「知を大切にする社会のための行動、連携を」と訴えました。  集会では、緊急アピールを採択。現状でも若手研究者の雇用不安が深刻なのに、これ以上支援の予算が減らされたら「多数の失業者が生み出されかねない」「日本社会にとって計り知れない大きな損失」と、削減を取りやめ拡充する方向へ転換するよう求めました。  この日、若手研究者問題の解決に向けた提言素案を討議。来年のシンポジウムで発表したいとしています。 "[he-forum 14878] 日本海新聞12/5 日本海新聞2009年12月5日付 鳥大バイオ拠点 9億円で国事業採択  鳥取県や鳥取大学など県内の産学官グループが、鳥大米子キャンパス(米子市)で計画しているバイオ産業の研究拠点について、県は4日、国の「地域産学官共同研究拠点整備事業」に採択されたと発表した。県は当初、約26億円を事業申請していたが、民主党政権によって事業費は大幅に削減され、紆余(うよ)曲折を経て9億円で採択された。  同事業では、国から委託を受けた独立行政法人「科学技術振興機構」(JST)が主体となって機器整備や施設改修を行う。自治体が土地と施設を確保し、運営は地元が行う仕組みだ。  前政権は総事業費計695億円を計上。県や鳥大などが計画していたバイオ産業構想は、鉄筋6階建て延べ床面積約2500平方メートルの研究施設を整備、26億円を建設費に充てる予定だった。  しかし、新政権による補正予算の見直しで、同事業費は263億円に減額となった。「ハコモノは中止」という国の方針を受け、県は建設計画を見直して約11億2千万円で再申請。県によると、申請した45都道府県のうち鳥取を含めて40道府県が採択されたという。  平井伸治知事は「研究に道筋がついた」と歓迎する一方、事業費の減額について「当初の規模はあきらめざるを得ないが、財源をやりくりして整備し、ブレーキをかけないようにする」と話した。  研究を進める鳥大染色体工学研究センターの押村光雄センター長は「地域活性化への起爆剤となれば」と期待を込め、能勢隆之学長は採択に「大変喜んでいる。連携を密にしてバイオ産業発展のため一層努力したい」としている。  研究拠点名は「とっとりバイオフロンティア」。鳥大や民間などでつくるグループは、遺伝子組み換えマウスを活用し、高機能食品の開発などに取り組む。米子キャンパスの既存施設を活用する方針で、資金の不足分を県費で補うことも検討中。2011年度の本格運用を目指している。 "[he-forum 14879] 中国新聞12/5 中国新聞2009年12月5日付 産学官で医工連携 広島大「霞」に拠点整備  広島大と広島県、中国経済連合会は来秋、広島市南区の広島大霞キャンパスに「ひろしま医工連携・先進医療イノベーション拠点(仮称)」を整備する。医、工学の技術を融合し人に優しい電気自動車を開発するほか、細胞治療研究などに取り組む。文部科学省の本年度補正予算で科学技術振興機構の事業に4日採択された。  県内の他の6大学と地場企業も協力する。ニーズが高まる医工連携技術の開発を、地域を挙げて進める。自動車関連では、居眠り運転を防ぎ、長時間運転しても疲れにくい機能を持つ電気自動車などの開発を目指す。人の血液の流れや脳波などを測定する医学技術と、地場部品メーカーなどが持つ自動車関連技術の融合を図るユニークな試みとなる。  このほか細胞を培養や凍結保存し、歯周病やがん治療の研究などに役立てる。幹細胞バンクの整備も目指す。  施設は、霞キャンパスのボイラー棟など計約700平方メートルを改装して整備する。自動車や医療関連の機器を開発するスペースと、先端細胞治療再生医療の研究室を設ける。車の騒音や振動を再現するシミュレーターや、ドライバーの眼球運動計測システムなど最新設備を導入する。総事業費は8億4千万円。  当初は専用棟の建設を検討していたが、政権交代に伴う事業の見直しにより、既存棟を活用することにした。  広島大の岡本哲治理事(産学官社会連携担当)は「人に視点を当てた新しいものづくりの可能性が生まれる。地域産業の活性化や人材育成につなげたい」と意気込む。(桑島美帆) "[he-forum 14880] 読売新聞12/5 読売新聞2009年12月5日付 奈良県立医大移転構想…御所、橿原も候補地 奈良県、年内にも検討チーム  奈良県橿原市の県立医大と付属病院を切り離し、大学施設を移転する県の構想について、荒井知事は4日の県議会本会議で、高山第2工区(生駒市)以外に、県立御所東高跡地(御所市)、県農業総合センター(橿原市)も移転先の候補地に加えることを明らかにした。県は年内にも、庁内にプロジェクトチーム(PT)を発足させ、現在地での建て替えも含め、具体的な検討を進める。  荒井知事は代表質問の答弁で3か所の移転候補地を示した上で、「医大病院を中南和地域の高度医療拠点施設として整備するため、大学施設を移転し、空き地をつくる必要があるが、現在の大学敷地内での建て替えも考えたい」と説明した。今後、健康安全局や土木、農林部などで構成するPTが、地元の意向も踏まえた上で、費用や効果、立地環境などを総合的に比較して選定する。  また、荒井知事は、県地域医療再生計画に盛り込んだ、県立奈良病院(奈良市)の建て替えについて、現在地のほかに、奈良市七条西、石木両町にまたがる県住宅供給公社の所有地に移転する案も含めて検討する考えを示した。 "[he-forum 14881] 毎日新聞福島12/5 毎日新聞福島版2009年12月5日付 県立医大:研究拠点計画が採択 11億2000万円、新築から増築に変更    県は4日、国の1次補正予算の減額に伴い見直した県立医大の「地域産学官共同研究拠点」の整備計画が、文科省所管の独立行政法人「科学技術振興機構」(JST)に採択されたと発表した。事業費は11億2000万円。  同拠点は、他大学や民間企業と連携し、新規抗がん剤や医療機器の開発を行う施設。従来の計画では鉄筋コンクリート5階建ての研究棟を新築する予定だったが、補正予算が減額されたため、現在ある「実験動物研究棟」を増築する計画に変更した。事業費の内訳は、動物用MRI(磁気共鳴画像化装置)などの研究機材の購入に6億2000万円、増築に5億円。【松本惇】 "[he-forum 14882] 中日新聞12/7 中日新聞2009年12月7日付 科学予算「復活を」 愛知の4学長ら民主県連に直訴  鳩山政権の「事業仕分け」で科学技術予算が見直しや廃止対象になったことを受け、名古屋大など愛知県内の4つの国立大学長らが6日、民主党県連に危機感を直訴した。県連側は、廃止とされた「知的クラスター創成事業」などの復活要望をさっそく党本部幹事長室に伝え、近く川端達夫文部科学相らへの要請の場を設定する。  学長と県連幹部との顔合わせは初めてといい、大学側の求めで実現。名大のほか、名古屋工業、愛知教育、豊橋技術科学大の学長や副学長と、国会議員や県議ら計20人が意見交換した。  冒頭、民主県連の伴野豊代表は「仕分けでぜい肉を落としていくなかで、筋肉を切ってしまった部分もあるかもしれない。政府予算案までに揺り戻しもあるので、必要な部分は要請していく」と理解を求めた。  愛教大の松田正久学長は事業仕分けを「国民に透明性が確保され意義があった」と評価しつつ、科学技術関連予算の削減を懸念。「日本は知的基盤社会。大学法人化以降、運営費も削られたので、高等教育への投資の回復を」と訴えた。 "[he-forum 14883] 日本海新聞12/8 日本海新聞2009年12月8日付 大学発ベンチャー 鳥大みらい基金に法人企業初の寄付  鳥取大学が今年創立60周年を迎えたのを機に、11月に設立した「鳥取大学みらい基金」に7日、米子市の「アヴィスコ」(清水浩史郎代表)から寄付があった。法人や企業からの寄付は同社が初めてとなり、鳥取市湖山町南4丁目の鳥大で贈呈式が開かれ、清水代表から能勢隆之学長に20万円の寄付目録が手渡された。 能勢学長(右)に目録を手渡す清水代表=7日、鳥取市湖山町南4丁目の鳥取大学  基金は国立大学の法人化をきっかけに、大学運営上の基盤となる運営費交付金が削減される中、教育研究や地域連携、学生を支援する財源の確保が狙い。1口千円からの寄付を法人・個人問わず募っている。  「アヴィスコ」は鳥大で生まれた技術やアイデアを基に、2008年に設立された大学発ベンチャー企業の一つ。保健福祉医療関連情報の整備、特定保健指導の委託業務などを行っている。  清水代表は「大学発ベンチャーの一つということが、業務をスムーズに進める一助となって利益を上げられたので、わずかでも大学に還元したかった。寄付は私たちのように、地域と大学の連携事業が続くように使ってもらえたら」と要望。  能勢学長は「全国に数多く大学発のベンチャー企業はあるが、利益を上げられているのはわずか。すばらしいモデルとなる。使途はしっかり考え、公表しながら使いたい」と喜んでいた。 "[he-forum 14884] 北海道新聞12/8 北海道新聞2009年12月8日付 道内の医学部定員17人増 10年度、文科省計画  深刻化する医師不足対策として、文部科学省は7日、2010年度の大学医学部の入学定員について、国公私立61大学で計360人増やし、定員総数を過去最多の8846人とする計画を公表した。私立大分については大学設置・学校法人審議会に諮問し、年内に決定する見通し。国立大は諮問がいらない。  これにより、道内は北大が7人増の112人、旭川医大が10人増の122人、札幌医大は増員なしの110人で、3大学合計で17人増の344人になる。全国では国立大42校で265人増、公立大6校で25人増、私立大は13校で70人増。  文科省は増員分について、医師不足に対応するため卒業後の地元勤務を前提に奨学金を出す「地域枠」などを設定。旭川医大は地域枠を活用し、北大は歯学部定員を振り替える。 "[he-forum 14885] 京都新聞12/8 京都新聞2009年12月8日付 人材育成…予算確保へ緊急アピール 滋賀大と滋賀医科大  滋賀県の2国立大学法人、滋賀大と滋賀医科大が7日、研究と人材育成のための予算確保に向けて「緊急アピール」を行った。行政刷新会議の「事業仕分け」が、国立大学法人の運営費交付金を「見直しが必要」としたことに異を唱えた。  「アピール」では、国立大の運営基盤を支える運営費交付金が毎年、対前年比1%削減が続いているとし、「滋賀県の国立大は、特色を生かし質の高い教育者の育成、地域医療の最後の砦として機能を注いでいる」と予算確保へ県民の理解を支援を求めている。  大津市の滋賀大サテライトプラザで、同大学の成瀬龍夫、滋賀医科大の馬場忠雄の両学長が記者会見した。  成瀬学長は「人件費削減などに取り組んでいるが、今後の財政的なめどが立たない状態」とした。馬場学長は「本来研究機関であるべき医科大が、経営は厳しく、教員が診療に時間をとられ、役割を果たせなくなっている」と現状を憂えた。 "[he-forum 14886] 毎日新聞12/8 毎日新聞2009年12月8日付 事業仕分けの波紋:どうする科学技術予算/下 若手や女性に打撃、埋没する人材育成  ◇国民との乖離認識、新たな動きも  科学技術予算の削減が相次いだ行政刷新会議の事業仕分け。閣僚からも「復活」の声が上がる次世代スーパーコンピューターなどの陰で、若手や女性の研究者を支援する「目立たない」事業は埋没気味だ。「コンクリートから人へ」をスローガンに掲げる民主党政権はどう判断するのか。一方、科学界では仕分けの指摘を受け止め、社会との関係を見つめ直す動きも出てきた。【西川拓、高木昭午、永山悦子】  さまざまな突然変異を持つマウス、再生医療への応用が期待されるヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)、植物実験に広く用いられるシロイヌナズナ……。  理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)は2日、生命科学の実験に不可欠なこれらの試料をずらりと並べ、川端達夫文部科学相の視察を待ち受けた。センターは実験に使う動植物や細胞などを収集・保存し、国内外の研究者に有償で提供している。仕分けで、国からの運営費交付金(年間約30億円)の「3分の1程度縮減」を求められた。  ■値上げは国の負担  センターによると、約15億円は人件費などの固定費で削減が難しい。判定通りなら残る15億円の事業費を5億円に減らすしかないという。「受精卵を含めマウスだけで約3900系統を飼育・保存しているが、約2600系統が犠牲になる。生物の系統は途絶えたら復元できない」と小幡裕一センター長は嘆く。  08年度の提供件数は約1万3000件、提供料収入は約1億2000万円。仕分けでは提供料値上げも求められた。だが提供先の3分の2は国内の非営利の研究機関だ。「多くは政府の研究費から出ており、値上げは結局、国の負担になる。払えずに研究が滞る機関も出るだろう」と小幡さん。実験材料の提供は国内外で料金に差をつけないのが国際慣習で、海外向けだけの値上げも難しいという。  川端文科相は「地味だが、科学技術を進める時の共通的なインフラ」と評価したが、予算復活については言及を避けた。  ■「狙い撃ちされた」  「この資金のおかげで、アルバイトせずに研究に没頭できている。海外の学会で発表したり、一流科学誌に論文が掲載されるなど効果も上がっている」  先進的な大学院教育を目指す研究資金「グローバルCOE」(来年度要求額341億円)の事業継続を求め、1日、東京都内で開かれた記者会見で、ある若手研究者が訴えた。仕分けでは対象が広すぎることなどを理由に「3分の1縮減」と判定された。  柳田敏雄・大阪大教授は「先端研究の現場を支えているのは、大学院生や若手研究者だ。彼らへの投資で、科学技術のつぼみが膨らみ、花が開く。将来の有用な人材を育成する欠かせない事業だ」と話す。  女性研究者の支援や雇用増加を図る事業(同30億円)も削減を求められた。都河明子・東京大特任教授は「科学技術立国の維持には、多様な人材を生かさなければならないはずだ」と反論する。  こうした事業が厳しい判定を受けたことについて、「従来の施策との整合性があまりにもない。大物研究者がかかわっていない事業が狙い撃ちされた」と漏らす文科省幹部もいる。  ■横の連携を模索  「国民の8割が仕分けを支持した。私たち科学者が国民と乖離(かいり)しているのではないか」「説明責任において努力が足りなかった」  日本化学会、物理学会、機械学会など理工系の主要19学会は4日、仕分け判定を受けたパネル討論を東京大学で開いた。壇上に並ぶ各学会の会長らからは「反省」の言葉が聞かれた。呼びかけた岩沢康裕・日本学術会議第三部部長は「研究者の横の連携で新しい仕組みを作りたい」と話す。  研究分野や立場、年代を超えたネットワーク作りを目指す動きも広がっている。  6日には東京都内で「ノーベル賞受賞者じゃない研究者の緊急討論会」が開かれた。物理学や生物学、文化人類学などさまざまな分野の研究者や企業人ら約40人が集まり、今後の科学界が目指すべき道を議論した。「仕分け以前に、学問や研究が必要だと社会にきちんと提示できなければいけない」「まず金の使い方を自分たちで見直すべきだ」などの声が目立った。  企画した病理医で科学技術政策ウオッチャーの榎木英介さん(38)は、仕分け後にノーベル賞学者や学会などから出された声明に違和感を持ったという。「『自分のところの研究が大事だから予算を』というだけでは、国民からは『あれもこれも欲しがっている』としか見えない。まず指摘を受け止め、自ら改善する中で科学や研究の意義を語る自主的な組織が必要だと思った」と動機を語る。  ネットワークで「我田引水でない主張」を模索し、政策提言や社会への情報発信につなげるという。 "[he-forum 14887] 山形新聞12/8 山形新聞2009年12月8日付 長期的視点に立ち事業仕分けを 山形大が緊急提言  国立大の多くの事業が政府の事業仕分けで「廃止」「縮減」などと評決されたことを受け、山形大の結城章夫学長は7日、各学部長・病院長と連名で「長期的視点に立った格段の配慮を強く望む」との緊急提言を発表した。  結城学長は、評決の背景に、短期で成果が得られる研究を重視する視点があると指摘し、その考え方からの脱却を求めた。また、減額が続いてきた運営費交付金も「見直し」とされたことに対しては「(全国平均で)毎年1%ずつ削減され、教育基盤がやせ細っている。やりくりでしのいできたが、もはや限界。ぜひとも増額に転じてほしい」と訴えた。  評決の在り方については、各学部長などからも批判が相次いだ。「(仕分けに)分かっている領域の人が加わっていない。日本を壊そうとしていると思えるほどの暴挙だ。病院への運営費交付金が減らされれば、日本の8割の付属病院が赤字になる」(嘉山孝正医学部長)、「科学のすそ野を確保することが国立大の役割だ」(桜井敬久理学部長)、「有機エレクトロニクスは、産業化の山を登り始めようとするところ。今後の配慮を求めたい」(高橋辰宏工学部副学部長)と、いずれも危機感をあらわにした。  同大の運営費交付金は予算ベースで2009年度が97億4400万円で、04年度比では5億6100万円の減。同大のまとめによると、事業仕分けでは、グローバルCOEプログラム(09年度2億6千万円)が「縮減」、先端有機エレクトロニクス国際研究拠点形成プロジェクト(同1億千万円)が「廃止」とされるなど、大きく分けて14事業(同計10億1300万円)に影響が出ているという。  同大によると、8日に東北地方の7大学長の連名で、同様の提言を発表する方針。 "[he-forum 14888] 中国新聞12/7 中国新聞2009年12月7日付 島根県、若手医師定着へ講座 島根大で来年度  ▽奨学金制度とセット  島根県は来年度、島根大医学部(出雲市)に、地域医療の魅力を学生に伝え、若手医師の県内定着を促進する「地域医療支援講座(仮称)」を開設する。一定期間の県内勤務を条件に返還を免除する奨学金制度と組み合わせ、医師不足解消を目指す。  想定される講座体制は、教授1人、講師1人、助教2人などで、地域医療の魅力の普及▽総合医養成研修のコーディネート▽医師の希望と医師配置を求める医療機関側との調整―などを行う。  県は、人件費や事務費など年数千万円を負担する。財源は、現在国に申請中の地域医療再生臨時交付金をあてる考え。  県は2002年度から、医学生向け奨学金制度を設けている。貸与を受け医師になった人数は現在8人だが、ここ数年、奨学金を受給する学生が増えている。14年度に約80人、19年度に約200人になるとみている。一定期間県内で勤務すれば返還免除する貸与規定で県内定着を誘導しており、この講座の開設でさらに後押しする狙いだ。(金山努) "[he-forum 14889] 関東・甲信越市区15大学機関学長等共同声明 平成21 年12 月4 日 「国立大学法人等運営費交付金」に関する行政刷新会議「事業仕分け」 について(共同声明)       茨城大学長 池田幸雄     筑波大学長 山田信博       筑波技術大学長 村上芳則  宇都宮大学長 進村武男       群馬大学長 高田邦昭    埼玉大学長 上井喜彦       千葉大学長 齋藤 康     横浜国立大学長 鈴木邦雄       新潟大学長 下條文武    長岡技術科学大学長 新原晧一       上越教育大学長 若井彌一  山梨大学長 前田秀一郎       信州大学長 山沢清人     総合研究大学院大学長 高畑尚之       高エネルギー加速器研究機構長 鈴木厚人 ○過日、国立大学法人等運営費交付金に関する事業仕分けの議論が行われ、 運営費交付金自体については「見直し」、特別教育研究経費については 「縮減」ということになりました。 ○国立大学法人等がそれぞれの特徴を出して、教育の質を保証し、また独 創的かつ先導的な研究活動を進め、学術の発展に貢献していくためには、 基盤的活動を支え、大学の個性を伸長させる「運営費交付金(特別経費を 含む。)」は不可欠なものであり、その見直し・縮減は、自律的な教育活 動や先端研究活動の維持に大変大きなダメージを与えることになります。 教育研究分野において一旦与えられたダメージは、よい人材を受け入れ・ 創出していく大学等にとって取り返しのつかない大きなダメージになって しまいます。 ○国立大学等は、法人化以降、極力経費の効果的効率的活用に努めてきて いるところであり、今後一層その努力を継続していくことは言うまでもな いことでありますが、先般の競争的資金の削減に加えて、これ以上の運営 費交付金の削減は、経営に責任を持つ長として、その責任を全うできるか どうか極めて深刻な状況にあります。 ○高等教育及び科学技術の振興は、未来への投資であり、短期的な成果や 費用対効果のみによってその適否を判断することは適当ではありません。 今回の議論は、大学等の状況について広く関心を呼んだことは一つの効果 ではありましょうが、今後高等教育を受けようとする若い人材、あるいは 教育研究を支えようとしている優れた人材のやる気やエネルギーを大きく 減退させてしまうのではないかと心配します。 ○資源の少ない我が国にとって、人材は国の力であり、我が国が国際的に 存在感があり信頼される国として発展していくためには、国立大学法人等 の責任は大変重いと考えており、これを支える運営費交付金の見直し・縮 減、科研費等の競争的資金や国際化を推進するための経費の縮減が回避さ れることを強く要望する次第であります。 "[he-forum 14890] 中国新聞12/10 中国新聞2009年12月10日付 国立5学長「評価再精査を」  行政刷新会議の事業仕分けで、学術・科学技術関連事業の予算縮減や廃止が相次いだことに反対し、中国地方の国立大全5校の学長や副学長が9日、広島市南区のホテルで異例の記者会見を開いた。共同声明で「地方国立大の衰退が危惧(きぐ)される」と訴え、評価結果の「再度精査」を求めた。  会見には、広島大の浅原利正学長、山口大の丸本卓哉学長、島根大の山本広基学長、岡山大の田中宏二副学長、鳥取大の本名(ほんな)俊正副学長の計5人が出席した。  声明文は、「高度人材育成の中核拠点が崩壊しかねない」と強調。人材の育成、先進的医療の提供、企業への研究成果の還元などに「大きな影響を与える」と指摘している。  さらに、基礎研究や研究の芽をつぶせば「経済成長の衰退、国際競争力の低下につながり、科学技術創造立国としての価値がなくなる」と警鐘も鳴らしてる。  会見で浅原学長は「経営効率化のため、すでに教職員を減らしている。これ以上、運営費交付金などが減れば、高等教育そのものの危機を招く」と力を込めた。丸本学長は「産学連携が止まると研究基盤が揺らぐ」と訴えた。 "[he-forum 14891] 共同通信12/9 共同通信2009年12月9日21時34分 若手、外国人研究者支援てこ入れ 科学技術予算で首相表明  政府の総合科学技術会議が9日、首相官邸で開かれ、議長の鳩山由紀夫首相は「若手が冷遇され、外国人に狭き門となっている日本の特徴を克服しないと、科学技術で世界をリードできない」と述べ、行政刷新会議の事業仕分けで予算削減を求められた若手・外国人研究者の育成、支援にてこ入れする姿勢を明らかにした。  この日の会議では、来年度計画されている科学技術分野の主要事業に関する有識者議員らの優先度判定を正式に了承。事業仕分けと対照的な判定が目立ち、会合後、菅直人科学技術担当相は「優先度判定の観点は、科学技術政策上の資源の適正配分。事業仕分けは事業の執行過程で無駄がないかを見ている。予算編成では両者を勘案し、関係閣僚が政治判断する」と説明した。  今回の優先度判定では、SABCの4段階で評価する新規事業のうち、感染症研究の国際ネットワークづくりや、超小型人工衛星の研究開発などが最高のS評価。若手研究者育成のための競争的資金3種類(概算要求計626億円)は「優先」や「さらに充実」。外国人を招くための同資金2種類(同計141億円)も「優先」「着実」とされた。 "[he-forum 14892] 共同通信12/8 共同通信2009年12月8日19時36分 沖縄の大学に「減速」の評価 有識者と菅科技相が優先度判定  政府の総合科学技術会議の有識者議員と菅直人科学技術担当相による会合が8日開かれ、来年度予算の概算要求に盛り込まれた科学技術関係事業の優先度を判定した。  11月末の原案で「着実」と仮判定していた沖縄科学技術大学院大については、より厳しい「減速」評価に格下げ。また、行政刷新会議の事業仕分けで事実上の凍結判定を受けた理化学研究所の次世代スーパーコンピューター開発については「確実に推進」の評価は維持したが、スパコンの性能を生かして成果を挙げるためのソフトウエア開発も重視するとの見解を付けた。  沖縄科学技術大学院大について、有識者議員の白石隆・元政策研究大学院大副学長は「世界の争奪戦の中で優秀な学生を確保できるか、経営が長期的に持続可能なのかの2点に懸念がある」と説明。「一度立ち止まり、世界トップクラスの拠点として科学技術をリードするという所期の目的に最適な(大学の)在り方を考え直すべきだ」と指摘した。 "[he-forum 14893] 時事通信12/9 時事通信2009年12月9日19時39分 東大が「反論」、HPに=事業仕分けで危機感  政府の行政刷新会議による「事業仕分け」で、大学や科学技術関係の予算に厳しい判定がなされたのを受け、東京大は9日、同大学のホームページ(HP)上に、教育や研究の重要性を訴える特設コーナーを設置した。  「明日の日本を支えるために」と題されたコーナーでは、「大学関係の予算は『未来に対する投資』という性格を持つ。戦略的なビジョンを踏まえた政策と予算編成が不可欠」などとする浜田純一学長名の文章を掲載。事業仕分けに前後して、ノーベル賞受賞者や各学術団体などが発表した声明文なども掲載した。 "[he-forum 14894] 東奥日報12/8 東奥日報2009年12月8日付 弘大付属病院が肝炎対策拠点に  県は「肝疾患診療連携拠点病院」として、弘前市の弘前大学医学部付属病院を指定し、同病院は8日から肝疾患に関する相談窓口「肝疾患相談センター」の受け付けを始めた。同病院は今後、肝炎対策基本法に基づき専門医療機関に指定された9病院、かかりつけ医療機関と連携し、肝疾患診療の中心的な役割を担う。  県保健衛生課によると、専門医療機関に指定されたのは県立中央病院、青森市民病院、弘前市立病院、黒石病院、八戸市民病院、八戸赤十字病院、西北中央病院(五所川原市)、十和田市立中央病院、むつ総合病院の9病院。  拠点病院の弘大医学部付属病院は、医療従事者向け研修会や住民を対象にした講演会を開催したり、治療法などに関する相談に応じる。  相談員を務める遠藤哲医師は「どうしたらいいのか分からないといった心配がある方に対し、適切なアドバイスをしていきたい」と取材に答えた。  受け付けは祝・休日、年末年始を除く月曜から金曜の午前8時半~正午、午後1時~同3時まで。電話予約(0172-33-5111、内線4020)が必要。 "[he-forum 14895] 共同通信12/9(2) 共同通信2009年12月9日23時11分 京大が「雇い止め」見直し 非常勤職員の再雇用検討  京都大が2010年度以降に雇用期限を迎える非常勤職員を一律5年で「雇い止め」することに絡み、学内の人事制度検討会が、能力や適性のある非常勤職員については、実質的に再雇用を認める案をまとめたことが9日、分かった。  京都大関係者によると、今月中旬までに意見を集約し、部局長会などで本格的に検討、理事会などを経て結論を出す。  案によると、現行制度に対する改善措置として、一律5年で雇い止めする原則は維持した上で、各部局で必要と判断した場合に限り、雇用期限を迎えた非常勤職員を再雇用できるとした。採用の判断は「部局の長の責任」で行い、雇用を決めた場合は新規採用者として扱うとしている。  非常勤職員の雇い止めをめぐっては、京大職員組合が教職員ら2千人以上の署名を集めるなど、5年間の雇用期限撤廃を求める声が上がり、大学が就業形態の見直しを表明していた。 "[he-forum 14896] 京都新聞12/12 京都新聞2009年12月12日付 滋賀県「医工連携」ピンチ 事業仕分け 関連予算が廃止  滋賀県内の企業や大学が取り組み、軌道に乗り始めた医工連携が、行政刷新会議の事業仕分けで打撃を受けた。6年かけて高機能の内視鏡や微量の標本からがんの悪性度を診断する技術などを開発したが、事業化に向けた文科省の補助事業が「廃止」になったためだ。今後の展開に向けた予算の裏付けがなくなり、関係者は「地域経済の起爆剤にしようと期待していたのに…」と落胆している。  ■高機能内視鏡、がん診断技術開発…  県の医工連携事業は2004年度にスタート。県内を中心とした6社や滋賀医科大学など3大学が参画し、文科省から6年間で計9億円を受け、新技術の開発に成功した。今年6月には文科省と経産省の集中支援が得られる「地域中核産学官連携拠点」に応募し、全国10カ所のひとつに選定された。県内68社がネットワークを作り、開発技術を活用した診療の実用化など、10年期間で新事業を模索し始めた矢先だった。  仕分けで廃止されたのは「産学官民連携による地域イノベーションクラスター創成事業」(15億円)。「国としてはやる必要がない」などが理由だった。2~4億円がおりる可能性があっただけに、医工連携の事務局を担う県産業支援プラザは「採択される自信はあった。不況で医療分野への参入に期待する中小企業が増えているので、是が非でも予算を取りたかった」と話す。県財政も厳しく、今後の展開は模索中だ。  医工連携で企業側の中心となる山科精器(栗東市)の大日(おおくさ)常男社長は「国の拠点になった直後だけに、はしごを外されたようで残念。事業化に向けあと数年で花開く段階。ほかの補助金活用も考え、医療分野を県の大きな産業に育てたい」と話す。 "[he-forum 14897] 沖縄タイムス12/10 沖縄タイムス2009年12月10日付 大学院大事業見直しを提言 科学技術会議/沖縄相は推進表明  【東京】2010年度の科学技術予算の優先度を判定する政府の総合科学技術会議の有識者議員は9日、2012年開学予定の沖縄科学技術大学院大学の関連予算(149億1200万円)を「減速」とし、事業計画を見直すことを盛り込んだ提言を鳩山由紀夫首相に報告した。  同日、前原誠司沖縄担当相は「国会では沖縄科学技術大学院大学学園法が全会一致で成立し、政府として支えることを決めた。沖縄振興上重要な施策として、確固とした支援を行っていく」とのコメントを発表し、予算確保を求めていく考えを示した。  同会議の提言は財務省の予算編成の参考とされるが、現時点での開学への影響は不明。仲井真弘多知事は11日に上京し、内閣府に対し適切な予算措置を要請する予定だ。 "[he-forum 14898] 中国新聞12/10 中国新聞2009年12月10日付 岡山大医学部一般入試 来春、広島県の地域枠設定  広島県は9日、岡山大医学部医学科の来春の一般入試で、卒業後に中山間地域で働く医師の確保を目的とした「地域枠」2人が設けられることを明らかにした。県外にある大学医学部への広島県枠設置は初めて。  中国地方5県の高校出身者が対象。広島県が奨学金月20万円を6年間貸し付ける。学生は卒業後、県内の公的医療機関に9年間勤め、うち5年間を中山間地域などで働けば返還は免除される。  また、広島大医学部医学科が今春、県内高校の出身者を対象に推薦入試で導入した「ふるさと枠」は来春、一般入試にも拡大。今春の5人から15人(推薦10人、一般5人)に増える。  政府の医師不足対策で打ち出された定員増と、近隣の都道府県の大学にも地域枠を設定できるようにした制度変更で実現した。県医療政策課は「県東部には岡山大が医師を派遣する公的病院が多く、岡山大と協議を進めていた」と説明している。(高橋清子) "[he-forum 14899] 琉球新報12/9 琉球新報2009年12月9日付 大学院大「減速」に 有識者会合 優先度最低  【東京】2010年度科学技術関係主要事業の優先度判定をしている政府の総合科学技術会議の有識者議員と、菅直人科学技術担当相による会合が8日開かれ、沖縄科学技術大学院大学に関し、科学技術の振興発展に資するか懸念があるとして「減速」の判定を下した。  11月末の原案では3段階の評価中2番目の「着実」と仮判定していたが、最終的には最低の評価に格下げした。鳩山由紀夫首相も参加する9日の本会議で報告、了承される。  政府はこの評価を踏まえた上で、年末の予算編成を行う方針。予算次第では内閣府の目指す12年度までの開学時期に影響を与える可能性も生じるが、前原誠司沖縄担当相は目標通りの開学に意欲を示しており、具体的な影響は不明だ。  大学院大学に関し、有識者議員の白石隆・元政策研究大学院副学長は判定の理由について(1)世界的な獲得競争の中での優秀な学生の確保(2)長期的な経営の維持―への懸念を指摘した。  3日に行った仲里全輝副知事、志喜屋文康恩納村長の意見聴取を踏まえ「沖縄振興への期待感、重要性は十分、理解できる」と強調。その上で「科学技術の振興の観点からは疑問が残る。一度立ち止まって、世界最高水準の拠点として科学技術をリードするという所期の目標にかなうよう事業を見直してもいいのではないか」と指摘した。  津村啓介内閣府政務官は「あくまでも会議による判定であり、予算にどう反映されるかは今後の政府内の議論による」と説明した。 ◆「憤り覚える」仲井真知事  政府の総合科学技術会議で、沖縄科学技術大学院大学の整備事業が「減速」と評価されたことについて、仲井真弘多知事は8日、「失礼な評価をする全く信じ難い話で、憤りすら覚える。地元に説明がなく、簡単に(評価を)やらないでほしい」と怒りをあらわにした。「直ちにこの件で東京に行く」と述べ、今週中に事業継続を政府に要請する考えを示した。  7月に大学院大学の学園法案が資金確保の面で民主党を中心に良い方向でまとまったことに触れ、「(法案に賛成した)趣旨を思い出して、民主党はきちんと対応してもらいたい」と注文を付けた。  一方、志喜屋文康恩納村長は「事業を止めるという意味合いではないと考える」との認識を示し、「県民の期待も大きいので、内閣府は沖縄振興という点を踏まえ、着実に進めてもらうことに期待する」と述べた。 "[he-forum 14900] 読売新聞12/10 読売新聞2009年12月10日付 医療や福祉、環境など視野 名古屋市立大と愛知銀が連携協定  愛知銀行は9日、名古屋市立大学(名古屋市)と産学連携協力に関する協定を締結し、調印式を行った。取引先企業と大学の共同研究などを促すことで、企業の技術開発や新産業の開拓を支援する狙い。名市大は医学部や薬学部をもつことから、愛知銀は医療や福祉、環境などの分野での連携が進むことを期待している。  調印式では、愛知銀の幅健三頭取と名市大の西野仁雄理事長が協定の覚書にそれぞれ署名した。  愛知銀が大学との産学連携協定を結ぶのは名古屋大などに続いて4校目。名市大が愛知県を拠点とする地方銀行と協定を結ぶのは初めてだ。  愛知銀の幅頭取は、「産学連携の幅を一段と広げることで地元企業の支援を充実させたい」と話した。 "[he-forum 14901] 京都新聞12/9 京都新聞2009年12月9日付 京都市立芸大学長に西島氏を選出 来年4月1日から4年間 西島安則氏  京都市立芸術大は8日、新しい学長に元学長で京大総長も務めた西島安則・京都市産業技術研究所長(83)を選んだと発表した。任期は来年4月1日から4年間。  潮江宏三学長の任期満了に伴う専任教員による学長選考選挙で西島氏が過半数を得て、同日の評議会で選んだ。  西島氏は京都大工学部卒。京大助教授、教授を経て、1985年から91年まで京大総長。98年から2004年まで2期、京都市立芸大学長を務めた。専門は高分子化学。  大学によると、学長選考規程で学長の任期は連続2期までと定められているが、間隔を開けての選任に関しては規定がなく、異例の「再登板」となった。  市は2012年度を目標に市立芸大を公立大学法人化する方針を掲げており、西島氏は市が設けた芸大の在り方を考える懇談会の委員を務めていた。 "[he-forum 14902] 岩手日報12/13 岩手日報2009年12月13日付 大学職員の在り方探る 岩手大で交流会  岩手大(藤井克己学長)は12日、学内外の大学職員の交流を図り、自らの働く意義を考える「第1回大学アドミニストレーターコロキウム(アドコロ)inいわて」を盛岡市上田3丁目の同大図書館で開いた。  東北で初めて開催され、県内外の約50人が参加した。国立大法人化を機に、大学職員には企画提案など積極的な大学経営への参画が求められており、自ら考え行動できるために必要なことは何か、先進的な取り組みの事例発表や意見交換を通して考えた。  岩手大研究交流部国際課国際企画グループの石沢友紀主任は「仕事をするなら楽しくやりたい。仲間を増やし、いい大学にするきっかけになれば」と語った。 "[he-forum 14903] 大阪日日新聞12/12 大阪日日新聞2009年12月12日付 府立大改革案「再検討を」 卒業生ら知事に要望書  理系に特化する方針を打ち出した大阪府立大の改革案をめぐり、同大の卒業生らでつくる「大阪府立大学問題を考える会」は11日、大学側に十分に議論する時間を設け、再検討するよう求める橋下徹知事あての要望書を府に提出した。  同会は現在の大学として統合される前の、旧府立大、大阪女子大、府立看護大、大阪社会事業短大の卒業生20人で発足。今回の改革案を「府の方針に迎合しただけで、大学の自主的なものではない」ととらえている。  要望書によると、関係者の議論に十分時間をかけられるよう、再度府立大学へ働きかけること▽2005年の統合の成果も半ばの時であり、改革は再検討すること-を求めている。  同会代表で旧府立大卒業生の中井英二さんは「これは決して僕たちのノスタルジーではない。大阪に文化を積み上げてきたものが今なくなろうとしており、少なくとももっといろんな意見を集約するべきだ」と話していた。  会としては今後、年内をめどにホームページを立ち上げ、卒業生のほか在校生、府民らに賛同を求めるなど活動の輪を広げていく考え。 "[he-forum 14904] 産経新聞12/11 産経新聞2009年12月11日付 医師確保のため大学院の学費を助成へ 奈良・吉野町  町営病院の医師不足に悩む奈良県吉野町は、病院に勤める医師の大学院の授業料などを全額負担する条例を制定した。大学院に通う医師の奨学金制度は、長野県上田市でも導入されているが、西日本では初という。同町営病院では特に整形外科の存続が危ぶまれており、事実上、現在1人だけ残る男性医師(37)を引き止めるための懸命の策。北岡篤町長は「病院の存続にかかわるので、なんとしてでも医師を確保したい」としている。  町営病院「吉野町国民健康保険吉野病院」(奈良県吉野町丹治)の整形外科には、奈良県立医科大学(橿原市)から常勤医3人が派遣されていたが、今年8月に1人が異動。今月末にも1人が異動する予定となっているが、補充のめどは立っていない。残る1人が病院を去ると、手術や入院患者の診察ができなくなるといい、整形外科の存続が懸念されている。  町は、赤字経営の病院に毎年約2億円を注入。病院によると、整形外科が閉鎖されると、年間約6億円の入院患者による収益のうち25%前後の1億数千万円が減ることが予想され、さらに町財政を逼迫(ひっぱく)するという。  奨学金の対象は、現在吉野病院に勤務する医師か、将来に病院に勤務する意思がある人で、入学金として上限80万円、授業料として月5万円を支給する。奨学金を受けた年数分、吉野病院に勤務すると返済が全額免除される。整形外科に残る医師は制度を利用して病院に残る意向で、病院は「たとえ4年間でも医師が確保できればありがたい」としている。 "[he-forum 14905] 読売新聞12/15 読売新聞2009年12月15日付 財務省VS文科省、科学予算巡りHPでも攻防  来年度予算の査定で削り込みを目指す財務省と予算確保を狙う文部科学省が、それぞれの主張をホームページで戦わせている。  行政刷新会議の「事業仕分け」で国民の予算への関心が高まるなか、互いに世論へのアピールを競う異例の展開だ。  財務省は今月3日、事業仕分けでも議論された、国立大学の人件費などを賄う「運営費交付金」や、科学技術関係予算などの増額を求める文科省をけん制する資料をホームページに掲載した。国立大学の収入はこの4年で2649億円増加していることや、官民合わせた研究開発費が対GDP比で主要国随一の水準であることを強調した。  これに対し、文科省は12日になって反論を開始。国立大学の収入増は付属病院の増収などに伴うが、支出も増加、日常的な教育研究活動の経費は増えていないと反発。科学技術関係予算についても、欧米やアジア各国が急増しているなかで日本はほぼ横ばい、民間を除いた研究開発費は対GDP比で主要国のなかで低水準と主張している。文科省の担当者は「データには様々な見方があることを示す必要がある」と話す。 "[he-forum 14906] 日本共産党による「科学・高等教育の予算充実のための懇談会」のご紹介 各位      12/16/09       山形大/理 品川敦紀 共産党さんが,現政権による事業仕分けによる科学,高等教育予算の縮 減,見直しの提言が出される中、「科学・高等教育の予算充実のための 懇談会」を12月22日午後4時から国会内で開催するそうで,その案 内が、同等の下記のウェブサイトに出ています。 参加は自由の様です。 東京近辺でご関心の有る方は,ご出席されてはいかがでしょうか? http://www.jcp.or.jp/tokusyu/daigaku/pdf/091222kondankai.pdf ****************************************** 案内文ご紹介 「科学・高等教育の予算充実のための懇談会」ご参加のお願い  科学、技術の発展と高等教育の充実のための皆様の日頃のご尽力に心 から敬意を表します。年末ご多忙の折、突然にお願いのお手紙を差し上 げることをお許しください。  さて、鳩山内閣が先般行った「事業仕分け」で、科学予算、高等教育 予算の多くが短期的な効率主義で裁断され、事業見直し、予算縮減など の評定をうけたことに対して、科学界から「科学、技術の発展を大きく 損なう」、「若手研究者の志を挫くもの」との厳しい批判や、予算の充 実を求める声が相次いでいます。多くの大学、研究機関では、これまで も「構造改革」のもとで予算削減や成果主義的な競争が強いられ、教育 研究基盤の破壊、基礎研究の衰退などの重大な事態に追い込まれていま す。私たちは、科学研究や高等教育が長い視野でみれば社会の進歩に大 きな役割を果たすことを重視し、「構造改革」からの脱却をはかるとと もに、欧米並みの予算を基礎研究や高等教育に投入するよう求めてきま した。また、若手研究者の就職難と劣悪待遇の抜本的な解決にも取り組 んできました。  科学の役割を無視した乱暴な論理で予算を削減する愚策を中止し、科 学・高等教育に関する予算の充実をはかるために、みなさまから研究・ 教育現場の切実な声・要望をお聞きし、それをもとに来年度予算編成に あたって政府に強く働きかけていく所存です。  以上の趣旨から、標記の懇談会を緊急に開催することにし、科学研 究・高等教育に関わる団体、個人の方々に広くご案内いたしました。み なさまのご参加を心からお願いする次第です。  よろしくお願い申し上げます。 名 称:科学・高等教育の予算充実のための懇談会 日 程:12月22日(火)午後4時~6時 会 場:衆議院第一議員会館 1階第4会議室 ※ 懇談では、・予算削減が研究現場にどんな問題をおこすの か、・大学・研究機関の実情や国への要望・意見について、あわせて研 究者としてもつ夢や志、使命感についても、お聞きしたいと思います。 ※ ご参加の可否を折り返しメールかファクスでお知らせいただ ければ幸いです。資料を準備される場合、事前にメール送信していただ ければ、必要数を印刷いたします。 ※ 当日は、第一議員会館の入口ロビーでご案内しますので、早 目にお越しください。 2009 年12 月10 日 日本共産党国会議員団 連絡先:衆議院議員宮本岳志事務所 T el 03-3508-7194 Fax 03-3508-3624 E-mail gakubun@jcp.jp "[he-forum 14907] 12/16しんぶん赤旗 2009年12月16日(水)「しんぶん赤旗」 「事業仕分け」で補助金カット 若手研究者“待った” 21グループ異例の声明  生命、宇宙、物理など自然科学系学会の若手研究者21のグループが 15日、いわゆる「事業仕分け」で若手研究者支援の予算が削減と判定 されたことにたいし、「私たちの世代だけでなく、未来の研究者とな る、さらに次の世代の失望につながってしまうことを危ぐする」との共 同声明を発表しました。同日、文科省などに送付しました。  各学会の若手の会が分野の垣根を越えて声明を出すのは異例。  声明では、「革新的な研究成果を生み出すためには、若手研究者が失 敗を恐れずに困難な研究課題に挑戦することができる戦略的な支援が必 要」と強調。仕分けの対象となった特別研究員制度や科学研究費補助金 などの支援制度の充実を強く求めています。  また、基礎的な研究の支援と若手研究者育成は「先人が積み上げてき た『知』を継承するのみならず、わが国の将来の科学技術力の基礎を築 くことにつながる」と指摘。「博士号取得者の活用法からわが国の将来 の科学技術のあり方までより時間をかけて議論を行った上で、若手研究 者支援の枠組み全体に関しての予算措置および再設計がなされること」 を要望しています。 "[he-forum 14908] 静岡新聞12/16 静岡新聞2009年12月16日付 静大次期学長に伊東氏 浜松医大は中村氏  静岡大は15日、興直孝学長の任期満了(2010年3月31日)に伴う次期学長選考会議を開き、後任に伊東幸宏情報学部長(52)を選出した。任期は同年4月1日から3年間。伊東氏は1987年、早稲田大大学院修了。専門は情報科学。90年から静岡大工学部助教授。2000年から同大情報学部教授。同大情報学部情報科学科長などを経て、07年から現職。東京都出身。全国の現職の国立大学長と、歴代の静岡大学長の中で最年少。      ◇       浜松医大(浜松市東区半田山)は15日、寺尾俊彦学長の任期満了に伴う次期学長の選考会議を開き、同大財務・病院担当理事の中村達氏(65)を選出した。任期は2010年4月1日から4年間。  中村氏は佐賀県出身。慶応義塾大医学部卒。医学博士。専門は消化器外科。浜松医大助教授、教授などを経て04年から同大付属病院長を務める。 "[he-forum 14909] 長崎新聞12/16 長崎新聞2009年12月16日付 事業仕分けで長崎大緊急アピール 予算削減「厳しい現状理解を」  行政刷新会議の事業仕分けで国立大学の運営に関する交付金が見直しや削減などと判定されたことを受け、長崎大は15日、厳しい財政運営などを訴える緊急アピールを発表した。  事業仕分けでは、教職員給与や施設管理経費などを賄う運営費交付金が「見直し」と判定。研究内容などによって集中的に割り振られる競争的資金も種類によって「廃止」「削減」「見直し」と判定され、長崎大関連では約26億円が対象という。  アピールでは、運営費交付金が毎年削減される中、各大学が独自に支出削減と収入増加に励んできた状況を説明。長崎大では大学病院の診療収入を増やすため、勤務医が日々の診療に追われて研究に充てる時間がほとんどない現状を訴えている。  競争的資金を活用し、放射線や感染症の研究のため設置している海外拠点についても、仕分け結果に沿った予算編成になれば「閉鎖の危機に直面する」と主張。正規雇用できない若い研究者を受け入れるための競争的資金も予算縮減と判定されたとして、「若手研究者の志の芽を摘まないでほしい」としている。  長崎市文教町の同大で会見した片峰茂学長は「長崎大は地域に基盤を置いている。この機会に大学の置かれている現状を県民に理解してほしい」と話した。 "[he-forum 14910] 山形新聞12/16 山形新聞2009年12月16日付 仕分け「廃止」5事業の継続求めアピール 山大工学部  山形大工学部関連の5事業が政府の事業仕分けで「廃止」と判定されたことを受け、大場好弘学部長は15日、同学部で記者会見を開き、「廃止されれば研究は立ち行かず、県民が被害を受ける。地域に貢献している地方大学の現状を理解してほしい」と、事業継続を求める緊急アピールを行った。  同学部関連で「廃止」の判定を受けたのは▽戦略展開プログラム▽産学官連携コーディネーター▽地域力連携拠点▽アジア人材資金構想▽先端有機エレクトロニクス国際拠点形成プロジェクト-の5事業で、予算規模は年4億3400万円。  廃止されれば、地元企業との共同研究や特任教員らの雇用が継続困難になるほか、地域への有形無形の影響が大きいといい、大場学部長は「予算規模は5億円足らずだが、5年後、10年後を見据えると数千億円単位の影響が出る。県民や県内企業に与える打撃は計り知れない」と訴えた。  さらに、次世代スーパーコンピューター開発予算の仕分け作業の中で、仕分け人から「世界一を目指さなくても良いのではないか」といった意見が出されたことに触れ、「2位では開発効果はゼロ。2位を目指すという選択はあり得ない」と批判。「日本はものづくりの国。工学部はそれを支える人材を輩出してきた。次世代を担う人材が学びたいと思う研究を続けるため、事業継続を求めたい」と政府や民主党へ要望する考えを示した。 "[he-forum 14911] 読売新聞広島12/16 読売新聞広島版2009年12月16日付 広大、県、マツダなど参加 医学と工学融合 自動車開発など 霞キャンパスに研究拠点  広島大の医療分野の研究成果を産業に活用するため、広島大など県内の7大学と県、中国経済連合会、マツダなどが、医学部などのある広大霞キャンパス(広島市南区)内に「ひろしま医工連携・先進医療イノベーション拠点(仮称)」を設ける。科学技術振興機構(JST)の助成を受け、2010年度の事業開始を目指して準備が進んでいる。  参加するのは大学では広大のほか、県立広島大、広島市立大、広島国際大、広島工業大、広島国際学院大、近畿大工学部。企業ではマツダのほか、モルテンなど。  特に期待されているのは医学と工学を融合した自動車の開発。▽運転中に脳波などを測定し、眠気を察知してドライバーに伝える装置▽体格に合わせて自動的に伸縮する座席――などが研究の候補に挙がっている。  情報技術を生かして、映像を大学病院などに送り、都市部以外でも高度な医療を受けられるようにする「高精度映像伝送システム」など、次世代医療機器開発にも力を入れる。  さらに、再生医療研究に使う細胞の培養・保存施設を整備し、企業にも開放し、臨床への応用がスムーズに行える仕組みを作る。  JSTの助成金約8億4000万円を受けて、機器購入し、キャンパス内のボイラー棟などを改装して整備する。  広島大の藤岡幸男副理事(社会連携担当)は「研究成果を、活用できていなかった。県内だけでなく、中四国の拠点となるように発展させたい」と話している。 "[he-forum 14912] 中国新聞12/17 中国新聞2009年12月17日付 国立5大学で研究機共同利用  広島大の浅原利正学長は16日、高額なバイオ分野の研究機器を中国地方の国立5大学が共同利用する方針を示した。国からの予算が減額される傾向が強まる中、設備投資の負担を分散して、各大学の経営効率化を図る。  東広島市の大学本部で記者会見した浅原学長によると、遺伝子分析などの高性能機器は数千万円以上。広島、山口、岡山、島根、鳥取の5大学は、機器を購入した大学に使用料を払う方式で、共同利用する予定という。  国立大学は2004年の独立行政法人化以降、国からの運営費交付金が毎年度1%減額されている。さらに、政府の行政刷新会議が11月、事業仕分けで学術・科学技術関連予算の見直し方針を示したため、5大学長は仕分け結果の再精査を求める共同声明を出した。  浅原学長は記者会見で「限られた資金を有効に使うため共同利用を進めたい」と述べた。 "[he-forum 14913] 毎日新聞12/17 毎日新聞愛知版2009年12月17日付 事業仕分け:学費値上げ反対 名大文化サークル連、「交付金見直し」受け  政府の行政刷新会議の事業仕分けで国立大学法人運営費交付金に「見直し」の判定が出たことを受け、名古屋大学文化サークル連盟は16日、「交付金削減は結果的に学費値上げにつながる」として、学費値上げ反対を名大に申し入れた。  運営交付金は国立大の人件費や研究費などに充てられる。国立大が法人化された04年以降、経費削減で5年間に約720億円が減額されたが、事業仕分けでは、さらに削減方針が示された。名大は「人材育成や研究開発にダメージを与える」として東海・北陸地方の11大学と共同声明を出した。  サークル連盟の永野敏夫委員長は「大学の予算削減は学生の授業料にしわ寄せがきかねない。学費の値上げをすることがないよう、大学に求めたい」と話した。  16日は連盟に加盟する10サークル計約80人が集まり、大学構内をデモ行進した。その後、代表者が学費値上げに反対する学生370人分の署名を大学本部に提出した。【稲垣衆史】 "[he-forum 14914] 毎日新聞12/17 毎日新聞2009年12月17日付 愛知教育大:省エネ「日本一」 国立60大学調査  全国にある教職員数500人以上の国立大学法人60の中で、愛知県刈谷市の愛知教育大(松田正久学長、学生数4320人)が06~07年度などに、単位面積や1人当たりの年間のエネルギー使用量と、温室効果ガス排出総量とも最少だったことが分かった。  60大学の環境状況に対する比較検討結果が出たのは初めてという。8大学の教員ら10人による大学等環境安全協議会プロジェクトが、05~07年度の各大学環境報告書のデータを分析した。  それによると、床面積1平方メートル当たりの年間エネルギー使用量(単位=ギガジュール)は、06年度の最少が愛教大の0.61で、平均は1.82。07年度の最少は愛教大の0.63、平均は1.87だった。  職員、学生など構成員1人当たりの年間エネルギー使用量でも、愛教大は07年度が10.98など05年度から3年連続で最少。いずれも大学平均の5分の1程度だった。  温室効果ガスCO2の年間総排出量も、愛教大は06年度2441トン、07年度2690トンでともに最少。大学平均の06年度2万8638トン、07年度3万1416トンの約11分の1となった。  数値は学部学科の構成や付属病院の有無、自然環境の条件などで変わるが、環境対策によるところも大きいという。松田学長は「省エネタイプの機械設備や太陽光発電、人感センサー対応照明などを積極的に導入したり、CO2を多く出す重油ボイラーの廃止や自転車利用の勧めなど、多様な環境対策を進めてきた。今後も自然環境を生かし、環境重視型のエコキャンパスを目指したい」と話す。【安間教雄】 "[he-forum 14915] 愛媛新聞12/17 愛媛新聞2009年12月17日付 愛媛大に県紙産センター施設を貸与  愛媛大大学院修士課程「紙産業特別コース」が来年4月開設される四国中央市妻鳥町の県紙産業技術センターで16日、県から同大に教室などの施設を貸与する引き渡し式があり、同大の林和男農学部長に教室の鍵の目録が手渡された。  同コースは、全国初の紙産業の体系的実践教育機関として、経済産業省の産業技術人材育成事業を活用し開設。初年度の入学定員は6人ほどで、現在5人が決定、残り1人程度を2次募集している。  貸与施設は同センター研究交流棟1階の3室計420平方メートル。別棟にある紙や不織布の試験・分析機器、抄紙機なども利用できる。県によると、公設試験研究施設での大学開設も全国初という。 "[he-forum 14916] NHK 12/17 NHK 2009年12月17日17時11分 国立大教職員 予算充実を訴え 来年度から高校の授業料の実質無償化が実施される見通しとなっている一方で、国立大学への交付金はこれまで以上に削減されるおそれがあるとして、全国の大学の教職員たちが東京で集会を開き、大学に関する予算の充実を訴えました。 東京・千代田区で開かれた集会には、全国の国立大学の教職員およそ100人が参加しました。集会ではまず、国から国立大学への「運営費交付金」が、ここ5年で毎年1%ずつ削減され続け、退職した教員の補充や専門書の購入などに支障を来している実態が報告されました。そのうえで、主催者が、来年度から高校の授業料の実質無償化が実施される見通しとなっていることに触れ、財源を確保するため、大学への運営費交付金がこれまで以上に減らされるおそれがあると強い危機感を示しました。そして、運営費交付金の増額や返済の必要のない給付型の奨学金の導入など大学に関する予算の充実を政府に求めていくことを決めました。集会に参加した筑波大学大学院の教授は「人員削減が続き、少ない教員で授業を続けるのは限界だ」と話していました。また、金沢大学の教授は「公費で賄えない資料は、私費を削って購入して授業を行っている。このまま交付金が削減されると、授業料の値上げなど学生にも深刻な影響が出るおそれがある」と話していました。 "[he-forum 14917] 毎日新聞12/18 毎日新聞2009年12月18日付 国立大運営費交付金:教員ら、財務相らに増額要請  国立大学法人化以降、国が支出する国立大の基盤的な経費「運営費交付金」が削減されている問題で、日本教職員組合、全国大学高専教職員組合に所属する大学教員らが17日、藤井裕久財務相、川端達夫文部科学相と与党国会議員に、10年度予算での運営費交付金の増額などを求める要請書を提出した。  運営費交付金は、法人化後に毎年1%ずつ削減された。人件費の削減も求められ、競争的研究資金を獲得しにくい地方大を中心に、教育・研究費不足や教員の多忙化などが深刻になっている。【永山悦子】 "[he-forum 14918] 読売新聞三重12/19 読売新聞三重版2009年12月19日付 三重大の来年度予算 3億4740万削減見込み 仕分け受け独自に算出「地域貢献に影響」  三重大は18日、政府の行政刷新会議による「事業仕分け」の結果を受け、来年度予算の削減額を独自に算出したところ、少なくとも3億4740万円に上ると発表した。内田淳正学長は「地域活性化のために行ってきた貢献活動に大きな影響が出る」と懸念している。  研究成果を地域の産業育成に生かす地域科学技術振興・産学官連携は、事業仕分けで「廃止」とされた。三重大がこの事業で確保した今年度予算は1億8013万円だが、廃止されれば県内の中小企業と進めている大型事業が頓挫するとしている。その他の共同研究247件(2008年度実績)、自治体や企業との連携協定30件(過去5年間)などの高い水準での地域貢献も難しくなるという。  さらに、女性研究者を支援する科学技術振興調整費は今年度の3897万円から、2598万円に削減される。若手研究者を育成するための科学研究費も「縮減」対象で、1億2632万円から少なくとも1263万円が削減される見込み。科研費は作業部会が削減率を明示しておらず、3分の1や2分の1に削減される可能性もある。  また、新政権による予算の見直しで、国から支給される運営費交付金のうち、アイデアを凝らしたプロジェクト研究に充てられる特別教育研究経費も大幅に削減される可能性があるという。今年度は6億677万円を確保しているが、来年度以降の見通しは立っていない。三重大は来年度予算の概算要求で、同経費にかかる新規事業として「高度生殖医療技術による不妊治療の技術開発」などを掲げているが、採用されない恐れも出てきた。  内田学長は「事業仕分けは日本の将来像を示さないまま、財源確保の目的で行われた。教育や研究について十分な議論がなく、特に国立大の使命を無視した評価だ」と批判している。 "[he-forum 14919] 共同通信12/18 共同通信2009年12月18日18時51分 国私立大医学部の増員認可 11校の学部、学科新設も  大学設置・学校法人審議会は18日、政府の医師不足対策で2010年度に実施する大学医学部の定員増のうち、私立大12校68人分と、国立大42校265人分を認めるよう文部科学省に答申、回答した。また公私立大11校の学部や大学院などの10年度の新設も認めるよう答申した。  医学部の来年度の総定員は公立大6校25人の増員と合わせて計8846人になる。  新設が認められたのは、群馬社会福祉大の看護学部やビジネス・ブレークスルー大学院大の経営学部(通信教育課程)など学部設置が5校、学科設置が2校。  大学院は大阪総合保育大で新設が認められ、ほかに研究科設置が1校、研究科の専攻設置や課程変更が2校認められた。 "[he-forum 14920] 神戸新聞12/19 神戸新聞2009年12月19日付 神戸大MBA取得 京大、慶大と提携合意    神戸大と京都大、慶応大は18日、MBA(経営学修士)を取得する「ビジネス・スクール」の提携で基本合意した、と発表した。国際的な競争力を持つビジネスリーダーの育成が目的。2010年度後期から、授業科目の相互履修や教材の開発、研究の充実に協力して取り組むという。  提携するのは、神戸大大学院経営学研究科と京都大大学院経営管理教育部、慶応大大学院経営管理研究科。ビジネススクールの実質的な連携は異例という。  慶応大は国内で最も歴史が古く、京都大は理系色も濃い「文・理融合型」などの特徴があり、神戸大では「3校が得意分野を出し合って経営幹部を育成できる。各大学が連携する海外の大学との関係も広がる」と期待。  また、出前授業や論文指導のほか、海外事業統括者や物づくりを支える現場管理者、NPOのマネジャーなどを想定した「育成カリキュラム」の開発も行うという。  1月18日、神戸大で開くシンポジウムで正式に締結するといい、神戸大の加登豊・同研究科長は「不況で企業の人材育成への投資は削られがちだが、それでは産業力の基盤が崩れる。よりよい教育を提供し、MBAの認知度も高めたい」と話している。(中島摩子) "[he-forum 14921] 河北新報12/18 河北新報2009年12月18日付 次期学長に入戸野修氏 福島大  福島大は17日、今野順夫学長の任期満了に伴う学長選考会議で、次期学長に共生システム理工学類長の入戸野(にっとの)修氏(68)を選出した。任期は来年4月1日から4年間。  入戸野氏は横浜市出身。東京工大理工学研究科博士課程修了。2002年福島大教育学部教授。04年から現職。専門は物質科学、材料物性、応用回折結晶学。  16日の教職員による2回目の投票結果は、入戸野氏が261票、1回目(1日)でトップだった行政政策学類教授の千葉悦子氏(57)が168票。選考会議では委員12人が投票し、11票を得た入戸野氏に決定した。  選出後、入戸野氏は「大学の『宣伝部長』として魅力を分かりやすく伝え、顔が見え、存在感のある大学にしていきたい」と抱負を語った。 "[he-forum 14922] 共同通信12/18(2) 共同通信2009年12月18日20時56分 九大が経済難学生に10万円支給 千人に緊急支援  九州大(福岡市)は18日、急激な経済情勢の悪化の中、勉強を続けている学生の緊急支援策として、在学生千人に1人当たり、奨学一時金10万円を支給することを決めた。九大によると、千人規模での現金支給は珍しい措置という。来年1月末までに支給し、返還義務はない。  対象者は、成績や実家の所得水準が九大の授業料免除基準を満たし、2009年度後期に免除を申請したが予算枠を超えたために希望通りの免除を受けられなかった大学生と大学院生。  九大によると、06~08年度の授業料免除申請者数は前、後期で年間延べ4900人前後だったが、09年度は約200人増加。09年度後期は183人が免除を受けられず、半額免除にしかならなかった学生も約1800人いるという。  有川節夫学長は「必ずしも十分な額ではないが、支援のメッセージになると思う。つらい経済状態の学生も相当数いると思うが、めげずにしっかり勉強して、力強く羽ばたいてほしい」と話している。 "[he-forum 14923] 毎日新聞東京12/16 毎日新聞東京版2009年12月16日付 シンポジウム:大学生の奨学金考える--千代田で19日  大学生の奨学金制度の在り方について考えるシンポジウムが19日、千代田区神田淡路町2の損保会館で開かれる。奨学生の支援団体「首都圏なかまユニオン」(新宿区)などでつくる実行委の主催で、今回が2回目。  奨学金を貸し付ける日本学生支援機構では近年、延滞債権の回収を強化しており、同ユニオンなどは「失業で返還が困難に陥る奨学生も多い。画一的な取り立ては事態を深刻にするだけ」と訴えている。また、現行制度では貸与のみの奨学金制度について、返還義務のない給付型奨学金の創設を主張し、「所得による進学格差をなくしてほしい」としている。  シンポジウムでは、昭和女子大の矢野真和教授が、高額の高等教育政策の転換を求めて講演。また、奨学金を返還中の当事者らによるパネルディスカッションもある。開催は、午後1時半~同4時半。資料代大人500円、大学生300円。問い合わせは、首都圏なかまユニオン(03・3267・0266)。【松谷譲二】 "[he-forum 14924] 朝日新聞12/21 朝日新聞2009年12月21日付 大学発ベンチャーに淘汰の波 起業急減、倒産・休止も増     大学の研究成果をもとに起業する「大学発ベンチャー」について、朝日新聞が全86の国立大学にアンケートしたところ、起業数が2005年度以降急減し、08年度はピーク時の4割弱に落ち込む一方、全体の約1割が倒産・休止するか、存続不明になっていた。国は数千億円を投じて起業を進めてきたが、ここ数年は予算を絞っており、淘汰(とうた)が始まっている。  大学発ベンチャーは、01年発足の小泉内閣が「3年で1千社起業」を目標に掲げた。04年度に法人化した国立大の多くは運営計画に「起業促進」を盛り込んでおり、来春の計画見直しを前に、01~08年度の起業数や経営状況などを尋ねた。  起業数は1081社で、東京大(138社)▽筑波大(63社)▽京都大(57社)▽大阪大(55社)▽東北大(53社)の順。04年度の178社をピークに下降を続け、08年度は70社にとどまった。理工系学部を中心に、バイオやIT系が半数以上を占める。  一方、廃業を含む倒産と休止は49社。05年度は3社だったが、8社(06年度)、10社(07年度)と増え、08年度は過去最多の13社に。09年度もすでに8社が確認されている。「連絡がとれない」など実態不明なのは67社あった。  経済産業省と文部科学省は01年度以降、ベンチャー企業に返済不要の研究開発費を補助し、割安で入居できる施設を建設してきた。経産省は当初「5年後には1兆8千億円の需要と約14万人の雇用創出効果が生まれる」としてきたが、08年度時点で経済波及効果は4803億円、雇用誘発効果は3万3千人にとどまる。同省は07年度から「費用対効果が十分ではない」と関連予算を大幅削減している。  01年度以降の支援額を両省とも把握しておらず、朝日新聞が予算書などから概算した。経産省の大学発ベンチャーの関連予算(私立大を含む)は01~08年度に少なくとも2940億円、文科省の産学官連携の関連予算も同時期、最低3118億円あり、多くが大学発ベンチャーに関連していた。国の調査では起業数の6割以上を国立大で占める。(増田啓佑、吉田啓)      ◇  谷明人・経産省大学連携推進課長の話 厳しい経済状況や、国が補助金を絞り込んだことなどが、起業数の減少や経営破綻(はたん)の増加に影響している。タックスイーター(税金を食べる存在)という批判もあり、予算の見直しを進めた。補助金を、経営継続のための「生命維持装置」にしてはいけないと考えている。 "[he-forum 14925] 読売新聞12/21 読売新聞2009年12月21日付 科学技術振興こそ重要…大阪大医学系研究科長・平野俊夫教授  政府の行政刷新会議の事業仕分けによる科学技術予算の削減を巡っては、「科学の発展を停滞させる」など研究者らから懸念する声が相次いだ。大阪大医学系研究科長の平野俊夫教授=写真=が本紙に意見を寄せた。  「鳩山首相は科学研究費に対する予算は増やすと明言した。しかし、行政刷新会議で科学研究費の予算が減額され、大学の運営交付金の見直しが提言された」。英国の科学誌ネイチャーは、11月19日号で日本の科学技術予算の大幅カットを大々的に報じた。  仕分け作業をおこなう委員は、経済学者、経済アナリスト、産業界関係者や各方面の代表者であり、学識経験者は数名。質問に答える側にも学識経験者はおらず、まことに不思議な光景である。その結論がどの程度責任ある判断に基づくかは疑問だ。予算編成が透明化されたことは評価できるが、理念がなければ、どのようなシステムを導入しても大同小異といえる。  科学研究費制度は、簡素化する一方で、基礎研究のための自由な予算を増やす必要がある。科学技術行政は複数の省庁が関与しており、このことから生じる縦割り行政の弊害もある。制度改革はすべきだが、科学研究費や教育費の総額は減らすのではなく、国力に相当するレベルまで引き上げるべきだ。  日本は今後も学術や教育を大事にしていかなければならない。環境、福祉など、どれ一つをとっても科学の発展なくして根本的な問題解決には至らない。国力に相当する基礎科学や科学技術を振興すべきであり、次代を担う若者を育成することこそが日本が生きていく道である。  日本の科学研究予算は米国に次ぎ世界2位だが、国内総生産(GDP)に占める政府負担は0・64%だ。これは米国の2・68%や、フランス(0・8%)、韓国(0・78%)に劣る。2000年を100とした場合、2007年の日本の科学研究費は107だが、中国、韓国、アメリカはそれぞれ436、289、185だ。高等教育費はOECD加盟国において28位である。大学の運営交付金を毎年1%減額するという現在の施策は大学教育の破綻(はたん)を招くであろう。  箱ものから人への投資に舵(かじ)を大きく切るという方向性は大いに評価できる。鳩山首相は教育や学術、そして科学技術推進の重要さをもっと認識し、未来への希望を国民に与えてほしい。日本が持続的に今後も発展していくためには、100年先を見据えたすそ野の広い基礎科学の振興が重要であるということをもっと認識してもらいたい。若者に科学への興味を引き立て、日本の将来に大きな夢を与えてほしい。「国家100年の計は教育にあり」という言葉がある。教育や基礎科学を軽視する国には将来などありえない。 ◇  ひらの・としお 1972年大阪大医学部卒。熊本大助教授、大阪大助教授を経て89年、同大学教授。2008年から医学系研究科長を務める。専門は免疫学。09年、スウェーデン王立科学アカデミーが選考する国際賞「クラフォード賞」受賞。62歳。 "[he-forum 14926] 河北新報12/22 河北新報2009年12月22日付 東北大・宮城県立こども病院 成育医療の人材育成で連携  東北大大学院医学系研究科と宮城県立こども病院は21日、産科や小児科などの成育医療分野の人材育成を推進する連携協定を締結した。東北大は、こども病院を臨床研究拠点と位置付け、連携して大学院教育を推進する。医師らがこども病院の診療に携わりながら博士号を取得できる仕組みを整え、成育医療のエキスパート養成を目指す。  東北大は新年度、こども病院を拠点に(1)胎児診断・治療(2)脳神経系の発達・発育の診断・治療(3)悪性腫瘍(しゅよう)の新規治療開発―の3分野の講座を開設。各分野の臨床研究に精通した同病院の医師3人が東北大の客員教授に就任し、博士号取得を目指す医師らを指導する。  東北大はこども病院の豊富な症例を生かすことで、研究や治療の向上が図られるほか、同病院の医師や看護師らは学位を取得しやすくなるという。両者は研究設備やデータなどの共同利用も推進する。  東北大大学院医学系研究科であった調印式で、山本雅之研究科長が「成育医療研究の最高水準の拠点とし、レベルの高い医療人の養成を目指す」とあいさつ。こども病院の林富院長も「スタッフの専門性向上を図り、成育医療の進歩につなげたい」と述べた。  東北大はこれまでに、宮城県立がんセンター(名取市)と同様の協定を結んでおり、がん研究の人材育成を進めている。 "[he-forum 14927] 信濃毎日新聞12/22 信濃毎日新聞2009年12月22日付 信大キャンパスに次世代起業家サロン  信大イノベーション研究・支援センターは21日、起業を目指す学生に活動拠点を提供する「次世代起業家サロン」を長野市の信大若里キャンパス内に開設した。信大経営大学院を卒業した若手経営者らと気軽に交流できるサロンとしても活用を促し、学生ベンチャーを支援する。 "[he-forum 14928] 共同通信12/22 共同通信2009年12月22日6時4分 「病気の子も預かります」 秋田大、専門施設設置へ  秋田大学は風邪や腹痛など軽微な病気を患ったり、病気から回復途中にある子どもを預かる「病児・病後保育施設」を来年4月に学内に設置することを22日までに決めた。子どもが病気にかかった際、仕事を休む日数の短縮が可能となり、大学職員の働きやすい環境を整備する狙いがある。  対象は生後8カ月から小学3年生までの子どもで、当面の定員は2人だが、将来的には4人ぐらいに増やす方針。利用には「入院を要するほどの重症ではない」との医師の証明が必要となる。  学内の保育園を運営する財団法人が運営し、看護師1人が常駐。来年1月から床面積約70平方メートルのコンクリート平屋の施設を建設する。  建設費用は約4千万円で、大学職員の2009年度の期末・勤勉手当の削減で生じた約1億8千万円の一部を充てる予定。 "[he-forum 14929] 読売新聞12/22 読売新聞2009年12月22日付 高知工科大に新学部、経営・経済系…県立大検討会  高知県立3大学の代表者らが、県立大への社会科学系学部の新設などについて検討する会合が21日、高知市本町の高知共済会館で開かれ、現在の高知女子大永国寺キャンパスに、経済系と経営系の2コースを持つ新学部を設置することを盛り込んだ報告書案をまとめた。高知工科大に設置される見通しで、大学院の設置についても盛り込まれており、来年1月中旬から公開して県民の意見を募り、次回会合に最終案として提案する予定。  会は2008年12月に初会合が開かれて以降、計7回の会合を重ね、報告書案をまとめた。  新学部に設置される二つのコースの定員は、それぞれ1学年100人で、経済学や経営学に加え、法学の基礎教育なども行い、地域活性化や経営戦略、起業論なども習得できる教育プログラムとする。  新たに設置する大学院と合わせた生涯学習の場として、社会人教育の役割も担うため、土日、夜間の講座も行う予定。現在の短大のあり方については、「新学部を設置後、検討するのが適当」としたが、短期大学部としていずれかの大学に再編する可能性も示唆した。  報告書案では、新学部を設置する大学は明記されていないが、県の担当者は、「工科大マネジメント学部再編の中で検討してもらいたい」と説明しており、高知工科大の1学部として設置されるとみられる。 "[he-forum 14930] しんぶん赤旗12/23 しんぶん赤旗2009年12月23日付 科学・高等教育予算充実を 党国会議員団 研究者らと懇談会  政府が科学、高等教育予算の大幅削減をすすめている問題で、日本共産党国会議員団は科学者、大学などによびかけて22日、「科学・高等教育の予算充実のための懇談会」を国会内で開きました。  懇談会には、大学や研究機関、学会、女性研究者や若手研究者の団体、大学院生、ポスドクなど、声明や要望を発表した関係者が参加し、予算削減の研究・教育への深刻な影響などを訴えました。  日本共産党から穀田恵二、宮本岳志、吉井英勝の各衆院議員、井上哲士参院議員が出席。宮本議員は「科学の役割を無視した乱暴な論理で予算を削減する愚策を中止し、科学・高等教育に関する予算の充実のために、皆さんの声をうけとめ、政府に強く働きかけたい」とあいさつしました。  東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章教授は「日本が科学技術創造立国であり続ける努力を怠れば、将来は明るくない。それを念頭におかない事業仕分け。若い人たちが研究の道へ進む上で信頼がなくなり国の長期的な発展を阻害する」とのべました。「女性科学研究者の環境改善に関する懇談会」の原ひろ子代表は「女性研究者支援予算縮減で新規の募集が行われない。せっかく子どもを抱える女性研究者が研究できる事業が始まり、浸透しつつあるのによくないこと」と発言。  大学院生からは若手研究者支援予算削減に「声なきものがねらわれた。共産党の方々にはたてとなってほしい」と期待が寄せられました。 "[he-forum 14931] 佐賀新聞12/23 佐賀新聞2009年12月23日付 佐賀大、就職内定率71.1% 院生の内定取り消しも  来春卒業予定の佐賀大学学部生の12月1日現在の就職内定率が71・1%にとどまっている。10月より8ポイント改善したものの、前年同月比では11・2ポイントも下回り、内定を取り消された大学院生もいる。  佛淵孝夫学長らが22日、定例会見で明らかにした。医学部と医学系研究科を除いた集計で、就職を希望する学部生675人のうち内定者は480人。大学院の就職希望者は217人で、内定率は18・2ポイント減の77・9%だった。大学全体では12・8ポイント減の72・8%。  内定を取り消されたのは工学系研究科の男子院生。大阪のIT関連企業に今月4日に内定したが、フランスの親会社の意向で3日後、「情勢悪化のため新卒採用を凍結する」という通知を受けたという。  また、佛淵学長は、男性准教授が今月、女子院生に対する傷害容疑で書類送検されたことについて「全職員の意識改革が必要で、構造的な問題としても考えていきたい」とし、組織的な予防や指導環境の改善に取り組む姿勢を見せた。 "[he-forum 14932] しんぶん赤旗12/25 しんぶん赤旗2009年12月25日付 科学・文化予算拡充を 党国会議員団 首相あてに申し入れ  日本共産党国会議員団は24日、鳩山由紀夫首相(行政刷新会議議長)、川端達夫文部科学相あてに「科学技術・高等教育予算の削減中止と十分な確保を要求する申し入れ」「文化予算の抜本的拡充を求める申し入れ」を行いました。 申し入れは、政府の行政刷新会議の「事業仕分け」が、科学・技術や高等教育、文化に関する事業の多くを見直しや予算縮減と決定したことを受けたもの。宮本岳志衆院議員、井上哲士参院議員、日本共産党学術文化委員会の改正充事務局次長が出席し、文科省の後藤斎大臣政務官が応対しました。  宮本氏は、22日の党議員団と大学、研究機関、学会関係者らとの懇談でだされた意見を紹介しながら、「予算の縮減は研究に深刻な影響を与えるとともに、『事業仕分け』の手法が研究者や文化団体関係者の心を傷つけている」と強調。自公政権時代にとられてきた大学、研究機関予算の連続削減を中止し、充実することなどを求めました。  後藤氏は、「従来の大学予算削減はストップしたい。税収も減って大変だが、なんとかよくやったと言っていただけるように努力したい」と語りました。  「事業仕分け」について後藤氏は、「荒っぽいところもあった」と認める一方、文科省に対し14万件もメールが寄せられるなど政治と国民が双方向になったなどと評価。井上氏は、「関係者は双方向ではなく一方通行だと見ている。だからこそ14万件のメールになっている」と述べ、まず関係者の意見を聞くべきだと求めました。  後藤氏は、「意見交換の機会はつくっていかなければいけない」と述べました。 -------------------------------------------------------------------------------- 「科学技術・高等教育予算の削減中止と 十分な確保を要求する」申し入れ (要旨) 日本共産党国会議員団  日本共産党国会議員団が24日、鳩山由紀夫首相(行政刷新会議議長)と川端達夫文部科学相に申し入れた「科学技術・高等教育予算の削減中止と十分な確保を要求する」の要旨は、次の通りです。  1 大学、研究機関の基盤的経費の連続削減を中止し、充実をはかること。学費負担を軽減し、奨学金の充実をはかること  (1)国立大学の運営費交付金は、法人化後毎年1%削減され、5年間に720億円が削減された。これ以上の削減は教育・研究の質の低下と衰退をまねくことが明らかであり、ただちに中止し、充実をはかること。政府は、各大学の教員数などに応じて配分する運営費交付金を、「各大学の努力に応じて」配分する性格に改変しようとしているが、大学間格差をいっそう拡大し、教員養成系や地方の大学などを存亡の危機に追い込むものであり、行うべきではない。運営費交付金は、各大学の基盤的経費として十分な予算額を確保すること。  (2)私立大学の国庫補助が連続削減され、経常費に対する補助割合は11%に低下した。学生の学費負担の増大、教育・研究条件の劣悪化、中小私大や短大での深刻な経営危機をもたらしている。国庫助成、とくに一般助成の削減を中止するとともに、国会決議である「経常費二分の一補助」を実現するために、年次計画を策定して大幅な増額をはかること。定員割れした大学への補助金の削減・不交付というペナルティを直ちにやめること。  (3)経済危機のもとで学業をあきらめる若者や、奨学金返済が困難な人々が増えている。国際人権規約(A規約)の漸進的に無償化する条項(第13条2項b、c)の留保を撤回し、国公私立大の学費を引き下げる施策を実施すること。授業料減免や無利子奨学金の大幅拡充、所得に応じた返済猶予や給付制奨学金の創設を実現すること。  2 先端的研究資金や競争的資金の削減を行わず、基礎研究支援の拡充と制度の改革をはかること  (1)スーパーコンピューターや大型放射光施設、深海地球ドリリング計画などの先端的研究や「グローバルCOE」など競争的資金による研究は、内外の多くの研究者が利用し、豊富な成果が期待されている研究を支援するものである。予算を削減すれば、基礎研究の発展を阻害し、研究費で雇用されている任期付の研究者が数千人規模で失職する恐れもあり、予算の削減は行わないこと。  先端的研究資金や大型の競争的資金は、科学、技術の新しい段階を切り拓くけん引役をはたすとともに巨額の研究費を投入するだけに、その支援策は、日本学術会議をはじめとする専門家による慎重で公正な評価にもとづいて策定されるべきであり、そのための体制を確立すること。  大学、研究機関が研究費で雇用する任期付きの研究者や職員が失職することがないよう、任期終了後の再就職先を保障するシステムを確立すること。  (2)研究者の自由な発想による多様な研究を支援する科学研究費補助金は、基礎研究の発展にとって基盤的経費とともに車の両輪として重要な役割をはたす資金であり、削減を行わず、採択率を大幅に引き上げるなどの拡充をはかること。  科研費を含む各種の競争的資金の配分が特定分野や旧帝大系大学に集中する現状を見直し、幅広く大学・研究機関の研究者に配分するようにすること。  3 若手研究者・女性研究者への支援策の削減を行わず、抜本的に拡充すること  (1)若手研究者に定職への道をひらくテニュアトラック支援事業、若手を対象にした科学研究費補助金、博士課程院生とポスドクを対象に研究を奨励する特別研究員事業は、若手研究者が優れた研究成果をあげて定職につくうえで大きな役割をはたしている。これらの事業の削減は、来年度に内定している院生、ポスドクに内定取り消しへの不安が広がり、若手研究者に研究者としての志の放棄を迫る深刻な事態をひきおこしている。  若手研究者の多くが安定した研究職につくことができず、「高学歴難民」「高学歴ワーキング・プア」となっているなかで、支援策の削減を行わず、いっそうの拡充をはかるとともに、研究職ポストの拡大をはじめ若手研究者が夢を抱ける抜本的な施策を策定すること。  (2)研究者の女性比率は13・0%、大学教員で18・9%と世界的にみても低く、他方で大学の専業非常勤講師のような不安定雇用では5割以上をしめるなど、女性研究者の地位向上、男女共同参画のいっそうの推進が期待されている。現行の女性研究者支援策を削減するのでなく、理系以外にも対象を広げるなど制度の充実をはかるとともに、女性研究者が能力を十分に発揮できる抜本的な環境整備をはかること。  4 大学予算の欧米並みへの増額をはかり、科学界、大学界の意見を尊重して科学技術振興策を確立すること  わが国の大学がかかえる問題の根底には、GDP(国内総生産)比で欧米諸国の半分にすぎない貧困な大学予算のもとで、劣悪な教育研究条件と世界一高い学費を強いられていることがある。科学・技術と高等教育の発展をはかるために、大学予算を欧米並みに引き上げること、「大学の構造改革」から脱却し、科学界、大学界の意見を尊重した科学技術政策、大学政策を策定することが必要である。その実現にむけてとりくむことを強く求める。 "[he-forum 14933] 北海道新聞12/25 北海道新聞2009年12月25日付 産学官連携事業失敗、北大が検証 補助5年で32億円  北大は、5年間に国から総額32億円の補助を受けながら、期間内に十分な成果が上げられなかった産学官連携事業「北大リサーチ&ビジネスパーク構想」について、その原因などを調査、分析した報告書をまとめた。24日、文部科学省が公表した。  同構想はナノテクノロジーやバイオなどで最先端の研究を進め、新産業創出につなげる狙い。2003~07年度に文科省の補助事業に採択された。しかし、北大キャンパス内への企業研究室誘致では目標の10件に対し、2件にとどまるなど成果が不十分で、同省の研究評価部会は08年度、下から2番目の「C評価」と判定した。  報告書では原因について《1》企業出身者をトップとする企画部門の効率性重視の運営やリーダーシップが大学の文化と相いれず、同部門が孤立した《2》予算の公平配分にこだわり、重点的な投資ができなかった《3》大学側のアイデアに対し、地元経済界との間で合意形成ができなかった-などの点を指摘した。 "[he-forum 14934] 東奥日報12/25 東奥日報2009年12月25日付 弘大と青森市民病院が協定締結  弘前大学大学院医学研究科(佐藤敬科長)、同大学医学部付属病院(花田勝美院長)、青森市民病院(鈴木重晴院長)は24日、専門医の養成に向けた病院ネットワークの構築に関する協定を締結した。医師不足が深刻化する中、3者が連携を強化して各分野の専門医を養成し、地域医療の活性化に取り組む。 "[he-forum 14935] 日刊工業新聞12/24 日刊工業新聞2009年12月24日付 埼玉大、産学官共同研究拠点を新設-EV研究で連携 【さいたま】埼玉大学は埼玉県や埼玉県経営者協会などと協力して、産学官共同研究拠点「埼玉次世代自動車関連環境技術イノベーション創出センター(仮称)」を新設する。電気自動車(EV)にかかわる基盤技術の研究で、輸送機関連が高い比率を占める県内産業の次世代化や、将来的な地域でのEV普及に貢献していく。  2010年3月ごろまでに正式な組織を立ち上げる予定。同大学の地域オープンイノベーションセンター(さいたま市桜区)内にスペースを設け、来年度中をめどに分析器や測定器など設備を導入。産学官で共同利用して研究内容を共有する。  開発のテーマは、非接触充電の効率化、走行距離向上のための部品開発、本格普及に向けた社会システムの構築を三本柱とする。 "[he-forum 14936] 毎日新聞12/24 毎日新聞2009年12月24日付夕刊 東京大:東大生にも不況の波 親の年収急減 450万円未満、前年から倍増  比較的裕福な家庭が多いといわれる東京大生にも不況が影を落としている。同大学の08年の「学生生活実態調査」によると、親の世帯収入が年収450万円未満の学生が前年の9・3%から17・6%に急増した。学生自身の収入も大幅に減っている。  調査はリーマン・ショック後の08年末に学部生の4分の1を対象に実施し、1585人から回答を得た。例年10%前後だった年収450万円未満の層が大幅に増えた一方、高額所得層は減少。07年に45・5%に達した1050万円以上の層が36・5%に減った。  仕送りやアルバイト代、奨学金など学生が得る収入は、自宅外生(寮生を除く)に限ると、男子は月平均1486円減の15万4234円、女子は同1万7093円減の14万8097円。特に女子の減少が大きかった。収入が多かった時期と比べると、男女とも2万~3万円以上減り、20年前の水準に戻った。  自由記述欄には「教科書が高すぎて、興味のある講義をあきらめざるを得ない」(文1男子)、「学費が高すぎる。生活が苦しい」(文3男子)といった声も多く寄せられた。東大は保護者の年収が400万円以下の学生の授業料を全額免除する制度を創設しているが、学生生活委員会の担当者は「寮の拡充などさらなる対策が必要だ」と話している。【井上俊樹】 "[he-forum 14937] 西日本新聞12/29 西日本新聞2009年12月29日付 学力格差<31>大学は今−番外編 九大・若手研究者座談会 九大教授陣の展望は―連載  新政権の事業仕分けで関連予算が議題に上るなど、その在り方が問い直された科学技術立国ニッポン。人材育成や基礎研究で重要な役割を担う大学もまた、揺さぶられた。国の財政難と厳しい経済情勢の下、転換点を迎えた大学は今−。国による若手研究者育成事業「グローバルCOE」の拠点となっている九州大で、「ポスドク」や教授陣の声を聞いた。  (報道センター・河野潤一郎)    ■九大・若手研究者座談会    ●予算「削減」論議に動揺 生活苦で進学断念も    《ポスドクは、博士課程を修了した研究員を指すポストドクターの略。事業仕分けでは、スーパーコンピューターなど先端研究の陰に隠れる形となったが、グローバルCOE事業費も見直しを迫られた。“標的”となった若手研究者5人に、座談会形式で現状と課題を語ってもらった》    −単年か数年の契約で在籍し、自身の研究や教授の支援、学生の指導も担うポスドク。その日常は。    特任助教Aさん 月曜から土曜まで、朝から午後8時ごろまで実験。日曜は疲れて何もしたくない。    修士課程4年Bさん 毎日深夜まで研究し、徹夜も。動物を扱っているので日曜も研究室に行く。    博士課程後期2年Cさん 大学の特別研究員として採用され、月20万円の生活費を助成してもらっているが、将来が見えない。    研究員Dさん 文系の優秀な修士生は就職してしまう。奨学金の返済に500万―600万円が必要だから。10人に1人ほどしか博士課程に進まず、生活苦で辞める人もいる。    《事業仕分けでは、グローバルCOEなど大学院向け支援2事業(概算要求額計365億円)を「3分の1程度縮減」と判定。「拠点数が多すぎる」「若手研究者の生活支援、雇用対策にしかなっていない」などと指摘された》    −助成費を「生活保護」と呼ぶ仕分け人もいた。どう受け止めたか。    A 米国では、若手でも500万円の予算がつくケースはいくらでもある。日本はせいぜい100万円。さらに減らされては…。ポスドクは教授と学生の間のクッション役で、学生に知識を与えることもある。重要な存在だが、日本では軽視されている。    B 海外では認識が違う。ポスドクは研究技術を磨く時間。教授の研究も実際はポスドクや学生が担っている。日本だと、若手では国の科学研究費補助金(科研費)も十分に取れない。予算配分に偏りがあり、メスの入れようがある。    特任助教Eさん 北米の大学で修士号と博士号を取得したが、学費を払ったことがない。それどころか給料をもらっていた。「つなぎ」ではなく「職業」としてやっていた。    D ポスドクは博士号を持つ研究者。人材交流を広げ、一人前の研究者に育つ大切な時期なのに。    《25日発表の来年度予算政府案で、大学院向け2事業は概算要求額から約2割削減された(計287億円)。有識者から「若手研究者の雇用環境が厳しい」などの指摘が相次ぎ、削減の幅は縮まったものの、事業仕分けに沿う形となった》    −国の財政は厳しくなるばかりで、大学の研究費が潤沢になる見通しは立たない。今後の不安や希望は。    A 科研費が著名な教授に集中し、若手には十分に配分されない。もっと予算を回してほしい。    B こぢんまりした研究を短期間でまとめて成果を小出しにする風潮がある。競争に負けて脱落する人の受け皿が少なすぎる。研究職で1年更新の任期付きが増えるのは怖い。キャリアを積もうと考えていたが、今は民間企業への就職も含めて考えている。    C 教授に資金面も支援してもらっている。将来は海外でスキルを磨き、日本に戻って還元したい。    E 樹木がテーマの研究なので実験に時間がかかるが、短期間で実績が出せる計画を組まないといけない。長期的戦略での資金が必要だ。女性研究者からは「いつ子どもを産んでいいかタイミングが分からない」との声も聞く。研究者のライフスタイルに応じた雇用形態を大学が持つ意味でも、ポスドクのような柔軟な役割も必要だろう。       ×      ×    ■九大教授陣の展望は    ●「多様性ある人材集めて」「市民の共感得る努力を」    次代を担う研究者をいかに育て、国際競争を生き抜くか。グローバルCOE事業に携わる九大の教授陣に展望を聞くと「長期的戦略が必要」と声をそろえた。    3日、同事業を担当する全国の大学教員有志が、事業仕分けを「認識不足」として緊急声明を発表した。名を連ねた永島英夫・先導物質化学研究所長は「財源探しと、長期的視点での人材育成戦略を一緒にしてはいけない」と批判する。    結局、政府予算案では科学技術全体で本年度予算比3・3%減。国の財政事情によっては「聖域」にならないという現実を突き付けられ、危機感は高まる。    システム生命科学府の巌佐庸教授は「科学は成果が見えるまで25年かかり、ある程度の投資が必要」と指摘。工学府の君塚信夫教授も「科学技術への投資は次世代が恩恵を受ける。すぐに役立つ研究でないと申請が通らないような予算額では、世界が認める研究はできない」と懸念する。    一方、大学側も課題を内在する。システム生命科学府の藤木幸夫教授は、「将来が見えない」と漏らすポスドクや大学院生に対し、専門的であるが故に職業教育がおろそかになっている面もあるとして「博士号取得後の出口で、生活保障できる体系的なプログラムも必要」と提言する。    また、研究成果が見えにくいとの指摘は、事業仕分けを待たず、以前からあった。永島所長も「われわれも市民の共感を得る努力が不足していた。研究の多様な価値観を伝えきれていなかった」と自省する。    資源に乏しい科学技術立国にとって人材は宝。そうした中、世界を相手に戦うのに欠かせない視点として、若山正人・数理学研究院長は「多様性」を挙げる。「山と同じで、すそ野を広げなければ飛び抜けた人材は出てこない。トップレベルだけでなく、多様性のある人材を集めなければ」 "[he-forum 14938] 佐賀新聞1/1 佐賀新聞2010年1月1日付 佐賀大病院 南北2棟新設 高齢医療、救急救命充実へ  佐賀大学医学部付属病院(宮凬A耕治病院長、佐賀市鍋島)は、高齢者医療や救命救急態勢の充実に向け、新棟2棟の建設を柱とする再整備構想をまとめた。今夏までには現施設の改修と併せて再整備計画を国に申請、2016年度完成を目指す。高度医療設備は段階的に先行導入する方針で、がん治療を支援する次世代の手術用ロボットを本年度中に、全国の国立大病院で初めて購入する。  付属病院は旧佐賀医科大開学から5年後の1981年に開院。施設の老朽化に加え、最新設備や機器の設置スペースの確保が課題になっていた。施設内の南北に1棟ずつ新棟を建設し、施設面積を拡張。病院機能を再配置する一方、超高齢者社会を見据えた高度医療を目指す。  学内の再開発準備室会議が固めた再整備計画によると、南新棟は鉄筋コンクリート3階建てで、延べ床面積6360平方メートル。救命救急センターや集中治療部、手術部を配置する。  北新病棟は3階建て4320平方メートル。認知症や高次機能障害を含めた専門的リハビリテーションを実施する「先進総合機能回復センター(仮称)」をはじめ、総合診療科や脳神経センターを置く。  既存の中央診療棟や東西病棟の各階は診療科の枠を超え、臓器別に再編成。効率的に対応し、研修医も体系的に学べるようにする。がん組織のデータを蓄積して研究する「オンコロジー(腫瘍学)センター」や、人工関節の開発や機能検証を充実させた関節外科センターなども整備する。  総病床数は604床のままで、再整備中は仮設病棟2棟を別に建設する方針。  一部設備は、操作の習熟も兼ねて先行導入し、本年度は手術用ロボット「ダ・ビンチ」を購入する。内視鏡でとらえた患部を立体映像で再現し、人間の手よりも自在な多関節機能で手術できる装置で、難しい前立腺がんの全摘手術などに活用する。  全身を一度に検査し、ミリ単位に近いがん細胞を発見できる「PET検査」設備も投入する。認知症の原因とされる物質の早期発見にも応用し、進行抑制につなげる。  大学病院の整備は一般的に、国からの交付金は1割にとどまり、9割は病院収入で賄わなければならない。全国45の国立大病院の中には再整備後、大幅な赤字に陥り、法人本部から支援金を受けているケースもあるという。  佛淵学長は「大学病院は地域医療を守り、医療人を育てる砦。経営基盤をさらに強化し、計画を実現させたい」と話す。 "[he-forum 14939] 徳島新聞1/1 徳島新聞2010年1月1日付 医師確保へ「寄付講座」 地域医療再生で県・徳大連携  不足している地域の医師確保を目的に、徳島県は徳島大学と連携し、2010~13年度の4年間、徳島大に産婦人科、外科など四つの「寄付講座」を開設する。県が講座の運営費を全額負担し、徳島大は海部(牟岐町)三好(三好市)中央(徳島市)の県立3病院へ新たに医師を派遣。各病院で診療支援をするとともに、地域医療に関する研究や人材育成を進める。今後、県と徳島大で本格的な協議を進め、早ければ4月の講座開設を目指す。  開設予定の寄付講座は▽総合診療医学分野▽地域産婦人科診療部▽地域外科診療部▽ER・災害医療診療部-の四つ(いずれも仮称)。県立3病院内に、徳島大の医師が診療や研究に当たる拠点を設ける。既に「地域医療研究センター」がある海部病院には、宿泊・研修機能を備えた施設を新たに整備する。  総合診療医学分野は、07年10月から県の委託講座として運営されている「地域医療学分野」を拡充。現在の内科医2人から4、5人態勢を目指し、海部病院で勤務する医師を増やす。地域医療を担う総合診療医の育成のほか、教育・研究活動も充実させる。  地域産婦人科診療部は、産婦人科の常勤医がゼロとなり、07年9月から分娩(ぶんべん)を休止している海部病院へ医師を派遣する。現在は徳島大、阿南共栄両病院の医師と徳島市内の開業医が週2回、診療や妊婦健診を行っているが、平日すべての診療が可能になる見込み。  診療部の開設について、徳島大病院の苛原(いらはら)稔副院長(産婦人科)は「周辺環境や住民のニーズを踏まえ、県南部の産婦人科医療がどうあるべきかを4年間で研究したい」と話している。  このほか、地域外科診療部は、外科医が院長を含めて3人に減っている三好病院へ医師を派遣。ER・災害医療診療部の医師は、徳島大病院と隣接している中央病院の救命救急センターで勤務する。  寄付講座の開設は、医師不足解消などを目的に県が作成した「地域医療再生計画」事業の一つ。講座の運営費(徳島大への寄付金)は国の臨時特例交付金を充て、県の10年度予算案に計上する方針。県医療政策課は「徳島大と連携して講座の開設準備を進め、短期、中長期的な医師確保や人材育成に取り組みたい」としている。  徳島県の人口10万人当たりの医師数(08年12月現在)は277・6人で全国で京都府に次いで多いが、3分の2が徳島市など県東部に集中。南部、西部は全国平均を下回っているほか、産婦人科や外科の医師不足が深刻化している。  【寄付講座】 教育や研究の充実、活性化を目的に、民間企業や自治体、個人が、大学や研究機関に教員の給与や研究経費など講座の運営費を寄付し、希望するテーマを研究してもらう講座。開設期間は通常2~5年。自治体から国の機関や国立大学法人への寄付は原則として禁止だが、2002年の政令改正で、総務相の同意を得れば可能になった。 "[he-forum 14940] 山陽新聞12/31 山陽新聞2009年12月31日付 岡山大病院、女性医師支援3年目 成果着々35人復職 当直免除や再教育 「育児とキャリア両立」  出産や育児で離職した女性医師の復帰を手伝う岡山大病院(岡山市北区鹿田町)の復職支援プログラムが3年目を迎え、成果を挙げている。医療技術の再教育や女性医師同士のネットワーク構築で、これまでに35人が職場復帰。深刻化する勤務医不足の解消につながると期待されている。  「キャリアを深めるか、子育てに専念するか。二者択一しかないと考えたこともある」。約1年3カ月の出産・育児休暇を経て約1年前、同病院産婦人科に復帰した清水恵子医師(36)は振り返る。  2008年から実施された女性医師を対象とした特別採用枠で復職。緊急時の呼び出し、当直などが原則免除され、勤務時間は週32時間以内で3パターンから選ぶことができる。  現在、週3日フルタイムで同病院の外来や手術をこなす。勤務時間の短縮で以前より収入は減ったが、「これなら育児をしながらでも働ける。選択肢が増えありがたい」。 同僚の負担減も   国の統計によると、全国の医師数(08年末現在)は約28万6000人で、うち女性は18・1%の約5万2000人。年々増加傾向にあり、29歳以下では36・1%を女性が占める。591人が勤める岡山大病院も28%が女性だ。  ただ、20~30代は出産・育児などで離職し、そのまま退職を余儀なくされるケースが多く、近年の医師不足の要因の1つとされる。支援プログラムはこうした人材を掘り起こし、“即戦力”確保を進めるとともに、激務に追われる同僚医師の負担軽減も狙う。  同病院は07年、文部科学省の財政支援事業を活用し、取り組みを始めた。プログラムは現役時代の勘を取り戻すための医療技術講習会と、女性医師同士で仕事や将来の悩みを相談・助言し合う支援ネット作りが柱。  講習会は数人単位で行い、患者の容体急変時を想定した訓練などを月1回ペースで開催。2カ月に1回程度の支援ネットのミーティングには毎回20人以上が集う。  「いったん現場を離れると孤立しがち。知識や技術を維持できるか、不安もある」。夫の転勤で離職後、復帰した久田恭子医師(32)。「キャリアを積みたいと思う私たちの背中を押してくれる制度」と評価する。 地域にどう波及   一定の成果を挙げつつある復職支援プログラムだが、今後は岡山大病院以外にどう波及させていくかが課題。医療関係者が「医療界全体の労働環境改善につながる」と口をそろえるように、こうした取り組みは大学病院以上に人材確保に頭を痛める地域の病院で必要とされている。  ネックとなるのは資金確保。3年間で約5700万円あった国の財政支援は本年度で終わる。同病院の森田潔院長は「女性医師の離職は社会にとっての損失。病院独自に取り組みを続けるが、負担は軽くない。国などの継続的な支援も必要」と訴える。  短時間勤務制度など、きめ細かい女性医師支援策で全国的に注目される大阪厚生年金病院(大阪市)の清野佳紀院長(岡山大名誉教授)は勤務環境改善へ向け、主治医制度からチーム医療への移行、地域の病院・開業医との連携強化の必要性も指摘。「地域が一体となった取り組みが重要」と提言する。 "[he-forum 14941] 共同通信12/29 共同通信2009年12月29日15時39分 来年度予算の見直し結果を公表 事業仕分けで文科省  文部科学省は29日、行政刷新会議の事業仕分け結果の来年度予算案への反映状況をホームページ(HP)で公表した。教員に電子黒板の利用を促す「学校ICT活用推進事業」(要求額7億円)などは廃止した。  HPでは、事業仕分けの対象になった全項目について、概算要求の金額と来年度予算案への計上額を対比。「計画を見直した上で、着実に事業を実施する」などと文科省の今後の対応も示されている。  ほかに来年度廃止するとした事業は、社会人になるのに必要な知識を子どもに教える「キャリア教育・職業教育」(要求額20億円)や、学校への芸術家派遣(同3億円)など。  また各項目には、国民から寄せられた意見の内容も明記。「仕分けの結果に反対する意見が99%を占めた」などと文科省の正当性を強調する記述が目立った。 "[he-forum 14942] 日本経団連タイムス 日本経団連タイムスNo.2979 2010年1月1日付 「科学・技術・イノベーションの中期政策に関する提言」発表 -次期科学技術基本計画に向け産業界の見解取りまとめ  日本経団連は12月15日、提言「科学・技術・イノベーションの中期政策に関する提言」を発表した。同提言は、政府の第4期科学技術基本計画(2011~2015年度)に関する検討の動きをとらえ、産業界の見解を取りまとめたもの。 提言ではまず、基本理念として「国力の増進と国民生活の向上」「グローバル社会における競争と協力」を掲げ、成長力強化等の出口を見据えた「総合的な科学・技術・イノベーション政策」への転換を提起した。 その実現にあたり、「課題解決型アプローチ」を基軸とすることを提唱。政治主導により、国家的課題の実現に向けた具体的目標を設定したうえで、現在、IT、ナノテク等8つの分野別に策定されている推進戦略の政策課題別戦略への転換、産学官連携の場の形成、規制改革等を組み合わせた社会システム実証の推進を求めている。とりわけ、グリーン・イノベーション戦略の先行的な策定を提案している。 同時に、多様な研究開発により斬新な知を創造する「革新知創造型アプローチ」の推進を掲げ、両アプローチのグローバル展開に向け、世界のイノベーション・ハブとなるための環境整備や、地球規模の課題解決に向けた国際連携の推進が必要とした。 また、イノベーション基盤の強化も取り上げた。第1に、推進体制の強化として、総合科学技術会議が担っている司令塔機能の強化を提案。また、経済危機等により企業の研究開発に抑制圧力が高まっていることから、研究開発促進税制の拡充と恒久化、民間投資と政府投資の連携強化を求めた。さらに、大学、研究開発法人についても、個々の存在意義に応じた運営と政策的支援が重要とした。 第2に、科学技術予算の拡充を求めている。多くの国が予算拡充に向かうなか、わが国の予算が低位に推移していることから、未来への投資として国民の理解を得ながら、政治主導で予算を拡充すべきと強く提言。総額目標として対GDP比1%超を掲げるべきとした。 第3に、人材育成の強化を取り上げた。大学・大学院教育における体系的なコースワークの整備・充実、博士課程の学生に対する入口・出口管理の徹底、初等教育における理数教育の抜本的な強化、優秀な人材の教師への登用を提言した。 最後に、国民参加として、若者に対する科学技術の魅力の向上や、国の説明責任の履行の強化等が重要と指摘した。 ◇◇◇ 産業技術委員会では、政府の総合科学技術会議における第4期科学技術基本計画(次期中期計画)の検討状況を注視しつつ、関係方面への働きかけを行うとともに、必要に応じ個別課題について検討を深めることとしている。 【産業技術本部】 "[he-forum 14943] 読売新聞1/5 読売新聞2010年1月5日付 国立大病院 累積赤字1438億円 2015年度試算、08年度の11倍強に  国立大学付属病院長会議が、全国42国立大学付属病院全体で2015年度の累積赤字額が約1438億円に達するとの試算をまとめていたことが4日、分かった。累積赤字額は08年度の11倍強に相当する。  民間病院に比べて医療機器の老朽化が著しく、購入の必要や、病棟建設に伴う長期借入金の返済などで支出がかさむため。  同会議によると、各国立大学病院の決算をまとめたところ、08年度単年度では約52億9000万円の赤字で、累積赤字額は約129億円に上った。赤字の主な原因は国からの運営費交付金の削減としており、試算では、今後も削減が続くとして、15年度までの収支状況を分析した。  その結果、15年度は07年度比で病院収入は14%の増収が想定されるが、交付金を含めた収入は約1155億円(07年度比156億円減)と伸びず、一方で、長期借入金の返済や、リース料を除いた医療機器の取得などに計約1351億円かかる見込み。毎年度150億~240億円の赤字が膨らむ結果、14年度分までをあわせると累積赤字額は約1438億円になるとしている。  同会議関係者は「新年度予算案では病院運営費交付金の増額方針が示されており、今後、状況が少しでも緩和されることに期待したい」としている。 "[he-forum 14944] 河北新報1/5 河北新報2010年1月5日付 研究医を共同養成 東北大・秋田大・山形大  東北大は新年度、秋田大、山形大と共同で、法医学や病理学などの基礎医学を担う研究医の養成事業をスタートさせる。医学部在学中から大学院で研究できる東北大の研究医養成コース「MD―PhDコース」を拡充し、秋田大、山形大の各医学部からも学生を受け入れる。3大学の教員が連携して内容の充実も図り、全国的に不足する研究医の人材確保を目指す。  MD―PhDコースは医学研究者の早期養成を目指し、東北大が2001年度に設置。同コースを選んだ学生は医学部4年を終えた時点で大学院に進学、4年間の大学院教育を受けて医学博士の学位を取得した上で、医学部に復学する。今後、秋田大、山形大からの進学者は、各医学部4年を終えた時点で休学して東北大大学院に入学、修了後は出身校に復学する形を取る方向だ。  同コース選択者は現在までに10人に満たず、広く人材を確保するため、3大学連携を決めた。3大学は新年度、医学部定員が増員されることから、将来は合わせて毎年計4人程度の学生確保を目指す。コース選択から医学部卒業までの経済的支援や、研究者としての雇用サポートも図る方針だ。  臨床現場の医師不足や多忙化を背景に、全国的に研究医不足が深刻化している。将来の医学教育を担う基礎医学部門の先細りが懸念されてきたが、「幅広い人材確保などは一つの大学では限界がある」(秋田大医学部)との課題もあった。  3大学は新年度、「研究医養成プログラム運営委員会」を立ち上げ、カリキュラムなどを協議する。東北大医学部医学科長の柴原茂樹教授は「大学同士が連携して人材育成に取り組み、課題の解決を図っていきたい」と話している。 "[he-forum 14945] 山形新聞1/6 山形新聞2010年1月6日付 日本一目指す研究を開拓 山形大「結城プラン2010」を公表  山形大の結城章夫学長は5日、2010年に同大が取り組む課題と目標をまとめた行動計画「結城プラン2010」を公表した。分子疫学や有機ELなどの研究に加え、新たに日本一を目指す研究を開拓して支援するほか、企業連携組織を発足するなど、さまざまな内容を盛り込んだ。  このプランは、山形大版の学長マニフェストで、ことしで3回目の作成となる。09年は58項目を掲げていたが、検証の結果、約88%に当たる51項目の目標を達成し、残り7項目は10年に再掲載した。  10年のプランは63項目で構成。教育分野はことし、従来の教養教育に代わる「基盤教育プログラム」をスタートさせる。専任教員を15人に増やし、学生にコミュニケーション能力や地域文化に関する知識などを養ってもらう。研究分野では、同大が誇る3つの先進的研究拠点(分子疫学、有機EL、核子スピン)を維持した上で、これに続く新たな研究グループを3件程度選定し、支援する。結城学長は「国立大学として、日本一の研究分野を幾つか持っていなければならない。ナスカの地上絵や在来作物の研究など、日本でトップを取れる研究を発掘し、重点的に支援していく」と語る。  また、企業の人材育成・新技術開発・経営改革を支援し、大学と県内経済界との緊密な連携関係を築く「山形大学と交流する会」を新たに設置する。年会費制とし、現在、県内企業十数社の参加を見込んでいる。さらに、小白川(山形市)だけでなく、飯田(同)、米沢、鶴岡の各キャンパスにインフォメーションセンター機能を整備し、それぞれ情報を発信できるようにする。  プランは、全教職員のほか在学生や新入生に配布し、大学のホームページにも掲載する。12月に達成状況を検証し、来年のプランにつなげる方針だ。 "[he-forum 14946] 北海道新聞1/6 北海道新聞2010年1月6日付 臨床訓練施設を学外開放 旭医大、地域貢献狙う 【旭川】旭川医大(吉田晃敏学長)が、学生や医師の臨床用訓練施設「スキルズラボラトリー」を「臨床シミュレーションセンター」と改称し、今春から学外に開放を始める。センター長の岩崎寛教授(麻酔・蘇生(そせい)学)は「地域の教育機関などと連携し、有意義に活用したい」と話している。(小川郁子)  学外の利用は、教育や保育などを学ぶ学生、高校生、市民団体の自動体外式除細動器(AED)使用や救急措置の実習などを想定。専属の職員1人を配置し、4月から本格的に開放する。  旭医大は2002年にこのラボラトリーを道内初の模擬訓練専門施設としてつくった。広さ約300平方メートル。精巧な人体模型を使い注射や触診、採血、救急措置などを実習できる。  学生や医師が、臨床医学の基礎学習や技術向上のため活用し、昨年7月には同ラボラトリーを拠点に臨床医学を学ぶ学生サークルも設立され、学内に定着している。  この状況を一層前向きに展開しようと「道北の地域医療の拠点として、民間病院や地域にも役立ててもらう」という地域貢献の狙いで学外開放に踏み切ることにした。  昨年9月に学内の規定を改定。施設名を「臨床シミュレーションセンター」に改称した。 "[he-forum 14947] 中国新聞1/6 中国新聞2009年1月6日付 市立大が平和研移転案を計画  公立大学法人移行を4月に控えた広島市立大(安佐南区大塚東)が、付属の広島平和研究所(中区大手町)を本部に移転させる方針を、2015年度までの中期計画に盛り込むことが5日、分かった。被爆地の高等教育機関としての機能を強化する。「平和学」の学位が取得できるカリキュラム構築も進める。  市立大は、外部識者による評価委員会を設置し、法人化後6カ年の中期計画案を作成中。平和研については国際、情報科学、芸術の3学部・大学院がある本部への移転に取り組む考えを明記する。  移転時期など具体的なスケジュールは示さず、「資金面など単年度ごとの事業計画は今後詰めていく」(事務局総務課)という。市立大は2月中旬に中期計画案をまとめ、7月をめどに秋葉忠利市長の認可を受ける予定でいる。  平和学については、平和研と大学院が連携してカリキュラムを確立し、学位(修士・博士)を授与▽留学生にも魅力ある授業とするため英語による講義を充実―などを目指す。平和研によると、中国地方には現在、平和学の学位が取得できる大学はない。 "[he-forum 14948] 信濃毎日新聞1/7 信濃毎日新聞2010年1月7日付 ナノカーボン研究など廃止判定の信大関連5事業継続  超微細な炭素素材「ナノカーボン」の応用研究など、行政刷新会議の事業仕分けで「廃止」と判定された信大(本部・松本市)関連の5事業について、政府が来年度以降も継続する方針を決めたことが6日、分かった。文部科学省科学技術・学術政策局が取材に対し明らかにした。研究計画への影響を懸念していた信大関係者らはひとまず胸をなで下ろしている。  文科省は、既に継続方針を示した「知的クラスター創成事業」に加え、「廃止」判定を受けた他の4事業についても「新規事業は採択しないが、現在支援中の事業については必要な経費を確保して継続する」と説明。ナノカーボンの応用研究を進める「地域卓越研究者戦略的結集プログラム」も継続が決定した。  ただ、5事業が含まれる「産学官連携等によるイノベーションの加速と地域科学技術の振興」の来年度予算枠は前年度比16・9%減の400億4800万円にとどまる。事業ごとの配分額は月内に決まる見込みという。  信大によると、5事業の同大への予算配分額は本年度、計7億3千万円余。廃止は大学運営に大きな影響を与える-として、大学側は昨年12月、山沢清人学長らが同省や民主党本部を訪れ、継続を訴えていた。  継続方針に対し、ナノカーボン研究の中心となる信大工学部の遠藤守信教授は「前向きな方向で良かった。事業仕分けにより、社会と研究者の距離が縮まった部分もある。成果を挙げて地域の活力づくりに役立ちたい」、山沢学長は「今まで通り、研究を通じ地域や社会への貢献を進めていきたい」と話している。 "[he-forum 14949] 共同通信1/7 共同通信2010年1月7日17時9分 教員養成「6年制」論議へ 文科省、会議を設置  鈴木寛文部科学副大臣は7日の定例会見で、教員養成課程について、現行の四年制大学に大学院2年を加えた6年間に延長する制度改正を論議するため、有識者会議を近く省内に設置する考えを示した。  鈴木副大臣は新制度について「現行の教職大学院が中核になることは間違いない」と強調。「より良い教員を養成するにはどうすればいいか、養成を担う現場の方々とのコミュニケーションから始める」と述べ、学識経験者のほか、若い教員や教員養成課程に通う学生らからも広く意見を聴くとした。  民主党は昨年の衆院選のマニフェスト(政権公約)で「養成課程は6年制とし、養成と研修の充実を図る」と明記。教員養成制度の抜本的見直しに早急に取り組む姿勢を示していた。 "[he-forum 14950] 読売新聞1/7 読売新聞2010年1月7日付 名称から教育・研究内容わかりやすく…宮崎大農学部が学科改編 学科間の連携も強化  宮崎大農学部は4月から、現在の5学科を6学科に改め一部の学科名を変更する。改編は2000年4月以来。教育・研究内容がわかりやすい名称にして、受験生が将来の目標を設定しやすくすると共に、企業や官公庁の採用担当者らに対して求人先を明確にし、学生の就職活動の円滑化を目指す。  新しい学科は「植物生産環境科学」「森林緑地環境科学」「応用生物科学」「海洋生物環境学」「畜産草地科学」「獣医学」。応用生物科学と獣医学は現行と同じ。また、獣医学以外の学科にある講座は、新学科への移行に伴って解消する。  同学部によると、戦後、農家が減少して日本の農業が縮小傾向となる中、全国の大学の農学部では農業のイメージから離れた名称を使う傾向があった。  こうした流れに沿ってきた結果、学科名から学生たちが何を学んでいるのかが見えにくくなった。企業などからも「求める人材がどこにいるのかわかりにくい」と指摘する声があったという。  改編に伴って各学科の連携も強化する。例えば、海洋生物環境学科の学生が獣医学科の「毒性学」「発生学」などを受講できるようにすることで、動物に与える薬や、微生物に関する知識も得られる。  川村修学部長は「宮崎大は周辺に生産現場がある。恵まれた環境と学科改編を生かし、自主的に課題を探求できる学生を育てていきたい」と話している。  入試に関する問い合わせは同大入試課(0985・58・7138)へ。 "[he-forum 14951] 福島放送1/8 福島放送2010年1月8日10時17分 福島大のアスリート養成などに2億5千万円 平成22年度の概算要求で福島大が文部科学省に求めていた特別教育研究経費のうち、トップアスリート養成システム開発研究事業など9件が認められ、配分総額は計2億5074万6千円となった。 このうちプロジェクト・組織整備費分は2億2069万6千円で過去最高額だった。 7日、福島大が発表した。 主な内訳は、トップアスリート研究事業が6385万4千円、研究プロジェクト型実践教育推進センターの設置7108万円、考古学の科学的教育研究のための機器・システム整備3005万円など。 トップアスリート研究事業には国立スポーツ科学センターや豪州国立スポーツ研究所、中国重慶理工大、福島医大研究者も参加。 ロンドン五輪を見据え新しいスポーツ選手強化法を創出する。 新年度の運営費交付金のうち、人件費などの経常経費について今年度より2925万円減額となることを明らかにした。 "[he-forum 14952] 読売新聞1/9 読売新聞2010年1月9日付 [解説]大学医学部の定員増 施設や教員不足の限界…「過酷な勤務」解消も不透明  医師不足の解消を目指し、医学部定員が来年度も増員されるが、現場からは施設や教員の不足を訴える声も上がっている。(医療情報部・佐藤光展)  [要約]  ◇大学医学部の定員は医師不足解消を目指し、昨年度から増員されている。  ◇急激な定員増に施設や教員の数は追いついておらず、長期的な視野が不可欠だ。  医学部の入学定員は、1980年代半ばをピークに、「いずれ医師は過剰になる」との理由で削減されてきた。しかし近年の医師不足問題から、2008年度と09年度は、計861人が増員され、現在は過去最大の8486人になった。  来年度はさらに360人増える。だが大学別の入学定員の発表は昨年12月に入ってからと、一昨年より約1か月遅かった。大学や都道府県からの増員要望が全体計画に満たず、調整に時間がかかったためだ。  背景には、急激な定員増のために、施設や教員不足がほぼ限界に達している、大学医学部の現状がある。  医学部校舎の多くは一学年最大120人を基準に作られており、留年者も見込むと、定員は110~115人が上限という。ところが今年度までの増員で、過半数の43大学がすでに110人以上になっている。  文部科学省は、増員する大学が解剖台などの実習設備を購入する費用助成(約24億円)を今年度2次補正予算案に盛り込んだが、校舎の改修費用は含まれない。現在の110人から3人増える信州大学の事務担当者は「改修のため、卒業生に寄付を呼びかけ始めた」と明かす。  教員不足も深刻だ。  国は、大学設置基準を昨年10月に改め、最大140人だった医学部の専任教員を、入学定員が120人を超えた場合には最大150人に増やせるようにした。  国立大の7校では来年度の入学定員が120人を超える。だが教員増については、「地域の病院に勤める働き盛りの臨床医を大学に戻さなければならず、医師不足がかえって進む」「結局は大学勤務医の空き時間に講義してもらうケースが増え、負担がさらに増す」と懸念する声も強い。  国立大学は独立行政法人化した04年以降、国から支給される運営費交付金が毎年1%前後減額されてきた。来年度予算案でも、今年度より110億円少ない1兆1585億円の計上となったが、文部科学省は「医学部関連の予算は優先的に確保し、教員増の人件費相当額13億円を新たに盛り込んだ」としている。  ただし単年度の措置であり、山形大の嘉山孝正医学部長は「再来年度の予算次第では、いったん増やした入学定員を減らす大学が出るのでは」と話す。  教育内容の充実も課題だ。来年度増員される分の約8割は、奨学金を得て卒業後は一定期間、地域医療に従事する「地域枠」の学生だ。自治医大地域医療学の中村伸一臨床教授は「地域医療を教えられる教員を増やすことも急務」と指摘する。  医師不足問題は重要だが、定員を増やすだけでは、救急、外科、小児科など、特に過酷な勤務を強いられている診療科の医師増加につながるかは不透明だ。国は長期的な視野で、卒業後の研修に診療科別の定員を設けるなど計画的な養成に取り組むべきだ。 "[he-forum 14953] 中日新聞静岡1/9 中日新聞静岡版2010年1月9日付 静岡TLOが3月で休止 補助金が減り財務悪化  大学などの研究成果を特許として権利化し、企業の製品開発に役立てるための静岡県内の組織「静岡TLO」が、2010年3月で業務を休止することが分かった。補助金が減り財務内容が悪化しているほか、各大学が知的財産を取り扱う部署を設置し、TLOに依存しなくなったことなどが背景にある。  TLOはTechnology Licensing Organizationの略称で、「技術移転機関」と呼ばれる。  大学側から研究成果を特許化する権利を譲り受け、成果を利活用する権利を企業側に与えて収益を生み出す。特許申請の知識が豊富でない研究者と、優れた研究成果をビジネスに生かしたい企業を結び付ける手法として、1998年に法制化された。  静岡TLOは2002年、静岡大の同窓会が母体となった「浜松科学技術研究振興会」が組織し、静岡大、浜松医科大、県立大などの9つの研究機関が参加した。  09年10月までの特許出願件数は136件、企業が特許を事業化することで得られる実施料収入(ロイヤルティー)は4800万円に達している。  しかしこの間、静岡TLOを取り巻く環境は大きく変化した。  国公立大が04年度に法人化されてから、特許権を大学が持つことが可能になり、優れた研究を“囲い込む”傾向が強まった。  この結果、03年度に38件に達した静岡TLOの特許出願件数は年々減少。09年度には3件にとどまった。  さらに経済産業省の補助金が設立5年を機に大幅に減額され、収支は赤字に転落するようになった。  特許権などの無形財産は2000万円程度あるが、08年度には累積損失が460万円に。外国特許を申請するための諸費用が重くのしかかっている。  こうしたことから静岡TLOを運営する浜松科学技術研究振興会は、TLO事業を09年度末で終了することを決め09年12月、文部科学省と経産省に意向を伝えたという。  振興会の森田信義常務理事は「国公立大が法人化された今、それぞれが特許を取ろうとするのは当然の流れ。TLOの役割は終わりつつある」と話している。 "[he-forum 14954] 読売新聞1/5 読売新聞2010年1月5日付 司法試験「年3000人合格目標」下方修正へ…政府方針  政府は、司法試験の年間合格者を「2010年ごろに3000人に増やす」という計画を下方修正する方向で見直す方針を固めた。無理に実現を目指せば、法曹界の質が低下しかねないためだ。法務、文部科学両省が今春にも有識者会議を設置し、適正な合格者数の検討を始める予定だ。  「3000人計画」は02年3月に閣議決定され、裁判員制度の導入とともに司法制度改革の柱の一つとなっている。法務省の司法試験委員会は毎年、合格者数の目標を設定し、段階的な増員を図っている。06年に1009人だった旧司法試験を除く合格者は08年には2065人と倍増したが、09年は2043人と頭打ちになっている。これ以上のペースで合格者数を増やすと試験の質や合格最低点を下げることになるため、計画自体を見直すことにした。  また、法科大学院も74校と当初の想定より増えており、教育水準の低下を指摘する声が強い。大学院修了生の7~8割が合格すると見込まれていたが、09年の合格率は27・6%にとどまり、合格率低迷が優秀な人材を確保する妨げになることへの懸念も出ている。  有識者会議では、適正合格者数のほか、〈1〉法科大学院のカリキュラムの見直し〈2〉成績評価と修了認定の厳格化――などを検討し、11年にも結論を出す。政府は法曹人口の全体数や合格者数の目標を作成し、改めて閣議決定する方針だ。 合格目標下げ 司法の質 低下懸念  政府の司法試験合格者数の計画見直しは、「質の低下」を懸念する法曹界の声を反映したものだ。  日本弁護士連合会は現行計画について、「法曹の質が確保できず、弁護士の就職難が深刻になる」と指摘している。合格者増加を見込んだ法科大学院の乱立についても、「優秀な教員を確保できず、教育内容が不十分な大学院が多い」という声が出ている。  ただ、地方には、弁護士が足りない地域も多い。青山学院大法科大学院の宮沢節生教授は「国民が弁護士を容易に利用できるようにするためにも、法曹の人的基盤の整備は欠かせない」と語る。  合格者数と法曹人口計画の見直しでは、こうした点にも目配りをすることが必要だ。 "[he-forum 14955] 毎日新聞秋田1/8 毎日新聞秋田版2010年1月8日付 連携協力協定:秋田市と県立大が締結 環境保護など研究活用  秋田市と秋田県立大(小林俊一学長)は7日、連携協力協定を締結した。環境保護や産業活性化などの分野で大学の研究を活用していく。  協定覚書には、自然エネルギーの利用による温室効果ガスの抑制▽資源作物の研究を生かしたバイオ燃料の利活用▽農林水産物の地元ブランドの開発や販路拡大--など8項目の協力事項が挙げられている。大学側は20人の教員を担当に充て、ゼミの学生も参加するという。  秋田市が大学と協定を結ぶのは秋田大に続き2番目。両者はこれまでも千秋公園のお堀浄化や、大森山動物園でのふんの堆肥(たいひ)化、建物耐震化などで協力してきた。県立大は「従来より具体的で踏み込んだ内容」としている。  小林学長は「地域貢献のため、いろいろな面でお手伝いできると思う」と意欲を見せた。穂積志市長は「秋田市が元気になるよう知恵を借りたい。若い学生たちの協力が、秋田を愛することや行政をよくするきっかけになれば」と話した。【野原寛史】 "[he-forum 14956] 毎日新聞北海道1/9 毎日新聞北海道版2010年1月9日付 新春インタビュー:/4 旭川医科大学長・吉田晃敏さん ■地方の医師不足対策  北海道の地域医療は、広大な面積や過疎化、過酷な冬に加え、医師不足や医療費削減、公立病院の経営悪化--と課題が山積している。打開策の一つとして旭川医大の吉田晃敏学長(57)は遠隔医療の拡充を挙げ、その革新的な取り組みは国内外から注目されている。同大初の生え抜き学長は学内改革にも着手し、決して恵まれた条件下ではないものの、「ピンチは大きなチャンス」と地域医療の再生に挑む。【聞き手・写真、横田信行】  ◇遠隔医療が国家プロジェクトに--吉田晃敏さん(57)  --道内の地域医療の喫緊の課題は  ◆医師不足に尽きます。過疎の自治体だけでなく、地方の主要都市も医師がいなくなり始めています。旭川でさえ、基幹病院で医師が確保できず診療科の休止が現実の話になっています。  元凶は04年度に始まった新卒医師の臨床研修制度です。2年間の研修を義務付け、研修先を自由に選べるようになり、新卒医師が条件のいい大都市に集中し、地方に戻らなくなりました。道内も新制度前は母校の病院に7割以上在籍したのに、今は4割程度です。  このため、各診療科を下支えする研修医が減り大学病院は地域の病院に派遣していた中堅医師を戻さざるを得ず、現場の崩壊が進みました。大学教員も診療の比重が増え、研究分野で国際競争力が低下するなど負の連鎖です。抜本的な制度改正を国に提言しています。  --旭川医大はどう対処していますか  ◆学長に就任した07年の卒業生で母校に残ったのは95人中わずか10人。03年の5分の1という非常事態で、大学中が元気を失っていました。ただ、1期生である私は学内を熟知し、改革すべき点は見えていました。  まず、地道に地域医療の担い手を増やす入試改革を始めました。08年度に道東・道北出身で将来、その地域の医療に貢献する学生を対象にした地域枠10人を設定。今年度からは全国初の試みで定員102人の半数を道内の高校から入学させる制度を創設し、今年度の入試では合格者の71%を道内で占めました。また、体育館や基礎臨床研究棟など施設を改修し充実させました。  国立大の病院経営は厳しく、医師の給与は私大や一般の病院に比べて著しく低いです。特に研修医は厳しく、卒業後1、2年目の研修医に資金を支給し研修に専念できるようにしました。3年目以降には、さらに道職員としての採用枠を設け、水準以上の待遇のポストを確保しました。おかげで今年の卒業生は35人が残ります。  --大学の代名詞となっている遠隔医療は医師不足とどう関係しますか  ◆現場に一人前の医師を配置するには10年以上かかります。医師不足による医療格差の解消は待ったなしで、医師が増えないなら、増やさずにできる工夫をするしかありません。そこで考え出したのが遠隔医療です。  米ハーバード大留学で学んだ「カルテは患者のもの。患者が動くのではなく情報を動かす」という哲学が基本にあります。病院間などを光ファイバーや衛星回線で結び専門医が動画と音声で診療や手術を支援します。どこでも最高水準の医療が受けられます。94年から世界に先駆けシステム構築に取り組み、99年には学内に全国初の遠隔医療センターを開設。実施実績は国内47施設、海外4施設に広がりました。  --歩みは順調でしたか  ◆前例がなく困難は多かったです。まず鮮明な動画の転送に不可欠な通信インフラの整備促進を国に働きかけました。企業を説得し専門の機器も開発しました。留学から旭川に戻った後、私は患者の家族に手術を公開するなど、患者本位の「開かれた医療」を実践してきましたが、国内の医療機関は依然、検査・診断結果などのやり取りに消極的だったので、意識改革の啓発も進めました。患者宅、地域の病院、大学病院を結ぶ、切れ目のない医療支援ネットワークづくりも進行中です。  --注目度は上がる一方ですね  ◆遠隔医療で患者や家族の肉体的・経済的負担が減り、早期退院も可能になります。患者が集中していた基幹病院は本来の高度な医療に時間をかけられます。地域の病院には患者が戻り、収入増が見込めます。道東・道北9病院の遠隔医療による経済効果の試算は医師の移動・宿泊費節減などで眼科で年間13億6000万円、放射線科で18億6000万円でした。  道東・道北の5病院では「専門医の遠隔医療を受けたいか」との質問に「受けたい」が6割以上で患者も求めています。  --昨年、情報通信の発展への貢献で「情報通信月間」総務大臣表彰を受けられました。医療界からは異例です  ◆当初、医療とICT(情報通信技術)の融合に着目する医師はおらず国の支援もなく、遠隔医療は診療行為とみなされませんでした。それが認められ、国家プロジェクトにまでなりました。時代が動いていることを実感し感慨深いです。  原口一博総務相は昨年12月、ICT活用で持続的な社会の実現を目指す「ICT維新ビジョン」を発表しました。遠隔医療はこれに合致し、国は雇用創出、移動減少による二酸化炭素の排出量削減という新たな視点でも注目しています。時は今です。=つづく ==============  ◇インタビュー後記  数多くの大学で学長を取材してきたが、これほど現場へのこだわりを感じたことはなかった。だからこそ遠隔医療の発想も生まれたのだろう。今も眼科医として付属病院で外来診療を続け、難度の高い硝子体手術を年間200件以上こなす第一人者であり続ける。国立大有数の若い学長であり、その取り組みには躍動感があふれる。「大学改革はチェンジ(変革)ではなく、不断のチャレンジ(挑戦)。必要とされているのはパッション(熱情)だ」。地域医療を救うのも、この言葉通りだと感じた。遠隔医療がもたらす明るい未来を信じたくなった。 ==============  ■人物略歴  ◇よしだ・あきとし  札幌市生まれ。米ハーバード大留学などを経て、92年に旭川医大教授、07年に55歳の若さで学長に就任。遠隔医療の第一人者。国立大学協会では付属病院の経営改善を検討する病院経営小委員会委員長。大の巨人ファンで大学の野球部長も務める。 "[he-forum 14957] 朝日新聞佐賀1/7 朝日新聞佐賀版2010年1月7日付 佐賀大への運営費交付金増  佐賀大は6日、2010年度の国からの運営費交付金が約108億2千万円に決まったと発表した。新規事業の経費など前年に比べ4億8千万円増加したが、主に人件費に充てられる一般経費は1億円減少した。  同大が申請した新規事業7項目中6項目は予算が認められ、その中で最も予算が付いたのは「有明海における環境変化の解明と予測プロジェクト」の6030万円。国営諫早湾干拓事業の開門調査にかかわる国の環境影響評価(アセスメント)の信頼性を高めるため、第三者の同大も独自に研究を行うという。 "[he-forum 14958] 京都新聞1/11 京都新聞2010年1月11日付 京都市、3私大の看護学科に奨学金 市立看護短大の廃止で  京都市は4月から、看護学科を持つ市内の3大学を対象に奨学金制度を創設する。来年度末に市立看護短大を廃止するのに伴い、看護を目指す学生の負担軽減を図る措置で、看護学科に特化した自治体の奨学金は全国でも珍しいという。  市は市立看護短大の4年制化を目指していたが、財政難などを理由に廃止し、教員を佛教大に新設される4年制の看護学科に移すことを決めた。しかし、私大の看護学科に比べ学費が3分の1以下で、短大を廃止すると学費負担を理由に看護師を断念する学生が出てくる恐れがある。  このため、当初、佛教大看護学科の学生に限って奨学金創設を検討していたが、他大学との公平性を保つため、2005年度から4年制看護学科を開設している京都橘大(山科区)、11年4月に開設する京都光華女子大(右京区)を対象とすることにした。  新奨学金制度は、市が奨学生1人あたり30万~100万円を無利子で貸与する。3大学には、奨学生に対し市の負担と同額程度の奨学金を貸与する制度創設を求める。  支給基準は所得制限や学力など日本学生支援機構に準じ、定員は短大定員の50人より増やす方針。市立病院や京北病院など市医療施設に就職した場合には、勤続年数に応じ返済も免除する。市は「慢性的な看護師不足の中、私大の力を借り、地域で活躍する看護師を育てたい」としている。 "[he-forum 14959] 朝日新聞1/11 朝日新聞2010年1月11日付 教育の予算案、大幅に伸びたけど… 明暗わかれた大学事業  大学病院を強化する予算や奨学金は増えたが、留学生の受け入れや大学の補助事業は大幅減に――。18日召集予定の通常国会に提出される2010年度の政府予算案で、教育予算全体の金額は大幅に伸びたものの、大学関連予算は事業によって明暗が分かれた。 ■削減―文科省の支援事業・留学生受け入れ  今月7日、東京都江東区の東京ビッグサイトで、大学の優れた教育事業を紹介する「大学教育改革プログラム合同フォーラム」が開かれていた。その席上で、文部科学省の鈴木寛副大臣は「大学の事業は重要な岐路に立っている。事業仕分けで厳しい指摘を受けたが、今年は改革を最優先で議論していきたい」などと話した。  新年度の予算案は、マニフェスト項目の高校無償化を中心に編成された。文科省の10年度予算は総額で5兆5926億円。前年度より5.9%増え、過去30年で最高の伸びになった。ただ、高校無償化の3933億円を差し引くと、824億円を減らした計算になる。  大学関連の予算は、先端研究拠点を文科省が重点支援する「グローバルCOEプログラム」などの大学院支援事業が大きく削られた。行政刷新会議の事業仕分けで「3分の1程度の予算縮減」と判定され、予算規模は前年度の7割程度の287億円まで減った。前年度からの継続分の件数は維持されるが、事業に直接かかる経費は別として、補助的な作業をする職員の人件費など、ある程度自由に使えた「間接経費」を圧縮することになるという。  グローバルCOEで、7拠点が採択されている名古屋大は、4億円以上が削られる公算が大きくなった。ナノカーボンなどの化学研究拠点のリーダーを務める渡辺芳人教授は「ゆゆしき問題だ。世界中の大学で当たり前に行われていることができなくなる」と危機感を抱く。  研究チームによると、3億円強の年間経費のうち7千万円ほどが間接経費。この部分で、8人いる留学生の借り上げ寮費や授業料減免措置の費用、非常勤の事務職員5人分の人件費などをまかなっていた。渡辺教授は「世界との競争の中で優秀な留学生を呼び、研究に集中する環境を作るためにも、必要な投資だ」と話す。今後、寄付金などで埋め合わせできるかどうか、検討していくという。  留学生に魅力的な大学づくりを目指す「グローバル30」など国際化拠点整備事業も、予算縮減という仕分けの結果を反映して前年度より2割減の33億円になった。本来なら30大学を目指すが、09年度に採択された13大学の継続分だけに絞られた。そのうえ、今年度各大学4億円を上限に交付金が出されたが、新年度は3億円に減る見込みだ。  採択校の早稲田大は、5学部と大学院6研究科に英語のみで学位が取れるコースを設け、新年度に向けて20人以上の教員を雇う。大野高裕・国際部長(理工学術院教授)は「いきなりの削減は想定外で、非常に厳しい」と嘆いた。 ■改善―運営費交付金・大学病院の強化 減額方針の撤回も  削減の一方で、大学の経営基盤となる国からの「国立大運営費交付金」の一律の削減方針が撤廃された。運営費交付金は、自民党政権下の「骨太の方針」で毎年1%ずつ削られ、法人化後の5年間で720億円減っている。小規模の大学なら約20校の配分額にあたるという。  今回の予算案をみると、総額1兆1585億円と、結果的に0.94%減になった。厳しい経営状況自体は変わらないが、それでも国立大学関係者は、削減方針の撤廃に、ひとまず胸をなで下ろしている。また、文科省も「09年度2次補正での計上分を加えると0.2%減にとどまる」としている。  また、私立大の経常費補助(私学助成)は0.1%増の3222億円で4年ぶりの増額になった。  大学生への奨学金事業も大幅に改善されそうだ。予算額は前年度と同じだが、財政投融資や返還金の増額分を含めた事業規模は6.1%増の1兆55億円に。貸与人数を3万5千人増やして118万人分とした。  医師不足対策では、医学部の定員増を受けて、医学教育や大学病院の機能強化のために25.3%増の68億円を計上した。そのうち、医師らの事務負担を減らすスタッフ雇用のために21億円が新しく盛り込まれた。  09年度の2次補正予算でも、医学部定員が増えたことに伴う整備事業に24億円が、周産期医療の整備には5億円が計上されている。  日本医学教育学会(会長、伴信太郎・名古屋大教授)は7日、教員の増員や教育施設の整備などを求める緊急提言を発表した。「単に『教室の拡張』や『機器や教材の追加』の対策だけでは医学教育の質を担保できない」と訴えた。(見市紀世子、石川智也) "[he-forum 14960] 薬事日報1/12 薬事日報2010年1月12日付 大学発ベンチャーは減少‐04年の国立大学法人化が影響か  科学技術政策研究所がまとめた「大学等発ベンチャーの現状と課題に関する調査2007-08」によると、わが国の大学発ベンチャーの設立数は、04年度をピークに減少傾向にあることが分かった。要因の一つとして、04年の国立大学法人化に伴い、大学の教職員が、短期的な成果が出にくいベンチャー創出や支援活動に取り組むより、成果が目に見えやすい既存企業との共同研究や、受託研究などを重視するようになっている可能性があると分析している。  調査は、国公私立大学・高等専門学校、大学共同利用機関、独立行政法人研究所、国立試験研究機関など計852機関を対象に、08年7~8月に実施したアンケートをもとに、大学等発ベンチャーの設立状況、大学での産学連携活動、ベンチャー支援に対する意識の変化や課題などについて分析したもの。  それによると、大学発ベンチャーの設立数は、ピークだった04年度(245社)を境に減少し、07年度は131社に落ち込んだ。国内の大学発ベンチャーは、国立大学発が大部分を占め、その多くは教員発ベンチャーで、国立大学が法人化した04年以降、ほぼ半減した。  大学では、ベンチャーの支援人材や、経営人材の確保が課題となっており、特に産学連携が活発な機関では、経営人材の確保が大きな課題となっていた。  また、企業の財政悪化から、大学発ベンチャーでは、▽収益確保▽資金調達▽販路・市場の開拓--が課題として挙げられ、ライフサイエンス分野では「資金調達」がとりわけ大きな課題として意識されている。  こうした結果を踏まえ調査では、大学発ベンチャーの設立を妨げている要因として、ベンチャーの経営者や支援人材不足を挙げると共に、大学の教員が企業との共同研究、受託研究を重視するようになっていることが影響し、大学でベンチャー創出や支援活動が弱まっている可能性を示唆した。  中でも国立大学は、04年の国立大学法人化以降、教職員の業務負荷が増え、教職員が産学連携に深くかつ長期的にコミットメントしづらくなっている可能性があると指摘。さらに、共同研究や受託研究は、件数や外部資金獲得額といった形で短期的に成果が目に見えやすいが、大学発ベンチャーの起業では教職員に深いコミットメントが求められる一方で、成果が見えにくいケースがあることも示した。  そのため、これらの要因が複合的に作用して教職員発ベンチャー設立が妨げられ、結果的に近年のベンチャー設立数の減少につながっていると考えられると分析した。 "[he-forum 14961] 愛媛新聞1/13 愛媛新聞2010年1月13日付 愛媛大研究に国予算 10年度文科省内示  県は12日、2010年度政府予算案への反映を求め重要施策提案・要望に盛り込んだ愛媛大の2プロジェクトについて、文部科学省が「基礎・臨床融合による愛媛発先端プロテオ医学研究の展開」に対し、国立大学法人運営費交付金特別経費1億9862万円(要求額2億690万円)の配分を内示したと発表した。  同プロジェクトは、世界で初めて実用化に成功した無細胞タンパク質合成技術を活用する同大の「プロテオ医学研究センター」で、タンパク質の機能を解析。がんや高血圧・糖尿病・動脈硬化などの生活習慣病、難治性疾患の早期発見や治療に必要な新指標(バイオマーカー)発見とワクチン開発に取り組み、治療法や予防法の研究を進める。 "[he-forum 14962] 東奥日報1/14 東奥日報2010年1月14日付 弘大への運営費交付金 0.7%減  文部科学省が内示した2010年度の政府予算案で、弘前大学に対する運営費交付金が111億6900万円と、前年度より0.7%減額になった。同大が13日の学長定例会見で明らかにした。国立大学法人全体では0.9%の減であることから、遠藤正彦学長は「厳しい中でも弘大のこれまでの教育・研究の実績が評価され、それなりの手当てを受けられた」と述べた。 "[he-forum 14963] 陸奥新報1/14 陸奥新報2010年1月14日付 弘大が10年度に被ばく医療研究センター設置  弘前大学の遠藤正彦学長は13日、2010年最初の定例記者会見に臨み、今年7月に開設を目指す高度救命救急センターに合わせ、10年度中に弘前大学被ばく医療教育研究センター(仮称)を設置することを明らかにした。  遠藤学長は同センターについて「緊急被ばく医療について全国で初めて教育や研究をバックアップする施設」と説明。昨年11月に設置準備委員会を立ち上げており、今後、運営方針や教育・研究方針などを検討する。  この日の会見では10年度の運営費交付金内示状況や09年度の第2次補正予算案も説明したそれによると来年度の運営費交付金内示額は111億6900万円で前年度比0・7%減。新規として免疫学的に不適合とされている個体間での臓器移植を安全に実施できるよう基礎的・応用的研究に取り組む。また医学部入学定員拡大に伴い増員される専任教員の人件費相当を支援する、医学教育支援経費などが盛り込まれた。  このほか09年度第2次補正予算案では、救急医療設備や医学部定員拡大に伴う教育環境整備など、計4億円を超える額となった。  遠藤学長は予算内示状況について「大学を取り巻く状況が厳しい中、地方大学ながら頑張っていると自負している」と述べた。  また2月から2期目を迎えることについて「誠心誠意、本学発展のために尽くしたい」と意気込みを語った。 "[he-forum 14964] ダイヤモンドオンライン1/15 Diamond online ホーム > 経済・時事 > 格差社会の中心で友愛を叫ぶ 西川敦子(フリーライター)【第8回】 2010年01月15楠・ http://diamond.jp/series/yuuai/10008/ *********************************************************** “高学歴ワーキングプア”が急増中! 「官製資格ビジネス」に乗せられた博士たちの悲痛  いよいよ大学入試センター試験が始まる。就職難が深刻化する時代、なんと してもわが子を大学へ行かせたい、という親は多いはずだ。  だがもし、「博士課程に進みたいんだけど……」と子どもが言い出したとし たら、どうだろう。 “高学歴ワーキングプア”が急増中だ。最高学歴を獲得した人々が、生活 保護受給者や無保険者になっていく――。この奇妙な逆転現象の発端は、20年 前に国が始めた“官製資格ビジネス”構想にあった。  大学崩壊の実情を現場に聞いてみた。 実験結果の捏造を断れば―― 「じつは今、教授から不正を強要されているんです……」  それは、若手研究者が集まるある会合でのこと。博士研究員の "[he-forum 14965] 中国新聞1/16 中国新聞2010年1月16日付 広島大が研究資金調達へ組織  広島大は、学内の有望な研究を掘り起こし、外部資金を調達する「競争的資金獲得戦略室」を設置した。浅原利正学長が15日、広島市南区の霞キャンパスで開いた記者会見で発表した。運営費交付金の削減などで財政が厳しくなる中、全学的な態勢で国の公募事業の採択などを目指す。  学内で埋もれていた研究を特色ごとに再分類化し、省庁や他大学からの情報収集や分析に基づいて資金獲得のプロジェクトとして練り直す。学長直属の組織として学部や大学院研究科間の連携も進め、公募につなげる。1月1日付で東広島キャンパス(東広島市)内に設置。室長に理学研究科の相田美砂子教授が就いた。ほかに職員2人を置く。  国の公募事業は、理系の研究分野が大半を占めていたが、近年は産学連携や教育の分野にも広がっている。他大学との資金争奪戦を勝ち抜くには、学内で知られていなかった研究をいかに開花させるかが重要と判断した。 "[he-forum 14966] 朝日新聞1/18 朝日新聞2010年1月18日付 理系博士の就職進まず 国の「仲介」事業3年目へ     若手の研究者と企業を引き合わせ、インターンシップで就職や産学連携につなげる国の事業が間もなく3年目を迎える。就職先が見つからず立場が不安定な「博士」に、企業での活躍の場を与えるのが狙いだが、成果はこれからだ。科学予算に厳しい風が吹くなか、若手研究者をどう育て、どう生かすのか。事業も正念場を迎えている。(上野創) ■公費負担で企業研修  「大学では、製品化を意識しながら研究する機会がなかったので、貴重な体験でした。企業で研究する生活のイメージを持つことができ、この会社で働きたいと思いました」  早稲田大で応用化学を専攻した博士後期課程3年の伊部武史さん(27)は昨年1~3月、化学製品会社(東京)の欧州の研究所で働いた経験を振り返った。その後、同社から内定をもらったという。  利用したのは2008年度から早大が始めた「実践的博士人材養成プログラム」。  学内外の博士課程の学生や、大学院で博士号を取った後に、任期付き博士研究員(ポスドク)として残った人が登録すると、経済界の一線で働く講師によるコミュニケーションやリーダーシップ、英語での発表能力などの講義を無料で受けられる。  目玉はインターンシップ。ポスドクや学生の研究内容や希望を聞き、選抜したうえで企業や研究機関に派遣する。期間は3カ月~1年と、通常の就職活動でのインターンシップより長い。交通費や人件費は企業側でなく、大学がすべて負担。ポスドクは時給2500円、学生は1500円だ。  プログラムは、文部科学省が08年度に始めた事業を受けたものだ。主に理系の若手研究者のキャリアを支援する部署を各大学が作る。5年計画で、08年度は10大学、さらに09年度7大学が選ばれた。予算額は2年度分で25億5千万円。1校あたり8千万~1億円だ。背景にあるのは「博士の就職難」。これまでも、若手研究者の進路として企業が有力視されてきたが、両者にはまだ距離があり、それを縮めようとしている。  文科省は、合同企業説明会など、若手の関心を大学外に広げる取り組みを後押ししてきた。ポスドクや学生が一定期間、企業で働けば、相互の理解が深まり、就職者の増加やイノベーション(技術革新)を期待できる。「インターンシップ事業で、その先の『お付き合い』を経験してもらいたい」と文科省の担当者は話した。 ■企業に先入観 学生は大学ポストに未練  企業と研究者の「交際」を狙う事業だが、必ずしも出足は順調とは言えない。  08年度、早大でインターンシップを経験したのはポスドクと学生2人ずつ。今年度はポスドク4人、博士課程7人。昨年末での予定者8人を入れても計23人で、目標の「3年で50人程度」には、残り1年3カ月で倍以上にしなければならない。就職は内定含め4人。これも来年度中に50人にするのが当初の計画だ。博士とポスドクの副キャリアセンター長を務める朝日透さんは「大学の費用負担で派遣するというプログラムの良さが企業に伝わらず、若手研究者側に情報を届けるのにも時間がかかった。ただ、双方に前向きな反応が増えており、目標を達成したい」と語る。  慶応大の場合、医学部が中心となり、医療機器や製薬などの分野でインターンシップにつなげる。ただ、インターンシップ経験者は昨年度3人、今年度10人、予定者が4人。計画では毎年14人を選び、3年目には約半数を企業や国内外研究機関、他大学教員などに就職させるはずだが、現時点の就職や内定は5人にとどまる。「就職した人数だけが成果ではないが、事業が浸透してきたので今後は増える見通し」という。  3年でインターンシップ参加者70人、そして参画企業との連携で30人程度の雇用達成を掲げた大阪大も、現時点で参加者32人、就職は内定を含めて11人だ。初年度のインターンシップがゼロだった大学もあった。不調の原因に、「ベンチャーの採用は増えているが、研究者側に大手志向があり、大学ポストへの未練も強い」「一部の企業に、博士は使いにくいという先入観がある」などの声がある。 ■「大学以外の職に興味がある」68%  若手研究者の人件費や研究費などに充てる「競争的資金」は、行政刷新会議の「事業仕分け」でも取り上げられた。「ポスドクの保護はやめるべきだ」と厳しい指摘が続いたが、「民間企業を出口にする政策が不可欠」などの意見も出た。「若手研究者育成」の予算は結局、18億円の要求額から3千万円減にとどまった。  若手研究者の側も、大学での研究以外の選択を考えるようになっている。例えば大阪大のキャリアに関するアンケートによると、「大学以外の職に興味がある」と答えた割合は、05年の46%から08年は68%と上がっている。  昨年11月に日本物理学会が神戸大で開いた合同企業説明会には、100人を超えるポスドクや学生が集まった。博士後期課程2年の男子学生(26)は「大学にポストがあるか分からない時代。狭い世界にいて情報がないので、こういう場は貴重」と話した。  ポスドク問題に詳しい小林信一・筑波大教授は「インターンシップに限らず、大学は人材育成や幅広いキャリア支援にもっと取り組むべきだ。企業でも大学でもプロジェクトを先導できる、そんな力を院生が身につけられる仕組みを、大学全体で真剣に考えなければいけない」と語った。 〈キーワード〉博士の就職難 1990年代、国の政策による大学院定員増で博士課程修了者が急増した。若手研究者は多くなったものの、大学教員など学内でのポストは増えなかった。企業も、年齢の高さなどから採用を敬遠したため、不安定な立場の研究者があふれ、「高学歴ワーキングプア」の言葉も生まれた。文科省は昨年6月、博士課程の定数減を含めて見直しを求める通知を国立大学に送付。ただ、科学者らから、「研究が、他国より大きく遅れる」と、懸念する声が出ている。 "[he-forum 14967] 読売新聞1/17 読売新聞2010年1月17日付 事業仕分け影響は限定的 将来の負担懸念…関西学研都市  昨年末の行政刷新会議の「事業仕分け」で、研究に関連する少なくとも16事業が「廃止」や「縮減」「見直し」と判定された関西文化学術研究都市(学研都市)。科学技術予算の削減判定に対してはその後、各方面から批判が上がり、研究機関や大学側が巻き返しを図ったこともあり、政府の2010年度予算案では、ほぼ希望額を獲得したケースもあった。学研都市への影響も当面、事業仕分けの判定より、限定的になる見込みだ。 (上野将平)  今年度限りで「廃止」と判定された後、予算案で実質的に「継続」と変わったのは、文部科学省の「都市エリア産学官連携促進事業」。学研都市推進機構(京都府精華町)は同事業の一部を受託し、2008年度から3年計画で、大学や企業と健康管理装置・システムを研究開発していた。2年目に「廃止」を突き付けられたが、文科省が同事業を別の事業と合わせて「イノベーションシステム整備事業」に衣替えすることで、継続になった。  学研都市推進機構の門川雄作・都市エリア事業部長は「科学技術研究はすぐに結果が出ないので、成果面を評価する事業仕分けはそぐわなかった」と指摘する。  地球温暖化対策を研究する財団法人「地球環境産業技術研究機構(RITE)」(同府木津川市)は二つの研究について、経済産業省の補助金で研究費用の全額をまかなっている。事業仕分けで「補助率3分の2」とされたが、予算案では、事業仕分け前に提出した概算要求額に沿う形になった。二酸化炭素を地中や海洋に貯留、隔離する研究などを続ける。  奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)も文科省からの国立大学法人運営費交付金(年間63億円)が「見直し」対象だったが、ほとんど同額を得られる見通しだ。  だが、無条件で「復活」が認められたわけではなさそうだ。  文科省によると、旧事業を衣替えした「イノベーションシステム整備事業」では、健康管理装置・システムの研究開発費(年間約1億8000万円)は、1割未満の減額が予想されるという。  RITEの本庄孝志専務理事は、今後の補助金の動向が気がかりだ。「来年度は予算を確保できそうでほっとしたが、今後は自己負担を求められるケースも想定できる。不足分をどのように補うかが課題」と懸念する。  事業仕分けの厳しい判定が覆らなかったケースもあった。大学の優れた研究に予算を重点配分する「グローバルCOEプログラム」は3分の1程度の「縮減」とされ、予算額が減額された。このプログラムの採択を受けている同大学院大も影響は避けられない。07年度から11年度まで、海外の研究機関と研究開発事業を展開しているが、12年度以降の更新は難しい状況という。同大学院大は「事業の継続方法を検討する必要がある」としている。  昨年12月、政府に緊急の予算要望をした学研都市推進機構の稲田進常務理事は「急激な研究開発事業の廃止、削減にはつながらず、最悪の事態は免れた。事業仕分けの議論を聞いて、日頃から世間に、研究内容を説明する必要性を実感した」と話している。 "[he-forum 14968] 読売新聞1/16 読売新聞2010年1月16日付 愛媛大たんぱく質解析研究に2億円内示 国新年度予算  愛媛県は、来年度の政府予算編成前に国に要望した重要施策23項目のうちの一つ「愛媛大学の拡充整備」について予算が内示された、と発表した。同項目の2件の研究のうち、たんぱく質の機能解析を通じた難病の治療・予防法の研究に1億9800万円の予算が内示されたが、他の1件は不採択となった。  文部科学省の予算が付いたのは、同大の遠藤弥重太教授が開発した無細胞たんぱく質合成技術を使ってたんぱく質の機能解析を行い、がんや生活習慣病の早期発見、治療、予防法などを探る研究。  今年度設置予定の植物プロテオゲノム研究センター(仮称)に実験温室を設け、植物の機能を解析して薬の原料開発や乾燥・高温に強い植物を創る研究は不採択だった。 "[he-forum 14969] 1/19山形新聞 山形新聞 2010年01月19日 21:26 10年度の山形大運営費交付金は1%減  山形大は19日、2010年度運営費交付金の内示状況を明ら かにした。総額は121億5300万円で、09年度予算から 1億2300万円(1%)の減。  同大によると、設備費全体で2億円ほど減額されたのが影響し たという。結城章夫学長は「額としては減っているが、教育研究に必要 な分は昨年度とほぼ同じレベルだ」と話している。また、大学院の定員 は医学系研究科が8人増の24人、理工学研究科(工学系)が 7人増の270人。付属学校では幼稚園年少が14 人増の 34人、同年中が36人減の34人、小学校は26人減らし て102人とし、1クラス34人の少人数学級にすること を明らかにした。 "[he-forum 14970] 陸奥新報1/20 陸奥新報2010年1月20日付 法人化後の運営総括/弘大  弘前大学(遠藤正彦学長)は19日、弘大事務局大会議室で経営協議会と教育研究評議会の合同会議を開き、法人化からこれまでの活動について振り返り、学外者から意見を聞きながら総括した。  遠藤学長の任期は今月31日で終了。2月1日から2期目の就任を控えていること、4月1日から第2期中期目標・中期計画がスタートすることから、区切りとして合同会議が開かれた。  会議では委員が人件費削減の観点から「人件費についてどこで歯止めを掛けられるかが問題」と述べ、大学側が法人化後は部局ごとに配分されて運用方法を各部局が考えているため将来計画が立てづらく、各部局が定員通り採用できず人事の停滞にもつながっている現状を説明。「4月からは法人化前の定員制に戻すことも検討している」などとした。  このほか、法人化後の運営費交付金、補正予算の推移、今年度の総括として北日本新エネルギー研究センターや高度救命救急センター、白神自然観察園の現状、60周年記念事業の一つとして今年度導入した成績優秀学生表彰制度による語学研修派遣者決定、太宰治生誕100年関係事業、弘大が及ぼす経済波及効果が2008年度は約441億円だったことなどが報告された。 "[he-forum 14971] 日本経済新聞四国1/21 日本経済新聞四国版2010年1月21日付 香川大、医工連携で医療機器開発 県・経済界と3月に運営委  香川大学は3月、医学部と工学部の独自研究成果や技術を融合させ、医療機器開発などにつなげる「医工連携事業」を始める。医工連携に伴い香川県、香川経済同友会と運営委員会を設立し、運営方針や具体的な研究計画の策定も進める。医学と工学の専門知識に、産官のニーズを反映させ実用的な機器開発につなげ、医療分野の産業集積を目指す。  香川大は今回の事業を「医工情報領域融合による新産業創出拠点」と命名し、国の「地域産学官共同研究拠点整備事業」に応募。このほど指定を受け、約7億2000万円の助成を受けることが決まった。3月から医学部と工学部内の研究棟と研究室に、電子部品をはじめとするデバイス技術などの高度研究開発機器・設備を導入し、医工連携をスタートさせる。  同大工学部はデバイス分野での機器開発を得意としており、微細加工技術を使って医療機器の研究に取り組む。具体的には眼底検査に使われる機器の精度を上げ、光の波長を目に影響を与えにくいようにしたり、病院間でCT画像などを共有したりするシステムの画像精度を向上させる。 "[he-forum 14972] 毎日新聞広島1/16 毎日新聞広島版2010年1月16日付 広島大:交付金、総額で増 学長「教育に応援を」--会見  広島大は15日、10年度運営費交付金予定額が今年度に比べ、6億4600万円多い270億5200万円になると発表した。浅原利正学長は「事業の特別経費を認められ総額としては増えたが、運営費が減らされていく現状に変わりはない。教育や医療への応援がほしい」と訴えた。  運営費交付金は今年度予算額のうち1・4%、2億7800万円を削減されたが、事業などの特別経費として11億2300万円、授業料免除枠拡大に3300万円の増額が認められた。  また、1日から競争的資金獲得戦略室を設置したことも発表した。これまでは研究費などの資金獲得は各部局や教員に任せていたが、これからは専属の教職員がつき、外部資金獲得の機会を増やす。浅原学長は「大学の管理運営費を減らされた分を確保していきたい」と新設の意図を説明した。【矢追健介】 "[he-forum 14973] 産経新聞福井1/21 産経新聞福井版2010年1月21日付 福井県立大学長に下谷氏  福井県立大は20日、任期満了に伴う学長選考会議で、次期学長に経済学部教授の下谷政弘氏(65)を選出したと発表した。任期は4月1日から3年間。  下谷氏は石川県出身。大阪経済大助教授や京都大教授などを経て、平成20年に福井県立大教授に就任した。専門は日本経営史。 "[he-forum 14974] 京都新聞1/20 京都新聞2010年1月20日付 京大と産総研、連携協定結ぶ 共同研究推進へ  京都大(京都市左京区)と産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は19日、環境・エネルギーや医工融合分野における共同研究の推進や人材育成を柱とした連携協定を結んだ。  産総研は、産業技術に関連するさまざまな研究所を全国に持つ独立行政法人。今後、両者で連携協議会を設ける。次世代蓄電池や医療用ロボットの開発、産官学連携による人材育成のほか、活断層などを含む地質調査など双方に研究体制のある分野で協力を検討する。 "[he-forum 14975] 産経新聞関西1/21 産経新聞関西版2010年1月21日付 京大・阪大・神大 3大学が連携シンポ  京都大・大阪大・神戸大が連携して世界をリードする人材を育成し、関西の知的創造拠点の形成を目指すシンポジウム「3大学連携による知の創出と発信」が20日、大阪市北区の大阪国際会議場で開かれ、大学関係者ら約350人が参加。環境やエネルギー問題を背景に盛り上がっているバイオ技術の研究について、世界の動向を踏まえながら、最新の報告が行われた。  シンポジウムは、3回目でテーマは「バイオテクノロジーによる持続可能な社会の構築」。講演では、山口彰宏・三井化学副社長が循環型化学産業を実現するための触媒の開発などについて話したあと、コリン・ウェブ・マンチェスター大学教授が英国でのバイオマス(植物資源)の利用について披露。クリス・ソンマービル・カリフォルニア大学教授は、次世代のバイオ燃料(セルロース系)について「燃料生産の技術的な障壁はなくなった」と話した。  また、田中隆治・サントリーホールディングス技術監は、遺伝子組み換えによる青いバラなどの研究を紹介。瀧本正民・豊田中央研究所代表取締役は、電気自動車など車社会の在り方に触れ、新名惇彦・奈良先端科学技術大学院大学副学長は、「低炭素社会の実現には、植物バイオマスの増産が切り札」と強調した。    パネルディスカッションでは、大竹久夫・大阪大学大学院工学研究科教授らが登壇し、「産業連携による技術革新と産業化」をテーマにバイオ技術について話し合った。 "[he-forum 14976] Re: [he-forum 14975] 産経新聞関西1/21 長い間適確な情報を配信して頂き有難うございました。 大変参考になりました。 退職に伴い、メーリングリストから削除をお願いします。 ----- Original Message ----- From: ""news"" To: ""he-forum"" Sent: Thursday, January 21, 2010 12:43 PM Subject: [he-forum 14975] 産経新聞関西1/21 > 産経新聞関西版2010年1月21日付 > > 京大・阪大・神大 3大学が連携シンポ > >  京都大・大阪大・神戸大が連携して世界をリードする人材を育成し、関西の知的創造拠点の形成を目指すシンポジウム「3大学連携による知の創出と発信」が20日、大阪市北区の大阪国際会議場で開かれ、大学関係者ら約350人が参加。環境やエネルギー問題を背景に盛り上がっているバイオ技術の研究について、世界の動向を踏まえながら、最新の報告が行われた。 > >  シンポジウムは、3回目でテーマは「バイオテクノロジーによる持続可能な社会の構築」。講演では、山口彰宏・三井化学副社長が循環型化学産業を実現するための触媒の開発などについて話したあと、コリン・ウェブ・マンチェスター大学教授が英国でのバイオマス(植物資源)の利用について披露。クリス・ソンマービル・カリフォルニア大学教授は、次世代のバイオ燃料(セルロース系)について「燃料生産の技術的な障壁はなくなった」と話した。 > >  また、田中隆治・サントリーホールディングス技術監は、遺伝子組み換えによる青いバラなどの研究を紹介。瀧本正民・豊田中央研究所代表取締役は、電気自動車など車社会の在り方に触れ、新名惇彦・奈良先端科学技術大学院大学副学長は、「低炭素社会の実現には、植物バイオマスの増産が切り札」と強調した。 >   >  パネルディスカッションでは、大竹久夫・大阪大学大学院工学研究科教授らが登壇し、「産業連携による技術革新と産業化」をテーマにバイオ技術について話し合った。 > > > "[he-forum 14977] 時事通信1/22 時事通信2010年1月22日11時30分 14校が「改善不十分」=法科大学院  入学志願者数や新司法試験合格率の低迷が問題となっている法科大学院をめぐり、中央教育審議会法科大学院特別委員会の作業部会は22日までに、全74校中14校は学生の質の確保や教育内容が不十分で、重点的な改善を促すべきだとする調査をまとめた。ほかの12校についても継続的な改善が必要だと指摘した。  名指しで問題視されたことで、学生募集に支障を来す法科大学院がでる可能性もある。文部科学省は今後、改善の進ちょく度に応じて運営費交付金、私学助成に差を付けることを検討する。  作業部会は昨年7月、入試倍率、新司法試験合格率が低い40校から聞き取りを実施。うち26校には同10月以降、現地調査に入って学生との意見交換や授業見学を行った。  その結果、入学者の水準確保が不十分、授業の満足度が低い、定期試験の成績評価が甘いといった問題点が浮上。程度に応じて改善重点校と継続校に分類した。  作業部会はまた、新司法試験合格率が2年連続で平均の半分未満だった法科大学院が18校に上ると指摘。「法曹養成機関の責務にかんがみると、この事実は極めて重く受け止めなければならない」と批判した。  法科大学院の総定員増加などに伴い、修了者を対象にした新司法試験の合格率は昨年27.6%まで下落。2009年度入試の志願者は3万人を切り、42校では受験者数を合格者数で割った競争倍率が2倍を下回った。 "[he-forum 14978] 徳島新聞1/21 徳島新聞2010年1月21日付 日韓技術交流促進へ連携 徳島大と韓日財団、協定締結へ  徳島大学は20日、韓国ソウル市に本部を置く韓日産業・技術協力財団と交流協定を結ぶ。徳大がインターネット上に開設している研究者や企業情報の仲介システムを、年度内に韓国でも利用できるように改良。韓国側からも情報を提供してもらい、日韓の技術交流の促進を図る。徳大は仲介システムの海外展開を計画しており、その第1弾となる。  来月にも、徳大と韓日財団の職員らでつくる「韓日技術交流支援グループ」を設置。韓国語版の仲介システムの製作を共同で進める。このほか、徳大の発光ダイオード関連の研究や延世大学(ソウル市)などの情報通信に関する研究を応用した産学連携、両国の特許技術を披露する展示会やセミナーの開催も検討課題に挙がっている。  ネットを活用した交流の中心になる仲介システムは、徳大知的財産本部が昨年1月に開設した「TPAS-Net」(ティーパス・ネット)。特許や企業、研究者の情報をこれまでに7千件余り集積し随時更新している。ネットに登録すれば最新情報のメールが届き、知財本部を介して企業や研究者と連絡も取れる。  産学連携や共同研究を促す全国でも珍しいシステムで、国内では徐々に利用が拡大している。ネットの国際化を目指していた徳大が昨年12月に韓日財団へ提携を持ち掛け、連携が決まった。  調印式は、徳島市新蔵町の徳大本部に財団の幹部を招いて開く。徳大知的財産本部の佐竹弘副本部長は「日韓の企業や研究者の橋渡し役として、双方の技術発展につなげたい」と交流の深まりに期待している。 "[he-forum 14979] 東京新聞神奈川1/22 東京新聞神奈川版2010年1月22日付 街づくり 担い手育て 7大学連携 4月開校へ 横浜に『北仲スクール』  横浜の街をテーマにして、学生や市民に都市の在り方や芸術を学んでもらおうと、国公私立の七大学が四月、横浜市中区北仲通五に「横浜文化創造都市スクール(北仲スクール)」を開校する。これに合わせ、新進気鋭の映画監督の作品を集めた上映会が二十三日から一週間、映画館「シネマ ジャック&ベティ」(同区若葉町三)で開かれる。   (荒井六貴)  北仲スクールには、県内にキャンパスがある横浜国立大、横浜市立大、東京芸術大、神奈川大、関東学院大、東海大のほか、京都精華大(京都市)が参加。馬車道駅近くにあるビル「北仲ブリック」に教室を設置した。  四月からは本格的に、学生向けの授業を開始。利用者数が低迷している水上バスの集客方法を学生が提案したり、都市デザインを考えたりするほか、市内の音響会社と協力し、音響システムの開発なども企画されている。  卒業の単位としても認定する。市民も出席できるようにし、一定の単位を履修すれば、独自の修了証を渡すことなども計画している。国の補助を受け、二〇一一年度まで継続する予定だ。  北仲スクール代表で、横浜国大の室井尚教授は「国の事業仕分けで予算は二割減になったが、税金の無駄遣いと言われないよう、いろんなことに取り組み、(十一年度以降も)続けていきたい」と期待を込めた。  開校に先駆けた上映会のテーマは、「未来の巨匠たち」。学生の映画研究などに役立ててもらおうと、国内の三十代を中心とした映画監督約十人の作品を一日数本上映し、監督を招き、作品に込められた思いなども聞いていく。  二十三~二十九日。連日午後二時から。チケット料金は、一作品(八百円)から全日(六千円)まである。  このほか、京都精華大が担当する授業「現代美術論 マンガという領域」(二月十八~二十日)なども企画されている。一部は、事前の申し込みが必要になる。問い合わせは、北仲スクール事務局=(電)045(263)9075=へ。 "[he-forum 14980] 朝日新聞愛知1/21 朝日新聞愛知版2010年1月21日付 愛教大 省エネ3冠 【CO2総排出量やエネルギー使用量】  全国にある教職員500人以上の中、大規模の60国立大学法人の中で、愛知教育大学(刈谷市)が2006、07の両年度、床面積当たりと学生・教職員1人当たりのそれぞれのエネルギー使用量、温室効果ガス(二酸化炭素)の総排出量の計3項目で最小だった。京都大学などの教員らのプロジェクトが各大学の環境報告書を分析した結果からわかったもので、愛教大が進める「環境重視型キャンパス」が評価された形だ。(岡本真幸)  それによると、床面積1平方メートル当たりの年間エネルギー使用量(ギガジュール)は、国立大学法人の07年度平均は1・87だったが、愛教大はその3分の1の0・63で、最小だった。06年度も0・61で最小だった。また、学生・教職員1人当たりの年間エネルギー使用量(同)は、愛教大は07年度が10・98で最小だった。05年度から3年連続で、いずれも国立大学法人の平均の5分の1程度だった。  二酸化炭素の年間総排出量も、07年度2690トン、06年度2441トンと2年連続最小で、それぞれ国立大学法人の平均の11分の1程度だった。  一方、床面積当たりのエネルギー使用量や二酸化炭素排出量の2項目が多かったのは、旭川医科大、滋賀医科大、群馬大、東京医科歯科大、東北大などの順で、いずれも病院といった24時間稼働の施設がある大学。愛教大にはそういった施設はない。  データは大学や地域により取り方が異なり、現在は報告書案の作成段階。正式な報告書は今年度中に完成する予定。  愛教大は、人感センサー付き照明や太陽光発電の積極的な導入など環境対策を進めてきた。また、以前は焼却していた紙ごみのリサイクルを進める一方、教職員や学生の環境意識を高めるため、有志による大掃除「キャンパスクリーンデー」も開いている。松田正久学長は「さらに意識を高めて、環境重視型キャンパスを目指す取り組みを強化したい」と話している。 "[he-forum 14981] 河北新報社説1/25 河北新報社説2010年1月25日付 科学技術予算/「仕分け」契機に足元見直せ  行政刷新会議による事業仕分けで「必要性に乏しい」などとやり玉に挙がり、多くが「廃止」や「縮減」の宣告を受けた科学技術関係費。ふたを開けてみれば、見直し対象になった事業は復活し、即廃止となる事業はなかった。  2010年度政府予算案の科学技術関係費は予算編成前の大幅減額予想に反し、ほぼ前年度並みの水準を維持した。先端技術につながる基礎研究を重視する鳩山政権が軌道修正した格好で、大学関係者らは安堵(あんど)の表情を見せる。  しかし、国の経済、財政状況とは無関係に巨額の予算がつぎ込まれていたことが明らかになり、納税者の目は一段と厳しくなった。漫然と予算を要求し、消化する行為は許されない。無駄の一掃が急務だ。  文部科学省によると、科学予算の中核である科学技術振興費は約1兆3000億円。前年度を3%下回ったが、ほぼ横ばい。研究者が申請する科学研究費補助金(科研費)は30億円増えて2000億円が計上された。国立大の運営費交付金は約1兆1500億円と0.9%減。  前政権時代に策定された科学技術基本計画は「資源がない国は科学技術で」とうたい、同振興費は毎年増額を重ねてきた。01年には「50年間にノーベル賞受賞者30人を輩出する」と勇ましい目標が掲げられた。  新政権発足後、「聖域」と見られてきた科学界に事業仕分けというメスが入り、初めて防戦に追われる。次世代のスーパーコンピューターをめぐるやりとりは象徴的だったが、地方の産業創出を目指す地域科学技術振興・産学官連携事業、大学院支援事業といった成果を挙げてきた項目まで切り捨てられた。  東北大など国立10大学の理学部長会議が反対声明を出し、著名な研究者が記者会見で「世界の国と戦えない」などと異を唱えたのは記憶に新しい。一方で、反論に抽象論が目立つなど説明能力の不足を露呈した。  旧文部省、旧科学技術庁時代から引き継がれ、中身が重複するものが多いことも判明した。国立大の幹部は「説明責任を果たしきれなかった。仕分けはいい刺激になった。項目の整理を進めたい」と話す。  科学の発展が不可欠なことは言うまでもない。地道な研究が続けられなくなれば特許出願や産業への実用化などで各国に後れを取り、取り返しがつかなくなることも事実だ。新政権もそこを考慮したからこそ、予算編成で配慮したと言っていい。  研究費の使い道を見直す好機ととらえ、次年度の予算要求までに必要な費用と削減できるものとを精査するとともに、納税者への説明能力をもっと磨くべきだろう。重い宿題に取り組む時間は長くない。 "[he-forum 14982] 1/26しんぶん赤旗 2010年1月26日(火)「しんぶん赤旗」 教育費減は質低下招く 奈良教育大 市田氏、長友学長らと懇談  日本共産党の市田忠義書記局長は25日、奈良市にある奈良教育大学 を訪れ、長友恒人学長ら同大幹部と高等教育政策について意見を交わし ました。党側からは、沢田博党県委員長、太田あつし参院奈良選挙区候 補、山村幸穂、宮本次郎両県議が参加し、なごやかに懇談しました。長 友学長とともに、中谷昭、加藤久雄両副学長、宮崎秀生事務局長が応対 しました。  市田氏は、国立大学が法人化され、教職員の給与などに充てられる運 営費交付金が削られてきたとして、「人件費が予算の8割を占めるとい われる教育大学は厳しい状況にあると思います。きたんのない意見、要 望を聞かせてほしい」とのべました。  運営費交付金は、行政刷新会議がおこなった事業仕分けでも、「見直 し」の対象になったもの。長友学長は、「高等教育に対する展望や政策 が不透明なまま、『初めにマニフェストありき』で仕分けが進められ た」「やり方が素人的でパフォーマンス。政策のプロがやるものではな い」と批判し、「民主党はマニフェストを検証した上で予算を決めるべ きだ」と主張しました。  長友学長はまた、運営費交付金が毎年1%削られるとともに科学研究 費も減らされ、厳しい状況にあると説明。教員が退職しても代わりに非 常勤を雇用したり、事務職員を減らすなどの実態を紹介し、「教育大学 は人が人を育てている。人件費が減らされたら質の低下を招きかねな い」と警鐘を鳴らしました。幹部らは、「政治の力で何とかしてほし い」と訴えました。  市田氏は「考え方は一致するところが多い。国会等の場で要望実現の ため努力します」と答えました。 "[he-forum 14983] 陸奥新報1/27 陸奥新報2010年1月27日付 弘大の地域経済波及効果77億円に 08年度試算  弘前大学(遠藤正彦学長)は26日、2008年度の地元弘前市への経済波及効果が、前年度よりも約3億円増え約77億円だったとの試算結果を公表した。法人化された04年に比べると34億円近く増えている。渡辺政美副学長は「建物の改修などが進み施設整備費が減ったため、全体の経済波及効果は減少したが、地元への効果は右肩上がり」とし、今後も地元企業と良好な関係を続け、地域に貢献したい考えを示した。  発表によると、08年度収入決算額は358億6300万円。支出決算額は346億8500万円(繰り越し金は11億7800万円)だった。  波及効果は実数の支出決算額と科学研究費補助金、学生生活実態調査(06年度)を参考に、学生・大学院生6759人の支出額から学生生活費、同年度に同市内で開かれた23学会の開催費、院外処方薬剤費を推計し、算出した。  08年度の経済波及効果は全体で440億9400万円で、前年度よりも約16億円減少した。  支出決算額のうち、契約行為を伴う支出契約金の総計は156億6700万円。本社が県内にある事業所との支出契約金額は95億3300万円(前年度比4億3700万円増)で、支出契約金総計の60.9%だった。  このうち、本社が同市にある事業所との支出契約金額は、総計の49.4%に当たる77億3700万円(前年度比2億9900万円増)。  主な契約内容は、医療用材料、研究用消耗品などの物品費が47億4900万円と最も多く、医療用材料費が増額した。  県内への発注割合は年々増加しており、同市については、支出額が法人化された04年度と比較すると34億円近く増えている。これに関し弘大は、ホームページなどを最大限利用するなど情報発信量が増えたことで業者が参加しやすくなったと分析している。  渡辺副学長は「厳しい国の財政状況の中、それなりに予算は確保できた。10年度は高度救命救急センター、北日本新エネルギー研究センター、白神自然観察園と大きな事業をきちんと展開し、情報発信することが大学の使命」と述べた。 "[he-forum 14984] 読売新聞1/27 読売新聞2010年1月27日付 大学予算減、将来像見えず 高校無償化でしわ寄せ  2010年度の政府予算案で文部科学省の予算額が過去30年で最高の伸び率となるなか、大学関係の主要事業は減額となった。  政権公約の高校無償化実現に向けた財源捻出(ねんしゅつ)のためにしわ寄せを受けた予算案から、大学の教育・研究機能の将来像は見えてこない。  国立大学の人件費や設備の維持費などの必要経費として、同省が各大学に配分している「運営費交付金」。国立大が法人化された04年度の翌年度から、業務の効率化のため削減され、06年度には毎年1%減という数値目標が掲げられた。民主党の政策集では「交付金の削減方針を見直す」と明記されているが、10年度予算案では1兆1585億円(前年度比0・94%減)と、ほぼ前年並みの削減となった。  交付金を減額する一方で同省は07年度、世界トップレベルの研究教育拠点を育成する「グローバルCOEプログラム」をスタートさせるなど、公募のうえで優れた取り組みを支援する「選択と集中」を進めてきた。全国の国公私立大への同省の財政支援のうち、09年度に競争的に配分した資金は5435億円と04年度比で16%増加した。  しかし、10年度予算案ではグローバルCOEも265億円(同23%減)と大幅減に。大学院や学部の教育改革や国際拠点の整備を支援する公募型の補助金予算も、行政刷新会議の「事業仕分け」を踏まえて減額された。グローバルCOEの拠点リーダーを務める安成哲三・名古屋大教授は「これまでもギリギリだったが、さらに減額となれば海外での調査や研修の縮小など、影響は甚大だ」と嘆く。  大学関係者からは、逆風の予算案に「新政権が大学の将来像をどう描いているのか、わからない」との指摘も上がる。一方、「選択と集中」路線は、競争を促して大学を活性化させたとの評価もあるが、東京大など有力校に資金が集中して地方大学との格差が広がっていると懸念する声も強い。こうした現状に、新政権が今後どう向き合うのか、姿勢は明確ではない。  政策研究大学院大の角南(すなみ)篤准教授(科学技術政策)は「世界で戦う大学や地域に根ざす大学など、特色を生かした大学づくりに結びつく制度を構築すべきだ」と指摘する。(三井誠) "[he-forum 14985] 毎日新聞夕刊1/27 毎日新聞2010年1月27日付夕刊 電子ジャーナル:高い!学術雑誌ネット購読料 3年で2.5倍、155億円 ◇国公私立の壁越え、大学値下げ交渉へ  科学や医療などの学術雑誌がネット上で閲覧できる「電子ジャーナル」の購読料が高騰を続け、各大学の図書館が悲鳴を上げている。国内の大学全体の購読料は04年度の約62億円が07年度には約155億円に急増。学術界で論文出稿が増加したことが主な要因で、各大学は、国公私立の壁を越えて、出版社側との値下げ交渉を模索している。  電子ジャーナルは90年代後半から紙媒体に代わって一般的になり、出版社の持つ全雑誌や分野ごとに購読するパッケージ契約が普及した。購読料を支払って契約すればネット上で雑誌を読んだりダウンロードできる。  購読料は高額だが、電子化の初期投資の回収後は、一冊当たりの経費が安上がりになるとみた各大学は、多くの雑誌が閲覧できるパッケージ契約を進めた。ある私立大図書館長は「研究者が成果を上げるには幅広い雑誌を閲覧できる環境が必要。パッケージ契約は雑誌ごとの購読より大幅な割引になり魅力的だった」と話す。  学術雑誌は二重投稿が禁止され、各分野の研究は最新の成果を載せた雑誌を読むしかない。エルゼビア(オランダ)、シュプリンガー(ドイツ)など欧米の出版十数社で市場の9割を占めて価格競争が働きにくいうえ、アジアを中心とした学術論文の増加で出版社の論文審査の経費がかさみ、値上げが続いた。  国の大学予算は削減されており、各大学は図書館資料費を削る傾向にある。国立大学図書館協会(国大図協)は02年度、一部の公私立大は03年度から、出版社に対して団体で価格交渉を始めた。しかし、多くの出版社は「論文は年約3%の割合で増えている」などと譲らず、交渉は値上げ幅を抑える効果しかない。  文部科学省は04年度から購読料調査を行っている。同年度の国公私立大全体の購読料は61億9800万円(1校平均865万円)だったが、07年度は155億2600万円(同2064万円)に膨れた。国大図協の事務局でもある東京大は国内の大学では最高額の年間約10億円の購読料を支払っている。東大付属図書館事務部は「ずっと値上がりが続く現状の価格システムは破綻(はたん)する。公私立大と統一の交渉事務局を発足させ、研究環境の維持に努めたい」と話している。【井崎憲】 "[he-forum 14986] 産経新聞1/27 産経新聞2010年1月27日付 京大、雇い止めに関して再雇用方針を決定  京都大学(京都市左京区)が平成22年度以降に雇用期限を迎える非常勤職員を一律5年で「雇い止め」することに絡み、同大学は対象の非常勤職員について、能力や適性を判断したうえで実質的に再雇用を認める方針を決定したことが26日、わかった。京大は、再雇用についての就業規則の改正も検討しており、関係者は「5年雇い止め条項の撤廃はできなかったが、精いっぱい非常勤職員の方々に歩み寄った案」としている。  この問題は、17年3月に就業規則を改定した際、同年4月以降に採用した職員の契約期限の上限を5年と規定したことがきっかけ。京大は、22年度中に契約期限を迎える非常勤職員について、契約を更新しない「雇い止め」をする方針を固めていた。  京大によると、この現行制度に対する改善措置として、一律5年で雇い止めする原則は維持した上で、22年度以降の雇用募集の際に、雇い止めされた元非常勤職員の応募も可能にする。採用試験を経た上で、各部局が必要と判断した場合に限り、新規採用者として再雇用するという。  今回の方針は、学内の人事制度検討会が昨年作った中間案を基に決定。今年1月12日に学内で開かれた部局長会議で部局側からの反対はなく、中間案が承認された形になったという。  時給制で働く非常勤職員は20年12月現在、約2600人で、うち半数は、17年の就業規則改定後に採用されたという。  大学側が把握している3月で雇い止めになる非常勤の事務職員や技術職員ら対象者数は約50人。  3月で雇い止めの対象になる50代の非常勤職員の女性は「これまで雇い止めに関する学内の会議の内容が労働者にほとんど知らされておらず許せない。せめて1年前ぐらいに方針が決定していれば余裕をもって就職活動ができたのに」と大学側の対応を批判した。 "[he-forum 14987] 北海道新聞1/23 北海道新聞2010年1月23日付 獣医師養成で共同課程 北大・帯畜大12年度に  北大(佐伯浩学長)と帯広畜産大(長沢秀行学長)は22日、獣医師の養成で、講義や実習などを共同で行う「獣医学共同教育課程」を2012年4月に開設することを明らかにした。大学で共同教育課程を設置するのは全国初。  食の安全や感染症に対する国際的な関心が高まる中、牛や馬などの獣医学に定評のある帯畜大と、総合大学として学部の枠を超えた教育が行える北大の特性を生かしながら、国際競争力を強化するねらいがある。  昨年3月に文部科学省省令が改正され、複数の大学が相互に教育研究を行える共同教育課程の編成が可能になった。 "[he-forum 14988] 日本経済新聞九州1/26 日本経済新聞九州版2010年1月26日付 佐賀大、街路灯をLEDに  佐賀大学はキャンパスの街路灯を水銀灯から発光ダイオード(LED)照明に切り替える。街路灯の年間消費電力と二酸化炭素(CO2)排出量を約84%削減できる。佐賀大は全国の国立大学法人の中で初めて全学的に環境規格の「エコアクション21」を取得していることから、今後も太陽光発電の設置など学内の省エネ対策に積極的に取り組むという。  佐賀大の本庄キャンパスには街路灯が156本ある。今後、2年かけて街路灯に使われている250ワットの水銀灯を21~42ワットのLEDにすべて交換する。明るさが不足する分を補うため、LEDの街路灯などを約78本新たに設ける。  試算では、LEDに変えることで消費電力は年間13万キロワット時から約2万キロワット時に、CO2排出量は同約50トンが約8トンに減るという。 "[he-forum 14989] 毎日新聞茨城1/27 毎日新聞茨城版2010年1月27日付 地域連携協力協定:高萩市が茨城大と調印 教育など5項目  高萩市(草間吉夫市長)と茨城大(池田幸雄学長)は26日、「地域連携協力に関する協定」に調印した。人的・物的資源の活用によって地域の発展や人材育成で協力を図る。同市は東北福祉大(仙台市)、常磐大と同様の協定を結んでおり、3校目。  内容はまちづくり▽産業の振興▽教育と文化▽環境--など5項目で連携する。具体的事業として同大の宇宙科学教育研究センターを拠点に「星まつり」「親子天体観測会」などが計画されている。  草間市長は「協定実現のため、一歩一歩できることから実施したい」、池田学長も「双方が連携してこの地域が発展できるよう尽力していきたい」と話した。【臼井真】 "[he-forum 14990] 山梨日日新聞1/28 山梨日日新聞2010年1月28日付 山梨大に農学系新学部  生命、ワイン研究柱に 来春開設目指す   山梨大(前田秀一郎学長)が、生命工学や食物、環境などをテーマとした農学系の「生命環境学部」(仮称)の新設を検討していることが、27日までに分かった。早ければ今春にも文部科学省に設置許可を申請し、2011年4月の開設を目指している。新学部は生命工学などの4学科程度で構成し、同大学院に付属するワイン科学研究センターの機能も新学部の一学科として組み込む方向。定員は120人程度を想定している。設置が許可されれば教育人間科学、工学、医学の3学部に続き4学部目となる。果樹栽培やワイン醸造など地場産業への人的、技術的なメリットも期待されそうだ。  新たな学部は、既存の教育人間科学部と工学部を一部改組して設置する方針。生命工学関連の学科では、分子生物学や遺伝子工学など先端的なバイオサイエンスに関する研究を行う予定。ブドウ栽培やワインの発酵技術に関し先端的な研究に取り組んでいるワイン科学研究センターは、ワイン・食物関連の学科として移管し、研究体制を強化する方向だ。  このほか産業構造や経営理論に関する社会経営、環境科学に関する学科設置も検討。同大関係者は「県の代表的な地場産品であるワインや果樹の付加価値を高める研究を進め、地域に貢献する姿勢を色濃く打ち出す学科構成になる」としている。  新学部の定員は各学科1学年30人程度で構成する方向で調整。学部新設に伴い、工学部、教育人間科学部の定員は減らす。新学部の実験施設、ほ場、教員などの確保が必要となるため、詰めの検討を急いでいる。  新学部設置後は、既設の同大大学院医学工学総合研究部と連携した大学院設置も視野に入れている。  同大は2008年に学内に作業部会を設け、教育人間科学部と工学部の教育内容を発展させることを目的に、環境や福祉をテーマにした新たな学部を検討。その後、関係者との意見交換を通じ、「果樹栽培などが盛んな山梨では、農学系の学部がふさわしい」(同大幹部)と方針を転換し、昨年秋に新たな作業部会を設けて検討してきた。  検討過程では高校生を対象にしたアンケート調査なども実施。少子化による「大学全入時代」を迎えて全国の大学で特色づくりが進む中、地域の特性に応じた学部を新設することで、学生確保につなげる狙いもあるとみられる。  同大は、02年に旧山梨大と旧山梨医科大が統合し、現在の3学部体制となっている。 "[he-forum 14991] 読売新聞1/28 読売新聞2010年1月28日付 22社と3大学「出会いの場」…滋賀・彦根商議所、初の就職支援面談会  彦根商工会議所は27日、滋賀県彦根市中央町の同会議所で、同市内にある滋賀、県立、聖泉3大学の今春卒業予定者と、会員企業22社の採用担当者らを対象にした就職支援面談会を開いた。  同会議所によると、3大学では計約1000人が卒業予定。例年はこの時期に9割程度は就職が内定していたが、不況で採用を控える企業が多いことなどから、今年は約300人が就職先が決まっていないという。面談会は、会員企業と卒業予定者の出会いの場をつくろうと初めて開いた。  同市や豊郷、多賀町に事業所を置く製造、小売り、サービスなどの22社がブースを設け、卒業予定者31人が自由に訪問。ブースでは、社長や採用担当者らが熱心に会社のセールスポイントを説明した。  22社の求人枠は計64人で、総合職を求めている食品会社の担当者は「当社は主力製品の豆腐で100年続く老舗。伝統を踏まえた新たな食文化も発信できる企業であることを伝えたい」と意欲を見せ、卒業予定者の女性は「安定性を重視。地元出身なので通いやすさも魅力」と話していた。 "[he-forum 14992] 中日新聞福井1/28 中日新聞福井版2010年1月28日付 就職支援に県内の大学手厚く 研究成果を企業に売り込み  今春の大学卒業予定者の就職内定率低下を受け、県内の大学は2011年3月卒業予定者の就職支援策に知恵を絞っている。企業に大学の研究内容をPRするほか、採用の変化に対応したセミナー開催など支援強化に乗りだす。  福井大は来月15~18日、学内で開く合同企業説明会の会場に、工学部や産学官連携本部の研究内容を紹介するパネル約80枚を展示する。  参加する企業は約280社。同大就職支援室の青山伝治室長は「原子力や太陽発電など、環境に関する研究は企業の関心も高い。福井大の魅力を企業に売り込み、採用につなげたい」と語る。  08年度まで毎年、全国平均を上回る就職内定率を維持していた県立大は、今春卒業予定者の内定率が現段階で8割弱と低迷する。同大就職・生活支援課の担当者は内定率低下の一因として「5月以降の支援不足」を挙げた。  5月は企業の多くが最初に「内々定」を出す時期。「例年は5月以降も企業が説明会を開いていたが、昨年は採用数が減り、個別に採用を進める企業が多かった。学生も大学も、採用の変化に対応できなかった」と明かす。今年は5月以降も企業の面談会や就職セミナーを開き、支援を厚くしていく。  県若者就職支援センター「ふくいジョブカフェ」(福井市)と連携し、県内の企業訪問を企画する動きもある。県立大経済学部の学生14人は今月26日、鯖江市の揚原織物工業を見学した。3年の小野田清香さん(21)は「液晶分野に進出していると知り、繊維業のイメージが変わった」と目を輝かせた。  企画した経営学科の木野龍太郎准教授は「厳しい状況だからこそ地元企業を見て、企業に対する見方を変えてほしい」とアドバイスしていた。  (増田紗苗) "[he-forum 14993] 京都新聞1/28 京都新聞2010年1月28日付 京大「白眉プロジェクト」18人内定 世界的研究へ若手を支援  京都大は27日、次世代を担う若手研究者の支援のため、最長5年間雇用して自由な研究環境を提供する「白眉(はくび)プロジェクト」の初の採用者18人を内定したと発表した。  36の国や地域から計588人の応募があり、32・7倍の難関を突破した「白眉」が来年度から世界をリードする研究をスタートさせる。  白眉プロジェクトでは、博士学位を取得した研究者を毎年約20人ずつ雇用し、最大で研究費を年間400万円、給与を月額65万円支給する。学内外の有識者でつくる「伯楽会議」や松本紘総長が面接して選考した。  内定者の平均年齢は32・8歳。京大以外の研究機関の所属者は、東京大の4人をはじめ計10人で、過半数を占めた。文理別では理系が12人、文系が6人、女性は4人だった。  研究課題は「磁場中超伝導状態における磁気揺らぎの効果の理論的研究」や「古典インド聖典解釈学派による音声の永遠性論証の研究」など多彩。今後、各研究者が互いの研究内容を伝え合う会合なども検討する。  内定者に15分の英語面接を行った松本総長は「大変立派な若手ばかり。プライドを持って研究に励んでくれると信じている。日本や世界に貢献する研究者としてのベースを築いてほしい」と話す。 "[he-forum 14994] Re: [he-forum 14993] 京都新聞1/28 昨年退職いたしました。 メールの配信停止をお願いいたします。 今までいろんな情報をありがとうございました。 藤井 "[he-forum 14995] 朝日新聞大分1/29 朝日新聞大分版2010年1月29日付 交付金3.5億円アップ/大分大  国立大学法人大分大学(羽野忠学長)は、来年度政府予算案の運営費交付金の予定額が96億7700万円で、今年度比3億5500万円増えたと発表した。交付金とは別に施設関連経費8億7800万円も予算措置され、来年度から7年計画で予定していた付属病院の再整備事業(総事業費138億円)に着手できる見通しとなった。  交付金のうち、大規模な研究プロジェクトに支出される特別教育研究経費は、今年度比3億1400万円増の7億800万円に拡大。抗がん剤の早期臨床試験実施(来年度1億7千万円)、再生医療へのナノ炭素材料の適用(同1億3千万円)など、要求した事業のすべてに予算がついた。  検査棟や救命救急センターの新築を含む付属病院の再整備事業には、来年度7億円の予算を計上。経済情勢の悪化を受け、学生の授業料免除枠の1割拡大にも2億円を割く。  同大は「政権交代で人件費や研究費への切り込みが厳しくなるかと思っていたが、結果としてかなりいい予算になった」と歓迎している。 "[he-forum 14996] 日本経済新聞関東1/29 日本経済新聞関東版2010年1月29日付 筑波大、医療・介護の専門研究棟 11年3月完成予定  筑波大学は28日、医療・介護分野の先端研究や実証実験のための専門棟を新設すると発表した。スポーツ医学や生活習慣病、介護など幅広いテーマで研究し、成果は大学病院などで応用する。建設費は二十数億円。  新しい専門棟「筑波大学地域医療・健康科学イノベーションセンター」は筑波大付属病院の裏手に建設する。地上8階建てで、延べ床面積は7500平方メートル。3月に着工し、2011年3月の完成を見込む。  各階に実験室スペースと研究スペースを設置。大学の教員や学生らが、先端医療分野で新たな学術研究に取り組みやすい環境を整備する。  新センターで研究した先端分野の成果は大学病院などの臨床実験に応用。看護師や医師の研修、教育といった人材育成分野にも活用していく。  基礎研究のほか、高齢者の医療相談や介護の実践指導、運動指導といった地域のネットワークも構築し、研究成果を地域社会に還元する考えだ。 "[he-forum 14997] 河北新報1/29 河北新報2010年1月29日付 秋田県議会と秋田大 政策提言へ定期協議  秋田県議会は2月、県に対して積極的に政策を提言していくため、秋田大と協議する場を設ける。学生や教員と議論し、少子高齢化に直面する県内の課題を浮き彫りにして解決の糸口を探る。今後、秋田県立大、国際教養大など県内のほかの教育機関とも協議する場の設置を検討し、県議会への関心を高めてもらいたい考えだ。  協議は年2回程度の予定。県議会、秋田大からそれぞれ10人から十数人が出席し、テーマを設定して話し合う。第1回は2月18日に開く方向で調整している。  県議会からは1、2期目を中心とした30~50代の県議が参加し、秋田大は学生有志が協議のテーブルに着く。当日のテーマは出席者の意見を踏まえて決める。  政策提言の協議は、2009年8月に就任した冨樫博之議長と、秋田大の吉村昇学長の「トップ会談」で浮上。学生の柔軟な発想や教員の専門知識を生かしたい県議会と、学生の活動や研究の成果をアピールしたい大学の考えが一致した。  県議会では有志が教育関連の県条例制定を目指し、2月定例会に議題として提案する検討に入った。政策協議の場や条例制定に向けた動きは、県の施策に賛成、反対を示すだけの受け身の姿勢を変える議会改革の一環に位置付けられる。  冨樫議長は「大学と協議の場を持つことは、政策立案能力が求められる県議会本来の姿を取り戻す契機になる。率直な意見を出してもらいたい」と期待する。  吉村学長は「県議会と大学が議論することは県議会の存在感を高め、学生や教員が地域の課題に関心を持つきっかけになる」と意義を強調する。 "[he-forum 14998] 読売新聞三重1/30 読売新聞三重版2010年1月30日付 医療体制の充実へ連携 県と三重大が協定結ぶ  県内の医療体制を充実させようと、県と三重大は29日、医療分野での連携に関する協定を締結し、県庁で野呂昭彦知事と内田淳正学長が協定書に署名した。  両者は今後、救急医療体制の整備や医師確保などの課題を継続的に協議。専門性の高い医師の交流や、地域医療に従事する医師の育成、寄付講座の設置などで協力関係を築く。互いに連携の調整役となる窓口も設置する。  野呂知事は「全県的な医師不足で地域医療体制は危機的状況にあり、三重大も厳しい医療環境の中で課題を抱えている。より重要なパートナーとして連携し、医療分野での地域貢献が進むことを期待する」とあいさつした。野呂知事は三重大との連携を「医療政策の大前提」と位置づけており、今回の協定を礎に、他の医療機関とも関係を深めたいとしている。  内田学長は「大学病院の機能は医局だけでなく、大学以外の場所でも必要とされている。協定により、県立病院と三重大の人事交流が行いやすくなり、医師派遣や研修を含めた組織整備が可能となる」と述べた。県との人事交流で、高度医療や地域医療、精神科医療などの向上を目指す。 "[he-forum 14999] 共同通信1/29 共同通信2010年1月29日19時32分 京大、非常勤の再雇用可能に 「雇い止め」で  京都大は、2010年度以降に雇用期限を迎える非常勤職員を一律5年で「雇い止め」するとしていた問題で、能力や適性があると認めれば実質的に再雇用することを決めたと29日、明らかにした。  大学によると、非常勤職員が5年の雇用期限を迎えた際に、各部局が引き続きそのポストを必要と判断した場合は、新たに公募を実施。その非常勤職員が応募すれば、部局の判断で再雇用できるという。  塩田浩平副学長は「非常勤職員が行うのは臨時的職務。5年程度で見直すのが適当」と話した。  この問題をめぐっては、昨年1月、10年度中に約100人が雇い止めとなることが発覚。「経験を積んだ職員が去れば研究活動に支障が出る」などの批判が上がり、大学は就業形態の見直しを表明。学内の人事制度検討会で昨年12月、実質的に再雇用を認める案をまとめ、検討を進めていた。 "[he-forum 15000] 京都新聞1/30 京都新聞2010年1月30日付 雇用期限迎えた非常勤職員 京大が新規採用制度  京都大は、非常勤職員を最長5年で「雇い止め」とする原則を維持した上で、雇用期限を迎えた職員を「新規採用者」として再雇用できる制度の導入を決め、29日までに就業規則の取り扱いを変更した。京大は「限られた人件費の中で円滑に部局を運営するための措置」と説明している。  京大は2005年3月に就業規則を変更して「5年条項」を設けた。今年4月以降、雇用期限を迎える職員が出るため、常勤職員の一部や組合が制度の見直しを求めていた。  京大によると、新制度では、雇用期限を迎えた非常勤職員は、同一の業務が存続する場合のみ、各部局が公募する「新規採用枠」に応募できる。全応募者の中で最も適性があると判断されれば「新規採用者」として雇用され、再び「5年条項」が適用される。  学内の人事制度検討会の案が部局長会議で了承された。松本紘総長は「非常勤職員の業務は補助的、臨時的なものに限られ、常勤との境界は明確にしておく必要がある。常勤を目指す場合は登用試験があり、門戸は開かれている」としている。 "[he-forum 15001] 河北新報1/31 河北新報2010年1月31日付 第2部=選択の背景(1)源流/次世代技術、東北で再び  1月22日午後、仙台市青葉区の東北大片平キャンパスに、トヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長の姿があった。  「自動車(製造)を始めたときから大変、お世話になった。最近は関係が少し薄れたが、昔のように指導してほしい」  豊田名誉会長は井上明久総長ら大学幹部に切り出した。東北大との産学連携を深めたいという、トヨタグループとしての意思表示だった。  東北大は実学尊重を掲げる。世界トップレベルの車メーカーとの共同研究は、大学の実力アップにつながり得る。井上総長は「東北に自動車産業が集積しつつある。大学としても貢献したい」と大きくうなずいた。 <熱いアプローチ>  グループのセントラル自動車(神奈川県相模原市)が2007年、宮城県移転を発表して以降、トヨタは東北大に熱い視線を送り続ける。特定の大学に対し異例ともいえるアプローチをする背景に、世界首位を争うまでに成長したトヨタへの東北大の貢献があった。  1937年、トヨタの前身のトヨタ自動車工業が設立されるのと同時に東北帝大工学部の抜山四郎、成瀬政男の両教授(いずれも故人)が研究顧問に就任。エンジンと歯車の専門家として助言し、国産車の技術確立に貢献した。  特に抜山教授の弟子の故棚沢泰教授は多くの教え子をトヨタに送り込んだほか、技術開発を意欲的に指導した。豊田名誉会長も東北大大学院在籍時の47~49年、棚沢教授に師事した。  こうした経緯はセントラルの移転先選定の際も有利に働いた。宮城に決まった理由をあるトヨタ元幹部は「活躍した社員に東北大OBが多く、東北に親しみを感じる土壌が社内にあった」と話す。 <双方鍛えられる>  国内メーカーは、成長とともに研究開発に潤沢な資金を投入した。一方、東北大で自動車分野を得意とする研究者は減り、トヨタとの関係も次第に薄れていったという。  それでもトヨタが東北大との連携を望むのは、次世代車の研究開発をめぐり世界のメーカーとの競争が激化しているためだ。東北大は金属素材や電子制御など次世代車で重要な分野を得意とする。トヨタが東北や、東北大との関係強化に動くのは自然な流れだった。  東北大も「産業界の動向が把握でき、研究方針を決める参考にもなる。一緒に問題点の解決に取り組めば双方が鍛えられる」(内山勝工学研究科長)と連携に期待する。  トヨタの発展を支えた東北大。ハイブリッド車など車が大きく変わろうとする今、日本の基幹産業の興亡を左右する産学連携の営みが東北で再び始まる。  トヨタは東北を「国内第3の拠点」と位置付け、セントラルの宮城県移転などグループ工場の集積を進めている。国内の新たな拠点として東北を選んだ背景を探り、そこから導き出される将来像を展望する。 (自動車産業取材班)=5回続き、11面に特集 ◎メモ/東北大とトヨタの共同研究  東北大大学院工学研究科は、トヨタグループの関東自動車工業と、溶接や塗装ラインの効率化などを共同研究している。多元物質科学研究所は2002年、トヨタなどが出資する豊田中央研究所と包括的研究契約を結び、燃料電池や自動車用触媒の開発研究に取り組んでいる。 "[he-forum 15002] 毎日新聞1/28 毎日新聞2010年1月28日付 記者の目:柔軟な奨学金制度を望む 松谷譲二  約20万人、2253億円。大学生らに奨学金を貸与する独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)が07年度末で抱える滞納3カ月以上の「未回収金」(延滞債権)の総額だ。危機感を抱く機構は回収強化に乗り出したが、取り立てに偏るあまり、失業や就職難などで返済が困難な人たちが置き去りにされている。深刻な不況にある今、救済策の拡充も欠かせない。  「完済できるか不安です」。東京都内の派遣社員の男性(32)には計570万円の返済が重い。二つの大学に通った計8年間の奨学金は、毎月約3万円を17年かけて返す計画だが、派遣の月給は約20万円。ヘルニアの治療費と家賃、生活費を引くと消えてしまうため、機構に返済の先延ばしが認められていた。だが、それも昨年秋に猶予期間が切れ、督促状が何度も届き、現在は延滞金まで付くようになった。男性は「払いたいのはやまやまだが、不況で求人が少ない。治療のことも考えると見通しがつかない」と嘆く。返済の免除を申請しているが、回答はまだない。  同機構は、日本の大学生への奨学金の約9割を担う。奨学金事業は無利子と有利子の2種類あり、返済期間は最長20年。大学進学率の向上で利用する学生は急速に拡大し、08年度の貸出額は10年前に比べ約3.5倍(9305億円)に上るが、同時に返済困難者も増えている。教育界の人材確保を目的に、教職や研究職に就いた場合は返済が免除されていたが、04年度以降、廃止されてしまった。  冒頭紹介した未回収額は「返したくても返せない」生活困難層と、「返せるのに返さない」モラルなき層の蓄積だ。そして、機構はいずれへの取り組みも遅れてきた。  まず、後者を見てみよう。会計検査院は昨年10月、機構による奨学生の住所管理のずさんさを指摘した。2253億円のうち、「住所不明」を理由とする未回収金が133億円を占めたためだ。所管する文部科学省の関係者は「6年前まで督促電話すらせず、住所不明者の転居届も照会していなかった」と明かす。  機構関係者も「過去の幹部らは『奨学金は教育事業であり、貸金事業ではない』という理念を盾に適切な回収を怠り、解決も先送りにしてきた」と話す。しかし、未回収のツケは新規の奨学生にまわり、最終的な不足分には国の補助金などが充てられる。回収が滞るほど、税金が投入されるという悪循環だ。一昨年から、機構が重い腰を上げて直接の回収業務を民間業者に完全委託したのは当然だろう。例年数件だった悪質な滞納者に対する給与差し押さえも、08年度には13件に増えた。  とはいえ、こうした変化は生活困難層への配慮に欠けた面も否定できない。事実、回収を巡るトラブルは多発している。大卒後の失業や低所得により、返済が苦しい奨学生には最長5年間の猶予制度があるが、機構が積極的に周知しなかったこともあり、制度を知らない奨学生まで滞納扱いされ、延滞金が加算されるという弊害が出ている。  昨年9月、支援団体が2日間開設した相談電話には約150件が殺到し、「返しても元金が減らない」との悲鳴が相次いだ。北海道の70歳代の男性は、失業して行方不明になった息子に代わり、年金を奨学金返済に充てているが、約80万円の延滞金が残る。こうした、親が返済に巻き込まれるケースも珍しくない。  実は、先進国の奨学金制度は「貸与型」一本でなく、一定の要件を満たす学生は返済不要とする「給付型」との併用が主流だ。英国では、毎年の所得に応じて返済額を決める「所得連動型」をとり、景気や雇用状況を踏まえて柔軟に対応できる。ところが、国は「給付型」の具体的検討をしていない。国内外の制度に詳しい小林雅之・東大教授は「貸与型で支障はないとの考えが支配的だったため、給付型の是非を議論する土壌もなかった」と指摘する。  ただ、政権与党となった民主党は給付型の検討を09年の「政策集」に盛り込んでおり、導入の機運がやっと芽生えてきたようだ。この際、政府と民主党は給付型だけでなく、一定要件の下に返済猶予の期限を撤廃する仕組みなど、ほかの制度も幅広く議論してはどうだろう。  先月、病気や自殺で親を亡くした遺児の進学を支援する「あしなが育英会」が都内で集会を開き、約300人が参加した。集会をまとめた大学生の森本早紀さん(21)は「多くの遺児が大学をあきらめているが、経済的な悩みがなくなれば、私たちの可能性は広がる」と強調した。この国の人材育成に対する奨学金制度の貢献度は、旧育英会の記念誌に、苦学生だったノーベル化学賞受賞者、田中耕一さんの声が寄せられていることを紹介するだけでも十分だろう。第二、第三の田中さんを失わないよう、時代に合った柔軟な制度設計を求めたい。 "[he-forum 15003] 東京新聞栃木2/2 東京新聞栃木版2010年2月2日付 連携し地域貢献推進 栃木SCと宇都宮大 就業体験やサッカー教室 人的資源など相互活用  サッカーのJリーグ2部(J2)栃木SCと宇都宮大は一日、互いの人的資源や施設を活用し合う事業協定を結んだ。学生がクラブで就業体験をしたり、栃木SCの選手が同大の関連施設を使ってサッカー教室を開くなどして連携を図る。ブランド力向上を狙う両者の経営戦略が一致した形だ。  協定は、スポーツ文化の発展と地域貢献を目的に、来年度から本格的に動きだす。就業体験やサッカー教室のほか、キャリアアップを考える選手は外国語の授業受講が可能。健康管理についての研究も進められるなど、“知の恩恵”を受けられる。  地域密着を理念に掲げるJリーグ側と、成長著しいスポーツビジネスを取り込んで学生を呼び込みたい大学側の思惑を背景に、こうした連携は各地で進んでいる。独立行政法人化で国立大が生き残りへの道を模索する中、同大は、J1浦和と埼玉大、J1鹿島と茨城大が協定を結んだ事例を調査。「学生へのアピール度も大きい」として締結を決めた。  この日、宇都宮市峰町の同大で開かれた調印式で、進村武男学長は「公開講座を協力して行うなどすれば、地域貢献度アップが十分に期待できる」とあいさつ。栃木SCの新井賢太郎社長も「地域貢献はJクラブの責務。大学と連携して広い視野で地域とのかかわりを深めたい」と意欲を見せた。 (横井武昭) "[he-forum 15004] 中国新聞2/2 中国新聞2010年2月2日付 広島大病院診療棟を着工  広島大は1日、広島市南区の同大病院に新設する診療棟を着工した。屋上・壁面の緑化や自然採光などを取り入れた「グリーン・ホスピタル」が特色。非常時に同病院の1週間分の給水が可能な防災施設となる。完成は2013年6月の予定。  入院棟南側の建設地で安全祈願祭があり、浅原利正学長や越智光夫病院長たち大学関係者と工事関係者の計約60人が出席した。  診療棟は地上5階地下1階建てで、延べ床面積は3万8560平方メートル。建設費は約122億円。1~3階に大半の診療科を集め、4階に手術センター、5階に緩和ケア外来やスポーツ医科学センターを置く。屋上には太陽光発電パネルを並べるほか、雨水をトイレ洗浄水に再利用する。免震装置も備え、阪神大震災クラスの地震にも対応できる。 "[he-forum 15005] 中日新聞三重2/2 中日新聞三重版2010年2月2日付 三重大と連携、医師確保に努力 県立志摩病院  医師不足が深刻な県立志摩病院(志摩市)について、野呂昭彦知事は1日の定例会見で、「三重大と連携し、さらに医師の確保など医療体制の充実に努める」と強調した。 ◆「過疎地の医療モデルに」  志摩病院は今月からさらに小児科の外来診療を一部縮小。三重大病院(津市)と山田赤十字病院(伊勢市)から非常勤医を派遣してもらう。週4日の一般外来は続けるが、ぜんそくなどの慢性患者ら約120人を、地元のかかりつけ医などに任せる「逆紹介」をせざるを得なくなった。  県は志摩病院を2012年4月から指定管理者による運営に移す方針だが、野呂知事は「状況はますます厳しくなる」と指摘。「指定管理者制度に移行して危機を回避し、過疎地の地域医療のモデル的な病院にしたい」と述べた。  民間移譲する方針の一志病院(津市)にかんしては「すぐ民営化できる状況ではない。津市とも連携し、地域のニーズに応えられるようにしたい」と語った。  (中山岳) ◆石原産業子会社の処分場工事落札「問題ない」  県環境保全事業団が四日市市小山町に計画する産業廃棄物処分場の建設工事の一般競争入札で、産廃を搬入する石原産業の子会社を含む共同企業体(JV)が落札したことについて、野呂知事は「子会社がルールにのっとってやっているなら、否定することはできない」と落札結果に問題はないとの考えを示した。  入札は1月下旬、価格に加え、実績や技術力も見る総合評価方式で行われ、5つのJVが参加。3番目に安い48億1000万円を提示した石原化工建設(四日市市)と鹿島(東京)など3社のJVが落札した。事業団は2日の理事会で請負契約案が承認されれば、このJVと仮契約する。  県も入札の評価にかかわっており、野呂知事は「入札は県の制度に準じて適切に行われたと報告を受けた」と説明。「排除される要件は、参加資格に沿って判断するべきだ。道義的な問題でルールを見直す必要があるなら議論していけばいい」と述べた。  処分場は国と県の補助を受けて建設し、2012年から15年間で産廃107万立方メートルを埋め立てる計画。そのうちの半分を石原産業四日市工場から排出される汚泥「アイアンクレー」が占める。  (平井一敏) "[he-forum 15006] 山陰中央新報2/1 山陰中央新報2010年2月1日付 談論風発:医学部入学定員増の課題 幅広いキャリア形成望む 鳥取大学副学長 井藤久雄  2010年度大学入学試験で、医学部の入学定員が増えることになった。鳥取大学医学部は13人増の103人、島根大学医学部は5人増の110人である。医師数を増やすのは、社会の要請によるものである。  医学部入学の門戸は、ここ数十年で明らかに広がった。私が医学部に入学した1968年、医学部入学定員は全国で約4千人、この時の18歳人口は270万人。つまり、「同世代の医師数(医学部入学者)」は10万人あたり約150人だった。その後、入学定員は順次増加し、これにより医師の総数も増加した。83年には「全人口に対する医師数」が、当初の目標であった10万人あたり150人を達成した。  その後、政府は82年から医師養成数削減へと舵(かじ)を切った。2004年は7625人となり、18歳人口(138万人)10万あたりの入学者数は553人。それが2010年度入試では全国79大学医学部で360人増加して計8846人となり、18歳人口(121万人)10万人あたり731人となる。2030年からは医療需要が減少に転じる見込みであり、医師過剰状態となる可能性が高い。このため、医師養成数増員は10年間の処置とされている。  今回増員される医学部入学生のうち313人には奨学金が与えられ、卒業後は地域医療に従事することが義務づけられる、いわゆる「地域枠」である。この点に課題はないか。鳥取大学医学部の立場から論じたい。  国立大学はその設置理念から、入学生の地域性を考慮していなかった。ところが、医師不足、特に地域偏在が顕著となり、文部科学省は奨学金と組み合わせ、地域医療を担う医師養成を求めた。鳥取大学医学部は鳥取県との協議を重ね、06年度入試から地域枠(5人)、09年度からは特別養成枠(5人)を制度化した。これに10年度は前期日程地域枠(8人)が加わる。  制度は別々に設計されたため内容が異なる。地域枠、特別養成枠は推薦入試による。10年度増員分の前期日程地域枠はセンター試験の前期入試で選抜される。医学部を目指す受験生は制度の内容を十分に吟味した上で入学試験に挑んでほしい。鳥取大学医学部は高い学習能力と適性を備え、地域医療に意欲を持った学生を望んでいる。  さらに、鳥取県は岡山大学と山口大学に1人ずつ医師養成を負託する。卒業後は鳥取県内の医療機関への勤務を義務づけている。逆に鳥取大学医学部は兵庫県と島根県からそれぞれ2人、山口県から1人の学生を引き受ける。  10年度入学生が初期研修を終える8年後には、鳥取大学医学部で養成された18人に加え、県外大学で養成された2人、鳥取県出身者の自治医科大学卒業生2人を加えた22人の医師が鳥取県の地域医療に従事する。  地域医療のみならず、国内留学、研究活動など多種多様な経験を積ませることが若い医師には重要だ。県と医学部は彼らのキャリア形成には十分に留意してほしい。地域が必要としているのは義務年限6年もしくは9年を終え、十分な力量を備えた中堅医師なのである。  …………………………………  いとう・ひさお 広島大医学部卒。鳥取大学医学部教授、同医学部長などを経て2007年同大副学長。日本癌学会評議員。米子市在住。 "[he-forum 15007] 読売新聞1/31 読売新聞2010年1月31日付 入学金と月10万円貸与 宮崎県が医学部奨学生募集  宮崎大医学部が2010年度の一般入試で、前期日程の定員を5人増やして55人としたことに伴い、宮崎県は、県内の受験生を対象とした奨学金「県医師修学資金」を希望する学生5人を募集する。推薦入試を合わせると、修学資金の枠が10人に広がるため、県は医師を目指す県内の若者に利用を呼びかけている。  修学資金は月10万円と入学金の28万2000円で、貸与期間と同じだけ県が指定する辺地の公立病院や小児科などに勤務することが条件。例えば、最長の貸与期間の6年間借りた場合には、医師免許取得から12年以内に計6年間勤めればよい。  条件通りに勤務すれば返済を免除されるが、勤務しない場合には年10%の利息分と共に一括返済しなければならない。県は長崎大医学部にも同様の修学資金を設け、県出身者2人を募っている。  県医療薬務課は「制度を利用した学生が県内に勤務することで地域医療への関心や人脈を広げ、将来的にも宮崎で働くことにつながれば」としている。問い合わせは同課(0985・26・7055)へ。 "[he-forum 15008] 日本経済新聞2/3 日本経済新聞2010年2月3日付 東京学芸大など6大学、教育ボランティア認証  東京学芸大(東京・小金井市)など全国6大学は子育てや教育を支援するボランティアに取り組む人の認証制度を4月につくる。定年退職者や主婦らを対象に、教員や保育士の養成ノウハウを生かして児童との接し方を習得してもらい、放課後の学童クラブや課外活動といった地域活動を後押しする。初年度で500人程度の認証を目指す。  認証資格は「こどもパートナー」で、東京学芸大のほかに、東京成徳大(同・北)▽白梅学園大(同・小平市)▽奈良教育大(奈良市)▽中国学園大(岡山市)▽鳴門教育大(徳島県鳴門市)が参加。 "[he-forum 15009] 中日新聞石川2/3 中日新聞石川版2010年2月3日付 金大 環境調査や教育推進 カンボジア工大と協定 月内に調印式  金沢大は二月、カンボジアでの調査や教育活動を進めるため、現地のユネスコ世界遺産の管理組織や大学と協定を結ぶ。  協定は、これまで研究室単位だったカンボジアでの活動を、大学全体で進めるのが目的。これまで同大では、環日本海域環境研究センターの塚脇真二准教授や理工研究域の古内正美教授らが、ユネスコ生物圏保護区のトンレサップ湖や世界遺産アンコール遺跡での環境調査や、カンボジア工科大での研究指導などを行ってきた。  今回は中村信一学長や長野勇理事らがカンボジアを訪問。九日はアンコール遺跡整備公団を、十一日はカンボジア工科大を訪れ、調印式に臨む。 (谷岡聖史) "[he-forum 15010] 信濃毎日新聞2/4 信濃毎日新聞2010年2月4日付 新理事に神沢キッセイコムテック社長 信大、初の民間登用  信大(本部・松本市)は3日、情報システム開発を手掛けるキッセイコムテック(松本市)の神沢鋭二社長(53)を、今月1日付で特命戦略担当の非常勤理事に任命したと発表した。信大が民間理事を登用するのは初めて。今後、学内の情報システム統合などについて助言を受ける。任期は2年。  神沢氏は社長在職のまま、週に1日程度勤務し、大学の情報システムを管理する「信大総合情報センター」などと連携して業務に当たる。3日、本部で記者会見した同氏は、学内の情報システムの効率化や迅速化を進め、財務戦略に結び付けた形で活用していく意向を示した。  山沢清人学長は「(大学)経営にも資するような情報システムをつくり上げていく」と述べ、現在は人事、財務、学務などの業務や学部別となっているデータベースの統合などに神沢氏のノウハウを生かすことを期待した。  神沢氏は慶応大商学部卒業後、八十二銀行(長野市)を経て、1986年にキッセイ薬品工業(松本市)子会社のキッセイコムテックに入社。94年5月から同社社長。 "[he-forum 15011] 毎日新聞長野2/3 毎日新聞長野版2010年2月3日付 人ふでがき:信州大の学長に就任して4カ月、山沢清人さん ◇産学一体で人材育成--山沢清人さん(65)  「旧帝国大学が国を背負う人材を育て、地方の国立大学は地域に根ざして特色を生かしていくことが大切だ」。10月に信州大の学長に就任して4カ月。県の特色は「盛んな生産活動」にあると指摘する。インターンシップ(学生の研修や就業体験)の受け入れに積極的な企業が多いことから、「学生が仕事を通じて現場の人の考えを知り、自分の考えを伝えられるように成長する場として有効だ」。産学一体で人材育成する構想を持つ。  東京都武蔵野市の出身。東北大に進学し、研究テーマは磁石。温度による磁力の変化の応用・活用に没頭した。79年から信大で磁気の専門家として活躍し、携帯電話の小型化などに携わった。高校から始めた野球では大学の野球部で副主将、外野手・1番バッターとしてチームをけん引した一面も。  就任2カ月の11月末、いきなり大仕事があった。新政権の「事業仕分け」で廃止・縮減とされた23事業について、世界に先駆けた研究が進まなくなる▽研究者らの雇用確保が難しくなる--などと国をいち早く批判。文部科学省にも直接出向いた。そのかいあって、同省からの予算は「削減はほとんどなく、影響は極めて少ない」(三浦義正理事)結果に落ち着いたという。  北アルプスなどの豊かな自然に囲まれた総合大学・信大。その使命を「8学部の英知を結集し、中山間地域の文化、環境、経済を総合して『どうしたら良い生活が送れるのか』を研究し、全国に発信したい」と熱っぽく語る。一方、学生と約2時間にわたり話し合う「学長オフィスアワー」を充実させ、学生を取り巻く身近な問題にも目を向ける。【渡辺諒】 "[he-forum 15012] 陸奥新報2/4 陸奥新報2010年2月4日付 バイオマス研究推進へ弘大と北大が協定  弘前大学北日本新エネルギー研究センターと北海道大学大学院農学研究院が3日、研究協力に関する協定に調印した。人材交流と研究交流を促進し、県内の一次産業振興に向けたバイオマス利用システムの研究開発などを推進する方針。  同センターではバイオマスに関し、利用システムや発酵技術の開発に取り組んでいる。北大大学院農学研究院ではバイオマスと関連分野の研究に実績があり、同センターが連携を呼び掛けていた。  両者は共同研究などの研究協力、施設や設備の相互利用、研究や技術に関する情報交換、人材交流などを通じて研究交流を推進する。バイオマスの研究を基本に、新エネルギーの開発促進にも発展させたい考え。  同日は青森市の同センターで調印式が行われ、弘大の加藤陽治理事・副学長と北大大学院農学研究院の上田一郎院長が協定書を取り交わした後、記者会見した。バイオマス研究の第一人者である北大の松田從三名誉教授は「青森県はコメやリンゴの産地。その残渣(ざんさ)を利用した乾式メタン発酵を研究したい」などと抱負を語った。 "[he-forum 15013] 【転送/署名お願い】 WAN労働争議への支援および理事会への要望 小澤かおる@元東京外国語大学AA研究所技術支援員(非正規の 国家公務員)と申します。 2005年に雇い止め解雇されたのち学生となり、現在は首都大学 東京人文科学研究科博士課程に在籍しています。 かつて、新たに3年条項が作られ、独法化のあおりもあって、 わたくしも9年半勤務した職場を解雇され、職業訓練にも通い ましたが職を得られませんでした。そのころはまだ、非正規は 雇い止めされても仕方がない、正規は解雇されない、という雰 囲気がありましたが、今日では必ずしもそうとは言えなくなっ ていると思います。 労働にまつわるさまざまな問題は女性学やジェンダー学で告発 され続けていて、今わたくしはその領域を学んでいますが、そ の中でも、こうした非正規差別(結果としてすべての労働者の 不利益となる)が再生産されています。この労働争議は労使二 者間の問題にとどまらず、大学・研究機関を含む非営利の事業 所すべてに直截に関わる問題と考えます。 団交に参加しましたが、そこで使用者側から出てくる言葉は、 かつて外語大で正規の先生方に投げかけられたものと酷似して いました。WANそのものは大学や研究機関ではありませんが、 使用者側は大学教員であって労働者側には若手研究者を含み、 内実は大学・研究機関の内側にあるのと同様の問題を抱えてい ます。 どうぞ皆様、これをお読みになって、それぞれの職場にひきつ けて考えてみてください。そしてできれば、署名および転送・ 転載をお願い申し上げます。 ======================== 以下 転送転載歓迎 ======================== NPO法人WANの労働争議を支援する http://uwansupport.blog65.fc2.com/ 「女性のための情報を提供し、活動をつなぐ」ウェブサイト の運営および「女性 たちの活動を支える諸事業の展開」を目 的として、昨年6月に発足したNPO法人 ウィメンズアクション ネットワーク(WAN)http://wan.or.jp/において、昨年末より 労働争議が発生しています。 WANで雇用されていた遠藤礼子さんに対し、雇用者であるWAN 理事会から一方的な業務内容変更の決定および労働条件の不利 益変更の提案があったとして、本年初頭、遠藤さんがユニオンWAN (遠藤さんおよびもうお一人の被雇用者であるAさんを構成員 とする)として抗議の意を表明されました。その後、上記労働 条件変更についてユニオンWANと理事会が団交の場を設けて協 議に入ったにもかかわらず、その最中である1月31日、理事 会側から、「現事務所の2月末での閉鎖」の通告、およびユニ オンWAN構成員お二人の2月末での退職勧奨が、メールおよび ファックスで一方的に送られてきたそうです。 (以上、この争議の経緯についてはブログ「非営利団体におけ る雇用を考える会(仮)-WAN争議を一争議で終わらせないhttp://precariato.info/ 」によります。詳細はブログをご参照ください) WANは「女性たちの活動を支える」ことを銘打ったNPO法人です 。そのような法人が、被雇用者に対し、一方的に労働条件の不 利益変更を通達するのみならず、その変更をめぐる話しあいの 最中に退職勧奨までをも行うとすれば、それは、「女 性たちの活動を支える」ことを目指すNPO自らが女性労働者の 使い捨てを行うも同然です。「女性たちの活動」「女性のため の活動」において、女性の貧困とその背後にある不安定な雇用 形態とは、理念上も、そして実質上も、常に重要な問 題であったはずです。今回の理事会の措置は、その活動の歴史 と精神とに、ひいてはWAN自身の掲げる活動目標とに、矛盾す るものではないでしょうか。 また、特定非営利活動促進法http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10HO007.html において規定されるように、NPO法人であるWANについての情報 は市民に公開されるべきものです。実際、WAN会員に限定され ず、フェミニズム・女性運動や労働運動にかかわる多くの人々 が、今回の労 働争議をめぐるWANの法人としての対応に注目しています。と ころが、現在まで、理事会側からはこの争議に関して、WANウ ェブサイト上でもメールニュース上でも、何の説明も声明も出 されてはいません。そもそも被雇用者の業務が自宅 からのテレワークが可能なものであり、したがって事務所の閉 鎖が業務の停止に直結するわけではない以上、「事務所の閉鎖 」を理由とした退職勧奨には正当性がなく、労使間の信頼関係 を著しく損なうものでしかないように見受けられま す。それに加えて、理事会側からの公式声明が一切ないまま労 働争議における労使間の協議中に退職勧奨を行うという一連の 対応は、第三者である市民の目にも、まず退職ありきで事務所 の閉鎖は後付けの理由であるようにうつりますし、 そのことがNPO法人としてのWANの今後の活動に及ぼす影響を、 私たちは懸念しています。 そこで私たちは、WAN理事会の今回の措置に対する抗議の意と ユニオンWANへの支援を表明し、以下をWAN理事会に要望します 。 ・2月末でのユニオンWAN組合員お二人への退職勧奨を取り消 していただくこと ・ユニオンWANとの労働条件に関する団交に真摯に応じてくだ さること ・WANウェブサイト上で今回の争議について雇用者側から説明 してくださること 私たちは、今回の労働争議を、WANという一団体に限定された 問題としてではなく、女性運動や非営利団体における雇用・労 働という、これまでずっと存在していたにも関わらず軽視され がちであった問題が顕在化したものとしてとらえるべきだ、と 考えています。フェミニズムを含め、市民運動は何らかの目的 や理念のために力をあわせて行動を起こすものですが、だから といって運動組織の内部に権力関係が一切存在しないわけでは ありませんし、ましてや労働の対価として労働者に(給与では なく、あるいは減じた給与に足すかたちで)『達成感』や『運 動の高揚感』、あるいは『目的/理念のため』という大義を与 えれば充分である、とは言えません。雇用者と被雇用者のあい だの権力関係が隠蔽されること で、声をあげられずに燃え尽きて活躍の場を去って行った活動 家はたくさんいます。WANの活動に期待を寄せるからこそ、そ して、WANのかかげる目的である「女性たちの活動をつなぎ、 支える」ことを将来にわたって真に可能にするためにも、私た ち自身が問題の所在を曖昧にせずに真摯な議論を重ねていくこ とが重要であると考えます。 ユニオンWANへの支援と、WAN理事会への要望について、皆様 からの賛同の署名を呼びかけます。この賛同署名は、ユニオンWAN 、WAN理事会宛に届けるとともに、ウェブ公開もする予定です (署名非公開希望の方に関しては、お名前は含まず、署名数に カウントだけする形でユニオンWANおよびWAN理事会に届け、ウ ェブサイトにも数だけを掲載いたします)。 ウェブ賛同署名はこちらからどうぞ。 http://form1.fc2.com/form/?id=512990 または、以下にご記入のうえ、uwan.support@gmail.comあてに ご送信ください。2月10日(水)を第1次、2月20日(土 )を第2次締め切りとします (その後に届いた署名については随時届けます)。 「NPO法人WANの労働争議への支援および理事会への要望」に 賛同します。 ・氏名(実名でも通名でも可) ・所属、肩書き、居住地など(なくても可) ・E-mail (なくても可) ・賛同メッセージ ・公表の可否 非公開希望の方に関しては、お名前は含まず、署名数にカウ ントだけする形でユニオンWANおよびWAN理事会に届け、当ブロ グにも数だけを掲載いたします。 お名前は非公開希望、でもメッセージ公開可という場合は、 その旨明記ください。 メール送信先:uwan.support@gmail.com 賛同署名の集計経過は当ブログにて随時報告します。 http://uwansupport.blog65.fc2.com/ 呼びかけ人(50音順) 小山エミ、斉藤正美、清水晶子、マサキチトセ、ミヤマアキ ラ、山口智美 "[he-forum 15014] 日本農業新聞2/6 日本農業新聞論説2010年2月6日付 産学連携で地域貢献へ/農学部の使命  地域経済を活性化するには、産学官・農商工の連携による研究成果の普及、地域ブランドの商品開発などが強く求められている。最近は農業生産、食品製造の現場に最も近いところに位置する大学農学系学部の活発な取り組みが目に付き始めた。産学連携を深めて、地域の活性化に貢献してもらいたい。  国立大学が法人化されて今年で7年目。以前に比べ、学術研究に対する社会評価が一層厳しく問われる時代になったことが、産学官連携の活発化の背景にある。  全国の国公私立大学の71学部長で構成する全国農学部系学部長会議は、2002年の「農学憲章」の中で、「農学は地域の農林水産業の振興を図るとともに、自然環境の保全・修復に関する教育研究を通じて地域社会に貢献する」とうたっている。これを名実共に実現するためにも、産学連携でリーダーシップを発揮し、地域に開かれた大学としての役割を果たすことを期待したい。  同会議は理系から文系まで数多い学部長会議の中でも、唯一、国公私立大学を横断的に結集して構成されているのが特徴だ。農水省農林水産技術会議事務局とは毎年1月、意見交換の場を設け、生産現場への普及や民間企業による事業化を進めるための支援策を協議している。  同会議代表幹事の菊池眞夫千葉大学園芸学部長は「産学連携を主に担っているのは、より現場に近い各大学の付属農場やフィールド科学センターなどだ」と強調する。それが顕著に表れているのが、産学官の関係者が一堂に会する食品と農林水産分野の新技術交流展示会「アグリビジネス創生フェア」(同省主催)だ。昨年11月に開いた同フェア(6回目)には、157の企業、大学、試験研究機関、団体が出展し、大学側の積極的な姿勢が目を引いた。  6回目のフェアでも、プレゼンテーション、ポスター展示などで最新の成果が数多く紹介された。その中には、ヤマブドウ・桑・ヒエの製品開発(岩手大学)、良食味水稲新品種「ゆうだい21」(宇都宮大学)、スイートソルガムを用いたバイオ燃料生産システム(茨城大学)、家畜ふん尿媒介感染症制御法の開発(東京大学付属牧場)、九州大学ブランドビーフ「Q beef」など興味深い成果が多い。  同会議は昨年12月、鳩山由紀夫首相と川端達夫文部科学相に食料増産、食品の安全性確保につながる技術開発、人材育成などの研究予算増額を求める要望書を提出した。  自ら行動する大学として、教官も最新の研究成果を売り込み、技術移転によって広く社会に還元することが求められる。今後は農業者、JAグループ、農業生産法人関係者とも連携を深め、高付加価値商品開発と販路拡大に結び付く成果の普及に努めてもらいたい。 "[he-forum 15015] 共同通信2/5 共同通信2010年2月5日11時18分 6法科大学院に改善求める 文科省の設置計画状況調査  文部科学省は5日、設置を認可した大学などのその後の運営状況を調べた2009年度の設置計画履行状況等調査を発表した。教育内容や学生の質確保が課題となっている法科大学院は、調査対象18校のうち6校に改善を求める留意事項が付いた。  調査結果によると、東大、京大の法科大学院は、一部授業で1クラスの人数が標準とされる50人を超えているとして、クラス規模の適正化を要請。愛知学院大には司法試験対策に特化した授業内容の修正を求めた。  一般の大学・大学院・短大は、延べ108校に留意事項が付いた。08年度新設のハリウッド大学院大(東京)には「大学以外に業務を持っている専任教員が多い」と指摘。ほかにも「教員採用など人事手続きがあいまい」(大阪国際大ビジネス学部など)、「専門図書や研究室設備の充実」(サイバー大)―などを課題に挙げた。  教職大学院は、全24校中20校に留意事項が付き、うち11校に定員割れが生じているとして「入学者確保に向けた一層の努力が不可欠」と指摘した。 "[he-forum 15016] 共同通信2/5(2) 共同通信2010年2月5日19時45分 法科大学院の補助金減額を検討へ 特別委「基準明確化すべき」  法科大学院の在り方を検討している中教審の法科大学院特別委員会が5日開かれ、教育内容や学生の質の確保に問題がある大学院に対し、補助金の減額などを実施して改善を促す方針をあらためて確認した。  委員会では「基準を明確化すべきだ」との意見があり、今後、新司法試験の合格率などを基にした減額を検討する。ほかに「各大学の取り組みに任せていては時間がかかる」と強い措置を支持する意見も出た。  法科大学院は、国立大は学生や教員数などに応じて運営費交付金を受け、私立大は弁護士などの実務家教員の数などによって補助金が上乗せされている。  一方、入学定員削減については、これまで「今後の状況を見て判断」としていた日本大が5日までに「2011年度に定員を見直す」と文部科学省に回答。「10年度以前に見直した」「11年度に見直す」としたのは全74校のうち73校になった。 "[he-forum 15017] 読売新聞2/5 読売新聞2010年2月5日付 教職大学院、全国24校中11校で定員割れ…文科省  文部科学省は5日、全国の教職大学院24校のうち11校で、2009年度の入学者が定員割れしたと発表した。うち6校は2年連続で、1、2年あわせた在学者数が収容定員の半分という大学院もあった。同省は近く、各校に改善を求める。  発表によると、定員割れだったのは、北海道教育大、群馬大、愛知教育大、兵庫教育大、鳴門教育大、福岡教育大、宮崎大の国立大7校と、聖徳大、帝京大、早稲田大、常葉学園大の私立大4校。  このうち北教大、愛教大、兵教大、鳴教大、早大、常葉大の6校は2年連続。常葉大は1、2年の収容定員計40人に対して在学者数は計20人と半分で、愛教大も100人の定員で56人しか在学していなかった。  定員割れが多い理由について、同省は「制度新設2年目でメリットが十分理解されていないため」としている。 "[he-forum 15018] 共同通信2/6 共同通信2010年2月6日7時36分 大学の入試ミス、年々増加 問題作成教員の負担大きく  2009年度の国公私立大入試で、156校で283件のミスがあったことが6日、文部科学省の調査で分かった。  年々ミスは増加傾向にあり、同省は「学生獲得のため入試の機会を増やしたことで、問題を作成する教員の負担が大きくなった。学内のチェックも行き届いていないのではないか」と分析。  今年も本格的な入試シーズンに突入したが、文科省は「受験生に迷惑を掛けないよう、各大学は万全の体制で臨んでほしい」と話している。  同省によると、各大学にミスの報告義務付けを始めた03年度は国公私立合わせて110校157件だった。それ以降、国公立大の件数に大きな変化はないが、私大は03年度の86件から09年度は223件と約2・6倍に急増している。  ミスのほとんどは出題と採点に関するもので、駿台予備学校は「特に私大は入試の機会が急増しており、ミスが増えたのだろう」とみている。  09年度入試で法政大は出題ミスが6件、採点ミスが1件あった。同大は「ミスは残念だが、教員の負担が増えているのは事実」と説明。再発防止に向け「問題作成者ではない教員が実際に問題を解いてチェックしてみるなど、体制を見直した」としている。 "[he-forum 15019] 読売新聞2/10 読売新聞2010年2月10日付 危機の医学部・付属病院  最新医療や医学研究、医師育成を担う大学医学部・付属病院が医師らの不足や過重な勤務負担から危機に陥っているとの声が強まっている。その現状を2氏に聞いた。(聞き手・編集委員 前野一雄) 高久 史麿(たかく ふみまろ)氏 学生増 長期的視野で 日本医学会会長、自治医大学長、地域医療振興協会会長、東大名誉教授、国立国際医療センター名誉総長。78歳。  ――医学部機能の弱体化が指摘されています。  高久 日本医学会は107学会が加盟し、性格上、大学医学部の方が中心ですから、いろいろ影響を及ぼしています。医学部は診療、教育、研究の三つの役割を担っていますが、人員が足りない中、多様な職務が増えてくると、どうしても研究にしわ寄せがいきます。実際、臨床医学系論文数が減っていることが気がかりです。  ――研究は大学の社会的役割でもあります。  高久 医学研究には基礎と臨床がありますが、近年、基礎研究を志望する医師が減っています。理工系など医学系以外との研究者の連携は大切ですが、臨床からの発想が基本ですので、このままでは日本の医学研究のレベル低下が心配です。  ――国立大学が独立行政法人化されましたが、現状はどうですか。  高久 国から支給される運営費交付金が毎年1%前後減っていますから、その分、大学病院の収入を増やすことで対応せざるを得ない面もあって、結局、臨床の医師が、より忙しくなっています。  ――若い年代の意識変化もあるのではないでしょうか。  高久 ゆとり教育の影響か、若い医師や医学生に使命感が希薄になり、楽な方に向かいがちな雰囲気が気がかりです。特に外科系に危機感があります。外科系は勤務時間が長くて、訴訟が多い、習熟に時間がかかる割に早く引退する医師が多く、医師養成の効率が内科系より悪い。外科医不足で、手術を受けるため、患者が海外に出かけなくてはならなくなったら悲惨です。  ――国は医学部の入学定員を1・5倍にする方針です。  高久 OECD(経済協力開発機構)加盟国の人口1000人当たり平均医師数が3人。日本は2人だから、1・5倍にするという極めて単純な計算です。欧州の比較的小さな国は医師が多いものの、女性医師の比率が高く、医師の労働時間の制限が厳格といった背景もある。アメリカが2・4人、イギリスは2・3人、カナダ2・1人とそう多い訳ではありません。  ――今でも大学は手いっぱいな状態にあるようですね。  高久 教員を増やさず、学生を増やすのは無理です。でも急に教員を集めるのも大変で、教員の質の低下を招きます。設備の拡充も間に合いませんから学生数を急増せず、時間をかけて徐々に増やしていくべきです。  ――最近、研修医が大学に残らず、一般病院での研修希望者が増えています。  久高 一般研修病院は指導医が研修医と1対1で対応できるのに、大学の教員は医学部の学生の教育もしなくてはならず、自分の研究もあり、研修医に十分時間が掛けられない事情も影響しています。  ――医療機関の役割分担と連携強化も不可欠です。  高久 自治医大では地域の医師会や近くの病院と連絡をとって、大学病院では小手術や、軽症の救急をやらず、他の施設が担うという機能分担を図りました。その結果大学に来る患者さんは減りましたが、収支はかえって良くなっています。住民にどのような医療を提供していくか、まさに地域の問題です。 水澤 英洋(みずさわ ひでひろ)氏 医師・教員不足が深刻 全国大学医師会連絡協議会会長。東京医科歯科大学脳統合機能研究センター長、神経内科教授。東大医学部卒。57歳。  ――このままでは医学部が崩壊すると警告されています。その実情をご説明下さい。  水澤 まず医師・教職員数の少なさがあります。たとえば東北大医学部は学生数が約600人に対し教授68人、准教授69人、講師70人、助教267人、助手14人の計488人です。学生数が同規模の欧米の医学部と比べ3分の1以下に過ぎません。米ハーバード大に至っては9300人と日本の10倍以上の教員数です。  ――新設大学はさらに少ないのではないでしょうか。  水澤 ほとんどの大学は300人以下です。旧帝大の半分の人員で何百床もの病院医療を担っています。病院には常勤の教員のほか非常勤の医員、研修医がいますが、給与も低く、身分も不安定です。  ――看護師ら医師以外の職種も少ないのですか。  水澤 アメリカでは軽症患者らの診察や薬の処方を行うナースプラクティショナー(診療看護師)やセラピスト、技師、クラーク(医療秘書)ら専門職がたくさんいて最新のチーム医療を動かしています。日本も医師以外の医療職の力をもっと借りる必要があります。  ――医師数が少ないので勤務時間も長くなりますね。  水澤 東京都医師会のデータでは週平均70時間を超えています。60時間以上は過労死の危険があります。看護師の離職率が高いのも過重な仕事に一因があるので、一緒に考えていかねばなりません。  ――患者の大病院志向から軽症でも大学病院に来る傾向も拍車をかけていますね。  水澤 診療所や一般病院、大学病院がやるべきことをすみ分けしなくてはなりません。少ない医師では十分効果をあげられないだけでなく、本来大学病院でやるべき診療や研究ができなくなっています。医療事故が多発した時、医学部教育が十分でないと論議されました。教員数の貧弱さが一番大きな原因ではないでしょうか。それを改善しないで、医学生の数を増やすと、さらに教員の負担が増すわけで、教育の質はもっと低下します。今の状況は危険です。一方、社会や医療、医学研究が変化しているのに、医学部の体制整備がついていっていないのが現実です。  ――全国大学医師会連絡協議会を組織しましたね。  水澤 全国の医大・医学部の中で61の医師会があります。これらが協力して2006年に発足しました。大学に勤務する医師は、日々の診療などに忙殺されていますが、健全な医療と医学教育・研究のために我々が声をあげる必要があります。厳しい現状を広く国民に知ってもらわないと、新しい体制、変革は出来ません。ぜひとも日本医学会、日本医師会と連携しながら社会に発信して改革を進めようという趣旨です。  ――どのような具体的な活動を考えていますか。  水澤 3者が共同して医学部崩壊を食い止め、医学部の活性化・発展に向けた「2010宣言」を掲げました。活動の3本柱として〈1〉定期的に国民に情報発信し理解を促す〈2〉すべての医師が情報を共有する〈3〉医学部活性化会議(仮称)を創設して国と国民に提言する――というアクションプランを考えています。 [解説]大学の拡充策不十分  文部科学省は全国医学部の来年度定員を2009年より360人増やして過去最多の8846人にする。すでに08、09年度で合計861人が増員されている。  しかし、医学生の急増を受け入れる大学施設や教員の拡充策は不十分だ。とりわけ教員を増やすには、市中病院の勤務医を大学に戻すことになる。これでは地域の医師不足を進め、かえって地域医療の崩壊を助長しかねない。医師養成には長い年月と、膨大な経費がかかる。国は地域や診療科の医師配置のあり方など長期にわたる計画と、地に足が着いた実行が求められる。 "[he-forum 15020] 陸奥新報2/10 陸奥新報2010年2月10日付 弘大が合同企業説明会 厳しい現状に就活真剣  弘前大学学生就職支援センター(センター長・保田宗良人文学部教授)などが主催する合同企業説明会が9日、2日間の日程で弘前市内のホテルで始まった。4年生の就職内定率が近年になく低く、厳しい就職戦線となっている中、説明会対象の3年生らは興味ある企業ブースを訪れ、積極的に就職活動に取り組んでいた。  弘大の今春卒業予定の学生就職内定率(1月25日現在)は71.0%。前年同時期に比べ11.6ポイント減という厳しい状況だ。  保田センター長は「4年生は試験や卒業論文提出が済んだこの時期、面接機会を増やすなどの対応をしている。内定率7~9%減と言われている中、なんとか90%台に乗せたい」と強調し、「3年生は先輩の厳しい現状を目の当たりにしているせいか、積極的にまじめに就活に取り組む学生が多い」と評価した。  9日始まった説明会は、学部3年生と大学院修士課程1年生が対象。県内外から2日で200弱の企業が参加している。各企業の担当者は業務や教育環境などについて説明し、学生は積極的に質問していた。  理工学部3年の男子学生は「不況なので大学院には行かないと決断し、早めに就職活動に切り替えた」、教育学部3年の女子学生は「東北地方全県を視野に就職活動する」と意気込んだ。  別の理工学部3年の男子学生は「合同説明会を有効に活用するため、興味のある企業はホームページで調べてきた。企業のイメージがわき、手応えをつかんだ」と話した。  企業の担当者は「有名大学で成績優秀だが受け身という学生よりも、自分の言葉でアピールできる学生を求めている」などと述べた。 "[he-forum 15021] 新潟日報2/10 新潟日報2010年2月10日付 卒業目前で異例の合同面接会 今春卒業予定の大学生や高校生対象  今春卒業予定の大学生らの就職内定率が著しく低いことから、長岡市などは9日、卒業を控えた学生らを対象にした合同就職面接会を同市のハイブ長岡で開いた。卒業目前のこの時期に同様の面接会が開かれるのは同市で初めて。長引く不況の中、詰め掛けた学生約140人が企業の説明を真剣に聞き入った。  ハローワーク長岡管内の大学等の就職内定率は昨年12月現在69・6%で、同時期の内定率としては過去10年間で初めて7割を割り込んだ。  面接会は同市と同ハローワーク、長岡商工会議所でつくる同市雇用対策協議会が主催。学生以外の一般求職者も訪れ、約500人が集まった。  会場には、食品製造や販売、介護、建設業など53社の人事担当者が参加。求職者が順番待ちをするブースもあった。  大学等の就職内定率は県平均60・2%(昨年12月現在、新潟労働局調べ)と低く、長岡市以外からの参加者も見られた。新潟市の専門学校2年の女性(21)は「ブライダル関連が希望だが、なかなか決まらない。不況で採用側もシビアだと感じる。卒業まで約1カ月、焦っています」と話す。  一方、この不況を優秀な人材獲得のチャンスとみる企業も。ブースに「新卒のみ応募可」と張り紙をした土木関連会社の人事担当者は「逆に今はいい人材を採用できる。急きょ参加を決めた」と話した。 "[he-forum 15022] 日本経済新聞2/10 日本経済新聞2010年2月10日付 学費未納に無利子融資、厚労省方針 10年春卒業の高・大生に  厚生労働省は9日、家庭の経済的な事情で学費が払えず今春の卒業が危ぶまれている高校生や大学生などを対象に、授業料を無利子で貸し付ける方針を固めた。  都道府県の社会福祉協議会が実施している「生活福祉資金貸し付け制度」を利用。同制度は低所得世帯の生徒が高校や大学などに入学する際、学費や入学にかかる経費を貸し付けているが、未納学費の支払いはこれまで想定していなかった。  同省は高校で卒業判定が始まる今月下旬までに、制度の運用方法を変更して未納学費の支払い目的でも貸し付けることにする。大学生は月額6万5千円、高校生は月額3万5千円が上限で、未納総額分を一括して借りることもできる。無利子で返済期限は20年間。 "[he-forum 15023] 中国新聞2/6 中国新聞2010年2月6日付 尾道大、12年度に法人化へ  尾道市は5日、同市久山田町の市立尾道大を2012年度に公立大学法人化することを市議会全員協議会で明らかにした。法人化のメリットである自主的、自立的な大学運営を進め、迅速な意思決定や教職員の意識改革を実現して特色ある大学を目指すのが狙い。  市によると、全国77の公立大のうち6割の45大学がすでに法人化している。市は12年度の法人化を目指し、10年度内に議決を得て定款や就業規則、組織体制作りを進める考え。  法人化により、学長の裁量権が拡大し、迅速で柔軟な意思決定ができる▽業績評価を反映した報酬・給与制度の設定できる▽効率的な経費の執行などが期待できるなどとしている。  東隣の福山市には来春、4年制の市立大学が開学予定。大学間での生き残り競争が激しくなることも予想されることから必要と判断したという。 "[he-forum 15024] 読売新聞2/9 読売新聞2010年2月9日付 山口大学長、丸本氏が続投へ 入院の次期候補が辞退願  山口大学長選考会議(議長=山下浩・元深川学園山口福祉専門学校長、14人)は8日、学長候補者の再選考を行い、現職の丸本卓哉氏(67)を再任したと発表した。任期は2010年4月1日から4年間。  学長選考は昨年4月に公示され、丸本氏や医学部付属病院長の松崎益徳教授(62)ら3人が届け出た。選考会議は書類審査や面接、教職員による意向投票の結果などを踏まえ、同10月15日、松崎教授を次期学長候補者に選んだが、松崎教授が同12月上旬に体調を崩し、同病院に入院した。  このため、山下議長や外部の医師らが面談して病状を確認するなど、対応策を検討していたところ、松崎教授が7日、辞退願を提出。同日夕の選考会議で審議し、丸本氏に続投を要請、了承を得たという。  山口市の大学本部で記者会見した山下議長は、「新しい執行部の下で、大学がより一層発展することを期待している」と話した。  丸本氏は「全力を尽くして課題解決に努力し、地域社会や国際社会に貢献できる人材を育てたい」とのコメントを出した。  丸本氏は、九州大大学院農学研究科博士課程修了。1973年に山口大助手に就任し、91年に教授。農学部長や共通教育センター長、理事・副学長などを歴任し、2006年5月から学長を務めている。 "[he-forum 15025] SankeiBiz 2/11 SankeiBiz 2010年2月11日付 【21世紀に変わる大学】お茶の水女子大学 羽入佐和子学長  ■「質的豊かさ」の視点養う  大学の「個性」が叫ばれる今日、設置形態そのものが個性に結びつくのが「女子大」。男女共学化の波が押し寄せる中、あえて「女子教育機関」という個性と伝統を守り、そこを基盤に新たな挑戦をし続けている大学も少なからずある。これから数回にわたり、そうした女子大学への取材を通じて、今日における女子教育の意義や変革の可能性を探ることにする。  日本最古の女子高等教育機関にして、あまたの女性リーダーを輩出している、お茶の水女子大学の羽入佐和子学長に話を聞いた。  --女子大としての役割をどのように考えているか  「国連機関が公表している女性活躍指数(GEM)で、日本は2009年、57位でした。一方、教育水準や平均寿命、生活水準を基準にした人間開発指数では、日本は10位。すなわち、社会的な豊かさに比べて、女性が活躍する土壌ができていないのが、日本社会の現状なのです。そのアンバランスを解消するための発信や人材養成をしていくのが、国立大学法人である本学の最大の役割といえるでしょう」  --女性の活躍は社会にどんなインパクトを与えるのか  「現代は、量的な豊かさや便利さよりも“質的”なものの充実を目指す、成長の第2ステージに入っていると思います。質の充実のためには、多元的なものの見方が必要です。女子大では、効率性中心の社会とは“別の視点”がはぐくまれます。従来と違う価値観や生産性を提供することにより、閉塞(へいそく)した社会に新たな可能性を提供できると考えています」  --「女性リーダー育成プログラム」を展開しているが  「私たちは、女性リーダーに必要な力として『心遣い』『知性』『しなやかさ』の3要素を掲げています。とくに『しなやかさ』すなわち柔軟性はとても大事な要素になります。そうした考え方のもと、『女性リーダー育成プログラム』では、とくに学外のさまざまな女性リーダーに学生がじかに接し、学生のロールモデルになってもらえるよう、多くの機会を設けています」 "[he-forum 15026] 2/11朝日新聞 2010年2月11日 朝日新聞 下宿学生1割超が仕送りゼロ 平均額も下がる  下宿生活を送る大学生の10人に1人が「実家からの仕送りゼロ」で あることが、全国大学生活協同組合連合会のまとめで分かった。奨学金 受給者は増えて4割に近づき、受給の平均額が月6万円を超えた。いず れも、これまでで最も高い数字で、リーマン・ショック以来の不況によ り、多くの大学生が窮乏生活を強いられている現状が、あらためて浮き 彫りになった。  「学生生活実態調査」は毎年実施しており、昨秋、回答した約970 0人分を分析した。  仕送りがない下宿生は、1997年は全体の1.9%だったが年々増 加。08年は8.3%、09年は10.2%と、記録のある70年以降 で初めて1割を超えた。仕送り額が月5万円未満の学生も全体の22. 7%と95年以降で最も高かった。仕送りの平均額は7万4千円で、前 年より約3500円下がった。  一方、奨学金受給者の割合は、下宿生が44.6%、全体では37. 2%。これも記録のある5年前の30.8%から年々増えている。受給 平均金額も90年の月3万7千円から00年の5万1千円と上がり、0 9年は6万1千円と初めて6万円を超えた。自宅から通う学生でも、受 給者は27.5%、平均額は5万6千円だった。 "[he-forum 15027] 陸奥新報2/12 陸奥新報2010年2月12日付 弘大に不整脈治療の専門講座新設 研究や人材育成期待  弘前大学大学院医学研究科に「不整脈先進治療学講座」が開設された。同大学医学部附属病院は、県内初となる方法でカテーテルを用いた手術を行うなど、不整脈治療では既に先進治療の拠点として機能。講座では不整脈に特化した研究、治療法確立のほか、県内外から医師の研修受け入れも検討、人材育成の面でも期待される。  不整脈の患者は増加傾向にあり、同病院には年間400人超が訪れ、うち約100人が重症者だ。  同病院では20年ほど前からカテーテルを心臓に入れ50~60度の高周波電流で、不整脈の原因となる異常部分の組織を焼く「カテーテルアブレーション術」で治療を行っている。  8年前からはカテーテルを使い、心臓の立体画像を作り、電気の流れがコンピューター上で見える「3次元マッピングシステム」を併せて利用することで、治療が飛躍的に進歩した。  突然死予防で「植え込み型除細動器(ICD)」を使用する場合もあるが、作動時に相当な痛みを伴うなど負担も多く、結果的に手術に至るケースも少なくない。  10日には、カテーテルを用いた手術方法の中でも全国で例が少なく県内で初めてという方法で、ICD利用の重症不整脈患者への手術が行われた。  弘大循環呼吸腎臓内科学講座の奥村謙教授がメーンとなり、佐々木真吾准教授がサポート。奥村教授がカテーテルを使い3次元マッピングシステムを利用し心臓をマッピング。モニターを見ながら、心臓の異常な組織の部分を焼いて治療した。  1月に新設された不整脈先進治療学講座は、佐々木真吾准教授と佐々木憲一助教らが専任。民間企業の寄付講座で3年間が区切りとなる。臨床講座での寄付講座設置は同大で初めて。  講座管理者でもある奥村教授は「どんどん機械の精度が上がる一方で、新しいテクノロジーを用いた治療はまだまだ国内で普及していない。県内で重症の不整脈を治療できる医師も弘大の4人のみ。全国的にも非常に限られている」と不整脈を取り巻く現状を説明。新講座については「人の命にかかわる不整脈治療のため治療法を確立し、人材を育成することが大事」と、その重要性を指摘した。 "[he-forum 15028] 産経新聞2/12 産経新聞2010年2月12日付 新たな産学連携模索 東北大院にIT拠点 下請け体質脱却へ  地元のIT系企業に下請け体質からの脱却を促すため、東北大(仙台市)は大学院電気情報系研究室の「知能」と地元企業の「技能」を結集し、自動車や情報通信などの分野で最先端の研究開発に乗り出す。拠点となるのが、15日に開設される「情報知能システム(IIS)研究センター」。民間から特任教授を採用し、研究室の専門分野と企業の技術を引き合わせる。「研究成果を迅速に試作品開発に生かし、他地域との差別化を図りたい」。果たして、業界の起爆剤になり得るか。(伊藤真呂武)  2367億5600万円、1.5%。  経済産業省の平成20年の統計で、IT産業の東北6県の年間売上高と、全国に占める割合である。宮城県単独では1386億6200万円、0.9%に過ぎない。国内総生産ベースで見れば、東北6県で6~7%程度あってもおかしくないというのが県内の関係者のジレンマになっている。  問題点ははっきりしている。宮城県では同業者間取引が売上高の25.2%を占め、全国平均の17.4%を大きく上回る。地元企業が自社製品を持たないため、3大都市圏にある大手企業の製造下請け、孫請けに甘んじていることの表れだ。  仙台市内のベンチャー企業の経営者は苦笑いを浮かべる。  「例えば、携帯電話の部品でも、その部品がどんな機能を持っているか分からないままに製造している。ある工場で人手が足りないと言われれば従業員を派遣し、部品の製造だけを繰り返している。それでは新たな技術は身に付かず、結局、下請け、孫請け体質から抜け出すことはできない」  企業の魅力が乏しいため、優秀なIT技術者が3大都市圏に流出してしまう悪循環に陥っていた。                    ◇  一方で、大手企業にとっては、「知能」が集積された東北大大学院の電気情報系研究室は魅力的な存在。これまでも独自のパイプを使い、共同研究を行ってきたが、企業側のニーズと大学側の専門分野がうまく結びつかなかったり、研究結果を短時間で製品化できなかったりする課題が持ち上がっていた。  くしくも、宮城県では、トヨタ自動車の子会社「セントラル自動車」の新工場が平成23年1月に操業を控えるなど、企業誘致が活発化。製造だけでなく研究開発にも参入したい地元企業と、それを後押しして地域活性化を狙う仙台市が東北大大学院に働きかけ、IIS研究センターの開設にこぎつけた。  手始めに、大学院の研究結果を元に、地元企業が実際の製品に近い試作品の設計、開発を請け負うモデルを構築。将来的には、地元企業が自社製品を開発し、大手企業への販売を目指す。各研究室は地元企業の若手技術者を研究員などの形で受け入れ、直接、技術指導することも視野に入れる。  センターの関係者は「研究で理論が正しいことを証明できても、すぐに製品化できるわけではない。試作品を迅速に提示できれば、地元企業の実績になり、大手企業の信頼につながる」と期待を込める。                    ◇  センター成功の鍵を握るのが、民間から採用される3人の特任教授。地元企業の技術を事細かに把握し、関連しそうな専門分野の研究室との間を取り持つ能力が欠かせない。国から研究費用の補助を引き出したり、研究室と地元企業をセットで大手企業に売り込んだりする「営業担当」の役割も担う。  経産省の20年の統計では、県内のIT系企業は261社。当面は、一定水準の技術を持った10社前後を軸に連携を模索していく。  すでに、情報科学研究科の研究室が地元企業3社と組んで、画像処理技術を使ったソフトウエアの開発に着手。携帯電話の生体認証や自動車の製造工程の自動化などに応用が期待でき、具体的に大手企業との協議も始まっているという。  地元企業には生き残るための明確なビジョンが求められる。地元企業から採用される特任教授の一人が力説する。  「これまで地元企業の経営者は『何か仕事はありますか』『何でもやります』という受け身の姿勢が目立っていた。昨今の不況もあり、大手企業側に一から技術を教えている余裕はなく、それでは仕事はもらえない。『これができます』といえるものがないとダメだ」                    ◇  ■IIS研究センター  センター長には、液晶ディスプレーの第一人者として知られる工学研究科の内田龍男教授が就任する。  工学研究科のほか、情報科学研究科、電気通信研究所の80以上の研究室が参画する。専門分野は、画像処理や情報通信、ロボット工学、電気エネルギーシステム、医工学など多岐に渡る。  仙台市は、特任教授3人分の人件費など運営経費として、3年間で約1億円を補助し、事務手続きなどを担当する職員も派遣する。東北経済産業局や宮城県もバックアップする。 "[he-forum 15029] 2/14朝日新聞 2010年2月14日23時23分 朝日新聞 研究費の無駄、けっこうありました 仕分け受け若手調査  裕福な研究室では高額顕微鏡を1~2年ごとに買い替え、型落ちに なった機器は使われずに放置――。こんな研究室での無駄の実態が若手 研究者らのまとめで分かった。行政刷新会議の事業仕分けでの厳しい指 摘を受けて実態を反省、科学技術研究の強化をめざした提言をまとめた。  まとめたのは約1500人が参加する神経科学者組織の有志。約17 0人が回答したアンケートでは、9割が研究費の仕組みや使い方に無駄 があると指摘した。  問題点として、年度末には「研究費を使い切るように事務から指導が くる」「不要な物品や高額機器を購入することも多々ある」。「輸入機 器は中間マージンで現地価格の2~3倍、場合によっては4倍近い値 段」などがあった。  解決策として、若手も加わった研究者組織を作り、開かれた議論に よって無駄の排除と効率化を進め、重要な研究予算は削らないしくみが 必要と指摘。複数年度にまたがって使える予算の導入や、中古品をオー クションなどで再活用するしくみの検討も挙げた。  あまり使わない高額な機器が同じ研究機関に複数ある場合も多く、研 究室間での共同利用の促進も必要だとした。  提言の背景には、事業仕分け直後の、ノーベル賞受賞者らによる「予 算を減らすな」といった一方通行の主張に対する危機感もある。世話人 の宮川剛・藤田保健衛生大教授は「事業仕分けに共感した部分も多い。 偉い先生だけに任せず、若手も科学技術政策にかかわれるシステム作り が必要だと考えた」と話す。(佐藤久恵) "[he-forum 15030] 毎日新聞2/14 毎日新聞2010年2月14日付 国立大学法人:中期目標案了承  全国86の国立大学法人が10年度から6年間かけて目指す中期目標と中期計画の原案が、文部科学省国立大学法人評価委員会の分科会で了承された。17日の委員会総会を経て、文科相が認可する。  中期目標は04年の国立大学法人化に伴い、各法人に作成が義務付けられた。達成度の評価に基づいて予算配分に差が付く。今回の中期目標が2期目になる。【本橋和夫】 "[he-forum 15031] 河北新報2/15 河北新報2010年2月15日付 東北大、産学センターあす発足 80研究室幅広く参加  東北大の産学研究拠点となる「情報知能システム(IIS)研究センター」が16日、発足する。大学が持つ理論や研究成果を企業の新技術や商品開発に結び付けるのが狙い。研究機器の開発や試作では地元企業を活用する方針で、地域経済への貢献も目指す。  センターは大学院工学研究科に設置する。大学院情報科学研究科と電気通信研究所も含めた約80の研究室で構成し、ロボット工学や情報通信、電子制御、新素材など幅広い領域の研究者が参加する。センター長には内田龍男工学研究科教授が就く。  東北大は2003年、企業との共同研究を受け付ける産学連携推進本部を設置している。今回、大学の研究内容を熟知するスタッフを配した新たな組織を設けることで、企業のニーズに迅速に対応する。企業からの相談、問い合わせを受け付けるスタッフは特任教授2人で、ニーズに合う専門家を紹介する。  具体的な研究テーマの候補は、超薄型液晶ディスプレーを使った商品や大容量ハードディスク、画像認証システムを用いた自動車制御システムなど。研究を通じ、大手企業の研究開発拠点の誘致にもつなげたい考えだ。  東北大は15日、IISセンターの開所記念式典を仙台市青葉区の仙台エクセルホテル東急で開く。  内田教授は「横断的な組織にしたことで産学連携が一層加速する。地元企業と東北大の距離を縮めるきっかけにもしたい」と話している。  連絡先はセンター022(795)4869。 "[he-forum 15032] 富山新聞2/13 富山新聞2010年2月13日付 富山大が地域医療支援学 県の寄付講座、4月に開講 医師、看護師不足解消へ  富大医学部は4月から、富山県の寄付講座として「地域医療支援学講座」を開設する。医学科、看護学科とも2010年度の入学定員を増やしており、同講座を含めて卒前・卒後を一貫して指導する。富大では県内の医療機関や医師会の協力を得て、地域一丸で県内の医療に貢献できる人材を育成し、医師不足や看護師不足の解消を目指す。  富大と県は05年に連携協定を結んで以来、県の助成を受けたNPO法人「富山地域医療教育支援センター」が実施主体となって教育プログラムを作成するなど、医療人の育成で協力している。県内出身者を対象にした医学科の「地域枠」の入学者には、県が修学資金を補助しており、10年度からは県の再生医療計画に沿って看護学科の入学定員を20人増やす。  新たに開設される地域医療支援学講座は、医学科と看護学科を対象とし、専任の教員3人が主に担当する。全国的に充実が急務とされる周産期医療や救急医療などを充実させた教育内容とする。  新設講座では、すでに開設されている卒後臨床研修センターや専門医療支援センターと連携し、学部教育の6年間だけでなく、卒後臨床研修の前後期4年間を合わせた計10年間で医師を育てる。その後の専門医育成についても、富大の指導医が主体となり、地元の医師会や医療機関の支援を得て、出身学生の県内定着を図る。  富大の村口篤医学部長は「医学部教育や附属病院での研修を充実させることで、学生の県内定着を促したい」としている。 "[he-forum 15033] 朝日新聞2/15 朝日新聞2010年2月15日付 教員養成6年制、議論始動 免許更新制と調整 課題  先生の質を高めるため、免許制度を抜本的に見直し、大学の教員養成課程を6年制(修士)とする――。民主党マニフェストに沿った動きが文部科学省で始まった。ただ、今の4年制ではいけないのか、6年制にすれば、いい先生になるのか、免許更新制との関連は。詰めなければならない課題は多い。文科省の動きと方向性を考えてみた。  文部科学省内で1月中旬から週1回、教員養成の改革に向けた論点整理をする会議が始まった。副大臣や事務方の文科審議官をトップに関係局長、課長も出席するなど、改革に向けて意欲を感じさせる布陣だ。教員の資質向上についての意見を、大学関係者や学校、保護者から求めることも発表。今の養成システムの課題や提案を大学に求めたり、ネットで募ったりする。提案は3月まで受けつける。  春には中央教育審議会(文科相の諮問機関)に、改革を議論する新たな部会を設ける方向で検討している。  鈴木寛・文科副大臣は、さまざまな場で、「教員養成の新たな仕組みを盛り込んだ法案を2011年の通常国会に提出する」と述べている。言葉通りなら、今秋には法案のもとになるシステムの骨格を固める必要がある。議論は、この春から秋までがヤマ場となる。  当初、民主党マニフェストの記述もあり、教員養成を現行の4年から6年にする「6年制」に焦点があたってきた。多くの課題を抱える学校現場で悩む教員の質を、修士での免許状にすることで知識、対応力をアップさせる考え方だが、そもそも「4年制で育った教員のどこに問題があるか」についての議論は明確ではない。むしろ、最近は「教員の質向上」という基本に立ち返った議論が強調され始めた。中教審総会でも鈴木副大臣は教員養成の改革について、6年制のうちの修士期間2年に言及し、「2年かどうかも含めて議論してほしい」と話した。 ■過去の改革は細切れ  教員の養成システムは教育の質の向上の核心につながる。改革の歴史をみると(1)大学組織とカリキュラム見直し(2)採用後に行政が研修などを設定・義務化が細切れに繰り返されてきた。  戦前、初等中等教育の教員は、各都道府県の師範学校で養成された。さらに師範学校などの教員を育てる役割は、高等師範学校が担い、教員を専門家として育てる体系ができていた。戦後は、戦争への反省もあり、教員は免許状取得者でなければならない「免許状主義」と、国公私大を問わず、教職課程を修了すれば免許が取得できる「開放制」が原則となった。  その後の大きな改革は、60年代に小中学校、とりわけ小学校の教員を養成する母体を国立大の教育学部に集中させたことだ。教員になった後の研修にも力を入れ、質を向上させるという考え方が80年代の臨時教育審議会以来強く出され、初任者研修なども導入された。00年代では10年目の研修を義務づけた。  06年度には「免許更新制」と「教職大学院」導入が決まった。更新制は10年ごとに大学などで講習を受けて免許を更新する。大学院は、新たな知識を身につけて質を向上させることを狙い、学部卒の学生が進むコースと、現職教員らが教育委員会などから派遣されて学ぶコースがある。更新制は09年度、教職大学院は08年度に始まった。 ■長期実習 一部で導入  6年制導入議論で検討課題の一つになりそうなのは「実際に教壇に立つ前に、どの程度、実践を積ませるか」という点だ。  今の教育実習は2~4週間程度。そんな中、福井大は、採用試験に合格し、教職大学院に進んだ院生に1年間の長期教育実習を導入している。教職専門性開発コースの院生は週3日、地元の小中学校に通う。学校の年間サイクルを理解して仕事を学ぶのが特徴だ。1月下旬、福井市至民(し・みん)中学校で、2年生の理科の実験が行われていた。担当教諭が、鉄と硫黄を化合させる手順を説明した。生徒は物質をくるんだアルミホイルを手に「これでいいですか?」と大学院1年の中山侑子さん(23)に尋ねた。中山さんはうなずきつつ、「触ったら手を洗ってね」。教室の後ろでは大学院の松木健一教授が見守る。  授業の翌日、大学院で院生と大学教員が参加して振り返りや報告をする「カンファレンス」があった。中山さんは松木教授から「昨日の実験であなたならどんな授業をやるの?」と問われ、考えた後、「予想を立てさせるとか。でも難しい」と悩んだ。他の院生も一緒に、よりよい授業にし、生徒の理解を深めるためにどうしたらいいかの議論が続いた。  実習が短い学部時代と違い、いずれの院生も「学校から『お客さま』扱いされない」。08年度に至民中に通った2年の青柳宏治さん(24)は「学部時代は授業のやり方を見るだけで精いっぱい。子どもの学びの姿や先生が力量を高めようとしている努力を見て、目指すべき教師像が描けた」と話す。院生を受け入れる学校側の負担はどうか。至民中の津田由起枝校長は「お互いにメリットがあり、負担だとは思わない。いろいろな立場の人が学校にいる方が子どもの社会性を育める」と話した。  長期実習で教員の質を高めようとする「福井方式」は広がるのか。大学院の寺岡英男・教職開発専攻長は「大学で学んだ理論と実習のサイクルが力量を高めていく。それには1カ月では足りない」。そのうえで「大学院の教員が研究室にこもらず、学校を拠点に協働研究に取り組み、学校側も教員や院生を受け入れるのが望ましい」と話す。 ■海外の教員養成制度は?  海外の教員養成制度(主に公立の小中学校教員)はどうなっているのか。文科省のまとめでは、大学の教員養成課程とインターン制度、採用試験、更新制などを組み合わせた国が多い。  米国は、州の制度で学士号の取得が要件となっている。特徴的なのは有効期限付きの免許を発行し、上級免許への更新を義務づけ、最終的に終身免許を発行するなどの仕組みだ。  英国は、高等教育機関または国から認定された教員養成課程の修了が要件。フランスは採用試験に合格後、1年間の試補(インターン)勤務の後、審査に合格した人に与えられる。ドイツは大学で学び、国家試験合格または修士号取得のあと、試補勤務後、第2次国家試験に合格しなければならない。(見市紀世子、編集委員・山上浩二郎) "[he-forum 15034] 《市場化テスト導入阻止情報》No.1 《市場化テスト導入阻止情報》No.1=2010年2月14日 国立大学における公共サービスの改革と称して今、何が進められているのか      国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 1月19日、内閣府官民競争入札等監理委員会(以下、監理委員会)事務局と内閣府公共サービス改革推進室(以下、推進室)は、それぞれの参事官の連名で各国立大学の財務担当理事あてに直接、「国立大学法人における公共サービスの改革状況に関する調査について」という依頼文書(資料1-1)を送付し、2月19日までに調査票に回答するよう求めている。調査内容は、施設管理運営業務の委託状況、図書館業務の委託状況、就職支援、キャリア支援に関する業務について、リメディアル教育(高等学校課程の補修教育に限る)について、となっている。同時に、監理委員会国立大学法人分科会は首都圏の7大学に対して意見聴取を現在実施している。この公共サービス改革と称する一連の策動は、国立大学に市場化テストの名のもと、包括的な民間委託を導入しようとするものであり、国立大学の運営そのものを根本から覆し、大学解体をもたらしかねない。 現在文部科学省において進められている国立大学法人の在り方の検証作業とならんで、第2期中期目標期間を控えた国立大学をめぐる状況は今や重大な局面を迎えている。そこで本事務局は市場化テスト導入阻止のために《市場化テスト導入阻止情報》を発行する。 1.出発点は小泉構造改革 2006年、当時の小泉内閣は構造改革推進の法制的保証として、2つの重大な法律を制定した。1つは行政改革推進法(『簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律』) http://www.gyoukaku.go.jp/siryou/souron/pdf/0602_houritsu.pdf であり、もう1つは市場化テスト法(公共サービス改革法)(『競争の導入による公共サービスの改革に関する法律』) http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H18/H18HO051.html である。行政改革推進法は行政改革推進本部、市場化テスト法は官民競争入札等監理委員会を設置し、それらの組織が強権的に行政改革を進める組織的保証を与えている。両法とも国立大学法人も対象とすることを条文中に明記している。 本事務局は、2006年3月5日に「行政改革推進法と結合して国立大学を解体へと導く市場化テスト法」との声明を発表し、法案の危険性を訴えた(《『行革推進法案』関連情報》No.13)。今、その危険性が現実のものとなろうとしている。 http://www.shutoken-net.jp/2006/03/060306_9jimukyoku.html 2.民主党政権下で急展開 市場化テスト法成立後2年を経た2008年7月28日に監理委員会の国立大学法人分科会は第1回会議を開き、国立大学法人に関する検討を開始した。 http://www5.cao.go.jp/koukyo/kanmin/kokudai/kokudai.html その後、2009年7月10日に「平成21年度公共サービス改革基本方針」が麻生首相の下で閣議決定され、「国立大学法人については独立行政法人制度と別途の制度を創設した趣旨を踏まえ、業務の特性に配慮しつつ、経営効率化の観点から、既に他の国の行政機関等において官民競争入札等の対象とされ、質の維持向上及び経費の削減が期待される施設の管理・運営業務、内部管理業務、試験実施業務、医業未収金の徴収業務等について、官民競争入札等を含む民間活用の一層の推進を検討する。」とされている。 http://www5.cao.go.jp/koukyo/kihon/kihon.html 小泉構造改革への広範な批判を背景に政権交代をなしえたはずの民主党政権は、しかしながら市場化テストについては前政権の路線をそのまま引き継ぎ、何の批判的検討も行わないばかりか、むしろ加速させている。2009年12月10日 第55回監理委員会で仙石特命担当大臣は「公共サービスの見直しの進め方」という資料を配布し、11項目の指示を行った。 http://www5.cao.go.jp/koukyo/kanmin/kanmin.html 国立大学に対しては、[市場化テストの導入により効果が見込まれる分野]として「国立大学法人施設の管理運営」、[官と民の仕分けが十分できていない分野]として「国立大学法人の事務」を見直し対象とした。こうして、冒頭述べたように、1月19日、監理委員会事務局と推進室は連名で各国立大学に依頼文書を送付し、2月19日までに調査票を回答するように求めてきたのである。しかも同文書は、文科省も各大学長も経由せず、直接財務担当理事あてに送りつけられている。 3.今後の展開 監理委員会国立大学法人分科会は以下のスケジュールで首都圏7大学から「経営改善の取組状況及び施設管理運営業務、図書館運営業務の現状と課題について」意見聴取を現在実施中である。 http://www5.cao.go.jp/koukyo/kanmin/kokudai/kokudai.html 2月2日  14時~15時 東京学芸大学      15時半~16時半 一橋大学 2月10日  14時半~15時半 お茶の水女子大学      15時半~16時半 東京医科歯科大学 2月15日  14時半~15時半 東京大学      16時~17時 東京工業大学 2月24日  14時~15時 政策研究大学院大学 推進室は全国立大学における調査結果をとりまとめ、監理委員会による意見聴取を踏まえて3月中に内閣府HPに掲載し、さらに6月までに監理委員会は改革対象事業の選定と公共サービス改革基本方針をとりまとめるとしている。 4.暴走する内閣府の異様かつ不当な手法 市場化テストや民間委託については、法制定後の実態に基づいて全面的批判を行う予定であるが、ここでは暴走する内閣府の異様かつ不当な手法について指摘しておく。 第1に、1月19日依頼文書で“「国立大学法人が経営改革を進める中で経費節減による教育研究活動の充実を図る」ことに資するとの観点”を述べている。これは、“教育研究活動の充実のために経費削減を行うのだ”と言っているのに等しく、麻生内閣時代に制定された「平成21年度公共サービス改革基本方針」がいう“経営効率化の観点”さえも逆転させたきわめて乱暴な論理である。 第2に、運営費交付金削減下でやむを得ず行っている現在の民間委託と市場化テストならびに包括的複数年度民間委託とは質的に異なっている。にもかかわらず、調査票回答や意見聴取を通じて「まだ民間委託できるところがあるではないか」と迫りつつ、市場化テストならびに包括的複数年度民間委託という終着点に誘導するトリッキーな手法が採られている。 第3に、施設管理運営業務も図書館業務も大学における教育研究活動と切っても切れない不可分の関係にある。ところが内閣府は大学全体の問題から切り離し、サービスを受ける大学構成員からの意見聴取さえ行っていない。これは、市場化テスト法(公共サービス改革法)が第1条で“公共サービスの質の維持向上”を目的の一つとして最初に掲げながら、それはお題目に過ぎず、“経費の削減”が主目的であることによっている。 第4に、2でも述べたように、1月19日依頼文書は、各大学長を経由せず、直接財務担当理事あてに送りつけられている。これはアンケートの依頼を装った「事務連絡」の体裁をとっているものの、各国立大学の内部への直接の指揮であり、官であれ民であれ独立した組織間関係の原則を著しくかつ横暴に踏みにじるものである。行政改革推進法も市場化テスト法も国立大学法人を対象としているが、それは行政改革推進本部や監理委員会が、あるいはそれらを統括する内閣府が一理事を組織の長たる学長の承認なしに指揮できることを意味する訳では決してない。もしそのような指揮が許されるなら独裁国家である。以上のように内閣府が行っていることはほとんど暴走と呼ぶに相応しく、しかも独裁国家においてのみ可能となる手法であることを厳しく指摘しておく。 以上 "[he-forum 15035] 河北新報2/16 河北新報2010年2月16日付 完成遅れの公算大 東北大・青葉山新キャンパスにも不況の影  東北大が2011年4月に予定している青葉山新キャンパス(仙台市青葉区荒巻)の施設完成が、大幅に遅れる公算が大きくなった。新キャンパスには市中心部の農学部などが移転し、跡地の売却益を整備費に充てる計画だが、地価低迷で財源確保に支障が出ているためだ。大学側は自己資金などで一部着工する方針で、移転完了は12年度以降にずれ込む可能性が高い。  新キャンパスは、ゴルフ場だった旧宮城県有地に整備。老朽化が進んだ雨宮キャンパス(青葉区堤通雨宮町、9.3ヘクタール)の農学部・農学研究科と、片平キャンパス南側(青葉区片平2丁目、5.5ヘクタール)の電気通信研究所を移設する。事業費は二百数十億円の見込み。  大学関係者によると、全面移転方針を示した1994年当初、財源となる跡地の評価額は1000億円を超えていたが、現在は5分の1にも満たないという。  土地明け渡しをめぐる宮城県とゴルフ場の交渉が長引いたことや、造成中に陥没が見つかり、工事が難航したことも事業の遅れにつながった。  片平キャンパス南側は取得の意向を示す学校法人東北学院と交渉が続いている。雨宮キャンパスは現在、有力な交渉相手がいないという。  仙台市内の不動産関係者は「現在、不動産は完全な買い手市場。値段ありきでは難しい」と指摘。世界同時不況以降は「大規模な資金調達や地方都市の複合開発をできるデベロッパーは極めて少なくなった。情勢は厳しい」とみる。  東北大は94年9月、「総合大学としての機能を十分に発揮し得る教育研究環境の実現」を目指すとして、新キャンパスの整備を決定。05年8月には、新キャンパスを11年4月に開校する整備方針を示した。  大学は自己資金などで可能な範囲で施設建設を進め、段階的に新キャンパスでの研究教育をスタートさせる方針。  北村幸久副学長は「当初のスケジュールより遅れているが、主に自己資金を投入する形で研究施設の建設を一部先行して進めている。さまざまな努力により、新キャンパス整備は着実に進める」と話している。 "[he-forum 15036] 佐賀新聞2/16 佐賀新聞2010年2月16日付 “事業仕分け”の教員免許更新講習 佐大が開講へ  佐賀大学は15日、2010年度に実施する教員免許更新制講習を文部科学省に申請した。政府の行政刷新会議は昨年の事業仕分けで、10年度途中にも更新制を廃止する考えを示したが、文科省は「教員免許法が改正されるまでは現行制度が有効」としており、本年度並みの必修8クラス、選択45講習を開講する。  必修講習「教育の最新事情」は8月中旬と9月上旬に計画。会場は前回、唐津市と武雄市にも設けたが、各会場希望者が1クラスに満たないため佐賀大に集約する。  選択講習は6月上旬からで、一部は冬休みに開く。県教委と共同実施したアンケートで、ニーズが高かった特別支援分野を手厚くした。「自閉症の理解や支援」など発達障害関係を4講座に倍増させ、人権教育の定員も増やす。  更新制は、教員免許の有効期間を10年とし、2年間で必修講習12時間、選択18時間の受講を義務付けている。県内対象者は本年度の未受講者が105人、新年度からの受講予定者が612人。事業仕分け前のアンケートでは、対象者の約70%が受講する意向を示していたという。  受け付けは文科省の認定後で、4月16日から28日まで。県内では九州龍谷短大も選択講習の申請準備を進めているが、ほかの3私立大・短大は検討中で、開講を見送る可能性もある。 "[he-forum 15037] しんぶん赤旗2/13 しんぶん赤旗2010年2月13日付 仕送り減 奨学金頼り増 大学生協連調査 親の収入減が影響  アパートなどから通う大学生への仕送り額が25年前の水準まで減り、奨学金の額(受給者平均)が初めて6万円を超えたことが、全国大学生活協同組合連合会の調査でわかりました。  12日までにまとまった同調査は、31大学の学生を対象に2009年10~11月に実施し、9660人から回答が寄せられました。  アパートなどから通う大学生(寮を除く)への仕送り額は、月7万4060円。前年より3520円減り、7万4240円だった1984年の水準に下がりました。「仕送りゼロ」と回答した学生は10・2%で、データで比較できる70年以降初めて1割を超えました。  奨学金を受けている学生の平均額は月6万650円で、63年の調査以来初めて6万円を超えました。生活費に占める奨学金の割合も07年の18・0%を3ポイント近く上回って20・7%になりました。  学生の支出も減っており、住居費以外の支出はすべて減少。とくに食費は月2万3350円で、前年より1080円減り、76年以降最低額になりました。  学生の生活に影響を与えたもの(複数回答)について、「親の経済状況の変化」が14・3%となり、1年間で4・2ポイント上昇。大学生協連は「保護者の収入減が直接影響を与えていることが推測される」としています。   "[he-forum 15038] 読売新聞秋田2/16 読売新聞秋田版2010年2月16日付 獣医学生に奨学金 県が条例案 獣医師不足対策 県への就職条件  県は、家畜保健衛生所など県の機関で働く獣医師を確保するため、県への就職を条件に、獣医学を専攻する大学生に奨学金を貸し付ける「県獣医学生修学資金貸与条例案」を2月定例県議会に提案する。家畜の診察などに従事する地方自治体は、就職先として人気は低い上に、県で働く獣医師は今後、大量退職の時期を迎える。獣医師不足を懸念する県は新年度から、確保対策に乗り出す。  奨学金制度は12人の枠を用意する。国公立大は月額10万円、私立大は月額12万円を上限に、卒業時まで貸し付ける。中央畜産会からの補助金も活用する。奨学金を受け取った1・5倍の期間、県で勤務すれば返還は免除される仕組みだ。  県が危機感を抱く背景には、新卒の獣医師の就職状況が大きく関係している。県によると、毎年約1000人の獣医師が誕生するが、半数は愛玩動物(ペット)を診る動物病院を希望。地方自治体を希望する学生は約1割に過ぎない。約100人を全国の都道府県などが奪い合う構図になる。  影響は、県の獣医師採用は定員割れという形になって表れている。県は新年度、5人の採用を目指したが、合格者は2人のみ。採用試験を3回も行ったが、1月の試験は応募自体なかった。今年度も3名募集したが、採用は2人にとどまった。  県職員として働く獣医師の仕事は多岐にわたる。家畜の診察を行う家畜保健衛生所、食肉の衛生検査を行う食肉衛生検査所などに86人が勤務している。BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザ対策など、新たな業務も増えており、県民の健康と食の安全を守る重要な役割を担っている。  一方で、県の獣医師は新年度以降、大量退職の時期を迎える。退職者は増える一方、新卒者も確保できない状態が続くと、食肉流通などに影響が出る可能性もある。とちく検査など、法律で獣医師にしか認めていない業務も多数あるからだ。  獣医学生が地方自治体を希望しない理由として、都市部出身者と女子学生が多いことが挙げられる。加えて県は「地方自治体の獣医師が実際にどんな仕事をしているのか、学生に知られていない」とみている。  このため、県は新年度、奨学金以外にも、インターンシップの受け入れ支援や、各大学で県内出身者や公務員希望者を集めたPR活動を行う。首都圏など県外に採用試験会場を初めて設ける。採用後のスキルアップを支援するため、自ら希望する研究を自由に行える研修制度もスタートさせる。関連予算を新年度一般会計当初予算案に計上する。  ただ、地方自治体が獣医師確保に悩むのは、全国的な傾向で、奨学金条例も17自治体が制定しているという。農業県の魅力をどこまで学生にアピールできるか、県の手腕が問われる。 "[he-forum 15039] 《市場化テスト導入阻止情報》No.2 《市場化テスト導入阻止情報》No.2=2010年2月16日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 国立大学への市場化テスト・包括的複数年度民間委託導入に関する資料を以下に掲載します 【国大協】 1月20日に各大学長宛てに送った『市場化テストについて(情報提供)』」を資料2-1として添付します。市場化テストの基本的な情報が掲載されています。 【国立大学図書館協会】 国立大学図書館協会(会長:東京大学附属図書館長古田元夫氏) http://wwwsoc.nii.ac.jp/anul/ は2月8日に臨時理事会を開催しました。同理事会で配布された事務局文書[資料6]『「国立大学法人における公共サービスの改革状況に関する調査」への基本的な考え方について』(案)を資料2-2として添付します。国立大学図書館協会の考えを知る上で参考になると思います。 【官民競争入札等監理委員会】 組織図は、http://www5.cao.go.jp/koukyo/kanmin/pdf/sosikizu.pdf を参照して下さい。 国立大学法人分科会委員は次の各氏です。 http://www5.cao.go.jp/koukyo/kanmin/meibo/pdf/meibo.pdf 主査   本田勝彦  日本たばこ産業株式会社相談役 副主査  前原金一  昭和女子大学副理事長 専門委員 石堂正信  株式会社JR東日本リテールネット常務取締役財務部長 専門委員 原正紀   ジョブカフェ・サポートセンター代表 国立大学法人分科会は、以下のように6回開催されており、資料やかなり詳細な議事要旨をHPで見ることができます。 http://www5.cao.go.jp/koukyo/kanmin/kokudai/kokudai.html 第6回 平成22年2月15日 首都圏7大学の経営改善の取組状況及び施設管理運営業務、図書館運営業務の現状と課題について ・国立大学法人東京大学 ・国立大学法人東京工業大学 第5回 平成22年2月10日 首都圏7大学の経営改善の取組状況及び施設管理運営業務、図書館運営業務の現状と課題について ・国立大学法人お茶の水女子大学 ・国立大学法人東京医科歯科大学 第4回 平成22年2月2日 首都圏7大学の経営改善の取組状況及び施設管理運営業務、図書館運営業務の現状と課題について ・国立大学法人東京学芸大学 ・国立大学法人一橋大学 第3回 平成21年5月20日 1. 民間事業者における大学業務(内部管理業務等)の受託事例について(有識者ヒアリング) 2. 国立大学法人における経営効率化の取組み(第1 期中期目標期間評価結果を中心に)について(文部科学省ヒアリング) 3. 公共サービス改革基本方針(案)について 第2回 平成20年10月20日 1.早稲田大学における取組について(有識者ヒアリング) 2.首都大学東京における取組について(有識者ヒアリング) 第1回 平成20年7月28日 1.国立大学法人に関する検討について 2.東京大学における取組について(有識者ヒアリング) 3.今後の分科会の進め方について "[he-forum 15040] 共同通信2/17 共同通信2010年2月17日11時51分 国立大6年間の目標案を了承 留学生比率などの数値も  文部科学省の国立大学法人評価委員会は17日、2010年度からの各国立大の教育・研究や運営の方針「第2期中期目標・中期計画」(6年間)の原案を了承した。中期目標は、原案を基に文科相が近く定める。  国立大はこれらに基づいて法人運営を行い、達成状況に対する国の評価を受ける。評価は国からの運営費交付金額にも反映される。  具体的な数値目標として、「進学者を除いた教育関連機関就職率を70%以上とする」(上越教育大)、「全学生数に対する外国人留学生の比率を8%以上とする」(名古屋工業大)、「管理的経費を09年度に対して5%削減する」(鹿児島大)などの取り組みが挙げられた。  「地理的特性を生かしアジア諸国をはじめとする各地域で国際交流活動を展開」(横浜国立大)、「7付属学校を有する特色を生かし、学校教育と教員養成に関する実践的研究を推進」(京都教育大)といった各校の個性を強調した目標もあった。  昨年6月の素案段階では、抽象的な内容や形式的な不備が含まれていたなどとして、文科省が同11月、全86法人に再検討を求めた。うち84法人が修正に応じ、学内手続きを経て原案を提出した。 "[he-forum 15041] 琉球新報2/17 琉球新報2010年2月17日付 大学院大学 施設整備費40億超過 【東京】内閣府独立行政法人評価委員会の第15回沖縄科学技術研究基盤整備機構分科会が16日、内閣府であった。同機構は、第1研究棟と管理棟の施設整備費が、当初予算額138億円から40億円超過していたことを報告した。両施設の整備に当たっては、第2研究棟の予算から超過分を充当していたが、予算の交付決定の変更申請手続きをしていなかった。  機構は超過分を施設整備費や独立行政法人に交付される使用用途が定められていない運営費交付金で調整し、「09年度中に解消する」としており、2014年度の開学には影響させない方針だ。  評価委員会は3月2日の次回会合でさらに詳しい原因調査の報告を求めた上で、組織体制の見直しを議論する。  予算超過は施設整備費の積算後、同施設を利用する主任研究者からの要望で、大幅に仕様変更したのが要因。  第1研究棟で当初予定していた霊長類研究が研究者招へいのめどが立たなくなったことから、げっ歯類の飼育施設に変更するために約8億5千万円。発熱量の大きいスーパーコンピューター対応のため、高性能の空調設備などを備えたサーバールームの整備で約4億7千万円。そのほか40項目にわたる実験室の仕様変更は約11億4千万円要した。  事態を受けて、前原誠司沖縄担当相は評価委員に向けて、「機構側に所要の削減などについての計画的な取り組み姿勢がうかがえなかったことについて、機構の予算管理がおろそかになっているのではないかと強い懸念を抱いた」とのコメントを出した。 "[he-forum 15042] 沖縄タイムス2/17 沖縄タイムス2010年2月17日付 予算を40億円超過 大学院大 評価委「ずさんな執行」 【東京】政府の独立行政法人評価委員会の沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)分科会が16日、都内であり、同機構が進める大学院大学の施設整備費が大幅な仕様変更に伴い、当初予算額を約40億円も超過したことが明らかになった。委員からは再発防止に向けた早急な内部体制の強化を促す厳しい意見が相次いだ。  会合に出席した同機構のロバート・バックマン理事が予算執行について説明。同機構の施設整備費のうち、第1研究棟と管理棟の施設整備費補助金として138億円が確保されていたが、主任研究者から研究環境の充実を理由に仕様変更の要望が相次ぎ、十分な精査をすることなく受け入れたことで約40億円の予算超過につながったと釈明した。  バックマン理事は、機構全体で予算執行に対する認識が不十分だったことを陳謝。予算超過額のうち、4億円については2009年度の運営費交付金を節減して捻出(ねんしゅつ)し、残る36億円については、整備補助金全体の中で調整して埋めていくと説明した。  こうした機構の実態に対し、委員らは「ずさんな予算執行と思われても仕方ない」「組織としての基本がなっていない」と厳しく指摘。同分科会の平澤〓会長は来月2日までに、今回の事態に至った機構内の意思決定過程をまとめた議事録を提出することなどを求めた。 ※(注=〓は「さんずい」に「令」) "[he-forum 15043] 読売新聞2/17 読売新聞2010年2月17日付 医師・看護師の定着率向上へ 富山県と富山大が連携 奨学金拡大、地域枠増員、寄付講座新設…  富山県と富山大学は、医師・看護師不足の解消を図るために連携し、同大医学部で奨学金枠を拡大、入学者の「地域枠」を増員するほか、高度な医療教育・研修の場となる県の寄付講座を新設する方針を16日発表した。2010年度から実施する。同大医学部出身者が県内にとどまる割合(定着率)を5年後に現在の30%台から50%台に引き上げたいとしてる。県は10年度予算案に6億円の関連事業費を盛り込む。 医師、看護師の確保策を発表する富山大の西頭学長(左)と石井知事(16日、富山県庁で) 県によると、08年末で県内の病院に勤務する医師数は1685人。人口10万人あたりで153人と全国平均(136人)を上回るが、勤務条件が厳しい公的病院では今年度、小児科9人、産婦人科10人、麻酔科13人、救急科6人の医師が不足。看護師も08年度の県内病院の募集数1035人に対して採用数753人と、約70%の充足にとどまっている。  こうした現状をふまえ、奨学金制度では、卒業後に県内医療機関で一定期間働けば返済免除となる枠を拡大。医学科向けを従来の5人分から10人分に倍増し、看護学科を対象とする優先枠20人分を新たに設ける。  また、同大は県内医療に携わる意思のある入学志願者を対象とした医学科の「地域枠」も10年度から7人増やして15人以内とする。  県の寄付講座では、医学科に「地域医療支援学講座」(仮称)を設置し、臨床研修医に対する指導体制を充実させ、県内にいながら実践的で高度な研修、教育を受けられるようにして、若い医師の県外流出を防ぐ。  看護学科には「高度専門看護教育講座」(同)を設け、看護師の資質向上を後押しする。担任制度による個別進学・就職相談の強化や県内病院と連携した実習も充実させる。11年度には「在宅看護学講座」(同)設置も予定している。  また、看護学科の定員が60人から80人に増えるのに伴い、県は看護教育用4階建て校舎(延べ床面積約1600平方メートル)の建設費4億7300万円を負担する。同校舎は今年7月着工、来年3月完成予定。  この日、県庁で記者会見した西頭徳三学長は「いくら医師や看護師を育てても県内に定着しなければ地域貢献ができない」と強調。石井知事は「緊急度の高い診療科での充足を急ぎたい」と述べた。 "[he-forum 15044] 山陽新聞2/18 山陽新聞2010年2月18日付 地域医療講座で岡山大と岡山市協定 ERシステム研究や救急専門医育成  岡山大と岡山市は17日、4月から4年間、同大大学院医歯薬学総合研究科への開設を表明していた寄付講座「地域医療学講座」に関する協定を結んだ。地域の実情に合ったER(救急外来)システムの研究や全国的に不足する救急専門医の育成などを目指す。  市が4年間で1億3600万円を寄付する講座に、同研究科の教授ら教員3人を配置。市立市民病院(同市北区天瀬)を拠点に、同病院と岡山大病院(同鹿田町)の研修医らに救急医療の教育を行う。市内や近隣病院とのネットワークに関する研究や、救急専門医らを育てる研修プログラム開発にも取り組む。  寄付講座は、地域の医療・福祉の向上を目指し、両者が昨年結んだ保健医療連携に関する協定に基づく連携事業の一環。活動は将来、同市が計画する岡山総合医療センター(仮称)に設ける「岡山ER」に引き継がれる。 "[he-forum 15045] 大分合同新聞2/17 大分合同新聞2010年2月17日付 医師らへの超過勤務不払い 大分大  大分大学は16日、医学部付属病院の医師などを中心に超過勤務手当の不払い(サービス残業)があったとして、2007年12月~09年11月分として、336人に計約2億4500万円を支払うと発表した。1人当たりの平均額は約73万円、最も多い医師は2年間分で計737万円になる。  同大学は昨年4~8月に実施した業務監査の結果を受け、学内の管理職を除く職員2055人を調査した。その結果「時間外労働の実態と超過勤務手当の支給時間に食い違いが生じていた」(同大)ことが明らかになった。サービス残業に対する職員からの支給の申し出はなかったという。対象者には、労働基準法に基づいて請求権がある2年間分の差額を17日に追加支給する。  同大によると、対象者の9割が医学部付属病院に勤務する医師ら医療系の職員。一般的に勤務場所にいて、上司から指示・命令が発せられる状況にあれば、休息時間や居残りでも超過勤務手当が発生するにもかかわらず、支払われていなかった。同大は「特に医師は勤務や不測の事態への待機、自主研修の時間区分に不明確な部分もあり、拘束時間の認識にずれが生じた」と説明する。  今後は再発防止に向け、(1)定期的に勤務時間管理の調査を実施(2)必要な人員の配置(3)業務配分の見直し―などを検討する。大分労働基準監督署にも報告したという。  羽野忠学長は「適正な勤務時間管理ができていなかったことは誠に遺憾。再発防止に向け、勤務時間の適正化を図るとともに、時間外労働の縮減に取り組む」とコメントを発表した。 "[he-forum 15046] 読売新聞2/16 読売新聞2010年2月16日付 教員養成課程改革に向け情報収集 文科政務官が鳴門教育大を視察  高井美穂・文部科学政務官が15日、大学の教員養成課程改革に向けた情報収集などのため、鳴門教育大を視察し、同大が2年前に開設した教職大学院の学生らと意見交換した。  高井氏は政務官就任後、同大を視察したのは初めて。同大学院の学生は、現場を経験してから改めて学んでいる教師も多く、意見交換には現職教員の院生7人が参加。国際協力機構(JICA)との協力で同大が受け入れているアフガニスタンの教員16人とも懇談した。  民主党は昨年の衆院選で、教員養成課程の6年制化を公約にし、同省でも議論が始まっている。一方、同大学院は、定員50人に1期生は36人(うち現職教員33人)、2期生は47人(同37人)と定員割れが続き、今月、同省から改善を指摘された。  高井氏は「現場の声を聞けて非常に有意義だった。(定員割れは)大学卒業後にさらに2年間学ぶのが、経済的に苦しいからかもしれない。むしろ10年、20年たってから勉強したいという現場のニーズも感じられた」などと話した。 "[he-forum 15047] 《市場化テスト導入阻止情報》No.3 《市場化テスト導入阻止情報》No.3=2010年2月19日 市場化テスト関連資料(その1)      国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 市場化テストの本質を理解するうえで役立つと思われる資料を今後順次紹介します。順不同ですがご了解ください。 【市場化テスト全体への批判】 ○『公務の民間化をめぐる問題』 季刊・労働者の権利271号(2007年10月発行)から転載 執筆担当 弁護士城塚健之 http://homepage1.nifty.com/rouben/rippou/koumunominkankawomeguru200710.htm ○Information Service【No.61/2006.3.15】地方自治問題研究機構研究機構 「市場化テスト法案と自治体」榊原秀訓(南山大学教授) http://www.jilg.jp/iservice/info61.html ○日本自治体労働組合総連合(自治労連)TOP > 分野別政策 > 地方行政 > 市場化テスト http://www.jichiroren.jp/modules/contents/category0019.html ○自治労連編集発行 学習討議資料  公務・公共サービスがもうけの対象に 市場化テスト法:どこが問題、どうたたかうか http://www.jichiroren.jp/download/Marketizatio.pdf ○国公労調査時報 No.520(2006.4) p.4-10 イギリスのNPMと市場化テスト問題 南山大学教授 榊原 秀訓 ○国公労調査時報 No.540(2007.12) p.30-33 登記事務の市場化テスト(試行)と公契約法制定について 全法務中央執行委員長 岩波 薫 ○国公労調査時報 No.556 (2009.4) 特集 なくせ官製ワーキングプア、国民のための公共サービスを守れ ○国交労連速報2007年6月11日《No.1861》ならびに官民競争入札等監理委員会事務局 への要請書(2007年5月29日) http://www.kokko-net.org/kokkororen/07_torikumi/t070612.html ○自治労 市場化テストが質の高い公共サービスを破壊する公共サービス改革は市民と地域 の視点から(自治労新聞2005年11月1日号) http://www.jichiro.gr.jp/shinbun_kiji/1863/1863_02.htm 【図書館、美術館、博物館への市場化テスト】 ○日本図書館協会 http://www.jla.or.jp/ 図書館を「市場化テスト」の対象事業とすることについて 2009年2月19日 http://www.jla.or.jp/kenkai/20090216.pdf ○みんなの図書館 No.391 2009/11 p.25-27 委託・指定管理者制度・市場化テスト (図書館問題研究会 第56回全国大会の記) -- (2日目 分科会) ○平成17年度第7回主要課題改革推進委員会 (独)国立美術館、国立博物館に対する当会議からの問題提起 平成17年12月2日  規制改革・民間開放推進会議 http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/old/minutes/subject/2005/07/item05_07_01.pdf 【大阪府立図書館市場化テスト関連】 ○大阪版市場化テスト 対象業務の官民比較に関する検討のまとめ(提言)  11~13頁が図書館管理運営業務です。 http://www.pref.osaka.jp/attach/3231/00033417/0917kanminhikakunoteigensyo.pdf ○大阪府トップ > 予算編成過程公表トップ > 平成22年度当初予算通常(政策的経費) > 一般会計  > 図書館運営費(府立図書館業務体制再構築事業) http://www.pref.osaka.jp/yosan/cover/index.php?year=2010&acc=1&form=01&proc=6&ykst=1&bizcd=20041181&seq=1 ○大阪府トップ > 教育・文化 > 文化芸術 > 「大阪府立図書館管理運営業務」委託先候補者選定のプロポーザルの実施について http://www.pref.osaka.jp/chikikyoiku/toshokankanri/index.html ○「大阪府立図書館管理運営業務」プロポーザル実施要領 平成21年12月 http://www.pref.osaka.jp/attach/8076/00000000/1.doc ○大阪府トップ > 府政運営・市町村 > 行財政改革 > 大阪版市場化テストの実施大阪版市場化テストの実施 http://www.pref.osaka.jp/gyokaku/sijouka/index.html ○大阪府立図書館の市場化について考えるページ  市場化反対!府民のための図書館とはどうあるべきなのかを考えるページです。 http://blog.goo.ne.jp/toshokanbunkai/ ○大阪版市場化テスト 対象業務の官民比較に関する検討のまとめ(提言)  11~13頁が図書館管理運営業務です。 http://www.pref.osaka.jp/attach/3231/00033417/0917kanminhikakunoteigensyo.pdf ○大阪府トップ > 予算編成過程公表トップ > 平成22年度当初予算通常(政策的経費) > 一般会計  > 図書館運営費(府立図書館業務体制再構築事業) http://www.pref.osaka.jp/yosan/cover/index.php?year=2010&acc=1&form=01&proc=6&ykst=1&bizcd=20041181&seq=1 ○大阪府トップ > 教育・文化 > 文化芸術 > 「大阪府立図書館管理運営業務」委託先候補者選定のプロポーザルの実施について http://www.pref.osaka.jp/chikikyoiku/toshokankanri/index.html ○「大阪府立図書館管理運営業務」プロポーザル実施要領 平成21年12月 http://www.pref.osaka.jp/attach/8076/00000000/1.doc ○大阪府トップ > 府政運営・市町村 > 行財政改革 > 大阪版市場化テストの実施大阪版市場化テストの実施 http://www.pref.osaka.jp/gyokaku/sijouka/index.html ○図書館問題研究会大阪支部、大阪府関係職員労働組合 2009年1月8日 「大阪府立図書館への市場化テスト導入=民営化に反対し、再考を求める署名」 http://www.fusyokuro.gr.jp/tosyo_tudoi/shijoka_shomei.pdf ○「図書館界」Vol.61, No.2 (347) July 2009 p.81-85 脇谷邦子(同志社大学嘱託講師) 法制度・行政の変化に基づく新状況:大阪府の場合 ○大阪府立図書館の市場化について考えるページ  市場化反対!府民のための図書館とはどうあるべきなのかを考えるページです。 http://blog.goo.ne.jp/toshokanbunkai/ ○大阪府職労HP 「本庁ニュース」2009年7月15日号 http://www.fusyokuro.gr.jp/teatime/hontyo/090715_p1.html "[he-forum 15048] 琉球新報社説2/19 琉球新報社説2010年2月19日付 大学院大学 政府の責任で明確な道筋を  沖縄科学技術大学院大学の施設整備費が当初予算額を40億円超過していることが明らかになった。「世界最高水準」の研究機関を目指す大学院大学だが、整備や運営に投じられる予算は、国民の血税である。  超過分について、同大の別施設の整備費を充当していたが、予算の交付決定の変更手続きをしていなかった。  国民の税金を使う整備事業では、適切な事務手続きは欠かせない。事業を進める沖縄科学技術研究基盤整備機構は、予算管理を含め組織運営を見直し、適正な事務作業に取り組んでもらいたい。  厳しい経済環境の中で、目標に近づけるため、いくらでも予算を膨らませられる状況ではない。徹底した予算執行体制を求めたい。  当初の研究分野に関する研究者招請のめどが立たなくなり、研究科目の変更による施設整備が予算超過の原因である。  昨年末、予算編成の優先度判定で沖縄科学技術大学院大学は「減速」と判断された。3段階の中で減速は最低の判定だ。科学技術の振興発展にどう尽くせるのかが懸念された。  厳しい視線が注がれている中で、予算超過や不適切な事務手続きが明らかになった。限られた予算で整備を進めることは、整備費の節減が重要だ。今後、大学の魅力をアピールできる環境整備ができるかが課題だ。  大学院大学は、先端技術研究の拠点づくりが設置目的だ。だが、拠点が沖縄だとする意義は不明確だ。世界の科学技術発展と沖縄の振興、自立の両立を図るための具体策が見えない。  事業の成功には、大学周辺の衣食住環境や教育環境、医療体制など開学までの整備は不可欠である。  県は、子弟が学ぶインターナショナルスクール校舎の整備事業費3億9千万円を県費で負担することを決めた。当初は、寄付金や補助金制度の活用で県支出を抑える意向だったが、もくろみが外れた。資金確保の甘さは否めない。  整備機構側の心もとない管理運営体制もさることながら、国家的プロジェクトに位置付けて整備推進に躍起となってきた政府の姿勢も問われる。  県民につけが回される事態は避けたい。政府の責任で「世界最高水準」を洗い直し、明確な道筋を示してもらいたい。 "[he-forum 15049] 河北新報2/13 河北新報2010年2月19日付 研究と育児「両立困難」 山形大女性教員・院生調査  山形大は女性研究者のワークライフバランス(仕事と生活の調和)の実態を探るため、巡回聞き取り相談事業を展開している。中間報告によると、仕事を続けるために妊娠・出産をあきらめる人もいるなど、研究と育児の両立が困難な現状が浮き彫りになっている。  山形大は2009年2月、男女共同参画推進室を設置。5月に文部科学省の補助を受けることが決まり、女性研究者支援に取り組み始めた。相談事業はその一環で、山形県内の四つのキャンパスにいる教員と大学院生約170人と面接し、悩みなどをくみ上げる。  聞き取りは11月に始め、今月12日までに女性教員の79%、大学院生の34%を終えた。その結果、医学部教員は研究や教育以外に医療業務があるなど、学部や年代によって抱える問題が異なっていることや、女性研究者が少なく孤独感を抱えていることが分かった。  独身の研究者からは「研究をしながら結婚相手を探すのが難しい」「職場に休めない雰囲気があり、子育てできるかどうか不安」「ワークライフバランスを実践している模範となるような人がいない」といった声が寄せられ、中には結婚や出産をあきらめたという人もいた。  配偶者がいる場合も研究員同士の結婚が多いため、「夫が県外や海外の大学で仕事をしており、別居している」「保育所探しに頭を悩ませている」などの声が聞かれた。  中間報告では(1)ワークライフバランス実現の障壁は、個人ではなく組織で解決する(2)女性の潜在能力に期待した採用を行う―などを検討するよう提案している。  男女共同参画推進室チーフコーディネーターを務める木村松子准教授は「女性研究者の実情を知ってもらうことで、関係者の意識を変えるとともに、組織改革につなげたい」と話す。  聞き取りは年度内に終える計画。新年度以降も前後期1回ずつ実施する予定。 "[he-forum 15050] 下野新聞2/19 下野新聞2010年2月19日付 太陽光発電で食料生産 宇大に国内初の実習農場完成  再生可能エネルギーを利用して食料を生産する実習農場が18日、宇都宮大峰キャンパスに完成した。太陽光発電による発光ダイオード(LED)ランプを使った植物工場のほか、ヒートポンプなど省エネ装置を持つビニールハウスも整備した。農村での再生可能エネルギー利用に着目した実習農場は国内初という。  「近未来型農業」をテーマにした実習農場の名称は「サステーナブル(持続可能な)ビレッジ」。広さ約800平方メートルで、昨秋から整備を進めていた。  農場内の電気を賄う太陽光発電は、太陽光パネルを設置した施設から供給する。施設は農家をイメージした木造一階で、講義のほか、気象観測のデータ収集や発電量を測定できる。  植物工場では消費電力が少ないLEDのほか、蛍光灯を利用した養液栽培を行う。赤、青、緑、白のLEDランプを組み合わせて、サラダ菜やリーフレタスを栽培。土を使わず、無農薬でしかも無洗浄で食べられるという野菜の生育と栄養価を高める研究を進める。  ビニールハウスでは樹皮と肥料を使ったイチゴを栽培する。水はタイマーで流れ、追肥の必要はなく、苗床も腰の高さに調節できるため、作業の省力化が期待される。  総工費は約5千万円。同日の竣工式で進村武男学長は「次の世代を担う学生が再生可能エネルギーを使った生産技術を肌で感じ学ぶ意義は大きい。施設を生かした市民とのコミュニケーションも大切にしたい」と述べた。  将来的には風力発電やバイオマスも取り入れ、農場内での資源循環を目指す。同大農学部の斎藤高弘教授(生物環境調節学)は「この最先端の技術を生かした実習施設を通じて、食料やエネルギー生産を資源環境の中で行うことができる農村、地域社会の姿を宇都宮大から発信したい」としている。 "[he-forum 15051] Re: [he-forum ]  Syuichi Setoです。 [he-forum ] について、配信停止をお願いします。 "[he-forum 15052] 読売新聞2/21 読売新聞2010年2月21日付 女性研究者、採用率伸びず…文科省の支援は掛け声倒れ 教授会 男性多いのも一因  文部科学省は、女性研究者の支援に力を入れているが、研究現場に占める女性の割合はあまり増えていない。  狙った成果があがっていないのは、なぜか。  東京農工大学の大津直子助教(34)は、植物の生育に欠かせない硫黄が、化合物から供給される仕組みの解明に挑む。植物から遺伝子などを取り出す作業には細心の注意が必要で、時間もかかる。だが、2人の子供を保育園に迎えに行くため、研究室にいられるのは午後5時まで。週2回訪れる研究支援員に、データ整理や実験の手伝いを頼んでいる。  文科省は今年度、理学、工学、農学の3分野で、女性研究者の人件費や研究費を補助する事業を始めた。農工大など5大学で支援対象となる研究者が公募され、選ばれた大津さんは、昨年10月に着任した。  新事業実施の背景には、第3期科学技術基本計画(2006~10年度)に記された女性研究者採用目標に、保健系を除く3分野で到達していない現状がある。研究者に占める女性比率も、05年度の11・9%から13・0%に上がったものの、先進国では最低レベルだ。  大津さんは、理化学研究所で3年任期の研究職に就いていたが、「育児しながら短期間で結果を出すのは厳しい」と感じていた。任期がなく、博士の支援員がつく仕組みは心強いという。  九州大学には170人の女性が応募し、10人を採用。研究戦略企画室の上瀧(じょうたき)恵里子准教授は「大学院工学研究院は、女性准教授が1人いるだけだったが、教授2人、准教授2人になった。雰囲気も学生に与える影響も変わる」と期待する。  ただ、5大学で教授を採用したのは九大だけで、多かったのは助教。京都大学は性別不問で公募を行ったためか、女性8人の採用を予定していたのに、2人にとどまっている。  女性研究者を優遇することに、昨年の行政刷新会議の「事業仕分け」で批判も出た。中村桂子JT生命誌研究館長は「女性の数だけを問題にし、お金で誘導するのはおかしい。女性が働き続けるのに必要な現場の要望を聞き、特に出産・育児期の支援を柔軟に整備することが重要だ」と言う。  しかし、環境が整えば自然に女性が増えるわけでもなさそうだ。育児支援を中心とした文科省の環境整備事業に、45大学・研究機関が参加したが、3年間の事業期間を終えた10大学の女性教員数の伸びは約15%。全大学平均の約12%と比べて少し高い程度だ。  「育児との両立に悩んで辞める例が減り、育児休暇取得者や2人目を出産する人も出始めた」(田中真美・東北大学教授)と一定の効果は認められるものの、「人事を行う学部など各部局の教授会は男性が圧倒的多数を占め、女性を積極採用しようという意識にならない」(都河明子・東京大学男女共同参画オフィス特任教授)との指摘も多い。  早稲田大学は、部局に事業の趣旨が浸透せず、体制作りが進まなかったとして、事業を終えた10大学でただ1校、文科省から最低の「C」評価を受けた。棚村政行・早大女性研究者支援総合研究所所長は、「大規模な大学は縦割りで、人事権も部局にある。女性を採ると予算が増えるなどのメリットを与えないと、意識は変わらず、女性比率も上がりにくい」と悩む。  農工大のように博士号を持つ支援員を紹介できるのは、首都圏の大学・研究機関に限られる。地方では、ハローワークや口コミで適任者を探しても、なかなか見つからない。  国の補助が終わった後、大学が独自の予算で支援や環境整備を続けられるのか。課題はつきない。(滝田恭子)  環境整備事業 06年度に始まった。離職者の多い出産・育児期の女性の負担軽減が主な目的。大学・研究機関を対象に、1機関あたり3年間で計約1億2000万円を助成する。研究支援員を配置したり、研究室とテレビ会議でつないで在宅勤務を可能にしたりする取り組みなどを補助する。 賞選考・論文審査でも不利?  物理学の賞を女性が受賞できるかは、審査委員の性別にも影響されるとの報告が、昨年6月、米物理学会誌に掲載された。1997年~2009年に同学会が賞(男女共通)を授与した464人と、審査委員会の構成を調べたもの。女性の受賞率は委員全員が男性の場合3・3%で、女性委員が1人でも入ると5・6%に上がった。審査委員長が男性の場合は3・6%で、女性委員長では9・5%だった。  英国のある生態学論文誌は、01年に投稿者を匿名にし、性別を明かさずに専門家に査読してもらう仕組みに変えた。97~2000年に女性の論文が採用される割合は23・7%だったのに、02年~05年には31・6%に上昇したという。 "[he-forum 15053] 毎日新聞和歌山2/20 毎日新聞和歌山版2010年2月20日付 地域連携推進協定:地域活性化で連携 和歌山市と和歌山大が締結  和歌山市と和歌山大は19日、地域連携推進協定を締結した。04年3月に「連携・協力に関する覚書」を既に交わしており、地域活性化で連携をさらに推進しようと結んだ。  和歌山市本町2のフォルテワジマ内の同大サテライトで、大橋建一市長と山本健慈学長が協定書に調印した。協定に基づき協議会を開設し、学生インターンシップの拡大▽人事交流▽共同事業による施設の相互利用▽行政課題の解決に協力▽市民向け事業での協力--の5項目で連携する。手始めに10年度から図書館司書の人事交流を実施する方針だ。  調印式後の会見で、大橋市長は「学生がまちで市民と触れあい、生きた学問を身につけてほしい。次世代を育成するには大学との連携がなくてはできない」と述べた。山本学長は「和歌山大学は教育研究を軸とするが、地域に責任を持って参加する事業体でありたい。人と情報の交流をコンセプトに相互の発展ができれば」と語った。【安藤龍朗】 "[he-forum 15054] 読売新聞秋田2/22 読売新聞秋田版2010年2月22日付 秋田大病院、入院児の支援独自で継続  秋田大学は、同大医学部付属病院(秋田市本道)で入院中の子どもたちの遊びや心の育ちをサポートしている発達支援グループ「たんぽぽ」の活動を、文部科学省からの支援がなくなる今年4月以降も継続すると発表した。  たんぽぽは、同大の小山田美香特任助教(38)と臨床心理士や保育士の合わせて4人グループ。病院内にある約30平方メートルのプレールームや病室で、主に小児科や小児外科に入院中の子どもたちと遊んだり、親の相談に乗ったりしている。  2007年度から文部科学省の支援事業としてスタートし、3年間で総額6600万円の助成金を受け活動していたが、今年3月末で支援が終了するため、存続を求める保護者ら約4800人分の署名が集まっているという。  年間約2000万円の経費については、5年間は同大がまかなうが、その後については、国や県からの助成や、一般からの寄付金を求めていくという。  長男(6)と遊んでいた湯沢市秋ノ宮の主婦菅恵理子さん(34)は「専門的な話や悩み相談に乗ってもらったりして、いつも助かっているので本当にうれしい」と話していた。 "[he-forum 15055] 日本海新聞2/23 日本海新聞2010年2月23日付 環境大公立化検討へ 改革案受け平井知事  入学者の定員割れが続いている公設民営の鳥取環境大学(古沢巌学長)について、改革検討委が公立化に変更する改革案をまとめたことを受け、平井伸治知事は22日の県議会本会議で、鳥取市と共同で検討・調査に着手する可能性を示唆した。これまで公立化に消極的な発言を繰り返してきたが、検討の前提として「学長や理事長から改革の決意を聞いてから」と述べた。 公立化を求める声もある鳥取環境大学。定員割れなどの現状をどのように打開していくか=鳥取市若葉台北1丁目  山根英明議員(県議会自民党)が代表質問で「検討を真摯(しんし)に受け止め、公立化を真剣に考えるべき」と呼び掛けた。  鳥取環境大は県と市が出資して2001年度に開学したが、04年度から6年連続で定員割れ。古沢学長や理事会は打開策の一つとして、公立化に前向きな姿勢を見せ、08年に設置された検討委でも議論となった。  平井知事は本会議で「今の議論は『公立化すれば何とかなる』と聞こえる面もある」と疑問を呈しつつ「むしろ大学側が血を流してでも、学生が入りたいという大学に変えたい思いがどれだけあるか。具体的な話を聞いてから検討を始めるべき」とした。  その上で、現状は魅力ある大学づくりに欠けている点を指摘。「開学のころと比べて大学側の熱意が冷めている。改めてほしい」と訴えた。  平井知事はこれまで、公立化に否定的な見解も示してきた。昨年9月の県議会本会議では「公立になれば解消するかというと、それはミスリード」「魅力ある大学づくりにつながるだろうか」と述べている。 "[he-forum 15056] 時事通信2/22 時事通信2010年2月22日18時52分 医学部新設に反対=「教員確保で地域医療崩壊」-学部長会議  医大学長、医学部長らでつくる全国医学部長病院長会議(会長・小川彰岩手医科大学長)は22日、今後の医学部新設に反対する要望書をまとめ、民主党と政府に提出したと発表した。教員確保のために地域病院から医師が引きはがされ、「地域医療を崩壊させる」と指摘した。  会議は医学部のある全80校の学長、学部長と付属病院長の計160人で構成。要望書では、医学部一つの運営に650人程度の臨床教員が必要で、30~40代の病院勤務医が候補になるとしている。  人口100万人当たりの勤務医数は大学病院を除くと約960人であることから、「新設すれば、100万人規模の県の勤務医を3分の2以上現場から連れ去る」と批判した。  同様の理由で、既存医学部の定員急増にも懸念を表明。最近の入学定員増の効果がまだ出ていない現状でも医師数が増えていると強調し、いったん設備投資や教員雇用をした後で定員削減するのは難しいと訴えた。 "[he-forum 15057] 西日本新聞2/20 西日本新聞2010年2月20日付 荒尾市民病院 医師の派遣円滑化目的に 「熊大に寄付講座を」  荒尾市民病院あり方検討会(会長・小野友道熊本保健科学大学長)は19日、経営健全化に向けた提言書を前畑淳治市長に提出した。提言書では、熊本大医学部付属病院の寄付講座制度を活用して、同大から市民病院に医師を派遣してもらうことなどを求めている。  寄付講座は、自治体や企業からの寄付金で開設する研究目的の講座。同検討会は「荒尾市の寄付金で講座を開き、市民病院を、研究と診療の場として提供すれば、熊大から医師を派遣してもらえる」としている。  提言書では、このほか人件費削減のために能率給制度の導入も求めている。  前畑市長は「提言書の内容を最大限尊重して健全運営に努め、地域に愛される病院にしていきたい」と述べた。 "[he-forum 15058] 日刊工業新聞2/23 日刊工業新聞2010年2月23日付 東大、アジアの大学に学生派遣-情報分野のリーダー育成  東京大学大学院学際情報学府は2010年度から、中国・清華大学や韓国・ソウル国立大学などアジアの一流大学へ学生を送り出し、相手校の講義や博士研究指導を受けるプログラムを始める。文理融合の情報分野で、アジアグローバリゼーション時代に適したリーダーを育成するのが目的だ。同学府が持つ留学生向けのコースとの相乗効果で、国際化が総合的に進むことになりそうだ。  東京大学大学院の情報学環(研究組織)・学際情報学府(教育組織)は情報にかかわる学際的な機構で、メディアや災害・医療情報、認知と行動、ユビキタスコンピューティング技術などを扱っている。情報分野は現代アジア諸国における課題も多く、研究者や職業人のリーダーとなる人材育成が必要だ。  また情報は、ウェブ依存など人を受け身にしやすい面がある。そのため、積極的に意見表明・議論・説得などを行うスキルを習得するのに、短期留学が適していると同学府は考えた。 "[he-forum 15059] 毎日新聞2/22 毎日新聞2010年2月22日付 数学分野:研究費の格差広がる 中規模大学で大幅減  数学分野の研究費が大学間で格差が広がっていることが日本数学会(坪井俊理事長)の調査で分かった。数学研究者20人以下の中規模大学で減少率が大きく、若手の人材育成に欠かせない他分野との連携も難しくなっている。22日午後、東京都目黒区の東京大駒場キャンパスで開かれるシンポジウム「拡(ひろ)がっていく数学-社会からの期待」で発表し、今後の対応を議論する。  調査は昨年秋、数学・数理科学の学科がある全国175の大学や研究所に実施し、70機関が回答した。  回答機関の3分の1を占める中規模大学では、大学の経営効率化が影響し、大学が支給する研究費が激減。1人当たり100万円以上の大学は24%で、10年前の50%から半減した。21人以上の大規模大学は89%が1人100万円以上だった。  中規模大学では企業に就職する大学院生が多く、67%が「社会で活躍できる応用力の育成」を最も重視している。だが、情報や脳科学、環境など他分野や産業界との共同研究を10年間に実施したのは30%にとどまった。これに対し、大規模大学は74%だった。  学会理事の前田吉昭慶応大教授は「数学は金がかからないという印象があり、研究費を削られやすい。放置すれば科学技術を担う数学分野の人材の育成は危うい」と話す。【元村有希子】 "[he-forum 15060] 時事通信2/22(2) 時事通信2010年2月22日13時55分 学力育成に東北大と連携=仙台市  仙台市は19日、「確かな学力の育成」実現のための研究プロジェクト推進に向けて、東北大学と連携協定を結んだ。学習意欲向上を目的に、子どもの意欲を脳科学や心理学の観点から科学的に分析、定量化。将来的には、どうすればやる気が引き出せるか、どの時点で失われるかなどを客観的に把握し、教育現場への活用を目指す。  研究では、アンケートなどにより、こどもの学習意欲を数値化。当初は小中学校が対象で、参加校数などは未定。将来的には幼児や高校生などにも広げていくという。  東北大学の脳科学研究者、川島隆太教授が中心となり、10人程度で構成されるプロジェクト委員会を設置。3月に初会合を開く。  市教育局は「学習意欲が大切といわれながら、分析評価はなされてこなかった。この連携協力が子どもの未来につながるよう期待する」としている。 "[he-forum 15061] 《市場化テスト導入阻止情報》No.4 《市場化テスト導入阻止情報》No.4=2010年2月22日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 【紹介】自治労連学習討議資料『市場化テスト法どこが問題か、どうたたかうか』 (2006年2月発行)第1章3の抜粋 市場化テストが狙っていること、そしてそれとどう闘うかについては自治労連(日本自治体労働組合総連合)が2006年2月10日に発行した学習討議資料『市場化テスト法どこが問題か、どうたたかうか』(http://www.jichiroren.jp/download/Marketizatio.pdf) を読むと大変よくわかります。全文をお読みになることをお薦めしますが、自治労連からご了承をいただきましたので、ここでは第1章3『「市場化テスト」の特徴と問題』の重要部分を抜粋して掲載します(引用される場合はかならず自治労連の学習討論資料からであることを明記してください)。ただし、発行当時はまだ市場化テスト法案が提示されていただけであたったため、2006年通常国会で成立した市場化テスト法とは一部異なっています。そこで「市場化テスト法案」を「市場化テスト法」と変更した上で、成立した市場化テスト法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H18/H18HO051.html)の条文を掲載し、また本文中で引用されている事項について可能な限りその出典URLを挿入してあります。なお、機種依存記号は、数字等に切り替えています。 以下略  詳細は,本事務局のURLを参照ください. http://www.shutoken-net.jp/ ここでは,資料の見出しのみ示します. 1章3 「市場化テスト」の特徴と問題 (1)公務・公共サービスを民間企業等に丸投げ (2)財界・民間企業等のイニシアティブが貫かれる   1)民間企業等の意見を直接反映   2)財界・民間企業の利益代表が可否を判断し、監視まで (3)すべての公務・公共サービスを対象に、底なしの規制緩和   1)当初より実施対象とされる業務   2)規制緩和の仕組みと内容   3)「先進自治体」を梃子に、全国水準を引き下げる仕組み (4)自治体にも「市場化テスト」を押し付ける仕組み   1)市場化テストを適用する仕組みは国と自治体とは異なる   2)国が自治体に押し付ける仕組み (5)地域経済を疲弊させ、談合・癒着の温床に (6)今でも個人情報漏洩が問題なのに、企業まかせで一層深刻に   1)自治体業務では、住民票発行等の窓口業務から   2)個人情報を保護するための自治体の努力が水泡に   3)民間企業等が全国民の個人情報を検索し、事実上、住民票写し等を交付する立場に   4)住民のプライバシーを丸ごと民間企業等にゆだねてよいのか (7)公務員・関連労働者の解雇(分限免職・雇い止め)に歯止めなし     1)これまで公務・公共サービスに従事していた労働者の雇用問題   2)配置転換による雇用継続は保証されるか   3)民間企業等への移籍による雇用継続は保証されるか   4)解雇(分限免職、雇い止め)が続出するおそれ "[he-forum 15062] 益川敏英さんの「ミサイル防衛」反対姿勢 佐賀大学の豊島です. 大学や高等教育に直接関係する話題ではありませんが,科学者と社会のつながりという意味での,ホットな実例と言うことでご紹介します. かつての「スターウオーズ」は悪評とともに廃れたかに見えましたが,「ミサイル防衛」(MD)というもっともらしい名前で完全に復活しています.ヨーロッパでは市民運動の抵抗もあり,紆余曲折がありますが,わが国ではほとんど抵抗がないに等しく,SM3やPAC3の配備が着々と進んでいます. このような中,ノーベル物理学賞の益川敏英さんが,PAC3導入の瀬戸際にある福岡県久留米市の市長あてに末尾添付のようなメッセージを送りました. 実は,久留米市は私が住んでいる町です.そこがスターウオーズの拠点にされてはたまらないので,それを防ぐ活動をしています.その一環として益川さんにも支援を依頼していたのです. 皆様からも,久留米市長へのメッセージを送って応援していただけたら幸いです. https://www.city.kurume.fukuoka.jp/cgi-bin/form_mail.cgi?n=006&mref=http://www.city.kurume.fukuoka.jp/1080shisei/2010shoukai/3010shichou/index.html この活動や,海外からのメッセージは次のブログ・ウェブサイトに詳しく掲載しています. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/ http://stop-pac3.blog.ocn.ne.jp/blog/ http://www.anatakara.com/petition/index2.html ------------------------- 久留米市長 楢原利則殿 拝啓 市長におかれましては,政務にますますご活躍のことと拝察申し上げます. さて,このたび私は,久留米市に地上配備型迎撃ミサイル・パトリオット(PAC3)が間もなく配備されるという情報に接しました.これは,アメリカ主導で進められている,いわゆる「ミサイル防衛」の一環であり,イージス駆逐艦装備のミサイルSM3と一体として運用されるものであることはよく知られています.すなわち,「防衛」の名の下に,かつて「スターウオーズ」と呼ばれた宇宙戦争システムを構築するものと言わざるを得ません. このような宇宙の軍事化は決して平和に資するものではなく,憲法九条の精神にももとるものです.私は,科学者の一人として科学の軍事利用,宇宙の軍事利用に反対する立場から,この事態をたいへん憂慮致します.どうか,自治体の首長として住民の安全を守る立場からも,この配備の受け入れについては是非とも慎重かつ十分なご検討をいただくよう,切にお願い申し上げます.           敬具         京都産業大学教授 益川敏英 2010年2月22日 ------------------------- 豊島耕一 http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 15063] 12/24朝日新聞 2010年2月24日 朝日新聞 学生への「職業指導」、大学・短大に義務化へ 文科省  学生が自立して仕事を探し、社会人として通用するように、大学や短 大の教育課程に職業指導(キャリアガイダンス)を盛り込むことが20 11年度から義務化される。文部科学省が25日、設置基準を改正し、 大学側もカリキュラムや就職活動などの支援体制の見直しに入る。  義務化の背景には、厳しい雇用状況や、職業や仕事の内容が大きく変 化するなかで、大学側の教育や学生支援が不十分という指摘がある。さ らに新卒就職者の3割が3年以内に離職するなど、定着率の悪さも問題 になっていた。このため、大学教育のあり方を議論していた中央教育審 議会(文科相の諮問機関)でも、学生支援の充実や、職業指導を明確化 する方向性を打ち出していた。  就職支援に関して、各大学や短大は、就職支援センターやキャリアセ ンターを学内につくって対応している。義務化で、卒業後を意識したカ リキュラムやプログラムにし、すでに一部の大学で導入されている職業 を考える授業やインターンなどを単位として認定するなどの動きが広が りそうだ。  また就職指導への教育は、7年ごとに受ける第三者の認証評価機関な どの評価対象にもなり、結果が公表される。受験生の大学選びの理由の 一つになる可能性もある。  日本学生支援機構のまとめでは、就職セミナーやガイダンスなどを実 施する大学は全体の91.8%、短大で95.7%。職業意識を育てる ことを目的にした授業科目を開設している大学は74.3%、短大は7 2.4%となっている。  具体例として、金沢工業大学では、入学時から4年生まで、必修の科 目として将来の進路を考えるカリキュラム「社会で自分を活(い)かし て生きていく力」を実施している。また、東京女学館大学では、コミュ ニケーション能力、IT能力など社会人として必要な10の能力「10 の底力」を定めて4年間で基礎、専門科目を通じて伸ばす試みをしてい る。  ただ、義務化で、大学の正規授業での職業指導が重点化されると、 「就職」が目的化してしまい、本来の学問・研究がおろそかになるとい う懸念もある。また、もともと就職指導に重心を置いた専門学校との境 目がなくなるという指摘もある。(編集委員・山上浩二郎) "[he-forum 15064] 西日本新聞2/24 西日本新聞2010年2月24日付 福教大ビジョン 明確にしたい 新学長が就任会見  福岡教育大学(宗像市)の寺尾慎一・新学長(59)が23日、同大で就任の記者会見をし、「基本ビジョンを明確にして、学生や地元教育界、企業から信頼、期待される大学にしたい」と抱負を語った。  寺尾学長によると、大学教育の質の向上や志願者の目安にするため、卒業時に学生が身に付けるべき基準「学士力」を導入。その内容を2011年度までに示すという。09年度に設置した教職員養成の教職大学院と従来の大学院について、それぞれの特徴を明確化するほか、ボランティア活動の機会確保などを目的にカリキュラムを見直す。  10年度には、近隣の教育委員会や企業などで構成する外部評価システムを構築する方針。「継続的な評価を得て、改善に役立てたい」と話した。 "[he-forum 15065] 中日新聞社説2/24 中日新聞社説2010年2月24日付 教職大学院 設置の意義を問い直せ  教職大学院のうち、半数近くが定員割れに陥っている。「教員養成政策の大きな柱」として二〇〇八年に発足したが、役割を果たしているか疑わしい。設置した意義を問い直さなければならない。  文部科学省の調査によると、教職大学院は全国に二十四校あり、本年度の入学者が定員割れしたのは十一校にのぼった。このうち、六校は二年連続で定員に満たなかったという。  教職大学院は、〇六年の中央教育審議会の答申に設置が盛り込まれ、「理論と実践の融合」を掲げてスタートした。大学新卒者や現職教員らを対象とし、専門性を高め、中核教員の養成を目指している。  文科省は「着実に実績を積み重ねている」と評価しているが、文科省の昨年調査でも十九校のうち八校が定員割れだった。二年目も定員を確保できない状況には根本的問題があると認識すべきだ。  その一つは、教職大学院を出てもメリットが乏しいことだ。教員採用試験で何らかの配慮があるなら、学部新卒者も進学を考えるだろうが、修了者だからといって試験で優遇されるものではない。  東京都教委の場合は教員採用試験で修了者に一定の配慮措置をとっている。一次選考の免除だが、大学からの推薦と書類審査通過が条件であり、狭き門といえる。  大学院に進学すれば、就職までに時間がかかり、経済的負担も生じる。教員を目指す新卒者が、高い学費を支払ってまで、さらに二年間も学ぼうとするだろうか。  いまは団塊世代の退職に伴い、教員採用の門戸は広がっている。採用試験は十倍を超えた年もあったが、昨年夏の東京都公立小学校教員採用では三・五倍だった。  現職教員が大学院に通う場合、多くは地元教委からの派遣だ。派遣となれば人員補充しなければならず、予算措置が伴う。財政難の自治体は苦しい制度だろう。  大学の多くが財政難に苦しんでおり、教員が充実していない教職大学院もある。教員がそろわないのに、既存の大学院との明確な違いや特徴を打ち出せているのだろうか。  教職大学院は何が教育目的なのか、いまだはっきりしない。このままでは廃止もやむを得ない。  教職大学院の問題は民主党が提唱している「教員養成六年制」にも通じよう。学ぶ者に時間とカネを使わせるだけで、教員志望者を減らしかねない。拙速な導入は避け、議論を重ねてほしい。 "[he-forum 15066] Re: [he-forum 15062] 益川敏英さんの「ミサイル防衛」反対姿勢 昨日の投稿の続報です.益川さんのファクスにいもかかわらず, PAC3は本日配備されてしまいました.市長が私たちPネットへの 回答を延期した,まさにその日です. 前に紹介したサイトには,抗議という形でお願いできれば,と思いま す.これから撤去運動ということになります. On 2010/02/23, at 23:27, TOYOSHIMA Kouichi wrote: > 佐賀大学の豊島です. > 大学や高等教育に直接関係する話題ではありませんが,科学者と社会 > のつながりという意味での,ホットな実例と言うことでご紹介します. > > かつての「スターウオーズ」は悪評とともに廃れたかに見えました > が,「ミサイル防衛」(MD)というもっともらしい名前で完全 > に復活しています.ヨーロッパでは市民運動の抵抗もあり,紆余曲折 > がありますが,わが国ではほとんど抵抗がないに等しく,SM3や > PAC3の配備が着々と進んでいます. > > このような中,ノーベル物理学賞の益川敏英さんが,PAC3導入 > の瀬戸際にある福岡県久留米市の市長あてに末尾添付のようなメッ > セージを送りました. (以下コピー省略) 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 15067] 河北新報2/24 河北新報2010年2月24日付 「山形の良さ生かし教育」 大学連携組織が共同宣言  山形県内の大学、短大などでつくる「大学コンソーシアムやまがた」の結城章夫会長(山形大学長)らは23日、山形大で記者会見し、今後の教育目標をうたった共同宣言を発表した。山形市のJR山形駅前に、学生の活動拠点となる「新大学コンソーシアムやまがたセンター(仮称)」を設置することも明らかにした。  大学コンソーシアムやまがたは山形大、東北芸術工科大など11の高等教育機関と県で構成。2004年に設立され、単位互換、教職員の交流などを通して連携を深めてきた。  共同宣言は、これまでを第1期、10年度から5年間を第2期と位置付け、山形で学ぶことが人間としての感性を磨き、豊かな人間形成につながると強調。大学個々の教育とは別に、協力して山形の良さを生かした教育を実践する「もう一つの人づくり」を目指すという。  センターは、山形駅前のオフィスビル1階に設置。5月に開所し、学生の活動の場、情報発信拠点、コンソーシアム事務局として活用する。活動内容は、各大学の学生や教職員がプロジェクトチームをつくって決める。  結城会長は「山形には美しく厳しい自然や伝統文化がある。人生について考えたり、何かに没頭したりするには素晴らしい場所だ」と強調。「各大学が一体となって国内外の若者を呼び込みたい」と述べた。 "[he-forum 15068] 中日新聞石川2/24 中日新聞石川版2010年2月24日付 中国との学術連携強化 北陸先端大 交流フォーラム始まる  北陸先端科学技術大学院大(能美市)と中国の四大学、一研究機関による学術交流フォーラムが二十三日から二日間の日程で、石川ハイテク交流センターで始まった。大学の国際化と研究者間の連携を強化するのが狙い。  北陸先端大と学術交流協定を結ぶ北京大、天津大、西安電子科学技術大、中国科学院音響学研究所のほか、西北工業大から計約二十人の教授、准教授らが参加した。  北陸先端大の教授らとともに、次世代の通信システムや音声認識科学など、情報分野を中心に計二十八の研究テーマについて成果を発表し、実用化などに向けた将来の可能性を探った。  天津大・計算機科学技術学院委員長で、北陸先端大情報科学研究科の党建武教授は「フォーラムを通じて共通の興味が見つかれば、次のステップにもつながる」と目を細めた。    (田嶋豊) "[he-forum 15069] 読売新聞2/25 読売新聞2010年2月25日付 歯科、医科で共同研究…朝日大と三重大  朝日大学(瑞穂市)と三重大学(津市)は23日、共同研究や人材交流を目的とした包括的連携協定を締結した。  朝日大学は歯学部、三重大学は医学部をそれぞれ開設しており、人工骨(人工歯)や口腔(こうくう)内感染症などについての共同研究を進めたい考えだ。朝日大学が他大学と包括的連携協定を結ぶのは初めて。  朝日大学は歯学部を看板学部とし、口腔(こうくう)内疾患の研究が高く評価されているほか、岐阜市都通の同大PDI岐阜歯科診療所などを運営している。また、県内では唯一、法学部を開設している。  国立の三重大学は医学部、人文学部など5学部を開設。特に医学部は心臓疾患やガンの研究に力を入れている。これまでに、国立の和歌山大学などと連携協定を結んでいる。  連携協定は▽歯科と医科の共同研究▽法律や経済分野における共同研究▽両大学が共同でシンポジウムなどを開催し、地域社会に貢献する――などの内容が盛り込まれた。特に、歯科と医科の両分野で必要性が高い、人工骨(人工歯)の共同開発や口腔(こうくう)内の感染症と肺などの呼吸器官の感染症との関連性などの解明などの共同研究を進める。  このほか、両大学間の研究者の交流や単位の相互認定制度についても実施する方針が確認された。  朝日大学で同日行われた調印式では、同大学の大友克之学長は「両大学が協力し、若い人に夢や力を与える場を作りたい」とあいさつ。三重大学の内田淳正学長は「隣県の地域性を生かし、お互い切磋琢磨(せっさたくま)し、研究分野における新たな展開が可能になる」と締結の意義を語った。 "[he-forum 15070] 入会申し込みをしたいのですが,どなたか教えて下さい. はじめまして.鈴鹿高専の渥美と申します. 本校には組合がなく過半数代表者も御用聞き状態で,就業に関する情報がほと んど入って来ません.それで,全大教に加入しようと思い,ウェブページから 3回,電子メールで1回,加入申し込みをしましたが,一度も返事がありません. 私はどうしたら加入出来るのでしょうか? -- Kiyotaka ATSUMI, Suzuka National College of Technology Web: https://www.ka-lab.jp/ PGP Public Key: https://www.ka-lab.jp/pubkey/20090703.kiyotaka-at-ka-lab.jp.asc Finger Print: 3A57 C5CB 7A23 CB1C 9D50 D314 8F10 D612 C138 F31E "[he-forum 15071] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.17 ニュースレターNO.17 2010、2,24  公正な学長選考を求める裁判を支える会   事務局:高知県高知市曙町2-5-1高知大学教職員組合内   (TEL/FAX088-844-1489)  高知大学学長任命処分無効確認裁判いよいよ最大の山場を迎える!  前回のニュースレターNo16を発行したのは、いつのことかと調べてみたら、な んと昨年の9月15日でした。5ケ月ぶりの発行ということになります。前号のニュ ースレターでお知らせしたように、行政訴訟は9月18日から「弁論準備手続き」 というプロセスに入りました。原告側(我々)と被告側(国)双方の主張の整理、 争点の確認がこの間に行われてきました。9月18日、11月27日、そして2月19日に 行われたこの「弁論準備手続き」には、原則として関係者のみが出席または傍聴 を許されますので、多くの方に参加を呼びかけるということは行わないで来まし た。しかし、やっとその「弁論準備手続き」が終了し、待ちに待った公開の場で, 法廷での審理が開始されることになりました。  原告側証人申請認められる!  先般の2月19日の「弁論準備手続き」において、裁判所は私たち原告側の申請 した6名の証人のうち5名を認め、公開の法廷で証人尋問(証拠調べ)を行うこと を決定いたしました。いよいよ、私たちが長い間ずっと抱いてきた疑問を明らか に出来る実質審理が始まることになったということです。    「証拠調べ」は一日のうちに集中して行われることになっており、5月21日 (金)が予定されています(午前11時開始、昼休みを挟んで午後1時から再開)。 2月19日に裁判所が認めた原告側証人は以下の通りです。  ・金庫に収められていた開票済みの投票用紙に勝手に「接触」し、「数え違い に気づいた」2名の職員:K氏及びB氏(B氏はすでに他大学に転出)。  ・意向投票管理委員会委員長I氏。  ・2名の原告:   根小田渡 前人文学部長(当時は学長選考会議委員。2007年10月17日まで同 副議長)   高橋正征 前黒潮圏海洋科学研究科研究科長(当時 学長候補者の一人)  以上5名の証言が当日午前と午後に行われます。    また、証人としては認められなかった専門家証人1名については、同人からの 意見書の提出が認められましたので、原告側の申請した証人は実質的にすべて認 められたことになります。国側は「原告適格の欠如」をほとんど唯一の争点とし て、実質的な審理や証拠調べ等を回避することを狙ってきていましたが、結果と して国側のこの戦略は根底から崩れたといっていいと思います。本当にやっと中 身の審理に入れるのです.  公開の法廷で真相を究明し「学長任命」の闇を払拭しましょう!  これまでに何度も繰り返してきたことですが、ここでまたこの裁判の争点を確 認しましょう。  我々原告は、この「学長任命」には重大な違法性があり、無効であると主張し ています。その違法性とは  1) 権限のない職員(証人K氏、B氏)が開票作業終了後の投票用紙に「不正 に」接触したこと。これは、投票そのものが無効とされてもおかしくないほどの 重大な行為です。    2) 41票差と1票差という「二つの開票結果」が一義的に確定されないまま、 学長選考会議が開催され、選考が行われたこと。    3) 上記の事情を知りながら、文部科学省が、高知大学からの「上申」を認 め、学長を任命したこと。文部科学省への「上申」の文書には41票差の数字しか 記載されておらず、学長選考会議での議論を前提とするならば「虚偽申告」とも 呼びうるものです。そして、我々が大学側に開示させた文書によれば、学生や教 員のホームページからのダウンロードも含む大量の資料を文部科学省は持ってお り、この申告が「虚偽」であることを十分知っていたはずです。そのような疑義 に蓋をし,学長を任命した文部科学省の責任は重大です。  2年前の学長選考の「闇」は今も高知大学を覆っています。私たちは、この裁 判をやりぬき真相を明らかにすることで、今我々の大学を覆う「闇」を振り払い、 透明性を取り戻したいと切に思っています。高知大学再生のために更なるご支援 をお願いします。  とりわけ、5月21日の公判の証拠調べには一人でも多くの教職員が傍聴に来ら れ、実際に何が行われたのかをご自身の目で確かめていただくようお願いします。 これが最初で最後の実質的審理になるかも知れません。 5月21日(金) 11時00分~,13時30分~ 証拠調べ 於 高知地裁 "[he-forum 15072] Re: 入会申し込みをしたいのですが,どなたか教えて下さい. -----BEGIN PGP SIGNED MESSAGE----- Hash: SHA1 皆様 鈴鹿高専の渥美です.皆様からの心暖かいアドバイスありがとうございます. 結局の所,事務局から連絡があり賛助個人会員として参加することになりまし た.今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます. - -- Kiyotaka ATSUMI, Suzuka National College of Technology Web: https://www.ka-lab.jp/ PGP Public Key: https://www.ka-lab.jp/pubkey/20100225.kiyotaka-at-ka-lab.jp.asc Finger Print: D717 BE71 47AC 23B5 8A5D BF24 3B68 A1ED 7F9C 8086 -----BEGIN PGP SIGNATURE----- Version: GnuPG v1.4.9 (GNU/Linux) iEYEARECAAYFAkuHgsMACgkQO2ih7X+cgIYBdwCgkQiLufHIgrOWo4CSbbbwYU9R 8YQAoOMtQOF3kVa+huGybVqJ8g8b50sI =iC7q -----END PGP SIGNATURE----- "[he-forum 15073] Re: 入会申し込みをしたいのですが,どなたか教えて下さい. 渥美清隆先生  中嶋哲彦です。  先生がhe-forumに送信された第二信を拝見しました。書記局が対応させていた だいたようですが、必要かつ十分な情報をお届けできたでしょうか。  ぜひとも組合を結成していただき、労働条件の改善のために鈴鹿高専からも声 をあげていただきたいと思います。組合が組織されている大学・高専ではいろい ろな成果を上げています。  必要なご支援を惜しむものではありませんので、いつでもご連絡いただければ と思います。 "[he-forum 15074] 毎日新聞社説2/28 毎日新聞社説2010年2月28日付 職業指導 体系的なキャリア教育を  大学、短大教育で「職業指導」(キャリアガイダンス)が義務づけられた。文部科学省が設置基準をそう改め、11年4月から施行する。  既に大半の大学、短大には、学生の相談を受けて情報も提供する就職支援センターや講座などがある。  しかし、不況による就職難に加えて、大卒就職者の3人に1人以上が3年以内に辞める離職率の高さが大きな課題になっている。  このため学内が連携して、学生の社会人としての資質を高め、職業的自立に必要な能力を培う指導を教育課程に位置づけようというのである。抽象的だが、一部の部署が担ってきた就職活動支援だけではなく、正規の教育として目的意識や主体的な選択能力を育てるということだ。  各校はもともと建学の理念や文化が異なるのだから、職業指導もその個性や実情に即して創造、工夫されなければならない。文科省も画一的な内容の押しつけはしない。各校が腐心することになるが、取り組み実態と成果は定期的に外部の認証評価機関にチェックされ、結果は志願者数を左右する可能性がある。  大学がそこまでやらなければならないのか、という嘆息もあるかもしれない。だが、大学、短大進学率が5割を超して久しい今、必ずしも学生たちが入学先の選択で将来の職業を思い描いているわけではない。目的がはっきりしないままだと、結局高い離職率の一因になる。  今回の措置は政権交代後の昨年10月、政府の緊急雇用対策本部が打ち出した新卒者支援策に基づく。現状からは、このようなテコ入れは産業界からも歓迎されるはずだ。  しかし、大学入試の段階でさえ目的意識が乏しい若者が少なくない現実を考えれば、こうした指導は高校や中学校にもさかのぼって、もっと体系的に行われるべきだろう。  中央教育審議会は学校教育の早い段階から勤労観、職業観をはぐくみ、関心や意欲、適性を引き出す「キャリア教育」について審議しているが、学校現場にも論議を広げたい。  また継続的な進学率の高まりで、今の学校体系は、大学受験を主軸に“単線化”した観がある。それを見直し、多様な進路選択の幅を広げる職業教育のあり方を探り、新しい可能性も論議すべき時ではないか。  今回の大学、短大教育での職業指導の義務化は、こうした課題へ大きな一石を投じるかもしれない。  なぜなら、突き詰めていけば、論議はカリキュラム全体の見直しや入試の改善にも及び、さらにはその前の段階での教育のあり方にも広げざるを得なくなるはずだからだ。  そうした相乗的な教育改革効果も期待したい。 "[he-forum 15075] 毎日新聞社説2/28(2) 毎日新聞社説2010年2月28日付 鳩山政権への手紙 川端達夫様 科学への情熱をもっと  子どものころから科学好きの少年だったそうですね? 文部科学相と科学技術担当相を兼ねる川端さんが、企業で海水を真水に変える研究をしていたのは、日本の科学技術に活気があったころでしょうか。  時代の雰囲気は変わりました。「科学技術創造立国」のかけ声はあっても、理系周辺はなんだか元気がありません。大学にも「このままでは国際競争に負ける」という危機感が漂っています。  だからこそ、川端さんら4人の理系出身者を擁する「理系内閣」への関心が高まったのではないでしょうか。経験を生かし力強い科学技術政策が打ち出されるのではないか。そんな期待感があったのです。  そこへ降ってわいたのが、「事業仕分け」です。いえ、「やり方が乱暴」などと、改めて文句を言いたいのではありません。科学技術予算は仕分けになじまない面もありますが、無駄や不透明さがないわけではありません。予算の必要性を説明しきれなかった文科省側の問題は見逃せません。  むしろ、仕分けには、「お茶の間の話題になるほど科学技術が注目を集めた」という歓迎すべき効果があったと思うのです。あわてた科学者側も、これまでになく政治に反応しました。  日本の科学技術には課題が山積しています。大学の基盤的な研究費は減り続けています。博士号取得者を増やしたのに、人材を生かしきれず、若者の意欲がそがれています。iPS細胞のような優れた基礎研究はあるのに、それをイノベーションにつなげる態勢にも弱さがあります。  仕分けをきっかけに、問題点を整理し、戦略的な政策立案に役立てることもできたはずです。それなのに、チャンスを生かせていない。そんな気がするのです。  総合科学技術会議の判定も経て、最終的に出てきた文科省の予算案は「仕分けほどの削減ではなかった」というものでした。にもかかわらず、どういう政策に基づいて、仕分け結果を取捨選択したのか、わかりづらく、十分な説明があったとも思えません。  政府は来年度から科学技術予算の編成の仕方を変えるそうですね。総合科学技術会議の改組も検討中と聞きます。こうした改革を経て、メリハリのある予算配分を実現するのは最低限の課題でしょう。  さらに、科学技術立国に向けた明確なメッセージがほしい。そのためには、かつての科学少年が、もっと「情熱」と「厳しさ」を持って日本の科学技術を語ることも大事ではないでしょうか。 "[he-forum 15076] 読売新聞2/28 読売新聞2010年2月28日付 日中韓 留学活発化へ連携 来月初会合 単位認定の共通化目指す  文部科学省は、中国、韓国両政府と連携し、3国の大学同士が、学生の成績評価方法や単位の認定基準を共有する新たな枠組み作りに乗り出すことを決めた。  単位交換などは現在も個別の大学同士で行われているが、国レベルで共通化することで留学生の相互乗り入れの活発化を目指す。将来的には東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国にも拡大したい考えで、3月にタイ・バンコクで基盤整備のための初会合を開く。  3国の大学制度は様々で、卒業に必要な単位数なども異なる。日本では多くの学生が書く卒業論文も、中韓では一部の成績優秀者だけといった違いもある。成績評価も、日本は一定レベルに達したかどうかを見る「絶対評価」が基本だが、中国、韓国は「相対評価」が多い。  こうした制度上の違いもあり、これまでは個別の大学間で留学に関する協定があっても、実際には留学先で取得した単位が母校で卒業単位に換算されないといったケースも多く、国立大学協会が2007年に行った調査では、国立大の7割が「留学しても単位取得が認められず留年する可能性が高い」としていた。  新たな枠組みでは、留学先での取得単位を帰国後認定してもらう時の基準や、卒業単位に繰り入れる換算法などを国レベルで共通化する方針。初会合では制度に関する用語の統一や、日中韓の大学評価機関が合同で各大学の評価を試験的に行う方針を確認する。 "[he-forum 15077] 福井新聞2/28 福井新聞2010年2月28日付 教員養成改革「福井大型ベースに」 鈴木文科副大臣が講演  福井大教職大学院の「日本の教師改革のための福井会議2010」が27日、福井市の同大文京キャンパスで開かれ、鈴木寛・文部科学副大臣が「日本における教師教育改革」と題して講演した。民主党の教員免許制度見直しについて説明し「『学校拠点方式』など、福井大教職大学院の取り組みを改革のベースにしたい」と話した。  同会議は、現職教員らが教育の取り組みを発表する同大学院の「福井ラウンドテーブル」の一環として開かれた。県内外の教員や教育研究者ら約300人が参加した。  鈴木副大臣は「国際的に見て日本は教員実習の期間が短い。また教員免許状取得者12万人のうち、教員に採用されるのは4万人程度。受け入れる学校も『どうせ教壇に立たないのだから』と、実習を負担に感じることが多い」と現状を説明した。  民主党は、教育実習を1年間に延長する考えを示しており、鈴木副大臣は「子どもたちの成長の課程を、実習生が教育現場の中で学ぶことが必要」と狙いを説明した。  その上で、同大学院が学校現場を「講義室」として位置付け、大学院の教官が出向いて現職教員の院生と教育研究を行ったり、学部卒の院生に1年間、学校でのインターンシップを課す学校拠点方式を高く評価した。「(教員免許制度の見直しでは)福井大の方法をベースに考えていきたい」と話した。  福井ラウンドテーブルは28日まで開かれ、小グループに分かれた研究発表などがある。 "[he-forum 15078] 西日本新聞2/27 西日本新聞2010年2月27日付 移転完了 学生増 物件数追いつかず 新入生部屋探し“狭き門” 九大伊都  九州大学伊都キャンパス(福岡市西区、糸島市)に今春から通う予定の学生の住居探しが厳しさを増している。昨年、六本松キャンパス(福岡市中央区)からの移転が完了し、大幅に学生数が増えたのに対し、物件が追いついていないのが原因だ。2次試験が行われた25、26日には、早くいい物件を押さえようと、合格発表を待たずに不動産店を訪れる受験生の家族の姿が相次いだ。  25日朝、伊都キャンパスの最寄り駅、JR九大学研都市駅前で営業する三好不動産九大学研都市駅前店。店の前には、午前10時の開店を待つ行列ができた。高校3年生の弟の試験中に来店した岡山県の男性(26)は「いい物件がなくなる前に予約してあげたい」と話した。「物件探しの動きがここまで早まっているとは」と同店の中下大輔店長(28)は困惑を隠さない。  今春、九大が迎える新入生は約2500人の見通し。3年生以降、学部によって通うキャンパスが異なるが、1・2年は伊都キャンパスに通う。「少なく見積もっても新入生の約半数の1200人が伊都地区に住むことを希望すると見込んでいる」と同社消費者志向マーケティング研究室の碓井裕二さん(44)。これに対し、同社や大学生協が調べた新入生向けの供給可能戸数は約600しかない。  伊都キャンパスが初めて新入生を迎えた昨年春も、物件は大幅に不足した。この1年の間に新築されるアパートもあったが、年度の途中で伊都地区に移り住む学生などで大半が入居済みで、不足分の解消には程遠いのが現状だ。  物件が増えない背景には、長引く不況の影響もあるようだ。全国的なマンションの空室率増加傾向への不安視や、融資の厳しさから「足踏みをしている地主さんが多い」と碓井さんは指摘する。  25、26日の2日間で、同店には昨年の2次試験期間中を上回る79組が来店。そのうち約6割が、試験結果を待つことなく契約に至った。残された物件がどんどん少なくなる中、“部屋争い”はますます激化しそうだ。 "[he-forum 15079] 共同通信2/26 共同通信2010年2月26日17時14分 私大補助金3217億円 09年度、3年連続の減少  日本私立学校振興・共済事業団は26日、私立の大学や短大、高等専門学校(高専)に交付した2009年度の経常費補助金の総額が前年度比約31億円減の約3217億8200万円と発表した。補助金の前年度比1%減額を盛り込んだ政府の「骨太の方針」に基づき、3年連続で減少した。  交付の内訳は大学542校、短大332校、高専3校の計877校。1校当たりの平均交付額は大学約5億4720万円、短大が約7421万円、高専が約1億8700万円。学生1人当たりの平均交付額は大学が約16万円、短大約17万円、高専約28万円だった。  学校別では日本大の約107億2811万円が最も多く、次いで早稲田大が約91億9149万円、慶応大約87億415万円―の順。  募集停止や運営不適正などの理由で不交付になったのは計100校。補助金は学生の経済的負担の軽減などが目的で、教職員数や学生数などに応じて配分している。 "[he-forum 15080] 朝日新聞2/28 朝日新聞2010年2月28日付 「雇い止めやめて」 関西の大学非常勤職員らが集会  雇用期限切れによって、今年3月末にも「雇い止め」になる関西の大学の非常勤職員ら約100人が27日、大阪市内で集会を開き、撤回を求めるアピールを採択した。  旧国公立大学の多くは、2004年の法人化後に採用した非常勤職員の雇用期間について、最長3~6年とする規則を定めている。これら旧国公立大は法人化以降、交付金削減によって人件費に余裕がなくなっているのが実情だ。  大阪大学では、今年3月末に雇用期限を迎える非常勤職員が約40人いる。大学は1月、法人化以前から雇用されていた非常勤職員も、正職員への転換試験に受からなければ、5年で契約を打ち切る方針を打ち出した。対象となる370人のうちの一人で、勤続17年の吉田由美さん(47)は「細切れ雇用は、職員の使い捨てに等しい」と訴えた。  京都大学も非常勤職員の雇用期間が最長5年。3月末に雇用期限を迎える05年4月1日採用者は約50人いる。大学側は昨年12月、期限を迎えた非常勤職員の一部を新規採用者として再雇用できる案をまとめた。だが、昨年、学内でストライキをうって解雇された元非常勤職員の小川恭平さん(40)は先週来、「契約を更新しないといわれた」と電話が入り始めているという。小川さんは「抜本的解決には遠い。5年条項を撤廃してほしい」と指摘した。  立命館、龍谷、京都精華大など私立大学の非常勤職員も多くが有期雇用だ。関西学院大学で、障害のある学生をサポートする非常勤職員の大椿裕子さん(36)も3月末に4年の期限を迎え、「雇い止め」になる。労働組合に入って大学側と団交を持ったが、1月に後任2人の採用が決まり、継続雇用の芽はなくなった。「専門性の高い仕事なのに、有期雇用では経験が積み上がらない。大学は、常に新しい知識と技術を持った人を入れていくというが、たった4年で人は枯渇するのか、問い続けたい」と話した。 "[he-forum 15081] 京都新聞3/1 京都新聞2010年3月1日付 滋賀県内の「大学コンソーシアム」 自治体などと連携、4月法人へ  滋賀県内の13大学・短期大学が、県や所在地の市と連携し、地域課題の解決や就職支援に協力する「環びわ湖大学・地域コンソーシアム」を4月1日付で設立する準備を進めていることが28日、分かった。現在ある大学間の任意の連絡会議を一般社団法人として拡充し、地域社会との連携を軸に事業を進める。  県内の大学では計3万人以上の学生が学ぶ。1990年代から大学誘致を積極的に進めた県の呼びかけで、2003年に連絡会議の「環びわ湖大学コンソーシアム」を設け、単位互換や合同の学生フェスティバル・公開講座を行ってきた。  今回の法人化は、琵琶湖を囲む滋賀の特性を生かし、学生支援など共通する課題に取り組む手法として昨春以降、検討を重ねてきた。  新たに▽地域課題に複数の大学や学生が取り組む事業を支援し、成果発表を行う「大学・地域連携」▽共同でのオープンキャンパス開催や教員の交流など「高校・大学連携」▽経済団体と連携し、合同で企業説明会や学内選考会を行う「就職支援」-の3分野で事業を行う予定。  学長らは「琵琶湖や健康、まちづくりなど幅広いテーマで、各大学の特性を持ち寄れる」と期待する。  法人設立にあたり、大津市のJR大津駅前アルプラザ大津に事務所を置く予定。各大学が立地する大津、彦根、長浜、草津、東近江の各市、県域の経済団体にも参加を呼びかけている。3月末に大津市で、法人設立発起人総会を開く。  ■滋賀県内の大学・短期大学(50音順)  滋賀大(彦根市、大津市)、滋賀医科大(大津市)、滋賀県立大(彦根市)、滋賀短期大(大津市)、滋賀文教短期大(長浜市)、成安造形大(大津市)、聖泉大(彦根市)、長浜バイオ大(長浜市)、びわこ学院大(東近江市)、びわこ成蹊スポーツ大(大津市)、放送大滋賀学習センター(大津市)、立命館大(草津市)、龍谷大(大津市) "[he-forum 15082] 朝日新聞3/1 朝日新聞2010年3月1日付 玉川学園創立80周年記念シンポジウムより これからの大学教育のありかた  これまで、このコラムは各大学の実践的な教育や公共性を意識した取り組みを紹介してきた。大学関係者に取材すると、「大学取れたて便」のことをきかれることも多く、一定の評価が定着すると同時に大学関係者のこのコラムへの関心も高いことがうかがえる。その根底には、教育の質向上や大学教員の実践力、社会や職業との関係の強化を求めることが大学に迫られている事情がある。  今回は、玉川大学が2月27日、東京都内で開いた「大学の使命と責任『これから大学教育のありかた』」について報告する。     ◇  天野郁夫・東大名誉教授の基調講演「大学の教育改革と質保証」、金子元久・東大教授の「高等普通教育の可能性」、加藤かおり・新潟大学准教授の「学習者中心の理念と戦略としての質保証」、さらに菊池重雄・玉川大学教授のコーディネーターによる3氏のパネルディスカッションがあり、新たな大学教育の視点と展開の可能性を示唆するものとなった。  まず、いまの、とりわけ私大の事情を象徴する言葉が、小原芳明学長のあいさつのなかで出てきた。「昔、裏口入学がはやったが、いまは進学率が上がり、表から入るようになってきた。大都市圏以外では学生確保が難しい。大学は経営を考えると学生を入学させざるをえない。入学した学生は大卒という身分をもって出るので、大学の責任が問われなければならない」。受験地獄や浪人と同じように裏口入学という言葉も死語となりつつある。2人に1人は大学に行くような時代だと、裏口から不正で無理に入らなくても正門から入れるようになったという趣旨だが、いまの進学状況と大学経営をユーモアたっぷりに描いた言葉だった。  次に、天野氏が冒頭、80周年の玉川大学について、「幼稚園から大学院までもっている学校は世界的にみてもユニーク。特徴は全人教育」とふれたあと、大学教育の構造的な変化として3つの観点をあげた。「教育」「職業」「学問」の分野で伝統的な秩序が崩れているという指摘だった。「教育」では、かつては5教科7科目を中心に教えてきた高校教育が多様化しすぎたことや、大学入試も推薦やAO入試が増えて学力維持装置としての役割が果たせなくなっている状況を説いた。さらに、大学設置の規制緩和が進んだこともあって供給過剰になっていることをあげた。「職業」については、大学教育と企業との対応関係がみえにくくなっていることや採用試験が前倒しになり専門的な学問としての重要性がうすれはじめ、混乱しているというものだ。また、「学問」では、学問は知識の創造、統合、伝達、応用の4つの機能があるとおさえた。そのうえで、学問全体が細分化され境界があいまいになってきて融合している状態が進み、かつての学問体系はもはや崩壊していることを指摘した。この4つの機能をいまの時代、十分果たすことができるかが試されていると述べた。これらを搭u桷C泙┐振軌蕕亮訴歉擇・瓩瓩蕕譴討い襪・・渓郢瓩呂箸・忙簑腓両豺腓篭軌蕕離廛蹈札垢旅獣曚・・廚箸靴椴鮖謀・癖發澆鮠匆陲靴拭・気蕕法峩軌蕾・廚療慘呂盪箜悗・蕕・④拭F・邁・廚筌⑤礇螢・軌蕁⊃靴靴こ愽瑤盪箜悗・茲蠧・譴拭・靴・掘△修里覆・播租・・紛軌蕕鯡技襪靴討④紳μ未發△襪里任呂覆い・廚隼愿Δ靴拭  最後に、教育の再構築の視点として、いくつかのテーマをあげた。「新しいディシプリンの構築」「学力対応、学力を形成するためのカリキュラムの見直し」「学士課程教育を高等普通教育として、学部は何をするのか問い直す」「知識・学問を通して何を教えるのか、教員の知識統合能力の育成」「日本が培ってきた教育の小道具の活用、卒業論文やゼミ、研究室など」「キャンパスライフに必要なサークルやクラブ、アメニティなど教育と学生支援の充実」「教育の質保証の主体が教員集団であること、大学、個人としての自己評価を自立的に進めることが必要」などである。  また、金子氏は、大学での教育を「高等普通教育」と意義づけることの必要性を訴えた。とくに、新しい大学教育の理念については、基本的な課題として、学生の志望や成長段階、学問領域、大学と仕事の対応など多様なニーズに対応できること、また職業やキャリアの多様化のなかで力を出す基礎能力をあげた。次いで、基本的な軸となるのが、動機づけ→学習・深い経験→新しい興味というサイクルと、その過程で成長やコンピテンスの獲得だと強調した。今後の改革の戦略として、単一的なモデルはなく経験的多元的に形成されることを踏まえ、学生の学習過程を体系的にモニターして授業にフィードバックすること、さらに大学間の比較や大学独自のモデル形成が重要になり、それを後押しする制度などのメカニズムの必要性を訴えた。  加藤氏は、大学教育の質保証の取り組みとして英国を中心とする欧州の考え方を紹介した。その理念の中心にあるのが「学習者中心」で、学生が自律的な学習者となること、自ら知のオーナーとなり、プロデューサーとなることを支援する教育を意味するという。この理念のもとにさまざまな質保証の道具が使われていることを細かく説明した。最後に、日本での質保証の提案として、学習者の視点での再検討し、学生の学習習慣を変えて教育に巻き込むことをあげた。さらに、学習者中心型に対応できるよう、新任教員研修プログラムをFDや議論のなかでつくっていくよう求めた。そのために教職員とマネジメントそれぞれの集団で責任を明確化する必要があると提案した。  パネルディスカッションでは、さまざまな議論があったが、とくに印象深かったのは高等普通教育のテーマだった。金子氏は「高等普通教育はリベラルアーツというものではなく、職業教育も入っていい。深い体験に誘導されるプロセスがあり、それに基づき学ぶスタイルが求められる。国際競争力や職業教育にも結びつく」と深めた。それを受けて天野氏は、高等普通教育という言葉は明治初期からあったことを紹介したうえで、新制大学ができたあとの一般教育、教養部の解体と、普通教育とは対峙する関係にある専門教育の歩みを述べた。高等普通教育も型どおりであるはずもなく、事例として「法科大学院ができたあとの法学部は何をするのか。法学とは何か。法学をメジャーにした教養かもしれない」と話した。さらに、加藤氏は「学生が何の授業か自分で確認する。自分の評価を繰り返すことによって学習が始まる。『ふりかえる』ことがキーワード」と述べた。  大学教育の質保証はさまざまなレベルで語られてきたが、「高等普通教育」という言葉を手がかりに、それぞれの大学で教育内容や教え方、学びを深めることが今後増えるかもしれない。質保証を考えるうえで、「高等普通教育」は重要な視点になると考えた。 "[he-forum 15083] 山形新聞3/1 山形新聞2010年3月1日付 山形大医学部に寄付講座を開設 県が新年度、医師不足対策を強化  深刻な医師不足対策として県は新年度、山形大医学部に寄付講座「地域医療システム学講座(仮称)」の開設に向け、準備を進めている。医師の県内定着を図る仕組みづくりなどを研究してもらう。新たに拡充する医学生向けの奨学金制度と併せ、大学と連携した取り組みを強化する。  県によると、講座の主な研究テーマは「医師が循環するシステム構築」。都市部に対し、地方に医師を引きつけるには、日進月歩で進歩する医療・医学の技術や知識を身に付け、キャリアアップできる環境の整備が重要という。医師の配置に当たり、地域医療の現場と、高度医療を学ぶ医学部とを「循環」して勤務できるようなプログラムを研究、提示してもらう。  産婦人科や小児科、救急など、医師不足がとりわけ指摘される特定診療科への対応も重要テーマの一つ。これら診療科の専門医を養成するため、山大医学部が設けている専修コースの成果検証などを進めてもらう。  教員の給与などの運営費を県が寄付する形で、新年度は約6000万円。また、医学生を対象にした修学資金の貸与制度も改善し、5~6年生や後期研修医向けに、県内での勤務義務の期間を短縮したプランを新設する。ほかに、所得要件を廃止し、貸与額もアップする。いずれも開会中の県議会2月定例会に提案中で、これらを新年度の医師確保対策費は2億8900万円。  地域医療に関する自治体の寄付講座は、医師不足と医学部の定員増を背景に近年、設置の動きが広がっている。「医師確保に、ありとあらゆる手を打たなくてはならない」という県は「医師のキャリア形成も大事にするという山形県の理念を示し、医学部と連携して成果につなげたい」と期待を寄せている。 "[he-forum 15084] 朝日新聞3/1(2) 朝日新聞2010年3月1日付 奨学金、給付型導入なし 政権交代後も拡充は有利子貸与のみ  大学生の学業を支援する奨学金。国の新年度予算案では教育費負担軽減策として、その充実がうたわれ、1兆円超の事業費が盛り込まれた。だが、拡充されたのは主に利子がある貸与分。返還不要の給付型の導入を望んでいた関係者からは失望の声も出ている。高等教育を社会でどう支えるべきかという本質的議論は、政権交代後も盛り上がりを見せない。 ■滞納増え、回収強化  「進学機会を奪わないで!」「お金の心配なく学びたい」。2月20日、東京・渋谷駅前。学生らが次々とマイクを握り、日本学生支援機構が進める奨学金回収強化策の撤回を求めた。  日本の公的奨学金事業を担う機構は、増え続ける滞納対策として、4月から、滞納者情報を個人信用情報機関に通報する制度を始める。通報された者は銀行ローンを組めなくなったり、クレジットカードを作れなくなったりするなど、生活に大きな支障が出る可能性がある。  都内のコンピューター関連派遣会社で働く男性(32)は、私大大学院の2年間で機構から400万円を借りた。卒業後8年間は返せたが、うつ病で休職。会社の業績も悪化し減給され、返還が滞った。年収は270万円、うち100万円は家賃で消える。「生活で精いっぱい。働き始めた時は、こんなことになるとは思いもしなかった」。滞納額は利子も含め約430万円。返還猶予を申請している。  機構の奨学金は貸与のみで、無利子と有利子の2種類。返還免除が受けられるのは大学院生の一部成績優秀者だけだ。貸し倒れの危険がある「リスク管理債権」に当たる3カ月以上の滞納額は昨年度末で2386億円と、3年前より522億円増えた。機構や文部科学省は「返還金は次の奨学金の原資に充てている。回収強化は必要」としており、昨年の行政刷新会議の事業仕分けでも「借金を踏み倒せば社会的制裁がある」などと厳しい声が飛んだ。  だが、滞納者を取り巻く状況は厳しい。昨年度の滞納理由は「低所得」の39.6%がトップで、「親の債務返済」も36.4%。6カ月以上の滞納者の84%は年収300万円に達しない。日本学生支援機構労組の岡村稔書記次長は「返したくても返せない人がいることがどれだけ認識されているのか。借りることに不安を感じて進学をあきらめる生徒もおり、本来の奨学機能が半減する」と危機感を抱く。  有利子枠だけを拡大してきたことを問題視する声も多い。そもそも有利子型は、根幹の無利子型を補う措置だったが、08年度の貸与実績は無利子型が34万8千人、2479億円に対し、有利子型は76万2千人、6446億円。無利子型は10年前からほぼ横ばいだが、有利子型は人数で約7倍、額で10倍に増えている。背景には、独立法人化や小泉改革で、収益性など民間の発想が重視されたことがある。  結果、機構の奨学金は望めば、有利子型ならほとんど利用できるようになった。学部生でみると、現在は3分の1が貸与を受けている。入学後から上限の金利3%で月12万円借りた場合、卒業時には800万円近い借金を背負うことになる。 ■日本の家計負担、突出  新年度予算案の奨学金事業は118万人分、1兆55億円と、前年度より580億円増えた。ただ、過去に増やした貸与者が進級し継続して借りるための措置分が大半で、実質上は拡充とは言えない。政府の拠出分は前年度と同額で、予算の大部分は財政投融資資金が占める。貸与者は3万5千人増えるが、うち3万人がやはり有利子枠だ。  日本の高等教育への公的支援の貧弱さはかねて指摘されてきた。経済協力開発機構(OECD)の報告では、公的支出は国内総生産比で0.5%と加盟国中最低(06年)。逆に家計負担は51.4%と突出して重い。学費は高騰の一途で、この35年間に消費者物価指数は2倍弱なのに、授業料は私大で約5倍、国立大では15倍にアップしている。  大学進学率は50%を超えたが、東京大の大学経営・政策研究センターが05、06年に全国の高校生を対象にした調査によると、年収200万円以下の家庭では28%。昨年度の大学中退者の15.6%は経済的理由だった。導入の声が高まる給付型奨学金は各大学や民間に委ねられており、広がりはまだまだだ。  民主党は昨年、総選挙前の政策集で、徐々に高等教育無償化を進めるとともに、奨学金制度を大幅に改め、給付型制度を検討するとしていた。今回の新年度予算案に、支援機構労組の岡村書記次長は「低所得の人間ほど借金がかさみ、学ぶ権利から遠くなっている。猶予はない。政権交代に期待していたのだが……」と落胆を隠さない。  文科省学生・留学生課は「高等教育の公的負担をどうするかは、奨学金に限らず幅広い議論が必要だ。ただ、現在の制度と限られた予算では、一時的な負担軽減策であっても貸与枠を拡充する努力をせざるを得ない」としている。(石川智也) ■矢野眞和・昭和女子大教授に聞く  教育費の観点から政策提言してきた矢野眞和・昭和女子大教授に公的負担の問題について聞いた。  ――奨学金滞納が問題になっています。  正規雇用と年功賃金が崩れ、就職すらままならないのにどうやって返すのか。それを若者のモラル低下のように言うのは、恵まれた経済成長時代に奨学金を返した古い世代の誤った考えだ。今の公的奨学金制度はまさに親子ローンで、貧しさが相続されるだけ。「奨学金」の名に値しない。  ――日本の高等教育費の家計負担は極めて重い。  社会のための大学という合意が戦後に消え、高等教育は自己投資で受益者負担が原則との考えが進んだ。子の教育は親の責任という家族主義が進学熱を高めたが、この日本的な親負担主義は限界に来ている。大学の数がそもそも多すぎるという人がいるが、進学率50%は世界的に見て特別高いわけではない。半分という数字は、実は中間層が分断されているということ。経済的理由で進学できない中流層が増えれば、結局は社会の底上げを損ない、現代の知識集約型産業構造に対応できなくなる。  ――欧米では給付型奨学金が充実し、フランスやドイツの国立大は学費が原則無償です。  すべて公費で賄うのは無理でも、日本はあまりに公私の費用バランスが悪い。高校無償化もいいが、大学の学費との落差が大きすぎることの方が問題だ。  ――政権交代したが、高等教育予算は伸びませんでした。  奨学金制度をいじるだけでは教育の機会均等実現は無理。結局、限られた資源の全体配分をどう変えるかの政策論の問題だ。そのためには、社会として大学に何を求め、どう支えるかの本質的議論が必要。落第のない高い卒業率や新卒就職主義など日本独特の大学文化や雇用システムも含めトータルに見直し、グランドデザインを描かなければならない。制度論に終始し政策論に踏み込まないのなら、政権交代の意味はない。     ◇ 〈キーワード〉日本学生支援機構  日本育英会や日本国際教育協会など5団体の事業と文科省の一部業務を引き継ぎ、2004年に設立された独立行政法人。それぞれが個別に行ってきた奨学金貸与、留学生交流などの学生支援事業を総合的に実施する。文科省所管。 "[he-forum 15085] 毎日新聞3/2 毎日新聞2010年3月2日付 科学技術予算:編成過程、様変わり 総合科学技術会議の存在大きく  日本の科学技術政策が転換期を迎えている。その象徴が、司令塔となる総合科学技術会議(議長・鳩山由紀夫首相)の改革だ。昨秋の政権交代以後、会議の運営が大幅に変わり、新政権全体の改革案を試行する役割も担うようになった。「事業仕分け」で注目を集めた科学技術予算も、編成プロセスの大幅改変が進行中だ。【奥野敦史】  「予算編成のあり方を変える画期的な話だ」。2月3日、総合科学技術会議本会議を鳩山首相はそう締めくくった。「画期的」とは同会議が策定を進める「科学・技術重要施策アクション・プラン(AP)」のことを指す。  ◆限られていた影響力  政策の中身は予算の配分で決まる。次年度の予算は通常8月に各省庁が財務省に概算要求を提出。同省の査定を経て、年末に政府原案が作られ、年明けの通常国会に提出される。その中で、科学技術予算は同会議が科学者の視点で編成に関与するのが大きな特徴だ。  しかし、これまでの自民党政権では、実際の影響力は限られていた。同会議は従来、1月に「科学技術政策上の当面の重要課題」、6月に「資源配分方針」を策定してきた。どんな事業に予算をつけるかを示すものだが、いずれも同会議が単独で作り、予算を組む省庁との連携はなし。秋には概算要求を事後評価する「優先度判定」を行うが、要求の各項目をランク付けするだけで、同会議独自の政策提案は望むべくもなかった。  ◆概算要求に先回り  この「受け身」のスタンスを逆転し、科学技術予算編成の主導権を同会議に移す取り組みがAPだ。具体的には、各省庁が概算要求を仕込み始める春~初夏に、それに先回りして「取り組むべき政策」を示す。「予算を増額したい政策」を名指しして予算確保を求めたり、省庁間で重複する政策の排除も行う。  作成には各省庁も参加し、概算要求はAPに沿って作る。11年度予算のAPは、環境、健康関連の課題解決型研究と競争的資金制度改革の3点に絞って作成中だ。  AP新設の背景を、科学技術担当の津村啓介内閣府政務官は「(科学者、産業界代表からなる)有識者議員から『専門家として科学技術予算に責任を持つ立場なのに、編成に関与できていない』との不満、問題提起があった」と説明する。有識者議員の相澤益男・元東京工大学長は「政権交代以降、政務官と有識者議員の情報交換が急増し、議論を政策として実現する道筋ができた。APはその成果」と評価する。  ◆財務省も協力要請  予算編成への関与の強化につれ、心配されたのは財務省の反応だ。1月、同会議は財務省の大串博志政務官と担当主計官を呼び、初の意見交換を行った。  「各省から要求が出た後にゼロにするのは難しい。要求の段階から総合科学技術会議を含む皆で議論したい」「重点テーマに各省が同じような予算要求をする。順位付けなどに知恵を貸してほしい」。財務省から出たのは意外にも同会議の協力を求める声。議員からは「画期的な情報交換」との声が出た。  APが示した省庁横断、重複排除、トップダウン型の予算編成は、民主党政権が昨秋打ち出した「予算編成改革」の柱でもある。元々、省庁横断型で「各省より一段高い立場」(同会議ウェブサイト)にある同会議は、改革のモデルケースとして絶好の舞台なのだ。この取り組みの成否は、政権全体の改革の行方を占うとも言える。 "[he-forum 15086] 河北新報3/2 河北新報2010年3月2日付 育児支援へ院内保育所 東北大病院開設  東北大病院(仙台市青葉区)は1日、医師らの育児と仕事の両立支援を図る院内保育所「星の子保育園」を開設した。病院や隣接の大学院医学系研究科などに所属する医師らの乳幼児が利用対象で、4月までに14人が入園する予定。  星の子保育園は認可外の事業所内保育所で、旧西病棟1階の約230平方メートルを改修して設置。保育室3室を備え、定員は0~6歳児の25人。保育士7人が勤務し、午前7時半~午後6時半の基本保育のほか、保護者の宿直勤務に対応して終夜保育も予約制で行う。  看護師や事務スタッフなど全教職員が利用できる。医師確保策の一環として原則、定員の5割まで医師を優先。4月までに入園予定の14人のうち、8人は医師の利用。  同日行われた開所式では、里見進院長が「若い医師らのための環境づくりを一歩前進させることができた。今後もさまざまな取り組みを重ね、職員に優しい病院を目指す」と話した。  1歳2カ月の長女を入園させた看護師の女性(30)は「4月から職場復帰する。送り迎えも楽で、近くで働けるため安心だ」と語った。東北では、山形大病院と弘前大病院が院内保育所を設置している。 "[he-forum 15087] 時事通信3/1 時事通信2010年3月1日18時41分 法科大学院の改革に着手=司法試験合格数、目標修正も-法務、文科両省  法務、文部科学両省は1日午後、法曹養成制度に関する副大臣級の作業部会の初会合を法務省内で開き、法科大学院の教育レベル向上のための改善策の検討に着手した。司法試験合格者が年間3000人の目標に届いていない現状を踏まえ、目標人数の見直しについても議論する方針で、今年夏ごろに結論をまとめる予定だ。  加藤公一法務副大臣は会合後、記者団に対し、「ただ人数を増やせばいいというわけではない。どういう改善をすればふさわしい人材を養成できるかという議論と、(人数)目標自体を変えるべきだという議論と両面ある」と述べ、合格者のレベルを維持する前提で見直しを進めていく考えを示した。両省は今後、作業部会を月2回程度開催し、法科大学院関係者から意見を聴取する。 "[he-forum 15088] 毎日新聞大阪2/28 毎日新聞大阪版2010年2月28日付 府立大:改革問題を考えるシンポ、150人が参加  府立大学(堺市中区)で27日、「府立大問題を考えるシンポジウム」が開かれ、約150人が参加した。橋下徹知事の意向を受けて理系特化の再編を進める大学改革について、津戸正広・経済学部長ら大学関係者や高校教員が意見を交わした。  卒業生らでつくる「考える会」の主催。津戸学部長は「今回志願者倍率が下がった。全国的に工学部の人気が高まっているが府大の工学部は落ちた」と今回の入試状況を説明。「改革の中でいかに文系を発展し維持するかが重要だ」と訴えた。  また望月彰・人間社会学部教授は「拙速な改革案。議論を尽くすべきだ」と批判。地元府立高校の教諭は「生徒が一番魅力を感じるのは総合大学。(教育の成果が出るのは)時間がかかる。効率だけで判断するのはおかしい」と指摘した。【稲垣淳】 "[he-forum 15089] 国立大学協会第18回通常総会への要望書 国立大学協会第18回通常総会への要望書                          2010年3月2日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 内閣府による市場化テスト導入の策動や、文部科学省による欺瞞的ともいえる 国立大学法人化の検証、さらには「独立行政法人の抜本的な見直し」の動きな ど、第2期中期目標期間を目前にして国立大学は流動的かつ危機的な状況に置 かれている。3月3日に開催される国立大学協会第18回通常総会において、この 重大な局面に対する国立大学全体としての姿勢を明らかにすることは、国立大 学の将来に責任を負う組織として重要な責務であると言えよう。本事務局は、 以下の二項目を本総会に対して要望する。 要望事項 1.大学への市場化テスト導入反対の意思表示を本総会において行うこと 2.「国立大学法人法(独立行政法人通則法)による法人化」自体の検証を行 うこと 説明 1.大学への市場化テスト導入反対の意思表示を本総会において行うこと 2010年1月19日、内閣府官民競争入札等監理委員会(以下、監理委員会)事務 局と内閣府公共サービス改革推進室は、それぞれの参事官の連名で各国立大学 財務担当理事あてという異例の方法で「国立大学法人における公共サービスの 改革状況に関する調査について」という依頼文書を送付し、国立大学への市場 化テスト導入への策動を開始した。その根拠となっているものは、小泉構造改 革の一環として2006年に行政改革推進法とともに制定された市場化テスト法( 官民競争入札導入法)である。この市場化テスト法こそ公共サービス部門を解 体して利潤追求対象に変え、同部門に従事している職員の解雇を可能とする悪 法であった。しかるに新政権は市場化テスト法を国の機関、独立行政法人、そ して国立大学へも適用させるために、6月までに改革対象事業の選定と公共サ ービス改革基本方針をとりまとめるとしている。市場化テスト導入は、以下の ように国立大学の解体を推し進めるものである。 第1に、経費削減の名の下に支援・サービス領域が教育研究業務から切り離さ れ、利潤追求対象とされることによって大学業務の一体性に楔が打ち込まれる 。「テスト」を装ってはいるものの、一度切り離された領域の本体復帰はほと んど不可能であることに留意しなければならない。 第2に、ひとたび内閣府によって対象業務に指定されるならば、市場化テスト 法の構造からして全国立大学へ一律適用の危険性がある。しかも市場化テスト は監理委員会にコントロールされるので、各国立大学の業務へ国家が容易に介 入できる道が開かれることになろう。 第3に、市場化テスト導入部門の職員は定員の枠内で他部門へ配転させられる か、解雇されることになる。これは大学職員の専門性を著しく蹂躙し、教育研 究活動の推進に深刻な困難を生み出す。加えて、職員の雇用保証を奪うことは 明白である。     このように危険な内実をもつ市場化テスト導入への急速な動きに対して、国立 大学図書館協会は2月8日に臨時理事会を開催し、市場化テストに道を開く包 括的・複数年度民間委託への批判的視点をはっきりと確認している。本総会が 、大学業務を市場化テスト対象とさせないことを全国立大学の総意として確認 し、そのことを社会に対して明確に意思表示しておくことが極めて重要である と考える。 2.「国立大学法人法(独立行政法人通則法)による法人化」自体の検証を行 うこと この間の中期目標策定の過程は、国立大学法人に実質的な中期目標の原案策定 権を与えている国立大学法人法(第30条3)すら踏みにじるものであった。文 部科学省が第2期中期目標期間を大学の「機能別分化」を促進する期間にする と位置付ける中、130頁に及ぶ原案の書き換えが行われたという事実は、第1期 中期目標の原案の書き換えがわずか数ページであったことを思えば、国立大学 法人の中期目標に対する文部科学省の権力的統制が質・量とも驚くべき強化・ 拡大を遂げたことを如実に示している。 新政権の下で行われた昨2009年の「事業仕分け」は、運営費交付金の削減のみ ならず、「国立大学のあり方を含めて見直しを行う」とした。12月25日には、 「全ての独立行政法人の全ての事務・事業について、聖域無く厳格な見直し」 「見直しの結果、独立行政法人の廃止、民営化、移管等を行う」ことが閣議決 定された(「独立行政法人の抜本的な見直しについて」)。この方針を受けて 、国立大学法人評価委員会はさっそく、「国立大学法人化の検証」に着手する ことを決めた(2010年1月20日、第32回総会)。しかしながら、この間、大学 評価機関としての独立性を完全に喪失し、文部科学省の“分身”としての行動 に終始する国立大学法人評価委員会にまっとうな検証作業を期待することはで きない。せいぜい、「法人化により予算の使途や組織編成の自由度が高まった にもかかわらず、運営費交付金の削減など財政上の問題からそれらメリットを 十分発揮できていない」といった作文を書く程度のことが関の山だと思われる 。 われわれもまた、国立大学法人化の根本的な検証が必要だと考える。ただし、 それは国立大学法人法(独立行政法人通則法の準用部を含む)の下で行われて きた政府の違法行為、国会附帯決議違反、国会答弁や評価委員会の決定を無視 する不誠実な対応の数々を含めて、国立大学法人化自体の是非を問い直す作業 が必要だと考える。この作業を行うことは国立大学が国民に対して果たすべき 責任である。 本事務局は、本総会に対して、国立大学協会として、「国立大学法人法(独立 行政法人通則法)による法人化」自体の検証を行うことを求める。検証に際し ては、特に以下の二点に留意することを併せて要望する。 1)憲法、および国立大学法人法制定過程における国会附帯決議および政府答 弁、国立大学法人法、国立大学法人評価委員会の諸決定等に違反する行為がな いかも含めて、実証的・総合的に行うこと 2)国立大学法人の一般教職員(非正規雇用者も含める)や学生等、大学構成 員の意見も反映させること 以上 "[he-forum 15090] 沖縄タイムス3/3 沖縄タイムス2010年3月3日付 機構の効率的運営要求 大学院大整備 予算超過受け分科会提言 専任事務局長配置も 【東京】政府の独立行政法人評価委員会の沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)分科会は2日、OISTが2009年度の沖縄科学技術大学院大学研究室整備事業で当初予算を約40億円超過していた問題について、専任の事務局長の配置などによる効率的な組織運営を求める提言を前原誠司沖縄担当相に報告した。前原氏は「機構には責任を明確に示し、提言に沿った改革を実施するよう指示した。内閣府も厳格なフォローアップをしていく」とのコメントを発表した。  OISTは提言に基づく内部体制の見直しを図り、同分科会が今年夏、改善点を含めた09年度実績を評価する。  OISTは09年の施設整備費として実施設計段階で約138億円を見積もっていたが、研究者側が研究環境の充実を要求したこと受け、工事中に施設の仕様を変更し、最終的に当初予算を40億円超過。不足分は国からの運営交付金や整備補助金全体の節減で対応した。  分科会は不正な目的での意図的な超過ではないとしつつ、予算管理と研究の担当者の意思疎通が不十分だったと指摘。理事が事務局長を兼任する現在の体制から、専門的な経営の知識を持つ人材を専任の事務局長として配置することを提言した。同時に、研究側と経営側の実務者で情報交換を緊密にするルールの確立、経営の効率化を目的とした事務事業のシステム化を求めた。  OISTのロバート・バックマン理事は「指摘されたポイントを理解し、将来を見据えた運営を目指したい」と述べた。  また、09年7月の参院沖縄北方特別委員会で組織内でパワーハラスメントの疑いがあることを指摘されたことを受け、OISTは組織内と法律事務所の両方に通報窓口を設置したことを報告した。 "[he-forum 15091] 東京新聞3/2 東京新聞2010年3月2日付 研究の無駄削減 若手が提言  行政刷新会議の事業仕分けで厳しい視線が注がれた科学技術予算。若手研究者らグループが、現在の研究体制には無駄を生む構造があると認めた上で「より効率的で合理的な研究システムをつくろう」との提言をまとめた。反省を踏まえて無駄削減の具体策を盛り込んだ内容で、総合科学技術会議の専門調査会でも取り上げられるなど反響を呼んでいる。  提言は、神経科学や脳科学の研究者を対象にした会員制交流サイト「神経科学者SNS」の有志がまとめた。昨年秋の事業仕分けを機にネット上で議論が白熱。科学技術研究の問題点を明らかにしようとアンケートをしたところ、約百七十人から回答があった。  一年間で区切る現行の「単年度予算」が無駄を生む原因で、複数年度予算の導入が必要と答えたのは94%。大学や研究機関には無駄な事務手続きや書類作成が多いと感じているのは97%に上った。  予算を翌年度に繰り越す制度はあるが、認められないケースもあり、利用は進んでいないのが実態という。年度末には「研究費を使い切るよう事務から指導がくる」「不要な物や高額な分析機器などを購入することも多い」といった声が寄せられた。  解決策としては、三~五年程度の複数年度予算とする案のほか、余った研究費を国に返すことによってメリットが得られる評価制度の導入などを挙げた。「研究費が潤沢な研究室では最先端の機器を頻繁に買い替えるケースがある」とし、中古機器のオークションなど再活用の仕組みを検討するべきだとした。  事業仕分けについては、無駄とされた対象が適切でないとした上で「大学や研究機関の在り方や研究費配分の過程に無駄はないかという根本的な問い掛けがなされた」と評価。「研究の意義を日ごろから政治家や国民に説明することの重要性を痛感した」とし、ベテランから若手も含めた多くの研究者が知恵を集め、科学技術政策に反映させられる仕組みが必要と訴えている。  世話人の宮川剛・藤田保健衛生大教授は「米国科学振興協会のように、高名な学者だけでなく誰でも参加できる分野横断的な研究者組織が日本にも必要だ」と話している。  一方、このような分野横断的な研究者組織を発足させようとの動きも出てきている。若手の研究者らでつくる「サイエンス・サポート・アソシエーション」(任意団体)は七日、都内で初の研究会を開く。科学技術政策の在り方などを議論し、将来的には分野横断的な研究者組織につなげることを目指すという。 "[he-forum 15092] 琉球新報33/3 琉球新報2010年3月3日付 沖縄科学技術大学院大学 大学院大学、専任事務局長を配置 組織変更対策で見解 【東京】内閣府独立行政法人評価委員会の第16回沖縄科学技術研究基盤整備機構分科会が2日、内閣府であった。大学院大学の第1研究棟と管理棟の施設整備費が当初予算額138億円から40億円超過していた問題で、委員会は事務事項を総括的に担当する専任の事務局長を配置するなど抜本的な組織構造の変更などの対策を取ることや、2012年度開学に向け着実に施設整備を行うことを求める見解をまとめた。  2日、前原誠司沖縄担当相に提案した。前原沖縄相は「沖縄振興策の柱の一つとなる重要なプロジェクトだ。内閣府としても機構が適切な管理運営体制を構築するよう、厳格なフォローアップをしたい」などとコメントした。  機構の報告によると、施設整備に関し業者との契約締結後、主任研究者からの要望で大幅に設計を変更したことで予算が超過した。委員会の見解によると理事が事務局長を兼任していたため、「研究」と「事務」の両部門の連携がうまくいかなかったことなどが要因とした。  さらに機構は職員1人を「懲戒の対象となる行為が認められた」として、2日までに処分したことを報告した。09年7月1日、参院沖縄北方特別委員会で委員から「(ある職員が)複数の職員に対し、解雇する、と言動した。人事担当者は解雇された。パワーハラスメントがあるという話もある」との指摘を受け外部機関が調査していた。機構は指摘の事実の存否や「懲戒の対象となる行為」の詳細、処分内容は明らかにしていない。 "[he-forum 15093] 山形新聞3/3 山形新聞2010年3月3日付 山形大大学歌の歌詞決まる 13日の創立60周年式典で演奏  創立60周年を記念し、新たに大学歌を制定するため、一般から歌詞を募集していた山形大は2日、選考結果を発表した。最優秀に輝いたのは、同大地域教育文化学部地域教育学科4年の石先麻美さん(22)と難波千鶴さん(22)の共同作品。現在、作曲を依頼しており、13日に行われる記念式典で演奏される。  石先さんと難波さんの作品は、山形の四季をイメージした構成。希望に満ちた若々しいきらめきや、人と人とのつながり、寒さの中で絶え間なく流れる最上川などのイメージを歌詞に込めた。2人とも国語科で、歌詞は相談しながら1カ月ほど検討したという。受賞に石先さんは「作詞は初めての経験で信じられない」、難波さんは「いい思い出づくりができればと思って応募した。本当にうれしい」と顔をほころばせた。賞金は新生活の準備や貯金に充てるという。  作曲は本県出身で、倖田來未さんやEvery Little Thingなどの楽曲を手掛けている大谷靖夫さん(エイベックス・エンタテイメント)に依頼。13日は完成した大学歌が披露されるほか、最優秀の2人や優秀の太田美喜子さん(仙台市)、佐藤麻里絵さん(山形市)が表彰される。  同大には、学生歌「みどり樹に」やイメージソングなどはあるが、大学歌は制定されていなかった。大学歌制定は全学規模の同窓組織・山形大校友会(会長=相馬健一山形新聞・山形放送相談役)が支援し、最優秀作品に100万円、優秀作品には20万円の賞金を贈ることにした。去年6月から10月にかけて募集した結果、全国から202作品の応募があり、大学教員や学生、山形交響楽団音楽監督の飯森範親さんらで構成する選考委員会で協議してきた。 "[he-forum 15094] 愛媛新聞3/5 愛媛新聞2010年3月5日付 愛媛大と松山大が教育・研究交流協定  愛媛大(柳沢康信学長)と松山大(森本三義学長)は5日、松山市道後樋又の愛媛大本部で教育・研究交流協定を締結した。学生・教職員の交流や文理融合型の共同研究を通じ、教育研究の高度化や社会貢献を図る。  両大学はこれまで、単位互換協定や教職員能力開発、自然科学分野での共同研究などを行ってきた。こうした実績を基に地域の「知の拠点」として、さらなる地域貢献や人材育成を目指す。  想定する交流は、文理融合または薬学を中心とした基礎・臨床分野の共同研究▽学生参加型の教育プログラム共同実施▽講演会・シンポジウムの共同実施▽国際貢献・国際交流の展開―など。事業支援として、両大学が数百万円ずつ出資しファンドを創設する。 "[he-forum 15095] 愛媛新聞3/4 愛媛新聞2010年3月4日付 愛媛大医学部 内子町が寄付講座開設  内子町は3日、2010年度一般会計当初予算案に、愛媛大医学部に寄付講座を開設するための寄付金2300万円を計上したことを明らかにした。研究のため同学部から内科医が済生会小田診療所に派遣されることになり、同診療所で診療も行う。  同町によると、講座は地域生活習慣病・内分泌学で、5年間設置。小田診療所をサブセンターとして同学部から週4回、複数の内科医が交代で派遣される。研究のほか診療支援も行うため、常勤医が1人となっている診療所の体制強化にもつながるという。  稲本隆寿町長は「小田地区は人口3千人を抱えており、複数の医師で診察できる体制ができることはありがたい」としている。 "[he-forum 15096] 共同通信3/5 共同通信2010年3月5日17時19分 論文不正で博士号取り消し 東京大のトルコ人助教  東京大は5日、学位授与のもとになった論文に盗用など重大な不正がみつかったとして、工学系研究科に所属するトルコ人のアニリール・セルカン助教(36)=休職中=の博士号を取り消したと発表した。本人も盗用を認めたという。  東京大によると、不正があったのはセルカン助教が2003年3月に工学博士号を取得する際に提出した、宇宙基地や宇宙ビジネスに関連する英語論文。全376ページのうち約4割に当たる計149ページで、文献やインターネットから文章や図表を盗用しているのが見つかった。  盗用文の一部を変えて自分のアイデアを記述したかのように偽装している悪質な例もあった。  セルカン助教は1999年に国費留学生として東京大に入学、博士号を得て2005年に助手(現・助教)となった。日本語による複数の著書があり、マスコミにもしばしば登場していた。 "[he-forum 15097] 北海道新聞3/6 北海道新聞2010年3月6日付 女性医師支援 3大学に復職相談員 道、新年度予算案に5400万円  道は新年度から、出産・育児で休業中の女性医師の復職を支援するため、北大と札医大に、復職の相談に乗るコーディネーターを配置する。各大学で復職までの研修プログラムも実施してもらう。既にこうした取り組みを独自に実施している旭医大には費用を補助する。新年度予算案に関連費用5400万円を計上した。  道保健福祉部によると、道内では出産・育児などのため数十人の女性医師が休業しているという。2009年の医師国家試験合格者の3分の1は女性で、復職支援策の充実は、将来の医師確保策としても重要と判断した。  コーディネーターは、復職できる病院探しも含め、多様な相談に乗る。女性医師が復職をためらう一因とされる医療技術の進歩の早さなどへの不安を解消するため、各大学には研修プログラムも考案、実施してもらう。例えば、復職の半年前から自宅で最新の医療技術などをビデオ学習したり、復職直前に病院で実務を学ぶなどの内容を想定している。  道内の医大では、旭医大が07年10月から「二輪草センター」を開設し、復職先の紹介などを行っている。道は「一人でも多く医師を確保できる仕組みをつくりたい」としている。 "[he-forum 15098] 読売新聞3/8 読売新聞2010年3月8日付 岡大病院 女性キャリア支援…3年で離職防止、復職37人 先輩の助言/短縮勤務/実践訓練 地域医療機関と連携拡大へ  女性医師や看護師の離職を防ぎ、復職支援も行う岡山大病院(岡山市北区)のプログラム「女性を生かすキャリア支援計画」が、今月末で3年間の取り組みを終える。離職をとどまったり、復職を果たしたりした“先輩”に、女性の現役医師や医学生がパソコン上で相談できる環境をつくり、加えて復職に向けた実践訓練や短縮勤務の整備なども進めてきた。その結果、37人が復職を果たすなどした。県医師会などでつくる外部評価委員も「同じ境遇の女性たちの連帯感や、やる気につながり、大きな成果」と評価している。2010年度からは、地域の医療機関との連携を深め、活動の幅を広げる。 (黒田聡子) マスカットウェブでの相談内容についてキャリアセンターのスタッフと話す片岡講師(右)(岡山大病院で) プログラムの代表を務める片岡仁美講師(37)によると、同大学医学部では、1996年度の卒業生までは女性の割合が約1割だったが、年々増え、03年度からは3割を超えている。子育て期にあたる大卒後5~15年に女性の働き手が減る「M字カーブ」は、医療界も同じで、同大学はこの現象をなくそうと、プログラムを作成した。  プログラムは、質の高い医療関係者の養成を目的にした文部科学省の07年度事業に採択され、スタート。院内10科の代表者でつくる「コア(核)メンバー会議」がアイデアを練り、同大学病院キャリアセンターが運営を担った。 ◇  活動の柱の一つが、結婚、出産を機に離職について悩んだり、復職について考えたりしている“後輩たち”に、復職を果たすなどした先輩医師が助言をするシステム「岡山MUSCAT(マスカット)」。学内外の女性の医師や学生計196人のほか、女性医師の夫や男性の医師、学生ら61人(いずれも2月15日現在)も参加した。  自宅で手軽に相談ができるようにと、パソコン上のサイト「岡山MUSCAT WEB(マスカットウェブ)」を設け、顔を合わせてのミーティングも、2か月に1度開いた。  女性たちは「勤務時間が長いうえに不規則。当直業務もこなしにくい」「職場の人数が少ないので、十分に働けないと、周囲に迷惑をかける」「一度、職場を離れると、技術や知識を取り戻すのが難しい」「子どもが病気になったら、対応に困る」などの悩みを打ち明けた。 ◇  これらの課題を解決しようという、活動のもう一つの柱が「MUSCAT WILL(マスカットウィル)」。離職について悩んだり、復職を考えたりしている女性向けに、自宅で緊急呼び出しに備える当番や当直から外し、勤務時間を▽週31時間▽週15・5時間以上30時間未満▽週15・5時間未満――から選べる制度をつくった。これを利用したのが37人(同日現在)で、離職をとどまったり、復職を果たしたりした。  こうした取り組みに関心のある学外の43医療機関でも、女性たちが復職を果たした。  挿管が難しい患者への気道確保など、緊急事態を想定し、医療用人形を使った1日数時間のトレーニングも実施、知識や技術への不安を取り除いてもらった。病院内に09年10月、病児保育ルームをつくり、子育て支援を始めてもいる。 ◇  09年末に、岡山大病院で行われた報告会で、森田潔・病院長は「日本では医学生の4割が女性で、今後は女性の医療関係者のレベルが日本の医療レベルを決める」と、活動の広がりに期待した。一方で、地域の医療関係者や弁護士らも加わる外部評価委員からは「男性や(検査技師など)院内の全職種も取り込み、公平性を担保できる取り組みにしてほしい」との声があがった。  片岡講師は「男性も含めて互いが支え合う職場になれば、患者にも、よりよい医療が提供できる」と話す。プログラムは、厚生労働省の10年度事業に採択されており、地域の医療機関との連携が求められることになる。メンバーらは「岡山大でできた女性支援の輪をさらに広げたい」と願っている。 "[he-forum 15099] 四国新聞3/7 四国新聞2010年3月7日付 地域との共生策探る/香川大創立60周年記念で講演会  香川大学(一井真比古学長)は6日、創立60周年を記念し、香川県高松市のサンポートホール高松で講演会を開催。参加した卒業生や地域住民ら約千人は、講師として招いたジャーナリスト・嶌信彦氏=写真=の講話などを通して大学と地域社会の共生などについて考えた。  講演に先立ち、一井学長が大学の歩みを振り返り、「文理バランスの良い総合大学に発展してきた。これからも地域とともに考え、活動する大学でありたい」とあいさつした。  講演のテーマは「これからの10年~居心地の良い地域と社会」。登壇した嶌氏は、観光や農業など日本の産業政策の課題を挙げ、「国内で埋もれた良い素材を発見することが重要。現代に合った感性を大切にして世界にアピールしていかなければならない」と強調した。  また、世界の工業都市と大学の関係を示し「大学と街は密接に結びついている。どういう街にしたいのかみんなで考え発展させていくことが必要」と話した。  同大は1949年、学芸、経済の2学部で発足。その後、農、法、工の3学部を設置、2003年には香川医科大と統合し、6学部を擁する総合大学へと発展した。 "[he-forum 15100] 東京新聞群馬3/6 東京新聞群馬版2010年3月6日付 群馬大 原子力機構と連携 研究、人材交流促進で協定  群馬大は五日、日本原子力研究開発機構(原子力機構)と、工学・医学系分野を中心とした研究や人材交流などに関する連携協定を締結した。両者は既に、同大に建設された重粒子線がん治療施設の基礎部分の研究などで協力関係を深めている。  協定では、「共同研究の推進」「技術交流を含む研究者の相互交流」「人材育成の推進」「研究施設の相互利用」-などで連携した活動を行うとしている。締結式では、群馬大の高田邦昭学長と、原子力機構の岡崎俊雄理事長が協定書に署名した。  同大は「医療技術の進歩などにつながる研究成果につなげたい。最先端の原子力研究を授業に活用することも学生にとってプラスになる」としている。 (中根政人) "[he-forum 15101] 朝日新聞3/8 朝日新聞2010年3月8日付 法科大学院見直し、大丈夫?  司法改革の理念通りに進まず、法科大学院を中心に見直しが焦点になっている法曹養成制度。関係者の利害対立で方向性が出せない現状を解消しようと、法務省と文部科学省の副大臣をトップにした見直しチームがようやく発足した。「政治主導」を演出しようとしたものの、主役の一人は欠席。権限や時間も限られており、解決への道筋がつけられるのか不安を感じさせるスタートになった。 ■法務・文科で認識に溝  法務省で今月1日、初会合があった「法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム(WT)」。集まったメンバーはいきなり肩すかしを食った。  両副大臣が顔をそろえて「政治主導」をアピールするはずだったが、文科の鈴木寛副大臣が国会審議の都合で急きょ欠席。もともと1月中に始める予定を両副大臣の日程をそろえるために延ばしていただけに、法務の加藤公一副大臣は「残念」と言うしかなかった。  2004年に開校した法科大学院は新たな法曹養成制度の中核。ところが、当初「7~8割」と想定された修了者の司法試験合格率は年々下がり、09年はついに3割を切った。合格者も2043人止まりで、「10年ごろに3千人」という政府目標の達成は絶望的な状況だ。  新制度がうまく機能していないことに誰も異論はない。だが、原因となると、「大学院のレベルが低い」という論調の法務省、法曹界と、「改革の理念に沿った司法試験になっていないことも一因」という文科省、法科大学院で認識が食い違う。  WTの目的は、こうした状況を解消するため、政策を主導できる両副大臣の下で、「どこに問題があり、何を変えればよいか『共通認識』を持つ」(法務省幹部)ことにある。  法曹養成制度は、目指す法曹の姿や法曹人口の議論と切り離せないが、加藤副大臣は「政府を挙げてやってきた改革をこの会合だけでひっくり返せない」と、あくまで「論点整理」の役割を強調。実際の見直し策は夏の参院選後に新たな枠組みで進める意向だ。  しかし、それさえも心もとない。WTに与えられた時間は6月ごろまで。会合は月1、2回開き、関係者のヒアリングもする予定だが、国会対応に追われる副大臣がどこまでかかわれるのか。メンバーに入る日本弁護士連合会は次期会長選が再投票になり、方針が定まらない。  来年には、法科大学院を経由しなくても司法試験の受験資格を得られる「予備試験」が始まる。「その合格者が多ければ、法科大学院の存在意義が薄れ、制度が崩壊しかねない」と法科大学院関係者は気をもむ。 ■養成全体「再検討を」  「次は法曹界の番だ」  「質の低下」批判を浴び、法科大学院の改革に取り組んできた文科省や中央教育審議会の側からは、WTをきっかけに「聖域」の司法試験に切り込むことを期待する声が高まっている。  両者は教育内容に問題のある大学院の存在を認め、各校に統合や定員削減、改善努力を強く促してきた。「試験主義への逆戻り」と批判されながらも推し進めたのは、合格率低迷で社会人などが進学を敬遠し、多様な人材を呼び込む司法改革の理念からかけ離れていく現実に危機感を持ったためだ。  それだけに、昨秋の司法試験合格発表を関係者は憤りとともに受け止めた。「大学院は理念に沿った改善努力をしているのに、なぜ計画通り合格者が増えないのか」。直後の中教審特別委員会では、司法試験を所管する法務省への不満が相次いだ。  だが、法務省と法曹三者の側は一歩も引く気はない。  司法試験の合格者は、司法試験委員会の下に置かれた約200人の考査委員が事実上、多数決で決めている。その半数は法科大学院の教員。法務省からすれば「合格者数は、大学院側も認めた結果」というわけだ。現状で「法曹の質」を保てると判断された合格者は年間2千人程度。「学校数も定員も今の半分程度で十分」という声さえある。  ただ、それは従来型の法曹像を前提にしているのも確かだ。ある中教審の委員は「新試験の合格者にどんな能力を要求するのか明確な合意がないまま制度が始まった。それが迷走の一因ではないか。改めて法曹養成全体を見直す必要がある」と指摘する。  司法制度改革論議に携わった法務省幹部も言う。「結局、社会の中で法曹が果たす役割と、そのための必要数というそもそも論に行き着くことになる」 ■「法曹需要は増大」…9年前の想定、現実と相違  法曹資格者を「国民の社会生活上の医師」と位置づけた司法制度改革審議会の意見書(2001年6月)はどんな理念と前提を描いていたのだろう。 今後の法的需要の増大を考えると、法曹人口の大幅な増加が急務  司法統計によると、全国の地裁で受けた最近の民事・行政の通常訴訟は06年まで年13万~15万件程度。07年、08年は増えたが、増加分の大半は一時的に急増した過払い金返還訴訟で、今後は減るとみられる。弁護士の受け皿として期待された企業や公務員への採用も伸びていない。  意見書は達成すべき法曹人口を「5万人規模」とし、そのため「年間3千人合格」の目標を掲げた。だが、日弁連の試算では、その通りに進めると法曹人口は18年に5万人を超え、54年に約13万人で均衡する。 裁判官、検察官を大幅に増員すべきだ  09年までの10年で弁護士は約1万人増えたのに、裁判官は約600人、検察官は約200人しか増えていない。合格者の9割を受け入れる弁護士会で就職難が起きている。 多様性拡大のため、法学部以外の出身者や社会人を一定割合以上、入学させる  7~8割の合格率により、社会人経験者らが集まると期待された。社会人や他学部出身者の入学割合は04年度はそれぞれ約48%、約35%だったが、今年度はいずれも25%強に落ち込んでいる。(延与光貞、石川智也) "[he-forum 15102] 中日新聞3/8 中日新聞2010年3月8日付 名工大、会議に電子ペーパー初導入  名古屋工業大(名古屋市昭和区)は、学内の会議で「電子ペーパー端末」を活用し、紙の資料の大幅な削減を目指すことを決めた。既に2月から一部の会議で取り入れており、2010年度から本格導入する。同大によると、電子ペーパー利用による「ペーパーレス化」は、全国の大学で初めてという。  電子ペーパーは、薄くて軽い端末の画面で情報を閲覧するシステム。近年、メーカーの開発競争が激化しており、名工大はブラザー工業(同市瑞穂区)が販売する業務用の電子ペーパー端末に着目。同社と共同で、会議に適したソフトの改良を進めてきた。  同大では、学内の情報を集約したホストコンピューターから、必要な情報を電子記録媒体(SDカード)を介して端末に出力し、会議で利用する。  端末は、画面がA5サイズで厚さ1・5センチ。1ページずつ表示でき、端末のボタン操作で好きなページを閲覧できる。端末の情報はSDカードを抜くと消えるため、情報漏えいも防げるという。  同大によると、08年度に学内で使われたコピー用紙は720万枚で、このうち会議用資料の紙は22万枚。同大は購入した端末80台により、会議の紙の9割カットを目指している。  松尾啓志・情報基盤センター長は「紙を節約すれば、製紙に使うエネルギーの削減や森林保護にも役立つ。鳩山由紀夫首相が掲げる温室効果ガス25%削減に呼応し、大学全体で排出削減につなげたい」と話している。 "[he-forum 15103] 国立大学からの物や技術の輸出規制問題 佐賀大学・理工の豊島です. 本日,所属の教授会に,大量破壊兵器など軍事転用可能な物や技術の輸 出規制に関する大学としての指針のようなものが提出されました.タイ トルは「佐賀大学における安全保障貿易管理体制の構築について」とい う文書で,著者名は記されていませんが,学内の研究協力部が作成した ものとのことです. 大学が軍事技術にコミットすること自体もちろん許されないことであ り,またそれに結びつくようなものが国外に流出することも避けるべき です.しかし提出された文書には,後半部分に「我が国の安全保障貿易 管理制度」という章で,欧米とそれ以外とに対する差別的な扱いが記さ れており,文脈的に本学もこれに準拠するかのような主旨になっていま す. そこで席上,私は,大量破壊兵器の最大の開発国,保有国であるアメリ カこそ輸出規制の最大の対象とすべきなのに,それを含む国を「ホワイ ト国」として逆に優遇するかのような「我が国」の政策に追従するので はなく,大学として独自の判断をし,政策を持つべきだ,というような 発言をしました. おそらくどこの国立大学でも同じような文書や指示が出される,あるい はこれからなされると思いますが,大学と軍事研究,軍事との関わりに ついての認識を深める良い機会だと思います.皆様の積極的な発言をお 願いします. 参考文書 「戦争のための科学に従わない声明」,日本学術会議,1950年 4月28日 http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/UniversityIssues/scjd1950.html 「決議三」,日本物理学会,1966年 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/jps/topics/ezawa50/gakushikai-7.html PAC3配備に関する久留米市長へのメッセージ,益川敏英,2010年 2月22日 http://stop-pac3.blog.ocn.ne.jp/blog/2010/02/post_164c.html 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 15104] 北海道新聞3/10 北海道新聞2010年3月10日付 地域医療教育で連携 道内5大学院 新年度から単位互換  札幌医大、小樽商大、室蘭工大、北海道医療大(石狩管内当別町)、千歳科学技術大の道内国公私立5大学は9日、2010年度から大学院修士課程の単位互換認定を行う協定に調印した。文部科学省によると、医療から経営まで全く異なる分野の大学間連携は全国的に珍しい。  医師、技術者から病院経営者まで地域医療に貢献する人材の育成が狙い。大学院の一部の授業を共通化、各大学の単位として認定、将来は共同大学院開設も視野に置いている。  近年、地域医療の現場で人材不足が深刻化する中、5大学は「医師や技術者、経営者は医療従事者が専門分野だけでなく、幅広い分野に精通する必要がある」として、地域医療を軸にした異分野の大学院連携を模索。  08年度に大学間連携を支援する文科省の「戦略的大学連携支援事業」に選ばれ、大学院の共通プログラム開設に向け、準備を進めてきた。  各大学は新年度、大学院修士課程の前期、後期で各1~2科目を他の4大学に開放、単位交換する。札医大は「基礎医学概論」、小樽商大が「地域医療経営の基礎論」、室蘭工大は「生命情報学特論」などを予定。実習以外の講義はインターネットの学習システム「eラーニング」を利用して行われる。  調印式には5大学の学長らが出席、札医大の今井浩三学長が「異分野の連携で、医療工学、医療経営などの新しい領域が誕生する。地方活性化に貢献する人材を育てたい」と抱負を述べた。 "[he-forum 15105] 河北新報3/10 河北新報2010年3月10日付 障害者高等教育で連携 宮教大と筑波技術大が協定  宮城教育大(仙台市青葉区)と筑波技術大(茨城県つくば市)は9日、聴覚や視覚に障害のある学生を支援し、高等教育で抱える障害者への課題に連携・協力して対応する協定を結んだ。  期間は2011年3月まで。申し入れがない限り、自動更新する。  筑波技術大は国内唯一の障害者のための大学。両大学はそれぞれの特徴を生かし、授業の単位互換、研究者や学生の交流などを行う。障害者への高等教育の機会を保障するほか、支援システムも連携して開発、品質向上を目指す。  宮教大は国立大では障害者の高等教育に力を入れてきた数少ない大学で、現在13人の障害者が在籍。全障害領域に対応した特別支援教育教員養成課程がある。  宮教大は、筑波技術大が開発した聴覚障害者支援用の「音声認識通訳システム」を活用するなど、研究面で5年ほど前から交流してきた。  一方、発達障害の学生への支援経験が少ない筑波技術大は協定締結により、宮教大の持つノウハウを生かし、研究などでの協力関係を強化する。  筑波技術大であった調印式で、両大学の学長が協定書に署名した。連携について、高橋孝助宮教大学長は「支援した学生が将来、教壇に立つ夢がかなうよう、先進例をつくりたい」と語った。  宮教大がほかの大学と連携協定を結ぶのは初めて。藤島省太宮教大教授(聴覚・言語障害教育)は「障害のある学生が高等教育を受ける事例は増えている。モデルをつくり、ほかの大学にも普及させたい」と話している。 "[he-forum 15106] 京都新聞3/8 京都新聞2010年3月8日付 学生の収入、1991年以降最低に 奨学金依存傾向が顕著に  親からの仕送り(小遣い)やアルバイト代を含めた2009年の学生の収入がバブル崩壊の1991年以降で最少となったことが、京都、滋賀、奈良の大学生協でつくる大学生協京都事業連合(京都市左京区)の3府県の学生生活実態調査で分かった。就職への不安を訴える学生の割合は全国平均を上回っており、不況による3府県の学生の厳しい実態が浮かび上がった。  全国大学生協連が昨年10~11月に実施したアンケートのうち、京都事業連合が行った京都大、同志社大、立命館大など11大学3615人分を集計し8日発表した。  収入は、自宅生が1カ月60840円で、最高だった1997年の10・9%減、下宿生は12万4千円で同じく97年の14・8%減だった。下宿生の収入のうち仕送りは7万2700円で、前年より6000円も下がる一方、奨学金の受給額は前年より2800円多い2万5千円となり、アルバイトの収入(2万3800円)を91年以降で初めて超え、奨学金依存の傾向が顕著になった。  就職への不安を感じる学生は79・4%(全国77・8%)で、前年より1・8ポイント増。就職のために企業訪問などの対策をしていると答えたのは43・3%で、全国の39・4%を3・9ポイント上回った。  大学生協学生委員の立命館大3年小久保斉代さん(21)は「昨夏に就職活動を始めたが不安だらけ。公務員を目指す友人も多い」と話した。 "[he-forum 15107] 時事通信3/9 時事通信2010年3月9日21時30分 最先端研究基金、配分決まる=iPS山中教授は「満額」-科技会議  政府の総合科学技術会議(議長・鳩山由紀夫首相)は9日、「先端研究助成基金」による最先端研究開発支援プログラムの対象となった、山中伸弥京都大教授の人工多能性幹(iPS)細胞再生医療応用研究など30課題に対する総額約1000億円の配分額を決めた。  30課題のうち、山中教授の研究に対する助成(50億円)など2件は満額回答だった。  同基金は、日本の中長期的な競争力強化を目標として、総額2700億円の規模で麻生前政権下の補正予算で創設された。山中教授の研究など30課題を選定したが、政権交代後に総額1500億円に減額。このうち、500億円が若手・女性研究者支援に配分されることになった。 "[he-forum 15108] 読売新聞3/9 読売新聞2010年3月9日付 島根大、企業に研究員を派遣へ…経済団体と懇談  島根大と県内の主要な経済団体との懇談会が松江市内のホテルで開かれた。県商工会議所連合会、県商工会連合会、県中小企業団体中央会、島根経済同友会の4団体の幹部ら11人が出席。学内の研究員を企業に派遣する事業など、産学協同の取り組みを積極的に進めていくことを確認した。  同大学が、地元経済界の意見を聞き、大学運営に生かそうと2007年度から開き、3回目。今回は2月24日にあり、大学側からは山本広基学長ら8人が出席した。  冒頭、山本学長は「(今回の)意見を反映し、地域貢献に取り組みたい」とあいさつ。大学側が、地元企業や自治体などとの連携を目的に「地域貢献推進室」を09年7月に設置したことなどを報告した。  今後の取り組みとして、博士課程を修了した研究員を「科学技術相談」などの目的で、県内の企業に派遣し、今後の共同研究につなげる事業に取り組むことも提案した。  団体側からは、原発の安全管理や送電システムの研究の推進や、松江市在住の技術者が開発したプログラミング言語「Ruby(ルビー)」の活用を求める意見などが出た。 "[he-forum 15109] 日本経済新聞四国3/10 日本経済新聞四国版2010年3月10日付 高知工科大が新学部を 永国寺キャンパス検討会が提言  県立の高知女子大学と高知短期大学が使う永国寺キャンパス(高知市)の改革を検討する同キャンパス検討会は9日、経済・経営系の学部の新設を柱とする報告書を県に提出した。検討会の西山昌男委員長(高知商工会議所会頭)が尾崎正直知事に手渡した。知事は「できる限り早く設置できるよう努力を重ねる」と述べた。  報告書は県内高校生の進学先拡大と大学進学率向上のため、経済・経営系の社会科学系学部の設置を提言。公立大学法人である高知工科大学(香美市)のマネジメント学部を改組拡充して設置する構想をまとめた。  新学部の定員は経済・経営系とも1学年100人。経済系は地域活性化論や公共政策など、経営系は企業経営論やブランドマネジメントを学ぶ。大学院を設けるとともに、土・日曜や夜間に開講する社会人教育も実施する。  検討会は大学の学長ら幹部、民間代表などで構成、2008年12月から審議を重ねてきた。 "[he-forum 15110] 共同通信2010年3月10日20時1分 京大が授業料免除を拡大 半額7百人増、不況に配慮  京都大は10日、経済的に困窮している学生を支援するための2010年度の授業料免除枠を、09年度より7千万円分拡大、半額免除の学生を前期、後期合わせ延べ約700人増やすと発表した。  大学によると、授業料は年53万5800円(法科大学院は80万4千円)。09年度に全額または半額免除された学生は延べ4646人で、計約7億4千万円分だった。景気低迷などの影響で申請者はここ数年増加傾向にあり、09年度は延べ5309人が申請した。  免除による減収は09年度の場合、国からの交付金約7億1千万円と大学支出の3千万円で補てん。10年度の交付金はほぼ同額だが、大学の支出を1億円に増額する。  免除の対象は学部の学生から博士課程の大学院生まで。成績や保護者の収入を勘案して選考する。西村周三副学長は「学生にはアルバイトを少しでも減らして勉学に専念してもらいたい」としている。 "[he-forum 15111] 朝日新聞3/11 朝日新聞2010年3月11日付 日立システムなど、筑波技術大学の聴覚障害者向け授業でエリアワンセグ実験  筑波技術大学(村上芳則学長)と三友(北川正樹社長)、日立システムアンドサービス(日立システム、林雅博社長)は、筑波技術大学の聴覚障害学生向け授業において、エリア限定のワンセグ配信(エリアワンセグ)を活用した字幕情報配信実験を1月25日から2011年2月3日(予定)まで実施する。  今回の実験は、総務省関東総合通信局から実験試験局免許の交付を受け、聴覚障害学生が学ぶ筑波技術大学産業技術学部内に無線局環境を構築し、エリアワンセグを活用した手話・字幕情報配信の、新しい「情報保障」ツールとしての実用性を、3機関が共同して検証する。  実験では、「情報保障」の手段として、ワンセグの映像と字幕部分を利用して、学生の手元に授業の内容を配信する。既存の「遠隔情報保障システム」のデータを2次利用し、ワンセグの映像部分に手話通訳映像や講義映像、字幕部分に文字通訳情報を配信する。  受信端末は「ニンテンドーDS」および「DSテレビ」や携帯電話などを使用し、画面上部に手話通訳などの映像を表示、画面下部に文字通訳情報を字幕として表示する。また、同時に授業を受けるすべての学生が、良好で途切れのない情報を受信できるかといった、エリアワンセグの電波フィールドについても検証する。  実験の成果としては、受講者が手元で、エリア内であれば自由な場所で情報取得が可能となり、講義内容の理解促進が可能となる。また、講師側には手話などの心得が無くても、自身の慣れた方法で安心して情報伝達できる環境を提供できる。さらに、システムを運用する側においては、受信装置の設定や教室内の配線など、日々のシステム運用にかかる手間を大幅に削減できる。4月から開始される10年度の授業では、年間を通じてエリアワンセグを活用した授業を計画している。 "[he-forum 15112] 朝日新聞コラム3/1 朝日新聞 2010年3月1日 玉川学園創立80周年記念シンポジウムより これからの大学教育のありかた  これまで、このコラムは各大学の実践的な教育や公共性を意識した取 り組みを紹介してきた。大学関係者に取材すると、「大学取れたて便」 のことをきかれることも多く、一定の評価が定着すると同時に大学関係 者のこのコラムへの関心も高いことがうかがえる。その根底には、教育 の質向上や大学教員の実践力、社会や職業との関係の強化を求めること が大学に迫られている事情がある。  今回は、玉川大学が2月27日、東京都内で開いた「大学の使命と責 任『これから大学教育のありかた』」について報告する。     ◇  天野郁夫・東大名誉教授の基調講演「大学の教育改革と質保証」、金 子元久・東大教授の「高等普通教育の可能性」、加藤かおり・新潟大学 准教授の「学習者中心の理念と戦略としての質保証」、さらに菊池重 雄・玉川大学教授のコーディネーターによる3氏のパネルディスカッ ションがあり、新たな大学教育の視点と展開の可能性を示唆するものと なった。  まず、いまの、とりわけ私大の事情を象徴する言葉が、小原芳明学長 のあいさつのなかで出てきた。「昔、裏口入学がはやったが、いまは進 学率が上がり、表から入るようになってきた。大都市圏以外では学生確 保が難しい。大学は経営を考えると学生を入学させざるをえない。入学 した学生は大卒という身分をもって出るので、大学の責任が問われなけ ればならない」。受験地獄や浪人と同じように裏口入学という言葉も死 語となりつつある。2人に1人は大学に行くような時代だと、裏口から 不正で無理に入らなくても正門から入れるようになったという趣旨だ が、いまの進学状況と大学経営をユーモアたっぷりに描いた言葉だった。  次に、天野氏が冒頭、80周年の玉川大学について、「幼稚園から大 学院までもっている学校は世界的にみてもユニーク。特徴は全人教育」 とふれたあと、大学教育の構造的な変化として3つの観点をあげた。 「教育」「職業」「学問」の分野で伝統的な秩序が崩れているという指 摘だった。「教育」では、かつては5教科7科目を中心に教えてきた高 校教育が多様化しすぎたことや、大学入試も推薦やAO入試が増えて学 力維持装置としての役割が果たせなくなっている状況を説いた。さら に、大学設置の規制緩和が進んだこともあって供給過剰になっているこ とをあげた。「職業」については、大学教育と企業との対応関係がみえ にくくなっていることや採用試験が前倒しになり専門的な学問としての 重要性がうすれはじめ、混乱しているというものだ。また、「学問」で は、学問は知識の創造、統合、伝達、応用の4つの機能があるとおさえ た。そのうえで、学問全体が細分化され境界があいまいになってきて融 合している状態が進み、かつての学問体系はもはや崩壊していることを 指摘した。この4つの機能をいまの時代、十分果たすことができるかが 試されていると述べた。これらを踏まえた教育の質保証が求められてい るが、天野氏はとくに私大の場合は教育のプロセスの構築が必要として 歴史的な歩みを紹介した。さらに「教育改革の努力も私学からおきた。 入試改革やキャリア教育、新しい学部も私学が取り入れた。しかし、そ のなかで伝統的な教育を無視してきた側面もあるのではないか」と指摘 した。  最後に、教育の再構築の視点として、いくつかのテーマをあげた。 「新しいディシプリンの構築」「学力対応、学力を形成するためのカリ キュラムの見直し」「学士課程教育を高等普通教育として、学部は何を するのか問い直す」「知識・学問を通して何を教えるのか、教員の知識 統合能力の育成」「日本が培ってきた教育の小道具の活用、卒業論文や ゼミ、研究室など」「キャンパスライフに必要なサークルやクラブ、ア メニティなど教育と学生支援の充実」「教育の質保証の主体が教員集団 であること、大学、個人としての自己評価を自立的に進めることが必 要」などである。  また、金子氏は、大学での教育を「高等普通教育」と意義づけること の必要性を訴えた。とくに、新しい大学教育の理念については、基本的 な課題として、学生の志望や成長段階、学問領域、大学と仕事の対応な ど多様なニーズに対応できること、また職業やキャリアの多様化のなか で力を出す基礎能力をあげた。次いで、基本的な軸となるのが、動機づ け→学習・深い経験→新しい興味というサイクルと、その過程で成長や コンピテンスの獲得だと強調した。今後の改革の戦略として、単一的な モデルはなく経験的多元的に形成されることを踏まえ、学生の学習過程 を体系的にモニターして授業にフィードバックすること、さらに大学間 の比較や大学独自のモデル形成が重要になり、それを後押しする制度な どのメカニズムの必要性を訴えた。  加藤氏は、大学教育の質保証の取り組みとして英国を中心とする欧州 の考え方を紹介した。その理念の中心にあるのが「学習者中心」で、学 生が自律的な学習者となること、自ら知のオーナーとなり、プロデュー サーとなることを支援する教育を意味するという。この理念のもとにさ まざまな質保証の道具が使われていることを細かく説明した。最後に、 日本での質保証の提案として、学習者の視点での再検討し、学生の学習 習慣を変えて教育に巻き込むことをあげた。さらに、学習者中心型に対 応できるよう、新任教員研修プログラムをFDや議論のなかでつくって いくよう求めた。そのために教職員とマネジメントそれぞれの集団で責 任を明確化する必要があると提案した。  パネルディスカッションでは、さまざまな議論があったが、とくに印 象深かったのは高等普通教育のテーマだった。金子氏は「高等普通教育 はリベラルアーツというものではなく、職業教育も入っていい。深い体 験に誘導されるプロセスがあり、それに基づき学ぶスタイルが求められ る。国際競争力や職業教育にも結びつく」と深めた。それを受けて天野 氏は、高等普通教育という言葉は明治初期からあったことを紹介したう えで、新制大学ができたあとの一般教育、教養部の解体と、普通教育と は対峙する関係にある専門教育の歩みを述べた。高等普通教育も型どお りであるはずもなく、事例として「法科大学院ができたあとの法学部は 何をするのか。法学とは何か。法学をメジャーにした教養かもしれな い」と話した。さらに、加藤氏は「学生が何の授業か自分で確認する。 自分の評価を繰り返すことによって学習が始まる。『ふりかえる』こと がキーワード」と述べた。  大学教育の質保証はさまざまなレベルで語られてきたが、「高等普通 教育」という言葉を手がかりに、それぞれの大学で教育内容や教え方、 学びを深めることが今後増えるかもしれない。質保証を考えるうえで、 「高等普通教育」は重要な視点になると考えた。 山上浩二郎(やまがみ・こうじろう)/朝日新聞編集委員 "[he-forum 15113] 朝日新聞3/11 朝日新聞2010年3月11日付 大学の世界ランキングを考える 横浜国立大学  大学では、世界のランキングが注目を集めている。経営面では、ランキングが上がれば海外から学生や教員を集めやすく、外部からの資金調達でも有利に働く。もっと肝心なのは、ランキングは大学の研究や教育のいくつかの断面を切り取り、利用のしかたによっては質の保証にもつながる。国際戦略の指標にもなる。大学同士が海外で交流する場合の相対的な物差しとなる可能性ももっている。     ◇  横浜国立大学は、国際化戦略の一つとして、このランキングに注目し、10日には横浜市で、海外、日本の専門家を呼んで、シンポジウムを開き、ランキングの意味を考えた。世界の大学ランキングとして知られるのはタイムズ社(THE)だが、今年秋からは方針を切り替えてトムソン・ロイター社の提供するデータを使うことになった。ほかにも上海交通大学のランキングも注目を集めている。これらの関係者を招いてのシンポジウムは初めてといってもよく、新たな視点を提供するものとなった。  シンポジウム「大学の世界ランキングを考える」に招かれ、講演したパネリストは次のような人たち。  米澤彰純・東北大学准教授▽Cybermetrics研究所(スペイン)所長のIsidro・Aguillo氏▽上海交通大学高等教育研究院世界一流大学研究中心執行主任の程瑩氏▽香港城市大学シニアコーディネーターのKevin・Downing氏▽トムソン・ロイター学術情報ソリューション統括マネージャーの渡辺麻子氏。ほかにディスカッションには香港大学文学院副学院長の中野嘉子氏も加わった。  鈴木邦雄・横浜国大学長のあいさつでは、日本の大学も「国際化に向けて重い腰を上げ始めた。一方で、大学受験生や保護者には偏差値が重要とされるが、それでいいのか」と問題提起して、客観的な指標としてのランキングの意味を考えたいと述べた。  各氏の講演を聞いて、ほぼ共通していたのは、ランキングが大学の特徴や研究を測る有力な物差しになっているものの、ランキングのもとになる指標によっては変動があるなど、一つの側面を示したものにすぎないという点だった。  米澤氏の報告では、東北大学調査で、日本の国立大学の47.1%がランキングを意識していた。さまざまな機関の示すランキングの動向をみると、東大と京大以外では移動が激しい。たとえば、卒業生や教員がノーベル賞や数学のフィールズ賞を受けることがランキングの有力な指標になっていると、一度に受賞すれば一気に順位を上げるということになるという。日本の大学の特徴としては、学者の論文数が多いものの国際的なネットワーク力が弱いと指摘している。  国際的なネットワーク力に関連しては、Aguillo氏が具体的に、ランキングの際にはインターネットが重要な指標となっている現状を説明した。デジタルについての格差が大学間であり、北米の大学にWeb戦略があるのに対してヨーロッパの大学にはその意識が弱く、それがランキングにも現れていると話した。もちろん日本の大学も同様で、アジアのなかでは台湾の国立大学がWeb上で論文を公開しているのに、「日本の大学はまじめにとらえていない。情報をWebで公表すべき。それがランクの低い理由。リンク先も増やした方がいい」と強調した。  日本の大学の情報公開のあり方については、中央教育審議会などで議論されているが、まだ方向性が打ち出されていない。ランキングとは別に、社会や利害関係者への情報提供という意味で、日本は決定的に遅れていると受け止めた。  程瑩氏の説明では、上海交通大学のランキングが中国の国家戦略と結びついている内容を示唆していた。中国の繁栄と近代化のために世界水準の大学をつくる。その世界大学の定義は何か、中国の大学はどう位置づけられるかという視点でランキングを始めたという。ランキングの指標は6つある。「ノーベル、フィールズ賞を受賞した卒業生がいるか」「両賞を受けた教員がいるか」「論文引用の多い研究者がいるか」「ネイチャー、サイエンス誌への論文数」「両誌への引用数」「教員一人当たりのパフォーマンス」。ただ、結果的に、ランキングのための調査は研究中心で教育、社会貢献は入れにくく、大学の多様性は反映されていないと冷静にみている。04年からランキングの対象科目数も増やすなどしており、「かしこく使ってほしい」と訴えていた。  香港城市大学のDowning氏も、ランキングは検証可能な指標を使うべきで、本当に妥当性があるかどうか考えるべきと主張した。結局は大学自身の自立性が問われ、システムに完璧なものはないので、自己測定すべきだと提言した。また、トムソン・ロイターの渡辺麻子氏はランキングのもとになる情報によって見え方が違うので、そのまま大学の力だと判断すると誤解につながるとして、「ランキングは評価の要素の一つ、振り回されずにアピールの一つとして使ってほしい」と述べた。最後に、香港大学の中野嘉子氏は、日本の大学がランキングで低く出て香港の大学が高いのは国際性の指標によると指摘した。たとえば東大の教員の国際性は28ポイント、香港大は100ポイントとなっている。これは香港大の教員すべてが英語圏の大学院卒だから可能と説明している。ただ、だからといって日本の大学が英語に染まった教育や研究に走っていいのかというと話は別で、むしろランキングに振り回されない大学づくりが必要と話していた。  これらの講演や続いてのディスカッションで浮かび上がったのは、ランキングの現状として、英語圏で、研究中心の総合大学に有利に働くことだった。もちろん、さまざまな要素を指標として今後取り入れることになるはずだが、教育や社会貢献、学生支援などの面など大学の規模や役割にあった観点も取り入れないと、逆にランキングが一人歩きする危険性がある。ただ、日本では、入学の際に、偏差値が大きな絶対的な物差しのような扱い方をされているが、それを相対化するにも、進化させたランキングは有効になると思われる。  もちろん、そのためには、各氏とも指摘しているように、大学が海外も含めて積極的に情報を公開することが必要になる。それすらしないところは、透明性が保てず経営上もかなり厳しくなるとみられ、結果的に研究や教育も遅れをとるのは必至になるだろう。  今回の横浜国大の試みはきわめて有益だった。個別大学で世界を考えることが、国際化の一歩だという思いが強い。 "[he-forum 15114] 中国新聞3/12 中国新聞2010年3月12日付 学生プラザで就職支援 広大  広島大は11日、学生の交流スペースや就職支援窓口などを集約する「学生プラザ」を4月6日、東広島市のキャンパスに開設する、と発表した。浅原利正学長が定例記者会見で明らかにした。  キャンパスの中心部に建設し、鉄筋4階、延べ3200平方メートル。1階は全スペースを学生交流の場とし、机やいすを置く。2階には就職支援のキャリアセンターを大学会館から移設。3階以上は保健管理センターや副学長室などに充てる。総事業費は約6億円。  「施設運営に学生も積極参加してほしい」(浅原学長)との考えで、交流スペースの相談員に学生をアルバイト雇用する。学生のキャリア教育や経済支援などを目的に4月導入する「フェニックス・アシスタント制度」の一環で、学生プラザのほかにも、学内の清掃や機械整備などで有償雇用を想定している。 "[he-forum 15115] 下野新聞3/11 下野新聞2010年3月11日付 「産学連携」で地域に活力を 小山高専が交流会 【小山】産学連携による地域産業の活性化を図ろうと「小山工業高等専門学校産学交流会」が4日、市内の結婚式場で開かれた。  小山高専が主催し、4回目。講演と情報交換会の2部構成で、市内を中心に57の企業や官公庁、大学、商工会議所などから約120人が参加した。  講演では、同校の苅谷勇雅校長が「地域の歴史と文化を活かす」と題して、全国各地の先進的な事例を説明。「歴史や文化といった地域のシーズ(種)を生かした街づくりは可能」と述べた。続いて電気情報工学科の田中昭雄准教授が、同校のロボコンに対する取り組みを紹介した。  その後、情報交換会が開かれ、同校教授らの「研究シーズポスター」も展示された。 "[he-forum 15116] 朝日新聞3/12 朝日新聞2010年3月12日付 司法試験成績で補助金に差、法科大学院を底上げ 中教審  中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)特別委員会は12日、司法試験の合格実績で低迷する法科大学院について国からの交付金や補助金を削減し、判事などの教員派遣も減らすべきだとする内容の報告をまとめた。合格率で低迷する大学院は「資金」と「人」の両面で国の支援が減らされるため、教育内容の改善や統廃合などの判断を迫られることになる。  報告は、合格率の低迷で「質の低下」議論が起きている大学院の質を底上げする狙い。提言を受けた文科省は、「兵糧作戦」で低迷校に危機感を促すとともに、大学院の再編を進めたい方針だ。同省は大学院に義務づけた第三者機関による認証評価の基準に司法試験の合格実績を加えることも決めている。  委員会は「試験合格率だけを問うべきではないが、著しく低迷しているところは、教育や入試などで問題があると見ざるを得ない」と認定。司法試験合格率が平均の半分に満たない状況が続く大学院について「公的支援のあり方の見直しを検討すべきだ」と提言した。全74校のうち、過去4回の試験で、この状況が3回続いた大学院は9校、2年連続は18校ある。  文科省は、今秋の司法試験合否発表を受け、2011年度予算から助成を減らす方針だ。具体的な基準や算定方法は、医師・歯科医師国家試験ですでに実施されている助成減額措置などを参考にしながら検討していく。  また、各校には法務省と最高裁から検察官と裁判官が実務家教員として派遣されているが、報告はこれについても「早急に見直しを検討することが期待される」とし、成績不振校から派遣を引き揚げることを事実上提言した。  教育の改善が進まない大学院は国の支援が減らされ経営基盤が揺らぐことは必至。文科省幹部は「法曹養成の役割を果たしていないところは(撤退などの)決断をしてもらうしかない」としている。(石川智也) "[he-forum 15117] 毎日新聞3/14 毎日新聞2010年3月14日付 国立大法人化:経営側は評価、研究者は否定的--財務・経営センター調査  ◇学長「よい結果」66% 学部長「マイナス」51%  04年度に始まった国立大法人化について、全86大学の学長の3分の2が肯定的に評価する一方、研究現場を預かる学部長の半数は研究面で否定的な反応を示したことが、国立大学財務・経営センターのアンケート調査で判明した。新谷(しんや)由紀子・筑波大准教授(科学技術政策)らの調査でも現場教員の6割以上が研究や大学運営に悪影響があったと受け止めており、大学トップと現場の意識の乖離(かいり)が浮き彫りになった。【西川拓、江口一】  国立大学財務・経営センターの調査は08年12月~09年2月、全国立大86校の学長や学部長らを対象に実施。全学長と学部長の7割が回答した。  学長の66%は「自校によい結果をもたらしている」と回答したほか、「大学の個性化」「管理運営の合理化・効率化」など15項目中7項目で8割以上が自校の法人化をプラス評価。「研究活動の活性化」「競争力向上」など5項目でもプラス評価が6割を超えた。逆に研究活動の活性化について学部長の21%は「マイナス」、30%は「ややマイナス」と答えた。  一方、新谷准教授らは08年8月、全国の国立大の自然科学系の教員1000人を無作為抽出してアンケートを実施、183人から回答を得た。  69%が予算配分の削減など「研究に悪影響があった」と答えたほか、「教員や部局の意思が反映されない」「教員が減り授業コマ数が増えた」など、「大学運営」で66%、「教育」で51%が悪影響があったと回答した。  大学から教員に配分される基礎的な研究費は、回答者の平均で法人化前の年約150万円から法人化後は72万円余に半減したことも分かった。研究テーマの変更や小規模化を余儀なくされたケースも多く、こうした不満が法人化への低評価につながったとみられる。  国立大学財務・経営センター研究部の水田健輔教授(高等教育財政)は「法人化後、教育・研究の現場がどれだけ傷ついたかを明らかにすべきだ。国立大が果たすべき役割や位置づけとそれを支える土台作りを国全体で考える必要がある」と指摘する。 ==============  ■解説  ◇変化急激、現場が疲弊  国立大は法人化によって「自立」と「自律」を求められるようになった。各大学は予算や人事面での学長裁量を拡充し、改革に乗り出している。だが、法人化への評価が学長と一般教員でこれほどかけ離れていることは、経営側の思惑とは裏腹に、急激な環境変化で現場が疲弊している事実をうかがわせる。  現場教員への調査をした新谷由紀子・筑波大准教授は背景として、「法人化が、財政難からきた公務員削減など国の行財政改革の一環として実施された側面が強いためだ」と指摘する。  国立大にも06年度から5年間で5%の人件費削減が課され、全大学の収入の半数を占め大学運営の基盤となる国からの運営費交付金は今年度までに計720億円が削られた。実に北海道大と名古屋大の09年度交付金合計分にほぼ相当する額だ。  このため、各大学は法人化に伴い拡大した国の競争的資金や、企業からの研究費の獲得に躍起になった。さらに近年、主として産業界から大学卒業生の「質の保証」を求める声が高まり、教育や就職指導に力を入れる大学も増えた。  研究と教育の両面で「成果」を求められるプレッシャーは現場教員に重くのしかかる。  資金獲得の書類準備や学生の教育に時間を割かれるため、文部科学省の調査では、大学教員の07年度の研究時間は、法人化前の01年度に比べ2割減った。研究費や研究時間を削られた現場教員の間には閉塞(へいそく)感が漂い、東海地方のある理系教員は「法人化していいことは何一つない」とまで言い切る。  鈴木寛・副文科相は1月、法人化した国立大の第1期中期計画が3月末で終了するのを機に「法人化の成果や課題を検証したい」と表明した。  現場の疲弊が続けば、多くの分野で人材を輩出してきた大学の質の低下を招きかねない。文科省は学長ら経営側だけでなく、一般教員や職員、有識者からも意見を聞く方針だ。こうした声を率直に受け入れ、現場教員の負担感を取り除くことが求められる。【西川拓】 ==============  ■ことば  ◇国立大学の法人化  国立大学法人法に基づき04年4月、全国89(当時)の国立大が従来の国の付属機関から、独立した法人に移行した。各大学は学外者を入れた経営協議会を設置し、文部科学相が認可した中期計画(6年間)に沿って大学を運営、文科省の評価委員会の評価を受ける。運営費交付金(09年度計1兆1695億円)は国から支給されるが、学長の権限や大学の自主性は強まった。10年4月から第2期の中期計画に入る。 "[he-forum 15118] 読売新聞3/14 読売新聞2010年3月14日付 大学生の「就業力」国が強化策 氷河期と闘う5か年計画…130校に資金、500校に相談員  大学生の就職内定率が就職氷河期以来の落ち込みを記録する中、文部科学省は、2014年度までの5年を大学生・大学院生の「就業力」向上の重点期間と位置づけ、大学の財政支援などに乗り出す。  10年度予算案で、既存の補助金などと別枠で30億円を確保、公募により、インターンシップ(就業体験)を卒業単位に認定するなど積極的な指導を行う国公私立大130校に資金配分する。また、私大約500校に来年度まで就職相談員を配置、大学生らの就業危機脱出を支援する。  公募で選ばれた大学には、国立大への交付金や私学助成とは別枠で1校につき約2300万円ずつ配分する。選考基準は今後定めるが、1年生から将来の進路を考える科目が必修化されている金沢工業大(石川県)や、調査能力、国際感覚など社会人に必要な能力育成を意識した講義を行う東京女学館大(東京都)、就業体験を単位に認定している一橋大(同)などの例を念頭に置いている。  財政支援を行うことでこうした取り組みが他大学に波及する効果も期待している。大学院生や、就職が決まらない既卒者の支援も産業界などと連携して進める。  一方、就職相談員の配置は、企業で採用や人事を担当した経験者や民間の就職支援関連資格保有者の雇用費用を国が負担するもので、国公立大と一部私大を除く495校を対象に来年度まで支援する。  同省などが12日に発表した2月1日現在の大学生の就職内定率は80%(前年同期比6・3ポイント減)で、調査を始めた00年以降で過去最低。新卒で就職する学生の3割が3年以内に離職しているというデータもある。各大学は独自に指導を行っているが、個々の学生の個性や職業観を踏まえた職業教育を行う大学がある一方、「面接対策など小手先の指導にとどまる大学も多い」(文科省)という。 "[he-forum 15119] 山形新聞3/14 山形新聞2010年3月14日付 山形大が創立60周年式典 さらなる発展誓い合う  山形大(結城章夫学長)の創立60周年記念式典が13日、山形市のパレスグランデールで行われた。結城学長が「還暦を迎え、地域に根差し世界を目指すをモットーに次のステージへと進化していきたい」と述べるなど、さらなる発展を誓い合った。  同大は1949(昭和24)年、旧制の山形高等学校、山形師範学校、米沢工業専門学校、県立農林専門学校などを母体に発足した。式典で結城学長は「地域にしっかりと根差した優れた教育を実践し、地域に貢献していきたい。また、東北地方における国際交流拠点としての機能を高め、グローバル化時代に活躍できる人材も育てていく」とあいさつ。坂田東一文部科学事務次官、吉村美栄子知事、山形新聞・山形放送相談役の相馬健一同大校友会長が「一層の発展に期待したい」などと祝辞を述べた。  続いて、60周年を記念して制定した大学歌を学生らが合唱し、披露。作詞は同大地域教育文化学部地域教育学科4年の石先麻美さんと難波千鶴さんで、作曲はエイベックス・エンタテイメントの大谷靖夫さん。大谷さんは「山形の風土が織り込まれた歌詞。愛着を持ってもらえればうれしい」などと語った。  式典には県内外の関係者のほか、中国ハルビン工業大学長ら海外の交流大学の関係者も出席。記念講演では、ノーベル物理学賞受賞者の小林誠高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授が「研究生活を振り返って」と題し、研究成果などを語った。 "[he-forum 15120] 山梨日日新聞3/14 山梨日日新聞2010年3月14日付 付属校の特色づくりを 山梨大  検討スタート「国立」の役割探る   山梨大教育人間科学部の教授らが、小中など同大付属3校1園の在り方を考える「山梨大学教育人間科学部付属学校園研究プロジェクト」を立ち上げた。県内で私立学校の開校が進み、同大付属小中学校の志願者が減少している中で、国立学校としての位置付けや役割を明確にする。3校1園の教諭や保護者が意見交換する初めてのフォーラムが13日、甲府・同大赤レンガ館で開かれ、学校の特色づくりを求める意見などが出た。  プロジェクトメンバーは教授のほか、同大付属幼稚園と小中、特別支援学校の教諭ら16人。同大の栗田真司教授によると、全国的に10年ほど前から私立小中の台頭により国立大付属学校で定員割れが起こるなど、「国立大付属学校離れ」が目立っている。県内でも駿台甲府や山梨学院大の小中が開設され、「山梨大付属学校に入学するメリットが、保護者や子どもに分かりにくくなっている」(同大関係者)という。  フォーラムには教諭や保護者ら約40人が参加。寺崎弘昭教育人間科学部長が「学部と3校1園が隣接している環境は全国でも珍しく、組織的な連携を図ることで付属学校の特色を出せないだろうか」と問題提起した。  元同大付属小教諭で甲斐市学校教育課の奥山賢一さんは1990年代に同校で行い、全国的に注目を集めたインターネットを活用した教育を紹介し「担当教諭の熱意だけではなく、大学の支えがあったから実践できた」と振り返った。また、元同大付属小教諭で県義務教育課の嶋凬A修さんは「(多彩な特色がPRされている)山梨学院小のホームページを見たことがありますか?」と切り出し、「山梨大付属学校の特色をもっと出していくことが大切」と訴えた。 "[he-forum 15121] 大学教員の署名,明日15日まで.朝鮮学校無償化問題 佐賀大学の豊島です.朝鮮学校無償化問題で,大学教員の署名というのがあります.急ですが,明日までです. 「高校無償化」措置を朝鮮学校に適用することを求める大学教員の要請書 http://d.hatena.ne.jp/mskunv/ ________________________________ (転送歓迎)  「高校無償化」の就学支援対象から朝鮮学校を除外しないように求める大学教員の要請書を作成しました。  要請書をお読みいただき、ご賛同いただけるようでしたら、3月15日(月)までに下記の要領にて、 メールでお送りください(事の緊急性に鑑み、期日までに届いた分を16日(火)には提出したいと考えています。短い期間ですがご了承ください)。 宛先: msk_univ@yahoogroups.jp お名前: 所属大学: 職位(任意): メッセージ(任意): *提出する署名にはお名前と所属大学のみを記します。職位(教授、准教授、非常勤講師等)はデータの客観性を担保するために念のために確認させていただくものです。不記入でもけっこうです。  すでにいくつものの声明が出されていますのが、今回の呼びかけは「大学教員として」という立場からのものです。この場合の「大学教員」は広く「大学の教育・研究に携わる者」として、常勤、非常勤、有期雇用などの区別を問わないこととします。もちろん国籍や居住地も問いません。 *メッセージをご記入いただいた場合、政府に提出するとともに、報道関係者に公開する可能性があることをご了解ください。不記入でもけっこうです。 *最新情報は下記ブログにて更新予定です。 http://d.hatena.ne.jp/mskunv/ ************************************ 2010年3月16日 内閣総理大臣 鳩山由紀夫 様 文部科学大臣 川端達夫 様 内閣官房長官 平野博文 様 「高校無償化」措置を朝鮮学校に適用することを求める大学教員の要請書  「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」案(以下、「高校無償化」法案)が国会で審議される状況の中、鳩山内閣が朝鮮学校高級部(以下、朝鮮高級学校)をその適用対象から除外する方針を固めたとの報道がなされています。私たちは、大学の教員として教育・研究に携わる者の立場から、朝鮮高級学校のみを適用の対象外とすることに反対します。  現在、少なからぬ朝鮮学校出身者が国・公・私立大学において学んでいます。私たちは、大学の「国際化」という観点から、朝鮮学校出身者を含めて、多様な民族的・文化的バックグラウンドを持つ人びとが相互に対話できる空間を創造することこそが、大学人の責務と考えています。2月末には国連人種差別撤廃委員会において朝鮮学校の除外は人権保護の観点から問題があるという見解が表明されましたが、「子どもの権利条約」(1994年日本批准)において「民族上、宗教上もしくは言語上の少数者、または先住民が存在する国においては、当該少数者または先住民に属する子どもは、自己の集団の他の構成員とともに、自己の文化を享受し、自己の宗教を信仰しかつ実践し、または自己の言語を使用する権利を否定されない」(第30条)と定めていることを思い起こす必要があります。私たちは、教育の理念は、「子どもの権利条約」や「人種差別撤廃条約」に示された普遍的な人権に基礎づけられねばならないと考えます。  高校無償化の対象から朝鮮学校を除外するとすれば、すでに公立学校・私立学校にくらべて大きな経済的負担を強いられている朝鮮学校の関係者に、さらに大きなハンディキャップを課すことになります。くわえて高校無償化の財源を特定扶養控除の圧縮によって確保することになれば、朝鮮学校生徒の保護者にとってはむしろ負担増となります。個々人の出自や信条にかかわらず、多様なルートで高等教育にアクセスする機会が日本社会に在住するすべての若者に等しく保障されねばならないと私たちは考えます。  朝鮮高級学校の除外案が、「拉致」問題と朝鮮学校とを結びつける発想から出てきていることは明らかです。外交ルートで教育内容を確認できるかどうかという基準は、朝鮮学校の排除という方針を別のことばで表現したものに過ぎません。また、政府が第三者評価組織を設け、朝鮮高級学校の教育内容が「高校の課程に類する課程」であるかどうかを判断するとの報道もありますが、すでに多くの国立大学が高等学校専修課程の基準(修了に必要な総単位時間数2590単位時間以上、普通教科の総単位時間数420単位時間以上)を準用して朝鮮学校の入学資格を認め、文科省もこれを認めてきた以上、これはすでに解決済みの問題です。つまり今回の政府案は、外交上で解決されるべきことがらを教育問題に不当にすり替えるものに他なりません。  のみならず、私たちは、朝鮮高級学校の排除が、今日の日本における排外主義的な風潮と軌を一にしていることを憂慮しています。近年、在日朝鮮人に対して公然と差別的な言動を行なう動きが現れています。最近では、数名のグループが京都の朝鮮初級学校に押しかけて、「朝鮮学校を日本から叩き出せ」などの罵詈雑言を浴びせる出来事が起こりました。朝鮮学校除外を主張する日本政府および政治家の姿勢は、そうした排外主義的・暴力的な行為の裏付けにすらなりうるものであり、鳩山首相が所信表明演説で述べた「友愛」の精神を自ら投げ棄てるに等しいものです。  私たちは、鳩山由紀夫内閣総理大臣および川端達夫文部科学大臣、平野博文内閣官房長官に対し、高校無償化制度について、朝鮮高級学校を含む全ての外国人学校を対象とする制度とするよう強く求めます。 呼びかけ人(3月13日現在、あいうえお順) 板垣竜太(同志社大学)、鵜飼哲(一橋大学)、内海愛子(早稲田大学)、駒込武(京都大学)、坂元ひろ子(一橋大学)、高橋哲哉(東京大学)、外村大(東京大学)、冨山一郎(大阪大学)、仲尾宏(京都造形芸術大学)、中野敏男(東京外国語大学)、藤永壮(大阪産業大学)、水野直樹(京都大学)、三宅晶子(千葉大学)、米田俊彦(お茶の水女子大学) 豊島耕一 http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 15122] 毎日新聞3/15 毎日新聞2010年3月15日付 大学大競争:国立大法人化の功罪/1(その1) 寄付集め、東大も本気  ◇財源確保へ、基金増強  世界一高い電波塔を目指し、建設中の東京スカイツリーを望む東京大の本部棟(東京都文京区)。渉外本部職員の谷本知嘉子さん(30)の今の仕事は「東大に就職したときには想像もしなかった」内容だ。日々、卒業生名簿を見ながら電話を掛け、面会の約束を取り付ける。大学への寄付を依頼するためだ。  上司からは「週に5人会うのを目標に」とハッパをかけられる。だが、「実際に会えるのは10人に1人。会えても寄付してもらえるのはその一部。3勝7敗くらいかな」。東大病院の事務職員から学内公募に応じてこの部署に来て3年目。見知らぬ相手に電話を掛けるのは今でも緊張する。  東大は04年4月の法人化からわずか半年後、「東京大学基金」を設立した。2020年までに2000億円の基金を積み立て、基金の運用益を研究支援や施設整備などにあてる計画だ。  谷本さんは「交通費をかけて面会に行く以上、少ない寄付ではいけない」と心がける。そんなコスト意識も職員間に広がった。民間企業の役員経験を持ち、約20人の営業部隊を束ねる杉山健一副理事は「公務員時代では考えられなかった仕事だろう。だが、法人化した以上、必要な財源はできるだけ自前で調達したい」と意気込む。    ■   ■  国立大の財務環境は、法人化で一変した。国からの予算を学内で配れば事足りた以前とは違い、自ら収入を確保することが各大学の最重要課題となった。  法人化後の収入の柱は、国からの運営費交付金、授業料、企業などからの受託研究費など。だが、運営費交付金は毎年1%程度削減され、企業からの研究費は景気に左右されやすい。東大は欧米の有力大にならい、安定した独自財源として基金の運用益に着目。これまでに集めた寄付は約400億円に達する。  豊富な寄付を元手に施設整備も進む。東大の代名詞、赤門の南側では大手スーパー「イトーヨーカ堂」の創業者、伊藤雅俊氏夫妻からの寄付45億円で新たな研究センターの工事が始まるなど、構内はちょっとした建設ラッシュにわいている。    ■   ■  東大は運営費交付金や外部資金の獲得額で群を抜き、2000億円を超える年間収入を誇る。最近は大半の国立大が同様の基金を持つが、金額は東大の足元にも及ばない。昨年基金を設置した大阪大が集めた寄付は約1億5000万円。「東大は規模が違う。大阪まで足を延ばしている」と阪大担当者は舌を巻く。  東大の「2000億円基金」は国内では圧倒的でも、世界では米ハーバード大約3兆円、米エール大約2兆円とけた違いだ。研究、教育、国際化の実績を総合評価した英タイムズ紙の教育誌による昨年の大学ランキングでは東大ですら22位。100位以内の日本の大学は6校だけだ。杉山副理事は「国内でふんぞり返っていられない。米ハーバード大や英オックスフォード大と競争しなきゃならないのだから」。法人化は、日本のトップに君臨してきた「巨人」さえも本気にさせた。    ■   ■  国立大学法人化から6年。4月から第2期中期計画が始まる。戦後の高度成長を支えた多くの人材を輩出し、各地域の「知の拠点」を標ぼうしてきた国立大が、競争の大海にのみ込まれている。生き残りをかけてしのぎを削る国立大の現状と未来を探る。 "[he-forum 15123] 毎日新聞長野3/14 毎日新聞長野版2010年3月14日付 信州メディカルシーズ育成拠点:県と信大、経営者協が連携拠点  ◇高度な医療器具など新たな産業の創出へ  信州の得意分野・ものづくりを生かして医療分野の高度な産業を育てようと、県と信州大、県経営者協会が共同で「信州メディカルシーズ(医療産業の種)育成拠点」を開設した。県内企業が持つものづくりの高い技術と、信大などが有する最先端素材や医療現場のデータを連携させることで、高度な医療器具や製品を開発し、海外とも競争できる新たな産業を創出する狙い。政府の「地域産学官共同研究拠点整備事業」に採択され、事業費は総額8億5500万円。  同拠点が設置された松本市旭の信大キャンパスで8日、記念シンポジウムが行われた。信大の山沢清人学長は「長寿で健康な県としても有名な長野で、大学と県、企業が連携してメディカル分野に貢献したい」とあいさつ。企業側の県経営者協会の関安雄・専務理事は「専門家から助言をもらわなければ、産業界だけで医療関連の製品開発などをするのは難しい」と語った。  県内の主力産業の精密機械や電子・情報部品技術などを、国内や世界で市場が拡大している医療産業に生かすため、同拠点で信大医学部などの研究機関との協力態勢を整える。企業は信大内にある約60種の研究機器を実費程度で使用でき、動物実験や臨床実験の設備なども開放されるという。学内に共同研究スペースが設置され、法規制や倫理問題の解決にも信大の研究者が協力するという。  拠点構想を発案した信大の杉原伸宏講師は「信大は医学分野以外にも、世界最先端の素材などを提供することが可能。産学官が協力することで、県内の医療産業は飛躍的な発展が期待できる」と強調した。【渡辺諒】 "[he-forum 15124] 毎日新聞3/15その2 毎日新聞 2010年3月15日 東京朝刊 大学大競争:国立大法人化の功罪/1(その2止) 広がる研究費格差  <1面からつづく>  ◇衣装ケースで水槽 メス手作り  「さあ、明日の実験の準備をするか」  東日本の地方国立大で生物学を専攻する50代の男性教授は、近くのホーム センターで1本50円で買った細長い木の棒を取り出した。長さ20センチほ どに切り、先端に切れ込みを入れる。カッターナイフの刃1枚を差し込み、固 定する。実験動物の解剖などに使う手作りメスの完成だ。実験機器のカタログ で買うより1本あたり数百円安く、「実験のたびに新しいメスを作るから、切 れ味は案外いいんですよ」と、自嘲(じちょう)気味に笑う。  実験動物を飼う水槽も手作りだ。普通に買えば10万円以上かかる。一つ9 80円の透明な衣装ケースを並べ、パイプでつないだ。かかった費用は計2万 円。自腹で払った。  今年度、大学から男性教授に支給された研究費は約30万円 "[he-forum 15125] 普天間移設に関する世論調査 岡山大学元教員の野田隆三郎です。 久し振りに投稿します。 普天間「移設」が混迷を深めるなか、民意を市民の 手で問うために、 どうする?新米軍基地 全国投票(街頭シール投票) を、2月20日~3月7日の期間、全国28箇所で実施 しましたのでご紹介します。 結果は 沖縄普天間基地に代わる新米軍基地は   国内につくる      沖縄県内            437 (10%)     沖縄以外の県          515 (12%)   国内のどこにもつくらない    2872 (65%)   わからない              622 (14%)     計                4446  想像以上に「国内のどこにもつくらない」が多数を占めました。 マスコミが的外れな世論調査を繰り返すなか、このような民意の 実態を明らかにすることができたことが今回の投票のひとつの 大きな収穫です。  マスコミはしきりに日米関係の悪化の恐れを煽っていますが 国民にはそれほど届いていないようです。私たちは、 このような世論の支えのもと、移設を前提にしない普天間閉鎖 の運動を強めなければならないと考えています。  沖縄の2大紙が、この全国投票の結果を紹介してくれました。 本土の住民も沖縄に押し付けることを決して望んでいないことを 伝えることができてよかったです。  投票結果は、政府とすべての国会議員に届けました。 投票の詳細、新聞記事、写真、感想文等は以下のHPに掲載 しています。    http://sinbk.exblog.jp/ -------------------------------------- VANCOUVER 2010 PARALYMPIC GAMES News http://pr.mail.yahoo.co.jp/para/ "[he-forum 15126] 毎日新聞3/16 毎日新聞 2010年3月16日 東京朝刊 大学大競争:国立大法人化の功罪/2 非常勤「パート以下」  千葉県柏市の東京大物性研究所の実験室に、毎日夜にならないと現れ ない研究者がいる。低温下での物質の性質を研究する鳥塚潔さん(5 3)だ。東大と雇用関係はなく無給だが、「外来研究員」という肩書で 研究する。  鳥塚さんは、埼玉大と東京都内の二つの私立大、計3大学で物理学な どを教える非常勤講師を掛け持ちして生計を立てる。研究時間は授業後 の夜や週末。授業1コマ(90分)の給与は1万数千円。今年度後期は 週計14コマをこなした。「移動や授業の準備で実験の時間がとれな い。だが、大学は授業がない期間も長く、週10コマ以上ないと生活が 厳しい」と話す。  法人化以降、国の行財政改革の一環で06年度から5年間で5%の人 件費削減が大学にも課された。多くの大学は退職教員の補充をせず、人 件費の安い非常勤講師で穴埋めするようになった。  非常勤講師の日当や宿泊費などの経費削減も広がっている。鳥塚さん の場合、埼玉大から交通費に加算して支払われていた日当が08年度に 廃止され、昇給もなくなった。「年金や健康保険も全額自己負担で、 パート労働者以下。『そのうち非常勤講師も減らすかもしれない』とも 聞いた」。法人化で教員ポストが減り、雇用自体への不安が募る。     ■   ■  東京外国語大は来年度、語学を担当する任期付き外国人教員を契約更 新したり、新たに採用する場合、給与を約3割減らす。「優秀な外国人 教員が来なくなり、教育の質が低下しかねない」。東京外大教職員組合 の鈴木茂・副委員長は憂う。  国からの運営費交付金が減り、単科大学では競争的資金の応募分野が 限られるため、収入を思うように増やせない。結果として外国人教員の 人件費を削り、それを原資に語学教員らを増やすしかなかった。亀山郁 夫学長は「この大学の教員は、もともと総合大の倍は授業を持つ。国は (総合大と同じように交付金を減らし)貧乏人からも搾取するのか」と 怒りをあらわにする。     ■   ■  経費削減を迫られる国立大は、「人」を犠牲にせざるを得ないのか。  小宮山宏・三菱総合研究所理事長は昨年まで務めた東大学長当時、あ る財界人に「大学は1%ずつ国の交付金を減らされて……」とぼやい た。すると「毎月1%ですか」と聞き返され、民間企業のコスト削減へ の真剣さを実感したという。  東大は05年から2年間、民間の「調達のプロ」を招いた。法人化後 も、「予算が余ると困る」という公務員文化が根強かったためだ。日産 自動車から東大調達本部に出向した増尾次男さん(52)は「同じもの を安く買うことに執着するよう、まず意識改革に取り組んだ」と振り返 る。  他の国立大学長らは「東大だからできる」と冷ややかだが、小宮山さ んは「国立大はもっと安くモノを買える。人件費や研究費を削る前に、 まだ効率化できるところはある」と強調する。=つづく "[he-forum 15127] 読売新聞3/16 (2010年3月16日 読売新聞) 同志社大に是正勧告…京都南労基署  同志社大は15日、理工学部(京都府京田辺市)の無機合成化学研究 室で行われた実験で、男性研究員(39)らに国の基準で認められた防 じんマスクを使わせなかったとして、京都南労働基準監督署から労働安 全衛生法違反などで是正勧告を受けたと発表した。  同大学によると、勧告は12日付。今年1~2月に行われた実験で、 アルミニウム粉などを混合する研究員に、防じんマスクを使わせず、イ ンフルエンザ用のマスクで代用させた。また、じん肺法に定められたじ ん肺健康診断も行っていなかった。4年生の男子学生1人も同様の作業 を行っていたが、防じんマスクを使っていなかった。研究員や学生に健 康被害は見つかっていないという。  片山傅生副学長は「扱う量が少なく、法律で対象となる行為という認 識がなかった。研究員、学生に深くおわびする」と謝罪した。 "[he-forum 15128] 岐阜新聞3/16 岐阜新聞2010年3月16日付 患者たらい回し解消へIT活用 岐阜大で成果発表    救急患者のたらい回し解消を目指し、経済産業省の委託で岐阜大学がシステム開発に取り組んでいる「車載IT(情報技術)を活用した緊急医療体制の構築」事業で、本年度1年間の成果発表会が15日、岐阜市柳戸の同大医学部であった。  病院情報と現場情報をリアルタイムにマッチングする国内初の救急医療情報流通システムのモデルが披露された。早ければ新年度中にも実用化される見通しで、救急隊の現場滞在時間を現状から5~10分短縮し患者を最適な病院へ搬送できるという。  現状の救急体制では、救急車と病院が直接電話でやり取りするため搬送先の確定に時間がかかり、患者にとって最適な医師がいる病院へ搬送できない場合も多い。岐阜市の場合、救急隊の現場滞在時間は平均11分。1病院断られると約5分ロスするという。最初の10分間の処置で、その後の患者の生命や回復経過が決まるといわれる救急で、ロスを無くし、患者に最適な医療行為を行えるよう環境を整えるのが課題だ。  成果発表会には、同大医学部に設置した病院、患者、救急現場からの情報が集結する「統合センター」のモデルが披露された。情報の可視化を工夫し、救急車に搭載されたカメラで患者の容体を映し出すとともに、対応可能な医師や空きベッド数などもリアルタイムで把握できる。  患者の氏名や病歴、血液型、投薬歴などを記録したICカードがあれば、救急隊員が専用端末で情報を読み取り、事前に病院に伝えることも可能。発表会には古田肇知事も出席した。  同事業推進委員会委員長の小倉真治同大大学院医学系研究科教授(51)は「来年度はできるところから実用化したい。今は統合センターにいる医師がどこに患者を運ぶのが最適かを判断するが、将来的にはコンピューターで選定できるようにしたい」と話していた。 "[he-forum 15129] 日刊工業新聞3/16 日刊工業新聞2010年3月16日付 九大、航空技術連携講座を設置-JAXA3研究者招く  【福岡】九州大学は4月から大学院に航空技術連携講座を設置する。宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究開発本部から、航空技術分野の3研究者を客員教授・准教授として招き、成長する同分野の研究成果創出と人材育成を目指す。  講座は工学研究院航空宇宙工学部門と工学府航空宇宙工学専攻に設置。期間は5年間。飛行システム・風洞試験・複合材構造の3技術分野で、大学院生の指導やJAXAでの大型試験設備を使った実習を行う。また、集中講義形式の特別講義には同大OBの若田光一宇宙飛行士も参加予定。  招聘(しょうへい)するのは柳原正明飛行技術研究センター長、伊藤健風洞技術開発センター研究領域リーダ、武田真一複合材グループ研究員の3氏。  同講座は九大とJAXAが2009年8月に協定締結した連携協力の一環。 "[he-forum 15130] 毎日新聞三重3/16 毎日新聞三重版2010年3月16日付 三重大:センター開設 大学の情報、学内外に発信  三重大(津市)は15日、チラシをまとめて置くなどして大学の情報を学内外に発信するインフォメーションセンターを開設した。  同センターは大学の正門に設置された。大学の広報誌や学部案内、地図、学生サークルなどのチラシに加えて県や津市などの広報誌も置き、訪れた人が大学や地域の情報を得ることができる。また、午前9時から午後4時まで、総合受け付け業務も行う。  この日の開所式では内田淳正学長らがテープカット。内田学長は「三重大は地域圏大学として努力を重ねてきた。地域の皆さんにセンターを通じて気軽に大学の情報を得てもらい、さらに連携を深めたい」とあいさつした。  式に合わせてセンター前には特設の出店が並び、「三重大カレー」などの大学ブランド商品や、ミカンの缶詰など付属農場の生産品が販売された。【岡大介】 "[he-forum 15131] 毎日新聞3/17 毎日新聞2010年3月17日付 大学大競争:国立大法人化の功罪/3 産学官連携、両刃の剣  札幌市中心部のビルの一室。バイオベンチャー「イーベック」会長の高田賢蔵・北海道大教授が、氷点下150度の冷凍庫の中から小さな容器を取り出した。容器には08年にドイツの製薬会社「ベーリンガーインゲルハイム」から5500万ユーロ(当時88億円)もの契約金をもたらした「宝の山」の細胞が入っている。  内科医の高田教授は約30年に及ぶ研究の末、がん細胞や病原体などを排除する画期的な新技術を開発。がん治療の切り札となる技術の実用化を目指し、03年ベンチャーを設立した。ベ社は新技術で作った新薬候補1種類の開発・製品化の独占権に5500万ユーロの値をつけた。開発段階に応じて一部ずつ支払われ、製品化段階で全額を得る。  日本の大学発ベンチャーは約1800社(08年度)あるが、多くは経営状態が厳しく、これほど巨額の契約は初めて。高田教授は「外部資金は研究の実用化に向けて大きな力になる」と話す。    ■   ■  03年10月に施行された国立大学法人法で、「研究成果の活用促進」が大学の業務に盛り込まれた。教員の発明から生まれた特許を大学に帰属させたり、公務員でなくなった教員が企業役員を兼業することも可能になった。  国からの交付金が減り続ける国立大にとって、企業や自治体からの研究費は魅力だ。産学官連携の実績が国の評価に取り入れられたこともあり、各大学は産学官連携に奔走。国立大の外部との共同研究や受託研究の受け入れ額は伸び続け、08年度には計約1700億円と法人化前(03年度)の2倍に膨らんだ。    ■   ■  一方でトラブルも起きている。鹿児島県いちき串木野市は09年2月、吉川邦夫・東京工業大教授や東工大発ベンチャーなどを相手取り、9億8345万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。訴状などによると、合併前の旧市来町が04年、吉川教授の考案した技術を導入し、ごみ焼却の際に発生するガスで発電する施設を建設した。ところが、計画通りの発電ができず、施設は08年末に停止した。  木場信人副市長は「(実用に向けた)実証はできているという説明だった。小さな町がリスクの大きな実証施設など造るはずがない」と主張。吉川教授は「『運転しながら実証したい。フル性能を発揮するまでに3年かかる』と説明した」と、言い分は真っ向から対立している。  大学にとって甘いみつにも落とし穴にもなる産学官連携。菊本虔(ひとし)・筑波大名誉教授は「訴訟は氷山の一角。件数を増やすため、大学との共同研究の経験が浅い相手まで手を伸ばせば、トラブルも増える」と指摘する。  国内では、まれな成功例として注目を集める高田教授も、ときに頭をよぎることがある。「法人化以後、基礎研究がやせ始めた。すぐ役に立つとか金になることが評価される風潮が、本当に日本の科学技術にとってよいことなのだろうか」=つづく "[he-forum 15132] 中国新聞3/17 中国新聞2010年3月17日付 大学医学科「地域枠」に欠員  中国地方5県が国立大医学部医学科の今春の一般入試で設けた「地域枠」のうち、島根を除く4県の合格者数が定員割れとなった。地域医療に携わる意志のある人材を優先して入学させる仕組みで、各県が予算化していた奨学金が宙に浮く事態となっている。  欠員は、広島県1人▽山口県1人▽岡山県3人▽鳥取県2人。いずれも2月の国立大一般入試前期日程で設けた募集枠に対し、合格者数が下回った。  地域枠は、合格者が卒業後6~9年間、県が指定する病院に勤務するのを条件にしている。在学中の6年間は、月額10~20万円の奨学金が支給される。  広島県は、広島大5人と岡山大2人の地域枠を設けていた。岡山大は志願者3人のうち、1人しか合格しなかった。  岡山県は岡山大に設けた地域枠7人のうち4人しか確保できなかった。鳥取県は、山口大の地域枠1人に志願者がいないなどし、計2人が欠員となった。  行き場を失ったのは、合格者に支給するはずだった奨学金だ。山口県は、新年度予算案に8人分の奨学金8640万円を盛り込んでいたが、欠員1人分の1080万円は必要なくなった。  一方、広島県は4月以降、岡山大医学部医学科に入る県出身者に対し、欠員1人分の奨学金の利用を呼び掛ける方針だ。 "[he-forum 15133] 時事通信3/17 時事通信2010年3月17日11時16分 すばる後継や古典基盤整備を=大型研究計画43件提言-科学的評価で選抜・学術会議  すばる望遠鏡の後継となる巨大望遠鏡の建設や、江戸時代までの古典のデータベース化など、計43件の大型施設・研究計画の実現を国に提言する初めての「マスタープラン」を、日本学術会議が17日公表した。予算の裏付けはないが、昨春から大学や研究機関を対象にヒアリングを重ね、科学的、社会的に重要と認められた計画だけを選抜した。  検討分科会の委員長を務める岩沢康裕東京大名誉教授(触媒化学)は記者会見で「1件当たり数十億円から100億円以上の計画で、近い将来に全部実現できるとは思わない。しかし、国が予算をつけた場合に国民の納得が得られる内容だ」と話した。今後、学界で議論が巻き起こることを想定し、1、2年後に見直す方針。  43件は(1)人文・社会(2)生命(3)エネルギー・環境・地球(4)物質・分析(5)物理・工学(6)宇宙空間(7)情報基盤-の7分野で構成。口径が30メートルと、すばる望遠鏡の3倍以上ある光赤外線望遠鏡「TMT」を国際協力で1300億円掛けて米ハワイ島に建設する計画では、生命が存在するかもしれない「第2の地球」の発見や、宇宙の大半を占める暗黒物質・エネルギーの解明に挑む。  江戸末期までの古典約50万点の画像や文章をコンピューターのデータベースに取り込む計画は、日本語と日本文化の基盤を整備するのが目的。10年間で210億円を掛ける。社会の高齢化による医療費の増大に対処するため、新薬候補となる化合物の膨大なライブラリーを構築したり、次世代の高機能な磁気共鳴画像診断装置(MRI)を開発したりする計画も選ばれた。 "[he-forum 15134] 読売新聞3/17 読売新聞2010年3月17日付 「理系博士」の完全雇用目標…政府方針 応用力ある人材育成課題  政府は昨年末に策定した「新成長戦略」の基本方針のなかで、2020年までに理工系大学院の博士課程修了者の完全雇用を達成することを目標に掲げた。  理系博士が大学だけでなく、企業などで幅広く活躍する社会を目指すが、実現には大学側の意識改革など課題は山積している。  研究開発力を強化するため、政府は1990年代から大学院定員増を推進。理工系の博士課程修了者は05年に4762人と90年の約3倍に急増した。  一方、大学の若手教員ポストは増えていない。任期付き雇用の博士研究員(ポスドク)といった受け皿の増加、社会人入学者による底上げなどで近年、就職率は上向いているが、09年でも69%にとどまる。ポスドクの職を渡り歩く不安定な生活に悩む人も多い現状に志願者は減り、08年に修了者は減少に転じた。  若手研究者の進路として期待される企業への就職も伸び悩んでいる。年齢の高さなどから採用を敬遠する企業も多いが、筑波大の小林信一教授(科学技術政策)は「教授が自分の弟子を育てるような従来の指導では、社会で通用する人材は生まれない」と指摘する。  高度な専門知識を企業で生かせる人材を育てる取り組みも始まっている。文部科学省が優れた大学院の教育研究拠点に重点投資する「グローバルCOEプログラム」に08年度選ばれた明治大の拠点リーダー、三村昌泰教授は「一つの領域に閉じこもらず幅広い研究を積んだ人材が、特に企業では求められている」と話す。  同大学の「現象数理学の形成と発展」拠点では、社会や自然現象を数学で表す「モデリング」、それを解く「シミュレーション」、そして「解析」という3分野の教員が連携し、企業でも通用する応用力を養う。「企業では『私は大学院で研究したことしかできません』といった言い訳は通用しない」と三村教授は説明する。  ただ、こうした取り組みはまだ限られる。今月1日に開かれた文科省中央教育審議会の作業部会では、「理系博士の質が大学によってバラバラ」「博士に必要な基準を明確にし、企業が採用に前向きになる体制に」といった意見が出た。政府は今後、目標達成に向けた具体策を真剣に考えなければならない。(三井誠) "[he-forum 15135] 京都新聞3/16 京都新聞2010年3月16日付 迅速な共同研究促進へ 京大とATR 「連携契約」  京都大と国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)は15日、情報通信分野などで共同研究を促進するための「組織対応型(包括的)連携契約」を締結した。契約には機密保持に関する項目も含まれ、提案段階から情報の共有が可能になるほか、共同研究を行う際の手続き簡素化やスピードアップにつながるという。  京都大とATRはこれまで、大学院生の受け入れや情報学分野の研究など、個別に協定を結んで協力してきた。締結後は両者のメンバーで構成する「連携協議会」が共同研究などの窓口となる。  ATRで行われた調印式には、京都大産官学連携本部の牧野圭祐本部長と、ATRの平田康夫社長が出席。連携契約書に調印した後、「双方とも力ある研究者の集まりなので、良い結果が出せるはず。京大がけいはんな(学研都市)に役立てるきっかけにもなれば」(牧野本部長)、「より迅速に共同研究、交流を進め、関西における研究の活性化につなげていきたい」(平田社長)と意気込みを語った。 "[he-forum 15136] 毎日新聞3/18 毎日新聞 2010年3月18日 東京朝刊 大学大競争:国立大法人化の功罪/4 生き残りへ「改革」模索  「統合の話をどう思っておられますか」  03年秋、是永駿・大阪外国語大学長(当時)は、大阪大学長の就任 あいさつに訪れた宮原秀夫学長(同)に切り出した。名刺交換の直後 だった。1921年創立の「大阪外国語学校」に端を発し、司馬遼太 郎、陳舜臣ら著名な文化人を輩出した大阪外大が「消滅」への一歩を踏 み出した。  大阪外大は当時、年間予算に占める人件費の割合が87%と高い一 方、25の専攻言語を維持するため人員削減もままならない、という袋 小路にいた。  04年春に法人化されれば、収入確保は一層厳しくなる。「大阪外大 単独では衰退の道が見えていた」(是永氏)。「看板」(大学名)を捨 てても、「中身」(高度な言語教育)を残すため、苦渋の決断をした。  阪大側も法人化後の国内外の競争を勝ち抜くすべを模索していた。大 阪外大と統合すれば、「専門性を持った国際人を育てられ、外部資金を とりやすくなる。海外の大学からの提携話にもつながる」(宮原氏)と 期待した。  新「大阪大」は07年10月に誕生、学部学生約1万6000人と国 立大最大となった。今年の入試(前期日程)では外国語学部の志願倍率 が阪大で最も高かった。   ■   ■  東北大は今年度、選挙で選ばれた各学部長らに学長の面接を受けるこ とを義務付けた。「大学執行部との迅速な意思疎通」が目的だが、執行 部の狙いは、さらに先を行く。学内の選挙で選ばれた候補者に学外から の推薦者も加えた中から、選考委員会が学部長らを選ぶ方法を検討して いる。  法人化で学長の権限が強まったが、今も教授会の影響力は根強い。選 考方法の変更に反対の学部は多いが、井上明久学長は「選挙で選ばれた 人では思い切った改革がしにくい。グローバルに見て大学の危機だとい う意識を持ち、世界でどれだけ認知されるかを考えなければ」と力を込 める。   ■   ■  生き残りを探る国立大よりさらに大胆な改革が、大阪府立大で実施さ れる。11年度から文系学部を廃止し、理系4学域に再編する。橋下徹 府知事は昨年2月の会見で「府民にとってなくなると困る大学か」と発 言、存廃も含めた抜本的な改革を打ち出した。大阪市立大との統合や私 学への売却もささやかれたが、成果が目立っていた理系に特化して存続 を果たした。奥野武俊学長は「知事の発言は青天のへきれきだったが、 逆に好機ととらえ、時代の先取りができた」と話す。  4月から始まる国立大の第2期中期計画は、各大学の得意分野を伸ば す「機能別分化」が主眼になる。達成度に応じて、運営費交付金の配分 が決まるため、各大学は特色作りに必死だ。  中央教育審議会大学分科会委員を務める黒田寿二・金沢工業大学園 長・総長は「これだけ18歳人口が減ると、将来(国立大を)今のまま 維持するというわけにはいかないだろう。各国立大が東大のマネをする 時代は終わった」と話す。=つづく "[he-forum 15137] 東京新聞3/18 東京新聞 2010年3月18日 就活中の『ゆとり世代』 “対人”苦手面接がカギ  就職氷河期再来といわれる中、二〇一一年卒の就職活動が本格化して いる。就活中の大学三年生は、今春、第一期生が四年制大学卒業を迎え た「ゆとり世代」と呼ばれる若者たち。のんびりして、競争が苦手とさ れる世代への対応に苦慮する就活の現場をのぞいてみた。 (服部利崇)  「よろしくお願いします!」。元気なあいさつから自己PRを始める リクルートスーツの大学三年の男女約三十人が、東京・渋谷の会場で模 擬面接イベントに挑戦。面接官役の若手社員から「結論を最初に。エピ ソードは具体的に」などとアドバイスを受けた。  「ゆとり世代」とは一般的に、中学三年時に導入された総合学習など の現学習指導要領で学んだ一九八七年四月以降の生まれを指す。  模擬面接を企画した就職コンサルタントの唐沢明さん(41)は、首 都圏など十五大学で大学生の就活にかかわっている。十年以上の指導経 験から、「インターネットや携帯電話を使いこなすデジタル力はある が、面と向かって話すアナログ力が落ちている。最近の学生は“対 人”が弱い」と指摘。模擬面接でも学生に配慮し、面接官役の社員に 「学生がやる気をなくさないよう、安直なダメ出しをせず、かつ厳しい 一言を盛り込む」といったアドバイス方法の徹底を求めた。  唐沢さんは「即戦力で、会社を辞めない社員を求める企業は、ストレ ス耐性を見極めようと、あえて意地悪な質問をする圧迫面接を行う傾向 がある。だが、今の若者はしかられ慣れていない。打たれ弱く、本番が 心配」と懸念する。実際、神奈川大人間科学部の三浦隆聖さん(21) は「勝負事や競争に弱い世代といわれるが、自分もそう。集団面接も苦 手。はっきりしゃべれるようにしたい」と、メンタル面に不安を抱える。  企業の採用計画は、昨年からさらに縮小傾向。楽天リサーチなどが二 月に行った企業の人事担当者への十一年度採用調査で、一〇年度から採 用数を減らすと答えた企業が31%に上る一方、「増やす」は11%に とどまる。氷河期とぶつかったゆとり世代の学生も不安を隠せない。神 奈川大法学部の女子学生(21)は「会社説明会の予約さえ取れない。 内定が取れるか不安」。       ◇  大学側もゆとり世代の就職支援に苦慮している。駒沢大キャリアセン ター就職課の橋本長亮課長は「周囲のおぜん立てに慣れ、企業の求める 人材になるための自分磨きに取り組まない傾向がある」と指摘。日本女 子体育大キャリアセンターの安田伊佐男事務長も「今の学生はオンリー ワン志向。一人一人にきめ細かい対応が必要で、手間がかかる」と話す。  「若い社員の扱い方が分からない」。企業側から相談が多数寄せられ る人材教育コンサルタント会社レジェンダ・コーポレーションでは、新 人教育の担当者向けプログラムの注文が増えている。  「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)がない」といらつく上司に対 し、「上司が忙しすぎて、いつ声かけていいか分からない」と悩む若手 という、ちぐはぐな構図が目立つという。  「今でも若手社員に困惑しているのに、ゆとり世代が本格的に入って きたら、どうなるのか」。そんな企業側の不安に、同社事業開発部の丹 羽律(にわりつ)マネジャーは「ゆとり世代も戦力化しなければ、企業 に将来はない。自分たちと違うと突き放すのではなく、育てていく意識 が必要」と強調する。  「ゆとり世代は教育制度の被害者」と強調する日本女子体育大の安田 事務長は、企業側にこう求める。「異質な他者との付き合いが苦手な世 代だが、就活で失敗と経験を積むうちに、きっと成長するはず。長い目 で見守ってやって」 "[he-forum 15138] 北大を不当労働行為で訴える 神沼公三郎(北大教職員組合委員長)です  2009年の人事院勧告に準拠した賃金不利益変更問題 で北大は、北大教職員組合との団体交渉を途中で一方的 に打ち切るなど、いくつかの不当労働行為を働きました。  そのため北大教職員組合は本日(3月18日)、北海道労 働委員会に対して、北大を不当労働行為で訴える手続き (不当労働行為救済申立て)をとりました。  北大は2004年にも、寒冷地手当問題で北大教職員組合 に不当労働行為を働いています。奇しくも北大は、第一期 中期目標・計画期間の初年度と最終年度に不当労働行為 の愚を犯したことになりますが、再犯の罪は重いと言わなけ ればなりません。  今後、北海道労働委員会の場で争ってゆきますが、全国 の皆様には改めて北大教職員組合に対するご支援をお願 いしたいと思います。その際は何とぞよろしくお願い申し上 げます。 "[he-forum 15139] 毎日新聞3/19 毎日新聞 2010年3月19日 東京朝刊 大学大競争:国立大法人化の功罪/5止 描き切れない将来像  「(国立大法人化の)背景に、(競争や市場原理を重視する)新自由 主義思想で大学は変わらなければならないという考えがあった。法人化 後の影を確認することが大事だ」  2月17日、文部科学省の国立大学法人評価委員会総会。委員の寺島 実郎・日本総合研究所会長が口火を切ると、他の委員も「行財政改革と 重なり、(大学を活性化するはずだった)法人化の効果はかなり減殺さ れた」「(外部資金を求め)大学の先生が浅ましくなった」「日本の高 等教育が競争力を失いつつある」と続けた。  国立大法人化は、行財政改革の一環として始まり、国からの運営費交 付金が毎年1%削減された。国立大学法人法には「高等教育への財政支 出の充実」などへの配慮を求める衆参両院の付帯決議があったが、一顧 だにされなかった。  浜田純一・東京大学長は3月3日、国立大学協会長に再任された際の 会見で、「法人化で大学間格差が広がったのは事実」と認めた上で、 「先の見えない時代だからこそ、大学が日本を支える役割は大きい」と 訴えた。   ■   ■  「運営費交付金の削減方針を見直します」。昨夏の総選挙で民主党が 作成した政策集の言葉だ。ところが、政権交代後も国立大への風向きに 変化は感じられない。来年度予算案の運営費交付金も前年度比0・9 4%減と結局、減らされた。  文科省幹部は「政策集は次の総選挙までに実現すべき政策。今回は、 高校無償化という政権公約を実現する約3900億円を工面する必要が あった。国立大がまったく無傷、というわけにはいかなかった」と明か す。  来年度以降の見通しについても、財務省幹部は「国立大の予算総額は 外部資金の獲得などで膨らんでいる。運営費交付金が本当に絞れないぞ うきんか、という議論は今後も必要」と冷ややかだ。   ■   ■  現政権は、どんな「国立大の将来像」を描いているのか。  鈴木寛・副文科相は1月、国立大の第1期中期計画が今年度で終わる のを機に「法人化の成果、今後の課題を検証したい」と、作業部会設置 を表明した。  鈴木氏は毎日新聞の取材に「国立大は、文化や価値観を生む拠点とし て重要だ。前政権の(運営費交付金の)削減方針は撤回し、これからど う増やすかを考えたい」と答えた。さらに少子化時代の国立大の数につ いて、「いつも絞る話、削る話では現場の疲弊を招く。そんなメッセー ジは出さない」と明言した。一方、「どのように社会に貢献するか、大 学自身が描き、国民に発信してもらいたい」と注文もつけた。  国立大は、今後も社会から税金を投入する対象として認められ、存続 できるのか。国民は、そこに何を求めるのか。岐路に立つ国立大は4月 から2期目の中期計画へこぎ出す。=おわり(この連載は永山悦子、西 川拓、江口一、河内敏康、高野聡、曽根田和久が担当しました) "[he-forum 15140] 毎日新聞3/19その2 毎日新聞 2010年3月19日 東京朝刊 高校無償化:「朝鮮学校対象に」 大学教員の会、文科省に992人要請  国公私立大の教授や講師らで結成した「『高校無償化』措置を朝鮮学 校に適用することを求める大学教員の会」(呼び掛け人・鵜飼哲・一橋 大大学院教授ら)は18日、高校無償化法案の適用対象から朝鮮学校を 外さないよう求める鳩山由紀夫首相らあての要請書を文部科学省に提 出。国内外の大学教職員計992人が名前を連ねた。  要請書は「多様な民族的・文化的バックグラウンドを持つ人が対話で きる空間を創造することが大学人の責務」とし、日本在住のすべての若 者に機会を保障するよう求めている。【本橋和夫】 "[he-forum 15141] 毎日新聞3/18 毎日新聞2010年3月18日付 大学大競争:国立大法人化の功罪/4 生き残りへ「改革」模索  「統合の話をどう思っておられますか」  03年秋、是永駿・大阪外国語大学長(当時)は、大阪大学長の就任あいさつに訪れた宮原秀夫学長(同)に切り出した。名刺交換の直後だった。1921年創立の「大阪外国語学校」に端を発し、司馬遼太郎、陳舜臣ら著名な文化人を輩出した大阪外大が「消滅」への一歩を踏み出した。  大阪外大は当時、年間予算に占める人件費の割合が87%と高い一方、25の専攻言語を維持するため人員削減もままならない、という袋小路にいた。  04年春に法人化されれば、収入確保は一層厳しくなる。「大阪外大単独では衰退の道が見えていた」(是永氏)。「看板」(大学名)を捨てても、「中身」(高度な言語教育)を残すため、苦渋の決断をした。  阪大側も法人化後の国内外の競争を勝ち抜くすべを模索していた。大阪外大と統合すれば、「専門性を持った国際人を育てられ、外部資金をとりやすくなる。海外の大学からの提携話にもつながる」(宮原氏)と期待した。  新「大阪大」は07年10月に誕生、学部学生約1万6000人と国立大最大となった。今年の入試(前期日程)では外国語学部の志願倍率が阪大で最も高かった。   ■   ■  東北大は今年度、選挙で選ばれた各学部長らに学長の面接を受けることを義務付けた。「大学執行部との迅速な意思疎通」が目的だが、執行部の狙いは、さらに先を行く。学内の選挙で選ばれた候補者に学外からの推薦者も加えた中から、選考委員会が学部長らを選ぶ方法を検討している。  法人化で学長の権限が強まったが、今も教授会の影響力は根強い。選考方法の変更に反対の学部は多いが、井上明久学長は「選挙で選ばれた人では思い切った改革がしにくい。グローバルに見て大学の危機だという意識を持ち、世界でどれだけ認知されるかを考えなければ」と力を込める。   ■   ■  生き残りを探る国立大よりさらに大胆な改革が、大阪府立大で実施される。11年度から文系学部を廃止し、理系4学域に再編する。橋下徹府知事は昨年2月の会見で「府民にとってなくなると困る大学か」と発言、存廃も含めた抜本的な改革を打ち出した。大阪市立大との統合や私学への売却もささやかれたが、成果が目立っていた理系に特化して存続を果たした。奥野武俊学長は「知事の発言は青天のへきれきだったが、逆に好機ととらえ、時代の先取りができた」と話す。  4月から始まる国立大の第2期中期計画は、各大学の得意分野を伸ばす「機能別分化」が主眼になる。達成度に応じて、運営費交付金の配分が決まるため、各大学は特色作りに必死だ。  中央教育審議会大学分科会委員を務める黒田寿二・金沢工業大学園長・総長は「これだけ18歳人口が減ると、将来(国立大を)今のまま維持するというわけにはいかないだろう。各国立大が東大のマネをする時代は終わった」と話す。=つづく "[he-forum 15142] 日本経済新聞3/19 日本経済新聞2010年3月19日付 研究基盤強化を提言 東大など9大学学長  浜田純一東京大学学長、白井克彦早稲田大学総長、清家篤慶応義塾長ら旧帝大系の7国立大学と2私立大学の学長は18日、「国家の成長戦略として大学の研究・人材育成基盤の抜本的強化を」と題した緊急政策提言をまとめ、政府・民主党に提出した。  提言では「大学は、国の成長に最も重要な人材育成や科学技術・学術水準の向上で中心的役割を担う知の拠点であり国力の源泉」と指摘。「諸外国は、科学技術・学術、高等教育への投資を急増させているのに、日本だけは科学技術関係予算を削減し、高等教育への財政支出は経済協力開発機構(OECD)中最下位で、主要大学への研究費配分も米国の40分の1」と強い危機感を示した。 "[he-forum 15143] 朝日新聞福島3/18 朝日新聞福島版2010年3月18日付 今野学長が思い語る ●福島大退職前に記念講演  今年度限りで退職する福島大の今野順夫学長が17日、「福島大学とともに歩んで」と題して記念講演をした。1982年に教育学部助教授として赴任して以来、27年半の同大での研究生活や大学運営の思い出を振り返った。  今野学長は行政社会学部長や副学長などを経て、06年4月に学長に就任。理工系の充実など総合大学化を進め、「教育重視の人材育成」を掲げた大学運営に取り組んできた。地元企業や自治体と協力協定を次々と結んだり、研究面での学内外の連携を深める「プロジェクト研究所」を創設したり、特色ある大学づくりに努めてきたことを報告。「地域社会にとって存在感のある大学、地域から頼りにされ、愛される大学でなければならない」と学長として心がけてきた思いを述べた。 "[he-forum 15144] 中国新聞3/18 中国新聞2010年3月18日付 医学部地域枠、定員割れ 島根除く中国4県 ▽学力不足や周知に課題 奨学金、宙に浮く  中国地方5県が国立大医学部医学科の今春の一般入試で設けた「地域枠」のうち、島根を除く4県の合格者数が定員割れとなった。地域医療に携わる意志のある人材を優先して入学させる仕組みで、各県が予算化していた奨学金が宙に浮く事態となっている。  欠員は、広島県1人▽山口県1人▽岡山県3人▽鳥取県2人。いずれも2月の国立大一般入試前期日程で設けた募集枠に対し、合格者数が下回った。  地域枠は、合格者が卒業後6~9年間、県が指定する病院に勤務するのを条件にしている。在学中の6年間は、月額10万~20万円の奨学金が支給される。  広島県は、広島大5人と岡山大2人の地域枠を設けていた。岡山大は志願者3人のうち、1人しか合格しなかった。  医療政策課は「地域医療に対する熱意は全員が十分にあったと聞くが、学力面などが足りなかった」と残念がる。地域枠を中心とする各大学の定員増を国が認めたのは昨年12月。「周知の時間が十分なかった」という。  岡山県は岡山大に設けた地域枠7人のうち4人しか確保できなかった。施設指導課は「志願者26人は想定外の少なさだった」という。鳥取県は、山口大の地域枠1人に志願者がいないなどし、計2人が欠員となった。  行き場を失ったのは、合格者に支給する予定だった奨学金だ。山口県は、新年度予算案に8人分の奨学金計8640万円を盛り込んでいたが、欠員1人分の1080万円が必要なくなった。地域医療推進室は「貸付規則に従い、入学者の中から地域枠の利用者を新たに募るなど弾力的な運用はしない」という。鳥取県も2人分2160万円について同様の考えを示す。  一方、広島県は4月以降、岡山大医学部医学科に入る県出身者に対し、欠員1人分の奨学金の利用を呼び掛ける方針だ。医療政策課は「県東部は岡山大からの派遣医師も多く、なんとか2人を確保したい」と話している。(藤村潤平) "[he-forum 15145] 河北新報3/18 河北新報2010年3月18日付 始動 北の拠点-自動車産業集積の未来 第3部=挑戦(2)突破口/産学連携で参入へ新技術  仙台市若林区の工場の一角で、新しい素材による自動車部品の開発と製造技術の研究が精力的に進む。  精密機械加工の本田精機(仙台市宮城野区)は一昨年、弘前大や東北大と共同で微細結晶材料の加工研究を始めた。溶かした鉄を急速に冷やしながら高速回転させると結晶が細かくなって強度がアップし、磁気特性も向上する。この材料を自在に成型する技術を確立して次世代車向け部品に仕上げ、自動車関連企業との取引を目指す。  もともと本田精機は磁気テープの生産設備製造を得意とした。だが磁気テープ需要は急減し「今後の飯のタネ」(本田力雄会長)として自動車分野に目を付けた。今、工場には弘前大や東北大の研究者が頻繁に訪れ、技術指導に当たる。本田会長は「専門家は最先端の理論を持っていて頼りになる」と技術開発に意欲を見せる。 <「進む道見える」>  トヨタ自動車グループのセントラル自動車(神奈川県相模原市)本社工場の宮城県移転など、東北で自動車産業の集積が進む。だが東北の企業が新規参入を目指そうにも、生産ノウハウと技術の蓄積は薄い。そこで参入への「突破口」と位置付けられているのが産学連携による新技術や独自製品の開発だ。  岩手大工学部の平塚貞人教授(鋳造工学)は昨年、奥州、山形両市などの6社と鋳物の品質を上げて自動車部品の高機能化を図る研究を始めた。平塚教授は「関東自動車工業岩手工場やセントラルが現地調達を進めることをにらんだ」と言う。  研究メンバーのうち金型製作の前田鋳工所(奥州市)は、車体用鋼板をプレスする金属部品の耐久性を高めることで自動車産業への参入をもくろむ。前田俊一社長は産学連携のメリットを「大学はしっかりした評価手法を持っており、自社技術の問題点を把握できる。次に進むべき道が見える」と強調する。 <先端動向つかむ>  新規参入や取引拡大で武器となる新技術だが、東北は車メーカーの設計・開発機能が乏しいというハンディを抱える。車の設計開発は数年先の量産を見据えて進められ、頭脳拠点が近くにないことは技術動向の先読みで圧倒的に不利だ。  東北大が2月に開設した産学連携拠点の「情報知能システム(IIS)研究センター」は、こうした弱点を補う一つの仕掛けを施す。車メーカーとの共同研究で実験や試作を東北の企業に依頼することで、地元企業が最先端の技術動向をつかみ、量産にも参加できる糸口としたい考えだ。  IIS研究センターの青木孝文教授は「これまでの産学連携は大学と車メーカーだけで進むことが多かった。大学は地域に貢献したいと考えており、地元企業の参加を通じ東北に新技術が根付くようにしたい」とビジョンを描く。地元企業に「敷居が高い」と敬遠されがちだった「学」も、新たな地域産業の形成に役割を果たそうと本腰を入れ始めた。 ◎メモ/東北の産学連携  東北各県の自動車産業振興組織には理工系を中心とする大学も加盟し、大学のシーズの活用策を探っている。東北大大学院工学研究科は昨年10月、トヨタ自動車向けの商談会に出展したほか、「次世代移動体システム研究会」を設立。地元企業とともに電気自動車などの技術研究も進めている。 "[he-forum 15146] 共同通信3/18 共同通信2010年3月18日17時44分 大学生の生活費8年間で3割減 仕送り伸びずに切り詰め  大学生(夜間部を除く)の2008年度の年間平均生活費は68万円で、ピークだった00年度の94万円から約3割減少したことが18日、日本学生支援機構の調査で分かった。不況の影響で仕送りや小遣いなどの収入が伸びない中、生活費の切り詰めを迫られている学生の姿が浮かんだ。  調査は、国公私立の大学生、短大生、大学院生を対象に隔年で実施し、約4万1千人が回答。うち大学生の内訳は自宅生54%、下宿生46%。大学生の生活費は、02年度86万円、04年度77万円、06年度72万円と4回連続で減少した。  08年度の生活費の内訳は住居・光熱費が21万円で前回の06年度より3万円減。続いて食費が18万円(同1万円減)、インターネット利用経費などの娯楽・嗜好費14万円(同1万円増)、携帯電話の通話料金や洋服代など、その他の日常費は11万円(同1万円減)―などだった。  授業料や通学費などの「学費」は118万円で、1968年度の調査開始から一貫して増加。 "[he-forum 15147] 朝日新聞3/20 朝日新聞 2010年3月19日 群馬大方式に熱い視線 理系英語のネット学習システム  群馬大学工学部(桐生市)が開発した、理科系向けの実践英語教材 「Eラーニングシステム」が好評だ。愛媛大学が今春導入するのを皮切 りに、山形大学、熊本大学、徳島大学でも検討中だ。インターネットで アクセスできるほか、学習意欲を刺激する工夫などが評価されている。  このシステムは、群大大学院工学研究科の篠塚和夫教授(56)が中 心に開発した。日本語で「エーテル」と習う物質は英語では「イー サー」と発音するなど、慣れないと聞き取れない専門用語も多い。この ため2005年から5年計画で実践英語の教育に取り組んだ。  当初3年間は、聞き取りや英語での技術説明能力を高める実験授業を 文部科学省の補助金をもとに実施した。その後、授業で得たノウハウを 各学科で手分けして原稿にし、インターネット経由で自宅のパソコンで 使えるようにした。1年半前から同大や大学院の学生に公開しており、 昨春からは授業の一環で活用している。  プログラムは応用化学、材料工学、機械システムなど7分野に分け た。聞く、翻訳、速読、発音、登場人物の1人になって会話を進める、 などが組み合わされ、最後は英語の質問に英語で答える。もちろん、何 度でも繰り返すことができる。  成果が出るのはこれからだが、学生から「面白い」「新鮮だ」と歓迎 され、アクセスは伸びている。昨年5月、教育研究の連携協定を結んで いる先の4大学とのシンポジウムで発表すると、「うちの大学にも欲し い」と求められ、無料で提供することにした。  篠塚教授は、豪州や米国の大学や研究機関で8年間研究した経験があ る。「私たちの世界は英語ができないため競争に負けたという現実がた くさんある。学生たちを、同じ条件で世界と競える技術者にしたい」 "[he-forum 15148] 毎日新聞3/20 新教育の森:教員養成へ独自色、私立大が本格参入  ◇学内組織で研究授業、採用試験対策も重視  団塊世代の退職による教員の新規採用の増加や、政権交代後に検討され始め た養成期間延長で、職業としての「先生」が注目されている。こ "[he-forum 15149] 毎日新聞3/19 毎日新聞 2010年3月19日 21時35分 科学技術政策:東大など9大学長が提言  東京大、京都大など旧7帝国大と、慶応大、早稲田大の9大学の学長が19 日、地道な基礎研究や若手研究者の支援などを実現する具体的な政策提言を取 りまとめ、新成長戦略や来年度から始まる科学技術基本計画に盛り込むよう政 府に求めた。  提言では、大学を「国を支える人材を育てる知の拠点」と位置づけたうえ で、日本の高等教育への投資額の低さを指摘。重点的に取り組む政策課題とし て具体的に▽若手を対象とする数千人規模の終身教員職の設置 "[he-forum 15150] 河北新報3/22 河北新報2010年3月22日付 東北大の100年刻む 大学史全11巻完結  東北大が創立百周年記念事業の一環として、1997年から編さんを進めてきた大学史「東北大学百年史」の最終巻が刊行され、全11巻が完結した。創立以来の沿革や各分野の研究成果のほか、学生生活の歴史までを網羅。執筆者は約980人に上った。東北大百年史編さん室は「全国の大学史の中でも最大規模。近代の教育史を知る資料として広く活用してほしい」と話している。  百年史は、1907年の創立から現在までの沿革をまとめた「通史」(全3巻)、各学部や付属研究所の歴史、研究成果を収めた「部局史」(全4巻)、データや写真などの「資料」(全4巻)で構成する。完成した巻から順次出版され、最後に残っていた通史の3巻目が19日、刊行された。各巻800ページ前後で、全巻計9600ページに及んだ。  明治期の東北帝国大設置の経緯から、近年の国立大法人化やキャンパス移転計画まで、時代背景と合わせて解説。通史の3巻ではテーマ別に大学史を詳述した。東北振興と同大のかかわり、学術研究に多大な助成をしてきた仙台市の財団法人「斎藤報恩会」との結びつきなどのキーワードで振り返っている。「女性教職員と学内保育施設」など、従来あまり取り上げられていないテーマも盛り込んだ。  全巻を通じ、東北大やほかの旧帝大、国立公文書館(東京)などに残る史料を徹底調査。退職した名誉教授や遺族など100人近くから所蔵史料の提供を受けたという。  百年史編さん室長の今泉隆雄文学研究科教授は「学術的な成果を明らかにするとともに、大学という高等教育機関が地域や社会とどうかかわってきたかに注目した。大変な編さん作業だったが、次の100年を考える手掛かりとなればうれしい」と語る。  価格は第11巻のみ7000円で、ほかは6000円。連絡先は東北大出版会022(214)2777。東北大図書館、史料館などで閲覧できる。 "[he-forum 15151] 共同通信3/20 共同通信2010年3月20日19時19分 科学技術めぐり大阪でミーティング 「研究費や若手ポストを」  川端達夫科学技術担当相と政府の総合科学技術会議の有識者議員による「科学技術政策ミーティング」が20日、大阪市内で開かれ、関西の大学、財界関係者らと人材育成や産学官の連携について意見交換した。  出席者からは「研究開発関連の予算が外国と比べて減少している」「人材育成の観点から、研究費や若手研究者のポストを確保する努力を」などの国への指摘や注文が相次いだ。  一方、有識者議員からは「若手に予算を配分するだけでなく、公正な競争を」「大学などで、即戦力を養成する教育が足りないのではないか」との意見が出た。  同種会合が東京以外で開かれるのは初。川端科学技術担当相は「いろいろな知恵と技術を使って日本を元気にするため、地方の意見を政策に生かしたい」と強調。参加した平松邦夫大阪市長は「東京への一極集中が進む中で大阪が持つエネルギーを活用してほしい」と述べた。 "[he-forum 15152] 日本経済新聞3/23 日本経済新聞2010年3月23日付 動き出す「最先端研究開発支援プログラム」 山中京大教授ら30人に1000億円 緊急経済対策の一環として2009年度補正予算に盛り込まれた大型研究助成「最先端研究開発支援プログラム」がいよいよ動き出す。自民党前政権が打ち出してからほぼ9カ月、前政権が打ち出してからほぼ9カ月、民主党新政権による予算変更などの曲折を経て、総合科学技術会議(議長・鳩山由紀夫首相)がこの3月、やっと計画を決定した。問題点の多い科学技術振興策と指摘されてきたが、始まったからには社会への還元を意識した成果を生み出す必要がある。  プログラム推進のため日本学術振興会に創設する基金の総額は、当初予定の2700億円から1500億円、さらに1000億円へと減った。世界のトップを狙える中核研究者は昨秋、公募した565人の中から30人を選んだ。  予算減額を受けて研究協力者やテーマの設定など、組み替え作業は大変だったようだが、最高で50億円というこれまでの研究助成にはない巨額の資金を得られるとあって、不満の声はさほど表面化しなかった。年度内ギリギリに決まった計画では、多くのグループが査定を受けてさらに規模縮小を余儀なくされた。研究者がこれほど振り回された科学技術政策も珍しいだろう。  選ばれた30人は日本を代表する研究者だ。米科学誌サイエンスの年間トピックスに取り上げられた京都大学の山中伸弥教授(再生医療)や東京工業大学の細野秀雄教授(材料工学)、質量分析技術でノーベル賞を受賞した島津製作所の田中耕一氏らそうそうたるメンバー。「日本もまだまだ捨てたものではない」という感慨を抱かせる。  課題は、5年という限られた期間で期待にこたえる成果を生み出していけるのかどうか。科学技術は本来、緊急経済対策になじまないうえ、審査の過程で「基礎的な研究に力を入れるべきだ」という意見が出るなど基準にちぐはぐさがみられた。各研究者は、それぞれのテーマについて社会の中で位置付けられる役割を考えていかねばならないだろう。 閉塞(へいそく)感の漂う社会状況のもと、学会や論文での発表だけで満足していれば社会の理解は得られない。産業応用が見込めるのであれば、実現に向けてどのような道筋が描けるのか。応用とかけ離れていても、日本が世界に発信する科学情報としてどのような意義をもっているのか。社会に向けて分かりやすく説明する意識が求められる。  今回のプログラムは科学界に大きな影響を与えた。通常予算で本格的に取り組めば、研究基盤の底上げにつながる可能性がある。一過性ではなく、じっくりと取り組めるよう政策を見直すことも重要だ。 最先端研究開発支援プログラムの中核研究者(敬称略) 中心研究者(所属) 研究課題 研究費総額(提案額) 合原一幸(東京大学) 複雑系数理モデル学の基礎理論構築とその分野横断的科学技術応用 19億3600万円(32億2800万円) 審良静男(大阪大学) 免疫ダイナミズムの統合的理解と免疫制御法の確立 25億2000万円(36億円) 安達千波矢(九州大学) スーパー有機ELデバイスとその革新的材料への挑戦 32億4000万円(50億円) 荒川泰彦(東京大学) フォトニクス・エレクトロニクス融合システム基盤技術開発 38億9900万円(50億円) 江刺正喜(東北大学) マイクロシステム融合研究開発 30億8700万円(50億円) 大野英男(東北大学) 省エネルギー・スピントロニクス論理集積回路の研究開発 32億円(50億円) 岡野光夫(東京女子医科大学) 再生医療産業化に向けたシステムインテグレーション-臓器ファクトリーの創生- 33億8400万円(50億円) 岡野栄之(慶応義塾大学) 心を生み出す神経基盤の遺伝学的解析の戦略的展開 30億6800万円(50億円) 片岡一則(東京大学) ナノバイオテクノロジーが先導する診断・治療イノベーション 34億1500万円(50億円) 川合知二(大阪大学) 1分子解析技術を基盤とした革新ナノバイオデバイスの開発研究―超高速単分子DNAシークエンシング、超低濃度ウイルス検知、極限生体分子モニタニングの実現― 28億7700万円(50億円) 喜連川優(東京大学) 超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価 39億4800万円(50億円) 木本恒暢(京都大学) 低炭素社会創成へ向けた炭化珪素(SiC)革新パワーエレクトロニクスの研究開発 34億8000万円(49億9100万円) 栗原優(東レ) Mega-ton Water System 29億2400万円(49億6800万円) 小池康博(慶応義塾大学) 世界最速プラスチック光ファイバーと高精細・大画面ディスプレイのためのフォトニクスポリマーが築くFace-to-Faceコミュニケーション産業の創出 40億2600万円(49億9900万円) 児玉龍彦(東京大学) がんの再発・転移を治療する多機能な分子設計抗体の実用化 28億7600万円(50億円) 山海嘉之(筑波大学) 健康長寿社会を支える最先端人支援技術研究プログラム 23億3600万円(50億円) 白土博樹(北海道大学) 持続的発展を見据えた「分子追跡放射線治療装置」の開発 36億円(50億円) 瀬川浩司(東京大学) 低炭素社会に資する有機系太陽電池の開発~複数の産業群の連携による次世代太陽電池技術開発と新産業創成~ 30億6700万円(50億円) 田中耕一(島津製作所) 次世代質量分析システム開発と創薬・診断への貢献 34億円(50億円) 十倉好紀(東京大学) 強相関量子科学 31億円(50億円) 外村彰(日立製作所) 原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡の開発とその応用 50億円(50億円) 永井良三(東京大学) 未解決のがんと心臓病を撲滅する最適医療開発 34億6400万円(50億円) 中須賀真一(東京大学) 日本発の「ほどよし信頼性工学」を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築 41億400万円(50億円) 細野秀雄(東京工業大学) 新超電導および関連機能物質の探索と産業用超電導線材の応用 32億4000万円(48億3900万円) 水野哲孝(東京大学) 高性能蓄電デバイス創製に向けた革新的基盤研究 28億4300万円(50億円) 村山斉(東京大学) 宇宙の起源と未来を解き明かす-超広視野イメージングと分光によるダークマター・ダークエネルギーの正体の究明- 32億800万円(50億円) 柳沢正史(米テキサス大学) 高次精神活動の分子基盤解明とその制御法の開発 18億円(49億800万円) 山中伸弥(京都大学) iPS細胞再生医療応用プロジェクト 50億円(50億円) 山本喜久(国立情報学研究所・米スタンフォード大学) 量子情報処理プロジェクト 32億5000万円(50億円) 横山直樹(富士通研究所) グリーン・ナノエレクトロニクスのコア技術開発 45億8300万円(50億円) (科学技術部編集委員 永田好生) "[he-forum 15153] 十勝毎日新聞3/23 十勝毎日新聞2010年3月23日付 3寮統合「寄宿舎」に 帯畜大学生寮 男女混住型、工事が終了  帯広畜産大学(長澤秀行学長)が男子学生寮「碧雲(へきうん)寮」で進めていた耐震補強と内部リニューアルの工事が完了した。老朽化した女子寮「萠宥(ほうゆう)寮」と別科男子寮「黎明(れいめい)寮」を統合し、男女混住型の学生寮として生まれ変わった。3寮統合により、これまでの各寮の名称は消え、大学側と寮生との協議を経て「学生寄宿舎」に決まった。  碧雲寮の改築は老朽化が著しい施設を耐震補強し、女子の入寮定員を増やすため、国費補助と大学負担で事業費約9億円をかけ、昨年6月に着工。ただ、施設管理や寮生の安全確保に当たる管理人配置をめぐり一部寮生が「自主的な寮生活が侵害されかねない」と反発、大学側は着工を一時見送った経緯がある。同10月からは管理会社による運営委託が始まった。  建物は鉄筋コンクリート造り5階建て延べ5366平方メートル。定員は碧雲寮380人(2人室)、萠宥寮24人(同)、黎明寮28人(4人室)だったのに対し、統合寮は302人(男子182人、女子120人)。3寮に比べ全体定員は減るが、女子の受け入れ人数を拡大したのが特徴。居室は女子が個室、男子が2人室となった。  女子は個室でプライバシーを確保したほか、各階にはミニキッチンが付いた共有空間「コモンルーム」、シャワールーム(女子のみ)を設置。寮内で使うすべてのエネルギーを電気(風呂は除く)とし、1階にマルチルーム、喫煙ルームを新設。男女それぞれに共同浴室がある。男女の各エリア入り口をオートロックにするなど、安全安心な住環境を提供する。  寄宿料は月に6400円。ほかに光熱水費や駐車場使用料、清掃費、食堂を利用した場合の費用がかかる。  同大によると、統合寮の名称については学長に一任。学長は「柏(かしわ)寮」を提案したが、寮生の同意が得られなかった。互いに決めかねた結果、寮生の同意も得て「学生寄宿舎」に落ち着いたという。  先行して工事が完了した男子エリアから既に学生が入居しており、女子エリアは23日から引っ越しが始まった。新入生は4月から入寮する。  同大は「快適な学生生活を送れるようになったので大学の売りとしてアピールし、志願者増につなげたい」(総務課)と話している。 (山崎大和) "[he-forum 15154] 読売新聞3/23 読売新聞2010年3月23日付 親の懐事情、進学先左右…景気低迷ひしひし 受験費用46万円→30万円 仕送り月10万円以下…ひめぎん情報センター調べ  大学や短大に通う子どもがいる県内の1000世帯を対象にしたアンケート(回収率34.3%)で、進学先を決める際に「経済的事情」を重視した世帯の割合が、1996年の開始以来最も高い22.4%に達したことが、ひめぎん情報センターの調査でわかった。離れて暮らす子どもへの仕送り額や、自宅生の小遣い額も過去最低で、同センターは「不況の影響がうかがえる」と分析している。  調査は大学、短大、大学院、専門学校に通う子どものいる世帯を対象に毎年行い、今年は2月に実施した。子どもの進学先は大学75・8%、専門学校7%、短大5・5%、大学院2%。学校の所在地では県内が39・9%、近畿19・5%、中国地方9・6%などで、学生の住居形態ではアパートなどの下宿が61・2%、自宅23・9%など。回答者の平均年齢は49・5歳だった。  進学先を決める際に重視したことでは、例年通り「本人の希望」(86・3%)が最多だったが、続く「経済的事情」(22・4%)は前回より2・8ポイント増え、過去最高となった。また受験料や宿泊代、交通費など受験時の平均総費用は前回比16万1000円減の30万1000円で、1人あたりの受験校数も過去最少の2・2校となり、前年より0・6校減った。  一方、自宅外生への毎月の仕送り額は初めて10万円台を割り込んで平均9万9000円となった。自宅生の1か月の小遣いは4年連続減少で過去最低の平均1万5000円で、景気悪化が学生の小遣い・仕送りにも影響しているとみられる。 「就職できるか心配」7割  家計における教育費の負担感では「大きい」(86%)がほとんどで、「特に負担は感じない」(9・9%)、「小さい」(0・6%)を圧倒。学費や生活費を合わせた学生の年間総費用の平均(190万3000円)は家庭の平均年収(636万2000円)の3割程度を占める。また、「親の心配のタネ」では、雇用情勢の悪化から「卒業後、就職できるか」(70・3%)が前回より7・3ポイント増え、過去最高となった。  同センターは「受験や生活にかかる費用など、子どもへの支出を減らす人が増えている。子どもの就職に不安を感じる人も多くなっており、景気低迷の影響は大学生活にも及んでいる」としている。 "[he-forum 15155] 京都新聞3/24 京都新聞2010年3月24日付 社会保障の現状や問題点など語る 滋賀大・成瀬学長が退任講演会  3月末で退任する滋賀大の成瀬龍夫学長(65)が23日、退任記念の講演会を草津市内のホテルで開いた。「これからの社会と社会保障」をテーマに日本の社会保障の現状や問題点などを語り、大学や地元行政関係者ら約80人が耳を傾けた。  経済学と社会政策が専門の成瀬学長は1988年12月に経済学部教授になった後、学生部長や経済学部長などを経て2004年7月から学長を務めた。退任後は、京都教育大監事となることが内定している。  講演で成瀬学長は、少子高齢化や高失業率、若者の非正規労働者の増加などを背景に、「扶養の担い手層が社会的弱者に転落し、社会保障の運営が難しくなっている」と指摘。従来の社会保障の代替案として基本的所得を無条件支給する「基本所得構想」を紹介し、「成熟した日本社会は安心、安全が第一だが、高負担をしないと高福祉は得られない」などと語った。 "[he-forum 15156] 共同通信3/25 共同通信2010年3月25日12時49分 国立大の評価を初めて反映 トップは奈良先端科技大  2004年度に法人化された国立大学の研究や教育内容などを評価して、各大学の10年度以降の運営費交付金に差をつける初めての評価反映の内訳が25日、文部科学省への取材で分かった。最も評価が高いのは奈良先端科学技術大学院大で、低かったのは弘前大。  国立大は授業料などの自己収入や国からの運営費交付金で経常経費を賄っている。文科省は、全86大学への交付金計1兆2千億円のうち、事務局の光熱費などに充当する「一般管理費」の1%分、計16億円を評価反映分の原資とした。  評価反映は業績などによって予算に差をつけることで活性化につなげるのが狙い。04年度からの6年間が本来の対象期間だが、今回は04~07年度分を中間的に実施した。  (1)教育水準(2)研究水準(3)教育研究達成度(4)業務運営達成度―の四つの項目について、(1)(2)は大学評価・学位授与機構、(3)(4)は国立大学法人評価委員会がそれぞれ判定。評価結果を文科省が「ウエイト」として数値化(最高値91、最低値5・25)し、大学ごとに反映額を計算した。 "[he-forum 15157] 毎日新聞3/26 毎日新聞2010年3月26日付 文科省:国立大を数値評価 交付金の傾斜配分額公表  04年4月の国立大学法人化に伴い導入された評価制度の結果によって、各大学への10年度の運営費交付金を傾斜配分した内訳を25日、文部科学省が明らかにした。  86ある国立大の総支出の6%を占める一般管理費のうちの1%、約16億円を評価に応じて再配分した。評価が最も高かったのは奈良先端科学技術大学院大で400万円増となった。  国立大は、活性化を目指して法人化され、同時に第三者による評価が義務付けられた。大学自らが教育、研究、業務改善、財務改善などについて6年間の中期目標を立て、達成状況を同省の国立大学法人評価委員会が「非常に優れている」「良好」「おおむね良好」「不十分」などと5段階などで評価している。  今回、09年3月にまとまった04~07年度分の評価が数値化された。  傾斜配分について同省は「運営費交付金は大学の基盤の費用なので、露骨に差をつけるわけにはいかなかった。一般管理費を対象としたのは、理事や事務職員の人件費で直接、学生の教育に影響のない部分なため」と話した。【本橋和夫】 ==============  ◇国立大運営費交付金の評価反映のウエートと反映額  ■上位10校 奈良先端科学技術大学院大 70.00  400 滋賀医科大        63.75  300 浜松医科大        60.64  250 東京工業大        60.18 1600 お茶の水女子大      59.93  300 東京大          56.87 2500 福井大          54.50  300 東京医科歯科大      53.26  350 東京外国語大       52.89  100 京都大          51.30 1300  ■下位10校 山梨大    38.18 ▼450 鳴門教育大  38.00 ▼150 旭川医科大  37.75 ▼250 宇都宮大   37.57 ▼350 香川大    37.20 ▼550 北海道教育大 37.00 ▼350 鹿屋体育大  37.00 ▼150 琉球大    36.40 ▼800 和歌山大   35.50 ▼350 弘前大    35.39 ▼700  ※左は総合評価ウエート。教育・研究の水準、業務運営の目標に対する達成度などの評価項目ごとに算定したものを合計した。右は交付金反映額。単位万円、▼はマイナス 【関連記事】 "[he-forum 15158] 北海道新聞3/26 北海道新聞2010年3月26日付 道内最高は帯畜大11位 文科省、国立大を初の順位づけ  2004年度に法人化された国立大学の研究や教育内容などを評価し、各校の10年度以降の運営費交付金に差をつける文部科学省の評価反映の内訳が、25日文部科学省への取材で分かった。最も評価が高いのは奈良先端科学技術大学院大で、道内の最高は帯広畜産大で11位だった。同省が数値で国立大を順位付けするのは初めて。  国からの運営費交付金は国立大収入の約4割を占める。文科省は、全86大学への交付金計1兆2千億円のうち、事務局の光熱費など「一般管理費」の1%分、計16億円を評価反映分の原資とした。  評価反映は業績などで予算に差をつけ活性化につなげる狙い。04年度から6年間が本来の対象期間だが、今回は04~07年度分を暫定的に行った。《1》教育水準《2》研究水準《3》教育研究達成度《4》業務運営達成度-の四つの項目について、「ウエイト」として数値化(最高値91)し、大学ごとに反映額を計算した。 "[he-forum 15159] 四国新聞3/26 四国新聞2010年3月26日付 国立大評価、初の順位付け/香川大は81位  2004年度に法人化された国立大学の研究や教育内容などを評価して、各大学の10年度以降の運営費交付金に差をつける初めての評価反映の内訳が25日、文部科学省への取材で分かった。最も評価が高いのは奈良先端科学技術大学院大で、低かったのは弘前大。香川大は86校中の81位だった。  国立大は授業料などの自己収入や国からの運営費交付金で経常経費を賄っている。文科省は、全86大学への交付金計1兆2千億円のうち、事務局の光熱費などに充当する「一般管理費」の1%分、計16億円を評価反映分の原資とした。  評価反映は業績などによって予算に差をつけることで活性化につなげるのが狙い。04年度からの6年間が本来の対象期間だが、今回は04~07年度分を中間的に実施した。(1)教育水準(2)研究水準(3)教育研究達成度(4)業務運営達成度―の四つの項目について、(1)(2)は大学評価・学位授与機構、(3)(4)は国立大学法人評価委員会がそれぞれ判定。評価結果を文科省が「ウエイト」として数値化(最高値91、最低値5・25)し、大学ごとに反映額を計算した。  トップの奈良先端科学技術大学院大のウエイトは70、次いで滋賀医科大(63・75)、浜松医科大(60・64)、東京工業大(60・18)、お茶の水女子大(59・93)と続く。下位は弘前大(35・39)、和歌山大(35・50)、琉球大(36・40)の順。 ■国立大運営費交付金 2004年に国立大が法人化されたことに伴い、文部科学省から大学運営のために配分される補助金は、使途自由な運営費交付金に統一された。10年度予算は総額約1兆2千億円。大学の主要財源だが、交付金総額は09年度まで毎年1%の削減方針が維持された。配分額決定に研究内容などへの評価反映が導入され、規模や地域性などにより大学間の格差拡大を懸念する声もある。 *********************************** 「改善すべき点は改善」/香大・一井学長 国立大運営費交付金の総合評価ウエイト  文部科学省が教育水準や業務運営の達成度など4項目を対象に実施した国立大学の評価で、香川大はワースト6位だった。厳しい評価結果を受け、一井真比古学長は「結果を真摯に受け止めて、改善すべき点は改善しなければならない」と説明。大学改革の理念がまだ全学に浸透していないとして、教職員の意識改革に取り組む姿勢も示した。  教育改革・計画を担当する伊藤寛理事によると、評価が低かったのは主に教育水準と研究水準の2項目。「評価されることに慣れておらず、根拠となる資料を十分に示せなかった面もある。対応が甘かった」などと要因を分析、「指摘を受けた点はしっかり改善し、最終評価の段階でばん回したい」と述べた。 "[he-forum 15160] 朝日新聞福島3/26 朝日新聞福島版2010年3月26日付 松川資料室を存続 ●学内外で研究 基金も設立へ 福島大  福島市内の東北線で列車が脱線転覆し、乗務員3人が死亡した冤罪事件「松川事件」の研究拠点となっている福島大の松川資料室について、同大は存続する方針を決めた。大学予算の減少などで存続が危ぶまれていたが、引き続き研究員を雇用する。(北川慧一)  資料室は、事件の風化を防ごうと、同大が1988年10月に設置した。裁判資料や元被告らの手紙、当時の新聞や雑誌記事など約10万点を収集している。07年4月には、県松川運動記念会と同大が資料の整理や公開に関する協定を結び、さらに内容の充実を図ってきた。  管理しているのは伊部正之名誉教授=労働経済学。07年3月の退職後も研究員として大学に残ったが、今年3月で任期が切れる。人件費予算などが削減される中、同大は資料室の常勤の研究員を廃止し、年間60日程度勤務する非常勤職員を配置することなどを検討。これに対し、記念会側は「正規の身分保障がなければ事件の研究は継承できない」と反発していた。  同大によると、資料室は現在のまま継続し、同記念会との協定も更新する。また、伊部名誉教授を引き続き雇用し、資料の収集や整理を担当してもらうという。  さらに同大は、松川事件研究のための「プロジェクト研究所」を設置し、学内7人、学外7人の研究者で構成。事件の背景や裁判などについて総合的に研究し、資料室を活用するとしている。一方、事件研究のための基金も設立し、全国から研究資金を集めることを目指すという。  ◇松川事件:1949年8月17日未明、福島市の松川駅近くで列車が脱線転覆し、乗務員3人が死亡。国鉄の労組幹部ら20人が逮捕、起訴され、一審・福島地裁で死刑5人を含め被告全員に有罪が言い渡された。その後、被告のアリバイを示すメモが出てくるなどし、63年に最高裁で全員の逆転無罪が確定した。 "[he-forum 15161] 徳島新聞3/25 徳島新聞2010年3月25日付 寄付講座に11医師派遣 県と徳大が4月協定  徳島県が運営費を負担して徳島大学に開設する寄付講座で、同大から中央(徳島市)三好(三好市)海部(牟岐町)の県立3病院へ新たに派遣される医師の人数や診療態勢が24日までに固まった。4月1日付で県と徳島大が協定を結び、4講座の産婦人科医や外科医ら計11人が各病院で診療支援を始める。  2003年4月には18人いた常勤医が現在7人に減っている海部病院では、寄付講座「総合診療医学分野」(谷憲治教授)の内科医3人と「地域産婦人科診療部」(古本博孝教授)の産科医3人がそれぞれ交代で勤務する。  海部病院には現在、常勤の産科医がおらず、07年9月からは分娩(ぶんべん)を休止している。4月以降は産婦人科は年間を通して24時間体制の勤務を確保でき、分娩再開に向けた準備を進める方針。深刻な医師不足で08年4月から休止している土曜日の救急受け入れ再開が、今後の課題となる。  一方、外科医が院長を含めて3人に減っている三好病院には「地域外科診療部」(栗田信浩教授)から外科医3人が派遣され、手術や当直勤務に当たる。徳島大学病院と隣接する中央病院では、救命救急センターの業務を「ER・災害医療診療部」(今中秀光教授)の救急医2人が支援する。  寄付講座の開設は、医師不足解消などを目的に県が作成した「地域医療再生計画」事業の一つ。県が2010年度予算で支出する運営費は1億8600万円。  県医療政策課は「徳島大の協力を得て講座を開設することで、診療態勢の充実と地域医療を担う医師の育成が図られると期待している」と話している。 "[he-forum 15162] 伊那毎日新聞3/26 伊那毎日新聞2010年3月26日付 信大と中部森林官局が人材育成で協定締結  南箕輪村の信州大学農学部と中部森林管理局は25日、日本アルプスなどの森林における生物多様性保全のための人材育成について協定を締結した。   信州大学農学部で調印式が行われ、信州大学の中村宗一郎農学部長と中部森林管理局の城土裕局長が協定書を取り交わした。  農学部と中部森林管理局は、森林資源の育成技術や管理手法などについて、以前から相互の協力関係があった。  しかし、研究室単位の個別の協力であったため、今後、より組織的に協力関係を築こうと、中部森林管理局が申し入れ、今回協定を締結した。  協定により▼日本アルプスなどの生物の多様性を保全するため、森林の保全や整備に必要な技術や知識を持った指導的な立場の人材を育成すること▼人材の技術や知識の向上を図るため、共同の調査・研究や情報交換を通じて学術的な振興を図ること―を目的としている。  これまでの協力関係のなかでも、南アルプスのニホンジカの食害を防ぐための防護柵の設置など野生鳥獣との共存に向けた取り組みや、絶滅の恐れが高くなっている日本固有の樹木「ヒメバラモミ」を増殖する取り組みなどを共同で行っている。  今後も、こうした取り組みを継続するということだが、具体的な連携については今後、協議をしていくという。  なお、これまで中部森林管理局の森林管理署が研究機関と協定を結んだ例は1件あるが、管理局自体が研究機関と協定を結ぶのは今回が初となる。 "[he-forum 15163] 文科省が直接国立大学の評価をできる法的根拠は? 佐賀大学の豊島です. 今日の各紙は国立大学の序列付けを報道していますが,文部科学省自身 が評価に関与できる法的根拠があったでしょうか?[he-forum 15156] の共同通信3/25記事によると,「評価結果を文科省が 『ウエイト』として数値化(最高値91、最低値5・25)し」とあ り,はっきりと文科省が評価に関与していることが分かります. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 15164] Re: [he-forum 15163] 文科省が直接国立大学の評価をできる法的根拠は? 先ほどの件,正確には,「評価委員会」以外が(はっきりいえば官僚 が)直接評価に関与できるのか,という意味です. (国立大学法人法九条には「 文部科学省に、国立大学法人等に 関する事務を処理させるため、国立大学法人評価委員会を置く」とあり ますので,広い意味で文科省が評価に関与するのはそのとおりですが.) On 2010/03/26, at 13:23, 豊島 耕一 wrote: > 佐賀大学の豊島です. > 今日の各紙は国立大学の序列付けを報道していますが,文部科学省自 > 身が評価に関与できる法的根拠があったでしょうか?[he-forum > 15156] の共同通信3/25記事によると,「評価結果を文科省が > 『ウエイト』として数値化(最高値91、最低値5・25)し」とあ > り,はっきりと文科省が評価に関与していることが分かります. > > 豊島耕一 > http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ > http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html > http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ > 佐賀大学理工学部物理科学科 > 840-8507 佐賀市本庄町1 > phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 15165] 朝日新聞3/29 朝日新聞2010年3月29日付 国立大順位付け現場が不満 評価の公平性に募る疑問 国立大運営費交付金の評価反映分  2004年度に法人化された国立大学の研究や教育を6年ごとに評価して順位付けし、交付金に格差をつけた初の予算が明らかになった。だが、評価や金額配分の方法に、大学からは疑問や不満の声が相次いでいる。  国立大には、基礎的な日常資金として運営費交付金が支給されている。今回、全86大学への交付金計約1兆2千億円のうち、事務局の光熱・通信費などの「一般管理費」の1%分、計16億円が評価反映分の原資となった。法人化後の第1期の教育・研究などの評価を反映したうえで、各大学に再分配。本来交付されるべき金額よりも大学によって多寡をつけた。  評価反映は、法人化の制度を設ける際に政府が打ち出した。「予算に差を付けることが大学のやる気を生み、活性化につながる」という小泉構造改革の考え方をもとにしている。  しかし、法人化で自立した大学を目指したものの、毎年、運営費交付金そのものの全体額が削られ続け、大規模と小規模大学の格差が広がった。日常経費の目減りは、特に地方の小規模、単科大学ほど教育研究に重くのしかかる。評価でのさらなる予算格差は、活性化どころか、とりわけマイナス評価が反映された小規模大学にとって影響が大きい。マイナス150万円となった鹿屋体育大は「数百万の差でも、単科大には厳しい」とこぼす。大規模大からも疑問の声は出ている。北海道大は「競争的資金獲得で努力が求められ、基盤経費でさらに競争という考えが持ち込まれるのはたまらない。同時期に法人化した独立行政法人で、ここまで評価という発想が持ち込まれているだろうか」と不満げだ。  そもそも、その評価自体の公正さにも疑問があがる。例えば、目標を高く設定して達成できなければ評価は低くなり、低い目標設定を達成すれば評価が上がるなどの矛盾を抱えるほか、経費を節約して経営を効率化すればするほど評価が上がるという、本来の教育や研究の業績評価とは異なる方法も取り入れている。  拠出し合った原資を再分配する形の方式に、東京農工大は「総合評価は低くなかったのに、原資は限られている事情で金額への反映はなかった。頑張っても、他大学がさらに高評価なら予算増にならない」との声も漏れる。  1兆2千億円分の16億円という評価反映分原資を見ても、今回は政府方針を消化するためのアリバイ作りの感が強い。文科省では、法人化制度のあり方を今後議論するという。不透明な評価反映は見直し、どの大学にとっても必要な日常経費を確保したうえで、大学全体の予算配分の新たな仕組みをつくるべき時期といえる。(編集委員・山上浩二郎、石川智也) "[he-forum 15166] 共同通信3/29 共同通信2010年3月29日18時9分 静岡大法科大学院を「不適合」 学位授与機構の認証評価  法科大学院の認証評価機関「大学評価・学位授与機構」は29日、2009年度に実施した法科大学院3校の評価結果を公表。最終学年で、上限単位を超える履修が容認されていたなどとして、静岡大を「不適合」とした。筑波大と信州大の両法科大学院はいずれも適合とした。  07年度実施の認証評価で、科目の一部で十分な研究実績がある教員がいなかったとして不適合とされた香川・愛媛両大の連合法科大学院と、厳正な成績評価制度になっていないなどとして08年度に不適合とされた同志社大、神戸学院大は問題点が解消されたとして、いずれも適合とされた。  このほか大学37校、短大1校の結果も公表し、すべて適合とした。 "[he-forum 15167] 中国新聞3/28 中国新聞2010年3月28日付 広島大病院が臨時ボーナス  広島大は、大学病院(広島市南区)の医科、歯科の診療従事者約700人に最高100万円、総額約1億4千万円の臨時ボーナスを出す。「病院の経営状態は良好で、処遇改善で士気を高めたい」との狙いで、文部科学省によると全国の国立大学病院では初めて。支給は今回限りで、29日を予定している。  ボーナスの名称は「大学病院診療基盤貢献手当」。医科の教授100万円を最高に、准教授や休日・夜間診療医師たちにも57万~8万円を支給する。  歯科は教授10万円で、他は役職に応じて6万~1万円。医科に比べ10分の1から8分の1の水準は、診療費用請求総額を医療従事者数で割って決めた。医科、歯科とも事務職は対象外とした。  手当は大学病院から求めがあり、今月中旬の大学経営協議会で承認された。越智光夫病院長は取材に対し「35歳モデルの給与は国の機関の医療職に比べると約7割。広島大学病院の単年度収支は黒字なので、労に報いたい」と話していた。 "[he-forum 15168] 河北新報社説3/29 河北新報社説2010年3月29日付 医学部定員増/受け入れ態勢の構築を  地方の医師不足対策がまた揺らいでいる。文部科学省は3年前から大学医学部定員増による医師数の底上げを図ってきたが、教育現場からは教員数や設備面が追いつかないとの声が上がる。定員増計画を長期的な視点でとらえ直し、関係機関が綿密に擦り合わせながら丁寧に進めることが求められている。  全国約80大学の医学部長らでつくる「全国医学部長病院長会議」が先月、定員増は慎重に進めるよう求める要望書を民主党と文科省、厚生労働省に提出した。定員増作戦は即効薬とばかりに前政権から新政権になっても受け継がれ、官庁、大学を挙げて取り組んできた。それだけに逆コースと受け止められた。  医学部定員は1984年度の8280人をピークに減り、2007年度には7620人にまで減少した。将来の医師過剰を見越しての対応だったが、若手の医局離れや新臨床研修制度の導入などで大都市に医師が集中し、地方で勤務医や産科医、小児科医などが足りなくなった。  文科省は従来の方針を転換し、各大学の入学定員枠を10~15人ずつ広げ、3年間で1200人を純増。全体で過去最多の約8800人(10年4月時点)となる。だが、教員数を増やさなかったことで教える側の負担は重くなった。臨床実習などの少人数教育で目が届きにくいなどの支障が出始め、教育指導面への影響が懸念されている。  民主党は政権公約で、定員増と医学部新設により医師養成数を1.5倍にするとうたった。その数は約1万2000人。人口1000人当たりの医師数(2.1人)を経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の3.1人にするという。  医学部長会議の要望書は「3年間で12~13の学部を新設したのも同様。急激な定員増、医大新設は多額の設備投資と教員確保が必要となる」と訴える。教員要員として「地域病院の30~40代の勤務医を大学に連れ去ることになり、かえって地方の医師不足を加速させる」と憂慮している。  教育現場のスタンスは明確。東北大医学部の説明では、教員不足がさらに進むほか、現在の手狭な施設では受け入れ困難、新たに教育棟を建てる余裕もない―との立場だ。  今になって受け入れ態勢の問題が表面化したが、学生数だけ増やし続けてもいずれパンクすることは明らかだったのではないか。定員増と並行させての教員配置、規模拡大を見込んだ施設、環境整備などに目配りしてこなかったつけが回った。  責任が重いのは、民主党も同じである。公約実現までの手法やスケジュールなど具体案を明らかにせず、進展のないことが迷走を招いた。一日も早くたたき台を示すよう求めたい。 "[he-forum 15169] 長崎新聞3/27 長崎新聞2010年3月27日付 長崎大学病院に救命救急センター 4月1日から設置、県内2カ所目  長崎大学病院(長崎市、河野茂病院長)が4月1日から、脳卒中や心疾患、交通事故や転落事故に伴う多発外傷など重篤な3次救急患者を受け入れる「救命救急センター」を設置することが正式に決まった。県が26日、県保健医療計画に基づき指定書を交付した。  同センターの設置は県内では、国立病院機構長崎医療センター(大村市)に次ぎ2カ所目。  長崎大学病院の救命救急センターは、従来の「救急部」を拡充し設置。同病院の集中治療室(ICU)16床のうち8床、脳卒中専用病室(SCU)6床、救急専用6床の計20床をセンター登録の入院ベッドとして運用する。  救急専任の医師は4人から9人に倍増し、夜間の救急当直や学生、研修医への教育態勢を充実させる。看護師も病棟、外来を合わせて71人態勢にして手厚いケアを施す。  県庁で、中村法道知事は河野病院長に指定書を手渡し、「(センターが)県央地域にしかなかったが、県南地区にも態勢できたのは大きな前進」と激励。河野病院長は「県民・市民の健康(を守る)とともに、若い医療人の育成が急務。センター設置を機に県外からも人材を集められれば」と抱負を述べた。 "[he-forum 15170] 河北新報3/27 河北新報2010年3月27日付 周産期・感染症対策の人材育成 宮城県、東北大に寄付講座  宮城県は2010年度、医師不足が深刻な周産期医療、感染症対策の各分野の人材育成などを目指し、東北大大学院医学系研究科に県の寄付金で運営する寄付講座を開設する。講座で新たに雇用される教員らが若手医師らの研修を担うとともに、県内の病院に計画的な医師配置も進める。県と東北大が26日、講座設置の協定を結んだ。  開設するのは「周産期医療人材養成」と「感染症診療地域連携」の2講座で、設置期間はいずれも4月1日から3年間。  周産期講座は産科、小児科など周産期医療分野の専門医の養成や確保と、地域による医師偏在の改善を目指す。(1)学部から卒業後までの教育カリキュラムの開発(2)女性医師の出産・育児後の復帰を支援するプログラムの実践(3)若手医師が特性や規模の異なる病院や医療圏を循環する研修体系の構築―などを進める。  感染症講座は新型インフルエンザなどへの対策を主眼に(1)医学部学生・研修医を対象とした感染症診療臨床研修の実施(2)県内の病院の診療体制の構築支援と医師配置(3)地域の感染状況の解析と行政への指導―などを担う。  県は国の地域医療再生臨時特例基金を活用し、両講座にそれぞれ年間3000万円、3年間で計1億8000万円を寄付。主に人件費に充てられ、講座には教員ら4人ずつが配置される。  宮城県庁であった締結式で、村井嘉浩知事は「県民にとって安全・安心な医療提供体制の構築のため、協力をお願いしたい」とあいさつ。東北大の井上明久総長は「地域医療を支えるには大学と行政の連携が必須。責任を持って、人材育成に努めていく」と述べた。 "[he-forum 15171] 時事通信3/26 時事通信2010年3月26日18時46分 大学生への「給付奨学金」創設を=経済力による格差是正-同友会提言  経済同友会は26日、長引く不況に伴う家計収入の減少で優秀な人材が大学進学をあきらめるような事態を防ぐため、返済の必要がない「給付奨学金」を公的負担で創設することなどを求める提言をまとめた。経済格差を教育格差につなげないよう、家計負担軽減に焦点を絞ったのが特徴。政府・与党などに実現を働き掛ける。  同友会によると、日本学生支援機構を通じた日本の公的奨学金は、すべて返済を要する「貸与」。毎年の新規受給者数にも大学ごとの割り当てがあり、成績などの条件を満たしても、無利子の第一種奨学金を受けられない場合があるという。  提言は、こうした学校割当制を撤廃し、希望者全員に条件に合った奨学金を貸与するよう要望。併せて欧米などで広く普及している「給付奨学金」の創設を求めた。具体的には(1)家計の年収400万円以下(2)大学センター試験の成績上位15%以内-を要件とし、年間60万円(月額5万円)を1学年で3万人ずつに支給するよう提言。財政負担は年約700億円と試算した。 "[he-forum 15172] 東奥日報3/29 東奥日報2010年3月29日付 女性教員比率 目標は20%/弘大  弘前大学の教員に占める女性の比率が13.8%(2009年10月1日現在)にとどまることから、同大は本年度、15年までに20%に向上させる目標を盛り込んだ「男女共同参画推進基本計画」を策定。教育職や研究職ならではの事情から実現には課題が多いが、教育・研究と家庭生活を両立できるような環境整備や制度改善、職場の意識啓発に取り組み、性別を問わず学びやすく働きやすい大学を目指す。4月には各種支援制度の情報を集めたホームページを開設する予定だ。 "[he-forum 15173] 東奥日報3/27 東奥日報2010年3月27日付 国立大評価、最下位の弘大が異議  弘前大学は26日、文部科学省が25日明らかにした国立大の運営費交付金に反映させる評価で「全国最下位」となった事態を受けて会見し、評価結果を数値化する計算式などに疑問を呈し、「評価の仕組みに問題がある」と異議を唱えた。 "[he-forum 15174] 沖縄タイムス3/29 沖縄タイムス2010年3月29日付 研究棟の完成祝う 大学院大学で式 【恩納】沖縄科学技術大学院大学の研究施設の完成を祝う記念式典が28日、恩納村の同大学で開かれた。国や県、市町村、政財界の関係者ら来賓約200人が出席。同施設での研究成果に期待するとともに、2012年の開学に向けた協力体制を再確認した。  研究施設は2月中旬に完成。管理部門のセンター棟、第1研究棟などで構成され、5階建ての延べ床面積約2万7千平方メートル。総工費は約178億円。開学までに残り二つの研究棟も整備される予定。  研究棟は実験機器などを可能な限り共有化する「オープンラボ」が特徴で、分野を超えた研究者間の交流を促す。水の再利用やLED照明などで環境にも配慮したという。うるま市の施設で活動していた22の研究グループのうち、半数が移転・入居した。  式典で独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)のロバート・バックマン理事は「多くの方々が長年にわたり努力していただいた結果」と感謝。  OIST運営委員会共同代表のトーステン・ヴィーゼル共同議長は「世界最高水準の研究者が才能ある学生を育てる。地元にも刺激を与えたい」と語った。  仲井真弘多知事は「ベスト・イン・ザ・ワールドの目標に沿った成果を期待している。今後も県民挙げて支援していく」と強調。志喜屋文康恩納村長も「ここから日本の科学技術を変えていくと期待している」とあいさつした。  "[he-forum 15176] 《国立大学法人法体制の検証情報》No.0 《国立大学法人法体制の検証情報》No.0=2010年3月29日           国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 No.0 基本情報 No.1 国立大学法人評価の実態(1)―虚偽と隠蔽 No.2 国立大学法人評価の実態(2)―拡大する国家統制 No.3 欺瞞に満ちた「国立大学法人化の検証」 No.4 真の検証のために 《国立大学法人法体制の検証情報》の開始にあたって 昨年11月の「事業仕分け」をきっかけとして、政府内で、国立大学法人の「検証」の 動きがはじまった。しかし、この「検証」が、法人化を前提とした成果や課題の点検 にとどまる限り、結論はわかりきっている。すなわち、「組織の自由度が高まったも のの、財政上の理由によりメリットを発揮できていない」「いっそうのガバナンス改 革、PDCAを機能させるしくみが必要」という、幾たびも聞かされた結論がくり返さ れ、資金配分のアメとムチにより、大学はいっそうの改革に追い込まれていくことに なるだろう。 国立大学法人自体を「検証」するというのであれば、本来、その対象は、国立大学法 人法やその下で行われてきた評価、政府の指導などを含めた国立大学法人法体制全体 でなければならない。そのとりくみを進めるために、関係者に共有されなければなら ない資料・情報を数回にわたり配信していく。 基本情報 0-1 法律・国会附帯決議 ○国立大学法人法(法令データ提供システム) http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H15/H15HO112.html ○独立行政法人通則法の読替表(文部科学省サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/03110501/009/002.pdf ○国立大学法人法の国会附帯決議(文部科学省サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/03110501/009/003.pdf 0-2 国立大学法人評価委員会 ○国立大学法人評価委員会決定「国立大学法人及び大学共同利用機関法人の中期目標 期間の業務実績評価に係る実施要領」2007年4月6日(文部科学省サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/sonota/07042601.pdf ○国立大学法人評価委員会議事録・配付資料(文部科学省サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/giji_list/index.htm ※第33回・32回総会は議事録が公開されていない。第33回総会は配付資料が公開され ていない。 (第23回総会(2008年3月13日)以前) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/old_index.htm ※第23回総会は議事録が公開されていない。分科会はほとんど議事録が公開されてい ない。開催日時が不明のものもある。 ○国立大学法人評価委員会令(法令データ提供システム) http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H15/H15SE441.html ○国立大学法人評価委員会運営規則(文部科学省サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/002/gijiroku/03110501/004.pdf 0-3 評価、組織及び業務全般の見直し ○国立大学法人・大学共同利用機関法人の中期目標期間の業務の実績に関する評価結 果について(文部科学省サイト) http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houjin/1260247.htm ○政策評価・独立行政法人評価委員会「国立大学法人及び大学共同利用機関法人の主 要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」2009年5月21日(総務省サイト) http://www.soumu.go.jp/main_content/000027840.pdf ○財政制度等審議会「平成21年度予算編成の基本的考え方について」2008年6月3日(財務省サイト) http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/siryou/zaiseia/zaiseia200603/zaiseia200603_01.pdf ○財政制度等審議会「平成22年度予算編成の基本的考え方について」2009年6月1日(財務省サイト) http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/siryou/zaiseib210601/01.pdf 資料(同上) http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/siryou/zaiseib210601/02.pdf ○文部科学大臣決定「国立大学法人の組織及び業務全般の見直しについて」2009年6月5日(総務省サイト) http://www.soumu.go.jp/main_content/000019657.pdf 0-4 国立大学法人の「検証」 ○行政刷新会議WG「国立大学のあり方を含めて見直しを行う」2009年11月25日(内閣府サイト) http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov25kekka/3-51.pdf ○閣議決定「独立行政法人の抜本的な見直しについて」2009年12月25日(内閣府サイト) http://www.cao.go.jp/sasshin/091225_doppou.pdf ○文部科学省「国立大学法人の在り方に係る検証等について」2010年1月21日(文部科学省サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/01/1289545.htm "[he-forum 15175] 《国立大学法人法体制の検証》No.1 《国立大学法人法体制の検証》No.1=2010年3月29日           国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 国立大学法人評価の実態(1)―虚偽と隠蔽 1-1 一律の基準による評価は行わないはずだった ○国立大学法人評価委員会決定「国立大学法人及び大学共同利用機関法人の各年度終 了時の評価に係る実施要領」2004年10月25日、平成18年2月20日一部改正(文部科学 省サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/sonota/06030716.htm 国立大学法人評価委員会による評定 進捗状況は、以下の5種類により示す。なお、これらの水準は、基本的には各国立大 学法人等の設定した中期計画に対するものであり、相対比較することは意味を持たな いことに留意する。 ○国立大学法人評価委員会決定「国立大学法人及び大学共同利用機関法人の中期目標 期間の業務実績評価に係る実施要領」2007年4月6日(文部科学省サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/sonota/07042601.pdf 国立大学法人評価は、上記の趣旨から、法人の個性、特色等を踏まえて行うものであ り、一律の相対評価は馴染まないことに留意する 1-2 いつの間にか一律の評価基準が設定されていた ○国立大学法人評価委員会総会(第30回)2009年11月6日 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/1288222.htm 事務局説明 「7つの法人においては法令上審議すべき事項が報告事項として扱われていたため に、例年どおり評定を1つ下げるという取り扱いをしております……」 「学生収容定員の充足につきましては、課程ごとの充足率が90%を満たしていない場 合に例年どおり評定を1つ下げるという取り扱いにしております……」 「教職員の個人評価につきましても教員または職員の個人評価を実施して、その結果 の処遇への反映が平成20年度に初めて行われた場合には今回例年どおり評定を1つ上 げるという取り扱いをしております……」 「その次の丸では男女共同参画につきましては、政府全体の方針を踏まえ今回から共 通事項として取り上げたものですが、各法人において推進に向けた取り組みが確認さ れております。特に特色ある積極的な取り組みについては評定を1つ上げると、取り 組みが著しく乏しい場合には1つ下げるという取り扱いをしております……」※ 文部科学省が一律に設定した基準をクリアしているかどうかで評定が上下することが 「例年通り」行われているのだという。 だが、年度評価に関する実施要領のどこにもそんなことは書かれていない。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/sonota/06030716.htm(再掲) ※事務局説明につづく野依委員長の発言 なお、この年度評価は各法人が行う教育研究の特性、あるいは、法人運営の自主性・ 自律性に配慮しつつ、各法人の中期目標・中期計画の達成状況について総合的に評価 するものでありまして、相対評価ではないということに留意して対外的にも説明して まいりたいと思います。 ○高等教育局国立大学法人支援課国立大学法人評価委員会室「国立大学法人・大学共 同利用機関法人の平成20年度に係る業務の実績に関する評価結果の概要」 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houjin/1289385.htm 「基本的には順調な進捗状況にあり、一部の法人において進捗状況に遅れが見られ る」 「取組が不十分な法人も見られ、今後、早急な対応が求められる」 「留意」すべきなのは評価委員会事務局(国立大学法人支援課)ではないのか? 1-3 評価結果を「相対評価」として利用するのは「誤解」のはずだった ○国立大学法人評価委員会総会(第15回)2006年6月19日 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/06062901.htm 事務局(文部科学省)  一部の国立大学関係者の中には、何か中期目標期間終了時 の評価が、例えば評価に基づいて1位から87位ぐらいまで順番をつけて、上位10位以 内に入ればプラス10パーセントみたいな形で機械的にやるとか、Aが何個あればプラ ス何パーセントみたいに、何か評価結果で機械的に資源配分が決まるような誤解をさ れているところもございますけれども、そうではなくて……評価結果をまず国立大学 法人の方にお返しいたしまして、各国立大学法人で、その評価結果を踏まえた見直し 案として、次期中期目標、中期計画を検討していただき、……ちゃんと評価結果を踏 まえたものになった次期の中期目標、中期計画案であるならば、それに必要な予算措 置を講ずるというふうな手順になる…… 1-4 「誤解」が現実になってしまった ○「国立大学法人運営費交付金への評価結果の反映について」国立大学法人評価委員 会総会(第32回)2010年1月20日、配付資料 http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2010/01/28/1289460_4_2.pdf ようするに評価結果を得点化し、合計点の順位(相対評価)によって法人間の運営費 交付金を再配分するということ ○各紙報道 「国立大の評価を初めて反映 トップは奈良先端科技大」『共同通信』2010年3月24日 「文科省が国立大を順位付け…トップは奈良先端大』『朝日新聞』2010年3月24日 「文科省が国立大を順位付け…トップは奈良先端大」『読売新聞』2010年3月25日 「文科省、国立大に初のランク付け 交付金に反映」『日本経済新聞』2010年3月25日 「交付金に評価を初反映=奈良先端大がトップ-国立大」『時事通信』2010年3月25日 「文科省:国立大を数値評価 交付金の傾斜配分額公表」『毎日新聞』2010年3月26日 評価分の配分結果一覧が公にされたわけでもないのに、各紙は同じような順位や金額 の記事を一斉に掲載した。文部科学省当局がランキングを資料化し提供しているので はないか? 1-5 重大な方針変更は不透明な手続きで行われた ○「国立大学法人等の運営費交付金に関するワーキンググループの設置について」 http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2009/04/02/1259551_14.pdf 相対評価による運営費交付金の配分方針を決めたワーキンググループは、2009年3月 12~19日の間に設置が持ち回りで審議され、26日の総会に検討結果を提出したことに なっている。開催回数や日時は明かされておらず、活動の実態があったかどうか疑わ しい。そもそも、国立大学法人評価委員会に運営費交付金の配分方針を審議する権限 はない。 ○首都圏ネットワーク事務局批判声明「国立大学法人評価委員会「第26回」「持ち回 り」総会は捏造ではないのか?―評価委員会に不透明かつ不正常な運営を改めること を求める」2009年5月23日 http://www.shutoken-net.jp/2009/05/090525_4jimukyoku.html (以下、つづく) "[he-forum 15177] 朝日新聞3/28 朝日新聞 2010年3月28日 新センター試験、開発へ模索 選抜機能強化めざす  大学入試センターが2010年度から、新しい選抜試験の開発研究に 着手することが分かった。入試の多様化で、今の大学入試センター試験 では、受験生の学力が維持できず、選抜機能が弱まっているなどの指摘 があることがきっかけ。センター内に研究機構をつくり、開発を進める。  大学進学率は短大を含め5割を超え、大学全体の定員も増え続けてい る。一方で18歳人口は、1992年の205万人と比較して、201 0年は120万人。また、国公私立大すべてで、推薦やAO入試の入学 者数が増え、4割を超えている。  さらに高校の教育内容も選択幅が広がり、学力低下や大学教育の質を どう保つかが問題となっていた。このため、入試データの蓄積があるセ ンターが試験のあり方や方向性も含め基礎的な研究を始めることになっ た。  新たな研究機構は、10人以上の研究者、専門家で構成。試験開発、 入試評価、障害者支援の3部門で構成する。  試験開発部門では、高校の教育課程を生徒がどの程度理解しているの か到達度を測る「到達度試験」や、大学院での教育に必要な判断力や思 考力が備わっているかをみる「適性試験」など、目的に応じた試験の開 発を進める。特に到達度試験は、受験生が大学入学後、授業で戸惑うこ とがないように一定のレベルを維持する働きが期待されている「高大接 続テスト」の事前研究の意味がある。  ほかに、入試評価部門では、今の日本の大学入試の方法や目的などの 現状を本格的に調査するほか、海外の大学入試を対象に大学経営陣や政 府関係者、テスト実施機関などから資料を集め分析する。障害者支援部 門では、障害のある受験生への配慮についての研究も進める。  大学入試センター試験は、共通1次試験の期間を含めて31年間続い ている。今年1月の試験では、811大学・短大が利用し、約55万3 千人が志願して約52万人が実際に受験した。(編集委員・山上浩二郎) "[he-forum 15178] 毎日新聞3/30 毎日新聞 2010年3月30日 東京朝刊 法科大学院:1校が不適合--09年度認証評価  大学評価・学位授与機構(平野真一・機構長)は29日、09年度の認証評 価結果を発表した。評価を実施した37大学1短大3法科大学院のうち、静岡 大大学院法務研究科法務専攻が「履修単位が上限を超えて容認されている」な どとして法科大学院の基準に適合していないと判定した。他の40校は適合し ていた。  また07、08年度に適合していないと判定された▽香川大大学院香川 "[he-forum 15179] しんぶん赤旗3/28 2010年3月28日(日)「しんぶん赤旗」 就職決まったのに授業料払えず除籍… 大学生救済へ対策急げ 宮本議員が質問主意書  日本共産党の宮本岳志衆議院議員は25日、経済的理由で授業料を滞 納している学生への支援の強化を求める質問主意書を政府に提出しまし た。  家計収入の悪化で、授業料を払えず、大学を除籍・退学となる学生が 増えています。この事態について、質問主意書は、教育基本法の「経済 的地位による教育上の差別の禁止」からみて本来あってはならないとし て、政府に緊急の対策をもとめています。  就職が決まったものの授業料を払えず、除籍となりかねない国立大学 4年生の事例をしめし、学校教育法施行規則「全課程を修了したと認め たものには、卒業証書を授与しなければならない」にてらして、あって はならない事態だと指摘。授業料滞納者にたいする大学の対応として、 奨学金の紹介や緊急の授業料減免の措置など、親身な支援が必要ではな いかとしています。  また、学費未納を理由に大学を除籍・退学となっている学生が全国で 何人にのぼるのか、緊急調査を求めています。年度末近くになっても授 業料を払えないでいる学生を救済するために、滞納分の融資を緊急にう けられる無利子の貸付制度や緊急の学費免除制度をあらたにつくること を求めています。 "[he-forum 15180] 読売新聞3/30 3月30日10時16分配信 読売新聞 法科大学院24校「不適合」、教育内容に問題あり  法科大学院の評価機関「大学評価・学位授与機構」は29日、大学院 3校の評価結果を公表し、静岡大を教育内容に問題がある「不適合」と した。  これにより、2004年の一斉開学から順次行われてきた全74校の 評価結果が出そろい、約3分の1の24校が不適合だった。  法科大学院に対する第三者評価は、同機構を含めた3機関が実施し た。不適合と認定された24校のうち6校は国立。また、14校は昨年 の新司法試験で合格者数が1けたにとどまっていた。不適合校は文部科 学省の調査対象となって改善指導などを受けるが、7校は2回目の評価 で改善が認められ、現在は適合となっている。  不適合の理由として目立つのは、司法試験対策に偏った授業内容と、 教育態勢の不備だ。約3割は過度の試験対策を指摘され、「受験予備校 と連携して学内で答案作成の練習会を開いている」「カリキュラムが司 法試験で出題される法律基本科目に偏っている」といった問題も明らか にされた。  同機構の平野真一・機構長は29日の記者会見で、「各大学院が合格 一辺倒になり、幅広い見識を持つ法曹を養成するという初志がゆがめら れている」と語った。法科大学院は当初想定より大幅に多い74校が乱 立し、修了者を対象にした新司法試験の合格率は昨年、最低の27・ 6%にまで落ち込んだ。各校は、大学院への志願者減少と学生の質の低 下を食い止めるため、司法試験対策を重視せざるを得ないのが現状だ。  また、教育態勢の面でも、「実績のない人が専任教員となっている」 など、5校が教員の質の問題を指摘された。出席率が4割でも定期試験 を受けさせていた例などもあり、法務省幹部は「十分な教育態勢が整わ ないまま、法科大学院制度に乗り遅れないよう開学した学校も多い」と 分析する。  一方、中央教育審議会(文科相の諮問機関)の特別委員会は今年1 月、問題のある法科大学院14校を公表したが、このうち11校は第三 者評価の不適合校と重なった。  ただ、同委員会は「新司法試験の合格者が少ないのに必要な対策を とっていないのは問題」という“合格実績重視”の判断基準を採用して おり、司法試験対策をマイナス要因と見なす第三者評価とはずれがあ る。ある私立校の大学院長は、「中教審の基準をクリアしようとする と、合格実績を上げる教育を推し進める結果になり、第三者評価で不適 合になりかねない」と戸惑っている。 "[he-forum 15181] 日本の科学者4月号 雑誌紹介 「日本の科学者」日本科学者会議編 2010年4月号 Vol.45 No.4 通巻507号 <レビュー>日本の科学・技術,学術の深刻な危機--日本の科学 論文数の減少傾向をどうとらえるべきか  齋藤安史,松本明彦 "[he-forum 15182] 時事通信3/30 時事通信3/30 授業料返還、大学側逆転勝訴=推薦入試で入学辞退-最高裁  推薦入試で合格後に入学を辞退した男性(23)が、大学側に支払っ た授業料など計約800万円の返還を求めた訴訟の上告審判決で、最高 裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は30日、入学金を除いた計約700 万円の返還を命じた二審判決を破棄、男性側の請求を退けた。大学側逆 転勝訴が確定した。  同小法廷は「4月1日以降に辞退された場合、大学が補欠合格者を決 めて入学者を補充することは容易ではない」と指摘。原則、新年度に なってからの辞退者に授業料などを返還する必要はないとした2006 年の最高裁判例に従い、4月5日に辞退を申し出た男性側は返還請求で きないと結論付けた。(2010/03 /30-11:49) "[he-forum 15183] 朝日新聞3/30 朝日新聞 2010年3月30日 「成果出ている」藁科副学長 国立大評価「最下位」の弘前大 青森  法人化した国立大の予算に差をつけるため、各大学の研究・教育水準 などに対して国が初めて行った順位付けで、最下位の評価を受けた弘前 大学(遠藤正彦学長)は26日、「各学部・大学院の教育水準は期待通 りの成果を達成している」と強調し、低評価に反論した。また、算定方 式に問題があるとして見直しを訴えたほか、資産のある(都市の)大学 と地方大学の地域間の不平等への配慮も求めた。  弘前大は研究・教育水準、教育研究達成度などの評価項目ごとに算定 したものを合計した「総合評価ウエイト」で35・39となり、86大 学中最下位。その評価を反映した「運営費交付金」で700万円の減額 とされた。トップは奈良先端科学技術大の70・00。  26日、記者会見した弘大理事(総務担当)の藁科勝之副学長は、対 象となった2004~07年度の実績報告の評価方法を図解した資料を 持参。「評価はやむを得ないと受け止めるが、大学としてのプライドが 許さない」として、反論を展開した。  そのなかで藁科副学長は「質の向上度の判断」の観点で人文、医学系 の評価が「改善向上しているとは言えない」とされたことを明らかに し、複数の取り組みの中で一つでも難航していると、まるごと「改善向 上していない」と評価され得る方法になっていると、不満を漏らした。  そのうえで失点の多くは立て直し済みで、09年度までの実績は好転 する見込みと強調。このため「最下位」の評価が定着してしまわないよ う、「算定方式を見直してほしい。国立大学協会(国大協)に働きかけ ることになるかもしれない」と訴えた。  また、大学の地域間格差についても触れ、「資産がある大学と地方大 では教育につぎこむ予算に差が生じる。今回の評価は、その不平等が反 映した結果と思う」と、危機感をにじませた。 "[he-forum 15184] 毎日新聞3/30 毎日新聞 2010年3月30日 東京夕刊 国立大法人化:文系・医系、研究の質低下 論文・発表数が減少--全86校 学部長調査  04年度に始まった国立大法人化後、医歯薬学系と文科系の学部で研究の質 の低下や職場環境の悪化が目立ち、学部間の格差が生じていることが、国立大 学財務・経営センターによる全国立大の学部長を対象とした調査で明らかに なった。  調査は08年12月~09年2月、全国立大86校の学部長を対象に実施。 7割が回答し、理工系▽農学系▽文科系▽医歯薬学系▽その他に分類して解析 した。  分析結果によると、論文・学会発表の数が、医歯薬学系では「( "[he-forum 15185] 琉球新報3/29 琉球新報 2010年3月29日 大学院大 博士課程のみ 5年制、学士も入学対象  沖縄科学技術研究基盤整備機構(シドニー・ブレナー理事長)の第9 回運営委員会(ボード・オブ・ガバナーズ)が28日、恩納村の同機構 本部で開かれた。運営委員会後の記者会見で有馬朗人、トーステン・ ヴィーゼル両共同議長は、沖縄科学技術大学院大学の教育課程は、5年 一貫制の博士課程のみ設置することを発表した。初代学長の選考につい ては「数人の外国人候補者に決めた」と述べた。  大学院大学への入学対象者は、修士課程修了の学生に加え、学士まで 対象を広げる。他大学で修士号を取得した学生については講義科目数の 減免を認め、途中年次への編入学も認める。  海外では修士を経ずに博士号を取得できるケースもあることから、同 機構は「学士から受け入れることで、世界中の優秀な学生が入りやすく なる」と説明する。  記者会見では、27日に開かれた大学院大学学園設立委員会での合意 内容を報告。優秀な学生獲得のため、奨学金制度を設けることや、研究 者らの宿泊施設地区(ビレッジゾーン)の整備と運営は、PPP(公民 連携)方式で行うことなどを説明した。  運営委員会は非公開で行われ、研究事業の進展状況、施設整備の予算 超過問題などについて報告があった。 ◆大学院大2棟完成  【恩納】2012年開学に向けて恩納村谷茶で建設が進められている 沖縄科学技術大学院大学の研究施設など一部の施設が完成し28日、開 設記念式典が同大学院大で行われた。国や県、市町村の関係者など約3 00人が参加し、施設の開設を祝った。  完成したのは、学務・事務オフィスや講義室などが入る「センター 棟」とバイオ技術や水生生物などの実験室が入る「研究棟1」の2施 設。両棟合わせて延べ床面積は2万7千平方メートル。実験機器やス ペースを研究者が共有できる「オープンラボ」の構造になっている。研 究棟2と研究棟3は、10年度から建設工事を始める予定。  記念式典で、仲井真弘多知事は「沖縄では県民挙げて大学院大学の応 援を続けていこうと決意している」、沖縄科学技術研究基盤整備機構運 営委員会のトーステン・ヴィーゼル共同議長が「世界最高水準の素晴ら しいキャンパスができた。地元や県に感謝したい」とそれぞれあいさ つ。乾杯の音頭で志喜屋文康恩納村長は「夢と希望を持てる大学院大学 の第一歩」と述べた。式典では琉舞も披露された。式典後、参加者らは 施設内を見学した。 "[he-forum 15186] 共同通信3/31 共同通信 2010/03/31 12:04 立命館、名誉顧問にアルバイト代 11年間で総額9500万円  学校法人立命館(京都市中京区)が、系列校の立命館慶祥中学・高校 (北海道江別市)の「名誉顧問」の女性(80)に、アルバイト代名目 で11年にわたり毎月50万円、賞与を含め総額約9500万円を支 払っていたことが31日、分かった。  女性に勤務実態はなく、立命館は「手続き上のミスがあった」と認 め、4月から役員報酬として同額を支給する。  立命館によると、女性は慶祥中学・高校の前身、慶祥学園の創業者の 妻。1996年に同学園を合併し、運営していた高校を系列校とした。  合併に際し、創業者には特別手当を支払い、死後はその妻に手当の支 払いを引き継ぐことを盛り込んだ覚書を締結した。98年12月に創業 者が死去。妻が「名誉顧問」に就任し、99年1月から覚書に基づき手 当が支払われてきたという。 "[he-forum 15187] 読売新聞3/31 読売新聞 (2010年3月31日 読売新聞) 香川大、組み換え大腸菌 不法廃棄か…調査委設置  香川大学医学部の基礎医学系の研究チームが、実験に使った遺伝子組 み換えの大腸菌をそのまま実験室内の流しに捨てていた疑いがあるとし て、大学が調査委員会を設置したことがわかった。大学は同研究チーム に実験停止命令を出し、関係者からの聞き取りや水質調査などを進めて いる。  遺伝子を組み換えた生物は、遺伝子組み換え生物等規制法で、熱や薬 品で死滅させて廃棄すると定められている。  大学によると、処理に関して今月19日、内部告発があったという。 それによると、研究チームは、細胞内での情報の伝わり方を調べるた め、遺伝子を組み換えた大腸菌を使用。実験室には滅菌処理できる機械 があったが、菌の入った培養液を滅菌処理せず、室内の流しに捨ててい たという。  研究員に引き継がれていた実験手順の手引には「遠心分離の終わった 遠心管から上澄みをすて」との記述と、上澄み液を流しに捨てるイラス トが描かれており、大学側も把握。同26日に学内の教員らでつくる調 査委員会を設置した。  研究室の教授は読売新聞の取材に「現場は信頼できる複数の責任者に 任せていた。私の目の前で行われることはなく、なかったと信じてい る」と話した。同大学学術室研究協力グループの阿部祐一リーダーは 「今後、慎重に調査し、対応を検討する」と話している。 "[he-forum 15188] 読売新聞3/30 読売新聞 (2010年3月30日 読売新聞) 全大学にキャリア教育義務づけ、11年春から  大学生の就職内定率が就職氷河期以来の落ち込みを記録するなか、全 国の大学、短大に、キャリア教育が義務づけられることになった。文部 科学省が大学生の「就業力」向上5か年計画の柱として行う。4月以 降、先進事例を集めて各大学に周知し、2011年春から正式導入する。  キャリア教育とは、社会的・職業的自立に向け、必要な知識、技能、 態度をはぐくむ教育のこと。同省は、全国約800の大学と約400の 短大に対して、こうした教育をカリキュラムに盛り込むよう求める。  具体的には、コミュニケーション能力や情報技術(IT)など社会人 として必要な力について、どの授業でどう伸ばすかを全授業について示 す東京女学館大の取り組みや、1年生から将来の進路を考えるカリキュ ラムを設ける目白大の例などを想定している。 "[he-forum 15189] 毎日新聞福島3/31 毎日新聞福島版2010年3月31日付 福島大:「松川資料室」存続へ 管理・研究、伊部名誉教授に依頼  戦後間もない冤罪(えんざい)事件として知られる松川事件の「松川資料室」の存続問題で、設置している福島大(福島市金谷川)は4月以降も残すことを決め、常駐している伊部正之名誉教授(68)に管理と研究を依頼することを決めた。伊部教授は高齢を理由に3月で引退することを決めていたが、他に適任者が見つからず継続で落ち着いた。  福大と松川事件支援者らの「松川運動記念会」が協定を結び、当面13年3月まで存続が決まった。伊部教授は今後2年間研究を続ける約束だ。  資料室には、1949年に旧国鉄東北本線で列車が転覆した松川事件の裁判記録や元被告の手紙など10万点を超える資料がある。88年の開設以来、伊部教授が研究と資料の整理をしてきた。記念会は資料室の存続を求め、伊部教授の後任が見つからない場合、資料が傷んだり散逸したりすると指摘していた。  また、福大の教授や弁護士は福大内に「松川事件研究所」を設立。資料室を利用して、事件の背景や裁判を研究することになった。福大は「伊部教授の後を継ぐ人材が育ってほしい」と話している。【神保圭作】 "[he-forum 15190] 西日本新聞3/30 西日本新聞2010年3月30日付 専門医4年で30人養成 佐賀大に寄付講座 産科など7分野  佐賀大と県は29日、地域医療を担う人材を育成するため、県による寄付講座を同大に4年間設ける協定を結んだ。県の寄付金を活用し、講座を受講する専門研修医に助教ポストを提供。医師が不足する分野で、県内に定着する医師を育成する。  講座名は「地域医療支援学講座」。受講生は医師免許を取得し、2年間の前期臨床研修を終えた専門研修医が対象となる。受講生は総合内科や救急科、産科など医師不足が深刻な7分野から専門コースを選択。大学病院や県内の中核医療機関で研修を続け、専門医資格の取得を目指す。受講生は研修後、原則として県内の医療機関で働くことが義務付けられる。  2010年度の受講生募集は既に終え、10人が受講することになった。4年間で三十数人の受講を予定しているという。寄付金の財源には、国が都道府県に交付する自由裁量の地域医療再生基金から、計約8億2千万円を支出する。  締結式で古川康知事は「(取り組みは)喫緊の課題にスピーディーに対応できる“効き目の早い薬”のようなもの。県の医療水準向上への大きな一歩」と強調。佛淵孝夫学長は「県の地域医療も危険な状態。特に深刻な北部地区や西部地区への派遣を強化したい」と述べた。 "[he-forum 15191] 河北新報3/30 河北新報2010年3月30日付 東北大医学系研究科と理研 先端医療で共同研究  東北大大学院医学系研究科と理化学研究所(理研)は29日、創薬や先端医療の分野で共同研究、人材育成に取り組む包括協定を結んだ。基礎研究で蓄積のある理研と、大学病院を持つ東北大が連携し、基礎研究の成果を臨床で生かすための研究を推進する。  両者は今後、先端医療の研究と臨床への応用を目指し(1)施設・技術の相互利用(2)連携講座などの教育プログラムの実施(3)産業界との協力―などを進める。理研の研究者が東北大の講義を担当するなど、教育面の連携も強化する。  東北大であった締結式で、山本雅之医学系研究科長は「東日本最大級の東北大病院の臨床の蓄積と、理研の研究や技術を生かし、世界最高水準の医療の開発を目指す」とあいさつ。理研の土肥義治研究担当理事は「連携を成功させ、基礎研究の成果と理研の知を社会に還元したい」と述べた。 "[he-forum 15192] 読売新聞秋田3/31 読売新聞秋田版2010年3月31日付 留学生に奨学金 秋田大とトヨペット  秋田トヨペット(秋田市川尻町)は30日、秋田大学工学資源学部と、同大大学院で学ぶ留学生を支援する奨学金制度「人の杜(もり)育成事業」を設立し、同大で締結式を行った。  奨学金給付の第1号は、ボツワナ共和国から留学している大学院生2人。月3万円が支給される。2人は同大が来年の開学に協力しているボツワナ国際科学技術大の教授に就任する予定。  秋田大の西田真・工学資源学部長が昨冬、知り合いを通じて松浦寛次社長に協力を要請したところ、快諾を得た。松浦社長は「人材育成には長い時間がかかるので、短期間で終わらず続けていけるようにしたい」と述べた。 "[he-forum 15193] 朝日新聞愛媛3/31 朝日新聞愛媛版2010年3月31日付 地域医療再生を研究 ◇県と愛媛大 2圏域に拠点開設  あす「宇摩」「八幡浜・大洲」  医師不足が深刻化する宇摩(四国中央市) と八幡浜・大洲(八幡浜、大洲、西予3市と内子、伊方両町) の両圏域に、4月1日付で県と愛媛大学(柳澤康信学長)による地域医療再生のための研究拠点(サテライトセンター) が設置される。愛媛大が両圏域の地域医療に関する講座を学内に開設して教員を4人ずつ配置、そのうち3人ずつがサテライトセンターに常駐する。地域の病院で研修医や臨床実習する学生を受け入れて指導に当たるほか、診療の手助けも行う。(中田絢子) ◇教員配置 診療支援も 県が、国の交付金を活用した地域医療再生基金から新たに、2010~13年度に総額2億520万円を愛媛大に寄付して、研究拠点を持つ2講座を設置する。計8人の教員は同大から3人、県内の民間病院などから5人を集めて派遣する。  宇摩圏域では、小児・周産期や脳神経外科などの専門医が不足しているため、これらの分野に携わる医師の養成や派遣を担う「地域医療再生学講座」(畠山隆雄教授ら4人)を設置する。  八幡浜・大洲圏域では、2次救急制度の崩壊が深刻化していることを受け、「地域救急医療学講座」(本田和男教授以下4人)を設置し、救急医の養成などを目指す。  四国中央市役所内と市立八幡浜総合病院内にサテライトセンターを開設し、講座の研究拠点として、3人の教員を常駐させる。教員らは、地域医療体制構築のための研究や研修医の指導を行うほか、四国中央、石川両病院や市立八幡浜総合病院で診療に当たったり、地元開業医に対する講習なども実施するという。  今回設置される2講座は、08年に開設され、西予市立野村病院や久万高原町立病院で学生が臨床実習を行っている「地域医療学講座」とともに、来春に医学部敷地内に完成する研究棟に入り、医師の派遣などに関して互いに連携を図っていくという。  愛媛大の大西丘倫・研究科長は、10年度はカリキュラムなどの体制を整え、11年度から学生の臨床実習や研修医の受け入れを始めたい、としている。ただし、教員らの研究は、将来、地域医療に従事する医師の養成や地域医療体制の確立が目的。大西研究科長は「受け入れる地元が『医師が4人増えた』という認識で医療行為だけに忙殺されてしまっては、うまくいかない」と話している。 "[he-forum 15194] 読売新聞新潟3/31 読売新聞新潟版2010年3月31日付 原子力技術者養成 長岡技科大が検討  長岡技術科学大学(長岡市)が、原子力安全技術者の養成を検討している。2009年度から、文部科学省が支援する「原子力コア人材育成プログラム」事業の中で、人材育成のためのカリキュラムや実施体制を模索しており、新年度に具体的な対応を決める。30日には客員教員の受け入れなども視野に、日本原子力研究開発機構(茨城県)と連携協力する協定を結んだ。  県内に原子力発電所があり技術者が求められる一方、県内に原子力技術者を養成する大学がないことなどから、同大は、地元への貢献のあり方を検討していた。  同プログラムは09~10年度の2年間で、同大では「基盤的工学知識とコミュニケーション能力を兼備した原子力システム安全・保全工学技術者育成プログラム構築」を目標としている。  プログラムの認可を受けた昨年5月には、武藤睦治理事・副学長を中心に「カリキュラム検討委員会」を発足。原子力研究を行っている国内や米国の大学を視察したり、情報収集したりしてきた。  この日、日本原子力研究開発機構と結んだ協定では、〈1〉機構からの客員教員の受け入れ〈2〉日本各地にある機構の施設を利用した研究指導〈3〉人材交流や情報交換――などの協力を受けることが出来るとしている。  同大では「原子力技術者養成がカリキュラムに入ることが決まれば、具体的に動き出す」とし、同機構では「原子炉工学や原子炉物理などの分野で協力できるのではないか」としている。 "[he-forum 15195] 読売新聞山形3/31 読売新聞山形版2010年3月31日付 山大が取り組み前倒し 企業とアジア留学生支援 技術者育成へ「共同事業体」  山形大は、アジアの優秀な留学生を大学院理工学研究科の修士課程で受け入れ、専門の学問以外に日本企業の仕組みなどを集中的に学ばせる人材育成に取り組んでいる。これまで、国主導の事業として2008~10年入学の3期生まで留学生一人あたり月額16万~17万円の奨学金が支給できる構想だったが、行政刷新会議の「事業仕分け」に伴い、今秋来日する3期生の奨学金は大学側が工面しなければならなくなった。このため、同大は、地元企業などに支援を求める「コンソーシアム(共同事業体)」の取り組みを、予定より1年早め4月から本格化させる。  人材育成は、少子化による労働人口減少に備え、地元企業などで即戦力となる技術者を育てることが狙い。留学生が将来、帰国した際、日本での経験を生かし、海外の産業界との懸け橋になってもらうことも期待される。  山形大には、08、09年の秋に入学した中国人8人、ベトナム人1人が留学中。同研究科ものづくり技術経営学専攻で、ロボット開発や太陽光発電などについて学んでいる。同大国際事業化研究センター長の高橋幸司教授によると、留学生はいずれも各国の難関大学をトップクラスの成績で卒業。「非常にまじめで、日本人学生にも良い影響を与えている」という。  中国の吉林大を卒業し、今秋修士課程を修了予定の童煉(どうれん)さん(24)は「日本企業に対する理解が深まり、就職した際に溶け込みやすくなったと思う」と留学の手応えを感じている。  同大が呼びかけるコンソーシアムに、企業は正会員(年会費3万6000円)や賛助会員(同1万円)などで参加。大学側は、留学生による外国語講座、教員による経営講座などを有料で実施する。企業側には、海外進出や国際間競争に関するノウハウを得られるメリットがあるという。  高橋教授は「留学生の奨学金はこれまでの3分の1ほどに減りそうだが、それでも日本で学びたいという人材は多いと思う。現在の会員企業は20社余り。さらに多くの参加を期待したい」と話している。問い合わせは山形大「もっとみらい」コンソーシアム事務局(0238・26・3622)へ。 "[he-forum 15196] 東京新聞3/31 東京新聞 2010年3月31日 15時51分 熊本大、短期看護師ら正職員化 大学病院の人材確保狙う  熊本大は31日、大学病院の看護師や薬剤師らの非正規職員「特定有 期雇用職員」約390人を2010年度から正規職員にすることを明ら かにした。これらの職種については今後、新規の場合も基本的に正規職 員として採用する。  医療現場での短期雇用職員増加は、人材確保面からも問題になってお り、熊本大は特定有期雇用職員制度自体を廃止する。同大の教職員組合 によると、看護師だけでなく、薬剤師や臨床検査技師ら医療技術職員ま で含めた正規職員化は全国の公立大病院で初めてという。  熊本大は2006年度に同制度を導入。現在は事務職を除く病院職員 約1600人の4分の1に達している。給与や業務内容は正規職員と同 じだが、契約は毎年更改。最長5年で雇い止めになるほか、同じ期間働 いた場合でも正規職員と退職金総額が違うなどの格差があり、組合が改 善を求めていた。 (共同) "[he-forum 15197] 熊本新聞3/31 熊本新聞 2010年03月31日 看護師ら390人、非正規を廃止 熊大付属病院  熊本大は30日、同大付属病院で働く看護師や医療技術職員ら非正規 の「特定有期雇用職員」390人を、2010年度(4月1日付)か ら、正職員として採用することを明らかにした。同大教職員組合による と、全国の公立大学付属病院で、特定有期雇用職員をすべて正職員化す るのは初めてという。  対象となるのは、看護師を中心に薬剤師や臨床検査技師、診療放射線 技師など14職種。正職員化に伴い、特定有期雇用職員制度そのものを 廃止し、職員就業規則から同職員の項目を削除する。  同大人事課によると、特定有期雇用職員制度は06年度に導入。職員 の給与や手当、業務の内容や責任は正職員と同等だが、契約は年度ごと の更新で、最長5年で雇い止め。介護休業や育児休業の日数も正規職員 の半分と、待遇に差があった。  制度は10年度末で導入丸5年となり、来春には、大量の離職者が見 込まれていた。また、「将来への不安から、募集しても人が集まらな い」「優秀な人材が育たない」など問題点を指摘する声もあり、同大は 昨年5月ごろから見直しを進めていた。  正職員化に伴い、同病院は10年度から、390人分の退職手当引当 金を毎年約4千万円ずつ積み立てる。一方、毎年度末に支給していた任 期満了手当は廃止する。(飯村直亮) "[he-forum 15198] 熊本大学付属病院で特定有期雇用職員制度を廃止し、全員正規職員へ 熊本大学付属病院で特定有期雇用職員制度を廃止し、全員正規職員へ 2010年3月31日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 熊本大学教職員組合より、“熊本大学附属病院における特定有期雇用職員制度を 廃止させ、390名を4月1日から正規職員化することを勝ち取った”との連絡があ り、併せて全国の仲間達に速やかに伝えて欲しいとの要請を受けました。詳細 は、同組合から追って報告があると思いますが、急ぎ情報をお知らせします。 ************************** 『熊本日日新聞』 3月31日朝刊 http://kumanichi.com/news/local/main/20100331004.shtml 看護師ら390人、非正規を廃止 熊大付属病院 2010年03月31日  熊本大は30日、同大付属病院で働く看護師や医療技術職員ら非正規の「特定 有期雇用職員」390人を、2010年度(4月1日付)から、正職員として採 用することを明らかにした。同大教職員組合によると、全国の公立大学付属病院 で、特定有期雇用職員をすべて正職員化するのは初めてという。  対象となるのは、看護師を中心に薬剤師や臨床検査技師、診療放射線技師など 14職種。正職員化に伴い、特定有期雇用職員制度そのものを廃止し、職員就業 規則から同職員の項目を削除する。  同大人事課によると、特定有期雇用職員制度は06年度に導入。職員の給与や 手当、業務の内容や責任は正職員と同等だが、契約は年度ごとの更新で、最長5 年で雇い止め。介護休業や育児休業の日数も正規職員の半分と、待遇に差があった。  制度は10年度末で導入丸5年となり、来春には、大量の離職者が見込まれて いた。また、「将来への不安から、募集しても人が集まらない」「優秀な人材が 育たない」など問題点を指摘する声もあり、同大は昨年5月ごろから見直しを進 めていた。  正職員化に伴い、同病院は10年度から、390人分の退職手当引当金を毎年 約4千万円ずつ積み立てる。一方、毎年度末に支給していた任期満了手当は廃止 する。 ************************ 『赤煉瓦』(熊本大学教職員組合機関紙)No.30(2010年3月12日号) 画期的な成果!! 2010 年4 月から附属病院の特定有期雇用職員を正職員化 ― 2 月1 日団体交渉・2 月4 日附属病院長交渉報告 ― http://union.kumamoto-u.ac.jp/akarenga/2009/akarenga0930.htm "[he-forum 15199] Re: [he-forum 15197] 熊本新聞3/31->熊本日日新聞 昨日配信の[he-forum 15197] 熊本新聞3/31は、熊本日日 新聞3/31の誤りでした。 "[he-forum 15200] 読売新聞4/1 2010年4月1日 読売新聞 組み換え大腸菌廃棄疑惑 処理方法 徹底調査へ 香川大医学部 全責任者に回答要請  香川大医学部(三木町)の生体情報分子学の研究室で、遺伝子を組み 換えた大腸菌を滅菌処理しないまま流しに廃棄したとの疑いが出ている 問題で、大学が31日に行った記者会見に臨んだ阪本晴彦・医学部長 は、「事実かどうかはわからないが、告発がすべてうそとは言い切れな い」と述べて調査を徹底する姿勢を示し、医学部内で行っているすべて の遺伝子組み換え実験の責任者に対し、処理方法について文書で説明を 求めたことを明らかにした。  大学は、この日午後1時から記者会見し、これまでの経緯を説明した。  それによると、問題は3月18日、研究室の関係者による内部告発で 発覚し、翌19日に阪本・医学部長が一井真比古学長に報告したという。  さらに、これまでに研究室で実験に携わる約10人への聞き取り調査 を実施。全員が不適切な処理はなかったと答えており、同研究室の現場 責任者となっている准教授も「そんなことはしていない」などと話して いるという。大学は今後、研究室で以前に勤務していた約10人にも事 情を聴くことにしている。  また、3月25日には、医学部内で遺伝子組み換え実験を行っている 全研究室の責任者に対し、処理方法を文書で4月1日までに説明するよ う求めたという。  大学によると、実験で使われた大腸菌には病原性がなく、生育力が弱 いため自然環境下では育たないという。また、学内には排水処理施設が あり、研究室からの排水はそこで滅菌処理が行われており、「安全面を 最優先して厳重な調査を行っているが、人体に影響を与える可能性は極 めて低い」と説明した。 "[he-forum 15201] 産經新聞3/31 産經新聞 2010.3.31 17:45 教え子と「不適切な関係」 琉球大が教授を諭旨解雇  琉球大(沖縄県西原町)は31日、法文学部の60代の男性教授を諭 旨解雇、総務部の50代の男性専門員を停職1年の懲戒処分にしたと発 表した。  大学側の調査によると、教授は平成15年11月から約1年5カ月 間、教え子の女子大学院生と不適切な関係を持った。大学院修了後の1 8年に教授らに損害賠償を求める訴えを那覇地裁に起こしたことで発覚 した。訴訟は既に和解が成立しており、教授は「大学にとって大変不名 誉なことをした」と話しているという。  専門員は、18年12月から19年6月にかけ、物品発注をめぐる不 正経理を繰り返した。 "[he-forum 15202] 朝日新聞4/1 朝日新聞 2010年4月1日 「不適合」評価に静大「もう改善」 法科大学院めぐり 静岡  教育内容を評価する認証機関「大学評価・学位授与機構」が静岡大学 法科大学院を「不適合」と評価したことについて、同大側は評価を受け 入れ、すでに改善措置を取っているとしている。一方で、「『不適合』 という言葉が独り歩きするのが怖い」と困惑している。  同法科大学院の田中克志法務研究科長によると、評価対象54項目の うち、最終年次の登録単位数上限が基準を超えていることや、一部の学 生が必修科目を取らずに進級できていた制度などに改善を指示された。 1月までに改善は終わり、追評価を受ける予定という。田中教授は、認 証制度については「基準を一つでも満たさないとすぐ『不適合』とする のは問題。項目に軽重をつけて評価して欲しい」と話した。 "[he-forum 15203] 読売新聞山口3/30 読売新聞山口版2010年3月30日付 県立大予算20億6172万円、前年度比460万円減  山口市の県立大(江里健輔学長)は29日、2010年度当初予算を発表した。規模は20億6172万円で、文科省補助事業が今年度で終了したことなどから前年度当初に比べて約460万円(0・2%)減った。  支出は、人件費が教員の減少などで3・7%減。新規事業は〈1〉学術交流協定を結ぶラップランド大(フィンランド)などとの共同研究に372万円〈2〉優秀な学生18人に支給する奨学金制度に180万円〈3〉山口国体出場予定者支援のトレーニング施設整備等に800万円――など。  江里学長は記者会見で「法人化5年目となり、4年間の自己評価をする年度。中長期視点で大学改革や教育研究活動の新たな展開、学生支援の充実などに重点配分した」と述べた。 "[he-forum 15204] 共同通信3/31 共同通信2010年3月31日15時51分 熊本大、短期看護師ら正職員化 大学病院の人材確保狙う  熊本大は31日、大学病院の看護師や薬剤師らの非正規職員「特定有期雇用職員」約390人を2010年度から正規職員にすることを明らかにした。これらの職種については今後、新規の場合も基本的に正規職員として採用する。  医療現場での短期雇用職員増加は、人材確保面からも問題になっており、熊本大は特定有期雇用職員制度自体を廃止する。同大の教職員組合によると、看護師だけでなく、薬剤師や臨床検査技師ら医療技術職員まで含めた正規職員化は全国の公立大病院で初めてという。  熊本大は2006年度に同制度を導入。現在は事務職を除く病院職員約1600人の4分の1に達している。給与や業務内容は正規職員と同じだが、契約は毎年更改。最長5年で雇い止めになるほか、同じ期間働いた場合でも正規職員と退職金総額が違うなどの格差があり、組合が改善を求めていた。 "[he-forum 15205] 読売新聞宮崎3/31 読売新聞宮崎版2010年3月31日付 新外来診療棟が完成 宮崎大医学部付属病院  宮崎市の宮崎大医学部付属病院に新しい外来診療棟が完成し、30日、報道機関に公開された。現在の病院棟から医療機器やコンピューターを移し、外来患者の診察室への誘導などを確認したうえで、5月6日から診察を開始する。  老朽化が進んでいるため、同大では2006年度から7年計画で施設を整備している。新しい棟は、現病院棟の北側に08年12月から建設。鉄筋コンクリート3階建てで、総工費は約25億円。  旧診療棟では、診察室がカーテンで仕切られている所があったが、新しい棟は約120部屋すべてを個室化した。現在は7階建てで、階が分かれている科があるため、同じ科は同じ階に集めた。  一方、「第1内科」「第2外科」など数字で示していた各科を、「腎臓内科」「循環器内科」など臓器の名称に改める。診察はこれまで通り午前9時から始めるが、採血と採尿を午前8時から行うことで、患者が検査を済ませ、速やかに診察を受けられるよう配慮した。  同病院の高崎真弓院長は「診察室を個室化したことで、患者のプライバシーにも配慮できる。看護師らを増やし、態勢も強化したい」と話している。 "[he-forum 15208] 秋田魁新報4/1 秋田魁新報2010年4月1日付 秋田大に新施設完成 産学官の共同研究拠点に  科学技術分野の人材育成と産業活性化を目指す産学官の共同研究拠点「ベンチャーインキュベーションセンター」など、秋田大(吉村昇学長)が学内に整備を進めてきた5施設が完成した。  2階建てのセンターは同大手形キャンパスの南西側に設置。1階は同大だけでなく、県立大や秋田高専など学外の研究者が企業などと資源・環境・リサイクル分野の共同研究を行う場として開放する。2階は秋田大の産学官共同研究の実施拠点とする。  同大は、科学技術振興機構(JST)の助成によりセンター隣接地に学外の研究員も利用できる産学官共同研究の拠点施設を設置する予定だったが、政権交代で「箱もの予算」が凍結されたため、同大が独自に建設を進めていたセンターの一部を学外の研究者に開放することを決めた。  研究設備は全額JSTの補助(6億7千万円)で2010年度中に整備される。現在は入札に取り掛かる段階。設備が整い次第、研究を開始できるようにする。 "[he-forum 15206] 愛媛新聞4/1 愛媛新聞2010年4月1日付 井関農機が寄付講座 愛媛大農学部  愛媛大(柳沢康信学長)と井関農機(松山市、蒲生誠一郎社長)は31日、2010年度から農学部に井関農機の寄付講座「植物工場設計工学講座」を設置すると発表した。植物工場の普及拡大を目指し、技術開発や人材育成を行う。  両者は2005年に「農産物ハイテク生産システム」の研究連携協定を締結し、植物工場に関する研究を進めてきた。今回、協定を5年間更新すると同時に社員3人を教員として出向してもらい、農学部施設生産システム学専門教育コース内に講座を開く。  研究開発テーマはトマトの植物工場。現在、植物工場では年間10アール当たり30トンの収穫が可能だが、7~8月の高温期は収穫が難しい。工場内全体を冷却するにはコストがかかりすぎるため、植物の特定部位に水を噴霧する「植物部位別環境制御」などを駆使し、4割程度の収量アップを目指すという。 "[he-forum 15207] 毎日新聞茨城3/31 毎日新聞茨城版2010年3月31日付 協力協定:県、寄付講座で5大学と連携 医師派遣で締結、4年間で65人予定  県は30日、日本医科大など4大学に寄付講座を開設する代わりに大学側から県内の医療機関への医師派遣を受ける協力協定を締結した。24日には東京医科大とも協定を交わしており、これで5大学と連携が確立した。13年度までの4年間で計65人の医師が県内に派遣される見通し。  協定を結んだ大学と医師派遣予定数は、自治医科大(4年間で4人)▽筑波大(同15人)▽東京医科歯科大(同11人)▽日本医科大(同5人)▽東京医科大(同30人)。県は5大学に計約16億円を寄付する。  各大学の寄付講座は県と連携した地域医療の充実を目指しており、東京医科歯科大の講座では、小児・周産期地域医療の指導体制の構築を目指す。  30日に県庁で行われた4大学との締結式で、橋本昌知事は「医師の受け入れ体制整備に力を入れたい。できるだけ多くの医師が県内に定着してほしい」と語った。県唯一の医学部を擁する筑波大の担当者は「コミュニティーの魅力を知ってもらいながら、医療を学べる環境を整備していきたい」と話している。【山内真弓】 "[he-forum 15209] 京都新聞3/30 京都新聞2010年3月30日付 ボノボ研究のプロジェクト 京大霊長研 5個体を飼育へ  京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)は29日、チンパンジーとともに人に最も近い類人猿ボノボの知性を研究する国内初のプロジェクトを4月から始めると発表した。松沢哲郎所長は「チンパンジーの『アイ・プロジェクト』のボノボ版。攻撃的なチンパンジーと平和主義者のボノボの研究を並行して進め、人間の本質に迫りたい」と話している。  ボノボはヒト科チンパンジー属で、アフリカ・コンゴの森林に生息している。チンパンジーは雄が優位で集団内、集団間で争うが、ボノボは雌の地位が高く争いはほとんどない。多様な性行動があり、直立二足歩行も得意だ。  京大霊長研の研究プロジェクトは、1日に開設する林原(岡山市)の寄付講座「ボノボ研究部門」が進める。米国動物園水族館協会所有の5個体を林原類人猿研究センター(岡山県玉野市)で育てる計画。日本でのボノボの飼育は初めて。  京大はコンゴで野生ボノボの調査研究を続けており、霊長研ではコンピューターを使った課題でボノボの認知機能を調べたり、脳や遺伝子を解析する。松沢所長が中心となって進めるチンパンジーの知性を探る研究のノウハウを生かす。  松沢所長は「人間の本性の中には、チンパンジー、ボノボそれぞれの特性があるはず。『人間とは何か』の問いに迫りたい」と話している。 "[he-forum 15212] しんぶn赤旗4/1 しんぶん赤旗2010年4月1日付 米、奨学金制度を拡充 学資ローン 暴利の銀行を排除 【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領が30日に署名し、成立した医療保険改革法修正法で、銀行が学資ローンをもうけ口にすることが規制されるようになりました。オバマ氏は同法の署名式の場所に、バージニア州アレクサンドリア市内のコミュニティー・カレッジ(公立2年制大学)を選び、学生から喝采(かっさい)を浴びました。  米国では近年、教育予算削減による学費高騰で、連邦奨学金制度だけに頼っては学業を続けることができず、学生は銀行の学資ローンを組まざるをえない状況が広がっていました。中には日本のサラ金並みの高利息ローンもあり、学業を終えた時点で数百万円もの負債を抱え込む若者もいるといいます。  新法は、学資ローンで暴利をむさぼってきた銀行界の横暴を排除します。ホワイトハウスによれば、学資ローン支援を名目に金融・銀行業界に流れていた政府補助金を大幅に削減し、今後11年間で680億ドル(約6兆3000億円)を節約する一方、返済の必要のない連邦給付奨学金を倍増するなど教育への支出を抜本的に改革します。  オバマ氏は同日、学生を前に演説し、「必要もないのに学資ローンの仲立ちをする銀行に、何十億ドルもの金を与えるなどということを改善するために、われわれは20年も努力してきた。これらの金は、学生が大学に通い、卒業するためにこそ使ってしかるべきものだった」と強調。同法の成立は、金融・銀行業界の強い圧力をはねかえしての成果だとして、「(医療保険改革、教育改革は)未来の世代のための二つの大きな勝利だ」と強調しました。  同法は、このほか、貸与奨学金の年間返済額の上限を年収の10%以内に抑えるなどの返済条件緩和措置や、高等教育機関の基盤整備などを定めています。とくにアフリカ系米国人(黒人)が多く通う教育施設の改善は急務とされてきました。  一方、野党・共和党側は、政府の奨学金拡大に対し、「政府による民間企業の乗っ取り」などと猛反発。秋の中間選挙を見越して、オバマ氏を「反米主義者」「社会主義者」などと公然と批判する動きを強めています。 "[he-forum 15210] 朝日新聞富山4/1 朝日新聞富山版2010年4月1日付 富山大 総合大学院 見送りへ 10年度 教員確保なお難しく 新設申請2学部のみに  文系の総合大学院の設置を目指している富山大学が、2010年度の国への申請を見送る方針であることがわかった。富山大は09年度、文部科学省に設置を申し出たものの、人材不足などを指摘されて取り下げた。10年度についても、国の基準を満たすだけの教員の確保は難しいと判断し、一部学部の設置申請にとどめる意向だ。(久保田一道)  富山大は、05年10月の3大学統合で、人間発達科学部(旧教育学部)や芸術文化学部(旧高岡短大)など新たな学部が発足したのをきっかけに、もともとあった人文、経済両学部も含めて、横断的なテーマに対応できる文系の総合大学院の新設を検討してきた。  新設された学部で1期生が卒業する今春のタイミングでの設置を目指し、昨春には文部科学省に設置を申請した。しかし、文科省は広いテーマを指導できる教員数の不足などを指摘。大学側が8月に取り下げていた。  それ以降も、10年度に再度総合大学院の設置を国に申請することを目指して作業を続けてきたが、横断的なテーマを指導できる教員の確保は現時点では困難と判断。10年度は、大学院のない芸術文化学部と人間発達科学部への新設の申請にとどめる方針を決めた。  大学側は取材に対し、教員確保のほかに「構想について学内の合意形成を図るのが難しい状況にあった」などと申請見送りの背景を説明した上で、「学部を横断する融合的な研究領域が必要という認識は変わらず、今後も実現に向けた対策を検討していく」と話した。 ―――――― 学部間意識の壁 構想合意不十分 ■解説  富山大が総合大学院の設置を見送らざるを得なかった背景には、テーマに適応できる教員数の問題だけでなく、構想のとらえ方についての各学部間の大きな温度差がある。総合大学院実現の道のりは、かなり険しいと言える。  90年代以降、旧帝国大学を中心に「大学院重点化」の方向を打ち出して、大学院の定員を増やす傾向にある中で、地方大学は大学院教育の改革を迫られている。グローバル化に伴い、学生のニーズも多様化。従来の専門分野にとどまらない学際的な領域の研究の必要性も指摘される。  富山大が総合大学院構想の検討を始めたのも、3大学統合で学部が増えたのをきっかけに「スケールメリット」を生かそうという考え方が強まったからだ。  だが、一方で学部自治の原則が強いこともあり、各学部間での調整は難航。学内の関係者によると、09年度の国への申請では計画案提出の直前になって、一部の学部から計画案の根本部分に大幅な修正が必要との意見が出された。申請には、各学部の合意を示す議事録の議決が前提となるため、執行部は学部に対し再議決を要請。修正が必要との意見は議事録には盛り込まず、「要望書」という形で執行部に提出されるなど、合意形成が不十分なまま設置を急いだことのひずみが顕在化した。  執行部側は「学部の独立性が強い中で、それを守ろうとする考え方も残っている」として、学部を超えた研究領域の構築が難しい現状を認める。学内の関係者も「従来の組織にこだわって既得権益を守ろうとする意識は、改革を進める上で大きな問題になっている」と強調。抜本的な大学院改革の具体像が描けない状況が続いている。 "[he-forum 15211] 読売新聞4/1 読売新聞2010年4月1日付 熟練の技解析へ新拠点、工芸繊維大と企業連携 伝統産業、スポーツ、介護も  伝統産業のものづくりを探求する京都工芸繊維大(京都市左京区)の「伝統みらい研究センター」が、事務機器販売「ウエダ本社」(下京区)と連携し、職人技の動作解析を行う常設の研究拠点を同社内に開設した。研究に効率よく取り組んでいくことができ、同社は「職人の技や、熟練者の動きの解析が進めば、医療や介護の現場での快適な環境作りに役立てられるだろう」と期待している。  同センターは、伝統産業の従事者がもっている技や知恵などの「暗黙知」を数値化し、効率のよい技術習得や他分野への応用を目指し研究を進めている。京都に伝わる京漆器や京弓などの伝統工芸以外にも、茶道のお点前やスポーツなど対象は多岐にわたる。  これまでは、常設の研究拠点を持たず、大学内の空き室などを利用して計測。そのため、カメラの設置や微調整に丸一日かかることもあり、研究に取りかかるまでの時間の短縮が課題となっていた。  企業や製品を案内する映像作りも手掛ける同社が、同センターに注目し、協力を申し出た。新施設では接客業や、医療・介護の従事者の動きの分析などにも取り組み、岡村充泰社長は「ベテランと若手の動きを比較し、作業の効率化や単純化を考える材料を集めたい」と話す。  新施設では、細かく切った金箔(きんぱく)を2本の筆で仏像や仏画に張り付ける「截金(きりかね)」の動作解析がまず研究第1弾として行われた。赤外線カメラ5台と筋電図、心電図各1台などが用意され、20年以上の経験がある女性作家の心身のデータの推移を計測した。  また、介護士が高齢者を入浴させる際の動作を解析するなどの研究にも取り組んでいる。  新拠点について、濱田泰以(ひろゆき)・同センター長は「人間の様々な動きを、より精密に解析していくことで、疲れにくい作業環境などを研究し、介護やオフィス環境への応用に貢献できれば」と話している。 "[he-forum 15213] 朝日新聞3/31 朝日新聞 2010年3月31日 シューカツ2010 新卒になりたくて…希望留年 大学側も支援の制度  過去最低の内定率、内定切りなど、学生たちは厳しい就職活動を強い られている。そうした中、学生たちに、就職に有利な「新卒」の立場で 就職活動ができるように「希望留年制度」を設けて支援する大学が出て きている。ただ、企業のいきすぎた「新卒主義」を苦々しく思う大学関 係者も少なくない。 ■学費減免・面接研修も  今春卒業予定で就職希望の学生の内定率は80%(2月1日現在)。 比較できるデータがある2000年以降で最も低い。  しかし、80%の数字にもからくりがある。大学の卒業予定者は56 万人。就職希望者は40万5千人で、この人数にあてはめると内定者は 32万4千人になる。しかし、全体からすると差し引き24万人の中に は大学院などに進む学生がいる一方で、「希望の会社に入れず、留年を 決めた学生も多い」のも実情だ。     ◇  早稲田大4年の男子学生は、希望する金融関係に行けず、留年を決め た。「大手の企業が終わって内々定が取れなかったら、単位がそろって いても、その時点で留年を決める学生はたくさんいる。卒業したら、明 らかに不利になる」と話した。  厳しい新卒者採用の状況を受けて、大学側も次々と卒業延期の制度を 導入している。ただ、今年の特徴は「内定取り消し」だけでなく、就職 が決まらなかった学生にも授業料を減額するなどの特別措置で留年を認 める大学が広がっていることだ。  湘南工科大(神奈川県藤沢市)は今月、内定取り消しでなくても就職 活動を続ける学生のために「就職支援特別在籍制度」を設けた。在学に は年間22万円が必要だが、教員から小論文や面接の支援が受けられ る。募集したところ60人以上が申し込んだが、その後に内定した学生 がおり、新年度から50人以上が利用する見込みだという。これまで同 大の就職希望者の内定率は、ほぼ100%だったが、今年度は87%程 度になりそうだという。就職課は「緊急措置だが、学生には前向きに将 来を切り開いてほしい」と話す。  下関市立大は昨年、就職活動を続けたい学生向けの卒業延期制度を始 めた。申請して認められれば学費約54万円が半額になる。昨年度の就 職希望者の内定率が97%で、あくまで臨時救済措置だったが、今年度 は89%とさらに厳しい状況になり、継続することになった。新年度は 約30人が利用する見込みで、2日間の面接研修などの支援が受けられ るという。  昨年度卒予定者のみの特例措置として、1度限りで打ち切った大学も ある。  1年間10万円の授業料で在籍させる特例で今年度28人が留年した 法政大は、今春卒業生でも内定辞退を迫られた学生が数人いた。だが、 いずれも時期が早く再チャレンジが十分できたため、1回だけの措置と した。 ■就職理由の在籍に「不公平」の声  ただ、「卒業に必要な単位は満たしているのに、留年する」という手 法には大学内にも戸惑いがある。  日本の雇用システムは、明白な「新卒主義」だ。特に大企業は新卒を 優先して採用する。あえて単位を落としたり卒業論文などを提出しな かったりして就職留年する学生は以前からいたが、一昨年の金融危機以 降、多くの大学が学生支援のために導入した。  ある地方大学で就職支援を担当する職員は「本来卒業できるならすべ きだが、新卒にこだわる企業は多い。『新卒に限る』としている大企業 まであるのが現状だ」。別の大学の担当者も「既卒をほとんど取らない 企業が多く、こういう対応をせざるを得ない」と話す。  明治大も1割の授業料で在籍させる措置を設けて15人が留年した が、今春卒業者で内定切りの報告はなかった。杉林宏茂・就職キャリア 支援事務長は「就職が決まらないという理由だけで特別な在籍を認める のは不公平だ。こうした措置が広がり過ぎると、逆に企業側が内定切り しやすくなる面もある」と指摘している。(見市紀世子、石川智也) ■強まる長期化傾向  4月。大学生の就職活動、そして企業の採用活動がヤマ場を迎える。 試験、面接を経て、徐々に内々定がでていく。  大学生の就職活動は、かつてと大きく変わった。4年生の秋から企業 を回ったのは、もう20年以上前の話だ。  今は、3年生の夏ごろから、動き出す。大学やイベント会場などで就 職に向けたセミナーが開かれ、採用活動を始めるところもある。夏休み には、就業体験をしてもらうインターンシップを実施する企業も多く、 採用に結びつくケースもある。  冬には、会社説明会が本格化し、企業に提出するエントリーシートの 締め切りが集中するのは2、3月だ。エントリーシートは、履歴書と違 い、企業ごとに志望動機や希望業務など、独自の質問項目があるのが特 徴で、多くがネットで受け付ける。  選考のヤマ場の4月が過ぎ、5月の連休明けが、内々定のピークとさ れている。しかし、金融危機以降、時期が遅くなる傾向にある。リク ルートの調査では、2009年3月卒業生の前年5月初めの内定率は6 5.9%だったのに、10年3月卒業生は36.9%にとどまった。7 月初めでも58.8%で長期戦を強いられる学生が増えている。新年度 の就職活動も同様の傾向となりそうだ。  正式内定となるのは10月だ。日本経団連がまとめた採用についての 「倫理憲章」で定めているためで、1千社近くが憲章に賛同している。 (星賀亨弘) "[he-forum 15214] Diamond Online 4/2 inside【第473回】 2010年4月2日 週刊ダイ ヤモンド編集部 大学生が高校の授業へ逆戻り?! 埼玉県「高大連携」の驚くべき中身 大学生の学力不足が叫ばれて久しいが、まさかこんな時代が来ると は!。  3月15日、4月に新設される埼玉県立吹上秋桜高校 など3校と大東文化大学、ものつくり大学との間で教育連携の協 定が結ばれた。協定の目玉は、「大学生が必要な教科・科目の基礎を高 校(吹上秋桜高校)で聴講生として学習」することだ。驚いたことに、 大学生が高校の教室で高校生と机を並べて学ぶというのである。「おそ らく全国初の取り組みだろう」(埼玉県)。  いわゆる「高大連携」自体は珍しくないが、大学が高校生向けに講義 を行なう形式が一般的。高校にとっては生徒の勉強に対するモチベー ションアップ、大学にとっては将来の学生確保という点で利害が一致し ているがゆえに多くの地域、学校で広まりつつあり、今回の高大連携も 全国に飛び火するかもれない。  それだけ、大学生の学力不足が多くの大学にとって大きな悩みのタネ になっている。少子化と大学定員の相変わらずの増加で大学はすでに全 入時代となっている。そこで特に私立大学は推薦入学枠を大幅に増やし て学生の「青田買い」に走っている。その数、2020年度で 25万人。すでに入学者総数の6割を超えており、入試難易度の低 い大学ほどこの比率は高い。推薦組の学生に受験勉強は必要なく、加え てゆとり教育によるカリキュラムの簡素化もあって、高卒程度の学力も ない大学生が増えている。これでは、大学の授業がそもそも成り立たな い。  とはいうものの、いったん入学を認めた以上、教育の責任は大学にあ る。そこで増えているのが大学入学後の「基礎教育やり直し」。「リメ ディアル教育」と呼ばれているもので、文部科学省の調査によると、す でに742大学のうち244校で実施されている。  ただし、リメディアル教育には手間がかかる。高校のカリキュラムを 教えた経験が大学の教員にはないし、大教室での一方通行の授業では効 果も薄い。そもそも、「理解が遅い学生を丁寧に教える根気は大学の教 員にはまったくない」(関東の工科系私立大学)。  つまり、高校のやり直しは高校で学ぶのが一番なのだが、大学生に とっては耐えられないだろう。そこで、吹上秋桜高校である。昼夜開 講、単位制の定時制高校で、通学は私服、クラスの縛りも弱く、大学生 が参加しても違和感は少ない。最後の授業は夜8時過ぎ開始なの で大学の授業の後に“登校”できる。単位認定を求めず授業を受けるだ けならば大学側の負担は無料。高校側にしてみれば、「子どもからお年 寄りまで幅広い年齢の人たちが校内を行き来する雰囲気を作りたい」 (同校)ので、大学生の受け入れは大歓迎なのだ。  果たしてどれほどの大学生が集まるのか注目されるが、しかし、よく 考えてみれば、大学生が高校で学び直すという現実はおかしくないか。 教育制度、学校制度の根幹が明らかにどこかで間違っている。 (「週刊ダイヤモンド」編集部 千野信浩) "[he-forum 15215] 朝日新聞静岡4/1 朝日新聞静岡版2010年4月1日付 「不適合」評価に静大「もう改善」 法科大学院めぐり  教育内容を評価する認証機関「大学評価・学位授与機構」が静岡大学法科大学院を「不適合」と評価したことについて、同大側は評価を受け入れ、すでに改善措置を取っているとしている。一方で、「『不適合』という言葉が独り歩きするのが怖い」と困惑している。  同法科大学院の田中克志法務研究科長によると、評価対象54項目のうち、最終年次の登録単位数上限が基準を超えていることや、一部の学生が必修科目を取らずに進級できていた制度などに改善を指示された。1月までに改善は終わり、追評価を受ける予定という。田中教授は、認証制度については「基準を一つでも満たさないとすぐ『不適合』とするのは問題。項目に軽重をつけて評価して欲しい」と話した。 "[he-forum 15216] 佐賀新聞4/2 佐賀新聞2010年4月2日付 死因究明改善へ遺体CT診断 佐賀大病院にAiセンター 犯罪死見逃さない態勢づくりも  佐賀大学医学部付属病院は1日、遺体の画像診断をする「Aiセンター」を新設した。解剖率の低さなどが問題視されている死因究明制度の改善を目指す取り組みで、犯罪死を見逃さない態勢づくりも目指す。死因に疑問を持つ遺族らの診断要望にも応える方針で、地域の医療機関や県警から要請があれば24時間態勢で対応する。国立大学法人でAiセンターを設置するのは千葉大、群馬大に次いで3例目。  Aiは「オートプシー・イメージング」の略称で、遺体を傷つけずコンピューター断層撮影法(CT)で画像診断するシステム。体の表面から死因を調べる検視より質の高い情報が簡単に得られる。  付属病院のAiセンターは、中央診療棟の病理解剖資料室を改築し、患者用とは区別して新規購入したCTを設置した。断層画像を撮影し、所見を提供する。保健診療の適用外で、撮影や画像を読む費用は1ケース約5万円。  院内や地域の医療機関から依頼があった場合、遺族から承諾書をとる。ただ、虐待やDV(配偶者らからの暴力)などが疑われ、司法がかかわることが想定されるケースは、承諾は必要としない。  死因究明の最有力手段は解剖だが、病理や法医学の専門医不足に加え、遺体を傷つけることに抵抗がある遺族感情もあって実施率は低い。警察庁によると、2009年に全国の警察が扱った遺体は16万858体で、うち死因究明のために司法解剖や行政解剖が実施されたのは10・1%。佐賀県は1001体で、解剖率は4・3%だった。  同庁は07年の力士暴行死事件や、埼玉や鳥取で昨年相次ぎ発覚した連続不審死事件を背景に、検視官増員やAi活用など死因究明体制を強化。日本医師会の検討委員会は3月、小児や心肺停止状態で救急搬送された患者らに対するAi実施を提言している。  地域単位のAiセンター設置は喫緊の課題になっており、佐賀大付属病院は、在籍する県内唯一の法医学の専門医をバックアップする狙いもあり、体制を整備する。  宮凬A耕治病院長は「異状死に向き合い、真相究明に力を尽くすことが大学病院の使命」と強調。「Aiは患者が療養中に突然死した場合にも客観的なデータとして活用できる」とし、訴訟を含む遺族とのトラブル回避や、医療への不信感を和らげる手だてにもなるとみている。       ◆  『チーム・バチスタの栄光』『死因不明社会』などの著作で知られる医師で作家の海堂尊さんの話 Aiの社会導入は進展しつつあるが、読影システムや料金体系まできちんと設定されたAiセンターは日本初ではないか。崩壊しつつある地方医療の再生のモデルになるだろう。 "[he-forum 15217] 静岡新聞4/2 静岡新聞2010年4月2日付 「社会の声生かす」 静岡大新学長就任会見  静岡大の新学長に1日、伊東幸宏前情報学部長が就任し、同日、静岡市駿河区の同大で会見した。伊東学長は「社会の声を生かす柔軟な大学を目指す」と所信表明した。理事、副学長には計7人を任命した。  伊東学長は、静岡キャンパスはナノバイオ科学、浜松キャンパスは極限画像科学をそれぞれ核に、外部資金獲得を目指すことを表明した。そのほか、アジア学と環境・エネルギー科学技術に力を入れる。  法科大学院が中央教育審議会から改善が急務とされる「重点校」に区分けされたことについては、「危機意識を持っている。盛り返したい」と意欲を見せた。  理事、副学長は次の通り。  ▽理事(教育担当)兼副学長 石井潔▽理事(研究・情報担当)兼副学長 碓氷泰市▽理事(社会・産学連携担当)兼副学長 柳沢正▽理事(総務・財務・施設担当)兼事務局長 山崎裕史▽副学長(企画・評価担当) 浅利一郎▽副学長(男女共同参画担当)  舩橋恵子(再任)▽副学長(学生支援担当) 杉山融 "[he-forum 15218] 朝日新聞福島4/2 朝日新聞福島版2010年4月2日付 「ホーム大学めざしたい」福島大 ●入戸野新学長  福島大で1日、入戸野(にっとの)修・新学長(68)の就任式があり、「人文系と理工系がコンパクトにまとまった特長を生かしたい。大学の構成員の気持ちがほかの人に伝わる『顔の見える大学』にしたい」と教職員らに抱負を述べた。  任期は2014年3月末までの4年間。入戸野氏は前共生システム理工学類長。同大で理工系出身学長は初めて。就任式後の記者会見で、「大学は敷居が高いとの声もあるが、福大に行って相談しようという気を持ってもらえるようにしたい。家庭のホームドクターにあたるような、地域のホーム大学をめざしたい」と語った。 "[he-forum 15219] 徳島新聞4/2 徳島新聞2010年4月2日付 寄付講座スタート 県・徳大、地域医療再生の一歩  徳島県と徳島大学は1日、同大から中央(徳島市)三好(三好市)海部(牟岐町)の県立3病院へ医師を派遣する寄付講座を開設した。2010~13年度の4年間、4講座の産婦人科医や外科医ら計11人が各病院で診療支援をしながら、地域医療に関する研究や人材育成に取り組む。  医師不足で分(ぶん)娩(べん)や土曜日の救急受け入れを休止している海部病院では、寄付講座「地域産婦人科診療部」(古本博孝教授)の産科医3人と「総合診療医学分野」(谷憲治教授)の内科医3人がそれぞれ交代で勤務する。  初日は産科医の岩佐武助教(33)が、病院職員から電子カルテの入力方法や医療機器の説明を受けた後、外来患者2人を診療した。今回の派遣で海部の産婦人科は年間を通して24時間体制の勤務が確保でき、07年9月から休止している分娩再開に向けて準備を進める。  外科医が院長を含めて3人に減っている三好病院では「地域外科診療部」(栗田信浩教授)の外科医3人、徳島大学病院と隣接する中央病院では「ER・災害医療診療部」(今中秀光教授)の救急医2人が順次、診療支援を始める。  寄付講座の開設は、医師不足解消などを目的に県が作成した「地域医療再生計画」事業の一つ。県が10年度予算で支出する運営費は1億8600万円。 "[he-forum 15220] 北国新聞4/2 北國新聞2010年4月2日付 がん研究所、角間に完成 金大が移転、除幕式  金大角間キャンパスに移転した金大がん研究所の竣工(しゅんこう)記念除幕式は1日、同キャンパスで行われた。約70人が移転完了を祝い、がん克服に向けた研究の発展に期待を寄せた。  向田直史所長が「研究に新たな視点からのアプローチを取り入れ、成果を挙げるよう努力したい」とあいさつ。中村信一学長が祝辞を述べ、向田所長、金大理事らと研究所棟の看板を除幕した。  新がん研究所棟は、鉄筋コンクリート6階建てで、自然科学研究棟に隣接する。延べ床面積は5072平方メートルで、総工費は約11億円。最上階には実験動物研究施設角間分室を配置した。  同研究所は移転に合わせ、2大部門2センター体制から、がん幹細胞研究、がん微小環境研究、がん分子標的探索、がん分子標的医療開発の4プログラム体制に改組した。 "[he-forum 15221] 河北新報4/4 河北新報2010年4月4日付 社会へ情報発信強化 宮教大・高橋学長2期目の抱負 <たかはし・こうすけ>東大大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。宮城教育大助教授を経て88年教授。付属小校長などを歴任し、04年総務担当理事。06年から現職。専門は中国近現代史。湯沢市出身。66歳   東北唯一の単科教員養成大、宮城教育大(仙台市青葉区)の高橋孝助学長は、1日から2期目の任期に入った。独立行政法人化後、初の公募制を取り入れた2006年の学長選考会議を経て就任。地方教育委員会などとの連携強化や開かれた大学づくりに力を注いできた。2期目に当たり、今後の抱負などを聞いた。(聞き手は報道部・中本亮)  ―1期目に栗原市教委や仙台市天文台と覚書を結ぶなど、連携協力に力を入れてきました。  「社会貢献は前学長から引き継いだ路線。都市部だけでなく、気仙沼に連携センターができるなど、地域との連携は非常に進んでいる。研究は机上の空論では駄目。大学にとっても現場から学ぶいい機会になっている。やれることを整理し、相手のニーズに応えた連携をさらに進めていく」  ―09年度は教員免許更新制度が本格的に始まりました。  「一度現場に出た教師には研修はあるものの、理論や新しい手法をじっくりと学ぶ機会がない。制度の是非は別として、1年の経験を積んだ制度では、大学側が積極的に教えることの必要性を痛感した。教員を送り出している以上、アフターケアもしっかりしなければいけない」  ―子どもが次第に少なくなり、教員募集も減りそうです。  「東北では教員採用が減っているが、関東は逆に増えている。地元・宮城への人材供給はもちろんだが、全国に必要としている場所があることも考えなければ。学生には、宮城だけにしがみつかず、関東も視野に入れた柔軟な発想で教員を目指してほしい」  ―2期目を迎え、最も重視したい点は。  「教員養成に特化しているので、未来はしっかりしている。ただ、大学から社会への説明は不十分だった。法人化後、大学教員はその点に気付き始めている。大学独自の取り組みを情報発信したい」  「特別支援教育の充実も図りたい。特別支援教育の免許を出すことはもちろん、障害がある学生でも希望の職に就ける支援を国立大はしなければいけない」 "[he-forum 15222] 京都新聞4/3 京都新聞2010年4月3日付 「魅力と活力に富む大学に」と抱負 佐和隆光  滋賀大の12代目学長に1日就いた佐和隆光氏(67)が2日、滋賀県彦根市の同大学キャンパスで就任会見を開き、「研究と教育の両面で魅力と活力に富む大学にしたい」と任期4年間の抱負を述べた。  学生・大学院生約4千人の大学トップとして、運営方針を「経済学部、教育学部の両学部の構成員のだれもが得する改革を調整役として進めたい」と説明した。研究や就職支援では、自らが理事長に就いた県内13大学・短期大学でつくる「環びわ湖大学・地域コンソーシアム」を軸に、自治体や大学間でさらに連携を深めることを強調した。  経済学部が彦根市、教育学部が大津市に離れたキャンパスの統合問題や、滋賀医科大や京都教育大、京都工芸繊維大と検討されたが凍結中の統合協議については「理事会だけでなく教授会に顔を出して半年ぐらいで意見を集約し、方向性を見極めたい」と述べた。  佐和氏は環境経済学の第一人者。2006年3月に退職するまで京都大経済研究所長で、現在も国の中央環境審議会委員や交通政策審議会長を務める。 "[he-forum 15223] 中日新聞静岡4/2 中日新聞静岡版2010年4月2日付 静大に就職支援組織 1年後めどに伊東新学長が構想  静岡大学の新学長に就任した伊東幸宏氏(52)が1日、静岡市駿河区の同大で記者会見し、1年後にも学生の就職を支援する「キャリアセンター」(仮称)を設立する考えを明らかにした。  伊東学長は会見で、同センターについて「学生の就職を『点』ではなく、入学から卒業までの『線』で支援できるようにしたい」と構想を説明した。  静大のあり方について「人を大切にする大学でありたい」と述べ未来創世の拠点化、世界トップレベルの研究力養成、国際化と多様性への対応などに取り組む考えを示した。法科大学院の評価機関「大学評価・学位授与機構」が、静大法科大学院の教育内容に問題がある「不適合」としたことについては「ただちに改善した」と説明した。  伊東氏は東京都出身で、早稲田大大学院理工学研究科博士後期課程修了。静大工学部の助教授に就き、情報学部教授、情報学部長などを歴任した。任期は1日から3年間。 (美細津仁志) "[he-forum 15225] 信濃毎日新聞4/3 信濃毎日新聞2010年4月3日付 県中小企業家同友会 信大工学部内に事務局移転  県内の575社でつくる県中小企業家同友会(関野友憲代表理事)は、事務局を長野市稲葉母袋の民間ビルから同市若里の信大工学部キャンパス内に移転した。中小企業の新事業創出で産学連携が果たす役割が大きい-と考えての移転。同学部との情報交換や共同研究を促す。各都道府県にある全国47の同友会で大学内に事務局を設けるのは初めて。23日に信大が開くシンポジウムも共催し、連携を強化していく。  同学部がキャンパス内に新設した「信州科学技術総合振興センター(SASTec)」に入居。約75平方メートルのスペースで4人が業務を始めた。キャンパス内に拠点を設けることで、同学部の教員や連携コーディネーターと接触しやすくなったという。  同友会事務局が会員企業にアンケートを行ったところ、産学連携を望みながらも「どうやって始めればいいか分からない」「研究者と知り合う機会がない」と断念する事例が多いことが判明。新事業で失敗した企業からは「専門家の知恵を借りれば良かった」と悔やむ声もあった。連携促進の機会をうかがっていたところ、同センターの開設が決まり、同学部に入居を申し入れた。  同友会は7支部ごとに月例会を開き、経営指針づくりなど経営全般について学んでいる。活動の中で出た課題について、教員に助言を求めたり、連携の要望を伝えたりする方針。小林敬二事務局長は「経営者が大学を訪ね、教員と会う機会が増える。大学が身近な存在になり、具体的な連携に発展しやすくなる」と期待する。  23日のシンポジウムは同センターで開催。同友会は同じ会場で事前に総会を開き、経営者らは引き続き討論に加わる。同友会は5月以降も小規模なシンポジウムを開く方針だ。  関野代表理事は「地域で雇用を創出するのは地域に根差した中小企業の役割。大学と一緒に具体的な仕事を生み出し、地域を活性化させたい」としている。 "[he-forum 15224] 東海日日新聞4/3 東海日日新聞2010年4月3日付 技科大の寄付講座支援延長へ  豊橋技科大(榊佳之学長)で開講されている、近隣の5つの信用金庫(豊橋、豊川、蒲郡、岡崎、浜松)が支援する寄付講座「しんきん食農技術科学講座」の延長が決まり、ホテルアソシア豊橋で榊学長と5信金理事長による覚書調印が行われた。  同講座は「食農産業に資する生物工学的要素技術の開発および農環境保全と未来型農環境システムの研究」を設置目的としており、先端農業・バイオリサーチセンター、三枝正彦特任教授を中心に活動を展開している。  07年度に3年間の覚書を交わし、期限が来たため2年間の支援継続を決めた。  寄付金総額は毎年度5信金総計1500万円。5カ年で7500万円となる。  (山崎祐一) "[he-forum 15226] 河北新報4/3 河北新報2010年4月3日付 東北大、留学生3000人に倍増 国際競争力強化  東北大は2日、教育・研究の国際競争力を高めるため、2020年度までに留学生の受け入れ数を現在の1300人から3000人に増やすと発表した。英語だけを使うコース新設や留学生寮の増設など受け入れ態勢を充実させる。記者会見した井上明久総長は「大学の国際的価値を高め、グローバルな視野で活躍できる人材を育成したい」と述べた。  計画では、20年度までに留学生のほか、外国籍の教員数を現在の130人から300人に増やす。11年10月に工・理・農の3学部で、講義をすべて英語で行うコースを開設。大学院は13年10月までに、英語で修了できるコースを現在の3から13に拡充する。  留学生が入居できる650人規模の学生寮を12年度までをめどに、仙台市青葉区三条町の東北大国際交流会館付近に新設。片平キャンパス(青葉区片平)には、定員120人程度の外国人研究者用宿泊施設を11年度までに建設する。  留学生を含めた学生への学習支援策として4月から、先輩学生が助言する「スチューデントアドバイザー制度」も導入。公募で30人程度のアドバイザーを募り、常時5、6人が相談窓口に常駐する仕組みを整える。  計画は大学運営の指針となる「井上プラン(東北大アクションプラン)」の10年度改訂版に盛り込んだ。改訂版では化学、物理などの「国際科学オリンピック」の日本代表に選ばれた高校生を対象に、理学部と工学部の11年度入試から通常の試験を免除する特別枠も設けた。 "[he-forum 15227] 産經新聞4/5 産經新聞 2010.4.5 03:01 【正論】 国際日本文化研究センター所長・猪木武徳 若い研究者にチャンスを与 えよ  かつては大学の外の会議や研究会に出席すると、筆者は文字通りの若 輩であった。最も低年齢のメンバーだったこともある。そして年長者の 発言や事の処し方から、「なるほど」と実地に多くを教えられた。  ≪実地経験も積めぬ傾向≫  しかし時は経つものだ。最近は、自分がそうした集まりで、一番の年 寄りになっているのに驚くことが多い。と同時に、自分は若い人の成長 の機会を奪って邪魔をしているだけではないかと自省することがある。 若い人達が、実地経験のチャンスを与えられず、力を発揮できないケー スが、日本で目に付くようになったからだ。  例えばオリンピックでも、「何回目の出場」が強調されると、本当に 褒められるべきなのか複雑な気分になる。決められた出場枠では、若い 人が本番を経験する機会が奪われることになるからだ。  この点、学術の世界では米国と日本は対照的だ。例えば研究助成金の 配分について、アメリカ国立科学財団(NSF)のグラント(補助金) と日本の文科省科学研究費助成金を比べると、その力点の違いがわかる。  NSFのグラントは、科学、工学、社会科学をカバーする、年間60 億ドル(約6千億円)という膨大な額の研究費である(医学系統は別 枠)。額の大きさもたいしたものだが、その配分方法に、若手研究者を 育てようという強い意識が読み取れる。  ≪視野の狭い「仕分け」作業≫  博士号を取得した若手研究者は、米国では多くの場合、主任研究員 (PI)のグラントで助成される。一人前の独立した研究者として、か なり大きな研究プロジェクトの助成対象者となるのである。ボス教授の 研究テーマの研究費を一部「頂戴(ちょうだい)する」というような形 は主流ではない。  博士以前の大学院生のリサーチ・アシスタント(RA)というポスト も、かなりの数にのぼり、ある程度の力が認められれば、最低限の生活 費も保証される。日本の科学研究費助成金からはRAへの支出は行いに くい。  つまり若手がより自由な研究を行える環境が経済的にも人格面でも米 国では整備されているのだ。こうした若い力を生かそうとする国の研究 活動が活発になるのは当然であろう。昨秋のいわゆる「仕分け作業」で 「若い大学院生や研究者に生活保護的な給付をする必要はない」という 発言があった。なんという視野の狭い、短期的発想だろうか。  若手を何とか経済的に、そして人格面でも独立させようというスタイ ルが、米国では「大学院教育への意欲」ともうまく結びついている。将 来性のある学生を見つけ出し、自分の(研究テーマではなく)研究分野 に引き込み、力を発揮させると、自分の研究テーマの質自体も高まると いうことを先生は知っているのだ。  米国方式が、優れた独立心の強い若手研究者を生みだし、科学研究を 促進させる力があることは疑い得ない。米国の優れた若い研究者は自分 の責任のもとでの、成功と失敗のチャンスを与えられているのである。  日本の偉い学者のなかには、自分の方法がベストだと過信し、若い人 にそれを「押し付け」ようとするケースが目立つといわれる。行き過ぎ た「徒弟制度」は学問の進歩を阻害する。すべての学問知が、その時、 その時代、という相対性を持っている以上、若い研究者に自分の研究 テーマや方法を「押し付け」てはならない。  ≪従弟の「押し付け」も困る≫  既存の知識の教育は徒弟制度で体系的に行える部分が多い。しかし新 たな概念や思考を生み出すための教育、人間や社会の問題を解決しよう とする力を養う教育は、年長者が「押し付ける」ことでは成功しない。  かつて経済思想家フランク・ナイトは、教育の世界から偏見と憶断を 克服するため、「一般的な教育の主要な役割は何も教えないことにあ る」という逆説的な主張を行った。「教えない」のは、いかなる人間 も、「社会的な問題」「人間の問題」の最終解を予(あらかじ)め知る ことはないからだ。前もって解がわからない社会問題を考える際、(独 裁専制ではない)デモクラシーや市場社会にとって重要なのは、知性を 用いて倫理的価値を吟味し、社会的価値の対立を調停し克服することに ある。そのためには、知性的であろうとする意志、客観的、批判的であ ろうとする意志を発展することが不可欠なのである。  科学の世界では、年長者の下で既存知識の「系」をほじくるだけでは 革新は起こらない。人間を対象とする学問や社会を改良するための学問 にも、結論だけを「押し付け」ることなく、人間の批判精神を高め、解 決を求める意欲と粘り強さを養うことが重要なのだ。  一部の日本の教育現場にまだ残存する政治イデオロギー、既存の知識 の詰め込み、年長者支配といった旧体制を少しでも和らげることこそ、 若者に機会を与え、その力を引き出すために必要な第一歩なのだ。(い のき たけのり) "[he-forum 15228] 産經新聞4/4 産經新聞 2010.4.4 22:19 教職大学院初の評価機関 公共政策分野なども認証  文部科学省は、教職大学院の第三者評価をする初の評価機関として、 「教員養成評価機構」を認証すると発表した。  専門職大学院は5年に1度、文科相が認証した評価機関による評価を 受ける必要がある。平成10年度にスタートした教職大学院は現在24 校あるが、これまで評価機関がなかった。 "[he-forum 15229] 医学界新聞4/5 週刊医学界新聞2010年4月5日付 【interview】 医学教育の質向上が 医療を変える原動力となる 伴信太郎氏(名古屋大学医学部附属病院総合診療科教授/日本医学教育学会長)に聞く  昨今の医師不足や偏在に対する施策を受け,日本医学教育学会より本年1月7日に「医学部定員増に対する提言」と「提言 地域医療教育の充実のために――地域枠制度の拡大を受けて」という2つの提言が出された1)。  真に社会に貢献できる医師を育成するためには,大学,自治体,現場医療機関,さらには地域住民をも巻き込んだ,一体型の教育が不可欠である。そのために医学教育をめぐる現状の課題をいかに克服し,医学教育の質向上をめざしていくか,日本医学教育学会長を務める伴信太郎氏にお話を伺った。 -------------------------------------------------------------------------------- ――このたびの2つの提言は,どのような経緯で出されたのですか。 伴 近年,地域における医師不足や医師の偏在などの問題が指摘されており,医学部入学定員の増加,地域枠制度の拡大をはじめ,医学教育にかかわるさまざまな対策が講じられています。しかし,国民の健康を支えていくためには,単に医師数を増やしたり,地域枠を拡大したりするのではなく,医学教育自体の質を高めることが不可欠です。そのために,教員数あるいは教育に伴う資源などの充実が必要であることを理解してほしいと考え,今回の提言に至りました。 人的・物的資源の充実が急務 ――それではまず,「医学部定員増に対する提言」を出された背景についてお話しいただけますか。 伴 医学部は他学部に比べて学生数が少なく,労働集約型の教育を必要とします。また,現在の医学教育は非常に注意深い配慮が必要です。特に最近は少人数制の教育が推進されているので,教員がかかわる割合も非常に増えています。また,定員増員にあたっては,小グループ学習のためのセミナー室や実習室,解剖実習室,シミュレーション教育施設などの改修・増築,臨床実習において学生が扱う病棟の電子カルテ端末の造設などが必要です。ですから,10人以下の増員であっても,人的・物的資源全般に大きな影響を及ぼすのです。  そもそも,わが国の教員数は欧米と比較して非常に少ないという問題があります。大学設置基準では,これまで医学部の収容定員の上限を720人(入学定員120人)と定めており,必要な専任教員数は140人と設定されていました。この人数設定は,臨床に必要な診療科に対応する講座を設けることを意図したものです。  昨年10月,本年から10年間医学部入学定員が増員されることを受け,大学設置基準が改正されました。ここでは,入学定員120人を超えて増員する大学については,専任教員数を150人とするという基準が示されました。一方で,今回の提言では,例えば1学年の定員が25人増えると,小グループ学習や臨床実習指導に携わる専任教員数を53人増員する必要があるとの試算を出しており,実際の教員増とはかなりかけ離れた結果となっています。 ――大学設置基準では最低限必要な教員数を定めていますが,各大学で専任教員数を増やしてもよいのですか。 伴 そうですね。これまで国立大学の教職員数は文部科学省が管理してきましたが,2004年に大学が独立法人化したことで,さまざまな面でフレキシビリティが出てきました。ただ,人件費等の問題もあり,これまでのあり方を変えていくには相当の時間と労力を要します。  また,人的・物的資源の充実に向けては経営側や他部門の理解を得ることも重要ですが,医学教育の成果や有効性を評価する基準がほとんど構築されていないのが現状です。例えば,卒業生のキャリアパスをたどり,在学中の成績や臨床スキル,態度を調査するなどの縦断的な研究が考えられますが,そのような研究はわが国ではほとんど行われていません。最近は医学教育学を専門とする医師も出てきているので,彼らの研究を基にエビデンスを蓄積し,量と質の両面から医学教育の成果を示していくのが今後の本学会の役割だと考えています。 ――提言では,教員評価の見直しの必要性も挙げられていました。 伴 大学の教員の業務は,研究,教育,診療,社会的貢献,学内管理など,多岐にわたります。このなかで,研究評価は,インパクトファクターや研究費の獲得で,診療実績は病院における各種の指標で評価につながりやすいのですが,教育は十分に評価されない傾向があります。本学会の教育業績評価ワーキンググループが2000年に教育業績評価基準についての提言を行いました2)。これは,量的な教育貢献の評価基準を提案したものですが,質的な面からの評価も必要です。そこで現在,業績評価委員会で,適切な教員業績の評価方法についてのガイドラインの作成に取り組んでいるところです。 医療の真髄を地域医療で学ぶ ――次に,「提言 地域医療教育の充実のために――地域枠制度の拡大を受けて」についてですが,地域医療教育の現状についてお話しいただけますか。 伴 地域医療教育は,2007年の医学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂の際に初めて導入されました。この背景の一つには,小児科や産婦人科に代表される医師の不足,偏在による地域医療の崩壊がありますが,わが国の地域医療への取り組みは欧米に比べて20年ほど遅れています。その例として挙げられるのが,地域医療を担うジェネラリスト――総合診療の専門医資格の整備です。米国は1969年に家庭医が19番目の専門医として承認を受けており,英国ではやや遅れましたが,general practitionerが系統的なトレーニングを経て専門医認定されるようになっています。わが国では,一方で医師の専門分化が非常に進んでいるのに,家庭医や病院総合医の推進については,ようやく最近になって医療政策として提案されるようになりました。今後は家庭医や総合医が1つの専門領域として広く認識されるようにならなければ,現在の地域医療における医師不足は解消されないと思います。  また,今回の提言のきっかけの1つとなった地域枠制度も,米国ではその有効性が1980年代から示されているのです。 ――地域枠制度は,現在どのような状況にあるのでしょうか。 伴 わが国の地域枠制度は,その多くがこの4,5年ほどの間に導入されたもので,2009年度の時点で47の大学で地域枠制度を採用しており,定員は714人です。2010年度には,さらに313人の地域枠の学生増が予定されています。地元出身者を選抜し,一定期間地域で勤務してもらうという大学もありますし,全国の学生を対象としている大学もあります。人数もさまざまで,いちばん数の多い旭川医大では2010年度では入学定員のうち60人が地域枠の学生です。  本学会がこの提言を出した背景には,地域枠の導入を機に臨床実習のフィールドを地域に広げて地域医療教育の充実を図り,学生全員に地域医療の魅力を感じてほしいという思いがありました。また,臨床教授制度などを活用し,地域で質の高い医療を行っている医師に医学教育に参画してもらい,地域と大学が連携できるような教育環境をつくるというねらいもあります。 ――このような教育環境づくりのモデルはありますか。 伴 オーストラリアのフリンダーズ大学(4年制のメディカルスクール)では,地域立脚型の医学教育カリキュラムが組まれています。なかでも,3年次に行われる1年間の臨床実習には,地方都市にある総合診療クリニックや小規模病院での実習を行うParallel Rural Community Curriculum(PRCC)と呼ばれるプログラムがあります。大学病院でのローテート実習も選択できますが,PRCCのほうが人気も満足度も高いと聞きました。また,PRCCを3年次に選択しなかった学生にも,4年次に6週間の地域診療所での臨床実習が必修とされており,地域医療教育に非常に重点が置かれていると言えます。現在,わが国の地域枠は定員が10人以下の大学も多いので,まずは地域枠の学生に絞ってフリンダーズ大学と同じような教育をパイロット的に実施してみるのも1つの方法かと思います。  また,卒後臨床研修における地域保健・医療研修も参考になるのではないでしょうか。愛知県では,“愛知県へき地医療支援機構”が愛知県下のすべての臨床研修プログラムに対し,へき地での地域保健・医療研修を提供しています3)。現在,4つの地域別研修プログラムがありますが,非常に人気が高いです。これらを参考にしていただければ,学生にとっても魅力的なプログラムになると思います。 ――地域医療で学ぶ内容には,医師免許を有していなくてもできることが多く,卒前教育に地域医療教育をもっと取り入れるべきだという声もあります。 伴 卒前教育で学ばなければいけない最先端の基礎医学や社会医学,臨床医学の内容も年々増加しているので,その辺りのバランスは難しいと思います。ですから,まずは少しでも地域医療に触れることで,地域医療の楽しさや喜び,あるいは自分たちに求められる役割などを知るきっかけにしてほしいと考えています。卒後臨床研修あるいは後期研修までは幅広い領域を経験し,その上で最終的には専門性を持ちたいという学生も多いですが,そのような学生にとっても,地域医療を経験することで患者の多様性を知り,専門性を深く追究するモチベーションも上がるのではないでしょうか。 ――地域医療で学んだ成果は,国家試験ではなかなか表れにくいと思いますが,どのように評価するのでしょうか。 伴 地域医療教育では,知識に加え,臨床能力や医師としての態度などの評価が欠かせません。最近,よく話題に上る“プロフェッショナリズム”は,医師としての姿勢に重点を置いており,多角的な評価が可能なポートフォリオが注目されています。ただ,ポートフォリオ評価は手間がかかりますから,まずは地域医療教育に限定して導入してみるのが現実的な試みと言えると思います。 ――卒後臨床研修でも,1か月以上の地域医療研修が必修となっています。 伴 地域医療は,大学病院や総合病院で優れた医療を行っていた人がすぐに力を発揮できる,というものではありません。医学教育の世界では,これを「臨床能力の内容特異性」と呼んでいますが,質の高い地域医療を実践するには,知識や技能のほかに住民と積極的にかかわる姿勢が必要です。  また,地域住民は,必ずしも高度最先端医療を受け続けたいと思っているわけではないし,高齢化社会が進むなか,家族に囲まれて,あるいは地域が支えて,いかに安心して人生の最期を迎えるかということも重視するようになっています。このような地域住民の願いをかなえるには,介護や福祉を支援したり組織したりすることも必要です。このように,医療だけではカバーできない部分があることを知るためにも,地域医療研修はすべての医師が経験すべきキャリアだと思います。さらに,いちばん望ましいのは,どんな専門領域の医師であっても,地域医療の診療能力を基盤として持てるような教育システムの構築だと考えています。 すべての医師に教育的思考を持ってほしい ――今後,学会としてどのようなことに取り組まれる予定ですか。 伴 医学教育については,これまで入学試験,教養教育,臨床前教育,クリニカル・クラークシップ(診療参加型実習)など,さまざまな提言がなされてきましたが,特に臨床教育については,なかなか抜本的な改革には至りませんでした。最近になって,基本的臨床能力についての教育が全国的に行われるようになってはきたものの,わが国の医学生の臨床能力の獲得レベルは国際的なスタンダードに比べてなお低いことが指摘されています。その一因としては,これまで教員が教育学の理論や方法を学ぶことなく教育に携わってきたことが挙げられます。知識や技能を教えるだけでなく,学生を動機付けたり,行き詰まった学生の支援を行うことなども,教員の重要な役割です。診療のトレーニングを積んでいない医師が患者を診ることがあってはならないのと同様に,教育について学んでいない教員が学生を教えている現状はおかしいのだという認識を共有していく必要があります。  他学部と比較して,医学部は教育活動に熱心に取り組んでいることも事実です。しかし,今は大学病院においても診療科の患者数やベッドの稼働率,収支などを考えなければならず,教育にかかわる医師の診療負担も非常に増えています。それに加え,研究も行わなければいけないので,時間的な制約がどうしても出てきてしまいます。 ――タスクが多いと,教育にかける時間はどうしても減ってしまいますね。 伴 現在,ほとんどの大学に「医学教育研究室」や「医学教育センター」など,教育専任の部門ができていますが,教育にかかわるあらゆる業務がそこへ集中してしまうという弊害が出てきているところもあります。さまざまな立場の人が皆で効率的に教育にかかわることができるように調整するのが教育ユニットの役割なのに,個々の教員が自身の診療や研究に追われて教育へのかかわりが少なくなっては本末転倒です。  私は,これからはすべての医師が教育的思考を持ち,若い医師の能力を引き出すための知識や技能を身に付ける必要があると考えています。例えば,ITは“general purpose technology”と言われるように,ビジネスだけでなく,工業生産やジャーナリズム,学問にも役立ちます。教育能力も同様に“general purpose competency”であり,学生教育だけではなく,教室運営,患者との関係など,さまざまな場で活かすことができます。昔から「教育は国家百年の大計」と言われるように,教育活動はすぐには成果が出なくても,計り知れない広がりを持っています。ですから, わが国の医学・医療の発展に向けて,教育の重要性をもっともっとアピールしていきたいと思っています。 ――ありがとうございました。 文献 1)http://jsme.umin.ac.jp/ann/jmse_proposal_1002_1.html 2)日本医学教育学会教育業績評価ワーキンググループ.報告(提言) 教育業績評価基準.医学教育.2000;31(4):209. 3)http://www.pref.aichi.jp/aichi-hospital/rinsyo/kensyu.htm ◆「医学部定員増に対する提言」の概要  本提言では,医学部定員増がどのような根拠とプロセスに基づいた計画であるのかを社会に対して明示する必要があると指摘。さらに,医学部定員増にあたり,下記の5点について適切な対応を望むとしている。 1.人的資源の確保(教員の増員に加え,シミュレーション教育施設専任職員の増員,模擬患者,診療補助職員の確保) 2.物的資源の確保(大教室,小グループ学習のための学習室,実習室などの改修・増築/シミュレーション教育施設の整備/OSCEのためのコンピュータ端末の造設や実技試験会場の整備/臨床実習における診療端末や学生実習室の造設/学外実習施設の教育機器などの整備) 3.教員に対する教育・研究支援(学生数が増えても効果的な授業を実施できる教育技法の開発や導入の支援/人的・経済的教育支援体制の改善/研究費の確保/実効性のある教員評価とインセンティブ) 4.リスクマネジメント([入学生の質低下を招く恐れがあることから]従来以上の臨床準備教育の努力/医学生による医行為の水準の明文化や補償制度の整備) 5.教育評価の構築(質の高い医学教育のアウトカムを測定する指標についての検討) ◆「提言 地域医療教育の充実のために――地域枠制度の拡大を受けて」の概要 1.地域医療教育の目的では,地域の医療ニーズに対応し地域に貢献する良医を育成するために,大学と地域が連携して地域医療教育を推進することの重要性が述べられている。また,地域医療の理解だけでなく,プロフェッショナリズムを学ぶことをめざすとしている。 2.地域医療教育カリキュラムの構造では,地域医療教育は医学生全員を対象とし,保健・福祉,地域でのチーム医療などについて,低学年から卒業時まで一貫して継続的・系統的に学習することが望ましいとしている。学習方法は,講義と実習を組み合わせ,地域医療を実践しているロールモデルのもとで参加型の実習を行うことを提言している。さらに,地域医療教育カリキュラムに関する評価を継続的に行い,カリキュラム改善に役立てることが重要だと述べている。 3.地域医療教育カリキュラムの運営では,大学だけでなく,地域の教育環境を充実させるためには,自治体,現場医療機関,地域住民,患者の理解と協力を得ることが重要だと指摘。そのための方策として,(1)大学,自治体,寄附者,現場医療機関等による,情報交換,共有を行うための協議会の設置,(2)地域住民,患者への広報・啓発活動,(3)各大学や自治体が有する既存システムの有効活用,を挙げている。 4.地域医療教育の将来に向けてでは,卒前-卒後-生涯教育のすべての段階における継続的かつ体系的な教育体制と,地域で安心してキャリアを重ねていける支援体制の整備が必要不可欠だと提言。さらに,地域医療教育カリキュラムの成果を検証するための医学教育研究を推進し,わが国の実情に合わせた効果的な地域医療教育モデルの確立をめざすことが必要だとしている。 -------------------------------------------------------------------------------- 伴信太郎氏 1979年京府医大卒。同大小児科研修を経て,80年米国クレイトン大家庭医学科レジデント。83年国立長崎中央病院にて卒後研修指導医。89年川崎医大総合臨床医学教室に移り,93年より同教室助教授,98年より現職。2009年より日本医学教育学会長を務める。教育,診療,研究,社会的貢献という4つの柱を基盤とした“総合する専門医(ジェネラリスト)”の育成に尽力している。 "[he-forum 15230] 中国新聞4/4 中国新聞2010年4月4日付 山口大、学部・研究科再編へ  山口大が今月からの第2期中期計画(6年間)で学部・研究科の再編に乗り出すことが分かった。丸本卓哉学長が中国新聞の取材に明らかにした。農学部獣医学科を鹿児島大と連携して学部に発展させ、現行の農学部は「環境」などを専門とする学際的な学部につくり替える。教育学部の課程再編も図り、これまでの教育・研究体制を大きく見直す。  丸本学長は「国からの運営費交付金の削減が続き、大学間の競争が国内外で激しくなる中、教育・研究の質を維持、向上するには再編に踏み切らざるを得ない」と述べた。  食の安全確保への要請からも高度化している獣医学に対応するため、獣医学科の定員が共に30人にとどまる鹿児島大と連携して新学部の設置を目指す。既に1月、北海道大と帯広畜産大が獣医学のカリキュラムを共通化し、学位を連名で授与する「共同教育課程」の2012年開始を公表しており、西日本の獣医学の拠点となるよう具体策を検討していく。  獣医学科が抜けると2学科定員100人と規模が小さくなる農学部は、「環境」と関連する理、工学部の各学科などと一緒に「学際的な学部」をつくる方向で再編を図る。  少子化による教員採用数の減少をにらみ、教育学部(定員240人)で教員免許の取得が任意の「ゼロ免」課程(うち110人)の解消につながる定員の組み替えも図る。  学内の「学部・大学院等再編検討会議」で議論を深め、「11、12年度中には」実現を図っていく考えだ。 "[he-forum 15231] 読売新聞4/5 読売新聞2010年4月5日付 愛媛大ブランド「媛の酒」…島田酒造と開発 超辛口22日発売 稲刈りからデザインまで  愛媛大学は、農学部の農場で無農薬・有機肥料で栽培した米を使った、精米歩合60%の特別純米酒「媛(ひめ)の酒」を開発した。大学教員や学生が稲刈りや醸造作業に加わり、地元酒造会社の協力を得て仕上げ、大学で行った試飲会では「超辛口で、どんな料理にも合う」と好評。大学ブランドの日本酒開発は四国の国立大学では初めてで、愛媛大は4月下旬、ブランド商品として一般販売する。 ◇  法文学部や教育学部、農学部などの教授や、島田酒造(愛媛県東温市)の社員がプロジェクトチームを組んで開発。農学部付属農場で愛大ブランド商品の「安心米」として栽培しているものの中から、酒米にも食用米にも使える県が開発した松山三井を選び、島田酒造が持つ発酵力の強い酵母を使って醸造した。  松山三井は、端麗、辛口の酒の醸造に適しており、辛口の酒が得意な島田酒造の技術もあって、すっきりした辛口の酒2300本(720ミリ・リットル入り)ができあがった。  商品名を学生から公募して決めたほか、ラベルや箱は、教育学部2年の女子学生がデザイン。愛媛らしさを表すとともに、女性にアピールする愛らしいミカンの花のイラストをあしらった。  愛媛大で3月に開かれた試飲会で、プロジェクトチームの谷本昌太・教育学部准教授は「期待通りの味に仕上がり、刺し身やジャコ天など何にでもよく合う」と満足そう。稲刈りや酒の仕込みに参加した法文学部2年新岡聡美さん(20)は「フルーティーで飲みやすい」と話し、同3年美濃晴菜さん(21)は「女の子にも向いてます」と太鼓判を押していた。  醸造した酒のうち、260本は生酒のまま、残りは火入れをし、4月22日に松山市の愛媛大城北キャンパス内にオープンする「愛大ショップえみか」で各1本1400円で販売する。問い合わせは愛媛大財務企画課(089・927・9053)。 "[he-forum 15232] 朝日新聞4/5 朝日新聞 2010年4月5日 カリキュラム見直し 参照基準大枠固まる 日本学術会議  日本学術会議の検討委員会が、大学のカリキュラムづくりの元になる 「参照基準」のまとめ作業を続けている。大学に教育の質を立て直して もらうための「物差し」となる。三つの分科会で1年以上、議論し、大 枠がほぼ固まった。早ければ5月から、法学、生物学、物理学など計約 30分野の具体的な基準を決めていく。各分科会の報告案の骨格を紹介 する。     ◇  大学進学率が高まる一方で、高校の教育内容は多様化し、ペーパーテ ストを課さないAO入試や推薦枠は拡大してきた。  そんな中で、学生の学びと大学の教育の質低下が指摘されている。科 学者の代表機関である学術会議は、文部科学省から依頼を受けて08年 6月から、学部4年間の教育内容の質をどう向上させるのかを検討し始 めた。  検討委員会(委員長、北原和夫国際基督教大学教授)を設けて、その 下につくった「質保証枠組み」「教養・共通教育」「大学教育と職業と の接続」の3分科会で議論してきた。各分科会の審議状況は6日の学術 会議総会で報告する予定。続いて、当面3年間をめどに約30分野それ ぞれで、質向上のための議論を始め、カリキュラムづくりのコアともい える「参照基準」をまとめる。 ■まとめ作業急げ  《解説》大学教育の4年間を立て直す日本学術会議の議論が折り返し 点に差しかかった。  大学教育の質を高めるシステムとしては、入試や認証評価制度、設置 認可とその事後検証などさまざまな仕組みが用意されている。ただ、肝 心の大学教員と学生がつくりあげる「教育活動」そのものの質が上がら なければ、せっかくのシステムも形骸(けいがい)化するだけだ。  学術会議の議論はその核心部分にメスを入れる試みだと評価したい。 1年半の議論を総括すると、教養や職業との関係では幅を広げすぎて、 教育を立て直すための「参照基準」の存在が希薄になりそうな場面も あった。しかし、正式な分科会報告の後は、分野別での「参照基準」の まとめ作業に入る。大学関係者の間では、「カリキュラム編成の際に参 考にする」という期待も大きい。それだけに関心が高いうちに結果を出 し、関係者にカリキュラムを見てもらうことが重要だ。  学術会議に求められるのはスピードと大学への還元である。一刻も早 くまとめ、大学側の自主的なカリキュラム編成に生かす道筋をつけるべ きだ。そのためには参照基準をまとめた後のアドバイザー的な仕組みを 考えてもいい。(編集委員・山上浩二郎) ■「就活は休日に」  〈大学と職業との接続分科会のメンバー、日本ユニシス社長の籾井勝 人さんの話〉 就職活動については、分科会で議論の焦点になった。学 生は早い時期から就労や社会体験を行ったうえで自分の適性や企業・職 業とのかかわりを考えつつ勉学に励み、4年秋から卒業後も含めて就職 活動をするのが理想だと考えている。一方、企業は、勉学を妨げるよう な行為は慎むべきで、就職にかかわる活動は休日など学業に支障のない 日時に設定することが必要だと思う。 ■3分科会が検討した「参照基準」 ■編成主体は大学 質保証枠組み検討分科会  「学生は何を身につけることが期待されるのか」という問いに、大学 は一定の「答え」を与えなければならない。そのために大学が打ち出す 教育目標や、それに基づく学習内容・方法をつくる際に参考になる「教 育課程編成上の参照基準」が必要だ。だが、押しつけにならないよう に、基準をもとにしたカリキュラム編成の最終的な主体は大学にある。  また、専門分野別に参照基準をつくる際にはどんな構成にすべきかを 示す「参照基準作成の手引き」を作成中だ。「学問分野の定義」「学生 が身につける基本的な素養」「学習内容・方法と評価方法の提示」など の項目がある。  どんな中身か。参考につくった「教育学」の基準では、「教育の複雑 さと危うさ、教育可能性とその限界を知り、特定の教育形式の適切さと 不適切さを見分けることが可能になる」などとした。今後こうした基準 を約30の分野別につくる。 ■教養・専門 柔軟に 教養・共通教育分科会  分野別の参照基準をまとめる際、今の教養教育と専門教育をどう関係 づけて、活用すべきかが課題となった。そのために、「教養教育とは何 か」というテーマにも取り組むことになった。  分科会は、出発点として、これまでの教養教育の問題点を分析。日本 の場合、戦後、学部4年間のなかで、教養(一般)教育が専門教育に先 立って前期課程で履修するように位置づけられたことが、結果的に否定 的な意味で語られ、混乱をもたらした面もあると指摘した。  そのうえで、教養教育は、今も民主主義を支える市民の育成という理 念が原点にあると認識すべきだと強調した。  この教養教育の考え方を、分野別の参照基準にどう組み込むか。分科 会は、教養教育、専門教育を柔軟に関係づけながら「民主主義を担う市 民教育」という視点の重要性を訴えていく。 ■職に役立つ能力を 大学教育と職業との接続分科会  今後、参照基準をまとめる際、広く職業生活に通じる一般的な能力 (ジェネリックスキル)が身につけられることも、特定の専門分野の教 育の重要な機能とすべきだと強調した。ほかに、学生・労働者の視点か ら職業の意味を大学教育で考えることも求める。  一方で、就職活動の早期化と未内定者の増加傾向や企業の求人が量よ りも質の重視に転換していること、景気の変動による就職浪人の増減な どの課題があるとしている。  こうした課題を放っておくと、大学教育の質の保証が難しくなりかね ない。学生支援の充実、就職できない若者へのセーフティーネットの構 築、企業の採用の際、「新卒」要件を緩和などを訴える。具体的には、 「卒業後3年間は新卒一括採用の門戸が開かれること」と提案。企業を 規制する方向ではなく、既卒と新卒者を同じ枠で採用する企業を公表す るなどの方法もある。 "[he-forum 15233] しんぶん赤旗4/6 「しんぶん赤旗」2010年4月6日(火) 日本学術会議が提言発表 長期的な振興策を  日本学術会議(金澤一郎会長)は5日、総会を開き、10~20年先 を見通した学術の現状とその推進政策について見解をまとめた報告書 「日本の展望―学術からの提言2010」を採択しました。  報告書は07年から構想されたもので1370人余の学術会議会員・ 連携会員がかかわりました。内容は、地球環境問題など21世紀の世界 で学術が立ち向かうべき課題と、それに対する学術研究の発展方向を明 らかにし、日本における学術をめぐる体制と政策のあり方を具体的に提 言しています。  日本の学術政策の現状については、「短期的な成果がより強く問わ れ、長期的な学術振興の影が薄い」と指摘。運営費交付金の減額などで 深刻な研究・教育状況にある大学や、人文科学などの基礎分野で存続の 危機すらいわれるなど「日本の学術は全体として活力を失いつつある」 と危機感を募らせています。  「日本社会が必要とする新しい学術政策」への提言では、学術の総合 的発展の中で、「科学技術」の推進を位置づけること、大学においては 財政的基盤の強化や研究・教育に対する競争メカニズムの過度な適用の 是正に向けて「はっきりかじを切ること」、国際的にも劣悪な若手研究 者の状況を克服するための公的財政支援などの早急な施策などを求めて います。  学術会議では、「日本の展望」をふまえて、政府へ勧告案も検討する としています。 "[he-forum 15234] 朝日新聞宮城4/6 朝日新聞宮城 東北大、跡地売却見送りも 農学部移転計画   東北大が仙台市・青葉山に造成中の「新キャンパス」に農学部などを 移転する計画で、同大の井上明久総長は2日、農学部跡地を売却して移 転資金に充てる予定を変更する可能性を表明した。地価の低迷で跡地の 評価額が極端に安くなり「採算がとれない」(井上総長)のが原因で、 企業などへの長期貸し出しなどに切り替える考えも示した。  新キャンパスは、現在の青葉山キャンパスに隣接する旧県有地に造成 中。同市の雨宮キャンパス(農学部・大学院農学研究科)と片平キャン パスの一部(電気通信研究所)を移設する。造成は今年秋ごろ終了する が、農学部跡地の売却益が出ないとその後の建物の建設費が賄えなくな るという。  井上総長はこの日、世界をリードする大学を目指す「井上プラン」の 今年度改訂版を発表する記者会見の中で、跡地売却見送り案に言及。 「雨宮は仙台市内に残るまとまった土地であり、大学の将来を考えると 売却がベストかどうか。売らない手もある」と述べた。 ただし、同大 総長室によると、国立大学が研究・教育に無関係な企業などに所有地を 貸し出すことは法的に問題があるという。 "[he-forum 15235] 朝日新聞 4/6 朝日新聞 2010年4月6日 「小規模」生かし、魅力富む大学に 滋賀大、佐和新学長会見  1日付で就任した滋賀大の佐和隆光・新学長(67)が2日、彦根市 馬場1丁目の同大学で記者会見し、「経済と教育の2学部からなる小規 模大学の特色を生かし、魅力と活力に富む大学にしたい」と抱負を述べ た。学生に望むこととして「人生の貴重な4年間に、大学でしか学べな いものを学んでほしい」と語った。  佐和学長は「国立大学の法人化は、大きい大学が有利になる側面があ るが、任期中は『弱いものにも勝機あり』を身をもって示したい。2学 部が十分に話し合い、大学としての一体感を醸成したい」と話した。  また、「滋賀県には琵琶湖の周りに13の大学がある。それぞれが特 色を生かしつつ連携すれば、地域社会に素晴らしい貢献ができる」と、 他大学との連携に積極的な姿勢を示した。  佐和学長は和歌山県出身。京都大経済研究所教授、同所長などを歴任 し、立命館大政策科学研究科教授を務めた。専門分野は計量経済学、環 境経済学。 "[he-forum 15236] 山陰中央新報4/6 山陰中央新報2010年4月6日付 「学生満足度向上と地域貢献」が柱 島根大が運営方針  島根大は5日、2010年度から6年間の運営方針を示す第2期中期目標・中期計画を発表した。計画の骨格は「学生満足度の向上」と「地域貢献」2本柱で、若手医師の島根県内定着策など75項目を盛り込んだ。  国立大学は04年度の独立行政法人化以降、6年ごとに中期目標・中期計画を作成。文部科学省が計画の達成度を評価、大学への運営交付金額を決めている。  04年度から6年間の第1期では教育、研究、地域連携、国際貢献を掲げ、214項目の具体策を網羅したが、今回の第2期では内容を絞り込んだ。山本広基学長は「教育に力点を置き、島根大らしさを見せたい。地方大学としての存在も明確にする」と説明した。  地域貢献の具体策の1つ医師定着策は、医学部の地域枠推薦で入った医学生について、年10人程度を対象に実習など実施。地域医療を志す人材育成に傾注する。  学生満足度の向上のうち教育の質向上では、総合理工学部の大学院生らが学部新入生の学業や学生生活をアドバイスする「メンター制度」など、学生支援策充実などに取り組む。 "[he-forum 15237] 朝日新聞和歌山4/6 朝日新聞和歌山版2010年4月6日付 「高評価へ努力」/国立大ランク付け  文部科学省による国立大学の評価で和歌山大が86大学中85位だったことについて、山本健慈学長は5日、「真摯(しんし)に受け止め、高い評価が定着するよう努める」との見解を発表した。  文科省による全国の国立大の教育研究内容に対する初めての総合的な評価は、3月下旬に明らかになった。今年度から国の予算交付額に差を付けるために、2004年4月の国立大学法人化から07年度までの4年間を評価した。  山本学長は「教育や研究成果の説明が不十分で、実際の成果に見合う評価が得られなかった」としている。評価方法については「地方大学に不利で改善が求められる」と指摘した。今後、教育や研究などの改革と持続的発展を目指すという。  山本学長はこの日あった入学式でも新入生に対し、「こうした評価を超える誇るべき業績があり、良い大学を作る努力をしているので、安心してください」と呼びかけた。(上田真美) "[he-forum 15238] 共同通信4/5 共同通信2010年4月5日17時56分 受験前でも奨学金予約可能 お茶の水大、年30万円支給  お茶の水女子大は5日、高校在学中に返済不要の給付型奨学金を予約できる制度を来年度から創設すると発表した。受験や合格の前でも申し込みが可能で、入学すれば1、2年次にそれぞれ30万円が支給される。  同大によると、受験前に予約できる奨学金制度は国立大では初。「経済的に苦しくても、安心してお茶の水女子大を受けられるようにしたい」としている。  対象となるのは、同大に入学を希望する高校3年生で、世帯所得が低いなど経済的支援が必要と認められる場合。毎年25人が上限で、浪人生は申請できないという。  募集要項は7月ごろ配布予定。在学する高校を通じて申請する。受験方法は一般入試、推薦入試、面接などを重視するアドミッション・オフィス(AO)入試のいずれも可。照会は、同大学生支援チーム、電話03(5978)5147。 "[he-forum 15239] 産經新聞4/7 産經新聞 2010.4.6 20:04 獣医系学部を共同設置へ ITを使った遠隔授業も 山口大と鹿児島大  山口大は6日、農学部獣医学科を再編し、鹿児島大と共同で獣医系学 部を新設する準備を進めていることを明らかにした。新学部の名称や募 集方法は未定で、平成24年の設置を目指し、今後両大学間での調整や 文部科学省への申請を行う。  山口大は「県をまたいだ共同学部の設置は例がないのではないか」と 話している。  大学によると、新学部は鹿児島大と共通のカリキュラムを設置。学生 は両大学の授業を受け、連名の学位を授与される。情報技術(IT)機 器などを使った遠隔授業も想定しているという。  山口大は現在、大学院で鳥取大、鹿児島大と連合獣医学研究科を設置 しているが、学部レベルでも他大学と連携し西日本の獣医学の拠点を目 指す。 "[he-forum 15240] 京都新聞4/7 京都新聞2010年4月7日付 看護短大廃止で佛大の協力白紙 京都市、3大学と再協議へ  京都市立看護短期大の廃止問題で6日、佛教大が短大の教員受け入れなどについて市と交わした確認文書を白紙に戻すと発表したことを受け、市は佛大を含め看護学科を設置、計画している3大学と協議をやり直す方針を示した。協議を踏まえ、市は短大廃止条例案に反対した市会与党の自民党に理解を求め、条例案を再提案する構えだ。  市は短大の廃止方針は変えず、今月中にも佛大と京都橘大、2011年度に看護学科を開設する予定の京都光華女子大と協議の場を持ち、教員の受け入れや実習先の協力体制などを決める予定。  ただ、受け入れ先が白紙になった短大の教員からは不安の声が上がっている。市は5日夜、教員13人に「再就職先は必ず確保する」と説明したが、教員の一人は「進路が決まらない中で仕事に集中しろと言われても。自分で就職活動した方がいいのかもしれない」と不安を口にした。  条例案に反対した最大会派の自民党は週明けにも対応を協議するが「白紙は当然」とする市議がいる一方「否決は妥当だったのか。与党として責任も問われる」との声もある。代表幹事の橋村芳和市議は「不透明な選定過程が元に戻り、会派の求めた形となった」としつつ「3大学との協議を注視し、廃止条例案への賛否は慎重に判断したい」と話した。  自民と同様に反対した第二会派の野党共産党は同日「廃止計画を白紙にし、市立で4年制化を検討すべき」との声明を出した。  門川大作市長は「短大を廃止し、私立大と連携協力する考え方に基づき早急に関係者と協議に着手したい」とコメントした。 "[he-forum 15241] 中日新聞長野4/7 中日新聞長野版2010年4月7日付 専門性高い不妊治療 信大付属病院、生殖医療センター開所へ  松本市の信州大付属病院は、複数の診療科の医師が連携して不妊治療に当たる院内の専門組織「生殖医療センター」を来週中にもスタートさせる。不妊の原因と関連する泌尿器科や遺伝子診療部などの医師も加わり、効果的な治療が期待される。これまで実施していない未婚女性の卵子の凍結保存も積極的に検討する方針だ。産科婦人科外来医長で、副センター長に就任予定の岡賢二助教(44)は「専門性の高い治療を提供できる態勢が整った」と話している。  現在、不妊症に悩む夫婦は10組に1組ともされる。原因は泌尿器に関係する無精子症、遺伝子とかかわる染色体異常など多岐にわたり、診療科を超えた連携が不可欠となっていた。  同センターは病棟4階にある産科婦人科の受精卵培養室を改装。体外受精などに使う6000倍の高倍率顕微鏡や、作業効率の高い顕微鏡内蔵の受精卵培養器など、最新鋭の機器を導入した。患者は、全国でトップレベルの治療を受けられるようになる。事業費は、改修や機器を含めて約1億円。  さらに、がんの放射線治療などで不妊になるケースがあることから、患者らに望む声がある未婚女性の卵子凍結も検討する。凍結保存は精子と既婚女性の受精卵に限定されていたが、日本産科婦人科学会は2007年から、臨床研究に限り未婚女性の卵子凍結を容認している。  同病院の小池健一病院長は「大学病院として不妊治療にしっかり取り組み、患者の要望に応えたい」と話した。  (宿谷紀子) "[he-forum 15242] 中日新聞長野4/7 中日新聞長野版2010年4月7日付 専門性高い不妊治療 信大付属病院、生殖医療センター開所へ  松本市の信州大付属病院は、複数の診療科の医師が連携して不妊治療に当たる院内の専門組織「生殖医療センター」を来週中にもスタートさせる。不妊の原因と関連する泌尿器科や遺伝子診療部などの医師も加わり、効果的な治療が期待される。これまで実施していない未婚女性の卵子の凍結保存も積極的に検討する方針だ。産科婦人科外来医長で、副センター長に就任予定の岡賢二助教(44)は「専門性の高い治療を提供できる態勢が整った」と話している。  現在、不妊症に悩む夫婦は10組に1組ともされる。原因は泌尿器に関係する無精子症、遺伝子とかかわる染色体異常など多岐にわたり、診療科を超えた連携が不可欠となっていた。  同センターは病棟4階にある産科婦人科の受精卵培養室を改装。体外受精などに使う6000倍の高倍率顕微鏡や、作業効率の高い顕微鏡内蔵の受精卵培養器など、最新鋭の機器を導入した。患者は、全国でトップレベルの治療を受けられるようになる。事業費は、改修や機器を含めて約1億円。  さらに、がんの放射線治療などで不妊になるケースがあることから、患者らに望む声がある未婚女性の卵子凍結も検討する。凍結保存は精子と既婚女性の受精卵に限定されていたが、日本産科婦人科学会は2007年から、臨床研究に限り未婚女性の卵子凍結を容認している。  同病院の小池健一病院長は「大学病院として不妊治療にしっかり取り組み、患者の要望に応えたい」と話した。  (宿谷紀子) "[he-forum 15243] 読売新聞山形4/7 読売新聞山形版2010年4月7日付 山大と中小企業が連携 企業家招く科目開講  山形大は6日、県中小企業家同友会、きらやか銀行、県信用金庫協会加盟の4信金と共同で授業科目を開講する「連携協力協定」を結んだ。中小企業と学生が交流する機会を作ることで、地域活性化に役立てたい考え。山形大が、教育や研究を目的に他機関と提携するのは11件目。  科目名は「山形を元気にする企業家に学ぶ」で、今月末に開講。基盤教育の教養科目に位置づける。県中小企業家同友会に所属する経営者などを招き、大学で経営哲学に関する講演を行うほか、同会の例会に学生を参加させる。企業見学も行い、県内の中小企業についての理解を深める。「大学コンソーシアムやまがた」を構成する他の高等教育機関の学生も受講できる。  きらやか銀と山形、米沢、鶴岡、新庄の4信金は、それぞれ同会と協定を結んでいることから、山形大との協定に参加することとなった。きらやか銀行が行員を授業に参加させ、山形大は金融機関から寄付を受け授業の費用に充てる。  締結式では、同大の結城章夫学長が「地域に根ざす大学を目指す本学にとって喜ばしい」とあいさつ。同会の川合勝芳代表理事は「学生に山形の経済を担う中小企業経営者の生の声を聞いてもらうとともに、会員企業には新しい感覚の若者から刺激を受けてほしい」としている。 (2010年4月7日 読売新聞) "[he-forum 15244] 産經新聞4/8 産經新聞 2010.4.7 23:30 年収の3分の1以上、私大新入生費用の割合、過去最高   息子や娘を1人暮らしさせて私立大学に通わせている家庭の平均的 な学費負担などが年収の3分の1を超え、過去最高となったことが「東 京地区私立大学教職員組合連合」(東京私大教連)の調査で7日、分 かった。私大の学費はほぼ横ばいだが、親の年収が下がっているため、 負担が重くなった。東京私大連は「不景気で収入が減って悩んでいる私 大生の親が増えている」と話している。  東京私大教連は、平成21年度に関東地方の1都5県の私大、短大計 18校に入学した4887世帯からアンケートを回収。息子や娘を独り 暮らしさせるなどして、大学に通わせている家庭で、1年間にかかった 入学金や学費、仕送りなどの費用が、年収全体に占める割合を算出した。  その結果、1世帯当たり、私大に通うための費用が年収に占める割合 は34・0%で、前年の33・3%を上回り、初めて3分の1を突破し た。  費用自体は計300万円で前年度よりも4万5600円減っていた が、家庭の平均年収が平成2年以来最低の882万円まで低下。その結 果、年収に占める割合は、平成5年度の調査開始以来、最高となった。  1人暮らしの住居費などに58万円、入学金や学費など初年度納付金 に130万9061円かかるという。私大生の保護者からは「このまま 子供を大学に通わせ続けるのは大変厳しい」などという声も上がってい るという。  家庭からの仕送り額は月平均9万3200円で昭和61年以降では過 去最低となっており、奨学金希望者も増加。前年度の3・5ポイント増 え74・5%になった。  東京私大教連は「不景気で私大生の親も限界。政府には大学の学費負 担の軽減措置も考えてほしい」としている。 "[he-forum 15245] 朝日新聞4/8 朝日新聞2010年4月8日付 仕分け第2弾、候補は54独立法人 大学入試センターも  鳩山政権が23日から始める「事業仕分け」第2弾で、仕分けの対象となる独立行政法人(独法)の候補が7日、明らかになった。現在104法人ある独法のうち、都市再生機構(国土交通省)や大学入試センター(文部科学省)、国民生活センター(内閣府)など11府省が所管する54法人が挙がっている。事業数では100以上にのぼる。  国会議員で構成する「仕分け人」が、6日から対象候補の法人から聞き取り調査をしており、今月下旬に予定されている行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)で対象法人と事業を最終確定する。政府関係者は「現在のリストから多少の増減がある」としている。23日からの事業仕分け本番で、対象法人の事業の中身を精査し、必要性や緊急性が低い事業の「廃止」や「予算削減」などを判定する。  民主党は野党時代、独立行政法人について「官僚の天下りや税金の無駄遣いの温床」と指摘。昨年の衆院選マニフェストでは「全廃も含めて見直す」とした。第2弾に向け、そもそもの事業の必要性や、事業の効率性の観点から政府が直接事業をした方がいいか、民間に事業を移管した方がいいか、といった点から候補を絞った。所管府省別では、候補の所管法人が最も多いのが文科省の16、次いで国交省が9となっている。  幹部への業務以外の公費負担や研究者への高額な手当の支給が指摘されている沖縄科学技術研究基盤整備機構(内閣府)や、消費者庁との事業重複が指摘されている国民生活センター、民間金融機関で事業を代替できる可能性があるとされる住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫、国交省)なども含まれた。大学入試センターは、センター試験そのものを行うべきかどうか、労働者健康福祉機構(厚労省)では、運営する労災病院の経営が仕分け対象になる。  鳩山政権は、独立行政法人の仕分け終了後、5月下旬からは財団法人や社団法人といった政府系公益法人の事業仕分けも実施する予定。現在、官僚OBが在籍するなど政府の関与が強い300~400の公益法人へのヒアリングに着手、対象法人の絞り込みを進めている。 "[he-forum 15246] 朝日新聞4/8 朝日新聞 2010年4月8日 1日の生活費1123円 首都圏私大1年生、過去最低に  首都圏の私立大に昨春入学した下宿生の毎月の生活費(家賃除く)は 3万3700円、1日あたり1123円と、データが残る1986年度 以降、過去最低になったことが東京私大教連の「家計負担調査」でわ かった。最も高かった90年度の7万3800円(同2460円)の半 分以下。親元からの仕送りも月9万3200円と最低だった。  調査は昨年5、6月に1都5県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、 栃木)の早稲田、中央大など18大学・短大の新入生を対象に行われ、 4887人が回答した。  下宿生が入学の年にかけた費用は受験料や入学金、住居費など平均3 00万円。前年度より約5万円減った。親の税込み年収(平均882万 円)に占める割合は34%と過去最高になった。教育費を工面するため に借金をした家庭は23%で、平均175万円借りていた。一方、自宅 から通う学生の入学の年にかかった費用は平均150万円だった。  調査では、保護者に家計への負担について4段階で聞き、「たいへん 重い」「重い」を合わせると全体の93%を占めた。自由記述の中に は、「長期不況の中、収入減で苦しんでいる」「夫がリストラされ、 せっかく入学した大学を辞めさせないといけなくなる」などの声があっ たという。(見市紀世子) "[he-forum 15247] 朝日新聞愛媛4/8 朝日新聞 愛媛 2010年4月8日 育て「植物工場」専門家 井関農機、愛媛大に寄付講座  屋内で光や温度、水分などをハイテク技術で管理してトマトなどを栽 培する「植物工場」の専門家を育成する講座が4月から、愛媛大学で開 講した。植物工場の研究開発を進める協定を結んでいる農機メーカー大 手の井関農機(松山市)の寄付講座として、植物生理学や環境工学など の基礎知識、施設の設計や機械の扱い方など、幅広い視点で授業をする。  講座名は「植物工場設計工学(井関農機)講座」。授業のメニューは 育苗生産学や光合成診断論、環境制御機器論、栽培管理論など約30項 目。同大学農学部の仁科弘重教授(緑化環境工学)が担当する「農学部 施設生産システム学専門教育コース」の中に設ける。同コースの学生約 20人がこの講座を受講する予定だが、農家やこの分野に関心を持つ社 会人も仕事の都合に合わせて受講することができるという。  同社は1987年にオランダの技術を導入、日本で初めて太陽光を利 用する植物工場を設置。その後、独自の技術開発をし、現在、太陽光利 用型植物工場の分野では国内で45%のシェアを誇る。植物工場は、太 陽光利用型のほかに、蛍光灯やLED照明などの人工光利用型がある が、井関農機によると、太陽光利用型の方が保守管理費用が安く、消費 者に安心感を持ってもらいやすいという。  同大学も研究に力を入れており、2008年3月には、床面積500 平方メートルという国内最大規模の植物工場を建設、トマトなどを栽培 している。今年1月には植物工場として国の研究拠点の一つに選ばれ た。両者は2005年にこの研究を連携して進める協定を結んでおり、 協定を更新するのに合わせて連携を強化することにした。  同社からは社員3人が出向し、植物工場の基本構造や設計の基礎知 識、制御機器の取り扱い方などを指導する。授業による人材育成のほ か、安いコストで栽培能力を向上させる技術開発の共同研究も進める。  蒲生誠一郎・同社社長は「地元企業として、この分野の発展や人材育 成にかかわれることをうれしく思う。愛媛大学との連携を進めながら、 地域に貢献していきたい」と話した。(藤橋一也) "[he-forum 15248] 読売新聞長崎4/8 読売新聞長崎版2010年4月8日付 ノーベル化学賞メダル 下村さんレプリカを長崎大に貸与  ノーベル化学賞を受賞した米ボストン大名誉教授、下村脩さん(81)が7日、母校の長崎大薬学部(長崎市文教町)を訪ね、同賞のメダルのレプリカを同大に貸与した。同日から、大学の下村脩名誉博士顕彰記念館で展示が始まった。  下村さんによると、メダルは金メッキ製で、直径6センチ。重さは120グラムで、純金製の本物に比べ、60グラム軽い。表はノーベルの顔、裏には下村さんの名前などが彫られている。  ノーベル財団は、レプリカについて、受賞者自身が上限3個まで作成することを許可している。下村さんのレプリカは、ほかに、米ウッズホール海洋生物学研究所、名古屋大に貸与されている。  展示式で、下村さんは「若い研究員の励みになれば」と話した。  同館では、賞状のレプリカも展示。開館は、平日午前10時から午後5時まで。      ◇  同大はこの日、下村さんが顧問を務める「未来の科学者発掘プロジェクト」の一環で、学校で出前実験講座などを行う「サイエンスカー」を新たに導入した。  即席のステージ(縦1メートル、横3メートル)が備えられており、天体望遠鏡や顕微鏡などを積んでいる。教授らが小中高校に出向いて実験や講座を行う際などに利用する。  車を見た下村さんは、「(車内に)試験管があるの?」などと興味津々。「子供の興味を引くよう、(講座などを)やって下さい」と述べた。 "[he-forum 15249] 朝日新聞和歌山4/8 朝日新聞和歌山版2010年4月8日付 「高評価へ努力」と山本・和歌山大学長が見解 和歌山  文部科学省による国立大学の評価で和歌山大が86大学中85位だったことについて、山本健慈学長は5日、「真摯(しんし)に受け止め、高い評価が定着するよう努める」との見解を発表した。  文科省による全国の国立大の教育研究内容に対する初めての総合的な評価は、3月下旬に明らかになった。今年度から国の予算交付額に差を付けるために、2004年4月の国立大学法人化から07年度までの4年間を評価した。  山本学長は「教育や研究成果の説明が不十分で、成果に見合う評価が得られなかった」としている。評価方法については「地方大学に不利で改善が求められる」と指摘。今後、教育や研究などの改革と持続的発展を目指すという。  山本学長はこの日あった入学式でも新入生に対し、「こうした評価を超える誇るべき業績があり、良い大学を作る努力をしているので、安心してください」と呼びかけた。(上田真美) "[he-forum 15250] 読売新聞4/8 (2010年4月8日 読売新聞) 長岡技科大、「原子力安全」学部と院に(新潟)  長岡技術科学大(長岡市)は7日、2012年度入学者から大学院工 学研究科原子力安全工学専攻、14年度から工学部原子力安全工学課程 (=学科に相当)を、それぞれ設置する方針を明らかにした。  新原晧一学長によると、工学実務知識とコミュニケーション能力を兼 備した、原子力発電システムの安全・保全技術者の育成を目指す。それ ぞれ学生30人程度の新規募集を検討しており、11年度には経過措置 として新規募集を伴わない「原子力安全コース」の設置も検討している。  文科省によると、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故(1986年)な どの原子力施設の事故の影響で学生に不人気になったことなどから、1 998年以来、国公立大では「原子」を冠した学科が無くなっていた。  長岡技科大は、「原子力発電所を持つ地域の大学としても、安全技術 者の育成は必要で、世界に通用する人材を育てたい」としている。 "[he-forum 15251] NHKニュース 2010/4/9 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100409/t10013727791000.html 国立大の調査 交付金に反映を 4月9日 4時35分 枝野行政刷新担当大臣は、国立大学法人について、施設管理業務で経費削減など の改善状況を調査した結果、大規模な大学の評価が比較的低いことが明らかに なったとして、評価結果を大学に配分する運営費交付金に反映させるよう文部科 学省に求める考えです。 全国の国立大学は、平成16年から自主的に運営する国立大学法人に移行してお り、内閣府は、清掃や警備などの施設管理業務で、経費削減などが進んでいるか どうか、86の法人を調査しました。調査は、随意契約の契約額の上限や、複数 年度契約を導入している割合などを基準に行われ、奈良先端科学技術大学院大学 が1位、政策研究大学院大学が2位などとなりました。一方、東京大学が46 位、京都大学が78位、大阪大学が85位と、学生の定員が1万人以上の大規模 な総合大学は相対的に評価が低く、内閣府は、法人化したあとの東大などは、随 意契約の契約額の上限を100万円から1000万円に引き上げており、民間企 業と不適切な関係が生じかねないとしています。これについて、枝野行政刷新担 当大臣は記者会見で「規模の大きな大学なのに、改革が後退しているのは、ゆゆ しき事態だ」と述べ、評価結果を大学に配分する運営費交付金に反映させるよう 文部科学省に求める考えを示しました。 -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca Medica Universita' Nagoya. 65, Tsurumai-cho, Chikusa-ku, Nagoya 466-8550 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-744-2505 FAX: +81-52-744-2511 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 15252] 日経 Nikkei.net 2010.3.13; 紙媒体 2010.3.14 p.1 日経 Nikkei.net 2010.3.13 01.21; 紙媒体 2010.3.14 p.1 市場化テスト3倍に 政府、道路管理など1000億円規模  政府は行政サービスの担い手を官民が入札で競う「市場化テスト」を加速させ る。2011年度から道路やダム、河川の管理業務などに対象を拡大。事業費 ベースで自民党政権時代に比べ約3倍の1千億円強にのぼる見込みで、数百億円 規模の予算削減を目指す。  市場化テストは安倍政権下の07年度に開始。社会保険庁による年金保険料の 徴収や、法務省の登記簿の公開業務などで民間の参入が実現した。過去3年間の 実績をみると、これまで官が年間336億円かけていた仕事を民間の参入効果で 153億円と半額以下のコストでこなせるようになるなど成果を上げている。  今回対象に加える道路、ダム、河川の管理は公益法人による受注が全体の7割 を占め、民間の参入が進んでいない。政府は「公正な入札が実施されていない」 と判断。事業規模が大きいだけに予算を減らす効果も数百億円単位で見込めると みて、市場化テストの重点分野に位置付けた。  具体的には国土交通省の発注する事業の見積もりや工事監督、巡回、公用地の 取得交渉などを民間に開放する。これらの業務だけで事業費は合計約700億円 (08年度実績分)に達する。  政府はそのほか霞が関の施設管理、防衛装備品の補給など10分野の事業につ いても6月に閣議決定する「公共サービス改革基本方針」に対象事業を盛り込 む。最終的に1千億円強の事業が官民競争入札にかけられる見込みだ。政府の 「官民競争入札等監理委員会」(委員長・落合誠一中央大法科大学院教授)が入 札条件などを詰め、12月までに実施要項を公表する。  政府はマニフェスト(政権公約)に掲げた政策の財源確保や、民間活力を成長 戦略に生かす狙いから、規制改革を積極的に進める方針。昨年12月、当時の仙 谷由人行政刷新相が市場化テストの重点分野として11項目を指示していた。 "[he-forum 15253] 《市場化テスト導入阻止情報》No.9=2010年4月9日 《市場化テスト導入阻止情報》No.9=2010年4月9日 官民競争入札等監理委員会、国立大学への市場化テスト導入を要求:市場化テス ト導入問題重大局面へ 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 内閣府の官民競争入札等監理委員会は、前日に開催と傍聴受付を公示するという 反民主主義的手法で4月8日午後国立大学法人分科会を開催し、1月19日付で官民 競争入札等監理委員会事務局と内閣府公共サービス改革推進室が各国立大学に直 接送付した「国立大学法人における公共サービスの改革状況に関する調査につい て」の調査結果のとりまとめと『評価結果』を提示した。そればかりか、『評価 結果』を運営費交付金の検討に反映させることすら提言している。調査の依頼文 書では、「全国立大学法人の施設管理運営業務及び図書館運営業務の民間委託の 状況について調査し、その結果をとりまとめ、監理委員会国立大学法人分科会に よる意見聴取を踏まえて、本年3月中に内閣府ホームページにて公開する予定で す。」と書かれ、『評価結果』の提示やその運営費交付金への反映を提言するな どとは一言も述べられていないのである。 提示された『評価結果』は以下のとおりである。 ●法人化して6年経過した国立大学法人(86 校)の経営改善のスピードを速め る必要がある。現状は、国の行政機関が公共サービス改革法等により施設管理等 の経営の改善を行なうのと比べて遅れている。 ●国立大学法人は施設管理業務への一般競争入札の導入、契約の複数年度化、包 括化等を進めるべきである。 ●法人化後、80 の大学が少額随意契約の上限額を引き上げたが、中央省庁と同 じ水準の100 万円まで引き下げる必要がある。 ●図書館運営も民間委託すべき業務を切り分けて民間委託すべき。 これを受けて同日、行政刷新(公共サービス改革)担当政務三役は『国立大学法 人の業務に関する評価について』を発表し、併せて関連資料、議事録等を内閣府 内のホームページに掲載した。 http://www5.cao.go.jp/koukyo/kouhyou/kokudai/20100408kokudaihoujingyoumuhyouka.pdf http://www5.cao.go.jp/koukyo/kouhyou/kokudai/20100408setsumeisiryou.pdf http://www5.cao.go.jp/koukyo/kanmin/kokudai/2010/0408/0408.html 内閣府は今や、市場化テストを梃子に、自立した経営体であるはずの国立大学法 人に対して文科省さえ飛び越し、大学とは無縁かつ荒唐無稽な論理で強権的に介 入することを開始した。大学業務の市場原理による蚕食、職員の解雇、そして大 量の官製ワーキングプアの出現が目前に迫っているといって過言ではない。第2 期中期目標期間が始まった今、大学は重大な岐路に立たされている。 私達はすべての大学関係者、市民の皆さんが上記URLの文書を分析し、それぞれ の立場で反撃を開始されるよう訴える。 +++++++++++++++++++++++++++++++++ 【情報1】全大教中央執行委員会声明「“大学図書館等の研究教育機能の低下に つながる「市場化テスト」に重大な危惧を表明する”(4月2日) http://www.zendaikyo.or.jp/katudou/kenkai/10-4-2kenkai.pdf 【情報2】都大教が「市場化テスト」学習会 詳細は《市場化テスト導入阻止情報》No.7をご覧下さい。 日時  4月17日(土) 午後1時~5時 場所  全労連会館 2階大ホール(後部) 住所:東京都文京区湯島2-4-4 TEL:03-5842-5610 "[he-forum 15254] 河北新報4/11 河北新報2010年4月11日付 東北の国立大病院 法人化以降、患者増やし収入確保  国立大が法人化された2004年度以降、東北の国立大病院で手術件数や患者受け入れ数の増加が目立っている。国からの運営費交付金が減らされ、自己資金の確保を目指す各大学の「収入源」として病院の役割が高まっているためだ。研究者でもある医師は多忙化し、医療の向上につながる臨床研究に支障を来すなどの問題が生じている。(報道部・菊池春子) ▼交付金は減額  「法人化してから、診療は忙しくなるばかり。国立大病院が本来担うべき医学研究の時間が確保できない」。東北大大学院医学系研究科の教員で、診療現場にも立つ医師は危機感を募らせる。  法人化前は午後3時ごろに終わった診療が、患者数の増加などで午後7時近くまでかかることもしばしば。「研究力の衰退は将来、医療レベルの低下を引き起こしかねない」と懸念する。  法人化を機に、国立大への運営費交付金は毎年数億円単位で減額され、大学はコスト削減と収入増という経営努力を迫られた。収入面で貢献を求められた一つが病院で、東北に四つある国立大病院も増収に努めている。  4病院の診療状況は表の通り、法人化の前後で大きく変わった。手術件数は秋田大を除いて増え、特に東北大は2000件以上の増加。患者の受け入れを増やすため入院患者の平均在院日数は各大学で短縮された。  「医師も不足し、患者の回転率が上がるほど多忙になる」(秋田大)という現状は、臨床研究に悪影響を及ぼしている。国立大学協会の08年度調査では、全国の国立大病院の約8割で医師の研究時間が「減少した」と回答、研究成果を示す論文も減少傾向にある。  各大学によると、08年度の臨床医学系の論文発表は、東北大が111件と04年度(212件)からほぼ半減。秋田大も659件で、法人化前の03年度(816件)に比べて大きく落ち込んだ。 ▼「待遇改善を」  医学部の定員増で、教育の比重も増している。忙しさのあまり研究が十分にできず、医師の大学病院離れを招く悪循環も招いている。  打開策となる人員増もままならない。法人化で各大学の人事面の裁量権は増したが、06年施行の行政改革推進法で国立大も5年間で5%の総人件費削減が求められている。診療に当たる教員は他学部の教員と同じ「教育職」と位置付けられ、給与体系も優遇されているわけではない。  国立大学法人は4月、6年ごとに更新される運営指針「中期目標・中期計画」の2期目に入った。経営の効率化が一段と迫られる中、大学病院の本来の機能維持は大きな課題になっている。  文部科学省の「国立大学法人化の検証に関するワーキンググループ」専門委員を務める嘉山孝正前山形大医学部長(現国立がんセンター理事長)は「現業を担う病院に対しても、一律に効率化を求めてきた弊害が噴き出している」と指摘。「大学運営に緊張感が出たという意味で法人化には賛成だが、国立大病院の位置付けや待遇面の改善など根本的な措置がなければ、日本の医療は崩壊しかねない」と訴えている。 "[he-forum 15255] 陸奥新報4/10 陸奥新報2010年4月10日付 交付金反映制度の評価や算定法に反論/弘大  弘前大学の遠藤正彦学長は9日、学長定例記者会見に臨み、国立大学法人を教育研究などの目標達成度で評価し、国が運営費交付金に差を付ける制度について、文部科学省に抗議文を送ったことを明らかにした。また内閣府が公表した国立大学法人経営効率化ランキングでワースト4位と報道されたことに対し「国の方針が本当に地域に対し、生きた状況なのか」と遺憾の意を表した。  遠藤学長は地方大学を取り巻く環境について、産業基盤の低さや過疎化、高齢化の現状から大学間格差があることを説明。抗議文の内容について「評価は各大学を相対評価するものではないとしながら、評価結果を数値化。それを運営費交付金に案分したので、結果として相対評価となりランキングされた」とし、怒りをあらわにした。算定方法についても「質の向上の点で、一つでも低い点があると数値全体を半減させるという理解できない算定法。評価そのものに不信感を抱いている」と強く反論した。  また、内閣府の官民競争入札等監理委員会が公表した全国国立大学法人経営効率化ランキングで「ワースト4位」と報道されたことに対しては「指示に従い(企業と)複数年度で契約すると、この地域は倒産続出」と指摘。弘大の地域に対する経済波及効果や地元への発注率が高い状況を説明し「国の方針が本当に地域に対し、生きた状況なのか。内閣府の杓子(しゃくし)定規は地方をいじめる」と苦言を呈した。 "[he-forum 15256] 陸奥新報4/10(2) 陸奥新報2010年4月10日付 救急医療担う拠点、弘大病院救急センターが完成  弘前大学医学部附属病院の高度救命救急センターが、9日までに完成した。同病院外来診療棟の屋上にはヘリポートも整備。同センターは津軽地域の3次救急を担い、広範囲熱傷、指肢(しし)切断、急性中毒のほか緊急被ばく医療に対応するのが特徴。同大は5月13日に記念式典を行う予定で、7月1日の開設を目指す。  同センターは旧外来診療棟跡と立体駐車場の間にあり地上2階、地下1階で総面積2410.72平方メートル。09年8月に着工し、今年3月下旬に竣工(しゅんこう)した。  人員は医師14人、看護師36人など55人を確保。複数の診療科に対応した重篤な救急患者を24時間体制で受け入れる。現在、同センターにはハイケアベッド、浮遊型ベッド、各放射線測定装置など、重篤な傷病者の診療に必要な器機の設置、調整を進めている。8日には弘大役員らを対象に施設見学を行った。  一方、同病院外来診療棟の屋上には3月26日ヘリポートが完成同31日に公開された県立中央病院ヘリポートに続き、救急医療の拠点3カ所にヘリポートがそろう形となる。  弘大病院のヘリポートは、県の補助金を受け設置。941.21平方メートルの広さで、同センターの開設に合わせ稼働する。  同病院は現在、近隣の桔梗野、朝陽など5地区を対象にヘリコプター騒音の理解や患者のトリアージ(患者の選別)について住民説明会を開いている。今後、訓練飛行などを経て7月の稼働に備える。  同日の学長定例記者会見で遠藤正彦学長は「概算要求が通るまで7年かかり、わが国初めての緊急被ばく医療を担った高度救命救急センターがいよいよ始動する」と期待を膨らませ、「第3次救急の立場から地元のために役に立ちたい。学生の研修、教育のため、地元の中核病院の中の大きな役割を担っていきたい」と意気込みを語った。 "[he-forum 15257] 読売新聞岩手4/8 読売新聞岩手版2010年4月8日付 大学進学に不況の影 国公立志向 一層強まる  長引く不況が大学進学にも影響を及ぼしている。今春の受験では、国公立大志向が一層強まり、浪人するリスクを避けて、より確実に合格できる大学へと志望を変える動きが目立った。  県南の進学校、一関一高では卒業生247人のうち、例年より1割ほど多い6割以上の152人が国公立大に合格した。及川研一進路指導主事(49)は「卒業生のうち、ここまで国公立大の合格者の割合が多いのは、過去20年間で初めてでは」と驚く。進学先も、関東の国公立大より、東北の大学を選ぶ生徒が増えた。「学費を抑えるため、近場の国公立大に確実に受かろうとする動きが強かった。浪人を選ぶ生徒も減った」と、及川主事は説明する。  盛岡一高でも、国公立入試前期で第1志望を受け、後期で合格安全圏の大学に変更する動きが広まった。私立大の併願も減り、受験先を国公立だけに絞った生徒も1クラス10人以上と、例年の2倍になった。及川浩純進路指導主事(47)は「従来は、私立大に『受かっても行かせられない』という保護者が多かったが、今春は『そもそも受けさせられない』という状態だった」と明かす。  7日に行われた岩手大の入学式でも、こうした状況を反映した新入生がいる。 「学費の安い国立大に行きたかったので、岩手大を受験することに決めた」と話すのは、教育学部に入学した盛岡市の男子学生(18)。当初、東北大を目指していたが、センター試験後に切り替えた。私立大も考えたが、兄弟もいるため、家計に負担をかけるのを避けたかったという。  別の新入生の母親(44)は「息子には後期も第1志望を受けさせたかったが、国立以外は学費面で難しい」と、受験を振り返り胸の内を明かす。  もちろん、この日を笑顔で迎えた学生も多い。一関一高出身で教育学部の及川智博さん(18)は「将来は岩手で教員になりたい。地元の伝統大学に入れたのはうれしいし、親の期待に応えられた」と喜ぶ。  岩手大によると、今年の出願者数は前年より約2割減ったが、これはセンター試験が難化したことが一因とみられ、「大学への相談数やホームページアクセス数は非常に多かった」(入試課)という。  盛岡市の大手進学塾は、「親の収入が減る中で、国公立大志向は県内全体で強まっている。今後もしばらく続くだろう」と分析する。優秀な学生が首都圏に流れず県内に多く残ることになり、「県内の大学のレベルも上がる。岩手大は研究にも定評があり、地元の大学でしっかり勉強する学生がさらに増えるのではないか」と話している。 "[he-forum 15258] 産経新聞4/11 産経新聞2010年4月11日付 奨学金「返したくても返せない」 滞納者は31万人に  日本学生支援機構によると、平成20年度の奨学金の滞納者は計31万人で、滞納金の総額は723億円に上っている。機構では、正規の返済猶予手続きをせず滞納を続ける場合には延滞金を課したり、個人名を公表したりするなどの措置を講じているが、それでも滞納者は4年前より6万1千人増えている。「返したくても返せない」という人も多い。  「妻もいるし、生活は決して楽じゃない。正直、返済は大変」  大学卒業後11年間、奨学金の返済を続けている秋田県内の男性会社員(33)はこう話す。  大学時代に借りた奨学金は約270万円。卒業後、毎月1万円、年2回のボーナス月は5万円を返済していたが、勤務先の大型商店が経営破綻(はたん)して、給料が大幅ダウン。年収は250万円以下となり、返済が苦しくなった。  光熱費や家賃などを差し引くと手元には3万円しか残らず、やむなく返済を一時期猶予してもらった。「友達の結婚式にもいけなかった。夕食も店で残ったお総菜を持って帰って済ませた」。現在の状況は少し改善したものの、返済は2年残っている。「少しずつでもコツコツ最後まで返すのが大事」。周りには猶予手続きを取らず、延滞している社会人も多いという。  奨学金制度に詳しい千葉大の三輪定宣名誉教授は「卒業後も定職につけず、派遣やバイトで稼いだ少ない収入から奨学金を返済する人も多い。だから、延滞してしまうケースもある。貸与ではなく、給付型奨学金が早急に導入されるべきだ」と訴える。  民主党政権はマニフェスト(政権公約)で「給付型の検討を進める」としているが、国の財政は厳しさを増している。川端達夫文科相は6日の閣議後会見で「マニフェスト的には非常に意識しているが、最終的にはお金がネックになっている」と明かした。  同機構では「給付型の導入はどうなるか分からない。しかし、返済金の半額軽減で滞納者が減ることを期待している」としている。 "[he-forum 15259] 共同通信4/10 共同通信2010年4月10日21時43分 入試センターの民営化検討 独法改革で枝野氏表明  枝野幸男行政刷新担当相は10日、さいたま市で講演し、独立行政法人(独法)を対象にした23日からの事業仕分け第2弾の結果を踏まえ、独法である「大学入試センター」の民営化を検討する方針を表明した。理化学研究所など計34の研究開発関連の独法に関しては5法人程度に再編できるとの見通しも示した。入試センター民営化をめぐっては、試験問題管理の観点から慎重意見が出る可能性もある。  講演で枝野氏は、同センターが大学の共通入学試験である「大学入試センター試験」を実施していることを踏まえ「受験生だけでなく、試験を利用する大学からも金をもらえば、独立採算で回る可能性が十分ある。試験問題のレベルに国が関与する必要はない」と述べ、民営化が適当との認識を示した。  研究開発関連の独法に関しては「全部を一つにはできないが、基礎研究、応用研究、資金配分、医療関係、原子力関係の五つぐらいにできる」と指摘。再編対象の具体法人として理化学研究所のほかに、産業技術総合研究所と新エネルギー・産業技術総合開発機構を挙げた。研究分野が類似、重複する独法の統合・再編を想定しているとみられる。 "[he-forum 15260] 岐阜新聞4/10 岐阜新聞2010年4月10日付 知的障害生徒、岐阜大で農業実習へ  岐阜市教育委員会と岐阜大学応用生物学部は9日、知的障害のある生徒の農業実習で連携する覚書を締結した。岐阜特別支援学校(同市小西郷)の生徒が、大学内の農場で就業体験実習を積むもの。市教委にとっては生徒の就職支援となり、大学側は知的障害者の農業就労に関する調査ができるなど相互にメリットがある試みだ。  同学部によると、大学が農業分野で知的障害者を受け入れるのは全国初。この日、安藤征治教育長と金丸義敬学部長が覚書を交わした。  同学部は一昨年から知的障害者の短期実習や採用を積極的に進め、知的障害者への農作業指導法などを研究。既に計4人の知的障害者が非常勤職員として働いている。  連携では、今月20日から、同支援学校高等部で園芸などを学ぶ生徒15人が、大学内の農場で週1回2時間、年間約30回の実習を行う。鶏卵磨きや果樹の収穫など、個々の生徒の状況に応じた実践的な作業を行うという。  指導に当たる大場伸哉教授は「生徒の自立支援とともに、知的障害者への農業の指導法研究にもなる」と強調。今後は、同学部以外の生徒との交流も視野に入れている。 "[he-forum 15261] 産經新聞4/11 産經新聞 2010.4.11 09:59 奨学金返済「半額」 最長10年の救済措置  大学生や大学院生らに対する奨学金の貸与事業を実施している文部科 学省所管の独立行政法人「日本学生支援機構」は、経済的に困窮して奨 学金返済が困難になった人に対し、最長10年間、返済金を半額に軽減 する方針を固めた。来年1月から実施する。不況のため失業したり、給 料が大幅に下がるなどしたりしたため、奨学金返済に困る社会人が急増 していることから“救済”に乗り出した。  同機構によると、返済金の半額軽減対象になるのは、大学などで在学 中に毎月3万~15万円の奨学金を受け、卒業後に分割で返済している 社会人らのうち、年収が300万円以下の生活困窮者ら。  通常、毎月9千~1万5千円に設定されている返済額が、最長10年 間、半額に引き下げられる。返済期間はその分延びるが、返済総額はほ とんど変わらず、生活に困窮していても少しずつ返済残額を減らすこと ができる。  同機構の奨学金には、成績優秀者や低所得世帯を対象とした無利息の 「第1種」と、返済時に最高で年3%の利息がかかる「第2種」がある が、いずれも軽減の対象にするという。  現在でも返済に困った場合、最長5年間の返済猶予制度があるが、 「返済を先延ばしにするのではなく、コツコツ返したい」と希望する社 会人に利用されることが期待される。猶予手続きをとらずに、返済を遅 らせる「滞納者」については、半額軽減を認めない方針という。  同機構によると、奨学金返済者は計253万人(平成20年度)に上 るが、不況の影響で返済に困る社会人が急増。返済猶予を求める相談も 殺到しており、実際に猶予が認められるケースは20年度では5万88 59件に上っている。  日本学生支援機構は、16年に発足。廃止された「日本育英会」など から引き継いで、奨学金事業を実施している。 "[he-forum 15262] 朝日新聞滋賀4/12 朝日新聞滋賀版2010年4月12付 滋賀大の佐和隆光学長に聞く さわ・たかみつ 米スタンフォード大研究員を経て京都大教授、同大経済研究所所長などを歴任。著書に「グリーン資本主義」など。67歳。  滋賀大の新学長に今月、経済学者の佐和隆光氏が就任した。専門の計量経済学の分野で世界的な業績を残す一方、近年は環境経済学の研究を進め、多くの著書を出している。世界の抱える環境問題や滋賀でめざす教育について聞いた。(高久潤)  ――どのような大学を目指しますか。  「環境問題を重視する滋賀県の大学として、環境問題の研究を滋賀大の『顔』にしたい。一言で環境といっても、研究する分野は経済学や自然科学など多岐にわたる。滋賀大には教育学部があるが、環境教育の必要性は高い。世界的にも関心の高い環境問題と滋賀という地の利を生かした戦略を打ち出していきたい」  「大学とは大学でしか学べないことを学ぶ場であるとの認識を強調したい。例えば英国のオックスフォード大やケンブリッジ大で人気のある学科は歴史学科だ。大学の4年間で歴史的なものの見方を身につけ、実学はオン・ザ・ジョブ・トレーニングで、というのが英国式の考え方。教養に満ちあふれた専門的職業人を養成する場にしたい」  ――1997年の京都議定書の採択から、2020年に90年比で温室効果ガスを25%削減するという「鳩山イニシアチブ」まで、環境政策の流れをどうみますか。  「京都議定書は、温室効果ガスの削減を先進国に義務づけたという点で画期的だ。20世紀は経済発展・成長の世紀。電力と石油を使って発展した世紀の終わりになって、20世紀のシンボルとも言うべき二酸化炭素の排出削減、すなわち従来型の経済成長との決別を決意したことは意義深い」  「その後の大きな転換点は07年。アル・ゴア(元米副大統領)が『不都合な真実』を世に問い、この年に公表された『気候変動に関する政府間パネル』の第4次評価報告書には、大気中の温室効果ガス濃度の上昇が気候変動の原因であることを『Very likely』、つまり90%以上の確度でそうだと言明した」  「日本でも07年、当時の安倍首相が2050年までに世界の排出量を半減すべきだとする安倍イニシアチブを公表。福田政権下では『50年までにわが国の排出量を60~80%削減』を閣議決定した。鳩山イニシアチブは、長期目標達成のための必要な経過点とみなすべきだ」  ――とはいえ、産業界をはじめ、目標達成の実現性や手段のあり方に異論も相次いでいます。  「世界的にどういう枠組みになるかわからないが、私は『先進国には厳しい義務を課せ』という考えだ。先進国の技術で新興国・途上国の温室効果ガスを削減し、それを先進国の削減分にカウントしないと、義務を果たせないようにする。新興国にも義務を課すことにすれば、二国間交渉で先進国は目標を達成しやすくなる」  ――滋賀県は2030年に温室効果ガスを90年比で半減することを掲げています。自治体レベルのこうした動きをどう評価しますか。  「自治体からのボトムアップが国を動かすことを期待したい。気候変動問題に関する国際交渉の役割は国が担う。だが、国は産業界からの反発を懸念する。そうしたなか、滋賀をはじめとする自治体の動きが続けば、経済団体も声高に反対するわけにはいかない。国の温室効果ガスの削減対策を前進させるには、下からの突き上げが不可欠だ」 "[he-forum 15263] 毎日新聞4/13 4月13日11時39分配信 毎日新聞 <事業仕分け>川端文科相が枝野刷新相に苦言  川端達夫文部科学相は13日の閣議後会見で、23日に始まる「事業 仕分け第2弾」に関連して「研究開発系の独立行政法人は五つくらいに 整理できる」とした枝野幸男行政刷新担当相の発言に「まだ仕分けもさ れていないのにいかがかと、日曜(11日)の夜に電話してご陳情申し 上げた」と述べ、直接苦言したことを明らかにした。  仕分け第2弾は54独立行政法人が対象で、うち文科省所管が16法 人と最多。このうち、研究開発系の法人について、枝野刷新相は10日 の講演で「せいぜい五つとか、多くても10個ぐらいに整理できる」と 述べた。文科省所管の大学入試センターの民営化検討という発言にも、 川端文科相は「受験生や保護者の不安に配慮しなければいけないし、経 済効率だけでどうなるという話にはならない」と述べた。仕分け作業は 23日から4日間だが、早くも前哨戦の様相だ。【山田大輔】 "[he-forum 15264] 産經新聞4/13 産經新聞 2010.4.13 12:38 「仕分け人のやることではない」川端文科相、枝野発言に苦言  枝野幸男行政刷新担当相が10日、事業仕分け第2弾で取り上げる独 立行政法人(独法)について、文部科学省所管の「大学入試センター」 の民営化を検討する意向を示したことについて、川端達夫文科相は13 日、閣議後の記者会見で「仕分けで(同センターが)切られたからと いって、センター試験をやらないという話はありえない。それは仕分け の人がやる話ではない」と語気を荒らげた。  また枝野行政刷新担当相が同日、同省など所管の計34の研究開発の 独法に関して5法人程度に再編できると発言したことについても、川端 文科相は「仕分けで議論される前からそういう発言をするのは控えてほ しい」と苦言を呈した。 "[he-forum 15265] 朝日新聞茨城4/13 朝日新聞茨城版2010年4月13日付 脱「地味な筑波大」  筑波大学が、大学のブランド化に向け動き出した。卒業生のコピーライターが考案したスローガン「IMAGINE THE FUTURE.(開かれた未来へ。)」を旗印に、ロゴがデザインされたバッグやクリアファイルを作製し、学生に配布。つくばエクスプレス(TX)の駅構内に大型広告を張るなど、校内外にアピールしている。(伊藤悟)  ブランド化は、山田信博学長が昨年4月に学長に就任したのを機に学内で検討が始まった。多くの卒業生が各界で活躍し、高い研究成果を上げているにもかかわらず、東大や慶大、早大などに比べて地味なイメージを変えるねらいがある。  今年1月、学生や卒業生、支援者などでつくる「茗渓・筑波グランドフェスティバル」で開かれたシンポジウム。同大講師で元電通イーマーケティングワン、クリエイティブディレクターの原忠信さん(39)と、第1期卒業生のコピーライター、一倉宏氏(55)らの討議のなかでブランド戦略が本格化した。  「あなたと、コンビに、」(ファミリーマート)、「AQUOS COME TRUE.」(シャープ)など数多くのヒットコピーを手がけた一倉氏がスローガンを、原講師がデザインをそれぞれ担当。いくつかの案から山田学長の最終判断で決まった。  1日、TXの秋葉原とつくば両駅に大型ポスターを設置し、PRを開始。入学式があった7日、新入生2355人全員にロゴがデザインされた黒のトートバッグと、クリアファイルが配られ、山田学長が式辞で理念を紹介した。  ほかにも、スローガンの一部を使い、新年度から始めた基金を「TSUKUBA FUTURESHIP」、11日まで大学のテニスコートで開かれた国際テニス大会を「つくばフューチャーズ」などと命名。今後も、グッズの販売や、卒業生によるテーマ曲づくりなどが検討されているという。  スローガンには、東京教育大がつくばに移転して筑波大が発足した際に掲げられた「新構想大学」の理念を忘れず、学生や教職員が国際性を持って常に未来を見据えながら進んでいく意気込みなどが込められているという。  山田学長は「このスローガンをもとに、学生や教職員、社会が大学のイメージや価値観を共有できるように努力していきたい」と話している。 "[he-forum 15266] 国立大学の第2期中期目標期間の開B始とホームページのリニューアルにあたって 渡ろうとしているのは三途の川かルビコンか? 国立大学の第2期中期目標期間の開始とホームページのリニューアルにあたって 2010年4月13日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 2010年4月から国立大学法人の第2期中期目標期間が始まった.自律性が増すとい うふれこみで始まった国立大学の法人化であったが,研究・教育の基盤的経費と なる運営費交付金の逓減と人件費1%削減によって国立大学の体力は大幅に失わ れた.各大学・各部局は半ば強制的な個性化,機能分化を迫られ,資金の獲得の ために「自主的」「改革」を競わされ,研究・教育現場は疲弊し,疎外感が広が っている. 法人制度の一つの根幹である評価制度についても,次々と新しい基準や評価法が 持ち込まれ,いびつなものになってきている.しかもそれをもとに,順位付けが され,部分的であるとはいえ運営費交付金の配分へ反映されるようになったこと は記憶に新しい.各法人が自主的に原案を策定した中期目標の達成状況に関する 評価なのだから,一律・相対的な評価はなじまないとしてきた国立大学法人評価 の原則が,自身でそう言ってきた当局者の手でくつがえされたのである. その結果,大学自身が直接に国民や人類社会の発展に貢献する研究・教育のあり 方を考えるのではなく,評価や順位を気にして,判断停止に陥る危険が増してい る.さらに,大学や研究機関における教員の新規採用が減る一方,大学院重点化 の中で増加した博士課程修了者の就職は困難を極めている.学術的研鑽をつんだ 多くの若手研究者が,短期・政策的プロジェクト資金で糊口をしのいでいる状況 は,研究・教育の後継者養成や日本の学問の将来に暗い影を落としている. 一方,政権交代後においても,新自由主義的構造改革の残渣ともいうべき行政仕 分けが進められ,その第2弾においては独立行政法人と政府系公益法人が対象と されている.「官と民」「国と地方」「予算削減」という粗雑な理屈によって, 組織・事業の統廃合が画策されているが,その行きつく先には極めて国家統制的 な色彩が強い体制が待ち構えていることに注意を払わなければならない.独立行 政法人の次は,国立大学がターゲットとされることは避けられないだろう.内閣 府の官民競争入札等監理委員会が中心となった施設運営や図書館運営への市場化 テスト導入の動きは,そのような大きな流れに先鞭をつけるものである. 2010年4月から始まった第2期中期目標期間,とりわけその前半は,国立大学が今 後どのような方向に行くかにとって決定的に重要な数年間になる.評価と事業・ 組織改廃に関する独立行政法人通則法のしくみを援用しながら,文部科学省の統 制を拡大・強制していく国立大学法人法体制を温存するのか,この体制と訣別し ,学問の自由と大学自治を保証する新たな法制度を探り,研究・教育と社会貢献 ,組織運営の十全な展開を展望していくのか,関係者一人ひとりの判断と行動が 問われている.そのために,国立大学法人法反対首都圏ネットワークは,共有す べき情報・データとそれらの分析,そしてわれわれの見解等を提供する活動を引 き続き進めていく所存である. 第2期中期目標期間の開始とときを同じくして,本事務局のホームページも体裁 を一新した.事務局発のトピックス,教職員組合声明,各種報道など,記事をカ テゴリ別に整理,情報提供するシステムはこれまで通りである.くわえて,現在 注目の多い記事のトップ10やオンライン中の人数がわかるシステムなど新機軸も 盛り込んでいる.1999年8月に開設した旧ホームページ(~2003年8月,「独立行 政法人反対首都圏ネットワーク」,2003年8月~2010年4月,法人法成立を受けて 「国立大学法人法反対首都圏ネットワーク」)には,総計で230万件を超えるア クセスがあった.今回のリニューアルを期に,今までにも増して多くのアクセス を期待したい. "[he-forum 15267] 長崎新聞4/12 長崎新聞2010年4月12日付 長崎大が男女共同参画推進センター設置 研究活動や家庭との両立支援  長崎大は10日、文教キャンパス(長崎市文教町)の講師用宿泊所を改修し、同大教職員の研究活動や家庭生活との両立などを支援する「男女共同参画推進センター」を設置。片峰茂学長らが開所式でテープカットを行い、完成を祝った。  2009年度に採択された文科省の女性研究者支援モデル育成事業の一環。  同センターにはコーディネーターら3人が常駐。同センター、女性研究者、学生サポーターの3者が連携し、「人間環境支援」や「両立支援」「女性研究者拡大支援」に取り組む。  同センターは木造平屋181平方メートル。ミーティングルームやプレールーム、子ども用トイレ、事務室などを備えている。愛称は「おもやいセンター」。「おもやい」とは九州の方言で「共有する」「一緒に仲良く使う」という意味。 "[he-forum 15268] 共同通信4/12 共同通信2010年4月12日17時13分 日中韓の大学が連携会議 16日に東京で開催  文部科学省は12日、日中韓の大学同士の交流を進めようと、3カ国の大学関係者らが参加する初の会合を16日に東京都内で開くと発表した。  鈴木寛副大臣は「アジア経済の発展や国境を越えた人材育成には、質の高い大学間交流が不可欠だ」と意義を強調した。  会合には各国の教育行政機関のほか、大学や企業、大学評価機関の関係者らが出席。日本からは浜田純一・東大学長や安西祐一郎・慶応義塾学事顧問らが参加する。  留学や単位互換といった交流プログラムの在り方を話し合い、各国の大学設置基準や大学評価に関する情報を共有。来年度から複数の大学で交流を始める。  3カ国の大学間交流の促進は、昨年10月の日中韓首脳会談で鳩山由紀夫首相が提案し、合意。3月には評価機関の連絡協議会を立ち上げ、タイで会議を開いた。 "[he-forum 15269] 共同通信4/13 時事通信2010年4月13日20時18分 国内1位東大は変わらず=研究機関ランキング-米企業  米情報サービス大手トムソン・ロイターは13日、毎年恒例の日本の大学・研究機関ランキングを発表した。この順位は、昨年までの11年間に所属研究者の発表論文が他の論文に引用された回数に基づく。東京大の総合国内1位、世界11位は昨年と変わらず。22の分野別では、免疫学で大阪大、薬理・毒物学で東京大がそれぞれ世界5位に入り、日本の得意分野が増えた。  以前から強い分野では、材料科学で東北大が世界3位、物理学で東京大が同2位、化学で京都大が同4位、生物・生化学で東京大が同3位。 "[he-forum 15270] 読売新聞4/14 (2010年4月14日 読売新聞) キタ“駅近大学”続々…サテライトキャンパス、就活や講座の拠点に  関西の大学を中心にしたサテライトキャンパスが、大阪・キタに集 まってきている。近畿各地への交通網の要で、公開講座や、就職活動に 便利な上、相次ぐ大型開発による都心の集客力アップで、「大学の看 板」としてPRできる拠点になると各大学は期待する。  2010年秋に開業予定の「大阪富国生命ビル」(大阪市北区)に は、立命館大の大阪キャンパス、大阪大工学研究科の産学連携拠点、京 都造形芸術大の通信教育施設などが入る。  立命館大は、就活支援や社会人大学院、公開講座などを行う。199 7年に淀屋橋に開設した現オフィスから、直線で約1キロ北への移転。 中山雅博・副所長は「わずかな立地の差だが利便性の差は大きい。近畿 全域から様々な層の人が集まり、新しい事業展開も考えられる」と話 す。「発展する都心にあれば、印象も向上する」という期待もある。  宝塚大(兵庫県宝塚市)は4月、阪急梅田駅北の大阪梅田キャンパス を増築し、「看護学部」を新設、校名も宝塚造形芸術大から改めた。1 27人の新入生の大半が、大阪府、兵庫県内の自宅生。同学部では「自 宅通学できる便利さで学生が集まった。狙い通り」。  天理大(奈良県天理市)は4月から就活拠点として、JR大阪駅南西 に同大学初のサテライトを開いた。就職未定の卒業生も対象で、専門職 員の常駐など、進路部と同機能を持たせる。  キタには関西学院大、大阪市立大、同志社大などもサテライトを持っ ている。  最初に大阪の都心部に足場を置いたのは社会人対象の大学院だ。00 年頃から近畿や中四国の大学が次々と進出。07年に発足したNPO法 人「関西社会人大学院連合」には早稲田大、慶応大も含め25校が参画 する。  経営学修士(MBA)などビジネス関連が中心だが、08年からは、 加盟校が合同で行うセミナーなど短期集中講座を開講。地の利を生か し、理系やシニアなど新たな受講者を狙っている。  キタは今後も梅田北ヤード(第1期13年完成予定)に奈良先端科学 技術大学院大が入るなど産学連携の拠点になることが見込まれる。  都市計画が専門の角野幸博・関西学院大教授の話「大学も都市も情報 発信の中心で、本来大学は都心にあるべきもの。就職など特定の業務に 限らず、文化や経済政策など都市の基盤と結びついた教育や研究の場へ と発展させるべきだ」 "[he-forum 15271] 朝日新聞青森4/14 朝日新聞 青森 2010年4月14日 弘前大「最下位」に抗議 学長「ランク付けしないはず」   弘前大学(弘前市)の遠藤正彦学長は9日の記者会見で、法人化した 国立大の予算に差をつけるため、国が各大学の研究・教育水準などをも とに行った初めての評価で弘前大が最下位とされたことに対し、文部科 学省に文書で抗議したことを明らかにした。  抗議は3月30日。会見で遠藤学長は「法人化前の国立大学の状況を 知る学長の1人として」と前置きし、「大学を評価するために法人化し たのではない。もともとランク付けはしないということだったはず」 と、国を批判した。  さらに「医学部大学院は京大に次ぐ充足率があり、大学院教育も充実 している。(教職員の)定員削減の方針の中、北日本新エネルギー研究 センターや白神自然観察園といった大学施設も設置。いずれも自前で人 材を確保する努力を重ねてきた」と訴えた。ただ、A4判の用紙に5~ 6ページという抗議文は「公表しない」とした。  国の評価をめぐり弘大は、朝日新聞が3月25日に報道したのを受け て翌26日に藁科勝之副学長が「各学部・大学院の教育水準は期待通り の成果を達成している」と反論。評価の見直しも訴えている。 "[he-forum 15272] 読売新聞ーシリーズ「退学率を読む(1)」 (2010年4月1日 読売新聞) 退学率を読む(1) 小さなつまずき「致命傷」に  「大学の実力」調査で示された各大学の退学率は、学生が抱える様々 な事情の積み重ねだ。 「率が少々上がっても、経営には響かない」と放置する大学の一方で、 必死に数字の裏側を探り、対策を考えるところもある。  小欄で昨年紹介した千葉商科大(千葉)の昨年度の退学率は4%、7 2人がやめていった。「なぜ目の前にある勉学のチャンスを、簡単に捨 てられるのか。理解できない」と島田晴雄学長。家計などさまざまな障 害を乗り越えてようやく大学にたどり着けた世代共通の疑問だろう。だ が、首をひねるだけでは対策の立てようがない。そこで取り組むのが、 NPOと共同の退学者の追跡調査だ。  これまでに調査に応じたのは32人。大半はフリーターで、「大学に なじめない」「勉強についていけない」などを理由に1、2年生で退学 していたが、共通するのは「通い続ける理由がない」と、在学の動機が 薄いことだった。友だちが行くから、親や先生が勧めるから、何となく 大学へ入ったというのだ。  大学でかなえたい夢や目的があればこそ、困難にも立ち向かえる。で なければ、小さなつまずきでも容易に“致命傷”になることを追跡調査 は教えてくれる。  入試シーズンたけなわ。追い込みをかけるかたわら、もう一度問い直 してほしい。なぜ大学か、と。次回から、退学者たちの声を拾ってみた い。(松本美奈、2010年2月5日掲載) "[he-forum 15273] 読売新聞ー「退学率を読む(2)」 (2010年4月5日 読売新聞) 退学率を読む(2) 「偏差値で志望校選び」に警鐘  「大学の実力」調査で学生の退学理由を尋ねたところ、多くの大学が 「学業不振」や「学習意欲の喪失」を挙げた。何が意欲の芽生えを阻む のだろう。  首都圏の私立大4年の男子学生(24)は5年前、別の私立大を入学 後わずか3か月で退学した。偏差値を基準に選び、仕方なく進んだキャ ンパス。授業に全く興味が持てず、すぐに休みがちになって、友人もで きないまま去った。  「大学進学にはこだわっていた」と言う。有名国立大を出て大手メー カーに勤める技術者の父の姿を夢見ていた。退学後うつ病になったの は、「あの程度の大学すら通えなかったのか」と自己嫌悪が募ったから だ。部屋に閉じこもる自分を奮い立たせ、再び受験。今度は偏差値では なく、授業内容や友だちができそうな環境かで選び、合格した。  今、そこで得た年下の友人たちに男子学生は、自分の過去とは矛盾す るが、「簡単に退学したらダメ。この大学でできることを考えて」と助 言している。多少の不適合はあっても、踏ん張らずにやめると、大きな 犠牲を払わなければならないと体験したからだ。  紹介したケースは、偏差値重視の志望校選びが学習意欲の喪失や退学 に直結する怖さを物語る。偏差値は入試の難易度を計る物差しの一つに すぎない。「なぜ、この大学か」。受験生はまずその答えを心の解答用 紙に書いてから、入試に臨んでほしい。(松本美奈、2010年 2月12日掲載) "[he-forum 15274] 読売新聞ー「退学率を読む(3)」 (2010年4月7日 読売新聞) 退学率を読む(3) ブランド過信 重いつけ  志望校を選ぶ際、偏差値と並んで安易によりどころにしがちなのがブ ランド。  3年前に関西の私立大を退学した男性(23)も、そうだった。社会 で役立つのは出た大学の名前、伝統校だから教育も充実しているだろう と過信して入った。  だが、夢見たキャンパスライフはすぐに頓挫した。まずは授業の魅力 のなさ。大規模教室での講義が多く、たとえば「異文化理解」がテーマ の授業では、教授が90分間、ただぼそぼそと話し続け、聞き取りすら 難しい。単位取得の意味や論文の書き方も理解できないまま課題に追わ れる、「異文化」がしゃれにならない日々に閉口した。  授業を取り巻く環境にも幻滅した。昼食時の学生食堂は戦場のよう。 座る場所の確保にいつも苦労する。「この大学に居場所はない」。入学 の半年後、気づくと精神科に通っていた。  カウンセリングを受けながら退学、再起を期して関東の国立大に入り 直した。重視したのは「先生や友人との話のしやすさ」。まだ多少の不 満はあるが、もう親に迷惑はかけられない。「最初の考えが甘かった。 ブランド頼みのつけは重い」と嘆く。  ブランドとは何か――昨年、「大学の実力」調査の紙面掲載後、有名 大学の学生や退学者、保護者から手紙をもらった。しょせん“看板”に 過ぎず、信じる方が悪いのか。答えは風に舞って、まだ見えない。(松 本美奈、2010年2月19日掲載) "[he-forum 15275] 読売新聞ー「退学率を読む(4)」 (2010年4月9日 読売新聞) 退学率を読む(4) 「今どきの学生」とズレ  退学に至るには、偏差値、ブランド頼みの入学だけでなく、さまざま な事情がある。  目を凝らすと、今どきの学生と大学側の意識のズレも浮かんでくる。  4年前に首都圏の私立大を退学した男性(24)は在学中、友人がで きずに悩み、学生課を訪ねた。すぐにアドバイザー室に通されたが、初 対面の教員は取り付きにくく、面談は5分ほどで終わった。「どこにも 居場所がない」。失望だけが残ったという。  2年前、やはり首都圏の私立大をやめた女性(22)の場合、妊娠で 苦境に陥った。交際に反対する親の援助は望めず、子育てと勉強の両立 方法はないかと学生課に相談に行くと、「休学はお金がかかるよ」とだ け。アドバイザーの教員からも、親身な助言は得られなかった。いま、 長女(1)を抱えて女性は言う。「もう一度勉強して働きたいが、あの 大学には戻らない」  昨年の「大学の実力」調査で、退学を申し出た学生への対応を尋ねた ところ、教職員や学長との面談、保護者をまじえた相談……など、手厚 さを強調する記述が目立った。だが最終的には退学届を郵送で受理する ような大学も多く、「手厚さ」にも限度があるようだ。  もう大人の学生にそこまでやるのか、という意見がある一方で、もっ と踏み込んだケアを待っている学生が珍しくないのも現実だ。さじ加減 は難しい。(松本美奈、2010年2月26日掲載) "[he-forum 15276] 読売新聞ー「退学率を読む(5)」 (2010年4月13日 読売新聞) 退学率を読む(5) 親の懐具合 学生を直撃  「卒業直前の悲劇を知ってほしい」というメールを首都圏の短大教授 (58)からもらった。  退学率上昇の背景には、学生自身にはどうしようもない経済的事情も 横たわっているという。  教授の短大は単位取得と授業料全額納付が卒業の要件だが、毎年、年 額約120万円の授業料が払えず、卒業間際に退学に追い込まれる学生 が後を絶たない。このケースは「除籍」扱いとなり、取得した単位はす べて無効。学歴は「高卒」のままだ。就職が内定していても取り消され るという。  昨年まで2、3人に過ぎなかったのが、今年は約20人に。いずれ も、親の失業で授業料が払えないといった、最近の不況に端を発したも のだ。奨学金を受けている学生もいたが、生活費に回されていた。親か ら窮状が伝わっておらず、卒業式になって初めて、自分が卒業できない ことを知る学生さえいる。  周囲の大学関係者に聞いても、今は珍しくない現象だという。「一生 懸命勉強してきた学生を、こんな形で挫折させていいのか」。確たる救 済手段がないのが悔しいと教授は嘆き、訴える。「国などで特別奨学金 貸与の制度を設け、支えてもらえないか」  親の懐具合に左右されず、子どもの力をはぐくむ――学びの場にはそ んな機能もあっていい。せっかくの全入時代。学生は社会資源という認 識を持ち、悲劇に幕を下ろす方策を探りたいものだ。(松本美奈、 2010年3月5日掲載) "[he-forum 15277] 読売新聞ー「退学率を読む(6)」 (2010年4月15日 読売新聞) 退学率を読む(6) 経済的ピンチ 寄り添って  前回、親の経済的事情で授業料が全納できないため、卒業直前に除籍 になり、取得単位がすべて無効と帰してしまう学生の窮状を紹介したと ころ、東京家政学院大学(東京)の山田順子准教授から、「うちの大学 は違います」というメールが来た。  「親の経済状態で単位がすべて無効とは、むごすぎる」。憤りをこめ ての一報だった。  同大の場合、たとえ4年次の授業料は全納できなくても、3年までの 単位は無効とはならない。いったん除籍になった後も入学金の半額15 万円を納めれば再入学を認めており、実際、来月には、昨年除籍の学生 が4年に再入学するという。他大学への編入学も可能だ。  大学によって対応が異なるのは、学費納入と単位の認定について明確 に定めた共通の規定が公にはないからだ。すでに認定された単位まで無 効になってしまうのは理不尽のように感じるが、「違法状態とまでは言 えない」(文部科学省大学振興課)。  長引く不況で、在籍期間を通した親の懐事情の予測は難しいだけに、 学生のピンチにどれだけ柔軟に寄り添えるかといった側面からも、「大 学の実力」が問われる。逆に受験生側は、緊急時の奨学金を用意してい るか、授業料の分納制度はあるか……大学の学則を丹念にチェックし、 オープンキャンパスなどで積極的に尋ねてほしい。それが、「受験生の 実力」だ。(松本美奈、2010年3月12日掲載) "[he-forum 15278] 日本経済新聞4/15 日本経済新聞2010年4月15日付 九大TLO、日本公庫と技術移転で連携  九州大学の技術移転機関(TLO)である産学連携機構九州(九大TLO、福岡市)と日本政策金融公庫福岡支店は14日、業務連携の覚書を締結した。日本公庫の取引先企業に九大の教員を紹介して共同開発などにつなげる取り組みを通じ、産学連携を推進する。  大学との共同開発などを希望する日本公庫の取引先企業に対し、九大TLOを介して九大の教員を紹介する。技術移転先の企業が資金調達する際は、九大TLOが日本公庫に融資制度の説明を求める。技術移転先の企業には、日本公庫が開催する経営支援セミナーなどの情報も提供する。  日本公庫は取引先企業の技術ニーズ、九大TLOは技術移転先の企業の資金需要などに迅速に対応できるようにする。九大の研究成果の事業化や産学連携を加速し、地域経済の活性化につなげる狙い。  九大TLOは特許やソフトウエアなど、九大の研究成果を企業に移転する目的で2000年に設立。日本公庫は同様の覚書を熊本大学や北九州市立大学などとも締結している。 "[he-forum 15279] 毎日新聞埼玉4/15 毎日新聞埼玉版2010年4月15日付 研究打ち合わせ会:7計画を説明 県、5大学が連携  今年度から県と県内5大学が連携して行う施策研究の打ち合わせ会が14日、さいたま市の知事公館であり、七つの研究計画の説明が行われた。  大学の豊富な専門知識を実際の行政で生かすことができるなど、双方にメリットがあるとして始められた。埼玉大、聖学院大、獨協大、立教大、立正大の5大学が参加する。県が抱える課題に合わせ、地域社会や介護、人口減少など七つのテーマを、県から最大年間50万円の補助で研究する。今後は大学が主体となり研究を進め、1~2年かけ政策提言をまとめる。  「共助社会の構築に係る社会的企業の可能性について」というテーマで研究を進める埼玉大経済学部の松本正生教授は「地域の中で共に助け合う社会の実現のため、地方自治体が積極的に関与できることを新たな形の世論調査も使って探っていきたい」と話していた。【西田真季子】 "[he-forum 15280] 読売新聞4/12 読売新聞2010年4月12日付 進学重点校に11高、東大と新教材開発…埼玉  埼玉の高校生の学力は全国比較で見劣りすると言われ、授業改善が課題になっている。そこで、県教育局は今年度、新たな学力向上対策に乗り出した。  難関大学への進学希望者が多い県立高を対象に「進学指導重点推進校」の制度を設け、11校を指定。さらに、県立高生全体の学力底上げに向け、東京大学と連携し、新教材の開発などに取り組む。  重点校は、申請を基に選ばれた浦和、浦和一女、大宮、浦和西、春日部、不動岡、越谷北、川越、川越女子、熊谷、熊谷女子。指定期間は3年で、授業改善や補習授業に取り組むほか、重点校同士で授業見学や、進学補習・合宿の合同開催なども行う。県は、教員の授業見学や学校への講師派遣などの経費を支援し、11校に成果を公開させる。  東大とは、国語、数学、英語3教科について、生徒の学習意欲を引き出す「埼玉版教材」や、授業改善の先頭に立てる教員を養成するプログラムの開発にあたる。東大との連携には、大学での最新の教育理論を取り入れる狙いがある。教材と教員養成プログラムは今年度中につくり、2012年度から実践に入りたい考えだ。  大手予備校の調べによると、埼玉は難関大合格に必要なセンター試験での高得点者の割合が、47都道府県で最下位に近い状況にあるとされる。教育局は、県内高校生の学力低下には、画一的で単調な授業といった「教える側」の問題も大きいと見ている。  重点校の指定による進学指導の強化や、教材や教員養成の見直しには、学校側に意識改革を促すことへの期待がある。教育局幹部は「生徒に知識を詰め込めばいいわけではなく、必要なのはいかに学びのインセンティブ(意欲刺激)を高めるかということにある」と話している。 浦和西では年2000時間自習  重点校に指定された高校は既に、指導態勢の強化に着手している。  浦和西(さいたま市浦和区)は3月、難関大志望の生徒を集めて「浦西難関大倶楽部」を発足させた。参加生徒は新2、3年生の86人。  校内の自習室を午前7時半から午後7時半まで開放し、年2000時間を目標に自習にあたらせる。教員が時間数をチェックし、不十分な生徒は退会させる方針だ。数学などの基礎学力の定着度を確認するための試験なども行う。大手予備校からの講師派遣も模索しており、3月の発足式には駿台予備校大宮校の田口浩一校舎長を招き、難関大に合格する勉強のポイントなどを指導してもらった。  同校はここ数年、進学指導改革を進め、独自の基礎問題集「西高スタンダード」を授業で使ったり、4月に新1年生の勉強合宿を企画したりしている。しかし、入学時に難関大合格の学力があった生徒が目標を徐々に下げてしまう課題も抱えていた。田部井功校長は「自分でやろうとする意志の強さがないと、学校が何を提供しても効果がない」と、生徒のやる気に期待している。 "[he-forum 15281] 週刊東洋経済オンライン4/14(1) 週刊東洋経済オンライン 10/04/14 | 12:15 私立大学は一段と淘汰が進む厳しい時代へ、少子化に金融危機が追い打 ち《スタンダード&プアーズの業界展望》(1) - 事業法人・公益事業格付部 アナリスト 吉村真木子  私立の大学法人を取り巻く環境は、かつてないほどに厳しさを増して いる。スタンダード&プアーズは、セクター全体の信用力の方向性を今 後1~2年程度は「ネガティブ」と考えており、その後も「安定的」に 好転する可能性は非常に低いと見ている。  これまで長期間にわたって少子化によって私立大学法人は財務体力を むしばまれてきたが、金融危機により資産運用環境が大幅に悪化したこ となどから、財務基盤の悪化が一段と進んでいる。  スタンダード&プアーズが信用力を分析する際に重視する項目に、大 学の学生獲得力(志願者数推移、入学者の第一志望度)があるが、供給 過剰状態にある中で、学生獲得力を強化していくのは容易ではない。厳 しい事業環境下、競争力に劣る大学の淘汰が進むだろう。 かつてないほど厳しい事業環境を受け、財務基盤が悪化  国からの支援の少ない私立大学法人にとっては、かつてない厳しい事 業環境が続く、とスタンダード&プアーズは考えている。不況の影響か ら、学費の安い国公立大志向が強まっている上、受験費用を抑えるため に受験校数や併願校数を抑える動きもある。受験手数料収入の減少につ ながっているだけでなく、大学が欲しいと思う学生を獲得できていない 可能性もあると見られる。  私立大学に交付される国からの経常費補助金は、2006年度に2. 1%の微増となったのを最後に、国の厳しい財政事情により減少が続い ている。  鳩山政権は教育関連の予算をきちんと確保するのか、先行き不透明感 が一段と強まっているとスタンダード&プアーズは考えている。また、 金融危機後の経済低迷は、寄付金集めにも多大なマイナス影響を与える だろう。また資産運用収入の悪化も顕著である。 "[he-forum 15282] 週刊東洋経済オンライン4/14(2) 週刊東洋経済オンライン 10/04/14 | 12:15 私立大学は一段と淘汰が進む厳しい時代へ、少子化に金融危機が追い打 ち《スタンダード&プアーズの業界展望》(2) -  今後数年、少子化の進行が鈍化する(18歳人口は120万人前後で 今後数年、安定する見通し)ことが、唯一のプラス要因と考えることも できるが、そもそも私立大学の約4割が定員割れという供給過剰の状況 下では、それもほとんど意味をなさない。  2009年は私立大学の46%(日本私立学校新興・共済事業団の集 計校570校中)が入学定員割れで、募集停止を発表した大学が5校も あった。これまで長期間にわたって、少子化→大学過当競争→定員割 れ、によって財務体力をむしばまれてきた私立大学法人では、一段と経 営の厳しさが増すことになろう。  コスト削減による収支の改善については、大学は労働集約的産業の典 型で、人件費が帰属収入の5割強を占めるという硬直的な費用構造であ るだけに、抜本的なコスト削減に踏み切るのは難しい、とスタンダード &プアーズは考えている。  さらに、大学の乱立やゆとり教育の影響で、学生の学力低下が深刻化 していることから、今後、教育の質を維持するコストが増大し、収支を さらに圧迫する可能性がある、とスタンダード&プアーズは考えている。 "[he-forum 15283] 週刊東洋経済オンライン4/14(3) 週刊東洋経済オンライン 10/04/14 | 12:15 私立大学は一段と淘汰が進む厳しい時代へ、少子化に金融危機が追い打 ち《スタンダード&プアーズの業界展望》(3) - 資産運用リスクを把握し、管理する体制作りが重要  金融危機の影響を最も大きく、かつ直接的に受けたのは、資産運用収 入である。少子化で学費収入の増加が期待できない中、各大学法人は収 入源の多角化を図るべく、競って資産運用収入の増大に走る傾向にあっ たが、金融危機により多くの運用資産の時価が大幅に減価し、また計画 していた売却益や金利収入を得ることができなくなってしまった。  もちろん、多額の評価損も問題だが、スタンダード&プアーズは、大 学法人が資産運用のリスクを理解し管理する体制を構築してこなかった ことが、今回の問題を大きくしていると考えている。  資産運用はリスクを伴い、とりわけ歴史的な低金利が長期間にわたっ て続くなかで資産運用収入の増加を目指すには、運用収入に見合ったリ スクを想定しなければならない。  スタンダード&プアーズは、どのようなリスク(為替、金利、信用、 市場リスクなど)を取ろうとしているか、大学法人が自ら把握できてい るか、そしてリスクが発現した場合にも耐えうる財務のバッファを持っ ているかどうかが、格付け分析上重要だと考えている。  スタンダード&プアーズが格付けしている青山学院(AA-/ 安定的/--)、東京理科大学(AA-/安定的/--) などは、長期運用を前提とし、当面必要でない余資運用に徹しているた め、評価損によって一時的にせよ収支やバランスシートが悪化しても、 キャッシュフローへの影響は少ない。  資産運用の歴史と積極さで日本をはるかに凌ぐ米国でも、多くの大学 で運用資産の減少に直面しているものの、事業面での競争力に変化がな く、流動性に悪影響を及ぼしていなければ、格付けにネガティブな影響 が出ているケースは今のところ少ない。 "[he-forum 15284] 週刊東洋経済オンライン4/14(4) 週刊東洋経済オンライン 10/04/14 | 12:15 私立大学は一段と淘汰が進む厳しい時代へ、少子化に金融危機が追い打 ち《スタンダード&プアーズの業界展望》(4) -  しかし、仮に大学法人が、虎の子の事業資金を、リスクの検討を十分 に行わないまま運用に振り向けた結果、有価証券投資での評価損だけで なく、デリバティブ(金融派生商品)取引でも多額の評価損が発生し解 約金や追加担保調達が必要となった場合などは、財務基盤の深刻な悪化 が格付けにも反映されることになるだろう。 終わらない過当競争、私立大学業界の信用力向上は望めない  大学設置基準が緩和された1991年以降、大学数は実に1.5倍に 増加、うち私立大学は短期大学からの改組もあって200校以上も増え た。この増加数の84%を私立大学が占める。  一方、この間、大学入学適齢期である18歳人口は、204万人(1 991年)から125万人(2008年)に4割弱も減少した。この結 果、大学セクターはまれにみる供給過剰・過当競争状態に陥り、多くの 大学で定員割れが続出する事態となっている。  2009年度は46%に当たる265の大学で大学入学者の定員割れ (日本私立学校振興・共済事業団調べ、集計校570校中)となり、前 年度より18校増加した。さらに、入学者の定員が50%に満たない大 学も29校から2校増加した。  今後、上位ブランド校は、強い事業・財務基盤をテコに学生の獲得意 欲をますます強めているため、規模や歴史、ブランド力に劣る中小・新 興大学では定員割れがますます深刻化する、とスタンダード&プアーズ は見ている。  国の将来人口推計によると、今後数年、18歳人口は120万人前後 で落ち着くと見られているが、大学数が減少するか、定員割れ校が大幅 な定員削減に踏み切るなどしない限り、供給過剰状態は解消しない。こ のため、私立大学法人セクターの信用力向上も難しいとスタンダード& プアーズは考えている。 "[he-forum 15285] 週刊東洋経済オンライン4/14(5) 週刊東洋経済オンライン 10/04/14 | 12:15 私立大学は一段と淘汰が進む厳しい時代へ、少子化に金融危機が追い打 ち《スタンダード&プアーズの業界展望》(5) -  医科歯科系を除く私立大学法人の帰属収入(総収入)の約7割は、学 生生徒等納付金(授業料、入学金、施設設備資金など)である。このた め、信用力分析上も、この最大の収入の柱がどれだけ安定しているか が、最も重要な分析項目になる。  学生獲得力は、各種入試における志願者数・動向、志願倍率、歩留ま り率(入試合格者に占める入学者の比率)などの数字を分析し、入試政 策や学力値を加味して判断する。どういう教育方針のもと、どういう学 生をどのような入試方式で取るかを表す入試政策は重要である。  ただし、定員割れに苦しむ大学では、定員に少しでも学生数を近づけ ることが経営上の最大命題になり、本来好ましいと考える学生像や入試 方式と実際とが大きく乖離している大学も多数あるだろう。  青山学院や東京理科大学をはじめ、過去に格付けを付与していた慶應 義塾や上智学院も含め、これまでスタンダード&プアーズが国内外で高 格付けを付与してきた大学法人は総じて、学生獲得力が非常に高い上、 学力上位校であることが多い。  スタンダード&プアーズは、入学者の学力値(いわゆる偏差値)を重 要視しているが、それだけで信用力を判断することはない。  高い学力値があれば、その大学が学生集めに窮した場合、大学が自主 的に学力値を切り下げることで新たな学生層を獲得することができる バッファを持つと見なせるため、信用力上はプラスに評価するものの、 それはあくまで学生獲得力を測る1つの項目に過ぎない。 "[he-forum 15286] 週刊東洋経済オンライン4/14(6) 週刊東洋経済オンライン 10/04/14 | 12:15 私立大学は一段と淘汰が進む厳しい時代へ、少子化に金融危機が追い打 ち《スタンダード&プアーズの業界展望》(6) -  また、格付けを付与していない他校の動向を把握することは、格付け 先の青山学院、東京理科大学の学生獲得力を適切に評価するためにも重 要な要素である。  私大の双璧である早稲田大学と慶應義塾大学では、09年度、10年 度入試で大幅に志願者が減少したが、信用力分析上では一過性であると 見ている。  両校の志願者が減少した最も大きな原因は、不況を背景に安全志向を 強めた受験生が、偏差値上位校を敬遠したためと考えている。  合格層近辺の学力値には大きな変化はなかったと判断され、学生の志 望度・歩留まり率にも大きな変化が見られなければ、学生獲得力が低下 したとは見なしていない。 "[he-forum 15287] 読売新聞4/15 ロンドンで金、福島大が陸上トップアスリート養成  目指せ、2012年ロンドン五輪のメダル――。福島大学は14日、 今年度から4年間、スポーツ科学・医学やロボット工学などを駆使し、 陸上競技のトップアスリートを養成するプロジェクトを始めると発表し た。  陸上競技部のトップ選手の動作や反応を分析し、得られたデータを他 の部員にも生かして競技力の飛躍的向上を図るという構想だ。また、選 手養成のノウハウは県内の高校などにも提供し、地域貢献にも力を注ぐ という。  同大の陸上競技部は現在計65人(男32人、女33人)。特に女子 は全国的にも強豪で、2008年の北京五輪では現役・OGの5人の代 表選手を輩出。次のロンドン五輪では「メダルを狙い、部全体の底上げ も図ろう」と、1年前から今回のプロジェクトについて検討してきた。 同大によると、陸上競技の指導の現場では、経験や勘に頼っているのが 現状だが、選手が短距離に適しているのか、長距離なのかはDNAなど で把握でき、遺伝的にも適した練習法は選手ごとに全く異なるため、ス ポーツ科学・医学を生かすべきとの声が出ていた。  プロジェクトでは、ロボット工学や生体工学などを活用し、トップ選 手の動作や発汗などの生理現象を調べる計測法を開発するとともに、監 督やコーチの指導ノウハウも科学的に分析する。例えば、指導内容に 沿ってスピードがどう変化するかや、手の振り方や体の傾け方などを詳 細に調べる。これにより、医学・科学的根拠に基づいた新たな指導法が 確立し、選手は自分に合ったきめ細かな指導を受けられるようになると いう。  川本和久監督(人間発達文化学類教授)をはじめ様々な分野の教授ら でチームを結成。国立スポーツ科学センターなど国内外の機関とも連携 する。研究成果は、県内の小中高にも提供し、若年層の身体能力向上を 図る方針。4年間の総事業費は2億5000万円で、うち約2億円は文 部科学省から補助金を受ける。  チームリーダーの高橋隆行副学長(ロボット工学)は「県民の健康増 進や予防医療にも役立つ。計測技術の開発により、地域産業の振興にも つながる」と話している。 (2010年4月15日 読売新聞) "[he-forum 15288] ベネッセ教育情報サイト4/15 Benesse教育情報サイト 2010/04/15 切り詰めても……年間186万円! 大学の費用 筆者:渡辺敦司 新年度に入り、勉強をがんばろうと気持ちを新たにしているお子さんも 多いことと思います。その一方で、保護者の方々にとっては、将来の教 育費が心配ですよね。では、大学に通わせるためには、いくらかかるの でしょうか。独立行政法人「日本学生支援機構」の調査(2 年ご と、2002<平成14>年度までは文部科学省が実施)による と、2008(平成20)年度は大学・学部(昼間部)で年間 185万9,300円でした。それでも200万円を超えていたピー ク時の2000(平成12)年度に比べ、1割減ったとい います。何に出費がかさみ、何を切り詰めているのでしょうか。 内訳を見ると、授業料や課外活動費、通学費などを含めた「学費」が 2000(平成12)年度に比べて6万円余り増えて118万 3,000円になりましたが、衣食住にかかる費用や娯楽費などの「生活 費」は3割近く(約26万円)の大幅減で67万 6,300円に。8年前の学生と比べて、月2万円以上の節約を 迫られていることになります。 もちろん、これらの数字は、あくまで平均値です。国公私立の別で見る と、学費は国立が64万4,800円、公立が67万 2,300円、私立が133万 8,000円で、国立も年々上昇してい ますし、私立は学部によって学費が大幅に変わりますが、国立と私立の 間には依然として倍の開きがあります。一方、生活費は、国立82 万1,600円、公立74万5,200円、私立63万 8,600円となっており、学費の高い私立の学生は、国立に比べ年間約 18万円も低い生活費で暮らしていることになります。1月の生活 費は、国立大生が約6万8,500円、公立大生が6万 2,100円、私立大生が約5万3200円になります。 学生生活費を、自宅通学と下宿・アパートなどの別に見てみると、自宅 が163万1,900円、下宿などが216万3,100円。 下宿などの学生の場合、国立では171万6,200円、私立では 238万3,300円と、67万円近くの開きがあります。 これを支えている家庭の平均年収は、2年前に比べて、国立が同 額の792万円、公立が16万円減の724万円、私立が 31万円減の834万円となっています。公・私立で減少しているの に、国立が減っていないというのは、前回調査の時に紹介したように、 より高収入の家庭でなければ国立大学に進めない傾向が強まっているこ との現れとも見ることができ、心配な数値です。 奨学金をもらう学生の割合は2年前に比べ2.4ポイント増の 43.3%、アルバイトをしている学生は1.2ポイント増の 77.6%です。アルバイトをしていて、かつ「家庭からの給付のみでは修 学不自由・困難」だという学生が37.6%(前回調査比2.2 ポイント増)に上っています。 ただ、今回の調査は「リーマンショック」からわずか2か月後の 2008(平成20)年11月に行われたものですから、家計は もっと深刻になっていることでしょう。大学に通う費用にも、早急な負 担軽減策が求められそうです。 "[he-forum 15289] 読売新聞関西4/15 大学生、財布も“氷河期”…3府県11校を生協調査 収入、仕送り20年で最低  京都、滋賀、奈良の3府県の11大学に通う学生の収入や、自宅外生 の仕送り額が過去20年間で最低となったことが、大学生協京都事業連 合(左京区)のアンケート調査でわかった。同連合では「リーマン ショックによる景気低迷が学生の生活に大きな影響を与えた」としてい る。  3府県では、京都、同志社、立命館、奈良教育、滋賀県立、滋賀など 11の大学生協が調査。2009年10~11月に郵送し、3615人 がアンケートに答えた。  1か月の収入は、自宅生が6万840円、自宅外生が12万4000 円で、過去20年で最低となった。自宅外生は収入に占める仕送り額も 20年間で最低の7万2720円で、最も多かった1997年に比べ、 3割減。仕送りゼロと答えた学生は、99年以降で初めて1割を突破し た。  一方、自宅外生の奨学金受給額は増加傾向にあり、日本学生支援機構 からの受給率は05年の26・7%に比べ、6・8ポイント増加。09 年にはアルバイト収入額を超え、1か月の収入の第2の柱となった。  また、1回の外食にかける平均額は、朝食201円、昼食390円、 夕食で699円。昼食の金額を01年と比べると、500円以上が1 8・2%から5・5ポイント減少したのに対し、300円未満が9・ 6%から1・1ポイント増え、食費を切りつめている実態が明らかに なった。日常生活で気にかかることも「生活費やお金」が1番多く、5 1・1%となった。  昨年8月から就職活動を始めた立命館大法学部4年の小久保斉代 (さよ)さん(21)は「就職活動は厳しいので、早めに始めたら と先輩からアドバイスを受けた。公務員を目指す友人も多い。300円 で夕食を作ったりして、生活費を切りつめている友達もいる」と現状を 語った。 (2010年4月15日 読売新聞) "[he-forum 15290] 河北新報社説4/16 河北新報社説2010年4月16日付 国立大法人化評価/格差が広がらない工夫を    組織でも個人でも、第三者の評価には納得できる部分もある半面、強く反論したくなることも出てくる。まして全国86の国立大が研究、教育などの目標達成度をランク付けされ、予算配分に反映されるとなれば。  文部科学省の大学評価・学位授与機構などは、2004年度の国立大法人化の際に各校が立てた「中期目標・計画」に対する初の総合評価(07年度まで)を行った。上位を得意分野に特化した単科大が占め、20位以内に東大、東北大など旧帝大6校が入った。下位には教育大や地方の総合大が並んだ。  各大学は基礎的経費として「運営費交付金」を文科省から支給されている。評価の結果は数値化され、2010年度の配分に反映されたため、交付金が増えた大学と減額された大学とで泣き笑いが起きた。  象牙の塔が漫然と研究費を使う時代は終わり、国民に使途をつまびらかにする点で評価は必要である。予算に差をつけて競争を引き出す狙いも分からないではない。しかし、国の急な改革の中でどたばたの末に法人化した地方の大学も多い。  豊富な財源や人員、高い競争力を持つ規模の大きいところと、それ以外の大学を一律に論じて差をつけるのは無理がないか。イメージ先行で有力な大学に資金や人材が流れ、格差が広がることを懸念する。  評価は「研究・教育」と「財務・経営・管理」など4項目について全学部ごとに採点。学業の成果、就職、社会貢献などを「非常に優れている」「良好」「不十分」などと段階評価し、総合点を算定した。  1位の奈良先端科学技術大学院大は400万円の増額。2位の滋賀医大は300万円増。反映額は予算規模によって異なり、東大(6位)は最も多い2500万円増。東北大(13位)もプラスされた。大規模校は年間数百億円の交付金を受けており、それに比べれば微々たるものだが、さらにブランド力が増す意味は小さくない。  一方、最下位の弘前大は700万円減額され、琉球大(84位)は800万円と減額幅が最大だった。イメージ低下、学生募集などへの影響を憂慮して、弘前大など22校が評価確定前の原案段階で「意見申し立て」を行った。「改善努力を何も行っていないように受け取られかねない」と同大は困惑気味だ。  文科省が行う中期目標・計画評価はほかにも、「年次報告」がある。各大学は毎年、法人化の進行状況をチェックされ、提出資料の作成など事務作業は膨大な量に上る。  法人化は、国からの上意下達を改め、自立性を高める目的があった。しかし、現行の評価制度は、基盤の弱い大学の自由度を奪い、いつまでも文科省を意識せざるを得ない状況に追い込んでいないか。国の関与の在り方を含め、過度の影響と負担を与えない工夫をしてほしい。  大学には、知的財産の還元、産業雇用創出など地域経済のリード役も期待される。有力大だけが活気づいても、地域は元気にならないことを心に留めたい。 "[he-forum 15291] 京都新聞4/17 京都新聞2010年4月17日付 吉田寮の新築含め取り組む 京大が重点計画を発表  京都大は16日、本年度から6年間に重点的に取り組む事業をまとめた「第2期重点事業実施計画」を発表した。京都市左京区の吉田南構内で「学生寮の建設に向けた整備」を明記し、吉田寮の新築を含めた計画を進める。  国立大学法人化に伴い、2006年度から4年間の重点事業をまとめたアクションプランに続く計画。年間六億円の独自の重点戦略経費などを活用する。  吉田南構内の学生寮建設については「慢性的な収容人数不足に対応するため、留学生混住型の学生寮とする」とした。大学は同構内にあり、日本最古の学生寮とされる吉田寮の新築に向けて寮生と話し合いを続けている。昨年9月にアクションプランを改定して学生寮建設を盛り込んだが、大きな進展はなく、新計画に再び挙げた。  このほか▽経済的理由による修学困難者への授業料減免措置の拡大▽若手研究者の小中高への派遣▽教育の国際化-などを記した。 "[he-forum 15292] 琉球新報4/17 琉球新報2010年4月17日付 大学院大学「12年開学に努力」 知事の求めに前原国交相 【東京】政府の行政刷新会議の事業仕分けで、沖縄科学技術大学院大学を手掛ける沖縄科学技術研究基盤整備機構が対象に浮上している問題で、仲井真弘多知事は16日、国土交通省に前原誠司沖縄担当相を訪ね、2012年開学に向けた予算確保や整備促進を文書を添えて求めた。前原氏は「予定通り12年開学に向け努力する」と述べ、事業仕分けによって開学に支障を来さないよう協力する意向を示した。  前原氏は第1研究棟と管理棟の施設整備費が40億円超過していた問題で、機構側を厳重注意したことを説明し「事業仕分けは事業を0か1にするものではない。中身をしっかりチェックするが12年に開学し、当初の目的の通り、着実に大学院が成果を上げていくよう頑張りたい」と強調した。  また仲井真知事は大島敦内閣府副大臣への要請で沖縄の声をより一層機構の運営に反映するため、沖縄科学技術研究基盤整備機構の運営委員会(ボード・オブ・ガバナーズ)のメンバーに県出身者を1人加えて2人にすることや機構に県出身者の事務方を採用するよう強く求めた。大島氏は「大臣と相談したい」と述べた。  要請後、仲井真知事は「事業仕分けの対象になり、県民が心配している。沖縄振興だけではなく、日本の科学の発展も目的にした施設だ。予算が削減されないよう強く求めた」と述べた。  ほかに中川正春文部科学副大臣、今野東民主党副幹事長、阿部知子社民党政審会長、国民新党の自見庄三郎幹事長らにも要請した。 "[he-forum 15293] 西日本新聞4/17 西日本新聞2010年4月17日付 熊大病院 時間外手当7000万円未払い 労基署勧告受け 943人分支給  熊本大医学部付属病院(熊本市)の看護師や医師の時間外勤務手当をめぐり、熊本労働基準監督署が2008年12月と今年1月、「適正に支払われていない」と是正を勧告。これを受け、大学側から延べ943人に未払い賃金計約6890万円が支払われていたことが16日分かった。熊大は同日、この件で会見を開いたが、08年の勧告については説明しなかった。  同大によると、08年の未払いは、医師などに独自に支給している手当で時間外勤務手当に反映しなかった約700万円(251人分)と、医師166人分の勤務時間が正確に計上されていなかった約2630万円。勧告を受け、いずれも昨年3月に支給したという。  今年1月に勧告を受けたのは、看護師に対する昨年1年間の未払い分。看護師が参加する勉強会や打ち合わせの時間を勤務時間に含めていなかったケースが中心で、大学は16日、看護師526人に計約3560万円を支払ったという。  猪股裕紀洋院長は今年1月の勧告について「真摯(しんし)に受け止め、おわびする」と陳謝。再発防止に努めるとした。 "[he-forum 15294] 朝日新聞4/16 朝日新聞2010年4月16日付 東大、新日石と新エネ研究の施設を建設  東京大学は新日本石油と共同で、新エネルギーの産学・国際・他部局連携の場となる「産学連携新エネルギー研究施設」を建設する。東大先端科学技術研究センターが中心になり、太陽電池向け化合物半導体や有機系材料などの分野で、応用研究に特化するのが特徴だ。東大には環境・エネルギー関連の組織が複数あるが、研究施設の設置は初めて。完成は2011年3月の予定。  新施設は7階建てで床面積は7000平方メートルで、このほど着工した。東大先端研と新日石が05年から実施する組織連携を発展させた取り組みだ。資金は東大、東大先端研、新日石が用意した。金額は未公表。新エネルギー全般が対象だが、実績の上がっている太陽電池を柱に、新テーマにエネルギー貯蔵・輸送を追加して拡大する。先端研建物内にある新日石社員常駐の「ENEOSラボ」は、新施設に移動して現在の6人を10人程度に強化する。  新施設は東大先端研の新エネルギーでの産学連携、外国の大学・研究機関との国際連携、学内他部局との連携で活用する。たとえば東大工学系研究科から材料・メカニズム理論を手がける教員らが入居する。新日石も補完関係にある他企業の参加を希望している。  先端研はこのほど米アリゾナ州立大学再生可能エネルギー研究所と協定を結び、太陽光の全波長領域を利用する化合物半導体の共同研究を計画中だ。フィンランドのアボアカデミー大学とも、色素増感太陽電池の効率向上での共同研究が決まった。これらの活動に新施設の貢献が期待される。  東大にはエネルギー連携工学研究センターやサステイナビリティ学連携研究機構など、複数の環境・エネルギーの組織がある。いずれも教員らをネットワーク化したもので、研究は個別研究室で行われているため、拠点となる施設の設置は注目されそうだ。 "[he-forum 15295] 富山新聞4/16 富山新聞2010年4月16日付 漢方医学の指南所拡充 富大の寄付講座格上げ  全国の医師や薬剤師らに漢方薬の適正使用を指導してきた、富大和漢医薬学総合研究所の寄付講座「漢方診断学部門」がスタッフを増員し、正規の講座「漢方診断学分野」に拡充された。漢方診断学部門は1999年、医薬品製造販売のツムラ(東京)から寄付を受けて発足したが、企業の寄付講座が10年以上続いた上、正規の講座に「格上げ」されるのは富大では初めてで、全国的にも珍しい。今後も「漢方医学の指南所」として、全国からのニーズに応えていく。  漢方診断学分野は、医学部のコアカリキュラム改編で、和漢薬に関する臨床の知識が必要とされるようになったことから、医師、薬剤師、医学生を短期間(1~2週間)または中・長期間(3カ月~1年)受け入れ、漢方診断学を指導する研修機関として発足した。  柴原直利教授によると、これまではツムラとの契約が3年ごとだったため、博士課程の学生を指導できなかったが、今後は研究者も長期間、受け入れていく。また、ツムラ以外の企業とも共同研究を進める方針である。  正規の講座への拡充により、教授、助手の2人体制に准教授1人が加わる。柴原教授は臨床知識の指導に加え、「腎臓、肝臓疾患の和漢薬治療について、トランショナルリサーチ(基礎と臨床の架け橋となる研究)に結びつく成果を挙げたい」と話した。  寄付講座が正規の講座になったケースについて、文部科学省学術機関課は「あまり聞かない」としている。同課は「国立大の法人化後、自助努力による外部資金の獲得は各大学の大きな課題」としたうえで、企業から長期の支援を受け、成果を挙げて正規の講座として存続するまでになった取り組みを評価している。 "[he-forum 15296] 共同通信4/16 共同通信2010年4月16日19時36分 奨学金返還、半額に軽減可能に 学生支援機構が最長10年  増え続ける奨学金返還の延滞者を減らそうと、日本学生支援機構は16日、最長10年間、月々の返還額を半額に軽減できる新制度を創設する方針を明らかにした。  この場合、返還期間が延びるため、現行は最長20年の返還期間を超えることも可能にする。有利子奨学金の場合でも返還総額は変えない方向で検討している。  対象は年収300万円未満の人で、来年1月からの実施を目指す。  返還が困難になった場合、最長5年の返還猶予制度もあるが、「少しずつなら返還できる」との利用者の声を受けて選択肢を増やすことにした。  機構は同日、6カ月以上にわたる延滞者の2008年度の状況を公表。07年度の調査とほぼ同様の結果となった。  年収は100万円未満が39%で、300万円未満の層は85%を占めた。派遣社員やアルバイトが36%と最多で、正社員は31%、無職も17%いた。  延滞理由(複数回答)は、「本人の低所得」が40%でトップ。 "[he-forum 15297] 静岡新聞4/16 静岡新聞2010年4月16日付 静大、指静脈認証を開始 学生ら500人超登録  静岡大は15日、かざした指の静脈で瞬時に個人を識別し、学内の情報システムへのログインや入退室管理ができる「指静脈認証統合システム」の運用を開始した。指静脈の登録システムが置かれた同大の情報基盤センターには同日、早速大勢の学生が登録に訪れた。  既存の磁気カードなどによる認証システムに指静脈認証を組み合わせた「統合システム」の本格運用は、少なくとも国公立大では初。全国でも先駆的な取り組み。8日に試験運用を始めてから同日までに、学生や教職員500人以上が指静脈の登録を済ませたという。2010年度中に2万人の登録完了を目指す。  登録は学生の場合、登録装置に学生証をセットして、センサー部分に指をかざすだけ。そうすることで、すでに学内情報システムに登録されているIDなどの情報と、指静脈のパターンが関連付けられる。順調にいけば1分ほどで完了する。  静岡大とNTT西日本(大阪市中央区)、フィット・デザイン・システム(東京都八王子市)、伊藤忠テクノソリューションズ(東京都千代田区)が共同開発した。  同大情報基盤センター副センター長の井上春樹教授(情報学)はシステム導入の意義を「既存の認証システムが本当の意味で本人を認識できるようになる」と説明する。その上で「利便性とセキュリティー(安全性)が飛躍的に高まり、学生や留学生の関心も非常に高い。汎用性は高く、今後あらゆる分野で応用される技術」と期待を述べた。 "[he-forum 15298] 読売新聞新潟4/17 読売新聞新潟版2010年4月17日付 新大がトキ研究センター 佐渡の交流会館に開所  佐渡市内で放鳥トキのモニタリングや餌場となるビオトープ(生物生息空間)整備などに取り組んでいる、新潟大学の「朱鷺(とき)・自然再生学研究センター」(センター長=山岸哲・新潟大学特任教授)が16日、佐渡市新穂潟上のトキ交流会館2階にオープンした。佐渡市内では大学や短大など約60校がさまざまな分野の調査を行っており、同センターは学校の枠を超えた研究拠点としても期待されている。  同センターは約450平方メートルで、研究スペースのほか、セミナー室や資料室などを用意。佐渡市がトキ交流会館の一部を新潟大に貸与した。教員や大学院生ら10人ほどが常駐する予定という。  新潟大は、2002年度から耕作放棄された山中の棚田をビオトープ化する取り組みを開始。また08年には農学や教育学などの学部を横断した「超域朱鷺プロジェクト」を発足させた。  同センターの開所式で下條文武学長は「トキとの共生を軸にして、佐渡島の未来像を描きたい」とプロジェクトの意義を強調した。 "[he-forum 15299] 山形新聞4/17 山形新聞 2010年04月16日 23:09 国の教育ローン利用増える 県内、融資限度額の拡大などが影響  日本政策金融公庫山形支店国民生活事業は、山形、酒田、米沢の県内 3支店が取り扱っている「国の教育ローン」の2009年度県内利用 実績をまとめ、16 日発表した。県内の融資件数は1095件 で前年度比3.3%増、融資額は16億5000万円で 9.4%増と大きく伸びた。  国の教育ローンは、高校、大学、専修学校などに進学・在学する子を 持つ家庭の経済的負担の軽減などを目的とした融資制度。経済情勢の悪 化などに伴う政府の経済対策の一環として、去年8月以降、融資 限度額が200万円から300万円に引き上げられたほか、返済 期間も10年以内から15年以内に拡充された。  09年度は上半期の融資額が前年同期比1.9%減の3 億8400万円だったが、制度拡充後の下半期は13.4%増の 12億6500万円と大幅に増加した。利用実績が伸びた要因について 同公庫山形支店は「融資限度額の拡充のほか、景気低迷で家計が厳しく なる中、教育費の負担増が影響しているのでないか」とみている。 "[he-forum 15300] 産經新聞4/19 産經新聞 2010.4.19 10:00 【教育動向】返済の必要ない奨学金を、でも条件は「厳しく」 経済同 友会 経済団体の一つである「経済同友会」は、保護者の経済格差が子どもの 教育格差につながらないようにするため、返済の必要のない「給付奨学 金」の制度を創設することなどを求める提言を発表しました。奨学金の 充実は、民主党もマニフェスト(政権公約)の中に掲げており、国の奨 学金制度の見直し論議にも弾みをつけそうです。 提言は、年収など家庭の経済力が子どもの教育環境に大きな影響を及ぼ していると指摘し、家庭の経済力が低いために大学進学を諦める者が増 えれば、高等教育の機会均等を阻害することになると懸念しています。 そのため具体的な方策として、大学進学者などに、返済の必要のない給 付奨学金の制度を創設するよう求めました。 現在、日本の奨学金制度の中心を占めているのは、独立行政法人「日本 学生支援機構」(旧日本育英会)の奨学金です。しかし、同奨学金は原 則として、卒業後に返済する必要のある「貸与奨学金」であるうえ、そ の多くは利子(上限3%)が付く「有利子奨学金」です。このため「金 融機関の奨学ローンと実質的には変わらない」と指摘する声もありま す。また、卒業後の返済の負担を心配して、奨学金の申請を諦める者も いる、と言われています。 このため同友会は、日本学生支援機構の奨学金の中に、新たに給付奨学 金の制度を創設するほか、現行の貸与奨学金についても、卒業後の年収 に応じて返済額を減額したり、卒業時の成績が優秀だった者の返済金額 を減額したりすることを提言しました。西欧諸国の国公立大学は基本的 に授業料が無料というところが多く、授業料が高いと言われる米国でも 返済の必要のない給付奨学金が公的奨学金や民間奨学金の主流を占めて います。経済協力開発機構(OECD)の調査でも、加盟国中で日本は 高等教育の私費負担が韓国に次いで2番目に重い国とされています。 ただ、提言の特徴は、給付奨学金の受給に、高いハードルを設けている ことです。具体的には、給付奨学金は年額60万円で、受給者は保護者 の年間所得が「400万円以下」であり、かつ大学入試センター試験の 成績が「上位15%以内」としています。給付対象者の規模は、大学進 学者全体の5%、1学年約3万人と見込んでいます。 条件を厳しくしたのは、国の財政事情の悪化による財源問題とともに、 大学教育の質を高く保つことを、強く意識しているからです。しかし、 家庭の経済力が子どもの教育格差を招いているという現実を考えると、 低所得層の子どもにとって、これはなかなか厳しい条件だと言えるので はないでしょうか。 このほか、国立大学の入学金を廃止するか、または入学金相当額を各学 年の授業料に均等に上乗せすることで、学生や家庭の初年度納付金の負 担額を引き下げることなども提言しています。 (提供:Benesse教育情報サイト) "[he-forum 15301] 読売新聞4/17 神奈川…小学教員採用筆記試験、4県の1次通過者は免除  神奈川県教育委員会は7月に実施する公立小学校教員採用試験で、青 森、山形、愛媛、沖縄の4県で昨年に筆記試験(1次試験)を通過した 受験生の筆記試験を免除する。  4県は競争率4・7倍~25・2倍。団塊世代の大量退職で採用人数 を増やした神奈川県の競争率は2・5倍前後と低迷しており、優遇策は 地方出身の優秀な人材を確保するのが狙いだ。  発表によると、対象者は、7月11日に実施する筆記試験(一般教 養・教職専門、教科専門)と論文試験を免除され、8月の面接試験と模 擬授業に進む。採用予定は全体で580人程度で、一般の筆記試験通過 者とともに最終選考を受ける。  神奈川県の競争率は全国最低レベル。同様に低競争率に悩む東京都が 地方会場での試験開催に踏み切るなど、首都圏の自治体が人材確保策を 進めているため、危機感を強めていた。 (2010年4月17日 読売新聞) "[he-forum 15302] 読売新聞新潟4/20 読売新聞新潟版2010年4月20日付 長岡技科大に「原子力安全工学」 温暖化で原発見直し 「世界中で活躍する人材育成」  長岡技術科学大(長岡市)が「原子力安全工学」技術者養成のため、2012年度に大学院の専攻を、さらに早ければ14年度に学部の課程を、それぞれ設置する。東京電力柏崎刈羽原子力発電所などへの技術者供給や、原発による地域産業活性化につなげる狙いもある。背景には、温室効果ガスを出さない原子力発電が近年見直され、世界中で新設が見込まれる一方、人材育成が遅れている現状がある。 (北條豊) ◆追い風  「原発が地元にある大学として、原子力の専攻や課程の設置に取り組むべきだ」。新原晧一学長は今年1月6日、全教職員の前でそう宣言し、翌週には、日本原子力研究開発機構(茨城県)を自ら訪ね、協力の約束を取り付けた。  県内の大学には原子力技術者の養成課程がなく、全国でも「原子力」関係の学部学科は、国内外の事故の影響もあって、一時受験生から敬遠されて廃止や改組が相次いだ。だが、地球温暖化問題により状況が一変。文部科学省によると、04年度には「原子」がつく学部学科を持つ大学はゼロで、4大学院で専攻が残るだけだったが、今年4月現在、福井工大など3大学に学科、東大、福井大などに計7の大学院専攻がある。  3月に発表された国の「エネルギー基本計画」骨子案では、原発を「我が国の中長期的な基幹電源」と位置づけ、地震の影響などで7割に達していない稼働率の向上と、20年までの原発8基増設などを打ち出している。「はっきり追い風」(長岡技科大)の状況だ。 ◆不信解消へ  とはいえ、柏崎刈羽原発の中越沖地震(07年)被災や、東電の原発トラブル隠しやデータ改ざんなどの問題もあり、市民の原発に対する不信感は根強い。  新原学長らは、方針決定に先だって県や地元自治体、商工団体などに意見を聞いたほか、1月末には柏崎市での講演会で人材育成にむけた説明も実施。参加者のアンケートでは「地域全体の理解増進につながる」といった好意的な意見も少なくなかったという。  新設される「原子力安全工学」課程や専攻では、「コミュニケーション能力を兼備した」技術者の育成を目指す。東電問題を教訓にした形だ。 ◆産業振興  もう一つ、大学側が狙うのが、原発を中心とした「地域で持続的に活躍出来る中小企業群」の形成だ。  参考とするのが、関西電力美浜原発などがある福井県。エネルギー研究開発拠点化計画などを作成、地域振興策を進める。特産の越前和紙などの商品開発を電力事業者と共同で行い、原発の保守管理などに独自の技量認定制度を導入するなど、地元企業が参入しやすくしている。  一方、本県では、原発を産業振興に結びつける動きはまだ鈍い。高品質が求められる原発部品を地元で請け負えば、「30~40年は安定した収益体質を保つ企業群ができる」(新原学長)。 ◆全国の受け皿に  長岡技科大は、09~10年度、文科省の「原子力コア人材育成事業」に参加し、カリキュラム化を検討。全国の高専のうち17校も事業に参加して人材育成を推進しており、長岡技科大はその受け皿にもなる。  教員は日本原子力研究開発機構などからも受け入れ、学生は原子力団体や、柏崎刈羽原発を含めた電力、電気などの企業で研修も行う予定。原発は中国、インドなど海外で新設が計画され、長岡技科大は、「世界中の原発で活躍する人材」の育成を見据えている。 "[he-forum 15303] 紀伊民報4/20 紀伊民報2010年4月20日付 大学と地域の連携 互いに学び刺激し合って  和歌山大学が今年から地域と連携した研究事業を始める。教員や学生が住民やNPO、自治体に協力し、共同で過疎や獣害など地域の課題に取り組む。  研究費として2年間で1500万円を計上、本年度は1~3件を採択する予定だ。教員には現場に足をつけた研究を促し、学生には地域に向き合うきっかけになるという効果を見込んでいる。大学が地域の頭脳となり、住民主体の活動を支援するシンクタンクとしての役割も期待されている。  和歌山大は田辺市上秋津で、地域づくり団体「秋津野塾」とともにマスタープランを作り、長期的な視野で地域づくりの指針を打ち立ててきた。2008年に廃校舎を活用して開業した農業体験宿泊施設「秋津野ガルテン」も、この提案が基になっている。  05年には、紀南の研究拠点として同市新庄町のビッグ・ユー内に「紀南サテライト」を開設。社会人向けの授業や公開講座を開き、学びの場を広げた。田辺市と連携した生涯学習や北山村での地域づくりにも取り組んできた。これらの経験をさらに広げたい。  大学はいま、志望者が定員を下回る「全入学時代」を迎えて、生き残り競争に直面している。経営が破綻(はたん)する学校法人や募集停止に至る大学も出ている。  国立大学は04年に独立法人化され、教育力と競争力が試される時代に入った。研究や教育などを6年間で評価し、予算の一部に差をつける制度も導入された。ところが、先日発表された文部科学省の評価では、和歌山大は86位中ビリから2番目、85位だった。  県内でも和歌山大の評価はそんなに高くはない。県の08年の統計によると、大学進学に際して県外へ出る高校生の割合は87・6%。全国平均の55・0%を大きく上回り、全国トップである。  このような現実にどう向き合うのか。社会連携を担当する堀内秀雄副学長は「和歌山という地域が疲弊している時に大学だけが発展することはありえない」と指摘。「和歌山の課題は日本が抱える問題の縮図であり、それは世界につながる。地域に五感を研ぎ澄まさなければ世界に役立つ教育と研究はできない」と、地域に目を向けた学びの大切さをいう。  「地域に五感を研ぎ澄ます」方策として和歌山大は、知的資源を生かす仕組みづくりに取り組んでいる。今回の事業はその一つであり、さらには「地域創造支援機構」や「教育学生支援機構」を発足させる。学生や教職員らが大学の在り方を考える「研究集会」の開催も計画している。  過疎、高齢化が深刻な紀南地域では、崩壊が迫っている集落も少なくない。生き残りという意味では大学と同じである。そういう地域に目を向け、五感を研ぎ澄まそうという試みを歓迎し、応援したい。大学と地域が連携して、光明を見つけようという事業を盛り立て、軌道に乗せたい。  この活動をきっかけに、地域で働く意味を見いだす学生が増えてくれば、地域に刺激が生まれ、人材の流出も防げるだろう。大学の頭脳を地域に活用し、ともに発展できる道を探りたい。(S) "[he-forum 15304] 陸奥新報4/20 陸奥新報2010年4月20日付 弘大病院救急センターで医師らの研修スタート  7月1日に開設を目指す弘前大学医学部附属病院の高度救命救急センターの医師や看護師を対象とした研修会が19日、同センター内で本格的にスタートした。研修初回は、脳卒中初期診療(ISLS)コースの第一人者である富山大学大学院の奥寺敬教授らを講師に迎えて開かれ、医師や看護師がセンター開設に向けて決意を新たにした。  同センターには、各診療科から集められた医師14人と院内や新採用の看護師38人が所属する。研修会は救急医療に携わる医師や看護師の共通の方向性、思考過程の育成を目的に開いている。  医師や看護師は同日から5月6日までに脳卒中、外傷、緊急被ばく医療などの救急初期治療にかかわる五つのコースをこなし、それぞれの修了証や資格を得る。  同日は、花田勝美院長が「センターでの初めての講習がスタートした。しっかり学んでほしい」とあいさつ。受講者は意識レベルの的確な判断方法や脳卒中の重症度判断などについて、ISLSスタッフの指導を受け、急性期脳卒中の対応について理解を深めた。  開設に合わせ、同センターの医師と看護師全員を対象にISLSを研修に取り入れたことについて、奥寺教授は「全国でも初めて」とし、「センターが県(の特徴)に合わせた医療を展開しようとしている表れ」と研修会の構成を評価。研修が県内の医療レベル向上につながることを期待した。19、20日の両日は、同病院職員を対象に同センターが公開日としている。 "[he-forum 15305] しんぶん赤旗4/21 2010年4月21日(水)「しんぶん赤旗」 主張 若手研究者問題 就職難解決と待遇改善を急げ  大学院の博士課程を修了しても研究職につけるのはわずかで、低賃金 で働かす「ポストドクター」や非常勤講師という不安定な雇用で「使い すて」にされる――若手研究者の就職難と劣悪な待遇が、大きな社会問 題となっています。 学術と社会の発展を阻害  この問題では、日本学術会議が4月の総会で、「科学技術立国として の日本の将来は暗い」と警告するなど、日本の学術と社会の発展にかか わる問題として解決をもとめる声が広がっています。  鳩山由紀夫政権は、昨年末発表した「新成長戦略」で「理工系博士課 程修了者の完全雇用」をかかげましたが、具体的な対策はなんら示して いません。人文・社会科学系についてはまったく度外視しています。そ れどころか、昨年の「事業仕分け」では短期的な効率主義や成果主義の 立場から、若手研究者支援を “過保護だ”として予算を縮減し ようとさえしました。  国立大学に国が交付する運営費交付金は、自公政権下の5年間で72 0億円も削減されました。「行革」の名による人件費5%削減の義務付 けによって、若手研究者のポストが減少し、35歳未満の大学教員の割 合が、15年前と比べて19%から13%に減っています。  独立行政法人の研究機関として最大規模の産業技術総合研究所(産総 研)の運営費交付金は、2001年度からの8年間で27億円(4%) も削減されました。産総研も人件費削減の義務付けによって正規雇用の 研究者が1割減少し、「ポスドク」など任期付きの研究者が倍増してい ます。  鳩山政権は、総選挙での「国立大学の運営費交付金の削減方針を見直 す」という公約に反し、今年度予算で110億円(前年度比0・9%) も削減しました。産総研の場合は51億円(8%)の削減です。若手研 究者ポストが減少し、就職難がさらに深刻になります。  博士課程を修了しても就職できない、「博士の就職難」は、大学院生 倍加政策による院生の増加に見合って、政府が、就職先を確保する施策 をとってこなかったことによるものです。国立大学と独法研究機関への 人件費削減の義務付けを撤廃するとともに、国立大学への運営費交付金 を削減前に戻し、さらに増額すれば、若手研究者が活躍できるポストを 思い切って増やすことができます。学校教員や公務員などの公的職務へ の大学院生の採用も広げるべきです。  若手研究者の劣悪な待遇の改善も急務です。日本学術会議は、博士課 程在籍者を「研究職業人」と位置づけ、経済的自立ができるだけの財政 支援を、諸外国と同じように保障すべきだと提言しています。現在、経 済的支援(特別研究員事業)をうけているのは、博士課程在籍者の6・ 4%だけです。支援枠の抜本的拡充が必要です。 大企業にも雇用促進を  「ポスドク」や大学非常勤講師への正規雇用者との均等待遇、社会保 険への加入促進も必要です。  大企業が博士課程修了者をほとんど採用しない現状も大きな問題で す。しかも、派遣や期間社員などの非正規で雇い、その能力と研究成果 をかすめとり、使い捨てにしている大企業すらあります。  鳩山政権が「完全雇用」をうたうのならば、大企業に博士の正規雇用 を大幅に増やすよう求め、社会的責任をはたさせるべきです。 "[he-forum 15306] 読売新聞4/21 東大論文の引用、104万回  米国の民間情報会社「トマソン・ロイター」はこのほど、「日本の研 究機関ランキング」を発表した。  それによると、1位は東京大学で、以下、京都大学、大阪大学と続い た。私立大学トップの慶応大学は13位だった。  ランキングは、論文が他の論文に引用される回数「被引用数」に着 目。1999~2009年に発表された物理学や化学など22分野の重 要論文について、著者の所属機関ごとに被引用数を集計し、順位を付け た。1位の東大は被引用数104万回、2位の京大は73万回、3位の 阪大は62万回だった。  上位20機関について、比較的優れた論文が多いことなどを示す「1 論文あたりの平均被引用数」では、1位は科学技術振興機構の20.1 9回。東大は4位の14.49回だった。  しかし、国内トップの東大も、世界では11位。続く京大が31位、 阪大37位、慶応大287位だった。世界の壁は、まだまだ厚い。(石 塚公康) (2010年4月21日 読売新聞) "[he-forum 15307] 朝日新聞4/21 朝日新聞2010年4月21日付 東京大学と旭硝子 大学院に寄附講座新設、建築素材の可能性を追求  国立大学法人東京大学(東京都文京区)と旭硝子(東京都千代田区)はこのほど、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻に「建築構成材デザイン工学(AGC旭硝子)寄附講座」を新設した。  建築分野で用いられる素材について、新たな使用方法・使用領域の発見や評価などを共同で行っていく。建築関連素材産業に新しく貢献する市場の創出を目指す。設置期間は2010年4月1日から2013年3月末日までの3年間。 "[he-forum 15308] 時事通信4/19 時事通信2010年4月19日17時32分 EU、1億円で地方大学に拠点=日本での欧州研究拡大狙う  欧州連合(EU)は関東、関西以外の大学を対象とした欧州研究の拠点「EUインスティチュート・イン・ジャパン」(EUIJ)を設立する。このほど、EU駐日代表部が事業参加を希望する大学の募集を開始。1拠点を選んで、予算の75%に当たる最大80万ユーロ(約1億円)を助成、日本でのEU研究を拡大させる方針だ。  同事業は2004年にスタート。既存の三つのEUIJは一橋大学や神戸大学などすべて関東、関西に立地しており、今回はこれ以外の地方で研究を支援する。事業期間は原則4年。研究コースや予算に関する大学からの提案をEUが審査し、来春の設置を予定。募集の締め切りは6月25日で、単独でも、複数大学の連合体でも応募できる。 "[he-forum 15309] 毎日新聞4/21 毎日新聞2010年4月21日付 事業仕分け:第2弾、対象事業決まる 頼みの仕分け、効果のほどは 行政刷新会議であいさつする枝野幸男行政刷新担当相(右)と鳩山由紀夫首相=首相官邸で2010年4月20日午後5時4分、藤井太郎撮影 <分析>  ◇「重複」ターゲット  独立行政法人(独法)を対象にした「事業仕分け第2弾」の対象事業が20日、決まった。受注した事業を他の独法や公益法人に丸投げする構造や、東京23区外に本部を持つ独法の「東京事務所」が多いことなどに焦点をあて、無駄・非効率をあぶり出す。ただ、民主党が掲げる政策に充てるための財源捻出(ねんしゅつ)効果は限定的。支持率低下に苦しむ鳩山由紀夫首相は政権浮揚効果を期待するが、党内には「仕分けでカバーできる時期は過ぎた」との声も出ている。【田中成之、影山哲也】  仕分け第2弾の焦点の一つは「重複」だ。  枝野幸男行政刷新担当相と仕分け人の尾立源幸参院議員らは20日、「国立大学財務・経営センター」(本部・千葉市)、「大学評価・学位授与機構」(本部・東京都小平市)が23区内に持つ「東京事務所」が入るビルを視察した。104の独立行政法人中、23区内に東京事務所を持つのは7法人。そもそもの必要性を現場で見るのが狙いだ。  意見交換で同センターの豊田長康理事長が「最近特に医学論文数が低下していて由々しき問題だ。原因の一つは大学病院の機能低下。交付金が大幅に削減されている」と訴えると、枝野氏は「その思いは我々も共有しており、『ごもっとも』で終わってしまう。我々の問題意識は、建物の全フロアの平面図と、それぞれの部屋が何に使われているかということだ」と切り返した。  職員とのやり取りでは、昨年度は「6~7割」とされた同センターの貸し会議室の稼働率が、1日1回でも利用されればその日は「100%稼働」としていたと判明。尾立氏は「粗っぽい説明だ。民間ではあり得ない」と苦言を呈した。  枝野氏はこうした事務所について「本当に必要かどうか、という観点で、他の独法の東京事務所にも『横串(よこぐし)』を刺す(波及させる)」と意気込み、管理部門の再編統合で予算の効率的な配分を目指す。  第1弾で批判を浴びた科学技術関連の仕分けは、今回も取り上げられる。枝野氏は研究開発を主要業務とする独法38法人のうち、13法人を仕分け対象に選定。研究分野が重複する独法を統合して「国立研究開発法人」(仮称)を新設し、5~10法人に再編する意欲を見せる。  ただ、尾立氏が19日に理化学研究所(埼玉県和光市)を視察した際に研究テーマの重複をただすと、ノーベル化学賞受賞者の野依良治理事長が「重要な課題であれば、いろんなところで競争的に研究が行われるのは当たり前だ」と反論。野依氏はその後、記者団にも「植物の研究でも、理化学研究所は基礎的な問題、農水省の研究所では食料問題の解決により直接的にかかわる形でやっている」と説明し、単純な統合は難しいと強調した。  ◇捻出「数百億円」 政権浮揚、限定的か  昨秋に鳩山政権が実施した事業仕分け第1弾は、予算編成過程の一端を公開したことで国民に支持され、報道各社の世論調査でも「評価する」と答えた人が7~8割に上った。首相は第2弾を通じ、「政治とカネ」の問題や、普天間移設問題で急落した内閣支持率に歯止めをかけ、財源捻出も図る「一石二鳥」を狙うが、効果は限定的になりそうだ。  毎日新聞が17、18日に行った世論調査で内閣支持率は33%に急落。「支持しない」も初めて半数を超え52%となった。参院議員の一人は「国民から鳩山さんが首相に不適格と見られ始めている」と指摘する。  しかし、仕分け第2弾による歳出削減は、財務省関係者が「数百億円程度」と語るように大きな効果は見込めない。  首相は当初、過大な期待をかけていたが、2月19日に枝野氏や蓮舫氏らと会食した際、左右に陣取った両氏から「額は出ませんから」と注意され続けた。その後、首相は仕分けと歳出削減を直結させる物言いは避け、20日の行政刷新会議でも「行政のアカをまた洗い流す」と述べる程度にとどめた。  党内からは「今、仕分けをやっても国民からは『まず小沢、鳩山を仕分けろ』と言われるのではないか」(若手)と悲観的な声も漏れ始めた。  ◇第2弾仕分け人  「事業仕分け第2弾」の民間仕分け人は次の通り。  赤井伸郎大阪大大学院准教授▽荒井英明神奈川県厚木市こども育成課長▽安念潤司中央大法科大学院教授▽市川真一クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジスト▽石渡進介弁護士▽上山直樹弁護士▽奥真美首都大学東京教授▽長隆東日本税理士法人代表社員▽小幡純子上智大法科大学院長▽梶川融太陽ASG有限責任監査法人総括代表社員▽川本裕子早稲田大大学院教授▽木下敏之前佐賀市長▽熊谷哲京都府議▽河野龍太郎BNPパリバ証券チーフエコノミスト▽小瀬村寿美子厚木市人権男女参画課長▽伊永隆史首都大学東京教授▽高橋進日本総合研究所副理事長▽土居丈朗慶応大教授▽富田俊基中央大教授▽中村卓元埼玉県草加市長付特命理事▽永久寿夫PHP総合研究所常務▽南淵明宏大和成和病院院長▽橋本昭アグロス胡麻郷社長▽原田泰大和総研専務理事チーフエコノミスト▽速水亨速水林業代表▽福嶋浩彦中央学院大教授▽前田敦利弁護士▽松井孝典東京大名誉教授▽松本悟一橋大大学院教員▽水上貴央弁護士▽南学横浜市立大エクステンションセンター長▽森信茂樹中央大大学院教授 "[he-forum 15310] 読売新聞4/21 読売新聞2010年4月21日付 化学業界が「博士」目指す学生に奨学金創設  化学メーカーで研究開発部門を先導する人材を育成しようと、日本化学工業協会が中心となって2012年度から、国内の大学院で化学を専攻する博士課程の学生を対象にした奨学金制度を創設する。  製造業が業界ぐるみで特定分野の学生を支援するのは初めてという。1人当たり年間100万~200万円の奨学金を出す予定だ。対象の大学院は経済産業省と連携して選定し、優秀な学生数十人を選ぶ。  奨学生は博士課程修了後も研究者として残ることも可能だが、各社は、課題発見能力の高い人材を育て、積極的に採用したい考えだ。 "[he-forum 15311] 中日新聞長野4/21 中日新聞長野版2010年4月21日付 信大の学費「高い」57% 25日に負担軽減訴えシンポ  信州大学生自治会連合(松本市)は20日、授業料や入学金を「高い」と感じている学生が57%に上ったとのアンケート結果を発表した。25日に同市旭の松本キャンパスで「学費シンポジウム」を開き、負担軽減や奨学金制度の充実などを訴える。  県庁で会見した同連合の藤浦修司委員長(20)=教育学部3年=は「学費負担と経済不況による仕送りの減少などで学生は食費を切り詰めたり、アルバイトに追われたりしている」と説明した。  同大の授業料は年間53万5800円、入学金は28万2000円。アンケートで、学費を「高い」としたのは57%で最も多く、「バイト代や奨学金がないとやっていけない」「私立よりは安いがまだ負担が大きい」などの意見があった。  「適当」は23%、「安い」は2%などだった。  一方、奨学金制度の利用者は26%で、無利子や返済不要の給付制の拡大などを求める声が多く、授業料減免制度の免除枠拡大などの要望もあった。  アンケートは2009年度の全学部の1年生約2500人を対象に実施し、1505人が回答した。 "[he-forum 15312] しんぶん赤旗4/22その1 2010年4月22日(木)「しんぶん赤旗」 就職難の打開策提起 共産党 新卒者応援の政治に  日本共産党の小池晃政策委員長・参院議員は21日、国会内で記者会 見し、「新卒者の就職難打開へ―社会への第一歩を応援する政治に い まこそ、国、自治体、教育者、そして企業と経済界が真摯(しんし)な 取り組みを」(全文)を発表しました。高橋ちづ子衆院議員が同席しま した。  小池氏は、「史上最悪の就職内定率で学生から悲鳴が上がり、『就職 できないのは自分のせい』と考える傾向があるが、“就職氷河期”を繰 り返す社会の方が間違っており、ともに経済のあり方と政治を変えるこ とを呼びかけたい」と述べました。  政策の内容について小池氏は、(1)労働者派遣法抜本改正での 非正規雇用から正規雇用への転換、長時間労働是正、社会保障拡充と環 境重視への政治の転換などで新規雇用を増やす(2)学業と両立で き学生の負担を軽減する社会的ルール確立、就職活動での交通費などに 対する経済的支援、公共職業訓練の削減から拡充への転換を図り、早 期・長期化する就職活動を改善する(3)地方自治体が取り組んで いる求人開拓に国が財政支援する(4)適正な採用計画の立案など 企業責任を盛り込んだ「新卒者雇用確保・促進法」の制定―の四つの柱 について説明しました。  小池氏は、「学び卒業して社会人としての第一歩が失業者という社会 に未来はない。国も自治体も教育者も、なにより企業と経済界が危機打 開に取り組む時だ」と強調。学生への呼びかけ、政府への申し入れも行 いたいと述べました。 "[he-forum 15313] しんぶん赤旗4/22その2 2010年4月22日(木)「しんぶん赤旗」 新卒者の就職難打開へ―社会への第一歩を応援する政治に いまこそ、国、自治体、教育者、そして企業と経済界が真摯な取り組みを 2010年4月21日 日本共産党  日本共産党の小池晃政策委員長が、21日に発表した政策「新卒者の 就職難打開へ―社会への第一歩を応援する政治に いまこそ、国、自治 体、教育者、そして企業と経済界が真摯(しんし)な取り組みを」は次 のとおりです。  学生、高校生に“氷河期の再来”という深刻な就職難が襲いかかって います。今春卒業の学生の就職内定率は史上最悪となり、来年3月卒業 予定の就職活動も厳しさを増しています。  就職難と厳しい就職活動は学生の責任ではありませんが、「何十社も 面接に行ったけど全部ダメだった。自分は社会に必要ない人間なのか」 という深刻な訴えも少なくありません。就職活動は、一人一人バラバラ で、就職先が決まるかどうかは、すべて「自分の責任」と思い込みがち です。しかし、“就職氷河期 ”が繰り返される経済社会の方に こそ、深刻で重大な問題があります。  日本共産党は、就職難を打開するために政治が取り組む課題として、 以下の提案を行うとともに、多くの学生のみなさんが“被害者”にとど まるのではなく、就職難をもたらした経済のあり方と政治を変え、若者 が人間としてもっと尊重される働き方にしていくために、ともに考え、 ともに力をあわせることを心から呼びかけます。 1、新卒者の求人と採用を増やすために (1)非正規から正規雇用への転換をすすめ、新規採用を増やす  新卒者の求人が減少しているのは、景気の悪化だけでなく、派遣や請 負などの非正規雇用の拡大が根本にあります。製造業の大企業(従業員 500人以上)が雇用している労働者は、1994年の269万人から 187万人へと82万人、30%も減っています。  一方で、日本の大企業は、この10年間に内部留保を142兆円から 229兆円にも増やしています。急激な生産調整も終わり、アジアなど への輸出やエコカー減税などの効果もあって、自動車、電機をはじめ大 企業の生産も収益も回復しつつあります。ところが、生産が回復して も、「使い捨て」できる派遣や期間社員などの非正規雇用の復活で対応 し、正社員を増やそうとはしていません。こんなことが続くかぎり、新 卒者の就職難も解決しません。  新卒者の就職難打開のためにも、非正規雇用を拡大した労働法制の規 制緩和を抜本的に見直し、日本の雇用のあり方を、非正規雇用から正規 へと転換することがどうしても必要です。今国会に、その中心となる労 働者派遣法の改定案が提出されましたが、製造業派遣、登録型派遣を 「原則禁止する」と言いながら、「常用型」とか「専門業務」などの名 前をつければ実態は同じでも容認するなどの「大穴」があいています。 派遣から正社員への道を開く抜本改正の実現に力を尽くします。  また、契約社員、期間社員を増大させた労働基準法の改悪を見直し、 期限付きの雇用契約は、合理的な理由がある場合に限定し、数カ月の雇 用契約を繰り返す短期・反復雇用を規制します。 (2)サービス残業の根絶など、異常な長時間労働を是正して、雇用を 増やす  就職難や失業が深刻になる一方で、“1人で2人分働かせる”異常な 長時間労働が横行し、過労死や過労自殺が後を絶ちません。違法なサー ビス残業をなくすだけで、新たに100万人以上の雇用が生まれるとさ れています。 (3)公務・公共分野での非正規化をストップし、正規雇用への流れを つくる  派遣や請負は、公務・公共部門でも急速に広がっています。総務省の 調査でも自治体で「週20時間以上で6カ月以上雇用されている非正規 雇用労働者」は約50万人にのぼっています。保育士では8万9千人と 半分近く、公立図書館では6割が非正規雇用です。その多くが、恒常的 な業務にたずさわっていながら、6カ月や1年の有期雇用や派遣です。 大学を出て、公立の学童クラブの非常勤指導員になったが雇用期間は最 長3年、その後は「フリーター」などという例もあります。  国でも、多くの分野に非正規雇用が広がっています。厚生労働省が、 若者や新卒の学生・高校生の就職支援のために導入したジョブサポー ターも1年の有期雇用です。「来年は自分自身の仕事があるか不安」と いうのは「笑い話」ではすまされません。  国や自治体が、“官製ワーキングプア”などと呼ばれる不安定で低賃 金の雇用を広げ、若者を「使い捨て」にするようなことはただちにやめ るべきです。 (4)社会保障の削減から拡充への転換、環境重視への政治の転換で新 規雇用を創出する  介護や保育などの福祉分野、環境でのニュービジネスなどは、前の自 公政権も、今の民主党政権も、雇用対策の柱にしてきましたが、“看板 だおれ”に終わっています。これらの分野で、本当に新しい仕事と雇用 を創出するには、政治を変えなければなりません。  介護では、深刻な人手不足が続いています。その原因は、引き下げら れてきた介護報酬や人員配置基準などによる低賃金で過酷な労働条件に あります。介護保険への国庫負担を増額するなど、社会保障削減の政治 を転換しなければ、雇用創出にはなりません。42万人の特養ホーム待 機者を解消することは、職員配置を3対1としても14万人の雇用に相 当します。保育園の待機児童が増え続けているにもかかわらず、保育園 の新増設ではなく、子どもの詰め込み(定員の規制緩和)で「乗り切ろ う」とするなどの政治では新規雇用創出も望めません。環境でも、ヨー ロッパ諸国のように、産業界と温室効果ガス削減の拘束力を持った協定 を結び、環境への政治の取り組みを抜本的に強化することが、新しい仕 事と雇用につながります。 2、就職活動を改善する――“就活ルール”の確立と学生への支援を (1)学業と両立でき、学生の負担を軽減する就職活動のルールをつくる  “3年生から就活に追われる”“面接とぶつかり教育実習も受けられ ない”など、就職活動の早期化、長期化は、学生の大きな負担になって いるだけでなく、大学教育にも大きな支障が出ています。専攻や卒論・ 卒研のテーマも決まらない時期に「内々定」を出すなど、専門性も生か せない就活は、学生を受け入れる企業にとっても大きなリスクがありま す。  多くの大学・教育関係者から、就職活動の開始時期を定めるなどの ルールを求める声があがり、文部科学省も「大変憂慮している」として います。日本経団連などの経済界が「ルールをつくっても破る企業が出 てくる」などと言って反対していますが、企業にとっても、社会にとっ ても、損失が大きい今の就職活動を改めることに後ろ向きでは、企業の 発展も望めません。  就職活動が学業をさまたげることのないように、会社説明会やエント リーシートの受け付け、面接の開始日などで社会的なルールを確立しま す。違反した企業には、企業名の公表などのペナルティーを科すように します。経営者団体、大学当局、学生・教職員代表など関係者で構成す る機関を設置し、運用状況を監視するようにします。  いったん卒業したら、翌年度の卒業予定者を対象とした採用に応募す ることもできないという、企業の募集のやり方も問題を深刻にしていま す。新卒時に正社員になれないと“自分の人生が閉ざされてしまう”と いう焦燥感に追い立てられ、就職活動がいっそう重く苦しくのしかかっ ています。高い学費を払って、就職のためだけに留年する学生も増えて います。「生まれた時が悪かった」ではすまされません。少なく とも、卒業後3年間は「新卒扱い」として就職あっせんの対象とし、就 職活動でも差別しないようにするよう、政府が企業や大学を指導するこ とが求められています。 (2)奨学金の返済猶予の拡充はじめ、就活する学生への支援を  “いつ面接が入るかわからないのでバイトができない”“就活中のバ イトは面接がない深夜だけに”など、激しくなる就職活動は、学生の経 済的な負担も重くしています。地方大学では、面接のたびに夜行バスで 上京する交通費や宿泊費も重い負担になっています。大学でバスを手配 するなどの例もあります。こうした各大学の学生への経済的支援をする 取り組みを拡充し、国が補助する制度をつくります。また、就職活動中 の生活費や交通費などへの臨時の貸付制度を創設するなど、就活する学 生への経済的な支援も行うようにします。  同時に、奨学金の返済が困難な場合の返済猶予制度を拡充します。現 行の返済猶予制度は、戦前につくられたもので、返済猶予期間を最長5 年間としたのは「兵役を想定した」ものとされるなど、実態とはかけ離 れています。返済猶予期間の延長や所得制限の緩和、相談体制の強化、 滞納者のブラックリスト化の中止、卒業後にも有利子から無利子に転換 できる制度の創設などを行います。さらに、貸与制で利子付きが7割も 占め、社会人になった途端に数百万円の借金を背負うなど、給費制が主 流の欧米からみれば異常な日本の奨学金制度を見直し、給付制奨学金の 創設と有利子奨学金の無利子化をすすめます。 (3)新卒未就職者への職業訓練の提供などの対策を強化する  政府の新卒未就職者の職業訓練は、パソコン教室などの民間業者への 委託が中心で、民間依存の緊急避難的なものが主流になっています。そ の一方で、国や自治体が責任を持っている公共職業訓練は、各分野のエ キスパートとして技能・資格取得が可能な長期訓練ができ、就職率も高 いのですが、統廃合や民間委託など、大きく後退しています。  厚生労働省が所管する独立行政法人雇用・能力開発機構と都道府県が 運営する公共職業訓練所は、この10年間に、300カ所から251カ 所に削減されました。さらに、「事業仕分け」によって、雇用・能力開 発機構が自治体などに運営を委託している全国83カ所の地域職業訓練 センターや全国11カ所のコンピュータ・カレッジが廃止されようとし ています。「天下り」や無駄の排除は当然ですが、国や自治体の公共職 業訓練の切り捨ては許されません。国が直接責任を持つ公共職業訓練を 拡充するとともに、自治体の公共職業訓練も国からの助成を拡充します。 3、地方での求人開拓などの取り組みを支援する  高卒者をはじめ、地元での就職を希望する若者も増えています。家計 を支えるために地元から離れられないという事情もあります。地場産業 の育成など地域経済の活性化という視点から、地元での雇用創出を重視 し、新卒者の就職難を打開する施策の実現が必要です。  いくつかの自治体で積極的な取り組みが始まっています。今春に就職 できなかった高卒者に対し、専修学校や企業などでスキルアップできる ように学費や受託した企業に賃金助成(秋田県)、新規高卒者100人 を対象に中小企業への半年間のインターンシップを仲介する事業(宮城 県)、新規高卒者を採用した事業主に1人当たり10万~30万円の助 成(仙台市)、今春卒業の未就職の高校生100人を対象に、府が4カ 月間雇用し、月8万円の賃金を支給しながら、介護・農林業などの人材 育成プログラムを受ける事業(京都府)、今春卒業の高校生を臨時雇用 (原則6カ月、最長1年)し、働きながら就職活動を行えるよう配慮す る(和歌山県)などです。こうした自治体の取り組みに国が財政支援す ることが求められます。  学校と自治体、ハローワーク、地方経済界が連携し、産業振興に取り 組む体制をつくることや、積極的な求人開拓を行うために、各地のハ ローワークの体制を強化します。 4、「新卒者雇用確保・促進法」を制定し、採用計画の策定、内定取り 消しの防止など、企業の社会的責任を明確にする  雇用対策法の第7条は、「事業主は、青少年が将来の産業及び社会を 担う者であることにかんがみ……その雇用機会の確保等が図られるよう に努めなければならない」とし、厚生労働省は、この法律に基づいて 「新規学校卒業者の採用に関する指針」を定め、「適正な募集・採用計 画の立案」を求め、「中長期的な人事計画等の下…募集・採用計画数を 決定するよう努める」などとしています。また、「事業主は、採用内定 を取り消さないものとする」ともしています。  実際には、この「指針」は守られず、正反対のことが行われていま す。「指針」を法律に格上げして、一定規模以上の企業は、中長期的な 視野にたった採用計画を策定するとともに、公表するようにします。内 定取り消しは整理解雇と同様に、企業の存続が危ぶまれるなどの合理的 理由がない限りできないようにします。同時に、新規採用に積極的に取 り組む企業を顕彰し、支援するようにします。  学び、卒業して、社会人としての第一歩が失業者というのは、特別に 深刻な事態です。こんな日本社会でいいはずがありません。“就職氷河 期”が繰り返されることは、企業や産業、日本の経済と社会の全体に とっても大きな打撃です。  いまこそ、国も、自治体も、教育者も、そして、何より、企業と経済 界が、この危機を打開するために、真摯(しんし)な取り組みを行う時 ではないでしょうか。日本共産党は、提案している就職難打開のための 政策を実現するために全力をあげるとともに、各界のみなさんが、それ ぞれの立場で、社会的な責任をはたすべき知恵と力を尽くされることを 呼びかけるものです。 "[he-forum 15314] 産経新聞山梨4/21 産経新聞山梨版2010年4月21日付 大学と自治体包括連携相次ぐ  山梨県内にキャンパスを置く大学と地元自治体との包括連携協定締結が相次いでいる。今月14日の県立大と甲府市との間で交わした協定では、これまでの講座開放などの部分協力を発展させ、人間福祉学区部や看護学部の知的財産を市立甲府病院や保険センターで活用する。看護・福祉の充実を図ることができ、人的交流が生まれるほか、地域政策課題の共同研究などを可能にした。  山梨大と北杜市の間では、大学が研究する発酵技術を応用して酪農家との高品質商品開発をメーンに、「食」にスポットを当てた教育ファーム事業を推進。健康科学大と富士河口湖町は、町民の健康促進に大学のノウハウを福祉行政に生かす。このほか、県立大と県立科学館との間でも、子供たちの科学を通じた遊びで研究連携する。 "[he-forum 15315] しんぶん赤旗(東京版)4/22 2010年4月22日(木)「しんぶん赤旗」東京 障害もつ学生の就職説明会 やりたい仕事みつける  東京都労働局と都内のハローワーク、学生職業総合支援センターは2 1日、東京都港区の同センターで障害者就職面接会を開催しました。  面接会には206社が参加しました。23日まで3日間の予定で行わ れ、当日の受け付けも可能です。  対象は2011年3月の大学等卒業予定者と今年3月の卒業者です。 約700人が面接を申し込んでいます。1割が今年3月に卒業した人た ちです。  東京都労働局の高齢者・障害者雇用対策担当の松井勝さんは「今年3 月に卒業した学生の就職が厳しく、来年春の就職も急激に改善するとは 限りません。例年は秋に会社説明会をしていますが、企業との接触を もってもらおうと面接会を開催しました」と話しました。  足が不自由な女子学生(21)=東京都足立区=は「求人が2人の企 業の面接に18人が並んでいました。求人票を見ると75%の企業が 1~2人の募集でした。厳しいけどうそをつきたくないので、本当にや りたい仕事だけ応募しました」と話していました。 "[he-forum 15316] 山陽新聞4/23 山陽新聞2010年4月23日付 「岡山大学医師会」設立へ    岡山大医学部医学科、岡山大病院(いずれも岡山市北区鹿田町)などは、医師免許を持つ教員らで「岡山大学医師会」を5月24日に設立する。大学病院勤務医らの労働環境改善に向けた提言活動、医療施策などの情報収集、診療科や研究領域を超えた医師の連携強化が狙い。  同大に勤務する医師は約800人おり、全員が加入すれば県内で岡山市医師会(約1000人)に次ぐ規模となる。県医師会に加盟。健診、予防接種など行政の受託事業は行わない。  小出典男設立準備委員長(大学院医歯薬学総合研究科教授)は「他の医師会と連携し、地域医療の発展に寄与したい」としている。設立総会を5月24日に開き、会長や会則などを決める。  広島大や香川大など医学部のある大学の多くに医師会がある。岡山大にも県医師会などから設立要請があった。 "[he-forum 15317] 読売新聞4/23 読売新聞2010年4月23日付 愛媛大ショップできた、独自商品や特産品販売…開学60年記念 道路沿い「住民立ち寄って」 校友会館なども  開学60周年を記念して松山市の愛媛大学が総額5億6000万円かけて進めていた、大学のオリジナル商品などを扱う「愛大ショップえみか」と、校友会館、南加記念ホールの整備が完了し22日、オープン記念式典が行われた。地域住民に気軽に立ち寄ってもらえるようにと道路沿いに3棟並んで設け、ショップでは学生が地域に親しみを持つようにじゃこ天などの県内の特産品も販売。校友会館は、地域住民の交流の場などとしても使ってもらう予定で、愛大は「地域に開かれた大学を目指したい」としている。  愛大ではこれまで、Tシャツやボールペンといった大学のオリジナル商品を大学生協の売店などで販売してきたが、大学が開発にかかわった米や日本酒、ロールケーキなどの「愛媛大ブランド商品」が増えてきたこともあり、外部の人も利用しやすい大学生協が運営する店の開設を企画。大学東側の市道沿いにあるクラブの部室棟(鉄筋平屋、339平方メートル)を改装し、「愛大ショップえみか」と名付けた。  学外の人が訪れやすいように、市道からすぐに店内に入れるようなレイアウトとし、駐車スペースも9台用意した。大学オリジナル商品以外に、じゃこ天や、県内各地で製造されているどぶろく、今治市のタオルといった県内の特産品を販売する。  同時に新設された校友会館(鉄筋2階建て、1035平方メートル)には、複数の会議室を持ち、地元住民の利用も可能。1階には、学外の人の利用も見込んだイタリアンレストランが設けられている。  南加記念ホール(鉄筋平屋、428平方メートル)は、1955年に南カリフォルニア(南加)州在住の県出身者の寄付を基に建てられた記念講堂を、コンサートなどにも使えるホールに改修。256席を備え、学会やシンポジウムなどに使われる。  この日は、弓削俊洋副学長らがえみかの看板に掛けられた白い布を除幕。学生や住民らが次々に店内を訪れ、農学部が無農薬栽培の実験で育てた柑橘(かんきつ)類や、大学が地元の酒蔵と共同開発した日本酒などを買い求めていた。  愛大は昨年、研究成果を一般に公開する「愛媛大学ミュージアム」を学内に開設しており、吉田一恵広報室長は「地域の人々に大学の研究に興味を持ってもらい、学生との交流が生まれてほしい」と期待。えみかを訪れた法文学部3年、安藤夏希さん(20)は「特産品も販売されているので、学生だけでなく近所の人も楽しめそう。大学をPRする良い機会だと思う」と話していた。 "[he-forum 15318] 山陽新聞4/23(2) 山陽新聞2010年4月23日付 教師教育開発センターを開設 岡山大   岡山大は本年度、質の高い教員養成を目指す全学組織「教師教育開発センター」を開設し、22日、開所式があった。教育学部の教育力と学生支援プログラムを他学部生にも提供する。  文部科学省によると、総合大学が学部の枠を超え、教員養成に取り組むのは全国初。  教育学部をはじめ文、法、経済、理、工、環境理工、農学部が対象。教育学部以外の学生も、1年次から教職オリエンテーションに参加。教職論(2年)、教育実習基礎研究(3年)など段階を踏んだ単位取得を行う。  センターは、実習など学校現場に重点を置いた教育カリキュラムの開発▽元教師が悩みや論作文の添削に応じる教職相談室の運営▽県、岡山市教委などと連携した校外活動の推進―などを行う。  センター拠点となる教育学部棟(岡山市北区津島中)であった式には関係者約100人が出席。加賀勝センター長(教育学部長)は「地域における教員養成の中心となるべく努力したい」と話した。 "[he-forum 15319] 朝日新聞4/23 朝日新聞 2010年4月23日13時54分 労政研機構の普及事業「廃止を」 仕分け第2弾スタート  鳩山政権の「事業仕分け」第2弾が23日午前、東京・日本橋の「T KP東京駅日本橋ビジネスセンター」で始まった。10府省が所管する 47の独立行政法人(独法)の151事業が対象。事業の必要性や効率 性、官僚OBの天下りなどを公開の場で取り上げ、無駄に切り込む。2 3日と26~28日の4日間の予定だ。  仕分け作業は、蓮舫参院議員率いるAグループと、尾立源幸参院議員 のBグループに分かれ、それぞれ国会議員3人と民間の「仕分け人」が 加わる。  23日はまず内閣府所管の「沖縄科学技術研究基盤整備機構」と、厚 生労働省所管の「労働政策研究・研修機構」を取り上げた。  沖縄科学技術研究基盤整備機構は、沖縄県に世界トップクラスの科学 技術系の大学院大学を設置することを目的につくられた独法。役員会に あたる運営委員会10人のうちノーベル賞受賞者が5人を占め、開催経 費は平均約1800万円と高額に上る。  「東京やサンフランシスコで運営委を開く必要があるのか」(蓮舫 氏)「出席せずに、電話会談だけの人もいる。そういう人にも高額の出 席謝礼を支払っている」(別の仕分け人)と問題視する発言が相次い だ。1時間以上のやりとりの末、「予算縮減など事業改善」の意見が多 数を占めた。  労働政策研究・研修機構については、ハローワーク職員らへの労働大 学校の研修事業は「国などが実施し事業規模を縮減」。機構の労働政策 研究・成果普及事業は「一定の役割を終えたため廃止」との結論が出た。  この日の開会式で枝野幸男行政刷新相は、「事業仕分けの本質は、税 金の使われ方を国民に直接見て頂き、無駄があれば納税者の力で変えて いけることだ。納税者の素朴な疑問をぶつけてもらい、税金の使われ方 を変えてほしい」とあいさつした。  これに先立ち鳩山由紀夫首相は記者団に「国民は大いに期待してい る。長年の天下りなどのアカを完全に洗い流し、大掃除をやってもらう と。私も大いに期待している」と述べた。  午後は、昨年11月の事業仕分け第1弾でも取り上げた外務省所管の 「国際協力機構」などが対象。前回の仕分けの結果が反映されているか 検証するほか、有償資金協力のあり方も議論する見通しだ。国土交通省 所管の「住宅金融支援機構」、厚労省の「福祉医療機構」「労働者健康 福祉機構」「高齢・障害者雇用支援機構」「国立病院機構」、経済産業 省の「中小企業基盤整備機構」も対象となる。 "[he-forum 15320] 毎日新聞4/23 毎日新聞 2010年4月23日 11時28分  更新:4月23日 13時28分 事業仕分け:科技大準備費「縮減」 第2弾スタート  政府の行政刷新会議による「事業仕分け第2弾」が23日、独立行政 法人(独法)と公益法人を対象に、東京都内で始まった。前半は独法を 対象に土・日曜を除く28日までの4日間実施し、47法人計151事 業を精査する。昼から始まった作業では、「沖縄科学技術研究基盤整備 機構」の「運営委員会」の経費について、「執行のあり方などに疑問が ある」として予算縮減と判定。機構の運営や予算の執行管理態勢を見直 すことを求めた。  第2弾では、事業の重複などの無駄を洗い出すとともに、独法の再編 を含む制度改革につなげる方針。昨年秋の仕分け第1弾が評価された経 緯から、支持率が低迷する政権の浮揚策としたい思惑ものぞく。  鳩山由紀夫首相は23日午前、「長年の天下りなど、あかを完全に洗 い流し、大掃除をやってもらう。私も大いに期待している」と首相公邸 前で記者団に語った。仕分け開始に先立つ開会式では、枝野幸男行政刷 新担当相が「事業仕分けは国民の皆さんに代わって税金の使われ方を明 らかにし、無駄をそぎ落としていく試み。納税者の皆さんは『おかしい ぞ』という時は私たちを後押しいただきたい」と呼びかけた。  仕分け作業は民主党の蓮舫参院議員ら与党国会議員8人と民間有識者 32人が二つの作業グループに分かれて行う。23日午前、内閣府所管 の沖縄機構と厚生労働省所管の労働政策研究・研修機構を皮切りにス タート。  沖縄機構は12年度開学を目指す「沖縄科学技術大学院大学」の準備 を担当し、既に約20の研究グループが構成され先行研究も始まってい る。仕分け対象となったのは、年2回開催の「運営委員会」の経費が1 回平均1800万円かかっていることや、国家公務員より3割高い職員 給与水準。  労働機構は、労働大学校(埼玉県朝霞市)での労働行政担当職員向け の研修や労働政策研究など3事業について、廃止を含め検討した。【影 山哲也】 "[he-forum 15321] 《市場化テスト導入阻止情報》No.10 《市場化テスト導入阻止情報》No.10=2010年4月23日 内閣府公共サービス改革推進室による4.8文書『国立大学法人の施設管理業務, 図書館運営業務等への評価の総括』を批判する 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 はじめに  《市場化テスト導入阻止情報》No.9で紹介したように,4月8日に開催された 内閣府の官民競争入札等監理委員会国立大学法人分科会は国立大学への市場化 テスト導入を要求した.ここでは総括的文書である,内閣府公共サービス改革 推進室(以下,推進室)による『国立大学法人の施設管理業務,図書館運営業 務等への評価の総括』(以下,4.8文書)を批判的に検討する.なお,全文は, 内閣府の以下のURLを参照されたい. http://www5.cao.go.jp/koukyo/kouhyou/kokudai/100408-2-1-1.pdf 4.8文書の概要 1.推進室の論理  教育研究活動を進めるに必要な予算確保と職員配置のために市場化テストを 導入して経費削減を図ること 2.推進室の具体的要求 (1)施設管理運営業務 1)一般競争入札の拡大 随意契約の見直し,少額随意契約(*)の上限額の引き下げ *少額随意契約:予定価格(貸借契約の場合は予定賃貸借料)が少額の場合に ,二以上の者  から見積書を徴取して契約者を決める方式.法令上,予定価 格が少額随契可能な額であっても,可能な限り競争入札を行なうように指導さ れている. 2)契約の複数年度化 3)「官公需についての中小企業者の受注確保に関する法律」(*)の空文化   *中小企業の受注機会の増大を図るための反独占法立法 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S41/S41HO097.html 4)エレベーターの点検・保守の随意契約を一般競争入札化 「 安全に万全を期さねばならない一部のエレベーター(病院の手術用エレベー ターや精密機器等)」以外は一般競争入札を行い,「万が一」に対してはマネ ジメントのリーダーシップで対処するよう要求 (2)図書館運営業務 1)民間委託拡大:「図書館運営は大学の教育・研究と不可分」とせず,明確 な線引き行うべき 2)一般競争入札の導入 3)契約の複数年度化 4)複数の図書館の共通業務一括契約 (3)就職・キャリア支援業務 各大学で行っていることをいっそう拡大 (4)リメディアル教育(*)業務   *大学教育を受けるにあたって不足している基礎学力を補うために行わ れる教育 鮮明となった市場化テスト導入の狙い 1.導入論としての経費削減  外部委託→低賃金.突破口→橋頭堡としての施設管理.  経費削減は導入のための手段であり,真の狙いは2以下 2.大企業による公共サービス市場の強制的創出とその独占  一括調達,複数年度化,少額随意契約上限額引き下げは,中小企業圧殺が真 の狙い 3.中小企業への官公需受注機会増大を進める「官公需についての中小企業者   の受注確保に関する法律」の破壊  「官公需についての中小企業者の受注確保に関する法律」に基づく「官公需 適格組合制度」ならびに毎年度行われる閣議決定「中小企業者に関する国等の 契約の方針について」(H21年度は,http://www.meti.go.jp/press/20090612002/20090612002.html) を,内閣府は公然と破壊しようとしている(4.8文書における1(9)). 市場化テスト法は「特例」として個別法の一部を停止する構造を有しているこ とに注意. 4.サービス低下,安全軽視,低賃金などで削減された資金を特定領域の教育   研究に恣意的に投入 対抗する論理の構築へ 1.現場に適合する合理的な契約制度の維持発展  官庁契約の原則はあくまでも競争入札であり,随意契約は例外である.しか しながら内閣府の「随意契約の可能な金額が拡がると,民間企業と不適切な関 係を生じるリスクが増加する」という論理は,現場における契約の実態に適合 しない.  第1に,契約において本質的に重要なことは,発注者側がどれだけ受注者側 の力量を厳格かつ公正に吟味するかであり,契約すべき内容に応じて随意契約 が採用されることを一般的かつ機械的に排除すべきではない.反対に経営能力 と職務への誠実さが欠如している場合,一般競争入札が不正を排除できないこ とは,政治家の介入や談合による多数の例が示している.  第2に,内閣府のいうように少額随意契約の上限額を国並みに100万円にすれ ば,業務の簡素化・効率化が阻害され,加えて機敏な契約締結が困難になる. 人件費削減が続く中で上限額を引き下げれば,契約関係の業務遂行は不可能と なろう.内閣府は,いくつかの大学が上限額を1000万円に引き上げたことを口 を窮めて批判しているが,実際には随意契約であっても,大学側は情報公開な どによって透明性を高める努力を払っている.各大学が設定している現行上限 額は維持されるべきである. 2.外部委託に伴う低賃金化の阻止  国立大学にとって市場化テストがあたかもメリットがあるように喧伝される のは,外部委託によってコストが下がることが期待されるからである.しかし コストが削減されるのは,その業務が非正規雇用による低賃金労働者(「官製 ワーキングプア」)によって担われるからである.この構造を変えることが極 めて重要である.そのための一方法として公契約法(条例)制定の運動に連帯 すべきである(本情報No.8参照). 3.健全な民間企業活動の推進 (1)大企業による公共サービス独占体制阻止  市場化テストの一形態である包括的民間委託は「小規模,単年度,外郭団体 主体」から「大規模,長期,民間企業主体」へと変化すると考えられ,大企業 が参入しやすい状況が生じている.4.8文書もまさにその流れに沿っており,小 泉構造改革以降進んできた公共セクターの市場化,さらには大企業によるその 独占化を加速させるものである. (2)公共事業依存体質の克服    野村総研の調査では,都道府県,市町村の施設・事務・事業サービス市場は 約5.4兆円(2012年度)と想定され,民間企業にとってのビジネスチャンスとと らえられているが,以下のように公共事業依存体質を懸念する指摘もある.  『民間では,この市場化テストも含めた一連の官業の民間開放に対して, 「パブリックビジネス」というマーケットのビジネスチャンス拡大との期待が されている.しかし,こうした捉え方は,かえって「市場化テスト」により民 間経済の官業の依存度を高める結果につながりかねず,公共事業依存の民間事 業者を生 み出す可能性がある.  現在,デフレ経済から脱却を果たし,新たな経済成長の芽が出てきている中 で,民間に求められるのは,「民ができることは民で」という官業依存からの 経済的自立である.民間には,市場化テストに対して,マーケットとしてのビ ジネ スチャンスの拡大への期待ではなく,行政の代行者として公共サービス の効率化と質的向上に寄与する公共の担い手としての気概が求められる.』 瀧口樹良「市場化テストに求められる課題」富士通総研Economic Review(2006 年7月) http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/economic-review/200607/page11.html 4.大学教職員の専門性の向上  大学における業務は教育研究と不可分であり,その内容も分野によって大き く異なる.専門性の尊重とその増進こそが,効率的でかつ廉価に業務を推進し ,サービスを向上させる. 5.大学における教職員・学生・院生さらに市民の要望に基づく改革   市場化テストは,経費削減とサービスの向上の二つの達成を目指すという謳 い文句で導入された制度であったが,すでに多くの人々が指摘し,かつまた多 数の実例が示すように,真の狙いはサービス切り捨てによる経費削減にある. 実際,4.8文書はひたすら経費削減を述べており,サービス向上という観点は端 からない.大学構成員や市民の要望に基づく改革でなければ,国立大学の社会 的使命を果たしていくことはできない. 6.エレベーター安全管理の徹底  現状は,内閣府も認めるように「大学規模の多数のエレベーターの保守管理 を適切に行える業者は(引用者注:保守管理会社)全体の数%」.2009年の国 土交通省の実態調査などでも,メーカー系と独立系の保守管理会社の間で技術 情報の提供などに関する軋轢が顕在化している.このような現状で一般競争入 札を画一的に要求するのは著しく危険である.手術用や精密機器用だけでなく すべてのエレベーターへの安全管理を徹底すべきである. 終わりに  国立大学の将来の方向性は極めて混沌としている.市場化テスト導入は,財 務省などが狙っている国立大学の統合再編や地方移管を行う上で必要な国立大 学のスリム化(管理費や人件費の削減)のための先兵的役割があると考えられ る.  4.8文書において施設管理運営業務については市場化テスト導入が明記されて おり,ヒアリングの席上でも文部科学省側は講義棟や総合研究棟などの管理に ついては導入を拒否していない.したがって,施設管理運営業務が国立大学へ の市場化テスト導入の突破口とされる危険性は極めて高い.  一例でも導入されれば,それが既成事実化し,他の業務や他の大学に導入を 迫る圧力が高まることは必至である.施設管理運営も含めたすべての業務につ いて,市場化テスト導入反対の運動を強めることが非常に重要になっている. “公共の幸福のために商売しているというふりをする人々が幸福を大いに増進 させたなどという話を聞いたことがない.” アダム・スミス「諸国民の富」 より 以上 "[he-forum 15322] 読売新聞4/24 読売新聞2010年4月24日付 今ある資源生かし変革を…佐和隆光・滋賀大新学長に聞く 「環境首都」目標に政策提案  1942年、和歌山県生まれ。京大経済研究所長、立命館大政策科学研究科教授などを歴任した。「経済学とは何だろうか」「グリーン資本主義」(ともに岩波書店)など著書多数。趣味は30年間続けている週末のスポーツジム通い。今後は「県内の古刹めぐりがしたい」という。 滋賀大(本部・滋賀県彦根市)の12代学長に1日付で就任した環境経済学者・佐和隆光さん(67)。環境政策に力を注ぐ滋賀に根ざした大学として、どのような改革に臨むのか。将来の展望や今後にかける意気込みを聞いた。 (東田陽介) ◇  学長就任を打診されたのは昨年9月。滋賀大は経済、教育の2学部とコンパクトだが、潜在的な魅力を持つ大学と聞いていた。13年間、京大経済研究所で所長を務め、約30人の研究者を束ねてきた経験を生かし、学生や教職員の活力にあふれた大学にしようと、迷うことなく引き受けた。  地方大学の多くが抱える問題の一つに、変革に乏しい点がある。いわゆる有名大学の場合、ネームバリューや立地の良さを生かし、周辺地域や企業、市民との交流が活発だ。一方、地方大学は外部へのアピールが少なく、小さくまとまっている感がある。  滋賀大では、これまで周辺大学との統合が取りざたされたり、歴代学長が例えば「社会工学部」のような時代に合った新学部構想を編んだりと、生まれ変わるチャンスがたびたびあった。私も変革を求め、新学部や他大学との統合について、是非を検討する必要はあると思っている。  ただ、それらを実現するためには、大学にある資源を生かし、魅力を向上させるという本質的な課題をクリアしなければならない。まずは、今あるものの見直しに着手したい。大学の魅力向上が実現できれば、研究費獲得にもつながるだろうし、地域や県内の他大学との交流など多くの可能性が生まれてくる。  大学をアピールするため、私が取り組んできたことも、どこかで生かせればと思っている。  私の専門は元々、統計学を経済データに当てはめて分析する計量経済学。京大、米スタンフォード大など、国内外の大学で研究に没頭した。40歳前後になって、この分野でやるべき研究はし尽くしたと思い、科学や数学が好きだったことと、1990年に経済団体主催の環境フォーラムで部会長に就任したことをきっかけに、環境経済学の研究を始めた。  環境問題は技術革新が解決の決め手と考えられがちだ。環境経済学では、地球温暖化対策と発展途上国の経済発展や、環境税導入による経済影響などを考え、望ましい環境政策を提案できる。その研究者である私が、環境先進県である滋賀で学長をすることになったことに、縁を感じている。  学長職を全うしながらも、研究活動にブレーキをかけるつもりはない。大学のPRはもちろんだが、「滋賀を環境首都に」をテーマに、地域の情報を発信していきたい。 "[he-forum 15323] キャリアブレインニュース4/22 キャリアブレインニュース2010年4月22日18時1分 「医学部新設に慎重な対応を」―医学部長会議が要望書  国立大学医学部長会議常置委員会は4月22日、東京都内で記者会見を開き、医学部や医科大の新設に慎重な対応などを求める要望書を13日付で鳩山由紀夫首相や川端達夫文部科学相らに提出したことを明らかにした。  要望書ではまず、昨年10月に国立大学医学部長会議が鳩山首相らに要望した政策のうち、医学部定員の「研究医枠」の増員や診療報酬のプラス改定など一部が実現したことを評価した上で、今後も引き続き早期に政策を遂行するよう求めている。具体的には、運営費交付金を増額して2004年のレベルにまで戻すことなどを挙げた。  医学部の新設による定員増については、今後、医師が過剰になった場合、新設の医学部(医科大)を廃部(廃校)することは困難であり、結果として各大学の医学部定員を削減することになると指摘。「これでは日本の全ての大学における医学教育および大学病院の診療は崩壊する」との懸念を示している。  さらに、医学部の新設に当たり、現存の病院などがあれば医学教育ができるように考えられていると指摘。これについて、「現存の病院には特に基礎医学研究の実態はなく、質の高い医学教育はできない」と問題視した。その上で、教育の質が担保できない医学部の新設は、「単なるメディカルスクールの入れ替わりと言わざるを得ない」と苦言を呈し、メディカルスクール構想への反対も改めて表明している。  このほか、医療崩壊や医師不足への即効性のある対策として、▽医学部実習の充実による医師初期臨床研修制度の抜本的な見直し▽さらなる診療報酬の引き上げ▽女性の常勤勤務医への積極的な支援―の3点を求めた。 ■初期臨床研修、「2年は長過ぎる」  同委員会委員長の馬場忠雄・滋賀医科大学長は初期臨床研修の期間について、「2年は長過ぎるのではないか」と指摘した。馬場氏は、医学生の実習を充実させて初期研修を1年程度に短くすれば、2年目には専門的な勉強が可能になり、「研修の充実ができる」との考えを示した。  委員の山下英俊・山形大医学部長は自身の大学で導入している「Student Doctor制度」に触れた上で、「医学生の教育、初期臨床、専門医教育を一連の流れでやってほしい。医学生の段階からいろんなことが勉強できれば、専門医の知識や技量(の習得)をどんどん前倒しにできる」と説明した。 "[he-forum 15324] 山陽新聞4/24 山陽新聞2010年4月24日付 岡山大に県が寄付講座 医師不足対策で    岡山県北部を中心に深刻化する医師不足対策として、県が岡山大に寄付しての地域医療人材育成講座が5月1日、同大大学院医歯薬学総合研究科に開設される。将来の地域医療を担う優れた人材育成が狙い。県による寄付講座は初めて。  県医療推進課や同研究科によると、教員には地域医療に携わってきた経験者ら医師2人を配置。内科、外科、小児科など、へき地医療に求められる総合的な診療能力を持った医師の育成を図る。医師確保に向けた行政や医療機関のネットワーク構築、県北の病院での診療支援などにも取り組む。  設置期間は2013年度末まで。県が総額1億2千万円を寄付。27日に両者が県庁で協定書を交わす。  岡山大は、地域医療に必要な総合医の育成などを行う「地域医療総合支援センター(仮称)」の創設も計画しており、県は併せて後押しする方針。 "[he-forum 15325] 沖縄タイムス4/24 沖縄タイムス2010年4月24日付 大学院大は「予算減」 事業仕分け 運営委員報酬を議論 【東京】政府の行政刷新会議が独立行政法人などの「無駄」を洗い出す事業仕分けの第2弾が23日、都内で始まった。沖縄科学技術大学院大学の2012年開学を目的に設置された沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)については、ノーベル賞受賞者らで構成する運営委員会の経費について、予算縮減の必要があるとの評価が下った。09年度予算で研究施設設備費が予定を40億円超過した問題などを受け、機構の運営改善を求める意見もあった。  運営委員会は研究分野の検討や研究者の指導のあり方など、大学院大学の骨格となる事項を検討するために設置された機関。10人の委員が首相に任命され、うち5人がノーベル賞受賞者。  仕分けでは年間100万円の委員報酬や年2回の委員会出席時の50万円の謝金などが妥当かが議論された。  国会議員や市民から選ばれた仕分け人は、大学院大学設置に理解を示す一方で、「委員会に出席しない場合も年間報酬が支払われるのは問題ではないか」などと指摘。内閣府沖縄振興局は「委員会の出席だけでなく、海外からの研究者採用の助言など外部での活動に対する報酬だ」と説明した。  取りまとめ役の蓮舫参院議員(民主)は「箱ものを造ったが、中身がないとならないように、崇高な目的のため努力してほしい」と述べた。 "[he-forum 15326] 読売新聞長野4/25 読売新聞長野版2010年4月25日付 信大繊維学部に資料館 100周年記念、旧貯繭庫改装  信州大学繊維学部(上田市常田)は24日、蚕業教育の歴史を伝える「繊維学部資料館」をキャンパス内に開館した。  信大繊維学部は、1910年に「上田蚕糸専門学校」として開校した。今年で100周年を迎えることを記念し、開校翌年の11年に建てられた、2階建てレンガ造りの旧貯繭庫(ちょけんこ)を資料館に改装した。  資料館には、織物を紹介する「織物見本帳」や、全国の製糸会社の商標を集めた「生糸商標彙帖(いじょう)」、上田蚕糸専門学校時代、授業で使われた教材など約40点を展示している。  この日は、同学部総合研究棟で、最先端の繊維研究を紹介する「疾走するファイバー展」の常設も始まった。スピードスケート選手がバンクーバー五輪で実際に使ったユニホームや、水を含むと発熱する繊維など約60点が並んでいる。  資料館とファイバー展の公開は、25~30日が午前10時~午後5時。5月以降は予約が必要。問い合わせは、同学部図書館(電話0268・21・5313)へ。 "[he-forum 15327] 朝日新聞4/24 朝日新聞2010年4月24日付 法科大学院の入試倍率、半数以上が2倍未満 10年度  全国に74校ある法科大学院の今年度入学者の入試で、競争倍率が2倍を割り込んだ大学院が半数以上の40校にのぼることが分かった。法科大学院は司法試験合格率の低迷などで「質の低下」が指摘され、入学者の質の確保を求められていた。文部科学省は今後、特に倍率が低い大学院に対し、統合や定員削減などの指導を強める方針だ。  入試結果は23日の中央教育審議会(文科相の諮問機関)特別委員会で報告された。全74校中40校で競争倍率が2倍未満だった(合格者ゼロの姫路独協大は除外)。受験者数は2万1040人で、平均倍率は2.76倍。定員は前年度より856人減ったにもかかわらず、倍率は0.05ポイント下がった。  特別委は昨春の報告で「倍率が2倍を下回ると選抜機能が十分働いているとはいえない」と指摘。入試の競争環境は教育の質や司法試験の実績に結びついているとして、倍率が著しく低い大学院へ改善を求めていた。  23日の特別委では、委員から「定員を減らしたのに倍率が下がったのは問題だ」「入学者が、減らした定員を千人ぐらい下回った。定員が適正かどうかが問われる」などと声があがった。 "[he-forum 15328] 朝日新聞4/26 朝日新聞 2010年4月26日 進まぬ契約の効率化 国立大の「民間開放度」内閣府調査  全国86の国立大学法人の運営に、どの程度競争が導入されているか を調べたランキングを内閣府が初めて公表した。官の事業の民間開放度 を測る「市場化テスト」の国立大学版とも言えるものだ。「事業仕分け 第2弾」と時を合わせ、独立行政法人をモデルにした国立大の「ムダ」 も洗い出されたかたちだ。  調査は、今年1月実施した。経営改善度を測る指標として競争原理を 導入しやすい「施設管理業務」に注目して点検。建物の清掃や管理経費 を、継続中の契約について、一般競争入札の導入率▽複数年度契約の導 入率▽随意契約の上限額、の3指標を点数化し、順位付けした。効率化 が進んでいない大学について、内閣府は今夏の閣議決定を目指す「公共 サービス改革基本方針」に盛り込むなどし、経営改善を促す。  大学全体では一般競争入札は87.8%(事業費ベース)と導入が進 んだものの、複数年度契約は43.7%にとどまった。また、随意契約 の上限額は、86大学のうち80大学が、04年度の法人化前の100 万円より引き上げていた。なかでも東京、京都、大阪の3大学は1千万 円に上げた。上限額に満たない契約は基本的に公表対象にならないた め、内閣府は「納税者がチェックすることが困難」と指摘している。  4月8日開かれた政府の官民競争入札等監理委員会国立大学法人分科 会でも、「国立大は効率化が遅れている」「民間で当たり前のことがな ぜできないのか」などの指摘が出た。だが、文部科学省の徳永保高等教 育局長は「研究などと直結しない部分は改善を考えたい」としつつ、 「理系などでは施設管理が研究開発と一体化した面もあり、すべて競争 入札を入れるべきかは慎重な検討が必要」と反論した。  大学側からも、調査の手法や、教育・研究に過度に「市場原理」が浸 透することへの反発が漏れる。  46位の東京大は、指摘されたエレベーターの保守業務について「安 全を重視し一括随意契約を行った」などと説明。「実態を考慮せず、単 純に数値化して比較している」と反論する。随意契約上限額も「調達効 率の向上と透明性・公平性確保の考えのもとに設定した」とする。  最下位となった和歌山大の松浦功理事(財務・施設担当)は「業者数 が限られる地方では、仮に入札しても応札は1社という場合も少なくな く、逆にコストがかかることもある。そこを理解していただかないと」 と恨み節だ。職員一人あたりの学生数が国立大平均より20人以上多い ことを挙げ、「コスト削減は、人件費を含めたトータルで見てほしい」 と話す。  官民競争入札等監理委員会委員の小林麻理・早大大学院公共経営研究 科教授は「研究・教育は重要だが、管理運営で学部ごとの壁が残るな ど、法人化後の取り組みに温度差が出ているのも事実。部分的でもこう した効率化の指標が出て業務が国民の目にさらされることは意義があ る」と話す。(石川智也) "[he-forum 15329] 日本経済新聞4/26 日本経済新聞  2010/4/26 13:12 事業仕分け「水産大学校は他法人と統合検討を」 海上災害防止センターには解散促す  事業仕分け第2弾の前半戦は26日、2日目の議論に入った。農林水産省所管 の水産大学校については、大学など他法人との統合検討を促した。事故などで 流出した油を回収する「海上災害防止センター」の事業については「公益法人 などに委託」と結論づけた。事実上、独立行政法人そのものの解散を促した格 好だ。  水産大学校を巡っては「東京海洋大学と一体で運営するほうが効率的」など の意見が出た。海上災害防止センターは実際の油回収作業を民間業者が担って いることなどが問題視された。  午前はほかに、理化学研究所の大型放射光施設「SPring―8」の管理 など委託事業について「当該法人が実施して予算を縮減」と結論づけた。理研 の委託事業は文部科学省や理研のOBが在籍する会社に発注している点などが 問題視された。研究開発事業は「現状維持」としたものの、仕分け人からは 「ガバナンスの改善が必要」「他の独法と研究内容が重複している」などの指 摘が相次いだ。  パイロットを養成する航空大学校に関しては「パイロットを1人3700万円の 国費を投じて養成するのは一般の理解を得にくい」などの意見があり、「航空 会社の受益者負担を高める方向で国費の節減を図る形で縮減」と結論づけた。  2日目は都市再生機構、国立文化財機構、宇宙航空研究開発機構など14の独 立行政法人の45事業が対象になる。このうち理研、物質・材料研究機構、日本 学術振興会など6独法が研究開発を手掛ける独法。昨年の事業仕分けでも研究 資金の重複や無駄などが指摘されており、今回の仕分けでも焦点になる。  事業仕分け第2弾の前半戦は23日に始まり、28日までの4日間実施する。47 独法の151の事業を取り上げる。後半戦は5月下旬に予定しており、公益法人 の事業を対象にする。 "[he-forum 15330] 時事通信4/27 時事通信 (2010/04 /27-11:07) 余剰金の確認怠る=大学などへの補助金-長妻厚労相  長妻昭厚生労働相は27日の閣議後の記者会見で、大学などの研究機 関に交付した補助金について、余剰金の有無を確認する事後的作業を 怠っていたケースが2002~08年度の7年間に計1930件あった との自主点検結果を公表した。厚労省は今夏までに余剰額を確定して国 庫に返還する方針。返還額は3億~5億円に上る見込み。  同省は、所管公益法人に対する補助金余剰額の確定手続きを怠ってい たとして7日に会計検査院から改善を求められていた。厚労相は記者会 見で「確定手続きを放置していたと言われても仕方ない」などと述べ、 原因を調査した上で関係職員の処分も検討する考えを示した。 "[he-forum 15331] 読売新聞4/27 (2010年4月27日 読売新聞) ポスドク3分の1が35歳超…高齢化進む  博士課程修了後、任期付きの不安定な立場で研究を続ける「ポストド クター(ポスドク)」が2008年度は1万7945人(前年度比1% 増)に上り、04年度から4年連続で増えたことが、文部科学省の調査 でわかった。  34歳以下の若手が初めて減少に転じる一方、民間などへの就職が難 しくなるとされる35歳以上の「高齢ポスドク」は07年度より約7% 増えて5825人に上り、全体の3人に1人を占めた。文科省は、ポス ドクの企業実習を支援して民間就職につなげる施策などを展開している が、厳しい現状が改めて浮き彫りになった。  調査は全国の大学など1176機関を対象に行った。高齢ポスドクの 増加について、筑波大学の小林信一教授(科学技術政策)は「深刻な状 況だ。ポスドク自身が視野を広げて進路を探すとともに、大学側でもポ スドクの将来を考えた指導をすべきだ」と話す。 "[he-forum 15332] 読売新聞4/27 (2010年4月27日03時10分 読 売新聞) 東大、論文盗用厳罰化…トルコ人元助教不正で  東京大大学院工学系研究科助教だったトルコ人研究者、アニリール・ セルカン氏(37)に、経歴詐称や、工学博士の学位論文での悪質な盗 用があったとして同大が学位を取り消し、懲戒解雇相当とした問題で、 浜田純一東大学長は26日、今後審査体制を総点検して問題点を見直す ほか、論文盗用などの不祥事に対する処分の「厳罰化」を徹底すること を明らかにした。  東大によると、同大が博士号を取り消す不祥事は初めてで、浜田学長 は読売新聞の取材に対し、経歴のチェック等が簡素化されていたことを 明らかにした上で、「信じられない事態。どこに問題があったか見直し 公表する」と述べた。東大は調査委員会を設置、論文の審査に関与した 教官らに経歴確認や論文審査の状況について事情を聞いている。  元助教に関しては、博士論文の4割にデータなどの盗用があり、「米 国のイリノイ工科大、トルコのイスタンブール工科大卒業」といった経 歴も詐称だったと東大が認定した。  東大によると、元助教は、今年2月に事情を聞いた際盗用の事実を認 めたという。マネジャーだった女性は読売新聞の取材に対し、「本人は すでにトルコに帰国した。ほかはノーコメント」としている。 "[he-forum 15333] 読売新聞4/27 (2010年4月27日 読売新聞) 日大1万3700人分の情報流出…職員「ウィニー」使用  日本大学(本部・東京都千代田区)の職員らの住所録など少なくとも 約1万3700人分の個人情報が、インターネット上に流出していたこ とが27日、わかった。  データを持ち帰った同大職員が自宅のパソコンでファイル交換ソフト 「ウィニー」を使っていたことが原因という。  同大広報課によると、流出したのは職員の住所録や人事経歴簿、学内 委員会の議事録など。そのほか、学内の問題について調べた内部文書な ども流出しているとみられ、同大で調べている。学生の住所録は含まれ ていないというが、学生の名前などが記されている可能性はあるとして 確認を急いでいる。  同大では業務上のデータを外部に持ち出すことを禁じているが、デー タを持ち帰った職員が自宅のパソコンでインターネットに接続したとこ ろ、流出したという。26日、同大に「ネット上にデータが流れてい る」との情報がファクスやメールで寄せられ、発覚した。同大は調査委 員会を設置する予定で、「再発防止のために内部情報の管理に努めた い」と陳謝している。 "[he-forum 15334] 読売新聞4/27(4) 読売新聞2010年4月27日付 もんじゅでの研究、調査中心に…福大と原子力機構が連携協議会  福井大と日本原子力研究開発機構は26日、同大学文京キャンパス(福井市文京)で連携協議会を開き、今年度の活動方針について話し合った。高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市白木)での研究や調査が中心になるという。  研究や人材育成の協力関係を強めるため、2006年10月に結んだ包括的連携協力協定によるもので、協議会の開催は5回目。福田優学長や、岡崎俊雄・原子力機構理事長ら16人が出席した。  会合の冒頭で、福田学長は「もんじゅの運転再開という大きな事業を控え、連携を深めていきたい」とあいさつ。岡崎理事長は「高い信頼性を持つ高速増殖炉の開発を進めることが、我が国にとっても、国際的にも重要な課題。互いに協力し、高速増殖炉の研究開発を加速していきたい」と述べた。  その後は非公開とされ、同大学担当者によると、今年度は▽両者が共同で設置したもんじゅの専門調査班の活動を本格化し、性能試験データなどの分析を進める▽もんじゅなど原子力施設に応用できるレーザー技術の開発に取り組む――ことなどを確認したという。 "[he-forum 15335] 紀伊民報4/27 紀伊民報2010年4月27日付 「低評価続く和歌山大学」  先日、内閣府が公表した国立大学法人の運営に関する「民間開放度」調査のランキングで、和歌山大は全国86大学中、最下位だった。  ▼経営改善度を図る指標の一つとして「施設管理業務」に注目して一般競争入札の導入率を点検した結果、和歌山大は33・5%。一橋大や鳥取大などは100%、全大学の平均が87・8%、ビリから2番目の北見工業大でさえ53・1%だったから、導入率の低さは際立っている。  ▼驚いたのは、こうした事態に財務・施設担当理事がなんの危機感も持っていないこと。朝日新聞の記事を読むと「業者数が限られる地方では、仮に入札しても応札は1社ということも少なくなく、逆にコストがかかることもある」と居直っているのである。これでは、契約の効率化は進まない。税金の無駄遣いにも歯止めがかからない。  ▼和歌山大といえば、文部科学省による「研究・教育ランキング」でも、ビリから2番目だった。個々の調査については、その手法などに疑問があるかもしれないが、ここまで悪い評価が続くと、これまでの大学運営に根本的に改善すべき点があったというしかない。  ▼どこが悪かったのか、なぜ改善が進まないのか、根本から原因を究明する必要がある。もし、改革を阻害している「しがらみ」があるというなら、そこにメスを入れなければならない。  ▼ことは税金の使途である。「大学の自治」を言い訳にした退廃を見過ごすわけにはいかない。 (石) "[he-forum 15336] 毎日新聞沖縄4/27 毎日新聞沖縄版2010年4月27日付 県調査委:「専門職大学院新設を」  県内での高度な情報技術(IT)教育機関設置を検討する県の調査委員会(嘉数侑昇委員長)は26日、民間企業が運営する専門職大学院の新設が望ましいとする調査結果を仲井真弘多知事に報告した。世界中から「超A級」の講師陣を集め、最先端の技術を提供する世界水準の専門職大学院が理想とした。本年度から企業への参加呼び掛けなど実現に向けた取り組みを始める。世界的企業から研究テーマと資金を集めてトップレベルの人材を育成できる仕組みをつくり、さまざまな産業へ波及が見込めるIT人材の集積で県経済の自立・発展に寄与することを目指す。  柔軟な組織運営のため文部科学省管轄の大学ではなく、専門職大学院が有用と判断。学生は企業人や大学新卒者、官民の情報管理責任者らを想定。東アジアや環太平洋地域からも募集する。企業から研究テーマと資金が集まるような魅力づくりとして、海外先進大学との単位互換協定や研究から派生するベンチャー支援などの必要性も指摘した。  経営は民間の自立運営を目指すが、報告書には、設立時は県などの支援が必要であるとの考えも記した。  設置に向けた調査は昨年9月から実施し、国内外の企業やIT系教育機関の聞き取り調査などを行った。本年度は構想の実現に向けた具体的な調査や出資する企業集めに取り組む。(琉球新報) "[he-forum 15337] 中日新聞岐阜4/28 中日新聞岐阜版2010年4月28日付 県など3者協定締結 イノベーションセンター  県と岐阜大(岐阜市)、川崎重工業航空宇宙カンパニー(各務原市)は27日、航空機や自動車の部材などの新たな研究開発拠点「ぎふイノベーションセンター(仮称)」に、3者が中核として主体的な役割を担うことを示した基本協定を締結した。  同施設は産学官連携による県内のモノづくり発展のため、県が国の補助を受けて県機械材料研究所(関市)に新設する。炭素繊維複合素材(CFRP)といった軽量強化部材、医療機器、環境調和型セラミックスなどの共同研究を行うほか、人材育成を進め、最新機器を地域の企業や研究者にも開放していく。  締結式は県庁であり古田肇知事、岐阜大の森秀樹学長、同カンパニーの村山滋プレジデントが出席。森学長は「研究だけでなく社会や産業に役立つことを心掛ける」と抱負。村山氏は「民間機分野は成長産業でパイが大きくなる。新しい人が入るとおもしろいものができる」と展望した。  事業には3者のほか、研究機関、企業、経済団体などが賛同し、5月にも運営協議会を立ち上げ、2011年度の運営開始に向けて準備を進める。 (久下悠一郎) "[he-forum 15338] 共同通信4/28 共同通信2010年4月28日12時44分 国立大センター6事業廃止 独法仕分け最終日  政府の行政刷新会議は28日午前、独立行政法人の事業仕分け最終日となる4日目の作業で、国立大学財務・経営センターの国立大病院に対する施設費貸し付けなど計6事業を「廃止」と判定、水資源機構の事業のうちダム・用水路管理業務を「縮減」とした。  水資源機構に関しては、関係法人との随意契約など不透明な取引関係の早急な改善を要請。機構の役割を「本来の業務である利害調整機能を除いて民間に任せるべきだ」として、都道府県をまたがる河川流域の取水調整機能を残し、業務内容の見直しを求めた。  国立大経営センターに関しては、旧国立学校特別会計から財政融資資金への債務償還や、国立大学法人などの財務・経営に関する調査と研究、経営相談の各事業を廃止とした。  午前中はほかに大学評価・学位授与機構の認証評価事業などが対象。  午後は国民生活センターや製品評価技術基盤機構を対象に消費者行政分野での国と独法の役割分担を検討。大学入試センターのセンター試験や日本学生支援機構が運営する外国人留学生寄宿舎も議論する。 "[he-forum 15339] 山陽新聞4/28 山陽新聞2010年4月28日付 岡山県が岡山大に初の寄付講座 地域医療担う医師を育成  県北部を中心に医師不足が深刻化する中、県が岡山大に寄付をして5月に大学院医歯薬学総合研究科に設けられる「地域医療人材育成講座」について、県と大学は27日、講座設置の協定を締結した。地域医療を担う総合的な診療能力を備えた医師の育成に取り組む。  講座は、岡山大病院卒後臨床研修センターの片岡仁美講師(37)と、哲西町診療所(新見市)の佐藤勝所長(47)が教授を務める。同診療所を拠点にした研修医らの指導をはじめ、県北の病院の診療支援、医師確保に向けた行政や医療機関のネットワーク構築、女性医師の復職支援などに当たる。  県庁で行われた締結式では、石井正弘知事と千葉喬三学長が協定書に署名した。  県による寄付講座の開設は初めてで、1月にまとめた県地域医療再生計画に位置づけていた。設置期間は2013年度末までで、総額1億2千万円を寄付。川崎医科大(倉敷市)には救急医療に関する講座開設を目指している。 "[he-forum 15340] 朝日新聞4/28 朝日新聞 2010年4月28日13時23分 国立大学センターの6事業「廃止」 独法仕分け最終日  独立行政法人(独法)を対象にした鳩山政権の「事業仕分け」第2弾 は28日、最終日の作業に入った。文部科学省が所管する「国立大学財 務・経営センター」の国立大学への施設費貸し付け業務や調査研究など 主要な6事業について「廃止」と結論づけ、不要資産の国庫返納を求め た。  同センターは、国立大学付属病院などへの貸し付け業務について、仕 分け人から「センターがする必要があるのか」「国立大学が独自に借り 入れればいいのでは」といった指摘が相次いだ。豊田長康理事長は仕分 け後、「私どもの組織を全否定された。大変厳しい」と語った。  農林水産省が所管する「農林漁業信用基金」では、農林漁業者への低 利貸し付け業務について、政府出資金355億円のうち40億円しか利 用されていないため「廃止」、余っている積立金は「国庫返納」を決め た。  国土交通省が所管する「水資源機構」ではダムや用水路の管理業務を 巡り議論され、都道府県にまたがるダムや利水者間の調整業務は機構が 続け、それ以外の業務は自治体など「他に任せる」との結論となった。  文科省所管の「大学評価・学位授与機構」は、認証評価事業は「民間 の判断に任せる」、国立大学法人の評価は「国が決定」、学位授与事業 は「規模縮減」となった。 "[he-forum 15341] 日本経済新聞4/28 日本経済新聞 2010/4/28 12:10 国立大センター「廃止」判定 事業仕分け4日目  政府の行政刷新会議は28日、独立行政法人を対象にした「事業 仕分け」の4日目の議論に入った。国立大学財務・経営センターの国立 大や付属病院向けの貸し付けなど6事業すべてについて「廃止」の判定 を出した。同センターは事実上の解体を迫られた。水資源機構のダムや 用水路の管理業務について「利害調整を除いて民間企業に移管すべき だ」と結論づけた。  国立大センターは貸付事業を主力に、国立大の経営相談なども手掛け る。仕分けでは「国立大向け貸し付けは低リスクで民間でもできる」 「民間のコンサルティング会社を活用すればいい」など独法で実施する 必要性は小さいとの指摘が相次いだ。判定では「事業を廃止し、各国立 大に自力調達を促す」とした。  水資源機構ではダム建設という当初の役割がほぼ終わり、機構の存在 意義自体が問われた。特定の企業に発注が集中している実態も批判され た。  28日は国民生活センター、国際観光振興機構、農林漁業信用基 金など15の独法の41事業を取り上げた。本来の目的に沿っ て予算が効率的に使われているか、独法がてがける必要があるのか、余 分な資産を抱えていないかなどの視点で一つ一つの事業をチェックする。  事業仕分け第2弾の前半戦は23日に始まり、28日が最終 日。後半戦は5月下旬で公益法人の事業を取り上げる。 "[he-forum 15342] 信濃毎日新聞社説4/29 信濃毎日新聞社説2010年4月29日付 独法改革 仕分けを弾みに推進を  独立行政法人(独法)に対する行政刷新会議の事業仕分けが一段落した。  都市再生機構や理化学研究所をはじめ、47法人の151事業をまな板にのせて、必要性や効率性などを検証した。全独法のほぼ半数にあたる法人にメスを入れたことになる。  切り込み不足との批判もあるが、天下りなど独法の実態の一部を明らかにした点は評価できる。作業をスタートラインに、独法の抜本改革に向けて着実な取り組みを求めたい。  独法は、公共性は高いけれども国が直接行う必要がない分野の事業を担う。独立の法人格を与えられた機関である。中央省庁の再編に伴い2001年からスタートした。発足当時の57法人が現在は100を超える。  今回の事業仕分けのなかで、天下りの実態が国民の目にさらされた点は、重要な成果ととらえることができるだろう。  例えば、国土交通省所管の都市再生機構(UR)から関連法人側へ、300人を超える役員や一般職員が再就職していたことが分かった。URと関連企業とは巨額の随意契約が行われており、関連企業側には400億円超の剰余金も見つかっている。  URは前原誠司国交相がすでに「解体的見直し」を指示している機関である。今回の作業を弾みにどこまで抜本改革が進むのか、今後の政府の取り組みを監視していく必要がある。  科学技術振興のあり方について、厳しい指摘があったことにも注意を払いたい。  研究機関同士のテーマの重複を避ける工夫が要る、といった意見が出た。また、研究分野をどこが担うべきかなどについて、科学技術政策の抜本的な見直しが必要だとの指摘もあった。  前回の事業仕分けでは、科学技術予算の削減に科学者から批判が相次いだ。傾聴すべき面もあるが、財源は限られている。「選択と集中」のもとに適切な投資をすることが望ましい。この点が強調されたことを、科学者にも理解してもらいたいと思う。  独法は公共性の高い事業を担うだけに、効率性のみが前面に出るようでは国民の暮らしに副作用が出かねない。国や自治体が本来担うべき分野はなにか、根本的な論議を深めなければならない。  改革には天下りや無駄の削減とともに、行政改革に向けた大局的な視点が大事になる。鳩山政権の理念と政策が引き続き問われる。 "[he-forum 15343] 中国新聞社説4/29 中国新聞社説2010年4月29日付 独法の事業仕分け 抜本見直しにつなげよ  無駄の洗い出しは十分にできたのだろうか。独立行政法人(独法)を対象にした行政刷新会議の事業仕分けがきのう終わった。  公開の下での4日間にわたる審査の結果、16法人の36事業が「廃止」となり、「縮減」も50以上に及んだ。  高額の役員報酬を受け取る天下り官僚、関連法人との不透明な随意契約、民間や自治体でもやれる事業など「無駄の温床」とされてきた独法の実態を、かなりあぶり出すことができたようだ。  2010年度予算編成に絡めた昨秋の仕分け第1弾とは、やや性格が異なる面もある。ただ、仕分けという手法そのものは一定程度定着したといえるのではないか。  独法は01年の中央省庁再編に伴い、行政サービスの効率化などを目指し誕生した。毎年約3兆円の国費が投入されながら、省庁や族議員の抵抗もあってほとんど改革は進んでいなかった。  今回、必要性や運営の効率性、民間と事業が重複していないかなどについて、仕分けの俎上(そじょう)に載せたのは104法人のうち47法人の151事業である。国民はもちろん国会の監視すら届きにくかったものも多い。  賃貸住宅の供給などをしている都市再生機構(UR)は典型といえる。関連法人に317人が再就職し、そこに競争がない随意契約で725億円の事業を発注していた。関連法人側がため込んだ剰余金は407億円にも上る。所管する国土交通省さえ「問題がある」と認めざるを得なかったほどだ。あらためて怒りを覚えた国民も多いのではないか。  一方、患者から要望が強かった医薬品関連の新薬審査や副作用情報提供事業などは「拡充」とされた。削るだけではなく、手厚くすべきところを伸ばす姿勢は評価できる。  ただ、仕分けを受ける側も「学習」して、追及を巧みにかわす場面も少なからずあったようだ。仕分け人の機先を制するように自ら施設の売却方針を示した国際協力機構(JICA)などは、その最たるケースだろう。今後の進め方には工夫が求められる。  一定の成果があったとはいえ、今回はあくまで独法の事業の一部を取り上げたにすぎない。表に出てきた無駄も「氷山の一角」とみるべきだ。ある程度時間をかける覚悟で、すべての事業について仕分け作業をしなければ、国民が望むような効果も得られまい。  独法の「全廃を含む抜本的な見直し」は、昨年夏の衆院選で掲げた民主党マニフェストの柱でもある。支持率の低下に歯止めがかからない鳩山由紀夫首相にとって、今回の仕分けを7月の参院選に向けたアピール材料にしたい意図があるのは明らかだ。  政府は5月下旬に公益法人などの事業仕分けを行い、早ければ6月ごろに独法全体の見直し方針を示す考えとされる。ただ独法や省庁の抵抗は必至だ。今の鳩山政権にそれを押し切る実行力があるのかどうか、気にかかる。 "[he-forum 15344] 読売新聞栃木4/30 読売新聞栃木版2010年4月30日付 宇都宮大で初のホームカミングデー  宇都宮大学の卒業生が集まって、恩師らと交流を深める「ホームカミングデー」が29日、創立60周年を記念して初めて開かれ、県内外から約800人が参加した。宇都宮市峰町の峰キャンパス第1体育館では、午前10時から全体会が行われた。進村武男学長は「ホームカミングデーは、皆さんにお帰りなさいと言うようなもの。いつでも母校である宇都宮大学の門をたたいてほしい」とあいさつした。午後は各学部に分かれて懇親会などを行った。  約40年前に卒業したという宇都宮市の毎沢好子さん(66)は「こうした縦のつながりは毎年続けてほしい」と話した。 "[he-forum 15345] 読売新聞社説4/30 読売新聞社説2010年4月30日付 独法見直し 仕分けの効果と限界が見えた  独立行政法人の事業の縮減などでは一定の成果があったが、切り込み不足も目立った。事業仕分けという手法の限界とも言えよう。  104独法のうち、47法人の151事業を対象とする4日間の事業仕分けが終了した。  都市再生機構(UR)の賃貸住宅事業については、高齢者・低所得者向け住宅は自治体や国に移管する一方、高級住宅は民間に売却し、全体の事業規模を縮減するよう求めた。  鉄道建設・運輸施設整備支援機構が抱える約1兆3500億円もの利益剰余金は、国庫に返納すべきだと判定した。  こうした事業の縮減や剰余金の返納は、独法や所管府省に任せていてはなかなか実現しない。外部の第三者の視点で、無駄を省き、見直しを図ることが大切だ。  一方で、廃止と判定されたのは国立大学財務・経営センターによる大学付属病院整備費の融資事業など、一部にとどまった。政府の財政支出を大幅に削減する効果は望めそうにない。  忘れてならないのは、民主党が昨年の衆院選の政権公約で、独法の「全廃を含めた抜本的見直し」を掲げていたことだ。今回の作業の実態から、大きくかけ離れている。いかに政権公約がいいかげんだったかを物語るものだ。  そもそも、予算が数千億円から数百万円の事業まで、規模の大小を問わず、1テーマについて一律で、しかもわずか1時間足らずの議論で、その存廃の結論を出すという手法自体に無理がある。  URや住宅金融支援機構など大型の独法の見直しは本来、その法人だけに十分な時間をかけ、多角的に議論してもおかしくない。  無駄な事業はやめる。民間や自治体に任せられる事業は任せる。その方向性は間違っていない。だが、「政権交代」を錦の御旗に、あらゆる反論に聞く耳を持たず、仕分け人の判定が絶対正しいという姿勢では理解を得られない。  重要なのは、今回の作業を最終結論とするのでなく、今後も、政府の行政刷新会議がきちんと事後点検する仕組みを整え、継続して独法改革に取り組むことだ。  例えば、URの賃貸住宅事業を民間や自治体に移管するのなら、11兆円にも上る債務をどう処理するのかという問題と一体で結論を出すことが必要だろう。  所管府省任せにすれば、官僚が巻き返し、今回の判定結果を骨抜きにする恐れがある。そうした事態は避けるべきだ。 "[he-forum 15346] 読売新聞三重4/30 読売新聞三重版2010年4月30日付 カーボン・オフセット 三重大が導入へ 学生、教職員の家庭と取引 CO2の削減3.2%見込み  大学内の温室効果ガスを削減するため、三重大(津市)は、学内で排出する二酸化炭素(CO2)と、学生や教職員らの家庭でのCO2削減量を相殺する「カーボン・オフセット」の取り組みを始める。家庭のCO2削減量に対してエコポイントを与える替わりに学内の削減量とする。環境省によると、CO2削減量の取引は企業間が一般的で、家庭の削減量を取引するのは珍しい試みという。同大では今秋から試験的に始め、来年4月から導入するプリペイド(前払い)方式の電子マネー対応の学生証、教職員証のIC化に合わせて本格的に取り組む。(青山丈彦)  同大では、省エネルギー法に基づき、毎年、CO2削減に取り組み、さらなる削減に向けて昨年11月、教授やガス会社、スーパーの関係者らでつくる省エネルギー計画検討委員会を発足。2020年度までの中長期計画を策定した。  計画では、学内の節電や最新の省エネ設備の導入などで、2020年度には、1990年度に比べて30%削減する方針で、その一環として「カーボン・オフセット」の導入を盛り込んだ。卒業生や地域住民にも協力を求めることにしており、エコポイントは学内の生協やコンビニエンスストアに加え、学外のスーパーで利用できないか検討中だ。  エコポイントの換算額などの詳細はこれから具体的に決めるが、例えば、学生らが自宅で節電などに取り組み、電気やガス、水道料金の明細書を基に、前年より減少したことが確認されれば、削減量に応じてエコポイントを付与する。  学生や卒業生らの半数にあたる約6000人が協力すると想定した場合、削減目標(30%)の1割にあたる3・2%の削減が見込まれる。CO21キロ・グラムあたり、学生2円、卒業生1円と換算すると、エコポイント費用は年間約400万円で、大学が全額負担する。  一方、IC化する学生証には、エコポイント機能も加えて利便性を高める。また、電子マネーはイオンの「WAON(ワオン)」の学生証では初の対応が検討されている。  世界一の環境先進大学を目指す内田淳正学長は「学生に対して環境教育を実践できる。さらに、三重大を拠点にCO2削減の取り組みが地域に浸透すれば、環境問題に対する学生や住民の意識改革にもつながる」としている。 "[he-forum 15347] 長崎新聞4/30 長崎新聞2010年4月30日付 長崎大学病院、未収金2億円 対策に預かり金を徴収  長崎大学病院(長崎市坂本1丁目、河野茂病院長)で、診察を受けた患者が支払っていない治療費など未収金の累積額が約2億円に上ることが29日までに分かった。病院は4月から、時間外診療(土、日曜日や平日夜間)の際に預かり金5千円を徴収するなど対策を強化している。  病院によると、未収金は2008年度分までの累積で4541件約1億9280万円(昨年10月末現在)。このうち入院は1527件1億7100万円、外来は3014件2180万円だった。100万円以上の高額未収金は23件で、400万円以上も2件あった。04年度以降は毎年約2千万円が回収できていない。  支払わないままの無断帰宅や「持ち合わせがない」と支払いを拒むケースが多いという。クレジットカードによる分割払いの導入や債権回収業者への委託も始めたが、有効な解決策は見いだせていない。低所得者層の増加も背景に考えられるが、病院事務部は「払えるのに払わない人も多数いる」と分析。一方で「支払ってもらえない可能性が高いと分かっても医療行為を拒めない」としている。  診療報酬を計算できる職員がいない時間外診療は、債務確認書を書いてもらうものの支払いは後日のため、未収金が増える要因の一つだった。5月初旬からは10日以上の入院患者から10万円を預かる。ただ公費負担(被爆者健康手帳所持者、生活保護受給者など)や高額療養費制度の適用者は除くため、入院患者に預かり金を求めるのは1日数件程度の見込み。  河野病院長は「公立病院にも共通する課題」とした上で「大学病院や公立病院は地域住民に安心して医療を受けてもらう最終的な受け皿だ。一人一人は微々たる額でも、まとまると相当な額になる。患者の権利は極めて大切だが、義務もあると理解してもらいたい」と話している。 "[he-forum 15348] 佐賀新聞4/29 佐賀新聞2010年4月29日付 動作分析に最新機器 佐大付属病院、関節診療に活用  佐賀大学医学部付属病院が、人間の動作全般を精密測定する最新鋭システムを導入した。歩行や運動が困難な患者らの動きをデジタル撮影して立体映像で再現。解析したデータを診療やリハビリ、関節疾患などの手術後の回復チェックに生かし、人工関節の改良にもつなげる。  整備したのは「総合移動能力分析システム」。メーン装置は、頭や肩、手足に装着したマーカーを14台の特殊なカメラで読み取り、歩く姿などを骨格の立体映像で解析する「モーション・キャプチャー」。動きのたどたどしさやスムーズさを誤差1ミリ以下で再現、比較でき、長さ10メートルにわたって床に設置した圧力計で足の付き方も計測する。  これまでは長さ3メートルの歩行解析装置を使っていたが、10メートルに延ばすことで、歩き出しから一定の速度で歩いて止まるまで、普段の生活に近い状態が正確に再現できる。筋力や関節機能が衰えた高齢者や関節症患者らに、より的確な診療が可能になる。  システムは、付属病院再整備構想の一環で先行導入した。筋力を調べる機器や、階段や段差での動きを分析する装置を含め、中央診療棟1階の一室(約80平方メートル)に設置し、総事業費は1億円超。研究や教育目的に限定せず、この規模の施設を大学病院が設置したのは全国で初めてという。  付属病院の整形外科は、人工股(こ)関節で国内最多の手術数を誇る。データは、無理なく正座もできる人工関節や、ロボット工学を取り入れた次世代型の移動支援システムの開発にも活用。脳の活性度を調べる装置と組み合わせて、脳挫傷や脳卒中で損なわれた運動機能を改善する治療法などの研究も始める予定で、関係者は「患者の寝たきり防止や生活の質の向上につなげたい」としている。 "[he-forum 15349] 信濃毎日新聞4/30 信濃毎日新聞2010年4月30日付 信大経営大学院が講義の動画配信  信大経営大学院(長野市)はインターネットを利用して学ぶ「イー・ラーニング」システムの一環で、講義の動画を学生に配信する試みを29日までに始めた。社会人大学院のため、学生が仕事などの都合で欠席する場合も多いことから、余裕のある時間帯に受講できる環境を整え、学習を促す。  配信を始めたのは、基本科目の経営組織論。講義を録画し、翌日にも信大のイー・ラーニングシステム「eALPS」のサイトに掲載する。学生は、自宅や会社のパソコンから接続して閲覧できる。 "[he-forum 15350] 日本経済新聞社説4/29 日本経済新聞社説2010年4月29日付 仕分けで浮き彫り 司令塔なき科学政策  行政刷新会議は、研究開発にかかわる独立行政法人を対象に事業仕分けを実施し、ムダな業務や不透明な事業委託契約を洗い出した。  科学技術は経済成長の源泉である。技術や科学の発展には、国の予算を効率よく使うことが大切だ。  研究開発のための独法はいま38ある。仕分けでは、重複している研究をまとめ、無駄な仕事をやめるなど、広い視野で科学技術政策の効率性を問うことが求められたはずだ。今回はとても手が届かなかった。  政府は科学技術の戦略を決める司令塔を持っていない。ここに最大の問題がある。限りある予算を独法にどう配分し、何に使うのか。戦略も選択基準もないので、事業内容の見直しにはなかなか踏み込めない。皮肉にもそれをあらわにしたのが、今回の仕分けともいえる。  仕分け人は、宇宙航空研究開発機構の広報施設をはじめ効果が疑わしい業務をあぶり出した。独法側も公用車廃止など、お金の使い方をあらかじめ自己点検して臨んだ。  事業仕分けが、独法の運営に健全な緊張感を生んだのはよいことだ。しかし、肝心な作業は、研究の中身の吟味なのではないか。  独法が取り組む研究開発が国の成長戦略の観点から妥当なのか。複数の独法が同じ任務を負い、力が分散していないか。独法のあり方を抜本的に見直すべきなのに、その点では見るべき成果が上がらなかった。  前回は、次世代スーパーコンピューター予算に切り込み、科学技術軽視と世論の批判を受けた。今回はひるみがあるのか、最初から中身の議論を避けていたようにみえる。  研究開発にかかわる独法は、文部科学省や経済産業省などの傘下にある。各省の政策目的に従って、ロケットや新素材の研究をしたり、大学や企業に研究資金を配ったりする。  政策を束ねるのは内閣府の総合科学技術会議であり、その議長は首相だ。長期戦略を決め優先順位付けをする。そんな仕組みだが、現実には各省の利害調整の場になっている。財務省は予算要求前に科学事業を事前査定するのに利用してきた。  この会議には役所の縦割りを変える力はない。官僚の天下り先のお手盛り予算を監視する機能もない。民主党は会議の改組・強化を口にするが、実現していない。  国全体の研究費に占める政府予算の割合では日本は約17%と、米国やドイツ(ともに約28%)より小さい。財政危機のなか、予算には制約がある以上、効果的に使うべきだ。司令塔づくりこそが急務である。 "[he-forum 15351] 《市場化テスト導入阻止情報》No.11 《市場化テスト導入阻止情報》No.11=2010年5月1日 原口総務相提案の公務員人事管理制度は市場化テスト導入と密接にリンク? ― 原口総務相記者会見(4月27日)の紹介 ― 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 独立行政法人を主な対象とした事業仕分け第2弾が終了した.この中では, 天下り禁止が大々的に喧伝されている.一方で民主党は国家公務員総人件費 の2割削減をマニフェストに掲げており,鳩山首相は,新規採用半減方針を 打ち出した.また,全体的な公務員制度の検討も進められている.原口総務 相は4月27日の閣議後の記者会見で,公務員の人事管理制度について新たな 提案を行った. それによると,採用区分などを元に以下の4グループに区分し,それぞれに 応じた抑制案と抑制率を考えるとしている. 1.地方出先機関等に属するグループ(航空管制官など専門職を除く) 2.本省において企画・立案にかかわるグループ 3.専門職種でその専門的な知識をいかして行政サービスを提供するグルー プ 4.再任用職員や官民の人事交流の受け皿となる任期付職員などのグループ 最後の任期付職員のグループについては,今まであまり言及されていない. 2006年に施行された改正高齢者雇用安定法や今回の天下り禁止への対応など に加え,官民の人事交流や近年の多様な雇用形態に応じたものと考えられる .待遇の悪化につながることが懸念される. また,「官を開く」が制度改革のキーワードに掲げられていることから見て も,1の地方出先機関に属するグループや3の専門職種グループについては 大きな抑制率が設定され,官民競争入札等監理委員会で進めている市場化テ スト導入とリンクしていくもの思われる. 以下が,総務省のHPに掲載されている原口総務相の記者会見の関連部分と質 疑応答である. ********************* 原口総務相4/27会見 http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/28757.html (前略) それから、先ほど閣僚懇談会で、私の方から、人事管理の制度について、お 話をさせていただきました。非常に厳しい財政状況の中で、組織の活力を維 持し、そして、出先機関については原則廃止ということを言っていますから 、その出先機関の権限仕分け、5月の中旬に行いますが、そういったことを 受けて、抜本的な改革を行う。収入が減っているのだったら、新規採用を去 年と同じようにやるという前政権と同じようなことを私たちはしません。一 方で、あっせんによる天下り、これを全面禁止しています。勧奨退職につい ても、あっせんによるものはもう全部禁止。そういう中で、平成21年度と比 べて、地方出先機関等の新規採用については、原則2割以内に抑制すること といたします。その他の新規採用についても、真に必要な国家機能は確保し つつ、厳しい抑制を行うということに、方針を出させていただきました。 そこで、国家公務員の試験の採用区分を基に、大きく四つのグループに分類 し、それぞれのグループに応じた抑制案を作成したいと考えております。一 つは、地方出先機関等に属するグループ。ただ、この中でも例外があります 。例えば、航空管制官。これは学校を持っています。そうやって、学校で学 んでいる専門職の方々、これは例外です。また、本省において企画・立案に かかわるグループ。先ほど申しましたけれども、専門職種でその専門的な知 識をいかして行政サービスを提供するグループ。再任用職員や官民の人事交 流の受け皿となる任期付職員などのグループ。この四つに分類して、それぞ れの抑制率を定め、一般職の国家公務員の全体の平成23年度の新規採用者数 を、平成21年度の新規採用者数と比べて、おおむね半減させるということを 目標として、今後調整を進めてまいりたいと考えております。 また、退職管理方針についても、今日、閣僚懇談会で、私の方から申し上げ ました。退職管理に関する制度の重要課題は、天下りあっせんを根絶する。 そして、定年まで勤続できる環境を整備するとともに、公務員人件費の抑制 を進めることにあります。 他方、公務員の意識そのもの、この意識を改革し、公務組織の活力を確保す る。これもとても重要です。このため、国家公務員法に基づく退職管理基本 方針において、一、天下りのあっせんの根絶を図るため、再就職あっせん禁 止等の規制遵守、再就職に係る情報公開の推進など任命権者がとるべき措置 。二、「官を開く」という基本認識の下、職員が公務部門で培ってきた専門 的な知識経験を民間等で活用する、正にリボルビング・ドアですね、他分野 での勤務を経験することにより公務員の意識改革を進め、変化の激しい多様 な行政ニーズへの公務員の対応能力、これを高める。公務員の中で完結して いたのでは、これは国民視点の公共サービスはできません。積極的な交流を 行い、行政ニーズへの対応能力を高めたい。官民の人事交流等の拡充を図る ための措置等を定める必要があり、本方針につきましても、関係大臣と協議 を行い、近く原案を取りまとめることとしております。 今日、閣僚懇談会で、以上について各大臣に御報告をするとともに、総理か らも強力に推進するように御指示を賜りましたけれども、各方針の閣議決定 に向け、格段の御協力をお願いしたところでございます。 (後略) *関連する質疑* 人事管理制度 問:  共同通信の藤田です。人員管理の関係で二つお伺いします。一つは、 閣僚懇談会で総理からの、強力に進めよという言葉があったということです が、もう少し具体的にかぎ括弧を頂ければと思います。 答:  これはですね、四大臣会合、枝野行政刷新担当、それから、仙谷国 家戦略担当、平野官房長 官と私で議論をして、原案をまとめたものでございます。官を開きなさい、 官を開き、国を開く制度改革の推進についてということで、これは単に天下 りあっせんの根絶に伴う当面の定員管理ではないのだと。来年度に新規採用 した職員が、今後長期間勤務することになる。政府組織が、20年後、30年後 、どんな機能や役割を果たすのか。定員の過半というか、30万人のうち20万 人は地方ですね。その統廃合をいかに進めるかといった視点も含めて、将来 に責任のある改革を進める必要がある。正に原則出先機関を廃止と言いなが ら、去年と同じ採用をしているというのは、これはあり得ない話ですね。私 を中心に、各大臣が協力して、今年度の方針と中長期的な方針を総合的に検 討して、積極的な取組を行うようにということで、強い御指示がございまし た。また、官を開くという観点から、地域主権の断行や縦割りの弊害の打破 の視点に立って、今年の夏以降、抜本的な行政組織の見直しが必要であるこ と。これはもう既に、施政方針演説で総理が明らかにされておられますけれ ども、それにも増して重要なことは、官民を超えて、社会から有為の人材を 登用する。開かれた国家公務員制度、このために汗をかけという御指示でご ざいました。以上です。 問:  今、るるおっしゃったことは、総理の指示ということでよろしいで すか。 答:  そうです。 問:  官を開く。 答:  はい。 問:  もう1点。ちょっと細かいのですが、いわゆるキャリア官僚、例年 600人採用してございますけれども、こちらについての扱いはどうされるの でしょうか。 答:  これは、I種、II種、III種、それから、出先。先ほど四つの分類を 申し上げました。そこに一定の重み付けを付けています。すなわち、中央省 庁において企画・政策を行う、遂行する、そのグループの削減率。あるいは 、先ほど申し上げましたように、出先において、これ権限仕分けをすると申 し上げましたけれども、そこでの採用率。また、事業が減っているところが あります。事業が減っているのに、人は同じということはあり得ません。そ ういったところで、一定の数字を出しているところでございます。固まりま したら、更に詳細に皆様に御報告をいたします。 (後略) ********************* "[he-forum 15352] 四国新聞5/2 四国新聞2010年5月2日付 患者図書室、今夏オープン/香川大医学部  自分の病気を知るのに役立てて―。香川大医学部(香川県三木町池戸)は今夏のオープンに向け、付属病院に医療専門書を集めた患者図書室の整備を進めている。患者に病名や治療法などの理解を促した上で、治療に臨んでもらうのが狙い。NPO法人「医療の質に関する研究会」(東京)から蔵書や本棚、ソファなどの備品のほか、運営ノウハウの無償提供を受ける。国立大学の付属病院が、同法人からの寄付で患者図書室を整備するのは初めて。  整備場所は、病棟地下1階に入っていた売店の一部跡地約60平方メートル。壁のクロスや床の張り替えなどのリフォーム後に、ブラウン系で統一した応接間をイメージした落ち着きのある雰囲気とする。  図書室の名称は「オリーブの郷―みんなの医療情報AからZまで―」。同法人から寄付を受ける専門書約700冊を蔵書とし、ソファを置いたリラックスコーナー、パソコンがある閲覧コーナー、看護師資格を持つ相談員のいる相談コーナーなどを設ける。  そのほか、利用者を支援するスタッフ1人が常駐し、図書室の管理を行う。オープンは今年8月上旬の予定。同大医学部は「医師にも患者図書室の蔵書の内容を把握してもらい、患者に勧めてもらう。医師と患者が同じ認識を持って病気やけがに立ち向かっていくことで、医療の質の向上につながれば」としている。 "[he-forum 15353] 北海道新聞4/29 北海道新聞2010年4月29日付 留萌市立病院 羽幌の患者遠隔診察 旭医大も協力 専用回線で3者結ぶ 【留萌、羽幌】医療過疎地の病院を専用回線でつなぐ「遠隔医療システム」を使った診察が28日、留萌市と50キロ離れた留萌管内羽幌町の病院を結んで行われた。遠隔医療に先進的に取り組む旭川医大がサポートし、順調に進んだ。  患者は心筋梗塞(こうそく)が回復し、月に1度道立羽幌病院で診察を受ける町内の自営業西田博美さん(61)。回線を通じ、3月まで主治医だった留萌市立病院循環器科の高橋文彦医師が診察した。  画面にはエックス線画像や心電図までくっきり映り、患者との会話もスムーズに進んだ。高橋医師は「対面するのと変わらず診察できた」と語り、西田さんは「画面越しで慣れないけど、主治医だった先生の顔を見られるのは安心感がある」と話した。  システム構築を進めてきた旭医大遠隔医療センターの守屋潔・特任教授が高橋医師の隣で見守った。守屋教授は「専門医が少ない羽幌を地域の拠点病院の留萌が支え、専門分野では旭川の協力も仰ぐことができる。互いに連携し合えるシステムができた点で意義深い」と手応えを語った。  両病院と旭医大の3者間では今後、救急部門でもこのシステムを活用していく。治療に一刻を争う脳卒中患者に対しても迅速な対応が可能になる。同大は「システムが順調に稼働すれば、遠方に出向いている患者の6割が地元病院で診察を続けられる」と見込む。  道は3月末に約7千万円かけて旭医大を拠点に道内12医療機関をつなぐシステムを整備。うち離島も抱え、医師不足が深刻な羽幌病院を診察地に選んだ。 "[he-forum 15354] 河北新報社説5/3 河北新報社説2010年5月3日付 大学新卒採用/勉学に配慮した仕組みに    大学の新学期の講義が本格化しても、4年生と、大学院修士課程の2年生が出席するゼミや講義は様相が異なるという。  原因は就職活動である。街でもリクルートスーツに身を包んだ学生の姿を見掛けるが、入社試験やら面接に追いまくられ、大学どころではないという学生が多い。結果として、大学の運営に大きな影響が出ている。  就職難に立ち向かう学生は必死だ。弱い立場の学生が、学業をおろそかにせざるを得ないような選考過程を企業側が作り出してはいないだろうか。新卒の採用時期を再考すべき時にきてはいないか。  仙台市内の国立大学のある教員は、就職活動に配慮して、4月、5月は学生を集めてのゼミを開かないことにしていると話していた。新学期になって学生がそろうのは6月のゼミ合宿が最初になるという。  4年生と言えば、卒業論文に取り組む学生が多いが、その教員は卒論はすべて個別指導している。教える側の負担も大きいとはいえ、そうした対応を取らないと、学生の就職率は下がってしまう。少子化時代、大学の評判を落としては学生募集にも悪影響を与えることになる。  2年間で論文を書き上げなければならない大学院修士課程の学生になると、状況はもっと悲惨だ。就職活動も研究活動も中途半端になりかねない。せっかく、大学院に進んだというのに、就職も研究も妥協せざるを得ないようなことも珍しくない。  採用が厳しさを増すにつれ、学生側の就職活動は長期化し、3年の後半から、半年は普通で、長いケースでは1年以上にも及ぶ。その間、勉学を犠牲にするのだから、本末転倒である。  企業側にとっても、大学できちんと学び、深い知識を身に付けた学生を採用できるチャンスを自らつぶしていることになる。社会的に大きな損失だ。  就職活動の長期化は学生に大きな経済的負担も強いている。今や一人の学生が数十社も採用試験を受けるケースは当たり前になっている。Uターン就職するため古里に戻ったり、逆に、採用試験のため首都圏に向かったりする交通費は、相当の金額になる。節約のため、深夜高速バスには就職活動中の学生がたくさん乗っている。肉体的な負担も大きい。  現状はあまりに企業側が優位に立っている。学生、大学の負担に企業はもっと目を向け、採用の時期や方法を含め、きちんとしたルールを作るべきだ。採用試験を夏休みや春休みにするなど配慮すべきではないか。  資源小国の発展を支えてきたのが人材であることは疑いようがない。社会全体として、人材輩出を支えてきた大学教育、学生に配慮した新卒採用の仕組みに改めていく必要がある。 "[he-forum 15355] 京都新聞4/30 京都新聞2010年4月30日付 地域発展へ人材育成 京に文化政策大学院大申請  京都の研究者が中心になって、地域発展のための文化を創造・実践する人材を育てる通信制大学院大学「文化政策大学院大」の設置を文部科学省にこのほど申請した。来春に京都市下京区の旧成徳中を拠点に開学する計画で、学長に就任予定の池上惇京都大名誉教授は「世代を問わず、全国から人を求めたい」と話している。  大学院大は、特色ある地域の文化資源を経済発展に生かす「文化経済学・文化政策学」の実践を目指して、池上さんが構想した。福原義春資生堂名誉会長と植木浩元文化庁長官が設立の発起人に連なった。2008年に設置を申請したが、施設面などで不認可となった。京都市教育委員会と地元住民の協力で旧成徳中の校舎を拠点にすることになり、あらためて申請した。  修士課程で、1学年は25人。地域とともに発展する創造的経営を目指す企業人、地域の公共活動を担う市民や公務員などを対象とする。通信教育と京都での演習を通じて各地の実例を学び、それぞれの地元で自らの仕事や生活を通じて、まちづくりの実践を進める。  西島安則元京大総長や上田正昭京大名誉教授をはじめ、上田篤京都精華大名誉教授、小説家・詩人の辻井喬さんたちも客員教員として協力する。盛和塾(稲盛和夫塾長)と連携し、次世代の企業家や職人の育成も図る。  池上さんは「大学院大で学んだ人がそれぞれの地域で塾を開き、ネットワークをつくりながら活動が広がるようにしたい」と話している。詳細は池上さんのブログ(http://kotoba.ruskincollege.org/)で。 "[he-forum 15356] 朝日新聞5/3 朝日新聞2010年5月3日付 国立大予算方針 東大が異議 総長「見通し示されぬ」  東京大学の浜田純一総長が、同大のホームページに掲載している「第二期中期目標期間の開始に当たって」とする談話が波紋を広げている。国の国立大学法人予算の方針に、「大きな不安に直面」「見通しが示されない」「中期計画の実行を危うくする」「国立大学法人制度の本旨に沿うものではない」など厳しい言葉が並んでいるからだ。  浜田総長の談話は4月7日にアップされた。  2004年度に始まった国立大学法人は、6年ごとに教育や研究、業務運営の中期計画・中期目標とその資金の裏づけになる予算書もつくり、大学から文部科学省に申請し、文部科学相の認可を受ける。  日常的な運営資金は、国からの「運営費交付金」に大きく依存しているが、全体の支給額は年々減り、04年度の1兆2400億円から10年度1兆1600億円になった。10年度の配分方法は、86の大学のうち、東大など12校がマイナス1.8%、30校が同1.4%、44校が同1.0%となっている。  浜田総長の「異議申し立て」の発端になったのは、3月17日付で文科省が、各大学の中期目標計画担当者に出した事務連絡。10年度から6年間の中期計画の予算書をつくる際、10年度の運営費交付金のマイナス比率を、毎年あてはめて計算するように指示する内容だった。  国の予算は単年度主義だが、国立大の中期計画はそれができない。このため、文科省からの連絡が届いた当日、浜田総長は本部で財務担当理事らと協議。もし10年度の対前年度比マイナス1.8%が6年間続くと、国立大学で最も予算規模が大きい東大は累積で180億円という額が減ることを確認した。実行されると、職員数や国際活動の展開、施設の維持管理など大きな打撃を受ける。  一方で、事務連絡には、今回は暫定的な措置であることが明記されていた。浜田総長は国立大学協会の会長でもあり、京大のほか、複数の学長と意見交換。その結果、東大の姿勢として中期計画には、文科省が指示するマイナス分と、意図して独自の増減ゼロの「2種類の予算書」を提出した。二つの予算書案に同調した大学は15校にのぼった。最終的に中期計画は文科省が指示したマイナスの予算で認可された。文科省によると、中期計画を見積もる際は、便宜上、10年度予算編成時と同様の考え方で試算するという。  国立大学の法人化は、大学の自立性を高め、教育や研究を活発化するという狙いだった。  しかし、運営費交付金は減り、財政的な裏打ちには、どの大学も苦慮している。こうした中、予算書作成の過程で起きた「ささやかな抵抗」。国立大学全体にまでは広がらなかったが、ある国立大幹部は「抵抗の姿勢を示したことに意味がある」。ホームページの談話について浜田総長は「今後への問題提起として、国にくぎを刺したものになったと思う」と話している。(編集委員・山上浩二郎) 《2種類の予算書を提出した15大学》 ●マイナス1.8% 東京、東北、名古屋、京都、大阪、九州 ●マイナス1.4% 北海道、山形、滋賀医科、神戸 ●マイナス1.0% 東京芸術、愛知教育、滋賀、政策研究大学院、総合研究大学院 "[he-forum 15357] 朝日新聞5/3(2) 朝日新聞2010年5月3日付 国立大病院長委が仕分け巡り声明  事業仕分け第2弾で「国立大学財務・経営センター」の貸し付け事業などが「廃止」の判定をされたことを受け、国立大学付属病院長会議常置委員会が、「国の医療政策の中心を担う国立大の財政の本質を議論してほしい」と訴える緊急声明を発表した。  センターは、2004年度に国立大学が法人化した後、病院の施設整備や医療機器の資金調達などを代行してきた。声明では、施設整備に財政投融資資金を活用した借り入れの維持▽債務の大幅な軽減などを求めた。常置委員長の河野陽一・千葉大医学部付属病院長は「効率化という仕分けの趣旨は分かるが、国立大の付属病院は不採算部分も担ってきた。高度医療・地域医療の最後の砦(とりで)をどう支えるのか、よりよいシステムを作る方向で議論したい」と話した。 "[he-forum 15358] 毎日新聞5/4 毎日新聞2010年5月4日付 事業仕分け:第2弾 研究開発独立法人、改革めぐり混乱 効率化重視を懸念  ◇現場は「多様性を」  行政刷新会議の事業仕分け第2弾(4月23~28日)では、研究開発を担う14の独立行政法人が対象となり、効率化の観点から厳しい判定が相次いだ。独法改革は「政治主導」を掲げる現政権の旗印の一つだが、研究開発独法にその手法がなじむかは異論があり、別に研究開発独法改革を話し合っている総合科学技術会議との不協和音も表面化。改革の行方は不透明だ。【西川拓、山田大輔】  ■「政治主導」に反発  仕分け最終日でもあった28日。研究開発独法のあり方を協議してきた総合科学技術会議の作業部会に一通の文書が提出された。提出者は鈴木寛・副文部科学相。鈴木氏は各府省の副大臣、政務官でチームを作り、独自に研究開発独法の改革案をまとめた。  案は、新たに国立研究開発機関(仮称)を設立し、現存する複数の研究開発独法を再編することを示唆。トップダウン型の運営で研究の成果を最大化できる--とした。  作業部会メンバーからは異論が相次いだ。岸輝雄・東京大名誉教授は「いきなり改革案がよそから出された。研究開発独法改革は大学の研究所も含めて考えないと意味がない。今ある独法を中途半端にくっつけたりするだけでは、日本の衰退は目に見えている」と批判した。26日の仕分けでは、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)が「研究が他法人と重複しており、管理部門の効率化が必要」として、他法人との統合を示唆されている。  研究開発独法をめぐっては、枝野幸男行政刷新担当相が10日、「多くても10ぐらいに整理できる」と講演で語り、川端達夫科学技術担当相が「仕分けもされてないのにいかがか」と苦言を呈したいきさつがある。枝野氏が描く手法も明らかではないが、こうした政治主導のやり方には、研究現場から懸念の声が上がっている。  仕分け前の視察を受け入れた理化学研究所の野依良治理事長は「重要な分野ほどあちこちで研究する」と、研究の多様性の意義を強調した。仕分けを受けて自然科学系の26学会が28日に開いたシンポジウムでも「研究は予測不能な面があり、集中して資金を投下しても成果が出るとは限らない」「多様性こそが重要だ」という意見が大勢を占めた。  ■司令塔の改組遅れ  本来、日本の研究開発のあり方を示す役割は、国の総合科学技術会議にある。しかし同会議も「機能不全」が言われてきた。  研究開発独法の仕分けが集中した26日。複数の独法が同じテーマを研究していることが繰り返し指摘され、批判の矛先は個々の法人ではなく同会議に向かった。  「総合科学技術会議は、各独法が決めたテーマを追認しているだけ」「どの独法が何を研究しているのか全体を把握していない」。首相が議長、主要閣僚が議員を務める重要政策会議に仕分け人が公然と批判を加える異例の事態だった。  同会議は「科学技術政策の司令塔」と呼ばれる半面、自前の調査予算を持たず、省庁への権限も弱い。民主党は昨年公表した政策集で同会議を「科学技術戦略本部(仮称)」に改組し、権限を強化するとうたった。  菅直人財務相は30日、東京都内で講演し「科学技術の予算配分について(概算要求の)前に打ち出してもらい、それを参考に予算を組みたい」と、同会議の機能強化への期待をにじませた。同会議の有識者議員を束ねる相澤益男・元東京工業大学長は「(活動に)制約はあるが、できるだけのことをやっている」と弁明する。だが、その成果は見えづらい。  川端科学技術担当相は「科学技術政策の展開には戦略、資金、配分、実行の4機能が必要で、同会議は戦略を担う。(同会議を現在の内閣府ではなく)組織論としては国家戦略局に置くべきだと思うが、まだそこまで煮詰まった議論になっていない」と、改革の遅れを認める。 "[he-forum 15359] しんぶん赤旗5/1 しんぶん赤旗2010年5月1日付 事業仕分け第2弾を検証 ムダ残し暮らし削る  公共サービスを担う独立行政法人に実施された政府の「事業仕分け第2弾」。ムダ遣いをなくすと称して、47法人の148事業を対象に、28日に終わった仕分けを検証すると―。(深山直人) 住宅・医療 拡充必要なのに  昨年の「仕分け」では、民間企業並みの「採算性」だけで決めるやり方が批判されましたが、今回もそれが繰り返されました。  都市再生機構の賃貸住宅(76万戸)もその一つ。国土交通省は、10年間で5万戸削減を表明する一方で高齢者対策や建て替え対策は民間にできないと説明しました。しかし、仕分け人は「住宅供給の役割は終わった」「建て直すと、住んでいる人と住んでいない人で不公平感がある」などと主張。「高齢者・低所得者向け住宅は自治体または国へ、市場家賃部分は民間に移行」と分割・民営化を打ち出しました。住宅困窮者が広がるなかで家賃値上げや管理、建て替えが影響を受けます。  民間ではできない不採算医療を担っている国立病院、労災病院に対しても「交付金なし・自己完結で」(枝野幸男行政刷新相)と要求。「利用率が低い病床は削減を」「公的病院と統廃合を」など事業縮減や統廃合を求めました。国立病院機構は職員の非公務員化を表明。病院の統廃合とともに、チーム医療を壊す人件費削減や労働強化が危ぐされます。  町工場の集合化や共同店舗化などに低利融資を行う中小企業の高度化事業や、価格下落を補てんする野菜価格安定対策事業も、「実績が少ない」「民業を圧迫」として廃止や縮減を打ち出しました。  実績が少ないのは対象者が狭いなど制度に問題があり、廃止ではなく改善が必要なのに結局、“廃止先にありき”の姿勢で切り捨てました。 研究・文化 切り捨てに矛盾  理化学研究所など研究開発系法人が多数、対象になりました。前回は研究内容に介入して予算削減を迫り、世論の批判をあびました。仕分け人は「われわれも研究を重視している」と釈明から開始。研究内容には踏み込まず、昨年、「1番じゃないとだめなんですか」と理化学研究所を批判した蓮舫参院議員は同研究所の仕分けには加わりませんでした。  しかし、「研究テーマが重複している」「ほかの法人と一緒になれば支障が出るのか」など統廃合を前提とした質問を集中。人員体制や設備などの縮減などを求めました。  国立科学博物館、国立美術館などは初めて対象になりました。  「自己収入を拡大せよ」と迫る仕分け人に対し、法人から「運営費交付金が削減され、購入したい美術品が買えない」「日本人の作品が海外に流出する」など厳しい声が噴出。欧米と比べてもお粗末な実態が浮き彫りになりました。それでも仕分け人は「ブライダル(結婚式)とレストランで収益増を」などと求め、「運営費交付金は増やさず、自己収入の拡大で事業拡充を」とする無責任な結論を押し付けました。 高速道… 巨額のムダ放置  一方で大きなムダ遣いは放置されたままです。無駄な高速道路の債務保証などを行う高速道路保有・債務返済機構には、2010年度予算で4006億円と独法で最大の国費が投入されていますが、最初から対象外。1809億円もの国費が投入されている日本原子力研究開発機構では、破たんが明白な高速増殖炉「もんじゅ」も対象外とされました。  理工学や化学など自然科学系の26学会は28日、事業仕分けに異議を唱える共同声明を発表しました。「中・長期的展望を論ずることなく、財政運営の一側面からの効率性、短期的収益・成果のみで研究機関の予算、事業の仕分けを行うべきでない」と指摘。GDP(国内総生産)比1%以上の研究費確保や女性・若手研究者支援の拡充などを求めています。 国費削減わずか0.5%  公開の場で事業の是非を決める政府の「事業仕分け」第2弾でどれだけ財源をつくりだせたのか―。  対象とされた148事業には、国費約1・1兆円(2009年度当初予算ベース)が投入されています。このうち「事業廃止」とされた36事業に投入されている国費は約52億円。国費全体のわずか0・5%程度です。  このほかに、旧国鉄職員の年金関係で1・3兆円程度の「埋蔵金」の国庫返納の可能性が浮上しました。これは1回限りで恒常的な財源にはなりません。剰余金があれば20兆円の旧国鉄債務の返済に回すべきです。民主党がマニフェストで掲げた事業仕分けなどで「年間9兆円」の財源を生み出すという目標に遠く及ばないことに変わりはありません。  枝野幸男担当相は「金額が問題ではない。組織改革だ」と仕分け前から予防線を張っていましたが、凍結を含めて4200億円余にのぼった前回以上に「看板倒れ」となりました。  独立行政法人はもともと国の機関だったのが「行革」で切り離されたり、事業実施機関だった特殊法人が再編されたものです。民主党は一部法人のムダ遣いなどを理由に「全廃を含めて見直す」と主張してきました。  仕分けのなかで、都市再生機構(UR)から関連会社役員に121人が再就職し、随意契約が5割にのぼるなど不透明な実態が明らかになり、入札制度の見直しなどが行われることになりました。  独立行政法人のなかには、自民党政治のもとで政官業癒着がつくられ、ムダ遣いや天下りが横行している法人があり、ここにメスを入れるのは当然です。  しかし、国会で審議されている公務員制度改定法案で鳩山内閣は、省庁による天下りの「組織的あっせん」を禁止するだけ。天下りそのものを規制することには背をむけています。しかも防衛省についてはその緩い規制からも除外しています。 -------------------------------------------------------------------------------- 事業仕分けの結果(抜すい) ◇都市再生機構 賃貸住宅=高齢・低所得者向け以外は民間移行 ◇国立病院機構 診療事業=縮減 ◇労働者健康福祉機構 労災病院の設置・運営=縮減 ◇福祉医療機構 年金担保貸付=廃止 ◇労働政策研究・研修機構 職業情報の研究開発など=廃止 ◇住宅金融支援機構 住宅資金貸付=廃止 ◇理化学研究所 先端的融合研究=研究実施体制の抜本見直し ◇国立大学財務・経営センター 国立大学病院などの施設費貸付事業など=廃止 ◇国立美術館、国立博物館 収集・保管など=自己収入拡大 ◇大学入試センター センター試験=コスト縮減 ◇国民生活センター 相談、商品テストなど=消費者庁との役割分担のあり方など整理 ◇農畜産業振興機構 野菜関係業務=縮減 ◇中小企業基盤整備機構 高度化事業など=縮減 ◇水資源機構 ダムなどの管理=機構の業務としない "[he-forum 15360] 中日新聞5/5 中日新聞2010年5月5日付 大学初、地中に図書館 名大キャンパス基本計画  名古屋大は、将来に向けたキャンパス整備の指針となる「キャンパスマスタープラン(基本計画)2010」をまとめた。全国の大学で初の試みとなる付属図書館の地中化や、野依良治、益川敏英両特別教授らのノーベル賞受賞を記念する「ノーベル賞通り(仮称)」創設などが盛り込まれている。  図書館の地中化は、30年後の長期ビジョンとして計画。現在は名古屋市千種区の東山キャンパスに立つ図書館を同所地下に新設する。地上を学生の集まる緑の広場にするとともに、地下鉄駅から地下通路で入館できるよう利便性を高める。  ノーベル賞通りは、本年度末の完成を目指し、すでに工事が進む。ノーベル賞受賞者の研究室が入る研究棟わきの300メートルの通路を愛知県の木「ハナノキ」の並木道にする。マスタープランにはこのほか、建物の高層化を進め、増えた空き地に樹木を植えて緑化を推進する構想も記されている。  名大は「環境配慮」や「グローバル&グローカル」などのキャッチフレーズを掲げ、2年前から基本計画の作成を進めてきた。基本目標や長期ビジョン、中期計画などで構成されており、6年後の2016年に見直す。 "[he-forum 15361] 朝日新聞5/3 朝日新聞 2010年5月3日 奨学金の返済額、10年は半額OK 学生支援機構が新制度  大学生の約3割に奨学金を貸している独立行政法人「日本学生支援機 構」が、経済的な理由で返還が難しくなった人に対して、10年間の 月々の返済額を2分の1にできる新制度を年内に創設することを決め た。これまで失業や低賃金などで返済に困った場合、期限を先送りする 猶予制度しかなかったが、少額でも返せるようになる。  対象になるのは、収入の目安が300万円以下で、経済的な理由で返 済が難しい人。ただし、延滞している人には適用されない。機構には、 これまで失業や経済的に困窮した人には、1年ごとに最長5年間、返済 の猶予制度があった。ただ、「返済額全額は難しいが、少しずつなら返 せる」という声も多かった。  機構は2004年に設立され、無利息の「第1種」と利息付きの「第 2種」の奨学金を貸している。08年度の新規貸与者は40万人で、第 1種は11万人、第2種は29万人。大学生の3人に1人が利用してい るという。奨学金は卒業後に返還するのが原則だが、返還状況は芳しく ない。08年度は3558億円が返還予定だったが、未返還は2割の7 23億円にのぼる。3カ月以上滞っている人も年々増えて20万人に なった。  機構が08年暮れに行った延滞に関する調査では、6カ月以上延滞し ている人(回答6517人、回答率6%)の場合、年収300万円未満 が85%を占めていた。職業は、アルバイト36%、正社員31%、無 職17%、主婦9%の順だった。延滞の理由(二つまで回答)は「本人 の低所得」40%、「親の経済困難」36%など、経済的な理由が並ん だ。  機構は「返還金は次世代の奨学金の原資になる。返還意欲のある人に は少しずつでも返してほしい」と利用を呼びかける。 "[he-forum 15362] 朝日新聞(新潟)5/6 朝日新聞(新潟版) 2010年5月6日 「平和」講義取り組む新潟大、学生サークルは… 存続危機も、下級生 引き継ぐ   3日は憲法記念日――。平和や人権問題など憲法にまつわる問題は、 ふだんの生活の中ではどうも縁遠い。新潟大学では平和について考える 講義をずっと続けており、講義をきっかけに学生による平和サークルも 生まれた。とはいえ、今どきの学生の間では「平和」を声高に語るのは 流行(はや)らないようで、サークルは存続の危機。そんな中、何とか サークルを維持しようと踏ん張る新入生や、ニューヨークで3日から始 まる核不拡散条約(NPT)再検討会議に参加する学生も出てきた。  新潟大では1994年から、「平和」をキーワードに国際活動の現場 で活躍する人や、核開発の技術の専門家など多彩な分野からゲストを招 き、それぞれの視点からの平和について説く「平和を考える」を開講し ている。  講義が生まれた背景には、大学の教職員らの苦い体験があった。  ●教職員が「宣言」  第2次世界大戦では、核や武器の開発のために大学などの研究機関が 手を貸した。同じ歴史を繰り返さないようにと、同大は88年、当時の 教職員の過半数以上が賛同し、研究成果を戦争や軍隊に転用させない 「非核平和宣言」を名古屋大や山梨大など他大学とともに定めた。そん な思いを「学生にも理解し、共有してもらおう」と、講義は始まった。 全学部の学生が受講でき、年間1コマだった講義も、現在では3コマに まで増えた。それぞれ150人の定員に対し、200~300人の受講 希望があるという。  講義の発起人のひとりで理学部の赤井純治教授は「若者は、心の底で は平和問題について関心を持っている。ところが、学生同士の日常の会 話の中では、お笑いやファッションなどの話が中心で、まじめな話は 『ダサい』と敬遠される。授業をきっかけに、少しずつでいいから、平 和に対してさらに深く考え、行動できる学生が出てくれば……」と期待 を寄せる。  ●受講生立ち上げ  そんな講義をきっかけに生まれたのが、平和サークル「平和を考える 新大999」。約10人の受講生が04年、講義内容を掘り下げたり、 平和に向けたイベントを開催したりしようと、自主的に立ち上げた。集 うのは、文系も理系も関係なく、平和に対する熱い思いを持った学生た ちだ。これまでに400人規模の講演会や、広島での原水爆禁止世界大 会への参加、学内での署名活動などを行ってきた。  ところが昨年、メンバーが全員4年生以上になった。存続の危機に直 面したが、ちょうどその頃、講義を受けていた新入生らが、別のグルー プで勉強会を始めた。そのひとりが現在の代表で法学部2年の久力奏音 (くりきかなね)さん(19)だ。  久力さんは昨秋、赤井教授からサークルについて紹介された。はじめ は「荷が重い」と入会をためらったが、平和への関心がまさった。久力 さんは「実際に一緒に動いてくれる人が少なく、心が折れそうになった こともある」と振り返る。  しかし、「サークル活動を通じて多くの人に出会い、勇気をもらっ た。核や戦争は遠い存在だと思っている人たちとの温度差を少しずつ、 埋めていきたい」と目を輝かせる。  細々とではあるが、確実に、平和に対する熱意は受け継がれている。 (高岡佐也子)  ◆法学部の佐藤さん、渡米してアピール行動参加 米できょうからN PT再検討会議  「戦争になったら、僕は戦地には行きたくないな」  小学生のころ、漠然と考えていたことを思い出す。新潟大法学部2年 の佐藤博亮(ひろあき)さん(19)は、気が付けば勉強やアルバイト ばかりの大学生活を送っていた。ところが、「平和を考える」講義を受 けていたある日。そんな日常を変えるきっかけが訪れた。  講義を主宰する赤井教授が昨年暮れ、ニューヨークで5月にある「核 不拡散条約(NPT)再検討会議」に参加する学生を募った。佐藤さん のまぶたの奥に、高校2年で行った広島への修学旅行の体験がよみが えった。原爆ドームの無残な姿、日本軍の補給隊員だった男性被爆者の 体験談……。「そこへ行けば変われるかもしれない」と、気付けば手を 挙げていた。  ニューヨークでは、世界中から核廃絶に向けて集まる人らとともに、 アピール行動に参加する。学内の平和サークルのメンバーと一緒に作っ た、折り鶴でできた絵も持って日本を飛び立った。  「核問題のもとに世界中から集まる人たちの熱気を感じてきたい。世 界で唯一の被爆国の人間としてできる限りのアピールをしたい」 "[he-forum 15363] 朝日新聞山口5/7 朝日新聞山口版2010年5月7日付 研究費は税金 思い出せ/山大 ◆山大不正経理で啓発事業   研究費の不正経理問題が発覚した山口大で6日、教職員を対象にした啓発事業が始まった。初回のこの日は、工学部のある常盤キャンパス(宇部市)をメーン会場に、不正経理の経緯や理由、再発防止の取り組みについて説明会を行った。大学の責任者は、研究費が税金であることを改めて思い出すよう呼びかけた。   説明会では丸本卓哉学長が、一連の問題で大学の信頼を損なったと述べた上で、「国の税金を基本とする研究費を不正に使用しないことは基本的なこと」と強調。大学再生を誓い、備品購入時のチェック体制の強化など再発防止策について報告した。   財務施設担当の瀧口治副学長は一連の不祥事について、広島国税局や学内調査の経過を説明。研究費が税金を原資にしている自覚が足りないケースもみられるとし、「自分の勝手にできるという意識が若干あるのではと感じた」と述べた。研究費や物品購入は、取引業者に任せきりにせず、事務職員とコミュニケーションを十分とる必要性も説いていた。   啓発事業は今回を含め、研修やシンポジウムなどあわせて5回行う。一連の問題では、延べ40人余りの教員が関与した疑いがあり、大学は内部調査を6月末までに終えて、結果を公表するとしている。 "[he-forum 15364] 陸奥新報5/7 陸奥新報2010年5月7日付 優れた診療医師に称号授与 弘大病院が新制度  弘前大学医学部附属病院(花田勝美病院長)は、診療において優れた技術、能力を持つ教員、医員に対し「診療教授」「診療准教授」「診療講師」の称号を与える制度を新設し6日、称号を得た34人に同病院外来診療棟で辞令を交付した。同病院は、新制度の導入で教員らの臨床能力を評価するとともに、「実力のある医師に診察してほしい」という患者の希望に応えることができると期待している。  同病院によると、全国に42ある国立大学病院のうち、これまで18大学で類似した制度が導入されているが、東北では初めて。学会の認定医、専門医、指導医の資格を持ちながらも、ポスト不足によって弘前大学医学部医学研究科の教授職などに就けない優れた教員、医員を評価する狙いもある。  同病院と弘前大学医学部医学研究科に所属する教員、医員は約330人。今回は臨床経験年数などの厳しい条件を満たし、医学研究科教授の推薦を経て同病院科長会で選考された34人が診療教授などの称号を得た。1日付で、任期は3年となる。  6日の辞令交付式で花田病院長は「制度を活用され、これからの診療、教育に従事してもらいたい。今後の社会貢献を心から期待している」と診療教授らを激励した。  また、花田病院長は取材に対し「今は臨床が重視されている時代。いろんな診療科の先生が自分のモチベーションを上げながら診療に従事できるような制度。患者さんも自身も安心できると思う」と話した。 "[he-forum 15365] 山形新聞5/5 山形新聞2010年5月5日付 OBや企業関係者が足跡振り返る 山大工学部の創立100周年式典・米沢  山形大工学部の創立100周年記念式典が4日、米沢市市民文化会館で行われ、関係者が1世紀にわたる研究教育の足跡を振り返るとともに、今後も社会に有為な学術研究機関として存立し続ける決意を新たにした。  1910(明治43)年に前身の米沢高等工業学校として開校し、教育・研究活動を開始。以降、3万9000人余の卒業生、修了生を社会に輩出してきた。繊維産業の基盤を支える研究に始まり、今では、環境・エネルギー問題を解決に導く技術として注目度が高まる有機エレクトロニクス関連の研究で世界最先端を行く。  式典には同窓生や教職員OB、企業関係者ら約800人が出席。大場好弘学部長は式辞で「卒業生に対する社会での高い評価が100年間の最大の実績である」とし、有機EL研究の世界拠点として存在感を高めている現状を踏まえて「人々を幸せにする技術の実用化に向けて研究に取り組む。地域発展に貢献し、今まで支援していただいた方々への恩返しとなる新たな100年にしたい」と述べた。  式典終了後は、米沢高等工業学校で人造絹糸を開発した秦逸三が後に創業した帝人の大八木成男社長、自身が同工学部OBである大山正征ユアテック社長がそれぞれ記念講演を行った。 "[he-forum 15366] 東京新聞5/7 東京新聞 2010年5月7日 13時50分 教員免許更新制1年 もう見直し 先見えず大学苦慮  教員免許更新制が始まって一年。更新に必要な講習を開く大学が減っ ている。昨年度に大幅な定員割れとなった上、政権交代で制度の見直し が打ち出されたことが影響した。先の見えない状況に、大学側も翻弄 (ほんろう)されている。  (中沢佳子)  「制度の先行きが不透明。開講は見合わせる」。法政大の担当者が明 言する。同大は昨年度の募集要項で、千代田区という都心の立地を前面 に押し出し、「交通至便」と通いやすさをアピールした。最新の教育事 情を学ぶ「必修」で百五人を募集したが、集まったのはわずか二十一人。  「立地がいいので受講者が集まると思った。でも東京では講習数が多 く、結局ガラガラだった」と担当者は語る。今後については「制度の見 通しがついた時点で、また判断する」と消極的だ。  文部科学省によると四月現在、講習を実施する大学や法人は、前年同 期より百二十七減の三百二十九で、早稲田大、中央大など有名私立も中 止を決めた。全体の定員もほぼ半減した。  背景には大幅な定員割れがある。同省の昨年五月のまとめでは、定員 に対する申込者は必修が六割、教科別に指導法などを学ぶ「選択」も四 割にとどまった。  都市部で講習が供給過剰だったことや、様子見をする教員などが原 因。そこへ政権交代が起き、制度の見直し表明が拍車をかけた。  定員を五千人から千人に減らした東京学芸大。講習は受講生が払う受 講料で運営するが、昨年度は約千二百人しか集まらず、千六百万円の赤 字が出た。横浜国立大でも一時期は約二千万円の赤字が予測され、本年 度は定員を千百六十人に絞り、希望が多い八月に集中して開く対応策を 打ち出した。  一方で、予約が集中している講習もある。筑波大は本年度の募集人員 を昨年度より二百人減らして千人にしたところ、募集から一カ月もたた ずに八割埋まり、急きょ定員を増やす方向に。  担当者は「講習をやめる大学が増え、申込者が流れてきたのではない か」とみる。先行きがあいまいな制度に左右された形で「文科省は早く 方針をはっきりさせてほしい」とため息をついた。 <教員免許更新制> 安倍政権が「教育再生」の一環として打ち出し、 2009年度に開始。幼稚園から高校までの教員の免許を原則10年ご との更新にする制度。区切りは35歳、45歳、55歳で、指定された 期限までの2年間で、「教育政策の動向」「学校と危機管理」など最近 の教育状況を学ぶ必修と、「微生物と環境」「伝統的な楽器を弾く」な ど教科別に学ぶ選択で、計30時間の受講を義務付けている。 (東京新聞) "[he-forum 15367] 毎日新聞奈良5/8 毎日新聞奈良版2010年5月8日付 奈良先端科学技術大学院大:86国立大で、業務評価が全国No.1--生駒  生駒市高山町にある奈良先端科学技術大学院大が全国86国立大でトップの業務実績評価を受け、同市は「国立大法人評価 全国No.1 奈良先端大」と書いた横断幕(縦1・5メートル、横15メートル)を市役所北側庁舎に掲げた。市は「市内にある大学の優れた教育力・研究力を広く知ってもらいたい」としている。  同大学などによると、国立大は04年度に法人化され、各大学は09年度まで6年間の第1期中期目標・中期計画を策定した。今年度からの次期中期計画期間の運営交付金算定に反映させるため、文部科学省の評価委員会が07年度までの4年間について、目標の達成状況について評価。奈良先端大は業務運営の目標達成度や研究水準などが評価され、トップになった。【熊谷仁志】 "[he-forum 15368] 陸奥新報5/9 陸奥新報2010年5月9日付 教育内容に66%「満足」/弘大・卒業生アンケート  弘前大学教育・学生委員会が卒業生を対象に行った教育に関するアンケート結果がまとまった。今後の大学への要望では、資格修得などのための深い専門知識を求める声が多かった一方、教育内容や学生生活などについての満足度は全体的に高かった。神田健策副学長は「大学教育では学生の質の保証が求められている。大学は専門学校ではないが、資格をどう取らせるかということは今後の重要な課題」とした。  同委員会は、卒業生対象の調査と弘大生を採用した全国の企業などを対象にした二つのアンケートを行っている。2005年から2年に1回実施し、今回で3回目。アンケートは実際に教育改善に取り入れており、過去の調査結果から浮き彫りになった外国語(英語など)の能力アップを図ろうと、今年度から外国語の必修単位を2単位から4単位に増やしている。  今回の卒業生対象のアンケートでは、在学時の教育内容の満足度、学生生活の評価、大学の教育、支援への要望などについて調査。06年9月から09年3月までの卒業生約4000人にアンケート用紙を送付し、886人から回答を得た。  教育内容全体の満足度では、5段階評価の上位である「満足している」「どちらかといえば満足している」と回答したのが全体の66・4%。学習や研究にかかわる施設、設備、備品に関する質問や就職活動への支援に関する項目でも「満足・どちらかといえば満足」との回答が半数以上を占めた。  弘大の教育や学生支援についての要望(複数回答可)では、今後どの分野の教育充実が望ましいか―の問いでは「深い専門的学力」が516人、卒業後に再び同大で学ぶとしたらどのような機会か―の問いでは「資格など修得のための特定の技術的・専門的知識を学ぶ機会」が487人と最も多く、資格修得などのための深い専門知識を求める声が多かった。  アンケート結果について、神田副学長は「学生にとっては就職などで資格が強みになっている部分があり、高い数値が出たのでは」と分析。満足度が高く、教育効果があったことに関しては、「大学が一生懸命取り組んでいることが表れた」とする一方、「不十分との指摘も一定数あり、改善方法を考えていきたい」と述べた。 "[he-forum 15369] 大分合同新聞5/8 大分合同新聞2010年5月8日付 ドクターカー 大分大付属病院が導入  大分大学医学部付属病院(由布市挾間町)は4月から、医師らが重症患者の元に駆け付けて早期診断、治療をすることができる救急車「ドクターカー」の運用を始めた。消防の救急車が病院に到着するのを待って処置するのではなく、医師らをいち早く派遣し、車内に装備された機器を使って医療行為に取りかかれるのが大きなメリットで、救命率アップにつながると期待されている。  同病院では従来も、消防などから要請があれば医師が消防の救急車に同乗して患者の元に向かったり、搬送途中の救急車と落ち合って治療に当たっていた。ただ、救急車が病院に迎えに来る時間がロスとなる上、救急車が出払っていたり、迎えに来る人員の余裕がない場合は出動できず、患者が病院に到着するのを待つしかなかった。  自前のドクターカーを導入したことで、こうした制約なしに医師を派遣できるようになった。車内には除細動器や人工呼吸器、心電図モニターなどを備え、治療しやすいよう、ストレッチャーは左右に動かせるよう工夫した。  ビデオカメラ2台も搭載し、患者の状態や心電図の状況などを病院へリアルタイムに伝えるシステムを導入。このシステムを配備したドクターカーは県内初で、病院で待機するスタッフとやりとりしながら治療できる。2台のうち1台は取り外しが可能で、災害などの現場を実況中継できる。  消防や医師、県知事からの要請を受け、医師や看護師ら数人のチームが24時間態勢で出動する。病院の運転手がいない夜間などは医師が運転することもあるという。  6日までに7件の出動があり、脳卒中や低酸素脳症などの患者に対応した。  同病院救命救急センターの石井圭亮診療教授(44)は「一分一秒を争う患者は、いかに迅速に診断、治療できるかが救命、社会復帰への鍵。“病院前救護”を充実させていきたい」と話している。 大分市、救急救命士の研修で協定  ドクターカーは、大分市消防局の救急救命士の研修にも活用される。7日は大分大学挾間キャンパスで研修に関する協定の調印式があり、古林秀則病院長と佐藤日出美消防局長が協定書にサインを交わした。  同消防局には救急救命士が56人おり、救急救命士の資格を取った直後の教育実習や、その後の再教育の一環でドクターカー研修を取り入れる。第1弾は今春に資格を取ったばかりの2人が10日から交代で7日間、実習。医師らと一緒にドクターカーに乗り込む。  同消防局は「多くの症例に携わることができ、職員の資質向上につながる」。同病院も「救急医療は消防機関と医療機関の“顔の見える関係”が大事。研修が触れ合う機会になれば」としている。 "[he-forum 15370] 山梨日日新聞5/9 山梨日日新聞2010年5月9日付 法人化のメリット 大学づくりに活用 県立大がフォーラム  県立大は8日、公立大学法人化を記念したフォーラム「YPU SUMMIT Spring」を甲府・飯田キャンパスで開いた。  伊藤洋学長と横内正明知事が、「地域における大学の力~県民の期待にどう応えるか~」と題して議論。卒業生の進路状況などについて意見を交わした。  同大によると、2009年度卒業生の県内での就職率は3学部の平均が45・5%。伊藤学長は「今後は受け入れる企業や医療機関などの環境も整えてもらい、地域全体の底上げが必要」と指摘した。  地域に貢献する人材育成に加え、県として大学に期待することについて横内知事は「産学官連携によって山梨の産業などが抱える課題を積極的に解決していく役を担ってほしい」などと要望。伊藤学長は「法人化によって自由裁量の幅が大きく広がった。メリットを生かした大学づくりをしていきたい」と話した。 "[he-forum 15371] 中日新聞石川5/8 中日新聞石川版2010年5月8日付 金大 ベトナム事務所開設 運営協力 三谷産業と覚書締結  金沢大の中村信一学長と三谷産業(金沢市)の饗庭達也社長は七日、同市角間町の同大で、ベトナムのハノイとホーチミンにある同大事務所の運営に関して覚書を交わした。  覚書では、事務所を同社の駐在員事務所内に設置することや、設備の使用料を無償とすることなどを取り決めた。ハノイでは二〇〇八年八月、ホーチミンでは一〇年四月から事務所を開設し、現地の学生に対し、留学の案内や各種手続きの窓口業務、入試会場の提供などを行っている。  同社はベトナムに五つの子会社を展開し、国内事情に詳しいため、同大が協力を依頼した。同大は中国やロシアなど海外十八カ所に事務所を設け、五年後に七百人、十年後に千二百人の留学生受け入れを目指している。   (山本真士) "[he-forum 15372] 北國新聞5/8 北國新聞2010年5月8日付 留学生人脈で海外支援 北國銀と北陸先端大が包括連携  北國銀行と北陸先端科技大学院大は7日、幅広く協力し合う「包括的連携協力協定」を交わした。北國銀行は、取引先の海外ビジネスの支援に先端大の留学生人脈を活用。先端大は同行の支店網を通じて情報発信し、学生獲得につなげたい考えだ。  同日、金沢市の金沢国際ホテルで調印式を行い、安宅建樹頭取と片山卓也学長が覚書を締結した。片山学長は「北國銀行のネットワークを生かし、良い学生を集め、研究情報などを社会に発信していきたい」とあいさつ。安宅頭取は「先端大には中国やベトナムなど母国に戻って活躍している留学生がたくさんいる。人脈を生かして取引先企業の商機拡大につなげたい」と述べた。  先端大によると、現学生約930人のうち留学生は230人。中国出身者が100人、ベトナム出身者が60人を占める。同大は今年10月で創立20年を迎え、留学生OBには各国政府などで活躍する人材が多いという。  式後、安宅頭取は「取引先が海外進出する際、先端大の留学生OBから現地の情報を得たり、アドバイスを受ける人材を紹介してもらうことを考えている。地域企業と海外ビジネスを結びつける役目を銀行が果たし、地域産業を活性化させたい」と意欲を示した。  北國銀行と先端大は連絡協議会を定期開催し、情報交換や人材交流など連携事業の内容を協議していく。北國銀行は行員向けの中国語教育の講師として留学生を招くことや、先端大で寄付講座を行うことなどを検討。先端大は同行の各支店などに大学案内を設置し、学生の確保や大学の情報発信に役立てる。 "[he-forum 15373] 朝日新聞福島5/10 朝日新聞福島版2010年5月10日付 旬に聞く:福島大副学長:清水 修二さん ●「知の連合」で地域に貢献  県内には16の大学、短大、高専がある。これらが連携して人材育成などに取り組む「アカデミア・コンソーシアムふくしま」が本格始動した。少子化が進み「大学全入時代」を迎える中、コンソーシアムではなにを目指すのか。代表校・福島大の清水修二副学長に聞いた。(井上亮)  ――アカデミア・コンソーシアムとは何ですか  「高等教育機関などが連携した『知の連合体』です。それぞれが持っている知的資源をお互いに活用し、また地域で様々な事業を展開していきます」  ――「ふくしま」ではどのような取り組みをするのですか  「教育・研究・地域の連携を進め、学術的な面から地域貢献を目指します。福島だけではありませんが、地方自治体や経済団体が会員として参加していることが特徴だと言えます」  ――これまでも県高等教育協議会で大学などが連携していましたが、何が違うのですか  「協議会の具体的な事業は単位互換くらいで実績も多くありませんでした。これからは『事業体』として活動します。例えば、高校と大学が連携して、ミスマッチにならないような進学指導をする事業があります。6月には、地元の大学に進学することの利点や卒業後に考えられる就職先などをまとめた冊子を県内の高校1年生、約2万人に配る予定です。また、県内の地域課題、企業の課題に応えられるようなシンクタンク機能を発達させて、それを事業として展開する中で財政基盤も確立させたいと考えています」  ――「ふくしま」を設立することになった背景はなんですか  「直接的には2009年度に文部科学省の『大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム』に採択されたのがきっかけですが、大学全入時代を迎え、学生の学力問題が深刻に問われているなか、高等教育機関にとっては『連携』が死活的な課題になりつつあります」  ――県外に進学する高校生が多いようです  「県内の18歳人口に対する進学者数の割合(08年度)は20.5%。これは高等教育機関の収容人員を表すのですが全国で下から2番目です。つまり、収容能力がそもそも低いのです。そのうえ首都圏の吸引力が強く、県内の高校生の進学先で一番多いのは東京というのが現実。県内の大学などで小さなパイを取り合うのではなく、全体として進学者を増やすという発想が重要です」  ――「ふくしま」は学生の東京への流出を止めるという意味もあるのですね  「地元の大学に行けば地元で就職する確率が高くなるので、いい人材の育成・確保につながります。県の経済界にとってもいいことです。単に大学などの経営のためではなく、県内に優秀な人材が定着するために効果を発揮できると思います」  ◇しみず しゅうじ:1948年、東京都台東区生まれ。京都大学大学院を修了後、福島大経済学部の助教授に就任。経済学部長などを経て2008年から理事・副学長(学務担当)。「ふくしま」では企画運営委員会委員長。 "[he-forum 15374] 共同通信5/8 共同通信2010年5月8日16時53分 iPS研究の拠点オープン 京大、山中氏ら臨床応用へ  京都大は8日、京都市左京区に新設した「iPS細胞研究所」の開所式を行った。あらゆる組織や臓器の細胞になることができるとされる新型万能細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥教授が初代所長に就任。臨床や創薬への早期応用を目指す。  研究所は地上5階、地下1階。研究者同士の交流を活発にするため、実験室は壁で仕切らず、広々とした「オープンラボ」を採用した。  動物実験施設や細胞を作製、培養するための専用施設「細胞調整施設」を備えたほか、1階のギャラリーは一般に開放。来所者は、展示パネルや書籍を読むなどして、iPS細胞研究について学ぶことができる。  山中教授は「単なる基礎研究ではなく、この技術を患者さんの元へ届けるのが目標。10年間で創薬、そして再生医療への応用を実現させたい」と抱負を語った。 "[he-forum 15375] 読売新聞5/10 読売新聞2010年5月10日付 高知工科大が奨学金…今年度から月10万円、入学金と授業料免除  高知工科大(高知県香美市土佐山田町)は今年度から、新入生を対象に、入学金と授業料を全額免除し、月額10万円の奨学金を支給する特待生制度を創設した。私立から公立大学法人となった今年度、授業料は半額となったが、より学ぶ意欲のある優秀な学生を確保するのが狙い。国公立大による奨学金の給付は全国的に珍しく、四国では初めて。  特待生への応募要件は、大学入試センター試験で、志願する学群・学部の前期日程入試(A方式)の配点の8割以上を得点すること。定員は毎年度5人で、出願時に申請を受け付け、面接で選考する。システム工学群にこの春入学した県外出身の女子学生1人が、特待生第1号となった。  特待生制度が適用されると、入学金30万円(県内の学生は15万円)、年間授業料53万5800円が全額免除され、月額10万円の奨学金を支給。2年生以降も所定の単位数を取得し、成績を維持すれば、授業料免除と奨学金支給が継続される。  同大学入試部は「優秀な学生に県内にとどまってもらいたい、というのが一番の目的。来年は県出身者からも特待生が出てほしい」としている。 "[he-forum 15376] 読売新聞5/11 東大博士「任期付き雇用」3割 学位取得7年後調査  東京大学で理学博士号を取得して7年後の30歳代半ばになっても、 2割が任期付きの不安定な立場で研究する「博士研究員(ポスドク)」 を続けていることが、同大学の調査でわかった。  任期付きの教員も含めると3割が終身職に就いていない。  2002年度から08年度の博士号取得者1182人の09年末時点 での勤務先を調べた。08年度の博士号取得者ではポスドクが50%を 占め、企業・公務員は25%、大学・研究所の終身職は5%だけだった。  博士号取得後、年数がたつほどポスドクから大学・研究所の終身職へ の転身が増え、02年度の博士号取得者では終身職が30%に上った。 だが、ポスドクも24%と依然として多く、任期付き教員も9%いた。 (2010年5月11日 読売新聞) "[he-forum 15377] 読売新聞5/11(2) ひきこもり学生を救え…各校が相談室設置 対人関係などで深刻化  大学生のひきこもりや不登校の問題が深刻化している。人間関係を築 くのが苦手な学生や、学力不足の学生が増えていることなどが背景にあ るようだ。  こうした学生を支援しようと、各大学は専門相談機関や自助グループ を設け、対策に乗り出している。  大阪府内の短期大学に通っていた女子学生は、半年間、自宅にひきこ もった。教室の雰囲気になじめなかったことや勉強の負担、家庭内の問 題などからだった。  通学中から時々、顔を出していた保健室の職員とは、ひきこもった後 もメールで連絡を取り合った。心配になった職員らが自宅を訪れ、関係 がこじれていた親と話をしてくれた。その後、保健室を居場所として登 校を再開。「ここがなければ、学校を辞めていたと思う」と振り返った。  この短大では、けがや病気でないのに、保健室で過ごす学生が増え、 学校側も相談に乗っている。  「単位が取れているか不安だ」「就活がうまくいかない」。和歌山大 学の「メンタルサポート室」にも、さまざまな悩みを抱えた学生らが やって来る。同室を運営する保健管理センター所長で、同大教授の宮西 照夫さんによると、留学などの理由がなく、3か月以上不登校になって いるのは、大学院生を含む約4700人のうち、年間約100人。  原因は対人関係のトラブル、進路や就職への不安など。講義の履修登 録の仕方を周囲に尋ねられないまま欠席がちになり、ひきこもった例も あった。宮西さんは「5月はこうした傾向が出始める時期。1回の欠席 でもつまずきの要因になる」と警戒感を募らす。  背景に、人間関係を築くのが苦手となるなど学生の変化があるよう だ。少子化に伴う大学全入時代の影響を指摘する専門家もいる。学力不 足で講義について行けず、勉学への意欲が減退する例もある。  こうした状況を受け、各大学は対策に乗り出している。  和歌山大学の「メンタルサポート室」では、ひきこもりなどに悩む学 生の支援のため、精神科医や臨床心理士ら専門スタッフが応対する。ま た、ひきこもり経験のある学生たちが自助グループを作り、受講手続き を手伝ったり、一緒に外出したりしている。交流を深めるうちに復学し た学生も多い。2年半の休学後、メンバーに加わった4年生の男性(2 4)は「自らの経験を生かし、手助けしたい」と言う。  東京大学は2008年4月、学生相談ネットワーク本部を設置して支 援体制を強化。総合的窓口「なんでも相談コーナー」には、「友人の様 子がおかしい」「子どもと連絡が取れない」などの相談が寄せられてい る。同本部企画室長で、同大特任教授の亀口憲治さんは「挫折の経験が 少なく、まじめで素直な学生が多い。成長する過程を支える大学の役割 は大きい」と話す。  東北大学は、学生相談所内の一室を「居場所」として活用。「不登校 状態の学生に学内に居場所があるというメッセージを伝えることが大 切」と担当者。  「社会的ひきこもり」などの著書がある精神科医の斎藤環さんは「ひ きこもりの平均年齢は年々上がっている。働かず、ほとんど納税しない 人が増えれば、社会的な負担は大きくなる。もう大学生なのだからと切 り捨てるのではなく、社会全体の問題として取り組むべきだ」と話す。 全大学で1%、2万8000人…専門機関に早期相談を  ひきこもり状態にある大学生の実態を把握するのは難しいが、調査も 進んでいる。  厚生労働省の研究班が今年2月、東京で開いたシンポジウムでは、ひ きこもり状態の大学生は全国で推計2万8000人、100人に1人の 割合という結果が報告された。  調査は2008年末、全国の大学教員4037人にアンケートを送付 し、1065人から回答を得た。  「3か月以上、大学に来ていない学生の数」などを尋ね、寄せられた 回答を基に推計したところ、全国の大学生約280万人のうち、不登校 は2・9%に当たる8万1000人で、うち2万8000人がひきこも りの可能性があるとの結果を導き出した。  教員の自由記述では、「ひきこもり、不登校の学生が増えてきた」と する回答が目立ったほか、「専門家ではない教員が対応する困難さ」 「介入の程度・時期・是非の判断の難しさ」などをあげた。  調査に協力した大阪府内の大学教授は「長期欠席が続く学生にメール を送るが、返事はない。大学は本来、勉強したい人が来る所。大人であ る学生にどこまでかかわればいいのか、とても難しい」と明かした。  調査を担当した神戸女学院大教授の水田一郎さん(精神医学)は「大 学生の不登校やひきこもりが、無視できないほど大きな問題になってい ることが示された。学内の相談部署、教職員、保護者、学生の連携が十 分に機能しておらず、大学全体として支援ネットワークを構築すること が必要だ」と話す。 ◇  ひきこもりや不登校になった場合、家族らはどのように対応したらい いのだろう。  「東京都ひきこもりサポートネット」の監修者で東京学芸大教授の田 村毅さん(精神医学)は「家族はひきこもりを甘えや怠けととらえるな ど、抱え込んでしまいがちだが、早期に専門機関などに相談することが 必要。長期化すれば、回復が難しくなる」という。家族や友人らが ちょっとした異変に気付くことも大切だ。下宿生の場合は、定期的に連 絡を取り合うことを勧める。  また、当事者の学生に対しては「学内の保健管理センターなど身近に 相談できる所があるので、一人で悩まず、早めに相談して」と呼び掛け る。  同サポートネットのような専用相談窓口は、厚労省が昨年度から整備 を進めており、今年4月現在、北海道、愛知、京都など全国23の都道 府県、政令市に設置されている。相談員が個別に応じ、医療や教育、福 祉などの関係機関との連携を図っている。  詳しい連絡先は同省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/bunya/ seikatsuhogo/hikikomori.html)で紹介している。(西村公恵、古岡三 枝子) (2010年5月11日 読売新聞) "[he-forum 15378] 長崎新聞5/11 長崎新聞2010年5月11日付 長崎大にスパコン研究拠点 民間活用視野、学長直轄へ格上げ  長崎大(長崎市文教町)は、スーパーコンピューター(スパコン)に関する研究拠点「先端計算研究センター」(調漸センター長)を設置し、10日、片峰茂学長らが看板を掲示した。  センターは総面積約200平方メートル。約100平方メートルの部屋に、画像処理に使うGPUと呼ばれる集積回路(IC)を760個並列で接続したシステムがあり、毎秒700兆回の計算が可能。  システムは、スパコンの分野で最も権威ある「ゴードン・ベル賞」を昨年共同受賞した工学部の濱田剛准教授が組み上げた。受賞を機に、工学部のスパコン研究施設を他学部や民間の研究者、企業などにも活用してもらおうと、学長直轄組織に格上げした。  今後、気象のシミュレーションや流体力学、薬の開発などさまざまな研究に活用。ハードウエアやソフトウエアの開発などに取り組み、産業創出や企業連携などを目指す。  片峰学長は「予算を集中投資でき、新たな情報処理システムの開発がしやすくなる。多数の研究者に出入りしてもらい、工学領域の目玉にしていきたい」と期待を語った。 "[he-forum 15379] 日本経済新聞社説5/9 日本経済新聞社説2010年5月9日付 (人材立国ふたたび)理系の才能育み大事に処遇しよう  日本はこれからも「技術立国」を自負できるのか、危うい。肝心の技術者が手薄になりつつあるからだ。  韓国のサムスン電子には、半導体や液晶パネルなど4つの事業部門に相当数の日本人技術者がいるといわれる。サムスン側は明らかにしていないが、各部門で100人を超えると電機業界の関係者はみている。 技術者が海外流出  中国や台湾の企業に転じる日本人技術者も後を絶たない。電機や情報産業を中心に人材が活躍の場を求めて海外の大手や新興企業に移る。  半導体の設計、微細加工やディスプレーの材料研究など、先端技術の開発で実績のある人材だけではない。生産技術や品質管理のノウハウを持った現場の技術者も国外へ出ている。日本の大きな損失だ。  技術力は日本の競争力の源泉だ。DVDの製造に必要な特許の95%は日本企業が持つ。液晶関連も米国で登録された特許や実用新案権などの工業所有権は9割近くを日本企業が押さえる。知的財産に詳しい東大の小川紘一特任教授の分析だ。  この優位も、人とともに技術が日本から流出すると揺らぐ。経済産業省の調査によれば、人を介した企業からの技術流出は、日本人の退職者を通じた例が外国人従業員などを上回り、38%で最も多い。技術者の流出で競争上、不利になる。  有能な技術者をどう育(はぐく)むか。海外企業に移った技術者の声を聞くと、研究成果がきちんと評価されなかった不満が多い。  真っ先に取り組むべきは報酬制度の改革だ。海外企業が2倍の年収を約束して、日本企業から技術者を獲得する例はざらだ。発明などの実績に見合う報酬制度を徹底すべきだ。  例えば三菱化学。営業利益への貢献度などに応じ最高2.5億円を支払う。思い切った制度でなければ、技術者をひきつけられない。  関心のある分野の研究開発を掘り下げたい。そうした技術者の心理に応えるのも有効だ。日本ヒューレット・パッカードは人事異動を原則として社内公募で決める。ソフトウエア開発者など技術系社員の配置換えは7割以上が本人の意思による。  団塊の世代が定年後に海外企業に移った例が目立つ。それだけに、実績を上げた技術者を雇用し続ける制度を考えたい。東芝は東芝リサーチ・コンサルティングという受け皿会社を設立。定年を過ぎた約50人の技術者が専門の研究を続け、研究開発のテーマなどを助言している。若手技術者を育てる効果もあろう。  需要が伸びるのに技術者が足りない成長分野は、人材養成が急務だ。家電や自動車を制御するソフトウエアはその一例。技術者は26万人近くいるが、それでもまだ約7万人が不足しているという。  理科系教育も今のままではダメだ。何より高等教育の中身を見直すときだ。政府は大学院教育に力を入れ、博士課程の在籍者は20年で2.5倍の7万4000人になった。だが少子化で今後は大学の定員が減り、大学教員への道は狭まる。  ドクター(博士)が企業でも活躍できるように、文部科学省や大学は博士課程の中身を改めないといけない。単に好奇心で研究するのでは富を生み出せない。フィンランドなど技術立国を志向する北欧諸国のように、研究が社会にどう役立つかの視点を履修者にもっと持たせたい。 職業訓練に民の知恵を  2009年度の経済財政白書によれば企業が抱える過剰雇用、いわゆる企業内失業は600万人にのぼる。だが労働力人口は20年後には1000万人減る。将来の労働力不足は必至だ。今、人的資源を育てなければその時の所得を稼げない。  今より少ない労働力で経済を成長させる。そのためには、500万人余りが働く建設業など需要が伸びない分野から、医療、介護や環境関連といった成長分野へ人材を移す戦略も欠かせない。  職を変えることは容易でなく、摩擦も少なくない。産業構造を変えるためには、地道に人材を育てていく必要がある。  雇用の増える分野で求められる技能や知識を求職者に身に付けさせるほかない。それなのに国や都道府県による公共職業訓練は時代遅れになっている。内容を見直すべきだ。  施設での訓練は今なお受講者の4割強が製造業でも溶接などや建設現場向け。その訓練は主に中小企業向けに限り、国や都道府県は訓練施設での教育を民間に任せた方がよい。  英国の公共職業訓練は民間の専門学校などが公的助成を受けて教育を運営する。そうして情報技術、金融や健康関連分野に人材を送り出している。民間を競わせ、訓練内容を時代に合ったものにしたい。 "[he-forum 15380] 神戸新聞5/11 神戸新聞2010年5月11日付 分子研究の人材育成図る 理研と岡山大が協定    理化学研究所(理研)と岡山大大学院医歯薬学総合研究科は10日、体内の分子の様子を観察する「分子イメージング技術」の教育、研究について連携協定を結ぶ、と発表した。神戸市中央区にある理研分子イメージング科学研究センターの研究者が、同大学院の院生を指導するなど若手人材の育成を図る。  分子イメージングは、PET(陽電子放射断層撮影)などを活用。病気の原因となる物質や医薬品の体内での動きを調べる。治療や新薬開発に役立てられている。  同大学院医歯薬学総合研究科は、研究者や医師、薬剤師らを育てている。現在、分子イメージングの研究拠点を整備中。 (岩崎昂志) "[he-forum 15381] 読売新聞5/12 京都ノートルダム女子大、京都工繊大に講義棟…学舎整備で教室不足  京都ノートルダム女子大(京都市左京区)の講義棟「ノートルダム 館」の起工式が11日、京都工芸繊維大松ヶ崎キャンパス(同区)で行 われた。私立大の施設が国公立大の敷地内に建設されるのは例がないと いい、2011年1月の完成を目指す。  両大学は09年6月に連携・協力に関する包括協定を締結。キャンパ ス整備で教室が不足する同女子大を運営する学校法人「ノートルダム女 学院」が、徒歩10分の距離にある工繊大に鉄筋コンクリート3階建て (1530平方メートル)の施設を建設する。7部屋の講義室や事務室 などがあり、同女子大の学生が使用する。事業費は3億3000万円。  14年春に同女子大のキャンパス整備が終われば、工繊大に無償譲渡 する。 (2010年5月12日 読売新聞) "[he-forum 15382] 朝日新聞5/12 朝日新聞 2010年5月12日 理科離れ防げ、教師力 鹿大CST、教え上手養成 鹿児島  子どもの理科離れを食い止めようと、授業にたけた特別な理科教員 「コア・サイエンス・ティーチャー(CST)」を養成する講義が、今 年度から鹿児島大で本格的に始まった。小中学校の教師を目指す大学院 生や現職教員を対象に、大学教授が理科の授業を教え直すことで、教師 力向上を目指す試みだ。ただ、CSTになった後の働き方など未整備な 部分も抱えながらのスタートとなっている。   ●実験から体感 授業のコツ伝授  4月下旬、鹿児島市の鹿児島大の教室。  「音は空気振動によって伝わる。じゃあ実際に振動する様子を目で見 よう」  約10人の大学院生を前に、教授がそう話しながら、音が鳴るスピー カーの上に5ミリほどの発泡スチロールの小玉約20個を落とした。小 玉は振動で跳びはねた。  大学院生レベルなら当然分かっている「音と振動」の関係。それでも 学生は真剣な表情で実験の様子を見つめた。この日の講義のテーマは 「音の世界」。内容は小中学生で習うレベルだ。講義を担当した同大理 工大学院の藤井伸平教授は「実験や講義は音の性質を専門的に理解する ことが目的ではない」と話す。  大学院生らは理系学部を卒業し、全員が理科教員免許を取得してい る。あえて分かり切った実験をしたのは、理科教師として実際に教壇に 立った時、児童や生徒に向けた実験や解説方法の参考にしてもらうため だ。  「音と振動の関係を黒板に書いて説明しても子どもは理解しづらい」 と藤井教授。学生は講義の内容より、教授の解説の仕方や実験器具の扱 いに注目していた。  講義はこの後、加速度的に進む。真空状態では音は伝わらないこと、 音が干渉しあう様子を実験で確かめ、最終的には耳の構造にまで発展し た。  教授陣は時折、「ゲームのように実験をすると小学生は喜ぶよ」とア ドバイス。この日、学生に課した宿題は「音の性質を理解するのに有効 な簡単なおもちゃや実験器具を実際に作れ」だった。  ●自主的な研修 優遇・資格制度なく  義務教育課程の理科教員は幅広い分野の知識が必要とされる。児童や 生徒からは昆虫や天体、地学に微生物までとっぴな質問も飛んでくる。 教員がうまく答えられなければ、児童や生徒の理科への興味をそぐこと になりかねない。「子どもの理科離れは、教員側にも問題がある」と いった指摘から始まったのがCSTだ。科学技術振興機構(JST)が 主導し、全国7大学で実施されている。  鹿児島大では教育、理工、農学、水産の各大学院がタッグを組み、教 員免許を持った大学院生を対象に各大学院の教授らが講義をする。2年 間のカリキュラムで模擬授業や教育実習も予定している。  例えば専門が生物の教師でも、化学や地学の知識を十分に身につけた 上で教壇に立ってもらう。実験や観察を通して子どもたちの興味を引く 授業を、自分の専門外の分野でも展開できる――。こういった教員の養 成がCST事業の目的だ。  専門科目が生物という同大学院水産学研究科の宇都敦郎さん(23) は「物理は専門的に勉強したことが無く苦手分野。それでも楽しく実験 的な授業をすることが理科教師には求められるので、CSTは役立つ試 みだと思う」と、新たな試みを評価する。  来年度からは現職教員向けの講義もスタートする。県内の小中学校か ら希望する教員を募り、土日や夏休み期間を利用して講義をする。各学 校でリーダーになる教員を養成するのが目的だ。将来的には、CSTが 授業支援指導者や授業アドバイザー、教員向け研修の講師として活動す ることを想定している。  しかし、CSTになった後の活躍の場が整備されているとは言い難い。  大学院生がCSTになっても、現状では就職や職場での優遇措置は無 い。さらにCSTカリキュラムは大学院卒業に必要な単位には含まれな い。カリキュラムを終了しても、大学院から履歴証明書が交付されるだ けで、特別な資格が取れるわけではない。  現職教員でも、人事異動や給与に直接の影響は無い。CSTの講義自 体も「自己啓発のための自主的な研修」(県教委学校教育課)と位置づ けられ、現職教員が休日に講義を受けてまでCSTになるメリットは はっきりしない。現状では現職教員の熱意だけに頼る制度のため、どれ だけ希望者がいるかも未知数だ。  同大CST運営副委員長の宮町宏樹教授は「せっかく能力のある理科 教員を育てても活用できなければ意味がない。CSTを専門職にし、優 遇することが制度定着には必要だ」と話した。(森本浩一郎) "[he-forum 15383] 読売新聞5/13 (2010年5月13日10時03分 読 売新聞) 法科大学院、広がる格差…統廃合は必至?  法科大学院修了生を対象とした5年目の新司法試験が12日、4日間 の日程で始まった。過去最多の8163人が受験したが、合格率の低迷 は今年も続く公算が大きく、多様で優秀な法曹養成という目標実現への 道は険しい。  実績の低い法科大学院は今後、統廃合も必至で、大学院別の合格率に も注目が集まる。  ◆「受け控え」  今回は1万908人が受験予定だったが、4人に1人が「受け控え」 た。受験できる回数が法科大学院修了後の5年間で3回までと制限され ており、実力が不十分なまま受験するリスクを避けた人も多いとみられ る。  「正直言って、制度にだまされたという気持ち」。試験初日を終えた 千葉県の男性(36)は不満を漏らした。5年前、9年間勤めた商社を 退職して法科大学院に進み、今回は2回目の受験。借りた奨学金は70 0万円近くに上るという。  政府は当初、新司法試験の合格率を7~8割と想定し、合格者数を2 010年頃までに3000人程度とする目標を掲げていた。しかし、昨 年の合格者は2043人と初めて前年割れし、合格率は約27・6%。 今年も同程度の合格者数ならば、合格率は25%程度に下がる。  ◆法科大学院離れ  合格率が低い背景の一つには、当初20~30校、総定員4000人 程度と見込まれた法科大学院が74校も開校し、定員も約5800人に 膨らんだことがある。  法科大学院の入学志願者は、一斉開学した2004年度の入試では7 万2800人いたが、今年度は2万414人。志願倍率も13倍から 4・2倍にまで落ち込んでおり、法科大学院離れは深刻だ。中央教育審 議会(文部科学相の諮問機関)の特別委員会の昨秋の会合では、ヒアリ ングに招かれた修了生から合格率の低さや経済的負担の大きさが指摘さ れ、「後輩に法科大学院に行くことは薦めません」といった発言が相次 いだ。  ◆撤退検討も  各校の合格実績の差も大きい。合格率60%超の法科大学院がある一 方、過去4回の試験で合格率が全体平均の半分に満たない状態が3回続 いた大学院が9校、2回連続は18校に上る。  過去の新司法試験で合格者が1けただった姫路独協大は、今年度の入 学募集で定員20人に対し受験者が3人、合格者はゼロだった。来年度 も募集するかどうかは未定で、撤退も視野に今後検討するという。文科 省は、再編・統合が必要と考えており、今後合格実績が低迷する大学院 への交付金や補助金を削減する方針だ。  ある法務省幹部は「再編・統合が進めば入試も厳しくなり優秀な学生 が入学する。生き残った大学院には優秀な教員がそろい、教育の質も高 まるはず」と指摘している。 "[he-forum 15384] 読売新聞(大阪)5/13 (2010年5月13日 読売新聞) 香川大が学生融資制度…強盗の元学生も生活費困窮 今年度中の運用開始目指す  長引く景気低迷で経済的に窮乏している学生が増加しているのを受 け、香川大は12日、無利子で生活費などを融資する制度を新設すると 発表した。今年3月に牛丼チェーン店で強盗事件を起こした元学生(退 学処分)も警察などの調べに対し、生活費の困窮を動機の一つに供述し ており、同大学は「お金の心配をせずに、学生生活を送れる環境を整え たい」と説明。今年度中の運用開始を目指す。  発表によると、2008年12月に創設し、教職員や卒業生、企業な どからの寄付金を積み立てている「香川大学支援基金」を財源に充て る。新年度のスタートにこだわらず、いつでも申請を受け付けるとし、 今後、融資条件や上限額など詳細を決める。  同大学には、条件を満たせば学費を免除する制度や奨学金制度がある が、不況の影響で学費支援だけでは生活できない学生が急増。元学生の 初公判でも検察側は冒頭陳述で、元学生は生活費を稼ぐため、複数のア ルバイトを掛け持ちし、勉強やサークルの時間が十分に取れず、「10 万円くらいまとまった金があれば、悩みを解消できると考えた」とした。  記者会見した一井真比古学長は「まだまだ不況が続き、生活に苦しむ 学生は増えていく可能性がある。新融資制度は、奨学金や学費免除とも 併用できることも考えたい」と述べた。  同大学はこの日、強盗事件を受けた再発防止策の骨子を公表。保護者 との個別相談会を通して学生の生活状況を把握し、学生向けのガイダン スで法令順守を徹底するなどとした。 "[he-forum 15385] 北海道新聞5/13 北海道新聞2010年5月13日付 室工大 共同・受託研究費が最多 09年度初の3億円突破 【室蘭】室蘭工大が2009年度に民間企業などと行った共同研究や受託研究の研究費が初めて3億円を突破し、過去最高の3億2千万円となった。件数は119件で、最高だった05年度の131件を下回ったが、研究費が高額な国からの受託や、道外の大手企業との共同研究が増えたことで、1件当たりの額が大きく総額を押し上げた。  室工大地域共同研究開発センターがまとめた。センターによると、道内の単科大学の研究費としては多い方という。内訳は民間企業などと行う共同研究が08年度比9%減の80件で、研究費は同17%増の1億2100万円。国などからの受託研究が同11%増の39件、同27%増の1億9800万円を占めた。  共同研究を行った企業の地域別では、地元の西胆振が同10ポイント減の12%、西胆振以外の道内が同5ポイント増の36%、道外が同5ポイント増の52%となった。景気低迷の影響で、特に西胆振の企業との共同研究が減少傾向という。  同センターでは共同研究を行った企業に対し、毎年アンケートを行っており、最近は半数以上の企業が、室工大と2回以上の共同研究を行っている。同センター長の加賀寿教授は「研究成果への満足度が高いことがリピーターを増やし、研究費確保につながっている」と分析している。  室工大は04年度の国立大学法人化に伴い、運営交付金が毎年減らされる中、共同、受託研究による外部資金の調達に力を入れ、05年度以降は外部資金による研究費が増加傾向となっている。(徳永仁) "[he-forum 15386] 信濃毎日新聞5/13 信濃毎日新聞2010年5月13日付 信大が「学章」を初制定 伝統の「コマクサ」でデザイン  信大(本部・松本市)は、コマクサをモチーフとした「学章」を初めて正式に定め、本年度から使い始めた。1949(昭和24)年の開学当初に公募し、襟章として使っていたデザインが原形。昨年の創立60周年を機に復活を求める声が卒業生から高まり、学章として新たに制定した。  学章は「大学」の字を左右対称のコマクサの花と葉が囲むデザイン。元になったマークは、開学翌年から襟章として使われて学生らが身に着けたほか、学長室や学部長室に飾られるなど、学内で親しまれていた。年月を経るうち、学部ごとに葉や花の形が異なるマークが出るなどしていたため、理学部教員が監修し、実物のコマクサの形に近づけて統一デザインを定めた。  学章は成績証明書や学位記など公式書類、大学の式典での掲示などに使う。信大は国立大学法人化を受け、2006年に鳥をイメージした「シンボルマーク」を公募で定めており、こちらは広報やインターネットサイトなど情報発信を目的とする場合に使う。  信大生時代に襟章として身に着けたという笹本正治副学長は「厳しい環境に耐えて花を咲かせる高山植物のコマクサは、信州で学ぶ学生と重なる信大のシンボル。多くの人が親しみを持つ伝統のあるマークになった」と話している。 "[he-forum 15387] 中日新聞5/14 中日新聞2010年5月14日付 名大と中日本高速提携 道路建設など共同研究  名古屋大と中日本高速道路(NEXCO中日本)が、高速道路の建設や維持管理などで相互協力することを盛り込んだ連携推進協定を結び、名古屋市千種区の名大で13日、締結式があった。  協定によると、道路建設の際の地盤研究や環境保護、サービスエリアづくりなどで共同研究を進める。大学院生らのインターンシップ(就業体験)受け入れや技術者の育成なども想定されている。  締結式には名大の浜口道成学長やNEXCOの高橋文雄社長らが出席。協定書に署名し、握手を交わした。  浜口学長は「道路網を維持しながら二酸化炭素排出量を減らしていくことは、大学にとっても大きな研究課題だ」と指摘。高橋社長は「環境を守るため、大学の幅広い知見を活用させてもらえたら」と話した。  NEXCOは今後、他大学とも協定を結ぶ方針。 "[he-forum 15388] 陸奥新報5/13 陸奥新報2010年5月13日付 津軽守る医療の砦 弘大救命センターが公開  7月1日に本格稼働を目指す弘前大学医学部附属病院の高度救命救急センターと同病院外来診療棟屋上に設置したヘリポートが12日、報道陣に公開された。同センター内には、高度医療や被ばく医療に対応する機器が整ったほか、ヘリポートは融雪機能や照明設備を整備。同センターは稼働に合わせ、地域の医療関係機関とスムーズに連携が取れるようホットラインも開設する予定で、津軽地域の三次救急医療を担う最後の砦(とりで)として、研修医や医学生への救急医療への教育の場だけでなく同地域の救命率アップが期待される。  同センターは同病院敷地内に建設、地上2階、地下1階で総面積2410.72平方メートル。1階は救命救急外来、2階の救命救急病棟には10床を用意し、被ばく医療対応のBCU(無菌室)などを設置。地下1階は特殊救急外来(緊急被ばく医療対策)で緊急被ばく医療対策関係の機器を備えた特殊処置室などからなる。ヘリポート(941.21平方メートル)は、同センターの開設に合わせ稼働予定で、ドクターヘリのほか防災ヘリなど最大で重さ6.5トンまでのヘリが着陸できる。  2009年8月に着工し、今年3月下旬に竣(しゅん)工(こう)。人員は医師14人、看護師36人など55人を確保。津軽地域の三次救急を担い、広範囲熱傷、指肢切断、急性中毒のほか、緊急被ばく医療に対応する。  7月からは同センターと地域の病院、診療所との医療面での連携をしやすくするため、他医療機関とのホットラインを開設する予定で、これまで同様、脳卒中、くも膜下出血など緊急を要する患者を受け入れる方針だ。  同センター運営をめぐっては、センター運営費の不足分と国への償還金合わせて2億円弱が掛かるとみられ、近隣9市町村からこの半分の支援を受けることになっている。  同センターの浅利靖センター長は「患者は誰でも受け入れるというわけではない。地域の医療機関と相談し、地域の医療機関が困るような症状の患者の場合に受け入れるというシステムをつくり、地域の人が安心して住めるようなセンターを目指す」と話した。  弘大は13日に同センター開設記念式典を行い、17日から診療を開始、7月1日からの本格稼働を目指す。 "[he-forum 15389] 読売新聞山梨5/13 読売新聞山梨版2010年5月13日付 教員就職42.7% 09年 梨大養成課程  山梨大学の教員養成課程を2009年3月に卒業した学生の教員就職率は42・7%と、教員養成課程のある全国47国立大学の中で2年連続でワースト3位だったことが文部科学省のまとめでわかった。今年3月の卒業生の教員就職率は50%を超えると予想されるが、山梨大では学生の支援を強化していく考えだ。  文科省によると、山梨大の同課程の09年3月の卒業生は110人で、このうち教員に正規採用されたのは23人、産休や育休の代替教員などの臨時的任用は24人。これらを合わせた教員就職率は42・7%だった。47国立大の全国平均は56・6%で、山梨大はこれを13・9ポイント下回り、富山大(36・6%)、鹿児島大(40・5%)に次いで3番目に低かった。  山梨大の08年3月の卒業生の教員就職率は42・2%で全国平均より14・5ポイント低く、少なくとも03年3月の卒業生以降、7年連続して全国平均を下回っている。  教員就職率の低迷について、山梨大キャリアセンターは「学生が教育委員会の採用試験をいくつも受けず、本当に行きたい教委に限って受験しているのではないか。危機感を強く持っている」と話し、教員OBらを招いて1次試験や面接対策を強化してきたという。  同センターによると、10年3月の卒業生は3月末現在で、96人中、半数を超える53人が正規や臨時で採用(任用)され、4年ぶりに50%を超えそうだといい、「今後も学生の支援態勢を充実させ、就職につなげたい」としている。 "[he-forum 15390] 朝日新聞5/13 朝日新聞 2010年5月13日 「山上浩二郎の大学取れたて便」 中教審大学規模経営部会 「冬の時代」へ 私立大に経営指導や情報公開促す  私立大学の経営基盤の充実について議論してきた中央教育審議会の大 学規模・経営部会(第8回)が5月11日に開かれ、私立大学の経営改 善を促す方策を盛り込んだ論点整理案をまとめた。この案は今後開かれ る中教審大学分科会で了承される見通し。  18歳人口の減少と大学数の増加の影響で、入学定員割れと単年度収 支がマイナスに転じる私立大学が増えている。定員割れを起こしている 私大は2009年度で46・5%、短大は69・1%。また、納付金や 補助金など負債にならない収入で人件費や教育研究費などの経常的支出 をまかなえない学校法人は08年度で46・5%になっており、経営悪 化が私立大学で進んでいることがうかがえる。この部会では、この私立 大学の経営悪化をどういう戦略で対応するかを議論していた。  今回の部会で了承された論点整理の内容をみると、経営指導や相談の 充実、募集停止に至るプロセスの透明性、財務経営情報の公開の促進に 力点が置かれている。いずれも、その中心的な役割を担う組織として、 ふだんは私学助成金を配分する役割を果たしている特殊法人「日本私立 学校振興・共済事業団」(私学事業団)を積極的に活用するため機能強 化する方向性が打ち出されている。  この部会の審議概要案で打ち出された具体的施策は以下のとおり(一 部略)。  【経営相談機能の充実】  「リーダーズセミナー」 私学事業団で、理事長や学長などを対象に 経営改革や教学改革の必要性についての問題意識を共有するセミナーを 全国展開  「専門家の人材バンクを創設」 私学事業団で私学経営の専門知識を もつ人材を登録し、学校法人の要望に応じて活用する  「連携・共同の情報を収集提供」 私学事業団で、コンソーシアムや 共同学部・共同事務局などの活用事例、学校法人の意向や要望を収集・ 整理・提供  「経営の分析、診断、指導・助言を積極的に実施」 経営悪化傾向の 学校法人に早期の経営診断を受けるよう呼びかけ、経営改革のあり方の 提案をする。経営状況や将来の経営見通しの分析、診断、指導・助言の ための積極的な活用を図る  【経営改善を促進するための私学助成】  「募集定員に配慮した助成」 学則定員を下回る募集定員(一定期 間)を考えた措置を講じるなど、適切な定員規模へ誘導  「定員超過への対応の強化」 定員超過した大学に対する補助金の減 額措置を一層強化する。国立大学もその取り組みをさらに進める  【円滑な学生募集停止、学校再生の取り組みの支援】  「募集停止のガイドラインの作成・提供」 募集停止するうえで参考 になる留意事項を整理したガイドラインを作成・提供。募集停止になる キャンパスの再活用を希望する学校法人を募集する選択肢を提示。学校 再生のための専門家の人材バンクを創設  【財務・経営情報の公開の促進】  「情報公開の実施状況を私学助成に反映」 補助金の交付に際して情 報公開の実施状況を勘案。財務・経営情報の公開について、すべての学 校法人の実施状況を公表し、各学校法人のホームページにリンクできる ようにする  同時に、審議概要をわかりやすく説明するため部会で配布された チャート資料には、支援の柱として、(1)経営指導・相談の充実 (2)多様な機能に応じたきめ細かなファンディング・システムを充実 (3)情報公開の促進に向けた環境整備をあげている。  資料にある私立大学への具体的な支援方策のなかの最大のポイント は、項目として、「自立・発展」「連携・共同」という大学の支援策の ほかに、現実的な「撤退」という項目を盛り込んだことにある。 具体的には、不採算部門を見極め学生の募集停止を実施→再生困難な部 門を整理、と盛り込んでいる。さらに、課題として、経営者が早期の撤 退に躊躇することや学生のセーフティネット整備の必要性をあげてい る。そして、新たな具体的取り組みとして、募集停止の留意事項をガイ ドライン化、転学生の受け入れ校に対する補助金を増額、学生の在籍担 保、学籍簿の管理のあり方を検討、を盛り込んでいる。  この部会の議論は、私立大学の経営悪化を前提に議論を進めており、 かなり機能的な方策をとる方向性を打ち出した。関係者の危機感は強 く、「大学再生機構をつくってはどうか」という意見も出された。方向 性を仕組みに変えていく努力が文科省に問われる一方、前提として大学 側の自覚と自己努力が必要だろう。  今回の大学取れたて便は、新たな試みとして、中教審の内容を紹介し た。 "[he-forum 15391] 四国新聞5/15 四国新聞2010年5月15日付 中四国10国立大が奨学金充実などで共同提言  香川大は14日、地方大学の厳しい運営状況などを受け、中四国の国立10大学の学長で教育・研究経費の拡充や奨学金制度の充実などを政府に求める共同提言をまとめたと発表した。近く各大学が関係省庁や県選出の国会議員などに提出し、要望する。中四国の国立大すべてで提言をまとめるのは初めて。  提言は香川、鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、鳴門教育、愛媛、高知の各大学長の連名。13日に高松市内で開いた中国・四国地区国立大学長会議で取りまとめた。  提言では、中四国の地方大学の教育研究基盤強化の必要性を強調。その上で、運営費交付金による教育・研究経費の拡充▽奨学金制度の充実▽地域企業との人材交流のための環境整備▽留学生の受け入れ拡大に向けた支援策の充実―などを要望している。 "[he-forum 15392] しんぶん赤旗5/15 しんぶん赤旗2010年5月15日付 国立大病院支える政治に 小池・宮本氏 病院長会議役員と懇談  日本共産党の小池晃政策委員長・参院議員は14日、国会内で国立大学付属病院長会議常置委員会の河野陽一委員長(千葉大学付属病院長)らと初めて懇談し、先端医療と医学教育、研究で大きな役割を果たす国立大学病院を国がどう支えるかについて意見交換しました。宮本岳志衆院議員も同席しました。  河野氏は、地域医療が崩壊する中で救急、小児患者の受け入れや地域の中核病院から多くの患者を受けるなど、国立大学病院が果たしている役割を説明。先端医療とその研究という独自の役割を支えるための国の運営交付金が2004年以降66%も削られたことにふれ、「収入の14%を借入金の返済に充て、最新の医療機器も導入できない状況があります」とのべました。  東京大学付属病院の武谷雄二病院長は「医療の研究開発が収支ではかられ、若い研究者に失望感が広がっています」と指摘。国立大学病院の施設整備のための資金調達を一括して行う「国立大学財務・経営センター」が政府の事業仕分けで廃止すべきだとされたことについて、「(資金調達のために)私たちに銀行との交渉のスペシャリストになれというものです」と訴えました。  小池議員は「鳩山政権は交付金の削減を続け、診療報酬の引き上げも不十分です。大学病院が利益を出すべきだという考えは誤りです」と強調。「交付金削減をやめて増額させ、国立大学財務・経営センターの廃止を許さず、診療報酬を引き上げるため、医療と文教の両サイドから国立大学病院は国家百年の計で国が支えるべきだと主張していきたい」と話しました。 "[he-forum 15393] 日本経済新聞5/15 日本経済新聞2010年5月15日付 京都市と京大、医療の産学連携支援  京都市と京都大学は産学連携による医療分野での研究開発を共同支援する。このほど企業や大学の研究者から相談を受け付ける専用の窓口を設けた。医療現場のニーズを聞き取るとともに連携する相手先を紹介、製品開発や事業化を後押しする。先端技術を取り入れた医療機器の開発や企業の研究拠点の誘致につなげる。  京都市上京区に「京都市医工薬産学公連携支援オフィス」を設立した。来年春に京大医学部付属病院が約15億円を投じて病院敷地内に新設する「先端医療機器開発・臨床研究センター」内に窓口を移転する計画だ。  医用工学の研究者や医療機器メーカー、製薬会社のOBがアドバイザーとして相談者に助言する。先端技術を実用化したい研究者への企業紹介や、特定の技術を探す企業への研究チームの紹介などが可能だ。医療機器や医療向け材料、医薬品などが研究開発の対象になると想定している。  京都市は専用窓口を通し、医療分野の最新動向などの情報を提供するシンポジウムや研究会も開催する。 "[he-forum 15394] 読売新聞5/15 読売新聞2010年5月15日付 「公立環境大」向け協議へ…鳥取県、市が学科再編など前提に  定員割れが続いている鳥取環境大について、平井知事と鳥取市の竹内功市長は14日、公立化の議論を進める協議機関を共同で設置することを決めた。同大学が学科再編を含めた経営改革案を事前に提出するのが条件で、鳥取県と同市は提出され次第、外部の有識者を交えて協議を始める。  県庁で開かれた平井知事と竹内市長の意見交換会で決まった。竹内市長が、同大学と同じく公設民営でスタートした高知工科大(高知県香美市)など、公立に転じて人気を回復させた例を挙げ、協議機関の設置を要望。平井知事は了承する意向を示した上で「まずは具体的な経営改革案を提出させ、有識者の意見を聞くべきだ」と指摘した。  会談終了後、竹内市長は「国とも相談し、できれば年内にも(公立化の)結論を出したい」と話したが、平井知事は「県議会には賛否両論あり、大学の案を見てから可否を考えたい」と慎重な姿勢を見せた。  同大学によると、今春の入学者数は定員(276人)に対して151人。全学生数は621人で、総定員(1212人)の51%にとどまっている。古沢巌学長は「学部・学科改編などの検討を進めており、早ければ夏にも示したい」と話した。 "[he-forum 15395] 京都新聞5/15 京都新聞2010年5月15日付 どうなる、市立看護短期大条例案 京都市議会が開会  京都市議会の5月定例市会が14日開会し、会期を28日までの15日間と決め、計20議案が提案された。2月市会で否決後、再提案された市立看護短期大の廃止条例案成立の可否が最大の焦点で、前回は否決に回った最大会派の自民党の動きが注目される。  廃止条例案は、2月市会で市長与党の自民党、野党の共産党がともに反対して否決され、佛教大に短大教員を移籍させるなどの連携計画が白紙になった。市は別の4大学との協議を続けるが、大学側が早期の条例可決を求めていることなどから、無修正での再提案に踏み切った。  開会前には門川大作市長が自民党市議団会議に出席するなどして、市議への理解を求めた。ただ「否決直後の再提案は議会軽視」との意見も強く、可決されるかは不透明な情勢だ。  看護短大は卒業生の大半が市立病院に就職せず、市の看護師募集は4年連続で定員割れしている。市は廃止の理由を「看護師不足の解消」と説明してきた。ただ公教育を廃止して私立大に受け皿を求めることで、どのぐらい看護師増に結びつくのか。説明は具体性を欠いており、今議会での徹底審議が期待される。  国民健康保険特別会計の累積赤字82億円を補てんする補正予算案も提案され、今後の保険料改定の方針も議論になりそう。また1年で交代するのが慣例となっている議長、副議長の人事も注目される。 "[he-forum 15396] 岐阜新聞5/15 岐阜新聞2010年5月15日付 水環境学ぶ留学生を助成 岐阜大と県が連携  海外の環境問題解決に向けた人材育成事業「流域水環境リーダー育成プログラム」に取り組む岐阜大学(岐阜市柳戸)は14日、県環境管理技術センター(同市六条大溝)と連携協定を締結した。同センターは同プログラムを受講する留学生の生活費を2016年度まで助成する。  流域水環境とは、水質や水量の確保のため流域環境を総合的に管理する考え方。同大は昨夏から同プログラムを開始。13年度までに留学生を含む学生計82人を育成する。  水質管理や調査、排水などの検査分析に取り組む同センターは昨年、県と「清流の国づくり事業」を協働で推進する協定を締結している。今回の協定ではプログラムを受講する留学生12人に、1人当たり年間36万円を支給。また、浄化槽の専門家を大学の講義に派遣したり、学生の実務研修を受け入れる。  同大で行われた締結式では、森秀樹学長と同センターの熊崎守男理事長が署名を交わした。熊崎理事長は「日本の浄化槽技術は世界最高水準。帰国後の留学生とも長く交流していきたい」と話していた。 "[he-forum 15397] 読売新聞5/15(1) 読売新聞 5/15 大学生、高校で補習…埼玉の高・大が連携 「恥ずかしい」…戸惑いの声も  大学生の基礎学力の低下が問題となる中、埼玉県の県立高校が来年度 から、提携先の大学生を聴講生として受け入れることになった。  大学が独自に高校レベルの補習を行うケースは増えているが、高校へ の“差し戻し”は異例。歓迎ムードの教授たちに対し、学生からは「恥 ずかしくて通えない」との声も上がっている。  提携したのは、県立吹上秋桜高校(鴻巣市)と、県内にある大東文化 大(東松山市)、ものつくり大(行田市)。高校生が大学で講義を受け るなどの「高大連携」を3月に締結した際、学力不足の学生の受け入れ でも合意したという。  学生は高校生と一緒に授業を受け、授業料は1科目年間1750円前 後を想定。対象となる科目や学生など詳細は今後決める。  学生の学力不足を補うため、補習授業を実施する大学が増えている。 文部科学省によると、1996年度の実施大学は572校中52校(約 9%)だったが、2007年度は742校中244校(約33%)に 上った。  大東文化大学務局長の山崎俊次教授は「学力は年々下がっているが、 講師や教授が高校教員のように基礎を教えられるわけではない。全科目 の補習を行うのも難しい」と高校での補習に期待をかける。  同高は4月に開校した昼夜開講の単位制学校。「地域社会に開かれた 学校」を目指し、在校生以外を対象にした科目履修制度もある。「授業 は午後9時まで。制服もなく、大学生でも学びやすいはず」と同高。  大東文化大2年の男子学生(19)は「高校時代は受験に出やすい英 単語や古典ぐらいしか勉強しなかった。興味ある科目を勉強できるなら 授業を受けてみたい」と歓迎するが、同大1年の女子学生(18)は 「高校に通うのは少し恥ずかしい。友達にも言えない」。学生たちには 賛否両論のようだ。 (2010年5月15日 読売新聞) "[he-forum 15398] 読売新聞5/15(2) 読売新聞 5/15 中小2500社、就活サイト開設 ミスマッチ解消へ  経済産業省が日本商工会議所と共同で、来春卒業予定で就職を希望す る大学生と、中小企業の採用活動を仲介することが15日、明らかに なった。専用サイトを18日に開設する。  厳しい就職戦線にのぞむ学生と、採用活動にコストをかけられずに人 材不足に陥っている中小企業の橋渡しをする“ネット上の合同説明 会”ともいえ、雇用のミスマッチの解消を目指す。  交通費ゼロの“合同説明会”  開設するサイトは「ドリーム・マッチ プロジェクト」で、リクルー トが運営する。学生が希望する業種や勤務地などを登録すると、条件に 合う中小企業が表示され、会社説明会の案内などがメールで送られてく る。中小企業の社長が上京する際に学生と面談することなども可能にな る。大手企業の内定がほぼ出そろう5月以降、本格化する中小企業の採 用活動をバックアップする。  大学生が、出身地でない地域に「Iターン」や「Jターン」就職する 場合、企業の情報を集める手段は限られている。各地の労働局が行う合 同説明会などに参加するには、交通費や宿泊費がかかり、各社の話を じっくり聞くことも難しい。「移動の時間がかかり、掛け持ちが難し い」との声も多い。  開設されるサイトを活用すれば、例えば札幌や福岡などにある複数の 企業の情報を、都内の自宅にいたまま交通費をかけずに入手できる。検 索が可能な企業は、社員300人以下の中小企業2500社程度を目指 しており、登録料は、学生、中小企業とも無料だ。来年1月までの開設 期間中、1000人の内定を目指す。  就職戦線は、景気低迷で学生の大手志向、安定志向が高まっていると される。このためリクルートは、「昨年の就職活動の厳しさを見ていた 学生は活動の対象を広げるとみられ、中小企業との接点を提供して選択 肢を増やす」ことを狙う。手始めに、リクルートの就職活動サービスを 利用する年間約60万人の学生を誘導し、中小企業との「出会いの場」 を提供してミスマッチの解消を目指す。  厚生労働省などによると、今年春に大学を卒業した学生の就職内定率 は、2月時点で80・0%にとどまる。前年同期を6・3ポイント下回 り、同時期としては2000年以降、過去最悪になっている。  雇用のミスマッチ 学生らの「就きたい仕事」と、企業側の「欲しい 人材」の条件がかみ合わないこと。リクルートによると、来春新卒予定 の大学生・院生の求人倍率は、社員5000人以上の大企業で0・47 倍なのに対し、中小企業は4・41倍で人手不足が深刻だ。中小企業が 求人情報を積極的に出さないことと、学生側が仕事内容ではなく、中小 企業への就職を最初から敬遠するケースもあるとされる。 (2010年5月15日 読売新聞) "[he-forum 15399] しんぶん赤旗5/17 2010年5月17日(月)「しんぶん赤旗」 高学歴ワーキングプア解消を 研究者・大学院生ら シンポ ノーベル賞 益川さんが講演  ポスドクや大学非常勤講師などの若手研究者が、不安定雇用と低賃金 にあえぐ“高学歴ワーキングプア”の現状を解消しよう―。東京都内で 16日、シンポジウムが開かれ、研究者や大学院生ら約250人が現状 と対策を話し合いました。主催は、労働団体や教職員組合、科学者団体 などでつくる実行委員会。  ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英・名古屋大学素粒子宇宙起源研 究機構長が講演しました。若いころ「優秀すぎるから」と採用の断り状 が届いたエピソードで笑いを誘いつつ、「比較的日の当たる研究環境を 渡り歩いてきた」と自身の研究経歴を振り返りました。現在の若手研究 者問題について「基本的には社会の決意の問題」と指摘しつつ、手をこ まねいていないで仲間同士の信頼関係を強め運動の輪を広げようと訴え ました。  首都圏大学非常勤講師組合の松村比奈子委員長は、非常勤講師の平均 像として年齢45歳、3校で9コマの授業、年収306万円、社会保険 未加入96%、雇い止め経験「あり」が半数――を示しました。44% が年収250万円未満と「多くが生活困窮者だ」と述べ、使い捨て・非 人間的待遇の改善を訴えました。  「サイエンス・サポート・アソシエーション」の榎木英介代表は、大 学院生に博士課程を避ける現象が起きていると指摘。「研究者離れが進 み、文化の分野で国の荒廃が進む」と述べ、社会全体で博士の能力を活 用する必要性を強調しました。  討論で、大学院生の7割が就職問題で将来不安をもっていることが紹 介されました。博士号を取得後4年間に四つの職を渡り歩いた、国立大 学の任期付き助教(35)は、「長期的展望でじっくり研究しにくい」 と述べました。 若手研究者問題 解決へ提言案  シンポでは、実行委員会が若手研究者問題の解決に向けた提言案を発 表しました。「若手研究者の使い捨ての固定化、高学歴ワーキングプア の常態化は、科学技術政策の失政の結果」と指摘するとともに、次のよ うな対策を求めています。  【緊急に必要な対策】大学や公的研究機関で終身雇用につながる採用 枠を増やす▽企業などへの雇用促進▽奨学金の返済猶予条件の緩和。  【中期的な対策】長期的な視点に立った基礎的・萌芽(ほうが)的研 究にたいする資金と人材の確保▽大学、独立行政法人への運営費交付金 と人件費の削減政策の撤廃▽任期つき雇用の繰り返しによる研究者使い 捨てにならない新しい採用制度の導入。  【長期的な視野に立った対策】高等教育の公費負担をGDP(国内総 生産)比1%(OECD=経済協力開発機構=平均)以上確保▽教員・ 研究者は正規雇用を原則とする▽就業分野の選択肢を広げるしくみの整 備▽中等・高等教育の無償化と給付型奨学金の実現。  ポスドク(ポストドクター=博士研究員) 大学院の博士課程を修了 した後、大学や研究機関で短期の任期付きで研究奨励金や給与などを受 けて研究する人。国内に約1万8000人(2008年度、文科省調 査)のポスドクがいますが、研究環境、給与、社会保険などの条件は まったく異なります。このほかに研究以外の仕事で生活を支えながら研 究を続ける「支援なしポスドク」もいます。 "[he-forum 15400] NHKニュース5/16 NHKニュース 5月16日 19時49分 “ポスドク”支援訴え提言 大学院で博士の学位を取得したあと、短期契約で研究を続けるポストド クターと呼ばれる人たち、いわゆる「ポスドク」について考えるシンポ ジウムが東京で開かれ、不安定な立場に置かれているケースが多いとし て、就職支援や奨学金制度の充実を求める提言をまとめました。 このシンポジウムは、大学や研究機関の教職員組合などが開いたもの で、はじめにノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんが講演し、「ポ スドクを含め必要な研究者について、今、社会全体で議論していく必要 がある」と呼びかけました。大学院の定員の増加に伴い、博士の学位を 取ったあと短期契約で研究を続ける「ポスドク」は年々増え、平成20 年度でおよそ1万8000人に上っています。シンポジウムでは、▽長 期的な視野を持って研究が続けられないというポスドクの悩みや、▽収 入が不安定で奨学金の返済が苦しいといった実情が報告されました。参 加したポスドクの人たちは「常勤の研究職に応募しても、倍率が高く採 用されません」とか、「大学の非常勤講師をしていますが、契約が1年 更新なのでいつ職を失うか不安です」などと話していました。シンポジ ウムでは、大学や研究機関の常勤での採用枠の拡大や、民間企業への就 職支援、さらには返済を猶予するなど奨学金制度の充実を求める提言を まとめました。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100516/k10014473301000.html "[he-forum 15401] 河北新報5/17 河北新報2010年5月17日付 低賃金の再雇用教員頼み 東北の国立大交付金削減直撃  定年を迎えた教員を低賃金で再雇用したり、無報酬で引き続き講義を担当してもらったりする動きが、東北の国立大で目立ち始めた。主要財源である国の「国立大運営費交付金」が減らされた上、国に人件費削減を迫られ、教授の補充がままならないためだ。一時的にせよ「非正規」雇用の教員が増えることに、学内では「これから大学を背負うべき人材が育たなくなる」と不安視する声も出ている。  「年金があるから低賃金でも大学に『滅私奉公』してくれるはず、ということだろう。再雇用されるかどうかも大学の都合次第で、抵抗感はある」。福島大の「特任教員」の1人は複雑な心境を明かす。 福島大は2009年度から、1年ごとに契約更新する特任教員として退職教員を雇用している。給与はおよそ退職前の4分の1。現在14人の特任教員が講義を受け持つ。  福島大の場合、運営費交付金が毎年3000万円以上、減っている。06年度からは教員の補充を抑制。退職後の2年間、基本的にポストを空席にしているため、特に専門性の高い分野を教えられる人材が不足し、契約雇用の教員に頼っている。  定年退職した教授に、無報酬の「特任教授」を委嘱しているのは岩手大。「大学に愛着を持つ教授に活躍の場を提供したい」(財務企画課)というのが理由で、05年度に導入した。本年度までの5年間で19人の教員を減らす人員削減計画は、実は約40人の特任教授が支えていることになる。  やはり教員21人を本年度までの5年間で減らす山形大も、今年に入って、退職教員の力を借りることができないかどうかの検討を始めた。 東北のほかの国立4大学では人件費削減に伴う再雇用の動きはまだないが、補充を一時やめたり、比較的安く雇える若手教員を積極採用したりして、人件費を抑えようと必死。学内の教育、研究組織の在り方を見直し始めた大学もある。  大学にとって気掛かりなのは教育や研究能力の低下だ。将来を背負う「正規」雇用の教員の減少は、体力低下につながりかねない。福島大の特任教員は「若手がこれからの研究や教育に責任を持つべきなのに、私たちが残ることで変に安心してしまうのではないか」と心配する。  人員削減を迫られて苦労する各大学の状況は、文部科学省も認識している。国立大学法人支援課は「効率化は必要だが、国も配慮しなくてはならない。大学側の不安を取り除けるよう、来年度に向けて予算確保に取り組みたい」と話している。 [国立大運営費交付金] 2004年度の国立大法人化を機に、各大学に対して文部科学省から配分されている。大学の最大の財源だが、09年度まで毎年1%ずつ削減された。10年度も臨時的に減額されている。国立大はまた、06年施行の行政改革推進法により、本年度までの5年間で5%以上の人件費削減を求められており、各大学が削減計画を策定している。 "[he-forum 15402] 中日新聞三重5/17 中日新聞三重版2010年5月17日付 生き残りかけ研究開発 「三重大ブランド」次々誕生   日本酒にカレーにバームクーヘン!?-「三重大学」と銘打った“ブランド商品”が次々と、生み出されている。三重大が県内の企業とタイアップしたユニークな商品で、滑り出しは上々だ。このような取り組みは全国的な流れで、国立、公立大の法人化や大学全入時代に入り、生き残りをかけた知恵の絞り合いが各地で続く。「大学ブランド」の最前線を追った。  生物資源学部の研究棟7階の久松真教授の研究室。本や書類がうずたかく積まれた手狭な部屋が“発信源”だ。  第1号の日本酒が生まれたきっかけは2006年秋。津市職員らが「酒造りを観光事業にできないか」と話を持ち込んできた。「まず学生で試しに造ってみて、感想を聞いてみることになった」と久松教授は振り返る。  寒紅梅酒造(津市栗真中山町)で、学生らが製造からラベルづくり、販売までを実体験。翌春、生まれたのが「ねごこち」など3銘柄だ。翌年は同窓会名から「三翠(さんすい)」と名付けたが、「この名の評判がイマイチだった」と笑う。  3、4年目には大学の農場で品種改良した酒米を使って製造し、「三重大學」名で直球勝負。「これが当たった」と久松教授。元が取れるようになり、今後は梅酒の販売にも乗り出す。  久松教授が次に狙ったのが同大の練習船「勢水丸」で出されていたカレーだ。桑名市の食品会社と共同で開発に着手。試行錯誤し、かつお節を隠し味に、和風レトルトカレーに仕上げた。  昨秋、2000個を作って大学生協で販売したところ、あっという間に完売。スーパーにも登場し人気だ。  久松教授は「企業の商品に大学名を付けるだけでは物足りない。大学独自の研究成果などを融合することが大切だ」と話す。  全国的には大学ブランド合戦の様相だ。「学市学座」と銘打ったイベントが12日から大阪で開催中。「いろんな大学グッズを集め、販売しよう」と、紀伊国屋書店が昨年から催す。今回は三重大など約50校の商品が並ぶ。  このような試みを加速させているのは、大学法人化や少子化が背景にある。国の交付金の削減などで国立大といえども厳しい時代に突入しており、「売り」を生み出すことが求められている。  三重大の鈴木宏治副学長は「地域や地元企業との連携は生き残りへの大きな柱。『地域圏大学』を売りにしていく。大学ブランドは目に見える形で結実した一つ」と話す。現在、医学系研究科などがかかわった健康食品なども販売。今後、せんべいやワインなども導入していく予定という。 【視線】  取材を通じ、大学の「今」が見えてきた。2カ月前まで名古屋で大学を担当していたが、国立大といえども変革を余儀なくされる現状を肌で感じていた。毎年、国からの交付金は削減され、研究費は奪い合い。色を出さなければ生き残っていけない。  三重大は「地域」に活路を見いだそうとしている。鈴木副学長によれば、東海地方の大学では中小企業との共同研究数はトップだ。地域の企業との連携から生まれたブランド商品は優良な広告塔になる可能性を秘めている。三重大の挑戦に期待したい。  (渡辺泰之) "[he-forum 15403] 朝日新聞5/17 朝日新聞2010年5月17日付 喫煙の芽、摘み取れ キャンパス禁煙107校に  公共施設の禁煙が進む中、大学でも敷地内を全面禁煙にする動きが広がっている。日本学校保健学会の調査によると、健康増進法が施行された2003年度の22カ所から来年度は107大学151カ所と7倍に増える見込み。受動喫煙を防ぐだけでなく、未成年の新入生からたばこを遠ざける狙いもあるようだ。 ■不便だと吸わない?  秋田大の手形キャンパス(秋田市)は4月から、敷地内が全面禁煙になった。学生たちは休憩時間、校門を出て路上でたばこを吸う。3年生の安宅涼太さん(21)は「構内に喫煙所がなくなったから、ここで吸うしかない。不便だけど仕方ないです」と話す。  ほかにも鳥取大が昨年10月、福島大が今年1月に踏み切り、広島修道大、日本女子大は来年4月からの全面禁煙を決めた。ほかに、岐阜大や宮崎大がすでに取り組んでいる。  日本学校保健学会の「タバコのない学校」推進プロジェクトの調査によると、09年度に敷地内禁煙を実施したのは142カ所。今年度は4カ所増えて146カ所、来年度はさらに5カ所増えて151カ所になる見込み。医療看護系の大学や、学生数の少ない地方の国公立大学が中心だ。  立命館大(京都市)は13年4月に敷地内を全面禁煙にする。同大の学生は3万7千人。09年度の調査で、1年生の喫煙率は2%だが、4年生になると21%に跳ね上がることがわかった。広報課の川口隆一課長補佐は「喫煙者を増やさないのも大学の使命。今の1年生が4年生になる13年には喫煙する学生は大幅に減るはず」と期待する。  敷地内だけでなく、大学周辺を喫煙禁止区域にした大学もある。東北文化学園大(仙台市)は08年、大学の周囲2~3キロを禁煙区域とした。07年に敷地内を全面禁煙にしたところ、大学周辺の路上でたばこを吸う学生が増え、近隣住民から苦情が来たという。  職員が1日数回見回り、たばこを吸っている学生に注意する。中には「違う大学です」ととぼける学生もいるが、とにかく声をかけるようにしているという。 ■総合大は分煙が主流  だが、総合大学の多くは、分煙が主流だ。約2万7千人の学生が通う早稲田大の早稲田キャンパスでは10カ所の喫煙所を設置している。教授や職員が定期的に構内を巡回しているが、禁煙区域での喫煙はなかなか減らないという。「学生の数を考えると敷地内の全面禁煙は難しい。まずは分煙を徹底させたい」と話す。  「タバコのない学校」推進プロジェクト代表の中京大・家田重晴教授は「今後は敷地内を全面禁煙にするだけでなく、喫煙者にニコチンパッチを配るなど、たばこを吸わせない、やめさせる活動と両輪で行うことが必要」と語る。  リクルートが発行する高等教育の専門誌「カレッジマネジメント」の小林浩編集長は「大学1~2年生の多くは未成年。受動喫煙への問題意識が高まるにつれ、今後も全面禁煙にする大学は増えていくだろう。たばこを吸わせない環境を整えることは受験生や保護者へのイメージアップにもつながる」と話す。(田中祐也)     ◇  〈公共施設の禁煙〉 厚生労働省が2月、受動喫煙防止のため、公共施設の原則全面禁煙を求める通知を全国の自治体に出した。対象は官公庁や飲食店、ホテル、学校、病院、百貨店など。4月には神奈川県が公共施設での受動喫煙を防止する条例を施行している。 "[he-forum 15404] 読売新聞5/17 読売新聞 5/17 教員「免許制」見直し  文部科学省は、教員免許制度や教員養成課程など「教員の質」に関す る制度改革に取り組む方針を固めた。  6月にも、文科相の諮問機関である中央教育審議会(中教審、三村明 夫会長)に諮問する。免許制度の抜本見直しや養成課程の延長が議論さ れる見通しだ。  民主党は、実践的な指導力のない教員がいることは免許制度に原因が あると見ている。養成課程についても、教育実習の時間が少ないことな どを問題視している。2009年の衆院選では、政権公約(マニフェス ト)に「教員免許制度の抜本的見直し」「教員養成課程の6年制化」を 掲げた。  今回の諮問も、こうした問題意識に沿って行われる。具体的には、 「教員の質の向上策」をテーマに、〈1〉教員志望者の養成〈2〉教員 の採用〈3〉教員の研修――について、望ましい制度の検討を求める方 針だ。個別の検討項目は指定しない考えだが、免許制度や養成課程が議 題となる見込みだ。  同省は答申を受け、早ければ11年の通常国会に関連法案を提出した い考えだ。 (2010年5月17日 読売新聞) "[he-forum 15405] 読売新聞5/18 元助教データ流用「東北大の認定妥当性欠く」  論文のデータを使い回したなどとして、東北大を懲戒解雇された仙台 市青葉区、同大大学院歯学研究科元助教の上原亜希子さん(41)が、 同大に地位保全と賃金の仮払いを求めた仮処分の申し立てについて、仙 台地裁は、助教の地位保全と賃金の一部の仮払いを命じる決定を出した。  決定は14日付。  同大は、上原さんが2006、07年に発表した論文4本に、過去の 実験で得られたデータや画像の流用が認められたとして、昨年12月、 懲戒解雇処分とした。上原さんは流用を否定し、同月、仮処分を申し立 てた。  決定では、「データに類似性が認められたからといって、流用があっ たと結論付けることは早計」と指摘し、「大学側の不正行為の認定や懲 戒手続きは妥当性を欠く」と認定した。  上原さんは「身の潔白を証明できた。一刻も早く研究生活に戻りた い」と話した。同大は「主張が認められず、誠に遺憾。内容を精査し、 対応を検討する」としている。 (2010年5月18日 読売新聞) "[he-forum 15406] 読売新聞(大阪)5/18 文系の学部を新設…鳥取県教委の要請に鳥取大学長が表明  鳥取大の能勢隆之学長は17日に開かれた鳥取県教委との会合で、文 系学部を新設する考えを明らかにした。現在は文系は地域学部しかない ため、学部新設で受け皿を増やして受験生の県外流出を防ぎ、卒業後も 県内に残りやすい条件を整える。設置時期や分野は今後検討する。  県教委の藤原辰広参事監兼高等学校課長が「受験生の多くが文系だ が、地域学部を受験して不合格になる率が高い。文系の受験先を増やし てほしい」と要望。これに対し、能勢学長は「文系学部を増やすことを 検討している。分野は未定だが、観光など全国的に珍しい学部が適当だ と考えている」と述べた。  同大学によると、今春の県内出身の受験生は993人。学部別では医 279人(合格者66人、合格率23・7%)、工240人(75人、 31・2%)、農101人(41人、40・6%)に対し、地域学部は 最も多い373人が受験して合格者は71人、合格率は最低の19% だった。不合格者の多くは県外に進学したとみられる。 (2010年5月18日 読売新聞) "[he-forum 15407] 朝日新聞青森5/18 朝日新聞青森版2010年5月18日付 弘前大・遠藤正彦学長インタビュー ■遠藤正彦学長インタビュー「正しい評価でない」「プライドの問題だ」  法人化した国立大の予算に差をつけるため、国が教育・研究などを対象に行った初の評価で、全体の「点数」が最も低かった弘前大の遠藤正彦学長(73)が、朝日新聞のインタビューに応じた。遠藤学長は教員の意識などを弘前大の弱点と指摘しつつ、評価結果に対しては「弘前大の努力が反映されていない」と改めて異議を唱えた。(聞き手・大西史晃)  ――86の国立大の中で最も評価が低かったことを、2004年度の法人化前から大学を率いてきた遠藤学長はどう受け止めていますか。  「負け犬の遠ぼえになってしまうが、正しい評価ではない。法人化に伴い、各大学が定めた中期目標・中期計画の期間である04年度からの6年間で評価するべきなのに、(国は最初の4年間での暫定評価をしてしまい)最後の2年間に実施した事務組織の見直しなどが今回の評価には反映されていない」  「法人化のスタートラインに立った時、東大などはずっと先を走っていた。競争は当たり前だが、そうした『ハンディ』も考慮しないと正しい評価にならない。今は格差を背負ったままの状況だから、どうしようもない」  「弘前大ほど基盤整備を進めた大学が他にありますか。国から(国立大の)機能別分化を求められる中、地方の大学として地域に密着したテーマを決め、新エネルギーや被曝(ひ・ばく)医療などに力を入れてきたし、関連の施設も整備した。人材の手当も自前でやった。こうした努力も今のルールでは評価に反映されない」  ――遠藤学長は3月30日、評価に対する意見書を文部科学省に送りました。何を伝えたかったのですか。  「泣き言ですよ。評価自体には反対しないし、学内には『競争の時代だ』と言っている。弘前大は法人化のメリットを生かし、一生懸命やってきた。しかし、国は大学院博士課程の定員充足率が低いから定員を適正化しなさいと要求する。そういう規制につながることを評価の中にいっぱい書かれると、自由な発想で競争するという法人化の良さも阻害されてしまう」  ――ただ、東北6県の7大学で比べても弘前大は総合評価ウエイトが35点台で、一つ上の宮城教育大に4ポイントの差をつけられています。弘前大に足りない点は何ですか。  「みんなが法人化したという共通認識を持っていない。科学研究費補助金の獲得が伸びていないと鼓舞しても『ああ、そうか』と思う教員とそうでない教員がいる。学長の泣きどころ。地方の大学の教員と中央の大学の教員に物質的な格差だけでなく、意識の格差があるのが現実だ」  「医学系などの評価が低かったのは、取り組む項目を多く設けすぎた点が影響した。(評価の基礎となる)自己評価も厳しすぎた。理想が高かったのかもしれない」  ――一般競争入札の導入率など、「経費削減」の視点で内閣府が行った施設管理業務の改善度の評価でも、86大学中72位と点数が低い。  「一般競争入札だと、県外の企業がどっと入ってくる。全部を入札にし、複数年度契約にしたら、地元企業の仕事はなくなる。だからこそ私たちは小さい仕事に分けて単年度でもやっている」  ――今回の評価で、運営費交付金が700万円減らされることになりました。  「金額の問題ではない。プライドの問題だ。法人化後、私たちは日本一の地方大学になるという意気込みでやってきたのに、全然違う結果で、釈然としない。他の大学との相対的な評価をするのではなく、ゼロからどれだけ進歩したかを評価したら、私は弘前大が日本一と思っている "[he-forum 15408] 静岡新聞5/18 静岡新聞2010年5月18日付 学食を“喋り場”に 静大学長が開催、学生と対話  静岡大の伊東幸宏学長(52)は17日、静岡市駿河区の同大キャンパスの食堂で、学生と喋(しゃべ)る「学長オフィスアワー」を開いた。オフィスアワーは、学生の相談や質問に答えるために設ける時間。学生の声に直接耳を傾けようと初めて試みた。  伊東学長は学食の盆を持って学生が集うテーブルに座り、食事をしながら約10人と話した。学生は「学生時代の時間をどう使うべきか」と質問したり、「専攻と将来の夢にギャップがある」と悩みを打ち明けたりした。「学部棟の窓に網戸を付けて」「大学オリジナルの臓器移植のドナーカードを作りたい」とも要望した。  人文学部2年の太田有希さん(19)は「学長は意外とひょうきんで親近感がわいた」と喜んだ。伊東学長は「学長室にいると学生と喋ることができないのでさみしい。大学の主役は学生。大学運営のヒントも得られる」と笑顔だった。  今後も月1回を目安にキャンパス内で続けていくという。 "[he-forum 15409] 毎日新聞5/18 毎日新聞2010年5月18日付 大学大競争:国立大法人化の功罪 外部資金獲得推奨策、効果より目立つ弊害  ◇教員の「業績主義」、研究に支障も  国立大法人化(04年度)に伴って、大学運営に欠かせない国からの運営費交付金が減額され、外部資金獲得を教員に推奨する大学が増えている。しかし、実際には推奨策が外部資金の増加につながっていないことが、国立大学財務・経営センターによる全国立大への調査で分かった。企業が社員の業績によって賃金を増減する「業績主義」の弊害が指摘される中、大学側も経営戦略の見直しを迫られそうだ。【永山悦子、西川拓】  ■実績で配分を加減  外部資金は、運営費交付金の不足を補い、研究力の強化や大学の活性化に欠かせない。代表的な資金は国が配分する科学研究費補助金(科研費)などの「競争的資金」。研究者から公募で集めた研究・教育課題の中から、高い評価を受けたものに配分される。外部資金集めに奔走する国立大は、こうした資金を獲得した教員を表彰したり、外部資金への応募が多い学部への教育研究費配分を増やすなど、あの手この手で教員の尻をたたく。  調査は山本清・同センター客員教授が08年12月~09年2月、全国立大86校を対象に実施し、全大学が回答した。「競争的資金への申請や獲得実績が多い研究者・部門には、大学からの研究費配分を増やし、少ない場合は減らす」など、経済的な推奨策を実施しているかを尋ねたところ、国立大の4割が既に実施、2割が導入を検討中だった。  さらにこのような推奨策が、法人化後の05~08年度の競争的資金獲得増につながったかを統計学的に分析した。学内で特定の研究分野を重点化するなど、大学の戦略的な取り組みと獲得増とは関連があったが、科研費への申請件数によって配分を増減する方法は有意な関連がみられず、大学側の狙いとは逆に獲得を減らす傾向が強かった。資金の獲得実績によって配分を加減する方法でも同様の分析結果となった。  08年版労働白書(厚生労働省)は「企業が仕事への意欲を高める目的で導入した業績主義に基づく賃金制度は、労働者の満足度の低下につながるなど、必ずしも成功していない」と指摘している。山本客員教授は「業績主義が機能しないことは知られているが、代わる施策がないため、なかなかなくならないのが実態だ」と話す。  ■現場にも徒労感  現場の教員にも徒労感や無力感が広がる。  昨年夏、東日本の国立大に勤める40歳代の准教授は学部長から呼び出され、「優秀教員」として表彰された。「給料1カ月分くらいの勤勉手当」が支給されたという。  理由の説明はなかったが、思い当たることがあった。准教授が中心になったプロジェクトは文部科学省の競争的資金の支給対象に選ばれ、昨年度から3年間、年1000万円単位の研究費を大学にもたらしていた。  この大学では、競争的資金への応募を推奨する電子メールを全教員に送付。「合理的な理由なく応募しなければ、大学から教員に配分する研究費の額を見直す」との方針も伝わった。ある教授は「競争的資金への応募は、申請書作成など準備に手間がかかる半面、法人化後は応募件数が増えて採択率が低くなり、労多くして功少なしだ」とため息をつく。文科省によると、科研費の申請件数は年々増えている。支給総額も順調に増えていた94年度の新規採択率は27・0%だったが、09年度は22・5%と低下傾向にある。優秀教員として表彰された准教授も「(申請を)強制されても、いい研究は一朝一夕では生まれない」と指摘する。  首都圏のある国立大では採択率アップのため、競争的資金を獲得した実績のある教員が、他教員の申請書類を提出前にチェックしている。  年に数件をチェックする工学系の教授(43)は「たいして効果があるとは思えない。最近、こういう雑用が増え、自分の研究時間が取れない」と嘆く。  こうした現状について山本客員教授は「競争的資金獲得につながる良い研究は、研究者個人の意欲や関心から生まれる。『獲得したらごほうびをあげる』と目の前にニンジンをぶら下げられても、かえって抵抗感を持つ研究者が多いようだ。国や大学は、現在の資金配分のあり方を再検討することが必要だ」と注文をつける。 ==============  ■ことば  ◇国立大学法人化  「国立大学法人法」に基づき04年4月、全国89(当時)の国立大が従来の国の付属機関から、独立した法人に移行した。各大学は学外者を入れた経営協議会を設置し、文部科学相が認可した中期計画(6年間)に沿って大学を運営、文科省の評価委員会の評価を受ける。運営費交付金(09年度で計1兆1695億円)は国から支給されるが、学長の権限や大学の自主性は強まった。今年4月から第2期の中期計画に入った。 "[he-forum 15410] 読売新聞(大阪)5/19 京大病院「がん病棟」完成…任天堂相談役 ほぼ全額寄付  京都大病院(京都市左京区)で、がん治療の中心となる新病棟「積貞 棟(せきていとう)」=写真=の完成記念式典が18日、行 われた。高さは31メートルで、2007年に導入された新景観政策に よる高さ規制(20メートル)を上回ったが、京都市は、公共性が高 く、景観にも配慮しているとし、特例として初めて規制を除外した。今 月末に診療を始める。  新病棟は地上8階地下1階建て、延べ床面積は約2万平方メートル。 放射線治療科、血液・腫瘍(しゅよう)内科、呼吸器外科、 消化管外科、泌尿器科などがある。  08年7月に着工し、総事業費約75億円のほぼ全額を、任天堂相談 役の山内溥(ひろし)さん(82)が寄付していた。 (2010年5月19日 読売新聞) "[he-forum 15411] 共同通信5/19 共同通信2010年5月19日16時53分 大学に入学者数の公開義務付け 文科省、施行規則改正へ  文部科学省は19日までに、すべての国公私立大学や大学院、短大、高等専門学校を対象に、2011年度から各校のホームページなどを通じ入学者数や授業内容などの情報公開を義務付ける方針を決めた。受験生らの学校選択に役立てるとともに大学教育の質向上を目指す。6月にも学校教育法施行規則の一部を改正する。  情報公開は、大学設置基準などで積極的に行うよう定められているが、内容の選定や公開方法は大学側に委ねられている。文科省の調査では、ホームページから受験者、合格者、入学者数などの情報に自由にアクセスできる大学は全体の64%。「自己点検・評価の結果概要」については51%で、取り組みが徹底されていないのが現状だ。  こうした点を踏まえ、中央教育審議会の部会で公開の在り方を審議。対象を、入学者数、卒業後の進路などの「学生に関する情報」や年間の授業計画の概要を含む「教育課程」、「教員数・保有学位・業績」「卒業認定基準」「奨学金」など9項目に分類し、大学側に公開を義務付けることがこのほど了承された。 "[he-forum 15412] 河北新報社説5/19 河北新報社説2010年5月19日付 統合医療/研究教育体制を整えたい    西洋医学中心の医療に漢方やはり・きゅうなど古くからの療法を取り入れる「統合医療」の取り組みが、国レベルでも始まった。  厚生労働省は科学的根拠が乏しいことを理由に保険適用を制限するなど消極的だったが、現実に効果が報告されていることや、欧米で臨床研究が進んでいることから2月にプロジェクトチームを設置し、治験データの収集に乗り出した。  医療の専門化、細分化が進む中で、患者の体全体の調和を考える伝統的な療法が認められれば、疾患を多く抱える患者には朗報となろう。一部の大病院などで過剰な投薬が行われる現状にブレーキをかけ、医療費を抑制することも期待できる。  統合医療の認知度はまだ低い。アロマセラピーや温泉療法、ヨガなど範囲が広く、玉石混交との指摘もある。科学的データの蓄積、立証を進める一方で、大学での人材育成など教育研究体制の拡充を図り、安心して頼れる新しい医療の確立を目指してほしい。  統合医療は臓器別に診断する西洋医学を補完する考え方だ。学術研究の取り組みは早く、国の医療行政に先行して2000年に日本統合医療学会が発足した。  現在では全国のほとんどの医学部に「漢方医学」の講座が設けられた。東北大や慶応大などの基幹病院に「漢方外来」医局も設置されているが、医療界でも認知度は低く、スタッフも少人数の大学が多い。  治療には一部の漢方薬を除いて公的な健康保険が適用されない。普及が進まない最大のネックとされてきた。それでも東北大の漢方外来には、がん、神経疾患などの患者がはり治療などを求めて来院、予約は2カ月待ちという現実がある。原則自己負担にもかかわらず、望みを託そうとする患者層は広がりさえ見せる。  こうしたニーズの高まりが、医療重視を打ち出す新政権の重点施策に浮上させた。鳩山由紀夫首相は国会答弁で「健康維持のため、真剣に検討していきたい」と前向きに取り組む考えを表明し、2010年度予算に漢方を対象にした研究費10億円が計上された。統合医療を施した患者と、そうでない患者の症状を比較するなど学識者とともに検証作業を進める。  西洋医学の本場、米国やドイツでは統合医療の研究が盛んで、拠点施設も造られている。しかし、日本とは保険制度が異なる上、研究教育体制の厚みの部分で、はるか先を走っている。  日本医師会は「まずは議論が先」と慎重な立場で、鳩山首相が思い描く方向に向かうかどうかは今後の展開次第となる。  ただ、病院間で患者がたらい回しにされるなど、近代医療のほころびが表面化していることも確かだ。国は治療効果のデータを蓄積し、安全性が確かめられた療法から保険医療として認めるなど最適な方式で定着させてほしい。専門知識を深められる教育体制の整備も、統合医療の確立に向けた不可欠の課題と位置付けたい。 "[he-forum 15413] 京都新聞5/19 京都新聞2010年5月19日付 京大新病棟 役立てて 完成式、寄付の山内氏出席  京都市の新景観政策による高さ規制の特例第1号となった京都大医学部付属病院の新病棟「積貞(せきてい)棟」の完成式が18日、左京区の現地で行われた。私財から建設費75億円を寄付した任天堂の山内溥相談役も出席し、「皆さんの役に立つものができた」と喜んだ。  式には、山田啓二知事や門川大作市長、松本紘京大総長も出席し、テープカットに続いて病棟内を見学した。がん治療を主な目的とし、地上8階・地下1階の建物に約300床を配置して、複数の診療科の連携による集学的治療を行う。国立大の付属病院で初めて、急速冷却・加熱で病院食の衛生管理を徹底する「クックチルシステム」も導入した。  市の新景観政策の実施で完成が遅れたが、テープカットをした山内相談役は「別に心配はしていなかった。なかなか良いものができた。がん病棟は珍しいので、これから京大が計画を立てて有効な使い方を実現してくれると思う」と語った。 "[he-forum 15414] 日本経済新聞5/20 日本経済新聞2010年5月20日付 金沢大がフレスコ画の研究所設立、保存技術など開発  金沢大は19日、イタリア中世のフレスコ画の修復、保全に取り組む「フレスコ壁画研究センター」を学内に設立した。イタリアの研究機関と連携し、劣化が進む貴重な壁画を保存する技術を開発するほか、将来の研究者育成を目指す。  金沢大は平成16年からイタリア中部フィレンツェのサンタ・クローチェ教会でフレスコ画の修復を実施。同国南部でも中世壁画を調査するプロジェクトを進めるなど実績を積んでいる。  センターでは美術史や医学など幅広い分野の研究者を集めるほか、修復した壁画をインターネットで閲覧できるデジタルアーカイブの作成にも着手する。  センター長に就任した宮下孝晴教授(60)は「美術史を書き換えるような成果を挙げたい」と意気込んでいる。 "[he-forum 15415] 朝日新聞5/20 朝日新聞 2010年5月20日 大阪府立大、理系特化「NO!」 05年統合の府立女子大OGら 知 事案を批判  旧・府立大阪女子大の同窓会「斐文会(ひぶんかい)」の会員60人 が16日、大阪市天王寺区の府教育会館で集いを開き、橋下知事らが府 立大を理系に特化する改革案を進めていることに異議を唱えた。  府立大阪女子大は2005年、府立大に統合された。前身は1924 (大正13)年創立の府女子専門学校。公立の女子高等教育機関として は全国で2番目に古い。  集いには女子大1期生で米在住の芥川賞作家、米谷ふみ子さん(7 9)も参加。「谷崎潤一郎に大阪弁を教えたのは大阪女子大の同窓生」 とのエピソードを披露し、「女子大時代から守ってきた文科系の史料は どうなるのか。大阪は歌舞伎、漫才など文化の発祥地。府民は納税者と して、日本の文化を壊すような知事はいらんと強く主張してほしい」と 話した。  府立大人間社会学部の山中浩之教授は今年3月、女子大から府立大に 移管された史料のうち特に貴重な92点を、カタログ「蔵品選」にまと めた。室町末期の写本「源氏物語絵詞」、浮世絵の先駆者大森善清の絵 本「あやね竹」、幕末の英書や蘭書(らんしょ)などが掲載されてい る。夏目漱石や国木田独歩の自筆原稿もある。山中教授は「貴重書は調 査・研究する人があってこそ真価を発揮する」。府立大は14日、新体 制への移行時期を1年遅い2012年春にすると発表したが、文系学部 廃止後、文科系の研究がどうなるかは未定だという。  会場からは「女専や女子大は、学生に英語や国語の教員免許、司書資 格などを取らせ、女性の社会進出に役立ってきた。その機能がなくなる のは問題」「なぜ理系中心なのか、知事も学長も説明不足。府民にも、 もっと広く問題点を知ってほしい」などの声もあがった。  米谷さんは「誰か知事の頭に女専の歴史をインプットしたらんと。知 らんのでしょ、彼は。まだ、改革案をひっくり返す余地はある」と女性 たちを鼓舞した。  斐文会は近く意見をまとめて、橋下知事に、大学での史料保管や文科 系の教育・研究機能の存続を要望する予定。(阿久沢悦子) "[he-forum 15416] 産經新聞5/21 産經新聞 2010.5.21 08:57 大学就職率、過去2番目の低さ 高校生も2年連続低下  今春の大学新卒者の就職率(4月1日現在)は91・8%と前年同期 に比べ3・9ポイント減少したことが21日、厚生労働省と文部科学省 の調査で分かった。調査を始めた平成8年度以降、「就職氷河期」とい われ過去最低だった平成12年度の91・1%に次ぐ低さで、同時期の 下げ幅としては過去最大。高校生の就職内定率(3月末現在)も2年連 続で下落し、前年同期比1・6ポイント減の91・6%となった。  集計によると、大学生の就職率は男子は92・0%(前年同期比3・ 9ポイント減)、女子は91・5%(同3・9ポイント減)。短期大学 は88・4%(同6・1ポイント減)、専修学校は87・4%(同4・ 4ポイント減)と軒並み下落している。  地域別では九州地区が前年同期比2・9ポイント減の88・9%で最 低。次いで北海道・東北地区が同2・0ポイント減の89・3%、関東 地区が同6・1ポイント減の90・6%だった。  一方、高校生の就職内定率は男子が同1・4ポイント減の94・ 1%、女子は同2・0ポイント減の88・2%だった。  厳しい就職状況を受けて厚労省は同日、大学や短大、高校などを今春 卒業した若者を1カ月間、試験雇用した企業に対し、1人当たり8万円 支給している「新卒者体験雇用奨励金」の対象期間を3カ月間に拡充 し、最大16万円を支給すると発表した。 "[he-forum 15417] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.18 ニュースレター NO.18           2010、5,17 公正な学長選考を求める裁判を支える会   事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内   (TEL/FAX 088-844-1489) 5.21 高知地裁へ!    前号(No17)でお知らせしたように、いよいよ来る5月21日(金)に、高知地 裁において、審理(証人調べ)が行われます。  予定は以下の通りです。   開始:5月21日(金) 11時~   午前:職員K氏及び元職員B氏(「これまでの経緯」参照)   午後:意向投票管理委員会委員長(当時)I氏。      根小田渡 前人文学部長(当時は学長選考会議委員。2007年10月17日 まで同副委員長)      高橋正征 前黒潮圏海洋科学研究科研究科長(当時 学長候補)  2007年の学長選考から2年半余り。私たちの裁判もやっとここまでたどり着き ました。しかし、感慨に浸っている余裕はありません。この二年間の学内ガバナ ンスは「最悪」のひと言につきるのではないでしょうか。現在の高知大学を覆っ ているこの最悪の状況の出発点が、2007年の学長選考を巡る、「疑惑」「闇」で す。証人調べによって「疑惑」「闇」の中にあった事実関係が公開の場で初めて 明らかになります。これが高知大学再生の岐路となるかを見極めるため、ひとり でも多くの教職員が当日高知地裁に結集して傍聴し、この歴史的瞬間に立ち会い、 大学再生への展望を共有し合えるよう訴えたいと思います。    5月21日(金)の審理は、学長選考の瑕疵を明確にし、そのような瑕疵を含む 学長選考結果を受理した文科省の責任を追及するものです。それゆえ、意向投票 の開票過程やその後の票の取り扱い、さらに開票結果を学長選考専攻会議がどう 評価したか等を解明することは、「疑惑」「闇」の正体を曝くだけではなく、こ の行政裁判の展開に極めて決定的な意味を持っています。 「学長選考」問題のこれまでの経緯  2008年以降に本学に来られた方々のために、「学長選考問題」の経過をおさら いしておきましょう。    2007年10月5日、私たちのこの高知大学で学長選考の学内意向投票が行われま した。候補者は現職の相良祐輔氏(現学長)と黒潮圏海洋科学研究科長(当時) の高橋正征氏の二人です。開票はその日のうちに行われ、17時に終了しました。 その後、意向投票管理委員会が開催され、開票結果を受けて「学内意向投票の結 果確認書」が作成されました。そこで確認された票数は、高橋419、相良378(41 票差)でした。  ところが同日18時ごろ、2名の職員(秘書課課長補佐と企画部部長-今回証人 として出廷する二人です)が、秘書課金庫に入れられていた、開票作業後の投票 用紙が入った箱を開け、「相良票20票の束が高橋票に混入しているのを」「発見」 しました。その後、意向投票管理委員会が再召集され、「票を点検・再集計」し た結果、上記「学内意向投票の結果確認書」とは別に「学内意向投票業務の経過 説明書」なる文書が作成されました。そこには「再集計」によって得られた、高 橋399、相良398(1票差)が記載されました。  この二つの文書(投票結果)は10月7 日に開催された「学長選考会議」に提出 されました。学長選考会議は「意向投票の結果を参考にして」学長を決定するこ ととされていますが、41票差と1票差の2通りの得票数のいずれかに確定するこ となく選考を行い、相良祐輔氏を学長候補と決定しました。 これに対して人文学部、教育学部、理学部、黒潮圏海洋科学研究科、及びセンタ ー等連合教授会の5つの教授会が批判決議を行い、また学生たちも「公正な大学 運営を求める学生の会」を結成して2085名の署名を集め、学長選考のやり直 しと真相究明を求めました。    しかし、文部科学省は2008年2月28日 に、高知大から提出された「次期学長候 補を相良氏に決定した」という「上申書」を受理し、同年4月1日に同氏は学長に 任命されました。そして、それまで同氏が学長に在任していた4年半を、「選出 されたときに学長選考規則がまだなかったから一期目としてカウントしない」と いう不思議な「理屈」で「初期化」し、現在1期4年間の任期の3年目にいたりま す。 裁判の経緯  これに対して私たちは、大学の自浄作用に期待するのは限界であり、もはや司 法の場での解決を求める以外無いと判断し、裁判に踏み切りました。 まず、2007年12月26日 高橋正征氏を原告とし、国立大学法人高知大学を相手取 って、学長選考の無効確認を求める民事訴訟を高知地裁に提訴し、併せて、開票 作業に関わる不正行為に関して、「偽計業務妨害」で「被告発人不詳」の形で高 知地検に刑事告発を行いました(結果的にこちらは不起訴)。  民事裁判では合計三回の口頭弁論が行われましたが、学長任命によって、審理 に入ることは困難であるという裁判所側の見解を受け、訴えを取り下げました (2008年6月23日)。  民事の取り下げの翌日(6月24日)、国による学長任命処分の取り消し(後に 無効確認に変更)の 行政訴訟を提訴しました。  第1回の口頭弁論は当初2008年9月19日に予定されていたのですが、被告の (国側)が高松地裁での審理を求める「移送の申し立て」を行ったため遅れに遅 れました。しかし国側の主張は地裁、高裁いずれにおいても認められず、第一回 口頭弁論 は2009年4月13日に我々の主張通り高知地裁において開催されました。  その後、ほぼ一年にわたって、関係者のみが出席できる「弁論準備手続き」が おこなわれ、やっとここにいたって、公開の法廷での証人を呼んでの疑惑の核心 部分を問う審理が行われることになったという訳です。 こうして裁判は、最初のそして最大の山場を迎えることになりました。高知大の 未来のため、この裁判への更なるご支援をお願いします。 "[he-forum 15418] 産経新聞関西5/21 産経新聞関西版2010年5月21日付 大阪府立大「考える会」が公開質問状 学部編成 理系中心に反対  大阪府立大学の理系中心の学部再編に反対している同大OBらで結成された「大阪府立大学問題を考える会」(中井英二代表)は20日、堺市中区の府大を訪れ、昨年学長名で出された大学改革に関する「見解」などに対する公開質問状を寺迫正廣副学長に手渡した。  公開質問状は、(1)昨年出された「府大のあり方についての見解」と前後して発表された「大学改革案」との相違について(2)理系中心の改革を選択した理由(3)文系学部は今後どうなるのか(4)「大学改革案」を再度検討すべき―の4項目。  寺迫副学長は「文理融合の新しい府大を作ろうとしている。新しい学域の中に文系は残していく」とし、改革への理解を求めた。一方「考える会」側は、「橋下改革に振り回されている印象が強い。総合大学として府大を残してほしいというのが私たちの願い」(中井代表)としている。  府大側は公開質問状への回答を約束した。考える会では、文系学部廃止などを訴える署名活動などを展開していくとしている。 "[he-forum 15419] 信濃毎日新聞5/21 信濃毎日新聞2010年5月21日付 県短大4年制化で試算 初期投資額20~55億円  県短期大学(長野市)の四年制化の是非を議論する検討委員会(座長・板倉敏和副知事)は20日、県庁で開き、事務局の県企画課は四年制化した場合の財政面での試算を示した。初期投資費は、大学の入学定員や校舎の整備の仕方などによって異なり、約20億~55億円かかると見込んでいる。  試算は(1)現在の入学定員(240人)と同数で四年制化(2)定員を1・5倍にする(3)定員を2倍にする-の3パターンを想定。初期投資費用は、長野市三輪の現キャンパスを利用し、校舎を新築するケースと、改修して使うケースごとに算出した=表。  入学定員を2倍にする場合は、現キャンパスのほかに別の場所にも校舎を建てる必要があるとしている。  年間の運営経費については、同規模の公立大の例を参考に、16億6100万円~19億6400万円と試算。定員を増やせば運営経費も増すが、授業料収入が多くなるため、県費による負担は抑えられるとしている。  企画課は、四年制大学移行後の教育内容例を盛った「たたき台」も提示。論理的思考力やコミュニケーション力の習得を目指した討論重視の授業を行うことや、地域の伝統、文化、自然などの研究を通じ、郷土を愛する心をはぐくむ学問の創設を挙げた。  委員からは「県内他大学との競合を避ける観点からも、国際化の視点を重視すべきだ」といった意見が出た。  県は6月までに、県内の高校3年生約2200人を対象に、四年制化する場合にどんな学部が望ましいかなどを聞く調査を実施。6~8月には県民や県内企業を対象とするアンケートも行う。 "[he-forum 15420] 南日本新聞5/18 南日本新聞2010年5月18日付 鹿児島大病院が完全予約制導入 外来5診療科 6月から  鹿児島大学病院は6月1日から、外来の5診療科で完全予約制を導入する。待ち時間の常態化を解消し、急性期の患者に対し高度医療を充実させる狙い。残る診療科も年度内の導入を検討している。  消化器内科、腎臓内科、小児科、耳鼻咽喉(いんこう)科・頭頸部(けいぶ)外科、小児外科-の5診療科。  初診患者は、かかりつけの地域医療機関などを通じ、同大病院地域医療連携センターにファクスで受診日を予約、地域医療機関の紹介状を持って受診する。再診は、前回受診時に予約する。予約と紹介状がなければ受診できなくなるが、急患には柔軟に対応する。  予約は5月24日から。地域医療連携センター=099(275)5168。   "[he-forum 15421] Re: 朝日新聞5/20 *転送 五味* 朝日新聞 2010年5月20日 大阪府立大、理系特化「NO!」 05年統合の府立女子大OGら 知 事案を批判  旧・府立大阪女子大の同窓会「斐文会(ひぶんかい)」の会員60人 が16日、大阪市天王寺区の府教育会館で集いを開き、橋下知事らが府 立大を理系に特化する改革案を進めていることに異議を唱えた。  府立大阪女子大は2005年、府立大に統合された。前身は1924 (大正13)年創立の府女子専門学校。公立の女子高等教育機関として は全国で2番目に古い。  集いには女子大1期生で米在住の芥川賞作家、米谷ふみ子さん(7 9)も参加。「谷崎潤一郎に大阪弁を教えたのは大阪女子大の同窓生」 とのエピソードを披露し、「女子大時代から守ってきた文科系の史料は どうなるのか。大阪は歌舞伎、漫才など文化の発祥地。府民は納税者と して、日本の文化を壊すような知事はいらんと強く主張してほしい」と 話した。  府立大人間社会学部の山中浩之教授は今年3月、女子大から府立大に 移管された史料のうち特に貴重な92点を、カタログ「蔵品選」にまと めた。室町末期の写本「源氏物語絵詞」、浮世絵の先駆者大森善清の絵 本「あやね竹」、幕末の英書や蘭書(らんしょ)などが掲載されてい る。夏目漱石や国木田独歩の自筆原稿もある。山中教授は「貴重書は調 査・研究する人があってこそ真価を発揮する」。府立大は14日、新体 制への移行時期を1年遅い2012年春にすると発表したが、文系学部 廃止後、文科系の研究がどうなるかは未定だという。  会場からは「女専や女子大は、学生に英語や国語の教員免許、司書資 格などを取らせ、女性の社会進出に役立ってきた。その機能がなくなる のは問題」「なぜ理系中心なのか、知事も学長も説明不足。府民にも、 もっと広く問題点を知ってほしい」などの声もあがった。  米谷さんは「誰か知事の頭に女専の歴史をインプットしたらんと。知 らんのでしょ、彼は。まだ、改革案をひっくり返す余地はある」と女性 たちを鼓舞した。  斐文会は近く意見をまとめて、橋下知事に、大学での史料保管や文科 系の教育・研究機能の存続を要望する予定。(阿久沢悦子) "[he-forum 15422] 毎日新聞大阪5/22 毎日新聞大阪版2010年5月22日付 府立大:再編計画巡り、「考える会」が学長に公開質問状  府立大(堺市中区)の再編計画を巡り、大学OBらで作る「府立大問題を考える会」が20日、奥野武俊学長に対する公開質問状を提出した。代表で元中学教諭の中井英二さん(62)は「大学が(橋下徹)知事に振り回されているように思わざるを得ない。文・理系ともに発展させるため、さらに時間をかけて検討すべきだ」などと求めた。  質問状では、「05年に府立3大学を統合して総合大学となったばかりなのに、なぜ再び理系中心の大学に再編するのか」「文理融合型の教育研究を主張しているが、文系の学科や専攻で完全に廃止されるものはあるか」などを問うている。【田中博子】 "[he-forum 15423] 長崎新聞5/22 長崎新聞2010年5月22日付 感染症の高度研究施設を設置検討へ 長崎大、世界規模で貢献目指す  長崎大(片峰茂学長)は、エボラ出血熱など新たな感染症の研究に向け、必要な実験などを手掛ける「高度安全実験施設」(レベル4施設)の設置に向けた検討を学内で始めたことを21日、明らかにした。  感染症に対する長年の研究実績を生かし、診断・治療やワクチン開発など予防方法の確立に世界規模で貢献することを目指す考え。実現すれば、国内では初の稼働例となるが、危険な感染症の研究は、施設周辺の住民の不安などにつながる可能性もあり、議論を呼びそうだ。  長崎大は、医学部の前身の長崎医学伝習所(1857年創立)以来、感染症研究の実績を積み重ねており、2005年にはケニアとベトナムにも拠点を設置。世界保健機関(WHO)から協力センターの指定を受けている。同大熱帯医学研究所(長崎市坂本1丁目)は、結核菌や狂犬病などを扱えるレベル3施設に相当する。  新たな施設では、アフリカでまん延したエボラ出血熱や天然痘など危険度が最も高い病原体が研究対象となる。  同種の施設は、欧米を中心に世界15カ国、約30カ所が稼働中。同大によると、これらの施設では壁を二重にしたり、廃液をすべて高圧滅菌処理するなど安全対策が徹底されているという。  一方、国内では1981年、国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)に設置されたが、住民や地元自治体の反対で稼働していない。  同大は4月、文科省や厚生労働省に検討開始を説明、学内に学長直属のワーキンググループを発足させた。外部有識者を交え、早ければ6月中旬にも初会合を開く。  須齋正幸同大理事は県庁で記者会見し、「地元自治体や住民の一定の理解と合意がなければ、設置できない。その可能性を話し合いたい」と述べた。 "[he-forum 15424] しんぶん赤旗5/24 「しんぶん赤旗」2010年5月24日(月) 交付金削減 根拠なし 高橋氏 国立大「評価」を批判  日本共産党の高橋ちづ子議員は21日の衆院厚生労働委員会で、国立 大学法人に対する客観性の乏しい政府の「評価」が運営費交 付金の額に反映されていることを批判しました。  高橋氏は、各大学の取り組みを6年間で「評価」し、予算に差をつけ る「運営費交付金の評価反映分」の順位について、最下位の弘前大学 (青森県)から抗議文が出ていると指摘。各大学で独自に掲げている目 標に対しての達成状況の評価を並べることには「まったく意味がない」 と認めた鈴木寛文部科学副大臣に、「では、評価が係数化されて運営費 交付金に結び付けられる根拠はどこにあるのか」とただしました。  鈴木副大臣は、「各大学が2002年に決まったルールで走っている 以上、決めた通りにする」などと答弁。高橋氏は、「前政権が決めたこ とを引き継ぐものだ。一部の強いもの(大学)だけがもっと強くなる構 図は、小泉改革そのものだ」と見直しを求めました。  また、高橋氏は、内閣府が公表した国立大学法人の「民間開放度」ラ ンキングについて、枝野幸男行政刷新相が「運営費交付金に反映するべ きだ」と発言していることを批判。内閣府の田村謙治政務官は「今回の 評価結果をただちに交付金に反映することは考えていない」などと述べ ました。 "[he-forum 15425] 読売新聞(大阪)5/23 (2010年5月23日 読売新聞) 内定決まらぬ学生支援、神大 異例の企業説明会 35社参加、28日に  神戸大(神戸市灘区)は28日午前11時から、就職の内定を受けて いない学生や大学院生を対象に合同企業説明会を開く。内定のピークが 過ぎたこの時期の開催は初めて。県内随一の就職実績を誇る同大学で も、就職難への危機感が高まっている。  厚生労働省などが21日に発表した調査結果によると、大学を今春卒 業した就職希望者の就職率は、前年同期比3・9ポイント減の91・ 8%。過去最低だった2000年卒(91・1%)に次ぐ低さだった。  就職の情報提供やアドバイスを行っている神戸大キャリアセンターに よると、2009年度の就職相談件数は、08年度の倍近い2079 件。納得のいく就職口が見つからず、早々に進学や留年を決める学生も いるといい、“異例の時期”の企業説明会に踏み切った。  当日は、県内外の製造業や金融機関、情報・IT企業など計35社が 参加。企業説明や個別相談ができるといい、担当者は「中小企業への就 職も視野に入れ、粘り強い就職活動をすることが大切」と呼びかけてい る。  広告や出版など約10社を受けたが、まだ内定がないという文学部4 年の女子学生(22)は「夏までは就職活動を続けるが、決まらなけれ ば留年するつもり。大学側がチャンスを作ってくれるのはありがたい」 と話していた。 "[he-forum 15426] 山大職組情報(山形大学職員組合)5/20 『山大職組情報』2010/5/20 結城学長の大学観と大学運営の問題点  -「文科省が主役」の大学づくりを批判する!- はじめに 「学生が主役」の大学づくりを掲げる結城学長ですが、その実は「文科省が主 役」の大学づくりをめざしている--そのような動向がこの間の大学運営や最 近の結城学長の発言から明確になっています。山形大学の将来に関わる重要な 内容ですので検討しましょう。....... *************************************************** 全文は,新首都圏ネット事務局web site http://www.shutoken-net.jp/ "[he-forum 15427] 北海道新聞5/26 北海道新聞2010年5月26日付 道内4高専と北見工大が協定 教育、研究分野で 【北見】北見工大(鮎田耕一学長)と道内の4高専(函館、苫小牧、釧路、旭川)は25日、教育面や研究分野での協力を盛り込んだ学術交流に関する協定を結んだ。  内容は情報交換や研究施設の相互利用、人材交流など。北見工大と4高専は、これまでも交流していたが、さらなる連携強化を目的に、高専側が工大側に協定締結を打診し実現した。  この日、各高専の校長が北見工大に集まり協定書に調印した。道内の大学と4高専の協定締結は北大、室蘭工大、公立はこだて未来大に続く4例目。 "[he-forum 15428] 陸奥新報5/24 陸奥新報2010年5月25日付 「弘大は地域に貢献」 商議所会頭が国立大評価委に反論  国立大学法人評価委員会の運営費交付金配分の公表で、弘前大学が全国最下位と報道されたことに対し、弘前商工会議所の新戸部満男会頭は24日の常議員会で「地元に密着し、地域経済に多大な貢献をいただいていることが評価されていない」と強く訴え、常議員に理解と協力を求めた。  常議員会では報告案件の中でこの問題を提示。弘前大学が進めてきた高度救命救急センターや白神自然観察園など数々の基盤整備が評価の対象になっていないことや、大学側が「首都園の大規模大学に有利な評価法で、公正ではない」として、委員会側に強く抗議していることが資料などを基に説明された。  新戸部会頭は冒頭のあいさつでもこの問題に触れ、強い口調で反論。「われわれの常識から全く外れている。評価の基準が分からない」と述べ、常議員に理解と適切な情報発信を呼び掛けた。 "[he-forum 15429] 東奥日報5/25 東奥日報2010年5月25日付 英教育情報誌の弘大評価は51位  英紙タイムズ系の教育情報誌が発表した2010年アジア地区大学ランキングによると、弘前大学はアジアの171位、国内の国公私立約760大学の51番目と比較的上位につけていることが分かった。同大は、国立大学法人の運営費交付金に反映させる文部科学省の評価で「全国最下位」だったが、遠藤正彦学長は25日、「今までのいろいろな評価からすると当然。国は公平な評価をしてほしい」と話した。 "[he-forum 15430] 日本経済新聞5/26 日本経済新聞2010年5月26日付 業績や入学者数、ネットで開示 文科省が大学に義務付け  文部科学省は来年4月から、すべての大学と短大、大学院にインターネットのホームページ上に入学者数や授業内容などの情報を盛り込むよう義務付ける。これまで大学の情報開示には詳細なルールがなかった。少子化などで経営に行き詰まる大学が増える中、都合の悪い情報も表に出させることで受験生が適切に学校を選べるようにするとともに、教育の質の向上につなげる。  中央教育審議会の大学分科会が26日、義務化について了承した。同省は6月にも学校教育法施行規則を改正し、来年4月に実施する。  公開を義務付けるのは(1)入学者数や定員、在学者数、卒業者数と進路(2)授業方法や年間授業計画(3)教員数や保有学位・業績――など9項目。定員割れなど不都合な情報を隠せなくするほか、授業内容の公開で大学側が教育の質を高める努力を積極的にするようになると期待している。  ただ、授業内容などについて同規則では具体的な公開範囲を定めない見通し。どこまで明らかにするか各校で対応が分かれそうだ。  文科省は、義務ではないが教育内容の充実や国際的評価を高めるために公開が望ましい情報も例示する。「教員1人あたりの学生数」「外国人教員数」「留学生へのサポート体制」などで、英語での表記を勧める。  義務化する項目の公開状況は第三者機関が定期的にチェックし、結果を公表する。不十分でも罰則はないが、「大学への補助金を減らす可能性がある」(同省)という。  文科省によると、大学は学校教育法などで積極的な情報公開を求められている。しかし内容や方法については詳細なルールがなく、海外の大学に比べて情報公開の遅れが指摘されていた。  同省の調査では2007年度時点で、742校のうち36%が受験者数や入学者数をホームページで公開していなかった。第三者機関の評価結果を公開していた大学も42%にとどまっていた。定員割れなどを明らかにして学生に敬遠されるのを嫌がる大学が少なくなかったという。  同省は「大学の質を高めるには教育情報を分かりやすく示し、社会の評価にさらすことが欠かせない」とし、昨秋から中教審大学分科会の部会で公開ルールを検討してきた。別の部会では、私立大を経営する学校法人の財務情報の公開基準についても議論している。 "[he-forum 15431] 山陰中央新報5/25 山陰中央新報2010年5月25日付 とっとりバイオフロンティア構想実現へ組織  鳥取大学が開発した世界最先端の染色体工学技術を活用して、鳥取県を今後10年間でバイオ関連産業の一大集積地へと育て上げる「とっとりバイオフロンティア」構想の実現に向け、同県、県産業振興機構、同大学など産学官の関係8団体は24日、同構想の推進主体となる「とっとりバイオフロンティア事業運営委員会」を立ち上げた。  第一回は、米子市西町の同大医学部キャンパスであり、委員長に県商工労働部の山根淳史部長を選出した。研究企画、人材育成、管理運営の3部会からなる同運営委は、外部評価委員の意見も取り入れながら、実用化に向けた技術確立▽実験用動物生産企業の立地▽バイオ関連産業の集積-という3段階のプロセスを10年間かけて実現していく。  山根委員長は「県経済成長戦略にも掲げているが、10年後には地場既存企業の規模拡大も含めバイオ関連企業60社を集積し、1900人の雇用を創出したい」と語った。  来年4月には、同医学部の動物実験施設南に、企業の入居スペースを設けた産学官共同研究施設が開所する予定。入居企業には、同施設内で同大が開発したヒト型遺伝子マウスを使った薬の開発や食品の機能性評価などの実験を通して事業化、商品化の可能性を探ってもらい、県西部への企業誘致につなげる。  この日は併せて、来年度から、産官学共同研究施設の管理運営者となることが想定されている県産業振興機構が、同医学部大学会館内に4月に立ち上げた「バイオフロンティア推進室」の看板設置式も行われた。 "[he-forum 15432] 山形新聞5/26 山形新聞2010年5月26日付 山形大とモンテが連携協力協定締結 選手の「第二の人生」を支援  山形大(結城章夫学長)とJ1モンテディオ山形を運営する県スポーツ振興21世紀協会(川越進理事長)が25日、連携協力協定を結んだ。モンテディオ山形の選手が山大の授業を聴講できるようにして“第二の人生”を支援する-といった事業を展開していく。  協定書は(1)連携した授業の実施(2)選手のセカンドキャリア支援(3)選手と大学の交流(4)試合会場などでの学生によるボランティア活動-などを連携協力の内容として盛り込んだ。  (1)は既に実施して3年目。試合観戦やモンテディオのスタッフによる講演、サポーターへの聞き取り調査、選手との交流などを通して、地域の重要な資源であるプロスポーツチームと地域の関係の在り方について考える内容だ。定員30人に対し、2倍の応募がある人気授業だという。  (2)は検討中だが、教員免許取得を目指す選手に対して授業料を免除して教職課程を受講できるようにしたり、外国人選手への日本語指導といったケースが想定されるという。今後、モンテディオ選手のニーズに合わせて調整する。  締結式では結城学長と川越理事長が協定書に署名。結城学長は「連携は学生にとってもわくわくすること。大学の教育、研究が活性化し、地域貢献につながることを期待したい」、川越理事長は「両者の人材育成に役立てればうれしい。選手に対してはセカンドキャリアを見据えて、大学と連携を図っていきたい」と述べた。 "[he-forum 15433] 高知新聞5/22 高知新聞2010年5月22日  「鍵掛けたか覚えてない」 高知大学の学長選訴訟 事務職員が証言 高知地裁  2008年4月に文部科学省が高知大学の学長に相良祐輔氏を任命したのは「違 法」として、当時の学長選考会議委員と対立候補が国に任命取り消しを求めてい る行政訴訟の口頭弁論が21日、高知地裁で開かれた。問題の発端となった学長選 考に伴う事前の学内意向投票(07年10月)にかかわった事務職員らが証人として 出廷、投票用紙の管理などについて説明した。    学内意向投票の当初の開票集計では、対立候補だった高橋正征氏が相良氏に 41票差をつけていたが、開票作業終了後、投票用紙を同大秘書課事務室で整理し ていた2人の職員が「相良氏の20票が高橋氏の投票箱に混入していた」と指摘。 投票管理委員が再び集まって数え直すと、両氏の差は1票になった、とされてい る。    証人として出廷した2人の職員のうちの1人(当時の秘書課課長補佐)は、 「(開票が終わった投票用紙の入った箱を)わたしが秘書課に持ち帰って、金庫 にしまった。金庫に鍵を掛けたかどうかは覚えていない」などと説明。その後、 「事務室に部長(当時の企画部長)が来て、(投票用紙を)整理しようというこ とになり、金庫から箱を取り出した」と話した。    また、同じく証人として出廷した当時の意向投票管理委員長は、職員から票 数の食い違いがあると連絡を受けた時のことについて、「そんなことが起きるは ずがないと思った。事態をどう収めたらよいかを考えてパニックになった。今思 えば、(開票が)すべて終わっているのに再度、投票管理委員を呼び出したこと がわたしの不手際だった」と話した。    次回(8月12日)で結審する予定。 "[he-forum 15434] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.19 ニュースレター NO.19                     2010、5,26 公正な学長選考を求める裁判を支える会        事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内  (TEL/FAX 088-844-1489) 5.21 裁 判 報 告(第一報)    前号(No18)でお知らせしたように、5月21日(金)に、高知地裁205法廷にお いて、審理(証人調べ)が行われました。    当日は、午前・午後にわたる長時間の審理にもかかわらず、休暇をとって駆け つけた教職員・卒業生・元職員さらには法律専攻の現役学生で35の傍聴席は埋ま りました。    審理は予定通り11時に開始され、以下のように進みました。   開始:5月21日(金) 11時   11:00~11:40 元職員B氏   11:40~12:10 職員K氏     休憩   13:30~14:10 意向投票管理委員会委員長(当時)I氏。   14:10~14:50 根小田渡 前人文学部長(当時は学長選考会議委員。                      2007年10月17日まで同副委員長)   14:50~15:30 高橋正征 前黒潮圏海洋科学研究科研究科長(当時 学長候 補)  くわしい証言内容は次号以降で順次ご紹介します。  推理小説のように「意外な真犯人」が現れたり、決定的な新証拠が暴露された りするという場面こそありませんでしたが、これまで大学側の発表ではあいまい になっていたことや隠されていたことが次々に明らかになり、状況の怪しさもさ らに鮮明になりました。  B氏とI氏の証言については、5月22日の『高知新聞』朝刊記事、「「鍵か けたか覚えていない」 高知大学の学長選訴訟 事務職員が証言」で取り上げら れています。それ以外にも、B氏(今や「某旧帝大総務部長」にまで出世してい ます)が、裁判長から「投票用紙の入った決裁箱をどのように整理するつもりだ ったのか」と問われて、完全にしどろもどろになるなどの場面もありました。更 に根小田証人からは「河本事務局長(当時)が、金庫を開けた事務職員の行為に ついて、票の再チェックのためであると発言していた」という爆弾証言が飛び出 しました(この証言に対して国側弁護人からは一切反対尋問なし)。  裁判所がこれらの証言をどう判断するのか、また文部科学省の任命行為の法的 責任をどう判断するのか、予断を許しませんが、私たちは高知大学をまともな大 学にするために更に闘いを進めることを決意しています。皆様のさらなるご支援 をお願いしたいと思います。  次回 8月12日(木)11:00~ 高知地裁 結審  (弁護団によれば判決は10月くらいではとのことです) "[he-forum 15435] 読売新聞5/27 (2010年5月27日 読売新聞) 東工大で個人情報1889人分紛失、試験成績など  東京工業大学(伊賀健一学長)は26日、同大大学院理工学研究科の 教員が、学生ら延べ1889人分の成績などを記録した外部接続型ハー ドディスクを紛失したと発表した。  同大によると、データは期末試験や大学院入試の成績など。同日まで に、データが不正使用されたとの報告はないという。教員は今月21 日、電車で帰宅途中に紛失し、24日に大学に報告した。同大では、対 策チームを設置して、今後の対応を検討している。 "[he-forum 15436] 産經新聞5/27 産經新聞 2010.5.27 11:50 法科大学院の募集停止決定 姫路独協大の教授会 兵庫県姫路市の姫路独協大=27日兵庫県姫路市の姫路独協大=27日  姫路独協大法科大学院(兵庫県姫路市)が平成23年度以降の学生募 集を停止すると教授会で決定していたことが27日、大学関係者の話で 分かった。同大学を運営する学校法人の理事会で同日午後正式決定し、 法科大学院の運営から撤退すれば、全国74校で初めて。  司法制度改革の一環で設置された法科大学院は修了者を対象とした新 司法試験の合格率に格差があるなどの問題点が指摘されていた。今回の 募集停止は、法科大学院の定員削減や統廃合の議論に影響を与えそうだ。 "[he-forum 15437] 文部科学省5月27日報道発表 昨27日付で,文部科学省から以下のような報道発表がありました。 意見を募集しています。 関連資料は,下記のURLからダウンロードできます。 リンク先も,下記のURLから参照できます。     *    *    * 「国立大学法人化後の現状と課題について(中間まとめ(案))」について http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/05/1294218.htm 文部科学省では、本年1月より「国立大学法人の在り方に係る検証」を進めてきました。 この度、本検証の中間まとめ(案)を公表するとともに、「熟議」プロセスによる議論、及び意見募集を実施することといたしましたので、お知らせします。 1  経緯  昨年11月に実施された行政刷新会議の事業仕分けを契機として、本年1月より「国立大学法人の在り方に係る検証」を進めてきました。  本検証では、国立大学法人に関する様々なデータを収集・分析するとともに、(1)文部科学省ホームページでの意見募集、(2)政務三役による有識者からの意見聴取、(3)国立大学法人への実地調査、(4)全国立大学法人への書面による意見聴取、(5)国立大学法人評価委員会からの意見聴取を行い、「国立大学法人化後の現状と課題について(中間まとめ(案))」として取りまとめました。 2 今後のプロセスについて  本日5月27日(木曜日)より、本「中間まとめ(案)」について、「熟議」プロセスによる議論、意見募集を実施します。また、これらと並行して、関係団体からの意見聴取・交換を経て、「中間まとめ」として取りまとめ、公表する予定です。 ※意見聴取・交換を行う関係団体及び実施日程は別途お知らせいたします。(1)「熟議」と意見募集の実施期間平成22年5月27日~平成22年6月17日(2)熟議について以下のURLを御参照下さい。文部科学省「熟議」サイト:熟議カケアイ(※熟議カケアイへリンク) (3)意見募集について以下のURLを御参照下さい。意見募集:電子政府の総合窓口イーガブ(※電子政府の総合窓口イーガブへリンク)御意見提出方法:電子メール御意見提出先 :担当副大臣・政務官(鈴木副大臣、高井政務官)  メールアドレス:kokuritu@mext.go.jpなお、御意見に対して個別の回答はいたしかねますので、その旨ご了承願います。3 関連資料国立大学法人化後の現状と課題について(中間まとめ(案))概要 (PDF:195KB)国立大学w)€ノ/猷集紊慮従・伐歛蠅砲弔い董蔽羇屬泙箸瓠憤董法 (PDF:292KB)国立大学法人化後の現状と課題について(中間まとめ(案)) 参考資料(PDF:1586KB)お問い合わせ先高等教育局国立大学法人支援課電話番号:03-6734-3760(直通) "[he-forum 15438] 読売新聞5/28 (2010年5月28日 読売新聞) 公立小教員試験、優遇制度応募6人だけ…神奈川 県外への周知方法に課題  7、8月の神奈川県の公立小学校教員採用試験で、他の4県の昨年の 筆記試験(1次試験)通過者に、筆記試験を免除する新たな優遇制度へ の志願者が6人にとどまったことが27日、県教育委員会の暫定集計で 分かった。  全体の応募総数も前年並みにとどまる見通し。全国最低レベルの2・ 5倍前後で推移する競争率を上昇させ、教員の質を確保する目的で導入 した優遇制度がつまずいた格好で、県教委は「対象者への周知が難し かった」と頭を抱えている。  県教委によると、優遇制度の対象は、昨年実施された青森、山形、愛 媛、沖縄の4県の公立小学校教員採用試験の筆記試験通過者。いずれも 高倍率(3・7~9・0倍)の筆記試験を突破したものの、面接で不合 格となるなど最終的に採用されなかった人を想定した。神奈川県(横浜 市、川崎市除く)の公立小学校教員採用試験に応募すれば、7月11日 の1次試験(筆記試験)を受けることなく、8月の2次試験(面接と模 擬授業など)に進める仕組みで、2次試験は一般受験者と同条件で合否 が判断される。  県教委は、昨年の4県の試験結果から対象者200人程度のうち、数 十人の志願があると期待していたが、今月21日の締め切りまでに応募 は1けたにとどまった。  団塊世代の大量退職で採用人数を増やしたため、昨年には筆記試験の 通過倍率が1・3倍まで低下。危機感を強めた県教委は、同様の筆記試 験を課し、通過倍率が3・5倍以上と高かった全国の10県市をピック アップし、優遇制度導入を前提に、筆記試験通過を証明する情報提供の 協力を要請した結果、今回の4県教委が応じる意向を示した。残りは、 受験者を奪われる恐れや個人情報保護の観点などから断られたという。  県教委は「募集要項を4月中旬に公表したが、一部の全国紙やイン ターネットのニュースで報道された以外は、4県の対象者にうまく伝え ることができず、県教委のホームページを自主的に見てもらうしかな かった。ニーズの有無も含めて最終的な採用状況を検証し、来年度以降 も継続するかどうか考えたい」としている。  全体では、この優遇制度も含めて2400件程度の応募があり、県教 委は現在、提出書類の精査を進めている。例年、ネットと郵送の二重応 募や資格要件を満たさないケースが数十件から100件程度含まれるこ とから、最終的な応募総数は前年並み(2313人)になる見通しだ。 "[he-forum 15439] 朝日新聞5/28 朝日新聞 2010年5月28日 中教審大学分科会(第89回) 「私学はダメだから、つぶすのか」 早大総長、熱弁の波紋   大学の情報公開を義務化するため学校教育法施行規則などを改正する ことについて、川端達夫文部科学相が5月26日、中央教育審議会大学 分科会に諮問し、了承された。この改正はすでに方向性が中教審で打ち 出されていた。分科会ではほかに、5月11日に大学規模経営部会でま とめられた「私立大学の健全な発展に向けた充実方策について」(5月 13日にこのコラムに掲載)という論点整理や、大学院教育の実質化の 検証など各部会の議論の経過が紹介された。  今回の議論の的になったのが、上述した大学規模経営部会での「私大 の充実方策について」。「撤退」の方策として、不採算部門を見極め学 生の募集停止を実施→再生困難な部門を整理すると盛り込んだほか、募 集停止の留意事項をガイドライン化、撤退する学生のケアやセーフ ティーネットを検討するよう求めている。  白井克彦委員(早大総長)が、「私大の充実方策」の論点整理につい て、国立大学を相手にしてきた文科省が私学のことだけを取り上げた ペーパーをまとめたのは「画期的で初めてのこと」と口火を切って続け た。「しかし内容を見ると、いかに私学をつぶすかという論調ではない か。私学はもともと競争原理でやっている。肝心な日本の国公私のシス テムのいびつさが議論されたのか。固定化したこのシステムを変えれば いろんなことができる。新しい高等教育システムを考えるべきだ。機能 分化(大学を研究などの機能によって区別、分化すること)も現状肯定 することにとれないか。システム全体をどうよくするのかという議論を お願いしたい」  続いて、論点整理をまとめた大学規模経営部会の金子元久委員(国立 大学財務経営センター研究部長、前東大教授)が、「私学の統廃合は深 刻に受け止められながらも本格的に議論されなかった。はっきりと取り 上げたことに意味がある。経営上の問題だけでなく、質の問題も重要。 今後、白井委員の発言も踏まえ議論したい」と話した。同部会の樫谷隆 夫委員(日本公認会計士協会常務理事)が「私学を強くするためには、 撤退もありうる。出たり入ったりは当たり前。マイナスにとらえるもの ではない」と言った。  これに対して、白井委員が「私学はずっといじめられているものです から。国公私の役割は同じことをやっている。競争原理と役割がどう整 理されているのか。いい方法はいくらでもある。それなのに私立はだめ だからつぶすというのでは、あまりにもひどい」「たとえば国立が中心 になってもいいが、地域のコンソーシアム、学校群をどうするか、とい う自覚がないといけない」と述べた。他の委員からも白井委員の提言を めぐって活発な発言が続いた。  分科会長の安西祐一郎氏(慶応学事顧問)が「国立大学の関係者は、 私学は何をやっているのかと思い、その逆もある。それを超えて議論し てほしい。危機的状況をどうするかというペーパー(論点整理)だと思 う」と引き取る形になった。  ふだんは低調になりがちな分科会の議論だが、白井委員の熱弁をきっ かけに私学と国立の役割分担など、全体構図を描く必要性が強調された ともいえる。  この大学分科会の冒頭、委員に大学分科会の各部会を通じた論点につ いてという資料が配られた。委員らによると、「大学教育を一定の教員 組織によって担われる学位プログラムとして構成することにより教育の 質を保証(グローバル化、国際競争力の前提)」「各大学が、それぞれ の個性・特色に基づき、機能別に分化」という論点が示され、この論点 で各部会の提言や課題のうちいくつかを横断的に再構成することも可能 と書かれていたという。  大学分科会は、テーマによって個別の部会に分かれ、全体像の議論が しにくい構造になっている。白井委員の発言にせよ、冒頭に示された論 点にせよ、分科会の運営を見直し、大学全体の方向性と各部会のテーマ を関連させる必要があると考えた。 "[he-forum 15440] 産經新聞5/28 産經新聞 2010.5.28 18:10 センターの適性試験終了 法科大学院入試一本化へ  大学入試センターは28日、法科大学院の志願者に1次試験として課 す適性試験を今年度で終了すると発表した。適性試験は現在、センター と日弁連法務研究財団が別々に実施しているが、センターの撤退に伴 い、平成23年度からは、実施主体が、同財団と法科大学院協会などが 4月に設置した「適性試験管理委員会」に一本化される。  試験方法の変更は15年の制度発足以来初。適性試験をめぐっては、 米国の試験を研究していた財団のほか、大学入試センターが「調査研 究」を目的に実施主体になることを主張、二つの試験が併存した経緯が ある。センターは試験の継承体制が整えば10年度で業務を終えるとし ていた。 "[he-forum 15441] 京都新聞6/1 京都新聞2010年6月1日付 包括協力協定に調印 草津市と滋賀大  草津市と滋賀大(彦根市)は31日、包括的な協力に関する協定を結び、同市役所で調印式を行った。官学連携の一環で、同大学は市のシンクタンク「草津未来研究所」に客員研究員として参加するなど地域活性化に協力する。市が大学と協定を結ぶのは立命館大に次いで2校目となる。  協定には、学校教育や生涯学習、文化振興など6分野の協力が明記された。同大学は教授や研究者が観光振興やまちづくりなど地域特性を生かした政策研究を市に提案する。市は2011年度から、同大学が政策立案能力の向上を目指して開いている「学び直し塾」へ職員を参加させる。  調印式には、橋川渉市長や佐和隆光学長らが出席した。橋川市長は「滋賀大の持つ知の集積を市政に活用したい」とあいさつ。佐和学長は「滋賀の特性を生かしたまちづくりに積極的にかかわりたい」と話した。 "[he-forum 15442] 日本経済新聞6/1 日本経済新聞2010年6月1日付 高齢者向け筋トレ講座、都内キャンパスでも開始 鹿屋体育大  鹿屋体育大学(鹿児島県鹿屋市)は東京サテライトキャンパス(東京・文京)で、同大が独自に開発した高齢者向けの筋力トレーニング講座を始めた。8月上旬までの約3カ月間、日常生活の動きを取り入れた運動プログラムに取り組み、身体機能の改善を目指す。第1弾は60~70歳代の約60人が参加する。  筋力トレーニング講座「貯筋運動教室」は、高齢者を集めて週1回、あおむけに寝た状態から上体を起こしたり、立った状態でももを上げるなどの運動を実施する。講座の開講前と終了時に筋肉の厚さや骨密度、歩く力の強さなどを測定し、身体の変化を把握する。受講料は3千円。  同大は09年、福永哲夫学長を中心に体力改善につながる筋力トレーニングプログラムを開発、普及事業を始めている。これまで鹿児島県内で展開していたが、09年夏に東京に開設したサテライトキャンパスでも実施し、都内での同プログラムの普及を目指す。 "[he-forum 15443] 愛媛新聞5/30 愛媛新聞2010年5月30日付 松山大でシンポ、サービス産業論寄付講座始まる  松山大が学生や市民を対象に開いている寄付講座「サービス産業論」の開講記念シンポジウムが29日、松山市文京町の同大であり、学生や一般市民約300人がパネルディスカッションなどを聴講した。  同講座はレストラン事業などを展開する「ハッピーダイニング」(松山市北久米町、宇都宮貞史社長)からの寄付講座。武道家でタレントのニコラス・ペタスさんや中村時広松山市長らを講師に招き、サービス産業のあり方や課題などについて4月から7月21日まで計15回の予定で開かれている。  シンポでは、慶応義塾大講師で作家の竹田恒泰氏が「日本文化とサービス」と題し講演。ミシュランのガイドブックでパリより星のついた料理店が多いことなどを挙げ、日本の食文化の質の高さを指摘。食材に縁起などの意味を持たせる奥深さや発達の経緯などについて説明した。  パネルディスカッションは「若者のベンチャーマインドをどう育てるか」がテーマで、宇都宮社長や同大の鈴木茂経済学部長、南海放送アナウンサーらが参加した。 "[he-forum 15444] 毎日新聞5/29 毎日新聞2010年5月29日付 奨学金の会:教育無償化求め署名  労働組合や学生らで作る「奨学金の会」(会長、三輪定宣・千葉大名誉教授)は28日、中等・高等教育の無償化と奨学金の拡充を求める請願署名2万3040人分を衆参両院議長あてに提出した。請願では、現在の公的奨学金の75%が有利子の貸し付けで返済の負担が大きいため、無利子貸与を拡大し、給付型の奨学金も導入すべきだとしている。記者会見した三輪会長は「不況で奨学金に希望者が殺到している。教育予算の増額は緊急の課題だ」と訴えた。 "[he-forum 15445] 時事通信5/27 時事通信2010年5月27日22時19分 企業からの収入増大=法人化で短期成果優先-国立大  文部科学省は27日、2004年に実施された国立大学の法人化以降、企業との共同研究による収入が2倍に増えた半面、短期的に成果の出る研究が優先され、基礎研究に影響が出ているとの指摘があるとする報告書案を公表した。  国立大法人化の総合的な評価は初めて。同省は一般からの意見募集を経て、報告書をまとめる。  同省によると、全国86国立大が企業などとの受託・共同研究で得た収入は、03年度の約786億円から、08年度には約1698億円に倍増した。一方、国の運営費交付金は毎年削減され、04年度の1兆2415億円から10年度には1兆1585億円となった。 "[he-forum 15446] 朝日新聞群馬6/1 朝日新聞群馬版2010年6月1日付 群馬大 重粒子線治療を一般患者に  群馬大(前橋市昭和町)は6月から、がん治療のひとつ、重粒子線治療を一般患者を対象に始める。厚生労働省から先進医療の承認を受けた。  重粒子線治療は、従来の放射線よりも副作用が少ないと期待されている。同大では3月から、前立腺がん患者12人が試験的に照射を受けた。重い副作用は認められなかったといい、5月に先進医療承認を申請した。  同大では治療費は照射の回数にかかわらず314万円で、健康保険は適用されないが、今回の承認で入院や検査などの一般診療分については保険がきくようになる。  将来は治療にも保険の適用が認められる可能性があるという。  今年度は約50人の患者を迎える予定。6月には対象を頭頸(けい)部がん、肺がんの一部に、今年度中には肝がん、骨軟部肉腫、直腸がんの術後骨盤内再発にも広げたいという。  県は「治療資金利子補給制度」を始める。群馬大で重粒子線治療を受ける患者か家族が治療費を金融機関から借り入れた場合、利率6%を限度に利子を補助する。返済期間は7年間が限度。 "[he-forum 15447] 朝日新聞鹿児島5/28 朝日新聞鹿児島版2010年5月28日付 5つの外来診療 完全予約制に/鹿大病院  鹿児島大学病院(鹿児島市)は6月1日から、五つの診療科で外来診療の完全予約制を始める。消化器内科、腎臓内科、小児科、小児外科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の5科で、長い待ち時間を解消し、患者へのサービス向上を図るのが狙い。他の診療科についても、今年度内に導入を目指すとしている。  同病院によると、まずかかりつけの地域医療機関などから、鹿大病院の地域医療連携センターにファクスで受診予約を行う。患者は予約日時に、紹介状を持って受診する。ただし、救急患者は柔軟に対応するという。  これまでは地域医療機関などの紹介状があれば、予約なしでも受診できた。だが受診者数が増えて待ち時間が長くなるなどの問題があり、患者からも不評だったという。また、地域医療機関とより密接に連携することで、急性期の高度医療に対応する狙いもある。  高松英夫病院長は「診察まで5~6時間待つ患者もいて、苦情も多かった。周知徹底を図り、様子を見ながら他の診療科への導入も検討したい」と話している。問い合わせは、同病院地域医療連携センター(099・275・5168)。 "[he-forum 15448] 共同通信5/31 共同通信2010年5月31日13時15分 法科大学院の評価方法検討 総務省研究会、年内に報告書  総務省は31日、新司法試験の合格者数に大きなばらつきがある法科大学院について、行政評価の実施方法を検討する有識者研究会の初会合を開いた。今後、会合を月1回程度開催、12月をめどに報告書をまとめ、2010~11年度に実施する行政評価に生かす。  メンバーはジャーナリストの江川紹子さんや山田昌弘中央大教授ら7人で、議論は非公開で行われた。座長に選ばれた谷藤悦史早稲田大教授は終了後、取材に対し「法科大学院制度は大きな見直しの時期に来ている。法務、文部科学両省のワーキングチームも制度の在り方を検討中で、参考になるような意見をまとめたい」と語った。  今後は、両省からヒアリングを行うなどし、制度の課題を分析する。  法科大学院をめぐっては、新司法試験の合格者が少ないことや不適切なカリキュラムが一部で指摘されている。入学者の減少が続いた姫路独協大法科大学院(兵庫県姫路市)は今月27日、全国で初めて、11年度以降の学生の募集を停止することを決めている。〔共同〕 "[he-forum 15449] 毎日新聞6/2 毎日新聞6/2 中教審:教員資質向上へ集中審議、特別部会を発足 文科相諮問へ  川端達夫文部科学相は3日に開かれる中央教育審議会総会で、教員の 資質向上策を諮問する。初等中等教育だけでなく大学のあり方を含め検 討するため、新たに特別部会を中教審に発足させ集中審議する方針だ。  民主党の昨夏の衆院選マニフェストは教員養成課程を6年に延長する 方針を掲げており、現在の大学4年(学士)を基本とした教職課程を見 直し、大学院の修士課程や教職大学院をどのように養成課程に位置づけ るかがポイントとなる。  年内に一定の取りまとめを行い、来年の通常国会に関連法案提出を目 指すが、6年制による志望者減少に危機感を抱く教育関係者も多いのが 実情だ。  6年制化について毎日新聞が09年11月、全国の都道府県教育委員 会など65教委に賛否を聞いたところ、29教委が「反対」と回答。経 済的負担などが増え「教員志望者が減少する」と不安視する声が多かっ た。  このほか、09年度に始まった教員免許更新制を含む現職の教職員の 研修制度の見直しなどが諮問される。幼稚園から高校の教員に10年ご との講習を義務付けた教員免許更新制は「受講料が自己負担で教員の負 担が大きい」などとして、日本教職員組合などが廃止を求めている。 【本橋和夫】 "[he-forum 15450] 北國新聞6/2 北國新聞2010年6月2日付 不況下は病院、大学で伸ばす 北陸の建設関連業  北陸の建設関連メーカーが病院や大学向けの受注を伸ばしている。日成ビルド工業(金沢市)は、東大医学部から立体駐車場建設で大型案件を受注。首都圏営業部に戦略チームを置き、スタッフも増員した。官需営業部を設け、病院向けの需要取り込みを本格化させる間仕切りメーカーもある。不況下でも病院、大学関連の発注は堅調で、一般企業の冷え込む設備投資需要を補おうと、各社が営業攻勢をかけている。  日成ビルド工業は現在、東京・本郷で東大医学部立体駐車場を建設している。3層4段で305台収容の自走式駐車場となり、受注額は約4億円。来年3月に完成する予定だ。同社によると、今回の発注は総合評価方式による競争入札で行われ、担当者は「技術、提案など総合的に当社の力が評価された」としている。  同社が立体駐車場事業で病院、大学向けに力を入れるのは、リーマン不況の影響を補うためだ。  以前はマンション向けが同事業受注高の65%を占めていたが、10年3月期は23%に急減。これに対し、病院、大学向けは堅調で、10年3月期の受注は前期の約6倍となる13億円に拡大した。東大だけでなく、昨年以降、広島県立病院、東北大医学部加齢医学研究所の立体駐車場を建設している。  病院は高齢化社会の進展で、慢性的な駐車場不足が課題となっている。加えて、病院、大学は老朽化した物件が多く、耐震化で建て替え需要も活発化しているという。同社は昨年、リース会社と協力し、立体駐車場の建設で顧客企業の初期投資負担がゼロになる新スキームを打ち出し、今期はさらなる受注額の上積みを目指す。  間仕切りメーカーも病院向けで受注を伸ばしている。  コマニー(小松市)は間仕切り全体の市場が縮小する中、ドア製品の売上高が10年3月期に約29億円と前の期から15%伸びた。昨年に官需営業部を設け、病院や介護施設向けが伸びたことが寄与した。また、子会社を持つ中国向け売上高も前の期比約12%増の約12億円となった。担当者によると、「病院の近代化が進んでいる」ことで需要が高まっているという。  小松ウオール工業(同)も、国内病院や老人ホーム向け間仕切り、ドアが堅調に推移している。「官需」と位置付ける病院や学校向けなどの売上高比率は約3割だが、リーマン不況でオフィスビルなどの「民需」が低調なこともあり、官需の比率が高まっている。担当者は「病院や学校は命や安全に関わる分野で、景気に左右されにくい」と指摘する。  ただ、病院、大学は有望な市場だけに競合も激しい。「長期の経済性や安全性、利便性などのアピールが必要で、単に安いだけでは受注できない」(日成ビルド工業)との声もあり、価格以外の競争力で各社がしのぎを削っている。 "[he-forum 15451] 京都新聞5/29 京都新聞2010年5月29日付 市立看護短大の廃止決定 京都市会、条例案可決  京都市議会は28日午前、5月定例会最終本会議を開き、2月市会で否決され、再提案された市立看護短期大の廃止条例案を賛成多数で可決した。短大は2012年3月末で廃止されることが決まった。2月市会で反対した自民党は自主投票で臨み、ほぼ半数が賛成し、民主・都みらい、公明党と合わせ、賛成が過半数に達した。共産党は全員反対した。  本会議では市議67人のうち自民出身の議長を除く66人で起立採決を行った。自民21人のうち10人が賛成し、民主・都みらい(14人)、公明(12人)は全員が賛成した。反対は共産(19人)と自民の11人。  市は条例案の可決を受け、同志社大など4大学との協議を加速させ、短大教員の受け入れや看護学生を対象にした奨学金制度の創設を目指す。短大は本年度から新入生の募集を停止している。市は当初、佛教大との連携を計画したが、廃止条例案は2月市会で自民と共産の反対で否決され、白紙となった。市は4大学と連携協議を進めるため、5月市会に再提案し、自民では会派内で意見が分かれ、異例の自主投票となった。  門川大作市長は議会閉会後、「私立大学と連携して、看護師養成に取り組む道筋がついた」と話した。 "[he-forum 15452] 共同通信6/1 共同通信2010年6月1日19時52分 福島大など5大学選定 スポーツ指導者支援事業  文部科学省は1日、大学院でのスポーツ指導者の学位取得を支援する教育プログラム開発事業の委託先として仙台大、福島大、筑波大、早大、鹿屋体育大の5大学を選んだと発表した。  5大学は日本オリンピック委員会(JOC)の「ナショナルコーチアカデミー」の講習を単位として認める仕組みを検討。各大学の指導者養成プログラムの単位を相互認定する制度の拡充も目指し、優れた競技者の大学院進学を後押しする。 "[he-forum 15453] 読売新聞6/2 読売新聞2010年6月2日付 京の国公立3大学、共同校舎新設へ…府立大・府立医大・工繊大 教養課程、14年度授業開始  京都府は1日、府立大、府立医大と、国立の京都工芸繊維大が教養課程を共同で行う校舎を京都市左京区内に新設し、2014年度から授業を始める、と発表した。文部科学省は「国公立大が合同で校舎を設けるのは全国的にも珍しい。幅広い学びを学生に提供でき、意義のある取り組みだ」としている。  新校舎は、3大学から3キロ圏内にある府立大の農場(約9000平方メートル)を転用して建設。各大学の教員が授業を行うことで、学生は幅広い分野の科目選択が可能になる。クラブ活動などの連携も期待されている。3大学は06年に協定を結んで、教養課程の単位互換制度を導入している。府立の2大学は施設が老朽化しており、将来的なコスト削減にもつながるという。  府大学振興課は「異なる進路希望や価値観を持った学生たちが交流することで、社会性が身につき、人間力も高められる」としている。 "[he-forum 15454] 読売新聞6/2 (2010年6月2日 読売新聞) 山形大工学部、面接官が全国行脚 訪問型入試を実施  山形大工学部は1日、2011年度入試から、試験官が全国各地の受 験生の在籍高校などを訪ねて面接試験を行う「居住地訪問型AO入試」 を国公立大で初めて実施すると発表した。  同学部は「経済的な事情で受験をあきらめてしまう若者に機会を与 え、優秀な人材を発掘したい。北海道でも沖縄でも出かけていく」とし ている。  試験を行うのは、同学部のシステム創成工学科で、定員50人のう ち、現役受験生を対象に5人を募集する。調査書と志望理由書、自己P R書で1次選考の合否を決めた後、大学教授ら試験官が、受験生の住む 地域まで出向いて口頭試問を含む2次選考の面接を行い、最終的な合否 を判定する。  10年度一般入試での同学科の実質倍率は6・1倍だった。  出願期間は8月2~11日。1次書類選考は8月30日に合格発表。 2次面接は9月1日~10月8日で、10月28日に最終合格者を発表 する。  問い合わせは山形大工学部入試担当(0238・26・3013)へ。 "[he-forum 15455] 《市場化テスト導入阻止情報》No.12=2010年6月3日 《市場化テスト導入阻止情報》No.12=2010年6月3日 緊急声明:各国立大学は内閣府『公共サービス改革基本方針変更(案)』11項(別表38ページ)の削除を要求すべきである 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 5月31日、内閣府公共サービス改革推進室は『公共サービス改革基本方針変更(案)』を策定し、各府省に対して6月4日17時までに意見を提出するように指示した。内閣府は意見受領後、6月8日内閣府政策会議、6月28日官民競争入札等管理委員会を経て、6月29日に閣議決定しようとしている。 『公共サービス改革基本方針変更(案)』は別表として示されており、全14項、41ページに及ぶ。その11項(38ページ)は「国立大学法人関連業務」とされ、以下のような内容となっている。 **************************** 11.国立大学法人関連業務 【事項名】 (1)国立大学法人関連業務への官民競争入札等の活用に関する検討 【措置の内容等】 ○国立大学法人については独立行政法人制度と別途の制度を創設した趣旨を踏まえ、業務の特性に配慮しつつ、経営効率化の観点から、既に他の国の行政機関等において官民競争入札等の対象とされ、質の維持向上及び経費の削減が期待される内部管理業務、試験実施業務、医業未収金の徴収業務等について、官民競争入札等を含む民間活用の一層の推進を検討する。 【事項名】 (2)国立大学法人における施設の管理・運営業務及び図書館運営業務の経営改善の取組の推進 【措置の内容等】 ○国立大学法人については独立行政法人制度と別途の制度を創設した趣旨を踏まえ、業務の特性に配慮しつつ、施設の管理・運営業務及び図書館運営業務について、経営改善の取組を推進する。なお、第8回国立大学法人分科会(平成22年4月8日開催)にて以下の提言がなされている。 ・法人化して6年経過した国立大学法人(86 校)の経営改善のスピードを速める必要がある。現状は、国の行政機関が公共サービス改革法等により施設管理等の経営の改善を行うのと比べて遅れている。 ・国立大学法人は施設管理業務への一般競争入札の導入、契約の複数年度化、包括化等を進めるべきである。 ・法人化後、80の大学が少額随意契約の上限額を引き上げたが、中央省庁と同じ水準の100万円まで引き下げる必要がある。 ・図書館運営も民間委託すべき業務を切り分けて民間委託すべき。 (注)対象となる国立大学法人86法人は以下のとおり(略) ***************************** なお、下線を引いてある部分は、2009年7月閣議決定(http://www5.cao.go.jp/koukyo/kihon/pdf/090710beppyou.pdf)から内容に修正または追加のある部分である。(1)と(2)の二つの事項のうち、2番目の「国立大学法人における施設の管理・運営業務及び図書館運営業務の経営改善の取組の推進」は新しい事項の追加である。 この『公共サービス改革基本方針変更(案)』11項は、意見聴取対象となった国立大学が大学の任務と現場の状況に立脚して行った主張や要望を全く無視しており、しかも全国立大学法人を一律適用対象とすることが(注)として明記されている。文部科学省から内閣府への意見提出期限が6月4日17時であることを考え、各国立大学は、11項は大学における業務遂行の障害となるとしてその削除を緊急に要求すべきである。 "[he-forum 15456] 毎日新聞東京6/3 毎日新聞東京版2010年6月3日付 GTS観光アートプロジェクト:スカイツリー-浅草一帯、新たな芸術発信地に  ◇東京芸大と台東・墨田区協力、まち全体をミュージアム化  墨田区で建設中の東京スカイツリーと、隅田川を挟む台東区の浅草までの一帯を新たな芸術の発信地にしようと、東京芸術大学と両区が協力して「GTS(芸大・台東・墨田)観光アートプロジェクト」をスタートさせた。スカイツリーが見える「ビューポイント」に美術作品を設置するなど、「地域のミュージアム化」で観光、芸術面での魅力を高めるのが目的で、同大の宮田亮平学長らが2日、会見した。  プロジェクトは今年から、スカイツリーが完成する12年度までの3年間実施する。「アート環境プロジェクト」と「国際アートプロジェクト」の二つが軸で、秋ごろから本格化する。宮田学長は会見で、「ふと、そこにあるものから喜びとときめきを感じられるものを実践していきたい」と話した。  アート環境プロジェクトでは、11月、各区2カ所の計4カ所のビューポイントに作品を設置する。  作品はスカイツリーなどを「借景」とした立体作品で、彫刻と建築など、異分野を専攻する教授や学生らが構成する四つのチームで、今後制作する。3年間で計12点を恒久設置する予定で、ほかにアートベンチなども制作される。  国際アートプロジェクトは浅草・東本願寺から東京スカイツリーまでに展覧会場を点在させ、「回遊美術館」とする試み。  地域の歴史をテーマにした芸術作品を屋内外に展示するほか、同大教員らによるコンサートや、小中学生らが描いた、スカイツリーを題材とした絵画の展示も予定している。【神足俊輔】 "[he-forum 15457] しんぶん赤旗6/4 しんぶん赤旗 6/4 「学問の府」危機打開 日本共産党が大学政策発表  日本共産党の小池晃政策委員長・参議院議員は3日、国会内で記者会 見を行い、大学政策「大学の危機打開へ、『学問の府』にふさわしい改 革をすすめる日本共産党の提案」を発表しました。(要旨。全文は日本 共産党ホームページ)  小池氏は、財政難や高学費など大学の危機的状況をまねいた「旧政権 の構造改革路線」と、現政権の「短期的な効率主義」を批判し日本共産 党の大学政策のポイントを3点にわたり説明しました。  一つ目は大学の基礎的な経費の拡充です。小池氏は、国立大学法人化 前の公費負担を確保するとした国会付帯決議に反して、運営費交付金が 750億円も削減されたことを指摘し、「きちんと回復し増額させた い」と述べました。また私立大学について、1975年に国会が決議し て以来まったく実現していない「経常費の2分の1国庫補助」を実現す るなどの政策を説明しました。  二つ目は大学の自主性を弱めてきた国立大学法人制度の抜本的見直し です。小池氏は、今年が同制度の最初の中期目標期間(6年)が終わる 年でもあり、「法改正も含む抜本的な制度見直し」を提起すると説明。 「学長・理事長の独断専行がない、民主的なルールをつくっていく」こ とを強調しました。  三つ目は、学費負担軽減や若手研究者の就職難などへの施策です。小 池氏は、学費無償化や、給付制奨学金の創設などの政策を説明し、最後 にこれらの政策が「大学への公費支出を欧米なみに引き上げる」ことで 実現できると述べました。 *********************************** 要旨 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-06-04/2010060404_03_0.html 全文 http://www.jcp.or.jp/seisaku/2010/20100528_daigaku_kaikaku_teian.html "[he-forum 15458] 共同通信6/3 共同通信2010年6月3日19時19分 文科相、教員の資質向上策諮問 免許更新中止の課題も議論  川端達夫文部科学相は3日、教員の資質向上策について中央教育審議会に諮問した。民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げた教員養成課程の見直しのほか、自公政権下で導入された教員免許更新制を中止するのに伴う課題などを論議する。  川端氏は「鳩山由紀夫首相の退陣表明で内閣が代わっても教育が最重要施策であることは変わらない。養成、採用、研修の各段階で能力を高める環境整備が必要だ」と述べた。中教審は新たに特別部会を設置し、年内に一定の議論の取りまとめをする。  主な諮問事項は(1)現行は大学4年間が基本となっている教員養成課程の延長や教職大学院の在り方(2)更新の在り方を含めた教員免許制度の見直し(3)教育委員会、大学、地域が一体となって教員を育てる仕組み―など。  教職大学院に関して、教員養成系学部出身者を対象にした修業年限短縮や、実務経験のある教員が通った場合、修了時に高い能力を持つと認定する「専門免許状」を与える案なども検討する。 "[he-forum 15459] 読売新聞6/4 読売新聞2010年6月4日付 広島大躍進、特許数・内容ランキング 全国7位  国内の各大学・研究機関が保有する特許の数や内容を評価し、順位付けする「2009年度大学・研究機関特許資産の規模ランキング」が、民間の特許分析会社「パテント・リザルト」(東京)から発表され、広島大が08年度の26位から躍進し、7位に入った。大学だけでみると、慶応大に次いで2番目の高評価となった。  07年度分から毎年発表されており、今回は、09年度末時点で有効な特許を1件以上保有していた328大学・研究機関が対象。広大は同年度中に約40件の特許を登録、保有数を137件としたうえ、「燃料電池などに使う水素を小スペースに多量に蓄える方法」、「データの保持特性が高い半導体メモリ」など注目度の高いものが多く、高評価につながった。  1位の産業技術総合研究所をはじめ、国などの研究機関が上位10位の大半を占め、大学は、広大のほか、5位の慶応大と、10位の九州大だけだった。東京大は17位、京都大は19位だった。  広大の岡本哲治副学長は「特許が企業に使われるように、『数を絞って質を高めよう』と言ってきた。国際競争力を高めるうえで大きな励みになる」と話していた。 "[he-forum 15460] 河北新報6/5 河北新報2010年6月5日付 非鉄金属素材を共同研究 東北大と住友鉱山が連携協定  東北大と住友金属鉱山(東京)は4日、材料科学分野の研究開発と人材育成に取り組む連携協力協定を結んだ。電子部品などの材料の高機能化に向け、共同研究を推進する。  協定などによると、両者は発光ダイオード(LED)の結晶材料などの非鉄金属素材について、品質の向上や有効活用を目指して共同で研究する。人材交流も進め、東北大は研究員の受け入れや学生の派遣などを行う。  東北大は2003年、多元物質科学研究所が住友金属鉱山と共同研究の覚書を締結。多元硫化物系蛍光体の合成などの研究を進めてきた。今回の全学的な協定締結を通じて工学研究科や金属材料研究所なども含め、非鉄金属素材への包括的な対応を目指す。 "[he-forum 15462] 日本経済新聞6/1夕刊 日本経済新聞2010年6月1日付夕刊 東大や京大、新型電池で相次ぎ産学研究拠点  東京大学、京都大学が相次ぎ次世代環境技術の産学研究拠点の整備に乗り出した。東大は新日本石油と新型太陽電池などを共同開発する。京大もトヨタ自動車やホンダなどと高性能蓄電池の開発を進める。大学の基礎研究成果と企業のノウハウを結集し、設備の共有などで研究開発の効率を高める。5~10年先を見据えて競争力向上につなげる狙いだ。  東大は駒場キャンパス内に7階建て、延べ床面積約7千平方メートルの新棟を2011年3月に完成させる。総工費は約20億円。先端科学技術研究センターの中野義昭教授らが新日石などと、有機材料など新素材を使う太陽電池を共同開発する。新棟建設費の一部は新日石の寄付金で賄った。 "[he-forum 15461] 京都新聞6/4 京都新聞2010年6月4日付 「iPad」で講義復習 京大でシステム運用  京都大(京都市左京区)で、講義の動画を携帯端末で視聴し、復習などに生かすモバイル講義視聴システムの運用が本格的に始まった。対象講義の受講生に、システムを組み込んだデジタル携帯端末「iPod touch(アイポッド・タッチ)」を配り、発売されたばかりの新型マルチメディア端末「iPad(アイパッド)」にも対応していく。  視聴システムは、情報学研究科情報教育推進センターが、京都高度技術研究所の協力で開発した。現在、学生が視聴できるのは「メディア情報処理」など7科目で、終了した講義の録画と資料のスライドが表示され、復習に活用できる。本年度の講義の録画がすべてそろえば、来年度は予習用にもなる。端末の画面に学生が質問を書き込めば、教員が答える機能も持たせた。  情報教育推進センターは4日までに、7科目の受講生約70人にiPodを貸与した。また、iPadやiPhone(アイフォーン)を持つ受講生には、システムを組み込んでiPodと同様に視聴できるようにした。  大画面のiPadは表示スペースに余裕があるため「講義リストなど、さらに詳しい情報も表示できるようにしたい」(情報教育推進センター)としている。 "[he-forum 15463] 朝日新聞6/6 朝日新聞6/6 京大理学部SOS「このままでは教員削減」 寄付募集中  事業仕分けなどによって科学技術分野の予算が削減されるなか、京都 大学理学部がホームページ(HP)で寄付を募り始めた。2004年の 法人化以降、国立大学は自ら収入を確保するよう迫られているが、物理 や数学の基礎研究中心の理学部は産学連携による外部資金の獲得が難し い。このままでは教員の削減も余儀なくされ、「ノーベル賞受賞者が輩 出した研究環境が維持できない」という。  同学部は5月中旬からHPに「理学への支援のお願い」との文章を掲 載。この「お願い」によると、法人化以降、国立大学への運営交付金が 毎年1%ずつ減少。今年度は、京大全体で2.8%の削減となった。こ のため理学部では「法人化前に比べて教員を10人以上減らさざるをえ ない」という。  同学部によると、基礎的な学問である理学は産業や医療と直結しない ため、他の学部と比べて、企業との共同研究によって外部資金を得にく い。このため広く寄付を呼びかけることにした。HPは「寄付などをお 考えの時は電話を」「支援をお考えいただくために見学も可能です」と 結んでいる。  京大理学部卒のノーベル賞受賞者には利根川進氏がいる。小林誠、益 川敏英両氏は助手時代の研究成果が受賞対象になった。(阿久沢悦子) "[he-forum 15464] 産經新聞6/6 産經新聞 2010.6.6 09:25 大学生、出席率86% 授業出ても…携帯・私語 大学教員に聞いた授業の阻害要因大学教員に聞いた授業の阻害要因  授業にはまじめに出席するが、携帯電話や私語が多く、家ではほとん ど勉強しない-。少子化と入学定員の拡大による「大学全入時代」が到 来する中、大学教員が学生の低い学習意欲に苦慮している状況が5日、 東大の研究グループが行った調査で分かった。  中教審が近年、大学側に求めている成績評価や卒業認定の厳格化が高 い出席率につながっているとみられるが、学習意欲に直結していない問 題点が浮かび上がった形だ。  調査は2月、全国の国公私立大で授業を担当している教員約1万7千 人を抽出、質問票を郵送して実施。31%の約5300人から回答が あった。  教員に、自身が担当する授業の出席率を尋ねたところ、平均で86% と高い数字だった。  学生の「就職活動」や「アルバイト」が授業の「大きな障害になる」 「障害になる」と答えたのが各53%だったのに対し、「授業中の携帯 電話・私語」は64%。学生の欠席よりも出席した上での態度に教員は 不満を持っているようだ。  また、授業の予復習に学生が週何時間使うことを想定しているかとの 質問では「1時間」が44%、「2時間」が27%。ただ、学生の状況 からうかがえる学習時間については58%が「不十分」、14%が「極 めて不十分」としており、授業以外ではほとんど勉強していないとみて いることも垣間見えた。  学生の学力について「専門分野の基礎的理解」では68%が、「国語 の読み書き」では50%が「不十分」または「極めて不十分」と回答し た。 "[he-forum 15465] 共同通信6/7 2010/06/07 15:38 【共同通信】 北陸大、理事長報酬増額を撤回 文科省指摘で  北陸大(金沢市)が理事長の役員報酬を1カ月当たり100万円増額 しながら、文部科学省の調査を受け、撤回したことが7日、分かった。  北陸大と文科省によると、北元喜朗理事長(61)が中国との学生交 流で功績があったなどとし、昨年9月の理事会で報酬増が決まり、月約 280万円から約380万円へ昇給した。文科省が今年4月、事情聴取 し「他大学と比べ高すぎる」と指摘すると、北元理事長は翌月から増額 の撤回を了承したという。  報酬額は大学が自主判断できるが、1人当たり年間2千万円を超える と、超過分が私学助成補助金から減額される。ある教職員は「研究費は 削減される一方なのに、理事長が高額報酬を得るのは言語道断だ」と話 した。 "[he-forum 15466] 読売新聞6/9 読売新聞2010年6月9日付 九大が困窮学生向け支援、奨学金など2億円  九州大(福岡市)は8日、今年度、経済的に困窮している学生に対し、奨学金制度の創設や授業料の半額免除の拡充により総額2億円の緊急支援を行うと発表した。緊急支援は昨年12月に実施した計1億円の奨学一時金の支給に続き2回目。厳しい経済状況が続く中、学生が勉学や研究活動に専念できる環境を作るのが狙い。  九大によると、2億円は人件費の削減や事務の効率化などで捻出(ねんしゅつ)した。新たな奨学金の総額は1億5000万円。博士後期課程の大学院生が対象で、1学年当たり100人の計300人に年間授業料に相当する50万円を給付する。返還は求めない。 "[he-forum 15467] 読売新聞社説6/6 読売新聞社説2010年6月6日付 法科大学院 理念倒れの現状を改革せよ  法律家の養成機関としての役割を担えない法科大学院は淘汰(とうた)される。それは、やむを得ない流れといえるだろう。  兵庫県姫路市の姫路独協大法科大学院が、2011年度以降の学生募集を停止することを決めた。現在の在校生17人が修了する時点で、大学院を廃止する見込みだという。  修了すれば新司法試験の受験資格が得られる法科大学院は、04年に各地で開校したが、撤退が決まったのは、今回が初めてだ。  姫路独協大法科大学院の修了生で、新司法試験が始まった06年から09年までの合格者は全74校中、最少の3人にとどまっている。  合格者が出なければ、学生も集まらなくなる。10年度入試では、定員20人に対して、受験者が3人で、いずれも不合格だった。  教授会が「法曹界で活躍できる学生の確保は困難」と判断したのも、うなずける。法科大学院の乱立が招いた結果である。  新司法試験の合格率は昨年、3割を切った。実績を残している大学院と、そうでない大学院との二極化が鮮明になってきている。下位校では、姫路独協大と同様の状況に陥りつつある大学院も少なくないだろう。  入学志願者が減り、定員を削減した大学院も多いが、これは対症療法に過ぎない。今後は、適正な大学院数にするための統合や再編も避けられまい。  法学部出身者に限らず、幅広い分野から法曹界に人材を集める。即戦力の法律家を養成する。こうした目的で、法科大学院が開設され、実務教育を重視したカリキュラムが組まれている。  しかし、大学院の授業だけでは司法試験に合格できないとして、予備校に通っている大学院生が多いのが実情だ。  一方で、大学院側が合格率の向上を目指し、試験対策に特化した教育をすると、評価機関から「不適合」の烙印(らくいん)を押され、改善を迫られる。法科大学院の理念に合致しないとの理由からだ。  今後、評価のあり方を再検討し、型にはめた法科大学院の教育内容に、ある程度の自主性を認めることが肝要だろう。  新司法試験の内容の見直しも不可欠である。詰め込み型の試験教育を受けないと、合格が難しいのであれば、旧司法試験の時代と変わらない。  司法制度改革の柱の一つとして導入された法科大学院制度だが、歪(ゆが)みを早急に正さないと、その存在意義が問われることになる。 "[he-forum 15468] 毎日新聞6/10 毎日新聞6/10 私大:初年度納付金 平均131万円 授業料も過去最高に  09年度の私立大入学者の授業料は平均85万1621円(前年度比 0.4%増)で、入学金と施設整備費を合わせた初年度納付金は平均1 31万2146円(同0.2%増)だったことが文部科学省の調査で分 かった。授業料、初年度納付金ともに、75年度の調査開始以来過去最 高。  全国の私大595校のうち回答のあった530校のデータを加重平均 した。  入学金は前年度比0.5%減の27万2169円、施設整備費は同 0.6%増の18万8356円。入学辞退を巡る入学金返還訴訟などの 影響で、入学金は00年度から減少傾向にあるが、授業料と施設整備費 は年々増加している。  私立短大は授業料69万1257円(同0.6%増)▽入学金25万 3112円(同0.7%減)▽施設整備費18万6717円(同0. 5%減)で、初年度納付金は計113万1086円(同0.1%増) だった。【本橋和夫】 "[he-forum 15469] 産経新聞6/10 産経新聞2010年6月10日付 阪大が最先端ナノテク拠点 国立大初、構内に産学連携起業支援棟  大阪大学が産学連携による新産業の育成を目的に産業科学研究所(産研、大阪府茨木市)内に建設を進めてきたインキュベーション棟が完成し9日、同棟で披露式が行われた。産研はナノテクノロジー(超微細加工技術)研究などで全国の研究施設に対する主導的な役割を果たしており、幅広い産業分野での研究成果の活用が期待されている。  国立大学が独自事業としてキャンパス内にインキュベーション施設を建設するのは全国初。インキュベーション棟は鉄骨5階建て延べ約5100平方メートル。2階と3階を「企業リサーチパーク」とし、計28の実験室や研究室に企業が入居できる。入居企業は超高感度核磁気共鳴装置など産研の最先端の研究機器を利用でき、産研の研究者の技術指導や相談も受けられる。  ナノテクはIT(情報技術)やバイオ、環境など幅広い産業分野と密接にかかわっており、次世代型の半導体やセンサーなどの電子デバイス、高機能材料、遺伝子診断を実用化するうえでも不可欠な技術。産研は平成14年、産業科学ナノテクノロジーセンターを設置するなど先駆的な役割を果たしてきた。  式典では、産研の山口明人所長が「中小企業にとって開発の初期投資の軽減や阪大に開発拠点を構えることによる社会的信用などメリットは多い」と述べ、インキュベーション棟への中小企業の入居を求めた。  阪大の鷲田精一総長は「独創的で最先端の研究成果を世界に発信し、産業界との連携・交流がますます進むことを願っている」と述べた。 "[he-forum 15470] 毎日新聞愛媛6/9 毎日新聞愛媛版2010年6月9日付 愛媛大:経営協を初公開 「開かれた大学へ」  愛媛大は8日、学外の委員も含めて大学の運営を評価する「経営協議会」を、松山市文京町の同大で開いた。この日は、会議全体を初めて報道陣に公開。「開かれた大学を目指した」(同大総務課)としており、全国的にも珍しいという。  協議会は、柳澤康信学長ら学内委員の他、企業経営者やマスコミ関係者、県医師会長ら外部委員も参加。大学側から、中期目標や決算、今年3月に卒業した学生の就職状況などが報告された。  外部委員からは「大学が地域医療崩壊を食い止める具体的施策を出す必要がある」「英語でコミュニケーションがとれる人材輩出が求められるが、どう進めているのか」などの意見や質問が出た。  同大は今後も協議会を報道陣に公開するが、一般公開は「考えていない」(同課)としている。【柳楽未来】 "[he-forum 15471] 日刊工業新聞6/11 日刊工業新聞2010年6月11日付 東大、大学院で英語講義拡大-工学系に推進組織  東京大学大学院工学系研究科は、英語による授業や事務の推進を図る「国際教育機構(仮称)」を近く立ち上げる。大学院の授業のうち5年で3割強、10年で7割を英語での講義に転換する。4月に動きだした「国際学術調整室」で世界の一流大学の実態を調査し、国際的に見劣りしない環境整備を推進する。  工学系研究科は東大の留学生の半分、約800人が在籍しているだけに、東大全学の国際化の旗振り役としても注目されそうだ。  工学系の大学院は、研究室運営で留学生に配慮してゼミや会議を英語で行うなど、一般に研究面での国際化が進んでいる。一方、授業や事務対応が英語でできる教職員は限られており、個別に小規模に対応しているのが現状だ。しかし英語での大学生活に支障がある現状では、優秀な留学生や外国人教員を引きつけることが難しい。 "[he-forum 15472] 北海道新聞6/12 北海道新聞2010年6月12日付 北見工大、50周年の節目を祝い式典 【北見】北見工大(鮎田耕一学長)の創立50周年記念式典が11日、同大講堂で行われ、オホーツク管内の自治体首長や大学関係者など約250人が出席した。  鮎田学長は「国立大学法人の存在意義を自覚し、北天に光を放つ北見工大を目指して気持ちを新たに全力を尽くしたい」とあいさつ。学生合唱団が学生歌を披露し、節目を祝った。  同大は、北見工業短大として1960年に開学し、66年に四年制に移行。卒業生は合計約1万5千人。国内最北の国立大学法人として立地を生かした寒冷地工学に力を入れ、81年から南極観測隊に教員計7人を輩出している。  今年4月には、国立極地研究所(東京)と連携・協力協定を締結した。 "[he-forum 15473] 読売新聞6/13 読売新聞2010年6月13日付 国研究費3千万円超の研究者、出前授業義務付け  政府の総合科学技術会議は、年間3000万円以上の国の研究資金を獲得する研究者に、一般向けの講演会や小中学校での出前授業などを事実上、義務化する方針を決めた。  「事業仕分け」などで科学研究の成果が見えにくいという批判が相次いだのを受け、第一線の研究者自らが啓発活動に取り組む制度を構築する。  講演や出前授業などの活動実績を研究プロジェクトの中間評価や事後評価の対象にする。該当する研究者は約3500人。研究者の負担を軽減するため、大学や研究機関には、地域との連携などの支援体制を取るよう求める。  今後、募集を始める研究費の公募要領に盛り込み、来年度から本格実施する。内閣府の津村啓介政務官(科学技術担当)は「科学技術のすそ野を広げ、予算を増やしていくには、国民とのコミュニケーションは避けられない」と話す。 "[he-forum 15474] 毎日新聞宮崎6/12 毎日新聞宮崎版2010年6月12日付 連携協力協定:宮大と商工会、人材交流や共同研究で連携  地域経済の活性化などを目指し、宮崎大学は8日、県商工会議所と県商工会の2団体と共同研究や人材交流に関する連携協力協定を結んだ。県内の中小企業の大半はいずれかの団体に所属。同大学は協定を通じて、企業の技術相談に応じるネットワークの構築などを目指す。  同大学で調印式があり、県商工会議所から清本英男副会頭ら5人、県商工会から松沢衛会長ら3人、同大学から菅沼龍夫学長ら10人が出席。人材の交流と育成、情報の提供、共同研究の実施など、連携の範囲や波及効果を盛り込んだ覚書を確認した。  同大学の福田亘博・産学連携センター長は「学生にとっては企業インターンシップ(就業体験)に行きやすくなるなどのメリットがある。連携を通じて、まず県内の中小企業の実態や要望を把握したい」と話した。【川上珠実】 "[he-forum 15475] 中国新聞6/11 中国新聞2010年6月11日付 過疎地医療の講座続々  過疎地域の医療を担う人材を育成する大学医学部の講座が本年度、中国地方で相次いで開設されている。いずれも自治体が人件費や研究費を賄う「寄付講座」で、これまでの3校3講座から6校9講座へ一気に増える見通しだ。  広島大は、広島県から1億6千万円の寄付を受けて「地域医療システム学講座」を開設。中山間地域での臨床実習の指導や研修プログラムの立案を担う。岡山大も、岡山県と岡山市の寄付で「地域医療人材育成」と救急医の育成に特化した「地域医療学」の2講座を設けた。  島根大は、2008年度に新設した自前の「地域医療教育学講座」に加え、島根県の寄付で「地域医療支援学講座」を設置した。地元優先枠で入学した一期生の5年生6人が臨床実習を始める時期を迎えたことなどから体制を強化した。  山口大も、08年度から2年間設置した山口県の寄付講座を拡充し、「地域医療推進学講座」に模様替え。川崎医科大(倉敷市)と鳥取大は、本年度中に岡山、鳥取県の寄付講座を開く計画がある。  講座が急激に増えた背景には、国が09年度に各県へ50億円ずつ交付した地域医療再生基金がある。医師不足対策として、各県が基金の一部を活用し、講座を開いている。 "[he-forum 15476] 読売新聞新潟6/12 読売新聞新潟版2010年6月12日付 新大3点セット奨学金来春から40万円給付、寮費免除、学費減免  新潟大学は、「経済的な理由で大学進学を悩んでいる受験生を応援したい」と、〈1〉入学時の必要経費給付、〈2〉学生寮寄宿料の全額免除、〈3〉授業料の減免――の3点をセットにした奨学金制度を来春の入学生から導入する。  同大によると、授業料の減免措置は少子化や不況を反映して広がっているが、入学経費や住居の支援まで組み合わせた制度は珍しく、「仕送りなどを気にせずじっくり学べるので、活用してほしい」(広報室)と呼びかけている。  対象は、高校で優秀な成績を収めながら、経済的な理由により進学が困難な志願者で、約50人。前年の世帯収入が400万円以下で、合格した際に同大への進学を確約することなどが条件となる。願書提出の前に大学に申請し、対象に該当するか、審査を受ける。  制度適用者には、入学手続き後、使途制限のない40万円を給付するほか、4年間(医学部、歯学部は6年間)の学生寮の寄宿料を全額免除し、入学後に授業料を減免(全額か半額)する。減免額は、成績や家庭の経済状況で判断する。 "[he-forum 15477] 中日新聞長野6/13 中日新聞長野版2010年6月13日付 山岳の気候変動解明へ 3国立大連携研究  北アルプスを中心とする中部山岳地域の気候変動を解明するため、同地域に研究拠点を持つ信州大、岐阜大、筑波大の国立3大学が、共同の研究機構を設立し、連携事業「地球環境再生プログラム」に乗り出した。諏訪市の信州大山岳科学総合研究所山地水環境教育研究センターで12日、テーマごとに4グループが取り組む研究内容や手法などを確認し、本格的に事業をスタートさせた。  5カ年計画で気象や動植物の植生の変化などを探り、温暖化防止に役立てたい考え。3大学の研究拠点や蓄積データを活用して調査研究を進める。山岳地域に焦点をあてた気候変動の本格的な調査は国内で初めて。  3大学の中堅、若手研究者72人が携わり、年度ごとに研究成果の報告会を開き、報告書にまとめて文部科学省に提出する。初年度の事業費は8700万円。  研究テーマは▽気候変動▽水循環・物質循環変動▽炭素循環変動▽生態系変動-の4つ。動植物の中長期的な生態変化や気候変動による水質と土砂災害への影響、標高差による高山生物の分布変化などを調べる。  同機構長の沼田治・筑波大菅平高原実験センター長は「気候変動の実態解明により、生物多様性の保全につなげたい」と述べた。  (宿谷紀子) "[he-forum 15478] 《市場化テスト導入阻止情報》No.13=2010年6月13日“雇用を守れ!「市場化テスト法」を見直せ”民事法務協会労組支援共闘会議結成される(6月9日) 《市場化テスト導入阻止情報》No.13=2010年6月13日 “雇用を守れ!「市場化テスト法」を見直せ” 民事法務協会労組支援共闘会議結成される(6月9日) 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 市場化テスト法による官民競争入札が導入され、解雇・雇い止め、賃金引き下げが強行されている登記事務の職場において闘い続ける民事法務協会労組を支援しようと共闘会議が6月9日結成されました。そのことを報じている記事を紹介します。 ++++++++++++++++++ 法務局で不動産などの登記簿を公開する事務に市場化テスト(官民競争入札)が導入され、民間委託が進められている問題で9日夜、事務を担ってきた民事法務協会の労働組合を支援する共闘会議が東京都内で結成されました。結成総会に100人が参加しました。 2006年に制定された市場化テスト法により、全国各地の法務局で事務の競争入札が行われ、この間、民事法務協会職員700人の解雇・雇い止めや、最大で月10万円以上の賃金引き下げが強行されています。民間委託された出張所では業務の不手際による混乱が続き、利用者にも影響がでています。今年12月には、大規模な競争入札が予定され、関係者に不安が広がっています。 総会では、国公労連の宮垣忠委員長、全労連・全国一般の大木寿委員長、特殊法人労連の岩井孝議長の各呼びかけ人があいさつし、「“安ければいい”では公共サービスの質の低下につながる」「国、自治体が大量の官製ワーキングプアをつくることは許されない」と語りました。 決意表明した民事法務協会労組の衛藤喜代美委員長は、「事務には、専門知識と経験が必要。雇用、労働条件、行政サービスを守るため大きなご支援を」と呼びかけました。 (『しんぶん赤旗』2010年6月11日付より) "[he-forum 15479] 産經新聞 産經新聞2010.6.12 10:42 10年で4割近く減少 米国留学の日本人学生 日米会議  【ワシントン=佐々木類】日米両国の有識者が参加して米議会内で開 催されていた日米教育文化交流会議は11日、大学やシンクタンクなど への財政支援の強化を求める共同声明を発表し、2日間の日程を終えた。  日本側委員長の槙原稔三菱商事相談役は会議終了後に発表した共同声 明で「日米間の学者、学生間の交流が著しく減少している」と指摘、大 学やシンクタンクなどへの財政支援を強化する必要性などを訴えた。  会議では、日米双方の出席者が、英語教師の助手を外国から日本に招 く「JETプログラム」が、民主党政権による事業仕分けの対象になっ ていることへの強い懸念を示した。  日本からアメリカに留学する学生数は中国や韓国に比べて著しく減 少。会議では、この10年で40%近く減少し、米国における留学生全 体に占める日本人の割合は、13年前の10.1%から4.4%と著し く低下しているとの指摘があった。 "[he-forum 15480] 朝日新聞6/11 朝日新聞 2010年6月11日 来年度センター試験、829大学・短大利用 過去最多に  大学入試センターは11日、2011年度の大学入試センター試験を 利用する大学・短大の予定状況(3月末現在)を発表した。人間総合科 学大、東都医療大、東京女子体育大などが加わり、前年度と比べて利用 校数は12校の増加。短期大学も6校増える。大学・短大で計829校 が利用することになり、過去最多を更新する。  試験の実施要項も決まり、出願は10月1日~14日、本試験は来年 1月15、16日の2日間。追試験は1月22、23日に実施する。 "[he-forum 15481] 朝日新聞6/14 朝日新聞 2010年6月14日 「接続テスト」達成度試験に 有識者委が経過報告  高校段階の学力を客観的に把握し、大学の入学者決定などに役立てる 「高大接続テスト」(仮称)。具体像を検討してきた文部科学省の有識 者委員会(代表・佐々木隆生北海道大特任教授)が議論の経過をまと め、文科省に報告した。  委員会は国立大学協会や私立大学の関係団体、全国高校長協会などか ら約20人が参加、議論してきた。  経過報告によると、基本的特徴は、合否を決める選抜のためのテスト (入試やセンター試験)ではなく達成度テストであること▽高校教科書 に記載される基本的な出題で過去問題も活用する▽高校在学中に何度も 受けて生徒の目標達成を促すことなどだ。  また、1点刻みではない何段階かのスコアで成績を出すことや、高卒 資格や大学入学資格試験でもないとした。  高大接続テストは、高校生の学力を底上げし、ペーパーテストのない 推薦入試などを補完する仕組みとして注目されている。文科省は現在、 教員養成改革に取り組んでおり、高大接続テストの本格検討はまだ先に なりそうだ。(編集委員・山上浩二郎) "[he-forum 15482] しんぶん赤旗6/15 2010年6月15日(火)「しんぶん赤旗」 宮本議員が質問主意書 博士課程修了者 研究職の確保を  日本共産党の宮本岳志衆院議員は14日、「大学院博士課程修了者の 就職確保と研究条件改善に関する質問主意書」を提出しました。大学院 博士課程を修了しても安定した研究職につけず、ポストドクターや大学 非常勤講師を繰り返すなど、博士の非正規雇用のひろがりが、社会問題 となっています。  主意書は、政府が、昨年末の「新成長戦略」で 「理工系博士課程修了者の完全雇用」をかかげたが、いまだに具体的な 対策は見えてこないと指摘。雇用を確保するために、大学や独立法人研 究機関の若手研究者ポストを増やすことを求めています。また、 人文・社会学系の博士課程修了者の就職問題に、どのような対策 をとろうとしているかをただしています。  若手大学教員・研究者ポストの減少の要因となっている、行政改革推 進法の「人件費削減」の国立大学と独立行政法人研究機関への義務付け を撤廃すること、国立大学と独法研究機関への運営費交付金の拡充を求 めています。  質問主意書の全文は日本共産党のホームページ「国民の立場で大学改 革を」のページに掲載しています。 **************************** 質問主意書全文 PDFファイル http://www.jcp.or.jp/tokusyu/daigaku/pdf/100614.pdf "[he-forum 15483] 共同通信6/15 2010/06/15 10:16 【共同通信】 科技白書、博士号取得者の充実を 10年版閣議決定  政府は15日、世界で活躍できる博士号取得者を質・量ともに充実さ せる必要があるとする2010年版科学技術白書を閣議決定した。  白書では特に中国をはじめとしたアジア諸国で博士号取得者の数が増 加している一方、日本は大学院の博士課程進学者数が03年をピークに 減少傾向にあると指摘。進学者数が減っている理由について、博士課程 を終えた直後の学生が安定した職に就きにくい現状があるなどと分析し た。  ただグローバル化の進展で民間企業での博士号取得者の需要が高まる ことがあり得るとし、博士課程を終えた学生の民間企業への就職割合 を、現在の約2割から将来的には米国並みの約3割に拡大できる可能性 があるとの見通しを示した。  その上で研究に限らない多様な活躍の場が考えられると強調し、高校 教員や新聞記者など研究とは違う分野で活躍している博士号取得者の事 例を紹介した。 "[he-forum 15484] 共同通信6/14 2010/06/14 12:43 【共同通信】 阪大研究室で不正経理疑い 裏金プールか、調査委設置  取材に応じる大阪大の高杉英一副学長=14日午前、大阪府吹田市  大阪大大学院医学系研究科(大阪府吹田市)の元教授(現特任教授) の研究室で、男性研究員の給与を返還させ、裏金としてプールするなど の不正経理が行われた疑いがあることが14日、大阪大と関係者などへ の取材で分かった。  大阪大は、理事を委員長とし、学外の有識者を加えた調査委員会を2 日に設置。4日に文部科学省に連絡した。  カラ出張の疑いもあるといい、調査委は元教授らから事情を聴くなど して、経緯や私的流用の有無などを詳しく調べている。不正が事実なら ば、関係者を処分する方針。  大阪大などによると、不正経理の疑いがあることは、4月28日に監 査室への通報があり発覚。独立行政法人「科学技術振興機構(JS T)」から受託した研究費で雇用されていた非常勤の男性に、振り込ん だ給与の一部を研究室に返させていた疑いがある。  大阪大の高杉英一副学長は「なるべく速やかに、公正に調査したい」 と話している。 "[he-forum 15485] 朝日新聞6/15 朝日新聞 2010年6月15日10時49分 若手人材を取り巻く厳しい現状に警鐘 科学技術白書  2010年版の「科学技術白書」(科学技術の振興に関する年次報 告)が15日、閣議決定され、若手人材をめぐる厳しい現状に警鐘を鳴 らした。  白書によると、自然科学系の博士課程への進学者数(09年は約1万 1千人)が03年以降、減っている。米国で博士号を取得する日本人研 究者の数も中国や韓国、インドに大きく水をあけられている。博士号取 得者の進路調査で約2割が「不明」となるなど、厳しい状況にも触れ 「博士の知恵を社会全体で享受できる未来社会のため、大学・産業界・ 行政を含めて総掛かりで取り組む必要がある」とした。  政権交代以降、今回が初めての白書で、昨年末の事業仕分けでは科学 技術事業の「見直し」や「縮減」などの評価が相次ぎ、科学界から反発 が起きた経過も盛り込んだ。 "[he-forum 15486] 毎日新聞6/15 毎日新聞 2010/6/15 科学技術白書:基礎研究力に警鐘「多様性を損失」  政府は15日の閣議で09年度の科学技術白書を決定した。日本の科 学技術の競争力低下を憂慮し、特に基礎科学力の現状に強い危機感を表 した。  白書では、この10年間に成果が出やすい、流行を追った研究に偏 り、長期間かかる研究や新しい領域を生み出す挑戦的な研究など、「基 礎研究の多様性」が損なわれたと指摘。基礎研究を支える研究費の政府 負担比率は18%(08年度)と、仏39%や米27%、中韓25%よ り少なく、高等教育機関への財政支出(対国内総生産比)でも「経済協 力開発機構(OECD)加盟国で最下位」と強調した。  また、政権交代後に行われた昨年秋の事業仕分けで、費用対効果や産 業応用などの観点から、次世代スーパーコンピューター計画の見直しな どを迫られ、学術界から強い反発があったことも紹介。効率化や国民へ の十分な説明を条件に継続とされた経過を詳しく説明した。【山田大輔】 "[he-forum 15487] 読売新聞三重6/16 読売新聞三重版2010年6月16日付 三重大、温室効果ガス削減構想 学内外で省エネ取り組み  三重大(津市)の内田淳正学長は15日、同大医学部講義棟で、教職員や学生を対象にした説明会を開き、温室効果ガスを削減する「カーボンフリー大学構想」に取り組むことを宣言した。  2020年度には、1990年度に比べて二酸化炭素(CO2)を30%削減する計画で、設備の改善を図るとともに、学内外で節電するなど積極的な省エネ活動に取り組む。  同大は、最新の省エネ設備を導入するなどしてCO2を19・3%削減する。また、環境経営コンサルティング「環境経営戦略総研」(東京都)のアドバイスを受けながら、教職員や学生の環境面への意識改革を図り、冷暖房の温度設定の徹底や電気の消し忘れ防止、階段の使用などの啓発を図る。  また、29日には教職員を対象にした自動車のエコドライブ講習会を初めて開く。さらに、来年度導入する学内で排出するCO2と、学生らの家庭などでのCO2削減量を相殺する「カーボン・オフセット」の取り組みに向け、今年度はシステムを構築させる。  説明会には教職員や学生計210人が出席した。内田学長は「学生らの意識改革も図りながら、エネルギーを効率的に利用するキャンパスエネルギーマネジメントを作り上げ、『三重大モデル』を全国に発信したい」と話した。 "[he-forum 15488] 北海道新聞6/16 北海道新聞2010年6月16日付 産学連携事業、北大など採択 経産省  経済産業省は15日、産学連携を支援する2010年度の創造的産学連携体制整備事業に、北大など5件を採択したと発表した。  北大の事業は、同大産学連携本部内にあるTLO(技術移転機関)部門の活動強化。現在、TLO部門は北大のほか、北見工大など道内4大学の研究成果の特許出願や民間への技術移転を担当している。今回、さらに道内研究機関や金融機関、他大学との連携拡大を目指す。補助金額は約900万円。 "[he-forum 15489] 共同通信6/14 共同通信2010年6月14日20時30分 教員養成系大学院の定員6倍増に 10年で2万5千人  鈴木寛文部科学副大臣は14日、共同通信の単独インタビューで、教員養成課程の抜本的見直しについて「今後10年間で徐々に教員養成系大学院の定員を増やし、最終的に(公立小中学校の採用数を満たす)毎年2万5千人を確保する」と述べ、定員を現在の約4千人から6倍強に増やす考えを明らかにした。  大学学部の4年間が基本の現行養成課程を、教職大学院や大学院教育学研究科に段階的にシフトさせる構想。教員の資質向上策は、川端達夫文科相の諮問を受けた中教審が論議しているが、具体的な制度設計を政務三役が言及したのは初めて。  教員養成をめぐり文科省は学部卒業後、大学院修士課程の1年~2年で実習中心の教育を受けさせる新制度の検討に着手している。ただ、教員採用で学部卒業者と大学院修了者が併存する移行期に、大学院修了者が安定した採用実績を上げられるかが課題とされる。  これに対し、鈴木副大臣は「養成と採用の一体化が重要。修了者の教員就職率は7~8割を目指す」と述べた。 "[he-forum 15490] 読売新聞6/16 読売新聞2010年6月16日付 大学に「専門の基礎」望む職業人…58.0%  大学教育で教えるべきことについて、学生は「専門分野を深く」と考えているのに対し、大学を卒業して既に働いている「職業人」は、「専門の基礎を」としていることが、東京大学の大学経営・政策研究センターの調査でわかった。  学生の調査は2007年、職業人の調査は09年に実施され、127大学の約4万8000人と職業人約2万5000人が回答。大学で「専門を深く教える」ことに、学生は44.7%が「きわめて重要」と考えていたのに対し、20~30歳代の職業人では37.7%にとどまった。一方、「専門の基礎を教える」は学生47.6%に対し、職業人は58.0%に達した。  学生は専門的で創造的な仕事を望む傾向があるが、現実にはパターン化された仕事や、大学で学んだ専門知識が生きない仕事が多いことが、両者の意識差を生んでいると見られる。  分析にあたった両角(もろずみ)亜希子・東大講師は「基礎を身につけていれば、仕事の様々な場面で応用でき、それが自信につながるのではないか」と話している。(石塚公康) "[he-forum 15491] 読売新聞6/16 (2010年6月16日 読売新聞) 大学に「専門の基礎」望む職業人…58.0%  大学教育で教えるべきことについて、学生は「専門分野を深く」と考 えているのに対し、大学を卒業して既に働いている「職業人」は、「専 門の基礎を」としていることが、東京大学の大学経営・政策研究セン ターの調査でわかった。  学生の調査は2007年、職業人の調査は09年に実施され、127 大学の約4万8000人と職業人約2万5000人が回答。大学で「専 門を深く教える」ことに、学生は44.7%が「きわめて重要」と考え ていたのに対し、20~30歳代の職業人では37.7%にとどまっ た。一方、「専門の基礎を教える」は学生47.6%に対し、職業人は 58.0%に達した。  学生は専門的で創造的な仕事を望む傾向があるが、現実にはパターン 化された仕事や、大学で学んだ専門知識が生きない仕事が多いことが、 両者の意識差を生んでいると見られる。  分析にあたった両角(もろずみ)亜希子・東大講師は「基 礎を身につけていれば、仕事の様々な場面で応用でき、それが自信につ ながるのではないか」と話している。(石塚公康) "[he-forum 15492] 北國新聞6/17 北國新聞 2010/6/17 富山大学長選、学内意向調査を重視 10月実施、結果を票数に置き換え  富大学長選考会議(議長・中島恭一富山国際大副学長)は16日、同大の五 福、杉谷、高岡の3キャンパスで、教職員を対象に次期学長の選考に関する経 過説明会を開いた。2008年の学長選で、各学部から、学内の意向調査が最 終選考に十分に反映されなかったことに対する批判が出たことから次期学長選 考では意向調査を前回より重視する方針であることが示された。  西頭德三学長の任期は2011年3月までで、富大学長選考会議は、次期学 長の選出方法などに関して昨年6月からこれまでに7回の会合で議論してき た。説明会では、五福キャンパスで中島議長が経過を説明し、杉谷、高岡の両 キャンパスでも同時に映像が流される形で進行した。  08年の学長選では、教職員を対象にした2度の意向調査でいずれも最下位 だった西頭氏が、約半数の学外委員が参加した同会議の最終投票で学長に選任 された。  これを受け、同会議は、学長選考が投票となった場合、これまでの同会議委 員の票数に加え、意向調査結果を具体的な票数に置き換え、それらを合計した 票数で学長を決める方針である。中島議長は「投票で決める場合、意 "[he-forum 15493] 富山新聞6/17 富山新聞2010年6月17日付 富山大学長選、学内意向調査を重視 10月実施、結果を票数に置き換え  富大学長選考会議(議長・中島恭一富山国際大副学長)は16日、同大の五福、杉谷、高岡の3キャンパスで、教職員を対象に次期学長の選考に関する経過説明会を開いた。2008年の学長選で、各学部から、学内の意向調査が最終選考に十分に反映されなかったことに対する批判が出たことから次期学長選考では意向調査を前回より重視する方針であることが示された。  西頭德三学長の任期は2011年3月までで、富大学長選考会議は、次期学長の選出方法などに関して昨年6月からこれまでに7回の会合で議論してきた。説明会では、五福キャンパスで中島議長が経過を説明し、杉谷、高岡の両キャンパスでも同時に映像が流される形で進行した。  08年の学長選では、教職員を対象にした2度の意向調査でいずれも最下位だった西頭氏が、約半数の学外委員が参加した同会議の最終投票で学長に選任された。  これを受け、同会議は、学長選考が投票となった場合、これまでの同会議委員の票数に加え、意向調査結果を具体的な票数に置き換え、それらを合計した票数で学長を決める方針である。中島議長は「投票で決める場合、意向調査の結果を同等に扱う」と話した。  学内の意向調査は10月に1回実施し、学長選の公開討論会も行う計画である。また、大学の中期目標の期間が6年であることから、学長の任期も、現在の4年から6年にすることを検討していることが報告された。  説明会では、参加者との質疑応答も行われた。 "[he-forum 15494] 毎日新聞鳥取6/15 毎日新聞鳥取版2010年6月15日付 電子ビーム金属加工機:鳥取大に無償貸与 三菱電機製、産学連携強化へ  産学連携強化の一環として、金属を加工する三菱電機製の「電子ビームマルチ表面加工機」が、鳥取市湖山町南4の鳥取大に無償貸与され、14日にお披露目された。西日本の研究機関に導入されるのは初めて。大学の知識や情報、発想力をどう活用に生かすか注目されている。  表面加工機は、三菱電機グループの多田電機が開発。エネルギー密度の高い電子ビームを放射して、表面加工▽立体加工▽接合加工などができる。アルミや銅などの加工しにくい金属も簡単に加工できるという。1台3450万円もするが、大学の応用力に期待して期間を定めずに貸し出すことにした。  加工実演では、直径4センチのステンレス板に世界地図と文字が3秒ほどで刻まれた。電気機械の金型から体内に埋め込む人工関節までさまざまなものの加工に対応できるという。  多田電機の野口洋・技術第1部長は「大学のアイデアで我々が思いもよらないような分野に活用してほしい」と期待を込めた。  鳥取大の岩崎正美理事は「非常に複雑な加工ができる夢のような機械。研究成果が地域の発展につながるようにしていきたい」と応えた。【遠藤浩二】 "[he-forum 15495] 中日新聞6/16 中日新聞2010年6月16日付 和漢薬の拠点 拡充 富大の民族薬物資料館 生薬標本2万7000点保管 増築 広さ2倍に  国立大学で唯一の医薬系研究所である富山大和漢医薬学総合研究所(富山市)の民族薬物資料館が十五日、増築され二倍の広さになった。同研究所は昨年、国の重要拠点にもなっており、資料館の拡充とともに、「くすりの富山」を担う漢方薬の研究体制の強化が期待される。   従来の資料館の隣に約二億円で増築された建物は鉄筋三階建て、延べ床面積は約四百平方メートル。二階が展示室で、日本や中国、インドなどの生薬標本が約二万七千点、書物約二百冊がある。中国・内モンゴルの砂漠で乱獲され、黄砂を引き起こす原因とされる甘草(かんぞう)や麻黄(まおう)などの生薬もある。  資料館は、一九七三(昭和四十八)年に旧富山大薬学部の付属の生薬保管施設として創設された。資料館になったのは八五年。しかし一般研究室と一体だったため、研究者から「資料を使った研究のスペースを広くしてほしい」との声があった。資料の保管体制を整え、学術価値を高めるために施設の整備に踏み切った。  同研究所は昨年、文部科学省から「共同利用・共同研究拠点」に認定された。本年度からは複数の学外研究者との共同研究も本格化。門田重利所長は「和漢薬の基盤を形成する拠点として、研究に取り組む」としている。  十五日に開かれた記念式典で、西頭徳三(さいとうとくそう)学長は「宝の持ち腐れではもったいない」と語り、これまで年一回としてきた資料館の一般公開を、年に数回実施する意向を明らかにした。まずは今月末から一週間、公開する。(永井響太) "[he-forum 15496] 毎日新聞北海道6/17 毎日新聞北海道版2010年6月17日付 協力協定:北大と東工大など、省エネスパコン開発 冷却電力ゼロを目指す  北海道大と東京工業大、国立情報学研究所は16日、省エネ型のスーパーコンピューター(スパコン)開発の実証研究に向けた協力協定を締結すると発表した。スパコンは演算能力の速さを競い合う国際競争に突入しており、昨年11月の行政刷新会議の事業仕分けで、仕分け人だった蓮舫行政刷新担当相に「(日本は)世界一じゃなきゃ駄目なのか」と指摘を受けたことが有名になった。この研究では、速さより、環境へのやさしさを重視した開発を目指すという。  スパコンは動かすのに大量の電力を必要とする。特に負荷が高いのは機械本体から出る熱の冷却で、機械本体だけの電力消費量と比べ、全体の消費量は1・7~2・0倍に増えるという。  このため北大などは、来年度から5年計画で、スパコン本体から出る熱の冷却電力を限りなくゼロに近づけ、エネルギー効率を高める技術開発に取り組む。具体的には▽北大が地下水や大気を利用したリモート冷却技術▽東工大が自動保守点検技術▽情報学研が大規模データ転送--の研究分野を担当していくという。  協定の発表会見は、札幌と東京をテレビ会議システムで結んで行われ、北大工学研究院の長野克則教授は「冷たい地下水など寒冷地で磨いた環境関連技術を生かし、将来的に(スパコンを置く)データセンターの誘致につながる研究にしたい」と語った。【千々部一好】 "[he-forum 15497] 《市場化テスト導入阻止情報》No.14=2010年6月18日引き続き『公共サービス改革基本方針変更(案)』第11項の全面削除を要求しよう 《市場化テスト導入阻止情報》No.14=2010年6月18日 引き続き『公共サービス改革基本方針変更(案)』第11項の全面削除を要求しよう 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 内閣府公共サービス改革推進室は、『公共サービス改革基本方針変更(案)』(《市場化テスト導入阻止情報》No.12参照)第11項原案(国立大学法人関連業務)に対して文部科学省ならびに各大学法人から出された意見について、6月11日に最終的な回答を行い、末尾のような変更案を提示した。(1)は内閣府原案のままであるが、(2)の変更案では「施設の管理・運営業務及び図書館運営業務について、経営改善の取組を推進する」の前に“第8回国立大学法人分科会(平成22年4月8日開催)の評価結果を踏まえ”が新たに挿入され、いっそう改悪されている。政府はこの変更案を官民競争入札等管理委員会での審議を経て、閣議決定しようとしている。引き続き、第11項の全面削除を求める声を各大学から政府に対して突きつけることが重要である。 ++++++++++++++++++++++ 11.国立大学法人関連業務 (1)国立大学法人関連業務への官民競争入札等の活用に関する検討 国立大学法人については独立行政法人制度と別途の制度を創設した趣旨を踏まえ、業務の特性に配慮しつつ、経営効率化の観点から、既に他の国の行政機関等において官民競争入札等の対象とされ、質の維持向上及び経費の削減が期待される施設の管理・運営業務、内部管理業務、試験実施業務、医業未収金の徴収業務等について、官民競争入札等を含む民間活用の一層の推進を検討する。 (2)国立大学法人における施設の管理・運営業務及び図書館運営業務の経営改善の取組の推進 国立大学法人については独立行政法人制度と別途の制度を創設した趣旨を踏まえ、業務の特性に配慮しつつ、第8回国立大学法人分科会(平成22年4月8日開催)の評価結果を踏まえ施設の管理・運営業務及び図書館運営業務について、経営改善の取組を推進する。 なお、第8回国立大学法人分科会(平成22年4月8日開催)の評価結果は以下のとおりである。 ・法人化して6年経過した国立大学法人(86 校)の経営改善のスピードを速める必要がある。現状は、国の行政機関が公共サービス改革法等により施設管理等の経営の改善を行うのと比べて遅れている。 ・国立大学法人は施設管理業務への一般競争入札の導入、契約の複数年度化、包括化等を進めるべきである。 ・法人化後、80の大学が少額随意契約の上限額を引き上げたが、中央省庁と同じ水準の100万円まで引き下げる必要がある。 ・図書館運営も民間委託すべき業務を切り分けて民間委託すべき。 "[he-forum 15498] 山形新聞6/18 山形新聞 2010年06月18日 08:36 山形大工学部がキャンパス整備計画 23日、シンポで概要説明  米沢市の山形大工学部(大場好弘学部長)は、景観への配慮を重視し たキャンパスの整備計画を策定した。大学は都市や地域と一体の存在で あることをうたい、自らが美しく変わることによって地域の景観形成を けん引しようという狙い。将来的には塀を取り払い、学生や市民、観光 客が憩う空間を創出する計画だ。 23日に市民向けのシンポジウ ムを開き、構想の概要を説明する。  従来の施設整備は機能優先で、景観という視点が不足していたとの反 省に立ち、教職員や学生、地域住民、景観分野の専門家によるキャンパ ス景観マスタープラン作成委員会(委員長・志村勉教授)を設け、昨年 度1年間かけて計画をまとめた。2050年を完成年度とする 長期的な視点で、都市とキャンパスとの関係の理想像や、施設改修の方 向性などを示している。  大学と都市との関係性を「運命共同体」と表現し、「相互にもっと融 合し、その相乗効果を発揮すべき」としてキャンパス機能の共有化、共 同化を提案。美しいキャンパスの景観は新たな観光拠点となり、市内の ほかの観光スポットをつなぐ新しいネットワークを形成する-と波及効 果にも言及している。  具体的な整備案としては、正面の道路に面した塀を取り払い、ケヤキ 並木や芝生広場などを公共スペースとして活用。国の重要文化財である 旧米沢高等工業学校本館周辺も広場として整備し、ルネサンス様式を基 調とした木造2階建ての建物を正面から見られるようにする。警 備上の問題は、専門研究区域と市民に開放する区域を明確にすることで 解消する考えだ。  志村教授は「景観整備で観光客が10倍に増えた都市の例は数多 くある。まずは自分たちが美しく変わり、米沢の魅力を高めていきた い」と話している。  「大学から始まる美しい米沢-美しい大学キャンパスは都市を魅力的 にする-」と題したシンポジウムを23日午後0時50 分から同学部で開く。 "[he-forum 15499] 徳島新聞6/18 徳島新聞2010年6月18日付 徳島大、口腔保健学専攻新設へ 来年度概算要求書を提出  徳島大学は歯学部大学院修士課程に口腔(こうくう)保健学専攻を新設する。設置が認められれば全国の大学で3例目。17日、新設予算を盛り込んだ2011年度の概算要求書を文部科学省に提出した。  大学によると、口腔保健学専攻は、歯学部大学院口腔科学教育部に新設する。高齢者福祉施設や病院などで、口腔と健康との関係について指導する高度な能力を備えた歯科衛生士を育成する。定員は5人で、歯学部の教授ら17人が授業を担当する。  概算要求ではこのほか、常三島キャンパスに工学部の学生と教員が利用する研究棟を建設する費用などを計上した。 "[he-forum 15500] 毎日新聞愛媛6/17 毎日新聞愛媛版2010年6月17日付 愛媛大:IT駆使、森林管理者育成 来春大学院に新コース  愛媛大は来年4月、全地球測位システム(GPS)や地理情報システム(GIS)を利用して、樹木の育成状況や山林の境界確定などの森林管理ができる技術者を育てる目的の大学院の特別コースを、久万高原町菅生にある県林業研究センターに新設する。同大によると、森林管理の大学院コースは全国でも珍しいという。【栗田亨】  同大や県によると、新設するのは、大学院農学研究科の修士課程となる2年間の森林環境管理特別コース(定員5人)と、1年間で土日開講が中心の社会人リカレントコース(同20人)。同センターの施設を利用して、講義や実習、企業でのインターンシップなどに取り組む。  県は総面積の約7割が森林に覆われている森林県でもあるが、林業従事者の高齢化などにより、放置されて所有区分の境界の確定ができないまま、伐採や搬出道路の整備などが難しい森林が多いのが現状。  これら県内の森林を有効利用するため、新大学院コースでは、GPSで位置確認し、樹木の本数や生育状況などをGISに書き込むことで、生育状況を把握したり、木材の搬出ルートを検討できる、林業技術者の育成にあたる。また、社会人コースには、現役の林業従事者のスキルアップを狙って、森林管理や法制度、木材の鑑定などのコースを設ける。  同大の林和男農学部長は「ITを使うことによって、森林管理と現場作業の両方をこなせる人材を育成したい」と話している。 "[he-forum 15501] 読売新聞6/18 (2010年6月18日13時31分 読 売新聞) 「親の所得が学力左右」文部科学白書が指摘  川端文部科学相は18日の閣議に、2009年度版文部科学白書を報 告した。家庭の経済力の差が子どもの教育機会の格差拡大につながりつ つある現状を挙げ、教育への公的投資の必要性を指摘した。  白書では、09年度の全国学力テストの結果などを分析し、就学援助 を受ける生徒の割合が高い学校は正答率が低い傾向があること、親の年 収が400万円以下の子どもの大学進学率は31%なのに対し、同10 00万円超だと62%に達することなどを指摘。子どもの学力の伸長が 親の所得に左右される可能性があることなどをとりあげた。  そのうえで、幼稚園や大学などへの公的財政支出が少ないことを挙 げ、「経済的格差が教育格差に影響し、それが格差の固定化や世代間の 連鎖につながりかねない。教育に社会全体として資源を振り向けること が喫緊の課題だ」とした。 "[he-forum 15502] 共同通信6/18 2010/06/18 10:55 【共同通信】 子どもの学び、社会で支援 09年度文部科学白書  文部科学省は18日、子どもの学びを社会全体で支援する意義をアピールし た2009年度の文部科学白書を発表した。  白書は、08年度の全国学力テストを受けた公立小6年の一部調査を基に、 保護者の年収が高い世帯ほど子どもの学力が高く、経済格差が教育格差に "[he-forum 15503] 共同通信6/18 2010/06/18 11:58 【共同通信】 「アカハラで自殺」と東北大提訴 岡山地裁、院生の両親  2008年8月、東北大大学院理学研究科に在籍していた男子大学院 生=当時(29)=が自殺したのは、指導教員だった元准教授(53) のアカデミックハラスメントがあったためとして、岡山県に住む両親が 18日、東北大と元准教授の男性に計約1億円の損害賠償を求めて岡山 地裁に提訴した。  東北大は昨年4月「指導に重大な過失があり、自殺につながった」と する報告書をまとめていた。元准教授は昨年5月に辞職した。  訴状によると、大学院生は07年、元准教授に博士号取得のための論 文を提出したが受理されず、その後も添削や具体的な指導を受けられな かった。このため将来を悲観、自殺したとしている。  原告側弁護士は元准教授の処分に関する報告書などの開示を求めた が、東北大は拒否している。  東北大は電話取材に「提訴について承知していないのでコメントを差 し控える」とした。 "[he-forum 15504] 《市場化テスト導入阻止情報》No.14 修正 各位 6月18日付で配信した[he-forum 15497]《市場化テスト導入阻止情報》No.14を一部修正したので,再度配信します. *************************** 《市場化テスト導入阻止情報》No.14=2010年6月18日 引き続き『公共サービス改革基本方針変更(案)』第11項の全面削除を要求しよう 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 内閣府公共サービス改革推進室は、『公共サービス改革基本方針変更(案)』(《市場化テスト導入阻止情報》No.12参照)第11項原案(国立大学法人関連業務)に対して文部科学省ならびに各大学法人から出された意見について6月11日、最終的な回答を行い、末尾のような変更案を提示した。(1)では“施設の管理・運営業務”が、(2)では「施設の管理・運営業務及び図書館運営業務について、経営改善の取組を推進する」の前に“第8回国立大学法人分科会(平成22年4月8日開催)の評価結果を踏まえ”が、それぞれ新たに挿入され、いっそう改悪されている。政府はこの変更案を官民競争入札等管理委員会での審議を経て、閣議決定しようとしている。引き続き、第11項の全面削除を求める声を各大学から政府に対して突きつけることが重要である。 ++++++++++++++++++++++ 11.国立大学法人関連業務 (1)国立大学法人関連業務への官民競争入札等の活用に関する検討 国立大学法人については独立行政法人制度と別途の制度を創設した趣旨を踏まえ、業務の特性に配慮しつつ、経営効率化の観点から、既に他の国の行政機関等において官民競争入札等の対象とされ、質の維持向上及び経費の削減が期待される施設の管理・運営業務、内部管理業務、試験実施業務、医業未収金の徴収業務等について、官民競争入札等を含む民間活用の一層の推進を検討する。 (2)国立大学法人における施設の管理・運営業務及び図書館運営業務の経営改善の取組の推進 国立大学法人については独立行政法人制度と別途の制度を創設した趣旨を踏まえ、業務の特性に配慮しつつ、第8回国立大学法人分科会(平成22年4月8日開催)の評価結果を踏まえ施設の管理・運営業務及び図書館運営業務について、経営改善の取組を推進する。 なお、第8回国立大学法人分科会(平成22年4月8日開催)の評価結果は以下のとおりである。 ・法人化して6年経過した国立大学法人(86 校)の経営改善のスピードを速める必要がある。現状は、国の行政機関が公共サービス改革法等により施設管理等の経営の改善を行うのと比べて遅れている。 ・国立大学法人は施設管理業務への一般競争入札の導入、契約の複数年度化、包括化等を進めるべきである。 ・法人化後、80の大学が少額随意契約の上限額を引き上げたが、中央省庁と同じ水準の100万円まで引き下げる必要がある。 ・図書館運営も民間委託すべき業務を切り分けて民間委託すべき。 "[he-forum 15505] 毎日新聞6/19 毎日新聞2010年6月19日付 新教育の森:増える公立大、地域再生に一役 高まる期待と存在感…私立から衣替えも  公立大の存在感が高まっている。09年までの10年で33の新たな大学が産声を上げ、大学・大学院の学生数は13.7万人と35%増。学生全体の5%足らずだが、学生数が頭打ちの国・私立と対照的だ。昨年は全国で初めて、高知工科大が私立から公立に生まれ変わった。【遠藤拓】  ◆高知の山あいに活気  高知市から東北東に15キロ。高知県香美市の山あいに、赤れんがの建物の一群がそびえる。高知工科大のキャンパスだ。「公立になり、学生が増えてにぎやかになった」と言うのは4年生の男子(22)。2年生の女子2人は「ここに来たのは地元で学費が安いから」と口をそろえる。  大学の開学は97年。県が建設費などを負担し、県を中心に設立した学校法人が運営する公設民営方式を採った。10年余りで「変身」に踏み切ったのは、学生の定員割れが深刻だったからだ。  「高知の1人あたりの県民所得は211万円(07年度、全国46位)。一方、私立時代の授業料は工学部が年間124万円で、親が支払える能力を超えている。18歳人口の低下や大学の首都圏一極集中、若者の理科離れもあった」。佐久間健人学長は説明する。  公立となって、がらりと変わったのは授業料。大学全学で年間約54万円に抑えた。国の私学助成に代わり、より高額な県の運営費交付金が支給されるためだ。10年度入試の志願倍率が10・8倍となるなど、定員割れは解消した。  大手予備校、河合塾教育情報部の富沢弘和チーフ(38)は「不景気になると受験生の国公立志向が強まる」と前置きして言う。「大学全入時代を迎えて国公立を取り巻く環境も厳しくなるとみられたが、少なくとも現時点では、私立に比べれば安泰です」  ◆地元とのつながり強化  一方で公立化は、大学と地元のつながりを強めるきっかけにもなった。「この大学の存在意義は県の負託に応えること。地域の再生に真剣に取り組みたい」と佐久間学長。地元産業界との技術開発は昨年から特に力を入れており、順調に成果を上げている。  また、地元の小・中・高校生が見学に訪れれば、教職員や学生が説明にあたる。学外でも、学生がお祭りなどの行事に率先して参加する。市商工会の石川祐一副会長(58)は「高齢化の進む田舎に若い人が来てくれる。それだけでうれしい」と目を細める。  佐久間学長は大学公立化の際、総務省の担当者に「『官から民へ』の潮流に逆行しているのでは」とただされ、こう答えたという。「『民から官へ』は行き過ぎた東京一極集中に対する、地方からのメッセージです」  ◇経済効果や就学機会、大きな利点 自治体トップの政策転換、慎重に--今や80大学  公立大の新設には主に三つのパターンがある。(1)国の助成制度を活用した看護、医療、福祉関連の大学新設(2)公立短大の4年制大化(3)公設民営大学の公立化、だ。(3)は高知工科大の他、今春公立に衣替えした静岡文化芸術大と名桜大(沖縄県)も含まれる。鳥取環境大にも追随の動きがある。  公立大学協会(会長・矢田俊文北九州市立大学長)によると、公立大が目立って増えたのは80年代後半以降。戦後、おおむね30大学で推移していたが、95年に初めて50大学を突破(52大学)、00年には70大学を超えた(72大学)。統廃合による減少もあるが、10年現在、80大学に上る。  中田晃事務局長(48)は言う。「公立は国立よりもきめ細かい教育が期待できるし、議会対応もあり、地域のことを常に考えている。より存在感が高まってくれればいい」  もちろん、課題もある。  「倍率が高くなると地元出身者が入学しづらくなり、卒業生は首都圏に流出しやすい。地元からはよく指摘されます」と、高知工科大の佐久間学長は言う。公立大学協会によると、こうした状況は各地でみられるという。  公立大に詳しい横浜市立大の高橋寛人教授(教育学)はこうした「地元の声」に反論するかのように言う。「他地域の学生は大学に魅力があるから訪れる。4年間の生活で数百万円のお金を落とし、その後地元に残れば、もっと大きな経済効果を生む。そもそも大学がなければ、そうしたチャンスも、地元の子どもの就学機会も生まれない」  高橋教授はこうも言う。「自治体のトップが代わり、大学政策を転換することがあるが、慎重に取り組んでほしい。長年の伝統は一度失うと簡単には取り戻せない」  首都大学東京は05年開校の際、石原慎太郎知事がトップダウンで大学の統廃合を進めたことに学内外で反発の声が上がった。橋下徹大阪府知事は09年、府立大の存廃も含めた見直しに言及している。  地方の自治と大学の自治。このバランスの取り方も、公立大の課題といえそうだ。 "[he-forum 15506] 共同通信6/19 共同通信2010年6月19日2時2分 30年ぶり医学部新設の容認検討 文科省、医師不足に対応  医師不足が深刻さを増す中、文部科学省は18日、養成する医師の数を増やすため、80年以降認めていない医学部新設の容認に向け、本格的に検討する方針を決めた。現行の文科省告示は、医学部の新設を審査しないとしており、約30年ぶりの方針転換。  政務三役が、共同通信の取材に「新設は極力抑えたいが、医療需要が逼迫している地域では解除することが必要だ」と強調した。対象地域は厚生労働省が現在進めている医療需要調査の結果を参考に検討する。  医学部新設には数百億円規模の資金や医療従事者の確保が必要で、新規参入のハードルは高いが、複数の私立大で申請を目指す動きが出ている。  ただ、法科大学院のような乱立を避けるため、文科省は新設校候補として(1)既に看護や薬学などの学部がある(2)医療系の基礎科目の教員がいる(3)実習先として地域の病院が活用可能―などの条件を想定。検討の場で是非を論議する。  文科省によると、医学部新設の認可は79年の琉球大が最後。  しかしその後、医師不足が深刻化し、08年度から医学部の定員増に転換。本年度入学分は過去最多の8846人を認めたが、教育の質確保の点からこれ以上の増員を懸念する大学関係者の声も出ていた。 "[he-forum 15507] しんぶん赤旗6/24 しんぶん赤旗2010年6月24日付 博士課程修了者の就職難 「人件費削減の影響」 宮本議員に政府答弁書  政府は22日、日本共産党の宮本岳志衆議院議員が提出した、大学院博士課程修了者の就職確保と研究条件改善に関する質問主意書に対する答弁書を決定しました。  昨年末の「新成長戦略」でかかげた「理工系博士課程修了者の完全雇用」達成のための政府の対策について、答弁書は、任期付き研究者が、厳格な審査をへてより安定した職を得る仕組みの導入など、自公政権時代の取り組みを羅列するだけで、新しい対策は示されていません。  答弁書は、35歳以下の大学教員の割合の減少など、若手研究者ポストの減少は、国立大学の運営費交付金の削減と行革推進法の人件費削減の義務付けの影響によるものとの指摘が、大学関係者から寄せられていることを認めました。しかし、運営費交付金と私学助成の増額については、「必要な経費について適切に対処」するとの答弁にとどまりました。人件費削減の義務付けの撤廃についても明言せず、来年度以降は、国会での議論をふまえて対処するとしました。  答弁書の全文は、日本共産党のホームページ「国民の立場で大学改革を」のページに近く掲載されます。 "[he-forum 15508] 共同通信6/23 共同通信2010年6月23日19時27分 重力波望遠鏡など14件選定 最先端研究で文科補助金  文部科学省は23日までに、本年度予算で新設された「最先端研究基盤事業」に充てる約280億円の支給先として、東京大が岐阜県飛騨市・神岡地区の地下に設置する「大型低温重力波望遠鏡」など14件を選定した。助成は最長3年で、総額564億円を見込んでいる。  重力波望遠鏡は、アインシュタインが存在を予言した重力波の検出を目指す大型観測装置で、長さ3キロのレーザー干渉計2本を直交させ、7億光年先までのブラックホール生成などで発生する重力波をとらえる。総事業費は98億円で、うち本年度は22億円を支給する。  ほかに選ばれたのは▽海底掘削コア試料の分析(海洋研究開発機構)▽照射試験炉JMTRの改修を中心とした原子炉高度利用(日本原子力研究開発機構)▽感染症研究(北海道・東京・大阪・長崎の各大学)▽ゲノム機能医学研究(熊本大)など。 "[he-forum 15509] 佐賀新聞6/23 佐賀新聞2010年6月23日付 佐賀大など開発の会計システム、「クラウド」で運用 病院向け、初期投資不要で使用料月9万円  佐賀大学とICT企業「日本ユニシス」(本社・東京)が、インターネットを使う「クラウドコンピューティング」で提供する病院向けの管理会計システムを共同開発した。会計システムは、部署別に損益管理できるのが特徴で、「クラウド」を使うことで、病院はこの分野で数千万円とされる初期投資がかからず、月額9万円で利用できる。22日から運用を開始、全国の病院への普及を目指す。  会計システムは佐賀大医学部付属病院が2008年に開発。各診療科を独立した専門病院に見立てるなどして、個別に損益管理をする「テナント方式」を採用した。手術などにかかった費用を関係部署で負担し合う原理でコスト管理を徹底。分析や評価に加え、医師数の増減などによる損益変化など、さまざまなシミュレーションもできる。既に約30の医療機関がシステムを使っている。  このシステムに日本ユニシスが着目、「クラウド」を使ったサービス提供を提案した。サービスを受ける病院は、設備投資は不要で、利用料金はソフト使用料や運用費など月額9万円。情報は日本ユニシスのデータセンターに蓄積、他病院とのコスト比較もできる。  会見した佛淵孝夫学長と藤井進医療情報部講師は「効率化は、より効果的な治療方法を探ることにつながり、医療の質の向上にもなる。入院日数の短縮など患者側にも経済的な負担軽減のメリットがある」としている。 "[he-forum 15510] 陸奥新報6/23 陸奥新報2010年6月23日付 本格稼働前にヘリの離着陸訓練/弘大高度救命センター  弘前大学医学部附属病院高度救命救急センターの本格稼働が7月1日に迫る中、同病院の外来診療棟屋上に完成したヘリポートでの離着陸訓練が22日、初めて行われた。同センターの医師、県防災航空隊、弘前消防署員ら約30人が参加し、患者の搬送手順などを確認。県内唯一の高度救命救急センターは津軽地域だけでなく、県内全域や県外近隣地域の三次救急を担うため、ヘリの円滑な活用による救命率向上が期待される。  同ヘリポート(941.21平方メートル)は同病院外来診療棟の屋上に今年3月に完成し、融雪機能や照明設備を整備。ドクターヘリのほか防災ヘリなどにも対応し、最大で重さ6.5トンまでのヘリが着陸できる。  訓練では、防災ヘリ「しらかみ」が青森空港を離陸し、約15分で同ヘリポートに到着。救急引き継ぎ訓練や救急受け入れ訓練のため同ヘリポートに計3回着陸した。  その後、八戸市立市民病院を出発し青森空港で待機していたドクターヘリが到着。搭乗していた医師らと患者搬送訓練が行われた。  訓練について浅利靖センター長は「ヘリによる風の強さ、音の激しさを正確に知り体感できたことに意義があった。患者とのやりとりの仕方を確認でき、非常に良かった」と述べ、本格稼働に向け「トレーニングする課題も見え、自信を持って始められる」と語った。 "[he-forum 15511] 毎日新聞三重6/23 毎日新聞三重版2010年6月23日付 鈴鹿市:三重大と産業振興、連携協定を締結へ  鈴鹿市は30日、三重大と産業振興などに関する連携協力の協定書を締結する。鈴鹿医療科学大など市内の4大学(短大、高専各1校含む)とは03年に締結しており、市外の大学とは初めて。  締結は産業の振興をはじめ、福祉・医療、教育・文化の振興、自然、環境などの分野において連携を深め、相互の発展と地域発展を図るのが目的という。三重大は「鈴鹿市内の企業群との連携を強化することで、経済産業省系の予算など資金の獲得も有望になる」などとしている。  協定書の締結は、市側からは川岸光男市長ら5人、大学側は内田淳正学長ら4人が出席し、市長と学長が調印する。【大原隆】 "[he-forum 15512] 日本経済新聞6/23 日本経済新聞2010年6月23日付 東北大、環境技術の研究拠点を開設 産学官連携を強化  東北大学は環境技術の実証研究や産学連携を促す新たな研究棟「エコラボ」を開設した。教授らの先端研究と組み合わせ、自然エネルギーを中心とした技術の実証の場となる。宮城県や仙台市、東北経済連合会との間で産学官連携プロジェクトを推進する協議会組織も発足した。ハード、ソフトの両面で技術研究を強める考えだ。  エコラボは東北大大学院環境科学研究科の施設として開設、22日に完成式典を実施した。  2階建ての建物に太陽光発電や太陽熱発電、蓄電池、発光ダイオード(LED)照明などを配置した。太陽熱などで得られた電気を交流に変換せず、直流のままパソコンなどに送る制御システムもある。直流・交流変換に伴うロスを抑える仕組みも研究する。成果を大手企業や地元企業にできるだけ提供し、産学共同研究にもつなげる。  一方、東北大の環境科学研究科は宮城県や仙台市、東経連と協力し「地域連携環境教育・研究センター」を発足した。今後、非営利組織(NPO)なども加わり具体的なプロジェクトを検討する予定で、未利用エネルギーや微弱エネルギーの有効活用といった案件を念頭に置いている。 "[he-forum 15513] 毎日新聞鳥取6/23 毎日新聞鳥取版2010年6月23日付 飛び出す!?鳥取大学展:2期構成、研究内容分かりやすく  研究成果をキャンパスから出て発表する鳥取大の「飛び出す!?鳥取大学展」が鳥取市本町3の鳥取産業会館・鳥取商工会議所ビルで開かれている。A0サイズのパネルを使って工学や医学分野などの研究内容がわかりやすく紹介されている。2期構成で、前期の「跳躍」は30日まで。後期の「飛翔」は7月1~15日。  産学連携を目指す鳥取大と商工会議所が共同で開催した。農学部と民間企業が研究開発し、商品化させた「梨酢(なしす)」や、カニやエビの殻に含まれるバイオナノファイバーの研究報告などが並んでいる。  商工会議所企画広報課の勝井実雄係長は「企業の方に鳥取大の研究の中身を知ってもらい、研究開発に役立ててもらいたい」と話している。鳥取大産学・地域連携推進機構の小沢貴史准教授は「パネルの下に研究者の連絡先が書いてあるので、興味を持たれたら気軽に連絡してほしい」と呼び掛けている。【遠藤浩二】 "[he-forum 15514] 下野新聞6/24 下野新聞2010年6月24日付 企業と大学、連携強化 光産業振興協、個別マッチング重点に  県重点産業の一つに指定されている光技術産業の活性化を図る「とちぎ光産業振興協議会」(会長・谷田貝豊彦宇都宮大オプティクス教育研究センター長、86企業・団体)は23日、定期総会を宇都宮市内で開いた。  本年度は新規事業として、会員企業と大学教員の個別マッチングを強化する。企業側が宇都宮大や足利工業大などを個別に訪問。大学側は研究開発に関する課題についてアドバイスする。県工業振興課は「分科会など公の場では、オープンにしたくない情報もある。他社を気にせずに相談できるのがメリット」と説明している。  また、会員企業からの相談対応を充実させるため、県産業振興センターにもコーディネーター1人を配置。宇都宮大に設置予定の産学官共同研究拠点「光融合技術イノベーションセンター」に導入される機器類見学会なども予定している。  総会で顧問の福田富一知事は「県内大学の豊富な技術シーズと高度の研究開発拠点をフル活用し、新たな研究開発に取り組んでほしい」とあいさつした。 "[he-forum 15515] 読売新聞6/24 (2010年6月24日13時01分 読 売新聞) 獣医系14大学、教員ら36人を宮崎県に派遣  宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、文部科学省は2 4日、全国の16獣医系大学のうち、すでに感染拡大防止に協力してい る宮崎、鹿児島大学を除く14大学が、獣医師免許を持つ教員や大学院 生ら計36人を現地に派遣すると発表した。  農林水産省から23日、派遣要請を受けたもので、同日、鳥取大など 6大学から8人が現地入りした。期間は7月1日までで、ワクチンを接 種した牛や豚の殺処分などに従事する。 "[he-forum 15516] 愛媛新聞6/23 愛媛新聞2010年6月23日付 地域の医師養成 内子で愛媛大講座開設記念式  内子町の寄付で愛媛大医学部に今春できた「地域生活習慣病・内分泌学講座」の開設記念式が22日、町内であった。講座は済生会小田診療所(内子町小田)を医師研修の「サブセンター」と位置づけ、4月から研究と診療をしている。稲本隆寿町長は「(サブセンター方式が医師不足に悩む)中山間地域の新しい医療システムになればありがたい」、柳沢康信学長は「愛媛大は特に地域の医療や教育に責任を背負っている」と述べた。  同講座は、高血圧や糖尿病、高脂血症など生活習慣病の調査研究を通して、地域医療に携わる医師を育てるのが目的。町が愛媛大に年額2300万円を5年間寄付することで設置されており、常勤医が1人になっていた小田診療所には医学部から内科医2人が週2―3回訪れ、診療支援もしている。 "[he-forum 15517] 読売新聞6/25 読売新聞2010年6月25日付 “滋賀医大の分校”開設協定…「東近江センター」内に寄付講座  滋賀県東近江市と県、滋賀医科大、国立病院機構は、同機構・滋賀病院の敷地内で2013年度開院予定の「東近江総合医療センター(仮称)」=同市五智町=に、同医科大の寄付講座を開設する協定を結んだ。講師という形で同医科大から医師14人を派遣し、地域の医師不足解消を目指す。  設置される寄付講座は、1、2次医療に対応できる医師を育てる「総合内科学講座」と「総合外科学講座」。派遣医師は、医学生や研修医を指導しながら、同センターの常勤医として働く。人件費などは、4年間は国の地域医療再生交付金を充て、その後6年間は、市と国立病院機構が負担する。同医科大は11年度から順次、同病院内に寄付講座を開き、13年度の開院に備える予定。  市役所で行われた調印式には、西沢久夫市長や馬場忠雄・同医科大学長らが出席。西沢市長は「寄付講座は分かりやすく言うと、“滋賀医科大の分校”。医師を安定して、増やしてもらえる道筋ができた。(地域医療に対する)不安を解消していきたい」と話した。 "[he-forum 15518] 読売新聞6/26 読売新聞2010年6月26日付 よみうり寸評  サッカーW杯で昨日はデンマークに快勝した日本だが実は今週、この国に完敗した分野がある◆科学者が自らを幸せと思っているかどうか、その国際調査だ。世界的に有名な英科学誌ネイチャーが実施し一昨日、結果を公表した。それによると欧米など主要16か国で日本の科学者は最も満足度が低かった。デンマークは1位だった◆同誌を購読する各国の科学者らに、自らの給与や労働時間、研究課題の選択の自由度など8項目を採点してもらい、約1万人の回答を集計した◆点数の低い項目を並べると、日本人研究者の多くは休日も取らずに決められた研究を長々と続け、上司や同僚の助けもない、という悲惨な姿が浮かぶ◆政府は今週、年3000万円以上の国の研究費を得た研究者に小中学校などで講演することを義務づける方針を決めた。科学予算に理解を広めるためというが、労働は一層過酷になる◆日本の科学技術力は論文発表数が一部で減るなど低迷が懸念されている。サッカー同様もっと応援してもいい。 "[he-forum 15519] 毎日新聞6/24 毎日新聞 2010/6/24 科学者満足度:明暗 デンマーク1位/日本最下位--主要国英誌調査  ◇さてW杯は…?  日本の科学者は主要国で最も不幸せ--。こんな調査結果を、英科学誌ネイ チャーが初めてまとめ、24日付で発表した。満足度1位はデンマークだっ た。日本人は他国に比べ、休日が少なく研究テーマの選択で裁量が小さいとし て強い不満を抱いていた。科学技術立国を掲げる政府だが、科学者が将来の展 望を抱けるような政策が求められそうだ。  同誌は3~4月、インターネットを使って、世界の科学者に「給与」「休日 の取得」「産休・育休」など8項目の労働環境について、満足(1点)から不 満(0点)で点数化してもらった。今回、日米欧や、科学技術が伸びている中 国やインド、韓国の計16カ国の研究者約1万500人について分析した。  それによると、日本は「休日」(0.424点)「労働時間」(0.448 点)「研究テーマの独立性」(0.567点)「上司や同僚からの指導」 (0.442点)の4項目で最下位を記録し、デンマークの点数の5~7割 だった。残りの「給与」など4項目も12~15位にとどまった。デンマーク に続いてオランダ、スウェーデンの科学者の満足度が高かった。  科学技術政策に詳しい角南(すなみ)篤・政策研究大学院大准教授は「日本 は、中印より施設面などの研究環境は劣らないはずだ。しかし満足度が低いの は、奴隷的な労働環境で将来性を見いだせていないためと言える」と指摘す る。【西川拓】 "[he-forum 15520] 北海道新聞6/29 北海道新聞2010年6月29日付 道教大、学費全額免除を拡大 学内の経費削減で200人分  景気悪化で困窮する学生の増加を受け、道教大は28日、本年度から2年間、学内の経費削減などで財源を確保し、授業料の全額免除を拡大すると発表した。道教大によると、経費削減による取り組みは京都大が行っているが、道内国立大では初。  国からの運営費交付金の活用や節電など管理費削減で新たに5400万円を捻出(ねんしゅつ)し、前後期合わせて200人分を確保する。  道教大の授業料は学部生が年間53万5800円、大学院生が同52万800円。従来は一定の成績を満たし世帯収入が基準以下の学生を対象に、前後期ごとに授業料を全額か半額免除している。だが、昨年度は約1500人の該当者に対し、財源不足で約160人が対象外となっていた。財源の拡大で、授業料減免の予算は総額2億4200万円になる。 "[he-forum 15521] 河北新報6/29 河北新報2010年6月29日付 東北大医学系研究科と癌研が協定 人材育成へ講座  東北大大学院医学系研究科と財団法人癌(がん)研究会癌研究所(東京)は28日、がん研究にかかわる人材を協力して育成するため、連携講座に関する協定を結んだ。癌研究所の研究員が客員教授となり、同研究科の大学院生を指導する。  両者は4月、治療が難しいがんを克服するための先端的な研究をする「がん生命科学講座」を開設した。癌研究所の野田哲生所長と今村健志生化学部長が客員教授となり、それぞれがん分子標的探索分野とがん細胞イメージング分野を担当する。  講座には既に大学院生1人が所属し、研究に取り組んでいる。今後、分野ごとに少なくとも毎年1人の大学院生を受け入れる考え。  国内のがん研究は基礎研究と臨床研究、治療薬開発の連携が少なく、「知識と臨床をつなげる流れが薄かった」(野田所長)という。協定によって各分野に精通した研究者の育成が期待される。  東北大であった締結式で山本雅之医学系研究科長は「研究が一層充実する。がんに苦しむ人を減らしたい」と述べた。野田所長は「基礎研究に定評がある東北大と連携できることをうれしく思う」と話した。 "[he-forum 15522] 産経新聞6/28 産経新聞2010年6月28日付 【教育動向】「大学の向こう側」実感させる教育を 中教審が報告 文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会の「キャリア教育・職業教育特別部会」は、第二次審議経過報告をまとめました。キャリア教育の視点から、小学校から大学までの教育を見直すよう提言したこの報告の中で、同部会が特に見直しを求めているのが、高校教育、それも普通科の教育です。 同部会は、キャリア教育を重視する理由として、雇用形態の変化による非正規雇用者の増加、フリーターやニートの増加、就職後3年以内で会社を辞める早期離職率の上昇などを挙げるとともに、非正規雇用者の増加や、企業の人材育成費の縮小などで、「企業が人材育成を行う余裕を失っている」と指摘しています。このため、若者や子どもたちを学校から社会へ円滑に移行させるため、学校における体系的なキャリア教育が緊急の課題である、というのが、同部会の見解です。 報告の中で特に重視しているのが、高校教育の見直しです。実質的な大学全入時代を迎えるなかで、高校、特に普通科は、大学への「通過点」になってしまっているとして、「キャリア形成に共通して必要な能力・態度」の育成等を後期中等教育(高校)修了までの目標とするよう提言しました。大学などの高等教育機関に進学すれば、社会に出るのはまだ先のはずですが、報告は、「大学等の向こうにある社会」を高校生に意識させることで、大学進学後の学習意欲や自立心が生まれる、と強調しています。 具体的には、▽社会人・職業人として自立するため、どんな能力や態度をどれだけ身に付けるかという到達目標を高校ごとに設定すること▽就業体験など体験的学習を充実させること▽コミュニケーション能力などキャリア形成に必要な力を各教科・科目を通じて身に付けさせること▽高校の進路指導の在り方をキャリア教育の観点から見直すこと--などを提言しています。また、これらをより実効性あるものにするため、高校においてキャリア教育を中心的に学ぶ時間を創設することを検討するよう求めています。 ただ、多くの保護者や学校関係者にとって、「キャリア教育の充実」と言われても、あまりピンと来ない、というのが本音でしょう。ここで注目されるのは、同部会がこれまでのキャリア教育を、「進路を選択すること」や「勤労観・職業観の育成」に重点が置かれ過ぎていた、と批判したうえで、改めてキャリア教育を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることをとおして、キャリア発展を促す教育」と定義し直し、具体的に育成すべき力として、(1)人間関係形成・社会形成能力(2)自己理解・自己管理能力(3)課題対応能力(4)キャリアプラニング能力、の4つを挙げていることです。 言い換えれば、進学や就職などの進路に関係なく、コミュニケーション能力など社会人・職業人として生きるために必要な力を、高校卒業までにすべての子どもたちに身に付けさせるようにしよう、というのが、同部会の提言の趣旨だと言えるでしょう。 "[he-forum 15523] 山陰中央新報6/30 山陰中央新報2010年6月30日付 鳥大の染色体工学に国補助  鳥取大学医学部(米子市西町)の染色体工学技術を使った研究に活用するため、鳥取県が狙っていた文部科学省の新事業「地域イノベーション(技術革新)クラスタープログラム」に、同大学のある米子・境港地域が採択された。3カ年事業で、本年度は7千万円の支援を受ける。政府の事業仕分けで、当初目指していた別の事業が廃止されたため、組み替え後の新事業に応募し、研究費を確保した。県と同大学が28日発表した。  県は当初、研究費として最大2億円の支援が期待できる「都市エリア産官学連携促進事業(発展型)」への応募を検討していたが、事業仕分けで廃止された。  今回採択された同プログラムは、都市エリア産官学連携促進事業の廃止に伴い、新たに創設された事業。全国11地域が応募し、鳥取県提案の米子・境港など7地域が選ばれた。  鳥取大学の押村光雄・染色体工学研究センター長によると、事業採択を受けて、医療や製薬産業への応用につながる研究や、薬物や食品の機能性・安全性評価に関する研究、産官学連携による食品素材の研究・商品化に取り組む。  研究は2011年4月、同医学部内に開所する「とっとりバイオフロンティア」で実施。県内外の製薬、食品会社24社が、共同研究に名乗りを上げているという。  押村センター長は「染色体工学技術の可能性を国が認めたことが重要だ」と採択を歓迎した。 "[he-forum 15524] 中国新聞7/1 中国新聞2010年7月1日付 広大法科大学院も小論文廃止  広島大法科大学院は、来年度入学の「法学既習者コース」(2年コース)の志願者に小論文試験を課さないことを決めた。また、定員48人について、2年コースは10人程度、「法学未習者」の3年コースは38人程度と募集人員を明示する。8、9の両日に進学・入試説明会を行う。  2年コースの試験を法律科目と面接だけとすることで学内外からの受験を促し、優秀な入学者を確保するのが狙い。法科大学院の志願者が全国的に減少し、大都市圏の有力校が2年コースでは小論文を外しているのも考慮した。  説明会は、8日午後4時半から東広島市の広島大法学部・経済学部講義室で、9日午後6時半からは広島市中区の同大東千田総合校舎。 "[he-forum 15525] 《市場化テスト導入阻止情報》No.15『公共サービス改革基本方針改定案』を7月6日の閣議で決j$5せてはならない 《市場化テスト導入阻止情報》No.15=2010年7月2日 『公共サービス改革基本方針改定案』を7月6日の閣議で決定させてはならない 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 6月28日開催された官民競争入札等監理委員会では『公共サービス改革基本方針改定 案』が議論され、国立大学法人も含めた具体的な指摘をまとめた別表については http://www5.cao.go.jp/koukyo/kanmin/kaisai/2010/0628/100628-7.pdfに掲載され ています。一方、『本文』については依然として非公開ですが、要旨以下のような 事項を含む大幅な修正案が内閣府から提示されたと伝えられています。 1)内閣府公共サービス改革推進室や官民競争入札等監理委員会に、国立大学法人 を含む「国の行政機関等」への是正措置要求を行う権限を与える 2)競争の導入によるサービス改革の対象となった事業で民間に委ねない場合に は、第三者による評価を求める なお、5月26日の官民競争入札等監理委員会において、大塚担当副大臣から「公共サ ービス改革基本方針」についてという文書が配布されています (http://www5.cao.go.jp/koukyo/kanmin/kaisai/2010/0526/100526kihonhoushin.pdf). そこでは、「本来、法律の内容に付加するような具体的指針等を盛り込むことによ って、基本方針としての存在意義が深まるうえに、閣議決定を行う意味も増す。ま た、過去の実績、経験等を踏まえた内容を累次盛り込んでいくことで、基本方針と して毎年バージョンアップすることが可能となる。さらには、この基本方針によっ て、各省庁の業務に臨む姿勢に影響を与えるような内容であることが望ましい。以 上のような視点に加え、今年度版については、政権交代に伴う変化や、今夏以降の 新たな方向性を加筆し、公共サービス改革法に基づく諸業務の再スタートを切るう えでの基調ペーパーとすべきである。」と書かれ、従来最小限の修正にとどめられ ていた基本方針を今回大幅に修正することとしており、上記の修正点もそれに沿っ たものといえます。 現在、各府省との折衝が続けられているようですが、7月6日には閣議決定される予 定です。これらの修正事項は市場化テストの本格的強行のために挿入されるもので あり、断じて7月6日閣議決定を許してはなりません。 "[he-forum 15526] テレビ朝日7/4 テレビ朝日2010年7月4日7時35分 国立大役職員の報酬公表 3000万円の高額報酬も  全国の国立大学の役職員が去年1年間に受け取った報酬と給与水準が公表されました。学長で一番高額だったのは東京大学総長でしたが、それを超える教授もいました。  大学学長の去年1年間の報酬では、東大の浜田総長が2343万円、次いで東北大学の井上総長が2335万円と例年通り、旧帝国大学が上位を占めています。高額報酬では、2008年にカリフォルニア大学から東京大学・数物連携宇宙研究機構の機構長に就任した村山教授が、就任前の報酬額に準じた約3000万円で最高額とみられます。また、官僚OBでは、文部省出身の北村東北大学副学長が約2200万円、元文部科学事務次官の結城山形大学学長が1761万円でした。 "[he-forum 15527] 日本経済新聞7/2 日本経済新聞2010年7月2日付 総合科技会議、若手研究者が科学技術予算を事前審査  内閣府の津村啓介政務官は1日、総合科学技術会議(議長・菅直人首相)が毎年秋に実施している各省庁の科学技術予算の優先度判定で、20~30代の若手研究者の意見を反映する仕組みを導入すると発表した。研究の最前線で活躍する若手の現場感覚を政策に反映させる狙い。現場では陳腐化しているような研究テーマのあぶり出しを期待している。  総合科技会議は毎年秋に各省庁が概算要求した科学技術予算について、大学学長経験者などの議員が中心となって4段階で評価し、年末の政府予算に反映させている。若手による審査を9月ごろに実施して、その結果も参考にして同会議が優先度を判定する。  津村政務官は「科学技術は中長期の取り組み。将来につなげるには若い人の意見も取り入れないといけない」と意義を強調した。 "[he-forum 15528] 陸奥新報7/2 陸奥新報2010年7月2日付 弘大・救命センター本格稼働  県内唯一の弘前大学医学部附属病院高度救命救急センターが1日、運用を本格的に開始した。広範囲熱傷、指肢(しし)切断、急性中毒などだけでなく、緊急被ばく医療にも対応するのが特徴で、重篤な救急患者を24時間体制で受け入れ、新たな救急医療の拠点として期待される。  同センターは地上2階、地下1階で総面積2410・72平方メートル。今年3月に竣工(しゅんこう)。医師や看護師が体制づくりやトレーニングを積み、本格稼働を前に5月17日から、診療を開始。6月25日には新設した同大のヘリポートにドクターヘリで患者が搬送された。  本格稼働初日の1日、同センターの朝のミーティングには花田勝美病院長や砂田弘子看護部長らが同席し、約30人の医師や看護師を激励した。同日午後1時ごろには、弘前市内のクリニックから心筋梗塞の患者が初めて救急車で搬送され、一命を取り留めた。この日は計2人(午後5時現在)が運び込まれた。  浅利靖センター長は「地域救急医療の最後の砦(とりで)として、命にかかわる重症の患者さんを引き受けていきたい」と意気込みを語った。  弘大大学院医学研究科は10日午後2時から、一般を対象に弘大創立50周年記念会館で地域医療を考えるシンポジウム「弘前大学の高度救命救急センターをどのように活かしていくか」を開催する。入場は無料。 "[he-forum 15529] 山陰中央新報7/3 山陰中央新報2010年7月3日付 談論風発 : 岐路に立つ法曹養成制度 人材確保に給費制維持を  島根県弁護士会会長 中村寿夫  司法制度改革の中で法科大学院が創設されてから6年、新たな法曹養成制度は、成果をあげる一方、さまざまな課題、問題が指摘されている。  まず、かつては年間500人程度であった司法試験合格者を法科大学院設置後、段階的に増員し、ことしは3千人程度にすることが閣議決定されていた。しかし、弁護士に対する需要が増員に追いつかず、新人弁護士の就職難が表面化する中で、増員はペースダウンを余儀なくされ、昨年の新司法試験の合格者は2043人、ことしの合格者も同程度にとどまるのではないかといわれている。  法科大学院が設置される際には、修了生の7割か8割は法曹になれるという触れ込みであったが、今や合格率は2割程度にまで下がっている。人材活用および教育の両面で大きな国家的、社会的損失が生じていることになる。  また、法科大学院で学ぶことに伴う経済的負担も半端ではない。日弁連が昨年行ったアンケート調査の結果では、司法修習生の約53%が奨学金や教育ローンなどの負債を抱えており、その平均額は約320万円、最高で1200万円になることが明らかになった。  このような中で、本年度の合格者から従来、修習生に支給されていた給与が廃止されようとしている。これは、2004年に裁判所法が改正されたことに伴うもので、給与の支給に代えて、必要な者に月額23万円の修習資金が貸与されることになっている。給費制が廃止される理由は、法曹人口の大幅拡大に伴う財政上の問題である。司法制度改革の中で弁護士に対する社会的需要が飛躍的に増大することも前提とされていた。  今、給費制が廃止されようとしている中で、現状をあらためて振り返ってみると、年間3千人の合格者の確保が実現していないだけではなく、2千人程度の合格者に対してさえ法曹としての活動の場を十分提供できていないという現実がある。  従来、新人弁護士は、希望すれば弁護士事務所にいわゆる「イソ弁」(俗称・居候弁護士の意)として勤務することができた。しかし、就職難で「イソ弁」の給与が年々下がっているだけではなく、給料をもらわず先輩の弁護士事務所の軒先を借りる「ノキ弁」、自宅やアパートで弁護士登録をする「タク弁」などが出始めている。  このまま給費制が廃止されると平均320万円の負債を抱えている修習生は、別に修習資金の貸与を受けることなどを余儀なくされるので、約半数の弁護士は約600万円の負債を抱えたまま就職難にさらされる。  このような状態の中で、果たして人権擁護活動などに正面から向き合うことができるだろうか。また、裕福な家庭の子女だけが法曹を目指すようになり、弁護士の多様性が損なわれるのではないか。優秀な人材が司法の世界にそっぽを向き始めるという現象も既に現実のものとなっている。  給費制維持の問題は、ひとり修習生だけの問題ではなく、日本の司法の将来に暗い影を落としかねない問題であり、国民の権利擁護に深くかかわる問題でもあることを理解する必要がある。  今や、法曹人口、法曹養成のあり方などの諸問題を見直すべき時期にきており、給費制の問題もこれらの問題と合わせて多角的に検討されるべきである。  給費制は維持されなければならない。  なかむら・ひさお 1951年松江市生まれ。早稲田大学政経学部経済学科卒。78年弁護士登録。97年度、2004年度、10年度に島根県弁護士会会長、日弁連理事。島根県人事委員会委員長、島根大学経営協議会委員、(株)山陰合同銀行監査役。(株)山陰放送監査役。松江ロータリークラブ会長。 "[he-forum 15530] 朝日新聞山梨7/2 朝日新聞山梨版2010年7月2日付 加藤学長が就任・都留文科大  都留文科大学(都留市田原3丁目)の12代目の学長に横浜市立大学元学長の加藤祐三氏(73)が1日就任した。東洋史学界の重鎮である加藤氏は19世紀以降の東アジアなどに関する一般向け著作も多く、同日の記者会見では、文学部単科大学の都留文科大で「文学部の理想のあり方をめざしたい」と抱負を述べた。  日本中世史専攻の今谷明前学長が病気治療のため5月に辞任したことに伴って、同大は6月16日に学長選挙を実施。今谷氏と横浜市立大で同僚だった加藤氏が過半数を獲得し、その結果を踏まえて同月25日に開かれた会議で新学長が決まった。公立大学法人副理事長も兼務する加藤学長の任期は2012年3月まで。 "[he-forum 15531] 読売新聞7/6 (2010年7月6日 読売新聞) 就職留年7万9000人…読売調査推計 大卒予定7人に1人…「新卒」として再就活  卒業年限を迎えながら留年する学生が全国の大学で少なくとも7万9 000人いると推計されることが、読売新聞の「大学の実力」調査で明 らかになった。  根強い企業の「新卒一括採用」を背景に、就職が決まらず翌年に再び 「新卒」として就職活動(就活)に臨む学生が急増している。卒業予定 者数は約56万8000人で、7人に1人は留年している計算になり、 就職戦線のさらなる激化を招いている。就職留年の実態が具体的に明ら かになったのは初めて。  「大学の実力」調査は、全国の国公私立4年制大学(通信制などを除 く)735校を対象に2年前から実施。3回目の今年は、大学の就職支 援の取り組みを中心に卒業者数や就職者数など約50項目を尋ね、約8 0%の589校が回答した。その中で、卒業年次に在籍する卒業予定者 と、実際の卒業者との差が、2009年度は約7万9000人に上るこ とが判明。この差について主な20大学で追跡調査した。  この結果、〈1〉退学・留学・死亡など留年以外の理由がほとんどな い〈2〉細かい実態は不明だが、留年者のほとんどは就職活動の不調が 理由と見られる〈3〉成績不良による留年は3年次までに集中し、卒業 年次では例外的――などの回答が得られ、約7万9000人のほぼすべ てが就職留年者である可能性が極めて高いことが分かった。「大学の実 力」調査の回答率(8割)から単純計算すると、就職留年者の総数は約 10万人に上る可能性もある。  就職の実態については毎年4月1日時点で国が推計値を出しており、 今年は就職率91・8%と発表している。だが、この推計は、就職を希 望した卒業者を対象に調べたもの。留年者は、調査対象に入っておら ず、数もこれまで未把握だった。(教育ルネサンス取材班 松本美奈、 保井隆之、大谷秀樹、就活取材班 関仁巳、田島大志)  就活 就職活動を縮めた最近の呼び方。一般的に3年生の10月ご ろ、就職情報サイトで志望企業に登録して始まり、4年生の4月1日以 降に本格化する選考・内定で終わる。この間、学生は、企業の説明会へ の出席やOB訪問で、志望企業を絞り込む。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 卒業者含め「浪人」11万人  国の調査では、約3万1000人が、就職が決まらないまま卒業して いる。今回、明らかになった留年者約7万9000人を合わせると就職 浪人は約11万人となり、その分、就職戦線が激化している計算になる。  大学の中には、留年者の学費を一部免除するなど、対策を講じるとこ ろも出ているが、大半の大学では、就職留年の詳しい実態をつかんでい ない。在籍学生数が学部定員の一定割合を超えると補助金カットなどの ペナルティーが科されることもあり、対策を実施しているのは一部の大 学に限定されている。  今月3日、東京の私立大学が開いた企業合同セミナーに、この春希望 する会社に入れず留年した文学部4年の男子学生(24)の姿があっ た。今年も既に20社の選考を受けたが、内々定はまだ一つもない。2 日前には家電メーカーに最終面接で落とされた。「厳しい。最後まで 行ったのに……」と肩を落としていた。 "[he-forum 15532] 山形新聞7/6 山形新聞 2010年07月06日 14:08 山形大医学部、新薬など「評価学講座」設置  山形大医学部は5日、同大大学院医学系研究科の生命環境医科 学専攻に、医薬品医療機器評価学講座を設置したと発表した。独立行政 法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と連携し、医薬品の開発や承 認審査、市販後の安全対策に活躍できる人材を養成するのが狙いだ。医 学系大学院では国内初だという。  同学部の説明によると、日本の新薬開発力は世界3位だが、市 場シェアは縮小し続けている。また、他国で最初に発売された新薬や機 器が日本で承認されるまで長い時間がかかる「ドラッグ・ラグ」「デバ イス・ラグ」も問題視されており、その原因の一つとして、治験や審査 にあたる人材不足が指摘されている。  国は2007年、「革新的医薬品・医療機器創出のための5 カ年戦略」を策定。ことし6月に閣議決定された「新成長戦略」 でも、日本発の革新的な医薬品などの研究開発推進が盛り込まれてい る。これらを背景に、医薬品・医療機器の有効性と安全性の評価に関し て、体系的な研究・教育が求められていた。  PMDAで安全管理監を務めていた松田勉氏(51)が7月 1日付で教授に就任、講座を担当する。松田教授は「薬には必ず副作用 があり、効き方にも個人差がある。この学問は医薬品などの有効性・安 全性に関して最も妥当な予測・評価・判断をする科学だ」とし「最適な 医療を提供するために不可欠」と強調している。  講座ではPMDAと連携しながら、適切な臨床研究・治験の在り方や 人材育成プログラムの開発、副作用のリスク研究などを進める考えで、 10月にスタートする方針。山下英俊医学部長は「せっかくの薬が必要と している人の手元に届かない状況がある。学問として医薬品・医療機器 の安全性を科学的に研究・教育していきたい」と話している。 "[he-forum 15533] 毎日新聞7/6 毎日新聞 2010年7月6日 15時03分 ポスドク:就職難解決へ 10年後の完全雇用目指し本腰  博士号取得後に安定した就職先がない「ポスドク」問題の解決に文部 科学省と経済産業省が乗り出すことになった。今秋にも産業界と大学の 代表を集めて初会合を開く。政府が6月に閣議決定した新成長戦略では 「科学・技術立国」の課題として、博士課程修了者の完全雇用を20年 に実現するとの目標を掲げている。【山田大輔】  計画では、採用数の多い大企業を中心に人事担当役員と主要大学の学 長らを集め、産学連携で人材開発を進める方法を協議。産学の双方が雇 用増に責任を持つ行動計画を作成し、両省は奨学制度の充実などの支援 策を講じる。  科学技術白書によると、理系の博士課程修了者のうち、大学教員や企 業などへの就職は約半数どまり。残り3割は期限付き研究員など「ポス ドク」と呼ばれる不安定な立場にあるほか2割は進路不明で、就職が困 難な実態がある。博士号取得者は伸び悩み、特に自然科学系では博士課 程の入学者が減る傾向にある。  鈴木寛・副文科相は「大学は世の中に貢献し得る博士を育てる改革に やる気を示し、産業界は人的、資金的貢献を行って、ちゃんと採用する ことが重要だ。産学連携で人材開発を進め、優秀な人材が博士課程に進 むことを加速させたい」と話している。 "[he-forum 15534] 読売新聞新潟7/5 読売新聞新潟版2010年7月5日付 上越教育大と県立看護大が連携協定    いずれも上越市にある上越教育大と県立看護大は、単位互換の検討や共同研究の実施を目指し、包括的な連携・協力に関する協定を結んだ。  両大学は2005年、地域貢献に関する連携協議会を設置し、市民公開講座やエイズ啓発イベントなどを実施している。  2日の調印式で、上越教育大の若井弥一学長は「両大学の連携強化により、1足す1が3になることが期待できる」、看護大の渡辺隆学長は「両大学が連携して地域貢献を果たすことで、地方都市・上越の価値が上がる」などと、それぞれ述べた。 "[he-forum 15535] 共同通信7/6 共同通信2010年7月6日18時8分 法科大学院、定員減が必要 法務、文科検証チーム  法曹養成制度の在り方を検証する法務省と文部科学省のワーキングチームが6日、法科大学院の入学定員の見直しや統廃合が必要との方向性をあらためて示す検証結果を公表した。  チームの座長を務める両省の副大臣が同日に会見。加藤公一法務副大臣は検証結果をたたき台に、公開の場で解決策を議論していく方針を明らかにした。鈴木寛文科副大臣は、2010年度は全国74校の総入学定員を前年比15%減の4909人に削減したと指摘。「来年度も引き続き見直しをしていく」と話した。  検証結果では法科大学院に対し「入学定員のさらなる見直しや統廃合が必要」と指摘。補助金の削減や、教員派遣の中止も検討すべきだとの意見が報告された。  法科大学院をめぐっては、中央教育審議会の特別委員会が昨年4月、入学定員の削減などを求めた最終報告書を了承。これを受け、各校が削減したが、今春も定員割れが相次いだ。 "[he-forum 15536] 岡山日日新聞7/6 岡山日日新聞2010年7月6日付 純利益は最少に 県立大09年度決算 交付金削減響く  岡山県立大(総社市窪木、三宮信夫理事長・学長)の09年度決算と業務実績がまとまった。公立法人化から3年連続の黒字だが、県の交付金カット分を穴埋めできず、純利益は最少となった。県民一人当たりの負担額(試算)は1232円だった。 "[he-forum 15537] 《市場化テスト導入阻止情報》No.16=2010年7月6日 『公共サービス改革基本方針』を閣議決定(7月6日) 《市場化テスト導入阻止情報》No.16=2010年7月6日 『公共サービス改革基本方針』を閣議決定(7月6日) 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 《市場化テスト導入阻止情報》No.15で予想したとおり、政府は改定された『公共サ ービス改革基本方針』を閣議決定した。その『本文』全文ならびに付随する『別表』 は内閣府の以下のサイトに掲載されている。 http://www5.cao.go.jp/koukyo/kihon/kihon.html 本《情報》No.12で示した『別表』11「国立大学法人関連業務」(65ページ)の(2) は削除され、以下のように図書館業務を具体的対象からはずす措置がとられている。 ++++++++++++++++++++++ 国立大学法人については独立行政法人制度と別途の制度を創設した趣旨を踏まえ、業 務の特性に配慮しつつ、経営効率化の観点から、既に他の国の行政機関等において官 民競争入札等の対象とされている施設の管理・運営業務、内部管理業務、試験実施業 務、医業未収金の徴収業務等について、官民競争入札等監理委員会国立大学法人分科 会の指摘も踏まえ、引き続き経営改善の取組に努める。 ++++++++++++++++++++++ 一方、審議中非公開とされていた『本文』の内容は、内閣府の公共サービス改革推進 室、ならびに官民競争入札等監理委員会の指揮監督権限を著しく強化するとともに、 国立大学法人を含む国の行政機関のそれらへの服従を強要するものとなっている。こ のことは、第2章第4節3の「(3)勧告権の発動」(14ページ)に集中的に表現されて いる。詳細な分析は追って行うが、小泉改革への国民的批判を背景に2009年登場した はずの前政権とその継続政権が、小泉改革をさらに強権的に推進しようとしているこ とに対して、断固たる反撃の必要性を強調しておきたい。 "[he-forum 15538] 毎日新聞7/7 毎日新聞 2010年7月7日 東京朝刊 法曹養成:「法科大学院統廃合を」  法科大学院を核とした法曹養成のあり方について、法務、文部科学両 省は6日、法科大学院の入学定員削減が必要との検討結果をまとめた。 新司法試験合格率が著しく低い大学院などには統廃合を促したり、財政 支援見直しなどを検討する。政府は今秋以降、新司法試験や司法修習も 含めた見直し態勢を作る。 "[he-forum 15539] 産經新聞7/5 産經新聞 2010.7.5 10:00 【教育動向】上がり続ける私大の初年度納付金 学部でも大きな差 今年4月から公立高校の無償化がスタートしましたが、子育て世帯の多 くからは、「心配なのは高校よりも大学の教育費」という声が出ていま す。そんななか、2009(平成21)年度の私立大学入学者が大学に 支払った初年度納付金が過去最高となったことが、文部科学省の調査で わかりました。大学教育に対する家計負担の軽減が、改めて大きな課題 となりそうです。 調査結果によると、初年度納付金は平均131万2,146円で、前年 度に比べ0.2%(3,085円)増えました。内訳を見ると、授業料 が85万 1,621円(同0.4%増)、入学金が27万2,169 円(同0.5%減)、施設設備費が18万8,356円(同0.6% 増)となっています。入学金は、入学辞退者による入学金返還訴訟の影 響で、00(平成12)年度から少しずつ減っていますが、代わりに授 業料が増加する傾向にあります。4年前(05<平成17>年度)と比 較すると、授業料が2.5%増、入学金が2.8%減、施設設備費が 3.6%減となり、総額では0.5%増。授業料の値上げが、初年度納 付金増額の大きな要因となっていることがわかります。 主な学部別(昼間部)に学生一人当たりの初年度学生納付金の平均額を 見ると、 ▽「文・教育」118万6,885円(前年度比0.2%増) ▽「法・商・経」113万295円(同0.3%増) ▽「理・工」140万6,590円(同0.4%増) ▽「薬」211万7,717円(同2.7%減) ▽「医」501万4,708円(同2.6%減) ▽「歯」493万434円(同1.2%減) --となっています。もともと授業料が高額な学部が値下げをする一方 で、学生数が多い学部では、授業料をわずかに値上げすることで、全体 の収支を合わせようと工夫していることがうかがえます。 系列別では、 ▽文科系115万1,978円(授業料73万6,938円、入学金2 5万6,378円、施設設備費15万8,662円) ▽理科系149万9,808円(各103万7,190円、27万2, 203円、19万416円) ▽医歯系498万811円(各296万8,656円、100万9,6 19円、100万2,536円) ▽その他146万2,696円(各93万4,559円、27万8,2 79円、24万9,858円) です。 数字からもわかるように、実際の納付金額が学部によって大きく異なっ ているのが、私立大学の特徴です。進学のための資金を考える際には、 子どもの進路希望に沿った計画を立てることも必要でしょう。 このほか、初年度納付金の調査項目には含まれていませんが、「実験実 習料」などの名目で、別途納付が必要な場合があります。それを加える と、初年度納付金は平均145万1,859円(文科系122万7,0 58円、理科系164万1,630円、医歯系842万517円、その 他162万261円)に跳ね上がりますので、特に理科系や医歯系への 進学希望の場合は注意してください。 日本の高等教育は、私立大学が大きなウエートを占めています。実質的 な大学全入時代を迎えるなかで、私立大学教育費の家計負担も、単に進 路選択による「自己責任」としてとらえるのではなく、日本の教育全体 の問題として考えるべきでしょう。返済の必要がない給付奨学金の充実 など、家計負担軽減のための施策が、早急に望まれます。 (提供:Benesse教育情報サイト) "[he-forum 15540] 河北新報7/7 河北新報 2010年07月07日水曜日 「論文不正告発で名誉棄損」 東北大総長が提訴  東北大の井上明久総長の論文に不正の疑いがあるとして、一部の同大 教授グループが大学に行った告発などをめぐり、井上総長らが6日まで に、「名誉を傷つけられた」としてグループ世話人で大学院経済学研究 科の大村泉教授ら4人に、1650万円の損害賠償などを求める訴えを 仙台地裁に起こした。  訴状によると、教授グループは昨年10~12月、井上総長が199 6年と2007年に発表した金属ガラスに関する論文について、データ の捏造(ねつぞう)や改ざんなどを指摘する虚偽の告発状を東北大に提 出。全文をホームページ(HP)で公開した。  井上総長側はインターネットで発信されたことで、研究者としての信 用を著しく失墜させられたと主張。共同研究者とともに損害賠償支払い のほか、HPの告発文の一部削除と謝罪文掲載を求めた。  大村教授らは「井上総長側の説明は不十分。これまでの主張は真実と 確信しており、全面的に争う」と話している。提訴そのものが不当だと して反訴も検討するという。  井上総長の研究をめぐっては、93~98年に発表した金属ガラス関 連の論文4本に対して07年5月以降、「再現性がない」とする匿名の 告発が相次いだ。大学は内部調査で「告発内容は事実無根」と結論付け た。大村教授らの告発も不受理とした。  大村教授らは「検証が不十分」と訴え続け、井上総長が00年度に日 本金属学会の論文賞を受賞した論文にもデータ捏造があるとして6月下 旬、同学会理事会に授賞取り消しを求める申し入れをした。 "[he-forum 15541] 沖縄タイムス7/7 沖縄タイムス 2010年7月7日 09時47分 学長にドーファン氏 大学院大 スタンフォード大研究所名誉所長 運営委が選任へ  【東京】沖縄科学技術大学院大学の2012年開学準備を進める独立 行政法人「沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)」の運営委員会 は6日までに、米国スタンフォード大線形加速器センター(SLAC) 名誉所長のジョナサン・M・ドーファン氏を同大学の学長に選任する方 針を固めた。9日に都内で開かれる運営委員会で正式に了承される。  OISTは10年度末までに文部科学省に大学の設置認可に申請を予 定。教育方針をまとめる学長が決定したことで開学準備がさらに本格化 する。  ドーファン氏は南アフリカ出身で素粒子物理学を専門に研究。196 9年に同国のケープタウン大で物理学と応用数学の学士号を取得し、7 6年にカリフォルニア大学アーバイン校で素粒子物理学の博士号を取得 した。76年からSLACで研究員を務め、准教授、教授を経て所長に 就任。人選が本格化した2009年から世界各国からノーベル賞受賞を 含む研究者がリストアップされたが、科学技術の知識と同時に経営能力 を備えた同氏が適任と判断したと見られる。(銘苅一哲) "[he-forum 15542] 朝日新聞(山形)7/7 朝日新聞/山形 2010年7月7日 山大が東京設置の就職支援室、利用者数伸び悩み  首都圏で就職活動をする学生の支援拠点として、山形大が都内に昨年 10月に開設した「キャリアサポートルーム浜松町」の利用が伸び悩ん でいる。就職戦線が厳しい中で、なぜなのか。  東京都港区のJR浜松町駅前のビル6階。サポートルームの入り口に は、山大のほか札幌大、東北学院大(宮城)の私大名が表示されてい る。3大学が就職情報に詳しい文化放送キャリアパートナーズに委託 し、同社のカウンセラーが相談に応じる仕組みだ。  山大の板垣和司・就職支援ユニット長は「(委託は)心配だった費用 負担がないということで、話がスムーズに進んだ」という。同社の岡田 航三取締役は「地方大学の学生の傾向を知ることは、企業と話すうえで もプラスになる。他の就職情報会社がやりたがらないところにビジネス チャンスがある」と説明する。  だが、山大生の利用はこれまで約20人、40件ほどで、他の2大学 より格段に少ない。  「電話予約などが必要なので、引っ込み思案な学生が来ない面があ る。勇気を出して1回来てくれると、『来週また来ます』と言ってくれ ます」と岡田さん。志望の業界や企業を決めたうえで来る意識の高い学 生が多いと言う。  山大は、学生向けの「人気企業訪問報告書」にサポートルームの案内 を載せ、知名度アップに努めている。岡田さんは「まだ1年目なので数 字はこれぐらいだと思う。ここに来た学生が、後輩にどう伝えていくか がカギ」と口コミ効果に期待を込めている。(八鍬耕造) "[he-forum 15543] 毎日新聞7/7 毎日新聞2010年7月7日付 ファイル:実用化進まない大学特許「仕分けを」 科学技術振興機構が提言  独立行政法人の科学技術振興機構(北澤宏一理事長)は6日、産業利用が進まない大学の特許戦略の見直しを求める提言をまとめ、政府の知的財産戦略本部(本部長=菅直人首相)に提出した。全国の大学が国内外で出願した特許件数は08年度9435件と5年間で4倍に増えた。しかし、事業化などの利用率は18%にとどまり、権利維持などの年間経費計約25億円や審査など業務の負担増が課題になっている。  このため、提言は、国費を使った研究成果の利用を外国企業に許可する際の規定の明確化や事業化に時間がかかる基礎研究の成果を重い負担なく維持できる特許制度を国に求めた。大学にも特許化の選別を求めた。 "[he-forum 15544] 長崎新聞7/7 長崎新聞2010年7月7日付 再生医療など共同研究 長崎大とロシア教育機関  長崎大(片峰茂学長)は6日までに、学術交流協定を結ぶロシアのサンクトペテルブルク卒後教育医学アカデミーと再生医療や感染症医学、放射線医療科学の分野で共同研究することを決めた。人的交流などを積極的に進める。  長崎大大学院医歯薬学総合研究科によると、アカデミー側は特に臍帯血(さいたいけつ)バンクの再生医療分野での活用策について研究を求めているという。今後、長崎大学病院形成外科の秋田定伯助教を派遣し、再生医療の技術を伝えるほか、アカデミーの医師も長崎大で研修する予定。  6月には同アカデミーの創立125周年を記念し、現地で生物医学に関する共同会議を開いた。会議では総合研究科長の山下俊一教授が「被ばく医療学」の確立を目指し進める文科省のグローバルCOEプログラム「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」の概要や展望を講演した。  山下教授は「長崎大の国際化に伴う重要なパートナーとの関係を強化した意義は大きい。両都市は歴史、文化、戦争体験など類似点も多く、都市間を結び付けた点でも意義深い」としている。  同アカデミーは1885年にロシア第2の都市、サンクトペテルブルクに設置したロシア最大の医学教育機関。6学部・3病院を持ち、卒後医師の教育指導に当たる。長崎大とは2005年から交流し、08年6月に学術交流協定を結んだ。 "[he-forum 15545] 毎日新聞滋賀6/26 毎日新聞滋賀版2010年6月26日付 滋賀大:賃金未払いなど61人 労基署へ報告「職場改善図る」  職員の賃金未払いなどで彦根労働基準監督署から是正勧告を受けた滋賀大(本部・彦根市)は25日、遡及(そきゅう)支給対象者は61人で総額約579万円とする報告書を同労基署に提出したと発表した。大学側は7月給与でさかのぼって支給する。  4月27日に労基署の立ち入り調査と是正勧告を受け、彦根・大津両学舎と付属幼稚園、小・中学校などの副課長級以下の事務系職員と全教諭計191人について調査した(1月~4月26日分)。支給対象者は事務系職員50人と教諭11人。このうち労使協定による残業限度時間(月45時間)を超えていたのは22人。最高は財務系職員の277時間、約62万円だった。  滋賀大理事の三竹俊之事務局長は「労働に対する対価の考えがあいまいだった。超過勤務命令簿や出退勤時間確認票をきちんと書かせ、職場改善を図る」と話した。【松井圀夫】 "[he-forum 15546] 山陽新聞7/7 山陽新聞2010年7月7日付 岡山県立大とAMDAが包括協定 医療、教育、福祉で地域や国際社会に貢献  岡山県立大(総社市窪木)と国際医療ボランティアAMDA(本部・岡山市北区伊福町)は6日、「医療・保健・福祉」「自然・環境」「文化・教育」の3分野で連携する包括協定を結んだ。お互いの情報や人材を有効活用し、地域や国際社会への一層の貢献を目指す。  具体的な取り組みはこれから詰めるが、県立大の学術面での専門知識とAMDAの国際的ネットワークを重視。保健福祉学部を持つ同大の教授らとAMDAのスタッフが、海外で一緒に研究や調査をする案などが浮上している。  調印式が同大であり、三宮信夫学長と菅波茂AMDA理事長が古矢博通副知事の立ち会いで協定書に署名。三宮学長は「連携を強め、教授や学生の人材育成にもつなげたい」、菅波理事長は「国際社会への政策提言も一緒にできれば」と述べた。  AMDAが県内の大学と包括協定を結ぶのは2005年の岡山大に続き2例目。 "[he-forum 15547] 京大:学内通知:運営費交付金のマイナス8%(3年間でマイナス24%)問題 京大職組の書記長 石田です。 京大では運営費交付金問題で総長名の教職員宛の一斉メール通知があり、下記の国大 協からの資料が紹介されました。 京大もそうですが、学内で紹介された大学では「大騒ぎ」になっているようです。 教職員の皆様へ 京都大学総長  松本 紘 先般、閣議決定された「財政運営戦略」において「中期財政フレーム」が示されま したが、このフレームがそのまま実施されますと、国立大学法人運営費交付金(人 件費・物件費ともに)が、平成23年度から毎年8%、今後3年間で計24%削減される可 能性があります。 ※この率を本学の予算にあてはめ試算しますと、1年で約46億円、3年で約 138億円と莫大な額となります。ちなみに、平成17~22年度までの効率化 係数等による減額累計は約56億円です。 このことが、大学の日常的な教育研究活動に多大な影響を与えることは明らかであ り、大学を支える基盤の崩壊につながります。 こうした状況への対処について、大学内および全国レベルで緊急に取り組む必要が あり、執行部としても鋭意検討を始めていますが、学内構成員の皆様に関連の資料 を提示いたしますのでぜひともご一読され(以下のリンクからご覧下さい)、本学 が社会的におかれている状況をご理解願います。 学内:URLに掲載 1.国立大学法人学長宛の国立大学協会会長メッセージ(以下のテキスト) 2.平成23年度シーリング試算 3.運営費交付金説明(927億円)の減額とは)資料 4.各大学における交付金削減の影響(ポンチ絵) 5.国立大学協会予算要望(例年ベース)写 平成22 年7 月1 日 国立大学法人学長 各位 梅雨の候、不安定な天候が続いておりますが、学長の皆さまにはご健勝にて ご活躍のこととお慶び申し上げます。 さて、今般、政府において、「財政再建」に向けて、平成23年度から平成2 5年度を対象とする「中期財政フレーム」が示されております。これをもとに 推算すれば、政策的経費(地方交付税と一般歳出の和から義務的経費と人件費 を差し引いたもの)は、平成23年度マイナス8%(3年間でマイナス24%) 規模の減額になると予想されます。仮にこの数値がそのまま概算要求のシーリ ングの基準となれば、国立大学法人の運営費交付金・科学研究費補助金等に反 映され、国立大学の教育研究は壊滅的な打撃を受けることは必定であると考え ております。同様の問題は、私学助成等でも起こる可能性があるものと予想さ れ、日本の大学全体の未来にとってきわめて深刻な事態が生じることを懸念し ます。 こうした事態は、今後の日本の優秀な人材供給の道を閉ざし、学術研究や科 学技術の社会への貢献力や国際的競争力を著しく削ぐものであり、日本の国力 を回復不能なまでに至らしめることを強く危惧しています。 このような状況に対し、国立大学協会として、こうした概算要求シーリング の考え方を大学予算の分野に適用することのないように、ただちに政府に対す る要望を強めていくつもりですが、あわせて、各地域の国会議員や国民の皆さ まにも広く状況の深刻さをご理解いただくように、全力をあげる必要があると 考えております。 タイミングとして、まず、概算要求シーリングの具体的な動きが出ると予想 される7月中旬より前に、急ぎ行動することが必要であると考えております。 今後、日本の未来にとって国立大学が果たす役割の大きさなどを示す資料やデ ータ等を国立大学協会より順次お送り申し上げますので、学長各位におかれま しては、それらを効果的に活用いただき、大学予算へのシーリング適用が行わ れることの無いように、各地域の国会議員への働き掛けをお願いできればと存 じます。とくに参議院議員選挙以降は、議員の方々が地元におられることも多 くなるかと思いますので、いまの段階からアポ取りなど、活動を開始いただけ れば幸いに存じます。 急なお願いとなり恐縮に存じますが、皆さまにはご尽力方よろしくお願い申 し上げます。 国立大学協会会長 濱田 純一 "[he-forum 15548] 読売新聞7/7 (2010年7月7日 読売新聞) 科学研究論文の引用、アジアで首位から転落  日本の科学研究論文が最近5年間で引用された割合は、世界平均より 低く、これまで首位だったアジア地域でもシンガポールに抜かれて2位 になったことが分かった。  米国の科学技術情報提供会社「トムソン・ロイター」が6日、発表し た。  同社は、世界の科学雑誌1万1000誌に掲載された論文数や引用回 数などを調べた。2009年の場合、日本の論文数は7万8500本。 世界の論文数の6・75%にあたるが、アジア各国が大きく論文数を伸 ばす中、その割合は00年よりも2・7ポイント下落。  特定の論文が引用される割合も、世界平均を1とすると、日本は0・ 98しかなく、アジアでもシンガポール(1・01)に首位の座を明け 渡した。引用回数が上位1%に入る重要論文も日本は0・7%しかな く、米国やイギリス(各1・8%)に比べて大きく下回った。  ただし、日本のお家芸である物理や薬理学などの論文数は、世界の1 割以上を占めた。宇宙科学や免疫学、物理学分野では、引用回数が上位 1%に入った論文のうち、1割以上が日本の論文だった。 "[he-forum 15549] 産經新聞7/8 産經新聞2010.7.8 01:01 文科省SOS 運営費交付金など削減なら「阪大・九大消滅も」  参院選後に始まる平成23年度予算の概算要求で、文部科学省が大学 の日常的な教育研究を支える「国立大学法人運営費交付金」などについ て削減対象から外すよう要求していく方針を固めたことが7日、分かっ た。菅内閣が6月に閣議決定した「財政運営戦略」に基づき、省内で試 算した結果、同交付金の削減額は約927億円。これを実行した場合、 大学破綻(はたん)によるわが国の知的基盤の喪失や研究機能の停止と いった深刻な結果を招く危険性が高いことから、文科省は「削減は到底 困難」としている。  6月22日に閣議決定された「財政運営戦略」の「中期財政フレー ム」では23年度から3年間「基礎的財政収支対象経費」は前年度を上 回らない方針が示された。文科省では年額1兆3千億円で伸びる社会保 障関係経費を踏まえると、その他の一般歳出は年率8%の削減を余儀な くされると試算。これを機械的に国立大学法人運営費交付金にあてはめ た場合、削減額は約927億円に上る。22年度までの7年間で達成し た同交付金の削減額830億円を上回る法外な額だ。  文科省の試算によると、仮に削減のしわ寄せを授業料でまかなう場 合、学生1人あたり年23万円の値上げとなる。研究経費を削って捻出 (ねんしゆつ)する場合は、現状の32%減(約1954億円)となり 「大学の研究機能が停止する」と指摘。さらに特定大学の交付停止で対 応すれば、「大阪大学と九州大学の2大学を消滅させるか、地方大学や 小規模大学27大学をなくさざるを得ない規模」で、わが国の知的基盤 の喪失を招くと憂慮している。このため文科省では大学の“生命線”と なる「国立大学法人運営費交付金」と「私立大学等経常費補助」を予算 編成で削減対象から除外するよう求める。  民主党は昨年の衆院選前に策定した「民主党政策集INDEX200 9」で「自公政権が削減し続けてきた国立大学法人に対する運営費交付 金の削減方針を見直します」と明記したが、政権発足後、財源の見通し が不十分なまま、子ども手当や高校無償化に踏み切り、多くの既存予算 がしわ寄せを受けている。 "[he-forum 15550] 公共サービス改革基本方針・中期財政フレームと小泉構造改革をさらに強権的に推進しようとする菅内閣 公共サービス改革基本方針・中期財政フレームと小泉構造改革をさらに強権的に推 進しようとする菅内閣 2010年7月8日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 菅内閣は, 6月22日の閣議で,2020年度までを見据えた『財政運営戦略』を閣議決 定した. http://www.npu.go.jp/policy/policy01/pdf/20100622/100622_zaiseiunei-kakugikettei.pdf その中の2011~2013年度を対象とした『中期財政フレーム』においては,国債費等 を除く歳出を2010年度(71兆円)以下に抑えるという歳出の原則が盛り込まれてい る. 国立大学協会は,この原則によって政策的経費の減額が年間マイナス8%(3年間で 24%減)になると試算し,この数値が国立大学運営費交付金などに適用されれば国立 大学の研究教育は壊滅的な打撃を受けるとして,『中期財政フレーム』の国立大学 への機械的適用に反対する緊急行動の開始を全国国立大学学長に呼びかけた.この 呼びかけの文書および,関連する資料は,東京大学職員組合のサイトの以下のURLに 掲載されている. http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/1007unneihi-siryopagehtml.htm また,京都大学職員組合からも全国大学高専教職員組合のメーリングリスト「高等 教育フォーラム」(he-forum 15547)において紹介されている. 一方,7月6日付の本事務局発《市場化テスト導入阻止情報》No.16で紹介したよう に,改定された『公共サービス改革基本方針』が7月6日に閣議決定され,その内 容は,内閣府の公共サービス改革推進室,ならびに官民競争入札等監理委員会の指 揮監督権限を著しく強化するとともに,国立大学法人を含む国の行政機関のそれら への服従を強要するものとなっている.現場からの強い要望もあって国立大学の図 書館業務を具体的対象業務からはずすなどの措置がとられているものの,それで民 間委託が遠のいたと判断することは決してできず,さらに包括的な民間委託への圧 力が強まる恐れもある. この6月22日と7月6日に相次いで行われた二つの閣議決定は独立したものではなく, ともに財政再建を錦の御旗としつつ,小泉構造改革路線を引き継いで小さな政府 (『財政運営戦略』では「新しい公共」という呼び方をしている)の実現を目指す ものであり,後者の閣議決定は前者の歳出削減を実現するための緊急的手段の一つ と位置付けることができよう. 小泉構造改革路線への国民的批判を受けて昨年誕生した現政権であるが,鳩山前内 閣に開始された事業仕分けをはじめとして,菅継続内閣になっての『公共サービス 改革基本方針』の改定,今回の『中期財政フレーム』など,8月の概算要求時期を 前に矢継ぎ早に小泉構造改革路線をさらに強権的に推進しようとしている.国立大 学における教育研究を守り,発展させるためにも,菅内閣の進めようとする方向に 断固たる反対の意思を表明するものである. "[he-forum 15551] 長崎新聞7/8 長崎新聞2010年7月8日付 長崎大学病院に医師育成室が完成 佐世保同仁会寄付の1億円活用  長崎大学病院(長崎市坂本1丁目、河野茂病院長)内に研修医や若手医師の技術向上を支援する「友廣記念医師育成室」が完成した。佐世保市の医療法人、佐世保同仁会の創設者、友廣嘉久氏(2000年死去)の遺志を継いだ家族から寄付された1億円を活用した。  寄付は、嘉久氏の妻で前理事長、初栄さん(今年6月死去)が昨年10月、「若手医師の育成に役立ててほしい」と申し出た。病院は「友廣医師育成プロジェクト」として、育成室整備や英会話など学習プログラムの充実、新しいロゴマークを入れた白衣の新調に活用した。  育成室は、医・歯科の各研修医向けに学習環境を整えた研修医室(計276平方メートル)と、シミュレーションセンター(約90平方メートル)で構成。センターには約50種類の機器を設置。コンピューターグラフィックス(CG)や人形を使い、腹腔(ふくくう)鏡手術や内視鏡手術、救急医療などの技術を磨ける。地域の医師や看護師にも開放する予定。  7日の開所式には約110人が出席し、河野病院長や片峰茂学長が友廣氏のレリーフを除幕。河野病院長は「研修医の皆さんは地域医療や教育、研究に生かしてほしい」とあいさつ。佐世保同仁会の友廣慎吾理事長は「父は若い医師の育成に力を注ぎ、その遺志を母が継いだ。研修環境の充実や地域医療の発展に尽力できるのは光栄。父も母も天界で喜んでいると思う」と述べた。研修医を代表し谷口寛和さん(25)が「長崎や日本、世界の医療に貢献できる医師になるよう精いっぱい努力したい」と決意を述べた。 "[he-forum 15552] 朝日新聞福井7/8 朝日新聞福井版2010年7月8日付 認定看護師養成へ 福井大  福井大学は来年度から、慢性呼吸器疾患の専門的な知識や技術を持つ「認定看護師」の養成課程を設ける方針を固めた。慢性の呼吸器疾患を扱う分野では全国初という。これに合わせて今月末、より専門度が高い看護ケアを担う人材を育成する「看護キャリアアップセンター」を、大学院医学系研究科に開設する。  「認定看護師」は日本看護協会が認定する資格で、院内の感染管理や救急看護など、特定の分野で深い知識と熟練した技術で高水準の業務にあたる看護師に授ける。高齢化社会の到来で呼吸器疾患が急増しているが、呼吸器に関連する認定看護師の資格は、今年2月までなかった。  同大学は、日本看護協会から養成機関の認定を11月ごろに受け、受講生を募る。定員30人。受講期間は6~12月。増悪期から安定期、終末期にいたる長い療養過程で、慢性疾患に苦しむ患者の生活の質(QOL)を維持するため、受講生には高度の知識と技術を習得するための専門教育課程を設ける方針だ。  また、「看護キャリアアップセンター」は、認定看護師の養成のほか、結婚や出産でいったん現場を離れていた看護師、新人看護師のスキルアップも支援する。8月から講座が始まる。問い合わせは、同センター(0776・61・8569)。 "[he-forum 15553] 福島民友新聞7/8 (2010年7月8日 福島民友新聞) 松川事件資料室存続へ「基金」 福島大、募金呼び掛け  福島大は7日までに、福島市で列車が脱線、転覆し3人が死亡した歴 史的冤罪(えんざい)事件「松川事件」の資料を保存している同大内の 松川資料室の運営存続や、資料目録の整備などを目的に「松川資料研究 基金」を設置、募金の受け付けを開始した。大学が厳しい財政状況を迎 える中、貴重な遺産の継承に広く協力を呼び掛けている。  同資料室は、資料の収集、整理が継続中で、完全な資料目録を完成さ せるまでには時間を要している。また、全国各地から資料室を訪れる人 が多いことから一定の運営経費が必要だが、大学の基盤的経費である運 営費交付金が毎年減額されていく中、大学の財政は厳しさを増している。  ここ3年は、学長の裁量で使える経費を年間200万円充ててきた が、3年間の期限付きである上、引き続き交付することは難しくなった という。  募金は来年1月まで行い、目標額は1000万円。個人は一口100 0円、法人は一口5000円。今後も資料収集・整理を継続するための 経費に充てるほか、資料目録などの整備、学生にも閲覧しやすい資料室 とするための運営費用などに活用する計画。募金以外にも、同大が年間 30万円の予算を措置する。 "[he-forum 15554] 福井新聞7/9 福井新聞 (2010年7月9日午前7時 22分) 川端文科相が福井大を視察、懇談 学長ら財政支援要望 拡大 窒化物半導体の研究について視察する川端文科相(中央) ら=8日、福井県福井市の福井大文京キャンパス 窒化物半導体 の研究について視察する川端文科相(中央)ら=8日、福井県福井市の 福井大文京キャンパス  川端達夫文部科学相は8日、福井大を視察した。大学側は文科相に、 国の運営費交付金の確保を要望した。  川端文科相の同大視察は初めて。福井市内での街頭演説の後、文京 キャンパスを訪れ、福田優学長らと懇談した。  非公開で行われた懇談会では、大学側が閣議決定された財政運営戦略 の「中期財政フレーム」を基に、2011年度概算要求基準(シーリン グ)を試算すると同大の場合、約7億9千万円の交付金減額の影響があ ると指摘し、財政的支援を求めた。これに対し文科相は「大学側も国民 のコンセンサス(合意)を得られるよう教育、研究に努めてほしい」と 答えたという。  文科相は工学部の実験室を見学し、窒化物半導体による高効率太陽光 発電の研究について説明を受けた。  福井大によると、視察は文科相側からの要望で公務として行われた。 "[he-forum 15555] 室蘭日報7/9 室蘭日報2010年7月9日付 産学連携を強化―室蘭工業大学でCRDセンター検討会  産学官連携事業を推進する室蘭工業大学(佐藤一彦学長)は、活動の中核となる地域共同研究センター(略称CRD、加賀壽センター長)への学内支援体制を強化する機構整備に乗り出す方針を明らかにした。3年かけて組織・教員体制を見直す。  7日に開かれたCRDセンター事業推進検討会の席上、野口徹担当理事・副学長が明らかにした。CRDは昭和63年に発足。地域・社会貢献を理念に、新技術創出を企業との共同・受託研究を核にして進め、異業種交流。金融機関を含めた地域連携活動を展開してきた。  特に独立行政法人の下の第1期6年間を終了。今後の展開方針を検討してきた。共同研究の広がりと製品販売を含めた支援。昨年から進める「医工連携」など新しい課題が加わった。文科省や外部評価を受ける一方で、学内シーズと研究成果、社会還元へ「一歩踏み出すため、学内の産学連携体制を強化する」(加賀センター長)活動方針をまとめた。  見直し方針による具体策は今後の検討課題だが、「学内での位置付けと地域との結び付きを効果的に」(野口副学長)という。CRD参加教員の固定化もみられるため、学生を含めて「社会連携を教育に反映させる新しい在り方を探る」とし、産学連携への機能強化と教員支援の拡大を柱に組織機構整備に着手する。 "[he-forum 15556] 神奈川新聞7/8 神奈川新聞2010年7月8日付 横浜国大が2011年度から理工学部設置、改組再編を実施へ  横浜国立大学は2011年度から、理工学部の設置など、大幅な改組再編を実施すると発表した。  工学部を改組して理工学部を新たに設置するほか、教育人間科学部に「人間文化課程」を設置する。  大学院では、都市が抱える課題などについて専門的に研究する「都市イノベーション学府」を新設するほか、教育学研究科を「特別支援・臨床心理コース」と「教育デザインコース」に改組して高度な教員養成に対応する。 "[he-forum 15557] 西日本新聞7/9 若手医師を支援 長崎大病院に「育成室」完成 故友廣氏の寄付金を活用  長崎市の長崎大病院に、研修医や若手医師の技術向上を支援する「友廣記念医師育成室」が完成した。佐世保市出身の医師・故友廣嘉久氏の遺族からの寄付1億円を活用し、90種類以上の最新機器を備えたシミュレーションセンターを整備、今秋から地域の医師や看護師にも開放する。  寄付は昨年10月、友廣氏が設立した医療法人佐世保同仁会が「若手医師の育成に役立ててほしい」と申し出た。育成室はインターネット環境の整った研修医控室(276平方メートル)とシミュレーションセンター(約90平方メートル)からなる。無料英会話教室も開講した。  センターでは、コンピューターグラフィックスや人形を使って内視鏡手術や救急医療などの技術を実際に近い形で学ぶことができる。今後、県の基金も活用してさらに医療機器を増やし、教育プログラムを充実させて地元の医療従事者育成に役立てるという。  研修医1年目の小山正三朗さん(25)は「研修では手技を学ぶ機会が少ないため、ありがたい。いろんな診療科に興味を持つきっかけにもなりそうです」と話していた。 "[he-forum 15558] 中国新聞7/10 中国新聞2010年7月10日付 国立大投資維持要求で一致  中国地方の国立5大学は9日、岡山市で学長会議を開いた。国の来年度予算の概算要求で、国立大学へ教育や研究開発の発展に向けた投資を削らないよう求めることで一致。会議後の記者会見で共同声明を発表した。  広島、山口、岡山、島根、鳥取の国立大学の学長5人全員が出席。人材育成や地域への研究成果還元などで地方国立大の使命が果たせなくなるとして、国立大運営費交付金を削減しないよう強調した。  民主党政権が財政運営戦略を示したことを受けた対応。国立大学協会の試算では交付金は来年度、本年度比で約8%の減額になる可能性があるという。  国は2004年度から毎年、交付金を年1%前後減らし続けてきた。 "[he-forum 15559] 山陽新聞7/10 山陽新聞2010年7月10日付 中国地方国立5大学が共同声明 運営費交付金を削減対象外に  国立大学法人の教育研究活動の基盤となる運営費交付金について、中国地方の国立5大学の学長が9日、2011年度予算の概算要求で削減の対象外とするよう求める共同声明を発表した。  政府が6月に閣議決定した「財政運営戦略」に基づく国立大学協会の試算によれば、11年度の同交付金は前年度比8%減となり、927億円減額される可能性があるという。  共同声明では、試算通りの予算削減があれば「大学運営が立ち行かない」とし、「人材育成、先進医療の提供、企業への研究成果還元など地方国立大学の使命を果たせなくなる」と訴えている。  岡山市内で千葉喬三岡山大学長、浅原利正広島大学長ら5学長が会見。千葉学長は「国立大学法人化以降、交付金の減額が続き、教育の質を保つ努力も限界にきている」、浅原学長は「予算削減は長い目で見て社会基盤全体に大きな影響を与える」と述べた。 "[he-forum 15560] 日本経済新聞7/10 日本経済新聞2010年7月10日付 埼玉大、次世代自動車で産学官の研究拠点開設  埼玉大学は9日、県などとの産学官共同研究拠点となる「埼玉次世代自動車環境関連技術イノベーション創出センター」(さいたま市)を開設した。電気自動車(EV)を含めた次世代自動車に関連する共同研究を進める。県内で主力の自動車産業はEVなどへの転換期にあり、共同研究を通じて円滑な移行を手厚く支援する。  センターは埼玉大のキャンパス内にある。共同研究のテーマとして、EV向けの充電システムや素材の軽量化などの技術開発、EV向け充電スタンドの配置の仕方など社会システムの研究を予定する。研究成果を県内企業と共有し、関連ビジネスを育てる。  同日、4つの研究会を埼玉大を中心に立ち上げた。今後、共同研究する相手となる企業を募る。それぞれの分野の課題に対して専門家を招いての講演会や意見交換会などを開く予定だ。  センターは科学技術振興機構(JST)の事業の採択を受けて誕生した施設。自動車で使う電子部品に対する外部からの電磁波の影響を評価する設備なども、来春までに整備する予定だ。 "[he-forum 15561] 沖縄タイムス7/10 沖縄タイムス2010年7月10日付 教育方針策定へ 沖縄大学院大 ドーファン氏 学長に決定 【東京】沖縄科学技術大学院大学の2012年秋の開学準備を進める沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)は9日、初代学長予定者に米国スタンフォード大線形加速器センター(SLAC)名誉所長のジョナサン・M・ドーファン氏(62)を決定したと発表した。ノーベル賞受賞者らで構成する同大学設立委員会のメンバーとして教育方針などをまとめ、11年3月までに文部科学省に開学を申請後、正式に学長となる。  ドーファン氏は南アフリカ出身。素粒子物理学を専門とし、1976年に研究員として入ったSLACで准教授、教授を経て所長に就任。  SLACは素粒子物理の研究機関だったが、大学内の光子超速レーザー科学技術研究所、高度物質科学エックス線研究所などと一体化させ、多数の分野を研究する研究所に発展させた。  日本の物理学者、益川敏英氏、小林誠氏に同研究所の施設を提供することで、両氏の2008年のノーベル物理学賞受賞にも貢献している。  当初、設立委には学長にはノーベル賞受賞級をという意見があり、世界各国から160人の候補者をリストアップ。最終的に科学の知識、研究所運営の手腕が世界的に評価される同氏が適任とされた。  同日都内で会見したドーファン氏は「沖縄の自立に資する世界一の研究機関の実現に強い熱意を持ち、達成可能と信じている」と大学運営への決意を語った。  政府は8日、予算超過問題などを受けて経営改善を求めていたOISTに元内閣府地域主権戦略室参事官の高野修一氏を出向させ、事務局長に配置した。 引き続き支援  前原誠司沖縄担当相 沖縄の自立的発展、科学技術の発展を目的とした国家プロジェクトの実現に向け、引き続き支援を行いたい。 力強い一歩に  仲井真弘多知事 大学院大学の成功に向けた大きな力強い一歩。経験、ノウハウを生かし世界最高水準の大学院大学をつくってほしい。 "[he-forum 15562] 朝日新聞7/9 朝日新聞2010年7月9日付 《現場から問う:10》科学予算 優遇から転落  「日本のスパコンは2位でいいらしいですね。なら世界一は、うちがいただきます」  6月4日、スーパーコンピューターの国際学会が開かれた茨城県つくば市の国際会議場。理化学研究所で次世代スパコンを開発する平尾公彦準備室長は講演後、中国人研究者に声をかけられた。  「世界一を狙えと、政府からハッパをかけられている」と続ける中国人研究者。昨年の事業仕分けで説明に立ち、「2位じゃだめですか」と切り込まれた平尾さんは「姿勢の差は歴然」と感じた。  国際学会には日米欧、中国、韓国、台湾などから約180人が集まった。平尾さんの講演は、朝一番だったにもかかわらず立ち見が出る人気。終了後も質問する研究者に20分間取り囲まれた。  米国では来年以降、スパコンの新設計画が目白押し。中国は投じる予算が日本より1けた多いとうわさされる。  国際学会を運営した京都大学の中島浩教授は「スパコンをリードすることが、科学技術全体のリードにつながると考えるからだ」と話した。 ●スパコンも節減  医薬品や半導体の開発、化学反応の解析……スパコンの利用分野は急拡大している。  東京・本郷の東京大学の理学系研究室。電池を開発する博士課程2年の安藤康伸さん(26)は「電池の中での電子の動きを原子レベルで再現している」と話した。  以前は作って特性を調べたが、スパコンで原子の配列まで考えた高効率電池の設計を目指す。次世代スパコンなら、今は1週間かかる計算を30分に短縮できる。研究室の常行真司教授は「スパコンの性能や使い勝手の差は、研究に大きく影響する」と語る。  スパコンは政府から国家基幹技術として予算を優遇されてきただけに、事業仕分けで「凍結」とされた衝撃は大きかった。結局、完成を半年早める無理な計画を見直して予算を110億円抑えた。  半年の遅れもあり、「世界一」は絶望視されている。 ◆投資の戦略も不在  「予算は前年を上回らないようにと言われていて……」  宇宙航空研究開発機構の立川敬二理事長は8日、記者会見で来年度の概算要求に向けた厳しい見通しを語った。  宇宙機構は、奇跡の帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」の後継機開発を要求する意向。菅直人首相も国会で前向きの答弁をした。しかし、「上乗せ禁止令」に「要求すれば、既存計画にしわ寄せがくる」と苦悩する。  27年ぶりの前年度割れ――。  科学予算の中核を占める科学技術振興費は今年度1兆3321億円で、昨年度より455億円、3.3%減った。  宇宙機構の124億円減をはじめ、理研59億円減、科学技術振興機構39億円減、海洋研究開発機構22億円減……。国の研究開発を担う独立行政法人への予算減が目立つ。  国の将来の成長につながる科学技術振興費は、財政健全化を図った小泉政権下でも例外扱いで、年1.1%増やされていた。その「聖域」にメスが入った動揺は大きい。  第3期科学技術基本計画(2006~10年度)では、大学への交付金なども含めた国の研究開発投資は、「5年間で25兆円」という目標が明文化されていた。現実は21兆円にとどまるが、政府の基本計画では異例の投資目標が下支えした。  新政権でも、川端達夫科学技術担当相(文部科学相)は1月、第4期科学技術基本計画で「5年間で25兆円」に相当する「国内総生産(GDP)比の1%以上」の明文化を目標に掲げた。経済界も実現を強く求めるが、財務省を中心に異論が強く、政権内で合意は得られない。  6月の新成長戦略では、政府投資の数値目標は入らなかった。川端担当相は「財政状況が厳しいことも事実。消費税というか、税制の議論もある」と釈明した。  4月の事業仕分け第2弾で司令塔の不在ぶりが問題視された科学技術行政。まだ、新しい司令塔の姿は見えない。 (行方史郎、東山正宜) "[he-forum 15563] 読売新聞新潟7/10 読売新聞新潟版2010年7月10日付 基地病院に新潟大病院 ドクターヘリ導入検討委  専用ヘリコプターに医師らが搭乗して救急患者のもとへ向かう「ドクターヘリ」の2012年度の運用開始を目指し、具体的な課題を話し合う「県ドクターヘリ導入検討委員会」(座長=堂前洋一郎・県医師会理事)の初会合が9日、新潟市中央区の県自治会館で開かれ、ヘリが常駐する「基地病院」に、新潟大学医歯学総合病院を選定した。  県内で唯一「高次救命災害治療センター(高度救命救急センター)」を持ち、救急医の数が十分なことや、給油施設を備えたヘリポートを建設中であることなどが選定理由となった。  導入にあたっては、基地病院がヘリコプターの運航会社と委託契約を結ぶ。委託費用や、医師、看護師の人件費などに年間約2億円の運用費用を見込み、国と県が半額ずつ補助する。  今後は着地地点の選定や、搬送先決定のルールづくりなどを検討する。  これまで佐渡市などから患者を搬送する際は、県の防災ヘリを利用していたが、付き添いの医師が搬送元の病院から離れることになるなど不便な点が多かった。  県によると、ドクターヘリはすでに19道府県の23施設で運用が開始されているという。 "[he-forum 15564] 愛媛新聞7/10 愛媛新聞2010年7月10日付 地域医療やりがい知って 愛媛大医学部講座  県と県市町振興協会が寄付し愛媛大医学部に設けている「地域医療学講座」で、医師不足に悩む地域で勤務する医師らと加戸守行知事による講義が9日、東温市志津川の医学部であり、医学部4年生約80人が生きがいを感じながら過疎地の医療現場で働く若手医師の声を聞いた。  地域医療学講座は、地域医療に必要な知識や技量を身に付けた医師の養成などを目的として2008年度に設置。期間は12年度までの5年間。西予市立野村病院で実習教育を行うなど学生に地域医療を体験する機会を提供している。  講義では、大洲市の河辺診療所に1人で赴任している依光展和医師(29)が症例を示しながら仕事内容を紹介。「地域に寄り添い高齢者を在宅で支えていくことは医師として非常にやりがいがある」と学生に語り掛けた。 "[he-forum 15565] 中国新聞7/12 中国新聞2010年7月12日付 広島大が家庭医養成に本腰  広島大病院(広島市南区)は本年度、子どもから高齢者までの幅広い病気の診察能力を持つ「家庭医療専門医」を育てる研修プログラムをスタートさせた。10日に発足させる「広島総合診療・地域医療懇話会」で医学生や研修医に紹介し、参加を呼び掛ける。次代の地域医療の担い手育成に力を入れる。  同病院の総合内科・総合診療科が日本プライマリ・ケア連合学会の認定を受けて設けたプログラムの期間は3年。大学病院と連携しながら、地域の中小病院や診療所などで実習を重ねるのが特徴だ。内科にとどまらず、小児科、緩和ケア、外科、整形外科、皮膚科など、地域で求められる病気の診断や治療を幅広く学ぶ。  医学部卒業後2年間の初期研修を終えた若手医師や、中高年になって地域での開業を志す専門医の参加を想定している。  プログラムの責任者は、学会が認定した家庭医療専門医第1期生の横林賢一医師(31)。田妻進教授(総合診療医学)とともに4月から既に男性医師1人の指導をしている。横林医師は「患者の年齢や性別、病気の種類にかかわらず何でも相談にのり、家族や地域の事情にも配慮できる家庭医の育成を目指したい」と意気込む。  学会の認定は3年前に始まり、中国地方では広島大病院を含めた12病院がプログラムを設けた。ただ、医師の高度医療志向は根強く、受講者のいない病院もある。一方で、中山間地域など医師が少ない地域では、一人の医師に幅広い病気の診察能力が要求される。  懇話会は、広島大病院などで総合診療や地域医療に携わる医師らで発足させる。 "[he-forum 15566] 読売新聞大阪7/12 国立大交付金削減、中国5大学長が共同声明  2011年度からの3年間で、教授らの人件費や研究費などを含む国 立大学法人運営費交付金の大幅削減が予想されるとして、中国地区の5 大学の学長が連名で、同交付金を11年度概算要求で削減しないよう訴 える共同声明を行った。  声明は、岡山大の千葉喬三学長、鳥取大の能勢隆之学長、島根大の山 本廣基学長、広島大の浅原利正学長、山口大の丸本卓哉学長が9日、岡 山市内で記者会見して発表した。  声明文によると、3年間で同交付金を含む政策的経費が年率で8%減 となり、同交付金の削減額は総額で約2800億円に上ると予想され る。これまでの6年間で削減された830億円を大幅に上回るとしてい る。  「教育力や研究開発力を世界最高水準にするための公的投資を拡充す るべきだ。中小規模の国立大の運営が立ちゆかなくなり、大規模大学の 存立基盤を揺るがす」などと主張している。 (2010年7月12日 読売新聞) "[he-forum 15567] 国立32大学理学部長会議声明7/10 国立大学法人32大学理学部長会議 緊急声明 “人財”養成と学術研究の中心である大学への支出は 我が国の繁栄を実現するために必須 平成22年7月10日 国立大学法人32大学理学部長会議 平成22年6月22日に閣議決定された「財政再建」に 向けた我が国の「中期財政フレーム」では,平成23年度から 25年度の3年間を対象とし,「政策的経費」を毎年8%ずつ 削減すると謳われております.人財養成と学術研究の中心となる大学に 対する運営費交付金は,まさにこの政策的経費に当たります.この削減 案を機械的に当てはめますと,平成23年度は,今年度に比べ国立 大学法人全体で927億円の減額となります.この額は,大規模大 学の2大学分,または,小規模大学の27大学分の運営費交 付金に相当しています.   平成16年度から平成21年度までの第一期中期目標・中 期計画期間で,国立大学の運営費交付金は,既に830億円が減額 されました.この間,各大学はさまざまな無駄を排除し,効率的な運営 に向けた工夫を行い,教育と研究に大きな影響が出ないよう減額分の吸 収を行ってきました.しかしながら,さまざまなところに弊害が顕在化 し,大学は疲弊したと言っても過言ではありません.この上,毎年 8%の減額を3年間行うとすれば,国立大学法人の崩壊につながる ことは目に見えております.特に理学の分野では、幅広い研究分野の中 から、将来花開く分野が育まれて来ており、運営費交付金の大幅削減 は、直接、そのすべての芽を枯らしてしまうことになります.   この6月18日に閣議決定された「新成長戦略」では, 「強い経済」と「強い財政」の両立を図るためには,「強い人財」の育 成が不可欠と謳っています.なぜならば,若き人財こそが,「将来にわ たって付加価値を創造し,持続可能な成長を担う」からです.また, 「新成長戦略」では,7つの重要成長分野を育成することで,新 たな需要を生み出し,市場や雇用を創出することを通じて我が国経済の 本格的回復軌道に乗せることを謳っております.この中には,「環境・ エネルギー分野」,「医療・介護・健康分野」,「科学・技術.情報通 信分野」など,大学がまさにその中核を担う,あるいは担うべき分野が 想定されております.これを大学が着実に実現するためにも,運営費交 付金のこれ以上の削減は政策実現の妨げとなるものです.「中期財政フ レーム」が「新成長戦略」を損うものになってはならないと考えます.   今年度から来年度にかけての927億円の削減は,想像を絶す るものがありますが,仮に削減分を学部学生の授業料で補填すると仮定 しますと,学生一人当たり年間23万円の値上げとなり,現行授業 料の43%増に当たります.これは教育負担軽減の流れにまさに逆 行するもので、これまでの政府の方針にも反し、国民の支持も得られる とは思われません.   我が国は「科学技術創造立国」を標榜しております.多くの事例を 出すまでもなく、理学部が主に担っている基礎科学は,数十年後,数百 年後の我が国の繁栄を,いや地球規模の課題に直面する人類の繁栄を支 える基盤なのです.大学運営費交付金のこれ以上削減をすることは,正 しい判断とは考えられません.国立大学法人32理学部長会議は, 政策決定者の冷静で賢明なる判断をここに求めます. 国立大学法人32大学理学部長会議 構成メンバー 北海道大学理学部長  山口 佳三 弘前大学理学部長  稲村 隆夫 東北大学理学部長  花輪 公雄 山形大学理学部長  櫻井 敬久 茨城大学理学部長  堀 良通 筑波大学理学系組織連絡会議議長 木越 英夫 千葉大学理学部長  大橋 一世 埼玉大学理学部長  中林 誠一郎 東京大学理学部長  山形 俊男 東京工業大学理学部長  岡 眞 お茶の水女子大学理学部長 塚田 和美 新潟大学理学部長  谷本 盛光 富山大学理学部長  山田 恭司 金沢大学理学部長  中尾 愼太郎 信州大学理学部長  武田 三男 静岡大学理学部長  村井 久雄 名古屋大学理学部長  國枝 秀世 京都大学理学部長  吉川 研一 大阪大学理学部長  東島 清 神戸大学理学部長  坂本 博 奈良女子大学理学部長  塚原 敬一 島根大学総合理工学部 竹内 潤 岡山大学理学部長  高橋 純夫 広島大学理学部長  出口 博則 山口大学理学部長  田中 和広 愛媛大学理学部長  佐藤 成一 高知大学理学部長  逸見 豊 九州大学理学部長  宮原 三郎 佐賀大学理工学部長  林田 行雄 熊本大学理学部長  古島 幹雄 鹿児島大学理学部長  清原 貞夫 琉球大学理学部長  山里 眞 "[he-forum 15568] 産經新聞7/12 産經新聞 2010.7.12 10:00 【教育動向】「就活」の成果も大学に公開義務付けへ 文部科学省は、大学などに対して、入学者数、卒業者数、就職者数など の進路情報の公開を、2011(平成23)年度から義務付けることに しました。実質的な「大学全入時代」に入り、大学の入り口と出口の情 報を広く公開することにより、大学教育の質を保証していくことがねら いです。受験生や保護者にとっては、大学選びの参考資料が増えること になります。 中央教育審議会の「質保証システム部会」は今年4月、さまざまな情報 の公開を大学に義務付けることなどを柱とする審議経過報告をまとめま した。これを受けて文科省が、学校教育法施行規則や、大学設置基準な どを改正し、公開すべき情報を列挙したうえで、11(平成 23)年 度から広くその情報を公開することを、大学に義務付けたものです。公 開の対象となるのは、「教員数並びに教員の保有学位、業績に関する情 報」「学生に関する情報」「学習環境に関する情報」「学生納付金に関 する情報」「学生支援と奨学金に関する情報」などです。 このうち、大学進学希望者や保護者にとって最も気になるのが、「学生 に関する情報」でしょう。具体的な中身は、収容定員、実際の学生数、 卒業者数、(大学院などへの)進学者数、就職者数などとなっています。 ここで、「卒業者数なんて、今までも公開されているのでは」「就職状 況などは、大学のパンフレットに載っているけど」などと、疑問に感じ たかたもいることでしょう。ところが、実際の入学者数や卒業者数など を、一般に公開していない大学は、実は少なくないのです。また、卒業 生の進路情報として就職状況などを載せていても、実際は採用内定者の 延べ人数だったりして、学生の就職活動の成果をきちんと反映してない こともあります。就職者の実数などを、簡単には公開できない事情を抱 えた大学もあります。学生数にしても、入学者数から4年後の卒業者数 を引けば、どれだけの学生が中退や留年したかが、おおよそわかってし まいます。 文科省による入学者数、卒業者数、就職者数などの情報公開の義務付け は、大学の「入り口」と「出口」の部分の実態をできるだけ受験生や保 護者に明らかにさせることを通じて、大学教育の質を維持・向上するよ う大学側に努力を促すことが目的だと言ってよいでしょう。これまで も、大学設置基準などで、情報公開に努めるよう求めてはいたのです が、学校教育法施行規則ではっきりと情報公開が義務付けられたことに より、大学の進路情報の公開が一挙に進むことが予想されます。 公開が義務付けられるのは、進路に関する情報だけではありません。授 業料以外の納入金の種類と金額、納付時期なども、公開対象になりま す。さらに、大学が学生に実施している就職支援活動の具体的内容や、 メンタルヘルス(心の健康)など学生生活にかかわる支援内容、奨学金 や授業料の減免制度などの有無と内容などの情報も、公開が義務付けら れることになっています。 (提供:Benesse教育情報サイト) "[he-forum 15570] 産經新聞7/12 産經新聞 2010.7.12 14:19 教員増員や国庫負担率引き上げ検討求める 中教審分科会  小中学校の少人数学級化を推進する中央教育審議会初等中等教育分科 会(分科会長・梶田叡一環太平洋大学長)は12日、教職員の増員を提 言するほか、義務教育費の国庫負担率引き上げについても検討するよう 求める報告書案を公表した。文部科学省は来年度から段階的に少人数学 級を実現するため、報告書案に基づき、法改正や国庫負担率引き上げの 検討などに着手する方針。  報告書案は、1学級の児童生徒数について少人数化を求める今年6月 の報告書案骨子を基に作成された。現行の1学級40人を引き下げるた めに「教職員の増員が必要」と提言。教員の人件費に当たる義務教育費 について、国が負担する国庫負担率の割合を3分の1から2分の1へ引 き上げることも「検討することが望まれる」としている。  義務教育費については、都道府県が3分の2、国が3分の1を負担し ている。もともとは2分の1だった国の国庫負担率は、平成18年度以 降、引き下げられていたが、報告書案では、もとの水準に戻すことを検 討するよう求めている。  国庫負担率については、「3分の1では地方自治体の財政を圧迫す る」という意見も出ていたほか、行政刷新会議の事業仕分けでも、引き 上げを求める声が出ていた。  ただ、教員増員で多額の財政支出増が予想されることから、報告書案 については今後、議論も予想される。報告書案では具体的に触れていな いが、文科省では、全国一律で35人以下の学級実現を前提に、教員の 4万5千人程度の増員が必要と推計。国と地方で年間1千億円程度の新 たな公費支出が必要となると試算している。特に国庫負担率が引き上げ られると、国の負担は大きくなる。  このほか報告書案では、学級編成について都道府県教委の同意を必要 とせず、市町村教委が独自の判断で決定できるようにすることなども求 めた。 "[he-forum 15569] 毎日新聞7/13 毎日新聞 2010年7月13日 東京朝刊 中教審:小中35人学級へ 教育現場は歓迎 現状、地域格差大きく  <検証>  中央教育審議会の分科会が公立小中学校の学級規模を40人から引き下げる よう求める提言案をまとめた。いじめや不登校などへの対応や増え続ける事務 仕事に追われる学校現場からは「きめ細かい教育ができるようになる」と期待 の声が上がる。課題は国の厳しい財政状況で財源をどう確保するか。 "[he-forum 15571] X-Priority: 3 共同通信2010年7月12日18時27分 国立大の利益が176億円減 09年度、86校4機関  文部科学省は12日、法人化した国立大86校と四つの大学共同利用機関の2009年度決算について、利益総額が前年度より176億円減り、計595億円になったと発表した。このうち経費削減など経営努力による利益は183億円減の199億円。  研究のための外部資金獲得や付属病院収入が増えて経常収益は508億円増加したが、診療器具や薬代などの経費などがかさみ経常費用も841億円増え利益が減った。  43ある付属病院など診療施設の利益総額は前年度より91億円減の295億円だった。  国立大が法人化した04年度から09年度までの第1期中期目標期間の財務状況の推移を見ると、経常収益では競争的資金の増加が目立ち、経常費用では教育経費、研究経費、診療経費が一貫して伸び続けた。 "[he-forum 15572] 共同通信7/14 時事通信2010年7月14日4時46分 6年で2500億円積み立て=国立大法人、移転など進める  国立大学が法人化されてから6年間で、収入増や経費削減により計約2500億円を積み立てたことが、文部科学省のまとめで14日までに分かった。積立金はキャンパスの一部移転などに使われており、同省は「経営努力により、設備整備を進めることができた」と評価している。  国立大学は2004年度に法人化され、各年度の余剰金を翌年度以降に積み立てることができるようになった。 "[he-forum 15573] 朝日新聞茨城7/14 朝日新聞茨城版2010年7月14日付 交付金削減に筑波大学長らが反対声明  交付金削減に筑波大学長らが反対声明 筑波大や茨城大、筑波技術大など国立大学協会関東・甲信越地区支部に所属する14大学の学長らは12日、2011年度の概算要求基準(シーリング)で、国立大学法人運営費交付金を削減対象にしないように求める共同声明を発表した。  10年度の同交付金は全体で1兆1585億円。毎年減額が続いており、6年間で830億円減った。教育、研究活動に対する影響が懸念されている。 "[he-forum 15574] 読売新聞三重7/14 読売新聞2010年7月14日付 三重大病院に鍼灸外来  大学病院では東海初 がんの苦痛緩和などに期待  三重大医学部付属病院(津市江戸橋)は今月、東洋医学を取り入れた「統合医療・鍼灸(しんきゅう)外来」を麻酔科内に開設した。西洋医学中心の大学病院で鍼灸を外来に設置するのは珍しく、東海地区の大学病院では初めて。  三重大と包括連携協定を結ぶ鈴鹿医療科学大(鈴鹿市岸岡町)の協力で実現し、診療は同大の佐々木和郎・鍼灸学部長や教員、卒業生の鍼灸師5人が、1日12人程度の患者を診る。  西洋、東洋医学の双方で治療を行う統合医療の導入に、三重大の竹田寛病院長は「がん患者の苦痛や、手術後の痛みを緩和させるなど、西洋医学を補完できる」と説明。丸山一男・同病院麻酔科長も「検査では原因の分からない痛みの緩和や心の問題にも対応させて、新しい医療の活路にしていきたい」としている。  開設に先立ち、今年4月から入院患者やスタッフら約150人に鍼灸の治療を行っており、佐々木学部長は「抗がん剤治療などによる吐き気や食欲不振などの改善効果について、データを収集して研究していきたい」と意気込みを語った。  診療は予約制で、月~金曜日の午後2~5時。初診4500円、再診3500円。問い合わせは同病院麻酔科外来(059・232・1111)へ。 "[he-forum 15575] 陸奥新報7/14 陸奥新報2010年7月14日付 弘大の総利益25億2300万円 09年度財務諸表を公開  弘前大学(遠藤正彦学長)は13日、6月30日付で文部科学省に承認された2009年度の財務諸表を公表した。総利益は前年度比10億4000万円増の25億2300万円だが、運営費交付金の精算や「コラボ弘大」竣(しゅん)工(こう)などの事業により翌年度以降の事業に使用できる目的積立金はなくなった。  弘大の運営状況を示す損益計算書では、経常費用は313億1600万円(対前年度比13億2000万円増)。補助金や目的積立金による事業の実施で教育、研究経費や弘大病院の診療経費が増えたことによる。また、経常収益は323億3400万円(6億500万円増)で、同病院収益が循環器系手術件数の増加などにより増収となった。  同病院の運営状況は、総利益12億8700万円となったものの、減価償却費などによる現金の裏付けがない利益で、実質的な利益はなかった。同病院の経営状況に関しては、病院収益が増加する一方で、循環器系手術の増加などによる業務コストも増加。医療機器の更新などが課題となっている。 "[he-forum 15576] 山陽新聞7/14 山陽新聞2010年7月14日付 地域医療の人材育成へ 岡山大で県寄付の講座本格化  岡山県が、県北部を中心とした深刻な医師不足対策として岡山大大学院に寄付して開設した地域医療人材育成講座の特別講義が13日、同市北区鹿田町の同大医学部で始まった。人材育成などを狙いに5月に発足した講座が本格的にスタート。講義では、過疎地の医療に携わる新見市・哲西町診療所の佐藤勝所長らが学生に、やりがいについて熱く語った。  講座の教授には、佐藤所長と片岡仁美・同大病院卒後臨床研修センター医科研修副部門長が就任。2人が、1年生を対象に「地域医療って何?」と題して話した。  佐藤教授は保健、福祉、医療が一体となり住民の健康を守る「地域包括ケア」を説明、「いろんな人が協力して1人の患者を支える魅力を感じてほしい」と訴えた。片岡教授は「患者さんに寄り添うには、家庭や地域の実情にも目を向ける広い視点が必要」と強調した。  特別講義は計3回開講。1月には実習前の4年生に行うほか、地域医療をテーマにした公開シンポジウムなども計画している。  講座は、県と岡山大が協定を締結。2013年度までで、寄付総額は1億2000万円。地域医療を担う人材育成や教育カリキュラム、県北部などへの支援体制づくりなどを担う。 "[he-forum 15577] 西日本新聞7/13 西日本新聞2010年7月13日付 家計急変の学生対象 九工大も授業料免除  九州工業大(北九州市)は12日、宮崎県の口蹄疫の影響で家計が急変した学生を対象に、本年度の前後期授業料約54万円を全額免除すると発表した。同県などの要請を受けて決めた。九州共立大(同市)も同様の支援策を発表しているが、九工大によると、国公立大では初の措置。  九工大によると、対象は同県出身者に限らず、口蹄疫で保護者の収入が大幅に減少した学生全般とする。畜産業や食品加工業、運送業など多様な業種を想定、個別に口蹄疫の影響を判断する。同大は「口蹄疫の影響は多岐にわたる。困っている学生はまず相談してほしい」としている。 "[he-forum 15578] 中期財政フレームに基づく来年度概算要求8%シーリングの閣議決定を許すな 2010年7月15日(B 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 中期財政フレームに基づく来年度概算要求8%シーリングの閣議決定を許すな 2010年7月15日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 菅内閣は,6月22日に閣議決定した「中期財政フレーム」に基づき,一般的な政策経 費については全省庁一律で最大1割程度の削減を目指して,早ければ来週中にも概算 要求基準(シーリング)を閣議で了解する方針と伝えられている. これに対して,国立大学協会をはじめ,私立大学関係者も含めた多くの関係者・関係 機関から,高等教育予算へシーリングを適用しないよう,強い要望が出されている. 7月11日の参議院選挙結果は,“消費税引き上げ・法人税引き下げ”を基軸とする菅 内閣の「財政再建」=「中期財政フレーム」,鳩山前内閣から続く政治手法への社会 の厳しい批判を表している. 従って,「中期財政フレーム」から導かれる8%シーリングについては拙速かつ強引 に閣議決定をすべきではなく,広く社会からの意見を求めつつ改めて国会等で議論す べきである. "[he-forum 15579] 毎日新聞7/14 毎日新聞 2010年7月14日 22時49分 (最終更新 7月14日 23時36分) 大学:「運営費、削減対象から除外を」  国立大学協会と日本私立大学団体連合会は14日、来年度予算の概算 要求で、大学経営の基盤的経費である「国立大学法人運営費交付金」と 「私立大学等経常費補助」を削減対象から除外するよう求める声明を発 表した。  政府は先月、財政健全化を目指す財政運営戦略を閣議決定。来年度予 算の概算要求の基本方針で、社会保障などを除く政策的経費について要 求額からの一律削減を求める方向で検討に入っている。  国立大学協会などは、財政運営戦略に沿った予算編成が実施された場 合、運営費交付金などが来年度から3年間、年8%減らされ、削減額は 国立、私立合わせて1年度あたり1185億円と試算。「人材育成こそ 成長の原動力だが、一律削減の対象になれば教育、研究の質が低下し、 大学経営が破壊される。削減対象から除外すべきだ」と訴えた。【永山 悦子】 "[he-forum 15580] 産經新聞7/14 産經新聞 2010.7.14 23:58 交付金927億円削減「国の将来危うく」 国・私立大側が共同声明  菅直人内閣の「財政運営戦略」に基づく歳出削減で、大阪、九州大学 を消滅させる規模の国立大学法人運営費交付金927億円が削減される と試算された問題で、国立大学協会(会長・浜田純一東京大学総長)と 日本私立大学団体連合会(会長・白井克彦早稲田大学総長)は14日、 同交付金などを削減対象から外すように求める共同声明を発表した。  共同声明では、削減について「大学の存立を危うくし、科学・技術と 人材に頼るしかない我が国の将来を危うくする致命的な施策」と批判。 国立大学の交付金のほか、私立大学等経常費補助についても「258億 円削減が求められる」として、削減対象から外すように要望した。  国立大学法人運営費交付金の削減額については、文部科学省が927 億円に上ると試算。「大学の研究機能が停止する」「大阪大と九州大の 2大学を消滅させるか、地方大学や小規模大学27大学をなくさざるを えない規模」として、削減対象から外すよう求める方針を固めている。 "[he-forum 15581] 河北新報7/15 河北新報 2010年07月15日木曜日 秋田大に寄付講座 医師不足解消を期待 秋田県  秋田県は、医師不足が深刻な地域の基幹病院への安定的な医師派遣を 目指し、秋田大医学部に県の寄付金で運営する講座を開設した。寄付講 座に配置される10人の教員は週2回、各地の病院で診療支援に当たる。  設置されたのは「地域医療連携学講座」。地域医療と大学の連携や人 材育成などを研究する。医師の派遣は従来、診療科ごとに病院から要請 を受けていたが、講座所属の教員は県と調整し、地域の要望に合わせて 派遣される。  講座は2013年度まで。県は国の基金を活用して毎年度1億300 0万円、総額5億2000万円を寄付する。寄付金は主に人件費に充て られる。  秋田大は既に学内で教員3人を確保し、残りの人選を進めている。3 人は内科2人、耳鼻咽喉(いんこう)科1人。  県庁で先日あった協定締結式で、佐竹敬久知事は「講座開設で医師不 足が徐々に解消されることを期待する」とあいさつ。秋田大の吉村昇学 長は「安全、安心な医療体制が構築できるようバックアップしていきた い」と述べた。 "[he-forum 15582] 愛知教育大学長声明7/13 平成23年度概算要求基準(シーリング)で国立大学法 人運営費交付金を削減対象としないことを求める緊急声明 2010年7月13日 国立大学法人愛知教育大学学長 松田 正久  政府は、「財政運営戦略」で平成23年度から平成25年度 を対象とする「中期財政フレーム」を策定しました。これによれば、社 会保障費、地方交付税交付金、人件費等の義務的経費を引いた政策的経 費が、平成23年度マイナス8%になると推算されます。  国立大学運営費交付金は、法人化時点の2004年度から、毎年 1%が減額され、この6年間では、全国立大学法人の運営費交付金は 6.7%、830億円が削減されました。愛知教育大学では、基盤的経 費である一般運営費交付金は2.7億円が削減され、2004年 度の47.1億円から2010年度では44.4億円となってい ます。  この間、ほとんどの国立大学では、大学教員と事務職員の定年後の不 補充での対応を余儀なくされ、愛知教育大学でも、不本意ながら、この 間30人余の教職員の補充ができず、このことが教育研究環境を劣 化させ、多くの国立大学で「負のスパイラル」と言われる状況を生み出 しました。こうした状況にもかかわらず、愛知教育大学では、様々な工 夫をしながら諸経費の節約に努め、教育研究の充実を最優先課題として 運営してきました。こうした努力もあり、この3月の本学の教員 養成課程卒業生の正規教員合格率は50%を超え、教員養成を目的 とする愛知教育大学の役割を十分果たしていると考えています。  今年度は、「臨時的削減」で運営費交付金は前年度比100億円 の減額となりましたが、法人化前に回復するとの方向に大きな期待感を 持っていた矢先に、今回の「中期財政フレーム」では、「平成23 年度からの3年間は『基礎的財政収支対象経費』について前年度 を上回らないこととされ、巷間1兆円以上とも言われる社会保障関係経 費の伸びを勘案すれば、いわゆる『政策的経費』は年率8%の減 となります。大学の人件費を含む国立大学法人運営費交付金もその対象 とされ、削減額は、単年度だけでも927億円(3年間の総額 で約2,800億円)と、平成16年度から22年度の 6年間の減額の総合計(830億円)を上回る、すさまじい削 減」(7月7日国立大学協会声明)を求められることが 予想され、疲弊した国立大学の現状にとどめを刺すに等しい事態となり ます。仮に、これが適用されれば、愛知教育大学では、約4億円 の運営費交付金の削減に相当し、大学の存立そのものを覆す極めて深刻 な事態となります。  私は愛知教育大学の学長として、未来に輝く子どもたちの教育に責任 を負う優れた教員の養成を軸に社会で幅広く活躍する人材を養成するこ とが愛知教育大学の使命と役割の全てであると考えています。教育界を はじめ地域の多くの方々からは本学に対して大きな期待が寄せられてお ります。これに応える意味からも、私たちは、中央教育審議会にこの 6月に諮問された「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な 向上方策について」の審議を注視し、可能な改革には積極的に取り組 み、国民の期待に応えうる質の高い教員の養成に取り組む決意を新たに しています。  国家財政の立て直しが急務であることは理解しつつも、「国家 100年の大計」である教育、とりわけ高等教育への投資こそが、日本の 未来を確かなものとして保障する最大の手立てであると私は確信をして います。運営費交付金は、学生に教育を保障するための基盤的経費とし て、国民の付託に応えるべく各国立大学が執行する重要な財源です。  国においては、国民の高等教育を受ける権利と機会を保障していくた めにも、国立大学法人運営費交付金を8%削減の対象から除外さ れ、国立大学の更なる充実を図っていただきますよう,強く要望いたし ます。 "[he-forum 15583] 国立大学協会関東・甲信越地区支部所属大学等声明7/13 平成23年度概算要求基準(シーリング)による 「国立大学法人運営費交付金」の削減反対!!(共同声明) 2010年7月13日 国立大学協会関東・甲信越地区支部所属大学等 茨城大学 長 池田 幸雄 筑波大学長 山田 信博 筑波技術大学長 村上 芳則 宇都宮大学長 進村 武男 群馬大学長 高田 邦昭 埼玉大学長 上井 喜彦 千葉大学長 齋藤  康 横浜国立大学長 鈴木 邦雄 新潟大学長 下條 文武 長岡技術科学大学長 新原 晧一 上越教育大学長 若井 彌一 山梨大学長 前田 秀一郎 信州大学長 山沢 清人 総合研究大学院大学長 高畑 尚之 高エネルギー加速器研究機構長 鈴木 厚人 我々国立大学協会関東甲信越地区支部所属の14大学の学長及び機 構長は、国立大学等が「新成長戦略」等に位置づけられた国 家戦略を実施していくための役割の大きさに鑑み、別紙のとおり、平成 23年度概算要求基準(シーリング)において国立大学法人運営費交付金 を削減対象としないことを強く要望します。 注) 別紙:平成22年7月7日 国立大学協会声明 "[he-forum 15584] しんぶん赤旗7/15 「しんぶん赤旗」2010年7月15日(木) 927億円もの交付金カット 国立大学崩壊します 学長ら緊急声明 続々  政府の「財政運営戦略」(6月22日閣議決定)で歳出・歳入の大枠 を示した中期財政フレームを受けて、国立大学学長らが国立大学運営費 交付金を削減しないよう求める声明を相次いで出しています。  緊急アピールを発表しているのは新潟、香川、千葉の各大学長。それ によると、中期財政フレームでは、2011年度から3年間、「基礎的 財政収支対象経費」で前年度当初予算規模を上回らないとされ、増える 社会保障費を踏まえると、その他の一般歳出は8%減となると試算して います。これを国立大学運営費交付金に適用すると、2011年度の運 営費交付金は927億円を削減することになり、この額は全国の国立大 学で6年間にわたって削減された運営費交付金総額を上回ると指摘。香 川大学の一井眞比古学長は、そうなれば経済学部など4学部で教育の継 続ができなくなるとのべています。  中国地区の鳥取、島根、岡山、広島、山口の各国立大学長も9日、連 名で共同声明を発表。中期財政フレームを適用した運営費交付金削減額 は、中国地区5大学の2010年度運営費交付金の総額(約806億 円)をも大きく上回り「中・小規模国立大学の運営が立ち行かなくな る」と指摘し、2011年度概算要求において運営費交付金を削減しな いよう求めました。  また10日に緊急声明を出した国立大学32大学の理学部長会議は、 削減額は大規模大学の2大学分、小規模大学の27大学分に相当し、 「国立大学の崩壊につながる」と危機感を表明しています。 ◇  14日には国立大学協会関東甲信越地区支部所属の14大学の学長と 機構長が、来年度の国立大学予算を削減しないよう要望する共同声明を 発表しました。 "[he-forum 15585] 岩手日報webnews7/15 岩手日報 Web News (2010/07/15) 大学運営に重大な影響 交付金削減で岩手大学長要望  岩手大の藤井克己学長は14日、県庁で記者会見し、2011年度概 算要求基準で削減対象と見込まれている「国立大学運営費交付金」を減 らした場合、大学の教育研究活動に重大な影響があるとして、同交付金 を削減しないよう訴えた。同日は達増知事、佐々木一栄県議会議長らに あて要望書を提出。今後、県選出国会議員にも働き掛ける。  同大によると、6月に閣議決定した「財政運営戦略」に盛り込まれた 今後3年間の「中期財政フレーム」を機械的に運用した場合、同交付金 は毎年8%、3年間で計24%削減される可能性がある。 【詳しくは岩手日報本紙をご覧下さい】 "[he-forum 15586] 岩手大学長教職員向けメッセージ7/13 【教職員向け学長メッセージ】運営費交付金の平成23年度概算要求基 準での削減動向  掲載(更新)日時:2010-07-13 17:00:00                               教職員の皆様へ        岩手大学学長  藤井 克己  さる6月22日、閣議決定された「財政運営戦略」において「中期財 政フレーム」が示されました。このフレームがそのまま実施されます と、国立大学法人運営費交付金は、平成23年度から毎年8%、今後3 年間で計24%削減される可能性があります。  この率を本学の予算にあてはめ試算しますと、削減額は1年で5.6 1億円となり、第1期6年間(平成16~22年度まで)の運営費交付 金削減額9.57億円の59%にもなります。つまり過去3年間の削減 を1年間で一気に推し進めようとするものです。  これが来年度から3年間実施されるなら、岩手大学の日常的な教育研 究活動に重大な影響を与えることは明らかであり、大学を支える基盤の 崩壊へとつながりかねません。地域における『知の府』としての存立が 危うくなると懸念されるものです。  こうした状況への対処について、大学内および全国レベルで緊急に取 り組む必要があり、また国立大学協会からの強い要請を受けて、執行部 としても鋭意検討を進めています。  学内構成員の皆様には、関連の資料を提示いたしますのでぜひともご 一読され、本学が現在、社会的におかれている状況をご理解願います。 "[he-forum 15587] 福島大学長緊急アピール7/14 学長緊急アピール ― 平成23年度からの予算シーリングへの要望(声明)― 国立大学法人福島大学は、平成16年に、地域の期待に応え理工学群を 創設し、本年4月から博士後期課程を創設するなど、「教育重視の人材 育成」を使命とし、知の創造拠点として高度な人材育成の中核的役割を 果たすとともに、学術研究や科学技術の発展と振興を担い、次世代を支 える「強い人材」を育成してきました。 一方、政府は6月22日、「中期財政フレーム」を閣議決定しました。 これによれば、平成23年度からの3年間は「基礎的財政収支対象経 費」が前年度を上回らないこととされ、社会保障関係経費の伸び 1.3兆円を勘案すれば、その他の「政策的経費」は年8%の減 となります。これを国立大学法人運営費交付金に対し機械的に適用した 場合には、全国で約927億円が減額され、福島大学においては、年約 2.8億円、3年間で約8.4億円の減となります。この額 は第1期中期計画期間中の6年間における効率化係数により削減されて きた運営費交付金の削減額、1.6億円を大幅に上回る法外なも のであり、とうてい経営努力だけでは対応できません。 仮に、福島大学においてこの8%削減を人件費で対応した場合、現在2 44名の教員を3年間で100名減員させなければならず、4学類のう ち2学類の運営はできなくなり、教育研究機能は完全にマヒします。  あるいは授業料値上げで補うとすると、3年後には年間一人当たり約2 3万円の値上げとなり、高等教育機会保障の役割を果たすことができな くなります。 私は、次世代を担う人材育成の充実は未来への投資であり、地方国立大 学の発展なくして地域の活性化はないと考えています。このようなこと から地方国立大学は積極的に機能向上を図る必要があると常々訴えてお り、このような削減が例外なく国立大学法人へ適用された場合、本学へ の打撃は甚大で、存在自体が危うくなります。それはすなわち、南東北 及び北関東地域の人材育成機能が低下するとともに、とりわけ福島県の 衰退につながると言っても過言ではありません。 つきましては、平成23年度概算要求における「国立大学法人運営費交 付金」については削減の対象とせず、「新成長戦略」に基づき、長期的 な観点から予算の拡充配分が行われますよう強く要望いたします。 平成22年7月14日 国立大学法人福島大学 学長 入戸野 修 "[he-forum 15588] 茨城大学長声明7/13 平成23年度からの予算シーリングへの要望(声明) ~将来を担う人材育成機関 "[he-forum 15589] 文部科学省「国立大学法人化後の現状と課題について(中間まとめ)」 昨日7月15日,文部科学省は,「国立大学法人化後の現状と課題について(中間まとめ)」を発表しました。 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/07/1295787.htm "[he-forum 15590] 朝日新聞7/16 朝日新聞 2010年7月15日 「志願者数日本一」明大、受験料の増収分で特別奨学金  日本一のご褒美は特別奨学金――。今春の入学試験で、初めて「志願 者数日本一」となった明治大(東京都)が、受験料の増加分の一部で、 今年度限りの奨学金を作った。7月末から168人の学生に対し、年間 授業料の半額に相当する約36万~約54万円、計6700万円を支給 する。  明大の入学志願者は今春、前年より9500人近く増えて11万57 00人に到達。昨年度までの「王者」早稲田大を200人弱上回り、初 の日本一となった。  これにより明大は2009年度よりも受験料収入が2億6700万円 も増加。一方で、不況の影響で経済的な支援が必要な学生が増えている ことから、返還が不要な今年度限りの奨学金を設けることにしたという。  明大の年間授業料は、もっとも高い理工学部などが108万9千円、 もっとも安い政経学部などが72万6千円。約160人の募集に対し、 661人の応募があったという。(増谷文生) "[he-forum 15591] 毎日新聞7/16 毎日新聞 2010年7月16日 1時17分 新キャンパス:愛知の私大、都心回帰 学生確保に躍起  愛知県内の私立大学が名古屋市内に新たにキャンパスを設ける動きが 相次いでいる。少子化時代に生き残りをかけ、魅力ある都心キャンパス で学生確保を目指している。07年以降、既に2大学が同市内に新キャ ンパスを開設、他の2大学も準備を進めている。  先陣を切ったのは瀬戸市にキャンパスを構えていた名古屋学院大。 「入学生確保のためには交通の便利な都心キャンパスの設置が生き残り 策」として、07年に名古屋市熱田区にキャンパスを新設し、大学本部 と経済など3学部を移転した。  ◇「学生生活をエンジョイ」  小嶋博学長は「勉強するだけでなく、学生生活をエンジョイできる」 と都心に近いキャンパスをアピールする。名古屋学院大の志願者数は0 9年度から2年連続で増加しているという。  豊田市の愛知工業大は今年、名古屋市千種区に「自由ケ丘キャンパ ス」を開校させ、豊橋市の愛知大は12年にJR名古屋駅南の笹島地区 に「新・名古屋キャンパス」を完成させる予定だ。  日進市の愛知学院大は新キャンパス開設のため、近く売却される名古 屋市北区名城の国有地・元国家公務員宿舎「名城住宅」跡地の取得に名 乗りを上げた。跡地計約3万4000平方メートルのうち2万平方メー トル余の購入を希望。日進市のキャンパスから経営、商学部を移し、新 設学部と合わせて3学部を置く構想だ。  土地購入とキャンパス新設には100億円超の費用がかかる見込みだ が、愛知学院大は「名城公園や官庁街に近く、教育環境も交通の便もい い。入学志望者が増えれば、大学のレベルアップにもつながるはず」と 期待する。  私立大学の「都心回帰」の傾向は首都圏や関西圏でもみられる。河合 塾教育情報部の近藤治部長は「通学の便や授業後の過ごし方を含め、都 心キャンパスに魅力を感じる学生が増えている」と話している。【福島 祥】 "[he-forum 15592] 山形新聞7/16 山形新聞 2010年07月16日 11:27 山形大、ナスカに研究拠点 ペルー「地上絵」を調査  南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」に関する研究プロジェクト を進めている山形大は2010年度、現地に初の研究拠点を設ける。 土地を購入し、分析・実験室、遺物試料保管室などを建設する計画。遺 物分析など現地調査のための環境を充実させていく。  ナスカの地上絵調査に取り組んでいるのは坂井正人人文学部教授(文 化人類学)の研究チーム。同大には、有機EL、核子スピンなどに続 き、国際的に通用する研究成果を挙げる可能性がある研究チームを支援 する「YU-COE(E)(山形大先端的研究拠点)」制度があり、こ の研究がその一つに選ばれた。10年度の支援額は500万 円。地上絵があるナスカ台地の南に位置するナスカ市街地に土地を購入 し、年内に着工する。支援は4年間の予定で13年度までに 宿舎、研究資料室などを増築していく計画だ。  研究チームは坂井教授のほか、心理学、情報科学、地理学などの教授 らで構成。地上絵が描かれた目的の解明と保護に向け、04年度か ら人工衛星画像を活用した詳細な分布図の作成を進めてきた。その過程 で100点以上の新たな地上絵を発見し、国内外から注目を集めた。 09年度からは、地上絵が人々にとってどのような意味を持っていたのか を調べようと、周辺に分布する考古学遺物の調査を始めている。  今後はナスカ周辺の遺跡の発掘調査にも取り組む予定。地上絵が描か れたとされるナスカ期周辺の気候変動や人々の生活実態を明らかにする ことで、地上絵が描かれた目的に迫ろうという狙いだ。遺物の分析はす べて現地で行わなければならないため、スムーズに研究を進めるために も現地拠点が必要となっていた。坂井教授は「(研究拠点が完成すれ ば)腰を据え、より現地に根差した研究活動ができるようになる」とし ている。  ナスカの地上絵は、ペルー南部のナスカ台地に描かれた幾何学模様や 動植物などの巨大な地上絵群。ナスカ期(紀元前100年ごろ~紀元 700年ごろ)に描かれたとされる。これまでに1000点以上が確認 されている。目的はまだ解明されていないが、豊穣(ほうじょう)祈願 のために制作されたという説が最も有力。文化遺産として1994年 に世界遺産登録された。 "[he-forum 15593] 読売新聞7/15 (2010年7月15日 読売新聞) 「国交付金減らさないで」 岩手大 民主県連に要望へ(岩手)  国が来年度予算で国立大学運営費交付金を大幅に削減する動きとなっ ているのを受けて、岩手大学の藤井克己学長は14日、記者会見し、交 付金を削減しないよう国に訴えていく考えを明らかにした。近く、政府 陳情の窓口となる民主党県連に、要望書を提出する。  菅内閣は6月に閣議決定した財政運営戦略で、同交付金を含む「政策 的経費」を今後3年間、年8%ずつ削減するとしている。この削減率を 岩手大に当てはめると、年間約5億6000万円の減額となる見込みだ。  藤井学長は、学生の授業料については「これ以上の値上げは限界だ」 として否定した。一方で、予算が削減されれば、海外交流や産官学連携 など大学の特色を出す事業を廃止したり、授業料減免制度も続けられな くなったりする恐れがあるとみており、「このままでは大学の運営もま まならない。人材育成や科学技術の発展に大きな影響がある」と述べた。  藤井学長はこの日、協力を求める要望書を知事あてに提出した。 "[he-forum 15594] 共同通信7/15 共同通信2010年7月15日16時46分 文科省「運営費交付金の拡充を」 国立大の課題報告  文部科学省は15日、2004年度の国立大学法人化後の課題として、減少し続けている運営費交付金の増額を求める報告書を発表した。  報告書は、運営費交付金が04年度の約1兆2415億円から10年度は約1兆1585億円に減少したとし、「(人事や財務面などで大学の裁量が増えた)法人化のメリットを減殺している」と強調。  国立大の財務基盤強化に向け「法人化直後の投入額を踏まえ(国が)必要な額の確保に努める」と明記し、各法人の財政的自立を高める方法として、国民からの寄付を受けやすくする制度の整備などを挙げた。  奨学金制度や相談窓口の充実など学生支援の取り組みが進んだとの大学側の意見も紹介し、法人化自体は「おおむね肯定的に評価されている」と分析。一方で、常勤教員の減少で、研究時間や学術論文が少なくなるなどの問題点を指摘し、留学生交流支援の拡充も求めた。 "[he-forum 15595] 岩手日日新聞7/15 岩手日日新聞2010年7月15日付 交付金削減は重大な影響 県に支援求め要望書 岩手大藤井学長  閣議決定された財政運営戦略で中期財政フレームが示され、国立大学法人運営費交付金が削減される可能性があることを受け、岩手大学の藤井克己学長は14日、達増拓也知事ら4人に長期的な観点から予算配分が行われるように支援を求める要望書を提出した。  要望書は、達増知事のほか、佐々木一榮県議会議長、八重樫勝県教育委員長、法貴敬県教育長に提出。  要望書提出後に県庁で記者会見した藤井学長によると、国立大学法人運営費交付金が2011年度概算要求基準(シーリング)での削減対象となると、国立大学法人運営費交付金は同年度から3年間、毎年8%ずつ計24%削減される可能性があるという。同大に当てはめると削減額は単年度で5億6100万円となり「日常的な教育研究活動に重大な影響を与えることは明らか」と強調した。  また、「シーリングで削減されると、地方に限らず国立大学の運営がままならない状況に陥る上、授業料の値上げや学部の廃止などにつながる可能性もある。若い人の夢や希望を失わせないためにも、この問題に関する理解と支援をお願いしたい」と訴えた。  同大では今後、県選出国会議員にも要望書を提出し、支援を働き掛けていく予定。 "[he-forum 15596] 毎日新聞滋賀7/14 毎日新聞滋賀版2010年7月14日付 寄付講座:医師確保へ地域医療再生交付金で設置--滋賀医科大 ◇知事ら協定書に調印  滋賀医科大が国の地域医療再生交付金で設置する寄付講座の協定書調印式がこのほど、東近江市役所で行われた。嘉田由紀子知事と馬場忠雄滋賀医科大学長、井上修平国立病院機構滋賀病院長、西沢久夫東近江市長の4人が調印した。  寄付講座は総合内科学講座(医師9人)と総合外科学講座(同5人)の2講座。東近江市などが国立病院機構滋賀病院(病床数220)を整備して設立する仮称東近江総合医療センター(同320)内に設置され、14年3月末まで4年間の予定。その間の講座費用は、県の基金から年間1億1200万円が支払われる。その後は国立病院機構と同市が講座費用を負担、講座はその後も6年は続ける。  調印後、馬場学長は「医師の確保は地域医療計画の要。寄付講座でその役目を果たしたい」と全面協力を約束。西沢市長も「医大の分校ができるようなもの。先生や研修生から病気を診てもらえて大変うれしい」と喜びを語った。【斎藤和夫】 "[he-forum 15597] 産経新聞7/17 産経新聞2010年7月17日付 「運営立ちゆかない」と交付金削減反対 北海道内の7国立大学長が共同声明  政府の「財政運営戦略」に基づく予算編成で、平成23年度から国立大への運営費交付金が大幅削減される可能性があることに対し、北海道内の7国立大の学長らが16日、札幌市で記者会見し「大学運営が立ちゆかなくなる」などとする共同声明を発表した。  国立大学協会の試算では、北海道大の場合、年間削減額は授業料収入の3割に達する。  北海道教育大の本間謙二学長は「実施されれば道内各地のキャンパスを維持できず、教員養成が不可能になる」と懸念を表明。小樽商科大の山本真樹夫学長も「日本で一番財政規模が小さく、削減余地は限られている。地域社会に貢献してきたが、どう考えても壊滅してしまう」と訴えた。 "[he-forum 15598] 日本経済新聞7/15 日本経済新聞2010年7月15日付 東北大、エコ材料研究へ産学連携の新組織  東北大学の金属材料研究所はこのほど、地球温暖化対策となる新エネルギー・省エネルギーに関する先端材料の産学連携組織「低炭素社会基盤材料融合研究センター」を発足、本格始動した。水素エネルギー向け貯蔵材料や省エネ型半導体・太陽電池の新材料、車両軽量化に対応する新鋼材などの共同研究プロジェクトを順次始めた。自動車や鉄鋼、家電、エネルギーなどの分野で技術の実用化につなげる。  同センターは今年度当初に金属材料研究所の内部組織として発足。このほど所属教授らが複数の大手企業と共同研究を進める合意書をかわした。  当面は古原忠センター長ら6人の教授が兼任で担当し、企業との間で個別の基礎・応用研究プロジェクトを順次開始する。各プロジェクトには金属材料研究所の他の教授陣も参画する。  東北大の金属材料研究所は材料研究分野における有力研究所のひとつ。現在はエレクトロニクス材料やエネルギー材料などに力を入れ、個別の教授らが企業との共同研究にあたっている。新センターでは低炭素社会を切り口に教授の知見を結集。注力分野の産学案件をさらに立ち上げ、東北大の技術の産業界への応用を促す。 "[he-forum 15599] 山陽新聞7/19 山陽新聞2010年7月19日付 岡山大の寄付講座 開講記念し式典   岡山県の寄付によって本年度、岡山大大学院医歯薬学総合研究科に設けられた「地域医療人材育成講座」の開講記念式典が18日、岡山市内のホテルであり、同大、県、自治体などの関係者約200人が県北部の医師不足解消など、地域医療推進に向けて決意を新たにした。  同研究科の槇野博史科長が「これまで大学には地域医療に特化した講座はなかった。学内外のご協力をぜひともお願いしたい」とあいさつ。講座を担当する片岡仁美、佐藤勝の両教授が「人材育成というミッションを成功させたい」などと抱負を述べた。  講座は、県と岡山大が結んだ協定に基づき2013年度まで実施。寄付総額は1億2千万円。地域医療を担う人材の育成や女性医師の復職支援、県北部への支援体制づくりなどに取り組む。 "[he-forum 15600] 毎日新聞7/20 毎日新聞 2010年7月20日 11時57分(最終更新 7月20日 12 "[he-forum 15601] 朝日新聞7/20 朝日新聞 2010年7月20日12時3分 予算編成、歳出削減は難航 財務相らが概算要求基準骨子  2011年度予算編成の概算要求基準(シーリング)について、野田 佳彦財務相らは20日の閣議後の閣僚懇談会で、要求基準の「骨子」を 示した。6月にまとめた「中期財政フレーム」を踏まえ、国債の元利払 いを除いた歳出額を今年度(約71兆円)以下に抑える方針。高齢化に よる社会保障費の自然増分などを賄うため、既存予算の大胆な削減を各 閣僚に求める。  11年度予算は、高齢化に伴って医療費や年金給付などの社会保障費 が、今年度より約1.3兆円増加する見通しだ。菅政権はこの増加分に ついては容認する方針だ。  また、6月にまとめた新成長戦略にそって、公的な支援で需要の拡大 や雇用の増加が期待できる医療、介護、環境、観光などの成長分野につ いては、優先的に予算を配分する「特別枠」を設ける方向で調整してい る。  だが、こうした増加分を賄うための歳出削減の調整は難航している。 政権内には、公共事業費や防衛費などの政策的経費を、要求段階で今年 度より1割程度、削減する案も浮上。一方、今年度で所管分の公共事業 費を2割近く削減した前原誠司国土交通相らが、こうした方針に反対し ており、調整が続いている。  菅直人首相は、野田財務相、仙谷由人官房長官、民主党の玄葉光一郎 政調会長(公務員制度改革相)に対し、20日にシーリングの骨子を示 すよう指示。与党との調整を経て、月内にも決める方針だが、参院選で 大敗した後だけに、地方への配慮などを求める歳出圧力が強まる可能性 もある。  菅政権は6月に中長期的な財政再建の方針を示した「財政運営戦略」 を閣議決定。そのなかで、11~13年度の予算編成の基本方針を、 「中期財政フレーム」としてまとめた。(高田寛) "[he-forum 15602] 岩手日報7/20 岩手日報2010年7月20日付 女性研究者さらに支援 岩手大が取り組み強化  岩手大(藤井克己学長)は、女性研究者支援の取り組みを強化する。本年度、文部科学省の「女性研究者支援モデル育成事業」に採択。学内に託児スペースを整備したり、配偶者と別居している女性教員への手当や理系女子学生に対する奨学制度拡充の検討も進める。学内の啓発も行いながら、2012年度までに現在9・4%の女性教員の比率を11%台まで引き上げ、国立大学平均の12・1%に近づける考えだ。  同大の全教員417人のうち、女性はわずか39人(4月現在)。女子学生の数は全学生6010人中2253人(同)で37・5%に上るが、理系の博士課程に進学する割合が少ないことや子育てと家庭の両立が難しいことなどから女性教員が少ない。  同大は09年7月に藤井学長が男女共同参画推進宣言を発表。本年度は文科省の「女性研究者支援モデル育成事業」に応募、全国の9大学とともに採択された。事業は▽子育て中の研究者の両立支援▽女性研究者のすそ野拡大・育成▽意識改革―の3本柱。  両立支援策として、女性教員らが保育所に預けられない時間に仕事をするときに、ベビーシッターらに頼んで子どもを預けられる託児スペースを整備する。学生センター棟2階の会議室を改装し秋以降に完成する予定。  地方大学の場合、研究者同士の夫婦の一方が単身赴任している割合が高い。そのため、配偶者と別居している女性教員を対象とした「両住まい手当」も創設。公務員の単身赴任手当の額をベースに、1人月額3万円程度を想定し、来年度の実施を目指す。  理系の博士課程に進む女子学生が少ないことから女子学生への奨学制度拡充に向けた仕組みを検討。農学部や工学部の女子大学院生が中学、高校に出向き、魅力を語る出前授業も実施する。  このほか▽女性研究者への研究支援員配置▽地域と連携した学童保育支援▽介護休暇、休業の取得支援―などにも取り組む予定。  こうした支援策に対し、学内からは「なぜ女性だけを優遇するのか」といった異論の声もあるといい、シンポジウムなどで意識改革も同時に行い、理解を求めていく。  男女共同参画担当の菅原悦子副学長は「女性研究者が働きやすい環境を整えることは、教職員全体が働きやすい職場づくりにもつながる。学内や地域の理解を得られるよう啓発していきたい」としている。 "[he-forum 15603] 共同通信7/20 2010/07/20 12:27 【共同通信】 50代後半の給与引き下げ 人事院勧告、2年連続減   人事院は20日、2010年度の国家公務員(一般職)給与に関する 8月の勧告について、月給、ボーナス(期末・勤勉手当)ともにマイナ スとする方針を固めた。同時引き下げは2年連続となる。賃金の低い若 年層の月給は、士気低下や新卒者の公務員離れを避けるため据え置き、 50代後半からは一定率を乗じて減額する特別措置を検討。中間層は据 え置くか減額するか調整を続けている。  これまでも管理職の引き下げ幅を大きくする傾斜配分はあった。今回 の勧告では、50代後半は民間と比べ上昇傾向が著しいため、新たな措 置が必要と判断した。天下りあっせんの禁止により、これまで早期勧奨 退職(肩たたき)を受けていた50代後半の国家公務員の退職が減って おり、人件費を抑制する狙いもある。特別措置の検討は、労働組合にも 既に非公式に提示している。  人事院は勧告に向け民間給与実態調査を精査しているが、公務員の給 与水準が民間を上回る公算が大きい。 "[he-forum 15604] 朝日新聞福井7/20 朝日新聞福井版2010年7月20日付 「地方国立大の予算、削らないで」 福井大が緊急声明  福井大学は、2011年度の概算要求で、大学の研究・教育資金にあてる予算を削減しないよう求める緊急声明を16日発表した。「地方国立大学の役割である地域の教育・研究・医療の拠点としての機能が弱体化し、地域の発展を阻害しかねない」という懸念を込めた。  政府の「財政運営戦略」の中期財政フレームで、11年度からの3年間、国債費を除いた一般歳出を今年度(71兆円)並みに抑制する方針が打ち出された。声明は、この方針により運営費交付金を含む「政策的経費」が年8%削られることになり、福井大学の場合、年間8億円、3年で24億円の減額となり、「大学機能の停止を意味する」と指摘している。  運営費交付金は毎年対前年比で1%削減され、福井大は5年前に比べて昨年度で11億円減額されて98億円になっており、「やりくりや節約は限界」としている。  同様の声明を、国立大学協会と日本私立大学団体連合会などが発表している。(田中章博) "[he-forum 15605] 河北新報7/20 河北新報2010年7月20日付 松川事件資料室の存続へ基金設立 福島大が募金呼び掛け  松川事件の研究拠点「松川資料室」を存続させようと、福島大(福島市)が「松川資料研究基金」を設立し、個人や企業に募金への協力を呼び掛けている。  1949年8月に福島市松川で起きた事件では、列車の脱線転覆によって3人が死亡。20人が起訴され、死刑などを言い渡されたが、事件から14年後に全員の無罪が確定した。  同大の資料室には裁判記録や元被告、支援者らの手紙などが保存され、事件と裁判の全体像を知ることができる。大学からの予算が減額され、資料の収集・整理や運営費の工面が難しくなっていることから、基金を立ち上げた。  新谷崇一副学長は「収集した資料は国民共有の財産。一般の人もより利用しやすくなるよう整備していきたい」と話している。  募金は個人1口1000円、法人1口5000円。来年6月まで行う予定。連絡先は同大地域連携課024(548)8012。 "[he-forum 15606] 陸奥新報7/20 陸奥新報2010年7月20日付 1~3次救急連携がカギ 弘大救命センターの課題  地域待望の弘前大学医学部附属病院高度救命救急センターが1日、本格稼働した。高度な医療を提供できるほか、医師らの養成機関としての役割にも期待が掛かる。全国の救命救急センターの中には、医師不足や軽症患者の高比率などを理由に崩壊寸前に追い込まれて運営できなくなるケースもあり、今後は1次から3次の各医療機関のスムーズな連携体制や地域住民の協力など、地域医療を守るための課題も多い。  同センターには救急・災害医学講座と各診療科から集めた医師14人を配置し、看護師は院内や新採用の38人が所属する。事前に研修を受け、共通認識やチームワークを磨くなどして開設を迎えた。  ただ、6月15日に開かれた津軽圏域救急医療連絡会議では、救命救急センターを安定的に無理なく運営するための「理想的な医師数は30人」という試算が紹介されるなど、人員はぎりぎりの状態だ。  浅利靖センター長は「人数はぎりぎりのラインだが、運営できないわけではない。周辺医療機関から大学に医師を集めるというのも本末転倒で、地域医療にとっては意味がない」と強調し、現状での運営にベストを尽くす。  同センター稼働前の弘前市の救急医療体制は危機的状況だった。夜間や休日の1次救急は市医師会が運営する急患診療所が対応する一方、最大10病院で運営していた2次輪番病院は、医師不足や厳しい救急医療体制の実態を背景に5病院にまで半減した。  県内には県立中央病院と八戸市立市民病院の二つの救命救急センターがあったが、津軽地域にはなかった。弘大病院は3次医療機関として重篤な患者を受け入れていたものの、救命救急センターには位置付けられていなかった。  しかし、センターが稼働したからといって患者が一斉に押し寄せると、同センターで本当に重篤な患者が受診できなくなる。  どの程度の患者をどこの医療機関が担うのかといった1次から3次までの役割分担がより重要となり、スムーズな連携の在り方をめぐって関係者の模索が続いている。  市医師会は2、3次に負担を掛けない協力体制を検討中。NPO法人津軽広域救急支援機構は、津軽圏域救急医療連絡会議監修で県医療薬務課と協力して救急医療機関の役割などを掲載したリーフレットを作製。澁谷亨事務局長は「待ちに待ったセンター稼働。うまく機能するためにもコンビニ受診を減らし、正しい救急時の受診方法を市民が知る必要がある」と訴える。  別の関係者は「センターを生かせるかどうかはやってみないと分からないが、安心なシステムができたということを知ってほしい」と話す。  地域救急医療の課題や期待を背負いながらスタートした同センターだが、1次から3次までの医療機関がそれぞれの立場で役割を果たし、最大限の機能を発揮できるかどうかが今後の課題だ。そのためには「地域の最後のとりでは地域で守る」という意識を育てて連携、協力していくことが重要となりそうだ。 【写真説明】本格稼働した高度救命救急センター。津軽地域の救急医療の最後のとりでとして期待されている "[he-forum 15607] 日本経済新聞7/20 日本経済新聞 2010/7/20 13:23 文科相「教育・科学は必要額確保」 概算要求で閣僚発言  政府が2011年度予算の概算要求の大枠を示す骨子を20日 に決めたことについて、同日の閣議後の記者会見で閣僚から発言が相次 いだ。  川端達夫文部科学相は「教育、科学技術は新成長戦略の大きなエンジ ンとして重要。将来を担う意味で必要額はしっかり確保したい」と述 べ、科学技術予算について「国内総生産の1%」を目標にする方針を示 した。  山田正彦農相は10年度予算で農水省が公共事業を大幅に削減し た実績などを挙げて「一律に1割削減みたいなことは政権交代時のマニ フェストに反する」と述べた。  前原誠司国土交通相は「(一般会計に特別会計も加えた)207 兆円の予算の組み替えで、マニフェストの財源を生み出すことも骨子に 反映してほしい」と述べ、特会も含めた予算の組み替えが必要との考え を示した。  長妻昭厚生労働相は1.3兆円とされる社会保障費の自然増につ いて「不正受給の取り締まりなどに取り組んでも1.3兆円にな る。不正などを放置して膨らんでいるものではない」と語り、自然増の 抑制に反対する意向を示唆した。直嶋正行経済産業相は「成長戦略に向 けて必要な施策はしっかりと実行していく」と述べた。 "[he-forum 15608] しんぶん赤旗7/20 2010年7月20日(火)「しんぶん赤旗」 大学予算削減 関係者ら反対相次ぐ 国の知的基盤を破壊し、国家の危機を招来する  政府は20日にも2011年度の概算要求基準(シーリング)の大枠 となる骨子を策定しようとしています。政府はすでに「中期財政フレー ム」を閣議決定しており、そこでは国債を除く歳出を前年度以下に抑え る方針を示しています。  これに対し、大学などが大学予算削減反対の声明を相次いで発表。削 減額が東北地区の7国立大学の運営費交付金全額に匹敵する(1 6日の東北地区国立大学学長連名の共同声明)など、教育研 究活動に破壊的な打撃を与えると危機感を表明し、知事など地方自治体 に要望する学長もいます。  うち14日発表の国立大学協会と日本私立大学団体連合会の連名の声 明を紹介します。 国大協と私大連共同声明  「国立大学法人運営費交付金」及び「私立大学等経常費補助」は、平 成23年度(2011年度)概算要求枠での削減対象から除外するこ と!!  大学予算の一律削減は、人材養成・学術研究の中心として、成長の原 動力をなす我が国の知的基盤(大学)を破壊し、国家の危機を招来す る!!  菅内閣の下で策定された「財政運営戦略」と「新成長戦略」が目指す 「強い経済」、「強い財政」、「強い社会保障」は、わが国が置かれて いる経済・財政の危機的状況に照らし、当然実現されるべきものです。 同時に、「新成長戦略」は、「強い人材」の育成が、成長の原動力とし て未来への投資であることを踏まえ、教育力や研究開発力を世界最高水 準にするための効果的な公的投資を拡充する旨、明記しています。  現在の厳しい財政状況について、大学関係においても認識していると ころです。大学は、これまで人件費削減をはじめ、ぎりぎりの努力をし ておりますが、これ以上の削減は限界であります。  大学は、「持続可能な成長を担う若年層や知的創造性(知恵)(ソフ トパワー)の育成」(「新成長戦略」より)の欠くべからざる土台であ り、わが国全体にかかわる新しい未来を切りひらく存在でなければなり ません。「強い大学」の実現を目指し、大学の教育研究環境の整備や学 生への経済的支援の充実を図ることが、日本の輝かしい未来を切りひら くものと確信します。  一方、「財政運営戦略」(6月22日閣議決定)の「中期財政フレー ム」によれば、平成23年度からの3年間は「基礎的財政収支対 象経費」について前年度を上回らないこととし、できる限り抑制に努め ることとされています。これを受けて、仮に、こう間 1兆円以上とも言われる社会保障関係経費の伸びを勘案すれば、いわゆ る「政策的経費」は年率8%の減となります。教員等の人件費を含む大 学運営の基盤的経費である国立大学法人運営費交付金や私立大学等経常 費補助もその対象とされれば、削減額は、単年度だけでも1185億円 (国立927億円、私立258億円)という、すさまじい削減を求めら れることが予想されます。  わが国の高等教育への公財政支出は既にOECD(経済協力開発機 構)諸国の最下位という状況です。その上、このようなさらなる過酷な 削減を行うことは、わが国の成長の原動力である大学の存立を危うくす るものであり、天然資源に乏しく、科学・技術と人材に頼る しかないわが国においては、まさに国の将来を危うくする致命的な施策 となります。  ついては、平成23年度概算要求枠において、「国立大学法人運営費 交付金」および「私立大学等経常費補助」については、削減の対象外と し、「新成長戦略」に基づき、長期的な観点から予算配分が行われるこ とや、高等教育への公的資金の投入について国民の皆様のご理解ご支援 をいただき、来年度概算要求にあたっても高等教育予算確保について強 く要望します。 "[he-forum 15609] 岩手日報7/20 岩手日報 (2010/07/20) 女性研究者さらに支援 岩手大が取り組み強化  岩手大(藤井克己学長)は、女性研究者支援の取り組みを強化する。 本年度、文部科学省の「女性研究者支援モデル育成事業」に採択。学内 に託児スペースを整備したり、配偶者と別居している女性教員への手当 や理系女子学生に対する奨学制度拡充の検討も進める。学内の啓発も行 いながら、2012年度までに現在9・4%の女性教員の比率を11% 台まで引き上げ、国立大学平均の12・1%に近づける考えだ。  同大の全教員417人のうち、女性はわずか39人(4月現在)。女 子学生の数は全学生6010人中2253人(同)で37・5%に上る が、理系の博士課程に進学する割合が少ないことや子育てと家庭の両立 が難しいことなどから女性教員が少ない。  同大は09年7月に藤井学長が男女共同参画推進宣言を発表。本年度 は文科省の「女性研究者支援モデル育成事業」に応募、全国の9大学と ともに採択された。事業は▽子育て中の研究者の両立支援▽女性研究者 のすそ野拡大・育成▽意識改革―の3本柱。  両立支援策として、女性教員らが保育所に預けられない時間に仕事を するときに、ベビーシッターらに頼んで子どもを預けられる託児スペー スを整備する。学生センター棟2階の会議室を改装し秋以降に完成する 予定。  地方大学の場合、研究者同士の夫婦の一方が単身赴任している割合が 高い。そのため、配偶者と別居している女性教員を対象とした「両住ま い手当」も創設。公務員の単身赴任手当の額をベースに、1人月額3万 円程度を想定し、来年度の実施を目指す。  理系の博士課程に進む女子学生が少ないことから女子学生への奨学制 度拡充に向けた仕組みを検討。農学部や工学部の女子大学院生が中学、 高校に出向き、魅力を語る出前授業も実施する。  このほか▽女性研究者への研究支援員配置▽地域と連携した学童保育 支援▽介護休暇、休業の取得支援―などにも取り組む予定。  こうした支援策に対し、学内からは「なぜ女性だけを優遇するのか」 といった異論の声もあるといい、シンポジウムなどで意識改革も同時に 行い、理解を求めていく。  男女共同参画担当の菅原悦子副学長は「女性研究者が働きやすい環境 を整えることは、教職員全体が働きやすい職場づくりにもつながる。学 内や地域の理解を得られるよう啓発していきたい」としている。 "[he-forum 15610] 佐賀新聞7/21 佐賀新聞2010年7月21日付 国立大の交付金大幅削減案 「運営立ちゆかなくなる」  政府の国立大学への運営費交付金が2011年度から大幅に削減される可能性があることに対し、佐賀大の佛淵孝夫学長は20日、定例会見で「大学運営や人材育成が立ちゆかなくなる」などと反対姿勢を表明した。  国立大学協会や佐賀大は、菅内閣が6月に閣議決定した財政運営戦略の中期財政フレームに基づいて試算。年率8%削減を当てはめた場合、佐賀大は前年度比で約8億7千万円の交付金減額になるとした。これは経済学部の2年分の運営経費に相当し、教育研究経費に換算すれば、大学全体で60%削減になるという。  人件費に置き換えると、常勤教員で104人分、看護師では183人分に相当。減額分を仮に授業料で補う場合、減免措置を全廃した上で学生一人当たり年間25%増、13万7千円の値上げを迫られるとしている。  佛淵学長は、今回の減額幅の見通しは「過去6年分の削減額とほぼ同額」とした上で、経営努力の限界にも言及。「現実を理解し、力強い人材育成がなされないと、国の存亡にかかわる」と予算確保を求めた。  国大協と日本私立大学団体連合会は7月、11年度予算の概算要求をめぐり、交付金と私学助成金を削減対象から除外するように求める共同声明を発表した。 "[he-forum 15611] X-Priority: 3 "[he-forum 15612] X-Priority: 3 "[he-forum 15613] 読売新聞山形7/21 読売新聞山形版2010年7月21日付 「交付金確保不可欠」山大が緊急アピール  山形大は20日、国の収入と支出の大枠を示す「中期財政フレーム」で「2011~13年度の3年間、国債費を除く支出を10年度の水準以下に抑える」とする計画が示されたことを受け、「11年度国立大学法人運営費交付金の確保について」の緊急アピールを発表した。同フレームは、社会保障関係経費の伸びを勘案すると政策的経費が年率8%減ると推計されることから、政府の予算編成で同交付金を削減対象から除外することを求めている。  同大は「知の拠点として地域社会に貢献し、地域医療の最後の砦(とりで)として機能するには、交付金の確保が不可欠」とした。  同様の声明は既に、国立大学協会や東北地区の国立大の7学長の名義でも発表されている。 "[he-forum 15614] 北海道新聞7/23 北海道新聞2010年7月23日付 国立大運営費削減、経済団体も反対を 北大学長要請  国の2011年度予算案の概算要求基準で、国立大学法人への運営費交付金が削減される見通しであることに反対している道内7国立大を代表し、北大の佐伯浩学長が22日、札幌市中央区の北海道商工会議所連合会を訪れ、高向巌会頭に反対への協力を申し入れた。  国立大学協会が政府の中期財政フレーム(11~13年度)に基づいて試算したところ、11年度の概算要求基準で同交付金が8%削減された場合、道内7大学合計では48億円の削減となり、13年度には144億円に上るという。各大学は存立すら危ぶまれるとしている。  佐伯学長は「削減反対の声を経済団体からも上げていただきたい」と要請。高向会頭は「道内の国立大は地域との連携が盛んで、経済の活性化にも大きく貢献している。ほかの経済団体とともに反対に協力したい」と応じた。佐伯学長は北海道経済連合会も訪れ、近藤龍夫会長に同様の要請をした。 "[he-forum 15615] 埼玉新聞7/23 埼玉新聞2010年7月23日付 埼大経済学部と公開講座 県経営者協会    埼玉県経営者協会は埼玉大学経済学部と公開講座を開設し産学連携支援を強化する。大学と企業との橋渡し、つなぎ役の機能をさらに高めることで地域産業の振興、発展につなげる。  第1回公開講座は9月、さいたま市内で伊藤修経済学部長を講師に「日本経済の環境と戦略を考える」と題して開く。交流会も予定している。  公開講座は年間3回程度開催する計画。将来的には、企業経営者と大学の研究者が意見を交換する場となる会を組織する考えだ。  経営者協会はセミナー開催や、会報、メールなどを通して大学のものづくり、技術系の情報を発信。会報は「埼玉大学研究者との出会いの広場」と題したページを設けて理工系の研究者の研究内容などを紹介している。  従来は理工系学部の情報が主体となっていたが、「経営マネジメントの重要性も高まっている」ことから新たに経済学部の情報も発信していく。  利根忠博会長は経済のグローバル化、産業構造の変化などを挙げ、「革新、イノベーションの実現に取り組むことが課題。企業と県や国、大学などの外部の知をつなぐコーディネーターとしての機能、役割を果たしたい」と産学官連携の取り組みを強化する方針だ。 "[he-forum 15616] 河北新報7/23 河北新報2010年7月23日付 東北大、早大に金研分室 垣根越えて新技術開発  東北大は22日、次世代材料の共同研究を強化するため、金属材料研究所の東京分室を東京都新宿区の早稲田大研究開発センター内に開設した。国立大が私立大に研究拠点を置くのは全国初の試み。新たなエレクトロデバイスなどの開発を目指す。センター前で除幕式があり、井上明久東北大総長と白井克彦早大総長が真新しい看板を披露した。  分室には4人の研究者を配置。東北大が持つ高機能金属ガラス技術と、早大のマイクロ・ナノレベルの加工技術を融合させながら、材料研究の高度化と実用化を図る。  両大学の連携は大阪大、名古屋大、東京工大、東京医科歯科大を含む共同研究プロジェクトの一環。6大学それぞれの研究所が得意分野で連携し、新材料や新技術を創出するのが大きな目的だ。  東北大の井上総長は「国立と私立の垣根を越えた新たな研究スタイルの先鞭(せんべん)を付ける形になった。企業との連携が加速する可能性もあり、技術を製品に近い形までレベルアップさせたい」と抱負を述べた。 "[he-forum 15617] 日刊工業新聞7/23 日刊工業新聞2010年7月23日付 山梨大、12年度めど生命環境学部を新設-微生物農薬など研究  山梨大学は2012年度をめどに生命環境学部(仮称)を新設する計画を固めた。果樹栽培での微生物農薬や機能性食品の開発、豊富な河川水を使った自然エネルギーなど、山梨県の特性に基づく研究教育を手がける。県唯一の国立大として地元ニーズに対応すると同時に、工学部志願者減への対策を再編で実現する。運営費交付金削減と少子化に直面する国立大の中で、学部新設は08年度以来となる見込みだ。  新学部は工学部の生命工学科、循環システム工学科、ワイン科学特別教育プログラムと、教育人間科学部の共生社会コースを統合・再編して立ち上げる。「自然と社会との共生科学に基づいた持続的な食料生産供給」がキーワードだ。  ワイン科学研究センターの教育研究内容や工学部のバイオ、環境系などを新学部に集め、植物工場など先進農業にも取り組む一方、工学部はモノづくりに集中する。 "[he-forum 15618] 毎日新聞和歌山7/23 毎日新聞和歌山版2010年7月23日付 和歌山大:大学院新設を申請 来年4月、観光学研究科  和歌山大(和歌山市栄谷、山本健慈学長)は、大学院観光学研究科を来年4月に新設できるよう文部科学省に申請した。申請は5月31日付。承認されれば、同大の大学院研究科の設置は00年4月のシステム工学研究科以来になる。  07年4月に設置された経済学部観光学科(現在の観光学部)の1期生が来年3月に卒業することから、より高度な専門性を習得させるため設置が不可欠と判断した。同大は08年4月、観光経営と地域再生の2学科からなる観光学部を設置した。  計画によると、同研究科は観光学専攻の2年間の修士課程。観光とまちづくりの両分野に通じた「観光まちづくりコーディネーター」の人材養成を目指す。今後、文部科学相から諮問を受けた大学設置・学校法人審議会が、10~11月に申請を認めるべきか答申を出す見通し。【岸本桂司】 "[he-forum 15619] 産經新聞7/23 産經新聞 2010.7.23 15:42 口蹄疫被害世帯は受験料免除 東京工業大  東京工業大は23日、口蹄疫で被害を受けた世帯の受験生を対象に、 来春の入試の受験料を免除すると発表した。  対象は、宮崎県とその周辺で、口蹄疫の被害を受けた畜産農家や関連 業者などの世帯の受験生。在学生についても、本年度後期の授業料を免 除する。  受験料免除を希望する場合は、学生支援課03(5734)3014 まで。 "[he-forum 15620] 時事通信7/24 時事通信2010年7月24日5時0分 27国立大が消える?=交付金減なら「知的基盤破壊」-概算要求に向け、協会試算  政府の2011年度予算概算要求をめぐり、86の国立大学法人でつくる国立大学協会(会長・浜田純一東大学長)は24日までに、運営費交付金の1000億円規模での削減が懸念され、27大学が消滅しかねないとの試算をまとめた。「国の知的基盤を破壊する」として、削減対象から外すよう求めている。  政府は社会保障費の自然増1兆3000億円を容認する一方、国債費を除く歳出を今年度並みの71兆円以下に抑える方針。同協会関係者は、運営費交付金が10%前後削減され、1000億円減となることも予想されるとしている。  同協会によると、日本の高等教育への公的支出は現時点でもOECD(経済協力開発機構)諸国で最下位。交付金は過去6年で計830億円削減され、今年度は1兆1585億円だった。企業からの受託研究を増やすなどして対応しているが、研究者からは「成果が出るまで時間のかかる基礎研究が難しくなった」との声が上がる。  1000億円が削減されれば、小樽商科大の15億円を始め、福島大35億円など交付金が少ない大学順に合計すると、27大学分に相当するという。実際には各大学の交付金がほぼ一律に削減されるとみられる。  東北大は「教員を400人解雇するか、53万円の授業料を75万円に値上げしなければまかなえない額」と分析。27大学の1校で、52億円の交付金を受けた愛知教育大の松田正久学長は「既に教員を削減し、光熱水道費も削った。さらに減らせと言われても難しい」と顔を曇らせた。 "[he-forum 15621] しんぶん赤旗7/24 しんぶん赤旗2010年7月24日付 東京学芸大と共産党懇談 交付金削減 教員養成に困難も 村松学長、小池氏に訴え  日本共産党が6月に発表した大学政策提言や、国立大学が法人化から6年たった現状について、23日、日本共産党の小池晃政策委員長と宮本岳志衆院議員、足立正恒学術・文化委員会責任者は東京学芸大学を訪れ、村松泰子学長や理事・副学長らと懇談しました。  同大学は教員養成課程が中心で、人件費が支出の8割近くを占めています。運営費交付金が毎年1%削減され、人件費も圧迫されてきた結果、6年間で教員が30人も減少しています。13校舎をもつ付属学校の予算不足で体育館やプールの修理ができず、使えない施設もあるといいます。村松学長は、大学の困難な実情を詳しく説明し、「一大学にとどまらず、日本の将来にかかわる問題」だと訴えました。  小池氏は、「法人化以前の公費投入額をただちに回復し、増額」するなどの日本共産党の提言の内容を説明し、「われわれもこのままでは日本の大学が基盤から崩れてしまうとの危機感をもっている。政府に働きかけるとともに、国民的議論をおこして『学問の府』にふさわしい改革に転換したい」と表明しました。  村松学長は、「提言を読んで心強く思った。基盤的経費の増額はぜひとも実現していただきたい」と述べました。 "[he-forum 15622] 西日本新聞社説7/25 西日本新聞社説2010年7月25日付 教員の資質向上 中教審は腰据えた論議を  「教員の資質向上」をテーマに、教員免許制度や教員養成のあり方をめぐる論議が中央教育審議会で始まった。  昨年の政権交代で民主党政権が誕生しながら、議論が止まっていた問題である。川端達夫文部科学相の諮問を受け、中教審は6月末に特別部会を設けた。単なる制度見直しにとどめず、「いい先生を育てるには、どうすればいいのか」という骨太の論議を深めてもらいたい。  民主党は昨年夏の衆院選政権公約などで、教員免許制度を抜本的に見直し、養成課程を大学4年と大学院(修士)2年の計6年間にすることを打ち出した。8年の現場経験後、教職大学院で単位を取れば、一般免許状より高い専門免許状を与えるという構想も示している。  これが審議のたたき台になるとみられるが、ここで2点指摘しておきたい。  まず、教員の力量アップはこれまでも議論されてきたということだ。当の中教審が2006年に答申をまとめ、それに基づき、2年前に中堅教員を養成する教職大学院が創設され、時代の変化に対応するとして昨年、10年ごとの教員免許更新制が導入された。いずれもスタートして間がない制度だけに、議論次第では教育界が混乱することも予想される。  とくに、教員免許更新制をどうするかは緊急を要する。民主党が抜本見直しを掲げ、廃止が既定路線と受け止められているが、現時点では講習を受けて教員免許が更新されないと、免許を失う。  すでに受講料を払って更新した教員もいる。制度がどうなるかは教員の身分に直結するのはもちろん、講習を実施する大学の体制にも影響する。文科省には、大学で講習を受ける仕組みは残して、それを専門免許状の取得に生かす案があるようだが、早急に結論を出すべきだ。  もう一つは、教員としての資質・能力を養ううえで、大学や大学院での専門的な知識・技能の習得と、教育現場経験のバランスをどう取るのか-である。  文科相の諮問は「学校現場の抱える課題」として、いじめや不登校など生徒指導上の問題▽特別支援教育の充実▽外国人児童生徒への対応▽学力向上▽家庭・地域との連携-など幅広く例示し、これらに対処するため、より高い専門性を教員に求めている。だから、教員資格を修士レベルに上げる、という流れだ。  これには多くの疑問が付きまとう。そもそも、修士という高学歴が直ちに高い専門性に結び付くのか。多様な課題に大学院教育が本当に対応できるのか。教員養成期間が長くなり、資格取得のハードルが上がれば人材が集まりにくくならないか、という懸念も当然出てこよう。  「現場が教員を鍛える」という言葉がある。学んだ理論や知識、技能も現場での研鑚(けんさん)や実践があってこそ生きる。  要は、子どものために教員養成はどうあるべきかである。国だけでなく大学、教育委員会の役割もあろう。免許更新制とは別に、腰を据えた論議が必要だ。 "[he-forum 15623] 共同通信7/26 2010/07/26 10:12 【共同通信】 学力不足に大学の65%が対応 08年度、文科省調査  高校レベルの補習を実施するなど、新入生の学力不足に配慮した措置を取っ ている大学が年々増え、2008年度は全体の65%に上ったことが26日、 文部科学省の調査で分かった。  「ゆとり教育」で学習内容が削減され、学力試験を課さない多様な推薦入試 も進み、「数学が分からない経済学部生」や「生物未履修の医学 "[he-forum 15624] 神戸新聞7/27 神戸新聞2010年7月27日付 県と神戸大が「包括連携協定」2日締結  県と神戸大学(神戸市灘区)は26日、科学技術や産業振興、人材育成、地域活性化などの課題に協力して取り組む「包括連携協定」を2日に結ぶことを明らかにした。両者は「神戸大の高度な知識と県の研究施設、ネットワークを生かし、地域社会に貢献したい」としている。  県公館(神戸市中央区)で2日、調印式と記念講演会を開く。  神戸大連携創造本部によると、両者は2006年以降、科学技術や国際交流、地域医療などの分野で、少なくとも九つの連携協定を締結。さらに幅広い連携を進めるため、包括連携協定を結ぶことにした。  協定に基づく取り組みとして、人口減少や高齢化が進む中山間地域に学生を派遣し、地域課題の調査や活性化のための交流を促進▽神戸ポートアイランド2期の次世代スーパーコンピューターや大型放射光施設スプリング8を使った研究開発▽研究結果の県内企業への還元の橋渡しや人材育成▽就職活動に有利なキャリアの認定‐などを想定している。  調印式は午後1時半から。午後2時からの講演会では、環境浄化や食の安全などをテーマとする七つの産官学連携プロジェクト紹介もある。一般の人も参加できる。神戸大学連携創造本部TEL078・803・5427 (中島摩子) "[he-forum 15625] 《市場化テスト導入阻止情報》No.17=2010年7月28日民g党「新成長戦略」の下、市場化テスト法を“強権的市場化推進法”として完成させる新『公共サービス改革基本方針』 《市場化テスト導入阻止情報》No.17=2010年7月28日 民主党「新成長戦略」の下、市場化テスト法を“強権的市場化推進法”として完成さ せる新『公共サービス改革基本方針』 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 菅内閣は参議院選挙投票日直前の7月6日、『公共サービス改革基本方針』(以下、 『基本方針』)の改定と措置内容に関する別表を閣議決定した。 http://www5.cao.go.jp/koukyo/kihon/kihon.html だが、閣議決定に至るまでの官民競争入札等監理委員会(以下、監理委員会)の審議 経過は異様であった。すなわち、別表の記載内容案については事前に公表し、監理委 員会と担当府省との間の協議が続けられていたが、本質的により重要である『基本方 針』の改定案についてはウェブサイト上で「非公開」のラベルが貼られたまま審議が 行われ、7月2日付の書面決議を経て7月6日の閣議に付されたのである。国立大学法人 関係でいえば、各大学や文科省からの意見や要望をある程度受け入れて別表の内容を 部分的に改善したが、それらの改善をほとんど無力化することができるように『基本 方針』の抜本的改定が行われている。監理委員会は抜本的改定という戦略的目標達成 のために、府省の関心を別表に引きつけさせる一方、審議対象とした改定案を一切非 公開としたのであろう。 本小論では、今回改定された『基本方針』(以後、新『基本方針』)がいかなる背景 のもとで策定され、いかなる本質を有しているかを分析する。 以下に目次を記す.  1.全面的に見直された『基本方針』  2.新『基本方針』の内実  (1)「法」を超えて対象を拡大  (2)「新しい公共」という名の公共サービスとその主体の解体  (3)迫り来る強制配転と解雇  (4)強権装置の構築  3.新『基本方針』の本質  (1)市場化テスト法を強権的市場化推進法に  (2)脱法的手法に基づく改変  4.「新成長戦略」遂行手段としての新『基本方針』  (1)内需拡大のための公共サービス市場化  (2)「新しい公共」の欺瞞性と危険性  5.おわりに 1.全面的に見直された『基本方針』 『基本方針』は、2006年小泉構造改革の一環として制定された市場化テスト法(官民 競争入札法)と略される「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」(以 下、単に「法」)に基づくものである。『基本方針』は、「法」制定後の2006年9月 に策定されて以来、5回改定が行われたが、その内容は実務的な事項にとどまってい た。これに対して今回の改定は、「全面的な見直(し)」(新『基本方針』1ペー ジ。以下、ページ数のみ)によって策定されたものであり、新たな『基本方針』と呼 ぶべき内容である。その中心は以下の4点に集約される。 第1に、対象の拡大である。「国及び地方公共団体が行う官民競争入札又は民間競争 入札(以下「法に基づく入札」という。)による狭義の公共サービス改革のみなら ず、より包括的な広義の公共サービス改革にも視野を広げて」いる(2ページ)。 第2に、実施主体の多様化である。「行政府のみならず、広く国民が「公(おおや け)」の役割を担う「新しい公共」」という考え方が提示されている。 第3に、「余剰人員」対策である。改定前の『基本方針』では、「民間事業者が落札 した場合の国家公務員の処遇」としていたが、これを新『基本方針』では「余剰人 員」とし、配置転換と出向・移籍を推進するとしている。 第4に、国の行政機関の責務と公共サービス改革推進室・監理委員会ならびに行政刷 新会議の任務と権限が明示されている。 2.新『基本方針』の内実 (1)「法」を超えて対象を拡大 対象規模の拡大に加えて、「国及び地方公共団体が行う官民競争入札又は民間競争入 札1(以下「法に基づく入札」という。)による狭義の公共サービス改革のみなら ず、より包括的な広義の公共サービス改革にも視野を広げて」いる(2ページ)。 「より包括的な広義の公共サービス改革」が、「法の施行範囲を超えた」ものあるこ とは新『基本方針』が自ら認めている(13ページ)。 (2)「新しい公共」という名の公共サービスとその主体の解体 鳩山前内閣時から提唱されている「新しい公共」とは、「公共サービスを提供し得る 者は、必ずしも行政機関のみではない」という認識のもとに「民間事業者やNPO等 の国民各層が広く「公」を担う」という考えであり、新『基本方針』ではこの考えに もとづいて「公共サービスの担い手の多様化を推進することが必要である」とされて いる(8~9ページ)。これは、「新しい公共」というネーミングによって、「新し さ」と「公共性」を強調しているかに見えるが、新自由主義の「小さな政府」論と全 く同じであり、公共サービスを民間資本の直接の利潤追求対象に変えるものである (4.「新成長戦略」遂行手段としての新『基本方針』を参照)。そのために、 (1)で指摘した対象の拡大が設定されている。また、「担い手の多様化」とは、公 共サービスを担ってきた公務員の業務の専門性や固有性を否定し、短期雇用の「官製 ワーキングプア」を大量に生み出して、公共サービスの主体の解体に結びつくもので あることを指摘しておく。 (3)迫り来る強制配転と解雇 既に「法」の実施過程で配置転換と雇い止め(解雇)が拡大してきたが、それに対す る粘り強い闘い(《市場化テスト阻止情報》No.13など参照)もあり、新『基本方 針』では「配置転換と新規採用の抑制等による対応を基本としているものの、多数の 余剰人員が生じるケースでは当該対応に限界がある。そうしたケースでは、当該公務 員が所属する国の行政機関等における別途の業務で人員需要が見込まれる場合を除 き、個々の国の行政機関等の判断のみで法に基づく入札に付すことを躊躇する傾向が 顕著になっている。」(7ページ)と現状を分析している。このため、新『基本方 針』ではこれまでの『基本方針』ではさすがに避けていた「余剰人員」という規定を 敢えて行い、それへの対応のために「府省の枠を超えた配置転換や、国の行政機関等 から民間への出向・移籍を推進するとともに、必要な場合は新規採用を抑制する」 (10ページ)と述べている。ここには、「法」の上位法にあたり、2009年に制定され た公共サービス基本法(注)第11条 の「国及び地方公共団体は、安全かつ良質な公 共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事 する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよ う努めるものとする。」という視点が欠落しているだけでなく、その否定がなされて いる。そればかりか、現在行われている公務員改革の検討が進展すれば、「法」が求 めている公務員処遇さえ見直すとしている(28ページ)。 注)公共サービス領域でいっそう市場化を進めようとする勢力と、市場化過程で大量 に発生しつつある官製ワーキングプアへのケアを求める運動の妥協の産物ともいえ る。2009年前半の緊迫した政局の中、全会一致で採択。 (4)強権装置の構築 今回の改定の中でもっとも中心的な事柄が、市場化推進のための強権装置と発動態勢 の構築とである。新『基本方針』の10~15ページにその詳細が書かれている。 1)監理委員会 第1に、監理委員会の任務が「法」が規定する内容から変更されている。「法」は第 37条において監理委員会の設置目的を「公共サービスの改革の実施の過程について、 その透明性、中立性及び公正性を確保するため」としている。ところが新『基本方 針』では監理委員会の審議内容として「実施過程の透明性、公正性及び競争性」(13 ページ)をあげ、中立性が削除され、競争性が新たに挿入されている。 第2に、勧告できる事項が「法」の範囲を超えて無限定的に拡大することが可能とな っている。「法」は第38条において、  (監理)委員会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理す る。  2  委員会は、前項の規定によりその権限に属させられた事項に関し、内閣総理 大臣又は内閣総理大臣を通じて関係する国の行政機関等の長等に対し、必要な勧告を することができる。 として、設置目的である「透明性、中立性及び公正性」に限定して勧告権を監理委員 会に付与している。ところが新『基本方針』では、「公共サービス改革のために必要 と考えるとき」(14ページ)と事実上無限定的になっている。「中立性」の削除と併 せて考えると、監理委員会の性格がチェック機関から市場化推進機関へと変わったと 見るべきであろう。 2)公共サービス改革推進室 そもそもこの改革推進室は「法」に規定されていない内閣府の組織であるにもかわら ず、「公共サービス改革の司令塔」(12ページ)と位置付けられ、基本方針を作成 し、国の行政機関等へ是正措置ならびに情報提供を要求する権限が与えられている。 そればかりではない、「法」の施行範囲を超えた広義の公共サービス改革推進の任務 が付与され、行政刷新会議(後述)との連携が謳われている。 3)行政刷新会議 行政刷新会議は、「国民的な観点から、国の予算、制度その他国の行政全般の在り方 を刷新するとともに、国、地方公共団体及び民間の役割の在り方の見直しを行うた め」として内閣府に設置されたものである。新『基本方針』は、この行政刷新会議の 下に「公共サービス改革分科会」(仮称)を設置することなどを検討するとして、公 共サービス改革を行政刷新会議の強権的指揮下におくことを提示している。 4)国の行政機関等 国の行政機関等は、監理委員会の運営、審議への積極的協力が義務づけられている (12ページ)。しかし、「公共サービスの改革の実施の過程について、その透明性、 中立性及び公正性を確保するため」(「法」37条)に設置されたチェック機関として の監理委員会の運営・審議に、当事者である国の行政機関が協力することは、「法」 第4条が示す国の行政機関等の責務内容を超えているばかりか、「法」37条が要求す る監理委員会の中立性の原則と抵触する。それ故、新『基本方針』は監理委員会の任 務からこっそりと「中立性」を削除したのであろう。こうして、国の行政機関等は、 中立性を捨てた監理委員会に従属を強いられることになる。また、国の行政機関等が 広義の公共サービスを「民間に委ねずに提供する場合は、上記①~④(ページ9参 照)の基本原則が遵守されているか第三者による評価を受ける」(9~10ページ)と して、強い縛りをかけている。 3.新『基本方針』の本質 (1)市場化テスト法を強権的市場化推進法に まず、指摘されなければならないことは、この新『基本方針』によって市場化テスト 法が強権的市場化推進法に改変されることである。2006年制定の市場化テスト法は、 阻止情報No4で紹介したように強権的に公共サービスを解体する構造を当初から有し ていたが、それでも建前上は、その対象を限定し、しかも当時は「テスト」と称して 可逆性を強調し、透明性、中立性及び公正性を標榜していた。しかしながら、新『基 本方針』は、その限定性を取り除き、これまで国の行政機関等が担ってきた公共サー ビスをすべて市場化の対象にすると明言し、改革の実施過程における中立性を捨てて 競争性を重視する。そして、改革実行のための強権装置と発動態勢の構築を宣言した ものである。これは、市場化テスト法がさらに危険なものに改変されることを意味す る。あるいは、新『基本方針』によって、小泉構造改革が成し遂げようとした市場化 テスト法の立法趣旨が、民主党政権によって実現されたというべきかも知れない。 (2)脱法的手法に基づく改変 第1に、対象が「法」を超えている、すなわち「法」を逸脱していることは、新『基 本方針』自身が認めている。 第2に、「余剰人員」への対処は、公共サービス基本法第11条に反している。 第3に、中立性を保つとされた監理委員会の権限が「法」の規定する任務を超え、強 権的執行機関へと転換している。また、「法」に基づく設置根拠のない公共サービス 改革室に「司令塔」の任務を与えている。 第4に、強権装置は、その頂点に行政刷新会議を抱きつつ完成させようと目論まれて いるが、その行政刷新会議は閣議決定によって内閣府に設置されたものに過ぎない。 同会議に法的根拠を与えようとした政治主導確立法の成立が7月11日の参議院選挙で の民主党の敗北によって不可能となった現在、構築しようとしている強権装置自身が 適法性を失うことになろう。 4.「新成長戦略」遂行手段としての新『基本方針』 ではなぜ民主党政権は、脱法的手段に訴えてでも、小泉構造改革が成し遂げようとし た市場化テスト法の立法趣旨を新『基本方針』によって実現させたのか。それは、新 『基本方針』が民主党の掲げる「新成長戦略」を遂行するに不可欠な手段として設定 されているからである。 (1)内需拡大のための公共サービス市場化 民主党政権として登場した鳩山首相(当時)の指示を受けて直嶋経産相は、「アジア も視野に入れた日本の経済成長の姿について、戦略を策定する」ために有識者から意 見を聞く成長戦略検討会議を2009年10月21日に発足させた。そこで策定されるべき戦 略は「内需と外需のバランスのとれた、日本の新たな経済成長を目指す」内容とされ ていた。同会議は2ヶ月弱の間に9回開催され12月10日に終了した。同日、内閣府の第 55回官民競争入札等監理委員会(監理委員会)において仙谷行政刷新担当相(当時) が「平成23年度以降の事業について、質の向上とコスト低減の2つの観点から、公 共サービスの見直しを本格的に進める」として「公共サービスの見直しの進め方」と いう文書を『配付資料』として持ち込んだのである。 一方、12月15日には首相を議長とする成長戦略策定会議が内閣官房の国家戦略室に設 置され、12月30日には「新成長戦略(基本方針)~輝きのある日本へ~」が閣議決定 されたが、その中では「官だけでなく、市民、NPO、企業などが積極的に公共的な 財・サービスの提供主体となり、教育や子育て、まちづくり、介護や福祉などの身近 な分野で活躍できる「新しい公共」の実現」をめざすと規定されている。 http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2009/1230sinseichousenryaku.pdf こうして、「新しい公共」をキーワードとして、公共サービスの見直し=公共サービ ス市場化が「新成長戦略」における内需拡大手段として位置付けられたのである。民 間のシンクタンクはつぎつぎと公共サービスの市場化が内需拡大の切り札であると喧 伝し、打ち上げ花火のように目標を設定した。例えば、みずほ総研は、2020年におけ る公共サービスアウトソースの目標規模を以下のように設定している(2010年3月17 日「公共サービスアウトソースの新時代へ~みずほ総合研究所から7つの提言 ~」)。http://www.mizuho-ri.co.jp/research/investigation/pdf/report201003.pdf 1)PFI事業:現在の5000億円程度から年7.3兆円へ 2)指定管理者制度:年2.4兆円へ 3)市場化テスト:地方自治体の業務のうち、市場化テスト対象業務の50%を市場化 テストに付するとして、約13万人分の「雇用不足」 みずほ総研は、さらに「緊急提言:10年で120兆円を生み出す新たな内需振興策」(4 月16日) http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/report/report10-0616.pdf を発表した。これらの「提言」は、財界の司令塔である日本経団連の「成長戦略 2010」(4月13日)http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/028/index.html へと流れ込み、成長戦略の基軸=公共サービス市場化という大合唱となったのであ る。これをオーソライズしたのが経産省新産業構造審議会(2010年2月25日発足)の 「産業構造ビジョン2010」(6月3日) http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004660/index.html#vision2010であ り、菅新内閣が6月18日に閣議決定した「新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリ オ~」なのである。 http://www.kantei.go.jp/jp/sinseichousenryaku/sinseichou01.pdf このように「新成長戦略」は、日本経団連の提言に盛り込まれていた、法人実効税率 の引き下げ、インフラ輸出とともに、規制改革・民間化・市場化による市場創出等を 丸呑みしたものであるから、米倉日本経団連会長が、「日本経済が抱える主要課題の 解決に向けた取組みについて、定量的な目標や実施の時間軸を含め、具体的な形で示 されたことを評価する」と、歓迎のコメントを即刻発表したのは当然であった(6月 18日)。http://www.keidanren.or.jp/japanese/speech/comment/2010/0618.html 「新成長戦略」にとって必須の、規制改革と公共サービスの市場化による内需拡大を 実現するためには、強権が必要であるが、2006年制定の市場化テスト法はその強権発 動を十分には保証していなかった。そこで、監理委員会に脱法的手法によってでもそ の強権を付与するために、5月26日の第60回本会議において大塚副大臣が「『公共サ ービス改革基本方針』について」という配付資料を持ち込み、非公開で『基本方針』 の改定を審議し、新『基本方針』の策定へと向かったのであった。 (2)「新しい公共」の欺瞞性と危険性 民主党への政権交代が行われて登場した鳩山前首相は、最初の施政方針演説(2009年 10月26日)で「新しい公共」を提起し、そして2度目の2010年1月29日でも同様に「新 しい公共」を語り、「新成長戦略」遂行のキーワードの一つとした。だが、この「新 しい公共」は、Project.review主宰の西田亮介氏が批判するように“「新しい」と名 付けられているものの、民主党政権が考え出した新しい概念ではない”。西田氏は、 平成16年度版『国民生活白書』や平成17年の総務省「分権型社会に対応した地方行政 組織運営の刷新に関する研究会」報告書『分権型社会における自治体経営の刷新戦 略』を紹介しつつ、「新しい公共」という考え方が実は小泉政権が行った新自由主義 的改革と対応していることを指摘している。 http://www.policyspace.com/2010/06/post_723.php 実際、「新しい公共」によって提起されている具体的内容においては、西田氏が紹介 している2つの文献との間に本質的な違いはない。ただ、小泉政権時代には「新しい 公共」が行政改革の中で率直に位置付けられているのに対して、鳩山前首相はそのこ とには口をつぐみ、「新しさ」や「公共」を饒舌に語るという欺瞞的手法を採ってい る。小泉構造改革のなかで制定された2006年市場化テスト法の立法趣旨を、「新しい 公共」を唱える民主党政権が新『基本方針』によって完成させたのは、蓋し必然なの であろう。 しかしながら、「新しい公共」を欺瞞的であると批判するだけでは不十分であろう。 そこにひそむ「新しい危険性」も指摘しておく必要がある。 第1の点は、菅首相は「新しい公共」との関係で所信表明演説(6月11日)において実 現を目指すという“支え合いのネットワークから誰一人として排除されることのない 社会”とは一体何なのかということである。これは近年EU諸国で強調されているソー シャルインクルージョンからの援用であろうが、その内容がソーシャルインクルージ ョンの議論とはほど遠いことは「新成長戦略」の別表「成長戦略実行計画(工程 表)」の「VI雇用・人材戦略」の“「新しい公共」-支えあいと活気ある社会の構 築”をみれば明瞭である。その中には所信表明のような美辞麗句はなく、 1)「新しい公共」への参加割合を2010年の26%から2020年には約5割にする。 2)「国民の自発的な寄付の流れを2020年にはGDP比5~10倍増」、つまり、「現 在、総額約1000億円の個人寄付を、6,500億~1兆3000億円」にする。 と記述されている。要するに、本来、自発的であるべきボランティア活動や寄付行為 を、国家の意思によって誘導し、勤労奉仕と私財提供を要求しているのである。これ は、「新成長戦略」のために社会統合を進め、その構成員である国民を新たに動員し ようする危険な国家意思の表明とみるべきではなかろうか。社会学者の中野敏男氏は 市民ボランティア運動の中に戦前からの国民総動員の思想が流れ込んでいることを指 摘している(『大塚久雄と丸山眞男―動員、主体、戦争責任』中野敏男(2001)青土 社)。 第2の点は、公共サービスの市場化があたかも新たな大量の雇用を生み出すかのよう な幻想を振りまいていることである。先に引用したみずほ総研の3月17日付け提言で は、地方自治体業務を50%市場化することによって13万人の「雇用不足」が出現する としている。しかしながら、これはその業務を担ってきた地方公務員の解雇、あるい は強制的な民間企業への異動を惹起する訳であるから、雇用の創出にはなり得ない。 公務員へのデマゴーギッシュな攻撃を背景に、雇用を求める労働者同士を競争させ、 さらに大量の「官製ワーキングプア」を生み出すことは必至である。 5.おわりに 以上、新『基本方針』について分析を試みたが、政権党である民主党に加えて自民 党、みんなの党など総ぐるみの一大政治勢力と経団連を司令塔とする財界が結託して 推し進めようとする「新成長戦略」の本格的な批判的分析作業はほとんど手がついて いない。現在の危機の本質は何であり、それをどう打開するのかということを見据え ての批判が必要であろう。さらに、「新しい公共」というイデオロギーも軽視せず批 判的検討が重要である。我々はどのような協働社会を目指すのか、そしてその中で一 人一人の労働の固有性はどのように実現さえねばならないのか、未来へ向けての挑戦 が求められている。 さて、菅内閣は、周知のように既に6月22日の閣議において「新成長戦略」を支える 「財政運営戦略」を決定している。そして「財政運営戦略」の「中期財政フレーム」 に基づいて、7月27日の臨時閣議は政策経費の一律1割削減を主な内容とする概算要 求基準を決定した。このシ-リングによって、国立大学法人を含めて国の行政機関等 が公共サービス領域の大規模な市場化ないしは廃止を余儀なくされる事態が迫ってい る。こうした中で、国立大学協会が運営費交付金を削減対象としないよう要望する声 明(2010年7月7日)を発表したのは当然である。しかしながら、その理由として、 “菅内閣の下で策定された「財政運営戦略」と「新成長戦略」が目指す「強い経済」 と「強い財政」は、…、当然実現されるべきもの”であり、従って、その「新成長戦 略」からみて運営費交付金を削減の対象とすべきでないと述べている。だが、迫り来 る危機は「新成長戦略」そのものが、加速させているのである。その「新成長戦略」 を賞賛しておいて、それがもたらす事態から逃れようとすることなど出来るはずがな い。「新成長戦略」に全面的に対峙しつつ、「新成長戦略」遂行手段の一つである新 『基本方針』の実施を阻止する広範な共同行動・共同闘争が機関を越え、府省を横断 して組織されなければならないだろう。そのことが危機を打開する道であると考え る。 以上 "[he-forum 15626] Date: Wed, 28 Jul 2010 12:07:11 +0900 朝日新聞 2010年7月27日 募集停止学部の専任教員21人、全員解雇へ 千里金蘭大  大阪府吹田市の千里金蘭大学(学生数915人)が、募集停止した人 間社会学部と現代社会学部の専任教員計21人全員に希望退職を募って いることがわかった。希望しない教員は今年度末で解雇する方針。両学 部には3、4年生計100人が在籍しており、卒業論文の指導などが困 難になるおそれがある。大学側は「必要な教員は非常勤などの扱いで再 雇用する」としているが、文部科学省は法令違反の疑いがあるとして2 7日、大学側から事情を聴いている。  同大学は金蘭会中・高校、短大を運営する学校法人金蘭会学園が20 03年に開学。生活科学部、看護学部、人間社会学部、現代社会学部の 4学部がある。定員割れが続いたことなどから、人間社会学部が08年 度に学生の募集を停止し、同年度に新たに現代社会学部を作った。だ が、現代社会学部も翌年度から募集を停止。現在、人間社会学部に4年 生56人、現代社会学部に3年生44人がいる。  同大学関係者によると、6月29日の全学経営説明会で、法人事務局 長が「2学部の専任教員21人全員から希望退職を募った。応じない場 合は11年3月末をもって解雇する」と説明した。希望退職の締め切り は7月20日で、約半数が希望したという。残りの教員の一部は退職強 要があったとして、地位保全を求める仮処分を大阪地裁に申請する予定。  法人の藤林富郎理事長は「04年度から学生の定員割れが続き、08 年度に経営改善5カ年計画を始めた。今、人件費を適正化しないと、大 学が立ちゆかなくなる」と説明。その上で「学業に支障をきたさないよ う、論文指導に必要な教員は、来年4月に非常勤などの扱いで再雇用し たい」と話した。  学校教育法に基づく「大学設置基準」は学部の種類と定員に応じた専 任教員(教授、准教授、専任講師)の数を定めている。文科省による と、同大学のケースでは、現代社会学部だけで最少でも11人の専任教 員が必要になるという。同省大学振興課は「学生募集を停止していて も、学生が在籍し、学部の廃止届けが出ていない段階で、専任教員をゼ ロにすることは法令違反で、指導の対象になる」としている。  同大学の土肥義胤(よしたね)学長は23日付で「退職勧奨に応じな ければ整理解雇または通常解雇という形にも法的問題がある」とする抗 議文を藤林理事長に提出した。  大阪中央労働基準監督署によると、今回のケースは労使間の協議が不 十分で、解雇権の乱用にあたるおそれもあるという。法人幹部は「再雇 用や事務職への配置転換も含め今後、労使で協議していく。解雇権の乱 用とは考えていない」と話している。(阿久沢悦子) "[he-forum 15627] 毎日新聞7/29 毎日新聞 2010年7月29日 東京朝刊 ファイル:国立大学法人の運営費交付金、一律1割減に縛られず  国立大学法人の運営費交付金について、中川正春副文部科学相は28 日「一律に10%削減という議論はできない」と述べ、「各省庁の概算 要求額を一律1割減」とする政府の基準に縛られない対応方針を表明し た。中川副文科相は「一律カットの弊害も出ている。あれだけ支障が出 てきた話だから一律の議論はできない」と述べた。一方で「メリハリを つける中で必要ない組織が出てくる可能性もある。教育から文化まで トータルで(削減を)やっていく」と話した。 "[he-forum 15628] しんぶん赤旗7/29 2010年7月29日(木)「しんぶん赤旗」 「予算一律1割削減」で影響深刻 琉球大学長、共産党と懇談  琉球大学の岩政輝男学長らが28日、沖縄県那覇市の日本共産党県委 員会を訪れ、運営費交付金削減問題などで懇談しました。  日本共産党は赤嶺政賢県委員長と宮本たけし国会議員団文部科学部会 長の両衆院議員が応対。琉大側は大城肇副学長、福治友英財務部長が同 席しました。  日本共産党は6月に大学政策提言を発表。東京学芸大(7月23日) など各大学と懇談を進めています。  来年度予算の概算要求基準決定翌日に行われた同懇談は、琉大側の要 請で急きょおこなわれました。大学側は、政府の「10年度予算比一律 1割削減」が実施されると、運営費交付金が1280万円削減され、法 文学部廃止か各プロジェクトの中断、看護師192人削減、常勤職員1 48人削減を招く額に相当すると深刻な影響を指摘しました。  岩政学長は、「削減額を授業料で補えば、学生1人当たり約20万円 アップ。年収200万円以下の家計の学生は推計で約1割、同300万 円だと約2割にのぼる。授業料は絶対に上げられない」と語りました。  赤嶺、宮本両議員は「大学の独法化により大学と学問研究が危機に直 面しています。国会でも取り上げて頑張ります」と応えました。 "[he-forum 15629] しんぶん赤旗7/30 2010年7月30日(金)「しんぶん赤旗」 東大学長と共産党が懇談 大学予算1割削減で8学部・科 廃止相当  日本共産党の小池晃政策委員長、宮本岳志、笠井亮両衆院議員、足立 正恒学術・文化委員会責任者は29日、東京大学で濱田純一学長、佐藤 愼一、前田正史両副学長と懇談し、深刻な危機にある国立大学の現状と 打開の方向について意見交換をしました。  小池氏は共産党が6月3日に発表した大学政策の提案について説明 し、「大学の発展を応援する政治」への転換方向を述べました。  濱田学長は日本共産党の提案について、「どの項目も私たちの現場の 感覚をよく受け止めている」と発言。政府が閣議決定した概算予算基準 でうち出した1割削減の方針が、大学にも適用されるおそれに言及し、 「これまで相当の削減がされて、さらに1割減となると法学部や医学部 など8学部・研究科が廃止されることに相当する」と述べ、佐藤副学長 は一律削減されれば「(学部の)運営ができない状況になる」と危機感 を表明しました。前田副学長も、大学予算削減について「欧米やアジア の国では、戦略的・長期的に増額している。日本だけが削減では中国、 韓国に頭脳流出する」と批判しました。  学生への経済的支援については前田副学長が「お金に苦労している学 生がたくさんいる。何とかしてあげたい」と述べたのに対し、宮本氏は 「高等教育の無償化が国際的な流れだ。大学も無償化に向かうべきだ」 と述べると、濱田学長もその方向を希望しました。  最後に宮本氏は「大学の現場では悲鳴が上がっている、大学予算の一 律削減を皆さんと一緒にはね返していきたい」と決意を述べました。 壊滅的な打撃  政府が各省庁一律で2010年度比1割削減するという概算要求基準 を閣議決定したことに、学長など大学関係者に「高等教育の壊滅的な打 撃を与える」と批判の声が広がっています。  都内12の国立大学でつくる国立大学協会(国大協)東京地区支部は 26日に声明を発表。大学運営の基盤的経費となる国立大学運営費交付 金や私立大学経常費補助が1割もの規模で削減されれば「国立大学のみ ならず、日本の大学システム全体が崩壊し、将来的に初等中等教育を含 めた教育基盤と科学技術の基盤にも壊滅的な影響を及ぼす」と指摘しま す。  こんどの1割削減の対象には、国立大学運営費交付金、私学助成、科 学研究費補助金なども含まれています。仮に国立大学運営費交付金に当 てはめると削減額は1100億円以上にのぼります。  各大学では削減の規模を試算(概算要求基準決定前)しています。そ れによると、「医学部と工学部の機能停止」(群馬大)「17の学部・ 大学院が消滅」(北海道大)「札幌キャンパスが消滅」(北海道教育 大)などのほか、「常勤教員の人件費で全体の17・2%、139人 分」(信州大)「看護師人件費134人分。地域の中核病院、特定機能 病院としての機能が崩壊」(香川大)「学部学生の授業料の10万円の 値上げ」(岩手大)にあたるとしています。  もともと日本の高等教育への公的支出はOECD(経済協力開発機 構)諸国で最下位です。その上に、「大学の構造改革」のもとで国立大 学運営費交付金を6年間で830億円削減しました。その額は小規模な 国立大学約26校分にあたります。私立大学補助も連続削減されてきま した。このため大学はすでに教育・研究のための財政が枯渇し、地方の 大学や中小の大学の存立さえ危ぶまれる事態がすすんでいます。一律削 減への危機感もこれが背景にあります。 "[he-forum 15630] 共同通信7/30 共同通信2010年7月30日2時11分 一橋大次期学長に山内氏  一橋大は29日、杉山武彦学長(65)の任期満了に伴う後任の学長選考会議を開き、山内進副学長(60)を選出した。任期は12月1日から4年間。中近世のヨーロッパ法制史が専門。法学部長を経て、副学長と理事を兼任していた。 "[he-forum 15631] しんぶん赤旗7/30 しんぶん赤旗2010年7月30日付 東大学長と共産党が懇談 大学予算1割削減で8学部・科 廃止相当  日本共産党の小池晃政策委員長、宮本岳志、笠井亮両衆院議員、足立正恒学術・文化委員会責任者は29日、東京大学で濱田純一学長、佐藤愼一、前田正史両副学長と懇談し、深刻な危機にある国立大学の現状と打開の方向について意見交換をしました。  小池氏は共産党が6月3日に発表した大学政策の提案について説明し、「大学の発展を応援する政治」への転換方向を述べました。  濱田学長は日本共産党の提案について、「どの項目も私たちの現場の感覚をよく受け止めている」と発言。政府が閣議決定した概算予算基準でうち出した1割削減の方針が、大学にも適用されるおそれに言及し、「これまで相当の削減がされて、さらに1割減となると法学部や医学部など8学部・研究科が廃止されることに相当する」と述べ、佐藤副学長は一律削減されれば「(学部の)運営ができない状況になる」と危機感を表明しました。前田副学長も、大学予算削減について「欧米やアジアの国では、戦略的・長期的に増額している。日本だけが削減では中国、韓国に頭脳流出する」と批判しました。  学生への経済的支援については前田副学長が「お金に苦労している学生がたくさんいる。何とかしてあげたい」と述べたのに対し、宮本氏は「高等教育の無償化が国際的な流れだ。大学も無償化に向かうべきだ」と述べると、濱田学長もその方向を希望しました。  最後に宮本氏は「大学の現場では悲鳴が上がっている、大学予算の一律削減を皆さんと一緒にはね返していきたい」と決意を述べました。 壊滅的な打撃  政府が各省庁一律で2010年度比1割削減するという概算要求基準を閣議決定したことに、学長など大学関係者に「高等教育の壊滅的な打撃を与える」と批判の声が広がっています。  都内12の国立大学でつくる国立大学協会(国大協)東京地区支部は26日に声明を発表。大学運営の基盤的経費となる国立大学運営費交付金や私立大学経常費補助が1割もの規模で削減されれば「国立大学のみならず、日本の大学システム全体が崩壊し、将来的に初等中等教育を含めた教育基盤と科学技術の基盤にも壊滅的な影響を及ぼす」と指摘します。  こんどの1割削減の対象には、国立大学運営費交付金、私学助成、科学研究費補助金なども含まれています。仮に国立大学運営費交付金に当てはめると削減額は1100億円以上にのぼります。  各大学では削減の規模を試算(概算要求基準決定前)しています。それによると、「医学部と工学部の機能停止」(群馬大)「17の学部・大学院が消滅」(北海道大)「札幌キャンパスが消滅」(北海道教育大)などのほか、「常勤教員の人件費で全体の17・2%、139人分」(信州大)「看護師人件費134人分。地域の中核病院、特定機能病院としての機能が崩壊」(香川大)「学部学生の授業料の10万円の値上げ」(岩手大)にあたるとしています。  もともと日本の高等教育への公的支出はOECD(経済協力開発機構)諸国で最下位です。その上に、「大学の構造改革」のもとで国立大学運営費交付金を6年間で830億円削減しました。その額は小規模な国立大学約26校分にあたります。私立大学補助も連続削減されてきました。このため大学はすでに教育・研究のための財政が枯渇し、地方の大学や中小の大学の存立さえ危ぶまれる事態がすすんでいます。一律削減への危機感もこれが背景にあります。 "[he-forum 15632] 東京新聞茨城7/29 東京新聞茨城版2010年7月29日付 研究成果を行政運営に 牛久市と筑波大協力協定締結  牛久市と筑波大学は二十八日、大学の研究成果を行政運営に活用するための連携・協力協定を締結した。連携推進委員会を設置し、定期的に意見交換して共同研究のフィールドを広げていく。  市は多様化する住民ニーズに応えるため、優れた知識や高度な技術を持つとともに、都市化が進む県南地区の情勢に詳しい同大との連携を模索していた。  この日、市役所で池辺勝幸市長と山田信博学長が協定書にサインした。協定書には、教育、文化およびスポーツ▽健康および福祉の増進▽地域の自然および環境対策-など六項目の連携、協力事項が盛り込まれている。  当面はコミュニティバスの経路の適正化を含む市内の交通体系の見直し作業、児童の体力向上やラジオ体操普及のための同大OBの紹介といった事業を実施する。  (坂入基之) "[he-forum 15633] 十勝毎日新聞7/30 十勝毎日新聞2010年7月30日付 魅力創出へ、おびひろ動物園と帯畜大が連携協定  おびひろ動物園と帯広畜産大学の連携協定締結式が29日午後、同動物園で行われた。相互の教育資源を生かし、動物に関する研究や環境教育の充実、魅力ある動物園の創出を目指していく。  締結式には畜大の長澤秀行学長、帯広市教委の八鍬祐子教育長らが出席。八鍬教育長は「これまでにも増して互いの教育資源を生かしながら魅力ある動物園づくりに努めていきたい」、長澤学長は「畜大には全国から動物好きの学生が集まる。学生を活用して明るく楽しくにぎやかな動物園とし、地域全体の活性化につなげたい」と語った。  協定書では(1)動物にかかわる調査・研究活動(2)大学における教育・研究(3)人材育成及び相互交流(4)魅力ある動物園づくりの推進(5)施設の相互利用(6)その他、双方が必要と認める事項−の6項目を明記し、八鍬教育長と長澤学長がサインした。  今年度は大学のCT映像や3D画像を利用したiPadによる動物解説、学生の視点から来園者に動物の情報を伝える「ミニミニガイド」の製作などに取り組んでいく。iPadによる解説は8月中にスタートする予定。 "[he-forum 15634] しんぶん赤旗7/29 しんぶん赤旗2010年7月29日付 「予算一律1割削減」で影響深刻 琉球大学長、共産党と懇談  琉球大学の岩政輝男学長らが28日、沖縄県那覇市の日本共産党県委員会を訪れ、運営費交付金削減問題などで懇談しました。  日本共産党は赤嶺政賢県委員長と宮本たけし国会議員団文部科学部会長の両衆院議員が応対。琉大側は大城肇副学長、福治友英財務部長が同席しました。  日本共産党は6月に大学政策提言を発表。東京学芸大(7月23日)など各大学と懇談を進めています。  来年度予算の概算要求基準決定翌日に行われた同懇談は、琉大側の要請で急きょおこなわれました。大学側は、政府の「10年度予算比一律1割削減」が実施されると、運営費交付金が12億8000万円削減され、法文学部廃止か各プロジェクトの中断、看護師192人削減、常勤職員148人削減を招く額に相当すると深刻な影響を指摘しました。  岩政学長は、「削減額を授業料で補えば、学生1人当たり約20万円アップ。年収200万円以下の家計の学生は推計で約1割、同300万円だと約2割にのぼる。授業料は絶対に上げられない」と語りました。  赤嶺、宮本両議員は「大学の独法化により大学と学問研究が危機に直面しています。国会でも取り上げて頑張ります」と応えました。 "[he-forum 15635] 神戸新聞7/29 神戸新聞2010年7月29日付 履修期間2倍に延長 神戸大大学院経済学研究科    神戸大学(神戸市灘区)は28日、社会人が働きながら研究している「大学院経済学研究科社会人コース」について来春、授業料はそのままで修業期間を2倍に延長できる「長期履修制度」を導入する、と発表した。(中島摩子)  「仕事をしながらの研究は時間的に厳しい」との院生の訴えを背景に、通常2年の修士課程は4年に、同3年の博士課程は6年に延長。計画的に単位取得や論文執筆ができるようにする。  同コースは、土曜日を中心にカリキュラムを編成し、土曜日だけで学位取得ができるのが特徴。現在、修士課程に50人、博士課程に31人が在籍している。  一方、この3年間で、修士課程を2年で修了したのは72%、博士課程を3年で修了したのは15%にとどまった。休学を挟みながら長期間在学し、学位取得を目指す院生が多く、長期に及ぶ学費負担を理由に退学するケースもあったという。  経済学研究科が今年5月、院生ら61人にアンケートした結果、43%が「勉強する時間を取るのが難しい」とし、71%が「長期履修制度(が新設されれば)選択したい」などと答えた。  新制度は在学生にも適用。修士課程の場合、授業料は年額約53万円、2年で計約107万円だが、4年に延長しても総額は同じという。神戸大は「仕事との両立は無理だとあきらめていた社会人にも広く門戸を広げ、プロフェッショナルな人材を育成したい」としている。 "[he-forum 15636] 河北新報7/28 河北新報2010年7月28日付 東北大大学院新拠点 エクステンション教育研究棟が完成  東北大の法科大学院など3専門職大学院の新たな教育拠点となる「エクステンション教育研究棟」が仙台市青葉区の東北大片平キャンパスに完成し27日、完成記念式典が開かれた。  大学関係者ら約100人が出席。井上明久総長は「人文社会系の重要な拠点であり、総合大学としての基盤が強化された。高度な専門職業人育成をさらに加速させたい」と述べた。  エクステンション教育研究棟は鉄筋コンクリート6階で、延べ床面積は6845平方メートル。これまで片平、川内の両キャンパスに分散していた法科大学院と公共政策大学院の研究室や講義室が集約されたほか、会計大学院の一部も入った。本部別館を解体した跡地に新築され、総工事費は11億5000万円。  市内中心部に立地する特性を生かして、1階には研究成果などを市民に紹介する広報ギャラリーや、市民が閲覧できる法律やジェンダー関連専門の図書室も新設。東北大は「片平キャンパスのシンボルとして、社会に開かれた研究棟にしたい」としている。 "[he-forum 15637] 毎日新聞京都7/28 毎日新聞京都版2010年7月28日付 11年度予算:京大学長、会見で「大学運営費交付金を削減すべきでない」  政府が来年度予算の概算要求の基本方針で、社会保障などを除く政策的経費について要求額からの一律削減を検討している問題で、京都大の松本紘学長は27日の記者会見で、「高等教育は国のライフライン。大学の運営費交付金を削減対象にしてはならない」と批判した。  京大の試算によると、仮に年8%の割合で交付金を削減されると、1年で約46億円、3年で約138億円も収入が減少する。削減額をすべて学費で補うとすれば、3年後には学費を現在の約3倍に値上げする必要があるという。  松本学長は「(このままでは)日本の教育は低下の一途をたどる。国全体で議論しなければいけない」と話した。【広瀬登】 "[he-forum 15638] 朝日新聞高知7/28 朝日新聞高知版2010年7月28日付 高知大、独自予算で学費半額免除 今年度128人対象  経済的問題から学費免除を申請しても国の予算額などの制約で受けられない学生128人に対し、高知大は大学独自の予算で、今年度に限り授業料を半額免除することを決めた。  高知大で今年度前期に授業料免除を申請した学生は、経済状況の悪化を反映し、昨年度より46人多い634人に増えた。うち567人は免除の基準を満たしていた。  だが、文部科学省が定めた予算枠の制約などのため、実際に受けられたのは439人で、残り128人は受けられなかった。  このため、同大は27日、128人に大学独自の予算で学費を半額免除することを決定。後期も同様の助成措置をとる。予算額は前後期合わせて約3430万円を見込んでいる。  大学院でも昨年度から、40人を対象に年間授業料の25%を免除しているが、今年度から免除額を50%に増やす。これに伴う予算額は535万円を見込んでいる。 "[he-forum 15639] しんぶん赤旗7/31 しんぶん赤旗2010年7月31日付 大学予算削るな 「研究室が消えた」 全学連が文科省・国会要請  全日本学生自治会総連合(小山農委員長)は30日、高等教育予算の削減をやめ、抜本的増額を求める声明を文科省に提出し、各党国会議員に要請しました。要請に先立って文科省前で高等教育予算増額を求めて宣伝しました。  政府が閣議決定した概算予算基準の1割削減の対象には国立大学運営費交付金、私学助成、科学研究費補助金なども含まれています。国立大学では削減分を授業料でまかなう場合は年間20万円を超える値上げとなります。私立大学では経常費の11%(平均)しかない国庫助成のさらなる削減になります。  要請に参加した学生は、高学費に苦労している実態を次のように伝えました。  「東京学芸大学では大学予算の削減で研究室がなくなっている。食堂が震度6で倒壊するといわれているが、建て直す費用がない」「先輩の妹が美術系大学に進学する予定のため、少しでも家計の負担を軽くしようとバイト漬けになっている」  文科省の担当者は「みなさんの代表としてきちんと予算要求していきたい」と答えて声明を受け取りました。  議員への要請では、日本共産党から宮本岳志衆院議員が応対しました。党として国立大学の学長らと懇談を進めてきたことを紹介し、「大学当局とも協力できるときです。力を合わせて予算の増額を求めていきたい」と話しました。 "[he-forum 15640] 産経新聞関西8/1 産経新聞関西版2010年8月1日付 関西発の新産業を産学で 大阪大学産研にインキュベーション棟完成  バイオや環境、IT(情報技術)、新素材などの新産業が関西ではぐくまれ、世界にはばたく。そんな壮大なプランが大阪大学産業科学研究所(阪大産研、大阪府茨木市)で動き始めた。産研に民間企業が入居できるインキュベーション棟が今春、完成した。入居企業の研究開発を最先端の研究機器と充実した研究陣で全面支援し、明日の日本を支える産業を育てる産研の挑戦に対し、各方面から注目が集まっている。 「世界トップクラスの分析機器を利用でき、優秀な先生と共同研究できる。家賃が安く、初期投資が少ないのも私たち中小企業にとって魅力でした」。健康食品メーカー、ファイン(大阪市東淀川区)の佐々木義正社長は入居理由をこう説明する。  インキュベーション棟の研究室に発酵プラント2台を設置し、2人の研究者を常駐させた。健康食品の素材の中で高価なものを低コストで生産するための新たな発酵法の開発を目指す。  同社は玄米スープやしょうがコーヒーなど多種類の健康食品を生産。佐々木社長は「発酵分野で業界の常識を一新する画期的な製法を開発し、3年後に実用化する。産研の協力があれば可能だ」と自信を示す。  産研は産学連携を強化するため昭和14年、関西経済界の協力で発足。世界的に激化する産学連携の研究開発競争に負けないため、今春、インキュベーション棟を完成させた。全国の国立大学で独自事業としてキャンパス内にインキュベーション施設(鉄骨5階建て約5100平方メートル)を建設するのは初めて。2階と3階は民間企業が入居できる「企業リサーチパーク」で、計28の実験室や研究室がある。これまでに4社が入居を決めた。  最大の魅力は最新の研究・分析機器を利用でき、充実した陣容の研究者の協力を得られることだ。主要な機器は別表の通りで、超伝導核磁気共鳴装置NMRなど世界最高性能の機器がそろっており、格安の料金で利用できるという。  また、金属加工やガラス加工ができる試作工場も設けられ、研究成果をすぐに試作品にすることも可能となっている。  産研には「情報・量子化学系」「材料・ビーム科学系」「生体・分子化学系」の3つの研究部門と超微細加工技術のナノテクノロジーセンターなどがあり、幅広い事業分野の民間企業の研究開発をサポートできる体勢だ。  産研には総勢約540人の研究者が在籍し、軽量でも振動が伝わらない画期的な金属材料を開発した中嶋英雄教授や全方位カメラ開発の八木康史教授、ハイブリッド車に導入された電力用半導体の実装技術を開発した菅沼克昭教授ら世界的に注目を集める実用化成果を挙げている研究者も多い。  入居企業が相談したり、共同研究できる人材はこれだけではない。産研には阪大大学院の理学、薬学、工学、基礎工学、情報科学、生命機能の6研究科と講座などで密接な協力関係にあり、阪大全体の研究スタッフの知能を活用できる。  こうした好条件をうまく活用し、ビジネスに結びつけるには企業の知恵と工夫も不可欠だ。化学薬品専門商社の日新化成(大阪市中央区)は、半導体生産の新たな生産プロセスを開発するためインキュベーション棟への入居を決めた。  同社の植村正社長は、これまでも産学連携を進めてきた経験を踏まえ、企業の心構えとして「企業側も教えてもらうばかりではなく、研究成果やノウハウなどを大学側に提供する姿勢が大切だ」と話す。その上で「研究開発は紆余(うよ)曲折があるから短期的な結果ばかりに固執せず、長期的な視点も重要。情報収集や人材養成でも有用なことを十分に認識すべきだ」と指摘する。 山口明人所長 大阪大学産業科学研究所 大学・企業 双方にメリット/画期的な技術確立戦略も 大阪大学産業科学研究所(阪大産研)の山口明人所長に、新たなインターシップの創設や新産業の創出などインキュベーション棟を活用した戦略について聞いた。 ――インキュベーション棟を建設した理由は 「産研は大阪大学の産学連携を進める中心的な研究所であり、企業がサテライト研究室などを設置できる場を設けたかった。入居企業は産研のみならず、阪大全体の研究施設を有効利用できる」 ――大学側のメリットは 「それは大きい。例えば、インキュベーション棟を利用してオンキャンパス型のインターンシップをやっていきたいと考えている。日本の各大学では博士号取得後の研究員(ポスドク)の就職難が深刻化している。インキュベーション棟の企業研究室では、多くの研究スタッフが必要になるはずで、博士号研究員を活用してほしい。それで気に入ってもらえば、採用に結びつくはずだ。」 ――新産業をどのように育成していくのか 「複数の企業が得意分野の技術を持ち寄って共同開発するオープンイノベーションの手法を推進したい。商品開発競争が激化する中で1社だけで商品開発を完結させるのは難しくなっている。オープンイノベーションは不可欠な手法だが、日本は欧米に比べて導入が遅れている。インキュベーション棟の入居企業同士なら情報交換がしやすく、信頼関係も醸成しやすいだけに、オープンイノベーションを導入できる環境を整えられる」 ――どのような新産業を育成するのか 「モデル事業として期待しているのは、印刷技術と素材技術を融合したプリンテッド・エレクトロニクスだ。超高性能のインクジェットプリンターによって布や紙などを含むさまざまな素材に大規模な集積回路を低コストで印刷し、ディスプレーなどの電子部品に仕上げる技術だ。将来的には着ている服のデザインを変えたり、紙製テレビも可能になる」 ――画期的な技術だ 「経済波及効果は大きく、関連する事業分野も電機や印刷、素材など幅広い。近畿経済産業局の協力を得て多くの企業とともに5月に研究会を立ち上げた。産学の力を結集して事業化し、関西経済を浮揚させるビジネスになることを期待している」 "[he-forum 15641] 沖縄タイムス8/1 沖縄タイムス2010年8月1日付 研究者らの交流提案 大学院大 沖縄相 産業化にも強い関心  前原誠司沖縄担当相は31日、沖縄振興計画のレビュー(点検)の一環として科学技術、観光、情報技術(IT)、金融の各分野に関連する本島北部の施設を視察した。沖縄科学技術大学院大学(恩納村)では、アジア・太平洋地域を中心に、世界の若手研究者と学生による国際フォーラムなど交流の場を創設する人材育成の枠組みを提案。沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)のロバート・バックマン理事は「非常に重要だ」と理解を示した。  前原氏の提案は、来年度からの実施を想定。参加者は国内と海外を半々の比率にして、アジア・太平洋地域の科学技術と社会の将来を議論する場にする。  前原氏は意見交換したOISTの代表研究者や若手研究者に「皆さんの研究成果をどのように応用するのですか」と繰り返し尋ね、研究内容の産業化に強い関心を示した。  マングローブの自然や工芸、料理などを体験できるネイチャーみらい館(金武町)では、出迎えた儀武剛金武町長が、施設に隣接するギンバル訓練場跡地で町が推進する医療観光施設(メディカルツーリズム)の開発構想を説明した。  前原氏は視察後、閣僚を兼任する国土交通省が観光施策の一環で医療観光を重視していることに触れ「儀武町長と連携しながら、メディカルツーリズムというものを定着、発展させたい」と述べた。  IT分野で宜野座村サーバーファーム、金融分野で外為どっとコム名護支店(名護市)も視察した。 "[he-forum 15642] 中日新聞福井8/1 中日新聞福井版2010年8月1日付 看護師のキャリアアップ応援 福井大でセンター開所式  看護師の技能向上を図る福井大大学院医学系研究科付属看護キャリアアップセンターの開所式が31日、永平寺町の同大松岡キャンパスであった。同センターは、新人や職場復帰を目指す看護師の技術指導や、高度医療に対応できる「認定看護師」の育成を目的に1月に開設。8月から本年度初の講座が始まるのを前に、本格始動を記念して開いた。  開所式には同大医学部教授を兼ねる石崎武志センター長や上田孝典医学部長ら大学や県内の医療関係者約40人が出席。テープカットや看護学科棟1階にある事務所に看板を掲げて式を祝った。  石崎センター長は「医療の質を維持できるよう各看護師が技能を向上させ、現場を離れた人も学び直せる場所にしたい」と抱負を語った。  同センターは19日、診断の基礎などを学ぶ看護師を対象とした実践能力開発講座を開講する。来年度には、県内初となる認定看護師の育成機関として教育課程を設ける予定で、肺や気管支の病気に対応する慢性呼吸器疾患分野を手掛ける。  実践能力開発講座は受講生を受け付け中で、認定看護師についても秋以降に募集を始める。問い合わせは、看護キャリアアップセンター=電0776(61)8569=へ。 (原田晃成) "[he-forum 15643] 朝日新聞8/1 朝日新聞 2010年8月1日 私大定員割れ改善、2年で49校減 不況で地元大学人気  今年度に定員割れした4年制の私立大学は全体の38.1%で、昨年 度から8.4ポイント改善したことが、日本私立学校振興・共済事業団 の集計で分かった。不況で学生の地元志向が高まり、定員割れに苦しん でいた地方の中小規模大学への志望が盛り返したことが要因とみられる。  調査は5月1日現在で581校ある4年制私大のうち、通信教育のみ の大学や募集停止の大学などを除く569校の今年度の入学状況を集計 した。入学定員に入学者数が達しなかった定員割れの大学は38.1% にあたる217校で、過去最多だった2008年度の47.1%(26 6校)から9ポイント(49校)減った。  今年度の入学定員の総計は約45万人で前年度から約1千人の増加に とどまった一方で、入学者数は約49万人で約1万人も増えた。特に、 定員100人未満の小規模な大学で定員割れが解消する割合が増えた。 また、北陸や中国地方などでも回復傾向で、事業団は「リーマン・ ショック以降の長引く不況で、受験生が地元の大学を選ぶ傾向が出たの では」と分析する。  また、不況時のもう一つの特徴である「実学志向」の傾向も見られ た。学部系統別の志願倍率は、教育系が前年度より0.75ポイント上 がって7.32倍に。家政系や保健系の倍率も伸び、資格が取れる学部 の人気が高まった。(見市紀世子) "[he-forum 15644] 読売新聞愛知8/2 読売新聞愛知版2010年8月2日付 愛教大への支援 周辺5市長訴え「交付金削減しないで」  碧南、刈谷、安城、知立、高浜の5市長が30日、愛知教育大学(刈谷市)への支援アピールを発表した。  国立大学への運営費交付金が、2004年度から毎年1%削減され、6年間で総額830億円減額され、愛知教育大でも2億7000万円の減収となった。国が6月に策定した11年度から3年間の「中期財政フレーム」で試算すると、同大の来年度の交付金はさらに約4億円の減額となる。これは、同大の一般運営費約79億円の5%に相当。  同大では、交付金の削減に伴い、定年退職者の補充を控え、6年間で28人を減員するなどして経費の削減に取り組む。しかし、これ以上の交付金の削減は大学の存亡にかかわるとして、松田正久学長が7月に緊急声明を発表していた。  支援アピールでは「優秀な人材を育て、地域の自治体と連携した街づくりなどに取り組む同大の業績を評価し、交付金削減をしないよう」求めている。 "[he-forum 15645] 読売新聞8/2 読売新聞 2010年8月2日13時36分 「仕分け」文科省反省…科学へ金の出し方研究します  文部科学省は来年度、科学技術への効率的な投資のあり方について研 究するプロジェクト「政策のための科学」を発足させる方針を決めた。  科学技術の戦略作りに生かす。昨年の「事業仕分け」で研究の意義を 十分に説明できなかった反省を踏まえ、研究投資の根拠を明確にする狙 いもある。  生命科学やナノテクといった分野ごとに、科学への投資が生み出した 経済波及効果や他の研究に与えた影響などを検証。最適な投資のあり 方、政府予算の配分割合など戦略構築につなげる。投資効果を分析する ためのデータベースの作成や指標作りについても研究を進める。  全国2~4か所の大学院に「政策のための科学」の専門コースを設 け、教育研究拠点を構築する。ほかに、公募のうえで選出した全国の研 究者に補助金を出して支援する。文科省は研究成果を政策作りに生かす ために専門部署を設ける予定だ。  科学技術分野では、予期せぬ発見が新分野を開拓するといった不確実 な要素が多いため投資効果を客観的に示すことが難しく、これまで研究 が進んでいなかった。米国は2006年、科学投資の有効性を検証する プロジェクト「科学政策の科学」を省庁横断で発足させている。 "[he-forum 15646] 共同通信8/2 2010/08/02 11:52 【共同通信】 山口大不正経理、1億8千万円か 月内に最終報告  山口大の研究費不正経理問題で、不正には約30人の学内関係者が関 与し、総額は約1億8千万円に上る見通しであることが2日、調査状況 の報告を受けた文部科学省への取材で分かった。大学は今月中に最終報 告をまとめ、公表する方針。  一連の問題は1月に発覚し、大学側の調査で大学院理工学研究科の男 性教授が不正な経理処理をしていたことなど、複数の不正が判明した。 大学側が全容解明を進めている。  大学によると、不正の手口は研究に使う物品の購入名目で業者に架空 発注を繰り返し、研究費を預けて現金をプールする手法が大半を占めた。  大学によると、研究費を支出した農林水産省などの関係省庁にも調査 状況を報告。会計検査院も学内の聞き取り調査を進めている。大学は関 係者を処分し、研究費の返還を求めていく方針。  大学はこれまでに大学院理工学研究科の教授を懲戒解雇、元医学部長 ら3人をいずれも停職1カ月の処分にしている。 "[he-forum 15647] 神戸新聞8/3 神戸新聞2010年8月3日付 兵庫県と神戸大が包括協定   兵庫県と神戸大学(神戸市灘区)は2日、科学技術や産業振興、人材育成、地域活性化などの課題に協力して取り組む「包括連携協定」を結んだ。これまで分野ごとに連携してきたが、さらに幅広い協力を進めていく。  調印式には井戸敏三知事と神戸大の福田秀樹学長らが出席し、協定書に署名した。井戸知事は「相互に相談できるプラットホームができた。県民生活の向上や県政課題の解決に役立つはず」とあいさつ。福田学長も「人材や物的資源の有効活用で地域に貢献したい」と応じた。  今後、次世代スーパーコンピューター、大型放射光施設スプリング8を使った共同研究や地域医療などで協力を進める。井戸知事は「神戸大と県立大での単位互換を提案し、学生の交流も目指したい」と意欲を示した。  調印後には講演会も開かれ、協定締結の意義や産官学連携プロジェクトの紹介などがあった。 (井関 徹) "[he-forum 15648] 西日本新聞8/3 西日本新聞2010年8月3日付 産学連携協定を締結 地場企業を育成 九工大と西シ銀  九州工業大(北九州市)と西日本シティ銀行(福岡市)は2日、「産学連携協力に関する協定書」を締結した。九工大が金融機関と連携協定を締結するのは初めて。九工大と西シ銀の取引先企業との間で、技術や研究開発を強化するネットワークづくりを目指す。  西シ銀にとっては、国立大法人との協定は初。西シ銀が強みとする地場中小企業との関係を生かし、取引先企業の技術や研究面の課題を踏まえ、九工大側が相談に応じるほか、共同研究などで支援を予定。講演会や共同セミナーも企画する。大学発のベンチャー企業に対し、西シ銀が融資を含めた支援も検討する。  2日、北九州市内で記者会見した九工大副学長で、同大産学連携推進センターの鹿毛浩之センター長は「地域に密着した西シ銀の地域貢献の取り組みを、他大学との差異化に生かしたい」と説明。西シ銀の樋口和繁副頭取(北九州・山口代表)は「新しい資金ニーズを掘り起こし、地域に貢献していきたい」と強調した。 "[he-forum 15649] 陸奥新報8/3 陸奥新報2010年8月3日付 弘大病院に「がんサロン」 患者ら語らう場に  弘前大学医学部附属病院(花田勝美院長)に2日、津軽地域の患者やその家族らが情報交換もできる「がん診療相談支援室・がんサロン」が開設した。サロンは同病院内1階の1室に設けられ、看護師の資格を持つがん相談員2人が常駐。がんに関することや支援制度などについてアドバイスする。  同病院は2007年に国が地域がん診療連携拠点病院として指定、これまでも専属の看護師2人が「がん相談員」として、がんで悩む院内外の患者らの相談に面談や電話で応じていた。  同病院によると、同サロンの開設は県内で初めて。患者やその家族らが情報交換し、心の悩みや不安を語り合う場として、患者らの強い要望を受け実現した。  同サロンには看護師でがん相談員の野呂政子さんと成田美奈子さんが待機。がんに関する本を貸し出すほか、がん情報誌などを用意した。インターネットやDVDも利用できる。  開設初日の2日には、早速患者や家族が訪れ、サロンの利用方法やインターネット利用について相談していた。同病院腫瘍センターの西條康夫センター長は「院内にかかわらず、津軽地域のがんの患者や家族が気軽に相談できる場。可能な範囲でサポートしていきたい」と話した。  同サロンは月~金曜日(午前9時~午後4時、受付時間は午前8時半~午後5時)に開設。問い合わせ・相談は同サロン(電話0172―39―5174) "[he-forum 15650] 比例区の定員削減に反対しましょう                            2010年8月4日  山形大学の藤田です。  菅内閣は、12月を目途に国会の比例区の定員を削減し、小選挙区制の効果を高 める政治「改革」を行うとの方針を打ち出しました。これによって、社民党と共産 党は国会の議席を全て失い、公明党も減少すると予想されています。  菅内閣は、平成23年度から3年間にわたり政策的経費を毎年8%ずつ(3年間 で24%)減額するとの方針を打ち出し、これに伴い国立大学の運営費交付金も減 額され、存亡の危機に立つ大学が数多く予想されており、これに反対する学長声明 等が出されていることは、皆様、周知の事実であろうと存じます。菅内閣による政 治「改革」が実現されると我々が働きかける政党は民主党と自民党以外にはなくな り、民主党政権が大学に冷たい政策を打ち出していることからも、大学の教職員・ 全大教にとって座視できない重大な問題であると考えます。  現在、「http://kusanomi.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-5344.html」の サイトで、声明「小選挙区と二大政党制に批判を」が出され、賛同者を募ってお り、党派を超えて、民主党員を含めて幅広い賛同者を集めつつあります。次が声明 文です。 ───────────────────────────  民意を反映しない小選挙区制度と二大政党制、そして法外な供託金(参院比例代 表で600万円、選挙区で300万円)を出さなければ立候補すらでません。また選挙運 動も異常なほど制限されて、言論表現の自由を脅かしかねません。そこで小選挙区 二大政党制を批判する声明をだしました。個人の賛同を募っています。ぜひとも賛 同してください。もちろん団体も歓迎します。  以下の声明にご賛同を呼びかけます。     声明 小選挙区制と二大政党制に批判を  七月一一日の参院選投票日を目前に各党はマニフェストを公表しはじめたが、民 主党は「参議院の定数を40程度削減。衆議院は比例定数を衆議院は比例定数を80削 減。」と打ち出した。野党第一党の自民党は「国会議員を3割削減する」と書き、 さながら定数減らし合戦となっている。  比例区の定数を減らすことはますます小政党を国会から閉め出すことを意味して いる。日本の議員定数が多いなどと言うが、人口が日本の半分のイギリスの下院は 六五〇議席である。  現在でさえ、小選挙区制によって、昨年八月の総選挙では死票が四六・三%=三 二七〇万票にも及び、得票と獲得議席との乖離が著しい。小選挙区で民主党は得票 率四七・四%で七三・六%の議席を確保。反対に自民党の得票率は三八・七%にも 関わらず議席獲得率は二一・三%にとどまる。  第三党以下はさらに得票と獲得議席のギャップが大きくなる。民意は国会の議席 に反映されていないのである。したがって、小選挙区制を強化する議員定数削減 は、民意に基づく政治=民主主義の一層の破壊を意味する。  私たちは、国会議員の定数削減に強く反対する。  国会議員にかかわる経費の削減が必要なら、議員の歳費など一人の議員の経費を 削減すれば済む。なぜ、議員定数削減となるのか。  同時に、一九九四年に小選挙区制を導入するさいにマスコミあげて謳い文句にし ていた「二大政党制」に大きな落とし穴があることを明らかにしたい。民意が多様 化している社会で、民意の反映をただ二つの政党に収斂させることは、民主主義と 根本的に相容れない。  「二大政党制」の模範とされてきたイギリスで、この五月の総選挙を通してこの 「二大政党制」は大きく揺らぎ、その見直しが提起され進んでいる。小政党を排除 することになる「二大政党制」神話に囚われることは、民主主義の死を意味すると 言って過言ではない。少数者の声が圧殺されるからである。  合わせて、立候補権を著しく制限する法外な供託金制度を改善することを強く求 める。比例区では六〇〇万円、選挙区では三〇〇万円もの供託金となっているが、 他の国に比べてもすさまじい高額である(フランスはゼロ、イギリスは九万円)。 これでは普通の市民が立候補することはできない。  政党とその他政治団体との差別も大きな弊害である。戸別訪問の禁止をはじめ選 挙活動が大幅に制限されている。政党助成金も問題である。年間三二〇億円にも及 ぶ税金を投入しているが、受け取りを拒否している日本共産党に配分される分は国 庫に戻されるのではなく他の政党に再配分されている。  総じて、市民の政治参加の機会と条件を大幅に制限する公職選挙法を根本的に改 善する必要がある。  私たちは、各政党にこれらの諸点を強く要求するとともに、多くの市民がこれら の問題を日本の民主主義の根本にかかわる問題として捉え、改善のための行動に取 り組むことを心から訴える。ぜひ、賛同の輪を拡げよう!                       小選挙区制廃止をめざす連絡会 ─────────────────────────────────  連絡会は、さらに、週刊金曜日に意見広告を掲載する準備を進めております。  趣旨に賛同していただける方は、ぜひ上記のWEBサイトをご覧いただき、この 運動に参加していただきますよう、お願いいたします。 "[he-forum 15651] 産経新聞8/4 産経新聞2010年8月4日付 「長期的観点で配分を」 国立大予算の削減に反対 北陸4国立大が共同声明  政府が7月末に閣議決定した平成23年度予算の概算要求基準で、国立大の運営費交付金や科学研究費補助金が10%削減とされたのを受け、富山大や福井大など北陸の4国立大の学長は3日「長期的な観点で予算配分を行うよう強く要望する」などとする共同声明を発表した。  4国立大の試算によると、運営費交付金は年間で計約45億円削減される可能性があるといい、声明は「学科、学部の削減を招きかねず、失われる人的、経済的損失は予測できない」などと主張している。  金沢大で記者会見した中村信一・金沢大学長は「科学技術の創造や強い人材の育成は必要不可欠で、国立大の果たす役割は非常に高い」と強調。西頭徳三・富山大学長は「国家財政は非常に厳しい状態だが、重要な人材教育を切っていいのか、危惧の念を抱いている」と述べた。 "[he-forum 15652] 愛媛新聞8/3 愛媛新聞2010年8月3日付 国立大交付金、愛媛大「14億円減」  政府の2011年度予算の概算要求基準で、国立大学法人運営費交付金などを含む文教・科学振興費の10%削減が示されたことについて、愛媛大は3日までに、基準通りに削減された場合、愛媛大への運営費交付金は約14億円減るとの試算をまとめた。  11年度概算要求基準に対しては、国立大学協会が2日、削減を憂慮する緊急要望を文部科学相あてに提出している。  運営費交付金は、教職員の人件費など大学運営の基盤的経費。04年の国立大学の独立行政法人化以降、毎年1%の削減が続いており、10年度までの6年間で830億円が削減された。  愛媛大によると、10年度の運営費交付金は139億5400万円。10%削減されると、04~10年度までの削減額7億600万円の1・97倍に相当する13億9500万円がカットされる。 "[he-forum 15653] 朝日新聞8/4 朝日新聞2010年8月4日付 大学に眠る特許、世界に売り込め 知財ファンドに集約へ  ライフサイエンス(生命科学)に特化した国内初の「知的財産ファンド」が9月末にも誕生する。官民でつくる産業革新機構などが週内に記者会見して発表する。機構は最大10億円(当初6億円)、武田薬品工業など民間企業数社が数千万円ずつ出資。大学や公的研究機関に眠る特許を買い取って産業界への技術移転を加速させ、日本の強みである先端医療技術を世界に売り込む戦略だ。  政府は先端医療や次世代自動車など七つの科学技術分野を成長戦略の柱に位置づけており、知財ファンドは実現に向けた具体策の一つとなる。  ファンドの投資先は(1)臓器などの再生医療の主役として期待されるヒトのES・幹細胞(2)がん(3)アルツハイマー(4)病気の診断の根拠となる指標(バイオマーカー)の4分野。国内の大学に散らばる有望な特許だけで2千件近くあるとみており、今後3年間で特許の買い取りを進める。  ファンドの運営は、製薬大手OBらが昨年7月に立ち上げた民間会社「知的財産戦略ネットワーク」が担う。特許紛争の経験者や技術の目利き役をそろえた専門家集団だ。  ファンドは特許を買い取るだけでなく、集めた特許を補足して研究したり、関連特許を追加取得したりして複数の特許をパッケージ化。特許を使いやすい状態にして国内外の製薬会社などに使う権利を与え、新薬開発などにつなげる。大学も官民ファンドへの売却なら学内の合意が得やすく、売却で得た資金を新たな研究に回せるというわけだ。  大学の特許活用はこれまで、各大学に設置された技術移転機関(TLO)や学内の知財本部が担ってきた。しかし、大学の技術は研究目的で開発されるため、特許の範囲が狭い。医薬品などの製品化に必要な周辺特許を取っていない場合が多く、事業化に結びつかない問題もあった。  文部科学省によると、2008年度に日本の大学や公的研究機関が出願した特許は9435件。大学の特許のうち活用されるのは2割程度だ。特に企業が少ない地方の大学は産業界との接点が少なく、民間活用が進みにくい。  米国ではアルナイラムなどのバイオベンチャー企業が台頭。大学から買い取った特許を集約し、製薬大手に供与する動きを強めている。フランスや韓国も政府主導で知財ファンドを立ち上げ、生命科学の特許争奪戦が激化している。(都留悦史) "[he-forum 15654] しんぶん赤旗7/31 「しんぶん赤旗」2010年7月31日(土) 主張 大学予算の1割削減 教育・研究の崩壊を招く暴挙  政府が決めた来年度予算案の概算要求基準で大学予算が一律1割削減 の対象となっています。これが現実になれば国立大学の運営費交付金は 1000億円以上の削減となり、その規模は小規模な国立大学29校分 の予算に該当します。私立大学の経常費補助も320億円以上の削減と なり、大手私立大学6校分の交付額に匹敵します。  まさに「大学崩壊」ともいえる事態を招きかねません。大学関係者か ら「我が国の知的基盤を破壊する」と、きびしい批判の声があがってい るのは当然です。政府はこうした声に耳を傾け、大学予算の削減を中止 すべきです。 大学関係者の期待裏切る  国立大学ではすでに「構造改革」による法人化以来の6年間で大学の 日常的運営をささえる運営費交付金が830億円も削減され、「教員の 教育研究費が激減し教材を私費で賄っている」「人件費削減で教員ポス トが減り一部の授業を閉鎖した」など、重大な支障がうまれています。 中小の大学では存立さえ危ぶまれる深刻な危機においこまれています。  そうしたなかでさらに1割もの削減を強行することは、国立大学の教 育・研究の機能が停止しかねない事態をうみだします。民主党は昨年の 総選挙で「運営費交付金の削減方針を見直す」と主張していただけに、 大学関係者の期待を根本から裏切るものです。  日本の学生の74%を擁する私立大学では、「経常費の 2分の1を補助する」とした1975年の国会決議に反す る国庫補助の連続削減によって、経常費に占める補助の割合は1 1%に低下しています。教育・研究条件の国立との格 差の拡大、中小規模の大学・短大での「定員割 れ」による経営困難などの事態がひろがっています。国際的 にも異常な高学費は負担の限界を超えており、経済的理由で進学 をあきらめる若者が急増しています。  私立大学がはたす公共的役割にふさわしく国の支援を強め、国 庫補助を抜本的に増額することこそ、関係者の悲願です。国 庫補助の1割削減は、こうした願いを踏みにじるものにほか なりません。  大学の教育・研究の発展は「国家百年の計」であり、将来をみすえた 大学への投資こそ、次代をになう若者をはぐくみ、21世紀の社会発展 をうながすものです。いま政治に求められているのは、そうした立場に たって大学の危機を打開し、その発展を応援する政策に切り替えること です。短期的な効率主義で大学予算を削減するのではなく、先進国でも 最低の水準にとどまっている大学予算を、欧米並みに引き上げることで す。 危機打開の展望示す提言  日本共産党が6月に発表した大学政策の提言は、こうした見地から国 立大学の運営費交付金の削減をやめ法人化前の水準を回復すること、私 立大学に国立と同様に公費を支出する原則を確立し、大幅な国庫助成を 実現することを提起しています。また、学費免除や給付制奨学金の創設 などをはじめ、高等教育の段階的な無償化へふみだす方策を示していま す。  この方向にこそ大学の深刻な危機を打開する確かな展望があります。 日本共産党は大学関係者のみなさんと共同し、大学予算の大幅削減とい う暴挙を中止させるとともに、この政策提言を実現するために、力をつ くす決意です。 "[he-forum 15655] 読売新聞8/5 読売新聞2010年8月5日付 まちづくりなど協力…島根大と出雲市が協定  島根大(松江市西川津町)と出雲市は4日、まちづくりなどで協力することを定めた「包括的連携協定」を締結した。同大学はこれまで、島根県や松江市など県内4自治体と同様の協定を結び、教育支援や商品開発などで成果を上げている。  出雲市役所での調印式では、山本広基学長と長岡秀人市長が協定書に署名。連携や協力する事項として、まちづくりや産業振興、人材育成、地域医療、国際交流の推進など8項目をうたっている。  山本学長は「現場で調査や勉強できることは、教員と学生にとっても大きな意味がある。連携により地域社会の発展に寄与したい」とし、長岡市長は「医学部との協力に加え、産業振興などの農商工連携に期待したい」と述べた。 "[he-forum 15656] 産経新聞福井8/6 産経新聞福井版2010年8月6日付 国立大交付金 福大は10億減 文教費10%削減で試算 北陸4大学が反対声明  政府の平成23年度予算の概算要求基準で文教・科学振興費の10%削減が示されたことについて、福井大は5日までに、国立大学法人運営費交付金が機械的に10%カットされた場合、年間10億円減るとの試算をまとめた。学部の学生約3700人の授業料でまかなおうとした場合、約27万円の値上げに相当するという。                    ◇  同交付金は主に教職員の人件費などの大学を運営する基礎的な経費。平成16年に国立大が独立行政法人化して以来、毎年1%のペースで削減が続いている。  福井大の場合、平成16年度の交付金と22年度の交付金との差額は1億8千万円。22年度の交付金は99億2千万円で、10%が削減されると9億9200万円となり、5倍以上の額が一度にカットされる懸念があるという。  同大と金沢大、富山大、北陸先端科学技術大学院大で構成する北陸地区国立大学連合の4大学長は3日、国立大学運営費交付金を削減の対象としないことなどを求める共同声明を発表した。  同交付金を一律で1割削減した場合、3年間で平成22年度当初比で3割の削減となり、研究や教育の体制が縮減されるほか、人材育成の継続性が絶たれるとしている。 "[he-forum 15657] 読売新聞三重8/6 読売新聞三重版2010年8月6日付 三重大と津市が企業支援室開設 大学発ベンチャー起業家の成長を手助け  新分野での起業化に向けてその芽を育てている三重大の「キャンパス・インキュベータ」を“卒業”した大学発ベンチャー起業家が、さらに本格的に成長するのを応援しようと、同大と津市は5日、同大学内に企業成長支援室をオープンさせた。キャンパス・インキュベータでの入居期間が満期を迎えるなどして、巣立っていく起業家の独り立ちを見守り、手助けしようという手厚い地域産業支援が目的だ。(青山丈彦)  キャンパス・インキュベータは、2004年4月に同大内に設立された。起業を志す人たちが大学の教員らとの研究成果などを基に、事業化や商品化を目指して入居している。審査で認められて更新すれば、最長6年間の入居が認められる。  同支援室は48平方メートルの広さで、キャンパス・インキュベータの空き室を活用する。津市が運営費や備品など、初期投資として70万円を負担。サテライトオフィスとして打ち合わせなどに利用でき、これまで共同で取り組んできた大学関係者がいる学内に設置することで、移動も短時間となるうえ、三重大内にあることで他社への信用も得られやすいという。津市内に事業所を置くことが入居条件で、最長5年間入居が可能。当初は、食品や化粧品などの機能性や安全性を評価する企業と、たんぱく質「エラスチン」による再生医療を研究する企業の2社が入居して、共同使用する。  開所式で、内田淳正学長は、「ベンチャー企業をさらに発展させるには、さらなる支援体制が必要。新しい企業が増えることで、地域の活性化になる」とあいさつ。式典後、内田学長と松田直久津市長が、同支援室入り口に看板を設置した。 "[he-forum 15658] 毎日新聞新潟8/5 毎日新聞新潟版2010年8月5日付 上越教育大・上越国際交流協会:留学生らの生活支援に連携 覚書を締結  上越教育大(若井弥一学長)と上越国際交流協会(東山〓也理事長)は、留学生や上越市内に住む外国人の生活支援などの活動に連携して取り組むため、覚書を締結した。同協会によると、留学生にホストファミリーを紹介したり、家族で来日した外国人の子供たちを対象に、日本語は協会のスタッフが、母国語は大学の留学生らが教えるような仕組みを整えたいとしている。  若井学長は「世界に開かれた大学としての役割を果たしていきたい」と抱負を述べ、東山理事長は「外国人が安心、安全に生活していけるための課題について、大学からご協力をいただけると確信している」と期待感を表明した。  同協会は、これまでも同大と協力して、留学生を対象に和食体験やバスツアーなどの文化交流を行ったり、在住外国人への日本語指導や生活相談などに応じてきた。【長谷川隆】 "[he-forum 15659] 石川 真紀子 は不在にしております。 2010/08/06 から不在にしております。2010/08/11 に帰社いたします。 帰社しましてから、返答いたします。 "[he-forum 15660] 毎日新聞8/7 毎日新聞2010年8月7日付 学生運動で役人志望やめた=東京大学第29代学長・浜田純一さん  東大に入学した年は学生運動が最も激しいころでした。(1、2年生が通う)教養学部も7月に無期限ストになり、その後、翌年1月の安田講堂事件までクラスの仲間と議論したり、よくデモに参加したりしていました。安田講堂に立てこもるほど過激ではありませんでしたが。  当時は僕も、このまま革命が起きるのでは、日本がひっくり返るのでは、と思っていましたし、期待する気持ちもありました。ただ、その後に何ができるのかという具体的なイメージがあったわけではありません。  安田講堂事件のころが学生運動のピークでした。多くの学生はそれまで訳の分からない高揚感があったため、脱力感で、これからどうすればいいのだろう?という思いを抱いていました。大学も授業は再開したけれど、リポートさえ出せば単位はもらえるという状況でしたし、僕もなかなか勉強するという気分になれませんでした。  本格的に勉強を始めたのは大学院に進もうと思ってからです。東大に入った時は公務員試験を受けて国の役人になるつもりでしたが、学生運動をして政府に抵抗してきたのに、そこに入るのはいかがなものかと思ったのです。それに学生運動を経験して人権問題などに興味を持ち、法律をもっと勉強したいという思いが強くなりました。  大学院ではとにかく勉強しました。助手になって給料をもらえるようになるまで、学部時代の風呂なしトイレ共同のアパートに暮らしたのですが、アパートでもひたすら勉強していました。  僕らの学生時代は世の中を斜に見ているところがありましたが、今の学生は今の時代を素直に見ていますね。だからといって昔よりひ弱だとは思いません。ただ、社会に余裕がなくなり、何かへまをすると後々どうなるか分からないという不安があるのでしょう。僕らの学生時代は社会が伸び盛りで、この先どう落ち着いていくのかも見えていなかったので何をやっても後々困るという意識がありませんでした。今は大胆になりにくく、リスクのある生き方がしづらい。若者たちにとってはかわいそうな時代ですね。【聞き手・井上俊樹】 ==============  ■人物略歴  ◇はまだ・じゅんいち  1950年兵庫県明石市生まれ。私立灘中・高校を卒業後、68年に東大入学。72年、法学部卒業後に東大大学院に進み80年法学博士。09年4月、初の戦後生まれの学長に就任。 "[he-forum 15661] 京都新聞8/7 京都新聞2010年8月7日付 法人化の象徴、国立大初のコンビニ 京大ローソン閉店 売り上げ低迷印刷用画面を開く  国立大学構内で初のコンビニエンスストアとして、6年前に京都市左京区の京都大吉田南キャンパスにオープンした「ナチュラルローソンセレクション京都大学店」が、7月末で閉店した。夜間や学休期間の売り上げ低迷による赤字が原因で、京大法人化の象徴の一つが姿を消した。  ローソンは、2004年4月の法人化を機に学生や教職員の利便性を高めようと、同年12月に開設された。京大の環境行動計画にも協力し、08年1月には全国のローソンで初めて、客の要望がなければレジ袋を配布しない取り組みを始めた。  昼休みを中心に弁当などを買い求める学生でにぎわう一方、夜間や講義のない日は客が少なかった。ローソン広報(東京都)は「夏休みなどの長期休暇中は、どうしても売り上げが落ち込む。他の大学のほとんどの店舗は成功しているが、京大は(1、2年生中心の吉田南キャンパスの地下という)場所の影響があったのかもしれない」と話している。  9月以降は、食料品を中心とした京大生協の購買店舗が同じ場所で営業する予定で、京大は「ローソンの営業継続を望んでいただけに残念だ。学生の不便にならないようにしたい」としている。 "[he-forum 15662] 中日新聞福井8/7 中日新聞福井版2010年8月7日付 県立大の今後は 改革構想委初会合  県立大の今後の在り方を協議する「県立大学改革構想委員会」の初会合が6日、永平寺町の同大福井キャンパスであった。委員などからは研究の偏りや情報発信力の弱さなどの課題が挙がった。  委員会は2013年度から5年間の中期計画策定を前に、大学の目指す姿を探ろうと、教職員や学外の大学教員、経営者など12人で構成。年度内に意見をまとめて西川一誠知事に報告する。  この日は委員長の吉田優一郎理事長や下谷政弘学長ら約40人が出席。吉田委員長が「社会の変化が激しくできる限り現状を披露するので、対応策の議論をお願いしたい」とあいさつした。  大学側からは「就職内定率が高い」「顕著な研究成果がある」などの利点が挙げられた反面、「勉強しない教員もいて、研究に偏りがある」「留学生の受け入れが少ない」などの弱点も示された。  委員からは「中国やインドなど新興国と競争できる人材育成が必要」「看護学部は基礎を中心に据え、助産師など高度技術は大学院で」といった意見が出た。 (原田晃成) "[he-forum 15663] 朝日新聞8/7 朝日新聞2010年8月7日付 大学特許、稼ぐ種に 国内初の知財ファンド、設立発表  産業革新機構は6日、製薬大手とともに国内初の「知的財産ファンド」を9月にも設立すると正式発表した。大学や公的研究機関に眠る生命科学分野の医療関連特許を買い取り、事業化を促す。「日の丸ファンド」結成で、日本の大学特許に触手を伸ばす外資に対抗し、米国に比べて遅れている産業界への技術移転で巻き返す。  「日本は技術で勝ち、事業で負けると言われる。特許を収益につなげる知財戦略が欠かせない」。東京都内で記者会見した産業革新機構の能見公一社長は、知財ファンド設立の意義をこう強調した。  ファンドには、機構が当初6億円を出資。武田薬品工業が出資を決めたほか、他の製薬大手3社も数千万円ずつの出資を検討している。再生医療で期待されるヒトのES・幹細胞▽がん▽アルツハイマー▽病気の診断根拠となる指標(バイオマーカー)の4分野の特許を買い、製薬会社などに広く利用してもらうため、会社に求める特許技術の利用料金は安く抑える。  機構がまず医療関連で知財ファンドを設立するのは、基礎研究の段階で将来の使い道を判断しやすいからだ。1千件を超える特許で成り立つデジタル製品と異なり、実用化に向けてファンドが買い集める特許の数も少なくて済む。ファンドが今後3年間で買う特許は数百件程度だという。 ■外資の触手を牽制  「日の丸ファンド」の結成は、外資ファンドを牽制(けんせい)する意味合いも大きい。  米国の特許専門の民間ファンド「インテレクチュアル・ベンチャーズ」は2007年に日本に進出。大学への営業攻勢をかけてきた。ある大学関係者によると「1件あたり50万~100万円で様々な分野の特許をまとめて買っているようだ」。税金を使った大学の特許が新薬開発などに生かされればいいが、海外に流出して日の目を見ない可能性も捨てきれない、との懸念が大学側にはある。  技術移転で先行する米国では、大学発の特許を束ねて産業界が使いやすい状態まで磨く役割をバイオベンチャー企業が担う。新薬開発には9~17年かかるものの、製品化される確率は2万1677分の1といわれ、製薬大手がすべて自社開発するのは難しい。特定の医療分野に特化したベンチャーが産学連携の「パイプ役」になっているのだ。  米大手監査法人アーンスト・アンド・ヤングの調べでは、米バイオ企業の09年の売上高は計566億ドル(約4兆9千億円)、純利益は37億ドル(約3千億円)。ヒット製品が一つ出れば巨額の利益が転がり込むため、投資家の資金が流れ込み続け、非公開のベンチャー企業を合わせると全米に1699社あるという。  こうしたバイオベンチャーは日本にもあるが、資金の出し手が限られ、人材不足に直面しているのが現状。大学に散らばった特許をパッケージ化して、新薬開発などにつなげる力は米国に比べて弱い。  官民合同で優れた技術力を一つに束ねて成長を模索する動きは、原子力発電所や新幹線などのインフラ輸出の売り込みと同じ構図だ。08年秋のリーマン・ショック以降、企業活動への政府関与は世界的な流れになっている。機構は燃料電池や太陽光発電などでも知財ファンドを立ち上げることを検討しており、第一弾となる医療分野の成否が官民協調路線の試金石となる。(都留悦史、ニューヨーク=山川一基)     ◇  〈産業革新機構〉 最先端技術の実用化を支援する目的で2009年7月、15年間の時限措置で設立された官民ファンド。政府保証がついた上限8千億円の借入枠を含めると、投資余力は9千億円程度と日本最大級。元あおぞら銀行会長の能見公一氏が社長を務める。 "[he-forum 15664] 朝日新聞8/8 朝日新聞2010年8月8日付 長崎大が平和研究機関設置へ 被爆地からの発信強化  長崎大学が、非軍事分野での国際平和貢献活動のあり方を研究し、人材育成も進める「平和構築研究センター」(仮称)の設置に向けて動き出した。来年3月までに構想を固めることにしている。長崎で初の公的な平和研究機関として、被爆地からの発信強化をめざす。  検討委員会を7月に発足させた。委員会のメンバーによると、同大の教授たちに加え、長崎市の田上富久市長や黒川智夫・長崎原爆資料館長、核廃絶運動に取り組むNGO関係者らを学外委員に迎えた。  もう一つの被爆地の広島には広島大の平和科学研究センターや広島市立大の広島平和研究所があり、北東アジアの核軍縮問題や国連平和維持活動(PKO)に関する研究などが進められてきた。これに対し、長崎大では非軍事分野に的を絞る方針だ。これまでの委員会の論議で、医療、民生、教育分野などの支援活動の研究や、これらの活動に携わる人材の育成に力を入れるという方向性が示された。  同大の前身の一つの長崎医科大学は爆心地から約500メートルにあり、永井隆博士(1908~51)をはじめ、教職員や学生らが被爆者救護に奔走した。長崎大の原爆後障害医療研究施設(原研)は旧ソ連・チェルノブイリ原発事故の被曝(ひばく)者への医療支援や共同研究にも取り組んでいる。そうした蓄積を生かした研究をすることも構想している。  長崎ではこれまで私立大学や市民団体の平和研究機関が情報発信機能を担ってきた。しかし、今年3月には在野の「長崎平和研究所」が財政難などで閉所。「核なき世界」への期待が高まる中、新しい時代に即した平和研究機関の必要性が指摘されていた。(枝松佑樹) "[he-forum 15665] 時事通信8/7 時事通信2010年8月7日15時15分 産学連携27億円減少=共同研究など不況で-文科省  大学が産業界から受け入れた共同研究費などの資金は、2009年度は前年度より27億円少ない602億円となったことが、文部科学省のまとめで7日までに分かった。同省は「世界同時不況の影響で、産学連携は総じて伸び悩んだ」と分析している。  同省は全国の国公私立大や高等専門学校など1107法人を調べ、947法人から回答を得た。  602億円のうち企業との共同研究で受け入れた金額は、過去最高だった前年度から13%減り、295億円。受託研究費は同1%減の112億円、特許収入などは同32%減の16億円。一方、製薬会社から受託した医薬品の治験収入などは8%増の179億円となった。 "[he-forum 15666] 読売新聞8/10 国家公務員の月給・ボーナス引き下げ…人事院勧告 ( 読売新聞)2010年8月10日10時 27分  人事院(江利川毅総裁)は10日午前、2010年度の国家公務員一 般職(行政職)の給与について、月給を平均757円(0・19%)、 期末・勤勉手当(ボーナス)を0・2か月分(4・8%)それぞれ引き 下げるよう内閣と国会に勧告した。  月給・ボーナスの同時引き下げ勧告は2年連続。  月給は30歳代以下の若手の給与を据え置く一方、民間企業と比べて 給与が高い50歳代後半の下げ幅を大きくして、初めて年齢による格差 を設けた。景気悪化で低下傾向にある民間の給与水準を公務員が上回る 状態を是正するものだ。  ボーナスの年間支給月数は民間(3・97か月)を踏まえて現行の 4・15か月から3・95か月に引き下げるとした。4か月を割り込む のは1963年度以来47年ぶり。  月給は従来、全体をほぼ一律に改定する方式を採ってきた。09年度 は30歳未満の若年層を据え置き、本省の課長・室長級以上の管理職の 下げ幅をやや大きめに設定したが、今回は40歳代以上を0・1%引き 下げた上で、50歳代後半だけさらに1・5%減額する。そのため月給 全体の減少分の5割強を50歳代後半の下げ分で補うことになる。  勧告通り実施されれば、平均年収は前年度比9万4000円(1・ 5%)減の633万9000円となる。年収の減少も2年連続で、財務 省によると、国の費用負担は790億円程度減る見込みだという。  総務省は10日午前、人事院勧告に準じて全国の地方自治体が地方公 務員の給与や期末・勤勉手当などの改定を行った場合、全体で約234 0億円の減額になると発表した。  一方、人事院は勧告に合わせ、各省庁で事務補助などに従事する非常 勤の国家公務員が育児休業などを新たに取得できるよう、関連法改正を 求める意見を内閣と国会に提出した。  ◆人事院勧告のポイント◆  一、2年連続で月給と期末・勤勉手当(ボーナス)を引き下げ  一、月給は平均757円(0・19%)引き下げ。30歳代以下は据 え置き、50歳代後半は下げ幅を1・6%程度に  一、ボーナスは0・2か月分引き下げ、3・95か月分を支給  一、平均年収は9万4000円(1・5%)減 "[he-forum 15667] 日本経済新聞8/10 日本経済新聞  2010/8/10 9:55 公務員給与、10年度9万円減 30代以下は据え置き 人事院勧告、2年連続下げ 55歳超は下げ幅大きく  人事院は10日午前、2010年度の一般職国家公務員の給与 に関して、月給を平均で757円(0.19%)、期末・勤勉手 当(ボーナス)を0.2カ月分引き下げるよう国会と内閣に勧告し た。マイナス勧告は昨年に次いで2年連続で、平均の年間給与でみた減 額幅は9万4000円(1.5%)。30歳代以下の若年層 の月給は据え置く一方で、55歳を超える職員は重点的に引き下げ る措置を今回初めて導入する。  人事院勧告(人勧)は争議権など公務員の労働基本権が制約されてい る代償として、人事院が公務員給与や労働条件の見直し策を内閣と国会 に示す制度。  10年4月の公務員の平均月給は民間を757円上回った。 40歳代以上の職員の月給を平均0.1%減額し、55歳を超え た一定の職員についてはさらに一律で1.5%引き下げる。 30歳代以下は民間よりも低い水準にあり、減額の対象外とした。 ボーナスも景気低迷により昨年冬に民間で減額となったことを受け、 09年度の月給4.15カ月分から3.95カ月分に下げる。支給月 数が4カ月を割るのは47年ぶり。  人勧が完全実施された場合の年間のモデル給与は35歳の係長 (配偶者と子ども1人)で勧告前に比べ5万9000円減の 455万8000円。45歳の本省課長(配偶者と子ども2人)で 17万7000円減の1191万4000円となる。  政府は給与関係閣僚会議などを通じて給与改定を実施するかどうかを 決める。財務省の試算では完全実施の場合、790億円の歳出減と なる。自治体が国に準拠して地方公務員給与を見直した場合は地方の負 担は2060億円減ることになる。 "[he-forum 15668] 人事院勧告 人事院勧告が人事院のサイトに掲載されています。 http://www.jinji.go.jp/kyuuyo/index.htm "[he-forum 15669] 毎日新聞8/11 毎日新聞 2010年8月11日 東京朝刊 国家公務員給与:政府内、追加削減論 「人勧通り」要求も根強く  国家公務員の年間給与1・5%減を求めた10日の人事院勧告(人 勧)に対し、政府・民主党内では勧告を上回る追加削減を模索する動き が始まっている。民主党の衆院選マニフェストの「公務員の総人件費2 割削減」の達成を急ぐには、人勧の水準に合わせた給与削減では足りな いためだ。  ただ、労組系議員を中心に人勧通りの実施を求める声も根強い。9月 の党代表選前の決着は困難で、菅直人首相が再選されても難しい判断を 迫られる。  人勧は国家公務員一般職の10年度給与について、月給を0・1 9%、期末・勤勉手当(ボーナス)を0・2カ月分引き下げる内容。平 均年間給与は勧告前より9万4000円減(1・5%減)の633万9 000円になる。  「現下の経済社会情勢、国の財政状況を踏まえれば、国民の理解を得 るためにも厳しい姿勢で臨むべきだ」  10日に首相官邸で開かれた「給与関係閣僚会議」で玄葉光一郎公務 員制度改革担当相(党政調会長兼務)は勧告以上の給与削減を求めた。 原口一博総務相らが「公務員の労働基本権が制約されている現状では勧 告を尊重すべきだ」と反論し、意見は割れた。  基本権を付与して労使交渉を行えるようにすれば人勧制度は不要とな るが、必要な法改正は進んでいない。総人件費の2割は1・1兆円に相 当するが、今回の勧告を実施した場合の削減幅は約790億円で、この ペースではマニフェストの期限の13年でも達成は難しい。世論受けと 政権浮揚を狙って給与削減を強行すれば、反発した職員による訴訟に発 展する可能性もある。  5日の党公務員制度改革プロジェクトチームの会合では、労組系議員 から「追加削減は容認できない」との大合唱があがり、6日夜に内閣府 に集まった玄葉氏や仙谷由人官房長官らは「短絡的に、先走ったことは 言わないように」と確認し合ったという。  政策調整にあたる仙谷氏自身は行政刷新担当相だった昨秋、連合の古 賀伸明会長に「追加削減」を示唆したが、10日の記者会見では「(追 加削減は)あり得ると思うが、結果を見通すのは難しい」と慎重だっ た。原口氏は10日の会見で「ろくでもない経営者に限って給料をいじ る」と追加削減論を皮肉った。【小山由宇、笈田直樹】 "[he-forum 15670] 読売新聞8/10 (2010年8月10日 読売新聞) 茨城大が物理で入試ミス、7人を追加合格  茨城大は9日、3月12日に行った理学部理学科の一般入試後期日程 の物理で出題ミスが見つかり、私大進学者3人、浪人生4人の計7人を 追加合格にしたと発表した。  今月20日までに入学意向を確認するが、茨城大では7人全員に慰謝 料を支払うほか、同大に入学する場合は私大や予備校への入学費用など を補償する。  同大によると、入試問題集を発行する受験関連出版社から今月3日に 指摘を受け、判明した。振動に関する出題で振動装置の位置条件が欠落 したため、正解が一つにならなかった。このため、誤りのあった問題に 関連する2問(400点満点中72点)について受験生全員を正解扱い にし、合否判定をし直した。  入試問題は、出題主任、出題委員ら教員8人が複数回点検していた が、ミスを見落とした。物理の試験は物理学コースの志願者69人が受 験し、43人が不合格となった。 "[he-forum 15671] 産經新聞8/9 産經新聞 8/9 女性職員への毎日「ちゃん付け」メールはセクハラ 福井大、停職2カ月  福井大学は9日、部下の女性職員に仕事に関係ない内容のメールを、 繰り返し「ちゃん」付けで送信したことなどがセクハラやパワハラに当 たるとして、50代の男性職員を6日付で停職2カ月の懲戒処分にした と発表した。  福井大は「大学の規則に違反し、職員にふさわしくない行為をした」 としている。男性職員は大学の調査に「上司が部下にする行為ではな かった」などと話しているという。  福井大の説明によると、男性職員は4月ごろから、女性職員を「ちゃ ん」付けで呼んだメールを、ほぼ毎日携帯電話に送っていた。大半が仕 事には関係ない内容だった。返信しないと、決まって翌日職場で「返信 くれなかったね」と言われたという。  女性職員は返信を強要されるのを負担に感じたとして、6月末に大学 側に相談し発覚した。 "[he-forum 15672] 南日本新聞8/10 南日本新聞(2010 08/10 11:28) パワハラ・セクハラ疑いで鹿児島大教授“出勤停止”  鹿児島大学は5月下旬、50歳代の男性教授に、学生や同僚教員への パワーハラスメントや、学生へのセクシュアルハラスメント(性的嫌が らせ)行為があった疑いがあるとして、業務自粛などを求める命令を出 していたことが9日、分かった。教授は同命令以降、出勤していない。 南日本新聞の取材に「パワハラなどの事実はない」と全面否定している。  大学側は10日、理事らでつくる懲戒に関する調査委員会を設け、処 分を検討する方針。関係者の訴えを受けて4月末にハラスメント調査委 員会を設置し、双方から事情を聴いていた。  大学関係者によると、教授は長期間にわたり、大学構内で自分の学科 の学生や教員に人格や能力を否定する暴言を吐いたりしたほか、鹿児島 市の飲食店で複数の女子学生の体を触るなどしたという。  学生や教員の精神的なショックが大きかったため、大学業務の自粛と 関係者への接触禁止を求める業務命令を出した。教授が担当する講義は 代わりの教員を充てた。  教授は取材に「パワハラ、セクハラと申し立てられるような事実はな い。大学側は命令は処分でないとしているが、事実上の処分と同じであ り、撤回を求めたい」と話した。  同大人事課は「調査中なのでコメントできない」としている。 "[he-forum 15673] 運営交付金削減方針についての琉球大学学長の学内向けメッセージ 資料  琉球大学の亀山統一です。  少し遅くなりましたが、琉球大学学長・副学長のメッセージを掲載し ます。 平成22年8月4日 教職員の皆さんへ 琉球大学長 岩政 輝男 琉 球 大 学 副 学 長 一 同 平成22年7月27日の閣議決定において,国立大 学法人運営交付金や科学研究 費補助金を含む文教・科学振興費が前年度当初予算に比して10% 削減の対象とさ れました。 国立大学協会は強い反対意見を出していますが,私立大学とも協 力しさらに反対 を行っていく必要があります。 琉球大学では反対意見を述べるだけではなく,県選出の全ての政 党の国会議員に も状況を説明し支援をお願いしています。 運営交付金が10%減額になりますと琉球大学の運営交付金が約 13億円減額に なりますので,教育・研究の質の低下が懸念され,大きな影 響が出てきます。13 億円は法文学部1年分の予算,人件費に換算すると教員の約 140名分に相当しま す。 政府は10%削減の他に「元気な日本復活特別枠」としてマニフェ ストの実現, デフレ脱却・経済成長,雇用拡大,人材育成,国民生 活の安定・安全に特に資す事 業について重点化することもうたっています。 琉球大学としましては,対応策として上記の重点化の部分で予算 の獲得を狙い概 算要求について対応を行ってきました。閣議決定がなされた7月 27日の時点まで に私共が行った対応は以下のとおりです。経営協議会委員にもお知らせ しました。 今後色々な対策を講じていく必要があります。アイディアがありまし たら教えて 下さい。来年度に向け各部局等におかれましては,概算要求を今 から準備すること や科研費の獲得の準備をする必要があります。 なお,各省庁はもちろん大学も削減されたままでは困りますの で,この特別枠を 狙って熾烈な競争が起こっています。 平成 22 年 7 月 22 日 現在琉球大学が行っている取組と方向 〔基本方針〕 着実そして新しい時代の動きに合わせる。むしろ先取りする。 実績の少ないものは実績の積み上げを行い、その上で発展を図り経費の 申請等を (文科省に)する必要がある。 1.教育改革 ○琉大グローバルシティズン・カリキュラム(URGCC) 新しい琉大型リベラルアーツ:自ら問題を見つけ、考え、解決す る能力。 学部の専門教育、大学院教育につなぐ琉大の特色となる教育の展開。 2.研究の活性化 ○附属研究組織の活用、意義役割の強化 概算要求による研究費の獲得、科研費の獲得 ○大学院機能の充実、大学院の見直し 医学部の部局化、工学部(部局化準備中)、農学部大学院改 組申請中 ○学部の研究の活性化、中期計画達成経費の配分、概算要求による研究 費の獲 得 3.組織改革 ○学部や附属組織の改組 改組は必ず概算要求や設置審にかけ、文科省より人員の純増や経費の獲 得等 を行う必要 1)熱帯生物圏研究センターと分子生命科学研究センター(旧遺伝 子実験セ ンター)が合併し2倍の人員を容す組織となった。全国共同 利用施設の 文科省による見直しに対応、さらなる発展、人員の増などを行う必要が ある。 2)国際沖縄研究所を新設 教員の純増を申請中 3)島嶼防災研究所を新設 概算要求で研究費を獲得した。次年度は人員の要求申請。 4)学部の改革 医学部に地域医療学の2講座を新設 申請中 4.科学研究費 ○獲得率横ばい状態-獲得率向上の努力 (教員個人による申請なので相談窓口を設け向上を図る) 5.概算要求 ○獲得率大幅アップ-引き続きアップを狙う。 (大学よりの申請) 6.学生支援 ○沖縄県の小中学生徒の学力対策 ○大学院生、法科大学院生の志願率低下対策 ○年収200万円以下の家計の学生支援 ○卒業生の就職支援 7.第二期中期目標・中期計画を策定 ○今年より新しい中期計画が始まった。計画の策定にあたり各部局の将 来計画 委員会の役割の重視 ○評価室役割の重視 8.その他 ○男女共同参画室設置 ○若手研究者支援 "[he-forum 15674] 日刊工業新聞8/11 日刊工業新聞2010年8月11日付 政府の予算削減、大学相次ぎ反対意見-社会の反応、今一つ  政府の概算要求がまとまるのを前に、大学関係者からの予算削減に反対する声が相次いでいる。運営費交付金や私学助成金、科学技術振興費が1割削減される可能性があるため、国立大学などは「耐え難い」と主張する。しかし、概算要求額1割減は政府が各省庁全体に求めているもの。2009年秋の事業仕分け時とは違って、社会の反応はいま一つの状況となっている。  財政運営戦略の「中期財政フレーム」が6月に閣議決定されて以降、大学関係者の反対表明が大学トップらを中心に行われた。昨秋の大学の研究・教育・産学連携予算に対する事業仕分けと、同様の動きとなっている。その時は世論が反応し“成功体験”になっているからだ。  国立大学の場合、04年度の国立大学法人化から、運営費交付金の前年度比1%減が続いてきた。6年間全体で7%減、830億円が減らされている。各大学は大学改革を必死に進め、この痛みを吸収してきた。 "[he-forum 15675] しんぶん赤旗8/13 しんぶん赤旗2010年8月13日付 “私大助成削減やめよ” 日本私大教連が声明発表 抜本的拡充を  日本私立大学教職員組合連合(日本私大教連)は11日、政府の2011年度予算編成方針に関し、私大助成削減方針に反対し、私大助成の抜本的な増額・拡充を求める声明を発表しました。  声明は、来年度概算要求基準で歳出を前年度比10%削減する政府の方針を私立大学等経常費補助(私大助成)に適用すれば、322億円の削減になると指摘。私立大学・短期大学が日本の高等教育機関の約8割を占め、教育と学術研究において中心的な役割を担ってきたにもかかわらず、政府は長期にわたって私大助成の抑制・削減を続けてきたとのべ、私大助成のさらなる削減は「私立大学等の教育研究の質の維持向上を妨げ、教育の機会均等を著しく損ね、すでに経営状態の悪化が広がっている地方・中小規模大学の存続に重大な影響を及ぼす」と強調しています。 "[he-forum 15676] しんぶん赤旗8/12 しんぶん赤旗2010年8月12日付 奨学金無利子拡大ぜひ 「会」が政府要請 教育予算減らすな  「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会(奨学金の会)」(会長・三輪定宣千葉大学名誉教授)は11日、文部科学省に教育予算に「1割削減」を適用しないことなどを緊急要請しました。  2011年度予算概算要求基準で、各省庁一律で前年度比1割削減が閣議決定されたのを受け、三輪会長は「仮に国立大学運営費交付金が1割削減されれば、1000億円以上の削減となる。削減分を授業料で補てんした場合、学生1人あたり年間20万円以上の値上げとなる。就職難のもと奨学金の返済が困難な若者も増えている。予算の拡充こそが求められている」と求めました。  日本学生支援機構労働組合の岡村稔書記次長は、運営費交付金は無利子奨学金の財源であり、文科省も奨学金は無利子が基本との考え方をとっていると指摘。無利子奨学金の希望者は増え続けてきたが、昨年は適格認定されながら、予算の関係で16万人が適格外になったと紹介しました。「無利子枠を拡大し、運営費交付金を1割削減の対象にしないでほしい」とのべました。  13年間大学の非常勤講師をしている男性は「昨年の年収は130万円。奨学金返済を猶予できないか相談したが、返還猶予期間の5年間を過ぎていたため却下された。滞納金も含め、年間60万円を払うことは困難。返還の意思はある。猶予してほしい」と訴えました。 "[he-forum 15677] 東京新聞8/12 東京新聞2010年8月12日付 医学部定員増に懸念も 教育学会がシンポ  医師を増やす国の緊急対策を受けて、医学部の入学定員増が進んでいる。この三年間に、全国七十九大学(国公立五十校、私立二十九校)で計千二百人以上、増えた。大半は「地域枠」の別枠選抜だ。医師を目指す受験生には朗報だが、急激な定員増を懸念する声も。患者の望む医師養成につながるのか-。七月末、東京で開かれた日本医学教育学会のシンポジウムの議論を紹介する。 (編集委員・安藤明夫)  シンポで「急激な定員増は、逆に医療崩壊を悪化させる」と警告したのは、岩手医大の小川彰学長。  医学教育に手のかかる時代になり、学生一人に対し、教員一人の配置が不可欠という。だが、「教員候補は三十~四十代の勤務医。地方の病院はギリギリの状況にあり、この年代の医師が一人でも欠ければダメージは大きく、ドミノ式に医療崩壊が進む」と強調した。  「教員増や環境整備などの措置がなければ、教育の質も学生の質も低下する」と指摘したのは、横浜市大医学教育センターの後藤英司教授(医学教育学)。  十分な能力を身に付けた医師を社会に送り出すためには、コミュニケーション力や倫理観などを植え付ける教育も重要。最近は専門教育を重視し、教養教育にかける時間が少なくなっているといい、「定員増への対応が難しい」と訴えた。  これに対し、旭川医大の吉田晃敏学長は、思い切った「地域枠」導入の取り組みを話した。  同大は道外の出身者が多く、道内に残る卒業生は二割前後だった。二〇〇九年度から「卒業後、道内病院で臨床研修を受けること」などを条件に推薦入試、AO入試で入学定員の約50%を地域枠にした。  さらに、教職員や学生が道内の高校生たちと交流し、受験を呼び掛けた。その結果、一、二年生の道内出身者比率は、一気に全体の70%にまで上がった。  吉田学長は「医療崩壊は深刻で、地元の病院での臨床実習すら十分にできないのが現状。定員増は大変だが、泣き言は言っていられない」と力説した。また、地域枠の拡大による質の低下の懸念については「入学時の偏差値が多少低くても、伸びていく学生が多い」と話した。  名古屋市立大の大森豊緑特任教授は、和歌山県立医大の大幅定員増に行政の立場で携わった経験を基に、地方行政と大学の連携について話した。      ◇  定員増で医学部は「広き門」になったのか-。  大手予備校・河合塾教育情報部長の近藤治さんは「地方の国立大で偏差値がやや低下しているが、飛び抜けた難関であることは変わらない」と説明する。  これまで医学部志望者は、地元にこだわらずに地方の国立大を目指す傾向があり、卒業後に地域に根付かない一因にもなっていた。地域枠の拡大で「地方の国立大より、東京の私大」という傾向が出ているという。  「地元の高校生が、地元の大学の医学部に入りやすくなったという面では、地域医療の人材確保につながるのでは。いずれにしても、入学後の教育が重要」と話した。 ◆医療崩壊で国が政策転換 進む『地域枠』導入  医学部の定員をめぐっては1982年、行政改革の閣議決定で削減方針が打ち出され、84年度以降の7年間で約7%減少した=グラフ。  その後、地域医療の崩壊が問題になる中、医師抑制政策は見直され、2006年の「新医師確保総合対策」、翌年の「緊急医師確保対策」により、08年以降、医師不足が深刻な県の大学が「地域枠」を設ける流れが広がった。  本年度の定員は、8846人と3年間で16%の急増になる。卒業後に地元で一定期間勤務することを条件に、推薦入試や、面接重視のAO入試を行う大学が多い。 "[he-forum 15678] 薬事日報8/12 薬事日報2010年8月12日付 【文科省】産学連携等の状況調査まとまる‐共同・受託研究費が減少  文部科学省が公表した、大学等における産学連携等実施状況調査(2009年度実績)によると、09年度の大学と民間企業の「共同研究件数」は1万4779件で、前年度に比べて195件(1%)減少し、「研究費受入額」も約295億円と、過去最高だった前年度に比べて、約45億円(13%)減少したことが分かった。一方、大学等が製薬会社から受託した医薬品の治験等収入は、8%増加し179億円となった。  調査は、大学等における▽共同研究▽受託研究▽知的財産の創造・管理・活用▽寄附金▽治験等収入――の状況などを把握することで、今後の産学官連携施策の検討・立案に反映させることを目的に、毎年行っているもの。国公私立大学や国公私立高等専門学校、大学共同利用機関など、1107大学等を対象に調査された。  それによると、「共同研究件数」は、前年度と比べて件数、金額ともに減少した。このうち、中小企業と行った件数は4268件で前年度比119件(3%)増、外国企業と行った件数も前年度比52件(41%)増の179件だった。  また、「受託研究件数」は6185件で、前年度と比べて240件(4%)増加しているものの、「研究費受入額」は約112億円と、約1億円(1%)減少していた。  受託研究全体で見ると、相手先別の受入研究費は、独立行政法人等が約948億円(57%)、次いで国が約532億円(32%)、民間企業は約112億円(7%)で、民間企業からの受託研究費が少なかった。  一方、大学等の治験等実施件数は6万4313件で、前年度比23%減少したが、収入は約178億で8%増加した。このうち、国立大等は約79億円で3%増、私立大等は約87億円で12%増、公立大等は約12億で12%増加した。なお、件数では国立大等が約25%減少したのに対し、公・私立大等は増加している。また、国立大等における寄附金収入は、前年度比約111億円(14%)減の約707億円にとどまった。  文科省は、産業界からの共同研究資金が減った要因について、「09年度はリーマンショック後の世界的な経済不況の影響もあり、産学官連携活動の各種実績については、総じて伸び悩む結果となった」と分析している。  しかし、ライフサイエンス分野の共同研究件数、中小企業、外国企業との共同研究件数については、それぞれ252件(5%)、119件(3%)、52件(41%)増加しており、「厳しい経済情勢下で、これらを対象とした産学官連携活動が活発になされている」と評価している。 "[he-forum 15679] 共同通信8/10 共同通信2010年8月10日22時2分 人件費減、4年で1千億円 国立大の役職員給与  文部科学省は10日、法人化した86国立大と4研究機構について、2009年度の役職員給与水準を発表した。常勤役職員の総人件費は8950億4千万円で、法人化前の05年度比で1022億7千万円減った。文科省は「新規採用の抑制や非常勤職員の増加が影響した」と分析している。  人事院勧告に基づく給与改定分を除いた自主的な人件費の削減率は8・6%。各法人は行政改革推進法に基づき、06年度以降の5年間で5%以上の人件費削減を目指しているが、すべての法人が09年度時点の中間削減目標(一部を除き4%)を上回った。削減率トップは北陸先端科学技術大学院大(石川県)で32・1%、次いで鹿屋体育大(鹿児島県)18・7%、上越教育大(新潟県)16・2%など。  09年度の事務・技術職員の年間給与は平均566万6千円で、国家公務員を100とした場合の指数は08年度と同じ86・7。大学教員は882万8千円で、指数は97・3だった。常勤役員報酬の平均は、学長ら法人の長が1800万5千円(前年度比62万5千円減)、理事が1413万7千円(同43万5千円減)だった。 "[he-forum 15680] 毎日新聞秋田8/13 毎日新聞秋田版2010年8月13日付 秋田大:モンゴル2大学と国際交流協定締結  秋田大(吉村昇学長)は、資源関係学部の設置や共同研究などを目的にモンゴルの2大学と国際交流協定を締結したと発表した。  2大学は、私立のイフザサグ総合大とモンゴル国立教育大。協定は教員や学生の交流、共同研究の実施などを掲げている。  秋田大によるとモンゴルは石炭など地下資源が豊富で国外からも注目され、技術力の向上や指導者の育成が急務となっている。  同大はイフザサグ総合大で鉱物資源を専門的に学ぶ学部の設置やカリキュラム作成、講師の派遣について協力を検討。モンゴル国立教育大では鉱山資源を含め幅広い分野で教育や研究を支援する。吉村学長は「特色ある大学づくりが求められる中、原点に戻り秋田大の強みである鉱山資源の開発に協力しようと思った」と話した。  秋田大は09年10月にモンゴル科学技術大との間で国際交流協定を結んでいる。【小林洋子】 "[he-forum 15681] 毎日新聞長野8/13 毎日新聞長野版2010年8月13日付 図書館:信大の蔵書、ご近所で 松本・塩尻・安曇野3市立、相互利用協定 ◇相互利用協定で利便性アップ  信州大付属図書館と松本、塩尻、安曇野の3市の市立図書館を相互に利用できるようにする連携協定が締結された。信大図書館は従来一般開放していたが、さらに今回、3市の住民が地元の図書館で信大の蔵書を借りたり返したりできるようになった。国立大では珍しい取り組みで、笹本正治・信大図書館長は「市民の書斎の一部として活用してほしい」と呼び掛けている。  信大は01年から5キャンパスの6図書館を一般開放したが、貸し借りはその図書館に来ないとできなかった。このため各市民の利便性を図ろうと、信大側が09年12月に3市に相互利用を提案した。  協定により、信大の6図書館の蔵書計123万冊を3市の図書館で借りられ、信大の学生も3市の蔵書計約180万冊を、信大で借りることができる。返却も同様だ。専門書が多い信大と一般書の多い市立図書館の「すみ分け」も期待できるという。  データベースが相互につながり、貸し出し予約すれば1週間ほどで届く。各図書館のイベントや職員研修の合同開催も予定している。書籍の輸送費は市側が負担する。笹本館長は「最初は大学の地元で始めるが、いずれは全県に広げたい」と話している。【大平明日香】 "[he-forum 15682] 京都新聞8/9 京都新聞2010年8月9日付 「バイオ医療学」推進へ 滋賀医科大など3大学協定印刷用画面を開く  中国・遼寧省の東北大と滋賀県の滋賀医科大、長浜バイオ大は8日、新たな分野の「バイオ医療学」の推進で3大学が連携を深める協定を締結した。  3大学は、それぞれに2大学間で協定を結んで交流を進めてきたが、3大学間で協定を締結することで各大学の得意分野を融合させた学問の創出に向けて、教員や学生の交流と共同研究、バイオ医療情報に関する人材の育成などに取り組む。  調印式は長浜市の長浜バイオ大で行われ、東北大の姜茂発副学長と滋賀医科大の服部隆則副学長、長浜バイオ大の下西康嗣学長が協定書に調印した。  下西学長は「これまでの交流に基づく信頼が相互交流をしやすくする」と述べ、服部副学長は「3大学の交流が深まることを期待する」と話した。姜副学長は「国境を越えて新しい学問を形成、人材の育成することが共通の使命だ」と語った。 "[he-forum 15683] 《国立大学法人法体制の検証情報》No.3 国立大学法人評価の実態(3)―拡大する国家統制(下) 《国立大学法人法体制の検証情報》No.3  国立大学法人評価の実態(3)―拡大する国家統制(下)  2010年8月11日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 2-3 「組織及び業務全般の見直し」は違法である 2-3-1 文部科学大臣に、国立大学法人の一般的な組織・業務のあり方を検討・指示 する権限はない ○独立行政法人通則法の読替表(文部科学省サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/03110501/009/002.pdf 第35条 文部科学大臣は、独立行政法人(国立大学法人および共同利用機関法人のこ と)の中期目標の期間の終了時において、当該独立行政法人の業務を継続させる必要 性、組織の在り方その他その組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基 づき、所要の措置を講ずるものとする ※法律上、文部科学大臣が「組織及び業務全般の見直し」を「検討」し、「所要の措 置」ができるのは、「当該」(個別の)独立行政法人についてだけである。このと き、「教育研究の特性に配慮」(国立大学法人法 第3条)しなければならないことは いうまでもない。 2-3-2 文部科学省が、国立大学法人の中期目標原案を、「組織及び業務全般の見直 し」内容によってしばることになっている ○文部科学省高等教育局国立大学法人支援課長「『国立大学法人の組織及び業務全般 の見直しに関する視点』について」2009年2月5日(全大教サイト)※再掲 http://www.zendaikyo.or.jp/siryou/2009/090205-monka-minaosi.pdf スケジュール表(7頁) 2-3-3 首都圏ネットワーク事務局による批判 ○「≪声明≫ 国立大学法人法(第30条ほか)すら蹂躙する文科省「国立大学法人の 組織・業務全般の見直し」の違法性を告発する」2009年3月14日 http://www.shutoken-net.jp/2009/03/090316_5jimukyoku.html 2-4 文部科学省による中期目標原案の書き換え 2-4-1 まだましだった第1期の書き換え ○「文部科学大臣が行う中期目標・中期計画の素案の修正について」(2004年1月27 日)(文部科学大臣サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/04021701/001/003.htm 修正は「別紙」。字数にして3000字であった。 2-4-2 第2期は「何でもあり」になった ○「国立大学法人等の第2期における中期目標及び中期計画の素案の修正等の考え方 (案)」2009年6月24日(文部科学大臣サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/attach/1279632.htm 国立大学法人評価委員会は、「組織及び業務全般の見直し」を理由とした文部科学大 臣の修正指示を認めてしまった。さらに、「検討」の名で、いくらでも注文をつけら れることになった 2-4-3 統制を徹底するためのチェックリストがつくられた ○「組織及び業務全般の見直し内容を踏まえた検討状況及び中期目標・中期計画等へ の反映状況確認資料」(国立大学法人評価委員会国立大学法人分科会、2009年10月14 日) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/002/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2009/11/10/1286138_4.pdf ※国立大学法人分科会は議事録が公表されておらず、議事要旨もきわめて杜撰であ る。配付資料もほとんど公表されていない。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/002/giji_list/index.htm 2-4-4 第1期とは比較にならない、厖大・徹底した書き換えが行われた 修正は130頁にものぼる ○「『国立大学法人等の中期目標及び中期計画の素案の修正等について』に関する中 期目標原案及び中期計画案の対応状況」国立大学法人評価委員会(第33回)2010年2 月17日、配付資料)(文部科学省サイト) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2010/03/29/1292060_3_1.pdf (1) 中期目標等への反映が見られないもの 1法人、1件 (2) 中期目標等に反映されているが、表現が必ずしも適切でないもの 5法人、6件が 修正 2-4-5 「組織及び業務全般の見直し」により、中期目標・計画以外の大学の動きま で監視されることになった ○国立大学法人評価委員会(第30回)2009年11月6日、配付資料(文部科学省サイ ト) http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2009/11/26/1286693_8_1_9.pdf 年度評価の共通事項では、中期目標及び中期計画、年度計画等への記載の有無に関わ らず取組状況を確認している。 2-4-6 中期目標「素案」審議関連文書(「10・15事務連絡」「10・14評価委員会資 料」)を公表、批判する 2009年11月4日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 http://www.shutoken-net.jp/index.php?option=com_content&view=article&id=250:10151014-2009114-&catid=34:bureau&Itemid=92 (以下、つづく) "[he-forum 15684] 朝日新聞8/14 朝日新聞2010年8月14日付 「失職困る」教員免許の更新講習、今年は大盛況  教員免許が失効しないように、大学などで授業を受ける免許更新講習が大盛況だ。昨年は申し込みが少なく、開催中止が相次いだ。だが、今夏は、民主党が訴えた制度改革を含めた議論がなかなか進まないこともあり、教員が講習に詰めかけている。  昨春、導入された免許更新制は、教員免許の有効期限を10年に設定。35歳、45歳、55歳を区切りに、それまでの2年間に大学などで30時間(必修12時間、選択18時間)受講することが義務づけられた。全国で毎年10万人程度が対象で、大型の休みに大学などで開かれる講習を受ける。  昨年は各大学などが免許講習の講座を開設したが、申し込みの段階で、ゼロや5人以下などの講習が出て、多くの大学で開催中止が相次いだ。  政権交代で更新制が廃止になるか見極めようと様子見の教員もいたとみられる。このため、今年は講習数を絞り込む大学が増えた。  民主党は昨夏の総選挙のマニフェスト(政権公約)で、現行の制度を廃止することを念頭に「免許制度を抜本的に見直し、養成課程を6年制(修士)にする」と訴えたが、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)で見直しへ向けて具体的な作業が始まったばかり。更新制の存廃がまだ決まらないこともあり、状況が一変した。  8月に6講習(定員200人)を開いた玉川大(東京都町田市)の場合、5月上旬の申し込み開始後、すぐに定員に達した。8月3~4日に開かれた選択講習「円滑な対人関係を促進するためのコミュニケーション」を受けた2年後の春が期限という女性は「制度がどうなるかわからないけど、いまの状態だと、必ず講習を受けないと職を失うので」と話した。(編集委員・山上浩二郎) "[he-forum 15685] 読売新聞8/16 読売新聞2010年8月16日付 法医解剖、大学に重荷…本紙アンケート調査から 青森ただ1人の教授、ギブアップ  「今のままでは、法医解剖システムは10年後に崩壊する」――。大学の法医学教室を対象に行った本紙のアンケート調査から、大学が「社会貢献」として担う制度の危機的な状況が浮かび上がった。  関係省庁は死因究明制度の改革に向けて動き出しているが、解決すべき課題も多い。 ■死因究明  2007年に愛知県で起きた力士暴行死事件で注目された死因究明問題。この1年でも埼玉、鳥取の不審死を巡る捜査などで、関心が高まっている。  東京都は、パロマ工業製湯沸かし器による一酸化炭素中毒死が、各地で「病死」などとして見逃されていたことが発覚した06年、死因究明の重要性を再認識した。  東京・多摩地区の異状死解剖率は、06年まで23区の5分の1程度だった。23区は専従の法医学者らによる監察医制度があるが、多摩地区は大学に解剖を頼るために生じた格差。都は、厳密な死因究明のために大学に一層の協力を要請。06年に281件だった多摩地区の解剖数は、08年に840件に増えた。ただ、複数の大学があり、解剖医も多い東京はまだ恵まれている。 ■現場の悲鳴  青森県の法医解剖を一手に担ってきた弘前大(弘前市)の教授が体調不良などを訴え、受け入れを休止したのは昨年11月。「1人で担うのは心身の負担が重く、正確性を維持する自信がない」との理由からだ。県警は必要が生じるたびに岩手医大(盛岡市)と秋田大(秋田市)に遺体を運ぶ。弘前大は解剖医の補充を検討中だが、解決のめどは立っていない。佐藤敬・弘前大大学院医学研究科長は「地域貢献は大事だが、本来は行政の仕事ではないか」と本音を漏らす。  代行する他大学も深刻だ。  「社会のために頑張らねばと思うが、僕は超人ではない」。岩手医大の出羽厚二教授はため息をつく。ここも岩手県唯一の拠点。昨年は解剖医2人で187件だが、今年は6月末で104件。4割近くが青森分だ。今春、もう1人の解剖医が海外留学した。「臓器の組織検査などを担う職員らも限界」と心配する。  佐賀県や広島県でも07年以降の一時期、解剖医が不在だった。国内の解剖医は130人程度で、昨年の解剖実績を答えた50校中28校では解剖医は1人。他の大学でも2~3人でやりくりしている。 ■人材確保の壁  司法解剖の場合、薬物や組織検査、鑑定書の作成などを含め1件で2~3か月かかることもある。大学の本来の使命である教育や研究の時間が奪われている。  大半の大学が現状に危機感を抱いているが、一方で国公立大の法人化などで大学には「採算性」が求められている。法医解剖は、委託した警察や都道府県が大学に実費を払うが、「教育・研究という大学の本務ではない。人件費や機器購入費も国や自治体などが負担すべきだ」(岡山大)などの声が根強い。調査では、全大学が公費負担の強化を求めた。スタッフ増員計画は60校中49校が「ない」、2校は「削減予定」と回答。人材の確保・育成策を国などに求める声が相次ぎ、「なし崩し的に大学任せにしてきた」との指摘もあった。  法医は開業の道もなく、圧倒的にポストが少ない。琉球大法医学教室には大学院生2人がいるが、教員ポスト(教授、准教授、助教各1)は埋まっている。佐藤良也・医学部長は、「やる気も資質もある学生は、隣県に応援を頼めない沖縄には貴重だが、どうにもできない」と嘆く。打開策として、「国による解剖・検査の専門機関を設ければ、ポストができ、人材育成も行える」(名古屋大)という提案もある。 (中部社会部 小川翼、地方部 早川悦朗) "[he-forum 15686] 読売新聞8/15 読売新聞2010年8月15日付 4グループ研究支援決定・・・大阪大  大阪大は、初の公募による若手の研究支援事業「ときめき研究アワード」に4つの研究グループを採択した。  次世代を担う45歳以下の研究者のグループ(5~15人)に、大学の予算から最大で年間1000万円を配分する。初回の今年度は、計52件の応募があった。支援額はそれぞれ400万~930万円で、期間は3~5年間。  採択されたテーマは、以下の通り。  ▽檜垣立哉教授ほか「バイオサイエンスの時代における人間の未来」▽三木裕明教授ほか「マグネシウムバイオロジーの開拓によるライフ・イノベーション」▽本多史憲助教ら「純良質結晶と圧縮技術でつくりだす重い電子と超伝導」▽小根山千歳助教ら「がん細胞正常化―細胞内シグナルのリチューニング」 "[he-forum 15687] 河北新報8/16 河北新報2010年8月16日付 東北大、産学連携理事新設 数井前経産局長を起用  東北大は15日までに、自動車産業を中心に東北への企業立地が進んでいることから、新たに産学連携担当理事のポストを設け、前東北経済産業局長の数井寛氏(51)を起用することを決めた。企業との共同研究の推進や、研究シーズ(種)を活用した地域経済活性化を目指す。16日付で採用し、任期は2012年3月まで。  数井氏は東京都出身、東大卒。1982年に通産省(現経産省)に入り、中小企業庁長官官房参事官、同庁経営支援部長などを経て、09年7月から10年7月まで東北経済産業局長を務めた。  東北では、トヨタ自動車グループのセントラル自動車(相模原市)、半導体製造装置大手の東京エレクトロン(東京)の宮城県内進出をはじめ、産業集積の動きが活発化している。  産業界の動きを受けて、東北大は、これまで研究担当などの理事が兼務していた産学連携分野に専任の理事を置くことを決定。民間企業関係者も含め、人選を進めてきた。  井上明久総長は「福島や岩手など、東北の広いエリアで産業集積が進んでいる。東北経産局長としての経験や人脈などを生かしてもらいたい」としている。東北大が整備を進めている青葉山新キャンパス内の産学連携拠点「サイエンスパーク」の設立準備も担当するという。 "[he-forum 15688] 朝日新聞栃木8/16 朝日新聞栃木版2010年8月16日付 産学官連携講座開講へ/宇大など3大学院  宇都宮大、作新学院大、白鴎大の3大学院が連携し、工学や経営学などそれぞれの専門分野に産官も巻き込んだ「栃木県 産学官連携経営工学講座」を10月に開講する。技術だけでなく、資金繰りから製品を売るまでの経営能力も身につけた経営者の育成をめざす。  宇都宮大学院の春日正男教授が取りまとめ役となり、作新大学の教授や企業経営者ら5人が開講科目のコーディネートを行う。科目は経営戦略論、ファイナンス論、リスクマネジメント論、マーケティング論、経営技術基礎論。それぞれ4コマから成り、大学教授だけでなく、税理士や弁理士、県内企業の経営者らが講師を務める。  まず基礎を教える経営工学エッセンシャルコースを10月6日に開講する。来年3月まで毎週水曜午後7時から90分授業を計20回行う。来年度以降、さらに進んだコースも整備する予定という。  応募期間は今月23日から9月10日までで、定員は20~25人。受講料5万円。問い合わせは(tochigi-renkei@chem.utsunomiya-u.ac.jp)へ。 "[he-forum 15689] 共同通信8/16 共同通信2010年8月16日6時41分 松川事件の資料公開に向け募金 福島大、電子化を進める  戦後の冤罪事件として知られる「松川事件」(1949年)の資料室を運営する福島大学(福島市)は、資料の目録作成や検索を容易にする電子化を進めて「一般公開できる態勢」を整えるため、来年6月までに1千万円を目標に募金活動を始めた。  松川資料室は1988年に開設され、裁判記録や獄中往復書簡など約10万点を収集。伊部正之研究員(68)がほぼ一人で整理に当たり、研究者が求める資料の提供や解説を行っているが、当初約5万点だった資料が倍増するなどしたため、整理が追いついていない。  大学は「資料室は全国に誇る資産」と位置付けており、展示室の新設も検討している。  一方で、大学は伊部研究員の契約を2011年度で打ち切る。同研究員は「後世に伝えていくには資料を置くだけでは難しい。専門家の血の通った活動が不可欠だ」と主張するが、大学は「後任を置くのは難しい」との意向を示している。  背景には大学運営費交付金の削減がある。11年度からは大幅減が見込まれ、大学は年約200万円の研究員費用を「仕分け」対象にした形だ。 "[he-forum 15690] 陸奥新報8/17 陸奥新報2010年8月17日付 弘大救命センター「滑り出し順調」 津軽広域で200人治療  津軽地域の救急医療の最後のとりでとして期待されている、弘前市の弘前大学医学部附属病院高度救命救急センターは本格稼働から約1カ月半が経過した。同センターの集計(8日現在)によると、津軽広域から約200人が治療に訪れ、うち新規の救急患者は約半数の92人「大きな混乱もなく順調な滑り出しになった」(浅利靖センター長)という最近は熱中症や子供の交通事故による搬送が増えており、同センターは熱中症の予防と夏休みで車による移動が多い時期のため、ドライバーに安全運転を呼び掛けている。  同センターによると、新規の外来診療は弘前市内だけでなく、近隣市町村や秋田県大館市からの救急患者も多かった。内訳は心肺停止が9人、心筋梗塞(こうそく)などの心臓疾患が19人、脳血管障害が6人、重症外傷が10人など。ヘリによる搬送は5回だった。  浅利センター長は開設後の約1カ月を「患者は1日平均3人だが、実際は短時間に集中することが多かった」と振り返る。  今月1日には6人の患者が搬送された。5人が心筋梗塞で、うち4人が午前9時から正午までの3時間に集中した。  同センターの救急外来は、救命処置を行うベッドが3床。処置後にセンター内や別の病棟のベッドに入院させる。短時間に患者が集中し、一時的に救命処置用のベッドが足りなくなることもあったという。  新規の救急患者92人のうち、同センター病棟に46人、同病院内の別病棟に40人が入院した。1日の最大入院数は6人だった。  ベッドが満床になれば救急患者を受け入れられなくなるため、各病院との連携も不可欠。転院について浅利センター長は「早い人は3日程度で搬送元の病院に戻るケースもある」とスムーズな連携を強調した。  課題として、患者が受付に直接電話をかけ診察を依頼したり、医師同士が緊急性の高い患者を依頼するホットラインが、通常の受付電話として使われるケースがあったという。  浅利センター長は「問題はゼロではないが、混乱はない。センターは全体的に地域に大切に使われている」と述べ、「今後もより適正に使ってもらうことで地域にとって効果的な施設になる」と順調ぶりをアピールした。  8月には熱中症で3人が搬送された。また、夏休みで子供の交通事故も目立ち、事故に遭った6人の低学年児童が運ばれてきた(いずれも8日現在)。同センターは体調管理、水分補給といった熱中症予防や、ドライバーに安全運転を要請している。 "[he-forum 15691] 読売新聞8/17 読売新聞2010年8月17日付 医学部の地域枠、16大学定員割れ…読売調査  地域の医師不足解消を目的に、ここ数年急増した医学部の地域枠が、16大学で2010年度、定員割れだったことが読売新聞の調べでわかった。  地域枠全体の定員から見ると9割以上確保できたが、地域によって明暗が分かれた。  地域枠は主に、地元出身者を対象に推薦などで選抜し、奨学金と引き換えに一定期間の地域勤務を義務づける場合が多い。文部科学省によると、07年度には79大学中21大学(定員計173人)だったのが、地域の医師確保策として、10年度には(入学後に希望者を募る方式も含む)65大学(同1076人)に急増。医学部の全入学定員(約8800人)の1割以上を占める。  調べでは10年度、16大学で募集定員に満たず、不足分は計80人だった。不足分は一般枠の合格者を増やすなどして対応していた。長崎大では5人の地域枠に3人しか志願がなく、合格者はゼロ。宮崎大では10人の枠に24人が志願したが、センター試験の成績が合格ラインに達せず、合格者は2人だった。定員通りの合格者を出したが、入学を辞退され結果としてゼロという大学があったほか、定員には達したものの、合格後に奨学金を辞退した例のあった大学が複数あった。  入学定員(約110人)の半分近くを地域枠に充てている旭川医大は、募集50人に合格者は22人だった。吉田晃敏学長は「地域枠は、地元の学生を大切にしているメッセージとして意義がある。今後も続けたい」と、11年度から合格基準を引き下げて確保に努める考えだ。  医学教育に詳しい平出敦・近畿大医学部教授は「入学前に地域勤務を約束させるより、入学後に地域の現場を体験させて、希望者を育てることが大切ではないか」と指摘している。 "[he-forum 15693] 京都新聞8/17 京都新聞2010年8月17日付 お盆の一斉休業、京大「休み」より「研究」印刷用画面を開く  京都の国立大で唯一、京都大(京都市左京区)だけがお盆に合わせた大規模な夏季一斉休業を実施していない。京大は、市内の事業所の中でも有数の温室効果ガス排出事業者で、学内からは「省エネのためにも、全学的な一斉休業を実施すべきだ」との声も上がっている。  全国の国立大では2004年の法人化以降、冷房停止などによる温室効果ガスの排出削減や職員のリフレッシュを目的に、お盆時期の夏季一斉休業の実施が進んでいる。今夏は東京大や神戸大、滋賀大をはじめ、京都の京都教育大や京都工芸繊維大でも、全学または大半の部局で行われている。また、同志社大や立命館大など京都の私立大の多くも一斉休業を取り入れている。  一方、京大では、工学研究科の一部の専攻の事務室、エアコンが故障した広報課などを除いて夏季休業は行われていない。昨夏に試行し、今夏は取りやめた生命科学研究科事務部は「試行で混乱はなかったが、事務だけが休業しても多くの研究室は稼働していて、省エネの効果には疑問が残った。また、休業で職員の休暇の取得を縛らなくてもよいと判断した」としている。  京大の2008年度の二酸化炭素排出量は約10万1千トンで、前年度より約0・3%増加し、排出削減には全学的な取り組みが求められる。京大環境保全センターの浅利美鈴助教は「一斉休業は、事務部門の休業だけでは大きな効果が望めない。『研究はお盆も休んでいられない』という教員の意識の改革や協力が必要だ」と話している。 "[he-forum 15692] 毎日新聞島根8/16 毎日新聞島根版2010年8月16日付 包括的連携協定:出雲市と島根大、産業振興や医療充実などで協力  出雲市と島根大はこのほど、産業振興や地域医療の充実などについて協力するための包括的連携協定を締結した。島根大と自治体との包括的連携協定は県や松江市などに続いて6例目。  同市内にある島根大医学部を中心に両者はこれまでにも連携を行ってきたが、協定締結により連携の強化を目指す。協定書には、▽まちづくり▽産業振興▽人材育成▽地域医療の充実▽国際交流の推進--などに関して連携・協力していくことが盛り込まれた。  調印式に出席した長岡秀人・出雲市長は農商工連携や出雲ブランド戦略などに触れながら、「あらゆる分野でアドバイスをいただきたい」。島根大の山本広基学長も「出雲には中山間地や平野、古代の史跡がたくさんある。フィールドでの調査・研究・学習が、スムーズに進むようになれば」と期待を込めた。【細谷拓海】 "[he-forum 15694] 毎日新聞愛知8/18 毎日新聞愛知版2010年8月18日付 11年度予算:運営交付金削減問題 愛教大支援のアピール発表 ◇県都市教育長会など  来年度から国立大学法人への運営費交付金の大幅削減が見込まれる問題で、県内自治体の教育長で作る県都市教育長協議会と県町村教育長協議会が17日、それぞれ愛知教育大(刈谷市)支援のアピールを発表した。近く文部科学省や県教委など教育関係機関へ送る。【安間教雄】 "[he-forum 15695] 毎日新聞8/18 毎日新聞 2010年8月18日 東京朝刊 大学生就職:卒業後も3年間は「新卒」に 日本学術会議が提言  深刻な就職難に直面している大学生を支援するため、卒業後も最低3 年間は新卒扱いとするよう求める提言書を日本学術会議(金沢一郎会 長)がまとめ、17日、文部科学省に提出した。就職先が決まらずに卒 業した学生が不利な扱いを受けないよう、政府の具体策を求めている。  提言書は、大学教育の改善策を求める文科省の依頼で作成。過熱する 就職活動が学業に及ぼす支障を問題視して就職活動のあり方の見直しに 踏み込んだ。  提言書は「当面取るべき対策」として、国に対し、地方の学生の就職 活動を支援する宿泊費・交通費補助制度の創設、就職できない若者への 職業訓練と期間中の生活費支給などの具体策を求めた。  一方、企業には新卒要件の緩和を求め、積極的な企業名の公表を提言 した。大学にも、卒業後最低3年程度は在学生並みに就職あっせんや進 路指導を行うこと、公共職業安定所などとの連携体制構築を求めた。文 科省などによると、今春の大卒者の4月1日現在の就職率は80・3% (前年同期87・2%)で10年ぶりの低水準にある。【山田大輔】 "[he-forum 15696] 共同通信8/19 2010/08/19 02:02 【共同通信】 国立大交付金を本格増額 文科省、11年度概算要求で  文部科学省は18日、2011年度の概算要求で、国立大学法人の運 営費交付金について、10年度予算(1兆1585億円)に比べ、数% 程度の本格的な増額を求める方針を固めた。要望が認められれば04年 の法人化に伴う交付金制度の導入以来、削減が続いていた路線を転換、 初の増額となる。また私学助成費(10年度予算4390億円)も数% 増を要求する。  同省は、6月に政府が閣議決定した新成長戦略や民主党マニフェスト (政権公約)に、国際社会に通用する人材の育成が盛り込まれたことを 重視。大学側の強い要望も踏まえ「大学教育は人材養成の基盤。十分な 運営費の確保が不可欠」(同省幹部)と判断した。増額分は、授業料免 除枠の拡大や国立大付属病院の支援充実、国立研究機関の新事業展開な どに充てる方針。  国立大の運営費交付金は人件費を含めた経常的経費を賄う大学の主要 財源。04年の法人化以降、06年に閣議決定された「骨太の方針」な どに基づき、毎年1%程度の減額が続いた。09年の政権交代に伴い、 民主党中心の政権は削減方針を撤廃した。 "[he-forum 15697] 愛媛新聞社説8/19 社説2010年08月19日(木)付 愛媛新聞 新卒者の就職活動 「一発勝負」の不安解消策探れ  今春卒業の大学生約54万1千人の就職率が下落幅で過去最大となっ た。学部卒のうち進学も就職もしていない人は約8万7千人に達する。  折からの不況や国際競争の激化を受け、企業が採用を厳選する姿勢が 強まっている。加えて、卒業時に新卒として採用されなかった場合に安 定した正規雇用に就くことが難しいのが現状だ。見通しのつかない就職 戦線に、立ち向かう学生の不安感は増すばかりだろう。  若者全体の失業率も高い。先ごろ公表された「経済財政白書」によれ ば、1年以上就職できていない長期失業者の割合が顕著だ。  新卒者を含む若者層の雇用改善は喫緊の課題である。若い人が希望を もてない社会では活力も生じない。菅直人首相は省庁横断的取り組みに 言及したが、政府あげて打開策を打ち出してもらいたい。  とりわけ、卒業時の一度のチャンスで結果を出すことを迫る「新卒一 括採用」の見直しは急務だ。  失敗が許されないプレッシャーから、就職活動の開始時期を3年の夏 に前倒しする傾向が強まり、大学教育にも影響が及んでいる。しかし早 期に内定をとれるわけではなく就職活動の長期化が学生を精神的に疲弊 させている。  労力に見合った効果が望めない就職・採用のあり方に、学生も企業も 大学も、徒労感を感じていよう。  企業側は、既卒者の排除は「差別」であると認識して新卒にこだわら ない採用を模索するべきだ。時期や対象者が多様化して挑戦の機会が増 えることは、若者の不安を解消する一つの道筋となる。  新卒一括採用は、人手不足で雇用拡大が望める高度成長期には有効で あったろう。長期雇用を前提に企業内訓練が可能だったことから、対象 者の経験や教育の成果よりも新卒であることに価値を置いた採用方法が とられた。  そうした前提が崩れて正規雇用の枠が縮小しているうえに、大卒者数 の急増という新たな事態が起きている。現状をふまえた就職・採用のあ り方を、関係者が協働して探らねばならない。  大学教育の質の向上を審議していた日本学術会議は、職種別採用など 専門性が実際の仕事に直結する採用方法を提言している。就職活動につ いては前倒しを抑制しつつ、就業体験など企業との接点は早い時期に行 うよう促した。  大学側には既卒者支援の継続を求めたい。職業能力形成の視点にたっ たキャリア教育は教育界全体が真正面から取り組むべき課題だろう。  雇用システムや社会の意識を変えるのは容易ではない。が、職につけ ない大量の若者の存在は社会の損失だとの認識で、改善を進めたい。 "[he-forum 15698] NHK8/19 NHK 2010年8月19日15時40分 文科省予算“特別枠で確保” 中川文部科学副大臣は民主党の文部科学部門会議で、来年度予算の概算要求について、成長戦略などに重点的に配分するために設けられる「特別枠」を最大限活用して、今年度以上の予算を確保したいという考えを示しました。 来年度予算の概算要求をめぐって政府は、各省庁に対して歳出を今年度予算に比べて10%削減するよう求めるとともに、10%を超えて削減した分については、その3倍までを、成長戦略などに重点的に配分するために設けられる「特別枠」で要望できることにしています。これについて中川文部科学副大臣は、民主党の文部科学部門会議で、文部科学省の来年度予算の概算要求では今年度に比べて歳出を10%削減する考えを示したうえで、「10%を削減したうえで、さらに1000億円以上を削減したい。そのことで、特別枠で3000億円ぐらい獲得するつもりでやっていきたい」と述べ、「特別枠」を最大限活用して今年度以上の予算を確保したいという考えを示しました。文部科学省は、特別枠には科学技術関係の予算などを要望することを検討しており、今後具体的な項目を詰めることにしています。 "[he-forum 15699] 毎日新聞鹿児島8/19 毎日新聞鹿児島版2010年8月19日付 連携協定:鹿児島市・鹿大・鹿銀など、平川動物公園とかごしま水族館活用へ  鹿児島市の平川動物公園とかごしま水族館を、観光客増の起爆剤としてもっと活用しようと、市、鹿児島大学、鹿児島経済同友会、鹿児島銀行の4者がこのほど、産学官連携協定を結んだ。動物施設を巡って、経済界や大学を巻き込んだ協定は珍しく、専門家も「画期的」と評価している。【村尾哲】  両施設の設置者は市で、動物園と水族館の運営にかかわっている市町村は全国的にも珍しい。ただ、動物公園と水族館の09年度入場者数はそれぞれ約50万人と約70万人で、ともにピーク時の約6割と低迷している。  動物公園は展示方法を工夫した全面リニューアルを進行中で、水族館もイルカの水路展示などを行っているが、来春の九州新幹線全線開業や東アジアからの誘客を見据え、両施設の連携や交通アクセスの改善など、既存の観光資源の掘り起こしが求められている。  具体的な取り組みは未定だが、今月中にも協議会を開く予定。9日に市役所であった締結式で、経済同友会の永田文治代表幹事が「水族館と動物公園を海でつなげるとか、民間の知恵を出していきたい」と話し「動物公園で年間120万人の入場を目指す」と意気込んだ。  日本動物園水族館協会の北村健一専務理事は連携協定について「全国的に施設の経営は厳しく、お客が来てなんぼというのが実情。客のニーズに応えるよう知恵を出し合うことは大事だ」と評価。その上で「一過性にしないためにも、ボランティア活動など一般市民を巻き込んだ事業を展開してほしい」と話した。 "[he-forum 15700] 朝日新聞鳥取8/19 朝日新聞鳥取版2010年8月19日付 鳥大病院で初の合同就職説明会 医師や看護師など6職種  鳥取大学医学部付属病院(米子市西町)で研修医や看護師、薬剤師、臨床検査技師など6職種の合同就職説明会が初めて開かれた。  人材確保のプロジェクトを2月に立ち上げて、病院全体で採用に取り組む準備を進めてきた。豊島良太病院長は「大きな規模の説明会で注目してもらい、良い人材を集めたい」と狙いを語る。  説明会には県内外の大学や専門学校に通う学生ら81人が参加し、職種別のブースで担当者から業務内容などの説明を受けた。大山町出身で兵庫県の専門学校に通う女性(24)は「働きやすい職場作りに積極的に取り組んでいると感じた。病棟を見学し、雰囲気も分かって良かった」と話した。(中村瞬) "[he-forum 15701] しんぶん赤旗8/22 2010年8月22日(日)「しんぶん赤旗」 大学「新卒」要件緩和を 就活費補助も 学術会議が提言  大学生の深刻な就職難と厳しい就職活動は大学教育に大きな支障をき たしています。日本学術会議(金澤一郎会長)は、大学生の負担軽減策 や企業の採用における「新卒」要件の緩和などを盛り込んだ提言をまと め、このほど文部科学省に提出しました。  提言は大学教育の質の向上を求める文部科学省の依頼で作成されたも のですが、早期化、肥大化する就職活動で大学生が疲弊し、大学教育自 体が困難をきたしている状況を直視しなければならないとして、就職活 動のあり方も合わせて検討しました。  具体的には、地方の大学生が大都市圏で就職活動を行う際の宿泊費・ 交通費の補助制度の創設を提案。企業側には「新卒」要件の緩和を求 め、たとえば「卒業後最低3年間は、若年既卒者に対しても新卒一括採 用の門戸が開かれること」を目標に、新卒者と同じ枠で採用対象にする 企業をリストアップして公表することを求めています。学業との両立を はかるため、就職活動は週末や長期休暇期間を活用するなどのルールづ くりに大学と企業が協力して取り組むことも述べています。  大学側には卒業後3年程度は在学生と同様に就職あっせんなどの支援 を行い、大学と公共職業安定機関が連携することなど就職できない若者 に対するセーフティーネット構築を強調しています。  この問題では、日本共産党が4月に就職難打開のための政策を発表し ており、就職活動については、学業をさまたげないよう会社説明会など の開始日などで社会的なルールを確立する、卒業後3年間は「新卒扱 い」とする、就職活動する学生への経済的支援制度などを提案していま す。 "[he-forum 15702] しんぶん赤旗主張8/22 2010年8月22日(日)「しんぶん赤旗」 主張 大学新卒者の就職難 打開へ真摯なとりくみを  就職難に直面している学生を支援するため、卒業後も最低3年間は新 卒扱いとすることを検討すべきだ―日本の科学者を代表する日本学術会 議が提言をまとめ、文部科学省に提出しました。  提言は大学教育の向上を求める文科省の依頼で作られましたが、学生 が就職活動に多大な労力をとられ、大学教育にも困難が生まれている現 状を前に、就職活動のあり方の見直しに踏みこみました。 「超氷河期」の実態  背景には、「超氷河期」といわれる就職難があります。「何十社も受 けたけど全部ダメ。自分は社会から必要とされていないのか」―痛切な 声が絶えません。  文科省によれば、今年3月卒業した大学生の就職率は、2年連続で下 落し60・8%。しかも、前年度比7・6ポイント減と過去最大の落ち 込みです。大学は卒業したものの、進学も就職もしなかった若者は8万 7千人で、卒業者の16・1%(同4ポイント増)に上ります。  このなかで、就職活動のルールの確立や、就職活動する学生への支援 が切実に求められています。  「3年生から就活に追われる」―就職活動の早期化と長期化が進み、 ゼミに人が集まらなかったり、専門学問を十分学べないまま卒論執筆に 追い込まれるなど、問題が起きています。学生に負担というだけでな く、大学教育にも支障をもたらしており、学生を受け入れる企業にも損 失です。  いったん卒業したら、翌年度の卒業予定者を対象とした採用に応募で きない企業の募集のやり方も、問題を深刻にしています。「新卒時に正 社員になれないと人生が閉ざされるのでは…」と切迫感を強いられ、新 卒として就職活動を続けるために、高い学費を払って留年する学生も増 えています。  地方に住む学生にとっては、就職活動で東京などに出向く際にかかる 交通費や宿泊費の負担も小さくありません。  学業と両立できる就職活動のルールを作ること、卒業後3年間は「新 卒扱い」とすること、就活する学生への経済的な支援をおこなうこと― これらの施策は、少しでも現状を改善するうえで、すみやかな実現が期 待されます。  同時に、新卒者の求人が減少している大もとに、景気悪化だけでな く、大企業による非正規雇用の拡大があることに目を向けることが大切 です。  非正規雇用を拡大した労働法制の規制緩和を抜本的に見直し、「雇用 は正社員があたり前」の社会へ転換し、新規採用を増やすべきです。異 常な長時間労働をただし、雇用を増やすことも必要です。  日本共産党は4月、「社会への第一歩を応援する政治に」の見地で、 雇用の確保とともに就職活動のルールを作ろうと提起した政策を発表 し、世論に訴え、メディアからも注目されました。大学人との懇談、政 府や自治体への働きかけ、学生との対話と共同もすすめています。 国民的世論で解決へ  大学で学び卒業した若者が、社会人としての第一歩で働く場をもてな いでいる現状は、日本の経済と社会の全体にとって打撃です。  今こそ、この危機の打開にむけた国民的世論をおこし、国も自治体も 教育者も、そして何より企業と経済界が、真摯(しんし)なとりくみを おこなう時です。 "[he-forum 15703] 南日本新聞8/24 南日本新聞2010年8月24日付 鹿児島大・山口大が共同獣医学部、12年度開設へ  鹿児島大学は、山口大学と2012年度開設へ準備を進めている共同設置の獣医学部の名称を「鹿児島(山口)大学共同獣医学部獣医学科」とすることを決め23日、鹿児島市の鹿児島大学で、両学長らが出席して発表した。県を越えた国立大の共同学部設置は全国初。国立大の獣医学部は、北海道大学に次いで2校目となる。  両大の農学部獣医学科(定員各30人)を再編。牛や豚などの産業動物研究が中心の鹿大と、ペットなど伴侶動物の研究に特色がある山口大が、共同教育課程を持つことで、広範で相互補完的な獣医学教育を目指す。学生は情報機器による遠隔授業や、移動しての集中的な実習、実験で単位を取得する。  定員各30人でスタート。入学試験は当面各大学独自に実施する。11年5月までに文部科学省へ設置認定申請を行う。  吉田浩己鹿大学長は「宮崎での口蹄(こうてい)疫が示すように国や地域をまたいだ越境的疾病や、人獣共通疾病対策など獣医学教育の向上は急務。共同学部設置で南の教育拠点になれる」、丸本卓哉山口大学長は「九州新幹線が全線開業すれば2時間ほどになり、距離は感じない。世界的に通用する学部を目指す」と話した。 "[he-forum 15704] 毎日新聞8/24 毎日新聞 2010年8月24日 東京夕刊 予約採用給付奨学金:人材確保へ新設の大学相次ぐ 合格前に決定、返済不要  ◇安心して受験を  大学受験生を対象に合格決定前に奨学金の内定を出す予約採用給付奨学金制 度を新設する大学が相次いでいる。お茶の水女子大(東京都文京区)は国立大 で初めて導入、11年度入試に向けて今月から募集を始めた。経済的 "[he-forum 15705] 毎日新聞夕刊8/24 毎日新聞夕刊2010年8月24日付 予約採用給付奨学金:人材確保へ新設の大学相次ぐ 合格前に決定、返済不要  ◇安心して受験を  大学受験生を対象に合格決定前に奨学金の内定を出す予約採用給付奨学金制度を新設する大学が相次いでいる。お茶の水女子大(東京都文京区)は国立大で初めて導入、11年度入試に向けて今月から募集を始めた。経済的理由で進学をあきらめざるを得ない生徒を支援しようとする取り組みだが、一方で少子化で受験者数が減少傾向にある大学側にとっては優秀な人材を引き付けようという狙いもあるようだ。【喜浦遊】  予約採用給付奨学金は受験前に入学後の受給者を内定する制度。入試に合格して、実際に入学すれば授業料免除や奨学金支給が受けられる。返済は不要。  制度を新設した大学は、いずれも高校の成績や保護者の年収などの条件付きで募集。国立大で初めて導入したお茶の水女子大は「奨学金を受給できると事前に知らせることで受験の機会が失われないようにしたい」と説明。創価大(東京都八王子市)は「切実な経済事情にありながらも大学で学びたいという生徒は志が高い。入学後に他の学生にもいい刺激になる」と大学側のメリットを強調する。愛知大(愛知県豊橋市)は「私立大学には行けないと思っている生徒に使ってほしい」と話す。  既に09年の入学生から予約採用を始めている早稲田大(東京都新宿区)は、高校の評定平均値3・5以上▽保護者の年収が700万円未満--などを条件に、500人の学生に40万円を4年間給付している。  奨学金問題に詳しい東京大学大学総合教育研究センターの小林雅之教授(教育社会学)は「事前に受給できる見通しが立つので、経済力のない家庭の生徒に進学をうながせる。貸与では借金と同じで、卒業後に安定した就職先が見つかるとは限らない状況下ではためらってしまう」と話している。  ◇貸与型は学生に重い負担  東京大学大学経営・政策研究センターが05、06年に行った調査では、4年制大学への進学率は年収1000万円超の家庭では62・4%に上るが、400万円以下の家庭では31・4%だった。奨学金の貸与制度を実施している独立行政法人・日本学生支援機構によると、貸与総数は98年度の約50万人から08年度には約122万人に倍増している。予約採用奨学金も前身の日本育英会が発足した1943年から導入しているが、原則返済が必要な貸与型だ。返済時の負担が少なくなるよう必要な金額だけ借りる制度もある。  貸与型では借金として後に生活を圧迫する。大学関係者によると、借金をためらい合格後に入学をあきらめたり、学費や生活費を捻出(ねんしゅつ)するためアルバイトに明け暮れ、学業に専念できない学生もいるという。奨学金返還の滞納も問題化し、機構が訴訟を起こすケースも増えている。  各大学の予約採用給付奨学金は事前に受給の可否が分かり、返済も必要ないことから、金銭的負担や将来への不安を軽減できる。  一方大学側には、少子化が進む中でより多くの受験者を「囲い込み」したいとの思惑もある。文部科学省の調査では10年度の進学者数は約58万人で、10年前より約2万人減少している。大学側は「不況の中、どんな奨学金制度があるかは、受験生にとって大学選びのポイントの一つとなる」ととらえている。 ==============  ■予約採用給付奨学金を新設した主な大学 大学名     金額            枠    高校の成績、保護者の年収など条件 お茶の水女子大 30万円×2年        25人 成績概評A以上、700万円未満 創価大     4年間の授業料半額免除など 200人 評定平均値3.0以上400万円未満 愛知大     50万円×4年        50人 評定平均値3.5以上600万円未満、東海4県以外の出身者 【関連記事】 奨学金:未返還が8900万円 雇用情勢悪化などで--県教委 /熊本 授業料:減免者10% 過去最多更新 "[he-forum 15706] 毎日新聞群馬8/24 毎日新聞群馬版2010年8月24日付 11年度予算:運営交付金削減問題 「群大機能停止する」 教組、反対声明  政府が閣議決定した11年度予算の概算要求基準を巡り、群馬大学教職員組合は23日までに、国立大の運営費交付金や科学研究費補助金の10%削減方針について「交付金削減は群馬大学を機能停止に追い込む」などとする反対声明を発表した。予算の削減を速やかに見直し、撤回することを求めている。  同組合の試算によると、11年度の削減額は12億4240万円。この額を人件費に置き換えると、教授232人中のうち111人分に相当する。また学部学生の授業料(夜間コース以外の学生で年間53万5800円)に置き換えた場合は、年間約25万円の値上げに相当するという。  声明は、予算の削減について「国立大学が破壊されると教育格差が拡大する」と厳しく批判。さらに「多くの医学部を抱える国立大学なくして医師・看護師などの医療従事者の増員はできない」としている。【奥山はるな】 "[he-forum 15707] 日本経済新聞8/25 日本経済新聞2010年8月25日付 理系出身は文系より高所得 京大など調査  京都大学の西村和雄特任教授と同志社大学の浦坂純子准教授らは24日、理系学部出身者は文系出身者より平均年収が高いという調査結果をまとめた。これまで理系より文系の方が高所得とする説があったが、「全体でみれば理系が上。学生の理系離れの是正につながってほしい」と西村教授は話している。  調査はインターネットで2008年6月に実施し、大卒者2152人から回答を得た。男性が71%で平均年齢は43歳。このうち働いていた1632人を分析した。出身大学数は国公私立含め100以上になる。  平均年収は理系出身者が約681万円。文系(約583万円)より約100万円多かった。データをもとに年齢別の年収を推計すると、すべての年齢で理系が優位だった。25歳時に60万円だった文理の差は60歳では168万円まで拡大。技術を持っていると高所得の職種にも就ける可能性が広がるという。  西村教授は「技術を持っていると職種選択の幅が広がり高所得につながる傾向があるのではないか」と話している。  今回の調査とは別に、大阪大学の松繁寿和教授は、特定の国立大の文系・理系学部出身者を比べ、生涯収入は文系が約5千万円多いとの調査結果を報告している。西村教授は「大学を特定せず全体で見れば理系の年収が多い」と指摘。両教授とも「2つの結果は矛盾しない」と話している。 "[he-forum 15708] 朝日新聞8/25 朝日新聞 2010年8月25日11時54分 科学と技術の間に「・」を 学術会議が首相に法改正勧告  日本学術会議(金沢一郎会長)は25日、科学技術基本法を改正して 「科学技術」を「科学・技術」と表記するように求める勧告を菅直人首 相にした。勧告は「要望」「提言」「声明」など同会議が行う意思表示 のなかでもっとも重く、地震災害時の大都市の安全確保について勧告し た2005年4月以来となる。  「科学技術」は「科学」と「技術」という別の言葉を並べているが、 勧告は「科学技術」を「科学に基礎付けられた技術」の意味で使われが ちで、技術重視になると指摘。短期的に結果を求める成果主義に偏り、 将来につながる科学の基礎研究が軽視されることを懸念している。  政府の総合科学技術会議は、1月から「科学・技術」の表記を使って いるが、勧告では「法においても明確に採用すべきだ」とした。  また、科学技術基本法には、「人文科学のみに係るものを除く」との 規定があるため、自然科学だけでなく、人文・社会科学も含め学問全体 を施策の対象にするべきだとして削除を求めた。  金沢会長は「経済が右肩下がりのときは安易に結果を求めがちで、将 来に危うさを感じる。ささいなことかもしれないが、言語の正確さは大 事だ」と話している。(行方史郎) "[he-forum 15709] NHKニュース8/25 NHKニュース 8月25日 14時37分 基礎科学充実へ 法改正を要望 菅総理大臣は、研究者などの有識者でつくる「日本学術会議」の金澤会 長と会談し、金澤会長は、若く有能な研究者の育成を促進するために も、大学などの研究基盤を強化し、基礎科学を充実させる方向で科学技 術基本法を改正するよう要望しました。 「日本学術会議」の金澤一郎会長は、25日昼前、総理大臣官邸を訪 れ、菅総理大臣と会談しました。この中で、金澤会長は「今の科学技術 基本法は、研究の過程や研究者の努力を重視せず、研究の結果のみを求 める傾向が強く、このままでは若い研究者が育ちにくい」と述べ、若く 有能な研究者の育成を促進するためにも、大学などの研究基盤を強化 し、基礎科学や人文科学の分野を充実させる方向で科学技術基本法を改 正するよう要望しました。これに対し、菅総理大臣は「非常に大事なこ となので、皆さんの要望を重く受け止める」と述べ、政府としても前向 きに検討する考えを示しました。 "[he-forum 15710] しんぶん赤旗8/26 2010年8月26日(木)「しんぶん赤旗」 国立大病院危機打開へ 党青森県委 弘前大病院院長と懇談  日本共産党青森県委員会の吉俣洋書記長、諏訪益一、安藤はるみ両県 議は25日、弘前大学医学部付属病院(青森県弘前市)を訪れ、花田勝 美院長と国立大学付属病院の現状と打開の方向などについて懇談しまし た。  大学への運営交付金が毎年削減され、さらに政府が示した「10年度 予算比1割削減」が実施されると付属病院をふくめ大学への影響がさら に深刻になることが危惧(きぐ)されています。安藤県議が、こうした 大学の危機打開についての「日本共産党の提案」(6月3日発表)を花 田院長に手渡し、吉俣氏が、「現場の声などをぜひうかがいたい」と、 懇談の趣旨を説明しました。  花田院長は、医師不足・医師の偏在が起きてきた背景や医師養成のあ り方、診療報酬の引き下げが付属病院に与えた大きな影響などについ て、見解をのべました。また、国が付属病院への運営交付金を毎年1% 削減してきたことについて、「億単位の削減であり、10%削減になっ たらどうなるのか」と強い危機感を表明。  「事業仕分け」で廃止することにされた財務センター(付属病院への 資金貸付事業)は、「残してほしかった」とのべ、法人化の際に各大学 が背負わされた多額の病院負債についても「法人化の時に債務はゼロに してくれるものと思っていた。せめて半分にしてくれればよかった」 と、病院負債の軽減の必要性を強調しました。  吉俣氏と諏訪、安藤両県議はそれぞれ、「問題解決のために政治が果 たす役割は重要であり、国政、県政の場でがんばりたい」とのべました。 "[he-forum 15711] 毎日新聞鳥取8/26 毎日新聞鳥取版2010年8月26日付 地域医療学講座:県が1億円寄付 鳥大、10月に新設  地域に根差した医療について学ぶ県の寄付講座「地域医療学講座」が10月、鳥取大に新設される。県が人件費などとして約1億1300万円を寄付。医学部と地域との結びつきを深めながら県内にとどまる医師を増やしたい考えだ。  講座は、地域医療体制などを研究し、地域医療に貢献する人材を育成。県内病院で実習を行う。全学年が対象。教員は全国から公募し、選考している。教授や助教授ら計6人のうち3人は県が国の地域医療再生基金から捻出(ねんしゅつ)した寄付で雇用する。  平井伸治知事と能勢隆之・鳥取大学長は24日、県庁で講座新設についての協定を締結。能勢学長は「地域医療に特化した人材養成ができる講座になる」と話し、平井知事は「講座は地域医療の人材確保につながる可能性がある」と期待を込めた。【宇多川はるか】 "[he-forum 15712] 神戸新聞8/26 神戸新聞2010年8月26日付 神戸大、ベルギーの首都に教育拠点開設へ   神戸大学(神戸市灘区)は25日、ベルギーの首都ブリュッセルに9月、教育拠点「神戸大学ブリュッセルオフィス」を開設する、と発表した。欧州連合(EU)の本部があるブリュッセルに事務所を構えるのは、国公立大学で初めて。欧州の大学や教育機関との学術交流、現地企業との産学連携、留学生の誘致などを進める。(中島摩子)  神戸大の海外事務所は中国・北京に続き2カ所目。ブリュッセルオフィス(センター長=中村千春副学長)には現地スタッフ1人が常駐し、中村センター長や各教授が出張する。9月2日に福田秀樹学長とEUのファンロンパイ大統領との懇談を予定。3日に開所式を催す。  新事務所では、教育研究の情報収集と発信▽EU圏の大学との学術・研究交流▽留学生のネットワーク構築▽在欧の企業・団体との連携の促進‐を計画している。中村センター長は「現在、欧州での学術研究は、ベルギーにネットワークや情報が集積している」と設置理由を説明した。  神戸大は2005年から、EUの研究教育センター「EUインスティテュート関西」の幹事校となり、学術交流協定を結ぶ欧州の大学などは54に上る。また、神戸大で学ぶ1146人の留学生のうちEU出身は59人にとどまり、学生や研究者の誘致も積極的に進める。  会見した福田学長は「社会科学や人文科学、環境問題や医学など、幅広いジャンルで各大学との共同研究を進めたい」と意欲を語った。 "[he-forum 15713] 読売新聞8/27 読売新聞2010年8月27日付 和大と仕事しませんか? 企業向け学内見学会  産学連携を深めるきっかけにしようと、和歌山大学(和歌山市栄谷)は、地元企業の経営者や社員を対象に、学内見学ツアーを初めて開催した。  ツアーには約50人が参加。システム工学部と観光学部の研究室などが案内され、観光学部の尾久土正己教授は360度に映像を映し出す、直径約3メートルのドーム型シアターを紹介。臨場感あふれる映像に参加者が見入ると、尾久土教授は名所を映し出して観光に活用する方法を提案した。  同大教員との意見交換も行われ、参加者は「県の資源を生かした研究にはどういうものがあるか」「観光客を誘致するために、大学はどんな取り組みをしているか」などと、熱心に質問していた。  電気機器メーカー「太洋工業」(同市有本)の種治寛貴さん(34)は「企業も常に新しいものを求めている。大学との交流があれば、可能性も広がります」と話していた。 "[he-forum 15714] 埼玉新聞8/28 埼玉新聞2010年8月28日付 留学事業を強化 県国際交流協と埼玉大が協定    県国際交流協会(会長・上田清司知事)と埼玉大学(上井喜彦学長)は、地域の国際化への貢献、学術振興を目的にした「相互協力・連携に関する協定」を締結。上田会長、上井学長が協定書に署名した。  協定により両者は、「埼大が有する学術・研究成果を国際交流に生かしたり、留学生などを主体にした事業を展開できる」(協会)、「協会が持つ幅広いネットワークを活用し、実践的な教育研究環境が充実する」(大学)と成果を期待している。  署名後、上田会長は「大学の財産である多国籍、多数の留学生の協力を得ながら新たな取り組みを進めたい」と述べた。また、上井学長は「協定により大学がより地域社会に貢献でき、国際化の取り組みを強化したい」と答えた。  県国際交流協会と埼玉大学の相互協定締結後の最初の事業となる国際理解セミナーが延べ3日間にわたり、さいたま市浦和区北浦和の日本語国際センターで開催された。  高校生14校32人、埼玉大学から日本人学生9人や留学生(5カ国8人)、それに世界各地から研修に来ている日本語教師8カ国9人が参加し、「どうしたら文化や考えた方の違う世界の人々が共に仲良く暮らしていけるのか」をテーマに、意見交換やアクションプランづくりなどに取り組んだ。  参加した高校生からは「初めて外国人と親密に会話ができ、とてもよかった」「異文化理解のためには、自分の意見や自国の文化を大切にすることも必要だと分かった」などの感想が語られた。  また大学生や留学生、研修生からも「世代が違う高校生たちと国際理解について話し合う機会を持て、学んだことも多かった」(埼大学生)、「来月、母国に帰るが、一番の思い出になった」(留学生)など、取り組みを評価する意見も多く聞かれた。  閉校式で参加者に修了証が交付され、その後の交流会には80人が参加し、多国籍パーティーとなった。 "[he-forum 15715] 共同通信8/29 共同通信2010年8月29日17時23分 申請者全員に無利子奨学金 文科省方針、2万6千人増  文部科学省は29日、所管の独立行政法人「日本学生支援機構」が大学生らに貸与する無利子奨学金の2011年度の対象者を、本年度より約2万6千人増やし、基準を満たす学生が申請すれば全員が受けられるようにする方針を決めた。有利子奨学金の対象も約8万人増やす。  深刻な不況を背景に、奨学金の希望者は増加傾向にある。しかし、親の所得制限や成績による基準を満たしても、利用者枠の不足から無利子奨学金を受けられない申請者が毎年2万6千人ほどいて、有利子を利用せざるを得なかった。  文科省は本年度から始まった高校無償化に続き、大学などの高等教育も学生の負担を大幅に減らしたい考え。来年度予算の概算要求に約1330億円を盛り込むが、厳しい財政状況の中、財源確保が課題になりそうだ。  文科省によると、10年度の無利子奨学金の貸与者は約35万人、有利子奨学金は約83万人で、計約118万人が利用。対象者増で来年度は計130万人程度になる。 "[he-forum 15716] 毎日新聞8/31 毎日新聞 2010年8月31日 東京朝刊 ファイル:文科省概算要求 35人学級に2247億円、給付型奨学金 に122億円  文部科学省は30日、一般会計総額で10年度当初比4.3%(24 22億円)増の5兆8348億円とする11年度予算概算要求を発表し た。  特別枠は8628億円。小学1、2年生の学級編成基準を来年度から 35人学級にする教職員増(2247億円)や、今年度実現しなかった 高校生への給付型奨学金の創設(122億円)、新成長戦略の2大イノ ベーション推進(788億円)、宇宙や原子力など技術の世界展開(4 48億円)など10項目。  国立大学の基盤的経費となる国立大学の運営費交付金は04年度以降 の年1%前後の削減傾向を転換、2.8%増の1兆1909億円を要求 した。 "[he-forum 15717] 日刊工業新聞8/31 日刊工業新聞 掲載日 2010年08月31日 2011概算要求/文科省、一般会計4.3%増  文部科学省は30日、2011年度予算の概算要求をまとめた。一般 会計総額は10年度当初予算額に比べて4・3%増の5兆8348億円 を要求する。このうち特別枠を活用する「要望額」は8628億円。科 学技術予算の総額は同4・0%増の1兆761億円と拡充した。  要望額を除いた総額は同11・1%減の4兆9720億円。科学技術 のほか、文教、スポーツ関連予算など軒並み1割以上の削減となった。  一方要望額には、優秀な人材を育てるための大学の機能強化や環境整 備、新成長戦略で重点分野として掲げている生命科学分野「ライフ・イ ノベーション」と環境関連分野「グリーン・イノベーション」の推進、 宇宙や原子力など日本が強みとする分野の海外展開など10項目を盛り 込んだ。 "[he-forum 15718] しんぶん赤旗8/31 2010年8月31日(火)「しんぶん赤旗」 交付金削減、10、20年の研究できない 大阪大と共産党懇談  日本共産党の宮本岳志衆院議員、改正(かいしょう)充学術・文化委 員会事務局次長、そろり邦雄吹田市議は30日、大阪大学(吹田市)を 訪れ、国立大学の深刻な現状の打開方向について、門田守人、高杉英一 両副学長と懇談しました。  宮本氏は、これまでも日本共産党が東京大学をはじめ全国の大学と懇 談していることをのべ、大阪大学からもきたんない意見を聞かせていた だきたいとあいさつしました。改正氏が党の大学政策提案(6月発表) について説明しました。  門田氏は、来年度予算で運営交付金が1割削減されれば同大学では5 0億円、3年後には150億円の削減になると述べ、「大学としてとて も対応できる額ではない」、高杉氏は、「運営交付金がなければ、10 年、20年をみこした研究ができなくなり、優秀な研究者が日本に残ら なくなる」と強調。「提案の方向でぜひがんばっていただきたい」(門 田氏)と期待を語りました。  また門田氏は、産業に直結した研究でなければだめという政治が強 まってきたことに危ぐを表明。高杉氏も「科学が最先端にいってなけれ ば技術も二流になっていく」とし、「提案で、科学研究費の配分は目利 きのある審査でとしているところがいい」と語りました。 "[he-forum 15719] しんぶん赤旗8/31 2010年8月31日(火)「しんぶん赤旗」 給付型奨学金もりこむ 文科省が概算要求を公表  文部科学省は30日、2011年度予算の概算要求を公表しました。 一般会計の要求総額は、前年度比2422億円(4・3%)増の5兆8 348億円です。このうち特別枠は、8628億円です。  新たな事業として、低所得世帯(年収350万円未満)の高校生への 給付型奨学金事業として、122億円を特別枠で要求しました。  特別枠の予算について政府は、公開の場でおこなう「政策コンテス ト」で決定するとしており、認められない可能性があります。  国立大学運営費交付金は、324億円(2・8%)増の1兆1909 億円を要求していますが、そのうち884億円は、特別枠での要求と なっています。  35人学級実施にともなう教員増のための予算は、初年度分2247 億円を特別枠で盛り込みました。  学校耐震化のための予算としても、2192億円を盛り込んでいます が、その84%は特別枠です。 "[he-forum 15720] 大分合同新聞8/31 大分合同新聞2010年8月31日付 大分大学、「女性研究者サポート室」設置  大分大学は女性の研究者、学生の支援に力を入れる。育児と研究を両立できる環境整備に取り組み、活動を支援して研究者としてのレベルアップを促す。教員や修士・博士課程の女性比率アップの目標を掲げた。県内の大学で初めて「女性研究者サポート室」を設置。学部の事情や女性の立場で異なるニーズに対応する仕組みづくりを模索する。  本年度の国の科学技術振興調整費のうち、女性研究者支援モデル育成事業の分野で大分大学のプランが採択された。事業費は3年間で1億円(上限額)。  達成目標として女性比率を▽教員 20%(現在15%)▽修士・博士課程の学生 35%(同29%)―にそれぞれ引き上げるとした。  環境整備では旦野原、挾間両キャンパスに体調が悪い時に休んだり、授乳ができる休憩室を設置。医学部のある挾間キャンパス内の保育園に病児保育の導入を検討する。研究の支援では学長裁量の経費に「女性枠」を設ける。  「地域社会との連携」も掲げ、将来は県内大学の連携組織や企業、県とともに支援体制を構築。出産・育児で現場を離れた女性医師の復帰を支援して地域医療の担い手を確保することも視野に入れている。  女性への支援体制は少子化の中で学生を確保する上での利点にもなる。ただ他大学と比べて取り組みは遅れており、「この機会に追い付きたい」(藤岡利生理事兼副学長)考えだ。  サポート室長の松浦恵子医学部准教授は、意思決定機関の学長室会議に出席する学長特別補佐に任命された。1児の母でもあり、「研究者としてのレベルアップとともに、個人としても幸せな輝いた女性研究者を増やせるよう応援していきたい」と話している。 ▼科学技術振興調整費  文部科学省の競争的な研究資金助成の一つ。  ▽各府省の施策で対応できていない境界的なもの▽機動的に取り組むべきもの―などに活用される。女性研究者支援モデル育成事業は、九州では熊本、宮崎など各大学で既に実施されている。 "[he-forum 15721] 日本経済新聞8/31 日本経済新聞2010年8月31日付 東北大、中小と技術開発拡大 携帯液晶や部品測定  東北大学と地域の中堅・ベンチャー企業との技術開発プロジェクトが活発になってきた。プラスチック成型の大東精密(宮城県亘理町、斎藤裕之社長)とは携帯電話などの液晶画面向けのフロントライト技術の案件に着手。画像処理のティーワイテクノ(山形市、工藤美紀子社長)とは光計測技術を使い自動車部品などを測定する装置の開発を急ぐ。産学連携で地域産業の競争力を上げる機運が高まっている。  大東精密は、液晶ディスプレーの研究で著名な内田龍男名誉教授らの協力を得て、携帯電話などの液晶画面をフロントライト式にする技術の開発を始めた。液晶画面の光源は現在、後ろ側から照らすバックライト方式が主流だが、フロントライト方式は画面の前側に導光板を配置し、奥の液晶を照らす仕組みだ。  太陽光や屋内照明などの明かりを取り込んで画面表示の光源を補助できるため、機器の電力消費を軽減できる。またバックライトは日中の屋外では太陽光などにより画面が見づらくなるが、フロントライト方式ではこれも抑制できるとみる。導光板の形状などを工夫し、より低電力で高性能のライトをつくる技術を蓄積。今年度に試作し、今後の実用を目指す。  ティーワイテクノの案件は、青木孝文教授の高速・高精度の情報処理技術を活用する。物体にレーザー光をあて、位置などのデータを多数捕捉。高速で処理し、物体の形状や寸法などを高精度に把握する装置をつくる。光学カメラで撮影する場合に比べ、物体の奥行きなどの確認も容易という。自動車部品や工業製品の生産現場の検査システムなどで実用を見込む。  新たに発足したベンチャー企業もある。4月設立の東北マイクロテック(仙台市)は大規模集積回路(LSI)などを研究する小柳光正教授と協力。従来は1層式に回路を搭載するLSIについて、多層式に回路を搭載することでLSI全体の処理性能の向上や小型・低コスト化につながる技術に取り組んでいる。  東北の産業の競争力を引き上げるには、産学連携の一段の推進は不可欠になりつつある。東北の製造業は新興国企業などとの競争を踏まえ、新技術による企業革新が課題だ。一方、東北大もこの1年余りで情報知能や環境科学、材料といった分野で産学連携に関する複数の組織が立ち上がるなど機運が高まっている。 "[he-forum 15722] 山形新聞8/31 山形新聞2010年8月31日付 山大農学部と県立農業大学校が協定 学生交流など一層進める  鶴岡市の山形大農学部(安田弘法学部長)と新庄市の県立農業大学校(百瀬清昭校長)の学術交流協定の締結式が30日、農学部キャンパスで行われた。これまで実施してきた教員の派遣や学生交流などを一層進め、相互の活動や技術の連携を図りながら、農業県・山形ならではの魅力ある農学教育の実現を目指していく。  両者間では既に、農学部側の教授らが農業大学校で講義を行っているほか、卒業論文の指導などを行っている。3年前にスタートした農業大学校から農学部3年次への編入は、来年度予定者5人を含め10人を数えている。協定締結は、より深い連携環境の整備を目的に、具体的には農学部の公開講座などに農業大学校生が参加したり、学園祭などでの学生を中心にした相互交流を深める、との内容。  締結式では、協定書に署名した安田学部長と百瀬校長は「歴史と伝統のある両校が連携し、農学教育の充実に努めていきたい」「互いの特徴を生かし、相互補完しながら実践教育に取り組んでいく」などと述べた。また、安田学部長は農学部、農業大学校、県内の農業高校が間接的だが協定で結ばれたことに触れ「県内の農業教育機関が連携し、全国に発信できるようなモデル事業を展開していきたい」と語った。 "[he-forum 15723] 神戸新聞8/31 神戸新聞2010年8月31日付 神戸大と篠山市連携協定 障害児支援、農業分野で   神戸大学(神戸市灘区)と篠山市は30日、就学前発達障害児の支援や農業分野の共同研究などで連携し、地域活性化に寄与する協定を締結した。  発達障害児については大学院保健学研究科が9月から、篠山市内の保育園や幼稚園で調査を実施。より良い支援のあり方を模索する。同研究科は神戸市でも同様の取り組みを進めており、「都市型の神戸と中山間地域の篠山を合わせ、支援の全国モデルを構築したい」としている。  篠山市はこれまでに、大学院農学研究科と地域連携協定を締結。黒大豆栽培やマーケティングの共同研究、学生の農業演習などを進めてきた。これが発展し、今回の協定に結実した。  神戸大で催された調印式の後、福田秀樹学長と酒井隆明市長、篠山市幹部が記者会見し、篠山市側は「発達障害児への対応は地方でも課題になっている」と述べ、プロジェクトへの期待を表明した。(中島摩子) "[he-forum 15724] 北日本放送9/1 北日本放送2010年9月1日15時 富大附属病院、新生児の外科治療を集約へ  富山大学附属病院は今年11月に完成する新しい病棟に新生児や乳児を専門にした外科部門を新たに立ち上げます。  将来的に新生児の先端的な外科治療を集約する方針です。  これは1日開かれた報道各社との懇談会で遠藤俊郎病院長が報告しました。  富山大学附属病院は今年11月に完成する新しい病棟で周産母子センターの機能強化を図ります。  具体的にはNICU・新生児集中治療室とその後の経過観察を行うGCU・後方病床をあわせた新生児病床を現在の15床から7つ増やして22床にする計画です。  また、生まれ持った病気などで先端的な外科治療が必要な1歳以下の子どもを専門とする「新生児・乳児外科治療部門」を新たに立ち上げます。  遠藤病院長は「県立中央病院や富山市民病院と相談して、1歳以下の子どものあらゆる外科治療を引き受けることにした。全国トップレベルの周産期医療を目指したい」と意気込みを語りました。  県内の周産期医療をめぐってはおととし4月に富山市民病院がNICUを休止してから県内全体でベッド数が9つ少ない状況が2年半近く続いています。 "[he-forum 15725] 共同通信8/31 共同通信2010年8月31日19時6分 国立大の入学定員は微減 来年度8大学が歯学部減員  文部科学省は31日、国立大の2011年度入学定員が前年度より39人減って9万6408人になると発表した。3年ぶりの定員減となる。東北大など8大学が歯学部の定員を計31人減らした。  文科省によると、歯学部の減員のうち北海道大や九州大など4大学は医学部定員増に伴う措置。長崎大は工学部の学科を改組して20人減らした。  大学院の入学定員は前年度より803人増えて5万8608人。修士課程が4万1676人(前年度より836人増)、専門職学位課程が3003人(同15人増)、博士課程は48人減り1万3929人で5年連続の減となった。  10年度の入学定員は、昨年8月の段階では9万6182人だったが、その後医師不足対策で医学部の定員が265人増え計9万6447人となっていた。 "[he-forum 15726] 朝日新聞富山9/2 朝日新聞富山版2010年9月2日付 新ルールで初 学長選始まる  富山大  富山大学の次期学長を決める学長選が1日、公示された。候補者の推薦の受付は17日正午まで。2008年12月にあった学長選では、教職員らを対象にした2回の意向調査(投票)で最下位だった西頭徳三学長が再選されて混乱し、今回から見直された新ルールで選ばれることになる。  大学によると、1~17日の間、教授・准教授20人以上か、学外委員で構成する経営協議会メンバーの推薦を得た人物の届け出を受け付ける。その後、21日に最初の学長選考会議で書類審査などを経て、第1次学長候補適任者が公表される。10月7日に2回目の会議が開かれ、面接などを経て、人物が多数の場合、5人程度に絞られた第2次適任者が公表される。  さらに10月中旬に公開討論会、同下旬に教職員らによる意向調査があり、上位3人を絞り込む。最終的な学長候補者の選考と決定は11月8日ごろになるという。西頭学長の任期は11年3月末まで。 "[he-forum 15727] 宮崎日日新聞社説9/2 宮崎日日新聞社説2010年9月2日付 大学の予算 削減は「可能性の芽」を摘む  大学の予算が引き続き大幅に一律削減されるのではないかと、大学関係者の間で不安が高まっている。  2004年の国立大学の法人化以降、運営費交付金が毎年1%ずつ減額されている。さらに予算削減が続けば、日本の大学は壊滅的打撃を受ける。  大学は人材養成と研究活動を担う場である。その予算は重要な「未来への投資」であり、これ以上衰退させてはいけない。 ■無駄遣いの点検必要■  6月22日に閣議決定された「財政運営戦略の中期財政フレーム」。これに国立大や大学共同利用研究機関の運営費交付金、私立大の経常費補助、科学研究費などの政策的経費13兆円を年間8%、1兆円ずつ、3年間削減する方針が示され、大学は大きな衝撃を受けた。  日本化学会など29の学会の会長や、大学の学長らが大学・研究機関の強化と予算確保を求めて緊急声明を出した。  このまま予算削減が続けば大学の教育と研究は崩壊してしまう。いったん崩れた大学の再生は容易ではない。  深刻な財政難の中で、成長戦略を理由に大学だけを聖域とするわけにはいかない。昨年秋の与党の事業仕分けで指摘された科学技術研究費の無駄遣いの点検は必要だ。  研究費の不正使用は後を絶たない。大学は公正で効率的な同費の使用に努めるべきだ。  中国や韓国など東アジア各国は大学への投資を増やして研究者の育成に力を入れている。それと対照的に日本だけが最近5年間で高等教育予算が伸びていない。 ■地方の大学ほど深刻■  大学の博士課程への進学者は04年以降、約20%も減った。世界的な人材育成・獲得競争で日本が取り残されようとしている。  英国の科学誌ネイチャーは各国の研究者を対象に実施した、待遇への満足度調査の結果を6月24日号で発表している。16カ国のうち日本の研究者の満足度が最低だった。日本の大学進学率は50%に達したが、韓国やタイより低い。  国立大の運営費交付金は04年度から10年度までに計830億円減った。大学の日常の運営を下支えする基盤的経費の削減は、新しい研究の芽を摘んでしまう。  予算一律削減の影響は地方の大学ほど深刻だ。地方の大学は地域に密着した研究拠点で、地域の活性化に果たす役割は大きい。競争を重視するあまり、多様な大学の可能性をつぶしてはいけない。  2000年以降、ノーベル賞の受賞者が8人、日本から出た。その大半は1970年前後に、運営費交付金による国立大の自由な研究土壌から生まれた業績だった。  自然や人間、社会の謎に挑戦し、世界に貢献する人材を育てる大学をもっと大事にすべきだ。政府には予算削減路線を改めるよう求めたい。 "[he-forum 15728] 長崎新聞9/2 長崎新聞2010年9月2日付 技術移転機関「長崎TLO」5月に解散 長崎大、黒字化めど立たず 全国のTLOの取り消し状況  長崎大(片峰茂学長)の研究者らが生み出した研究実績などの知的財産を実用化するため、企業との調整を図る技術移転機関「株式会社長崎TLO」(長崎市)が5月に解散していたことが1日、分かった。運営経費に関する国からの補助金の期限切れを背景に、継続的な黒字化にめどが立たなかったことが主因。  TLO制度は、2004年の国立大の独立法人化に伴い、大学の新たな収入の柱と注目された。しかし、民間との成約案件によるロイヤルティー収入を基盤にする運営は、成約そのもののハードルが高く「至難の業」(ある大学の産学官連携担当者)。「国の補助金がなければ成り立たない制度」(同)という実情もあり、全国的にTLOの解消が相次いでいる。  長崎TLOは、長崎大教授らが出資し、04年1月に設立。研究者らが開発した特許を企業に中長期の契約で貸し出したり売却することで、ロイヤルティー収入として約4割を得る仕組みで、独製薬会社と契約した08年度が最高の年間約3600万円の収入があった。最終剰余金は190万円だった。  しかし、最大で年間1400万円の支援があった国補助金は規定上、設立5年間の支給のため長崎TLOは08年度で終了。09年度以降は明確な収入の確保に見通しが立たなかったため「赤字に陥る前に解散し、大学内の類似組織で特許の民間転用を進める」と判断した。  長崎大は今後、知的財産本部を中核にして、研究者と企業との共同研究や大学発ベンチャーの支援といった機能を強化する方針。  TLOをめぐっては、これまで全国で、筑波大や北海道大などの6機関が経営の効率化を主な理由に解散し、学内組織に一本化するなどしている。  産学官連携に詳しい技術ジャーナリストの丸山正明氏は「全国的に経営状況の厳しさからTLOを解散し、機能を大学内に取り込む動きは今後も進むのではないか。大学側は、黒字化の事業モデルを明確にすべきだ」としている。  ◆ズーム/TLO  研究者が持つ特許を民間企業に転用するための機関で、株式会社や財団法人などの組織形態がある。1998年に成立した大学等技術移転促進法(TLO法)により設置が可能になった。経済産業省によると現在、株式会社東京大学TLOなど学内組織と分離した独自のTLOは全国に29機関。赤字に陥っている機関は増加傾向で国補助金の交付終了後、経営が厳しくなるケースが多いという。 "[he-forum 15729] 河北新報9/1 河北新報2010年9月1日付 子どもの発育へ環境汚染の影響探る 東北大が宮城県と協定締結  東北大大学院医学系研究科は本年度、宮城県内4医療圏の母子を対象に、環境汚染が子どもの発育に与える影響を探る大規模調査を始める。実施に向けて31日、県や関係自治体と協力協定を結んだ。  調査は大崎市、気仙沼市、石巻市、岩沼市など14市町で行う。対象は来年7月1日から2013年12月末までに出産予定の妊婦。来年1月から、医療機関や自治体を通じて9000人に協力を呼び掛ける。  胎児期から13年間、子どもの発達状況を調査する。参加者は妊娠中から出産後にかけて、血液やさい帯血、母乳などの採取を受ける。生後1カ月から12歳まで、定期的に子どもの健康診断や食習慣・生活環境に関する面談も実施。疾患が見つかった場合は、早期に専門医に紹介する。  東北大などによると近年、自閉症やアスペルガー症候群などの精神神経発達障害や、先天異常のある子どもが増えているという。原因として、ダイオキシンなどの汚染物質や農薬、住宅建材に含まれるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)の影響が指摘されている。関連を分析し、新たな治療や環境対策に結び付けるのが調査の狙い。  31日行われた調印式で、井上明久総長は「子どもを取り巻く環境の検証を進めたい」とあいさつ。村井嘉浩知事は「調査に全面的に協力し、成果を今後の環境基準やリスク管理体制につなげたい」と述べた。  環境省が全国の大学で計10万人を対象に行う調査の一環。東北では、福島県立医大も福島県内10市町村6900人を対象に調査を行う。 "[he-forum 15730] しんぶん赤旗9/3 2010年9月3日(金)「しんぶん赤旗」 交付金削減 学部の機能が止まる 弘前大学長と共産党懇談  日本共産党青森県委員会の吉俣洋書記長、安藤はるみ県議、越明男弘 前市議団長は2日、青森県弘前市の国立大学法人弘前大学を訪問し、遠 藤正彦学長と国立大学の現状などについて懇談しました。同大学の江羅 茂総務部長が同席しました。  安藤県議が、日本共産党が6月に発表した大学政策の提案を手渡し、 予算の削減などで生まれている大学の危機打開に向けて、意見をうかが いたいと、訪問の趣旨を説明しました。  遠藤学長は、大学への運営費交付金が毎年1%削減され、同大ではこ の6年間でおよそ11億4千万円削減されたと説明。  遠藤学長と江羅部長は、来年度予算の概算要求基準通り前年度比1割 カットになると、同大学では10億円のカットとなり、どんな事態が予 想されるかを具体的に示しました。人件費が10%カットとなれば、教 員を250~260人削減しなければならず、そうなれば学部の機能が 停止すると危機感を表明しました。  遠藤学長は、「しかし、“生首”を切ることはできない。そうすると その分が、物品費にはねかえらざるをえないが、教育費に手をつけれ ば、大学の機能が成り立たない。エレベーターを止める、トイレの水を 使用禁止にする―こんなことにもなりかねない」と話しました。遠藤学 長は、大学間の配分の問題、地方と格差の問題もあるとして、「文 部科学省の概算要求が額として膨らんだだけでは喜んでいられない」と 話しました。 "[he-forum 15731] 朝日新聞9/3 朝日新聞2010年9月3日付 奨学金の返還滞納、10年で2.6倍 文科省が報告書  独立行政法人「日本学生支援機構」が扱う奨学金の返還滞納者が増えている問題で、文部科学省は2日、有識者がまとめた報告書を公表した。3カ月以上の滞納額は2009年度に2629億円と10年間で2.6倍に増加しているが、回収体制が追いついていないとして機構に抜本的な組織改革を求める方針だ。  機構は04年に設立されて日本育英会から大学生の奨学金事業を引き継いだ。1999年度以降、有利子奨学金の規模が急速に拡大。無利子も合わせると今年度の貸与人員は118万人、事業費は10年前の2.4倍の1兆55億円に。  一方で、貸し倒れの危険がある「リスク管理債権」にあたる3カ月以上の滞納額は、09年度に2629億円。卒業して返還中の273万人のうち21万人に達する。  債権回収に詳しい弁護士や銀行担当者ら6人による有識者が業務を検証したところ、育英会時代からの滞納者の捕捉が難しいのに加え、業務に使うシステムが古いことも回収が進まない理由に挙がった。たとえば、返還期限の猶予願の処理だけで平均56日かかっており、職員へのアンケートでも「月に何日もシステムが停止する」「統計処理に限界があり、手作業での集計が多くなる」との声が寄せられた。  報告書では、組織内の責任の明確化や業務の集約・効率化を求めたほか、奨学金を借りる窓口になる大学ごとの滞納率の公表について検討が必要だとした。(見市紀世子) "[he-forum 15732] 毎日新聞岐阜9/3 毎日新聞岐阜版2010年9月3日付 県医師育成・確保コンソーシアム:研修医確保へ連携--岐阜大医学部と9病院 ◇内容共通化で質向上  岐阜大付属病院など多くの研修医がいる県内9病院と同大医学部による「県医師育成・確保コンソーシアム」が6日に設立される。各病院が連携して研修プログラムの質を向上させることで、同大卒業生らの研修医を県内に引き留める狙い。医師が不足する県内の地域への派遣を研修に盛り込むことで、医師不足解消も目指す。  6日に各病院の院長らが県庁に集まり、協定締結式を行う。  県医療整備課によると、大学を卒業した医学部生が2年間義務づけられている初期臨床研修で、コンソーシアムを構成する9病院は共通の研修プログラムを導入する。各病院が得意とする分野のノウハウを共有することで、プログラムの質の底上げにつながると期待されている。  県の初期臨床研修医の受け入れ枠は140人。だが、都会の病院での研修を望む学生が多く、10年度の受け入れは107人にとどまるなど、研修医の確保に苦戦している。研修プログラムの質を上げることで、流出を防ぎたい考えだ。  一方、任意の後期臨床研修制度では、研修プログラムに医師不足地域への派遣を組み込む。研修の一環なので、派遣は一定期間にとどまり、コンソーシアムを構成する病院から指導医が定期的に派遣される。  同課は「地域医療のなり手は少ないが、実は興味を持つ人は少なくない。指導医のフォローを受けながらキャリア形成にもつながるのならば、心理的なハードルも下がり、志願者が増えるのではないか」とみている。  前・後期の臨床研修にまたがって県内の病院が包括的に連携するのは、全国でもまれな試みだという。同課は「県全体で医師を育て、県内の医師不足を無くしたい」としている。【岡大介】 "[he-forum 15733] 日本経済新聞9/3 日本経済新聞2010年9月3日付 九大など、途上国農家の販売支援システム 社会事業に取り組む  九州大学は通信システム会社と組み、途上国の低所得者層(BOP=ボトム・オブ・ピラミッド)向けに、携帯電話などを使った農作物の販売支援システムを構築、このほどバングラデシュで運用を始めた。農家は自動音声ガイダンスに従い、携帯電話の簡単なキー操作で農産物の価格と数量を公開、インターネットの売買市場に参加できる。九大は今回の運用でノウハウを蓄積、社会問題をビジネスで解決する「ソーシャルビジネス」(社会事業)の普及につなげたい考えだ。  九大大学院システム情報科学研究院がモバイル・テクニカ(東京・中央)とシステムを構築、このほどバングラデシュの3カ所の農村で運用を始めた。総事業費は3年間で1億5000万円。国際協力機構(JICA)から業務を請け負った。  システムは音声自動応答装置(IVR)を活用し、携帯電話のほか、村の公共施設に備えたパソコンで利用する。農家が通信センターに電話をかけるとIVRが応答。流れてくる音声ガイダンスに従い数字キーを操作して、売りたい作物の種類や量、価格を送信する。  例えばトマトなら「1」、ナスなら「2」と打ち、次に売りたい量や価格を打ち込む。情報は都市部の大手スーパーなどが参加する電子取引市場に送られ、売買が成立すれば出荷する仕組み。  バングラデシュの農村はこれまで農作物の販路が近隣に限定され、取引価格も安かった。だが、同国の経済成長に伴い都市部の富裕層向け食品市場が拡大。土作りや肥料などに配慮した栽培技術で育てた野菜は、2~3倍高い価格で売れるといい、ICT(情報通信技術)を活用してBOP農家の所得向上を図る。  高付加価値の野菜を栽培するための技術情報も公共施設を通して九大や現地の非政府組織(NGO)が提供。農家から受け付けた相談もデータベース化する。 "[he-forum 15734] 神戸新聞9/5 神戸新聞2010年9月5日付 欧州と連携強化 神戸大、ベルギーに事務所開設    神戸大学(神戸市灘区、福田秀樹学長)は4日までに、欧州の大学や企業との学術交流、産学連携を進める拠点としてベルギーのブリュッセルに「神戸大学ブリュッセルオフィス」を開設した。  欧州連合(EU)の諸機関、欧州各国の学術団体などが集中するブリュッセルに日本の国立大学が事務所を構えるのは初めて。ブリュッセルオフィスは、神戸大の研究成果を欧州に発信するとともに、幅広い分野で、欧州の大学などと連携を深めていく方針。 "[he-forum 15735] 河北新報社説9/7 河北新報社説2010年9月7日付 国立大学交付金/特色づくりに有効活用を  2011年度予算の概算要求で、文部科学省は国立大の収入源である運営費交付金として1兆1909億円を盛り込んだ。前年度当初予算比で324億円の増額(2.8%増)となり、要求が認められれば、04年の国立大法人化に伴う交付金創設以降、削減を続けてきた方針の転換となる。  各大学は、削減の分を外部からの研究資金獲得や付属病院の収入増など自己資金調達でしのいできた。しかし、研究者が書類作りなどの作業に追われているほか、病院では診察に忙殺されるようになり、大学側が「本来業務の研究に支障が出ている」と見直しを求めていた。  科学技術立国を支える研究現場の環境を整えることは望ましいことだ。ただ、多額の研究開発費、施設整備費の使い道に無駄はないか、非効率な支出はないか、十分な説明責任が求められる。大学は、財政運営プロセスの透明化に努めることを忘れてはならない。  法人化は大学の自立と競争力を高める狙いで行われ、自公政権の「骨太の方針」に沿って運営費交付金は毎年、1%程度減らされている。削減額は6年間で830億円に上る。  各大学は交付金の不足分を補おうと、先端的な研究に配分される国の科学研究費補助金をはじめ、民間企業との共同研究など「競争的資金」を獲得するよう教員らに奨励した。  短期的に成果が上がりやすい研究に走る傾向が強まったほか、「外部資金の獲得は申請書作成など準備に手間がかかり、研究する時間が減った」など弊害を指摘する声が聞かれた。  外部資金の確保に苦しむ中で、収入源の役割を求められたのが付属病院だった。手術件数、患者の受け入れ数ともに大幅に増えた結果、研究者でもある医師が診察に忙しく、高度医療研究に割く時間が足りなくなるといった影響が出始めている。  自然科学系の研究者が世界の学術誌に執筆した論文数が減少の一途にあるというデータも公表され、国立大学協会は「運営交付金の削減は、人材養成や研究の拠点を破壊している」と予算の確保を要望した。  昨年9月の政権交代後、先端技術開発を重視する民主党は削減方針の撤廃を表明。11年度予算の概算要求で初めて増額を明記した。増額分は、付属病院の教育研究支援(100億円)、新たな教育研究事業の推進(同)などに充てたいという。  国立大は10年度から法人化の「第2期中期計画」に入った。助走期間とも言えた1期目に対し、各大学の特色、得意分野を生かす個性ある学術拠点づくりを眼目にしている。  運営費交付金が実際に増えるかどうかは、年末の予算編成で決まるが、長期的な取り組みが必要な基礎研究などは、やはり国立大が担うべきだろう。若い研究者が希望を持てるよう支援し、有効に活用してほしい。  一方で、大学も効率の良い支出に努めるとともに、外部評価制度の充実、成果の公表を推し進め、社会貢献を十分に果たすことを望みたい。 "[he-forum 15736] 読売新聞9/7 読売新聞2010年9月7日付 学生の声 大学変える…岡大で29校真剣トーク 全入時代 教職員と共に知恵  全国の大学生と教職員が集まり、授業の改善や理想の大学像について議論する交流イベントが、岡山市北区津島中の岡山大で4、5両日、開かれた。大学改革の一環として7年前に始まった取り組みで、今年は29大学から約100人が参加した。全入時代を迎え、大学を取り巻く環境が厳しさを増す中、より良いキャンパスにしようと、学生と教職員が知恵を絞る現場を取材した。 (末善悠太)  イベントの初日、会場となった教室に参加者の笑い声が響いた。「大学生活」と聞いて連想する単語を、学生と教職員が交互に紙に書きだしたところ、学生が「授業」「単位」「留年」と書いたのに対し、教職員側が「語り合い」「学生結婚」「マージャン」と書くなどイメージのギャップが浮き彫りになったからだ。  バブル景気の頃、学生生活を謳歌(おうか)したという、大阪大大学教育実践センターの服部憲児准教授(43)は「当たり前だと思っていた学生像と異なり、今の学生がまじめなことに驚いた。今後の授業改善などに反映できそう」と受け止めた。 ◇  岡山大では2001年、各学部から推薦された学生と教授らによる「教育改善委員会」が発足した。きっかけは、学生から講義名を列挙したシラバス(授業計画書)が分かりにくいとの指摘があり、曜日別のものに書き直したことだった。  04年の独立行政法人化をにらみ、大学の魅力を高めたいと考えていた大学側は、学生の意見が参考になることを実感し、シンポジウムを開催。これが委員会につながった。橋本勝岡山大教育開発センター教授(55)は「教職員だけで大学を変えていくことに限界を感じていた」と振り返る。  委員会では、学生が新入生向けの履修相談会を開くなど学生主体の改革を進めた。学生のアイデアを基にした一般教養の講義科目も誕生した。就職に役立つ敬語や礼儀作法を身につける「知らなきゃやばい大人のマナー」や、人気漫画「ドラえもん」の道具を題材に科学技術の基礎を学ぶ「ドラえもんの科学」などで、新入生らに好評という。  交流イベントは、こうした取り組みを他大学にも広げようと、04年に始まった。 ◇  今年のイベント2日目には、「大学で身につけたい能力」をテーマに、学生と教職員が「コミュニケーション力」や「就活突破力」などのテーマ別に7グループに分かれて議論した。  コミュニケーション力を選んだ、北九州市立大文学部2年山本佳奈さん(20)は最初、大学では会話する技術を学びたいと考えていたが、議論を通じて考えが変わったといい、「自分を相手に伝えるためには、表現力や知識、行動力など様々な能力が必要と分かった。大学でしっかりと考える力を学び、社会に出て生かしたい」と力を込めた。  イベントのスタッフを務めた、岡山大工学部2年の佐藤奈央子さん(19)は、「教職員の立場からアドバイスをもらえて、自分自身も成長できたし、大学改善のヒントも得られた」といい、語り合うことの大切さを実感していた。 ・  時にまじめに熱く、時に笑いながら語り合った2日間。学生と教職員がイベントで得たものを、それぞれの大学に持ち帰って生かすことができれば、キャンパスライフはもっと素晴らしいものになると感じた。 "[he-forum 15737] 西日本新聞9/5 西日本新聞2010年9月5日付 熊大病院に東病棟完成 21日から利用 高度治療室を新設  熊本大医学部付属病院(熊本市本荘、猪股裕紀洋院長)に新たに東病棟が完成し、同病院で4日、記念式典があった。ICU(集中治療室)に準ずるHCU(高度治療室)を備え、患者の重症度に合わせた受け入れを可能にした。入院中、快適に過ごしてもらうための図書室もある。  猪股院長は式典で「大学病院ならではの最新の医療設備が整った。今後も地域に愛され、世界に発信する熊大付属病院でありたい」とあいさつした。  東病棟は地上12階地下1階建てで、延べ床面積は約2万平方メートル。病床数は433で総工費は113億円。既存の西病棟と中央診療棟とも連結していて、内科・外科の診療の垣根を越えた横断的な診療が可能になるという。21日から利用を始める予定。 "[he-forum 15738] 時事通信9/4 時事通信2010年9月4日6時3分 法科大学院、残り19校も定員削減へ=早慶、中央など計290人-中教審  新司法試験の合格率低迷が問題となっている法科大学院で、これまで定員を維持してきた19校が2011年度から削減に転じ、計約290人を減らすことが4日、分かった。早稲田大や慶応大、中央大など首都圏の大規模私立が中心で、これで全法科大学院が削減に踏み切ることになる。  合格率が当初の想定より低いことや、中央教育審議会が学生の質を維持するために定員見直しを求めていることを背景に、大規模校もこれまでの消極姿勢を転換した。2度目の削減を行う大学もあり、全体の定員は4600人程度となる見通し。  10年度の定員が300人だった早稲田大と中央大、同260人の慶応大がそれぞれ30人減員。南山大など愛知県内の4校は5~10人、関西大や立命館大など関西圏の3校が20~30人、札幌市の北海学園大も5人減らす。 "[he-forum 15739] 朝日新聞岐阜版9/7 朝日新聞岐阜版2010年9月7日付 研修医育成でタッグ  県内の公的病院と民間病院が連携して研修医の育成と医師確保に取り組もうと、岐阜大学医学部付属病院などでつくる団体「県医師育成・確保コンソーシアム」が6日、設立された。研修医に魅力的な研修プログラムを提供して県内への医師の定着を図るほか、へき地への勤務を研修に盛り込み、医師不足地域の解消も狙っている。(舩越紘) ◆医師不足地域の解消も  県内は人口10万人あたりの医師数が177・8人。全国平均の212・9人を下回り、ワースト10に入る医師過疎地域だ。  背景には、2004年に新しい臨床研修制度が始まったことがある。研修医が自由に研修先の病院を選べるようになったため、症例数の多い都市部の病院に人気が集中。医師不足を懸念した地方の大学病院は、へき地に派遣していた医師を引き揚げ始めた。  そこで岐阜大学医学部では2008年度、県内で働く意欲がある県出身者を対象にした推薦入学の「地域枠」を設けた。当初は10人だったが、10年度から25人に枠を拡充。一定期間、県内で勤務すれば授業料などの返済が免除される奨学金制度もつくった。  設立された組織は、地域枠で入学した卒業生の受け皿として想定している。岐阜大学付属病院をはじめ、研修医が多く集まる県内の公的・民間の計9病院が参加した。各病院が連携して、研修医の希望を踏まえたキャリアパスを作成。必要に応じて指導医も派遣し、研修プログラムの質を高める。  県医療整備課によると、現在の制度では、複数の病院間で研修を積むことは難しいという。「病院によって得意分野は異なる。複数の病院で研修して、自分の専門性を高めることもできる」と同課の担当者は今回の新しい連携に期待する。岐阜大学医学部地域医療医学センターの村上啓雄・副センター長も「教育を受ける側としては、安心して県内でキャリアアップできる体制が大切だ」と語る。  さらに、研修プログラムでは医師が不足している地域への派遣を義務づける。飛騨や東濃地区にある中核病院のほか、岐阜地区でも医師不足に悩む診療科などが、派遣先になりうるという。  6日はコンソーシアムに加わる各病院の病院長らが県庁に集まり、協定の締結式があった。犬塚貴・岐阜大学医学部長は「若手の医師を育成するなかで、地域医療の確保を目指したい」と話した。 "[he-forum 15740] 毎日新聞9/8 毎日新聞 2010年9月8日 東京朝刊 公的支出:教育へ、日本最下位 OECD28カ国中、07年GDP比  経済協力開発機構(OECD)は7日、加盟各国の教育に関する予算 や政策などのデータを比べた「図表でみる教育10年版」を公表した。 07年の国内総生産(GDP)に占める、教育機関に対する公的支出の 割合はOECD平均が4・8%。これに対し、日本は3・3%と比較可 能な28カ国中最下位だった。  日本は06年がワースト2位、05年が最下位と毎年低迷している。 公的支出の割合が最も高いのはアイスランドの7・0%で、以下、デン マーク(6・6%)、スウェーデン(6・1%)と続き、北欧諸国の教 育に対する積極投資が際立った。  一方、日本の教育支出に占める家計負担(授業料など)の割合は、O ECD平均(17・4%)の2倍近い33・3%で、24カ国中4番目 に負担が重かった。特に幼稚園などの就学前教育段階(56・2%) と、大学などの高等教育段階(67・5%)の家計負担が重い。  日本以外に家計負担が50%を超えたのは、就学前教育段階がオース トラリア、韓国の2カ国、高等教育でもチリや韓国など5カ国だけだっ た。  また、08年の小学校1クラス当たりの児童数(OECD平均21・ 6人)を比べたところ、データがある27カ国のうち、日本は3番目に 多い28人だった。中学校の生徒数(同23・7人)は33人で、23 カ国中2番目に多かった。  民主党は野党時代から「OECD並み教育の実現」を掲げ、今年度か ら高校無償化を実現したが、今回の調査結果には反映されていない。O ECDは「他の多くの国でも教育支出が増大しており、日本の政策変化 が反映されても相対的な位置がどうなるかは分からない」としている。 【井上俊樹】 "[he-forum 15741] 朝日新聞9/8 朝日新聞2010年9月8日付 米軍マネー、日本の研究現場へ 軍事応用視野に助成  大学や研究所など日本の研究現場に米軍から提供される研究資金が近年、増加傾向にあることがわかった。研究に直接助成したり、補助金付きコンテストへの参加を募るなど、提供には様々な形がある。背景には、世界の高度な民生技術を確保し、軍事に応用する米軍の戦略がある。  軍服姿の米軍幹部がヘリコプター型の小型無人ロボットを手に取り、開発者の野波健蔵・千葉大副学長(工学部教授)が隣で身ぶりを交えて説明する。そんな様子が動画投稿サイトで公開されている。  米国防総省が資金提供し、インド国立航空宇宙研究所と米陸軍が2008年3月にインドで開いた無人航空ロボット技術の国際大会の一場面だ。千葉大チームは「1キロ先の銀行に人質がとらわれ、地上部隊と連係して救出作戦に当たる」というシナリオのもと、自作ロボットで障害物や地雷原、人質やテロリストの把握などの「任務」に挑んだ。入賞はならなかったが、その性能は注目を集めた。参加は、組織委員会に日本の宇宙航空研究開発機構の研究者がおり、出場を誘われたからだという。  09年には野波副学長を代表とし、米国出身の同大特任教授、学生らとつくる「チバ・チーム」が米豪両軍が主催する軍事ロボットコンテスト「MAGIC2010」(優勝賞金75万ドル、約6300万円)にエントリーした。同チームにはすでに研究開発費5万ドルが与えられた。今年、最終予選でベスト6となり、11月に豪州で行われる本選への切符を手にした。  このコンテストでは、市街地で非戦闘員と戦闘員を識別する自動制御の軍事ロボットの能力を競う。レーザーポインターを武器に見立てて照射して敵を「無力化」する。副学長は「学生はこうしたコンペでは燃える。動機付けとして非常にいいと考えた」と参加の理由を語る。  米軍の研究開発予算は2010年度で800億ドル(約7兆円)。この一部が世界に提供されている。軍事技術コンテストを開催し、世界から参加を募るのもその一つだ。  有望な研究者らに対する研究費や渡航費、学会などの会議の開催費などの名目で助成するものもある。日本、韓国、中国、豪州などアジアと太平洋地域向けに資金を提供する空軍の下部組織「アジア宇宙航空研究開発事務所」(AOARD)によると、空軍から日本への助成件数は10年間で2.5倍に増えた。助成総額は明らかではないが、関係者が明らかにした助成1件の平均額から単純計算すると、10年でざっと10倍に増えている。  経済産業省は、軍事応用されかねない技術の国外提供に枠を定め、外為法で規制している。 ■米国―急速な技術革新、独自開発に限界  東京・六本木の米軍施設「赤坂プレスセンター」(通称ハーディー・バラックス)のビルの中に、陸、海、空軍の各研究開発事務所が入るフロアがある。主にアジアの研究者に資金提供したり、研究者や研究内容の情報を収集している。  スタッフは合わせて数十人。軍人より文民の方が多い。「プログラムマネジャー」などの肩書を与えられて国内の情報収集に協力している日本人の研究者もいる。  AOARDを通じた日本への資金提供には、(1)研究開発費(研究助成)(2)会議運営費(会議助成)(3)米国などへの渡航費(旅行助成)――の3種類ある。  世界の学術研究の成果(論文数)に米国が占める割合は、80年代以降下がり続ける一方、アジアの伸びは著しい。米空軍が世界に提供する研究費のうち、アジア向けは今、欧州向けと並んで4割を占める。  AOARDは92年に開設された。前年の湾岸戦争では、巡航ミサイルなど多数の新兵器が投入され、以後、軍事技術のあり方は急速に変わった。  拓殖大の佐藤丙午教授(安全保障論)によると、兵器のハイテク化に伴って高額化する研究開発費を米軍が単独でまかなうのはますます難しくなっているという。「冷戦後の流れから考えれば、日本への助成額の増加は当然の流れ」と話す。 ■日本―魅力的な研究費、根強い抵抗感も  東北学院大(宮城県)の十合(とうごう)晋一名誉教授は03年、研究室でAOARDの関係者の訪問を受けた。関係者は軍の研究資金について説明し、提供を申し出た。研究テーマは超小型ガスタービン技術の基礎研究。小型発電機に使え、自走型ロボットや超小型航空機の電源への応用が期待される。  教授は経済産業省に問い合わせて武器輸出の規制に抵触しないことを確かめ、3回にわたって総額約20万ドルを受け取り、成果を報告書にまとめて提出した。  「義務は報告書の提出と、論文に資金提供者名を明記することだけ。特許などの知的財産は研究者が保有できる好条件だった」と振り返る。  米軍の研究費は使い道が自由なのが特徴だ。1年で1万8千ドルの資金提供を受けたある日本人は、文献研究による20ページほどのリポートを提出しただけ。研究成果ばかりでなく、人脈作りを重視していることをうかがわせる。  提供を受けるのは、プロジェクト研究を率いるノーベル賞級の学者から、少額の旅費にも事欠く若手の博士研究員(ポスドク)まで幅広い。  ある国立大の30代の助教は、自分が発表する国際学会に参加する渡航費の助成を、米空軍と米科学財団から受けた。国の助成に応募したが認められなかったためだ。助教は来年度には任期が切れる不安定な身分。研究者であり続けるには成果が必要だ。「いまはどんな助成チャンスでもすがりたい」と話す。  一方で、結果的に軍事技術開発につながりかねない研究をすることへの抵抗感も、日本の科学者の間で根強い。「MAGIC2010」に出場したチバ・チーム代表の野波副学長は「本選への参加は取りやめた」と話し、「スポンサーは軍。私の良心があるので悩んだ」と理由を語った。(松尾一郎、小宮山亮磨) "[he-forum 15742] 陸奥新報9/8 陸奥新報2010年9月8日付 弘大が加藤謙一文庫開設  弘前大学(遠藤正彦学長)は、同大学前身の県師範学校卒業生で、戦前戦後を通じ少年雑誌編集者として活躍した加藤謙一さん(1896~1975年)の功績をたたえ、同大学附属図書館に「加藤謙一文庫」を設置、同図書館前に記念碑を建立し、7日に開設式と除幕式を行った。  加藤さんは弘前市生まれ。1917年に県師範学校(現弘前大学教育学部)を卒業後、市内の小学校教員となったが、退職し編集者を目指して上京、講談社に入社した。22年に「少年倶楽部」の編集長に抜てきされ、発行部数を伸ばした。  45年、取締役に就任するも太平洋戦争終結に伴い退社。48年に学童社を興し創刊した「漫画少年」で、新人の発掘と育成に努め手塚治虫、藤子不二雄、赤塚不二夫、松本零士といった日本を代表する漫画家を育てた。  同文庫では加藤さんの四男の丈夫さん(71)が寄贈した少年雑誌など263冊が閲覧可能。長谷川成一館長は「編集者側から見たコレクションは類を見ないユニークなもの。漫画研究に寄与できれば」と期待を寄せた。  式では丈夫さんと遠藤学長らがテープカットや除幕を行い、加藤さんの功績をたたえた。丈夫さんは「父は22歳で飛び出し、故郷への思いが強かった。本当に喜んでいると思う」と話した。  同図書館は文庫開設と記念碑建立を記念した資料展を同大学創立50周年記念会館で12日まで開く。時間は午前10時~午後4時45分。 "[he-forum 15743] 日本経済新聞9/8 日本経済新聞2010年9月8日付 横浜国大が都市政策の大学院 街づくり担い手育成  横浜国立大学が2011年度に実施する組織改革の全容が明らかになった。都市政策を専門に研究する大学院を新設し、将来の横浜の街づくりや都市計画づくりを担う人材を育成する。学部再編では工学部などを統合して理工学部を設置、地元企業との連携を進める。少子化で「大学全入時代」といわれるなか、地域とのつながりを強化することで学生の獲得につなげる。  新設する大学院は「都市イノベーション学府」。建築の視点だけでなく文化、経済、環境などの視点からも研究する。地元企業や来年開館予定の神奈川芸術劇場など文化施設へのインターンシップも計画しており、実践力を身につけた人材を育てる。  修士課程は文化を軸にした「建築都市文化専攻」と、経済発展が進むアジアなど海外の都市政策を研究する「都市地域社会専攻」の2コースとする。地元の都市づくりのほか、海外の街づくりを担う人材も輩出したい考え。  理工学部は工学部、教育人間科学部の「地球環境課程」、同「マルチメディア文化課程」の一部を統合して設置する。機械、化学などと、環境、バイオ、マルチメディアなどを1つの学部に集約する。学生が様々な分野を学べるようにするほか、地元企業との幅広い分野で産学連携しやすくする。  5月に文部科学省に大学改編を申請し、調整を続けてきた。11月にも認可を受ける見通しだ。  同大の10年度の志願者数は9213人で06年度から毎年9000人前後で推移している。今回、1949年の大学創設以来、最大の組織改革という。 "[he-forum 15744] しんぶん赤旗9/10 しんぶん赤旗2010年9月10日付 大学運営費交付金 1割削減は死活問題 宮本議員 予算確保十分に  日本共産党の宮本岳志議員は8日の衆院文部科学委員会で、大学運営費交付金の1割削減問題をとりあげ、大学の運営を安定的に支える予算確保を求めました。  宮本氏は、懇談した大学から「予算削減の中で、プールから水が漏れても、体育館の天井が壊れても修理ができない」「運営費交付金は6年間で37億円の削減。(さらに)1割削減となると対応できない」などの深刻な声がよせられていることを紹介。東京大学では1割削減したら85億6900万円が削減され、法学部、医学部などの8学部とその研究科の1年分の運営経費に相当する額(別項)だと訴えていることをあげ、「大学に壊滅的影響をおよぼす削減はあってはならないことだ」と迫りました。  川端達夫文部科学相は、「運営費交付金は基盤的な経費で重要。1割削減の対象ではあるが、一律に全部切り込むものではない。来年度概算要求では324億円増とした」と答えました。  宮本氏は、「それは政策コンテストという審査によって削減の対象となる特別枠884億円を含めたものだ。運営費交付金は、日常的運営に不可欠な経費で、取り合いをする性格のものではない。大学にふさわしく必要経費を積算し、総額を決定すべきだ」と指摘しました。  川端文科相は、「要求だろうと、(特別枠となる)要望だろうと、いるものはいる。予算を勝ちとれるように全力をあげてのぞんでいく」と述べました。 -------------------------------------------------------------------------------- 東京大学における運営費交付金削減の影響 1割削減で85億6900万円が減額されると―。 ▽法学部、医学部、工学部など8学部とその研究科の1年分の運営経費(物件費)に相当 ▽医科学研究所、地震研究所、大気海洋研究所など、全11の研究所の1年分の運営経費(物件費)に相当 ▽ニュートリノ研究の展開、地震・火山噴火予知研究計画など日本がリードする分野の事業の5年分の運営経費に相当 ▽教員人件費の893人分に相当 ▽学部学生授業料の60万円の値上げに相当(現行54万円→114万円(110%増) (東大提供資料より) "[he-forum 15745] 朝日新聞9/13 朝日新聞2010年9月13日 AO入試「いい学生集まらぬ」 廃止・縮小の大学相次ぐ    学科試験を課さないAO入試を廃止したり、募集枠を縮小したりする 大学が相次いでいる。AO入試は、少子化で大学同士の学生獲得競争が 激化するなか急増してきたが、さほど受験勉強しなくても大学に入れる ため、学力低下を招いているとの指摘もある。入学後、授業についてい くのに四苦八苦する学生もおり、大学側の見直しに拍車をかけているよ うだ。  大阪府立大は8月に2011年度入学者のAO入試を実施したが、今 回、工学部の電子物理工学科と知能情報工学科で中止した。このため、 同学部のAO入試での募集定員は5学科18人から3学科10人に減っ た。中止の理由は「AO入試は面接など学生を選考する手間がかかる。 それに見合う受験生が質的にも量的にも集まらない」。  9月8日までAO入試の出願を受け付けた鳥取大も工学部4学科のう ち3学科で中止。募集定員は12人から5人に減少し、農学部でも18 人を16人に減らした。福井大は教育地域科学部で11人から7人に。 京都府立大は12年度入試からAO入試を全廃する。  背景には、AO入試で入った新入生の学力不足がある。鳥取大は「学 力面でつまずく懸念をぬぐえない」とする。同大学のAO入試は書類選 考と面接、小論文など。合格者を対象に、03年から毎年11月に2泊 3日の入学前合宿を開催して高校時代の学習内容のテストをしたり、パ ソコンを利用して弱点を克服するための課題を出したりしているが、 「理系で専門分野を学ぶには相当な努力が必要な学生もいる」という。 京都府立大は廃止の理由を「志願者が少なく、思ったほど個性的な人材 が集まらない」と説明する。  AO入試では、筆記試験を課さない大学が大半で、受験生の基礎学力 を把握しづらいという。このため、金沢大理工学域は11年度、広島大 工学部は12年度入試から、従来の面接や小論文による選考から、セン ター試験を課す方式に変更する。広島大は「学習意欲が高い学生は入学 後に伸びる。確保する道を絶つのは惜しい」。  見直しは私立大にも広がる。同志社大は11年度入試で文学部と心理 学部で中止。文学部は書類と面接のみの選考から、論文と口頭試問を課 す公募制推薦入試に切り替える。立命館大は、受験者にTOEIC55 0点以上を義務づけたり、学部ごとに独自の試験を課したりする。 ■「一部で学力不足の生徒の入学手段」との指摘も  文科省は5月、AO入試について、大学教育を受けるために必要な基 礎学力があるか把握するよう国公私立大に通知。「大学独自の検査」 「大学入試センター試験」「語学検定や資格」「高校時代の成績の評定 平均値」のうち少なくとも一つを、合否判定に用いるよう促している。  08年12月の中央教育審議会の答申で、AO入試について「事実上 の学力不問」「実施学部の半数以上が、入学者の学力に課題を感じるよ うになっている」と指摘されたためだ。  文科省の調査では、09年度入学者にAO入試を実施した大学は52 3校(国立43、公立22、私立458)。AO入試による入学者数は 過去最高の5万85人で、全入学者に占める割合は国立で2.5%、公 立で1.9%、私立で10.0%に達している。  駿台予備校広報部の田村明宏さんは「AO入試は多角的に人物を評価 するという当初の目的を離れ、一部の大学では一般入試のレベルに達し ない子が入学する手段になっている」と指摘する。  河合塾教育情報部の富沢弘和チーフは「文科省の通知を受け、国公立 ではAO入試でもセンター試験を必須にする動きが広がるだろう。一 方、私立はまともに学力を問うと、受験生が逃げていく恐れがあり、経 営が成り立たない。高校の成績の評定平均値を参考にする方式に落ち着 くのではないか」と予想する。  毎年数人がAO入試で進学するという大阪府立住吉高校の山野正善・ 進路指導部長は「センター試験を課す方式に変われば、年明けまで受験 勉強をするため基礎学力を担保できる」とみる。同府立柴島高校の進路 指導担当、尾形政則教諭は「中堅私大のAO入試でも、これまで必要な かった高校時代の成績などを記した調査書を提出させる動きがある」と 話す。(阿久沢悦子)      ◇  〈AO入試〉 アドミッション・オフィス入試の略。大学が示した 「アドミッション・ポリシー」(入学指針)に沿う学生を募り、面接や 小論文などで人物を評価して合否を決める。1997年に中央教育審議 会が入試の多様化策として推奨した。推薦入試と違い、出身高校長の推 薦や高校時代の成績を加味しない。 "[he-forum 15746] 雑誌紹介(前衛10月号) 前衛10月号 特集 今日の学術・大学問題の焦点 学術は何をし、いかにあるべきか ●「日本の展望 学術からの提言2010」のめざすもの  広渡清吾 「法人化」7年目の国立大学の危機  進藤 歩 高等教育における無償教育をどうすすめるか  細川 孝 [若手研究者からの報告] 人文・社会科学系大学院生の視点から  長瀬次郎 競争的環境と雇用不安定化の下でのポスドク問題  浜田盛久 大学危機打開の展望を示す日本共産党の提案  改正 充  ■付 大学の危機打開へ、「学問の府」にふさわしい改革をすすめる 日本共産党の提案 "[he-forum 15747] 毎日新聞北海道9/10 毎日新聞北海道版2010年9月10日付 旭川医大:診療報酬改定、増収分を研修医・若手に 人材確保狙い新手当  旭川医大は新たな医師確保策として、今年度の診療報酬改定による病院の増収分を使って研修医や若手医師らに配分する「診療特別手当」の新設を決めた。国立の大学病院では初めての試みといい、卒業後2年以内の初期臨床研修医には来年度、初期研修を終えた医師には10月分から支払いを始める。  04年度から義務化された新卒医師の臨床研修では、研修先として出身大学よりも大都市の病院に希望が集まったため、地域医療を下支えしていた地方の大学病院で医師不足が深刻化した。人気の偏りは、国立大学病院と私大や民間との給与格差が一因とされる。  旭川医大も、03年度は52人が残っていた新卒の研修医が、制度導入後の07年度は10人まで減少。08年度から2年間は民間からの寄付を原資に、研修医に独自に月20万円の給与を上乗せするなどの対策を講じた結果、09年度は30人に増えた。  今年度の診療報酬改定は10年ぶりにプラスに転じ、病院勤務医の待遇改善を目的に入院と外来で約4800億円増額された。ただし診療報酬は勤務医に直接配分されるわけではなく、あくまで病院の収入。人件費より赤字補てんを優先させる場合も多いが、旭川医大は年間数億円の増収見込みのうち約1億3800万円を特に給与が低い若手医師への還元に充てることにした。  対象は研修医と、助教などの役職がない非常勤扱いの医師の計約150人。研修医には月額最大5万円▽免許取得後7年未満の医師には同8万円▽7年以上の医師には同10万円--を、6月と12月の2回に分けて支給する。吉田晃敏学長は「今回の診療報酬改定の背景にある勤務医の待遇改善を着実に形にする取り組みで、意義は大きい」と話している。【横田信行】 "[he-forum 15748] 毎日新聞9/14 毎日新聞2010年9月14日付 旭川医大:「診療特別手当」新設 医師確保策として  北海道の旭川医大は新たな医師確保策として、今年度の診療報酬改定による病院の増収分を使って研修医や若手医師らに配分する「診療特別手当」の新設を決めた。国立の大学病院では初めての試みといい、卒業後2年以内の初期臨床研修医には来年度、初期研修を終えた医師には10月分から支払いを始める。  04年度から義務化された新卒医師の臨床研修では、研修先として出身大学よりも大都市の病院に希望が集まったため、地域医療を下支えしていた地方の大学病院で医師不足が深刻化した。人気の偏りは、国立大学病院と私大や民間との給与格差が一因とされる。  旭川医大も、03年度は52人が残っていた新卒の研修医が、制度導入後の07年度は10人まで減少。08年度から2年間は民間からの寄付を原資に、研修医に独自に月20万円の給与を上乗せするなどの対策を講じた結果、09年度は30人に増えた。  今年度の診療報酬改定は10年ぶりにプラスに転じ、病院勤務医の待遇改善を目的に入院と外来で約4800億円増額された。ただし診療報酬は勤務医に直接配分されるわけではなく、あくまで病院の収入。人件費より赤字補てんを優先させる場合も多いが、旭川医大は年間数億円の増収見込みのうち約1億3800万円を特に給与が低い若手医師への還元に充てることにした。  対象は研修医と、助教などの役職がない非常勤扱いの医師の計約150人。研修医には月額最大5万円▽免許取得後7年未満の医師には同8万円▽7年以上の医師には同10万円--を、6月と12月の2回に分けて支給する。吉田晃敏学長は「今回の診療報酬改定の背景にある勤務医の待遇改善を着実に形にする取り組みで、意義は大きい」と話している。【横田信行】 "[he-forum 15749] 時事通信9/9 時事通信2010年9月9日19時59分 合格率、過去最低の25%=政府目標を1000人下回る-新司法試験  法務省は9日、法科大学院全74校の修了者を対象とした2010年の新司法試験合格者を発表した。受験者8163人のうち合格者は2074人。合格率は25.4%と09年(27.6%)からさらに低下、過去最低を更新した。合格者自体は09年から31人増えたが、10年ごろに3000人にするとの政府目標を大きく下回った。  合格率は新試験が始まった06年は48.3%だったが、その後は4年連続で低下。合格者数も低迷しており、法科大学院の統廃合論に拍車が掛かるのは確実だ。法務省は、合格者目標について「今の時点で直ちに見直すことにはならないが、今後の論点にはなり得る」としている。 "[he-forum 15750] 中日新聞9/14 中日新聞2010年9月14日付 法科大学院、二極化恐れ 司法試験の合格者、都心や国立に集中  合格率が過去最低の25%となった今年の新司法試験。都心の有力大や国立大の大学院の修了者が合格する傾向が顕著となり、国の方針変更の逆風もあって中部地方の大学院は危機感を募らせる。  合格者が昨年より1人減の3人にとどまった愛知学院大。芹田健太郎法務研究科長は「地方の中小規模の大学院は苦しい」と嘆く。  同大学院は、大学で法学を専攻していない学生や社会人出身者らが中心。幅広い人材を法曹界に送り出す法科大学院の理念に沿っているが、合格率で劣るのが現状だ。実績の低い大学院への交付金を減らす文部科学省の考えに、芹田科長は「合格者がますます一部大学に集中し、地域の人材を育てる理念から離れていく」と訴える。  大学院の再編・統合を求める声も政府などから上がっているが、南山大の榊原秀訓法務研究科法務専攻・専攻主任は「私大同士の統合は現実的に難しい。実際は廃止しろと言っているようなもの」と指摘する。  法科大学院への受験者数は年々減少しており「このままでは優秀な人材が集まらなくなる恐れがある」と制度の見直しを求める。  合格率で13位と健闘した愛知大。大林文敏法務研究科長は「上位でも油断できない。大学院間の二極化が固定化し、地方の小規模大学院は淘汰(とうた)される方向にある」と気を引き締める。 "[he-forum 15751] 朝日新聞2010年9月 朝日新聞2010年9月10日付 アカデミアと軍事(1) 米軍基地経由で研究費 東京科学医療グループ・松尾一郎、小宮山亮磨  半導体レーザーを使って障害物を把握する測域センサーや、姿勢を制御するためのジャイロセンサーを積んだロボットが走り続ける。描き出された地図や、搭載されたカメラが撮影した映像が、監視・制御用のパソコンの画面に映し出される。基本機能は、アフガニスタンなどの戦地に投入されている爆発物探知ロボットと変わらない。  千葉大学の野波健蔵副学長(工学部教授)のチームが開発したロボットだ。8月、朝日新聞の取材に応じ、大学構内でデモンストレーションを見せてくれた。 ◇多くの国立大が契約 副学長は米国出身の同大特任教授とつくった「チバ・チーム」として、米軍とオーストラリア軍が主催する軍事ロボットコンテスト「MAGIC2010」の予選に参加した。このロボットはそのために組み立てたものの1台だという。チームは研究助成費として5万ドルを両軍から受け取った。 副学長は出場に至った経緯を「特任教授が私の所に話を持ってきた」と説明する。特任教授は、米国流の産学連携の講師として、副学長が今年初め、大学に招いた。2人は数年来の付き合いという。 特任教授は米テキサス州でソフトウエアの会社を経営している。同社のウェブサイトや登記情報、信用調査機関などによると、会社は1983年設立。特任教授が代表を務め、従業員は現在2人。無人ロボット開発のコンサルティングなどを手がけている。 米政府の「連邦政府調達実績データベース」で同社と米軍のつながりを調べると、86年以降、同社が米軍関係機関と結んだ契約は9件あり、総額56万5千ドル。公開対象にならないものもあるため、これらがすべてではなさそうだ。 このデータベースからは、日本国内の大学や研究機関への米軍マネーの流入状況がかいまみえる。米軍横田基地を介して国内外の大学や研究機関と結ばれた200件以上の契約の金額や概要が公開されている。 ざっと挙げると、東京工業大5万ドル(09年)▽理化学研究所6万ドル(06年)▽大阪大9万5千ドル(09年)▽筑波大3万ドル(05年)▽東京大7万5千ドル(05年)▽北海道大2万5千ドル(05年)▽宇宙航空研究開発機構5千ドル(05年)▽名古屋大5千ドル(04年)▽京都大5千ドル(05年)▽東北大2万5千ドル(09年)など。こうした主要大学や独立行政法人のほか、愛媛大や福井大、徳島大、山口大、東北学院大、名城大といった地方の国立大や私学も含まれている。使途について公開されているものはわずかだ。 そもそも、契約によっては非公開のものもある。データベースは大学や公的研究機関に流入する米軍資金の氷山の一角を示すにすぎない。 ◇5000ドル未満は無条件 米国の陸・海・空軍はそれぞれ、下部組織を通じて海外の研究者への助成を行っている。 日本を含むアジア・太平洋地域を担当するのは、陸軍は「国際技術センターパシフィック」(ITC―PAC)、空軍は「アジア宇宙航空研究開発事務所」(AOARD)、海軍は「海軍研究局(ONR)グローバル東京」だ。いずれも東京・六本木の米軍施設「赤坂プレスセンター」に事務所を構え、協力して資金提供することもある。 このうちONRグローバル東京は1974年に設立された。ウェブサイトによると、スタッフは12人。ほかに大手造船会社の役員をへて「顧問」に就任した70歳代の日本人研究者もいる。 この研究者によると、日本を含めたアジア(日本、韓国、シンガポール、フィリピン、インド)への研究助成額は年300万ドルほど。軍事目的に直接使える技術だけでなく、基礎研究にも幅広く資金を提供している。その過程で国際共同研究を仲介することもある。 助成先の選び方として、「科学的成果に重点を置き、海軍との関連性は二の次」「5千ドル未満なら(無条件に)助成する」といった指針が、ONR設立初期から引き継がれているという。 ◇ノーベル賞学者へも 助成を受けた研究者には、後にノーベル賞を受賞した人も多い。物理学、化学、医学生理学の自然科学3賞のほか、経済学賞も含め、受賞者57人の名前がウェブサイトに掲載されている。 日本人もいる。00年に化学賞を受賞した白川英樹・筑波大名誉教授だ。 白川さんによると、76年、東工大から米ペンシルベニア大学に博士研究員として留学した際、給与として支払われたという。「自分の給与が海軍からの助成だと渡米後に知り、違和感があった」と話す。ONR幹部に会い、話したり研究施設を見せてもらったりする中で、提供された資金が基礎研究にも広く使われていると知った。安心した面もあったが、「軍事に関係ない基礎研究も、いずれ関係してしまうかもしれない」という不安も残ったと話す。 ONRのウェブサイトでは、白川さんらが開発した導電性ポリマーの応用例として、「高度な軍事センサーに使う多機能電子機器」が紹介されている。         ◇ 日本の大学や公的な研究機関などのアカデミアに流入する米軍マネーが増えている。その実態の一端を明らかにし、軍事と研究現場のつながりをさまざまな視点から報告する。(松尾一郎と小宮山亮磨が担当します。次回は17日の予定です)         ◇      ◇ 《筆者の松尾一郎から》 今回の取材で印象深かったのは赤坂プレスセンターでの取材です。六本木のど真ん中にある米陸軍の施設で、銃器を持った警備員がフェンスの向こうで目を光らせています。入るにはパスポートなど身分証明書が必要です。そこは外国でした。 AOARDのケネス・ゴレッタ所長は、日本などの研究者に資金提供するかどうかを判断するため、米国のデータベースで敵性人物でないかどうか身分照会にかけていることを明らかにしました。我々も取材を申し込むと、パスポート番号などを聞かれました。こちらの身元調査が行われたのでしょう。研究助成について尋ねるだけの取材なのですが、複雑な思いがしました。 赤坂プレスセンターの同じフロアにはITC-PAC、ONR、AOARDの陸海空軍の各組織が入っています。いずれも軍の一部だけあって、情報公開に前向きな組織ではありません。違いをいえば、ITC-PACは他の2組織より、実態をつかみにくい、顔の見えない組織のように思われました。 軍事技術開発において、かつての「秘密基地で軍事目的の科学技術を生み、その後に民生技術に転換」する「スピン・オフの時代」はすでに終わっています。そう。今は「グローバル化」の時代。「世界各地の民生技術が軍事に応用」される「スピン・インの時代」なのです。スピン・インの時代の科学技術は、基本的に軍事と民生の区別ができない特徴があると思います。 ある研究者は取材中、「日本はガラパゴス化している」と繰り返し我々に話しました。軍事技術と民生技術の区別ができないのに、日本では軍事をアカデミアから閉め出す傾向があるのはおかしいという本音なのだろうと思いました。研究資金の獲得が難しくなる中で、「海外事情に詳しい多くの科学者、技術者の本音なのだろう。武士は食わねど・・・はできないもんな」とも思いました。         ◇        ◇ 《担当デスク・嘉幡久敬から》 この連載は9月8日付け朝刊「米軍の研究助成増加/日本技術軍事応用も視野」(9月9日付「科学面にようこそ」にも掲載)の続報です。日本の研究現場と軍事とのつながりを、多くの具体例をまじえて紹介し、多角的に検証したいと考えています。このテーマに関して「聞いた」「見た」「体験した」といった情報をお持ちの方はkagaku@asahi.comまでお寄せいただけると幸いです。ご協力よろしくお願いいたします。 "[he-forum 15752] 朝日新聞9/16 朝日新聞 2010年9月16日 法科大学院、低迷校は12年度から補助金削減 文科省  新司法試験の合格率続落が問題になっている法科大学院について、文 部科学省は、2012年度予算から合格実績で低迷が続く大学院への交 付金や補助金を減らすことを決めた。過去3回の試験で平均合格率の半 分未満が続いた場合など具体的な条件も定めた。同省は「兵糧断ち」の 基準を示すことで各校に危機感を促すとともに、乱立する大学院の再編 を進めたい考えだ。  16日に開かれる中央教育審議会(文科相の諮問機関)特別委員会で 発表される。  削減は12年度予算から実施し、国立大運営費交付金や私大補助金の 法科大大学院措置分に減額反映する。削減率については今後詰める。  対象は、前年の入試での競争倍率が2倍未満で、なおかつ、(1)司 法試験で全国平均合格率の半分未満(2)直近の修了者のうち司法試験 を受けた者が半数未満で、その合格率も全国平均の半分未満、の2条件 のいずれかが3年続いている大学院。入り口と出口で学生の質の確保が できていない大学院に改善を促す狙いだ。  12年度予算では、今秋に山場を迎える入試の結果と、昨年と今回、 来年の司法試験結果が問われることになる。昨年と今年の司法試験で続 けて平均合格率の半分未満だった大学院は、全74校中20校ある。  新司法試験の合格率は、最初の06年の48.3%から4年連続で下 がり、今年は25.4%と過去最低となった。同省は合格率を高めるた めの定員削減や教育改善を進めてきた。(石川智也) "[he-forum 15753] 共同通信9/16 2010/09/16 02:02 【共同通信】 低迷の法科大学院、補助金削減へ 12年度にも、倍率も考慮  文部科学省は15日、新司法試験の合格状況と入試の競争倍率などが低迷す る法科大学院に対し、早ければ2012年度から補助金を削減する方針を決め た。16日の中教審特別委員会で具体的な基準を諮る。  基準は(1)法科大学院入試での競争倍率が2倍以下(2)新司法試験の合 格率が1けた―を軸に線引きするとみられ、過去数年間、いずれの条件も満た し、来年度も改善がみられない大学院を削減対象とすることを想定している。  法科大学院は、弁護士や裁判官ら実務家の専任教員を一定数確保する必要が あり、一般の大学院より国立大学運営費交付金と私学助成金が優遇されてい る。文科省はこの部分を削減する考えで、減額された場合、運営に行き詰まっ た低迷校の再編や統廃合が加速しそうだ。  今年の新司法試験合格者は、昨年より31人増の2074人で過去最多と なったが、合格率は2・2ポイント減り、過去最低の25・4%。合格者 "[he-forum 15754] 読売新聞9/16 読売新聞2010年9月16日付 学長に学ぶ 学生が大学経営に参加  就職に向け、学生が企業などで社会人体験をするインターンシップ。「大学の実力」調査でも、ほとんどの大学が採用し、力を入れていることがわかった。  ユニークなのは、静岡大学(静岡)が今年初めて行った「学長インターンシップ」だ。9月初めの1週間、学生に学長や理事ら経営陣と行動を共にしてもらう。役員会にも出席する。発案者の伊東幸宏学長は「経営の現場でコミュニケーション力を体得してほしい。大学改革にも参加してもらえれば」と一石二鳥を狙う。  同大の教員として約20年間勤め、今春、学長に。学生がおとなしくなったと感じてきた。同世代の枠に閉じこもらず、さまざまな人と話し、議論できる力を養えればと考え、学長室を開いたという。  公募に応じたのは2~4年の5人。人文学部2年の中池佑介さん(20)はインドネシア大学の表敬訪問を受けた際の学長たちの様子に舌を巻いた。「相手への理解がないとおしゃべりもできない。日頃から幅広い教養が必要と実感した」と言う。  親の背を見て子は育つとか。まずは背から発信された思いは届いたようだ。(松本美奈) "[he-forum 15755] 共同通信9/15 共同通信2010年9月15日21時58分 大学病院の定員割合、初の増加 来年度の臨床研修医募集  厚生労働省は15日、新人医師の臨床研修制度について来年度の募集定員を発表した。全国の定員総数は1万900人で本年度より201人増。実施病院数は21カ所減の1038で2年連続減少だが、2004年度の現行制度開始以降、待遇面などから減少傾向が続いていた大学病院の占める割合が47・1%(04年度は56・7%)と初めて増加する。  都市部を抱える東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡の6都府県の定員合計が全体に占める割合は39・8%で0・1ポイント増加。一方で残る41道県の合計も60・2%で2年連続で6割を超えた。  厚労省は、不足している地域に医師を派遣した場合、定員枠を増やすとした効果があったとして「現行制度導入で都市部の民間病院に集中したが、大学病院に医師が戻るのではないか」と分析している。 "[he-forum 15756] 中国新聞9/16 中国新聞2010年9月16日付 広島・島根の大学が就職講座  広島、島根両県の公立4大学は15日、大学3年生を対象にした初めての合同就職講座を県立広島大広島キャンパス(広島市南区)で開いた。厳しい雇用情勢が続く中、学生に就職活動への意識を高めてもらうのが狙い。  県立広島大のほか、島根県立大(浜田市)広島市立大(安佐南区)尾道大(尾道市)。講座には4大学の学生60人が参加した。  学生は、最近の雇用情勢や就職活動の流れについて講義を受けた後、就職試験の模擬体験として集団討論に臨んだ。10グループに分かれ、「就職するなら地元か大都市か」をテーマに討論したり、他のグループの学生の積極性や発言内容を採点したりした。  広島労働局によると、昨年度の広島県内の新規大学卒業者の就職内定率は88・5%。約千人が就職先未定のまま卒業した。県立広島大広島キャンパスの本年度卒業予定者の就職内定率は8月末で69・7%。昨年同期を3・4ポイント下回る。  雇用情勢に好転の兆しが見えない中、島根県立大が、合同就職講座の開催を県立広島大に提案。広島市立大と尾道大にも呼び掛け、講座内容を企画した。 "[he-forum 15757] 愛媛新聞9/16 愛媛新聞2010年9月16日付 愛媛大ミュージアム 入館者が5万人突破  2009年11月にオープンした「愛媛大ミュージアム」(松山市文京町)の入館者が16日、5万人を突破。松山市湯の山6丁目の太田めぐみさん(25)、雪子さん(55)の親子に記念品が贈られた。  館内でセレモニーがあり、柳沢康信学長が「開館から10カ月で5万人。予想をはるかに上回るペースで来館していただいている」と感謝の言葉を述べ、バウムクーヘンやクッキーなどの大学グッズを手渡した。 "[he-forum 15758] 日本経済新聞9/16 日本経済新聞2010年9月16日付 大学発ベンチャー新設、08年度45%減 3年連続減少  文部科学省の科学技術政策研究所は15日、大学などの研究成果を実用化する目的で新たに設立された大学発ベンチャーが2008年度は90社だったと発表した。07年度の164社に比べると45%の減少で、設立数が前年度実績を下回るのは3年度連続となる。同研究所は、リーマン・ショックによる景気低迷や株式公開が思うように進まない厳しい経営環境などが影響して、起業を敬遠する傾向があるとみている。  全国821の国公私立大学や高等専門学校などに09年7~8月にアンケート調査した。08年度に新規設立が最も多かったのは東京大学の7社で、これに九州大学の6社、筑波大学と光産業創成大学院大学の各5社が続いた。研究分野別ではライフサイエンスが21社と最多で、情報通信が18社、製造業関連が16社だった。08年度に株式公開したのは1社だけ。一方、清算や廃業したのは17社で、07年度の18社から横ばいが続く。  08年度末までに設立された大学発ベンチャーの総数は1963社で、うち株式公開にこぎ着けたのは20社。累計設立数トップは東大の147社。早稲田大学が107社で続き、大阪大学の82社、京都大学の79社、筑波大の76社の順だった。  教員の研究成果が設立の基盤となった大学発ベンチャーが最も多いのも東大。学生の成果が基になっているベンチャーが一番多いのは早大だった。  全体の設立が減っている背景には、大学に蓄積された研究成果の“弾切れ”もある。有望そうな研究成果はそれを基にしたベンチャーがすでに08年度より前に設立され、事業化が試みられている。 "[he-forum 15759] 共同通信9/16 共同通信2010年9月16日10時47分 アジア1位は香港大、東大抜く 世界大学ランキング 【ロンドン共同】英教育専門誌、タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は16日、今年の「世界大学ランキング」を発表、上位200校に入った日本の大学は昨年に比べ、11校から5校に減り、6校がランクインした中国(香港を除く)に国・地域別順位でアジア1位の座を奪われた。  日本として最高の26位に入った東京大(昨年22位)も、昨年まで維持したアジアトップの座を21位の香港大(同24位)に譲った。日本の地位低下の理由の一つとして「高等教育における最近の財政削減」を挙げた。  東京大以外では、京都大が57位(同25位)、東京工業大が112位(同55位)、大阪大が130位(同43位)、東北大が132位(同97位)だった。  1位は7年連続でハーバード大で5位までを米国が占めた。2位以下はカリフォルニア工科大、マサチューセッツ工科大、スタンフォード大、プリンストン大。英国のケンブリッジ大とオックスフォード大はともに6位だった。中国の最高は北京大の37位。49位に中国科学技術大、58位に清華大が入った。 "[he-forum 15760] しんぶん赤旗9/17 2010年9月17日(金)「しんぶん赤旗」 交付金減は大打撃 千葉大学長と共産党懇談  日本共産党の宮本岳志衆院議員、田村智子参院議員、小松実、丸山慎 一の両千葉県議、浮揚幸裕党千葉県委員長らは16日、千葉大学(千葉 市稲毛区)を訪れ、大学運営費交付金1割削減問題で、齋藤康学 長、山本恵司理事らと懇談しました。  齋藤学長は、「教育現場は大変厳しく、予算の問題で人を育てること が難しい状況だ。生の声をぜひ霞が関や県庁に伝えてほしいし、国会議 員に現場を見てほしい」とあいさつしました。  宮本氏は、齋藤学長が7月に出した交付金削減反対の緊急アピールに 賛意を示し、8日の衆院文部科学委員会の議論を紹介。文科省は201 1年度概算要求を前年度比2・8%増の1兆1909億円としたもの の、今後削られる可能性があるとして「運営費交付金は必要額として確 保する予算編成にすべきだ。民主党政権に公約を守らせ交付金を減らさ ないようがんばりたい」と語りました。田村氏は憲法で保障された学ぶ 権利を強調し、「今後も視察などで現場の実態を見させていただき、予 算拡充へ奮闘したい」と述べました。  山本理事は、「6、7年前と比べて、研究費は20~30%にまで減 少し、研究に支障をきたすほどで、世界レベルに追いつけない。教員が 定年退職しても補充できず、ほかの先生に割り振る講義を増やし、自転 車操業でやっている」と現状を語りました。  また大学側から「教員は平成17年(05年)ベースで約80人減 少」「授業が増え研究が犠牲になっている。日本の臨床系の研究論文数 の減少は統計でも出ている」「10%削減は壊滅的打撃。基盤的経費は 対象外に」などの声が出されました。奨学金の不十分さ、付属病院の運 営や研究の困難さ、付属特別支援学校の設備の老朽化など深刻な実態に ついての説明もありました。  小松、丸山両県議は、県議会でも超党派で視察や懇談を呼びかけたい と語りました。 "[he-forum 15761] しんぶん赤旗9/17 しんぶん赤旗2010年9月17日付 交付金減は大打撃 千葉大学長と共産党懇談  日本共産党の宮本岳志衆院議員、田村智子参院議員、小松実、丸山慎一の両千葉県議、浮揚幸裕党千葉県委員長らは16日、千葉大学(千葉市稲毛区)を訪れ、大学運営費交付金1割削減問題で、齋藤康学長、山本恵司理事らと懇談しました。  齋藤学長は、「教育現場は大変厳しく、予算の問題で人を育てることが難しい状況だ。生の声をぜひ霞が関や県庁に伝えてほしいし、国会議員に現場を見てほしい」とあいさつしました。  宮本氏は、齋藤学長が7月に出した交付金削減反対の緊急アピールに賛意を示し、8日の衆院文部科学委員会の議論を紹介。文科省は2011年度概算要求を前年度比2・8%増の1兆1909億円としたものの、今後削られる可能性があるとして「運営費交付金は必要額として確保する予算編成にすべきだ。民主党政権に公約を守らせ交付金を減らさないようがんばりたい」と語りました。田村氏は憲法で保障された学ぶ権利を強調し、「今後も視察などで現場の実態を見させていただき、予算拡充へ奮闘したい」と述べました。  山本理事は、「6、7年前と比べて、研究費は20~30%にまで減少し、研究に支障をきたすほどで、世界レベルに追いつけない。教員が定年退職しても補充できず、ほかの先生に割り振る講義を増やし、自転車操業でやっている」と現状を語りました。  また大学側から「教員は平成17年(05年)ベースで約80人減少」「授業が増え研究が犠牲になっている。日本の臨床系の研究論文数の減少は統計でも出ている」「10%削減は壊滅的打撃。基盤的経費は対象外に」などの声が出されました。奨学金の不十分さ、付属病院の運営や研究の困難さ、付属特別支援学校の設備の老朽化など深刻な実態についての説明もありました。  小松、丸山両県議は、県議会でも超党派で視察や懇談を呼びかけたいと語りました。 "[he-forum 15762] 読売新聞9/17 (2010年9月17日 読売新聞) 免許更新制継続、教師「廃止のはずが…」 「仕方なく」駆け込み受講  2009年に制度が始まったとたん、政権交代により「抜本見直し」 が打ち出された教員免許更新制。  教員の間には廃止を見込み、約1万1000人が今年4月時点で必要 な講習を受けていないが、民主党の参院選敗北で当面の存続が濃厚だ。 講習を受けないと免許が失効する最初の期限まであと半年。翻弄 (ほんろう)される現場からはいらだちの声も上がった。 迫る期限  「講習の内容は、知らなければ教師を続けられないようなものではな いと思う。本当は受けたくなかった」  来年3月が更新期限で、今年7月になって講習を受けた北海道の道立 高校の男性教諭(45)はそう胸の内を明かす。更新制の廃止を掲げた 民主党政権になり、制度はなくなると思っていたが、「教壇に立てなく なるから仕方がない」と、いわば滑り込みの受講だった。  2012年3月に更新期限を迎える大阪府の府立高の理科教諭(5 3)も、制度はなくなると思い、講習を受けるつもりがなかった。だが 見通しが立たない中、受講する同僚教員らが徐々に増えた。さすがに 「このまま無視するとまずい」と思い、先月、受講先を探したが、近場 の大学の受講募集は既に締め切られていた。  東京23区内の区立小の女性教諭(45)は、昨年の夏休み期間に都 内の大学で講習を受けた。ガスバーナーやアルコールランプなど実験器 具の扱い方のコツや、子供たちを取り巻く環境の変化を学ぶことがで き、「自腹で3万円払った価値はあった」という。ただ、受講には1週 間ほどかかり、夏休みをつぶしたり、平日の夕方以降の子供と向き合う 時間を減らしたりする必要がある。「更新制が継続されるのは、複雑な 気持ち」という。 教組が要請  更新講習を行う大学側でも、当初の「廃止」の情勢に講習開設を見送 る動きが広がった。文部科学省によると、今年度、必修の講習を開設し た大学は、昨年度より82校少ない239大学。通信制の講習を除き、 対面で受講する講座の定員は、11万4000人から6万6000人ま で減った。「すぐに制度が廃止される可能性があった」(お茶の水女子 大)「十分な受講生の確保が見込めなかった」(東洋大)などの理由だ。  当面の制度存続が濃厚な今、通信制の講習に申し込みが相次いでい る。インターネット講習を開設する桜美林大(東京都町田市)の担当者 は、「夏ごろから問い合わせが急に増えた」と話す。「今からでも間に 合うか」という声が多く、今月16日までに受講を決めた455人の4 割にあたる180人は7月以降の申し込みで、うち約70人は、来春更 新期限を迎える教員だという。  教室と受講会場をテレビ会議システムで結んでいる星槎(せい さ)大(北海道芦別市)では、「駆け込み受講」に対応するた め、今年度実施予定だった155の講習に加え、年末にかけ新たに30 講習を実施することを決めた。  相模原市で12月に開催する講習は、地元の「湘北教職員組合」の要 請。同教組では更新制には反対しているが、鹿島哲夫書記長は「廃止を 求める運動は運動として大切だが、組合員の生活も大切ですから」と話 した。 "[he-forum 15763] 共同通信9/16(2) 共同通信2010年9月16日19時36分 低迷校の補助金削減を確認 法科大学院再編加速へ  中教審の法科大学院特別委員会が16日開かれ、新司法試験の合格率と入試の競争倍率が低迷する大学院に対し、2012年度から補助金を削減することを確認した。文部科学省は来年度の各校の状況を踏まえ対象校を選定する。  法科大学院は、弁護士ら実務家の教員を確保する必要があり、国立大学運営費交付金と私学助成金が優遇されている。文科省はこの部分を削減する考えで、運営に行き詰まった地方・小規模校などを含む低迷校の再編や統廃合が加速しそうだ。  特別委で文科省が報告した基準によると、前年度入試の競争倍率が2倍未満であることに加え、(1)新司法試験合格率が全国平均の半分未満(2)直近の修了者のうち新司法試験を受けた人が半数未満で、その合格率が直近修了者の平均合格率の半分未満―のいずれかが3年以上続いた大学院が対象とされた。  一方、来年度から募集停止する姫路独協大を除く全国の73法科大学院の入学定員が、本年度より333人減の計4576人となったことも報告された。このうち、駒沢大など3大学は文科省の調査に「検討中」と回答、本年度と同じ定員で計算した。 "[he-forum 15764] 朝日新聞9/16 朝日新聞 2010年9月16日 大阪府立大OB、改革案で要望書  大阪府立大を理系に特化して再編する改革案について、同大と大阪女 子大の卒業生らでつくる「府立大学問題を考える会」が14日、府議会 の長田義明議長に、慎重な審議を求める要望書を提出した。7887人 の署名簿を添えた。要望書の内容は「大学の自治を尊重し、十分議論を 尽くした改革を」「文系学部の廃止に反対」など。(阿久沢悦子) "[he-forum 15765] 読売新聞9/17 読売新聞2010年9月17日付 法科大学院、文科省の補助金減額方針 低迷校に危機感  文部科学省は16日、司法試験の合格実績などで低迷が続く法科大学院について、公的支援を大幅に減額することを中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別委員会に報告した。  2012年度予算からの実施で、来年時点での合格実績などを基に減額対象校を決める基準も公表した。  基準の内容は、〈1〉前年の大学院入試の受験倍率が2倍未満〈2〉修了生の司法試験の合格率が過去3年とも全国平均の半分未満――の両条件とも当てはまる大学院について、交付金・補助金を減額するというもの。特別委員会では、「各校が改革していれば、減額の必要はなかった。減額に劇薬的な効果はある」と評価する声が上がった。 「運営に支障が」  仮に今年時点の実績を基に計算すると、二つの条件にいずれも該当するのは国立の島根大と、私立の駿河台大、国学院大、大東文化大、東海大、関東学院大、桐蔭横浜大、京都産業大、龍谷大、大阪学院大、久留米大の計11校となる。来年の実績が改善すれば減額対象にはならないが、各校からは文部科学省の方針について懸念の声が上がった。  東海大の教務担当の犬飼康(いぬかいやすし)課長は「補助を削られたら、学園全体で支援せざるを得ない」と、危機感をあらわにする。「法学を専攻していない人も広く受け入れるという制度の理念を実践してきた。合格率で判断されるのには違和感がある」と文科省の姿勢に疑問を示すが、合格率を高めるため、「法学の素養がある人の入学を増やし、受験指導も強化する方向にかじを切らざるを得ない」という。  法学部出身でない学生が多い国学院大も、「学生の勉学の道を閉ざしかねない」と不安を隠さない。今後は、学内に弁護士会が設置した法律事務所があり、実務教育が充実していることなどをアピールし、志願者増を目指す。駿河台大は「運営に多大な支障が生じる」と懸念を表した。  ほかの8校は読売新聞の取材に対し、無回答か、「コメントしない」と答えたが、「入試直前なので、大学名を出してコメントすることで志願者を刺激したくない」と漏らす担当者もいた。 [解説]再編・淘汰促す狙い  今回の文部科学省の決定は、各校に危機感を抱かせ、乱立する法科大学院の再編・淘汰(とうた)を促す狙いがある。  当初は20~30校が適切と言われていた法科大学院は74校でスタートし、定員が膨れあがった結果、司法試験合格率が低下し、それが法科大学院志望者の減少を招く悪循環に陥っている。  支援減額の方針が示されたことで、入試の受験倍率を上げるために定員を削減する大学院も出てくる可能性がある。これまでの悪い流れを断つためには、「実力行使」で全体の定員縮小を図るのはやむを得ない。  ただ、目先の司法試験合格率を上げるために試験対策偏重の傾向が強まれば、多様な教育で法曹の質を高めるとした法科大学院本来の趣旨に逆行しかねない。数字ばかりを追い求めることにならないよう、各校の教育の質を正しく評価する仕組みも求められる。(松本英一郎) "[he-forum 15766] 朝日新聞9/18 朝日新聞2010年9月18日付 技術移転機関に秋風 ライセンス収入低迷  大学の研究成果を特許化して企業に技術の橋渡しをする技術移転機関(TLO)が、転機を迎えている。特許の使用許可を企業に与える見返りに得るライセンス収入が低迷。国も支援を絞り込んだため、採算が合わなくなって事業清算や再編に踏み切る動きが出始めた。 ■精算・再編相次ぐ  「では、契約に際して重要事項を説明しますね」。東京・品川にある機械メーカーの応接室。8月初め、東急建設OBの鷹巣征行さん(67)は、大学発の特許をこのメーカーにライセンスするための最終交渉に臨んでいた。  売り込みを図るのは、東京工業大が2月に特許登録した「匂(にお)い調合装置」。匂いのパターンを機械に認識させ、複数の香料を混ぜて注文通りの香りを再現する。「映画館や劇場で効果的な匂いを演出できる」。鷹巣さんはそう太鼓判を押す。  鷹巣さんは「特許流通アドバイザー」の肩書を持つ。大学特許の産業界への移転を手助けするため、国の支援事業で約10年前に東工大のTLOに派遣された。現在84人のアドバイザーが全国のTLOや地方自治体に散らばる。  しかし、鷹巣さんの仕事は今年度で最後だ。財政難もあって国が支援事業を打ち切るためだ。今後はTLOがアドバイザーを直接雇うことも考えられるが、TLOには資金面の負担が重くのしかかる。  文部科学省によると、2008年度に日本の大学が得たライセンス収入は9億8千万円。特許の出願・取得にかけた約25億円の費用すらまかない切れない。大学がTLO設立後5年間もらえた国の補助金も、08年度の承認分以降は廃止された。ライセンス収入だけでは運営できず、事業をたたむTLOも出てきた。  典型例が大阪TLOだ。大阪大や関西大など近畿圏の8大学の技術移転を促すため、大阪府や大阪市などが出資して01年に設立された。だが、補助金を除けば単年度で一度も黒字化を果たせず、来年3月末での清算を決めた。  04年度に旧国立大が法人化され、大学が自前で特許を管理できるようになったことも、TLOの位置づけを難しくしている。学内の組織と機能が重複し、存在意義が揺らぐ。5月には長崎大のTLOが独立採算をあきらめ、事業は大学組織に吸収された。  大学の技術移転を担うのは企業OBが中心。あるTLO幹部は「最新のビジネス事情に詳しい若手人材も欲しいが、彼らを引きつけるだけの報酬が支払えない」と悩む。  TLOの厳しい状況を打開するため、大学間の連携を探る動きも出始めた。  金沢大ティ・エル・オーや新潟TLOは、日本海側の11大学とともに日本海地域大学イノベーション技術移転事業(KUTLO―NITT)を08年に設立。強みを持つ創薬や医療などバイオ分野に特化した技術移転を始めた。  特に移転先として着目しているのが海外のバイオベンチャーだ。KUTLO―NITTの平野武嗣社長は「海外での実務経験や語学力、交渉力にたけた専門家は地方に少ない。大学間で特許と人材を共有すれば、海外に打って出る可能性が広がる」と話す。 ■共同研究の深化必要  日本の大学は産学連携による共同研究を進め、特許出願件数を伸ばしてきた。だが、大学が保有する特許の利用率はわずか2割にとどまる。  背景には、大学の特許は基礎技術が中心で、周辺の特許まで取得されておらず、企業が使いにくいという問題がある。企業の海外展開を視野に入れた大学側の出願対応についても、予算に制約があって追いついていない。自国だけでなく、海外にも特許出願する比率は米国の大学が51%、欧州の大学が62%に対し、日本の大学は24%に過ぎない。  大学と企業が「共同出願人」になる割合が大学の特許出願件数の約7割まで拡大した影響も大きい。  特許法73条の規定によると、共有する特許を第三者に供与する場合、共同出願人の同意が必要だ。大学が特許を活用しようとしても、企業がライバル企業への供与を認めないケースも多い。東大先端科学技術研究センターの渡部俊也教授は「大学が企業と共同研究して開発費を安く抑えたことが、技術移転の障害になっている」と指摘する。  もっとも、自前で技術開発する志向が強かった日本企業も、外部の技術を使って開発効率を上げなければ、海外企業との競争には勝てない。産学連携を単に共同研究で終わらせず、出願前から実用化を意識した「課題解決型」の技術開発が求められている。(都留悦史)      ◇  〈技術移転機関(TLO)〉 Technology Licensing Organizationの略。1998年5月に成立した「大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律」に基づいて全国の大学で設立が進み、今年7月末で50のTLOが存在する。組織形態は大学の一部門や株式会社など多様。大学の知的財産の活用で得た収益を研究者や大学に還元し、研究活動の活性化を図る狙いがある。 "[he-forum 15767] 毎日新聞9/18 毎日新聞2010年9月18日付 新教育の森:教育への公費、貧弱さ浮き彫り OECD国際比較…平均並みハードル高く  経済協力開発機構(OECD)が「図表でみる教育10年版」を公表した。国際比較で改めて浮き彫りになったのは、日本の教育環境の貧弱さだ。民主党はOECD平均並みに教育への支出を増やす目標を掲げるが、ハードルは高い。【井上俊樹】  ◆家計頼みの高等教育  民主党は、国内総生産(GDP)に占める学校など教育機関への公的支出割合を、OECD平均以上に引き上げる目標を掲げている。公表されたデータによると、07年のOECD平均は4・8%。これに対し、日本のGDP比は3・3%で、比較可能な28カ国の中では最下位だった。  07年の日本の名目GDPは約515兆円。OECD平均との差の1・5%を埋めるには、新たに8兆円近い支出が必要になる計算だ。今回のデータは自民党政権時代のものだが、政権交代後に始まった高校無償化にしても事業費は3933億円。「OECD平均」の達成は容易ではない。  各国との格差がとりわけ大きいのが、大学などの高等教育段階だ。私費を含めた高等教育機関に対する全支出に占める公費の割合はOECD平均が69・1%だったのに対し、日本は32・5%にすぎない。授業料など家計からの支出が51・1%、大学への寄付など企業や個人の支出が16・5%で、計67・5%が私費からの支出だ。08年の日本の高等教育への進学率はOECD平均(72%)を上回る77%。アメリカのように公費が少なくても企業からの寄付金や奨学金が充実している国と違い、日本や韓国などは、家計負担に頼ることで高い進学率を可能にしている。  文部科学省は来年度予算の概算要求に、04年度以降毎年削減してきた国立大学法人運営費交付金の増額を盛り込み、国立大の授業料免除対象者を今年度(約3万7000人)より約1万1000人増やすことを目指す。また、大学生らへの奨学金の貸与人数を無利子、有利子合わせて12万4000人増やすための予算増も要求。このほか、低所得世帯の高校生約66万人に対する返済不要の給付型奨学金新設に122億円を要求した。  ◇まだ多い1学級の児童生徒数 編成基準引き下げで改善見込み  日本は少人数教育の面においても、他のOECD諸国との差が歴然としている。08年の1クラス当たりの児童生徒数は、小学校が28人で27カ国中3番目に多く、OECD平均(21・6人)と6人以上、最少のルクセンブルク(15・6人)とは12人以上の開きがある。中学校も33人と23カ国中2番目に多く、OECD平均(23・7人)と9人以上、最少のスイス(18・9人)とは14人差だ。  また、教員1人当たりの児童生徒数は、小学校が18・8人(OECD平均16・4人)、中学校が14・7人(同13・7人)。いずれもOECD平均より多く、その分、子どもたち一人一人に目が行き届きにくいのが現状だ。  ただ、この差は今後縮まる可能性が高い。文科省は来年度、学級編成基準を現行の上限40人から30年ぶりに引き下げる計画を発表。18年度まで8年間かけて教員を徐々に増やし、最終的に小学1、2年生は30人に、小学3年から中学までは35人とする考えだ。計画通りならば、教員数は現在よりも約2万人増えることになる。一方で少子化も進むことから、18年度段階の教員1人当たりの児童生徒数は小学校16・1人、中学校12・7人と、現在のOECD水準並みに改善する見込みとしている。  ◇学校選択制 積極導入国、半数超える  学校選択制についても、日本とOECD諸国との間に違いが見られた。学校選択制が一般化しているのは、初等教育(小学校)ではイギリス、フィンランド、ドイツ、イタリア、アメリカなど30カ国中17カ国。前期中等教育(中学校)では18カ国。日本は韓国やノルウェーなどと共に一般化していない国に分類された。  OECDによると、積極的に導入している国は、(1)学校同士で競争し切磋琢磨(せっさたくま)する(2)(成育環境や学力が近い児童生徒が集まることで)幅広い生徒に対応する必要がなくなり、教育サービスを効率的に行える(3)独創的・個性的な学校が生まれやすくなる--などを理由に挙げている。  日本でも97年の規制緩和で学校選択制を導入できるようになったが、文科省の06年調査では、小学校で導入した市町村が14・2%、中学が13・9%。導入した自治体でも、市町村内の学校を自由に選べる形態は少なく、従来の通学区を残して特定の地域に住む児童生徒だけを対象にした形態が多い。近年は「地域との関係が希薄になる」「学校間の序列や格差が生じる」「入学者数に偏りが出る」といったデメリットを指摘する声も多く、前橋市が学校選択制を廃止するなど、見直しの動きも相次いでいる。 ==============  【公的支出の対GDP比】  (1)アイスランド 7.0  (2)デンマーク  6.6  (3)スウェーデン 6.1 (26)チリ     3.7 (27)スロバキア  3.4 (28)日本     3.3  (単位は%。OECD平均は4.8%) "[he-forum 15768] 毎日新聞富山9/18 毎日新聞富山版2010年9月18日付 富山大:学長選、平井氏ら3人推薦へ 11月に決定  任期満了(来年3月31日)に伴う富山大の次期学長選の候補者推薦受付が17日、締め切られ、08年の前回選でも推薦された平井美朗副学長のほか、鏡森定信名誉教授▽遠藤俊郎付属病院長--の3人が推薦されたことが、関係者への取材で分かった。21日の学長選考会議で正式に受理して公表される。  富山大の学長選を巡っては前回、学内教職員による事前の意向調査で最下位だった現学長の西頭徳三氏(72)が、学外委員が半数を占める学長選考会議の投票で再選され、教職員が抗議声明を出すなど混乱した。  今後は、10月中旬に3人の候補者による公開討論会、同月下旬に意向調査を実施し、11月8日に次期学長が決まる予定。【青山郁子】 "[he-forum 15769] 朝日新聞福井9/19 朝日新聞福井版2010年9月19日付 福井大、予算獲得に危機感 20日、街頭署名で訴え  来年度の国立大学の研究や教育活動にあてる予算の行方に、福井大学が危機感を強めている。文部科学省の概算要求では大学予算は一見増えているが、他省庁との「政策コンテスト」を前提とした「特別枠」が増額分の3倍近くもあり、結果次第で大幅な削減があり得るからだ。福田優学長ら教職員約50人は20日、福井市や敦賀市の街頭に立って危機を訴え、予算獲得への協力や署名を呼びかける。  政府が全省庁の政策的経費を概算要求段階で前年度より原則10%カットする方針を打ち出したのを受け、福井大文京キャンパスで8月、全職員を対象に説明会が開かれた。  「試算どおりに予算を削られていくと、教職大学院で教員養成ができなくなる」。教員から悲痛な声があがった。  10%削減が当てはめられれば、今年度99億円だった予算は来年度に約10億円減る。福井大の試算では、すべての学部やセンターの1年間の運営経費に匹敵し、常勤教員削減なら2割、授業料値上げなら5割増に相当する。福田学長は「国立大学の必要性と責務を広く県民に訴える。大学として署名活動や辻立ちの演説をする」と、教職員らを前に力を込めた。  国立大は2004年の独立行政法人化の後、毎年予算を1%ずつ削減され、福井大の減額幅はすでに11億円に達している。教職員手当の支給を一部凍結するなど、研究や教育に影響がないようやりくりしてきたという。  それでも、世界で先進的という窒化物半導体による次世代太陽光発電システムの研究でさえ、装置は企業の中古品を改造して使い、実験室にほこりが入らないようにするクリーンルーム化も未整備のままだ。福田学長はこうした実情を7月、視察に訪れた川端達夫文部科学大臣に説明し、予算確保の「直訴」も試みていた。  今回の概算要求で、大学予算にあたる運営費交付金は前年度より324億円増え、1兆1909億円になった。しかし、これは「特別枠」の884億円を含む。特別枠は、10%カットの代替措置として雇用拡大や経済成長につながる事業に設けられたが、「1兆円超」の財源に、各省庁の要望額は計2兆9千億円を超え、予算を実際に獲得できるかは不透明だ。  特別枠の政策コンテストを前に、政府は9月下旬から、一般から意見を募集するパブリックコメントを実施する。このため、福田学長や大学理事らは20日、福井市のJR福井駅前や同市大和田町のショッピングセンター「エルパ」、敦賀市内の街頭で、技術の革新や経済成長の基礎を支える大学の役割を市民に訴え、パブリックコメントへの協力や署名を募る。  福田学長は「地方の小規模大学は、崩壊の瀬戸際に立たされている。危機意識を訴える第一矢を、福井から発信したい」と話している。(田中章博) "[he-forum 15770] しんぶん赤旗9/18 しんぶん赤旗2010年9月18日付 大学の役割と成果 社会の共通認識に 横浜 全大教が研究集会  「大学の発展を社会の共通認識にするために」をテーマに、全国大学高専教職員組合(全大教)第22回教職員研究集会が17日、横浜市立大学で開かれました。  集会には、全国から220人の教職員が参加しました。主催者を代表して中嶋哲彦全大教委員長があいさつしました。  蔵原清人工学院大学教授が「われわれはどんな大学をめざすのか」と題して記念講演。大学改革の目的は「人類が直面する課題に取り組み、その生活と福祉を向上させる学術文化を発展させ、それを身につけ推進できる社会の構成員を育てていくこと」とのべ、各大学が社会的に果たしている役割と成果を十分つかむことが大事だと強調しました。  基調報告で、南雄二教文部長は、文部科学省の概算要求で国立大学運営費交付金が、「政策コンテスト」によって最悪の場合、昨年度比560億円減になりかねない厳しい状況だと指摘。高等教育を受ける国民の権利の保障と、高等教育の拡充・整備の必要性を国民の心に響く言葉として語れるよう、運動を進めていくことをよびかけました。  集会は18日まで行い、14の分科会が開かれます。初めての試みとして、国公私立という設置形態の違いをこえて議論する分科会「教育研究の現場から高等教育政策を検証する」も開かれます。 "[he-forum 15771] 読売新聞9/20 読売新聞2010年9月20日付 国立大進まぬ耐震化、強度不足235万平方m  全国の国立大学や国立研究施設の教室や研究棟などのうち、耐震強度が国の安全基準を満たしていない施設の床面積が、東京ドーム約50個分に相当する計約235万平方メートルに及ぶことが19日、文部科学省の調査でわかった。  このうち約32万平方メートルは、阪神・淡路大震災で倒壊するなどした学校施設と同程度の強度。財政難による施設整備の遅れが原因とみられる。国立大の多くは「広域避難場所」に指定されており、同省は「施設整備5か年計画」を策定する。  同省によると、国立大の施設は1990年代以降、老朽化問題が表面化し、国は順次、耐震改修などの整備を進めた。ただ、耐震性が特に弱い施設や付属病院の整備が中心だった。2001年度に4000億円超だった国立大の施設整備費は削減され、財政難により施設整備が十分に行われてこなかったという。  文科省では今年5月、全国の国立大(86校)、国立高専(51校)、研究機関(6か所)の施設計2645万平方メートルの耐震状況を調査した結果、東京工業大やお茶の水女子大などの施設(総面積計約235万平方メートル)で、同省が定める学校施設の耐震基準を満たしていなかったという。 "[he-forum 15772] 福井新聞9/21 福井新聞2010年9月21日付 国立大の運営費交付金削減に反対 福井大が街頭署名活動  「全省庁一律10%削減」とした政府の来年度予算の概算要求基準に基づき国立大法人に対する運営費交付金削減の懸念があることをめぐり、福井大は20日、福井市のJR福井駅西口広場など福井県内4カ所で交付金削減に反対する街頭署名活動を行った。  運営費交付金は同大の収入(付属病院除く)の7割を占めるが、政府方針通り10%削減されると、同大への交付金は約10億円減少。10億円は常勤教員の2割に当たる120人分の人件費や、学部生の授業料の27万円値上げに相当する額と試算されている。  街頭活動には教職員計50人が参加。JR福井駅西口と西武福井店前、エルパ前では福田優学長が街頭演説に立ち、「科学立国に貢献してきた国立大が崩壊の危機にあり、日本は国際競争力を失ってしまう。教育は百年の大計。国は進むべき方向を誤ってはいけない。日本の将来を担う国立大を皆さんの力で守ってほしい」と訴えた。  国立大の役割や交付金削減の影響を記したチラシ約3千部を用意。通行人に配りながら、署名への協力を呼び掛けた。集まった署名は菅直人首相あてに提出する予定。  福井市の女性(24)は「工学部出身なので、大学予算が縮小して研究の幅が狭まったときの様子が想像できる。思うような活動ができないのは目に見えています」と話し、署名に応じていた。 "[he-forum 15773] 毎日新聞9/21 毎日新聞2010年9月21日付 大学発ベンチャー:設立、10年間で最少90社--08年度  大学の教員や学生が新規技術や知的財産を基に起業する「大学発ベンチャー」の08年度の設立数が、過去10年間で最低の90社にとどまったことが、文部科学省科学技術政策研究所の調査で分かった。営業不振による廃業の一方、技術を見込まれての買収や合併も増加傾向にあり、同研究所は「数の増加が一段落し、整理の時期に移った」と分析している。  調査によると、08年度末までに設立された大学発ベンチャーは累計1963社。分野別では生命科学27%、情報通信25%、ものづくり11%など。年間の設立件数は、04、05年度の各252社をピークに減り続け、08年度は90社だった。これは99年度(95社)の水準を下回る。  これまでに設立された中には、清算や休眠に追い込まれるケースが06年度以降、毎年17~18社あり、累計109社。一方、業績好調で株式公開に至ったのが20社。新興国から破格の買収金額を提示される材料系ベンチャーもあり、吸収合併や売却は37社に上った。  高専などを含む全国の大学821校のうち、大学発ベンチャーがあるのは27%の221校。大学別のトップ3は(1)東京大147社(2)早稲田大107社(3)大阪大82社。学生だけで起業した「学生ベンチャー」が多い大学は(1)早大48社(2)東大、京都大各26社(4)筑波大24社など。【山田大輔】 "[he-forum 15774] 中国新聞9/21 中国新聞2010年9月21日付 特許増へ表彰制度 広島大  広島大(東広島市)は特許料収入を増やすため、有望な研究に取り組む研究者の表彰制度を本年度創設した。国から大学への運営費交付金が毎年度減額される中で大学生き残りに向け、研究者のやる気を引き出して外部資金の獲得を増やす。  学内審査で理工系の研究者12人を選んだ。過去に特許申請や取得の数が多い6人は貢献賞。新しい研究分野に取り組み、将来を有望視される30歳代の6人は奨励賞とした。22日に表彰式を開き、賞状と記念品を贈る。  奨励賞の高木健助教(32)はロボット工学が専門。手術用のメスなどが皮膚にかける力を数値化。ベテラン医師の執刀を新人が学ぶ参考になるという。高木助教は「大学に認められたようで、表彰は励みになる」と喜ぶ。  センター知的財産企画部門長の末次憲一郎教授(高分子材料統計力学)は「特許の数は、大学ブランド力の指標にもなっている。一層力を入れたい」と話している。 "[he-forum 15775] 毎日新聞愛知9/23 毎日新聞愛知版2010年9月23日付 にじ:地域の国立大学  「国立大学法人の運営費交付金は、政府の来年度予算編成における一律10%削減の対象から除いてほしい」。この夏、愛知教育大(刈谷市)はこんな緊急声明を出し、関係者へ精力的に働きかけた。県選出の国会議員、知事や党県議団、地元市長、教育団体、経済団体など23回に及んだ。  松田正久学長が「大学の存亡にかかわる」と執拗(しつよう)に訴えるのは、教育に対する政府の基本理念に疑問を抱くからだ。「国立大学法人化した04年度から毎年交付金が減額され続け、教育重視の姿勢が感じられない。日本衰退が言われる今こそ、教育への投資を最優先すべきだ」と強調する。  そんな中で勇気づけられたのは、刈谷市などの地元5市長会、県内の市と町村の各教育長協議会の3団体が支援アピールを出してくれたことという。法人化後、愛教大に地域連携センターを設け、地元自治体と講座開催や小中学校への出前授業、外国人児童生徒への学習支援などをしたことが評価されたと受け止めている。「地域の国立大学」に近づいた愛教大にエールを送りたい。【安間教雄】 "[he-forum 15776] しんぶn赤旗9/23 しんぶん赤旗2010年9月23日付 交付金削減は死活問題 静岡大学長と井上議員懇談  日本共産党の井上哲士参院議員、静岡県委員会の山村糸子県委員長らは22日、静岡市の静岡大学を訪れ、伊東幸宏学長、山﨑裕史理事と懇談しました。  井上議員は、国立大学法人化から6年、交付金を削減されてきた国立大学の現状について、これまでも全国の大学と懇談している党の活動を紹介し、静岡大学からも率直な意見を聞かせていただきたいとあいさつしました。  伊東学長は、交付金の削減について「非常に厳しい状態で、まさに死活問題です」と語りました。  静岡大学では、政府の方針で毎年1%カットされている運営費交付金が、この6年間でおよそ6億円削減されたと説明。同大学では人件費が支出の74%を占めており、このままでは教員、職員を大幅に減らし人件費を削らなければならないと話しました。また最低限、教育費は削るわけにはいかないので、結果として研究費に予算がまわらなくなり、短期的にお金になる研究だけにかたよってしまう懸念があることを訴えました。  山﨑理事は、施設整備の交付金も1割カットされ、老朽化した施設も十分に補修できない状況を説明し、「われわれも現場から声をあげ、アクションを起こしていかなければならないと思っています。そういう中、共産党さんにも今後、支援をたまわれればと思います」と語りました。 "[he-forum 15777] 陸奥新報9/28 陸奥新報2010年9月28日付 弘大3施設が研究所昇格  弘前大学(遠藤正彦学長)は10月1日付で、自然エネルギーを研究する北日本新エネルギー研究センター、全国最大規模の植物園である白神自然観察園、被ばく医療の教育研究の充実を図る被ばく医療教育研究施設を、同大の学部、研究科と同等となる研究所に昇格させる。従来より特色のある研究所にする狙いで、同大が研究所を設置するのは今回が初めてとなる。27日の学長定例会見で遠藤学長が明らかにした。  研究所は教授会を構成し、研究所長が学内の教育・研究方針を検討する教育研究評議会のメンバーになるなど、他の学部、研究科と同等となる。また、将来的な構想として北日本新エネルギー研究所(仮称)を母体とした大学院(博士課程)設置も視野に入れている。  遠藤学長は「教育研究が主体的に行えるようになる。白神やエネルギー関係など県内の地域状況を踏まえた教育研究を特化し、研究所の性格がより明確になる」と強調した。  会見では、今年7月に本格稼働した弘大医学部附属病院高度救命救急センターの受け入れ状況(7、8月)についても説明し、「救命率が高く、地域の医療に対しては大きな貢献をしている」とするも、「経営上はもう少し長い目で見ないと大変厳しい」と現状を述べた。 "[he-forum 15778] 愛媛新聞9/28 愛媛新聞2010年9月28日付 愛媛大・松山大が韓国研修など初の連携事業  愛媛大と松山大は27日、教育・研究交流協定に基づく初の連携事業として、学生のリーダーシップ育成事業や遺伝子タンパク質の機能解明など5件を採択したと発表した。期間は10月から最長2年。  両大学は学生・教職員交流や共同研究を推進する目的で3月に協定を締結。連携事業候補として両大学から応募があった16件を学長、理事クラスで構成する「連携推進会議」で審査していた。  採択されたのは、学生のリーダーシップ育成のための韓国研修▽両大学での共同フィールドワーク▽脳機能を制御するタンパク質グループ「BRINP」の分子機能解明▽抗がん機能がある化合物「オルトキノン類」の活性構造解明▽両大学生のキャリアに対する意識調査とキャリア教育構築―。両大学が創設した基金から1件につき最大100万円を配分。不足分は科研費や外部資金を利用するという。 "[he-forum 15779] 毎日新聞9/29 毎日新聞2010年9月29日付 4国立大:芸大など未活用地100億円 会計検査院が指摘  東京芸術大、東京学芸大、東北大、琉球大の4国立大に有効活用されていない土地が計100億円余相当あることが会計検査院の調査で分かった。国立大の資産を売却すれば、売却益の一部が全国の国立大の施設整備費に充てられる一方、財政難を受けて国立大の施設整備費の予算は激減している。このため文部科学省は「老朽化した施設の補強や建て替えに使うためにも各大学は不要資産があるなら売却してほしい」と呼び掛けている。  関係者によると、検査院が東京芸大の土地で指摘しているのは茨城県取手市の敷地。約16万4000平方メートルのうち、道路や建物などとして整備されているのは約3万平方メートルしかなく、広大な雑木林が広がっている。新しい学部の設置などを目指して85年ごろ購入したが、計画が頓挫。91年に「取手校地」としてオープンしたものの、美術学部の1年生や一部の学科の学生らが使っているだけという。  ◇芸大「雑木林も写生の教材」  大学側は「芸大の学生にとって雑木林も写生などで使う立派な教材」と話すが、検査院は約33億円相当が不要と判断したという。  東京学芸大への指摘は、都内にある職員宿舎の跡地やキャンパス周辺の雑木林など約23億円相当。東北大は売却を計画しながら予定価格より地価が下落したため売れ残った施設跡地やキャンパスの一部約45億円相当を指摘され、琉球大も約3億円相当の無駄を指摘されたという。  文科省国立大学法人支援課によると、国立大の土地の売却益はキャンパスの整備費に充てる場合を除き、半分がその大学の収入に、残り半分が独立行政法人を通じて全国の大学の施設整備費に使われる。国が補助する施設整備費は01年度に約4400億円あったが、10年度には約900億円と5分の1程度に減少している。文科省によると、売却益は施設整備の貴重な財源になっているという。  大学経営コンサルタント「高等教育総合研究所」(東京都千代田区)の亀井信明社長は「国立大は私大に比べ資産面で恵まれている大学が多い。補助金が減る中、不要な資産を売却したり、他大学と施設を共同利用するなど運営をもっと見直すべきだ」と話している。【袴田貴行、桐野耕一】 "[he-forum 15780] 北海道新聞9/29 北海道新聞2010年9月29日付 文科省の就業支援 道内4大学を選定 研修や講座に補助  文部科学省は28日、大学・短大が企業などと連携し、学生に社会人として必要な知識や技能を身につけてもらう「2010年度大学生の就業育成支援事業」に180件を選定した。道内からは室蘭工大、小樽商大、札幌市立大、旭川大の4件が選ばれた。  厳しい雇用情勢を踏まえたもので、本年度から実施。全国から441件の応募があり、大学157件、短大19件、大学と短大の共同申請4件が選ばれた。年間補助額は1件につき上限2千万円(共同申請は2500万円)で、本年度から5年間補助する。  室工大は地元企業の退職者らを講師に、自分の考えを文章にまとめる力を養う講座を1年生から実施し、インターンシップの充実も図る。樽商大は高校への出前講座で高校生から就業意識を高めるほか、大学卒業後3年間、就職相談を行う。  札市大は病院と連携して看護学部の学生に実践力を身につけさせるほか、卒業生を対象にした研修も実施。旭大は学生の活動内容をコンピューターに登録、既存の地元企業情報と連動させ、双方向で情報交換を行えるようにする。 "[he-forum 15781] 宮崎日日新聞社説9/29 宮崎日日新聞社説2010年9月29日付 法曹養成 法科大学院の改善速やかに  新司法試験の合格率が低迷している法科大学院などの再編、統廃合が加速しそうだ。文部科学省が2012年度にも、低迷が続く法科大学院への補助金は削減すると決め、中教審の特別委員会へ報告した。  法曹(裁判官、検察官、弁護士)を養成する法科大学院は04年以降、74校も開校した。乱立状態といっていい。  今年の新司法試験を見ると、合格者ゼロは2校、修了生の合格率が5%未満は6校もある。受験者全体の合格率は過去最低の25%だった。修了しても大半の学生が合格できないようだと人材が集まらず、さらに合格率が低迷する。そうした悪循環がここ数年、目立っている。 ■志願者は3分の1に■  文科省の方針は荒療治の感があるが、現状を見ればやむを得ないだろう。実施まで約1年の時間が残されている今のうちに、全国の法科大学院が速やかに事態の改善に取り組むよう求めたい。  法曹人口の増加と質の維持・向上は大きな政策課題だ。そのための確固とした仕組みをつくらないといけない。  法科大学院の修了者には新司法試験の受験資格が与えられる。開校当初は人気を集めた法科大学院だが、10年度は志願者数が3分の1に急減。入学者数もピーク時の7割に減った。  まず、法科大学院の教育の質が問われなければならない。特別委は今年1月、14校に重点的な改善が必要と指摘した。このうち1校が11年度以降の学生募集停止を発表、撤退を表明した。教育内容が問題視される傾向はさらに強まるとみられる。 ■地域バランス配慮を■  今回、文科省は入試の競争倍率が2倍以下で選抜機能が働いておらず、新司法試験の合格率も1けた以下に低迷している場合、補助金を削減するとした。  法科大学院は一般の大学院より国立大学運営費交付金と私学助成金が優遇されている。この部分が削られる。優遇措置が税金による援助である以上、甘えは許されない。国民の納得が得にくい状況では削減はやむを得ない。  ただ、地方に定着する弁護士の養成に力を注いだり、仕事を持つ学生のため夜間に開講したりしている法科大学院もある。  配置の地域的バランスも重要だ。大都市ばかりに偏在すれば、地方の学生が通えないなど好ましくない状況が生まれる。こうした場合には政策的に残す配慮もすべきだろう。  意欲も能力もある学生への新たな支援策も考える必要がある。奨学金制度の拡充もその一つ。例えば、法曹になった後、日本司法支援センターの常勤弁護士として地方へ赴任するといった公的な仕事に一定期間就いた場合は返還を免除する制度など考えてもらいたい。そのための財政的な措置を文科省に望みたい。 "[he-forum 15782] 共同通信9/25 共同通信2010年9月25日2時2分 文科省、ボランティア経験を加味 大学生ら無利子奨学金  文部科学省は24日、所管の独立行政法人「日本学生支援機構」が大学生らに貸与する無利子奨学金の審査基準について、現行の世帯所得や学業成績のほかに、来年度からボランティアの経験も加味する方針を決めた。  文科省は基準を満たしても枠の不足から貸与されない学生が出るのを防ぐため、来年度の対象者を本年度より約2万6千人増加。基準を満たせば申請者全員が奨学金を受けられるよう必要な予算を概算要求に盛り込んでいる。  それでも所得が基準を上回ったり、成績が下回ったりした場合は受けられないが、ボランティアをすれば基準外でも“救済”される可能性が出てくる。ボランティアを申請の条件にはしない。  授業料減免制度でも国公立大を中心にボランティア経験の適用を求める方針で、今後、中教審大学分科会で具体案を論議する。減免の基準に追加した大学には、私立大も含めて国の補助金増額を検討するという。 "[he-forum 15783] 北海道新聞9/30 北海道新聞2010年9月30日付 救命救急センター 旭医大であす開設 【旭川】旭川医大(吉田晃敏学長)は29日、救急医療の専門機関「救命救急センター」を同大病院に10月1日から開設すると発表した。重症患者に高度な医療を行うほか、大学の付属病院として地域の救急医療を担う医師養成にも力を注ぐ。  救急センターは道内10カ所目。旭川市内ではすでに旭川赤十字病院が開設しており、札幌圏以外では初めて複数設置となる。  同大によると、救急センターには医師15人と看護師35人を配置し、24時間体制で治療に当たるほか、院内には集中治療室(ICU)2床を含む20床を救急患者専用に設置。ドクターヘリなどで道北一円から搬送された重症患者を受け入れる。また、医学部生や研修医らが救急医療の現場を学ぶ教育施設としても活用していく考えだ。 "[he-forum 15784] 読売新聞石川9/30 読売新聞石川版2010年9月30日付 学生の「就業基礎力」判定 金沢大  金沢大学は、簡単なアンケートに答えることで、学生の「就業力」を判定することの出来るプログラム「金沢就業塾」を始める。就職難の中、「国立大学だからといって、あぐらをかける状態ではない」と本格的な就業支援に乗り出す。28日には、文科省の5か年の助成事業にも採択された。  プログラムでは、就業に必要な基礎力を「課題発見力」「柔軟性」「規律性」「創造力」などの12項目に分類。「相手の話を素直に聞くことが出来る」「常に計画と進捗(しんちょく)状況の違いを留意出来る」といった36の質問に答えると、項目ごとに就業基礎力をチェックすることができる。  学生は1年からこのプログラムに登録し、自分の短所を補えるように、授業を受け、ボランティアなどの学外活動に参加していくという。大学の就職支援をPRするためにも一般に公開していく方針。  学内を対象としたチェックプログラムは昨年から、すでに一部運用され、その結果、「ねばり強いが、積極性には欠ける」という金沢大の学生像が浮かび上がったという。同大の田辺喜章・学生支援室長は「いまの就業支援は企業のインターンシップに頼っている状態。プログラムも参考にしながら、社会人として自立するための4年間のカリキュラムを構築していきたい」と話し、学生像の変化に期待をかけている。 "[he-forum 15785] しんぶん赤旗9/30 しんぶん赤旗2010年9月30日付 概算要求政策コンテスト 国民の声聞く気あるなら 菅内閣  菅内閣は、2011年度の予算編成で1兆円超の「特別枠」を設け、その中身を「政策コンテスト」で決めるとしています。28日からは、マニフェストに反映するための国民の意見をインターネットやファクスなどで募るパブリックコメントが始まりました。  政府は概算要求に当たって各省に10年度当初予算比で1割削減を求めたうえで、「元気な日本復活特別枠」として、別途、要望を出させました。各省から出された特別枠の要望額は合計で約3兆円。これを、年末の予算編成で1兆円超まで絞り込みます。  10月中を目途に「評価会議」を設け、そこで絞り込みをするとして、現在、立ち上げの作業中です。会議のつけた優先順位を基に最終的には菅直人首相が決めるとしています。  パブリックコメントは10月19日が締め切り。10月下旬を目途に結果を公表し、評価会議での参考にするといいますが、実際に、どう生かされるのかは定かではありません。評価会議のメンバーが国民の声を適切に反映できる構成になるのかも問題です。  各省が特別枠として出した要望には、国民の切実な要求にかかわるものが少なくありません。文科省は、少人数学級導入の予算、高校生対象の返済不要の奨学金などが全額特別枠での要求です。  毎年1%ずつ削減され、「これ以上削られたら教育、研究が成り立たない」と悲鳴が上がっている国立大学の運営費交付金は、もし特別枠分が認められなければ前年度比5%減ととんでもない事態になります。  中小企業の時給引き上げのための補助金、卒業後3年以内の人を雇用した企業を補助する「就職実現プロジェクト」など、「雇用」を強調する菅内閣の目玉も特別枠での要求です。  結局、切実な要求同士で競い合うことになり、3分の2近くは実現しないことになります。国民要求にしっかり向き合い実現を図る気なら、特別枠ではなく概算要求本体に入れるべきものです。  一方で、「元気な日本復活」にふさわしいとはいえない米軍への「思いやり予算」1859億円全額やミサイル防衛関連経費、燃料費など4755億円が特別枠で要望されています。特別枠で要求しても、政策コンテストで落とされることはないと見越した防衛省の作戦です。概算要求本体を見かけだけ削減するやり方です。  国民の目線を生かすというなら、こうした予算にメスを入れることができるのか問われます。 "[he-forum 15786] 西日本新聞9/30 西日本新聞2010年9月29日付 伊都キャンパス移転  福岡市東区の箱崎キャンパス(工学系、理学系、文系、農学系の7学部と大学院)と、同市中央区の六本松キャンパス(1、2年生が学ぶ全学教育など)が対象。計画は2005―19年度。これまで工学系と全学教育の移転が完了し、伊都に通う学生・教職員は現在、約1万800人。最終的な学生・教職員数は約1万8千人。医学系の馬出(東区)、芸術工学系の大橋(南区)、理工系大学院などがある筑紫(春日市)の各キャンパスは現在地に残る。 【プラス・アングル】西区の九大学研都市駅周辺 学生向け物件「供給過剰」? 不足一転、空室不安も  開発が進む九州大学伊都キャンパス(福岡市西区、糸島市)周辺で、学生向けの住宅事情に異変が起こりつつある。これまで、キャンパス移転に伴う学生数の急増に物件が追いついていない状態が続いていたが、今年に入ってアパートやマンションの建設が相次ぎ、来春には逆に供給過剰になる可能性が出てきた。地元や大学関係者からは、需要に見合った開発を求める声が上がっている。    ■新たに千戸以上    伊都キャンパスの最寄り駅、JR筑肥線九大学研都市駅前(西区)。建築中のマンションがいくつも目に入る。建築現場の囲いには「入居者募集」「九大生向け」などの文字も。「駅周辺で建築中か建築予定の学生向け物件は今、確認しているだけで千戸以上」と地元で30年以上営業を続ける不動産会社の池勝次社長(66)は話す。今後もさらに増える可能性があるという。    九大が計画する来春の新入生は約2500人。全員が伊都キャンパスに通うものの、2年生の途中から学部ごとに通うキャンパスが異なることもあり、生協などの予測では、伊都地区への居住を希望するのは1000―1400人程度と見込まれるという。転出する学生による入れ替わりを差し引くと、新たに必要な戸数は600―800ほどで、現在建築中の戸数を大きく下回る。    「ここまで物件が急に増えるとは思っていなかった」と生協のある役員。来春は供給数が需要を上回るとみられている。    ■ニーズ満たすか    今春、伊都キャンパス周辺の学生向け物件がほぼいっぱいとなり、同駅前の不動産店ではいい物件を抑えようと合格発表を待たずに契約をする例が相次いだ。    それが状況一変したのは、「これまで様子見をしていた地主や開発業者が一斉に動きだした結果ではないか」と地元の不動産関係者たちは口をそろえる。    ただ、学生向け住居の“建築ラッシュ”で戸数が増えても、必ずしも学生のニーズが満たされるとは限らない。伊都に暮らして3年目の九大大学院工学府修士1年の北田さん(22)は「この辺りはバイト先も少ないので、家賃が安いことが重要。物件が増えても高かったら選択肢にはならない」と話す。    ■家賃4万円超も    池社長が自社の管理する物件に暮らす学生約200人に実施した聞き取り調査でも、約8割が4万円以下の安い物件を望んでいた。ところが池社長によると、現在建築が進む物件の部屋面積は25平方メートル以上とやや広めで、家賃が4万を超える可能性が高いという。「九大生の希望に合わない物件が建ち過ぎている。このままでは新築でも空室だらけの物件が出てくるのではないか」。    こうした状況について、九大は「民間の動きについては見守るしかない」(広報課)と当面は静観の姿勢。同大新キャンパス計画推進室副室長の坂井猛教授(48)は「仮に物件が供給過剰だとしても、駅の近くならば学生以外の単身者も使える。必要なのはニーズを見据えた物件作り。大学としては、学生のニーズを把握するために定期的な調査活動などを続けていきたい」と話している。 "[he-forum 15787] 読売新聞9/30 読売新聞2010年9月30日付 iPS、契約と提供 管理会社に一元化…京大  京都大は29日、山中伸弥教授が開発した人のiPS細胞(新型万能細胞)の提供業務を、同大学が設立した特許管理会社「iPSアカデミアジャパン」(京都市)に移し、ライセンス契約から提供までの手続きを一括して行えるようにすると発表した。手続きの簡略化と迅速化で、研究の進展が期待される。  京大は、iPS細胞を民間企業に有償提供してきたが、提供を受けるには、京大とiPSアカデミアジャパンの両者と契約する必要があった。今回、同社に細胞を増殖できる体制が整ったことから、人のiPS細胞の使用契約と提供業務を同社に一元化することにした。 "[he-forum 15788] 伊那毎日新聞9/30 伊那毎日新聞2010年9月30日付 南箕輪村と信州大学農学部 連携へ 6年ぶり交流会  南箕輪村と信州大学農学部の交流会が29日、6年ぶりに開かれ、大芝村有林の整備をはじめ幅広い分野で連携していくことが確認されました。  29日は、南箕輪村のフォレスト大芝で交流会が開かれ、今後の連携について意見を交わしました。 交流会で唐木一直村長は「分野ごとに事業拡大しながら、交流を発展させたい」中村宗一郎農学部長は「地域に貢献できる大学にしていきたい」とあいさつしました。  大芝村有森の整備について村は、松くい虫被害が発生した場合は伐採、搬出し跡地には広葉樹を植栽をするとの計画案を示しました。  信州大学農学部ではこの案についての意見としてカエデや桜などが混ざった森を目指すべきとしています。  他には、枯れ枝などの間伐を早期に行い、松くい虫に強く、明るい森づくりを進める必要があるとしています。 南箕輪村と信州大学農学部では、今後様々な分野で連携を進めていくことにしています。 "[he-forum 15789] 時事通信9/29 時事通信2010年9月29日17時22分 国立大、制度趣旨に反し運用=目的積立金、文科省に意見-検査院  経営努力で無駄を省いた結果浮いた資金を翌年度予算に繰り越せる国立大学の「目的積立金制度」に明確な基準がなく、使途も公表されていないことが29日、会計検査院の調査で分かった。この結果、制度本来の趣旨と異なる消耗品購入などに充てられているとして、検査院は文部科学省に使途基準を定めたり、審査を厳格にするよう改善を求めた。  検査院が全国の86国立大学を調べた結果、本来は大学ごとの複数年にわたるプロジェクトに計画的に使われるはずの目的積立金が、大半の大学で消耗品購入や修繕費、備品費などに使われ、使途も開示されていないことが判明。2004~08年度に取り崩された積立金のうち約4割に当たる347億円がこうした本来の趣旨と違う用途に支出されていた。 "[he-forum 15790] 共同通信9/30 共同通信2010年9月30日17時17分 5年一貫の博士課程充実を 中教審が大学院教育改善策  大学院教育の改善策を検討している中教審の部会は30日、世界レベルの高度な専門性を持った人材を養成しようと、5年一貫による博士養成課程の教育内容充実を求める報告書を大筋で了承した。  文部科学省の大学院設置基準によると、博士課程の標準年限は5年で、前期2年と後期3年に分ける「区分制」と、5年一貫の「一貫制」が可能。修士課程は博士前期課程と同等に位置付けられる。欧米では多くの大学院が一貫教育で博士を養成しているが、日本は区分制や修士課程を置くことが多く、一貫制のみで養成している大学院は少ない。  報告書は、博士の養成課程を5年一貫とすることで、進学当初は幅広い分野の知識習得や複数の研究室が経験でき、時間をかけて専門分野を選択できると強調した。  また、日本では博士前期課程や修士課程を修了して企業へ就職する学生も多いため、博士前期課程などでは、社会で即戦力となるようなカリキュラムが必要とした。 "[he-forum 15791] 京大学長:パブリックコメントへの意見提出の要請 京大職組 石田です。 京大学長から、教職員、学生、保護者にパブリックコメントへの意見提出の要請がさ れています。 10月1日(金)全教職員向けに出されたメールを紹介します。 他大学でも同様の説明がされてきています。 文科省の大学関連は事業番号1901,1904,1905,1906が対象です. パブリックコメントのURL: http://seisakucontest.kantei.go.jp/ 応募期間 平成22年9月28日~10月19日(火) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 全教職員の皆様へ   京都大学総長 松本 紘  平成23年度予算編成過程の透明化・見える化を進め、国民の声を予算編成に反 映させる試みとして、政府は、「元気な日本復活特別枠」(特別枠)に関する要望 事業について、2010年10月19日(火)17:00までの期間でパブリック コメントを実施し、各事業に対する国民からの意見を広く募集することとしていま す。 国立大学法人の関係予算についても、運営費交付金はもとより、科学研究費補助 金、施設整備関連経費、奨学金、授業料減免等多くの項目が、この特別枠を活用し 要望されており、厳しい財政状況のなか、これから予算編成に至る過程におい て、関係者である皆様一人一人の力が必要となります。  今後厳しい状況が予想されるところではありますが、この機会を好機ととら え、国立大学法人の意義、使命に対する国民の理解を得るとともに、京都大学にお ける教育研究機能の強化を図れるよう今回のパブリックコメントに皆様の意見をお 寄せいただくよう要請いたします。  また、今回の要望項目のなかには、大学生等への経済支援を目的とした無利子奨 学金の拡大や授業料減免などの経済的支援の充実も盛り込まれており、学生への影 響も大きいことから、教員の皆様におかれましては、学生及び保護者に対するパブ リックコメントへの参加についても周知願いたく、指導教員から学生に周知してい ただくとともに、学生を通じて保護者の方々にも周知いただきますよう努力願いま す。  なお、既に本部事務局より各部局の事務を通じ、今回のパブリックコメントに関 する情報を提供いたしますのでご活用願います。 "[he-forum 15792] 運営費交付金の逓減を追認し,基盤的経費の政策経費化を進める文部科学省の「元気な日本復活特別枠」要望 2010年10月3日 国)Bg学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 運営費交付金の逓減を追認し,基盤的経費の政策経費化を進める文部科学省の「元 気な日本復活特別枠」要望 2010年10月3日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 菅内閣は9月28日より「元気な日本復活特別枠」要望に関するパブリックコメントの 募集を開始した.文部科学省もそれに合わせて独自のサイトを文科省のウェブサイ ト内に設置し,( http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/09/1298018.htm )パブ リックコメント運動に取り組んでいる.また,半数を超える国立大学のウェブサイ トには,教職員・学生・関係者に対して特別枠獲得のために積極的にパブリックコ メント提出をするよう依頼する学長名の文書が掲載されている.その内容は,あた かも判で押したように,特別枠が認められなければ運営費交付金が4.8%減額され, 大学での研究教育が立ちいかなくなることを指摘し,多数のパブリックコメントを 出すことで特別枠獲得の可能性が高まるとしている.しかしながら,この予算編成 のやり方に対する批判的見地が全く抜け落ちているのは大きな問題である. 本事務局は7月8日付の「公共サービス改革基本方針・中期財政フレームと小泉構造 改革をさらに強権的に推進しようとする菅内閣 」(本事務局ウェブサイト参照  http://www.shutoken-net.jp/ )で指摘したが,菅内閣は改造後も小泉構造改革を さらに進めようとしており,今回の政策コンテストなるものも,あたかもパブリッ クコメントで広く意見を聴取したような装いをしつつ,実態は強権的に選択と集中 をさらに進めようということに他ならない.このような批判的視点を欠いたパブリ ックコメントは,書いた人の意志はともかく,結果的に強権的な選択と集中を是認 し,国立大学の従属化を一層進めるものとなろう. 本事務局は,以下に述べるような点から文部科学省の特別枠要望については大きな 問題があることを指摘しておきたい. 1.国立大学法人運営費交付金に「効率化係数」の名前を変えただけの「大学改革 促進係数」1%がかけられ,事実上運営費交付金の逓減を追認していること 2.国立大学法人運営費交付金,私立大学等経常費補助,科学研究費補助金などを 減額して,「強い人材」「成長牽引」といった国策的経費の復活により補填しよう とするやり方は,基盤的経費のいっそうの政策経費化をすすめるものであること 3.奨学金事業や若手研究者育成にかかる経費は,復活の保障がない復活特別枠で はなく,概算要求枠の中で要求すべきものであること 4.奨学金事業に関する「要望」(番号4)は,「ボランティア活動」参加者が有利 になることで,奨学金制度の趣旨を変質させること 5.そもそも,「新成長戦略」に基づく「中期財政フレーム」の一律適用自体が不 当であること 以上 "[he-forum 15793] 産経新聞10/4 産経新聞2010年10月4日付 【教育】奨学金制度 曲がり角 「無利子」貸与漏れ解消も未返済777億円  親の収入や成績などで無利子奨学金貸与の基準を満たしているのに、奨学金の原資不足で貸与を受けられない大学生が続出している問題が解消されることになった。文部科学省が来年度の概算要求で、不足分を補充する予算を計上したためだ。長引く不況で収入が減り、大学生の学費や生活費捻出(ねんしゅつ)に四苦八苦する世帯には朗報だが、その一方で、いまだに奨学金を返済しない人も多い。未返済額は総額777億円に上っており、奨学金制度は大きな曲がり角にさしかかっている。(菅原慎太郎)                    ◇  独立行政法人「日本学生支援機構」を通じて行われる国の奨学金事業では、大学、短大、高専、専修学校、大学院の学生のうち、世帯の年収が一定額以下で、成績も上位の場合、無利子で奨学金貸与を受けられる。  文科省によると、現在は34万9千人が無利子貸与を受けているが、基準を満たしているのに、申請しても大学側から貸与を拒まれる学生も2万6千人程度いるという。  最大の原因は奨学金の原資不足だったため、同省は機構への政府貸付金を増額するなどして、こうした事態を解消する方針。  ≪2年生以降も緩和≫  来春の国公立大学の新入生からは、年収951万円以下のサラリーマン世帯か、465万円以下の自営業などの世帯で、高2、高3当時の平均成績が5段階評価の3・5以上ならば、必ず無利子奨学金を受けられるようになる見通しだ。  同機構の奨学金は無利子の第1種と有利子の第2種に大別され、無利子なら、大学生で原則月額3万~6万4千円を受けられる。  毎月5万円程度の奨学金を4年間受けた場合、無利子でも有利子でも、卒業後15年間返済が必要だが、無利子の返済月額は有利子より3千円程度安い1万3600円にとどまる。 無利子基準を満たしているのに認められず、やむなく有利子奨学金を借りるなどしていた多くの学生や保護者からは「どうして、認められないのか」「不公平だ」と不満や困惑の声が続出していたが、こうしたケースはなくなっていきそうだ。  また、2年生以降も無利子を受けるための基準も緩和。大学の成績で上位3分の1をキープすることが求められていたが、今後5年で上位4割までに緩和されることになった。このため来春の無利子貸与者は3万7千人まで増える計画だ。  ≪保護者「助かる」≫  リーマン・ショック後の長引く不況で保護者の収入は減っており、学生の生活費は節約傾向。全国大学生協組合連合会が行った保護者への調査では、今春の新入生の下宿アパート家賃平均は前年比1300円減の4万3800円、新生活の生活用品購入費も2年前と比べ4・7%減り、28万7千円にとどまっており、来春受験者の保護者からは早くも「奨学金の拡充は助かる」という声が上がっている。  ただ一方で、奨学金の未返済額は年々膨らむばかりで、平成21年度末で777億円に上っている。大学進学率の上昇で、奨学金を受ける大学生は増えており、無利子に加え、有利子の奨学金を受ける学生は8万7千人増える見通しで、合計で131万人。総事業費は1兆1千億円に上っている。  文科省では奨学金未返済への法的措置を強化するなど対策を進めていく方針だが、これ以上、未納分が増えれば、奨学金制度そのもののあり方を見直す意見も出かねない状況だ。 "[he-forum 15794] 大分合同新聞10/5 大分合同新聞2010年10月5日付 導入するドクターヘリ 基地は大分大病院 12年度の運航を目指し委員らが協議  県救急医療対策協議会(会長・近藤稔県医師会副会長)は4日、大分市の県医師会館で会合を開き、県が2012年度から運航を計画しているドクターヘリの基地病院として、大分大学医学部付属病院を選んだ。  委員ら約20人が出席し、搭乗医療スタッフの確保、施設・設備整備などの条件を満たしていることなどから、同病院を基地病院に承認。今後、ドクターヘリ運航調整委員会準備会を設置し、ヘリの運用基準などを検討することを決めた。  同病院救命救急センターの専任医療スタッフは医師10人、看護師27人。導入時までに医師15人、看護師50人体制とし、センター棟屋上にヘリポートを設置する計画という。  県内では現在、防災ヘリを救急搬送に活用しているほか、県北西部では福岡県のドクターヘリを共同運航している。県は「12年度から県独自のドクターヘリを導入して3機体制にし、広域搬送体制の充実を図りたい」としている。 "[he-forum 15796] 日刊工業新聞10/5 日刊工業新聞2010年10月5日付 東京農工大、工学研究・MOT融合強化  東京農工大学は2011年4月から技術経営(MOT)の「専門職大学院技術経営研究科リスクマネジメント専攻」を、「大学院工学府産業技術専攻」に変更する。独立大学院ではなく工学系大学院の中に入ることで、産業技術イノベーションに向けた工学研究とMOTの融合が進むと判断した。近年増えている、MOTの後に博士進学する社会人大学院生は、MOT専任教員の指導を受け続けられるメリットがある。MOTの工学系大学院への統合は初めてで、他大学からも注目されそうだ。  専門職大学院は修士の独立研究科で、東京農工大MOTは05年にスタートした。学内進学を中心とする新卒生3割、社会人7割で、他大学MOTに比べて新卒生が多い。  新卒生は就職活動で、MOTそのものより工学の専門性を求められがちだ。そのため土曜・夜間のMOT授業だけでなく、昼間に実験など工学研究をすることを推奨してきた。 "[he-forum 15795] 愛媛新聞10/5 愛媛新聞2010年10月5日付 森林資源活用へ 西条市が東京大院と協定  西条市は4日、東京大大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻と、地域木材の活用や森林整備などの分野で相互協力を進めるための協定を結んだ。  協定書によると、両者は森林活用・整備などのほか、環境教育をめぐって講演やシンポジウムなどでも連携する。期間は3年間。  第一弾として、10月中旬から大学院生らが市内の山林の状況や流通課題などの調査に入る。地元木材を大規模消費地に売り込みたい西条市に協力、その可能性を探る。  市役所であった締結式で伊藤宏太郎市長は「連携を深め、地域に効果をもたらしたい」とあいさつ。安藤直人東京大大学院教授は「森林行政に風向きが変わってきているが、どう帆を立てるかだ」と述べた。消費地の需要を取り込むほか、二酸化炭素削減や環境保全など、森林をめぐる“追い風”に、産地側が対応できる態勢づくりが必要だと指摘した。 "[he-forum 15797] 毎日新聞秋田10/5 毎日新聞秋田版2010年10月5日付 県立大:新学長に小間篤氏を選出  県立大は、11年3月に任期満了を迎える小林俊一理事長兼学長の後任候補者に、小間篤(こまあつし)・独立行政法人科学技術振興機構研究主監(68)を選出したと4日発表した。佐竹敬久知事の任命を経て同年4月1日に就任する。任期は6年。  小間氏の専門は物性科学。東京都出身で東大大学院工学系研究科博士課程中退後、同大で工学博士号取得。同大大学院理学系研究科長・理学部長や副学長などを歴任し06年から現職を務めている。  選考には小間氏と学内の3人の計4人が応募し、学長選考会議(議長は渡辺靖彦・県商工会議所連合会会長)の面接などで選ばれた。渡辺議長は会見で「学校経営において、小間氏には資金獲得など研究的知見からの実績やノウハウがある」と選出理由を語った。【岡田悟】 "[he-forum 15798] “若手研究者問題:情報と意見交換”の設置にあたって 2010年10月1日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 “若手研究者問題:情報と意見交換”の設置にあたって 2010年10月1日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局  昨年来の事業仕分け、政府から発表された新成長計画、今年度より始まった国立大 学法人の第二期中期目標・中期計画、来年度以降の開始に向け第4期科学技術基本計 画の策定が急がれている一方で、文科省によって「国立大学法人の在り方」に関する 意見募集が始まるなど、我が国における科学技術・高等教育の方針は見直しの時期に 差しかかっているといえよう。  このような状況のなか若手研究者は、充分な支援や解決策が施されることなく、逆 に日本学術振興会の特別研究員制度や科学振興費補助金といった数少ない支援策です ら、事業仕分けの対象とされるなど、その環境は年々悪化している。  今や若手研究者には、「高学歴ワーキング・プア」、「専業非常勤講師」、「ポス ドク」、「特任教員」…さまざまな呼称が与えられ、それぞれが個別化され、分断さ れた状況下で、生存の危機に晒されながらも、大学・研究機関において日々教育研究 の実践に身を投じている。  本ページの目的は、現在の国立大学をはじめとする大学や研究機関における若手研 究者問題の諸相を明らかにした上で、この問題の解決に向けた議論のための情報を共 有することにある。若手研究者問題は、若手研究者の問題であるだけでなく、若手研 究者の存在する環境の問題であり、その環境を作り出し、容認してきた研究者、研究 機関の構造的な問題でもある。この問題の解決のためには、遠回りであったとして も、これら当事者間の情報共有の上に、その打開の展望と方向をめぐる議論を旺盛に 展開することが重要と考え、本ページを設置する。 参照URL: http://www.shutoken-net.jp/jc/ "[he-forum 15799] 産経新聞10/6 産経新聞2010年10月6日付 【教育動向】奨学金拡充というけれど……大学進学の支援まだまだ必要  今年4月から「高校無償化」がスタートしましたが、最大の問題は高校ではなく大学進学の学費負担だと感じている保護者は、多いと思います。文部科学省は、2011(平成23)年度予算案の概算要求に「大学生等への総合的な経済支援プログラム」を盛り込み、奨学金や大学授業料の減免制度の拡大に乗り出すことを決めました。 文科省は同プログラムとして、1,209億円を要求。「無利子奨学金の大幅拡大」(879億円)と「授業料減免や学生の経済的支援体制等の充実」(312 億円)を求めています。日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金には、有利子(上限年利3%)と無利子の2種類がありますが、このうち無利子奨学金の貸与者を、現行の34万9,000人から38万6,000人に拡充することにしました。また、大学の授業料減免では、国立大学の授業料免除者の割合を、現行 6.8%(3万7,000人)から11(平成23)年度は8.4%(4万8,000人)に引き上げ、最終的には13(平成25)年度までの3年間で、授業料免除者の割合を12.5%にまで拡大することを計画しています。一方、私立大学については、私学補助金を活用して、授業料免除者の割合を現行1.5%(3万3,000人)から11(平成23)年度は2.0%(4万1,000人)に広げる予定です。 このほか奨学金については、「大学等奨学金事業の充実」として、日本学生支援機構の有利子奨学金の貸与者を、現行の83万4,000人から、11(平成23)年度は92万1,000人と大幅に増やすことも計画しています。これに先の無利子奨学金を合わせると、同機構の奨学金の貸与者は118万3,000人から130万7,000人へと、12万4,000人増える計算です。 大幅な奨学金の拡充や授業料免除者の増加は、民主党の参院選マニフェスト(政権公約)を受けたもので、経済的事情により大学進学などを断念することがないよう、支援することが狙いです。ただ、財政事情の悪化のなかで、財務省などが難色を示すことは確実です。年末の予算折衝のゆくえが注目されます。 ただ、文科省の方針自体にも、課題がないわけではありません。最近の世界的不況や、非正規雇用者の増加などによって、奨学金を返済できない者が急増しているからです。 もともと日本は、家庭の教育費が重い国です。経済協力開発機構(OECD)の国際比較によると、日本の高等教育費支出における私費負担の割合は67.5%で、データのある加盟国26か国中4位という高さです。国立大学が中心の西欧諸国は、授業料がほぼ無料という国が多く、逆に私立大学が中心の米国では、返済の必要のない給付奨学金が普及しています。これに対して日本は、国公私立とも国際的に見て授業料が高いにもかかわらず、ほとんど貸与奨学金しかありません。 財政事情が厳しいなかで、奨学金拡充を予算要求した文科省の努力は、評価できます。しかし、大学教育における経済格差を解消するためには、返済の必要のない給付奨学金の創設とその普及など、より抜本的な対策が求められるのではないでしょうか。 "[he-forum 15800] 陸奥新報10/6 陸奥新報2010年10月6日付 被ばく医療の人材育成で弘大と県連携  緊急被ばく医療の専門家を育てる「被ばく医療プロフェッショナル育成計画」事業の人材育成コースが25日、スタートする。国の事業採択を受けて弘前大学と県が連携して取り組むもので、初年度は医療、教育、行政機関の関係者ら9人が参加し、3年間にわたって専門知識を学ぶ。修了者は地域の被ばく医療に関するリーダーとして活躍することが期待されており、原子力施設が立地する本県で、同事業を生かしながら緊急被ばく医療体制の充実を図る狙いだ。  5日、弘大大学院医学研究科長の佐藤敬管理運営委員長、同保健学研究科教授の柏倉幾郎同副委員長、県健康福祉部医療薬務課の佐々木久美子主幹らが会見し、発表した。  事業は今年度文部科学省科学技術振興調整費「地域再生人材創出拠点の形成プログラム」に採択され、初年度予算は4160万円。事業期間は今年度から5カ年で、期間中の受講料は無料になる。  弘大では、2008年度から緊急被ばく医療の人材育成や体制整備に着手。  今年7月には緊急被ばく医療も担う高度救命救急センターが稼働した。  こうした中で、教育研究や医療の現場における、被ばく医療に対応できる人材育成が課題となっている。  25日に開講するコースは、染色体線量評価学などを学ぶ「科学コース」と、緊急被ばく医学総論などを学ぶ「医科学コース」の2コース。受講期間は3年間。  弘大教員や外部講師らによる講義や実習をこなすほか、緊急被ばく医療に関する国内外の専門家によるセミナー、専門教育機関の海外研修に参加する。  受講者は(1)博士後期課程在籍者(2)弘大医学研究科、保健学研究科博士課程の受験資格を有する人(3)正規雇用の社会人(受講することで職務上特に必要性が高いと認められる場合)―が対象となり、書類審査と面接で選抜する。  今年度は救急救命士や弘大教員、県職員、弘大医学部附属病院高度救命救急センター所属看護師ら9人が受講する。佐藤委員長は「緊急時に正しい知識をもって対応できるプロを育てることが重要」とし「地域住民の安心のための事業。当面は県内の緊急被ばく医療の人材育成を進めたい」と話した。 "[he-forum 15801] 山陽新聞10/6 山陽新聞2010年10月6日付 「地域枠」の医学部学生数を2・5倍に 岡山県が「第6次保健医療計画」  岡山県は5日、保健・医療施策の指針となる「第6次県保健医療計画」(2011〜15年度)の素案をまとめた。県北部を中心とした医師不足対策として、県が大学医学部生に奨学金を支給して卒業後に医師不足地域へ勤務してもらう「地域枠」により、地域医療を担う医学部学生数を5年間で2・5倍に増やすなど、42項目の数値目標を掲げている。  地域枠は卒業後、県が指定する医療機関へ一定期間勤務すれば奨学金の返済を免除する。岡山大と広島大の医学部に設けており、あらかじめ都道府県別の枠を設けている自治医大も含め10年度は26人(うち岡山大11人、広島大2人)が在籍しているが、15年度は66人(うち岡山大42人、広島大12人)に増やすこととする。  計画期間中、出産などで離職した女性医師の復職は30人と目標を設定。岡山大病院内に設置しているキャリアセンターが相談や復職トレーニングに当たるとともに、育児と両立しやすい医療機関を紹介する。  現計画からの継続では、市町村が行う乳がん、子宮がん検診はともに現計画の目標30・0%を下回っているため、休日・夜間の実施などにより30%を目指す。 "[he-forum 15802] 共同通信10/6 共同通信2010年10月6日8時32分 旭川医大が医師に「特別手当」 国立で初、人材確保狙い  旭川医大(北海道旭川市)は、非常勤医師の待遇を改善するとともに、給与格差による研修医の都市部への流出を防ぐため「診療特別手当」を新設した。  国立医大で初めての試みといい、人材確保が狙い。全国の地方の大学病院で医師不足が深刻化する中、問題解消につながるか注目されそうだ。  旭川医大によると、対象は非常勤医と研修医の計約150人。年最大で(1)免許取得後7年以上の非常勤医に120万円(2)免許取得後7年未満の非常勤医に96万円(3)研修医に60万円―をそれぞれ支給する。  導入は非常勤医が10月、研修医は来年4月で、約370万円だった非常勤医の標準年収は最大約1・3倍になるという。  財源には、10年ぶりに増額された診療報酬改定で見込む病院の「増収分」のうち、約1億4千万円を充てる方針。  研修医をめぐっては、報酬や経験できる臨床例などの面から、旭川医大でも都市部の病院を希望するケースが増加。これまでも民間からの寄付を元に給与を増やし、引き留めてきた経緯があった。  旭川医大は「待遇を改善し、非常勤医はもちろん、給与の高い都市部を選ぶ傾向のある研修医を引き留めて良い人材を確保したい」としている。 "[he-forum 15803] 共同通信10/6 2010/10/06 08:32 【共同通信】 旭川医大が医師に「特別手当」 国立で初、人材確保狙い  「診療特別手当」を新設した北海道旭川市の旭川医大=6日午前  旭川医大(北海道旭川市)は、非常勤医師の待遇を改善するとともに、給与 格差による研修医の都市部への流出を防ぐため「診療特別手当 "[he-forum 15804] 信濃毎日新聞10/6 信濃毎日新聞2010年10月6日付 信大大学院授業を一般公開 繊維学部  上田市常田の信大繊維学部は、6日に同学部で始まる同大大学院の本年度後期授業「地域活性化システム論」を初めて一般公開する。活性化の方法やブランド戦略などを全国の有識者から学ぶ内容で、来年1月中旬まで14回開く予定だ。  2回目までは総論として、全国の地域活性化の現状と課題をテーマに据える。初回は法政大大学院の中嶋聞多教授(前信大人文学部教授、応用情報学)、13日の2回目はこの授業を担当している信大大学院の信濃正範教授(科学技術政策)が解説する。 "[he-forum 15805] 読売新聞金沢10/6 読売新聞金沢版2010年10月6日付 金大入学時費用11万円減 不況で節約か 生協調査  今年度、金沢大学に入学した1年生が、出願から入学までにかかった費用は、平均155万円で前年度より11万円減少したことが、同大生活協同組合が新入生の保護者に実施したアンケートでわかった。同生協は、リーマン・ショック以降の経済状況の悪化で、節約志向となったためとみている。  アンケート調査は今年4、5月に311人の保護者に実施。住居別では、自宅は19%、下宿は81%だった。  かかった費用は、自宅生は91万円(前年度比10万円減)、下宿生は175万円(同13万円減)だった。項目別では、「受験のための費用」「入学式出席のための費用」「教科書教材費」「生活財購入費」などが減少した。6万円減少した教科書教材費は、パソコン価格の下落が影響しているが、そのほかは、受験学校数を減らすなどして節約しているとみられる。 "[he-forum 15806] 福島民報10/7 福島民報 (2010/10/07 09:50) 予算確保へ政府に意見を  福大が学生に投稿呼び掛け  政府が来年度予算編成で国民の意見に基づき各省庁に配分する特別枠 を設けたことを受け、福島大は県内の自治体や団体、県民に対し、政府 のパブリック・コメント(意見募集)に大学関連予算確保を支持する意 見投稿を呼び掛けている。6日は学内で学生を対象にした全学説明会を 催し、理解を求めた。  政府は各省庁の歳出を前年度比10%削減した上で、各省庁からマニ フェスト実現につながる事業予算の要望を受け、1兆数億円規模の特別 枠から配分することを決めた。ホームページでパブリック・コメントに 寄せられた国民の意見を踏まえて配分先を決める。文部科学省の要望に は福島大を含む国立大の運営費交付金や奨学金、研究費などの予算が含 まれている。同大は要望が認められるよう、リーフレット配布などで投 稿を呼び掛けている。全学集会には学生約100人が出席。入戸野修学 長が「予算削減による本大学への打撃は甚大」と理解と支援を求めた。 "[he-forum 15807] しんぶん赤旗10/8 2010年10月8日(金)「しんぶん赤旗」 京大学長と共産党懇談 「交付金削減は将来に禍根残す」  日本共産党京都府委員会は7日、京都市内の京都大学で、大学の危機 打開に向けた党の政策を届け、松本紘(ひろし)学長らと懇談しまし た。井上哲士参院議員が大学の基盤的経費の十分な確保や若手研究者問 題の抜本的解決の方策について説明。国による大学の運営費交付金の削 減にたいし、松本学長は「(削減が)続くと日本の将来に大きな禍根を 残す」と危ぐしました。  懇談には、党京都府委員会から渡辺和俊委員長、寺田茂副委員長が参 加。大学側は同大副学長の西阪昇理事が参加しました。  国は、この6年間で運営費交付金を750億円も削減し、来年度予算 案では一律1割削減を打ち出しています。井上氏は同問題での国会論戦 の様子を紹介。「大学の自主性を尊重し、財政的にも制度的にも安定し て教育、研究できるようにすべきだ」と語りました。  松本学長は、若手研究者育成や大学の制度改革、財政運営などについ て日々の苦労や努力、今後の展望を語りました。京都大学では学生・院 生の授業料減免制度の拡充にも努力する中、大学院などでの奨学金制度 についても「研究への貢献を評価した給付型に相当するものを考えない といけない」と述べました。 "[he-forum 15808] 毎日新聞宮崎10/8 毎日新聞宮崎版2010年10月8日付 業務提携:資格取得や就職対策のため、宮大と専門学校が調印  資格の取得や就職試験対策のため、宮崎大学(菅沼龍夫学長)は7日、専門学校を運営する宮崎総合学院(川越宏樹理事長)と業務提携すると発表した。専門学校に通う学生が年々増えていることを受け、より学びやすい環境を作るのが狙い。  同日、協定書の調印式があり、菅沼学長は「提携することで、情報が組織的に入ってくるようになる。大学のキャリア教育を補完するために有効に活用したい」と話した。川越理事長は「専門学校にはまだまだ質のばらつきがある。大学と提携することで高等教育にふさわしい質の高さを担保できるようになる」と語った。  宮崎総合学院は、公務員試験や美容などを学ぶ専門学校7校を展開。就職試験の面接対策や、女子学生のための面接用のメーキャップ講座の提供などが考えられるという。講座を大学内で開くことや費用の調整も検討する。 "[he-forum 15809] 毎日新聞和歌山10/8 毎日新聞和歌山版2010年10月8日付 和歌山大:授業料減免も危機 予算確保に協力を 学生らに要請  政府からの歳出削減圧力が強まる中、国からの運営交付金が収入の5割を占める和歌山大(山本健慈学長)が危機感を強めている。政権交代によって予算獲得の方法が変わり、交付金の予算確保が不透明になっているからだ。学生の授業料減免や研究の質などに影響を及ぼしかねず、7日には学生や教職員らを集めて緊急集会を開催、予算確保に協力を呼び掛けた。【岸本桂司】  「皆さんの力がなければ予算が取れないんです」。同大財務担当の松浦功理事は、大教室に集まった約200人を前に声を張り上げた。  政府は11年度予算編成で、各省の概算要求削減の実績に応じ、特別枠として予算要望することを認めている。国立大学法人運営交付金の一部である授業料免除枠や教育研究基盤強化費なども、その対象だ。ただ、「政策コンテスト」で採用される必要があり、その議題になるかは一般から意見を求めるパブリックコメント次第。予算「ゼロ」の危惧(きぐ)もあり、学生たちにパブリックコメントを寄せるよう協力を求めた。  09年度の同大収入は約74億3200万円。約37億円の同交付金は、全体の38%にとどまる自己収入を上回る最大の収入源だ。年々削減されてきたが、今回授業料免除枠などの予算が確保できなければ、「授業料アップや教員の人数減などの事態にもなりかねない」(松浦理事)。  同大では10年度、学生577人が授業料減額や免除を受け、総額は約1億5000万円に上る。集会に参加したシステム工学部2年生の小田祐也さん(19)は「家庭の経済的事情で授業料半額の減免を受けており、もしだめになると大学に通えなくなる」と不安をあらわにした。 "[he-forum 15810] 河北新報10/8 河北新報2010年10月8日付 東北大が「全面禁煙宣言」 全キャンパスで来年10月実施  東北大は2011年10月1日から、仙台市内を中心とした学内の全エリアを禁煙とする「全面禁煙宣言」を出した。1年間の移行期間で学生と教職員に禁煙を促し、キャンパス周辺でも喫煙しないよう求めていく。東北の国立大の多くは既に同様の取り組みを進めているが、日本学校保健学会は「(学生と教職員で2万人を超える)東北大のような規模の大きい国立大で全面禁煙化を決めたのは聞いたことがない」と話している。  全面禁煙化は大学の環境・安全委員会が決めた。今月に入り、井上明久総長名の「宣言」をホームページに掲載した。  学内では、大学病院敷地内が06年10月から全面禁煙になっている。一方で「喫煙は個人の自由」「キャンパス外で吸って近隣に迷惑を掛けては本末転倒」といった慎重論も根強く、学部や研究所の多くは指定場所での喫煙を認めていた。  委員会は学内調査の結果から、学年が上がるほど喫煙率が高まることを憂慮。受動喫煙や喫煙者本人の健康に配慮し、教育と研究の質を上げる環境整備のため、全面禁煙化に踏み切った。  厚生労働省は2月、飲食店やホテルなど不特定多数の人が利用する公共空間の原則全面禁煙を都道府県などに通知。今月1日にたばこが大幅に値上げされるなど、社会情勢の変化も考慮した。  1年後の完全実施に向けて学内に作業チームを設け、たばこ販売の自粛や喫煙場所の撤去といった施策を徐々に進めていく方針。  東北の国立大では06年に宮城教育大、07年に弘前大、08年に岩手大、今年に入って福島大と秋田大が敷地内を全面禁煙化。山形大は一部のキャンパスで喫煙を認めている。  仙台市内では私立の東北薬科大や東北文化学園大が禁煙化するなど、キャンパスから煙をシャットアウトする動きが年々拡大している。 "[he-forum 15811] 共同通信10/7 共同通信2010年10月7日12時56分 東大病院、家族の滞在施設設置へ 日本マクドナルドが出資  東京大病院(東京都文京区)は7日、子どもの入院に付き添う家族が宿泊できる施設を、大学キャンパス内に設置すると発表した。完成は来年秋の予定。  日本マクドナルドが出資する公益財団法人が建設・運営し、最大12家族が宿泊可能。4階建てで、長期滞在ができるようキッチンや洗濯室を備える。募金などで費用を賄い、利用者の負担は1人1日千円で済むという。同法人による施設は8カ所目になる。  大規模病院には、遠方から入院する患者も多いが、家族は周辺のホテルなどを利用しなければならず、重い負担になっている。病気の子どもを持つ家族同士の交流ができ、精神的なケアにもつながるという。  武谷雄二病院長は「子どもの心臓移植施設にも選ばれ、家族を支える必要性が高まっている。活用していきたい」と話している。 "[he-forum 15812] 陸奥新報10/8 陸奥新報2010年10月8日付 弘大附属病院が駐車場新設 収容台数196台増  弘前大学は、医学部附属病院の構内に外来患者や一般利用者用の新たな駐車場の整備を進めている。現在、旧外来診療棟跡地に地下1階駐車場を工事中で、今後、正門前から新外来診療棟前までの地上も整備し、今年度末の完成を目指す。駐車場が完成すると、収容台数はこれまでより196台増の495台となり、対策が必要とされてきた病院への入構待ちの車による公道渋滞の緩和などに期待がかかる。  同大によると、同病院の外来患者数は1日当たり1478人(2009年度)だが、来院者用の駐車場台数は299台と少ないのが現状。このため、午前7時ごろから同病院駐車場に入るため80~100台の車が公道に列をなし、走行車両や付近商店街に迷惑となっていた。  同大は来院する外来患者への利便性や近隣商店街などへの迷惑解消のため、旧外来診療棟跡地を含めた敷地の有効利用や構内からあふれる車の対応、外来患者数増加を考慮し、駐車場新設への準備を進めてきた。  駐車場整備工事は2010年度施設整備費補助金事業で、工期は同年9月1日~11年3月31日。総事業費は約7億800万円。身障者にも対応できるエレベーター2基を設置した地下1階駐車場は3828平方メートルで、収容台数は143台。そのほか、正門前から新外来診療棟前までを整備し、地上は新たに53台収容台数が増える。これにより完成後、現在の立体駐車場などを合わせると、合計495台が収容可能になる。  同大施設環境部整備計画課は「地下と地上を合わせると現状より196台増える。公道に列をなしていた車は緩和され、利用者や近隣商店街などにも配慮できるのではないか」とした。また、整備工事期間中、正門前駐車場の一部が使えなくなる場合があるため、職員駐車場などに臨時駐車場を設け対応する。 "[he-forum 15813] 時事通信10/8 時事通信2010年10月8日14時4分 阪大が生命科学の次世代拠点=理研と技術提携、スパコン活用も  人工多能性幹細胞(iPS細胞)などで近年注目を集める生命科学分野で、大阪大と理化学研究所が最先端の研究や次世代スーパーコンピューターの利用などで技術提携し、新たな研究拠点を共同で設立することが8日、分かった。病気の予測や創薬など、実用面での成果も期待される。  文部科学省によると、研究は同省選定の「最先端研究基盤事業」の一つで、今年度から3年間で計37億円を助成する。大学と理研の本格的な共同事業は珍しいという。  柳田敏雄阪大特任教授によると、最近の研究で遺伝子やたんぱく質など、細胞の部分ごとの性質や構造は明らかになってきたが、細胞がどんな環境で何に反応し、どう変化するかは、計測やデータ解析の難しさからほとんど解明されていない。  両者は、阪大の最先端の計測技術と、理研が世界最高性能を目指す次世代スパコン「京(けい)」(神戸市)などを相互に活用。遺伝子から臓器まで、さまざまな細胞を生きた状態で計測し、高速計算して生命システムの全体像解明を目指す。  解析結果を基に、細胞の操作や再構成に成功すれば、がんなどの病気の予測や創薬、再生医療、産業界の技術革新などに応用が期待される。(2010/10/08-14:04) "[he-forum 15814] 毎日新聞北海道10/1 毎日新聞北海道版2010年10月1日付 提訴:「北大事務怠慢で失業保険が出ず」 元契約職員、損害賠償を求め  北海道大学が研究施設の契約職員に対し、契約終了後に離職証明書をすぐ交付しなかったため失業保険を受けられなかったとして、元契約職員の女性(28)=札幌市=が30日、北大を相手取って約68万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。  訴えによると、女性は04年4月から北大の研究施設で6年間、契約職員として働いていたが10年3月に雇い止めされた。その際、北大が失業保険の申請手続きに必要な離職証明書を雇用契約終了後すぐにハローワークへ交付しなかったため、もらえるはずの再就職手当などがもらえなかった。女性は同年5月に別の研究機関に再就職している。  会見した女性は「失業者の生活にかかわる書類を出さなかったことは見過ごせず、北大の怠慢を正したい」と話した。北大は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【久野華代】 "[he-forum 15815] 読売新聞10/9 読売新聞2010年10月9日付 全国の大学理学部長、研究予算拡充へ緊急声明  実用化には直ちに結びつかない基礎科学の研究費が減少傾向にあるとして、32の国立大学の理学部長が8日、予算の拡充などを求める緊急声明を発表した。  東京都内で記者会見した東北大学の花輪公雄理学部長は、日本人2人の受賞が決まった今年のノーベル化学賞について「1970年代の基礎研究が次第に産業に応用され、医薬品や液晶の開発を促進した」と述べ、社会で評価されるまで時間がかかる研究への理解を求めた。  声明は、「来年度予算で科学研究費が大幅に減額される可能性がある」と懸念を表明。政府は予算編成に関連した意見を一般から募集しているが、これに対し市民からも基礎研究の重要性を訴える声を寄せてほしいと呼びかけている。 "[he-forum 15816] 北国新聞10/10 北國新聞2010年10月10日付 地域貢献アピール、予算獲得へ 金大など国立大連合  2011年度の政府予算編成で「特別枠」の配分に国民の声を反映する「政策コンテスト」に合わせ、金大、富大、福井大、北陸先端科技大学院大の「北陸地区国立大学連合」が予算獲得に向けて、大学の果たす役割や地域貢献への取り組みを発信する活動を始めた。政策コンテストでは、国民の意見が査定の基礎資料となるため、各大学はホームページで意見公募への参加を呼び掛けたり、地域住民が参加できるイベントを企画し、アピールに躍起だ。  政策コンテストでは1兆円超の「元気な日本復活特別枠」の配分を決める。各省庁が要望した施策について国民の意見を募る「パブリックコメント」を行った後、国会議員や民間有識者による「評価会議」で配分対象事業を絞り込み、首相が最終判断する。  文部科学省の概算要求のうち、国立大の運営に関係する政策コンテストの対象事業は「教育研究基盤強化」や「授業料免除枠の拡大」など6項目。国立大の主要財源となっている運営費交付金が削減される中、「これ以上予算が削減されれば、教育研究経費や授業料免除枠を削らざるを得ない」(大学担当者)として、各大学とも特別枠獲得にかける思いは強い。  北陸地区国立大学連合では、石川、富山、福井各県の地元紙に新聞広告を掲載し、各大学の特色や地域との連携、人材育成への貢献などをPR。ホームページにもパブリックコメントに協力を呼び掛けるメッセージを掲載した。  また、国立大学協会の「国立大学フェスタ2010」と連携し、10、11月は集中的に大学の施設開放や教育研究活動の紹介を強化する。北陸連合でもシンポジウムや学生による法律相談、ホームカミングデーなどの開催を予定している。  パブリックコメントの募集は10月19日までで、金大担当者は「まずは、地域とともにある国立大学の存在を市民に理解してほしい」としている。  元気な日本復活特別枠 民主党の政権公約や新成長戦略の関連施策に重点配分するため、2011年度政府予算の概算要求基準で新設された。各省庁に一律1割の経費削減を求め、確保した財源を充てる。 "[he-forum 15817] 読売新聞10/11 読売新聞2010年10月11日付 博士でも大丈夫!東大院が父母に8割就職とPR  東京大学大学院工学系研究科(東京・本郷)が9日、学部や修士課程の学生の両親を対象に、博士号を取得するメリットをPRする説明会を開いた。  将来を不安に思う両親が博士課程への進学に反対するケースが多いことを受け、大学院の実態を知ってもらうのが狙い。  約40人が参加した会では、中須賀真一教授(航空宇宙工学)が、博士課程を修了して5年後には企業や大学での常勤職に8割が就職している実績を紹介。任期付きで不安定な博士研究員(ポスドク)を続ける研究者が多いなか、「東大工学系は就職難ではありません」とアピールした。 "[he-forum 15818] 元北大非正規職員、北大を提訴 神沼公三郎(北大教職員組合委員長)です  2010年3月31日まで北大のフルタイム非正規雇用職員だった 女性に対して北大は、実に5月10日すぎまで離職証明書(離職 票)を出しませんでした。そのため結果的にこの女性は、雇用保 険の失業給付を受けることが出来なくなりました。  北大のそのように怠慢な行為と、さらにそのあと北大事務局の とった理不尽な態度に怒り、さる9月30日、北大を相手取って札 幌地裁に賠償請求、慰謝料請求の裁判を起こしました。  ただしこの女性は、自分のことだけを考えているのではありま せん。「聞くところによると、いままで大勢の人が同種の被害に あっているようだ。そうだとすると北大の体質が問題なので、そ れを何とかしなければならない」と、非常にしっかりした気持ちを 持っています。   以下は、10月7日に北大教職員組合が出したビラの全文です。 北大職組は全力を挙げてこの女性を支援しています。      [北大:離職証明書発行 異常な遅れ] 2010年9月30日   Aさん、札幌地裁に怒りの提訴!!      [北大に損害賠償・慰謝料 請求] <本件の概要>  2004年4月1日から6年間、北大で契約職員(フルタイムの 非正規雇用職員)として働いてきたAさん(女性)はさらに継 続して働きたいと強く希望し、本人並びに研究室サイドがその 旨を北大に要求したにもかかわらず、期限つき雇用であるとの 形式的理由により2010年3月31日、とうとう雇い止めにされま した。ところが北大は、かくも非情な非正規切りを行う一方で、 雇用主が労働契約終了時に負う責任を果たさなかったのです。 いつまでも離職証明書を発行せず、本来受給できた雇用保険 給付38万円あまりをもらえませんでした。そのためAさんはこの ような北大の態度に到底、納得できず、去る9月30日、北大を 相手取って札幌地方裁判所に損害賠償等の請求訴訟を提起 しました。 <遅れに遅れた離職証明書発行>  雇用主は、退職した労働者が離職票は不要との意思表示を しない限り、労働者が退職した日の翌日から起算して10日以 内に離職証明書を発行し、それを公共職業安定所(通称職安 ないしはハローワーク)に提出しなければなりません。そうする と職安が離職票を雇用主に交付し、それが雇用主から労働者 に送付されます。労働者は、この離職票に必要事項を記入し て職安に提出し、雇用保険を受けることが出来ます。 ところが北大は4月10日までに、Aさんの離職証明書を職安に 提出しませんでした。何日たっても北大が発行しないので、しび れを切らしたAさんは何度か北大に尋ねました。そして、退職翌 日から数えて42日目の5月12日にようやく離職票がAさんに届 きました。   <Aさん、企業に再就職>  雇用保険がいつ出るか分からない状況に、Aさんは必死にな って再就職先を探し、その結果、5月11日、とある企業に就職 が決まりました。つまり、離職票を手にしたときは再就職先で働 いていたのです。そのためAさんは、とうとう雇用保険をもらえな かったのです。訴状は、本来ならばAさんは4月10日までに職 安に離職票を提出したので、同日から1週間の待機期間を経た 4月17日より5月10日まで24日間分の雇用保険を取得できたと しています。  Aさんに支給されるべき雇用保険は、失業給付が約12万7,000 円、再就職手当が約25万5,000円、計38万3,000円あまりでした。 これは、札幌市内で自活するAさんにとって、生活しながら職を 探すのに絶対不可欠の金額です。これがもらえないのでは、何 のために6年間保険料を払ってきたのか分かりません。Aさんは この金額を、北大の義務不履行によってみすみす失ったのです。 <北大、離職証明書に虚偽記載>  さらに許せないことがありました。Aさんの手元に郵送されてき た離職票を見たら、離職理由の箇所にある、「労働者から契約の 更新又は延長の希望に関する申出はなかった」という欄がすでに 丸で囲まれていました(ちなみに、その他に「・・・更新又は延長 を希望する旨の申し出があった」と「・・・更新又は延長を希望しな い旨の申し出があった」の2つの欄があります)。しかし、Aさんと 研究室が北大にAさんの雇用延長を申し入れたのは、冒頭に見 たとおりです。また、「離職者帰郷等により不在の為署名捺印な し」のゴム印文字が押印されていましたが、Aさんは雇い止めか ら再就職までの間、ずっと札幌にいて、北大に離職証明書はま だ出ないのかと督促していたのです。どちらも北大の担当者が 勝手に記入、 <印した虚偽記載です。とんでもないことです。 <Aさんの怒り>  その後Aさんは離職証明書交付の遅れを北大に抗議し、直接、 損害の賠償を求めました。これに対し、北大事務局は非を認めな がらも、Aさんが受けた損害全額の賠償についてはかたくなに拒 みました。このような北大事務局の不誠実な態度に、Aさんは怒 り心頭に達しました。さらに、たまたま発生した北大のミスではな く、自分以外にも同じ被害にあった非正規雇用職員が多数いるこ とを知り、ますます怒りが募りました。そこでAさんは北大教職員 組合に相談し、弁護士と検討を重ねた末、やむにやまれず裁判 に訴えることにしたのです。訴状によると、Aさんは北大に対し、 上記雇用保険38万3,000円あまりの賠償請求と、精神的苦痛を 受けた慰謝料20万円、弁護士費用10万円を請求しています。至 って当然です。 <北大の期限つき雇用が最大の問題>  北大は血も涙もない非正規切りを強行しながら、速やかな離職 証明書の発行という、労働者の生活を保護し再就職活動を保障 する当然の責任を果たさなかったのです。これでは、そもそも労 働者を雇用する資格などありません。  北大が離職証明書をすぐ発行しないのは、毎年大勢の非正規 雇用職員を雇い止めにしているため手続きが間に合わないこと、 北大当局が際限なく人員を削減するあまり、この事務を処理する 担当者が少なくなっていることなどが原因であると推察されます。 この意味でも、根本的な問題の一つは期限つき雇用とその形式 的な運用です。北大教職員組合は北大に、期限つき雇用を直ち にやめるようここに改めて要求します。 <裁判の完全勝利を目指して!!>  この裁判の意義は、何よりも、裁判所がAさんの主張を全面的 に認め、Aさんの受けた金銭的不利益と精神的苦痛が全額、補 償されることですが、それにとどまりません。いままで北大を雇い 止めになり、Aさんと同種の不利益を受けた人が大勢いるはずで す。裁判の勝利は、そういった人たちの権利回復につながる可能 性を生み出します。また、今後やむなく雇い止めに遭ったり、何か の都合で退職する人が出た場合、その人たちがAさんと同じ目に 遭わないよう、北大の姿勢を根本的に正すことにもなります。  北大教職員組合は、裁判の完全勝利を目指してAさんを全面的 に支援しますが、皆さんにも広くご支援を呼びかけます。そのため に、次のようなことを訴えます。  1.Aさんへの激励メッセ-ジを北大教職員組合あてにお寄せ下さ  い。責任を持ってそれをAさんに渡します。 2.Aさんの裁判を経済的に支える募金をお願いします。募金は北  大教職員組合の事務所で受け付けています。 3.Aさんと同じような被害を受けた人について、被害の内容や大  学側の対応ぶりを北大教職員組合に情報提供して下さい。   2010年10月7日                   北海道大学教職員組合                   〒060-0811 札幌市北区北11条西6丁目                   北海道大学内                      Tel & Fax (011)746-0967                      E-mail:kumiai@ma4.seikyou.ne.jp "[he-forum 15819] 琉球新報10/10 琉球新報2010年10月10日付 大学院大教員応募400人 運営委「世界が注目」  沖縄科学技術大学院大学(OIST)学園設立委員会と、沖縄科学技術研究基盤整備機構(シドニー・ブレナー理事長)の第11回運営委員会(ボード・オブ・ガバナーズ)が8、9の両日、恩納村のOISTシーサイドハウスで開かれた。運営委後の記者会見でジョナサン・ドーファン学長予定者が、現時点での教員募集枠23人に対し、生命科学と環境科学、物理学の3分野で国内外から約400人の応募があると明らかにした。生命科学、環境科学については応募を締め切っている。  会見で、運営委員の有馬朗人、トーステン・ヴィーゼルの両共同議長は「最優秀の学生獲得競争を勝ち抜くため、経済的支援を学生に提供することが不可欠だ」とする声明文を発表した。  OISTの教員数は50人の予定だが現在、27人がすでに採用されている。  今後、ドーファン氏が優秀な人材から絞り込むという。  ドーファン氏は「多くの応募があり喜んでいる。世界中から注目を集めていることを実感している」と強調。  ヴィーゼル氏は「学部を設けないことで分野ごとの垣根がなくなり、相互作用を生む世界でも初のユニークな試みが研究者を引きつけるのではないか」と述べた。機構職員によると、研究費などの支援も魅力になっているという。設立委員会では、入学金や授業料の支援など奨学金制度にするかどうかも含めて学生への経済支援や、キャンパス内に教員らの居住区を設けることに関し、検討した。 "[he-forum 15820] しんぶん赤旗10/14 2010年10月14日(木)「しんぶん赤旗」 就職難と過熱就活 学生に耐え難い苦痛 是正へ大学・経済界・政府の協議を 衆院予算委 笠井議員が要求  「若者の社会人としての第一歩が失業者という社会でいいの か」―。日本共産党の笠井亮議員は13日の衆院予算委員会 で、就職難に苦しむ学生の悲痛な実態を突きつけ、解決策を提起しなが ら、菅直人首相の姿勢をただしました。(関連記事) 文科相「できるだけ早く開会」  笠井氏は、100社以上に応募した女子学生が「卒業後も派遣かバイ トをしながら職を探すしかない」と絶望している声にふれながら、5年 前と比べても7カ月も企業との接触が早くなり、「3年生以降は学業が 成り立たない」といわれているなど早期化・長期化した就職活動が、学 生に耐え難い負担と苦痛を与えていることを指摘。採用にいたるスケ ジュールも示さないなど企業による非常識なやり方や人権侵害も横行し ていると告発しました。  日本経団連の「倫理憲章」任せでは、事態が悪化してきたのが現実だ と指摘し、政府自身が音頭をとって、過熱した就職活動を是正するた め、「大学、経済界、政府の3者協議を始めるべきだ」と求めました。  高木義明文部科学相は「できるだけ早く開会できれば」と答弁。首相 も「そのとおり」と協議開始の意向を示しました。  笠井氏は、今日の就職難の根底には、大企業を中心とした大幅な採用 減があり、背景には非正規雇用の拡大があると指摘。「非正規雇用を拡 大した労働法制の規制緩和を抜本的に見直し、日本の雇用を、非正規か ら正規へと転換することが必要だ」と強調しました。  大企業がこの1年で増やした内部留保(11兆円)の3・4%を使う だけで、新卒者15万7千人を雇えることを示し、経済界に新卒者の採 用数確保を強力に働きかけるべきだと求めました。  首相は「おっしゃることには賛成」と答弁。笠井氏は、労働者派遣法 の抜本改正など家計を直接応援し、内需を底上げする政策への転換が必 要だと力説しました。  また、笠井氏は米軍が沖縄の普天間基地への配備を狙っているオスプ レイの問題も追及しました。 "[he-forum 15821] しんぶん赤旗10/14(2) 2010年10月14日(木)「しんぶん赤旗」 若者の未来を奪うな 衆院予算委 笠井議員の質問 長期化・早期化・複雑化 強いられる異常な就活  “超氷河期”といわれる新卒者の就職難を13日の衆院予算委員会で 日本共産党の笠井亮議員が取り上げました。深刻な実態を打開する道は どこに―。  3月時点で、就職も進学もせずに進路未定となった大学生は8万70 00人。就職を希望しても、一度も就職試験も受けられず、卒業せざる を得ない高校生が3分の1を超える地方も出ています。 学業両立せず  第一は、就職活動が早期化・長期化し学業と就職活動が両立しないと いう問題。笠井氏は2004年ごろまでのスタイルと比べ7カ月以上も 早くなっている実態をパネルで示しました。企業との接触が始まるのは 3年生の7月ころ。その後1年以上も続くことになります。笠井氏は 「就職するために大学に入ったようだ」と悲痛な声を紹介し、「就職活 動が学業を圧迫している事態はただちに解決すべきだ」と求めました。 精神的な苦痛  第二は、学生への精神的・肉体的負担と苦痛を与えていること。  就職希望者を企業が何度も呼び出し面接を繰り返すのが当たり前に なっています。採用決定までのスケジュールを明らかにせず、一般常識 からかけ離れたやり方も横行しています。笠井氏は「いつ呼び出される か、いつ面接があるかも分からない。バイトもできず、授業もまともに 出られない」との学生の声も示し、政府の対応を迫りました。 基準あいまい  第三の問題は、企業側の採用の基準があいまいで、学生の人格を踏み にじるやり方。  面接では「どれだけストレスに耐えられるか」をみると称して意図的 に侮辱的な問いかけをする「圧迫面接」が行われたり、「労働条件を質 問するのは禁句」だとされる実態を示す笠井氏。「こんな学生の人権を 無視する理不尽はただちになくすべきではないか」とただしました。  新卒者の就職活動が「早期化、長期化、複雑化し、学生の負担が大き くなっている」と認めた菅首相。「経済界、労働界、大学などが一体と なって取りくむことが重要。経済団体に早期の採用選考活動の抑制など を要請している。面接については学生に人格を傷つけることがないよう 公正な採用選考について注意を促していきたい」と答えました。 企業任せでノンルール状態 3者でしっかり協議を  新卒者の就職難打開へ何が求められるのか。笠井氏は「今 すぐにも政府自身がテーブルをつくり、大学、経済界、政府の3者によ る協議を始めるべきだ」と提起。緊急措置として、就職活動 にかかる経済的負担の軽減を要求しました。  高木義明文科相は「一つのテーブルについて検討の場をできるだけ早 く開会できればと思っている」と答弁しました。負担軽減について細川 律夫厚労相は「経済的支援を直接するのはむずかしいが、いろんな形で 就職支援をしていきたい」と述べました。  かつて就職協定が結ばれていましたが、違反企業が後を絶たず廃止さ れ、その後は、日本経団連の「倫理憲章」という企業側の自己責任に任 せるノンルールの状態が続いていました。笠井氏は「企業側の自己責任 に任せるやり方のもとで事態が加速度的に悪化してきた」と指摘。「政 府の役割は決定的」として、「政府、経済界、大学の間でしっかり協議 して必要なルールを確立し実効性を持たせることを求めたい」と 力説しました。 正規雇用を増やせ 内部留保の還流で 首相 おっしゃることは賛成  笠井氏は、新卒採用を増やす上で重要なこととして大企業の責任に言 及しました。  生産も利益も「V字」回復。ところが、「使い捨て」できる派 遣や期間社員など非正規雇用で対応し、正社員を増やそうとしていませ ん。製造業の大企業(従業員500人以上)が雇用している労働者は、 1994年の269万人から187万人と82万人、30%も減ってい ます。  笠井氏は、新卒の正社員をきちんと確保しないと、社員の年齢構成に ひずみが生まれ、企業側にとってもマイナスだと指摘。「非正規雇用を 拡大した労働法制の規制緩和を抜本的に見直し、雇用のあり方を非正規 雇用から正規へと転換することが必要だ。そのためにも労働者派遣法の 抜け穴だらけの政府案を抜本的に見直し、雇用は正社員が当たり前の社 会に踏み出すべきだ」と求めました。  菅首相は「非正規雇用が増えたことが背景にあると思う」とのべまし た。  大企業は空前の「金余り」状態。大企業が1年間で増やした内部留保 は11兆円にのぼります。笠井氏は、内部留保増加分の3・4%分を使 えば新卒者15万7000人を雇用できる試算も示し、経済界に新卒者 の採用増を強力に働きかけるべきだと促しました。  菅首相は「おっしゃることは賛成」と答弁。  笠井氏は「いまこそ大企業が内部に滞留している巨額の資金を、投資 や雇用などの生きたお金として、日本経済に還流させることが日本経済 の危機打開のために不可欠だ。そうやって家計を直接応援し、内需を底 上げする政策の転換が必要だ」とのべました。 "[he-forum 15822] 教員免許状更新制アンケート:批判的意見の反映のお願い","群馬大学の山崎です。 今秋創刊された教員養成・研修情報誌『シナプス』(ジAース教育新社)が,現在,教員免許状更新講習実施大学に対しCアンケートを行っています。 同誌は,創刊号(2010年10月号)に鈴木寛文科尅蜷bのインタヴューを掲載す驍ネど,文科行政の旗振りをしつつ一定の影響力を行使して「くことが予想されます。で,そのアンケート項目というのェ実にけしからん代物で,更V制・更新講習の存続を前提とした上でその「充実」の報告性竄、という誘導尋問的なものになっています。 概要を紹介すると, 問1:必修講習の開設について,どのような課題があるニ考えますか?(時間が足りない,大学側の工夫の余地がないネどの選択肢から複数回答) 問2:現職教員が対象ということで,必修講習ではどのような工夫をしましたか?(講義ネ外の形式と採り入れた,講師ノ実務家を配したなどから複数回答) 問3:講習の開設によって,大学にどのような変化がもたらされましたか?(「とュに変化はなかった」以外,学部間の連携が深まった,刺激を受ける大学教員がいたなどm定的な選択肢のみから複数回答。唯一「その他」の自由記述ナのみ批判的な意見を述べるツ能性あり) 問4:講習修了後,受講した現職教員に対しどのようなヨわりを持ちましたか?(「特に何もしなかった」以外,「マ極的」菜方向の選択肢のみが用意され複数回答。「その他vは自由記述あり) 問5:更新講習(特に必修講習jをより効果的に行うにはどんな工夫が考えられますか?(自由記述) 以上です。出版社への回答〆切が今月22日なのであまり日程の余裕はありませんが,一部S当者に任せておくと適当な回答をされ,更新制維持の「世_」づくりに悪用されかねませんので,批判的な意見を反映ウせる可能性のある方は,是イ勤務先で対応いただければと存じます。長文失礼しワした。 ─────────────────────氛氈\――――――──── ◇◇教員免許更新制に回転海老名固め!!◇◇ 山崎 雄介 YAMAZAKI Yusuke  群馬大学大学院教育学、究科 教職リーダー専攻(学校運営コース)  群馬大学教育学部 学Z教育講座(教育学教室)   〒371-8510 前橋市荒牧町4-2   TEL / FAX 027-220-7371(、究室直通) http://www.edu.gunma-u.ac.jp/gakko/yamazakiken/yamazaki.htm ─────────────────────氛氈\――――――──── "[he-forum 15823] 秋田魁新報10/14 秋田魁新報(2010/10/14 08:53 更新) 秋田大と県立大、共同大学院設置へ 12年目標、国立・公立で初  秋田大(吉村昇学長)と県立大(小林俊一理事長)が共同で大学院設 置へ向けた準備を進めていることが13日、分かった。  来年5月にも文部科学省へ申請、2012年4月の設置を目指す。両 大は「互いの強みを生かし、知識の共有化を図って県や国のためになる 教育研究分野を構築したい」としている。実現すれば国立大と公立大に よる全国初の共同大学院になるという。  両大によると、設置するのは「(仮称)共同ライフサイクルデザイン 工学専攻」(博士前期)で、定員20人程度を予定。同専攻は、秋田大 大学院工学資源学研究科と、県立大大学院システム科学技術研究科の両 方に属する。 "[he-forum 15824] 読売新聞10/14 (2010年9月14日 読売新聞) 歯学14校、入試2倍未満…私立大17校調査 文科省、定員減指導へ  全国に17校ある私立歯科大・歯学部のうち14校で、受験者数を合 格者数で割った今年度の「入試競争倍率」が2倍を下回り、そのうち、 9校が1・1倍未満と無競争に近い状態だったことが、文部科学省の調 査で14日わかった。私立歯科大では、昨年度から2年連続で過半数の 大学が定員割れしており、選抜のハードルを下げて合格者を増やした大 学が多かったためとみられる。同省では、大学の歯科教育の質が損なわ れる恐れもあるとして、定員削減などの指導を強める方針だ。  入試結果は、14日開催の文科省の「歯学教育の改善・充実に関する 調査研究協力者会議」で報告された。それによると、国公立を合わせた 歯科大・歯学部29校のうち、私立の14校で入試競争倍率が、選抜機 能が十分に働く目安とされる2倍を割り込んだ。  2年前の2008年度には、2倍未満は7校にとどまり、その多くが 1倍台の後半を維持していた。それが、11校で最大4割強の定員割れ が起きた昨年度には、2倍未満が13校に一挙に拡大、1倍台前半の大 学が多数を占めるようになった。  背景には、歯科診療所の過当競争で「歯科医は高収入」といったかつ てのイメージが崩れ、歯学部の人気が落ちていることがある。  今年度の入試では、私立大の受験者が4318人と前年度比で650 人減った影響を受け、定員割れの校数は11校と同数だったが、最大7 割弱と欠員率が拡大。このため、11校で昨年度より競争倍率が低下し た。 "[he-forum 15825] お詫び/訂正 先ほどの読売新聞10/14は、読売新聞9/14の誤りでした。 お詫びして訂正致します。 "[he-forum 15826] 読売新聞10/14 (2010年10月14日 読売新聞) 福井大国際原子力工学研の体制強化…移転予定地で安全祈願祭 将来的に教員10人増 建設予定地で行われた安全祈願祭(敦賀市で)  2012年度にJR敦賀駅近くに移転する福井大国際原子力工学研究 所(福井市文京)の新築工事の安全祈願祭が13日、敦賀市鉄輪町の建 設予定地であった。福田優学長は終了後の報道陣の取材に対して、専任 教員や客員教員ら約40人のスタッフを将来的に10人程度増員し、体 制強化を図る意向を明らかにした。  研究所は昨年4月の開設で、来年度から学生を受け入れる予定だ。今 の実質的なスタッフは専任教員8人と客員教員ら約30人。福田学長 は、今後の体制について「(専任教員の)増員を文部科学省に要望して いる」と説明。さらに「電力会社などから非常勤の教授を招聘 (しょうへい)するなど、50人のスタッフと学生40~50人の 受け入れを検討している」とした。  新研究所は鉄筋3階建て(延べ約7000平方メートル)で、講義室 や実験室などを備える。建設費は設備の購入費なども含めて約17億7 000万円。来年12月中旬に完成する。敦賀市に高速増殖炉や沸騰水 型、加圧水型など、タイプの異なる原発が集中する強みを生かし、原子 力を担う人材の育成に取り組む。  安全祈願祭には関係者約70人が出席し、工事の無事を祈った。同市 の河瀬一治市長は「敦賀が原子力関係の知の拠点、発信地になれば」と あいさつした。 "[he-forum 15827] 読売新聞10/17 (2010年10月17日 読売新聞) 「早すぎる就活」是正論 商社団体「学業の妨げ」 / 他業界は「出遅れ」懸念  2012年春に卒業する大学3年生の就職活動がスタートした。始動 時期が早すぎて学生の勉強に支障が出るとの指摘もあり、三菱商事など の商社各社が加盟する日本貿易会は、13年春に卒業する現在の2年生 から採用活動を4か月ほど遅らせる方針を決めた。  ただ企業側には出遅れると、優秀な学生を他社に奪われるとの懸念も 根強く、産業界全体に広がるかは不透明だ。  ■足並み  「採用活動の早期化が学業を妨げている」  日本貿易会の槍田松瑩(うつだしょうえい)会長(三井物 産会長)は、採用活動を遅らせる理由をこう説明する。4年生の4月に 行っている採用面接などを8月以降に遅らせる。  米国などに留学していた学生の多くが帰国する4年生の夏に採用活動 を遅らせれば、「海外経験を持つ学生を多く獲得できる」との思惑もあ る。  ただ、採用活動を遅らせることに他業界は消極的だ。「4年生は夏以 降も実験や卒業論文の作成で忙しい」(三菱マテリアル)、「遅くても 採用できるのは、学生に人気が高い一部の業種だけ」(化学大手)と いった声が出ている。  外資系企業との採用競争も激化している。製薬業界は、医療情報担当 者(MR)の採用を巡り、「早く採用活動を始める外資系に優秀な学生 を奪われる」(国内製薬大手)と懸念する。金融分野でも、高額の初任 給や報酬を提示して、早期獲得に動く外資系証券もある。  日本貿易会は、他の業界も採用活動を遅らせるよう日本経団連に申し 入れた。だが、経団連は「様々な事情を抱えた産業界全体に広げるのは 簡単ではない」(幹部)とし、様子見の構えだ。米倉弘昌会長も「本当 に難しい問題だ」と話す。  「チャンス減る」  ■就活長期化 「就職活動をもう1年続けるため、留年することにし た」  一橋大4年の女子学生は、3年生の夏に損保会社でインターンシップ (就業体験)を経験したのを手始めに、商社や金融など約30社を受け たが、内定を得られなかった。  企業が採用活動を遅らせる動きについては、「受けられる企業の数が 減り、就職のチャンスが失われる」と警戒する。大学や文部科学省が 「就職活動の早期化には歯止めが必要」(日本私立大学連盟)などとし て、基本的に歓迎しているのとは対照的だ。  企業側からも「多くの業種が一斉に遅らせなければ、かえって学生の 就職活動の長期化を招く」(不動産大手)との見方も出ている。 大卒3年内は「新卒」扱い…就職戦線激化も  ■戸惑い  政府は8月、卒業後3年以内の既卒者を新卒枠で採用した企業に奨励 金を支給する「新卒者支援策」を打ち出した。今春の大卒の就職内定率 は91・8%と過去2番目に低い水準で、新卒者の就職難が著しいから だ。  企業側も「その年に就職機会を失った新卒者が、非正規社員の道しか ないのは不幸な話」(経済同友会の桜井正光代表幹事)として、前向き に取り組む姿勢だ。  ただ「既卒者」の募集に関する定義がなく、「ほかの企業に就職して いる既卒者も認めるのか。無職の既卒者と同じ条件で選考していいの か」(不動産)といった疑問を持つ企業は多い。「一気に膨らむ志望者 に対応する採用体制づくりも不可欠」(商社)で、政府や経済界は早期 に一定の指針を示す必要がある。  既卒者も、最大3年間の期間を有意義に過ごさなければ、企業は決し て門戸を開かない。「外国の大学への留学や、青年海外協力隊に参加す るなど、学生も努力が必要」(日本経団連の米倉会長)との指摘は多い。  入社後3年間で退社する新卒者は3割にのぼり、頭を痛めた企業側が 選考基準を厳しくする傾向も強まっている。  就職予備校「内定塾」の柳田将司氏は、「結論から話すといったビジ ネスに必要な意思疎通の能力などを身につけなければ、企業にとって魅 力的な存在に映らない」と指摘し、学生側の意識改革を訴える。  ただ卒業後3年以内を新卒とみなしても、企業が採用を増やさなけれ ば、新卒者は既卒者が加わった厳しい競争にさらされる。「新制度の導 入は、就職戦線に大きな影響を及ぼす」(就職サイト「リクナビ」の岡 崎仁美編集長)可能性がありそうだ。(経済部 山本正実) "[he-forum 15828] 中日新聞石川10/14 中日新聞石川版2010年10月14日付 北陸先端大20周年祝う 記念式典 学長「トップへ挑戦」  一九九〇年に開学した能美市の北陸先端科学技術大学院大の二十周年記念式典が十三日、同市旭台の石川ハイテク交流センターであった。  片山卓也学長は式辞で「今年は第二の創設の時期。国際的にもトップレベルの教育・研究機関となるよう挑戦し、大学院教育の先端を走りたい」と抱負を披露。谷本正憲知事は「世界に発信する研究開発はもちろん、地元の発展にも貢献するよう期待している」と祝辞を述べた。同大は、先端的な大学院教育・研究に特化した新構想大学として開学。知識科学研究科、情報科学研究科、マテリアルサイエンス研究科の各分野で社会人や留学生も受け入れ、世界レベルの科学者や技術者を養成している。  これまでに四千人以上の修士と約六百五十人の博士を輩出。現在、三百人の教職員のもとで学生九百人が学んでいる。 (布施谷航) "[he-forum 15829] 毎日新聞和歌山10/17 毎日新聞和歌山版2010年10月17日付 ほいでよ:大学の財政難  和歌山大を取材する機会が多いが、大学幹部から財政難を嘆く声をよく耳にする。先日も、収入の5割を占める国からの交付金の予算確保に向けた大学主催の集会に足を運んだ▲法人化以降、大学間格差が広がっているという。特に旧帝大との格差は顕著で、交付金や外部資金はけた違い。中小規模の大学では何かやろうにも予算、人員の壁にぶち当たる。関係者は「地方大学では限界がある」とさえ言う▲地方国立大の地元への貢献は大きい。格差拡大への対策を考える必要性は理解できる。ただ、集会で大学側は「苦しい、助けて」と窮状を訴えるばかりで、他の財源獲得など自助努力の過程を示すことはなかった。「私たちはこんなに頑張っているんです。だけど…」。そんな悲痛の訴えがあればもっと心に響いたのに。【岸本桂司】 "[he-forum 15830] 河北新報10/14 河北新報2010年10月14日付 秋田大・県立大が共同大学院を検討 「循環型社会」研究  秋田大と秋田県立大が共同で、循環型社会の実現をテーマとする大学院の設置を検討していることが13日、分かった。製品の設計から製造、販売、リサイクルに至る一連の流れに注目し、資源を有効に活用する社会の仕組みを研究する。複数の大学が共同で大学院を設置するのは東北初の試みで、2012年4月の開設を目指す。  共同大学院は現在ある専攻とは別に、秋田大と県立大に新設し、専攻名を統一する。キャンパスは両大学の施設を活用。専任または兼務の教員を配置する。2年間の博士課程前期を想定し、修了者には両大学連名の学位を授与する。  秋田大は資源や環境、リサイクルなどの研究に力を入れ、県立大は人材育成や事業の効率化といった経営の視点を工学分野に取り入れている。共同大学院には、両大学の特徴を生かし、相乗効果を生み出す狙いがある。  設置の検討は2年ほど前に始まり、今年に入って準備委員会を発足させた。今後、人員体制などを詰めるとともに、文部科学省に設置を申請する手続きを進める考えだ。  秋田大と県立大は05年、県内のほかの大学などとともに連携組織「大学コンソーシアムあきた」を設立。社会人や中高生向けの講座、授業単位の互換などで協力関係を築いてきた。共同大学院もこうした連携の延長線上に位置付けられる。  共同大学院は08年、大学設置基準の改正に伴い、設置が可能になった。文科省によると、早大が10年4月、東京農工大、東京女子医科大、東京都市大の3校とそれぞれ共同大学院を開設している。 "[he-forum 15831] しんぶん赤旗10/19 2010年10月19日(火)「しんぶん赤旗」 教職員30人補充できない 党県委と懇談 愛知教育大学長が訴え  日本共産党愛知県委員会は18日、愛知県刈谷市の愛知教育大学で、 大学の危機打開に向けた党の政策を届け、松田正久学長、岩崎公弥、折 出健二、村松常司の各副学長と懇談しました。日本共産党からは、八田 ひろ子元参院議員、河江明美准中央委員、本村伸子県常任委員、山本シ モ子刈谷市議らが参加しました。  同大学は7月13日、松田学長名で2011年度の概算要求基準で国 立大学法人運営費交付金を削減対象としないことを求める緊急声明を発 表。松田氏はこの内容にふれ「2004年から毎年1%減額されていま す。基盤的経費である一般運営費交付金は04年度47・1億円あった のに、10年度では44・4億円に減っています。この間30人余の教 職員の補充ができず教育環境が悪化している」と厳しい状況を訴えまし た。  来年度予算案での一律1割削減が機械的に適用されれば、同大学の場 合、影響額は約5億円にのぼります。松田氏は5億円を「人件費を除く すべての経費16・4億円の約4カ月分」「学生授業料930人分」な どと試算。教職員、学生、保護者に呼びかけて学内で集会を開き、国へ パブリックコメントを寄せるよう呼びかけてきたことも紹介しました。  深刻な不況の下での学生の状況にも言及。「奨学金や授業料減免を求 める学生のニーズもかなりある。教員を目指して入ってくる学生がきち んと学ぶ環境をつくるためにも削るわけにはいかない」と述べました。  八田氏らは「一方的な削減は許されない。国にも働きかける」と述べ ました。 "[he-forum 15832] 中日新聞10/19 中日新聞 2010年10月19日 16時23分 科学力衰退の危機 国立大交付金、6年連続減  北海道大の鈴木章名誉教授らがノーベル化学賞に選ばれ、日本の科学 力があらためて注目される中、その基盤となる国立大学から悲鳴が上 がっている。国の財政難により、収入の柱となる運営費交付金が年々減 少しているからだ。今回の日本人受賞に「資源小国の日本が生き残るに は科学技術しかない」と支援を強く訴える。  「このままではノーベル賞受賞者をはじめ、優れた研究者を生み出し た教育基盤の崩壊が起きる」。ノーベル賞発表直前の9月下旬、名古屋 大はホームページで、運営費交付金の確保を求める緊急声明文を掲載し た。北大など各国立大も同様の声明文を発表した。  国立大の運営費交付金は2004年度の1兆2415億円をピークに 減少。10年度までの削減額は830億円で、名大規模の大学1校分の 年間予算に当たる。  日本の学術論文数は04年ごろから減少傾向となり、06年には中国 に抜かれた。名大の浜口道成学長は「ノーベル賞に結び付くような基礎 研究ができなくなれば、韓国や中国に抜かれてしまう」と危機感を募ら せる。  予算減は既に、研究の現場に影響を与えている。  化学プラント造りを手がける名大工学研究科の小野木克明教授は経費 節減のため、実験室で試験用の小型プラントを造る代わりに、コン ピューターの計算で済ませた。  「プラント完成後にどんな問題が起きるか、想定や対応が難しくなる 不安がある」と同教授。さらに「今後、研究対象の物質に触ったことが ない研究者が出てきてもおかしくない」と懸念する。  より深刻なのは愛知教育大だ。教員養成大学のため、名大のような病 院収入はなく、産学協同研究による予算確保も難しい。12日には交付 金削減に反対する集会に学生、教職員ら160人が参加。松田正久学長 は「これ以上、教育の質を落とさず、予算を節減する方法はもうない」 と訴える。  国と地方の債務残高は6月時点で1000兆円を超え、財政が厳しい のも事実。子育てや介護、格差の解消など課題は山積みだ。ただ、ノー ベル化学賞を受賞した鈴木名誉教授は会見で「日本のような資源のない 国にとって、理科系の発展は重要です」と述べている。  【大学の運営費交付金】2004年度の独立行政法人化後、使途を特 定せずに国から毎年度出されている予算。地方自治体の地方交付税交付 金に相当する。名大の場合、付属病院の収益を除くと収入の約50%を 占める。 "[he-forum 15833] しんぶん赤旗10/20 2010年10月20日(水)「しんぶん赤旗」 3年生から就活は異常 静岡県立大学長と共産党懇談  日本共産党静岡県委員会は19日、静岡県立大学の木苗直秀学長と懇 談しました。党県委員会からは、山村糸子県委員長と渡辺浩美書記長、 平塚みちとよ(静岡市清水区)、池野もとあき(静岡市葵区)各県議予 定候補らが参加しました。  山村氏が、「独立行政法人化や大学予算の削減に懸念をもっていま す。学生の状況や大学の現状などをお聞かせください」と提起しました。  木苗学長は、「学生が3年生から就職活動しているのは異常といえ る。安心して学ぶことができない環境になってしまう」と語り、公立大 学協会の指名理事として文部科学省へ「若い人が学問に打ち込める環境 を」と陳情していると話しました。  また、大学の法人化について「教員が資金集めに必死にならざるをえ ない状況から過重負担になっている。教育と研究で学生と接するのが本 来だが、できなくなってしまっている」と語りました。  山村氏らは、厳しい状況のもとで学生に真剣に向き合う姿勢に敬意を 表し、政治の場で訴えていく決意を語りました。 "[he-forum 15834] 北國新聞10/19 北國新聞 【10月19日01時28分更新】 教員任期制で意見分かれる 富山大学長選で候補3氏が討論会  富大の次期学長を選ぶ学長選考会議(議長・中島恭一富山国際大学長)は1 8日、富大五福キャンパスで、第2次候補適任者の遠藤俊郎富大附属病院長 (64)、富山県産業保健推進センター所長の鏡森定信富大名誉教授(6 7)、平井美朗理事・副学長(62)=50音順=による公開討論会を開き、 3氏が所信と在任中に取り組む課題を述べるとともに、教職員の質問に答え た。遠藤、平井氏は、旧3大学が2005年の再編統合時に交わ "[he-forum 15835] 読売新聞10/20 (2010年10月20日 読売新聞) 東北大土地・建物、9か所有効活用されず 検査院指摘、改善計画策定求める 会計検査院から有効利用を求められた東北大学生寮跡地(仙台市太白区 で)  会計検査院が19日に公表した国立大学法人に対する検査結果で、東 北大(仙台市)で有効活用されていない土地と建物が9か所45億円相 当分に上っていた。検査院は9か所について、売却を含め将来計画を策 定するよう同大に求めた。ただ、9か所の中には、同大が売却を試みた ものの買い手が付かなかった場所もある。同大は「地価は下がっている が、国民から譲り受けた土地をむやみに安く売れない」と困惑している。  検査院は、同大が2009年3月現在に保有していた土地や建物の利 用状況を調査。その結果、学生寮跡地や会館跡地(ともに太白区)など 計9か所8万2000平方メートルを「未利用または利用が低調」と判 断。「不要な資産は売却や施設建設で有効活用を図るように」と求めた。  同大は09年1月、青葉山新キャンパス(青葉区)の建設費を賄うた め、学生寮跡地や会館跡地の一般競争入札を実施したが、入札参加者は なく、土地は更地のままだ。植木俊哉理事(財務担当)は「計画的に売 る努力をしている大学の姿勢が受け入れられず残念。今後も売却先を探 す」と話す。  一方、研究センター脇や学生寮脇にある原野(ともに太白区)への指 摘に関して、同大は「研究者や学生の意見を聞き、土地をどうするか検 討したい」とした。ほかに、整備を求められた同大植物園周辺の林野 は、木を切り倒して花壇や歩道を造るなどした。 "[he-forum 15836] 益川氏メッセージ10/18 (名古屋大学國枝理学部長から23大学理学部長への紹介)  32大学理学部長の皆様  名古屋大学では4月に素粒子宇宙起源研究機構を設立し、益川敏英先 生を機構長にお招きしました。現在、益川先生には、週3日、名大に来 て頂いています。  先週、32大学理学部長会議の緊急声明をお見せし、しばらくお話し したところ、益川先生からもメッセージを出して頂ける事になりまし た。添付がそのメッセージです。主な柱は、鈴木章先生のノーベル賞の 発表の際に益川先生のコメントにもあった、「基礎科学の成果は時間を かけて認められること、将来のために基礎科学、その中心的基盤である 大学への支援を」、という文脈です。これに私たちのお願いも少し取り 込んで頂いたものです。  当初は、パブリックコメントの一つとして内閣府へファックスで送る ことにしていましたが、内閣府に問い合わせると、まずは数を数え、コ メントについてはどう扱うかこれから考えると言う返事でした。一応は 様式に従ってコメントを送付しましたが、これでは折角の益川先生の重 みのあるメッセージも埋もれてしまうと思い、これを文科大臣、副大 臣、関連の大学支援課に送る事しました。  また、益川先生からのこうしたメッセージは、私たちに取って大変心 強い応援だと思いますので、32大学の理学部長の皆様にお送りしま す。益川先生からは、パブリックコメント以外にも、大いに活用して下 さいと言われています。各大学の理学部のホームページに貼付ける等に より、より多くの人々にメッセージが伝えられるのも良いかと思います ので送らせて頂きます。 國枝 ***************************************************************                          2010年 10月18日         日本の基礎科学の振興のために               名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構               機構長 益川敏英   私たちがその情熱とエネルギーを注いでいる学問、基礎科学は、長い 目で見れば確実に人類に役立ち、現代の科学は人類が抱える課題に答え るだけの力をつけて来ている。しかし、目先の成果だけを求めて科学政 策を進めると、科学研究本来の根を枯らしてしまうことを強く危惧する ものである。 科学の発見や発明は、多くの人々の強い探求心と自由な 発想から生まれる。一つの命題に対して、それに挑む人々のアプローチ は、人それぞれ異なり、大きなバラエティを持つ。その中から、極くま れに、真実を掴む幸運に恵まれたとき、新たな世界が人類に拓かれる。 生物の多様な種の存続が自然界に必要なように、科学においても、広い 分野の様々な研究に均しく水を与えることで、どこかで芽が出、根をは り、大きな枝葉を広げるのを期待すべきだと思われる。  2008年の私たちのノーベル物理学賞、下村脩先生の化学賞、そ して今年の鈴木章先生達のノーベル化学賞は、いずれも、日本における 30年程前の研究成果が認められたものである。このことの意味は、重要 な二つの事実を指している。すなわち、一つは、基礎科学が拓いた道が 長い時間の後、当初思いもしなかった広い応用につながり、社会で認め られたことである。もう一つは、ノーベル賞に値する研究を育む素晴ら しい環境が、30年前に日本に整えられていたことである。ここか ら今我々が学ぶ大切なことは、将来のため、基礎科学の教育と研究をき ちんと支援することであり、広くその人材を育てる環境を整えることで ある。  現在、国の財政が厳しくなる中で、基礎科学の教育と研究の中心的担 い手である大学への予算や、科学研究予算が削減の対象になっている。 特に来年度予算策定において、一般政策予算の一律10%削減に伴 い、大学への運営費交付金の削減が進む。私は、これまで数年間、国立 大学が毎年1%ずつ削減する努力を傍らで見て来た。これが来年度一気 に数%削減されるとすれば、基礎科学に最も大切な基盤である大学の崩 壊につながるものと恐れる。一方、復活特別枠への要望額の中に、若手 研究者のための人材育成、研究費補助、大学強化イニシアティブなどが 上げられている。もし、これらが、政策コンテストで切り捨てられるよ うなことがあると、10年、20年後の研究開発を担う世代が 失われることになる。さらには、文科省からの要望額全体が大幅削減に あうと、立ち戻って、一般政策予算(要求額)に含まれる運営費交付金 や、科学研究費補助金のさらなる削減の可能性がある。この流れは、科 学立国を目指す日本の明日を、内部から突き崩すことになる。最初に述 べたように、将来を見据え、基礎科学の教育研究をきちんと支援するた めに、たとえ全体予算が苦しくとも、基本的な教育研究経費、人材育成 の予算を維持することを求めたい。もしここで、基礎科学への支援を惜 しむことがあるならば、20年後、30年後、日本はノーベル 賞で賞賛されることのない国に、滑り落ちることになるかもしれない。  今回、来年度予算策定に対するパブリックコメントを提出する機会が 開かれたので、私見を表明するものである。政策を決定する方々が、こ の意見に耳を傾けられることを切に望みたい。 "[he-forum 15837] 産經新聞10/21 産經新聞 2010.10.21 08:15 理系で生き残り…大阪府大が学域入試 関西国公立初、文系受験OK  平成24年度に大規模な学部再編を計画する大阪府立大(堺市中区) が、24年度から一部に文系・理系の枠を設けず選抜する「学域入試」 を導入することが20日、分かった。関西の国公立大では初の試み。入 学した生徒全員に、1年前期に同じ「初年次ゼミナール」を必修科目に する計画で「垣根のない高度研究型大学」の実現を模索する。  学域入試を導入するのは、現在の経済学や環境生態学、臨床心理学な ど文系・理系学部を融合し再編する「現代システム科学域」の後期日 程。後期は文系科目だけで受験も可能。2年目に選択する専門分野で、 従来なら工学部に分類されるような理系分野を専門に選ぶこともできる。  また、入学生全員が1年前期から20人程度で構成するゼミを必修科 目とし、プレゼンテーションの手法など「学ぶうえでの基礎」をテーマ に、各教員が開講する。府立大は「これまでの学部より幅広く学べる学 域で、何を学びたいか、どう学ぶべきかを身につける機会にしてほし い」と期待を寄せている。  府大再編は昨年2月、橋下徹知事が「発展を目指さなければ存続はあ りえない」などとして、存廃を含めた改革に乗り出す方針を示したのを 受け、取り組みをはじめた。  大学側は、現在の7学部を現代システム科学▽工学▽生命環境科学▽ 地域保健学の4学域に再編する改革案を提出し、文科省への認可申請手 続きなどを進めている。  再編は「理系特化」とされているが、現在の文系3学部は現代システ ム科学域に繰り入れる形で一部は存続する。来年度入試は現行の7学部 で実施する。 "[he-forum 15838] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.23 ニュースレター NO.23                     2010、9、24                      公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)  8/12 裁 判 報 告      8月12日-私たちの「学長任命無効確認訴訟」はいよいよ結審の日を迎えました。    お盆のこの時期、休みを取っている人も多いので、あまり傍聴者は集まらない のではないかと危惧する向きもありましたが、帰省の日程を変更した人、休暇中 に駆けつけた人などで傍聴席はうまりました(若干空席がありましたが・・・)。 弁護団もほぼ全員がそろい、二名の原告のうち高橋名誉教授は所用のため欠席で したが、根小田名誉教授は出席されました。  午前11時に開始された裁判においては、まず双方の最終準備書面の確認が行わ れたあと、最終の口頭弁論が行われました。原告側最終弁論は弁護団を代表して 梶原守光弁護士によって行われました。    まず、梶原氏は国立大学の社会的責任の大きさ、そして法人化後の学長の権限 の大きさに鑑みて、本裁判が大きな社会的意味を持つことを強調しました。    続いて、厳正な開票作業を経て「意向投票管理委員会」によって票が確定した 後に、二名の職員が金庫を勝手にあけるという「前代未聞の行為」が行われたこ と、そしてこの二名の職員はこの行為についてなんら正当な説明ができなかった ということが指摘されました。    さらに、これらの職員から連絡を受けた意向投票管理委員会委員長が、すでに 解散している委員会を招集し、そこでなんら事態の真相究明を行うことなく二つ の票(41票差、1票差)を「学長選考会議」に報告することを決定し、更にそれ を受け取った「学長選考会議」が、最初の票(41票差)のみを有効なものと取り 扱うべきであるのに、いずれかに確定することなく、むしろ二番目の結果(1票 差)を有効なものと取り扱おうとしたことは重大な違法行為であると梶原氏は主 張しました。更に、このような取り扱いをしたことが重大な問題であるというこ とは、文部科学省への上申に際して、二つの投票結果を容認した実際の議論とは 異なり、意向投票結果として41票差の票数のみを記載せざるを得なかった事実か らも明らかであると同氏は鋭く指摘しました。    その上で,このような手続的瑕疵と違法性を含む学長選考過程について文部科 学省は把握しており、かかる状況を踏まえるならば、文部科学大臣は相良氏を学 長に任命するべきではなかったにも拘わらず、任命処分を行ったのは不当である、 したがって、相良氏の学長任命処分は無効ないしは取り消しとするのが妥当であ る、と梶原氏は堂々と弁論を締めくくりました。  これに対して被告側は全く口頭弁論を行いませんでした。    最後に裁判長から判決の日程が明らかにされました。判決は12月10日 13時10 分に言い渡されます。  四ケ月先というのは我々の予想よりも長いインターバルですが、それだけ「中 身のある」判決が出ることを期待することにしましょう。本裁判の目標はもちろ ん最終弁論にもあったとおり、「学長任命処分の無効確認ないしは取り消し」で す。しかし、それと同じくらい重要なのが、高知大学で起こった事態について判 決がどのくらい具体的に踏み込んで判断をするのか、また文部科学省の責任につ いてどのような見解をしめすのかということです。現行の国立大学法人法の是非 にも関わってきます。  裁判は8月12日の結審で一旦終わり、後は判決を待つのみです。しかし、高知 大学を「まともな」大学にする戦いは終わりではありません。まず、本裁判の勝 利に向けて、これまでの経過や裁判の過程で明らかになった事実などについて多 くのみなさんに報告する場を設けたいと考えています。  また、裁判と連動した形で学内運営の透明性を高め、民主的な運営を求めてい く闘いもより一層活発に継続して行く必要があります。 皆さんの更なるご支援をよろしくお願いします。 今後の日程 高知大学学長任命処分取消請求訴訟中間報告集会   日時・場所未定 (判決前にこれまでの裁判の経緯を報告します) 判決  12月10日(金)13:10~  於 高知地裁  "[he-forum 15839] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.20 ニュースレター NO.20                       2010、7,9 公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内      (TEL/FAX 088-844-1489)    裁 判 報 告 1  今号から数回に分けて、5月21日の裁判での証言内容についてご報告します。    当日の証人調べは午前中に元職員B氏(当時総務部長)、職員K氏(当時秘書 課課長補佐)の証人尋問が行われ、お昼の休憩をはさみ,午後に意向投票管理委 員会委員長(当時)I氏、根小田渡・前人文学部長、高橋正征・前黒潮圏海洋科 学研究科研究科長が証言しました。  このうちB氏、K氏、I氏への質問は重複する部分が多いので、以下にまとめ てご報告することにします。質問は特にことわらないかぎり、原告側弁護人によ るものです。 Q:箱の距離はどれくらいであったか? B:あまり離れていなかった。50センチから1メートルくらい。 K:1メートルくらい。 I:手を広げて「これくらい」(50(60?)センチくらいか?)。 Q:票を入れた二つの箱の色は何色だったか? B: 色が違ったという記憶が無い。 K: 赤と白。 I:ベージュと白(K証言では「赤と白」だったといわれて、「そうだったかも」 )。 Q:箱の外に置かれた票の存在(被告側弁護人) B:箱の外に票が置かれているのを見た。委員長(I)が箱の中に入れたと思う。 I:箱の外に票はなかった。(自分は開票が行われているのを終始見ていた) Q:なぜ、二束ずつ数えたのか? I:委員を信頼していたから。それまでの開票作業を見ていてミスが起こるはず がないと考えていたから。 (どのように?) 両手にいくつかの票の束をもち(ジェスチャーしながら),手の平の中で,二, 四,六,と数え,箱に戻した。 Q:秘書課金庫はどのような状態だったか? K:鍵は秘書課の机の引き出しにあって、誰が取り出すことも可能だった。また、 金庫に票の入った箱を入れたあと鍵をかけたかどうかよく覚えていない。金庫内 にスペースをつくり,箱を重ねて置いた。 Q:誰が金庫を開けることを指示したのか? B:自分である。 K:Bが秘書課に直接来て開けるように言った。 Q:金庫を開けた目的は何か? B:整理のためである。票の束以外に票を集計した用紙も一緒に入っているので、 きちんと整理しておく必要があったから。自分がたまたま高橋票の入った箱を開 けた。混入した相良票の束は一番上にあったわけではない。票を確認していて気 づいた。 Q:どのように整理するつもりだったのか?例えば相良票と高橋票を分けて袋に 入れるとか   (裁判長) B:そういうことはなにも考えていなかった。 K:作業は秘書課のカウンターの上でやった。 自分は相良票を取り出して数を数えた。 (なんのために) K:それとあっているかどうか確かめるために。 (それってなんですか)K:・・・投票総数とあっているかどうか確かめるため に。 (相良票の入っている箱をとったのは自分でか?Bに渡されたのか?) K:はっきりしないが自分で取ったのだと思う。 (B氏は票の混入を見つけてなんと言ったか) K:票の束をみせて『これがまざっていた』といった。 ○ ここまでの証言で、いくつか重要なことが明らかになりました。 1 開票過程でミスが起こった可能性があるという大学側(国側)の主張の根拠 となっていた二つの点(二つの箱がかなり近くに置かれていた、箱の外に置かれ ていた票を委員長があとから箱に入れた)が否定されたことです。 2 また、開票済みの投票用紙を収納していた、秘書課の金庫が誰にでも開けら れる状態であった(鍵がかかっていなかった可能性もある)ということも明らか になりました。すなわち収納後に誰かが票の改竄を行おうと思えばその機会があ ったということです。 3 そして、二人の職員は,自分たちが金庫をあけて投票用紙を取り出した目的 ・理由を明確に答えられない、それどころか、どのような作業を行おうとしてい たのかさえ答えられないということもはっきりしました。  証言はさらに続きます。次号では、「票の混入が発見」されてからのことにつ いての質問と証言をお送りします。 "[he-forum 15840] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.21 ニュースレター NO.21                     2010、7、28 公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)  裁 判 報 告 2  5月21日の裁判での証言内容について前号に引き続いてご報告します。  今回ご報告するのは同日午後に行われた意向投票管理委員会委員長(当時)I 氏と根小田渡・前人文学部長の証言です。 (前回の続き) Q:意向投票管理委員長に連絡したのは誰か K職員(金庫を開けた人物):自分が連絡した。 Q:電話をうけてどう思ったか) I:起こるはずのないことが起こったと思った。パニック状態になった。 Q:金庫をあけるという行為についてどうおもったか I:金庫がいっぱいなので整理したのではと好意的に解釈した。 Q:その行為について彼らを批判するなどのことをしたか I:やっていない。 Q:それからどうしたか I:すでに解散した管理委員会を招集した。イレギュラーな会議である。   そこで、この問題の処理について議論したが、いろいろな意見があってまと まらなかった。最終的に、二つの文書を提出することになった。 Q:再投票すべきという意見はなかったのか I:一名程度いたが、多数ではなかった。 陪席の裁判官:投票用紙の発注・管理はどうしていたか I:自分は直接関与していない。秘書課でやっていたはずである。 陪席の裁判官:投票用紙の偽造の可能性について検討したか I:管理委員会で性悪説に立てばその可能性もあるという意見もあった。   自分は、そんなことをやるものはいないだろうとおもった。 陪席の裁判官:偽造の防止のためにすかしを入れるなどはしたか I:していない。 陪席の裁判官:偽造の可能性を疑ってしらべたことはないのか I:そうだ(調べていない)。 大学側弁護士:学長選考会議の議事録に、あなたが「不手際について謝罪した」 とあるが、それはどのようなことを指すのか I:本来再招集すべきでなかったイレギュラーな会議を招集したことである。 以下は根小田氏の証言 Q:意向投票管理委員会が再招集されたことをいつ、どのように知ったか? 根小田:人文学部棟の廊下で、学部選出の管理委員からそのことを聞いた。 Q:それからどうしたか 根小田:おかしいと思ったので、河本事務局長に電話して、事情を問いただした。 河本氏は「事務の権限で票を石川委員長立会いの下に再チェックした」と言った。 自分はそれに対して抗議した。 Q:それからどうしたか 根:篠委員長に電話で連絡をとって、朝倉キャンパスに来るように要請した。開 かれていた管理委員会に先に出席するようにということだったので、自分も会議 を途中から傍聴した。 Q:開催された管理委員会の内容は 根:途中からの参加で、はじめのほうの議論はよくわからなかったが、最終的に は、開票作業終了後の経緯を報告した文書をつけて学長選考会議に提出するとい うことになった。 ○ 今回取り上げた証言で、明らかとなったのは以下の点です。 1 「意向投票管理委員会」は投票結果の確認後「解散」(役割を終えて、委員 会としては存在しなくなった)しています。委員長であるI氏はそれを明確に認 識しており、再招集したのは本来招集すべきでない「イレギュラーな会議」であ るという認識を持っていたこと。 2 学長選考会議においてI委員長が「不手際について謝罪した」事に関して、 これまで大学側は、「ミスを認めた」と主張してきました。しかし、委員長自ら この「不手際」とは1の「イレギュラーな会議を招集したことを指すということ を明らかにしたことで、大学側の「ミス論」の根拠がまた一つ失われたこと。 3 票のすり替えなどの不正行為に対する備えが全くなかったこと。 4 河本事務局長(財務担当理事-当時。現在広島大学理事)が「事務の権限で 票を石川委員長立会いの下に再チェックした」と発言しており、大学側の説明と 全く異なっていること。そして本当に「事務の権限で再チェック」を行ったとす れば、とんでもない越権行為であること。  根小田氏の証言はさらに続きます "[he-forum 15841] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.22 ニュースレター NO.22                     2010、8、5 公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)  裁 判 報 告 3  5月21日の裁判での証言の第三弾です。  今回は、根小田渡 前人文学部長(証言後半)と高橋正征 前黒潮圏海洋科学 研究科研究科長の証言です。 Q:あなたは学長選考会議の副議長あるいは議長代行だったが、自分の意志で辞 任されたのか 根小田:篠議長に対して、選考会議としては徹底した真相究明をすべきであると メールで申し入れた。それに対してきちんとした返事は無く、電話で「あなたは 副議長(議長代行)としてふさわしくないので、辞任するように」と伝えられた。 議長の運営に対して強い批判をもっていたので、副議長を辞することにした。 Q:学長選考会議ではどのような議論がされたのか 根小田:冒頭、篠議長が、「(経過報告書にある)1票差が正しいということで 議論したい」と発言した。自分はそれに反対し何人かの委員も同意見だったが、 41票差または1票差が正しいといういずれの意見も多数を制することはできなか ったので、結局どちらが正しいかは、それぞれが判断して議論に臨むということ になった。 ここから高橋名誉教授の証言 Q:学長候補者となるまでにつとめていた、学長選考会議議長のときのことにつ いて質問したい。その時問題となったのは、どのようなことか 高橋:学長選考規則の制定である。 Q:それまでは規則はなかったのか 高橋:相良学長になってからの初めの2年間は、学長選考会議は1回開催された だけで、その後ずっと開かれず、規則も作られなかった。(註:その後に高橋氏 が学長選考会議の委員になり議長に選出された) Q:規則制定にあたってどんなことが問題になったか 高橋:大きく二つあって、一つは「意向投票」の問題、もう一つは任期の問題で ある。 「意向投票」をおこなうかどうかについては、法人化前は教員全員の直接選挙で 学長が選ばれていた経緯があるので、選挙をやることになった。その場合、法人 化された学長は経営にも関わるので、教員に加えて事務職員も投票できるように した。大学は利潤追求をする会社ではなく、自由闊達な議論を通して自律的に運 営されるものなので、学長が教育・研究に携わる多くの人たちをまとめていくた めには、選挙によって信任されることは重要なことであるという合意ができた。  任期については、一期目4年二期目2年合計6年ということになった。しかし、 相良氏については、3年以上さかのぼってこの規則を適用するのは無理があると いうことで、それまでの4年間には適用しないことになったので、次からが一期 目という計算になる。   Q:もし、あなたが選ばれたとしたら、合計何年学長職にあることが可能なのか 高橋:6年 Q:相良氏の場合は 高橋:10年、さらに彼の場合独法化以前の半年間も学長を勤めているので、1 0年6ヶ月ということになる。 Q:学長候補としてあなたの考えなどを選考委員が知る機会はあったのか 高橋:推薦を受けた際の「所信」や「経歴・業績」などの文書は会議に提出され た。 Q:直接選考会議メンバーの前であなたの考えを説明する機会はなかったのか 高橋:そのような機会があればいいとおもったが、残念ながらなかった。 Q:学長選考に意味についてどのように考えているか 高橋:法人化後の大学において学長の役割は極めて重要だと思う。なぜなら、以 前に比べて極めて大きな権限を与えられているからだ。その意味で、どのような 人を学長に選ぶかというのはその大学にとって大きな問題であり、また、国立大 学の予算の多くが税金からまかなわれていることを考えれば社会的に極めて重要 であると思う。 ○ 5月21日の証言は以上です。根小田、高橋両氏の証言に対して大学側(国側) 弁護人からの質問(反対尋問)は一切ありませんでした。今回取り上げた証言の 重要なポイントは次のとおりです。 1 根小田氏が学長選考会議副議長をやめる(事実上の更迭)に際してのなま なましいやりとりが明らかになったこと。 2 高橋氏の証言から、学長選考会議が2年も開催されず「選考規則制定の遅 延の結果として」相良現学長が10年6ヶ月の間学長職にあることが可能になった ということが確認されたこと。 そして高橋氏の「どのような人を学長に選ぶかというのは・・・国立大学の予 算の多くが税金からまかなわれていることを考えれば社会的に極めて重要である」 という発言は、大学予算の大幅な削減の危機にあり、国立大学の運営への税金の 投入に対する国民の理解を得なければならない現在、噛み締めるべき言葉である といえるでしょう。 次回 8月12日(木) 11:00~ 高知地裁 いよいよ結審です。原告(我々)側弁護人による最終弁論が予定されています "[he-forum 15842] 富山新聞10/19 富山新聞2010年10月19日付 教員任期制で意見分かれる 富山大学長選で候補3氏が討論会  富大の次期学長を選ぶ学長選考会議(議長・中島恭一富山国際大学長)は18日、富大五福キャンパスで、第2次候補適任者の遠藤俊郎富大附属病院長(64)、富山県産業保健推進センター所長の鏡森定信富大名誉教授(67)、平井美朗理事・副学長(62)=50音順=による公開討論会を開き、3氏が所信と在任中に取り組む課題を述べるとともに、教職員の質問に答えた。遠藤、平井氏は、旧3大学が2005年の再編統合時に交わした覚書を見直す考えを示し、教員の任期制については意見が分かれた。  3氏とも先端的、学際的研究の推進や地域貢献は積極的に進めると強調した。教養教育で3キャンパスが連携するほか、外部資金の獲得をより強化する体制づくりと会議の効率化を説いた。  遠藤氏は、再編統合時の覚書を「発展的に見直す」とした。外部資金は研究に充て、3キャンパスの財務統一と明確化を実現、中期計画の達成に向け「富大再発見協議会」を設立すると述べた。  鏡森氏は、全学混成の教養教育に向けた体制づくりや人材バンク開設、教職員のワークライフバランス(仕事と生活の調和)向上を提言し、教員の任期制については「反対」とする見解を示した。  平井氏は、教養教育について専任教員を置いたセンターの設置を提案し、「学長特区」として若手の人材育成事業を進める方針を示した。任期制については、分野ごとの導入を進めたいとした。  公開討論会には、教職員約120人が参加した。学長選考会議は19日に杉谷、20日に高岡の各キャンパスでも公開討論会を開く。学内の意向投票は教職員約1100人を対象として29日に実施、11月8日に次期学長が選ばれる見通し。西頭德三学長の任期は2011年3月31日まで。 "[he-forum 15843] 共同通信10/21 共同通信2010年10月21日21時15分 沖縄大学院大の評価向上 科学技術予算格付け  政府の総合科学技術会議(議長・菅直人首相)は21日、2011年度予算の概算要求に盛り込まれた科学技術予算の優先度判定を公表した。昨年は長期的な経営見通しに懸念があるとして最低ランクの「減速」判定だった沖縄科学技術大学院大が一つ評価を上げ「着実」になるなど、全体に高評価が目立った。結果は予算編成に反映させる。  同大学院大の評価が改善した理由を、同会議有識者議員の相沢益男・前東京工業大学長は「学長予定者も決まり開学準備が整うなど、昨年と比べて統治機構が格段に向上した」と説明した。  判定対象は318件、計6632億円。新規事業は重要性や期待度に応じて「S」「A」「B」「C」の4段階で、継続事業は達成状況などの実績に応じて「優先」「着実」「減速」の3段階で評価した。  新規65件の判定は、Sが18件、Aが38件、Bが8件、Cが1件。継続253件では、優先が102件、着実が150件、減速が1件。最低評価のCと減速は、いずれも厚生労働省の医療研究事業だった。 "[he-forum 15844] 毎日新聞10/19 毎日新聞2010年10月19日付 国立大:運営費交付金4.8%大幅減 危機感、意見集め--「特別枠」コンテスト向け  <追跡>  日本が2年ぶりのノーベル賞決定に沸く中、基礎研究を支える大学の現場はかつてない危機感を募らせている。来年度予算の概算要求で、国立大運営費交付金や幅広い基礎研究を支援する科学研究費補助金の一部が「元気な日本復活特別枠」に回り、政策コンテストの結果次第では大幅減額の可能性があるためだ。19日に締め切られる特別枠への意見募集には、科学技術予算が逆風にさらされた昨秋の「事業仕分け」の再現を恐れる大学関係者らからの投書が殺到している。【西川拓、永山悦子】  「ノーベル賞を生み出すような基礎的な研究を支える運営費交付金がこれ以上削られると、次世代の育成に災いをもたらす」  ノーベル化学賞受賞の吉報が舞い込んだ2日後の今月8日、全国に32ある国立大理学系学部の学部長会議が、大学運営の基盤的な経費となる運営費交付金などの確保に向け、国民の支援を求める緊急声明を発表した。  学部長らは口々に、04年の法人化後に教員数や研究費の配分を減らすなど、コストの削減に取り組んだと説明。「国の財政が厳しいことは理解するが、国立大はすでにギリギリまで削減し、疲弊している。(予算を)減らすことのないようにしてほしい」(国枝秀世・名古屋大理学部長)と理解を求めた。  発言の背景には政府の来年度予算編成方針がある。全省庁に対前年度比で一律10%の予算削減を指示。代わりに各省庁による政策コンテストによって総額1兆円超の特別枠予算を配分する。文部科学省は国立大運営費交付金(4・8%減)、私立大経常費補助(12・5%減)、科学研究費補助金(12・5%減)などで約6280億円を削減し、特別枠で「大学の機能強化」や「若手研究者の育成・支援」など、枠全体の大半を占める規模の総額約8630億円を要求した。  ところが、コンテストで敗れれば大学予算や研究費は大幅減となる。国立大は法人化以降、政府の方針で毎年約1%の予算削減を余儀なくされてきた。この6年間で計860億円の運営費交付金が減り、実験器具がまともに購入できなくなるなど教育や研究への「弊害」も相次いだ。それが一気に自公政権時代の約5倍の削減幅となる恐れがあることに危機感を持った各大学は特別枠への意見募集に対し、意見を出すよう教職員だけではなく学生、保護者、OBらにまで働きかけてきた。  ほとんどの国立大は教員へ協力要請のメールを配信。東日本の国立大の准教授は今月初旬、所属する学科から意見募集への協力依頼のメールを受け取った。10ページ以上にわたり、個々の事業に対するコメント案まで添付されていた。こうした活動の結果か、政府に寄せられた意見は4日現在、文科省分が約1万2800件と、全体の8割以上を占めた。  その後も意見は続々と寄せられ、「件数は既に倍以上になっている。今月いっぱいで集計するが、大変な作業だ」と意見をとりまとめる内閣官房の事務局も悲鳴を上げている。大学関係者のこうした努力が生きるかどうかは、11月中旬にも予定されている政府の評価会議による査定次第だ。  ◇ノーベル化学賞鈴木・北大名誉教授「科学予算、一律削減よくない」  ノーベル化学賞に決まり、14日に高木義明文科相を表敬訪問した鈴木章・北海道大名誉教授は「国の財政難は理解するが、教育や科学の予算を、他のものと一律に10%削るというやり方はよくない。教育や科学の成果はすぐには出ないが、長い目で見なければならない」と政府の方針に疑問を投げかける。  東北地方の国立大のある学部長は「大学運営の基盤や、若手育成にかかわる経費がコンテストに入れられてしまったことが非常に残念だ。(意見提出の)お願いをすることは内心は恥ずかしいと思うが、そこまで国立大は追い詰められているということ。『窮鼠(きゅうそ)猫をかむ』状況だ」と話す。  角南篤・政策研究大学院大准教授(科学技術政策)は「大学の基盤を維持・強化するなど継続性が求められる予算は、コンテストにはなじまない。人材育成に関する予算にまで不確実性を持ち込むことは、予算編成の可視化というメリット以上にデメリットが大きい」と指摘する。 "[he-forum 15845] 沖縄タイムス10/20 沖縄タイムス2010年10月20日付 琉大に土地活用求める 会計検査院 那覇の宿舎地など  会計検査院は19日、琉球大(岩政輝男学長)など四つの国立大学法人に、保有する土地や建物が有効活用されていないとして、具体的な活用計画を立てるか売却するよう改善を求めた。琉大分は、さら地のまま第三者が駐車場として使っていた那覇市内の職員宿舎用地などの土地7カ所と、稼働率が1けた台にとどまった国頭村内の宿泊研修施設1カ所で、帳簿価格の合計は約2億6千万円。同大財務企画課の比江島孝司課長は「利用率の低さを現実問題として受け止め、改善していく」としている。  駐車場として第三者が使っていたのは、那覇市首里石嶺町2丁目の職員宿舎用地の一部(1477平方メートル)。現在は空き地で、同大によると、大学の規模拡大に備えて宿舎の建設用地として確保していたが、8棟目の宿舎が建てられた1985年以降、計画が進んでいないという。  また、指摘された施設は国頭村奥の宿泊研修施設「奥の山荘」。2004年の国立大学法人化以降、利用者は毎年400~500人で、4年間の稼働率は2・2~5・4%だった。  施設は、1965年の移転に伴って廃校となった中学校の校舎と敷地。同大は「国頭村から寄贈を受けた経緯があり、処分ではなく、有効活用する方向で検討したい」としている。  国立大学法人は「教育研究等の業務を確実に実施するために必要」として、国から土地や建物を継承。その後は国から交付される運営費交付金で維持・管理している。保有資産については、常に処分や有効活用を検討するよう求める文科大臣決定がある。会計検査院から改善を求められたのは、琉大のほか東北大、東京学芸大、東京芸大。 "[he-forum 15846] 共同通信10/19 共同通信2010年10月19日19時2分 国立大所有の19物件未利用 帳簿価格は100億円超  東北大や琉球大など四つの国立大学法人が研究所や宿舎用地として保有する土地19物件が未利用のまま放置されていることが会計検査院の調べで19日、分かった。19物件の総面積は計約34万平方メートル。帳簿価格は計約100億5100万円に上り、検査院は4大学に対し、具体的な活用計画を立てるか売却するよう求めた。  国立大学法人の保有資産は、2004年に国立大が法人化した際、国から引き渡された。教育研究に必要がなくなった場合は、売却処分できる。  指摘を受けたのは東北大、東京芸大、東京学芸大、琉球大の4大学。  検査院によると、東北大は研究所や国際交流会館などの用地6物件、計約8万平方メートル(帳簿価格計約41億8100万円)を保有しているが、整備せず放置。  東京芸大は1986年から88年までに、一部学科の移転先として茨城県取手市に用地を取得。約13万平方メートルの用地(同約32億4900万円)については、20年以上も計画を立てず雑木林のままにしていた。 "[he-forum 15847] 東京新聞10/20 東京新聞2010年10月20日付 芸大など用地未活用 100億円分、検査院が指摘  四つの国立大学法人が保有する土地十九物件がまったく活用されていないとして、会計検査院は十九日、東京芸術大、東京学芸大、東北大、琉球大に対して、売却するか有効利用の計画を定めるよう求めた。十九物件の帳簿価格は計百一億円相当に上る。 (北川成史)  文部科学省国立大学法人支援課の担当者は「有効利用に向けた取り組みを見守りたい」と話している。  検査院の調査によると、十九物件の土地の総面積は計三十五万平方メートルで、いずれも校舎や宿舎の用地などとして保有しながら、五年以上、未利用のまま放置していた。  内訳は、東京芸大が三十二億円相当、東京学芸大は二十四億円相当、東北大は四十二億円相当、琉球大は二億円相当の土地について、指摘された。  東京芸大の例では、茨城県取手市の土地十四万平方メートルを一九八六~八八年に一部学科の移転用地に取得したが、移転が実現せずに二十年以上、雑木林になっていた。  東京学芸大は、東京都東久留米市の宿舎用地一万平方メートルを〇四年の国立大学法人化の際、国から引き継いだが、具体的な利用計画を定めず、雑木林などのまま保有していた。  検査院は、放置された土地の利用計画を策定するか、売却などの処分を進めるよう求めている。各大学はプロジェクトチームを設けるなどして、利用策を検討するという。 "[he-forum 15848] 朝日新聞長野10/21 朝日新聞長野版2010年10月21日付 信州大繊維学部100周年 国内唯一、浮沈超え先端へ  信州大学繊維学部(上田市)が創立100周年を迎え、23日には記念式典が開かれる。1910(明治43)年、上田蚕糸専門学校として設立、学制改革で信州大学繊維学部となった。この間、繊維に関する専門家など、計1万8670人の卒業生を送り出してきた。かつて国内には複数の大学に「繊維」の名称を持つ学部があったが、産業構造が変化していく中、いまでは全国で唯一の「繊維」学部となっている。これまでの歩みや現状、ユニークな研究、将来に向けた課題などをみる。 ■施設建設ラッシュ  繊維学部のキャンパスは今、ちょっとした建設ラッシュだ。  構内東側で建設が進むのは、地上6階建てで来年2月完成予定の「ファイバーイノベーション・インキュベーター(Fii)施設」。その近くには同4月稼働予定の「植物工場研究開発拠点(先進植物工場研究センター)」が姿を見せている。そして西側には昨年完成した「先進ファイバー紡糸棟」がある。  濱田州博(くにひろ)学部長は「百年続いたということは、その間にいろんな改革をやって来たということ。変えてきたからこそ、いまがある」と1世紀を振り返る。 ■きっかけは蚕糸教育  設立のきっかけは、明治政府が1907(明治40)年に高等専門の蚕糸業教育機関の設置を決めたこと。上田、長野、松本、諏訪の各地が激しい誘致合戦を展開し、文部省(当時)による実地調査で上田に決まった。10年、国内最初の蚕糸に関する高等教育機関で、県下初の国立学校が誕生した。  第1回入学試験の合格者は94人。約4.3倍の狭き門だった。出身別では県内が4割ほど、ほかは「28府県」にわたったという。いかに同校が全国から注目を集めていたかが分かる。 ■繊維不況で存亡の危機  多くの専門家を輩出した100年だが、繊維産業の浮き沈みに翻弄(ほんろう)された。学部も存亡の危機に直面し、その難局をくぐり抜けてきた。  戦後、60年代までは繊維産業は隆盛を誇っていた。その当時、繊維化学科(当時)約30人に大手紡績や商社など500社から求人があり、学生の就職は「よりどりみどり」だったという。しかし、その後の「繊維不況」で様相は一変した。  「繊維は斜陽」というイメージが広がり、同学部への志願者は数年間、「国立大学中ワーストスリー」にランキング。「一部学科では定員割れを起こすほどだった」という。  「繊維」の名称廃止、「工学部への吸収」論も起こり、他大学では「繊維」から材料系や機械系、応用生物系などに改組されていった。  同学部の教官会議でも名称の存続派と転換派が激しく対立。しかし、当時の学部長をはじめ、「いくら繊維が下火になっても、人類が存続する限り、衣(繊維)がなくなることはない。繊維は必要だ」とし、学部維持が決まったという。 ■「ファイバー工学」  いま、繊維学部は「ファイバー工学」を掲げ、次の100年を目指す。濱田学部長は「繊維は応用範囲が広い素材だ」と語る。  衣類の分野にとどまらない。生活のあらゆる所で使用されている。炭素繊維に代表される産業資材、人工血管などのメディカル用繊維、建築用資材など、挙げるときりがない。  同学部は創造工学系と化学・材料系、応用生物学系の3系9課程があり、繊維の研究を根幹にナノファイバーや有機EL、半導体、太陽電池、燃料電池、感性工学、バイオなど、その幅は広い。論文数でも「繊維に関して世界の繊維系大学で1位、ナノファイバーで5位」(白井名誉教授)を誇るという。 ■世界の拠点に  濱田学部長は「繊維を学ぶなら上田(同学部)へ」と呼びかける。最終的な目標は「グローバル・ベスト・ワン」だ。「世界的な拠点として『繊維のことを知りたいならここに』と思わせるくらいにならねばならない」と語る。  ともすれば「繊維」のイメージは単に「衣服」などと取られがちだ。唯一を誇る「繊維学部」のもと、古いイメージを覆し、「繊維のおもしろさ」をいかにアピールしていくかが、課題だ。(鈴木基顕) "[he-forum 15849] しんぶん赤旗10/22 しんぶん赤旗2010年10月22日付 益川氏が国に意見 交付金減で「大学崩壊」  政府は2011年度予算概算要求にたいする国民からの意見募集を19日に締め切りましたが、2008年のノーベル物理学賞を受賞した益川敏英・名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構長(写真)が「目先の成果だけを求めて科学政策を進めると、科学研究本来の根を枯らしてしまうことを強く危惧(きぐ)する」とする意見を提出しています。名古屋大学理学部のホームページなどに掲載されています。  このなかで益川氏は、大学予算と科学研究予算が削減対象になっているとして、とくに大学への運営費交付金が来年度一気に数%削減されたら「基礎科学に最も大切な基盤である大学の崩壊につながる」とのべるなど、「基本的な教育研究経費、人材育成の予算を維持することを求めたい」と訴えています。 "[he-forum 15850] 読売新聞福岡10/21 読売新聞福岡版2010年10月21日付 基礎研究から臨床試験まで一貫 九大が新センター設置  九州大は20日、基礎研究から臨床試験までを一貫して行う「先端医療イノベーションセンター」の概要を発表した。センターが入るビルは来年3月、九大病院地区(福岡市東区馬出)に完成し、同4月から運用を始める予定。同様の施設は国内の大学では初めてという。(中村明博)  同大によると、疾病に関する臨床研究の成果を医療現場に反映させる際、研究開発から臨床試験までの過程を統合し、安全、迅速に一貫して実施する施設が国内には整備されてない。このため、医療機器や医薬品が実用化されるまでに時間がかかり、先に出回る海外製品が導入されるケースが多いという。そこで、最先端の医療技術や研究成果を少しでも早く、医療現場に役立てるため、一つの施設に機能を集約した。  センターは6階建てで、延べ床面積約5000平方メートル。技術開発と臨床研究を行う「プロジェクト部門」、医薬品や医療機器の開発期間とコストを圧縮して実用化を早める「臨床試験部門」、先端研究や臨床試験を通じて人材育成を行う「教育研修部門」、各部門を横断的にサポートして産学官の連携や管理事務を担当する「渉外企画部門」を置く。  センターはすでに、医療機器やIT関連、創薬などの企業約40社と共同研究の契約を結んでいるという。 "[he-forum 15851] 読売新聞10/21 読売新聞2010年10月21日付 奨学金の条件「社会貢献活動への参加」追加へ  文部科学省は、国費を財源とする無利子奨学金の貸与を大学生らが受ける際の条件について、成績や世帯収入に加え新たに「社会貢献活動への参加」を追加する方針を固めた。  来年度から貸与者らに文書で呼びかけを開始し、周知期間をおいて数年後の条件化を目指す。社会貢献活動の場の提供に積極的な大学にも補助金などを上乗せする方針。同省は、公費で学ぶ学生に社会還元の意識を根付かせたいとしている。  文科省によると、短大を含む大学生らに対する学費などの支援は、独立行政法人「日本学生支援機構」が大学を通じ貸与する有利子や無利子の奨学金と、各大学による授業料減免があり、奨学金全体の3割弱にあたる無利子奨学金(2010年度約2549億円、35万人)と授業料減免(同約236億円、7万人)の財源には国費があてられている。 "[he-forum 15852] 共同通信10/21 共同通信2010年10月21日19時14分 医学部定員、来年度も増加へ 文科省、87人臨時増か  文部科学省は21日、深刻な医師不足を解消するため、大学医学部の総入学定員の臨時増を来年度も維持すると発表した。  総入学定員は本年度、過去最多の8846人になった。具体的な人数は各大学が今月25日までに文科省に申請し、12月に正式決定するが、これまでに全国でさらに87人の増員希望が寄せられたという。  臨時増は(1)都道府県が地元勤務を義務付けるかわりに奨学金を出す「地域枠」では各都道府県につき10人以内(2)複数の大学で連携し研究医養成の拠点を目指す場合は各大学につき3人以内(全国で最大10人)(3)歯学部の定員を減らす大学は減員の範囲で10人以内(同30人)―が主な内容。  この方式は本年度入学者から導入され、2019年度まで継続する。本年度は360人が認められた。  一方、9月に厚生労働省が公表した「必要医師数実態調査」で、地域や診療科ごとの医師の偏在が明らかになったことなどを踏まえ、文科省は近く、約30年ぶりとなる医学部新設などを論議する専門家会議を設置し、検討を進める方針。 "[he-forum 15853] 朝日新聞10/19 朝日新聞2010年10月19日付 東京大学、危機に立つ財政 明日はどうなる  東京大学が10月12日、安田講堂で、教職員や学生を対象に、東大の今後の教育研究方針や財政状況について説明した。100人を超える人が参加した。なかでも、財政状況については、「明日の東京大学 危機に立つ財政」というタイトル。緊張感のある内容になった。  今回の説明会は、政府の来年度予算編成の概算要求のひずみが反映されているものとなった。税収、歳入不足から、各省庁とも一律マイナス10%というシーリングがかかったものの、さらにそれよりも深く減らせばその分だけは3倍まで増やして要望・要求してもよいという変則的な要求システムが設定されている。文部科学省はこの要望のシステムをめいっぱい使っている。この増額要望分は、政府の政策コンテストでの評価が認められるかどうかの有力な材料になるといわれている。  財政の説明では、東大の前田正史・副学長理事(財務担当)が政府全体の危機的な財政状況から話した。公債残高が一般会計税収の約17年分に相当すること(2010年末)や歳入や歳出の状況を例示した。高等教育に対する公的支出の状況の乏しさから、日本は私費負担が先進国のなかでも韓国と並んで高く、公的支出が低いことをグラフで説明した。  そのマクロの状況で、東大はどうなっているのか。福田理事の説明によると、政府からの運営費交付金が05年度に955億円だったのに対してどんどん下がり、10年度では857億円になっている。経費の削減も合わせて進め、この4年間で28億円を節約したという。一方で、施設の更新などは手つかずで、説明では、築後30年を超える建物は約70万平米で全体の45%にのぼり、年平均4・8万平米の老朽施設の補修のために年150億円が必要になるという。  さらに、仮に運営費交付金が1割削減で、マイナス85億円になったとすればどうなるか。東大側が影響を試算すると、8学部・研究科の年間の運営経費にあたる▽11研究所の運営経費にあたる▽教員の約3割減に相当する▽付属病院の廃止に見合う▽学部学生の授業料をいまの年間54万円から114万円に増やさないと埋められない、ということになった。これは東大といえども財政の減額についてはかなりの危機感をもった表れだといえる。  これに先立ち、浜田純一総長は冒頭、「今年度も来年度も財政は危機的な状況にある。フランクな話をしたほうがいい。危機意識をもって、東大の一員として何をやっていくかしっかりと認識してほしい」と述べた。さらに、15年までに東大が目指す将来構想「行動シナリオ」の具体化について紹介した。  2人の話のあと、質疑応答に移った。なかでも学生からは率直な質問が出された。  「財政の危機的な状況で、学費の値上げでまかなう気はありますか」(学部1年)  「10%授業料をあげるだけでは済まない。教育の機会均等ということを考えると、優秀な頭脳には対策も用意しなければならない」(前田理事)  「財政が足らないから授業料を上げるということにはならない。授業料減免や免除の大きな枠の中で考えなければならない」(浜田総長)  「厳しい財政のなかで、お金のかかる将来構想をどう実現するのか」(博士課程院生)  「東大はやるべきことはやる。社会、日本が支える力がないわけではない。よいお金が回るサイクルを絶やさないようにしたい」(浜田総長)  ほかにも多くの参加者から質問があり、財政への質問が中心に出された。  東大がこうした財政状況について丁寧な説明をしたのは異例のことで、高等教育に予算的なしわ寄せが出ていることを示していることが改めてよくわかった。 "[he-forum 15854] 朝日新聞10/25 朝日新聞 2010年10月25日3時21分 センター入試、難易度別に2種類 16年導入を検討  大学入試センター試験を難易度別に2種類にする検討を、独立行政法 人「大学入試センター」が始める。新しい学習指導要領で学んだ高校3 年生(現在の中1)が受験する2016年1月実施が目標になる。えり 好みさえしなければ誰でも大学に入れる「全入時代」が迫り、受験生の 学力の幅が広がったことなどから、1回1種類のセンター試験で学力を つかむのが難しくなったためだ。  現段階で想定されているのは、試験科目を主に国公立大(一部の私大 も含む)の志願者向けのものと、私立大向けの基礎科目型に分ける2種 類の試験。大学が二つのうちどちらかを選び、志願者が受験する仕組み が考えられる。両試験とも一定量は同じ問題を出し、それぞれの得点を 換算できる仕組みにするという。  また、ペーパー試験を課さないAO・推薦入試の受験生を対象に、高 校段階の学力を把握するテストを、センター試験とは別に導入するかど うかも検討するとみられる。  センター試験は今年1月、国公私800を超える大学・短大が利用 し、約52万人が受験した。試験問題は平均60点水準で作られてい る。だが、成績分布のグラフが上位と下位の二つの山になっている科目 もあるなど受験生の学力格差が広がる兆候が表れてきた。  背景にあるのは、少子化と大学の定員増だ。18歳人口が92年の2 05万人から120万人に減少。一方で、大学の定員は増え、AO・推 薦入試は私大の入学定員の半分以上を占める。志願者数に対する入学者 数の比率は90年の6割台から9割台に。「全入」も目の前に迫る。  受験生の質も変化。個を重視する教育のため、普通科高校の卒業単位 に占める必修科目の比率が減り、共通の科目を学ぶ受験生が減った。  その結果、難関大学ではセンター試験での結果で差がつかなくなり入 学者選びに役立ちにくい一方、学力が一定程度に達していない受験生に は問題が難しいという指摘も出てきた。同一試験で全体の学力を把握す るのが難しくなっていると指摘され、早めに手を打つ必要が出てきた。  センター試験については、今春の事業仕分けや、文部科学省による0 9年度業務実績評価でも、入試センターが入試改善を視野に入れた取り 組みの中心的役割を果たすことが必要と指摘された。同時に今後の検討 についても文科省は理解を示している。  同センターは11年度から始まる5年間の中期目標、中期計画に本格 的な入試改善を進めることを盛り込む考えを固めている。入試改革を議 論する理事長の私的な懇談会を11月中にも開き、議論を始める予定 だ。(編集委員・山上浩二郎)     ◇  〈大学入試センター試験〉 例年1月に2日間の日程で実施されてい る。利用大学は増え続け、2011年1月は829大学・短大になる。 国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の各科目から出題される。 79年から国公立大が共同で利用した共通1次試験に代えて、私立大学 も利用できるように90年に現在のセンター試験が始まった。参加する 大学・短大が自由に教科・科目を指定できる「アラカルト方式」をと り、学部学科試験での利用方法は任されている。成績は、利用大学が志 願者の試験結果をセンターに請求して、提供を受ける。 "[he-forum 15855] 北海道新聞10/25 北海道新聞2010年10月25日付 後輩が快挙を祝福 ノーベル賞鈴木さん、北大でスピーチ  ノーベル化学賞の受賞が決まった北大名誉教授鈴木章さん(80)の快挙を祝う会が25日午前、札幌市北区の北大構内で開かれた。受賞決定後、各地を飛び回るなど多忙を極める鈴木さんだが、「古巣」の後輩ら学内関係者約250人に迎えられ、笑顔で祝福にこたえた。  祝う会は、環境問題などに関する研究を紹介する「北大サステナビリティ(持続可能な社会づくり)・ウイーク」の開会行事の中で行われた。鈴木さんは受賞決定後初めて学内の演壇に立ち、「私の専門である化学の世界でも環境分野の研究は盛んになっている。困難な課題だが、一人一人が努力することが大切だ」と学生らに向け、語りかけた。 "[he-forum 15856] 信濃毎日新聞10/24 信濃毎日新聞2010年10月24日付 信大繊維学部が創立100周年記念式典 卒業生らエール  上田市常田の信大繊維学部は23日、創立100周年記念式典を同市材木町の市文化センターで開いた。同窓生ら約600人が出席。浜田州博(くにひろ)学部長は式辞で、同学部が100年にわたって最先端の科学技術を担ってきたとし、「100年を振り返る日であるとともに、次の100年に向けた出発の日」と決意を新たにしていた。  浜田学部長は、「ファイバー工学」を核に研究開発や人材育成のための施設を建設し、企業や他大学などと連携して国際的な教育研究拠点を目指す取り組みを紹介。山沢清人学長は「繊維の技術は人の暮らしに最も近く、日本や世界の発展のために重要な役割を担っている」と強調した。  来賓の西岡武夫参院議長は、蚕糸業の衰退で学部が存続の危機にあった歴史に触れ「100年を大きな節目として、さらなる発展を地域、日本、世界のために果たすように願っている」と述べた。  式典に先立ち、ともに同学部卒業生の坂元龍三・東洋紡社長、安保正一・大阪府立大副学長が講演。安保さんは自身の学生時代や研究を振り返り、「学生や若手研究者は国際的な視野を持ち、情熱を持って研究を続けてほしい」と呼び掛けた。  信大繊維学部は、1910(明治43)年に前身の上田蚕糸専門学校が開校。49年の信大設置に伴い、学部として発足した。 "[he-forum 15857] 大分合同新聞10/25 大分合同新聞2010年10月25日付 やりがい感じて!へき地医療 医師の卵体験  大分大学医学部(野口隆之学部長)は来年度から、“医師の卵”の医学科6年生を対象に、県内のへき地の病院や診療所で2週間研修する「地域医療実習」を導入する。受け入れ先の医師と一緒に診療に当たったり、地域住民との触れ合いを深め、地域で働くやりがいを感じてもらうのが狙い。全国的に医師不足が進み、地域医療の崩壊が問題化しており、大学は「地元に残って医療を担う人材の育成につなげたい」としている。  実習は数人のグループ単位で行う。県内各地の病院や診療所に出向き、指導医と一緒に風邪や腹痛などの一般的な病気を診るほか、当直勤務や訪問診療を体験したり、自治体の地域医療担当者や地元住民と懇談するなどのメニューを想定。こうした取り組みは文部科学省の方針もあり、全国の大学が導入を進めている。  大分大の医学部医学科では、6年間のカリキュラムのうち、4年生の秋以降をさまざまな臨床実習に充てている。大学付属病院内での実習がほとんどで、地域に出る機会は少なかったという。  「大学の中で実習するだけでは、学生は田舎には行きたがらない。実際に地域に行って親しみを覚え、『面白い』『楽しい』と魅力を感じれば、将来、大分に残ろうと思うのではないか」と、医学部地域医療学センターの宮崎英士教授(内科分野)。「自治体や医師会、地域の協力を得て、大分県全体で育てていきたい」と話す。  実習は同センターが中心となって実施する。センターは大分の地域医療を守ろうと、医学部が今年2月に新設。宮崎教授や白石憲男教授(外科分野)ら6人体制で活動しており、現在、豊後大野市民病院の診療支援にも携わっている。  <ポイント>医師不足  2004年度にスタートした臨床研修制度で研修医が研修先を自由に選べるようになったため、地方の大学病院よりも、症例が多く待遇が良い大都市の民間病院を希望するケースが増加。人手不足となった大学病院が、地域の自治体病院などに派遣していた医師を引き揚げる動きが相次いだ。大分大でも、かつては多くが大学に残って研修していたが、制度導入後は3割程度になっているという。 "[he-forum 15858] 読売新聞社説10/25 読売新聞社説2010年10月25日付 科学研究予算 戦略なき削減は禍根を残す  日本が厳しい国際競争を生き抜くには、「科学技術立国」を目指す以外に道はない。  その前提が軽んじられていないだろうか。  幅広い基礎研究を支える科学研究費補助金など、多くの科学関連予算が、来年度の予算編成で、各省庁の要望を公開審査などでふるいにかける「政策コンテスト」の対象になった。  研究や人材育成の担い手である国立大も、この対象に含まれている。主要な財源となっている運営費交付金は、コンテストで全敗すると前年度比で約560億円、5%近い大幅減となる。  交付金が2番目に多い京都大のほぼ1校分の削減額だ。  2004年の法人化後、国立大の交付金は毎年約1%ずつ減らされ、すでに削減総額は800億円以上になる。研究と教育の水準維持も厳しい状況だが、これに拍車がかかりかねない。  科学技術への直接投資である科学技術振興費についても、概算要求額の約15%、2100億円分がコンテストにかけられる。小惑星探査を実現した「はやぶさ」の後継機も対象に含まれる。  大切なのは、研究開発を基礎と応用の両面で進めつつ、有能な人材を育てていくことだ。政府の投資も、総合的、戦略的な観点から決定されるべきだろう。  国の多種多様な政策と一列に並べて、短期的な視点から優劣を競わせるコンテストに委ねることは将来に禍根を残す。  最終的な採否は、政府幹部らで作る評価会議が決める。少なくとも個々の事業を丁寧に精査し、可能性を秘めた芽まで摘んでしまわぬよう、努めてもらいたい。  特に、科学技術関係者は、公開で行われた昨秋の事業仕分けの再現を心配している。  政府の高速コンピューター開発事業が「世界一でなくてはダメなのか」と叩(たた)かれるなど、厳しい逆風にさらされた。重要性を理解できないまま切る、では困る。  政策コンテストは、全省庁が前年度より概算要求額を一律10%減らす見返りとして導入された。総額は1兆円超の見通しだ。  科学関連予算の大半は文部科学省が編成を担う。だが、10%削減と、与党の重要政策である高校無償化の経費約4000億円が足かせとなり、国立大交付金などはコンテストに頼る結果になった。  高校無償化は所得を制限し本当に必要な人向けにすべきだ。バラマキ支給のしわ寄せで、未来への投資を削っていいはずがない。 "[he-forum 15859] 毎日新聞10/25 毎日新聞2010年10月25日付 奨学金:貸与基準を厳格化…12年度から、不適切申請防止  文部科学省は日本学生支援機構を通じて行っている大学・大学院生の奨学金事業の貸与基準を、12年度をめどに厳格化する方針を決めた。家庭の実収入を貸与の判断材料とし、審査基準となる家庭の収入を「主たる家計支持者の所得」から「父母の総所得」に変更。不適切な申請を防止することで、学費負担に苦しんでいる学生に優先的に好条件の奨学金が渡るようにする。【篠原成行】  ◇「主たる家計支持者の所得」を「父母の総所得」に  支援機構の奨学金には無利子の第1種と上限3%の有利子第2種があり、すべて貸与型。第2種は原則、基準を満たす希望者全員に貸与されるが、第1種は貸与枠が限定されている。10年度は全大学・大学院生292万7000人のうち118万人が貸与を受けた。09年度の総貸付金残高は6兆2337億円、要返還債権は4兆140億円に上っている。  現在は主たる家計支持者の年間所得が▽第1種は951万円(私立大998万円)▽第2種は1292万円(同1344万円)--以下なら、各校に割り当てられた定数内で貸与を受けられる。主たる家計支持者は父、母など所得のある家族1人を指定すればよい。  しかし昨今の不況の影響もあり、奨学金を住宅ローン返済に回す保護者が確認され、父に貸与基準以上の所得があるにもかかわらず低所得の母を家計支持者として貸与を受けるなど、「学問を志す苦学生の支援」という本来の趣旨を逸脱する事例が見られるようになった。文科省や支援機構にも苦情が寄せられ、厳格化を迫られた。  資格審査が主たる家計支持者となったのは99年度。日本育英会(現日本学生支援機構)が原則、基準を満たす希望者全員に貸与するとしたため、申請者が急増。審査簡素化に迫られ、審査基準を家庭の総収入から1人の所得だけに緩和した。  この結果、10年度の第2種の貸与者数は83万5000人で、98年度の約8倍に。貸与枠を拡大していない第1種は39万3000人から34万9000人とほぼ横ばいだった。  多くの申請者はまずは条件のいい第1種に申請するため、実際は基準を超える所得のある家庭の子供が無利子で貸与を受けているケースがあるという。文科省は新基準で実態に即した貸与を目指す。 "[he-forum 15860] 共同通信10/25 共同通信2010年10月25日15時2分 iPS細胞で仏企業と連携 京都大の研究所  さまざまな組織になる能力がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)を研究する、京都大のiPS細胞研究所は25日、ゲノム工学関連のフランスの企業「セレクティス社」と共同研究するために提携したと発表した。  提携は今年8月20日付。特定の遺伝子を働かせないようにするセ社の技術をiPS細胞に応用し、細胞の性質を制御することで、より有効な利用を目指す。  セ社は今月、京都大などの知的財産を管理する「iPSアカデミアジャパン」と、再生医療の治療目的などでiPS細胞を利用するライセンス契約を締結。iPS細胞から分化させた細胞を使って治療薬を開発するなどの研究をしている。 "[he-forum 15861] 日刊工業新聞10/26 日刊工業新聞2010年10月26日付 電通大、教員人事と研究スペースを一元管理する仕組み確立  電気通信大学は教員人事と研究スペースを全学一元管理する仕組みを確立した。国立大学は一般に各学科で教授や准教授などの定員枠を持つため、若手の昇進ポストがなかったり、人件費削減で退職教員のポストが空いたままだったり、未利用の部屋があったりひずみが出やすい。電通大は全学でこれらを融通することで有効活用し、さらに他大学退職予定者を特任教員で積極的に採用するなどで人件費を抑制。  人件費を減らしても教員数を減らさない教員配置ができるようにした。身軽で制度変更しやすいほかの工学系単科大学などは参考になりそうだ。  法人化前の国立大学は各学部・学科で、教授・准教授・助教の教員ポスト数、それに合わせた運営交付金による人件費、研究室や学部・学科の共用建物面積が決まっていた。縦割りで他学科の会議室を借りるのも難しいという。教員採用の決定権も各教授会が持つなど、法人化後も大学はこの形を維持している。 "[he-forum 15862] 朝日新聞10/26 朝日新聞2010年10月26日付 法科大学院、「外堀」埋められ「兵糧断ち」へ、不満噴出  全国の法科大学院(ロースクール=LS)が現在、2011年度入試の山場を迎えている。今回、各LSはこれまで以上に合格者判定に神経をとがらせているはずだ。入試の競争環境が確保されていない場合、補助金や交付金の削減につながる――。文部科学省から9月、その方針が明確に示されたからだ。新司法試験の合格率続落で「質の低下」が指摘されるLSの再編のため「外堀」を埋めてきた文科省が、いよいよ「兵糧断ち」作戦に乗り出した。 ▽筆者:石川智也  ■理念か試験か、両立悩む「低迷校」  補助金削減策が発表されたのは9月16日、中央教育審議会(文科相の諮問機関)の法科大学院特別委員会の席上だった。具体的基準は、以下の通りだ。  〈前年の入試での競争倍率が2倍未満で、なおかつ、(1)司法試験で全国平均合格率の半分未満、(2)直近の修了者のうち司法試験を受けた者が半数未満で、その合格率も全国平均の半分未満――の2条件のいずれかが3年続いているLS〉  競争倍率を問うのは、学生確保のために質の低い学生を入学させているLSがあることを問題視してのもの。中教審特別委は昨春、「倍率が2倍を下回ると選抜機能が十分働いているとは言えない」と指摘。入試の競争環境は教育の質や司法試験実績と密接に結びついているとして、倍率が著しく低いLSへ改善を求めていた。(2)については、修了後すぐ受験せずに予備校などに通う「受け控え」の問題を踏まえてのものだ。「入り口」と「出口」で学生の質の確保ができていないLSは、大幅な改善を迫られることになる。 新司法試験の合格発表で、掲示板で番号を照合する受験者ら=2010年9月9日午後、東京・霞が関、川村直子撮影  実施は2012年度予算から。「国立大学法人運営費交付金」と「私立大学等経常費補助金」の法科大学院措置分に減額反映する(削減率の詳細は今後詰める)。つまり、LS側は早速、今秋の入試結果を問われることになった。司法試験については、昨年、今年、来年の結果が評価対象だ。今秋の入試結果が出揃うのはもう少し先だが、この補助金削減策発表のちょうど一週間前、9月9日に、5回目となる2010年新司法試験の結果が公表されていた。昨年と今年と続けて平均合格率の半分未満だったLSは、全74校中20校。今年度入試で競争倍率が2倍を割り込んだLSが半数以上の40校にのぼった事実を考え合わせれば、この20校は実質的な「リーチ校」と言えなくもない。  こうした「低迷校」の中には、地域に根ざした多様な人材を育てるという司法制度改革の理念を純粋に追ってきたLSも少なくなかった。関係者からは、苦戦続きへのもどかしさと、「司法試験」という尺度が一人歩きしはじめたことへの不満と不安がない交ぜになった言葉が漏れる。  「弁解はしたくない。入学者を受け入れながら法曹を生み出せなかったわけだから。受験対策が弱かった面は否めない」。今回の司法試験で国立大唯一の合格者ゼロ校だった鹿児島大の采女博文・司法政策研究科長は、力なく語った。  コミュニケーション能力を持った人間性ある法曹の養成も、法科大学院制度の理念の一つ。これに従い、同校は2004年度の開校以来、臨床実習形式の「リーガルクリニック」教育に力を入れてきた。学生は弁護士の法律相談に同席し、依頼者との面談・質問も担う。目玉は弁護士過疎地の離島での法律相談実習。2年生の必修科目にもなっており、屋久島と種子島に合宿する。新住民と古くからの島民とのもめ事、島外の取引先との紛争……。離島独特の司法事情に触れられる取り組みが評判となり、毎年、他大学や司法修習生が視察に訪れるほどになった。「地方の大学院ならではの特色ある教育を提供できている」。担当する米田憲市教授(法社会学)は胸を張る。録画した全教員の授業をホームページで互いに見られるシステムを作るなど、ファカルティー・ディベロプメント(教育の質の向上策)にも力を入れてきた。  しかしながら、司法試験合格者数は昨年までで計5人にとどまり、中教審特別委からは今年1月、教育の大幅な改善が必要な14校の一つに名指しされた。試験対策を強化せざるを得ず、昨年から司法試験予備校で教えた経験もある弁護士を専任教員に迎えたり、夏休み中も補習用の自主ゼミを週3日ペースで開いたり、ネットを使った修了生向け遠隔授業を始めたりといった試みを続けてきた。競争率を高めるため定員も今春、半分の15人に減らした。  それでも今回の結果。采女研究科長は「試験対策はさらに強化せざるを得ない。交付金を削られれば、基盤はさらに弱まってしまう」と危機感を募らせる。同時に、「新しい法曹養成の理念を捨ててしまっては意味がない。我々も教育に情熱を持てない」とも。「双方が両立すればいいんですが……」。最後に漏らした「我々は夢を追いかけた大学院の一つ」という言葉は、自虐とも国への皮肉とも取れる。  補助金削減策に対しては、より明確な反発の声もあがる。広島弁護士会は9月上旬、「各校が試験科目偏重の教育を行うようになることは必然で、司法制度改革の理念との齟齬を生じさせるもの」との反対意見書を文科省に送った。  裁判員制度と並ぶ司法制度改革の柱として2004年度にスタートしたLSは、受験テクニックに走りがちの旧司法試験への反省の下、「点からプロセスへ(一発勝負の選抜から長期間の「養成」への転換)」「双方向授業(討論やエクスターンシップ、模擬裁判)」を掲げた。多様な人材や社会人を受け入れるため、法学部出身者を主対象とする「既修者コース」(2年制)と他学部出身者などを受け入れる「未修者コース」(3年制)を分けて設けたのも特色だ。このため、教育成果を司法試験実績で評価するのは不適切との考えがあり、第三者機関による大学の評価制度である「認証評価」でも、試験対策を重視して授業が答案作成練習に偏っているLSに対しては「不適合」「不適格」の判定が下されてきた。  文科省や中教審が、「試験偏重への逆戻り」と批判を受けながらも、司法試験不振校に事実上の「退場」を迫る施策に踏み込んだのは、現状のままでは新しい法曹養成制度自体が崩壊しかねないとの危機感からだった。  ■司法試験合格率は続落、「質の低下」で悪循環に  「やはり」。今回の新司法試験の結果を、多くのLS関係者は失望とともに受け止めた。8163人の受験者数に対し合格したのは2074人で、合格率は25・4%。前年の27・6%を下回り、2006年の初回から4年連続で下降、過去最低となった。政府の司法制度改革審議会が当初に立てた目標は「修了者の相当程度(例えば7~8割)の合格」。同様に、「2010年ごろに合格者を年3千人」とする法曹人口拡大計画も打ち出され、2002年には閣議決定もされたが、今年を含めた最近3年の合格者数はいずれも2千人台前半。いずれも理想からほど遠い数字となっている。  新制度の理念を体現する「多様な背景を持つ人材」の苦戦も目立つ。「未修者コース」修了者の合格率は初めて1割台となった昨年より下がり、過去最低の17・3%に。「既修者コース」修了者(37・0%)との格差は縮まっていない。  一握りの上位校と下位校の格差も固定化しつつある。定員数が多いとはいえ、合格者数の上位5校(東京、中央、慶応、京都、早稲田)の顔ぶれは初回以降の5年変わらず、全体の合格者数の4割を占める点も変わらない。今回、全体の合格率を上回ったLSは19校だが、この19校で全体合格者数の7割を占めた。新司法試験は「5年間で3回まで」の受験制限があるが、2006年3月に法科大学院を修了した1期生2176人の今年までの累計合格率は69・8%。修了生の追跡調査をすれば「7割」を達成しているように見えるが、50%以下のLSも12校ある(分母は、5回すべて受験生を出していないLSを除くため、58校)。しかもこれは既修者コース修了者のみの数字。未修者1期生を含む2007年3月修了生の「5年累積」が出てくる来年の数字は、もっと悪くなると見られる。ちなみに、「3年累積」では、各校の合格率は8割超から5%までの開きがあった。  司法試験実績で低迷するLSは質の高い学生集めでさらに苦戦するという負のスパイラルに陥っているが、これは新法曹養成制度そのものについてもあてはまる。  合格率の低さに加え、新試験に受かった司法修習生の「考試」(いわゆる「二回試験」)の不合格率の高さも問題になり、現場の裁判官や弁護士からは「LS出身者は質が低い」との声が相次いだ。日本弁護士連合会も昨年3月の提言で、LS修了者の「法曹の質」に言及。「3千人(計画)にこだわるのは不適切」と結論づけた。 "[he-forum 15863] 読売新聞10/26 (2010年10月26日 読売新聞) 文系学生も数学必修…大阪府立大 2012年度から 論理的思考養う 行列や微積分  数字を暮らしに生かす「数学的素養」が低下している現状を改善しよ うと、大阪府立大(堺市)は2012年春から、文系の全学生に教養科 目で数学の単位取得を義務付け、卒業まで数学力が衰えないよう自己管 理させる。文部科学省は「文系全学生に数学を必修にする大学は聞いた ことがない」という。大学全入時代を迎え大学教育が易しくなる傾向の 中、入学を敬遠する受験生が出る恐れもあるが、あえて数学を身に着け させて社会に送り出すための取り組みといえる。  12年春予定の学部再編で現在の経済、人間社会両学部(学生数約2 100人)が統合される「現代システム科学域(仮称)」の学生が対 象。受験生には一般入試で数学を課し、新入生は高校2年程度の数学を 復習した後、文系学生の多くが高校時代に選択しない微分積分や線形代 数(行列)を学ぶ。これらの単位を取らないと卒業できない。  2年で基礎的な統計学の講義を行い、到達度試験を実施。3、4年で は、数学の知識を維持できているか、自己評価させる。理系学生向けに 05年に開設した「数学質問受付室」やネット上の「自習サイト」の機 能を強化、きめ細かく指導する。  岡本真彦准教授(数学教育)は「多くの教官が、学生の論理的思考は どんどん低下していると実感したことが数学必修化につながった。数字 を読み解く力があるかないかで、思考の質に大きな差が出る」と語る。  文系での数学教育は、九州大が経済学部のみで単位取得を義務付け る。京都大は、数学の知識を持つことが望ましい経済、教育両学部の学 生に数学の受講を強く勧めているが、選択科目にとどまり、東京大も文 系の数学は選択制だ。  15歳を対象に経済協力開発機構(OECD)が行う国際学習到達度 調査(PISA)の数学的素養で、日本は2000年調査では1位だっ たが、03年は6位、06年は10位と成績を下げ続けている。  「分数ができない大学生」(編著)で数学教育の必要性を説いた西村 和雄・京都大経済研究所特任教授の話「勇気ある決断だ。よい学生を世 に出すことにつながり、社会の信頼を得られる。習熟度の評価を公表す れば追従する大学が生まれ、国の政策にも影響を与えるだろう」 "[he-forum 15864] 福井新聞10/26 福井新聞(2010年10月26日午前7時30分) 高学歴人材ミスマッチ解消へ道場 福井大が開設、セミナー  大学院を修了した高学歴な人材と、産業界が求める人材のミスマッチを解消 しようと、福井大は大学院工学研究科生らを対象に、仕事に必要なリーダー シップや企画力を学ぶプログラム「産業現場に即応する実践道場」を開設。2 5日に福井市の文京キャンパスでキックオフセミナーを開いた。  同研究科では毎年度、30数人が博士後期課程を修了するが、このうち民間 企業や大学に就職できるのは7割程度。10人程度は定職に就けず、教授らの 研究を補助する「ポストドクター(ポスドク)」として期限付き雇用されるな ど、不安定な身分になっているという。  同プログラムは、即戦力を求める企業ニーズに応え就職先を確保しようと、 文部科学省の支援を受け初めて開設した。博士後期課程の学生やポスドク、企 業の若手社員を対象に2012年度まで3年間取り組む。  道場では講義と実習を行う。講義では知的財産やリーダーシップ論などにつ いて、現場で活躍する弁理士などから生の知識を学ぶ。実習は、各企業で就業 体験をしながら開発現場の問題などを解決する。1年で講義、実習計10単位 を取得する。修了者には同大独自の資格「産業技術エキスパート」が授与され る。初年度は実習科目を11月から、講義科目は来年4月から実施する予定。  キックオフセミナーには、対象となる院生や企業の担当者ら約100人が参 加。同大産学官連携本部長の山本暠勇教授は「企業が現場に即応できる人材を 求めているのに対し、博士課程修了者は研究志向が強く、産業意識に欠ける。 教員も意識を変えなければならない」と問題点を指摘。プログラムについて 「博士課程の就職先を確保することが学生増加につながり、研究活性化にも役 立つ」と意義を説明した。 "[he-forum 15865] しんぶん赤旗10/27 「しんぶん赤旗」2010年10月27日(水) 看護師9割超が疲労 国立大病院 十分な看護できない 全大教調査  全国大学高専教職員組合(全大教)病院協議会はこのほど、国立大学 病院の看護労働実態調査の結果を発表しました。看護師の9割以上が身 体的、精神的な疲れを感じていることがわかりました。  調査期間は昨年9~10月で、国立大学27大学の看護師ら8666 人が回答しました。  2007年以降、42ある国立大学病院のうち40病院で、患者10 人に看護師1人を配置する「10対1看護」から、患者7人に看護師1 人を配置する「7対1看護」が実施されています。また今回の調査で は、長時間夜勤となる2交代勤務をしている看護師が5割を超えました。  調査結果によれば、「身体の疲れ」について「とても疲れる」が4 6・2%、「やや疲れる」が49・4%でした。「精神神経的な疲れ」 では、「とても疲れる」が49・1%、「やや疲れる」が45・7%で した。  「強い不安、悩み、ストレスがある」と回答した看護師は、85・ 5%にのぼり、その理由として50・4%が命や健康を預かるなど「仕 事の質」によるものとしています。  看護内容について、「患者に充分な看護が提供できているか」では、 「あまりできていない」「ほとんどできていない」があわせて58・ 7%で、その理由として、「退職や異動で職場のメンバーがよく替わり 蓄積がない」が39・4%でした。  自由記載欄では、「7対1看護」について、「以前よりケアを手厚く できるはずだが、日勤者の人数がぎりぎりで、ケアというより業務をこ なしているだけ」「看護師は増員になったが、新人教育に追われ、患者 のケアに時間をさけない」などと書かれています。  また、夜勤について「午後3時30分から午前8時30分という長時 間にもかかわらず、17時間の間に30分から1時間しか休憩を取らず に人の命を任せられている。集中力もなくなり、配慮も欠ける」などの 声が寄せられています。 "[he-forum 15866] 神戸新聞10/27 神戸新聞2010年10月27日付 修学困難な学生支援 神戸大が緊急奨学金    経済情勢の悪化を受け、神戸大学(神戸市灘区)は今秋、保護者の解雇、死去や勤務先の倒産などで修学が困難となった大学生、大学院生に、一時金25万円を支給する「修学・生活支援緊急奨学金18件」制度を始めた。  申請は「随時」受け付けとし、返還義務はない。神戸大学生生活課は「意欲ある学生が、経済状況にかかわらず学び、将来の目標を達成できるようにしたい」と話す。  緊急奨学金18件は、卒業生や保護者、法人などの寄付による「神戸大学基金」を活用。保護者の解雇や倒産のほか、病気による失職、退職、風水害による被災などから、修学や生活が著しく困難になった学生を対象とする。審査し、申請から2カ月以内に給付するという。  当初、来春から始める予定だったが、「近年の不況で、経済的に修学困難になる学生が多くなってきた」として半年間、前倒しした。学生生活課によると、2010年度前期の授業料免除の申請が、ここ5年で最多の1797人。前年度前期に比べ約300人も増えた。  家計が急変した大学、短大生らを対象にした奨学金には、日本学生支援機構の「緊急・応用採用奨学金」(貸与、月額3万円から)があり、09年度は全国で5128人が活用。長引く不況などを反映し、08年度と比べ、1129人増えたという。 (中島摩子) "[he-forum 15867] 陸奥新報10/27 陸奥新報2010年10月27日付 医療充実へ講座開設 弘大とつがる西北五広域連合が協定  弘前大学大学院医学研究科(佐藤敬研究科長)は、つがる西北五広域連合(連合長・平山誠敏五所川原市長)からの寄付で「地域医療学講座(つがる西北五広域連合)」を11月1日に開設する。西北五圏域の地域医療の充実に向けた研究に取り組むもので、26日に同研究科と同連合が設置に関する協定を締結した。  講座は、2009年に策定した県地域医療再生計画に基づき、西北五地域保健医療圏における地域医療の充実を図ることを目的に設置。自治体病院機能再編成計画を進める同連合が、地域医療再生臨時特例交付金25億円の中から2億800万円を寄付した。  消化器血液内科学講座の福田眞作教授が併任し、専任の准教授や講師らによる5人体制。設置期間は14年3月までで、津軽地域における重要な疾患であるがん、糖尿病などに関する基礎的・臨床的研究に取り組むほか、地域の実態に対応した医療教育の在り方、臨床実習の指導方法なども研究する。  同科で行われた協定締結式では、佐藤科長が「医師の養成では課題が多岐にわたり、教えることも膨大になっている。地域との連携、協力体制を強化していかなければならない」とあいさつ。  平山連合長は「講座の設置により、地域住民の健康管理や疾病予防への取り組みが促進され、地域医療の充実が一層図られることを期待する」と述べた。  佐藤科長は取材に対し「中核病院が完成すれば、身近にある最大規模の研修病院になる。西北五地域は本県医療の縮図。実践的な教育の場として理想的であり、地域の特殊性を視野に入れた研究、教育を一層強化していきたい」とした。 "[he-forum 15868] 山梨日日新聞10/26 山梨日日新聞2010年10月26日付 出前講義、部活で交流 都留文大と桂高 協定締結 来月から学生が国語授業に参加  都留市の都留文科大(加藤祐三学長)と桂高(深沢信吾校長)は25日、高大連携協定を結んだ。同じ市内にある立地を生かし、高校教師を目指す学生の職場体験や大学の出前講義を実施するなど、連携を強化。部活動や学園祭など課外活動での相互交流も図り、教育内容の充実を目指す。  協定書には、連携事業の内容として、(1)大学による公開講座や出前講義の実施(2)高校での学生の教育実習の協力(3)大学による高校の部活動の支援と交流の促進-などを盛り込んだ。  10月中旬に、桂高2年生全員が都留文科大のオープンキャンパスに参加するなど交流を進めていて、11月からは同大国文学科の学生6人が「ハイスクールTA(ティーチングアシスタント)」として同高の国語の授業に参加。小テストの採点など職場体験を行う。全国的に有名な同大陸上部や吹奏楽部と高校生の合同練習や、米国人留学生との交流なども予定している。  連携は桂高から提案。同高によると、生徒にとっては大学の授業や学生生活の雰囲気を知ることで大学のイメージを確立し、進路を考えるのに役立つという。また、県東部地域の県立高校再編が進む中で、市内唯一の普通科高として、地元大学との連携で独自色を出したい狙いもある。  一方、市立大学として地域貢献に力を入れる大学側も地元校との連携を歓迎。市内の小中学校では、教職志望の学生を派遣する交流が盛んだが、高校では初めて。高校教師を目指す学生にとって現場理解につながり、教員採用面接などでのアピールも期待できるという。  同日、同大付属図書館で開かれた調印式には約30人が出席。加藤学長は「高大連携のモデルケースとしていきたい」とあいさつ。深沢校長は、「地域の大学と連携を深めることで、学園都市を目指す地元の活性化にも役立ちたい」と語った。 "[he-forum 15869] 朝日新聞10/27 朝日新聞2010年10月27日付 世界大学ランキングの波紋広がる  今年9月に発表されたタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)の世界大学ランキングが日本の大学に波紋を広げている。昨年までQSと提携していたTHEは今回、相手をトムソン・ロイターに切り替えて、新基準でランキングを発表した。基準が変われば、順位も変わるのは当たり前だが、日本の大学にとっては、200位以内の大学が11から5に半減し、中国本土の6大学に抜かれ、厳しい結果となった。おおむね表面的には平静を保っているようだが、無視を決め込む、または愚痴をもらす大学もあり、そう単純でもない。  THEのランキングでは、東大26位(昨年の基準による順位、22位)、京大57位(25位)、東工大112位(55位)、阪大130位(43位)、東北大132位(97位)となったほか、名大(92位)、九大(155位)、筑波大(174位)、北大(171位)、慶大(142位)、早大(148位)は200位以内に入らなかった。  昨年の指標は6項目だったのに対して、今回は13項目に細分化された。このうち、それまで含まれなかった財政収入が4項目にわたり横断的に加えられ全体の約1割をしめている。また、論文引用の項目が調整されて、20%から32・5%にウェイトが増えたのが特徴となっている。  東大の関係者は「複数の指標を総合化して単一の序列とする総合ランキングは恣意性を排除できない。多様で複雑な知の共同体を評価する方法として極めて不適切。順位自体は無意味と考えており、参考情報ともしていない。算出する方法が大幅に異なっている以上、順位変動に関して評することも無意味」と話す。  東工大は分析結果を幹部が記者らに伝えた。「たかがランキング、されどランキングだが、大学の本質を左右されては困る。THEは指標の中身を変えている。合理的な日本の指標をつくればどうか」と話し、昨年との順位比較に意味がないことや工学系にとっては不利な指標に変わったことを強調した。  10月15日の文部科学省・中央教育審議会大学規模経営部会。配られた資料にもTHEの分析結果が盛り込まれていた。順位変化について「大学の実力が直ちに変化したことを意味しない」としている。しかし、「THEは、各国の大学への公財政支出への重視や、アジアでの中国・香港・台湾・韓国の躍進を取り上げつつ、日本の存在感の低下に言及し、『大学の国際化がうまくいかなければ、長期的には問題になる懸念がある』旨の識者のコメントを掲載している」とも資料に書き込んでいる。指標が変わったものの、日本の大学への公財政支出が先進国のなかでもGDP比で低いことや国際化への対応の遅れについては無視できないことを示唆している。  日本の大学では、旧帝大に東工大、筑波大、慶大、早大を加えた11大学がリサーチ・ユニバーシティー11(RU11)というグループをつくっている。大学の関係者によると、先日のその会合で、THEの結果が分析されたという。それによると、日本は論文生産が横ばいだが、世界の論文数が増加する中で、日本の論文シェアは減少傾向にあり、中国は論文数が年3割増加しているとして、論文引用の比重の増加にともないこの評価が低いと総合評価も厳しくなるとの意見があった。また、論文引用の評価方法が十分に開示されていないことへの不満も出た。論文引用の項目では、東大が158位なのに、エジプトのアレクサンドリア大が4位、トルコのビルケント大が19位というのは説明不可能などと例があげられたという。また、研究と教育は違う評価なのに、異常なほど相関が高く、違う指標として評価されていないという指摘もあった。大学院の修士課程の評価が含まれていないのも日本に不利になったとの見方もあった。  世界大学ランキングとのつきあい方は難しい。上位なら大学の宣伝に使うことは可能だが、そうでなければ当然、不満や批判も出る。そもそも大学の実態とランキングの評価が一致することもありえない。一側面を「指標」という客観的にみえる基準で見て、事業としてランキングしているにすぎない。当然、英語圏と日本語を使う大学では論文などでは不利になる。一方で、政府の財政投入の規模や意欲が順位に反映する面も出ている。結局、大学が主体的にランキングの断面をもとに分析と戦略をたてるための材料にはいいが、振り回されると無残になる。 "[he-forum 15870] 河北新報10/28 河北新報 2010年10月28日木曜日 若手研究者に奨励金 東北大病院関連財団が学生賞を創設  東北大病院内の薬局や食堂を運営する財団法人「辛酉(しんゆう) 会」(平則夫理事長)は本年度、収益の一部で、東北大大学院医学系研 究科博士課程の若手研究者らを支援する「辛酉優秀学生賞」を創設し た。初めての授与式が19日、東北大病院で行われた。  特別賞(50万円)は再生医療を通じた腎不全の治療の研究に取り組 む豊原敬文さん(腎高血圧内分泌学)、優秀賞(10万円)は竹内光さ ん(脳機能開発)ら5人に贈られた。いずれも優れた研究成果が評価さ れた。  平理事長が一人一人に賞状を手渡し「受賞を土台に、世界に誇れる研 究成果を挙げてほしい」と激励。受賞者を代表し、豊原さんが「支えて くれた方々に恩返しできるよう、研究に取り組んでいきたい」と述べた。  辛酉会はこれまで、収益の一部で医学部学生の部活動などを支援。国 の予算縮減などで若手研究者の経済環境が厳しくなっていることなどを 受け、賞を新設した。19人の応募があり、指導教員を除く医学系研究 科教員らで構成する委員会で審査した。 "[he-forum 15871] 南日本新聞10/28 南日本新聞2010年10月28日付 鹿児島大病院に救命救急センター設置へ 県内2カ所目  鹿児島大学病院8件(725床、高松英夫院長)は27日、2013年4月に救命救急センター開設を計画していると明らかにした。既存の救急部を拡充し、11年度から医療機器の更新などの整備を進めていく。設置されれば、鹿児島市立病院に続き県内2カ所目となる。  県によると、センター設置には「専用病床おおむね20床以上の保有」が要件。現在の救急部の専用病床4床を10床に増やし、他部門と協力して病院全体で確保を目指す。国の地域医療再生臨時特例交付金(鹿大救急関係分は2億円)などを活用して医療機器を更新、複数の重症患者を同時に診療できる体制をつくる。  同院への救急搬送は年間400~500件。救急部は医師8人体制だが専従は1人で、当直は他科からの応援をもらい対応している。センター開設に向け、救急部の専任教授を選考中。今後、専従医師や看護師の増員、放射線技師、臨床検査技師の配置を検討していく。  高松院長は「大学病院8件として県内の救急医療体制の充実に貢献するため、ぜひとも実現させたい。センター開設は、県外に出た若い医師を鹿児島に引き戻す新たな魅力にもなりうる」と話した。 "[he-forum 15872] しんぶん赤旗11/1 「しんぶん赤旗」2010年11月1日(月) 就活支援制度 周知の徹底を 企業説明会への交通費 宿泊費支援 宮本議員要求  「毎週上京して東京で就活。交通費だけでも半年で50万円近くか かった」「お金がなくなり就活ができなくなった」。就職活動に必要な 交通費や宿泊費の負担が大学生に重くのしかかっています。活用できる 仕組みについて衆院文科委員会(10月29日)で日本共産党の宮本岳 志議員が取り上げました。  すでにあるのは、次のような制度です。  文部科学省の「大学教育・学生支援推進事業」(2009年度からの 3カ年事業)。この事業では、交通費や宿泊費への支援も含めて「大学 の就職支援体制を強化する取組」に財政支援ができることになっていま す。大学の申請にもとづき、全額が補助されます。同省は支援対象と なっている各大学の取り組みを例示しています。  ▽東北公益文科大学(山形県)―東京や仙台市で多く開催される企業 説明会に参加するための交通費(バスの借り上げ)(74万円)  ▽愛知みずほ大学―大都市圏で実施される企業説明会へ集団参加する ための交通費および宿泊所の確保費用(計45万円)  ▽京都外国語大学―首都圏で就職活動を行う学生のため、校友会会員 (卒業生)へホームステイを依頼するための費用(18万円)  申請する側の大学にはあまり知られていません。宮本氏は「知らせれ ばもっと申請があるはずだ」と周知徹底を提起。「来年度は『継続』の み認めて『新規』は認めないという概算要求になっていると聞いたが、 もっと活用されるようにするべきだ」と文科省に求めました。  高木義明文科相は「周知徹底をはかる努力をしなければならない。 (活用の)成果を各大学に発信・普及し、より多くの大学によってより よい就職支援ができるよう努めたい」と答弁しました。 "[he-forum 15873] 福井新聞10/31 福井新聞 (2010年10月31日午前7時 40分) 「国立大交付金確保を」 福井大、民主県連戦略局に署名  政府の2011度予算において国立大学法人に配分される「運営費交 付金」を含む高等教育予算が大幅に削減される可能性があるとして福井 県の福井大は30日、予算の確保を求める約7千人分の署名を民主党県 連福井地域戦略局に提出した。  署名は同大が9月中旬からキャンパスや付属病院のほか、福井、敦賀 市の街頭で協力を求め、県内外の7007人分を集めた。  11年度予算編成を控えて同戦略局がこの日、福井市内で自治体や業 界団体の要望を集中的に受け付ける中で、同大の福田優学長が文部科学 副大臣の笹木竜三県連代表代行に署名を手渡した。  福田学長は「(予算削減によって)日本のグローバルな競争力は地に 落ちる。日本の将来を担う若者を養う意味で高等教育に大きな力を注い でもらいたい」と危機感を伝えた。笹木代表代行は「教育や科学技術に 対する投資を維持すべきという意見はもっとも」とした上で、11年度 予算編成に向け大学側の声を引き続き訴えていくことの重要性を示した。 "[he-forum 15874] 産經新聞10/29 産經新聞 2010.10.29 23:56 ノーベル賞効果? 大学受験「理系離れ」に歯止め  来春の大学入試で理系志望の受験生が増加していることが、大手予備 校の志望校調査で分かった。10年ほど前から子供たちの理系離れが進 み、ものづくり大国・日本の将来が危ぶまれていたが、近年の日本人科 学者のノーベル賞受賞ラッシュなどを追い風に理系人気が回復。「理系 離れに歯止めがかかった」とみる専門家もいる。  大手予備校「河合塾」が8月に実施し、36万人が受験した全国最大 規模の「全統マーク模試」で志望大学などを調査した結果、理系は 「理」「工」「農」「医・歯・薬・保健」の全4系統で、国公立大が前 年同期比で3~6%増、私立大が同5~8%増えた。一方、国公私立を 合わせた文系の「法・政治」や「経済・経営・商」は前年を割り込ん だ。秋の模試でも同様の結果になると予想される。  駿台予備学校の9月の「全国判定模試」でも、国公立の文系志願者が 前年割れしたのに対し、理系は同4%増。私立でも文系が同7%減に対 し、理系は同2%増だった。代々木ゼミナールでも同じ傾向という。 河合塾教育情報部の富沢弘和チーフは「2年前に日本人4人がノーベル 物理学、化学賞を受賞したことなどで、理系の人気が高まり始めた。今 年もノーベル化学賞を2人が受賞しており、理系人気を後押ししてい る。理系志向は今後も続くのでは」と分析する。  「理系の経営学」などの著書がある東大大学院工学系研究科の宮田秀 明教授は「理系離れに歯止めがかかったのでは。学生が長引く不況で、 しっかりと技術を身につける必要があると感じ始めたのだろう。IT技 術はますます進歩していくので、情報・通信系に人気が集まるのは喜ば しい。産業界で日本企業の成功例が増えれば、理系人気はさらに高ま る」と話している。 (田中充) "[he-forum 15875] 富山新聞10/30 富山新聞2010年10月30日付 意向投票トップは平井氏 富山大学長選、11月8日に選考会議  富大の次期学長を選ぶ学長選考会議(議長・中島恭一富山国際大学長)は29日、五福、杉谷、高岡の各キャンパスで、教職員を対象にした意向調査(投票)を行った。  第2次候補適任者3氏の得票は、平井美朗富大理事・副学長(62)が448票(得票率43・0%)、次いで遠藤俊郎富大附属病院長(64)が392票(同37・6%)、富山産業保健推進センター所長の鏡森定信富大名誉教授(67)が202票(同19・4%)だった。意向投票の有資格者は1158人で、投票総数は1058票。うち有効票は1042、白票14、無効票2だった。  学長選考会議は11月8日、意向投票の結果を参考に次期学長を選ぶ。同会議は学内外の各10人が委員を務めているが、候補の遠藤氏を除くため計19人で各候補の面接を実施、選考する。  審議の上、学長選考会議でも投票を行う場合、同会議で各候補が得た票数と、同会議の有効票数に各候補の意向投票の得票率を乗じた持ち点を合計し、過半数を得た候補を学長とする。過半数を得る候補がいない場合は、上位2人を対象に同会議で再び投票を行う。  西頭德三学長の任期は2011年3月末までとなっている。 "[he-forum 15876] 福井新聞10/31 福井新聞2010年10月31日付 「国立大交付金確保を」 福井大、民主県連戦略局に署名  政府の2011度予算において国立大学法人に配分される「運営費交付金」を含む高等教育予算が大幅に削減される可能性があるとして福井県の福井大は30日、予算の確保を求める約7千人分の署名を民主党県連福井地域戦略局に提出した。  署名は同大が9月中旬からキャンパスや付属病院のほか、福井、敦賀市の街頭で協力を求め、県内外の7007人分を集めた。  11年度予算編成を控えて同戦略局がこの日、福井市内で自治体や業界団体の要望を集中的に受け付ける中で、同大の福田優学長が文部科学副大臣の笹木竜三県連代表代行に署名を手渡した。  福田学長は「(予算削減によって)日本のグローバルな競争力は地に落ちる。日本の将来を担う若者を養う意味で高等教育に大きな力を注いでもらいたい」と危機感を伝えた。笹木代表代行は「教育や科学技術に対する投資を維持すべきという意見はもっとも」とした上で、11年度予算編成に向け大学側の声を引き続き訴えていくことの重要性を示した。 "[he-forum 15877] 佐賀新聞11/1 佐賀新聞2010年11月1日付 24時間医師常駐、小児救急部スタート 佐賀大医学部  佐賀大学医学部は本年度から、小児救急部を本格的にスタートさせた。付属病院に24時間、小児科専門医が常駐。診療の充実を図るとともに、若い医師に「大人と異なり、症状の見極めが難しい」とされる小児診療の経験を積ませている。  小児救急部設置は国の基金を活用した研究事業の一環で、2013年度まで4年間。15年以上のベテラン医師2人、10年前後の専門医3人に研修医2人が加わる計7人態勢で昼勤、夜勤のローテーションを組んでいる。緊急時に起こされて対応する「当直」ではなく、夜勤シフトを組むことで、小児科医の労働状況を和らげる狙いもある。  佐賀大学医学部によると、付属病院の時間外受診は子どもが8~9割を占める。そのうち、命にかかわるものは1~2割。従来の救急部体制では、子どもでも小児科以外の医師が診察することが多かったが、症状は似ていても疑うべき病気は大人と異なることは多いという。「子どもは注射一つ難しく、苦手意識を持つ医師が多いのが現状」と医学部長の浜崎雄平小児科学教授は指摘する。  新方式は教育に主眼を置いた取り組みで、救急、小児救急両部の医師が協力する。救急部の医師は小児医療の特徴を学び、小児科医は外科的な処置など幅広い技術を身につける。専門分野を超え、相互の領域を学び合う。小児救急部に所属する医師の一人は「傷を縫う手技など、別の専門を持つ医師から学ぶことは多い」と話す。    医師の数を増やすだけでなく、検査技師や事務職員らの充実も必要なことから「何時でも診察できると言える態勢ではない」(同部)というが、患者は平日夜間で2倍、土日祝日で2~3倍に増えているという。浜崎医学部長は「若い医師をトレーニングすることで、小児救急を担う人材を育成し、将来的には小児科医不足が続いている唐津市などに人材を供給していきたい」と話す。 "[he-forum 15878] 河北新報11/1 河北新報2010年11月1日付 新キャンパスを「次世代車」実証拠点化へ 東北大・青葉山  東北大は、整備を進めている仙台市青葉区の青葉山新キャンパスについて、次世代自動車の実証実験拠点とすることを決めた。電気自動車(EV)を軸に安全性を高めるシステムなどを搭載した車両を開発し、2015年度からはキャンパス内の移動手段として使う社会実験にも乗り出す。先端分野の研究や技術開発を通じて、人材育成と産学連携推進の弾みとしたい考えだ。  実証試験は教授ら15人でつくり、次世代車関連の技術開発に取り組む学内横断組織「次世代移動体システム研究会」が中心になって行う。今回、開発する車両には自律走行システムや走行補助の画像表示システム、路面などの装置から非接触で給電するシステム、新型モーターなどを組み込むことを想定している。  首都圏や九州の大学の技術開発と差別化を図るため「積雪・寒冷地仕様」といった次世代車づくりを狙う。  新キャンパス内の道路で車両を動かすのは13年度から。構内にはシステムや走行性能を評価・検証する専用施設も整備する。社会実験は敷地内に仙台市地下鉄東西線「青葉山駅」(仮称)が開業するのに合わせて始め、駅を拠点にキャンパス内を巡るようにする。  車両製作には地元企業も参加できるようにし、EVなどの普及を見据えて東北の企業の技術力向上にもつなげる。  東大や弘前大とも連携する方針。総事業費は未定だが、国などの補助金を活用し、学内からの支援も受ける見込み。  研究会の会長を務める内山勝東北大大学院工学研究科長は「最先端の技術や研究を結集し、安全と環境に対応した次世代移動体を造り、新たな社会インフラシステムも提案したい」と話す。  東北大はことし2月、産学連携拠点「情報知能システム(IIS)研究センター」を設立するなど、次世代車の技術開発を活発化させている。 [東北大青葉山新キャンパス]仙台市青葉区荒巻のゴルフ場だった旧宮城県有地を整備、雨宮キャンパス(青葉区)の農学部・農学研究科と、片平キャンパス(同)の電気通信研究所を移設する。敷地面積は81万平方メートルで、事業費は二百数十億円の見込み。2011年4月の開学予定。移転財源の一部となるキャンパスの売却遅れなどで、移転完了は12年度以降にずれ込む見通し。 "[he-forum 15879] 読売新聞鳥取11/1 読売新聞鳥取版2010年11月1日付 医療専門職 確保に躍起 病院単独の対策に限界  都市部への偏在や慢性的な不足が指摘される医師、看護師だけでなく、臨床工学技士や診療放射線技師といった様々な専門職の確保に、県内の医療機関が頭を悩ませている。地元に養成機関がなく、学生にキャリアアップのための都会志向が強いことなどが要因だ。大がかりな採用キャンペーンに乗り出し、一定の成果を挙げた病院もあるが、「地域全体で対応を考える必要がある」との指摘も出ている。(桑田睦子)  「かなりの投資だったが、有為な人材を集めることができた。病院の雰囲気を生で感じてもらえたのが良かったかな」。鳥取大病院の早川幸子・病院長特別補佐は胸をなで下ろす。  同病院は8月、初の全職種合同説明会を鳥取大米子キャンパスで開催。研修医と看護師のほか、▽臨床工学技士▽診療放射線技師▽薬剤師▽臨床検査技師▽理学療法士▽作業療法士▽言語聴覚士▽管理栄養士――の8職種で人材を募った。  東北、九州の学生を含む計82人が参加した説明会では、職種ごとに現役スタッフが体験談を交えて業務内容を説明、職場見学も受け入れた。「この病院で働く具体的なイメージを持てた」と好評で、特に8職種は、その後の採用試験を通じて来年度の採用予定数をすべて確保できたという。    ■    □  鳥取大病院の求人活動は昨年まで、各職種でばらばらに行われていた。だが、人工透析・人工心肺など高度医療機器の操作・保守を担う臨床工学技士は、計画数の13人に5人足らず、薬剤師も毎年、2人程度の中途退職者を埋められない。なぜか――。  臨床工学技士や診療放射線技師は県内に養成機関がない。県臨床工学技士会によると、県外の大学や専門学校の卒業予定者は、就職後の技量向上を念頭に症例の多い大都市圏の病院を志向しがちという。  同様に養成機関のない薬剤師は、2006年度に薬学部が6年制となった影響で10、11年度は新卒者が出ないことも人材不足に拍車をかけている。  そこで鳥取大病院は今年2月、院内横断のプロジェクトチームを作り、合同説明会に向けて民間企業並みの募集作戦を展開した。  各職種のスタッフが写真入りで登場するパンフレットを作り、全国の大学や専門学校に送った。大阪や岡山の駅構内にポスターを張り、地元ではテレビCMも放映。広報担当者は「トータルで数百万円をかけた」と打ち明ける。    ■    □  だが、採用数が少ない病院は、こうした打開策を打ちづらいのが現状だ。  智頭病院(智頭町)は、言語障害やのみ込みのリハビリを担う言語聴覚士が08年から不在。診療放射線技師も定年退職者を再雇用して人員を確保している。どちらも応募がない状況が続くが、寺谷和幸・事務次長は「募集枠は各1人で、費用対効果を考えると、病院単独で大々的な宣伝はできない」とこぼす。  県立厚生病院(倉吉市)も臨床工学技士が1人足りないが、国米洋一・事務局副局長は「都会の学生に目を向けてもらう妙案がない」と頭を抱える。  県は理学・作業療法士と言語聴覚士を目指す学生向けの奨学金制度を設けており、今年度は80人が利用している。受給した1・5倍の期間、県内医療機関に勤務すれば返済が免除される好条件だが、それでも定着率は7割程度という。  鳥取大病院の早川・病院長特別補佐は「就職後のキャリアアップの具体的な道筋を示すなど各医療機関の努力も不可欠だが、今後は病院や自治体が連携し、県内の医療現場でのやりがいをアピールすることも必要では」と話している。 "[he-forum 15880] 日本経済新聞11/2 日本経済新聞2010年11月2日付 横国大・横浜市大、医療通信研究へ共同拠点 横須賀に  横浜国立大学と横浜市立大学は情報通信の研究集積拠点「横須賀リサーチパーク」(YRP、神奈川県横須賀市)内に医療用通信システムの研究拠点を開設する。2011年3月に本格稼働し、無線技術を使った認知症患者などの行動追跡システム、カプセル状の内視鏡を使った治療方法などを研究。周辺の研究機関と連携しながら、早期実用化を目指す。  YRPは横須賀市などが開業し、NTTドコモやNECの研究拠点などが入居している。横浜国大などはこれらの研究拠点と連携できると考えた。  両大学が独立行政法人の情報通信研究機構(NICT)、フィンランドのオウル大学と組んで、YRPのベンチャー棟内に共同研究拠点を開設する。研究者は約40人。  重点研究分野としているのが、「UWB(超広帯域)無線」と呼ばれる高速通信技術を使ったシステム。専用端末から発する情報を、約100メートル離れた受信機で読み取れる特長がある。  病院内に受信機を設置すれば、認知症患者が病院内のどこにいるかを把握できるという。現在主流のICタグを使った無線システムでは、端末は受信機に数メートル以内に近づけないと情報が読み取れない。病室のドアの出入り確認程度しか使えず、患者の行動を詳細に追跡するのは難しい。  カプセル状の内視鏡を使った通信システムの研究も進める。この通信技術を使い、カプセルが体内にある状態で、ハイビジョン画像でリアルタイムで内臓の様子がわかるシステムを目指す。体内の状況が細かく把握できるように、カプセルに内蔵した2つの超小型カメラが上下左右に動かせるようにする。  高画質の医療用動画像を遠隔地間で送受信できるよう衛星通信を使った実験も実施する。  横浜国大は通信工学研究で強みを持つが、医学部など医学分野の研究機能は備えていない。一方、横浜市大は医学部がある。両大学が組むことで、通信工学と医学を連携した研究を推進していく。オウル大は携帯電話端末世界最大手のノキアと連携するなど情報通信分野の研究が活発という。 "[he-forum 15881] 朝日新聞11/2 朝日新聞2010年11月2日付 大学運営予算の確保、国に要望へ 国立大学協会が決議  全国86の国立大などでつくる国立大学協会(会長=浜田純一・東大総長)は1日、高知市内で総会を開き、2011年度の予算編成で削減のおそれがある運営費交付金などを確保するよう、政府に要望する決議をまとめた。  同交付金は国立大の運営資金の柱だが、金額は減少傾向にある。さらに来年度の予算編成では1兆円超の特別枠を各省庁が競うため、十分な予算額が回ってこない可能性がある。こうした状況に危機感を強め、予算が削減されれば「我が国の高等教育・研究の基盤は根底から崩壊する」「国際的な競争力を失わせ、国力を衰微させていく」などと決議した。 "[he-forum 15882] 北海道新聞11/2 北海道新聞2010年11月2日付 「不断の努力が大切」 ノーベル賞・鈴木さん 日本記者クラブで講演  今年のノーベル化学賞受賞が決まった鈴木章北大名誉教授(80)が1日、東京・日比谷の日本記者クラブで講演した。国立大学や研究機関への予算措置について「全く独立した機関をつくって、(予算配分を)判断するべきだ」と提言した。  「研究内容にかかわらず、教授の有名度や地位で国の予算配分が決まっているのでは」との質問に答えた。  鈴木氏は「それは感じる」とした上で「(予算配分の判断には)政府や政府と関係がある人を除く一方、研究レベルが分かっている人でないと意味がない。難しいことではあるが、そうした第三者による機関をつくれれば、理想的だ」と説明した。  ノーベル賞に決まった有機化合物を簡単に作る画期的方法の発見については、「チャンスは誰にでもある。ただ、努力してゆかなければ幸運の女神は絶対にほほ笑みません」と、職種にかかわらず不断 "[he-forum 15883] 河北新報11/2 河北新報2010年11月2日付 地域の医師や潜在看護師の研修支援 山形大が新制度  地域の医療機関に勤務する医師の専門医・認定医資格の取得や離職した看護師の復職を後押しするため、山形大医学部は1日、二つの研修制度を新設し、研修を受ける医師・看護師の募集を始めた。  専門資格の取得を支援するのは、地域医療システム講座内に新設した「高度医療人研修センター」。地域病院に籍を置いたまま山形大病院(山形市)に勤務し、研修を受けられる。従来は病院を退職し、医局に入る必要があり、地域病院側には「引き抜き」の懸念や抵抗感があった。  特定の病気や治療方法に関する医師の知識や技術を認証する専門医・認定医資格は、各分野の学会が指定する病院で一定期間の勤務経験を必要とする。山大病院は55資格の指定を受けている。  山下英俊医学部長は1日の記者会見で「地方の医師不足解消に即効性はないかもしれないが、地元定着につながるよう期待したい」と述べた。  一方、資格を持ちながら医療現場を離れている「潜在看護師」の復職を支援するリフレッシュ研修制度も医学部内に設けた。同趣旨の既存制度に比べ、非常勤職員として山大病院で働きながら研修を受けられる点が特徴で、経済面での不安を解消する。  いずれの研修制度も、医学部や山大病院の現場でマンツーマンに近い状態で指導を受け、内容や期間は本人の経験や希望などに応じて決める。募集枠や募集期限も設けない。  山下医学部長は「高齢化と技術の進展で、医療需要は質も量も伸びている。大学と地域医療機関が人材を取り合うのではなく、大学の教育機能の充実を通じ、地域への人材供給機能を果たしていきたい」と強調した。 "[he-forum 15884] わかやま新報10/30 わかやま新報2010年10月30日付 来年4月和大大学院に観光学研究科  和歌山市栄谷の和歌山大学(山本健慈学長)は29日、 来年4月から国際的、 専門的に観光やまちづくりに取り組みトップマネジメントとして活躍できる人材 「観光まちづくりコーディネーター」 を育成する 「和歌山大学大学院観光学研究科 観光学専攻」 を新設すると発表した。  同大学は平成19年に経済学部観光学科を設置し、 翌年は観光学部「観光経営学」と「地域再生学」 の二つの学科を設置したが、 観光を中心としたまちづくりの第一線で活躍する人材を輩出するには、 同学部だけでは難しいとし、 ことし5月に文科省に申請。 今月29日付で設立が認められた。  大学院では、 現在観光学部にある2つの学科を専門的に学習する空間創造系科目、 交流企画系科目を新設しスキルアップを図る。 卒業後は、 地方自治体組織、 地元の観光協会などに公務員として就職を目指していく。  大橋昭一観光学部長は 「観光の原点は人を動かすということ。 今までと同じことをやるのではなく、専門的な人材を育てていかなければ」 とし、 観光省の企業アンケート 「まちづくりコーディネーター」は必要であるか」 という質問について 「ニーズはあると考えている。 日本をリードし、 県にとっても大きな財産になる」 と期待を寄せている。 修業期間2年、定員5人(社会人若干名含む)。入試は次の通り。  一般入試=1英語筆記試験2小論文試験 (日本語または英語による解答) 3研究計画書の内容に基づく面接▽社会人入試=1小論文試験 (同) 2研究計画書の内容に基づく面接 出願期間=12月16~24日▽試験日=23年1月29日▽合格発表=2月4日▽入学手続き=同月13日 "[he-forum 15885] 「代償措置」では組合の存亡に関わる 「代償措置」では組合の存亡に関わる      佐賀大学・理工 豊島耕一 「人勧準拠」による賃下げがなされようとしているときに,これを阻止 する有効な戦術について全国的な議論が無いのは不思議なことだと思い ます.それぞれの国立大学が「独立」法人であると言いながら,実際に は文部科学省による一元的な支配が強く,全国の組合が協力・共同する ことがとても重要だからです.もっぱら新聞記事の転載の場に化した感 のあるこのMLですが,このような組合にとっての重大局面では本来の 「フォーラム」の機能を復活させてはいかがでしょうか.それもねらっ て,この賃金問題への組合の取り組み方について,私見を述べます. ディスプレイの画面にはちょっと収まらないので,目次を付けます. 目次 1.問題の背景と我々の取るべき基本的姿勢 2.組合の存否に関わる問題 3.目標に価する目標を掲げなければエネルギーは生じない 4.説得力は行動を伴ってこそ生じる 5.組合の本気の行動は,各大学当局に独立自尊のパワーを付与する 6.「原則論」ではなく現実論 1.問題の背景と我々の取るべき基本的姿勢 独法化され「非公務員」とされたいま,われわれの賃金が人勧に従わな ければならない法的根拠は全くなく,国立大学がこれに追従するのは もっぱら,悪名高い「法的根拠の無い行政指導」以外には理由が見つか りません.そのような不透明かつ無法な官僚支配と,これへの大学の追 従姿勢に対して,学者・研究者がその多くを占める国立大学の組合が 「本気で」異議を唱えないというのでは,知識人としての社会的責務に 背いているとさえ言うべきでしょう. 「代償措置」などではなく,またタテマエとしてではなく本気で,賃下 げそのものを阻止することを目標にすべきで,そのための戦略・戦術を 検討すべきです.戦術には当然ストライキも含まれます. なぜそのような姿勢を各大学の組合が取ろうとしない,二の足を踏む最 大の理由は,「世間のバッシングが恐い」ということではないでしょう か. 現在の日本社会の雰囲気は,ほとんど「下並び主義」とも言えるほど, 自分よりも少しでも条件のよい人に対して「足引っ張り合い」をするよ うなものになっています(これが世界中で日本だけが不況に取り残され る原因かも知れません).とりわけ公務員はまるで昔のヨーロッパにお ける「ユダヤ人狩り」の対象のようなターゲットにされています.国立 大学教職員の賃金もその大半が税金によることから,賃金問題では公務 員と同一視されるでしょう. しかしこのような社会のメンタリティーに対しては,これに正面から挑 む,チャレンジすることでしか活路は開けないと思います.それは次の ような理由からです. 2.組合の存否に関わる問題 何よりも,この問題でどう成果を出せるか,つまり賃下げを阻止できる かどうかは,組合の存否に関わる問題だということです.公務員に「横 並びする」という,理由にならない理由での賃下げも阻止できないよう では,組合の存在意義はほぼ無くなるからです.じっさい,組合員拡大 の働きかけをした際に,まさにそのような理由を言われて「入る意味が ない」と断られたという話も聞きます.このような「結果を出せない」 状態が続けば,組合はジリ貧になっていくことは必然です. 3.目標に価する目標を掲げなければエネルギーは生じない 組合活動の燃料,エネルギー源は,目標実現への組合員の集団意志で す.個々の組合員をエンパワーしてこのエネルギーを生成・増殖するよ うな目標を掲げなければ,運動は進展しません.そのような非線形のプ ロセスを起動できるかどうかに成否がかかっています.はじめから「ホ ンネは代償措置」ということでは,組合員は自ら参加しようという気は 起こらず,「執行部でやってくれ」ということにしかならないでしょ う.これでは代償措置さえも貧弱なものに終わるでしょう. 4.説得力は行動を伴ってこそ生じる 「ストをやるにしてもまずその前に世論に訴え,下地を作ってから」と いう言い方もあるようですが,これは決して現実的な対応とは言えませ ん.ストを含む「覚悟ある行動」を伴って初めて「世論に訴え」ること が出来ます.われわれがメディアを掌握しているわけではありません. 集会や署名だけでは十分に国民に声を届けるのは無理です.それだけで 効果を持つ「訴え」になりうると考えるのは非現実的です.こと賃金問 題に関するかぎり,「行動による説得」だけが政治的に有効なものだと 思います. その行動=説得が有効性を持てば持つほど,これに対する反動も大きい でしょう.つまり「バッシング」は十分に覚悟しなければなりません. その時,弁解じみた態度を見せてはならず,堂々と受けて立つことが重 要です. 5.組合の本気の行動は,各大学当局に独立自尊のパワーを付与する どの大学の執行部も,「独立」法人になったにも関わらず,「うちだけ ではどうしようもない」という態度を取るようです.しかし各大学の内 部で「騒動」が起きれば,文科省に従順に従えないという理由(口 実?)を大学当局に提供することができます.組合はそのようにして当 局を「応援」すべきです.大学当局も,これほど強く批判されながらも 綿々と続く「官主導」のシステムに従順であることが,いかにわが国の 高等教育を台無しにしているかに気付く機会と受け取るべきです. 6.「原則論」ではなく現実論 このような言説に対しては必ず「それは原則論だ.現実的でない」とい う「反論」が返ってくると思います.しかし本当にそうでしょうか.今 や名目的にも合法な実力行使=ストを視野に入れることに,一体どんな リスクがあるのでしょうか?もちろん闘いのプロセスの中で撤退や方向 転換を迫られることはあるでしょう.その時はその時で柔軟に対応すれ ばいいのです.現在の大学の組合の状況は,枯れ尾花に怯えるような, ウルトラ弱腰と言えるようなものではないでしょうか.そのような組合 には,繰り返しますが「ジリ貧=消滅」という現実しか待っていないと 思います.項目2で述べたような観点からすれば,現在の事態というの はむしろ「組合攻撃」であると見なすべきではないでしょうか.このよ うな理不尽な不利益変更に大した抵抗も出来ないだろうと見くびられた 上での攻撃です. 民衆の怯懦こそが最大の罪であるという,映画「Vフォー・ヴェンデッ タ」の台詞を最後に書きとどめておきたいと思います. 「罪ある者を探すなら,鏡を見よ」 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 15886] 時事通信11/2 時事通信2010年11月2日21時30分 政策コンテスト、公募意見は36万件=10日にも公開ヒアリング  2011年度予算に盛り込む1兆円超の特別枠配分を決める「政策コンテスト」をめぐり、政府が実施した意見公募(パブリックコメント)に寄せられた意見が、計約36万2000件に上ったことが2日、明らかになった。対象は各省庁が特別枠として要望した189事業(約2.9兆円)。4日に開く特別枠に関する評価会議(議長・玄葉光一郎国家戦略担当相)で集計結果を公表する。  政府は10日から3日間、各省庁に対する公開ヒアリングを実施する方針。公募意見も参考にしながら、12月初旬をめどに各事業を4段階で評価する方向だ。  意見公募は「予算編成透明化」の一環として9月28日から3週間にわたり実施。小学校の少人数学級化や国立大学の運営費交付金など、文部科学省要望に対する意見が多数を占めた。 "[he-forum 15887] he-forum 15885の転載と佐賀大学組合のニュースの紹介 佐賀大学の豊島です.2日の次の投稿を,わずかな字句修正をしてウェ ブに転載しました.(転載,リンク歓迎します.) [he-forum 15885] 「代償措置」では組合の存亡に関わる http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/kumiai/whyjinkan.html ミラー http://ad9.org/pegasus/kumiai/whyjinkan.html なお,佐賀大学の組合のHPは更新が遅れていますが,情宣部のページ には組合ニュースを2件掲示していますので,どうぞご覧下さい.うち ひとつは賃金問題に関するものです. http://homepage2.nifty.com/union-saga-u/saga/josen/josen.html 「科学者への米軍資金流入が問題になっています」 (組合ニュー スNo.11, 10月22日) 「『人事院勧告』による再度の給与の引き下げを食い止めよう」 (組合ニュースNo.12, 10月28日) 組合のHPは次です. http://homepage2.nifty.com/union-saga-u/ 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 15888] 中国新聞11/3 中国新聞2010年11月3日付 広島大学長選公示 24日投票  来年3月末の任期満了に伴う広島大学長選が2日公示された。現職の浅原利正氏(64)だけが候補者で、投票は24日。開票の25日、学内外の8人でつくる学長選考会議が総合的に判断して決定する。  大学によると、学長選考規則に候補者1人の場合の定めがないため選挙をする。有権者は、大学や付属校で一定の役職以上の教職員約1200人で、人数は23日に確定する。投票率が50%未満の場合は再投票する。浅原氏が再選されると任期は2年間。 "[he-forum 15889] 時事通信11/5 時事通信2010年11月5日15時59分 国立大評価、7校が「やや遅れ」=9割は「順調」-文科省  文部科学省の国立大学法人評価委員会は5日、全国の国立大など90法人に対する2009年度の業務実績評価を公表した。9割以上の法人が順調と評価された半面、7大学が「やや遅れている」とされた。  各法人は、国立大が法人化された04年度から09年度まで6年間の中期目標に基づき、各年度の計画を作成しており、同委員会は毎年、「業務運営」「財務内容」「自己点検・評価」「その他」の4項目について計画の達成度を5段階で評価している。  中期目標の最終年度に当たる09年度は、順調と評価された大学が増加するなど改善が進んだ。一方、教職大学院と法科大学院の苦戦が目立ち、学生数が収容定員の9割に満たなかった大学は、教職大学院で6校、法科大学院4校と、前年度よりそれぞれ2校と3校増えた。 "[he-forum 15890] 下野新聞11/5 下野新聞2010年11月5日付 理工系受験生は参加を 7日、宇大で進学フェア 6大学合同、国立初  北関東・南東北の国立6大学の理工系学部が一堂に会する「理工系進学フェア」が7日、宇都宮大工学部オープンキャンパスの一環として宇都宮市陽東7丁目の同学部で開かれる。国立大7件としては初めての試みで、同学部は「高校生が適切な進路選択をできるよう情報を提供したい」としている。  フェアに参加するのは宇都宮大のほか、山形大工学部、福島大共生システム理工学類、茨城大理学部・工学部、筑波大理工学群、群馬大工学部。それぞれのブースを設け、教育・研究内容を紹介する。  同学部によると、学科内容ではなく偏差値重視で受験する学生は少なくない。その結果、学科への興味が持てず意欲を低下させる傾向があるという。  オープンキャンパスでは「受験生が知ってためになる講演会」「理工系大学教授が解説する高校物理・化学・数学・英語のツボ」といった講演も開催。所要時間30分の研究室探訪ツアーなども行われる。  午前10時から午後3時までで、事前申し込みは不要。JR宇都宮駅東口から20分間隔で無料送迎バスが運行される。詳しくは同大工学部総務係、電話028・689・6005またはホームページhttp://www.eng.utsunomiya-u.ac.jp/ "[he-forum 15891] 四国新聞11/5 四国新聞2010年11月5日付 団塊世代の経験を地域の活性化に/香川大と高松市  香川大と高松市が協力・連携する事業について意見交換する連絡協議会の2010年度会合がこのほど、香川県高松市幸町の同大であった。保健師の人材育成などこれまで連携してきた事業を継続するほか、来年度以降は定年退職した団塊世代の経験を、地域活性化に結び付ける方策について検討することなどを申し合わせた。  今後の連携事業ではほかに、中心市街地などの空き家の有効利用や、南海地震に備えた防災拠点形成プロジェクトなどについて双方から提案があり、担当部局間で協議を進めることを確認した。  同大と同市は08年6月、政策研究などに連携して取り組むため協定を締結した。10年度会合には、大学から田港朝彦副学長や各学部長、市側からは岸本泰三副市長や各部長らが出席した。 "[he-forum 15892] 中日新聞三重11/6 中日新聞三重版2010年11月6日付 エコ大学 三重大が全国1位  全国の大学の温暖化対策を評価する「エコ大学ランキング」で、三重大が国立大部門と総合の1位に輝いた。内田淳正学長や学生らが4日、東京都内で表彰式に出席した。  同ランキングは、各大学の二酸化炭素(CO2)排出状況や気候変動対策を点数化し、順位付けした。環境サークルの大学生などでつくる「Campus Climate Challenge実行委員会」が、温室効果ガスの削減を促そうと昨年から始めた。  CO2排出量や温暖化対策などの項目別採点で、三重大は国公私立大計151校の中で最高点を記録。環境関連講義の受講率の高さや学生へのエコバッグ配布、学内の古紙をトイレットペーパーに再利用する独自対策などが高く評価された。  内田学長は「教職員と学生が一体となった取り組みを評価してもらえた」。学内で環境対策に取り組む環境ISO学生委員会の平野穂波委員長(生物資源学部2年)は「今後も環境活動で世界一の大学を目指したい」と話した。 (古谷祥子) "[he-forum 15893] 中国新聞11/6 中国新聞2010年11月6日付 山口大は1億2600万円が不当  山口大の公的研究費をめぐる不正経理問題について、会計検査院は5日、菅直人首相に提出した検査報告で2004~09年度に計約1億2600万円の不当な支出があったと指摘した。  検査報告によると、工、医学部などの教授、准教授計15人が関与していた。業者に対し、研究用の消耗品などの名目で架空取引をするよう指示。虚偽の納品書や請求書の発行により大学に代金を支払わせ、その金を業者に研究費としてプール。実際はパソコン約170台やデジタルカメラ約100台などを買っていたという。  検査院は、資料の残る大学の独自経費を中心に調べた。国からの補助金などは対象外。不正経理問題では、山口大が9月、1998~09年度に31人が関与し、国の補助金も含めて計約1億9千万円の不正経理があったとする調査結果を公表している。今回の会計検査院の検査報告は、山口大公表分と重複している。 "[he-forum 15894] 信濃毎日新聞11/6 信濃毎日新聞2010年11月6日付 信大、医学部の「県内枠」増員へ  信大(本部・松本市)は5日、2011年度入試の募集要項を発表し、願書の配布を始めた。一般選抜の募集人員は7月に選抜要項を発表した際と変わらない1597人。県内の医師不足解消に向け、医学部医学科で2人の定員増を文部科学省に申請しており、県内高校生が対象の推薦入試「県内枠」で増員する。  出願期間は前後期とも来年1月24日~2月2日。試験日は前期が2月25日、後期が3月12日。一部の学部・学科は試験を2日間行う。問い合わせ、募集案内の請求は信大入試課(電話0263・37・3450)へ。 "[he-forum 15895] 愛媛新聞11/6 愛媛新聞2010年11月6日付 女性研究者育成策探る 愛媛大でシンポ  女性研究者の支援や採用拡大を目指す「愛媛大女性未来育成センター」の事業開始を記念したシンポジウムが5日、松山市文京町の同大であり、学生や教職員ら約180人が講演を通じ、男女が共に輝く社会のあり方を探った。  愛媛大では、学生約8000人中、女子学生が40%を占めるのに対し、教員のうち女性は12%にとどまっている。こうした状況を問題視し、2010年度の文部科学省モデル育成事業の採択を受け、女性未来育成センターを中心に、女性のキャリア形成や育児サポートを推進。20年度までに女性教員比率を20%に上げることを目指す。  シンポでは、文科省科学技術・学術政策局基盤政策課の板倉周一郎課長が講演。国や全国の大学での女性研究者支援策を紹介した。 "[he-forum 15896] 富山新聞11/9 富山新聞2010年11月9日付 富山大次期学長に遠藤氏 選考会議、2度の投票で決着  富大の学長選考会議(議長・中島恭一富山国際大学長)は8日、同大五福キャンパスで開かれ、次期学長に遠藤俊郎富大附属病院長(64)を選んだ。会議では候補適任者3氏と面接した上で、委員19人が投票を行い、意向調査(投票)の結果を得点化して合算、2度目の投票で遠藤氏が過半数を獲得した。遠藤氏は「3大学統合時の覚書を発展的に見直し、人事、財務管理を一本化して、一つの機能体としての富大をつくり上げたい」と抱負を述べた。遠藤氏の任期は2011年4月1日から4年間。  会議では初めに、教職員対象の意向調査では平井美朗富大理事・副学長(62)が448票(得票率43・0%)次いで遠藤氏が392票(同37・6%)、富山産業保健推進センター所長の鏡森定信富大名誉教授(67)が202票(同19・4%)だったことが報告された。引き続き、3氏が所信を述べ、委員との質疑応答が行われた。この後、委員(学内9人、学外10人)が審議したが、合意に至らず、無記名投票を実施した。  投票による選考は、委員の投票で各候補が獲得した票数と、委員の有効票数に各候補の意向調査の得票率を乗じた持ち点を合計し、総得点38の過半数を得た候補を学長とする方式で行われた。第1回の投票では遠藤氏18・1、平井氏16・2、鏡森氏3・7の順だったが、遠藤氏が過半数に至らず、上位2氏による第2回の投票で遠藤氏が19・9を獲得した。平井氏は18・1だった。 ●えんどう・しゅんろう 1971年東北大医学部卒。同大附属病院助手を経て79年に富山医薬大(現富大)附属病院手術部助教授、99年に医学部脳神経外科学講座教授。富大附属病院副病院長などを務め、2009年4月から病院長。専門は脳血管障害の外科治療など。仙台市出身、富山市在住、64歳。 "[he-forum 15897] 朝日新聞富山11/9 朝日新聞富山版2010年11月9日付 富山大の次期学長に遠藤氏 事前の意向調査また覆る  富山大学の次期学長を決める学長選考会議(中島恭一議長)が8日、富山市の五福キャンパスで開かれ、会議メンバーによる投票などの結果、同大付属病院長の遠藤俊郎氏(64)が選ばれた。遠藤氏は教職員らによる事前の意向調査(投票)では2位で、2008年の前回と同じく調査結果は覆った。任期は来年4月から4年間。  10月にあった意向調査では、同大副学長で理事の平井美朗氏(62)が448票、遠藤氏が392票、同大名誉教授の鏡森定信氏(67)が202票を得た。学内と学外のメンバーで構成する選考会議では、「調査結果を中心に十分審議する」ことによって次期学長を決めることになっていた。だが、「協議によって決定に至らず、議長から投票を提案して合意を得た」(中島議長)ため、今回は会議メンバーだった遠藤氏を除いた19人による19票と、意向調査結果を同じ19票として案分して合算し、計38票で争うことになった。  その結果、遠藤氏が18.1票(選考会議は11票)、平井氏が16.2票(同8票)、鏡森氏が3.7票(同0票)だった。過半数の獲得者がおらず、上位2人に絞った2度目の投票をした。2度目は、遠藤氏が19.9票(同11票)、平井氏が18.1票(同8票)で、遠藤氏が過半数に達した。  遠藤氏は会議後に記者会見し、「富山大で執行部の経験はないが、旧医科薬科大での経験も生かしていきたい」と話した。意向調査で2位だったことについては「結果は現場の意見なので心にとめていく。一つにまとまってやっていきたい」と語った。     ◇  2008年12月にあった前回の学長選考では、現学長の西頭徳三氏ら3人が推薦され、11月にあった2度の意向調査で、西頭氏はいずれも1位に大差をつけられ、投票総数の約2割しかとれず最下位だった。だが、その後の学長選考会議で議長を除く学外9人と学内11人の会議メンバーによる投票で、西頭氏が最多の11票を得て再選された。  この結果に、8学部のうち経済、人文、人間発達科学、理学、医学、薬学の6学部の教授会が「大差のついた意向調査の結果を前にして最下位を選任した決定は、他の国立大学法人でも類例はない」などと、異議や選考方法の見直しを求める声明を出す異例の事態が起きた。西頭氏は再選後、ルールの見直しを掲げた。  新メンバーによる学長選考会議は今年6月、(1)会議によって5人程度に絞り込まれた被推薦者に対し、意向調査を1回行い、得票上位3人を絞り込む(2)会議が「実績や運営方針と意向調査結果を中心に十分審議して」3人の中から1人を決定する(3)審議が不調の場合は、会議メンバー20人による投票と意向調査結果を20票として案分した結果を合算し、計40票の行方によって最終決定する――など、従来よりも意向調査の結果に比重を置く改革案を示した。(雨宮徹) "[he-forum 15898] 朝日新聞宮崎11/9 朝日新聞宮崎版2010年11月9日付 宮崎大の経済効果475億円 県観光消費額の約半分  宮崎大(菅沼龍夫学長)は同大が地域に及ぼす経済効果について初めて発表した。同大の県内生産誘発額を、2008年の県観光消費額の約半分に匹敵する475億円と算出。約6千人の雇用を生み出しているともはじいた。  地域政策財政学が専門の入谷貴夫教授(教育文化学部)が、08年度の決算などを元に試算。県内生産誘発額は、学生や教職員が物を買うなどといった「直接効果」に加え、それらの消費で潤った企業の従業員が物を買うなどといった「波及効果」も含めて算出した。  直接効果の内訳は、教育・研究活動で生じる需要が約82億円▽学生や教職員の消費が約149億円▽学会や講演会、入試、オープンキャンパスの経済効果が約62億円――など。県内生産誘発額は、同規模の山梨大(415億円)や三重大(428億円)よりもやや多い一方、隣県の熊本大(1014億円)や鹿児島大(867億円)に比べると少なかった。  5日に記者会見した菅沼学長は「大学への交付金が削減対象となり危機感を抱いている。大学が経済や人的貢献などで地域に及ぼす効果を考慮し、国は、教育・研究の質が低下しないよう予算を確保してほしい」と述べた。 "[he-forum 15899] 西日本新聞社説11/7 西日本新聞社説2010年11月7日付 奨学金 格差解消へ抜本改革求む  文部科学省は来年度政府予算の概算要求に、所管の日本学生支援機構が高専や大学、大学院などの学生に貸与する奨学金の大幅拡充を盛り込んでいる。  家庭の所得格差が若者の学ぶ意欲に影を落としている。経済格差が教育格差につながるとすれば、教育の機会均等の理念からも由々しき事態である。文科省は実現に全力を挙げてもらいたい。  返済不要の給付奨学金を含め公的な奨学金制度が充実している欧米に比べ、日本が貧弱であることは論をまたない。  2010年度に支援機構の奨学金を受けている学生は118万3千人と、この10年間で2倍近く増え、大学生に限れば3人に1人が利用している。しかし、そのすべてが原則返済が必要な貸与制だ。しかも有利子型が7割を占め、無利子型の利用者は34万9千人にすぎない。  無利子型奨学金は親の所得や本人の学業成績に一定の基準がある。だが、毎年2万6千人ほどが基準を満たしながらも貸与枠の不足から受給できず、有利子型を利用せざるを得ない状況だという。  このため文科省は来年度、無利子奨学金の枠を3万7千人増やし、基準を満たす希望者全員に行き渡るようにする。さらに、有利子型の枠も増やし、貸与対象者を全体で130万7千人にする計画である。奨学金は若者の学ぶ機会を保障する仕組みの一つであり、不況で家計があえぐなか、拡充は待ったなしだ。  この際、奨学金制度の抜本改革を求めたい。今年3月、経済団体の経済同友会が公表した提言が大いに参考になる。  経済協力開発機構(OECD)の最新調査によると、国内総生産(GDP)に占める日本の公的な教育支出の割合は2007年、28カ国中で最下位だった。格差が際立つのが大学などの高等教育で、全教育支出に占める公費負担割合は32・5%とOECD平均の半分以下だ。その分、私費負担の割合が大きいのだ。  同友会は、近年のこうした現状を憂慮して、具体的に(1)希望者全員への奨学金貸与(2)返済免除規定の拡大(3)給付奨学金の導入-の3点を提言している。  (1)は概算要求が通れば、ほぼ実現するかもしれない。だが、それでも返済義務はのしかかる。残り2点は、現行の貸与奨学金の弊害を補う狙いがある。  返済免除規定の拡大は、本人の卒業後の年収に応じて返済額を減免する所得連動型返済が念頭にある。英国やオーストラリアなどで導入されており、社会人としての自立を支援しているという。  給付奨学金は文字通り、返済義務がない。もちろん、所得制限や成績基準はあるが、欧米ではこれが一般化しており、こうした奨学金をはじめ高等教育に多額の公費が支出されているのだ。  経済的理由で進学が困難な若者は社会全体で支えることも必要だ。そのためには授業料減免などの拡充も不可欠だろう。若者の学ぶ意欲を摘まないよう、あらゆる努力を惜しんではならない。 "[he-forum 15900] しんぶん赤旗11/9 しんぶん赤旗2010年11月9日付 「予算、長い視点で」 群馬大学長と宮本議員懇談  日本共産党の宮本岳志衆院議員、小菅啓司群馬県委員長、伊藤ゆうじ、酒井ひろあき、関口直久の各県議予定候補らは8日、群馬大学を訪れ、高田邦昭学長に大学の危機打開に向けた党の政策を手渡し懇談しました。  宮本議員は、大学運営費交付金の削減問題での国会論戦や、各地の大学での懇談の様子を紹介。「ただでさえ財政的に大変な中で、基礎的経費を削って競争的経費に振り向けていくやり方は、特に教員養成系の大学ではとんでもないことになるという声が各地であがっている」とのべました。  高田学長は、学生の知の基盤をつくり社会に送り出すことが大学の最大の任務であり、国民共通の財産としての存在意義があると強調したうえで、「大学は長いスパンで人づくりをしている。毎年お金がどうなるのかわからないようでは非常にやりにくい。中長期的な視点で予算配分をしてほしいというのが正直な思いだ」とのべました。  また高田学長は、医学部付属病院の運営の深刻な実態を語り、国の支援を求めました。 "[he-forum 15901] 読売新聞香川11/9 読売新聞香川版2010年11月9日付 医師育成 香大に拠点 6病院連携実習増  地域の医療を担う人材を育成する「地域医療教育支援センター」が、県の寄付で香川大医学部付属病院に設置され、来年4月に本格的に始動する。県内の病院と連携し、医学部生に現場を体験してもらう実習などに取り組む計画で、センター長には大森浩二・同大医学部准教授が就任。他のスタッフも決定し、9日に浜田知事と一井真比古学長が、運営などに関する協定を締結する。  支援センターの設置は、地域医療の課題解決に向け、県が昨年12月に策定した今年度から4か年の再生計画の一環。医師確保などが目的で、県が同大学に総額1億4000万円を寄付し、今年7月につくられた。  来年4月から、新しい科目「地域医療実習」をスタート。医学部5、6年生の全員を対象に、県内の医療機関で5年生は1週間、6年生は計12週間、実習する。同大学ではこれまで、同様の実習は半日から1日にとどまっていたといい、学生が現場で学ぶ機会を大幅に増やす。現在、三豊総合病院(観音寺市)など県内の6病院で学生を受け入れることが決まっており、同大学は今後、さらに増やしたいとしている。  また、同大学医学部は、地域医療再生基金のうち2億円を活用し、拠点施設「香川地域医療・キャリアサポートセンター(仮称)」の建設を計画、来年度中の完成を目指している。  同大学はこれらの組織、施設を軸に、人材育成のための包括的な支援体制を整備する考えで、研修プログラムの研究開発などにも取り組むとしている。  支援センターは「入学から卒業前、卒業後にわたる教育のほか、医師や看護師、検査技師など医療にかかわるすべての人材の教育、サポートなどを強化していきたい」としている。県医務国保課は「人材の地域間の偏在を是正するとともに、県内の医師確保、育成、定着につなげていきたい」と期待している。 "[he-forum 15902] 信濃毎日新聞社説11/8 信濃毎日新聞社説2010年11月8日付 奨学金制度 社会の支援広く厚く  大学や大学院の学費を補う奨学金制度は、学生の頼みの綱だ。その柱が、独立行政法人日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金である。およそ118万人が利用している。  奨学金は原則として卒業後に返す「貸与型」。この返還が滞る人が、年々増える傾向にある。2008年度の未返済額は過去最高の723億円に上った。  奨学金の原資には、政府の貸付などのほか、返還金も充てられる。延滞は見過ごせない。文部科学省は先ごろ、機構に対し回収の強化を求めた。  所得があるにもかかわらず返さない悪質なケースについては、厳しい対応もやむを得ない。ただ、返還が滞っている人の多くは、不況で就職がままならず「返したくても返せない」状況にある。こうした実態をくみとり、制度のあり方を見直すときにきている。  機構の奨学金は、成績や親の所得に応じ、無利子と利子付きの2種類がある。大学生の場合、支給額はいずれも月3万円から。卒業後に原則、最大20年で返還する。  機構が08年度に半年以上延滞した人を調査したところ、その理由のトップは「低所得」だった。  年収300万円未満の人が8割を超え、100万円を切る人も4割弱いる。正社員は3割ほど。派遣社員やアルバイトが最も多く、6人に1人は無職だ。若者を取り巻く雇用の現実である。  機構は返還猶予のほか、新たに月々の返還額を軽くする制度も始める。きめ細かな減免策が要る。  文科省は無利子の利用者枠を広げるため、来年度予算の概算要求に事業費を盛った。当然である。これまでは枠が狭すぎて、やむなく利子付きに回る学生がいた。  より根本の策として、返還が不要の「給付型」奨学金の創設に踏み切るべきだ。経済的に苦しい家庭の子が勉強に打ち込むには、給付型が大きな助けとなる。  欧米では給付型を拡充しているのに対し、日本は立ち遅れている。川端達夫前文科相は6月に創設を検討する考えを示したものの、その後具体化していない。  民間の力にも期待したい。  個人や企業、財団、団体がさまざまな奨学制度を設けている。子どもの貧困対策を重視し、福祉施設の入所児童やひとり親家庭の子を対象に、新たに給付型奨学金を創設する動きもある。こうした取り組みをさらに広げたい。  厳しい状況にある子どもが十分な教育を受けるには、社会全体で支えていくことが重要になる。 "[he-forum 15903] 朝日新聞11/10 朝日新聞 2010年11月10日5時1分 早すぎる就活、経済界で見直し議論 大学側から悲鳴  新卒者の採用活動の時期を見直す議論が経済界で本格化してきた。就 職活動の早期化と長期化で、大学3年生後半から授業が成り立たないと いう教育現場の声が強まっているためだ。日本経済団体連合会は、20 13年春入社の新卒者の採用活動について検討を始めた。  経団連には採用活動について定めた「倫理憲章」があり、例年、春か ら夏にかけてワーキングチームで倫理憲章の改定を話し合う。今回は、 半年以上早めて10月にチームを立ち上げ、検討を続けている。関係者 は「(早期化是正について)一定の結論を出すかどうか、年内か来年1 月までに何らかの方向性を出したい」と話す。  経済界で最初に動いたのは商社。42社が加盟する日本貿易会が10 月、13年春入社の新卒者から、現在は4年生の春に始まる採用活動を 夏以降に遅らせる方針を表明。近く経団連など経済団体に対し、経済界 全体で取り組むよう求める。  政府も経済界に働きかけている。高木義明文部科学相は10月、経団 連など経済団体に早期化是正を申し入れた。文科省、厚生労働省、経済 産業省の政府側と経済界、大学の代表が採用のあり方について話し合う 意見交換会が今月中に開かれる予定だ。  ただ、倫理憲章は強制力がなく、外資系企業には倫理憲章に参加して いないところも多い。  注目されているのが銀行業界の動き。採用人数が多く、商社と並んで 学生の人気も高いからだ。今のところ「現状の課題や採用活動を遅らせ た場合の弊害について、しっかり議論を深めた上で決定すべきだ」(全 国銀行協会)と慎重な姿勢だ。(山根祐作) "[he-forum 15904] 日刊工業新聞11/10 日刊工業新聞2010年11月10日付 日本IBM、福井大病院の「新総合医療情報システム」構築に着手  日本IBMは9日、福井大学医学部附属病院の電子カルテ用端末のデスクトップクラウド環境への移行と、電子カルテシステム群を仮想化技術で包括的に統合する「新総合医療情報システム」の構築に着手すると発表した。システム全体の運用管理の改善や端末管理の効率化、セキュリティー対策の強化が目的。2011年4月に稼働予定。  新システムでは現在32台のサーバで個々に運用されている電子カルテシステムと周辺システムをIBMのブレード(基板型)サーバに集約。電子カルテ端末はIBMが提供するクライアント環境仮想化サービスによって、デスクトップクラウド環境へ移行する。  これらデスクトップクラウドを含むすべてのサーバを仮想化技術によって計13台のブレードサーバに統合し、一元管理する。端末を含むシステム全体の管理を効率化し、従来に比べ端末1台当たりの運用管理費を3割削減できるという。 "[he-forum 15905] 朝日新聞秋田11/9 朝日新聞秋田版2010年11月9日付 この人に聞く:地域への医師定着、必要なことは? 茆原順一・秋田大病院長  70年に戦後初の国立大医学部として設立された秋田大医学部。県内外に多くの人材を輩出してきたが、近年は研修医の減少など課題も抱えている。また県内病院の医師不足も深刻さを増す一方だ。同大出身者では初めて付属病院長に4月就任した茆原順一さん(59)に、病院の取り組みや医師不足解消への課題を聞いた。【聞き手・岡田悟】  ◇大学と往復で人材育成 医療の質と将来性確保を  ●県内でも医師不足が叫ばれており、育成や派遣を担う秋田大医学部や付属病院への期待は大きい。  医学部設立時と06年の県内の人口10万人あたりの医師数を厚生労働省の資料を基に解析したところ、大幅に増えている。地域医療に果たしてきた役割は少なくない。県内で多くの出身医師が活躍しており、県全体の医療体制が不十分だとの指摘や批判には身を切られる思いがする。  ●卒業生の定着状況や、定着のための取り組みは?  (09年度の卒業生100人中、付属病院での初期臨床研修医11人は)多いとは言えず、反省しないといけない。(卒業生が研修先を自由に選べる)新医師臨床研修制度が04年度に始まる前から、この制度では地域医療がめちゃくちゃになると懸念していた。ただ、県内の他の研修指定病院にも卒業生の研修医はいる。  付属病院では、模型を使って内視鏡検査や心肺蘇生などを訓練する「クリニカル総合シミュレーションセンター」(仮称)を来秋にも設置する。県内の医師や看護師らへのキャリア教育を充実させ、県内医療全体の向上につなげる。初期臨床研修後に専門医研修を受ける医師も増やしたい。  ●医師定着のために必要と考える県内での取り組みは?  秋田は、医師1人あたりでカバーする面積が広い。そのうえJA秋田厚生連の新築病院の多くは交通アクセスが良くない。また医師数を増やすだけでなく、地域医療の質や将来性を維持することも重要だ。研修医をただへき地に派遣すればいいというわけではない。  医学部としては研修医一人一人の特性を見極め、将来に責任を持って教育する必要がある。  付属病院はダイナミックな教育システムとして有効だ。研修医が県内病院での一定期間の研修後、付属病院に戻ってより難しい症例に挑むなどキャリアアップし、再び他の医療機関で活躍するという方法を提案したい。実現には県内の研修指定病院の理解が必要で、丁寧に説明したい。  ●県や厚生連が打ち出した湖東総合病院(八郎潟町)再編論議で、県議会から「秋田大が医師派遣に難色を示している」との見方も出されたが?  秋田大が派遣している医師を引き揚げて(病院を)つぶすという考えはまったくない。教授の命令一つで医師を派遣したり引き揚げたりできる時代でもない。  秋田大医学部として言いたいことは、こちらの人材を有効に活用してほしいということ。行政や厚生連が地域医療への姿勢を明確にしたうえで、秋田大に求める役割を示せば、こちらもできる限りのことをする。 "[he-forum 15906] 四国新聞11/10 四国新聞2010年11月10日付 医療センターで連携/県と香川大が協定書調印  香川県内の医師確保や地域の医療機能強化を図ろうと香川県と香川大は9日、「地域医療教育支援センター設置に関する協定書」に調印した。香川県の地域医療再生臨時特例基金を活用し、来年4月から同大医学部生への修学資金の貸し付けや、香川県内の6病院で医学部生による臨床実習などを開始する。  同センターは、昨年10月に香川県が策定した香川県地域医療再生計画の一環で、同大医学部付属病院内に7月に設置。本年度からの4カ年計画で、同基金から1億4千万円を支出する。  この日、香川県庁であった調印式には、浜田恵造香川県知事と香川大の一井真比古学長らが出席。協定書にそれぞれ署名した後、浜田知事が「県民の命を守ることに全力を挙げる。香川大とのパートナーシップを着実に進展させたい」とあいさつ。一井学長は「医師の地域間格差を是正するとともに、地域の医療人として技術向上にもつなげたい」と成果を期待した。  同大によると、臨床実習などで連携する6病院は陶病院(綾川町)内海病院(小豆島町)坂出市立病院(坂出市)三豊総合病院(観音寺市)土庄中央病院(土庄町)さぬき市民病院(さぬき市)。医学部の5、6年生が1~12週間の実習で地域医療の現場を体験する。  2012年度中には同大に臨床教育開発棟を新設し、医学部生の卒業後の臨床研修プログラムや休職中、休職後の医師のキャリア支援なども行う。 "[he-forum 15907] 西日本新聞11/12 西日本新聞2010年11月12日付 宮崎大の経済効果475億円 初の試算「地域貢献」強調  宮崎大学(菅沼龍夫学長)は、同大が宮崎県内に及ぼす生産誘発額(経済効果)が年間約475億円に上るとの推計を発表した。同大教育文化学部の入谷貴夫教授(地域政策財政学)が、同大の決算(2008年度)や県産業連関表(05年)を基に分析。大学活動による直接効果と波及効果を合わせた経済効果を初めて算出した。  直接効果は、学生と教職員合わせた約8300人による消費約149億円をはじめ、教育・研究活動や施設整備の投資など計約299億円。これが新たな消費につながることで約176億円の波及効果があるとした。  これとは別に、波及効果を受けた企業利益などの付加価値誘発額は約282億円で、県内総生産(3兆5507億円)の約0・8%にあたるとしている。また県税と市町村税を合わせて約6億7千万円の税収効果があるほか、約6千人の雇用誘発があるという。  政府は、国立大学の運営費交付金などの予算削減方針を掲げている。こうした状況を受け、宮崎大は、同大の教育・研究活動の意義を示すため試算を出した。  菅沼学長は「本学は宮崎に安定的な経済効果をもたらしている」と強調。大学関連の交付金や補助金などが削減されれば「教育研究の質を維持できない可能性がある」と訴えた。 "[he-forum 15908] 共同通信11/12 共同通信2010年11月12日11時23分 学生支援機構が奨学金支給ミス 大学生ら1050人に  日本学生支援機構の奨学金を受けている大学生ら約1050人に奨学金が支給されないミスがあったことが12日、分かった。書類審査などが間に合わず、今月分の奨学金が支給日の11日に振り込まれなかったという。  同機構によると、支給ミスがあったのは今年4月から奨学金貸与を受け、返還誓約書の記載に不備があった学生。  機構は本年度から貸与開始の際に返還誓約書を義務付け、提出がない場合は支給を停止するよう制度を変更。誓約書の提出期限は6月で、不備があった学生には9月までに再提出を求めていた。  学生が期限までに再提出したのに、機構の審査やデータ処理が間に合わず、支給が停止されてしまったという。  同機構は「制度変更で事務量が増え、処理が間に合わなかった。ご迷惑を掛け申し訳ない」としている。 "[he-forum 15909] 東京新聞千葉11/13 東京新聞千葉版2010年11月13日付 斎藤学長が再選 千葉大  千葉大学は十二日、任期満了に伴う学長選考会議を開き、現学長の斎藤康氏(68)を再選した。任期は来年四月一日から三年間。  斎藤学長は一九九五年、千葉大学医学部教授に着任。二〇〇八年四月に学長に就任した。専門は動脈硬化、脂質代謝など。選考では二人への投票で学長を選んだ。 "[he-forum 15910] 琉球新報社説11/15 琉球新報社説2010年11月15日付 奨学金滞納 教育制度への警鐘だ  大学を卒業したのに、仕事がない。あるのは借金―。日本学生支援機構が発表した奨学金延滞者調査(2009年度)で、雇用機会に恵まれず、経済的困窮で返済が滞っている現状が浮かび上がった。  学生時代に受けた奨学金の返済が半年以上遅れている社会人らの88%が年収300万円未満。100万円未満に限っても41%に上る。  延滞者の職業を見ると、正社員は29%で、無職やアルバイトが半数以上を占めている。09年度時点で、機構の奨学金返済期限を越えたのは262万7千人。そのうち、6カ月以上の延滞者は全体の約6%に当たる17万6千人。1日以上の延滞者は約12%の33万6千人だ。  文部科学、厚生労働両省の調査によると、来春卒業予定の大学生の就職内定率は、10月1日現在で、前年同期に比べて4・9ポイント減の57・6%で、調査を始めた1996年以降で最低となった。  より高い教育を受ければ、職業の選択肢が広がり、就職率も高い。安定成長期時代にあった“常識”が、長引く不況で神話となりつつある。その神話を前提に構築された奨学金制度が揺らいでいる。  大学や学部によって異なるが、大ざっぱに国立大は授業料が年間50万円超、私立大は100万円超。ヨーロッパでは、大学の授業料が無償の国もあるのに、なぜ日本は高いのか。  義務教育以上の教育は、自己負担とする原則が日本人に受け入れられてきたことや、政府の緊縮財政で教育予算支出が減少していることなどが背景にある。経済協力開発機構(OECD)調査によると、日本の教育費支出は対国内総生産(GDP)比3・3%でトルコに次いで2番目に低い。  大学進学率が50%を超えている今、授業料無償化は現実性がない。しかし、格差社会で、高等教育の自己負担原則に耐えられない家庭が増えている。奨学金制度以外に、もっと多様な支援制度があってもいいだろう。  そもそも大学に進学するまでに日本は教育費がかかりすぎる。塾など学校外教育が盛んなのは、公立学校に対する不満があるからだ。それなら、教諭の数をもっと増やして少人数学級にするなど、学校教育の質を上げるべきだ。奨学金延滞者の増加は、金がかかる教育制度への警鐘と受け止めたい。家計への負担を減らしてこそ、教育の機会均等が実現される。 "[he-forum 15911] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.24 ニュースレター NO.24                     2010、11、15  公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)  裁判は結審しいよいよ判決へ!     前号において報告したように、学長任命処分無効訴訟は8月12日に結審を迎 え、判決は12月10日に言い渡されます。    我々は、意向投票の開票(票の確定)以降に起こった一連の違法行為および手続 き上の瑕疵は極めて重大であり、高知大学からの「上申」とそれを受けての国に よる学長任命は無効であると主張しています。したがって、本裁判の目標はもち ろん、「学長任命処分の無効確認ないしは取り消し」です。 最終意見陳述は以下のように述べています。  「本件学長候補者選考手続には、手続的、形式的違法性があったことは明らか であり、かつ文部科学大臣も<通知書><監査報告書><学長選考過程における 疑問点について>と題する書面等で、その手続きの瑕疵を熟知していたのである から、相良氏を学長に任命することを拒否する義務があったのであります。本件 学長任命処分はその義務に違反する違法なものであり、無効または取り消される べきものであります。」  判決は12月10日に予定されています。高知大学で起こった事態について判 決がどのくらい具体的に踏み込んで判断をするのか、また文部科学省の責任につ いてどのような見解をしめすのかに注目しましょう。  裁判は8月12日の結審で一旦終わりましたが、高知大学を「まともな」大学に する闘いはいよいよこれから本格化するといっても過言ではありません。  今後の日程    高知大学学長任命無効確認訴    中間報告集会 日時・場所未定    (判決前にこれまでの裁判の経緯を報告します)  判決     12月10日(木)13:10~     於 高知地裁   疑惑の「現代版赤毛連盟」!?  10月から始まった「学部長・学系長会議」なるものについては、教授会など で報告があったはずですので、その中身については構成員の皆さんはすでにご存 知のことと思います。部局長全員を集めて学部の「強み」「弱み」「弱点」「脅 威」を挙げる「SWOT分析」を行い、さらには事務官等の挙げた項目をコピペで貼 りこむ作業にどんな意味があるのかという点については強い疑問の声が上がって います。参加者からは「時間の無駄」、「執行部はよほど暇なのだろう」という 不満が出され、報告が行われた教授会では失笑が漏れました。    執行部側もこの会議を重視していないことは、11月25日の会議について、 時間・場所の連絡すら怠っていた(忘れていた?)ことにも示されています。そ して、最近になって「この真の目的はただひとつ、あまり利口でない質屋の親父 (ここでは「学部長」と読み替えてください。「あまり利口でない」かどうかは 見解を保留します)を、毎日何時間か留守にさせるという以外には考えようがな い」(コナン・ドイル「赤毛連盟」、『シャーロック・ホームズの冒険』)ので はないかという重大な疑惑が生じてきました。つまり、学部長・学系長に「くだ らない時間つぶし」をさせておいて、他方で陰謀が進行しつつあるのではないか という疑惑です。  「学部長・学系長会議」と同時に若手・中堅教員による将来構想のタスク・フ ォースも発足しています。ところがそこで議論されていることについては、ほと んど伝わってきません。どうやら参加者に対して「緘口令」が敷かれている模様 です。それでも漏れてくる断片的な情報を総合すると、かなり生臭い話がなされ ているようです。「大学院大学(研究大学)化」「人件費削減に対応した大リス トラ」「学部再編」「学部教授会の解体」などの方針が「座長」から提示されて いるようです。  もちろん、将来にわたる計画をきちんと議論することは重要ですし、その際大 胆な意見が出されることは大いに歓迎すべきことでしょう。しかし、それはオー プンで自由な意見交換の場でなされるべきであって、このような「陰謀」でまと もな将来計画が策定されると思う者はいないはずです。  総務担当理事桜井克年、タスクフォース座長曳地康史、および「地まわりのや くざよろしく肩で風を切って歩きまわる茶髪の某本部職員」およびそれらの背後 で糸を引いている相良祐輔「学長」にはこの問題についてきちんとした説明を行 う責任があります。ぜひとも、公開の場で説明をお願いしたいと思います。 * ひょっとして子供のころにお勉強ばかりしていてこの小説を読んでいない人 がいるといけませんので、そのような人のために「赤毛連盟」のあらすじを以下 に紹介しておきます。  赤毛連盟  質屋の親父ジェイべス・ウィルソンにある日うまい話が舞い込む。アメリカの 大富豪の残した遺産を基に設立された「赤毛連盟」に入会すれば、時間つぶしの ような仕事をするだけで、年に200ポンドの副収入が得られるというのだ。赤 毛だったウィルソンはこの会に入会を許され、店は店員のスポールディングにま かせて、毎日『ブリタニカ百科事典』を筆写するという「仕事」に通うことにな る。しかしこれは「あまり利口でない質屋の親父を、毎日何時間か留守にさせる」 ための陰謀だった。店員のスポールディングは実は銀行強盗で、質屋の裏手にあ る銀行の襲撃を計画していたのだ。質屋の地下室から銀行の金庫までトンネルを 掘るには、ウィルソンが店にいては邪魔なので「赤毛連盟」なるものをでっちあ げて、ウィルソンを店から遠ざけていたのである。 "[he-forum 15912] 東日新聞11/16 東日新聞2010年11月16日付 世界初の国際研究拠点  豊橋技術科学大学 (豊橋市天伯町、 榊佳之学長) の開学以来初の研究所となる 「エレクトロニクス先端融合研究所」 (EIIRIS=アイリス) が完成し15日、 同施設前で開所式を行った。  同大が世界に誇るセンサ・LSIやフォトニクスデバイスを技術基盤とし、 医学はじめ生命科学、 農学、 環境、 情報通信、 ロボットなどの最先端の応用分野と組み合わせることで、 新たな融合を目指す世界初の国際研究拠点。  榊学長のリーダーシップにより、 計画より2年早く実現した。 元文科相、 塩谷立衆議院議員や西永頌 (たたう) 前学長ら関係者100人余が集い、 「榊丸」 の新たな船出を祝った。  今年4月から国立大学法人の第2期中期計画が始まった。 豊橋技科大も 「技術を究め、 技術を造る」 を基本理念に掲げ、 改革・再編に取り組んでおり、 この研究所開設はそのメーン事業の1つ。 これまで研究活動を支援するためリサーチセンターなどを設けてきたが、 国際的な技術開発競争の激化や大学特性の鮮明化を踏まえ、 同大の得意分野を1つの研究施設に集めて、 最先端の異分野境界領域の融合、 開拓に取り組むことにした。  フォトニックメモリ技術の井上光輝教授グループによるアドバンストメディカルテクノロジー (医療3D画像、 データメモリなど) ▽インテリジェントセンシングシステムの石田誠教授グループによるブレインテクノロジーイノベーション (神経回路網計測、 脳活動光制御) ▽先端農業・バイオの平石明教授グループによるグリーンテクノロジーイノベーション (植物との対話) の3部門を 「基盤」 (それぞれ部門長) に、 将来の技科大を担う30歳代の若手研究者育成を目的にした研究支援・人材育成部門を設けた。 研究所長は石田教授 (副学長)。  開所式で、 榊学長は 「この研究所開設を機に、 さらに新しい領域へ挑戦していきたい」 と決意。 塩谷元文科相は 「榊学長に熱意に打たれた」 と祝辞を述べた。  森本衆議院議員、 佐原市長らを交えて、 玄関先でテープカットを行い、 全員で祝った。 鉄筋コンクリート造り3階建て、 延べ床面積1514平方メートル。 建設費5億5000万円。  このあと、 施設案内を行い、 記念シンポジウムも開いた。 (山崎祐一) "[he-forum 15913] 共同通信11/16 共同通信2010年11月16日12時8分 米大学への留学生、中国が首位に 日本6位に転落 【ニューヨーク共同】米国の大学への昨秋の留学生のうち、中国出身者が前年に比べ約30%増加、インドを抜いて2位から首位になり、日本は15%減って台湾に抜かれ5位から6位に転落という結果を米国際教育協会(IIE)が15日発表した。  それによると、米国の留学生69万900人のうち日本出身者は2万4800人。2008年秋は2万9300人でこの年も14%減だった。  一方、中国出身者は12万7600人で米留学生全体の18%を占めた。08年秋は9万8500人。インドは前年より2%増の10万4900人、全体の15%となった。3位は韓国で4%減の7万2200人。これら上位3カ国で留学生の44%に達する。  4位のカナダ、5位の台湾とも5%減。6位の日本に続き、7位はサウジアラビア、8位メキシコ、9位ベトナム、10位トルコとなっている。  米国の留学生数自体は前年より3%増え過去最高を記録。中国の増加が大きく貢献した。  留学生が多く専攻している分野のランキングは(1)ビジネスと経営(2)工学(3)生命科学など(4)数学とコンピューター科学(5)社会科学―の順だった。 "[he-forum 15914] しんぶん赤旗11/16 しんぶん赤旗2010年11月16日付 大学・経済界・政府の3者 就職難対策 22日協議 笠井議員に文科相答弁  高木義明文部科学相は15日、衆院予算委員会で、新卒者の採用枠拡大と過熱した就職活動是正を目的とした、大学、経済界、政府の3者協議の実施について、「関係省庁と連携をとりながら意見交換の場を22日に設定する」と述べました。日本共産党の笠井亮議員への答弁。同議員は10月13日の衆院予算委員会で、「新卒者の就職難はますます深刻になっている」として、3者協議の実施をもとめ、高木文科相は「できるだけ早く開会したい」と答えていました。 "[he-forum 15915] 毎日新聞11/26 毎日新聞 2010年11月16日 21時06分 (最終更新 11月16日 23時59分) 就職内定率:大学生57.6%「就職氷河期」下回る  大学生の就職難が社会問題化している。厚生労働省と文部科学省が1 6日、正式発表した10月1日現在の内定率は57.6%(前年同月比 4.9ポイント減)で、「就職氷河期」と言われた03年(60. 2%)を下回り、調査を始めた96年以降最低を更新した。不況などを 背景に企業が新卒採用を控え、それに伴い活動の早期化・長期化を余儀 なくされる学生は疲弊。企業側は事態の改善に動き始めた。【井上俊 樹、市川明代】  多くの学生は3年生の夏休みに企業でのインターンシップ(就業体 験)を始めており、今も就職先が決まっていない学生は1年以上を就職 活動に費やしていることになる。この間、学生は企業説明会や面接など を優先し、講義やゼミを欠席しがちになる。このため、大学側は「専門 教育が成り立たない」と悲鳴を上げている。  全国の国公私立大や専門学校で構成する「就職問題懇談会」が6月下 旬に実施した調査(1168校が回答)では、就職活動が前年度より 「長期化している」という回答が7割に達した。一方、就職活動による 授業・講義への支障が「5年前より大きくなった」と答えた大学は3割 に上る。  就職活動のために、学生が海外留学をためらっているという指摘もあ り、グローバル人材を求める企業側も是正に動き始めた。先陣を切った のが商社の業界団体「日本貿易会」で、10月、13年春入社の採用活 動から4カ月程度遅らせる方針を決定。日本経済団体連合会(経団連) も是正に向けた検討を始めた。  大学生の就職活動は10月1日に開設される「リクナビ」や「マイナ ビ」といった就職情報サイトにエントリーすることで本格的に始まる が、就職情報会社でつくる「日本就職情報出版懇話会」も来年から開設 時期を1カ月遅らせることにした。  こうした経済界の動きを大学側は「改善に向けた着実な一歩」(国立 大学協会)と歓迎する。商社だけの試みに終わらず経済界全体に広がる かどうかが実効性のカギを握る。  ◇高校生は40.6%  厚生労働省は16日、来春卒業見込みの高校生の就職内定率(9月末 現在)を発表した。内定率は40.6%で、過去最悪の減少幅だった前 年同期を3.0ポイント上回ったが、有効求人倍率は0.87倍(前年 同期比0.02ポイント減)で、依然として厳しい状況が続いている。  同省によると、就職が内定した高校生は7万1000人、求職者は1 7万5000人で、内定率は男子46.3%(同3.7ポイント増)、 女子33.0%(同1.7ポイント増)。都道府県別では沖縄(9. 0%)▽北海道(17.2%)▽宮城(27.5%)などで特に低かっ た。 "[he-forum 15916] 12.1国公私立大学の危機打開をめざす全国共同国会要請行動への参加を訴えます 12.1全国共同国会要請行動調整委員会 12.1国公私立大学の危機打開をめざす全国共同国会要請行動への参加を訴えます 全国の国公私立大学教職員の皆さん 全国大学高専教職員組合(全大教)、日本私立大学教職員組合連合(日本私大教 連)、東京地区大学教職員組合協議会(都大教)、首都圏大学非常勤講師組合、日 本科学者会議は16日実行委員会を結成し、『12.1国公私立大学の危機打開をめざす 全国共同国会要請行動へのご協力のお願い』という文書を発表しました(末尾に掲 載)。日本の国公私立大学を崩壊へと導きかねない来年度予算案が企図されている 現在、同文書が提起しているように全国の国公私立大学教職員が大きく力をあわせ ることは非常に重要な課題となりました。そこで私達は12月1日の国会要請行動に実 行委員会構成団体の枠を超えて個人あるいはグループで参加しようとする方々の自 発的な活動と全体の行動をスムーズに繋ぐために『12.1全国共同国会要請行動調整 委員会(略称:調整委員会)』を作りました。 12.1成功のために調整委員会からのお願いです。 1.ひとりひとりが呼びかけ人となって12.1行動への参加が次々と拡がるようにし たいと思います。12.1行動に賛同してその呼びかけ人になって下さる方は、お 名前の公表の可否を明記の上、調整委員会メールアドレス(末尾に記載)まで お知らせください。 2.議員会館内での会合や要請行動がありますので、参加ご予定の方は、調整委員 会メールアドレスまで、所属とお名前をお知らせくださると幸いです。 3.一人ひとりの声を国会に届けることが重要です。国会への要請文等の準備を開 始してください。詳細は追ってご連絡します。 調整委員会からは適時、12.1行動に関する情報を、高等教育フォーラムhe-forumと 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局のウェッブサイト (http://www.shutoken-net.jp/)を通じて発信します。ご覧下さいますようお願い 致します。 では、12月1日、国権の最高機関である国会内に大学危機打開をめざす全国の国公私 立大学教職員の声をとどろかせましょう。 2010年11月17日 12.1全国共同国会要請行動調整委員会(略称:調整委員会) 共同代表 伊藤谷生(千葉大学)      岩崎 稔(東京外国語大学)      小沢弘明(千葉大学) メールアドレス(受信専用): action101201@gmail.com +++++++++++++++++++++++++++++++++++ 2010年11月16日 12.1国公私立大学の危機打開をめざす全国共同国会要請行動へのご協力のお願い 12.1 国公私立大学の危機打開をめざす全国共同国会要請行動 実行委員会 各位 高等教育の充実・発展を願う貴団体・貴職の日ごろの取り組みに心からの敬意を表 します。 すでにご承知のところではありますが,本年8月末に公表された文科省の来年度概算 要求は,民主党・菅内閣による「新成長戦略」および「財政運営戦略」(いずれも6 月閣議決定)に基づき,前年度要求額を国立大学運営費交付金で4.8%,私立大学等 経常費補助金で12.5%削減したうえで,「元気な日本復活特別枠」要望を用いての 上乗せにより,結果的には国立大学運営費交付金が対前年度2.8%増,私立大学等経 常費補助金が3.3%増の要求額となっています。ご承知のとおりこの特別枠要望は 「政策コンテスト」の対象となっており,査定のいかんによっては国立私立とも基 盤的経費に資する予算の大幅削減となりかねない重大な状況に置かれています。あ わせて,むこう3年間の高等教育予算を含む政策経費の「財政運営戦略」による削減 は,地方・中小大学の財政的破たんをもたらしかねないものと強く危ぐされていま す。 日本においては従来から,家計による教育負担が大きいことが問題でした。それ が,昨今の経済状況の低迷によって世帯年収が減少するなかで,教育費負担がさら に重くのしかかっています。すでに,年収額によって教育を受ける機会に違いが出 ていることが指摘されていますが,今後,公財政支出を充実していかなければ,そ の格差がますます拡大し,貧困の再生産という状況が起こることが明らかです。 人材の育成と確保をはじめ,日本における高等教育の充実・発展は,もとより大学 だけの問題ではなく,広く国民諸階層の生命と財産,労働と福祉,平和と民主主義 にとっても基幹的課題でもあります。それが今,重大な危機にさらされようとして います。 こうした状況のなかで,私どもは,来年度予算編成の最終的局面に向け,すべての 大学・高等教育関係者による,日本の高等教育を守る立場からの共同行動として, 表記の行動をさまざまな団体と個人の参加で取り組むことを呼びかけます。 つきましては,貴職、貴団体の本取り組みへのご賛同と行動への参加を心からお願 いするものです。 12.1 国公私立大学の危機打開をめざす全国共同国会要請行動(素案) 10時   国会(第1衆議院会館会議室) 集合 10時半~12時半 第1波 各政党・政派ならびに文教・文科国会議員への要請行動 共同要請書とともに,参加団体・個人による要請事項を持ち寄って要請行動を行う ことを基本にします。 12時半~13時半  共同集会(国会衆議院会館内会議室) ・来年度高等教育予算の現状と要望 ・基調的報告と各団体の取り組み紹介  13時半~15時  第2波 政党・政派ならびに国会議員要請行動 15時~16時  総括集会(衆議院会館内会議室) また,事前の参加団体代表による合同記者会見を11月25日に設定する予定です。 なお,趣旨に賛同される団体・個人による準備委員会を下記日程で開催する予定で す。ご都合のつく方はぜひご参加ください。 記 12.1 国公私立大学の危機打開をめざす全国共同国会行動準備委員会  日時:11月25日(木) 18時  場所:全大教会議室(添付地図参照) 以上 【12・1国公私立大学の危機打開をめざす全国共同国会要請行動実行委員会】 (11月11日現在;順不同) 全国大学高専教職員組合(全大教) 日本私立大学教職員組合連合(日本私大教連) 東京地区大学教職員組合協議会(都大教) 首都圏大学非常勤講師組合 日本科学者会議 共同要請書(案) 1 来年度予算の編成に当たって、以下の点を求めます。 1. 高等教育の基盤的教育研究経費を支える,国立大学・高専の運営費交       付金について、要求・要望額の満額を実現することを求めます。 2. 2011年度文部科学省概算要求における私立大学等経常費補助の特別補       助を「政策コンテスト」で減額することなく,一般補助とともに要       求・要望額の満額を実現することを求めます。 3. 各大学が実施している経済的に修学困難な学生等を対象とした学費減       免事業に対する支援の予算を要求・要望額どおり満額実現することを       求めます。 4. 「無利子奨学金の大幅拡大」として概算要求に計上された予算を満額       実現することを求めます。 2 国公私立大学の教育・研究、人材養成と確保のために,中・長期的に次の諸点   を求めます。 5. 国立・公立・私立の別なく,すべての大学・高専において教育と研究       の充実,人材養成と確保が図れるよう,大学の自治を保障しつつ,国       としての支援の充実を求めます。 6. 国際人権A規約第13条の「高等教育無償化条項」の留保を撤回し,大学に       ついても無償化をめざすことを求めます。 7. 無償化が実現するまでの間,学費減免制度の拡充を行うとともに,現       在有利子貸与型の割合が高い奨学金を,無利子貸与型,給付型に移行し       ていくことを求めます。また,奨学金の返還については,現在の定額       返還方式ではなく,所得連動型の返還制度の創設を求めます。 8. 高等教育への公財政支出をOECD諸国平均並の対GDP比1%の水準まで引       き上げることを求めます。 2010年12月1日 12.1 国公私立大学の危機打開をめざす全国共同国会要請行動 実行委員会 (11月11日現在;順不同) 全国大学高専教職員組合(全大教) 日本私立大学教職員組合連合(日本私大教連) 東京地区大学教職員組合協議会(都大教) 首都圏大学非常勤講師組合 日本科学者会議 "[he-forum 15917] 日本経済新聞11/17 日本経済新聞2010年11月17日付 13大学、国際化事業の拡充訴え 再仕分けに反発  大学の国際化を推進する文部科学省の国際化拠点整備事業(グローバル30)に採択されている13大学が16日、東京都内で記者会見し、行政刷新会議の再仕分けの対象になっている同事業について「これ以上の削減は国際社会の信用を失う」として拡充強化を訴えた。  会見したのは、東京大、京都大、東北大、早稲田大、慶応義塾大など国立7校、私立6校の副学長ら。「縮減は信義に反し、国の未来に反し、政府の利益に反する」(阿川尚之慶応義塾常任理事)などと再仕分けに反発した。  グローバル30は、英語による授業の充実などで海外からの留学生を多数受け入れたり、戦略的な国際連携を推進したりする事業で2009年度に始まった。30大学を採択する予定だったが、13大学の採択で止まっており、昨年の仕分けを受けて今年度予算額は3割減の30億円になっている。 "[he-forum 15918] 毎日新聞愛知11/17 毎日新聞愛知版2010年11月17日付 国立大学運営費交付金:減額で名大学生有志、学費値上げ反対を訴える署名活動  国立大学運営費交付金が削減される可能性がある問題で、名古屋大の学生有志が16日、学内で学費値上げ反対を訴える署名活動を展開した。文部科学省は来年度予算の概算要求段階で既に、同費を今年度に比べ4・8%減額している。  学生約10人が「今の学費でさえ苦しんでいる人がいます」などと書いた手作りののぼりや横断幕を掲げてキャンパスの一角に立ち、学生らに協力を呼び掛けた。  署名活動の発起人は、文化系サークル約50団体が参加する名古屋大文化サークル連盟。10月に署名を開始し、これまでに約500人分の署名が集まったという。今後も協力を呼び掛け、12月初めに大学側へ提出する予定だ。  同連盟委員長の永野敏夫さん(理学部4年)は「大学に通うため、アルバイトをして大変な思いをしている学生がいる。(交付金削減で)これ以上学費がかかるようになると、学校に来られなくなる仲間が増える。絶対値上げは許せない」と話していた。【福島祥】 "[he-forum 15919] 日本経済新聞11/17(2) 日本経済新聞2010年11月17日付 大学にハローワークと連携要請へ 文科省、就職支援  文部科学省は16日、大学関係者らに学生の就職支援の強化を要請することを決めた。ハローワークと連携して新卒採用に意欲的な企業を掘り起こし、内定を得られていない学生に紹介することなどを求める。  国立大学協会と日本私立大学団体連合会、公立大学協会などに対し、具体的な取り組み強化を17日に要請する。各大学に常駐する就職相談員らと、地元ハローワークに配置されている支援員の情報交換や協力を深めることなどが柱になる。  同省は22日には経済団体と大学などと学生の就職活動の問題について話し合う協議の初会合を開く。就職活動の早期化・長期化の問題や新卒扱いとする条件などについて意見を交換する。  高木義明文部科学相は「新卒者の雇用問題はそれぞれ危機感がある。率直に意見交換したい」と話している。 "[he-forum 15920] 読売新聞11/17 読売新聞2010年11月17日付 タフな若者が日本を変える 調査研究本部研究員 中西 寛  タフな東大生たれ――東京大学の浜田純一総長(学長)が、2009年の就任時から言い続けている。「勉強ができるだけのひ弱な東大生」というイメージを覆したいという思いもあるに違いない。実際、東大にもタフな学生はいるのである。  筆者は、東京大学の「総長賞」の審査をする会議の委員を務めている。前期は課外活動、社会活動、大学間の国際交流などで、後期は学業で、極めて顕著な功績のあった個人や団体に賞を贈る。  この総長賞の受賞者にも、タフさを評価される受賞者が目立ってきた。たとえば、昨年前期は、ユーラシア大陸を自転車で縦断した学生が受賞した。言葉を学び、肉体的な訓練も重ねての達成で、その様子は逐次、ブログでも発信された。  今年前期の受賞者のひとりが、大学院新領域創成科学研究科国際協力学専攻の博士後期課程で学ぶ長山大介さんだ。サステナビリティー(持続可能性)をテーマに、カナダで5月に開かれたG8スチューデントサミットで東大の代表を務めた。2007年には、東京大学学生国際交流機構も作り、初代代表となった。東大と北京大学の学生が交流する「京論壇」でもスタッフの経験がある。「日本の国際的プレゼンスの向上に貢献すること」を人生の目標にしているという。  そんな長山さんは、サミットでも深夜に及ぶ議論で積極的に発言し、最終提言書の起草委員会メンバーにもなった。タフ・ネゴシエーターの東大生と言えるだろう。  ただ、長山さんのリポートを読むと、日本人学生の置かれた立場も気になる。彼自身、高校まで米国で過ごし、英語がネイティブと言えるという特異性が強みになったと分析しているからである。  「日本や東大というよろいがある場ではまだいいが、全員が対等な立場で参加し、声の大きさ、発言の回数が存在感と直結する会議では、東大生はなかなか存在感を示せないのではないか」と長山さんは見る。国際的なレベルの議論に慣れていない日本の他大学の代表は、全体の議論でひと言も発言できなかったという。  そもそも、今回、東大の代表候補として、面接選考に残ったのは6人だったが、その中にも留学生が複数いたと聞けば、長山さんならずとも、危機感を覚えるだろう。  長山さんを見ていると、タフな若者こそ、日本が現在置かれた状況を変えてくれるのではないかと思えてくる。しかし、日本の大学生全般に目を移せば、留学者数が減少するなど、内向き志向が強まっていることが心配になる。その原因の一つに、就活の早期化があると言われている。  日本の学生たちに、長山さんのような心意気で頑張れと呼びかけたい。同時に、学生たちの目を外に向けるための努力を私たちもしなければいけないと思う。 "[he-forum 15921] しんぶん赤旗11/19 しんぶん赤旗2010年11月19日付 大学の予算増やして 全院協 就職支援 国に要請  全国大学院生協議会(全院協、宇山翠議長)は18日、大学予算の1割削減反対や学費の負担軽減などを求めて文部科学省、財務省、政党、国会議員への要請行動をしました。8大学30人の大学院生が参加しました。  要請内容は、(1)国立大学運営費交付金と私学助成の拡充(2)学費負担軽減、研究生活の保障につながる経済支援の拡充(3)奨学金制度の充実(4)就職状況の改善(5)留学生に対する支援―の5項目です。  文科省への要請で宇山議長らは、全院協が2004年度から実施している大学院生の経済実態アンケート結果(回答数790人)を示して、「授業料免除の申請者は年々増加しているが、減免されない学生が約半数をしめている」「授業料は親からの仕送りでまかなっている人が半数だが、学年が上がるにつれ、奨学金やアルバイト、預貯金から支払っている人が増加している」「人文・社会科学系への就職支援が低い」と指摘。院生の学費負担軽減、就職難解決を求めました。  参加した院生は「学部生のときから奨学金を利用しており、すでに800万円以上になっている。就職率も低く、返済の見通しが立てられない」(修士1年)「博士課程修了まで約1000万円の奨学金を利用するが、毎月4万6000円の返済になる。就職の保障がないなかで3カ月延滞するとブラックリストに載せられてしまう制度はやめてほしい」(博士1年)と実態を話しました。  日本共産党への要請では宮本岳志衆議院議員が応対し、激励しました。 "[he-forum 15922] 室蘭民報11/18 室蘭民報2010年11月19日付 ■ 室工大のロボット研究拠点、「アリーナ」が本格始動  ロボット分野の研究や人材育成の拠点施設となる室蘭工業大学(佐藤一彦学長)の「ロボットアリーナ」の開所式が18日、室蘭市高砂町の市立室蘭看護専門学院の体育館1階で行われ、地域開放型の施設が本格的に始動した。  同アリーナは文部科学省の支援事業。平成22年度から5年間、約2億円の予算を見込みロボットの研究・開発を進め、地域や産業界への貢献を目指している。特に介護や医療分野に活用できるロボットの開発が重点。ロボット関連で海外の研修生・留学生の受け入れも視野に入れている。  開所式で野口徹理事が「新しい産業の振興につなげたい」とあいさつ。ロボットアリーナ事業推進室長・相津佳永教授が「いろいろな分野に貢献できるロボットの開発にあたりたい」と事業の概要を説明した。  この後、北大大学院情報科学研究科の田中孝之准教授が「ロボット技術が地域にもたらすもの」と題して開設記念講演した。田中准教授は「ロボット技術を社会に広めることが大切。研究のタネは思わぬところにある。室蘭から全国、世界に発信してほしい」とエールを送った。  この後、約70人の関係者が施設を見学。癒やし系や食事介助、二足歩行など市販されているロボットや同大が開発しているじゃんけんロボットなど、展示された約20点のデモンストレーションに歓声を上げていた。  相津教授は「5カ年計画の事業だが、次のステップにつなげたい。子供たちが気軽に訪れる施設になってくれれば」と話している。  一般開放は月~金曜日の午後1時~同5時まで。問い合わせは同アリーナ、電話0143・83局5650番へ。 (佐藤重伸) "[he-forum 15923] 読売新聞大分11/18 読売新聞大分版2010年11月18日付 学生の要約筆記、先駆的…大分大の取り組み評価  国立大学法人評価委員会が実施した2009年度の全国の国立大学の運営などに関する業務実績の評価で、聴覚障害者の学生に対して別の学生がノートテイカー(要約筆記者)となって支援する大分大の事業が全国的にも先駆的な取り組みとして評価された。  同大では、「学生がノートテイカーになっていることや、大学が養成講座を設けて支援している継続性などが評価されたのではないか」と話している。  大分大は2005年度から、この事業を実施している。毎年4月、学生を対象にしたノートテイカー養成講座を学内に開設。ノウハウを身に着けた学生は、聴覚に障害を持つ学生が講義や実習を受ける際、学生に付き添って、教授らが話した内容の要約をノートに書いて、講義に参加する手助けをしている。  他大学でも、外部委託の要約筆記者を用意するなど聴覚障害者に配慮した試みはあるという。評価委では、学生が学生を手助けしている点や、要約筆記をしている学生を対象にしたレベルアップ講座で、支援の充実を図っている点などが評価されたという。  大分大で活躍しているノートテイカーは現在66人で、今年は2人の聴覚障害を持つ学生が支援を受けている。講義(90分)では毎回2人ずつ学生に付き添い、15分程度で交代しながらバインダーに挟んだルーズリーフをノートとして要約を記入している。  支援を受けている工学部福祉環境工学科2年、山村卓巳さん(20)は、「支援があることで講義がすごく分かりやすくなっています」と語った。  今年4月からノートテイカーとして活動している同科4年、中田亘政さん(22)は、「講義はどんどん進むので最初は要約のスピードが追いつかずに困ったが、今では自分の学科の講義をもう一度受けているようで得をした気分」。昨年4月から活動している同大大学院福祉環境工学専攻2年の松尾沙織さん(23)は、「利用者がノートを見て、講義に追いついている様子が分かるときがうれしい」と話していた。 "[he-forum 15924] 琉球新報11/19 琉球新報2010年11月19日付 奨学金利用約3000人増 県内5大学05年度比  県内の4年制総合大学5大学で、奨学金制度を利用した学生が、2005年度の4622人から09年度は65%(2999人)増の計7621人と急増したことが18日、琉球新報の調べで分かった。 全学生に占める受給者の割合は05年度比16ポイント増の43%。2・3人に1人が経済的な支援を必要としている。09年度に経済的な理由で休学した学生は計219人、除籍者は計224人、退学者は計40人。年間500人近くが、経済的な事情で大学での就学を阻害されており、県内学生をめぐる厳しい実情があらためて浮き彫りになった。  大学側は「『給与やボーナスが減額され経済的に厳しい』などの声が多い」と指摘。受給者増を「経済事情の悪化を反映している」とみる。各大学では独自に給付型の奨学制度を拡充しているが「大学独自の支援には限界がある」などと、抜本的な制度改革を求める声が上がっている。  調査は10~11月、琉球大、沖縄国際大、沖縄大、名桜大、沖縄キリスト教学院大にアンケートを実施。過去5年間の奨学金受給者数の推移などを聞いた。  奨学金受給者数は05年度以降4622人、5426人、6403人、7011人、7621人と右肩上がりで増加。受給割合も27%から、31%、36%、40%、43%と年々増加している。  経済的理由による休学・除籍・退学は年ごとに増減があるが、09年度の休学者は05年度比13%増の219人、除籍者は27%増の224人。退学者は13%減の40人となった。(知念征尚) "[he-forum 15925] 琉球新報11/19(2) 琉球新報2010年11月19日付 奨学金利用増 学生苦境「払えない」  県内5大学の奨学金受給者数が5年前に比べ65%増と急増している背景には、県内の厳しい経済状況が横たわる。学生からは家計の厳しさを訴える声があり、沖縄国際大学の富川盛武学長(経済学)は「奨学金の受給者数は経済のバロメーターだ」と指摘する。各大学は近年、独自の奨学金や授業料減免制度を拡充するなど、学生支援に懸命だが、「申請が多く対応しきれない」「大学だけでは解決できない問題も多い」など、抜本的な打開策を見いだせないのが実情だ。  各大学には「両親の会社の経営状態が悪化し授業料が支払えない。支払期限を延長できないか」といった相談が多く寄せられている。ある大学は「学ぶ意欲はあるが、経済的な面で休学・退学せざるを得ない学生が多数存在する」と訴える。  「奨学金が家計に回されている実態もある」との指摘や、「(卒業後)日本学生支援機構の奨学金の返還が難しい」「学生の就職難を理由に保証人を断られるケースもあった」など、現在の奨学金制度の問題点を挙げる声も多い。  多くの学生は日本学生支援機構の貸与型の奨学金を利用しているが、沖縄は失業率が全国一高く、所得は全国最低レベル。返済に苦しむ卒業生は少なくない。  こうした事態に対応し、各大学は独自財源による給付型奨学金を拡充してきた。その額は年々増え、2009年度は沖縄国際大で年間約1億5千万円、沖縄大で約1億円、沖縄キリスト教学院大が約4千万円、名桜大が約3500万円に上る。  沖縄国際大は「兄弟姉妹等支援奨学金」「学生サポート奨学金」など新制度を年々拡充。沖縄大は後期採用の奨学金制度や主に夜間の講義を受ける学生への給付など、きめ細かい対応を続けている。名桜大は公立法人化した4月に授業料減免制度を創設。琉球大は教職員の寄付金で「学生援護会」を設置しているほか、「授業料免除等も検討している」という。(佐藤ひろこ) ◆抜本的制度改革を/加藤彰彦沖大学長  経済的に厳しい家庭では、初めから大学進学の選択肢はない。その意味では、大学に進学できた学生たちは、県内では比較的恵まれた経済環境なのだろうが、それでも奨学金を活用しなければ卒業できない現状になっているという裏付けだ。  500人近くの人が経済的な事情で学びを阻害される状況は、将来の沖縄を担い、社会貢献するはずだった人材の芽を摘んでしまうことで、社会的損失は大きい。子どもたちの学びを支えるのは社会的責任だ。奨学金の返済も厳しく、このままでは大学進学率がさらに下がる可能性がある。  各大学とも給付型の奨学金を拡充するなど、きめ細かい対応に努めているが、大学経営も厳しい。国による給付型奨学金制度の拡充など抜本的な制度改革が必要だ。当面は、優秀で意欲がありながらも経済的な理由で大学進学を断念する生徒を高校側が推薦し、国が支援する制度の創設が必要ではないか。  (沖縄子ども研究会代表、談) "[he-forum 15926] しんぶん赤旗11/22 しんぶん赤旗2010年11月22日付 学生怒った! 大学予算1割カット “経済的理由に関係なく学びたいのに” ---------------------------------------------------------------------------  「国立大学の授業料が年間20万円以上値上がりし、1・5倍になってしまう」「学部や研究室の廃止につながる」―。大学生のなかから、民主党政権が来年度の大学予算を1割削減する概算基準を決めたことにたいし、深刻な影響を憂慮した声が上がっています。各大学では、学生の声にこたえ、自治会を先頭に大学予算削減をやめて抜本的増額を求める運動をはじめています。(伊藤悠希) --------------------------------------------------------------------------- アンケートに反響 京都  “自治会としてできることはないか”と自治会の常任委員会が7月から情報収集をし、勉強をしてきたのが、京都大学法学部自治会です。まずは学生の声を聞くことにしようと9月末、前期の成績配布の日に、学費・奨学金にかんするアンケートを実施しました。  全学部生1500人のうち約3分の1にあたる学生が回答。4分の3以上の学生がこれ以上の学費の値上げについて「問題だ」と答えました。現在の学費(年間約53万円)について「負担に感じる」と答えた学生は回答者の半数を超えました。  アンケート結果を学部棟の入り口に近いところに目立つように張り出しました。  政府が受け付けていた予算にかんする意見・要望(パブリックコメント)に、「運営費交付金を減らすな」「大学の予算を増やせ」という意見を送ろうとよびかけるビラを掲示し、法学部や一般教養を学ぶ教室に配布しました。早朝や昼休みの時間を使い、5日間で1500枚のビラを配りました。  法学部長に対しては、運営費交付金の大幅な削減が実施された場合の大学側の対応をたずねる質問書を10月21日に提出しました。(1)大学の研究教育環境に深刻な被害をもたらすと予想されるが、どう考えるか(2)授業料の値上げや課外活動援助の削減など、学生の負担増を伴う措置を実施する考えなのか―との内容です。  11月4日には大学内の学生有志団体が京大総長に公開質問状を提出。法学部自治会はこの行動にも名を連ねました。  自治会執行部のある3回生は、大学の運営にかかわる予算を“事業仕分け”の対象にすること自体がおかしいといいます。  「大学とは、経済的理由に関係なく学びたい人は誰でも通えるところのはずです。教育を受けることは個人の利益になるからお金を払うべきだという『受益者負担』の発想はやめて、究極的には学費はゼロにしてほしい。大学を誰にでも開かれた空間にしてほしい」  自治会は今後、大学側の回答も待って新しいビラを配布し、他学部や学生と広くつながって大学当局にも働きかけたいとしています。 緊急署名に次々と 東京  東京では、東京都学生自治会連合と個人加盟のネットワーク「学費ZERO(ゼロ)ネット東京」が、「2011年度大学予算1割削減に反対し増額を求める緊急署名」を集めています。  「教育にお金をかけないのはおかしい」「学費の値上げはやめて」「奨学金の返済が不安」との声があがっています。10月からの1カ月半の取り組みで約3600人分集まっています。  東大本郷キャンパス、東大駒場キャンパス、中央大学、日本社会事業大学、東京農工大学農学部では昼休みにビラを配布したり、研究室を訪問したりして集めています。1人で100人分の署名を集めた東洋大学の学生や29人分の署名を届けてくれた山梨大学の学生もいます。  学園祭をしている各大学前で宣伝をしたところ、学生だけでなく、保護者や高校生、地域住民、教職員も署名に応じてくれました。  東大法学部で1週間後に回収するとして署名を配布したところ、署名用紙をいっぱいにして持ってきた学生や家族や知り合いによびかけて2枚分を届けに来た学生もいます。 ◇  東京大学教養学部学生自治会は10月から、予算削減が各学部にどのような影響をもたらすのか、各学部長にインタビューをしています。すでに全10学部中、農学部、理学部、工学部、文学部、薬学部、教育学部、法学部の7学部長がインタビューに応じました。  その内容をビラにして配布しながら、緊急署名も集めています。 全学連が来月要請・集会  全日本学生自治会総連合(全学連)は12月17日、学費負担軽減や予算増額、就職難打開を求め、国会議員や経済界へ要請をします。  18日には交流集会をします。分科会、全体会で思いや実態を交流します。集会後はリクルートスーツパレードをします。 ◇  全学連は、「大学予算の1割削減反対」の声を届けるため、学生や教育関係者、国民の思いをポストカードに書いて届ける「日本の未来を守れ! ポストカード作戦」を行っています。「学びたい思い」や「政府や社会に伝えたいこと」を募集しています。  問い合わせは全学連へ=℡0422(38)9047 --------------------------------------------------------------------------- 予算1割削減  政府は来年度予算の概算要求基準で前年度比1割削減との基準を閣議決定しています。国立大学予算に削減率を適用した場合、国立大学の運営費交付金は1000億円以上の削減となります。小規模な国立大学29校分の予算に相当します。国立大学が法人化してからの6年間で運営費交付金は毎年削減され、合計830億円削られてきました。それを上回る額です。 "[he-forum 15927] 琉球新報社説11/21 琉球新報社説2010年11月21日付 奨学金利用増 人材育成の根幹が危うい  県内5大学に通う学生の4割強が奨学金に依存し、依存率は毎年高まっているというから深刻だ。  各大学も学費の減免など独自の奨学支援制度を強化しているが、支援の限界も見え始めている。  急ぎ抜本的な制度改革や支援強化策を講じなければ、沖縄を担う中核的な人材育成が中折れしかねない。  学費が調達できないなどの経済的な理由から休学した学生は、昨年度だけでも219人に上る。大学教育の継続が困難となり除籍された者も224人。退学者は40人を数える。  大学合格のために努力を重ねながら、入学した後で就学資金不足から志半ばで中退を余儀なくされる。長びく不況が最も大きな原因だ。学生や学費を支援する親、きょうだいも「給与やボーナスが減額されて経済的に厳しい」との悲鳴と救済要望の声が増えている。  県内5大学の奨学金受給者数は、この5年間で急増している。2005年度の4622人から、09年には7621人と、約3千人(65%)も増えている。  「奨学金の受給者は経済のバロメーター」と、沖縄国際大学の富川盛武学長(経済学)は言うが、全学生に占める受給者は43%にも上る。経済的な支援を必要とする大学生たちの比率が、不況を背景に年々増加傾向にある。  学ぶ意欲はあっても経済的な困窮から休学や退学を強いられる。沖縄の将来にとって、大きな損失となりかねない事態である。  政府や県、経済界の沖縄振興の論議の中で、人材育成はすべての振興策の要と強調され続けてきた。  人材育成の一つの重要な指標ともされる「大学進学率」は、全国平均を大きく下回り続けている。  現在も全国平均が5割超の中にあって、沖縄県は3割台。高校卒業者数からは毎年約3千人が大学教育を受ける機会を逸する計算だ。  学歴に対する評価は変化しているとはいえ、上場・中堅企業の多くが「大卒」程度を採用資格に課している。  県民所得は全国最低水準、貯蓄率も低く、失業率は全国最悪の厳しい現実がある。離島県の沖縄にとって子弟の県外大学進学は大きな費用負担を強いられる。  県内外を問わず、沖縄の若者たちに高等教育を受ける機会を全国並みにいかに保障し、実現するか。抜本的な支援策を、国や県も含め早急に論議し、確保したい。 "[he-forum 15928] 毎日新聞11/20 毎日新聞2010年11月20日付 教職大学院:定員割れ深刻化 国立で09年度3分の1  教員の資質向上を目指して設置された国立の教職大学院で定員割れが深刻化している。文部科学省の調査では、08年度は15校中4校、09年度は18校の3分の1に当たる6校で定員割れしており、このうち4校は2年連続だった。私立大を含めた志願倍率は両年度ともに1.3倍と低迷しており、教員を目指す学生にとって教職大学院が魅力の薄い存在になっている。大学からは「大学院で学ぶメリットが明確でない」と制度そのものを疑問視する声も上がっている。【篠原成行】  教職大学院は「力量のある教員養成」を目的に08年度以降、全国で開設され始めた。08年度は東京学芸大、京都教育大など国立15校が設置。09年度は国立18校になり、現在は私立を含めた計25校が1学年14~100人の定員を募集している。  原則、教員免許を取得した大学卒の学生と現職教員に入試資格が与えられ、2年間で修士課程を修了。最高位の専修免許が取得でき、給与は月額2万~3万円程度加算される。  2年連続で定員割れになった4校の08年度、09年度の定員充足率は▽上越教育大(64%、83%)▽愛知教育大(46%、56%)▽兵庫教育大(85%、88%)▽鳴門教育大(72%、82%)。09年度に定員割れになった2校の定員充足率は▽北海道教育大(83%)▽宮崎大(82%)。国からは各大学に大学院運営費が助成されるが、6校はいずれも運営費返納の基準となる定員充足率90%を下回った。  2年連続で50人の定員の半数前後しか埋まらなかった愛知教育大は、学部から進学する学生は約1割だけ。大半は県教委からの派遣と、教員養成系ではない他大学の卒業生が占める。学部生の多くが現役で教員採用試験に合格するため、学費を負担してまで大学院に行く必要はないと考えるという。同大入試課担当者は「教員採用試験に落ちた学生や教職課程が充実していない他大学向けに募集をかけているのが実態で、教員の質向上につながっているとは明言できない」と話している。  教職大学院は現在、中央教育審議会の「教員の資質能力向上特別部会」で主要テーマとして議論され、教員免許の取得には現在の学部教育に加え、教職大学院のような教職課程を課すべきだとの意見が大勢を占める。文科省大学振興課は「修了生が少なく成果が出ているかどうかは判断できない。各大学には資質向上に向けた制度のたたき台となるような実績を期待する」と話している。 "[he-forum 15929] 国立大学運営費交付金・私立大学等経常費補助削減を許すな 12.1全国共同国会要請行動調整委員会(行動調整委員会) 国立大学運営費交付金・私立大学等経常費補助削減を許すな 国公私立大学危機打開12.1全国共同国会要請行動 場所: 衆議院第1議員会館 時間:10時~:第1波要請行動(実行委員会) 11時50分~12時30分:衆議院第1議員会館前宣伝活動(行動調整委員会) 12時30分~13時30分:全国共同集会 13時30分~15時:第2波要請行動(実行委員会) 15時~16時:総括集会(実行委員会) ・全国から一人でも多くの教職員が国会へ ・国会へ向かう仲間へ旅費カンパを ・参加される個人・グループは行動調整委員会(action101201@gmail.com) へご連絡を 2010年11月23日 12.1全国共同国会要請行動調整委員会(行動調整委員会) メールアドレス(受信専用): action101201@gmail.com  大学をめぐる財政は危機に瀕しています。行政府の一組織である内閣府の「元気な 日本復活特別枠」を決める評価会議はABCDのランク付けを行い、29日にも各府省 に連絡すると報道されました(11月23日付朝日新聞など)。在日米軍への「思いやり 予算」がA評価で満額認められたほか、文科省関係では、小学校1、2年生の35人学 級実現(文科省・2247億円)がCランクで減額して予算化という評価を受けました。  これに対して、高等教育関連予算についての詳細は明らかではありません。基盤的 経費を特別枠に回したというやり方も含めてヒアリングでは厳しい指摘があったと言 います。また、先日行われた第三次事業仕分けにおいても、科学技術関連の予算は厳 しい評価を受けています。このように、日本社会の将来を一顧だにしない行政府の政 策によって高等教育と学術を支える来年度予算の状況は極めて切迫し、国公私立大学 は未曾有の危機に直面しているといっても過言ではありません。  12.1行動は、国会とそれを構成する議員諸氏、各会派に対する直接の要請活動で す。昨今の国会における状況は目を覆うばかりの惨憺たるものではありますが、国会 には国公私立大学等、高等教育関係者の訴えを真摯に受けとめ、国権の最高機関とし て行政府の政策を厳しくチェックし、歴史に責任を持つ来年度予算を決定する責務が あります。  すでにお知らせしたように、12.1行動は国公私立大学の枠をこえ、かつてない広が りをもつ諸団体と個人によって取り組まれようとしています。すでに国大協・私立大 学連合などによる国会要請行動のほか、30学会長による声明、さらに学生や院生たち による反対の声も伝えられています。ここで多くの大学教職員の声をもって国会に直 接に働きかけるならば、国会を動かすことが可能となるでしょう。  一人でも多くの方に12.1行動の呼びかけ人になっていただくこと、また、実際に参 加していただくことを行動調整委員会より訴えます。 ◎ぜひとも呼びかけ人になってください  12.1行動に賛同してその呼びかけ人になって下さる方は、お名前の公表の可否を明 記の上、行動調整委員会のメールアドレス( action101201@gmail.com)までお知ら せください。 ◎12月1日には調整委員会は黄色の腕章をして、個人およびグループで参加される方 を国会要請行動へとご案内致します。また、当日は専用電話を設置します(30日に首 都圏ネットのウェッブサイトならびにhe-forumにてお知らせします)。ご活用下さ い。 行動調整委員会共同代表 伊藤谷生(千葉大学) 岩崎稔(東京外国語大学) 小沢弘明(千葉大学) "[he-forum 15930] 西日本新聞11/22 西日本新聞2010年11月22日付 法科大学院 地方は苦境 九州も志願者減、合格率平均以下 文科省、低迷校の助成縮小へ 「司法過疎」進む懸念  文部科学省が2012年度から、入試倍率や司法試験合格率が低迷する法科大学院への補助金削減を決定したことを受け、地方の大学院が存廃の岐路に立たされている。九州の6大学院はそれぞれ独自色を出した教育を行ってきたが、九州大を除く5校の合格率は全国平均の25・4%(10年度)を下回るなど苦戦を強いられている。    ◆偏在化する定員    「そもそも制度設計が無策。個々の努力ではどうにもならない」と訴えるのは、久留米大法科大学院の西嶋法友院長。    現在、法科大学院は全国で74校あり、適正規模とされる20―30校を大きく上回る。文科省は08年から各校に入学定員の削減を要請。九州の6大学院もこれまでに定員を8―20人減らしたが、関東・関西の大学院が総定員数(約4900人)の7割以上を占めているのが実態という。    同校は今年から、定員を40人から30人に削減。地元弁護士会と連携した少人数教育に力を入れてきたが、09年度から2年連続で入試倍率が2倍を切り、合格率は10%台に低迷。文科省から「重点的な改善が必要な大学院」に指定され、苦境に立たされる。    西嶋院長は「これ以上定員は減らせない。大規模校の定員を優先的に減らし、公正な競争環境を整備して」と要望する。    ◆実態は変わらず    「新試験は旧試験のモデルチェンジにすぎない」。熊本大法科大学院の橋本眞・法曹養成研究科長はこう指摘する。    新司法試験は幅広い人材に法曹家への門戸を開く目的で導入されたが、法学部出身の既修者が有利な状況は変わっていない。10年度試験では既修者の平均合格率が37%だったのに対し、社会人や法学部以外の未修者は17%にとどまる。    ほとんどの地方大学院では未修者を対象にした3年コースが中心。ところが、首都圏や関西の成績上位校の多くは、制度では例外であるはずの既修者対象の2年コースに力を入れているという。    橋本科長は「未修者の合格率だけをみれば、上位校とそれほどの差はない。都会と地方では大きく事情が違うのに、数字だけで評価するのはおかしい」と批判する。    また志願者の確保を不安視する声も上がる。2年連続で入試倍率が2倍を下回った福岡大法科大学院は「全体の志願者が減り続ける中、2倍以上の倍率を維持するのは難しい」と懸念する。    ◆生き残りに不安    今回の決定について、文科省は「成績低迷校の廃止を迫るものではない」と強調するが、乱立する大学院を統廃合させたい意図が見え隠れする。    今回、取材に応じた各大学院は「もともとが赤字経営。補助金が削減されても廃止することはない」とする。ただし、「成績低迷校のレッテルが張られたら大きなイメージダウン。将来的には廃止の可能性もある」と、今後の存続を危ぶむ声もある。    一方、ほかの3大学院は「何も答えることはない」(鹿児島大)とコメントしたのみ。取材には応じず、文科省の決定に反論しにくい事情もうかがえた。    全国をみると、5年間で合格者が3人しか出なかった姫路独協大(兵庫)が11年度から募集を停止するなど、地方の法科大学院を取り巻く環境は厳しい。来年からは法科大学院の修了資格が得られる予備試験が始まり、志願者のさらなる地方離れも予想される。    九州弁護士会連合会の当山尚幸理事長は「地方の大学院には『司法過疎の解消』という重要な役割がある。教員の派遣のほか財政的な援助を行い、立ち直りのチャンスを与えるべきだ」と話している。 "[he-forum 15931] しんぶん赤旗11/26 2010年11月26日(金)「しんぶん赤旗」 交付金減で大学危機 神戸大学長と党県委懇談 兵庫  国による大学予算の削減問題で25日、日本共産党兵庫県委員 会が神戸大学で福田秀樹学長と懇談しました。堀内照文党県国政 委員長や新町みちよ県議が大学の危機打開に向けた党の政策を紹介 し、学術科学振興には大学の基盤的経費の保障が重要だと強 調。学長は「(削減される)交付金はほとんどが人 件費。教員のクビを切ることになる。危機的状況だ」 と訴えました。懇談には、門屋史明県青年学生対策委員会事 務局長、味口としゆき灘区市政対策委員長らも参加。大学側 は石田廣史副学長や坂口裕事務局長らが同席しました。  国は来年度予算で国立大学の運営費交付金などを1割削減する方針で す。同大学がこの6年間で12億円も交付金を削減された中、今回は約 10億円減になるといいます。  福田学長は、授業料の値上げは「言語道断の話」だ とした上で、教員の定員数を年間で7人減らしていると述べ ました。その影響で若手研究者の活躍を阻害することにな り、高度成長期の繁栄を支えた教育・科学技術分野を 「ないがしろにする」政策だと指摘。「国際競争に勝てな くなる」と危ぐし、削減の見直しを求めました。堀内 氏は「大学や科学分野に対する日本の姿勢が問われている」 問題だと応じました。  話題は大学生の就職難問題にも及び、福田学長は、就職活 動を始める時期が早すぎるのが問題だと話しました。 "[he-forum 15932] NHKニュース11/25 NHKニュース2010年11月25日 20時37分 11大学長 仕分けで緊急提言 政府の再事業仕分けで、大学や科学技術関連の予算の廃止や見直しが相次いだことを受けて、東京大学など11の大学の学長が菅総理大臣への緊急提言をまとめ、「政府が教育や科学技術を軽視しているというマイナスのメッセージを発信することになる」などとして、仕分け結果の見直しを求めました。 緊急提言をまとめたのは、東京大学や京都大学、それに早稲田大学など全国のあわせて11の大学の学長です。今月行われた政府の再事業仕分けでは、全国の研究者に配分される「競争的資金」や、海外の留学生のための「国際化拠点整備事業」などが対象となり、廃止や見直しの判定が相次ぎました。これについて、提言では「日本政府が教育や科学技術を軽視しているというマイナスのメッセージを国内外に発信することになる」などと、強く批判しています。そのうえで、「国の将来を支える大学に対し、確実な投資を行うことを強く望む」などとして、仕分け結果の見直しとともに、大学への交付金や補助金などを拡充するよう求めています。筑波大学の山田信博学長は「大学への投資は年々減少し、取り巻く環境は厳しい。大学が弱体化し崩壊したらこの国に未来があるのか、想像してほしい」と話しています。 "[he-forum 15933] 12.1国会要請行動詳細決まる 12.1全国共同国会要請行動調整委員会(行動調整委員会) 12.1国会要請行動詳細決まる 2010年11月26日 12.1全国共同国会要請行動調整委員会(行動調整委員会) メールアドレス(受信専用): action101201@gmail.com 【行動予定】 10時30分~12時30分:第1波要請行動(衆議院第1議員会館大会議室から衆参議員へ) 衆議院第1議員会館受付ロビー集合 11時50分~12時25分:行動調整員会宣伝行動(@衆議院第2議員会館前) 12時30分~14時15分:共同集会(@衆議院第2議員会館多目的会議室) 14時30分~16時:第2波要請行動(衆議院第2議員会館多目的会議室から衆参議員へ) 【案内場所】議員会館に入るには通行証が必要です。実行委員会参加団体ならびに行 動調整委員会(黄色の腕章)が以下のように案内場所を設置します。どの時間帯から でも行動に参加できます。 10時15分~11時45分:衆議院第1議員会館受付ロビー 11時50分~16時:衆議院第2議員会館受付ロビー 【特設電話】共同行動調整委員会は当日、参加する方々からのお問い合わせに対応で きるよう特設電話を設置します。電話番号は30日にhe-forumならびに首都圏ネットワ ークのウェッブサイトでお知らせします。 ・全国から一人でも多くの教職員が国会へ ・国会へ向かう仲間へ旅費カンパを ・参加される個人・グループは行動調整委員会( action101201@gmail.com )へ ご連絡を 《拡がる参加団体と参加予定者:第2回実行委員会報告》 11月25日に全大教で第2回実行委員会が開催されました。 賛同団体としてアレゼール日本、全国大学院生協議会(全院協)、全日本学生自治会 総連合(全学連)が加わりました。 大学に関連するすべての階層が加わる画期的な取り組みとなります。 参加人数もすでに100名を大きく超えており、賛同団体・参加人数ともさらなる拡大 が取り組まれています。 12.1全国共同国会要請行動調整委員会(行動調整委員会) 呼びかけ人 山崎由可里(和歌山大学教育学部) 岡山茂(早稲田大学) 荒井竜一(東京芸術大学) 神沼公三郎(北海道大学) 伊藤正彦(熊本大学) 鈴木茂(東京外国語大学) 大川正彦(東京外国語大学) 岡田知弘(京都大学) (11月26日17時現在、順不同) 共同代表 伊藤谷生(千葉大学) 岩崎稔(東京外国語大学) 小沢弘明(千葉大学) "[he-forum 15934] しんぶん赤旗11/27 しんぶん赤旗2010年11月27日付 1割削減は死活問題 共産党県委 岐阜大・森学長と懇談  日本共産党岐阜県委員会は26日、岐阜大学を訪れ、国による大学予算の削減問題で森秀樹学長と懇談しました。大学側は吉村泰治理事が同席。党県委員会からは、松岡清委員長、想厨子久芳書記長、鈴木正典常任委員が参加しました。  松岡氏は「大学の危機打開にむけ、交付金削減を許さない立場で広く共同を進めていきたい」と話しました。  森学長は、県内唯一の国立大学として有能な人材を輩出している五つの学部の役割を説明した上で、「法人化で予算が削減され、事務系の職員を4割削減し、厳しい状況にある」と語りました。「1割削減は死活問題」と追及した宮本衆院議員の質問が話題になりました。「私も同じ思い」と述べ、「教育は未来への投資であり、政策コンテストで決めるなら政治家はいらない」と語りました。  吉村理事は「法人化の6年間で約9億円が削減され、さらに1割だと13億円。一つの学部の人件費にあたる」と述べました。  大学側から国会の動きなどの情報を求められ、党県委員会は、今後とも必要に応じて提供していくと答えました。 "[he-forum 15935] 毎日新聞11/28 毎日新聞2010年11月28日付 国立大:不況で学費重荷…名古屋大で値上げ反対署名急増  長引く不況のため学費納入に苦労する学生が増えている。奨学金の貸与希望者は年々増加。国立大学への国の交付金が今後、大幅に減らされれば、学費が値上げされる可能性もあり、名古屋大学の学生たちは「値上げ反対」の署名活動を展開する。学生たちの危機感を反映し、署名数も増えている。【福島祥】  名古屋大理学部自治会が6月に学部1年生150人を対象に実施したアンケートによると、3分の1にあたる49人が年間53万5800円の学費を「高い」と回答。奨学金を「借りている」「これから借りる予定」とした学生は58人に上った。  日本学生支援機構の過去10年間の奨学金の貸与人数は、01年度の75万人から増え続け、10年度は118万人に達した。全大学生に占める割合をみると、08年度に奨学金を受けた大学生は86万9600人で、全体の32.4%を占めた。  04年度に国立大学法人になって以降、国の国立大運営費交付金の総額は毎年約1%ずつ減ってきた。さらに文部科学省は来年度予算の概算要求で、前年度比マイナス4.8%と大幅に削減。同省は「特別枠」として大学向け事業費を要望しているが、これらが認められなければ、しわ寄せが学費値上げという形で学生に及ぶ可能性も懸念されている。  名古屋大の学生有志は10月下旬から値上げ反対を大学側に訴える署名活動を実施。09年に11月初旬から12月中旬まで行った同様の活動では370人分が集まったが、今年は24日までの約1カ月で既に711人分に達した。  署名を呼びかける名古屋大文化サークル連盟の永野敏夫委員長(理学部4年)は「『親が整理解雇されそう』『給料が減るかも』という声も聞く。生活費を稼ぐため部活に入るのをあきらめた新入生もいるようだ」と学生を取り巻く厳しい経済環境を訴える。  署名を呼び掛けるチラシでは、ある男子大学生の声を紹介。高校3年の夏、父親の勤務先が倒産。父はコンビニエンスストアでアルバイトし、母は介護士をしている。妹は高校生。男子大学生は月4万5000円の奨学金を借り、週4回程度のアルバイトで通学費や教科書代、昼食代を賄う。音楽サークルに参加しているが「家計が苦しいので、部の方は少し休もうかと思っています」という。  東海地方では、愛知教育大の松田正久学長が国の交付金削減反対を訴える緊急声明を7月に発表。大学側も削減を食い止めようと国などに働きかけている。 "[he-forum 15936] 日本経団連タイムス11/25 日本経団連タイムスNo.3022 (2010年11月25日) 日本を元気にする強い人材を -「スーパー連携大学院構想」の説明を聞く/産業技術委員会産学官連携推進部会 日本経団連の産業技術委員会産学官連携推進部会(西山徹部会長)は15日、東京・大手町の経団連会館で、スーパー連携大学院構想協議会委員長・電気通信大学長の梶谷誠氏から、信州大学、電気通信大学、中央大学等国公立および私立大学が参画する同構想の説明を聞いた。概要は次のとおり。 ■ 背景 欧米では博士が社会の中核的人材として活躍しているのに対し、日本では、その必要性は認識されつつも活躍は進んでいない。経団連が2007年に発表した「イノベーション創出を担う理工系博士の育成と活用を目指して」の指摘どおり、「優秀な人材が博士課程に進学しない」→「博士人材の付加価値が不明確である」→「企業が博士人材の採用に消極的である」という悪循環は断ち切れていない。 個々の大学・企業間の産学連携を超えて産学連携を一層深化させるべき、また、地方活性化のカギとして大いに活用すべき、との問題意識のもと、産学官に金融界も加えた検討を開始する場として、2004年に任意団体「コラボ産学官」を設立した(現在は一般社団法人)。そのなかで、顕在化する博士問題に関する検討も開始し、07年9月に「スーパー連携大学院(仮称)設置の提言」を発表し、アカデミア以外の分野で活躍する博士を養成する必要性を指摘した。 ■ スーパー連携大学院構想の特徴 スーパー連携大学院構想には、電気通信大学ほか地方の国公私立大学14校が参加を表明している。最大の特徴は「アカデミア以外で活躍する博士人材の育成」を掲げている点である。同構想に賛同する大学が、企業との連携のもとコンソーシアムを設立し、そのコンソーシアムが「連携サーティフィケートプログラム」を管理・運営。希望する学生は所属する大学に籍を置いたまま、同プログラムに参画する。同プログラムは、産学官連携の共同研究プロジェクトのみを研究対象とし、学生は実社会の課題・問題意識・意義を体験することが可能となる。その他、参加大学が全国にあることによるe‐ラーニングの活用や、厳格な質保証、起業・就職支援等の充実なども特徴として挙げられる。 質疑応答で改革への決意を表明 質疑応答では、「大学教員の意識改革への取り組みが必須ではないか」との問いに対し、梶谷委員長から、「大学のなかにいる志のある教員を集めて、少しずつ改革に取り組んでいく」との決意が表明された。最後に、西山部会長から、「欧米でも最初から博士号取得者が社会で順調に活躍していたわけではなく、日本と同様にオーバードクターの課題があった。日本の現状は、将来に向けた問題克服への過渡期である。こういった時期には、既存の仕組みに小さくても穴をあけていくことが非常に重要。その意味で、この取り組みを高く評価したい」と期待が寄せられた。 【産業技術本部】 "[he-forum 15937] しんぶん赤旗11/27(2) しんぶん赤旗2010年11月27日付 本を買えない・バイトが忙しい・学会に行けない 高学費「研究を圧迫」6割 全院協 院生アンケート  全国大学院生協議会(全院協)は26日までに、院生の経済実態アンケート調査結果をまとめました。高学費が研究を圧迫していると答えた人が前年に引き続き60%を超えていることがわかりました。42の国公私立大学の790人が回答。2004年度の調査開始以来最高の回答者数でした。  高学費の影響(複数回答)としては、「研究の資料・書籍を購入できない」が73・1%と突出し、「アルバイトで研究時間がない」(46・1%)、「調査にいけない」(41・2%)、「交通費がないため学会・研究会にいけない」(38・8%)の順でした。  研究・生活上の不安(複数回答・08年度から新設項目)は、「経済上の不安」が75・9%で、前年の69%を上回りトップになりました。「将来の就職状況への不安」は73・3%で前年と同じでした。「学費の工面」は42・7%で、08年度の調査以来増加傾向にあります。(グラフ1)  「奨学金以外で、生活費・研究費を何からまかなっていますか」(複数回答)との質問には、アルバイトが5割、仕送りが4割、TA(ティーチングアシスタント)が3割などとなっています。アルバイトの目的(回答者428人)は、「生活費」が85・7%と最も多く、「研究費」が49・5%、「学費」が41・6%でした。(グラフ2)  奨学金のブラックリスト化(日本学生支援機構が3カ月以上の延滞者を個人信用情報機関に登録するという制度。10年度から実施)については「知っている」が44・4%でした。329人のうち148人が「将来への不安が増加した」と答え、「奨学金の貸与をあきらめた」が15人、「博士課程への進学をあきらめた」が2人いました。  全院協は(1)学費負担の軽減および研究生活の保障につながる経済支援の拡充(2)奨学金制度の充実(3)就職状況の改善(4)国立大学運営費交付金および私学助成の拡充―を要求しています。 「返済のない奨学金ほしい」 院生の声  ▽学部生からずっと奨学金とバイトを中心に生活しており、博士課程を終えるころには1千万円近くの負債を背負うことになる。就職できるか見通しがつかないなか、返済やオーバードクターになった場合の生活費など不安だ。(博士課程1年)  ▽書籍を購入するためやむを得ずバイトをしている。日々を研究に費やしたい。(修士1年)  ▽博士に進んでも就職が厳しそうで進学をためらっている。返済の必要のない奨学金があればありがたい。(修士2年) "[he-forum 15938] しんぶん赤旗11/27(3) しんぶん赤旗2010年11月27日付 大学・科学技術予算の拡充を 11大学学長が首相に提言書  東京大や北海道大、東北大、名古屋大など11大学の学長は25日、2011年度予算の概算要求をめぐり、大学や科学技術予算の拡充を求める共同提言書を菅直人首相あてに提出しました。学長らが首相に提言するのは初めてといい、「強い危機意識から発言した」としています。ほかに筑波大学、早稲田大学、慶応大学、東京工業大学、京都大学、大阪大学、九州大学の学長が名を連ねています。  提言では「大学への日本の投資は先進国で最低レベル。さらに削減されれば大学は国際競争力を失い、人材が海外に流出し、国が衰退の道をたどる」と主張。国立大学法人への運営費交付金と私立大学への補助金の拡充や、科学研究費補助金を基金とし複数年にわたって活用できるようにすることなどを要求しました。  運営費交付金が6年間で計830億円減らされるなど大学予算は毎年減少しており、文部科学省は概算要求で、交付金、補助金の増額を求めています。 "[he-forum 15939] 朝日新聞富山11/29 朝日新聞富山版2010年11月29日付 朝をひらく  【西頭 徳三さん】 地域貢献 共通目標達成 全力で  国立大学の法人化は2004年度だった。それ以降、どの大学でも「地域貢献」ということを言い始めた。富山大学も例外ではない。教育や研究と並んで、地域貢献を目標の柱の一つにしている。  大学が、なぜ地域貢献を重視するのか。その理由として▽足元の急速な少子高齢化▽地域経済・医療体制の弱体化▽財政難による大学運営費交付金の減額――など、様々な地域社会の変化が列挙できる。  こうした変化を中期的な視点で見ると、大学と地域のかかわり方が根底から変質したと指摘できる。特に20世紀後半以降の社会構造の工業化により、科学技術は大学だけではなく民間でも研究され、知識は社会全体に拡散し、大学の独占物でなくなった。大学は地域社会の様々な活動体と密接に連関し合う形態へと変化したのだ。  2年前、富山大学は地域貢献を推進するため、学内の関連センターを再編・統合して、「地域連携推進機構」を立ち上げた。  本学の地域貢献は十分な効果を上げているか。地域社会の活性化に役立っているか。残念ながら、現段階では「否」だ。副機構長の升方勝己教授はこれまでを振り返り、次のような提言をされた。大学は地域からの多様な要請に追われて受け身だった。これからは地域に存在する資源を共有化し、大学は地域連携活動で「ハブ機能」を果たすべきだ、と。  大学をはじめ、地方公共団体や企業などは個々の目標を持ち、その実現に向けてそれぞれの役割を果たしている。共同的な地域連携事業の目標が明確でないと、各自の役割が優先され、やがて「あなた任せ」の状態になり、期待された事業効果を生まない。  だから、最も重要なことは地域連携事業ごとに共通目標を設定し共有することになる。第二に、あくまでも本来的な機能をベースに、役割分担をすること、である。  大学側から見れば、本来的機能の「教育」、つまり地域貢献にかかわる人材育成機能こそが、最も力を発揮する要素だ。大学は最先端科学技術を開発できても、それを産業化や製品化するノウハウを持ち合わせていないからだ。  私は同機構にある「地域づくり・文化支援部門」の金岡省吾教授が推進している地域再生塾「高度差4000」での「地域貢献人材育成学」の展開に強い関心を抱いている。  地域貢献とは、実現可能な共通目標を設定・共有し、全関係者が全力投球で自ら獲得するもの、と私は現時点で理解している。 "[he-forum 15940] 秋田魁新報11/29 秋田魁新報2010年11月29日付 秋大医学部40周年記念式典、秋田市 「地域医療へ一層貢献」  秋田大医学部の創立40周年記念式典が28日、秋田市の秋田ビューホテルで開かれた。大学や医療関係者ら約260人が出席し、40年の節目を祝うとともに一層の発展を目指すことを誓い合った。  式典では本橋豊・医学部長が「地域医療に貢献するという使命を忘れずに医療人を輩出してきた。地方国立大として地域に根差した医学教育を進め、世界に情報発信できる医学部として発展を目指す」と式辞。茆原(ちはら)順一・付属病院長が「今まで以上に医学部と病院が一体となり、地域医療への貢献を果たしたい」と述べた。  式典に先立ち、秋田市出身の脚本家・内館牧子さんが「秋田大学医学部に望むもの」と題して記念講演した。内館さんは2008年に滞在中の盛岡市で体調を崩し、約4カ月間入院した自身の体験を紹介。「医師や看護師の言葉で希望を持ち、頑張ることができた。患者に希望を与えることは医療関係者の大事な役割」と指摘し、「秋田の医療に秋田大が果たす役割は大きい。より優れたプロ集団であってほしい」と述べた。  同大医学部は1970年、戦後初の国立大医学部として創立。翌年には当時の県立中央病院が国に移管され、医学部付属病院が開院した。2002年に医療技術短期大学部が医学部保健学科に改組され、現在に至っている。 "[he-forum 15941] 共同通信11/30 【共同通信】2010/11/30 02:02 教員免許、正規は修士レベル必要 文科省が新制度検討  文部科学省は29日、大学4年間で単位を取得すれば教員免許が取れ る現行制度を変更し、新卒者の免許を2種類に分け、正規教員として本 格的に教壇に立つには教職大学院修了など修士課程レベルの免許取得を 求める新制度の検討を始めた。  今後10年をめどに実現にこぎ着けたい考えで、30日の中教審特別 部会に提示する。  構想によると、大卒者に与える免許は「基礎免許」とし、大学学部段 階での教職課程修了を証明するという暫定的な資格にとどめる。取得者 は教員にはなれるが、担任に就かず校務や授業を補助する役割とする。  一方、正規教員につながる「一般免許」を取得できるのは、教職大学 院や、大学院の教育学研究科修士課程を履修した人を想定。  ただ、資格者を限定しないよう大学での基礎免許取得を大学院の入学 要件とはしない方向で、教職課程を履修していない学生や、社会人も教 員を目指せるようにする。制度の移行段階は、学部卒業者も正規教員と して受け入れる考えだ。 "[he-forum 15942] 産經新聞11/29 産經新聞 2010.11.29 20:16 キャリア教育に新たな学校 中教審部会が答申案 このニュースのトピックス:学校教育・学力問題  高校卒業後に就職準備をする「キャリア教育」のための新学校設置を 提言する答申案を29日、中央教育審議会の特別部会がまとめた。中教 審は総会を経て、今年度中に高木義明文部科学相に正式答申する見通し。  答申案では、新学校は看護やIT関連、観光、環境ビジネスなど、高 度な実務知識や経験の習熟を目的とする。学術研究をメーンとする大学 や短大とは一線を画するが、学校教育法上の正式な「学校」として位置 づけ、教育の質向上につなげたい考えだ。  既存の専門学校や専修学校とも区別されるが、実質的に役割が混同す るという見方もあり、今後、実現へ向けて議論になりそうだ。  修業年数は2~4年。学年制ではなく、単位制が妥当としている。卒 業時には専門学校の専門士のような「称号」や、大学や短大への編入資 格の付与も検討されている。 "[he-forum 15943] 12.1国会要請行動参加される皆様へ 12.1全国共同国会要請行動調整委員会(行動調整委員会) 12.1国会要請行動参加される皆様へ 2010年11月30日 12.1全国共同国会要請行動調整委員会(行動調整委員会) メールアドレス(受信専用): action101201@gmail.com 【特設電話】 080-6654-4724:1日午前9時~午後5時応答可能 当日の緊急連絡にご利用ください。 【行動予定】先日の時点から変更ありません 10時30分~12時30分:第1波要請行動 衆議院第1議員会館受付ロビー集合 11時50分~12時25分:行動調整員会宣伝行動(@衆議院第2議員会館前) 12時30分~14時15分:共同集会(@衆議院第2議員会館多目的会議室) 14時30分~16時:第2波要請行動 【案内場所】議員会館に入るには通行証が必要です。 実行委員会参加団体ならびに行動調整委員会(黄色の腕章)が以下のように案内場 所を設置します。どの時間帯からでも行動に参加できます。 10時15分~11時45分:衆議院第1議員会館受付ロビー 11時50分~16時:衆議院第2議員会館受付ロビー 賛同団体に東京都学生自治会連合(都学連)が加わりました. ・全国から一人でも多くの教職員が国会へ ・国会へ向かう仲間へ旅費カンパを ・参加される個人・グループは行動調整委員会( action101201@gmail.com)へ ご連絡を "[he-forum 15944] しんぶん赤旗11/30 「しんぶん赤旗」主張 2010年11月30日(火) 大学予算 将来見すえて大幅な増額を  菅直人内閣がすすめる大学予算の大幅削減に対して大学関係者の怒り と運動がひろがっています。  「予算削減は絶対に許せない」と、大学では学長を先頭に学内集会や 街頭署名がとりくまれています。全国大学高専教職員組合など5団体 は、12月1日に大規模な国会要請行動をくりひろげます。全日本学生 自治会総連合は各地で「削減ストップ」のポストカード、署名などにと りくみ、12月17日には国会要請行動を行います。地方議会でも「削 減中止」を求める意見書が採択されています。 知的基盤としての役割  来年度予算の概算要求で文部科学省は、国立大学の運営費交付金で 5%、560億円削減し、私立大学の国庫助成では12・6%、406 億円削減しています。そのかわりに、「元気な日本復活特別枠」に、プ ロジェクト的な教育研究費や学費免除枠などの経費を要望しています が、この要望額が認められなければ、大学予算は大幅削減となります。  内閣府の「特別枠に関する評価会議」は、文科省の要望額が多いこと を理由に「厳しく査定する」と表明するなど、大幅に削減する姿勢を示 しています。他方で、同じ「特別枠」の米軍への「思いやり予算」は満 額を認めようとしています。これほど理不尽な態度はありません。学長 も、教職員も、学生、院生も、心の底から怒るのは当然です。  日本の大学は、近年のノーベル賞受賞にもみられるように高いレベル の基礎研究を担い、社会発展の担い手を育て、地域社会にも貢献するな ど、知的基盤としての役割を果たしています。学術、教育の発展 は「国家百年の計」であり、将来をみすえた大学への投資こそ、21世 紀の社会発展に貢献します。  ところが国立大学は、国からの運営費交付金が、法人化以後6年間で 830億円も削減されました。各大学で「教員が30人減っ た」、「教育研究費が半減した」など、授業が満足にできない事態に なっています。日本共産党が各地で行った学長との懇談でも、「これ以 上予算が減ったら大学はもたない」との強い危機感が示されました。  私立大学では、中小私学を中心に「定員割れ」がひろがる一方で、国 庫助成が削減されつづけたために、経営危機に直面する大学が少なくあ りません。高学費と経済危機のもとで、学業をあきらめる学生も急増し ています。  にもかかわらず、菅内閣は、新たな大企業支援策を中心とした「新成 長戦略」推進のために、各省庁の予算に1割削減のシーリングをかけ、 この方式で大学予算の削減を今後3年間つづけようというのです。こう したやり方は、学術、教育を崩壊に導き、社会の活力を衰退させるもの で、重大な禍根を残すことになります。 欧米並みの予算水準に  これまでの大企業応援、アメリカいいなりの政治姿勢から抜け出し国 民の立場にたって予算編成方針を根本的に変えれば、大学予算を大幅に 増やすことができます。先進国の最低水準にとどまっている大学予算 を、欧米並みの水準に思いきって引き上げるべきです。  日本共産党は、大学予算の削減を許さず、大学危機を打開するため に、大学関係者のみなさんとの共同をいっそうひろげ、国会内外で力を つくす決意です。 "[he-forum 15945] 読売新聞11/30 (2010年11月30日 読売新聞) 理系の女性教員3倍増プロジェクト…広島大 限定公募や学内保育園 5年計画 育児と研究の両立支援にと開設された保育園(広島大東広島キャンパス で)  広島大が理、工、農学分野で男性に比べて少ない女性教員(教授、准 教授、講師、助教)を、今年度から5年間で3倍に増やすプロジェクト を進めている。  学内保育園の開設などで育児と研究の両立を支援し、女性に限定した 公募を始めるなど毎年6、7人ずつ増やし、2014年度末までに現在 の3倍の51人にする考え。能力ある女性教員の増加が、研究の活性化 につながると期待している。  広島大の教員は全体で1576人おり、女性は176人で11・ 2%。ただ、理、工、農学分野に限ると、全教員494人のうち17人 と3・4%に過ぎない。  理学研究科の相田美砂子教授は「理系の女子学生は学部で20%弱、 大学院でも15%いるが、女性教員が少ないことで研究者になるのが難 しいと感じ、将来の選択肢から外してしまう学生もいる」と指摘する。  そうした中、同大学は07年、募集要項に「実力が同等の場合は女性 を採用」と明記。08年には男女共同参画推進室を置き、さらに同年、 学内に保育園を新設した。空いた教室などを使って教員らの子ども(小 学生)を春、夏、冬休み中に預かる学童保育や、登録した学生や住民に 実験や事務などを手伝ってもらう制度も始めている。  今年5月には、取り組みが文部科学省の女性研究者養成事業に採択さ れ、補助金3億2000万円を獲得。今年度からは、ほかの大学や学外 の研究機関から、女性教員の公募も開始した。  男女共同参画担当の坂田桐子・同大学副理事は「育児をしながら研究 に取り組む女性教員たちの負担を減らし、存分に力を発揮できる環境を 整えたい」と話している。 "[he-forum 15946] 読売新聞11/30 (2010年11月30日 読売新聞) 大阪市大付属高設置を検討 咲くやこの花中・高対象  大阪府大阪市の平松邦夫市長は29日の市議会決算委員会で、大阪市 立大の付属高校設置を検討する方針を表明した。  公立大学法人の付属高設置は法律上規制されているが、同大学は「優 秀な人材の確保や育成のために、中高と大学の一貫教育体制を模索すべ きだ」として、特区認定や法改正などを国に求めていく考え。2008 年に開校した中高一貫高「市立咲くやこの花中学・高等学校」(此花 区)を付属高の対象に検討を進める。  地方独立行政法人法で、市立大などの公立大学法人の業務は大学の管 理などに限定され、付属高の設置は認められていない。平松市長は、北 野妙子議員(自民)への答弁で、「大学と力を合わせて、法の制約をど うやって解消できるのか、国への要望活動を通じて全面的に支援した い」と述べ、中高大の10年一貫教育を目指す考えを示した。  公立大はこのほか、長期借入金や起業家への出資など、国立大などに 認められている業務も法律で禁じられている。同大学は、幅広い運営が 妨げられているとして、横浜、名古屋市などの公立大と協力して国に規 制の撤廃を求めていくといい、「高校との連携の実績を積んで、国に実 現を訴えていきたい」としている。 "[he-forum 15947] 琉球新報11/30 琉球新報2010年11月30日付 琉大学長選:岩政、高良、宮城氏が立候補  任期満了に伴う琉球大学学長選が29日公示され、現学長の岩政輝男氏(68)、法科大学院院長の高良鉄美氏(56)、前副学長で工学部教授の宮城隼夫氏(61)の3氏が立候補した。  12月13日に行われる教職員の意向調査を踏まえ、学内外の委員で構成する「学長選考会議」が同14日までに次期学長を決める。 "[he-forum 15948] 山陽新聞12/1 山陽新聞2010年12月1日付 岡山大学長に森田氏   岡山大の学長選考会議が30日開かれ、千葉喬三学長の任期満了に伴う次期学長に、現副学長の森田潔岡山大病院長(60)=麻酔・蘇生学=を選んだ。任期は2011年4月1日から14年3月末まで。  学内外12人でつくる学長選考会議が、森田病院長と稲葉英男津山高専校長(63)=元副学長、岡田雅夫副学長(63)の3候補者を審査。29日に実施した教職員らによる学内意向投票の結果を参考に森田氏を全会一致で学長適任者に選んだ。  選考理由について本田茂伸学長選考会議議長は「教育、研究のみならず大学病院長としても優れた実績を挙げてきた。岡山大をさらに力強く飛躍させてもらえると判断した」と述べた。  森田氏は「重責に身の震える思いだが、持てる力を存分に発揮して岡山大と地域の発展に尽くしたい」と抱負を語った。  岡山大学長の選考は国立大学法人化(04年)を機に、従来の教員による投票から、選考会議が面接結果や意向投票などを総合的に判断する形式に変更された。 "[he-forum 15949] しんぶん赤旗12/1 しんぶん赤旗2010年12月1日付 大学予算削減に反対 都学連など文科省に署名届ける  東京都学生自治会連合(都学連)と学費ZEROネット東京は30日、文部科学省を訪ね、菅首相宛ての「2011年度大学予算1割削減に反対し増額を求める緊急署名」5064人分を届けました。  都学連の牧野大志委員長、塚田幹人書記長らは、「学費が払えず休学した学生がいる」「授業料の全額免除を受けていたが半額免除になり厳しい」「奨学金を返済できるか不安」「施設が老朽化している」など、教育や研究環境の深刻な実態を紹介。「大学で安心して学べるように、大学予算削減反対の立場で頑張ってほしい」と話しました。  応対した文科省職員は、政府が公募した大学予算削減のパブリックコメントについて、「光熱費や授業料などに影響するとの意見が多かった。基盤的経費は重要と認識している。授業料減免枠を拡大するため、予算を確保したい」と答えました。  緊急署名は、都内の大学や学長・教職員にも協力をよびかけ、東京大学、東京女子体育大学、東京聖栄大学、日本赤十字看護大学の学長・学部長が協力を表明し、教職員にも署名が広がりました。 "[he-forum 15950] しんぶん赤旗12/2 2010年12月2日(木)「しんぶん赤旗」 大学予算 拡充して 国公私立大関係者が共同 教職員・学生ら国会要請  大学予算の大幅削減が問題になっているなか、国公私立大学の教職員 組合や大学関係者、大学生、大学院生の団体などが1日、高等教育予算 の拡充を求めて国会要請と国会内共同集会を行いました。国立大学、国 立高専、私立大学の教職員、首都圏の非常勤講師など113人が参加し ました。国公私立、常勤と非常勤、教職員と学生の違いを超えて実行委 員会をつくって開いた初の共同行動です。  行動では、(1)来年度予算について、教育研究費の拡大、学費 減免や無利子奨学金の拡大などを求めた予算の確保(2)中・長期 的要望として、大学の無償化、奨学金の無利子化と給付制の創設―など を求めました。  集会では、全国大学高専教職員組合の森田和哉書記長が「予算確定ま で粘り、安定した大学予算の確保を求めたい。大学高等教育関係団体、 教育団体との共同を広げていきたい」とのべました。  日本私立大学教職員組合連合の杉本圭治書記長は、私学助成の減額な どによる国公立と私立の格差をあげ、「教育の機会均等を保障し、 国民の負託にこたえうる私立大学に転換するため、運動していきた い」と話しました。  全日本学生自治会総連合の小山農委員長は奨学金の返済について、就 職難で内定率が6割を切る状況で、借りたものを返せない実態にあると 指摘。「教職員と力を合わせ、学生の立場から主張していきたい」との べました。  東京都学生自治会連合の塚田幹人書記長は大学予算削減に反対する緊 急署名が5064人分に達したと紹介。家族やサークル、クラスや研究 室、駅前や大学門前、都内大学の学部長に郵送で協力を依頼するなどで 集めたとのべました。  集会には全日本教職員組合、日本高等学校教職員組合が連帯あいさつ を寄せました。  日本共産党の宮本岳志衆院議員が、民主党、社民党の国会議員ととも に出席し、力を合わせて頑張る決意をのべました。 ***********************************************  予算1割削減 菅内閣は2011年度の予算編成で、社会保障費や 「特別枠」を除いた一般歳出の1割削減を閣議決定しています。国立大 学運営費交付金や私学助成などの教育関連予算も含まれます。国立大学 予算に削減率を適用した場合、国立大学の運営費交付金は1000億 円以上の削減となります。国立大学が法人化してからの6年間で運営費 交付金は毎年削減され、合計830億円削られてきました。それを 上回る額です。 "[he-forum 15951] 元気な日本復活特別枠要望(189事業)の評価(文部科学省関係抜粋) 元気な日本復活特別枠要望(189事業)の評価(文部科学省関係抜粋) 事業番号 要望(要望額:100万円)(担当府省) 評価 評価コメント 1901   安全で質の高い学校施設の整備  189,813  文部科学省 B (予備費及び補正措置を含む)    整備する施設の優先順位付けを行った上で、緊急性の高いものに限定することが条件 1902   未来を拓く学び・学校創造戦略  2,000  文部科学省 C フューチャースクール関連事業について、校数等について相当な絞込みを行うととも に徹底したコストの削減を行うことが条件 1903   小学校1・2年生における35人学級の実現  224,702  文部科学省 B 現行の40人学級に係る小学校1・2年生の教職員(9.3万人)については義務的経費 であり措置する必要。ただし、これを措置するには要求・要望の削減による財源捻出 が条件。 なお、定数改善の取扱いについては、別途、後年度負担の問題も含めた検 討が必要 1904   学習者の視点に立った総合的な学び支援及び「新しい公共」の担い手育成プログラム  133,129  文部科学省 C 既存受給者への貸与に必要な分は措置する必要。ただし、これを措置するには、要 求・要望の削減による財源捻出が条件 1905   「強い人材」育成のための大学の機能強化イニシアティブ  119,971  文部科学省 B (補正措置を含む) 教育・研究の基盤経費に一定の配慮が必要。ただし、その経費を相当に絞り込むとと もに、要求・要望の削減による財源捻出が条件行政刷新会議の指摘を踏まえた対応が 必要 1906   成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ  48,400  文部科学省 C 継続課題、既存受給者には一定の配慮が必要。ただし、要求・要望の削減による財源 捻出が条件行政刷新会議の指摘を踏まえた対応が必要 1907   元気な日本復活!2大イノベーション  78,800  文部科学省 B (補正措置を含む) 継続課題には一定の配慮が必要。ただし、要求・要望の削減による財源捻出が条件行 政刷新会議の指摘を踏まえた対応が必要 1908   我が国の強み・特色を活かした日本発「人材・技術」の世界展開  44,790  文部科学省 B (補正措置を含む) 継続課題には一定の配慮が必要。ただし、要求・要望の削減による財源捻出が条件行 政刷新会議の指摘を踏まえた対応が必要 1909   元気な日本スポーツ立国プロジェクト  5,400  文部科学省 C トップアスリートの育成には一定の配慮が必要。ただし、要求・要望の削減による財 源捻出が条件 1910   文化芸術による元気な日本復活プラン 1 5,801  文部科学省 B 徹底したコストの縮減や対象地域の相当な絞込みを行うことが条件行政刷新会議の指 摘を踏まえた対応が必要 文科省関係の項目共通のコメント 文部科学省の要望については、要求で一旦、形式的に廃止した扱いにした上で、増額 要望していること、また、その結果、金額的にも全府省要望総額の3割を占める要望 となっていることから、特別枠」の趣旨に照らして問題が大きい。したがって、文部 科学省については、全般的に大幅な要望の圧縮と、要求の削減による新たな財源捻出 が必要 評価 A:事業の「内容」が積極的に評価できる B:事業の「内容」は積極的に評価できるが、「改革の姿勢」等の問題がある C:事業の「内容」に一定の評価はできるが、「改革の姿勢」等の問題が大きい D:事業の「内容」での評価が困難 なお、予備費・補正予算で措置された事業については、措置された部分を含めた全体 としての評価である。また、それぞれの評価をするにあたっての「条件」、同評価を 踏まえた今後の予算配分にあたっての「留意事項」を必要に応じて合わせて付記し た。 内閣府資料より本事務局作成 http://seisakucontest.kantei.go.jp/article/wp-content/uploads/2010/12/101201_3rd_hyokakaigi.pdf "[he-forum 15952] 減俸通告について 鈴鹿高専の渥美と申します. # 添付ファイルがダメなのか投稿できないので再送です. 本日,下記の内容の文書が電子メールで配布されました. 一応予告はありましたが,一方的な減俸通告です.本校の過半数代表者との話 し合いに関する記録は見つけることが出来ません. 他の高専ではどのような状況になっておられますでしょうか? ----- Cut here ----- Cut here ----- Cut here ----- Cut here ----- 別紙 就業規則改正(平成22年12月1日施行)概要 ○ 教 職 員 給 与 規則(第8号) ・本給月額の改定(別表第1~5(第12条関係) ) → 中高齢層について,本給月額の改定を行う。 ・期末手当の支給割合の引き下げ(第34条) → 期末手当について,6月期の支給割合を100分の122.5(特定 管理教職員にあっては100分の102.5,指定職員本給表の適用を 受ける教職員にあっては100分の62.5)に,12月期の支給割合 を100分の137.5(特定管理教職員にあっては100分の117.5, 指定職員本給表の 適用を受ける教職員にあっては100分の77.5 ) に引き下げる。 ・勤勉手当の支給割合の引き下げ(第35条) → 勤勉手当について,100分の67.5(特定管理教職員にあっては 100分の87.5,指定職員本給表の適用を受ける教職員にあっては 100分の77.5)に引き下げる。 ・55歳を超える教職員の本給月額の減額支給等について(附則第2項から 第 7 項まで) → 55歳を超える教職員(一般職員本給表(一)6級以上,教育職員本 給表4級以上,指定職員本給表適用職員その他これに相当する級の教職 員に限る。について, 本給月額及び管理職手当の支給額を1.5%減額) ・平成22年12月に支給する期末手当及び勤勉手当に関する特例(附則第 9 項 ,第10項) → 平成22年12月期の期末手当及び勤勉手当について,特例措置を設 ける。 ・附則の改正(平成18年4月4日一部改正)第10条 本給の切替えに伴 う経過措置(附則第10項) → 附則(平成18年4月4日一部改正)第10条に規定する経過措置の 額 の 減額調整を行う。 ・附則の改正(平成19年3月30日一部改正)第2条 平成23年3月3 1日までの間における管理職手当に関する経過措置(附則第11項) → 附則(平成19年3月30日一部改正)第2条に規定する経過措置の 額 の 減額調整を行う。 ○非常勤教職員就業規則(第11号) ・退職手当の基礎となる日給の経過措置(附則第2項) → 退職手当の基礎となる日給を,非常勤教職員給与規則(第13号)附 則(平成22年11月30日一部改正)第2項の適用外とする。 ○ 非 常 勤 船 員 就業規則(第12号) ・退職手当の基礎となる日給の経過措置(附則第2項) → 退職手当の基礎となる日給を,非常勤教職員給与規則(第13号)附 則(平成22年11月30日一部改正)第2項の適用外とする。 ○非常勤教職員給与規則(第13号) ・日給又は時間給の経過措置(附則第2項) → 施行日前から雇用されている者の日給又は時間給の経過措置を設ける。 ○非常勤教職員給与規則(第13号) ・日給又は時間給の経過措置(附則第2項) → 施行日前から雇用されている者の日給又は時間給の経過措置を設ける。 ○ 教 職 員 再 雇用規則(第24号) ・本給月額の改定(別表第2(第12条関係)) → 本給月額の改定を行う。 ・期末手当の支給割合の引き下げ(第15条) → 期末手当について,12月期の支給割合を100分の80に引き下げ る。 ・勤勉手当の支給割合の引き下げ(第15条) → 勤勉手当について,支給割合を100分の32.5に引き下げる。 ・平成22年12月に支給する期末手当及び勤勉手当に関する特例(附則第 2 項 ,第3項) → 平成22年12月期の期末手当及び勤勉手当について,特例措置を設 ける。 ・短時間勤務教職員の本給の経過措置(附則第4項) → 施行日前から雇用されている者の本給の経過措置を設ける。 ○ 役 員 給 与 規則(第59号) ・本給月額の改定(第5条) → 本給月額の改定を行う。 ・期末特別手当の支給割合の引き下げ(第11条) → 期末特別手当について,6月期の支給割合を100分の140に,1 2月期の支給割合を100分の155にそれぞれ引き下げる。 ・55歳を超える役員の本給月額の減額支給等について(附則第2項,第3項) → 55歳を超える役員について, 本給月額等の支給額を1.5%減額 ・平成22年12月に支給する期末特別手当の特例(附則第5項,第6項) → 平成22年12月期の期末特別手当について,特例措置を設ける。 -- Kiyotaka ATSUMI, Suzuka National College of Technology E-mail: kiyotaka [at] ka-lab.jp / kiyotaka [at] info.suzuka-ct.ac.jp Web: https://www.ka-lab.jp/ PGP Public Key: https://www.ka-lab.jp/pubkey/20100825.kiyotaka-at-ka-lab.jp.asc Finger Print: 9FB0 07AC DB60 459A 8A2A 2888 FC44 9B3A 85A9 4119 "[he-forum 15953] 12.1全国共同国会要請行動を出発点に、来年度予算組み替え要求をも視野に入れつつ、全国共同行動態勢を発展させよう2010年12月(B2日 12.1全国共同国会要請行動調整委員会(行動調整委員会) 12.1全国共同国会要請行動を出発点に、来年度予算組み替え要求をも視野に入れつ つ、全国共同行動態勢を発展させよう 国公立大学危機打開を目指す国会要請行動が12月1日、全国から集まったおよそ120名 の教職員、院生、学生によって、衆議院第1、第2議員会館を拠点に午前と午後、展 開されました。参加者は、9団体(全大教、日本私大教連、都大教、首都圏大学非常 勤講師組合、日本科学者会議、アレぜール日本、全院協、全学連、都学連)によって 構成された実行委員会からの共同要請事項と資料集をもって、衆議院文教科学委員、 参議院文教委員を中心に数十名におよぶ国会議員ならびに同秘書と懇談しました。2 波にわたる要請行動の間に行われた共同集会には、5名の国会議員(秘書を1名を含 む)が国会報告と激励のために駆けつけられ、また全教と日高教からはそれぞれ委員 長が連帯の挨拶を述べられました。なお、行動調整委員会によって企画されていた国 会前の宣伝行動は、他団体による集会が先に行われていたため、残念ながら中止せざ るを得ませんでした。今回の全国共同国会要請行動は2つの点で画期的な内実を持っ ています。 第1に、設置形態と階層の違いを超えて国公私立大学の教職員・学生・院生が、大学 の危機打開という共通要求のために初めて全国的規模で共同行動を行ったことです。 この共同行動は、日常的に活動を展開されている諸団体を中軸にしながらも、それら に加入していない方々が個人の資格でも参加できるよう行動調整委員会を設けまし た。そのことによって団体非加盟の教職員や全国組織が未成立であるポスドク諸君等 の参加が促進されたことも重要です。 第2に、国権の最高機関=国会を構成する議員諸氏に対して直接の要請行動と懇談を 行ったことです。このなかで、行政府と大政党執行部の声高な主張や喧伝のもとでか き消されているかにみえる議員諸氏の生の声や意見が浮かび上がり、高等教育充実・ 発展の必要性と緊急性への理解が深まってきたことです。設置形態と階層の違いを超 えた共同行動に心を動かされた議員がおられることも特記されてよいでしょう。 共同行動が締めくくりの総括集会を行っていた最中、300メートル余り南の首相官邸4 階では『元気な日本復活特別枠に関する評価会議』(第3回)がわずか15分の議論を して評価結果を決定しました。その評価結果は官邸ウェッブサイトにアップされてい ます。 http://seisakucontest.kantei.go.jp/article/about 『「強い人材」育成のための大学の機能強化イニシアティブ』の評価はBですが、こ うした評価に左右されず、“政策コンテスト”方式そのものを厳しく批判しなければ なりません(10月3日付、国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局声明参照 http://www.shutoken-net.jp/index.phpoption=com_content&view=article&id=1447&Itemid=105)。 これから来年度予算案は、財務省案提示、政府案決定を経て、来年早々の通常国会へ と提案されます。それぞれの節目を睨みながら、我々の運動をさらに強め、最終的に は予算組み替えによって大学危機打開のための来年度予算を実現させねばなりませ ん。こうした行動こそが現在の危機的政治状況を急速に流動化させ、新たな日本社会 を展望するトリガーともなるでしょう。今回結集した諸団体間の共同行動を継続する よう訴えるものです。 2010年12月2日 12.1全国共同国会要請行動調整委員会(行動調整委員会) 共同代表 伊藤谷生(千葉大学)・岩崎稔(東京外国語大学)・小沢弘明(千葉大 学) PS:本日をもって行動調整委員会のメールアドレスと特設電話を廃止します。 "[he-forum 15954] 朝日新聞福井12/3 朝日新聞福井版2010年12月3日付 福井大、予算減見通しに抗議「高等教育だめになる」  福井大学の福田優学長は2日、県庁で会見し、国の来年度予算の特別枠1兆円余りの内容を検討する評価会議(政策コンテスト)で、大学関連予算が大幅に減額される見通しとなったことに抗議の意を表明した。年間予算の1割にあたる約9億円の影響が出るとの試算を示し、「このままでは高等教育がだめになる」と訴えた。  1日にあった政策コンテストで、文部科学省関連の10事業がいずれも予算減額と判定された。福井大は授業料減免のための予算1.6億円、新規研究プロジェクト予算1.2億円など、最大で計9.3億円の予算減につながる恐れがあるという。  福田学長は学生へのアンケートの結果から、福井大の学生の約3割は家庭の年収が500万円以下にとどまると説明。現在は約1千人が授業料の減免措置を受けているといい、「大学が身銭を切ることになる。教育の危機と言わざるを得ない」と述べた。  福井大は9月、来年度予算で大学の関連予算が削減されることを想定し、福田学長が自ら街頭に立つなどして署名運動を展開し、10月に7千人分の署名を国に提出した。福田学長は「多くの方に支援をいただいたが、大変厳しい結果になった。復活折衝に向け、8日の国立大学協会の臨時総会で強く団結を呼びかけたい」と話した。(笹川翔平) "[he-forum 15955] 毎日新聞12/2 毎日新聞2010年12月2日付 ファイル:大学関係9団体「予算確保を」  「大学予算は危機的状態にある」として、国公立大や私大教職員の全国組織など9団体が1日、衆参両院の与野党議員に一斉に要請書を提出した。非常勤講師の組合や学生・大学院生の全国組織も参加しており、「大学の全階層が垣根を越えて結集した、歴史上おそらく初の行動。危機感の表れだ」という。  要請書では、来年度予算で文部科学省が特別枠で概算要求し、政策コンテストにかけられた国立大学法人運営費交付金や私大特別補助の「満額実現」を求めたほか、学費減免や無利子奨学金の拡充、高等教育への歳出を他の先進国並みに引き上げることを求めた。 "[he-forum 15956] しんぶん赤旗12/2 しんぶん赤旗2010年12月2日付 大学予算 拡充して 国公私立大関係者が共同 教職員・学生ら国会要請  大学予算の大幅削減が問題になっているなか、国公私立大学の教職員組合や大学関係者、大学生、大学院生の団体などが1日、高等教育予算の拡充を求めて国会要請と国会内共同集会を行いました。国立大学、国立高専、私立大学の教職員、首都圏の非常勤講師など113人が参加しました。国公私立、常勤と非常勤、教職員と学生の違いを超えて実行委員会をつくって開いた初の共同行動です。 所属の枠超え  行動では、(1)来年度予算について、教育研究費の拡大、学費減免や無利子奨学金の拡大などを求めた予算の確保(2)中・長期的要望として、大学の無償化、奨学金の無利子化と給付制の創設―などを求めました。  集会では、全国大学高専教職員組合の森田和哉書記長が「予算確定まで粘り、安定した大学予算の確保を求めたい。大学高等教育関係団体、教育団体との共同を広げていきたい」とのべました。  日本私立大学教職員組合連合の杉本圭治書記長は、私学助成の減額などによる国公立と私立の格差をあげ、「教育の機会均等を保障し、国民の負託にこたえうる私立大学に転換するため、運動していきたい」と話しました。  全日本学生自治会総連合の小山農委員長は奨学金の返済について、就職難で内定率が6割を切る状況で、借りたものを返せない実態にあると指摘。「教職員と力を合わせ、学生の立場から主張していきたい」とのべました。  東京都学生自治会連合の塚田幹人書記長は大学予算削減に反対する緊急署名が5064人分に達したと紹介。家族やサークル、クラスや研究室、駅前や大学門前、都内大学の学部長に郵送で協力を依頼するなどで集めたとのべました。  集会には全日本教職員組合、日本高等学校教職員組合が連帯あいさつを寄せました。  日本共産党の宮本岳志衆院議員が、民主党、社民党の国会議員とともに出席し、力を合わせて頑張る決意をのべました。  予算1割削減 菅内閣は2011年度の予算編成で、社会保障費や「特別枠」を除いた一般歳出の1割削減を閣議決定しています。国立大学運営費交付金や私学助成などの教育関連予算も含まれます。国立大学予算に削減率を適用した場合、国立大学の運営費交付金は1000億円以上の削減となります。国立大学が法人化してからの6年間で運営費交付金は毎年削減され、合計830億円削られてきました。それを上回る額です。 "[he-forum 15957] 日本経済新聞12/1 日本経済新聞2010年12月1日付 筑波大と日立が協定、茨城県北地域の医師不足解消へ  筑波大学と日立製作所は30日、茨城県北地域の医師不足解消へ向けて協力することで協定を結んだ。日立製作所は2011年4月から同社が運営するひたちなか総合病院(ひたちなか市)に寄付講座を設置し、筑波大が全国から公募する教員格の医師5人を派遣。医学生を教育しつつ、地域医療を支援する。同社は他の県北2病院でも同様の取り組みを進める考え。  寄付講座の名称は「地域医療・先端医工連携講座」で、日立製作所が3億7500万円を寄付する。講座の開設期間は来年4月1日から5年間の予定。筑波大はひたちなか総合病院を地域医療と臨床研究の拠点病院と位置付け、院内に「筑波大学付属病院ひたちなか社会連携教育研究センター(仮称)」を設ける。  同センターには筑波大が今後新たに公募する内科医ら5人を教員として配置。医学生や研修医の教育・研修に活用する。総合病院と連携することで、地域に根ざした医師の育成や地域全体の医療支援につなげる。同社の日立総合病院(日立市)と多賀総合病院(同)でも検討していく。  同日記者会見した筑波大の山田信博学長は「地域唯一の医師養成大学として、県北の医学的、社会的な連携体制を整備できる」と強調した。また日立製作所の県内病院を統括する茨城病院センタの岡裕爾理事も「地域医療を担う病院として、いっそうの社会貢献を進めたい」と話した。  筑波大は総合病院の膨大な臨床研究のデータを教育に生かすことで、優秀な研修医の囲い込みにも役立つとみている。日立製作所は医師不足が進む県北地域での医療体制の強化を狙うとともに、同大と高齢化社会に対応した医療機器などの共同開発につなげたい考え。  筑波大は08年から同様の教育拠点事業を進め、すでに茨城県立中央病院(笠間市)など県内の3病院に教員・医師を派遣している。同大と日立製作所は04年に技術連携・人材育成を中心とした協定を結んでおり、医療分野での新たな協定締結で産学連携を加速させる。 "[he-forum 15958] 日本経済新聞12/2 日本経済新聞2010年12月2日付 キヤノン、京大に5億円寄付 先端医療機器開発を支援  キヤノンは1日、京都大学の医療機器開発施設の建設や人材育成を支援するため5億円を寄付すると発表した。京大が新設する「先端医療機器開発・臨床研究センター」(2011年5月に完成予定)は臨床研究から薬事申請まで手がける。新施設を拠点に先端の画像診断装置や関連技術を共同で開発し、早期の実用化を目指す。  キヤノンと京大は06年から10年計画で画像診断装置の共同開発プロジェクトを進めている。同社は新施設に研究者を常駐させ、目の病気を高精度に見つける検査装置、従来製品と比べ痛みがなく乳がんを検査できる「光超音波マンモグラフィー」などを開発する。 "[he-forum 15959] 日本経済新聞12/1(2) 日本経済新聞2010年12月1日付 教員免許を3段階に 中教審部会案、専門性養成促す  教員養成や研修の見直しを議論している中央教育審議会の特別部会は30日、教員免許を大学卒業者向けの「基礎免許」と、採用後に大学院で修士課程を終えた教員らに与える「一般免許」、より高い専門性を身に付けた教員に与える「専門免許」の3段階に分ける案をまとめた。  いじめや不登校など子供を取り巻く環境が複雑になる中、より高度な専門性を持った教員を育てる狙い。年内にも審議経過報告を公表し、詳細を引き続き議論する。  ただ受け皿の大学院不足や教員らの負担軽減など課題も多く、衆参の「ねじれ国会」で関連法改正も困難とみられ、実現には曲折が予想される。  特別部会案によると、現在は大学4年間で教職課程を履修すれば取得できる教員免許を、将来は大学院修了レベルの資格にする。制度移行段階である当面の間は、大卒者に暫定的資格の「基礎免許」を与え、教員を続ける場合は教職大学院などで一定期間内に修士課程などを修了し「一般免許」取得を義務付ける。  さらに10年程度の実務経験を積み、教職大学院などで学び直した教員らに学校経営や生徒指導などの「専門免許」を与える。民主党が廃止を視野に入れていた教員免許更新制は、専門免許状導入と合わせて存廃の検討を続けるとした。  現在は学校段階別に分かれている免許状を「義務教育免許(小・中学校)」「中等教育免許(中学と高校)」にする案も示した。 "[he-forum 15960] 沖縄タイムス12/2 沖縄タイムス2010年12月2日付 大学院大支援に 3億9400万円追加  補正予算案では、一般会計で国の経済対策関連経費として119億3774万円、沖縄特別対策調整費関連の5億1231万円などが計上された。同調整費関連では、沖縄科学技術大学院大学設置に伴うインターナショナルスクール整備に、3億9400万円の追加支援を計上した。  同スクール整備については、校舎整備費が当初見込みに足りず、2月定例会で3億9000万円を計上したばかり。県議会は(1)県はこれ以上の予算上の支援をしない(2)事業実施にあたっては地元企業への優先発注などに努めること―など4項目を付帯決議している。  経済対策関連の内訳は、新石垣空港整備事業の前倒し発注18億3856万円、特別自由貿易地域に高圧の電力供給施設を整備する特別自由貿易地域電力基盤整備事業6億7027万円、本島中南部や宮古島の天然ガス資源開発のため分布マップを作成する天然ガス資源緊急開発調査事業6億円、就職が決まっていない新規高卒者や大学生へ面接アドバイスなどを行うコーディネーターなどを配置する沖縄新規学卒者緊急就職支援事業1億5053万円など。  政府の事業仕分けで指摘を受けて国道の維持管理費が削減され、県民の苦情が増えていることを踏まえ、県管理道路植栽の除草・剪定(せんてい)に要する経費1億2000万円も計上された。 "[he-forum 15961] 岩手日報12/3 岩手日報2010年12月3日付 岩手大との連携望む声 自治体と意見交換会  盛岡市上田3丁目の岩手大(藤井克己学長)は2日、同市内のホテルで地域連携に関する意見交換会を開いた。相互友好協力協定を結ぶ自治体から連携充実への要望が相次いだ。  協定締結自治体の首長ら関係者53人が参加。地域連携を担当する岩渕明理事と同大地域連携推進センターの小野寺純治副センター長が、自治体からの共同研究員受け入れや、各地域で行っているフォーラムなどの取り組みを紹介した。  自治体の代表からは「地域の課題に対して研究者や大学からの積極的な提言や提案が欲しい」(盛岡市)、「協定を結んだ自治体同市の交流の場を設けてほしい」(遠野市)などの要望が挙がった。  藤井学長は「各自治体からの要望のくみ取りが足りなかったように感じられる。これからニーズを聞きながら地域の課題に取り組みたい」と語った。  同大は2001年3月に釜石市と相互友好協力協定を締結。現在まで11の市村と協定を結んでいる。 "[he-forum 15962] 毎日新聞広島12/2 毎日新聞広島版2010年12月2日付 事業仕分け:文科省3事業「廃止」 公立大中・四国協、再考求め声明 ◇「公立大への認識欠落」  政府の行政刷新会議による事業仕分けで、大学を支援する文部科学省の3事業が「廃止」と判定されたことを受け、「公立大学協会中国・四国地区協議会」(議長=浅田尚紀・広島市立大学長)は1日、「地域再生の芽を摘み、地域崩壊の加速に手を貸す」として、再考を求める緊急声明を発表した。  同協議会には、中国・四国地方の12公立大学が加盟。声明では「中国・四国の各地域に展開し、地域再生のために世界に通用する人材育成を進める公立大学への認識が欠落している。都市圏の大規模大学を念頭においた中央目線での議論」とも指摘している。  11月にあった事業仕分けでは、大学教育質向上推進▽大学生の就業力育成支援▽地域・社会の求める人材を養成する大学等連携--の3事業について「廃止」とされた。就業力育成支援は、5カ年計画で今年度始まったばかりで、各大学でプログラムを進めていた。【加藤小夜】 "[he-forum 15963] しんぶん赤旗12/2(2) しんぶん赤旗2010年12月2日付 「思いやり」予算 最上位 政策コンテスト「特別枠」要望を評価  政府は1日、2011年度予算の「元気な日本復活特別枠」に関する評価会議(議長・玄葉光一郎国家戦略担当相)を開き、各省庁が要望した189事業に対する4段階(A~D)の評価を決定しました。今後、この評価に基づき、約3兆円の要望額を1・3兆円程度まで削ります。AとBに重点配分するとしています。  要望項目のうち、防衛省の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)は最上位のA判定で、要望額1859億円が全額認められる見通し。玄葉戦略相は「日米関係の重要性を含め総合的に判断した」と語りました。自衛隊の運用に必要な衛星通信機能の借り上げもA、自衛隊の行動・訓練用の燃料費もBとされています。  特別枠は、「元気な日本復活のための効果が見込まれる」「予算配分を大胆に組み替えるという『特別枠』の趣旨に合うもの」でなければならないとされています。米軍への「思いやり」予算などはこの趣旨に反していますが、高い評価を与えられました。  一方、文部科学省が要望した小学校1、2年生の35人学級実現にかかる教職員人件費については、法律で国に支出が義務づけられている現行の40人学級の人件費しか認めていません。  大学運営費交付金にかかわる「大学の機能強化」はBとされた上、教育・研究の基盤経費を「相当に絞り込む」ことが条件とされています。奨学金や授業料免除の拡充要望はC判定です。しかも、40人学級分の教職員人件費、奨学金を現在受けている人への支給分を認める条件として、他の文教予算を削ることが条件とされています。  厚労省の地域医療確保推進事業もCとされています。 "[he-forum 15964] 毎日新聞愛知11/30 毎日新聞愛知版2010年11月30日付 大学改革シンポジウム:教員養成6年制テーマに議論--名古屋  愛知教育大と国立大学協会主催の大学改革シンポジウム「大学院での教員養成をどうとらえるか」が名古屋市内で開かれた。教員の資質向上を目的に打ち出された教員養成の6年制がテーマ。文部科学省の担当者と教育大学の研究者らが今後の教師像や課題などを議論し、教員養成大学や小中高校の教員ら約70人が耳を傾けた。  文科省の渡辺倫子・教員養成企画室長が「教員養成への期待」と題して講演。公立小中校の現状について「教員の大量定年退職時代を迎え、経験の浅い教員が急増する。学校の小規模化や教員の多忙化で、校内での人材養成が一段と困難になりそう。校長の総合的な学校経営力も不足傾向」と指摘した。  パネルディスカッションでは教員養成大の教授ら3人とコーディネーターの愛教大教授2人が討論した。梅沢収・静岡大教育学部教授は「教師の専門職性の保障や職能成長の支援のため大学で何ができるか、学校や教育委との連携を基本に改革すべきだ」と訴えた。佐久間亜紀・上越教育大大学院准教授は「教員志願者は減少傾向。教員養成の修士義務化は志願者をさらに減少させないか。志願者の質的低下を防ぎ、修士に見合う待遇と就職先をどう確保するかが課題。現状は修士と学士の教員の給与差が少な過ぎる」と述べた。  松田正久・愛教大学長は「教員の専門職化や高度化は避けられないが、教員養成6年制には課題も多い。優秀な教員志望の学生を確保するため、国による授業料免除や奨学金の充実などが不可欠だ」と強調した。  会場からは「大学院を出た教員に『大学院を出て損した』とか『大学院修了を同僚に知られたくない』といった思いもあるそうだが、そのようにしてはならない」などの意見が出た。【安間教雄】 "[he-forum 15965] 毎日新聞12/4 毎日新聞2010年12月4日付 新教育の森:未来型授業、仕分けで廃止 始動したばかり…現場にとまどい  政府の行政刷新会議が11月に実施した「事業仕分け第3弾」では、教育関連の事業もやり玉に挙がった。子どもたち全員にパソコンを配る未来型授業の有効性を検証する事業と留学生増を目指す事業は、いずれも始まったばかりで「廃止」の判定。関係者にとまどいや反発が広がっている。【遠藤拓、井上俊樹】  教室の机の上には、教科書やノートの代わりに1人1台のタブレットPC(タッチパネル式の小型パソコン)が置かれている。B5判程度のコンパクトサイズだが、機能は優れものだ。  「みんなで社会科見学のまとめを発表しましょう」。長野市の市立塩崎小学校。11月25日、5年生の授業で近藤諭教諭(39)が呼び掛けると、子どもたちはパソコン画面上の「まとめ」のファイルを開いた。社会科見学で訪れたキノコを生産する会社や運送会社などで撮影した写真が、それぞれの感想文とともに画面上に現れる。近藤教諭が発表する児童を指名し、教室前方の「電子黒板」に映った席次表で名前をクリックすると、この児童の「まとめ」が電子黒板に大映しになる。他の子どもたちは電子黒板を見ながら児童の発表に耳を傾けた。  ◆児童全員に小型PC  近未来の教室風景を想像させるこの授業は、総務省が主導する「フューチャースクール推進事業」の1校に選ばれたことで実現した。教室でICT(情報通信技術)機器を駆使することによる課題を検証する事業で、NTTコミュニケーションズなど2社が調査研究を請け負い、今年度から全国の10小学校を対象にスタートした。塩崎小も10月には318人の児童全員にタブレットPCを配った。  ところが、始まったばかりのこの事業の雲行きが早くも怪しくなった。総務省は3年間事業を継続し、11年度は中学、高校など40校にも拡充する予定だった。しかし、11月15日に開かれた事業仕分け第3弾の判定は現行10校分について来年度「廃止」、拡充分も「理由が見当たらない」として事実上の廃止を求めた。  そもそも、この事業は昨年の事業仕分けで「予算計上見送り」と判定された「ICT利活用型教育の確立支援事業」の内容を一部変えて名称も変更し、復活した。昨年も「モデル事業としての将来ビジョンが乏しい」「文部科学省が主導すべきだ」などと指弾されたが、今回もほぼ同様の指摘が相次ぎ、仕分け人からは「露骨な看板の掛け替えだ」と嫌悪感が示された。  この結果に塩崎小の田原徹校長は「ICTをうまく活用できれば、子どもたちに与えられる情報の質が上がり、きめ細かい指導も可能になるのに」と肩を落とす。  課題は山積している。この日は児童のまとめた資料を電子黒板にうまく映し出せないトラブルが何度も発生した。教師によって機器の習熟にかなり濃淡がある。それでも、田原校長は言う。「実証実験で、誰かが改善点の洗い出しをしないといけないが、それが仕分けで滞るとすれば残念だ」  文科省はこの事業とは別に来年度からICT機器の実証研究を始める予定だ。塩崎小など10校も対象に含めることを念頭に置いているが、文科省の事業も予算が得られると決まっているわけではない。  ◇留学生受け入れ支援も  一方、国際化拠点整備事業(グローバル30)は08年に文科省や外務省などが策定した「留学生30万人計画」の実現に向けた事業の一環。優秀な留学生を増やすことで大学の国際競争力を高め、日本人学生の国際感覚を養うことも目指す。英語だけで受講・卒業できるコースの創設や国際公募による教員採用、留学生の受け入れ窓口となる海外拠点の設置などに取り組む大学を30校程度選び、5年間にわたって財政支援する計画だった。  初年度の09年度は約40億円の予算で、東京、京都、東北、名古屋、大阪、九州、筑波の国立7大学と早稲田、慶応、上智、明治、同志社、立命館の私立6大学の計13大学が採択された。13大学の計画では事業開始前の08年度に合計約1万6000人(留学生比率6%)だった留学生を5年後に3万人(同9%)、20年度に5万人(同14%)に増やすことを目指した。  ◆昨年度に「予算縮減」  ところが、昨年の事業仕分けで「留学生の受け入れはそもそも大学の本務」「効果が不透明」などとして「予算縮減」と判定。10年度予算は約30億円に減り、30校に増やすはずの当初計画も頓挫。30億円弱に減らして要求した11年度予算も再び事業仕分けの俎上(そじょう)に載った。文科省は事業の必要性を強調したが、既に立ち上がっている85の英語コースの在籍者が454人と、1コース平均5・3人に過ぎないことなども明らかになり、仕分け人は改めて「効果が不明」と指摘、「いったん廃止」と判定した。  これに対し、すでにロシアやベトナムなど7カ国に海外事務所を設置し、来年秋入学の留学生の募集を始めている13大学は大きく反発。11月25日には「21世紀の世界で日本が生き残るため、世界から優秀な人材を獲得することは不可欠」とする共同声明を発表した。事業仕分けには拘束力がなく今後の対応が注目されるが、文科省は来年度以降について「どういう形で予算に反映できるか検討しているが、最終的には政治判断になる」としている。 "[he-forum 15966] 日本経済新聞12/4 日本経済新聞2010年12月4日付 中国地方の産学官、次世代車へ域内連携次々  中国地方で自動車産業の競争力強化に向けた連携の動きが一段と活発になってきた。広島大学と近畿大学は3日に包括協定を結び、主に次世代自動車の開発分野で共同研究や人材育成などに取り組む。産学官で自動車の次世代技術の開発テーマを検討する試みも始まった。地域の知的資源の活用により、環境や安全性能向上など次世代自動車に求められる技術開発や製品化を促す。  広島大と近大はともに東広島市に工学系の研究拠点を置く。近大工学部は今年4月、自動車技術の研究を中心に据えた「次世代基盤技術研究所」を本格稼働。広島大学でも来年4月、県下の7大学や企業、行政との共同研究拠点として、霞キャンパス(広島市)に医学と工学を連携させたものづくりの研究拠点を新設する。  いずれも10億円弱を投じて実験設備などの導入を進めており、両施設の相互利用を進める。近大の京極秀樹工学部長は「2つの拠点を中心に、マツダや関連企業との連携もさらに深められる」とみている。  両大学は来年度にも共同講義の開設や大学院の単位交換などを始めるほか、共同の研究プロジェクトも拡大する。「従来も教員間で個々の共同研究はあったが、さらに幅広い分野で成果を出したい」(広島大の浅原利正学長)考えだ。  中国地方の各大学や研究機関がマツダやその関連メーカー向けに、次世代自動車向けの技術を提案する「シーズ発信会」も9月に開かれた。中国経済産業局が主催し、「知能化」「電動化」などのテーマで51の技術を紹介した。  マツダ側が部品メーカーや研究機関向けに、新たに取り組みを求める技術テーマを提示した7月の「ニーズ発信会」を受けた取り組み。マツダでは「2~3年後に成果を期待できる技術もあった。地場で産官学がかみ合えば開発を効率化できる」(マツダ車両開発本部の松岡孟主幹)と期待する。  自動車開発はすそ野が広く、車の性能が進化するなかで自動車メーカーや部品企業が独力で対応するのは難しくなっている。大学もそれぞれの研究成果を生かした地域貢献などが求められており、今後も連携の動きが加速しそうだ。 "[he-forum 15967] 「特別枠」の予算配分に向けての各府省からの意見 (文科省抜粋) 「特別枠」の予算配分に向けての各府省からの意見 (文科省抜粋) 本資料は、元気な日本復活特別枠に関する評価会議で決定(平成22年12月1日) した「「元気な日本復活特別枠要望」に関する評価」を受けて、各府省として、今後 の予算配分にあたりどうしても配慮してほしい留意点や考え方等を意見として提出し ていただいたものである。 【府省名:文部科学省】 【事業番号】事業名 ・【1902】未来を拓く学び・学校創造戦略 ・【1904】学習者の視点に立った総合的な学び支援及び「新しい公共」の担い手育成 プログラム ・【1906】成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ ・【1909】元気な日本スポーツ立国プロジェクト 意見 元気な日本復活特別枠に関する評価会議から示された評価結果においては、文部科学 省の提出した「特別枠」要望の10本の事業のうち6事業が「B」評価とされ、次代 を担う若者をはじめとした多くの国民や学校、大学、研究機関といった現場の思いを 踏まえたものとなっており、有り難く受け止めたい。その上で、「C」評価とされた 左記4事業についても格段の御配慮を重ねてお願いしたい。 特に、「学習者の視点に立った総合的な学び支援及び「新しい公共」の担い手育成プ ログラム」は、マニフェスト2010 の記載事項であるとともに、パブリックコメント では10代・20代を中心に5万5千人を超える意見が寄せられており、多くの国民 が極めて重要と考える事業である。現下の厳しい経済状況の中にあって、希望者が奨 学金を受けることができ、学ぶ機会が実質的に確保されるように配慮をお願いした い。 また、「成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ」に関して は、若手研究者との熟議の中でも、研究費の一層の効率的活用のための「科研費の基 金化」が極めて有効との強い意見が寄せられている。このような制度改正をはじめと する若手研究者支援については、本年ノーベル賞を受賞した、鈴木・根岸両先生、さ らに理系出身者である菅内閣総理大臣もその重要性を重ねて強調されており、若手研 究者に十分なチャンスを与え、能力を発揮できる環境の整備に配慮をお願いしたい。 【参考】マニフェスト2010(抜粋) ○大学生、専門学校生などの希望者全員が受けられる奨学金制度を創設します。ま た、大学の授業料減免制度を拡充し、教育格差を是正します。 +++++++++ 以上は,「特別枠」の予算配分に向けての各府省からの意見(平成22年12月3日 元気な日本復活特別枠に関する評価会議)より本事務局が作成 詳細は以下の官邸HPのURLを参照 http://seisakucontest.kantei.go.jp/article/wp-content/uploads/2010/12/101203_4th_hyokakaigi.pdf "[he-forum 15968] 朝日新聞12/6 朝日新聞 2010年12月6日11時31分 入学者数、進路…大学の実態を公開 4月義務化へHP特設  大学の入学者数や進路などの情報公開の義務化まであと4カ月。大学 側は、偏差値以外の情報を受験生に知ってもらう好機ととらえ、ホーム ページ(HP)更新の準備を加速させている。だが、「大学の実態が明 らかになれば、大学間の格差が広がる」との指摘もあり、開示方法や範 囲に頭を悩ませる大学も少なくない。  「情報公表」。芝浦工業大のHPのトップページには、こんなタイト ルのバナーがある。  クリックすると、大学に関するあらゆる項目が掲載されたページにた どり着く。  各学部の学科一覧、学生数、留学実績、就職先、学費、奨学金、サー クル――。  来春から公表を義務付けられる情報をそろえて掲載したのは、今年6 月。文部科学省が情報公開の義務化の通知を出して間もなくだった。H Pの別々のページに散らばって掲載されていたのをまとめて探しやすく しようと準備していたが、通知を受けて前倒しした。  「入学金や授業料を考えると、大学入学はすごい高価な一生に一度の 買い物。その商品の中身を分かりやすく見えるようにした」(村上雅人 副学長)との考えからだ。  同大学の自慢は「進路決定率」の高さ。今春は、卒業生1371人の うち96%が、就職か進学を決めた。村上副学長は「うちの良さを知っ てもらい、ブランド力を上げる好機」と期待を寄せる。  他の大学も来春を前に準備を加速させている。明治大も「大学につい てより深く知ってもらえる機会になる」(広報課)として、年度内に大 学の情報をまとめたHPの特設サイトをつくる方針。慶応大や早稲田大 も、公開方法の検討を進めているという。  民間企業や大学団体が開く情報公開セミナーも人気だ。大学の広報支 援にあたるアートスタッフ社が10月21日、「大学の価値を伝える情 報公開とは?」との題で都内で開いたセミナーには、大学の広報担当者 ら40人ほどが集まった。来春に向けてHPの更新を進める大学が増え ており、商機と見込んだ同社は、提携大学を広げているという。 ■「数字独り歩き」懸念も  一方、戸惑いも広がる。  公立大学協会が10月22日、大阪府内で開いた加盟大学向けの勉強 会。先進例などを紹介したが、出席した約60人の担当者からは、「公 表する数値の定義が分からない」「教員の業績は、どこまでどう表記す ればいいのか」といった質問が相次いだ。  制度改正により、大学が公開するべき項目は示されたが、その公開の 仕方は基本的に大学側に委ねられているためだ。  例えば文科省の通知では、公開が必要な情報として「就職者数、その 他進学及び就職等の状況に関すること」と示しているが、「具体的な就 職先企業や就職率まで公開するべきなのかどうか、判断に悩むところ。 他の大学の公開方法を見て考えたい」(私大の広報担当者)という。  別の私大担当者は、教員の業績について「公開を嫌がる教員もいて、 どれだけ公開できるか分からない」と話す。  公立大学協会は公表が義務付けられる数値の定義やHPでの表示方法 のガイドラインをつくり、大学に活用してもらう方針だ。  公表後の評価を懸念する声も。関東地方のある私大は現在、一部の学 部の学生数が定員を3割下回っているが、数字は公表していない。来春 から公開が求められるが、この大学の教授は「風評被害が広がらないか 心配だ」と話す。  芝浦工大の村上副学長も、「数字の独り歩きは危険」という。「公開 情報をもとにメディアが就職状況などをランク付けするかもしれない が、順位の変動に過度に振り回されないようにしたい」  財政的な負担も大きい。東京都内のHP制作会社によると、規模が大 きい大学だと、HPを本格的に作り直すには1千万円以上かかる。公立 大学協会によると、規模が小さい大学ほど作業が遅れがちだという。あ る地方の公立大の関係者は、「経費削減で人手が減ったところなのに、 情報公開に金も人も手当てできない」と漏らす。それでも情報公開に不 備があると、交付金や補助金がカットされかねない。「最低限の情報公 開はしないといけないが、間に合うかどうか……」(井上裕一) 〈キーワード〉大学の情報公開の義務化  すべての大学や大学院、短大が2011年度から、教育に関する情報 をそれぞれのホームページなどで公開することが義務付けられる。義務 化の対象は、入学者数、定員、在学生数、就職者数、教員数、教員の業 績、授業科目、年間の授業計画、卒業の認定基準、授業料など。受験生 らへの情報提供のほか、質向上に向けた大学の取り組みを促す狙いもあ る。公開内容は第三者機関が審査。公開が不十分だと、国からの補助金 が減額される可能性がある。 "[he-forum 15969] 朝日新聞12/6(2) 朝日新聞 2010年12月6日11時2分 米国留学、日本の学生減るばかり 中国からは急増  米国に留学する日本人学生数の減少に、歯止めがかからない。米国際 教育研究所(IIE)が先月発表した米国の大学・大学院の外国人留学 生数(2009~10年)によると、日本人留学生は約2万4800人 で、全体の6位。前年より15.1%減り、上位25カ国中、最大の減 少率だった。  IIEの報告によると、米国への日本人留学生数は94~98年にか けては世界一だったが、97~98年の4万7千人をピークに減少傾向 が続く。  一方、今回インド(10万4900人)を抜いてトップになったの は、中国(12万7600人)。前年比30%増だった。世界的な不況 の影響もあり留学生数が減る国や地域が多い中、中国の大幅増により、 米国への外国人留学生の総数は前年比3%増の69万1千人で過去最多 だった。  この統計の「留学」には、学部や大学院で単位を取得するものの他 に、短期の語学研修など単位認定されないものも含まれる。日本人留学 生のうち、最も多いのは学部への留学で52.6%。大学院は21. 7%、その他が25.7%だった。一方、中国は学部が31.3%なの に対し、大学院が52.1%。2位のインドも学部が14.5%、大学 院が65.1%と、大学院への留学生の割合が高いのが特徴だ。  日本からの米国留学の大幅減について、在日米国大使館は「若者人口 が減っていること、日本国内の大学数が著しく増えていること、厳しい 経済状況下での就職競争の激化が留学をためらわせていることなど、多 様な要因が考えられる」としている。  米国留学の窓口となっているフルブライト・ジャパン(日米教育委員 会)のサターホワイト事務局長は「グローバル化が進む中、経済や人材 育成の面で日本の国際競争力の低下が心配だ。より多くの日本の若者に 米国留学を目指してほしい」。(三島あずさ) "[he-forum 15970] 大学関係予算 2011年度大学関係予算をめぐる現情勢について 2010年12月6日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 【「特別枠」についての評価結果】 12月1日、「元気な日本復活特別枠に関する評価会議」(第3回)は、議事概要ととも に「特別枠」要望に関する優先順位付けなどを発表した。 http://seisakucontest.kantei.go.jp/article/wp-content/uploads/2010/12/101201_3rd_hyokakaigi.pdf 文科省の要望については、“「特別枠」の趣旨に照らして問題が大きい。従って、 (中略)全般的に大幅な要望の圧縮と、要求の削減による新たな財源捻出が必要”と の総評がなされた上で、大学関係の事業番号1905「強い人材育成」(運営費交付金 等)はB、1904「総合的な学び支援」(授業料減免等)と1906「若手研究人材育成 (科研費を含む)」はCとなっている。それぞれの事業についてのコメントをみる と、 ・事業番号1905:教育・研究の基盤経費に一定の配慮が必要。ただし、その経費を相 当に絞り込むとともに、要求・要望の削減による財源捻出が条件。行政刷新会議の指 摘を踏まえた対応が必要 ・事業番号1904「総合的な学び支援」(授業料減免等):既存受給者への貸与に必要 な分は措置する必要。ただし、これを措置するには、要求・要望の削減による財源捻 出が条件 ・事業番号1906「若手研究人材育成(科研費を含む)」:継続課題、既存受給者には 一定の配慮が必要。ただし、要求・要望の削減による財源捻出が条件 となっている。 評価結果は上記のように極めて厳しいものであり、このままでは大学関係予算の大幅 削減必至の状況とみるべきである。 【文科省の卑屈な意見書】 文科省は、6月に政府が閣議決定した新成長戦略に国際社会に通用する人材の育成が 盛り込まれていることを重視し、来年度予算の概算要求において「元気な日本復活特 別枠」を用いて大学予算の増額を図る方針を採ってきた。これに対して、大学の現場 からは「特別枠-政策コンテスト」路線活用の危険性が指摘され、正規の手法による 概算要求策定の必要性が訴えられていた(例えば本事務局10月3日付声明参照 http://www.shutoken-net.jp/index.php?option=com_content&view=article&id=1447&Itemid=105)。 評価結果はそうした危険性が現実のものとなっていることを示している。しかもこう した評価自身が政府の政策主導で行われていることは、評価結果がAとされたものの 中に日米地位協定の枠を越える法的根拠のない事業番号2501「在日米軍駐留経費負 担」(いわゆる“思いやり予算”)1860億円(1年間の科学研究費補助金総額に匹 敵)が含まれていることからみても明らかである。 しかるに文科省は、12月3日の第4回評価会議に提出した意見書 http://seisakucontest.kantei.go.jp/article/wp-content/uploads/2010/12/101203_4th_hyokakaigi.pdf の中で“「特別枠」要望の10 本の事業のうち6 事業が「B 」評価とされ、有り難く 受け止めたい。”として、「その経費を相当に絞り込むとともに、要求・要望の削減 による財源捻出が条件」とされた事業番号1905(運営費交付金等)のB評価にあろう ことか感謝の意を表している。他省庁の中でB評価を受けながら謝辞を述べていると ころなどどこにもない。文科省の卑屈な意見書に驚かされるのは我々だけではあるま い。ちなみに、そもそも謝辞が記入されているのは、文科省以外では超法規的事業に 対してA評価を受けた防衛省の意見書のみであることを指摘しておこう。 【「特別枠-政策コンテスト」路線拒否、予算の組み替えによる事態の打開を】 いまなお大学関係者・団体の中には、民主党政権の「新成長戦略」を支持し、それを 実現するものとして大学予算の充実を求めるという方針を採ろうしているところがあ る。だがその「新成長戦略」によって大学予算の大幅削減が強行されようとしている のが現実なのである。「新成長戦略」を進めるための「特別枠-政策コンテスト」路 線を拒否し、長期的見地から大学予算増額の必要性を訴え、予算の全面的組み替えを 要求することこそ事態を打開できると考える。 "[he-forum 15971] REg??O12/1 山大職組情報号外12/1  山形大学職員組合執行委員会は、下記の声明を学 内外の選考委員および、マスコミ各方面にお送り "[he-forum 15972] 四国新聞12/8 四国新聞2010年12月8日付 「予算拡充を」/香川大などが緊急声明  1日に示された各省庁が予算を要望できる特別枠「元気な日本復活特別枠」の評価結果を受け、香川大など中四国の国立10大学は7日、予算の拡充を求める緊急声明を発表した。  声明は香川、鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、鳴門教育、愛媛、高知の各大学長の連名。  声明では、大学の運営費交付金や科学研究費などを含む項目が厳しい予算削減評価となっているとして「国民や現場の声が適切に反映されていない」と指摘。その上で、評価結果の再考や人材育成・科学技術関係予算の拡充を要望している。 "[he-forum 15973] しんぶん赤旗12/8 しんぶん赤旗2010年12月8日付 若手研究者たちのシンポから 政策に声を上げはじめた  博士課程修了後に短期契約で研究するポスドク(ポストドクター)などの雇用問題、今年の事業再仕分け、来年度予算の政策コンテストでの評価など若手研究者をめぐる環境が厳しくなっています。若手研究者みずからが科学技術政策に対して積極的に発言しようというシンポジウムがありました。 減る若手教員  「新しい科学技術政策と若手研究者の役割」と題されたシンポジウムは先月20日、東京都江東区の日本科学未来館で開かれました。主催は昨年6月に発足した日本学術会議若手アカデミー委員会です。ドイツやオランダで30歳代を中心とする若手研究者で構成するアカデミー(学術団体)が活発に活動していることから、日本でのあり方を議論しています。  シンポジウムではポスドク問題などを発言し続けている榎木英介・サイエンス・サポート・アソシエーション代表の講演と、人文や自然科学系の若手研究者によるパネルディスカッションが行われました。  榎木氏は、科学技術政策における科学者のかかわりを振り返りました。大学での若手教員の比率が減り活躍の場が増えていない現状などを指摘し「若手自身が意見をいってきたのだろうか」と問いかけるとともに、昨年の事業仕分け後、神経科学者による提言などの動きが出ていると述べました。  また全米ポスドク協会などがあるアメリカで、最近、カリフォルニア大学でポスドク組合が作られたことも紹介し、「当事者が声を出すことで、問題が見えてくる」「若手が声をあげることは世代間の対立ではない」と強調していました。 視点と活力を  若手アカデミー委員会の活動検討分科会委員長でもある駒井章治・奈良先端科学技術大学准教授は、「検討段階の方向性ですが」としつつ、若手アカデミー設置の目的と意義について報告しました。  現代社会が直面する問題の解決のために柔軟な若手の視点と新世代の活力を取り入れること、さらに若年層の理科離れや若手研究者をめぐる問題解決へ行動を起こすことが求められているとして、(1)ふかん的な視野を持つ人材の輩出、(2)国内外の若手研究者間の協力、(3)政策提言など意見集約・議論・発信、(4)社会との幅広い連携などの活動を担う考えを述べました。 組織つくって  パネルディスカッションでは、昨年の事業仕分けの判定に対し26分野の若手研究者による共同声明を発表した自然科学系の研究者が、若手研究者が対外的な活動をする上でのさまざまな困難・複雑さ、研究者の多様性などを配慮した粘り強さがいると発言。人文系の研究者からは、ポスドクの後に行き場がないなどのポスドク問題を世代間格差に解消してはならないこと、「若手研究者や大学院生はプレーヤーであるだけでなく、プランナーとして制度に声をあげていくことが大事」だとのべ、その立場からチームで実践することを強調していました。  「個人で声をあげるのはきびしいが、組織をつくって外に声をあげていくのは民主主義の基本だ」と会場からも活発に意見が出ていました。シンポジウム自体はごく短いものでしたが、若手研究者の新しい動きとして注目しました。(三木利博) "[he-forum 15974] NHKニュース12/8 NHKニュース2010年12月8日 7時58分 残業代未払い 東大に是正勧告  東京大学が、医学部附属病院などに勤務する看護師や事務職員らに対し残業代を支払っていないなどとして、ことし3月までの6年間に8回にわたって労働基準監督署の是正勧告を受けていたことが分かりました。  是正勧告を受けていたのは、東京大学医学部附属病院や医科学研究所など大学にある4つの組織です。大学によりますと、附属病院に勤務する医師や看護師、それに大学の事務職員ら、延べ、およそ700人に対して、残業代の割り増し賃金を支払わなかったり、規定を超えた時間外労働をさせたりするなど、労働基準法に違反しているとして労働基準監督署から是正勧告を受けていたということです。是正勧告は、大学が法人化して労働基準法の適用対象となった平成16年度以降、ほぼ毎年行われ、ことし3月までにあわせて8回にわたっています。このうち残業代などの未払い賃金は、総額でおよそ9700万円に上り、大学は是正勧告を受けて全額を支払ったとしています。東京大学本部広報課は「故意に残業代を支払っていなかったわけではなく、時間外勤務の一部を自己研さんの時間と考えるなどしていたため結果的に未払いになった。勧告を受けるたびに会議などの場で再発の防止を呼びかけてきたが、徹底できていなかった。今後はこのようなことがないようにしたい」と話しています。 "[he-forum 15975] 山形新聞12/8 山形新聞2010年12月8日付 医療向上、人材確保へ 山形大医学部と県健康福祉部が連携協定  山形大医学部と県健康福祉部は7日、地域医療の向上を目指し、連携・協力する協定を結んだ。同大の高度医療人研修センターや看護師リフレッシュ研修などの教育面と、県のナースセンターや医師修学資金などを組み合わせ、医療従事者の確保を図る。  同大と県は2006年に包括協定を結んでいるが、県によると、医師確保などを目指して医学部と県の担当部局が協定を結ぶのは全国でも極めて珍しいという。  両者が協力するのは(1)高度医療人研修センター(2)山形方式・医師生涯サポートプログラム(3)看護師リフレッシュ研修-の3項目をはじめとする地域医療向上に向けた取り組み。(1)は県内医療機関の医師が高度な研究や学位取得を目的に付属病院で循環型研修を行うため、同学部が11月に設けた。関連する診療科などとの調整役を果たしており、本年度開設した県の寄付講座「地域医療システム講座」の中に設置している。  (2)は同大で医師を目指す学生を応援するプログラム。県は修学資金や後期研修医研修資金などの制度を設けており、医師の生涯教育を総合的にサポートする。(3)は免許を持っていても働いていない潜在看護師の復職を支援するのが目的。働きながら研修を受けられるのが特徴で、県はナースセンターを通じて研修後の就職をあっせんする。  山形市の山形大医学部で行われた協定締結式では、山下英俊医学部長が「これまでも連携してきたが、生涯にわたって医療人を養成していくために発展させたい」、望月明雄健康福祉部長は「地域医療を一緒に守っていきたい。県内唯一の医師養成機関である医学部との連携は不可欠だ」などとあいさつ。協定書を取り交わし、今後の協力を確認した。 "[he-forum 15976] 朝日新聞鹿児島12/8 朝日新聞鹿児島版2010年12月8日付 桜島のように気高く… 鹿大生、自ら学生憲章制定  鹿児島大学が学生の行動指針や規範となる学生憲章を定めた。「桜島のように気高く、時には激しさを持ち」とうたう憲章は前文と4項目からなり、文言は学生たちが考えた。大学によると、学生が主体になった学生憲章の制定は国立大で初めてという。  8月に8学部からの学生代表34人と教職員が四つの班に分かれ、ワークショップで草案を作成。10月から学生らを中心にした作成委員会で検討し、ホームページで募集した意見なども踏まえ、最終案をまとめた。1日に、教職員や学生ら約80人が集まる中、作成委員会の代表4人が憲章を読み上げ、お披露目した。  代表から憲章を受け取った吉田浩己学長は「大変素晴らしいこと。諸君を誇りに思います。自ら作成したこの憲章を高々と掲げ、力強く実践して欲しい」とあいさつした。  憲章づくりに加わった水産学部4年の福島英典さん(21)は「前に向かっていく思いをこめ、できるだけ力強い言葉で、言い切るようにした。前例がなく、一からつくっていくのは難しかったが、自信を持って示せるものができた」と話していた。 ■鹿児島大学学生憲章  私たちは、鹿児島大学の学生であることを誇りとし、学ぶことのできる環境に感謝し、桜島のように気高く、時には激しさを持ち、自らを磨き、未来を拓(ひら)いていきます。  1.私たちは、我が国の変革と近代化を推進した先人達の「進取の精神」を継承し、困難な課題にも果敢に挑戦し、強い意志と柔軟な心を持って自己実現を図ります。  2.私たちは、幅広い教養を身につけ、高度で専門的な知識・技能を修得し、地球的視野を持って活躍する人間になることを目指します。  3.私たちは、サークル活動などの課外活動に積極的に参加し、仲間との友情を育み、思いやり深く魅力溢(あふ)れる人間になります。  4.私たちは、地域社会との関(かか)わりの中で、一人の人間として責任ある行動を心がけ、社会に貢献できるよう全力を尽くします。 "[he-forum 15977] 時事通信12/8 時事通信2010年12月6日15時18分 医学部定員77人増=過去最多の8923人に-文科省  文部科学省は6日、2011年度の医学部入学定員の拡大を計画している大学は国公私立26校で、増員数は計77人と発表した。計画通り認められれば、入学定員の合計は4年連続で増え、過去最多の8923人となる。1校の増員が認められなかったことなどにより、増員数は10月の中間集計段階に比べ10人減った。 "[he-forum 15978] 共同通信12/9 共同通信2010年12月9日11時21分 大阪に産学連携の拠点が開業 富国生命ビル  大阪・梅田の大型オフィスビル「大阪富国生命ビル」が建て替え工事を終え、9日開業した。地下4階~地上28階で、高さ約132メートル。オフィスの賃貸面積は約3万平方メートルと、大阪市内で今年オープンしたビルでは、5月開業の「梅田阪急ビル オフィスタワー」に次ぐ規模となる。  地上4~5階は産学連携の拠点として活用。立命館大は社会人向けの大学院、大阪大は企業と大学の研究成果を発信する施設を設ける。  地下2階は梅田の地下街と直結し、待ち合わせ場所として活用できる。6層分の吹き抜けがあり、壁面には森林の画像をはめこむなど、憩いの空間を演出した。 "[he-forum 15979] 共同通信12/8 共同通信2010年12月8日21時9分 教員就職率59・6%に上昇 国立教員養成大の卒業者  全国44の国立の教員養成大学・学部を今春卒業した人の教員就職率は9月末時点で前年比3・0ポイント増の59・6%だったことが8日、文部科学省の調査で分かった。  教員就職率はピークだった1979年の78%以降、少子化に伴う採用減で99年は32%に下落。その後は教員養成大・学部の定員減などにより上昇し、近年は50%台で推移してきた。文科省は「ベテラン教員の大量退職で若手の採用が増えたことが背景にある」と分析している。  調査によると、今春の卒業者は1万524人。教員になったのは6274人で、うち正規採用は3507人、臨時採用が2767人だった。 "[he-forum 15980] 陸奥新報12/9 陸奥新報2010年12月9日付 弘大ネットパトロール隊発足2周年  学校裏サイトなどの監視活動をする弘前大学ネットパトロール隊(佐藤雄哉隊長)が8日発足2周年を迎え同大で記者会見を開いた。同大教育学部「ネットケータイ問題研究」プロジェクト代表の大谷良光教授や佐藤隊長ら6人が出席して活動を振り返り、活動の報告書を公表した。  同隊は現在、学生55人が所属。学校裏サイトなどを含む掲示板の探索、監視活動を2008年12月に開始し、現在は子供たちのネット利用の変化に合わせ、プロフィルサイト、SNSサイトに探索、監視活動を広げている。  報告書は、今年11月までの同隊監視探索部の活動から県内のネット事情をまとめた。  報告書によると、同隊がこれまでに発見した学校裏サイトなどを含む掲示板は1133件。このうち、誹(ひ)謗(ぼう)中傷があり弘前市教委むつ市教委、県教委に報告した件数は325件。同隊の活動開始当初から監視してきた津軽地域の大型掲示板サイトへの書き込みがほとんど見られなくなったという成果があった一方で、県内には依然として誹謗中傷が書き込まれる大型サイトもあるという。  また、報告書では毎年5、6月ごろに個人への誹謗中傷件数の増加を指摘。それを保護者らが把握しておく重要性も強調した。  佐藤隊長は「解決には子供たちもモラル向上、啓発活動が必要」と強調。大谷教授は「県内ネットワークの構築や啓発活動を担える市民インストラクターの養成にも力を入れる」と述べた。 "[he-forum 15981] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.25 ニュースレター NO.25                     2010、12、9 公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489) 12.10(金)判決公判へ!   来る12月10日(金)はいよいよ、我々の「学長任命処分取り消し訴訟」の 判決の日です。この裁判の意義と我々の主張をもう一度最後に確認するために、 去る8月12日の結審の際に行われた「最終意見陳述」の全文を以下に掲げます。 ---------------------------------  原告ら代理人最終意見陳述(全文)  口頭弁論を終結するに当って、簡潔に原告の主張と立場を重ねて明らかにして おきたいと思います。  本件事件は、学問と良識の府であり、国民の負託に応える責任のある大学にお いて、しかも国立大学法人法により、強大な権限と責任を負わされた、学長の選 任に当り、国民から重大な不信をつきつけられる事態が発生した事件であります。 正義を実現する最後のとりでといわれる司法の判断に強い関心が寄せられていま す。  本件学長選任手続における最大の問題点は、学内意向投票について、開票、集 計作業が関係者の慎重な手続きをへて終了し、管理委員会が正式に結果を確認し て、学長選考会議に報告した後に発生した、職員2人による異常行為の結果をど う評価し、どう扱うべきかということであります。学内意向投票の結果は、管理 委員会の最終確認と学長選考会議への報告で最終的に確定し、かつ管理委員会自 身も解散しているのであります。それにもかかわらず、その後何の権限もない2 人の職員が、管理委員長にも無断で、不法にも投票済用紙を、開披して、投票用 紙の再確認を行って、相良票が、高橋票の箱に入っていたなどという驚くべき話 を管理委員長に報告したのであります。同委員長はその異常行為の真相の究明も 行わないで解散していた管理委員会を再招集して、その異常行為の結果をも審議 に付し、結論を一本化しないまま、学長選考会議に報告したのであります。そし て同会議もまた、2つの結果を審議にのせて、多数決で決定したのであります。 (ちなみに、学長選考会議ではこの異常行為の結果である第2の結果を中心とし て取り上げようとする動きすらあったのであります)。  この2人の職員の行為は、その動機が証人尋問のよっても明確にならない、前 代未聞の異常な法規違反行為であり、取り上げて審議する何の根拠も価値もない ものであります。管理委員会も、学長選考会議それを受理せず、すでに決定し報 告されていた最初の結果を、唯一正当な結果として維持すべきであったのであり ます。  このことは、学長が文部科学大臣に対し学長候補者の選考についての申し出を する際、あえて、事実経過と異なる第1結果のみを取上げて、申出をせざるを得 なかったことからも逆に裏付けられるものであります。  以上要するに、本件学長候補者選考手続には、手続的、形式的違法性があった ことは明らかであり、かつ文部科学大臣も乙七号証1の通知書*、乙4号証の監 査報告書**、甲15号証の学長選考過程における疑問点について、と題する書 面***等で、その手続きの瑕疵を熟知していたのであるから、相良氏を学長に 任命することを拒否する義務があったのであります。本件学長任命処分はその義 務に違反する違法なものであり、無効または取り消されるべきものであります。  以上であります ---------------------------------  以上原告ら代理人最終意見陳述   * 原告が文部科学大臣宛てに送った手紙   ** 監事による監査報告書   *** 文部科学省からの質問に高知大学側がメールで答えたもの  12月10日(金)の判決公判に結集しましょう。  今後の日程   判決     12月10日(金)13:10~     於 高知地裁      報告集会    12月10日(金)裁判終了後    於 高知弁護士会館 "[he-forum 15982] しんぶん赤旗12/10 2010年12月10日(金)「しんぶん赤旗」 予算削減で大学崩壊 党国会議員団 関係者と懇談  政府の予算編成で大学予算の大幅削減の動きが強まっている問題で、 日本共産党国会議員団は大学関係の団体などに広く呼びかけて9日、 「大学の存立を危うくする国立大学運営費交付金・私学助成の削減を許 さず、大学予算の充実を求める懇談会」を国会内で開きました。  懇談会には、大学の学長や理事をはじめ、予算削減に反対して国会要 請行動などを行っている全国大学高専教職員組合や日本私立大学教職員 組合連合(日本私大教連)、首都圏大学非常勤講師組合、全日本学生自 治会総連合(全学連)など20の大学・関係団体が参加し、予算削減に よる深刻な影響、運動の広がりについて発言が相次ぎました。  懇談会では日本共産党の宮本岳志衆院議員が大学予算をめぐる現局面 について報告。予算の優先づけを行う「政策コンテスト」で文科省予算 が「全般的に大幅な要望の圧縮と、要求の削減額による新たな財源捻出 が必要」とされ、概算要求、「特別枠」の要望額いずれも削減する判定 を下しており、「重大な局面だ。知的基盤の大学を崩壊させるもの。な んとしても大学予算の充実に力をつくしたい」と述べました。  筑波技術大学の村上芳則学長は、運営費交付金の5%削減は授業料を 2倍に、教員を2割減らす額になるとのべ、「質の低下を起こさない対 応は不可能」と窮状を訴えました。全学連の代表は、地方議会での意見 書採択など予算削減反対のさまざまな行動を広げていることを紹介しな がら、学費軽減につながる予算を削減する評価は「乱暴だ」と述べまし た。日本私大教連の代表は、国立と私立の大きな格差がある下で、私大 の教育・研究条件の充実を強く求めたい、と発言しました。  発言を受けて宮本議員は「『立場の違いを言っている場合ではない』 と幅広くみなさんが参加されました。予算削減を絶対に許さないため に、私たちも全力をつくしたい」と決意を表明しました。  日本共産党から宮本議員のほか、塩川鉄也衆院議員、井上哲士参院議 員が出席しました。 "[he-forum 15983] しんぶん赤旗12/10 2010年12月10日(金)「しんぶん赤旗」 なくせ 就職不安 「連絡会」が厚労省に要請  教職員組合や青年・学生団体などでつくる「高校・大学生、青年の雇 用と働くルールを求める連絡会」(就職連絡会)は9日、来春新卒者の 求人確保や青年の就職保障を求めて集会を東京都内で開きました。参加 者は、厚生労働省、文部科学省、全国知事会などに要請、懇談しました。  日本経済団体連合会前での宣伝では、「青年の希望と誇りを取り返す ため全力でたたかうぞ」とシュプレヒコール。北海道高等学校教職員組 合連合会の櫻井幹二委員長は「道内でことし就職できないまま卒業した 生徒は2200人。補助金を受けて誘致された大企業は地元の雇用を保 障してほしい」と訴えました。衆議院第2議員会館で開いた集会では、 深刻な雇用実態や要求を交流しました。  首都圏青年ユニオンの組合員でもある、大学4年生は、民間企業を数 十社受けましたが決まらず、最終的に福祉施設の内定を得ました。福祉 施設の低賃金や仕事内容の厳しさを訴えて、安心して働くためのルール を求めました。  佐賀県の高校で進路指導を担当している教員は、採用枠の減少によっ て就職が困難になっているとのべ、地元の中小、個人の事業者、商店が 活性化する施策を求めたいと語りました。  就職が決まっているのは10人中4人で試験を受けられていない生徒 もいると話したのは京都府の定時制高校の教員。中小企業も今の従業員 を維持するのが精いっぱいで、地域の活性化をはかる施策が必要だと話 しました。  日本青年団協議会の鳥澤文彦社会女性部長は、地域の青年が地元で生 きいき働けるための政策を求めたいと語りました。  集会では日本共産党の宮本岳志衆院議員が、連帯のあいさつをしまし た。 "[he-forum 15984] 毎日新聞12/9 毎日新聞 12月9日 これが言いたい:ローン化で若者に重荷負わせるのは愚策=宮本太郎 (1/3ページ)  ◇奨学金で機会の平等広げよ  若者に学ぶ機会を広げ、未来を開くはずの奨学金制度が逆に彼ら彼女 らの生活を圧迫している。国の奨学金の総額は1兆円に達し、現在奨学 金を返済している利用者は273万人いる。そのうち3カ月以上の滞納 者は21万人を超え、その延滞債権は、2629億円に及ぶ。  日本学生支援機構は、滞納者からの取り立て体制を強化してきた。民 間の債権回収業者への業務委託で頻繁な督促をおこない、現在返済中の 利用者は延滞3カ月の時点で、個人信用情報機関に延滞者として通知 し、法的措置も積極的にすすめる。先日私は、母子世帯の若いお母さん からメールをいただいたが、非正規職員になってから奨学金を返済でき なくなり、厳しい返済計画の判決を受けて途方に暮れているという。  なぜこんなことになってしまったのか。第一に、国の奨学金のあり方 である。 ************************************************************************ ***************** これが言いたい:ローン化で若者に重荷負わせるのは愚策=宮本太郎 (2/3ページ)  米国や欧州の奨学金制度では、返済の必要のない給付が手厚いのに対 し、日本ではすべて返済が必要な貸与である。しかも、無利子貸与に対 して有利子貸与の比重が増し、現在では、財投機関債を財源に組み込ん だ有利子貸与が、無利子貸与の3倍の規模だ。構造改革路線のもとで、 奨学金制度に投資事業としての効率性を求める圧力が強まり、有利子貸 与の比重が増大し続けたのである。  第二に、日本の高等教育支出における私的負担の重さが重なる。日本 では、高等教育に対する公的支出が国内総生産(GDP)比で0・6% と経済協力開発機構(OECD)平均1・2%の半分であり、加盟国中 で最低の水準である。私的負担が重いため、奨学金に対し大きな需要が ある。その結果、多くの若者たちが、大学を卒業する段階で数百万円の 借金を背負うことになる。  第三に、その借金を背負った若者たちに仕事がない。10月1日段階 で新卒者の内定率は57・6%と史上最低だ。大学卒業者でも初職から 非正規であるものが2割を超えている。6カ月以上の滞納者を対象とし た日本学生支援機構のアンケート調査によれば、滞納者のなかでアルバ イト、無職、休職中が56%になり、あるいは年収300万円未満が8 7%に達する。働き、返したくても困難なのだ。  ◆  これに対し諸外国の動向を見ると、構造改革路線がモデルとしてきた 「小さな政府」のアングロサクソン諸国を含め、奨学金政策には特段の 力を注いでいる。機会の平等を重視する米国は、500万人以上に給付 型の奨学金を提供している。またイギリスやオーストラリアなどでは、 卒業後の所得に応じて返済額を決める仕組みを導入し、大学進学への壁 を低くしている。 ************************************************************************ ***************** これが言いたい:ローン化で若者に重荷負わせるのは愚策=宮本太郎 (3/3ページ)  「大きな政府」の北欧諸国が高い国際競争力を維持する背景にも、奨 学金など国民の能力開発に向けた政府支出の手厚さがある。スウェーデ ンでは、大学教育を無償とした上で、生活費給付として奨学金を提供す る。若者たちは、高校を卒業していったん職業生活を体験し、その上で 目的意識をもって大学に入学することが可能になる。  各国は奨学金を、グローバル経済のなかの人的資本戦略の基軸と位置 づけていると言える。  もちろん、手厚い奨学金だけですべてうまくいくわけではない。雇用 と教育の制度転換を進め、若者が能力を高め発揮できる社会の構築とつ なげることが大事だ。金融・投資の一分野として若者に負荷をかけ続け るとすれば論外で、天下の愚策である。  ◇人物略歴  みやもと・たろう ストックホルム大客員研究員などを経て現職。政 府の新成長戦略実現会議メンバー。 "[he-forum 15985] 産經新聞12/9 産經新聞 2010.12.9 15:00 【教育動向】重すぎる教育費、低所得者の6割近くにも 中学校から高校、大学へと進むにつれて、教育費がかさんでいくこと は、保護者の方々が日々実感されていることと思います。そんななか、 日本政策金融公庫の調査で、年収に占める在学費用の割合が、平均で4 割近く、低所得者層では6割近くにも上ることがわかりました。しかし 数字の裏には、もっと深刻な事態も見えてきます。 調査は、同金庫が行っている「国の教育ローン」(高校以上の在学生が 対象)を利用する世帯を対象に、毎年実施しているものです。今回は2 010(平成22)年2~3月、約5,400世帯の回答を集計しまし た。 高校入学から大学卒業までにかかる費用(子ども一人当たり)が200 9(平成21)年度に1,000万円を超えたことは、昨年の記事でも お伝えしました。10(同22)年度はさらに約52万円アップして、 1,059万8,000円に上っています。学校種別の年間平均は、高 校99万円、大学153万円などとなっています。 小学生なども含めた子ども全員の在学費用について、世帯年収に占める 割合を見ると、平均で37.6%。前年度に比べ、3.9ポイント上 がっています。より深刻なのは、低所得者層です。年収800万円以上 の高所得者層では27.2%(前年度比1.4ポイント増)であるのに 対して、600万円以上800万円未満の世帯では30.0%(同0. 2ポイント減)、400万円以上600万円未満の世帯では37.7% (同2.0ポイント増)ですが、200万円以上400 万円未満の世 帯では56.5%(同8.2ポイント増)と、実に半数を超えて60% に迫る勢いになっているのです。 ここでちょっと、立ち止まって考えてみましょう。調査の対象は、国の 教育ローンを利用している世帯です。56.5%という数値は、たとえ 年収の半分以上をつぎ込むほどの無理をしてでも、子どもを進学させる 覚悟を決めた家庭であるということになります。そのうえ、卒業までは 利息分だけでもよいとはいえ、15 年以内で返済を続けなければなり ません。裏を返せば、そんな現時点での負担や将来の返済に不安を感じ て、子どもに進学をあきらめさせたという家庭が、相当数あることを推 測させます。 教育費のねん出方法を聞いても、ほかの支出を節約するだけでなく、奨 学金を受けている世帯が53.3%(同1.0%ポイント増)を占めて います。しかし日本学生支援機構の大学生向け奨学金は、今や有利子の ものが主流となっています。年功に応じた収入増はおろか、子どもの就 職さえ難しくなる現在、ローンと奨学金のダブル返済に、ますます及び 腰になる家庭も少なくないと見られます。 文部科学省は2011(平成23)年度概算要求で、高校生の給付型奨 学金事業(高校版就学援助)の創設や、大学などの奨学金事業の充実な どを盛り込んでいますが、その予算化はもとより、さらなる教育費支援 策を検討してほしいものです。 (提供:Benesse教育情報サイト) "[he-forum 15986] 北海道新聞12/11 北海道新聞2010年12月11日付 佐伯学長を再任 北大  北大は10日、佐伯浩学長(69)の任期満了に伴う次期学長の選考会議を開き、佐伯氏の再任を決めた。現任期は来年3月末までで、2期目は4月1日から2年間。推薦による候補者は佐伯氏のみで、選考会議の委員13人が信任投票を行い、全員が信任した。  佐伯氏は再任決定後に北大で行った記者会見で、2期目の抱負を「世界水準の『知』の創造とともに、留学生を広く集め、東アジアの高等教育の中心を目指す」と述べ、鈴木章北大名誉教授のノーベル化学賞受賞について「北大初のことで卒業生や留学生も自信を得た」と喜びを語った。  佐伯氏は旧満州(現中国東北地方)出身で北大大学院工学研究科修士課程修了。専門は土木工学。工学部長、副学長を経て2006年に第17代学長に選ばれた。 "[he-forum 15987] 毎日新聞北海道12/11 毎日新聞北海道2010年12月11日付 ノーベル賞:鈴木・北大名誉教授受賞 佐伯学長にインタビュー ◇新研究の芽育てる  鈴木章・北海道大名誉教授(80)のノーベル化学賞受賞の意義や今後の北大の教育・研究体制の方向性について、佐伯浩学長(69)に聞いた。   □   □  最近、大学での研究は成果を早く出すことばかりが求められているが、個人の独創的な考え方に基づきじっくり研究した鈴木先生の業績がノーベル化学賞を受賞した意味は大きい。今回の受賞で、北海道大の名前が世界中に知られ、中国人留学生が「こんな素晴らしい大学に入学できて良かった」と話していると聞きうれしい。  いま学内で、世界や国内でのトップレベルの研究分野にどんなものがあるか、リストアップを進めている。北大には鈴木先生の有機化学以外にも、人獣共通感染症や社会心理学を使って個人の心が社会の形成にどうかかわるかという研究、宇宙の成り立ちの解明に重要な同位体顕微鏡の開発など、優れた研究が行われている。今年度中に冊子を作り、「北大を特徴づける研究は何か」を社会にアピールしたい。  北大が次のノーベル賞を目指していくには、新しい研究分野に人を振り向けていくことが大切。過去の研究成果の継承も大事だが、研究テーマや組織を絶えず見直し、社会の変化に対応し、新しい研究の芽を育てていくことが重要だろう。  来春から総合入試が始まる。大学に入学した初年時は幅広い教養を身に着け、そのうえで自分の専門を見つけようという狙いがある。ノーベル賞受賞もあり、道外での説明会には予想以上に大勢が訪れ、優秀な人が集まってくれると期待している。(談) "[he-forum 15988] 毎日新聞高知12/11 毎日新聞高知版2010年12月11日付 高知大学長選不正:行政訴訟 「違法性なし」地裁判決  07年10月に相良祐輔学長が当選した高知大学長選で不正があったとして、対立候補だった高橋正征・同大名誉教授らが国の学長任命行為の取り消しなどを求めていた訴訟の判決が10日、高知地裁であった。小池明善裁判長は「違法性は認められない」として、原告側の訴えを退けた。  判決理由で、票のすり替えがあったとする原告側の主張に、小池裁判長は「疑いはぬぐえないが、あったとまで断定することはできない」として、学長選の手続きの不正を認めなかった。  判決によると、選考の参考にする学内意向投票で、原告の名誉教授が41票差で上回った。しかし職員の再確認で集計ミスが判明、1票差となった。選考会議では両方の票が参考資料とされ、現学長を選出した。  判決後、高橋名誉教授は「訴えを認められなかったのは残念。今後については周囲と相談して考えたい」と話した。【倉沢仁志】 "[he-forum 15989] 産経新聞2010年12月11| 産経新聞2010年12月11日 「破格の値段です」…法科大学院、学生争奪で正念場の冬  法曹専門家を養成する各地の法科大学院で新年度入試が本格化し、熾烈(しれつ)な学生争奪戦が繰り広げられている。乱立気味と指摘される全国74校の統廃合を視野に文部科学省は、新年度入試の競争倍率が低迷するなどの“不人気校”に対し、助成金を大幅減額する構えをみせており、各校は戦々恐々。OB会による支援や授業料の全額免除を打ち出すなど、あの手この手で生き残りに躍起だ。 同窓会が支援  「卒業生がこぞって応援しているというメッセージを学生に伝えたい」。京都産業大学の同窓会(会員数約9万7000人)は11月の総会で、法科大学院を積極支援する異例の決議をした。  今後、同窓会員の弁護士事務所や企業の法務部門での研修受け入れなど、同窓会人脈を生かしたサポートを行う。今井一雄会長は「将来的には修了生の就職支援も行いたい」と話す。  同窓会の動きを大学院側も歓迎。学生確保のため入試の日程を2回から4回に拡充するほか、10月以降の入試で合格した法学部出身者には授業料を全額免除することも決めた。 破格の減免  こうした背景には、存続に向けた危機感がある。  文科省は9月、法科大学院に対する公的支援の削減基準を提示。乱立状態に終止符を打つべく、統合・再編への圧力を強めた。  具体的には(1)今回の平成23年度入試の競争倍率が2倍未満(2)過去3回の新司法試験の合格率がいずれも全国平均の半分未満-の基準に該当すると、24年度から助成金を削減する方針。  こうした逆風の中、龍谷大(京都市)は授業料の大幅減免に打って出た。  今年度入試の競争倍率が全国ワーストの1・06倍だった同大は、新年度から法学部出身者の授業料を免除し、法学部以外の出身者にも国立大と同等の80万4000円に設定。その上で約24万円の奨学金を個別に給付するとしており、実質的な授業料は50万円台になる計算。担当者も「破格の値段です」と自負する。 国立大は…  ただ、低迷する法科大学院の多くは赤字経営に陥っており、「いつまで続けられるか分からない」と明かす大学関係者も。  私大のように柔軟な減免策を取れない地方の国立大はさらに深刻だ。  文科省の見直し対象に入る可能性がある島根大では、9月の前期入試で2・11倍の競争率を達成したが、後期の結果次第では定員割れの懸念が残る。  地元弁護士会との連携など地域に根ざした教育には定評があるだけに、藤田達朗・法務研究科長は「地方と都市部では競争条件が違う。都市部の定員を減らして地方に人材が集まるようにするなど、見直しの前にやるべきことがあるはずだ」と文科省の“締め付け”に疑問を呈した。 "[he-forum 15990] 高知新聞12/11 高知新聞2010年12月11日  高知大学長任命「適法」 高知地裁  票すり替え疑いは指摘   2008年4月、文部科学省が高知大学の学長に相良祐輔氏を任命したのは「違法」 として、同大の元教授らが国に任命取り消しを求めている訴訟の判決が10日、高 知地裁であった。小池明善裁判長は、学内意向投票の過程で「票のすり替えのあ った疑いは払拭(ふっしょく)できない」としつつも、「学長任命の取り消しに 当たるような違法は認められない」とし、相良氏の対立候補だった高橋正征氏の 訴えを棄却。同じく原告に名を連ねていた当時の学長選考会議委員、根小田渡氏 については「原告適格を有しない」として訴えを却下した。  問題となった学長選考は、同大が国立大学法人になって初めて実施。事前の学 内意向投票で、いったんは高橋氏が相良氏に41票差をつけた開票結果が確定して いたが、作業終了後、事務室で票を整理していた職員が「相良氏の20票が高橋氏 の投票箱に混入していた」と指摘した。この後、投票管理委員が再び集まって数 えると、両氏の差は1票になり、この2通りの票数を参考にした学長選考会議の 手続きの正当性が争点となっていた。  小池裁判長は、意向投票について、「(いったん集計が終わった後に)集計箱 の管理の依頼さえ受けていない職員が投票用紙の枚数を確認したのは不可解」 「開票終了後に票のすり替え行為があった疑いは払拭できない」としつつも、集 計過程でのミスの可能性もあるとし、「すり替えがあったとまでは断定できない」 と指摘。  選考会議が2通りの票を基に学長を選考したことに、「(国立大学法人法にお ける学内意向投票は)学長選考の1つの考慮要素にすぎず、各選考委員がこれを どの程度考慮すべきかは裁量に委ねられている」「学長選考に至る一連の手続き の公正を害したと認めることはできない」などと結論付けた。  判決後に会見した高橋氏は「国立大学法人法における学長選考会議は、メンバ ーの多くを学長が決め、大学運営が学長の独裁で進んでしまう恐れがある。法の 弱点を訴訟で明らかにできなかったことは残念」と話した。  また、国の代理人は「判決は当然」とした上で、「国立大学法人の学長選考に 当たっては、あらぬ疑念を抱かれないよう、万全の手続きで臨むよう促したい」 としている。 "[he-forum 15991] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.26 ニュースレター NO.26                     2010、12、15 公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)  裁判報告   ー任命無効は認められず しかし「票すり替えの可能性」が指摘される!   高知大学の全構成員の皆さん。  裁判の緊急報告です。  結果はすでに新聞等で報道されているとおり、根小田先生については、訴え却 下(つまり原告適格が認められず)、高橋先生については訴え棄却(原告適格は 認められたが敗訴)でした。  法廷で言い渡されたのは主文(つまり、「棄却」と「却下」)のみ。判決理由 の朗読もなし。開廷後報道機関による2分間の撮影がありましたが、中身は次回 の日程調整がない分、今までで最も短時間で終わり、我々もいささか拍子抜けで した(一分もかからなかったのでは)。  判決後ただちに私たちは弁護士会館に移動し、報告集会を開きました。「支え る会」のメンバーが司会を行い、まず弁護団から判決について解説がありました。  判決の全文はA4で31ページの大部なもので、その場で読んで全体を解説す るのは無理なのでポイントのみをピックアップして説明が行われました。評価で きる点としては、高橋先生の原告適格を認めたこと、票のすり替えの可能性も否 定できないとしたこと(これについては裏面に詳しく)が挙げられました。  しかし他方で、票のすり替えにかかわる疑いについてはあくまで関わった個人 の問題とされ、このような不正行為についてきちんとした調査も処分も行わない 大学組織の問題としては捉えられていないことが指摘されました。そして、意向 投票結果の取り扱いについては、学長選考会議委員の裁量にゆだねられていると した上で、一連の手続きについて「無効ないし取り消し事由となるべき違法は認 められない」と結論付けられていることが説明されました。    内容についての質疑のあと両原告から「法人化以降の学長選考方式の問題点を、 本訴訟を通じて明らかにしようとしたが、今回の判決はそこまで踏み込んでいな いのが極めて残念」という内容のコメントがありました。    最後に、「支える会」会長が両原告、弁護団、支援してくれた人たちへの感謝 のことばと、今後の闘いの決意を述べて会は終了しました。    闘いはまだまだ続きます。支援してくれた皆さん。これまでのご支援を感謝し ます。「任命無効」は認められませんでしたが、高橋先生の原告適格が認められ たこと、票すり替えの可能性が指摘されたことは「半歩前進」でしょう。「次の 一歩」にむけて今後ともご支援をお願いします。 ------------------------- 判決の「事実及び理由」より  2人の職員の行動に対する疑惑について記載された部分を以下そのまま引用し ます(判決書24ページ。なお原文は実名ですが、ここでは仮名とします。アン ダーラインは編集部。  引用者注:本メールではアンダーラインが引けないため、代わりに該当箇所に カギ括弧を付している。)    KはIから、集計箱の保管と管理を依頼されただけであるのに、投票用紙や関 係書類を整理しようと考え、さらには投票用紙の枚数を確認したというのである から、「その行動の不自然さは際だっているし」、集計箱の管理の依頼さえ受け ていないBがKと共に投票用紙の枚数を確認したというのも「不可解な行動とい うほかない」。この点、投票用紙の混入を発見した経緯について、同人らは、K が、集計箱を耐火金庫に保管した後、Bが、Kに対し、集計箱の整理をすること を持ちかけ、それぞれが耐火金庫から集計箱を取り出して、これを整理しようと した際、Bが、高橋票集計箱の中に相良票が混入しているのを発見した旨証言し、 Bにおいては、Kにこのような話を持ちかけたのは、集計箱に入っていた関係書 類を整理しようと考えたからである旨証言しているところである。「かかる同人 らの証言内容は、学内意向投票の結果が確定した後に、なんらの権限もない同人 らが、投票用紙の再確認という行為に及んだことを合理的に説明するものとは到 底評価できず」、Bが、自らが予定していた整理の具体的な方法や、投票用紙の 混入を発見したときの状況などにつき曖昧な証言に終始していることと相俟って、 「同人らが共謀して投票用紙をすり替え、あるいはBが、集計箱の整理を装って、 Kに耐火金庫を開けさせ、投票用紙をすり替えた可能性も否定できない」と言う べきである。 --------------------------  以下のメールが、判決を聞いた県外で働く卒業生から届きました:  「難しいことは分かってはいたんですが実際負けを言い渡されるとやっぱり辛 いですね。悔し過ぎて怒りがとまりません(´`;) 常識で考えたらどっちがおか しいかなんて明白なのに!!!!!!」    私たちはこのような学生に「世の中なんてこんなもの、長いものには巻かれろ」 と教えなければならないのでしょうか。 "[he-forum 15992] 沖縄タイムス12/15 沖縄タイムス2010年12月15日付 琉大学長に岩政氏再任  任期満了に伴う琉球大学学長選考で、同大は14日に会見を開き、岩政輝男学長(68)が再任されたと発表した。任期は2011年4月1日から13年3月31日まで。  13日に実施された学内の教職員による投票(意向調査)の結果を受け、14日に開かれた学内外の16人の委員で構成する学長選考会議(議長・佐藤良也医学部長)が、全会一致で岩政氏の再任を決めた。  得票数は、岩政氏が325票、工学部教授の宮城隼夫氏(61)が249票、法科大学院法務研究科長の高良鉄美氏(56)が146票だった。  岩政氏は「地方の国立大学としての存在意義をしっかりと考えていく。琉大の歴史的な重みを踏まえながら、教育と研究、地域貢献の面で大学をより発展させたい」と抱負を語った。  岩政氏は山口県出身、熊本大学医学部卒。1984年に琉大医学部教授、2000年に医学部長を経て、05年副学長・理事、07年に第15代学長に就任した。 "[he-forum 15993] 下野新聞12/15 下野新聞2010年12月15日付 宇大、県南地場産センター 連携推進協定に調印  宇都宮大(進村武男学長)と県南地域地場産業振興センター(足利市田中町、理事長・大豆生田実足利市長)は産学官連携推進協定に調印した。14日、足利市役所で調印式を行った。  同センターは、県南・両毛地区の経済活性化を目的に中小企業を支援。既に地元の足利工業大総合研究センターと連携事業を進めているが、連携の拡大が必要との認識が高まっていた。  宇大はこれまで、県央地区を中心に金融機関、市町、県商工会連合会などと同様の協定を結んでいたが、県南・両毛地区には協定機関がなく、連携事業があまり活発ではなかった。  お互いの弱点を補完するとともに、県南・両毛地区は高い技術を持つ中小企業も多く、さらなる産学官連携推進が期待されるため、協定を結ぶこととなった。  調印式で進村学長は「異分野が連携し、地場産業が持つ匠の技を組み合わせることで、地域イノベーションの創出につながる」とあいさつ。大豆生田理事長は「お互いにウインウインの関係で、ともに発展する目標を立てて協力していきたい」と述べた。 "[he-forum 15994] しんぶん赤旗12/15 しんぶん赤旗2010年12月15日付 危機の時こそ教育を 信州大学長と井上氏ら懇談 長野  日本共産党の井上哲士参院議員と長野県委員会・県議団は14日、政府による国立大学予算削減や新卒者の就職支援をめぐって、長野県の信州大学松本キャンパスで山沢清人学長と3人の副学長と懇談しました。  井上氏は冒頭、党の大学政策や、新卒者の就職支援などの国会質問を紹介しました。  山沢氏は、政府の大学政策について「危機の時こそ教育を、の観点がない」と批判。「これ以上運営費交付金が削減されれば、壊滅的な状況が生まれてしまう」と話しました。  赤羽貞幸副学長は、「奨学金を希望する学生が前年度比2割増になったが、募集枠があって、全員の希望に応えきれない」と強調。就職活動をめぐって三浦義正副学長は、「学生は研究を通して、大学生らしくなってくるのに、その時期に就職活動が始まってしまう。(就職活動の早期化は)学生だけでなく、大学も社会も損失になる」と述べました。  笹本正治副学長は、「国のビジョンと大学の人づくりがリンクしていない。国のビジョンがないまま、予算を削減していては、日本の未来はない」と語りました。  懇談には、日本共産党から、石坂ちほ、もうり栄子、びぜん光正の各県議と、小池佳都彦県書記長、山口典久北陸信越ブロック所長らが同席しました。 "[he-forum 15995] 毎日新聞長野12/15 毎日新聞長野版2010年12月15日付 包括連携協定:信州大と諏訪東京理科大が締結 学術研究や教育、交流など  信州大(本部・松本市)と諏訪東京理科大(茅野市)が、包括連携協定を結んだ。学術研究や学生の教育、教員の交流、地域貢献、産学連携などで相互に協力する内容で、信大が全学として県内の大学と連携協定を結ぶのは初めて。理科大グループは東京理科大が05年に信大と協定を結んでいるが、諏訪東京理科大が他大学と協定を結ぶのは初めて。  両大学はこれまでも、県内8大学でつくる「高等教育コンソーシアム信州」を通じて学生が相互に遠隔授業を受けたり、研究プログラムで教員同士が協力するなどしてきた。協定を結ぶことで、さらに関係を深める。  諏訪地域では信大が08年、産学官連携で、岡谷市の施設に社会人を対象とする工学系大学院のサテライトキャンパスを設置。今後、同地域での大学院教育や高等専門職の養成でも、双方が連携していく計画だ。  諏訪市内であった協定調印式で、信大の山沢清人学長は「ものづくりが盛んな諏訪で、双方が手を結ぶのは大変にうれしい。協定が大きく育つようお願いしたい」とあいさつ。諏訪東京理科大の河村洋学長も「学生レベルでも交流を深め、県と諏訪のさらなる発展に貢献できればと思う」と意欲を語った。【武田博仁】 "[he-forum 15996] 共同通信12/16 共同通信2010年12月16日13時57分 時間外手当6200万円支払い 金沢大、労基署勧告で  金沢大病院と金沢大が適正な時間外手当を医師や大学職員に支払っていなかったとして、金沢労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受け、医師や職員計約1500人に計約6200万円を支払っていたことが16日、分かった。  金沢大などによると、付属病院と同大は2004年4月の独立行政法人化以降、法人化前と変わらず、国家公務員法に基づいて職員の時間外手当を支払っていたが、08年12月、金沢労働基準監督署から労働基準法に基づいて支払うべきとの指摘を受けたとしている。  同労基署は09年、07年7月までさかのぼり、未払い分を支払うよう同大などに勧告していた。 "[he-forum 15997] 福井新聞12/16 福井新聞2010年12月16日付 国立大交付金確保へ糸川氏「努力」 福井大要望に  政府の2011年度予算で福井大など国立大学法人に配分される運営費交付金が大幅に削減される見通しとなっていることで、福井県選出の民主党副幹事長糸川正晃衆院議員は15日、11年度予算に反映を求める党の重点要望に「国立大運営費交付金の確保」を盛り込んだことを明らかにした。来週初めにも党陳情要請対応本部が財務省と協議する予定。  福井大はこの日、福井市の文京キャンパスで党陳情要請対応本部の副本部長・事務局長を務める糸川氏に運営費交付金などの予算確保を求める要望書を提出した。これに対し、同氏は「(同本部として)国立大に関しては財務省に働きかけをしながら予算確保していく方針。来週早々にも財務省と話をし、要望に添える結論が出るように努力したい」と答えた。  11年度予算の特別枠1兆3千億円の配分を決める政府の政策コンテストで文部科学省の事業がB・C判定を受けたことを受け、全国の国立大は大幅な予算削減が避けられないとして危機感を強めている。  福井大の場合、本年度予算比で最大9億3千万円減になるという試算を公表している。福田優学長は糸川氏に対し「国立大の高等教育を維持することは、グローバル社会で国力を維持するための重要な課題」と予算確保への協力を求めた。  特に、経済的に厳しい家庭の学生に対する授業料減免にかかる予算がC判定を受けたことに対する危機感を強調した。  糸川氏は6日に民主党が政府に提出した重点要望に「国立大運営費交付金の確保」が含まれていることを説明。24日に予定されている予算案決定に向け、党陳情要請対応本部と財務省との最終的な協議の中で予算確保に努めるとした。 "[he-forum 15998] しんぶん赤旗12/17 しんぶん赤旗2010年12月17日付 大学予算削減問題 「基礎研究が後回しに」 大阪府立大学長と党府委が懇談  国が強行する大学予算の削減問題について、日本共産党の宮本岳志衆院議員や太田いつみ党大阪府委員会副委員長らが16日、大阪府立大学で奥野武俊学長(理事長)と懇談しました。  懇談には、清水ただし党府委員会国民運動本部長や山本陽子府議らも参加。大学側は辻田正人、正木裕両理事が同席しました。  宮本氏は、公約に反し来年度から国立大の運営費交付金や私立大の国庫助成を削減するとした民主党政権との論戦状況を説明。「大学の学術基盤の崩壊につながり、許しがたい」と語り、大学危機打開に向けた党の政策を紹介しました。  奥野学長は、同大でも府から運営交付金の削減を迫られているとし、「コツコツした基礎研究が後回しになっていくのが一番心配」だと危惧しました。外部資金獲得への取り組みを紹介しながらも、約18億円と見込まれる運営交付金カットや教職員数を削減せざるを得ない現状を説明。学術研究を続けることができる長期的視野に立った環境整備を求めました。  宮本氏らは十分な大学予算の確保へともに声を上げようと呼びかけました。さらに、就職難や就職活動の早期化・長期化の問題を打開する党政策についても紹介しました。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 15999] 毎日新聞富山12/15 毎日新聞富山版2010年12月15日付 富山大付属病院:南病棟、新しく完成 来月8日から使用  富山大付属病院(富山市杉谷)の新しい南病棟が完成し14日、報道陣に公開された。来年1月8日から使用される。  同病院は建設から30年以上がたち老朽化しているため、08年秋から順次新築工事が行われている。  南病棟はその第1弾として完成。鉄筋コンクリート7階建てで、延べ約1万3000平方メートル。総工費は約47億円。  全体の病床数はこれまでと同じ612床だが、高度な医療に対応するため、新生児集中治療室(NICU)をこれまでの9床から12床に、新生児継続保育治療室(GCU)も6床から10床にそれぞれ増床した。NICUでは専任医師4人体制で治療にあたる。また新たに心筋梗塞(こうそく)患者などに対応するため冠状動脈疾患管理室(CCU)も6床設けた。  個室は61室に増やし、1日2万4000円の差額個室も設けた。  内装は同大芸術文化学部とタイアップし、おしゃれなデザインを各所に施した。  遠藤俊郎病院長は「特に周産期医療などに大きく貢献できる施設になるだろう」と話している。  この日は完成式典も行われ、約120人が出席した。今後、他の病棟や手術部、外来、中央診療部などを順次新築し、最終的な完成は2017年度になる予定。【青山郁子】 "[he-forum 16000] 神戸新聞12/16 神戸新聞2010年12月16日付 カネカと神大、共同研究などで連携協定    化学メーカーのカネカ(大阪市)は15日、神戸大学と、共同研究や人材育成プログラムの構築などを目指して連携協定を締結した。これまでもバイオ技術を使った製品の研究などを実施してきたが、今後は工学▽農学▽医学▽経営学‐などで幅広い協力関係を築く。カネカが大学と連携協定を結ぶのは初めて。  2011年1月中にも、カネカ社員や神大職員らで連携協議会を開催する。共同研究の企画や人材育成法などについて話し合う。その結果を受け生産技術、ヘルスサイエンス、ビジネスモデルなど6分野で、それぞれワーキンググループを設置し、具体的な研究テーマを選定、実施していく。  カネカ広報室は「個別の研究はこれまでもあったが、提携により相乗効果が期待できる」。神大連携創造本部は「有望な事業の創出につなげていきたい」としている。(三宅晃貴) "[he-forum 16001] 毎日新聞山形12/17 毎日新聞山形版2010年12月17日付 山形大:学長選、教職員投票廃止の方針 来年の次期から ◇「意見聞く場失われる」 組合、白紙撤回求める  山形大の学長選考会議(議長、有馬朗人元東大学長、元文相)は、来年の次期学長選から全学の教職員による投票「学内意向聴取」を廃止する方針を決めた。来月の学長選考会議で規則を変え、正式決定する見通し。この方針に山形大職員組合は反発。「大学構成員の意見を聞く貴重な場が失われる」と白紙撤回を求める声明を発表した。投票をせずに学長を決める国立大学法人は全国で4大学だけという。  現在の学内投票は、助教以上の教員と課長補佐級以上の職員約900人が対象。投票結果を踏まえて、選考会議が協議し学長を選ぶ。前々回05年までは、学内投票1位の候補者がそのまま学長に選ばれた。しかし、前回07年は学内投票で2位だった前文部科学事務次官の結城章夫現学長が、選考会議で逆転して学長に選ばれた。学内投票の結果が覆ったのは初めてで、「天下り人事だ」と当時、学内から批判が噴出した。  選考会議のメンバーは、大学の各学部長と付属病院長の学内委員7人と、学外の有識者7人の計14人。廃止の方針を決めた11月22日の選考会議には13人が出席。有馬議長を除く12人のうち、出席した学外委員全5人を含む7人が廃止に賛成、5人が反対したという。  山形大総務部によると、選考会議では廃止の理由として「票集めに奔走し、選挙後に遺恨を残すなど弊害が大きい」「大規模な学部が有利」などが挙がった。また投票の代わりに学部ごとに新たに意向聴取をする方針が決まった。  この決定について、教職員組合の松本邦彦書記長は「寝耳に水で驚いている。民間会社と異なり、大学は教育研究機関。『大学の自治』が認められており、学長を選ぶ時に構成員の意見を聞く場が無いのは問題だ」と憤っている。  一方、投票廃止に賛成した山下英俊医学部長は「投票結果に引きずられず、組織のトップを選ぶ(選考会議の)責任を明確にする必要があると思った」と説明する。  背景に04年の国立大学法人化で、学長の権限が強化された一方、学長に一層の経営能力が求められるようになった点がある。山下医学部長は「法人化が大きな転機になった。民間会社で投票をして経営者を選ぶ会社はない」と説明。これに対し松本書記長は「大学に十分な理解の無い学外の委員に学長を選ぶという重大な判断を委ねるのは危険だ」と危惧する。  山形大によると、全国の86国立大学法人で教職員らによる投票を実施しない大学は、東北大▽鳴門教育大▽政策研究大学院大▽総合研究大学院大--の4大学だけ。東北大は06年の学長選から廃止した。【林奈緒美】 "[he-forum 16002] 河北新報12/18 河北新報2010年12月18日付 東北大院、初の女性研究科長 法学研究科・水野教授を選出  東北大大学院法学研究科は17日までに、任期満了に伴う次期研究科長に水野紀子教授(55)を選出した。任期は2011年4月1日から2年。東北大では女性初の研究科長となり、旧帝大の法学部・法学研究科でも初の女性トップとなる。  水野氏は東京都出身、東大法学部卒。名古屋大法学部教授などを経て、1998年から現職。専門は民法・家族法。国の法制審議会部会委員などを歴任。仙台市男女共同参画推進審議会会長も務めた。  内定を受け、水野氏は「基盤的経費の削減など大学にとっては嵐の時代となっているが、創造的な研究教育ができる東北大を同僚たちと守っていきたい」と話している。 "[he-forum 16003] 時事通信12/17 時事通信2010年12月17日15時51分 医学部定員増を了承=設置審  文部科学省の大学設置・学校法人審議会は17日、国立と私立の大学が計画している2011年度の医学部入学定員の拡大を了承した。公立大は既に届け出を済ませており、合わせて77人の増員が決まった。医学部の定員は4年連続で増え、過去最多の8923人となる。  内訳は国立18校で50人、公立1校で5人、私立7校で22人。 "[he-forum 16004] 毎日新聞広島12/20 毎日新聞広島版2010年12月20日付 論点2010ひろしま:2期目の続投が決まった、浅原利正・広島大学長 ◇「5年、10年後に成果を」  来春の任期満了に伴う広島大の学長選で、浅原利正学長(64)の再選が、先月25日に決まった。グローバルな人材の育成、大学の管理・運営の見直しなど1期目からの取り組みを継続し、「5年、10年後に成果を出したい」と意気込む。2期目(11年4月1日から2年)にかける抱負を聞いた。【聞き手・星大樹】  ◇グローバルな人材を育成  --2期目に挑戦した理由と今後の課題について。  ◆就任から3年半が過ぎたが、取り組みが十分でないと反省し、中途半端で辞められないとの思いがあった。全てにもっと高いレベルを目指したい。具体的には、教養教育、教育の質の保証、教育・研究のグローバル化への対応、大学の管理・運営の見直しなどをやっていきたい。5年後、10年後に成果が出てくるものに取り組むべきだと思う。  --個々の課題について具体的に。  ◆教養教育の充実については、科学技術の進歩で専門性が深化するほど、人間性豊かな幅の広い社会人に育てる必要があり、教養教育がますます重要になってくると思う。継続的に見直したい。教育の質の保証では、人材育成がどういう形でなされたかチェックする必要があり、それには卒業生のフォローアップが一番。学生が働き始め、「(学生時代)いい教育を受けられた」と思えるか。10年以上かかるかも知れないが、始めなければ。  --グローバル化への対応、管理・運営の見直しについては。  ◆国際社会で活躍できるグローバルな人材の育成が必要。国際交流を進め、異文化に触れる機会を作らなければならない。今年から短期の海外研修を始めたが、希望者は多い。来年からプログラムを充実させ、年間100人くらいを送り出し、留学生の受け入れも取り入れたい。運営見直しでは、特に職員の意識改革。それぞれの責任を自覚し、自分で考え、アイデアを出して、教育・研究に関われる仕組みを作りたい。  --研究支援、研究者支援のあり方は。  ◆法人化して社会との連携が強まる中で、研究者の支援をしないと競争的資金が減る。それには、情報の共有が重要。「競争的資金獲得戦略室」を設け、必要なときに必要な情報を教員に流す。  --グローバル化の一方、大学の地域貢献、地域交流が言われています。  ◆広大は東広島市という地域に支えてもらっており、連携を強める必要がある。「知りたければここに来て」ではなく、地域に出て行って「こういうことをしている」と言わなければならない。地域に課題を出してもらい、大学でふさわしい研究があれば、一緒にやろうという形で地域貢献研究をしている。今後も続けたい。 ==============  ■人物略歴  ◇あさはら・としまさ  1946年生まれ。医学博士。広島大大学院医歯薬学総合研究科教授、同大病院長などを歴任し、07年5月に同大学長に就任。 "[he-forum 16005] 朝日新聞12/20 朝日新聞2010年12月20日付 大学予算減に危機感 仕分けで事業「廃止次々」  大学関係者が、来年度の予算編成の行方に注目している。先月あった政府の「事業仕分け」で、留学生や研究者支援事業に厳しい判定が出たのを経て、大学予算が減らされるおそれがあるからだ。研究や人材育成に対する国の戦略が問われる一方で、「大学側にも予算獲得のために社会的理解を得る努力が求められている」との指摘もある。 ■「人材育成に投資を」 大学幹部300人、猛抗議  東京都内で1日、私立大学や短大などの団体が緊急大会を開いた。予算編成への意見をまとめるためで、会場は全国から駆けつけた300人以上の大学幹部らであふれた。  「事業の中身を見ずに仕分けするなんて間違っている」「人間を育てることの意味を考えてほしい」。政府への批判が殺到し、私大関連の予算確保を求める決議文を文部科学省幹部に手渡した。  大学側が危機感を強めたのが、国の事業仕分けと、来年度予算の「特別枠」で優先順位をつける政策コンテストの結果だ。  11月の事業仕分けでは、大学生の就業力の育成支援や、大学間や地域との連携、留学生の受け入れ支援といった事業が「廃止」「いったん廃止」と判定された。仕分け人からは「多くの大学に薄く広く予算をつけるのはバラマキになる」などの意見が相次いだ。  政策コンテストでも、無利子奨学金拡大や、大学への運営費交付金や補助金の一部を盛り込んだ予算が、軒並み減額評価になった。  大学側は猛反発。国立大学協会も8日、全国の学長が集まり「強い人材を育成するためには十分な財政的投資が不可欠」として予算確保を要求し、公立大学協会も「地域と連携する公立大学の役割を見ていない」と、事業仕分けを批判する緊急声明を出した。  事業仕分けでは、多くの事業が、「大学のもともとの予算の範囲でやるべきだ」とされたが、国立大学の収入の柱となる運営費交付金はこの6年で830億円減。また、経済協力開発機構(OECD)によると、国内総生産(GDP)に占める高等教育への公的支出の割合は、日本はOECD加盟国平均の半分ほどにとどまる。  「大学予算に余裕はなく公的支援も乏しい」。これが予算を要望する側の主張の前提になっているが、厳しい予算編成の中、一定の減額は避けられない見通しだ。 ■「発信すれば意義伝わる」 市民支援得る研究も  緊縮財政を迫られる国と、予算減に抵抗する大学。深まる対立の一方で、自主的な取り組みも広がっている。  「宇宙はどう始まったのか、なぜ我々はそこにいるのか。それを知りたいのです」  東京大の数物連携宇宙研究機構の村山斉・機構長は、月1回ほど子どもや市民向け講演会で、研究の目的や成果を分かりやすく説明する。講演会をするのは「成果の還元は義務だと感じるし、研究の意義を知って欲しい。それに、研究がとても面白いので聞いてほしいんです」。  文科省の「世界トップレベル研究拠点事業」の一つで、大学本来の予算以外に別枠で予算を配分されている。この事業も昨年の事業仕分けで予算を圧縮すべきだとされた。だが、講演会の参加者が機構を支える動きも出ている。例えば、海外から招いた研究者の日本での住居探しを手伝うなど、「応援団」に名乗りをあげてくれているという。  村山機構長は「研究費を得るにあたり、その研究が一般の人にどう影響するのかを発信する動きが、日本では緒に就いたばかり。今後は一般への発信の機会や必要性は一層増すだろう」と話す。  国際化の拠点大学をつくる事業も仕分けで見直し対象に。だが拠点校の一つ、早稲田大は、英語のみで学べるコースの増設や20年度までに外国人教員を全教員の14%に増やす方針は変えないという。大野高裕・教務部長は「国際化は我々の基本戦略。助成に頼らぬ気概と仕組み作りは不可欠だと考えている。事業の見直しは、各拠点校がそれぞれの戦略を問われる機会になるのではないか」と話す。(井上裕一、三島あずさ) ■上山隆大・上智大学教授 「言葉語り、市場と向き合って」  米国の大学での研究と外部資金、それを取り巻く企業や社会の現実を実証的に描いて話題になっている「アカデミック・キャピタリズムを超えて」の著者、上智大教授(経済史・科学技術史学)の上山隆大さん(52)。日本の大学の予算獲得の姿勢や、研究への考え方について聞いた。  大学に資金を投入すれば社会で役立つ何らかの種子が生まれるというのが米国の常識。私学でもエリート大学なら研究費の7~8割は政府資金。日本のような予算削減は考えられない。新しい分野に大きな予算を投入しなければ新しい産業は出てこない。  そのために、米国の研究者は社会に訴える意識が強い。議会の公聴会などさまざまな機会に、エリート大学の研究者らが出て、納税者に自分たちの研究の意義を説明して答えていくことが珍しくない。もともとは研究とその有用性を合わせるのに苦しんだ歴史がある。鍛えられ方が違う。  日本の大学では、研究者としては優秀だが、社会的な意味、問題についてナイーブ(未熟)な人が多い。社会に訴えかける力、意味のある言葉が出てこない。密室での陳情や役所間の折衝に研究費も依存してしまうと、言葉も紋切り型に聞こえる。これでは世界の大学と競い合えない。  日本でも、人とのつながりや交換によって相互関係が成り立つ「市場」とかかわりながら存在意義を訴え、大学が社会に提供するものは何か考えるべきだ。これは理系、人文系にも共通する。基礎的な知識をつくり出す大学だからこそ言葉を持ち、市場と向き合う必要があるのではないか。(編集委員・山上浩二郎) "[he-forum 16006] しんぶん赤旗12/19 しんぶん赤旗2010年12月19日付 大学予算増やし就活にルールを 全学連が集会  「お金の心配なく学びたい」「学ぶ時間と就職先がほしい」「大学の予算増やして」―。大学生の諸要求をもちよった交流集会が18日、東京都目黒区の東大駒場キャンパスで開かれました。全日本学生自治会総連合(全学連)が主催し、全国から12学園53人が参加しました。  集会では、大学予算拡充や就職難打開を求めるとりくみが交流されました。  「6月に高等教育予算削減の問題を考えるつどいを開催。大学予算削減反対の署名や各学部長インタビューを行った」(東大教養学部)「雇用の確保や学業と両立できる就職活動のルールづくりを求めて日本商工会議所、京都の経済団体に要請した」(京都府学連)「学費の負担軽減、予算増額を求める署名をすべてのゼミに訴え、約1500人分が集まった」(愛知・日本福祉大学)「1年生で組織する自治会では、2週間毎日宣伝して約800人分の署名が集まった。今後は学外や学生寮を回り、教職員にも訴えたい」(長野・信州大学)との発言がありました。  東京都清瀬市、町田市、武蔵野市、千葉県市川市、大阪府吹田市で予算削減反対、拡充を求める意見書が可決され、陳情が採択されていることも報告されました。  参加者は集会後、JR新宿駅西口で宣伝。「サンタさん内定ください」「学生―学費=笑顔」「無利子・給付制奨学金求む」「働きたい 授業出たい 就活(就職活動)にルールを」など、手づくりプラカードを掲げてリレートークしてアピールしました。予算増額を求める署名を集めました。 "[he-forum 16007] 読売新聞12/20 読売新聞2010年12月20日付 公的研究機関の若手研究者減少…内閣府調査  国立大学などの公的研究機関で働く研究者は全体では増えているものの、若手に限れば減少していることが、内閣府の調査でわかった。  予算削減のために新規雇用が伸び悩み、若手がしわ寄せを受けている形だ。  調査対象は国立大学の教員と、研究開発を担う22の独立行政法人の研究者。最近5年間の推移を見ると、2009年度の全体の研究者は約7万3400人と05年度に比べ1・3%増えたが、博士号を取得してから約10年となる37歳以下の若手は約1万6500人で7・4%減った。  独立行政法人については雇用形態も調査。37歳以下では正規雇用が09年度に998人と05年度に比べ22%減る一方、非常勤は52%増の1140人となり、若手研究者の不安定な労働環境が改めて浮き彫りになった。 "[he-forum 16008] 四国新聞12/20 四国新聞2010年12月20日付 チーム医療確立取り組みを発表/香川県内3大学  医療系学部を持つ香川大、徳島文理大、香川県立保健医療大の香川県内3大学が連携し、チーム医療の実践に向けた人材育成や仕組み作りに取り組む「香川総合医療教育研究コンソーシアム」のフォーラムが19日、香川県さぬき市志度の徳島文理大香川キャンパスであり、3大学の教授や学生がこれまでの取り組みや成果を発表した。  同コンソーシアムは、2008年度からスタート。国・公・私の大学が連携しての事業は全国的にも珍しく、病院同士や調剤薬局、介護施設など香川県内全体でのチーム医療を目指している。本年度までは、文部科学省の戦略的大学連携支援プログラムに採択されている。  フォーラムでは、同コンソーシアムの推進委員会委員長で香川大医学部の上田夏生教授が、3大学合同授業や学生の相互派遣などの取り組みを報告。さらに、病院と調剤薬局を結び、病名や検査データをお互いに把握できるようにする「電子処方せんシステム」の開発に、日本で初めて取り組んでいることも説明した。 "[he-forum 16009] 山梨日日新聞12/21 山梨日日新聞2010年12月21日付 産学官の研究拠点開設 県、山梨大と機械電子工業会 新技術開発へ  山梨県と山梨大、県機械電子工業会は20日、産学官が連携して新技術の開発に当たる「やまなし地域産学官共同研究拠点」を開設した。太陽光を電気に変える太陽電池や太陽熱で発電するシステム、ワインに含まれるポリフェノールの老化抑制物質について共同研究。研究結果は県内企業に提供し、新たな産業の育成につなげたい考えだ。  研究拠点は、甲府・県工業技術センターと中央・山梨大総合分析実験センターの2カ所に整備。県工業技術センターや県富士工業技術センターの職員、山梨大の研究者計7人を中心に研究に当たる。  共同研究するのは、県工業技術センターや山梨大に研究実績があり、今後、成長が見込まれる3分野。具体的には低コストで効率の高い太陽電池のほか、太陽熱を利用した発電システムの実用化に向け、太陽熱を効率的に吸収する膜の開発を目指す。また、甲州種ブドウに含まれるポリフェノールを使い、認知症や脳卒中など老年期の脳疾患の原因解明、新薬の研究開発などに取り組む。  これらの研究は、産学官連携を進めることで地域経済の活性化を目指す、科学技術振興機構(JST)の事業に採択。研究拠点の設置に当たり、県は最新の顕微鏡システムなどを導入した。  20日には県工業技術センターで開設式が行われ、出席者が同センター内の設備を見学した。 "[he-forum 16010] JALキャビンクルーユニオンへの支援メッセージ 佐賀大学の豊島です.現在,組合の執行委員をしております. 本日,当組合は, 日本航空キャビンクルーユニオン宛に連帯の メッセージを送りました.組合情宣部のページに掲載しておりますが, メールにも添付します. http://homepage2.nifty.com/union-saga-u/saga/josen/josen.html http://homepage2.nifty.com/union-saga-u/saga/josen/solidarityJALCCU.pdf (ホーム) http://homepage2.nifty.com/union-saga-u/ ヨーロッパなみに,連帯のストが打てればいいのですが・・・. ----------------------- 連帯のメッセージ 日本航空キャビンクルーユニオン御中 佐賀大学教職員組合執行委員会 私たちは,日本航空の不当な「整理解雇」に対し,ストライキも含む闘 いに立ち上がられた皆様に,職種は違うものの同じ労働者の仲間として 強い支持と連帯の意志を表明します. 皆様の12月13日付けの「声明」を読み,すでに人員削減の 目標数が満たされているなど会社側の「整理解雇」には根拠がないとい うだけでなく,さらに組合つぶしを狙ったものということに衝撃を受け ております.すなわち整理解雇の対象にされた客室乗務員のうち8割が 貴組合のメンバーであるとのことです.これはかつての国鉄分割「民営 化」の際の組合差別を想起させます. 皆様の闘いは,皆様の生活と権利のためだけでなく,「声明」に詳細に 書かれているように空の安全を守るためでもあります.私たち航空機を 利用する多くの国民の生命の安全がかかっており,その意味でも決して 傍観することは出来ません. 貴組合に対する労働者の連帯の輪が広がり,メディアには公平で正確な 報道を要求しつつ国民の理解を広げ,ついには解雇方針の撤回を勝ち取 られるように,私たち佐賀大学教職員組合は皆様へのあらゆる支援を約 束致します. 2010年12月21日 ----------------------- 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16011] 日刊工業新聞12/21 日刊工業新聞2010年12月21日付 東大と日本財団、小中高の海洋教育推進  東京大学と日本財団は20日、小中高の海洋教育の普及推進を手がける「海洋教育促進研究センター(日本財団)プログラム」を始めたと発表した。予算は2年半で2億3000万円。海洋教育に必要な教材や教員育成プログラムを、ハブとなる東大が開発。  連携する横浜国立大学、琉球大学など各大学と初等・中等教育機関が教育を推進する“海洋教育ネットワーク”を構築する。  東京大学は全学横断的な機構の一つとして「海洋アライアンス」を持ち、大学院生など約150人が教育研究に参加している。  新プログラムは同アライアンス内に設置した。教員は教育学、海洋学など7人体制で海洋政策研究財団も協力する。全国へ展開する海洋教育の拠点大学を、7校ほど選ぶ計画だ。 "[he-forum 16012] 中日新聞長野12/21 中日新聞長野版2010年12月21日付 山岳地域との学術交流 信州大が韓国の国立大と協定  信州大山岳科学総合研究所(松本市)は20日、東アジア地域の山岳文化研究を促進するため、韓国の国立慶尚(キョンサン)大学校慶南(キョンナン)文化研究院と学術交流協定を結んだ。同研究所が国外の研究機関と協定を結ぶのは3例目で、韓国は初めて。  日本と同様、多くの山岳地域を抱える韓国と連携し、研究会やシンポジウムの開催、研究者の交流などを進める。協定期間は3年。信州大側は、来年5月に韓国で開かれる同研究院主催の東アジア山岳文化フォーラムに参加し、中国の研究者も交え、議論を深める予定だ。  調印式は信州大理学部であり、鈴木啓助所長と張源哲(チャンウンチョル)院長が協定書を交わした。鈴木所長は「山岳地域における文化的・歴史的研究がさらに進むと期待している」と力を込めた。  調印式後には、信州大の笹本正治副学長と張院長による記念講演会もあった。  (宿谷紀子) "[he-forum 16013] 読売新聞12/21 読売新聞2010年12月21日付 奨学金返済、最長10年間半額に…学生支援機構  大学生らに奨学金を貸与している独立行政法人「日本学生支援機構」は来年1月から、経済的に困窮し、返済が困難になった卒業生を対象に、最長で10年間、毎月の返済額を半額にできる制度を導入する。関係政令の一部改正が21日、閣議決定された。  新制度の対象は年収が300万円以下の人で経済的な理由で返済が難しい人。返還期間を延長した場合も、当初の利子負担は変わらない。  同機構によると、2009年度中に、奨学金を返還しなければならない約263万人のうち約13%にあたる約34万人が返還を怠り、要返還額の2割にあたる約797億円が同年度中に回収できなかった。未回収額は04年度から約290億円も増加した。  一方、同機構が、09年度に返済を6か月以上延滞した人を調べたところ、年収300万円未満の人が87・5%を占めた。同機構では、低収入が延滞の大きな原因と見て、毎月の返済額軽減で、奨学金の返還を促す考えだ。 "[he-forum 16014] 共同通信12/22 2010/12/22 02:02 【共同通信】 科研費、過去最大の230億増額 政府の来年度予算案  来年度予算案で政府は21日、大学研究者らに助成する文部科学省の 科学研究費補助金(科研費)について、本年度予算より230億円増の 2230億円とすることを決めた。1918年の制度創設以来、最大の 増額規模。ノーベル化学賞の日本人2人受賞や、小惑星探査機「はやぶ さ」帰還など科学関連の大型ニュースが相次いだことも追い風になった とみられる。  政府は、国立大学法人の人件費などを賄う運営費交付金は、本年度比 0・5%減の1兆1527億円とする方針も決定。一方で大型実験機器 の購入などに活用できる補助金を創設、減額分相当の58億円を盛り込 む。文科省は「国立大の予算は実質横ばいとなり、法人化以降続いてき た基盤的経費の削減に歯止めがかかった」としている。 "[he-forum 16015] 産經新聞12/22 産經新聞 2010.12.22 00:22 はやぶさ効果、科研費大幅増 メリハリで科学技術予算総額は減  政府は21日、平成23年度予算案で、文部科学省が要求していた大 学研究者への助成金「科学研究費補助金(科研費)」について、22年 度予算の2千億円から大幅に増額する方針を固めた。一方で、科学技術 関連予算の総額は、前年比2~3%減の1兆3千億円前後で最終調整に 入った。科学技術予算の削減は2年連続だが、科研費に加え、小惑星探 査機「はやぶさ」の後継機開発予算などは確保し、メリハリを効かせた。  科研費について文科省は、23年度概算要求で前年度比100億円増 の2100億円を要求。22年度は30億円増だったが、これを大幅に 上回る見通しだ。政府の事業仕分けは科学技術予算に厳しい判定だった が、研究者などからの批判が強く、科研費には重点配分を続けることに した。  これに対し、最近20年間で約3倍に増えた科学技術予算の総額は、 民主党政権下の22年度予算で、前年度比3・3%減の約1兆3300 億円とマイナス。22年度補正予算ではスーパーコンピューターや宇宙 開発に1100億円を盛り込んだものの、23年度予算は一部を補正予 算に前倒ししたとみなし、22年度に引き続き減額が決まった。 "[he-forum 16016] 読売新聞12/21 (2010年12月21日 読売新聞) 科学研究費、繰り越し可能に…一部を基金で運用  政府は、来年度予算編成で、「科学研究費補助金(科研費)」の一部 について、翌年度への繰り越しが自由にできる制度改正を行う方針を決 めた。  単年度予算の制約を受けない「基金」の形で補助金を運用する。年度 末の予算消化のために生まれる無駄をなくし、研究費を効率的に使える 体制に改める。研究が進んだ場合は、研究費を前倒しして使うこともで きる。  1965年度に創設された科研費は現在、年間約6万件の研究を支え る日本の学術研究の土台だが、抜本的な制度改正は初めて。  総額2000億円(今年度)に上る科研費のうち、来年度はまず約3 10億円を基金化する。若手研究者向けの研究費が中心になる。現在で も研究計画に変更があった場合は国に申請すれば繰り越しが認められる が、そのための時間や労力が研究の妨げになるとして、研究者が長年、 制度改正を強く求めていた。 "[he-forum 16017] 岩手日報12/22 岩手日報2010年12月22日付 岩手大学長に藤井氏再選 「知の府を築く」  岩手大は21日、盛岡市の同大で学長選考会議(議長・谷村久興谷村電気精機会長)を開き、来年6月4日の任期満了に伴う次期学長の最終候補者に現学長藤井克己氏(57)を選出した。藤井氏は「地域の期待に応える『知の府』を築く」と2期目への決意を述べ、文系2学部が平泉などをテーマに地域に根差した独自研究を展開することも表明した。  同会議は、教職員596人による投票(投票者数488人、投票率81・9%)結果を踏まえ、第1次候補者に藤井氏=269票、第2次候補者に同大工学部長の堺茂樹氏(60)=207票=を決定。委員9人が協議し藤井氏を選んだ。  藤井氏は「法人化第2期計画を実行するチャンスをもらった。教育、研究、地域貢献の3本柱をさらに強化し、国際交流も推進していきたい」と話す。  地域貢献を目的とした拠点研究として来年度から、人文社会科学部は「岩手豊穣(ほうじょう)学―宮沢賢治を中心とした岩手の研究」、教育学部は「平泉文化の国際性と地域性―中国の古代苑池庭園との比較を中心に」をテーマに展開。各10人の研究者と学生が歴史文化や豊かさの定義などを研究する。  藤井氏は来年6月5日付で文部科学大臣から学長に再任される予定。任期は2014年3月31日まで。 "[he-forum 16018] 日本経済新聞社説12/22 日本経済新聞社説2010年12月22日付 「質最優先」で科技予算を成長に生かせ  日本の成長の芽を育てるため、研究開発にどう投資していくか。政府の総合科学技術会議(議長・菅直人首相)が2011~15年度の科学技術政策の指針となる第4期科学技術基本計画の案をまとめた。  政府の年度ごとの研究開発予算について「国内総生産(GDP)比で1%をめざす」と明記し、5年間で総額25兆円を投じるとした。09年度の科学技術予算はGDP比で0.7%、今の第3期計画(06~10年度)の総額は21.6兆円だから、かなり高い目標である。  リーマン・ショック後の景気低迷の影響で、日本の官民合わせた研究開発投資は08、09年度と2年続けて減り、5年前の水準に逆戻りした。科学技術は経済成長や産業競争力の源泉であり、投資の減少に手をこまぬいてはいられない。  だが財政が厳しさを増すなか、科学技術を聖域扱いして予算を大幅に増やせるのか。行政刷新会議の事業仕分けで再三指摘されたように、国の研究開発を担う独立行政法人の数が多すぎて役割がはっきりせず、大学を含め研究費の重複配分も目立つ。まず予算の無駄遣いを洗い出し、そのうえで成長につながる投資のあり方を考えるべきだ。  計画案は菅政権の新成長戦略を踏まえ、環境・エネルギーや医療・健康分野で短期間で成果の見込める研究に重点投資するとした。しかし国に求められるのは目先の成果を出すことだけではない。基礎科学を含め次代の科学技術を担う人材を育て、新産業の種を見つけることだ。  世界の主要学術誌に載った論文数で中国に抜かれ、日本が得意だった液晶や電池技術でも韓国の攻勢にさらされる。その背景には、理工系人材が冷遇され、優れたアイデアが産業に結びつかない問題がある。政府はもっと危機感をもち、人材育成や技術移転の仕組みづくりに真剣に向き合うべきだ。  企業の研究開発を後押しする制度改革も欠かせない。日本の研究費は減っているとはいえ、官民全体でGDP比3.6%と世界最高の水準にある。その8割を企業が担う。  法人税率の引き下げにとどまらず、研究開発への企業の投資意欲が高まるよう税制の見直しが要る。先端医療の臨床試験やロボットの実地試験などを妨げている規制の改革にも取り組む必要がある。  総合科学技術会議のあり方も見直すときだ。各省庁の利害調整の場となり、司令塔の役目を果たせていない。予算配分に一定の権限をもたせるなど組織改革を考えるべきだ。 "[he-forum 16019] 河北新報12/22 河北新報2010年12月22日付 東西線沿線街づくり連携強化 仙台市と東北大院協定  東北大大学院工学研究科の人的、知的財産を仙台市の施策や事業に生かそうと、市は21日、同研究科と連携を強化する協定を結んだ。当面は、2015年度に開業を予定する市地下鉄東西線沿線の街づくりについて提言してもらう。  協定は、市と研究科が情報やアイデアを提供し合い、市の施策の推進や地域課題の解決、人材育成を図るという内容。14年度までの5年間の協定だが、自動更新することも念頭に置いている。  連携の第1弾として、研究科は科内の講座で東西線の国際センター駅(青葉区青葉山、仮称)周辺の街づくりなどを研究し、市に計画を提案する予定。市は実践的に研究できる場を提供するなど、学生の調査活動を全面的に支援する。  市役所であった締結式で、奥山恵美子市長は「東西線は市の大プロジェクト。学生から街づくりに向けた多くの知恵を頂きたい」とあいさつ。研究科の内山勝科長は「幅広い連携、協力を進め、成果を仙台から世界へ発信したい」と語った。 "[he-forum 16020] 千葉日報12/23 千葉日報2010年12月23日付 将来の大学、在り方探る 井上東北大総長ら迎え議論 千葉大でシンポジウム  将来の大学の在り方を考える千葉大学主催の「大学改革シンポジウム」が22日、千葉市稲毛区の同大学けやき会館で開かれた。聴講者約200人が来場。国立大学の予算削減が見込まれるなど厳しい情勢の中、講演やパネルディスカッションを通じて「輝ける大学」を目指すための改革手法を探った。  同シンポジウムは昨年度に続き2回目。本年度のテーマは「21世紀が求める大学組織機構」とし、研究の活性化や若手研究者の育成を目指した組織の在り方について議論を深めた。  「招待講演」の講師に迎えられた東北大学の井上明久総長は、「東北大学の目指す世界リーディング・ユニバーシティーへの道程」とのテーマで発表。世界に挑戦する研究プロジェクトへの重点支援制度、報酬によるインセンティブを明確化した独自の教員登用制度など、世界ランキングの上位大学を目指すために自身が強力なリーダーシップを持って進めた東北大の大学改革について説明した。 "[he-forum 16021] 京都新聞12/23 京都新聞2010年12月23日付 滋賀県立大「地域学」暗礁 事業仕分け「廃止」判定で印刷用画面を開く  滋賀県立大(彦根市)が来年度から予定していた新教育プログラム「地域学」が、暗礁に乗り上げている。国の補助金で、科目の新設や課外活動の単位化など仕組みづくりを進めたが、政府の行政刷新会議による事業仕分けで、関連事業が「廃止」の判定に。同大学は「地域に学び、地域に貢献するという建学の精神を体現化するプログラム。大学改革の芽を摘まないでほしい」と困惑している。  地域学は、文部科学省の「大学教育・学生支援推進事業」に2010年度に採択され、既に10年度分2千万円の交付決定を受けた。12年度までの2年間で残り4千万円を受け、学部生が専攻とは別に履修できる学部横断的プログラムを構築する計画だ。  ところが、11月の事業仕分けで「廃止」の判定になった。文科省大学振興課は「事業継続に向けて財務省と話し合っているが、来年度予算でどうなるか未定」としている。  県立大によると、プログラムは講座形式の「地域探求学」「地域診断法」など3科目を新設する。一方、実践の場として、学生が県内各地で取り組む課外活動「近江楽座」を単位認定し、一定の単位取得者には「近江楽士(がくし)」の称号を授与するとしている。  県立大は来年度後期から開始を予定しているが、国の事業費カットでずれ込む恐れも出ているという。「財政難で大学運営費が削減される中、大学の独自色をだせる事業まで減らされては改革が進められない。途中ではしごを外さず最後まで支援してほしい」としている。 "[he-forum 16022] しんぶん赤旗12/23 しんぶん赤旗2010年12月23日付 大学予算削減 “教育の質 下げている” 三重大学長と共産党が懇談  日本共産党三重県委員会と県議団は22日、国立大学予算削減や学生の就職問題、地域医療の問題をめぐって、津市の三重大学で内田淳正学長、野村由司彦副学長、竹田寛医学部付属病院長らと懇談しました。大嶽隆司県委員長、萩原量吉、真弓俊郎両県議、中野武史書記長、今井靖也青年学生部長が出席しました。  大嶽氏が、政策にいかすため率直な意見を聞かせていただきたいとあいさつしました。  内田学長は、運営費交付金が6年間で5億円以上削減されれば、教職員を減らさざるをえないと説明。「今の日本は予算を減らすことで教育の質を下げつつあります。人材育成に力を注ぐことこそが国の本来あるべき姿です」と話しました。また県委員会が事前に提出した日本共産党の大学の危機打開へむけた提案について「われわれにとって追い風になる、非常にいい内容です。ぜひ世の中にアピールしてほしい」と語りました。  野村副学長は学生の就職活動の早期化について「3年生のうちから授業を休む学生が増え、教育にとって大きな損失です。企業が早めに人材を欲しがり、学生もそれにあわせて動かざるをえない。社会的に変えてほしい問題」とのべました。  竹田院長は、地域の医師の偏在・過疎化への対応について、「これまで医師派遣を大学病院と医学部とでバラバラに動いていたが、それを見直し、連携して対応する体制を今年度から整えました」と語りました。  懇談には、豊田光治津市議、釜井敏行民青同盟県委員長が同席しました。 "[he-forum 16023] 日本経済新聞12/23 日本経済新聞2010年12月23日付 医学部新設など検討スタート 文科省の専門家会議  文部科学省は22日、大学医学部の新設の是非や入学定員の拡大などを検討する専門家会議の初会合を開いた。深刻化する医師不足の解消が狙いで、新設が認められれば約30年ぶりの方針転換になる。来年中に方向性を出す方針。  会議は大学、病院、自治体の関係者や日本医師会役員らで構成。同日の会合では「新たなタイプの医学部新設が必要だ」との意見が出る一方で、人口減で将来は医師数が過剰になるとの予測から新設に反対する意見があった。地域による医師数の偏りの改善の優先を求める声も上がった。  政府は1982年と97年に医学部の定員削減を閣議決定し、新設も79年の琉球大を最後に認めてこなかった。しかし医師不足が深刻になったことから方針を転換し、2008年度から4年連続で総定員を増やしている。 "[he-forum 16024] JALの問題はすべての労働組合の問題です 茨城大学教職員組合です。 [he-forum 16010] で佐賀大学の豊島さんが、日本航空キャビンクルーユニオン 宛に連帯のメッセージを送付したとのことでした。 茨城大学教職員組合も、11月8日に日本航空の社長室、管財人、労務部あてに整 理解雇撤回の要請文を送付しましたが、現実は要請とは反対の方向に進んでいま す。 希望退職者は目標数に達しているのに労働組合員がさらなる解雇の対象になり、 公的機関である「企業再生支援機構」が労働組合のスト権に干渉する発言をし、 マスコミは事実を報道しない、とんでもない事態になっています。 このJALの問題について、茨城大学教職員組合の前委員長・深谷信夫氏の特集記 事(労働法律旬報1734号 12月25日版)がありますので、是非、お読みになって ください。 これは、すべての労働組合の問題であり、「すべての労働者の問題」です。 労働法律旬報(1734号掲載) 「JALは整理解雇を撤回せよ/なぜ、会社から追放されなければならないのか」 はこちら(茨城大学教職員組合HPに掲載)  →http://www.ibakyo.or.jp/iincho/ronnbunn/101225ronbun7.pdf 日本航空キャビンクルー・ユニオンのHP  →http://www.bekkoame.ne.jp/~jcau/indexj.htm 2010.12.24  執行委員会 ====================================== 茨城大学教職員組合 〒310-8512 茨城県水戸市文京2-1-1 Phone/Fax:029-228-3060 e-mail:ibakyo@bd.wakwak.com URL:http://www.ibakyo.or.jp/ ======================================= "[he-forum 16025] しんぶん赤旗12/24 しんぶん赤旗2010年12月24日付 給付制奨学金を 1000万円返済中の男性も署名 東京・御茶ノ水駅前で訴え  労働組合や学生、院生の団体などでつくる「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会(奨学金の会)」(会長・三輪定宣千葉大学名誉教授)は22日、中等・高等教育の無償化と奨学金の拡充を求め東京・JR御茶ノ水駅前で署名を集めました。  日本学生支援機構労働組合の藤井和子委員長は、「急に父親がリストラにあった」「就職できなかったので奨学金を返済できない」などの声を紹介。「経済的困難者の命綱であるはずの奨学金が多額の借金となって利用者や家庭を苦しめています。日本の将来を担う若者にお金の心配なく学んでもらうためにも教育予算拡充の声をあげましょう」と署名への協力をよびかけました。  「自分の将来のことなので」と署名に応じる中学3年生と母親、子どもが大学院で奨学金を利用し、1千万円を返済しているという男性など、1時間の宣伝で約50人が署名に応じました。  農業系の短大に通う女子学生(1年生)は、「学費や生活費のためにアルバイトをしていていつも疲れている友達を見ているから、返済の必要のない奨学金があればいいと思います」と話していました。  私立大学を志望しているという男子高校生(3年生)は、「親せきの協力を得ないと進学できません。友達は学費のために進学をあきらめました。就職できるかわからない状況なので、返済の不安がある奨学金は利用したくない。給付制だったらいいですね」と話し、署名しました。 "[he-forum 16026] 朝日新聞高知12/23 朝日新聞高知版2010年12月23日付 高知大大学院に「実践助産学課程」 11年4月に新設  高知大は来年4月に大学院看護学専攻(修士課程)に「実践助産学課程」を設ける。2年間で高度な能力を持つ助産師の養成を目指す。同大によると、国立の大学院で助産師養成課程を設けるのは初めてという。  看護師や助産師として3年以上の実務経験がある人、または看護師国家試験の受験資格がある人が対象。社会に出てから助産師を目指す人が学ぶ場がない県内で、医療を担う若い世代の助産師を養成する場として開設する。募集は5人程度。問い合わせは看護学専攻長の尾原喜美子教授(088・880・2536)へ。(前田智) "[he-forum 16027] 文部科学省平成23年度予算案 平成23年度予算 概算要求 文部科学省「元気な日本復活特別枠」要望の総合サイト 平成23年度文部科学省 概算要求・要望のポイント (PDF:385KB) 平成23年度文部科学省 概算要求等の発表資料一覧(平成22年8月) 平成23年度文部科学省 概算要求における予算の組替え等について (PDF:221KB) 行政事業レビューの点検結果の概要等 平成23年度 概算要求書 予算(案) (予算総論) 平成23年度予算と税制で未来はこう変わります。-3分でわかる予算・税制- 平成23年度文部科学省予算(案)の重点事項 (PDF:158KB) 平成23年度文部科学省予算(案)のポイント (PDF:417KB) 平成23年度文部科学省予算主要事項 (PDF:906KB) (予算各論) 子どもを持つ保護者の皆様へ (PDF:328KB) 大学関係者の皆様へ (PDF:299KB) 学生の皆様へ (PDF:301KB) スポーツ関係者の皆様へ (PDF:299KB) 若手研究者の皆様へ (PDF:302KB) 研究に携わる皆様へ (PDF:300KB) 文化・芸術関係者の皆様へ (PDF:298KB) その他 平成23年度文部科学省機構・定員要求の査定結果(主要事項) (PDF:123KB) お問い合わせ先 詳細については、各担当課へお問い合わせください +++++++++++++++ 詳細は以下のURL参照 http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h23/1297177.htm "[he-forum 16028] 大学関係予算にひそむ罠 ― 2011年度政府予算案を批判する 2010年12月26日 国立大3X法人法反対首都圏ネットワーク事務局 大学関係予算にひそむ罠 ― 2011年度政府予算案を批判する 2010年12月26日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 12月24日に来年度予算の政府案が閣議決定された (http://www.mof.go.jp/seifuan23/yosan.htm )。大学関係予算については、国立 大学運営費交付金の削減率が0.94%から0.5%と減少したことや、授業料免除枠の拡 大、科学研究費補助金の増額と基金化など多くの大学人の要望した事項が取り入れら れたこともあり、一部には安堵する雰囲気も広がっている。また、文科省も予算案だ けでなく「大学関係者の皆様に」「若手研究者の皆様に」というような対象者別の解 説をいち早くHPに掲載し、政策コンテストの結果を表に出して成果をアピールして いる( http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h23/1297177.htm )。このような大 学関係予算案には、ノーベル賞受賞・はやぶさ帰還などの話題が注目を集めたことに 加え、この間の大学人の強い働きかけが功を奏したことは確かであろう。 しかしながら、内実を見ていくと金額の減少が予想よりも少なかったと言って決して 安心できるようなものではない。財務省のHPに掲載されている「平成23年度文教・ 科学技術予算のポイント」という神田主計官名の資料( http://www.mof.go.jp/seifuan23/yosan009.pdf )の37ページには、「大学改革につ いて」と題する以下のような財務省と文部科学省の合意が掲載されている。ところ が、この合意は、文部科学省のHPには示されていないという代物なのである。 **************************** 時代の要請に応える人材育成及び限られた資源を効率的に活用し、全体として質の高 い教育を実施するため、大学における機能別分化・連携の推進、教育の質保証、組織 の見直しを含めた大学改革を強力に進めることとし、そのための方策を1年以内を目 途として検討し、打ち出すこと。 **************************** これは、機能別分化や組織見直しなどの大学改革を来年度から民主党政権の唱える 『新成長戦略』に適合するように半ば強権的に進めることを示している。そこには、 基礎的な学問研究の自律的発展の見地も各大学の自由な創造的努力の尊重も全く考慮 されていない。改革の対象が国立大学に限定されていないことにも注意すべきだろ う。 実は、財務省―文科省合意に呼応するように、総務省の政策評価・独立行政法人評価 委員会は12月22日付の「平成21年度における国立大学法人及び大学共同利用機関法人 の業務の実績に関する評価の結果についての意見」において、以下のように指摘して いる( http://www.soumu.go.jp/main_content/000096038.pdf ). **************************** 国立大学法人等は、第2期中期目標期間において、特に、国立大学法人にあっては、 機能別分化を、大学共同利用機関法人にあっては、一体的運営を進めるものとされて おり、それを実現するためには、各法人において、明確なミッションを掲げ、学長等 のリーダーシップの下、役員会、教育研究評議会、経営協議会を始めとした法人内の 各組織がそれぞれ求められる役割を果たし、目標に向けて、法人全体として機能する ことが重要である。 このため、今後、国立大学法人等の評価においても、このような視点に立った評価が 必要となってくるので、独立行政法人(注)や民間における内部統制も参考にしつつ、 評価に取り組むことが期待される。 **************************** ここで示されている独立行政法人の内部統制は「中期目標に基づき法令等を遵守しつ つ業務を行い、独立行政法人のミッションを有効かつ効率的に果たすため、法人の長 が法人の組織内に整備・運用する仕組み」をさしている。総務省の文書「独立行政法 人における内部統制と評価について」( http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/26834.ht ) で述べられ、独立行政法人の評価にもすでに取り入れられている手法である。 実は、今回の予算案の裏で、国立大学法人法すら踏みにじって機能別分化をはじめと する大学「改革」を政府主導で進める仕掛けが用意されていることに注意しなければ ならない。すでに昨年秋の第二期中期目標策定において、文部科学省は第二期中期目 標期間を大学の「機能別分化」を促進する時期として位置付けているのであるが、今 回の予算案により、それが早まる可能性が高まっている。同時に、国立大学法人運営 費交付金は、各大学の研究・教育等の基盤を支えるためのものから、財務当局が大学 「改革」に介入する理屈づけのための予算へと、変質を遂げつつある。ここに、今回 の予算案のきわめて危険かつ違法な性質が露呈されている。予算額の大小のみに目を 奪われていてはならない。 参考までに、本事務局の「国立大学協会第18回通常総会への要望書」(2010年3月2 日付、http://www.shutoken-net.jp/archive-200912/2010/03/100302_1jimukyoku.html ) の関連部分を再掲する。われわれは、かかる視点から、今回の政府予算案について も、さらなる分析をすすめていく予定である。 **************************** 2.「国立大学法人法(独立行政法人通則法)による法人化」自体の検証を行うこと  この間の中期目標策定の過程は、国立大学法人に実質的な中期目標の原案策定権を 与えている国立大学法人法(第30条3)すら踏みにじるものであった。文部科学省が 第2期中期目標期間を大学の「機能別分化」を促進する期間にすると位置付ける中、 130頁に及ぶ原案の書き換えが行われたという事実は、第1期中期目標の原案の書き換 えがわずか数ページであったことを思えば、国立大学法人の中期目標に対する文部科 学省の権力的統制が質・量とも驚くべき強化・拡大を遂げたことを如実に示してい る。  新政権の下で行われた昨2009年の「事業仕分け」は、運営費交付金の削減のみなら ず、「国立大学のあり方を含めて見直しを行う」とした。12月25日には、「全ての独 立行政法人の全ての事務・事業について、聖域無く厳格な見直し」「見直しの結果、 独立行政法人の廃止、民営化、移管等を行う」ことが閣議決定された(「独立行政法 人の抜本的な見直しについて」)。この方針を受けて、国立大学法人評価委員会はさ っそく、「国立大学法人化の検証」に着手することを決めた(2010年1月20日、第32 回総会)。しかしながら、この間、大学評価機関としての独立性を完全に喪失し、文 部科学省の“分身”としての行動に終始する国立大学法人評価委員会にまっとうな検 証作業を期待することはできない。せいぜい、「法人化により予算の使途や組織編成 の自由度が高まったにもかかわらず、運営費交付金の削減など財政上の問題からそれ らメリットを十分発揮できていない」といった作文を書く程度のことが関の山だと思 われる。  われわれもまた、国立大学法人化の根本的な検証が必要だと考える。ただし、それ は国立大学法人法(独立行政法人通則法の準用部を含む)の下で行われてきた政府の 違法行為、国会附帯決議違反、国会答弁や評価委員会の決定を無視する不誠実な対応 の数々を含めて、国立大学法人化自体の是非を問い直す作業が必要だと考える。この 作業を行うことは国立大学が国民に対して果たすべき責任である。  本事務局は、本総会に対して、国立大学協会として、「国立大学法人法(独立行政 法人通則法)による法人化」自体の検証を行うことを要望する。検証に際しては、特 に以下の二点に留意することを併せて要望する。  1)憲法、および国立大学法人法制定過程における国会附帯決議および政府答弁、 国立大学法人法、国立大学法人評価委員会の諸決定等に違反する行為がないかも含め て、実証的・総合的に行うこと  2)国立大学法人の一般教職員(非正規雇用者も含める)や学生等、大学構成員の 意見も反映させること **************************** 以上 "[he-forum 16029] しんぶん赤旗12/26 しんぶん赤旗2010年12月26日付 国立大交付金 民主政権 2年連続減 公約違反「研究、教育危うく」  2011年度予算案(24日に閣議決定)の文部科学省予算で、国立大学の基盤となる国立大学運営費交付金は、10年度比58億円(0・5%)減額の1兆1528億円とされました。同交付金は04年度の独立行政法人化以降、毎年約1%減、合計830億円がすでに削減されてきており、さらに追い打ちをかける削減です。「削減方針を見直す」とした民主党の政権公約にも反しており、民主党政権下で2年連続の削減になります。  名古屋大学大学院の中嶋哲彦教授(全国大学高専教職員組合委員長)は、国立大学運営費交付金のさらなる削減について「大学運営の基盤を崩すもの」と批判します。  さらに中嶋教授は、同交付金の中で、大学を研究大学と教育大学などに機能別に分化させるなどの国策にそった予算を新たに創設しているとし、「そのしわよせで大学を自主的に運営するための基盤的な部分がさらに減らされていると考えられる。地方大学への配分が減らされ、大学間の格差が広がるおそれがある」と指摘します。  日本の高等教育機関への公的財政支出の対GDP(国内総生産)比は0・5%で、平均1%の経済協力開発機構(OECD)諸国の半分しかなく、OECDでは最低レベルです。  これまでの交付金削減で各大学は、「教員を30人減らした」「付属学校の体育館の天井が壊れても修理ができない」(東京学芸大)など厳しい運営を強いられています。国立大学協会や日本私立大学団体連合会は、「国の将来を危うくする致命的な施策」との声明を発表し、これ以上の削減をしないよう求めてきました。  予算編成への国民の意見募集では、同交付金について7万件以上の意見が寄せられ、そのうち97・7%が同交付金にもとづく事業実施を求める意見でした。政府は、この国民の声も大学関係者の声も無視し、11年度予算案で減額としたのです。  中嶋教授は「このままでは、大学における研究と教育を危うくする。大学が自律的に研究と教育を発展させられる予算の充実が必要だ」と話しました。 "[he-forum 16030] 西日本新聞社説12/26 西日本新聞社説2010年12月26日付 科研費の大幅増 改革への第一歩にしたい  雨降って地固まる-か。昨年の事業仕分けで、現行政刷新担当相の蓮舫参院議員が「世界一でなければならないのか」とスーパーコンピューター開発に厳しい姿勢を示したが、その科学振興関連予算に明るい兆しが見え始めたのだ。  政府は来年度予算案で、大学研究者らに助成する科学研究費補助金(科研費)を本年度予算より230億円増の2230億円とすることを決めた。制度が始まって以来、最大の増額規模という。  文部科学省は夏の概算要求で、科研費ついて本年度より100億円増としていた。厳しい財政状況のなか、要求を上回る極めて異例の予算措置といえよう。  ノーベル化学賞の日本人2人受賞や、幾多の苦難を乗り越えての小惑星探査機「はやぶさ」の帰還など、相次いだ科学関連の大型ニュースが、科学への逆風を追い風に変えたことは間違いない。  政府の政策コンテストでも、予算確保の要望が集中していた。  さらに、予算運用が弾力的になることも注目したい。これまでの科研費は用途が制限されたうえ、年度ごとに原則使い切る必要があった。国や地方自治体の予算が、会計年度の1年間で収支を保つ単年度主義を原則としているためだ。  現在も研究計画の変更などで国に申請すれば予算を翌年度以降に持ち越すことはできたが、事務作業に手間がかかり研究者に不評だった。このため、科研費の一部(314億円)を新たに基金化し、翌年度への繰り越しを可能にする。  世界をリードする最先端の研究を支援する「最先端研究開発支援プログラム」の研究費は多年度での運用が可能で、この手法を科研費にも適用した。科研費の抜本的制度改正は初めてで、研究者には使い勝手の良い補助金となる。  当然、研究者や大学関係者は今回の措置を歓迎する。その一方で、国際社会でも地盤沈下が著しい日本の現状を憂慮して、技術立国にふさわしい科学振興の抜本的な改革を訴える声も少なくない。  国際経営開発研究所(スイス)の国際競争力ランキングによると、約20年前には1位だった日本は、次第にシンガポールや中国、台湾、韓国などに抜かれ、今年は27位だった。急成長する中国には2007年に論文数で抜かれ、博士号取得者数も06年に3倍近くまで離された。  ある大学の理系教授は「ノーベル賞級の仕事は失敗から生まれるが、今の日本は確実に成果が挙がりそうな研究の支援が中心。これでは多様な研究者は育たない」と訴える。その通りであろう。  科学技術予算の拡充に意欲を見せた理系出身の菅直人首相は自ら指示し、科研費を含む来年度政府予算の科学技術振興費も修正して、本年度より増額した。  資源に乏しいわが国で、科学技術は経済成長の生命線でもある。長期的視点に立った施策や投資を行い、本当の意味での科学振興の地盤を固めるため、今回の措置を改革への第一歩ととらえたい。 "[he-forum 16031] 中日新聞福井12/25 中日新聞福井版2010年12月25日付 福井大は81億8892万円 国立大学運営費交付金  24日に閣議決定された2011年度政府予算案のうち、「生活費」に当たる国立大学運営費交付金は、本年度比0・5%減の1兆1528億円。  福井大には文部科学省から、同0・7%減の81億8892万円と内示された。  福井大は政府の政策コンテストの評価結果などから、最悪の場合10%相当の8億円が減額されると試算。学費免除や研究費の面で支障が出るとして、署名運動などで予算確保を訴えていた。福田優学長は「皆さんの協力で、当初懸念していた減額は避けられた」と胸をなで下ろしつつ「次年度以降は未知数。危機感は去っていない」と話した。    (原田晃成) "[he-forum 16032] 中国新聞12/25 中国新聞2010年12月25日付 広島大、修学継続へ新奨学金  広島大(東広島市)は24日、経済的事情で授業料の支払いが困難な在学生を支援するため、新たな奨励金制度を導入したと発表した。寄付金などの基金を財源に充て、期限は3~5年を想定している。  広島大修学継続奨励金制度で、授業料の半額分を援助する。成績や経済状況に応じて受けられる、運営費交付金による授業料免除の基準を満たしていたのに、予算の関係で受けられなかった在学生が対象。本年度後期は留学生を含む46人に計約615万円を支給する。  広島大は2007年に、年間10人が授業料免除や奨学金を受けられるフェニックス奨学制度を独自に導入。支援の幅を広げるため奨励金制度を新設した。  定例記者会見で、浅原利正学長は「長引く不況で授業料免除の申請者数は年々増加している。少しでも多くの学生を支援したい」と話した。 "[he-forum 16033] 共同通信12/27 共同通信2010年12月27日12時33分 京都大が5年一貫の全寮制大学院 12年度開設目指す  京都大が5年一貫制で全寮制の「学寮型大学院」を新設する方針を固めたことが27日、大学への取材で分かった。企業や官公庁で活躍するリーダーの養成が目的で、2012年4月の開設を目指す。  大学院改革を求める声が高まる中、京都大は「専門分野以外にも幅広い教育に重点を置いた」としている。本年度中に文部科学省の「リーディング大学院プログラム」に応募する。  構想は1学年16~20人。1、2年目は各大学院生の専門と学位論文研究を行い、社会現場での研修も織り込む。3年目は医薬生命、理工、法律政治、芸術など文系、理系を問わず8科目を必修。4年目に長期海外留学、5年目にインターンシップに取り組む。全課程を修了すると博士号を取得できる。 "[he-forum 16034] 共同通信12/27 共同通信2010年12月27日12時33分 京都大が5年一貫の全寮制大学院 12年度開設目指す  京都大が5年一貫制で全寮制の「学寮型大学院」を新設する方針を固めたことが27日、大学への取材で分かった。企業や官公庁で活躍するリーダーの養成が目的で、2012年4月の開設を目指す。  大学院改革を求める声が高まる中、京都大は「専門分野以外にも幅広い教育に重点を置いた」としている。本年度中に文部科学省の「リーディング大学院プログラム」に応募する。  構想は1学年16~20人。1、2年目は各大学院生の専門と学位論文研究を行い、社会現場での研修も織り込む。3年目は医薬生命、理工、法律政治、芸術など文系、理系を問わず8科目を必修。4年目に長期海外留学、5年目にインターンシップに取り組む。全課程を修了すると博士号を取得できる。 "[he-forum 16035] 高知新聞12/26 高知新聞 2010年12月26日 元教授2人が控訴 高知大学長任命訴訟  2008年4月、文部科学省が高知大学の学長に相良祐輔氏を任命したのは「違法」 として、同大元教授2人が国に任命取り消しを求めた訴訟で、元教授側は25日ま でに、「任命の取り消しに当たるような違法は認められない」などとしてそれぞ れの訴えを棄却、却下した高知地裁判決を不服とし、高松高裁に控訴した。   学長選考に伴う学内意向投票で、2通りの集計結果が出て選考手続きに疑義が生 じ、相良氏の対立候補だった高橋正征氏と選考会議メンバーだった根小田渡氏が 提訴。   地裁判決は「開票終了後に票のすり替えがあった疑いは払拭できない」と指摘し つつも、「一連の手続きの公正を害したとは認められない」などとした。 "[he-forum 16036] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.27 ニュースレター NO.27                     2010、12、24   公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)  控訴決定!  学長任命処分取り消し訴訟 今度は高裁へ  高知大学の構成員の皆さん。この裁判に注目している全国の皆さん。  裁判のその後について緊急の報告があります。  判決が、根小田先生については、訴え却下(つまり原告適格が認められず)、 高橋先生については訴え棄却(原告適格は認められたが敗訴)であったことはす でに、本ニュースレター26号でご報告した通りです。    この判決には納得できない、というのが多くの人々の偽らざる声でしょう。こ のような学内外の声を受けて両原告は高松高裁宛てに、控訴の申し立てを行いま した。「このままでは高知大学が立ち直るための手がかりすらつかむことができ ない。法人法下での学長選考の問題点も明らかにできない」というのが控訴に踏 み切ったお2人のやむにやまれぬ気持ちであり、それは大学構成員の大多数が共 有する思いでしょう。  3年前に初めて裁判が始まって以来、私たちは、原告として立つのはお二人だ が高知大構成員全員が原告になったつもりで裁判に臨もう、と呼びかけて来まし た。今、また同じ事を皆さんに訴えたいと思います。  一審の判決では、高橋先生の原告適格が認められ、票のすり替えの可能性につ いてかなり踏み込んで記述されました。これら二点は今回の裁判で勝ち取った小 さくはない成果であると言えます。この「成果」を足がかりに、根小田先生の原 告適格の問題も含め、法人法下での学長選考の問題性、瑕疵を含む選考結果をも とに文部科学省が任命処分した不当性を控訴審で明るみに出したいと思います。    そして、それを通じて高知大学が「まともな大学」になるための第一歩を踏み 出そうではありませんか。  一審をさらに上回るご支援をお願い致します。   ===============================  寄せられた声から  高橋、根小田両先生にさらに原告という負担を掛けることに内心忸怩たる思い はある。しかしここで引き下がるわけにはいかない。第2ラウンドも私たち全員 の闘いとして原告を支えたい。(教員)  いろいろな人の意見を聞いてるけど、やはり控訴するしかないだろうな。今度 は河本朝光君(当時の事務局長。現広島大学理事)も証人に呼ぼう。(ツイッタ ーから)  カフカ的世界では、死ぬまで門の前で待ち続けることになるが、そんなことを やっていれば、我々が死ぬ前に、高知大学が死んでしまう。ひとりひとりの戦い 方はどのようなものであれ、ここでたたかいを放棄してしまっては、教育という 場にいる資格はない。(HP 「高知大学長選挙に異議あり」)  判決があそこまで二人の事務官の行動の問題性について踏み込んで書いておき ながら、なんのおとがめもなしというのは納得できない。文部科学省はこれも見 て見ぬふりをするのだろうか。(職員)  私はずっと応援し続けます。また、動き教えて下さい。(卒業生)  これから高知大学はどうなるのか本当に心配です。  やはりこのままでは引き下がって欲しくないです。次の戦術を考えないと(支 援する会メンバーのブログへの読者からのコメント) ---------  カンパのお願い  控訴審に向けて、皆さんに第二次のカンパのお願いをいたしたいと思います。 第 一次の際には一口5000円といたしましたが、今回は金額は問いません。でき るだけ多くの人の「志」を第2審に向けて結集したいと思います。 ●窓口  ゆうちょ銀行 「公正な学長選考を求める裁判を支える会」  記号 16480 番号 126901  振込口座でないので現金振込だと手数料が馬鹿になりません。  ゆうちょの口座を持っている人は口座間振り替えが便利です。  あるいは直接 人文学部 小澤萬記 まで "[he-forum 16037] 読売新聞12/29 (2010年12月29日 読売新聞) 教員免許更新期限迫り…年の瀬、義務講習に殺到  教員免許更新制となって初の更新のための手続き締め切りが来年1月 末に迫る中、必要な講習を終えていない教員たちが残り少ない講習に殺 到している。  年内は28日まで開催されたが、年明けはインターネット講習など限 られたものだけ。全員が受講可能な計算ではあるが、文部科学省も教育 委員会も「全員救済」に向け受講を呼びかけるなど必死だ。教員の能力 保持や向上が目的の制度だけに、「免許失効を回避するためだけの受講 にどんな意味があるのか」との声も上がる。  「こちらがハラハラしてくる」。更新用のインターネット講習を行う 桜美林大(東京)の教員免許状更新講習センターの本郷優紀子・事務局 長は心配そうだ。今月だけで134人が申し込み、うち7割超の101 人は1月末が更新期限。今月下旬になってからも「まだ申し込みできる か」などの問い合わせが相次いだ。  文科省の推計では、来春に期限を迎える対象者約8万5000人中、 今年の夏休み終了時点で約5100人が受講しておらず、うち約200 0人は受講の申し込みもしていなかった。  駆け込み受講の受け皿にと、千葉大が24、25日に追加開催した講 習には、期限を迎える56人が参加。その一人、東京都福生市の中学校 男性教諭(55)は「(更新制の抜本見直しを打ち出していた)民主党 政権になり廃止を期待していた。春から秋は監督を務める部活の日程で いっぱいで受けられなかった」とぼやいた。 "[he-forum 16038] 朝日新聞1/2 朝日新聞 2011年1月2日10時30分 就職うつ、学生に広がる カウンセラー増員の大学も  「氷河期再来」と言われる深刻な雇用情勢の中、内定を得られない就 職活動中の大学生らが自信を失ったり、うつ状態に陥ったりして専門家 のカウンセリングを受けるケースが増えている。カウンセラーを増やす など支援態勢を拡充する大学も出始めた。  大阪府内の私立大4年の男子学生(22)は、製造業や流通、食品 メーカーなど約70社の会社説明会に参加したり、面接を受けたりして いる。しかし、内定は得られていない。最初は「卒業までに決めればい い」と思っていたが、「不採用」が続くうち、これまでの自分の生き方 や人格を否定されているような気分になってきた。  「『お前は社会に必要ないよ』と毎日違う誰かに言われているような 感覚。同級生が次々に内定を獲得し始めた昨年5月ごろと、大学が夏休 みに入る8月ごろが特に精神的にこたえた」と語った。  秋ごろから気持ちがふさぎ、やる気が起きなくなり、企業回りも中 断。こうした状態がさらに続けば、心療内科を受診するつもりだという。  各大学のキャリアセンターや就職課などには、就職活動の相談に乗る スタッフが配置されているが、これまでは業界の選び方や自己分析の方 法などに関する相談への対応が主な業務だった。しかし、ここ1~2年 で雇用情勢が急速に悪化。学生からの相談内容も多様化し、精神的にダ メージを受けた学生が相談窓口を訪れる事例が目立ってきた。  関西大学(大阪府吹田市)では、大学スタッフのほか、キャリア相談 のカウンセラーを2009年5月に3人配置。2010年12月、さら に2人増やした。カウンセラーが「精神的なケアも必要」と判断した学 生には、臨床心理士や心理相談員もいて就職活動全般の高度・複雑な相 談に対応できる「キャリアデザインルーム」を紹介している。  同ルームを訪れた学生は08年度は延べ762人だったが、09年度 は同831人。無理に就職活動を続けさせるのではなく、自分の長所に 気付いて自然に自信を取り戻すことができるよう配慮しており、相談後 に内定を得られた学生も多いという。  カウンセリングを担当している伊東眞行・非常勤講師(臨床心理士) は「就職が決まらないだけではなく、両親の期待にこたえられない重圧 感など、様々な要因が学生を追い詰めている。仕事選びについての実践 的な助言と、精神的な面でのケアをうまく組みあわせたサポートが一層 求められる」と話す。  厚生労働省は9月、「新卒応援ハローワーク」の設置を柱とする若者 の就職支援策を打ち出し、業務の一つとして「臨床心理士らによる心理 的サポート」を盛り込んだ。大阪労働局などが11月30日に大阪市で 開いた合同就職イベント会場にも、臨床心理士による相談コーナーが設 けられ、「就活で自信を失った」という学生らが訪れた。  就職活動の早期化・長期化も、学生を追い詰めている背景の一つとい う見方もある。企業の採用活動が早まり、大学3年の秋には事実上の就 職活動が始まる一方、企業側はなかなか内定を出さず、その間不安定な 立場に置かれる学生の心理的負担が増しているというのが理由だ。  学生相談の経験も豊富な日本臨床心理士会の平野学・専務理事は「就 職活動でのつまずきが、『引きこもり』などにつながる可能性がある。 教育界や経済界も含めた社会全体での取り組みが強く求められている」 と話している。(阪本輝昭) "[he-forum 16039] 読売新聞1/3 読売新聞 2011年1月3日 偽装留学?青森大が122人除籍…県外就労9割  青森大学(青森市幸畑)が2008年度から10年度にかけ、通学実 態のない計122人の留学生を除籍処分にしていたことが、同大への取 材でわかった。  大半が中国人だった。同大から報告を受けた仙台入国管理局が調べた ところ、約9割が県外に居住し、就労していたことも判明。仙台入管は 就労目的の偽装留学とみており、同大は受け入れ態勢の見直しを進めて いる。  青森大学によると、通学していない留学生がいるのを08年度に初め て把握し、4人を除籍処分とした。その後の調査で同様の留学生がいる のが分かり、09年度には79人、今年度も10年10月までに39人 を除籍した。大学には同年5月現在、計245人の留学生が在籍してい る。  仙台入管が調査した結果、除籍者の約9割が東京や神奈川、愛知など 県外で外国人登録していた。呼び出して面会すると、それぞれの居住地 でアルバイトなど仕事に就いていることを認めた。  留学生が大学に通わずにアルバイトに従事した場合、出入国管理法の 退去強制事由にあたる可能性がある。仙台入管はすでに除籍者に行政指 導で退去を求め、大半の出国を確認した。仙台入管は、「面接などの結 果、除籍者は就労目的で来日したと見ざるを得ない。不適正な状況だ」 としている。  青森大学は、少子化などで減少している学生確保のため、05年度に 中国の日本語学校と提携。中国側が推薦する学生を積極的に受け入れ始 め、さらに2校と提携した08年度以降は、留学生の数が以前の約3倍 に増えた。除籍者のほとんどが、提携校からの学生だった。  留学生を受け入れる際には、大学の職員が現地に出向き、試験や面接 のほか、学費の支払い能力があるかなどを確認していた。しかし、除籍 の際に調査すると、成績、年収や預貯金の証明書が偽造されていたケー スが次々と見つかった。  こうした事態を受け、同大は10年1月、3校との提携を取りやめ、 10年度の留学生受け入れもいったん縮小。11年度の中国人留学生受 け入れも予定せず、審査方法を含めた受け入れ態勢の抜本的な見直しを 進めている。仙台入管も、審査の甘さが大量の除籍者につながったとみ て、改善策を確認するなど指導している。  09年4月に就任した末永洋一学長は取材に対し、「結果的に審査が 甘かったと言わざるを得ず、非常に遺憾。大学として焦りがあったのか もしれない。いまは全力で改革に取り組んでいる」と話している。 "[he-forum 16040] 佐賀新聞1/4 佐賀新聞2011年1月4日付 急患受け入れ病院をスピード斡旋 佐大病院の新構想  佐賀大学医学部付属病院(佐賀市鍋島)は、主要病院の急患受け入れ態勢をリアルタイムで把握し、適切な搬送先を判断する「救急管制塔」構想をまとめた。搬送時間短縮や「たらい回し」予防を図り、救命率アップを目指す計画。建設中の南新棟に専用スペースを確保しており、中部医療圏で試行し、重篤患者に対応する別の3次救急指定医療機関への普及も目指す。    構想では、鍋島キャンパスに建設中の地域医療支援センター(鉄筋コンクリート3階建て)の最上階に救急管制塔を設置。消防や医療機関をICT(情報通信技術)でつなぎ、大型電子パネルの地図に救急要請現場をはじめ、現場急行中や待機状態の救急車の位置や到達所要時間、最寄りの医療機関の待機医師数を表示する。  待機する医師は、脳神経や胸部外科、産婦人科などの専門分野別にICチップ付きバッジを装着。手術室などに設置したセンサーが入室を感知し、管制塔に報告をしなくても、利用状況や空き具合がリアルタイムで自動表示される。その情報をもとに、患者の容体や緊急度に応じて搬送先を迅速に選ぶ。  消防庁によると、119番通報(覚知)から医療機関収容までの所要時間の全国平均(2009年)は36・1分。佐賀は33・7分で、全国より短いが、10年前に比べて6分近く伸びている。  医療機関に受け入れを照会した回数は、重症患者で4回以上だったケースが全国では1万3164件で全体の3・2%。佐賀は88件で2・5%。「都市圏に比べれば比較的スムーズ」(県消防防災課)という見方があるが、「患者受け入れが重なり、待たせるケースも少なくない」(病院関係者)という。  一方、厚生労働省が全国の救命救急センターを対象にした01年の実態調査で、迅速な搬送や適切な初期治療が施されていれば助かった可能性があった「防ぎ得た外傷死亡(PTD)」は約4割。千葉県の04年調査では、交通事故死者のうち7人のうち1人がPTDやPTDの疑いがあり、救えた可能性があった。  救急管制塔構想は、こうした潜在的な問題を改善する一方、救命救急センターなど一部機関への急患集中を分散させる狙いもある。救急隊の経験や医療機関との関係で、頼みやすい病院を選ぶ傾向が少なからずあるといい、管制機能を消防ではなく病院が持つ構想は、そうした傾向を解消して平準化する。岐阜大が先行している。  佐賀大病院の宮﨑耕治病院長は「搬送先が見つからない場合は、比較的にマンパワーのある佐賀大で受け入れることを担保しながら、患者の重複受け入れを解消していきたい」としている。 "[he-forum 16041] 長崎新聞1/3 長崎新聞2011年1月3日付 長崎大学病院が国際医療センター開設へ 感染症、被ばく者治療  長崎大学病院(河野茂病院長、長崎市坂本1丁目)は今年、エボラ出血熱やペストなど危険性の高い1類感染症や世界の被ばく者を治療する病床を備えた「国際医療センター」を開設する。感染症や被ばく者治療など長崎大学が蓄積した研究成果を臨床に生かすとともに、緊急を要する新興感染症の患者や放射能漏れ事故などに対応する。  同病院によると、センターは敷地内にある別棟の旧精神科病棟(3階建て一部平屋計2238平方メートル)を改修し整備。1類感染症病床(2)、被ばく者医療病床(4)、一般感染症病床(12)などを配置する。  国は1類感染症の病床を各県に設置するよう促しているが、これまで県内にはなかった。1類感染症の病床は病原菌などが外に漏れないよう気圧を低く(陰圧)保ち、水なども滅菌消毒して排出する。  被ばく者医療病床では、被爆者や在外被爆者などの治療に当たり、県内や佐賀県で放射能漏れ事故などが起きた場合は患者らの収容、治療に当たる。救急医療病床の一部も配置し海外や若い医療従事者の研修、教育の場にもなる。  1月初旬に着工し7月に落成、年内の運用開始を目指す。総整備費は約8億円の見込み。河野病院長は「長崎大学が取り組んできた感染症や被ばく者医療の研究と臨床を橋渡しする役目を担う。若い医師らがここで国際医療や救急医療を学び世界で貢献できる人材となることを期待している」としている。 "[he-forum 16042] 佐賀新聞12/27 佐賀新聞2010年12月27日付 佐賀大運営交付金は微増 新プロジェクト2件を認定  2011年度政府予算案が閣議決定したことを受け、佐賀大学は運営費交付金が前年度比2千万円増の約108億4千万円になったと発表した。新規の教育研究プロジェクトでは、農作物の遺伝子情報を活用した品種改良など2件が認められた。  基盤になる一般運営費交付金は1・3%減少したが、経済的に困窮する学生に対する授業料免除枠の拡大をはじめ、新規教育研究プロジェクトや医師養成プログラム強化などの特別経費で0・2%微増した。  新規プロジェクトは、農学部で蓄積しているかんきつ類や大豆の遺伝子情報を生かした育種システムの構築。遺伝子組み換えではなく、交配などで新品種育成を目指す。3年計画で初年度助成額は7800万円。もう一つは鍋島ルネサンス構想(同1544万円)で、地域との交流活動の企画・実践などを通して学生の現場力を養い、「文化創成コーディネーター」を育成する。  付属病院再整備では、南新棟と北新棟(鉄筋コンクリート3階建て)の設計・建設費として施設整備費補助金がついた。  国立大学法人全体の交付金は前年度より0・5%減り、1兆1528億円だった。 "[he-forum 16043] 中日新聞福井12/28 中日新聞福井版2010年12月28日付 福井大、授業料免除枠拡大へ 「交付金」0.5%減で学長  福井大は27日、福井市の文京キャンパスで会見し、文部科学省から内示された2011年度予算案の内容を公表した。「生活費」に当たる一般運営費交付金が10年度当初比0・5%減に収まったことで、福田優学長は「教育と研究という大学の基本的機能を失わずに済んだ」と話し、授業料免除枠を拡大する方針を明らかにした。  内示された額は、最大10%減と懸念した一般運営費交付金が81億9000万円、特別な研究の強化などに充てる特別運営費交付金が6億8000万円など。11年度の運営費交付金の合計は96億2000万円だが、10年度補正予算に組まれた前倒し分を考慮すると、実質2・3%増という。  授業料免除枠は「世帯年収500万円以下の学生が、34%以上いるので不可欠」として福大が存続を模索。今回の予算案では約2300万円多い1億8500万円が盛られ、1000人だった免除対象者を積み増す。人数は今後、学内で協議する。  若手研究者の科学研究費補助金も、国全体で633億円の増額。福田学長は「これまで本学からの採用率は2割だったが、今後は地方国立大も研究が充実する希望が出てきた」と期待した。  (原田晃成) "[he-forum 16044] 信濃毎日新聞社説12/28 信濃毎日新聞社説2010年12月28日付 科学研究予算 基礎と地方にも重きを  大学の研究者らに対する科学研究費補助金(科研費)の大幅増額が来年度予算案に盛り込まれた。  研究進展のバネにしてほしい。だが、これだけで日本の大学の科学研究を十分伸ばせるか、疑問が残る。  科研費は、研究者から応募のあった研究提案を専門家らが審査して助成を決める「競争的資金」の一つである。  菅直人首相は「日本が成長するには科学技術が必要」として予算拡充に意欲を示した。その表れが今回の科研費の大幅増だ。  研究者らからは不満もある。科研費は個別の研究プロジェクトへの助成であり、大学の研究・教育を全体的に向上させる効果はそれほど大きくないとの理由だ。  国立大の主な財源である運営費交付金は、法人化されてから毎年1%減らされ、6年間で計830億円減った。その結果、教職員の削減が急速に進んでいる。  大学が研究者に配分する「校費」(研究費)も減った。校費は、科研費のように用途が限定されず使いやすい。科研費など競争的資金は東大など旧帝大に集中しがちだ。信大など地方国立大の関係者は、人員削減と校費減少に強い危機感を持っている。  来年度予算案では、運営費交付金は10年度比0・5%減だが、大型実験機器購入などができる補助金を創設した。この結果国立大の予算は実質横ばいとなり、基盤的経費削減に歯止めがかかったと文部科学省は説明している。  日本の科学研究水準は心もとない。論文が他の研究者に引用される度数は米英など上位5カ国に水をあけられ、韓国と中国に追い上げられている。科学技術予算が諸外国より少ないことが一因だ。国立大の経費削減が研究の時間や意欲をそいでいる面もある。  限られた財源の中で、研究の水準を高め、それを支える裾野を広げることが求められる。  そのために、基礎的研究にも力を入れたい。長い目でみれば大きな成果をもたらす。一昨年ノーベル化学賞に輝いた下村脩さんのクラゲの研究が、いい例だ。  ものになるかどうか分からない段階の研究を支えてきたのが各大学の校費だ。それを削って競争的な科研費だけを増額させても、科学の裾野は広がりにくい。  基礎科学や地方大学の科学研究を活性化させるためには、研究費の配分方式を見直すことが望ましい。地方大学の特性に応じた研究が進展してこそ、日本全体の科学が強くなる。 "[he-forum 16045] 日刊工業新聞1/5 日刊工業新聞2011年1月5日付 東大、文理融合の人材育成-教養学部改組し新学科  東京大学は今年、次代を担う文理融合型の人材を育成する教養教育の改革に乗り出す。4月に教養学部を改組し、文系と理系の枠を超えた新学科を設置する。  社会が求める人材が多様化する中、幅広い教養と深い専門知識を備えるリーダーを育てるのが狙いだ。国の大学院重点化政策の下で学際的な大学院を先駆けて整備してきた東大が、2011年度からは文理融合を軸に大学卒業までに身につけるべき力の底上げを目指し教養教育の再編に着手する。  東大は教養教育のカリキュラムを見直し、11年度以降に入学する学生を対象に、学部の3、4年次が在籍する教養学部の後期課程を再編する。文系と理系にそれぞれ分かれている現行の6学科を「文系」「理系」「文理融合」の3学科に組み替える。140人の学部の総定員は変更せず、13年度から実質的な新体制に移行する計画だ。 "[he-forum 16046] 読売新聞愛知1/5 読売新聞愛知版2011年1月5日付 名大に車研究拠点 センター開設企業や他大学と連携  より安全で環境に優しい次世代の自動車を開発する「グリーンモビリティ連携研究センター」が、名古屋大学(名古屋市千種区)に開設され、4日、記念式典が開かれた。名大の工学系や環境系の研究科から37人の教授らが集結し、専門領域を超えて研究する。東海地方にある自動車関連企業の人材育成の役割も担う。  センターでは、衝突しそうになると自動的にブレーキをかけたり、交通事故が起きやすい地点の情報をカーナビゲーションを使って運転者に知らせたりするシステムを研究する。また、自動車に使える軽くて頑丈な材料やリサイクルできる希少金属の利用など、環境に配慮した技術の開発も行う。さらに、自動車関連の企業の要望に応じて、社会人向けの研究課程を設け、人材育成を行う。  名大ではこれまで、工学、環境学、経済学、情報科学の各研究科やエコトピア科学研究所が特定の技術をバラバラに研究してきた。センターでは、こうした縦割りの研究を排除して、大学が持つ技術を効率よく組み合わせ、メーカーの新車開発に貢献することを目指す。  名古屋工業大や岐阜大、三重大など東海地方の大学のほか、ヨーロッパやアジア、アメリカの計10か国の大学・研究機関とも連携する。  センター長に就任した宮田隆司教授は記者会見で、「自動車産業が集積する東海地方で、従来の枠組みを超えて技術を融合していきたい」と述べた。次世代自動車の研究拠点としては国内で最大規模となる。3月末に完成する新研究棟(4階建て)を拠点にする。 (2011年1月5日 読売新聞) "[he-forum 16047] 山形新聞1/5 山形新聞 2011年01月05日 21:02 首都圏就職活動のバス運賃を補助 山形大「結城プラン2011」に 盛る  山形大は5日、厳しい就職状況を受け、学生が首都圏で就職活 動する際に利用する夜行バスの運賃に補助する方針を明らかにした。 2011年度のできるだけ早い時期の運用を目指しており、結城章夫学長は 「学生の就職活動は非常に長期化している。大学として経済面からも援 助したい」と話している。  同大によると、10年春に就職した学生のうち3割強が関 東地方の企業に就職している。企業説明会、ガイダンスなどを含めれ ば、首都圏で就職活動に取り組む学生はもっと多くなるという。何度も 足を運ぶ学生もおり「交通費の補助制度があるとうれしい」という声も 挙がっていた。補助制度はできるだけ早期の運用を目指し、今後、対象 の範囲、補助額などを詰めることにしている。  11年に同大が取り組む課題をまとめた行動計画「結城プラン 2011」の中に盛り込んだ。同プランでは就職支援策として、県内の有力 企業を訪問するバスツアーの実施も盛り込んだ。  同プランの研究分野では、10年に導入した高感度加速器質量分 析装置(AMS)を全学で幅広く活用するため、同大総合研究所(上山 市)内に加速器質量センターを設置、学外から年間1千件以上の 測定を受注する。国際交流では、中国黒竜江省の複数の高等教育機関で つくる大学コンソーシアムと、本県の12の高等教育機関などでつ くる大学コンソーシアムやまがたの間で学術交流協定締結を目指す。  結城プランは山形大版の学長マニフェスト。作成は4回目で 63項目を盛り込んだ。全教職員、在学生、新入生に配布するほか、大学 のホームページに掲載し、12月に達成状況を検証する。10 年のプランは83%に当たる52項目を達成し、未達成の 11項目は11年に再掲した。 "[he-forum 16048] 読売新聞1/7 読売新聞2010年1月7日付 山梨大に「生命環境学部」、ワイン発酵技術も研究  山梨大は、新学部「生命環境学部(仮称)」を早ければ2012年度にも設置する。  政府の11年度予算案で、同大の運営交付金に新学部のカリキュラム作成などのための費用約2200万円が特別経費として盛り込まれた。設置が許可されれば、教育人間科学、工学、医学の3学部に続き4学部目となる。  同大関係者によると、新学部は、果樹栽培など農業と密接な関係にある微生物や、食料生産などが主な研究教育分野となる。農業経営理論やブドウ栽培、ワインの発酵技術などについても研究する。  新学部は、工学部の生命工学科や循環システム工学科、教育人間科学部の一部コースなどを統合して設置する方針で、大学全体の募集定員は変わらない見込み。  同大は、早ければ今春にも文科省に設置許可を申請する。順調なら1年程度で認められるという。  また、11年度の運営費交付金は約99億700万円で昨年から2000万円削減された。新規事業として遺伝子改変したウサギを使った動脈硬化治療の研究費約2000万円が認められたほか、10年度から医学部医学科の入学定員を5人増の125人としたことに伴う特別経費も計上された。 "[he-forum 16049] 読売新聞1/6 読売新聞2011年1月6日付 「行動できる助産師を」…高知大大学院が養成課程  高知大学は4月から、大学院看護学専攻に「実践助産学課程」を新設し、先進的な周産期医療や中山間地域などでの実習を取り入れて、高度な技術と知識を持った助産師の養成を目指す。  国立大の大学院で助産師の養成課程を設けるのは全国で初めて。  出産年齢の高齢化や不妊治療の普及などで出産のリスクが高い女性が増える中、安心して出産できる環境を整えようと、看護師、助産師として3年以上の実務経験がある人や、看護師の国家試験の受験資格を持つ人を対象にしている。  2年間で、胎児の超音波診断や新生児の蘇生など周産期医療の知識と技術を学ぶほか、過疎地の診療所や福祉施設、不妊専門外来などの実習にも力を入れる。  高知県内では出産できる医療機関や助産師が高知市内に集中し、出産・育児環境が十分に整っておらず、看護学専攻長の尾原喜美子教授は「自ら判断し、行動できる助産師としての豊富な知識に加え、地域の中で、女性が生きていく上での課題が見つけられる広い視野を養ってほしい」と話している。  定員は看護学専攻12人のうち5人程度で、今春入学を目指す志願者の出願は7日午後5時まで受け付ける。問い合わせは同大医学部看護学科事務室(088・880・2520)。 "[he-forum 16050] 河北新報1/6 河北新報2011年1月6日付 厳しい就活 救援 東北初の夜行バス代補助 山形大  首都圏で就職活動をする学生を支援しようと、山形大は山形―東京間を往復する夜行バスの運賃を補助することを決めた。今春から就活を行う学部の新4年生(現3年生)が主な対象となる。就職状況が厳しさを増す中、「経済的な負担を少しでも軽減することにした」(同大)という。東北の国立大では初めての試み。  補助割合は、年間予算が確定した後に決めるが、最大でも運賃の半額までとなる見通しだ。山形―東京間の夜行バスの運賃は、片道4000~6000円程度。同大によると、運賃が割安なことや午前中の時間を有効に使えることから、企業訪問や説明会出席のため夜行バスを利用する学生は多いという。  就活支援策としてはほかに、山形県内の有力企業を回るバスツアーなども実施する予定。  こうした就活支援は、結城章夫学長が5日、定例記者会見で発表した今年の行動計画「結城プラン2011」(全63項目)にある目玉事業の一つ。夜行バスの運賃補助は全国では鳥取大で先行事例があるが、東北では初めて。結城学長は「学生や親の経済的負担を少しでも軽くし、就職率の向上につなげたい」と語った。  プランではこのほか、県が友好県省を締結している中国・黒竜江省の大学等連携組織と「大学コンソーシアムやまがた」の学術交流協定の締結、科学研究費補助金の新規採択率20%達成―などを掲げた。  結城学長は08年から毎年1月にプランを発表し、年末に達成状況を検証している。10年は63項目のうち83%を達成したという。 "[he-forum 16051] 朝日新聞1/8 朝日新聞2011年1月8日付夕刊 奨学金貸与基準、厳格化へ 文科省、両親の年収を合計  文部科学省は、日本学生支援機構による大学生らへの奨学金事業について、新年度から貸与基準を厳しくする方針を決めた。貸与の判断材料になる学生の家庭の年収を、両親の合計で把握する。不景気で奨学金の希望者が増えるなか、経済的に困っている学生を正確に選び、支援する考えだ。  学生支援機構の奨学金は無利子の第一種と、有利子(上限年3%)の第二種がある。貸与を決める際は学校での成績のほか、年収998万円以下(無利子奨学金で、私立大に通う4人世帯の大学生の目安)といった家計基準を満たしているかどうかをみることになる。基本的に自己申告だが、年収を証明する書類の提出が必要になる。  この家計基準はかつては、世帯全体の収入の合計が対象だったが、貸与規模を拡大した1999年度、手続きを簡素化するために対象を「主たる家計支持者」の収入に限定。基本的に父母どちらか1人の収入が基準になっていたが、共働き世帯が増加しており、家計の収入状況を正確に把握できないと指摘されていた。  年収が基準を超えないよう、父母のうち収入が低い方を「主たる家計支持者」と指定する不適切な申請もあることから、11年度から第一、二種ともに共働きの場合は父母2人の収入の合計を基準にするよう制度を変更し、それぞれの年収を証明する書類の提出が義務づけられる。  奨学金は現在、大学生の3人に1人が利用している。第一種の場合、条件によって違うがおおむね月3万~6万円ほどが貸与されている。10年度の貸与人数は第一種が34万9千人、第二種が83万5千人。進学率の上昇や景気低迷を背景に人数は増加傾向が続いている。  だが、特に無利子の奨学金には貸与枠に限りがあり、成績や現行の家計基準を満たしているのに奨学金を受けられない学生が、2万6千人ほどいるという。文科省は基準を満たす全ての学生に貸与できるよう枠を広げたい考えだったが、新年度政府予算案で認められたのは、9千人増にとどまった。  家計基準を父母の合計収入に変更すれば、基準を超過する年収がある家庭が出てくるとみられている。文科省は基準変更によって、不適切な申請を防ぎつつ、本当に経済的に困っている学生に優先的に貸与できるようにしたい考えだ。(井上裕一) "[he-forum 16052] 朝日新聞1/11 朝日新聞 2011年1月11日10時53分 東大院生も3割、就職難 学生生活実態調査  留学希望は減り、就職難の影響も受けています――。東京大学の大学 院生も最近の傾向と変わらない状況にあることが、東大がまとめた学生 生活実態調査でわかった。  調査は2009年、大学院生2675人を対象に実施(回収率49. 9%)。院生の調査は04年以来5年ぶりだった。  大学院に入学してからの海外留学経験は、6.5%の院生が「ある」 と答え、前回04年調査時の3.7%から増加した。しかし、機会があ れば留学を希望するという回答は59.5%と前回61.2%を下回 り、前々回(1999年調査)の65%からは5ポイント以上の減少と なった。  また就職の見通しについて、「かなり厳しい」「見通しがたたない」 が36.3%で、前回36.1%から微増。文系に限れば、52.9% と半数以上が就職難の波を受けている。高年齢になるにつれ、明るい展 望を抱く割合が減っていたという。 "[he-forum 16053] 朝日新聞1/11 朝日新聞 2011年1月11日10時38分 大学評価「偏差値より就職力」 博報堂意識調査  いい大学の条件は就職の面倒をよくみてくれること。大学を評価する ポイントについて博報堂が18~69歳の約4千人に意識調査をしたと ころ、4割以上がそう答えた。一方、3人に1人が就職活動による学業 の不足を懸念しており、深刻化する就職難を映し出す結果となった。  同社が昨年9月、首都圏と関西圏で調査した。大学を評価する際に重 視する点を聞いたところ「就職支援の面倒見がよい」が最も多く41. 9%、次いで「卒業生が社会で多く活躍している」が38.3%だった。  3位以下は「幅広い知識・教養が学生の身につく」が35.2%、 「卒業資格をきちんと審査している」が35.1%、「社会で直接役立 つ実学が身につく」が33.4%と続き、人材輩出力を重視する傾向が あった。スポーツや文化での貢献は1割以下だった。  大学や学生の印象を尋ねた設問では、33%が「就職活動への意識が 強く、本来の勉強が不足している」とした。このほか、「入学が難しい 大学とやさしい大学の格差が大きくなっている」が39.8%、「同じ 大学でも入試方法で学力に差がある」が30.2%で、大学や学生間の 格差への関心が高かった。  同社教育コミュニケーション推進室は「大学や入試の仕組みが多様化 しすぎて偏差値だけでは判断できなくなっているなかで、就職力が大学 の教育力を評価する分かりやすい基準ととらえられているようだ」と分 析している。 "[he-forum 16054] 産經新聞1/9 産經新聞 2011.1.9 21:26 「地元回帰」「資格志向」 大学入試、今年の傾向  15、16日に迫った大学入試センター試験を皮切りに今冬の大学受 験シーズンが本格化する。大手予備校の調査では、地方大学を志望する 受験生が増えており、学部別では、看護師や教員などの資格が取得でき る学部の人気が高い。予備校の担当者は「長引く不況で、地方からの上 京費用がいらない『地元志向』、就職を視線の先に置いた『資格志向』 が強まっている」と分析している。  独立行政法人「大学入試センター」によると、センター試験受験予定 者は55万8984人。大手予備校「河合塾」の予想では、センター試 験を受けない受験生も加えた大学志願者の総数は、前年比約5千人増の 約68万5千人となる見通しだ。  河合塾が昨年10月の全国模擬試験で調査したところ、国公立大学の 志望者全体は前年度比で5%増だったのに対し、近畿地区の国公立大を 志望する受験生が9%増、北海道が8%増、東海・北陸が7%増と顕著 な伸びを見せた。  私立志願者も全体で増えているが、北海道と東北、中国・四国にある 学校を志望する人がいずれも18%増、九州が13%増、近畿が12% 増と2けたの伸び。一方、関東・甲信越は6%増にとどまった。  別の大手予備校「代々木ゼミナール」の調査でも地元志向の傾向が出 ており、国公立、私立ともに、東京、首都圏の大学志望者は前年比2% 減だった。  全国大学生協連が今年度の新入生の保護者を対象に実施した調査で は、出願から入学までにかかる費用だけでも自宅生と下宿生では国公 立、私立ともに約80万円の差があった。河合塾教育情報部の富沢弘和 チーフは「不況が受験生の志願動向に影響し、上京志向が強かった地方 の学生が、地元志向にシフトしている」と分析する。  また、学部別にみると、卒業後の就職を見越し、資格が取得できる学 部が人気。河合塾の調査では国公立の「医・歯・薬・保健」系学部が前 年比で9%増、私立でも16%増と大幅に伸びた。管理栄養士などの資 格が取得できる「生活科学」系も国公立で15%増、私立で20%増。 特に女子の受験生の人気を集めているという。  文系でも教員養成課程がある教育学部が国公立で10%増、私立で1 7%増と大幅アップ。逆に、法学部や「経済・経営・商学部」系は伸び 率が鈍かった。駿台予備学校の模擬試験でも、国公立、私立ともに「教 員養成・教育」や「生活科学」「医・歯・薬・保健衛生」などが伸びて いる。  不況の影響で、大学生の就職内定率は過去最低の57・6%(昨年1 0月1日時点)に落ち込む。こうした中、代ゼミの坂口幸世入試情報セ ンター本部長は「地方から一人暮らしのための費用をかけて首都圏の大 学に進学しても就職できるかわからない。地元で進学し、就職に有利な 資格が取れる学部を選ぶ傾向になっている」と話している。 "[he-forum 16055] 毎日新聞1/13 毎日新聞 2011年1月13日 東京朝刊 東京農工大・岩手大:獣医学共同課程開設の覚書締結  東京農工大と岩手大は12日、獣医学の学部教育を協力して実施する 共同教育課程を開設するための覚書を締結した。国内では、口蹄疫(こ うていえき)や鳥インフルエンザなどの感染症や食の安全に対応する獣 医師が不足し、国際的な教育レベルに達していないなどの指摘があり、 両大学の教員が協力し、共通カリキュラムを作ることで充実を図る。  新課程は12年度に開設予定。定員は、東京農工大が1学年35人、 岩手大が同30人の計65人。遠隔講義システムや夏休みの集中講義な どを活用し、学生は両大学長連名の学位を受ける。同様の取り組みは、 北海道大と帯広畜産大、山口大と鹿児島大も検討している。【永山悦子】 "[he-forum 16056] 毎日新聞1/13 毎日新聞 2011年1月13日 東京朝刊 仙台厚生病院:医学部新設へ 東北の医師不足解消狙い  東北地方の医師不足解消に向け、仙台市の仙台厚生病院(383床)は12 日、13年度に大学医学部を新設する方針を発表した。同市の東北福祉大に新 設を打診中で、3月にも正式決定する。文部科学省は医学部新設を認めていな いが、昨年設立した専門家会議で容認を検討中。政府が方針転換すれば同病院 は大学付属病院となる。文科省の担当者によると、病院が医学部新設を目指す のは「聞いたことがない」という。  仙台厚生病院によると、東北福祉大は看護や福祉分野の専門課程があり、医 師が教員を務めている実績もあることから新設先にふさわしいと判断した。医 学部の定員は80~100人とし、半数程度は東北出身者の枠を設ける。自治 体から奨学金を拠出してもらう見返りに医師を派遣する考えで、学費も私大と しては低く設定。病院や大学にある既存の施設を利用してコストを抑え、臨床 の実習先として宮城県内の医療機関にも協力を呼びかける。  仙台厚生病院の目黒泰一郎理事長は「臨床第一主義で地域に根ざした医師を 養成したい」と話している。同病院は財団法人・厚生会が運営。心臓血管、呼 吸器、消化器系の診療を担い、地域の病院・診療所などを後方支援する「地域 医療支援病院」として県の承認を受けている。【比嘉洋】 "[he-forum 16057] 西日本新聞1/13 2011/01/13付 西日本新聞朝刊 長崎大 人文社会系の新学部来年4月開設目指す  長崎大は12日、定例会見を開き2011年度の大学運営方針を発表 した。片峰茂学長は、新年度から工学部を現行の7学科から1学科6 コース制に再編することや、人文社会系の新学部の来年4月開設を目指 すことなどを明らかにした。  工学部は、1学科制とすることで分野横断的な工学の基礎教育に力を 入れる。大学院との一貫型プログラムをつくり、高度専門技術者を育成 する狙いもあるという。  新学部は、文、法、社会系の人材育成について地域から要請があるこ とや、教養教育の中心となる学部が必要なことから設置を検討。平和教 育など長崎独自の特色あるコースを盛り込む考えで、今後具体的な内容 を詰める。片峰学長は「学士教育を変える原動力となってほしい。早け れば2012年の開設を目指したい」と話した。 "[he-forum 16058] 長崎新聞1/13 長崎新聞2011年1月13日付 長崎大に文系新学部を構想 片峰学長「教養教育は重要」  長崎大の片峰茂学長は12日、記者会見を開き、同大に文系の新学部を開設したいとの意欲を示した。2011年度の国からの運営費交付金は前年度比0・3%増の163億8400万円となったことも明らかにした。  同大には現在▽医学▽歯学▽薬学▽工学▽水産学▽環境科学▽教育学▽経済学-の計8学部がある。片峰学長は「21世紀にこの大学が総合大学として大きな発展を遂げるには、教養系の学部がどうしても必要。国際的に強い人材をつくるためにも教養教育は重要」と話した。12年春にも開設したい考えだが、少子化や国の財政難から「文部科学省が簡単に認めてくれるはずはない。12年はかなり難しいと思う」との見通しも示した。  新学部設置に向けて同大は昨年5月、片峰学長らでワーキンググループを立ち上げ、議論を重ねてきた。まだ具体像はできあがっていないが、片峰学長ら執行部が任期満了となる9月末までに何らかの方向性を示す予定。  大学運営に使われる交付金は、全国の総額が減らされる中、同大は前年度を上回った。歯学部の骨に関する研究など新規事業に着手する。医学部医学科の入学定員1人増も認可され、医学部設置基準のランクが上がり、教員を4人増員するための予算もついた。 "[he-forum 16059] 陸奥新報1/13 陸奥新報2011年1月13日付 稼働半年で1324人受診/弘大救命センター  昨年7月に本格稼働した弘前大学医学部附属病院高度救命救急センターは、同12月末までの総受診患者数が1324人になることが分かった。12日開かれた定例記者会見で遠藤正彦学長が明らかにした。遠藤学長は「来た患者さんは全て対応している」とし、ヘリによる救命率アップへの効果とともに「近隣病院との提携を密にしなければならない」と課題も述べた。  12日に発表した同センター運営状況(同センター集計速報値)によると、1カ月平均で約221人、1日平均約7人が利用している結果となった。  総受診患者数のうち、新規患者数は629人で全体の47・5%、再来患者数(掛かり付けの患者)が695人。重症患者数は372人で全体の28・1%だった。  入院したのは595人(44・9%)で救命救急病棟への入院は382人、大学病院の病棟への入院は213人。外来での死亡は49人だった。  軽症で帰宅した患者は662人と半数を占めた理由は再来(掛かり付け)患者の多くが軽症のためだが、再来患者の一部は重症で救命救急病棟に入院することもあった。  また、特徴として9、10月にはクマによる外傷件数がそれぞれ1件ずつあった。  記者会見で遠藤学長は同センターについて「地域の第三次救急医療を担う点と緊急被ばく医療を行うという大きな役割がある」とし救命率アップへの効果について強調した。 "[he-forum 16060] 岩手日日新聞1/13 岩手日日新聞2011年1月13日付 共同獣医学課程12年度開設へ 岩手大•東京農工大  盛岡市の岩手大(藤井克己学長)は、東京都の東京農工大(小畑秀文学長)と共同獣医学課程の2012年度開設を目指す。両大は12日、都内で同課程設置準備に関する覚書を締結。それぞれの特色を生かし、高度獣医療と食の安全に貢献する人材を育成する。  岩手大によると、両大は2010年7月から国際的な水準を満たす獣医学教育の充実を図るため、共同教育課程設置に向けて具体的な検討を進めてきたという。岩手大は産業動物、東京農工大では伴侶動物の高度獣医療を実践している特色を持つ。この特色を生かし、高度獣医療提供や人類の健康と食の安全、生命科学研究の発展に活躍できる国際的視野を持つ人材を育成するという。  現時点では、定員は両大の現行と変わらず1学年計65人(うち岩手大30人)。専門科目では遠隔講義システムによる双方向教育や学生参加型の対面授業、実習を行う。4年次後期からは卒業後の進路希望を踏まえて先端生命科学(基礎・応用)と高度獣医療(臨床)の両コースを設置。学位は学士(獣医学)を授与し、両大学長連名の学位記となる見通しという。  岩手大農学部獣医学課程長の居在家義昭教授は「それぞれの専門性を生かし、両校の学生に専門性を持った教育ができることは大きい。より良い教育ができると確信している」としている。 "[he-forum 16061] 河北新報社説1/13 河北新報社説2011年1月13日付 科学予算増額/方向付け明確に示して  政府の2011年度予算案で大幅に増額された分野がある。大学などで先端科学などに取り組む研究者を支援する文部科学省の「科学研究費補助金」(科研費)である。  10年度当初予算(2000億円)から一気に633億円増え、過去最高の2633億円が計上された。年度末に使い切らなくてはならなかった単年度予算の仕組みも変更し、複数年度にまたがって使えるようにする。  科学予算は行政刷新会議による事業仕分けなどで無駄を指摘され、縮減を迫られてきたが、ここ数年、ノーベル賞の自然科学部門で日本人の受賞が続き、重要性が再認識されるなど追い風が吹いていた。  国の予算先細りを憂えていた関係者は、ひと安心といったところだろう。確かに、後に続く若手を育成するにも資金面の支援は欠かせない。  ただ、科学技術研究費は使い道や成果との関連性が外から見えにくい。仕分けで再三、問題視されたように環境など似た分野への重複配分も目立つ。研究者は国民に対する説明能力を高め、めりはりの利いた運用を心掛けてほしい。  科研費は、第一線からの申請を受けて審査、支出する競争的資金。増額によって、科学予算の大枠の部分である「科学技術振興費」も11年度、1兆3352億円と2年ぶりにプラスとなった。  一時は減額で調整が進んでいたが、学術界の意向をくんだ理工系大学出身の菅直人首相が「科学を重視しており、わがままを言わせてほしい」と財務省に指示したのが奏功したという。  巻き返しを図った背景には、科学技術を支える基盤が崩れかねないとの危機感がある。国立大の基礎的経費で施設整備などに充てられる運営費交付金は04年の法人化以降、毎年1%ずつ削減された。  11年度は0.5%の減少幅にとどまったが、設備、材料費が十分でなく優秀な若手が集まりにくいなどの影響が出ている。  各大学は外部資金の獲得を目指して、科研費などへの申請を増やすよう奨励している。東大など研究実績のある旧帝大などは獲得額が大きい半面、地方の大学は研究費の目減りが著しく、格差が広がる傾向がある。  ノーベル賞自然科学部門で、日本人受賞者はこの10年間で10人に上る。ただ、20~30年前に発見、開発された業績が多く、「日本の優位はいつまでも続かない」と専門家は警鐘を鳴らす。  この分野でも新興国の攻勢にさらされている。特に韓国は有力な研究機関に予算を戦略的に投入し、国を挙げて人材を育成中だ。研究施設、居住環境、奨学金が整備拡充され、東南アジア、中近東はもとより最近は米国からの留学生も目立つ。  日本も11年度予算案で、優秀な博士課程修了者に奨励金を出すなど、ようやく若手支援に目を向け始めた。追い上げる新興国、欧米に対し、どう得意分野を創出し、伸ばしていくのか。長期展望に立った明確な方向付けが今こそ、求められている。 "[he-forum 16062] 沖縄タイムス1/13 沖縄タイムス2011年1月13日付 バイオ支援へ新施設 県、12年度めどに設置 大学院大見据え企業誘致を強化  2012年秋の沖縄科学技術大学院大学の開学を見据え、県は12年度をめどに、バイオベンチャー企業のインキュベート施設「先端ライフサイエンスリサーチセンター(ALRC)」(仮称)を設置する。大学院大学の研究成果を、医薬品や化粧品、健康食品などの商品化につなげるため高度な設備を備えた研究・開発室を設置し、企業入居を目指す。産学官連携の拠点の一つに位置付け、バイオ産業の活性化につなげる狙いだ。(仲田佳史)  県は琉球大学や県内の試験研究機関などと連携する「知的クラスター形成」に向け、研究拠点の整備を進めている。県内にはバイオ企業30社があり、うるま市の「沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター」などで集積しているが、「産業の活性化にはさらなる企業誘致が必要」(県科学技術振興課)と判断した。  建設場所はバイオ産業の拠点施設が集中するうるま市州崎か、大学院大学のある恩納村を想定。延べ床面積約2000平方メートルに、遺伝子組み換えの実験室やマウスやラットを使った動物実験室、入居企業10社分の部屋を設置するほか、室内の空気や浮遊物質が外部に漏れないよう管理する機密性の高い設備や最新鋭の機器を導入する。  11年度は建設場所の決定や設計を行い、年度末に着工する予定。12年度中の完成を目指し、県内外の企業に公募を掛ける方針だ。  「沖縄ライフ・イノベーション創出基盤強化事業」の一環で、事業費は10億5000万円。国が3分の2を補助し、県は3億5000万円を負担する。 "[he-forum 16063] 中日新聞石川1/14 中日新聞石川版22011年1月14日付 金大 金美大 交流へ初の包括協定 教育、研究で連携 キャンパス「接点」に通用口  金沢市内にキャンパスを置く金沢大と金沢美術工芸大は十三日、教育や研究の連携強化を目的にした包括協定を締結した。個別の大学と同種の協定を結ぶのは、両大学とも初めて。金沢大であった締結式で両学長は「異なる分野の学問を融合させ、地域から世界へ新しいモデルを発信したい」と述べた。(榊原崇仁)  協定では、教職員や学生同士の交流、共同研究の実施などを主眼に置き、両大学の理事各三人で構成する「連携推進会議」で大学間の調整を図る。  当面の事業としては、来年に迎える金沢大創基百五十年の記念モニュメントの制作や付属病院の門のデザインを金沢美大が担当することを計画。学生同士の交流促進のため、金沢市小立野地区でキャンパスが隣接している金沢大保健学類と金沢美大の間のフェンスを今年三月末までに一部撤去し、通用口を新設する。  金沢大の中村信一学長は「私たちの大学には芸術の分野がない。クリエーティブな学生を育てるには、今回の協定は非常に良いと思う」と期待。金沢美大の久世建二学長は「それぞれが近くにありながら付き合いがそれほどなかった。どの分野ともタイアップできるアートの柔軟性を生かしたい」と話した。  金沢大は二〇〇九年三月に金沢市と連携協定を締結。当時、市立大学だった金沢美大とは、学生参加のものづくりコンテストなどで交流していたが、金沢美大が昨年四月に公立大学法人化したことに伴い、一層の連携強化のため、大学間の協定締結に至った。  "[he-forum 16064] 東奥日報1/14 東奥日報2011年1月14日付 弘大運営費交付金 前年比1.9%増  2011年度政府予算案で、弘前大学への国補助金である運営費交付金は10年度より2億1373万円増の113億8301万円となった。伸び率は前年度比1.9%の増で、国立大学法人全体の平均0.5%減を2.4ポイント上回った。弘大の渡辺政美理事(財務・施設担当)が13日、記者会見して内示額を明らかにした。各学部が連携して取り組む新規プロジェクト2件の採択などが増額につながった-と分析している。 "[he-forum 16065] 朝日新聞1/17 朝日新聞2011年1月17日付 大学関連予算、6年ぶり増額  2011年度の政府予算案で、文部科学省の大学関連の主要予算が6年ぶりに前年度より増額された。自民党政権時代からの減額傾向に歯止めがかかったが、財務省から示された一部の予算計上の「条件」は、「大学改革の推進」。財政難のもと、大学界からも「大学自身が改革姿勢や研究成果を示せないと納税者の理解が得られない」との声がでている。(井上裕一、三島あずさ) ■研究費補助金は過去最高  昨年12月27日、国立大学協会の浜田純一会長(東大総長)が高木義明文科相を訪ねた。政府予算案の閣議決定の3日後だ。「予算案にご尽力いただきありがとうございました」と感謝の言葉を並べた。  予算案では国立大の運営費交付金や私立大への補助金、研究費補助金などの大学関連の主要予算が1兆7923億円に上り、前年度と比べ531億円増えた。  予算額を押し上げたのが、研究費の大幅増だ。理系出身の菅直人首相の指示で、大学の研究者らを支援する科学研究費補助金が前年度比633億円増の2633億円と、過去最高に。毎年約1%ずつ削られていた国立大の運営費交付金も1兆1528億円が計上され、前年度比58億円(0.5%)減と削減幅が縮小。国立大の設備費を支援する教育研究特別整備費58億円が新たに計上されたことで、「大学の基盤的な予算の減少を食い止められた」(文科省)。  大学関連事業を巡っては昨年の政府の事業仕分けで厳しい判定が相次いだが、既存事業の継続を中心に予算計上が認められた。特に目立ったのが、大学の国際化を支援する事業だ。仕分けで「いったん廃止」とされた国際化拠点整備事業は、大学間や産業界との連携を重視するよう内容を変更し、名称も変えて前年度とほぼ同水準の29億円を計上。新たに海外の学生との双方向交流の推進や、アジア・米国の大学との連携支援にも各22億円計上された。  昨夏ごろから大学予算が削減されるとの観測が広がり、国公私立の大学団体は一斉に反発。大学の学長らもそれぞれの地元選出の国会議員に予算確保を求めて働きかけたほか、文科省関連の予算に対して研究者や学生らから約28万件のパブリックコメントが寄せられたことも功を奏したとの見方がある。  大学現場でも評価する声があがる。筑波大の国際担当、塩尻和子副学長は国際化拠点整備事業が継続されることに「政府を見直した。大学間の連携を強め、国際化への取り組みを一層強力なものにしたい」と話す。 ■「改革推進」の条件付きで  ただし、手放しでは喜べない。新設された国立大の教育研究特別整備費の計上を巡っては、財務省からこんな条件が出された。  「大学における機能別分化・連携の推進、教育の質保証、組織の見直しを含めた大学改革を強力に進めること」  大学進学率が上昇し、就職も難しくなるなか、教育の質の向上や、社会のニーズに応じた人材養成が大学の課題となっている。どこも同じような大学を目指すのではなく、各大学が特色を明確にし、教育や研究における大学間の連携を進めるべきだ――。  財務省の「条件」にはこうした狙いが込められているとされ、1年以内をめどに改革の方策を打ち出すことが求められた。多額の国費の支出に際して期限を区切って注文をつけられた形だ。  事業仕分けで「薄く広く予算が配分され、メリハリがない」と指摘された教育改革の支援事業なども、新規事業は認められなかった。科学研究費補助金の大幅増も、菅首相の「鶴の一声」に頼った結果だ。予算の効率的な活用に向けて文科省や大学が改革に取り組み、国民への説明を尽くさなければ、予算は再び減額される可能性がある。  研究費の予算増について、名古屋大の研究・国際企画担当で理学博士の渡辺芳人副総長は「科学技術に関する大学の役割や基礎研究の重要性が十分に認識された結果であり、重要な一歩」と歓迎しつつ、「研究成果の発信、特に一般の人たちにも分かりやすい情報発信は、我々の重い宿題」と気を引き締める。財務省から大学改革の条件がついたことも、「多様化する学生に対応するための教員の意識改革や、各大学がそれぞれの『ミッション』を明確に示すこと、国内外の大学との連携なども、重要な課題と受け止めている」と話す。 "[he-forum 16066] 毎日新聞社説1/17 毎日新聞社説2011年1月17日付 大学入試 真に評価される力を  大学入試センター試験を経て受験のピーク時期を迎えた。受験生には今の不況や雇用不安を反映し、地元、資格、理系志向が目立つという。  一方、今、大学入試のあり方にも目を向けたい。少子化などによる「全入時代」到来で、定員割れの大学も珍しくない。学力試験抜きの選考も多く、入学生の学力をどう確保するかが深刻な問題になっている。解かねばならない。  これには中央教育審議会などの提起があり、文部科学省の委託で専門家たちが昨年「高大接続テスト」(仮称)導入の具体策を報告した。  高校の基礎教科・科目の全面にわたり、基本的な達成度を測る共通テストをし、大学教育に接続できる学力を担保する。そういう発想だ。つまり、多くの大学でまず高校レベルの補習をせざるを得ないような現状を、何とか改めたいというものだ。  戦後の経済成長とともに大学進学率は高まり、入試は学力の「評価」というよりも、小刻みな点差でふるい落とす「選抜」になった。  学園紛争を経て70年代、知識偏重の入試批判が強まる。79年からの国公立共通1次試験は満遍なく多科目の基礎学力を見るのが主眼だったが、偏差値による学校序列化を招き、90年から私立も加わり、各大学が志願者に対し自由に受験科目を指定できる現行のセンター試験になった。  同時に高校の多様化によって必修の削減などがあり、入学してくる高校卒業生の学力が低下したという指摘が大学側から相次ぐようになる。  また「全入」状態だと、一定以上の学力で選抜することも難しい。  一方で、面接などで多様な人材を選ぶためのはずのAO(アドミッション・オフィス)や推薦入試が、学生確保の方便になっているのではないかという批判も多い。08年度に学力試験を経た大学入学者は56%で、私立に限ると5割を切っている。  「接続テスト」はこれまでの共通1次やセンター試験に代わるものではないという。基礎学力達成度を1点刻みではなく幅のあるスコアで示し、大学側は受験者の広い基礎学力を見る資料に活用できる。生徒は複数回これを受けることができ、教師はこれで基礎学力達成へ生徒をリードをする--。こんな構想だ。  文科省は研究を進めるというが、これをバネに、遅々としてきた入試改革論議を急ぎ進めてはどうか。入試は本来、その後の高等教育につながる力を測るものだったはずだ。  実りあるものにするため、批判や異論も必要だ。難題も生じ、手間もかかるはずだ。ただ、大学教育の国際標準化などが論じられている中、入試の現況が先送りできない問題であることは明らかだろう。 "[he-forum 16067] 読売新聞1/17 読売新聞2011年1月17日付 世界で勝てる人材育成、12大学と16社が連携  文部科学、経済産業両省が、高度な教育・研究に力を注ぐ大学(リサーチ・ユニバーシティー=RU)とトップ企業が連携し、国際競争を勝ち抜ける人材を育成・登用する新たな枠組み整備に乗り出す。  東京大や早稲田大など12大学と商社、メーカー、運輸などの代表的企業16社のトップが参加に合意しており、2月にも学長や首脳が集まる円卓会議を開催、具体的な行動計画作りに入る。  文科省は、2011年度予算案で確保した大学の国際展開力強化などの予算112億円からこのプロジェクトに優先配分する方針。  厳しい国際競争の中、産学が協力して、専門知識や創造力などを備えた人材を育成する必要があると両省が判断し、呼びかけた。 "[he-forum 16068] しんぶん赤旗1/18 しんぶん赤旗1/18 奨学生にボランティア奨励 文科省 公共性投げ捨てながら 「負担」も「自覚」も要求  奨学金を受けとる学生や授業料を減額免除される学生に対し文部科学 省は、今後ボランティア活動などを奨励していく方針です。関係者から は批判が起きています。  ボランティアの奨励は、文科相の諮問機関である中央教育審議会大学 分科会の学生支援検討ワーキンググループがとりまとめた「今後の学生 に対する経済的支援方策の在り方について(論点整理)」を受けたもの です。 「受益者負担主義」に  「論点整理」は、大学教育は「公共性」をもっており、それが学生へ の公的支援の根拠となっているが、公共性が「学生に十分認知されてい ない」と指摘。国や大学に対して「教育自体が公共性を有し、社会から 支えられていることを学生に自覚させ…獲得した知識・技能等を現在及 び将来においても社会へ還元していくよう促すこと」を求めています。 その「仕掛け」として持ち出したのが、ボランティア活動などの奨励で す。  これに対し日本学生支援機構労働組合の岡村稔書記次長は、「政府 は、『公共性』を語るにふさわしい学生への支援を、これまで行ってき たのか。逆に『受益者負担』の考え方をもち込み、公共性を否定してき たのではないか」と憤ります。  中央教育審議会は、1971年の答申で、教育費は投資であるとし、 「投資の効果のうち個人に帰属するものと社会全体に還元するものとが 区別できれば、それを考慮して受益者負担の割合を決めるのが合理的」 とする「受益者負担主義」の考え方を提起しました。この考え方は、文 科省の奨学金の実務を行う新たな組織を検討する会議の座長であった奥 島孝康氏(早稲田大学元総長)が、「高い教育を受けた者はそれに応じ た収入が約束される…要するに教育とは自己への投資」と国会で述べた (2003年)ように、その後も引き継がれます。  このため、1970年に年間1万2000円だった国立大学の授業料 は、2010年度には53万5800円(標準額)にまで高騰。文科省 の資料でも1975~2007年度の物価指数は2倍なのに対し、授業 料は15倍にもなっています。(グラフ)  無利子のみだった奨学金制度にも、有利子制度を創設して「教育ロー ン化」するなど、政府は学ぶ権利を保障する国の責任を後退させてきま した。  このことは、中教審の「論点整理」自身、日本の「大学の授業料は高 く」「高等教育費に占める家計負担の割合はきわめて高い」と認めてい ます。 予算獲得競争をうむ  千葉大学の三輪定宣名誉教授は「ボランティアの『奨励』と言って も、大学間では予算獲得のために競争となり条件化する可能性がある」 と懸念を表明します。  岡村書記次長は語ります。「経済的に困難があるために支援を受ける 学生だけ、ボランティアを奨励するのはおかしいのではないか。憲法に 定めるひとしく教育を受ける権利を保障するために奨学金はある。政府 は学生に公共性を説く前に、考え方を転換し、社会全体で学生を支え、 お金の心配なく学べる仕組みをつくるべきです」(前野哲朗) グラフ "[he-forum 16069] 日本経済新聞1/17 日本経済新聞2011年1月17日付 アドバンテッジ、東大職員のメンタルヘルスケア支援  アドバンテッジリスクマネジメントと東京海上日動メディカルサービス(東京・千代田、矢野孝明社長)は共同運営するメンタルヘルスケア支援プログラムを東京大学が導入したと発表した。職員を対象にウェブ上でストレス検査を実施し、不調者に臨床心理士や医師によるカウンセリングを提供する。国立大学法人化に伴い職員の負荷が増していることに対応する。  対象職員は約2000人。1月中旬まで各自のパソコンからストレス検査を受診する。メンタル不調者の早期発見や、組織分析を通じて職場環境の改善につなげる。「業務の多様化、煩雑化で職員の精神的負荷が増している」(東大)ため相談体制を強化する。  2004年の法人化で国立大学の予算や職員は削減傾向にある。アドバンテッジ社によると同プログラムの利用は企業120社に対し、大学は東大を含め2校にとどまっており、今後、大学教職員への導入を積極的に働き掛ける。 "[he-forum 16070] 朝日新聞1/17 朝日新聞2011年1月17日付 人気は「地元・公立・理系」 不況…大学選び堅実志向  大学入試センター試験が実施され、本格的な入試シーズンに入った。今年の受験生の志望動向は、安定志向と地元志向。「内向き」と言われる高校生の気質に、歴史的な就職難や不況が加わり、理系学部や、資格がとれる学部が多い地元の大学の人気が高くなっている。(増谷文生)     ◇  傾向が顕著に表れているのが、これまで目立たなかった地方公立大の人気だ。医療、看護、栄養といった仕事に結びつきやすい資格が取れる学部が多いためだ。また、難易度も同じ地域にある国立大よりランクが落ちるのが一般的。受験科目も、5教科7科目を課すのが大半の国立大に比べ、2、3教科のみというケースが多い。  第一志望は地元の国立大。センター試験で失敗すれば、浪人せずに地元の公立大へ。こうした受験生が増えていることについて、代々木ゼミナールの坂口幸世・入試情報センター統括本部長は「高い家賃を払って首都圏や関西の大学に通っても、大企業をねらった就職活動の見通しは厳しい。それならば、地元の大学でいいと考える子が増えている」と分析する。  学部・学科別の人気を、代ゼミや河合塾の模擬試験の結果から見ると、就職に有利かどうかで判断されていることがわかる。目立つのは、理系学部の人気ぶり。逆に文系は「不況に強い」と言われる経済系の学部も、今年は志望者が伸びていない。  河合塾の模試では、理系の中でも理、工、農、医の各系統の志望者が前年よりも国公立で5~9%、私立で12~17%も増加。いずれも女子の増加が目立つ点が共通している。同社の分析では、就職に有利なイメージがあることに加えて、最近日本人科学者のノーベル賞受賞が相次ぎ、受験生が基礎研究分野に目を向けるようになったとみる。  不人気な文系の中で目立つのは教員養成課程。国公立大(前期)では、前年より10%も志望者が多い。地方大学の中には、前年より20%から40%も多いケースもあった。  高校の先生もこうした受験生の傾向を実感している。河合塾が昨年11月~12月に約2200人を対象に実施したアンケートでは、受験生が就職を意識した学部系統選びをする傾向が「強まっている」「やや強まっている」との回答が計71%にのぼった。  さらに、家庭の事情で大学への進学を見直す生徒が「増えている」「やや増えている」が計34%、私立大の受験校数を減らす傾向が「強まっている」「やや強まっている」も計52%。同社教育情報部の富沢弘和チーフは「厳しい経済環境が、受験生の進路選択に影響を与えていることが改めて浮き彫りになった。進学先を選ぶ際にも、学びたいことや適性以上に就職を意識しすぎる傾向が強まっており、先生たちは対応に苦慮している」と話した。     ◇  遠くの大学を志望する場合、受験のために本格的な旅行をする人も多いだろう。いくら一生懸命に受験勉強をしても、試験本番で力を発揮できなくては努力も水の泡。「サクラサク」春を迎えるために、受験旅行のポイントを紹介する。  「受験会場の下見は必ずおこなってほしい」  旺文社の受験情報誌「蛍雪時代」の宮澤静也総編集長は、受験の直前に、試験当日と同じ時間帯に会場まで移動してみることを勧める。  移動には、渋滞などで所要時間が予想しにくいバスよりも、電車を使うのが基本だ。バスしか交通機関がない場合、混雑でバスに乗りきれない事態も考え、いざというときにはタクシーを利用できるよう、持って行くお金には余裕を持たせたい。  電車で向かう場合でも思わぬ落とし穴がある。大きな駅で迷ってしまったり、電車が混雑し予定の駅で降りられなかったりする危険もある。広大で多くの建物があるキャンパスで迷う可能性も考えて、宿から会場の建物まで行ってみるのがポイントだという。宮澤総編集長は「雪や事故などで交通機関のダイヤが乱れた場合、大学は試験開始を遅らせるなどの対策を必ずとる。万一トラブルに巻き込まれた場合でも、大学に電話をかけて事情を説明したうえで、あきらめずに会場へ向かってほしい」とする。  持ち物や服装についても、いくつかポイントがある。  宿では、気持ちが高ぶってほとんど勉強が手に付かないもの。移動の負担も考えて、参考書などの勉強道具は最低限に絞るべきだとする。服装は、薄手の服を重ね着するのがオススメだ。暖房が利きすぎた会場も多いため、必要に応じて脱ぎ着できた方が便利だという。  試験会場で注意したいのは、携帯電話の扱いだ。特に、ふだん携帯電話を時計代わりに使う人は要注意だ。試験中はバッグにしまうよう指示されるので、別の時計を準備しないと解答時間の配分ができなくなる恐れがある。また、試験中に着信音やアラーム音などが鳴ると、焦って集中力が途切れるうえ、失格とされる恐れもある。試験直前には、まちがいなく電源を切ってあるか確認が必要だ。  リラックスして試験にのぞむために宮澤総編集長が勧めるのが、大学生協の活用だ。全国の200程度の大学にあり、受験生向けにさまざまなサービスをおこなっている。  例えば埼玉大生協は、受験生に旅行会社を紹介するほか、学生委員会の学生が2、3人ずつ、同大近くの五つのホテルに詰める。受験や大学にかんする相談に乗るためで、10年以上前に始まったという。昨年は、夕食を食べる店や過去問の解き方、試験前夜の過ごし方などをテーマに40人の相談に乗ったという。  他の大学でも同様のサービスをおこなっており、全国大学生活協同組合連合会のHP(http://www.univcoop.or.jp/coop/list.html)で、各生協のサービスを見ることができる。 "[he-forum 16071] 毎日新聞社説1/19 毎日新聞社説2011年1月19日付 大卒内定率68.8% 大寒波で春が見えない  東京・神田のすし店が求人を出したところ4年制大学の学生が何人も面接にやってきたという。「あんたらが働くところじゃないよと断ったが、こんなことは初めてだ」と店主は驚いていた。  新卒者の就職難は今年に始まったわけではない。しかし、今春卒業見込みの大学生の就職内定率は68.8%、短大生は45.3%(いずれも昨年12月1日現在)。データが残る96年以降で最低という。企業業績の回復が伝えられる中、凍りつくような就活戦線である。  菅政権もさまざまな対策は取ってきた。キャリアカウンセラー増員による就職支援の強化、就業力を向上させるための支援プログラムの充実、雇用意欲の高い中小企業と新卒者とのミスマッチ解消などである。だが、まだ十分な成果を上げているとは言い難い。  技術革新によってさまざまな仕事がコンピューターに置き換わり、オフィス内労働では以前ほど人手が要らなくなった。製造業は途上国へと拠点が移りつつあり、単純労働でも働く場が少なくなっている。雇用のパイが全体的に縮小していることが新卒者への門を狭めている大きな原因だ。若年者雇用に苦戦しているのは日本に限ったことではない。ただ、わが国では正規労働者に対する解雇規制が厳しく、人件費を抑制するために新規採用を抑えてきたことも指摘しておきたい。中国など外国人留学生を採用する企業が増え、ますます日本人学生が苦戦を強いられているとも聞くようになった。  菅直人首相は11年度税制改正で法人税の実効税率5%引き下げを決めた際、「雇用を守り経済成長をさせていくための法人税減税だ。働く皆さんにも分配されることを経済界としてぜひ約束をしていただきたい」と日本経団連の米倉弘昌会長らに求めた。米倉会長は「約束というわけにはいかないが、法人税が下がれば企業の競争力が高まる。雇用も増えていく」と言うにとどまった。  業績回復で内部留保を増やしている企業もある。新卒者採用にもっと積極的に取り組むべき時ではないのか。財政再建や社会保障の立て直しのため国民負担増が避けられない情勢の中、あえて法人税を下げる社会的意味を重く受け止めてほしい。  こうした時代に巡り合わせた不運を恨む学生もいるだろう。ただ、名の知れた大企業だけでなく中小企業にも将来性のある会社はある。10年後にどの会社が伸びているかわからないではないか。自らの力で会社を発展させる気概があってもいい。  就職した後も若者が自分を磨き再チャレンジできるような雇用制度の柔軟性も高めるべきだ。 "[he-forum 16072] 朝日新聞1/19 朝日新聞2011年1月19日付 大学新卒の選考「4年生の8月以降に」 同友会提案へ  経済同友会は、大学新卒者の採用選考時期を現在より4カ月程度遅らせ、大学4年生の8月以降にするよう提案する方針を固めた。大学生が就職活動に時間を取られ学業がおろそかになっているとの批判を受け、日本経団連も会社説明会を現状より約2カ月遅らせるよう会員企業に求めることを決めている。就活の早期化に歯止めをかける企業側の流れが強まってきた。  18日にあった全国の私立大学の学長が集まる会議で、同友会幹事の小野俊彦・日新製鋼相談役が「会社説明会を3年生の3月以降、選考活動を4年生の8月以降にしたい」と表明した。21日の幹事会で具体的な開始時期を最終検討し、来週にも発表する。  企業の採用活動を巡っては、経団連が12日、会社説明会などの広報活動を約2カ月遅らせ、3年生の12月からとする指針をまとめた。同友会はさらに3カ月程度遅らせることを提案する。経団連が従来通り4年生の4月からとした選考活動も遅らせ、学業に専念できる時間を増やす。  経団連より踏み込んだ内容にする狙いについて、同友会幹部は「会員企業の最大公約数を追求しなければならない経団連に比べて、自由な立場で、あるべき姿を提案して議論のきっかけにしたい」と説明する。同友会は企業経営者約1300人が個人で参加する組織で、決定に企業が従う義務はない。  学長会議に出席した明治大(東京)の納谷広美学長は「学生は負担が軽減され、大学も落ち着いて教育することができるので歓迎だ」と話した。龍谷大(京都市)の若原道昭学長は「大学教育への悪影響が薄らぐのでありがたい」としつつも「時期だけでなく、新卒一括採用以外に就職の機会を増やすことも検討してほしい」と指摘した。(増谷文生、吉田博紀) "[he-forum 16073] 徳島新聞1/20 徳島新聞2011年1月20日付 徳島大、国内12位 昨年の世界大学ランク  英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)の昨年の世界大学ランキングで、徳島大学が317位、国内では12位の評価を受けた。同誌は2004年から世界400位までのランクを発表しており、同大は初のランク入り。論文引用数などが高い評価につながったと分析している。  評価は、研究論文の引用頻度や博士号取得者数、産業界からの研究費、全学生に占める留学生の割合など13項目が基準。厳格さや透明性を高めるため、今回からこれらの新指標を取り入れ、研究の質や成果が重要視されるようになったという。  徳島大学は、大学院の研究に重点を置き、09年までに全5学部に博士・博士後期課程を設置。また、学長裁量でポストを新設し、研究や教育を支援してきた。評価の内容は明らかにされていないが、同大はこうした研究体制の整備に伴う専門誌への論文掲載数、論文の引用頻度の多さなどが、同誌の新しい評価方法に適合したとみている。昨年までは400位に入っていなかった。  香川征学長は「ランキングの方法はさまざまあり、一喜一憂するものではないが、成果が評価されたのは喜ばしいこと。今後も研究大学を目指して力を入れていきたい」と話している。  ランキングでは、米国のハーバード大が1位。国内の大学では東京大の26位が最高で、京都大57位、東京工業大112位と続いた。 "[he-forum 16074] 北海道新聞1/19 北海道新聞2011年1月19日付 北大、100人の授業料免除 4月から 申請者増で枠拡大  北大は18日、家計困窮者を対象にした授業料免除枠を4月から拡大し、100人の授業料を全額免除すると発表した。不況で申請者が増えているため。  北大によると、従来は半額免除を基本にしてきたが、全額、半額、4分の1と、3段階にすることで困窮の度合いや成績の基準に合った申請者全員が免除を受けられるようにする。家計困窮度の高い順に、まず全額免除者100人を、次いで半額、4分の1免除者を選んでいく。授業料は年間53万5800円。 "[he-forum 16075] 読売新聞1/21 読売新聞2011年1月21日付 岡山大工学部、大胆に学科再編  岡山大工学部は2011年度、約半世紀前の学部誕生以来初めてとなる大胆な学科再編を行う。  学科数を7から4に統合し、学生が2年の途中で希望に応じて9コースに分かれるようにするのが柱。入学後の選択肢を広げることで、志望時点でコースを絞り込めない人の受験を促す。一方で、優秀な人材を獲得するため、入試成績上位者には入学当初からコースの選択権を与える。取り組みの背景には、受験生の工学部離れの傾向があるといい、同部は「幅広い層に受験してもらい、学部を活気づけたい」としている。(西蔭義明)  岡山大工学部は、高度経済成長真っただ中の1960年、地元産業界の要請などを受け、機械工学と工業化学の2学科で発足した。その後、コンピューターやバイオテクノロジーなど新産業が生まれる度に新たな学科を創設。10年4月には物質応用化学、電気電子工学、生物機能工学などを加えた7学科となった。しかし、学科が増える一方で、受験生が高校卒業時点で専門分野を絞れずに敬遠する傾向が強まり、少子化も相まって受験者数は減少。1993年に3・6倍だった倍率は、10年度には2・8倍にまで落ち込んでいた。  そこで、受験者獲得の決め手として工学部再編に踏み切った。現在の7学科を、〈1〉鉄などの材料やロボットを扱う「機械システム系」〈2〉パソコンの回路などを学ぶ「電気通信系」〈3〉プログラミングを研究する「情報系」〈4〉バイオテクノロジーなどの「化学生命系」の4学科に再編。学生は2年の後期から各学科2~3コースの専門分野に分かれる。この傾向は、他の国立大学にも広がっており、室蘭工業大(北海道室蘭市)は09年4月に6学科から4学科に再編、長崎大は今春、7学科から1学科に統合する。  岡山大のユニークな点は、専門分野を絞り込めない受験生に配慮する一方で、早くから分野を絞っている受験生も想定したこと。従来は、入学後の成績で専門コースに振り分ける大学が一般的だが、入試成績の上位10~20%にはコースを優先的に決定できる権利を与え、優秀な学生の獲得を目指す。  一方、産業界が求める人材を育成できるよう、授業も改革する。コンピューターが自動車や電化製品にも組み込まれるなど専門以外の幅広い視野が求められる現状に即して、自動車やコンピューターなど一つの製品の仕組みを網羅的に学ばせる共通科目を用意する。  谷口秀夫工学部長は「工学は単なるものづくりではなく、工夫することが重要。日本の産業界を活性化させるためにも、優秀な学生を多く獲得し、他分野と交流しながら活躍できる人材に育てたい」と話している。 "[he-forum 16076] 福井新聞1/23 福井新聞2011年1月23日付 高浜の医療再生へ地域一体 医学部講座“誘致”、啓発  福井県高浜町で地域医療再生に向けた取り組みが本格化している。同町では2009年4月、町の支援を受けた福井大医学部が寄付講座を開設。以降、同町を訪れる若手医師が増加し、医療教育の土壌が育ってきた。住民有志によるサポーター制度も機能しており、10年からは住民啓発の地域医療フォーラムを町と共催。住民、行政、医療従事者が一体となった地域医療推進の現場を紹介する。(小浜支社・野田勉) ■崩壊の危機に直面  同町は、2000年に3医療機関で計13人いた医師が、07年に6人まで減少、医療崩壊の危機に直面した。04年度の研修医自身が研修場所を選ぶ制度導入後、都市部志向の影響で研修医が減り、町と若手医師の接点が薄れたことなどが理由とみられる。同町の地域医療の課題はいくつかあるが、とりわけ医師不足の解消は急務となった。  こうした中、08年8月、学識経験者らによるワーキンググループ(WG)が発足した。WGの答申を受け、町は09年度から3年間で計6500万円を福井大医学部に寄付。同学部は社会保険高浜病院と国民健康保険和田診療所に研究室を設け、寄付講座を開設した。  講座は、同学部教官らが講師となり医学生や研修医を受け入れ、臨床実習や地域医療研修を行う。町にとっては、研修医らが町内に来ることで不足する常勤医師をカバーし、これら若手医師が将来、同町を勤務先に選ぶことも期待できる。 ■教育へ投資、好循環  和田診療所で実習や研修を行う医学生や研修医の数は08年度48人だったが、寄付講座が開設された09年度は71人、10年度84人と急増。ここ数年、受け入れがほとんどなかった高浜病院でも10年度は5人、11年度は10人以上を予定している。  寄付講座の責任者で同大救急総合診療部の寺澤秀一教授(58)は「高浜の医療機関にベテラン医師、研修医、医学生が集まり、後継者が育つ環境となった。教育への投資によって好循環が生まれた例は全国でも珍しい」と手応えを感じている。  同講座助教を兼ねる同診療所の井階友貴所長(30)も「医師は自分を高められる環境に集まるもの。高浜は医学教育の土壌ができつつある証し」と指摘。「今後も『医師に選ばれる町』を目指し、一人でも多く医師を地元に残すことが地域医療再生の必須条件」と強調する。現在町内の医師数は9人。取り組みの効果は表れ始めている。 ■「地域が守る」  寄付講座の開設当初、住民の中には研修医による診療に不安を漏らす声も一部あったという。医学教育を継続して進めるには、住民理解は欠かせない。町は住民に医療の現状や課題を伝える第1回の地域医療フォーラムを09年7月に実施した。  このフォーラムを機に町民有志15人が「地域医療サポーター」を結成した。メンバーは26人に増え、10年度から本格的に活動。年2回の同フォーラムの企画・進行や、町内の医療者との交流会の開催、住民啓発ビデオの制作などに取り組んでいる。同サポーターの今井宗雄代表(59)は「『高浜の医師は地域が育て、地域が守る』を合言葉に住民啓発を進め、住民、行政、医療の懸け橋を目指したい」と意気込む。  住民、行政、医療の協力で、高浜の地域医療再生の歯車は今、がっちりかみ合っているといえる。WG答申を引き継ぐ形で昨年11月には、町の地域医療推進合同会議の最終報告書が野瀬豊町長に提出された。これを基に課題に幅広く取り組むことになっている。今後もこうした機運が継続していくことが望まれる。 "[he-forum 16077] 日本経済新聞1/22 日本経済新聞2011年1月22日付 名古屋銀、名大と連携協定 顧客企業との技術開発仲介  名古屋銀行と名古屋大学は21日、産学連携協定を結んだ。名古屋銀の顧客企業が抱える様々な要望や問題意識と名大の研究内容を橋渡しし、企業の製品開発や技術研究を効率的に後押し。特に次世代自動車、環境、農業などの新産業分野が有望と見て協力を加速する。地域経済活性化に向けて、中部の地方銀行と大学との連携の輪が広がってきた。  同日、両者が記者会見した。名古屋銀の簗瀬悠紀夫頭取は「新たな技術革新を今後の成長のエンジンにしたい」と強調。名大の宮田隆司副総長(産学官連携推進本部長)は「外部の企業群とのパイプ役が必要であり、銀行は幅広い需要をうまくまとめてもらいたい」と期待感を示した。名大は先月には中京銀行とも同様な協定を結んだ。  地銀と大学が連携を強化する背景には、地域経済の先行きに対する危機感がある。地銀の取引先の中堅・中小企業が競争力を高めるうえで、地域の知的資源の有効活用は重要な課題。大学にとっても地域貢献はもちろん、研究費や寄付金の獲得につながる可能性がある。  地銀が橋渡し役となる産学連携が定着するかどうかは、どれだけ具体的な実績が残せるかにかかっている。 "[he-forum 16078] 中国新聞1/22 中国新聞2011年1月22日付 広島大、公文書分室を開設  4月の公文書管理法施行を控え、広島大は21日、大学の運営関連資料などの書庫を、東広島市鏡山の大学本部棟に開設した。広島大文書館の分室に位置付け、国立公文書館(東京)に準ずる施設として政令指定を目指す。  文書館公文書分室は本部棟1階に開設し、作業スペースを含め約110平方メートル。キャンパス移転など大学運営や奨学金など学生関連の計7千点を保管する。個人情報保護法に抵触しない資料は原則公開する方針という。  公文書管理法制定は2007年、年金記録のずさんな管理が発覚したのがきっかけ。公文書を「国民共有の知的資源」と定義し、行政機関のほかに、国公立大や独立行政法人にも厳格な管理を指示。保存期間を過ぎた公文書は国立公文書館などに集める。  広島大の取り組みは先行しており、04年に文書館を開設。学外からも貴重な資料が寄せられている。分室の開設式典には浅原利正学長たちが出席し、国立公文書館で専門研修を積んだ村上淳子分室長から説明を受けた。 "[he-forum 16079] NHKニュース1/20 NHKニュース2011年1月20日 0時34分 日銀と6国立大が公文書施設  日本銀行と6つの国立大学は、4月以降、公文書を管理する専門の施設を設け、歴史的な文書などの保管や公開を行う方針を固めました。  ことし4月に施行される公文書管理法で、国の省庁は、行政文書を評価・選別し、一定期間が過ぎたあと、原則として国立公文書館に移すことが義務づけられていますが、国立大学などについては、公文書を管理する専門の施設を設け、みずから文書を保管し公開することもできます。この規定を踏まえて、日本銀行と、東北大学、名古屋大学、京都大学、神戸大学、広島大学、九州大学の6つの国立大学は、4月以降、歴史的な文書などの保管や公開をみずから行う方針を固めたもので、19日、国の公文書管理委員会で審議が行われました。出席した委員からは、大学の担当者に対し「文書の管理にあたっては、別の大学の関連資料も参照できるような文書目録を作成してほしい」といった要望が出されていました。日本銀行と国立大学6校からの申し出について、政府は、今後も審議したうえで、今年度中に結論を出すことにしています。 "[he-forum 16080] 宇部日報1/22 宇部日報2011年1月22日付 山大医学部、ドクターヘリ運航開始  救急医療専用ヘリコプター(ドクターヘリ)の運航開始式が21日、山口大医学部付属病院のヘリポートで関係者160人が出席して開かれた。県内全域を30分以内でカバーする、機動力に富んだ救急医療の開始を祝った。  県内は7割が山間部、全国で3番目に有人離島が多い。ドクターヘリの運航でこうした地域の救命率の向上や後遺症の軽減が図れる。  出動要請から約5分で同病院を出発。学校の校庭など県内322カ所の臨時ヘリポートで患者を収容し、同病院のほか、済生会下関総合病院(下関市)、関門医療センター(同)、県立総合医療センター(防府市)、徳山中央病院(周南市)、岩国医療センター(岩国市)の救命救急センターに搬送する。年間経費は約2億円で、国が半額を補助する。11月から消防や病院と連携して訓練を重ねた。  開始式で山口大の丸本卓哉学長が「県内の隅々まで高度な救急医療を提供し、成果を上げていきたい」と決意を語った。二井関成知事が「県民待望の安心できる医療体制が整った。空飛ぶ救命救急センターで県民の命を守りたい」とあいさつ。島田明県議会議長と久保田后子市長がお祝いの言葉を述べた。  岡正朗病院長が概要説明。関係者がテープカットした。この後、出動訓練や機体の見学、写真のパネル展示があり、出席者は興味深そうに見入っていた。 "[he-forum 16081] 日刊工業新聞1/24 日刊工業新聞2011年1月24日付 一橋大、北京・ソウル大と連携-教育の相乗効果狙う  一橋大学は中国・北京大学、韓国・ソウル大学の各ビジネススクールとの間で「BESTビジネス・スクール提携協定」を結んだ。世界のビジネス拠点として位置づけを高めている東アジア地域で、ビジネスの研究・教育で相乗効果を出す。これまで欧米のビジネススクールに目が向きがちだっただけに、時代を反映する象徴的な提携といえそうだ。  一橋大の大学院国際企業戦略研究科、北京大光華管理学院、ソウル大経営学部・経営専門大学院で提携協定を締結した。キャンパスがある各国首都の北京(Beijin)、ソウル(Seoul)、東京(Tokyo)からBESTと名付けた。  教育では交換留学や、2大学などの名前で学位が取れるダブルディグリーを計画。研究はビジネス・経営分野での書籍共同出版や、共同シンポジウム開催を予定している。事務や運営についての情報交換もする。 "[he-forum 16082] 中国新聞1/25 中国新聞2011年1月25日付 広島大の国交付金0・7%減  広島大(東広島市)は24日、大学予算の柱となる国の運営費交付金の2011年度予定額が268億6500万円で、本年度に比べ1億8700万円(0・7%)減ると発表した。浅原利正学長は定例記者会見で「教職員数の減少につながる」と懸念を示した。  国は法人化元年の04年度から、運営費交付金のうち教職員の人件費などに充てる教育研究経費の年1%程度の削減を継続。広島大の11年度の教育研究経費は231億4千万円で、本年度比で1億6千万円(0・7%)減となる。  経済的事情で授業料の支払いが困難な学生の授業料免除枠は5億6400万円で6200万円増。細胞療法の推進や発達障害についての研究など特定の事業に使う特別経費は11億2500万円で200万円増える。 "[he-forum 16083] 毎日新聞福井1/25 毎日新聞福井版2011年1月25日付 福井大:国の予算増額で授業料免除拡大  政府の11年度予算案で、福井大の関連予算は大幅な運営交付金の減額も危ぐされていたが、予算案での運営交付金は前年比1億4000万円増の総額97億8000万円となった。福田優学長は「信じられないほど良い結果。今後も社会に優れた人材を輩出する使命を全うしたい」と話した。  基礎的な教育研究活動費にあたる一般運営費交付金は5400万円減の81億9000万円だが、授業料免除枠は拡大される。新規事業は大阪大、浜松医大、金沢大、千葉大と協同して子どもの心の問題を研究する「子どものこころの発達研究センター」への参加▽高出力遠赤外光源「ジャイロトロン」の研究。【幸長由子】 "[he-forum 16084] 朝日新聞1/26 朝日新聞 2011年1月26日14時15分 3大学、一般教養相乗り 工芸繊維大・府立大・府立医大  国立京都工芸繊維大(左京区)と府立大(同)、府立医科大(上京 区)は25日、一般教養の授業に共同で取り組むことに合意した。20 14年度の開始をめざす。国立と公立の枠組みを超えた取り組みは珍し く、キャンパスが近い地の利を生かして学生の選択肢を広げるねらいが ある。  合意内容によると、府立大キャンパスに3大学が共同で利用する施設 を府が建設し、一般教養の授業や共同研究に合同で取り組む。各大学に ある既存の図書館や研究施設も相互に使えるようにする。  3大学は2006年、教育や研究で連携を図る協定を結び、学生の取 得単位の互換も進めてきた。府立大と府立医大の運営法人の神山(こう やま)俊昭・経営戦略室長は「3大学は小規模だが、個性や専門性があ る。枠を超えた連携で、総合大学に負けない質の高い教育を実現した い」と話す。  25日の調印式で、京都工繊大の江島義道学長は「他分野の学生同士 の交流で人格も高め合うことができる。さらに連携を進めたい」と語っ た。(渡辺秀行) "[he-forum 16085] 佐賀新聞1/26 佐賀新聞2011年1月26日付 佐賀大授業料減免を拡充 独自予算で169人救済  佐賀大学(佛淵孝夫学長)は本年度後期の授業料減免措置を拡充した。不況で学生の家庭の窮乏が深刻化。減免申請が前年より1割増え、国の予算枠だけでは対応できなくなり、大学として独自に2200万円の予算を組んだ。既存の枠組みで減免できなかった学部生と大学院生169人を新たに救済。全体では在学者の13%に当たる975人を減免した。  佐賀大の授業料は半期26万7900円。国の免除枠は授業料収入の6・3%で、後期分は総額1億2千万円弱だった。授業料減免は申請制で、保護者収入にアルバイト料や奨学金も勘案した総収入から必要経費などを引いて「総所得金額」を算出。その額からさらに、世帯人員数などに応じて定められている「収入基準額」を引いて家計を評価し、成績を加味して選定する。  佐賀大によると、本年度後期の免除申請は前年同期比91人増の1080人。法人化直後の2004年度前期と比べると42%も増えた。  これまでは、困窮度の高い順にまず半額免除し、予算に残額があれば全額免除に切り替えてきた。本年度後期は対象者が増えて半額免除さえ行き渡らず、全額免除が全くできない状態に陥った。  大学は運営費から約2200万円を捻出。半額免除だった82人を全額免除にし、不許可になっていた87人を半額免除にした。減免措置を受けたのは最終的に前年同期比86人増の975人(全額82人、半額893人)になった。  全額免除対象者の家計状況は、世帯年収が300万円未満で、ひとり親家庭の比率が高い傾向などがあるという。経済学部3年の女子(21)は両親が手がける店の経営が厳しく、週に3、4日バイトをして奨学金も受けているが、「免除制度がなければ大学に通えない」と話した。  佐賀大の瀬口昌洋理事は25日の会見で「厳しい経済状況が続いており、困窮する学生を支援していきたい」と語った。国は新年度、免除枠を授業料収入予定額の7・3%に拡充する方針。 "[he-forum 16086] 陸奥新報1/26 陸奥新報2011年1月26日付 弘大の経済効果は489億円/09年度  弘前大学(遠藤正彦学長)は25日、2009年度の県内への経済効果が489億円、弘前市への経済効果は県内の75・1%を占める367億円との試算を発表した。算出方法が前年度と異なるため比較できないものの、渡辺政美副学長は「市内での雇用誘発効果が6%を占め、企業契約も法人化当時に比べ2・2倍と伸びている」と立地効果を強調した。  弘大は10年度から波及効果の算出を財団法人青森地域社会研究所に委託。支出、教職員、学生の消費などから生じる経済波及効果を09年度データから推計、算出した。  発表によると、09年度収入決算額は409億3700万円(前年度比50億7400万円増)。支出決算額は399億9800万円(前年度比53億1300万円増)。収入増の要因は目的積立金取り崩しや病院収入増などによる自己収入。  09年度の県内への経済波及効果(一次・二次波及効果)は489億円。これは青森ねぶた祭の経済効果238億円(日本銀行青森支店試算結果より)の約2・1倍だった。  教職員や家族、学生が地域で消費することによる消費効果は265億円と最も多く、教育研究活動のために経費を投じることでの効果は101億円。  県内産業では不動産64億円、商業60億円、化学製品(医療品を含む)38億円などに生産誘発効果がもたらさ れているほか、付加価値誘発効果は276億円で県内総生産額の0・6%に相当。雇用誘発効果は、県内就業者数の1・0%に相当する6508人だった。  弘前市への波及は県内経済効果の75・1%となる367億円(一次波及効果のみで算出)。教職員・学生の消費は198億円、教育研究活動は72億円。雇用誘発効果は市内の就業者数の6・0%に相当する5618人だった。  支出決算額のうち、契約行為を伴う支出契約金の総計は法人化当初(04年度)の約2倍となる212億6200万円で、弘前市に本社がある事業所との支出契約金額は、総計の44・3%に当たる94億1600万円だった。 "[he-forum 16087] 共同通信1/25 共同通信2011年1月25日21時52分 九州大病院に是正勧告 医師ら時間外労働で、09年 「九大」の記事をお探しですか?最新関連記事が 100+ 件 あります。  九州大病院(福岡市東区)が医師らに労使協定の範囲を超える時間外労働をさせていたなどとして、2009年に同大学が、福岡東労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが25日、大学への取材で分かった。  九州大によると、勧告は09年5月26日付。同病院の医師ら数人に、労使協定で限度とした1カ月60時間を超える時間外労働をさせたことや、労働安全衛生法などで労基署への提出義務がある職員の健康診断の結果報告書を提出していなかったことなどを指摘された。  大学側は同年7月、同労基署に是正報告書を提出。しかし、10年2月にも、時間外労働の時間を正確に把握していなかったなどとして同労基署から指導を受けたという。  九州大人事課は「法令を順守するため、各職場で改善の努力をしている」としている。  九州大は04年と06年にも、事務職員らの超過勤務手当を支払わなかったなどとして、同労基署から是正勧告を受け、計約1300人分の未払い分の計約1億5千万円を支払っている。 "[he-forum 16088] 朝日新聞1/26 朝日新聞2011年1月26日付 大学側「試験に集中できぬ」 3年12月の就活開始批判  「就職活動で学生が試験に集中できなくなる」。企業の採用活動の開始時期について、日本経団連が大学3年の12月以降にするよう提案したことに、大学側からこんな批判がでている。経団連は3年秋より遅らせる考えだが、冬は大学内の試験シーズン。大学団体は採用活動の開始を翌春以降にするよう求め、近く声明を出す予定だ。  企業の採用活動は現在、大学3年の10月ごろ開始。就活で学生が授業に出られないなどの問題が指摘され、経団連は会社説明会などを12月1日以降にするよう企業に求めると決めた。しかし、採用活動が本格化する時期が大学の試験が集中する1、2月とぶつかる可能性があり、大学関係者は「就活を優先して試験を受けられず、単位を落とすこともありえる」と指摘。「大学3年が終わるまでは学業に専念させるべきだ」として、国立大学協会は大学4年が始まる4月以降に、日本私立大学団体連合会は春休みに入る3月以降に採用活動の開始時期を遅らせるよう、経済界側に求める方針だ。  中央大の永井和之総長は「経済界は大学内の事情も考慮してほしい」とし、名古屋大の浜口道成総長も「人間として成長する時期にあてるためにも、採用時期は遅らせるべきだ」と話している。 "[he-forum 16089] 共同通信1/26 共同通信2011年1月26日2時5分 法科大学院重点8校、改善進まず 中教審特別委が報告案  中央教育審議会の法科大学院特別委員会は25日、教育内容や学生の質確保などについて「重点的な改善が必要」と昨年指摘した法科大学院13校のうち、8校は「改善の取り組みが進んでいない」とする調査報告案をまとめた。「改善の取り組みを相当実施した」と評価したのは東洋大1校にとどまり、4校は「一定程度実施した」と認定した。  報告案は26日、特別委作業部会の審議を経て、同日の特別委で正式提示する。  文部科学省はこれらの状況や、司法試験の合格状況などを踏まえ、低迷を続ける法科大学院の補助金を早ければ2012年度から削減し、乱立する法科大学院の再編・統合を促したい考えだ。  調査は、撤退を決めた姫路独協大を除く全73校のうち、昨年1月に「重点改善校」と指定した13校と「継続的な改善」を求めた12校などをあらためて対象にした。  重点改善校のうち、取り組みが進んでいないとされた8校は、東北学院、大東文化、東海、静岡、愛知学院、大阪学院、神戸学院、久留米の各校。いずれも10年度入試の競争倍率が2倍未満で、昨年の新司法試験合格率も全国平均(25・4%)を大きく下回った。 "[he-forum 16090] 日本経済新聞1/27 日本経済新聞2011年1月27日付 東北大「技術向上に協力」 宮城県と企業育成で協定  東北大学と宮城県は26日、県内製造業の技術支援に関する連携協定を正式に締結した。井上明久総長は締結式で、宮城をはじめ東北で自動車や半導体製造装置、航空機関連の企業進出が相次ぐ現状を歓迎。「グローバル企業が求める技術水準は高い。大学の研究や技術を生かし、地域企業の技術向上や地域振興に協力したい」と語った。  具体的には、宮城の産学官でつくる企業支援組織、KCみやぎ推進ネットワークに東北大が新たに参加。企業から同ネットに届く技術相談や開発相談に応じるなどする。  東北大は従来も学内の産学連携推進組織などを通じて地元企業と共同研究をしたり、県と情報交換をしたりしていた。式で村井嘉浩知事は「(東北大が協力を活発にすれば)企業の研究開発力などが一層向上すると期待している」と話した。 "[he-forum 16091] 大分合同新聞1/28 大分合同新聞2011年1月28日付 “医師の卵”確保 大分大と県、試行錯誤  県知事のトップセールス、教育環境の充実、手当の増額―。2004年度の新臨床研修制度の導入以降、地方圏の医師不足に拍車が掛かっており、大分大学医学部は「医師をめぐる地域間競争の時代だ」と言い切る。同大学と県は“あの手この手”を繰り出しながら、将来の地域医療を担う人材確保に懸命だ。  「大分はプロスポーツが盛んで、美しい自然にも恵まれている。行政としてもさまざまな形で医師の育成を応援している。ぜひ県内に定着してほしい」  今月14日、由布市挾間町の大分大医学部講堂。約250人の医学生を前に、広瀬勝貞知事は熱弁を振るって大分を強力にPR。医師の卵に向けたトップセールスは1時間以上に及んだ。  新臨床研修制度に伴って学生が研修先を自由に選べるようになり、都市部や症例が豊富な民間病院に希望が集中。研修後もそのまま都市部などにとどまるケースが多い。大分大医学部付属病院卒後臨床研修センターは「大学間と地域間、そして大学病院と民間病院の間で争奪戦が激しさを増している」とする。  大分大は昨年4月、内視鏡手術や救急救命シミュレーションを体験できる機器を備えた専門施設を新設、医療スキルの腕を磨く教育環境を内外にアピールする。福利厚生でも、新年度から研修医に最大2・7万円の住居手当を給付する方針という。  この他に、民放アナウンサーが学生に方言を紹介する「大分弁講座」や、大分をPRする県職員による出前授業も。試行錯誤を繰り返し、研修医確保の妙案を模索する。  同大学によると、医学部生の3分の2は県外出身。「卒業後も大分に残り、地域医療に携わる人材を確保するには、医療技術の習得や福利厚生の環境整備だけでなく、大分に親しみを感じてもらうことが大事」とセンター担当者は話した。 <ポイント>県内の医療事情  厚生労働省が2010年初めて実施した「必要医師数実態調査」によると、県内の医療機関が必要と考えている「必要医師数」は、現在の医師数の1・26倍で、全国で5番目に高い。県医療政策課によると、無医地区は40カ所(09年10月末現在)で全国ワースト4位。医師の半数が大分、別府両市に集中し、県内でも「医療格差」は拡大傾向にある。 "[he-forum 16092] 河北新報1/28 河北新報2011年1月28日付 東北大総長と企業経営者が意見交換会 産学連携進展に期待  東北大は27日、製造業など地元企業との連携強化に向け、井上明久総長が宮城県内の経営者と語り合う「地域企業との意見交換会」を始めた。仙台市青葉区のホテルメトロポリタン仙台であった初会合で、経営者側は産学連携の進展に期待を寄せた。  経営者側からは川田正興みやぎ工業会会長をはじめ製造業、医療、情報通信などの分野の経営者13人が参加。大学側は幹部8人が出席した。  井上総長は冒頭のあいさつで「自動車、半導体、航空機の関連企業が宮城県内に進出し、地元企業に取引の可能性が広がっている。地元との産学連携に向けて率直な意見を交わしたい」と述べた。  これに対して経営者側は「地元企業が連携したくても大学側の敷居が高い」「次世代の経営者を育てるため、学生に企業家精神を醸成してほしい」などと要望した。  ソフトウエア開発、トライポッドワークス(仙台市)の佐々木賢一社長は「情報技術分野では東北大と地元企業との産学連携が始まっている。こうした成功例を広くアピールし、新たな挑戦を増やすことが大切だ」と指摘した。 "[he-forum 16093] 毎日新聞1/21 毎日新聞2011年1月21日付 北海道・旭川医大:教授ら全医師に手当、支給枠を拡大--診療報酬増収分  旭川医大(北海道旭川市)は20日、今年度の診療報酬改定による増収分を原資に、同大病院で診療に従事する教授らに特別手当を支給すると発表した。私大や民間病院との給与格差を緩和し、人材確保を図るのが狙い。昨年10月には研修医や若手医師への特別手当を新設しており、全医師が収入増となる。国立大学病院で初めての試みという。  同大によると、215人が対象。教授=月額最大6万円▽准教授=同5万円▽講師=同4万5000円▽助教=4万円--を今月分から6、12月の年2回に分けて支給。直接診療にかかわらない基礎医学や看護学などの教授にも同3万円を支給する。年間の増収見込み数億円のうち約1億円を充てる。  新卒医師の臨床研修が04年度に義務化されて以降、大都市に医師が集中し、地方の医師不足が深刻化。今年度の診療報酬は勤務医の待遇改善を目的に10年ぶりに引き上げられたが、勤務医に直接配分されず、病院が人件費より赤字補填(ほてん)を優先させる場合が多い。  同大の吉田晃敏学長は「地域医療を支える現場の医師が少しでも報われるようにした。こうした動きが全国に広がってほしい」と話している。【横田信行】 "[he-forum 16094] 時事通信1/31 時事通信2011年1月31日18時29分 ネット情報、賛否一覧に=「信頼性判断」に一役-NECと国立大  NECと東北大、奈良先端科学技術大学院大、横浜国立大は、インターネット上の特定の情報に対する賛否や意見のポイントなどを整理して表示するウェブサイトを共同開発し、31日から一般公開を始めた。ネット上の大量の情報の中から、素早く代表的な意見にたどり着ける。  サイトは「情報信頼性判断支援システム」。「バナナダイエットは効果がある」「南極の氷は減っている」など50余りの話題について、ネット上の無数の情報を整理。賛成・反対意見とその比率、対立点の解説、ここ数年の意見の変化をまとめたグラフが表示される。  当面はサイト側が用意した話題を表示するが、2月中旬からは、利用者が知りたい話題を自分で入力して探せるフリーワード検索も始まる。 "[he-forum 16095] NHKニュース1/29 NHKニュース2011年1月29日11時50分 奨学金滞納受け返済猶予制度  厳しい経済状況を背景に奨学金を滞納している人が過去最多の33万人に上っていることなどを受けて、奨学金を貸し出している「日本学生支援機構」は、返還期間を倍に延ばして月々の返還額を減らすことができる新たな制度を今月から始めることになりました。  奨学金を貸し出している「日本学生支援機構」によりますと、厳しい経済状況を背景に、去年3月の時点で奨学金の返還が滞っている人は33万6000人と過去最多となっていて、未返還額は797億円に上っているということです。こうした事態を受けて、機構では月々の返還の負担を軽くするための新たな制度を今月から始めることになりました。新しい制度は給与所得が300万円以下の人などが対象で、申請が認められると、返還する総額は変わりませんが、返済期間を2倍に延ばす一方で、月々の返還額を半分にできます。日本学生支援機構奨学総務課の宗清一郎課長は「今後も返還しやすい制度作りを検討するとともに、返還できるのに返していない人に対しては法的措置を取るなど、厳正に対処したい」と話しています。 "[he-forum 16096] 佐賀新聞1/31 佐賀新聞2011年1月31日付 「多文化共生」支え10周年 佐賀大留学生センター  佐賀大学留学生センターの設立10周年記念式典が29日、佐賀市の本庄キャンパスで開かれた。約100人が出席して節目を祝い、留学支援の充実に加え、定住外国人を対象にした日本語教育支援など「多文化共生」に向けた新たな方向性を考えた。  留学生センターは2000年4月に設立。専任教員が留学生の日本語教育や生活相談を担い、留学を希望する日本人学生向けに英語教育も実施。この10年で海外から延べ3283人を受け入れ、日本人学生355人の留学を支援した。  式典では、国立国語研究所上級研究員の野山広准教授が講演。受け入れ留学生数を現在の約3倍の30万人に引き上げる国の計画を踏まえ、eラーニングを活用した来日前の日本語教育をはじめ、奨学金制度の拡充、産学官が連携した就職支援の必要性を指摘した。  さらに、全国的に増加傾向にある定住外国人とその子どもたちを対象にした地域貢献策を提言。「大学内に収まるのではなく、自治体と組んで日本語学習支援を仕掛けていくことは可能」とした。浜松学院大などの実践例を示し、教育や生活相談にかかわる地域コーディネーターを養成する新たな機能も提案した。  佐賀大は今秋の国際交流センター(仮称)の設置など、留学生センターの11年度以降の発展的改組を検討している。佛淵孝夫学長と柳田晃良センター長は式典で「地域とも連携しながら質の高い教育研究を推し進め、世界を舞台に活躍する人材を育成したい」などとあいさつした。 "[he-forum 16097] 読売新聞2/2 読売新聞2011年2月2日付 「就職支援」で大学評価する20代 49.9%  若年者と中高年者とでは、大学観に大きな隔たりがある――博報堂が昨年9月、首都圏と関西圏で18~69歳の男女を対象に調査、このうち、大学・短大卒または在学者ら2001人の回答を分析したところ、そんな結果が出た。  それによると、大学を評価する際に重視する点として、20歳代は「進路・就職支援の面倒見がよい」が49.9%、「社会で直接役立つ実学が学生の身につく」が38.9%あったのに対し、50~60歳代では低迷。逆に、「研究力の高い分野がある」は50歳代44.7%、60歳代47.9%に対し、20歳代は33.9%だった。  また、最近の大学生について「就職活動への意識が強く、本来の勉強が不足」とした50歳代は45.8%、60歳代52.8%にのぼったが、20歳代では27.4%にとどまった。  50~60歳代がキャンパスで過ごした1960~70年代は、大学がまだ「学問の府」として威信があった時代。今の大学が「就職予備校」に見えてしまうのも、もっともだろう。(石塚公康) "[he-forum 16098] しんぶん赤旗2/1 しんぶん赤旗2011年2月1日付 安心して学べる環境を 全学連 学費軽減求め署名提出  全日本学生自治会総連合(全学連)は31日、学費の負担軽減、高等教育予算増額をもとめる署名約3500人分と、2011年度の国立大学運営費交付金・私立大学等経常費補助の増額をもとめる一言カード約1500人分を国会に提出しました。  全学連の代表らは、紹介議員となった日本共産党の宮本岳志衆院議員へ署名と一言カードを渡し、懇談しました。  全学連の小山農委員長は、▽就職活動(就活)にかかる交通費や宿泊費の軽減▽日本学生支援機構の奨学金の返済猶予を5年間に限定せずに年収を考慮するなどの柔軟な猶予制度にすること▽留年した場合でも家計所得を基準に奨学金の受給が継続できるようにすること―が求められていると強調。「大学予算や就職難の問題で運動が盛り上がり、大学関係者や経済界にも考えなければならない雰囲気がある。学生も運動を続け、予算増額や就職難解決のためにがんばりたい」と話しました。  福田耕書記長は、利子を減らすために、ボーナスを全額奨学金返済にあてている男性の声や、3人の子どものうち2人が奨学金を利用し、5年間の猶予をすぎても返済できる状態にないと心配する親の声を紹介。返済の必要のない給付制の奨学金制度の必要性を強調しました。  宮本議員は就職難解決、学費の負担軽減にむけ力を合わせてがんばりたい、と話しました。 "[he-forum 16099] 中日新聞2/1 中日新聞2011年2月1日付 名古屋大と名古屋銀が産学連携推進へ 協定締結  名古屋大(名古屋市千種区)と名古屋銀行(中区)は、産学連携を推進する目的の協定を結んだ。  名古屋銀行が仲介役を務め、名大が地元の中小企業に研究成果を提供する。名古屋銀行が国立大と産学連携協定を結ぶのは初めて。  締結の式典は名大であり、名大の宮田隆司理事(産学官連携推進本部長)と名古屋銀行の簗瀬悠紀夫頭取が協定書を取り交わした。  宮田理事は「パイプ役の名古屋銀行に期待している」と、簗瀬頭取は「さらに地域経済の発展に寄与していきたい」と話した。 "[he-forum 16100] 読売新聞2/2(2) 読売新聞2011年2月2日付 NECと東北大など、ウェブ上の情報整理技術開発  NEC、東北大学、奈良先端科学技術大学院大学(奈良先端大)、横浜国立大学(横浜国大)は2011年1月31日、情報通信研究機構(NICT)情報信頼性プロジェクトの協力を得て、インターネット上の大量な情報を分析・整理して信頼性判断を支援する技術を開発、試験公開を開始した。  本成果の一部は、NICT の委託研究「電気通信サービスにおける情報信憑性検証技術に関する研究開発」によるもの。  今回開発した技術は、利用者が気になる意見を入力すると、関連するネット上の大量のテキスト情報を分析・整理し、その信頼性や有用性判断の裏付けとなるよう、賛否やその根拠となる意見、意見の対立点の解説、人々の意見に影響を与えた出来事を提示するもの。 時系列分析技術 イメージ 東北大・奈良先端大は、意見の論理的な裏付けを分析・可視化する「言論マップ化技術」を開発。利用者が入力した気になる意見に関して、Web 上の他の人々の賛否、根拠を論じた意見など、論理的に関係のある情報を1億以上の Web ページから分析し、それらの関係を「言論マップ」として可視化することで、論理的な観点から気になる意見の裏付けとして利用できるような情報を提示する。  横浜国大は、重要な意見間の対立点の読み解き方を解説する「整理・要約技術」を開発。1億以上の Web ページから重要な意見を抽出して、言論マップ化技術と組み合わせ、重要な意見間の対立点をどのように理解したら良いか整理して、読み解き方を解説した要約レポートを提示する。  NEC は、意見の変化の傾向や変化の要因を分析する「時系列分析技術」を開発し、全てのの要素技術を統合する。気になる意見に対する他の人々の意見の変化を時系列に分析し、意見の変遷と意見が変わった要因を提示し、また全ての要素技術を統合して、信頼性判断を支援するシステムを開発した。  なお、本技術の実現にあたって、NICT が独自に収集・インデックス付与している1億以上の日本語 Web ページを、実験開発用データおよび、分析対象文書として活用している。 "[he-forum 16101] 毎日新聞2/1 毎日新聞2011年2月1日付 基礎科学:投資、国の発展に不可欠 研究の多様性保つ資金配分を  来年度予算案で科学技術分野への投資が増額され、科学振興への期待が高まっている半面、若手研究者の減少や国際競争力の低下など課題もなお多い。日本学術会議で基礎科学分野の分科会を取りまとめる広川信隆・東京大特任教授と黒岩常祥・立教大特任教授に、基礎科学が直面する課題と打開策を聞いた。【聞き手は青野由利・毎日新聞論説委員、まとめ・永山悦子】=文中敬称略  ◇若手研究者の生活保障を--広川信隆・東京大特任教授  ◇国費減り、研究環境が劣化--黒岩常祥・立教大特任教授  --お二人は、基礎科学の対象を、どのようにとらえていますか。  広川 自然や宇宙、生命などの仕組みを明らかにし、知を創造するのが基礎科学、直接社会に役立つ成果を目指すのが応用科学です。  黒岩 今ある応用科学は、基本的に基礎科学の発展の上に成り立っているということを忘れてはいけません。  --最近、若手の研究者が減っているというデータが出されていますが、基礎科学にどんな影響を与えていますか。  広川 学生の基礎科学への関心は明らかに低くなり、応用志向が高まっています。全国の医学部卒業生で基礎医学の研究を志す人が、1980年代をピークに激減しています。  黒岩 理学も同じ状況です。修士課程まで進む学生はいますが、多くの大学院の博士課程が定員に満たない状況です。さらに、国から国立大に入る基盤的経費「運営費交付金」がこの10年減り続け、教員1人あたりの研究費が年10万円というケースも出ています。大学院に進んでも薬品も買ってもらえず、修士課程に進むと就職活動が大変で、研究に没頭する期間は半年しかない。まともな研究環境がないことが、悪循環の一因です。国が破綻しては基礎も応用もありませんが、大学など教育・研究の現場がないがしろにされたままでは、将来の日本の国力が衰退してしまいます。  ■任期制見直しも  --そのために何が必要でしょうか。  黒岩 現状では、博士号を取っても、任期付きのポストしかありません。2~3年雇われても、すぐに次の職探し、という繰り返し。任期制が若手研究者の精神をかなり圧迫しており、私は任期制ではない助教のポストを増やすとともに、3~5年という任期は倍に延ばすべきだと考えています。  広川 若手研究者の生活保障は本当に大切です。基礎科学離れの背景には、研究者を目指す若手に対する経済的支援の貧困さがあります。たとえば医学部を卒業し、臨床研修を受け、大学院へ入ると26歳。大学院は無給で、授業料も払わねばなりません。米国には、医学部出身の研究者を育てるプログラムがあり、全米で約900人が年3万5000ドル(約290万円)の支援を受けています。同様の取り組みは韓国にもあります。優秀な人材を研究者にしよう、という国の姿勢が明確です。  --第4期科学技術基本計画が来年度から始まります。ライフサイエンスやグリーン(環境)分野を柱に据えつつ、解決すべき重要課題に取り組むとの内容ですが、計画をどう見ていますか。  広川 日本の高等教育への公的支出は、対GDP(国内総生産)比でみると先進国最低の0・5%です。まずこれを抜本的に改善することが求められます。重要課題解決のための研究とともに、基礎科学を「車の両輪」と明記し、20年までの政府の研究開発投資を対GDP比1%にすると目標に掲げた点は評価しますが、投入する資金のバランスが問題です。基礎科学への配分は、従来少なすぎました。重要課題を決定する過程の透明性確保も必須です。  ■真摯な努力必要  --来年度予算案では、科学技術への支出が増え、運営費交付金は下げ止まるなど、政府は科学技術に前向きの予算と説明しています。一方、日本の財政状況は厳しい。社会全体を見渡した上で、基礎科学への投資をどうすべきですか。  広川 日本の発展には、科学技術創造立国を推進するしかありません。その基盤となる基礎科学への投資は極めて優先順位が高いといえます。科学技術の発展なくして、社会保障の充実もないと考えるからです。先進国では、大学など高等教育への公的支出が高い国に北欧各国が並びます。北欧は社会保障の充実でも有名で、この事実は示唆に富んでいます。  黒岩 日本の科学者は約84万人と推計されますが、毎年の科学研究費補助金(科研費)の申請者は約10万人です。残り74万人の新たな挑戦を支援するため、1件あたりの額は少なくても採択率が高いものを科研費に作ってはどうでしょうか。いい研究は多様な中から生まれる例が圧倒的です。多様性を保つ研究に資金を配分することが必要でしょう。  「研究分野で日本が中国に抜かれた」と話題になっています。中国は急速に発展し、市内を走るのは自転車から外車に変わり、何もなかった知人の研究室には最新の研究機器が並んでいました。しかし15年前と変わっていないことがあります。自習室で真摯(しんし)に猛勉強する学生たちの姿です。そういった姿勢を日本の若手研究者が持てるよう政府もぜひ支援してほしいと思います。 ==============  ■人物略歴  ◇ひろかわ・のぶたか  71年東京大医学部卒、78年医学博士号取得。東京大助手、米ワシントン大医学部准教授、東京大医学部教授など経て09年から現職。日本学士院会員。細胞内で物質の運び屋となるたんぱく質群を発見。記憶力や「心臓は左」といった体の形成などを担うことを突き止めた。上原賞、武田医学賞、日本学士院賞など受賞。64歳。 ==============  ■人物略歴  ◇くろいわ・つねよし  66年東京都立大理学部卒。71年東京大大学院博士課程修了。岡山大助教授、基礎生物学研究所教授、東京大教授など経て、03年立教大理学部教授。07年から現職。日本学士院会員。細胞増殖の基本となるミトコンドリアと葉緑体の分裂、遺伝の仕組みを発見した。紫綬褒章、米国植物科学会賞、日本学士院賞などを受けた。69歳。 "[he-forum 16102] 中日新聞2/2 中日新聞2011年2月2日付 薬・工学研究で大学院 名市大と名工大が共同設立へ  薬学部を持つ名古屋市立大と、国立名古屋工業大は、薬学と工学の研究を一体的に進める共同大学院を2013年度にも新設することを決めた。薬工連携の共同大学院は全国初。がんや糖尿病の新薬開発、効果的な治療法の研究が進むことが期待される。  新大学院の名称は「共同創薬マテリアル科学専攻(仮称)」。名市大によると、キャンパスは名古屋市昭和区の名工大と同市瑞穂区の名市大薬学部の両方活用。1学年20人規模で修士の学位は両大学連名で授与する。  12年6月に文部科学省に設置を申請。2年間の修士課程を設け、15年度にも博士課程を増設する方針。薬学分野で求められる工学知識を持つ研究者を養成する。工学研究者が薬品や食品、化粧品分野に参入するきっかけにもなる。  工学の技術を生かして10億分の1(ナノ)メートル単位の極小粒子を作って、がん細胞など特定の部位に電気や磁力で薬を誘導し副作用を減らしたり、これまで無理だった体内組織に薬品を入り込ませるなど、工学と薬学が融合した研究に取り組む。  名市大は医学部や付属病院があり、研究が臨床に結びつきやすい利点も。両大学は07年12月に連携協定を締結し、創薬研究で協力を続けてきた。  名市大の水上元・薬学研究科長は「欧米より遅れている薬学の飛躍につなげたい。アルツハイマーやがん、糖尿病などの特効薬が開発されると期待している」と話した。名工大の増田秀樹副学長は「工学、薬学の融合で新しい科学をつくっていきたい」と話している。 "[he-forum 16103] 読売新聞岐阜2/2 読売新聞岐阜版2011年2月2日付 救命率向上へ、岐阜大が新システム開発  岐阜大学は1日、患者の病歴などの医療情報を記録させた「メディカカード」(IC患者カード)と救急車内の携帯端末を活用し、救急救命率向上を目指す「緊急医療情報システム(GEMITS)」の開発成果発表会を同大で開いた。救急患者のたらい回し防止などが目的で、2011年度から県内で一部実用化を目指す。(倉橋章)  GEMITSでは、病院が発行したカードに記録された患者の血液型や病歴などの情報を救急隊員が携帯端末で読み取り、現在の症状と合わせて統合センターに送信。センターは、医療スタッフや設備などの病院情報収集システムと突き合わせて最適な病院を選択し、救急車に連絡する仕組みだ。  発表会は、脳梗塞の救急患者をGEMITSを利用して救急車で病院に搬送する想定で実施した。救急隊員が携帯端末を使って患者の症状などを打ち込み、センターに送信すると、瞬時に最適な搬送先3件が表示され、搬送時間8分と最も近い岐阜大病院に搬送した。  開発責任者の小倉真治・岐阜大教授(救急医療)は「救急搬送にかかる時間が10分短縮できる。患者は最適な病院で専門医に診てもらうため、確実に救命率は上がる」と説明、「システムはまだ一里塚。来年度中に一部実用化を図りたい」と話した。  システム開発は、09年度から4年間の予定で国が同大に委託した「車載ITを活用した緊急医療体制の構築」事業。予算は約7億円。同大と民間企業など10社・機関がメンバーとして開発を進めている。  今のところ、県内の9病院がシステムに加盟し、4消防本部で救急車に携帯端末を搭載している。今後、県内の全救急車に携帯端末を搭載し、加盟する病院数を増やしていく。 "[he-forum 16104] 時事通信1/31(2) 時事通信2011年1月31日22時29分 「キャリア教育」で中教審答申=幼稚園から大学まで実施を  中央教育審議会は31日、幼稚園から大学までの各段階に応じ、職業を持ち自立するために必要な力を育む「キャリア教育」に取り組むよう高木義明文部科学相に答申した。  中教審は、幼稚園段階で地域で働く人との交流から始め、高校では将来の希望に沿った職業体験につなげるよう提言。大学は学科ごとに、どんな人材を育成するか明確にすることを要求した。企業と連携し職業教育に重点的に取り組む、新たな学校の創設の検討も求めた。  中教審はまた、国際競争力を維持するため、大学院博士課程の教育が重要だと強調。5年間を通じて高度な専門知識を付けるだけでなく、複数の分野を幅広く学べる仕組みを確立するよう答申した。 "[he-forum 16105] 朝日新聞宮城2/4 朝日新聞宮城版2011年2月4日付 県内病院で働いたら奨学金返済免除 東北大医学部生対象  貸し付けたお金は、県内の病院で働いてくれれば返済不要です――。県は地域医療の医師不足を解消しようと、東北大学医学部の学生を対象に新たな奨学金制度を始めた。貴重な「医師の卵」の県外流出を防ぐのが狙いだ。  「奨学金制度に応募して頂き、両親を楽にさせてあげると同時に、県のためにも皆さんのためにもプラスにしてほしい」  仙台市青葉区の東北大医学部で先月13日に開かれた「県地域医療セミナー」。村井嘉浩知事が、今年度から創設した県の奨学金制度への応募を呼びかけた。2年生約100人が集まり、耳を傾けた。  医師不足は県内でも深刻だ。厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」(2008年)によると、人口10万人当たりの医師数は全国平均で224.5人だが、宮城は218.2人で全国27番目。仙台市は324.7人だが、仙台市以外は登米101.4人、気仙沼121.8人、仙南(白石市、角田市など)131.2人と軒並み低い。  地域の医師不足を解消しようと、県は2005年度、医学部生を対象にした奨学金「修学資金貸付」制度を開始。月額20万円の貸し付けが受けられ、貸付期間と同じ期間、地域の中核病院など「県指定の病院」に勤務すれば、資金の返還が全額免除される制度だ。これまで60人に貸し付けた。  今年度からは新たに「東北大枠」を拡充した。貸し付けは月額10万円。東北大病院の初期・後期研修や東北大大学院医学系研究科の在学期間も、2年間を限度に「県指定の病院」勤務の期間にあてることができ、大学での研究などに没頭できる。  東北大の山本雅之・医学部長は「地域医療に貢献でき、医者として最先端の研究もできる設定で、全国でもユニークな制度。それほど厳しい条件があるわけでもない」と評価する。  奨学金制度を利用し、東北大を昨年卒業した大崎市民病院の辻薫菜子医師は、「初めは親の仕送りとアルバイトで過ごしていたが、奨学金で経済的に自立でき、時間的な余裕ができた」と話す。  県が昨年6月、県内の病院や診療所に実施した「必要医師数実態調査」によると、医師不足の背景としてあがったのは「求人医師の絶対数不足」が44%で最多だった。「勤務条件と医師の希望の不一致」(22%)、「病院の立地条件の不利さ」(22%)が続いている。(上田学) "[he-forum 16106] 日刊工業新聞2/4 日刊工業新聞2011年2月4日付 文科省、産学連携と地域連携の担当部署を4月に統合  文部科学省は4月に、産学連携と地域連携で分かれていた担当部署を統合し、「産業連携・地域支援課」(仮称)を設置する。これまで旧文部省系の大学支援と、旧科学技術庁系の地域科学技術振興で担当局も分かれていた。しかしここ数年、イノベーション創出に向けて大学を中心に両部署が連携するケースが増えたことから、相乗効果を十分に出せるよう再編する。  統合の一方は、旧科技庁系の事業を多く抱える科学技術・学術政策局で、基礎科学を地域活性化につなげる役割を持つ「基盤政策課地域科学技術振興室」だ。  政府の事業仕分けで、文科省が地域支援をする意味が問われ、地域の大学を中心とする活動強化が課題だった。新たな課の人員は20人程度。同局内に置かれることから、大学関係者と同局の距離が縮む効果も期待できそうだ。 "[he-forum 16107] 共同通信2/4 共同通信2011年2月4日11時16分 4教職大学院に改善を要請 定員割れなど、文科省  文部科学省は4日、設置を認可した大学や教職大学院などの運営状況を調べた2010年度の設置計画履行状況等調査の結果を発表した。  開設3年目の教職大学院は調査対象23校のうち4校に改善を求める留意事項がついた。  このうち北海道教育大と聖徳大は、入学者が定員割れしている状況を改善するよう指摘。山形大には履修登録単位数の上限を定めるよう求め、宮城教育大は教育委員会との連携が不十分とした。  一般の大学、大学院、短大は延べ564校で専任教員不足や定員超過などの改善点を挙げた。10年度から学部の全キャンパスで学生募集を停止したLEC東京リーガルマインド大には「最後の学生が卒業するまで教育課程、教員組織、施設設備などの維持向上に努めること」とした。  法科大学院は調査対象6校のうち、愛知学院大にだけ組織的な授業改善に努めるよう求めた。 "[he-forum 16108] 朝日新聞群馬2/5 朝日新聞群馬版2011年2月5日付 群大医学部、医学科の定員6人増 地域医療枠も拡大  群馬大学医学部は来年度の医学科の定員を6人増やし、123人にする。文部科学省が地域の医師不足解消のため、緊急的に定員増を認めるもので、3年連続となる。県の奨学金を受ける代わりに県内で10年間勤めることを義務づける「地域医療枠」も拡大し、県内の医師を確保する。  同科の定員は100人を保ってきたが、2009年に10人、2010年にはさらに7人増員した。来年度には全国23大学で定員を増やすが、6人は杏林大とともに全国最多となる。  定員増の背景には深刻な医師不足がある。厚生労働省が昨年実施した調査によると、全国平均では現在の1.14倍の医師が必要とされるが、県内はそれを上回り1.19倍が必要とされ、469.1人足りないとされる。  一般的な入院が必要な医療を行う二次保健医療圏の圏別で見ると、吾妻が1.53倍、桐生と富岡が1.29倍と医師不足が目立つ。  館林厚生病院や東吾妻町の原町赤十字病院では小児科と産婦人科の常勤医師が不在の状態が続いている。県は教育の質を維持できる限りでの定員増を群馬大に求め、今回の定員増につながったという。  「地域医療枠」の今年度入学者数は17人。県は11年度当初予算案で、18人分の7707万円を計上した。  同枠は09年度から設けていて、入学試験の成績順に希望者は振り分けられる。県から奨学金として入学金28万2千円と月15万円を6年間受け取れる代わりに、卒業後、県内の公立病院や臨床試験の指定を受けている病院で10年間働くことが義務づけられている。  県医師確保対策室によると、群馬大卒の医師の約半数が、県内の高校から群馬大医学部に進学した場合は約9割が、県内に残っているという。このため、「定員を増やすことにより、県内の医師確保に結びつくのでは」と期待を寄せている。 "[he-forum 16109] 朝日新聞富山2/7 朝日新聞富山版2011年2月7日付 【西頭 徳三さん】 国立大の改革 法人化の意義理解を 私は40年間の大学勤務のうち、幸い最後の8年間を故郷で過ごすことができた。この間に、わが国の三大教育改革のひとつ、「国立大学の法人化」の具体化作業に関わった。また、全国で初めてと言われる、県内の三つの国立大学の再編・統合に直接参画する機会を得た。 国立大学の法人化は、それまでの二つの教育改革である、明治5(1872)年の「学制発布」と昭和24(1949)年の「新制国立大学の発足」と比べて大きく異なる。明治の教育改革では富国強兵策を推進するため、欧州の大学制度を導入した。戦後の教育改革でも、廃虚からの経済復興を目指して、アメリカ・モデルが直輸入された。 いずれの教育改革も、国の目標が明確で国民に分かりやすく、しかも改革の手本が海外にあった。改革のための環境条件が整っていた。 ところが、平成の教育改革は、状況が全く異なる。国立大学の法人化の議論は1997年の「行政改革会議(最終報告)」に始まる。その後の検討で目指された方向を、私なりに要約すると次の4点になる。(1)国立大学の国際競争力を高め、地域の発展に貢献できるようにする(2)競争原理を導入し、第三者評価に基づき資源(予算)配分をする(3)社会(納税者)への説明責任を果たす(4)経営責任を明確にし、戦略的な大学運営をする――。 法人化は第1期6年(2004~2009年)を終えたばかりだ。改革の成果を云々(うん・ぬん)する段階ではないが、地方国立大学の立場から「気づき」を二点のみ述べる。 第一に、失われた20年と言われ、長期不況からの脱出口が見いだせず、海外に適切な手本もない中で、法人化の制度設計が行われたことを評価したい。 第二に、法人化の重要な目的のひとつに、地方国立大学と地域との関わり方の是正があったと思う。少子高齢化で地域社会が崩壊しつつあるからだ。法人化のメリットを最大限に生かして、地域を直視し、特に人材育成面で研究成果を還元すべきだと思う。将来、「教育の軽視」は地方大学の存亡につながるだろう。その意味で、法人化の意義や内容が大学関係者をはじめ一般に十分理解されていないとも思う。 個々の大学が21世紀で世界に伍(ご)してしていけるかどうかは、真の意識改革、現状の直視、そして大学構成員のエネルギーの注入のあり方に懸かっている。 最後に、7年間にわたりお付き合い下さった読者の皆様に、厚くお礼を申し上げたい。 "[he-forum 16110] 朝日新聞香川2/8 朝日新聞香川版2011年2月8日付 大学生対象の奨学金 県独自に創設へ  若者の勉学を支援しようと、浜田恵造知事は7日の定例会見で、大学生を対象にした県独自の奨学金制度を新年度以降に創設する考えを明らかにした。2月定例県議会に関連条例案を提案する。浜田知事は「奨学金を受けた若者が香川で就職した場合は減免措置も検討する」と述べ、若者の県外流出を防ぐ狙いも示した。(飯島健太)  奨学金の詳しい内容は明らかにされていないが、県民の子育て支援を視野に入れており、支給対象は県出身の大学生を中心に検討が進められている。県は新年度の当初予算案に制度開始のための準備費を計上する方針で、詰めの協議を進めている。  現在、県は高校生の経済的な支援をするため、月額で公立は上限1万8千円~2万3千円、私立は上限3万~3万5千円の奨学金を無利子で貸し付けている。大学生を対象にした独自支援は医療系を除き行われていない。  奨学金制度の創設は、昨年の知事選で挙げた公約のひとつで、浜田知事は「子育て支援や雇用の拡大によって、元気のある香川作りにつながってくる」とも述べた。     ◇  浜田知事は2月定例県議会を18日に招集する。2011年度当初予算案など30件余りの議案を提案する。焦点の景気対策について、浜田知事は「中小企業の設備投資がもっと拡大できるような支援を考えている。このほか住宅耐震化工事や太陽光発電の支援により『安心づくり』を進めたい」としている。 "[he-forum 16111] 岐阜新聞2/9 岐阜新聞2011年2月9日付 県ドクターヘリ運航 救命率向上へ県内全域30分圏内  県ドクターヘリの運航開始式が8日、基地病院となる岐阜市柳戸の岐阜大学医学部付属病院で開かれた。医療、消防の関係者ら約50人が出席し、県の救急医療体制の充実に大きく貢献する同ヘリの運航に期待を寄せた。運航は9日から。  式典では、古田肇知事が「広い県土をもつ県にとって、悲願だった。県民の命を大切にする県として、最適なシステムづくりを進めていく」、岐阜大学の森秀樹学長は「地域医療に果たす役割は大きい。責任を果たしたい」とあいさつ。続いてテープカットや同ヘリの内覧会を行った。  同ヘリは、同大病院の屋上ヘリポートに常駐し、消防本部の要請で、救急医と看護師が同乗して出動。現場や機内で救急医療を行い、患者の症状に合った病院に搬送する。  これまで、県防災ヘリに医師を同乗させるドクターヘリ的運航を行っていたが、現場に到着する時間を短縮でき、機内から患者の医療データを病院に送る装置も国内で初めて搭載する。  年間300~400件の搬送を見込んでおり、同病院高次救命治療センターの小倉真治センター長は「県内どこでも30分以内で到着でき、救命率向上につながる。山間地の患者の搬送に有効」と話している。 "[he-forum 16112] 陸奥新報2/9 陸奥新報2011年2月9日付 被ばく医療で弘大など合同訓練  弘前大学医学部附属病院高度救命救急センターと日本原燃、放射線医学総合研究所(千葉市)が8日、同センターで緊急被ばく医療訓練を行った。3者合同の訓練は初の試み。訓練では国内屈指の緊急被ばく医療の専門機関である同研究所と遠隔地にある同センターの連携をどのように図るかを検証するため、実際に千葉市から専門家チームが特殊車両などで移動。併せて距離的なハンディを埋めるためにテレビ会議を導入するなど、実際の災害発生時に即した訓練を行った。関係者は今回の訓練で抽出された課題を基に、さらに的確な受け入れ体制を図りたい考えだ。  同センターは緊急被ばく医療を行う点が特徴で、被ばく医療の訓練も定期的に実施している。今回は同センターと日本原燃に加え、国内の被ばく医療体制の中で東日本の第3次医療機関に定められている放射線医学総合研究所が参加する大掛かりな訓練となった。  訓練は約50人が参加して7日から実施。同日午前8時ごろに被ばく傷病者が発生し、日本原燃から同センターに搬送された―との想定。センターでは傷病者の受け入れや診察などの訓練を行うとともに、午前11時ごろに同研究所に支援を要請した。  研究所では専門家が2チームに分かれ、一つのチームは新幹線などの公共交通機関を利用。別のチームは被ばく線量の測定機材などを積んだモニタリングカーで弘前入りした。公共交通機関の利用チームは約6時間、特殊車両チームは約10時間で到着した。専門家チームの移動中はセンターと研究所をインターネット回線で結び、テレビ会議で協議を行った。訓練では傷病者の治療などを行ったほか、施設の汚染検査や放射線の測定なども行い、8日午前中に終了した。  訓練後の取材に対し、同研究所緊急被ばく医療研究センターの立﨑英夫障害診断室長は「派遣は予定通りにできたが、災害時には交通機関がストップしたり、高速道路が通行止めになることもあり得る。テレビ会議などで補うことが、より重要になるだろう」と指摘した。  また、訓練の評価を担当した同研究所緊急被ばく医療研究センター被ばく線量評価部の山田裕司部長は「センター、原燃とは初めての合同訓練だったが、うまく連携ができた」と講評した。  高度救命救急センターの浅利靖センター長は「傷病者の情報を事前共有しないなどシナリオなしの訓練を行い、医師、看護師らがその場で考えることができた。しっかりしたデータを取ることができたので、この成果を次のステップに生かしたい」と話した。 "[he-forum 16113] 朝日新聞島根2/9 朝日新聞島根版2011年2月9日付 学生の成長 大学が支援 ◆地域貢献やリーダー養成/島大・県立大・愛媛大 取り組み発表◆  島根大と県立大、愛媛大が、講義や研究だけでなく、ボランティアや就職活動までの幅広い学生支援の経験を交換し合う成果報告会を2日、松江市で開いた。2007~10年度に文部科学省の補助で実施した事業を通して、学生の成長ぶりなどを中国地方の大学関係者ら約90人に発表した。(藤井満)  報告会は、先進的な取り組みを学び合うため、以前から島根大と交流があった愛媛大に呼びかけて実現した。  島根大は、自主性に任せていたボランティア活動などに着目し、08年度から地域貢献やサークル活動、学会発表などの活動時間に応じてポイントを学生に与える取り組みを始めた。たまったポイントは大学生協での書籍購入に使えるようにしたほか、活動ぶりを優秀と認めた学生の授業料を免除する制度も設けた。  その結果、ポイント数が多い学生ほど単位の取得数も多く、休学や退学も少ないことがわかった。制度が浸透した09年度の活動時間数は前年度に比べて、男子が67%、女子は49%増えた。ボランティア経験が就職活動に役立つという学生は4割に上るという。  県立大は00年の開学以来、「就職が悪いと大学はつぶれる」という危機感をバネに就職活動に力を入れ、毎年9割以上の就職率を誇ってきた。都市部に比べて会社訪問もままならないため、今回の事業では、主な業界や業種、職種などを紹介する1社あたり30分のビデオを作った。事前に具体的な仕事内容を知ることで、説明会での質問をしやすくした。  また会社をすぐに辞めると大学の信用が下がるとして、卒業生が仕事の悩みを相談したり、教員に助言を求めたりできるインターネットのサイトも設けた。孤立しないよう交流できるように工夫した。  以前からボランティア活動を重視してきた愛媛大は、「リーダー養成」に取り組んだ。リーダーシップについての講義を受講した学生らを対象に、30人限定のリーダー養成ゼミナールや合宿研修を催した。学生自らが講義する場では、互いの成長のために遠慮なく批評しあう「クリティカル・フレンド」づくりを重視したという。  ゼミに参加し、友人とNGO(非営利組織)を立ち上げた男子学生(23)は「自分のこと、相手のことを徹底的に考えるからしんどかった。そのぶん、様々な活動にチャレンジする基盤ができた」と振り返った。 "[he-forum 16114] 朝日新聞広島2/10 朝日新聞広島版2011年2月10日付 マツダと広島大が連携協定 共同研究の分野拡大  マツダと広島大は9日、包括的連携協定を結んだ。従来はもの作り分野がメーンだった共同研究を、大学全体に広げる。マツダは総合大学である広島大の研究成果を活用し、すべて自前で研究する無駄を省き、効率を高める。広島大は研究費の確保や、より実践的な研究で学生を育てられるメリットがあるという。  マツダの山内孝社長はこの日の会見で「電気自動車が普及した場合の社会の課題や、蓄電技術、その素材など共同研究の分野を広げたい」と説明。研究開発担当の金井誠太取締役も「1社ですべての技術に対応するのは難しくなっている。連携は大変心強い」と述べた。浅原利正学長は「地域の活性化のためにも積極的に進めたい」と応じた。  マツダの技術研究所と広島大の大学院工学研究科が2005年に研究で協力する契約を結び、工学系の分野では共同研究が毎年約20件あるという。マツダが開発した燃費のいい新型エンジンには、この研究成果が役立ったという。  マツダが大学との間で今回のような連携協定を結んだのは初めて。具体的な研究テーマは両者で3月末に委員会を設けて話し合い、4月から順次始めていく方針。(諏訪和仁) "[he-forum 16115] 四国新聞2/11 四国新聞2011年2月11日付 香川大が外国人研究生の選考方法を改善  香川大は10日、中国籍の元研究生による強姦(ごうかん)致傷事件を踏まえ、外国人研究生の受け入れ選考方法を改善したと発表した。4月以降、研究生を希望する場合、発表論文や出身大学の学部長の推薦状などの提出を義務付けるほか、選考時の面接を複数の教員で行い、研究生の身辺調査を徹底する。  改善策によると、これまで提出させていた外国人登録証明書や出身大学の成績証明書に加え、発表論文や学会活動の記録、法令順守に関する宣誓書、出身大学の学部長の推薦状の提出を義務付け。研究生の出身大学に関する情報を同大のインターナショナルオフィスを通じて収集し、問題点がないかをチェックする。  これまで指導予定教員が単独で行っていた外国人研究生の面接試験は、複数の教員で実施。海外からの応募で直接面接ができない場合は、インターネットを通じて実施することにした。  また、在学中の指導相談体制については、4、10月の新入留学生ガイダンスで社会規範の尊重や日本の法令順守などの指導に加え、留学生センターが随時、注意喚起を行う。  一井真比古学長は「受け入れ数は減少するかもしれないが、事件を受け、全国的にみても厳しい基準を設けた」と話した。 "[he-forum 16116] 日本経済新聞2/11 日本経済新聞2011年2月11日付 日本育ちの「外国人博士」が急増 研究のグローバル化に生かせ  日本で理工系大学の取材を続けていると、10年ほど前から外国人の大学院生や博士研究員(ポスドク)が目立って多くなってきた。産業競争力に当てはめるのはやや乱暴かもしれないが、日本の活力低下や、韓国や中国、台湾、インドなどの躍進と一致しているようにもみえる。  「日本の工学系の学生の多くは修士課程まではいく。しかし優秀な学生はその先の博士課程まで進まなくなった。結果として優秀な博士が出てこないことになる」。新しい超電導材料など様々な新素材を次々開発する東京工業大学の細野秀雄教授は嘆く。  細野研究室にも現在、博士課程6人の中に韓国からの留学生が2人いる。留学生は今後も増える一方だと細野教授はみている。  博士課程の留学生が増えると同時に、日本の大学で生まれた材料や技術も日本企業より外国企業が先に目を付ける動きが出てきた。  細野教授らが発見した透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)と呼ぶ大型ディスプレーに利用できる新素材は、韓国企業が最初に製品に使おうとしている。「2004年に英科学誌ネイチャーに発表したとき、すぐに問い合わせしてきたのはサムスン電子とLG電子だった」(細野教授)。このような状況に細野教授は日本の将来に不安を抱く。  「うちはもう外国みたいだよ」。東北大学の川添良幸教授は研究室の廊下に張った顔写真入りのメンバー表を前に話す。理論物理学の知識を使いスーパーコンピューターによる模擬実験(シミュレーション)で新素材の設計などを手がける川添教授は世界から注目されている。  その結果、いつの間にか外国人の大学院生やポスドクの方が日本人より多くなった。大学院生8人のうち日本人は1人だけだ。高度化する「ものづくり」にはスパコンの利用が欠かせなくなってきた。ともすればスパコンの計算速度が世界1位か2位かということだけがクローズアップされがちだが、肝心の計算ができる有能な人材の数は日本が世界で何位なのだろうか。  博士課程の日本人学生が減っていることは数字でも裏付けられている。文部科学省の資料によれば、工学系の場合、1980年に全国で約640人が博士課程に進んだ。その後は急激に増えて86年に1千人台、92年に2千人台、95年に3千人台になり、2003年には約3570人まで達した。しかし04年から減り始めている。主な理由は就職難だ。博士号をとって何年たっても安定した職に就けないことを知れば減るのは当然だ。  日本人の代わりに優秀な外国人が日本で研究してくれるならいいではないか――。こんな考え方もできるが、楽観してはいられない。  日本には日本人博士の就職先が少ない。外国人となるとさらに限られる。最終的に米国での就職を目指す留学生が多く、「せっかく育てても日本に落ち着く率は今のところ低い」(川添教授)  外国人留学生が増えることを大学の研究現場は必ずしも否定的には受け止めていない。「留学生はかつての日本のような右肩上がりの成長を遂げている国からやってくる。たいへん元気で目の輝きが違う。それが日本の学生に刺激を与えている」という声も聞こえる。  日本の産業最盛期には留学生は自国の発展のために日本語を学んできたが、最近は英語で教育しないと来なくなった。一方、中国の大学ではひところ英語で授業を行ったが、最近は中国語を話すことを留学の条件に出すようになったという。中国が自国の研究内容に自信を深めている証拠でもある。  多くの外国人が来日するなら、むしろ積極的に国際化を進めたらどうだろうか。東洋大学の川越キャンパスにあるバイオ・ナノエレクトロニクス研究センター。生命科学とナノテクノロジー(超微細技術)を融合する研究を進める博士課程の学生22人のうち14人をインドからの留学生が占める。  07年度から海外の学生を積極的に受け入れる学際・融合科学研究科博士課程を設けた。講義はすべて英語で行う。ノーベル賞受賞者2人を含む40人以上の海外の科学者が客員研究員を務め、がん治療などの新技術を開発している。「当校は国内で理工系の知名度が低いので最初は研究予算獲得で苦労した。しかし海外から研究成果を認められるようになり、欧州の有名な研究資金であるマリー・キュリー・アクションも受けられる見込みになっている」とセンター長の前川透教授は胸をはる。  独立行政法人の物質・材料研究機構(茨城県つくば市)では、全職員約1450人のうち5分の1の約300人を外国人が占める。同時に海外からの留学生受け入れも積極的に進めている。  同機構は国内3大学と連係し、学位取得まで面倒をみる「連係大学院」制度に取り組む。これとは別に国内外39大学とも共同で大学院生を指導する。両方の試みとも大学院生はここ3年みても急増しており、現在は計143人が所属する。そのうち約7割の99人が留学生だ。  「外国人が日常生活に困らないよう日本人事務職員も普通に英語を話せる国際化を進めている。学生には最先端の研究を経験させ学位取得後も国際的に活躍できるように指導している」と板東義雄フェローは言う。同機構が国際化を進めることは、日本を活気づけることにつながると期待している。  では日本人学生はどう育てるのか。科学技術振興機構の北澤宏一理事長は「優秀な学生は海外に放り出して国際感覚を身につけさせるべきだ」と話す。留学生頼みにせず、武者修行が必要と説く。  未来永劫(えいごう)、日本や米国だけが科学技術大国であり続けるわけではない。今後、日本は国内で増え続ける留学生との人脈を生かす一方、米国に倣うこれまでの研究留学とは違う発想での海外武者修行が求められそうだ。国内外を結ぶ研究ネットワークが構築できれば、それは日本の成長を後押ししてくれる。 (科学技術部 黒川卓) "[he-forum 16117] 日本経済新聞2/11(2) 日本経済新聞2011年2月11日付 熊本県、九大と有機ELで連携 製品開発や人材育成  九州大学と熊本県は有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の技術開発で連携する。九大の材料技術を熊本県内の企業に移転するほか、同県が開設する有機EL製品の試作・評価施設を活用した製品開発や人材育成に取り組む。有機EL照明を手掛ける地元企業とも協力し、九州に有機ELの関連産業を集積させる狙いだ。  連携協定を結ぶのは、九大の有機EL研究を担う「最先端有機光エレクトロニクス研究センター」(OPERA)と、熊本県などが今月設立する「くまもと有機薄膜技術高度化支援センター」。支援センターには有機ELを使った機器の試作や評価ができる設備が整い、地元企業や大学が研究開発に活用する。  九大はOPERAで有機EL用の材料開発を中心に手掛けている。一方、熊本県は半導体関連産業が集積。地元に製造装置や電気回路のノウハウを持つ企業が多く、有機ELを使った機器開発で相互補完効果が期待される。  当面は発光ダイオード(LED)に次ぐ省エネルギー照明として期待される有機EL照明の開発に取り組む方針だ。  熊本県には三洋電機の元技術者が設立したベンチャー企業、イー・エル・テクノ(福岡市、米田清社長)が有機EL照明の工場を開設するなど、関連産業の集積も見込まれている。 "[he-forum 16118] 陸奥新報2/11 陸奥新報2011年2月11日付 4月から司法解剖再開へ/弘大  弘前大学大学院医学研究科は4月1日に法医学講座教員として女性を1人採用し、1年以上休止していた司法解剖の受け入れを再開する方針であることが10日、同科への取材で分かった。同科は2009年11月から人手不足などを理由に受け入れを休止、現在県内に司法解剖できる施設はない。県外の大学に司法解剖を委託している県警本部は「捜査の効率が良くなる」と再開を歓迎。同科の佐藤敬科長は「再開までできるだけ早くこぎつけたい」と意欲を示した。  今回内定したのは、県外在住で法医学解剖の経験のある女性。1月の同科教授会で採用が決定した。4月から法医学講座で常勤の教員として採用予定で、現在大学側との事務手続きを行っている。  同科では法医学講座の黒田直人教授が1人で執刀医を務め、年間100件近くの司法解剖を行っていた。しかし人手不足による負担増に伴い、2009年11月に受け入れを休止。女性が採用されれば執刀医2人体制となり、執刀医に掛かる負担軽減が期待される。  休止以降、県警は岩手医科大学や秋田大学などに司法解剖を委託。県警によると昨年一年間の死体取扱件数は2254件で、うち158件で司法解剖を行った。  同科は県警と協議を進め、3月末までに来年度の司法解剖に関する契約の締結を目指す。  佐藤科長は「(再開のめどが立ち)ほっとした。県民の皆さんにご迷惑をお掛けした部分もあると思う。再開にできるだけ早くこぎつけたい」と語った。  また県警捜査1課は「受け入れが再開すれば、現在に比べ、往復の時間や解剖に立ち会う捜査員らの負担がはるかに軽減し、捜査の効率が良くなる。早期に再開できることを願っている」と期待を寄せた。 "[he-forum 16119] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.28 ニュースレター NO.28                     2011、2、14  公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)   控訴審に向けて -公正な学長選考を実現するためにー  高知大学の構成員の皆さん。この裁判に注目している全国の皆さん。    すでに本ニュースレター27号でご報告の通り根小田、高橋両原告は高松高裁 宛てに、控訴の申し立てを行いました。    いよいよ、高松高裁での控訴審です。争点は以下の4つです。  1 根小田先生の原告適格を認めさせること    一審の判決では、学長選の対立候補であった高橋先生の原告適格が認められま した。これは一歩前進ですが、学長選考会議委員であった根小田先生の原告適格 は認められませんでした。「お上のすることに民草は口を出すな」といういまだ に根強い考えを打ち破るためにも、根小田先生の原告適格を認めさせていく必要 があります。  2 意向投票の重要性と必要性を認めさせること    判決は、意向投票の位置づけについて「一要素にすぎない」としていますが、 この位置づけは断じて認めるわけにはいきません。実質的に学長によって任命さ れた委員が「学長選考会議」の過半数を占める現在、「現職学長」およびその 「後継者」に対する客観的な評価は、意向投票の結果しかありません。    一方、東北大、山形大(裏面参照)をはじめとして、いくつかの大学が意向投 票を実施しない方針を出しています。このような状況に一石を投じるためにも、 そして何よりも本学で「次期学長選考」を公正に行うためにも意向投票の重要性 と必要性を裁判で確認する必要があります。  3 重大な「不正行為」があったことを認めさせること    一審判決においては票のすり替えの可能性についてかなり踏み込んで記述され ました。これも今回の裁判で勝ち取った小さくはない成果であると言えます。し かし、他方で、問題が個人による「すり替え」の可能性に矮小化されてしまった きらいがあります。我々が一貫して主張しているのは、権限のない職員が勝手に 票を「数えなおした」たことが「不正」であるということであり、その後の組織 としての対処の仕方に(ひいてはその最高責任者である学長―相良祐輔氏に)重 大な問題があったということです。このことを二審でも強く主張していく必要が あります。  4 文部科学省による任命行為の責任を認めさせること    高知大学から「次期学長決定」の上申がなされた際(相良学長名)、文部科学 省は数度にわたって受理しなかったことが情報開示によって明らかになっていま す。すなわち、文部科学省は単に「上申されたものを受け取った」のではなく、 受理にあたって一定の「実質的判断」を行っていたことは明らかです。このよう な「学長任命」に関わる文部科学省の責任を明らかにすることは極めて重要です。   ------------------------- 〇緊急報告 山形大学で学長選考会議が「意向投票せず」の決定!  昨年12月、山形大学の「学長選考会議」は、次期学長選考(今年予定)に際 して、意向投票を行わないという決定を行いました。「首都圏ネット」のホーム ページ(http://www.shutoken-net.jp/)に山形大学教職員組合の抗議声明が掲載されています。  4年前に本学と同時期に学長選考が行われ、「前文部次官」が学長に天下りし た山形大学におけるこの事態は、法人法下での学長選考が極めて大きな問題をは らんでいることを示しています。今後の行方に注目したいと思います。 -------------------------- 皆様のカンパに感謝いたします!  12月24日に行った第2次のカンパのお願いに対して、卒業生や退官した教 員も含む多くの方から続々とカンパがよせられています。この場を借りて厚くお 礼申し上げます。この皆さんのお気持ちを生かすべく我々も全力を尽くします。  カンパ募集は継続中です。更に多くの人の「志」を第2審に、そして公正な学 長選考の実現に向けて結集したいと思いますので、よろしくお願いします。 ●窓口 ゆうちょ銀行 「公正な学長選考を求める裁判を支える会」 記号 16480 番号 126901 振込口座でないので現金振込だと手数料が馬鹿になりません。 ゆうちょの口座を持っている人は口座間振り替えが便利です。 あるいは直接 人文学部 小澤萬記 まで "[he-forum 16120] 「大学は58億円で魂を売ったのか」--日経サイエンスのコラム 佐賀大学の豊島です. 「日経サイエンス」の最新号(3月号)89ページに,「大 学は58億円で魂を売ったのか」と題する滝順一氏のコラムが掲載 されています. 58億円の「特別整備費」をめぐっての記者と文科副大臣のやりとりを引 用したあと,次のように続きます. 「副大臣の言葉通りなら,58億円は,大学ではなく,文科省に裁 量権を与えた予算だととれなくもない.来年度はまだ58億円と小 さな「芽」にすぎないが,交付金圧縮が続く一方で,この芽が成長を続 ければ,大学を予算面でコントロールする道具がお役所にまたひとつ増 えることになる.これまでも文科省は様々な形で大学運営に影響力をふ るってきたが,今回,交付金の削減歯止めと引き換えにに,大学は魂を 売ってしまったと言えないか.」 今回の国立大学予算についての批判は,以下のようにすでに首都圏ネッ トや全大教によって詳細になされていますが,分かりやすさ,アピール 力の強さという点では,この日経サイエンスの記事がだいぶ上のような 気がします. 首都圏ネット [he-forum 16028] 大学関係予算にひそむ罠 ― 2011年度政府予 算案を批判する 2010年12月26日 国立大 3X法人法反対首都圏ネットワーク事務局 http://bit.ly/fdtTjq 全大教 http://bit.ly/gPgXSG 国立大学を公式に代表する国大協にはこのような批判力は全く期待でき ません.それどころか,むしろどちらかと言えば財界を代表すると思わ れる「日経」からこのような指摘を受けるということに,現在の大学を めぐる状況の情けなさがあります. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16121] 毎日新聞2/15","豈取律譁ー閨槭€€2011蟷エ2譛・5譌・縲€譚ア莠ャ譛晏・ 螟ァ蟄ヲ逕滂シ壻サ暮€√j縲・シ假シ仙ケエ莉」荳ヲ縺ソ縲€隕ェ縺ョ蜿主・貂帛スア髻ソ縲€鬟溯イサ縲∵嶌邀堺サ」蛻・j隧ー繧・シ搾シ咲函蜊碑ェソ譟サ 縲€螟ァ蟄ヲ逕溘∈縺ョ莉暮€√j縺ョ譏ィ蟷エ縺ョ蟷ウ蝮・怦鬘阪・・嶺ク・シ托シ難シ托シ仙・縺ィ縲・シ撰シ吝ケエ縺ォ豈斐∋邏・シ抵シ假シ撰シ蜀・ク帙j縲・シ假シ仙ケエ莉」蛻晞 ュ縺ョ豌エ貅悶∪縺ァ菴惹ク九@縺縺薙→縺鯉シ托シ疲律縲∝・蝗ス螟ァ蟄ヲ逕 蜊秘€」・亥刈逶滂シ抵シ托シ貞、ァ蟄ヲ・峨・蟄ヲ逕溽函豢サ螳滓・隱ソ譟サ縺ァ蛻・°縺」縺溘€りヲェ縺ョ蜴ウ縺励>邨梧ク育憾豕√′隕∝屏縺ィ縺ソ繧峨l縲∽ク句ョソ逕溘・逕滓エサ雋サ縺ォ蜊繧√k螂ィ蟄ヲ驥代・鬘阪€∝牡蜷医・縺ィ繧ゅ↓驕主悉譛€鬮倥→ 縺ェ縺」縺溘€る」溯イサ縺ッ・難シ仙ケエ蜑阪・豌エ貅紋サ・荳九↓關ス縺。霎シ縺ソ縲∵嶌邀堺サ」縺ェ縺ゥ繧貞・繧願ゥー繧√↑縺後i縺ョ蟄ヲ逕溽函豢サ縺梧オョ縺榊スォ繧翫↓縺ェ縺」縺ヲ縺・k縲・/p> 縲€隱ソ譟サ縺ッ譏ィ蟷エ・托シ先怦縲∝・蝗ス縺ョ螟ァ蟄ヲ・托ス橸シ泌ケエ逕溘・逕キ螂ウ・呻シ假シ暦シ台ココ・医≧縺。荳句ョソ逕滂シ包シ難シ費シ比ココ・峨・蝗樒ュ斐r髮・ィ医@縺溘€ゆサ暮€√j鬘阪・・撰シ大ケエ莉・髯阪€∽ク矩剄繧堤カ壹¢縺ヲ縺翫j縲・ ・托シ仙ケエ縺ッ・假シ灘ケエ縺ョ・嶺ク・シ抵シ抵シ撰シ仙・繧剃ク句屓縺」縺溘€ゆサ暮€√j縺後ぞ繝ュ蜀・→縺・≧荳句ョソ逕溘・・托シ蝉ココ縺ォ縺イ縺ィ繧贋サ・荳翫・・托シ舌・・包シ・〒蜑榊ケエ繧医j・舌・・薙・繧、繝ウ繝亥「励∴縺溘€ょ・ィ蟄ヲ驥代・荳句ョソ 逕溘′譛亥ケウ蝮・〒・剃ク・シ厄シ暦シ費シ仙・縺ァ縲・℃蜴サ譛€鬮倥□縺」縺溷燕蟷エ繧抵シ難シ托シ仙・荳雁屓縺」縺溘€・/p> 縲€荳句ョソ逕溘・隕ェ縺ョ蟷エ蜿弱・・包シ撰シ蝉ク・・譛ェ貅€縺鯉シ難シ撰シ・→・托シ仙ケエ蜑阪・・抵シ費シ・°繧会シ悶・繧、繝ウ繝医b荳頑・縺励◆縲ょ酔逕溷鵠騾」縺ッ縲瑚ヲェ縺ョ蜿主・貂帙′縲∝ュヲ逕溽函豢サ縺ォ螯ょョ溘↓蠖ア髻ソ縺励※縺・k縲阪→蛻・梵縺励※縺・k縲ゅ€仙アア蟠主暑險伜ュ舌€・/p> "[he-forum 16122] 朝日新聞2/14"," 朝日新聞 2011年2月14日12時23分 学費免除、きたれ大学へ  長崎国際大(佐世保市ハウステンボス町、潮谷義子学長)は2011年度から、児童養護施設の入所者ら進学の困難な高校生らを対象に、入学金や授業料を免 除する特別奨学制度を新たに始める。社会福祉学科で最大5人を募集。「家庭的・経済的苦境を経験した生徒たちこそ、社会福祉を担う人材にふさわしい」と大 学は期待する。  対象は、児童養護施設入所者や生活保護受給世帯の子弟ら、家庭や経済的な事情で進学の出来ない県内在住の高校生や既卒者ら。減免額は入学金と4年間の授業料、教育施設の維持管理費など計約377万円。教科書代や実習費などは自己負担する。  面接重視のAO(アドミッション・オフィス)入試で選考する。3月22日まで出願を受け付け。出願後に随時実施する面接や課題リポートの結果と、経済事情を勘案した上で合否を決定する。  厚生労働省の昨年の全国調査では、児童養護施設からの大学などへの進学率は13.0%(高卒者全体で54.3%)。県内でも12.5%(同43.2%) にとどまっている。長崎国際大社会福祉学科の山本主税学科長は「家庭・経済事情から進学を断念せざるを得ない生徒たちの大学進学の夢をかなえることは、地 域に根ざす大学の社会的使命だ」と話す。(市川雄輝)     ◆  長崎外国語大(長崎市横尾、池田紘一学長)は60歳以上または授業などで自身の経験を伝えられる人材を対象に、授業料を全額免除する社会人特別入試を 2011年度の学生募集で導入した。「企業退職者らが培ってきた社会経験や生き様を若い学生に伝えてもらい、刺激し合うことで教育効果を狙う」という。若 干名を募集している。  出願資格は3月31日現在23歳以上で、5年以上の社会人経験(主婦などを含む)があり、高校を卒業した人や同等の学力があるなどと認められる人。さら に(1)同日現在60歳以上で生涯学習に強い意欲がある、または(2)体験型授業やボランティア活動などで自身の経験を生かし若者にアドバイスができる ――といった条件がある。  出願を3月7~23日(必着)に受け付ける。試験日は25日、合格発表は26日。試験は小論文と面接で入学検定料は3万円。授業料は全額免除だが、入学金や施設設備費など4年間で計約186万円の自己負担はある。  社会人特別入試の一環で、(1)にも(2)にも当てはまらない人でも、授業料半額免除の対象になる。半額免除の場合の自己負担は4年間で計約306万円。問い合わせは同大の入試広報室(095・840・2022)へ。(藤田愛) "[he-forum 16123] 山形新聞2/16"," 山形新聞 2011年02月15日 21:08 山形大、首都圏での就活サポート 夜行バス運賃を半額補助  厳しい就職戦線を受け、山形大は3月1日から、学生が首都圏で就職活動する際の夜行バス運賃を半額補助する。路線バス運賃への補助は東北地方の大学で例がないという。  対象は来年3月卒業見込みの学部学生で補助対象路線は山形-東京便、米沢-東京便、鶴岡-東京便。公務員、教職員を含む採用試験や企業説明会のため、夜 行バスを利用して首都圏と本県を往復したケースで利用できる。利用できるのは1人当たり2回で、期間は3月1日から6月30日まで。学生の半数が首都圏で の就職活動を行うという想定で、予算は約500万円を確保した。  同大を今年3月に卒業予定の学生の就職内定率は86.6%(1月末現在)。学務・入試企画室は「回復傾向にはあるが、まだ厳しい状況」とみている。結城章夫学長は同日の定例会見で「学生、保護者の経済的負担を少しでも軽減し、就職率を高めていきたい」と語った。 "[he-forum 16124] 日刊工業新聞2/16 日刊工業新聞2011年2月16日付 未来を築く地域発イノベーション/鳥取県-バイオ産業育成へ連携  国立大学法人である鳥取大学医学部の米子キャンパス内に鳥取県が共同研究拠点を建設し、科学技術振興機構(JST)が機器を整備、それを鳥取県産業振興機構が管理・運営する―。  こんなバイオ産業集積構想が鳥取県内で具体化している。鳥取県が次世代産業の一つとして計画する「とっとりバイオフロンティア」が4月に完成。世界最先端とされる鳥取大学の染色体工学技術を軸に、産学官の新たな連携が模索され始めた。(広島総局長・嶋崎直)  「鳥取大学の優れた業績を産業に結び付けるのは難しい。大学の持つシーズを県がコーディネートし、直接地元企業と結び付ける形になった」。鳥取県商工労働部の岡村整諮産業振興総室長は、バイオフロンティア構想の特徴をこう説明する。企業のニーズ支援は、これまでも産業技術センターなどの機関がその役割を担ってきた。しかし新産業を創造するためには、ニーズ対応型では限界がある。 "[he-forum 16125] 共同通信2/16 共同通信2011年2月16日8時56分 医療国際競争力強化へ共同歩調 国立センターと10大学  医療分野での国際競争力強化を図る政府の新成長戦略の柱の一つ「医療イノベーション」の推進に向け、国立がん研究センターなど6カ所の国立高度専門医療研究センターと東京大など10大学は16日までに、研究基盤の共通化など共同歩調を取ることで大筋合意した。  政府も必要な法整備など後押しする意向で、国を挙げて革新的な医薬品や医療機器の開発に取り組む構想だ。  関係者によると、各機関が患者の同意を得た上で採取した体の組織やDNAなどを集積した「バイオバンク」や、治療経過などのデータを集めた情報センターを設立。  匿名化された試料や情報は、設立に参加する16機関以外の研究者も含め、病気の研究や新薬開発などに利用できるようにする。  またバイオバンクや情報センターは、製薬企業のニーズを把握し研究現場に情報提供するなど、産業界とのパイプ役になることも想定している。  他に、研究成果の中から産業化につながりそうなものを選び出す“目利き”機能を持ち、特許を維持するコストを抑えて戦略的な特許取得を図る知的財産専門チームの創設も検討する。  また法整備などの制度改正に向け、16機関は政府への共同提言を検討。 "[he-forum 16126] 四国新聞2/16 四国新聞2011年2月16日付 県が独自奨学金制度/学生、県内就職で返還減免  学習意欲や能力のある学生を応援しようと、香川県は大学生らを対象にした県独自の奨学金制度を創設する。貸し付けは無利子で、卒業後に香川県内企業などへ就職すると返還額の減免があることなどが特徴。2月定例県議会に条例案を提出し、2012年度からの開始を目指す。県内就職に対する優遇措置を設けた同様の制度は全国で初めてという。  11年度当初予算案にシステム開発や制度の広報など準備経費として1200万円を盛り込んだ。  県独自の奨学金制度の創設は、子育て支援の一環として知事が公約に掲げていた肝いり施策の一つ。これまでの県の奨学金は高校生が対象で、大学生向けは医療系学生を除いてなかった。  奨学金の貸し付け額などは日本学生支援機構の第一種奨学金制度を基準に設定。対象となるのは、大学生、大学院生、専門学校生、高専生(4・5年)で、年100人程度を予定。保護者らが県内に在住する▽保護者らの所得金額が一定基準以下▽学業成績が優秀―などが条件となる。  奨学金件は学校の種別や自宅生か下宿生かなどにより、月3~6万円程度を無利子で貸し付ける。貸し付けた期間の約3~4倍を返還期間とする。  また、優秀な人材確保や子育て支援の観点から、卒業後、県内企業などに就職し一定期間以上勤務すると返還額の一部を免除するほか、3人以上の子どもがいる世帯を対象に優先枠を設ける。  制度開始に向け、来年度中に債務管理などを行うシステムを構築し、夏ごろをめどに申請を受け付ける予定。初年度となる12年度に限り、11年度入学の学生も貸し付け対象に加える。  知事は「経済的理由で進学をあきらめたり、子どもを控えることがないようにし、元気のある香川づくりにつなげたい」としている。 "[he-forum 16127] 読売新聞2/16 読売新聞2011年2月16日付 専門枠越え発達障害研究、広島大大学院プロジェクト 科学的裏付けで自立支援も  広島大大学院は4月から、脳科学や行動科学、工学など異なる分野の研究者がチームを組み、発達障害を研究するプロジェクトを始める。  遺伝子レベルまでさかのぼって原因を究明する一方、機能改善に向けて多角的にアプローチすることで、より効果的な診断、支援体制を整えたい考えだ。(島田喜行)  発達障害は、自閉症やアスペルガー症候群などの「広汎性発達障害」、衝動的な行動などを取る「注意欠陥・多動性障害」、読み書きなど特定の学習が困難な「学習障害」の総称。脳の機能障害が原因とされている。  広島大大学院では2009年、医歯薬学総合研究科の内匠(たくみ)透教授(脳科学)が遺伝子組み替えにより、人間の自閉症に似た症状のマウスを作ることに成功。発達期に脳内で特定の神経伝達物質が減少していることを解明し、自閉症の治療や新薬の開発につながる可能性があることから、プロジェクトチームで研究を進めることになった。  チームは、総合科学、教育学、工学、保健学、医歯薬学総合の5研究科と付属病院の計約30人で構成。マウスを使った研究に加え、発達障害を持つ人と家族の協力を得て、原因遺伝子を探り、病院で成果を踏まえた診断や治療を目指す。  また、脳と行動の関係を明らかにし、研究結果と心理学を組み合わせて自立支援策を作り、機能改善につながる建物のデザインなどを考えるとしている。  内匠教授は「今までは障害に合わせた対症療法が主体だった。プロジェクトでは発症原因を突き止め、科学的根拠に基づいた支援体制を確立したい」と意気込んでいる。 "[he-forum 16128] Re: 「大学は58億円で魂を売ったのか」--日経サイエンスのコラム 名古屋大学の中嶋哲彦です。 全大教の中央執行委員長を務めています。  豊島耕一先生のメッセージを拝見しました。  私が久留米大学に勤務していたころ、豊島先生に声をかけていただき子どもの 権利条約に関する講演をさせていただきました。ありがとうございまし た。  さて、今回、豊島先生には、全大教の「2011年度政府高等教育関連予算案に関 する声明」(2011年2月9日)を取り上げていただきました。  私は日経サイエンスの記事はまだ拝見していませんが、「分かりやすさ,ア ピール力の強さという点では,この日経サイエンスの記事がだいぶ上」と の評 価はたいへん残念であり、また全大教加盟単組の皆さんに対してたいへん申し訳 ないことと思っています。ただ、この声明を出すにあたってはたい へん真剣な 議論があり、またその議論を文書化してくださった方の並々ならない努力があっ たことにも、幾らか思いを馳せていただければ幸いです。  2011年度政府予算案は一見、大学・高等教育に手厚い内容になっているように 見えるものの、国立大学法人の存立基盤をやせ細らせるものであ り、また国立 大学法人に対する公財政支出と公立・私立大学へのそれとの格差をさらに大きな ものにする内容だと私は捉えています。ただ、国立大学に 勤務する方々の議論 は、国立大学中心になりがちであるように感じます。公私立大学を含む高等教育 全体を視野に入れた議論を構築しないかぎり、国立 大学の将来も展望しがたい のではないかと私は考えています。  今後も、このメーリングリストから多くのことを学ばせていただきたいと思い ます。よろしくお願いいたします。 (11/02/15 17:46), 豊島 耕一 wrote: > 佐賀大学の豊島です. > 「日経サイエンス」の最新号(3月号)89ページに,「大学は58億円で魂を > 売ったのか」と題する滝順一氏のコラムが掲載されています. > > 58億円の「特別整備費」をめぐっての記者と文科副大臣のやりとりを引用した > あと,次のように続きます. > > 「副大臣の言葉通りなら,58億円は,大学ではなく,文科省に裁量権を与えた > 予算だととれなくもない.来年度はまだ58億円と小さな「芽」に すぎない > が,交付金圧縮が続く一方で,この芽が成長を続ければ,大学を予算面でコン > トロールする道具がお役所にまたひとつ増えることになる. これまでも文科 > 省は様々な形で大学運営に影響力をふるってきたが,今回,交付金の削減歯止 > めと引き換えにに,大学は魂を売ってしまったと言え ないか.」 > > 今回の国立大学予算についての批判は,以下のようにすでに首都圏ネットや全 > 大教によって詳細になされていますが,分かりやすさ,アピール力の 強さと > いう点では,この日経サイエンスの記事がだいぶ上のような気がします. > > 首都圏ネット > [he-forum 16028] 大学関係予算にひそむ罠 ― 2011年度政府予算案を批判す > る 2010年12月26日 国立大3X法人法反対首都圏ネットワーク事務局 > http://bit.ly/fdtTjq > > 全大教 > http://bit.ly/gPgXSG > > 国立大学を公式に代表する国大協にはこのような批判力は全く期待できませ > ん.それどころか,むしろどちらかと言えば財界を代表すると思われる 「日 > 経」からこのような指摘を受けるということに,現在の大学をめぐる状況の情 > けなさがあります. > > 豊島耕一 > http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ > http://twitter.com/yamamoto2007 > http://ad9.org/pegasus/Default.html > http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ > 佐賀大学理工学部物理科学科 > 840-8507 佐賀市本庄町1 > phone/fax: +81 952-28-8845 > "[he-forum 16129] ジャーナリスティックな文章の必要性 中嶋様,皆様 日経サイエンスに関する私の投稿は,ちょっと言葉の配慮が足りず,予算の分析に当たられた全大教や首都圏ネットの皆様には申し訳ありませんでした.また,焦点をしぼったジャーナリスティックな散文と,総合的・全体的な分析という文章の性格の違いもあります. ただ,大学の現実と私たちの見解を国民に浸透させる,読んでもらうためには,ジャーナリスティックな文章もまた重要だということを強調したいと思います.ずいぶん昔ですが,全大教九州の会議で,「コピーライターを雇うべきだ」と発言したことがあります.フォローはゼロでしたが・・・.しかし今日ではパブリック・リレーションの重要性,死活性はだれにも明らかだと思います.ポピュリズム政治の代表格である大阪府の橋本知事の選挙は,芸能プロによる巧みなメディア戦略によるものと言われています*. 全大教としても,優秀なる「売文社」を探し契約を結ぶべき時ではないでしょうか. 「巧言令色ヲ以テ仁ヲ為ス」 * 関連ブログ記事 「河村・橋下劇場を侮るなかれ」 http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-1475.html 豊島耕一 http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 16130] 愛媛新聞2/18 愛媛新聞2011年2月18日付 留学生人材育成プログラム 愛媛大で修了式  日本企業への就職を希望する留学生に、ビジネス日本語やマナーなどを指導する人材育成プログラムの修了式が17日、松山市文京町の愛媛大であり、中国とベトナムの大学生・大学院生10人が修了証を受け取った。  プログラムは、愛媛大が2007年度から実施している経済産業省の委託事業「アジア人財資金構想」。日本とアジアの懸け橋となる人材の育成を目指し、四国の7大学の留学生を対象に2年間かけ、座学からインターンシップ(就業体験)まで幅広い就職支援をしている。  式では、柳沢康信学長が留学生に修了証を手渡し、一人一人が「留学生が日本で就職するには、日本の学生の何倍も頑張らなければならない」「母国と日本の文化交流にも貢献したい」などと感想や決意を述べた。 "[he-forum 16131] 読売新聞2/18 読売新聞2011年2月18日付 副学長を9人に増やす富山大学  富山大は17日、遠藤俊郎付属病院長が学長に就任する4月から、副学長を現在の5人から9人に増やすと発表した。  理事を兼務しない副学長を新設し、医療や学生支援、教養教育などの分野を担当させる。  従来通り理事を兼務する副学長には山口幸祐人文学部長、畑中保丸前薬学部長、広瀬貞樹工学部長、丹羽昇経済学部教授がそれぞれ新たに就任するほか、倉知正佳理事・副学長が留任する。  また、理事を兼務しない副学長には、井上博・大学院医学薬学研究部教授(次期病院長)、平井美朗理事・副学長、松崎一平、西川友之両学長特別補佐を充てる。 "[he-forum 16132] 東京新聞2/18 東京新聞2011年2月18日付 <’11 予算案 大田区>小中理科授業 改善へ東工大と連携 指導法見直しや教材づくり  理科好きな子どもを増やそうと、大田区は新年度、近隣の目黒区大岡山にキャンパスがある東京工業大学と連携し、小中学生向けの理科の授業の改善に取り組む。将来的には、ものづくりの街・大田を担う優れた技術者、科学者の輩出を目指す。十七日発表した新年度予算案に千二百四十七万円を盛り込んだ。  大田区と東工大は二○○七年、教育など各分野で連携する協定を結び、○八年度からは同大近くの区立清水窪小学校を拠点に理科教育の推進に取り組んでいる。  新年度はさらに、教員の指導法を見直し、分かりやすい教材・プログラムの開発を行うなど、授業の改善に取り組む。区側からは区立小中学校の教員十五人、同大側からは大学院生が授業の一環として参加する。二学期からは実際に各小中学校で、改善を実践する。  区教委は「小学校の先生は教育の専門家だが、理科については必ずしも専門家ではない。日本を代表する工業大学の大学院生の方の助言は大変心強い」と話す。  また、地域の科学・技術分野の専門家に「おおた理科博士」を指定して、小中学生の理科に関する質問にファクスや手紙で答えてもらう取り組みも始める。  区教委は「区立中出身で、ノーベル賞(医学・生理学賞)を受賞した利根川進博士に続いてほしい」と意気込む。  松原忠義区長は「東工大や地域の方の力を借りて、サイエンスコミュニケーションの輪を広げ、理科好きな人材を育成したい」と話している。 (増田恵美子) "[he-forum 16133] 日刊工業新聞2/17 日刊工業新聞2011年2月17日付 化学各社、人材育成に力-博士課程学生へ奨学金給付 研究活性化で産業底上げ  三菱ケミカルホールディングスや旭化成などの化学メーカー各社は2011年度から日本化学工業会を通じ、化学産業に役立つカリキュラムで学ぶ博士課程学生への奨学金給付を始める。優秀な学生の博士課程への進学と、企業の博士課程の採用を促す。ノーベル化学賞を受賞したクロスカップリング反応のように、化学業界では大学の研究成果が産業界の競争力に直結する。優秀な人材の育成・登用で、化学業界の“底力”をつけたい考えだ。(梶原洵子)  日本化学工業会が10年12月に立ち上げた「化学人材育成プログラム協議会」の参加企業から年250万円の寄付金を募る。これを使い、月額20万円を学生に給付する。1社の参加で1人の学生に給付できる計算になる。協議会で研究内容のほか大学院のカリキュラムを審査して、給付対象者を決める。  返済の必要がない給付で学生の経済的な負担を軽減できる。これに加え、企業側は奨学金の審査の過程で大学のカリキュラムを深く知り、採用活動に役立てられる。近く1回目の奨学生を決定する予定。  同協議会は業界大手約30社が発起人となりスタートし、取り組みを続けながら引き続き企業の参加を募る。こうした内容での産学連携は、他業界に例を見ない。同取り組みは10年4月に経済産業省がまとめた「化学ビジョン」がもとになっており、経産省も「博士課程進学と就職のいい循環をつくりたい」(福田敦史化学課機能性化学品室長)という狙いがある。  企業の採用活動では博士枠は存在せず、修士学生と同じ基準で人物本位で選考することがほとんど。企業からは「博士課程学生の鍛え方は、産業界が望む形になっていない」という声もある。就職活動でのメリットもなく、博士課程3年間の学費もかかるため、「修士を修了してから就職した方が得」(同)と言われている。大学教授などからは「博士課程に進学してほしい優秀な学生ほど進学してくれない」との声が聞かれ、悪循環になっていた。  今回の取り組みでは、まず、大学側に産業界が求める人物像を発信し、学生には産業界が博士課程人材を求めていることをアピールできる。次に、奨学金の対象を審査する課程で企業が大学のカリキュラムを深く知る。さらに奨学金対象者以外にも、博士課程学生専門の就職説明会などの就職支援や、企業向けの研究発表会、インターンシップ(就業体験)など活動を広げる予定。「奨学金は最初の仕掛けにすぎない」と福田室長は言う。10年、20年先を見据えた化学産業底上げの取り組みが始まっている。 "[he-forum 16134] 石川 真紀子 は不在にしております。 2011/02/18 から不在にしております。2011/02/28 に帰社いたします。 帰社しましてから、返答いたします。 "[he-forum 16135] 読売新聞社説2/20 読売新聞社説2011年2月20日付 教員養成改革 「修士制」は切り札になるか  優れた教員を育てるにはどうすればいいか。  「教員免許制度」の見直しなどを検討している中央教育審議会の特別部会が、約半年間にわたる審議の経過報告をまとめた。  これまで、大学4年間で必要な課程を履修すれば取得できた教員免許について、さらに大学院で1~2年程度、修士レベルの教育を受けることを義務づける内容が盛り込まれている。  養成に時間をかけ、学力低下やいじめなどの問題に対処できる実践的な指導力を身につけさせるのも、一つの方法ではあろう。  報告書によると、学部4年の卒業生には仮免許にあたる「基礎免許状」を与え、教員として採用された後、一定期間内に大学院に通って必要な課程を修了した人には、本免許に相当する「一般免許状」を与えるという。  しかし、これらを教員の資質向上に結びつけるには、大学や大学院のカリキュラム改善が必要だろう。従来の教育内容で欠けていた点を厳しく自己検証しなければならない。指導役となる大学講師陣の質も問われることになる。  小学校で理科の実験を苦手にする先生が多い、高校で地理の基本知識に欠ける先生がいる、などの指摘が各方面から出ている。教科の専門知識を深め、指導法を習熟させる教育が求められる。  大学院の学費負担の問題も解決しなければならない。報告書は奨学金の活用に言及したが、国が財源を確保できなければ、負担を嫌って教員志願者が減り、優秀な人材が集まらない恐れがある。  今後10年間は、定年を迎える教員の大量退職が続き、教員全体の約3分の1が入れ替わると予想される。意欲と能力のある若手教員を養成する必要がある。  一方、社会に出て経験を積んでから教員を目指す人に門戸を開くことも大切だ。報告書が「社会人が大学院に通うことで教員免許を取得できることも検討する」としている点は注目されよう。  教員の資質向上には、採用後も教員一人ひとりが、絶えず研さんを重ねていくことが欠かせない。  一昨年に導入された「教員免許更新制」は、現職教員に対し、10年ごとに大学などで講習を受けることを義務づけている。  報告書は、「専門免許状」という新免許を創設し、学校経営や生徒指導など各分野で秀でた教員に与える構想を提示している。  生涯を通じ、教員のレベルアップを図る仕組みについて、さらに議論を深めてもらいたい。 "[he-forum 16136] 読売新聞2/19 読売新聞2011年2月19日付 下宿の大学生、生活費5万円 親世代と同水準、仕送りは月7万円  親元から離れて暮らす大学生への仕送り額が4年連続で減少したことが、全国大学生活協同組合連合会(東京)の調査でわかった。  住居費などを除いた生活費は、親世代かそれ以前にあたる1978年の水準にまで落ち込んだ。  調査は全国の国公私立31大学の学生が対象。昨年10~11月に実施し、9871人から回答を得た。  マンションやアパートなど自宅外から通う学生は約半数を占め、仕送り額は月平均7万1310円と、前年より2750円の減。ピークの96年に比べ約3万円も減った。全く仕送りを受けていないのは自宅外生の10・5%で、昨年に続いて1割を超えた。仕送りが減る中、受けている奨学金の平均は2万6740円と、前年より310円増えている。  自宅外生の住居費や貯金にあてる額などを除いた「生活費として使える額(食費、交通費、書籍費など)」は5万2670円と、親世代かそれ以前にあたる78年と同水準になった。この間、物価は上昇しており、大学生協連では「我慢の生活を送っている学生が多い。安く購入できる冷凍食品を使った弁当を持参したり、研究室で自炊したりする学生が当たり前になっている」と分析する。  一方でアルバイト収入は自宅生、自宅外生ともに減少しており、特に自宅から通う大学4年生のアルバイト収入は月平均3万260円と、前年より約1割も減った。  このほか、4年生が就職活動にかかった費用(2010年4~9月の半年間)を地域別にまとめたところ、北海道が9万3300円、中・四国が8万2700円と高く、神戸3万8900円、南関東(1都3県)4万3400円が低かった。企業訪問の交通費の差が出たものとみられる。  大学生協連では「保護者の収入減で仕送りが減り、学生の生活が苦しくなった。就職活動が長引き、アルバイトをする時間も削られている」としている。 "[he-forum 16137] 被 害 届 被 害 届 九州大学の事務職員、及び事務補佐員による悪質な嫌がらせ、大勢の前で、ストーカーで得た情報による嫌がらせ、大きな声で指を さして、笑い者にし、私をののしる行為を繰り返し、何度も名誉を傷つけ、精神的苦痛を味わっている。何度も何度もストーカーを 繰り返し、肉体的にも精神的にも苦痛を毎日あじわっている。何年もこのような行為が続き、下記の人物に刑罰を要求する。 情報学専攻   事務補佐員 池内 昌子 伊都-3786 ikeuchi@i. ikeuchi.akiko.691@m. 情報学専攻   事務補佐員 岩永 匠子 伊都-7925 shoko@jimu.isee. iwanaga.shouko.465@m. 情報学専攻   事務補佐員 沖本 香織 伊都-3619 k.okimoto@inf. okimoto.kaori.712@m. 情報学専攻   事務補佐員 加來 雅美 伊都- kaku@brain.is. kaku.masami.809@m. 情報学専攻   事務補佐員 金内 みつ子 伊都-7933 kaneuchi@is. kaneuchi.mitsuko.391@m. 情報学専攻   事務補佐員 柴田 久美子 伊都-3664 kumi@jimu.isee. shibata.kumiko.240@m. 情報学専攻   事務補佐員 舘 亜古 伊都-3666 tachi@itslab.csce. tachi.ako.869@m. 情報学専攻   事務補佐員 永友 めぐみ 伊都-3666 nagatomo@itslab.csce. nagatomo.megumi.306@m. 情報学専攻   事務補佐員 長谷川 祐子 伊都-3619 yhase@csce. hasegawa.yuko.016@m. 情報学専攻   事務補佐員 肥後 美穂 伊都-3786 higo@i. higo.miho.284@m. 情報学専攻   事務補佐員 平中 友紀子 伊都-7920 yukiko@jimu.isee. hiranaka.yukiko.823@m. 電気電子工学専攻   事務補佐員 境井 智子 伊都-3700 sakai@gp.ees. sakai.tomoko.045@m. 電気電子工学専攻   事務補佐員 高田 久美子 伊都-3700 takata@gp.ees. takata.kumiko.100@m. 総務課   主任 金島 晴子 伊都-3601 kaneshima@jimu.isee. kaneshima.haruko.128@m. 総務課   主任 古賀 千明 伊都-3801 chiaki@jimu.isee. koga.chiaki.856@m. ---- sonoda@ees.kyushu-u.ac.jp "[he-forum 16138] 情報交換のルールについて 高等教育フォーラム会員各位 このフォーラムは全大教が開設し、大学・高等教育に関する情報等の交流を目 的とするのです。したがって当然のことながら、「[he-forum 16137] 被害届」 のような個人を指弾するメールは認められませんので、これを削除します。 会員の皆様の良識ある行動で、高等教育フォーラムが発展するようお願いするものです。             2011/02/21   全国大学高専教職員組合 ************************************* 全国大学高専教職員組合  TEL 03-3844-1671 FAX 03-3844-1672 総務部 somu@zendaikyo.or.jp http://www.zendaikyo.or.jp   〒110-0015   東京都台東区東上野6-1-7 MSKビル7階 ************************************* "[he-forum 16139] 毎日新聞社説2/21 毎日新聞社説2011年2月21日付 採用時期見直し 学生たちを教室に戻せ  大学新卒者の就職活動の早期化を正す機運があるものの、企業・経済界の足並みが必ずしもそろわない。  勉強に打ち込めない学生の不安は看過できない。この国の未来にかかわる人材育成にも重大なネックになる恐れがある。学びの機会を損ねない統一ルールづくりが急務だろう。  現在新卒者の就職活動の多くは3年次の秋から説明会やセミナー開催、エントリーシート受け付けなどで始まる。4年次の4月以降選考に入るが、不況や雇用不安で「氷河期」が続き、昨年12月1日現在の内定率は68・8%と96年以降最低だ。これがまた後輩たちの不安を高め、早期化に拍車をかけることにもなる。  しわ寄せは学業にくる。専門教育が佳境に入るころには就活に追われる。大学団体は各経済団体に、選考は4年次の夏以降にするように要請している。  経済団体側の対応は一致していない。例えば、日本経団連の見直し案では、説明会などエントリー開始を3年次の12月以降にし、選考は現行の4月以降を徹底厳守するという。  一方、経済同友会は選考開始をもっと遅くし4年次の8月以降とし、説明会なども3年次の3月以降という意見だ。違反社名の公表もいう。  戦後の経済復興と成長で人材確保競争が過熱し、早期化を防ぐために企業、行政、大学が申し合わせて就職協定を持った。しかし守られず、97年には廃止された。  今回の経団連の案にも、大幅な時期見直しで実効性がなくなる(守れない)事態を避けたい考えがある。また、選考期間が短くなれば、大企業の後に選考を行う中小企業に不利となり、学生も機会を狭められて未就職者が増えるという見方もある。  だが「学業の阻害で国全体の人材レベルが劣化すれば、国益にも、個別企業にもマイナスで、ひいては国際競争力にも影響する」(同友会)という人材危機感は強い。また大学界も学力低下やグローバル化に対応できない教育の見直しなど改革の動きが早まっている。業種が分化、高度化、国際化している今、企業側もかつてのように「原石で採って磨く」ばかりでは通用しない。  大学政策は現在「質の保証」が強く求められ、評価や設置基準の厳格化が流れだ。11年度から情報公開や社会的・職業的自立力を育てるキャリアガイダンスも課程に入る。  私たちは、こうした大学改革・充実を就職とセットにして実りあるものにするためにも、採用選考を8月以降とする案を丹念に論議し、統一ルール化を図ることを提案したい。  また問題の根底にある一発勝負的な新卒採用制を見直し、通年採用を考える論議も改めて求めたい。 "[he-forum 16140] 朝日新聞2/21 朝日新聞2011年2月21日付 東大、入試改革目指す 浜田総長「多様な学生求める」  国立大学協会会長の浜田純一東大総長がインタビューに応じ、東大として入試改革や教育の質向上の必要性を訴えた。また、国大協会長の立場では、国立大学の改革の土台となる案を国大協でまとめる方針で、それを参考に大学独自に機能強化することが重要と述べた。(編集委員・山上浩二郎) ――任期3年目に入るが、東大総長として重視する点は。  任期中に思い切ったことをするには、3、4年目が重要になる。東大全体としては、教育のさらなる質の向上に重点を置きたい。教養教育の強化もその一つ。教養学部では文系理系計6学科を3学科に今年4月から再編する。学部の性格に応じて、専門課程の教育と大学院課程での教育のより密な接続も検討する。 ――入試改革の必要性は。  基本は変えるつもりはないが、一部では別な選抜のあり方も探りたい。ペーパーテストだけでは見つけられない学生をどう受け入れるかなど、学生の多様性をさらに高めたいという問題意識がある。AO入試を意味するものではない。希望としては任期中に実現したいのだが。 ――学生の海外への留学を東大の制度として拡充する考えは?  本来なら全員、1年海外に行かせるくらいのことをしたい。しかし、家庭の経済状態や就職活動を考えると、学生はなかなか留学に踏み切れない。むしろ、企業、社会が変わらないと。学生が元気になるような雇用状況にしてほしい。  東大としては、留学する場合、優秀な学生には授業料を減免することができないか検討している。留学とは異なるが、社会の動きと連動して社会人の再チャレンジ支援の仕組みをつくるため、優秀な社会人の授業料を減免することも検討したい。 ――本格的に女子学生を増やす努力を始めているが、なぜ。  学部学生の女性比率は2割程度で横ばい。地方での入試説明会には現役の女子学生にも参加してもらい、母校訪問などで発掘しようとしている。東大を出てどんなキャリアを描くことができるのか、企業で働いたり家庭を支えたりする女性卒業生の姿を見せたい。人口が減っているから、このままの比率では、学生全体の力が落ちていく。多様性にもつながるし、ものの見方、目線の違いもあるはずだ。比率が男女8対2のままでは、教育や研究にも変化が起きにくいのではないか。 ――国大協会長としてうかがいたい。来年度予算案の増額の条件として、機能別分化、組織見直しを含めた大学改革を進める方策を1年以内をめどに打ち出すことが上がった。対応は。  各大学が自主的な改革を進めるのは当然だ。財政状況は非常に厳しいが、どうすれば日本の明日を支える大学の役割を果たしていけるか、道筋を考えたい。昨年12月に国大協として、国立大学の機能強化の検討に取り組むと宣言して、検討委員会の作業が始まっている。単独でがんばる、あるいは連携や再編を行うなどは結果論で、重要なのはそれぞれの国立大学が特徴を出して機能強化することだ。  国大協の役割は、全体的なフレームを用意すること。6月には中間報告を出して、改革の土台となる案をまとめるので、各大学がそれを参考に独自の改革を進めてほしい。たとえば東大は今後の計画をまとめた「行動シナリオ」を実行していく。地方の大学は各地域でコミュニケーションを活発にしながら足場を固めて、必要に応じて他大学との連携も模索する。 "[he-forum 16141] 信濃毎日新聞2/21 信濃毎日新聞2011年2月21日付 学生生活調査 実り多い経験を第一に  アパートなどで暮らす大学生の生活費が30年前の水準まで落ち込んでいる-。全国大学生活協同組合連合会が、そんな調査結果をまとめた。  2010年の住居費を除く生活費は月6万3千円余り。驚くほど低い額ではないが、この間の物価上昇を考えれば、余裕がなくなってきたことが分かる。長引く景気低迷の影響が濃く表れている。親からの仕送りは4年続けて減り、ゼロの人も1割を占める。  それでも仕送りの平均は月7万円に上る。親の負担はなお大きい。足りなければ、アルバイトや生活を工夫して補えばいい。  ただ、やりくりに追われ、学生本来の経験の幅が狭まるようでは本末転倒だ。大学が中心になり、学生の生活を支える環境づくりを進めたい。  調査によると、学生の収入の22%を奨学金が占める。過去最高の割合という。ほとんどに返済義務があり、利子付きもある。  卒業後も就職できなかったり、所得が低かったりで返済が滞る人が増えている。返せないことへの不安から、利用を控える学生もいるという。  欧米の大学には、返済しなくていい「給付型」の奨学金が多い。数十人、数百人の卒業生から寄付を募り一つの奨学金にまとめている例もある。日本でも、給付型を増やす必要がある。  就職先がなかなか決まらないことも痛手になっている。  4年生のアルバイト収入は、09年に比べ6%近く減った。就職活動に追われ、働く時間が少なくなっているからだ。外食が多くなり食費も増えている。交通費もばかにならない額だ。  日本経済団体連合会は長期化する就職活動の是正策を決めた。会社説明会の時期をいまより2カ月遅らせ、3年生の12月からにするといった内容だ。さらに改善を重ねるよう求める。各企業が足並みをそろえることが欠かせない。  入社試験の開催場所を分散化させるなど、学生の負担軽減にも努めるべきだ。  学生も、お金をかけずに見聞を広める方法を探ってほしい。  例えば留学するなら、海外にも外国人向けの奨学金制度を設けている財団がある。国内外のNGOが主催するスタディーツアーは、安価で発展途上国の問題を深く学ぶ機会になる。  お金は無くても、それなりに楽しいのが学生時代だ。厳しい社会状況にめげず、実りの多い時を過ごしてもらいたい。 "[he-forum 16142] 佐賀新聞2/24 佐賀新聞2011年2月24日付 出産後の女性医師復帰、佐賀大病院に支援窓口  出産や育児でブランクがある女性医師の現場復帰などを支援する窓口が佐賀市鍋島の佐賀大学医学部付属病院にできた。休職者や離職者に対し、希望する診療科に合わせて実践的研修をコーディネート。再教育を受けやすいように、託児施設などの子育て支援情報も提供する。医師不足や偏在化の改善を目指す事業の一環で、窓口の周知に向けて3月12日午後2時から、佐賀市のアバンセでシンポジウムを開く。  支援窓口は卒後臨床研修センターに設け、愛称は「SAGA-JOY(サガ・ジョイ)」=電話0952(34)3877。女性医師2人と職員2人が対応している。  具体的には、相談を受けた後、職歴や希望する診療科に合わせて研修をオーダーメード。大学病院の各診療科や民間病院と連携し、1カ月から半年間の再教育プログラムを組む。ブランクの間に進んだ医療技術や薬剤知識の獲得を目指しながら、臨床協力医として段階的にミーティングや外来診療にも加わり、スムーズな復帰につなげる。  受講しやすい環境を整えるため、休日や夜間、子どもの病気時に対応できる託児施設やベビーシッターの情報も提供。自宅でも学べるeラーニング教材も開発する。  国や県による「地域医療再生計画」の一環で、初年度の委託費は約1400万円。2013年度まで4年間実施する。  厚生労働省などによると、医師や薬剤師に占める女性の割合は年々増加し、2008年は18・1%の約4万9千人。29歳以下でみると36・1%で、3人に1人が女性だが、30代前半からの離職率が高く、医療界全体のマンパワーが不足する。  窓口担当の吉田和代准教授(47)は「結婚や出産後に仕事を続けられる支援体制が十分ではない」とみており、「離職せずに済む環境づくりを含め、意欲ある女性が安心して働けるようにサポートしたい」と話す。  現在、元形成外科医で、産婦人科医として復帰を目指す1人をサポート中。公的機関や研究職から臨床医への転身を目指す男性医師も支援する。今月からウェブサイト=http://saga-joy.jp/=を開設している。 "[he-forum 16143] 南日本新聞2/24 南日本新聞2011年2月24日付 鹿児島大病院新病棟 3月8日に起工式/鹿児島市  鹿児島大学病院(鹿児島市桜ケ丘8丁目)は、屋上ヘリポートや総合臨床研修センターを備えた地上9階建て新病棟の起工式を3月8日に行う。完成は2013年3月の予定。  現在の病院は1974年の完成で、07年度から新中央診療棟建設や既存施設改修を進めている再開発計画の一環。  新病棟は延べ床面積1万5500平方メートル、293床。病院全体で個室を現在の約60床から3倍に増やす計画で、新病棟には一般個室のほか、キッチンやダイニングを備えた「特別病室」も設ける。4人部屋は現在より広くなり、近くにトイレを設置する。  病棟8階には、総合臨床研修センターを開設。研修医や勤務医のための学習室や仮眠室、演習室、セミナー室を備える。屋上ヘリポートは、県が12月に運航開始するドクターヘリや防災ヘリの受け入れに対応する。新病棟総工費は約45億円。県の地域医療再生基金や国の補助金も活用する。  高松英夫院長は「ヘリポート設置で救急体制を強化できる。研修医の確保にも一層力を入れ、地域医療に貢献したい」と話した。 "[he-forum 16144] 熊本日日新聞2/24 熊本日日新聞2011年2月24日付 熊本大と熊日が連携協定 地域発展と人材育成へ  熊本大と熊本日日新聞社は23日、地域社会の発展と人材の育成を目的に包括的連携協定を結んだ。  熊本大は2005年11月から、これまで3人の熊日記者を教授や助教授として任用してきた。熊日は、文章表現などを解説する同大への寄付講座にも講師として記者を派遣している。こうした連携を、全面的な協力関係に発展させるのが協定締結の狙い。  熊本市黒髪の同大であった調印式では、谷口功学長が「協力関係を強めることで、学生に対する実践的な教育や、地域社会への政策提言を活発化できる」と期待を込めた。熊日の伊豆英一社長が「熊本大は県内の最高学府として地域に貢献してきた。地元紙としてさらに応援していきたい」と話した。  今後、地域社会発展に向けた調査や研究、学生の教育などで連携を深める。熊日は同大への社員の派遣を継続。今春からは、同大政策創造研究教育センターの客員教授として1人を派遣し、NIE(教育に新聞を)などを中心に教育・研究に協力する。(宮崎達也) "[he-forum 16145] 大分合同新聞2/24 大分合同新聞 全キャンパス全面禁煙に 新年度から大分大  大分大学は23日、新年度から旦野原キャンパス(大分市)を全面禁煙にすると発表した。挾間、王子の各キャンパスでは既に2007年から実施しており、大学全敷地内の「無煙化環境」を目指す。国立大としては全国で12番目、九州では2番目という。  同大は06年から禁煙推進策を検討。旦野原でも禁煙ポリシーや行動計画に沿って、09年度に喫煙場所を5カ所に限定、昨年10月からは1カ所のみとしていた。  国は昨年、「公共的な空間については原則として全面禁煙であるべき」とする受動喫煙の防止策を各教育機関に通知。羽野忠学長は「喫煙による直接的、間接的な健康被害から学生、教職員らを完全に守りたい」としている。  県内では県立看護科学大が08年度、県立芸術文化短期大は10年度から敷地内を全面禁煙としている。 "[he-forum 16146] 河北新報2/22 河北新報2011年2月22日付 大学進学に給付型奨学金 県内で初めて 白河  福島県白河市は新年度、成績が優秀でも経済的な事情で大学進学が困難な高校生を支援するため、返還の必要がない「ガンバルしらかわ人奨学金」を創設する。大学進学者への貸与型の奨学金は多くの自治体が設けているが、給付型は福島県内で初めてという。  対象は市内に住む高校生で、市の基準で子どもの養育費を控除した後の保護者の所得が150万円以下の場合。大学の文系に進学した場合は年36万円、理系は年60万円を卒業まで4年間(医・歯学部などは6年間)支給する。  高校の成績証明書や小論文の提出を求めた上で、面接をして支給の可否を決める。進学後も毎年、成績を審査する。  初年度は文系、理系合わせて4人を想定する。市は、3月2日開会の市議会3月定例会に提出する新年度一般会計当初予算案に192万円を計上した。  高校の授業料が無償化された中、子どもの貧困を救う次のセーフティーネットとして創設を決めた。市には既に貸与型の奨学金制度があり、給付型と同時に利用できる。  鈴木和夫市長は「優れた人材が埋もれるのは社会の大きな損失。今までより一歩踏み込んで、困っている子どもを支援したい」と説明している。  市によると、給付型奨学金は三重県松阪市などが設けている。 "[he-forum 16147] 日刊工業新聞2/25 日刊工業新聞2011年2月25日付 東京農工大、口蹄疫などの研究拠点を設立-国際取引や補償を分析  東京農工大学は4月に家畜の口蹄(こうてい)疫などを取り上げる「国際家畜感染症防疫研究教育センター」を設立する。ウイルスや防疫の研究だけでなく、国際取引での被害や補償の経済分析を行うのが目玉だ。海外機関との間で企画・調整を行う国際コーディネーターという新たな職を含め、専任教員ら6人体制で研究や人材育成を手がけていく。  獣医学の感染症と経済学を結びつけた研究を新たに始めるのは、口蹄疫の問題が畜産の効率低下にあるためだ。感染力は強いが死亡率は高くない。問題は乳牛の乳が出なくなったり、家畜の口やひづめにできる水泡で飼料が食べられなくて繁殖率が低下したりする、産業としての被害だ。  高級牛肉を輸出する日本では、発生で輸出禁止となった場合の経済損失が大きい。発生農場で処分する牛は、大規模な場合は6000頭にも上り補償額も膨らむ。 "[he-forum 16148] 佐賀新聞2/25 佐賀新聞2011年2月25日付 サガン鳥栖と佐賀大、県民の健康増進で連携 ◆運動プログラムや料理レシピ発信、セミナーも  佐賀大学とサッカー・J2サガン鳥栖が、佐賀県民の健康増進プログラムづくりに乗り出す。健康づくりに役立つウオーキングや体操に加え、バランスのとれた料理のレシピをウェブサイトで発信。セミナーも開講し、高齢者の介護予防や児童の体力向上に取り組む。  プログラムの愛称は「ピカピカ☆サガントス」。佐賀大の校章とサガンのロゴに共通するカチガラスの鳥類学名「ピカピカ」から命名した。佐賀大保健管理センターの佐藤武所長が中心になってプログラムをつくる。  会員登録者(有料)には歩数計を配布し、消費カロリーなどを管理する。ウェブサイトでは、ウオーキングの効果やコース紹介のほか、体重計メーカー・タニタ(本社・東京)の谷田千里社長が佐賀大出身という縁もあり、同社の健康レシピも掲載。今後はエアロビクス教室や健康セミナーなども定期的に行う。  本年度の事業は、サガンが総務省から受けた1億円弱の交付金を活用。新年度からは会費を中心に運用する。24日の会見で、サガン・ドリームスの牛島洋太郎社長は「Jリーグの介護予防の理念にもつながる。今後は食の分野にも広げたい」と話した。 "[he-forum 16149] 読売新聞山梨2/25 読売新聞山梨版2011年2月25日付 甲府市農場で放線菌研究新年度梨大と市が農業連携  山梨大学が、2012年度の農業系新学部「生命環境学部(仮称)」開設に向け、新年度から甲府市と農業分野での連携事業に乗り出すことが24日、関係者への取材で分かった。同市小曲の市農園「小曲試験圃場(ほじょう)」の一部を借り、土壌に自然に生息する「放線菌」を利用した県産果実の無農薬栽培などの実習に取り組む。大学と市の関係者は「農業の新たな発信基地にしていきたい」と意気込みを語る。  同大が借りるのは、同農園8・8ヘクタールのうち2・6ヘクタール。10月をめどに、ガラス温室2棟やブドウ用の棚木などを設置し、桃やブドウの苗木を植える。キノコなどの栽培も検討している。  同大は、結核の抗生物質やフィラリアなど寄生虫病の特効薬を生み出した「放線菌」を利用し、野菜や果実を無農薬で栽培する研究を行っている。今回の連携事業では、放線菌を利用した堆肥を使って、桃やブドウ、スモモなどの無農薬栽培や品種改良などに取り組む方針だという。  同大の関係者は、「大学の知恵を結集し、地場産品の振興に協力したい」と語る。市の関係者も「農薬不要の肥料などが開発されれば、地元農家に使ってもらうこともできるのでは」と期待を寄せている。  同大は新学部の開設後に60人規模で授業を行える教室を備えた管理棟も新設する予定。関係者は「大規模な実習に適した土地がなかったので、利用できるのはありがたい」と話している。 "[he-forum 16150] 河北新報2/26 河北新報2011年2月26日付 秋田大・教授への審議不参加措置 医学部内規の撤廃指示  秋田大医学部の50代の男性教授が教授会の審議に参加できないのは不当だなどとして大学本部に訴えていた問題で、吉村昇学長は25日、本橋豊医学部長に対し、教授会で昨年12月9日に申し合わせた「コンプライアンス(法令順守)に反する行為をした教授は教授会の入試判定などの審議に参加できない」という内規の撤廃を指示した。  大学関係者によると、吉村学長は男性教授を入試に関わる審議に参加させない医学部の申し合わせが「男性教授に対する事実上の不利益制裁」に当たると認定した。  国立大学法人法で、学長は大学全体を「総理」する立場で、職員の人事権のほか、学部の運営を指導し改善できる。吉村学長は、男性教授に対する措置が医学部で決められる範囲を逸脱したと判断した。  医学部は、男性教授が2009年度入試で合格発表直前に合否情報を外部に流したと認定し、情報を伝えたとされる相手から飲食接待を受け、その相手と関係のある会社から漏えい直前に研究費約400万円を提供されたことも関係する可能性が高いと結論付けた。教授会で「高い倫理性が求められる」として、入試などの審議に参加させないことを決めた。  男性教授は、教授会の一部審議に参加できない申し合わせは不当だと地位保全を主張。医学部の調査で「健忘症」などと言われ、「侮辱的な発言をされた」人権侵害行為があったと大学本部の人権倫理委員会に訴えていた。  男性教授の代理人は「大学から連絡を受けていないので、何も答えられない」と話している。  本橋医学部長は「国公立大2次試験の前期日程があって忙しく、取材に応じられない」と語った。 "[he-forum 16151] しんぶん赤旗2/27 しんぶん赤旗2011年2月27日付 奨学金返済 実情考慮を 宮本衆院議員 制度検討求める 予算委分科会  日本共産党の宮本岳志議員は25日の衆院予算委員会分科会で、日本学生支援機構の奨学金制度を取り上げ、雇用環境の悪化のもとで弾力的に返済できるよう求めました。  宮本氏は、大学の非常勤講師が年収約160万円という生活保護基準にも達していない低収入なのに約63万円もの支払いを請求されているなど「返したくても返せない」実例を指摘。高木義明文部科学相も「返済はかなり厳しいと思う」と認めざるを得ませんでした。返済猶予の上限について宮本氏は、返還猶予期間を5年などと区切るのではなく、年収300万円に達するまでは猶予するなど実情を踏まえた制度にするよう求めました。  高木文科相は「減額返還制度を実施することによって個々の事情について柔軟に対応していきたい」と答えました。  また宮本氏は、日本学生支援機構が3カ月滞納すると信用情報機関に個人情報を登録すると脅しまがいに返済を迫っていることを批判。「ブラックリストに載せて追い立てまわすことをやっている国がどこにあるのか。直ちにやめるべきだ」と迫りました。  高木文科相は「過剰貸付抑制や多重債務化への移行の防止など教育的な意義もないでもない」と開き直り、宮本氏は「あまりにもひどい言い方だ」と批判しました。  また授業料の滞納などで卒業、進学ができない「卒業クライシス」についても取り上げ、修学支援金が有効に使われていないと指摘。基金の自治体負担をなくすなど使いやすいものにするよう求めました。 "[he-forum 16152] 大分合同新聞2/27 大分合同新聞2011年2月27日付 メディカルバレー構想フォーラム  大分、宮崎両県が策定した「東九州地域医療産業拠点構想」(東九州メディカルバレー構想)の実現に向け、大分大学と科学技術振興機構JSTイノベーションサテライト宮崎は26日、産学官フォーラム「大分からのメディカルイノベーション」を大分市内で開いた。約150人が参加した。  国や大分県、大分大、外資製薬大手の担当者ら5人が講演。国の新成長戦略の重点課題に位置付けられた「医療イノベーション」、医療機器の開発着手から現場への供給までに生じる遅れ「デバイス・ラグ」問題などをテーマに現状報告した。  パネル討論では「大学の情報・資源などについて全体を把握できるコーディネーターが必要」(野口隆之大分大医学部長)、「医工連携に向け、ニーズの把握に企業と大学が距離を縮めることが大切」(荒木由季子経済産業省生物化学産業課長)などと提言。会場からは「医療産業への参入に関心があるが、規制が厳しい」といった声も出た。  国立循環器病院研究センターの妙中義之研究開発基盤センター長を招いたセミナーもあった。 "[he-forum 16153] 高校無償化の朝鮮学校への適用を求める大学教員の署名,今日中 佐賀大学の豊島です.昨年2~3月に取り組まれたものと同じ趣旨ですが,今回は集まりが悪いとのことで期間延長されています.でも今日中です.簡単に署名できます. ************************** (以下、転送歓迎)  朝鮮学校にいわゆる「高校無償化」制度の即時適用を求める大学関係者の要請書を作成しました。要請書をお読みいただき、賛同いただけるようでしたら、2月28日(月)夜12時までに下記の要領でご署名をお願いします。 【署名の仕方】 下記の署名用フォームのページにアクセスし(携帯からでも可能)、必要事項を記入のうえ、送信してください。 https://ssl.form-mailer.jp/fms/9f2ca06b140640 ※政府に提出する署名にはお名前と所属大学のみを記します。職位はデータの客観性を担保するために念のために確認させていただくものです。不記入でもけっこうです。 ※今回の呼びかけは「大学関係者として」という立場からのものです。何らかのかたちで大学に職を得ていれば教職員の別、常勤・非常勤・有期雇用などの別は一切問いません。もちろん国籍・居住地の別も問いません。 ※メッセージをご記入いただいた場合、政府に提出するとともに、報道関係者に公開する可能性があることをご了解ください。不記入でもけっこうです。 ※アクセスが集中して送信できない場合は、お手数ですが、しばらく待って再度送信してみてください。その他、ご不明の点については次の問い合わせ先にご連絡ください。 問い合わせ先: msk_univアットyahoogroups.jp ※最新情報は下記ブログにて更新予定です。 http://d.hatena.ne.jp/mskunv/ -------------------------------- 2011年2月 日 内閣総理大臣 菅直人様 文部科学大臣 高木義明様 内閣官房長官 枝野幸男様 朝鮮学校への「高校無償化」制度即時適用を求める大学関係者の要請書 「全ての意志ある高校生等が、安心して勉学に打ち込める社会をつくる」ことを目的に設けられた公立高校無償化・高等学校等就学支援金制度(以下「高校無償化」制度)が始まって間もなく1年を迎えようとしていますが、いまだ朝鮮学校の生徒には就学支援金が支給されていません。大学はいま入試シーズン真っ只中ですが、公私立の高等学校、高等専修学校、朝鮮学校以外の外国人学校の生徒らは同制度の恩恵を受ける一方で、朝鮮学校の生徒のみ「安心して勉学に打ち込め」ない状態で受験せざるを得ないという露骨な格差が生じています。わたしたちはこの異常な事態を決して容認することができません。  政府は、「高校無償化」制度の朝鮮学校への適用については、「教育上の観点から客観的に判断するものであって、外交上の判断などにより判断すべきものではない」と国会の場などで明言してきました。ところが、幾度も適用の判断を先送りにしたあげく、昨年11月23日の延坪島砲撃を受けて、「北東アジア地域全体の平和と安全」なる観点から手続きを「停止」しました。これは誰が見ても矛盾であり、外交問題を朝鮮学校への就学支援金支給に転嫁する措置に他なりません。そうした揺れ動く政府の対応の影響をも受けながら、大阪府や東京都をはじめとする複数の都道府県では、長年にわたって朝鮮学校に支給してきた教育助成の「中断」「留保」などの措置をとるにいたっています。さらに、今年から特定扶養控除の減額がはじまり、高校生相当の年齢の子どもをもつ保護者は増税となります。つまり、朝鮮学校に子どもを通わせる保護者には、幾重もの不利益が課せられることになります。  20世紀の日本は朝鮮の民族教育を弾圧してきました。植民地支配下での民族教育の監視と弾圧、日本の敗戦後に広まった朝鮮人学校の強制閉鎖措置、その後自主的に再建された朝鮮学校にも様々な排除の政策がとられてきました。昨年来の政府・地方自治体の一連の措置は、まさにその歴史に連なるものであるといわざるを得ません。  わたしたちは、4月に遡って朝鮮学校に就学支援金制度を即時適用することを、強く要求します。 呼びかけ人(五十音順) 板垣竜太(同志社大学)、市野川容孝(東京大学)、鵜飼哲(一橋大学)、内海愛子(早稲田大学)、宇野田尚哉(大阪大学)、河かおる(滋賀県立大学)、駒込武(京都大学)、坂元ひろ子(一橋大学)、高橋哲哉(東京大学)、外村大(東京大学)、冨山一郎(大阪大学)、仲尾宏(京都造形芸術大学)、中野敏男(東京外国語大学)、藤永壮(大阪産業大学)、布袋敏博(早稲田大学)、水野直樹(京都大学)、三宅晶子(千葉大学)、米田俊彦(お茶の水女子大学) "[he-forum 16154] 毎日新聞山形2/27 毎日新聞山形版2011年2月27日付 この人に聞く:山形大学長・結城章夫さん ◇有機ELで世界一に 生まれ故郷に貢献--結城章夫さん(62)  就任4年目を迎えた山形大の結城章夫学長(62)。この3年間、大学の改革に取り組み、取得研究費が増えるなど成果を出した。重点分野の有機エレクトロニクスでは、米沢市に「先端有機エレクトロニクス研究センター」を今春開設し、研究を本格化させる。結城学長に話を聞いた。【和田明美】  --大学は得意分野を持つことが重要だと主張していますね。  地方の国立大学として、ここでしかやってないという分野をいくつか持ってないといけない。工学部の有機EL、医学部の分子疫学、理学部の核子スピンの3分野を、日本一の研究拠点に位置づけ重点支援している。  --有機EL研究は、国際標準化や量産化に向け山場です。  城戸淳二教授らノーベル賞クラスの卓越教授によるドリームチーム作りを進めている。科学技術振興機構から年2・2億円、科学技術振興調整費からも年1・5億円をそれぞれ5年間もらうことが決まった。4人の助教を新たに呼び、最初の3年は年600万円、その後は年300万円の研究費と、博士号を持つ研究員を付けて5年間研究してもらう。良い仕事をすれば正規に准教授に採用する。  有機EL以外でも6人の助教を引っ張ってきたが、全10人のうち8人は国が研究費の面倒をみてくれる。他の国立大では、こういった競争的資金を取得しているが、山大は今回が初めて。  --有機EL照明の国際標準化とは?  照明の色や明るさなどの世界標準を定めること。世界一の業績のところの基準がそのまま世界標準になることが多いので、2番ではだめ。有機ELのヨーロッパの拠点になっているドイツのドレスデンも国策で国際標準化を狙っている。ドレスデンとの競争です。  --国際標準になったら、どうなりますか?  日本の有機EL商品が世界に売れやすくなる。日本で作ったものを、そのまま世界に出せるわけですから。  --村山市の出身ですね。文部科学事務次官から山形大に来たのは希望でしたか?  仙道富士郎前学長からお誘いを受け、随分考えましたが、山形大を通し生まれ故郷に貢献するのも、ぜひやりたいことだと思い戻って来た。山形でなかったら断っていたと思います。3年たち、やりがいはあるし、良かったと思ってます。  --無駄な会議が減り、意思決定が早くなったと聞きます。  今までの学長は、学内から上がるのが普通だったので、思い切った改革は難しかったのでは。私は外からぽんと来て、しがらみがない。慣習や伝統は尊重しますが、あまりそれに縛られない。極めて異例ですよね、中央官庁から来るのは。思い切って突破してもらいたいという負託だろうと思い、大学の改革に取り組んでいます。  70ぐらいあった委員会を集約して十数個にした。それから事務の簡素化のため、一つの決裁書に10~20個ぐらいの判子を押していたのを3個ぐらいに減らした。そうすると、意思決定が早くなり、教授が会議に引っ張られる時間が減り、事務方の仕事もコンパクトになった。余った時間を学生の学業や就職支援などに振り向けるようにしてもらった。  --民間などからの外部支援金が増えたそうですね。  「国からの支援を座して待つだけでは、じり貧になる」と言い続けている。外部資金は、06年度11億2100万円だったが毎年増えて09年度は21億4900万円。民間からの受託・共同研究費は06年度5億4600万円だが、10年度は8億4400万円まで増えた。私は何も圧力はかけていません。たくさん取れたのは先生らの実力で、研究を積極的にアピールした成果だと思います。民間は実力ある、質の良い研究にしか資金を出しませんから。 ==============  ■人物略歴  ◇ゆうき・あきお  村山市生まれ。山形東高、東大工学部卒。71年科学技術庁入庁。米ミシガン大大学院で工学修士。文部科学審議官などを経て、05年文部科学事務次官。07年9月から山形大学長。 "[he-forum 16155] 読売新聞2/28 読売新聞2011年2月28日付 白河市が奨学金制度…福島  福島県白河市は新年度から、大学生を対象とした奨学金給付制度を導入する。  新年度予算案に192万円(文系学生2人分、理系学生2人分)を計上した。同市は「大学生を対象とした給付の奨学金は県内では珍しい」としている。  対象は市内に3年以上在住し、今年4月に大学1年生となる男女。控除後の所得が150万円以下の世帯などが条件。奨学生には、文系学生に年額36万円、理系学生に同60万円が支給される。募集期間は4~6月頃を予定。審査は高校の推薦状などの書類審査と面接がある。市教育総務課は「白河発のよき人材を育てていきたい」としている。 "[he-forum 16156] 時事通信2/27 時事通信2011年2月27日22時57分 入試投稿で被害届提出へ=不正判明に合格取り消しも-同被害の3大学と協力・京都大  京都大の入学試験問題が試験時間中にインターネット掲示板に投稿された問題で、同大の淡路敏之副学長らは27日夜、京都市内の同大本部で記者会見し、偽計業務妨害の疑いもあるとして28日にも、京都府警川端署に被害届を出す方針を明らかにした。合格者の不正行為が判明した場合、合格取り消しなど必要な対応を取るとしている。  早稲田、立教、同志社の入試でも同じハンドルネームの人物から、解答を求める投稿があったことが27日までに判明しており、京大は3大学とも協力し、必要な情報交換を行う。  淡路副学長は「厳正、公正であるべき入試制度の根幹を揺るがす重大事件で強い憤りを感じる」とした上で、「今後詳細に事実関係を把握し、受験生が不安を抱かないよう努めたい」と述べた。 "[he-forum 16157] JSAシンポジウム “日本学術会議「日本の展望-学術からの提言2010」を考える” 琉球大学の亀山統一と申します。日本科学者会議が小さなシンポジウムを開催 しますので、ご案内します。 JSA学術体制部シンポジウム “日本学術会議「日本の展望-学術からの提言2010」を考える” 日 時:2011年3月5日(土) 10:00~11:50 場 所:文京シビックセンター4階 会議室B(地下鉄「後楽園駅」徒歩1分) 参加費:無 料 今、大学・研究機関とそこで行われている教育・研究が重大な危機に直面して います。しかし、学術に関わる広範な関係者の間で、学術の危機を打開しよう とする発言や行動が拡がりつつあります。 日本学術会議は2010年4月に「日本の展望-学術からの提言2010」を公表 "[he-forum 16158] 共同通信3/1"," 共同通信2011/03/01 14:59 国家公務員の退職金見直しへ 人件費削減で12年改正  総務省は1日、国家公務員の人件費削減のため、退職金支給額を見直す法案を2012年の通常国会に提出する方針を固めた。定年前の自主的な辞職に退職金が上乗せされる「希望退職制度」も法案に盛り込む。  政府は国家公務員の給与とボーナスを減額する法案を今国会に提出する方針だが、民主党が公約した総人件費2割削減には届かない。このため、民間の実態調査を参考に退職金にも切り込むことにした。 "[he-forum 16159] 読売新聞3/1"," (2011年3月1日 読売新聞) 「医療観光ツアー」で誘客を、徳島大と旅行会社が提携  徳島大(徳島県徳島市)と大阪市内の旅行会社「南海国際旅行」が28日、糖尿病検診の医療サービスを受けに県内と近畿を訪れる中国人観光客を増やすため、提携を始めた。  同社は南海電鉄のグループ会社。大阪府内の南海沿線で脳心臓外科に定評のある民間2病院と提携し、中国人観光客に周辺の温泉やゴルフ場、百貨店などを巡り、治療も受けてもらう「医療観光ツアー」を、昨年8月から中国の旅行会社を通じて同国で販売している。  同大は、糖尿病治療や医薬品開発で県内では中核を担っている研究機関。両者が提携して医療観光ツアーに糖尿病の最先端治療を組み入れることにより、南海国際旅行はツアーの魅力アップを、同大は県内への中国人観光客増を目指す。  南海電鉄は「徳島と手を結ぶことで日本に来てもらう動機になる」と期待する。 "[he-forum 16160] 読売新聞3/1","(2011年3月1日 読売新聞) 小学校の英語教育支援、宮城教育大が研究センター  宮城教育大は、新年度から小学5、6年で必修化される英語の授業を支援する「小学校英語教育研究センター」を新設し、28日、開所式を行った。  国立大学では全国3例目で、英語を教えることに不慣れな小学校教諭に助言をしたり、子供たちが楽しく学べる教材を作ったりする。(米山粛彦)  小学校の英語授業は2009年度から先行実施され、宮城県教委などによると、今年度は宮城県内の市町村立小全437校で行われている。ただ、英語の指導経験のない教諭も多く、各校で授業の進め方を模索しているのが実態だ。  センターでは同大の教授ら7人のスタッフに加え、小学校教諭ら数人が研究員として働く。教員の研修会に講師を派遣したりカリキュラムを検討したりする。  宮教大は、小学校教諭の養成課程に「英語コミュニケーションコース」を設置。仙台市や七ヶ浜町の小学校と英語教育の方法を研究してきた実績も持 つ。開所式では、センター長の板垣信哉教授が世界の様々な場面で求められている英語のレベルが上がっていることを指摘。「日本の英語教育も変わらなければ いけない」と述べた。スタッフのエイドリアン・リース講師は「児童に英語を勉強したいと思ってもらうのが目標。先生たちは発音を気にせず、積極的に英語活 動に参加して」と語った。 "[he-forum 16161] 徳島新聞3/1 徳島新聞2011年3月1日付 徳島大と中央病院、医療再生拠点に 県地域対策協が方針  徳島県地域医療対策協議会(会長・香川征徳島大学長)が28日夜、徳島市内の徳島グランヴィリオホテルであり、県が新たにつくる「地域医療再生計画」の策定方針を示した。医師不足の抜本的な解消や救急・災害医療体制の強化などが柱。隣接する徳島大学、県立中央両病院の「総合メディカルゾーン(MZ)」を医療再生の拠点に位置付ける。  計画期間は2011~13年度の3年間。MZには医師の養成・派遣を担うトレーニングセンターや疾病予防・管理センター機能を設ける。県立海部、三好両病院は、近隣の公立・民間病院と連携を図りながら地域の医療体制を強化。大規模地震などを想定した災害医療では、重症者の応急処置を行う臨時医療施設(SCU)の整備や病院の耐震化を進める。  協議会には医療、行政関係者ら20人が出席。県は4月下旬に開く次回会合で具体的な計画案を示し、5月中旬に厚生労働省へ計画を提出する。  厚労省は、各都道府県が策定した計画に一律15億円を交付。病院の統合・再編などが盛り込まれている場合には、最大105億円が加算される。 "[he-forum 16162] 四国新聞3/3 四国新聞2011年3月3日付 新産業の創出拠点に/香川大で医工連携協議  医学と工学の融合による新たな産業の創出について協議する運営委員会(委員長・田港朝彦香川大副学長)の初会合が2日、香川県高松市幸町の香川大であった。参加者は、赤外線を利用する血糖値の測定装置など医療福祉分野を中心にした技術開発の推進を申し合わせた。  同委員会の設置は、国の2009年度補正予算案でスタートした「地域産学官共同研究拠点整備事業」の一環。県と香川大医学部、同工学部、県経済同友会などで組織し、科学技術振興機構から研究機材の無償貸与を受け、研究を進める。  初会合には、同大などから選ばれた委員ら約30人が出席。田港委員長が「工学・医学の研究者の相互交流を図り、機材開発や企業との臨床研究を重ね、県独自の産業に育てよう」とあいさつした。  担当者が、工学部と医学部に同機構が購入した30種類の機材(総額約6億8千万円)を設置することを説明。委員らは、血液を採取せずに赤外線を利用して血糖値を測定する装置▽高機能の義手や義足の製作▽脳内の酸素濃度分析による認知症予防システム―などの開発を進めることを確認した。 "[he-forum 16163] 読売新聞3/2 読売新聞2011年3月2日付 教員免許取得可能に…障害者学ぶ筑波技術大  茨城県つくば市の筑波技術大は1日、産業情報、総合デザイン、情報システムの3学科(定員60人)と大学院(同7人)で、中学や高校の教員免許取得が可能になったと発表した。  文部科学大臣が教職課程の設置を認定した。来年度に入学する学生から適用される。  同大は、視覚や聴覚に障害がある学生だけを受けれている国内唯一の大学。1987年に短大として設立し、2005年に大学を開学したが、これまで教員免許を取るには、教職課程のある大学に入り直す必要があった。  取得できる免許は、中学校の数学や高校の数学、情報、工業など。同大は教育実習実施校の選定などで県教委と連携する。同大聴覚障害系支援課では「念願の認定。障害者が教壇に立つことで社会のバリアフリー化がさらに進む。教育界の障害者のリーダーになる人材を養成したい」としている。 "[he-forum 16164] 下野新聞3/1 下野新聞2011年3月1日付 県内3大学院が経営工学講座 産学官連携、4月からコースⅡ  宇都宮大、作新学院大、白鴎大の3大学院が、県内の産業界と官界の支援を受け開催する「産学官連携経営工学講座」の経営工学エッセンシャルコースⅡが4月13日、宇都宮大陽東キャンパスで開講する。全15回。  講座は、技術開発力に経営力を兼ね備えた人材の育成と社会人の再教育を目的に、昨年10月に始まった。  今回は、地域イノベーションを実践する経営戦略と組織マネジメントを中心に学ぶ。大学院教授陣をはじめ、県内の金融、住宅、マスコミなどの経営者、県幹部が講師となり、リスク管理、企業価値、ITと技術経営などの講座を開く。  毎週水曜、午後7時~午後8時半。大卒または同等以上の資格を持つ人、高卒で4年以上の実務経験がある人などが対象。受講料5万円。同講座のホームページから、3月14日までに申し込む。 "[he-forum 16165] 読売新聞3/3 読売新聞2011年3月3日付 高性能計算機システム導入…名古屋大学 名大・素粒子宇宙起源研究機構  名古屋大学の「素粒子宇宙起源研究機構」(愛知県名古屋市千種区)に、高性能計算機システムが導入され、2日、運用開始式が開かれた。  機構長を務めるノーベル物理学賞受賞者の益川敏英特別教授(71)も出席し、「今までにない素粒子の姿が見えてくるだろう」と期待を寄せた。  システムは、171台のパソコンで構成し、家庭用パソコンの1000倍の計算速度を誇るという。「知性」「物理」を意味するギリシャ語の単語の頭文字をとって、「ファイ」と名付けた。  機構では、計算機能を生かし、益川特別教授と、同じくノーベル物理学賞を受賞した小林誠特別教授(66)の「小林・益川理論」を超える研究を目指す。  益川特別教授は「複雑に絡んだ数式はもはや手計算ではできない。私は見ているだけだが、楽しいことがあれば遊ばせてもらいたい」と笑顔で話した。 "[he-forum 16166] 日刊工業新聞3/4 日刊工業新聞2011年3月4日付 長岡技科大、原子力技術者を養成-修士課程、12年度にも開設  長岡技術科学大学は同大学院に「原子力安全工学専攻(仮称)」を設置するため、4月にも文部科学省に開設認可を申請する。修士課程2年のコースで、原子力工学、原子力安全工学、リスクコミュニケーションなどの総合的な講義を行い、原子力専門技術者を養成するのが狙い。  地球環境問題を背景にエネルギー分野で原子力へのニーズが高まるなか、総合的に原子力を学ぶ大学院修士課程の設置は全国でも珍しい。2012年度にも開設される見通し。  開設申請する同専攻の定員は30人程度を予定。原子力専攻課程を持つ他の大学院と差別化を図るため、原子力について幅広い専門的な講義を行う。講義は専門教官をはじめ、人材育成で連携協定を結んでいる日本原子力研究開発機構に講師派遣も要請し、次代を見据えた教育を実施する。 "[he-forum 16167] 読売新聞宮崎3/7 読売新聞宮崎版2011年3月7日付 医学部地域枠最多24人合格 宮崎大「県内医師確保に期待」  宮崎大医学部の2011年度推薦入試で、県内出身者を対象にした地域枠(定員10人)と、県の奨学金を受けられる地域特別枠(同10人)の合格者が計24人で、二つの枠が設けられた09年度以降最多となった。医学部学生支援課は「不足している県内の医師確保に期待が持てる」としている。  いずれも、大学卒業後に県内の病院で働く意志のある人を募集している。地域枠は06年度、県内の現役高校生を対象に始まった。地域特別枠は09年度に導入され、高卒後1年間浪人している人も加え、県の奨学金(月10万円)も受けられる。  今回は地域枠を受験した25人中12人、地域特別枠は21人中12人がそれぞれ合格した。09年度の合格者は計16人、10年度は10人を下回った。  医学部学生支援課は「合格人数が増えたのは、優秀な志願者が多かったからだろう。立派な医師に育てたい」としている。 "[he-forum 16168] 琉球新報3/6 琉球新報2011年3月6日付 学生ボランティア:小中に 沖縄大と糸満市教委が協定 【糸満】糸満市内の小中学生の勉強を支援するため、市教育委員会(市教委)と沖縄大学は3日、大学生の学習支援ボランティアを小中学校に派遣することなどを約束した協定を結んだ。上原武教育長と加藤彰彦学長が市役所で協定書に調印した。市教委は4月から同ボランティアを活用し、各学校長の要請に基づいて、学習の遅れがある小中学生を校内で支援していく。  大学側も学生が実際の教育現場の経験を重ねることができるなど、教員養成課程の充実を図れる利点がある。同大こども文化学科1~4年生約200人の必修科目として取り組むという。  市教委によると、市内の小中学生は計6500人で、このうち300人ほどに学習の遅れがあるという。上原教育長は「求めていた支援であり、協定締結は本当にうれしい。課題に共に取り組み、素晴らしいものにしたい」と期待を寄せた。  加藤学長は「学生たちが力をつけるためにも、現場で鍛えてもらいたい。新しい人材を生み出していくためにも全力を尽くす」と強調した。大学では同様の学習支援協定を那覇市と結んでいるほか、3月中に豊見城市、南城市とも新たに協定を結ぶ予定だ。  また市教委では沖縄大学の学生以外にも、同じく市内小中学校で活動する学習支援ボランティアを一般からも募集している。問い合わせ、申し込みは市教委生涯学習課(電話)098(840)8162。 "[he-forum 16169] 日本海新聞3/8 日本海新聞2011年3月8日付 救命救急センター新施設完成 鳥大病院で記念式典  鳥取大学医学部付属病院(米子市西町)の救命救急センターの新しい施設が完成。7日、記念式典があった。止血など緊急処置ができる外科処置対応室や劇毒物汚染を除去できる除染室を新設。手狭など不備が指摘されていたこれまでに比べて3倍以上広くなった。14日午後5時から供用を開始する。  これまで外来棟の一画にあったセンターを外来棟西側に専用棟を新築して移転。面積は860平方メートルで、3次救急、外科処置、2次救急の救急室3室と医師当直室を設け、2009年3月に救急医が一斉に退職した際に指摘された、放射線部門や医師待機場所とセンターとの距離など設備面の不備を解消。より多くの患者を受け入れることが可能になり、災害拠点病院としての機能も強化された。  式典には、行政や医療関係者ら約80人が出席。豊島良太病院長が「質の高い医療を広域に提供し、人材を育成する拠点。地域の皆さまの安心につながる救急医療を継続して提供したい」と抱負を述べた。 "[he-forum 16170] 毎日新聞3/8 毎日新聞2011年3月8日付 経団連:就業体験と採用区別 選考兼ねる場合、大学4年4月以降  日本経団連は7日、新卒学生の採用活動との違いが必ずしも明確でなかった「インターンシップ(就業体験)」のあり方について指針をまとめた。原則として採用に直結しないものと位置づけ、採用につながる場合は選考活動と同様に大学4年(大学院は修士2年)の4月以降に実施する。経団連が今月中に公表する企業の採用活動の指針となる「倫理憲章」に盛り込み、会員企業などに順守を求める。  就業体験は現在、大学3年の夏場に実施されるケースが一般的で、採用活動との違いを明確にしない企業も多い。このため、「多くの学生の感覚では、6月の時点で就職活動がスタートしている」(労働政策本部)といい、就活の早期・長期化を進める一因となっている。  経団連は、就業体験を「学生が職業観を身につけるためのもの」と定義。実施時期の制限は設けないが、原則、選考活動とは分離し、採用に直結しないよう明示すべきだと判断した。また、1日程度で済ませず、5日以上職場に学生を受け入れるべきだとしている。  一方、1日程度の短期型の就業体験については広報活動の一環とみなし、大学3年の12月以降に始めるよう求める。ただし、選考活動の一環として実施する場合は、大学4年の4月以降に実施するようにする。経団連は13年春入社予定の学生から、面接などの選考活動の開始時期を大学4年の4月以降としており、この方針に合わせる形とする。【宮崎泰宏】 "[he-forum 16171] 四国新聞3/8 四国新聞2011年3月8日付 大学学費の物価超え  大学入試の苦難をくぐり抜ければ、次の苦難が待ち受けている。全国大学生協連の調査によると、親元から離れて下宿する大学生の住居費を除いた生活費は平均で月6万3130円と、30年前の水準まで下がった。この間の物価上昇を考えると、生活はより厳しくなったといえる。  親の暮らしの厳しさを示す数字でもある。年収500万円未満の大学生の親は3割以上となり、仕送り額は4年連続で減少。学生はアルバイトで稼がざるを得ないが、長期化する就職活動などが理由でアルバイト収入も減っている。  さまざまな意味で「苦学生」が増える一方、過去30年間に大学の学費は大幅に上昇。「私立大と比べて安すぎる」といわれていた国立大で、授業料、入学金を合わせ3倍以上に跳ね上がった。私立大も施設整備コスト増などを理由に値上げしていった。国立、私立とも互いの値上げに便乗したとの批判もある。  かつて、学費値上げはしばしば学園紛争の引き金となった。紛争を回避しようとした大学は、やがて物価上昇率に合わせて学費を自動的に上げる「物価スライド制」を導入した。70年代から80年代にかけてのことだ。しかし、結果的に物価上昇率をはるかに超えて学費は上がってきた。  生活の豊かさは1人当たりの国民所得だけでは測れない。望む人が必要な教育を受けられる機会の均等は、豊かさの「絶対条件」の一つだろう。それが揺らぎつつある日本は「豊かさ途上国」へと後ずさりしているようにも思える。(K) "[he-forum 16172] 東京新聞(茨城)3/9"," 東京新聞(茨城) 2011年3月9日 学生支援の「基金」 新年度からスタート 筑波大  奨学金など学生への経済的支援を主目的とした「筑波大学基金」の創設記念式典が八日、つくば市の同大大学会館であった。これまでに約一億円が積み立てられ、大学は新年度から支援事業をスタートさせる。  国立大学法人の会計は単年度主義で民間企業のような内部留保ができない。最大の収入となっている国からの運営費交付金も年々目減りしており、大学独自の安定財源を確保するため、昨年四月に基金事業を始めた。  用途として、学生への奨学金や家庭の事情を考慮した緊急資金援助、日本人学生の海外留学、五輪代表など優れたスポーツ選手の海外遠征、大学と卒業生の連携強化などを支援する。運用益のみを財源とし、基金の目標額は百億円。  式典で山田信博学長は「若者の育成で、経済格差が教育格差につながってはならない。皆さまの善意を生かし、より良い社会の実現に貢献する人材を育成する」とあいさつ。高額寄付者の団体名や氏名を記した銘板を除幕し、感謝状を贈った。    (小沢伸介) "[he-forum 16173] 西日本新聞3/9 西日本新聞2011年3月9日付 3教育大の学長 教員養成など議論 宗像市  福岡、兵庫、宮城3県の教育大の学長によるシンポジウム「元気な教育日本の復活をめざす」が4日、宗像市の福岡教育大で開かれた。福岡教育大の寺尾慎一(60)▽兵庫教育大の加治佐哲也(59)▽宮城教育大の高橋孝助(67)-の3学長が教員養成の課題や対策について議論し、教育関係者など約120人が熱心に耳を傾けた。  教育現場では近年、学力の低下、不登校など多様な課題があり、教員には、高度な専門性や豊かな人間性が求められている。教育大の役割も大きくなっており、問題意識を内外で共有しようと初めて開かれた。  3人は、教員に必要な力を「自ら学び続ける力」「創造力」「対話力」などと提言。養成策として「目指す教師像の確実な共有」「大学院への進学促進」「海外留学の奨励」などを挙げた。今後10年間で教員全体の3割が退職期を迎える問題への対策の必要性も訴えた。 "[he-forum 16174] 時事通信3/8 時事通信2011年3月8日19時56分 あおぞら銀、初の産学連携を締結=岩手大と地域産業振興を推進  あおぞら銀行は8日、岩手大学の地域連携推進センターと産学連携による地域産業の振興を進めるための合意書を締結した。大学との連携は初めてで、岩手大が共同研究を推進している大学とも連携することで全国の地域産業振興に力を入れる。 "[he-forum 16175] 東京新聞茨城3/9 東京新聞茨城版2011年3月9日付 学生支援の「基金」 新年度からスタート 筑波大  奨学金など学生への経済的支援を主目的とした「筑波大学基金」の創設記念式典が八日、つくば市の同大大学会館であった。これまでに約一億円が積み立てられ、大学は新年度から支援事業をスタートさせる。  国立大学法人の会計は単年度主義で民間企業のような内部留保ができない。最大の収入となっている国からの運営費交付金も年々目減りしており、大学独自の安定財源を確保するため、昨年四月に基金事業を始めた。  用途として、学生への奨学金や家庭の事情を考慮した緊急資金援助、日本人学生の海外留学、五輪代表など優れたスポーツ選手の海外遠征、大学と卒業生の連携強化などを支援する。運用益のみを財源とし、基金の目標額は百億円。  式典で山田信博学長は「若者の育成で、経済格差が教育格差につながってはならない。皆さまの善意を生かし、より良い社会の実現に貢献する人材を育成する」とあいさつ。高額寄付者の団体名や氏名を記した銘板を除幕し、感謝状を贈った。    (小沢伸介) "[he-forum 16176] KFB福島放送3/9 KFB福島放送2011年3月9日10時24分 医大生の奨学金返還免除、県内全病院に適用 県は平成23年度、県内外の医大生が県から奨学金を借りた期間だけ県内地域医療に従事すれば返還が免除される「県へき地医療等医師確保修学資金制度」を一部改定する。 県議会福祉公安常任委員会で示した。 現在は医学部卒業後の後期研修を県立病院で受けた場合のみ1年間が返還免除の期間に換算される。 改定は、この条件を県立病院から県内全域の病院に緩和する。 資金の利用者はこれまで年間数人にとどまっていた。 県は免除期間に組み入れる後期研修先を県内の全病院に拡大することで利用者が増え、県内への医師定着にもつながると期待している。 "[he-forum 16177] 朝日新聞愛知3/10 朝日新聞愛知版2011年3月10日付 教員養成・研修 愛教大と協定 ●県総合教育センター  愛知教育大と、教員の研修機関の愛知県総合教育センター(東郷町)は8日、教員の養成、研修、研究の連携や協働についての協定を締結した。協定の期間は締結日から1年だが、いずれからも内容変更や廃止の申し入れがない場合は1年ごとに更新される。  協定の主な内容は、大学側はセンターが実施する教職員研修や教員研究に関し、大学教員の派遣や施設設備などの貸し出しに便宜を図る▽センター側は大学の教員養成プログラムや教師教育のための実践的教育研究に関し、センター職員の派遣や施設設備などの貸し出しに積極的に便宜を図るなど。  松田正久学長は「質の高い教員養成をセンターの色々なお知恵をお借りし、よりいっそう進めたい」、加藤滋伸所長は「役立てることを積極的に進めたい」とそれぞれあいさつした。 "[he-forum 16178] 中日新聞富山3/10 中日新聞富山版2011年3月10日付 富大に行員常駐派遣 富山銀 地域活性化へ連携  富山銀行(高岡市)は二〇一一年度から、富山大地域連携推進機構(富山市)に行員を常駐派遣する。地域振興への貢献が目的で、斎藤栄吉頭取と西頭徳三学長が九日、同大五福キャンパスで協定書を締結した。  地域連携推進機構は、産学官の共同研究のほかに市民講座を開催している。  銀行員の常駐派遣は北陸三県では初めてで、全国でも珍しいという。派遣されるのは三十代の男性行員で期間は一年間。銀行で培ったノウハウやネットワークを活用して、企業と大学の共同研究を企画立案するほか、金融機関と大学の連携による地域活性化策の調査研究をする。  西頭学長は「総合大学としての目玉は、研究教育と地域貢献。産官学と金融が個別で活動する時代ではなく、地域の結集が試される」と述べ、斎藤頭取は「大学の素晴らしい知的財産を活用して『地元の貯蓄』を地元に還元したい」と意欲をみせた。 (山田晃史) "[he-forum 16179] 大分合同新聞3/11 大分合同新聞2011年3月11日付 大学など7校がスクラム 共通教育授業  県内の大学・短大・高専計7校は10日、県庁で共同会見を開き、互換可能な単位を導入した共通教育授業や市民対象の公開講座などを企画する「とよのまなびコンソーシアムおおいた」(代表・大嶋誠大分大学副学長)の設立を発表した。  七つの「会員校」が連携し、それぞれの得意分野や人材を生かした講義などを企画、地域全体で教育力のレベルアップを目指す取り組み。大分大学の羽野忠学長は会見で「学生確保にもつながると期待している」と述べた。  会員校の学生を対象とした共通教育授業は、それぞれの教授が専門分野に応じて講義を分担。当面は大分にちなんだ一般教養が主で、録画・編集した上でインターネットで配信、学生は自宅などのパソコンで受講できる。  一般向けの生涯学習は外国語、地域学、パソコンなど計8講座を開講。専門性の高い実用的な内容を予定しており、立命館アジア太平洋大学の是永駿学長は「講座自体はバーチャルの『生涯教育大学』と言える」と自信を見せた。  県内の各大学などはこれまでに、留学生を支援する「大学コンソーシアム大分」や、単独の学校では難しい研究分野に連携して取り組む「地域連携研究コンソーシアム大分」などを組織している。 "[he-forum 16180] 福井新聞3/11 福井新聞2011年3月11日付 県立大改革「知の拠点」へ3方針 地域経済研究所も強化   福井県立大は10日、大学の今後の方向性を考える大学改革構想委員会の報告書を公表した。一層の国際化を目指して外国人留学生の受け入れ施設を整備するほか、独自研究の推進によって「地域と世界に開かれた知の拠点」を目指す。また、成長著しい中国市場をにらみ、新年度から地域経済研究所の機能を強化するとしている。  同委員会は、2012年度末までに策定する次期中期計画(2013~18年度)に学外の意見を取り入れようと設置。経済、水産、看護などの専門家12人が委員となり、昨年8月から4回の会合を持った。委員長は吉田優一郎理事長。  報告書では、知の拠点化に向け▽教育の質の向上▽先端的研究の推進▽国際交流・地域連携の拡大-の三つの方針を設定した。  国際化ではインターナショナルハウスを整備し、留学生の住環境を改善すべきとした。施設には外国人留学生をはじめ、日本人学生も入居できるよう求めた。大学の独自性を高めるため、県立恐竜博物館との連携強化や、エチゼンクラゲなど特色ある研究のさらなる推進も明記した。  新年度からはこれまでの学内の議論や同委員会の提言を踏まえ、次期中期計画策定に先駆け地域経済研究所を強化する。アジア経済が専門の坂田幹男副学長らが研究所の教員を兼ねることなどを柱に、中国のマーケットや企業などを研究し、成果を本県経済の活性化に結び付ける。  吉田理事長は「(2012年3月に)開学20周年を迎えるのを機に足元を見直す必要がある。さらなる国際化に向け、教養・語学教育を充実させたい」と話した。報告書を踏まえ、新年度に学内の議論や県との協議を進める。 "[he-forum 16181] 日刊工業新聞3/11 日刊工業新聞2011年3月11日付 世界大学評判ランキング、東大が8位の高評価-英THE調べ  英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が初めて実施した「世界大学評判ランキング」が10日発表され、東京大学が英米以外の大学として最高位の8位に入った。日本からは100位以内に京都大学や大阪大学など計5大学がランク入り。いずれもTHEの「世界大学ランキング」より高い順位となっており、世界大学ランキングと実際の「評判」との違いが鮮明となっている。  THEの世界大学ランキングには、論文の引用数、研究業績、財務状況、資金調達といった評価項目が含まれ、2010年秋の順位では東大26位、京大57位だった。  それに対して今回は、経験豊富な世界の学者1万3000人以上を対象に教育・研究で強い大学を聞き出して順位付けした。その結果、1位のハーバード大学をはじめ、10位以内に7大学が入るなど米国勢が強みを見せつけた。 "[he-forum 16182] 毎日新聞3/14"," 豈取律譁ー閨槭€€2011蟷エ3譛・4譌・縲€13譎・5蛻・シ域怙邨よ峩譁ー縲€3譛・4譌・縲€13譎・2蛻・シ・/span> 譚ア譌・譛ャ螟ァ髴・⊃・壼嵜蜈ャ遘∫ォ句、ァ縺ォ蜈・隧ヲ繧・焔邯壹″縺ョ蟒カ譛溯ヲ∬ォ・/h2> 縲€譁・Κ遘大ュヲ逵√・・托シ疲律縲∝・蝗ス縺ョ蝗ス蜈ャ遘∫ォ句、ァ蟄ヲ縺ォ隧ヲ鬨捺悄譌・繧・・蟄ヲ謇狗カ壹″縺ョ蟒カ譛溘↑縺ゥ縺ョ謗ェ鄂ョ繧貞叙繧九h縺・ヲ∬ォ九@縺溘€り「ォ轣ス繧・コ、騾壽ゥ滄未縺ョ荵ア繧後↓蜉縺医€∬ィ育判蛛憺崕縺ォ繧・ 繧区キキ荵ア縺御コ域Φ縺輔l繧九◆繧√〒縲譁・ァ醍怐縺ッ霑代¥縲∬ゥヲ鬨捺悄譌・縺ェ縺ゥ繧貞ョ壹a縺溘€鯉シ・大ケエ蠎ヲ螟ァ蟄ヲ蜈・蟄ヲ閠・∈謚懷ョ滓命隕・ ・€阪r螟画峩縺縲∫音萓区蒔鄂ョ繧定ェ阪a繧九€・/p> 縲€隕∬ォ九〒縺ッ縲∬ヲ・ ・〒・疲怦・托シ墓律縺セ縺ァ縺ィ縺励◆隧ヲ鬨捺律遞銀命・疲茨シ抵シ先律縺セ縺ァ縺ィ縺励◆蜷域 シ閠・アコ螳夂匱陦ィ笆ス・亥嵜遶句、ァ蟄ヲ縺ョ・牙燕譛滓律遞九・・捺怦・托シ墓律縲∝セ梧悄譌・遞九・・捺怦・抵シ玲律縺ィ縺励◆蜈・蟄ヲ謇狗カ壹″邱 繧∝・繧奇シ搾シ阪↓縺、縺・※蟒カ譛溘r豎ゅa縺溘€ゅ€千ッ 蜴滓・陦後€・/p> "[he-forum 16183] 共同通信3/14 共同通信2011年3月14日18時33分 東北大、4月下旬まで休校 弘前大は後期入試中止  東北大(仙台市)は14日、東日本大震災に伴い、4月下旬ごろまで休校すると発表した。3月25日に予定していた卒業式は中止、卒業証書の授与方法を検討する。  東北大によると、12日に予定していた入試の後期日程は、4月上旬に延期。入学式も4月下旬に延期する予定。  弘前大(青森県)と岩手大は14日、後期日程試験の中止を発表。大学100+ 件入試センター試験の得点と調査書で合否判定する。  岩手県立大は同日、後期日程の試験を3月24日に実施すると発表した。 "[he-forum 16184] 震災にあたってのアピール 琉球大学の亀山統一です。日本科学者会議が下記の緊急アピールを発表 したのでお知らせします。 日本科学者会議緊急アピール  3月11日に東日本を襲った巨大地震と大津波によって、 1万数千人とも推定される多くの住民が尊い命を奪われました。これら の犠牲者の皆さんに、日本科学者会議として心より哀悼の意を表しま す。多数の行方不明者の中から一人でも多くの方々が一刻も早く救出さ れることを、切に願っています。  被災地では45万人に達する人々が避難を余儀なくされ、それぞ れに孤立した状況下で水、食料、暖房用の毛布・ストーブ等の欠乏・不 足に苦しんでいます。被災者を救済しようという声が、いま日本中で急 速に広がりつつあります。日本科学者会議としても組織をあげて災害実 態の把握とそれを活かした救援活動に取り組む所存です。しかし、寒空 の下で、水、医療資材、食料、燃料、衣類・防寒具など被災者の生存に 最低限度必要な物資が決定的に不足しています。また、被災地では、停 電が続く中で情報の収集発信がままならず、孤立した状態におかれてい ます。国や地方自治体と民間企業等の総力を傾注して、急速かつ抜本的 な救援態勢を構築する必要があります。例えば、現地に支社や店舗を持 つ大企業の協力、日本海側航路や秋田県・山形県・青森県などで被害の 軽微だった地域のインフラや陸送業者の活用など、可能なのに未着手の ことがあります。日本政府の態勢はこの点で極めて不十分であり、緊急 の対応を求めます。  また何より、東京電力福島第一原子力発電所において、複数の原子炉 が同時に、日本で過去に起こったことのない、極めて重大な放射能漏れ を発生させています。政府や事業者の極めて不十分な発表によっても、 放射線防護に関わる炉の中枢部分の機能喪失さえも懸念される事態と なっています。  日本政府と事業者は、今起こっている事態をすみやかに明らかにし、 最悪の事態への進行を防ぐために何ができ、何をなすべきかを、全国・ 世界の英知を結集して検討し、実行していく責任があります。そして、 住民に対して、事態の全容を分かりやすく説明し、今ある危険と今後事 態が悪化する場合に取るべき対応について、十分な情報の提供と平易な 説明を行う必要があります。  現状では、断片的な現場の情報と、避難・室内待避の指示が出される だけであり、冷静な対処を首相が求めても、むしろ住民の不安は極限に 達していると言えます。十分な情報提供と、事態や取るべき対応につい ての科学的かつ平明な説明こそが、パニックを防ぎ、デマ情報を無力化 し、国民の冷静な行動と協力を可能にします。それは、世界の日本への 信頼を取り戻す道でもあります。日本政府と事業者に対し、広報体制の 抜本的な見直しを緊急に求めます。また、私たちを含む全国・世界の多 様な分野の科学者に、協力を求める態勢をつくるべきであることを指摘 するものです。  さらに、今回の大震災・大津波の被災状況の深刻さからみて、被災者 の皆さんの生活の再建と安定化ならびに被災地の復興・再建には、日本 政府による県や市町村などの地方自治体への全面的な復興支援が不可欠 です。その際、阪神淡路大震災からの復興過程で多くの社会的弱者が取 り残された経験から学んで、地域住民の生命と暮らしを最優先にした復 興計画を策定することを、日本政府ならびに各地方自治体に強く要望す るものです。  創設以来国民の生活向上のために科学を発展させることをめざしてき た日本科学者会議は、困難な中でも、まずは住民の生存と健康のため、 さらには希望住民本位の復興計画の策定に向け、広範な専門領域の会員 の英知を結集するものです。また、会員・非会員を問わず、全ての科学 者と研究機関に対し、救援に可能な全力を傾注することを訴えます。 2011年3月15日             日本科学者会議 "[he-forum 16185] JSA原子力問題声明発表と昨日のアピールの修正 日本科学者会議JSA幹事の亀山統一です。  昨日お送りしたアピールの第一段落に不適切な表現があり、お詫びして修 "[he-forum 16186] 四国新聞3/17 四国新聞2011年3月17日付 学内候補3人が決定/香川大次期学長選  香川大は16日、一井真比古学長が9月末に任期満了を迎えるのに伴い実施される次期学長選で、学内から推薦された3人の候補者を発表した。  候補者は、伊藤寛理事・副学長(64)、加野芳正教育学部教授(57)、長尾省吾県厚生農業協同組合連合会代表理事理事長(68)。15日に開いた学長選考会議で、学内から10人以上の推薦を受けた3人を候補適任者とすることを決めた。  学外候補者は4月14日から21日まで推薦を受け付け、23日に同会議が候補者(最大2人)を決定する。  5月23日に最終候補者を対象に教職員による投票を実施。同24日に投票結果や各候補者の面接結果、所信表明の内容などを同会議が総合的に判断し、新学長を選出する。 "[he-forum 16187] 南日本新聞3/16 南日本新聞2011年3月16日付 鹿児島大農学部に「焼酎・発酵学教育研究センター」  鹿児島大(吉田浩己学長)は4月、2010年度まで5年間開講した焼酎学講座を発展させた「焼酎・発酵学教育研究センター」を農学部に設置する。焼酎や発酵の研究拠点として、地場産業の推進や人材育成を図る。同大が15日発表した。  同講座で開講した焼酎製造学、醸造微生物学の2部門に加え、発酵基礎科学と発酵文化学を設置。焼酎だけでなく、バイオマス燃料など「発酵学」の研究を本格化させる。鮫島吉廣教授(焼酎製造学)、東京農大名誉教授の小泉武夫客員教授(発酵学)らが引き続き担当する。  同講座は県、県内焼酎メーカーなどが寄付講座として開設。開講後、39人が卒業し、酒造、食品会社に就職した。吉田学長は「焼酎学講座が地域に果たした役割は大きい。これまで以上に、充実した研究機関をつくりたい」と話した。  同日は「焼酎学講座5年のあゆみ」と題したシンポジウムを開催。小泉客員教授は「焼酎かすを発酵させて肥料とし植物を育てるなど、環境に配慮した循環型のものづくりが必要になる」と今後のあり方について指摘したほか、講座の研究成果が報告された。 "[he-forum 16188] 西日本新聞3/17 西日本新聞2011年3月17日付 福大筑紫病院建て替え 広さ1.8倍、救急医療拡充  地元の開業医などと連携して地域医療の充実を図る福岡大学筑紫病院(筑紫野市俗明院、345床)で16日、新病院建築工事の地鎮祭があった。新しい病院は延べ床面積が現在の約1・8倍となり、救急医療を拡充させる。2013年5月7日に開院予定で、新病院完成までは現病院での診療を続ける。  1985年に開設した筑紫病院は現在、小児科や内科など14診療科がある。老朽化に伴う建て替えで、現在駐車場の敷地に新病院を建築、地上5階建ての現病院敷地に立体駐車場を新設する。3月中旬に着工、14年6月に完成予定。総工費は約80億円。  新病院(延べ床面積約3万4000平方メートル)は病床数が310床に減るが、地上9階建てとなり、病室や待合室などが広くなる。診療科数も変更せず、より専門的な救急指導医を常駐させて救急部を独立する。さらに、免震構造や壁面緑化などを採用し、快適性を向上させるという。  岩下明徳病院長は「大学病院としても、地域医療の中核としても機能を充実し『あたたかい医療』を実現したい」と話していた。 "[he-forum 16189] 毎日新聞岩手3/17 毎日新聞岩手版2011年3月17日付 東日本大震災:卒業・修了式と入学式を中止 岩手大が初  岩手大は、卒業式・大学院修了式(23日)と、入学式(4月7日)を中止する。初めていう。  卒業式の対象は1506人。同日、大学に来ることができる学生には、学位記(卒業・修了証書)を授与。来学できない学生には後日郵送する。  入学式は定員1075人。前期授業は5月9日から始める。  同大は地震を受けた在学生・新入生を対象に相談を受け付ける。入学関係は入試課、身心の相談は保健管理センター、地震で本人や保証人がけがをするなど経済的な支援は、学生支援課。  県立大も、22日の大学、大学院、盛岡短期大学部の合同学位記授与式を中止。対象は573人で、学部ごとなどに授与式を行う。  このほか、延期予定だった入試後期日程を中止することにした。大学入試センター入試の得点や出願書類で判定する。合格発表は26日。入学手続きは27~31日。当初は、24日に延期すると発表したが、交通機関の状況など諸事情を再考した。【山口圭一、清藤天】 "[he-forum 16190] 東奥日報3/17 東奥日報2011年3月17日付 外国人向け災害情報工夫へ/弘大  弘前大学人文学部の社会言語学研究室は15日、東日本大震災で被災した外国人を支援するため、「余震」を「後で来る地震」に言い換えるなど、各種情報を外国人に伝わりやすい文言に書き直したり、掲示物に加工する活動を始めると発表した。国際交流協会や行政への協力を想定している。  同教室の佐藤和之教授は「的確な情報を受け取れれば適切に行動でき、将来への希望につながる」と意義を強調している。  佐藤教授らは、2010年に「『やさしい日本語』版災害基礎語彙(ごい)100」を完成させるなど、災害時に外国人向けの情報を分かりやすく伝える仕組みづくりに携わってきた。  「炊き出し」は「温かい食べ物を作って配る」、避難所は「みんなが逃げるところ」に言い換えるルールを作ったり、内容がすぐ分かるイラストを考案するといった活動だ。  「特に今回の地震では、都市部の公共交通機関まひで生じる外国人帰宅困難者への情報伝達や、原子力災害による放射性物質の飛散に対する的確な避難指示が必要」と佐藤教授は指摘する。  支援活動は各被災地の国際交流協会と国際課、防災課、さらには被災地で外国人対応に当たっているNPOやボランティア団体を対象に想定。学生も参加し、要請に応じて、「やさしい日本語」で書いた掲示物や配布物、ラジオ・テレビの字幕、広報車・防災無線等で読み上げる文案などの作成を手掛ける。  地震発生時、東京・銀座にいて、3日目に大阪経由でやっと帰宅したという佐藤教授は「ささやかでも、研究室一同で支援活動のお手伝いができれば」と話している。  申し込み・問い合わせは同教室(電話0172-39-3227、メールkokugo@cc.hirosaki-u.ac.jp)へ。※「@」を半角にしてください "[he-forum 16191] 山陽新聞3/19 山陽新聞2011年3月19日付 中四国の“学都”構想実現を 岡山大・千葉学長が退任会見  3月末に任期満了で退任する岡山大の千葉喬三学長(71)が18日、同大津島キャンパス(岡山市北区津島中)で記者会見した。国立大学法人化(2004年)に伴い意識改革を強力に推し進めた6年間を振り返り、大学の持続的な発展を願った。  法人化には副学長時代から深く関わり、02年には教員の教育研究の「質」を問う評価制度を導入した。05年の学長就任後は「国の指示通り」ではなく「自らの意思」で大学を運営するという意識改革を全教職員に要求。そのため「計画、実行、評価、改善の繰り返しを徹底した」という。  中四国地方の学術センターを目指す“学都”構想については「大学の自由度が増した『天の時』、交通の結節点という『地の利』は既にある。『人の和』を育み、社会のニーズに応えれば実現できる」と訴えた。  日本のみならず国際的にも大きな衝撃を与えた東日本大震災の犠牲者には哀悼の意を示し、「国家的危機ともいえる状況に際し、リーダーシップを発揮できる人材育成が大学の使命だ」と話した。 "[he-forum 16192] 西日本新聞3/21 西日本新聞2011年3月21日付 こども病院移転で九大併設再検討求める 検証委  福岡市立こども病院(中央区)の人工島(東区)への移転計画を検証する調査委員会(委員長=北川正恭・早稲田大大学院教授)の第4回会合が20日、福岡市役所であり、九州大学医学部敷地内(東区)へ移転させる構想について「市民にメリットがある」として再検討を求める意見が出た。次回(27日)に協議し、移転先の選択肢に加えるかどうかを判断する。  この構想は、医師有志が「こども病院と九大病院が併設すれば、幅広い分野の小児疾患に対応でき、患者が成人しても診療できる」と2008年に市に提案した。市によると、九大病院長は市側との計4回にわたる面談で「こども病院を受け入れるための土地提供は難しい」としていた。  この日の会合で、田口智章委員(九大大学院教授)は「高島宗一郎市長が九大学長に正式に要請すれば、もう一度検討される」との認識を示した。その上で、広い敷地が前提ならば困難だが「エレベーターを用いて病院を高層化するのであれば、検討される余地はあると思う」と述べた。 "[he-forum 16193] 毎日新聞和歌山3/19 毎日新聞和歌山版2011年3月19日付 連携協定:発想触れ刺激を 県教委、京大と教育研究  県教委は16日、京都大学教育学部・大学院教育学研究科(京都市)と連携協力に関する協定を締結した。京大研究者による教員や生徒らへの講演や指導などのほか、県内の学校を対象にした実践研究に協力する。県教委と高等研究機関との連携協定は5件目。京大であった協定書調印式には、山口裕市・県教育長や京大の辻本雅史・同研究科長兼同学部長らが出席した。  協定によると、大学側からは指導者が年間5回程度、県内の学校に派遣される。教員への研修や講演、総合的な学習での生徒への指導などを想定しているという。また、県教委側の協力としては、京大の教育研究の実践校として、受け入れ可能な学校を選定・紹介する。  希望する学校には、通常のオープンキャンパスとは別の京都大学研修ツアーを実施する。県教委学校指導課は「京大教育学部・研究科は研究者養成に重きを置いている。県内の生徒らに研究者の発想に触れてもらい、刺激を受けてほしい」としている。【岸本桂司】 "[he-forum 16194] 日刊工業新聞3/22 日刊工業新聞2011年3月22日付 広島大と広島県、ひろしま技術移転センター廃止-知財創出を独自に展開 【広島】広島大学と広島県は「ひろしま技術移転センター(HTC)」を廃止し、、2011年度から独自に知的財産の創出などに取り組む。広島大学はHTCの知財出願業務、コーディネーターなどの人材を産学・地域連携センターに取り込む。県は特許庁の委託を受け、広島県発明協会とひろしま産業振興機構で「中小企業知財支援センター(仮称)」を設置し、中小企業の知財相談体制を整備する。双方とも引き続き緊密な連携をして、地域企業の競争力強化の支援をする方針。  広島県は03年に大学などの研究成果の知財を産業界に移転する「広島TLO」を設置。08年に広島TLOと広島産学連携センターの機能を統合しHTCを設置した。技術移転、特許出願、共同研究などに取り組み、技術移転143件、取り扱い特許約370件の実績がある。  広島県は中小企業などの知財の創出・活用支援を再構築するためHTC廃止の方針を打ち出した。 "[he-forum 16195] 読売新聞3/23 読売新聞2011年3月23日付 鹿児島大、練習船で物資輸送  東日本巨大地震を受け、鹿児島県内の大学で被災者支援の輪が広がっている。  鹿児島大は救援物資輸送のため練習船を派遣。被災地出身の学生への授業料免除なども各大学で検討している。  鹿児島大は23日、水産学部の練習船「かごしま丸」(1297トン)を新潟港に派遣する。国立大学協会の要請に応じ、同大からは家庭用医薬品やマスクなどを送る。さらに九州の国公立大から集まった救援物資を博多港で積み込んで新潟港に運び、東北大(仙台市)などに届けるという。  鹿児島大は地震発生3日後の14日、吉田浩己学長を本部長とする「支援対策本部」を設置。医学部・歯学部付属病院の医療支援チームや緊急被曝(ひばく)医療対策班、学校施設の応急危険度判定調査職員が、いつでも被災地支援に出発できるよう態勢を整えている。  東北出身の学生が多い鹿屋体育大(鹿屋市)は「保護者が被災した学生もおり、緊急の支援を行う必要がある」として、大学のホームページなどを通じて教職員や学生に義援金への協力を呼びかけた。鹿児島純心女子大(薩摩川内市)も19~21日の3日間、学生有志が鹿児島市のJR鹿児島中央駅前で義援金を募った。  4月に霧島市から鹿児島市に移転する志学館大では、宮城県東松島市に帰省中の学生が一人いたが無事を確認。鹿児島国際大(鹿児島市)も、新年度の入学予定者に宮城県登米市在住者が一人おり、自宅が被災したが無事だったという。  両大学は「学生への支援について必要に応じて対応する」とし、鹿児島大は被災地出身者の実家の被災状況に応じて授業料免除などの支援を行う。 "[he-forum 16196] 日刊工業新聞3/23 日刊工業新聞2011年3月23日付 産総研と阪大、連携・協力の推進で協定  産業技術総合研究所と大阪大学は22日、連携・協力の推進に関する基本協定を結んだと発表した。共同研究や連携事業を通じオープンイノベーションシステムの構築や産業競争力の強化に貢献する狙い。(1)人間と機械の融合領域(2)情報研究の産業応用分野(3)理工学と医学の連携分野―で共同研究するほか、アジアや欧米などの大学、研究機関との連携を両者が協力して進める。  また両者は人材交流、研修を実施するとともに優れた人材の供給の視点から産業界の協力を得ながら効果的な共同事業を策定する。  両者はロボットなどの知能機械システムや人間を科学するライフサイエンスで研究実績があり、ナノバイオテクノロジー、炭素材料、高分子科学、生物工学などの分野でも研究成果の蓄積がある。一方、組み込みシステム技術の進展、普及の観点から産業界の人材育成のための「組込み適塾」活動を連携して進めてきた。 "[he-forum 16197] 日刊工業新聞3/25 日刊工業新聞2011年3月25日付 東北大金研、兵庫県大と協定-関西で産学官連携拡大 【東大阪】東北大学金属材料研究所は4月にも兵庫県立大学と連携協定を結び、付属施設大阪センター(堺市中区)を「関西センター」に改称する。  センター設置から事業期間の5年が経過するのを機に、関西地域での産学官連携を拡大。環境・省エネにつながる素材開発などを研究する「革新的グリーン材料設計分野」を新設し、計七つの研究分野でスタートする。金属系新素材の研究成果を、関西地域の産業支援や人材育成に生かす。  東北大は兵庫県立大学のナノ・マイクロ構造科学研究センターと連携する。ニュースバル放射光施設(兵庫県上郡町)などを利用した次世代省エネルギーデバイス向け超微細加工技術の研究、神戸市に設置される理研のスーパーコンピューター「京(けい)」を活用した材料設計、金属ガラスを用いたインフラ向け構造材の創成などの分野で連携が期待できる。 "[he-forum 16198] 毎日新聞3/28 毎日新聞2011年3月28日付 特集:根岸英一さんと3人の化学者、研究課題・人材育成を語る ◇資源と化学の力活用 工業立国、日本の繁栄  根岸英一・米パデュー大特別教授のノーベル化学賞受賞と2011年世界化学年の開催を記念して、ディスカッション「化学の力が世界を変える」が、東京都内で開かれた。根岸特別教授のほか、相田卓三・東大大学院工学系研究科化学生命工学専攻教授▽黒田玲子・同院総合文化研究科生命環境科学系教授▽西出宏之・早稲田大大学院先進理工学研究科応用化学専攻教授が参加し、研究や人材育成など広範な意見を交わした。司会は川島信之・日本化学会常務理事。【小野博宣】  ディスカッションでは冒頭、根岸教授が化学分野を目指す若い人たちに、「日本のような天然資源の少ないところは持てる資源を科学的に有効に最大限使うべきだ。化学の力で技術、工業立国として将来栄えるように持っていく必要がある。特に若い人が化学の分野に入ってくることは大事だと思う」などと激励した。さらに、各教授が研究テーマを紹介した。  相田教授は、水を原料にした新たな新素材「アクアマテリアル」について述べた。黒田教授は、化学と生物の両分野にわたり、左右対称と非対称の発生のメカニズムなどについて研究していることを報告。西出教授は、高出力・高速充電が可能な有機物からなる電池について説明した。  続いて、日本の化学界の課題などについてディスカッションを行った。根岸教授は「どのような指向性を持って研究すべきか。三つ四つの目標、夢を持つべきだと思う」などと話した。  ◆世界化学年開催記念ディスカッション(要旨)  根岸・パデュー大特別教授と3人の化学者とのディスカッション(要旨)を紹介する。  川島・日本化学会常務理事 日本の化学研究の課題についてお話しください。  相田・東京大教授 国際的なスタンダードからしますと、日本の化学者の扱いはかなり悪い。大学は国際化とよくいいますが、日本の大学のスタンダードで外国人を雇おうと思っても誰も来ません。  根岸・パデュー大特別教授 (外国人は)どのレベルの化学者ですか。  相田氏 他学科ですが、教授のレベルと聞いています。研究環境としては魅力はあるが、家族のことを考えると来日できないと言われたそうです。(条件が悪くても働く)日本の研究者は、好きだからやっているという状況です。  友人の化学者には1億円プレーヤーがいたり、年収5000万円という人もいる。そういう方に「日本でやってくれ」というのは非常に難しい。今後ともこのままですと、残念ながら若い世代にアピールするということは、継続的にはかなり難しいのかなというふうに思わざるを得ない。  根岸氏 私自身の経験でも、かつてオファーをいただきましたが、数十項目(の条件が)あって、ぜんぶ受け入れ難かったですね(笑い)。だいぶ怒られたんですが、お断りする以外に方法はないということがありました。  川島氏 ノーベル賞受賞の前ですか。  根岸氏 ずっと前です。やはり、メリットレイズ(より高い利益)がないと、(日本の化学者が)逆に外に行くかもしれないですね。  これはアメリカのやり方と大分違うなと思います。アメリカですと、採用する時は(給料などが)5割増しとか、時には倍になります。やはり(日米の)社会構造的な問題がかなりありそうですね。  川島氏 天然資源がない中で、頭脳、テクノロジーを大事にと言いながら、きちんとしていないということですね。それでは黒田先生、お願いします。  黒田・東大教授 例えば、(ノーベル賞を受賞した)下村(脩・米ボストン大名誉教授)先生がいなかったら、GFP(緑色蛍光たんぱく質)も何もないわけです。 ==============  ▼アクアマテリアル--相田卓三・東大大学院工学系研究科化学生命工学専攻教授  「水からマテリアル(素材)を作りたいと考えています。(固体の)アクアマテリアルはほとんど水ですが、氷ではなく、プラスチックのような性質を持っています。変形しますし、化石燃料はほとんど使っていません。どこにでも捨てられ、体にも影響はない。今後さまざまな分野に応用したい」  ▼有機電池--西出宏之・早稲田大大学院先進理工学研究科応用化学専攻教授  「蓄電池は停電のバックアップとしても働きますが、一般的に鉛、リチウムなど金属でできています。資源の限界、安全性など課題が残されています。有機物からなる電池ではそうした問題点がなく、わずか3秒で高速充電できます。薄型電池の試作品もあり、化学のフロンティアを開くと思います」  ▼カイロモルフォロジー研究--黒田玲子・東大大学院総合文化研究科生命環境科学系教授  カイロモルフォロジーは、キラル(左右非対称性)とモルフォロジー(形態)の造語。「化学では固体状態のキラリティーの創製、転写と、測定装置の開発をしています。生物では巻き貝の左右が1個の遺伝子で決定されることに着目、動物の体を決めるプロセスを明らかにしようとしています」 ==============  ◇根岸さんから若者にメッセージ  根岸特別教授に、若手研究者らへのアドバイス、期待などを語ってもらった。聞き手は、川島信之・日本化学会常務理事。  ◇「化学は好きか」自問自答を  --はじめに若い人たちにメッセージを。  化学の世界を目指す中学生や高校生、大学生に話をする時は、「二つの問いに自分で答えなさい」と言っています。  ひとつは、「理数系の科目がよくできますか」という質問です。「勉強してもうまくいかない」と言う人は敗者復活すればいい。ですが、「できない」と言う人は、別の道を選ぶべきです。  次に「化学が好きですか」という質問です。やはり嫌いなものを一生続けるのはつらい。  この二つの質問に「イエス」と答えられたら、素質を持った方だなと思います。若い人にはぜひチャレンジしてほしい。  --若い時のご自身の体験を教えてください。  大学を卒業して民間企業に就職しました。そこである課題をもらったのですが、「自分の実力ではとても結果を出せない」と不安を抱きました。「どうしたらいいか」と悩んでいて、フルブライト留学生のことを知りました。  試験に合格するために、会社に行く前、毎朝5時半に起きて1時間か1時間半勉強を続けました。同室の同僚はうるさかったと思いますが、何も苦情は言われませんでした。倍率は50倍から100倍だったと思いますが、合格しました。希望を持ってアメリカに渡りました。25歳の時です。  --小さい時から自分をコントロールできる子だったのですか。  あまりやりたくないことはやらなかったと思う。お習字とか。いわゆる優等生ではなかったと思う。  --外国で研究しますと、言葉の問題があります。どのように克服されましたか。  これは時間がかかりますね。英語は中学1年から習うわけですが、音楽とか音に敏感でした。日本人の英語の先生の発音と、FEN(極東放送)の発音では全く違うと思いました。どちらが正しいか言うまでもない。病気で大学を休学した時に実用英語を学びましたが、どの程度役に立ったのか分かりません。  --共通語は、ブロークンイングリッシュと言われていましたね。  文法も発音も間違いますが、ひとまず英語として通じればいい。ちょっと間違っても「許してね」ということです(笑い)。  ◇「三つ四つの目標持って」--根岸  ◇「化学者の待遇改善を」--相田  ◇「学生は夢語る勇気を」--西出  ◇「評価者の育成も必須」--黒田  下村先生はがんの研究のために発見したわけではなくて、「何でクラゲが光るんだろうか」という思いに駆られて85万匹のクラゲを使って、実験したわけです。  そういう人がいて、それを応用する人がいる。そういうことで(化学は)広がっていくと思います。  ですから、最初の人も大切にしなければいけないと思います。ただ、基礎は基礎をやってるから偉いのではなくて、基礎をやってる人は自分の研究がどこかに化けないか、化けないかと思ってやる。そういうマインドを持って研究していくということも必要なのかと常々思っていますね。  それが一点と、もう一つは、目利きが必要だと思います。つまり評価をする人が優れた識見と先見性とを持っていて、「これは面白いんじゃないか」「これはそうでもないんじゃないか」ということが見通せるような人、そういう人を育てないといけないと思います。評価者を評価するシステムがないと、評価者が言ったことはオールマイティーになりがちです。全然分かっていない人が評価しているかもしれないのに。  昔は、目利きがいました。「何が今面白いですか」と研究室を歩いていました。  根岸氏 その昔の人は、どういう方なんですか。文部科学省の方ですか。  相田氏 科学技術庁です。  川島氏 では、西出先生、お願いします。  西出・早大教授 化学が「サイエンスとして成熟し終わったのではないか」と言う人がいます。しかし、化学はそんなに底の浅いものじゃないと思います。まだまだいろいろなモノが出てくるんだということを、常々強くメッセージを送ることが大事だと思います。新しい考え方で、世の中に今までないモノを作り出せると。  (学生や若手研究者が)研究を楽しく思い、もっと志や自分の夢を語ってほしい。学生たちが帰り道、飲み会などで何を話しているのか。「あそこのラーメン屋はうまい」とか、そういうことばかりです(笑い)。  やはり「この実験は面白かった」「明日の朝一番に行って、こういう反応を仕掛けるんだ」と。そして、研究について夢を語る、「こういうことに挑戦するんだ」と仲間でしゃべる、そういう勇気を持ってほしい。さらに持たせるように環境をつくっていくのが、我々シニアな立場の者の役目ではないかと思います。  私、「Chemistry」(ケミストリー=化学)を、「Chem is try」(ケム・イズ・トライ=化学は挑戦する)と因数分解しています。ですから、化学はチャレンジして、やっぱり化けるんだと言いたい。トライしなきゃいけないんだと。ですから、「Chem is try」とチャレンジしようと語りかけています。  根岸氏 西出先生のオリジナルですね。すばらしい。  川島氏 最後に根岸先生、お願いします。  根岸氏 やはり「いい化学がいい」「いい研究がいい研究なんだ」と思います。それを追求するのが我々の目的だということを、忘れないようにしないといけないと思います。  では、どういう指向性を持って研究していくべきかということですが、やはりある程度は二つ、三つ、四つの目標、夢を持つべきだと思いますね。  文部科学省が掲げている大きなタイトル、それにいつでも応じるような形で研究する必要はないと思います。しかし、それを無視するのもいけない。  重要なことは、そういうところからスタートして、それぞれの場を作る。私はエクスプローレーション(探究)の場と呼んでおりますが、そういう場を皆さん作っておられて、そういうところでどんどんやっていかれたら、所期の目的に必ずつながると思います。  そういう観点から、かなり厳しく最初から評価する必要があると思うんですね。駄目なものは駄目と、いいものはいいと。  だけど、駄目でも敗者復活戦というのが、昔からスポーツでも学問でもある。戦争から帰ってきた人が30歳ぐらいになって大学に行ったりとか、いろいろありますよね。駄目でも復活してくればいいんじゃないかと思います。  そういうプロセスがなかったら、それだけのジャンプといいますか、それだけの成長をする機会がなくなるわけです。  しかし、日本の古くからある文化がありますね。みんなで仲良く手を組んで一斉にスタートして、一斉にゴールラインに行きましょうという考え方ですが、それが少し強くなり過ぎているかもしれませんね。私はコンペティション(競争)というものを避けることはできないと思います。 ==============  ◇「独創的な研究を」--北海道大・鈴木章名誉教授  ノーベル化学賞を受賞した北海道大学の鈴木章・名誉教授がメッセージを寄せてくれた。主な内容を紹介する。  昨年10月のノーベル化学賞受賞決定後、いまだ経験したことのない多忙な毎日を過ごしました。ようやく少し時間的に余裕が持てるようになったところです。  私の学生時代を振り返りますと、まことに普通の学生でありまして、初め数学に興味を持ち、北大教養部に入学した時には数学を専攻しようと考えていました。しかし、教養部で使用したアメリカ・ハーバード大学のフィーザー先生の有機化学の教科書に魅了され、有機化学の道に進むことになりました。  その後、博士課程を修了後、後に私の恩師となりますアメリカ・パデュー大学のブラウン先生の教科書「ハイドロボレーション」を読んで、有機ホウ素学の研究に取り組むことになりました。  すなわち私の人生を決定したのは2冊の本であったわけです。もし2冊の本に遭遇しなければ、私の人生はまったく違った方向へ進んでいたと思います。  1963年から65年までブラウン先生の研究室に留学させていただき、有機ホウ素化合物の勉強をいたしました。当時、有機ホウ素化合物が有機合成の有用な中間体になると考えていた研究者は少なかったと思います。私は札幌に戻ってから、有機ホウ素化合物を利用する有機合成の研究を始めましたが、当時この種の研究を行っていた研究者は我が国を含め世界的にも非常に少なかったと思います。  (研究の)立派な成果を得るためには、ひとえに自然を直視する謙虚な心と小さな光を見逃さない注意力、さらに旺盛な研究意欲が必要であると考えられます。さらに加えて神が与えた幸運が関係するかもしれません。しかし、はっきり言えることは、何もしないで手をこまねいていたのでは、けして幸運はやってくることはないということであります。  現在の化学界に望むことはたくさんあります。化学の世界だけでなく、すべての科学についていえることだと思いますが、私は現職の教授の時に周囲の学生諸君にいつでも話していたことですが、重箱の隅をほじくるような研究はするな、その重箱が小さくてもいいから自分が作った重箱を埋めるような研究をと申しておりました。  これと同じようなことをブラウン先生がよく言われておりました。それは「教科書に載るような仕事をしろ」ということでした。  いずれも独創的な研究をしなさいということで、化学の領域にはまだまだ不明な大陸が多く残っています。従って若い学生諸君は化学の領域で研究する分野はもうなくなったとは考えないでください。資源のない我が国では、付加価値の高いものを生産し、外国に輸出することが望まれますが、サイエンスの中でもものを作ることに大きく関係する化学の将来に希望を持たれ、多くの皆さんが参加され、その発展に寄与されることを強く希望します。 "[he-forum 16199] NHKニュース3/27 NHKニュース2011年3月27日21時34分 東大 震災で新学期を一部延期  東京大学は、東北関東大震災の影響で、福島第一原子力発電所で事故が続いているほか、今後、大きな余震も想定されるとして、工学部などの一部の学部で、新学期の開始を1か月余り遅らせることになりました。  東京大学は、例年、4月1日から新学期を開始し、12日に東京・千代田区の日本武道館での恒例の入学式を予定していました。ところが、ことしは今月11日に発生した東北関東大震災の影響で、東京電力の福島第一原発で事故が続いているほか、今後、大きな余震も想定されることから、一部の学部で、新学期の開始を1か月余り遅らせることになりました。大学院を含めると学生数が最も多い工学部と、経済学部は、新学期を5月6日から開始し、遅らせる分は土曜日の講義や学期の終了を数週間遅らせることで補う方針です。また、来月12日の入学式は、恒例の日本武道館では行わず、東京・文京区の本郷キャンパスで新入生の代表者だけが参加して行うことになりました。一方、教養学部は、新入生への周知が間に合わないなどとして、新学期を例年どおり4月から始めるとしています。東京大学が延期を決めたのは、大学の使用電力量が東京都内で最も多いことや、今後の計画停電によって学生の通学にも影響が出ることも背景にあるということです。東京大学が新学期の開始を遅らせるのは異例の措置で、「キャンパスに大勢の学生が集まった状態で、何かが起きた場合のパニ・u梺D・籠鷦〆匈欧鯔匹・燭ぁ廚箸靴討い泙后E豕・膤悗蓮・慇犬砲魯曄璽爛據璽犬筝Φ羲爾鯆未靴銅・里垢襪海箸砲靴討い泙后 "[he-forum 16200] しんぶん赤旗3/29 しんぶん赤旗2011年3月29日付 被災学生の支援強めて 民青都委員会が文科省要請  日本民主青年同盟東京都委員会は28日、東日本大震災で被災した学生・高校生らに対する支援強化を文部科学省に申し入れました。日本共産党の宮本岳志衆院議員が同席しました。  被災学生らへの奨学金は日本学生支援機構の既存制度内の対応にとどまり、学費への支援は各大学任せになっています。  岩崎明日香都委員長は、宮城県にある実家が地震で全壊した都内の国立大学の男子学生の例を紹介しました。学生の両親は職場に戻れる状況ではなく、勉強を続けたいが学費を払い続けることができるのか、寮に住み続けられるのか大変不安に思っているといいます。岩崎さんは「行政の支援がないと、学費などめどが立たない。緊急の支援が求められている」と述べ、国の特別措置が必要だと訴えました。  参加した40人の学生や青年は「家族は無事だが被災し、東京の自分の部屋に避難してきた。6畳に4人で住んでいる。父親は仕事が再開し、いったん帰省した。奨学金をもらっているが、今後の学費や生活費が不安」(福島県いわき市出身、私立大学1年の男子学生)などと訴えました。  要望書は▽学費免除、奨学金の周知徹底▽学費免除制度の拡充▽家賃助成制度の創設▽経済・健康面での相談窓口の各大学・学校への設置▽「内定取り消し」や就活時期を逃すことがないような手だてをとること―など求めています。  応対した文科省担当者は、国公私立大学に通う被災学生への学費減免や、阪神・淡路大震災では認められなかった専門学校生への授業料免除などは協議中と答えましたが、結論を出す時期は明言しませんでした。 "[he-forum 16201] 朝日新聞3/28 朝日新聞2011年3月28日付 知の総力をあげて復興を   東京大学で24日、大学院を修了した人を対象にした学位授与式と学部生の卒業式が開かれた。東日本大震災の影響で、式は大幅に変更になり、浜田純一総長のあいさつも大震災と学問・知識の関係に大きく時間をさく異例の式になった。  例年、東大は、大学院と学部それぞれに分け2日間で、文系理系の2部制の学位授与式と卒業式を開いてきた。もちろん、対象者ならだれでも出席できるが、今回は大学院の研究科と学部代表のみの出席。場所もそれまでの1000人規模の出席が可能な安田講堂から小規模の小柴ホールに場所を替えた。震災や福島原発の影響と多数の人が一堂に集まる際の避難リスクを配慮したという。  大学院修了の学生は修士課程2800人、博士課程706人、専門職学位課程405人。学部卒の学生は3101人。代表として式に出席したのは大学院が31人、学部が12人となった。100人程度が入るホールだが、出席したのはほかに執行部と各研究科・学部長で、席にはかなり余裕があった。  式は大学院と学部の2部に分かれて、実施された。ふだんは学部の卒業式が注目されるので、ここでは大学院の学位授与式を中心に紹介したい。  浜田総長の学位授与式でのあいさつは「知識人」としてのあり方を問いかける次のような言葉だった。  「学術という専門性を身に付けた私たちに求められているのは、これからの被災地の復興に、さらには日本全体の復興に、どうやって私たちの専門的な知識や知恵を生かしていくことができるのか、真剣に考えることであろうと思います。これからの復興は、社会インフラの整備や町づくりなどともに、生活や社会の仕組み、さらには、自然とのつきあい方も含めて、私たちの生き方そのものについても改めて考えていくような復興となるだろうと思います。それは一つの時代の終わりであり、また始まりです。大きな変化の時期にあっては、第二次世界大戦後の60年余だけを振り返ってみても、いくつかの節目に、個々の専門知識を活用するというだけでなく、幅広い知識を基盤に歴史的な視野のなかで時代を見る力を備え、また理念の作用力を信じることによって、時代を前に突き動かす役割をした人びとが存在したように思います。そこで、私は『知識人』という言葉に今日触れようと思ったのです」と話を進めた。  このあと、総長は作家、大江健三郎氏の知識人についての言葉を引き合いに出して、「これまでの社会の枠組みや考え方全般と、建設的な緊張を持ち続けながら次の時代をつくっていく役割が『知識人』という存在に期待されるだろうと考える」と続けた。  さらに、「これほどのすさまじい惨禍をどうして避けることができなかったのか、あるいは原子力をどうしてもっと適切にコントロールすることが出来ないのか、これまでよしとされていたものをもう一度見直してみることが、いま求められているように思います。それは技術の問題だけではなく、社会の仕組みの問題であり、私たちの生き方の問題であり、つまるところ、私たちの基本的なものの考え方の問題にもかかわってくるとこがあります。こうした時代に求められるのが、専門家であると同時に知識人である人たちです。つまり、『今あるもの』にとらわれず、自らの知的意味での全存在をかけて建設的な挑戦を行っていく人たちです。そうした知識人が多くの人びとと協働して大きな変化のうねりを作っていくことが、日本の復興を支える重要な基盤となるはずだと考えています」と、問いかけた。  最後には、「この学位授与式の記憶は、大震災のすさまじい惨禍の記憶とともに残ることになるはずです。その記憶をバネとして、『知識人』として成長し、新しい社会を作るために先頭に立って活躍をする皆さんの姿を楽しみに、私の告辞を終えることにします」と締めくくった。  これまで東大の卒業式では、歴代の総長が何を話すか、注目されてきた。戦後間もないころや大学紛争前の告辞でも、いくつか話題になった言葉がある。東大の存在や性格自体も変わってきた。大学進学率1割ほどの時代と、現在のように5割を超えた時代とは、総長の言葉の世間の受け止め方も違うかもしれない。ただ、今回は大震災の影響でかなり緊迫した事態となっているので、「知識人」としてのあり方を問う言葉は説得力をもった。  その意味では、学位授与式の大学院修了の学生に向けた言葉というよりも、現在の「知識人」として期待される学者や専門家に向けた言葉ととらえることもできる。  大震災の緊急対応や対策はさまざまなところで日々続いている。日本学術会議などでも震災に関連した議論が始まっている。いまはいかに政府や組織が危機を脱する手を打てるかという視点が中心にならざるを得ないが、これまでの社会や慣行を考え直すことも必要になってくる。  そのためには、それほどしがらみにとらわれない立場で発言できる科学者の知恵が求められる。細かな専門領域にとらわれるのではなく、すべての専門領域から多くの科学者が復興をテーマに知恵を絞る円卓会議のようなものが必要になるのではないかと、浜田総長の告辞を聞いて考えた。 "[he-forum 16202] 専門家の名による誤情報の是正は大学人の責務 佐賀大学の豊島です. 福島原発事故をめぐって,放射線の健康影響についての誤った情報が 「専門家」と言われる人の口から乱発されています.放置してはいけな いと思います. 今朝の「スーパー・モーニング」に対して,次のような要請を送りまし た.(ブログにも掲載) ------------------------ テレビ朝日 スーパー・モーニング御中    佐賀大学理工学部教授,大学院工学系研究科教授               豊島耕一 本日(4月1日)朝の貴局番組「スーパー・モーニング」に おいて,コメンテーターの松本義久准教授は,スペースステーションの 搭乗員の被ばく量を引き合いに出し,福島原発による放射線が健康に全 く影響がないというコメントをされました.これは全く不適切な比較で あり,放射線の健康影響についての誤解を広めてしまう恐れがありま す.速やかに,同じ番組において,また同等以上の視聴率の時間帯にお いて,訂正放送をしていただくようお願いします. 誤りの内容は以下のとおりです. 1)スペースステーションの搭乗員のような職業的被ばくと,一般公衆 の被ばくとを同等に扱っていること. 2)一般公衆の被ばくは,「集団線量」という観点から評価されなけれ ばならない.つまり低い線量でも大勢の人が被ばくする場合は,発ガン などの発生の統計的期待値として評価されなければならない.この重要 なポイントに全く触れていない. 短い限られた時間では最も重要なことは漏らさずに解説すべきであると 思いますし,また上記1は放射線と健康についての考え方の根本ルール を誤らせるものです.速やかな対処をお願いします. 2011年4月1日 ------------------------ 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16203] 山陽新聞4/1 山陽新聞2011年4月1日付 岡山大・千葉喬三学長が退任 「社会の公器として高み目指せ」  岡山大の千葉喬三学長の任期満了に伴う退任式が31日、同大創立50周年記念館(岡山市北区津島中)で開かれた。  式には教職員約150人が出席。千葉学長は「法人化した大学を中四国の学術拠点とするため全力を尽くした」と2期6年間を振り返り、「社会の公器として、教育や研究、医療などあらゆる面で高みを目指し続けてほしい」と話した。  続いて花束を贈られた千葉学長は、同日付で退任する田中宏二、佐藤豊信、曽良達生、岡田雅夫副学長ら7人の理事とともに拍手を受けながら退場した。  新学長には1日付で森田潔・岡山大病院長が就任する。 "[he-forum 16204] 日本経済新聞4/1 日本経済新聞2011年4月1日付 132大学が入学式中止・延期 震災で、授業延期も115校  震災の影響で4月初旬に予定していた入学式の中止・延期を決めた大学が132校に上ることが1日、文部科学省のまとめで分かった。前期授業の開始時期を遅らせることを決めたか検討している大学も115校に達した。被害が大きかった東北地方の大学だけでなく、東京電力の計画停電による混乱を懸念する首都圏の大学でも授業延期などが相次いだ。  入学式を中止・延期した132校のうち、51校が被害の大きかった東北地方と茨城県だった。首都圏も含めて余震や停電の際に安全を確保できないと判断した大学が多く、式を開く場合でも時期を5月初旬にずらすケースが目立った。深刻な被害を受けた被災地への配慮や、節電のため式典を自粛した大学もあった。  式典の規模を縮小する大学も多い。東京大は恒例の日本武道館での式典は見送り、キャンパス内のホールに新入生代表のみを招いて行う。  授業開始を4月中旬以降に遅らせるのは61校。39校は5月から授業を始めることを決めた。東北地方では被災したため2010年度の成績評価を終えられなかった大学もあり、すぐ再開するのが困難という。 "[he-forum 16205] 北海道新聞4/1 北海道新聞2011年4月1日付 団交再開拒否は不当 道労働委、北大に救済命令  北海道労働委員会は31日、2009年度の賃金改定をめぐる北大(佐伯浩学長)と北大教職員組合との団体交渉で、北大側が説明不十分なまま交渉を打ち切ったのは不当労働行為に当たるとして、北大に対し、交渉を再開するよう救済命令を出した。  同組合は10年3月、道労働委に救済を申し立てていた。命令は、団交を打ち切って退席したり、交渉再開を拒否した北大の行為は、組合運営への支配介入であると認定。交渉再開と、謝罪文を組合に手渡すことを命じた。  同組合によると、国立大学法人に救済命令が出されたのは全国で2件目、道内では初めてという。神沼公三郎執行委員長は「不正常な団体交渉だったと認められた。大学は命令に服してほしい」と話している。同大は「命令書の内容を十分に精査して、対応を検討したい」としている。 "[he-forum 16206] 長崎新聞4/3 長崎新聞2011年4月3日付 被ばく医療で長崎大と福島県立医科大学が連携協定締結  長崎大(片峰茂学長)と福島県立医科大(福島市、菊地臣一学長)は2日、東日本大震災で発生した東京電力福島第1原発の事故をきっかけに、教育・研究・医療分野で連携する協定を締結した。福島県立医科大は広島大(浅原利正学長)とも同様に調印した。  長崎大、広島大の被ばく医療研究の蓄積を生かし、放射線が社会や健康に与える影響を共同で研究する。福島県立医科大は両大学の協力を得ながら、住民との対話で健康に対する危険性の理解を深めてもらう「リスクコミュニケーション」の研究なども新しく始めたい考え。  福島県立医科大であった調印式には3学長が出席、片峰学長は「長崎大の実績を生かして被災地の復興に貢献したい」と述べた。放射線総合医学研究所や長崎大、広島大などでつくる放射線影響研究機関協議会も開き、情報交換や研究促進など今後の対応について協議した。 "[he-forum 16207] 福井新聞3/30 福井新聞2011年3月30日付 医師の残業代1180万円未払い 福井大病院に是正勧告  福井大附属病院は29日、宿日直勤務の医師に超過勤務手当を一部支払わなかったとして、福井労基署から是正勧告を受けたと発表した。昨年末までの過去2年間で、175人に対して計約1180万円が未払いだった。  未払いの手当は1人当たり3千円~20万円。いずれも当時非常勤医師で、102人が現在も同病院に在職し、残りは退職している。同病院は4月に未払い分を支払う。  同病院によると、午後5時半~翌午前8時15分までの宿直勤務と、土日祝日の日直勤務時には各勤務手当に加え、診療業務を行った時間に応じて超過勤務手当を支払う必要がある。超過勤務手当は各医師の申告制。福井労基署の立ち入り調査で、投薬指示や外来患者の対応など一部の診療業務を行った際に申告がなかったことが分かった。  同病院は、超過勤務の対象となる業務範囲の指導が不徹底だったことが原因とし、業務範囲を明確化した指針を作成するなどの再発防止策をとったという。  福井大の福田優学長は「労働関係法令の順守に一層務めます」とのコメントを出した。 "[he-forum 16208] 中国新聞4/1 中国新聞2011年4月1日付 山口大が被災学生受け入れ  山口大は31日、東日本大震災で被災した大学の学生や研究者の勉学や研究を支援すると発表した。大学生、大学院生の入学料や授業料を免除し、研究者には研究室などを提供する。  国立大学協会(東京)の要請を受け、全7学部と大学院の全9研究科での受け入れを決めた。学生が山口大での単位取得を希望する場合、前期は4月7日まで、後期は9月30日までの申請に対応。入学料(28万2千円)と授業料(前期・後期各26万7900円)は免除する。山口大で取得した単位が被災地の大学でも認定されるよう大学間で協議するという。 "[he-forum 16209] 沖縄タイムス4/2 沖縄タイムス2011年4月2日付 沖縄大学院大学 設置認可を申請 11月に学校法人設立 【東京】沖縄科学技術大学院大学設立委員会(代表・有馬朗人元東京大学総長、トーステン・ヴィーゼル元米国ロックフェラー大学学長)は3月31日、文部科学省に大学設置認可を申請した。内閣府沖縄振興局が1日発表した。同省の大学設置・学校法人審議会の審査を受け、ことし10月末に文科相の認可を経て同11月に学校法人として設立する見通し。  大学の学長兼理事長をジョナサン・ドーファン元スタンフォード大学線型加速器センター所長、上級副学長兼副理事長にロバート・バックマン沖縄科学技術研究基盤整備機構理事を充てる。  設置計画では研究科の名称を「科学技術研究科、科学技術専攻」とし、5年一貫性の博士課程とした。入学定員は1学年20人で、神経科学・分子科学・数理計算科学・環境科学・物質科学の5分野で先端的学際分野を研究対象とする。  学生の半数を外国人とする予定で、講義や演習などはすべて英語。学生1人に応じた「テーラーメイド型履修プログラム」を設ける。 "[he-forum 16210] 富山新聞4/5 富山新聞2011年4月5日付 地域、日本、世界に発信できる大学 富山大の遠藤学長が就任会見  1日付で就任した遠藤俊郎富大学長は4日、同大五福キャンパスで会見を行い、「地域、日本、世界に発信できる大学として継続的に発展していきたい」と今後の富大像を描いた。  遠藤学長は大学の使命として、教育、研究、社会貢献と大学の健全運営を挙げ、「全国で初めて三つの大学が統合して誕生した経緯を大切にし、教育、研究を通じていかに良き人材を育てるかに重点を置く」と強調した。  一方、教養教育の現在のあり方については「どうするかは課題」とし、3大学が再編統合した2005年10月にかわした覚書を積極的に見直していく方針を示した。  厚生労働省からの補助金に不適切な経理があったとして2月に医学部の教授が諭旨解雇となったことについては「真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」とした。  会見には政策・財務担当の倉知正佳理事・副学長、社会貢献担当の丹羽昇理事・副学長、教育担当の山口幸祐理事・副学長、研究担当の畑中保丸理事・副学長、情報・広報担当の広瀬貞樹理事・副学長、総務・労務担当の鹿野芳郎理事・事務局長も出席、それぞれが担当する業務と抱負を述べた。  このほか、平井美朗副学長が教員データベースなど、附属病院長の井上博副学長は医療、松崎一平副学長は教養教育、西川友之副学長は学生支援、武山良三学長特別補佐は芸術文化地域連携を担当することが報告された。  1日付で就任した経営協議会のメンバーは次の通り。  ▽学内委員 遠藤俊郎(学長)倉知正佳、丹羽昇、山口幸祐、畑中保丸、広瀬貞樹(以上理事・副学長)鹿野芳郎(理事・事務局長)井上博(附属病院長)  ▽学外委員 泉良平(富山市民病院長、全国医師会勤務医部会長)植出耕一(副知事)小野寛(高岡市万葉歴史館特別顧問)北野芳則(元YKK副会長)久和進(北陸電力社長)寺林敏(県教育長)中島恭一(富山国際大学長)藤井邦夫(元県弁護士会長)松井竹史(県薬剤師会長、テイカ製薬社長)矢野正子(聖マリア学院大学長)吉本高志(独立行政法人大学入試センター理事長、前東北大総長) "[he-forum 16211] 朝日新聞4/4夕刊 朝日新聞2011年4月4日付夕刊 大学110校超が始業日延期 交通事情・計画停電を考慮  東日本大震災の影響を受けて、国公立大24校と、東北・関東・甲信越地域の私立大約90校が、授業の開始時期を遅らせる。施設に大きな被害が出た東北の大学はほとんどだが、関東の大学も2割程度が遅らせる。交通事情や計画停電を考慮したためという。  文部科学省が全国の国公立大と東北・関東・甲信越地域の私立大を対象に調べた。4月1日現在、授業開始を遅らせて4月中に実施するのは、国立5、公立8、私立52校。5月中が国立5、公立6、私立41校。検討中が国立1、公立1、私立3校だ。  早稲田大は、全学的に前期の授業開始日を4月6日から5月6日に、終了日を8月2日から同4日に変更した。公表したのは地震発生1週間後の3月18日。  広報課によると、所沢キャンパスなど計画停電に一部影響を受ける恐れがあったことや、余震や交通機関の混乱も考えた。被災地の新入生らの入学手続きが遅れることも念頭に置いて、1カ月延期したという。  慶応大も、医学部を除く大半の学部で、当初予定していた4月6日から、10日~1カ月程度遅らせることにしている。早稲田大と同様に、交通事情や電力消費の抑制などが理由だ。明治大なども5月以降の開始日となっている。  学部で対応が分かれたのは東京大。総長の指示で各学部に判断が委ねられた。工学部が5月6日、経済学部が5月10日に遅らせたが、ほかの学部は予定通り4月4日ごろから始める。  一方、東洋大は3月下旬、予定通り授業を始めると発表した。竹村牧男学長はホームページで「勉学可能な者が日々を安易に過ごさず、大学での学習に真剣に取り組むことが、被災下において必死に生きていこうとしている人々にエールを送ることになると思う」とメッセージを述べた。  広報課によると、日程には賛否両論あったが、スケジュールをずらして夏季に集中講義をしても冷房で電力消費が増えかねないことや、授業時間の確保を考えたという。震災による影響が出た場合はその都度、個別に対応する。  中央大や千葉大なども原則予定通りの日程だ。  各大学とも神経をとがらせたのは、停電の影響とともに、授業時間の確保だ。  大学設置基準では、年間の授業時間数が規定され、1単位をとるには45時間が必要だ。通常は前期に15週の授業を確保するよう求められている。この通りに運用して授業開始時期を遅らせると、授業が夏休みにずれ込むことや就職活動に影響が出る恐れがある。  このため、文科省は3月25日付で各大学に事務連絡を出した。前期は15週だが、大震災の影響で開始時期を遅らせる場合は、リポートやウェブによる授業などの工夫で弾力的に対応できる趣旨を通知した。(教育担当=山上浩二郎) "[he-forum 16212] 朝日新聞山梨4/5 朝日新聞山梨版2011年4月5日付 実家被災の学生に奨学金月5万円 都留文科大  都留文科大学(都留市田原)は4日、東日本大震災で実家が被災した学生に対して、毎月5万円の特別奨学金を給付することを明らかにした。県内大学では東北出身学生の比率が高い同大学として被災者支援策を手厚くする。  給付対象は、実家の家屋が全壊、流失したり、保護者など学費を負担する人が死亡・行方不明になっていたりする学生。間もなく申請受付を始め、4月分から1年間給付する予定だ。  学生数約3千人の同大では、大震災発生時点で約440人の東北地方出身者が在籍。実家が被災した学生に対する授業料減免措置や、卒業予定者の荷物の運び先が被災した場合に大学で荷物を預かることを決めていた。特別奨学金はこれらの追加支援策で、とりあえず今年度限定という。  同大学では保護者で組織する大学後援会が、被災学生に対して当面の生活費や帰省旅費を緊急融資しているほか、東北地方出身の学生でつくる東北県人会も故郷の支援のため、震災直後から大学の内外で募金活動を活発に続けている。 "[he-forum 16213] 朝日新聞福井4/5 朝日新聞福井版2011年4月5日付 原発災害から何を学ぶか 11日、福井大でシンポ  東京電力・福島第一原発の事故を受け、日本科学者会議福井支部は11日夜、福井市内で公開シンポジウム「福島原発災害から何を学ぶか」を開く。原発問題に詳しい専門家が加わっている同会議は、「東電や国の発表情報は量も質も不完全で信用できない」と指摘している。  「福島原発災害の経過と問題点」、「福島第一原発事故でまったく役に立たなかった原子力防災計画」、「住民運動・科学運動と原発推進政策」を演題に、山本富士夫・同支部代表幹事らが事故について語る。  11日午後7~9時、福井市文京3丁目の福井大学教育地域科学部1号館の1階11講義室。参加無料。問い合わせは同支部事務局(0776・27・8725)へ。(岡野翔) "[he-forum 16214] 産経新聞山梨4/6 産経新聞山梨版2011年4月6日付 山梨大医学部に支援室 避難妊婦に安心を  東日本大震災や福島第1原発の事故で避難を余儀なくされ、山梨での出産を希望する被災地と周辺地域の妊婦を支援しようと、山梨大学医学部(中央市下河東)は「山梨県被災・避難妊婦支援室」を産婦人科内に設置した。支援室は分娩(ぶんべん)可能な県内15の医療機関の予約状況を把握し、県内での診療が必要と判断すれば適切な処置が可能な医療機関を選び紹介する。  妊婦や家族はまず医療機関に診療の可否などを相談し、空きがないなどの理由で対応できない医療機関が支援室の連絡先を伝える。支援室は被災の状況や緊急性などを総合的に判断し、産科診療の必要性を判断、紹介するという仕組み。支援室には助産師が平日午後1~3時に常駐する。  山梨大医学部付属病院の平田修司分娩部長によると、被災地の妊婦らの問い合わせが県や県内の医療機関に多く寄せられ、3月31日現在で被災、避難した妊婦31人が県内の医療機関で診療を受けている。  円滑な受け入れのため、支援室は15の総合病院やクリニックの予約状況を週1回程度調べ、県内の産科医療の“余力”の把握に努める。県内の避難所にいる妊婦の数や状況も県福祉保健部と協力して調べ、受診していない妊婦がいれば受診を促す。  出産予定時期によっては分娩予約がいっぱいで県内の妊婦を含めて受け付けを締め切っている医療機関もあり、「東京の妊婦で放射線の恐れがあるから山梨での分娩を希望」といったケースでは受け入れ困難と伝えるという。平田部長は「全ての方を無制限に受け入れるのは困難。重篤な妊婦を優先したい」と話している。  開設は今月1日から当分の間とし、山梨産婦人科医会と山梨産科婦人科学会、県が協力して運営、山梨大医学部が実務を担当する。  山梨産婦人科医会の杉田茂仁会長は「妊婦さんの“たらい回し”を防ごうと大学を中心にこうした組織ができた。被災、避難した妊婦さんが気持ちよくお産できる環境を整えたい」と意義を説明。山梨大医学部付属病院の島田眞路(しんじ)院長も「支援室が避難してきた妊婦のお役に立てれば幸いだ」としている。 "[he-forum 16215] 日本経済新聞4/6 日本経済新聞2011年4月6日付 ボランティアで単位認定 文科省、全大学に要請 被災地支援に後押し  文科省は、主に福祉や公共政策などを専攻する学生らがボランティア活動に参加する場合を想定。授業の一環とみなして単位を与えることが可能と通知した。また参加期間中に欠席した他の授業についても、補講や追試を実施するといった配慮を求めた。  学生の派遣に前向きな大学も増えつつある。関西外国語大(大阪府枚方市)は自治体などから要望があれば、語学力を生かせる避難所での通訳、学校での英語教員補助などを引き受け、20人程度の学生を派遣する。派遣中は授業の欠席を認め、学生が積極的に参加できるようにする。  福岡大学(福岡市)や洗足学園音楽大学(川崎市)も数十人単位で学生を派遣するという。  文科省は、被災地に入る学生にはボランティア活動保険に加入させるよう大学に求める通知も出した。活動中に事故があった場合の治療費などを補償する保険で、各地の社会福祉協議会などが提供。年間保険料は1000円以内が大半だ。  各大学は当初、被災地の混乱を避けるために学生の派遣に慎重だった。岩手県内のボランティアセンターを運営する県社会福祉協議会は「復興に向け、今後はボランティアの力が本格的に必要になる。保険に入るなどしっかり備えた上で参加をお願いしたい」と話している。 "[he-forum 16216] 信濃毎日新聞4/7 信濃毎日新聞2011年4月7日付 信大が教育改善へ新拠点「高等研究センター」開設  信大(本部・松本市)は6日、今月1日付で行った組織改正と役員人事を発表した。組織改正では、大学全体の教育の改善と質の保証を担当する「高等教育研究センター」を松本キャンパスに新設。産学官連携推進本部には「リサーチ・アドミニストレーション(RA)室」「輸出監理室」を新たに設けた。  同センターは、1年生の基礎・教養教育を担当する全学教育機構の「高等教育システム開発部」を独立させた。学生の成績評価方法を統一することなどで授業の質の保証につなげ、教育方法の改善も支援する。就職やメンタルヘルスなどを担当するセンターと連携し、学生支援の質の向上でも中心的役割を果たす。  センター長には前信大病院長で、医学部小児医学講座の小池健一教授が就いた。  RA室は、国立大の独立行政法人化で学外から研究資金を獲得する必要が高まったため、研究費の申請や獲得後の事務を担当し、教員が研究に専念できるようにする。松本キャンパスと工学部キャンパス(長野市)にスタッフを置き、公募情報の収集や申請書作成などに当たる。  輸出監理室は、大学が提供する技術や研究内容が、大量破壊兵器を開発している恐れがある国や組織からの研修生、留学生に渡る可能性がないかチェックする。技術や研究内容の輸出、海外学会での発表などを点検し、啓発も担当する。  役員人事は、信大病院長の交代に伴って新病院長の天野直二氏を理事(病院担当)、副学長(保健管理担当)に新任。文部科学省出身で元独立行政法人防災科学技術研究所企画部長の鈴木隆氏も理事(環境施設・企画調整担当)に新任した。任期はともに前任者の残任期間で9月30日まで。小池前信大病院長は副理事・副学長(教育・学生支援担当)となった。西尾典真理事は退任した。 "[he-forum 16217] しんぶん赤旗4/7 しんぶん赤旗2011年4月7日付 被災学生支援 交付金・私学助成しっかり 宮本衆院議員に文科相答弁  日本共産党の宮本岳志議員は6日、衆院文部科学委員会で、東日本大震災で被災した私学とともに、学生や被災地出身の学生に対して具体的な支援を求めました。  宮本氏は、「親を亡くし大学をやめようと考えている」との悲痛な声を紹介。文科省が各大学に学費の減額・免除や奨学金支給を通知しているが、「国立大学運営費交付金や私学助成を追加的に出さないと、やりようがない。具体的な財政支援を明確に打ち出すべきだ」と迫りました。  高木義明文科相は「国立大学運営費交付金、私学助成についても甚大な被害にかんがみ、しっかり対応していきたい」と答えました。  宮本氏は、被災学生への奨学金として、日本学生支援機構の無利子貸与の緊急採用奨学金が3947人分(2011年度)あるが、滞納すればブラックリストに載せることに同意しないと支給されない条件になっていると指摘。「本来、返済猶予に該当する学生をブラックリストをつくって追い回すようなものだ。改善を図るべきだ」と要求しました。  宮本氏は、私学も1238校が被害を受けていることに触れ、仮設校舎建設や校舎などの工事費への国庫補助問題をとりあげ、「阪神・淡路大震災を上回る補助」を求めました。高木文科相は「大震災の際には2分の1の補助の上、教育研究活動費補助や学費減免の経常費補助を行ったが、(宮本)委員の(質問)趣旨を念頭におきながら、学校や教育の早い回復を図りたい」と答弁しました。 "[he-forum 16218] 陸奥新報4/9 陸奥新報2011年4月9日付 被災学生の授業料免除/弘大  弘前大学(遠藤正彦学長)は8日、東日本大震災で被災した学生に対して入学料、授業料の免除や生活支援費を給付する緊急支援措置を発表した。また、被災地支援ボランティアを行う学内の団体へ経費の一部助成も行っていく。費用には今年度予算の学長裁量費から5000万円を充てる。弘大は4月中に学生から申請を受け付けて早期の支援を目指す方針。  弘大の神田健策教育・学生担当理事が8日、弘大総合教育棟で記者会見し、発表した。  弘大によると今年度は約6800人の大学生、大学院生が在籍。弘大が大震災以降に在校生、新入生を対象に安否確認を進めてきた結果、支援の対象となる学生は50人程度になる見込み。  緊急支援措置は、被災学生の支援として(1)入学金28万2000円の免除(2)授業料年額53万5800円の免除(3)生活支援費の給付。関連支援(被災地支援)として、被災地でボランティア活動する学内の団体に対し経費の一部助成。このほか被災学生の学生寮への優先的入寮も行う。  対象は(1)主たる家計支持者が亡くなった世帯(2)保護者居住家屋が一部損壊以上の被害を受けた世帯(3)福島県において避難指示が出ている世帯―のいずれかに該当する学生。  神田理事は「新入生を含め、今後の修学に不安を持つ学生から問い合わせがあった。修学をあきらめないように大学側として今回の緊急支援をまとめた」と述べ、「今後に向けては、いろいろな措置を考えていかないといけない」とさらなる支援が必要だとする見解を示した。  また弘大では、福島大学などの他大学の被災学生についても希望があれば、単位認定を視野に入れた聴講生として半年間受け入れることも検討している。  問い合わせは弘大学務部学生課(電話0172―39―3117)へ。 "[he-forum 16219] 産經新聞4/13"," 産經新聞4/13 大学授業料減免枠、6千人拡充 無利子奨学金も5千人増 2011.4.12 23:33  文部科学省は12日、東日本大震災で被災した大学生の緊急支援策として、国立大と私立大の授業料減免枠を約6千人拡大し、無利子奨学金の貸与者も約5千人増やす方針を決めた。約80億円を平成23年度第1次補正予算案に盛り込む。  授業料減免を受けるには罹(り)災(さい)証明が必要だが、取得が難しい場合は自己申告でも対応できるようにする。成績などの条件面は各大学が決める。一方、無利子奨学金は文科省所管の独立行政法人「日本学生支援機構」が貸与する奨学金の緊急枠を拡充する。約40億円を補正予算案に盛り込み、新たに約5千人が受けられるようにする。  文科省は3月、被災学生が経済的理由で就学を断念することがないよう各大学に配慮を求めた。今月5日時点で被災学生への経済支援を決定、または検討している大学は、国立全86校、公立74校、私立223校の計383校。 "[he-forum 16220] 共同通信4/12 共同通信2011年4月12日20時56分 文科省、授業料減免を6千人拡充 無利子奨学金5千人増も    文部科学省は12日、東日本大震災で被災した大学生の緊急支援策として、国立大と私立大の授業料減免枠を約6千人拡大し、無利子奨学金の貸与者も約5千人増やす方針を決めた。約80億円を2011年度第1次補正予算案に盛り込む。  経済的に困窮した世帯を対象とした授業料減免枠は11年度当初予算では国立大約4万2千人分、私立大約3万3千人分で計約270億円を計上したが、被災地の大学を中心に申請が想定を大幅に上回る可能性が高い。  このため、文科省は各大学からの被災状況の報告や阪神大震災での対応などを基にあらためて試算。減免が行き渡るよう国立大で約1400人分、私立大で約4600人分を上積みし、国立大学運営費交付金と私学助成を計約40億円増やす。  減免を受けるには罹災証明が必要だが、取得が難しい場合は自己申告でも対応できるようにする。成績などの条件面は各大学が決める。  一方、無利子奨学金は文科省所管の独立行政法人「日本学生支援機構」が貸与する奨学金の緊急枠を拡充する。約40億円を補正予算案に盛り込み、新たに約5千人が受けられるようにする。  文科省は3月、被災学生が経済的理由で就学を断念することがないよう各大学に配慮を求めた。今月5日時点で被災学生への経済支援を決定、または検討している大学は、国立全86校、公立74校、私立223校の計383校。震災で保護者が亡くなったり、家が全壊したりした学生の授業料や施設整備費を全額免除する制度を創設した私立大もある。 "[he-forum 16221] 毎日新聞4/14"," 豈取律譁ー閨槭€€2011蟷エ4譛・4律縲€12譎・6蛻・シ域怙邨よ峩眠縲€4譛・4譌・縲€12譎・4蛻・シ 譚ア譌・譛ャ螟ァ髴・⊃・壹・繝ゥ繝ウ繝・ぅ繧「豢サ蜍輔€∝腰菴阪↓縲€蟯ゥ謇句、ァ縺ェ縺ゥ讀懆ィ・/h2> 縲€蟯ゥ謇句、ァ・育屁蟯。蟶・峨→蟯ゥ謇狗恁遶句、ァ・亥イゥ謇狗恁貊晄イ「譚托シ峨′縲∬「ォ轣ス蝨ー縺ァ縺ョ繝懊Λ繝ウ繝・ぅ繧「豢サ蜍輔r蜊倅ス阪→縺励※隱阪a繧九↑縺ゥ縲∝ュヲ逕溘′陲ォ轣ス閠・髪謠エ縺ォ蜿悶j邨・∩繧・☆縺・サ慕オ・∩繧剃ス懊k縺溘a讀懆ィ弱r蟋九a縺溘€ゆク。螟ァ蟄ヲ縺ィ繧ょ、壹¥縺ョ蟄ヲ逕溘′陲ォ轣ス蝨ー縺ァ謾ッ謠エ豢サ蜍輔r縺励※縺翫j縲∫恁轣ス螳ウ繝懊Λ繝ウ繝・ぅ繧「繧サΦ繧ソ繝シ縺ョ逕ー螻ア菫頑え縺輔s縺ッ縲悟ュヲ逕溘・莉雁セ縺ョ蠕ゥ闊医↓谺 縺九○縺ェ>蟄伜惠縲る聞譛溽噪縺ォ蠢懈抄縺励※繧ゅi縺医k莉邨・∩縺後〒縺阪k縺ィ縺ゅj縺後◆縺・€阪→譛溷セ・吶k縲・/p> 縲€繧サ繝ウ繧ソ繝シ縺ォ繧医k縺ィ縲∵里縺ォ蟯ゥ謇句、ァ逕溘・・費シ穂ココ荵励j縺ョ繝舌ケ縺ァ陲ォ轣ス蝨ー縺ォ・灘屓謾ッ謠エ縺ォ蜈・繧翫€∫恁遶句、ァ函縺ッ髯ク蜑埼ォ倡伐蟶ゅ→驥懃浹蟶ゅ〒蟒カ縺ケ・抵シ托シ莠コ縺梧エサ蜍輔↓蜿ょ刈縺励◆縲・/p> 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秋田大学と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は13日、資源分野での連携、協力を行う基本協定を結んだと発表した。  秋田大は現在、ボツワナやモンゴルなど資源国で人材教育での協力を行っており、秋田大では「実務面に優れたJOGMECと協力することで、今後、資源国で幅広い人材教育が期待できる」としている。また、国際教養大学も13日、秋田県由利本荘市と市の活性化などを目的とした連携協力協定を締結した。  秋田大は、資源分野で国内随一の研究、教育ノウハウを持つ。一方のJOGMECは、石油や天然ガス、金属鉱産物の安定供給のために、市場、需給動向の調査分析などで実績がある。  協定では、両者が持つ技術開発能力や人材、設備などを相互に活用し、双方の研究者らによる研究を通じた人材の育成、資源の安定供給確保のための共同事業に取り組むとしている。  現在、秋田大は、ボツワナ国際科学技術大の設立に協力している。JOGMECもボツワナで、人工衛星などを使って資源探査する技術者育成のため「リモートセンシングセンター」を開設しており、今後、設備の相互活用や、人材の相互交流などが進むと見られる。  秋田大国際資源学教育研究センターの水田敏夫センター長は、「資源の獲得競争が激化する中、民間企業とのパイプを持つJOGMECは、有力な協定相手。今後、資源国での幅広い研究者育成につなげたい」と意気込みを語った。  国際教養大と由利本荘市の協定は、市の活性化や観光振興、国際感覚を身につけた人材の育成が目的。  国際教養大は、2008年度から同市の委託を受け、学生たちが特産品を活用した集落の活性化策を検討してきた。協定締結後は同様の検討を続けるほか、留学生が地域の行事に参加したり、市内の小学校で外国語を使った授業のサポート役を務めることも想定している。国際教養大ではこれまでに、大仙、男鹿、八峰の2市1町とも連携協定を結んでおり、「住民との交流を通じ、学生の地域への理解が深まる」と効果に期待している。  調印式では長谷部誠市長が「子どもたちには、世界にダイレクトで通用する教養大の学生からたくましさを吸収し、さらなる飛躍につなげてほしい」とあいさつ。中嶋嶺雄学長は「本校にとって地域貢献は国際交流と並ぶ大きな柱。学んだことを世界に発信したい」と話した。 (2011年4月14日 読売新聞) "[he-forum 16225] 河北新報4/16 河北新報2011年4月16日付 知の拠点爪痕深く 東北大、理科系学部中心に甚大被害  東日本大震災では、東北大も多くの建物や研究設備が損壊した。国内外の大学や研究機関が、設備の開放や留学生の受け入れを申し出るなど、支援の輪が広がっている。だが、被害規模があまりにも大きく、今後の研究活動に影響が出るのは避けられそうにない。 ■火災またも  なぎ倒された書棚、1メートル以上もずれ動き、横倒しになった実験設備や器具。東日本大震災で受けた東北大の被害は、実験設備を抱える理科系学部で特に大きかった。「地震のダメージは大学にとっても、学生にとっても計り知れない」と、東北大大学院理学研究科の福村裕史研究科長(理学部長)は言う。内部がぐちゃぐちゃになり、火災も発生した理学研究科の化学棟(1972年落成)に大震災の爪痕を見る。  最上階の8階。そこで地震に遭遇した飛田博実教授(無機化学)は水素ボンベが倒れ、「シュー、シュー」と音を出して漏れるのを耳にしながら避難した。幸い爆発は免れたものの、身の毛のよだつ思いだった。  78年の宮城県沖地震の際、化学棟では4階と7階の研究室から出火した。今回の震災でも7階が火事になった。  「危険な薬品類を扱う化学の研究施設は低層階の建物にすべきだ」。それが、2度の大地震を経験した飛田教授が導き出した結論だ。  1階や2階の低い階が火事になると、上の階は逃げられなくなる。そのため、危険物を扱う研究室ほど上層階に配置されがちだが、上層階ほど揺れは大きく、出火の可能性が高まるからだ。 ■再開見えず  火事になった7階西側、機能分子化学研究室の薬品室に足を踏み入れた。広さ20平方メートル余りの部屋は全体が黒こげになり、割れた瓶が散乱する。  化学消火剤のものと思われる異臭は、地震から1カ月たっても残る。出火原因ははっきりしていないが、排気設備付近の燃え方が激しかった。  「室内には1000種類ぐらいの試薬があったが、果たしてどれだけ使えるかは分からない」と清水宗治講師。5月になったら研究を再開する予定だったが、「今月7日の余震で振り出しに戻り、見通しが付かなくなった」と肩を落とす。 ■2億5000万円  「研究への影響という点では、停電で実験サンプルが壊滅した研究室や、測定機器が壊れた研究室の方が大変」と清水講師が連れて行ってくれたのは、有機分析化学研究室の5階にある装置室。  「見てください。定価で言えば、あの核磁気共鳴装置(NMR)が5000万円ぐらい、こっちの質量分析計は8000万円ぐらいかな」と山下修治助教。研究室の被害はざっと2億5000万円に上るという。  「抗がん剤の候補になる化合物を研究しているが、分子構造がきちんとできているかどうかを調べるのにはどちらの装置も欠かせない」と言う。  NMRは化学棟に計8台あるが、1台は完全に壊れ、廃棄が決定。修理で数カ月以内に使える見通しなのが3台、半年ほどかかるのが4台だという。 ■補助金暗雲  山下助教は「この先、測定機器の使用が制約を受けるのだから、研究の質は3分の2でも妥協せざるを得ないかもしれない」と考え始めている。  さらに、やりたい研究よりもやれる研究テーマ、あるいはお金の掛からない機器で実験できる研究テーマに修正することも、現実問題として必要になりそうだ。  大震災が研究に与える影響は中長期的にも想定される。  「研究成果を上げなければ、新たな科学研究費補助金の獲得が難しくなりかねない」と語るのは、理学研究科化学専攻長の美齊津(みさいづ)文典教授(理論化学)。被災地の大学には、大学設備の復興予算だけでなく、研究費配分の上でも配慮が求められる。(長谷川武裕) ◎施設提供、共同研究 国内外支援の輪  大震災による研究設備の破損や研究中断を心配して、東北大には国内外からさまざまな支援の申し出が寄せられている。  国立大学協会(浜田純一会長)は3月30日、各大学に対し、被災した学生や大学院生が避難先の大学で履修した科目について、所属する大学の単位として認定するよう要請。さらに研究スペースの提供や機器の共用なども呼び掛けている。  東北大大学院理学研究科の花輪公雄教授(地球物理学)は「避難のため宮城県外の実家などに帰った学生が勉強できるよう、全国の多くの大学が図書館などの施設を開放してくれている。この先、実験設備が壊れた研究室は、他の大学施設を借りたり、共同研究の形で支援を受けたりすることもあるだろう」と、広がる支援の輪に感謝する。  海外の大学や研究機関からも数多くの支援が寄せられている。  「研究室の被害で研究への影響を避けるため、急きょ、大学院博士課程2年の学生を米国の大学に留学させる方向で話を進めている」と言うのは理学研究科の寺田眞浩教授(反応有機化学)。「学費などの経費は米国側が負担してくれる。欧米の大学や研究機関は、災害支援に加え、この際、日本の優秀な研究者を招きたいという考えもあるようだ」とみる。  工学研究科では、人間・環境系実験研究棟など3棟が立ち入り禁止となっている。大学側はプレハブの建設などで対応することにしているが、やはり研究へのダメージは避けられそうにない。  大震災の余波は、東北大の問題だけではない。計画停電に象徴される電力不足で、膨大な電力を使う物理系の測定施設は稼働できない状態に陥っており、海外への「研究疎開」や「頭脳流出」は今後、他の大学にも広がり、かなりの規模で進む可能性がある。 "[he-forum 16226] 河北新報4/16(2) 河北新報2011年4月16日付 東北大、770億円被害 28棟・7000機器損壊  東北大は15日までに、東日本大震災による被害状況をまとめた。学生2人、入学予定者1人が津波で死亡、宮城県女川町の農学研究科付属施設など28棟が、建て替えが必要な状態となった。実験機器約7000台も損壊。被害総額は計770億円に及び、研究活動に大きな支障が出そうだ。  亡くなったのは発生当時、名取市内にいた農学部4年と経済学部1年の女子学生。農学部に入学予定だった陸前高田市の女子高校生も死亡した。学生約500人が家屋流失の被害に遭った。  研究施設など建物の被害額は約440億円。建て替えが必要な28棟のうち、女川町の農学研究科付属複合生態フィールド教育研究センターなど16棟は津波で全半壊した。  仙台市青葉区の青葉山キャンパスの工学研究科人間・環境系実験研究棟、川内キャンパスの東北アジア研究センターなど12棟は応急危険度判定で危険と判定され、立ち入り禁止となった。ほかにも多くの施設で全面改修が必要になっている。  研究機材では、仙台市太白区の電子光理学研究センターで、高速の電子線を発生させる粒子加速装置(約13億円相当)が損壊し使用不能となったほか、各研究科の電子顕微鏡や、大学病院の診療機器なども破損し、計330億円の被害が出た。  調査を終えていない施設や7日の余震の被害が明らかになれば、被害額はさらに膨らむ可能性がある。今後、文部科学省の調査を経た上で、4月中にも建て替えや改修に着手する方針だが、復旧までには3年近くかかる見込み。  研究活動を継続できるよう、仮設の実験棟を早期に整備するほか、他大学の施設の使用などに向けた調整を進めている。  講義は被害を免れた施設を活用し、4月下旬から順次再開する。遅れた分は夏休みを短縮する形で対応する方針だ。  東北大は「早急に復興計画をまとめ、施設の再建を進めたい。被災した学生への経済的支援や自宅を流された学生への寮のあっせんなどの対応も急ぎたい」としている。 "[he-forum 16227] 朝日新聞福井4/16 朝日新聞福井版2011年4月16日付 輝く福井大を目指し「キラリ☆事務局」 職員行動指針  福井大は15日、大学の運営の効率化を目指し、事務局職員の行動指針を発表した。職員280人の意見をもとにした。  日本に輝く大学づくりを願い「キラリ☆事務局」と題した。学生や保護者など「顧客」本意の姿勢で、「創造」「貢献」「成長」をうたう。全職員460人が迅速に使命感をもって行動することを目指す。  昨年10月から、職員間でグループワークを重ねてきた。職員は指針を印刷したカードを身につけ、学内にポスターを掲示する。高梨桂治・事務局長は「職員の意識改革につなげたい」と話した。(小池寛木) "[he-forum 16228] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.29 ニュースレター NO.29                     2011、4、10  公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)  4.22(金)控訴審  第1回口頭弁論   -於高松高裁 14:30~ ー  高知大学の構成員の皆さん。この裁判に注目している全国の皆さん。  来る4月22日いよいよ、高松高裁での控訴審が開始されます。    「控訴理由書」の内容は大きく二つの部分に分かれおり、その概要は以下の通 りです。  1 根小田先生の原告適格  一審は、根小田先生には学長任命にかかわる訴えを起こす「法律上の利益」が 存在しないとしましたが、「控訴理由書」ではそれに対して、「学長選考会議」 委員である根小田先生には(1)学長候補者を選考する権利 (2)対外的説明 責任、公正性・透明性の確保の観点から、違法不当を糾する権利 (3)大学の 自治・学問の自由の見地から違法不当を糾する権利があるとしています。そして 以下のように主張しています。  「行政法改正の経緯からいっても原告適格は広く認められるべきであり、本件 のように学長選考の公正な運営を監督すべき立場にある学長選考会議の委員には、 その公益に重大な損害が生じないよう個々人の具体的利益として、学長任命の取 消または無効を求める原告適格が当然に与えられるべきである。」  2 任命処分の違法性  控訴理由書はまず、「学内意向投票」の際に生じた重大な三つの瑕疵を指摘し ます。それは以下の3つです  ① 票のすり替え等の不正行為の可能性  ② 無権限者である職員K・Bの関与  ③ 一旦解散した意向投票管理委員会が再度開催されたこと  このような瑕疵の結果、学内意向投票が二つの結果を有することになってしま ったことについて「学内意向投票は実質的には存在したということはできず、法 的には存在していないものといわねばならない」としています。  更に、学内投票の位置づけについて憲法23条の「学問の自由」に根拠をもつと したうえで、上記の手続き的瑕疵・違法行為は選考会議裁量の範囲をはるかに超 えており、司法によって正されるべきものと主張しています。  そして、最後にそれらの論拠に基づいて、 「よって、選考会議の選考は違法・無効であり、この違法・無効な候補者選考を 基礎としてなされた本件文部科学大臣の相良を国立大学法人高知大学の学長に任 命するとの処分も違法であり、無効もしくは取り消されるべきである」 と主張しています。  4月22日は高松での公判ですのでこれまでのように簡単には傍聴できません が、裁判の模様はできるだけ早く、報告いたしますのでご注目ください。 -------------------------- 相良学長黙祷せず!?  去る3月23日 高知大学の卒業式が行われました。  式の冒頭、先の東北関東大震災で犠牲になった方々への「黙祷」が行われ、出 席者は全員起立して黙祷を行いました。    ところが、肝心の相良祐輔学長の席(人文学部長の隣)は空席だったのです。 相良氏は黙祷終了後おもむろに登場し席に着きました。つまり「相良学長だけが 黙祷しなかった」のです。  そのあと行われた「卒業式告辞」でも、震災のことはひと言もふれられません でした。さらに去る4月3日に行われた「入学式告辞」でも震災には一切触れる ことなく、哀悼の意の表明もありませんでした。未曾有の大震災によって、日本 社会全体が深い悲しみと果てない不安に打ちひしがれている中、そのことに全く 触れなかった学長告示を異常と感じた出席者も多かったようです。  大学の最高責任者である学長が、「宮内庁からの呼び出し(歌会始)」を口実 にセンター試験日に留守であったことに続いて、高知大学はますます他に例のな い「オンリーワンの大学」になりつつあるようです。  "[he-forum 16229] 茨城新聞4/20 茨城新聞2011年4月20日付 津波流失の六角堂再建へ 連休明けにも海中捜索 茨城大  東日本大震災の津波で消失した岡倉天心ゆかりの国登録有形文化財「六角堂」(北茨城市大津町五浦)を、管理する茨城大(池田幸雄学長)が再建に乗り出すことになった。同大職員が沖合20~30メートルの海上で浮かんでいる六角堂を写真に撮影していることから、そのまま海底に沈んだ可能性もあるとして、文部科学省や市など関係機関と協議し、早ければ5月の大型連休明けにも海中の捜索活動に入りたい考えだ。  海に沈みかけた六角堂を撮影したのは、同大五浦美術文化研究所の村山進さん(63)。津波が去った後、心配して断崖に駆け付けると、いつも松林の間から見える朱塗りの六角堂の姿がなく、海を見渡すと地元で「大五浦」と呼ばれる入り江の岩礁そばで、横倒しになった六角堂が波に洗われ、建物の約3分の2が海中に沈みかけているのを目撃。カメラのシャッターを2回切り、慌てて管理事務所に戻り大学に連絡したという。  翌日、六角堂のあった場所に行くと土台しかなく、朱塗りの壁板の残骸2枚が引っ掛かっていたという。  同大は3月24日、被害の大きかった工学部と付属小学校の施設修繕、六角堂の再建を緊急対応とする方針を決定。幸い、昨秋に六角堂の詳細な設計図を書き上げており、再建は容易という。ただ、池田学長は18日の記者会見で「大変重要な文化財。(レプリカを)作り直すよりは、できるだけ現物を回収して天心が造ったものに近い形で復元するのが願い」と述べ、海中捜索を行う方針を表明した。 津波の衝撃で激しく損壊したり、沖に流された可能性も否定できないが、大学側は「目撃地点に沈んだ望みはある。六角堂は五浦のシンボル。柱1本、瓦1枚でも引き揚げたい」とし、専門家の助言を得て今後、具体的な捜索方法や再建に向けた検討に入る。 "[he-forum 16230] 中日新聞富山4/12 中日新聞富山版2011年4月19日付 災害対策で官学連携 富大学長と知事が懇談 教員養成でも協力  石井隆一知事、遠藤俊郎富山大学長の初めての会談が十八日、県庁であり、災害対策や教員養成など六分野で連携を深めることを確認。今後は富山国際大や県立大など他大学のトップを交えた懇談で情報交換と協力を進めることでも一致した。  富山大は東日本大震災で医療救護班や精神科医などを派遣しており、遠藤学長は被災地に関する県との情報共有の重要性を指摘。また、富山大への留学を予定していた学生の一部が風評被害で留学をためらっているとして、富山での日常生活に安心が持てるような情報発信も求めた。  これに対し石井知事は「必要な情報ができるだけ速やかに富山大に届くように、さらに実務的に詰めたい」と述べ、情報提供の充実も検討する意向を示した。また、県地域防災計画の見直し作業に当たっては、地質学や災害医療を専門とする富山大のスタッフの助言を要請した。  教員養成の分野では、教育現場が求める能力を育む教員養成プログラムの開発を目指し、現状や課題などを探る「教員養成課程検討会(仮称)」の初会合を五月に開くことを確認。その後、開発の調査検討を県が富山大に委託することにした。石井知事は教育学部から改組した人間発達科学部では国語などの免許が取りにくいことを課題の一つに挙げた。  医師・看護職員の確保に向けては、特に臨床研修医の確保に向けた相互努力を確認。東南アジアからの留学生の受け入れ増加を重視する点でも一致した。石井知事は受け入れの増加に向けて、経済界と相談しつつ資金面を支援していく考えを明らかにした。  会談は昨年九月の「富山大コラボフェスタ2010」のシンポジウムに石井知事と西頭徳三前学長が出席した際、石井知事が開催を呼びかけたことで実現した。   (相馬敬) "[he-forum 16231] 日本経済新聞4/21 日本経済新聞2011年4月21日付 東北大、災害復興へ研究組織 成果、国・自治体に提案  東北大学は20日、東日本大震災の経験を生かし、災害復興に関する研究に積極的に取り組むための組織「東北大学災害復興新生研究機構(仮称)」を設ける構想を明らかにした。工学や医学、人文社会学など学問の領域を横断した研究を進めて、成果を国や自治体などに提案していく考えだ。  構想は井上明久総長が20日、仙台市の奥山恵美子市長らとの会談の席で表明した。井上総長は「大災害を体験した被災地の中核大学として、復興や地域再生を先導する研究に取り組み成果を発信する責務がある」と強調した。  新組織は東北大の研究者が参加するとともに、必要に応じて産学官の連携や国内外の大学との研究交流も想定している。東日本大震災はもちろん今後、世界で大きな災害が起きた際の復興過程でも成果を活用したいとしている。  今回の震災で東北大も研究用の施設や実験設備に被害を受けた。現時点では建物や実験設備などを合わせた被害額は770億円程度と推計しているという。 "[he-forum 16232] 河北新報4/21 河北新報2011年4月21日付 キャンパスが避難所に ネット駆使し物資募る 福島大  東日本大震災の被災者が身を寄せる福島大(福島市)の避難所で、学生ボランティアが活躍している。食事の準備や子どもの世話に加え、避難所生活の様子をインターネットで発信して物資を募るなど工夫も凝らす。大学の授業が始まるため避難所は4月末に閉鎖するが、学生らは被災者の支援を続けていくという。  福島大の避難所は3月16日に開設され、現在は45人ほどが暮らす。福島第1原発に近い浜通り地方を中心に、最も多いときは約150人が生活した。福島大と桜の聖母短大(福島市)の学生約70人がボランティアとして活動する。  避難所の取りまとめ役で、地域社会と住民の自主的活動を研究する行政政策学類の鈴木典夫教授(地域福祉学)は「避難してきた人と学生が一体になれるようなコミュニティーを目指してきた」と説明する。  学生らは、避難住民がなるべく日常に近い暮らしを送れるよう、食事の場所と寝る場所を別々にしたり、段ボールで間仕切りをしてプライバシーを確保したりした。一角には、自由にインターネットができるパソコンも用意した。  避難生活の日常をブログで伝え、足りない物資の支援を全国に呼び掛けた。行政政策学類4年の川村遼さん(21)は「ボランティア活動は初めてだが、仲間と一緒に和気あいあいと取り組めた」と語る。  「以前いた避難所とは比べものにならないほど快適」と言うのは、南相馬市原町区から家族6人で避難している会社員遠藤祐司さん(37)。「学生さんには、子どもの世話もしてもらった」と感謝する。  鈴木教授は「今の学生は自主性がないと言われるが、柔軟に発想して行動できる。被災者が別の場所に移っても、引き続きサポートしていきたい」と話している。(熊谷吉信) "[he-forum 16233] 読売新聞4/22 読売新聞2011年4月22日付 被災地出身学生を援助、九大が奨学給付金  九州大(福岡市)は21日、東日本大震災の被災地出身の学生を援助するため、災害特別奨学給付金制度を創設した。宮城、岩手、福島県を中心とした災害救助法適用地域に保護者がいる学生を対象に1人当たり50万円を支給する。  同大によると、21日現在で対象となる学生は86人。 "[he-forum 16234] 京都新聞4/22 京都新聞2011年4月22日付 被災の研究者ら、京の大学へ 京大、30人超受け入れ印刷用画面を開く  京都の大学や研究施設が、東日本大震災の影響を受けた東北、関東地域の大学の研究者や大学院生らの受け入れを進めている。「ヒト幹細胞」など最先端の研究に取り組んでいるグループもあり、京都の大学が世界レベルの研究の継続をサポートしている。  京都大は地震発生直後から、部局ごとに受け入れを始めた。全体の人数は不明だが、理学研究科だけで東北大を中心に東京大など地震の影響を受けた大学からこれまで30人以上を受け入れている。  再生医療で注目されている多能性幹細胞「ミューズ細胞」を発見した東北大(仙台市)の研究グループの北田容章准教授(39)は、ほかのメンバーとともに先月17日から京都大吉田キャンパス(京都市左京区)で、細胞の遺伝子や機能を調べる実験を続けている。  地震で研究室の機材類が壊れたほか、電気や水道が止まり、実験を続けられない環境となった。以前から京大と共同研究を行い、共通の機材があるなど条件が整っていたため、一時拠点を移した。メンバーは京大の宿舎などに滞在している。  実験は長時間行われるケースが多く、京大は建物のIDカードの発行などの便宜も図った。北田准教授は「バイオ細胞は二酸化炭素濃度など一定の条件を保たないと2時間ほどでだめになってしまう。日ごろから連絡を取り合っていたため、スムーズに実験を再開できたのは大きい」と話す。  京大ではこのほか、生態学研究センター(大津市)が独自に旅費や滞在費を支援する緊急支援共同研究を募集している。京都産業大(北区)は、上智大(東京都)の中国人留学生5人を約半年間受け入れ、総合地球環境学研究所(同)も研究者らの受け入れ態勢を整えている。  北田准教授らはまもなく東北大で実験を再開する予定だが、余震による停電など不安も残るという。北田准教授は「研究設備を守るためにも今後は免震構造の建物が欠かせなくなる」と話している。 "[he-forum 16235] 南日本新聞4/23 南日本新聞2011年4月23日付 鹿児島大と山口大 「共同獣医学部」協定を締結  鹿児島大学と山口大学(山口市)が2012年4月の開設を目指す「共同獣医学部」の協定締結式が22日、山口大であり、両大学の学長が協定書を交わした。県を越えた共同学部は全国初で、来月上旬にも文部科学省に設置認可申請を提出する。  鹿児島大学の吉田浩己学長は「産業動物に強い鹿大と、ペットなど伴侶動物に強い山口大の両方の特色を生かした学部にしたい」とあいさつ。山口大の丸本卓哉学長は「質の高い研究ができる」と述べた。  両大は昨年8月に共同獣医学部の設置を発表。定員は各30人、教員は鹿大33人、山口大32人の計65人。  "[he-forum 16236] 中国新聞4/23 中国新聞2011年4月23日付 山大、鹿大と共同獣医学部  山口大と鹿児島大は22日、共同獣医学部の設置について正式に協定を結んだ。5月上旬に文部科学省に設置を申請する。同省の審議会での承認を経て、2012年4月に開設する予定。複数の大学による共同学部の設置は全国初となる。  共同獣医学部の定員は各大学30人の計60人。遠隔講義システムを両大学に導入し、6年間のカリキュラムは1年次の共通教育の一部を除いて統一する。  ペットに対する高度医療、鳥インフルエンザなど感染症分野に力を入れてきた山口大と、家畜の医療に強みを持つ鹿児島大が協力。教員も現在の両大学の農学部獣医学科の計59人から計65人に増やし、教育の質の向上も図る。  山口市の山口大吉田キャンパスであった協定締結式で山口大の丸本卓哉学長と鹿児島大の吉田浩己学長が協定書を交わした。 "[he-forum 16237] 静岡第一テレビ4/22 静岡第一テレビ2011年4月22日20時21分 県内大学が中部電力に要望  県内23の大学で構成する大学ネットワーク静岡が、22日、中部電力静岡支店に要望を行い、浜岡原発について正確な知識を伝える上での情報提供などを求めた。大学ネットワーク静岡の会長で静岡県立大学の木苗直秀学長と静岡大学の伊東幸宏学長が訪れて要望書を提出した。要望書では、浜岡原発での防災体制について、現状についての正確かつ迅速な情報や、福島での事故を受けた今後の方針や計画、その基になった基礎データの公表を求めている。木苗会長は、中部電力からの回答をもとに、それぞれの専門分野で解析し、広く情報発信をしていきたいと話している。中電の小野田支店長は、今後、具体的にどういう情報を求めているのかを大学側と協議しながら回答していきたいと話した。 "[he-forum 16238] 日本経済新聞社説4/24 日本経済新聞社説2011年4月24日付 危機の時代に挑む大胆な大学改革を  東日本大震災と原子力発電所の事故は、日本の社会や経済の大きな転機となるだろう。国の将来を左右する人材を育てる高等教育の仕組みもまた、見直しを迫られる。  いま、国の復興と地域や産業の再建に力を発揮する人たちを元気づけ、新たに育てていくことが、かつてないほど国家的な急務になった。グローバル経済の奔流は傷ついた日本の回復を待っていてはくれない。世界と競える能力も以前に増して日本に求められている。 文理の枠を超えて学ぶ  私たちは震災前に掲載したこのシリーズの冒頭、政治や経済、科学や文化などをひっくるめた「国の力」の根幹にあるのは一人ひとりの人間の能力であると主張した。  明日の日本を築くのは国民の「個の力」である。いま、それは一段と重みを持つはずだ。とりわけ、政治や経済、科学などの分野で、危機に際して指導力や専門知識を生かし、組織や社会が目指す方向を適切に判断できる人たちの力が大切だ。  そうした力を育てる日本の高等教育は十分に機能してきただろうか。大学を中心にした高等教育のシステムは、戦後も幾度か改革の試みがあったが、これからはもっと大胆に見直さなければならない。大学の淘汰や再編も避けられないだろう。  まず、大学の1、2年は、文系と理系の枠を超えて幅広い教養を学ぶ機会とするのが望ましい。  若いときに歴史や自然科学など多様な知識に接することが「個の力」を強め、信頼される人材を育てる根幹にもなる。若者が様々な学問に接してから進路を決め、学部や大学を自由に移れるようにしたい。  かつて、大学は学問で結ばれた者たちの共同体だった。それゆえ大学間のライバル意識が強烈な一方で、学者による学者のための閉鎖的な仕組みを内部に残してきた。これを学生中心の開かれた組織に再生しなければならない。  学生中心とは、学生を甘やかすこととは違う。授業料に見合った知識や技能を与え、学生が未来を切り開く力を獲得することに大学が責任を持つということだ。  そのためには大学のなかに様々な専門職が要る。大学教員が入学試験など学内業務に多くの時間を費やしているのが現状だが、これでは本来の教育や研究がおろそかになる。  社会との関係も、大学はもっと深めるべきだ。研究の成果や知識を一般社会に説明する機会を普段からつくり、学問が大切にされる文化の醸成に努める必要がある。大震災のような危機にあたっては、国民の安心と安全のために大学が持つ知を総動員する責任がある。  戦後の若年人口の増加と学歴志向の高まりで、大学は長らく右肩上がりの成長を楽しんできた。1992年に18歳人口がピークを超えた後も、学生数を増やしてきた。引き換えに学生の質の劣化を招いたが、そうした時代ももう続かない。  若者はさらに減る。定員割れで募集停止や学部統廃合に追い込まれる大学が出始めた。それが日本の高等教育の衰退につながっては困る。  海外にはグローバル競争を背景に、急速に大学進学率を高めている国がある。経済協力開発機構(OECD)の調べでは、日本の大学進学率48%に対し英国は57%、韓国はじつに71%に達する。もはや日本だけが「教育大国」ではない。 学長に大きな権限必要  新たな知識や先端的な技術を生み出す拠点として、大学院の拡充が必要だ。ただし従来のようにやみくもに増やすのではなく、世界と競う研究拠点を戦略的に築かねばならない。横並びをやめ、先端の知を追求する研究主体の大学と、教育主体の大学に分かれていくのが望ましい。  現場がそれぞれ特色のある教育や研究で競い合うため、文部科学省は大学に大きな裁量権を与えるべきだ。文科省は国立大学を法人化したが目的は行政改革で、真に高等教育の改革を目指したとは言えない。  国立大学法人の学長は事実上、人事権も予算配分の権限も持たない。学長に権限を与え、教育に見識があり経営にも通じた人物を、例えば産業界や海外から招き、個性が光るような大学経営を促したい。  文科省は交付金と天下りで国立大学を保護し、統制してきた。文科省も大学も、こうしたもたれ合いの関係から脱するときだ。  大学教員は昔ながらの仕組みにしがみついていてはならない。学生は意欲的に学び、可能性を広げる努力をしてほしい。就職のためだけでなく、社会のためにできることを自らに問いかけたいものだ。新しい大学づくりに挑戦する教員や意欲ある学生を、時代は求めている。 "[he-forum 16239] 朝日新聞富山4/26 朝日新聞富山版2011年4月26日付 仏バイオ製薬会社、富山へ 開発拠点、大学との連携も  フランスのバイオ製薬会社ビバリス社が日本の開発拠点となる子会社「ビバリス富山ジャパン」を富山市内に設立することが決まり、同社のフランク・グリモ社長が25日、石井隆一知事にあいさつに訪れた。  2005年に産学官連携で設立した富山市のバイオベンチャー企業エスシーワールドと提携し、抗体医薬やワクチンの開発に取り組む。5月2日に事業を始める予定で、本社を同市高田の富山技術交流ビルに、研究所を富山大杉谷キャンパス内に置き、大学や県内企業と連携して研究する。  グリモ社長は「抗体薬の市場は大きく、進出を期待している。将来的にアジアの拠点にしたい」と語った。石井知事は県内の医薬品産業の伸長ぶりを説明し、「もっと発展させるためにも大変喜ばしい」と話した。ビバリス社は生命科学分野での製品開発などをするグリモ・グループのバイオ製薬部門として1999年、仏ナント市に設立。09年の売り上げは8憶8千万円で、従業員は105人。 "[he-forum 16240] 中日新聞4/26 中日新聞愛知版2011年4月26日付 共同大学院で協定 教科開発学、愛教大と静大が締結  愛知教育大(刈谷市)と静岡大は25日、教科の教え方などを研究する「教科開発学」の共同大学院設置で合意した。松田正久・愛知教育大学長と伊東幸宏・静岡大学長が浜松市中区のホテルで協定を締結した。  教職大学院の教員を目指す研究者や現役の教員を院生に想定。両大学の教授陣が行き来し、土・日曜や夏休み中を中心に教える。3年の後期博士課程で定員は双方各4人。2012年4月の開設を目指す。  松田学長は「東海地方で1、2番目に大きい教育学部を持つ両大学が持ち味を生かし、教員養成の研究者、教育現場のリーダー養成で手を携えていきたい」と話した。 (勝間田秀樹) "[he-forum 16241] しんぶん赤旗4/27","2011年4月27日(水)「しんぶん赤旗」 首都の私大生 生活困窮 仕送り額が過去最低 東京私大教連調査 ________________________________  「平均仕送り額も私大生の1日の生活費も、過去最低を更新」―東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連、内藤光博委員長)が1985年から 毎年行っている調査で、首都圏の私立大学に通う学生の生活実態が「過去最低」だった昨年よりも悪化していることが明らかになりました。  調査は昨年5~7月に1都5県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木)の18大学・短大に入学した学生の保護者を対象に実施し、約6200人から回答がありました。  自宅外通学者の「入学にかかる費用」は昨年に比べ0・5%の減額で299万円。世帯の年収の減少傾向も続き、かかった費用の年収に占める割合は過去最高だった昨年と同じ34%でした。  入学直後の出費が落ち着く6月以降の自宅外通学生への平均仕送り額は9万1600円で、調査開始以来の過去最低額を昨年に続いて更新しました。仕送りから家賃を引いた1日の生活費は1067円で、ピーク時の1990年の43・4%です。これには光熱費も含まれます。  入学費用は5人に1人が借金で調達し、借入額の平均は157万9千円でした。  奨学金を希望する家庭は67・9%、希望者のうち「申請した」家庭が64・2%で、いずれも増加しました。 入学できない被災新入生も  私大生の生活実態を調査した東京私大教連は、東日本大震災で被災したために入学の決まった大学に入学できないでいる新入生が多数生まれている可能性を指摘しました。  そうした新入生がいるというある大学では、4月いっぱいは猶予という措置をとっています。学費の減免制度や被災者のための給付の奨学金、学生寮も ありますが、今のところ、手続きされていないといいます。4月の猶予期間を過ぎると入学取り消しになることもあるとしています。  東京私大教連では、震災と原発事故が今後の経済に及ぼす影響を考えると、学業を断念せざるを得ない学生が増えるなど状況はこれからますます深刻化するであろうとし、私立大学の経常的な基盤を強化することが必要だとしています。 "[he-forum 16242] 日本海新聞4/27 日本海新聞2011年4月27日付 連携研究拠点が開所 とっとりバイオフロンティア  鳥取大学の染色体工学技術を活用した産学官連携の研究拠点「とっとりバイオフロンティア」が米子市西町の鳥取大米子キャンパスに完成し、開所記念式典が26日、行われた。鳥取県は同施設を核に製薬や食品などバイオ関連産業の集積を目指す。  施設は、どんな大きさの遺伝子でも細胞内に安全に導入できる、鳥取大が確立した技術を使って新薬開発や機能性食品の効果を検証する企業・団体の研究拠点。鉄骨3階建て延べ1260平方メートルに、貸し出し用の8室と、レーザーを使って細胞を立体観察できる研究機器を備えた共用実験室などがある。  独立行政法人科学技術振興機構の研究拠点整備事業から交付された約8億4千万円で研究機器などをそろえ、鳥取県が建設費約5億2千万円を負担。本年度から3年間は指定管理者の県産業振興機構が管理運営する。  また、1994年に新日本海新聞社の吉岡利固社主兼社長と県西部の若手経済人が中心となって設立された鳥取バイオサイエンス振興会が研究を支援している。  式典で県の山根淳史商工労働部長は「10年以上前からバイオを官民挙げて支えていこうという情熱の成果が実った。企業誘致や人材育成に全力で取り組む」とあいさつ。鳥取大の能勢隆之学長が「研究が建物や設備として形になり、産学官連携を本当に実現できた。皆さんの期待に応えたい」と述べ、関係者がテープカットをした。  同施設には現在、染色体工学技術を活用する鳥取大発のベンチャー企業「クロモセンター」と鳥取大染色体工学研究センターが入っている。企業などから問い合わせが寄せられており、随時施設入りを許可する審査が行われる。 "[he-forum 16243] 佐賀新聞4/27 佐賀新聞2011年4月27日付 原発事故対策マニュアルを再出版 豊島佐賀大教授ら  東京電力福島第1原発事故を受け、佐賀大学の豊島耕一教授(物理学)を含む日本科学者会議福岡支部核問題研究委員会はブックレット「原発事故緊急対策マニュアル」(合同出版)を再出版した。事故発生時の応急措置などを市民向けに分かりやすく解説している。  事故の事前対応として自治体の原子力防災計画の有無や原発の方向と距離を調べておき、ヨウ素剤の入手方法なども確認するようアドバイス。発生時には肌が露出しない服装で避難し、体外被ばくの場合は大量の水とせっけんで洗い流すなどの対策を例示。体内被ばくを防ぐには、厚手の木綿のハンカチを折りたたんで口に当てるのが最も効果的などと表している。  同委員会はチェルノブイリ原発事故(1986年)を受け、国内でも緊急時対策の必要性を警鐘するため89年に旧版を発刊。今回の福島第1原発事故で加筆、修正した。1冊600円。豊島教授は「原発の安全神話が崩れ、住民には事故対策などの知識が不可欠になった。原子力防災を正しく理解する一助になれば」と話す。 "[he-forum 16244] 四国新聞4/29 四国新聞2011年4月29日付 香川大次期学長選/最終3候補決まる  香川大は28日、一井真比古学長が9月末に任期満了となるのに伴う次期学長選で、伊藤寛理事・副学長(64)、加野芳正教育学研究院教授(57)、長尾省吾県厚生農業協同組合連合会代表理事理事長(69)の3人を最終候補者にすると発表した。  次期学長選では、3月に学内から推薦された3人の候補者が決定。香川大経営協議会などの学外委員が推薦する学外候補者は、4月21日の受け付け期限までに推薦がなかった。  5月23日に最終候補者を対象に講師、課長以上の教職員による投票を実施。同24日に投票結果や各候補者の面接結果、所信表明の内容などを学長選考会議が総合的に判断し、新学長を選出する。 "[he-forum 16245] 朝日新聞4/29 朝日新聞2011年4月29日付 筑波大の震災被害70億円超 最先端の実験設備も大破  筑波大学は28日、東日本大震災で壊れた研究設備や施設などの被害が70億円を超える見通しだと発表した。  内訳は研究に使う機器などの設備が40億円超。体育館や図書館、職員宿舎などの施設の被害も約30億円に上るという。  設備では、研究基盤総合センターにある、粒子を調査、分析する高さ17.9メートル、直径4.8メートル、重さ約120トンの加速タンクの内部が崩落。1975年に約6億円で建設した加速器が、使用できなくなった。生命環境科学研究科では、世界でも最先端の、藻類からバイオマス燃料を開発する実験設備が大破。数理物質科学研究科でも、基盤機器が破損。電子顕微鏡などの小型機器も多くが壊れ、実験、研究が停止している。  施設は、体操や部活動に使用している総合体育館や体育・芸術図書館などで外壁や窓ガラス、天井などが大破し、建て替えも検討しているという。  改修費の多くは、国の予算が頼みになる。山田信博学長は「ライフラインの復旧が優先されるのは当然だが、研究の重要性を丁寧に国に説明し、予算を確保したい」と話した。 "[he-forum 16246] 西日本新聞4/28 西日本新聞2011年4月28日付 地域医療センター開所 佐賀大学 若手専門医の育成推進  県内の医師不足の解消につなげようと、佐賀大学は医学部付属病院(佐賀市鍋島)に「地域医療支援センター」を開所した。産婦人科など専門医が不足する分野での人材育成を進め、地域の医療態勢の充実を図る。  施設は鉄筋コンクリート3階建て。延べ床面積1069平方メートル。厚労省からの補助金など3億3千万円かけて建設した。  県内では救急や産婦人科などの分野で医師が不足しており、同大は昨年、学部内に地域医療支援学講座を開設。臨床研修を終えた若手医師を対象に、専門医の育成を進めており、センターはその拠点施設となる。  センターには、超音波を使って体内を調べる機材や救急医療技術習得のための機器やカンファレンスルームなどが完備され、5人の医師が指導する。2015年度までに、専門医30人の育成を目指す。  また患者のカルテ情報やレントゲンの画像などをインターネットで共有する設備も整え、地域医療の効率化を目指すほか、救急機材を搭載したドクターカーも配備し、救命率の上昇を図る。  杉岡隆センター長は「医師不足の解消に加え、地域医療の核となれるような施設を目指していく」としている。 "[he-forum 16247] 京都新聞4/28 京都新聞2011年4月28日付 けいはんな拠点完成 京都府立大 産学公連携で研究推進印刷用画面を開く  京都府立大が、京都府精華町北稲八間の旧花空間けいはんなに整備していた精華キャンパスの「産学公連携研究拠点施設」が完成し、27日開所式が行われた。関係者が植物工場やダチョウを使った抗体などの研究が行われる施設を見て回った。  拠点施設は、同大付属農場に隣接し、2009年3月に閉園した旧花空間けいはんな(広さ約7ヘクタール)を約3億1500万円かけて整備した。フラワーホールを植物系、管理棟を動物系の実験研究棟に改修。ほかに温室やダチョウ研究スペースを備え、今後、ダチョウ約50羽の飼育施設も作る。芝生広場や展望台周辺は月、火曜を除く午前9時~午後4時半、一般開放する。  入居企業と同大学の研究者が共同研究を行うシステム。植物系では、屋内で野菜などを栽培する植物工場プロジェクトに取り組み、動物系ではダチョウの卵から採取したインフルエンザなどの抗体を使った研究を行う。すでに計4企業・団体の入居が決まっている。  開所式には関係者約50人が出席。渡辺信一郎学長が「大学発ベンチャーや新産業創出を推進し、関西学研都市の活性化を図りたい」とあいさつ。出席者が担当者の説明を聞きながら研究設備などを回った。 "[he-forum 16248] 文科省の許容値3.8μSv/hを体感する動画 佐賀大学の豊島です. 文科省は4月19日に福島県教育委員会に出した通知で,子供の屋外活動での環境線量率の上限を年間20ミリシーベルト(3.8マイクロシーベルト毎時)としました.ネット上で行われた署名運動などにもかかわらず,30日現在これを撤回するつもりはないようです. 一般人がこの数値を言われてもピント来ません.専門家の発言が必須です.大学関係者についてもその社会的責任が問われる問題なので,本MLに投稿致します.このMLにも放射線と関わりのある分野の方もおられると思います.あるいは,そのような人が周囲におられると思います.沈黙は将来責任を問われることになると思います. 数字だけでは実感しにくいでしょうし,「マイクロ」という接頭語が付いているので微小なものとの印象を持たれる方も多いかも知れません.そこで,この線量率を「体感」出来るように,ガイガーカウンターの鳴り方で再現してみました.次の動画2件,平常値(実際)と3.5μSv/h(再現)です. http://www.youtube.com/user/yamamoto1999#p/a/u/1/4c-Fi6IWueE http://www.youtube.com/user/yamamoto1999#p/a/u/0/4ZjP4SzuKoY 私のブログ記事には2画面並べております.ここに技術的説明も付けています. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2011-04-29-1 政治家はこのような実感など持たずに決めたのだと思います.皆様にお願いですが,アクセス可能な政治家に,この動画の利用も含め,撤回を訴えていただきたいと思います.私も可能な限り努力しています. ところで,文科省がこの線量限度の根拠にしているのが,ICRP勧告109と111のようですが,その適用の仕方だけでなく,これらの勧告じたいについても,それらを金科玉条としてよいか疑問です. なお,これら線量限度緩和に都合のよいICRP文書は無償で公開されているのに,リスク係数とLNT説を掲載した60(1990年)と103(2007)は有償のままです.不釣り合いですし,そもそもこのような公共的な文書に著作権がクレイムされるというのもおかしいと思います. 放射線から子供を守るために,専門家による「肩書き付き」(保証書付き)の批判活動が重要です.特に,テレビなどで流布される「専門家」の,いわば公的流言飛語に対する専門家の批判が大事だと思います. ノーベル賞受賞の外国の医学者が動き出したのに,我が国のビッグネームはまだでしょうか? なお私自身は,2日(月)の市民団体の政府交渉に参加します.  「20ミリシーベルト」撤回要求 対政府交渉    ~福島の子どもたちを守れ!~   http://www.foejapan.org/infomation/news/110428.html 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16249] 読売新聞5/2 読売新聞2011年5月2日付 中学教員課程全廃も…長崎大、学部設置へ再編検討  長崎大(長崎県長崎市)が、教育学部の中学校教員養成課程(定員70人)について、廃止を含めた再編を検討していることがわかった。  新学部設置に向け、既存学部を再編して学生定員と教員を確保するためで、全国の国立大学法人の教育学部(教員養成系学部)で全廃は異例。専門家は「地域教育に打撃を与え、中学教員の質の低下を招く」と懸念している。  関係者によると、設置を目指しているのは教養教育系の文系学部で、学生数は1学年約100人、教員数は40人程度を想定。学部再編によって学生定員と教員を確保する必要があるとの判断から、中学課程の全廃か縮小の検討を始めた。  大学側は昨年8月以降、教育学部の教授らに対して検討内容を説明。「学生の教員就職率が6割程度と低く、十分に機能していない」として、改編後は小学校や特別支援学校の教員養成に特化する方針を示した。仮に廃止した場合でも、学部に関係なく中学教員免許が取れるような全学的な態勢を残すという。  しかし、教育学部からは「全学的な態勢では、従来のような専門的な指導ができない」「中学教員志望者が、他県の大学に流れてしまう」などと反発の声が続出。大学側から打診を受けた文部科学省も、学部再編の前提として「全学的な合意」を条件にしており、現在も大学側と教育学部の教授らとの協議が続いている。  大学側は、早ければ来年度にも新学部を発足させたい考え。少子化に伴い、全国の地方大学は“生き残り”をかけて他大学との差別化を図っており、長崎大の新学部構想もその一環とみられる。  大学側は本紙の取材に対し、「新学部の設置を検討しているのは事実だが、中学課程の再編など具体的なことは何も決まっていない」と説明。片峰茂学長は「長崎大は総合大学だが、社会学部など基礎的な研究領域が欠失している。こうした分野を志向する地元の高校生は多い」と再編の必要性を示唆する。  教育評論家の尾木直樹・法政大教授の話「大学の生き残り策として学部を再編するというのは理解できるが、全学的な態勢では、養成課程で教員がじっくり学生を指導するという仕組みがなくなり、将来的に教員の質の低下を招く恐れがある。地方大学は地元の教員養成に責任を持つ立場なので、慎重に検討すべきだ」 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16250] 朝日新聞静岡5/1 朝日新聞静岡版2011年5月1日付 静岡大、頑張っている研究者を特別支援 47人を選定  静岡大学は、研究の中核的な人材となる「卓越研究者」と、次世代を担う「若手重点研究者」を選定したと発表した。  国立大学は2004年に法人化された。同大学によると、研究や活動に応じた教員の評価制度を導入したが、実際にはほとんど差がつかなかったという。そこで、「がんばっている研究者には他の研究者や学生を引っ張っていってほしい」との思いから、今回の制度を制定した。伊東幸宏学長は「大学の顔、地域との接点になって欲しい」と話している。  「卓越研究者」の選考基準は、論文数、論文の引用された率など個人研究の業績と、学会での役職などリーダーとしての実績、博士課程の学生の指導実績など。「若手重点研究者」の選考基準は個人研究の業績と年齢(おおむね40歳以下)である。植物分子科学や日本文学など幅広い分野から卓越研究者を22人、若手重点研究者には25人を選定した。任期は2013年3月31日まで。  同大学はこれらの研究者に対し、研究スペースの優先的な配分や、冊子によるPR活動を行う。給料の優遇についても検討中という。 "[he-forum 16251] 毎日新聞愛知5/1 毎日新聞愛知版2011年5月1日付 愛教大:好評です「アカデミック・カフェ」 市民と専門家が交流 ◇最先端の学問や研究の講演←→素朴な疑問や多様な意見  市民や学生と学者・専門家が先端の学問や研究についてコーヒーを片手に語り合う愛知教育大(刈谷市)の「アカデミック・カフェ」が好評だ。従来の講演会とは異なり、うちとけた雰囲気で講師の平易な説明を聴き、双方向で交流できることが魅力のようだ。  昨年11月以降2回開かれたカフェには、中高生や大学生、市民、教職員らが各回50人ほど参加。昨年11月の1回目は、前月に日本人2人がノーベル化学賞を受けたことにちなんで「2010年のノーベル物理・化学賞って何だったの?」がテーマに選ばれた。  三浦浩治、中島清彦両教授がそれぞれ「グラフェンとその応用」「分子合成のあれこれ」と題して講演。両教授は具体例や比喩を交え、素人でも理解しやすいように語った。  3月に開かれた2回目は、前田勉教授が「江戸時代の読書討論会」について講演。角川源義賞を受賞した自著「江戸後期の思想空間」をもとに、江戸後期の自由な討論の場だった「会読」についてスライドを使って話した。  2回とも参加者は会場に置かれたコーヒー、紅茶などの飲み物や菓子を片手に講演に耳を傾けた。講演の前後には講師と参加者が交流し、素朴な質問やユニークな意見が出された。参加は無料。  アカデミック・カフェの最大の狙いは、地域に役立つ大学になることだ。国立大学法人化後は特に地域社会とのつながりを重視。高度に専門化された研究を市民に分かりやすく説明し、生涯教育の拠点として親しまれる存在になることを目指している。市民の素朴な疑問や多様な意見から、新たな視点やアイデアを独創的な研究に結びつけることも考えている。  松田正久学長は「難しいことをやさしく、やさしいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに」という劇作家・井上ひさしさんの言葉を例に「学問や研究が専門家や研究者だけでなく、さまざまな人たちから生まれることを考えて取り組みたい」と話している。【安間教雄】 "[he-forum 16252] 読売新聞5/4 読売新聞2011年5月4日付 教員就職6割…長崎大が中学課程廃止を検討  長崎大(長崎市)が、教育学部の中学校教員養成課程(定員70人)について、廃止を含めた再編を検討していることがわかった。  新学部設置に向け、既存学部を再編して学生定員と教員を確保するためで、全国の国立大学法人の教育学部(教員養成系学部)で全廃は異例。専門家は「地域教育に打撃を与え、中学教員の質の低下を招く」と懸念している。  関係者によると、設置を目指しているのは教養教育系の文系学部で、学生数は1学年約100人、教員数は40人程度を想定。学部再編によって学生定員と教員を確保する必要があるとの判断から、中学課程の全廃か縮小の検討を始めた。  大学側は昨年8月以降、教育学部の教授らに対して検討内容を説明。「学生の教員就職率が6割程度と低く、十分に機能していない」として、改編後は小学校や特別支援学校の教員養成に特化する方針を示した。仮に廃止した場合でも、学部に関係なく中学教員免許が取れるような全学的な態勢を残すという。  しかし、教育学部からは「全学的な態勢では、従来のような専門的な指導ができない」「中学教員志望者が、他県の大学に流れてしまう」などと反発の声が続出。大学側から打診を受けた文部科学省も、学部再編の前提として「全学的な合意」を条件にしており、現在も大学側と教育学部の教授らとの協議が続いている。  大学側は、早ければ来年度にも新学部を発足させたい考え。少子化に伴い、全国の地方大学は“生き残り”をかけて他大学との差別化を図っており、長崎大の新学部構想もその一環とみられる。  大学側は本紙の取材に対し、「新学部の設置を検討しているのは事実だが、中学課程の再編など具体的なことは何も決まっていない」と説明。片峰茂学長は「長崎大は総合大学だが、社会学部など基礎的な研究領域が欠失している。こうした分野を志向する地元の高校生は多い」と再編の必要性を示唆する。  教育評論家の尾木直樹・法政大教授の話「大学の生き残り策として学部を再編するというのは理解できるが、全学的な態勢では、養成課程で教員がじっくり学生を指導するという仕組みがなくなり、将来的に教員の質の低下を招く恐れがある。地方大学は地元の教員養成に責任を持つ立場なので、慎重に検討すべきだ」 "[he-forum 16253] 産経新聞茨城5/4 産経新聞茨城版2011年5月4日付 医師不足解消にタッグ 日製、筑波大が研究センター  県内の医師不足解消を狙い、日立製作所と筑波大が共同で、日製ひたちなか総合病院(ひたちなか市石川町)内に「同大付属病院ひたちなか社会連携教育研究センター」を新設した。  日製と筑波大は昨年11月、同市周辺の地域医療の充実を図る点で合意。同センターは、教員4、5人を置き、若い医師の教育・育成に加え、医療機器の研究・開発なども行い、全国へ発信できる「新しい医療のシンボル」(山田信博・筑波大学長)としての役割が期待される。  開所式では日製の岡裕爾・茨城病院センター長をはじめ、同市の本間源基市長らが出席。山口やちゑ副知事は「震災の中で明るいニュース。(同センター開所が)復興の契機になってほしい」と述べた。 "[he-forum 16254] 毎日新聞夕刊5/6 毎日新聞夕刊2011年5月6日付 特集ワイド:巨大地震の衝撃・日本よ! 元東大学長・有馬朗人さん 有馬朗人 元東大学長=東京都練馬区の武蔵大で2011年4月21日、手塚耕一郎撮影 <この国はどこへ行こうとしているのか>  ◇自然界に「想定外」当然--元東大学長・有馬朗人さん(80)  「2004年12月のスマトラ沖大地震を受け、私も含め日本の科学者たちはなぜ日本の津波対策を考え直さなかったのか。それが私の科学者としての一生の不覚です」  新緑の中にたたずむ武蔵学園(東京都練馬区)のゆったりと広い園長室。有馬朗人さんは淡々とした口調でこう語り始めた。東大学長や文相などを歴任し、日本のリーダーや科学者の育成を先導してきたこの人の表情は、苦い。  マグニチュード(M)9・1のスマトラ沖大地震に伴うインド洋大津波。タイなどで20万人以上の死者が出た。  「あの大変な津波の被害を我々は新聞やテレビで嫌というほど見た。しかし、日本でも同じような被害が起こることを想定した議論をついに聞いたことがなかった」  スマトラ沖大地震の後、有馬さんは被災国の人々が来日するたびに日本では防災教育が充実していて、特に東北地方では津波対策が進んでいることを説明してきた。「あなた方の国でももっと対策を講じたほうがいい」とさえ話してきたという。  「東大の研究所があるので岩手には何度も行きましたが、ギネスブックに載るような立派な堤防があり、安心してしまった。スマトラの時に自然の怖さを再認識し、もう一歩防災について議論すべきだった」  自然をコントロールしようとする人間の傲慢さを戒めるかのように沿岸部の暮らしを破壊し、自然の力を見せつけた巨大津波。しかし、原子核物理学者である有馬さんは科学技術の進歩によって地震や津波の被害は防ぐことができると言い切る。では福島第1原発事故は、なぜ防ぐことができなかったのか。  「阪神大震災直後に静岡県で開かれたシンポジウムで津波の話が少しだけ出て、私たちは中部電力の浜岡原発を視察しました。その時は約10メートルの砂丘が防波堤になると説明を受け、これならば大丈夫だろうと思いました。それ以来、私の周りの研究者から津波の話が聞こえてきたことはありませんでした。地震科学者のもっぱらの関心は地震そのものや地震予知です。ごく一部の研究者が津波の危険性を言っていたけれど、それを地震科学者や防災科学者が虚心坦懐(たんかい)に聞いて、国を動かすくらいまですべきだった」  なぜそれができなかったのだろうか。  有馬さんは、水俣病問題を検証する環境相の私的懇談会の座長を務めた経験もある。水俣病問題で、魚からの有機水銀摂取が原因と主張する科学者の声が聞き入れられなかったように、国策に反する少数意見を排除する動きはなかったのか。  「それはなかったと思います。(巨大津波の)経験がなかったからでしょう。震災後の今でこそ約1200年前に貞観地震で今回のような大津波が来たことが知られていますが、残念ながら私も地震後に知りました。国もそのことを事前に認識し、十分な対策を提示することがなかった」  科学は経験の域を超えることはできないのか--。街や地域や国は復興できても、失われた命は返らず、個人の生活も元通りにはならない。科学技術は命や人生を左右しうるだけに、やるせなくなって、重ねて聞いた。なぜ科学者たちはスマトラ後も日本は大丈夫だと思ったのか。  「分からない」  有馬さんは一瞬考えた後、ソファにもたれかかりながら苦笑した。「地震科学者は確かに地震研究に情熱をかけていた。しかしながら、イマジネーションの不足は起こりうる。それは人間の限界であり、日本の科学者に限ったことではない。大陸移動説とかDNAとか、およそ日常生活からは想像できないことに取り組むのが科学。未知のことを研究する。だからあらゆることが想定できるなんてあり得ません。今回は、政府や東京電力が言い訳のように『想定外』と言ったから批判を受けたけれど、自然の中には想定外がたくさんあるんです」  さらにこう続けた。「私が心配しているのは、地球温暖化問題です」。有馬さんによると、日本中の家の屋根に太陽光発電の設備を付けても、まかなえる電力量は日本全体の消費電力の7%。二酸化炭素を出す火力発電が全体の約60%、原発が約30%で合わせて約90%。「これを風力や水力の自然エネルギーで代替できますか。自然エネルギーの利用推進はもちろん必要ですが、安全で安心できる原発を造るしかない。理想的にはない方がよかったとしても、現実的に考えて、今ある原子炉は使わざるをえません」  もう一点、有馬さんはエネルギー問題から生じる国際紛争や、戦争の恐れを挙げる。「第二次世界大戦が始まる頃、ABCD包囲陣が作られ、日本は石油を一滴も輸入できなくなりました。それで、日本は石油のあるインドネシアに進出し、開戦につながった。そういう苦い経験がある。日本のエネルギー自給率はわずか4%。自給率を高めるために原発は必要です」  地震から2カ月近くがたった今も福島第1原発事故の収束の見通しは立たず、反原発の声が高まっている。有馬さんの原発推進の意見は変わらないのだろうか。  「変わりません。天災は技術で防ぐしかありません。現に福島第2原発にも津波がきています。第2原発の方が第1原発よりも新しいから、冷却のための発電機などが建物内にあり被害を受けませんでした。費用はかかるが、被害が出る前に、防災をしっかりすすめなくてはなりません」  今後も原発の運転を続けるのならばなおさら、今回の災害を機に科学者のあり方を問い直すべきではないだろうか。有馬さんは「科学の世界は縦割りで、異分野間の情報交換の機会は限られている。比較的津波の研究がなされている土木工学と、地震工学の研究者が一堂に会する機会をもっと増やすべきです。科学者はもっと広い視野を持つべきです」と口調を強める。  最後に、席を立とうとしてこう付け加えた。「しかしながら、私は日本人にもっと自信を持とうと言いたい」。あれだけの大地震でも新幹線は脱線せず停車し、福島第1以外の原発は自動停止し冷却できた。日本の技術の優れているところは評価し、反省すべき点は反省すべきだと。  震災を受け4月上旬に開かれた静岡県の臨時会議。浜岡原発について、砂丘や堤防で津波は防げると主張する中部電力に、有馬さんは「津波は前面からでなく前後左右から回ってくるものもある」と対策の甘さを指摘している。  科学技術は本当に自然災害に打ち勝つことができるのか。学園から駅に続く並木道で、遅咲きの桜を見上げながら自問した。【山寺香】 ==============  ■人物略歴  ◇ありま・あきと  1930年大阪生まれ。原子核物理学者。東大学長、文相、理化学研究所理事長などを歴任。現在、日本科学技術振興財団会長、武蔵学園園長。俳人としても有名。 "[he-forum 16255] 朝日新聞群馬5/6 朝日新聞群馬版2011年5月6日付 群大、被災学生の学費免除  群馬大学は、東日本大震災で被災し、学費や生活費の捻出に困っている新入学生と在学生に対し、入学料と年間の授業料を免除することを決めた。  実家の住居が全半壊、一部損壊など被害に遭った人のほか、学費を負担するはずの保護者らが勤務先の業績悪化で失業してしまったり、給料が激減してしまったりし、経済的支援が必要な学生が対象。保護者が死亡してしまったケースも実際に出ているという。  学生からの減免申請を審査したうえで、入学料約28万円、年間の授業料約54万円を全額免除する。  4月28日現在、7人が入学料、授業料とも免除され、22人が授業料を支払わないで済むという。 "[he-forum 16256] 東京新聞茨城5/7 東京新聞茨城版2011年5月7日付 大震災被害70億円 筑波大、研究設備など  筑波大がまとめた東日本大震災による関連の被害額は、建物や研究設備で約七十億円に上った。大学の被害額としては東北大に次ぐ規模という。  建物は、総合体育館で外壁や窓ガラスが破損し、体育・芸術図書館で書架がなぎ倒されたほか、天井や壁が崩れ落ちた建物もあった。復旧にかかる費用は約三十億円。  研究設備の被害は約四十億円。原子核や素粒子などの実験に用いられるタンデム型加速器は、中枢部分が修復不能となり約七億円の損失。電子顕微鏡、質量分析計など高額な実験機器が壊れたほか、遺伝子実験センターでは世界的に貴重な藻類の遺伝資源が停電で台無しになった。  国の震災対策の一次補正予算で筑波大には約七億円が割り当てられ、学内予算と合わせて復旧に着手している。山田信博学長は「科学技術や教育は国の根幹を成す分野。国には丁寧に説明して支援をお願いし、できるだけ早い復興を目指したい」と述べた。 (小沢伸介) "[he-forum 16257] 読売新聞秋田5/9 読売新聞秋田版2011年5月9日付 《医風堂々 秋大医学部の挑戦5》 診療と並行し先進医療研究  「秋田に大学病院があって本当に良かった。大学病院で人工内耳に出会えたからこそ、今の自分があると思っています」。潟上市の舘岡麗子さん(69)が笑顔で語った。  舘岡さんは、50歳代半ばで急激に聴力が衰え、他人の言葉がほとんど聞き取れなくなった。補聴器もたいした効果がなく、地元の病院では「もう希望は持てない」と言われた。  わらにもすがる思いで秋田大病院を訪れ、内耳に埋め込んだ電極で神経を刺激して聴力を戻す人工内耳を知った。2002年、同大病院で初となる人工内耳手術を受け、術後のリハビリで会話もスムーズに。「社会参加できるのが何よりうれしい」と話す。  舘岡さん以降、二十数件に上る人工内耳手術をはじめ、県内では同大病院だけが行っている高度な手術や治療は少なくない。  整形外科では1993年、脊髄損傷などでマヒのある患者の手足に電極を埋め込み、運動を可能にする機能的電気刺激(FES)という治療で、同大病院として初めて高度先進医療の承認を受けた。以来、FESの研究に力を入れ、ここ数年は、電極を埋め込まず手足の表面から電気刺激を与える外国製器具に着目し、必要な手続きを経て国内で初めて使用を始めた。  同器具は昨年12月、薬事承認され、各地の病院にも広まりつつある。同科の島田洋一教授は「簡便で安全性が高く、高齢者でも自宅で使用できる。患者さんの社会生活復帰や自立の一助になる」と期待する。  人工内耳やFESのようにすでに実用化されている治療法とは別に、同大病院では、新たな治療法などの研究発表の場として、年1回程度、院内で「先進医療コンペ」も開催し、研究の活性化を図っている。  今年1月のコンペには約10人が参加し、その一人で産婦人科の河村和弘講師(40)は、自身が客員教授を務める米スタンフォード大学との共同研究について報告した。  河村講師らは、卵子のもとになる「原始卵胞」を活性化させる手法を開発。この手法を生かせば、がんを患った女性が、治療前に凍結保存した卵巣を放射線・化学療法後に体内に戻し、妊娠を図る場合、従来の方法に比べて非常にわずかな卵巣の断片を体に戻すだけで成熟した卵子を育てられることになり、移植した卵巣からのがん再発のリスクを抑えられるという。  実際の治療で活用するため、国や関係学会の許可などを得る手続き中。河村講師は「技術、設備、人員などすべてにおいて、大学病院でなければできないことは多い」とし、「診療をしっかりやりつつ、研究にも力を入れ、医療の発展に貢献したい」と話す。  「当院の使命として、県内の医療機関で群を抜いた存在でなければならない」。秋田大病院の茆原(ちはら)順一病院長はそう強調し、「充実した教育と研究をベースにした臨床を実現し、大学病院としての底力を発揮していく」と誓った。(佐藤直信) "[he-forum 16258] 北海道新聞5/7夕刊 北海道新聞2011年5月7日付夕刊 北大生は大学院志向 実態調査 専門・安定性を重視  大学には現役で合格し、月々の収入は5万円未満。学部卒業後はより専門性を生かせる大学院に進学したい-。北大が4年ぶりに行った学生生活実態調査の結果、こんな学生像が浮かび上がった。親の年収減少に伴い、学生生活は質素になり、職業観も安定志向が、より強くなっている。  調査は、2009年度に行い、「経済状況」「進路」「生活習慣」「健康状態」の4項目について質問、全学部生1万1千人の約1割に当たる1100人がインターネットで回答した。「経済状況」では、月々の生活費が5万円未満の学生が最も多く、23・5%。一方、01年に学生の4分の1を占めた月々15万円以上収入のある「高額収入者」は今回14・7%まで減少した。 "[he-forum 16259] 岩手日報5/10 岩手日報2011年5月10日付 被災地支える人材に 岩手大で新入生が力強く決意  岩手大(藤井克己学長)は9日、授業開始に合わせ、盛岡市上田3丁目の同大第一体育館で新入生歓迎の集いを開いた。東日本大震災の影響で4月7日に予定していた入学式が中止となったため、代替として開催。編入生や大学院生を含む新入生1581人が、被災地復興への貢献を胸に、勉学に励むことを力強く誓った。  開始に先立ち、震災犠牲者に黙とうをささげた。藤井学長は「皆さんは震災復興元年の入学生。地域の希望のよりどころになると確信する」と激励した。  新入生を代表して農学部の佐々木優花さん(盛岡三高卒)が「研さんを積み、復興を支える人材となることが社会的使命。石割桜の逆境に負けない強さを見習い、日本の復興のために精いっぱい努力する」と決意を述べた。  新入生は学部生1215人、大学院生は366人。学部生のうち県内高校出身は521人。 "[he-forum 16260] 十勝毎日5/10 十勝毎日新聞2011年5月10日付 北斗が北大と連携 新分野のリハビリ研究  社会医療法人北斗(帯広市稲田町、鎌田一理事長)は北海道大学大学院保健科学研究院(札幌)と連携して、膝や腰の疾患などを予防する新しい分野のリハビリテーションに取り組む。同大学院に研究費などで1億円弱を寄付、大学院内で研究を担う寄付講座が開設された。同大学院の武田直樹教授(56)も北斗クリニック関節センターで外来を担当。リハビリを科学的に分析する最先端機材も導入して研究を深め、臨床での普及を目指す。武田氏は転移性骨腫瘍の専門家でもあり「十勝で力になりたい」と意欲を語る。  寄付講座は「北斗関節機能障害予防学分野」で、5月から3年計画で開設。一般的にはすでに起こった関節や運動機能障害に対し理学療法を中心とするリハビリを行うが、この研究では障害予防を重視する。鎌田理事長は「リハビリの科学的な議論を深め効果的な治療につなげたい。予防リハビリの研究は全国的に見て新しい領域」と強調する。  大学院での研究を基礎とし北斗関節センターの臨床で成果を反映していく流れ。武田氏は「高齢化で膝や腰の痛みを伴う関節症が増えている。病状が悪くなってから治療を受けるというより、早期にリハビリが介入することで効果的に治療し、手術が必要な患者を減らしたい」と強調する。  特に関節の動きを科学的に分析する三次元動作解析装置など新しい機材を活用。「例えば膝の老化が将来どうなるかなどを分析し、状態が悪くなるリスクがある人に、どういうリハビリをするかを研究していく」と説明。膝に負担をかけない歩き方など日常生活動作の改善につなげる。石田直樹・関節センター長は「患者の家族にも啓発できるよう普及できれば」と話す。  武田氏は北海道大学病院整形外科の医師として、がん転移による骨腫瘍の治療も専門。北斗では今後、がんの特殊な治療法のひとつ「凍結療法」として、細胞組織を凍結壊死させることで治療する手術機器を導入。武田氏は「体に大きな負担をかけない低侵襲治療で効果を引き出したい。道内では札幌圏に限られている骨腫瘍の治療を十勝でもできるように頑張りたい」と話している。 "[he-forum 16261] 毎日新聞愛知5/10 毎日新聞愛知版2011年5月10日付 協定:愛教大と静岡大、大学院博士課程を共同設置  愛知教育大(刈谷市)と静岡大(静岡市)が、高度な教育研究や教育リーダー育成を図るため、共同大学院博士課程の設置協定を結んだ。来年4月1日に教科開発学を研究する博士課程を共同開設する。両大学によると、教育学部系の共同大学院設置は全国で初めてという。  教育学部をもつ両大学には大学院の修士課程(2年)はあるが、博士課程(3年)がない。新設の博士課程は現役の教員や教職大学院の教員を目指す研究者らが対象で、定員は1学年8人。両大学の教授が土・日曜や夏休みを中心に両キャンパスで講義し、3年間で20単位を履修する。教科の魅力的な教え方や児童・生徒の発達に応じた教材のあり方などを研究する。  協定締結式は浜松市内のホテルであり、松田正久・愛知教育大学長と伊東幸宏・静岡大学長が協定書に調印した。両学長は「教育の重要さが一段と高まる中、教育学部をもつ東海地方の主要2大学が連携し、双方の優位な教育資源を結集する意義は計り知れない。それぞれの持ち味を生かし、大学の社会的役割を積極的に果たしたい」と意欲を示した。【安間教雄】 "[he-forum 16262] 「学校20ミリシーベルト」問題で首相と文科相に要請文 佐賀大学の豊島です.「学校20ミリシーベルト」問題で昨日,首相と 文科相に要請文がファクスとメールで送られました.要請文を末尾に添 付します. 送り手の「核問題研究委員会」は「原発事故緊急対策マニュアル」の執 筆者(末尾に一覧,豊島も含む)と同じです.次にも掲示しています. http://web.me.com/emiyoshi3/JSA_Fukuoka/Nuclear/entries/ 2011/5/10_require_to_the_PM.html 短縮アドレス http://bit.ly/kHJYzf 週明けには福岡で記者会見を計画しています. なお,この問題に関しては,昨日朝のフジTV番組「とくダネ」が 16分にまとめて放送しました.次で視聴できますので,ぜひご覧下さい. http://www.youtube.com/watch?v=950H9R5htcM ----------------- 2011年5月10日 内閣総理大臣 菅 直人 殿 FAX: 03-3581-3883 校庭使用についての文科省『年20ミリシーベルト基準』の撤回・ 見直しを要求する        日本科学者会議福岡支部 核問題研究委員会    http://web.me.com/emiyoshi3/JSA_Fukuoka/Nuclear/Nuclear.html  さる4月19日,文科省は福島県内の学校の校舎・校庭等 の利用判断における暫定的考え方を発表し,福島県教育委員会をはじめ とした関係施設の長に通知しました.そこでは,国際放射線防護委員会 (ICRP)が非常事態収束後の参考レベルとしている1~ 20ミリシーベルト/年を,福島県の幼稚園や小中学校の校舎・校庭など の利用判断の暫定的な目安とするとしています.その上で,校庭の空間 線量率として,年間20ミリシーベルトから割り出した3.8 マイクロシーベルト/時を下回る場合には,平常どおり使用して差し支 えないとしています.この文科省の暫定的考え方には,内部被ばくにつ いての配慮がないことも問題ですが,それ以外にも,見過ごすことの出 来ない以下のような問題点があります. (1)この年間20ミリシーベルトという被ばく線量は,法外に高 い線量です.職業被ばくの年間線量限度は20ミリシーベルトであ り,それと同じ数値を放射線に感受性の高い幼児・児童に対する基準と して使用するのはあまりにも配慮が足りないと言わざるを得ません.職 業被ばくとして宇宙線からの被ばくを受ける日本の航空機乗務員は,そ の被ばく量が年間5ミリシーベルト以内になるように配慮されて います.被ばくの代償として給料という利益を受ける航空機乗務員でも 20ミリシーベルトの4分の1です.幼児・児童にとって被ばくから受け 取る利益は何にもありません. (2)この「1~20ミリシーベルト」というレベル設定は, ICRP文書の範囲をそのまま使用したものです.ICRP文書では,こ れに関連して参考レベルはこの範囲の「下方部分から選定すべき」とし て出来るだけ小さい値を設定すべきとしています(注1).ところが文 科省の今回の基準は,何の説明もなく上限いっぱいの20ミリシー ベルトに設定しています.また,ICRP文書では,子どもや妊婦な ど特に放射線の影響を受けやすいグループに被ばく線量を減らす特別の 配慮を求めています(注2).今回の文科省の暫定的考え方は,この点 についての配慮を全く欠いたものと言わなければなりません. (3)ICRP勧告の参考レベルというのは,放射線レベルを1ミリ シーベルト/年へ低減する必要な防護措置を取ることを前提としていま す.文科省の通知では「今後できる限り,児童生徒等の受ける線量を減 らしていくことが適切」と言葉では述べていますが,その具体的な防護 措置の指示がありません.枝野官房長官は,5月1日,福島市や郡山市 の学校が独自の判断で校庭の表面の土を削っていることに関連して「文 科省の指針に基づけば除去する必要はない」と言ったと報道されていま す.このままの通知では,年間20ミリシーベルトの基準が固定化 される危険性があります.郡山市の学校が独自で行っている防護措置は 本来なら政府が行うべきことであります. (4)幼児・児童はこれから長い人生を生きることになります.一般に 放射線感受性の高い幼児・児童に対するリスク係数は,成人に対するリ スク係数より大きいと推定されますが仮に同じであると仮定して ICRP勧告のリスク係数(0.05)を使えば,仮に5万人の幼児・児童 が20ミリシーベルトの放射線被ばくしたとすれば, 50000 x 0.02 x 0.05 = 50名のガンによる死亡が想定されます.このような数値 はとうてい容認できません. (5)原子力安全委員会は,5人の原子力安全委員のほかに2人の専門 家の意見を聞き,全員が今回の暫定的目安に対して「適切」と判断した としています.しかし,正式の会議も開かず,議事録もない状態で「適 切」と判断したことは問題があり疑義が残ります.一からやり直すべき です.  私たちは今回の文科省の通知に関連して,以上の5点を指摘するとと もに,4月19日の文科省の暫定的考え方と年20ミリ シーベルト基準の撤回し,被災住民や父母の声に耳を傾け,その子ども たちの被ばくを最小限にするような対策を求めます. (注1)ICRP Publication 111, Executive Summary (o項) and ICRP Publication 109, (116項). (注2)ICRP Publication 111, (45項). ----------------- 「日本科学者会議福岡支部 核問題研究委員会」で今回の要請を行った メンバーは次のとおりです. 森 茂康(九州大学名誉教授) 岡本 良治(九州工業大学) 豊島 耕一(佐賀大学) 本庄 春雄(九州大学) 三好 永作(九州大学名誉教授) ----------------- 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16263] 朝日新聞5/11"," 朝日新聞/山上浩二郎の大学取れたて便 2011年5月11日  「教員養成課程の6年制」の行方、中教審教員資質向上部会  東日本大震災の影響で、どの役所もさまざまな仕事を一時中断して、震災対策に力を注いできた。文部科学省も同様だったが、5月10日、この1年、議論してきた教員の資質向上策を検討してきた部会が5カ月ぶりに再開された。  おさらいすると、民主党がマニフェストに盛り込んだ政策「教員養成課程の6年制」を受けて、文部科学省が昨年6月に中央教育審議会に教員資質向上特別部会を設け、議論を続けてきた。昨年末には、審議経過報告をまとめ、公表した。 内容は、教員の免許を「基礎免許状」「一般免許状」「専門免許状」(いずれも仮称)の3段階にしたうえで、採用後に必要な課程を大学などで修了すれば一般 免許を与え、さらに専門性を高めれば、専門免許を与えるというものだ。これらの専門性を高めるため講義を受ける場を教職大学院とすることや、管理職への登 用は専門免許が前提になる可能性が高いことも報告に盛り込まれている。さらに、10年ごとに講習を受けて免許を更新しなければ免許が失効する現行の「免許 更新制」はやめて3段階の免許制度に吸収されることも示唆されている。  今回の部会では、審議経過報告を受けて、この部会のもとに、ワーキング・グループを設けて、法案化に向けて制度の骨格を検討することになった。久しぶりの部会となり、委員からはさまざまな意見が出たが、東日本大震災と教員の資質との関係性に言及する委員もいた。  主な意見を紹介する。  「すでにこれまでの議論で免許制度の合意が得られたと思っている。どの国会でどう通すのか示して欲しい。ワーキング・グループで具体的にもんで、法改正 の日取りを決めてほしい」「東日本大震災で、改めて教員が子どもの命を預かっていると思った。どのような支援ができるのか、研修などいまの問題と関連性を 出した議論をすべき」「自分から人に働きかける人間を育てて欲しい。スピード感をもって取り組まなければならない」「一般の大学に情報を出して意見を集約 してほしい」  審議経過報告を出すのに時間がかかったことの反動か、早く制度の骨格をつくるべきだという委員が少なくなかった。  部会に配られた資料のなかには、いまの免許更新制の調査結果もあった。  それによると、最初に免許更新の対象になった教員は9万1906人。2年間の期限までに更新に必要な申請をした人は9万1389人(99・44%)。申 請をしなかった人は517人で、このうち490人が退職を予定している人で、それ以外の人が27人いた。結局、今年3月31日で免許失効が見込まれる人が 27人出たということになる。これはかなり少ないとも言えるし、再三の制度の周知にもかかわらず一定の人数が出ているのでそれなりに出ているとも言えるか もしれない。  一方、免許更新に必要な大学などの講習について、受講者はどう評価しているのかも公表された。おおざっぱにいって、「よい」「だいたいよい」という評価 が9割を超えている。1割弱が評価していなかった。しかし、今回の部会でも出ていたように、講習の内容の評価結果を見て安心するよりも、むしろ比率は少な いものの「なぜ評価されなかったか」という内容の方が重要だと思われる。その意味では、調査結果はあまり参考にはならないといえるだろう。  今回の部会は久しぶりの顔合わせという印象が強い。一方で、うかがえたのは、教員免許の改革を本格的に進める文科省の意欲だった。ただ、委員はかなり早 く制度の骨格を固めるべきだという強い意見があったが、この問題は教員の免許はもちろんキャリア設計、教員の仕事そのものと深く関わっている。自治体の採 用、研修、教員の需給バランスというそれぞれの地域の特色とも影響し合っている。拙速だけは避けるべきだと望みたい。 "[he-forum 16264] 読売新聞社説5/13 読売新聞社説2011年5月13日付 大学の役割 「知」集め被災地復興に貢献を  東日本大震災の影響で始業を延期していた東北地方の大学が、今月から授業を再開した。  キャンパスに学生たちが帰ってきた。震災で直面した様々な困難を乗り越えて、大学は一刻も早く、活力を取り戻してもらいたい。  東北や茨城の大学は、地震で建物が損傷したところも多かった。特に理工系の研究設備の被害は深刻だった。大型実験装置が壊れたほか、保存していた遺伝子サンプルなど貴重な資料が使えなくなった研究室もある。  設備の修繕を急ぎ、研究機能を回復する必要がある。復旧が遅れると、世界の研究開発競争から取り残されるばかりか、優秀な人材の海外流出を招きかねない。  政府も大学の研究レベルの低下を食い止めるために、必要な予算措置を講じるべきである。  震災後には、外国人留学生が帰国したり、入学を取りやめたりする動きが目立った。度重なる余震に加え、東京電力福島第一原子力発電所の事故で放射能汚染への不安が高まったことが原因だ。  大学が電子メールなどで冷静な対応を呼びかけたこともあり、留学生は戻りつつあるようだ。留学生が安心して授業や研究に専念できるよう、政府も大学も迅速で丁寧な情報提供を続けてほしい。  今、被災地の大学には、それぞれの特色を生かして、復興に貢献することも求められている。  福島大学の放射線計測チームは、2キロ・メートル四方ごとの放射線の分布状況を調べた。データは地元自治体に提供され、避難対策などに役立っているという。  宮城教育大学は被災地の教育委員会の要望を踏まえ、学校に教員志望の学生を派遣している。学生たちは教員のサポート役として、放課後の補習などで子どもの勉強の面倒を見ている。  東北大学は、学部の枠を超えて様々な分野の専門家が協力し、防災や復興のあり方を研究する組織の発足を決めた。他の大学との連携も視野に入れているという。  あらゆる「知」を集め、災害に強い街づくりや産業再生の具体的なプランをまとめ、政府や自治体に示すことが期待される。  大学からの提案が実際の復興政策に生かされれば、「産学官協力」の新たなモデルになろう。  首都圏の大学でも、学生ボランティアを被災地に派遣する動きが見られる。ボランティア活動への参加を単位として認定するなど学生が参加しやすい環境を整え、被災地を継続的に支えたい。 "[he-forum 16265] 中国新聞5/11 中国新聞2011年5月11日付 広島大が産学官協力会設立  広島大(東広島市)は、学内の研究成果を地場企業に紹介する産学官連携推進研究協力会(会長・浅原利正学長)を設立した。説明会を年に4回開いて情報を発信し、企業との共同研究を積極的に進めて地域産業の活性化を図る。  協力会は広島大が地場企業との連携を推進するための初の本格的な組織。製造業を中心に64の企業・団体で構成する。  広島大がこのほど開いた1回目の説明会には東広島、呉、広島市などの31社から50人が参加した。大学院工学研究院の沢俊行教授が、機械の設計や金属の強度などに関する大学の研究成果を説明し「共同研究は企業にも大学にもメリットがある。気軽に相談してほしい」と呼び掛けた。今後、3カ月に1回のペースで説明会を開く。  広島大はこれまで産学・地域連携センターで企業とのマッチングを進めてきた。協力会は地元の企業に特化する形で共同研究を進め、事業化につなげる。 "[he-forum 16266] 時事通信5/13 時事通信2011年5月13日11時34分 法曹養成フォーラム設置=司法試験改革を検討-政府  政府は13日、司法試験や法科大学院など法曹養成制度の改革を検討するため、関係省庁の副大臣や有識者らで構成する「法曹養成フォーラム」(座長・佐々木毅学習院大教授)の設置を決めた。月内に初会合を開く。  政府は2010年ごろに司法試験合格者を3000人とする目標を立てていたが、同年の実績は2133人(新旧試験の合計)と大幅に下回った。フォーラムでは、この目標が適正かどうかや、法科大学院の教育の質の向上策について検討する。  また、フォーラムは、司法修習生に月額20万円を支給する「給費制」の存廃についても議論。昨年の法改正で1年延長された同制度は10月末に期限を迎えるため、この問題に限っては8月末までに結論を出す。(2011/05/13-11:34) "[he-forum 16267] 日本経済新聞5/11 日本経済新聞2011年5月11日付 東工大、指導者育てる大学院を創設  東京工業大は国際社会や企業、官公庁などで活躍する指導者を育てる「グローバルリーダー教育院」を創設した。修士課程に在籍する大学院生から約10人を毎年選抜し、授業料を全額免除する。博士号を取得するまでの一貫教育で専門性を深めながら、文系・理系の枠を超えた幅広い教養を身に付けさせる。  対象学生は既存研究科に所属し学位取得を目指す。その上で同教育院のゼミに入り、政策提言やシンポジウムの企画、インターンシップ(就業体験)に取り組む。今夏の選抜試験を経て10月から本格的に授業を始める。  文部科学省は今年度、世界的リーダーを育成する大学院への資金支援制度を新設する。東工大のほか、5年一貫教育を行う全寮制大学院を設ける京都大が応募する方針を示している。 "[he-forum 16268] 長崎新聞5/11 長崎新聞2011年5月11日付 震災で研究困難の東北大大学院生が長崎大に  「東北から遠く離れた長崎での支援に感謝したい」。東日本大震災の影響で研究を続けることが難しくなった東北大大学院の小野綾子さん(37)が、長崎大での研究活動をスタートさせた。  地震が発生した3月11日。小野さんは仙台市青葉区にある大学院の研究室でリポートを執筆していた。立っていられないほどの強い揺れが5、6分間も続いた。研究室内はビーカーなどの実験器材やプリンターが床に落ちて壊れ、本や書類が散乱したが、幸いけがはなかった。  仙台では、その後もひっきりなしに余震が続いた。「落ち着いた環境でデータの解析と論文執筆をしたい」。小野さんは以前、助言を受けたことがある長崎大の田山淳准教授を頼って、長崎大で研究ができないか打診。4月中旬、特別研究学生として長崎大大学院医歯薬学総合研究科への受け入れが決まった。  小野さんは青森県出身。女子美術大(神奈川県)卒業後、東京芸術大大学院を修了。「宇宙飛行士になりたい」という夢をかなえるため、現在は東北大大学院医学系研究科に在籍し芸術とは畑違いの行動医学を専攻。人のストレス対策を研究している。  長崎大での学費は免除。住居は長崎市内の教職員用宿舎を利用する。9日、「高校の修学旅行以来」という長崎に来た小野さん。慣れない土地での新生活だが、宇宙飛行士という夢に向かって新たな一歩を踏み出した。 "[he-forum 16269] 読売新聞山梨5/14 読売新聞山梨版2011年5月14日付 梨大が防災研究センター 県と連携 人材も育成  山梨大が、防災対策の研究や人材育成の拠点となる「地域防災・マネージメント研究センター」を設立することが13日、分かった。県とも連携する。東日本大震災の発生で県内でも防災体制の見直し機運が高まる中、センター長に就任する鈴木猛康教授(防災工学)は「県内の防災に必要不可欠な存在を目指す」と意気込んでいる。  センターは同大工学部土木環境工学科の付属機関として設立。同学科の研究者がそれぞれ個別に扱ってきた研究テーマを連動させ、県内で予想される地震、水害、火山噴火といった災害に対して幅広い側面から防災研究を行う。  地域の自主防災組織のリーダー育成や、行政、企業、報道機関を対象にした防災教育を実施し、災害に強い県づくりに向けた人材育成にも力を入れる。  鈴木教授によると、既に県に対して、同センターの運営への参加を打診している。県幹部は、「山梨大は『山梨の知の拠点』。(同センターの)研究成果を県の計画に反映させるなど協力したい」と話している。  同大は、センター設立を今月下旬に発表する予定だ。同時に、地域住民や行政に向けて、巨大災害に備えて今後2年間で取り組むべき県内の防災対策についても、研究者の提案をとりまとめて発表する。  大学に設置される防災研究拠点としては、東海地震や富士山噴火における防災研究と教育を行っている静岡大の防災総合センターなどがある。 "[he-forum 16270] 茨城新聞5/13 茨城新聞2011年5月13日付 筑波大発ベンチャーEDL 教育機関向け無償クラウド 筑波大発ベンチャーのエデュケーションデザインラボ(EDL、つくば市二の宮、平塚知真子社長)は、IT(情報技術)関連の沖縄クロス・ヘッド(那覇市)、マンタ(岡山県新見市)の3社と共同で、国立情報学研究所(東京都千代田区)が無料提供するソフトウエア「ネットコモンズ」を活用した学校の情報化システムの無償提供を始めた。平塚社長は「学校内にサーバーがあると災害時に使用不能となる恐れがある。今回の震災を教訓に、クラウドで“目に見えない絆”を作ってもらえれば」としている。 災害時に電話が通じなくても、インターネットを利用して学校から保護者や生徒に正確な情報を素早く伝え、安否確認なども行えるようにする。全国の幼稚園や小中 学校、高校、大学などの教育機関が対象。 提供するシステムは、高度な情報処理ができるコンピューターシステムをネット経由で利用できる「クラウドコンピューティング」サービスの技術を使った。初期費用が安く、文書や写真などの記録をネット上に保存して、いつでも取り出して使える便利さが利点となっている。 自前のサーバーを持つ必要がないため、学内サーバーが被災して記録が消失したり機能停止に陥ったりする心配がなく、災害に強いと注目されている。 同社では「学校の情報化緊急推進キャンペーン リンク!スクールICT」(申し込みは8月末まで)と銘打ち、(1)ネットコモンズを搭載した外部サーバー(2)学校向けホームページ(HP)やグループウェアの初期画面構築(3)教育機関向けメール配信システム「Webスクールiネット」の三つを1セットにして2012年3月末まで無償で提供する。 ネットにつながる環境であれば、携帯電話からHPの更新・閲覧や掲示板への書き込み、メールの一斉配信などが可能で、利用者同士で情報を共有できる。学校行事や授業変更の通知、児童生徒の安否確認などに使える。 岩手県立総合教育センターによると、同県内では停電の影響でサーバーの機能が停止し、入学式開催の可否を知らせる連絡手段がなくなった例もあったという。同センターの担当者は「このシステムが使えれば連絡手段を確保できた」と話す。ネットコモンズは同研究所の新井紀子教授らが開発。05年に提供を始め、現在多くの学校が利用している。 "[he-forum 16271] 薬事日報5/13 薬事日報2011年5月13日付 【薬系大学】5年次進級率が8割下回る‐3年連続定員割れも17校  全国の国公私立を含む薬科大学(薬学部)の6年制学科で、長期実務実習が始まった昨年度に、5年次への進級率が8割を下回っていたことが、文部科学省の調査で分かった。  調査は、薬学部を置く全74校に対して行った。2006年度に入学した学生1万1950人のうち、5年次へ進級できたのは9408人(進級率78・7%)で、2542人が留年したことが明らかになった。  また、各大学の倍率・充足率を調べた結果では、08年度から10年度にかけて、3年連続で定員割れを起こしていた大学は17校だった。そのうち、新設のため5年次に進級する学生がいない3校を除いた、14校の進級率の平均は71・1%にとどまり、全体を下回っていることも分かった。  10日に開かれた薬学系人材養成のあり方検討会では、「製薬企業であれば、競争で自然淘汰されるまで様子を見るということもあるが、教育でそうするのが適切なのか」など、入学者数増加による教育の質低下に、危機感を示す意見が出ており、今後の議論に影響しそうだ。 "[he-forum 16272] 毎日新聞新潟5/13 毎日新聞新潟版2011年5月13日付 防災協定:北陸地方整備局と長岡技科大が連携、協力  長岡技術科学大(長岡市)と北陸地方整備局は12日、防災などで互いに連携、協力するための協定を締結した。同整備局が大学と協定を結ぶのは初めて。  大学側は研究成果など、整備局側は調査・研究の現場をそれぞれ提供する。具体的には、建設から40~50年経過して老朽化している橋の調査などがある。  この日、協定の締結式が長岡技科大であり、前川秀和同整備局長が「社会資本の老朽化などいろいろな課題がある。東日本大震災を受けて、行政と大学が検証して協力する必要性がより強まった」とあいさつ。新原晧一学長は「地震や洪水などの対策に大学はどんな立場で参加すべきか。研究だけではなく社会貢献でも未来を見る必要がある」と語った。【岡村昌彦】 "[he-forum 16273] 毎日新聞福島5/13 毎日新聞福島版2011年5月13日付 福島大:就活交通費1万2000円を助成 今月から、学生負担軽減に  福島大(福島市)は5月から、来春卒業予定の4年生と大学院修士課程2年生を対象に、就職活動の交通費を1回3000円、計1万2000円助成する制度を始めた。不況で就職内定率が低迷する中、県外企業への就職を希望する学生の経済的負担を軽くし、就業機会を増やす狙い。  採用試験のほか、説明会などへの参加も対象。事前に申込書を同大就職支援室に提出し、大学生協を通じてチケットを購入する。試験などの終了後に利用報告書を提出すれば現金で支払われる。3000円未満の交通費は対象外。【関雄輔】 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16274] 陸奥新報5/17 陸奥新報2011年5月17日付 教育推進室を設置 質向上へ/弘大  教育改革を進めるために弘前大学(遠藤正彦学長)は1日付で教育推進室を立ち上げた。ここ3年は入学志願者数を伸ばしており、卒業生の就職率においても全国平均を上回る健闘を見せている弘大が、教育の質のさらなる向上を目指して動きだした。室長を務める神田健策教育・学生担当理事は「社会的評価を高く受けられるように教育改革を進めていく」と意欲を示した。  弘大の入学志願者数は2008年度に5000人割れしたが、その後は順調に伸ばしており、11年度は6285人で10年度から620人増。就職の面でも10年度卒業生の全学部平均就職率は90・6%(3月25日現在)で“超氷河期”の中、9割超えと健闘している。  弘大では、教育の質の向上を求める中央教育審議会答申(08年12月)や弘大第2期中期目標・中期計画が昨年4月に開始されたのを契機に、学長の諮問に応じて同年10月に緊急教育推進会議を設置。教育活動の現状と課題を整理し、3月に各委員からの意見や対応策を「教育活動推進のための提言」として取りまとめた。  さらにこの提言に基づき推進室を設け、入学志願者確保、教育課程・編成についての方針策定といった教育活動の課題への具体的な対応策を今後検討し、教育の質の向上などを図って社会的な評価・信頼度を高めたい考えだ。  6日に学内で開かれた推進会議メンバーによる教育改革先進校視察報告会の冒頭で、あいさつに立った遠藤学長は「入試倍率を伸ばした数少ない大学の一つで、就職でも昨今の就職難の状況下でも全国平均を上回っており本学は善戦している」とした上で、「問題は教育の中身、質の保証」と教育改革への決意を口にした。  神田理事は「教育の質をこれまでもおざなりにしてきたわけではないが、学位を見直す重要な時期になっている」とし、「他大学での教育改革の良いところを取り入れてなるべく早い時期に形にしたい」と述べた。 "[he-forum 16275] 共同通信6/19 共同通信2011年6月19日12時10分 香川大、教養学部新設を断念へ  香川大(一井真比古学長)は19日までに、2012年春の設置を目指していた「教養学部」の新設を断念する方針を固めた。文部科学省から、地域の特性を生かした学部の設置を提案されたためで、認可を得るのは難しいと判断。今月末締め切りの文科省への認可申請を見送り、地域独自の学部の新設を目指す。  教養学部の新設は、幅広い教養を持つ人材の育成を狙い、09年春に打ち出していた。  香川大によると、文科省との協議の中で、地域の文化や産業の発展を担う人材を育てる専門性の高い学部が望ましい、と再考を求められたという。大学の定員は変えず、13年度以降の新学部設置を目指していく。 "[he-forum 16276] 福井新聞5/19 福井新聞2011年5月19日付 産学官で環境・エネ産業を育成 福井大に拠点開所  福井県と福井大、県経団連が整備を進めてきた「ふくい産学官共同研究拠点(ふくいグリーンイノベーションセンター)」の開所式が18日、福井市の福井大で開かれた。最先端機器を使った共同研究により、新エネルギーや省エネルギー分野の新素材や安全技術の開発を促進。県内の環境・エネルギー産業の育成に結びつけていく。  開所式には、関係団体や県内企業などから約130人が出席。福田優福井大学長、西川知事、川田達男県経団連会長らが「日本が世界経済で勝つには技術革新しかない。大震災で注目された新エネなどの分野で共同研究を進め、地域発展に役立てたい」「中小企業が自前で持つことができない最先端機器を利用できる意義は大きい」「学生や企業の研究者の人材育成の場にしたい」などとあいさつ。テープカットを行い、開所を祝った。  同拠点は、財団法人科学技術振興機構の「地域産学官共同研究拠点整備事業」に3者が共同提案して、採択を受けた。福井大産学官連携本部?号棟の2~6階を拠点とし、物質の表面解析を行うイオンビーム加工・表面分析装置、エックス線を使い電子回路の内部を3次元的に検査するエックス線断層撮影装置など、30種類の最先端の試作・評価機器を設置した。  2~3階には県内企業が分析や評価、加工などの機器を利用できる共同スペースを設置。4~6階は田中化学研究所、松浦機械製作所、清川メッキ工業、アイテックの4社が利用し、リチウムイオン電池や燃料電池、レーザー微細加工などについて同大と共同研究を進めていく。  同拠点の総床面積は約1400平方メートル。総事業費は9億円。今後は、県産業労働部長が委員長を務める事業運営委員会が運営、管理を行い、福井大産学官連携本部が事務局として活動していく。  同大産学官連携本部の山本?勇本部長は「企業のニーズと大学のシーズをうまく組み合わせることで、福井から世界に通用する技術革新をつくっていきたい」と話していた。 "[he-forum 16277] 朝日新聞5/20"," 朝日新聞 2011年5月20日5時4分 九州大学が入試「女性枠」を撤回 「差別」批判受けて  九州大学(福岡市東区)は19日、2012年度の一般入試から理学部数学科の定員に「女性枠」を設ける計画を撤回すると発表した。女性研究者を増やす目 的を掲げていたが、「男性への差別だ」との批判や「違憲のおそれ」の指摘を受け、この枠で合格する学生への影響も考慮した。今後も当面、枠は設けない。  九大は昨年3月、数学科の後期日程定員9人のうち5人を女性枠とすると発表。「優秀な女性の人材を育成しないのは社会にとっても損失」「女性ならではの 視点と感性で教育、研究に多様性をもたらしたい」などの考えを示した。しかし、電話やメールなどで「男性差別につながる」「法の下の平等の観点から問題が あるのではないか」などの批判があったという。  九大ホームページを通じて寄せられた意見22件のうち否定的なものは16件で、残り6件は「女性の研究者を増やしてほしい」など肯定的だったという。  九大が弁護士ら法律の専門家に意見を聞くと、「女性枠」が法の下の平等に反する可能性を指摘された。女性枠で入る学生が受けるストレスも考え、19日の学内の協議で撤回を決めた。  記者会見した入試担当の丸野俊一副学長は導入段階から学内でも賛否があったとし、「(研究分野で)男女共同参画を推進したいとの考えがあったが、法にふ れる可能性までは気が向かなかった」「社会の様々な決定の場に女性が出てくることが日本では極めて限られている。今後も女性研究者を増やしていく努力は続 けたい」と話した。  文部科学省によると、全国の大学・大学院で女性教員が占める割合(2007年10月現在)は18.2%で、国立大は約12%。九大は全学で10.5% (今年5月現在)、数学分野では約4%(同)とさらに低い。名古屋工業大学など、推薦入試で女性枠を設けている大学はあるが、九大は一般入試以外でも女性 枠は当面検討しないという。 "[he-forum 16278] 日本経済新聞5/21 日本経済新聞2011年5月21日付 大学発特許の「権利移転」、大阪大が首位 医療・素材など事業化意欲強く 共同出願は東北大、トヨタが首位 特許分析会社が初調査  特許分析を手がけるパテント・リザルト(東京・台東、白山隆社長)が大学や技術移転機関(TLO)を対象に算出した「名義変更・権利移転ランキング」で、大阪大学が首位となった。特許の審査過程で出願人の名義が大学から他者に変更されたり、特許権利化後に権利移転(技術移転)が行われた件数を集計したもので、大学が生み出した技術が産業界で活用されている度合いの目安となる。私立大学では10位に慶応義塾大学が入った。大学と企業が特許を共同出願するケースも多く、大学では東北大学、企業ではトヨタ自動車が最も活発に取り組んでいた。  1993年以降に公開された特許を調べた。同ランキングの作成は初めて。1位の大阪大学はこれまで109件の特許を企業などに名義変更したり、権利移転した。他者(企業、団体など)から大阪大学への名義変更や権利移転は11件だった。  大阪大学の特許出願件数は1443件で、東北大学の2023件、東京工業大学の1923件などに比べて少ないが、大学が創出した技術を企業などが取得し、事業化に活用されていることが分かる。  パテント・リザルトは「名義変更や権利移転された特許の中身を詳しく見ると、阪大は審査請求に至る前に申請を取り下げたり、審査で新規性がないとして拒絶査定になったりした件数が非常に少ない」(荒木則夫執行役員)と指摘する。取り下げとは、いったん申請したものの技術が活用される見込みが少ないと判断し、費用を要する審査請求をあえて行わないケースを指す。阪大の場合は、大学側の権利化意欲の強さや、技術の中身の質の高さがうかがえる。  109件の技術分野を特許庁の技術単位ごとに見ると「生命・環境部門」の「医療」が18件、「物理部門」の「材料分析」が12件などだった。例えば医療分野では「リンパ管新生促進剤」に関する特許を、大阪大学寄付講座教授が創業したベンチャーで東証マザーズ上場の遺伝子医薬品研究開発、アンジェスMGに権利移転している。  また「半導体機器」(9件)や「有機化学」(8件)分野では「(電力制御用のパワー半導体デバイスとしても用いられる)チタンシリコンカーバイド基板上のオーミック電極形成方法」や、排ガス浄化用触媒に応用できる「アミジン―カルボン酸錯体」に関する複数の特許がトヨタ自動車に名義変更されている。  3位には東京工業大学が入った。「半導体機器」(12件)や「無機化学」(9件)、「有機化学」(8件)分野でキヤノンや東洋紡、旭化成せんい、東レ、ユニチカなど多くの企業に名義変更や権利移転を行っている。  研究資金が豊富な国立大が上位を占めるなか、私大の最高ランクは慶応義塾大学の10位だった。「材料分析」(8件)などの分野で大学発の技術が事業化に生かされている。  大学やTLOからの名義変更や権利移転先として件数が多い企業上位3位は、がん治療薬開発で東証マザーズ上場のオンコセラピー・サイエンス、パナソニック、トヨタ自動車の順だった。  またパテント・リザルトは大学やTLOが企業と行う共同出願の状況についても初めて分析した。  それによると企業との共同出願が最も多いのは東北大学で、2位が東京大学、3位は京都大学と続いた。企業側ではトヨタ自動車が549件でトップ。2位はNTTの266件、3位は三菱化学で242件だった。  パテント社によると、京都大学はNTTと移動無線通信の分野での共同出願が多い。また有機EL関連技術や強化プラスチック材料などに関しても共同出願が目立つ。東大の場合は車両用のサスペンションや電気自動車、ナビゲーションなどについてトヨタ自動車と共同出願しているほか、日産自動車とは自動車向け塗料やコーティング材に関する共同出願が多い。  文部科学省によると、大学や高等専門学校などの特許出願件数は2009年度に前年度比7%減少した。大学と民間企業との産学連携は、ライフサイエンスやナノテクノロジー・材料、環境の各分野で伸びが目立つものの、リーマン・ショック後の経済不況を受け停滞気味だ。経費の見直しや削減を急ぐ企業は、大学発の研究成果や特許などの知的財産権を活用した事業化においてもプロジェクトを厳選する傾向を強めている。  大学は必ずしもビジネスに直結したテーマのみを扱っている訳ではないが、エネルギーや環境、生命工学など中長期的な時間軸で社会の課題解決につながる研究も多い。これらの研究成果を企業や社会のニーズに合った形でどう生かしていくのか、大学にはこれまで以上に技術移転と事業化を進めるための知恵が求められている。 【調査の方法】1993年以降に公開された特許公報を基に「公報発行時の出願人」と「経過情報に基づいた権利者(出願人)」の変動分を調査した。「各大学・TLOから他者(社)へ」および「他者(社)から各大学・TLOへ」と名義変更・権利移転した件数を集計した。TLOに関しては、名義変更や権利移転の対象が大学や研究機関というケースが全体の3割程度を占める。  共同出願状況は、大学と企業や個人の共同出願人数の総数を算出、ランキング化した。 "[he-forum 16279] 毎日新聞5/21夕刊 毎日新聞2011年5月21日付夕刊 電通大:理系女子PR隊 「奨学金付き」で発足  ◇理系女子(リケジョ)  電気通信大学(東京都調布市)は今春入学した女子学生の中から、奨学金付きの「女子学生PR隊」を発足させる。大学の広報活動への協力を条件とした奨学生で、同大学の英文略記を冠し、その名も「UEC WOMAN」。単科系国公立大学による奨学金付きの女子学生PR活動は、例がないといい、少子化が進む中、就職にも有利とされる「リケジョ」(理系女子学生)への注目を集め、男子学生中心からの脱却を目指す。  同大学によると、昨年度の学部生4226人のうち、女子学生は338人で全体のわずか8%。学生支援担当の阿部浩二副学長は「同じ理系でも総合大学と違い、単科大学では特に女子学生が集まらない」と嘆く。  打開策として浮上したのが“リケジョ本人による大学PR作戦”だ。今回創設する奨学金制度では、1、2年生時に50万円ずつ、返済不要の奨学金を支給し、卒業まで4年間の授業料も全額免除する。奨学金・授業料免除とも2年目以降の継続は成績で判定されるが、破格の扱いだ。  申請条件は、学業成績・人物ともに優秀で、経済的支援が必要とされることに加え、「本学の教育活動・広報活動に協力し、本学の発展に貢献する意欲のある者」で、5人の枠に対し19人が申請。1年生の女子学生は75人おり、約4分の1が応募したことになる。  エッセーなどで1次選考し、18日に最終面接を実施した。23日には記者会見を開き、早速、デビューする。具体的な活動としては、大学のPR誌への登場や編集への参画、高校への出前授業への同行などが想定されている。  阿部副学長は「マスコットガールではありません」とクギを刺しながら「女性でも理系で十分楽しく研究できる、ということを広めてほしい」と期待を寄せている。【福田隆】 "[he-forum 16280] しんぶん赤旗5/23","2011年5月23日(月)「しんぶん赤旗」 社会人第一歩が失業? 学生 就活ホンネ討論 東京 ________________________________  「超氷河期」といわれる就職難の打開、過熱する就活のあり方を考える「やっぱ、おかしい日本のシューカツ!? 学生がホンネで語ろう! 就活シン ポ2」(主催・同実行委員会)が22日、東京都内で開かれ、青年や学生ら70人が参加し、中継されたニコニコ動画の来場者150人、260コメントが寄せ られました。シンポ1回目は、2010年12月にありました。  働く先輩に聞くセミナーや中小企業など8団体が参加した合同就職説明会を開催。  シンポジウムでは、大学4年生が、何十社も内定をとれず、強圧的態度の圧迫面接を受けるなど苦しい胸の内を語り、大学ジャーナリストの石渡嶺司さん、アドバンスト・ソフトの小柳忠章社長、日本共産党の宮本岳志衆院議員らが就活のあり方を語りました。  小柳氏は、中小企業は良い商品をつくり、要求に早く応える仕事をすることが求められており、学生時代に学びと遊びも大切に、社会でどう役に立ちた いかを考えて職業選択してほしいと話し、石渡氏は、就活時期の後倒しや勉学との兼ね合いができる就活の改善を求め、高額な交通費を負担する地方の学生に国 が応援すべきだと話しました。  宮本氏は、経済状況によって就職が多大な影響を受ける現状を放置せずに、大企業の採用枠を増やすなど社会的責任、政治が若者の就労を支援する責任があると、労働や就活のルールづくりを提案しました。  都内私立大学4年生は、「いまの就活に疑問を持っていましたが、宮本さんが社会人の一歩が失業者でいいのかと、学生の思いを代弁し、共感してくれる人がいてうれしかった」と話しました。 "[he-forum 16281] 中日新聞富山5/21 中日新聞富山版2011年5月21日付 人材育成、体制強化へ一歩 富大看護科の新棟完成  富山大医学部看護学科の新研究棟完成記念式典が二十日、同大杉谷キャンパスであり、地域医療の看護体制強化に向けた一歩を踏み出した。  新研究棟は鉄筋コンクリート四階建て、延べ床面積千七百二十二平方メートル。一階は講義室、二~三階は看護教育の研究室、四階には看護実習室があり、建物内すべてに発光ダイオード(LED)照明を使うなど環境に配慮した。  県地域医療再生計画で昨年四月から同学科の定員が二十人増の八十人となったことに対応するため、県と富山大が総工費三億四千五百万円かけ整備した。将来の看護をけん引する人材を育てるため、二〇一四年をめどに博士課程を設ける予定。  式典には遠藤俊郎学長や石井隆一知事ら関係者約四十人が出席。同大医学部の村口篤学部長があいさつで「高度な医療と福祉を支える技術と専門性を持った看護職者や教育者、研究者を育成する」と意気込みを語った。 (山田晃史) "[he-forum 16282] 中日新聞富山5/22 中日新聞富山版2011年5月22日付 富大と北陸銀が経済学テキスト 共同出版、2冊目  北陸銀行(富山市)と富山大は、金融を実務的に学べるテキスト「実務から学ぶコーポレート・ファイナンス」を共同出版した。  テキストは同大で行員が講師を務めた寄付講座に基づいた内容で、全十六章のうち十四章を同銀関係者が執筆した。理論と銀行実務を融合させる形で、資金調達や運用など企業の財務戦略に関する基本的な考え方を解説している。約三百ページで千五百部を発行した。定価は三千百五十円。共同出版は二〇〇六年十一月に発刊した「ケースで学ぶ企業財務分析」に続き、二冊目。  高木繁雄頭取は「講義をしただけでなく、形にして広くノウハウを活用してもらいたい」と呼びかけており、遠藤俊郎学長も「経済は社会のベース。知識を広めて、この領域で活躍する人材が育てば」とPRしている。 (山田晃史) "[he-forum 16283] 毎日新聞5/24"," 毎日新聞 2011年5月24日 11時13分(最終更新 5月24日 11時20分) 大卒就職率:被災地悲鳴「就活なんて」…過去最低タイ  過去最低に並ぶ91.1%を記録し“超氷河期”を印象付けた大学生の就職率。現在活動している学生からは「タイミングが悪い」「内定取り消しが心 配」と不安の声が上がる。東日本大震災の影響も大きく、被災地の大学では、地震や津波の被害の大きさから就職活動に集中できない学生の実態も浮かぶ。長引 く景気の低迷と大震災の苦境が「就活生」を直撃している。【福田隆、遠藤拓】  「毎年この時期(5月下旬)には、4年生約500人中80人ほどが内々定をもらってきたが、今年はたったの4人。ショックでした」  東日本大震災で在学生6人、入学予定者1人が亡くなった石巻専修大(宮城県石巻市)。ようやく授業が始まった20日、進路支援担当掛(かかり)長の菅野(かんの)定義さん(44)は、ガイダンスに集まった約300人の4年生の活動状況を知って声を失った。  「就職のことが考えられない」「活動を止めていた」など、震災の混乱から抜け出せない状況がアンケートにつづられていた。同大学の今春卒業生の就 職率は80.4%。前年より10.4ポイントも下がった。被災企業が、通常3月に実施する追加採用をやめた影響が大きいという。菅野さんは「なんとかやる 気を出して、内定をつかんでほしい」と祈るように話す。  東北学院大(仙台市)4年、藤原将司さん(21)は実家のある岩手県での就職を希望しているが、まだ内定はない。「就職氷河期、そして震災と今年度の就活生は二重苦。地元志望の学生は皆焦っている」と声を落とす。  首都圏の国立大の男子学生(22)も「こんな時に就活をするのは不運としか言いようがない」とため息をつく。希望する出版業界を多数受けたが失敗。大学に残る「就職留年」の道を選んだが、震災の影響で第1希望の企業が採用を見送る可能性もあると心配する。  地域別就職率で最大の下落率を記録し、9割を切った中部地方。愛知工業大(愛知県豊田市)の就職率は89.6%と前年比微減だったが、キャリアセンターの粟津敬雄次長は「自動車業界の回復の遅さが影響している」と見る。  厚生労働省によると18日現在、今春就職予定だった大学・短大・専門学校生など139人を含む345人の学生や生徒が、震災の影響で内定を取り消 された。同大学でも、東北地方に取引先がある自動車関連企業が倒産し、1人が内定取り消しに。粟津次長は「地元の自動車関連企業が追加採用をやめるなど、 今後も震災が大きな影響を与えるのではないか」と警戒する。 "[he-forum 16284] 四国新聞5/24 四国新聞2011年5月24日付 香川大学長選で学内投票/24日開票、選出へ  香川大は23日、一井真比古学長(66)の任期満了(9月30日)に伴う次期学長選で、講師以上の教員や課長以上の事務職員を対象に学内投票を行った。投票資格者は541人で、24日に開票する。  候補者は伊藤寛理事・副学長(65)、加野芳正教育学部教授(57)、長尾省吾県厚生農業協同組合連合会代表理事理事長(69)。  24日には、学内外の委員13人でつくる「学長件選考会議」を開催。23日の投票結果や各候補者の面接結果、所信表明の内容などを同会議が総合的に判断し、新学長を選出する。 "[he-forum 16285] 毎日新聞5/25"," 豈取律譁ー閨槭€€2011蟷エ5譛・5譌・縲€譚ア莠ャ譛晏・ 蝗ス遶句、ァ蟄ヲ・壽ウ穂ココ蛹門セ後・隧穂セ。縲・シ門、ァ蟄ヲ縲御ク榊香蛻・€搾シ搾シ崎ゥ穂セ。蟋・/h2> 縲€譁・Κ遘大ュヲ逵√・蝗ス遶句、ァ蟄ヲ豕穂ココ隧穂セ。蟋泌藤莨夲シ亥ァ泌藤髟キ縲∵搗譚セ蟯仙、ォ繝サ莠ャ驛ス螟ァ蜷崎ェ謨呎肢・峨・・抵シ疲律縲・≡豐「螟ァ繧・アア蜿」螟ァ縺ェ縺ゥ・門、ァ蟄ヲ縺ォ縺、縺・※縲∵ウ穂ココ蛹門セ後・荳ュ譛溽岼讓呎悄髢 ・茨シ撰シ費ス橸シ撰シ吝ケエ蠎ヲ・峨・隧穂セ。鬆・岼縺ョ荳ュ縺ォ縲御ク榊香・縲阪→縺吶k邨先棡縺後≠繧九%縺ィ繧呈・繧峨°縺ォ縺励◆€ょ嵜遶句、ァ蟄ヲ・假シ匁ウ穂ココ縺ィ螟ァ蟄ヲ蜈ア蜷悟茜逕ィ讖滄未・疲ウ穂ココ縺ョ險茨シ呻シ先ウ穂ココ繧貞ッセ雎。縺ォ謨呵ご 繧・皮ゥカ縺ョ驕疲・迥カ豕√r隱ソ縺ケ縺溘€・/p> 縲€隧穂セ。縺ッ・墓ョオ髫弱〒縲∽ク九°繧会シ堤分逶ョ縺ョ縲御ク榊香蛻・€阪→縺ョ隧穂セ。繧貞女縺代◆鬆・岼縺ィ螟ァ蟄ヲ縺ョ蜀・ィウ縺ッ縲√€梧・ュ蜍咎°蝟カ謾ケ蝟・・蜉ケ邇・喧縲搾シ晏ョ、陂ュ蟾・讌ュ螟ァ笆ス縲瑚イ。蜍吝・螳ケ縺ョ謾ケ蝟・€搾シ晞ウエ 髢€謨呵ご螟ァ笆ス縲瑚・蟾ア轤ケ讀懊・隧穂セ。縺ェ縺ゥ縲搾シ晏ッ悟アア螟ァ笆ス縲後◎縺ョ莉悶・讌ュ蜍咎°蝟カ縲搾シ晞≡豐「螟ァ縲∝アア蜿」螟ァ縲∫翠逅・、ァ縲る≡豐「螟ァ縺ィ螻ア蜿」螟ァ縺ァ遐皮ゥカ雋サ縺御ク肴ュ」菴ソ逕ィ縺輔l縺ヲ縺・◆縺溘a縲∵ウ穂サ、鬆・ョ・ 縺ョ蠕ケ蠎輔r豎ゅa縺溘€ゅ€先惠譚大▼莠後€・/p> "[he-forum 16286] 読売新聞5/25"," (2011年5月25日 読売新聞) 名古屋大、節電対策で夏休み1週間前倒し 名古屋大学は24日、節電を目的に、夏休みの開始を1週間前倒しし、8月1日からにする、と発表した。  中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止を受けた臨時措置。授業は土曜や5時限目に振り替え、行えない場合はリポートなどでの代替も認める。  同大によると、一般家庭400世帯の1か月分の消費量に相当する12万5000キロ・ワット時の節減が見込めるという。2学期(後期)は予定通り10月1日から開始する。  同大では「長くなる夏休みを利用して、被災地支援のボランティアをしてほしい」と学生に呼びかけている。 "[he-forum 16287] 朝日新聞5/25"," 2011年5月24日20時56分 人事評価を給与に反映、国立大の7割超 民間手法が定着  教職員の人事評価を処遇に反映させる国立大学が急増し、7割を超えていることが、文部科学省の国立大学法人評価委員会(村松岐夫委員長)が24日まとめた業績評価結果で分かった。2004年度の法人化以降、民間的な経営手法が国立大に定着しつつある。  全86の国立大学と四つの大学共同利用機関を対象に、それぞれが策定した09年度までの中期目標の達成度合いを評価した。  それによると、人事評価を給与などの処遇に反映させる制度を採り入れている大学は、05年度の8校から、07年度は32校、09年度は62校に急増。他大学と財務分析を比較して運営改善に役立てている大学は、07年の36校から09年度は59校に増えたという。  業務運営面の項目で、5段階で下から2番目にあたる「不十分である」と評価されたのは6大学。科学研究費の不正受給が発覚(金沢大)▽職員宿舎や学生宿舎の入居率が低迷(鳴門教育大)▽毒物劇物の管理状況が不十分(琉球大)などだった。 "[he-forum 16288] 四国新聞5/25 四国新聞2011年5月25日付 香川大新学長に長尾氏/医学部出身は初  香川大は24日、一井真比古学長(66)の任期満了(9月30日)に伴い次期学長を決める「学長選考会議」を開き、元同大医学部付属病院長で県厚生農業協同組合連合会代表理事理事長の長尾省吾氏(69)を選出した。医学部出身の学長は初めて。任期は10月1日から4年間。  香川県高松市幸町の同大で会見した長尾氏は「組織改革や経営、地域貢献など香川大は非常に難しい時期を迎えている。これまでの経験を生かして頑張りたい」と抱負を述べた。  2004年の法人化から3度目となる学長選には、長尾氏のほか、伊藤寛理事・副学長(65)、加野芳正教育学部教授(57)の3氏が立候補。  この日は、講師以上の教員と課長級以上の事務職員らを対象にした学内投票(投票資格者541人)の開票もあり、投票総数448票(投票率82・8%)のうち、長尾氏と伊藤氏が179票で並び、加野氏81票、白票9票だった。  学部長や経済界の有識者ら学内外の委員13人(欠席1人)で構成する選考会議では、学内投票上位の2氏を軸に各候補者の面接結果や所信表明の内容などを総合的に判断。今後は、東日本大震災の影響で大学運営費の削減が見込まれることから、県内2総合病院の経営を立て直した実績などを持つ長尾氏を新学長に選出した。  香川県三豊市(旧三野町)出身の長尾氏は岡山大医学部卒。専門は脳神経外科で、香川医科大医学部教授を経て、03年10月から香川大医学部付属病院長。08年7月からは県厚生農業協同組合連合会代表理事理事長を務めている。 "[he-forum 16289] 四国新聞5/25(2) 四国新聞2011年5月25日付 不祥事の再発防止へ意識改革/香川大新学長に長尾氏  「地域とともに発展する大学を目指す」。香川大の新学長に選出された長尾省吾氏(69)は24日、香川県高松市幸町の同大で記者会見し、抱負を語った。今月末の認可申請を見送った新学部のあり方など今後の大学の役割を明確にするため、学外有識者を交えた「香川大構想会議(仮称)」を早い時期に設置すると表明。昨年続発した不祥事の再発防止に向けては「社会体験を通して学生の意識改革を促したい」と述べた。  学長選考会議が評価したのは、長年の病院運営などで培った経営感覚。長尾氏は会見で「東日本大震災の影響で国からの運営交付金は一層縮減されるはず。大学構成員の意識改革、経営改革が不可避」と言い切り、企業からの委託研究など外部資金の獲得に注力する考えを示した。  長尾氏は「地域が大学に求める機能を早急に把握したい」と繰り返し強調。「構想会議」では県内企業や自治体のニーズを吸い上げ、大学の将来像について方向性を定めるという。その手始めとなる新学部の構想見直しでは「できるだけ早く一歩を踏み出したい」として、来年度の認可申請を目指す方針を明らかにした。  昨年、学生らによる強盗事件や連続女性暴行事件などが相次いだ同大。規範意識向上のための取り組みについて、長尾氏は「学生に介護現場など実社会を体験させ、社会とへその緒でつながっていることを理解させたい」と述べた。 "[he-forum 16290] 毎日新聞広島5/25 毎日新聞広島版2011年5月25日付 広大:「平和・国際担当」の理事・副学長ポストを新設  広島大の浅原利正学長は24日の定例会見で、今年度から「平和・国際担当」の理事・副学長ポストを新設したことを明らかにした。  同大によると、理事・副学長ポスト(今年度は5人)のうち、教育・研究の担当者が06年7月から「平和希求」も担当していた。07年5月に教育と研究の担当が分離してからは、研究担当の理事・副学長が平和希求を担っていた。  浅原学長は「学生に国際平和について考えてもらうのが広大のアイデンティティー。さらに組織を充実させたかった」と説明し、学生の海外派遣などを通じたグローバル人材の育成の必要性を指摘した。事務を担う部署として「平和・国際室」も設けた。山根八洲男・前研究担当理事・副学長が、平和・国際担当に就任した。【星大樹】 "[he-forum 16291] 時事通信5/24 時事通信2011年5月24日20時10分 国立6大学で運営不十分=研究費不正防止や毒劇物管理-評価委  文部科学省は24日、法人化に伴い、各国立大が運営面で掲げた中期目標の達成について、6法人で「不十分」だったとする国立大学法人評価委員会(村松岐夫委員長)の評価結果を公表した。同省は、評価を各国立大への来年度の運営費交付金配分に反映させる方針。  評価委員会は、第1期中期(2004~09年度)の目標達成状況について、大学と共同研究機関の全90法人を調査し、5段階で評価した。  その結果、金沢大と山口大は研究費の不正使用防止対策が適切でなく、琉球大も毒劇物の管理が不十分だとして、いずれも業務運営上の目標達成が不十分と判断した。  経営協議会で審議すべき事項を報告で済ませた室蘭工業大(北海道)のほか、宿舎の入居率が減少し自己収入を増やせなかった鳴門教育大(徳島県)、自己点検評価システムが未整備の富山大も不十分とした。 "[he-forum 16292] 陸奥新報5/25 陸奥新報2011年5月25日付 手当過払い防止策指摘/弘大業務実績評価  弘前大学(遠藤正彦学長)は24日、国立大学法人評価委員会による第1期中期目標(2004~09年度)の業務実績評価の結果を公表した。中期目標の達成状況について「教育に関する目標」など7項目中4項目で「良好」の評価を受けた一方、全体評価では弘大医学部附属病院で04~09年度の6年間に超過勤務手当の過払いがあった問題が挙げられ、「徹底的な原因究明、再発防止に向けて全学的な徹底した取り組みが求められる」と指摘された。  中期目標の達成状況については、7項目が5段階で評価された。「教育」「研究」「社会との連携、国際交流」「財務内容の改善」の4項目は中間評価(04~07年度)から変わらず、3項目が「良好」、1項目で「おおむね良好」の評価を受けた。  「業務運営の改善および効率化」は「不十分である」から「おおむね良好」に、「自己点検・評価および情報提供」は「おおむね良好」から「良好」にそれぞれ中間評価から一段階上げ、一方で「その他業務運営」は「良好」から「おおむね良好」に一段階評価を落とした。  「業務運営―」「その他―」の2項目では病院の過払い問題が指摘された。この点が響き評価が上がらなかったことに、会見した藁科勝之副学長(総務担当理事)は「問題については誠に遺憾」としながらも「法人自体が問題を明らかにして速やかに対応策を取った。その点を法人評価委も認めてくれてもよかったのでは」と述べた。 "[he-forum 16293] 電気新聞5/26 電気新聞2011年5月26日付 福井大学に低炭素研究拠点 産官学連携で事業化狙う  低炭素社会実現とエネルギー源多様化を目的に福井県、福井県経済団体連合会、福井大学の3者が計画してきた産官学共同研究拠点「ふくいグリーンイノベーションセンター」が福井市の福井大学文京キャンパス内に開所した。リチウムイオン電池や燃料電池試作設備、ナノめっき用クリーンルームなど最先端の機器類を備えた施設で、ここを活用し次世代のエネルギー関連技術を創出、事業化につなげる。生み出した成果は地域企業に移転。福井県を「スマートエネルギーデバイス産業の集積地」(福井大産学官連携本部)にすることを目指す。  「東日本大震災によってエネルギー問題、特に電気の安定供給と(原子力発電の)安全など、社会的なファクターが絡み合っている状況だ。科学技術の問題は科学技術でしか解決できない」  18日、福井大で行われた開所式に出席した西川一誠知事はこう語り、センターが果たす役割に期待した。これに対し福井大産学官連携本部の山本暠勇本部長は「新エネルギー、省エネルギーに関わる研究開発を加速させる。使命はまず、成功例を出していくことだ」と決意を示した。福田優学長も「福井地域の技術力向上、産業発展に寄与していきたい」と話した。  センターは、09年度の補正予算を原資にした科学技術振興機構(JST)による「地域産学官研究拠点事業」に県、県経済団体連合会、福井大の3者が応募したところ採択され、開所に至った。同事業は科学技術を地域発展の原動力にすることを目的としたものだが、政権交代により、事業仕分けの対象になった。そのため当初の規模より予算は縮小。3者の提案内容も修正を迫られるなど紆余(うよ)曲折を経たという。  センター内に備えられた約30の機器類はJSTから無償提供された。施設内は大きく(1)事業化に近いシステムを実験する「試作ライン」(2)先端計測機器などの共同利用スペース(3)産官学の人材がコミュニケーションを図る交流スペース--に分類されている。センター内の様々な実験・試験設備は低コストで利用することができる。  例えばリチウムイオン電池試作設備の利用料金は1時間当たり160円、燃料電池性能試験装置は同110円などとなっている。自前で設備を導入できない中小企業でも、エネルギー関連技術への関心、参入意欲が高ければ利用しやすい拠点といえる。  地元産業界も熱い視線を注ぐ。開所式で県経済団体連合会の川田達男会長は「県内の中小企業は(センターに配備されたような)機器を自前で持つのは難しい。センターで行う先端研究は、新たな産業創出を担う人材育成につながるだけでなく、中小企業の育成にも寄与する」と語った。 "[he-forum 16294] 読売新聞徳島5/25 読売新聞徳島版2011年5月25日付 産学官研究拠点 徳島大に開設  地域経済活性化に向けて県と徳島大が中心になり、最先端の研究で県内企業を支援するための施設「とくしま地域産学官共同研究拠点」が24日、徳島大の常三島キャンパス(徳島市)にある産学官連携プラザ内にオープンした。「LED(発光ダイオード)」、省エネ、新エネルギーといった「エネルギー」の2分野を中心に研究開発を進める。飯泉知事は開所式で、「企業に新たなビジネスチャンスを提供し、技術者にとっては、次世代の新技術を生む場に」などと期待の言葉を述べた。(田中渥子)  同拠点はプラザ内の2、3階計約460平方メートルと、サテライト拠点として県立工業技術センター(同)の約190平方メートル。独立行政法人・科学技術振興機構(JST)が事業費約5億円を支援し、県と同大が2009年度から整備してきた。  拠点内には、県内に世界最大規模のメーカーを持つLEDについて、新しい応用製品を製造するための機器、省エネルギー製品を生み出すための装置など31台の機器を備えた。同センターでは、LEDを食品分野に活用する「LEDアグリ融合応用」の研究を進める。  特に、「化学成分解析装置」は、食品や飲料水の有用成分の化学構造について情報を得る装置で、「風味」「味わい」など感覚的なものを数値化し、違いが分かるようになる。また、「基板加工システム」は国内ではまだ珍しい装置で、レーザー光線を使うため、速く精度の高い基板を作れる。試作品が素早くできるため、作業効率が上がるメリットがあるという。  ほかにも、「微細構造観察装置」は、走査電子顕微鏡で観測し、表面の形状を見たり、元素の種類を分析できる。そのため、材料や部品の不良解析などに役立つという。  同拠点で行われた開所式では、飯泉知事、香川征学長らがテープカット。香川学長は「産学官の助走期間を終え、ホップステップジャンプの時期に来ている。ホップの時期に拠点ができた意義は大きい」と話した。 "[he-forum 16295] 京都新聞5/26 京都新聞2011年5月26日付 滋賀県、中小企業振興条例制定へ3大学と連携印刷用画面を開く  滋賀県は、来年度の中小企業振興条例制定に向け、滋賀、立命館、龍谷の3大学との産学官連携で調査・研究を始めた。中小企業の経営環境の把握や必要な政策の検討を進める。企業実態調査の指導も受け、成果を条例案に盛り込む。  同条例は、昨年11月議会で嘉田由紀子知事が2年後をめどに制定する方針を表明した。近く「中小企業の振興に関する研究会」を設置し、中小企業から直接、課題や要望の聞き取りを始める。  大学との連携は、経済学や中小企業論の専門家から意見を聞き、条例案の内容を拡充する狙い。滋賀大からは県職員を中心に政策研究の指導を受ける。このほど最初の研究会を開き、野本明成教授が中小企業のマーケティング戦略を解説した。  龍谷大は、今春から商工観光労働部の職員が始めた企業訪問について、主に調査方法の計画立案や結果の分析に協力する。  県は25日、立命館大と大津市の環びわ湖大学・地域コンソーシアムで研究会を開き、県内の市町や経済団体幹部との協議を始めた。県の担当者がこれまでの県議会での議論や京都府、宮城県、三重県などの先進条例を紹介し、連携を呼びかけた。  担当の肥塚浩教授は「中小企業を対象にするのか、産業政策にするのか。地域再生やまちづくりまで目指すのか。視点を明確にして議論する必要がある」と論点を挙げた。今後は県外を含めた研究者を招いて勉強会を開くほか、条例の方向性などを協議する。 "[he-forum 16296] 毎日新聞5/27"," 豈取律譁ー閨槭€€2011蟷エ5譛・7譌・縲€譚ア莠ャ譛晏・ 諷カ蠢懷、ァ・壽眠螂ィ蟄ヲ驥第眠險ュ 縲€諷カ蠢懷、ァ・域擲莠ャ驛ス貂ッ蛹コ・峨・・抵シ匁律縲∝慍譁ケ縺ョ蜿鈴ィ鍋函繧貞ッセ雎。縺ォ縺励◆縲悟ュヲ蝠上・縺吶・繧∝・ィ蟄ヲ驥代€阪r譚・蟷エ蠎ヲ蜈・隧ヲ縺九i蜑オ險ュ縺吶k縺ィ逋コ陦ィ縺励◆縲ょ・・托シ仙ュヲ驛ィ縺ァ險茨シ托シ撰シ嶺ココ縺ョ 謗。逕ィ繧剃コ亥ョ壹☆繧九€るヲ夜・蝨上r髯、縺・※蜈ィ蝗ス繧抵シ悶ヶ繝ュ繝・け縺ォ蛻・¢縺ヲ蜍滄寔縺励€∝・隧ヲ蜑阪・蟇ゥ譟サ縺ァ謾ッ邨ヲ繧貞・ョ壹€ょ・隧ヲ縺ォ蜷域 シ縺繧後・縲∝ュヲ驛ィ縺ォ繧医jケエ鬘搾シ厄シ蝉ク・ス橸シ呻シ蝉ク・・繧呈髪邨ヲ縺 繧九€・/p> "[he-forum 16297] 読売新聞5/26"," (2011年5月26日 読売新聞) 私立歯科大・歯学部、受験者全員合格校も  大幅な定員割れが問題になっている私立歯科大・歯学部で、今春も全国17校のうち10校が定員を満たさなかったことが、文部科学省の調査でわかった。  半数を超える大学の定員割れは3年連続で、全体の競争倍率も1・52倍と低く、「大学によっては質的に一定レベルの入学者が確保できていない」との指摘も出ている。  入試結果は、25日に開かれた同省の「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」で報告された。それによると、私立の入試は一般、推薦な どを含め、入学定員1825人(前年度比66人減)に対し、4393人(同75人増)が受験、合格した2896人(同72人減)のうち、1524人(同 35人増)が入学した。  昨春に比べて、定員割れした学校数は1校減。今春は、5大学で定員を削減したこともあり、全体の定員充足率も83・5%と5ポイント改善した。各 校別にみると、最も充足率が低かったのは、奥羽大で25%。北海道医療大、神奈川歯科大、松本歯科大も充足率が6割を切った。国公立では、東北大だけが定 員割れした。  また、競争倍率が、十分に選抜機能が働くとされる2倍を下回った大学は14校に上った。6校が1・1倍以下とほぼ無競争に近い状態で、松本歯科大は81人の受験者全員が合格していた。 "[he-forum 16298] 産經新聞5/26"," 産經新聞 2011.5.26 15:00  地方から首都圏私大へ、仕送り減らしても「299万円」 今年の大学の新入生は、東日本大震災の影響で、首都圏でも全学的な入学式がなくなったり、夏 の計画停電を見越してゴールデンウイーク中にも授業を行ったりする大学が出るなど、ちょっと大変だったかもしれません。でも、地方からお子さんを送り出し た保護者の方々にとっては、これからも大変な状況が続きます。首都圏私大に進学させるための家計負担が、年々重くなっているからです。 「東 京地区私立大学教職員組合連合」(東京私大教連、1都9県の80大学・短大が加盟)は、毎年、新入生の家計負担について抽出調査を行っています。最新の調 査結果(※外部のPDFにリンク)によると、1年前(2010<平成22>年度)の時点で、受験も含めて入学の年にかかる費用は、地方出身者(自宅外通学 者)の場合、平均で約299万円でした。300万円を超えていた前年度(09<平成21>年度)に比べれば1万5,000円下がったのですが、これは、 12月までの仕送り額を、1万6,000円減らしたからです。年収に占める割合は、前年度と同じ34.0%。裏を返せば、年収の3分の1を占める約300 万円が用意できないと、首都圏の私大にはなかなか進学させられない、ということです。 実際、地方の家庭で、入学費用を借り入れで用意したの は24.3%(前年度比0.4ポイント増)とほぼ4世帯に1世帯で、借入額の平均は178万5,000円(同3万2,000円増)でした。なお、自宅通学 の場合、借り入れ世帯は17.0%(同1.1%減)、借入額は134万6,000円(同6万2,000円減)といずれも減っていますが、これは、首都圏の 家庭が比較的豊かになったというより、あまり多額の借金は控えたい家庭の子どもが、お金のかかる大学をあきらめたことの反映かもしれません。実際、奨学金 を申請した割合は自宅外生、自宅生を問わず増えていますし、受験から入学までの費用が「たいへん重い」と感じている割合は、自宅外の場合で49.4%(同 2.3ポイント増)、自宅の場合でも44.0%(同2.3ポイント増)と、負担感が増しています。 その一方で、そうした家庭の状況に配慮し て、独自に授業料を免除・減免したり、奨学金制度を設けたりするなど、家計支援を行う私大は年々増加しています。文部科学省も、今年度予算(※外部の PDFにリンク)で、日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金の貸与人数を約8万8,000人増やす(計127万2,000人)などの対応策を取ってい ます。家計が多少苦しくても、高校の先生に相談するなどして、さまざまな可能性を探っていただきたいと思います。 ただ、これまで本欄でもお伝えしてきたように、そもそも日本は、大学など高等教育に進学するお金がかかりすぎている国です。とりわけ東日本大震災の被災地では、今春、大変な思いでお子さんを首都圏に送り出したことでしょう。  これからの日本を背負っていく若者の可能性を狭めないためにも、より一層の家計負担の軽減策を求めたいものです。 "[he-forum 16299] 毎日新聞5/28"," 毎日新聞 2011年5月27日 20時30分 山形大:新入生の授業料計4066万円徴収ミス  山形大は27日、今年度の新入生242人分の授業料徴収ミスがあり、計4066万7220円を誤って口座から引き落としたと発表した。10回分割 とシステム登録すべきところを、前期と後期2回分で登録、前期分を一括で引き落としたという。同大は「来週早急に誤った額を払い戻しする」としている。  同大によると、分割払いの授業料引き落としは、東日本大震災があったため4月分を延期して、5月26日に2カ月分を引き落とす予定だった。同日以降、保護者ら15人から「10回分割払いの手続きを取ったのに、前期分が一度に引き落とされた」と連絡があった。  同大によると、前期分一括の場合は26万7900円で、10回均等分割では1回当たり5万3580円。このほかボーナス併用10回分割がある。今 年度の新入生2355人のうち、分割払い申請者は554人。このうち震災被災などで授業料免除の申請がされている学生分を除いて、誤って引き落とされた。 【和田明美】 "[he-forum 16300] 山形新聞5/28"," 山形新聞 2011年05月28日 08:00 山形大学長、結城章夫氏再任へ 選考会議、1次候補者他になし  山形大の次期学長選考で、民間の有識者が加わる学長選考会議が27日、山形市の同大で開かれ、現学長の結城章夫氏(62)を1次候補者とすることを決め た。他に候補者はいない。正式には6月27日の学長選考会議を経て決定となるが、結城氏の再任が事実上決まった形だ。任期は9月1日から2014年3月ま で。  今回の学長選考では、これまで実施してきた全学の教職員を対象にした投票「学内意向聴取」は行わない。5月25日までに6学部の教授会と、外部有識者を 含む経営協議会がそれぞれ2人以内の学長候補者を推薦することになっており、3学部と経営協議会が結城氏を推薦。残りの3学部はだれも推薦しなかった。  6月上旬、候補者の所信を聴く会を小白川、飯田、鶴岡、米沢の4キャンパスで開き、27日の学長選考会議でヒアリングした上で正式に決める。  結城氏は文部科学事務次官を経て07年9月に山形大学長に就任した。前回の学長選考は学内意向聴取(投票)の段階で結城氏以外の候補が1位となったが、 学長選考会議が得票数上位の候補者3人からヒアリングし、委員が単記無記名投票した。その結果、結城氏が有効投票数の過半数を占め、学長に決定した。 "[he-forum 16301] 中国新聞5/30 中国新聞2011年5月30日付 宇部に産学官研究拠点開設へ  山口県内の産学官連携を進める「やまぐちイノベーション創出推進拠点」が31日、宇部市内の山口大工学部と県産業技術センターに開設される。先端機器を導入し、省エネ、環境、素材など県産業の強みを生かせる分野の研究を促進するのが狙い。国の予算枠の圧縮を受け、専用施設を整備する当初の構想を修正。既存施設を活用した2カ所で始動する。  同大と同センターの計約500平方メートルのスペースに、表面層の元素分析が可能な電子顕微鏡、遺伝子の解析装置など38の機材を設置する。総額約8億4千万円の経費は独立行政法人科学技術振興機構(JST)が負担する。県、山口大、地元企業が運営委員会をつくり、国のプロジェクトなどへの積極的な参画を目指す。企業は有料で機材を使用することもできる。  県や同大はJSTの公募に対し、同センターの隣地に3階建ての施設を建設する総事業費23億5千万円の構想を提案した。しかし、民主党を軸とする政権に交代した直後の「新たなハコモノ整備は中止」との方針を受け、既存施設を生かす計画に修正して採用された。 "[he-forum 16302] 北海道新聞5/31"," ・懷圏豬キ驕捺眠閨橸シ墓怦・難シ第律譛晏・謗イ霈会シ・/span> 驕捺蕗螟ァ蟄ヲ髟キ縺ォ譛ャ髢捺ー上€€驕ク閠・シ夊ュー縲∵蕗閨キ蜩。謚慕・ィ隕・☆ ・・5/31 06:55・・/p> 縲€蛹玲オキ驕捺蕗閧イ螟ァ縺ッ・難シ先律縲∵悽髢楢ャ吩コ悟ュヲ髟キ・茨シ厄シ包シ峨・莉サ譛滓コ€莠・↓莨エ縺・ュヲ髟キ驕ク閠・シ夊ュー・郁ュー髟キ繝サ鬮伜髄蟾悟圏豬キ驕灘膚蟾・莨夊ュー謇€騾」蜷井シ壻シ夐ュ・峨r髢九″縲∵悽髢捺ー上・蜀堺ササ繧呈アコ繧√◆縲ゑシ呈悄逶ョ縺ィ縺ェ繧九◆繧√€∽ササ譛溘・・第悄逶ョ縺ョ・泌ケエ髢薙h繧顔洒縺・シ俶怦・抵シ玲律・橸シ抵シ撰シ托シ灘ケエ・呎怦・難シ先律縺ョ・貞ケエ髢薙→縺ェ繧九€・ 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募集要項は国際人材育成コースが31日、グリーンサイエンスとスポーツの両コースは6月30日に公表する予定。【小坂剛志】 "[he-forum 16304] 読売新聞5/31 読売新聞2011年5月31日付 山梨大に防災研究拠点 東海地震を想定備蓄、孤立化対策に焦点  山梨大の防災研究や人材育成拠点「地域防災・マネジメント研究センター」が30日、設置された。  中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の停止理由となった「東海地震」を想定し、今後2年間で準備が出来る防災対策に絞り込んで研究する。記者会見した鈴木猛康センター長は「東海地震と東南海、南海、日向灘の地震が連動したり、震災後に豪雨が来たりと、想定を超える事態は必ず起こる。危機管理体制を整えたい」と話した。  センターは同大工学部土木環境工学科の付属機関として設立。研究者は16人。本来の研究領域が県外にある研究者についても当面、県内の事例に研究を集中させる。  特に100年から150年の周期といわれる東海地震は、前回発生(1854年)から150年以上経過しており「いつ発生しても不思議ではない」(鈴木センター長)ため、研究を急ぐ。防災施設などハード面の整備ではなく、地域防災計画の内容や孤立化への備え、情報伝達方法の確立などソフト面を中心に検討する。  具体的には、震災で東京、長野、静岡への陸路が分断され、甲府盆地が孤立化した場合に必要な燃料や医薬品などの備蓄物資の量を検討したり、土砂災害で峡南地域などの中山間地の集落が孤立化した際の対策を研究したりする方針だ。  また、鈴木センター長は、「県では近年、災害対策本部が設置されておらず、先進県と比べ防災知識が不足している」と指摘。防災教育を強化するため、「大学の中立性をいかし、県や市町村、報道機関、NPOや住民組織などで作る防災人材ネットワークの仲介役を目指す」としている。  センターの運営委員会には、県防災危機管理監や県土整備部長らが入っており、今後、センターと県庁の連携を推進する。センターは県や市町村と毎月、会合を開き、研究成果の公開や意見交換を行う予定だ。 "[he-forum 16305] 読売新聞5/31"," (2011年5月31日 読売新聞) 訪問型AO入試定員倍増へ…山形大工学部、震災の影響を配慮 訪問型AO入試は、同学部システム創成工学科で11年度入試から行われている国公立大唯一の選抜方法。調査書と志望理由書、自己PR書で1 次選考の合否を決めた後、同大教授ら複数の試験官が、受験生の居住地を訪ねて数学や理科などの口頭試問を含む2次選考の面接を行い、最終的な合否を決め る。県内在住者も受験できる。11年度の合格者は2人で、実質倍率は11・5倍だった。  交通費や宿泊費がかからない選抜方法により、受験生側の経済負担を軽減することが当初の狙いだが、震災発生後、「岩手、宮城、福島県などで、自宅や学校が被害を受けた受験生の救済にもつながれば」と定員増を決めた。同学科一般入試の定員は5人減の30人にする。  出願期間は8月1~5日。1次書類選考は8月19日に合格を発表。2次面接は9月1日~10月7日で、10月13日に最終合格者を発表する。問い合わせは山形大工学部入試担当(0238・26・3013)へ。 "[he-forum 16306] 新潟日報5/31"," 新潟日報2011年5月31日 新潟大、永山教授にかん口令 「秩序維持のため」と大学側  医療装置導入に関わる新潟大の不正契約問題で、副学長職を解任されたた永山庸男教授(55)に対し、大学側が「陽子線治療装置導入に関する情報、意見」などについて口外することを禁じる職務命令を文書で出していたことが30日、分かった。  職務命令は下條文武学長名で4月22日付。「学内の秩序を維持するため」として、新大や公的機関の要請など正当な理由がある場合を除いて「一切口外等してはならない」としている。 "[he-forum 16307] 中日新聞6/2"," (中日新聞 2011年6月2日 09時19分) 中電の寄付講座、三重大が取りやめ 原発事故など受け  福島第1原発事故などを受け、三重大(津市)が原発などエネルギーをテーマに来年実施を予定していた中部電力の寄付講座の実施を取りやめたことが分かった。  三重大によると、講座は教育学部が中電との産学官連携の一環で来春から予定していた。昨年7月に両者で協議を始めたが、原発事故が発生し、中電は浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転を全面停止した。同学部はこうした事態を踏まえ、5月11日の教授会で講座の中止を決めた。 "[he-forum 16308] 河北新報6/2"," 河北新報 2011年06月02日木曜日 東北大が「片平」一部売却を断念 新キャンパス見直し  東北大が、学校法人東北学院と売買交渉を進めていた仙台市青葉区片平2丁目の片 平キャンパスの土地の一部について、売却を断念する方針を固めたことが1日、分かった。近く正式決定する。関係者によると、地価低迷に加え、東日本大震災 で大学全体の損害が多額に上り、青葉山新キャンパスの計画を一部見直す必要が出てきたことに伴う措置だという。  東北大が売却を断念したのは、片平キャンパスの南側エリア。面積は5.5ヘクタールで、電気通信研究所がある。  東北大は同研究所を新キャンパスに移転し、跡地の売却益を移転費用に充てる計画だった。売却断念で、同研究所は現在地で存続する。  東北大関係者によると、新キャンパスの整備方針を策定した2005年に比べて地価が大幅に下落した。現状では同研究所の移転費用が土地の売却益を上回り、大幅な赤字となる見通しだという。  加えて、震災で大学の研究施設28棟や実験機器約7000台が損壊。4月中旬時点で被害額は770億円に上り、復旧に多額の費用がかかることも影響した。東北大関係者は「震災で財務上の緊急対応が必要な状況となり、新キャンパスの計画を見直した」と話す。  同研究所の土地は、隣接する東北学院が取得の意向を示し、両者が交渉を進めてきた。東北大は既に、東北学院側に売却中止の考えを伝えた。  東北学院総務部は「売却しないという以上、申し入れについては受け入れ、交渉を断念せざるを得ない。土地を取得する前提でキャンパス整備を計画してきたが、今後再検討する必要がある」としている。  東北大関係者によると、農学部・農学研究科がある雨宮キャンパスの売却と、農学部・農学研究科の新キャンパス移転の方針に変更はないという。 [青 葉山新キャンパス]仙台市青葉区荒巻のゴルフ場だった旧宮城県有地を整備、雨宮キャンパスの農学部・農学研究科(青葉区堤通雨宮町)などを移設する。 2008年に造成に着手し、11年4月の移転を予定していた。敷地面積は81万平方メートルで、事業費は二百数十億円の見込み。 "[he-forum 16309] 愛媛新聞6/2"," 愛媛新聞 2011年06月02日(木) 松山大、薬学部定員を4割減 入学者右肩下がり  松山大は1日、薬学部の定員を現行の160人から60人減らし100人とする2012年度入試要項を発表した。同学部の教員数は変更しない。  薬学部は医療薬学科だけの単科学部。もともと私学文系を通してきた同大が文系志望者の減少や薬剤師不足などを背景に、「総合大学への第一歩」と位置づけ、初の理系学部として2006年に開設、県内唯一の薬剤師養成機関となっている。  開設の06年に薬剤師養成課程が旧来の4年制から6年制に移行し、全国的に薬学部受験者が減少。松山大でも開設以来、入学者は一度も定員に達することなく右肩下がりに減り続けていた。  森本三義学長は、志願者数減少などの情勢に合わせ「定員を現行から4割縮小、100人にした」と説明した。 "[he-forum 16310] 朝日新聞大分6/1 朝日新聞大分版2011年6月1日付 大分大の研究達成状況「おおむね良好」  大分大学(羽野忠学長)はこのほど、2004年~09年度に掲げた「第1期中期目標」に対する文部科学省の評価結果を発表した。教育と研究に関する目標の達成状況は、それぞれ5段階中3番目の「おおむね良好」だった。  教育部門については、県外企業や自治体へのインターンシップの増加や、不登校傾向がある学生への支援の取り組みなどが評価された。研究部門については、地域の生活習慣病に対するフィールド研究などが評価された。羽野学長は「評価された取り組みは今後さらに充実を図り、さらなる教育研究の質の向上を目指したい」と話している。  04年の法人化に伴い、文科省は6年ごとに国立大学を5段階で評価している。09年度までが第1期で、10年度からは第2期が始まっており、大分大は「高度の専門職業人養成」「幅広い職業人養成」「社会貢献」を目標に掲げている。(城真弓) "[he-forum 16311] 京都新聞6/2 京都新聞2011年6月2日付 京大宇治キャンパスに研究拠点 次世代蓄電池開発へ印刷用画面を開く  グローブボックスと呼ばれる蓄電池の実験装置(宇治市五ケ庄・京都大宇治キャンパス) 宇治市五ケ庄の京都大宇治キャンパスに次世代エネルギーの研究拠点が完成し、竣工式が1日、現地であった。電気自動車に搭載すれば走行距離400キロと、ガソリン車並みの蓄電池の2030年実用化に向け基礎研究を進める。リーダーの小久見善八・京大特任教授は「大震災時の計画停電にも対応できる蓄電池を目指す」と話している。  リチウムイオン電池を上回るエネルギー密度の高い次世代蓄電池の研究は、京大と独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」を中心に2年前に始まったが、分散していた研究拠点を今回完成した施設に集約した。  立命館大など全国12の研究機関と、企業12社の研究員約40人が常駐し、「産官学連携によるオールジャパン」(松本紘総長)で取り組む。15年度までの研究予算は総額約200億円。  施設は4階建てで、総工費12億円。全館の照明をLEDにし省エネに取り組むのは、全国の国立大学法人で初という。 "[he-forum 16312] 共同通信6/2 共同通信2011年6月2日9時19分 中電の寄付講座、三重大が取りやめ 原発事故など受け  福島第1原発事故などを受け、三重大(津市)が原発などエネルギーをテーマに来年実施を予定していた中部電力の寄付講座の実施を取りやめたことが分かった。  三重大によると、講座は教育学部が中電との産学官連携の一環で来春から予定していた。昨年7月に両者で協議を始めたが、原発事故が発生し、中電は浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転を全面停止した。同学部はこうした事態を踏まえ、5月11日の教授会で講座の中止を決めた。 "[he-forum 16313] 共同通信6/2 共同通信2011年6月2日16時52分 法科大学院59校が定員割れ うち21校は充足率50%未満  募集停止した姫路独協大を除く法科大学院73校のうち59校で2011年度の入学者が定員を下回ったことが2日、文部科学省のまとめで分かった。うち21校は定員充足率が50%未満だった。  充足率50%未満の国立大は鹿児島大で、定員15人に対し入学者は7人。ほかの20校は全て私立大で、京都産業大(定員40人)、大阪学院大(30人)、愛知学院大と中京大(ともに25人)がいずれも入学者4人と、大幅な定員割れだった。  これに対し、筑波大(36人)と創価大(35人)は定員充足率100%。100%を超えたのは12校で、名古屋大(70人)が入学者84人、龍谷大(25人)が同31人など。  73校の総入学者数は前年度より502人減の3620人で、初めて4千人台を割り込んだ。  この日の中教審法科大学院特別委員会で文科省は「学生の質を確保しようと厳しく選抜した結果、合格者数が減った」と説明。委員からは「適正な規模ではないか」と評価する意見が出た。  文科省は12年度から、新司法試験合格率と競争倍率が低迷する法科大学院の補助金を削減するが、競争倍率は2倍未満が基準の一つ。11年度入試の結果から対象となるため、2倍未満は前年度の40校から18校に減少。多くが合格者数を絞り、2倍以上を確保した。 "[he-forum 16314] 中日新聞愛知6/2 中日新聞愛知版2011年6月2日付 名大に「ES総合館」完成 益川特別教授、若手の文化創造に期待  名古屋大(名古屋市千種区)に、ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英特別教授の研究室やノーベル賞展示室が入る新研究棟「ES総合館」が完成し、1日、記念式典があった。照明には、名大の赤崎勇特別教授の発明が知られる発光ダイオード(LED)を採用している。  館内の全照明にLEDを取り入れたのは国立大で初。従来の照明と比較して電気代を36%削減できる。館自体も外側から入ってくる風が中庭に抜けやすいよう設計。窓部分には夏場の日差しを遮る特殊なひさしを導入し、冷暖房の電力を減らす工夫をしている。  新研究棟には、益川特別教授が機構長を務める素粒子宇宙起源研究機構や工学研究科(工学部)理学研究科(理学部)が入る。益川特別教授の研究室やノーベル賞展示室は理学部A館から新研究棟に移転。フレンチレストランもある。  1、2階が鉄骨鉄筋造り、3~7階が鉄骨造りで延べ1万5000平方メートル。老朽化し、耐震性も不足していた工学部4号館を取り壊して2010年1月から国の補助金40億円で建て替えを進めていた。名前は「Engineering(工学)」と「Science(科学)」の頭文字から取った。 式典であいさつする益川特別教授=名古屋市千種区の名古屋大で  式典には、浜口道成学長や益川特別教授らが出席。益川特別教授は「名大の顔の一部になる建物。若い研究者がES総合館で名大の新しい文化を創ってくれるだろうと確信している」とあいさつした。  (中村禎一郎) "[he-forum 16315] 朝日新聞5/31夕刊 朝日新聞2011年5月31日付夕刊 大学もせっせと節電 夏休み前倒し・スパコン抑制  教室の照明やエアコンに、大規模な実験設備。電気の大口消費者でもある大学が、今夏の節電に知恵を絞っている。教育や研究をおろそかにせず、どこまで削れるか。サマータイムの導入や夏休み前倒しに加え、便座の保温をやめるなど地道な努力もある。  東京大学の電気代は年間約35億円で、東京電力管内でトップ級の消費量だ。震災後は、おおむね大学全体で4割削減しているが、さらにピーク時の電力使用量を前年より3割減らす目標を掲げる。  東大によると、電力消費の内訳は、空調35.5%、照明17.9%に対し、実験機器32.5%。研究、教育の質を落とさずに節電できるかは、空調と照明をいかに抑えるかにかかっている。  夏場の空調は28度に設定し、照明機器を3分の1程度に削減。小型冷蔵庫の中身を大型冷蔵庫に集めて全体の稼働台数を減らし、トイレの便座や洗浄水の保温をやめている。古いコンピューター機器を電力消費の少ないノートパソコンに替えたり、研究用のスーパーコンピューターの能力を半分に抑えたりして、電力使用を抑えている。  また、リアルタイムで電力使用状態を確認できるよう、本郷キャンパスの建物をネットワーク化して、研究科・学部ごとの使用量をグラフで示す試みが工学系を先頭に始まった。 "[he-forum 16316] 福井新聞6/2 福井新聞2011年6月2日付 福井大原子力研に危機管理分野 学科新設、耐震・耐津波など研究  東京電力福島第1原発事故を受け、福井県の福井大は1日、同大附属国際原子力工学研究所に「原子力防災・危機管理分野(学科)」を新設し、原発の耐震・耐津波、危機管理などの研究を進めることを明らかにした。  同日県庁で開いた同大の福島県調査団の派遣報告会見で、福田優学長が表明した。  2009年4月に開所した同研究所は現在、教員8人が在籍。原子力工学基礎、同研究開発、医学物理・化学、原子力防災工学の4分野で研究を進めている。  原発事故を踏まえ、原子力防災工学分野を改編し、原子力防災・危機管理分野を新設する。県や敦賀市と連携し▽シビアアクシデント(過酷事故)評価▽耐震・耐津波▽災害発生のリスク評価▽危機管理学▽放射線計測・防護▽被ばく線量などの基準・規則の国際化―の6テーマの研究を行う。  今後、専門の教員や学生を受け入れ、今回の原発事故などで生じたさまざまな課題について実効性ある研究を進める。研究成果は県や国、電力事業者のほか、現地調査を行った福島県にも提言するという。  福田学長は「本県には原発が14基あり、福島と同じような状況に陥る可能性がある。耐震や危機管理など学問的な根拠に基づいた研究成果を施策に生かしてもらいたい」と述べた。  併せて福島県の教育を支援していく方針を示した。今後、福島大と連携し被災児童・生徒の心のケアをはじめ、機能が喪失している学校の復興など支援する。校庭の放射線の実態調査にも参加。医学部では、緊急被ばく医療に対応できる医師や看護師の養成にも力を入れるとした。  調査団は福田学長を団長とする教職員14人で構成。5月24~26日の日程で福島県内の津波被災地や県災害対策本部、国の原子力災害現地対策本部(オフサイトセンター)、福島大、福島県立医大、避難所などを訪れ状況を調べた。 "[he-forum 16317] 毎日新聞愛媛6/4 毎日新聞愛媛版2011年6月4日付 天文学者の日々:/63 大学ランキングの評価 宇宙科学部門で愛媛大トップ  「大学ランキング2012年版」(朝日新聞出版)が出たので、手に取ってみました。大学ランキングと聞くと、当然、東大や京大など旧帝大系伝統校の独壇場のように思われるでしょう。実は私も、手に取るまではそう思っていました。ところが、かなり多角的に大学が評価されていて、私たち大学教員にも大変役に立つものです。  たとえば「事務職員力」「大学図書館」「国際ボランティア」「「コンテスト入賞」「教員の純血率」「保護者会」「学生生活」などもランキングされていたりします。ちなみに「女子学生比率」では、法学部部門で愛媛大がトップです。「学長からの評価」では750校中第17位で、教育関係では第7位になっています。各大学の学長の目は確かなものです。その中で高い評価を受けていることはうれしい限りです。  「宇宙関係」でも大変うれしい結果が出ていました。研究論文の評価は難しいものですが、通常は、他の論文にどのぐらい引用されたか(被引用率)が目安に使われます。引用回数が多いということは、その研究分野に大きなインパクトを与えているからです。これを調べている会社がトムソン・ロイター社です。61年以来、世界の主要な学術雑誌を網羅して引用索引データベースを作り、各論文の被引用率を集計しています。12年版に出ているデータは05年から09年の5年間に出版された論文の被引用率がランキングされています。宇宙科学部門ではなんと、愛媛大がトップなのです。宇宙関係では昔から東大、京大、東北大が「御三家」と言われており、その他にも名古屋大、大阪大、広島大など力のある大学が目白押しです。その中で1位になったということは、大変価値のあることだと思います。  あともう一つ驚くことは私個人が第7位にランキングされている項目があることです。それはメディアへの発信度・自然科学部門です。私よりたくさん発信している人がたくさんいるように思っていたので、驚きの結果です。原因は、このランキングの集計が、(1)日経サイエンスとNewtonにいくつ記事を寄せたか(2)ブルーバックスの冊数、に基づいているためです。思い返してみると、二つの科学雑誌には年1回ぐらいのペースで記事を書いてきましたし、ブルーバックスは2冊出版しました。前回(第62話)紹介したように、3冊目のブルーバックスを出版したので、来年は順位が上がるかもしれませんね。  皆さんも大学ランキングを眺めてみてはいかがでしょうか。面白い発見があるかもしれません。。<愛媛大学宇宙進化研究センター長・谷口義明> "[he-forum 16318] 河北新報6/4 河北新報2011年6月4日付 宮城沿岸近郊に分院構想 東北大病院有志が提案  東北大病院(仙台市青葉区)で、東日本大震災で被災した宮城県の三陸沿岸の近郊に「分院」を設ける構想が浮上している。津波で病院や診療所が壊滅的な被害を受けた沿岸部の医療を支えることに加え、大学病院が地震などで被災した際の補完拠点として位置付けたい考えだ。  震災による地域医療の崩壊や医師の流出を食い止める対策の一つとして、病院内の有志らが提案した。災害時の拠点病院となるよう、海岸線から10キロ以上内陸に設置。太陽光発電や地下水利用でライフラインを確保するなどのアイデアが出ている。  東北大病院関係者によると、災害医療の研究、教育拠点としての機能も持たせる。救急医療や災害時の感染症、精神医療など、被災地にある東北大ならではの研修プログラムを整備し、若手医師の確保にもつなげたいという。  東日本大震災では、宮城県南三陸町の公立志津川病院など、県内の7病院が壊滅的な被害を受けた。東北大病院関係者は「被災地は仙台から遠く医療支援が届きにくかった。医師を派遣できる拠点病院を置くことで、安定した人的支援を行えるのではないか」と説明する。  被災地域の今後の復興計画や街づくりの方向性との兼ね合い、財源の問題など具体的な検討には入っておらず、実現性は未知数という。関係者は「あくまでアイデアの段階だが、有効な考え方の一つではないか」と提案している。 "[he-forum 16319] 時事通信6/3 時事通信2011年6月3日22時33分 東北の留学生、1割超戻らず=5月の授業開始以降も-文科省  東北地方の大学に在籍する外国人留学生のうち、1割以上が通学できる範囲内にいないことが3日、文部科学省の調査で分かった。通学圏内で確認できた留学生が3割だった4月と比べ改善されたが、5月の授業開始以降も戻っていない留学生が目立つ。  同省は、4月調査と同様、全国70の国公私立大で、5月20日時点で在籍する外国人留学生2万290人を対象に調査した。  その結果、通学圏内にいない外国人留学生は全国平均が4.6%だったのに対し、東北地方の17大学では13.5%に当たる308人が通学圏内にいなかった。最も高い割合で所在が確認できたのは九州で、99.6%が通学圏内にいた。 "[he-forum 16320] 下野新聞6/6"," 下野新聞 (6月6日 05:00) 発達障害の大学生ら5年で8倍超 日本学生支援機構調査  県内の17校 を含む全国の大学・短大・高等専門学校計1220校に在籍する発達障害の学生は2010年度に1064人に上り、調査を始めた5年前の8倍超になっている ことが、独立行政法人日本学生支援機構が5日までにまとめた調査で分かった。同機構は「発達障害について学校側の認識が深まった結果」とみている。一方、 発達障害の学生の就職率は3割弱と低迷しており、社会の入り口で苦戦している実態が浮き彫りになっている。  調査によると、10年度の障害学生8810人のうち発達障害の診断がある学生は12・1%。5年前の2・6%から毎年上昇を続け、初めて10%を超えた。  「診断書はないが、発達障害があることが推察され、教育上の配慮を行っている者」は1944人。診断書のある学生との合計は3008人で、全学生の約1000人に1人が該当する計算になる。  3008人の内訳は高機能自閉症などが75・8%。注意欠陥多動性障害(ADHD)12・8%、学習障害(LD)11・4%と続く。  学校数を見ると、診断書のある学生が在籍するのは324校で全体の26・6%。6・3%だった5年前から大幅に増えた。発達障害とみられる学生の在籍校と合わせると472校となり、全体の38・7%を占める。  このうち432校は保護者との連携や履修方法などの支援に取り組んでいるほか、一部は休憩室の確保や講義録音許可など障害特性に合わせた授業のサポートを行っている。  課題は「卒業後」だ。09年度に卒業した診断書のある発達障害学生90人の進路で最多は「就職でも進学でもない」の35・6%で、就職率は25・6%にとどまる。全学生の就職率61・2%との差は大きく、障害学生全体の就職率46・4%とも大きな開きがある。  同機構は「大学は全入学者を教育して就労につなげる責任があるが、発達障害は見えにくく、まだまだ手探りの段階」と説明する。  県内のある大学は「診断がないと就職の際に法的なサポートがなく、無職になるケースが多い」。診断のある学生が在籍する別の大学では「就労に関する相談体制が不十分。大学と外部機関の連携が必要」と訴えている。 "[he-forum 16321] 毎日新聞静岡6/7 毎日新聞静岡版2011年6月7日付 揺らぐ指針:中電浜岡ショック/1 「原発」寄付講座に逆風 /静岡  ◇福島事故後、衝撃の教授会否決  三重大教育学部(津市)が先月11日に開いた教授会。担当教授が「賛成38、反対40、白票9」と投票結果を読み上げると、八木規夫学部長(57)ら一部教授からため息が漏れた。  議案は、新講座「エネルギーと環境学」創設について。国の学習指導要領に今年度から原子力発電の知識習得が盛り込まれたのを機に、中部電力が来年4月から年3000万円を拠出して講師を派遣する「寄付講座」で、同学部初の本格的な産学連携の試みだった。  講座開設を主導してきた内田淳正学長(64)=医学部出身=は「エネルギー問題の正確な知識を身につけることは10年、20年後の日本に極めて重要」と教授会の決定を残念がり、「将来、小中学校の教壇に立つ学生に最初から原子力アレルギーがあるのはよくない」と重ねて強調した。  寄付講座の開設は当初3年間の計画。一部の教授によると、中電との間では10年継続の了解があったという。独立法人移行後、国からの予算削減に苦しむ大学にとって、計3億円の運営費が転がり込む提案は「干天の慈雨」と言えた。  だが、東京電力福島第1原発事故で風向きは一変。複数の教授から「『原発宣伝講座』と受け取られかねない」「大学自体が原発を推進していると誤解を招く」と慎重論が噴出した。  大きな伏線は2月末に発表した「経営ビジョン」にあった。この中で同社は、総発電量に占める原子力の比率を50%超に引き上げ、30年までに原発を2~3基新設する方針を示した。唯一の原発である浜岡原発(静岡県御前崎市)に、計画中の6号機以降の増設余地がないのは周知の事実だ。  毎日新聞は、同社が三重県南部沿岸部を最有力候補地と位置づけ、松阪市に「環境・立地本部」の拠点を置いたことを報道。講座開設で窓口だった中電幹部が同本部所属だったこともあり、地元の不信は晴れなかった。  議案の採決があったのは、同社が政府の要請を受け入れ浜岡の全号機停止を表明した2日後。内田学長の指示で講座開設の準備に当たった教授の一人は「(採決がこの時期になったのは)6月末の株主総会に決定を間に合わせたい中電の意向だった」と明かす。  中電側の責任者だった宮池克人副社長(環境・立地本部、三重県担当)は教授会の決定について「学校の先生にもエネルギーのことを理解してほしいという以外の目的はないのだが」と冷静に語る。だが、原発への「理解活動の一環」(幹部)まで門前払いを受けた衝撃は極めて大きかった。  ◇  ◇  ◇  中電の全電源に占める原子力比率は10年末時点で約15%。原発を持たない沖縄を除き、全国の電力会社で最低水準だ。同社は1960年代、三重県南部沿岸部に「芦浜原発」建設を計画したが、漁業者らの激しい反対で00年、断念に追い込まれた。原発の新規建設は同社の悲願。しかし、唯一の原発である浜岡も政府の異例の要請を受けて全号機停止に追い込まれた。「原発がない電力会社」となった中電の苦悩と今後を検証する。=つづく ==============  ■中部電力の原発事業の歩み■ 1964年 7月 三重県南部の芦浜地区を原発建設候補地に決定   71年 3月 浜岡原発1号機の建設着工   75年10月 石川県珠洲市議会が原発誘致を決定。中電も検討開始   76年 3月 浜岡1号機運転開始 2000年 2月 北川正恭三重県知事(当時)が芦浜原発計画の白紙撤回表明。中電が計画断念   01年11月 浜岡1号機で緊急炉心冷却装置系配管で国内初の破断事故      11月 三重県海山町(現紀北町)で原発誘致の是非を問う住民投票。反対多数で誘致を断念   03年12月 中部、関西、北陸の電力3社が珠洲市での原発計画を断念   05年 1月 浜岡5号機運転開始   08年12月 浜岡1、2号機の廃炉と6号機新設計画を発表   09年 1月 浜岡1、2号機が運転終了   11年 2月 原発の新規立地を目指す長期経営ビジョン発表       5月 菅直人首相の要請を受け、浜岡原発の運転を停止 "[he-forum 16322] 共同通信6/7 共同通信2011年6月7日10時00分 ボランティアの単位認定広がらず 文科省把握6校のみ  文部科学省が東日本大震災での学生のボランティア活動を単位として認めることが可能との通知を大学に出しているが、単位認定の動きが広がらない。文科省が7日までに把握したのは6校だけ。大学側からは「活動をどう単位に認定するのか難しい」などの声が上がっている。  文科省によると、6校は、山形大、岩手大、滋賀大、大分大、明治大、文教大。単位認定を文科省に報告する義務はなく、ほかの大学が認定している可能性もあるが、数は少ないとみられる。  このうち、明治大は文科省の通知を受け、全学共通の「東日本大震災に伴うボランティア実習」を開設。事前講義や現場での活動、リポート提出などで2単位が認定される。同大の担当者は「被災地で学生が微力でも力になれたら良いし、学生の自主性、社会性の成長にもつながるのではないか」と意義を説明する。  岩手大も全学共通の「コミュニティーサポート実習」で、約5日間の活動実績とリポートの提出などを条件に2単位を与える。しかし、卒業に必要な単位としては認められないといい、担当者は「学生がボランティア活動をした証明書のような意味合い」としている。  大分大は、講義に関連するボランティア活動を行った際に、個別に相談して単位認定する。 "[he-forum 16323] 全大教時報特集「大震災・原発事故・学術」の無料公開 全大教の長山です。 全大教の、震災と原発事故からの復興への支援の取組みの一環として、『全大教時報』(隔月刊)の、本年4月・6月合併号に特集「大震災・原発事故・学術」を掲載しました。震災、放射能汚染等に関わる基本的な事項を分かりやすく読めると同時に、今回の事態を契機に問い直される学術の在り方についても問題提起がなされています。 今回の特集に掲載の6本の論文については、復興の一助となるよう、購読者・執筆者からのご理解を得て、全大教中執での決定を経て、ホームページ上で無料公開することとし、すでに公開をしています。 掲載論文は以下のとおりです。 『全大教時報』4月・6月合併号の特集「大震災・原発事故・学術」 「東北地方太平洋沖地震と福島第一原発過酷事故」 立石 雅昭(全大教中央執行副委員長、新潟大学名誉教授) 「災害時の医療の役割 ― 過去、現在、そして未来 ―」 畑 倫明  (奈良県立医科大学高度救命救急センター、医師) 「福島第一原発の事故と放射能汚染の実態」 野口 邦和(日本大学歯学部専任講師) 「東日本大震災からの復興の道筋」 塩崎 賢明(神戸大学大学院教授) 「ヒューマニズムと教育学 ― 「3月11日以後」を創造するために ―」 中嶋 哲彦 (全大教中央執行委員長、名古屋大学教授) 「被災地を歩く ― 全大教が今やるべきことは ―」 長山 泰秀(全大教中央執行副委員長) 無料公開のホームページは、次のページから入っていただき、該当の論文名をクリックしたページからダウンロードして下さい。 http://zendaikyo.or.jp/2011-3.htm どうぞ広くご活用下さい。 -- 長山泰秀 全国大学高専教職員組合 〒110-0015 東京都台東区東上野6丁目1番7号 MSKビル7階 tel:03-3844-1671 fax:03-3844-1672 "[he-forum 16324] Re: [he-forum 16323] 全大教時報特集「大震災・原発事故・学術」の無料公開 アクセスするとみ未検出とでます。 あやべ ----- Original Message ----- From: ""長山 泰秀"" To: Sent: Wednesday, June 08, 2011 8:07 AM Subject: [he-forum 16323] 全大教時報特集「大震災・原発事故・学術」の無料公開 > 全大教の長山です。 > > 全大教の、震災と原発事故からの復興への支援の取組みの一環として、『全大教時報』(隔月刊)の、本年4月・6月合併号に特集「大震災・原発事故・学術」を掲載しました。震災、放射能汚染等に関わる基本的な事項を分かりやすく読めると同時に、今回の事態を契機に問い直される学術の在り方についても問題提起がなされています。 > > 今回の特集に掲載の6本の論文については、復興の一助となるよう、購読者・執筆者からのご理解を得て、全大教中執での決定を経て、ホームページ上で無料公開することとし、すでに公開をしています。 > > 掲載論文は以下のとおりです。 > > 『全大教時報』4月・6月合併号の特集「大震災・原発事故・学術」 > 「東北地方太平洋沖地震と福島第一原発過酷事故」 > 立石 雅昭(全大教中央執行副委員長、新潟大学名誉教授) > 「災害時の医療の役割 ― 過去、現在、そして未来 ―」 > 畑 倫明  (奈良県立医科大学高度救命救急センター、医師) > 「福島第一原発の事故と放射能汚染の実態」 > 野口 邦和(日本大学歯学部専任講師) > 「東日本大震災からの復興の道筋」 > 塩崎 賢明(神戸大学大学院教授) > 「ヒューマニズムと教育学 ― 「3月11日以後」を創造するために ―」 > 中嶋 哲彦 (全大教中央執行委員長、名古屋大学教授) > 「被災地を歩く ― 全大教が今やるべきことは ―」 > 長山 泰秀(全大教中央執行副委員長) > > 無料公開のホームページは、次のページから入っていただき、該当の論文名をクリックしたページからダウンロードして下さい。 > > http://zendaikyo.or.jp/2011-3.htm > > > どうぞ広くご活用下さい。 > > > -- > 長山泰秀 > 全国大学高専教職員組合 > 〒110-0015 東京都台東区東上野6丁目1番7号 MSKビル7階 > tel:03-3844-1671 > fax:03-3844-1672 > "[he-forum 16325] 朝日新聞6/7"," 朝日新聞 2011年6月7日8時33分 九大入試、出題4行後に正解 漢字の書き取り問題ミス  今年度の九州大の入試の国語の漢字の書き取り問題で、出題部分の直後に正解が書かれている問題があったことがわかった。入試問題をボランティアでチェッ クしている福岡市の予備校講師金子直樹さん(36)が見つけ、九大に指摘した。大学側はミスを認め、採点などの対応を9日に検討することにしている。  問題では、出題文の中の「自分のヒョウバンを落としたくないために」という部分の「ヒョウバン」を漢字で書くよう求めたが、出題文ではその4行後に「自 分の評判を落としたくないために」と同じ表現があった。九大によると、この問題は2月の前期日程で教育、法、経済の3学部を受験した計892人に出題され たという。 "[he-forum 16326] 毎日新聞6/8"," 豈取律譁ー閨槭€€2011蟷エ6譛・譌・縲€譚ア莠ャ譛晏・ 謨吝藤謗。逕ィ隧ヲ鬨難シ壼、ァ蟄ヲ蜈・隧ヲ蝠城。後→驟キ莨シ縲€莠ャ螟ァ縲∵・螟ァ縺ァ蜃コ鬘鯉シ搾シ搾シ撰シ門ケエ荳蛾㍾逵・/h2> 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からは「試験方式の見直しが必要」との声が上がっている。  これまでは地理歴史の「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理 A」「地理B」と公民の「現代社会」「倫理」「政治・経済」の中からそれぞれ各1科目を選択。理科も同様で「理科総合A、化学I」「理科総合B、生物I」 「物理I、地学I」の3グループから各1科目を選ぶ方式だった。  来年は、世界史Aと同Bなど同一分野の受験は不可とした上で地歴・公民の計10科目(新たに「倫理、政治・経済」が追加)から2科目を選択できるよう変更された。理科もグループ分けをやめ、計6科目から2科目を選べるようになる。受験生に選択の幅を広げたのが特徴だ。  1科目だけ受ける場合の試験時間は60分、2科目なら130分だが、1科目目の答案用紙を回収後、2科目目の答案用紙を配布する。  だが、試験が始まってから科目を選択できるように問題を1冊の冊子にしたため、1科目目を受験した段階で2科目目の問題を見て2時間解答に充てられる。  例えば、日本史Aのみ受験に必要な生徒の場合、1科目目に世界史A、2科目目に日本史Aを選択し、1科目目の時間から日本史Aの問題を解き始めることも可能。はじめの世界史Aが白紙答案でも、受験大学の採点対象になってなければ、合否には影響しない。   大学入試センターでは「そうしたやり方を本当に受験生がやったら不正だ」としながらも、「不正が可能な制度であることは間違いないが、試験の実施方法の変 更は考えていない」。合否判定に1科目の成績しか利用しない大学にも2科目の成績と受験した科目の順番を提供する対策を取る方針だ。  た だ、大手予備校の担当者は「大学側がその結果だけから不正の有無を判断するのは難しい」と指摘。「不正行為が多発すると、本命でない科目で低得点が続出 し、平均点のぶれが大きくなる。得点調整が行われれば、すべての受験生に影響が出ることになる。不正がおきない仕組み変更が必要だ」と訴える。  同センターは「試験の際に不正を行わないように徹底し、不正があった場合は受験を無効にする」としているが文科省は「1科目選択の大学の場合は、(不正ができない)1科目目を採点するなど、防止策を入試センターと大学側で協議してほしい」としている。 "[he-forum 16330] 産経新聞6/11 産経新聞2011年6月11日付 大阪大総長に平野俊夫氏 「22世紀も輝き続ける基盤つくりたい」  大阪大学は10日、鷲田清一総長(61)の任期満了に伴う第17代総長に、前医学部長で大学院生命機能研究科教授の平野俊夫氏(64)=免疫学=を選出した。任期は8月26日から4年間。  平野氏は、昭和47年に大阪大医学部を卒業後、大阪大大学院生命機能研究科長などを経て、平成20年4月から今年3月末まで大学院医学系研究科長、医学部長を務めた。世界的なクラフォード賞や日本国際賞などの受賞歴がある。  記者会見で平野氏は「大学でしかできないベーシックな学術的研究に、どれだけ力を割いているかが大学の底力。学問と教育の府という基本に立ち、22世紀も輝き続ける基盤をつくりたい」と抱負を語った。  この日は、5月16日の第1次投票の上位得票者7人を対象に第2次投票が行われ、3回目の投票で平野氏が当選に必要な過半数を獲得した。これを受けて、学内の教育研究評議員や学外の有識者らでつくる総長選考会議が、平野氏を選んだ。 "[he-forum 16331] 日本経済新聞6/12 日本経済新聞2011年6月12日付 震災後の大学の在り方議論 11大学、仙台で復興シンポ  東京大や東北大、早稲田大など主要研究大学11校(通称RU11)は11日、仙台市内で「『知』の力による我が国の創造的復興と未来に向けて」と題したシンポジウムを開催、東日本大震災の被災地の復興や震災後の学術研究や大学の在り方について議論をした。今後も、参加大学の持ち回りでシンポを開く方針。  冒頭、松本紘京都大学長が「今回の震災が科学や科学者に対する不信を生んだのも事実。(研究大学は)社会の声に耳を傾け、新たな発展に向けて有効な選択肢を提示する必要がある」とあいさつ。来賓の鈴木寛文部科学副大臣が「日本は東日本大震災後という新たな歴史区分ができた。大学こそが新しい時代、新しい知、人材を作ってほしい」と述べた。井上明久東北大学長らは被災状況を報告した。  11大学の研究担当理事や企業の代表らの討論では、「専門家に細分化された学問の在り方を議論する必要がある」「想定外のことがおきたときに被害を最小限に食い止めるための学問体系が必要だ」などの意見が出た。  井上学長は内外の大学や研究機関が東北復興のために10年程度利用できる「東北復興科学技術資金」の創設を要望した。桜井充財務副大臣は「復興には十分な予算を確保したい」と応じた。 "[he-forum 16332] 茨城新聞6/11 茨城新聞2011年6月11日付 筑波大病院、最先端診断装置を導入 がん治療へ新施設 豊智会と協力  筑波大付属病院(つくば市)は、医療法人社団豊智会(東京都、茅野文利理事長)と協力し、同病院隣接地に最先端のがん診断装置を導入した「つくば次世代分子イメージングセンター(仮称)」を開設する。専門的ながん診療と治療の研究・開発を行い、がんの罹患(りかん)率を下げるのが目的で、2012年9月の事業開始を予定している。  同センターは、画像診断を専門とする豊智会に大学所有地を貸与して同会が整備・運営を行い、両者が連携して新たな診断法の開発や創薬研究をする。建物は鉄筋コンクリート2階建てで、延べ床面積は1440平方メートル。  センターには全身のがんを一度に調べられる陽電子断層撮影装置(PET)とCTを同時撮影できるPET-CTを導入する。PET検査は特殊な検査薬を注射してがん細胞に目印をつけてがんを発見するのが特徴で、CTとの同時撮影によってより見やすく精度の高い検査が行える利点がある。  同病院によると、県内の医療機関でPET-CTがあるのは日立製作所日立総合病院(日立市)と県立中央病院(笠間市)のみ。  10日は事業契約書の調印式が同大で行われ、五十嵐徹也院長は「県南地域はPET検査の空白地帯だった。単なる病院機能の拡大ではなく、地域住民の健康管理に役立てていきたい」と語った。 "[he-forum 16333] 日本経済新聞6/13"," 日本経済新聞 2011/6/13 19:26 経団連、海外留学生に奨学金制度 大学生対象  経団連は13日、海外の大学に留学する日本人学生を対象とした奨学金制度を創設すると発表した。国際的な事業に携わる意欲のある大学生が 対象。2012年度から年30人を募集し、1人あたり100万円を支給する。帰国後の就職も支援する。就職活動の過熱などを背景にした大学生の“留学離 れ”に歯止めをかけるのが狙いだ。  新制度の名称は「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」。制度を8年継続するのに必要な資金は2億4千万円程度となる。経団連の傘下にある財団の積立資産からの拠出に加え、会員企業にも協力を求める。  現在は大学3年生で留学し、同4年夏に帰国するケースが多い。今の就活日程に間に合わないため、経団連は帰国後の学生を対象とした合同就職説明会にも協力する方針だ。 "[he-forum 16334] 産經新聞6/13"," 産經新聞2011.6.13 20:13 大学向けに節電説明会 文科省、各校に確実な実行求める  文部科学省は13日、大学や高専向けの節電説明会を東京都内で開いた。国は電力使用量を昨年夏より15%減らすことを大口契約者に義務付ける制限令を7月に出す予定で、文科省は各校に確実な実行を求めた。   国公私立大や高専の担当者ら約300人が出席。東日本大震災後、空調の設定温度を上げたり、照明数を間引きしたりすることで30%の節電に成功したという 東大の担当者は「実験機器を節電対象にすると、大学の機能が失われる。普通のことをやるだけで十分」と取り組みを披露した。 "[he-forum 16335] 河北新報6/14"," 河北新報 2011年06月14日火曜日 岩手大、沿岸被災地に復興センター 産学官連携拠点に  東日本大震災の復興支援策の一環として、岩手大は沿岸被災地に産学官の連携拠点 「地域復興センター」を設置する。10月までに釜石市の市教育センター内に本部を構え、本年度中にも同市周辺で活動拠点となる施設の整備に着手する。藤井 克己学長が13日の記者会見で明らかにした。  センターは沿岸被災地の自治体や企業と連携し、生活と産業の復興支援や、地域防災研究を担う。将来は大学院機能も持たせ、水産業研究については他大学から教員を招聘(しょうへい)する計画もある。  本部は10月までに釜石市教育センター内にある同大釜石教室(釜石市)に構える。活動拠点としては、被災した北里大海洋バイオテクノロジー釜石研究所(同)や財団法人釜石・大槌地域産業育成センター(同)の活用も検討し、早ければ本年度中に整備を始めるという。 "[he-forum 16336] 朝日新聞6/14 朝日新聞2011年6月14日付 履修単位の「質」追求 一橋大  大学で各科目の履修者に与えられる「単位」が、「質」を問われる時代になってきた。各科目の成績に応じて軽重をつけ、取得した単位の質を数値化する「GPA」が一定値以上であることを卒業要件とする大学も出てきている。一橋大(国立市)も昨年度から採用した。及第点ぎりぎりでも必要な単位をそろえさえすれば大学を卒業できる、という時代は去りつつあるようだ。  一橋大は2010年度入学生から、全4学部でGPAを卒業要件として適用する。入学だけでなく卒業にも高いハードルを学生に課すことになる。  教育・学生担当理事の落合一泰副学長に聞いた。  ――ねらいは。  「教育の質の保証が大前提。教えっ放しでなく、アウトプットも重視しようということ。国際化が進み、GPAなしでは海外の大学と交換留学などをやっていくのが難しい事情もある」  「従来は単位をそろえることが重要だったから、楽勝科目などの情報が飛び交い、教育上、大きな障害だった。そこで卒業にはGPA1.8が必要とした。将来は2.0にしたい」  ――この1年の取り組みや成果は。  「GPA導入にあたっては、低成績の学生への目配りが大事。そのための作業部会を設けた。GPAが低いまま4年生になると、回復は難しい。授業への出席率などを見て、GPAが低くなりそうな学生を早い段階で見つけるようにしている。1年目の夏学期の成績が出た昨年10月、GPAが低い学生対象の説明会もした。よい成績が取れそうにない科目の履修を撤回できる制度も認めた」  「暫定的な結果だが、(本格導入した)昨年度の1年生に占めるGPAの低い学生の割合は、試行的にやった09年度より数%下がった。教員の学生に対する態度も変わったと思う」  ――今後の課題は。  「本学は伝統的にゼミを重視し、ゼミを基盤に卒業論文も書く。卒論をGPAの対象にすべきかどうかが今後の議論になるだろう。GPAを優秀者表彰に使って学生の励みにもしたい。もともと学部間の垣根が低く、他学部の授業を容易に取れることが一橋大の長所。GPA導入に際しても一層推し進めたい点だ」  ――入るのも、出るのも難しい大学になります。  「就職や資格取得などのため、今も一定割合の学生が留年している。GPA導入でさらに留年者が増えるのでは困る。ただ、きちんとしたケアは必要だが、数年前からの試行を見る限りGPAだけで卒業率が下がることはないようだ。学生を信頼しているし、本格導入した1期生が卒業する3年後がとても楽しみだ」(聞き手・大西史晃) ■GPA  グレード・ポイント・アベレージの略。米国の大学では一般的な成績評価方法。各科目の成績に応じて点数(グレード・ポイント)を与え、平均値を卒業や退学の基準などに活用する。文部科学省の調査では08年度現在、国公私立の330大学(約46%)が学部段階で導入。33大学が卒業判定の基準にしているが、国立大では6大学にとどまる。 "[he-forum 16337] 中国新聞6/12 中国新聞2011年6月12日付 がん治療充実の島大病棟完成  島根大医学部が建設していた付属病院(出雲市塩冶町)の新病棟が完成、11日、完成記念式を開いた。急性期医療や、がん治療を充実させる。27日から利用を始める。  新病棟は既存病棟の西隣にあり、9階建て延べ1万7500平方メートル。183床。  既存病棟から救急部と手術室を移す。集中治療室(ICU)を従来の6床から20床に増やし、高度治療室(10床)を新設した。来春には救命救急センターを開設する。  腫瘍センター(24床)と緩和ケアセンター(21床)を一体的に設置。国内の大学病院で初めてという。主に化学療法を伴うがん患者の心身の負担を和らげる。 "[he-forum 16338] 河北新報6/14 河北新報2011年6月14日付 岩手大、沿岸被災地に復興センター 産学官連携拠点に  東日本大震災の復興支援策の一環として、岩手大は沿岸被災地に産学官の連携拠点「地域復興センター」を設置する。10月までに釜石市の市教育センター内に本部を構え、本年度中にも同市周辺で活動拠点となる施設の整備に着手する。藤井克己学長が13日の記者会見で明らかにした。  センターは沿岸被災地の自治体や企業と連携し、生活と産業の復興支援や、地域防災研究を担う。将来は大学院機能も持たせ、水産業研究については他大学から教員を招聘(しょうへい)する計画もある。  本部は10月までに釜石市教育センター内にある同大釜石教室(釜石市)に構える。活動拠点としては、被災した北里大海洋バイオテクノロジー釜石研究所(同)や財団法人釜石・大槌地域産業育成センター(同)の活用も検討し、早ければ本年度中に整備を始めるという。 "[he-forum 16339] 秋田魁新報6/14 秋田魁新報2011年6月14日付 産学官が連携、「あきた新エネルギー研究会」発足 200人が出席した設立総会  風力、太陽光といった新エネルギーの導入促進を目指し、県内の研究者や企業、自治体の代表者らでつくる「あきた新エネルギー研究会」が13日、発足した。東日本大震災による福島第1原発事故で新エネルギーが注目される中、産学官の連携で導入を促す技術開発を進め、本県の産業振興や地域活性化につなげたい考えだ。  秋田市のアキタパークホテルで開かれた設立総会には、県内の大学や民間企業、県・市町村などから約200人が出席。事務局を務める県立大の谷口吉光・地域連携研究推進センター教授が設立趣旨を説明し、「震災による原発事故を受けて、新エネルギーの比重が高まっていく。転換を進めるためには企業や行政、市民、大学の連携を深めることが必要だ」と述べた。  会長の西田眞秋田大副学長は「本県は風力の潜在力が大きい。新エネルギーの地産地消も実現し、本県が東日本で(エネルギー供給の)セーフティーネットとして機能できるようにしたい」と強調した。  研究会は今後、新エネルギーや省エネに関する年数回のセミナーを開催するほか、県内外の新エネルギー関連技術を紹介する見本市も開催する予定。 "[he-forum 16340] 時事通信6/13 時事通信2011年6月13日18時43分 留学増へ奨学金100万円=「内向き志向」に危機感-経団連  経団連は13日、経済のグローバル化に対応した人材育成の一環として日本の大学生の留学を増やすため、新たな奨学金制度を設けると発表した。2012年度から、1人当たり年間100万円を支給する。国際化に熱心な大学の交換留学制度で渡航する学生が対象。年30人で開始し、年を追って人数を増やす方針。  景気低迷で一般家庭の経済的余裕がなくなったことなどから、日本の大学生による留学は減少した。経団連によると、2008年の留学生は約6万6800人とピーク時の8割に落ち込み、若者の「内向き志向」に対する日本企業の危機感は強い。新たな奨学金制度は、留学の機会を拡大して学生の視野を広げる狙いがある。 "[he-forum 16341] 四国新聞6/14 四国新聞2011年6月14日付 香大が地域防災へ緊急提言/津波避難や液状化対策  東日本大震災を受け、香川大危機管理研究センター(白木渡センター長)は13日、香川県高松市幸町の同大で会見し、津波時の避難体制や液状化対策、防災専門家の養成など16項目からなる「香川地域防災への緊急提言」を公表した。同センターが福島県や千葉県で行った被害調査などを基にまとめたもので、6月中に県や各市町に提出する方針。  提言では、津波時の避難体制の整備について、安全率を2倍に想定した避難所の設定や標高に応じた地盤マップを作成することを要請。また、福島県の農業用貯水池が決壊し7人死亡、1人が行方不明となったことから、ため池の決壊対策も盛り込んだ。  災害への備えとしては、各企業が安定的な業務を遂行するために取り決めた事業継続計画だけでなく、全市町が一体となって復興や防災訓練に取り組む地域継続計画の策定が必要と指摘。新たな防災拠点として大学と行政、地域が連携するサポートセンター構想を打ち出した。  白木センター長は「まずは自分たちの現状を把握することが重要で、そのための提言。今後は地域や行政などと連携して、具体的な内容を取りまとめたい」としている。 "[he-forum 16342] 共同通信6/16"," 2011/06/16 07:12 【共同通信】 科学技術政策全般の見直しを 原発事故受け白書案  東日本大震災に伴う福島原発事故を受け、原子力などのエネルギー政策だけでなく、科学技術政策全般の見直しが必 要だとする、文部科学省の2011年版科学技術白書案が16日、明らかになった。事故対応については、正しい情報が消費者に伝わらず農産物などの風評被害 につながったとして、情報発信に問題があったと指摘した。白書は7月中旬に閣議決定、国会に提出される予定。  白書案は、福島原発の事故について、環境への放射性物質放出や周辺住民の避難を招き、国民生活に大きな不安を与えただけでなく、「世界中の人々が、科学技術の『影』の側面を再認識することとなった」と影響の広がりを認めた。 "[he-forum 16343] 毎日新聞6/16"," 豈取律譁ー閨槭€€2011蟷エ6譛・6譌・縲€譚ア莠ャ譛晏・ 譚ア譌・譛ャ螟ァ髴・⊃・夂ヲ丞ウカ縲∵擂譏・繝サ蟆丈クュ蟄ヲ譬。縺ョ謨吝藤謗。逕ィ隕矩€√j縲€蜴溽匱莠区腐縺ァ蟄蝉セ幃∩髮」 縲€笳・ュヲ逕溘€悟ソ・・謨エ逅・▽縺九↑縺・€・/h3> 縲€遖丞ウカ逵後′譚・蟷エ蠎ヲ縺ョ蟆丈クュ蟄ヲ譬。縺ョ謨吝藤謗。逕ィ縺ョ隕矩€√j繧呈アコ繧√€∫恁蜀・〒謨吝クォ縺ォ縺ェ繧九%縺ィ繧堤岼謖・@縺ヲ縺・◆蟄ヲ逕溘◆縺。縺ォ蜍墓昭縺悟コ・′縺」縺ヲ縺・k縲よ治逕ィ縺ョ隕矩€√j縺ッ縲∫ヲ丞ウカ隨ャ ・大次逋コ縺ョ莠区腐縺ァ螟壹¥縺ョ蟄蝉セ帙◆縺。縺檎恁螟悶↓驕ソ髮」縺励€∵蕗蜩。謨ー縺御ク€譎ら噪縺ォ驕主臆縺ォ縺ェ縺」縺溘◆繧√€ょ、壹¥縺ョ蟄ヲ逕溘′逵悟・縺ョ謨呵ご迴セ蝣エ縺ォ騾イ繧€遖丞ウカ螟ァ縺ッ縲∫恁縺ォ蜀崎€・r菫・☆隕∵悍譖ク繧呈署 蜃コ縺励◆縺後€∝・陦後″縺ッ隕九∴縺ヲ縺・↑縺・€ゅ€蝉ス宣㍽蜆ェ縲・/p> 縲€縲悟ソ・・謨エ逅・′縺、縺・※縺・∪縺帙s縲阪€らヲ丞ウカ螟ァ莠コ髢鍋匱驕疲枚蛹門ュヲ鬘橸シ泌ケエ縲・聞隹キ蟾晞▼縺輔s・茨シ抵シ托シ会シ晉ヲ丞ウカ逵後>繧上″蟶ょ・霄ォ・昴・縲√%縺・遠縺。譏弱¢繧九€・/p> 縲€髟キ隹キ蟾昴&繧薙・逵悟・縺ョ荳ュ蟄ヲ譬。縺ョ謨ー蟄ヲ謨呵ォュ繧貞ソ励@縺ヲ縺阪◆縲よ擲譌・譛ャ螟ァ髴・⊃縺瑚オキ縺阪k縺セ縺ァ縲√b縺玲擂譏・縺ョ謨吝藤謗。逕ィ隧ヲ鬨薙〒荳榊粋譬シ縺ォ縺ェ縺」縺ヲ繧ゅ€∵ャ。蟷エ蠎ヲ莉・髯阪b謖第姶縺吶k縺、繧ゅj縺ァ縺・◆縲・/p> 縲€縺励°縺励€∝次逋コ莠区腐縺悟庶譚溘☆繧九a縺ゥ縺ッ縺、縺九★€・シ托シ灘ケエ蠎ヲ莉・髯阪・謗。逕ィ險育判縺ョ荳埼€乗・縺輔・蜷ヲa縺ェ縺・€ゅ%縺ョ縺溘a螳ョ蝓守恁縺ィ蜊・痩逵後・謨吝藤謗。畑隧ヲ鬨薙r蜿励¢繧九%縺ィ縺ォ縺ッ縺励◆縺後€√€檎ヲ丞ウカ縺ォ綾縺」縺ヲ縺上k縺薙→縺後〒縺阪k縺ョ縺銀€ヲ窶ヲ縲阪€ゆク榊ョ峨r貍上i縺吶€・/p> 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東日本大震災による福島原発の事故を受け、福岡・佐賀両県の科学者でつくる日本科学者会議福岡支部核問題研究委員会は、小冊子「原発事故緊急対策マニュア ル」(合同出版)を22年ぶりに再出版した。核分裂の仕組みや放射線の種類とその特性など、原子力問題に関する基礎知識を解説した上で、被ばくを最小限に 抑えるための対処法を掲載している。  冊子は佐賀大学の豊島耕一教授(物理学)や九州大学の本庄春雄教授(非線形物理学)など5人の科学者 が執筆した。原発事故が起きた場合の対応策や放射線から身を守るための方法をイラストを交えて紹介し、肌の露出を抑える服装品の着用や情報をいち早く得る ためにラジオの携帯、放射線を遮るコンクリート製の建物への避難などをアドバイスしている。  同委員会は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故 (1986年)を受け、89年に旧版を発刊した。豊島教授は「原発の安全神話が崩れた今、住民は事故の発生を想定していないといけない」。放射線の影響に ついて執筆した本庄教授は「がんになる確率を少しでも下げるためにも身を守る術を身につけてほしい」と訴えている。A5判80ページ、1冊600円。 "[he-forum 16345] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.30 ニュースレター NO.30                     2011、6、16 公正な学長選考を求める裁判を支える会  事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内     (TEL/FAX 088-844-1489)  控訴審 第1回口頭弁論開かれる   -結審・判決へ!     そして、公正な学長選考の実現へー      高知大学の構成員の皆さん。この裁判に注目している全国の皆さん。  4月22日(金)高松高裁で第一回控訴審が開かれました。審理はこの一回で 結審し、次回は判決です(判決日未定)。    高松での公判には、根小田渡、高橋正征両原告と谷脇、岩崎の両弁護士が出廷 しました。また、本会からは、会長・副会長の二名が傍聴しました。  裁判では原告側(つまり我々)の「控訴理由書」、被告側(つまり、国・大学 側)「答弁書」及び補足文書(滋賀医科大学長選考の判例に関するもの)の確認 が行われ、原告・被告双方に追加の主張、証拠などがないことを確認してこの日 結審しました。控訴審では一審で提出された証拠等と今回提出された「控訴理由 書」「答弁書」に基づいて審理が行われますので、これで結審ということです。 判決日については「追って指定する」とのことでした。通常は結審の際に判決日 の指定もあるようです。今回なぜ判決日の指定がなかったのかは不明ですが、4 月の裁判官の人事異動と関係あるのかもしれません。いずれにせよ、今後は判決 の行方をにらみながら私たちが学内外でいかに運動を構築していくかが問われて います。  以下、今回の裁判で問われている問題が、今後の我々(高知大学、ひいては日 本の大学全体のありかた)とどう関わっているのかを再確認しておきます。  論点1 根小田先生の原告適格  我々は、「学長選考会議」委員である根小田先生には(1)学長候補者を選考 する権利 (2)学長選考会議の対外的説明責任、公正性・透明性の確保の観点 から、違法不当を糾す権利 (3)大学の自治・学問の自由の見地から違法不当 を糾す権利があると主張しています。これらは、今後の学長選考会議のあり方を 考える上で重要な論点であるといえます。すなわち、「権利」は同時に責任(義 務)でもありえますから、学長選考会議の個々の委員には(2)(3)の義務を 果たすべき重大な責任があることを確認しているといえます。  また、「控訴理由書」にもあるとおり、「行政法改正の経緯からいっても原告 適格は広く認められるべき」という観点からすれば、「行政事件訴訟法」におけ る原告適格を拡張することは、国の行為に異議申し立てをする国民の正当な権利 の拡張につながります。  論点2 任命処分の違法性  我々が求めているのは、当然「学長任命の無効確認・ないしは取り消し」です。 あのような重大な違法行為に目をつぶって任命された現学長は認められないとい うが私たちの共通する想いでしょう。  そして、今後、このような不透明・不公正な学長選考を決してゆるさないため にも以下の三点は重要です。  1) 学内投票は憲法23条の「学問の自由」に根拠があり,極めて重要な手続 きであり,その結果は尊重されるべきであるということの確認。  2) 権限のない職員による不正行為に関する事実の究明(これに関しては一 審で相当程度「灰色」の結論が出ている。)  3) 文部科学省の任命責任の追及。  私たちは以上のような論点を明らかにし,公正かつ透明な学長選考のあり方を 広く社会に訴えていく必要があります。  秋には学長選考が予定されています。今までに8年間もその座にいる現学長の 再登板の噂はたえませんし、ここまで学長のイエスマンとして行動してきた執行 部の取り巻き(現理事など)が,あたかも中立的な立場であるかのごとく振る舞 いながら,実は「世襲的亜流」の臓腑を秘め,学長候補者として登場する可能性 もあります。  このような自己増殖で遺伝してくる亜流学長の誕生を絶対に許さないためにも、 今後とも裁判を軸に、講演会、シンポジウム、学習会の開催や出版活動などを通 し,粘り強く高知大学を再生させる運動をすすめていかなければなりません。 "[he-forum 16346] 朝日新聞北海道6/16 朝日新聞北海道版2011年6月16日付 道教大 学長再選めぐり波紋 ■有志、公開質問状提出へ ■「教職員投票反映せず」  道教育大で5月末に実施された学長選をめぐり、学内に波紋が広がっている。結果は本間謙二学長(65)の再任。しかし、最終的に本間氏に決めた「学長選考会議」(議長=高向巌・北洋銀行会長)に先立って行われた教職員の「意向投票」では、対立候補の方が勝っていた。教職員の有志は近く学長選考会議に対し、選考の経緯を問う公開質問状を提出する。  学長選は5月30日にあった。候補者は現職の本間学長と、同大釧路校の神田房行教授(62)の2人。  同大の規定では、学長選考会議は、教職員による投票と候補者の面接結果を参考に、投票によって決定するよう定められている。  教職員の投票が行われたのは同27日。対象は札幌、旭川、岩見沢、函館、釧路各校の教職員、付属校の幹部教員ら526人だった。このうち484人が投票し、有効投票は458票。神田氏が250票、本間氏が208票で、神田氏が42票上回っていた。  ところが30日に開かれた学長選考会議では、委員16人のうち本間氏が14票、神田氏が2票となり、本間氏の再任が決まった。  この結果に、神田氏を支持していた教職員を中心に「1位になった人が選ばれないのはおかしい」「教職員の意向を無視している」などの声が出ている。ある教授は「教職員の投票でこれだけ差があったのに、学長選考会議でどのような議論があったのか知りたい」と話す。  こうした声を受けて教職員有志は学長選考会議に対し、選考の経緯や会議の内容を問いただす公開質問状の提出を予定している。  「学長選考会議」の委員16人のうち、7人は高橋教一・道教育長、道農業協同組合中央会の飛田稔章会長ら学外の有識者。残り9人が同大副学長や理事、付属小学校長らだ。  ただ、最終的な選考結果が教職員の投票結果と一致しなくても、手続き上の問題はない。かつては教職員の投票で決まった大学が多かったが、2003年に制定された「国立大学法人法」に「学長選考会議の選考により行う」とされた。  文部科学省によると、こうした選考方法は、国立大の独立行政法人化により学長に経営者としての資質やリーダーシップが問われるようになったことが背景にあるという。  他大学で、教職員の投票では1位以外だった候補が学長に決まった例は富山大、九州大、山形大など。滋賀医科大、新潟大、高知大などでは結果を不服として訴訟にもなったが、係争中の高知大以外は結果は覆らなかった。  本間学長は朝日新聞の取材に対して、「大事なのは学生たちが素晴らしいと思い、道民にも支持される大学になること。選考について私はコメントする立場にない」と述べた。 (芳垣文子) "[he-forum 16347] 大分放送6/15 大分放送2011年6月15日15時14分 大分大学新学長に北野正剛氏    大分大学の次の学長を決める選考会議が15日開かれ、次期学長候補に医学部の北野正剛氏が選ばれました。  羽野忠学長の任期が9月末で終了することに伴い、大分大学では15日次期学長候補を決める学長選考会議が開かれました。教職員による投票と選考会議での面談の結果、新しい学長には医学部付属病院内視鏡診療部長の北野正剛氏が就任することになりました。消化器外科が専門の北野氏は世界で初めて胃がんに対する腹腔鏡手術を開発し、手術実績は国内トップクラスを誇ります。北野氏は今後大学を大分における「知の拠点」と位置づけ、地域の発展につながる改革を推進していきたいとしています。北野氏が学長に就任するのは10月1日で、任期は、2015年9月末までの4年間です。 "[he-forum 16348] 日刊工業新聞6/15 日刊工業新聞2011年6月15日付 阪大、節電にIT活用-エネ消費可視化など実証  大阪大学は14日、関西電力からの15%節電要請を受け、節電・省エネ対策に9月末まで取り組むと発表した。付属病院を除く各キャンパスで、最大使用電力の前年度比15%削減を目標設定。空調や照明の節電、エレベーターの間引き運転などの取り組みのほか、実験は電力ピーク時を避けて実施するようスケジュールを調整する。  また、ITを活用したエネルギー消費の可視化に関する実証実験など、省エネ研究の取り組みをキャンパス内で実験的に行う。節電効果は、2010年度に導入した電力可視化システムで、3キャンパス約180棟の電力使用状況をリアルタイムで計測し、ホームページで公開する。  キャンパスや建物ごとの比較も可能で、省エネ意識の向上を図る。また6月1日付で発足した環境・エネルギー管理部では、「キャンパス低炭素化推進計画」(仮称)の策定に取り組むなど、低炭素化に向けて継続的な推進体制を築く。 "[he-forum 16349] 読売新聞6/16 読売新聞2011年6月16日付 大震災で帰国の留学生、大学へ復帰続々…愛知  東日本大震災と福島第一原発事故の影響で一時は日本から帰国していた外国人留学生たちが、続々と大学に復帰している。  日本での生活状況を親に伝えて説得してきた留学生が多く、文部科学省の調査でも復帰が裏付けられている。留学生は震災前の生活を取り戻しつつある。(山下昌一)  文科省調査によると、東海3県や北陸などを含む中部地方(10県)の大学では、通学圏内にいる留学生は4月20日時点で94・1%(抽出調査)だったが、5月20日時点で97・3%にまで上がった。  「日本から離れていた影響は、もうない」。名古屋産業大(愛知県尾張旭市)環境情報ビジネス学部2年の中国人留学生、許吉男さん(24)は笑顔をみせる。震災直後、両親が送ってきた航空券で実家の遼寧省に帰国したが、4月25日に日本に戻った。すでに新学期が始まっており、教員から講義した内容を聞き取るなどし、挽回した。日本のアニメに興味を持ち、3年間日本語を学んでから進学できた日本の大学。「もっと日本語がうまくなって、自分の会社をつくりたい」と意気込んでいる。  多くの留学生が在籍する同大では、許さんのように新学期を遅れてスタートした学生のために、履修科目の登録時期を延長した。留学生の支援を担当する学生課の竇(とう)道徳さん(55)は、「中国は一人っ子政策なので、子供を大切にして中国への帰国を促した親の気持ちは理解できる。今後も精神的な面から学生を支えていきたい」と話す。  一方、名古屋学院大(名古屋市熱田区)には7日、米オハイオ州立ボーリンググリーン大の留学生9人が予定通り到着した。来月上旬まで約1か月間滞在し、生け花や陶芸を体験するほか、京都や広島でも研修する。4年のエリック・ダトリッジさん(22)は「母は心配したが、日本に来るのは夢だった。被災地支援の活動にも加わりたい」と言う。引率してきた州立大の日本語教師、ジョーンズ川野朗子(あきこ)さんは「米国の学生は自立心が強いので、自分たちで情報を集めて親を説得してきた」と話す。  名古屋大は、留学生1556人(5月20日現在)のうち、震災の影響で大学復帰または来日を見合わせているのは9人だけだ。一時は数十人が帰国していたが、同大留学生センターは「家族に顔を見せて、安心させてから戻ってきた留学生も多い」とみている。 "[he-forum 16350] 共同通信6/16 共同通信2011年6月16日11時41分 山口、鹿児島大に初の共同学部 設置審が了承  文部科学省の大学設置・学校法人審議会は16日までに、山口大と鹿児島大が来年度に予定していた「共同獣医学部」の設置を了承した。2008年の大学設置基準改正で可能になった共同学部の設置は、国公私立を通じて初めて。  両大学とも現在は農学部に獣医学科があるが、来年度からは共同獣医学部となる。入試は当面分かれて実施し、それぞれ30人を募集する予定。  鹿児島大は家畜などの産業動物、山口大はペットや野生動物の感染症分野に強みがあり、それぞれの特色を生かした教育が可能になる。情報通信技術(ICT)を使って遠隔講義を実施するほか、夏休み期間などに両大学の学生が相手先で実習を受けられるようにする。  また大学設置審は北海道大と帯広畜産大、岩手大と東京農工大が、学科レベルで獣医学の共通カリキュラムを組む「共同教育課程」についても了承した。 "[he-forum 16351] 日本経済新聞6/16 日本経済新聞2011年6月16日付 広島大学、扇風機2000台導入 昨年比1%節電狙う  広島大学は大学内や関係機関を対象にした大規模な節電の取り組みを始める。2000台の扇風機や1万本のうちわを導入してエアコンの使用を抑えるほか、エレベーターの稼働台数の削減や照明の間引き点灯などを実施する。延べ床面積あたりの使用電力量を昨年に比べて1%削減するのが目標だ。  6月中に東広島キャンパス(広島県東広島市)や霞キャンパス(広島市)に扇風機を導入する。7月上旬には学生や教職員にうちわを配る。うちわに記載したメールアドレスを通じて、学生から節電のアイデアを募集する。研究部門でも、大量に電力を使う研究機器の稼働時間を計画的にずらすなど工夫する。  同大学は一般家庭2万5000戸分にあたる年間約8500万キロワット時の電力を使う。今後は追加の節電策として、サマータイムや太陽光発電設備の導入を検討する。 "[he-forum 16352] 東京新聞茨城6/15 東京新聞茨城版2011年6月15日付 六角堂 年内「再現」へ 海底調査終了方針 茨城大、実測図もとに  茨城大学は十四日、東日本大震災の津波にさらわれて流失した同大学五浦美術文化研究所の六角堂(国登録有形文化財)を探すため、北茨城市沖の本格的な海底調査を行った。ダイバーが潜水して調べた結果、建物本体は見つからず、瓦など重量のある部分のみ発見された。同大ではさらなる発見は困難とみて海底調査を終える方針で、今後は再建工事に入り年内の完成を目指す。 (永山陽平)  六角堂は明治時代の思想家・岡倉天心が思索する場として自ら設計し、太平洋に張り出した岸壁の上に一九〇五(明治三十八)年に造られた。六角形の形状と朱色の壁面が特徴。一九五七(昭和三十二)年に土台の補強工事などを施していたが、震災の津波によって跡形もなく流された。  同大では六日に行った下調べで、六角堂から約十メートルの海中で二十六枚の瓦を発見し、本体の存在を期待した。この日は六角堂から東西に約四百メートル、南北に約三百メートルと範囲を広げて、協力を依頼した専門業者のダイバー二人が水深三~九メートルの海底を探った。  魚群探知機の反応を見ながら潜ったが、収穫は「擬宝珠(ぎぼし)」と呼ばれる屋根飾りの台座や十数枚の瓦に限られた。柱や壁面などは沖合に流されているとみられ、調査を指揮した同大の三輪五十二(いそじ)特命教授(66)は「残念ながら建物を見つけられなかった。(見込みがないことから)海底調査はもうしないだろう」と話した。  再建工事は、残っている実測図をもとに忠実に再現し、年内にも完成させる方針だ。建設費は約千五百万円の見込み。国からの補助金のほか「茨城大学の岡倉天心記念六角堂等復興基金」への寄付金などを充てる。 "[he-forum 16353] 東京新聞千葉6/15 東京新聞千葉版2011年6月15日付 柏・千葉大で開所記念式 植物工場の拠点 高収量など目指す  千葉大の環境健康フィールド科学センター(柏市柏の葉)で十四日、「農林水産省植物工場 千葉大学拠点」の開所記念式が行われた。太陽光型植物工場でトマト、人工光型植物工場でレタスを栽培する。栽培は建物内で行われ、大学や公的研究機関の中では国内最大規模という。  太陽光型が約一ヘクタール、人工光型は約六百十五平方メートル。栽培しながら、環境に優しい方法で高品質と高収量が得られることを実証し、広く普及させることが目的という。栽培施設のほか、研修や育苗、選果・出荷、廃棄物処理などの関連施設を整備した。  同拠点では省資源と省エネルギー、環境保全、資源循環、安全・安心に力を入れ、コスト縮減を目指す。その方法として雨水や植物の不要な残り物、夜間電力などを利用したり、無農薬・減農薬の栽培を行う。栽培方法や経過、結果はデータベース化していく。  斎藤康学長は記者会見で「人材や専門家を育成し、広く世界に広めたい」と語った。 (川田栄) "[he-forum 16354] 大分合同新聞6/17 大分合同新聞2011年6月17日付 地域との相乗効果を 大分大次期学長北野氏  大分大学の次期学長に内定した医学部副学部長の北野正剛氏(61)は16日、同大学旦野原キャンパスで会見し、「学生と教職員全てがやりがいのある毎日を送れるような存在感のある大学を目指したい」と抱負を述べた。任期は10月1日から4年間。  北野氏は、特色のある人材の育成、ベンチャー企業の設立、迅速な意思決定のための組織改革などの目標を掲げ、「地域と連携し、お互いが元気になる相乗効果を生み出していきたい」と語った。  会見には羽野忠・現学長も同席、「地域に根差し、世界を目指す大学として、大いに発展させてほしい」とエールを送った。  北野氏は和歌山県串本町出身。専門は消化器外科・内視鏡外科。2008年に横浜市であった世界内視鏡外科学会では大会会長を務めた。 "[he-forum 16355] 日本経済新聞6/17 日本経済新聞2011年6月17日付 長野県・信州大など、自然エネルギー普及の協議会設立  長野県や信州大学などは16日、県内で地域資源を活用した自然エネルギーの普及を目指す協議会の設立を決めた。個人や企業などから会員を募る。持続可能な自然エネルギーの活用方法を模索し実践する。  協議会は「自然エネルギー信州ネット」で、会長に県環境保全協会の茅野実会長を内定した。協議会のあり方について、県や地域団体、経済団体、信大などが検討し、特定非営利活動法人(NPO法人)を含む24団体が発起人となった。今後は会員を集め、7月末にも正式に発足する。  県内には太陽光だけでなく小水力発電やバイオマス(生物資源)発電、地熱発電など、活用できる自然エネルギーが多いとされる。これらを活用し採算の合うビジネスモデルを構築するため、行政や企業、個人などがそれぞれの得意分野を生かす。エネルギーの地産地消と、雇用創出など地域経済の活性化を目指す。  阿部守一知事は自然エネルギーの普及が「子供たちの世代に安心できる社会を引き継ぐために重要」と語った。東日本大震災や東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、エネルギーについて「今までの延長ではいけないと考えている県民が増えており、その思いを受け止めていく」と強調した。 "[he-forum 16356] 朝日新聞栃木6/19 朝日新聞栃木版2011年6月19日付 大学も節電に知恵絞る 授業切り上げも  電力の大口需要家である大学が、15%削減を求められる今夏を前に、節電対策に知恵を絞っている。県内の大学も照明や空調はもちろん、前期の授業を例年より早く切り上げたり、実験や研究に使う大型装置を昼間は使わなくしたりするなど工夫を凝らしている。  前期の授業を短縮するのは宇都宮大。例年は、7月末まで授業があり、8月上旬に前期試験を行っていたが、今年は約2週間切り上げ、7月16日までに試験も終わらせる。  同大は、計画停電が実施されていた3月中から夏の節電対策を検討してきた。その結果、気温が上がり電力量が大幅に伸びる7月中旬以降は大幅な節電は見込めないとして、それまでに授業を終わらせることを決めた。  カリキュラムを変更し、土曜日に授業を行ったり、課題を与えてリポートを提出させたりして対応する。教職員の残業も、7月以降は早朝に切り替えることも検討している。  足利工業大は、風洞実験施設やプラズマをつくる大型装置の使用を、午前11時~午後4時の間は控えている。また、構内にある街路灯の約7割にあたる60~70灯を消した。今後も、温度が上がりやすい建物最上階の教室は使用しないなどの工夫していくという。  各大学の節電の工夫は細かいところにも及んでいる。授業に支障がないように教室の窓際の照明を消したり、空調の設定温度を上げたりするのはもちろん、洗浄便座の電源を切るところまで気を配っている。  白鴎大は、廊下やロビーなど共用部分の照明をすべて消しており、カフェや食堂は蛍光灯を半分間引いた。さらに学内の電力使用の総量を計る機械を取り付け、一定の値を超えた場合は空調や照明を控えるように構内放送で「警報」を出すという。また、授業が特定の曜日や時間帯に集中しないように平均化する工夫も考えている。  国際医療福祉大は、エレベーターの間引き運転をしている。学内で一番高い建物でも6階ということもあり、学生には使用自粛を徹底するという。また、教職員に対しては金曜日をノー残業デーとし、一斉帰宅を促している。(大津正一) "[he-forum 16357] 朝日新聞6/21"," 朝日新聞 2011年6月20日21時23分 センター入試、時間2倍の裏技許さない 東大が採点変更  東京大学は20日、2012年度入試での大学入試センター試験の採点方法を変更すると発表した。地理歴史・公民と理科で2科目受験した場合、得点が高かった方の科目で合否判定するとしていたが、不正防止のため、「第1解答科目」で判定する方針に変更した。  これまでのセンター試験では地歴と公民、理科(1)~(3)の五つ(試験時間各60分)からそれぞれ1科目を選んで受験する仕組みだった。来年からは地歴・公民(10科目)と理科(6科目)でそれぞれ最大2科目選べるようになる。  来年からは2科目選択者は各60分の試験を休憩無しで連続して受ける。最初に教科の全問題が載った冊子が配られるため、1科目目を捨て、計120分で2科目目を解く「不正」が可能だと指摘されていた。 "[he-forum 16358] 毎日新聞6/23"," 毎日新聞 2011年6月23日 東京朝刊 大学入試:センター試験2科目受験、1科目目で合否判定 各校足並み  全国の国立大86校でつくる国立大学協会は22日、来春の大学入試センター試験に導入される地理歴史・公民と理科の「2科目受験」について、最初に解いた1科目の得点を合否判定に採用することを各校に求める通知をまとめた。  2科目受験は各科目の問題が一つの冊子にまとめられ、試験時間は1科目各60分に、解答用紙の回収と配布にかかる10分間を挟んだ計130分。第1科目の解答用紙を回収されても問題の冊子が残り、第2科目を実質的に120分使って解くこともできる。  同協会入試委員会は「受験者間で不公平感が生じるのは望ましくない」との見解を示した。  既に東京大は2科目受験者の合否判定について、得点が高い方の科目から、第1科目の成績を使う方式への変更を決定。同協会の通知によって国立大が足並みをそろえる方向となった。【木村健二】 "[he-forum 16359] 日本経済新聞"," 日本経済新聞2011/6/22 23:13 グローバル人材育成へ留学推進 政府が中間まとめ  政府は22日、グローバル人材育成推進会議を開き、国際感覚を持った人材の育成に向けた政策の中間まとめを決定した。英語教育の強化や留 学の推進を通じ、今後10年間で18歳人口の約10%にあたる11万人程度が、20歳代前半までに1年間以上の留学や在外経験を持つことを目指す。  高校では英語のコミュニケーション能力の強化などに力を入れる。大学では在外経験を重視する入試方法や、留学生の単位取得や修了認定に配慮 する仕組みを取り入れる。学生や若手研究者の留学を支援する産学連携の奨学金制度の創設も目指す。企業には大学卒業後3年以内を新卒扱いとするなど新たな 雇用慣行を呼び掛け、留学経験者を積極採用するよう経済団体などにも働き掛ける。  会議で枝野幸男官房長官は「各省、大学、企業、経済団体などが、それぞれ相当な力業で大きな社会運動として継続的に取り組んでいくことが重要だ」と強調した。 "[he-forum 16360] しんぶん赤旗6/24 しんぶん赤旗2011年6月24日付 返済不要の奨学金を 被災学生救え 奨学金の会が要請  「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」(奨学金の会、三輪定宣会長)は23日、文部科学省と財務省を訪れ、被災した学生に返済不要の給与奨学金を支給するなど緊急の対応を求めました。  現行の奨学金制度は、災害時の「緊急採用」でも貸与制です。奨学金の会によると、東日本大震災を理由とする緊急・応急採用奨学金の申請者は4、5月の2カ月で約1500人。しかし、被災した生徒・学生の申請者に対して、「将来、奨学金の返還を延滞した場合に個人信用情報機関に個人情報が登録される」ことへの同意を強制しています。  三輪会長は文科省に対する要請で、給与奨学金は与野党、財界からも要望されていると指摘。「苦労されている被災者にまず給与制をスタートさせてほしい。希望のステップになる」と訴えました。担当者は「検討しているが、財政上難しい」と答えるだけでした。  文科省には、学生生活費相当分の給与奨学金支給▽緊急・応急奨学金の申請について、個人信用情報機関登録への同意を採用条件にしない▽返還滞納者は少なくとも1年間は延滞情報を登録しない▽日本学生支援機構は後に被災していたことが判明した場合は延滞情報の登録を抹消する▽被災した返還者に機構が被災の程度に応じて返還を免除するなどの措置をとる―などを求めました。 "[he-forum 16361] 産経新聞6/21 産経新聞2011年6月22日付 定員割れ、合格率低下…形骸化する法科大学院 「予備試験」が抜け道に  法科大学院の入学者減に歯止めがかからない。今春は前年度より12%減で4年連続で過去最少を更新。特に法学部出身者以外の入学者が激減した。司法試験合格率の低迷が主な要因だ。今年からは法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格が得られる「予備試験」も始まり、専門家からは「司法制度改革の目玉だった法科大学院の形骸化につながりかねない」との声も漏れる。(田中充) 低下続く合格率  法科大学院は「暗記中心」とも批判された旧司法試験から、幅広い教養や柔軟な思考力を身につけた法律家の養成を目指した新司法試験に切り替わるのに合わせ誕生した。新司法試験を受けるためには、法科大学院の修了が必要となる。  会社員を経て平成21年度に入学した弁護士志望の東京都内の男性(37)は来春に修了し、新司法試験を受験予定だ。「結局、合格するには試験に受かるための暗記中心の勉強がすべて。交渉能力など実務的な経験も身につけたいが、まずは受からないと…」と打ち明ける。  文科省によると、23年度の法科大学院の受験者は、募集停止している姫路獨協大を除く73校で2万509人。入学者は3620人で初めて4千人を割り込み、ピーク時の18年度の5784人から約4割減少。59校で定員割れとなった。  人気低迷の背景にあるのは司法試験合格率の低下だ。新司法試験は開始した18年の合格率が48・3%だったが、昨年は25・4%まで下落した。「法科大学院が乱立気味。すべてが高い教育の質を持ち合わせているかと言えば微妙だ」と法曹関係者は打ち明ける。  新司法試験では、法学部出身者以外の法曹界入りも期待されたが、今春の法科大学院の入学者は、法学部出身者向けの2年コースが前年度比8人減だったのに対し、それ以外の人向けの3年コースは494人の大幅減となった。 暗記中心へ回帰懸念  こうした中、法科大学院修了者以外にも新司法試験の受験資格を与える「司法試験予備試験」が今年5月に全国8会場で実施され、6477人が受験した。  予備試験は、経済的な理由などで法科大学院に通えない人の受験機会を確保するために導入された。5月の試験は民法、刑法などの短答式で、7月の論文試験、10月の口述試験に受かれば、新司法試験の受験資格を得られる。予備試験導入に伴って、併存してきた旧司法試験は終了した。  予備試験の受験資格に年齢や学歴の制限はない。法科大学院の現役学生も受験可能で、合格すれば法科大学院修了と同じ資格が得られる。  「新司法試験の合格率の低下で、そもそも学生が法科大学院に魅力を感じられない」と断言するのは受験指導校「伊藤塾」の伊藤真塾長。「予備試験を目指す学生が増えても不思議ではない」と、予備試験が“抜け道”となる可能性を指摘する。  立命館大学法務研究科(法科大学院)教授の松宮孝明研究科長は「予備試験の合格者が増えれば、旧来型の暗記重視の試験対策に回帰してしまう。経済的な事情が予備試験実施の理由ならば、法科大学院に通う際の支援制度の拡充で対策をとるべきだ」と懸念している。 "[he-forum 16362] 朝日新聞福井6/23 朝日新聞福井版2011年6月23日付 看護師2人体制で効果 福井大病院、患者1人に1組  福井大学病院(福井県永平寺町)は入院患者1人に看護師2人がつく独自の制度に取り組み、さまざまな効果を上げている。導入から2年で医療ミスや超過勤務が減少し、患者の満足度も上がっている。  福井大学病院は従来、患者1人に看護師が1人ついていた。しかし、2009年4月から看護師が2人一組のペアを作り、互いの受け持ち患者も担当することになった。患者にとっては看護師が2人つく形だ。患者の健康状態をチェックするときなどは、1人の看護師が患者と話し、もう1人は記録係となる。なるべく若手とベテランがペアを組むようにした。  さらに、5ペア10人でチームを作る。パートナーが勤務の日はその人とペアを作り、パートナーが休みの日はチーム内の人と、それもできない場合は別のチームの人とペアを組むというルールを決めた。チーム内では患者の情報を共有するようにした。 ■不満の声、一転  当初は看護師から不満が続出した。今まで受け持ち患者は5人程度だったが、ペアになった相手の患者を合わせると10人になり、負担感が増したのだ。ベテラン看護師からは「自分流の看護ができない」「時間がかかる」といった不満が、若手からは「先輩ごとにやり方が違う」「ペースがつかめない」などの声が出た。  しかし慣れてくると、効果が表れるようになった。  カルテ作りや点滴や内服薬も2人で確認でき、凡ミスが激減した。患者からの質問や頼み事にもすぐに対応できるようになった。受け持ちの患者の1人が急変しても、もう1人が他の患者に対応もできる。このため逆に効率が上がり、超過勤務の時間が導入前と比べて半分以下になった。  患者にも利点が大きかった。これまで若手の看護師が受け持つと不安を訴える人もいたが、ベテラン看護師もつくため、不満を訴える患者がほとんどいなくなったという。 ■名古屋大へ波及  看護師11年目の木村いづみさん(32)は「後輩にその場で指導することもできるから、逆に効率的。後輩の仕事ぶりで初心に帰ることもある」と話す。  この制度は、今のところ消化器外科病棟だけで実施しているが、今後は全病棟で取り組む予定だという。また、名古屋大学病院も福井大学病院を視察し、この制度を取り入れていくことに決めたという。 ■意思疎通も好転  パートナー制度を考案した上山香代子・看護師長は「これまで1人で抱え込んでいた仕事も、ペアで共有するようになった。看護師にとっても患者にとっても安心、安全な医療につながっている」。橘幸子看護部長は「結果として看護師同士のコミュニケーションも増え、病棟全体の雰囲気も劇的に良くなった」と話している。(山田理恵) "[he-forum 16363] 茨城新聞6/24 茨城新聞2011年6月24日付 震災ボランティア単位認定広がらず 県内は筑波大だけ   東日本大震災でボランティアへの関心が高まる中、学生のボランティア活動の単位認定をめぐり大学の対応が進んでいない。茨城新聞の調べでは県内国公私立9大学のうち、認定制度を創設したのは筑波大だけだった。文部科学省は単位を認めることが可能とする通知を出しているが、大学からは「活動をどう単位認定するのか難しい」との声も上がる。一方、当の学生たちは「単位を目的に活動するわけではない」と冷静に見る向きがある。  文科省の通知は学生のボランティア参加を推奨するのが狙い。活動が授業の目的に関連する場合は、単位を付与できるとし、単位を認める範囲は大学ごとに判断する。  筑波大は通知を受け、学部と大学院に「東日本大震災ボランティア活動実践」科目を新設した。大学の窓口を通して現地に入った学生に対し、45時間の活動を目安に1単位を認める。活動報告書の提出が必要になり、同大担当者は「学習成果などを生かしたボランティア活動は学生の経験となり、将来社会に出ていく上で役に立つ」と意義を説明する。  また、従来からあるボランティア科目の中に震災ボランティアを「反映させる場合がある」としたのは3大学だった。  一方、「検討中」としたのは3大学。理由について「単位取得が目的になっては困るとの意見もあり、議論が続いている」(茨城キリスト教大)、「前向きに考えているが、活動をどう授業に位置付け評価するかなど細かい部分を詰める必要がある」(茨城大)といった声が聞かれた。  単位認定について学生たちはどう受け止めているのか-。  大学院の男子学生(24)は「活動で講義を休んだ時の対応は教師によってまちまちだった。単位を意識して活動するわけではないが、大学の後押しがあるのは心強い」と歓迎し、被災した北茨城市で活動した女子学生(22)は「有志でやっている。単位をもらえるならそれもいいかもしれないが、私はいらない」ときっぱり。別の女子学生(22)は「東北の学生が被災していることを考えると、被災していない地域の学生が被災地入りして単位をもらえるというのは心苦しい」と明かした。  被災地で支援活動を行う「日本国際ボランティアセンター」の緊急支援担当、下田寛典さん(30)は「何らかの教育の達成目標があって、災害ボランティアを単位認定するなら理解できる。実際には単位のことを度外視して活動している学生は多く心強い」と話した。 "[he-forum 16364] 朝日新聞6/24 朝日新聞2011年6月24日付 大学寮、おしゃれに進化  数多くの大学が集中する多摩地域で、寮を新設する動きが相次いでいる。学生寮といえば、安い、でも古い、人間関係も煩わしい……と敬遠されがちだったが、今どきの寮はイメージを一新。学びの一環としての考え方を明確にし、かつ「おしゃれ」なのだ。 ■留学生とシェア  JR中央線豊田駅から歩いて10分弱。白壁の建物に芝生の庭、木製のデッキ……。中央大(八王子市)が今年3月に整備した初の国際寮には、おしゃれな雰囲気が漂う。日野市の多摩平団地を業者がリノベーションし、その1棟を丸ごと寮として借り上げた。  留学生に住む場所を提供するとともに、国際交流の場として活用できないかと考えたことがきっかけ。シェアハウス方式が特徴で、原則として交換留学生と私費留学生に日本人学生を加えた3人がひと組となり、ミニキッチンやトイレを共有する。それぞれの個室が共有部分につながり、コミュニケーションを図りやすいようになっている。  法学部3年生の宮腰朋秀さん(22)は、4月にアパートから移り住んだ。「日本にいながら、外国の人と話す機会をもっと増やしたいと思った」という。シェアする仲間は中国とタイからの留学生。「友だち関係からさらに進んで、家族みたいになれるところがこの寮の良さです」。英国から留学しているトビー・ニコルスさん(20)も「ここの仲間は家族のような感じがする」とお気に入りの様子だ。  日本の学生の賃料は月5万円で、64人まで入居できる。東日本大震災の影響で留学生の入居が思うように進まなかったものの、すでに約40人が暮らし、秋以降は満員になることも見込まれる。  国際交流センター事務室の青柳伸也副課長は「中央大では学生をどんどん海外に送り出す方針を掲げており、その土壌づくりにもつなげたい」と言う。 ■「教育」の一環に  国際基督教大(三鷹市)は昨年3月に欅(けやき)寮、今年3月には銀杏(いちょう)寮と樫(かしのき)寮を相次いで整備した。同大は寮生活を教育の一環に位置付けており、大学院生や短期留学生向けも含めれば、11棟の寮がある。定員は計674人。全学生の約5分の1が寮に入ることができる。  新しい三つの寮は、1~2年生を対象にした点が特徴だ。大学生活にまだ慣れきっていない時期に共同生活を経験すれば、吸収するものもより多くなるという考えからだという。  新寮の寮費は月5万4千円。学生部副部長の木部尚志教授は「少子化が進む中、他者と一緒に住む経験を持つことはとても大切です。他の人への配慮や、問題が起きた時の解決方法を身につけられる」と意義を強調する。  寮の拡大に伴い、同大は昨年、寮の運営などを専門的に担当するハウジングオフィスを設置。新寮には夫婦の管理人がひと組ずつ住み込み、学生の心身の健康管理にも気を配っているという。 ■女子専用でPR  従来の教職員寮を改修し、女子専用の寮を昨年4月に整備したのは、国立大学法人の電気通信大(調布市)。理系の単科大である同大は、学部、大学院を合わせて女子の割合が約8%と極端に少ない。寮の新設をアピールして女子を増やし、大学をさらに活気づけようという作戦だ。  定員は20人。寄宿料はひと月4300円と格安に設定している。阿部浩二・学生支援センター長は「志のある優秀な学生にこの大学を選んでもらうため、施設の整備をしっかりやっていることを広く伝えたい」。同大では女子トイレも改修したという。(大西史晃) "[he-forum 16365] 朝日新聞多摩6/26 朝日新聞多摩版2011年6月26日付 小さな保育所 移転先は大学  移転先が見つからず、一時は継続が危ぶまれた小金井市のNPO法人「回帰船(かいきせん)保育所」が6月、東京農工大小金井キャンパス(小金井市)内に移転し、再出発した。女性研究者が働きやすい環境づくりを進める同大が敷地を無償貸与した。25日に「お披露目会」を開き、新たな門出を祝う。  回帰船は1974(昭和49)年開設。「働くこと」と「子育て」の両立を探る団塊世代の親たちが共同で始めた小さな保育室が出発点だ。97年に中町4丁目に移転。築50年以上の民家を借り、大家族のような雰囲気で、のびのびした保育を実践してきた。  「異なる年齢の子どもたちが一緒に過ごす時間を大切にしています。小さい子は大きい子を追いかけるように成長し、大きい子は小さい子をいたわる心が育まれるんです」と理事長の安藤能子(よしこ)さん(60)。近くの河原や原っぱなどで「外遊び」をふんだんに採り入れ、保育士と保護者、OBの交流も活発だ。  しかし数年前、都が保育室制度の廃止を決めたことなどで存続の危機を迎える。認証保育所の指定を得るには手狭だったからだ。  保育士の村田陽紀(はるき)さん(44)らが新たな物件探しにとりかかり、ちらしを配って協力を呼びかけた。しかし「現在地に近い90平方メートル以上」などの条件に合う物件が見つからなかった。  そのちらしが農工大関係者の目に留まった。女性研究者の支援モデル育成事業に取り組む同大は、アンケートに基づき、学内に保育所を設置する方針を固めていた。「回帰船」は近所にあり、教職員や留学生らの子どもを預かった実績もある。「ぜひお会いしたい」と声がかかり、無償貸与が決まった。  認証保育所の指定も得て、学生寮近くの約850平方メートルの土地に木造平屋建ての自前の新園舎が完成。1日に移転を済ませ、今は18人の園児が通っている。7月からは大学関係者の子どもも入る予定だ。  「ようやく新たなスタートを切ることができた。大学を始め、支援してくれた方々に感謝したい」と安藤さん。同大の宮浦千里学長補佐は「欧米の大学はたいていキャンパス内に保育所があるが、日本はまだ少ない。回帰船とよりよい協力関係を築きたい」と期待している。(三沢敦) "[he-forum 16366] 琉球新報6/29"," 琉球新報2011年6月29日 学長共著は「不正論文」  琉大データ流用問題、新たな処分せず   琉球大大学院医学研究科で2010年に起きた論文データ流用問題に関連し、学外の有識者らでつくる調査委員会は、岩政輝男学長が共著者となっている論文1 編を再調査し「不正論文である」との結論を出した。琉球大が28日記者会見し明らかにした。これまで学内の医学研究科調査委などが示していた「不正は認め られなかった」との見解を否定した形となった。一方、学長を含めた関係者には、既に口頭注意処分されたとの理由で新たな処分は行わない方針を示した。同論 文について撤回などの措置を進めている。  岩政学長は、論文が学術誌に掲載された後に論文を渡され、自分が共著者になっていると認識していたことを明かした上で「内容をよく把握していなかった。共著者として誠に申し訳ない」と謝罪した。  問題になっていたのは米学術誌「BBRC」に07年に発表された、岩政学長が共著者の1人だった論文。医学研究科調査委は10年12月に記者会見し、データにオリジナル性があるとして「不正は認められなかった」としていた。  学内外から不正の指摘を受けことし4月に外部調査委を設置。著者への聴取の他、実験ノートや実験データ、写真スライドなどの照合を行い、研究手法を精査した結果、実際に行っていない実験内容を掲載していることから不正論文であるとの結論に達した。  医学研究科調査委の委員長を務めた佐藤良也前研究科長(現理事)は、28日の会見前に開かれた教育研究評議会の場で「調査が不十分だった」とわびたという。  外部調査委は琉球大外の有識者5人で構成。氏名は公表されておらず、7月中の最終報告時にメンバーを含めて発表する予定。  同問題は米学術誌の指摘を受け10年3月に発覚。同4月に医学研究科が調査委員会を立ち上げ、調査を進めた。同8月に指導に当たった男性教授が懲戒解雇 処分、同12月には論文の筆頭著者である修了生4人の学位が11年1月中に取り消される見込みだったが、その後一転。男性教授とは3月に和解が成立し、6 月に復職したほか、3月には文科省の指摘を受け修了生の学位維持を決めた。 "[he-forum 16367] 読売新聞6/29"," 読売新聞2011年6月29日 佐賀大、返還不要の奨学金、来年度創設  佐賀大は28日、返還の必要がない給付型奨学金を来年度から創設すると発表した。  優秀な学生を早めに確保するのが目的で、1人当たり年間30万円を卒業までの4年間(医学部医学科は6年間)支給する。同大によると、学部生を対象にした給付型奨学金を導入するのは、九州の大学で初めてという。  佐賀大によると、名称は「かささぎ奨学金」。世帯収入などの経済的な制限は設けず、高校や中高一貫校を卒業または卒業見込みの受験生を対象とす る。学校から提出される調査書(内申書)の成績が優秀で、一般入試(前期日程)や推薦入試で各学部の上位だった2、3人に支給する。支給の決定は、入学前 までに通知し、ほかの大学に流れないようにする。  入学後に毎年継続して奨学金を受け取るためには、学内の定期試験で優秀な成績を収めることを条件とする方針。  一方、在学生についても、今年度から4年間の特例措置で、入学後から今年8月までの成績を評価し、優秀者に年間30万円の奨学金を支給する。返還する必要はなく、一学年で12人程度を予定しており、大学全体で約50人を見込んでいる。  28日の記者会見で佛淵孝夫学長は、「優秀な人材が他大学に流れることを防ぎ、入学後も学生の力を伸ばすために設ける。学生のやる気アップにつながることも期待している」と説明した。 "[he-forum 16368] 毎日新聞 11.6.28 地方版(群馬?) http://mainichi.jp/area/gunma/news/20110628ddlk10040035000c.html 毎日新聞 2011年6月28日 地方版 青雲塾:中曽根元首相の所蔵資料、国会図書館へ寄託準備 40万点 /群馬  ◇「保守合同の記録貴重では」  中曽根康弘元首相の所蔵資料を管理する公益財団法人「青雲塾」が、国立国会 図書館との間で、資料を寄託する準備を進めている。中曽根氏は、政治家には歴 史を記録する責任があるとの考えを持ち、戦後政治の歴史をたどる貴重な資料を 廃棄せずに残してきた。寄託後は公開を予定している。  青雲塾によると、中曽根氏の資料は約40万点に達し、高崎市の青雲塾収蔵庫 と、東京の事務所に保管されている。15日に青雲塾から段ボール110箱、4 トントラック1台分を国会図書館に運び込んだ。首相時代の記者会見で用意した 資料に中曽根氏自身がメモを書き加えたものや、政治家、文化人、経済界の人た ちと交わした書簡などで、政治の決定に至る過程をたどることができるという。  国会図書館憲政資料室で分類・整理した上で目録を作成後、正式な寄託契約を 締結する予定。その後、青雲塾などが保管するさまざまな録音テープや映像記録 なども順次寄託する。  青雲塾の殿地(どんじ)眞己常務理事は「青雲塾だけでは、マンパワーの問題 で資料の整理がなかなか進まなかった。歴史の記録として専門家の手で整理され ることはありがたい。55年の保守合同までの記録などは研究者にとって特に貴 重なのではないか」と語っている。  憲政資料室は幕末期以降の政治家、軍人、官僚など約400人が所蔵していた 文書類など28万点を収蔵している。【増田勝彦】 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","fuj-lib@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","fuj-lib@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16369] 佐賀新聞6/29 佐賀新聞2011年6月29日付 入試成績上位に奨学金 佐賀大学  佐賀大学は、入学試験の成績上位者を対象にした給付型奨学金制度を創設する。優秀な人材の確保が狙いで、出願時の申請者の中から推薦入試やセンター試験の成績に基づいて12人程度を選出。年額30万円で、成績次第で在学中の4年間(医学部医学科は6年間)支給する。国立大学法人では九州初、全国でも先行的な取り組み。    少子化対策や国立大学法人化に伴う特色づくりの一環として全国的に導入の動きがあり、佐賀大は来春の入学者から実施する。名称は「かささぎ奨学金」。推薦入試と前期日程入試の出願時に奨学金申請を受け付け、五つの学部ごとに推薦入試の成績上位者1人、前期日程入試ではセンター試験の成績上位1~2人を選考する。奨学金は前期と後期に15万円ずつ支給、返還の必要はない。  入学後は進級時に審査があり、学部での学業成績が上位10%以内に入ると奨学金を継続。それより下位になれば終了し、他の申請者から採用する。在学生には同様の成績上位者の奨学金制度を特例として設ける。佛淵孝夫学長は「大学のリーダー育成とともに、学業への意欲向上につなげたい」と話す。 "[he-forum 16370] 中国新聞6/29 中国新聞2011年6月29日付 広島大、女性登用など高評価  広島大は28日、大学運営の指針として策定した第1期中期目標(2004~09年度)の達成度について、文部科学省の国立大学法人評価委員会の評価を発表した。7項目中、業務運営で高い評価を受け、その他も5段階評価で2番目の「良好」か3番目の「おおむね良好」の判定だった。  「非常に優れている」と最高の評価を受けたのが「業務運営などの目標」。女性教員の積極登用などが認められた。一方で「研究に関する目標」は3番目の評価ながら、改善すべき点として大学院の再編について「計画は十分には実施されていない」と指摘を受けた。  浅原利正学長は定例会見で「一定の評価は得たが、目標は各大学で異なり、評価結果が大学の質を表すものではない」と強調した。 "[he-forum 16371] 日本経済新聞7/1 日本経済新聞2011年7月1日付 東大の秋入学検討、文科相「トップ人材育成に期待」  東京大が入学時期を春から秋に見直す検討を始めたことについて、高木義明文部科学相は1日の閣議後の記者会見で「政府を挙げてグローバル人材の育成に取り組んでいる。世界でトップクラスの人材を育成するという大学に求められる機能を発揮できると期待している」と話し、大学側がこうした議論を始めたことを評価した。  高木文科相は「国際的にも9月入学の国はたくさんあり、海外留学とも非常に関係があるので大学が取り組んでいるのだろう。東大という存在は大きく、検討状況を見守りたい」と述べた。 "[he-forum 16372] 朝日新聞福岡・北九州7/1 朝日新聞福岡・北九州版2011年7月1日付 大学 苦心の節電策  「節電の夏」を迎えて、県内の大学が取り組みを始めている。基本姿勢は「講義や研究に支障のないように」「付属病院の患者さんに影響のないように」。室温管理のために温度計付きステッカーを貼ったり、休みを増やしたりして、気をつかい、知恵を絞る。  福岡市の九州大は5月24日に全教職員へ節電を呼びかけた。夏季一斉休業日を1日設ける、冷房期間を7~9月にしぼる、などの対策も挙げた。  九大の年間電気代は約15億円。その半分はOA機器と実験機器で占め、付属病院が31%、空調13%、照明5%と続く。病院はエアコンを制限すると患者の体調に影響しかねないため、全体での節電に心を砕く。  室温管理の徹底のために6月下旬、温度が色でわかる10センチ四方のステッカーを1万枚作り、各部屋に貼った。28度未満は冷房を入れないルールがあり、「温度もわからないのに『守って』と言うわけにはいかないから」と施設管理課の責任者。  これまでの省エネ対策を強めるのは、北九州市の九州工業大だ。5月から照明の制限、不要不急の電気製品の使用制限などを実施。さらに7月1日からは10%程度の節電を目標に、事務職員が毎日学内を巡回して室温28度が守られているかなどをチェックする。  同大には戸畑、若松、飯塚の各キャンパスの電力使用量をオンラインで把握し、契約電力に近づくと自動的に教職員と学生の全員に警報メールを送るシステムがある。1日からはその基準を厳しくし、契約電力の90%を目安に警報メールが送られるようにする。  研究実験については、夜にずらして行うとしても、日中から機器を一定温度に保たないと正しいデータがとれないケースがあり、節電は簡単ではないという。  福岡市の福岡大も、8月のお盆の後に休業日を新たに2日設ける。研修や集中講義で休めない人は、別の日にとってもらう。  一方で、衛藤卓也学長は「教育はモノの生産とは違い、サービスを提供し続けなければならない。病院も休むわけにはいきません」と、節電の難しさを打ち明ける。(宮崎健二) "[he-forum 16373] 京都新聞6/30 京都新聞2011年6月30日付 京大病院、医療機器開発へ新拠点完成印刷用画面を開く  京都大医学部付属病院(京都市左京区)に、医療機器の開発と実用化を目指す産官学連携拠点「先端医療機器開発・臨床研究センター」が完成、記念式典が29日に開かれた。  研究棟は地上5階地下1階延べ約4700平方メートル。眼底や乳がんの画像診断機器の開発で共同研究を行うキヤノンからの寄付金5億円を含む15億円の総工費で建設した。  キヤノンとの共同研究のほか、MRIで用いられている核磁気共鳴を用いた新たな画像診断法や、次世代の放射線治療法の開発など九つのプロジェクトを今秋以降に進める。また、医療機器を開発、運用管理する人材の育成も行う。  三嶋理晃院長は「京大病院発の医療機器と技術を、全国の病院で使えるよう成果を挙げていきたい」と抱負を語った。 "[he-forum 16374] 読売新聞福井6/30 読売新聞福井版2011年6月30日付 福井大、原発過酷事故防止を研究へ  福井大は、来年4月に国際原子力工学研究所に新設予定の「原子力防災・危機管理部門」で、福島第一原発で起きた水素爆発など、原発の過酷事故(シビアアクシデント)を食い止める研究に取り組む方針を明らかにした。  避難範囲の度重なる拡大による混乱など、事故の教訓を踏まえ、適切な情報開示や避難誘導の研究も進める。  福島第一の事故では、原子炉建屋の水素爆発が、放射性物質の大量放出の一因となった。また、高濃度の放射能で原子炉建屋に近付けなかったこともあり、メルトダウン(炉心溶融)発生の発表が遅れた。そこで、新設する部門では県内の原発事故を想定し、温度や圧力など限られたデータから、原子炉内の状態を把握する方法の開発を目指す。原発周辺の放射線物質の飛散状況を予想する「汚染分布マップ」の作成も手がける。  福田優学長は「全国最多の原発立地県の大学として、他大学にない独自の研究を確立したい。今後の原発の安全確保に貢献できれば」と話している。部門新設にあたり、教員の増員を国に要望するという。 "[he-forum 16375] 南日本新聞6/30 南日本新聞2011年6月30日付 鹿児島大学 防災研究センター設置 災害時拠点施設に  鹿児島大学(吉田浩己学長)は29日、豪雨や地震など自然災害の調査や研究、情報発信を担う「地域防災教育研究センター」を設置したと発表した。  調査研究部門、教育部門、地域連携部門があり、全学科から教員、技師39人が参加。地震学や災害地質学、心理学などの専門家らが、災害発生時の調査や被災者の心のケア、市民講座での防災教育、地方自治体との連携にあたる。センター長には下川悦郎農学部教授(砂防学)が就任した。設置は28日付。  昨年10月の奄美豪雨や3月の東日本大震災を受け、大学を中心にした地域の防災拠点設置を検討していた。  吉田学長は「災害は時代とともに大規模、複合化しており、総合的な防災体制の確立が必須」と説明。下川センター長は「これまで災害発生時は、教員が個々に現地調査したり自治体と連携したりしていた。今後は、全学で迅速な対応ができる」と期待を込めた。 "[he-forum 16376] 読売新聞長崎6/29 読売新聞長崎版2011年6月29日付 福島大と人材育成など協定…長崎大・片峰学長が再任  長崎大は28日、学長選考会議を開き、片峰茂学長(60)を再任することを決めた。  新しい任期は10月1日から3年間。片峰学長は記者会見を開き、7月下旬をめどに、福島大と人材育成などで連携する包括協定を結ぶことを明らかにした。  長崎大は、福島第一原発事故を受け、福島大に医学分野の研究者を派遣するなど支援を続けている。協定は、それぞれの研究者を互いに派遣するなどして、放射線医療や社会科学の分野での人材育成や知識の共有などを図るのが狙いという。  会見で、片峰学長は「学部改革などの課題に対し、スピード感を持って取り組む必要がある」と指摘。「世界で突出した業績を積み上げ、地域に貢献できる大学にしたい」と抱負を述べた。  核兵器廃絶に向けた政策などを研究する「核兵器廃絶研究センター」(仮称)については、「スタッフの人選などが難航している」と述べ、当初予定していた長崎原爆忌までの開設は困難との見通しを示した。  片峰学長は長崎市出身。同大医学部教授や副学長などを経て2008年から現職。専門はウイルス学。 "[he-forum 16377] 日刊工業新聞6/30 日刊工業新聞2011年6月30日付 東工大、学長に大倉氏  東京工業大学は伊賀健一学長の任期満了に伴い、後任の学長に大倉一郎理事・副学長(66)の就任を決めた。30日にも発表する。任期は10月24日から4年間。開設から20年強と比較的新しい生命理工学部出身の学長は前学長の相澤益男総合科学技術会議議員に次いで2人目となる。  27日に教授らによる学内意向聴取の選挙を実施。これを受けて学長選考会議は28日、選挙で1位だった大倉理事を候補者に決めた。文部科学省の承認を得て正式決定する。  大倉氏は企画担当で4人の理事・副学長の筆頭。国際、広報、大学評価の担当も務めた。中国・清華大学などと「アジア理工系大学トップリーグ」を2年前に立ち上げるなど、理工系単科大としての国際的な存在感向上に力を注いだ。専門は金属錯体触媒で、研究対象をポルフィリンなど生体金属触媒へ広げてきた。化学・バイオ系の大学・独立行政法人・企業との強いネットワークを持つ。 "[he-forum 16378] 日本経済新聞7/2 日本経済新聞2011年7月2日付 京大と京都市、伏見に化学研究拠点 産学連携で13年度メドに  京都大学と京都市は2013年度をめどに、化学分野に特化した産学連携の研究拠点を京都市伏見区の「らくなん進都」内に新設する。事業費は25億円で、経済産業省の支援を受ける。京都市は「らくなん進都」に研究所などの誘致を目指しており、新しい拠点の誕生は追い風になりそうだ。  「高機能性化学研究開発拠点」(仮称)は、2002年に京都市が清酒メーカーから購入した工場跡地につくる。地上6階建てで、延べ床面積は6000平方メートルの予定。事業費のうち15億円を経産省の補助金で賄い、10億円を京都市が拠出する計画だ。  新拠点では京大の淀井淳司名誉教授、平尾一之教授、北川進教授らの研究成果を基に、化学素材メーカーや電子部品メーカーと共同で素材を開発する。高品質の発光ダイオード(LED)用基板や燃料電池用触媒、アレルギーを予防できる化粧品などの実用化・量産を目指す。  京大以外の大学にも連携を呼び掛け、最先端の研究プロジェクトを誘致する方針。施設内には企業向けに貸し出す研究室や、大学と企業の研究者が交流できるスペースを設ける。大型の太陽光パネルやコージェネレーション(熱電併給)システムを導入し、環境にも配慮する。  同地区には京セラ本社などの施設があるが、研究所などは少ないのが現状。市は今回の拠点整備を機に、開発を加速したい考えだ。 "[he-forum 16379] 朝日新聞7/3"," 朝日新聞 2011年7月3日5時1分 大卒の2割、進路決まらず 朝日新聞・河合塾調査  今年3月に4年制大学を卒業した学生のうち、5人に1人は就職や進学などの進路が定まらないまま卒業していたことが、朝日新聞社と河合塾の「ひらく 日 本の大学」調査でわかった。不安定な立場にいる卒業生は、少なくとも8万6153人にのぼる。全卒業生に占める割合を学部系統別でみると、最大で約5倍の 格差があり、理系より文系の方が就職や進学に苦戦している傾向がみられた。 朝日・河合塾の大卒進路調査、協力大学・大学院一覧  調査は、全国の国公私立大学計759校を対象に実施。558大学から回答があった(回収率74%)。  それによると、卒業者のうち、就職者は62.2%、大学院などへの進学者は16.1%だった。就職、進学者以外と、アルバイトなど「一時的な仕事」に就いた者、「不詳など」を合計した卒業生は20.8%にのぼった。 "[he-forum 16380] 朝日新聞7/4"," 朝日新聞 2011年7月4日4時2分 セクハラで停職処分の2教員、大学を提訴 宮崎公立大  宮崎市の宮崎公立大で、女子学生にセクハラ行為をしたとして停職の懲戒処分を受けた教授と准教授が、それぞれ大学を相手取り、損害賠償などを求める訴訟を宮崎地裁に起こしたことがわかった。  教授は2008年2月、停職3カ月の処分を受けたが、直後に処分の無効確認などを求めて地裁に提訴。同年12月に大学側と和解したが、大学側がその後 「セクハラが認定された」と発言したり、「授業参観」だとして講義を監視したりしているとして、大学側に300万円の損害賠償を求めるなどしている。  准教授は昨年12月、停職4カ月と教授から准教授への降任処分を受けた。これに対し、ハラスメントの事実はなく、大学の調査は公正を欠いていると主張。教授の地位確認と895万円の損害賠償を求めている。  同大の井上雄二理事長は「大学の事実認定、処分は正しく行われたと考えている」と話している。(谷川季実子) "[he-forum 16381] 広島大、女性登用など高評価-中国新聞6/29 中国新聞2011年6月29日付 広島大、女性登用など高評価  広島大は28日、大学運営の指針として策定した第1期中期目標(2004~09年度)の達成度について、文部科学省の国立大学法人評価委員会の評価を発表した。7項目中、業務運営で高い評価を受け、その他も5段階評価で2番目の「良好」か3番目の「おおむね良好」の判定だった。  「非常に優れている」と最高の評価を受けたのが「業務運営などの目標」。女性教員の積極登用などが認められた。一方で「研究に関する目標」は3番目の評価ながら、改善すべき点として大学院の再編について「計画は十分には実施されていない」と指摘を受けた。  浅原利正学長は定例会見で「一定の評価は得たが、目標は各大学で異なり、評価結果が大学の質を表すものではない」と強調した。 "[he-forum 16382] 読売新聞7/5"," 読売新聞 2011年7月5日 名古屋大教授が裏金5450万円、懲戒処分 携帯に送る ヘルプ  名古屋大学(名古屋市千種区)は4日、取引業者に薬品など消耗品の架空発注を繰り返し、大学から支払われた計約5450万円を業者に保管させ、研究用の備品購入に充てていた同大理学研究科の60歳代の男性教授を6か月間出勤停止の懲戒処分にしたと発表した。  同大によると、教授は2004年度まで、業者に架空発注を繰り返し、大学から支払われた代金を業者に管理させる手口で 裏金を作っていた。同大の調査に、教授は「研究用具の修理費に困った経験から、安定した研究資金を確保したかった。いつから不正を始めたかは覚えていな い」と話し、「預けた裏金はすべて研究用に使い、私的な流用はしていない」と説明。大学側の調査で教授は預けた裏金で顕微鏡(約2600万円)やパソコン (約117万円)などを購入していた。 "[he-forum 16383] 中日新聞7/5"," (中日新聞)2011年7月5日 11時59分 名大で講義せず手当 民主・岡本政務官が受給  民主党の岡本充功厚生労働政務官(衆院愛知9区)が、名古屋大で講義をしていないのに1万2千円の手当を受け取っていたことが分かった。同大は「手違いで支給した」と返還を求めている。  名古屋大によると、岡本氏が政務官に就任する前の昨年4月、1年間の非常勤講師の契約を結んだ。だが岡本氏は同9月、大臣規範で兼業を禁じられた政務官に就任。講義をしていないのに、大学側が今年3月11日に講義が開かれたとして、4月に手当を振り込んだ。  岡本氏の事務所側は「政務官に就任後、大学に非常勤講師を辞職する連絡をした。すぐ返金したい」と話した。同大は「担当職員が辞めてしまい、情報が引き継がれなかったようだ」と説明した。 "[he-forum 16384] 山形新聞7/6"," 山形新聞 2011年07月06日 10:20 山形大、卓越技術者を教員に登用へ 13年開設の有機EL施設   山形大は5日、次世代照明として注目される有機EL(エレクトロルミネッセンス)照明の先進技術開発や実用化に取り組むため米沢市に開設する「有機エレ クトロニクスイノベーションセンター」(仮称)について、2013年の開設に合わせ民間企業などから10人程度の「卓越技術開発者」を同大教員に新たに登 用する計画を明らかにした。  同日開かれた学長定例会見で、結城章夫学長と高橋辰宏工学部副学部長が、経済産業省のイノベーション拠点立地支援事業に同センター開設が採択されたこと について説明。結城学長は「世界的拠点づくりに向けて大きな前進」、高橋副学部長は「5年から10年のスパンでしっかりと産業化を目指していく」と述べ た。卓越技術開発者の招聘(しょうへい)は将来的には20人程度を見込んでおり、研究費、人件費に文部科学省の補助事業を活用したい考え。  センターの総工費15億円のうち地元負担分の5億円について、結城学長は「基本的には大学で賄うが、県にも資金援助をお願いしている。用地は米沢市に取得、提供してもらう方向で依頼しているところだ」と説明した。  センターは米沢市の米沢オフィスアルカディア内に建設予定。建物は平屋の2棟で、企業の研究者らと共同研究するクリーンルーム棟と、会議室、展示室など を備えたラボ棟に分かれている。延べ床面積は約3800平方メートル。13年春のオープンを目指しており、照明や半導体、太陽電池など有機エレクトロニク スの実用化・応用に向けて製品の試作などを行う。特に印刷方式による有機ELパネルなどの大量生産技術の開発に産学官共同で取り組み、世界に先駆けた実用 化を目指す。 "[he-forum 16385] 毎日新聞7/7"," 毎日新聞 2011年7月7日 12時42分(最終更新 7月7日 13時36分) 大阪府育英会:貸し付け世帯収入270万円以下に  「大阪府育英会」の大学入学資金貸付制度で、今春貸し付けを受けた学生の世帯収入が、住民税(所得割)非課税となる年間約270万円以下の水準に まで下がっていることが分かった。長引く不況で応募が殺到する中、所得の低い順に貸し付けているためで、過去にない異例の事態。日本学生支援機構(旧日本 育英会)の奨学金も同様に採用が厳しくなっており、「教育の機会均等が失われる」と支援拡充を求める声が上がっている。【平野光芳】  制度は入学前に28万円(生活保護世帯は53万円)を上限に無利子融資するもの。毎年の予算は約6億6600万円分で、2500人前後に貸し付け ているが、リーマン・ショック以降の急激な景気悪化などで、08年度に3581人だった応募は10年度に4306人に増加。これに伴い、貸し付けの際の年 収基準(夫婦と子ども2人の世帯の場合)は、08年度の約360万円から、昨年度は約270万円以下にまで絞り込んだ。  大阪市内の自営業の女性(52)は、長男のために育英会に応募したが、「困窮度の高い人から優先的に採用したため、不採用」との通知を受けた。毎 月の収入は夫婦共働きで25万円ほど。「商売が厳しく預金がほとんどない」と生命保険を担保に約30万円を借り、何とか入学金をまかなった。  育英会に出資する府私学・大学課は「府の財政状況が厳しい。地方は高校生を、国は大学生を支援するという役割分担の枠組みもある」と、採用枠や予算の拡大に難色を示す。  日本学生支援機構の大学生向けの奨学金も、同様の状況。昨年度の第1種奨学金(無利息)事前募集では、約18万人が「評定平均3.5以上」「年収 約880万円(4人家族の目安)以下」といった応募資格を満たしていたが、実際に採用できたのは2割の約3万8000人にとどまった。同機構によると、 09年度に第1種奨学生に採用された家庭の平均年収は約340万円だったという。  貧困問題に詳しい佛教大の金澤誠一教授(社会保障論)は「生活保護に至らないボーダーラインの貧困層の負担が重くなっている。教育の機会平等が失われ、貧困や格差が固定化される。ニーズを満たす予算を確保すべきだ」と指摘する。 "[he-forum 16386] 共同通信7/7"," 2011/07/07 13:40 縲仙・蜷碁€壻ソ。縲・/span> 菴占ウ€螟ァ縲∵蕗蜩。蜈崎ィア縺ァ繝溘せ縲€蜊呈・ュ逕滂シ難シ台ココ縺悟叙蠕励〒縺阪★ 縲€菴占ウ€螟ァ・井ス占ウ€蟶ゑシ峨r・抵シ撰シ撰シ難ス橸シ托シ仙ケエ蠎ヲ縺ォ蜊呈・ュ縺励◆・難シ台ココ縺後€・a style=""border-bottom: 1px solid rgb(0, 51, 102); color: rgb(0, 51, 102); text-decoration: none;"" href=""http://47news.search.popin.cc/index.html?q=%E5%A4%A7%E5%AD%A6&r=reflinknext&start=12"">螟ァ蟄ヲ蛛エ縺ョ繝溘せ縺ァ縲∝叙蠕励〒縺阪◆縺ッ縺壹・荳ュ蟄ヲ縲・ォ俶。縺ョ謨呵・蜩。蜈崎ィア繧貞叙蠕励〒縺阪↑縺九▲縺溘%縺ィ縺鯉シ玲律縲・未菫り€・∈縺ョ蜿匁攝縺ァ蛻・°縺」縺縲・/p> 縲€髢「菫り€・↓繧医九→縲∽ス占ウ€螟ァ縺悟・隕縺ァ螳壹a縺ヲ縺・◆蜈崎ィア叙蠕励・蝓コ貅悶′縲√€梧呵ご閨キ蜩。蜈崎ィア豕輔€阪h繧翫b蜴ウ縺励¥險ュ螳壹&l縺ヲ縺・◆縲・/p> 縲€蜀・ヲ繧呈コ€縺溘@縺溷ュヲ逕溘・螟ァ蟄ヲ 縺檎恁謨呵ご蟋泌藤莨壹↓荳€諡ャ@縺ヲ蜈崎ィア繧堤筏隲九€ゅ溘□縲∝・隕上r貅€縺溘&縺ェ縺上※繧ゅ€∝・險ア豕輔r貅€縺溘@縺ヲ縺・l縺ー縲∝ュヲ逕溘・蛟句挨逕ウ隲九〒蜈崎ィア繧貞叙蠕励〒縺阪k€ゆス占ウ€螟ァ縺ッ蜀・ヲ上→蜈崎ィア豕輔・蝓コ貅悶r豺キ蜷縺励※縺・◆縺溘a縲∝ュヲ函縺ォ蜊∝・縺ェ隱ャ譏弱r縺励※縺・↑縺九▲縺溘→縺縺・€・/p> "[he-forum 16387] 読売新聞石川7/8 読売新聞石川版2011年7月8日付 国公立大志向くっきり…石川 今春の県立高卒業者  石川県教育委員会は、今年3月の県立高校卒業者の進路状況をまとめた。  全日制の大学進学率は46・6%で、2001年3月と比べて8・5ポイント増、全日制の卒業者全体に占める国公立大への進学率は19・3%で、同5・7ポイント増加した。景気低迷の長期化で保護者の財政事情が厳しくなる中、生徒の国公立大志向が浮き彫りになった。  全日制の卒業者は7737人。大学進学者は3602人で、うち1493人が国公立大に進んだ。短大は601人(卒業者全体に占める割合7・8%)、専門学校は1581人(同20・4%)だった。  就職者は1749人(同22・6%)、うち9割に相当する1589人が県内で就職しており、就職希望者の高い地元志向がうかがえた。  定時制の卒業者は169人。大学進学者は16人(定時制の卒業者全体に占める割合9・5%)で、国公立大は2人(同1・2%)。短大は17人(同10・1%)、専修学校は37人(同21・9%)だった。就職者は68人(同40・2%)で、このうち66人が県内で就職した。  通信制の卒業者は138人。大学進学者は14人(通信制の卒業者全体に占める割合10・1%)で、国公立大は1人(同0・7%)。短大は11人(同8・0%)、専門学校は36人(同26・1%)だった。就職者は1人(同0・7%)だけで、やはり県内で就職していた。 "[he-forum 16388] 朝日新聞7/8 朝日新聞2011年7月8日付 阪大理学部入試、後期試験やめAO導入 13年度から  大阪大は7日、理学部(定員255)で2013年度の入試から後期試験(同64)の募集を停止し、新たにジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ(朝日新聞社主催)などの科学コンテストに入選や出場などした学生を書類と面接のみで合格とする「研究奨励AO入試」(同16)を導入すると発表した。一般入試でも数学と理科に秀でた学生を優先する「挑戦枠」(同37以内)を新設する。 "[he-forum 16389] 毎日新聞鹿児島7/4 毎日新聞鹿児島版2011年7月4日付 大学入試:九州の国立11大学合同説明会 1300人が聴き入る ◇真剣な表情で聴き入る  九州地区の国立11大学による合同入試説明会(国立大協会九州支部主催)が3日、鹿児島市山下町、かごしま県民交流センターで開かれた。高校生や保護者ら約1300人が来場し、真剣な表情で大学側の担当者の話に聴き入っていた。  合同説明会の開催は6回目だが、県内では初の開催。会場には地元の鹿児島大、鹿屋体育大の他、九州大、琉球大などがブースを構え、学部教授や入試担当者らが熱心に高校生らの質問に答えた。隣接ホールでは各大学の学長や理事らによる講演形式での大学説明も行われた。  参加した私立池田高3年、平川美憂さん(17)=鹿児島市星ケ峯=は「建築士の父の後を継ぎたいので、九州大か鹿児島大の工学部を目指している。同じ志のライバルと顔を合わせて闘志がわいてきました」と話した。  鹿児島大の黒原敏博入試課長は初めての地元開催に「こんなに来場者が多いと思っていなかった」とうれしい悲鳴。「新幹線全線開通で交通の便もよくなり、優秀な受験生確保のための他県の大学との競争も激化するだろう」と気を引き締めていた。【垂水友里香】 "[he-forum 16390] 紀伊民報7/9 紀伊民報2011年7月9日付 電波観測通信施設が完成 和歌山大  和歌山大学で7日、直径12メートルのパラボラアンテナを備えた電波観測通信施設の落成式が開かれた。アンテナは大学のキャンパス内に設置されたものとしては国内最大級で、今後、人工衛星との通信や電波を使った天文観測に活用される。  和歌山大学は、電波を使って観測する電波天文学に取り組んでおり、これまでにも直径2メートルのパラボラアンテナなどを活用してきた。昨年度には文部科学省の「超小型衛星研究開発事業」に代表機関として選ばれ、他大学とともに人工衛星の開発など研究に取り組んでいる。  今回設置したアンテナは、この開発事業の一環で、今後打ち上げる超小型の人工衛星の地上局としての通信機能を持っている。アンテナの事業費は約3千万円。従来のアンテナに比べて約36倍の受信感度になるという。  超小型衛星の開発事業は、地球上のより詳しい情報を得られるようにする。将来的に森林火災を感知したり、災害時の被災地情報の取得に役立てたりする実用化を目標にしている。  小型衛星は2013年度に打ち上げる予定で、今後は完成したアンテナを使い、衛星通信に必要な技術の習得などに取り組む。アンテナは電波を使った天文観測もできるため、銀河の形成や分布などの分析研究にも活用される。  落成式で山本健慈学長は「宇宙の分野だけでなく、防災や減災にも役立てたい。人類の安全と平和に寄与することを願って運用していきたい」とあいさつ。式典では実際にアンテナを稼働して天文観測も行い、電波の波形を画面に映し出して、出席者に披露した。 "[he-forum 16391] 読売新聞社説7/10 読売新聞社説2011年7月10日付 東大の秋入学案 実現には産官学の連携が要る  将来、大学の入学式は桜の季節ではなく、秋風の吹く頃に行われるようになるのだろうか。  東京大学が、入学時期を春から秋へ移行する検討を始めた。秋入学が主流の欧米の大学と足並みを合わせることで、外国人留学生の受け入れや、日本人学生の海外留学を促進する狙いがあるようだ。  東大によると、外国人留学生の比率は7%で、20%台の米ハーバード大や英ケンブリッジ大と大きな差がある。無論、外国人留学生には日本語という壁もあろう。  だが、海外から留学生を呼び込める教育環境を整えなければ、大学間の国際的な競争に取り残されるという危機感は強い。  秋入学の導入で、優秀な留学生が増えれば、大学の研究水準や、日本人学生の学力が高まることが期待される。  広い視野と豊かな語学力を身につけ、国際的に活躍できる「グローバル人材」は、日本の経済成長の原動力になる。秋入学はその育成につながる可能性もある。  東大は年内にも一定の結論を出す方針という。導入のメリット、デメリットなどを多角的に検討し、議論を十分深めてほしい。  秋入学は、これまで政府の教育再生会議などが導入を提言してきた。2008年以降、入学と卒業の時期を学長の判断で決められるようになり、留学生らを対象にした秋入学を春入学と併用する大学も増えている。  ただ、秋入学に全面移行した大学はまだない。仮に東大が秋入学にかじを切った場合、他大学の中には、同調する動きが出てくることも考えられる。  東大では、入試日程は現行通りとし、合格者には秋入学までの半年間に、海外留学やボランティアなど、様々な経験を積んでもらうことを想定している。  実現に向けての課題は多い。ボランティア活動を行おうにも、日本では受け皿が少ない。  大学への入学を一定期間遅らせる「ギャップイヤー」の慣習がある英国では、その間の若者のボランティア活動を支援する民間団体が多数あるという。こうした環境を整えることが重要だ。  卒業が4年後の秋になれば、主に3月卒業を前提にしている企業や官公庁の採用時期にも影響する。年間を通じて採用する方式の検討が必要になる。  秋入学移行に必要な条件整備について、大学だけでなく、企業や官公庁も加わって、議論を始めてみてはどうだろうか。 "[he-forum 16392] 読売新聞7/11"," (2011年7月11日 読売新聞) 土下座させ頭踏んだ教授、横浜市大が処分へ  横浜市立大医学部医学科3年の男子学生(20)が、男性教授に土下座させられたうえ、頭を踏まれ、精神的苦痛を受けたとして、教授を相手取り330万円の損害賠償を求める訴えを横浜地裁に起こしている問題で、同大が教授を処分する方針を固めたことが9日、わかった。  同大では問題発覚後、懲戒審査委員会(委員長・布施勉学長)を開き、事実関係を調査していた。  6月20日に横浜地裁で開かれた第1回口頭弁論で、教授が事実関係をおおむね認めたため、同大人事課は「訴訟の判決を待たずに厳正に対処する」としている。処分対象者については、「一般的には管理監督責任がある上司も含まれる」という。  同大は9日、「学生、保護者の皆様、関係者にご心配をおかけし、申し訳ありません」とのコメントを出した。 "[he-forum 16393] 産經新聞7/12"," 逕」邯捺眠閨槭€€2011.7.12 07:27 蠢玲悍譬。驕ク謚槭↓縲梧肢讌ュ譁吶・螳峨&縲埼㍾隕・/h2> 縲€莉雁ケエ譏・縺ォ鬮俶。繧貞穀讌ュ縺励◆螟ァ蟄ヲ逕溘d豬ェ莠コ逕溘i縺ョ・謎ココ縺ォ・台ココ縺後€∝ソ玲悍譬。繧呈アコ繧√k髫帙€梧肢讌ュ譁吶・螳峨&縲阪r驥崎ヲ悶@縺ヲ縺・◆縺薙→縺後Μ繧ッ繝ォ繝シ繝茨シ域擲莠ャ驛ス蜊・サ」逕ー蛹コ・峨・隱ソ譟サ縺ァ蛻・°縺」縺溘€・/div> 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縲€蟄ヲ髟キ縺ョ莉サ譛溘・2譛・蟷エ・・譛溽岼4蟷エ縲・譛溽岼2蟷エ・峨∪縺ァ縲よ眠蟄ヲ髟キ縺ョ莉サ譛溘・12蟷エ2譛・譌・縺九i4蟷エ髢薙€ら樟閨キ縺ョ驕阯、蟄ヲ髟キ縺ッ迴セ蝨ィ2譛溽岼縺ョ縺溘a谺。譛溷ュヲ髟キ蛟呵」懊↓縺ェ繧後↑縺・€・/body> "[he-forum 16395] NHKニュース7/12 NHKニュース 2011年7月12日17時39分 千葉・柏に省エネ都市建設へ  太陽光発電やバイオ発電で作った電力などを最新のIT技術を活用して効率よく使い、街全体で省エネを目指す「スマートシティー」が、千葉県柏市に建設されることになりました。  これは千葉県柏市や三井不動産などが都内で記者会見して明らかにしたものです。柏市では、北部の273ヘクタールの敷地に三井不動産や東京大学、千葉大学などが共同で「柏の葉キャンパスシティ」を開発しています。その中心部の「柏の葉キャンパス」駅の駅前の区域に、街全体で省エネを目指す「スマートシティー」を建設することになり、その概要が発表されました。スマートシティーでは、オフィスビルに太陽光発電を備えるほか、飲食店から出る生ゴミを使ったバイオ発電も行います。地中熱を使った空調システムなども導入し、区域で必要なエネルギーの7%を自前で賄います。また、最新のIT技術を使って区域全体の電力などを一元的に管理することで省エネを進め、二酸化炭素の排出量に換算して40%の削減につながるとしています。これについて三井不動産の岩沙弘道会長は「スマートシティーなどの取り組みは、震災の被災地の復興にも大きな意味を持っている。柏での取り組みを全国各地や海外にも展開したい」と述べました。また、柏市の秋山浩保市長は「行政・民間・大学が共同で『世界の未来像』を造る街を実現させたい」と述べました。 "[he-forum 16396] 山形新聞7/13"," 山形新聞 2011年07月13日 08:21  山形大が「東北創生研究所」開設へ 震災受け、在り方探る  東日本大震災を受け、中長期的な視点で新たな東北の在り方について研究、提案しようと、山形大は「山形大学東北創生研究所」を年度内にも開設する。震災 で、東北地方でも仙台圏への一極集中の弊害が浮き彫りになったことを踏まえ、エネルギー、医療福祉、農業、流通システムなどさまざまな分野で県内各地域と 連携して研究に取り組み、自立分散型の社会・産業システムを東北全域に提案する。  研究所は社会創生研究部門と産業創生研究部門の2部門で構成。10年単位の中長期的な取り組みを見据え、全学部から40歳前後の若手教員30~45人程 度を研究員として集める。さらに部門長や研究所長、コーディネーターを合わせて数人、研究所専任教員として配置する予定。小白川キャンパス(山形市)内の 既存の建物を研究所として活用する。  研究テーマは、社会創生部門が▽人口減少社会の在り方▽医療・福祉、教育・文化の分野における新たな社会モデルの構築-などで、産業創生部門が▽交通・ 流通体系の再構築▽エネルギー対策▽東北地方が食料生産基地となることを目指した農業の後継者育成、ブランド化、6次産業化-など。市町村単位で行政や地 元住民と連携し、自立できる地域づくりに取り組む。  同大は研究所の運営費8000万円と研究所専任教員のポストについて、文部科学省に対し概算要求。認められなかった場合でも大学独自で開設する方針だ。  結城章夫学長は取材に対し、東北大など被災地の大学に比べ、山形大がほとんど被害を受けていないことに触れ「新しい東北、日本をつくるために提言、実践 する必要がある。今回の震災によって、ものづくり、農業、医療福祉、教育などあらゆる社会システムが変わる。全学部を動員して検討していくべき課題だ」と 意義を説明している。 "[he-forum 16397] 釧路新聞7/14 釧路新聞2011年7月14日付 手続き見直し求める/道教大学長選問題  北海道教育大学の教員ら約100人でつくる「学長選考を考える会」(世話人・今泉博教授ら)が13日札幌で記者会見した。次期学長選考に当たり、外部有識者や副学長らからなる学長選考会議(議長・高向巌北海道商工会議所連合会会頭)が教職員の意向投票で本間謙二学長(65)より得票が多かった釧路校の神田房行教授(62)を学長に選ばず、本間学長の再任を決定した問題で6月に公開質問状を提出していたが、これまでに回答がなかったことから経過を説明、今後釧路校など各キャンパスの教授会など通して学長選考手続きの見直しなどを求めていく考えを明らかにした。 "[he-forum 16398] 茨城新聞7/14 茨城新聞2011年7月14日付 災害派遣強化へ調整室設置 筑波大病院  筑波大付属病院は13日、東日本大震災の被災地への医療支援活動を強化するため「つくば災害復興緊急医療調整室(T-DREAM)」を設立した。国や県からの災害派遣要請の窓口を一本化するほか、震災後の医療支援活動を分析・記録して今後の教訓として生かす。将来的には、災害時の各医療機関の情報を集約する仕組みをつくり、患者が円滑に治療を受けられる体制を構築したい考え。  同病院は震災直後から災害派遣医療チーム「DMAT」や職員らを県北地域や福島県の被災地に派遣するなど精力的に支援活動を展開。6月末までに延べ70チーム、同198人の医師と看護師を被災地に派遣した。  調整室の設立は、慢性期医療など被災地の多様な医療ニーズに迅速に対応するのが狙い。県医師会と県看護協会、日立市消防本部を含む県北部地区メディカルコントロール協議会と連携して業務に取り組む。  今後の災害医療教育と災害臨床医療の向上に役立てるため、これまでに被災地に派遣された医師や看護師の活動内容は記録として残し、検証する。また、災害時に医療スタッフを効率的に被災地に派遣したり、救急隊員が患者の搬送先を迅速に決定できるよう、各病院の被災状況や患者情報などを管理する仕組みをつくり、災害支援の拠点を目指すという。  室長を務める同病院救急・集中治療部の安田貢医師は「災害時は必要な情報を必要な場所に確実に伝えられるかが鍵。日常から各機関との連携を密にして有事に備えたい」と話した。 "[he-forum 16399] 新潟日報7/15"," 新潟日報2011年7月15日 「学長中心に推進」と主張 新大不正契約・提訴の建設会社  がん治療装置導入をめぐる新潟大の不正契約問題で、大学の依頼で立て替えた代金の支払いを求め東京地裁に提訴した安藤建設(東京)が、装置導入について「新大は下條文武学長を中心として推進していた」と主張していることが14日、分かった。  これに対し、新大側は「安藤建設の主張は、新大が把握する事実関係と異なる。契約の無効を主張する」(新大代理人)とし、全面的に争う構えだ。 "[he-forum 16400] 日本経済新聞7/16 日本経済新聞2011年7月16日付 名大など産学官連携、13年に複合材技術の開発拠点  名古屋大学が計画している次世代複合材技術確立支援センター(通称ナショナルコンポジットセンター)の整備事業が、国から補助金を受けて動き出す。事業規模は19億円で2013年に完成する。自動車や航空機、鉄道車両に採用が広がる炭素繊維複合材について、製造技術の実証評価では日本初の研究開発拠点となる。日本は成型加工で欧米に比べ大きく遅れており、産学官の連携で競争力を強化する。  15日、国の補助金を得られる「イノベーション拠点立地支援事業」に採択された。中部経済産業局が同日発表した。資金の最大3分の2が国から補助される。  名大内でセンターを立ち上げ、2平方メートル以上の部材成型が可能な大型成型機を導入。従来はドイツやフランスなど海外でしかできなかった実物大の大型部材の成型について試作・評価が可能になる。耐雷、耐火、耐炎の試験装置も設置する。  センターには東レなど国内の大手素材メーカーに加え、航空機や自動車のメーカーも参加する予定。東京大学、名古屋工業大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、産業技術総合研究所なども加わり、産学官が一体となって開発を進める。  炭素繊維複合材は軽量で強度に優れ、米ボーイングの新型旅客機「787」では重量比で50%使用されている。自動車や鉄道車両など利用範囲も広がるとみられ、各国が開発にしのぎを削っている。日本は素材では7割のシェアを握るが、成型分野では遅れていた。  軽量性、耐久性に優れる炭素繊維複合材も、生産性や加工のしやすさには課題が残る。高効率かつ高品質の生産システムを確立し、日本の製造業の優位性を確保する。 "[he-forum 16401] 朝日新聞7/17"," 朝日新聞 2011年7月17日20時57分 科学コン優秀者、阪大へどうぞ 2013年度AO導入  高校生向けの科学コンテストの成績優秀者を対象にした「研究奨励AO(アドミッション・オフィス)入試」を、2013年度から大阪大理学部が導入するこ とになった。暗記型ではなく、自分の頭で考える力を問うのが狙い。東島清学部長は14日の会見で「学生の画一化を排し、受験学力ではなく、研究意欲をみた い」と話した。  初のAO(定員16)は12年12月に実施する。ジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ(朝日新聞社主催)などの科学コンテストで最終選 考に残った生徒を書類と口頭試問で選抜。そのうえで、基礎学力をみるため、13年1月のセンター試験で合計点の75%以上を得点すれば最終的に合格とす る。  また、理学部は工学部と合同で「国際科学オリンピックAO入試」を始める。理数系の国際オリンピックの日本代表を面接だけで入学できるようにし、初年度授業料を免除する。 "[he-forum 16402] 日本経済新聞7/19 日本経済新聞2011年7月19日付 たとえ「9月入学」導入しても… 大学国際化を阻む壁  「東京大学が9月入学への移行の検討を開始」 長い間、9月入学は大学のグローバル化・競争力向上の「切り札」といわれ、その実現に大きな期待が寄せられている。しかし、9月入学の実現は本当に大学の国際化を加速させ、学生にもメリットのあるものとなるのだろうか。そこには大きな壁があった。 ■英語で講義ができない教員たち  「えーと、この単語は何と言うんでしたっけ……」。40代後半の教員が英語で講義する授業。電子辞書を引き、授業が中断する回数は90分の授業で5回以上にもなる。それでも単語がわからないときは、前列に座る留学生に質問をする。「ジェイムズ、この単語は何と言えばいいのかな?」  早稲田大学国際教養学部3年のAさん(女性)が昨年履修した授業の一場面だ。Aさんは3歳からアメリカで育ち大学への進学を機に日本へ戻った帰国子女。9月入学の制度を利用し、ほぼ全ての授業が英語で行われる早大国際教養学部へ進学した。Aさんは「正直あきれた。英語で講義ができない日本人の先生がいることは不満。留学生や帰国子女の友達と情報交換をして、英語ができる先生の授業をとるようにしている」とうちあける。  同学部4年で海外から9月入学を利用して入学した帰国子女のBさん(男性)も「日本語と英語を交ぜながら講義する先生がいる。帰国子女の僕ならなんとか内容を理解できるけれど、留学生はわからないのではないか」と話す。  2004年に設立された国際教養学部。学生の約3分の1が留学生や帰国子女などの海外出身者で、ほぼすべての授業が英語で行われている。日本でも国際化が進んでいる学部だが、英語で満足に講義ができる教員の数は足りないようだ。同学部の常勤教員の約4分の3は海外で学位を取得している一方で、非常勤教員を中心に英語の能力が不十分なケースがみられるという。 ■まず「教員の国際化」を  大阪大学が2006年にまとめた「大学国際化の評価指標策定に関する実証的研究」最終報告レポートによると、2005年11月現在の経済学部・学科における教員の海外博士号取得割合は東京大学と一橋大学ではほぼ5割を占めるが、北海道大学で約2割、東北・名古屋・大阪・京都大学ではそれぞれ約1割、九州大学は5%にも満たない。  明確に海外在住経験のある教員の割合も、一橋大学では約9割、東大で約6割と半数を超えるが、阪大・京大では約4割、東北大約2割、九大は1割程度だ。研究レベルが高いといわれる国立大学でも、教員の国際化は遅れているのが実情だ。  たとえ9月入学の導入により留学生が日本の大学に来るようになったとしても、英語で満足に講義のできる教員の数が足りなければ授業は成立しない。 ■9月入学生が経験する「ギャップイヤー」  「社会人になる前に長期の旅行をしたい。入社後に必要な資格の勉強もするつもりだ」。上智大学国際教養学部4年のCさん(女性)は4年前の6月、国内のインターナショナルスクールを卒業、9月入学の制度を使い上智大学へ進学した。今は国内の旅行会社から内定をもらい、今年9月に卒業予定だ。しかし、入社は来年の4月。卒業後には半年間の「ギャップイヤー」が生まれる。  ギャップイヤーとは、高校卒業から大学入学までと、大学卒業から就職までの空白期間のこと。英国などではアルバイトやボランティアなどを通じて社会経験を積む慣習がある。上智大学企画広報グループの飯塚淳氏は「9月入学を利用した学生の大半は卒業後に半年間のギャップイヤーを経験する」と説明する。  現在、多くの企業や官庁は4月に新卒の学生を受け入れている。9月に入学した学生のほとんどは卒業も9月になるため、4月に入社や入庁をするまで半年間のギャップイヤーが生まれる。Bさんも国内大手銀行への就職が決まり、今年9月に卒業するが、入社は来年の4月となる。旅行や勉強をしたいと活用には前向きだが、「現役で入学したのに半分浪人のような扱いになる。同い年の人と同期という感覚がないのが残念」ともらす。 ■東大案では1年のギャップイヤー  東京大学が9月入学を導入すると、ギャップイヤーが1年間となる可能性がある。東大の9月入学案では、従来の入試の日程は維持したまま、高校を卒業した4月から9月までをギャップイヤーとして合格者に留学やボランティア活動などの経験を積ませるという。つまり、4月入社を前提とするなら、入学前の6カ月と卒業後の6カ月、合計1年間のギャップイヤーが生まれる。  東京大学はギャップイヤーへの対応に関して、「9月入学の是非についても検討中であり、具体的なことはまだ決まっていない」(広報)と話す。若者にとって1年間という長い時間をどのように過ごさせるか。今後の議論が必要になる。 ■企業にも改革必要  経団連では2011年6月14日に発表した「グローバル人材の育成に向けた提言」で、学生が国内外で本格的にボランティア活動等に従事できるよう、ギャップイヤーを導入することも検討に値すると提言。その際、企業側に「学生の多彩な経験を採用活動において積極的に評価する姿勢が求められる」と指摘している。  ただ、「新卒至上主義」が根強い就職活動にあって、半年から1年のギャップイヤーが不利になると考える学生も多い。9月入学は海外の学生誘致には効果があるものの、国内の高校の卒業生の負担は増える可能性がある。日本ギャップイヤー推進機構協会の砂田薫代表は「ギャップイヤーを経験した学生は、入学後の目的意識が高まり中退率も低くなるというメリットがある。産官学に民を加えたオールジャパンで雇用慣行や教育環境を変える必要がある」と話す。 (大西康平) "[he-forum 16403] 日本経済新聞"," 日本経済新聞 2011/7/20 14:59 同友会代表幹事、東大の秋入学「産業界としてサポート」  経済同友会の長谷川閑史代表幹事は20日の定例記者会見で、東京大が入学時期を春から秋に見直す検討を始めたことについて「国際基準に 合ったタイミングになるので全面的に声援したい。(海外の大学への留学など)選択肢を増やすことは極めて大事だ。産業界としてサポートする」と語った。 〔日経QUICKニュース〕 "[he-forum 16404] 毎日新聞7/20 毎日新聞2011年7月20日付 記者の目:九大入試「女性枠」取りやめ=三木陽介  九州大が理学部数学科の12年度後期入試で初めて導入しようとした「女性枠」を、入試概要の公表直前の5月になって急きょ取りやめた。憲法で定める「法の下の平等」に抵触する恐れがあるというのが主な理由だ。昨年3月の女性枠導入の公表から1年も経ての変更は受験生への影響も大きく、お粗末だったが、私は男女共同参画に向けて九大が本気で取り組もうとした姿勢は評価したい。 ◇男女共同参画への姿勢は評価  導入しようとした女性枠とは、数学科の一般入試後期日程で、定員9人のうち5人を女性に割り当てるというものだった。狙いは女性研究者を増やすこと。九大では、数学系の教員が所属する数理学研究院の教員46人のうち女性はわずか1人。鶏を増やすにはまずは卵からという発想だ。  しかし公表後、「憲法違反ではないか」「逆差別だ」などの批判が寄せられ、顧問弁護士からの指摘もあって白紙に戻した。会見した丸野俊一副学長は学内協議の中で「女性枠で入学した学生が特別視され、かえって肩身の狭い思いをするかもしれないという意見も出た」と明かした。  これらは、導入の検討段階で予見できることばかりだ。丸野副学長は「男女共同参画に(ばかり)関心が向いていた」と反省しきりだったが、同様の女性枠入試を導入した金沢工業大学が「志願者が少ない」として2年で打ち切った例もある。九大の目的は理解できるが、やはり拙速だった印象はぬぐえない。  だが、女性研究者を増やすことが必要なのは言うまでもない。たとえば、研究テーマの設定や商品開発でも女性の視点は不可欠だ。東北大・原子分子材料科学高等研究機構数学ユニットの小谷元子教授は「研究分野で多様性は、ブレークスルー(飛躍的進歩)を作るために絶対必要」と強調する。 ◇全研究者の13%  女性研究者が少ないのは九大数学科に限ったことではない。国立大学協会が全国立大86校を対象に10年に実施した調査によると、教員の女性比率は12.7%。01年の調査に比べ、10年でわずか5ポイントしか上がっていない。協会が00年に打ち出した「10年までに20%」にほど遠い。民間も含めた女性研究者の比率は13.0%で、世界的にも最低レベルで、米国(34.3%)の約3分の1に過ぎない。  では、女性研究者を増やすにはどうすればいいのか。東京大が09年に学内の女性研究者を対象にアンケート(複数回答)を実施している。それによると、(1)研究と家庭との両立支援80.3%(2)評価する男性の意識改革53.8%(3)女性研究者の積極的登用など40.0%--という意見が上位を占めた。ある国立大の女性職員は「人事権を握る教授会が男性ばかりなので、男性目線の人事になりやすい」と語る。別の国立大の女性准教授は「どうせ男性が優先して採用されると、あきらめていた女性も少なくない」と、構造上の問題を指摘する。  女性教員を増やす取り組みはまだ始まったばかりだ。文部科学省は06年度から「女性研究者支援モデル育成事業」として、アイデアを大学から募るなど複数の補助事業を始めている。出産や子育て中にスポットでサポートに入る支援者制度▽保育所の整備▽女性研究者らによる女子中高生向けの啓発イベント--などが採択されている。  九大は、理・工・農学分野の教員採用で女性枠を設け、毎年5人ずつを目安に採用する計画だ。入試の女性枠と違って、男女雇用機会均等法の特例で認められている。昨年11月~今年1月の公募では10人の枠に117人が応募し、准教授2人、助教3人が採用された。担当する上滝恵里子准教授は「優秀な人材が獲得でき、学内の意識も変わりつつある」と効果を強調する。  男女共同参画への取り組みには大学間の温度差があるのが実態だ。国立大学協会の10年調査では参画推進の担当組織すら設置していない大学が86大学中11大学あった。「組織が形だけで実態がない所もある」(ある大学関係者)といい、女性教員数や比率を、大学の自己評価に組み入れているのは36%、外部評価は29・1%にとどまる。 ◇荒療治も必要  今回、この問題を取材する中で「各大学がいろんなことを本気でやり始めた今こそ、思い切ったことをやらねば、いつまでたっても状況は変わらない」という声を聞いた。まったくその通りだと思う。文科省は、各大学に男女共同参画への取り組みを義務づけ、達成状況などを総合的に勘案した評価を公表するとともに、その評価を大学の運営費交付金の額に反映させることも検討してはどうだろう。目的達成のため、時には荒療治も必要だ。 "[he-forum 16405] 読売新聞7/21 読売新聞2011年7月21日付 全国の大学情報データベース化…文科省方針  文部科学省は、全国の大学の教育内容、学費、卒業後の進路などの情報を一元化したデータベース(DB)の構築に乗り出す方針を固めた。  情報の項目を整理・共通化し、国や大学、関係団体が別々に管理している情報も集約することで、各大学の情報を比較可能な形で公表する。同省は、来年度予算に必要経費を盛り込み、数年後の運用開始を目指す。  大学の情報公開の透明度はまちまちで、入学者数などの基本情報も今春から公表が義務化されたばかり。大学ホームページで情報を「公表」していても、たどり着くのが難しく透明度に問題がある大学もある。  DB化で大学同士が比較しやすくなり、大学の専門分野の得手と不得手が明確になる。受験生や企業にとっては、大学の特徴が分かりやすくなる一方、大学側も教育活動を点検し、組織改革などにつなげられる。 "[he-forum 16406] 毎日新聞福島7/21 毎日新聞福島版2011年7月21日付 東日本大震災:福島大と日本原研が連携協定 環境、土壌など研究 ◇長崎大、広島大とも予定 放射線対策・教育を本格化  福島第1原発事故からの復興に向け、福島大(福島市)は20日、日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)と連携協力協定を結んだ。学内に共同研究室を開設し、環境への影響評価や土壌改良などを共同で進める。28日には被ばく医療の研究実績がある長崎大(長崎市)、広島大(東広島市)とも同様の協定を結ぶ予定で、放射線対策の研究・教育に本格的に乗り出す。  福島大は1949年、人文社会学系の大学として創設、教育や自治体支援などのノウハウがある。04年に理工学類を開設して総合大学となったが、放射線研究の専門家はいない。震災を受け、学内に原子力災害などの総合研究拠点「うつくしまふくしま未来支援センター」を設置。同機構などとの共同研究も同センターを中心に行う。  協定内容は、放射能汚染と被ばくに関する知識の普及・啓発▽生態系の変化に関する調査研究▽放射性物質の除去・除染▽環境修復や除染技術の継続的発展のための人材育成--など。当面は小中学校の除染や環境調査を進め、将来的に人材交流も深めていく。  入戸野(にっとの)修学長は締結式で「大学として地元の復興に長期間携わることになる。放射線関連は福島大に欠けていた分野だが、連携して世界の災害科学の拠点としたい」。同機構の鈴木篤之理事長は「原子力研究機関で働く者として、原発事故は大変申し訳ない。長い年月を要することになるが、地元の大学と協力して地に足が着いた活動をしたい」と話した。【関雄輔】 "[he-forum 16407] 読売新聞7/21(2) 読売新聞2011年7月21日付 留学生に説明会…福島原発事故で名古屋大  東京電力福島第一原子力発電所の事故について、外国人留学生を対象にした説明会が20日、名古屋大学(愛知県名古屋市千種区)で開かれた。  留学生らに事故への不安が広がっており、帰国や留学計画の変更などが相次いだことがきっかけで企画された。説明会には約30人が参加し、健康被害や食物汚染の有無について熱心に尋ねていた。  説明会では、同大の山本章夫教授(原子力工学)が、同原発の現状について「原子炉自体は大きく損傷しておらず、放射性物質は事故直後に比べて減少している。名古屋大の観測では、東日本大震災の直後から放射線の量は通常のレベルが続いている」と解説。高濃度の放射性セシウムを含む稲わらが肉牛に与えられていた問題については、「政府の制限値を超える肉があったが、すぐに健康に影響するものではない」と述べた。  留学生からは「生後9か月の子どもを連れて留学しているが、健康上の影響はないか」「再び地震が発生した時、運転を終えた原発は大丈夫か」「福島第一原発の解体には何年かかるか」など、切実な質問が寄せられた。  工学研究科の博士課程に在籍しているベトナム出身のトラン・ホアキムさん(34)は「ベトナムでは初めて原発が建設される予定なので、すごく不安。今後、日本政府がどんな対応をとるか注意してみていきたい」と語った。同大国際学生交流課の出口秀典課長は「出身国にいる留学生の家族が心配しているケースが多いので、名古屋ではみんな普通に生活していることを知らせてほしい」と話している。 "[he-forum 16408] 陸奥新報7/23 陸奥新報2011年7月23日付 定員変わらず1375人/弘大12年度入試要項  弘前大学(遠藤正彦学長)は22日2012年度入学者選抜要項を発表した。入学定員は11年度と同じく1375人で学科・課程等の入学定員も変更はない。大学入試センター試験の成績利用方法については「地理歴史」「公民」および「理科」で2科目受験を申請した場合、最初の60分に解答した「第1解答科目」の得点を採用する。  11年度からの主な変更点としては、教育学部の美術専修で後期日程の募集を実施する他、理工学部の物理科学科の推薦入試において推薦入試2を取りやめ、推薦入試1の募集人員を変更。農学生命科学部では分子生命科学科の募集人員を前期日程は25人(11年度28人)に、後期日程を11人(同8人)とした。  医学部医学科のアドミッション・オフィス(AO)入試の出願期間は8月29日~9月6日午後5時必着。試験は1次選抜が10月1、2日の2日間、2次選抜は11月6日。合格発表は1次が10月21日午後2時を予定、2次が2月5日午前10時を予定している。  一般入試の出願期間は1月23日~2月1日。試験は前期日程が2月25日(医学部医学科は同25、26日)、後期日程が3月12日。合格発表は前期が3月6日、後期が同20日となる。  前期日程試験会場は弘大、八戸市の八戸地域地場産業振興センター(ユートリー)、北海道江別市の札幌学院大学の3会場(ただし学外試験は医学部医学科と教育学部の一部専攻・専修を除く)。  また併せて発表された「13年度入学者選抜方法及び実施教科・科目等」では、各学部での前期日程、後期日程の配点合計を統一することとし、これにより人文学部、医学部医学科を除いた学部の一部学科で個別学力検査の配点が変更される。  入試全般についての問い合わせは弘大学務部入試課(電話0172―39―3122、3123)、AO入試については弘大医学部アドミッション・オフィス医学研究科学務グループ学務担当(電話0172―39―5204)へ。 "[he-forum 16409] 西日本新聞社説7/22 西日本新聞社説2011年7月22日付 大学秋入学 検討の価値は大いにある  東京大が入学時期を春から秋へ移行する検討を始めた-というニュースが波紋を生んでいる。仮に東大が「秋入学」に踏み出せば他の大学に波及し、全国に広がる可能性があるからだ。大学関係者ならずとも無関心ではいられまい。  秋入学が一般的な海外の大学に足並みをそろえることで、外国人留学生の受け入れや日本人学生の海外留学をしやすくし、国際化を進めるのが狙いという。  確かに、主要な国で春入学・春卒業なのは日本と韓国ぐらいだ。東大は留学生の受け入れや送り出し状況が世界的に見て劣っており、危機感がある。入学時期を世界標準に合わせる意義は理解できるし、検討する価値は大いにあろう。  経済のグローバル化が進み、経済活動や研究開発などを支える「知の領域」のグローバル化は著しい。そうした役割を担う人材育成に向け、大学はいま国際的な大競争にさらされているのだ。  国際化の効用は人材交流が進むことである。優秀な学生や研究者が集まれば、研究水準や日本人学生の質も向上しそうだ。内向きとされる若者の海外留学が活発になることも期待できるだろう。  東大は年内にも課題を整理した後、具体的論議に入る。入試の時期は現行のまま変えない方針で、入学時期を秋に一本化する案のほか、春と併存する案、卒業は春のままで修学期間を延長する案なども話し合うという。幅広く議論を重ね、説得力ある方策を打ち出してほしい。  政府は2020年をめどに外国人留学生を30万人受け入れる計画を掲げ、それを実現するために、文部科学省が09年、「国際化拠点整備事業(グローバル30)」の拠点校13大学を選んだ。選ばれたのは東大、京都大など旧帝大を中心に7国立大と、関東・関西の6私立大だ。  九州では唯一、九州大が選ばれ、例えば20年度末の外国人留学生数の目標を3900人(昨年実績は約1700人)にしている。こうした目標を達成するのは並大抵ではなく、大学の国際化は東大だけの問題ではない。秋入学は13大学が連携して検討してもいいのではないか。  秋入学は1980年代、臨時教育審議会で議論され、最近では2007年に教育再生会議が提言した。これを受け、翌08年度から学長の裁量で秋入学は可能になったが、なかなか浸透していない。  理由は「入学は春」という日本社会に根強い季節感だけではない。高校卒業後はどうするのか、大卒後の就職はどうなるのか、など課題があるからである。  英国には大学入学を一定期間遅らす「ギャップイヤー」制度があり、多くの若者は留学やボランティアに励む。東大も秋入学までの間、合格者がそんな経験を積むことを想定している。企業や官公庁の採用も、いま主流の一括採用方式が大きく変わる契機になるかもしれない。  無論、秋入学問題は大学のみで完結はしない。教育界や経済界を巻き込んだ議論も同時に進める必要がある。 "[he-forum 16410] 時事通信7/26 時事通信2011年7月26日12時28分 脳・心血管の創薬拠点に=臨床加速「世界と競争」-大阪大病院  大阪大学医学部付属病院は26日、脳・心血管分野の医薬品について、臨床試験と創薬の国内拠点づくりを進めると発表した。大手製薬会社を含む17企業や、北里大など約20の病院・大学と連携。臨床や審査体制を共有してスピードアップを図り、革新的な医薬品開発を目指す。  沢芳樹同大教授によると、既に脳梗塞や心不全の治療薬など15の医薬品開発に着手。「日本は微量の投薬試験や被験者のリスク管理などの臨床体制が整備されておらず、新薬開発に時間がかかっていた。世界で競争できる医薬品創出を」と話した。 "[he-forum 16411] 愛媛新聞7/26 愛媛新聞2011年7月26日付 学生の読みたい本を図書館が購入 県内の大学  大学生が書店で読みたい本を選び、これを基に大学図書館が購入して貸し出す「ブックハンティング」が県内でも好評だ。話題の本や資格関連など学生目線で選んだ本が人気を集め、若者の図書館離れの防止に一役買っている。  愛媛大は6月上旬、市内の書店で本選びを3日間実施。学生約30人がそれぞれ約1時間半店内を巡り歩いた。ソーシャルビジネスや心理学、恋愛小説などを選んだ法文学部1年の天満裕佳さん(18)は「関心を持っていなかった分野でも、読みたいと思ったものは他の人にも読んでもらえそう」と一生懸命選んでいた。今回は約400冊を購入。本にはオリジナルラベルを添付し、専用の展示コーナーで貸し出す。同大図書館によると、ブックハンティングで選ばれた本は他学生にも好評。2010年度の貸出率はほかの書籍と比べ約1・7倍だった。図書館の年間利用者もブックハンティングを始めた07年度の33万人から10年度は40万人に増えている。 "[he-forum 16412] 読売新聞7/26"," (2011年7月26日 読売新聞) 私大生の仕送り年80万円割る、学費負担重く…北海道 過去20年で最低  2010年度の北海道内8私立大・短大の新入生で、自宅以外から通学している学生への家庭からの平均仕送り額が年間80万円を割り、過去20年で最低を更新したことが、道私大助成推進協議会(事務局・札幌市)の調査でわかった。  家賃を差し引いた生活費は月約2万2000円しか残らず、同協議会は「自宅外通学の私学生は、アルバイトなどの収入に頼らざるを得ない」と分析している。  調査は1990年からほぼ毎年実施している。今回は昨年5~7月に、北星学園大、酪農学園大など札幌市周辺の5大学3短大に新入生がいる世帯に調査を実施、652世帯から回答を得た。  その結果、世帯の平均年収(税込み)は685万円で、前年度より40万円減少。500万円未満の世帯が4分の1を占めた。毎月の仕送り額は、過去 最高だった1998年の129万円に比べて約6割の79万6785円になった。学費や入学時の費用を「大変重い」「重い」と回答した世帯は9割に上った。 同協議会は「今年の新入生は震災の影響もあり、さらに厳しいのではないか」と話している。 "[he-forum 16413] 佐賀新聞7/27 佐賀新聞2011年7月27日付 佐賀大、美術館を開設へ 卒業生らの作品展示  佐賀大学は美術工芸分野の卒業生や教員、学生の作品を展示する美術館を2013年10月、学内に開設する。大学の美術・工芸課程は多くの画家や造形作家を輩出、全国から学生が集まるほど実績と知名度があり、大学の特色として前面に打ち出す。  同課程は「特美」と呼ばれる高校美術教員の養成課程を前身とし、最近も教員や学生の全国公募展入賞が相次ぎ、入学志願者も多い。03年10月の旧佐賀大と旧佐賀医大の統合から10年周年の記念事業として美術館建設を決めた。全国の国立大学法人で美術館を設けているのは東京芸術大だけという。  施設の規模は2階建てで、面積1200~1500平方メートルを想定。場所は大学本庄キャンパス北側に新しく整備する正門付近を軸に検討する。学内で保管している卒業生の美術工芸品や寄贈品などを集めて常設展示するほか、旧制佐賀高等学校など大学で保管する歴史資料も紹介する。  来年11月に着工、13年10月開館を目指す。事業費は建設費6億円、施設の維持管理費3億円の計9億円を見込み、このうち6億円は学内や同窓会、企業、団体などから寄付を募る。  26日の定例会見で構想を説明した佛淵孝夫学長は「地域に根ざし、気軽に鑑賞できるような美術館にしたい。大学が誇る美術工芸の歴史や実力を知ってほしい」と話した。 "[he-forum 16414] 読売新聞7/26 読売新聞2011年7月26日付 学内システムを一回認証に…北見工業大学  北見工業大学が OpenAM で学内システムをシングルサインオンに オープンソース・ソリューション・テクノロジは2011年7月25日、 北海道の北見工業大学が OpenAM を導入、シングルサインオンを実現した、と発表した。  これにより、北見工業大学の複数 Web アプリケーションが、1度のログインでシームレスに利用できるようになったそうだ。  北見工業大学は国立大学としては最北に位置することから「寒冷地工学」を標榜、寒冷地の環境に適した技術研究や、北海道、特にオホーツク海側の産業に関連する研究が行われている。  北見工業大学では、情報処理センターが全学にサービスを提供、学内情報基盤を支えているが、学内事務の効率化や業務のスリム化を目的に、さまざまなシステムや Web アプリケーションが導入されている。  人事、経理、教務など、 業務ごとに利用されている複数のシステムを結びつけ、セキュリティーを高め、シームレスで使いやすいものにするため、OpenAM が新しく導入された。  新システムでは、学生や教職員などのユーザーは、OpenAM に一度ログインすると、複数のWeb アプリケーションをログイン操作なしで利用できる。また、ログイン時に表示されるポータルメニューは、ユーザー権限やログイン場所(学内/学外)によって変化する。  システム全体の設計やプロジェクトとりまとめは、兼松エレクトロニクスが行い、シングルサインオン システムは、 オープンソース・ソリューション・テクノロジが構築した。 "[he-forum 16415] 日刊工業新聞7/27 日刊工業新聞2011年7月27日付 海洋大と岩手大、岩手の水産復興支援で研究プロ  東京海洋大学は岩手大学と連携して、岩手県の海洋産業の復興を支援する研究プロジェクトを始める。水産系学部を持たない岩手大が東日本大震災からの被災地復興を進める際に、単科大で専門性の高い東京海洋大と連携し、水産業の三陸ブランド強化につなげる。東京海洋大は研究交流や卒業生の就職先としてつながりがある岩手県に連携拠点を持てるメリットがある。将来は両大学による共同大学院設置も検討する方針だ。  プロジェクトは岩手大が計画する「岩手大学震災復興支援プロジェクト」の「SANRIKU(三陸)海洋産業復興研究教育拠点形成事業」の一環。岩手大工学部の冷凍・洗浄の機械技術と、東京海洋大の加熱・殺菌・加工の食品技術を組み合わせた高品質な水産加工品づくりなどが期待できる。  連携拠点は、沿岸部の釜石市で津波被害を受けた北里大学海洋バイオテクノロジー釜石研究所の建物を使う。北里大は撤退するが、所有権を持つ釜石市が改修。 "[he-forum 16416] 山形新聞7/29"," 山形新聞 2011年07月29日 08:00  山形大、教員養成機能を強化 地域教育文化学部、12年度の改組申請  山形大は28日、地域教育文化学部を2012年度、現行の3学科9コースから1学科8コースへ改組することを文部科学省に申請していることを明らかにし た。8月末に認可の是非が分かる。認められれば、小学校教員免許取得を卒業要件とするコースが新設されるほか、全コースで教員免許の取得が可能になり、教 員養成機能が強化されることになる。  教育現場のニーズが専門化、多様化していることを踏まえ、再び教員養成に力を入れる考え。  計画によると、地域教育文化学部は「地域教育文化学科」の1学科とし、▽児童教育(入学定員80人)▽異文化交流(同20人)▽造形芸術(同15人)▽ 音楽芸術(同20人)▽スポーツ文化(同20人)▽食環境デザイン(同35人)▽生活環境科学(同25人)▽システム情報学(同25人)-の8コースとす る。定員は240人で現行と同じ。  このうち児童教育コースは、小学校教員免許取得を卒業要件とする。現行では実践教育コースで小中学校の教員免許を取得できるが、卒業要件とはしていない。  さらに、現行ではコース単独のカリキュラムでは教員免許を取得できないコースがあるが、改組されれば▽異文化交流は中高の社会(地理歴史・公民)、英語、国語▽システム情報学は中高の数学-など全てのコースで教員免許の取得が可能になる。  旧教育学部時代は学校教育教員養成課程の入学定員が120人と全体の半分を占めていた。地域教育文化学部は05年度、近隣の教員養成系大・学部の統合を 進めようとする文科省の方針を受け、教員養成課程を備える教育学部を一般学部に改編し、「地域教育」「文化創造」「生活総合」の3学科でスタート。改編 後、卒業生は毎年2割前後が教員となっているという。 "[he-forum 16417] 朝日新聞7/29"," 朝日新聞 2011年7月29日5時3分 教授ら330人、不正経理の疑い 業者に預け金7億円超  関東を中心とした計約60大学・短大の教授ら約330人が、出入り業者に研究費を預ける不正経理をしていた疑いがあることが、朝日新聞が入手した業者の 内部資料でわかった。研究費には国などの公金も含まれるが、預け金の総額は7億円を超える。5年前から減少傾向にあるが、現在も200人以上が計約2億円 を預けたままになっている。  朝日新聞の取材を受け、東京工業大など一部の大学は調査委員会を立ち上げた。資料に名があった東工大の副学長は28日、10月の予定だった次期学長就任を辞退した。  朝日新聞が入手したのは、精密機器や実験器具を大学に納入している東京都内の精密機器卸会社が、各教員との取引を記した「預かり金明細書」など。教員側 からある時期に一定金額が入金、プールされ、その後、機材購入や設備修理にあてられた取引が記載されていた。入金の際は、同社が作った架空請求書が大学側 に提出されたという。  研究費を使った物品購入は、原則として取引ごとに大学への申請などの手続きが必要。預け行為は使途をチェックできず、私的流用や目的外使用の温床になりやすいことから、大半の大学が内規で禁じている。 "[he-forum 16418] 四国新聞7/29 四国新聞2011年7月29日付 学生の就職支援で学長らと意見交換/労働局、県  大学新卒者の就職難が続く中、効果的な支援策の充実を図ろうと、香川労働局と香川県は28日、香川県内の大学学長らとの意見交換会を県庁で開いた。行政や各校が学生の就職活動の現状について報告、各機関が連携して早期就職支援に取り組むことを申し合わせた。  意見交換会は、景気の不透明感や、東日本大震災に伴う企業の採用抑制の広がりを見据え、初めて開催。中山明広香川労働局長や浜田知事をはじめ、県内の大学や短大、高専など8校・団体の代表者ら10人が出席した。  意見交換では、各校の学長件らから「就職意識を高めるには1年生からの啓発活動が重要。行政や企業との連携を深めるべき」「保護者や学生は依然として大手志向が強い。進路の選択肢を広げる取り組みに協力してほしい」などの声が上がった。  中山局長は「地元企業とのインターンシップの強化や行政の支援メニューを充実させるなど、より細やかなサポート態勢の整備に努める」と強調、浜田知事は「雇用のミスマッチの問題が深刻化している。離職者のフォローを含めた人材育成にも力を入れたい」と述べた。 "[he-forum 16419] 毎日新聞社説7/29 毎日新聞社説2011年7月29日付 大学秋入学 思い切って踏み出そう  東京大学が検討を始めたことで「秋入学」をめぐる論議が高まっている。机上論に終わらせず、具体化へ踏み込んでほしい。大学教育改革を進める契機ともなるだろう。  難題がいくつかある。例えば、東大単独でやるのか。入試実施時期を現行のままとすれば、入学までの約半年間、学生たちは何をするのか。就職活動に不利は? どれも解決はたやすくはない。  秋入学検討の主眼は、グローバル化時代に、国境を超えて優秀な留学生や研究者ら人材を集め、交流と知的刺激を活発にして世界に通じる高等教育・研究拠点として地歩を固めることにある。学生も積極的に海外留学の機会を得、コミュニケーション能力を飛躍させようという。  世界的に大半は秋入学制で、日本とのこのズレは、国際化のネックであると以前から指摘されてきた。データによると、東大の09年度の外国人留学生比率は2.7%。20%台が並ぶ欧米などの大学に比べてかなり低い。英語圏外というハンディはあるものの、こうした状況を改めなければならない。  今に始まった論議ではない。  国際化への対応を教育改革の主柱の一つにした1980年代の臨時教育審議会(臨教審)は、学校教育全体の秋入学移行を提起した。07年の教育再生会議2次報告は大学の「9月入学の大幅促進」を求め、入試から入学までの間の「ギャップイヤー」に学生がボランティアなど多様な体験活動をすることを提案した。  制度的には各校の判断で秋季入学はでき、部分的に入学枠を設けている大学は少なくない。抜本的に制度改革しようというのが今回の東大の動きである。  東大単独か、グループでか、一斉かと論議は分かれよう。だが、横並びを意識するより、単独の構えで諸課題に取り組む方が、さまざまな選択や実施も比較的速く進もう。その上で、他大学や大学界全体に拡大することへ発展しても遅くはない。  全面的に秋入学にするか、春入学との併存にするかも論点だ。併存もあり得ようが、それで秋入学のねらいが中途半端になっては意味がない。  入学までは「学び」の助走期間として活用することになる。その具体的方法を創出することは、目的意識の醸成という大学教育の積年の課題にも大きなヒントを与えてくれるに違いない。  今回の東大の試みは、全体の教育改革に寄与してこそ意味がある。その点で、今回入試を論議の外に置いているのは残念だ。  入学者選抜にもっと工夫をし、手間をかけることこそ、グローバル化時代に必要だ。論議を求めたい。 "[he-forum 16420] 毎日新聞福岡7/28 毎日新聞福岡版2011年7月28日付 九大病院:先端医療施設が開所 機器の研究開発など  九州大病院(東区馬出3)に27日、「先端医療イノベーションセンター」が開所し、大学関係者や医療関連企業の社員ら約300人が出席して記念式典があった。センターは、時間がかかりがちな医療機器、新薬の実用化を効率よく進めるため、産学官が連携し研究開発から臨床試験までを一貫して手がける施設で、国立大では初という。  センターは6階建て。民間企業などと共用する研究・実験スペース(5~6階)や、がん免疫細胞の培養室(4階)の他、免疫細胞療法を行うがん患者の外来診察室(4階)、治験に協力する患者のための病室(3階)などを備えている。  式典で、橋爪誠センター長は「日本の先端医療技術の実用化に少しでも役立てるよう微力ながらまい進する」と決意を述べた。有川節夫学長らがテープカットして開所を祝った後、施設見学会や記念講演などがあった。【阿部周一】 "[he-forum 16421] 茨城新聞7/27 茨城新聞2011年7月27日付 人や街づくりにICT活用 つくば市・筑波大・インテル連携  つくば市と筑波大(山田信博学長)、半導体大手のインテル日本法人(同市、吉田和正社長)は26日、「ひとづくり」と「まちづくり」の分野で、最先端の情報通信技術(ICT)を活用した産学官連携事業に本年度から取り組むと発表した。市内小中学校では、タブレット型パソコンを利用した市独自の総合学習科目を創設。同大では起業家教育講座を開講するほか、市民向けの健康づくりプログラムの実証実験なども進める。  連携事業の名称は「つくば2015:つくばが変わる、日本を変える」プロジェクト。同大の専門知識と、最先端技術を持つ同社の企業経験を市の施策や大学の講義など実践の場で活用する。  「ひとづくり」分野では、市内小中学校の児童生徒向けに、環境教育やキャリア教育などを総合した独自の教育カリキュラムを新設。授業ではタブレット型端末などを活用し、ICT教育の環境を整備する。  また、同大大学院ではコミュニケーション力の向上を目的に、同社の社員研修をモデルにした英語の講義を来春から導入。また、大学院生や同大発ベンチャー向けの起業家教育講座や同社社員が非常勤講師を務める科学技術講座も開講する。  「まちづくり」分野では、市民の健康増進を目的に、血圧計や体重計などの健康機器と携帯電話を相互接続して簡単にデータ管理ができる仕組みを利用し、健康づくりプログラムを策定する。また、災害時にも使える市民への情報伝達システムの構築も目指す。  会見で市原健一市長は「3者がスクラムを組んでそれぞれの人材や情報、技術を有機的に活用し、新しいまちづくりを推進したい」と話した。 "[he-forum 16422] 京都新聞7/28 京都新聞2011年7月28日付 京大、節電でお盆休み 15、16日 病院除き一斉休業印刷用画面を開く  京都大は27日までに、お盆に合わせた夏季一斉休業を実施することを決めた。これまで研究を最優先して全学的な「お盆休み」を設けていなかったが、電力供給状況を考慮し、8月15、16の2日間、医学部付属病院を除いて休業する。  国立大も2004年の法人化以降、温室効果ガスの排出削減や教職員のリフレッシュを目的に、お盆時期の一斉休業の実施が進み、京都でも京都工芸繊維大、京都教育大が導入した。京大でも省エネなどの効果から実施を求める意見があったが、お盆でも実験などで多くの研究室が研究を続けており、限られた部局の事務室での実施にとどまっていた。  京大は今夏、全学的な独自の節電プログラムに取り組んでおり、その一環として一斉休業を検討、8月15、16日で実施を決めた。直前の土、日曜とあわせて4連休になる。  今夏は特例として実施するが、来年以降も継続を検討する。実験で生物などを扱う研究室の休業は実際には難しいが、できる限り協力を求めるという。  京大職員課は「研究室に配属されている学生にも休業の周知を徹底し、節電に資したい」としている。 "[he-forum 16423] 中国新聞7/29 中国新聞2011年7月29日付 広島大、福島大とも研究協定  広島大と福島大は28日、福島第1原発事故を受け、放射線が健康や社会に与える影響、放射性物質の除染などの研究で連携する協定を結んだ。被爆地の蓄積を生かすのが狙い。福島大は同日、長崎大とも同様の協定を締結した。3大学は適宜連携するという。  福島大が測定した放射線観測データを生かしながら、復興に向けた環境浄化の方法などを研究する。教職員や学生の交流も計画している。  この日、福島市で調印式があり、3大学の学長が出席。広島大の浅原利正学長は「未来を担う子どもの育成支援や学生の教育とケア、放射能汚染からの回復を目指す」と強調した。 "[he-forum 16424] 茨城新聞7/29 茨城新聞2011年7月29日付 中小企業支援へ茨城大と県公社連携協定 技術移転や就職、ベンチャー創出も  茨城大学と県中小企業振興公社は28日、県内中小企業の活性化を図るため、大学の研究技術(シーズ)と県内中小企業が必要とする技術を結び付ける情報交換や合同での企業訪問、大学生の就職などを進める連携協定を結んだ。中小企業との連携による大学発ベンチャー企業の創出も図る。  同大の池田幸雄学長と同公社理事長の上月良祐副知事が同日、水戸市内で協定書に調印。同公社は、企業と大学と結び付け、大学は研究技術を企業の課題解決や製品化などに生かしていく。  池田学長は「大学は2年前から地域貢献を進めており、共同研究の進展にも期待したい」と述べ、上月理事長も「大学との協定をきっかけに、連携の質を高めたい。公社は中小企業との人脈を生かし、大学の技術を企業と結び付けていく。学生も連携にかかわる過程で学び、就職につなげていってほしい」と期待を込めた。  同公社は毎年、ビジネスプランのコンテストを開き、茨城大発のベンチャー企業を含め中小の新事業を支援。大学は企業との共同研究も進めており、積極的な製品化やベンチャー創業にもつなげる構え。 "[he-forum 16425] 朝日新聞7/29"," 朝日新聞2011年7月29日15時18分 業者への預け金、年度末に集中 教授らの不正経理疑惑  約60大学・短大の教授らによる研究費の不正経理疑惑で、教授側から出入り業者への「預け金」の入金時期が、2月と3月の年度末に集中していることがわ かった。預け行為を認めた教授は「余った研究費を返したくなかった」と説明。業者の関係者は、教授との取引を続けるために「年度末には各大学を回って、 余った研究費をかき集めた」と証言している。  朝日新聞が入手した資料は、実験器具などを関東中心の大学に納入している東京都内の精密機器卸会社が、教授ら約330人との取引内容を記した「預かり金 明細書」など。教授側からの入金のうち、具体的な日付がわかる約1100件を調べたところ、全体の6割にあたる約650件が2月と3月に集中していた。  資料に名があった東京農大の教授は預け行為を認めたうえで、「余った研究費を返すと、翌年度以降の予算が削られる。かといって無駄な物を買うわけにもいかなかった」と釈明する。 "[he-forum 16426] 朝日新聞7/30"," 朝日新聞 2011年7月30日0時17分 私大の4割、定員割れ 11年度、充足率は過去最低  全国の4年制私立大学の39.0%が今年度、定員割れしたことが、日本私立学校振興・共済事業団の集計で分かった。入学者数を入学定員で割った定員充足率は過去最低の106.4%で、私大にとって厳しい経営環境が続いている。  5月1日現在で584校ある4年制私大のうち、募集停止や通信教育のみなどを除く572校の入学状況を調べた。223校が定員割れし、うち入学者が定員の8割未満が107校、5割未満も16校あった。昨年度の定員割れは569校中218校(38.3%)だった。  全体の入学定員45万2997人に対し、実際の入学者は48万1955人。定員充足率は前年度比2.1ポイント減の106.4%となった。定員充足率は18歳人口の減少を背景に低下傾向が続き、えり好みをしなければ大学に入れる「全入時代」が近づいている。 "[he-forum 16427] 朝日新聞7/30"," 朝日新聞 2011年7月30日3時0分 預け金流用、銀座で飲食 日大教授「業者持ちと思った」  関東を中心とした約60大学・短大の教授らによる研究費の不正経理疑惑で、日本大学の男性教授3人が東京・銀座のクラブなどで、出入り業者から「預け 金」による接待を受けていた疑いがあることがわかった。業者の関係者は「預け金を飲食費にあてた」と証言。一方、3教授は「業者側の費用による接待と思っ ていた」と話し、預け金の存在も否定している。  実験器具などを大学に納入している精密機器卸会社(本社・東京都)の取引明細によると、同社は3教授の研究室と、それぞれ年間数千万~数百万円の実験機 器の保守契約を結んでいた。明細では、年度内に使い切らなかった保守費は翌年度以降に繰り越され、プールされていた。支出では、資料の製本代や学会への寄 付金など、保守目的以外のものもあった。  また、3教授は朝日新聞の取材に対し、それぞれこの業者から東京・銀座や赤坂のクラブなどで複数回にわたって接待を受けていたことを認めた。業者の社員 が個人的に作っていたメモによると、1回あたりの飲食費は数万円で、いずれも各教授の預け金でまかなわれていた。業者の関係者は「教授から『今年はほとん どメンテナンスがなかったし、(保守費で)もうかってるだろ』と言われることもあり、保守費から出していいだろうと思った」と話している。  これに対し、3教授は預け金の存在自体を否定。1人は「数回、赤坂の店で接待は受けたが、代金が保守費から支払われていたなんて全く知らない」、別の1 人は「実験装置を買ったので、その御礼か何かの接待と思った」、もう1人は「接待費が保守費から出ているとは寝耳に水。今後は一切業者の接待は受けない」 と話している。(峯俊一平、泗水康信) "[he-forum 16428] 福井新聞8/1 福井新聞2011年8月1日付 敦賀短大公立大学化、市会は難色 市、14年開学目指す  公立大学法人化を目指す福井県の敦賀短大について敦賀市は、市立看護専門学校と統合し、看護系の4年制大学として2014年度開学する方針を6月の市会特別委で明らかにした。市では「医療サービスの向上が図られる」と説明するが、市が負担する年間の運営経費が3億4400万円になることも示され、市会からは大学の必要性や在り方について疑問の声が上がっている。 (敦賀支社・渡辺一誠) ■医療サービス向上  同短大は1986年開学。学生数はピークの92年には541人が在籍していたものの、少子化の進展や高学歴志向が高まり減少。定員割れの状態が続いている。市は補助金として年間1億5千万円前後を毎年投入して存続を図っており、累計は10年度までで26億8千万円に上る。  同短大の存廃についてはたびたび市会でも議論の的となった。09年の3月市会では補助金の支出をめぐり、「説明責任を果たすこと」とする付帯決議を付けて認めた経緯もある。  市では、「嶺南唯一の高等教育の火を消すべきではない」と模索を続けた。今年6月の市会特別委で、14年度開学の看護学科を備えた4年制大学を目指す方針案を提示。高度な教育を受けた看護師を地元で養成することで、より高い医療サービスを市民に提供できると説明している。 ■負担は増加  4年制大学を目指す理由として▽学生の高学歴志向▽看護系教員確保が短大では困難―を挙げた。特別委で穴吹憲男特任部長は「若者の流出防止や地域活性化にもつながる」と、まちづくりの観点からの必要性も挙げて理解を求めた。  しかし、市会の反応は厳しい。現在の短大の補助金と看護専門学校の運営費の合計より、4年制大学の運営費交付金は約5千万円増加。同特別委の原幸雄委員長は「負担に疑問を持つ市議は多い」と指摘。成功例として取り上げられる新見公立大(岡山県)の年間経費は約5億4千万円で、敦賀市の見込みが低すぎるとの見方もある。  高等教育機関の必要性を認める今大地晴美議員は「人材育成の観点から大学は必要。教育にはある程度の投資はやむを得ない」と理解を示す。一方「大学は敦賀の特色を生かしたものにしなければならない」と看護学科での存続には疑問を投げかけた。 ■残り時間少なく  14年4月開学には、13年3月末に定款や学科、講師陣などを明記した大学設置許可を文科省に申請する必要がある。残された時間は1年7カ月余り。塚本勝典副市長は「教員確保を進める必要があり、時間はあまりない」と認めた。9月定例市会での関連予算計上を目指すが「まずは議会の理解を得ることが先決」と、慎重な姿勢を見せた。  東日本大震災で、原発関係の交付金が不透明になったことも市会の厳しい対応に結びついている。市は事業の財源的な裏付けを示す中期財政計画を8月下旬にも提示する方針。塚本副市長は「市の財政は他自治体に比べはるかに健全で、短大の大学化を進める余裕はある」と強調した。  原委員長は「現在の説明は『短大を存続するために4年制大学が必要』と強調しているだけ」と指摘。委員の市議からも「説明を聞いてもわれわれが『必要だ』とぐっと感じるものがない」と、市の?熱意不足?を指摘する声があった。  高等教育機関の存続なのか、医療サービスの向上なのか、大学の目的を明確にして、河瀬一治市長自らが議会に説明することも必要ではないか。 "[he-forum 16429] 朝日新聞7/31 朝日新聞2011年7月31日付 預け金、退職後も継続 移籍先大学で利用、不正経理疑惑  約60大学・短大の教授らによる研究費の不正経理疑惑で、教授が別の大学に移る際、出入り業者にプールしていた「預け金」も一緒に移し、個人資金のように利用していたことがわかった。また、預け金が足りない場合、いったん業者に肩代わりさせ、後からの入金で埋め合わせていたケースもあり、教授らと業者のなれ合いの構図が浮かんだ。  東京農大の教授は2002年に同大を退職し、東北大に移った。教授は朝日新聞の取材に対し、退職の際、出入りの精密機器卸会社(本社・東京都)にプールしていた「預け金」を移し、東北大で継続して使っていたことを認めた。  同社の「預かり金明細書」によると、03年9月時点の残金は約640万円。その後、07年まで7回にわたり、パソコンやデジタルカメラなど計約500万円分を使っていた。 "[he-forum 16430] しんぶん赤旗8/2","2011年8月2日(火)「しんぶん赤旗」 学費軽減 就活是正を 都学連など 文科省などに要請 ________________________________  東京都学生自治会連合、学費ZEROネット東京は1日、高等教育の充実や高学費軽減、就職難の打開をもとめて文部科学省、国会議員への要請などを行いました。  要請は、▽大学予算増額、大学関係施設の耐震改修の促進▽学費値下げ、給付制奨学金の創設▽求人・採用増加の経済界への働きかけ、就活の長期・早期化を是正し、学業と両立できる実効性あるルールの策定―などを求めています。  学費ZEROネット東京は結成3年です。衆院議員会館で記者会見した牧野大志都学連委員長は、“奨学金の返済が不安で借りられない”“大学を中退 した”など高学費が家計や学生生活を圧迫している深刻な実態を紹介。「全日本学生自治会総連合がすすめる『学費負担軽減・高等教育予算増額をもとめる請願 署名』にも取り組み、学生の要求実現にむけて活動していく」と話しました。  東京大学の学生は、「母子家庭に育ち、家計が苦しいが、授業料免除制度があるので通学できる」と学費負担を軽減し、学ぶ権利の保障を訴えました。 約40社から内定が出ずに、留年を強いられる私立大学の学生は、「企業の選考基準が明確でなく、講義のある平日に説明会・面接が入る」と学業と両立できる 就職活動を求めました。 "[he-forum 16431] 佐賀大学教職組が玄海原発再稼働と被ばく基準問題で特別決議 佐賀大学の豊島です. 昨日開かれた佐賀大学教職員組合の定期総会で,原発関連の二つの特別 決議が採択されましたのでご紹介します.これから関係方面に送付さ れ,またメディアに発表されることになります. 佐賀大学教職員組合の連絡先は以下のとおりです. 40-8507 佐賀市本庄町1 佐賀大学内 電話:0952-22-9281, Fax:0952-22-9286 ------------------------------ <特別決議 1>   玄海2号機、3号機の再稼働に反対する 福島第一原発の大惨事と、それによって引き起こされた広範囲に及ぶ甚 大な被害は、多かれ少なかれ原子力の「安全神話」に洗脳されていた私 たちに強い衝撃を与えた。これだけの犠牲が払われた以上、これを今後 はいかなる類の「安全神話」にも二度と騙されないという強い戒めとし なければ、我々はあまりにも愚かということになろう。 ところが7月4日、玄海町の岸本町長も佐賀県の古川知事も、海江田経 産相が「安全対策は国が責任を持つ」と発言したことなどを理由に、町 長は再稼働に同意し、知事は「安全性はクリアされた」と発言した。福 島第一原発の大事故の原因は「国が安全に責任を持つ」と発言していな かったためであろうか?このような両氏の態度は、原発という巨大なリ スクに対してあまりにも安易であり、「安全神話」の再生産である。 町長や知事のこのような態度は、国が「ストレステスト」という追加的 な安全策を出してくるや、一夜にして崩れた。しかし「ストレステス ト」も結局のところコンピュータによるシミュレーションに過ぎず、そ の妥当性を第三者が確かめるのは困難であり、実行不可能な「実験」の 代わりになるものでもない。しかも政府は、定検中の原子炉については 簡易なものですませると発言しており、これを単に再稼働のための方便 にしようとする意図がうかがえる。 福島の事態はまだ収束していないどころか、これからもどのような重大 事態が起きるか予想出来ない。また、原子力安全・保安院は地震で原子 炉は損傷を受けていない断定し、そのため今回の「緊急安全対策」には 地震への対策は含まれていない。しかし地震で原発が壊れなかったかど うかが、実際に原子炉配管などを見て確認されたわけではない。福島と 同じ震度6強の地震が玄海で起きないとだれが断言できるだろうか。 再稼働しようとしている2基のうち3号機は、福島第一の3号機同様、 プルトニウム燃料が追加されたプルサーマル運転であり、安全性に疑問 が多い。また2号機のすぐ隣では、原子炉容器老朽化の懸念が大きい1 号機が運転中である。現在稼働中の火力発電などによって当面の電力供 給にさほどの心配がない中で、これら2基の再稼働を急ぐ理由は全くな い。国や県の「説明番組」や「説明会」は、九電によるやらせメールや 参加者動員など、今や「世論操作」の疑いが濃厚となった。 ひとたび重大事故が起きればその被害は佐賀県にとどまるものではな い。玄海原発では現在2基が運転中であるが、2基の再稼働で2倍にな れば重大事故の確率も単純には2倍になる。われわれとわれわれの家族 の安全を守るため、そして周辺の多くの人々の安全のため、これら2基 の再稼働は絶対に認められない。 2011年8月1日  佐賀大学教職員組合定期総会 ----------------------- <特別決議 2> 「子ども年20ミリシーベルト基準」の明確な撤回と、福島県を中 心に子どもの疎開を含む抜本的な被ばく低減策を求める 文科省が4月19日に出した、福島県の学校における「年間 20ミリシーベルト」の被ばく基準(上限値)は、18歳未満の就労 が禁じられる「放射線管理区域」のレベルの約4倍に相当する極端に大 きな値であり、子どもの健康と生命への重大な脅威である。この基準ゆ えに「この値以下なら安全」とする風評が広がっているが、これは我が 国の放射線防護の法令等の基礎となっているICRP(国際放射線防 護委員会)の「閾値(いきち)なし、線量 ―効果の 比例関係」という前提に全く反する。しかもICRPのリスク見積も り自体も楽観的過ぎるとの批判もある。 このまま放置されると子どもたちに将来深刻な健康被害を生じる恐れが ある。この基準の一刻も早い撤回と、子どもたちの疎開も含む被ばく低 減策が必要である。佐賀大学教職員組合と組合員は、そのためのあらゆ る努力と支援を惜しまない。 2011年8月1日 佐賀大学教職員組合定期総会 ----------------------- 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","abolition-Japan abolition-Japan;全大教 高等教育フォーラム","abolition-japan@yahoogroups.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16432] 四国新聞8/2 四国新聞2011年8月2日付 「戦略推進」に県内15機関提案/文科省  文科省は1日、産学官連携で地域の特性を生かした製品開発などを戦略的に進める「地域イノベーション戦略推進地域」に香川県、かがわ産業支援財団、香川大など香川県内15機関が提案した「かがわ健康関連製品開発地域構想」を選定した。併せて、構想を実現していくためのプログラムを、同省の支援事業「地域イノベーション戦略支援プログラム」に採択したと発表した。  採択されたのは、医療や福祉機器などの健康関連分野での製品開発などに取り組む構想とプログラム。プログラムの提案額は約6900万円で、人件費などの補助を受け、医学、工学分野での研究者の招聘(しょうへい)▽県内企業での技術者育成▽香川大の研究拠点で機器開放時に技術支援などを行うスタッフの増員-などの施策を進める。  文科省などが本年度に新設した事業で、全国では同推進地域に24地域、同プログラムに13地域を選定した。期間は2015年度までの5年間。 "[he-forum 16433] 河北新報社説8/4 河北新報社説2011年8月4日付 東日本大震災 大学の役割/実践的な態勢づくり進めて  震災からの復旧、復興を研究開発や教育面から後押ししようと、東北の各大学が積極的に動き始めた。  地震に伴う揺れで研究棟、実験機材が大きな被害を受けた東北大は落ち着きを取り戻し、全学的な組織「災害復興新生研究機構」を創設した。  被災地から求められるさまざまな要望に対し、学部の領域を超えて解決策を提案する。防災と減災システムの確立、地域医療再生、環境エネルギー、情報通信再構築、産学連携による新産業創出など七つのプロジェクトの推進を掲げる。  福島県立医大は、放射線医療の教育体制を築くため、長崎大と広島大から専門家を副学長として招いた。福島第1原発事故による住民の外部・内部被ばく、作業員らの緊急治療に対応できる受け皿を目指す。  「地域における知の拠点」として専門の立場から解決を図る姿勢は評価したい。ただ、いずれも理念先行型の印象が否めず、成果が表れるには数年以上かかるとみられる。  プランの肉付けを急ぐ一方で、宮城、福島両県など自治体の復興計画と食い違わないよう、綿密に擦り合わせをしながら進めてほしい。  東北大復興機構の中で早期の成果が期待できるのは、「マリンサイエンス」の分野だ。6月中旬、津波被害を受けた宮城県南三陸町などで、ウニとアワビの生態系がどう変化したか海中調査を行った。餌となる海藻群落の復活に向けた処方箋を示すという。漁業者が最も知りたがる情報と思われる。  失われた市街地の再生を建築学の視点から支援する動きも始まった。東北大大学院工学研究科は石巻市と包括連携協定を結び、移転計画や機能的な街づくりなど復興計画に関わる。  教授や若手が研究室から現地に飛び出し、一緒に汗をかいている。後に続く研究者がもっと増えることを期待したい。  福島県立医大の人材育成策は、3月の原発事故発生の際、対応できる専門スタッフや医療体制が整っていなかったことの反省を踏まえている。  2人の副学長は、それぞれ臨床と基礎研究を担当する。長期に及ぶ原発事故収束までの作業工程をにらみつつ、即戦力の養成を急いでもらいたい。  宮城教育大は、被災地の学校で学ぶ児童生徒の学習を支援、疲弊した教員をサポートしている。7月から「復興支援センター」を母体に教員と研究者を送り込んでいる。家庭、教育環境の変化によって心の病を抱える子どものケアなど、息の長い取り組みになろう。  政府の復興構想会議が6月末にまとめた「提言」に、大学の役割が盛り込まれている。東北の製造業が得意とする電子部品と最新技術を融合した世界規模の新規事業創出、キャンパスを活用した職業訓練などをうたっているが、やはり長期間を要するものが目立つ。  大学は将来的なプラン作成と、すぐに地域に還元できる支援を並行して行える実践的な態勢づくりにまい進してほしい。 "[he-forum 16434] 日本経済新聞8/4 日本経済新聞2011年8月4日付 神戸大、東北大と復興支援で連携 災害ロボなど共同研究  神戸大学は3日、東北大学と大規模災害の復興支援など幅広い分野で共同研究を進める考えを明らかにした。がれきを撤去する災害ロボットなど復興を支援する先端研究、産業復興策や防災対策が柱で、今後、学生や教職員の交流を進める考え。阪神大震災の経験を踏まえた研究実績や人材を生かす。両大学が中心となり、関西と東北の他の大学とも連携の輪を拡大する考えだ。  神戸大が神戸市で開いた東日本大震災の復興を話し合うシンポジウムで、福田秀樹学長が明らかにした。パネル討論に参加した東北大の井上明久総長もこれに同意した。  パネル討論の中で、福田学長は東京電力の福島第1原子力発電所での復旧作業が外国製の災害ロボットなどに依存していると指摘。「両大学の(理工系学部が研究している)技術を投入し、国産の力で復興の実績を残せる」と話し、ロボット開発に意欲を示した。  また文化系学部を中心に、被災地の自治体や産業の復興策も共同で研究する方針も示した。教員や学生を東北の被災地に積極的に派遣する。神戸大は阪神大震災の翌年の1996年に「都市安全研究センター」を設立し、防災や減災の研究実績があり、これを共同研究にも生かす。  東北大は東日本大震災の後、災害復興を全学的に研究する「災害復興新生研究機構」を創設した。井上総長は「東北大としても具体的な連携のあり方を詰めたい。時間との勝負だ」と、神戸大と早期に連携する考えを示した。  シンポジウムには復興構想会議の五百旗頭真議長(神戸大名誉教授)も参加した。「阪神大震災の復興で生まれた神戸の知恵を生かすことが重要。近畿を中心とする関西広域連合とも結んでいくとよいのではないか」と発言し、両大学の連携にエールを送った。  神戸大は共同研究の枠を拡大するため、京都大学や大阪大学など関西の他の大学にも連携を呼び掛ける。兵庫県など阪神大震災を経験した自治体の協力も求める。 "[he-forum 16435] 信濃毎日新聞8/3 信濃毎日新聞2011年8月3日付 医療産業県内に集積 信大や県の産学官連携  信大(本部・松本市)、県経営者協会、県テクノ財団、県、八十二銀行(いずれも長野市)は2日、共同提案した産学官の連携プロジェクトが技術革新などを支援する国の補助事業「地域イノベーション戦略推進地域」に採択されたのを受けて信大松本キャンパスで会見を開き、内容を説明した。信大の研究成果と県内産業の超精密技術を結び付け、ハードとソフト両面で企業参入を支援しながら、市場ニーズを踏まえた新しい医療機器の開発を目指す。  採択された事業は「次世代産業の核となるスーパーモジュール(超高性能部品)供給拠点」。ナノカーボンなど信大の素材研究の成果を医療機器の製品や部品作りに生かす「研究シーズ(種)」と、市場のニーズを把握し県内産業の超精密技術を活用して製品化する「市場ニーズ」の両面を基にしたものづくりを進める。最終的には県内を医療関連産業集積地にする構想だ。  具体的には、経産省の補助事業で信大病院の隣接地に研究棟「信州地域技術メディカル展開センター(仮称)」を8億8千万円(うち国補助は3分の2)かけて建設。同センターを拠点に信大と企業が共同で医療機器を開発する。県内企業から信大に研究者を招いたり、医工連携に精通したコーディネーターを配置したりといった四つのプログラムを通して、産業界の参入や製品化を後押しする。  信大の山沢清人学長は会見で「信大の素材研究と県内企業の超精密技術を融合し、新製品の開発や県全体の活性化に役立てたい」と述べた。 "[he-forum 16436] 信濃毎日新聞8/4 信濃毎日新聞2011年8月4日付 信大医学部予防に力 大学院博士課程を改組  信大医学部(松本市)は2012年度、大学院医学系研究科の博士課程を、従来の3専攻から2専攻に改組する。加齢適応医科学系専攻を「疾患予防医科学系専攻」と改称し、予防医学に特化した研究を展開。さらに臓器移植細胞工学医科学系専攻は解消し、予防医学領域を含む研究者を疾患予防医科学系専攻に合流させるなど選択と集中を図る。  臓器移植や人工臓器を研究する臓器移植細胞工学医科学系専攻(5分野)は2000年に開設。当時は先進的だった肝移植が今は一般医療になるなど「役割は一段落した」(福嶋義光医学部長)として解消する。うち発生再生医学と分子病理学の2分野は、予防医学領域を含んでおり、疾患予防医科学系専攻に移る。  一方、循環器病態学、免疫制御学、感染防御学の3分野は特定領域にとらわれず幅広く研究を行うため、現在の医学系専攻に移行。循環器病態学は「循環器内科学」、発生再生医学は「循環病態学」に改称する。加齢適応医科学系専攻の加齢病態制御学も医学系専攻に移し、「糖尿病・内分泌代謝内科学」と改める。  博士課程は12年度の改組に合わせ、定員を現行72人から48人に減らし、院生1人を臨床系と基礎系の2人の教官が指導する「2人教官制」を導入、より密な指導を行う予定。福嶋学部長は「医療の究極の目標である『予防』の研究に力を入れるとともに、より幅広い研究を進められる態勢を整えた」としている。 "[he-forum 16437] 秋田魁新報8/4 秋田魁新報2011年8月4日付 放射性物質測定、秋田大が協力 県と契約締結  秋田大学は、手形キャンパス(秋田市)の放射性同位元素センターに設置されている測定機器を使用し、福島第1原発事故に伴う県内の放射性物質の種類や濃度を検査する。同大が3日、発表した。県の委託を受けて行うもので、契約締結は7月29日付。  同大は今後、測定する対象や数量、時期について県と協議する。  県環境管理課によると、これまで牛肉や農産物などの放射性物質検査は、同市の県健康環境センターで行っていた。同センターの測定機器は1台のみ。同課は「秋田大の協力で、検査態勢が現状より充実する。コメなど新たな検査対象が増えることが予想されるため、大学と調整して進めたい」としている。 "[he-forum 16438] 中国新聞8/4 中国新聞2011年8月4日付 島根大が広島オフィス開設へ  島根大(松江市)は10月、広島市中区に「広島オフィス」(仮称)を開設する。少子化に伴う大学間競争が厳しさを増す中、学生の獲得や就職支援の拠点とする。  オフィスは、相生通りに面した「ごうぎん広島ビル」の4階に開く。当初は職員1人を常駐させ、2012年度から2人体制で運営する。  広島都市圏の進学希望者を対象に、入試説明会を定期的に開くほか、広島県内の高校などを訪問し、大学案内や入試情報を提供する。  同大の在学生は6月1日現在、5378人。うち広島県出身者は485人を占め、島根、鳥取両県に次ぐ。広島県内の企業への就職を希望する学生も多く、オフィスを拠点に就職先の開拓や求人情報の提供で学生の就職支援も進める。 "[he-forum 16439] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.31 ニュースレター NO.31                     2011、8、6   公正な学長選考を求める裁判を支える会    事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内       (TEL/FAX 088-844-1489)  意向投票の確実な実施とその結果の「尊重」を強く要求する!    公正な学長選考の実現のために  高知大学の構成員の皆さん。この裁判に注目している全国の皆さん。  4月22日(金)高松高裁で第一回控訴審が開かれました。審理はこの一回で 結審し、次回は判決です(判決日未定)。  前号の最後に「秋には学長選考が予定されています。今までに8年間もその座 にいる現学長の再登板の噂はたえませんし、ここまで学長のイエスマンとして行 動してきた執行部の取り巻き(現理事など)が,あたかも中立的な立場であるか のごとく振る舞いながら,実は「世襲的亜流」の臓腑を秘め,学長候補者として 登場する可能性もあります。」と述べました。    問題の「秋」が近付いてきていますが、学長選考会議はいまだに開催されてい ません(事実上、未設置の状況。これは第2期中期目標期間が始まって速やかに 業務監査によって当然指摘されるべきであったが,3年を越えて放置されたまま。 )。ここまで開催が遅延した理由は役員会からの委員の選出が行われなかったか らです。7月に入ってやっと役員会からの三名の委員が選出されましたが、今度 は経営協議会選出の委員の一人が亡くなり、その欠員補充が必要になったようで す。そちらの日程を考えると、第一回の学長選考会議の開催は早くとも9月にな ることがはっきりしました。  ここで私たちが思い起こさなければならないのは、今回同様に学長選考会議が なかなか開催されなかった前回2007年になにが起こったかです。学長選考に 関する規定がそれまでなかった(選考会議が開催されていなかったのだからない のは当然・・・その責任者は?)ことを口実に現学長のそれまでの4年の任期は 完全に「チャラ」(任期としてカウントしない)ということにされてしまいまし た(「学長選考規則付則2」。もしも規則改正について検討するのであれば、む しろ、まず行うべきことは、この付則の廃止でしょう)。  そして、今回も同じようなインチキが行われないとは言い切れません。    我々がもっとも危惧しているのは「意向投票」すら実施されない事態が起こる かもしれないということです。これまで、裁判の過程で繰り返し主張してきたよ うに学内投票は憲法23条の「学問の自由」に根拠を持つ,極めて重要な手続きで す。しかし、文部科学省の一部には大学に対するコントロールを強化するために 大学構成員による意向投票をやめさせようとする根強い動きがあります。4年前 に文部事務次官が学長として「天下った」山形大学で、本年4月に意向投票を行 わないという学長選考等規程の改定が行われたことは極めて象徴的です。意向投 票無用論は本学でも前回の学長選考会議の一部の委員が主張していました。  9月に第一回の学長選考会議が開催されるとすれば、投票スケジュール(学長 候補者の推薦日程や公示期間を含む)を設定するための時間をとることが必要で あるので、常識的には、現行の規則に則って速やかに意向投票実施日と学長候補 者選出の会議開催日を決定しなければなりません(前回は10月5日投開票、1 0月17日学長選考会議開催)。  しかし、「常識」が全く通用しないのが現執行部のやり方であるということを 考えれば、むしろ「時間がない」ことを逆手にとって短時間の審議で、意向投票 を廃止する規則改訂が強行される危険はかなり大きいといわなければなりません。  同様の危惧を抱いた教職員組合からも大学に対して「申し入れ」が行われてい ますが、私達もそれぞれの部局で「意向投票の確実な実施とその結果の実質的な 尊重」を強く求める声を挙げていく必要があります。  学長選考会議意向投票を実施し、その結果を尊重せよ! -------------- ●参考  国立大学法人高知大学学長選考等規則より 第7条 学長選考会議は、学内の意向を調査するために、第一次学長候補者につ いて投票資格者による投票(以下「学内意向投票」という。)を行うものとする。 2 学内意向投票の期日は、学長選考会議が定め、投票の一か月前までに学内に 公示するものとする。 第12条 学長選考会議は、学内意向調査の結果を参考にして、学長候補者を選 考する。 第13条 学長の任期は4年とし、再任することができる。ただし。6年を超え て在任することはできない 付則2 第13条の規定は平成20年4月1日から施行する。 "[he-forum 16440] (高知大学職組機関誌) こぶし 第2号 こぶし 第2号 2011年7月28日          高知大学教職員組合中央執行委員会機関紙          朝倉・物部地区内線1159 外線844-1489          E-mail:union@mb4.seikyou.ne.jp          http://kuunion.cocolog-nifty.com/blog/ ■学長選考にかんする申し入れをおこないました。■  現学長の任期満了にともなう学長選考の時期が近づいてきました。  高知大学教職員組合では以下の申し入れをおこないました。  ----------------------------                   2011年7月21日  国立大学法人高知大学学長選考会議御中                   高知大学教職員組合                   中央執行委員長                   原崎道彦     学長選考にかんする申し入れ  現学長の任期満了にともなう学長選考について以下のことを申し入れます。  (1)高知大学のすべての職員(非常勤職員を含む)が平等に参加する意向投 票を実施すること。  (2)意向投票の結果を尊重した学長選考をおこなうこと。 ----------------------------- ■学長選考会議に「権力移譲の場」となってほしくありません。■  国立大学法人法そのものがかかえる問題として指摘されることもあることです が、高知大学の学長選考会議も、学長が「権力移譲」をおこなおうとすればでき る構成となっています。学長選考会議は、経営協議会からの4名、教育研究評議 会からの4名、学長が指名する理事3名の合計11名から構成されています。し かし、経営協議会のメンバーはいずれも学長が指名ないし任命した人間なのです。 したがって、学長が「権力移譲」を意図し、そのつもりで学長選考会議のメンバ ーをそろえようとすれば、11名のうちの7名を固めることができます。過半数 です。その7名のうちから議長を出したとしても、なお過半数です。決をとれば、 どんな提案でも可決できるのです。   「権力の移譲」は、ふつう、権力にむらがり、組織をくいものにしようとする人 たちがおこなうことです。学長選考会議がそれをおこなえば、私たちしもじもの ものは「トップがあれじゃなー」と、やる気がなくなります。私たちにとって学 長は学長でなくなり、ただの権力者でしかなくなります。学長が高知大学のすべ ての職員にとって学長にふさわしい人物である、ということを確認するための手 続きが意向投票だと考えます。  もちろん、現在の学長選考にかんする規則によれば、意向投票をおこなうこと になっています。しかし、学長選考会議は意向投票をおこなわないと決めること もできるのです。しかも、意向投票をおこなったとしても、4年前がそうだった ように、意向投票の結果を無視することも可能なのです。それだから私たち組合 は今回、あえて意向投票の実施とその結果の尊重を求めることにしたのです。 現在の高知大学は、多くの非常勤職員によって支えられているのが現実です。私 たち組合が求める意向投票は、非常勤職員を含むすべての職員が平等に参加する 意向投票です。 "[he-forum 16441] 日本経済新聞8/6 日本経済新聞2011年8月6日付 千葉大、上海交通大と提携 産業ロボなど3分野研究  千葉大学は、産業用ロボットなど理工系の3分野で中国の上海交通大学(上海市)と、教授や大学院生を交換留学する業務提携した。双方の大学が運営資金を拠出し、強みとする共通分野での研究を進める。将来的には、地元企業との産学連携によるビジネス化に取り組む計画だ。海外の大学と出資方式で業務提携するのは初めて。  千葉大によると、業務提携に伴う年間の運営費用は約5200万円で、折半して拠出した。今年度は研究拠点の整備などに力を入れ、共同研究が本格的にスタートするのは来年度からという。  3~4カ月程度の交換留学で数人の教授と20~40人の大学院生を受け入れ、産業用ロボットのほか医療器具、バイオメカニクスの3分野で共同研究を進める。動物の骨格や動きのメカニズムなどを研究するバイオメカニクスは、サメの肌の機能を取り入れた競泳用の高速水着の製品化につながるなど、世界的に注目されている分野だ。  1896年設立の上海交通大は理工系学部が知られており、東京大や九州大、立命館大学などともすでに提携。水質浄化や太陽光発電装置などの分野で日中の共同研究に取り組んでいる。  有名大学や研究機関の評価を行う英クアクアレリ・シモンズ社によると、2011年のアジアの大学ランキングで千葉大は51位で、上海交通大が33位。上海交通大側から話が持ち込まれ、千葉大側は「ロボットや医療器具の分野でほぼ同水準の技術を持つ大学との業務提携は、お互いの技術向上やビジネス化の機会拡大につながる」として受け入れた。 "[he-forum 16442] 毎日新聞島根8/4 毎日新聞島根版2011年8月4日付 大田市立病院:医療充実へ寄付講座、10月開始 費用、研究拠点提供  大田市は3日、市立病院(同市大田町)の医師不足に対応するため、外科的処置もできる内科系総合医を育成する島根大医学部の寄付講座「総合医療学講座」を10月にスタートさせることを明らかにした。同市が費用のほか臨床研究の拠点として同病院を提供し、診療に従事する医師を確保する。大学寄付講座を利用した医師確保の取り組みは県内初。  市によると、講座は同大医学部キャンパス(出雲市)と同病院の2カ所を拠点に開講。臨床の指導は同病院内に設置した「大田総合医育成センター」で、野宗(のそう)義博副院長(外科)のほか、東京と益田から招いた2人の医師が教授、准教授としてあたる。同病院での診療も担当し、これまでより診療態勢が充実する。  一方、講座の教員(教授、准教授、講師、助教)について市は医師16人程度を想定していたが、公募で予定人数に達しなかったため、規模を縮小。出雲と大田で教授2人でのスタートとなり“見切り発車”の色が濃い。  また市は、同病院の常勤医として、橋本昌典(54)=脳神経外科、橋本朋子(56)=神経内科=の両医師が着任したことを明らかにした。2人は夫婦で、それぞれ脳神経外科部長、総合内科部長を務める。【鈴木健太郎】 "[he-forum 16443] 秋田魁新報8/8 秋田魁新報2011年8月8日付 県唯一保有の放射線測定機器が故障 秋田大に検査委託へ  放射性物質を精密検査する県の測定機器が故障していたことが7日、分かった。精密検査可能な県保有の測定機器はこの1台だけ。設置されている県健康環境センターによると、修理に2週間以上かかる見込み。県は当面、秋田大学に検査を委託する。  故障した測定機器は、文部科学省から2002年に貸与された「ゲルマニウム半導体検出器波高分析装置」。6日午後3時ごろに稲わらを検査しようとしたところ、作動しなかったという。  福島第1原発事故を受け、センターでは水道水や降下物の調査を開始。最近は腐葉土や野菜の検査も加わり、測定機器の使用頻度が急増していた。8日、メーカーに修理を依頼する。  県は、水道水と降下物の検査を同大に委託するほか、稲わらや農産物などの検査についても協力を求めたい考え。 "[he-forum 16444] 長崎新聞8/10 長崎新聞2011年8月10日付 長崎大がIAEAと協定 人材育成や研究分野で  長崎大は9日、国際原子力機関(IAEA)と研究や人事交流などに関する協定を結んだ。福島第1原発事故を受け、福島県民の健康リスクについて放射線量評価などにも協力して取り組む。  協定によると、両者は今後▽教育、研究と健康プログラム▽教員、研究者、学生らの人事交流▽学術情報、資料の交換-の3分野で協力。2009年から研究者を相互に派遣するなど学術交流を続けていた。  IAEAは、日本国内ではほかに放射線医学総合研究所(千葉県)、放射線被曝(ひばく)者医療国際協力推進協議会(広島県)との間で、同様の協定を結んでいる。  長崎市文教町の長崎大で行われた調印式では、片峰茂学長とIAEAのレシー・キース・チェム原子力科学応用局ヒューマンヘルス本部長が合意文書にサインし、握手を交わした。片峰学長は「六十数年にわたる長崎大の放射線医療分野の蓄積を世界に発信し、大学として1ステップアップできる」と意義を強調した。  会見に同席した福島県立医科大の山下俊一副学長は「福島県側からは、住民被ばくの低減と、専門家による人材育成の支援に期待したい」と述べた。 "[he-forum 16445] 薬事日報社説8/12 薬事日報社説2011年8月12日付 新4年制の受験資格問題解決を  4年制課程に進んだ学生が薬剤師国家試験の受験資格を得るためには、2年間の修士課程修了後、医療薬学系科目や実務実習などの単位を履修する必要があるが、一部の私立大学で、所定の単位取得を1年間で済ませようとしていることに非難が集まっている。  4年制課程に進む学生が多い国公立大学などでは、実習中は単位取得ができないこと、所定の単位取得や、実習に先立って行う事前学習などを考慮すると、国試受験資格を得るためには、最速でも4+2+1 (不足単位取得、事前学習など)+1(実習)の8年は必要であることを申し合わせていた。  それだけに、「4+2+1」コースの問題は、全国薬科大学学長・学部長会議、医道審議会薬剤師分科会、新薬剤師養成問題懇談会(新6者懇)でも取り上げられ、教育関係者の最大の関心事となりつつある。  当事者の私大関係者を交えて激しい議論が行われた全国薬科大学学長・学部長会議では、多くの大学関係者が1年間で必要な単位の履修と実務実習の実施は「難しいだろう」との考えを示したのに対し、当事者の大学は「可能」と主張したという。ただ、互いに憶測の域を出ていないので、これでは議論が平行線をたどるのも無理はない。  新6者懇では、1年という短期間で所定の単位取得と実習をこなした学生の質を懸念する声が相次ぎ、連名で自粛を求める声明文を出すことになった。しかし、学生の質も蓋を開けてみなければ、はっきりしたことは分からないだけに、決め手を欠いたという印象を受けた。  修士課程の質が確保され、6年制課程に相当する教育内容も担保されているのかについては、第三者評価などによる検証が必要になるだろう。 一部の私大は、新4年制課程と6年制課程では、設置目的やアドミッション・ポリシー、履修科目などが異なるということを忘れてはいないだろうか。  新4年制は、研究者養成が主たる目的で、薬剤師国試の受験はあくまでも特例的な措置。新4年制課程に入学した学生に12年間の経過措置が設けられているのはそのためだ。仮に、この特例措置を逆手にとった行為だったとなれば、批判は免れまい。  また、4+2+1コースは、2年間の修士課程を除くと、実質5年間で国試の受験資格が得られてしまうため、教育年限延長の根幹を揺るがす問題に発展しかねないことも忘れてはならない。  いずれにしても、不利益を被るのは学生だ。事態が進行してしまっている以上、現実的には、次年度から徐々に方向修正していく方策が考えられるが、被害を最小限に抑える方策はあるのか。関係者は知恵を絞ってほしい。 "[he-forum 16446] 京都新聞8/12 京都新聞2011年8月12日付 京大iPS、米で特許 世界の研究環境整う印刷用画面を開く  京都大は11日、山中伸弥教授が世界に先駆けて作製したiPS(人工多能性幹)細胞について、細胞の作製に関する基本特許が米国で成立したと発表した。日本と欧州ではすでに京大の特許が成立、最大市場規模の米国でも営利優先の民間機関ではなく公的機関である京大の特許が認められたことで、iPS細胞の実用化に向けた研究が広くオープンに行われる環境が世界で整ったといえそうだ。  特許として成立したのは、山中教授が見つけた細胞初期化に関する四つの遺伝子(山中4因子)のうち、特定の三つまたは二つを用いてiPS細胞を作製する技術。5日付で成立し、今後1~3カ月で登録される見通し。  iPS細胞の特許をめぐっては、米国では昨年末までに京大以外にも四つのグループが出願していた。このうち、内容の一部が重複する医療ベンチャーのアイピエリアン社は係争を避けるため今年1月に権利を京大に譲渡、残りのグループと激しい争いが続いていた。  山中教授は「論文を書く苦労とは比べものにならないくらい金と時間がかかったが、ほっとしている。世界中の研究者と協力し、技術を臨床の現場に届けたい」と話している。 "[he-forum 16447] 日本経済新聞8/10 日本経済新聞2011年8月10日付 横国大、構内に保育所 地域住民に開放  横浜国立大学は横浜市と組み、2012年4月にキャンパス内に認可保育所を設立する。定員は60人程度で地域住民に開放する。このほか研究者や大学職員向けに20~30人の一時保育の優先枠も用意する。横浜市の待機児童の解消に一役買うとともに、仕事と子育ての両立を支援し優秀な研究者を確保する。  同大敷地内に設置する「森のルーナ保育園」は定員は60人で、0~1歳の乳児が14人、2~5歳の幼児が46人。2階建てで屋根に太陽光発電装置も付ける予定だ。  建設予定地は同大の正門付近で、敷地面積は1238平方メートル。同大と横浜駅を巡回するバスの停留所や駐車場が近く、地域住民が利用しやすい場所を選んだ。  開所時間は平日が午前7時~午後8時、土曜日は午前7時~午後7時。近隣の保育所よりも開所時間が長く、営業時間が終了した保育所の幼児らを受け入れることも検討している。10~11月ごろに入所者を募集する。運営は社会福祉法人の明真会(横浜市)に委託する。  横浜市の待機児童数は11年4月に5年ぶりに減少に転じ、過去最多だった10年4月から581人減の971人になった。ただ、政令市では名古屋市(1275人)に次ぐ多さだ。  保護者が一時的に子どもを保育所に預ける一時保育では、研究者や大学職員向けの優先枠を20~30人分設ける。学会やシンポジウムなどで休日に出勤するときなどに一時保育を利用する女性研究者が多いためだ。  11年の横国大の女性教職員は243人と、06年から27%増加。全教職員に占める割合も24%と5ポイント上昇している。女性研究者が子育てをしながら研究できる環境を整備し、大学の競争力向上につなげる狙いだ。  県内の大学で地域住民が利用する認可保育所を設置するのは慶応義塾大学、田園調布学園大学に続き3件目。医学部や保育士養成コースなどの専門課程がない大学が構内に認可保育所を設置するのは珍しいという。 "[he-forum 16448] 読売新聞広島8/12 読売新聞広島版2011年8月12日付 短期留学 広大が支援 1年生5万円で豪・ベトナムへ  海外への留学生が全国的に減っている中、学生の負担額5万円で約2週間の留学ができる広島大の支援制度が、成果を上げ始めている。就職活動もまだ先で、時間にゆとりのある1年生を対象に昨年度からスタート。残りの必要な費用(10万~20万円)を大学側が出し、返済は不要という手厚さも奏功し、募集枠の4倍近い希望が寄せられるなど好評だ。(島田喜行)  文部科学省によると、海外の大学などに留学した日本人学生は、2004年の約8万3000人をピークに減り、08年は約6万7000人になった。不況で危機感を強めて就職活動を早く始め、留学に充てる時間を惜しむ学生が増えたのも要因とみられている。  広島大でも留学する学生はここ数年、120人前後で推移。海外から受け入れている留学生が1000人を超すのに比べ、かなり少ない。海外の大学との提携など国際化が進む反面、学生が積極的になりにくい現状を変えようと、1年生を対象に14~16日間の短期留学支援制度を設けた。  留学先は、短期留学生の受け入れ実績がある豪州のラ・トローブ大や、交流協定を結んでいるベトナム国家大ホーチミン市校。希望者を募ったところ、昨夏の初回(定員20人)は54人、3月の2回目(24人)は41人が応募。帰国後に長期留学を計画したり、国際協力を考えるサークルを作ったりするなど、学生の意識の変化も見られるという。  23日からの3回目(同)にも91人が応募。広島大は14年度までの5年で500人の学生を留学させたい考えで、「留学経験は視野を広げて成長の糧になり、就職する際のアピールにもなるはず」としている。 "[he-forum 16449] 日本経済新聞8/5 日本経済新聞2011年8月5日付 11年春の大卒、5人に1人「定職なし」 文科省調査  今春の大学卒業生のうち就職も進学もしなかった人は8万7988人で、前年より0.9%増えたことが4日、文部科学省の学校基本調査速報で分かった。アルバイトなどを含めると10万7134人で全体の19.4%に上り、ほぼ5人に1人が定職に就いていない。厳しい就職環境などの影響で、大学は既卒者を対象にした就職支援にも力を入れている。  大学進学率の上昇に伴い、大学と大学院に在籍する学生数は増加。速報を集計した今年5月1日時点で過去最高の289万3434人だった。今春の大卒者も前年比2.1%増の55万2794人で、うち34万546人が就職した。就職率は61.6%で0.8ポイント改善したが、7割近い水準だったリーマン・ショック前に比べると落ち込んだままだ。大学院などに進んだ人は7万642人で2.6%減った。東日本大震災の影響は「就職面ではさほど出なかった」(文科省)。  大学を卒業した春に定職に就いていない人は3年連続の増加で、10万人を超えたのは2年連続。  千葉市の男性(24)は今春に東京都内の私立大を卒業するまでに約30社の採用試験を受けたが、内定を得られなかった。今も就職活動を続ける男性は「既卒は申し込める企業が少ない」と厳しい状況を説明する。  既卒者向け就業支援を行う学生職業総合支援センター(東京・港)には8月になっても就職先を探す若者が1日100人近く訪れる。  こうした状況を踏まえ、大学側は相次ぎ、既卒者対策に乗り出している。東海大は昨年8月から都内のキャリアセンターに卒業生専用の相談員を配置。立命館大も昨年から卒業生が求人情報をコンピューターで検索できるようにするなどしている。立命館大の担当者は「卒業生へのサポートも時代の流れだ」と話す。  四年制の学部を4年間で卒業した人の割合は77.6%。前年に比べると0.9ポイント上昇したが、2年連続で8割台を下回った。4年や6年の修業年限を超えて在籍する学生は11万1768人に上る。就職先が決まらず、意図的に留年することを決めた学生も少なくないとみられる。 "[he-forum 16450] 読売新聞愛媛8/17 読売新聞愛媛版2011年8月17日付 調味料やサプリ12品  愛媛大学農学部と県内7企業が、「機能性食品」のブランド化を目指す組織を設立した。名称は「食」(eat)と「科学技術」(technology)を組み合わせた「eatech(イーテック)」で、ミカン表皮素材の調味料など5社の既存12品を認定した。産学連携を強めて市場に売り込む考えだ。  同大学と企業が、成分の機能性を学術的に裏付けて発表した食品について、イーテックがブランドを認定。企業がロゴマーク=写真=を貼付して販売する仕組みだ。  これまでの共同研究では「消費者へのアピール不足だった」(同大学)といい、ブランドの新設で企業側との連携を前面に打ち出した商品を展開する。  すでに脂肪蓄積を抑える効果を確認したミカン皮を使った調味料や、コレステロール値を下げるたんぱく質配合のサプリメントを認定。県内のスーパーやコンビニに並び、菅原卓也准教授(45)は「学会発表のハードルは高いが、継続的に認定して県内の食品産業の活性化につなげたい」と話している。 "[he-forum 16451] 大分合同新聞8/17 大分合同新聞2011年8月17日付 福祉の専門家育て10年 認知度不足に課題  大分大学大学院の福祉社会科学研究科(大分市旦野原)が設立10年目を迎えた。“福祉のエキスパート”の養成を目指して社会人を積極的に受け入れ、これまで71人を病院、福祉施設や行政の現場に送り出した。ただ、認知度不足もあって学生の募集に苦労。「自治体にもPRして行政職員の入学希望を掘り起こし、県内の福祉行政の底上げにつなげたい」としている。  同研究科は2002年4月、国立大学(当時)としては初めて、社会福祉学を基礎にした学部の系列にない独立大学院として開設された。2年制の修士課程のみで1学年の定員は12人。ソーシャルワーカーのリーダー、福祉施設の管理者、自治体の福祉関係職員などの養成を掲げている。  1期生で別府大学文学部准教授の林真帆さん(49)=別府市=はリハビリ病院でソーシャルワーカーとして勤務しながら学んだ。「病院内での役割や、ソーシャルワーカーの存在意義を周囲にどう伝えるかと悩んでいた時で、実力をつけようと入学した。理論を学び、より深く患者の言葉や背景を理解できるようになった」と振り返る。  研究科のカリキュラムは現場での実践を支える理論や、福祉に関わる行政、企業、地域などの幅広い課題を学べる内容。調査研究にも力を入れている。講義は社会人が学べるように午後6時以降が主体。週3日程度の通学で必要単位を習得できる。2年分の学費で最大4年かけて学べる長期履修制度も03年度から導入した。  一方、入試は毎年、最初の募集で合格者が定員に届かず、2次、3次の追加募集を実施している。来年度入試(出願は22日まで)に向け、入学希望者の掘り起こしに努めているのが現状。同研究科長の平塚良子教授(ソーシャルワーク論)は「福祉の現場で科学的、論理的に考え、実践できる人材を育てたい」と入試への挑戦を呼び掛けている。 福祉社会科学研究科の入学者  これまでの入学者105人のうち、社会人は68%を占める。留学生は11%で、他は学部から進学した学生。社会人の入学時の職業は福祉施設、病院、NPOなどの福祉系が69%。県、市などの公務員(公立病院勤務を含む)が13%だった。 "[he-forum 16452] 読売新聞8/17 読売新聞2011年8月17日付 大学発ベンチャー、相次いで上場 画像処理、創薬、3D  大学での研究成果などを基に起業する大学発ベンチャー3社が6~7月に相次いで上場した。(河野越男)  一時は続々と誕生した大学発ベンチャーは、人材や資金調達難などから急減していた。だが、新興企業の減少は市場や経済の活力を失わせるため、国内証券大手はベンチャー企業の発掘強化に改めて乗り出している。3社の上場がさらなる有望企業登場の呼び水になるか注目される。 ◆上場相次ぐ  7月21日に東証マザーズに上場した画像処理技術開発モルフォの16日の株価(終値)は6460円と、公開価格(2250円)の3倍弱に達している。  モルフォは2004年に東大で画像処理を研究した平賀督基社長が、同じ研究室のメンバーら3人と設立した。  主力技術は、携帯電話に搭載されたカメラの「手ぶれ」を補正するソフトウエアだ。NECやソニー・エリクソンなど国内携帯電話端末大手は続々とモルフォの技術を採用している。  平賀社長は「技術力では海外メーカーを上回る」と自信を見せ、海外進出に意欲を見せる。  東大出身者らが創業した創薬会社メビオファームも7月15日、東京証券取引所傘下のプロ投資家向け市場「東京AIM(エイム)」に上場し、法政大教授が設立した3D(3次元)グラフィックスベンチャー「ディジタルメディアプロフェッショナル」も6月23日に東証マザーズに上場した。 ◆期待  大学発ベンチャーの新規上場が相次いだのは、冷え込む市場に焦る証券会社やベンチャーキャピタル(VC)=ことば=が再び育成に力を入れている側面もある。  10年に東証(マザーズ含む)に新規上場した会社数は12社と、香港(94社)やニューヨーク(89社)の両証取と比べると大幅に少ない。  上場会社も第一生命保険や大塚製薬を傘下に持つ大塚ホールディングスなど老舗が多く「市場も『少子高齢化』だ」(関係者)との声も漏れる。  大学発ベンチャーは、98年の大学等技術移転促進法(TLO法)の施行後急増し、累計では約2000社に達した。  だが、経営に携わった経験に乏しい研究者が社長になるケースが多く、「人材確保」「資金調達」「販路開拓」の三つの課題を克服できずに、廃業や解散する企業も多い。  こうした状況を打破しようと、野村証券は、未上場企業専門の営業部隊を設け、大学発ベンチャーの発掘に力を入れている。モルフォに出資したベンチャーキャピタルの東京大学エッジキャピタルは、04年から東大学内の研究成果の事業化支援に取り組んでいる。  野村証券公開引受部の大村法生次長は、「エネルギーや農業では期待できる企業がある。ベンチャーの上場が増えれば、市場の活況につながる」と期待を寄せる。 ことば  高い成長が見込める未上場企業に投資する企業や組織(投資ファンド)。投資家や金融機関から集めた資金を投資して株式を取得するとともに、取締役の派遣など企業価値を向上させる経営指導も行う。主に上場時に株式を売却して利益を得る。日本ベンチャーキャピタル協会によると、2011年1~3月期の投資総額は92億円で、リーマン・ショック前の08年7~9月期(94億円)に並ぶ水準まで回復している。 "[he-forum 16453] 日刊工業新聞8/18 日刊工業新聞2011年8月18日付 東北大、災害復興担う博士育成へ来年度から新プログラム  東北大学は災害復興や原子力発電所事故など社会的・国際的な課題に対応できる博士を育成するため、「災害復興科学アドミニストレーター(管理者)養成大学院プログラム」を2012年度に始める。外国人も入る学生寮に、プログラム1年目の学生全員を入寮させるほか、東日本大震災の復興活動に直接携わるインターンシップ(就業体験)も実施する。震災の経験を高度な社会リーダー育成に生かす。  東北大が5年間の修士・博士一貫教育で育成するのは、科学技術に加え行政や国際性でも優れた知識や技術を持つアドミニストレーター。自然災害や原発事故への対応のほか、天然資源や領土をめぐる国家間紛争の解決など、総合力が求められる高度な社会問題を扱う。  プログラムの対象学生は毎年十数人。東北大の公共政策大学院や法科大学院など専門職大学院の教員や講義もプログラムに活用する。 "[he-forum 16454] 神戸新聞8/18 神戸新聞2011年8月18日付 防災教育拠点を開所 震災の経験継承へ兵庫県立大   防災教育の研究拠点となる兵庫県立大学の「防災教育センター」の開所式が17日午前、「人と防災未来センター」(神戸市中央区脇浜海岸通1)で行われた。  阪神・淡路大震災の経験などから得た防災のノウハウを継承しようと、人と防災未来センター内に設置。担当教員3人のほか、外部講師も招き、主に1年生を対象に、災害の仕組みやリスクマネジメントなどを教える。  開所式には学生や研究者約120人が出席し、清原正義学長が「防災を学ぶ大学と連携する仕組みづくりを進めたい」とあいさつ。また、井戸敏三知事は「知識、経験、ノウハウを生かして次なる時代を築きましょう」と呼び掛けた。  式典後、夏季集中講義「兵庫の災害と防災」の一環として、県の初代防災監で、県国際交流協会の齋藤富雄理事長が講演した。 (大月美佳) "[he-forum 16455] 陸奥新報8/19 陸奥新報2011年8月19日付 医療体制整備が成果/弘大被ばく調査  東京電力福島第1原発事故に伴い、弘前大学が行ってきた教員、医師、看護師、事務職員らで構成する「被ばく状況調査(スクリーニング)チーム」の福島県内への派遣が、7月末で一区切りを迎えた。活動では目に見えない放射線に不安を覚える1万人を超える被災地住民へのスクリーニングに対応。弘大が進めてきた緊急被ばく医療に対応する専門家養成や設備整備などが未曽有の原子力災害で生かされた形となった。遠藤正彦学長は「安心・安全のための備えが有効に役立った点では良かった」と総括した。  弘大は東日本大震災発生直後の3月13日に「弘前大学放射線安全機構」が、文部科学省からの「被ばく状況調査チーム」の派遣要請について受け入れを決定した。  同15日に被ばく調査チームの第1次隊を派遣したのを皮切りに、7月末までに20隊(延べ派遣人員365人)が福島県内の各被災地で活動。住民ら5663人に対してスクリーニング(甲状腺スクリーニングを含む)を行った。  また、警戒区域に指定された福島第1原発から半径20キロ圏内の住民の一時帰宅が5月に開始されたのに伴い、同25日からは「一時立ち入りプロジェクト」派遣チームを新たに派遣。11隊(延べ派遣人員202人)が同県南相馬市や川内村で、一時帰宅者5675人のスクリーニングに対応した。  弘大が迅速かつ長期的に福島県内で活動できたのは、原子力関連施設が多く立地する本県の安心・安全のために、緊急被ばく医療の専門家養成や緊急被ばく医療に対するさまざまな体制整備や取り組みを進めてきた成果の一つだと言える。  医学部附属病院に2010年7月に本格稼働した「高度救命救急センター」は緊急被ばく医療に対応。放射線測定器や分析機器など国内最高レベルの設備を有しており、同センターに所属する医師、看護師らはこれまでに緊急被ばく医療についての高度な訓練を受けている。  また、医療従事者に対する被ばく医療教育も推進。08年度からは「緊急被ばく医療支援人材育成及び体制の整備」事業が文科省特別経費(プロジェクト)事業として認められた。  これに伴い、大学院保健学研究科の多くの教員が千葉県にある放射線医学総合研究所での研修やアメリカ、フランスでの海外研修を通じて緊急被ばく医療についての専門的知識を習得していた。  遠藤学長は「訓練を受けていたほとんどの教員が活動した。本務ではないにもかかわらず、心理的不安を持っている方のために進んで活動してくれた」と活動に携わった教職員らに感謝し、文科省から再度派遣要請があった場合は「弘前大学放射線安全機構での議を経て方針が決まる。要請があればまた考えたい」と述べた。 "[he-forum 16456] 共同通信8/19 共同通信2011年8月19日17時51分 全国の大学に研究費調査を要請 不正使用問題で文科省  東京工業大の副学長が研究費を不正にプールしていた疑いがある問題で、文部科学省は19日、約1300の国公私立大学や高専、研究機関に対し、同様の不正がないか調査を要請した。報告期限は12月末。  対象は、2008年度以降に国などから受け取って使用した研究費や運営費について。架空取引で業者に研究費を管理させる「預け金」や、カラ出張など不正請求による「プール金」がないか、担当職員や取引業者に聞き取りなどして調べるよう求めている。  文科省は研究費の使用方法などを定めた指針を07年に作成。大学などで指針に沿った管理体制が整った08年度以降を調査対象とした。 "[he-forum 16457] しんぶん赤旗8/20 しんぶん赤旗2011年8月20日付 学ぶ環境 国は復旧を 仙台 宮本議員が東北大など調査  日本共産党の宮本岳志衆院議員は18日、東日本大震災で被災した東北大学と東北工業大学(いずれも仙台市)を訪れ、被災・復旧状況について視察しました。  東北大学では甲野正道理事、米本義則総務課長らから説明を受けました。  米本氏は「工学研究科棟など、1970年ごろに建てられた3棟は建て替えが必要。施設の復旧費は約448億円、機器・物品等の被害は約352億円に上る」と説明しました。また、被災した学生への経済支援について米本氏は「大学独自に給付制奨学金を支給する」と語りました。  甲野理事は「施設の復旧は、大学独自では対応できない。国からの支援をお願いしたい」と訴えました。  宮本議員らは、梁(はり)が折れ、エレベーターが落下した研究棟や、地割れでがけ崩れの危険がある施設などを視察しました。同行した研究科長らは「研究棟にある研究機材の運搬費用だけでもかなりかかる」と訴えました。  宮本議員は学生が早く元通りの学業に励める環境づくりが必要だと述べ、「復旧へ予算がつくよう、国会で取り上げていきたい」と応じました。宮本議員らは、同大の職員組合とも懇談しました。  東北工業大学では、教職員組合から被災状況について説明を受けました。研究棟の天井落下、亀裂、外壁剥離などの被害があり、施設の復旧費用として約4億円、被災した学生への経済的支援として約4億円が必要だと話しました。  宮本議員は「被災した私立大学への支援の強化を国に求めていきたい」と述べました。 "[he-forum 16458] 朝日新聞8/20 朝日新聞2011年8月20日付 国立大、包括連携へ動き活発 北海道・東海・関西18校 包括連携に取り組む国立大学  北海道と東海、関西の計18の国立大学が、それぞれのエリアで包括連携に向けて動き出した。3エリアともベースは効率化と経営基盤強化のための事務連携だが、北海道と関西では単位の共通化など教育面でも手を結ぶ方針だ。文部科学省は「規模、内容ともに、これほど本格的な連携は初めて」としている。  東海4県では、地域内の国立全8大学(名古屋、名古屋工業、愛知教育、豊橋技術科学、岐阜、三重、静岡、浜松医科)が参加。来月27日、連携の合意書に調印する。職員研修、知財管理、資産運用、危機管理など幅広い分野で協力し、業務用コンピューターシステムの統一も検討している。  連携には、経費削減のほか各大学への交付金を一括して金融機関で運用できる利点もあり、収入増にもつながると期待する。名古屋大の浜口道成総長は「事務部門の連携を、学術・科学技術を支える共同体として発展していく第一歩にしたい」とコメントしている。  北海道では、北海道大と6単科大学(北海道教育、室蘭工業、小樽商科、帯広畜産、旭川医科、北見工業)の全国立大が事務と教育の両面で協力する。単科大は1~2年次の教養教育を担う教員が手薄なため、北大から教員の派遣を受けることなどを考えている。  関西では大阪教育、奈良教育、京都教育の3大学が手を携える。数億円をかけてテレビ会議システムを整備し、各大学の教室をつないだ遠隔授業ができるようにする。早ければ来年秋にも、共通の単位を与える双方向型の講義を実施する考えだ。付属学校同士で、共同の職員研修や研究をすることも検討する。 "[he-forum 16459] 毎日新聞8/22"," 毎日新聞 2011年8月22日 東京朝刊 科研費:減額の可能性 大震災復興財源確保で 大学に不安広がる  東日本大震災の影響で、文部科学省の「科学研究費補助金(科研費)」が減額される可能性があり、大学などの研究者に不安が広がっている。特例公債 法の成立遅れで予算執行が危ぶまれ、採択額の7割が7月末までに支給されたが、今後の復興財源の手当て次第では、残額の削減を求められる可能性があるとい う。【西川拓】  科研費は、もっとも一般的な競争的研究資金で、分野を問わず研究者が研究計画を申請し、審査を経て採択される。今年度は2633億円が予算計上さ れ、うち単年度で消化する1780億円のうち1534億円が約4万3000人に配分されることが決まっていた。しかし、赤字国債発行に必要な特例公債法の 成立がずれ込んだため、文科省は分割支給を決め、7月上旬に研究者に通知。「復興財源確保のため歳出削減を求められる可能性がある」として慎重な執行を求 めた。  削減されれば、大型装置の購入を計画していた研究者にとっては、大打撃だ。研究を計画通りに進められなくなり、学生の卒業研究などに影響が出るこ とも考えられる。ある国立大の男性准教授は、今年度分の科研費で約2000万円の計測装置を購入する予定だった。しかし、7月末までの支給額では、数百万 円も不足する。「仮にこのまま3割減ならば、(不足分は)寄付金をかき集めても補える金額ではない。装置を購入できなければ、研究計画を大幅に見直さざる を得ない」と話す。  関東地方の別の国立大教授は「見通しが立たないのが一番困る」と困惑している。同様の科学研究費を支出している厚生労働省は通常通り採択者への配分を終えているという。文科省学術研究助成課は「何とか10月ごろまでに(満額支給かどうかを)見極めたい」と話している。 "[he-forum 16460] 読売新聞新潟版8/22 読売新聞新潟版2011年8月22日付 教職大学院開設3年 志願者確保が課題 上越教育大 教委との連携カギ  上越教育大が2008年4月に県内で唯一の教職大学院*を開設してから、3年が経過した。学部新卒者と現職教員を対象に、実習を重視した学校経営や指導方法を教育し、教科教育や学校運営の中核となる教員を養成するのが狙いだが、志願者の安定的な確保をどう図っていくかなど、課題も見えてきた。大学院運営で支援を受ける教育委員会との緊密な連携が成否のカギになりそうだ。  上越教育大で7月20日、ICT(情報通信技術)などを活用した教科指導案を検討する講義が開かれた。教職大学院の1、2年生約50人が7班に分かれ、小学3年で習う昆虫や植物の生態をテーマに、分かりやすい指導方法について意見を交わした。  9月から現場での実習が始まるとあって議論が盛り上がり、各班からは「昆虫の標本を見せるのが好ましい」「パソコンを使ってはどうか」など具体的な提案が出た。  上越教育大では、教職大学院に「教育実践」(定員30人)と、「学校運営」(同20人)の二つのリーダーコースを設置。両コースとも2年間学び、おおむね4月から8月までは大学での講義が中心で、9月から約3か月間、学校現場での実習に臨む。修了者には「教職修士」の学位が授与される。  学生は実習中も頻繁に大学に戻り、現場で直面した課題について教授らから指導を受け、解決を図ることができる点が、大きな特徴という。  学校運営2年の田中枝利子さん(43)は、教職大学院への入学前、上越市立大町小学校で教壇に立っていた。中堅教員として学校運営や危機管理を学ぼうと志願し、県教委から派遣された。  1年目は、同市立中郷小・中学校で実習し、児童や生徒、保護者を対象にした学校評価に関するアンケートで、質問項目を改善。9月からの実習では、同市立春日新田小学校で「規律ある学校運営」を課題に取り組む。  上越教育大の従来の大学院修士課程を修了している田中さんは、教職大学院について「教師陣に現場経験者が多く、現場の状況に応じた的確な指導を受けられるメリットがある」と強調。「修了後、現場に戻ったら、大事な仕事を任せてもらえるよう研さんを積みたい」と意欲を見せる。  教職大学院の入学者は、初年度の08年度に32人と定員の50人を割り込み、文部科学省から改善指導を受けた。その後、主に東日本の教委に現職教員の派遣を売り込み、09~11年度には入学者が51~62人といずれも定員を上回った。そのうち、県、新潟市の両教委からの現職教員が13~32人と、全体の半数近くを占めている。  現職教員の入学だけでなく、実務家教員の派遣や実習の場となる学校の確保の面でも、教育委員会の協力が欠かせない。上越教育大は県、新潟市の両教委と連携推進協議会を設け、定期的に意見を聞いて教育レベルの向上を目指している。  今後の志願者の確保を左右しそうなのが、現職教員の修了後の処遇だ。県教委は「適正に配置している」と説明するだけで、明確に方針を示していない。  教職大学院統括担当の広瀬裕一教授は「教職大学院を修了した教員らは学校や教委で即戦力としてリーダー的役割を担っており、一定の成果は出ている。上越教育大の教育モデルを、全国にアピールしていきたい」と話している。 *教職大学院 法科大学院などと同じ専門職大学院で、山形大や群馬大など25大学に開設。修業年限は標準2年。研究中心の従来型大学院に対し、教員経験者ら実務家教員を4割以上配置し、実習重視で指導方法や学校経営の実践的内容を学ぶ。学校内でのリーダー養成など、現職教員の研修の場としても活用する。 "[he-forum 16461] 河北新報8/22 河北新報2011年8月22日付 証言/後方支援・東北大病院/無条件に転院受け入れ  東日本大震災では津波で沿岸部の多数の医療機関が被災し、被害を免れた病院に患者が殺到した。東北大病院は震災後、医師らを沿岸部に派遣するとともに、被災地の病院が収容しきれなかった患者300人以上の入院を受け入れ、パンク寸前だった医療を支えた。災害下、大学病院に求められる役割とは何か―。突き付けられた命題に、後方支援の現場はどんな答えを出したのか。(菊池春子) <決意>  「沿岸の病院は壊滅状態」「残された石巻赤十字病院には患者が殺到。修羅場になっている」「水や食料、医療スタッフも足りない」  震災翌日の3月12日。東北大病院の災害対策本部には災害派遣医療チーム(DMAT)の隊員や現地の医師らを通じ、沿岸部の被災情報が刻々と入り始めていた。  免震構造の東北大病院の病棟に大きな被害はなく、入院患者や医療スタッフも無事だった。救急搬送される患者も想定よりは少ない。電気や水も非常用に切り替わり、一定程度の診療機能は維持できていた。医師の数は大学院生なども含めると一般の病院と比較して圧倒的に多い。  自分たちが今、すべきことは何か。「地域医療の最後のとりでとして、被災地の病院を支えなければならない。最前線の病院を絶対に疲弊させてはならない」。里見進院長(63)は態勢づくりを急いだ。県の防災計画などで災害時の「大学病院」の役割が規定されているわけではなく、独自の判断が必要だった。 <切迫>  東北大の他学部の協力も得てマイクロバス2台を確保。15日朝、石巻赤十字病院や気仙沼市立病院など診療を続ける基幹病院に向けて、医師らの派遣を開始した。  現地の混乱は想定以上だった。ほとんどの医療機関が診療不能となった石巻地域は、特にひどかった。精神疾患の患者が、かかりつけの病院の被災で症状を悪化させ、精神科のない石巻赤十字病院に駆け込む事態も続いていた。派遣された東北大病院の精神科医らは連日、患者を診療した。松本和紀医師(44)は「とにかく急場をしのぐための支援が必要だった」と振り返る。  被災地の病院ではもう一つ、深刻な事態が進行していた。寒さや避難生活の衛生環境の問題から肺炎が多発。次々に患者が搬送され、402床の石巻赤十字病院は臨時のベッドを使用して450床を超える非常事態となっていた。「このままでは患者を受け入れきれなくなる」。現場は切迫した。 <使命>  東北大病院のスタッフも危機感は同じだった。里見院長は一つの決断を下す。16日から17日にかけて沿岸部の病院に伝えた。「患者の転院は無条件で受け入れる。遠慮なく依頼してほしい」。現地への応援医師らの派遣から、患者の受け入れに力点を移した。  17日から毎日夕方、翌日搬送予定の患者数十人のリストがファクスで各病院から届けられた。全ての患者を診療科の枠を超えて一括して受け入れ、下瀬川徹副院長(57)が主治医などを選定。早期に退院できる患者には協力を求め、看護部門の担当者が連日、症状や性別に応じて翌日の病床を調整した。  「現地に駆け付け、救護活動に当たりたい」と考えるスタッフも少なくなかった。門間典子看護部副部長(55)=現看護部長=は看護師らに呼び掛けた。  「被災地に行くだけが看護ではない。来た患者さんをしっかりと受け止め、患者さんや最前線の病院に安心感を与えるのが、今の私たちの使命ではないか」 ◎透析患者、北海道へ移送/「空輸作戦」調整役に/沿岸部の診療機能守る  東日本大震災の後、沿岸部の患者を全面的に受け入れ始めた東北大病院には連日、ヘリコプターや救急車で多数の患者が運ばれてきた。病院は懸命な診療、看護に当たる一方、大勢の人工透析患者を北海道に移送する前例のない「空輸作戦」の調整や眼科、皮膚科の専門医による被災地医療を担った。  「温かいタオルで体を拭くと患者さんが涙を流し、看護師も思わず泣いてしまうこともあった」  門間典子看護部長(55)が振り返る。体はすっかり冷え、所々に泥がついたままの患者たち。大半は70代から80代の高齢者だった。認知症患者のため、医学部保健学科の学生らもボランティアで見守りに当たった。  石巻赤十字病院救命救急センターの小林道生医師(34)は「石巻を離れたくないと言う患者も多く、それぞれに理解を求めた。(東北大病院の)支援がなければ病院が満杯になり、他の患者を受け入れられなくなった。医療現場としては本当に支えられた」と語る。  受け入れがピークに達したのは震災発生8日後の3月19日。人工透析を受けられなくなった気仙沼市立病院の患者78人を北海道の病院に移送するため、22、23日の出発まで一時的に入院させ、同時に移送手段の調整を急いだ。患者の状態を確認して受け入れ先の病院に伝え、航空自衛隊松島基地(東松島市)から送り出した。  担当した血液浄化療法部副部長の宮崎真理子医師(51)は「裏方を務めることで最前線の病院の機能、ひいては被災地全体の命を守りたいという一心だった」と話す。  眼科と耳鼻科、皮膚科の医師らは合同チームを結成し、4月1日から週1回、南三陸町と女川町を訪問して診療。「コンタクトレンズが津波で流された」「ストレスでアトピー性皮膚炎が悪化した」と訴える被災者に対応した。  全国から来る救護チームは内科や外科が中心だった。眼科の中沢徹医師(41)は「マンパワーのある大学病院として、専門医による診療で、行き届きにくいニーズに応えることを目指した」と話す。延べ千人以上の患者が訪れ、診療は5月末まで継続した。  震災から5カ月余り。被災地の医療機関も少しずつ診療を再開させ、東北大病院も通常体制に戻ったが、沿岸部から搬送された患者のうち重症者約30人の入院は7月以降も続いた。精神科チームは、仮設住宅などの巡回や自治体職員の心のケアを継続する。  以前から医師不足が深刻だった三陸沿岸部の医療を、どう再構築していくのかという課題も立ちはだかる。里見進院長は「遠隔医療システムの導入や福祉との連携など、被災地の街づくりを見据え、積極的に提言していかなければならない」と強調している。 "[he-forum 16462] 日本経済新聞8/23 日本経済新聞2011年8月23日付 次世代燃料電池、九大が研究施設 産学で連携加速  九州大学は福岡市に次世代燃料電池の産学連携研究施設を新設する。材料などを手掛ける企業が利用できる実験室や解析装置を備え、来年秋に完成させる。企業と共同研究に取り組み、家庭用電源や大規模発電設備などとして使う次世代燃料電池の早期の事業化と普及を目指す。福岡県内で進む産学官による水素エネルギーの研究開発がさらに加速しそうだ。  研究施設は約17億円を投じて伊都キャンパス(福岡市西区)に建設する。  燃料電池は水素と酸素を化学反応させて電気をつくるシステム。発電時に二酸化炭素(CO2)を排出せず、発生する熱を給湯や暖房にも使える利点がある。「電解質」と呼ばれる主要材料にプラスチックを使う固体高分子形燃料電池(PEFC)は、すでに家庭用で実用化されている。  九大の新施設で研究するのは次世代方式の固体酸化物形燃料電池(SOFC)。電解質にセラミックスを使うSOFCは発電効率がPEFCを上回るほか、大型化が可能で、火力発電の代替となる大規模発電設備として利用が期待されている。  九州には電子部品や陶器など、セラミックス関連製品を生産する企業が多く立地する。九大がセラミックスを主要材料とするSOFCの研究施設を整備することで、地場企業の燃料電池事業の拡大や参入につながる可能性もある。  研究施設は4階建てで、延べ床面積は約3400平方メートル。約70平方メートルの実験室を18室設け、電池内部の構造を解体せずに観察できる機器など最先端の解析装置を導入する。実験室は企業ごとに用意、機密の漏洩防止を徹底する。  SOFCは高い性能が見込める半面、耐久性の確保や低コスト化などが課題となっている。九大は「水素エネルギー国際研究センター」などの組織を設置し、水素エネ分野で世界有数の研究体制を敷いている。研究施設を利用する企業の課題解決を強くサポートし、早期に製品を市場に投入できるようにする。  九大は福岡県や新日本製鉄などと、産学官組織「福岡水素エネルギー戦略会議」に参加している。同会議の参加団体は水素を供給する水素ステーションを福岡市や北九州市に整備するなど、水素エネルギー利用社会の実現に向けた取り組みを進めている。 "[he-forum 16463] 大分合同新聞8/24 大分合同新聞2011年8月24日付 大きく育て医療産業 県内拠点化へ本格始動  国内の高齢化や新興国の需要拡大を背景に成長が見込まれる医療産業の拠点化を目指して、大分県は取り組みを本格化させる。新規参入に関心がある地場企業を集めて、薬事法の知識習得や技術力アップを図る研究会を設置。中核となる大分大学医学部には寄付講座を設け、県内で既に産業基盤がある血液・血管分野の研究開発を促進していく。  県内には、血液浄化や血管医療の機器を製造する旭化成クラレメディカル、川澄化学工業などの工場が立地。医療機器生産額は全国4位、血液浄化・血管医療機器に限ると最大の生産拠点となっている。  その優位性を生かすため、県は昨年10月、同様の企業がある宮崎県と共同で東九州地域医療産業拠点構想(東九州メディカルバレー構想)を策定。幅広く医療を支える血液・血管分野について産学官が連携し、研究開発や人材育成の拠点づくり、医療機器産業の集積を目指している。  大分県として関連の企業誘致に力を入れるほか、地場企業など約50社・団体が参加予定の新規参入研究会を30日に設立する。初回のセミナーでは、薬事法の入門的な講義に加えて、医療産業が集積する福島県の企業が事例発表をする。本年度は計3回のセミナーを計画している。  大分大には年間5千万円(県と企業が半額ずつ負担)を出資して寄付講座を開設する。血液・血管の専門医を招いて研究を推進。医療現場と大学工学部や企業との橋渡しをするコーディネーターも置き、現場の課題を克服する技術開発につなげる。人材育成の場も設ける。  県産業集積推進室は「医療分野は景気の影響を受けにくいのも特徴。半導体や自動車に続く新たな産業の柱に育てたい」と話している。 "[he-forum 16464] 中日新聞8/23 中日新聞2011年8月23日付 東海4県の国立全8大学が事務連携へ   愛知、岐阜、三重、静岡県にある国立の全8大学が経費削減や作業の効率化を図る目的で、連携して事務作業をする仕組みをつくることで合意した。名古屋市内で9月27日に全学長が集まり、協定を結ぶ。  名古屋大、名古屋工業大、愛知教育大、豊橋技術科学大、岐阜大、三重大、静岡大、浜松医科大の8大学で、「東海地区国立大学法人事務連携ネットワーク」を創設。名大などによると、これだけ広範囲の国立大がすべて参加し、事務作業で連携を進める活動に乗り出すのは全国初めて。  計画では、全学長をメンバーにネットワークの協議会を設置。下部組織として、「調達」「資産運用」など事務項目ごとにグループを設ける。  各グループでは共同で処理できる作業を具体的に検討する。例えば、共同購入することで用紙代を抑えたり、資産を合わせて運用することで、高い配当を目指したりする。  各大学の人材や資金を有効に活用する狙い。国立大学協会は今年6月公表の「国立大学の機能強化(中間まとめ)」で大学間の事務連携を提唱していた。  共同調達の動きは北海道や関西でもある。名大の浜口道成学長は「実際にやってみて、利点が多ければ、もっと幅広い分野に広げたい」と話している。 "[he-forum 16465] 中国新聞8/24 中国新聞2011年8月24日付 広島大が放射線災害復興学  広島大は23日、原発事故などの被災地の復興に貢献する人材を育てるプログラム「放射線災害復興学」を来年度から始める方針を発表した。福島第1原発事故では放射線の知識を持つ人材の不足が指摘されており、医学や環境学など幅広い分野で復興に役立つ知識を身に付けてもらう。  同大の大学院生が対象で医歯薬学、工学、教育学など幅広い大学院研究科の学生が履修できる。学生は各研究科に属しながら修士と博士課程の計4、5年間履修する。初年度は最大で10人を予定。その後も最大で新たに10人ずつ受け入れる。  同大の教員に加え、福島大や福島県立医科大、放射線医学総合研究所(千葉市)の専門家を招いて講義を開く。福島県で放射線量を測定したり、国際原子力機関(IAEA)などで研修したりすることも想定している。 "[he-forum 16466] 朝日新聞8/25 朝日新聞2011年8月25日付 大学に「空地」は必要か、中教審大学教育部会  大学に「空地」は必要か。こんなテーマをめぐる議論が、中央教育審議会大学教育部会で続けられていた。  空地とは空き地や広場。特に用途が決まっていなくとも、学生はもちろん多くの人が集まり利用できる公共性の強い空間と言ってもいいかもしれない。  では、なぜ、小難しそうな文部科学省の審議会で議論になるのか。それは、大学の本質的なあり方や、政府の規制緩和の考え方と深くかかわっているからだった。これまでの経過を簡単に紹介する。  大学の認可の要件を決める大学設置基準(1956年の省令)によると、大学の校地は、教育にふさわしい環境をもち、敷地には学生が休息その他に利用するのに適当な空地を有するものとすると定められ、さらに運動場は、教育に支障のないよう、原則として校舎と同一の敷地内またはその隣接地に設けるものとするとなっている。  わかりやすくいえば、大学のキャンパスや建物は若者を育てる教育研究機関なので、事務机と会議室と廊下が無駄なく並んでいるオフィスビルとは、違う。スポーツもするし、説明会も必要だし、何かあれば集う空間がとくに人を育てるために必要だという「質保証」の趣旨で規定がつくられた。  ところが、長年、時間がたち、さまざまな人が多種多様の大学をつくりたいと思うようになってくると、この「質保証」の規定が規制に転じてくる。新規参入する大学の設置主体が目的に応じて大学をつくりたいのに、必ず「空地」が必要だと言われると、土地の取得費用などのコストや手間もかかり自由につくれない。むしろ、この規定を無理に守るのではなく、何らかの代替措置があれば趣旨にもかなうのではないか。つまり代替措置があれば、空地や運動場がなくとも大学は設置できるようにしたいという方針が政府で打ち出された。自民党の小泉政権時代だった。これは構造改革特区という形で制度化された。教育の世界では教育特区とも呼ばれている。  これを受けた2003年の省令では、空地の効用と同等以上の得られる措置を大学が講じている場合に限り、空地がなくても設置ができることになった。運動場も同じ趣旨で、代替措置があれば、設置が可能になった。これで、教育特区を利用して大学を設置しようとする主体の負担は軽減されることになった。  では、この教育特区を利用した大学の状況はどうか。文科省の資料によると、通信教育に特化した大学を除けば、2011年4月で特区利用の大学は四つ。09年度の特区評価の際の調査結果で、学生アンケートとして「休息スペースがなく息苦しい」「狭い」「大学生活を送っているような気がしない」「課外活動が阻害される」などの意見があったという。  一方で、効果を重視する評価としては都市部での教育機会の提供などの効果が大きいという考え方もあったとされる。代替措置とは何かという問題が出てくるが、運動場を設けなくても、近隣の公共スポーツ施設で代用することや空地でなくとも応接室でも済ますことも理屈の上では可能だ。突き詰めれば、学生の評価こそが大事な気がするが、それをうけてどれだけ改善するかは、大学次第だろう。まさに公共性が問われる。  以上、経過を述べてきたが、なぜ、この時期に大命題の「大学に空地は必要か」という議論になったのか。それは民主党政権時代の2010年に、それまで特区のなかで特例措置として認めてきたものを、2011年度に全国で利用可能にすべきだとの政府方針が打ち出されたからだった。つまり、全国展開には設置基準の改正が必要になり、さらに特例措置の普遍化をめぐり、中教審大学教育部会で取り上げざるをえなくなった。  この議論はすでに政府が全国展開を方針決定しているので、決着済みといえばそれで終わりかもしれない。しかし、大学教育部会の委員からは空地や運動場が必要という「質保証」という立場にたって発言した人が大多数だった。  「学生の成長プロセスの環境保証として空地や運動場は必要。大学の情報公開のなかでも必要不可欠な項目」「キャンパスのあり方、教育研究機関のあり方として、社会空間、公共空間としても必要な要件」「大学と言っても、学部や大学院の用途によるが、学士課程としては重要な要素」「学生が主体的に人格形成するためにも必要」と、本来の空地のもつ人材育成機能や公共空間という性格に戻り、大学教育の目的を重視する発言が相次いだ。  こうした意見は、当然、当時の教育特区の特例措置そのものや規制緩和、政府決定(政策決定プロセスの妥当性)ともぶつかってくる。政権交代したうえで全国決定したことを受けて、ある委員からは「もとに戻すことを考えてはどうか。政府決定を変えるために中教審が提言することもあっていい」という意見も出た。  大学をはじめ教育機関にとって空地は重要な意味をもっている。さまざまな人が集まり意見を述べて対面でやりとりして若者は何かを得て何かを創造する。一方で、震災をとってみてもわかるように、地域の人との交流など物理的な空間が開けていないとその機関は支持が得られない。ましてや、「熟議」などという美しい言葉を使っている民主党の時代には、自由な議論の場を保証する空地こそ不可欠なものに違いない。廊下と会議室とちょっとした待合室、エレベーター。そんな大学には文化としても愛着はわかないだろう。もちろん大学院によって運動場は必要ないというところもあるかもしれないが、それでも地域を意識すれば空間は必要となるだろうし、そもそも自由に議論できる空間は建物にも必要になる。教育や研究は時間決めの会議室では無理がある。そのうえ、政策の決め方としても、「審議会として政府決定を変える提言を出してもいい」という意見は貴重だ。審議会は政府方針の後追い、理論的な追認では信頼を失うときがくるだろう。  大学教育部会では、3~4回にわたり議論を続けたが、最終的には全国展開をするにあたって、例外措置を必要最小限にすること、学生が入学してみたら広場や運動場がないなどのトラブルを避けるため情報公開を徹底すること、特例措置はあくまで例外的なものだとする報告をまとめ、24日の中教審大学分科会で承認された。  ただし、これに基づいた文科省による全国展開する設置基準改正イメージ(案)をみると、委員の強い意見を丸めたせいか、十分反映されたとはいいがたい。案文では、たとえば、空地の代替措置については、(1)できる限り開放的であって多くの学生が余裕をもって休息、交流その他に利用できるものであること(2)休息、交流その他に必要な設備が備えられていること、が明記されるにとどまった。ほかに情報公開の徹底も示された。  今回の決定で、活発な議論は打ち止めとなったが、一方で政府決定に従わざるをえない役所の事情や審議会のスケジュールも表に出た。この件にかんしてはだらだらと続く審議会でなかったことだけは確かだった。 "[he-forum 16467] 日本経済新聞8/26 日本経済新聞2011年8月26日付 環境問題解決へ「博士」養成 電通大など6大学  電気通信大学(東京都調布市)など国公立6大学は2012年4月から、環境問題を解決する総合的な能力を持つリーダーを養成する「グリーンイノベーション博士」養成プログラムを始める。最新のIT(情報技術)を環境対策に応用することなどを研究し、知的財産権や技術者倫理も学ぶ。産学官連携で運営し、環境ビジネスを進める即戦力を育てる。  養成プログラムは電通大ほか北見工業大、室蘭工業大、富山大、大分大、秋田県立大の6校が運営する広域産学官連携組織「スーパー連携大学院コンソーシアム」が作成する。研究分野は電力とITを融合させた次世代送電網(スマートグリッド)の導入や活用など、具体的な環境問題の解決に役立つ対象を選ぶ。  6校の大学院博士前期課程の入学者約1100人の中から1%、12人程度を選抜。一定以上の評価を得た修了者を、所属大学の博士号に加えて「グリーンイノベーション博士」として認定する。  6校は人材育成だけでなく、それぞれの大学が立地する地域の環境問題の解決や産業、文化の活性化につながる取り組みも進める。  コンソーシアムでは現在、清水建設と野村証券の3者共同で、浮島に緑に覆われた新しい都市をつくる「グリーンフロート構想」や、走行中の電気自動車にレーザービームを使ってワイヤレスで給電する新技術の開発などに取り組んでいる。 "[he-forum 16468] 産経新聞8/27 産経新聞2011年8月27日付 関経連、絶滅が危惧される工学分野で提言/溶接も危ぶむ声  関西経済連合会は、このほど「わが国の産業を支える基盤技術の維持に向けて 絶滅危惧分野における人材の育成・確保のための仕組みづくり」と題した提言書をまとめた。それによると、冶金・金属、電気、土木などの分野で研究活動の縮小・人材減がみられる一方、日本経済の国際競争力維持、東日本大震災の復興を推し進める上でこうした技術は不可欠だと指摘している。  関経連では会員企業などにアンケート調査を行ったが、冶金・金属、土木、鍛造、化学、強電系、溶接の各工学分野で絶滅を危ぶむ企業が全体の半数強あった。また、これらの工学分野を維持するため具体的な取り組みを行っている企業は約30%にとどまり、大学などと共同研究を除いた取り組みを持続しているのは10%強に過ぎなかった。その一方、これらの工学分野が事業運営に必要だとするのは過半にのぼり、将来の技術者・技術スキルの不足・消滅に危機感を抱く声も多かった。  ただ、これらの工学分野を維持していくのは企業単独では難しく、分野別に技術を承継できる仕組み、産官学連携による人材育成システムの構築、国策としての技術承継などを求める意見も多く寄せられた。一方、絶滅が危惧される工学分野に対し大学では、学生確保の狙いもあり先端分野を取り込んだり、学科名称を変更したりしている。大学運営も交付金・助成金が削減され厳しいことから、学生を確保できない学科は再編・廃止の対象となるためだ。さらに、大学の評価は論文の発表件数や特許出願件数に大きく影響されるため、研究の進展が見込めない分野は学生にも敬遠される傾向が強いとしている。  絶滅が危惧される工学分野を維持するため、企業は社会人の再教育・技術承継に向けた取り組みを強化し、大学とも連携を強める必要がある。大学については、学生確保のため学科を維持する環境整備が必要で、「若者の理工系離れ対策」も含め人材を輩出し続ける機能を維持することが求められる。さらに、企業や大学だけでなく国が主導権を持って産官学の連携を強め、教育環境・教員・学生の3つの視点から人材を育成・確保していくことが必要である。絶滅が危惧される学科においても先端分野を取り込むこなど、日本経済の国際競争力強化・発展につながる視点で学部・学科を維持していく必要がある。 "[he-forum 16469] 読売新聞8/26 読売新聞2011年8月26日付 大学に「第二の死」の恐れ 吉見俊哉・東大教授が新著  都市論やメディア論を展開してきた社会学者の吉見俊哉・東大教授が『大学とは何か』(岩波新書)を著した。(文化部 植田滋)  12世紀ヨーロッパに誕生した大学は、17、18世紀に「一度死んだ」後、19世紀に復活したが、現代は再び衰退の危機にあるという。  大学は現在、量的に拡大しているものの、質的には危機にある、と吉見教授は見る。増員による学生の質の低下に加え、「ネットメディアの広がりで『知識を囲い込む場』としての価値が失われる一方、大学の発展を支えてきた19世紀以降の『国民国家』の力が後退しつつあるため」だ。  教授によれば、16世紀、印刷革命で出版メディアが爆発的に広がったが、大学はこれを取り込まず、言語もラテン語に固執した。その結果、デカルト、パスカル、ロック、ライプニッツといった近代知の巨人は大学教授以外から生まれ、大学は没落するか貴族の訓育機関になった。この「第一の死」を経た19世紀、ナショナリズムの高揚に伴う国民国家形成に奉仕しつつ、そこから自由に考える場が確保されたことで、現代につながる大学が再生した。こうした歴史から、国民国家の退潮は、大学を発展させてきた推進力を失わせ、大学に「第二の死」をもたらす可能性があるという。  では、大学の未来をどう考えるべきなのか。  教授は「アメリカのまねをしてハーバード大学のようなものにするより、中国や韓国などの大学と連携し、東アジアのネットワークに根ざした新たな知を探究する場にしていったらいい」と提案。ネットメディアの普及に対しては、「ネットは情報にあふれているが、情報と情報をつなぎ合わせ、体系化、構造化することはできない。大学とは人や情報が出会うメディア。出会いを通し、ものを考え、理論や概念を構築するということを学ぶ場であると再認識すべきだろう」と訴える。  同時に教授は、「大学の生命線である『リベラルな知』の探究を失ってはならない」と強調。「環境や医療など時代によって変化していく『有用な知』と緊張関係を保ちながら、これらを知の全体の中に位置づける『リベラルな知』を探究することが、大学を大学たらしめる」と言う。歴史を振り返れば、大学は常に普遍性の追究という意志を持ち続けてきた。普遍性を相対化するポストモダンの思潮は必要な道のりではあったが、それでも新たな形で「普遍性を追究する意志を持つのが大学だろう」。  今や大学改革論議は盛んだが、産業界の要請や個人の体験から語られることが多い。「表面的に『大学は役に立つのか』と問うのではなく、大学とは何なのかを根本から考え、議論してほしいと思う」 "[he-forum 16470] 朝日新聞8/26"," 朝日新聞 2011年8月26日11時38分 国立大の耐震化、2015年度に完了 文科省が整備計画  文部科学省は26日、国立大学や高専などの施設の耐震化率について、今年3月末現在の88%から、2015年度までに100%に引き上げるとする整備計 画を公表した。東日本大震災の被害を受け、天井パネルや内壁、実験設備など建物本体以外の耐震対策にも力を入れるとしている。  86大学、51高専、4共同利用機関の施設の延べ床面積は計2649万平方メートル。うち1004万平方メートルは築25年以上が経過している。計画で は15年度までに、老朽化が進んで耐震性が不十分な建物(251万平方メートル)をすべて改修。また、約80万平方メートルを新増築し、大学病院の機能強 化などを進める。経費は約1兆1千億円を見込んでいる。  東日本大震災では、天井材の落下や、電気・ガス・水道の配管の破損が目立ったため、こうした設備の耐震化も盛り込んだ。 "[he-forum 16471] しんぶん赤旗8/28 しんぶん赤旗2011年8月28日付 学校耐震化予算増を 施設整備費 宮本議員求める  宮本岳志議員は26日の衆院文部科学委員会で、学校耐震化など公立学校施設整備費の大幅な増額を求めました。  文科省は、2012年度の学校施設整備費として、市町村から11年度の3倍近い総額3350億円の要望が上がっていることを明らかにしました。  宮本氏は、大幅な予算増が必要なのに財務省が概算要求の方針で1割削減を示したことをあげ、「今年度予算さえ不足しているのに1割削減などできるわけない」と批判しました。  高木義明文科相は「耐震化は生徒の命を守るために重要。整備は確実にしなければならない」と答えました。  宮本氏はまた、東北大学を調査した際に、学舎や実験機材などの復旧が遅れ、大学院生の研究が滞り修了が遅れるとの訴えがあったことを紹介。「復旧・復興に大きな役割を果たしている大学を支援するのは国の責務だ」とし、2次補正予算の予備費8000億円の活用を求めました。 "[he-forum 16472] 日刊工業新聞8/29 日刊工業新聞2011年8月29日付 東工大、タイの連携大学院に環境工学科を新設  東京工業大学は2012年6月、タイで同国の科学技術開発機構(NSTDA)などと運営する連携大学院に環境工学科を新設する。国際的な環境への意識の高まりを受け、タイ国内でも環境工学教育のニーズが大きくなっていることから開設を決めた。どの業種にも共通するような環境問題や技術を中心に講義し、自動車や機械、生物など、幅広い分野に対応できる人材の育成を目指す。  定員は30人で、年内にタイやその周辺国から学生の募集を始める。講義はカセサート大学(バンコク市)と共同で進める。カセサート大が基礎科目を、東工大が専門科目を担当する。  細かいカリキュラムや講義内容、募集要項について、現時点では国際的な環境問題とその規制、持続可能な社会を実現するための環境工学、環境リスク解析といった科目を計画している。  選択科目には廃棄物の利用法やゼロエミッションなどの専門内容を折り込む。 "[he-forum 16473] 北海道新聞社説8/29 北海道新聞社説2011年8月29日付 大学不正経理 徹底的に調査し根絶を  年度内に使い切れなかった研究費を「預け金」として業者に管理させ、翌年度から自由に使う。こうした大学の不正な経理処理が再び問題になっている。  帯広畜産大が2002~07年度で総額4億5608万円が不適切だったとの最終報告をまとめたほか、東京工業大、慶応大、東京農大でも学内調査に入った。  事態を重視した文部科学省は、国公私立大学など全国約1300研究機関に対し、研究費の使途を精査して年末までに報告を求める大規模な調査に乗り出した。  使い切れなかった研究費は返還するのがルールだ。架空請求などの手口を使って業者に資金管理を委ねる預け金は、いわば裏金になる。  このことは何度も指摘されてきた。今なお、是正されていないなら大学側の認識は甘すぎる。各大学は徹底的に調査をし、うみを出し切り、不正根絶への対策を講じるべきだ。  帯広畜産大のケースは昨年9月、札幌国税局から指摘された。関与した教員は54人(転職、退職者も含む)に上る。教員数約130人の大学規模からも驚くべき多さだ。  確認された4億5千万円余りのうち、国などへ返還するのは研究費の出どころが判明した2億3千万円で、関わった教員から徴収する。これらの教員は来年度から4年間、研究費の申請ができない。  再発防止策としては、契約担当職員を6人に倍増し、教員が直接、備品発注することを禁止した。  一方、東京工業大などの預け金指摘は外部からあった。詳細は明らかではないが、首都圏のかなりの大学に波及する可能性もありそうだ。  東京工業大では、10月に次期学長に就くことが決まっていた大倉一郎副学長が調査対象となり、学長就任を辞退するに至っている。  研究費については次年度繰越制度の導入が必要との声もある。多くの教員は「プールして備品購入に充てる」と弁明しており、少ない研究費のやりくりの側面はあろう。  だが預け金にすると、一部が飲食代に充てられたり、投資信託に流用されたケースすらあったことを忘れてはならない。私的流用などのチェックができなくなる。  文科省は07年2月、研究費の管理・監査のガイドラインを作成し、事務職員によるチェックや懲戒規定の整備などを大学に求めてきた。  今回の調査では、預け金だけでなく、カラ出張などの請求や、プール金を研究室や個人で管理することも対象にしている。  研究費は税金である。大学関係者はその重みを自覚し、不正な経理操作とは縁を切ってもらいたい。 "[he-forum 16474] 北日本放送8/31 北日本放送2011年8月31日13時51分 県立大の独立行政法人化の是非を検討  県の行政改革委員会の今年度の初会合が31日、富山市で開かれ県立大学の独立行政法人化の是非を検討すべきとしました。  この委員会は、県の行政改革の課題に対応するため平成20年に設置されたもので、経済界の代表や有識者などが委員となっています。  会議では、これまでの提言に対する県の対応が報告され、その中で、県立大学の地方独立行政法人制度の導入について意見が交わされました。  県によりますと全国の公立大学の7割以上がコスト削減などの観点から地方独立行政法人制度を導入していて、委員会は、就職に強いなど県立大学の特色を生かしながら、導入の是非を検討すべきとしました。  県は今後、具体的な検討を進めます。  県立大学の今年度の当初予算額は授業料や補助金などの財源を差し引いた、一般財源ベースで15億4600万円です。  "[he-forum 16475] 共同通信9/2 共同通信2011年9月2日18時12分 学長の年収トップは東大 10年度の国立大給与水準  文部科学省は2日、法人化した86国立大と4研究機構の2010年度の給与水準を発表した。諸手当を含めた学長、機構長の年収は、東京大が2327万9千円で最高。東北大が2298万5千円、京都大が2213万円と続いた。最低は電気通信大の1440万1千円。  学長、機構長の平均年収は前年度より18万円減り1782万5千円。教授や准教授ら大学教員は870万3千円、事務・技術職員は556万5千円でともに前年度より減少し、事務・技術職員は国家公務員を下回る給与水準となっている。 "[he-forum 16476] 東奥日報9/3 東奥日報2011年9月3日付 弘大次期学長に佐藤氏内定  弘前大学学長選考会議(議長=小田切達・同大経営協議会委員)は2日、遠藤正彦学長が2012年1月末で任期満了となるのに伴う次期学長候補者に、同大大学院医学研究科長の佐藤敬氏(61)を選出、同氏が次期学長に内定した。新学長の任期は同年2月から4年間。 "[he-forum 16477] 山陽新聞9/3 山陽新聞2011年9月3日付 医師確保へ奨学金 備前市が方針  備前市は2日、医師の確保に向け、市立病院で将来勤務する意思のある医学生や研修医を対象とした奨学金制度を来年4月から創設する方針を明らかにした。月額20万円で、貸与期間は最長11年。市によると、県内の市町村では初。  8日開会の9月定例市議会に関連条例案を提案する。対象は、大学生、大学院生、初期研修医と後期研修医。出身地は問わない。無利息で、大学1年時から利用した場合、総額2640万円の奨学金を受けることができる。  備前病院(同市伊部)、吉永病院(同市吉永町吉永中)、日生病院(同市日生町寒河)の市立3病院で奨学金の貸与年数より1年多く勤務すれば、返還が免除される。  市は本年度から、看護師や臨床検査技師らを対象とした同種の奨学金制度を始めており、現在7人が利用。市は「慢性的に不足している医師や看護師ら医療人材の充実につなげたい」としている。  県内では、地域医療を支える人材を育成するため岡山大と広島大が医学部に設けている「地域枠」の入学者に対し、県が月額20万円の奨学金を支給している。 "[he-forum 16478] 徳島新聞9/3 徳島新聞2011年9月3日付 来春に徳大、院に助産学コース 救急・不妊治療へ人材養成  徳島大学は2012年4月、大学院保健科学教育部に助産学実践コースを設置する。出産の手助けや新生児の保健指導といった本来の役割のほか、救急対応もできる助産師を育てる。現在、文部科学省にコースの開設を申請中で、年内にも認可される見通し。  2年間の教育期間に、救急救命や不妊治療にも対応できる知識と技術を身に付ける。修了すれば修士号が得られる。定員は8人。  全国的に産婦人科医が減少しており、助産師確保の必要性が叫ばれている。コースの開設は、高度な知識を持ち指導的な役割が果たせる助産師を育成するのが目的。受験できるのは、4年制大学卒業者のほか、看護師や助産師として臨床経験があり、大学卒業と同等と大学が認めた者。  徳島大は2006年度に国立大学で初めて助産学専攻科を設置し、これまでに90人が卒業した。専攻科は4年制大学卒業者を対象にしていたが、履修年限は1年で、専門知識を学ぶには短く学位も得られない。このため、専攻科を大学院に格上げする形で助産学コースを設置することにした。 "[he-forum 16479] 産経新聞9/2 産経新聞2011年9月2日付 大学の秋入学 鈴木敏之氏、佐和隆光氏  満開のサクラの下で花びらが舞う春に入学し、季節が巡って同じ春に卒業し、新たな門出を迎える。そんな春入学が定着する日本の大学で、入学時期を秋に半年ずらす「秋入学」について、日本が誇る最高学府の東京大学が検討を本格化させる。海外で主流の秋入学を導入し、国際化を進めようとの狙いがある。日本の大学で秋入学がもたらす効果はいかほどか。東大副理事の鈴木敏之氏と、秋入学に異を唱える滋賀大学長の佐和隆光氏に意見を聞いた。(田中充) ◇ ≪鈴木敏之氏≫ 国際競争生き残りに必要 ○海外大学と争うために --なぜ秋入学の議論が必要か  「大学は現在、厳しい国際競争にさらされている。秋入学を標準とする海外の有力大学は世界中から優秀な学生を集めたり、相互の交流を広げたりすることに力を入れている。こうした中で、現行の入学時期は競争力強化の制約要因となる可能性がある」 --入学時期を変更すれば国際化が進むのか  「これまでも国際化に消極的だったわけではない。ただ、グローバル人材の育成に向け、社会が大学教育に求める水準は格段に上がってきている。世界的な視野を持ち、国内外で多様な人間と渡り合う交渉力がこれまで以上に求められている。入学時期の検討を含めた教育システム全体の点検・見直しが必要になっている」 --秋入学でどう変わるか  「東大はグローバルキャンパスを実現し、学生の構成を多様性に富んだものにしたいと考えている。しかし、今年の留学生の受け入れ状況は、秋入学を部分的に導入する大学院が2960人で全体の18・6%であるのに対し、学部は276人で1・9%と非常に少ない。学部学生の海外留学は53人で0・4%にすぎない。秋入学だけで状況が一変するわけではないが、国際化に向けた大学改革の後押しとなる可能性がある」 ○高校卒業後に社会体験 --高校卒業から大学入学まで半年間のギャップイヤーが生じる  「入試時期を従来と変えなければ自由な時間が生まれる。その場合、海外での語学留学やボランティア活動の体験など、さまざまな自主的活動が行われれば望ましいだろう。大学も全くの放任ではなく、有意義な期間となるような支援をすることも検討課題になる」 --デメリットはないのか  「現在の高校の制度を前提とした場合、大学を卒業する時期が半年延びてしまう。社会的・経済的なコストは決して無視できない。日本の優秀な高校生が海外の大学に進学する可能性もある。また、春卒業の大学と比較すると、就職の時期にもミスマッチが生じる。ただ、入学前や卒業後のギャップ期間を有効に活用できるならば、問題は緩和される。春季一括採用の慣行も変わりつつあり、財界関係者には『秋卒業であっても支障ないのでは』との意見もある」 --導入の実現性と、実際に導入できるとすればめどは  「まだ議論の1合目。学内の合意形成も簡単ではない。導入する場合は細部にわたる仕組みを変え、受験生にも2、3年単位で周知期間が必要となるなど、相当の時間を要する。ただ、国際競争のスピードを考えると検討を始めるに早すぎることはない。待ったなしで議論を行うべき時機にある」 ◇ ≪佐和隆光氏≫ 大半が無駄に半年過ごす --秋入学移行は大きな変革だ  「小中学、高校が春卒業のまま、大学だけが入学時期を変えるというのは発想自体に無理がある。世界中を探しても、そんな国は聞いたことがない。仮に東大が秋入学を導入すれば、多くの大学が追随するだろうが、従来通りに春卒業のままの大学も残る。企業は、年に2回も新人研修を行わなければならないなどコスト増を余儀なくされる。長引く不況で国内企業が疲弊している中で、さらなる負担を強いることになる」 ●受け入れ態勢がない --半年間のギャップイヤーが生じる。活用できないか  「言うはやすく、行うは難しだ。留学して語学を習得できるというが、負担をするのは親だ。親の経済状況によって、ギャップイヤーの利用機会が制限されれば格差が生まれる。ボランティア活動をすれば社会経験が積めるという声もあるが、数多くの学生を半年間だけ受け入れる態勢が日本に整備されているとは思えない。大半が、半年間を無為に過ごす結果になる」 --入学時期のずれが、日本の大学の国際化の障壁にならないか  「日本の大学の国際化が遅れているのは事実だ。だが、入学時期を合わせたからといって、海外から優秀な学生が来るとは限らない。最大の障壁は、講義が日本語で行われている点だ。中国や韓国などアジアの優秀な学生は米国を中心に英語圏に留学する。そのための語学能力も習得している。日本の大学に来てもらうには、国費で奨学金を出し、日本語を習得してもらう必要がある。日本から優秀な学生を送り出す場合も、英語などの語学習得に一定の期間がかかる。語学学校で数カ月勉強した後に編入するならば入学時期のずれは大きな障壁にはならない」 ●摩擦少ない3月入学を --そうは言っても、現状を変えないと国際化は停滞したままだ  「受験生や高校、企業の負担を極力抑える形で検討するならば、小中高も含めて一括で3月入学に移行できないかの議論を行うべきだ。前期を3~6月、夏休みを7、8月、後期を9~12月とし、入学試験や卒業式などを1、2月に行う。海外留学や受け入れも後期の9月で時期を合わせることができる。4月入学と比較しても1カ月のずれならば摩擦も少ない」 --小中高一括だと文部科学省が定める省令改正が必要になる  「大学の裁量で行える秋入学への移行と違い、文科省の省令である学校教育法施行規則を改正しなければならない。ただ、国際化には高校までの語学教育の充実も不可欠。この点も含め、大学の入学時期の移行だけで解決できる問題ではないという点に立ち返って、文科省や経済界と一緒になって議論を行うべきだ」 ◇ 【プロフィル】鈴木敏之  すずき・としゆき 東京大学副理事兼経営支援担当部長。昭和42年、東京都生まれ。44歳。東大卒業後、平成2年に旧文部省入省。放送大学学園、文部科学省高等教育政策室長などを経て、20年から東大職員。22年から副理事就任。4月から始まった入学時期の検討に関わる事務を統括する。 【プロフィル】佐和隆光  さわ・たかみつ 滋賀大学長。昭和17年、和歌山県生まれ。68歳。東京大卒業後、スタンフォード大研究員、京都大教授などを経て平成22年より現職。19年に紫綬褒章を受章。専門は計量経済学、エネルギー・環境経済学。日本経済の現状に詳しく、私的立場から秋入学に異論を唱える。 "[he-forum 16480] 読売新聞社説9/5 読売新聞社説2011年9月5日付 大学の情報公開 受験生や採用企業の視点で  多くの大学は、まだ進学希望者や企業など利用者の側に立つ視点が欠けている。情報は幅広く開示すべきだ。  国内の大学は今年4月から、入学者数や年間授業計画などの情報を公表するよう法律で義務づけられた。  進学希望の高校生らに情報を活用してもらうため、学校教育法の施行規則が改正されたからだ。各大学は工夫を凝らし、ホームページに情報を掲載している。  しかし、義務化の対象が、教員数や授業料、施設の概要といった基本的な情報にとどまっている現状では、およそ意味がない。  どのような教育内容で、どんな知識や能力を身につけられるのか。詳しい就職実績や中途退学する人の割合(退学率)、学生の満足度調査の結果などは、自ら公開していないケースが多い。  こうした具体的な情報こそ、高校生たちが志望校選びの参考にしたいと思っているはずだ。  学生を採用する企業からは「成績評価の基準を明確に示してほしい」との声が上がっている。少しでも優秀な人材を確保したい企業としては当然の要望だ。  「ありのままのデータを出せば、受験生に敬遠される」と、情報公開に消極的な大学もある。少子化の到来で大学間の学生獲得競争が厳しいことから、学生募集に悪影響を与えるような情報を出したくないとの思いがあるようだ。  だが、大学は補助金や交付金の形で公的資金を受けており、社会への説明責任がある。大学側に不都合な情報を開示せずに学生募集を行うことは、人材育成を担う高等教育機関として許されまい。  経営に問題を抱えているのなら、実態を明らかにすると同時に経営改善策を示し、受験生や保護者の理解を得るべきである。  情報公開を通じて各大学が組織や授業内容を点検し、教育の質の向上につなげることが肝要だ。  一方、文部科学省の専門家会議は先月、大学の発信する情報を集約したデータベースを構築するよう提言した。パソコン上で複数の大学の情報を比較可能にすることを目指すという。  各大学は公表情報の一層の充実を迫られよう。  日本の大学は留学生の獲得で欧米に後れをとっている。日本への留学を希望する海外の学生がデータベースを利用できるように工夫すれば、日本の大学の国際化を進める一助にもなるはずだ。  データベースの外国語版を作ることも、今後の課題である。 "[he-forum 16481] 神戸新聞9/6 神戸新聞2011年9月6日付 医療の産学連携組織発足 神戸大と中小企業    医療機器の共同開発や人材育成を目指し、神戸大学と中小企業が連携する「医療イノベーション神戸連携システム(MIKCS)」が9日、神戸市内で発足する。医療現場のニーズと企業の技術を結集させた製品づくりを促す。同市が進める医療産業都市構想の活性化にもつなげる狙いだ。  医学部などでつくる同大の「生命医学イノベーション創出人材養成センター」と、54社が参加する市機械金属工業会医療用機器開発研究会などで構成。同大大学院医学研究科教授の東健・同センター長が会長を務め、事務局は同大の産学連携の実務を担う「神戸大支援合同会社」(同市灘区)に置く予定という。  具体的には、3カ月ごとの例会でテーマを決め、医療や介護、福祉機器などの製品化を検討する。企業側とは秘密保持契約を結ぶなどし、情報管理を徹底。各企業の技術に精通したコーディネーターも配置する。また共同研究や、企業へのインターンシップなどを通じて人材交流も進める。  東センター長は「医療関連は成長産業の一つだが、これまで現場と一体となった取り組みが十分にできていなかった。効率的で密接な連携を図り、いち早く製品化につなげたい」としている。(石沢菜々子) "[he-forum 16482] 福島土壌調査結果公開サイト紹介","福島土壌調査活動の結果を報告したウェブサイト(大阪大学) http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/dojo/ "[he-forum 16483] 毎日新聞9/8"," 毎日新聞 2011年9月8日 東京朝刊 福島大:受験料を免除 12年度、被災の有無問わず  福島大(福島市)は7日、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の被災の有無にかかわらず、12年度入試の受験料を大学院も含めて全額免除する と発表した。一般入試だけでなく、推薦やAO(アドミッション・オフィス)入試、編入学なども全て無料とし、既に出願を受け付けている大学院については、 納付済みの受験料を返還する。同大の11年度の学類の受験料は1万7000円で、受験料収入は全体で約7200万円。被災者向けには、入学料や授業料の軽 減措置も検討するという。  福島大によると、原発事故による不安から、子供を福島県内へ進学させるのをためらう保護者もいるという。8月に開いたオープンキャンパスの参加者は約3200人で、前年より約1100人減った。  福島大は震災後、放射線対策や地域復興に向けた研究に力を入れている。会見した入戸野(にっとの)修学長は「被災した大学ならではの教育体系を備え、災害に立ち向かう研究を発展させたい。チャレンジ精神あふれる学生に集ってほしい」と語った。  問い合わせは福島大入試課(024・548・8064)。【関雄輔】 "[he-forum 16484] 読売新聞9/8 読売新聞2011年9月8日付 新潟大研究所と燕市、防災まちづくり協定 災害対策に専門的知識提供  新潟県燕市と新潟大学災害・復興科学研究所は7日、同市の防災関係事業について同研究所が専門的な技術や情報を提供する「防災まちづくりに関する協定」を結んだ。  同研究所と市町村が協定を締結するのは初めて。  同市はこれまで、防災関係事業で、アドバイザーや教育機関との連携はしていなかったが、東日本大震災を受け、専門家の知識を取り入れ、想定外の災害に対応するため、今年6月、同研究所に協定の締結を打診して決定した。  同市は東京電力柏崎刈羽原子力発電所から半径50キロ圏内にあることから原子力災害への対策や、新潟・福島豪雨を受けて地域防災計画の見直しなどで専門的知識や情報の提供を受けるという。  同研究所は今年4月、前身の新潟大学災害復興科学センターを改組して設立された。前身の同センターは地滑りや積雪被害など県内の災害研究に尽力し、2004年の中越地震や07年の中越沖地震では県などと協力し現地調査や減災活動を行った。  鈴木力市長は「防災計画の見直しや、市民を巻き込んだ実践的な避難訓練などで総合的な観点から助言、ご指摘をいただきたい」と話した。 "[he-forum 16485] 読売新聞富山9/9 読売新聞富山版2011年9月9日付 県内4大学単位互換実施へ 知事・学長会談で合意 「高大連携」も推進  石井知事と県内4大学の学長が8日、富山市内で初めて会談し、県立高校と大学の連携を推進する「高大連携連絡会議」を新たに設置することや、大学間での単位互換を進めていくことで合意した。単位互換はほとんどの都道府県で実施されており、県内でようやく動き出すことになった。  富山大、県立大、高岡法科大、富山国際大の学長が出席。これまで、高校と大学が個別に連携し、大学教員が高校で専門性の高い授業を行うなどしてきたが、石井知事は「総合的にとらえ、一体的に取り組む必要がある」として、県、県教委、4大学で構成する連絡会議の設置を提案した。  大学間の単位互換を巡っては、交通手段の問題などで県内で動きが鈍く、現在、富山大・県立大の大学院間のみ。両大学間でも「ここ2、3年は実態がない」(前沢邦彦県立大学長)が、石井知事は「補完し合い、レベルの高い教育や研究ができる」とし、賛同された。遠藤俊郎富山大学長は「一部の教員に負担が集中し、大学の授業に支障が出ることもある」と課題を挙げた。来年度から段階的に導入することを目指し、検討会か委員会を作り、県がオブザーバーなどの形で参加する。  単位互換などの連携を進めるため、各大学が参加する大学コンソーシアム(共同事業体)の設立を目指すことでも合意。県によると、このようなコンソーシアムは、42都道府県ですでに設立されているという。 "[he-forum 16486] 信濃毎日新聞9/9 信濃毎日新聞2011年9月9日付 信大法科大学院の新司法試験合格者 7.7%の4人 合格率は低下  2011年の新司法試験で、信大法科大学院は合格者が前年より1人減の4人だった。論文試験の採点に進める短答式試験の合格者は前年の16人から28人に増えたが、最終合格者は伸びなかった。8日会見した信大大学院法曹法務研究科長の米田保晴教授は「もっと多くの合格者を出すように努力しなければ」とする一方、「従来並みの合格者を出せたのは、これまでの取り組みの成果」と評価した。  信大の受験者数は52人。合格者4人のうち2人が初の受験で、2回目と3回目が1人ずつ。年代は20代2人、30代2人。男性3人、女性1人で、4人のうち3人は県内出身者だった。これまでの合格者は、初の修了者が試験に臨んだ08年がゼロ、09年が4人、10年が5人。受験者数が年々増えており、合格率は前年の12%から低下した。  文科省は、新司法試験の合格率が全国平均の2分の1未満が3年続き、その3年目の入試の競争倍率が2倍未満の法科大学院に対し、補助金を削減する方針を示している。信大の合格率が全国平均の2分の1を下回るのは昨年に続いて2年連続。11年度入試の競争倍率も1・59倍だった。  米田科長は「合格のボーダーラインの学生が多く、しっかり取り組めば合格率も上がるはず。削減の対象になるとは考えていない」と述べた。 "[he-forum 16487] 時事通信9/8 時事通信2011年9月8日17時40分 合格率、最低の23.5%=3000人目標なお届かず-新司法試験  法務省は8日、2011年の新司法試験の結果を発表した。同試験は法科大学院修了者が対象。8765人の受験者に対し合格者は2063人で、合格率は23.5%。合格率は同試験を導入した06年から下がり続けており、最低を更新した。  政府は02年、法曹人口を増やすため、司法試験の合格者を「10年ごろに3000人」とする目標を設定。しかし、これまでの最高は10年の2074人で、今年も目標に届かなかった。政府は「3000人目標」を維持するかどうかや、全国74の法科大学院の統廃合、教育の質の向上などについて検討を急ぐ方針だ。  11年の法科大学院別の合格者数は、東大が210人でトップ。2位以下は中央大176人、京大172人、慶応大164人、早大138人の順。37の大学院が10人未満で、姫路独協大はゼロだった。 "[he-forum 16488] キャリアブレインニュース9/8 キャリアブレインニュース2011年9月8日付 大学病院チーム医療推進事業、8件を選定- 文科省  文部科学省は9月7日、今年度の新規事業である「チーム医療推進のための大学病院職員の人材養成システムの確立」の支援対象の選定結果を公表した。それによると、申請があった52件のうち、8件が選ばれた。早ければ今月末から事業が開始される見通し。  同省の選定委員会が審査を実施し、8月26日の会合で決定した。  選ばれたのは、▽東北大の「高度専門医療チーム活性化システムの開発」▽筑波大の「患者中心の医療を実践する人材養成の体系化」▽昭和大の「多職種協働の救急チーム人材養成システム」▽近畿大の「救急災害医療のためのチーム医療推進」▽岡山大の「岡山大学病院ペリオ人材育成研修センター」▽広島大の「高度急性期医療を支援する医療人教育モデル」▽九大の「先進的チーム医療の推進とその安全性確立」▽産業医科大の「医療連携アドバイザー養成プログラム」―の8件。  同事業は、大学病院内でチーム医療を推進し、それに必要な事務職も含む医療スタッフの人材育成のための教育プログラムを開発・実践する大学を支援するもの。予算額は1億1200万円で、事業計画期間は3年間の予定。 "[he-forum 16489] 日本経済新聞9/8 日本経済新聞 2011/9/8 21:58 合格率低迷の6法科大学院、補助金削減 文科省  2011年新司法試験の結果を受け、文部科学省は8日、合格率の低迷が続く法科大学院6校に対する12年度の補助金削減を決めた。経営面での打撃は大きく、撤退や統廃合の動きが加速する可能性がある。  同省によると、6校は東海大、大東文化大、関東学院大、大宮法科大学院大、桐蔭横浜大、明治学院大。11年度入試の倍率が2倍を切り、3年連続で新司法試験の合格率が全国平均の半分未満になるといった、同省が昨年9月に決めた補助金削減の基準に該当した。  法科大学院を設置する大学には私学助成金などが通常より増額されており、この増額分の一部を削る。具体的な減額幅は12年度予算の編成作業中に決める。  桐蔭横浜大と大宮法科大学院大は16年度をめどに統合することが決まっている。 "[he-forum 16490] 日本経済新聞9/11 日本経済新聞2011年9月11日付 産学官と金融、連携が地域支える 室蘭の研究(4)  「この技術、社内でとどめておくのはもったいないですよ」。電子部品向けの光学ガラス研磨加工を手がけるマトラスターテクノクラシー(埼玉県鴻巣市)の室蘭工場は、2007年度から研究を重ねてきた研磨剤回収技術の製品化に方向を転換。昨年度、道内外の加工会社に4台を販売した。財団法人室蘭テクノセンター(室蘭市)から来たビジネスコーディネーターの一言がきっかけだった。 ■強みや課題把握  テクノセンターは室蘭市や登別市、伊達市が産業振興のために1986年設立。会社経営や大学での研究を経験してきたコーディネーターが“営業マン”さながらに地元企業を回り、各社が持つ技術の強みや、直面する課題を把握する。  「下請けからの脱却を目指す意欲がある経営者」(コーディネーターの村上孝志氏)と共に新事業開拓へ知恵を絞り、市場調査などを通じて手助けをする。製品開発のための助成金制度も用意する。マトラスター社の事例もその一つ。当初は高価な研磨剤を回収してコストを削減することが技術開発の目的だったが、「助言により新規事業につながった」と一條英二リサイクル事業推進室リーダーは振り返る。  中小製造業が抱える悩みは様々。その解決に室蘭の産学官連携ネットワークが一役買っている。テクノセンターがソフト面の支援を軸とするなら、地元国立大の室蘭工業大学は技術面で産業界に貢献している。  室工大で共同研究や技術相談の窓口となる「地域共同研究開発(CRD)センター」。技術相談など持ち込まれる案件をこなすのではなく、専任コーディネーターが年に約150社を回り、大学の研究から生まれた技術のタネを紹介する。加賀寿センター長は「ものづくりの地域にある研究機関としてサービスする」と話す。地元の経営者が系列を超えて交流する場を提供するなど、企業ネットワークの醸成にも一役買う。  さらに、両センターは、室蘭信用金庫や地方銀行、政府系金融機関の地元支店の担当者を交えて月1回のペースで、「コーディネーター連携会議」を開催。それぞれの取り組みについて情報共有している。地域を支える連携は「産学官金連携」に育ちつつある。  ただし、これら連携の取り組みには限界も。室工大CRDセンターによると、企業との共同研究件数のうち道内企業との案件が占める割合は10年度で44%。6割を占めていた06年度に比べて15ポイント程度低下した。「先端分野での研究成果を目指す大学側の立場と、地元企業のニーズが乖離(かいり)してきた」と、加賀センター長は説明する。  さらに、08年秋の金融危機以降、地域の企業は新分野開拓に慎重になっている。テクノセンターが用意する各種助成金制度の利用実績は金融危機以降、減少傾向にあるという。 ■金属資源を回収  そんななか、新産業創出の可能性を秘めた大型連携プロジェクトも動き出している。室工大の清水一道教授が座長を務め、室蘭を中心に道内外の企業が集う「室蘭シップリサイクル研究会」だ。  大型廃船を室蘭港の埠頭に浮かべたまま効率的に解体し、鉄などの金属資源をリサイクルする。昨年、全長約180メートル、高さ約40メートルの自動車専用運搬船の解体実験を実施。14年の事業化を目指し、今年から第2期の活動が始まった。  全国から注目を集めるプロジェクトだが、清水教授は「室蘭には素材を再利用できる製鉄業や、解体スペースを確保しやすい良港など、事業化に向けた条件がそろっている」と優位性を強調する。  円高や中韓との競争激化など日本のものづくりを取り巻く環境は厳しい。室蘭でも生き残りに向けて、地域が一丸となった取り組みが求められる。 "[he-forum 16491] 河北新報9/14"," 河北新報 2011年09月14日水曜日 東北大が「災害科学研」設立へ 被災地支援学を創設  東日本大震災を受け、従来の防災・減災対策では対応できない課題を解決しようと、東北大が「災害科学国際研究所(仮称)」の設立計画を進めていることが13日、分かった。仙台市で同日開かれた震災に関する研究者の報告会で、東北大が明らかにした。  研究所は2012年4月の開設予定。研究分野は(1)災害リスク(2)人間・社会への対応(3)地域・都市再生(4)災害理学(5)災害医学(6)社会連携―の6部門で構成される。   災害発生後の生活再建や地域づくりをサポートする被災地支援学の創設が目玉。広範囲に被害が及ぶ大災害に対応する医学と医療体制の確立も設立構想に盛り込 んだ。従来の研究を発展させ、超巨大地震と津波の発生メカニズムの解明や次世代早期津波検知技術の開発、東日本大震災の研究分析に基づく減災技術の再構築 も掲げる。  宮城県と同様に沿岸部で甚大な津波被害を受けた岩手県の岩手大、福島県の福島大をはじめ、東北を中心とした他大学との連携強化も図る。津波や災害医療、除染などに関する分野で共同研究などに取り組む。  文部科学省には既に設置申請を済ませており、早ければ11月にも認可される見通し。   東北大災害制御研究センター長の今村文彦教授(津波工学)は「今回の震災のように低頻度でも巨大な災害にも対応することへ、発想を転換しなければならな い。人と人とのつながりの形成や地域産業の再生など、復興に必要な『人間への支援』という要素を取り入れたのが大きな特徴だ」と説明している。 "[he-forum 16492] 徳島新聞9/14 徳島新聞2011年9月14日付 徳大、米に産学連携拠点 シリコンバレーに事務所  研究者が開発した技術を米国に売り込むため、徳島大学は米カリフォルニア州のシリコンバレーに拠点オフィスを開設した。現地で15日(日本時間16日)に開所式を開き、起業家らにアピールする。徳島大が海外の企業などをターゲットに、「大学ブランド」技術のビジネスに乗り出すのは初めて。   米で技術移転コンサルタント事業も行う日系の薬品販売会社と提携。オフィスは、米アップル本社など先端企業が並ぶ同州クパティーノの提携会社の一角に設けた。パソコン、プリンターといった事務機器と1人分の席を備えている。  セールスマンとなる担当職員が3~4カ月に1回、1週間程度滞在。セミナーや勉強会への出席などを通じ、技術紹介と人脈づくりを進める。  ホームページでも開発技術を公開。常駐者は置かず、通常の応対業務は提携会社に委ねて、企業や研究者から技術活用や共同研究の依頼を受け付ける。  将来的にはオフィスを拠点にシリコンバレーの企業や他大学の出先機関とネットワークを構築。学生の教育やインターンシップにも生かす方針。  徳島大では国際化が進む中、国内企業にとどまらず海外企業との連携強化も重視。シリコンバレーには九州大や大阪大など既に国内の10大学が拠点を設けており、徳島大も昨年11月からオフィスの試験運用をしていた。  開所式には、香川征(すすむ)学長をはじめ徳島大関係者8人が出席。米国で活躍中の日本人起業家らを招待し、徳島大の技術をアピールする。香川学長は「大学も積極的に海外展開する時代。米国との連携、交流の足掛かりにしたい」と意気込む。  シリコンバレー 米カリフォルニア州の先端企業集積地域の通称。サンフランシスコ市南方の複数の都市にまたがる。アップルやグーグル、インテルなど世界的な先端企業が本社を置いている。 "[he-forum 16493] 日刊工業新聞9/15 日刊工業新聞2011年9月15日付 文科省、ナノテク競争力強化-産学官研究基盤を創設  文部科学省は2012年度から10年間の長期事業として、全国の大学や研究機関などのナノテクノロジー設備を活用した研究基盤の強化に乗り出す。微細構造解析などの三つの機能分野で研究基盤をつくり、産学官の研究者らに最先端の計測や分析、大学などが持つ加工設備などの利用機会を広げる。12年度予算概算要求に事業経費20億円前後を盛り込む。  野田佳彦首相も13日の所信表明演説で日本再生に向けて「産官学の英知を結集させる」としており、日本の強みであるナノテクの産業競争力を高め欧米各国に対抗するのが狙い。12年度からの長期事業は「ナノテクノロジープラットフォーム(仮称)」。21年度までの事業総額は200億円程度を想定。  02年度から11年度まで5年単位で進めてきたナノテク事業を発展させ、三つの研究基盤を対象に装置と情報を共有化して、研究者らに最先端設備の利用機会を促す体制にする。 "[he-forum 16494] 中国新聞9/15 中国新聞2011年9月15日付 大学活性化へ連携策まとまる  広島県や県内の大学などでつくる大学連携推進方策検討会は14日、広島市中区で最終会合を開き、国際化に対応する人材育成講座の共同開発など、大学活性化に向けた新たな連携策をまとめた。  最終会合には県内の全21の国公私立大や県商工会議所連合会などの代表が出席した。  連携策は人材育成の充実と情報発信の強化が2本柱。  人材育成の充実では産業界で国際的に活躍できる人づくりを目指し、複数大学による新たな講座の開発に取り組む。複数大学の学生や社会人が学べるサテライトキャンパスの設置も検討する。  情報発信の強化では、複数の大学が共同で、高校生や高校の進路指導担当者を対象にした県外での大学説明会を開催することなどを盛り込んだ。  会合後、座長を務めた県の下村節子県民生活部長は「大学や産業界と力を合わせ、若者の県外流出を着実に減らしたい」と話した。 "[he-forum 16495] しんぶん赤旗9/16","しんぶん赤旗 2011年9月16日(金) 独 大学授業料 廃止 16州のうち14州へ “不公正広げない” ________________________________  ドイツで大学授業料廃止の動きが強まり、13日までにドイツ全16州のうち14州で廃止ないしは、これから廃止の方針を持つことになりました。  2月にノルトラインウェストファーレン州議会が今年の冬学期(9月から翌年3月)から廃止を決めたのをはじめ、4月にはバーデン・ビュルテンベルク州で新たに与党となった90年連合・緑の党と社会民主党が2012年から廃止することを政策合意に盛り込みました。  13日にはハンブルク特別市で同市の与党、社会民主党が12年冬学期からの廃止を決定し、ドイツの全16州のうち、大学授業料が残るのはバイエルン州とニーダーザクセン州の二つになりました。  背景には、この間続いてきた州議会選挙で、国政与党の保守系会派が多くの州で敗北し続ける一方、国政野党で革新的な政策を掲げる傾向のある緑の党、社民党、左翼党が伸長していることがあります。  ドイツの大学は06年までは、全国で無料でした。ところが、05年に連邦憲法裁判所が、学費徴収を全国一律に禁じる法律を無効とし、授業料を徴収するかどうかは16の州・特別市の判断に任されました。  このため、保守のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)や自由市場に重きを置く自由民主党(FDP)が与党となっている州では、相次いで一学期(半年)に375~650ユーロ(4万~7万円)の大学授業料徴収を開始。徴収する州の数は一時、8州になりました。  北ドイツ放送(NDR)によると、13日、大学授業料廃止の方針を決めたハンブルク市社民党のシュターペルフェルト科学教育相は、「大学授業料は社会的な不公正を広げるものであり、大学に(貧富の格差による)障害を設けてはならない」と語りました。 (片岡正明) "[he-forum 16496] 日本海新聞9/16 日本海新聞2011年9月16日付 救命医療の充実へ 島根県が鳥大救急センターを支援  島根県は、救命医療の充実を図るため鳥取大学医学部付属病院救命救急センター(米子市西町)の医療機器購入費として4840万円を9月補正予算案に計上した。同センターが島根県側から多くの重篤患者を受け入れている実情を踏まえ、地域医療再生計画の一環として、医療環境を向上させるため経費支援する考え。  同センターのICU(集中治療室)などで使用するベッド、生体情報モニターや監視カメラなどの購入費に充てる。財源は、国の地域医療再生臨時特例交付金による基金を取り崩して対応する。島根県は10年度にも同センター外来の医療機器整備を支援している。  島根県医療政策課によると、2010年の同センター利用者のうち14%、960人が県境を越えた安来市などの患者だった。  島根県内で重篤な3次救急患者を受け入れる救命救急センターは、松江赤十字病院(松江市)県立中央病院(出雲市)浜田医療センター(浜田市)の3カ所。島根県は急患の受け入れ集中を緩和し、県民の医療サービス向上につなげる。 "[he-forum 16497] 日本経済新聞9/16 日本経済新聞2011年9月16日付 愛媛大、企業に若手研究者派遣 農学系など3カ月限定  愛媛大学は若手の研究者を四国4県の企業に派遣する取り組みを始める。農業などに関する高度な知識を、食品メーカーなどの企業の研究開発や経営戦略の立案に生かしてもらう。文部科学省の補助事業で、企業は研究者の給料や関連費用を負担する必要はない。研究者の派遣を通じて企業との人的な交流を深め、研究者の将来の就職につなげる狙いもある。  愛媛大の博士課程に在籍する学生か課程修了から5年以内の学位取得者(ポストドクター=ポスドク)を派遣する。期間は3カ月だが、企業側の事情に応じて変更する。  愛媛大はこのほど、四国の大学で初めて、同事業を推進する「地域コーディネーター」を大学院の農学研究科に配置した。山本徹客員教授が務めており、4県の企業に事業の説明を始めた。  愛媛大の地域コーディネーターらが企業と研究者の間に立ち、企業のニーズと研究者の能力を考慮して派遣先を決める。  派遣先は農学関連の知識が生かせる食品や種苗メーカーのほか、「ベンチャーや新事業を立ち上げたい中小など幅広い企業を想定している」(山本客員教授)という。  同事業は東京農工大学が全国各地の農学系大学院と連携し2008年から取り組んでいる、博士課程学生とポスドクを対象とするインターンシップ事業の一環だ。  企業は農学研究科のほか東京農工大と連携している各地の農学系大学院(一部医学系なども含む)の在籍学生・ポスドクの派遣も受けられる。  若手の研究者は大学で職を得る場合もあるが、多くは企業に就職して研究開発部門などで活躍することが期待されている。愛媛大は研究者の将来の就職も視野に入れ、研究者個人の専門分野に関連する企業との接点を増やしたい考えだ。  企業側は大学の研究室と研究開発面などで新たな関係を構築しやすいなどのメリットがある。 "[he-forum 16498] 岩手日報9/17 岩手日報2011年9月17日付 医療機器特区を導入へ 医大と岩手大の連携支援  厚生労働省は岩手、宮城、福島の被災3県に、世界をリードする医療機器開発を進めるための復興特区を導入する方針を決めた。岩手医大と岩手大工学部などによる「医工連携」の支援に向け、2011年度第3次補正予算案に43億円を要求。研究開発費を補助するほか、特区で税制措置や薬事規制の緩和を組み合わせ、企業誘致や雇用創出につなげる。県が目指す医療機器産業の集積に追い風となりそうだ。  厚労省が3次補正で要求したのは被災3県を対象とする「東北発の革新的医療機器創出・開発促進事業」。既に医薬品や医療機器メーカーが数多く立地している東北の強みを生かし、最先端の医療機器開発を通じて地域経済の再生を図る。  既存の地域医療再生基金を積み増し、企業、大学、医療機関の連携による医療機器の臨床試験(治験)などを5年間にわたり財政支援する。  東北大を中核に本県は岩手医大、岩手大工学部の協力関係を強化し、内視鏡手術器具などの開発を推進。技術を世界レベルに引き上げる。 "[he-forum 16499] 福井新聞9/17 福井新聞2011年9月17日付 福井大に来春「連合大学院」 発達障害対応、4大と連携  子どもに増えている発達障害に対応できる医師や学校教員の養成を目指し、福井大は来春から、大阪大など4大学と連携した「連合大学院」をスタートさせる。小児発達学を学ぶ博士後期課程(3年)のみの大学院で、医学部のある松岡キャンパス(永平寺町)に「福井校」を設置。本県にいながら、各大学の先端的な知見を身に付けてもらう。  連合大学院は、大阪大大学院「連合小児発達学研究科」として2009年度から、大阪大と金沢大、浜松医大が展開してきた。大阪大は脳の神経細胞分野、浜松医大は児童精神医学など、大学ごとに研究の強みを生かした講座を設け、大学院の教育・研究のレベルアップを図っている。  福井大は千葉大とともに、来春から連合大学院に加わる。福井大は、磁気共鳴画像装置(MRI)などの断層画像を用いた脳機能の解明や子どものうつ病の研究、保護者に対する支援の在り方などの分野で強みがあり、「こころの形成発達科学講座」の名称で授業を展開、各大学の院生が受講する。10人程度の専任教員を置く計画。  院生として想定しているのは、医師のほか特別支援教育に携わる学校教員やスクールカウンセラー、看護師ら。特に教員らは、5年以上の実務経験があれば、学部卒でも受験できることになっており「現場での指導者」の養成に力を入れる。大学院博士前期課程や修士課程の修了者は、修了分野を問わず受験資格がある。  入試は大阪大大学院が一括して担当する。「福井校」に入学した院生は遠隔授業や、各校に出向いて演習を受けるなどし、3年間で30単位を取得する。定員は5大学計15人。10月に募集を始める。  これに加え福井大は9月21日、医学部附属病院に、全国でも珍しい子どもの「心」の専門外来を開設する。小児科と精神科、神経科が連携し発達障害に対応する。さらに同日から、児童精神医学などの研究者を学外から招いた「子どもの発達研究センター」が本格始動。連合大学院との連携の中で、発達障害の早期発見や治療法、子どもや保護者への支援の在り方などを多面的に研究する。  県教委特別支援教育室の08年度調査では、県内の公立小児童のうち5・9%、公立中生徒でも4・2%で、発達障害が疑われている。1クラスに1~2人“気がかりな子”がいる計算だ。「発達障害の子どもが増えているにもかかわらず、これまで学校現場には医学の知識がなく、医師もまた現場を知らないままだった」と、同大医学部の佐藤真副学部長。  「発達障害児の中には、特定の分野に天才的な才能を持つ子どももいる。能力開発も研究テーマの一つ」とし「文理融合の大学院で、発達障害を理解できる人材を継続的に供給していきたい」と話している。  発達障害 ▽社会性やコミュニケーション能力がなく、こだわりが強い自閉症やアスペルガー症候群などの広汎性発達障害▽注意力が持続せず、動き回り衝動性が強い注意欠陥・多動性障害▽聞く、読む、書く、計算する、推論する能力のいずれかの習得が著しく困難な学習障害―などがある。脳機能の障害とされ、乳幼児期に特性が現れ始める。 "[he-forum 16500] 読売新聞社説9/15 読売新聞社説2011年9月15日付 新司法試験 合格者増へ法科大学院改革を  法科大学院を修了しても法律家への道が開けない。その傾向が一層顕著になってきた。  今年の新司法試験の合格者数は、昨年より11人少ない2063人にとどまった。合格率は23・54%で、2006年に新試験が始まって以来、5年連続で低下した。  政府は9年前、2010年をメドに合格者を3000人にまで増やすことを閣議決定したが、今回も目標に遠く及ばなかった。  もともと司法制度改革は、橋本内閣以降、公務員を減らし、行政による事前規制型社会を司法による事後救済型社会に変えていくという狙いから、行政改革と並行して進められてきた。  国民にとっても、日常生活のトラブルなどを手軽に相談できる「身近な司法」を実現させ、様々な権利を守る「頼りがいのある司法」へ進化させていく機会だ。  こうした国家の制度設計の目的を達成するには、弁護士など法曹人口の大幅増が欠かせない。東日本大震災に関わる法的トラブルの解決にも、これまで以上に法律家の手が必要となる。  新司法試験の合格者数を出来るだけ早期に3000人にまで引き上げることが大切だ。  それに向け、最優先で取り組むべきは法科大学院改革である。  74の大学院が乱立し、入学の間口が広くなった。司法試験の合格者数で低迷する大学院が増え、そうした大学院には学生も集まらないという悪循環に陥っている。  姫路独協大の法科大学院は今年度から学生募集を停止した。桐蔭横浜大法科大学院と大宮法科大学院の統合も決まっている。  今後も統廃合による淘汰(とうた)は、避けられまい。  実務教育を重視し、即戦力の法律家を養成するという設立理念の一方で、法科大学院に、司法試験対策に特化した教育が認められていない現状にも問題がある。  大学院生の最大の目標は司法試験に合格することだ。大学院側も経営上、多くの合格者を出し、実績をアピールする必要がある。  理念と現実の溝を埋めるため、大学院のカリキュラムに今以上の独自性を認めるべきだろう。  新司法試験の出題内容も再検討が必要だ。詰め込み型の勉強をしなければ受からなかった旧司法試験の反省から生まれた制度だが、現状はさほど変わっていない。  新司法試験の所管は法務省、法科大学院は文部科学省だが、制度全体の改革には、両省の連携が何より重要だ。 "[he-forum 16501] 共同通信9/16 共同通信2011年9月16日17時5分 被災受験生の検定料免除 大学入試センター  大学入試センターは16日、東日本大震災で被災した受験生を対象に、来年1月に実施するセンター試験の検定料などを免除すると発表した。  同センターによると、被災して自宅が全半壊したり、家計を支える家族が死亡、行方不明となったりした場合が対象で、東京電力福島第1原発事故による警戒区域や計画的避難区域出身の受験生も含む。申請時に罹災証明書などの提出が求められる。免除されるのは3教科以上で1万8千円など。  対象者は10月3~14日の出願期間にいったん通常通り願書を提出し、検定料と通知手数料も振り込むが、来年1月に免除の申請をすれば、同3月に料金が返還される。 "[he-forum 16502] 読売新聞秋田9/19 読売新聞秋田版2011年9月19日付 秋大教育文化学部を再編 13年度グローバル化にあわせ  秋田大は16日、教育文化学部を2013年度に再編する方針を明らかにした。現在ある学校教育、地域科学、国際言語文化、人間環境の4課程を、教員養成、人文科学、社会科学の3課程にする。同学部について、教員養成とそれ以外の分野にメリハリをつけてテコ入れする。  吉村昇学長は再編について、同日に秋田市で開かれた県高校長協会との懇談会で、「秋田大の弱点は教育文化、医学、工学資源の3学部しかないこと。もう一つ文系学部があればと悔やまれ、(教育内容を)膨らますよう動いている」と語った。  教育文化学部は、師範学校の時代から、県内の教員養成の中核を担ってきた。再編の背景には、伝統ある教員養成以外にも、グローバル化など時代の変化にあわせた教育を強化していかないと、地方大学は生き残れないとの危機感がある。  教育内容の充実に関連して、吉村学長は、英語で授業を行う国際教養大、農学系学部のある県立大との関係について、「今すぐは無理だが、10年後、20年後に3大学が一緒になる可能性はゼロではないと思っている」と述べ、連携をさらに進める考えを示した。 "[he-forum 16503] 山形新聞9/21"," 山形新聞 2011年09月20日 22:02 山形大が被災者の入学検定料を免除  山形大は20日、2012年度入試に関し、東日本大震災で被災した受験生の入学検定料を免除すると発表した。  震災で▽学資負担者が住む家屋が全壊、半壊の被害を受けた▽学資負担者が死亡、行方不明または失職した▽福島第1原発事故により、警戒区域や計画的避難 区域に指定されている-などに該当する受験生が対象となる。免除となるのは学部の一般、AO、推薦、社会人、私費外国人留学生の各入試。大学院は対象外。  申請期限は社会人入試が10月13日、推薦入試I、II(医学科のみ)が10月20日、医学科以外の推薦入試IIと私費外国人留学生入試が来年1月5 日、一般入試が1月19日。AO入試は既に出願受け付けが終わっているため、大学側から該当者に連絡し、納付料の返還手続きを行う。  被災者を対象に同大は授業料免除などのサポートを行っており、前期は197人が全額免除、86人が半額免除の支援を受けている。  問い合わせは山形大エンロールメント・マネジメント部政策課023(628)4062。 "[he-forum 16504] 石川 真紀子 は不在にしております。 2011/09/20 から不在にしております。2011/09/26 に帰社いたします。 帰社しましてからお返事させて頂ければと思いますが、至急の案件については、管 理係までお問い合わせ願います。 "[he-forum 16505] 朝日新聞9/24 朝日新聞2011年9月24日付 東北の海洋生態系再生へ新研究拠点 文科省、予算化へ  東日本大震災によって破壊された沿岸域の海洋生態系を再生しようと、文部科学省は新たな研究拠点「東北マリンサイエンス拠点」づくりを始める。地元の大学や自治体、企業を中心に海外の研究機関とも連携、この拠点を中心に運用する調査研究船も建造する。科学技術を使い、三陸沖の漁業の復興や新たな産業の創出への貢献をめざす。  岩手県にある東京大学国際沿岸海洋研究センター、宮城県の東北大学複合生態フィールド教育研究センター、海洋研究開発機構などが中心となる。地元の意向を踏まえ、長期的に取り組む計画で、研究船の建造費約110億円と合わせ、計約130億円を第3次補正予算に盛り込む予定だ。 "[he-forum 16506] 福井新聞9/22 福井新聞2011年9月22日付 発達障害に高度な治療、支援 福井大病院が専門外来開設  子どもに増える発達障害の高度な治療や支援を目指し、福井大医学部附属病院(永平寺町)は21日、小児科と精神科が連携した専門外来「子どものこころ診療部」を開設した。両科が連携した専門外来は全国でも珍しいという。対象年齢は0~18歳。電話予約制で10月3日から診療を始める。  発達障害は従来、小児科を中心に、神経科精神科などでも個別に対応してきた。専門外来は両科が連携することで、神経科学や精神医学なども踏まえた多様な治療や支援を行う狙い。MRIなど先端的な画像技術も用い、脳機能の面からの診断・治療も行う。  患者は発達障害を中心に、いじめによる心的外傷後ストレス障害(PTSD)や子どものうつ病、睡眠障害なども対象。  診療部長の重松陽介教授のほか小児科医と神経科精神科医5人体制。外来棟の一部を改修し診察室、相談室、検査室を一室ずつ設けた。壁には福井大附属小の児童らが描いた怪獣などの絵をあしらい、明るい雰囲気を演出している。  開設式は同病院の診療部前であり、同病院の山口明夫院長が「心に病を持つ多くの親や子の支えになりたい」とあいさつ。関係者がテープカットし開設を祝った。  診察の予約は同大医学部=電話0776(61)3111=から内線3195へ。10月以降は内線3240へ。 "[he-forum 16507] 毎日新聞愛媛9/21 毎日新聞愛媛版2011年9月21日付 地域医療:担い手育成 愛大病院にセンター開所--東温  地域医療の担い手を養成する愛媛大医学部付属病院地域医療支援センター(東温市)が開所した。同センターで学んで県内で地域医療に従事する医師が26年度には70人以上になる見込みで、同大学は「担い手育成の拠点にするとともに、地域医療に携わる医師が1カ所に集まることで相乗効果も」と期待している。  同大学では06年度から、卒業後に研修期間を含む9年間を県内の地域医療に携わることを条件に奨学金を出す「愛媛枠」を創設。現在、同枠で入学した40人の学生が地域医療の医師を目指している。  学生は卒業後2年間、県内15カ所の病院で研修医として初期臨床を研修し、その後7年間は県内の病院で地域医療に取り組む。  さらに、県内でも地域医療の担い手となる医師が不足しているため、同大は09年から順次、東・中・南予の病院に医師を派遣し、「地域医療学」「地域救急学」「地域医療再生学」の3講座を開設。地域医療の現場に近い病院での研修や実習に取り組んでいる。  センターは鉄筋コンクリート3階建てで、総事業費5億円。研修医や学生の実習だけでなく、訓練用のシミュレーターで地域医療に携わる医師が最新の医療技術を学ぶ機能も備える。【栗田亨】 "[he-forum 16508] 四国新聞9/23 四国新聞2011年9月23日付 産学連携で農業活性化/香川大や百十四銀など協定  香川大と百十四銀行、野村証券グループは22日、産学連携で地場農業の活性化を図る研究組織「かがわアグリイノベーションズ」の設立に関する協定を結んだ。事業モデル研究の第1弾として、小豆島のオリーブ加工で新商品の開発や販路拡大の方策を考える。  大学の研究能力と地銀のコンサルティング機能、大手証券会社のネットワークを活用して農業関連企業を支援し、地域振興に貢献するのが目的。県とも情報交換し政策提言する。  当面の研究対象は、化粧品や健康食品など付加価値の高いオリーブ加工ビジネス。九州など他地域でも栽培が活発になる中、企業ニーズに沿った商品・技術の開発支援や事業拡大に向けたマッチングなどを行う。  協定調印式には一井真比古香川大学長、渡辺智樹百十四銀行頭取、多田斎野村証券副社長、西沢隆野村アグリプランニング&アドバイザリー社長が出席。一井学長が「大学の知的資源を地域社会の発展につなげたい」とあいさつした。  野村証券グループは三重県や栃木県などでも農業関連の共同研究を進めているが、地元大学を中心に研究組織をつくるのは初めて。多田副社長は「情報サービス産業としての機能をフルに発揮したい」と述べた。  また、香川大と希少糖生産技術研究所(三木町、近藤浩二社長)は22日、希少糖の教育・研究での連携強化に向けた協定を締結した。 "[he-forum 16509] 日本経済新聞9/21 日本経済新聞2011年9月21日付 京都銀、名古屋大と産学連携協定 中部進出の地盤固め  京都銀行は20日、名古屋大学と産学連携活動を実施する協定書を結んだ。京都銀の取引先に名古屋大の優れた研究成果を紹介して、研究開発を側面支援し、取引先の事業拡大にもつなげる。同行は今年4月に26年ぶりに名古屋に再進出している。今後の店舗網拡大も視野に入れた地盤固めとする意向だ。  関西の金融機関が名古屋大と産学連携協定を結んだのは初めて。京都銀の産学連携としては20番目の大学となる。  協定によると、お互いに産学連携に関する活動を支援し、地域動向の情報を交換。地域で技術開発の相談を受け付け支援する。名古屋大は自動車関連分野だけでなく、農業関連も得意としており、京都など関西の企業で共同研究のニーズがあると判断した。  名古屋大で同日協定にに調印した高崎秀夫頭取は「広域型地方銀行として中部と関西の双方が経済活力を持続的に発展させるよう貢献していきたい」と語った。 "[he-forum 16510] 日本経済新聞9/22 日本経済新聞2011年9月22日付 京大が創薬研究拠点 13年春、産学連携の中核に  京都大学が2013年春に、医学部構内に創薬研究拠点を新設することが21日、明らかになった。名称は「メディカルイノベーションセンター棟」で、事業費は22億5000万円。大学と製薬会社が共同で新薬を開発するための大規模な研究室を複数設け、産学連携プロジェクトの中核施設と位置付ける。  来年春に着工し、京大医学部付属病院西側の「iPS細胞研究所」に隣接する敷地に拠点を建設する。地上5階建てで、延べ床面積は約7000平方メートル。事業費のうち15億円は経済産業省の補助でまかなう。  拠点の上層階には大学と企業による共同研究用の研究室を設ける。京大と連携して創薬研究を進めている武田薬品工業など、4社程度が入居するとみられる。下層階はヒトの細胞・血液を解析する研究室や動物実験室などで構成する。  京大は臨床研究を手がける付属病院の探索医療センターと新拠点を連携させ、医学分野の先端研究を製品化に結びつけたい考え。新薬候補物質のスクリーニングから動物実験、臨床研究まで、創薬に必要な作業を学内の施設で一貫して進められるようにする。 "[he-forum 16511] 徳島新聞9/22 徳島新聞2011年9月22日付 海部病院「土曜救急」再開 11月から、常勤脳外科医ら配置  徳島県議会9月定例会が21日、開会した。東海・東南海・南海の3連動地震対策や、中小企業支援など経済雇用対策に重点配分した2011年度一般会計補正予算案(66億2380万円、累計4625億1180万円)など23議案を上程。飯泉嘉門知事は所信表明で、医師不足の影響で県立海部病院(牟岐町)が08年4月から休止している土曜日の救急患者受け入れを、11月から3年半ぶりに再開する方針を明らかにした。27日に本会議を再開し、代表・一般質問に入る。  知事は海部病院の医師不足を補うため、新たに11月1日から寄付講座「地域脳神経外科診療部」を徳島大学に開設する考えを示し、「県南地域の脳外科診療の向上を図る」と説明。その上で「常勤の脳外科医配置や看護師増員など体制整備を進め、11月から土曜日の救急患者の受け入れを再開する」と述べた。  県病院局によると、海部病院の常勤医12人のうち、脳外科医はゼロ。このため徳島大、徳島赤十字両病院などから週1回、医師の派遣を受けて外来診療を行っている。寄付講座の開設後は、徳島大の脳外科医2人が原則として月~金曜日に交代で勤務。実質上、常勤医が1人増えることになり、医師全体の負担が軽減されるため、土曜日も救急患者受け入れが可能になり、365日24時間救急対応できる体制が整う。  寄付講座の開設に伴う予算は年間約3千万円で、地域医療再生基金を充てる。  県は10年度から海部、三好(三好市)、中央(徳島市)の県立3病院の医師不足を補うため、寄付講座の▽地域産婦人科診療部(3人)▽総合診療医学分野(4人)▽地域外科診療部(3人)▽ER・災害医療診療部(2人)-を徳島大に開設しており、脳外科診療部で5講座目になる。 "[he-forum 16512] 共同通信9/22 共同通信2011年9月22日2時2分 被災学生に給付型奨学金 文科省、制度創設を検討  文部科学省は21日、東日本大震災で家計が急変した大学生らへの経済支援策として、返済の必要がない給付型奨学金の制度創設に向けた検討を始めた。同省所管の独立行政法人日本学生支援機構を通して支給。来年の通常国会に同機構法改正案を提出し、来春からの新制度実施を目指す。  同機構の奨学金は現在、貸与型だけ。公平性を考慮し、震災以外の理由で経済的に困窮している学生も対象にする方向で検討している。  文科省は来年度予算案の概算要求に数千人規模の必要経費を盛り込む方針だが、厳しい財政状況の中、今後の政府内の調整や財務省との折衝では曲折も予想される。 "[he-forum 16513] しんぶん赤旗9/24 しんぶん赤旗2011年9月24日付 被災者奨学金 返済免除も 生活基盤破壊なら全額・一部 ---------------------------------------------------------------------------  東日本大震災で住居や勤務先など生活基盤や事業基盤が被害を受け、国(日本学生支援機構=旧日本育英会)の奨学金が返せない人、返せなくなるのが確実な人について、返済を免除できるようにすることが、23日までに分かりました。将来にわたって全部または一部を返済しなくてすむことになり、被災者に朗報です。  返済免除はこれまで本人死亡か重度障害の場合だけで、それ以外は返済を一時先に延ばす返還猶予か、返済期間を延ばす減額返還しかなく、いずれも全額返済が必要でした。  返済免除は、政府方針を受けて決定された「私的整理に関するガイドライン」(8月22日から適用)に沿って実施。同機構は「ガイドライン運営委員会を通して提示された債務整理方法にならい、一部または全額を免責とする」としています。  多くの場合、親が連帯保証人となっていますが、同ガイドラインは「基本的には保証人には返済を求めない」(ガイドライン運営委員会事務局)立場をとっています。  返済免除は、日本学生支援機構に申請。文科省は、免除分について国が同機構に補てんするとしています。 ---------------------------------------------------------------------------  個人の私的整理に関するガイドライン 被災者の生活や事業の再建支援のため、金融機関とお金を借りている個人とが話し合いで債務(借金)の減免を行うための金融機関などの自主的ルール。同運営委員会は個人の返済免除の申請などを無料で手助けします。連絡先電話0120(380)883 "[he-forum 16514] 河北新報9/22 河北新報2011年9月22日付 焦点/宮城の私大/被災学生、手厚く支援  宮城県内の私立大で、東日本大震災で被災した学生を支援するため、本年度の入学金や授業料を免除、軽減する動きが広がっている。一部は2012年度以降も見舞金を出し、学業継続を後押しする。大学側の負担は軽くないが、震災で学業継続を断念する学生を最小限にとどめようという狙いがある。(佐藤素子) ◎授業料減免、見舞金支給/学業継続、後押し <多くが1年免除>  主な私大の支援策は表の通り。(1)学費負担者が死亡または行方不明(2)学費負担者の自宅が全半壊、流失(3)自宅が東京電力福島第1原発事故の警戒区域・緊急時避難準備区域にあり、避難している―などの学生を対象にしている。  多くは(1)のように親が死亡・行方不明の場合、1年間の授業料と施設費が全額免除となるほか、段階的に半額免除、半期分の半額免除などの形で減免する。対象者に一律に給付金(見舞金)を支給したり、12年度の受験料や入学予定者にも適応したりする大学もある。  最も手厚い支援策を打ち出すのが、沿岸部にある石巻専修大(石巻市)。保護者の家屋が津波で全壊した場合、11年度の授業料と施設費の全額、12年度は授業料などが半額免除となる2年間の支援を打ち出した。さらに家屋が一部損壊・床下浸水した学生も対象に含め、借りているアパートが被災した学生にも一律5万円を支給している。 <3分の1が申請>  同大には、全学生・大学院生の3分の1に相当する約600人から申請があった。事務課は「被害の大きさと復興に時間がかかることを考慮し、必要な措置として決断した」と説明する。  同大経営学科4年の佐藤舞子さん(22)は、石巻市南浜町の自宅が全壊し、父親が経営する自動車整備工場も被害を受けた。本年度の授業料と施設費の計88万円が4月に全額免除になった。  佐藤さんは6月、岩手県内の銀行から内定を得た。「親の仕事がなくなり、大学を続けられるか、就職はどうなるか心配だった。早い時期に支援を得られ、安心して勉強と就職活動を続けることができた」と振り返る。  私大で東北最大規模の東北学院大(仙台市)は、11年度の授業料減免に加え、被災の大きさに応じて40万~8万円を年1回最大4年間にわたって支給する緊急給付奨学金を設けた。12年度入学生も3年生まで支給する。  8月までに、全学生の1割以上に相当する1350人の申請があった。「宮古市からいわき市まで沿岸部出身の学生がたくさん在籍しているため、申請件数は予想を上回った」(学生課)。  東北学院大の場合、支援策に伴う負担は6億円に上る。3分の2は文科省と日本私学学校振興・共済事業団の補助金で賄われるが、3分の1は大学の持ち出しだ。同大学生課は「負担は大きいが、支援策の効果か、今のところ退学者がほとんど出ていない」と話す。 "[he-forum 16515] しんぶん赤旗9/27","「しんぶん赤旗」 2011年9月27日(火) 原発・教育で懇談 福井大学長と宮本衆院議員 県教育長とも ________________________________  日本共産党の宮本岳志衆議院議員は26日、福井大学(福井市)や県庁などを訪れ、福田優福井大学長や広部正紘県教育長などと懇談しました。佐藤正雄県副委員長(県議)と金元幸枝県書記長らが同行しました。  福田学長はこれまでの原子力分野の研究について、「防災と危機管理が一番抜けていた」として、「原発をゼロにするうえでも、どうやって安全に廃炉 にしていくかが大事で、研究に尽くさなければならない」とのべました。運営費交付金の削減問題も話題になり、宮本氏が「震災から未来に向かって立ち上がっ ていくため、教育にこそお金を使わなければ日本の将来に禍根を残す」とのべると、福田学長は「その通りです。日本は(教育予算の規模が)OECDの中で最 低です」と強調しました。  広部県教育長との懇談では、中学校で12月ごろから30年ぶりに再開される放射線教育のあり方について議論。広部教育長は「(教員が)指導するうえでの資料を検討している。10月に研修会をやり、授業にのぞみたい」としながらも、悩んでいる様子でした。  宮本氏は、「学校には、子どもを放射線から絶対守る緻密さと真剣さが求められます」とのべるとともに、来年度使用の中学校理科教科書が福島原発事故前に作られたため、福島原発事故や放射線の危険性に触れていないと指摘しました。 "[he-forum 16516] 大分合同新聞9/27 大分合同新聞2011年9月27日付 大分大 羽野学長が退任講演  大分大学の羽野忠学長(65)の学長退任記念講演会が26日、大分市の同大学旦野原キャンパスであった。教職員ら約200人を前に「大分大学のこれまでとこれから」と題し、学長としての6年間を振り返った。  大学法人化後2人目となった羽野学長は、県内の全市と相互協力協定を結び、地域振興や産業発展などで地域との連携に努めてきたことを紹介。「国立大学法人としてのブランド力を高めるためには特色ある人材を育てることが重要」とし、今後の大学運営については「大胆な改革を提案していってほしい」と話した。  羽野学長は1975年、九州大学助手から大分大工学部講師となり、89年に同学部教授。専門は環境化学工学、生物化学工学。9月いっぱいで退官する。 "[he-forum 16517] 四国新聞9/27 四国新聞2011年9月27日付 香川大新役員発表/合理化で理事1減  香川大は26日、長尾省吾新学長の10月1日付の就任に伴う新役員を発表した。理事はこれまで5人だったが、合理化の一環で医療担当を廃止、1人減の4人体制とする。また、理事と副学長の兼務を取りやめ、大学運営と教育分野の役割分担を図る。任期は2013年9月30日までの2年間。  新任の理事は3人。教育担当は教育学研究院長の有馬道久氏(57)、総務・研究担当は医学研究院教授の板野俊文氏(61)、評価・社会連携担当は工学研究院長の大平文和氏(61)が就く。再任の理事は労務担当の高木健一郎氏(64)。廃止する医療担当は医学部出身の長尾新学長が担う。  副学長は3人で全員が新任。教育改革担当にアーツ・サイエンス研究院教授の上杉正幸氏(62)、情報担当に医学研究院長の阪本晴彦氏(63)、財務・施設担当に企画調整役財務部長の阿部幸輔氏(55)が就任する。 "[he-forum 16518] 秋田魁新報9/27 秋田魁新報2011年9月27日付 県立大の届け出受理、文科省 秋田大との共同大学院設置  文部科学省は26日、2012年度に共同大学院(共同ライフサイクルデザイン工学専攻)を秋田大と設置する県立大を含む全国7校の届け出を受理したと発表した。文科省によると、公立大と国立大が共同で大学院を設置するのは初。  県立大は7月23日に設置を届け出て、文科省が教員数が適切かなどを審査。今月26日までに「問題ない」と判断した。県立大は、大学院システム科学技術研究科に同工学専攻を設置。既存の4専攻(機械知能、電子情報、建築環境、経営システム工学)の専任教員の一部5人を配置する。学生の定員は5人。既存の専攻の定員は5人減らす。  秋田大は工学資源学研究科に同工学専攻を新設する予定。文科省の12年度予算概算要求後、秋田大が教員数や入学定員数などを盛り込んだ設置報告書を提出すれば、開設が決まる見通し。 "[he-forum 16519] 共同通信9/28"," 共同通信 2011/9/28 国家公務員給与下げ0・2%強 人事院勧告、3年連続へ  人事院が国家公務員の給与改定勧告で、一般職の月給の下げ幅を0・2%強とする見通しであることが28日、分かった。勧告の前提とする民間の月給の実態を上回っているためで、昨年のマイナス0・19%に続き引き下げは3年連続となる。30日に国会と内閣に勧告する。  人事院が従業員50人以上の民間企業の給与実態を調査した結果、不況や東日本大震災の影響で中小企業を中心に月 給が減少。一方、国家公務員は天下りあっせんの禁止で高給の高齢職員が増加したため、民間との月給格差が昨年の757円より拡大、最大で千円程度になると みられる。 "[he-forum 16520] 読売新聞9/28 読売新聞 2011年9月28日09時56分 理研、幹部研究者の給与基準公表せず  「理化学研究所」(理研、埼玉県和光市)が、特殊法人から独立行政法人に移行した2003年10月以降、研究センターのセンター長ら幹部研究者約 240人分の給与基準について、独立行政法人通則法で義務付けられた文部科学省への届け出や公表を行わないまま金額を決定していたことが会計検査院の調査 で分かった。  関係者によると、理研は幹部研究者らの年俸を決める際、独立行政法人に移行する前の2000年に定めた算定基準を使 用。理研はこの基準を公表せず、届け出もしていなかった。検査院が08、09両年度を調べたところ、給与基準を公開していなかった幹部研究者への支給総額 は約55億円分に上った。  また、過去の算定基準を超えて給与が支払われていたのが、08、09両年度で延べ約30人、支給総額は約4億6000万円に及んだこともわかっ た。この基準では、幹部研究者については一部の理事の年額報酬の範囲内と定めていたが、この報酬を超える年約2100万円を受け取っていた研究者もいたと いう。 "[he-forum 16521] 茨城新聞9/28 茨城新聞2011年9月28日付 茨城大・常磐大・常磐短大、単位互換で協定 包括連携も視野  茨城大と常磐大は27日、常磐短大を加えた水戸市内の3大学間で単位互換を認める協定を締結した。来年4月から各大学が、他の2大学から特別聴講学生を受け入れ、受講後に単位を認定する。大学間で連携して教育、研究などに当たる「大学コンソーシアム」(大学連携組織)を前提とした協定締結は県内初めて。当初は単位互換のみだが、今後は研究や地域貢献の分野まで連携を広げる計画で、将来的には包括協定締結も視野に入れる。  茨城大の池田幸雄学長と常磐大、常磐短大の森征一学長が同日、同市内のホテルで協定書に署名した。  各大学によると、単位互換は、各大学で聴講学生に開放する授業を事前に設定し、インターネットを使った中継による3大学共通の遠隔授業も設ける計画。試行期間とする来年度は人文社会系に限定し、茨城大は人文学部、常磐大は全3学部、常磐短大は全2学科の授業を対象とする。授業は各大学の水戸キャンパスで行い、受け入れ授業数や人数は各大学で決める。 "[he-forum 16522] 北陸中日新聞9/28 北陸中日新聞2011年9月28日付 国際人材育成で連携 金大とアジア4大学、11月に会議  アジアの四大学と金沢大の学長らが、国際化を担う人材の育成をテーマに意見を交わすフォーラムが今秋、石川県立能楽堂(金沢市)で開かれる。福島第一原発事故が収束せず、懸念が広がる中、国境を越えた連携の重要性を発信するのが狙い。主催する金大によると、研究者レベルでなく、各国の高等教育機関のトップを集めた国際フォーラムの開催は、地方の大学で初めての試みとなる。  金大の創基百五十年記念事業の一環で、海外の各大学の意見に耳を傾け、教育や研究、人材育成の未来像を描く。中村信一学長は「世界に開かれた教育を重視する。高等教育機関として、東アジアで中心的な立場を目指すという姿勢を明確に示したい」と語った。  フォーラムは十一月十二日。アジアを代表する中国・北京大の前学長、韓国・釜山国立大学校の総長、タイ・チェンマイ大学長、ベトナム国家大学ハノイ学長が来日する。大学が果たすべき役割を題材に講演し、パネルディスカッションで各国の現状を報告する。翌十三日には、しいのき迎賓館(金沢市)を主会場に、留学生の交流会を予定。各国の学長らにも加わってもらい、金沢の魅力を伝える機会にする考えだ。 (前口憲幸) "[he-forum 16523] 静岡新聞9/28 静岡新聞2011年9月28日付 8国立大が事務連携 静大、浜医大など全国初  静岡大、浜松医科大など東海地区の8国立大学法人は27日、事務部門の連携に関する協定を結んだ。業務を共同処理することで効率化を図る。包括的な事務連携は全国初の試み。同日、名古屋市の名古屋大鶴舞キャンパスで調印式が行われ、8大学の学長が協定書を取り交わした。  協定書によると、「調達」や「施設」「資産運用」などに関して各作業部会が検討を進め、協議が整ったものから実施していく。具体的には、物品購入の一元化や大学施設の共同利用、職員研修、法務相談などでの連携が見込まれている。  調印式に臨んだ静岡大の伊東幸宏学長は「東日本大震災では、社会的役割を果たす上で大学間の協力が重要だと感じた。今回をきっかけにして、さらに連携を深めたい」と期待した。浜松医科大の中村達学長は「浜松医科大は愛知県にも近く、医療関係や教育・研究分野で十分、地域社会に貢献できる」と話した。  参加するのは静岡、浜松医科の両大学に加え、名古屋、岐阜、愛知教育、名古屋工業、豊橋技術科学、三重―の計8大学。 "[he-forum 16524] 西日本新聞社説9/26 西日本新聞社説2011年9月26日付 法曹養成 改革の「理念」を忘れずに  やはり、事態は深刻と言わざるを得ない。法科大学院の修了者を対象にした今年の新司法試験合格者が、昨年より11人少ない2063人にとどまった。  政府は2002年に「合格者を10年ごろに年3千人に増やす」と閣議決定していたが、昨年に続き目標に遠く及ばなかった。司法制度改革による法曹(裁判官、検察官、弁護士)人口拡大計画は、形骸化がはっきりしたのではないか。  一連の司法改革は「国民に頼りがいのある司法」を掲げ、法曹を「国民の社会生活上の医師」と位置付けた。高い理想の下、社会で司法の果たす役割が大きくなり、一般的な訴訟活動だけでなく、弁護士資格を持って企業や役所で働くなど活動領域も広がるとして、法曹人口の大幅増加が計画されたのである。  だがいまでは、法曹の需要は伸びていないとして、日本弁護士連合会は合格者の抑制を主張する。一方で、合格者がもくろみ通り増えていないのは「法曹の質を保つため」(法務省)という。  一体、適正な法曹人口はどのくらいなのか。司法試験合格者を年間3千人とした政府計画が妥当なのか。現状を検証したうえで、見直す時期にきている。  もちろん、「市民に身近な司法」を実現するための司法改革は継続すべきだ。そのためには、法曹養成制度の柱である法科大学院の改革が不可欠だろう。  実際、74校が乱立し、質の高い教員や学生の確保がままならない。新司法試験の合格率は伸び悩み、今年は23・5%と過去最低を更新した。大学院がスタートした04年度に7万2800人いた志願者が本年度は2万2927人に減った。試験の合格率低迷が大学院の志願者減につながる悪循環に陥っているのだ。  このため、文部科学省は来年度から、司法試験合格率など一定の基準を満たさない大学院の補助金を減らす方針だ。再編を一気に促す狙いとみられる。法科大学院をめぐっては、すでに姫路独協大が募集を停止した。桐蔭横浜大と大宮法科大学院3大の統合も決まっている。今後、一層の再編統合は避けられないだろう。  しかし、それだけでは不十分である。大学院の教育の質向上が欠かせない。実社会で活躍する多様な法曹を養成するのが司法改革の理念だったはずだ。再編を改革に生かさなければならない。  学生の成績評価が甘い-などとして、中央教育審議会の特別委員会は昨年1月、13校に「重点的な改善」を求めたが、1年後の今年1月、なお8校の改善が進んでいないと認定した。厳しい判定だが、実績を挙げているかどうかで大学院の二極化も鮮明になっている。各大学院は真剣に改善策を探ってほしい。  新司法試験自体の見直しも必要だ。知識偏重の旧試験とさほど変わらないとの指摘がある。試験の内容が実社会で役立つ法曹を育てるようになっているのか。法務省を中心に検討を急ぐべきだ。  改革の「理念」を忘れてはならない。 "[he-forum 16525] NHKニュース9/28 NHKニュース2011年9月28日5時3分 “国立大学 土地有効利用されず”  東京大学や京都大学など全国の15の国立大学が保有している土地のうち、有効に利用されていない土地が、価格にして合わせて170億円に上ることがが分かり、会計検査院は大学に対して土地の売却などの改善を求める方針です。  会計検査院は、去年からことし3月にかけて、東京大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学など15の国立大学が所有する運動場や職員宿舎などの利用状況を調べた結果、有効に利用されていない土地がおよそ22万平方メートルあることが分かりました。このうち千葉市にある東京大学の検見川総合運動場は、広大な敷地にサッカー場や野球場、それにクロスカントリーのコースなどがありますが、会計検査院の調べによりますとクロスカントリーのコースは学内の年間の利用者が300人ほどしかいませんでした。ほかにも職員宿舎や研修所の跡地を5年以上も放置しているなど、全国15の国立大学で有効に利用されていない土地は、大学側が持っている帳簿の価格で合わせて170億円に上るということです。会計検査院はそれぞれの大学に対し、具体的な利用計画を作ったり土地を売却したりするなど改善を求める方針です。これに対して東京大学は「会計検査院の検査結果が公表されていないので、今の段階ではコメントできない」と話しています。 "[he-forum 16526] V9/28"," 毎日新聞 東京夕刊 2011年9月28日  国立大学:東大の無駄「150億円」 15大、計170億円--検査院調査  ◇64年五輪会場、活用少なく  東京大や京都大、大阪大など15の国立大学で、利用の少ない運動場や施設、着工の進まない建設予定地など有効活用されていない土地や建物が帳簿価 格で計約170億円相当あ "[he-forum 16527] 共同通信9/29 共同通信2011年9月29日2時2分 海外留学支援で大学に100億円 交渉力育成、文科省  文部科学省は28日、国際社会で活躍する人材を育成するため、海外留学への環境づくりを積極的に進める大学に大幅な財政支援をすることを決めた。補助金の創設に向け、来年度予算の概算要求に100億円超を盛り込む方針。  海外留学で多くの人と交流し、高い語学力と交渉力を備えた学生を育成することが将来の国際競争力に直結すると判断した。各大学から計画を募り、50~60校を対象に1校当たり年間2億~4億円を補助する。支援の対象を高校生に広げることも検討している。  文科省が想定しているのは、留学した大学の授業で困らない程度の英語や中国語などの会話力を付ける講座開設など。 "[he-forum 16528] 日本経済新聞9/29 日本経済新聞2011年9月29日付 汚染がれきを発電燃料に 首都大・都・福島県が共同研究  首都大学東京と東京都は福島県と共同で、原発事故の影響で放射性物質を帯びたがれきや樹木を燃料として活用するための研究に乗り出す。今年度中に着手する。放射性物質の拡散を防ぎながら、汚染された木材を火力発電の燃料にする方法などを探り、発電した電力を1次産業に利用する考えだ。ただ発電施設周辺の住民の理解が得られるかなど課題も多い。  首都大は物質内部の放射性物質の分布状況を測定する技術を持っている。表面から放射性物質が検出されても、樹皮をはいだ内部は汚染されていない木材も多いという。この技術を使い、がれきや森林の樹木で汚染されているものとされていないものを選別する。  一般に木材は焼却すると、容量が10分の1程度になるといわれる。このため、同大の吉田博久教授(分子応用化学)は「汚染された木材などをそのまま放置するよりも燃やした方が管理しやすい」と指摘。木くずをチップにして、火力発電に使う方法を検討する。得られた電力や熱を農家のビニールハウスや林業の共同施設で利用することを想定している。  汚染した木材を燃料にした場合、放射性物質の拡散を防ぐことが不可欠になる。このため、焼却時にフィルターで除去する技術などの開発にも取り組む。都は6月補正予算に調査研究費として約5800万円を計上している。  発電施設の周辺住民の理解も重要になる。東京23区はごみを利用した発電事業を実施しており、都はこの環境影響評価(環境アセスメント)をしている。このノウハウを汚染木材を使った火力発電でも応用できないか検討する。  環境省の推計では福島県内のがれきは約220万トンにのぼる。首都大は沿岸部は警戒区域などがあるため、まずは内陸部のがれき、樹木の再利用から始める方針。 "[he-forum 16529] 佐賀新聞9/29 佐賀新聞2011年9月29日付 原告団の「公募」を開始 玄海原発廃止・集団提訴  九州電力玄海原発の廃止を求める訴訟の準備を進めている九州7県の弁護士や研究者らが28日、準備会を立ち上げ、千人以上の原告団の公募を始めた。具体的な請求内容は未定だが、福島第1原発事故を受け、原子力政策を推進してきた国と電力会社の責任を追及し、訴訟を通じて原発の危険性を問う。被告は国と九州電力で、12月中にも佐賀地裁に提訴する。  準備会には九州7県の元弁護士会会長のほか、長谷川照前佐賀大学学長ら大学の研究者を含む約70人が参加。反原発団体にも参加を呼び掛け、原告団は県内を中心に九州全体で1000~1500人規模を見込んでいる。  具体的な請求の内容は未定だが、玄海原発4基すべてが対象で、廃炉や運転停止、損害賠償請求などさまざまなパターンを検討中。提訴の時期は「12月中か、遅くとも1月上旬」としている。  準備会は福島の事故について「人災にほかならず、原発の安全神話は虚構で、安全かつ平穏に生活する権利を踏みにじった」とし、訴訟を通じて原発の危険性を問う。国を被告とすることで、事故の詳細なデータなどを開示させることも想定する。  同会は10月23日、佐賀市で市民集会を開き、訴訟の具体的な内容を公表するほか、福島県の現状などを報告する。唐津市などでも集会を予定し、広く訴訟への参加を呼び掛ける。資料請求は同会、電話0946(23)9933。 "[he-forum 16530] 朝日新聞9/28 朝日新聞2011年9月28日付 千葉大、医療系学部を一つに集約 薬学部が移転完了  千葉大が進めてきた薬学部の亥鼻キャンパスへの移転作業が終了し、27日に西千葉キャンパスの校舎で閉舎式があった。医療系の機能を亥鼻に集約する一方で、西千葉の跡地では産業界との連携を目指す研究施設が動き出している。再編を足場に、千葉大は大きく姿を変えようとしている。  千葉市の亥鼻キャンパスには医学部、看護学部、付属病院、真菌医学研究センターなどがあり、薬学部の移転によって医療系の学部や施設が一カ所に集約された。  亥鼻には7階建て延べ床面積7890平方メートルの新しい研究棟が完成し、26日までに薬学部の8研究室と事務部門が移転。12研究室が第一陣として2004年に西千葉から移っており、これで移転が完了した。  西田篤司薬学部長は「医療系学部が集まることで、教育と研究での新展開が期待できる。医師、薬剤師、看護師らが力を合わせて取り組むチーム医療の必要性が唱えられているが、学生の段階からチーム医療を理解し、実践することができる」と移転の意義を説明する。3学部協働の専門職教育などに力を入れる方針だという。  もともと亥鼻にあった薬学部は1966年に西千葉に移転。亥鼻の校舎にあった屋根飾りが薬学部のシンボルとして西千葉に設置されていたが、今回の移転に伴い、その屋根飾りも45年ぶりに亥鼻に戻った。  新しい研究棟の1階には300人収容の講堂が設けられた。一般へのお披露目をかねて11月6日には公開講演会が計画されている。「薬用植物の世界」がテーマで、石橋正己教授の「天然物と千葉」、付属病院和漢診療科の並木隆雄科長の「身近な薬用植物~漢方薬の考え方」などの講演が予定されている。事前の申し込みは不要。 ■斎藤康学長に聞く  薬学部の移転が完了した千葉大。斎藤康学長にキャンパス再編の狙いを聞いた。  ――医療系学部を亥鼻キャンパスに集約されましたが。  「今まであるものを、これからもそのまま持ち続けることは難しい時代を迎えている。千葉大ならではの特徴ある大学にしなくてはと考えると、亥鼻キャンパスを総合メディカルセンターにするという構想が浮かんできた。病気に苦しむ人にアプローチするために、医学に関する人材を集結することで機能を強化しようとの考えだ」  ――西千葉の薬学部の跡地を利用し「千葉大サイエンスパークセンター」(CSPC)が今年春から動き出しました。その目的は。  「地域と連携して、地域の発展に貢献する大学であることを目指している。産業界や企業の方々の意見も聞くと、大学は、敷居が高い、壁が厚い、といった声が強かった。産業界の人たちが自由に入れる建物を提供しようというのがCSPCの考え。こんなことが分からない、こんな技術がほしいといった要望にこたえたい。医学と工学の融合を目指したフロンティアメディカル工学研究開発センターも昨年、プロジェクト制に移行した。結果を出すことを目指している」  ――大学の姿が変わってきていますね。  「人材の育成は大学の使命で変わらない。社会の要求に応じて、事業を通して学生も育てることも必要。大学も、人に役立ってなんぼです。そうでなければ評価は得られない。しかし同時に大学は会社ではない。そのへんの限界も、可能性も見きわめて進めている」(聞き手・渡辺延志) "[he-forum 16531] 四国新聞9/30 四国新聞2011年9月30日付 一定の役割果たせた/香川大・一井学長が退任会見  30日に退任する香川大の一井真比古学長(66)が29日、高松市幸町の同大で会見し、「教育の質の向上や研究の活性化、社会貢献など一定の役割を果たせた」と2期6年の在任期間を振り返った。  一井学長は、農学部教授や農学部長などを歴任。2005年10月に学長に就任した。  会見で一井学長は、在任中に印象に残っていることとして、危機管理研究センターの設立や超小型人工衛星「KUKAI」の開発などを挙げた。その上で、同センターについて「地域の危機管理は大学全体で取り組むべきだ。今後は教育、研究の場でどう生かしていくかが大切」と述べた。  教員や学生の不祥事が相次いだことに関しては「対策としてやるべきことはやったが、教職員の意識改革の難しさを実感した」と話した。  さらに「これからの地方国立大は安穏としていられる状況ではない。社会情勢を見ながら大学、地域社会の発展に貢献していただきたい」と大学間の連携やガバナンス(統治)を当面の課題として後任に託した。  次期学長には元医学部付属病院長の長尾省吾氏(69)が10月1日付で就任する。 "[he-forum 16532] 福島放送9/30 福島放送2011年9月30日9時59分 弘前大 浪江町に放射線問題解決の協力  浪江町と青森県の弘前大は29日、放射線問題などの早期解決を目指し、連携協定を結んだ。  調印式は町が役場機能を移している二本松市の県男女共生センターで行われ、馬場有町長と遠藤正彦学長ら12人が出席した。  馬場町長が「弘前大の協力は非常にありがたく心強い」、遠藤学長が「共に復興・再生について考え、問題解決に向け力を注ぎたい」とあいさつし、協定書に調印した。  同大は放射線や被ばく医療などの研究に力を注いでおり、浪江町の除染や住民の被ばく調査、健康への影響の研究などを進める。  町は情報提供などで協力し、早期の復旧・復興を目指す。  馬場町長は将来的に地震、津波発生メカニズムの研究機関や新エネルギー施設の建設の誘致に取り組む考えも示した。 "[he-forum 16533] 読売新聞新潟10/1 読売新聞新潟版2011年10月1日付 新大学長 下條氏再任へ 2次意向投票 「不正契約」影響か過半数割れ  不正契約問題で揺れる新潟大学で、下條文武学長(67)の任期満了に伴う次期学長選考があり、役員と教員1240人による第2次意向投票が30日、行われた。下條氏が1位で、理学部長の谷本盛光氏(62)、脳研究所所長の高橋均氏(59)と続き、第1次意向投票と同じだった。10月6日に開かれる学長選考会議が、2次投票の結果を参考に次期学長を決定する予定で、下條氏が再任される見通し。  2次投票は、1240人のうち857人が投票した。投票率は69・1%だった。下條氏は全体の4割余りに当たる363票、谷本氏が281票、高橋氏が206票だった。  下條氏は8月29日の1次投票に続き1位だったが、いずれも投票総数の過半数には及ばなかった。  今回の学長選考では、大学運営や教育・研究に関する方針以外に、4月に発表した不正契約問題に対する姿勢に注目が集まった。  下條氏は、投票資格者に向けた所信で、不正契約問題について、「先頭に立って、事件の解決へのめどをつけることが、私自身の責務」「不正・違法行為等が2度と起きないよう、執行体制の改善を図り、再発防止に向けて万全を期す」などと決意を述べていた。  一方、谷本氏は「執行体制に欠陥があった」「長年かけて培ってきた社会的信頼が崩れつつある」と下條氏を批判。「学長が、学内教職員と社会に向けて責任を明確にすべき」などと訴えた。  高橋氏は「新学長、新執行部で問題に対処することが賢明なやり方、正しい道」などと主張した。  下條氏の得票が、体制一新を求める両氏の合計得票を下回ったことについて、ある教授は「下條さん以外の2人は決定打に欠けた。裁判対応を任せるという消極的な選択をした人が多かったのだろう」と分析してみせた。 "[he-forum 16534] 信濃毎日新聞10/2 信濃毎日新聞2011年10月2日付 信大病院でドクターヘリが運航祝う 県内2機目、記念式典  県内2機目となる信大病院(松本市)のドクターヘリが1日、運航を始めた。出動時間は原則午前8時半から午後5時で、この日の出動はなかった。この日は病院の屋上にあるヘリポートで記念式典が開かれ、阿部守一知事、山沢清人信大学長ら約50人が出席。機体やヘリ内部の装備を見学した後、テープカットなどをして祝った。  厚労省医政局指導課によると、全国に配備されたドクターヘリは、今年9月末時点で23道府県27機。うち複数のヘリを運航しているのは、北海道(3機)、千葉、静岡(以上2機)の3道県のみ。  今後、信大病院のヘリは中南信、2005年から運航している県厚生連佐久総合病院(佐久市)のヘリは東北信を主に担当する。出動要請が重複して困難な場合は、もう一方に出動を依頼する。医療機関から患者を転送する際は、転送先が佐久総合病院か信大病院ならば、区分によらず、その病院に依頼する。  記念式典で阿部知事は「1人でも多くの県民の命が救われることを期待する。信大病院と佐久総合病院、現場の消防との連携を、さらに強化してほしい」とあいさつ。信大病院高度救命救急センター長の岡元和文教授は「全県を視野に入れた救急医療の態勢が整った。今後も多くの救急医療の人材を養成して各地に供給し、全県の態勢を充実させていく」と話した。 "[he-forum 16535] 佐賀新聞10/4 佐賀新聞2011年10月4日付 佐賀大、国際交流推進センター開設 学生の海外派遣も  佐賀大学に新設された「国際交流推進センター」の開所式が3日、佐賀市の大学本庄キャンパスであった。国際交流分野で自治体や企業などと連携を強化するとともに、国際教育プログラムを充実させて学生の海外派遣を促す役割を担う。  センターは国際交流事業の立案、海外の情報収集を行う国際交流企画推進室や行政、産業界とのパイプ役となる地域国際連携室などを設け、専任教員の国際コーディネーターが各室長を務める。留学生や海外派遣を希望する学生の窓口も担当する。センター長には中島晃副学長が就任した。  佐賀大は現在、17カ国から約300人の留学生を受け入れ、学生30人程度を海外に派遣。今後は学生に海外の大学での単位取得を促すなどして派遣を強化する。佛淵孝夫学長は「学生だけでなく、研究者や地域も含めた国際交流を展開していきたい」と話す。 "[he-forum 16536] 秋田魁新報10/4 秋田魁新報社説2011年10月4日付 秋田大「鉱山」100年 時代のニーズに挑戦を  秋田大工学資源学部は今年、創立100周年を迎えた。1910(明治43)年開校の秋田鉱山専門学校が前身。鉱山は一時過去のものといわれたが、その技術を応用した金属資源のリサイクル、新エネルギーといった分野はいまや時代の最先端だ。人材育成を通じた国際貢献など新たな役割が期待される。  本県はかつて国内有数の鉱山県だった。そうした地域性を背景に鉱山専門学校は鉱山技術者養成機関として誕生、他にない特色ある学部として資源分野の人材を養成してきた。県内では94年を最後に全ての鉱山が閉山。秋田大鉱山学部は98年に現在の学部に改組再編された。  改組後も資源に関する教育研究を継続した先見性は、高く評価されよう。金属資源のリサイクルは地球環境問題の観点から見直され、時代が求める研究分野として再び脚光を浴びるようになったからだ。  含有金属の種類が多く処理が難しいとされる「黒鉱」を製錬する技術は、県内の企業に蓄積されてきた。これが多種多様な金属を含む電子機器の処理につながる。「都市鉱山」と呼ばれる小型家電のリサイクルだ。そこから回収される貴金属やレアメタル(希少金属)は、有望な資源として注目されている。  さらに昨年秋の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を受け、中国が一時的に日本へのレアアース(希土類)輸出を制限したことは、資源を持たない日本の厳しい現実を浮き彫りにした。産業の生命線である資源供給を特定の国に依存することへ危機感が高まったのは当然のことだ。  不燃物として埋め立て処分されている廃棄家電から有益な資源を取り出す技術の向上が急がれるが、その鍵は産学連携が握っているといえる。2009年春に開設されたDOWAホールディングスの寄付講座は、産学連携を強力に推進する存在として期待されよう。  一方、同年秋に開設された国際資源学教育研究センターは、技術協力や資源開発で国際的に活躍できる人材の育成に取り組む拠点施設だ。アフリカやアジアの資源保有国などと人的ネットワーク構築を図る狙いもあり、受講生も受け入れている。  ボツワナ、モンゴル、カザフスタンの大学とは共同研究やカリキュラム協定を結ぶなど、世界的視野に立った研究環境が整いつつあるのも強みだろう。資源保有国の資源開発技術者の養成に貢献することは、資源の安定確保につながる。人材養成機関として発展すれば、そこで学んだ学生が海外に飛躍するチャンスも広がるはずだ。  化石燃料から地熱、風力、太陽光といった自然エネルギー利用への転換も時代が求める大きな課題だ。新エネルギー分野に関する研究開発も含めて工学資源学部の技術的、学問的な蓄積を生かす場は無限に広がっており、今後もチャレンジ精神を大いに発揮してもらいたい。 "[he-forum 16537] 下野新聞10/4 下野新聞2011年10月4日付 足利に初のサテライトオフィス  宇都宮大地域共生研究開発センター  大学の研究シーズと企業のニーズを取り持つ宇都宮大地域共生研究開発センターは3日、初のサテライトオフィスを足利市田中町の県南地域地場産業振興センターに開設した。同大の教員やコーディネーターが月1回、同オフィスに出張し、中小企業からの技術相談を受け付ける。これまで同大と両毛など県南地区は立地性から関係が薄かったが、今後は産学官連携を一層強化し、マッチングや共同研究につなげる考えだ。  足利市へのオフィス設置は、昨年12月に地場産センターと締結した産学官連携推進協定がきっかけ。同大の石井清センター長は「県央地区の金融機関や経済団体などとは連携しているが、足利を中心とした県南地区との関係性は強くなかった。県南の企業からセンターへの相談も少なかった」と指摘する。  今後は出張技術相談のほか、セミナーなども開催する。  開設式で石井センター長は「宇大と両毛のパイプを太くし、産学連携を進める大きな一歩。大きな成果を出せるよう頑張りたい」とあいさつ。  地場産センターの嶋田清専務理事も「県南にはものづくり文化が根付いている。オフィス開設によって新たなフィールドが広がる」と期待した。  地域共生研究開発センターは、ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー、地域共同研究センターなど学内3機関を統合する形で、2005年に発足した。2010年度の共同研究は122件、受託研究は49件、技術相談は307件だった。 "[he-forum 16538] 朝日新聞10/4 朝日新聞2011年10月4日付 不正経理の東工大、次期学長に工学部長が内定  東京工業大学(東京都目黒区)の次期学長に、岡崎健工学部長(62)が内定したことが大学関係者への取材で分かった。いったん次期学長に内定していた大倉一郎副学長が、自身の研究室で不正経理問題が発覚し、7月28日に辞退を表明していた。  岡崎氏は、9月20日の学長選考会議で次期学長に推薦された。環境保全やエネルギー学一般が専門で、任期は10月24日から4年間。  不正経理問題について、同大は調査委員会を設置しているが、「調査結果を公表できる段階ではない」としている。 "[he-forum 16539] 朝日新聞大分10/4 朝日新聞大分版2011年10月4日付 大分大新図書館開館3カ月遅れ  耐震工事のため閉館中の大分大学図書館(大分市旦野原)の開館が当初予定の来年4月から約3カ月遅れる見通しとなった。施工業者が東日本大震災の影響で業績が悪化して法的整理に入ったため。大分大への取材で分かった。遅れに学内から不満が出ている。  改修後は、延べ床面積が5910平方メートルで従来の1・4倍に、座席が680席で1・5倍に、収納可能冊数が74万5千冊で1・6倍になる。1階には100人程度の授業ができる対話スペース「ラーニングコモンズ」や授業に関連する図書やティーチングアシスタント(TA)を置く「科目別学習支援ブース」を設置する。  閉館は今年4月から。工事は総事業費9億円で、建築、電気、機械設備関係の3社が受注した。このうち機械設備担当の三信工業(大分市)が9月2日に大分地裁に民事再生法の適用を申請した。  大分大は15日に契約を解除し、新たな業者を選定する入札を20日公告した。業者が決まる10月末まで工事が止まり、開館は来年6月末~7月になるという。  図書館機能は、学内の情報基盤センターに置き、借りたい本を指定して学内外の保管場所から本を取り寄せている。工事前は市民に開放していたが、今は学内者しか利用できない。  教職員の1人は「書籍は他大学から借りたり、購入したりする機会が増え、相当困っている。早く開館してほしい」と話す。大分大は利用者のため、代替サービスを検討中という。(丹治翔) "[he-forum 16540] 四国新聞10/5 四国新聞2011年10月5日付 長尾新学長が決意表明/香川大で役員就任式  香川大は4日、長尾省吾学長ら新役員体制が1日付でスタートしたのに伴い、香川県高松市幸町の同大で役員就任式を開いた。長尾学長は「『明るく活力に満ちた一つの大学』を旗印に、学部間の融合を促進し一体感ある大学運営を目指す」と決意を表明した。  就任式には教職員ら約150人が出席。長尾学長は今後の大学の役割を明確にするため、学外有識者や学部長らで構成する「香川大構想会議」を今月発足させる方針を言明。「低迷を脱するために必要なことを提言してもらい、必要であれば組織を大胆に見直す」との考えを示した。  教養学部の認可申請を見送った新学部については「前執行部の構想を参考に、構想会議の提言に沿って大学全体の組織改革の中で考える」と述べた。 "[he-forum 16541] 朝日新聞大分10/5 朝日新聞大分版2011年10月5日付 副学長に女性/大分大初起用/役員会見  大分大学は4日、北野正剛学長(61)ら新役員の就任会見を開き、教育改革担当副学長のポストを新設して椋野美智子・前同大福祉科学研究センター次長(55)を起用したことなどを発表した。同大で副学長以上のポストに女性が就任するのは初めて。  いずれも1日付。副学長は以前からあった教育担当とは別に教育改革担当を新設し、椋野氏を充てた。カリキュラム改革から組織改革まで人材育成のために必要な改革を進める方針。  北野学長は会見で「地域や社会から求められている付加価値を学生に与え、社会に貢献できる人材を育成することが急務だと考えている。大分大で学びたいと思ってくれる若い世代を全力で育てたい」と述べた。(城真弓) "[he-forum 16542] 西日本新聞10/5 西日本新聞2011年10月5日付 熊大に国際医学拠点 エイズ研究など集約  1997年に国内の大学では初めてエイズ専門の研究センターを設置した熊本大学(熊本市)が、本荘キャンパス内に、エイズ研究など先端医学の新たな国際拠点施設整備を計画していることが分かった。文部科学省は、2012年度概算要求に新施設の設計・建設費を計上しており、12年度中の完成を目指す。  計画では、現在、同キャンパス内に分散しているエイズ学研究センター▽発生医学研究所▽大学院生命科学研究部-を新施設に集約。熊本大は「3組織が連携し、世界から研究者などの人材を集めて先端医学の研究を進めたい」としている。  エイズ学研究センターは、これまで病態解析や免疫学的研究、薬剤開発などを重点的に実施。08年には、世界最高水準の教育研究拠点づくりを支援する文科省「グローバルCOEプログラム」に、同センターを中心とした「エイズ制圧を目指した国際教育研究拠点」が採択された。  一方、発生医学研究所は分子遺伝学、細胞医学などの分野での研究実績を持つ。また大学院生命科学研究部は医学、薬学などを融合した研究を進めてきた。新施設の建設は、関係性が深い3組織が同一施設に入り、課題を共有する狙いがある。  文科省の12年度概算要求における国立大学法人施設などの整備費は、約1242億円。熊本大の同事業はこのうち、成長分野などに重点配分できる「日本再生重点化措置」枠(約288億円)内で要求。同省は、個別事業の要求額は「予算が付いた場合に、入札に影響する」として公表していない。 "[he-forum 16543] 毎日新聞10/6"," 毎日新聞 2011年10月6日 東京朝刊 国公私立大:秋入学、肯定43%  民間の教育シンクタンク「進路情報研究センター」(東京都新宿区)は5日、東京大が導入の検討を始めた秋入学について、全国の国公私立大を対象に 実施した意識調査の結果を発表した。自校への秋入学導入の肯定派は43%、不要派が39・5%で拮抗(きっこう)していた。調査は8月上旬に実施し、全校 の3分の1に当たる国公私立大263校の回答を得た。秋入学肯定派の内訳は、「導入して4月入学と並存」が26・6%、「秋入学導入なら4月入学廃止」が 16・4%。「その他」は10・7%で、「大学院のみ導入」などの自由記述があった。 "[he-forum 16544] 日本経済新聞四国10/6 日本経済新聞四国版2011年10月6日付 高知県、高知大付属病院に医師不足解消の支援センター  高知県は年内に地域医療の医師不足の解消策を担う「県地域医療支援センター」を高知大学医学部付属病院(高知県南国市)に新設する。県内の医師の配置状況を把握し、医師不足に悩む医療機関と研修医とをマッチングする。若手医師の技術向上のための専門研修などを支援する。医師が高知市に集中し、他の地域で医師不足が深刻化する中で、若手医師が県内に定着するように促す。  同センターには職員3人が常駐。医師が地域の医療機関と大学病院を巡回しながらキャリアを形成する仕組みの中心となる。県は大学病院への運営委託費として今年度は1500万円を見込む。  県は地域医療の担い手を育成するため、2007年度から医師養成奨学貸付金制度を導入した。同制度は、医師になった後、貸付期間の1.5倍の期間、県が指定する医療機関への勤務が求められ、勤務すれば貸付金の返還義務は免除される。  大学在学中の6年間、制度を利用した場合は卒業後の研修期間を含む9年間が義務年限となる。  毎年、約30人の学生が同制度を利用し、16年度には地域医療に携わる医師を50人以上確保できる見通し。センターでは、そうした若手人材を活用し、医師不足の病院に派遣を支援する。  同様の奨学貸付金制度は全国の道府県が導入している。国は今年度、各県で地域医療センターを設置するための補助制度を導入した。15道府県が補助対象になり、四国では高知県と徳島県が対象になった。  徳島県も、同様の地域医療支援センターを11月1日に徳島大学病院内に開設する。 "[he-forum 16545] 毎日新聞北海道10/6 毎日新聞北海道版2011年10月6日付 産学連携:北大と大地みらい信金、協力覚書を締結 道内の信金で初  北大産学連携本部(上田一郎本部長)と大地みらい信用金庫(根室市、遠藤修一理事長)は5日、産学連携で協力する覚書を締結した。北大と銀行との提携はこれまで2例あるが、信用金庫とは初めて。信金を窓口として地域のニーズを吸い上げていくのが狙いで、今後、研究と市場のマッチング、知的財産の活用、人材育成などで具体的な協力を進めていく。  北大と同信金は既に、有毒な有機スズ系船底塗料や漁網の防汚剤を無毒の天然の素材に切り替える共同研究に6年前から着手している。これ以外にも牛の排せつ物などを、バイオマス発電を使ってディーゼル燃料にする研究などが期待されるという。【本間浩昭】 "[he-forum 16546] しんぶん赤旗10/7","2011年10月7日(金)「しんぶん赤旗」 中央官庁公務員 過労死危険ライン2600人 残業不払い、休日出勤急上昇 霞が関国公が調査 ________________________________  霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)はこのほど、東京・霞が関の中央府省で働く職員の残業実態調査結果を発表しました。平均残業時間は 35・1時間で、前年(32・8時間)より2・3時間増加し、2600人が「過労死危険ライン」(月の残業80時間)で働いていることがわかりました。  残業手当の予算が34時間であることから、1・14時間が残業代不払いとなり、「不払いがある」と回答した職員は65・6%(前年58・1%)に のぼりました。霞が関全体の職員3万4200人で試算すると、不払い残業代は14・3億円になります。民間企業での残業手当の不払いは「犯罪」であり、早 急の改善が求められます。  また、「休日出勤がある」が57・2%に達し、前年比で9・4ポイント増加しました。  残業の要因(複数回答)については、「業務量が多い(定員不足)」59・7%、「人員配置が不適切」29・1%、「国会対応」25・0%と続きました。  「過労死危険ライン」以上の残業をしている職員は7・6%で、霞が関全体の職員の2600人に相当。このうち、「現在、過労死の危険を感じている」が14・7%でした。  健康状態について、「不調」「薬等服用」「通院加療中」と不健康な状態にある職員はあわせて35%。「疲労や精神的ストレスを感じる」が59・2%で、原因(複数回答)として「職場の人間関係」33・3%、「仕事の量が多すぎる」28・3%でした。  調査時期は今年3月。回答数は2502人(組合員の25%、一般職員3万4200人の7・3%)です。 "[he-forum 16547] 四国新聞10/7 四国新聞2011年10月7日付 「構想会議」軸に改革/香川大・長尾学長が就任会見  1日付で就任した香川大の長尾省吾学長(69)が6日、香川県高松市幸町の同大で会見を開き、「希少糖や医工連携などの得意分野で、4年後には中四国のリーディング大学を目指したい」と抱負を語った。今後の方向性については、4日の役員会で発足が了承された「香川大構想会議」での議論を基に改革案を検討し、「来春には大学改革の骨子をまとめたい」と述べた。  構想会議は学外有識者6人と学内委員16人の計22人で構成。26日に初会合を開き、同会議の委員に香川大の研究や運営に関するデータを広く開示する。長尾学長は「法人化から7年半が経過したが、改革は十分ではない。データから香川大の弱いところを読み取り、今後の進む道を提言してもらう」と話した。  新学部構想については「運営交付金の削減が予想され、学部を一つ増やすことは難しい」と述べ、現在の6学部体制の維持を前提に学部再編を進める考えを示した。研究プロジェクトの見直しも進め、機能していないものは整理することも明らかにした。  また、研究実績などを発信するサテライト施設を東讃、西讃地域などに設ける方針を表明し、「香川大は高松地域以外では身近な存在とはいえない。大学の外に出て研究の実績を伝えたい」と意欲を示した。 "[he-forum 16548] 十勝毎日新聞10/9 十勝毎日新聞2011年10月9日付 帯畜大70周年 北大と「共同獣医学課程」へ協定  帯広畜産大学(長澤秀行学長)の創立70周年記念式典が8日午後1時から、同大講堂で行われた。国内外から約350人が出席し、教育・研究の面から十勝の基幹産業の農業に貢献し続けた70年の節目を祝福。長澤学長は、食料や環境をめぐる国内外の課題に対して農学分野から貢献するため、「グローバル人材の育成に努める」と発展を誓った。  式典には来賓の常盤豊文科省大臣官房審議官、米沢則寿帯広市長、北海道大の佐伯浩総長らが出席した。  長澤学長は式辞で「創立当時は食糧難で、情報、施設、設備、教材に乏しい中、『真善美』を追求した」と先人の苦労をしのび、キャンパスの変化を紹介。「これまでの歩みは各方面の支援と協力のたまもの」と謝意を述べた。  少子高齢化や環境問題の深刻化、食の安全安心確保、震災からの復興など国内外の課題に対し「幅広い知識と国際性の豊かさ、困難に打ち勝つ勇気と気力を有するグローバル人材が必要」と強調。「実学の学風を発展させ、社会が求める人材育成に努める」と決意を語った。  式典では同大マンドリンサークルが演奏を披露。創立70周年記念会館「逍遙舎(しょうようしゃ)」の引き渡し式も行われた。 「国際水準の教育が実現」  帯広畜大は8日午前、本部棟で北海道大学(佐伯浩総長)との「共同獣医学課程」の編成・実施に向けて協定書調印式を行った。来年4月に開始する予定。  北大から佐伯総長、新田孝彦理事・副学長、伊藤茂男獣医学部長の3人、帯畜大から長澤学長、金山紀久、吉田眞澄の両理事・副学長の3人が出席。佐伯総長と長澤学長が協定書にそれぞれ署名し、取り交わした。  調印後の記者会見で佐伯総長は「帯畜大は大動物を教育研究に使う環境が整っている」とし「札幌では難しい大動物実習の充実などを通じ、欧州をはじめ世界の大学に負けない国際水準の教育が実現できる」と期待を寄せた。  長澤学長は「創立70周年の節目に当たり、改めてグローバル人材を育成できるよう教育の質を高めたい」とし「各大学で専門の違う教員がおり、1+1が2以上になる。食の安全確保を含め国際的な人材を育成し、社会に貢献したい」と話した。  学部レベルで共同教育課程の展開で協定を調印したのは国内で3例目。食の安全に対する関心の高まりを背景に、動物由来感染症への対応や国際的に活躍できる獣医師の育成を目指す。学生は両大学で共通の講義、演習、実習を履修。卒業生には両大学長連名で学位を授与する。定員は各大学1学年当たり40人。 "[he-forum 16549] 朝日新聞10/7 朝日新聞2011年10月7日付 下條・新潟大学長が再選 医療機器問題の経緯を問う声も  新潟大学は6日、任期満了に伴う次期学長選考会議を開き、下條文武(げじょう・ふみたけ)学長(67)の再選を決めた。巨額の医療機器購入をめぐる混乱を引きずったまま迎えた学長選で、下條氏は「説明責任を果たしていない」との批判を浴びた。再選後の会見で「早期解決が私の責務」と述べたが、捜査への支障を理由に事件の背景は公表しない、とする従来の方針を繰り返した。     ◇  新潟市中央区の同大施設であった選考会議には、神保和男・前副知事ら外部の選考委員5人と学内の選考委員7人が出席。満場一致で下條氏を選んだ。医療機器購入問題への対応も議題に上り、「経緯をよく知る下條氏に任せるべきだ」との意見で一致したという。  新潟大は4月、元副学長の永山庸男教授(55)が、がん治療に使う医療機器を購入するため学長印を不正に使用したと発表。その後、同教授を有印公文書偽造・同行使の容疑で刑事告訴。これに対し、契約の交渉相手だった中堅ゼネコンの安藤建設(東京都)が6月、機器購入のため立て替えたとする頭金など約19億円の支払いを同大に求めて東京地裁に提訴した。  この間、大学側は、医療機器導入を検討した経緯や、学長が果たした役割について一貫して詳細を明らかにしていない。  学長選で、候補の一人、理学部長の谷本盛光氏(62)は「事実経過を『捜査の支障』ということで不明にしたままでは、学内外の理解は得られない」と指摘。もう1人の候補、脳研究所長の高橋均氏(59)は「新学長、新執行部で対処し、長期化、泥沼化を回避するべきだ」とした。  選考会議の参考にするための学内の2度の意向調査では、いずれも下條氏がトップとなったが、1回目は有効投票959票のうち405票、2回目は同850票のうち363票と、いずれも過半数を下回った。  その背景には、問題の対応への不満があるとみられる。関係者によると、「執行部の説明が不十分で、優秀な人材が流出する」「民事訴訟では和解が避けられず、研究費削減につながるのではないか」との声が出ているという。  下條氏は再選後の会見で「刑事事件の結果が出ておらず、民事裁判も係争中のなか、可能な範囲の説明はしてきた。なぜ起きたのか説明がないとの主張があるが(捜査に)影響のある事柄は控えた」と従来の説明を踏襲。その上で「将来にわたり禍根を残さないよう努力し、再発防止を図ることが私の責務」と述べた。(高岡佐也子、吉武祐) "[he-forum 16550] NHKニュース10/4 NHKニュース 2011年10月4日18時34分 東大大学院秋入学 式典は英語  優秀な外国人留学生を獲得しようと、海外の大学と同じ秋入学を検討している東京大学で、学部に先駆けて秋入学を実施している大学院の入学式が、4日、行われました。式典の司会進行やあいさつなどはすべて英語で行われました。  優秀な留学生を集めて国際的な競争力をつけようと、東京大学は、早ければ5年後を目指して、学部の入学式を4月から、世界の大学で主流になっている秋に移行することを検討しています。東京・文京区にある東京大学の本郷キャンパスでは、学部に先駆けてほとんどの研究科で秋入学を実施している、大学院の入学式が行われました。式典の司会進行やあいさつなどはすべて英語で行われ、濱田純一学長は「入学おめでとう。広い学問の世界で充実した研究生活を送ることを願っています」と英語で祝辞を述べました。東大の大学院に秋入学する留学生は毎年増え続け、ことしは50か国から327人と、5年前の2倍近くまで増えました。秋入学した大学院生の7割余りは留学生で占められており、東大では、学部の入学式も秋にすれば、さらに留学生が増えるとみています。西アフリカのベナン共和国の女性は「東京大学は世界でもトップクラスの大学です。4月入学だと、入学までの5か月余り何もすることがなく、休まなければいけません」と話していました。東京大学の鈴木敏之副理事は「国際的な競争力をつけることが、今の大学には非常に大切です。優秀な人材確保のためにku榱氈タ膤愾澗里僚・・悗鮓‘い靴討い④燭ぁ廚範辰靴討い泙靴拭0貶・⊇・・悗・存修靴疹豺隋■慣遒・蕋厳遒泙任龍・鬚隆鉸屐△い錣罎襦屮・礇奪廛ぅ筺次廚鬚匹Δ垢襪・・感箸禄・砲覆襪燭瓠⊇⊃Δ鬚匹Δ垢襪里・箸いΣ歛蠅發△蠅泙后E豕・膤悗呂海Δ靴寝歛蠅鮓‐擇掘⊇・・悗鮓‘い靴討い覲愼發琉儖・颪杷・發坊誅世鮟个絞・砲任后   "[he-forum 16551] 産経新聞10/10 産経新聞2011年10月10日付 大学の秋入学、賛否が二分 四年制大学調査  東京大学などが入学時期を春から秋へと移行させる検討に入っている。それを受け、教育情報などを提供する「ライセンスアカデミー」(東京都新宿区)が全国の四年制大学を対象に「秋入学」に関する調査をしたところ、肯定派43%、否定派39・5%と、賛否が二分していることが分かった。  「秋入学」は欧米など海外では主流。そのため、日本でも秋入学が実現すれば海外留学がスムーズに行えるといった利点がある。一方で、入学や卒業、就職の際、国内の高校や就職先との間にブランクが生じるデメリットもある。  調査は、東京大学を除く全国の四年制大学576校を対象に実施し、263校から回答があった。  それによると、東京大学の動向に対して「大いに注目」「多少注目」と答えたのは52・1%。自らの大学での導入については、「4月入学と併存」(26・6%)、「4月入学廃止」(16・4%)と回答した肯定派は計43%。「不要」と回答した大学も39・5%に上った。  秋入学のメリットを尋ねたところ、留学生の増加や帰国子女が入学しやすいことなどが挙がった。デメリットとしては、卒業と就職などのブランクが生じることを心配するほか、「有力大学だけが有利」「日本の伝統が失われる」などの意見もあった。  同社の担当者は「各大学が個性を打ち出す時代だけに、東大などの動向を気に留めながらも、様子を見ながら入学時期について検討が進むのではないか」と分析している。 "[he-forum 16552] 毎日新聞10/10 毎日新聞2011年10月10日付 東日本大震災:被災地での学生ボランティア活動 大学で対応割れる単位認定 ◇「教育の一環」「本来は無償の行為」と賛否両論  東日本大震災の発生から7カ月。被災地での学生ボランティア活動に大学が単位を与える動きが出始めている。今も学生はさまざまな支援活動に汗を流しているが、本来は見返りを求めない無償の行為。その在り方を巡り、各大学の対応は分かれている。【遠藤拓】  震災で液状化の被害が目立った千葉県浦安市郊外。スーパーマーケットの入り口脇で、紫色のはっぴを着た学生たちが威勢良く買い物客を呼び込んでいる。「被災地支援の物産展です」。テーブルには福島県と岩手県から取り寄せたお菓子がずらりと並ぶ。  明治大学の学生が被災地の商品を販売する「被災地サポートマルシェ」。6月から週末ごとに開いている。大学の授業「東日本大震災に伴うボランティア実習」の一環でもある。  学生はボランティアの心構えや注意を学び、浦安での商品販売や被災地で授業が遅れた小中学生の学習支援、岩手県大船渡市でのがれきの片付けにあたる。事後にはリポートを提出。60時間の実習で2単位を得られる。  同大「震災復興支援センター」副センター長、水野勝之教授は「事前、事後の学習も含めてボランティアを教育の一環ととらえている。自分の責任で行動し、長期間にわたり被災地を支えられる学生を育てたい」と授業の意義を話す。  学生からは「ボランティアをしたくてもどうしていいか分からなかった。大学が窓口で取り組みやすい」と好評だが、単位認定には「本来は無償のはず。違和感がある」という学生も。水野教授は「大切なのは実習が終わってから。学生が自主的な行動を続けると期待している」と強調する。    □  □  □  文部科学省は4月、各大学が授業の目的と密接にかかわると判断すれば、ボランティア活動に単位を付与できるとの通知を出した。95年の阪神大震災と同様の対応で、大学にとっては「お墨付き」と言える。  桃山学院大(大阪府和泉市)は明治大と同様、授業を新設した。「本学の教育理念である『キリスト教精神に基づく人格の陶冶(とうや)』に合致する。文科省の通知も後押しとなった」(松田義弘・学部事務課長)。単位数は、ボランティアをした時間を反映させ、事前講義を含む30時間につき1単位、最大4単位を認める。  山口県立大は、これまであった国際交流や共生社会に関する実習(60時間、2単位)で、被災地のボランティア活動も認めることに。交通費や宿泊費の一部は大学側が負担し、他の授業と重なる場合は公休扱いとなる。「さまざまな立場の人と実際に交流して学ぶ授業の趣旨と被災地でのボランティアは合致していると判断した」と、岩野雅子教授は説明する。    □  □  □  一方、単位認定には異論や慎重論もある。  ボランティアを受け入れる宮城県の「石巻市災害ボランティアセンター」の副総括、佐藤正幸さんは「単位と関係なく学生は一生懸命だ。ただ個人的には、ボランティアは対価があってすることでなく、後で対価がついてくるものと思う」と疑問を投げかける。  学習院大では「東日本大震災関連のボランティア活動を、授業の実習や演習と位置付けての単位認定をしない」と学生に告知。福井憲彦学長は「元からあるボランティア関連の授業に盛り込むならば分かるが、新たな授業で単位を認めるのは筋が違う」と説明する。福岡大は、開講の手続きが間に合わなかったことを理由に、授業にはしなかったが、8月下旬、学生ら約100人が被災地でがれきの撤去などに参加した。  被災県にある岩手大は、「折衷案」を取った。ボランティアの実習を含む既存の授業(45時間、1単位)に被災地での活動も認めるが、卒業に必要な単位数としては扱わない。「ボランティアに従事した証しと位置づけている」(学生支援課)という。  活動の教育的効果を重視する意見もある。関西学院大災害復興制度研究所長の室崎益輝教授は「ボランティアは学生を大きく成長させるので、大学がそれをカリキュラムに位置づけるのは大切なこと」と意義を認めつつ、「単位にふさわしい能力を得たかは、事後に見極める必要がある」といい、安易な単位認定には警鐘を鳴らす。 "[he-forum 16553] 日本経済新聞10/8"," 日本経済新聞 2011/10/8 10:11 米国務長官、日本人留学生増加へ支援  【ワシントン=中山真】クリントン米国務長官は7日、米国の対日交流団の米日カウンシル(USJC)主催の会合で講演し、減少傾向が続く米国への日本人留学生を増やすための支援を強化する考えを示した。  クリントン氏は「1997年には日本は世界のどこの国よりも多くの留学生を米国に派遣していたが、今は6位となった。留学生数は14年間でほぼ半減した」と指摘。そのうえで「この傾向を反転させるあらゆる努力をしなければいけない」と訴えた。  具体的な支援策としては、米国の大学への入学手続きや学費援助などに関して助言をする施設の日本国内での整備などに力を入れる考えを表明。東日本大震災の被災地の高校生が来年の夏休みに米国で過ごせるよう交換留学団体AFSを通じて奨学金を提供する方針も示した。  日米同盟を巡っては「アジア太平洋の平和と安定のための礎でありつづけてきた」と強調。人的な交流拡大がこの礎をさらに強めることにつながると力説した。 "[he-forum 16554] 産經新聞10/10"," 産經新聞 2011.10.10 07:56 大学の秋入学、賛否が二分 四年制大学調査  東京大学などが入学時期を春から秋へと移行させる検討に入っている。それを受け、教育情報などを提供する「ライセンスアカデミー」(東京都新宿 区)が全国の四年制大学を対象に「秋入学」に関する調査をしたところ、肯定派43%、否定派39・5%と、賛否が二分していることが分かった。  「秋入学」は欧米など海外では主流。そのため、日本でも秋入学が実現すれば海外留学がスムーズに行えるといった利点がある。一方で、入学や卒業、就職の際、国内の高校や就職先との間にブランクが生じるデメリットもある。  調査は、東京大学を除く全国の四年制大学576校を対象に実施し、263校から回答があった。  それによると、東京大学の動向に対して「大いに注目」「多少注目」と答えたのは52・1%。自らの大学での導入については、「4月入学と併存」(26・6%)、「4月入学廃止」(16・4%)と回答した肯定派は計43%。「不要」と回答した大学も39・5%に上った。  秋入学のメリットを尋ねたところ、留学生の増加や帰国子女が入学しやすいことなどが挙がった。デメリットとしては、卒業と就職などのブランクが生じることを心配するほか、「有力大学だけが有利」「日本の伝統が失われる」などの意見もあった。  同社の担当者は「各大学が個性を打ち出す時代だけに、東大などの動向を気に留めながらも、様子を見ながら入学時期について検討が進むのではないか」と分析している。 "[he-forum 16555] 神戸新聞10/12 神戸新聞2011年10月12日付 兵庫県立大法人化を提言 13年度移行目指す    兵庫県立大(事務局・神戸市西区)の改革委員会が、公立大学法人化に向けた提言をまとめ、井戸敏三知事と清原正義学長に提出した。新学部の設置や高度な研究などを進めるため、法人化による柔軟な大学運営が必要と結論付け、大学の魅力化で学生確保を図る。県は2013年度からの移行を目指すとしている。(本田純一)  同大は04年、神戸商科大と姫路工業大、県立看護大が統合して発足。神戸市西区や姫路市など7キャンパスに、6学部と大学院12研究科があり、学生約6800人が在籍している。  学部設置や研究予算の決定など大学の運営は現在、条例に基づいて県が担っている。しかし少子化に伴う大学間の競争激化を背景に、全国の公立大は約7割が法人化に移行。兵庫県立大も今年5月に外部識者らの改革委員会を立ち上げ、議論を重ねてきた。  提言では同大の課題として、競争率は維持しているが受験偏差値が下がる傾向にある▽地域特性を生かした研究の推進▽地域課題の解決を支援する組織づくり‐などを指摘。法人化に伴って自主決定による大学改革が進み、新学部・研究科の設置や教養教育の充実、研究水準の高度化などが望まれる‐ことなどを挙げた。また優秀な人材確保のため、教職員の業務実績を反映させる制度の構築も盛り込んだ。  県は本年度中に法人化の具体的な枠組みを決めた後、文部科学省などに認可申請を行う。県大学室は「法人化すれば学内の意志決定が早くなり、中長期的なビジョンが立てやすくなる。先行事例などを踏まえながら進めたい」としている。 "[he-forum 16556] 宮崎日日新聞社説10/12 宮崎日日新聞社説2011年10月12日付 司法修習給費制 ■廃止なら法曹の将来歪める■  司法試験に合格後、司法修習生としての研修期間に国庫から「給与」を支払う給費制を継続するか。それとも返済義務のある貸与制に切り替えるか。「法曹の養成に関するフォーラム」などで議論されてきた問題が「打ち切り」という結論に傾こうとしている。だが、それでいいのだろうか。  司法修習生になるまでの大学、予備校、法科大学院の学費などで多い人は1千万円の借金を抱えているという。この上、給費制が廃止されれば、「お金がなくて法曹の道を断念する若者が増える」と県弁護士会は指摘する。 ■終戦後すぐに誕生■  給費制は首都東京など空襲による焼け跡が残り、がれきの山だった終戦後間もなく誕生した。制度誕生の背景には、社会正義の実現と人権を守るという法曹の使命には公益性があり、これを「国が養成するのは当然」という時代の空気があった。  東日本大震災で東北地方が大打撃を受け、立ち直りの道筋がいまだに見えていない。復旧・復興に一円でも多く振り向けるため給費制を見直そうという動きがあるのは仕方のないことかもしれない。しかし、制度誕生の背景や理念を考えると、ここでひざを屈して、撤廃してしまうのは残念だ。  法科大学院修了者の司法試験合格者が当初の目標を大きく下回り、それが同大学院への入学希望者減と質低下、さらに司法修習修了後の「考査」不合格者増を招くという悪循環に陥っている。給費制廃止によって悪循環がさらに加速しないか、そんな危惧の念をぬぐえない。 ■親にも相当な負担が■  本県の場合、県外の大学、法科大学院に進学するだけでも親、本人に相当な負担がかかる。それに加えて、司法修習生時代の生活費などがのしかかるとなると進路決定の段階あるいは途中で法曹を志すことをあきらめる若者が増えるのではないか。  県弁護士会所属の弁護士数は101人(10月6日現在)。総数は10年間でほぼ倍増した。このうち過去5年の新規登録者は42人で、会員全体の4割を占める。新司法試験の導入によってかつて500人程度だった合格者が2千人程度になった増員効果や、弁護士会の努力もあって弁護士過疎地域はなくなりつつある。歓迎すべき傾向だが、給費制が廃止になり弁護士を目指す若者が減れば、いつか増加が減少に転じ、過疎地域が復活してしまう懸念がある。  弁護士はだれでも「お金にならない仕事」を抱えているといわれる。しかし、弁護士になった時点で多額の借金を抱えているようだと社会正義より、お金になる仕事を優先させることにならないか。つまり社会的弱者にしわ寄せがいく。  司法の改革はまだ道半ばである。将来の全体像さえ決まっておらず、給費制の廃止はその全体像を歪(ゆが)める恐れがある。結論を急がず議論を継続した方がいい。 "[he-forum 16557] 朝日新聞10/14 朝日新聞 2011年10月14日5時0分 核廃絶へ初の研究機関 長崎大、具体策を提言へ  長崎大学(片峰茂学長)が、「核兵器廃絶研究センター」を来年4月1日に設置する。被爆者の体験を訴える被爆地の取り組みを一歩進め、「核なき世界」を実現するため、具体的な手法、理論を専門研究機関として世界へ提言する。  「北東アジア非核兵器地帯構想」や核兵器禁止条約の実現に向けた研究や情報を発信する。毎年、日本語と英語の報告書をまとめて米国を中心とした核兵器保 有国や日本政府に送るほか、国連や海外の研究機関、国際NGOにもアピールしていく。国外のNGOを招く講演や核兵器について考える市民シンポジウムも開 く。長崎大によると、核兵器廃絶に特化したシンクタンクは日本で初めて。  センター長には、核軍縮に取り組むNPO法人「ピースデポ」の梅林宏道・元代表を招く。梅林氏は北東アジア非核兵器地帯構想の提唱者で、核軍縮を推進する国際NGO「中堅国家構想(MPI)」の国際運営委員なども務める。 "[he-forum 16558] 秋田魁新聞10/14 秋田魁新聞 2011/10/13 08:30 医師派遣で100万受領か 秋大教授、県央の病院長から  秋田大学医学部の60代男性教授が2006年12月、学内の研究室で、県央部の民間病院長から、領収書などが残らない形で現金100万円を受け取っていた疑いのあることが12日、分かった。  教授は秋田魁新報社の取材に対し「医師派遣に対する謝礼として確かにもらった。(金は)研究用の試薬(購入)に充てた」と授受を認めた。同大の就業規則 は、利害関係者からの金品の受け取りを禁止している。同大の教授は国立大学法人職員で、刑法などの適用については公務員とみなされる。  教授によると、06年12月に研究室を訪ねて来た同病院の院長から、現金100万円を直接受け取ったという。  教授は取材に対し「(病院側から)何回も医師派遣を要請されて(医師を)送った。医師派遣は(医学部の)医局が中心で、(派遣先の)病院とのつながりは 深い」などと話し、「(現金を受け取ったのは病院側に)医師を送った後だった。送った後なので問題はないと思っていた」と説明した。 "[he-forum 16559] 山口新聞10/13","山口新聞 2011年11月13日(木)掲載 元教授側、争う姿勢 山大不正経理の賠償訴訟 昨年2月に不正経理問題が発覚した山口大学(本部山口市吉田・丸本哉卓学 長)が、公的研究費を私的流用したとして懲戒解雇した大学院理工学研究科の元教授の男性(64)を相手取り、約1億4370万円の損害賠償を求めた訴訟の 第1回口頭弁論が12日、山口地裁(山本善彦裁判長)であった。元教授側は請求棄却を求め、争う姿勢をみせた。 訴状によると、元教授は山口市に営業所がある光学機器会社の社員と共謀し、2004年度から09年度の間、計528回にわたり、「研究目的」を装ってノー トパソコンやデジタルカメラなど電化製品計869点を購入。換金目的にもかかわらず大学から研究費として1億3千万円以上を不正に振り込ませたとしてい る。 同大学は昨年2月に元教授を懲戒免職処分にし、同年6月に詐欺容疑で山口地検に告訴している。 "[he-forum 16560] 北国新聞10/14 北國新聞2011年10月14日付 研究支援の人材育成 金大、モデル機関に選定  金大は13日までに、大学の研究者を支援する人材を育成、活用するモデル機関に選ばれた。文部科学省の事業の一環で、プロジェクトの企画立案や情報収集などの面で研究者をサポートする人材を配置する。来月にも学内に新たな組織を発足させる。  研究者を支援する人材は「リサーチ・アドミニストレーター(URA)」と呼ばれる。全国から29件の応募があり、このほど金大のほか東大、東京農工大、名古屋大、京大がモデル機関として選ばれた。金大は2007(平成19)年からURA3人を配置しており、全国に先駆けてURAを活用してきたことなどが評価された。  2013年度まで実施し、事業費は約2億5千万円。金大によると、現在の研究支援組織「フロンティアサイエンス機構」と産学官連携・知的財産活動を支援する「イノベーション創成センター」を融合した新組織を構築し、17人程度のURAを配置する。URAとなるために必要な技術や能力開発プログラム策定も目指す。 "[he-forum 16561] 東奥日報10/12 東奥日報2011年10月12日付 弘大大学院「新エネコース」検討  弘前大学大学院理工学研究科(稲村隆夫研究科長)が、「新エネルギー学コース(仮称)」の2013年度新設に向けて、検討を進めていることが11日、同研究科への取材で分かった。東京電力福島第1原発事故を背景に新エネルギーが注目される中、同大が取り組んでいる地熱やバイオマス(生物資源)、太陽光など自然資源を活用した新エネルギー研究と人材育成に一層力を入れるのが目的。 "[he-forum 16562] 長崎新聞10/15 長崎新聞2011年10月15日付 長崎大核廃絶研究センターを来年4月に設置 センター長は梅林氏有力  長崎大(片峰茂学長)は14日、核兵器廃絶に向け調査研究、政策提言する「核兵器廃絶研究センター」を来年4月1日に長崎市文教町の同大文教キャンパスに創設する、と発表した。長崎で核兵器廃絶に特化した公的研究施設の設置は初めて。センター長には、NPO法人「ピースデポ」の特別顧問、梅林宏道氏の起用が有力視されている。  同大によると、センターは国内外の関連施設との情報交換や資料の収集・保存、市民対象のシンポジウム開催、学生の平和教育を担う。国連など国際機関をはじめ政府や県、長崎市に政策提言するほか、機関誌を発行し情報発信する。  同大は昨年7月に学内外の有識者でつくる設置検討委員会を設置。答申では被爆者の高齢化を踏まえ、被爆地の大学として学問的調査・分析を通し世界に発信する研究活動拠点の必要性を指摘していた。  センターは十数人規模でスタートし外部から3人の専門家を招く予定。27日に準備委員会を初めて開き、活動内容や構成員について具体的に協議する。 "[he-forum 16563] 日本経済新聞10/15 日本経済新聞2011年10月15日付 「うめきた」の大阪市研究施設、京大・阪大など参加  大阪市は14日、JR大阪駅北側の再開発地域「うめきた」に2013年春開設する市の研究施設「オープン・イノベーション・ヴィレッジ」に京都大学や大阪大学など6大学・研究機関が参加することで基本合意したと発表した。スーパーコンピューターを使って分子の動きを映像化する「可視化技術」の研究などに市と取り組む。12年3月に協定を締結し、参加を正式に決める。  参加を予定するのはこのほか大阪市立大学、関西大学、関西学院大学と総務省所管の独立行政法人情報通信研究機構。可視化技術は京大、阪大、関大、関学、情報通信研究機構、「健康科学」は大阪市立大、「環境・エネルギー技術」は阪大が参加する。  可視化技術は、薬の働きを映像化して新薬の候補となる物質探しなどに活用する。健康科学は疲労のメカニズムを解析して回復に役立てる。また、環境・エネルギーとロボット技術を組み合わせて未来の住宅を開発する。  オープン・イノベーション・ヴィレッジは建設中のうめきた1期地区のビル内に設置する産業育成拠点「ナレッジキャピタル」の中核施設に予定されている。 "[he-forum 16564] 河北新報10/14 河北新報2011年10月14日付 焦点/宮城の私大/被災受験生支援広がる  宮城県内の私立大が東日本大震災で被災した受験生を対象に、2012年度入試で入学検定料(受験料)や入学金、授業料の減免措置を打ち出している。復興を担う人材を支援するとともに、大学間競争が激しくなる中で学生を確保しようという狙いもある。被災した受験生を抱える沿岸部の高校は「生徒が当初の希望を変えずに受験勉強ができる」と歓迎している。 ◎入学金や授業料など減免/「復興担う人材育てる」  県内の4年制私大の支援策は表の通り。(1)学費負担者が死亡または行方不明となった(2)学費負担者の自宅が全半壊した(3)福島第1原発事故で避難している―などの学生を対象とする。  ほとんどの大学が入学検定料の全額あるいは一部を免除する。入学金は全額または半額の免除、授業料は1年分や前期分の全額または半額を免除する。減免の割合は、受験生の被災程度に応じて決める。「検討中」「未定」とする大学は、国の第3次補正予算の成立を待って対応策を決定する。  東北文化学園大(仙台市)の高坂知節副理事長は「震災後の東北を支える人材を育てるため、支援は欠かせない」と説明する。  多くの大学は、本年度に入学した学生や在校生にも同様の支援策を講じている。  石巻市門脇の自宅が全壊した東北文化学園大医療福祉学部1年の安食(あじき)智代さん(18)は、入学金と1年間の学費200万円が全額免除になり、一時給付金30万円の支給も受けた。  安食さんは「家を再建するため、震災直後は進学断念も考えたが、支援のおかげで言語療法士になる夢を諦めずに済んだ。楽しい学生生活が送れている」と語る。  仙台白百合女子大(仙台市)の菅原茂入試広報課長は「今後は個々の学生の状況に応じて支援するなど、できるだけの対応をしたい」と強調する。  12年度入試での支援策は、被災した受験生の励ましになっている。自宅が全半壊した生徒が少なくない石巻好文館高(石巻市)の岡邦広教頭は「経済的な支援が安心材料になり、当初の進路希望を変えた生徒はほとんどいない」と言う。  私大にとって、震災による志願者減は経営に影響も与えかねない。  東北生活文化大(仙台市)を運営する三島学園の菅福彦法人事務局長は「支援は数年は続けなければならないだろう。規模の小さい大学は大変だ」と公的支援を期待する。  東北薬科大(同)の黒田英雄事務局長は「学生は県外にいったん流出すると、東北に戻る保証はない。負担は軽くはないが、大学の枠を超えて東北全体を盛り上げる視点で、受験生や在校生の支援に取り組みたい」と話している。 "[he-forum 16565] ?M10/17"," 【共同通信】2011/10/17 10:04 大震災で「就活」長引く 就職先未定の大学4年生  東日本大震災を受け、大企業が採用日程 "[he-forum 16566] 朝日新聞10/16 朝日新聞2011年10月16日付 東大入試に「第3の道」 5~10年先見据え改革着手  東京大学(浜田純一総長)は入試改革をめざした「入試企画室」を設置し、14日に初会合を開いた。5~10年先を見据え、従来の選抜方法や前期・後期日程など、根本から改革を検討する。後期日程を中心に、従来のペーパーテストでもAO入試でもない「第3の道」を探る。  入試企画室は浜田総長の指示で8月に設置した。なるべく早く入試改革案を固め、全学組織の入試監理委員会で正式に決める。その結果は、多くの大学の入試に影響を与える可能性がある。  東大入試は現在、前期は教科型の試験で、後期は小論文や応用問題などが中心だ。2012年度は、文科から理科類まで、前期計2963人、後期計100人の募集を予定している。予定倍率を超えた場合は大学入試センター試験の成績で第1次選抜する。 "[he-forum 16567] 朝日新聞10/18 朝日新聞 2011年10月18日3時1分 東北の大学、志望者減 福島大29%・東北大13%…  東日本大震災の被害が大きかった3県の大学を中心に、東北地方の国公立大学の志望者が減っている。大手予備校「河合塾」の模擬試験で、顕著な傾向が出 た。受験者が多い前期日程の志望者は、福島大(福島市)が前年比29%減、東北大(仙台市)13%減、岩手県立大(岩手県滝沢村)が12%減だった。  模試は8月上旬にあり、全国の約35万人が参加。「受験生の2人に1人が参加する」と言われ、国内最大規模だ。  河合塾によると、福島大は、例年9割を占める東北からの志望者が、昨年の1032人から740人に大幅減。東北から新潟大や北海道大などを志望する傾向が出ているという。東北大は、東北以外からの志望が約4割に上るのが特徴だが、今年はその数が17%減った。  河合塾の担当者は「福島大への進学を望む地元の受験生が減った。また、東北以外の受験生は東北志向が弱まっている」と分析。東京電力福島第一原発事故を含めた震災の影響とみる。 ," (2011年10月18日 読売新聞) 被災3県の大学・短大、受験生確保に懸命  大学受験生が出願先の絞り込みに入る時期を迎え、東日本大震災で被害を受けた沿岸部の大学や短大では、受験生確保に組織を挙げて取り組んでいる。  補修を終えて大半は "[he-forum 16569] 河北新報10/19 河北新報2011年10月19日付 岩手大が三陸復興本部 釜石に活動拠点、支援強化  岩手大は18日、東日本大震災で被災した三陸沿岸地域を支援するため、「三陸復興支援本部」を学内に設置したと発表した。学内の人材と知識を生かして水産復興の研究やボランティア活動に取り組み、地域復興の中心的役割を担う。  本部設置は1日付で、事業は(1)産業復興支援(2)生活復興支援(3)地域防災拠点形成―の三つが柱。釜石市に現地活動拠点としてサテライト施設を開設し、コーディネーターを常駐させる。自治体や漁協、住民が要望する支援を情報収集し、大学側ができることとの連絡調整をする。宮古、久慈両市などにもサブ施設を置く。  産業復興支援の一環で、東京海洋大、北里大と近く協定を結んで「SANRIKU(三陸)海洋産業復興研究・教育拠点」を設置。岩手大が弱かった水産業の分野で、人材育成と研究開発に取り組み、三陸ブランドの食材の産業化を図る。  生活復興支援では、これまで行ってきたボランティアや調査・研究の実績を受け継ぎ、被災者の心のケアや被災動物の診療などに当たる。  藤井克己学長は岩手大で記者会見し「大学が総力を挙げて復興に参画し、県全体の生活を押し上げたい」と語った。 "[he-forum 16570] 読売新聞10/19 読売新聞2011年10月19日付 兵庫県内4大学が東日本大震災の被災地復興で連携へ  阪神大震災で被災した兵庫県内の4大学が、それぞれの研究成果を東日本大震災の被災地で生かそうと、復興分野で連携する方針を決めた。阪神大震災後の16年間、各大学が力を入れてきた分野は異なっており、連携によってより包括的な復興支援の提案を目指す。  都市防災など工学系研究を進める都市安全研究センターを持つ神戸大(神戸市)、復興など社会学系研究に強い災害復興制度研究所がある関西学院大(西宮市)、被災者の心のケアに力点を置く兵庫県立大(神戸市)、学生ボランティアの支援活動に定評がある神戸学院大(同)の4大学。  各大学はこれらの得意分野の研究に力を入れており、今回の震災でもそれぞれ現地調査などを実施。だが、被災地が広域で、地震と津波の複合災害だったこともあって、「専門分野を発達させるだけでは不十分で、専門家が集まる総合的な災害研究が必要だ」との声が高まっていた。  神戸大の田中泰雄・都市安全研究センター長によると、神戸大の呼びかけに3大学とも合意。岩手、宮城、福島の被災3県で復興格差を防ぐような提案に力を入れたいとしており、「まずは各大学の情報を出し合う意見交換でテーマを絞り込み、適切な研究体制を考えたい」と話している。 "[he-forum 16571] NHKニュース10/20"," NHKニュース 10月20日 8時44分 人事院勧告 事実上見送りで調整 政府は、国家公務員の給与について、東日本大震災の復興財源を捻出するため、国会に提出している、月給とボーナスで平均7.8%削減する法案の成立を優先させ、人事院勧告の実施は事実上見送る方向で調整を進めています。 政府はことし6月、国家公務員の給与について、東日本大震災の復興財源を捻出するため、月給とボー ナスで平均7.8%削減する法案を国会に提出していますが、人事院は先月、月給を平均で0.23%引き下げるよう勧告し、政府の対応が焦点になっていま す。これについて、政府は来週にも給与関係閣僚会議を開き、給与削減法案の7.8%の削減幅は、人事院勧告の0.23%を上回っているとして、給与削減法 案の成立を優先させ、人事院勧告の実施は事実上見送る方向で調整を進めています。ただ、給与削減法案は、連合系の公務員の組合が、給与などの労働条件を労 使交渉で決める労働協約締結権の付与などを盛り込んだ、公務員制度改革関連法案との同時成立を前提に、受け入れた経緯があります。このため、政府として は、公務員制度改革関連法案についてもできるだけ早く成立させる姿勢を示すことで、連合の理解を得たい考えですが、関連法案は野党の反対もあって成立のめ どが立っておらず、調整は難航することも予想されます。 "[he-forum 16572] 朝日新聞10/19 朝日新聞 2011年10月19日16時14分 薬剤師コースは計8年?7年? 全国の薬科大学、大もめ  2006年度に新制度が導入された薬剤師養成コースを巡り、全国に74ある薬科大学がもめている。三つの私立大学が設けている、他大学より1年短いコー スがやり玉にあがったのだ。1年短い前提で勉強中の学生の一部が、想定した時期に薬剤師国家試験を受けられない事態になりそうだ。  問題となっているのは、城西大(埼玉)と近畿大(大阪)、大阪薬科大(同)の3大学のコース。  薬学部は以前、全国一律に4年コースだったが、06年度から研究者養成の4年コースと薬剤師養成の6年のコースに分離。薬剤師試験を受ける者は、6年 コースに進むのが原則となったが、17年度の入学者までは経過措置がある。4年コース卒業後に大学院(2年)を修了し、さらに、実習や不足単位の履修を一 定期間すれば、薬剤師試験を受けられるという特例だ。  この実習などの期間の長さは当初は決められず、09年9月になって国公立大が「2年」とする見解をまとめた。多くの私立大が追随、「4+2+2」の計8年コースが主流となった。  一方、3大学は、実習などの期間を1年とした「4+2+1」の計7年コースを設けており、パンフレットや口頭で学生に説明してきた。夏休みや土曜日に授業をすればよいとの判断からだ。  ところが今年8月、全国の薬科大学、病院や薬局の薬剤師などの関係10団体が「大学院の2年間は薬剤師向けの勉強に専念できず、実質5年で薬剤師試験が 受けられることになる」として7年コースを批判。「6年制薬学教育の理念に反する」との声明文を出し、医療現場での実習の受け入れも事実上拒否した。  慌てた3大学は、7年コースの撤回を検討。現在、7年コースには学生計約100人がいるが、3大学はすでに大学院に進んだ約50人について、コース変更 は影響が大きいとして、7年コースでの卒業を団体側に要望。一方、大学4年生以下は、新設する8年コースなどに移して「泣いてもらう」(近畿大の掛樋一晃 薬学部長)方針という。  城西大の杉林堅次薬学部長は「コース変更する学生との『契約違反』は認めるが、私たちの力ではどうしようもない。(7年コースは)カリキュラムの工夫であり、間違っているとは思わない」と話す。  全国薬科大学長・薬学部長会議会長の井上圭三帝京大薬学部長は「大学院生は7年コースのままで卒業を認める方向だが、4年生以下は10団体の理解が得られない」とする。12月上旬にある総会で同会議としての対応を決める。(峯俊一平)     ◇  〈薬学部6年制〉より専門的な薬剤師の養成を目指し、2006年から全国の大学の薬学部に6年コースが設けられ、半年間の薬局病院実習が必修化されるなど教育内容が充実した。新薬を開発する研究者の養成向けに、従来の4年コースも残された。 "[he-forum 16573] YSV10/21"," 産經新聞 2011.10.21 08:18 物理が得意な理系、高所得 平均681万円、科目間でも格差 経済産業研究所  理系学部出身者の平均所得は文系学部出身者より約130 "[he-forum 16574] 毎日新聞10/21 毎日新聞 2011年10月21日 2時30分 教員免許:国家資格化を検討 文科省が今年度中に方向性  文部科学省は、都道府県が発行している教員免許について、医師などのように国家試験を経て取得する「国家資格」へ見直す検討を始める。教員の資質 と能力の最低基準を国が保証し、信用を高める狙いがある。中央教育審議会(中教審)の特別部会に設置する有識者のワーキンググループ(WG)で実現の可能 性を探り、今年度中に方向性をまとめる。  現行の教員免許は、小学校や中学校など学校種別に区分。学生が教育の基礎理論や教育実習の教職課程(小中高は59単位以上)を履修すると、都道府県教委から免許状が授与され、採用試験に合格すると教壇に立てる。  教職の単位認定は各校に任されているため、教育内容や履修の実態が見えにくい。さらに、08年度に小中高の教員免許を取得した学生らは計13万 4470人(文科省調べ)に上ったが、09年度に教員に採用された新卒者は1万1951人(同)にとどまり、免許状の形骸化も進んでいる。国家資格になれ ば、教員免許を取る学生の質の向上が見込まれる一方、現行の免許との整合性や試験のレベル、実施の財源などハードルもある。  WG座長の横須賀薫・十文字学園女子大学長(教育学)は「国家資格にすることで、教員の資質と能力の基準がよく見えるようになる」と指摘。医師など既存の国家試験を参考にし、全国共通の資格試験のあり方を探る。【木村健二】 "[he-forum 16575] 山形新聞10/21 山形新聞 2011年10月21日 11:15 山形大10年度決算、経常利益が大幅改善 付属病院、受託研究が要因  山形大は20日、2010年度の財務諸表(決算)を公表した。経常利益は7億8000万円で、09年度から大きく改善した。運営費交付金は減少したが、付属病院収益や受託研究などの収益がアップしたのが改善の要因。  経常費用の総額は09年度比9億2000万円増の344億800万円。教育経費は1億3200万円減の16億2300万円。教育用建物の修繕費が減少し た。人件費は、退職者減に伴い退職給付費が下回ったことが影響し、2億2600万円マイナスの176億8800万円となった。  経常収益は20億1000万円増の351億8900万円。付属病院収益は17億1000万円増加し、141億5100万円となった。今年2月に病棟改修 工事が完了したことに伴い、入院・外来患者数や手術件数が増えたことが要因。受託等収益は15億2800万円で4億7000万円アップした。外部資金の獲 得に努めた結果、受託研究の受け入れが増えた。  経常利益から臨時損益を差し引いた当期総利益は7億1700万円で、09年度比2億5000万円減少。09年度に臨時利益が11億8300万円に上った ことへの反動が要因となった。利益処分は文部科学大臣の承認を経て、全額を山形大の教育研究のため目的積立金とする予定。  同大は利益獲得を目的としない組織だが、04年の法人化以降、運営状況を明らかにするため、決算を公表している。 "[he-forum 16576] 神戸新聞10/21 神戸新聞2011年10月21日付 東北大との災害科学協定「幅広く」 神戸大副学長    神戸大と東北大(仙台市)が災害科学分野の研究や人材育成などで包括協定を結ぶことをめぐり、神戸大の正司健一副学長が20日、県庁で会見し、「それぞれ阪神・淡路と東日本の震災を経験した大学同士で知識やノウハウを交換し、防災など研究成果を上げたい」と強調した。両大は23日、仙台市内で協定の締結式を開く。  協定は、両大の得意分野を生かして災害復興や防災に生かすことが狙い。学術研究だけでなく、人材養成や社会貢献など幅広い分野の連携を盛り込むとしている。  正司副学長は会見で、具体的な研究内容は未定とした上で、神戸大は神戸・ポートアイランドに開設した「統合研究拠点」で、計算データを立体映像で表示する「3次元可視化装置」を活用する考えを表明。スーパーコンピューターの研究に強い東北大と、津波や地震の構造解析などに取り組むことに意欲を示した。  さらに「災害用ロボットの開発や学生ボランティアの支援など、理系・文系の枠を超え、災害に関連する幅広い分野で連携したい」と述べた。(本田純一) "[he-forum 16577] 西日本新聞社説10/21 西日本新聞社説2011年10月21日付 北九州学研都市 もっと大きく育てるには  北九州市の若松、八幡西両区にまたがる広大な丘陵地に「北九州学術研究都市」が誕生したのは2001年のことだ。  約330ヘクタールの敷地はいまなお開発途上にある。この一角に九州工業大学、北九州市立大学、早稲田大学が誘致された。  北九大は国際環境工学部を、九工大は大学院生命体工学研究科を、早大は理工学総合研究センター九州研究所を、ここに開設した。成り立ちが違う国、公、私立大が一つのキャンパスに集まった。  これは先駆的な試みだった。  産学協同というと「反対」となる。大学組織も研究者の意識も硬直的だった。これを変えたいと考えた。学研都市実現を後押しした一人で元東京大学総長の有馬朗人・元文相は、こう解説する。  製鉄業を中心に発展してきた北九州市は産業構造の転換を模索していた。このために当時の末吉興一市長は新たな産学連携の拠点をつくろうと考えていた。  そして、アジアの中核的な研究拠点になる。こんな関係者の思いが結実した。  それから10年たった。学研都市はどのくらい成長しただろうか。開設時は学生が約300人、うち留学生が約30人、進出企業は5社だった。それが、大学生と大学院生で約2300人、うち留学生が約520人、進出企業は50社を超えた。  産学連携は、九州の主力産業である自動車、半導体をはじめ、ロボットや環境・エネルギー、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなど広範囲に及ぶ。  北九州市消防局勤務だった山家桂一さん(現・小倉南区長)の発案を、シャボン玉石けんと北九大の上江洲一也教授が形にした新たな泡消火剤などもある。  産学連携は徐々に実を結んでいる。  一方、アジアとのつながりはどうか。中国の清華大学、上海交通大学、北京大学が相次いで北九州学研都市に研究室を設け、早大などと共同研究に取り組む。  清華大が海外に研究室を構えたのは学研都市が初めてという。さらに、台湾の三つのサイエンスパーク(科学工業園区)や韓国の光州テクノパークとも協定を結び、人材交流などを進めている。  学研都市は東アジアの大学、研究所を結ぶネットワークの一角を占め、そこから新たな産業の芽も生まれてきている。  ただ、知の集積が進んだとはいえ、規模はまだまだ小さい。約300の研究機関・企業と1万人以上の研究者を擁する筑波研究学園都市や、大阪府と京都府、奈良県にまたがる関西文化学術研究都市などとは、もちろん比べようもない。  だから、これぐらいできたら十分だ、と現状に安住されては困る。北九州市の都市再生の原動力となることが期待されているのだ。さらに上を目指し、もっと大きく育ってもらわなければならない。  10周年記念式典で、有馬・元文相は力を込めた。人口爆発や温暖化など地球規模の課題が山積している。北九州や日本のためなどと考えずに、もっと高い志を持て、と。それが成長の糧となる。 "[he-forum 16578] 北海道新聞10/23 北海道新聞2011年10月23日付 北海道教育大が新学部を計画 13年度、函館と岩見沢両校に  北海道教育大は22日、同大函館校に国際地域創造学部(仮称)、岩見沢校に芸術・スポーツ文化学部(同)を新設し、現在の教育学部を加えて3学部体制とする計画を明らかにした。2013年4月の開設を目指す。計画は、教員養成の単科大学から大きく転換する内容で、実現すれば全国の国立教員養成系単科大11校で初のケースとなる。  22日、札幌市内で開かれた国立大関係者の会議で本間謙二学長らが明らかにした。学内で計画内容を詰め、12年5月末までに文部科学省の大学設置・学校法人審議会に設置計画書を提出したい考え。 "[he-forum 16579] 秋田魁新報10/22 秋田魁新報2011年10月22日付 秋田大地域創生センター防災部門が本格始動 調査研究や人材育成狙う  秋田大地域創生センターの地域防災部門が、今月から本格的に活動を開始した。専任教員2人を新たに採用。調査研究のほか、一般向けシンポジウムの開催などを予定しており、地域防災に携わる人材育成と、県や市町村の防災施策への指導助言を目指す。  センターは、大学の地域貢献活動を進める目的で今年4月、手形キャンパスに設置された。地域協働(専任教員1人)と地域防災の2部門で構成。  専任教員は、部門長を務める水田敏彦准教授(42)と、鎌滝孝信准教授(40)。  水田准教授は前秋田高専准教授で、地震防災工学が専門。地盤や建物の状況、人口などから地域の災害危険度を評価する研究に取り組んできた。県内で明治以降に発生した地震の研究も進めている。  鎌滝准教授は民間地質コンサルティング会社からの転身。過去の地震や津波の履歴を地質学的に調べる古地震学を専門とし、北海道の太平洋側や南関東、チリ、インドネシア・スマトラ島などで地震と津波の状況を調査してきた。 "[he-forum 16580] 時事通信10/22 時事通信2011年10月22日14時44分 「地域と大学」連携でカリキュラム=来年度にモデル事業-総務省  総務省は来年度、自治体や地域住民と大学が連携して行う地域おこしを本格的に推進する。学生が教授の指導の下、継続的に地域の現場で活性化の活動に取り組み、さらに単位を取れる仕組みづくりを目指す。このため大学や自治体を対象に、現地での活動計画などを盛り込んだカリキュラム(教育課程)のモデル提案を募集する。2012年度予算概算要求に関連経費を計上した。  同省の調査によると、既に自治体の4割超が大学関係者と連携した地域おこしなどの活動を実施。学生が農家で農作業体験をしたり、特産品の開発に携わったり、商店街の活性化プランを練ったりといった事例が報告されている。こうした取り組みを一層進めるには、一時的な活動ではなく、学生が継続的に携わり、それによって大学の単位を取れるような体系的な仕組みが必要と判断した。   モデル事業では、自治体や地域住民、NPOと大学で実行委員会を組織し、活動の目標や現地での活動内容、求められる成果、事前勉強の進め方、単位認定の要件などを盛り込んだカリキュラム案を作ってもらう。採択された地域は提案に基づいた活動を進め、研究結果を盛り込んだ報告書を作成。他地域の参考にしてもらう。  同省は、「大学や学生の力を生かす取り組みは地域づくりに有効な手だて。いろいろな分野や連携方法があると思うので積極的に提案してほしい」としている。 "[he-forum 16581] 毎日新聞山口10/22 毎日新聞山口版2011年10月22日付 山口大:相互データ保全へ、実証実験 鹿児島大と同意書  山口大学(山口市)は21日、災害時などの緊急時でも貴重な大学のデータが保全できるように、鹿児島大学と「大学間データバックアップ実証実験」の同意書を締結したと発表した。山口大学や文部科学省によると、「国立大学で同様の取り組みは初めてではないか」と話している。両大は先月30日に同意書を締結、4日に鹿児島大学で締結式を行った。  山口大によると、東日本大震災を受けて、大学の重要なデータが事故や災害で消滅してしまう危険性を考慮。鹿児島大とは共同獣医学部を来春設置予定でもあり、6月ごろから大学間でのデータ保全の取り組みを模索していた。  財務や会計などの業務系を中心に、12月までにバックアップの実証実験を開始。協議を重ねながら、学生や教授の研究データなども含めて、システムの構築を目指す。【佐野格】 "[he-forum 16582] 読売新聞10/22 読売新聞 2011年10月22日 医学部定員、「地域枠」などで増員…文科省  文部科学省は20日、全国の国公私立大学医学部の来年度の入学定員について、2010、11年度と同様に「地域枠」などで増員を認める計画を発表した。  地域枠は、自治体から奨学金を得て卒業後は一定期間地域医療に従事するもので、医師不足地域を解消する狙いがある。  研究医を養成する「研究枠」、併設の歯学部で定員を減らした場合に医学部の増員を認める「歯学代替枠」でも増員を認める。入学定員は19年度まで8年間増員する。詳細な入学定員などは年内に発表する。 "[he-forum 16583] 山形新聞10/24 山形新聞 2011年10月24日 10:46 経産省、東北の産学連携を支援へ 200億円拠出、研究開発費を補助  経済産業省が、東北地方の大学が企業と組んで行う最先端の産業技術の研究開発に資金支援する方針であることが23日、分かった。国が200億円を拠出 し、産学連携による研究開発費を補助。東日本大震災で被災した東北が、最先端の技術開発の拠点として再生することを目指す。  支援は、将来の事業化が見込まれる初期段階の最先端技術の研究が対象で、大学が産業界と連携するための運営組織をつくっていることが条件。東北の大学が中心であれば、他の地域や海外の大学が参加することも認め、公募で支援対象を決める。  経産省は、3年間にわたり複数の研究開発に資金を提供する考え。参加企業からも約600億円の投資を見込んでおり、国の拠出分と合わせ800億円規模の資金を確保できるとみている。  関係者によると、東北では、東北大の素材やITなどさまざまな分野で活用されるナノテクノロジー(超微細技術)、岩手大の精密な製品製造などに欠かせない金型技術、といった最先端技術の研究が進んでいる。  経産省の新たな支援策は、米国で政府主導のファンドがスタンフォード大などの個々の研究を資金援助している方式を参考にした。ITや半導体の分野でベンチャー企業がいくつも発足しており、東北でも新産業が生まれることが期待できるという。 "[he-forum 16584] 河北新報10/24 河北新報2011年10月24日付 被災大学、手を取り復興 東北大・神戸大が災害分野で協定  東北大は23日、災害科学分野での研究や人材育成に関する包括的な協定を神戸大と結んだ。阪神大震災を経験した神戸大の知見を生かし、東日本大震災の被災地の復興や防災対策の研究に協力して取り組む。  仙台市のホテルであった協定の調印式には、東北大の井上明久総長や神戸大の福田秀樹学長ら11人が出席。井上総長は「神戸大と連携し、災害復興という人類共通の問題に取り組みたい」とあいさつし、福田学長は「被災大学同士が手を取り合って震災からの復興に尽力したい」と述べた。  両大学は今後、神戸大が阪神大震災以降取り組んできた防災に関する研究や、東北大の研究の防災面への活用を共同で進める。具体的には学生ボランティアに対する心のケア、スーパーコンピューターを活用した地震や津波の被害想定、災害用ロボットの技術開発などで、研究者や学生の人事交流も検討するという。  協定は神戸大が東日本大震災の発生後、職員派遣を通じて東北大を支援したことなどをきっかけに実現した。 "[he-forum 16585] 河北新報10/24(2) 河北新報2011年10月24日付 焦点/地震学会、反省と再起/人命・防災重視へ  国内観測史上で最大となるマグニチュード(M)9.0を記録した東日本大震災は、地震研究者らでつくる日本地震学会(会長・平原和朗京大教授)にも衝撃を与えた。地震学の研究は人命と直結するだけに社会の期待は大きく、大震災を予見できなかったことを「地震学の敗北」と反省する。「再建」を目指す地震学会は、防災への社会的責任や政策への関与など多くの課題について議論を始めた。(古関良行、高橋鉄男) ◎「大震災予見できず敗北」/「社会的責任背負う」 <「意識改革を」>  「地震では人が亡くなる。今まで純粋に学問だけをやり過ぎた」「知識を垂れ流すのではなく、もっと人命を救う情報発信ができたのではないか」  15日に静岡市の静岡大で開かれた学会の特別シンポジウム「地震学の今を問う」。約500人が詰め掛けた会場で、発言に立った研究者からは「防災」と距離を置いて研究に没頭してきた姿勢への反省と批判が相次いだ。  研究者らは自然現象の解明に励み、巨額投資が必要な観測網の整備などでは「防災」の名の下、国などの予算を獲得している。しかし、ほとんどの研究者は本来の分野と異なる防災に積極的に関わっているとは言い難い。  こうした問題提起に対し「防災は応用。研究者は研究に専念すればいい」「地震学者が全て背負う必要はない」などと戸惑いの声も上がった。  緊急地震速報の改良に取り組む京大防災研究所の山田真澄助教は「現象の解明に没頭するだけでいいのか。地震学が同じ失敗を繰り返すのかどうかは、研究者の意識改革にかかっている」と問い掛けた。会場からは「社会の一員として身近な地域防災から関わってはどうか」との提案もあった。 <来春にも提言>  国の政策との関わり方も重要な問題だ。一部の研究者は政府の委員会などに加わるが、学会自体は国の政策決定に積極的に関与してこなかった。  「原発震災」の危険性を指摘してきた石橋克彦神戸大名誉教授は「原発や高レベル放射性廃棄物処分場に対し、地震学は沈黙してきた。中立を決め込まず、社会の重要課題に対して学会員の自由な議論の場が必要だ」と社会的責任を指摘する。  行政の施策立案などの場面で、個々の研究成果がどんな使われ方をしたのか検証する必要性にも言及があった。  政府の委員会などに参加してきた長谷川昭東北大名誉教授は「学会として自然科学だけでなく、防災学、社会学などとも連携を深める必要がある。学会員が多様な考え方を共有し、適切な情報発信や社会貢献を目指したい」と語った。  反省や批判が相次いだシンポでは「宮城県沖地震の研究は減災につながった」と東北の研究者らへの励ましもあった。  東日本大震災を想定できず「敗北感」が漂う地震学会。平原会長は「このシンポジウムが始まり。簡単に改革できる話ではない。批判はどんどん出してほしい。それでどうするか、答えを考えたい」と話す。  シンポを主催した委員会は議論を踏まえ、学会向けの提言を来春にもまとめる方針だ。 [日本地震学会]研究発表や意見交換を通じて地震学の普及と発展を目指す学術団体で、会員は地震学者ら約2000人。事務局を東京都文京区に置く。毎年秋に大会と呼ばれる集会を開催している。1880年に世界初の地震学会として創設されたのが始まりで、組織改編などを経て現在の学会は1929年に創立。2010年12月に公益社団法人となった。 ◎「予知、過剰な期待与えた」/限界直視、市民に発信  国内観測史上で最大の東日本大震災を予見できなかった反省を踏まえ、再起を期す日本地震学会。静岡市で15日に開いた特別シンポジウムでは、これまでの研究の問題点や反省が語られた。「地震予知」について現段階での限界とその在り方が問われた。  雨と風が吹き付ける悪天候の中、会場は異様な熱気に包まれた。シンポがあった静岡大の大学会館。用意された400席は早々と埋まり、あふれた人は廊下などで議論に耳を傾けた。  今後の地震学が向かう方向性や姿勢を自問し、議論する場を提供する。そんな目的で開かれたシンポには「なぜ、想定できなかったのか」「防災といかに向き合うべきか」など四つのテーマが設定された。  「三陸沖M7.3 宮城県沖地震との関連」「連動型 危険性低下か」―。東北大地震・噴火予知研究観測センターの松沢暢教授は、震災2日前の3月9日に三陸沖を震源に起きた地震で、自身がコメントした翌日の河北新報の紙面を紹介。大地震の危険が遠ざかったように思わせてしまう「間違いを犯してしまった」と反省した。  松沢教授によると、マグニチュード(M)9はおろか、貞観地震(869年、推定M8.4程度)級の地震もすぐには起こりそうにないとの「思い込みがあった」と言う。  その根拠の一つとなったのが、アスペリティ(固着域)モデルだ。宮城県沖では、地震を繰り返し起こすアスペリティという領域が決まっているとされる。多くの地震はアスペリティの概念で説明できるため、松沢教授は「このモデルに思考が規定されていた面があった。さらに巨大な震源域があるとは考えが及ばなかった。経験にとらわれない考え方が必要だった」と振り返った。  シンポでは「地震予知は可能」として、社会に過剰な期待を持たせてきたことへの問題提起もあった。  予知を志向する地震学会を長年批判してきたロバート・ゲラー東大教授は「現時点で実用的な地震予知はできない」として、東海地震の予知を前提にした大規模地震対策特別措置法(大震法)の撤廃を求めた。  「予知」という言葉自体に触れたのは井出哲東大准教授。「『(直前)予知』や『(長期)予測』といった言葉をあいまいに使うのではなく、定義などを議論することが重要だ」と訴えた。  地震学は地震を直前に警告できる状況にないという。しかし、過大な期待から「予知や予測を決定事項のように発信し、それ以外のことは起きないとの認識を市民に植え付けてしまった」との指摘も出た。  地震予知が難しいことを踏まえ「分からないことは分からないと伝える」「予知は不完全だということを学会として正しく発信する」などの方向性が示された。 ◎定説過信、結論急ぐ/データ短期間、学説覆される  国内の海域で最も地震研究が進んできたとされる宮城県沖で、なぜマグニチュード(M)9クラスの超巨大地震を予見できなかったのか。特別シンポジウムではアスペリティ(固着域)モデルへの過信が指摘された。過去の「定説」や限られた期間での観測データに縛られたという理由もある。  東日本大震災は陸側のプレート(岩板)の下に太平洋プレートが沈み込む境界で発生。プレート同士の固着部分にひずみがたまり、一気に元に戻ろうとして起きた。  予見の障害になった一つが、太平洋プレートが1億3000万年前と世界最古だったこと。古いプレート境界は固着が弱く、1億年以上の古いプレート境界でM9級の地震は発生したことがなかった。「M7、8程度の地震しか発生しない」と30年以上も考えられていたという。最近の研究で規模が推定された貞観地震もM8.4程度だった。  今回の地震では日本海溝付近のプレートが最大50メートル滑ったとされる。海溝付近はプレートの沈み込む傾きが小さく滑らかなため、巨大地震は起こりにくいとされた。今回滑ったエリアは地震発生が少なく、ゆっくり滑っているとみられていた。  これら主流の学説はいずれも覆された。実際には従来「滑っている」と考えられていた日本海溝付近のプレート境界は固着していて、それも一気に破壊された。結局、岩手、宮城、福島、茨城各県沖にかけて広範囲で破壊が進み、強い地震となったとされる。  観測データにも落とし穴があった。  国土地理院の100年分の測量データからは、東北の陸側プレートはゆがみが少なく、数十年の間隔で発生するM7クラスの地震で、内陸にかかる力が解消されるとの解釈が可能だった。  100年以上のスパンで考えなければならない地震に対し、結論を急ぐあまり短期間のデータに寄りかかった。石橋克彦神戸大名誉教授は「地震学はまだまだ成長途上なのに、即戦力として使われてしまった」と自戒を込めて語った。震災を受け、政府の地震調査委員会は予測手法や長期評価の見直しを進めている。 ◎なぜ想定できなかったか/学会員アンケート/「意識足りず」65%「理論未熟」71%  学会員の意識が足りなかった―。東日本大震災の想定や防災などに関し、日本地震学会が学会員を対象にアンケートをした結果、大震災を想定できなかった理由について「意識が足りなかった」と思う人は「ややそう思う」「かなり」「非常に」を合わせて65%に上った。  巨大地震を想定できなかった理由の他の項目でも「データの不足」と思う人は「やや」「かなり」「非常に」の合計で76%、「理論が未熟」ととらえた人も計71%を占めた。  地震学の知見は防災に役立つかどうかについては「やや思う」の弱い肯定なども含め9割以上が「役立つ」と回答。半面で実際に役立てられているかどうかは「全くそう思わない」「あまり思わない」の合計が3割あった。  役立てる上で障害になっている要因としては「蓄積されたデータ量の少なさ」(70%)、「防災に対する意識が希薄」(78%)、「他分野への関心が希薄」(86%)を挙げる人が目立った。  報道や防災教育について多くが関心を持つ一方、実際には7割近くが児童や生徒を対象とした教育や講演の経験が一度もなかった。  「地震学会が国や自治体の施策に十分に関わってこなかった」と感じる人も半数おり、8割の人は「関わるべきだ」としている。アンケートは9月末から10月上旬にかけて、学会員約2000人を対象に実施。約3割の約630人の回答を得た。 "[he-forum 16586] 共同通信10/23 共同通信2011年10月23日17時48分 経産省、東北の技術開発を支援へ 産学連携に200億円  経済産業省が、東北地方の大学が企業と組んで行う最先端の産業技術の研究開発に資金支援する方針であることが23日、分かった。国が200億円を拠出し、産学連携による研究開発費を補助。東日本大震災で被災した東北が、最先端の技術開発の拠点として再生することを目指す。  支援は、将来の事業化が見込まれる初期段階の最先端技術の研究が対象で、大学が産業界と連携するための運営組織をつくっていることが条件。東北の大学が中心であれば、他の地域や海外の大学が参加することも認め、公募で支援対象を決める。 "[he-forum 16587] 徳島新聞10/24 徳島新聞2011年10月24日付 徳島大と中国・中南大 学術交流締結で合意  中国・湖南省を訪れている徳島県訪問団の香川征徳島大学長は23日、長沙市の中南大学で黄伯雲学長と会談し、学術交流協定を締結することで基本合意した。今後、両大学が重点的に取り組んでいる糖尿病などの医学分野や、環境・エネルギーなどの工学分野で共同研究を進める。  黄学長は「地域や国、世界に貢献するのが大学の責任。両大学の強みを生かすことで、共同研究の成果が上がると期待している」と述べた。香川学長は「糖尿病患者の増加は世界的な課題で、研究はますます重要になる」として、徳島大と交流のある南京大学(中国・南京市)を加えた3大学によるフォーラムの共同開催を提案した。  国家重点大学に指定されている中南大は医学や工学をはじめ、文学、法学、経済学など10学科がある総合大学で、大学院を含む学生数は約5万2千人。三つの付属病院も運営している。  両学長による会談は、24日に締結される県と湖南省との友好提携の一環。会談には県訪問団長の飯泉嘉門知事らも出席した。 "[he-forum 16588] 朝日新聞関西10/25 朝日新聞関西版2011年10月25日付 外国語学部の非常勤講師3年でゼロ 阪大、リストラ提案  4年前に大阪外国語大学が統合されてできた大阪大学外国語学部で、教育担当理事から、同学部の非常勤講師を3年でゼロにするリストラの提案が出された。講師が担ってきた年間900コマ以上の授業がなくなることになり、教職員組合は「教育の質が維持できない」と反発を強めている。  大阪大の東島清副学長兼理事が19日に提案した。外国語学部は、モンゴル語やインドネシア語など25の専攻語を使ってその国の歴史や文化を学べるのが特色で、そのほとんどと英語の授業を非常勤講師が担い、今年度は915コマの授業を行ってきた。だが大阪大は2004年の法人化以降、一般教養に当たる全学共通教育科目以外では原則として非常勤講師は雇用していないことから、「基準にならい、非常勤講師は3年をめどにゼロにしたい」と提案した。  これに対し、教職員組合は24日、「外国語学部は各言語10~40人の少人数編成で、非常勤講師なしでは運営できない」などとする抗議声明を出した。削減計画を知った学生にも動揺が広がる。1年の女子学生は「マイナーな言語をしっかり学べる大学は全国にもほとんどない。非常勤講師の持つ少人数の授業がなくなれば、ここを受験した意味がなくなってしまう」と心配する。 "[he-forum 16589] 沖縄タイムス10/25 沖縄タイムス2011年10月25日付 沖縄科学技術大学院大 来年9月開学 【東京】文部科学省の諮問で沖縄科学技術大学院大学の設置について審査していた大学設置・学校法人審議会は24日、同大学院大の新設を認可するよう答申した。同省は25日に大学設置を認可、同大学院大の2012年9月開学が確定した。内閣府沖縄担当部局によると、開学準備を進める独立行政法人「沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)」は、11月1日に学校法人「沖縄科学技術大学院大学」に移行する。  OISTはことし3月、文科省に設置認可を申請していた。同大学院大は5年一貫の博士課程で、1学年に学生20人を指導する。  政府は28日、09年国会で成立した「沖縄科学技術大学院大学学園法」を11月1日から施行する政令を閣議決定する見通し。  同法は国が2分の1を超えて同大学院大の運営費(年間100億円)を全額補助し、10年後に補助の在り方を検討するよう定めている。  審議会では学校法人としての組織運営や財政上の問題点の有無、学生を指導する教員の資格などが審査対象となったが、同大学院大はいずれも問題がないとされた。答申の留意事項としてOISTですでに研究が進んでいる生物、物理、化学に加え、開学後は工学分野の教育・研究にも対応できる教員を採用し学生指導に取り組むよう指摘された。  学校法人の設立で、同大学院の12年9月開学に向けた具体的な作業が本格化する。「ベストインザワールド」を掲げる同大学院大は、世界最高水準の教育を担う学生の獲得に向け、年内にも募集を開始する。  同大学院大は沖縄振興の経済的自立の柱の一つとして設置される。人材育成と同時に、世界レベルの研究で生まれた科学技術を活用する企業を沖縄に集める「知的クラスター(集合体)」を形成し、経済活性化につなげる。 大きな節目  ジョナサン・ドーファン初代学長予定者 大学設置認可は文部科学省との調整の最終段階であり、大きな節目を迎えることができてありがたく思う。さらにもう一つの重要なステップとして、28日の閣議で学園法の施行が決定されることを願っている。 "[he-forum 16590] 琉球新報社説10/26 琉球新報社説2011年10月26日付 大学院大学認可 「最先端」を自立に生かそう  文部科学省は25日、沖縄科学技術大学院大学の設置を認可し、2012年9月開学が決まった。目標に掲げる世界最高水準の研究拠点の実現に向け、政府をはじめ関係者は所期の目的を忘れることなく開学作業に万全を期してほしい。  沖縄大学院大学は01年6月、当時の尾身幸次沖縄担当相が提唱。ノーベル賞受賞者ら自然科学系の世界的な権威を招いて世界最高水準の研究拠点を沖縄に設置する構想で、日本のみならず世界の科学技術振興に貢献するとともに、沖縄の自立的発展につなげる―ことが狙いだ。  日本の大学は予算や人事面などの制約があり、国内の優秀な頭脳が研究環境に優れる海外に流出し、最先端研究で国際競争力を急速に失いつつある。英教育専門誌の今年の世界大学ランキングによると、日本は東京大の30位が最高。世界から有能な人材を集めるグローバル化が課題となって久しい。  尾身氏や有馬朗人元文相らが大学院大学構想を提唱した背景には、自由度の高い研究拠点の創設で日本の国際競争力の低下に歯止めをかける狙いもある。教授や学生の半数以上を外国人とし授業も英語で行う。政府が資金を出すが、自由な大学運営を担保する「公設民営」にこだわったのもそのためだ。  世界最先端の研究拠点ができると、大学周辺には情報や人材を求めて研究機関や企業群が集積し、産業クラスターが形成され、おのずと沖縄の自立的発展が促進される。ただ、一大産業地に成長するには30~50年を要するとされる。長期的な視野と取り組みが必要なのは指摘するまでもないだろう。  沖縄側の課題も山積する。公立校での外国人子弟の受け入れ態勢をはじめ、大学周辺の医療や衣食住の生活環境の整備も着実に推進しなければならない。  構想発表から10年余、政府の事業仕分けの対象になるなど曲折もあった。特に国家的事業の位置付けを忘れ、沖縄振興の枠内にとどめてはならない。年間約100億円の大学運営費は沖縄予算から捻出されるが、文科省予算に根本的に改めるべきだ。  教授陣50人、学生100人(5年一貫制、1学年20人)で開学予定だが、当初の目標は教授陣200人、学生500人だった。有能な人材の確保や将来的な規模拡大に向けて、引き続き魅力的な条件や環境を整える必要があるが、政府は積極的に後押ししてほしい。 "[he-forum 16591] 東奥日報10/26 東奥日報2011年10月26日付 弘大高度救命施設 赤字1億6800万  国立大学法人弘前大学は25日、2010年度決算を発表し、10年4月に設置し同7月に本格稼働した同大医学部付属病院高度救命救急センターの収支を初めて公表、初年度は1億6800万円の赤字だった。同病院は、年度途中の稼働だったことなどを理由に「赤字額は想定の範囲内で、順調な滑り出し」としている。 "[he-forum 16592] 静岡新聞10/26 静岡新聞2011年10月26日付 来春、共同大学院を開設 静大と愛教大に文科省認可  静岡大と愛知教育大(愛知県刈谷市)は25日、教科内容や教育環境の改善に貢献する大学教員の育成を目的に準備を進めてきた、博士後期課程(3年)の共同大学院設置が文部科学省の認可を受けたと発表した。来年4月に開設する。国立大学間で共同教育課程制度を利用した大学院設置は国内初という。  共同大学院は教科開発学を専攻とし、学生は現在の教育環境に適合した教科内容の研究などに取り組む。両大学の強みを生かしたカリキュラム編制で、高度な専門知識を備えた研究者を育成する。  授業は現職の教員などが受けやすいように、土日や夏休みなどの長期休暇中に開講するのも特徴。授業をモニターで中継したり、教員が各大学で講義を行うことで学生の移動の負担を最小限に抑える。  定員は1学年8人。11月に募集要項を公表し、来年2月に出願受け付け、入学試験、合格発表を行う計画。浜松市中区のホテルで会見した静岡大の伊東幸宏学長は「人材が最も重要な資源。地域の教員を養成するだけでなく、現場教員を教える教員を育てることで、より広く教育に貢献したい」、愛知教育大の松田正久学長は「教科開発学はこれまでにない新しい分野。教育の質向上につなげられるよう全力を尽くしたい」とそれぞれ目標を述べた。  現在、静岡大教育学部と愛知教育大の各大学院は修士課程まで。両大学はことし4月に博士後期課程の共同設置に向けた協定を締結し、5月に文科省に設置認可を申請していた。 "[he-forum 16593] 読売新聞宮崎10/25 県など 医師不足解消や研修医確保 読売新聞宮崎版2011年10月25日付 県医療薬務課に掲げられた看板  県や宮崎大、県医師会などが医師不足解消などの課題に連携して取り組む「県地域医療支援機構」の設立総会が24日、県庁講堂であった。医師が足りない病院への人材あっせんや研修医の確保などに努め、地域医療の充実を目指す。  県医療薬務課によると、人口10万人当たりの県内の医師数は全国22位の229人(2008年)。若手の医師不足が顕著で、20歳代の医師数は10年前のほぼ半数に落ち込み、今後、深刻な医師不足に陥ることが懸念されている。昨年、臨床研修先として県内の医療機関を選んだ研修医は30人で、全国で最も少なかった。  支援機構は医療機関への聞き取り調査などを通して、医師不足の現状を把握し、不足している病院に人材をあっせんしたり、キャリア形成に悩む医師の不安解消のため、中核病院と地域の病院のローテーション勤務を提案したりする。  この日、機構の事務局を置く県医療薬務課に看板が設置され、県庁講堂で設立総会が開かれた。宮崎大医学部や市町村の担当者ら13人が出席し、河野知事が「東日本大震災で地域医療の重要性が改めてクローズアップされた。医師不足の解消に向け、医師のキャリア形成の支援や、不足地域への配置などに取り組みたい」とあいさつした。  総会では、宮崎大医学部の迫田隅男学部長らが、県出身者を推薦入試などで選考する「地域枠」の取り組みに触れ、11年度入学の医学生のうち、県出身者が4割を超えたことなどが報告された。 "[he-forum 16594] 共同通信10/27 【共同通信】2011/10/27 02:02 博士課程進学に筆記試験 文科省、新制度創設へ  文部科学省は26日、大学院の修士課程から博士課程に進学する際、論文審査を中心とする現在の制度から転換し、幅広い知識を問う筆記試験を軸に新たな試験制度を創設、各大学に移行を促すことを決めた。本年度中に、新制度に必要な関係省令を改正する。  現在の制度では、2年制の修士課程を修了する際に修士論文を作成し、成績などと併せて一定の能力が認められれば、3年制の博士課程に進めるケースが一般的だ。だが、修士段階から一つの研究室に所属するため、他の研究分野に目が向きにくいとの意見も出ていた。 "[he-forum 16595] YSV10/25"," 産經新聞10/25 元教授“ただ働き”要求、阪大が賃金未払い300万円  大阪大大学院医学系研究科の森本兼曩(かねひさ)元教授(65)=詐欺容疑で書類送検= "[he-forum 16596] 産經新聞10/25 産經新聞 2011.10.25 07:00 「元教授につけ込まれた」 週30時間労働で月1.8万円  「職を失わないために(森本兼曩)元教授側の意向を受け入れるしかなかった。弱い立場につけ込む行為だったと思う」。大学の研究室という閉鎖された環境で行われた不当な要求。未払い賃金の支払いを求めた元研究員の女性は、当時を振り返り、悔しい思いを吐露した。  女性が突然、森本元教授から呼び出されたのは、平成20年6月ごろ。「あなたには価値がないので賃金を減らす」と言われ、雇用契約を変更する書類にサインするよう命じられた。元教授に理由を尋ねたが答えはなかったという。  研究室は、元教授の意向に異を唱えることができない雰囲気だった。同僚からも「指示に従わなければ研究室にいられなくなる」と忠告され、週24時間の勤務を同7時間に減らす契約変更に渋々同意したという。  この前後、女性は元教授側から賃金の一部をキックバックするよう求められていたが、「不正ではないのか」と思って拒否。翌21年5月にもメールで同様の要求があり、拒否した直後、前年度に続いて賃金の減額を迫られた。女性は「我慢すれば研究を続けられる」と自分に言い聞かせ、契約変更に応じたという。  このため、女性は実際には週30時間以上働きながら、月に約1万8千円しか得られない時期もあったといい、「暮らしていけない水準だった」と振り返る。  阪大の調査によると、元教授は研究室の部下に賃金の一部をキックバックさせるなどの手口で不正経理を繰り返していたとされる。女性は「私に対する仕打ちは不正に加担しなかったことへの元教授による報復だったと思う」と話した。 "[he-forum 16597] 共同通信10/27 共同通信2011年10月27日2時2フン 博士課程進学に筆記試験 文科省、新制度創設へ  文部科学省は26日、大学院の修士課程から博士課程に進学する際、論文審査を中心とする現在の制度から転換し、幅広い知識を問う筆記試験を軸に新たな試験制度を創設、各大学に移行を促すことを決めた。本年度中に、新制度に必要な関係省令を改正する。  現在の制度では、2年制の修士課程を修了する際に修士論文を作成し、成績などと併せて一定の能力が認められれば、3年制の博士課程に進めるケースが一般的だ。だが、修士段階から一つの研究室に所属するため、他の研究分野に目が向きにくいとの意見も出ていた。 "[he-forum 16598] 読売新聞新潟10/27 読売新聞新潟版2011年10月27日付 長岡技科大 大学院に原子力工学専攻 定員20人、来年4月開設  長岡技術科学大学は26日、文部科学省に申請していた大学院工学研究科修士課程「原子力システム安全工学専攻」の設置が許可され、来年4月から開設すると発表した。定員は20人。募集要項を11月に発表し、来年2月3日に入試を行う。原子力技術者を大学院で養成するのは県内では初めて。  同大は東京電力柏崎刈羽原子力発電所から約15キロに位置し、「原子力技術者は不足しており、原発のある地域の大学として安全技術者の育成が必要」として、設置を目指していた。東京電力福島第一原発の事故があったが、「原発を廃炉にする場合でも技術者不足は変わらない」などとして、5月に予定通り申請した。  新設する課程は、あらゆる事象を想定してリスクを低減する国際標準となっている安全の考え方(システム安全)を、原子力分野に適用して対応できる人材の育成を目指す。「安全技術」「安全マネジメント」「エネルギー技学」の三つの講座から編成される。  通常の大学院入試は、すでに終わっている大学が多いが、同大では、大卒と同じ資格を得ることも可能な工業高等専門学校専攻科卒業予定者などに積極的に情報提供していく。同大は、2014年度以降に、原子力技術者を養成する学部の設置も検討している。 "[he-forum 16599] 日本経済新聞10/26 日本経済新聞 2011/10/26 22:07 大学院、来年度から修士論文不要に 試験などで審査  文部科学省は26日、大学院で修士論文を作成しなくても修士号を取得できるよう省令を改正する方針を決めた。博士号取得を目指す大学院生 が主な対象で、論文の代わりに専攻だけでなく関連分野も含めた幅広い知識を問う筆記試験などを課す。大学院の早い段階から専門分野に閉じこもるのを防ぎ、 広い視野を持つ人材を育てる狙い。来年度から適用する。  現在の大学院教育は、2年間の修士課程と3年間の博士課程に分かれるのが一般的。省令の大学院設置基準では修士論文を提出して審査に合格することが事実上、修士課程を修了する条件になっている。  文科省は同基準を改正。「博士論文研究基礎力審査」と呼ぶ試験に合格すれば修士号を得られるようにする。審査は筆記と面接で、博士課程で学ぶのに必要な専門分野と関連分野の知識、研究を自力で進める力などを判定する。  修士課程2年の春から夏に筆記、冬に面接を行うことを想定。博士課程は別の大学院に進みたい場合、入試も受ける必要がある。博士課程に進まず就職する大学院生も多いことなどから、修士論文の提出を条件とする従来方式も認める。  修士論文を実質的に不要にするのは広い視野と能力を持った人材を育てるのが狙い。従来の修士課程は論文作成のため早い段階から特定の研究室 に所属して研究テーマを絞ることが多く、博士課程を終えても産業界から「専門分野には詳しいが応用が利かず、使いにくい」と評価されてきた。  同省は審査の導入に合わせ、修士課程の教育内容の見直しを各大学に促す。院生が分野を超えて複数の研究室で学べるようにし、専門だけでなく関連する分野の知識も身に付けさせる。将来的には5年一貫教育で博士号の取得を目指すコースを普及させたい考えだ。  大学院設置基準の改正案については年明けにも国民から意見を募集。その結果を踏まえて来年3月までに改正したい考えだ。 "[he-forum 16600] しんぶん赤旗10/28 「しんぶん赤旗」2011年10月28日(金) 給付型奨学金に道 高校生に教科書代 大学生ら月5万・院生8万 文科省が概算要求  文部科学省は、高校生と学生を対象とする返済が不要な給付型奨学金を来年度予算の概算要求に盛り込みました。学生向け給付型奨学金を要求したのは初めてです。その概要が27日までにわかりました。  高校生は教科書代に当たる年1万8300円を約42万5000人に支給するなどとして、102億円を要求。要件は世帯年収250万円以下です。  大学、短大、高専、専門学校生は月5万円、大学院生は月8万円を2万1千人に給付するとして、147億円を要求しています。  要件は世帯年収300万円以下で「高校の成績が5段階評価で4・3」です。無利子貸与の3・5と比べて厳しくなっています。  今回の給付型奨学金は、政府全体で7000億円しか認められない「日本再生重点化措置」(重点化枠)の中で無利子奨学金とともに要求したものです。 "[he-forum 16601] しんぶん赤旗10/28(2) 2011年10月28日(金)「しんぶん赤旗」 「弱者の弁護士めざす」 司法修習生ら 給費制存続求め集会  10月末に終了されようとしている給費制の存続を求めて「10・27司法修習生に対する給費制の存続を求める決起集会」が27日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で開かれ約1500人が参加しました。主催は日本弁護士連合会、ビギナーズ・ネットなどの7団体。  日弁連の宇都宮健児会長は「この問題は法曹界だけの問題でなく、市民や国民にも関わってきます。一緒にがんばりましょう」と決意表明しました。ビ ギナーズ・ネット代表の萱野唯さんは「自分の利益のためではなく、世のため人のために働く法律家になります」と発言すると、会場から拍手が起こりました。  青山学院大学3年の男性(23)は、貸与制で「将来を担う弱者の味方の弁護士がいなくなる」と話し、「法律家をあきらめざるを得ない若者が増えている。法曹界の人材のかたよりが心配」と訴えました。  大阪から参加した女性(27)は「法律家になって世の中の役に立ちたい。そのためにも給費制存続は切実な問題です」と語り、早稲田大学大学院修了生の男性(27)は「奨学金を返すので、給費制が貸与制になったら困ります」と話しました。  国会前までパレードし各党に請願、参院議員会館で院内集会が開かれ、日本共産党の穀田恵二衆院議員、井上哲士参院議員が参加し、あいさつしました。  司法修習生の給費制 司法修習生に月額20万円ほど支給される返済不要の給付制度です。司法試験合格者は、1年間の実務研修が義務付けられており、その間の生活を保障することが目的。国は、返済が必要になる「貸与制」に移行するとしています。 "[he-forum 16602] 共同通信10/28 【共同通信】 2011/10/28 09:24 公務員給与7・8%削減 人勧は実施見送り決定   政府は28日の閣議で、国家公務員給与を2013年度末まで平均7・8%削減する臨時特例法の早期成立を図る一方、平均0・23%引き下げを求めた11年度の人事院勧告(人勧)については、実施に必要な給与法改正案を提出せず、見送ることを正式決定した。  特例法で捻出できる年間2900億円は、東日本大震災からの復興財源に充当。人勧の全面見送りはオイルショック後の1982年以来、29年ぶりの異例の対応となる。  ただ、公務員の労働基本権を制約する代償の人勧を実施しないことに、人事院や自民党が憲法に抵触するとして反発、内閣法制局が違憲論に否定的見解を示している。 "[he-forum 16603] 富山新聞10/28 富山新聞2011年10月28日付 富山大と魚津市、包括連携協定を締結 地域リーダー養成  魚津市と富大は27日、各分野で協力し合う包括連携協定を締結するとともに、産業界を含む地域リーダーの養成を図る「三太郎塾」を開講し、双方の発展を目指した。  富大と県内自治体との包括連携協定は県、富山市に続き3番目。同大の学部や地域連携推進機構との個別部局の協定は高岡市と舟橋村が締結している。  魚津市役所で同日、澤﨑義敬市長と遠藤俊郎学長が調印し、互いの情報共有や同市を舞台に研究や創造を図ることを確認した。  「三太郎塾」は、魚津ゆかりのテレビ発明の先駆者川原田政太郎、稲の研究者の盛永俊太郞、テレビアンテナや超短波研究者の宇田新太郎の博士3氏の名前から命名され、市内企業などから20~40代の12人が1期生として入塾した。来年3月まで富大と同市の講師が各分野で10回ほど話し、魚津の水資源や起業化論などを学ぶ。  開講式では同大大学院の張勁教授(化学海洋学)が「高低差4000環境論~富山の水資源と富山湾」と題して特別講義。地域活性化に向けて澤﨑市長や遠藤学長、張教授が懇談した。 "[he-forum 16604] 東奥日報10/28 東奥日報2011年10月28日付 弘大は全4項目「順調」/業務評価  文部科学省の国立大学法人評価委員会は27日、全国の国立大学など計90法人の2010年度業務実績に関する評価結果を公表した。弘前大学は評価対象の4項目全てで、第2期中期目標・中期計画(10~15年度)の達成に向けて「順調に進んでいる」と、5段階中2番目に高い評価を受けた。全4項目が「順調」なのは、09年度評価に続いて2年連続。 "[he-forum 16605] 中日新聞10/27 中日新聞2011年10月27日付 エコな大学、名古屋大1位 NGO調査、CO2削減など評価  大学の温暖化対策を評価する今年の「エコ大学ランキング」で、名古屋大が総合1位に輝いた。昨年の5位から4つ順位を上げた。昨年1位の三重大は7位。愛知教育大も45位から6位に躍進した。  ランキングは、学生の環境団体などで構成する非政府組織(NGO)「全国青年環境連盟(エコ・リーグ)」が毎年公表。全国の大学に二酸化炭素(CO2)排出状況や地球温暖化対策などを尋ね、順位付けしている。7、8月に744大学法人にアンケートし、167大から有効回答が寄せられた。  名大は、省エネの実践的な方法を大学に提言する研究機関を2004年に設置。06年からは環境報告書を作成するなど、他大学の参考にされる取り組みを進めてきた。付属病院では、新システム導入でCO2排出量を07年に比べて年間7千トン、21%の削減に成功した。名大の浜口道成学長は「これからもCO2削減に取り組みたい」と話している。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16606] 中日新聞10/27 中日新聞2011年10月27日付 エコな大学、名古屋大1位 NGO調査、CO2削減など評価  大学の温暖化対策を評価する今年の「エコ大学ランキング」で、名古屋大が総合1位に輝いた。昨年の5位から4つ順位を上げた。昨年1位の三重大は7位。愛知教育大も45位から6位に躍進した。  ランキングは、学生の環境団体などで構成する非政府組織(NGO)「全国青年環境連盟(エコ・リーグ)」が毎年公表。全国の大学に二酸化炭素(CO2)排出状況や地球温暖化対策などを尋ね、順位付けしている。7、8月に744大学法人にアンケートし、167大から有効回答が寄せられた。  名大は、省エネの実践的な方法を大学に提言する研究機関を2004年に設置。06年からは環境報告書を作成するなど、他大学の参考にされる取り組みを進めてきた。付属病院では、新システム導入でCO2排出量を07年に比べて年間7千トン、21%の削減に成功した。名大の浜口道成学長は「これからもCO2削減に取り組みたい」と話している。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16607] 茨城新聞10/28 茨城新聞2011年10月28日付 筑波大の総合体育館新築へ 13年春開館、市民に開放  筑波大学(山田信博学長)は27日、定例記者会見を開き、東日本大震災で被災した施設や設備の復旧状況を報告。国の第3次補正予算案に総合体育館の新築が盛り込まれたことを明らかにした。2013年3月のオープンを目指す。  新体育館は市民に開放し、バリアフリーに配慮。太陽光の活用など、災害に強い施設として設計していく考えで、森本浩一副学長は「コミュニティー・スポーツとトップ・アスリートの育成を両立できる場としていきたい」と話した。  設備では、被災した加速器については新規購入する。現在、入札公告を行っており、14年9月稼動を目指して整備していく。加速器以外の研究体制は、来年3月までに平常に戻るとしている。  同大学は今回、費用の用途などを学外向けに分かりやすく解説した「平成22年度財務レポート」を作成。冊子だけでなく、インターネットでも公開していく。英語版も用意するという。 "[he-forum 16608] 日刊工業新聞10/28 日刊工業新聞2011年10月28日付 群馬大、医療系NPO法人の設立・運営ノウハウ確立-国内未承認薬の臨床研究など  群馬大学共同研究イノベーションセンターは、医学部の知を地域で社会活用する、医療系NPO法人の設立・運営ノウハウを確立した。資金管理が透明なNPO法人で、理事に学外の人を入れることで、企業からの寄付金などを得やすくするのが狙いだ。医療従事者や市民に向けた講演会開催のほか、インターネット公開の病理画像データベース(DB)、国内未承認薬の臨床研究企画などで五つのNPO法人を稼働させている。  NPO法人の活動は、群馬大の医学部各教室が手がけていた研修会開催が多い。NPO法人では予算・決算など明確で、外部の寄付受け入れや講演会の講師謝礼などが扱いやすい。理事長に教授が就き、理事会メンバーは医学部関係者と、企業人など民間人からなり産学半々だ。  群馬大で産学官連携コーディネーターを務めていた大石博海氏(スズケン事業開発部顧問)が、半年で県の認可を得る道筋を整えた。 "[he-forum 16609] 毎日新聞山梨10/28 毎日新聞山梨版2011年10月28日付 山梨大:来年度、生命環境学部を設置 4学科で定員は130人  山梨大は27日、来年度から農学系の新学部「生命環境学部」を設置すると発表した。県内の大学に農学系学部が設置されるのは初めて。  新学部には「生命工学科」「地域食物科学科」「環境科学科」「地域社会システム学科」の4学科を設置し、バイオ技術や農作物の研究、開発などを行う。また、地域と連携したフィールドワークを実践する。地域食物科学科には「ワイン科学特別コース」を設け、既存の「ワイン科学特別教育プログラム」の機能を組み込む。  新学部の定員は130人。医学部を除く教育人間科学部と工学部の2学部を改編し、4学部計825人の定員は現状のままとする。  同大の前田秀一郎学長は記者会見で「持続的な食料の生産と供給による地域社会の繁栄を実現するため、生命科学や食物生産・加工、環境・エネルギー、地域経済・企業経営など、広い視野を持つ人材を養成したい」と話した。【水脇友輔】 "[he-forum 16610] 毎日新聞10/31"," 豈取律譁ー閨槭€€2011蟷エ10譛・1譌・縲€譚ア莠ャ譛晏・ 謗。逕ィ豢サ蜍包シ壹€悟ュヲ逕溘・雉ェ縲榊キ。繧願ェ崎ュ倥↓髫斐◆繧翫€€莨∵・ュ縺ョ・泌牡雜・€御ス惹ク九€榊ョ滓─縲∝、ァ蟄ヲ蛛エ縺ッ蜿崎ォ・/h2> 縲€笳・シ夊ゥア閭ス蜉帙・荳崎カウ隱阪a繧具シ上ヨ繝・・繧ッ繝ゥ繧ケ縺ッ縲悟━遘€縲・/h3> 縲€・泌牡繧定カ・∴繧倶シ∵・ュ縺後€悟ュヲ逕溘・雉ェ縺ョ菴惹ク九€阪r螳滓─・搾シ阪€ょーア閨キ諠・ ア莨夂、セ縺ョ隱ソ譟サ縺ァ縲√%繧薙↑繝・・繧ソ縺蜈ャ陦ィ縺輔l縺溘€ゅh繧雁━遘€縺ェ蟄ヲ逕溘′縺サ縺励>莨∵・ュ縺ィ縲・€イ蟄ヲ邇・・荳頑・縺ァ縲悟、ァ陦・喧縲阪@縺溷、ァ蟄ヲ縲鄒ゥ蜍呎蕗閧イ繧ょ性繧√◆遉セ莨夂憾豕√′豺キ蝨ィ縺励※逕溘∩蜃コ縺輔l縺溽樟雎。縺ィ繧ゅ>縺医◎縺・□縲ゅ€宣□阯、諡薙€ 縲€蟆ア閨キ諠・ ア莨夂、セ縲後・繧、繝翫ン縲搾シ茨シ托シ先医↓豈取律繧ウ繝溘Η繝九こ繝シ繧キ繝ァ繝ウ繧コ縺九i遉セ蜷榊、画エ・峨′縲∝嵜蜀・シ∵・ュ縺ォ螳滓命縺励◆隱ソ譟サ・茨シ托シ暦シ包シ礼、セ蝗樒ュ費シ峨↓繧医k縺ィ縲・シ托シ貞ケエ譏・縺ォ 蜊呈・ュ繧剃コ亥ョ壹☆繧句、ァ蟄ヲ逕溘・謗。逕ィ豢サ蜍輔↓縺、縺・※縲悟燕蟷エ繧繧雁宍縺励°縺」縺溘€阪€悟燕蟷エ荳ヲ縺ソ縺ォ蜴ウ縺励°縺」縺溘€縺ィ遲斐∴縺滉シ∵・ュ縺ッ・假シ托シ・↓荳翫▲縺溘€ゅ◎縺ョ逅・罰・郁、・焚蝗樒ュ費シ峨〒縲悟ュヲ逕溘・ 雉ェ縺ョ菴惹ク九€阪r謗イ縺偵◆縺ョ縺ッ・包シ抵シ・〒縲∝・菴薙・・費シ抵シ・↓縲ゅ€梧ッ埼寔蝗」縺ョ遒コ菫昴€搾シ茨シ難シ暦シ・シ俄命縲瑚セ樣€€縺ョ蠅怜刈縲搾シ茨シ難シ暦シ・シ峨↑縺ゥ莉悶・鬆・岼繧剃ク雁屓繧翫€∵怙繧ょ、壹°縺」縺溘€・/p> 縲€繝槭う繝翫ン縺ョ譬礼伐蜊謎ケ溘・・ィ・イ繝ェ繧オ繝シ繝√そ繝ウ繧ソ繝シ髟キ縺ッ縲悟ュヲ逕溘∈縺ョ荳肴コ€縺ッ縺薙%謨ー蟷エ縲√h縺剰€ウ縺ォ縺吶k縲ゆシ∵・ュ縺後げ繝ュ繝シ繝舌Ν遶カ莠峨↓縺輔i縺輔l縲∫、セ蜩。縺ォ豎ゅa繧峨l繧倶サ穂コ・ qM?・??・?筝u瘁H?c??zヒG?q諱H?・qJ?q瘁H?wヒG・?}ムq痼v瘁H?u疵[?r瘁H?r瘁H?ゃqI?・??・幻茘|痃MqI?{ムwムv竚ケ篏z・сqM罨€縺H?wメH?}メH?vメH?・?紊}瘁H?・??s痼?/p> ?€?延根?遵??・賢?sメH?若qゥ?若qM?∞zヲ?s・H?sヒN?zヒM?q艨H?q・H紊у⑥?у??v竅H罐㊧・????y轣H??・€q・H罐窮??・⑥?€メH?・qJ?ゃ??q痼v繹ッ?桁??v芍Y?障qB?・??・??・??vメH? 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譖匁乂縺ェ險€縺・婿縺ァ縺ェ縺上€∝・菴鍋噪縺ォ遉コ縺吶∋縺阪□縺励€∝、ァ蟄ヲ蛛エ繧りご謌舌@繧医≧縺ィ縺吶k莠コ迚ゥ蜒上r縲主サコ蟄ヲ縺ョ邊セ逾槭€上↑縺ゥ謚ス雎。逧・↑譁・ィ€縺ォ鬆シ繧峨★縺ォ譏守、コ縺吶k蠢・ヲ√′縺ゅk縲ゅ◎縺・@縺ェ縺・ 髯舌j縲∝ュヲ逕溘′縲手ウェ菴惹ク九€上r險€繧上l邯壹¢繧狗憾豕√・蜿弱∪繧峨↑縺・・縺ァ縺ッ縺ェ縺・°縲阪→隧ア縺励※縺・k縲・/p> "[he-forum 16611] 岩手日報10/31 岩手日報2011年10月31日付 【釜石】岩手大がサテライト開所式 水産振興の拠点  岩手大(藤井克己学長)の三陸復興推進本部釜石サテライトの開所式は30日、釜石市鈴子町の市教育センターで行われた。東京海洋大、北里大との連携推進に関する基本合意書も締結。沿岸の復興と魅力あるまちづくりを目指した研究開発を本格化させる。  釜石サテライトは市教育センター5階に置き、1日から専任スタッフ4人が業務を始めている。自治体や漁協、企業、住民との調整を行う大学の現場窓口として、支援ニーズの把握や復興プロジェクトの推進、研究成果の情報提供を行っている。  基本合意書の調印式は藤井学長、東京海洋大の松山優治学長、北里大の相沢好治副学長が出席。藤井学長は「釜石サテライトを沿岸の足場として3大学の連携を推進する。被災地の水産業振興のため、貯蔵、加工、流通、ブランド化の研究をスクラムを組んで進めたい」と決意を語った。  今後は釜石サテライトを拠点に、海洋研究の総合大学として豊富なノウハウを持つ東京海洋大と、海洋バイオテクノロジー研究所(釜石市)などを持つ北里大と連携。水産業の復興・発展に寄与する研究開発や高度な専門人材の育成に力を入れる。 "[he-forum 16612] 大分合同新聞10/29 大分合同新聞2011年10月29日付 メディカルバレー研究講座 大分大に設置  医療産業の拠点化を図る東九州メディカルバレー構想の推進に向けて、県と県内に生産拠点を持つ川澄化学工業(本社・東京都)は11月から、大分大学医学部に寄付講座を設置する。血液・血管分野の医療機器を中心とした研究開発のほか地場企業の参入支援、高度な医療機器を操作できる人材育成を担っていく。期間は3年間。運営費は年間5千万円で両者が折半する。  講座名は臨床医工学。トップには人工腎臓など血液浄化が専門の阿岸鉄三東京女子医科大学名誉教授(東京都)が、客員教授として就任。その下で大分大学内の医学系と工学系、川澄化学の研究者が、血液浄化に関する最先端の研究を進める。  講座と地場企業の橋渡しをするコーディネーターも配置。臨床の現場で何が必要とされているのかを把握して企業側に情報提供し、医療機器の開発や技術力向上につなげる。  28日、県庁で設置協定の締結式があり、広瀬勝貞知事、川澄化学工業の川野幸博社長、大分大学の北野正剛学長が協定書に調印。広瀬知事は「メディカルバレー構想の実現に欠かせない“知の拠点”ができた。研究開発や人材育成を前進させていきたい」と話した。 "[he-forum 16613] Yoj[X11/1"," 産経ニュース 2011.11.1 12:03 大学の国際展開に25件採択 アジアや米国など 文科省  文部科学省は1日、アジア各国や米国などの大学との間で、単位の相互認定や統一的な成績管理を行う「大学の世界展開力強化事業」に19大学25件を採択し "[he-forum 16614] 日本経済新聞11/1 日本経済新聞 2011/11/1 11:16 日中韓大学交流モデル事業、10件を選定 単位互換など  文部科学省は1日、日本、中国、韓国の3カ国の大学間で授業の単位互換や共同学位の授与を進める「キャンパス・アジア」構想のモデル事業に10件を選んだと発表した。留学生を相互に受け入れる仕組みを整え、大学の国際化を後押しする狙いだ。  参加する大学は東北、東京、東京工業、一橋、名古屋、立命館、神戸、岡山、九州、政策研究大学院大の10校。3カ国で延べ300人の学生が奨学金を利用して互いの国を行き来する。  例えば東大は北京大(中国)、ソウル大(韓国)と連携し、公共政策や国際関係分野で修士課程の大学院生を相互派遣する。学生は出身大学で1年間、別の大学で1年、残りの大学で半年学び、2校の学位を取得する。  同省は、この10件とは別に東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国も含めた大学間交流を行うモデル事業に京都大や早稲田大などの3件を選んだ。米国や欧州、オーストラリアの大学との交流事業では12件を選んだ。  各事業には91校から計183件の申請があった。採択された事業には1件あたり年8千万円まで補助金が交付される。事業期間は5年間になる。 "[he-forum 16615] 下野新聞11/1 下野新聞2011年11月1日付 次期学長に進村氏再任へ 宇都宮大  宇都宮大の学長選考会議(飯村慎一議長)は31日、現職の進村武男氏(68)を次期学長候補者に決定した。文部科学大臣の任命により正式決定する。任期は来年4月1日から3年間。  9月15日に学長選考対象者推薦の公示を行ったところ、被推薦者は進村氏のみだった。10月中旬の同会議による面接と公開所信表明を経て決定した。  県庁記者クラブで会見した進村氏は「これまで以上に産学官連携や地域連携を進めるほか、医療福祉分野との連携も思い切って展開したい」などと抱負を述べた。 "[he-forum 16616] 東海日日新聞11/2 東海日日新聞2011年11月2日付 榊学長・再選に抱負語る㊤ ◆改革を軌道に乗せる  豊橋技術科学大学の次期学長に再選された榊佳之学長 (69) は1日、 学内で会見し、 抱負を述べるとともに、 開学35周年記念事業について説明した。 この3年半の間に主要な課題は達成したが、 「まだ緒についたばかりであり、 軌道に乗せたい」 とし、 これまで以上に国際化などを進め 「大きくはないが、 存在感のある大学にしたい。 新たな挑戦が始まる」 と意欲的に語った。  榊学長は08 (平成20) 年4月に就任し、 課題である大学改革に努めてきた。 昨年4月、 第2期中期目標・中期計画を策定し、 20年後、 30年後の将来ビジョンを明確にした。  その中で最も大きいのが、 学科 (教育課程) の再編。 それまでの8課程を5課程に集約した。 基幹産業を支える先端技術分野3課程と、 持続的発展社会を支える先導的技術分野2課程。 戦略的に時代を見据えて改編した。  もうひとつが優れた人づくり、 学生の育成。 社会で優れた実績を収めた研究開発者や経営者らを講師に招いて、 学生に希望を持たせるテーラーメイド・バトンゾーン講義などの新しい教育プログラムを取り入れた。 また高専卒業生を対象にした特別推薦入試制度もスタートさせた。  さらに研究推進の中核として、 エレクトロニクス先端融合研究所を設立した。 こうした実績を踏まえ、 「動き出したばかりであり、 軌道に乗せたい」 と語り、 再選2期目 (2年任期) に、 大学院の博士課程を充実し、 「社会に出て役立つドクターを育てたい」。  さらに国際化の強化策を打ち出し、 英語教育の充実など、 これまでに積み上げてきた人脈を活用し、 次の時代に対応していく方針も明確にした。 「グローバル化に対応していきたい」。(山崎祐一) "[he-forum 16617] 朝日新聞11/2 朝日新聞2011年11月2日付 「1単位45時間」の意味は 中教審部会で見直し議論進む  大学教育の質保証や質向上という言葉が、日本の大学改革を語る場合に簡単に使われているが、ことはそう単純ではない。大学には、学校教育法に基づき大学として必要な最低の基準を定めた文部科学省令の「大学設置基準」が設けられている。このなかで、大学の制度としての枠組みをつくり、教育研究の内容にあたる授業計画やカリキュラムを一定水準に維持するためさまざまな仕掛けが施されているのだが、その内容を再検討する議論が進んでいる。いまの大学教育の姿を変えることにつながるかもしれない。 ●日米で大きな差 大学生の学習時間  10月28日に開かれた中央教育審議会・大学教育部会は、設置基準で規定されている単位や授業時間、カリキュラム編成の方向性について議論した。  前提として、日本の学生はどの程度勉強しているのだろうか。金子元久委員(国立大学財務・経営センター教授)が部会に資料として提出した、日本の大学生の学習時間が参考になる。  日本の学生の学習時間は1日当たり4.6時間で、大学設置基準の想定している学習量8時間程度の半分。週当たりでも米国との差は大きい。米国の大学1年生は週11時間以上を学習時間にあてているのが6割程度。逆に日本では6割程度が週1~5時間となっている。なぜ、日本は設置基準の想定の半分になるのか。  大学設置基準21条は、大学では1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成するのが標準と定めている。それをもとに大学では、1単位は授業時間1時間と関連学習(予習・復習)2時間を、1学期の15週で実施することを想定している。(予習+授業+復習)×15で1単位当たり45時間の学修となる計算だ。  卒業要件の124単位を単純に4年間で割ると1年当たり31単位。前・後期2学期制の大学が多いので、1学期分は16単位程度。16単位をとるには、1週間当たり授業時間と関連学習を合わせて16×3=48時間が必要になる。週6日を学業に費やすとすると1日8時間。先に紹介した学生の学習時間調査はこの半分でしかない。  金子委員の資料によると、日本の大学設置基準は戦後の米国の基準を参考にしたといい、実際に1950年代の米国の学生はこの程度勉強していたとされる。また、欧州の単位互換制度も1週間40時間の学習量を想定しているという。 ●大学・学生生活全体に及ぶ問題  実態を基準に合わせるよう質を上げて「学習させる大学」にするにはどうするか。この問題はかなり難しい問題を含む。  大学は多くの科目数を用意して、学生が単位をとろうと思えばできるかぎりとれるような学習メニューをつくる。そのためには専任教員のみでは授業を回しきれず、非常勤講師らにも頼らないといけない。一方の学生は、昔からの慣行ともいえるが大学以外で自発的な学習をしていないのが実態だ。アルバイトで生活費を捻出している学生も少なくない。雑多な授業の位置づけがはっきりしないままメニューばかりが多く、授業と関連づけた学習態勢が大学、学生ともに組めていないところに原因がある。  これを好転させるには、大学の経営(ガバナンス)、教員の人的構成、カリキュラム編成、学生生活とすべてに及ぶ問題を解きほぐさなければならない。奨学金なども充実させないと難しい。部会では委員から「なるべく学生を大学内で関連学習も含めて勉強するよう、つなぎとめておければ」という趣旨の意見もあった。 ●授業の体系化「科目ナンバリング」  学習時間も関係するが、雑多な授業のメニューをやみくもに学生がとっても、本当にその学問領域や知識を身につけたといえるか疑問が残る。そのため、今回の大学教育部会で議論されたのが授業科目のナンバリングだ。簡単に言えば、入学してから卒業までの授業を教養や専門の段階や位置づけがわかるよう、たとえば入門レベルの授業は100番台、中級は200番台、専門は300番台というふうに番号などをふり、授業科目全体を体系づけようという試みだ。  これをすると、学部がいくつもある大規模大学の授業がカテゴリー化されてわかりやすくなり、海外や他大学との単位互換などをしやすくなる。一方で、その作業や体系化には全学的な教職員の協力がなければうまく進まない。大学のガバナンスのもとで学問領域や授業レベルを把握する作業が必要になる。一つの大学ですら道が遠そうなのに、大学全体で行うことは果たして可能だろうか。実現するには、大学が自発的に進んで取り組むための誘導策が必要だろう。  授業科目や専門領域を体系化する、ということは、誰から見てもわかりやすいカリキュラムにすると同時に、授業を普遍化・相対化することになる。部会では今後、どんなナンバリングが考えられるのかを詰めていくことになった。 ●「15週か16週か」論争は活発になったが……  この日の部会でもっとも活発に議論されたのが、単位制度の根幹である授業と試験の時間を何週にわたって実施するのか、ということだった。  大学では、おおむね4月の第1週から例外を除き、毎週1回(2コマ)を15週続けることで授業が実施される。2コマだと1学期で2単位になる。東日本大震災のときは、この15週が確保できないとして文部科学省にお伺いをたてた大学もあった。文科省が「弾力的に」というお決まりのような通知を出して落着したが、これも大学設置基準に従うという考え方からだ。  部会では、「授業は設置基準の規定どおり15週だとすると、定期試験を含めると16週になるのか」という質問や意見が相次いだ。試験は15週のなかで可能なのか、試験に代わってリポートの場合でも15週で問題ないのか、という問いかけもあった。大学関係者以外からみると形式主義のような話だが、外部評価の観点の一つになっているので、大学の世界ではそれなりに重要らしい。  授業計画をきちんと立てることがもっとも肝心だが、定期試験は15週とは別枠というかたちで計画のなかできちんと位置づけていれば、15週のなかで試験やそれに変わるリポートをしても設置基準には反していない……ということで話は終わった。あくまでも中身をどうするかのほうが重要だ。 ●全入時代に向けた全体像の確立  今回の部会では、大学の教育を学生自身の学習本位に変えていこうという問題意識がうかがえた。全入時代になり、学生をどう伸ばすかというシステムづくりに手をつけ始めたと解釈したい。どんな絵を描くのか注目したいが、財政投入が連動しないと、設置基準といまの学生の学習実態のように、乖離したままで終わってしまう可能性もありそうだ。  授業料を払うためにアルバイトをしている学生は少なくない。学ぶ意欲があるのに学習時間が確保できない環境の学生には、給付型支援は不可欠だ。また大学のガバナンスの側面からは、大学全体の授業の位置づけと数の把握、教員数の構成、学生の学習や生活実態の把握など課題は多い。  全入時代の大学像全体を設計する発想が必要になるだろう。 "[he-forum 16618] 東海日日新聞11/3 東海日日新聞2011年11月3日付 榊学長・再選に抱負語る㊦ ◆わが国初の国際会議も  豊橋技術科学大学は76 (昭和51) 年10月に設立され、 今年で35周年を迎えた。 それを祝い、 14日から20日までの1週間を 「技科大ウィーク」 とし、 関連行事を展開する。 16日に開学35周年記念式典および記念講演会を行い、 17、 18日の両日にわたり大学内で、 日本初の異分野融合研究の国際会議を開く。 一般公開講座もある。  次期学長に再選された榊佳之学長 (69)は 「次の時代へ向けて、 新たなる飛躍をめざす本学の姿勢を示したい。 特に関係者に発信したい」 と意気込む。  主な記念事業は次の通り。  【工学教育国際協力研究センター (ICCEED) 設立10周年記念シンポジウム】 「工学教育国際協力の将来像~大学間ネットワーキングへの期待」 と題し、 15日午後1時30分から講義棟A―101で行う。 基調講演、 招待講演、 プロジェクト紹介、 総合討論などを行う。  【開学35周年記念式典・記念講演会】16日午後1時30分から講義棟A―101で開く。 榊学長のあいさつなどのあと、 席上で、 中部瓦斯相談役で同大学特別顧問の神野信郎氏と、 ベトナム国家大学ハノイ校工科技術大学のグエン・ゴク・ビィン学長に名誉博士号を贈る。 また東京理科大学の藤嶋昭学長の記念講演 「感動しつつ、 良い雰囲気のもとで研究しよう~光触媒を例にして」 がある。  【アジア太平洋異分野融合研究国際会議】17日午前10時に、 大学内エレクトロニクス研究所で始まり、 18日も午前9時から再開する。 豊橋技科大が主催し、 学界、 産業界から世界中の先端研究者が集い、 エレクトロニクス、 エネルギー、 生命科学、 環境科学など、 これからの人類社会の課題に向けての戦略的研究の成果や展望を発表する。 国内外から200人以上の研究者が豊橋に集結する。  ゲノム研究の世界的権威であるH・グロス教授 (ドイツ・ウルツブルグ大学) による、 ミツバチがヒトと同じように 「数える」 能力を会得した過程や意義について、 最新の研究成果の紹介があるほか、 J・S・ジャン教授 (嶺南大学) によるLED照明とIT技術を融合した医療・農業・自動車・通信に新しい光をもたらす照明技術について、 韓国の戦略的な取り組みなどを紹介する。 会場には三菱化学ホールディング、 デンソーなど40社が出展する。 次回は来年11月に田原市の伊良湖岬で開催する。  【一般公開講座第一弾】18日午後6時30分から講義棟A―101で行う。 「災害を知り、 備える」 をテーマに、 4月に発足した安全安心地域共創リサーチセンターの教員が分かりやすく説明する。 25日、 12月2日、 9日の4回シリーズ。  【一般公開講座第二弾】宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所の川口淳一郎教授を招き、 19日午後1時15分から、 講義棟A―101で行う。 03年5月から 「はやぶさ」 が挑んだ世界初の往復の宇宙飛行、 その7年間の歩みを振り返る。 高校生以上。 受講無料。 (山崎祐一) "[he-forum 16619] 河北新報11/3 河北新報2011年11月3日付 東北大次期総長に里見氏 資金難、経営手腕に期待  来年3月末に任期満了となる東北大の井上明久総長の後任候補に2日、東北大病院長の里見進副学長(63)が選出された。次期総長には東日本大震災からの大学と被災地それぞれの復興で、リーダーシップが求められる。次期総長候補を発表した総長選考会議は「急いで震災対応に手を付けてほしい」と、病院経営の立て直しに尽力した里見氏に期待する。(1面に関連記事)  東北大の震災による被害額は研究施設や実験機器など約800億円に上る。建物の復旧は国が助成する見通しだが、完全復旧には多額の費用がかかり、研究の遅れなども懸念される。資金不足で青葉山新キャンパス構想も足踏みしている。選考会議の岸輝雄議長(独立行政法人物質・材料研究機構顧問)も「財政が最大の課題」と指摘する。  里見氏は病院長に就いた2004年以降、国からの運営交付金が削減される中で約4億円の赤字を解消した。岸氏は「必要なものとそうでないものを取捨選択する強い意志を持っている」と経営手腕を評価した。  震災からの地域の復興も最優先課題。里見氏は記者会見で、地域医療の再構築をはじめ、大学の復興支援として進行中の七つのプロジェクトを、さらに後押しすることを強調。開学以来の「研究第一主義」「実学尊重」の理念を踏襲しつつ、最先端の知見を地域に還元する姿勢を示した。  里見氏は人材育成、国際化、情報発信力などの点で「東北大は求められている役割をまだ十分に果たせていない」と分析。「東北、地域の復興を進めるプロジェクトは国際的にも注目される。研究や教育の国際化にもつなげ、活力のある大学を目指したい」と話す。 "[he-forum 16620] 福井新聞11/3 福井新聞2011年11月3日付 教員研修を福井大大学院の単位に 検討会、免許改革先駆けへ   福井県内の市町教育長や教員、PTA、企業代表らでつくる「教員研修の在り方検討会」が、教員の現職研修を大幅に見直し、各研修を福井大教職大学院の単位とする検討を始めた。年度内に方向性をまとめる方針。中教審は現在、教職大学院修了などを条件とした教員免許制度の改革を模索しており、会長の松木健一・福井大大学院教育学研究科教育開発専攻長は「研修の質の向上などが必要だが、実現すれば全国の先駆けとなる」と話した。  2日に福井市の県国際交流会館で開かれた第2回会合で、事務局の県教委が素案を示した。  中教審は教員の資質向上に向け、教員免許を学部卒に与える「基礎免許」と、教職大学院や大学院の教育学研究科修士課程の履修が必要な「一般免許」「専門免許」の3段階制への移行を検討。この中で「修士課程に類する学修プログラムの整備」として、教育委員会が大学との連携や協力により運営する研修プログラムを想定している。  県教委によると現在、学校の核となるミドルリーダーの養成に関して、授業をベースにした実践研究や県教育研究所の「ミドルステップアップ研修」などの現職研修がある。今回の検討は、これらの研修を受けた教員が将来、教職大学院に入学した場合に単位の一部として認める仕組み。このため、現職研修について、研修内容や指導者の資格、時間数、評価方法などを教職大学院の単位とすることが可能な内容に見直す必要がある。  松木会長は中教審の「教員の資質向上特別部会」の委員も務めており、「中教審ではまだ、単位の読み替えなど具体的な検討はしておらず、福井が先進例となる可能性がある」と話す。県教委は「県教育育研究所の役割や在り方についても並行して議論していく」とした。 "[he-forum 16621] 中日新聞11/6 中日新聞2011年11月6日付 国立大の人材育成は 名大で4学長ら招き公開討論会  東海地方にある国立大の学長による公開討論会「大学と地域が育てるグローカル・リーダー」が5日、名古屋市千種区の名古屋大豊田講堂で開かれ、地域でも国際的にも活躍できる人材育成の方法を話し合った。  名古屋大の浜口道成、岐阜大の森秀樹、三重大の内田淳正、静岡大の伊東幸宏の4学長や、中部電力相談役で中部経済連合会の川口文夫名誉会長らが参加。会場には市民ら200人が集まった。  討論会で、川口名誉会長は「大学が連携してそれぞれの強みを生かしては」と提言。浜口学長が「非常に大きな課題だととらえている」と返答した。また、人材育成に森学長は「産業界と一緒に教育を行っていきたい」と話し、伊東学長は「自ら学ぶ力を身につけさせることが大切」と主張。浜口学長は「海外に目を向けさせるきっかけが重要」、内田学長は「海外の人をどんどん国内に入れることが日本人学生の刺激になる」と訴えた。  討論に先立ち各学長が大学の特徴を紹介。「実学」(岐阜)「地域重視」(静岡)「国際化」(名古屋)「環境先進大学」(三重)と、教育で重視している点をアピールした。討論会は各大学や国立大学協会などが主催した。 (中村禎一郎) "[he-forum 16622] 読売新聞11/6 読売新聞2011年11月6日付 大阪市大と府大を/統合した場合の影響は 上山信一 慶応大教授  強み持ち寄り研究加速  市大と府大はこれまで優秀な人材を数多く輩出してきた。だが、これからの世界的な大学淘汰(とうた)の流れに照らすと、いずれも規模が小さすぎるので生き残り策が必要だ。くしくも今後の大阪の都市戦略にとっては高等教育や学術研究は重点投資分野であり、両大学は経営統合した上で効率化と同時に機能強化すべきだ。  両大学は現在、市役所、府庁からそれぞれ補助金をもらう独立行政法人が経営している。そして、市と府が公立大学に支出する資金の合計額は年間約250億円に上る。この額は東京都が首都大学東京に出す約170億円をはるかに超える。両者の経営は統合して学部を再編し、潜在能力の高い分野を重点的に育成すべきだ。例えば市大は医学部を、府大は農学部を持つ。強みを持ち寄ればバイオや医薬の研究が加速できるだろう。東京都も傘下の四つの都立の大学を統合したが、同様の都市経営上の危機感に基づくものだ。  なお、法人は一つに統合しても、キャンパスは複数あってよい。米・カリフォルニア州立大でも、バークレーやロサンゼルスなど複数のキャンパスがある。  優秀な学生や教員を集めるブランド戦略も大切だ。東京は首都大学東京という新たな名称をつけたが、大阪はどうか。阪急・阪神百貨店のように経営は統合しても、市大、府大の名前を残すという作戦もあるかもしれない。 森 裕之 立命館大教授  知の蓄積失われる恐れ  市大で大学、大学院と学んだが、最大の特色は都市研究にある。開設時に当時の関一市長が唱えた「大学は都市とともにあり、都市は大学とともにある」「国立大学の“コッピー”であってはならぬ」という理念は、市大特有の実学に根ざした学風をつくりだした。日本初の「市政科」が設置され、その後も都市政策の研究・教育の中心を担ってきた。  一方、府大は市大にない農学部や航空宇宙工学の学科を備え、双方で補完し合ってきた。重複する学部もあるが、それぞれが独自性をもっている。定員割れもしていない。  二つの大学を統合しなければいけない理由がない。統合することで、学問の内容をどう充実できるというのか。新大学の理念を、はっきりと示すことが不可欠だ。  東京では都立4大学を首都大学東京に統合した際に、人文、法、理など7学部を都市教養や都市環境など4学部に再編した。学問には体系があり、それを学生に学ばせることが大学の重要なミッションだが、新しい名前の学部にすると、体系が不明瞭になる。都はトップダウンで再編を推し進め、反発した教員が大学を離れる事態に発展した。  市大、府大も統合されると、学科再編が必至だろう。今まで両大学がそれぞれ築き上げてきた知の蓄積が、失われる事態になりかねない。  ◆大阪市大と府大の比較 市大は1880年に創立された大阪商業講習所が起源で、1928年に大阪商科大、49年に市立大になった。8学部10研究科があり、公立大で最大規模の総合大学。府大は1883年に設置された獣医学講習所が起源。1949年に「浪速(なにわ)大学」となり、55年に府大に改称された。2005年、大阪女子大と府立看護大が統合された。  現在、全国の公立大学は81校。東京都は2005年、都立4大学を首都大学東京に統合。京都府には府立大、府立医科大、京都市立芸術大の3校、兵庫県には県立大と神戸市外国語大、神戸市看護大の3校がある。  連載への意見や質問をお寄せください。あて先は、〒530・8551(住所不要)読売新聞大阪本社社会部、ファクス06・6361・3001、メールo‐naniwa@yomiuri.comへ。 ◇進むべき将来像の浮上期待<連載を終えて>  大阪版連載「聞く!大阪のカタチ」では10回にわたって、大阪維新の会政策特別顧問の上山信一・慶応大教授と、大阪都構想に反対する森裕之・立命館大教授に質問に答えてもらった。質問は、大阪市大と府大の前で、府内に住む20歳以上の学生各50人ずつに聞いた、大阪の自治体の形に関するアンケートをもとにした。これからの大阪を支える学生たちの抱く疑問を解くことが、大阪の将来につながると考えたからだ。  連載の1~5回目では、都構想が打ち出された理由や、雇用や自治体財政、暮らしなどに及ぼす影響について聞いた。6回目では、区長を選挙で決める区長公選制、7回目では府県を統合する関西州の必要性を質問した。8回目は市営地下鉄、9回目は水道、最終回は大学について語ってもらった。  上山教授は「大阪の衰退を食い止めるには、改革の一歩を踏み出さなければならない。このままでは『座して死を待つ』ことになる」と、都構想の実現や地下鉄、水道の民営化の必要性などを説いた。  一方、森教授は「都に権限や財源を集中させても地域経済は活性化されない。地域内の産業を育てる地道な努力が不可欠」とし、行政区変更による周辺部の衰退や民営化による質の低下などのリスクを指摘した。  両教授の考え方は対照的だったが、大阪を取り巻く状況が厳しいという認識では一致していた。  読者の皆さんからも手紙やメールなどで意見を頂いた。「思い切った改革断行を」という声もあれば、「大阪は京都や奈良などと文化都市を形成すべき」との提案もあった。私自身、少子高齢化が進むとともに、東京一極集中が止まらない中、大阪をどのような街にしていくことが自分や子供たち、さらにその後の世代にとって幸せなのか、悩んでいる。  10日に知事選、13日には大阪市長選が告示され、いずれも27日に投開票が行われる。両選挙とも、大阪の自治体の形が最大の争点になりそうだ。候補者たちの議論が深まり、進むべき大阪の将来像が浮かび上がることを期待している。(南省至) "[he-forum 16623] V11/7"," 毎日新聞 2011年11月7日 東京朝刊 震災ボランティア:国立大4割、単位認定 「無償行為」抵抗感も--毎日新聞調査  東日本大震災の学生ボランティアについて毎日新聞がすべての国立大学にアンケート "[he-forum 16624] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.32 ニュースレター NO.32                     2011、11、7 公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)  次期学長選公示される   ーそして、今度こそ公正な学長選考の実現へー  高知大学の構成員の皆さん。裁判に注目している全国の皆さん。  11月1日(金)高知大学学長選考会議は次期(2012年4月~)学長選の 日程を発表いたしました。ご存知の通り、私たちは高松高裁において「高知大学 学長任命無効確認訴訟」の控訴審を闘っています。現学長の任命無効を求めた裁 判の結論が出る前に、「次期」学長の選考手続きが始まったということは「逃げ 切り」を許しつつあるということですから、私たちとしては慙愧の念に耐えませ ん。  別の見方をすれば、私たちがずっと求め続けていた「公正な学長選考」を今度 こそ実現する機会(多分最後の機会)が訪れたということでもあります。たしか に、「失われた4年間」はもう帰ってきません。しかし、明るく活き活きとした 未来ある高知大学を私たち自身が主体的に創っていくという強い意志を再確認し、 このチャンスを前向きに捉えたいと考えます。学生,職員,教員に支持され,こ れからの高知大学にふさわしい新学長を民主的かつ公正に選考するという私たち の長きに渡る運動を、今、成就させるときに来ているのではないでしょうか。  もっとも大事なことは、高知大学が生まれ変わり,明るい将来展望と明確な道 標を示し,私たちが目標に向かってがんばれること。そのリーダーとして、よも や「世襲」あるいは「院政のための傀儡」を樹立するようなことはないでしょう、 否、決してあってはならないことです。高知大学の未来のために。また、この大 学で学び、仕事をして本当に良かったと思える学生、職員、教員となるために、 今度こそ、公正に学長を選考し、私たちみんなが力を合わせて新生高知大学を創 造していける体制をつくろうではありませんか。 ■12・26 意向投票へ! 以下、今回学長選考について公表されたことを確認しておきましょう。  1 委員  学外委員4名のうち経営協議会から新たに選出されたのは宮村憲章氏(高知新 聞論説顧問)。それ以外の学外委員は前回(4年前)と同じく関裕司氏(ニッポ ン高度紙工業会長)、西山彰一(宇治電化学工業社長)、細木秀美(細木病院理 事長)の3名。    2 議長    従来は最年長者を議長に選出する慣例があったが、今回はなぜかそのやり方を とらず、小槻理事が選ばれた(最年長は脇口医学部長)。議長代行は桜井理事。  3 意向投票管理委員会  学部等から一名の委員であったものが学系から二名と改められた。  4 主要な規則改正点  「過半数」の定義:議長を含まないことが明記された   開票後の票の管理について明記された   期日前投票の条件が緩和された   学長選考会議の最終決定の際に学長選考会議による「候補者からのヒアリン グ」を行うことになった(極めて大きな変更点)  5 日程   公示                11・1   推薦依頼              11・2   推薦受け付け締め切り        11・28   期日前投票             12.9~22    意向投票              12・26    候補者からのヒアリング及び最終選考 12・27  残念ながら、意向投票の位置づけは、前回と同様「尊重して」ではなく「参考 にして」となっています。意向投票結果において、構成員の意思の現れ(得票数 の差)が顕著であればあるほど、選考会議はその結果を無視できず、「尊重」す る判断を行うと期待されます。また、そうすることで正に選考会議が学内外へ透 明性ある説明責任を果たすことができると考えられます。  現執行体制に終止符を打ち、新しい体制に変革することは決して簡単なことで はありませんし、勇気のいることでしょう。長期政権はマンネリ化します。ここ で勇気を出して現状を変え,私たち自身が高知大学の新しい未来を担い、開拓し ていくという決心をしなければならないと考えます。  12月26日には、構成員の断固たる意思を明確に示そうではありませんか! "[he-forum 16625] 神戸新聞11/7 神戸新聞2011年11月7日付 「納得できる就職」へ 大学支援も多様化   大学生の就職活動の支援に向けた動きが多様化している。セミナー情報や業種の選び方などを支援するキャリアセンターはここ10年で一般的になったが、雇用情勢に明るさが見えない中、外部のコンサルタントと協力して、模擬就活講座を開いた大学も。学生や保護者が求める「就職に強い大学」に向け、あの手この手で知恵を絞る。(黒川裕生) ◆コンサル呼んで模擬就活…甲南大  「配属はどのように決まりますか」「仕事で一番つらかったことは」  10月中旬、神戸市東灘区の甲南大学。大教室を埋めた200人の学生が次々と挙手し、壇上のキャリアコンサルタントに質問する。  3年生向けの5回集中講座「モギ就」の一こまだ。受講する学生は、講座用に作られたサイトに自身の情報を登録し、会社説明を経て、エントリーシート提出と実際の就活に沿った形で進む。適性検査、面接の回も設けられた。  この日は、OB訪問の際に評価されるポイントや注意点などを学んだ。「御社の中長期計画は」と尋ねた学生は「入社数年のOBへの質問ではない」と注意され、「女性の職場環境」を聞いた男子学生は「質問の意図が不明」と容赦ない批判を受けた。  モギ就は同大と起業や就労支援に取り組むコンサルが共同で初めて実施した。OBでもあるコンサルタントの本田勝裕さん(49)らを講師に迎えた講義は、授業というより就活のシミュレーション。教室には本番に近い緊張感が漂い「受け身ではあかんよ」「発言がないとそもそも評価のしようがない」など厳しい助言が飛んだ。  OB訪問の回で、話を聞く姿勢と表情を褒められた法学部3年の男子学生(22)は「友人に誘われて軽い気持ちで参加したけど、採用担当者にそんなところまで見られるなんて」とあらためて気を引き締めた。  同大キャリアセンターの秋山祐亮さんは「就活に熱中するあまり、学業がおろそかになるのではという懸念は当然あるが、スムーズに就職を決められるよう後押ししたい」と話す。 ◆学生自らセミナー企画…神戸大  「大学側の支援が不十分」として、学生自らが業界セミナーやOB交流会を独自に企画、運営する動きもある。2005年度に発足した神戸大学の学生でつくる「六甲台学生評議会キャリア支援企画室」だ。企業の人事担当者と交渉を重ね、10年度のセミナーには商社や銀行、鉄道など99社を招いた。  前代表で大手商社への就職が内定している法学部4年の松浦雄一さん(22)は「自分の就活は後回しになったが、やりがいは大きい」と話す。企画説明など企業の担当者とのやり取りの中で得られるものは貴重だったといい、「さまざまな業種の社会人と話すことができ鍛えられた」と振り返る。  同大にキャリアセンターができたのは07年。センター長で同大大学院国際文化学研究科の内田正博教授(63)によると、10年ほど前は就活支援という視点がなく、「実務は厚生課の職員1人」という状況だったという。  学生らの要望を受け、それまでゼミや学部単位などバラバラだった就職関連情報をまとめて学生に提供するキャリア支援を02年に開始。キャリアセンター開設後は、企業説明会や内定者交流会など、学内で行われる年間200ほどのプログラムを網羅している。  内田教授は「自分で納得のできる就活にしてもらうため、大学としても協力は惜しまない」と話す。 大学生の就職活動 文部科学省と厚生労働省の調査では、2011年4月1日時点の大学生の就職内定率は前年同期比0・7ポイント減の91・1%。1996年度の調査開始以来、2000年と並ぶ最低水準。雇用情勢が厳しい中、就職活動の長期化を是正するため、経団連が「倫理憲章」を改定。多くの企業が3年生の10月ごろから始めている会社説明会などの広報活動を、本年度から3年生の12月1日を開始日と定めた。 "[he-forum 16626] 朝日新聞11/7 朝日新聞 2011年11月7日20時56分 「教員免許更新制の凍結を」署名3万7千人分、文科省に  教員養成や研修のあり方を研究している東京学芸大の渡辺雅之教授らのグループが、教員免許更新制の凍結を求める現場の教員ら3万7789人分の署名を集 め、7日、文部科学省に提出した。東日本大震災の被災地の教員らにとって更新に伴う手続きなどの負担が大きいことや、被災地以外の教員も子どもの受け入れ や教職員派遣をしていることなどを挙げ、「制度継続は難しい」としている。  制度に反対して更新講習を受けず、東京都立六本木高校を今春退職した尾形修一さん(55)は記者会見で「資質の向上は研修ですればいい。真面目に仕事をしている教員を失職させる制度はおかしい」と訴えた。 "[he-forum 16627] V11/7"," 毎日新聞 2011年11月7日 東京夕刊 文科省:「5000人超、海外留学へ」 国際的人材を育成--来年度目標  世界で活躍する人材づくりにつなげようと文部科学省は来年度、5000人超の大学生と高校生を海外留学させることを目指し、奨学金 "[he-forum 16628] 中日新聞富山11/8 中日新聞富山版2011年11月8日付 県立大 知事が独法化意向表明 検討委初会合 年度内に報告書  各地の公立大が地方独立行政法人に移行しているのを受け、県立大(射水市)についても法人化の適否などを話し合う県の検討委員会(委員長・町野利道県経営者協会副会長)が七日、富山市新総曲輪の県民会館で始まった。石井隆一知事はあいさつで「地方独立行政法人化に踏み切る方向だと思っているが、いろんな意見をいただきたい」と述べ、検討委での議論を踏まえて法人化を目指す意向を表明した。(相馬敬)  県によると二〇一〇年度現在、全国の公立大七十九大学のうち五十七大学が法人化した。公立大学法人は役・職員が非公務員。資本金を自治体が出資するが、原則として企業会計を採用。中期目標・計画を公表した上で、業務実績の評価を受ける。効率的な運営や職員の意識改革などの利点がある一方、長期研究には不利といった短所があるとされる。  初会合では、大学や経済団体の代表らが務める委員が予算管理や意思決定機関の位置付けに関する質問を寄せた。北九州市立大、横浜国大での例を報告した両大出身の特別委員が「金の流れで行政的な判断がいらなくなる」などと回答した。  検討委は年度内にも報告書をまとめる。  県の行政改革委員会は八月、県に県立大の法人化を検討するよう提言している。 "[he-forum 16629] 毎日新聞11/7 毎日新聞2011年11月7日付 震災ボランティア:国立大4割、単位認定 「無償行為」抵抗感も--毎日新聞調査  東日本大震災の学生ボランティアについて毎日新聞がすべての国立大学にアンケートしたところ、約4割の大学が単位として認定していることが分かった。文部科学省は4月、ボランティアを授業の一環と認めることを通知して活動を後押ししたが、震災発生が年度末だったこともあり浸透しきれていない。また、これまでの地震で大きな被害に遭った地域の大学は単位を認める一方、「無償行為」に単位を認めるのはふさわしくないとみる大学もあり、対応は割れている。  アンケートは9~10月、全国86の国立大学を対象に実施し、埼玉大、東京芸術大、政策研究大学院大を除く83校から回答があった。  「単位として認めている」と答えたのは、今回の震災で大きな被害を受けた3県にある岩手大、東北大、福島大を含む32校で、83校の39%。阪神大震災(95年)に見舞われた兵庫県の神戸大と兵庫教育大、中越地震(04年)と中越沖地震(07年)があった新潟県の新潟大、長岡技術科学大、上越教育大も認定している。大半は、事前講義と30~60時間程度のボランティア、事後のリポートを組み合わせ、1~2単位を与える内容だった。  理由(自由記述)について単位を認定する大学の72%に当たる23校は教育的効果に期待。「自主性、積極性などの資質を養う」(長岡技術科学大)、「社会の一員であることを自覚し社会連携の理念について認識を深める」(鹿屋体育大)と答えた。  復興支援に言及したのは5校で、福島大は「ボランティア参加を後押しすることで被災地支援につなげる」、東京大は「社会的公共性を有する総合大学として復興支援は責務」と強調した。  単位認定しないとした51校のうち13校は「自発的行為に単位を与えるのは違和感がある」(宮城教育大)など、無償のボランティアと単位を結びつけることに抵抗があることを理由に挙げた。【遠藤拓】  ◇教育的意義ある  教育評論家の尾木直樹さんは「震災があった3月は次年度のカリキュラムが固まっている時期で、4割の大学が単位を認定していることは評価できる。来年度はもっと増えるのではないか」とみる。その上で「ボランティアの教育的意義を考えれば『授業にふさわしくない』との見解はアカデミズムに偏重し過ぎている」と述べた。 ==============  ◇ボランティア活動単位認定  <認める32校>  北海道教育大、弘前大、岩手大、東北大、秋田大、山形大、福島大、東京大、東京工業大、お茶の水女子大、茨城大、筑波大、宇都宮大、群馬大、千葉大、新潟大、長岡技術科学大、上越教育大、山梨大、信州大、富山大、名古屋大、滋賀大、大阪教育大、兵庫教育大、神戸大、奈良女子大、和歌山大、山口大、愛媛大、九州大、鹿屋体育大  <認めない51校>  北海道大、室蘭工業大、小樽商科大、帯広畜産大、旭川医科大、北見工業大、宮城教育大、東京医科歯科大、東京外国語大、東京学芸大、東京農工大、東京海洋大、電気通信大、一橋大、筑波技術大、横浜国立大、総合研究大学院大、金沢大、北陸先端科学技術大学院大、福井大、岐阜大、静岡大、浜松医科大、愛知教育大、名古屋工業大、豊橋技術科学大、三重大、滋賀医科大、京都大、京都教育大、京都工芸繊維大、大阪大、奈良教育大、奈良先端科学技術大学院大、鳥取大、島根大、岡山大、広島大、徳島大、鳴門教育大、香川大、高知大、福岡教育大、九州工業大、佐賀大、長崎大、熊本大、大分大、宮崎大、鹿児島大、琉球大  ※3校が未回答 "[he-forum 16630] ?V11/10"," (2011年11月10日 読売新聞) 震災被災者を対象 群馬大が入試料免除  群馬大学は8日、東日本大震災で被災した受験者を対象に、来年度の入学試験料を免除すると発表した。合格者の入学金や授業料につい "[he-forum 16631] 毎日新聞秋田 毎日新聞 秋田 2011年11月10日   秋田大と県立大は9日、秋田市で会見し、12年度から設置する共同大学院「共同ライフサイクルデザイン工学専攻」の学生募集を始めたと発表した。国立大と公立大の共同大学院設立は国内初めて。  同専攻は秋田大大学院工学資源学研究科の資源・環境・リサイクルなどの分野と、県立大大学院システム科学技術研究科の経営工学研究分野の双方の強 みを融合。環境負荷の低減、循環型社会の形成を担う人材を養成する。学生は指導教員によって主に学ぶキャンパスが変わる。学位は両大学名併記となる。  定員は秋田大12人、県立大5人。一般入試を中心に推薦入試や社会人特別入試枠を若干数設ける。【野原寛史】 "[he-forum 16632] 朝日新聞北海道11/8-10 朝日新聞北海道版2011年11月8日-10日付 【緑の丘で 小樽商大100周年】 (上)初代校長の魂 ■「実学 語学 品格」今も  1911(明治44)年2月。小樽に新設される官立の小樽高等商業学校(現・小樽商大)の校長は、東京からやってきた。  初代校長は、東京専門学校(現・早大)で英語を学び、東大で哲学を修めた倫理学者の渡辺龍聖。東京音楽学校(現・東京芸大)の校長時代には、作曲家の滝廉太郎を支えた。中国・清朝の袁世凱の教育顧問も務めた。  校長就任にあたり、渡辺には目標があった。  「清朝の顧問だった時、日本人商人のあくどい商売で日本産品の評判まで悪くなる実態を見た。それで信用を重んじる商業人を育てるという仕事を引き受けたのです」。「小樽商科大学百年史」を執筆した同大の荻野富士夫教授(58)は、そう説明する。 ■実業家も誘致に力  小樽高商は、民活で生まれた学校だ。函館との激しい誘致合戦の中、行政だけでなく地元の実業家も誘致運動を支え、土地も提供した。  11年5月の入学式に臨んだ第1期生は72人。後の1949年、旧官立高商で唯一、国立単科大学としての昇格を果たすまでの第一歩をしるした。  渡辺は「実学、語学、品格」を教育理念に掲げた。学校で「高商せっけん」を作り、銀行のカウンターを配した「商業実践室」と呼ばれる教室もつくった。  また英語、ロシア語、ドイツ語を教える外国人講師をそろえた。やがて「北の外国語学校」と呼ばれるようになり、敵性言語として英語追放の動きもあった先の大戦中でも、商業英語教育は続行された。  そのころの教育理念は、100年後の今でも商大に息づく。授業で小樽の町に出て調査をし、地域づくりの提言をするフィールドワークが活発なほか、語学面でも昼間コースの1年生全員に英語の「TOEIC」受験が義務づけられている。  同大の「言語センター」では英語やロシア語、ドイツ語に加え、フランス語、スペイン語、中国語、朝鮮語の計7つの外国語が学べる環境が整っている。 ■初の女性応援団長  大正時代に入ると、キャンパスには文芸・思想という個性も加わった。名古屋高商(現・名古屋大)の初代校長に転出した渡辺の後を受け、2代目校長に法学者の伴房次郎が就任したことが契機となった。  「伴校長自身、学問の自由を重んじたこともあって、道内の文科系の最高学府として高商にも自由な文芸や思想の風が吹き込んだ」と荻野教授。のちに作家となる小林多喜二や伊藤整が入学、キャンパスでは外国語劇がさかんになり、2人はフランス語劇を演じる舞台で共演した。  そうした伝統がいまも息づく小樽商大のキャンパスでは、少しずつ変化も起きている。  男女共学が始まったのは47年。最初は3人しかいなかった女子学生は、いまでは全学生数(2445人、院生を含む)の約3分の1を占めるほどに。そして創立100年を迎えた今年、バンカラで知られる応援団の第97代目応援団長に、2年生の牧香緒里さん(19)が女性として初めて就任した。  バンカラに「しびれて」入団したという。「女性が応援団長になれるようになったのは時代の変化。応援団も商大も、時代に合わせて少しずつ変わっていくのが当然だし、変わらなければ生き残れない」。牧さんはそう訴える。      ◇  小樽の街や海を見下ろす「緑ケ丘」と呼ばれる高台のキャンパスにある小樽商大が今年、創立100周年を迎えた。「伝統」を受け継ぎつつ、「新しい挑戦」を続ける北の小さな大学の姿を報告する。 (この連載は三木一哉が担当します) (中)同窓会の実力 ■強い絆 抜群の就職率  小高い丘の上に立ち、「緑ケ丘」と呼ばれる小樽商大のキャンパス。その名にちなんだ同窓会組織「緑丘会」の本部兼会館は、東京・池袋の高層ビル・サンシャイン60の57階にある。  1980年、緑丘会館がここに開設され、緑丘会東京支部が入居した。ビルのオーナー、三菱地所の当時の社長が緑丘会理事長の故中田乙一氏だったことが縁だ。2002年には小樽にあった本部も移った。眼下に東京が一望できる「特等席」は学生たちにも開放されており、企業の採用試験シーズンには商大生でごった返す。  「小さい学校なので、会社の中で学閥は作れないが、どこの会社へ行っても活躍している先輩がいる」。現在の緑丘会理事長で、元サッポロホールディングス専務の斉藤慎二さん(68)がこう話すように、商大の「就職力」には定評がある。それを強力に後押ししているのが緑丘会だ。 ■出世も給料も上位  毎年秋から冬にかけて、学内で開催される企業セミナーはすべて緑丘会が主催。道内企業だけでなく、東京や大阪に本社がある金融、商社など名の知れた企業も多い。参加料を取っているが、昨年度は約250企業が参加、そのほとんどで商大卒業生が働いている。  経済雑誌の大学特集でも、商大の「就職力」が見て取れる。週刊ダイヤモンド(06年9月23日号)の「出世できる大学」特集では、東大、一橋大、慶大、京大に次ぐ堂々の第5位。週刊東洋経済(09年10月24日号)の「大学別生涯給料ランキング」をみても、国立大の中では一橋大、東大に次いで3番目につけた。  就職難が叫ばれる中、昨年度の商大の就職希望者の就職率は約96%に上った。「学校の面倒見のよさと、就職率の高さは道内では抜きんでている。道内受験生の強い地元国立志向とあいまって、札幌の優秀な受験生が商大を選ぶ傾向は以前から変わらない」と河合塾の堀将一・前札幌校舎長(51)は解説する。 ■「全国区」に再挑戦  順風満帆に見える商大だが、課題も抱えている。かつてのように全国各地から受験生が集まりにくくなっているのだ。山本真樹夫学長(62)は「国立二期校だった70年代には、道外からも2、3割の学生が入学していたが、今は95%が道内の高校卒業者。うち札幌周辺の自宅通学生が6~7割を占めている」と話す。  このため、2008年から入試の東京会場を復活させたほか、今年4月には27年ぶりに学生寮を再建した。かつては「学生運動の巣窟」として大学当局と対立、結果的に「取りつぶし」となっていた。学生寮復活には、安い費用で生活できる場をつくることで、全国各地から学生を集めたいという狙いがある。  「たとえばキャンパスを歩いていて、関西弁も九州弁も聞こえた方が面白い。北海道という土地や風土の見え方も多様になる。異質なものが交じり合い、もっと切磋琢磨(せっさたくま)する大学にしなくては」と山本学長。地域に親しまれながら、全国区の学校としての存在感を示せるか。商大の挑戦は続く。 (下)社会人も学ぶ ■人材育て 地域に貢献  10月27日、木曜の夜。JR札幌駅前のビル3階にある小樽商大札幌サテライトの教室では、スーツ姿の大学院生が緊張した表情で「国際経営」の講義の英書講読発表に臨んでいた。  北海道ワイン(本社・小樽市)に勤務する阿部真久さん(37)。商大大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻(通称・小樽商大ビジネススクール=OBS)の社会人大学院生だ。小樽では土曜日の日中に講義があり、経営学修士号(MBA)が取得できる。  この日の講義はワイン業界のケーススタディーがテーマ。欧州の先行企業と南米やオーストラリアなどの新興国企業との競争を解説・分析した。  「ワイン消費の新興国・中国や日本ではどうなっているんだろう」「欧州ではオーストリアワインが安かった。欧州にも新興勢力があるのではないか」  担当の李済民(イ・ジェ・ミン)教授(54)や他の院生から、次々に質問や問題提起があった。講義を聴講したのはほとんどが社会人で、小売業や航空会社をはじめ異なる業界から集まった。 ■札幌一等地に開設  商大が札幌にサテライトキャンパスを構えたのは1997年。社会人を対象にした商学教育にニーズがあると考えた。2004年にOBSを開設。翌年に札幌駅前の一等地に移転した。  北海道大にはMBAが取得できる大学院はない。専攻長も務めた李教授は「経済学部を持つ北大のある札幌にサテライトを作ることができたのは、私たちが課題解決型の実学に強い大学だと文科省も認めたのだと自負している」という。  サテライトキャンパスではその北大との提携の動きも進む。北大大学院の保健科学研究院と農学院の修士課程は09年度から、商大のMBAを取得できる3年制のダブル・ディグリー(共同学位)を導入した。 ■地元定着してこそ  OBSで学んだ保健科学研究院の小笠原克彦教授(45)=医療情報学=は提携を推進した一人。「いろいろな産業の背景がある人が集まり、ITを使った遠隔地医療や地方病院の経営をどうするかといった問題意識も生まれた。この体験を自分だけのものにするのが惜しかった」  しかし課題もある。山本真樹夫・商大学長は「地元企業から来た院生は、引き続き元の会社や組織で活躍しているが、学部から進学した院生の就職先が地元に少なく、道外に流れてしまう」と打ち明ける。「地元の企業や機関にもっとOBSを知ってほしい。育てた人材が地元で活用され、定着してこそ、OBSにとっての地域貢献になる」  李教授も、地域密着の重要性を強調する。グローバルな視点を持ちながらローカルに徹することが、グローバル化を生き残る知恵につながると考えるからだ。「北海道を掘り下げ、活性化させる独自の方法論を出すことができるならば、次は地域ごと、国ごとの独特な消費や経済活動の特性も分析できるはずだ」  学生を魅了する大学づくりと、地域貢献。100歳になった北の小さな大学では模索が続く。 "[he-forum 16633] 毎日新聞北海道11/10 毎日新聞北海道版2011年11月10日付 道教育大:「学長選考は違法」 教員投票と逆、落選教授ら提訴  道教育大の学長選考手続きで教職員の投票結果が覆されたのは違法だとして、落選した神田房行教授ら教員11人が9日、同大と国を相手取り、学長任命の取り消しと慰謝料計200万円の支払いを求めて札幌地裁に提訴した。神田教授は提訴後に会見し「民主主義が求められる大学で、あってはならないこと。司法の判断を仰ぎ正常な形に戻したい」と訴えた。  国立大学法人法は、各大学の学長は有識者らによる選考会議で決定し、文部科学相が任命すると定めている。同大では5月、神田教授と本間謙二学長の2人が学長選に立候補。選考の参考にされる教職員間の意向投票では神田教授が250票を獲得し本間学長の208票を上回ったが、選考会議は本間学長の再任を決めた。  原告側は「選考会議は委員の過半数を学長が任命しており問題がある。投票結果を考慮せずに合理的理由がないまま再任したのは違法」と主張している。同大は「法律にのっとり適正に実施した」とコメントした。  03年の同法施行以前は、道教育大を含めた多くの各国立大学が教職員の投票で学長を事実上決めていた。このため最近の選考会議の結果を巡り、各地で同様の訴訟が起きている。【金子淳】 "[he-forum 16634] 河北新報社説11/10 河北新報社説2011年11月10日付 東北大総長選考/よりよい方式追求し検証を  震災でキャンパスが損害を被った東北大の新たな船出である。現総長の任期満了に伴う次期総長候補に、副学長の里見進・東北大病院長が選出された。  学内と学外委員12人でつくる「総長選考会議」が里見氏の学識経験、経営手腕を評価して決めた。任期は来年4月から6年間。東北の震災復興に真正面から向き合うことになる。  実学に根差した先端科学、産業界との共同研究、保健医療の提供だけでなく、社会科学や学際領域においても「知の拠点」が果たす役割は大きい。地域再生を推し進める社会貢献に力を入れたかじ取りを期待したい。  ここでは総長選任の在り方を考えてみる。国立大学法人化以降、選考会議が選ぶ方式が一般的になっている。かつては教員の投票で決めていた。  教員数の多い工学部、医学部出身者が有利で学内の総意を反映していないとの批判があった。一方で、過半数を得るまで何度も投票を行うことから切磋琢磨(せっさたくま)され、後に「名物総長」と呼ばれる実力者が残った側面もあった。  現在の方式にしたのは、経営能力など幅広い観点からの人材登用を重視したことによる。  選考会議は3月、経営面を審議する経営協議会と学術担当の教育研究評議会に対し、5人以内の候補者推薦を依頼した。7月、30人以上の連名による推薦を加えて計6人が名を連ねた。  1次選考(所信表明書など審査)で3人に絞り、最終的に里見氏に決めたというのが今回の流れである。  現行方式を導入した6年前、一部の教授らが選考過程の透明性確保を求めて署名活動を展開し、論議が巻き起こった。  外から見えにくく、偏った選考が行われかねないとの批判だった。この時の懸念は払拭(ふっしょく)されたのだろうか。  選考会議の顔ぶれをみると、学外委員は経営協議会から電力会社会長や東大教授ら6人、学内委員は教育評議会から6人が選ばれている。  経営協メンバーの任命権は総長にあり、執行部の意向が反映されやすいとされる。大学の担当部局は「学外の人を入れていることで透明性は確保されている」と否定するが、全く第三者的かというと疑問符が付く。  学内の意向を探るため教育評議会は7月、約2200人による投票を行った。投票と今回の選考結果は同一だったが、どの程度考慮したかについて選考会議の岸輝雄議長(独立行政法人物質・材料研究機構顧問)は「議論の中で得票の話はしなかった。終わってみたら結果が一致していた」と白紙で臨んだと説明した。  そうすると投票の持つ意味は何なのか。制度を複雑にしている一因で、総長選考が学内で人ごとのように冷ややかに見られていたことと無縁ではない。  以前の国立大は象牙の塔とやゆされていたが、現総長は強い権限を与えられ、トップダウン型だ。国際競争を勝ち抜くという大きな使命があるだけに、よりよい形で選ばれるための制度検証と発展的議論を望みたい。 "[he-forum 16635] 「労働法学習会」資料と「労働法の話し」をHPにアップしました。 みなさんへ 国立大学法人に移行してから、7年の時間が経過しました。 教職員の雇用と労働条件の問題に限定しても、いろいろなことがありました。 この冬には、国家公務員の賃金切り下げに連動して、国立大学法人の教職員の 労働条件にも重大な問題が発生するおそれがあります。 今回、深谷元委員長が、学内の学習会で配布し、過日開催された電通大と天文 台の合同学習会でも使われた「学習会資料」を、茨城大学の組合HPに掲載しま した。 また、航空産業の労働組合機関紙に連載した「労働法の話し」という記事も関 係資料として、紹介します。 航空産業で発生した問題を題材としていますが、 大学の教職員や労働組合とし ても考えなければならない問題が提起されています。 どうぞ、ご覧になって下さい。 「労働法学習会」資料  →http://www.ibakyo.or.jp/iincho/ronnbunn/ronbun9-mokuji.html 「労働法の話し」(航空産業の機関紙「フェニックス」に掲載)  →http://www.ibakyo.or.jp/iincho/ronnbunn/ronbun8-mokuji.html ご紹介した資料の「学習会」の次回開催予定もご紹介します。 ■深谷教授による学習会2011 第2回 「賃金切り下げの法律問題と団体交渉の法律問題」 ○日時:2011年11月26日(土) 13:00~17:00 (12:30受付開始) ○会場:国公労連会議室     (JR新橋駅より徒歩7分、都営三田線内幸町駅A3出口より徒歩3分)     東京都港区西新橋1-17-14     西新橋エクセルアネックス5F     http://www.kokko-net.org/kokkororen/img/map.pdf ○講師:深谷信夫 (茨城大学人文学部教授・労働法) ○参加申込み〆切:11月22日(火) ○参加申込み・問合せ:国立天文台 金子:keiko.kaneko@nao.ac.jp ==================================== 茨城大学教職員組合 〒310-8512 茨城県水戸市文京2-1-1 Phone/Fax:029-228-3060 e-mail:ibakyo@bd.wakwak.com URL:http://www.ibakyo.or.jp/ ==================================== "[he-forum 16636] 東京新聞11/11 東京新聞2011年11月11日付 大学の9月入学 伸び悩み!?  東京大学が「入学時期の在り方に関する懇談会」を設置して注目される大学の「九月入学」。優秀な留学生を獲得し、キャンパスの国際化を強化するのが狙い。四月入学が定着している日本で、九月入学の流れは加速するのか-。 (小形佳奈)  「二〇年までに留学生比率12%以上」「アジアとの人的交流拡大」…。東大が昨年、大学の将来構想としてまとめた「行動シナリオ」にはそんな目標が並んだ。目指すはグローバル化の実現。懇談会はその一環で、九月入学を含め年内に案をまとめる予定だ。  これまで、大学の九月入学はたびたび議論されてきた。最近では安倍晋三内閣で設置された教育再生会議が、二〇〇七年に全国立大学での九月入学枠の設定を提言した。〇八年度からは、「大学の学年の始期及び終期は、学長が定める」と学校教育法施行規則が改正された。これにより、学年の始まりを四月一日としていた原則がなくなった。  しかし、文部科学省によると、入学時期を四月以外に設けているのは、〇九年度で国立大八十六校のうち十八校、私立大は五百八十九校のうち九十三校にとどまる。  広がらない理由を、リクルートの大学経営者向け雑誌「カレッジマネジメント」編集長小林浩さんは「年二回の入学式と卒業式、カリキュラム、就職支援…。大学にとって負荷が大きいから」と分析する。  一方で、〇四年度に新設された早稲田大国際教養学部のように、九月入学の定員百五十人のうち九割が留学生や帰国子女というところもある。志望者の多い中国や韓国には面接官が主要都市に出向く。「大学側の費用負担は大きいが、そうまでしても早稲田から世界に羽ばたく人材がほしい」と森田典正学部長は話す。  学生を採用する企業の国際化の流れは顕著だ。日本に来た留学生や海外留学の日本人を対象とするグローバル採用が増えている。さらに「最近は、楽天やパナソニックのように海外の大学の外国人を採用するところも出てきた」と、リクルートの求人情報サイト「リクナビ」編集長岡崎仁美さんは解説する。  優秀な学生獲得のため、日本の大学も変わらざるを得ないようだ。「東大が動けば、他の大学や企業が変わるきっかけになる」と小林さんは話す。ただし、「介護や看護の分野で活躍する人材を育てる大学などがあってもいい。すべてが国際化に向かうのではなく、個性化・差別化が進むだろう」と見る。 ◆課題は入学前と卒業後  九月入学が実施された場合、課題となるのが高校卒業後から大学入学の九月までと、大学卒業から翌春の入社までの空白(ギャップ)期間。  秋田市にある公立大学法人国際教養大学は、開学五年目の〇八年度に「ギャップイヤー入試」を取り入れた。一学年百七十五人のうち十人前後を、センター試験とギャップイヤー活動計画書に基づく面接で選抜する。  十月上旬、同入試を経た十三人が英語で活動報告をした。札幌市出身の加藤早貴さん(19)は、十勝地方の農場に住み込みで働いた。「この入試に挑んだおかげで貴重な体験ができた。四月入学の同級生より遅れるのは気にならない」と話す。  こうした試みを後押しする動きも出てきた。青年海外協力隊事務局の青晴海次長らが発起人を務める「日本版ギャップイヤー構想勉強会」は、ギャップイヤー活動の内容を保証する認証機関の設置を提言する。  「学生は、面接で自ら企業に説明するしかない。認証システムは、企業の望む人材をマッチングする上でも役立つ」と青次長。政府や大学には活動期間中の学費免除を求めていくという。 "[he-forum 16637] 佐賀新聞11/11 佐賀新聞2011年11月11日付 佐賀大と鳥栖市が協定 地域医療、産業振興などで協力  佐賀大学と鳥栖市は10日、医療・福祉や地域・産業振興、教育・文化の3分野で連携する「相互協力協定」を結んだ。重粒子線がん治療施設、サッカー・J2サガン鳥栖などが立地する特徴を生かし、協力して地域振興を進める。  協定は大学の知的資源を活用し、地域や社会の諸問題を解決する地域連携の一貫。鳥栖市には、佐賀大が密接にかかわるシンクロトロン光研究センターや産総研、建設中の重粒子線がん治療施設があるほか、サガン鳥栖とも健康増進プログラムを進めてきた。  今回の協力締結で、さらに組織的な対応を深める。協力分野は①地域医療と福祉の向上②地域振興と産業振興の向上③教育・文化・生涯学習および人材育成。既に同大が全県的に展開している認知症サポート事業のほか、新たに古文書調査やスポーツを通した地域振興策などに取り組む。  鳥栖市役所で調印式に臨んだ佛淵孝夫学長は「地域とともに未来へ向けて発展する大学を目指す」、橋本康志市長は「より一層の協力関係を構築して発展させたい」と抱負を語った。  協定は、3年ごとに自動的に更新する。佐賀大と県内自治体の協定締結は6件目になる。 "[he-forum 16638] 北國新聞11/13 北國新聞2011年11月13日付 全アジアで大学連携を 金沢でフォーラム  金大創基150年記念「アジア5大学学長フォーラムin金沢」は12日、金沢市の県立能楽堂で開かれ、中村信一学長とアジア4カ国の学長が「『アジア文化圏』の現在と未来における大学の役割」をテーマに議論した。中村学長が「学問の力でアジアの未来の姿を描こう」と宣言すると4学長も賛同し、全アジアで大学連携を強化することを確認した。  各学長が基調講演で課題と展望を語り、金沢学院大の石田寛人名誉学長の進行でパネル討議が行われた。  中国・北京大の許智宏前学長は留学の意義を「バーチャルもいいが、リアルはもっといい。金沢に足を運ぶことで相手の考えが分かる」と強調。韓国・釜山国立大のキム・ドゥクジュル副総長は、新興国で大学教育の需要が増える一方、日本や韓国は供給が多いとして「需要に応える国際的なネットワークの構築がアジアの大学の急務だ」と指摘した。  ベトナム国家大ハノイのマイ・チャオ・ヌァ学長は金沢の歴史や文化をたたえた上で金大に「日本学」の協力を求め「両大学の学生と教員が学び合う共同キャンパスをハノイに設置しよう」と提案。タイ・チェンマイ大のポンサック・アンカースィ学長は「学生を留学させるだけではなく教員が一緒に学ぶことで平和なアジアになると信じている」と将来への希望を語った。  中村学長はあいさつで「このフォーラムを参加大学ひいてはアジアの大学すべての持続的な連携と発展の礎としたい」と強調した。  フォーラムに先立ち金沢能楽会の半能「石(しゃっ)橋(きょう)」が披露された。13日午前10時から、金沢市のしいのき迎賓館でアジア学生フォーラムin金沢が開かれる。 "[he-forum 16639] 読売新聞山梨11/13 読売新聞山梨版2011年11月13日付 ブランド力で地域発信 常秋教授が戦略作りなど解説  山梨大学と読売新聞甲府支局が共催する連続市民講座「育む~輝ける未来を拓(ひら)く 夢あふれる可能性に光を当てる」の第7回講義が12日、甲府市武田の同大で開かれた。教育人間科学部の常秋美作教授=写真=が「農林水産物の山梨ブランド~新学部『生命環境学部』の構想と挑戦」と題し、ブランドの意味や同大の新学部について語った。  「ブランド」と聞くと「高級品」「一流品」のイメージを抱きがちだが、常秋教授は「ブランドとは作り手が商品の差別化を図るための戦略」と説明した。  ブランドを作り上げる手段として、常秋教授は地域の特産品や発明などをブランド化する「地域ブランド制度」を紹介。「地名+品目名」を地域ブランドとして、組合法人が特許庁に申請する仕組みで、県内では「やはたいも」「甲州手彫印章」などが認められているという。  他にも種苗法、自治体や業界団体などが独自に設ける認証制度なども、ブランド作りの手段だというが、これらの制度について、「苦情の受け皿が不明確」「認知度不足」などの課題もあると指摘した。  同大で来年度設置される農業系の新学部「生命環境学部」では、農産物の生産だけでなく、ブランド形成手段の研究や経営管理を学ぶ学科も設けられる。常秋教授は「経営経済的感覚を持った人材、技術的な素養を持った経営者の養成にも貢献できれば」と新学部の目標を語り、締めくくった。  韮崎市竜岡町下條南割の韮崎高2年、石原匠さん(17)は「甲府鳥もつ煮など、最近、ブランドや認証という言葉を県内でも良く聞く。いろいろな文化が発達した社会だからこそ、今後、ブランドの考え方や知識は重要だと思った」と話していた。  次回の講義は12月17日午後1時半から、医学部の竹田扇教授が「ブドウと医学~身近な食物と私達のからだ~」と題して講演する。(第7回の詳報は18日に掲載予定です) "[he-forum 16640] しんぶん赤旗11/13 しんぶん赤旗2011年11月13日付 教育予算拡充を 宮本議員が筑波技術大を視察 茨城  日本共産党の宮本岳志衆院議員は11日、茨城県つくば市の筑波技術大学と防災科学技術研究所(防災科研)を視察し、関係者と懇談しました。  筑波技術大学は日本で唯一、視聴覚障害者のみを対象とした大学です。懇談した村上芳則学長は、全国の教育機関と連携してリアルタイムで講義内容を文字化する「モバイル型遠隔情報保障システム」を構築した実績や、同大学が国内の視聴覚障害者教育で中心的な役割を果たしている現状を紹介しました。  宮本氏は、国の予算から教育費が削られている現状を指摘。同大学の重要性にふれた上で、教育予算拡充の重要性を訴えました。宮本氏は、党の大学政策を村上学長に手渡しました。  防災科研では、職員や研究者らが、東日本大震災での被災状況を説明。東北地方で地震観測施設3カ所が被災したほか、全国の地震計など機器類のなかに「相場観として」耐用年数を超えたものがあるなどの問題点が明らかになりました。宮本氏は「国民のいのちと財産を守るための設備には、しっかりと予算を組む必要がある」と強調しました。  視察と懇談には、党つくば市議団の田中サトエ議員、改正充・党学術文化委員会事務局次長が同行しました。 "[he-forum 16641] 中日新聞11/15 中日新聞2011年11月15日付 名大大学院に創薬科学研究科を新設   名古屋大は来年4月に大学院創薬科学研究科(修士課程=博士課程前期課程、2年)を新設する。2年後には博士課程後期課程(3年)も設置する予定。名大にはこれまで、薬学系の学部・大学院がなかった。  研究科に置かれる専攻は基盤創薬学。薬学部出身のほか、理学、工学、農学部からも広く学生を受け入れる。定員は1学年27人。5月に文部科学省に設置を申請し、10月に認められた。  12月16~22日に願書を受け付け、来年1月19、20両日に入学試験がある。 "[he-forum 16642] 日本経済新聞11/15 日本経済新聞 2011/11/15 20:33 京大、来年の入試で監督者増員 「電波遮断難しい」  今年2月に入試問題がインターネットの質問サイトに投稿された事件を受け、京都大は15日、来年行う入試では試験場の監督者を増やし、巡回方法を工夫することを明らかにした。投稿に使われた携帯電話については、これまでと同様に電源を切った上でかばんに入れ、会場の所定の場所に置くという。  京都大は、事件を受け学内の教員で組織した「入学試験調査・検証委員会」を設置し対応策を検討。10月に結果を入試委員会に答申した。  この日、記者会見した淡路敏之理事は「電波を遮断するなど、さまざまな方法が提案されたが、実現の観点などから難しい」と話した。  このほか、募集要項に不正行為の内容を明示したり、受験票に受験のマナーを記載したりすることを新たに始める。〔共同〕 "[he-forum 16643] 朝日新聞11/16 朝日新聞 2011年11月16日12時2分 携帯管理、巡回増…入試「ネットカンニング」対策強化へ  京都大の入試投稿事件で今春発覚した携帯電話による「ネットカンニング」。来春の入試に向け、京都府内の大学は監督者を増やしたり、携帯電話を厳重にしまわせたりと対策を強化している。同志社大は、不正をすれば併願した他学部も不合格にすると決めた。  京都大(左京区)は15日、来春の入試では監督者を増やすなどの不正対策を発表した。記者会見した入試担当の淡路敏之副学長は「通信機器の急速な高度化ですべてに対応するのは難しい。受験生の良心に期待するが、不正行為が発覚した際には厳正に対処する」と話した。  2学部の入試問題が携帯電話からインターネットの掲示板に投稿された同志社大(上京区)。来春の入試要項には、新たに不正行為に関する項目を設けた。試 験時間中に他人から答えを教わる▽携帯電話や携帯音楽プレーヤーを身につける▽携帯電話の音を鳴らすなど、不正行為や不正とみなす可能性のある行為を10 件列挙。不正があれば「試験の中止・退室を指示することがある」「併願した受験のすべてを無効とする」と明記した。  また、試験教室の監督者は1人ずつ増員。携帯電話の取り扱いは、今春までは最初の試験科目を始める前に電源を切ってかばんにしまうよう注意していた。来春は試験科目ごとに机の上に出させ、一斉に電源を切ってからかばんにしまうよう細かく指示する。  さらに、試験中に教室を出る場合は受験番号や退出・入室時間を記録する。入学課の担当者は「性善説に立ちたいが、実際に不正があったのでこのような措置をとらざるを得ない」。  立命館大(北区)は、不正発覚後の3月入試から、教室から出る際に受験番号を控えるなどの対策を加えた。携帯電話は数年前から、電源を切ったことを監督者が確認してかばんにしまわせており、不正が発覚した場合は他学部の受験も無効としている。  佛教大(同)は、試験教室内の巡回を強化する。靴音が受験生の妨げにならないよう以前は控えていた。だが、不正発覚後の入試からは監督者の靴底をゴム製 にし、数人いる監督者のうち1人は見回るようにした。今月の推薦入試からは監督者も増員。大教室の使用は極力控え、目が行き届きやすくするという。  龍谷大(伏見区)は、教室内で監督者が互いの立ち位置を確認しあい、それぞれ巡回する範囲も決める。花園大(中京区)は今月の推薦入試から携帯電話への 対応を強化する。入試課の担当者は「受験生を信じる方向で考えるべきだが、やらざるを得ない」と話している。(筒井次郎) "[he-forum 16644] 朝日新聞11/18 朝日新聞 2011年11月18日9時43分 大卒予定者の就職内定率59.9% 過去2番目の低さ  来春卒業予定の大学生の就職内定率(10月1日時点)は59.9%と、文部科学省と厚生労働省が18日発表した。過去最低だった前年同期(57.6%) を上回ったものの、過去2番目の低さ。前年度は、最終的な就職率も過去最低の91.0%だった。文科省は「わずかに光が差したが、依然厳しい状況」として いる。  全国の国公私立大62校の4770人を抽出し、就職希望者に占める内定者の割合を調べた。就職希望率は前年同期より3.3ポイント増の76.9%。全国 の来春卒業予定者数(約55万人)にあてはめると、約42万3千人が就職を希望し、その4割にあたる約17万人が内定を得られていない計算だ。  内定率は、全国の6地域すべてで上昇した。北海道・東北56.9%(1.3ポイント増)、関東64.9%(3.9ポイント増)、中部55.9%(4.0 ポイント増)、近畿61.4%(0.9ポイント増)、中国・四国53.5%(0.5ポイント増)、九州52.6%(1.1ポイント増)となっている。国公 立は67.4%(4.2ポイント増)、私立は57.4%(1.6ポイント増)だった。 "[he-forum 16645] 京都新聞11/17 京都新聞2011年11月17日付 京都工繊大 次期学長候補に功刀氏  京都工芸繊維大は16日までに、学内投票による次期学長候補に、同大学の功刀滋(くぬぎしげる)教授(62)を選んだ。学長選考会議が投票結果などを踏まえて正式決定する。次期学長の任期は来年4月から3年。  江島義道学長(69)の任期満了に伴い、学長選考会議(議長・荒巻禎一京都府公立大学法人理事長)が次期学長の選考を進めている。教職員の投票による意向調査の結果、3人の候補者のうち功刀教授が有効投票の過半数を得た。  功刀教授は京都大工学研究科修了。京大助手、福井大助教授などを経て、1990年7月から現職。2004年4月から6年間、法人理事・副学長を務めた。 "[he-forum 16646] 読売新聞石川11/18 読売新聞石川版2011年11月18日付 靴脱いで 気軽に学べる部屋 北陸先端大図書館に開設  北陸先端科学技術大学院大(能美市、片山卓也学長)は18日、同大付属図書館の設備として、少人数が集まって学習や情報交換を行う部屋「ラーニング・コモンズ」=写真=を開設する。  「ラーニング・コモンズ」は、1990年代から欧米の大学図書館で使われ始めた言葉で、学生が共に学ぶ共有の場という意味。同大の設備は、「知人の知人が知り合える」ように、気軽に部屋を利用して情報収集や人脈を構築してもらおうと開設された。  87平方メートルの部屋は、勉強やディスカッションなどグループ利用を想定。靴を脱いで利用する形式で、机を自由に動かせるほか、イスはバランスボール形などユニークな形状のものを用意した。  図書館長の宮地充子教授は「大学に関係する人たちが、出会い、集い、学習・研究し、創造する場となれば」と期待している。  利用時間は、平日の午前8時半から午後10時まで。図書館と違い、軽食は可能。学外の人も利用できる。 "[he-forum 16647] 琉球新報社説11/21 琉球新報社説2011年11月21日付 大学院大学創立 科学の力で平和の要石に  「世界最高水準の科学技術に関する研究・教育」を掲げる沖縄科学技術大学院大学の創立式典があった。学術、経済などの分野で沖縄振興につながることを期待したい。沖縄の子どもたちにも大きな刺激になろう。来年9月の開学へ向け、県を挙げてその後押しをしたい。  式典で基調講演した米マサチューセッツ工科大学(MIT)のチャールズ・ベスト名誉学長は「研究系大学の目的は、『機会』を創造することだ」と語った。「機会創造」は、まさに大学院大学の設立目的を象徴する言葉だ。  復帰40年近くたっても経済的自立の課題を抱える沖縄が、大学院大学の創立をどう自立へ向けた機会とするかだ。千載一遇のチャンスに全力を尽くしたい。  技術系大学から新しい技術が生まれ、それに引き寄せられて企業が集積する。ハイテク産業が集まるシリコンバレーは、スタンフォード大学が産学協力の中心だ。シリコンバレーと並ぶ先端技術が集積するボストンは、MITが中心研究機関となっている。  大学院大学から流れ出る技術、人材、アイデアが、沖縄に多くの先端産業を呼び込む。その実現に向けて知恵を絞りたい。  ただ、成果を性急に求めることも禁物だろう。短時間で応用できる技術もあろうが、総じて基礎研究が花開くには時間がかかる。  ノーベル化学賞を2008年に受賞した下村脩・米ボストン大名誉教授の研究は、オワンクラゲから抽出された緑色蛍光タンパク質の化学構造の解明だった。下村氏自身が当初は「何の応用価値もない」と考えていた研究だったが、10年以上もたった後、その成果はバイオテクノロジーの研究にとって不可欠なものとなっていた。  ベスト名誉学長も講演の中で研究系大学がいつ、どのように地域経済を向上させるかは予測不可能として「忍耐が必要」とも述べた。期待しつつもじっくり待つ姿勢も問われる。  かつて琉球は「万国津梁(しんりょう)」に象徴されるように大海の荒波へ乗り出し、東南アジアとの交易ルートを切り開いた。沖縄戦の結果、基地が置かれ、軍事面で「太平洋の要石」とされているが、沖縄の歴史、県民性からしても軍事より「平和の要石」が似合う。大学院大学はその中核になり得る。科学技術をもって万国の懸け橋となることこそ、新しい時代の沖縄にふさわしい。 "[he-forum 16648] 山陽新聞11/20 山陽新聞2011年11月20日付 岡山大が中国の河南科技大と協定    岡山大は19日、中国・洛陽市の河南科技大と協力協定を結んだ。教員や学生を相互に派遣し、両国の文化や科学技術の発展に向けた共同研究などに取り組む。  河南科技大は工学や医学、経済学分野など26学部がある国立大で、学生数は約5万人。1996年から岡山大と制御工学、システム工学などの分野で個別に部局間協定を結んで交流していた。岡山市と洛陽市が81年に友好都市締結し、今年30周年を迎えたことを記念し、河南科技大が大学間協定を申し出た。  岡山大津島キャンパス(岡山市北区津島中)で調印式があり、森田潔学長と王鍵吉河南科技大学長が協定書にサイン。森田学長は「互いの大学の発展に努め、両国の友好関係を深めよう」とあいさつ。王学長は「研究者らを派遣し、理工学、医学などで岡山大のレベルの高い技術を学びたい」と話した。  岡山大の海外の大学との協力協定は66件目。中国の大学は15件目。 "[he-forum 16649] 産經新聞11/21 産經新聞 2011.11.21 15:00 奨学金、「本当に困っている家庭」に届かない? 子どもの大学進学による教育費負担で頼りの一つとなるのが、奨学金です。旧日本育英会の奨学金のお世話になった経験のある保護者も、少なくないと思います。ところが最近、家計に余裕のない家庭の子どもほど、奨学金を借りるのをためらう傾向があるという指摘があります。 経 済協力開発機構(OECD)(外部のPDFにリンク)の国際比較によると、主な国の高等教育における私費負担率は、韓国77.7%、日本66.7%、イギ リス65.5%、アメリカ62.6%、カナダ41.3%、フランス18.3%、ドイツ14.6%などで、OECD平均は31.1%です。フランスやドイツ の私費負担率が少ないのは、大学の授業料が原則として無料だからです。一方、アメリカやカナダなどは、返済の必要のない給付型奨学金などが普及しており、 保護者などの「家計負担率」だけを見ると、韓国52.1%、イギリス51.5%、日本50.7%、アメリカ41.2%、カナダ19.9%などとなります。 また、イギリスは近く奨学金制度の改革を予定しており、原則として全員に授業料分の奨学金を支給、一定以上の年収を得られた段階で返済開始、卒業後30年 で返済額にかかわらず返済終了、という制度を導入することにしています。OECDは、日本や韓国を「授業料は高いが、学生支援の仕組みが比較的整備されて いない国々」と分類しています。 これに対して、独立行政法人日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金(外部のPDFにリンク)は、有利子 奨学金が全体の約8割、無利子奨学金が約2割で、返済の必要のない給付型奨学金はありません。有利子の場合、たとえば月10万円の奨学金を受けて卒業後 20年間で返すとすると、貸与総額480万円に対して、返済総額は645万9,510円になります。さらに、現在では返済が遅れると、年利10%の延滞金 が加算されることもあります。大学関係者などの間では「これでは金融機関の教育ローンと同じで、奨学金とは言えない」と批判する声も出ています。 また、同機構の調査によると、2009(平成21)年度の延滞理由の1位は「本人が低所得」49.1%(前年度比9.5ポイント増)で、延滞者の 68.6%は年収200万円未満でした。世界的不況による就職難、雇用形態の変化による非正規雇用の増加などが、背景にあると思われます。 こ のため、家計に余裕のない家庭の間では、奨学金を諦めて進学を断念する子どもが増えているのではないかと懸念する声があります。返済の≪余裕≫がある家庭 の子どもが奨学金を受けて、余裕のない家庭の子どもが奨学金を諦めるということがあるとすれば、まさに本末転倒でしょう。 このような状況を 受け、文部科学省(外部のPDFにリンク)は、返済のいらない給付型奨学金を創設することを決め、2012(平成24)年度予算案の概算要求に2万 1,000人分の経費を盛り込みました。ただ、財政事情の悪化により、財務省などが反発することは必至で、給付型奨学金が具体化されるかどうか、予算編成 のゆくえが注目されます。 (提供:Benesse教育情報サイト) "[he-forum 16650] YSV11/20"," 産經新聞 2011.11.20 00:33 高校~大学で1人1042万円也 景気低迷…家計の教育 "[he-forum 16651] 日本経済新聞11/22 日本経済新聞2011年11月22日付 大学改革、産業界など交え協議体 文科省が来年 国際化や私大経営テーマに  中川正春文部科学相は22日の閣議後の記者会見で、「国民的議論を踏まえて新しい大学のあり方をくみ上げていける体制を作りたい」と述べ、現在の大学が抱える問題点や改革の方向性について議論する協議体を来年発足させる方針を明らかにした。産業界や研究者団体、小中高校関係者など幅広い層に参加を呼びかけ、大学教育の国際化や質の保証、効率的な運営体制などを探る。  大学改革はこれまで中央教育審議会で議論が進められてきた。中川文科相は「大学についてはここ数年で相当議論されてきたが、なかなか(具体的な改革として)動いてこない。もっと広範囲な形で議論を広げ、盛り上げていく体制を作りたい」と狙いを話した。  協議体は年内に構成メンバーなどを決定し、来年に議論を始める。検討結果を受け、文科相が中教審に具体的な制度改革案の作成を諮問することを検討する。  議論するテーマは国際化や教育の質保証のほか、社会が求める人材の育て方、研究体制、少子化が進む中での私立大の経営問題、国立大学法人運営費交付金の算定基準、法科大学院のあり方などを想定している。  既に中教審で議論されているテーマも多いが、中川文科相は「中教審の議論は進めてもらってよいが、もう少し総体的な議論の枠組みがほしい。様々な分野の方を巻き込んだ国民的な議論をしないと、政策や方向性をまとめても中身が動かない」と話した。  大学改革を巡っては、政府の行政刷新会議が21日に行った提言型政策仕分けでも達成目標などが不明確などとの指摘が出ていた。 "[he-forum 16652] 沖縄タイムス11/22 沖縄タイムス2011年11月22日付 知的産業集め経済発展を 沖縄懇話会  沖縄と本土の経済人でつくる沖縄懇話会の第22回総会が21日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザで開かれた。「沖縄科学技術大学院大学(OIST)との産業連携を模索する」をテーマにした基調講演やパネル討論で、同大初代学長のジョナサン・ドーファン氏は「産学官連携で沖縄に知的産業クラスターを形成し、自立発展、経済振興に貢献したい」と使命達成に意欲を示した。  パネル討論では知的産業クラスター形成について「技術ニーズがある企業と、研究成果のある大学との密接な関係が必要」「周辺教育機関、弁護士、知的財産の専門家の存在も欠かせない」など、各界の連携強化を課題に挙げた。  30年以上バイオ産業を取材してきた日経BP医療局の宮田満主任編集委員は、技術革新に乏しい日本の産業クラスターの状況を指摘し、OIST開学による変革に期待。「企業も競争力のあるOISTと連携して共同研究し、知財の所有のあり方についても新たな沖縄モデルを作ってほしい」と要望した。国内外の大学と共同研究を進めるダイキン工業の稲塚徹常務専任役員は「研究成果のビジネス化や知財の取り扱いなど、研究者をサポートするスタッフや仕組みも重要だ」と提起。  ドーファン学長も研究者と企業の関係性を産業化の鍵に挙げた。「相互に何ができるか考え、協力して商品化を市場に出す。前向きな取り組みを」と話し、企業を沖縄に引きつけるための行政側の協力を要望した。  同大学学園の竹内新也理事長補佐は「大学の知を沖縄の発展に活用するには県の主導的役割が必要だ」とした。  県企画部の川上好久部長は「産学協力の構築、知的クラスター化には時間がかかるが、新たな振興計画に位置付 けていきたい」と、経済振興策の一つに位置付ける考えを示した。 "[he-forum 16653] 河北新報11/23 河北新報2011年11月23日付 震災研究で連携協定 東北大とIBM、3年後にも成果報告  東北大と日本IBMは22日、巨大地震や津波のリスク評価や減災技術の開発などについて、連携して研究を進める協定を結んだ。仙台市青葉区の東北大片平キャンパスで調印式があり、井上明久東北大総長と橋本孝之日本IBM社長がそれぞれ協定書にサインした。  東北大と日本IBMは震災後、仙台市の津波浸水域予測や、大学の震災データ集などで共同研究をしてきた。協定を契機に(1)被害を最小に抑えるための対策(2)発生頻度が低い災害の分析(3)被災時におけるデータのバックアップと安全性の向上―などに取り組む。研究成果は公開する予定で、早ければ3年後に最初の報告がまとまる見通し。  調印後、井上総長は「東北大の研究に弾みがつく。当面は災害科学に力を入れるが、他の分野の研究も連携していく」と話した。橋本社長は「復旧から復興に向かうターニングポイントになると思っている。知見を使い、社会に貢献したい」と述べた。 "[he-forum 16654] 東京新聞茨城11/22 東京新聞茨城版2011年11月22日付 液状化、津波対策で連携 筑波大と潮来市  東日本大震災からの復興に向けて、筑波大(つくば市)と潮来市は二十一日、災害に強いまちづくりや産業振興について連携する協定を結んだ。同大が自治体と震災復興に関する協定を結ぶのは福島県いわき市に続いて二例目で、県内では初めて。近く神栖市、北茨城市とも結ぶ予定。  同大は震災後、地震や津波、防災の研究者らが、潮来市を含む県内各自治体を支援してきた。協定では民家二千五百十八棟(八月末時点)で確認された液状化被害への対策や市内への津波被害予測を同大が調査・研究することなどを想定。市民に震災後の生活をアンケートし、まちづくりの基礎データとして活用することも検討しているという。  調印式で山田信博学長は「東北三県と同様に甚大な被害を受けており、県内の大学として積極的に支援していく」と強調。松田千春市長は「液状化被害のあった住民には再び大地震が起きたら、また被災するという恐怖がある。筑波大の研究を液状化対策につなげたい」と期待を寄せた。 (松尾博史) "[he-forum 16655] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.33 ニュースレター NO.33                       2011、11、7   公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489) ■学長選2候補の一騎打ち  岡本和夫氏(学位授与機構理事)と脇口宏氏(医学部長)  11月1日(金)高知大学学長選考会議が次期学長選の日程を発表したことはす でにお知らせしたとおりです。翌11月2日には教育研究評議会、経営協議会、意 向投票有権者(20名以上の連署)に対して候補者の推薦依頼がありました。  これを受けて、11月17日の教育研究評議会において、投票による推薦候補者の 決定が行われました。上位三名までを推薦候補とするという合意に基づいて投票 が行われ、一位14票 二位9票 三位5票でした。上位三名の候補は 以下の 通りです。(アイウエオ順)   岡本和夫 (学位授与機構理事)   桜井克年 (総務担当理事)   脇口 宏 (医学部長)  三人のうち桜井氏は辞退し、岡本、脇口氏は受諾(岡本氏の受諾の意思は学長 が電話で確認)されましたので、教育研究評議会からは岡本、脇口両氏が推薦さ れることになりました。  脇口氏が学長候補の推薦を受諾したことで、学長選考会議委員の資格を失った ため、直ちに評議会選出の学長選考会議委員の補充選挙が行われ、川合研兒農学 部長が委員に選ばれました。  二人の候補者のうち岡本氏は本年7月9日に高知新阪急ホテルで行われた「高 知大学の未来を考えるパネルディスカッション」のパネラーの一人であったこと を憶えている方も多いかと思います。一方、前号でご報告したように、学長選考 会議の議長として最年長者の脇口氏ではなく小槻理事が選ばれている事実は、次 期学長選考に対する現執行部の意志を暗示しているように見えます。現在までに、 経営協議会及び有権者有志の推薦による学長候補者が明らかになっていないとい う不確定要素はありますが、有力な候補者としては、ほぼこの二人に絞られてく るのではないかと思われます。私たちは、公正な学長選考を通して明るい高知大 学を創生するため、現行体制のなしくずし的な延命とそれによる不透明な「院政」 を絶対に許さないという立場を貫き,今回の学長選考に真摯に臨みたいと思いま す。     ■おしらせ  twitter がはじまりました(学長選考を考える会)  教員有志による「学長選考を考える会」が発足し、twitterを始めたそうです。 本会にも案内が送られてきましたので以下に転載します。 ------------------------------- 「学長選考を考える会」のTwitterにご参加(フォロー/ツィート)を  学長選考の告示も出され、意向投票日も決まりました。  大学全体のことを考えてそれなりにニュートラルな構えで仕事をしてきた方は 多いと思われますが、この際、″つぶやいて″みませんか?いい機会じゃないで すか?    これまでの大学のあり方をふりかえり、また、この大学の未来を見つめて、最 初は少しから、緩やかに、時に鈍く、そして徐々に多く、強く、…いかがですか?  ″つぶやいて″みましょうよ。      ※すでにTwitterをしている方:   Twitter.comの検索でdaigakunomirai と入力してください。  ※Twitterは未経験な方(この文を書いている私も未経験でしたが簡単でした) :  Gmail やYahooなどでメイルアドレスを取っていただき、その後、Twitter.com のホームページで簡単な登録(新規登録)を行ったら、すぐに始められます。ホ ームページのTwitter.comの検索でdaigakunomirai と入力してください。  そして「フォロー/ツィート」してください。                      「学長選考を考える会」                   daigakunomirai@gmail.com                           2011/11/11 ------------------------------- "[he-forum 16656] 朝日新聞11/22 朝日新聞 2011年11月22日17時39分 法科大学院見直し協議会設置へ 文科相「廃止はせず」  中川正春文部科学相は22日の閣議後の記者会見で、新司法試験の合格率低迷や定員割れが問題化している法科大学院の見直しを含め、大学教育改革について話し合う協議会を設置することを明らかにした。  経済界や産業界、大学関係者のほか、大学の前段階にあたる小中高校の教員も含めた構成で、来年早々にも設置するという。  21日の提言型政策仕分けでは、大学改革の方向性として、国際通用力の向上の必要性、運営費交付金の算定基準の見直しなどが盛り込まれ、法科大学院につ いても「制度のあり方そのものを抜本的に見直す」とされた。中川文科相は22日の閣議後会見で「法科大学院の廃止は現時点で選択肢にない」と明言しつつ、 「仕分けの指摘や問題意識は良いと思う。改革が必要だ」と述べ、新たな協議会で秋入学の是非なども含めた幅広い議論をするとした。  文科相の諮問機関である中央教育審議会とのすみ分けについては「協議会で国民的議論を盛り上げ、そこでの論点や方向性を前提にして中教審でさらに議論してもらう」と述べた。 "[he-forum 16657] 中日新聞三重11/24 中日新聞三重版2011年11月24日付 起業の背中押します 三重大、個人にビジネス講座  三重大は今年から、県内で新規事業の立ち上げを目指す人を対象にしたビジネス講座「MIE起業道場」を開いている。大学が個別の起業支援に乗り出すのは珍しく、三重大は大学による新たな地域貢献活動として力を入れている。  道場は9月から12月まで10回の講座が予定され、期間前半は県内の経済人やコンサルタントを招いた講演を通じ、ビジネスの基礎を学んだ。後半は少人数のゼミ形式の講義を通じて事業計画をまとめ、卒業試験では銀行の担当者らが事業計画を実際の融資さながらに審査する。  18日から始まった後半のゼミでは、選考を勝ち抜いた20代から40代までの5人が出席。自ら考えた事業計画を発表し「もっと事業エリアを絞っては」「今の仕事の強みを生かすべきでは」など、互いに質問や意見をぶつけ合っている。講師役で、かつて大学発医療ベンチャー企業の社長を務めた西村訓弘・三重大地域戦略センター長も議論に加わり、計画のさらなる見直しを求めていく。  伊勢市でフリーマガジン発刊会社を経営する畑佑樹さん(28)は、大学主催という点にひかれて参加。新たな事業展開として、地域に根差した子育て支援サイトの開設を考えており「社内での議論はどうしても独り善がりになりがち。起業経験者や受講者と意見を交わすことで、新たな視点に気付かされる」と話す。  西村センター長は、大学が手掛ける起業支援について「大学は産学連携研究を通じて、幅広い企業とつながりがある。大学の蓄積とこうした関係を生かせば新しいビジネスの議論をする受け皿になりうる」と指摘する。  三重大は、国立大の独立行政法人化に伴い、研究や教育に加えて地域貢献の充実を掲げており、今回の起業支援もその一環。社会連携担当理事の武田保雄副学長は「三重大のような中規模の地方大学が発展するには、社会連携がカギ。地域経済の活性化に貢献することで、大学の魅力アップにもつながる」と期待している。  (加藤弘二) "[he-forum 16658] 毎日新聞11/25 毎日新聞 2011年11月25日 東京朝刊 大学院前期博士課程:修了要件に筆記試験  中央教育審議会大学分科会大学院部会(部会長、有信睦弘・東京大監事)は24日、大学院前期博士課程の修了要件に筆記試験などを導入する方針を決 めた。博士号取得者に幅広い専門知識を身につけさせるのが狙いで、現行の修士論文などに代替できるようにする。文部科学省は来年度から導入を図る。 "[he-forum 16659] 産經新聞11/24 産經新聞 2011.11.24 23:27 福島大の志願者大幅減 原発事故影響か 受験料免除も奏功せず  国立大学法人「福島大学」の平成24年度入学の推薦入試志願者数が、受験料が免除されているにもかかわらず前年度比で約2割減少し、編入学や学士 入学の志願者も半減したことが24日、同大学への取材で分かった。東京電力福島第1原発事故で、同大がある福島市は現在も、市内の放射線量が毎時約1マイ クロシーベルトと比較的高い値で推移しており、受験を敬遠した生徒が多かったとみられる。  福島大によると、センター試験を課さない「推薦 入試I」の24年度入学の志願者数は226人。23年度の267人から約2割減少した。また、他大学から移籍する編入学や、学位取得後に改めて入学する学 士入学の志願者(募集中の夜間主コース除く)も計88人と、23年度の181人から半減した。  福島大は学生確保に向け敷地内の除染を進めているほか、来年度の全入学試験で受験料の免除を決めている。 "[he-forum 16660] 岐阜新聞11/25 岐阜新聞2011年11月25日付 県と全26大学・短大、災害協定 知事「新しいモデルに」  県は24日、被災者支援のための施設の提供や技術、人材面の応援を盛り込んだ災害時の連携協定を大学、短大など県内に26ある高等教育機関と締結した。締結式が県庁であり古田肇知事と森秀樹岐阜大学長ら大学、短大代表の学長4人が協定書を取り交わした。県内の全ての大学などと災害協力の包括的な協定を結ぶのは全国初。  協定書に署名後、古田知事は「広大なキャンパスの提供や豊富な先生、学生らに支援いただける新しいモデル。各市町村との連携も強まる。効果的できめ細かな支援体制構築に努めたい」とあいさつ。森学長は「施設やノウハウ、人的資源を生かし県内大学が協力して県民のために支援できる体制をスタートさせることに意義がある」と述べた。  勝野眞吾岐阜薬科大学長、大西健夫中京学院大学長、藤井德行岐阜聖徳学園大短期大学部学長も臨んだ。  協定に基づき、25校が一時避難所、16校が防災ヘリの離着陸場、14校が支援物資の集積所として体育館やグラウンドといった施設を自治体に提供。18校が避難所への学生ボランティア派遣などに取り組む。8校はボランティアセンターを運営、9校は在留外国人向けに通訳ボランティアを派遣する。県民の意識啓発のため、6校が防災関連の公開講座を開く。 "[he-forum 16661] 佐賀新聞11/24 佐賀新聞2011年11月24日付 「20~25年かけ脱原発を」 吉岡九大副学長が講演  福島第1原発事故調査検証委員を務める吉岡斉・九州大学副学長が23日、佐賀市で「原発と日本のエネルギーの未来」をテーマに講演した。「国策で進められた原発には経済性の視点がない。建設から廃炉までトータルコストを考えれば、新増設は認められない」とし、老朽化した原発から廃炉していく20~25年かけた「脱原発」を訴えた。  内閣が設置した同検証委員会は12月に中間報告、来年9月をめどに最終報告をまとめる方針だが、吉岡氏は「事故の検証ができていないのに再稼働を認めたり、安全宣言を出すことは無理がある」とし、「再稼働は安全審査体制を再構築し、厳しい基準で判断しなければならない」と強調した。  委員会メンバーとして福島第1原発を視察しているが、建物の外観を見るだけで、放射能汚染の状況は大きく改善されてはいないとした。  講演会は国連女性会議に参加した女性らでつくる「北京JAC九州」が開催、約50人が聴講した。 "[he-forum 16662] 室蘭民報11/25夕刊 室蘭民報2011年11月25日付夕刊 室蘭で産学官「経営革新塾」開講―次世代担う人材育成を  グローバル競争に打ち勝つ経営力を身に付けよう―と、西胆振産学官ネットワークが主催する「次世代人材育成プログラム室蘭経営革新塾」の初講義が24日夜、室蘭工業大学を会場に始まった。  同ネットワークは室工大、地域共同研究開発センター、室蘭テクノセンターで構成。  室蘭のほか長野県諏訪地域の経営者、社員や職員、学生を対象に「経営力強化」を学んでもらう。室工大、法政大、信州大などの教員が室蘭、諏訪両市を結んだ遠隔双方向ライブ装置を使い、来年3月末まで12回の授業を実施する。  第1回講義は室蘭で30人が受講。講師の法政大・岡本義行教授が「TPPとビジネス環境の変化」について説明した。岡本教授はバブル経済崩壊後の景気低迷について「現在の財政赤字を解消するには経済成長が何よりの良薬だが、失われた20年間は経済成長がなかった」と、景気低迷から抜け出せない日本経済を分析した。  この後、漁業大国のノルウェーの現状について、水揚げ、養殖から加工、技術革新、研究など「他の産業と絡めた漁業を進めることで地域の雇用と所得を満たすことが出来ている」と指摘。人材の育成も重要であることを強調した。  これらを踏まえ岡本教授は「グローバルな競争力のある農林水産業への転換が必要。そのためには、クラスターを形成してイノベーションを促進させ、製造業やサービス業、大学や研究機関との連携が大切である」とまとめた。 (佐藤重伸) "[he-forum 16663] 薬事日報社説11/25 薬事日報社説2011年11月25日付 魅力ある4年制大学院設置を  2006年度から始まった薬学教育6年制が完成年度に達し、来春には第1期生が卒業する。それを受けて設置される4年制の大学院博士課程が、来年4月から新たに始まる。どんな人材をどう育成し、社会でどのように活用していくのか。大学関係者の関心が高まっている。  薬学部新設大学を含め大学院薬学研究科課程を持つ各大学は、4年制大学院の設置を随時文部科学省に届け出ている。一定要件を満たせば許可を経ずに設立可能だ。10月末時点で29校の届出が受理された。今後、9~12月分の届出が段階的に受理され、来年2月末には総数がはっきりする。基本的に対象大学の全てが届け出る見込みだ。  一方、新たに大学院薬学研究科課程などを設置する大学は、文科省の大学設置・学校法人審議会による審議を経る必要がある。10月24日にその答申が出され、国際医療福祉大学、高崎健康福祉大学、城西国際大学、帝京平成大学、愛知学院大学、同志社女子大学、就実大学、広島国際大学、崇城大学、九州保健福祉大学の計10校が、4年制大学院設置「可」と判定された。  現在、薬系大学は全国に74校存在する。03年度以降に薬学部を新設したのは28校。このうち07年度以降に新設した7校を除く21校は、要件を整備すれば12年度に4年制大学院を設置できたが、間に合うのは13校と見られる。総合すると、12年度は60校弱が4年制大学院を持つ見通しだ。  各大学によって違いはあるが4年制大学院では基本的に、ファーマシスト・サイエンティストなどと称される薬剤師の育成が主眼になりそうだ。臨床現場を拠点に課題を見つけて研究を行う。論文を書いて博士号を得て、専門薬剤師を目指すことになるのだろう。こうした人材は大学病院や基幹病院を中心に一定のニーズはありそうだ。  もっとも、「単に専門薬剤師を育てるだけではいけない。医師と対等に話すためにも基礎薬学をどう教えるかが大事で、それに根ざした臨床薬剤師を育てないといけない」との声も大学教員から聞かれる。まさにその通りで、各大学は充実したカリキュラム構築を急ぐ必要がある。  私立大学では同課程を経て、薬学教育6年制を担う大学教員になってほしいとの思いも強い。製薬会社では、研究開発部門や、メディカル・サイエンス・リエゾンと呼ばれる高度な学術部門などでニーズがあるかもしれない。行政機関などレギュラトリーサイエンス関連分野の人材養成を期待する声もある。  どんな人材を育成するにせよ、大学院に進む学生がいないのでは話にならない。各大学の定員は概ね5人前後。総定員数は200人以上と予想され、従来に比べ大きな変化はないと見られる。薬学部で6年間学んだ上、4年間の大学院に進みたいという優秀な学生をどれだけ確保できるかが、 今後の焦点になるだろう。 "[he-forum 16664] 産経新聞東北11/26 産経新聞東北版2011年11月26日付 宮城教育大学、次期学長に見上副学長  宮城教育大学の学長選考会議は25日、次期学長候補者に見上(みかみ)一幸副学長(65)を決めた。任期は平成24年4月から28年3月まで。見上副学長は神奈川県出身。東北大学大学院理学研究科修了、生物学が専門。 "[he-forum 16665] 総長への公開質問状の提出について(東北大) 全大教・高等教育フォーラム各位 全大教・単組ML各位 東北大学職員組合です。 過日は、全大教および全大教に結集する皆様から被災した組合員へ 多大なる救援金をいただきありがとうございました。 組合員一同大いに元気をいただいております。 さて、東北大学職員組合は、本日、東北大学井上総長に対して 下記の公開質問状を提出しました。ご参照ください。  **************************************************** 『井上明久総長のユニバーシティプロフェッサー就任および  北村副学長高額給与についての公開質問状』 http://tohokudai-kumiai.org/docs11/enq111128.pdf http://tohokudai-kumiai.org/docs11/enq111128.doc  **************************************************** ※全文は上記URL参照。以下、質問項目のみ紹介します。  詳細は本文をご覧下さい。 【1.被選考資格の無い者をユニバーシティプロフェッサー    として選考した疑いについて】 ・質問1. 貴職のユニバーシティプロフェッサー就任は   平成19(2007)年3月1日で間違いないでしょうか。 ・質問2. 貴職ご自身がユニバーシティプロフェッサーの   被選考者になることを知ったのはいつですか。    また、それはどのような経路で貴職に伝達されましたか。 ・質問3. 貴職がユニバーシティプロフェッサーに選考   された役員会はいつ開催されましたか。    また、貴職ご自身がユニバーシティプロフェッサーに   決定された経緯について、ユニバーシティプロフェッサー   の授与者であり、かつ役員会の長である総長としての立場   から、ご説明くださるようお願いいたします。 【2.総長のユニバーシティプロフェッサー就任による    職務専念義務違反の疑いについて】 ・質問4. 貴職は行政職のトップと教育研究に従事する   ユニバーシティプロフェッサーが併任できる職種だと   お考えですか。 ・質問5. 上述のように年間数十日にわたって教育研究活動に   費やした事実を鑑みてもなお、貴職は、自らが行政職の   トップである総長の職務に専念していたとお考えですか。 【3.一副学長に対する異常な高給付与の疑いについて】 ・質問6. 貴職は北村副学長の2009年度の給与が2000万円を   超えたことをお認めになりますか。    また、同2010年度の給与が2000万円を超えたことを   お認めになりますか。 ・質問7. 貴職が、理事や他の副学長と比べて明らかに高い   給与を法人の被用者であるにすぎない一人の副学長に   対して支給した理由及びその法的ないし学内規則上の   根拠をご説明ください。 ・質問8. 貴職は北村副学長の2011(平成23)年度の給与を   2010(平成22)年度の給与と比べて、人事院勧告の   レベルよりも更に下げましたか。 *********************************************************** 東北大学職員組合書記局  info@tohokudai-kumiai.org  http://tohokudai-kumiai.org/  内線 片平(91)5029 tel 022-227-8888 fax 227-0671 *********************************************************** ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","fuj-tanso@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","fuj-tanso@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16666] 毎日新聞11/25 毎日新聞 2011年11月25日 15時00分(最終更新 11月25日 18時52分) 大学入試:「総合型試験」導入を検討 学力低下懸念で  推薦入試やAO入試の増加で大学生の学力低下が指摘される中、大学入試センター(東京都目黒区)は新しい大学入学試験の導入に向けた研究を始め た。読解力や推論力・分析力を問う「総合型試験」の導入の可否を、4年後までをめどに検討する。この総合型試験の成績とともに、作文や面接といった推薦・ AO入試の結果を合わせて大学側が合否を判定できるようにし、大学生の学力アップを目指す。【澤圭一郎】  文部科学省がまとめた09年度の国公私立大の入試状況によると、大学学部の入学者数は59万7000人。このうち推薦入試やAO入試で入学した学 生は約26万1000人で4割以上、私立大に限れば5割に達する。大半は筆記試験を実施せず、面接や作文で合否を決める。こうしたことから学力の不足が指 摘され、大学によっては入学前に学力を補うための事前教育を実施しているところもある。  同センターは03年から10年まで、法科大学院の入試にあたる適性試験(マークシート方式)を作ってきた。グラフのデータを読み取って分析させた り、確率や組み合わせなどを問う「推論・分析力テスト」と、長文を読ませて読解力や表現力を見る「読解・表現力テスト」の2種類を8年にわたって作成・実 施してきた。  新しい総合型試験は、このノウハウを利用して作成を検討。秋に推薦入試やAO入試が実施されていることから、高校3年の夏前に大学が総合型試験を 実施し、面接や作文に加味することも視野に入れる。センターは今年度から始まった第3期中期計画に研究実施を盛り込み、15年度までかけて試行も含めて可 否を検討する。 "[he-forum 16667] 茨城新聞11/29 茨城新聞2011年11月29日付 筑波大と福島・伊達市、復興へ連携協定 被ばく対策に期待  福島第1原発事故による放射能汚染の被害を受けている福島県伊達市と筑波大学は28日、震災復興に向けた連携協定を締結した。協力事項は、科学的根拠に基づく先進的な健康づくりや放射能の汚染対策など。期間は2014年3月末まで。  同市と同大は07年から、健康管理を目的にした勉強会を通して継続的な協力関係にあった。同大は9月から、市内の仮設住宅に居住する飯舘村からの避難民の健康管理に取り組んでいる。  同市は今回の協定で累積線量の分析に基づいた住民の放射線対策などでの長期的な取り組みに期待を寄せる。線量の高いホットスポットを抱え、市内すべての乳幼児と小中学生の累積被ばく線量を調査、継続している。  つくば市天王台の同大本部で、仁志田昇司市長と山田信博学長が協定書に調印。仁志田市長は「放射能の問題は長く続くのではないか。中山間地での高齢者の健康管理の問題でも、ご指導いただきたい」と希望を表明した。 "[he-forum 16668] 岩手日報11/29 岩手日報2011年11月29日付 岩手大がエコで全国2位 協働の取り組み高評価  盛岡市上田の岩手大(藤井克己学長)は、エコ・リーグ(全国青年環境連盟)主催の第3回エコ大学ランキングで総合2位に輝いた。学生と教職員の「協働」による環境保全活動などが評価された。岩手大は3年連続で上位を獲得しており、けん引役を務めてきた学生らは今後の活動充実と継続に決意を新たにしている。  ランキングは、全国大学法人のエネルギー消費量や環境対策実施率、環境教育など全98項目をアンケート調査し、点数化。岩手大は1000点満点中538・1点で▽廃棄物や省エネ、省資源などに関する環境対策の実施▽大学と学生組織「環境マネジメント学生委員会」との協働体制-などが高く評価された。  同ランキングは大学の地球温暖化対策の活発化などを目的に開催。岩手大は、第1回で総合1位、第2回は同2位に入賞した。今回は全国167大学法人がアンケートに回答。総合1位は575・5点の名古屋大だった。 "[he-forum 16669] 西日本新聞11/29 西日本新聞2011年11月29日付 九大が新講堂 14年2月完成  九州大学は28日、福岡市西区の伊都キャンパスに新しい講堂を建設すると発表した。2012年11月に工事を着工し、14年2月に完成予定。大学の行事だけでなく、地域の学術芸術文化の拠点として位置付ける。  九大の計画によると、新講堂の床面積は9千-1万平方メートル。設計はJR日向市駅などを手掛けた建築家(東京大名誉教授)の内藤広氏。ホールの収容人数は最大約3千人。学長20+ 件・役員室やレストラン、ギャラリーなどを備え、環境にも配慮した施設にする。九大は学生数が多いため、入学・卒業式は学外施設を借りているが、完成後の卒業式から新講堂を使う。  記者会見した有川節夫学長20+ 件は「大学の本部機能の一部を新講堂に移し、学長20+ 件も伊都キャンパスに常駐する」と話した。  建設費は数十億円になる見込みで、三洋信販創業者の椎木正和氏(83)が個人で全額寄付するという。新講堂の名称は「椎木講堂」になる。 "[he-forum 16670] 長崎新聞11/29 長崎新聞2011年11月29日付 「国際医療センター」来月5日から稼働 長大病院で関係者が完成祝う  長崎大学病院(長崎市坂本1丁目)が整備を進めていたエボラ出血熱など危険性の高い1類感染症を治療する病床を備えた「国際医療センター」が完成した。1類感染症に対応可能な病床の設置は県内で初めて。12月5日から稼働する。  センターは旧精神科病棟(延べ床面積2238平方メートル、3階建て一部平屋)を改修。総事業費は約8億円。7月に完成予定だったが東日本大震災の影響で一部機材が調達できなくなり、3カ月遅れた。  1類感染症に対応できる「第1種感染症病床」は2床設置。室内の気圧を下げるなどし、外に空気が漏れない構造を採用している。このほか結核病床(6床)、一般の感染症病床(16床)、救命救急センター病床(19床)を設けた。若手研究者が感染症や被ばく医療を学ぶ施設も入る。  28日は看板除幕式があり河野茂病院長が「国際的な感染症に対応するのは不可欠な使命。これまで以上に高度な地域医療で県民・市民の役に立ちたい」とあいさつ。片峰茂学長は「センターは他大学にはない長崎大学病院の個性だ。大きな役割を担いながら発展させたい」と語った。病院関係者は完成を祝った後、センターを見て回った。  ◆ズーム/1類感染症  感染症は感染力や罹患(りかん)した場合の重篤度などを基に、危険性が高い順に1~5類に分けられる。最高の1類感染症はエボラ出血熱やペスト、ラッサ熱など7疾病が該当する。厚生労働省によると、1類感染症に対応できる「第1種感染症病床」を持つ医療機関は4月1日現在、全国に38機関(73床)ある。 "[he-forum 16671] 中国新聞11/30 中国新聞2011年11月30日付 広島大の「人材育成」が採択  広島大は29日、国際舞台で活躍できる人材育成プランを支援する文部科学省の事業「博士課程教育リーディングプログラム」に、同大が来年度始める放射線災害復興をテーマにした育成プログラムが採択されたと発表した。  文科省のプログラムは、国公私立の大学院博士課程の取り組みが対象。全国63大学から計101件の申請があり、13大学の計21件を採択した。広島大は初年度に上限3億円の支援を受ける。  同大が来春開設する育成プログラムは、福島第1原発事故などの放射線災害から人命、環境、社会を守る人材の育成を掲げる。医歯薬学、工学、教育学などを学ぶ大学院研究科の学生10人の受け入れを予定。福島県でのフィールドワークや国際原子力機関(IAEA)でのインターンシップを計画している。  この日、広島市南区の霞キャンパスで記者会見した浅原利正学長は「放射線に加え、防災対策などの専門知識を備えた新たな人材を育てる」と強調した。 "[he-forum 16672] 日本経済新聞11/30 日本経済新聞2011年11月30日付 次世代リーダー養成大学院に京大・阪大・慶大 文科省  文部科学省は29日、大学院で5年一貫の先進的な教育を行う「博士課程教育リーディングプログラム」の拠点として13大学の計21プログラムを選んだと発表した。産官学で国際的に活躍する次世代リーダーを育てる拠点校には京都大、大阪大、慶応大の3校を選んだ。  京大は来年度、大学院生10~20人が寮生活をしながら人格や専門知識を磨く新制度を開始。阪大は文系・理系の枠を超えて複数の研究室で学ぶコースを新設する。慶大は理工、医、政策・社会科学の融合教育を行う。  世界的に活躍する研究リーダーなどを養成する拠点には東京工業、名古屋、東京、山梨、広島など13大学の計18件を選んだ。支援期間は7年間で各校に最大で年間6億円の補助金が出る。  事業の初年度となる今年は63大学から101件の申請があり、採択率は21%。同省は来年度も新規の拠点校を公募する予定。 "[he-forum 16673] 読売新聞福井11/30 読売新聞福井版2011年11月30日付 福井大に無償貸与へ JR敦賀駅前ビル 原子力研究所来春、入居予定 「優遇しすぎ」の声も  福井県敦賀市がJR敦賀駅前に建設するビルに福井大付属国際原子力工学研究所(福井市)が移転する計画で、敦賀市は福井大から賃料を徴収しない方針を明らかにした。  建物を無償で貸す関連議案を12月5日開会の12月市議会に提出する。しかし、一部の市議から「優遇しすぎ」「賃料を取るべき」と反対の声が上がっている。駅前の一等地で、建物整備費など約20億円も全額、市が負担しており、行政がどこまで研究機関を支えるべきなのか、議論を呼びそうだ。(島田喜行)  同研究所は2009年4月、県の「エネルギー研究開発拠点化計画」の一環で原子力分野の教育・研究機能の充実を目的に福井大文京キャンパス(福井市文京)に開設された。現在、教員約30人、大学院生23人が研究活動をしている。日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」などの原子力施設があり、駅前の活性化にもつながるとして同年に敦賀市への移転方針が決まり、市は昨年9月からビルの建設を始めた。  鉄筋3階建て延べ約7000平方メートルで、総工費は用地費1億380万円、工費17億7000万円などを含めて約20億円。市は、この移転新築事業に合わせて、国から「高速増殖炉サイクル技術研究開発推進交付金」20億円を受け取っており、これを原資に総工費をすべて市が支払う。大学側は、引っ越し代や移転後の光熱費などを負担する。  ビルは12月中に完成する予定。福井大は名古屋大、大阪大、京都大との連携を視野に入れ、原子力防災も含め原子力について広範に学べる拠点を目指す。  しかし、破格の厚遇に、複数の市議から異論が噴出。ある市議は「一大学のために市が建設費などを負担し、さらに賃料も取らないのはおかしい」。別の市議は「市内の同規模の建物と比較しても、賃料は月に100万円以上するのは明らか。市の施設を市民が利用する場合でも、料金を取られる。市民が日常的に使う施設ではないのに、なぜ大学だけ優遇するのか」と批判する。  これに対し、市の担当者は「市が移転を要望した面もあり、費用を負担した。国の金で建てたので賃料をとるのはなじまない」「講演会を開くなど、よく考えれば、市民のための使用法もある。市民に十分還元できると思う」と説明。「福島第一原発の事故後、原子力の安全に関しての研究が重要視されている。敦賀市だけでなく、全世界にとって有益になる」と強調している。 "[he-forum 16674] 大分合同新聞12/1 大分合同新聞2011年12月1日付 大分大PRへ学長が“出陣”  大分大学は県内外の高校に北野正剛学長が出向いて直接生徒に語り掛ける大学説明会を始める。少子化が進む中でどの大学も優秀な学生の確保が重要課題になっており、学長がPRの先頭に立って受験者の掘り起こしを狙う。同大は学生の4割強を県内出身者が占め、県内の急激な少子化への危機感も背景にある。15日に岩田学園(大分市)で初めて開く。  岩田学園では中3と高校生(高3は希望者)を対象に、北野学長が1時間程度、各学部の概要を説明する。自身の専門分野で、国内最先端の治療を実践してきた内視鏡手術の現状も話す予定で、「医学部を含む大分大の魅力を伝えたい」と意気込んでいる。  県内の普通科校のうち大学進学率が高く、医学部や難関校への進学者も多い数校で開催を検討。県外では受験者を毎年10人前後送り出している長崎、鹿児島両県の離島の高校などでも開催を計画している。  大分大によると、今春入試の志願者総数4909人のうち、県内出身者は1801人。県内の18歳人口(国勢調査)は2010年に1万816人で00年より約3千人減った。今後も減少傾向が続き、「志願者数の低下に直結しかねない」と危機感を強めている。  大分大では講義の映像を県内各地の高校に遠隔配信するといった「高大接続教育」にも力を入れている。同大入学企画支援センターは「大学での学びについて高校生に理解を深めてもらうとともに、結果的に大分大を志す学生の増加につながることを期待したい。優秀な学生を県内で育てていきたい」としている。 "[he-forum 16675] 岩手日日新聞12/2 岩手日日新聞2011年12月2日付 ドクターヘリ基地建設へ安全祈願  2012年度からのドクターヘリの運航開始に向け、運営を担う岩手医科大は1日、基地ヘリポート・格納庫建設工事の起工式を矢巾町の同大矢巾キャンパス内の現地で行い、工事の安全を祈願した。工事は来年3月末までに終える予定で、来年度早々にも本格運航される見込み。  起工式には同大や工事関係者ら約50人が出席。小川彰学長がくわ入れするなどして工事の安全を祈った。  小川学長は「ドクターヘリが運航された暁には、県内の救急患者の迅速な広域搬送が可能となり、救命率の向上に大きく貢献できると期待される。震災で甚大な被害を受けた沿岸部を中心に地域医療の再生が急務だが、ドクターヘリはその一翼を担う大きな推進力となる」とあいさつ。小田島智弥県保健福祉部長も「県民待望のドクターヘリがいよいよ来年度から運航される。今後も連携を図りながら運航開始への取り組みを進める」と述べた。  建設されるヘリポート・格納庫は鉄骨造り平屋建て、床面積は430平方メートル。ヘリポートには融雪設備が付き、管理事務室のほか医師や看護師の待機室、地下燃料貯蔵庫なども備える。運航が開始されれば、同所に医師や看護師が常駐することになり、同大はそれぞれ7人程度ずつを対象に訓練を始めているという。  3月に完成後、試験運航を経て本格的な運航となる。当面は発進基地としての機能で、県高度救命救急センター(盛岡市内丸)に搬送する際には、盛岡東署屋上などを離着陸に活用する。同大附属病院や同センターは将来的にはヘリポートの隣接地に移転する計画(17年度末完成予定)で、より迅速な救命医療が図られる。  小川学長は「ドクターヘリが運航されれば、これまで片道2~3時間かかっていたのがわずか30分ほどで高度救命救急センターに到着できることになり、広大な面積を持つ本県の特殊性の中で果たす役割は大きい。地理的条件を解消できる」と語っている。 "[he-forum 16676] 日本経済新聞12/2 日本経済新聞2011年12月2日付 革新的創薬へ「様々な分野融合を」「大学の知財に磨き」 「日本を元気にする産業技術会議」 つくば市でパネル 【つくば】産業技術総合研究所が主催する「日本を元気にする産業技術会議」(後援・日本経済新聞社)は10月14日、ライフサイエンス分野におけるオープンイノベーションへの挑戦をテーマにパネルディスカッションを産総研(茨城県つくば市)で開催。オープンイノベーションを日本で促す方策などを議論した。 ■「大学の知財に磨きをかける必要」  湯元昇・産総研理事は様々な分野を融合する取り組みが重要とし、「分野融合には幅広い知識の結集が必要」と強調。産総研はライフサイエンスだけでなく幅広く、「オープンイノベーションの拠点として活用してもらえると思う」と訴えた。  大学の創薬シーズがなかなか産業に結びつかない問題などを語った永田恭介・筑波大学学長補佐室長は「オープンイノベーションを強く念頭に置きながら改革を進めている」とし、教員所属組織の変更を披露した。  一方、塚本紳一・アステラス製薬上席執行役員は外部パートナーと提携を進める同社の取り組みを紹介した。「一番大事なのはいかにニーズとマッチした提携相手を探せるか」とし、「非競争領域では広くアカデミアの力を借りていきたい」と積極姿勢を示した。  「大学の成果はまだシーズになっていない」と指摘する秋元浩・知的財産戦略ネットワーク社長はシーズを育てるインキュベーションの重要性を訴えた。さらに「大学の知財をもっと磨き上げる必要がある」とした。 ■大学は早期に事業主導に転換すべき  ベンチャー企業を通した大学シーズの商業化に触れた松田一敬・合同会社SARR代表執行社員は起業の重要性を強調するとともに、「設立3年以内に研究者主導から事業主導に転換しないとほぼ失敗する」と指摘した。  「ハコモノではなく、人のつながりを強化する必要がある」(湯元氏)など人の面も話題となり、「基礎研究者をたくさん雇うのではなくクラウド化させる」(永田氏)、「コーディネーターに企業の人間をもっと活用してもらうことも大事」(塚本氏)といった意見が出た。  また「米国ではベンチャーキャピタルの役割が大きい」(松田氏)、「日本が得意なところにリソースを本当にしぼっていかないといけない」(秋元氏)という指摘もあった。モデレーター(司会)は滝順一・日本経済新聞社論説委員が務めた。 "[he-forum 16677] 神戸新聞12/2 神戸新聞2011年12月2日付 金属材料分野で関西との連携促進 東北大    東北大学は、強みとしてきた金属材料の分野で、関西に集積するものづくり企業や大学との連携を強化している。地元の技術力を生かして実用化を早め、東北と関西の産業活性化を目指す。  産学連携の窓口となってきた「東北大金属材料研究所大阪センター」(大阪府立大内)を今春、「関西センター」に改編。大阪だけだった対象地域を兵庫や京都に広げた。  これに伴い、兵庫県立大と提携。同大大学院工学研究科(姫路市)内に分室を設け、教員2人が駐在。今後、同科の各研究グループと相互に協力し大型放射光施設「スプリング8」やスーパーコンピューター「京」の活用を目指す。  次世代材料として期待されるアモルファス合金など、東北大の研究分野に企業の関心は強い。センターは2006~10年度、中堅・中小を含む大阪の30社と共同研究し、44件の特許を出願した。また兵庫など関西企業からの技術相談は07年度の102件に対し10年度は400件に増えた。  センター長を務める正橋直哉教授は「東北への工場進出にも期待している」とした。同センターTEL06・6748・1023(クリエイション・コア東大阪内)(内田尚典) "[he-forum 16678] 毎日新聞福島12/1 毎日新聞福島版2011年12月1日付 東日本大震災:入学料・授業料を免除 福島大、被災者対象に全額  福島大(福島市)は30日、東日本大震災や福島第1原発事故などの被災者に対し、入学料と授業料を全額免除すると発表した。受験料については、既に被災の有無にかかわらず、全額免除を発表している。入戸野修学長は「支援するので、地域に貢献したいという若者たちにぜひ来てほしい」と話した。  対象者は、震災などで家計を支える人の家が半壊以上の被害を受けた人▽震災などで家計を支える人が死亡または行方不明になった人▽原発事故で設定された避難区域に居住し、避難した人。こうした被災学生の就学機会を確保するため、今年度も在学の被災者に対して授業料や入学金減免を実施。前期授業料は158人、入学金は5人が対象となった。  一方、放射線の影響を懸念する動きなどから、志望者の数は特に県外の学生で減少傾向にある。今年度のAO(アドミッション・オフィス)入試と推薦入試の志願者数は昨年度から37人減の計277人。進学塾などの調査でも、志望者が減少との結果が出ているという。清水修二副学長は「経済支援だけで学生を集めようというのではなく、魅力ある研究・教育が基本」と語った。【泉谷由梨子】 "[he-forum 16679] しんぶん赤旗12/2 しんぶん赤旗2011年12月2日付 大学院生が国会要請 学費年50万円・負債1000万円に 「負担の軽減・奨学金充実」  全国の大学の院生協議会・自治会でつくる全国大学院生協議会(全院協)は1日、文部科学省と財務省、各政党の国会議員に学費負担の軽減や奨学金制度の充実などを求めて要請行動をしました。  文科省に全国から30人以上の大学院生が集まりました。全院協の議長は、大学院生の実態をまとめた「2011年度大学院生の経済実態に関するアンケート調査報告書」などをもとに、年間50万円以上の学費負担で生活がアルバイト中心となり研究できず、ほとんどの院生が利用する貸与型奨学金が、学部学生時から利用すると総額1000万円近い負債となる院生もいることを示して、「多くの大学院生が経済的な問題や将来への不安で苦しんでいる」として私立も含め大学予算全体の拡充を求めました。  全院協は、国会で各党議員に要請を行いました。日本共産党は宮本岳志衆院議員が応対し、「異常に高い学費、特異な貸与型奨学金など世界的にも遅れている。教育に予算を使うことは、個人に使うのではなく、国の発展のためです」と述べ激励しました。 "[he-forum 16680] 室蘭民報12/2夕刊 室蘭民報2011年12月2日付夕刊 室蘭工大で本離れストップ願い「書評合戦」開催  若者の読書離れを食い止めよう―と、室蘭工業大学(佐藤一彦学長)情報電子工学系専攻博士前期課程・森田拓愛さん(2年)らが中心となり、読破した本の書評を互いに発表し合う「知的書評合戦 ビブリオバトル」を開催している。森田さんは「小説は会えない人に会えるし、作家の考え方に触れることができる」と読書の楽しさを口にする。  「知的書評合戦 ビブリオバトル」は同大・須藤秀紹准教授らがコミュニケーションの授業として数年前から始めたもので全国的な浸透をみせている。森田さんら学生4人がイベントの運営などを行っている。  バトルは発表者が自分の気に入った愛読書を読み込み、5分間でアピールする。それを聞いた出席者が発表者に質問したり議論の輪を広げながら、一冊の書物について感想を述べ合う。「発表を聞いた観客に「ぜひ読みたい」と思わせることができた発表者が“勝ち”となる。  森田さんは「本を通して学内の交流の場を提供して、学内の活性化を図りたい」とバトルを計画。これまでに同大学祭などで10回実施しており、約40人が発表している。本年度は1月下旬までに3回開く計画。  1日のバトルには学生や教員、社会人5人が参加。観客20人ほどが見守る中、参加者は「どくとるマンボウ青春記」「空想非科学大全」など、それぞれが愛読書を片手に本の内容を解説しながら、自分とのエピソードを交えて紹介していた。  森田さんは「今後も読書の面白さを知ってもらうためのイベントとして幅広い人たちに参加してもらいたいです」と話している。次回は19日午後6時から学生会館多目的ホールで開く。 (佐藤重伸) "[he-forum 16681] 日本経済新聞12/3 日本経済新聞2011年12月3日付 大阪知事、教育学部の新設検討 府・市立大一体化で  大阪府の松井一郎知事は2日、広域行政の一元化を目指し、府と大阪市の役割を見直すために新設する「府市統合本部」で、教育もテーマの一つとして協議する方針を明らかにした。大阪府立大(堺市中区)と大阪市立大(大阪市住吉区)の一体経営や教育学部の新設を巡る必要性や手法について、知事と市長、専門家が参加して検討する。  松井知事が幹事長を務める地域政党「大阪維新の会」(代表・橋下徹氏)は、知事選と市長選のマニフェスト(選挙公約)で府立大と市立大を1つの法人のもとに再編する方針を示していた。  松井知事は2日夜、「(両大学で)分散している部分を一緒にすれば力が発揮できるのではないか」と述べ、統合本部で協議する方針を示した。  統合本部での協議では、重複している事務部門などの解消を目指す考え。両大学には設置されていない教育学部についても、松井知事は「新設を検討する」と述べた。  一方、松井知事は教育現場への政治関与を明記した維新の教育基本条例案について、府議会には知事提案に切り替えて再提案する方針を示した。修正にも応じる構えだ。  維新の堺市議団も2日、堺市議会に教育・職員基本条例案を提出した。 "[he-forum 16682] 中日新聞長野12/3 中日新聞長野版2011年12月3日付 「女性研究者支援室」を設置 環境整備、能力生かす  信州大は、育児や親の介護などを理由に女性研究者が大学から離れるのに歯止めを掛けるため、学内に「女性研究者支援室」を設置した。長野市の教育学部に11月下旬、まず長野分室を開設。時期は未定だが、松本市の本部にも窓口を設ける。女性が安心して研究に打ち込める環境を整備するとともに、学外へ男女共同参画の重要性を発信する狙いがある。  信州大には、教授から助手まで1047人の研究者が在籍し、うち女性は125人で11・9%にとどまる。比率は国立大86校のうち65位と低く、女性研究者を支援するための文部科学省の本年度事業に応募し、採択された。  支援対象は、妊娠しているか小学生までの子どもや要介護者を抱える女性研究者と、妻が学内外を問わず研究者である男性研究者。研究の負担を軽減するため、希望者にデータの入力や整理作業を行う大学院生のアシスタントをつける。  また、研究者を志望する各学部や大学院の女子学生・院生を対象に、専門スタッフが今後の進路の相談に応じる態勢も整え、目標実現を支援する。  大学の男女共同参画に対する取り組みや考え方は、ホームページなどを通じて発信していく。  これまで、女性研究者が大学を離れた後、育児などを終えて復帰しようとしても、日進月歩の研究の進展についていけず、あきらめるケースもあったという。支援室長に就任した松岡英子教育学部教授は「男女共同参画を組織的に推進し、誰もが能力を生かせることが目標」と話した。  (酒井博章) "[he-forum 16683] 釧路新聞12/3 釧路新聞2011年12月3日付 公平な学長選を/釧路市  北海道教育大学の学長選挙で教職員の投票結果を無視し現職を再任させたとして今年11月、落選した同大釧路校の神田房行教授(62)らが、国と同大を相手取り、任命の取り消しと慰謝料を求める訴えを札幌地裁に起こした。これについて、神田教授ら原告団は18日午後4時から、釧路市生涯学習センターで、市民向けの報告会を開く。神田教授は「選挙結果をひっくり返そうとは思わないが、今後のためにも非民主的で不透明な学長選挙を正常化したい」と話している。訴状によると、同大では今年5月、学長選挙を行い、教職員による意向投票の結果、有効投票数458票のうち、現職の本間謙二氏が208票だったのに対し、神田教授は250票と過半数を占めた。しかし、その後の学長選考会議は両者を面接した上で、本間氏を学長に選んだとしている。 "[he-forum 16684] 朝日新聞12/5 朝日新聞2011年12月5日付 法科大学院をたたけばいい?「大学版」政策仕分けの波紋  政府の行政刷新会議による提言型政策仕分けの大学版が11月21日に東京都内であった。今回の仕分けは、従来のような無駄や非効率の指摘に加えて、政策的・制度的な問題に掘り下げた検討をした。政府の進める政策に対して改革の視点を国民と共有しようという考えのようだ。その結果を来年度の予算編成だけでなく、各省庁の中長期的な政策にも反映させようというねらいがある。 ●往時の熱気も冷めて…  大学をテーマにした仕分けの論点は最初から決まっていた。「日本の大学は世界に通用するのか」「日本の大学は多すぎるのか」「大学は人材を育てられるのか」「大学はどのように改革すべきか」の4点。  民主党政権発足以来のこれまでの事業仕分けには会場に足を運んできたので、今回ものぞいてみた。これまではいい席を確保するためかなり早めに行ったが、今回は開催時間ぎりぎりになった。それでも、会場の一般傍聴席は空席が目立ち、座ることができたのは回答者の文部科学省幹部が並ぶすぐ後ろの正面。もっともやりとりが見渡せる場所だった。もちろんインターネットの動画配信が普及しているからでもあるのだろうが、行列をつくってようやく満員の席にたどりついた過去の仕分けの熱気は完全に冷めていた。  国会議員や民間の評価者はもっぱら質問役で、参考人として京大総長と早大前総長が出席してコメントした。また、予算編成の面ともからむこともあって、財務省の担当主計官も発言した。 ●「最後の聖域」主計官が苦言  「世界に通用するのか」というテーマでは、英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)のランキングで東大がアジアのトップながら世界の30位、京大の52位を含めて100位以内が2校という結果をもとに、国際競争力の有無や、世界の大学との財務体質の比較などがされた。  ランキングについては、指標次第で順位も変わり、日本の大学の実力を正しく反映していないのではないか、という冷静な声が少なくなかった。ただ語学力を中心に、グローバルな人材育成に日本の大学が力を注いでいるのか、またその計測評価が十分ではないのでは、との指摘も強かった。財政基盤などは、各国の制度で大学にどの程度公的資金を投入しているかなどで濃淡が出るが、むしろ国際的な人材育成の観点から日本の大学教育への評価が低かったといえそうだ。なお、このテーマの「国際的な通用力の向上」については「大学による自己改革によってその実現を図る」という当たり障りのない提言になった。  このやりとりのなかで注目されたのが、財務省担当主計官の発言。「財政難なのに教育経費が増加している。国際的に見ても日本の公財政支出は少なくない。論文も書かず、教育もしない人の生活費に回っているのではないか。少ないのではなく配分の問題だ。最後の聖域ともいえる。これだけ予算を拡充しているのに、国際競争力が低下している」と強い口調で主張した。すぐさま司会が「主計官が仕分け人みたいだ」と言って会場の笑いを誘った。 ●ロースクール巡り激論  続いて活発な議論が交わされたのが、法科大学院の問題だった。  すでに法曹全体の目標人口は当初よりもかなり絞り込まれている。大学院によっては司法試験の合格率が相当低いところもあり、格差がつき始め定員は削減されるようになっている。しかももともとは他分野からの大学院入学を想定していたのが結果的には法学部からの学卒が入るようになるなど、大幅に当初設計は崩れている。目標の司法試験合格者のボリュームについてはある程度共通認識があったのに、条件さえ満たせば法科大学院の参入を規制緩和のなかで認めてきた、という出口と入り口の量的規制の不適合もあって、大学関係者や司法関係者の間では、法科大学院の制度的破綻は常識になっているほどだ。  国会議員の評価者が次々と文科省に質問し始めた。  「3千人という法曹要請目標が間違っている」「手段も間違った」「今はカネを持っているひとしか受けられない」「法曹を目指す人も減る悪循環、一刻も早く辞めるべきだ」「法科大学院は失敗だった」「法科大学院は教育効果が出ていないとはっきりしている」「これは明らかに失敗。誰にとっても不幸な仕組みだ。抜本的に統廃合などに踏み出すべきではないか」「どれくらい減らすのか。何校減らすのか」  これに対し、文科省幹部は「法科大学院は、平成22年には年間3千人の合格者を目指す、との閣議決定があり、そういう制度設計で出来ている。しかし現実は2千人」「中央教育審議会で法科大学院を扱う委員会がある。入学定員は5800人から4500人に絞った。規模を絞っている」「法務省を中心に文科省、財務省、総務省でフォーラムをつくって検討している。法曹養成のあり方は先月から議論を始めている」などと答えた。 ●「仕分け」の意義は?  かなり激しいやりとりだったが、評価者側に対して疑問があるのは、この問題はすでにさまざまなところで指摘されていたことで何もここでの議論が初めてではなく、スピード感の問題はあるが文科省と法務省で対策を進めている最中のテーマだということだ。そのうえ、評価者の政治家が文科省に統廃合を迫ったところで、文科省が有無を言わせず「わかりました、統廃合しましょう」といえばそれこそ大学の自治に対する権力の乱用というものだろう。政治家はそういった基本をどの程度理解しているのだろうか。政治家がそこまでいうのなら、たとえば自分の選挙区に司法試験の合格率の低い法科大学院があれば、自らの力で政治的に問題を解消してはいかがか。単純にそれができないからこそ、この問題は根が深い。  しかし、結局この問題も提言としては「法科大学院制度を抜本的に見直すことを検討する」ということになった。これも、当たり前といえば当たり前のことだろう。  提言型仕分けには波紋があった。仕分けを受けて中川文科相が、中教審、産業界、一般の国民も含めた幅の広い議論が必要として、大学改革の協議体を年内に設け、議論を年明けから始めたいと記者会見で話した。年末までに人選し、年明けから本格的に議論するという話も出ている。また、12月1日の中教審大学分科会でもこの仕分けが報告された。出席していた委員からも政治家に対して強い批判の言葉が出ていた。  この仕分けも政策形成過程のなかで予算編成などの参考として使われるのだろうが、今回本筋の政策に踏み込んだことで国会の議論そのものが空洞化する恐れもあるうえ、役所をたたいてみせるパフォーマンスとしての色彩がさらに強くなっている。そのことを割り引いて考えなければならない。 "[he-forum 16685] 読売新聞福島12/5 読売新聞福島版2011年12月5日付 復興事業に福島大12件 国立大協採択 農地回復研究など  全国86の国立大学が加盟する国立大学協会の「震災復興・日本再生支援事業」で、福島大が申請していた12件が採択された。福島大は、農地回復の研究や子どもたちへの支援ボランティアといった活動などを行う。  同事業は、各大学の特色や専門分野を震災復興に生かしてもらおうと新設。国大協が今年度から3年間、1件あたり年額100万円を上限に最大で事業費の半額を補助する。  9月から募集を始め、全国45大学から計128件の申請があり、選考の結果、33大学67件が採択された。福島大は、13件を申請し、全採択数の2割近くにあたる12件が選ばれた。  採択された主な事業は、原発事故・放射能汚染に対応した産業復興支援と情報共有化(経済経営学類・小山良太准教授)、子どもの心のストレスアセスメント(影響評価)(共生システム理工学類・筒井雄二教授)、牧草地や野良牛の放射性物質の分布調査(同・難波謙二教授)など。  福島大はこれまでも、放射性物質の影響調査や学生によるボランティアなど様々な活動を行っており、同大は「福島の震災復興に向けた活動を継続的に取り組んでいきたい」と話している。 "[he-forum 16686] ??12/6"," しんぶん赤旗 2011年12月6日(火) お金心配せず学びたい 大学教職員・学生ら 国会議員に要請  大学と高等専門学校の教職員・関係者が5日、国会内で共同集会と国会議員への要請行動を行いました。国・公・私立、常勤と非常勤の枠を超え高等教育の教育、研究、医療の充実を求めました。大学教職員、学生、首都圏の非常勤講師など10団体、約50人が参加しました。  行動では、▽来年度予算の編成にあたり、大学の基盤的経費の増額、給付型奨学 "[he-forum 16687] 日本経済新聞12/6 日本経済新聞2011年12月6日付 地域医療の担い手育成 知を拓く 旭川医科大(1) 卒業生の5割、道内定着  道内各地で深刻化する医療過疎。旭川医科大学はこの現実に真正面から向き合い、遠隔医療など先端医療の導入・強化や、地域の医療人材育成のための入試改革などに取り組んでいる。大雪山系の山々を望む北の大地に根を下ろして38年。問題解決は一朝一夕にはいかないが、地元には「数年後が楽しみ」といった声も聞かれ始めた。  「自分1人では何も変えられないんじゃないか」。ある晩、野津司准教授の研究室を北見市出身の1年生の男子学生が訪れた。「地域医療に貢献したいと考え旭川医大に入ったが、改めて現実を見ると……」。しばしの沈黙の後、野津准教授は口を開いた。「それでも一人ひとりがコツコツとやっていくしかない。大学はそういう医者をしっかりサポートしていく」 ■「現場」を必修に  旭川医大は今、地域医療の担い手育成に力を入れている。野津准教授は斜里町国保病院から招いた地域医療教育の“切り札”だ。昨年開講した「地域医療教育学」は1年生必修で、地域医療の現実や課題を学ぶ。6年生の必修となる地域医療実習も来春始動。各自が2週間、名寄市立や遠軽厚生など9病院で“現場”を学ぶ。全員に病院での実習を積ませるのは道内では旭川医大だけ。通常の臨床のほか、救急医療なども体験する計画だ。  ある病院に意識不明の高齢女性が救急搬送されてきた。通常は心臓か頭の異常を疑うが、担当医は患者の冷や汗を見て血糖値を測った。24。低血糖だ。急ぎブドウ糖を注射し、患者の意識が戻った――。最前線の病院では自分1人で判断を下さなければならない局面も。「地域医療は大変だが、その実態を知った上で“やりがい”に気付いてもらう教育を目指す」(野津准教授)  卒業生の道内定着率向上に向け、道内出身者の取り込みにも積極的だ。2008年入試では、卒業後に道内で研修することが前提となる推薦入試「地域枠」を10人設けた。09年には面接が主体のアドミッション・オフィス(AO)入試で「地域枠」を導入。11年入試では各種「地域枠」の合計が定員122人中55人と比率で全国一となった。一般入試と合わせた道内出身者は99人に達する。  今春の卒業生の道内定着率は50%。道内出身者の比率が31%だったことからすれば評価できる数字だが、医療関係者は「地域枠の学生が卒業し始める数年後が楽しみ」(旭川高砂台病院の恩田芳和院長)と話す。 ■高校生にPR  「医者を目指す多くの仲間に出会い、刺激を受けた」と話すのは旭川東高2年の真口遼香さん。この夏、医学部を目指す道立高生91人が3泊4日を共にした道教委のメディカル・キャンプ・セミナーに参加した。  このイベントにも旭川医大は積極的にかかわる。4年目の今年は吉田晃敏学長の講演や「図表で考える北海道の小児医療」と題した実習を展開。「高校生への動機づけとして今後も協力する」(西田政利入試課長)  もちろん、若い医者にすべて任せて犠牲になってもらうような仕組みは間違っている。野津准教授も「地域に特化する医者を育てる考えはない」と言い切る。地域で働いた後に大学に戻る道を整えるなど、地域と真剣に向き合おうとする医者がきちんとキャリア形成できる仕組みが必要だ。 ▼教官、北大出身が4割  道内への医大誘致は1971年度の道開発予算に調査費がついたことで本格化した。積極的だったのが旭川、釧路、深川、帯広、函館の5市。釧路は「無医地区の45%が道東」と訴えたが、青年会議所を中心に14万人の署名を集めた旭川に決まった。  当時、山形など十数県が国への要請を繰り広げていたが、道も熱心に展開した。「文部省の担当者の机には道関係者の名刺が1カ月で20センチ積み上がった」という。72年1月11日、山形、愛媛、旭川への医大設置が決まった。  旭川医大の開設は73年9月で、吉田学長は1期生。当初、教官の半分は北大から就任した。道内での候補地絞り込みで「北大との関係を重視」されたこともあり、現在も教官の約4割を北大出身者が占めている。 "[he-forum 16688] 朝日新聞茨城12/7 朝日新聞茨城版2011年12月7日付 筑波大の医師 常駐へ 霞ケ浦医療センター  独立行政法人国立病院機構・霞ケ浦医療センター(土浦市下高津、病床数250)の医師不足を解消するため、市は6日、センター内に筑波大の「分院」を設け、筑波大の医師を常駐させるなどの支援策を発表した。期間は来年4月からの5年間で、市、筑波大、医療センターの3者で近く協定書に調印する。  筑波大に寄付講座「市地域医療教育講座」を開設し、実習の場として霞ケ浦医療センターに医師を派遣する。具体的には、医療センターに「筑波大付属病院市地域臨床教育ステーション」(仮称)を新設。教授、准教授、講師の3人が、実際の診療を通し研修医の育成にあたる。  教授ら3人の教員は筑波大が来年1月から公募する。医師らの人件費と研究費は、5年分として2億1千万円を市が寄付する。成果次第で医師を派遣する期間の延長も検討する。 "[he-forum 16689] 東京新聞神奈川12/7 東京新聞神奈川版2011年12月7日付 横浜国大の歩み展示 「ミュージアム」開設式典  横浜市保土ケ谷区の横浜国立大学は六日、同大学の歴史的な資料を展示した「YNUミュージアム」の開設式典を開いた。  同大学は、横浜高等工業学校などの四つの学校が母体となり、一九四九年に創立。ミュージアムには、同工業学校の航空工学科が、戦時中の教材に使ったとみられる戦闘機用の木製プロペラなど、伝統を感じさせる展示品が並ぶ。  一方、学生運動が盛んだった一九六〇年代に、「ゲバ棒、凶器類の持ち込み」を禁じた看板などのユニークな展示も。歴代の教員が参加した南極観測の成果を紹介するコーナーもある。  同大学は今後、学内のイベントなどに合わせ、ミュージアムを一般開放する方針。将来の常時開放も目指す。 (新開浩) "[he-forum 16690] 日本経済新聞北海道12/7 日本経済新聞北海道版2011年12月7日付 遠隔医療で「過疎」解消 知を拓く 旭川医科大(2) 国内50施設・米中とつなぐ  公立芽室病院(芽室町)。ある緑内障患者の眼圧が朝から上昇。担当の大西通広医師は急きょ旭川医大に連絡、遠隔医療システムを立ち上げた。ディスプレーの向こうには旭川医大の専門医。大西医師が診察している患者の目の立体映像を同時に診て、「すぐ旭川に来てください」。迅速な対応で患者は事なきを得た。 ■3D映像登場  医療過疎地域を広く抱える道内で、旭川医大が遠隔医療に乗り出したのは1994年。吉田晃敏学長(当時は教授)の強いリーダーシップが原動力だった。以来17年。今や遠隔医療は旭川医大の代名詞にもなっている。  最初のシステムは余市協会病院(余市町)と旭川医大をNTTの総合デジタル通信網(ISDN)回線で結んだ。ただ、送受信できる画像は1秒10コマが限界で、色や細部の動きの再現性は十分とはいえなかった。しかし、釧路赤十字病院(釧路市)とのシステムは光ファイバー回線に進化、連続した動画に見える1秒30コマの送受信が可能になった。  現在はインターネット上で高画質なハイビジョン映像を送受信できる。機器開発でソニーなどと組み、カメラを2台使った3次元(3D)の立体映像による眼科診療支援も始まった。旭川医大側の専門医は3Dテレビさながらに専用のめがねをかけ、より情報量の多い画像から診断を下す。  これまでに旭川医大の遠隔医療ネットワークにつながった国内の病院は道内外の49施設。「近く50施設になる」(林弘樹学長政策推進室主任)  ネットワークは海外にも広がる。吉田学長が留学経験のある米ハーバード大学スケペンス眼研究所(ボストン市)との間で世界初の国際遠隔医療を成功させたのが96年末。その後、シンガポール、タイ、中国の施設とも結ばれた。中国政府は中日友好医院(北京市)、瑞金医院(上海市)の2医院を中国版遠隔医療システムの中核施設と位置付けており、今年5月に旭川医大と援助協定を結んだ。  現在、遠隔医療が最も普及している分野は放射線科の画像読影で、年3000件を超す。続いて眼科診療が約250件、がん細胞の有無など細胞組織を画像で判断する病理診療も数十件行われている。 ■コストも低下  3年前に遠隔医療を取り入れた帯広第1病院(帯広市)は月40~50件の読影を依頼している。それまでは旭川医大の専門医が週1回来院して月120~150件を処理していたが、患者数が急増。週1の来院と遠隔医療との併用を決めた。導入コストは約150万円。「わずかな異変でも正確に読影してもらえ、緊急時は当日に結果を受け取ることも可能。コストをしのぐ効果を感じている」(谷向礼樹主任技師)という。  現在の導入コストは約100万円。ISDN時代は月数十万円もした回線料も今は1万円かからない。一方、患者の交通・宿泊費の削減や医療費削減などの効果を足し合わせた遠隔医療の導入による経済効果は「15年度に、眼科で13億円、放射線科で18億円」(旭川医大)との試算もある。「患者が動く」「医者が動く」のではなく、「情報を動かす」ことで医療過疎を克服する環境が整いつつある。 ▼道内、医師の偏在顕著  道内の医師数を地域別にみると、道東や道北の不足が深刻だ。救急を含む一般的な医療を提供する2次医療圏別にみると、道内で最も医師数が多いのは旭川市周辺の上川中部。10万人あたりの医師数は2008年で304.7人。全国平均の212.9人を上回る。  それ以外に全国平均を上回るのは、札幌(258.6人)、函館市周辺の南渡島(213.1人)のみ。残り18地域は全国平均を下回る。最も少ないのは根室の88.8人で全国と比べ3分の1程度の医師しかいない。  道は08年度から、医師の偏在を防ぐため札幌市や旭川市の民間病院から地方病院へ医師を派遣する事業を開始。消化器科や循環器科、眼科など幅広い内科を診察できる医師を養成する取り組みも始めている。 "[he-forum 16691] 福島原発事故について有用な情報を提供している群馬大・早川由紀夫氏が学長訓告 放射能気塊の流れを示すマップで有名な群馬大学の火山学者,早川由紀夫氏が,原発事故関連の発言故に学長訓告を受けたという,本人の発言があります. http://twitter.com/#!/HayakawaYukio 重大な言論抑圧の疑いがあると思います.組合や科学者会議など,責任ある団体や機関は即刻調査を初めて頂きたいと思います. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム;net-bureau net-bureau","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;net-bureau@shutoken-net.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16692] 朝日新聞12/8 朝日新聞2011年12月8日付 女性が働きやすい大学運営を論じる 東京学芸大で学長ら3人  村松泰子・東京学芸大学長ら3人の女性学長、副学長によるフォーラム「女性の視点を生かす大学運営」が7日、東京都小金井市の東京学芸大で開かれた。  フォーラムではまず、助手、准教授、教授と進むに従って女性の割合が低くなり、自然科学系の分野で女性が不足している各大学の現状を確認した。  天野正子・東京家政学院大学長は自身の出産、育児の経験を交え、「カリキュラムに女性学やジェンダー論を整え、いろいろな大学の出身者が集まって性別も偏っていない職場は女性も働きやすい」と指摘した。  江原由美子・首都大学東京副学長は「女性が抱える問題を指摘し、女子学生向けのキャリア支援、性暴力を防ぐための研修の必要性を常に訴えてきた」と報告。村松学長は「男女共同参画の遅れは少子化と同じくらい重大な問題。もっと女性の力を活用すべきだ」と話した。 "[he-forum 16693] 日本経済新聞北海道12/8 日本経済新聞北海道版2011年12月8日付 健康管理、住民と密着 知を拓く 旭川医科大(3)  旭川市中心部にある交流施設「HI・RO・BA」。旭川医大の公開講座を待ちわびる住民で会場は満席だった。「ストレスは認知症に影響しますか」「認知症を予防する食品はありますか」。参加者の相次ぐ質問に、林要喜知教授は「バランスの良い食事と適度の運動が認知症の予防につながりますよ」と素朴な疑問に答えた。  高齢化の進展で、認知症患者は増加傾向にあり、住民の関心も高い。冒頭のような住民向け公開講座は、旭川医大が2008年に北海道教育大学など周辺教育機関と連携し組織した「旭川ウェルビーング・コンソーシアム」の活動の一環だ。  同組織は旭川市内に「HI・RO・BA」を設置。住民との接点を広げつつある。コンソーシアムには旭川医大などの学生組織「はしっくす」も加わり、地域貢献に取り組む。 ■地域活動に参加  冬の旭川市は観光客が少なく、市街地の人通りもまばら。「はしっくす」は昨年末、旭川市街の元気を取り戻すため、キャンドルを雪で覆った「スノーキャンドル」を作って街の商店街に並べた。地元住民、観光客と協力して作ったスノーキャンドルは約300個。250メートルほどの通りを幻想的な街並みに変えた。  医師は自らの専門分野に集中し、地域社会との結びつきも薄くなりがち。コンソーシアムの運営協議会議長を務める旭川医大の吉田貴彦教授は「学生が地域活動に参加することで、視野の広い人材の育成につながる」と期待する。  旭川医大は地元の講演会などにも積極的に貢献。4日には肝臓病の患者団体が旭川市で初めて開いた「肝移植懇談会」に大竹孝明講師ら医師2人を派遣した。旭川医大の生体肝移植手術の成功事例にも触れながら、慢性肝疾患の治療法や肝移植について講演。集まった患者や家族ら約40人が耳を傾けた。 ■予防意識高める  旭川医大の地域貢献は、旭川市を超えて広がっている。市民が健康に暮らせる都市を目指す留萌市。2009年に開設した健康作りを支援する「るもい健康の駅」では、住民が運動できるスタジオのほか、体重計や血圧計を置き、健康チェックできる環境を提供する。  留萌市は昨年10月に住民が自分で健康管理できるシステムを同施設に導入した。健康情報を電子情報で管理する「ウェルネットリンク」という仕組みで、会員登録すれば、健康情報を手軽に管理できる。旭川医大が開発したシステムで「住民が自分の健康医療情報を管理し、健康維持に役立ててもらう狙い」(旭川医大学長政策推進室の林弘樹主任)だ。  住民は同施設などから無料でカードを入手。パソコンから「ウェルネットリンク」サイトにアクセスし、名前や住所など会員情報を登録する。アレルギーの有無や健康診断結果などを入力しておけば、自分の健康情報をパソコンで閲覧可能。病院で活用が広がれば、健康状態について医師の理解を深められ、診察などに役立つ。  留萌市健康福祉部の海野聡主査は「住民がそろって病気の予防に取り組むことは、医療費抑制にもつながり好ましいこと」と話す。  住民や自治体の旭川医大への期待は大きい。医療資源を有効活用して、道北東地域をいかに引っ張っていくか。旭川医大には強いリーダーシップが求められる。 「産官と連携、医療の街に」  旭川医大の経営協議会委員を務める旭川信用金庫の松田忠男理事特別顧問に、同大への期待を聞いた。  ――旭川医大に何を求めるか。  「吉田晃敏学長が2007年に就任して以降、旭川医大は変わった。新しいことに対する挑戦意識が強くなった。医師の多い旭川では、医療が地域発展の柱になる。旭川市や経済界と連携しながら、医療を生かした街づくりを目指すべきだ」  ――遠隔医療など日本の医療をリードする分野もある。  「旭川医大が遠隔医療を活用し、過疎地域に対応できる新たな医療提供モデルを構築するべきだ。北海道と同じ課題を持つ過疎地域の医療に貢献できる」 "[he-forum 16694] 日本経済新聞関東甲信越12/8 日本経済新聞関東甲信越版2011年12月8日付 横浜国大、中国・四川大と震災研究 年内に包括協定  横浜国立大学は12月中に中国四川省の四川大学と包括的な連携協定を締結する。横国大が積極的に取り組んでいる防災や災害復興に関する研究と、四川大学が持つ地震に関するデータなどを組み合わせ、災害に強いまちづくりなどの研究を進める。両大学の協力による研究成果を、東日本大震災からの復興にも役立てたい考えだ。  四川大学は大きな被害を出した2008年の四川大地震の被災地にある。地震による建物の被害状況や復興過程などの調査を実施しており、同地震に関する豊富なデータを持つ。今回の連携は横国大の鈴木邦雄学長らが9月に四川大学を訪問し、東日本大震災の復興などに関して意見交換したことがきっかけとなった。  年明けから都市工学や環境情報、建築学、経済学などの広範な分野で共同研究を始める。具体的には建造物の耐震化や復興に向けた都市計画などが研究対象となる見通し。横国大は将来的に、四川大学内に研究・教育拠点を開設することも視野に入れる。  横国大は学部横断の研究拠点として設置している「安心・安全の科学研究教育センター」を中心に、防災分野の研究成果やノウハウを蓄積している。東日本大震災後には研究者らを被災地に派遣し、津波被害の実態調査を進めてきた。四川大のデータや研究成果を取り込むことで、「耐震性の高い建築構造の研究といった成果を期待する」(横国大)としている。  四川大も横国大の防災分野の研究ノウハウを吸収する。中国では急速な都市化が進む一方で、建造物の耐震化などが課題となっており、共同研究の成果を中国の都市の防災に役立てる狙いもあるという。  両大学は留学生の相互派遣も進める。中国政府は公費で大学生を国外の大学に留学させる政策を進めており、横国大は協定締結を契機に四川大学からの留学生の受け入れ態勢を整備する。四川大学は中国政府が予算の優先配分などで支援する「国家重点大学」に指定されている。 "[he-forum 16695] 毎日新聞和歌山12/7 毎日新聞和歌山版2011年12月7日付 和歌山大学:交付金削減に反対 経営協外部委、充実求め声明発表  和歌山大学(和歌山市栄谷)の経営協議会外部委員会は、政府の来年度予算編成にともなう運営費交付金の削減に反対する「地方国立大学に対する公的投資の充実を求める声明」を発表した。  政府は10月の閣議で、給与を平均7・8%引き下げる「国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案」を成立させる方針を決定。同大学と教職員組合らは11月、十分な教育や研究活動ができなくなるとして、反対する共同声明を発表していた。  今回の声明では「交付金の削減は、優秀な人材の国立大学離れを引き起こす。若者たちを育成するために、教育予算の充実をはかり将来に備えるべき」と訴えている。【川畑展之】 "[he-forum 16696] 東京新聞12/9 東京新聞 2011年12月9日 朝刊 「福島の農家はオウム信者と同じ」 群馬大 発言の教授を処分  短文投稿サイト「ツイッター」で不適切な発言をしたとして、群馬大学は「放射能汚染地図」作製で知られる教育学部の早川由紀夫教授(火山学)を七 日付で訓告処分とした。早川教授は八日、前橋市内の同大で会見し「訓告は学問や言論の自由の根幹に関わる。大学の自殺だ」と訴えた。  早川教授は、福島第一原発事故後に放射性物質で汚染された土壌の危険性を伝える趣旨で、周辺の農家について「セシウムまみれの干し草を牛に与えて 毒牛をつくる行為も、セシウムまみれの水田で稲を育てて毒米をつくる行為も、サリンをつくったオウム信者がしたことと同じだ」などと投稿していた。  会見では、放射性物質の拡散状況をまとめた汚染地図を四月に発表して以降「ツイッターの読者を増やすために意識的に刺激的な発言をした」と認め、 「地図を広め、理解を浸透させたかった」と説明した。大学によると、投稿について批判と賛同の両方の意見が学外から寄せられている。 "[he-forum 16697] 日本経済新聞北海道版12/9 日本経済新聞北海道版2011年12月9日付 医師主導で最新機器開発 知を拓く 旭川医科大(4)  最新医療機器を導入したハイブリッド手術室。最先端の医療技術で、手術時の患者負担を軽減できる。旭川医大病院は2010年9月に国立大学病院として初めて、ロボットタイプの画像診断装置を導入。小さな傷口で大動脈瘤(りゅう)などを治療できるようになり、全国の医療関係者が見学に来るほど注目度が高い。 ■小型の人工関節  画像診断装置はドイツで開発された新型の医療機器で、手術中に患者の体をあらゆる角度から撮影可能。体に大きな傷を付けずに済む。主な診療科は心臓血管外科や脳神経外科で、脳腫瘍の摘出や大動脈瘤の治療で役立つ。最新医療技術を導入し、地域住民に最先端医療を提供、地域間の医療格差を是正する。  ハイブリッド手術室は学生の臨床実習にも活用。3次元画像を通して、大動脈瘤の治療で使うカテーテルが血管のどの位置にあるかなどを確認できるようになり、手術経過がわかりやすくなった。旭川医大病院の平田哲副病院長は「若い医師が最先端の医療現場を体験でき、教育にも役立つ」と話す。  さらに医師主導で新たな医療機器を開発し、最先端医療で患者を治療しようとしている。今秋には新たな人工股関節の開発に挑み始めた。  軟骨が削れ、歩行で痛みを生じる股関節を代替する人工股関節。冬の北海道は地面が滑りやすく、転んで股関節を痛める人も多い。ただ流通する外国製品はサイズが大きく、「日本人向けの人工股関節を開発する必要があった」(松野丈夫病院長)。  旭川医大は医療機器を開発するナカシマメディカル(岡山市)と連携。医師の医療知識と同社の技術を融合し、股関節の骨の丸みを実現。日本人に合った小柄な人工股関節の開発に成功し、02年に実用化した。ただ人工股関節は使い続けていくと「ゆるみ」を生じることがある。これを克服するため新たな人工股関節の開発に取り組み、今年11月から治験に乗り出している。 ■道外支援も展開  地方の大学病院では、医師不足を背景に医師が臨床に偏り、基礎研究を担う人材が少ない。松野病院長は「医師主導の医療技術開発は基礎研究の不足を補える。工学と連携し、新しい技術を開発していきたい」と意気込む。先進医療にとって工学技術も重要な要素で、道内の工学系大学と連携できる仕組みづくりを模索中だ。  旭川医大は医師主導で医療機器を開発してきた経験を生かし、国家プロジェクトにも参画する。北海道大学、札幌医科大学と一緒になって07年度に北海道臨床開発機構を設立。新しい医療機器の実用化へ向け書類作成や協力企業探しを手助けする。  同機構は道外病院への支援も積極的に展開。道内医育大学の医療に関する知識や経験が、道外の医療環境の整備に役立つ。道北・道東での地域医療の提供にとどまらず、日本の医療技術の発展につなげようとする旭川医大。今後も新たな挑戦が続く。 "[he-forum 16698] 佐賀新聞12/9 佐賀新聞2011年12月9日付 サガン鳥栖と佐賀大が連携協定 グッズの共同開発も  サガン鳥栖の運営会社サガン・ドリームスと佐賀大学は8日、スポーツ文化を通じた地域づくりを進めようと、連携協定を結んだ。選手を招いたスポーツ講座の開催や学生のインターシップ受け入れ、選手の引退後の就職支援などで相互協力する。  協定は「人づくり」「まちづくり」「夢づくり」が事業の柱。プロスポーツに関する講義や公開講座を設けるほか、選手向けの教育プログラム開発や社会人枠の学生として受け入れるなどして、引退後の就業を支援する構想もある。鳥栖市の商店街活性化の活動にも加わり、グッズの共同開発なども手掛ける。  両者はこれまでも医師派遣や医療サポートなどで協力しており、協定締結で連携を強化することにした。Jクラブと国立大学法人との同様の協定は全国で4ケースある。  締結式で竹原稔社長は「感動と勇気と絆を生み、スポーツで地域貢献できることを実感した。長期的な視点で連携したい」とあいさつ。佛淵孝夫大学学長は「ともに地域に根ざした取り組みで発展していきたい」と述べた。 "[he-forum 16699] 薬事日報12/8 薬事日報2011年12月8日付 【名古屋大学】大学院創薬科学研究科新設へ‐多分野融合教育・研究目指す  名古屋大学は2012年度から新たに大学院創薬科学研究科を設置し、基盤創薬学専攻(修士課程)を開設する。同大学の理・工・農学部で培ってきた研究成果を背景に、従来型の薬学系大学院とは異なる横断的な多分野融合創薬教育や研究を実施し、次世代を先導する創薬基盤研究者を養成するのが理念。14年度には同博士課程も新設する計画だ。  名古屋大学はこれまで薬学部や薬系大学院を持っていなかったが、理・工・農学部において創薬の基盤研究を担う人材育成を行ってきた。特に天然物化学、有機合成化学、生物科学で研究成果を上げてきた歴史があるという。こうした成果をもとに、従来とは違った新たな創薬科学分野の教育・研究拠点を確立する。  創薬有機化学、創薬生物科学、創薬分子構造学の3講座の下に8分野が設けられる。天然物化学、有機合成化学、分子設計化学、分子微生物学、細胞生化学、細胞分子情報学、構造分子薬理学、構造生理学の各分野を、教授7人、准教授1人がそれぞれ担当する。教員は、名古屋大学に加えて薬系大学など他大学からも赴任し、総勢で17人前後(非常勤を除く)になる見通し。  同専攻の募集人員は27人。今月16~22日の間に願書を受け付ける。 "[he-forum 16700] 茨城新聞12/9 茨城新聞2011年12月9日付 研究人材確保へ「博士の卵」就業体験 筑波大と県内中小28社  筑波大学と、研究開発を中心とする中小企業団体「県研究開発型企業交流協会」(IRDA、会長・辻信行ツジ電子社長)は来春、同大大学院生を半年以上企業で採用しながら博士号取得を後押しするインターンシップ(就業体験)制度を始める。企業が魅力的な研究テーマを提示することで、大企業志向になりがちな学生を受け入れて、交流や就職・採用も活発にすることが狙い。全国でも珍しい取り組みで、両者はモデルケースにする構えだ。  現在のインターンシップ制度は学部3年生と大学院1年生が対象で、学生の就職活動を目的に短期間行われているが、学生は大企業志向で就職先に中小企業を選ばず、ミスマッチが起きている。一方、博士号取得者は就職先が少ないのが現状だ。  新制度では、IRDAの会員企業28社が自社が取り組む新技術などの研究開発テーマを用意。博士号取得を目指す大学院生に示し、興味を持つ学生をインターン生として延べ半年から1年受け入れ、研究成果を出してもらう。学生は無償で企業に在籍し、成果を博士論文にして博士号を取得する。  制度の利点は企業にとっては強力な研究スタッフを確保でき、将来の博士号取得者(ポスドク)の採用に結び付けられる点にある。学生にとっては、社会ニーズに合った有効な研究テーマを得て、博士号を通常より早く取得でき、卒業後の就職先の開拓もできる。大学側にとっては企業との結び付きを深められる。 "[he-forum 16701] 読売新聞12/9 読売新聞 2011年12月9日13時07分 東大助教が論文盗用、博士学位取り消し…2人目  東京大学は9日、学位論文などで他の研究者の論文を盗用していたとして社会科学研究所の安藤理助教(33)の博士学位を取り消すと発表した。  同大で博士学位が剥奪されるのは、昨年3月に論文盗用が発覚したトルコ人助教に続き2人目。安藤助教は「基礎的なマナーが欠如していた」などとして盗用を認めており、同大は今後、処分も検討する。  同大によると、安藤助教は2009年7月の博士学位論文で、福祉国家を巡る記述について他の研究者の文献から評価などをそのまま盗用していたケースが14か所見つかったという。また、今年3月に発表した2本の論文でも無断引用などが見つかり、約5割が盗用だったと判断した。  安藤助教の論文で不正があったとする指摘が寄せられ、同大は今年5月から調査を行っていた。学位論文を元にした安藤助教の著書でも盗用が見つかり、同大は出版社に出版の差し止めを要請した。 "[he-forum 16702] 日本経済新聞北海道12/10 日本経済新聞北海道版2011年12月10日付 吉田学長「地域に高度先端医療提供」 知を拓く 旭川医科大(5)  旭川医大は今年、吉田晃敏学長の2期目がスタートを切った。吉田氏は旭川医大の1期生で、卒業生としては初の学長。今後の任期4年で「強い旭川医大を創る」と語る吉田氏に今後の展望と課題を聞いた。  ――「強い旭川医大」の具体的イメージは。  「1期目は『旭川医大の新生』を掲げて様々な施策を行った。今年、文部科学省が示した2004~09年度の業務実績評価では86大学中14位となり、08年の暫定評価の79位から躍進した。今期は教育、研究、病院運営、社会貢献を強化する。そのポイントは優れた人材の育成だ」  「まず教育を強化する。低学年にグループ担任制を導入し、学習支援や心のケアを充実させる。本学独自の奨学金制度も整備した。学生が安心して勉学に専念できるようにし、志の高い卒業生を大学に残していく」  「研究面では昨年の脳機能医工学研究センターに続き、今春には教育研究推進センターを新設した。研究者教育から研究テーマの発掘・育成・臨床応用まで対応する組織で、これらを拠点に最先端の研究を進める」  ――入試改革で「道内枠」を設けたが、学力水準の低下を懸念する声は無かったか。  「一部にはあったが、心配無用だ。強い旭川医大に向けた教育の強化もそれを杞憂(きゆう)にしてくれるだろう。それより、例えば100人教育しても80人が北海道を去ってしまえば20点の“赤点”だ。卒業生を道内に残すことに全力を注ぐ」  ――北大医学部、札幌医大との比較で、旭川医大の強みと弱みは。  「中規模の単科国立大であることが強みだ。学長・執行部の判断できめ細かな企画を速やかに実行できる。例えば、この冬の教員のボーナスには(10年度の)診療報酬改定の増収分を当てる形で特別手当を上乗せした。今後もこうしたスピード感を重視していきたい。一方、歴史が浅く卒業生の層も『これから』なのが弱点ともいえる」  ――旭川医大の果たすべき役割とは。  「全国に医師をばらまくのではなく、北海道に貢献する医師を育て、高度先端医療を地域に確実に提供していくことだ。地域医療対策とされている総合医制度は北海道には必ずしも適さない。広大な北海道では、地域の基幹病院で患者の処置をある程度完結させる必要がある。高度医療を担える専門医を地域に循環させることこそ重要だ」  「その意味で、生体肝移植に成功したことは大きい。これを機に、高度医療を地域に提供する姿勢を一層強めていく」  ――遠隔医療の今後の展開は。  「ソフトバンクなどと組み、遠隔医療の技術は完成させた。今や被災地でも即座に使える状態だ。今後は『どこで』『だれが』『どう』使うかが課題だ。推進母体と予算を含めた推進力が必要で、社会インフラとして(国も関与する中で)道筋を付けていくべきだ」 ▼キャリア形成重要に  「地域医療の担い手育成」に大きくかじを切った旭川医大だが、今後は実際に“新たな担い手たち”が各地に散ってゆく時代を迎える。大学を挙げて彼らを支えていく仕組み作りも急務だ。  まず、最先端の地元病院と連携し、的確・効率的に研修医を派遣するシステムを整備する必要がある。研修中の支援体制を築くほか、一定期間地方で勤務した後に改めて大学に戻って研究できるようにするなど様々なキャリア形成の道を提供していくことも大切だ。  研修中・研修後のきめ細かいサポート体制を整えることで、その後の卒業生たちも不安なく巣立てるようになる。地域と大学が連携し、医師をうまく“循環”させる仕組みが整った時、初めて旭川医大の「新たな地域医療の担い手育成システム」が完成する。 =おわり  この連載は増渕稔、島田貴司が担当しました。 "[he-forum 16703] 時事通信12/9 時事通信2011年12月9日16時29分 医学部定員、68人増へ=過去最多の8991人に-文科省  文部科学省は9日、2012年度の医学部入学定員について、16大学で68人の増員を認めるよう、大学設置・学校法人審議会に諮問したと発表した。認められれば、同年度の定員は8991人で過去最多となる。  内訳は国立5校で14人、公立2校で17人、私立9校で37人。大半は、地元出身者を別枠で募集したり、地域医療従事を条件に都道府県が返済不要の奨学金を出したりなどする「地域枠」の増員を計画している。 "[he-forum 16704] ??12/10"," 2011年12月11日(日) 日本にない学生の給付制奨学金 欧米6カ国 5割受給  欧米16カ国で、返済の必要のない給付制奨学金を受けている学生の割合が9日までに判明しました。大学生の5割以上が給付制奨学金を受けている国が6カ国、2割以上 "[he-forum 16705] しんぶん赤旗12/13 しんぶん赤旗  2011年12月13日(火) 就職活動にルールを 都内の学生らホンネで語る 東京都内の学生がつくる実行委員会は11日、「学生がホンネで語ろう! 就活シンポ3」を文京区民センターで開きました。就職活動中の学生や青年ら100人が参加、インターネットでも生中継されて523人が視聴し、就職活動の実態やあり方を討論しました。 笠井議員ら参加  小西祐司実行委員長は、就職活動をする学生の実態調査にもとづき、正規雇用の採用増やまともな仕事・賃金などを求める「就活生からの就活改革提言」を発表しました。  パネリストとして首都圏青年ユニオン書記長の河添誠、ジャーナリストの津田大介、日本共産党の衆院議員・政策委員長代理の笠井亮の3氏が発言しました。  河添氏は、「就活生からの就職改革提言」には多くの部分で共感できると強調。「正規雇用を増やしていくと同時に、非正規で働いている人たちをサポートする体制をつくることが重要だ」と語りました。  笠井氏は、経済協力開発機構(OECD)加盟の30カ国のなかで、大学の授業料が無償でない上に給付制奨学金がないのは日本だけだと指摘。「学生を応援してルールをつくらせるところまで政府を変え、未就職ゼロの日本を実現するために声を上げよう」と呼びかけました。  津田氏は、「学生の本分は学業。それを社会に生かすために就職活動の早期化・長期化に歯止めをかけるルールをつくることが大切だ」と述べました。  千葉県の大学2年生の女性(20)は、「安定した仕事に就けるかわからなくて不安です。国や企業が責任をもって雇用をつくってほしい」と話しました。  午前は、働くことについて先輩から聞くセミナーや7社3団体が参加した合同就職説明会などの分科会が行われました。 "[he-forum 16706] 朝日新聞12/12 朝日新聞  2011年12月12日0時2分 大学入試に「ネット割」 コスト削減、受験生に還元  大学入試で、インターネットで願書を出せば受験料を割り引くサービスを始める大学が出てきた。一方、願書を窓口に提出すると割り引く「持参割」を設ける大学もあり、幅広く受験生を取り込もうと懸命だ。  全国でもいち早く今年度入試からネット割を導入した中京大(名古屋市)。出願者は前年より約3千人増えて約2万3千人になり、このうちネット出願者が9割を占めた。  来年度入試のネット割は、来年1月6日から受け付ける。ネット割をPRするテレビCMは、今年は東海地方だけでなく北陸地方にも広げた。  魅力は大幅な割引だ。ネット出願でも、1回の受験なら割引は5千円だが、「センター試験利用」など三つの受験方式を組み合わせると、最大7万円が2万5 千円になる「3受験パック」を設けた。このパックを組み合わせて、たとえば五つの方式で受験すれば、11万5千円の受験料が3万5千円になる計算だ。 "[he-forum 16707] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会 ニュースレター NO.34 ニュースレター NO.34    2011、12、10   公正な学長選考を求める裁判を支える会    事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内    (TEL/FAX 088-844-1489)  学長任命無効確認訴訟  12.27に判決(高松高裁)   ―奇しくも次期学長決定と同日―  高知大学のすべての皆さん、本裁判に注目している全国の皆さん。  高知大学学長任命処分無効確認訴訟はいよいよ来る12月27日(金)高松高 裁での判決公判を迎えます。4年前の相良現学長の「任命」にはじまったこの裁 判もいよいよ最後の大詰めを迎えることになりました。皆さんの長期にわたる物 心両面のご支援に心から感謝いたします。  さて、見出しにもあるようにこの日は「奇しくも」次期学長選考のための学長 選考会議の開催日でもあります(12月26日 意向投票。27日学長選考会議) 。今「奇しくも」と書きましたが、この日程はたまたまそうなったというのでは なく、裁判所側が高知大の学長選考日程をにらみながら決定したものである可能 性が大であると考えられます。いわば、私たちが公正な学長選考を求めて裁判所 へ投げたボールが再び私たちに帰ってこようとしていると言えるかもしれません。 判決の行方については予断を許しませんが、それと並んで、次期学長選考におい てどの候補が選ばれるのか、意向投票の結果がどう扱われるのかということが、 今後の高知大学ひいては日本の大学自治にとって重大な意味を持っていることは 言うまでもありません。  ここで再度次期学長選考の候補者を確認しておきます。   岡本和夫 (大学評価学位授与機構理事)   脇口 宏 (高知大学医学部長)  脇口氏を支持するのは相良体制の継続を是とする人々、岡本氏を支持するのは それに批判的な人々です。どちらが選ばれるかに「大学の未来」がかかっている といっても過言ではありません。 ■「学長選考を考える会」の「つぶやき」より  Twitterのホームページからdaigakunomiraiで検索してください  この先数年の高知大学のあり方を決める大事な選考。学長は大学の顔なんだか ら、それなりの人が選ばれてほしいな。(あえてリピート)ほんとに顔になるん だから。(これまでをふりかえってリピート)ほんとに顔になるんだから。 11/ 17  贅沢は言わないけど、せめて、四つのCとかミドルダウンとかわけのわからな い変な英語もどきを使わない人、卒業式、入学式のあいさつが毎年同じじゃない 人、ポンチ図にしなくても議論が理解できる人、会議で部下を怒鳴りつけたり強 い相手に猫なで声ですりよったりしない人に学長になってもらいたい。 11/25  そう、新しい学長も「深夜食堂」に連れていけるような人がいいなぁ!深い人 生を感じながら、もろもろも人の気持ち(ことさらに口にされない気持ち)を包 み込んでくれる学長と、余分な事を言わない店主と、酒が呑みたいな。 11/29  以前立川さんが学長の時にやってた「学長講義」ってのも面白いかもしれない。 当然だけどえらそうな説教とか人生訓じゃなくて、自分の専門の学問で学生と真 剣勝負する。一学期に一回でいいからやったら学生には刺激になる。もちろん、 それができる人(きちんと学生に訴える言葉を持ってる人)に学長をやってもら うのが前提。 12/2 ――――――――― 12月26日 (月)学長選意向投票 12月27日 (火)学長選考会議 10:00~           判決公判 13:10~(於 :高松地裁) "[he-forum 16708] しんぶん赤旗12/14 しんぶん赤旗 2011年12月14日(水) 自信と希望示したのに信じ難い はやぶさ2予算 政府与党の圧縮要求 初代率いた川口教授  小惑星探査機「はやぶさ」の後継機(はやぶさ2)の来年度予算圧縮を政府・与党が求めたことについて、はやぶさのプロジェクトマネジャーを務めた 川口淳一郎宇宙航空研究開発機構教授が13日までに、宇宙機構のホームページ(HP)に「信じ難い評価を受けていることに驚きを禁じ得ない」とする文章を 掲載しました。  はやぶさ2は、2014年度内の打ち上げを目指し、総予算は218億円。打ち上げが迫っており、来年度の予算要望額70億円が大幅に圧縮されれば、計画全体に影響します。  HPで川口教授は、はやぶさの成果を受けて米国、欧州が小惑星探査計画を打ち出したことに触れ、「わが国の科学技術が、世界から追われるフロント ランナーの立場にある代表例」と指摘。「国民と世界に対し、われわれは単なる製造の国ではなく、創造できる国だという自信と希望を具体的に提示した」と意 義を強調しました。  その上で、技術の継承と人材育成の必要性から、「今、はやぶさ後継機を立ち上げることができなければ、日本ははやぶさ初代の成果を振り出しに戻してしまう」と危機感を表明。政府・与党に再考を求めました。 "[he-forum 16709] 西日本新聞12/14 西日本新聞2011年12月14日付 在宅医療教育の連携継続 県内3大学の学長会見  長崎大、長崎県立大、長崎国際大の3大学の学長が13日、長崎大で会見し、在宅医療教育での連携を来年度以降も継続する方針を明らかにした。  連携は2009年度にスタートし、薬学、看護学、福祉学、栄養学で共同授業を実施。3大学合同グループで在宅医療の現場や、訪問看護ステーションの視察を行っている。  長崎大の片峰茂学長は「離島やへき地を抱える長崎にとって今後在宅医療は不可欠」と指摘。長崎国際大の潮谷義子学長は「アジアのモデル的な役割を果たせる」と連携継続に期待を寄せた。長崎県立大の太田博道学長は「学生同士が混じり合う機会ができたのは非常に大きい」と話した。 "[he-forum 16710] 福井新聞12/14 福井新聞2011年12月14日付 最高水準大学入りへ、福井大が推進委設置  文部科学省が計画する世界最高水準の大学づくりプログラム「トップ30」入りを目指そうと、福井大(児嶋眞平学長)は十四日までに「重点研究企画推進委員会」(委員長・小林喬郎工学部教授)を学内に設けた。共同研究などのテーマを選び出して審査、企画し同省に申請する計画で、児嶋学長は「上位にランクされる分野は複数ある。国の重点投資を獲得し、世界トップの研究分野を確立していきたい」と話している。  委員会は工学、教育地域科学の両学部長と学長任命など教授八人で構成。教官に研究テーマを募集するなどして年度内の申請に向け準備を進めている。  児嶋学長は「特に遠赤外線を中心にした光工学研究では日本オンリーワン。世界でもトップクラスなので選ばれる可能性は十分」と期待している。建築・建設、繊維工学、教育関連などでも申請を予定している。  「トップ30」構想は今年六月に示された「大学の構造改革の方針」(遠山プラン)に盛り込まれた。大学に競争原理を導入したのが特徴。国公私立の大学院の博士課程における学問を▽生命科学▽医学系▽人文科学―など十分野に分ける。各大学長が研究分野を申請。同省が第三者評価や実績などから各分野で上位三十大学(現段階では二十大学前後を計画)を選定し年間一―五億円を支援、五年間継続する計画。内容は同省の大学改革連絡会で現在も細部の検討が続けられているが、二〇〇二年度から実施の方向。  構想については評価選定の方法から、選定される大学が旧帝大に集中しがちとの見方がされ、地方・単科大学などから「予算配分が減少し、小規模大学の切り捨てにつながる」と反発が出ている。福井大でも「まず特定の大きい大学ありきではなく、将来展望などから正当に評価するべきだ」(児嶋学長)としている。 "[he-forum 16711] 福井新聞12/14(2) 福井新聞2011年12月14日付 福井大病院に新病棟、利用14年 疾患ごと病床配置   福井大は13日、2018年度を完了年とする医学部附属病院(福井県永平寺町)の再整備計画を発表した。現在の敷地内に新しく8階建ての病棟を建設。入院病床を疾患ごとに配置することで効果的な治療が行えるようにするほか、広い手術室を設けるなどして先端医療への対応も進める。来年3月に着工し、14年9月から利用を始める。  現在の建物は築30年前後と老朽化が進み、新しい医療サービスを提供するのが難しくなっていた。  新病棟は地下1階、地上8階建てで延べ床面積2万5千平方メートル。既存建物の東側の空き地に新設する。現在600ある病床のうち、488床を新病棟の3~7階に移転する。  これまで病床は外科や内科ごとに分けて配置していたが、例えば心臓血管外科と循環器内科を「心・脳血管障害センター」として同じフロアにまとめるなど、五つの「センター」の形で配置し直す。治療対象の臓器や疾患ごとにすることで、医師らが効率的な治療を行うことができる。院内感染対策として各フロアに2室ずつ、気圧管理できる感染症病室も設ける。  1階にはコンピューター断層撮影装置(CT)を備えた救急部を設置。待合室などには、大規模災害時に治療の優先順位を決める「トリアージ」のスペースとして活用できるよう設備を整える。2階の手術部には、現在の倍近い平均60平方メートルの手術室10室を整備し、医療支援ロボットの活用など広いスペースが必要な先端医療に対応する。集中治療部の集中治療室(ICU)は、現在の6床から10床に増やして個室化する。  新病棟を建設した後、14~18年度にかけて既存の4棟を改修する。特に病床の大部分が移転する2棟の入院病棟は、専門医向けの研修施設などを新設したり、カンファレンス(症例検討)室を拡充するなどして教育環境の充実を図る。総事業費は約180億円。  同日、福井市の文京キャンパスで会見した福田優学長は▽地域診療拠点の構築▽快適安全な医療空間―など、再整備の五つのコンセプトを説明し「県民にとって医療の最後のとりでとなる、大学病院の責任を果たしたい」と語った。 "[he-forum 16712] (高知大職組)こぶし 2011年5号 こぶし 第5号 2011年11月16日(抜粋)   高知大学教職員組合中央執行委員会機関紙   http://kuunion.cocolog-nifty.com/blog/ ■学長選考にさいして考えました。  学長候補者の選考にかんする日程が公示されました。  11月28日が候補者の推薦の締め切りで、12月26日に意向投票がおこなわれます。    今回の学長選考は、高知大学に働く全職員が高知大学のこれまでをふりかえり ながら、これからに向けて合意形成をおこなう機会となるべきものだと私たち教 職員組合では考えます。そこで私たちなりに、高知大学の現状がかかえる課題に ついて考えてみました。少し辛めの現状分析となりましたが、高知大学を少しで もよくしたい!という私たちの思いのあらわれと受け止めてほしいと思います。 こうした課題に取り組んでくれるひとに次期学長になってほしいと私たちは考え ます。  1.高知大学は、誰もが元気に明るく、働きがいを感じて働ける職場にならな ければならないし、そのための取り組みを必要としている。    2.高知大学の運営が、長期展望を欠いた場当たり的対応に陥っており、その ことが理念や目的を職員が共有することを難しくしている。  3.高知大学において、法人化にともないすすんだ大学運営のトップ・ダウン 化が、職員の自発性・主体性を損なうことになり、組織の停滞を招いている。  4.高知大学において、大学運営のトップ・ダウン化とともに、現場の職員に 責任が押しつけられることで執行部が免責されるという構造が生まれている。  5.高知大学において、学長への権限の集中にともなう学長裁量経費の増大が、 研究費等の配分におけるアンバランスをひきおこしている。  6.高知大学において事務系職員に導入されている評価査定給制度のもとで、 昇級や期末勤勉手当において優遇される者とそうでない者との階層分離が生じて いる。  7.高知大学を、パワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメントなどに つながるような職場の権力関係が存在しない大学としてゆくためには、さらなる 取り組みが必要である。  8.高知大学に限らず、研究資金が外部への依存の度合いを高めていることが、 大学の対外的な発言力を弱めることになっている。  12月の上旬には第1次候補者が決まりますが、第1次候補者に(これらの課題 への取り組みに関する)公開質問状をだし、その回答を全職員に配布する予定で す。  組合では皆さんからのご意見をお待ちしています。 "[he-forum 16713] 高知新聞12/8 高知新聞 2011年12月08日 高知大学長選が公示  任期満了に伴う高知大学(高知市曙町2丁目)の学長選が7日公示された。候 補者は、独立行政法人大学評価・学位授与機構理事の岡本和夫氏(63)と高知 大医学部長の脇口宏氏(65)=五十音順=の2人。26日に教職員871人に よる学内意向投票を行い、その結果も「参考」にした上で、27日の学長選考会 議(理事、学部長、学外の有識者計11人で構成)で新学長を選出する予定。  現職の相良祐輔学長が2012年3月で任期満了となるため。同大学長等選考規則 は、学長任期を4年とし、再任の場合も6年を超えて在任はできないと規定(08年 から適用)している。  岡本氏は東京大学理学部卒。同大教養学部教授や同大大学総合教育センター長 などを歴任し、10年から現職。05年から3年間、高知工科大非常勤講師。  脇口氏は岡山大学医学部卒。同大付属病院や香川県立中央病院勤務を経て1979 年から高知医大医学部助手。01年に同大医学部教授、08年から現職。 "[he-forum 16714] 高知新聞12/8 高知新聞 2011年12月08日 高知短大を廃止方針  高知県立大(県大)と高知短期大を運営する県公立大学法人(南裕子理事長= 両大学長兼務)は7日までに、短大を廃止し、県大文化学部がその機能を引き継 ぐことを柱とする永国寺キャンパス改革案を固めた。南理事長が同日、県庁で尾 﨑正直知事に説明した。今後、県議会や県民の意見を踏まえ、最終的な決定権を 持つ県が方向性を決める。    県大は、社会福祉など3学部と本部機能が高知市池のキャンパスにあり、市街 地の永国寺キャンパス(同市永国寺町)には県大の文化学部と生活科学部、短大 の施設がある。  改革案は2015年度以降の同キャンパスの方向性として、短大(定員120人)を 廃止する一方、県大文化学部の定員を現行の80人から150人にほぼ倍増させる▽高 知工科大(香美市土佐山田町)のマネジメント学部(同100人)を移転し、経済 や経営などを学べる社会科学系学部(同200人)も新設するーとしている。  短大が長く担ってきた「地域」「法」「観光」など社会科学系の領域は、文化 学部で引き継ぐ。短大の大きな存在意義の1つだった、社会人や定年退職者らの 生涯学習については、平日夜間や土日の開講、長期間かけて単位を履修する制度 を設定し、継承する考えだ。県内に公立の短大学士を得る場はなくなるが、本県 にはなかった四年生大学の夜間コースができることになる。  年内にも、県や工科大などとつくる同キャンパスの整備検討チームに諮って、 県議会などに説明し、県民の意見を募るパブリックコメントを1月にも実施する 方針。  南理事長は「短大の開設当時は高校進学率も低く、短大が地域のリーダーを輩 出する役割を担っていたが、学生のニーズも変わってきた。短大を廃止しても機 能は最大限継承する」としている。 "[he-forum 16715] 高知新聞12/10 高知新聞 2011年12月10日 「高知短大存続を」卒業生ら署名活動へ  廃止が検討されている高知短大(高知市永国寺町)の卒業生有志らでつくる 「高知短大存続を求める会」などは9日、県庁で会見し、「短大のニーズはなく なっていない。高知の財産を守るべきだ」などと存続を訴えた。来年1月まで署 名活動を展開し、知事や県議会に要望書を提出する。  同会は以前から、短大存続を求めて活動していたが、同大と高知県立大を運営 する県公立大学法人(南裕子理事長)が7日、永国寺キャンパス改革の一環とし て廃止を具体的に提案したことから、会見した。  改革案は、県大文化学部に夜間コースを設けるなどして、社会人が働きながら 学べる短大機能を引き継ぐとしているが、「ー求める会」は、短大は経済的に厳 しい人の選択肢▽四年生になると県外からの受験者が増え、県内の人のハードル が高くなる▽働きながら四年生大学で学士を取るのは期間が長いーなどと指摘。  同大の現役学生らを含め十数人で会見に臨んだ同会の小松佐智男会長は「誰も が学びたい時に学びに行けるのが短大。切り捨てるのではなく、育てていくのが 法人の使命」と訴えた。 "[he-forum 16716] しんぶん赤旗12/15 しんぶん赤旗 2011年12月15日(木) 給付型奨学金実現ぜひ 政府に要請 学生ら共同声明 30団体・個人賛同  国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」(奨学金の会)などは14日、文部科学省内で共同記者会見を開き、「給付型奨学金の実現を求める共同声明」を発表しました。  声明には「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワークや「子どもの権利・教育・文化全国センター」(子ども全国センター)、全日本学生自治会総 連合(全学連)など、30団体と個人が賛同。文部科学省が2012年度予算の概算要求に盛り込んだ高校・大学等の「給付型奨学金」を縮小、見直しすること のないよう求めています。  会見で「給付制の奨学金が創設されれば、夢がかなえられます。貸与型は借金なので借りられません」と訴えたのは、神奈川県の定時制高校3年生の男 性(19)。埼玉県の定時制高校3年生の男性(18)は「お金がないと学校に行けないの?首都圏高校生集会実行委員会」が行った2293人の高校生へのア ンケートで75・2%の高校生が経済的な不安を抱えていることを紹介。自身もアルバイトを50社受けて受からず、5カ月授業料を滞納したことがあると話し ました。  共同記者会見に先立ち、日本高等学校教職員組合が発表した都道府県別奨学金マップによると、調査した31都道府県1212自治体のうち給付型奨学金制度があるのは、168自治体(13・9%)にとどまっています。 "[he-forum 16717] 大分合同新聞12/15 大分合同新聞2011年12月15日付 県内初の高度救命救急センター整備へ  災害時の医療態勢を充実し、高度な救急医療を提供するため、来年8月にも大分大学医学部付属病院(由布市挾間町)に「高度救命救急センター」が設置される見通しとなった。14日、医師ら専門家でつくる県救急医療対策協議会で承認された。同センターの整備は県内初。九州では久留米大学病院(福岡県)に続き2カ所目となる。 専門性高い治療担う  県医療政策課によると、県内に4カ所ある救命救急センターのうち同病院を高度救命救急センターに“格上げ”する形。広範囲のやけどや、指などの切断、毒物の急性中毒といったより専門性の高い治療を担う。  設置にあたっては、8月にも病院内に救命救急棟が新設され、県が導入するドクターヘリの基地病院となることや、「高台に位置し東日本大震災のような津波災害が起きても高度な医療態勢を確保できる」(同課)ことなどが考慮された。  県福祉保健部は来年度一般会計当初予算の部局要求で、高度救命救急センターの人件費や施設整備費として約8350万円を要求。急性中毒の種類を判別する医療機器の導入や、自殺未遂などの救急患者を診察する精神科医の確保などを目指す。病床は現在の10床から24床に増やす計画。  この日の協議会では、指定は基本的に「承認する」とした一方、「重度のやけど治療に対応する専門医の配置が必要」「高度救命救急センターの整備だけでなく、大分市中心部にも救命救急センターを整備するべきだ」などの意見が出た。  協議会長の近藤稔県医師会副会長は「県民に専門性の高い医療を提供できるようになる。人材不足が叫ばれる救急医の確保につながることも期待したい」としている。県は今後、指定に向けた予算化と厚生労働省との調整を進めるという。 "[he-forum 16718] 朝日新聞群馬12/15 朝日新聞群馬版2011年12月15日付 群大の重粒子線治療養成講座 学生を募集  がん治療の新たな選択肢として注目が集まっている重粒子線治療について、様々な分野の専門知識を身につけ、産業を担う人材を育てようと、群馬大学は来年度から博士課程に新たな養成講座を作る。国内外から学生を募集し、産官学が連携して取り組む。  養成講座は、各分野の専門性を生かし、世界で活躍する人材を育てる文部科学省の「博士課程教育リーディングプログラム」に採択されたものだ。63大学が101件を申請し、13大学21件が採択された。群馬大では今年度は約1億7千万円、来年度以降は上限3億円の補助金が支給される。  県立がんセンターや筑波大陽子線医学利用研究センター、治療機器の開発に携わる東芝・電力システムなど国内の大学や企業だけでなく、アメリカのマサチューセッツ総合病院や、ドイツの重イオン研究所など12機関と連携する。インターンシップや海外視察などを通して、より実践的な知識や技術を身につけるのが狙いだ。  定員は4人以上で、学生の給与や状況に応じて年間300万円程度の奨励金が支給される。海外視察などの費用も補助金でまかなわれる。  重粒子線治療が受けられるのは国内では放射線医学総合研究所(千葉市)、兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県たつの市)、群馬大学の3カ所。群馬大では他の2カ所より規模の小さい「普及型」を使っていて、今年度は約200人の患者が利用する予定だ。  同大大学院医学系研究科長の和泉孝志教授は「ここまで各分野が連携できたのは初めて。優れた人材を育成することで、海外市場への販路も開けるのでは」と期待を込めていた。 "[he-forum 16719] 中日新聞12/15 中日新聞2011年12月15日付 名古屋大、被災受験生の受験料免除   名古屋大は14日、2012年度入試で、東日本大震災の被災者を対象に受験料1万7千円を免除すると発表した。  受験料が免除されるのは家計を支えている家族が死亡したり、収入が見込めなくなったりした被災者。自宅が全半壊、床上浸水した受験生も対象となる。  対象者は入試課に申し出る。すでに受験料を払った人は、来年2月末までに申請すれば返還される。被災者に対する受験料免除の動きは全国の大学に広がっている。 "[he-forum 16720] 読売新聞広島12/15 読売新聞広島版2011年12月15日付 広大 節電へ巡視隊 教授や学生ら  今夏、学生に1万本のうちわを配るなど省エネに取り組んだ広島大は、今冬からの節電推進に“マンパワー”を活用する。3キャンパスの各研究科や病院、研究所ごとに教授や職員、学生の有志で「巡視隊」を作ってもらい、掲げた節電策が守られているかをチェック。年内にも可能なところから活動を始める予定で、数年間は継続する方針だ。(小宮宏祐)  同大学によると、巡視隊は12研究科と原爆放射線医科学研究所、大学病院、図書館など約40のセクションでそれぞれ編成。研究科長らを<隊長>に各隊で計画を立て、電力使用量が多くなる正午~午後3時に施設内を巡回する。  チェック対象は▽エアコン稼働中の室温の上限(20度)が守られているか▽エアコンと電気・ガスストーブの併用(二重暖房)はないか▽不要な電源がONになっていないか――など。来年3月19日までを冬季の活動期間とする。  同大学は今年7~9月、うちわ配布のほか、扇風機2000台を買ってエアコンの稼働を抑えるなど、省エネ対策を実施。東広島キャンパス(東広島市)では8、9月の電力使用量が前年同期比11%以上減り、約1350万円の削減効果が認められた。霞(かすみ)キャンパス(広島市南区)でも8月に3・24%、9月は4・57%減少。東千田キャンパス(同市中区)では8月に14・10%減ったという。  同大学財務・総務室リスクマネジメントグループは「環境教育にもつながる活動であり、積極的に参加してほしい」と期待。隊員たちの活動を支援するため、ユニホームや腕章の導入も検討するという。 "[he-forum 16721] しんぶん赤旗12/16 しんぶん赤旗 2011年12月16日(金) 給付型奨学金の実現求め 党国会議員団が報告と懇談  日本共産党国会議員団は14日、「返済不要の給付型奨学金の実現、安心して借りられる奨学金を」緊急国会情勢報告・懇談会を衆院第1議員会館で開催しました。  報告・懇談会は、文部科学省が2012年度予算概算要求に学生・大学院生むけの給付型奨学金を初めて計上したものの、見送る議論が表面化してきた もとで開いたもの。衆院から穀田恵二、宮本岳志の両議員、参院から井上哲士、山下芳生、田村智子の3議員がそれぞれ出席、18団体52人の参加者たちと懇 談しました。  学生を代表して、全日本学生自治会総連合の藤浦修司委員長が、卒業と同時に数百万円を超える借金を背負うことになる貸与型奨学金しかない現状について、「こうした状況を放置していいのか、鋭く問われる情勢です。給付型奨学金実現のため私たちも頑張ります」と話しました。  日本高等学校教職員組合の佐古田博副委員長が、同日に発表した給付型奨学金を求める共同声明(15日付1面で報道)について報告。「経済的困難で 学校をやめる子どもを一人でも出したくない、という思いでさまざまな団体が共同しました。なんとしても実現してほしい」と話しました。  国会情勢を報告した宮本衆院議員は、概算要求に給付型奨学金が盛り込まれたことは重要な前進だとする一方、予算編成に関する政府・与党会議で給付 型でなく無利子奨学金の拡充案が出されるなど、予断を許さない状況にあると指摘。「立場の違いをこえて一致してたたかいをひろげ、最後まで『給付型奨学金 実現せよ』の声をあげましょう」と呼びかけました。  懇談会では、「奨学金を受けて博士号をとったものの、ポストが減らされて非常勤講師をしている。年収は約180万円だが、400万円の返済が残っている」などの実態も紹介されました。 "[he-forum 16722] 井上総長からの回答について(東北大・声明) 全大教・高等教育フォーラム各位 全大教・単組ML各位 東北大学職員組合です。  東北大学職員組合は、大学運営における健全なリーダー シップを重視する立場から、本学総長による大学私物化が 懸念される問題について、11月28日付けで,総長に宛てて 「井上明久総長のユニバーシティプロフェッサー就任および 北村副学長高額給与についての公開質問状」を提出して いました。  その公開質問状に対して12月14日現在で公式の回答がない ことに鑑みて、昨日、声明「2011年11月28日「井上明久総長 のユニバーシティプロフェサー就任および北村副学長高額給 与についての公開質問状」に対する国立大学法人東北大学総 長からの回答についてを発表しました.  下記は過半数代表者に宛てて案内した内容ですが、ご参照 ください。 --------(参考)----------- Begin forwarded message: > From: Onodera Toshio > Date: 2011年 12月 16日 10:38:47:JST > To: info@tohokudai-kumiai.org > Cc: shikkobu@tohokudai-kumiai.org, kahansu@tohokudai-kumiai.org, > shibu-shokityo@tohokudai-kumiai.org > Subject: 井上総長からの回答について > >                      2011年12月16日 > > 国立大学法人東北大学各事業場 >  過半数代表者 殿(bcc) > > (cc.組合執行部・支部書記長・過半数代表者各ML) > > >                東北大学職員組合執行委員長 >                   駒井 三千夫 > > >   公開質問状への井上総長からの「回答」について > > >  皆様の過半数代表者としての活動に敬意を表します。 > >  東北大学職員組合は、労働条件の改善を求めるとともに、 > 大学運営における健全なリーダーシップと民主的運営を求めて > 活動しています。過半数代表者の皆様の活動との相乗効果をは > かる所存です。この間も、大学と確認書を締結し、また公務員 > 給与削減の動きに対して総長への要請や団体交渉に取り組んで > いますので、ボーナスや手当の一定の改善に心当たりのある方 > もいるかと思います。 > http://tohokudai-kumiai.org/docs11/kyouyaku110307.html > http://tohokudai-kumiai.org/docs11/10ys0628.html > http://tohokudai-kumiai.org/docs11/ys111102.html > > >  さて、組合は11月28日付で井上総長に「井上明久総長のユニ > バーシティプロフェッサー就任および北村副学長高額給与につ > いての公開質問状」を提出し、その回答〆切は12/8でした。 >  〆切を経過し、この間総長に回答を督促してきましたが、昨 > 日12/15、組合は声明『2011年11月28日「井上明久総長のユニバ > ーシティプロフェサー就任および北村副学長高額給与について > の公開質問状」に対する国立大学法人東北大学総長からの回答 > について』を出し、大学にも通知しました。 > >  下記の公開質問状および声明をご参照ください。 >  また、過半数代表者から事業場の教職員の皆様に転送し、 > 情報提供していただければありがたく存じます。 > > ・11/28 組合から井上総長への公開質問状 > http://tohokudai-kumiai.org/docs11/ks111128.html > ・12/15 組合声明 > http://tohokudai-kumiai.org/docs11/sm111215.html > > > > ----(参考)11/28付、井上総長への質問項目----- > > 1.被選考資格の無い者をユニバーシティプロフェッサー >    として選考した疑いについて > > ・貴職のユニバーシティプロフェッサー就任は平成19 >  (2007)年3月1日で間違いないでしょうか。 > ・貴職ご自身がユニバーシティプロフェッサーの被選考者 >  になることを知ったのはいつですか。また、それはどの >  ような経路で貴職に伝達されましたか。 > ・貴職がユニバーシティプロフェッサーに選考された役員会 >  はいつ開催されましたか。また、貴職ご自身がユニバーシ >  ティプロフェッサーに決定された経緯について、ユニバー >  シティプロフェッサーの授与者であり、かつ役員会の長で >  ある総長としての立場から、ご説明くださるようお願いい >  たします。 > > 2.総長のユニバーシティプロフェッサー就任による >   職務専念義務違反の疑いについて > > ・貴職は行政職のトップと教育研究に従事するユニバーシテ >  ィプロフェッサーが併任できる職種だとお考えですか。 > ・年間数十日にわたって教育研究活動に費やした事実を鑑み >  てもなお、貴職は、自らが行政職のトップである総長の職 >  務に専念していたとお考えですか。 > > 3.一副学長に対する異常な高給付与の疑いについて > > ・貴職は北村副学長の2009年度の給与が2000万円を超えたこ >  とをお認めになりますか。また、同2010年度の給与が2000 >  万円を超えたことをお認めになりますか。 > ・貴職が、理事や他の副学長と比べて明らかに高い給与を法 >  人の被用者であるにすぎない一人の副学長に対して支給し >  た理由及びその法的ないし学内規則上の根拠をご説明くだ >  さい。 > ・貴職は北村副学長の2011(平成23)年度の給与を2010(平 >  成22)年度の給与と比べて、人事院勧告のレベルよりも更 >  に下げましたか。 > > *********************************************************** 東北大学職員組合書記局  info@tohokudai-kumiai.org  http://tohokudai-kumiai.org/  内線 片平(91)5029 tel 022-227-8888 fax 227-0671 *********************************************************** ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","fuj-tanso@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","fuj-tanso@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 16723] 中国新聞12/16 中国新聞2011年12月16日付 島根大学長に小林祥泰氏  島根大の山本広基学長(64)の任期満了に伴う学長選考会議が15日開かれ、同大医学部付属病院長の小林祥泰理事(65)を選んだ。任期は来年4月1日から3年間。小林氏は記者会見し、「地域の期待に応え、世界に評価される研究と教育の戦略を掲げる」と抱負を述べた。  小林氏は1972年に慶応大医学部を卒業。93年に島根医科大(現島根大)医学部教授。2005年から島根大医学部付属病院長となり、06年から同大理事。専門は神経内科学。出雲市出身。 "[he-forum 16724] 河北新報12/16 河北新報2011年12月16日付 宮城教育大・山形大・福島大 「災害復興学」体系化で連携  宮城教育大と山形大、福島大は15日、東日本大震災を乗り越える人材を育てる研究分野「災害復興学」を打ち立てて共同で取り組むことを明らかにした。宮教大の高橋孝助学長と山形大の結城章夫学長、福島大の入戸野修学長が福島大で記者会見して発表した。  復興学は震災を乗り切る「生きる力」や被災時に的確に対応できる知識、復興に貢献できるノウハウを持つ学生を育成することを目指す。震災を記録して後世に残す作業も進める。  共通教材を作って研究を深める。将来的に各大学に専攻課程を設けるかどうかも検討する。  3大学は被災した入学志願者らを対象に入学検定料や入学料、授業料を減免したり、被災地復興と被災者支援を進める独自機関を設立したりすることも明らかにした。  山形大の結城学長は「防災学は学問的に発達しているが、災害復興学は体系化されていない」と述べ、3大学で連携して新分野を切り開く意欲を示した。 "[he-forum 16725] (高知大学)次期学長候補者立会演説会  すでにMLでお伝えしておりますが、高知大学では次期学長選考に伴う学内意向 投票を今月26日に控えております。それに対して、若手教員有志が候補者2名の 立会演説会を企画し、来週19日に、以下の要領で開催されることになりました。 情報は学内掲示板のみで、大学のホームページでは一切情報を流していませんの で、参考までにお知らせいたします。    ちなみに、2名の候補者のうち、当日の参加は岡本和夫氏(大学評価・学位授 与機構理事)お1人のみ、脇口宏氏(医学部長・現学長の事実上の後継者)は拒 否されたとのことです。  なお、当日の模様は、YouTubeで21日以降配信される予定です。  -------------------- ■次期学長候補者立会演説会へのお誘い 掲示開始 2011/12/15 高知大学教職員のみなさま ご存知のとおり、現学長の任期満了(2012年3月末日)に伴い、12月26日に学内 意向投票が行われます(期日前投票は既に開始)。わたしたちは学長候補者の立 会演説会を学内意向投票管理委員会の主催のもと、開催していただけるよう要望 いたしましたが、「委員会主催では開催できない」との決定が下されました。そ こで、わたしたちは独自に次期学長候補者に申し入れ、立会演説会を開催します。 高知大学のトップになろうとする方がどんな「ひととなり」で、どのように大学 を導こうとしているかを知ることは、投票に際し、重要なことだろうと考えます。 単に、耳を傾けるだけではなく、フロアのみなさんからの質問も受け付けますの で、積極的にご参加ください。 なお、当日の映像はYouTubeで21日以降配信予定ですので、お忙しい方はそちら もご覧いただければと存じます。 日時  2011年12月19日(月)18時開場 18時20分開始 場所  共通教育棟222番教室(朝倉キャンパス)     5-1番教室(物部キャンパス、同時中継) ※岡豊キャンパスへの同時中継を計画しましたが、臨床講義棟第1講義室が講義使 用のため残念ながら実現できませんでした。 代表呼びかけ人 中道一心(人文学部) 追記 なお、残念ながら脇口宏氏は出席をお断りになられましたので、岡本和夫氏のみ の登壇です。この場を借りて、わたしたちの力不足をお詫び申し上げます。 "[he-forum 16726] (高知大学)組合による学長候補者公開質問状  同じく高知大学学長選情報です。  高知大学教職員組合による学長候補者への公開質問状と、候補者2名からの回 答が、組合ホームページに掲載されています。質問状は、[he-forum 16712]での 課題1~8に関するものです。ご参考までに。  http://kuunion.cocolog-nifty.com/ ----------------------------------- ■学長候補者公開質問状(高知大学教職員組合)  私たち高知大学教職員組合は、学長選考における意向投票を、大学のすべての 職員が高知大学のこれまでを振り返りながら、大学のこれからを展望し選択する 機会としたいと考え、2名の学長候補者に公開質問状を送りました。このたび回 答が送られてきましたので、公表いたします。グループウェアの「掲示板」の 「第1次学長候補者名簿等の公示について」のところにも候補者の「所信表名」 が掲載されていますが、それとあわせて意向投票のさいの参考としていただきた いと思います。  質問状については、いただいた回答に含まれていますので省略させていただき ます。候補者には、質問項目6の資料として2010年度こぶし11号もお送りしまし た。 "[he-forum 16727] 釧路新聞12/19 釧路新聞2011年12月19日付 道教大学長選問題で報告会   北海道教育大学の学長選挙で教職員の投票結果を無視し現職を再任させたとして、落選した同大の神田房行教授らが国と同大を相手取り提訴した問題で、北海道教育大学学長選裁判を支える会(代表・村山昌央道教大釧路校教授)は18日、釧路市内で原告の神田教授らが裁判に至った経緯などについて市民に報告した。同大では今年5月に学長選挙を実施。教職員による意向投票の結果、有効投票数458票のうち、現職の本間謙二氏が208票だったのに対し、神田教授は250票と過半数を占めた。しかし、その後の学長選考会議は、投票結果に関係なく本間氏を学長に選んだ上、選考理由の開示を拒んだため提訴に踏み切ったという。  "[he-forum 16728] 読売新聞12/19 読売新聞2011年12月19日付 医学部新設か 定員増か、「医師不足」巡り対立続く  医師を養成する医学部の新設はここ30年以上認められていません。文部科学省の検討会は1年近く、新設の是非をめぐり、委員が意見をぶつけ合いましたが、結論は得られていません。医学部設置でなぜここまで、論争が起きるのでしょうか。  ――今なぜ、医師を増やす医学部新設が検討されているのですか。  「救急患者のたらい回しや自治体病院の休止など、2007年ごろから地方で医師不足による問題が相次いだことがきっかけです。解決策として、09年に政権交代を果たした民主党は、医学部定員を1・5倍に増員することを掲げ、医学部新設も検討課題にあげました。10年12月から、日本医師会、大学病院、自治体など関係者による検討会で論議が始まり、今に至っています」  ――その結果、どう結論づけられそうなんですか。  「新設を認めるべきという推進派と、否定的な慎重派の溝は深く、一本化できそうにはない状況です」  ――慎重派の論拠はどこにあるのでしょうか。  「医師不足は既存の医学部の定員増で十分対処できるというのが慎重派の考えです。09年度から大幅な定員増が始まっており、12年度には07年度に比べ1366人増の8991人(防衛医大除く)に達します。実に、医学部13校分に相当します」  「日本医師会の試算では、この規模の定員数を当面続ければ、2025年時点で病院などの勤務医は10年に比べ5万8000人増の33万9000人となるそうです。逆に人口は減るため、1000人当たりの医師数は現在の先進国の水準に追いつきます。医学部をいったん作れば、医師が過剰になっても廃止は難しいというのも、新設に慎重な理由となっています」  ――推進派の考えは。  「必要とされる医師数は、定員増ではまかないきれないほど、当面増え続けると見ているからです。技術の進歩で治療をあきらめていた重症患者も助けられるようになり、その分、多くの医師が治療に携わるようになっています。その傾向はさらに進むと見ています」  「将来的に全体的な人口が減少していくのは確かですが、治療の機会が多い高齢者は増え続けます。また勤務医の過重労働を軽減するため、より多くの医師が必要になるとしています」  ――新設に名乗りを上げている大学・病院は。  「医師が少ない東日本の大学・病院で準備する動きがあります。大学卒業者を医師に養成する4年制のメディカルスクール(医学大学院)は、費用も抑えられるため、検討している施設は多いのですが、今のところ、実現するかどうかは不透明です」  「仙台市の東北福祉大・仙台厚生病院や栃木県大田原市の国際医療福祉大は、地域枠や奨学金制度を活用し、医師不足に悩む地域の要望にこたえる医学部新設の計画をまとめています」  ――今後の見通しは。  「文科省は1月15日まで、一般からの意見を募集しています。最終的には検討会の意見を参考に、政治家が決定します。新設の方向が出れば、文科省内の審議会であがってきた申請を個別に審議することになります。早くても2~3年先になりそうです」  「定員増や医学部新設を進めたとしても、現場に医師が出て行くのに10年程度の時間が必要です。地域医療の疲弊に対しては、大都市圏と地方の医師の偏在解消や勤務医の負担軽減などに継続して取り組んでいく必要があるでしょう」(渡辺理雄) "[he-forum 16729] 毎日新聞山形12/16 毎日新聞山形版2011年12月16日付 寄付講座:労働現場の理解深めて 連合山形、来年10月から山形大に開設  連合山形(大泉敏男会長)は15日、山形大人文学部の2年生以上を対象に12年10月から労働に関する寄付講座を開設すると発表した。08年秋のリーマン・ショック以降、派遣切りや突然の解雇、残業代不払いが社会問題化したため、将来労働者となる学生に労働現場への理解を深めてもらうのが狙い。連合本部は4大学で講座を開いているが、47都道府県にある「地方連合会」の講座開設は全国初。  寄付講座は、企業や行政など外部組織から寄付された資金や人材を使い大学や研究機関が研究や教育を行う活動。連合山形は山形大と相互連携協定を締結、設置期間を12年4月から14年3月までとした。授業は「労働と生活(90分)」で12、13年の10月~翌年1月に各15回開く。講座運営費用として年間87万円を大学に寄付する。  講義の主なテーマは、賃金の維持・向上や適正な労働時間執行への取り組み、働く女性の現状と課題など。労働金庫や全労済について学ぶ講義も設ける。講師には大学准教授の他、連合山形の役員や連合本部、労働者自主福祉運動の団体関係者も予定している。  非正規労働者の増加などで労働組合の組織率が低下しており、組合運動の社会的役割のPRも狙う。大泉会長は「労働問題の予備知識を得て社会にスムーズに入り活躍してもらいたい」と話している。【浅妻博之】 "[he-forum 16730] 産経ニュース12/19 産経ニュース2011年12月19日15時33分 大学交付金は161億円減 大学連携強化へ新規に138億円  政府は19日、国立大学の人件費などに充てる2012年度の運営費交付金について、11年度比161億円減の1兆1366億円とする方針を決めた。大学改革に向けて大学間の連携強化などを推進する事業に新たに138億円を盛り込むほか、復興特別会計に57億円を計上する。  近く中川正春文部科学相と安住淳財務相が会談し正式決定する。  国立大学法人の基盤的経費となる運営費交付金は毎年度1%程度の減額が続いていたが、11年度予算では前年度比0・5%減にとどまっていた。12年度予算案では、復興枠を除けば約1・4%減となる見込み。  また政府は、文科省所管の独立行政法人日本学生支援機構が大学生らに貸与している無利子奨学金について、経済的に困窮した卒業生らは返済を無期限に猶予する新制度を導入する方針も決定した。 "[he-forum 16731] しんぶん赤旗12/20 しんぶん赤旗 主張 2011年12月20日(火) 給付制奨学金 学ぶ権利を保障するために  来年度予算の概算要求で、高校・大学生むけの給付制奨学金が盛り込まれ、国民のなかで実現への期待が高まっています。ところが、政府内で、これを見送る動きが強まっています。学ぶ権利を保障するために、給付制奨学金はなんとしても実現させるべきです。 世界では常識の制度  世界では教育を受けることを欠かせない権利と認め、経済的理由で学業をあきらめる若者を一人もださないように給付制奨学金をつくることが常識になっています。  現にこの制度は、経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国のうち28カ国に広がっています。学生の受給割合は、判明している16カ国で平均4割となっています。大学授業料無償化の国も15カ国です。授業料が無償でないうえに給付制奨学金がないのは日本だけです。  高学費の日本は、高校と大学に通わせるのに1000万円もかかります。低所得者世帯の負担の限界をこえています。東京大学の小林雅之教授らの調査 によると、年収1000万円以上の家庭の高校生の大学進学率が62%に対し、年収400万円以下は31%にとどまっています。卒業後の厳しい雇用状況を目 の当たりにして奨学金を借りることを躊躇(ちゅうちょ)する若者も広がっています。現在の貸与制奨学金だけでは、学ぶ権利を保障できないことは明らかで す。  貧困と格差が広がり、卒業後、就職ができなかったり、非正規雇用となったりする若者が増えるなかで、給付制奨学金の実現は、文字通り待ったなしの 課題です。被災地からも「返済に不安があるから奨学金を申し込めない」と悲痛な声が寄せられています。大震災からの復興が急がれるもとで、いっそう切実で す。  ところが「予算編成に関する政府・与党会議」の実務者会合は、「無利子奨学金制度を拡充する」ことを口実に給付制奨学金を見送る最終報告をまとめ ました。これは、貧困と格差が広がる日本の現状を無視し、被災者の切実な願いを踏みにじるものです。最終判断をする野田佳彦首相は、給付制奨学金を予算に 盛り込むべきです。  民主党政権が、貸与制奨学金のローン化をさらに進めようとしていることも重大です。行政刷新会議が、日本学生支援機構の奨学金制度を金融事業とし て「抜本的な見直しと効率化」を求めるとし、財政制度等審議会では、「貸与時の審査を充実させる」と議論しています。これは、政府の負担を減らすために、 奨学金を金融事業とみなして、奨学金の有利子化やブラックリスト化など滞納者へのペナルティーの強化をすすめてきた自公政権の構造改革路線をいっそう進め るものです。 誰もがお金の心配なく  高学費と奨学金のローン化をすすめてきた自公政権に対し2009年の総選挙で退場の審判が下り、いまやほとんどの政党が給付制奨学金の実現を主張 しています。古い政治と決別し、「誰もがお金の心配なく学べる社会」へと前進する一歩として、給付制奨学金の実現、貸与制奨学金の無利子化、返済猶予制度 の拡充を強く要求します。  こうした方向こそ、若者に安心と希望をもたらし、21世紀の日本社会の発展のいしずえとなることは間違いありません。日本共産党は、その実現のために全力をつくす決意です。 "[he-forum 16732] 時事通信12/19 時事通信2011年12月19日23時6分 奨学金返済「出世払い」に=低所得世帯の学生対象―文科省  中川正春文部科学相は19日、2012年度予算について安住淳財務相と会談し、日本学生支援機構の無利子奨学金を借りた大学生が、卒業後に一定の収入を得るまで返済を猶予する制度を設けることで合意した。年収300万円以下の世帯の学生が対象となる。  中川文科相は「簡単に言うと、出世払い奨学金」と説明。「親の所得が子どもの就学環境に大きく影響してきている」として制度創設を決めた。今年度の貸与者で見ると、約10万人のうち約3万人が新制度の対象になるという。  また無利子奨学金の貸与者数を、今年度の約35万8000人から12年度は1万5000人増やす。うち6500人は東日本大震災による被災者枠とする。  "[he-forum 16733] 日刊工業新聞12/16 日刊工業新聞2011年12月16日付 九州工大と飯塚病院、医工連携で協定 【北九州】九州工業大学は飯塚病院(福岡県飯塚市)、福岡県飯塚市と医工学連携協定を19日に結ぶ。2012年4月に飯塚キャンパス(同)で開設予定のメディカルインフォマティクスセンターが推進機関となり、交流や共同研究を進める。九州工大が医療機関と協定を結ぶのは初めて。  九州工大の技術シーズを実用化し、医療現場が抱える課題解決に取り組むほか、精密加工技術を持つ中小企業の新規参入を支援する。  九州工大は情報工学部で脳波や筋電、画像処理など医療分野に関連した研究を行っている。一方の飯塚病院は従業員約2000人、病床数約1100の同市を代表する医療機関だ。 "[he-forum 16734] 佐賀新聞12/18 佐賀新聞2011年12月18日付 玄海原発運転差し止め訴訟 来年1月31日に提訴へ  九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)1~4号機の運転差し止め訴訟を呼びかけている九州の弁護士や研究者の団体は18日、来年1月31日に佐賀地裁に提訴することを発表した。原告として参加する意向を示した人はこれまで721人で、九電に加えて設置などの許認可権限を持つ国も被告にする。  訴訟では、東日本大震災や福島第1原発事故で示された原発の危険性や国の責任などを主張する方針。弁護士は現在約100人で、原発によって安全で平穏な生活を侵害されているとして、停止するまで1人当たり1カ月1万円の損害賠償も請求する。  玄海原発の運転差し止めを求める訴訟の動きは他にもあるが、国も被告に加えるのは初めて。原告団代表に就任予定の前佐賀大学長の長谷川照氏は「福島の事故は他の原発も人ごとではない。安全神話の上に成り立つ国策民営の原発をやめさせる裁判にしたい」と話した。 "[he-forum 16735] 共同通信12/19 共同通信2011年12月19日20時59分 東工大のイラン人入学拒否は違憲  国籍や安全保障上の理由から、イラン人男性(43)の入学を許可しなかった東京工業大の決定が適法かどうかが争われた訴訟の判決で、東京地裁は19日、法の下の平等を保障する憲法と教育の機会均等を定める教育基本法に反すると判断、不許可決定を無効とした。  男性の代理人弁護士によると、外国人への入学拒否を違憲、違法とした司法判断は極めて異例。  小林久起裁判長は、男性は日本で難民認定されていて定住性が高く、核兵器開発などの国家活動でイランとの強い結び付きはないと指摘。「東工大は、安全保障上の配慮に当たって重要な判断要素とすべき難民という事実を容易に確認できたのに調査せず、国籍を不当に重視し、不合理な差別をした」と述べた。  男性は入学の許可も求めていたが、小林裁判長は「難民であることを考慮した上で、大学がさらに調査を尽くして判断するのが相当」と退けた。  判決によると、2003年に来日し、08年に難民認定を受けた男性は、昨年6月、がんの放射線治療を研究するため東工大原子炉工学研究所に入学願書を提出した。  大学は、イラン人への核関連分野の教育が行われないよう要請する国連安全保障理事会決議や文部科学省の指導を踏まえ、男性が安全保障上、管理対象となっている技術情報にアクセスする可能性があるとして同年9月、入学を拒んだ。 "[he-forum 16736] 信濃毎日新聞12/21 信濃毎日新聞2011年12月21日付 信大大学院の医学系4分野、医学部の講座に移行 来年度  信大医学部(松本市)は来年度、大学院医学系研究科の博士課程にある4分野を医学部医学科の講座に移す組織改革を行う。学部教育を充実させるとともに、信大病院での診療の実態に即した形に改める。  加齢病態制御学分野を内科学第4講座、循環器病態学分野を内科学第5講座、免疫制御学分野を免疫制御学講座に移行。教授不在の感染防御学分野は病理学講座に移し、大学院医学系研究科分子病理学分野の中山淳教授が兼務する。  信大病院の内科系は、呼吸器・感染症は学部の内科学第1講座、消化器・血液・腎臓は同第2講座、脳神経・リウマチ・膠原病は同第3講座が担当。糖尿病・内分泌代謝内科は大学院・加齢病態制御学分野、循環器内科は同循環器病態学分野がそれぞれ担っていたのを、組織改革に伴い学部の講座として位置付ける。  福嶋義光学部長は「医学教育を国際標準に高めるため、人格形成教育と臨床実習を充実させていく」としている。  一方、大学院では、学部の内科学第4講座の博士課程として糖尿病・内分泌代謝内科学を、同第5講座の博士課程として循環器内科学をそれぞれ置く方針。 "[he-forum 16737] 中国新聞12/21 中国新聞2011年12月21日付 情報収集へ広島大「企画室」  広島大(東広島市)は20日、学長直属の「大学経営企画室」を東広島キャンパスに設置したと発表した。外部資金獲得の中枢部門に位置付ける。  学内の優れた研究を掘り起こし、国の科学研究費補助金など競争的資金や企業の寄付金の情報を収集してマッチングさせ、新たな資金獲得戦略につなげる。資金獲得の申請書類の記入を補助できるコーディネーターの養成も目指す。  室長は大学院理学研究科の相田美砂子教授が務め、専任2人を含む教職員約30人が携わる。これまで部局ごとに集めていた教育活動などの情報を収集して共有することで、大学の意思決定を補助する機能も持たせた。  浅原利正学長は定例会見で「自立した経営に向けて数値目標も掲げ、着実に歩んでいきたい」と話した。 "[he-forum 16738] 読売新聞三重12/20 読売新聞三重版2011年12月20日付 三重大と中部地方整備局が防災力向上へ協定  三重県内の防災力向上に貢献しようと、三重大(津市)と国土交通省中部地方整備局は19日、防災で連携するための協定を結んだ。東海4県と長野県の一部を管轄にする同整備局が大学と同様の協定を結ぶのは初めて。研究面を中心に連携していく。  東海・東南海・南海の三連動地震発生時には、県内では大きな被害が出ることが予想される。このため、道路や河川、港湾を整備する同整備局と、幅広い研究を進める傍らで市民を含めて防災活動に取り組む人材を育てている同大が課題の情報共有を図る。  災害のメカニズムや防災啓発などの調査・研究について協力するほか、整備のあり方について意見を交わし、効果的な施設整備に生かしていく。また、同整備局からの非常勤講師派遣、三重大からのインターンシップも実施し、人材面でも交流するという。  同大で行われた調印式には内田淳正学長や足立敏之局長らが出席。内田学長は「道路も含めたインフラ整備は危機分散にとって重要。有益なものになるよう努力を重ねたい」と述べ、足立局長も「大災害に対する備えについて手を携え、地域全体の発展につなげたい」と語った。 "[he-forum 16739] 読売新聞金沢12/21 読売新聞金沢版2011年12月21日付 金大 教育改革の成果報告 ■東京でシンポ 専門分野の壁低く  金沢大の大学改革をテーマにしたシンポジウム「日本の未来を担う人材育成・教育改革モデルの構築」が20日、東京都千代田区の学術総合センターで開かれ、同大が導入した学域学類制による新たな教育モデルについて、事例報告や講演が行われた。  同大は2008年4月、8学部25学科を3学域16学類に再編。枠組みを広げることで専門分野の壁を低くし、幅広い知識を持った人材を育成するほか、入学後に基礎を学びながら専門を決めるなど、学生の適性判断や志望の変化にも対応しやすい体制とした。  シンポには全国の大学関係者など約120人が参加。中村信一学長が「他大学からも関心は高い。日本の高等教育の改革に寄与できれば」とあいさつ。地域創造学類、自然システム学類、国際学類、物質化学類の各代表者が、4年間の成果を報告した。自然システム学類は、大谷吉生教授が「同じ自然現象を扱う学問のうち、真理を追究する理学、生活に応用する工学を融合させた」と説明。国際学類は、鹿島正裕教授が「真の国際人を育成するのが目的」とし、留学や語学研修の拡充などの取り組みを紹介した。  このほか、文部科学省大学改革推進室の岡崎成光専門官が「我が国の大学教育改革の現状と課題」と題して講演。「現代において大学に必要とされている役割は何なのか、真剣に考え直す時期に来ている」と改革の必要性を訴えた。 "[he-forum 16740] 毎日新聞福井12/18 毎日新聞福井版2011年12月18日付 講演:原発「耐震指針見直し必要」 立石・新潟大名誉教授が指摘--福井  地質学の専門家で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の安全性を確認する同県技術委員会委員の立石雅昭・新潟大名誉教授が17日、福井市文京3の福井大で講演した。立石さんは「原発が集中する若狭地方には多くの活断層が集中している。巨大地震につながる活断層の連続性を考えなくてはいけない」と警鐘を鳴らした。  立石さんは、東日本大震災では東京電力福島第1原発全6基のうち3基で、国の新耐震指針に基づいて想定された最大の揺れ「基準地震動」を上回ったことを紹介。原子力安全・保安院は今月開いた意見聴取会で「基準地震動は余裕を見込んで設定しており、(実際の揺れは)大きく上回るものではなかった」と弁明したが、立石さんは「現実の揺れが基準を上回れば、設計の基本が崩れる。数年かけて耐震指針を見直す必要があり、原発の安全宣言を出せる状況ではない」と指摘した。  ◇若狭の活断層連続性に警鐘  また国や事業者による若狭地方の活断層の評価について、「活断層が地中深くで連続していることを、どこまで真剣に考えているのか。現代の科学で明らかになっていないことは多い」と訴えた。【安藤大介】 "[he-forum 16741] 読売新聞12/16 読売新聞2011年12月16日付 新潟大 不正契約問題 再発防止へ特別委報告書 実効性は未知数  新潟大学(下條文武学長)の先端医療機器購入を巡る不正契約問題で、同大の不正行為等防止検討特別委員会(委員長=村山弘義弁護士)の第5回会合が15日、非公開で行われ、再発防止のための報告書をとりまとめた。  同大は早急に改革に乗り出すとしているが、事実解明が済んでいない中で、その実効性は未知数だ。  報告書によると、〈1〉学長と理事で構成する役員会の機能強化〈2〉理事・副学長などの権限の明確化〈3〉学長室の廃止〈4〉文書作成手続きの明確化――の4点を改善して再発を防止するよう求めている。  同委員会の村山委員長は記者会見で、「学内規定に過不足はなかったが、すき間を縫ってこういう問題が起きた」と述べ、「意思決定プロセスの透明化や理事らの職務を複数担当制とすることなどが必要」と訴えた。  裁判で、元副学長の永山庸男教授が「学長・理事に逐一報告していた」と反論していることについては「相手方の主張は確認している」としながらも、「学内調査委員会の結論に基づき、違法行為が行われたという前提で再発防止策を考えた」と明言した。  同大は報告書を踏まえ、早急にマニュアルを作る予定で、新年度を待たずにマニュアルの運用を始める方針だという。不正契約問題で新たな事実が判明した場合は、同委員会で随時必要な改善策の検討を行う。  下條学長は「報告を真摯(しんし)に受け止め、速やかに必要な改善を図り、再発防止に最善を尽くす」とのコメントを発表した。 "[he-forum 16742] 福井新聞12/22 福井新聞2011年12月22日付 福井大に独立専攻新設  二〇〇二年度財務省原案の復活折衝で二十二日、福井大に独立専攻「ファイバーアメニティ工学専攻」を新設することが決まった。繊維加工技術を情報技術(IT)分野に応用する研究のため設置を求めていたもので、教授、助教授それぞれ七人ずつが配属される。また大学院教育研究科には、全国初のケースとなる「学校改革実践コース」設置が認められた。また、福井医科大付属病院に総合診療部、病理部の両部門設置が認められた。  「ファイバーアメニティ工学専攻」は、繊維加工技術を応用し、光ファイバーを基盤材料とした高分子ファイバーの創成を目指す。また、その高分子ファイバーによる通信技術やデザイン分野を研究し、IT関連技術を追究。地場産業の活性化に役立てる。  工学部の組織に属さない「独立専攻」となる。入学定員は博士前期(修士)課程が三十六人、同後期課程(博士)が十五人。  「学校改革実践コース」は、現職の教員が学生となり、大学教官が各校の授業に出向くことで、現場を通して研究に取り組むというコース。本年度から試行的に同コースを設置しており、新年度からは正式なコースとなる。教育研究科の学校教育、障害児教育の両専攻にそれぞれ設置される。  また復活折衝では同科に、夜間に昼間同様の授業を行う「夜間主コース」の設置も認められ、両専攻と教科教育専攻に設ける。増加する定員は三専攻で計二十四人。  福井医科大付属病院の総合診療部は、患者の初期診断に当たり外科、眼科など各分野への振り分けを行うことで効率的な診療を行う部門。総合診療医の養成も図る。  病理部は一九八三年から検査部の中に設置されていたが、正式な部門となる。 "[he-forum 16743] 沖縄タイムス12/22 沖縄タイムス2011年12月22日付 琉大病院の透析施設完成 国立大最大規模 【西原】国立大学では最大規模の透析ベッド数を備える琉球大学医学部付属病院の血液浄化療法部棟と、研修医が臨床研修を行う卒後臨床研修センターの落成式が21日、西原町の同病院であった。  血液浄化療法部棟は、これまで10床だった透析ベッドを20床に倍増し、最大80人の透析が可能となった。県内に約4200人いる慢性透析患者の手術や入院待ちの解消が見込めるほか、臨床的研究やスタッフ教育などにも取り組む。  卒後臨床研修センターは、研修医が勉強に打ち込めるスペースを確保し、インターネットなど学習環境も整備した。医師として必要な診察能力の習得など、医療教育の向上を目指す。  井関邦敏部長は「沖縄は透析患者が多いが、ベッドに空きのない状況もあった。今後は総合的な医療が期待できる」と強調。大屋祐輔センター長も「ハード面が整備され、素晴らしい施設ができた。沖縄の地域医療に貢献していきたい」と話した。 "[he-forum 16744] 中日新聞12/22 中日新聞2011年12月22日付 金大、富大と連携強化 北電社長「地域と共栄のため」  北陸電力(富山市)の久和進社長が二十一日、本紙のインタビューに応じ、金沢大と「産学連携の推進に関する協定」を結び、二〇一二年度から共同研究や学生のインターンシップ(就業体験)などを強化する方針を明らかにした。富山大とも、北電として初めて寄付講座を設けて、連携を深める。  久和社長は「北陸が発展してこそ北陸電力が成長する。地域と共存共栄するための施策の一環」と語った。  協定には、電力にまつわる技術教育などの人材交流や、北電から学生に企業情報を提供するなどの就職支援を盛り込む。北電と金沢大の間で「連携推進会議」も設置し、さらに提携分野を調整する。  共同研究では、火力発電所で生じるフライアッシュ(石炭灰)をセメントに混ぜて強化する再利用法などを研究する予定。石炭灰の再利用法については、一月に学識者らを交えた検討委員会を設置しているが、普及加速を狙う。  富山大では来年四月から五年間、「先進電力システム寄付講座」を開設。電気工学分野の学生向けに、発送電の仕組みや自然エネルギー発電が普及した場合の電力網の受け入れ対策などを、北電の技術者らが講義する。久和社長は「電力関連の先生が少なくなってきているので、手伝いたい」と話した。 (吉田通夫) 旧タービン保管で保安規定変更申請 志賀2号機  北陸電力は二十一日、志賀原発(石川県志賀町)の敷地に倉庫を新設して2号機の古いタービンを保管するのに伴い、保安規定の変更を経済産業省原子力安全・保安院に申請した。  2号機のタービンは二〇〇六年に羽根の破損が見つかり、今年の定期検査で改良品に交換。古いタービンはわずかに放射能を帯びているため、来年二月に完成する倉庫で当面の間は保管し、放射能がなくなってから金属として再利用する予定。 "[he-forum 16745] 時事通信12/21 時事通信2011年12月21日18時27分 被災学生に奨学金=返済不要、最長6年-東北大  東北大学は21日、東日本大震災で被災した学生を対象とする奨学金制度を新設したと発表した。市民や企業から寄せられた寄付金約4億7000万円のうち半分の2億3000万円を充て、返済は不要とする。  奨学金は被災の程度に応じて3段階に区分。学費を負担していた親などが死亡または行方不明の場合、医学部と歯学部は6年、他の学部は4年間にわたり月10万円を給付する。制度は2016年度までの6年間とし、今年度は自宅の被害が半壊以上の241人に支給する。 "[he-forum 16746] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会 ニュースレター no.35 ニュースレター NO.35                     2011、12、20  公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489) 細木学長選考会議委員に重大疑惑 ―特定候補の利害関係者では!―  高知大学のすべての皆さん、本裁判に注目している全国の皆さん。    高知大学次期学長選考は来る12月26日(月)の意向投票、27日の学長選 考会議という山場を迎えようとしています。ところが、ここにきて、学長選考会 議の4名の学外委員のうち1名に。特定候補の利害関係者ではないかという重大 な疑惑が生じてきました。    12月6日に岡本候補の推薦代表者は学長選考会議議長に裏面のような「確認 依頼」を行いました。その内容は「学長選考会議委員細木秀美氏が理事長を務め る、特定医療法人「仁生会」細木病院には、学長候補である脇口宏氏の家族が勤 務しており、細木委員は特定候補の利害関係者にあたるのではないか」というも のです。  これに対し、12月16日になってやっと小槻議長から、「議長だけでは判断 はできないので、27日に催される選考会議の冒頭で委員の皆さんに伝えてご判断 を頂き、そののち選考作業に入る」との「口頭での」回答があったとのことです。  この事態を放置すれば学長選考会議の中立性、選考の公正さに重大な疑惑が生 じるのは言うまでもありません。本来ならば、選考会議の議論を学長選考の直前 まで待つことなく、それまでに議長が裁定するか、細木委員自身が自らの進退を 決するのが筋であるといえます。人事や入試において公正性に疑問が生じる可能 性が少しでもある人物は、当該業務はもちろん、ましてやその審議・決定に関与 してはならないということが大前提となり、それが大学の原則だからであります。    前号にも書いたように、私達は今回の学長選について「裁判所からボールが投 げ返された状態」つまり、裁判ではなく本来の大学自治の機能によって学内に公 正性を取り戻す機会になると考えています。しかし、学長選考会議委員の中立性 に関し、このような重大な疑惑が放置されたままで学長選考が行われるとすれば、 高知大学には正常な自浄機能が未だ働いていないことが露呈され、その選考結果 について再び裁判という手段に訴えざるを得ないだろうと考えています。  私達も重大な決意を持って、選考会議の出す結論を待ちたいと思います。 ■―岡本和夫候補の推薦者から学長選考会議に出された「確認依頼」-                      平成23年12月6日 国立大学法人高知大学学長選考会議議長殿    国立大学法人高知大学学長選考会議委員に関する確認依頼                        第1次学長候補岡本和夫氏                        推薦代表者  上田 健作  学長選考会議におかれましては、公正な学長選考を進めるべくご尽力いただき、 誠にありがたく存じます。  本日は、恐縮ながら、以下の点について懸念の声が複数の高知大学構成員から 上がっておりますので、敢えてお伝えし、ご判断を仰ぐものであります。  国立大学法人高知大学学長選考会議委員に経営協議会(学外委員)としてご就 任された細木秀美委員は、特定医療法人「仁生会」理事長の職に就いておられま す。この特定医療法人「仁生会」細木病院には、第1次学長候補となられました 脇口 宏氏のご家族、脇口 明子氏が勤務されていると聞いております。懸念さ れるのは、細木秀美委員が第1次学長候補脇口 宏氏の利害関係者にあたり高知 大学学長選考会議として不都合があるのではないか、またそれによって、選考の 公正さに疑問が残る恐れがあることです。  つきましては、本件―即ち、細木秀美委員が第1次学長候補脇口宏氏の利害関係 者にあたるかどうかにつきまして、貴選考会議としての見解を公表していただき、 賢明なる措置をお願い申し上げる次第です。    なお、今回の申し出に関するご判断・回答につきましては、文書により私ども のみならず広く教職員にお知らせくださいますようお願いいたします。 以上 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 12月21日 立会演説会 (19日)のyou tube 配信 12月26日 (月) 学長選意向投票9:00~15:00            「身分証明書」を絶対忘れないこと! 12月27日 (火) 学長選考会議 10:00~            判決公判   13:10~                    (於 :高松地裁)  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー "[he-forum 16747] (高知大職組)こぶし 第6号 こぶし 第6号 2011年12月20日  高知大学教職員組合中央執行委員会機関紙 意見・感想をいただきました 学長候補者に対する公開質問状への回答を配布させていただきましたが、それ についていくつかの意見・感想が寄せられました。以下に紹介します。なお、公 開質問状への回答はグループウエアの教職員組合掲示板の文書・資料欄、組合ブ ログ(http://kuunion.cocolog-nifty.com/blog/)に掲載してあります。 -------------------------------------------------- ■脇口氏の「回答」を見て、怒るよりむしろ悲しくなった。こんな人が学長候補 として出てくるところまで、高知大学は堕ちてしまったのかと。「好き勝手な研 究」「拱手する職員」などの言葉に込められた同氏の人間観、学問観の浅薄さも さることながら、公の場所でそこにふさわしい言葉を選ぶ能力が決定的に欠けて いることに憐れみすら覚える。しかし、もしも万が一同氏が学長に選ばれてしま ったら(大学構成員も学長選考会議もそのような愚かな選択はしないと信じるが・ ・・)哀れなのは高知大学である。なにしろ、学長が公の場で言っていいことと 悪いことの区別がつかないのだから。同氏を支持しているらしい現執行部は、そ の時に失言・暴言のしりぬぐいをする覚悟があるのだろうか。(人文学部教員) ■ハラスメント問題についての脇口氏の回答がひどすぎる。「火種は早く摘まな ければなりません」というところ。これは撤回してもらうほかないでしょう。 「火種を消す」か「芽を摘む」が正しいニホン語かと思いますが、それはどうで もいいです。問題なのは、ハラスメントを「火種」とみなしていることです。ハ ラスメント問題は人権問題です。大切なのは「摘みとること」ではなく「解決す ること」です。「火種」とか、もめごと、トラブルとかと考えるから、もみ消そ う、ということになるのです。このような発言をする人が学長候補者であること に戸惑います。(教育学部教員) ■高知大学の顔である学長は、一部の構成員のためにあるのではなく、常に地域・ 国際社会の顔として相応しい、人格・教養ともに優れた方を選出する必要があり、 現体制を変える必要があると考えられる方は少なくないと思います。不正手続き と考えられる学長選出方法で有名になり、信頼が揺らぐような大学であってはな らないと思います。我々は、公正な手続きによって学長を選出することは当然の ことであると考えます。学内においても対立のない公正な職場を構築できる人材 が必要です。  本年7 月に高知市内で開催されたパネルディスカッション「これからの地域社 会に求められる人材と高知大学が果たすべき役割」で岡本和夫先生のご講演を拝 聴しました。先生は高知大学の学生・教職員や地域との対話を通じ、必要なもの を見抜くことができる人格と経験・実績をお持ちであり、大学・地域社会を的確 な方向に牽引し、国際社会においてもパイオニアとして活躍できる大学を構築で きる逸材でありことを実感いたしました。(農学部教員) ■お二方から回答を頂けたことは、一票をもつ教職員として、非常に意味のある ことだったと思います。お二方のお考えを理解する良い機会になりました。ただ、 私は、これを拝読した後、どうしても、すっきりした気分になれませんでした。 なぜか?それは、回答の中でも書かれていましたが(自覚?)、私が「この回答 は一般論の域から出ていない」と感じたからです。より具体的な回答(お考え) を頂けたら良かったなあ…と思いました。例えば、誰もが働きがいを感じて働け る職場になるためには、協働・自由・公正などは重要なキーワードですが、では、 何をいつまでにどうするのか?また、ハラスメント対策については、“それらを おこしてはならない”、“被害者の救済と加害者の処罰を徹底する”という姿勢を 読み取りましたが、何を、いつまでに、どのような姿勢で臨むのか…。もっと知 りたいと思うのです。(教育学部教員) ■岡本和夫氏、脇口宏氏の回答書は、それぞれの実績・従前の言動と関連づけて 興味深く拝読させていただきました。(1)「長期展望」に関して:岡本氏は 「展望」に必要な、かつ現在専門家の間で注目されている観点(IR)に注意を促 しています。これに対し、脇口氏は当然のことながら本学の中期目標・計画につ いて述べています。但、脇口氏は抑も土佐さきがけプログラムなどに対して否定 的考えを持っていたと聞いています。ならば「現行に何がしかの変更を加えた上 …」等々の言葉もないのか、又「進捗状況がほぼ順調」という評価を何故「中央 からの高い評価」と言われるのか分かりません。(2)「ボトムアップ」と「ト ップダウン」は矛盾しない:ニュアンスには違いがあります。教職員のありかた について、岡本氏は「不可欠な協力」者と位置づけるのに対して、脇口氏は「執 行部に対して建設的な意見を述べることができる」者と言っています。「協力」 者という言葉には、「意見を述べることができる」よりも幅広い行為・実務、又 より率直に考えを述べ合う、対等的な関係が想定されているように感じられます。 (3)研究に関して:岡本氏が診療活動も含めて「教育に義務、研究に自由、社 会に発信」という原則を強調するのに対し、脇口氏は法人化前を「ぬるま湯」と 規定し「トップダウン化」の契機として述べています。「ぬるま湯」を研究の文 脈の中で表した言葉が「好き勝手な研究」となります。率直に言って、脇口氏自 身もその「ぬるま湯」的で「好き勝手な研究」ができる環境の中で育った研究者 ではないのか。法人化後の大学の展開は「好き勝手」を如何に大きく組織するか、 その器量が学長にどれほどあるかに係っています。法人化前を「ぬるま湯」と簡 単に一括せず逆に法人化の原理に拘る岡本氏の言葉の方が、現行体制に対する慎 重・周到な考え方―それは多くの大学評価に直接携わってきた人である故の―と感 じられます。(人文学部教員) ■脇口氏は本学運営の中枢に居られた方らしく(上から目線の)現状肯定路線と お見受けしました。貧富の差が広がり、日の当らぬ者は「自業自得」と言われつ つ益々割を食う状況になりそうです。対して岡本氏は中立的、一般常識的な内容 という印象‥‥外部の方として現時点でこれ以上は踏み込み難いのでしょうね。重 要な事柄での横文字/カタカナの使用は、行政側の方らしいと言うべきでしょう か。(理学部教員) "[he-forum 16748] 河北新報12/22 河北新報2011年12月22日付 「復興学」都内で発信 福島大 大学院サテライト開設へ  福島大は大学院の東京サテライトを来年4月に開設することを決め、21日、施設の無償提供を受ける立教大(東京都豊島区)と相互協力・連携協定を結んだ。福島第1原発事故に苦しむ福島県の現状を都内で発信し、内外の英知を集めるのが狙い。主に社会人を対象に「ふくしま復興学」を開講する。  大学院地域政策科学研究科(定員20人)のうち、5人程度を東京サテライトで受け入れる。ふくしま復興学は災害復興に関する講座を体系的にまとめた。福島県の歴史や原発の立地経緯、現状のほか、防災行政や賠償法制など約20科目で構成される。  福島大の教員が立教大まで出張し、毎週2、3日、平日夜に講義する。東日本大震災の復興支援活動に熱心な立教大のホームページを見て、福島大が協力を要請した。他大学の施設を利用したサテライトは極めて珍しいという。  立教大で協定締結後に記者会見した福島大の入戸野修学長は「福島県は3月11日を境に世界に類を見ない課題を背負った。国内外の英知を結集して克服するためには、東京で情報発信することが大切だ」と話した。  出願期間は来年1月23日~2月1日、入試は2月13日に福島大で行う。連絡先は福島大行政政策学類支援室024(548)8253。 "[he-forum 16749] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会 ニュースレター no.36 ニュースレター NO.36                     2011、12、26 公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)   12.26次期学長選考意向投票   必ず投票に行こう!    ―大学とそこに生きる私たちの未来がかかっています―  高知大学のすべての皆さん。  高知大学学長選考はいよいよ12月26日の意向投票を迎えます。 繰り返しになりますが、次期学長選考においてどの候補が選ばれるのか、意向投 票の結果がどう扱われるのかということに、今後の高知大学そして私たちの未来 がかかっているといっても過言ではありません。  再度二人の候補を確認します。   岡本和夫 (大学評価学位授与機構理事)   脇口 宏 (高知大学医学部長)  ここで、二人の候補の人柄、経験、能力、政策などを比較することはあえてし ません。二人の「所信」「推薦書」「教職員組合の質問への回答」などをきちん と読み比べた賢明な有権者なら、いずれに投票すべきか自明だと考えるからです。    あとは、きちんと一人一人が自らの権利を行使するだけです。    そしてそれは同時に「義務」でもあるということを付け加えておきます。私た ちの大学の構成員すべてが、今回の意向投票参加の権利をあたえられているわけ ではありません。不安定な雇用状態に置かれている臨時職員、正職員でも投票権 のない多くの人々、一生に一度の入学式・卒業式に際して前年と同じ学長挨拶を 聞かされてきた学生たち、その他「大学」という共同体を構成するすべての人々 の「思い」を体現するのがこの一票であり、それゆえに有権者はその思いをも託 した貴重な一票を投ずる責任と「義務」があります。    たしかに、意向投票の結果だけで次期学長が決定するわけではありません。し かし、意向投票において明確に構成員の意思を示すこと、選考会議も尊重せざる を得ないようなはっきりした意思を示すこと、このことが今最も重要です。  12月26日は午後3時までに私たち一人一人が(身分証明書を絶対忘れずに! )投票に向かいましょう! ■ 細木秀美氏はなぜ選考会議委員の職にしがみつくのか?    前号でお知らせしたように、学長選考会議委員細木秀美氏が学長候補である脇 口宏氏の利害関係者であるということがあきらかになりました。このような場合 の対応の仕方は一つです。入試でも人事でも利害関係者とみなされる恐れのある 者は、その案件の審議に一切関与しないこと。それだけです。それは、ペナルテ ィーでも当該人物を疑うからでもなく、「選考」の公正性に無用な疑いを招かな いためです。    ところが、今回細木氏は(それは同時に脇口氏はということですが)不思議な 対応をしました。脇口氏の配偶者が細木病院を退職されたのです。これは全く間 違った対応といわねばなりません。退職によって利害関係者であるという事実が 消えるわけではもちろんありません。また、配偶者が診察していた患者さんはど うなるのでしょう。配偶者の退職で利害関係から外れるというような姑息な処理 は、「男女共同参画」を主導しなければならない学長候補が容認すべきでないこ とも明らかです。    細木氏が今回の学長選考に際して審議に加わることを辞退されれば良いだけの 話ですが、どのような理由からか同氏はそうされたくないようです。他の経営協 議会委員の方たちに審議を任せられない理由でもあるのでしょうか。  ここでいささか気になるのは、第29回経営協議会で同氏が学長専攻会議委員 に何と「書面会議」により選ばれ、その審議のプロセスも公開されていないこと です。  また、12月5日に行われた学長選考会議においては、当日配布された「所信」 「履歴」などの両候補に関する大部な資料を、同氏は持ち帰って検討することも せず大学に預けて帰られたとのことです。これは、学長選考のために、もはや 「所信」「履歴」は必要としていないということでしょうか? 我々は細木氏の公正性に疑問があると主張しているわけではありません。以上述 べたような疑いを惹起しないために審議に参加しないことを自ら決断すべきと言 っているのみです。  それでもあえて、学長選考の審議に加わるというのであれば、それは同氏の公 正性もみならず選考そのものの公正性にも大きな疑いを抱かせる結果になるでし ょう。 ------------------------------------ 12月26日 (月)次期学長選考意向投票  午前9:00 ~午後3:00 終了時間に注意!                      身分証明書必携! 12月27日 (火)学長選考会議(次期学長候補決定)  午前10:00~  於 :高知大学  同日        学長任命処分無効確認訴訟判決公判  午後1:10~ 於 高松高裁 -------------------------------------             "[he-forum 16750] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.36 【訂正版】  たびたびすいません。  今朝流した記事に修正がありましたので、改めて訂正版をお送りいたします。    変更点は、「細木秀美氏はなぜ選考会議委員の職にしがみつくのか?」の2段 落目の削除です。    最初の版では、候補者の妻が専攻会議委員の勤めている病院に勤務しており 「利害関係者ではないか」との指摘があった後、細木病院のホームページ上から 突然名前が消えたため、お辞めになったという前提で書かれていました。  しかし、実際には、候補者の妻は「非常勤職員」(週二回程度診療を行う)で、 お辞めになってはいない(今も職員である)とのことでした。  学長選考会議の見解によれば、「非常勤職員」は「利害関係者にはあたらない」 とのことだそうです。 ───────────────────────────────── ニュースレター NO.36                     2011、12、26   公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)   12.26次期学長選考意向投票   必ず投票に行こう!   ―大学とそこに生きる私たちの未来がかかっています―  高知大学のすべての皆さん。  高知大学学長選考はいよいよ12月26日の意向投票を迎えます。 繰り返しになりますが、次期学長選考においてどの候補が選ばれるのか、意向投 票の結果がどう扱われるのかということに、今後の高知大学そして私たちの未来 がかかっているといっても過言ではありません。  再度二人の候補を確認します。   岡本和夫 (大学評価学位授与機構理事)   脇口 宏 (高知大学医学部長)  ここで、二人の候補の人柄、経験、能力、政策などを比較することはあえてし ません。二人の「所信」「推薦書」「教職員組合の質問への回答」などをきちん と読み比べた賢明な有権者なら、いずれに投票すべきか自明だと考えるからです。  あとは、きちんと一人一人が自らの権利を行使するだけです。  そしてそれは同時に「義務」でもあるということを付け加えておきます。私た ちの大学の構成員すべてが、今回の意向投票参加の権利をあたえられているわけ ではありません。不安定な雇用状態に置かれている臨時職員、正職員でも投票権 のない多くの人々、一生に一度の入学式・卒業式に際して前年と同じ学長挨拶を 聞かされてきた学生たち、その他「大学」という共同体を構成するすべての人々 の「思い」を体現するのがこの一票であり、それゆえに有権者はその思いをも託 した貴重な一票を投ずる責任と「義務」があります。    たしかに、意向投票の結果だけで次期学長が決定するわけではありません。し かし、意向投票において明確に構成員の意思を示すこと、選考会議も尊重せざる を得ないようなはっきりした意思を示すこと、このことが今最も重要です。 12月26日は午後3時までに私たち一人一人が(身分証明書を絶対忘れずに!) 投票に向かいましょう! ■ 細木秀美氏はなぜ選考会議委員の職にしがみつくのか?  前号でお知らせしたように、学長選考会議委員細木秀美氏が学長候補である脇 口宏氏の利害関係者であるということがあきらかになりました。このような場合 の対応の仕方は一つです。入試でも人事でも利害関係者とみなされる恐れのある 者は、その案件の審議に一切関与しないこと。それだけです。それは、ペナルテ ィーでも当該人物を疑うからでもなく、「選考」の公正性に無用な疑いを招かな いためです。  細木氏が今回の学長選考に際して審議に加わることを辞退されれば良いだけの 話ですが、どのような理由からか同氏はそうされたくないようです。他の経営協 議会委員の方たちに審議を任せられない理由でもあるのでしょうか。 ここでいささか気になるのは、第29回経営協議会で同氏が学長専攻会議委員に 何と「書面会議」により選ばれ、その審議のプロセスも公開されていないことで す。  また、12月5日に行われた学長選考会議においては、当日配布された「所信」 「履歴」などの両候補に関する大部な資料を、同氏は持ち帰って検討することも せず大学に預けて帰られたとのことです。これは、学長選考のために、もはや 「所信」「履歴」は必要としていないということでしょうか? 我々は細木氏の公正性に疑問があると主張しているわけではありません。以上述 べたような疑いを惹起しないために審議に参加しないことを自ら決断すべきと言 っているのみです。  それでもあえて、学長選考の審議に加わるというのであれば、それは同氏の公 正性もみならず選考そのものの公正性にも大きな疑いを抱かせる結果になるでし ょう。    --------------------------------------------- 12月26日 (月)次期学長選考意向投票   午前9:00 ~午後3:00 終了時間に注意!              身分証明書必携! 12月27日 (火)学長選考会議(次期学長候補決定) 午前10:00~  於 :高知大学  同日           学長任命処分無効確認訴訟判決公判   午後1:10~ 於 高松高裁  ---------------------------------------------           "[he-forum 16751] 秋田魁新報社説12/27 秋田魁新報社説2011年12月27日付 秋大医学部問題 真相解明し信頼回復を  秋田大医学部が揺れている。医師派遣先の県内民間病院から医学部の現職教授らが現金を受け取っていた上、別の幹部教授には旅費二重受給などの疑いが浮上。大学が二つの調査委員会を設置したのである。調査委は学内の最高審議機関である教育研究評議会内に設けられており、極めて異例。本県医療の重責を担う大学には、一日も早く真相を解明し、納得できる説明をする義務がある。  現金を受け取ったとされるのは教授と元教授の2人。収賄容疑で書類送検され、不起訴となった。医師派遣への謝礼の趣旨で現金を受け取ったというのが容疑内容。今回の不起訴は「賄賂と認定するだけの証拠が得られなかった」(秋田地検)という嫌疑不十分だ。起訴するだけの証拠はないが、疑いはある—というのが、その意味だろう。2人の疑惑は払拭(ふっしょく)されていないと指摘しておかねばならない。  現職教授は国立大学法人職員である。一般市民よりも高い倫理が求められ、社会的責任が厳しく追及されるのは当然だ。元教授は現金を受け取った当時、現職の医学部付属病院幹部。現在は退任しているとして、調査委は「ある程度事情を聴くことは必要」との認識だが、その程度の対応では調査結果の信用性に疑問が生じよう。医師の社会的地位を鑑みても、毅然(きぜん)とした対応を取るべきだ。  医学部教授らの疑惑が特に注目されるのは、その背景に医師派遣の問題があったのではないか、とみられるからである。  県内の医師不足は慢性化し、「医療崩壊の危機」という言葉さえ陳腐に響く。2004年度導入の新臨床研修制度が医師不足の引き金になったことは再三、指摘されている通りだ。大学の医局を中心とした従来の研修システムとは異なり、新制度下で新人医師は研修先の病院を自由に選択できる。その結果、研修医は都市部の有力病院に集中して、その後もそこにとどまり、医局には戻らなくなった。  そこで起きたのが、医局の医師減少に伴う派遣先病院からの医師引き揚げである。医局からの医師派遣に頼っていた病院は、引き揚げで医師が不足。しわ寄せを受けた病院勤務の医師は疲弊して開業医などに転じ、その穴埋めのため、さらに大きな負担が他の医師を襲う。この負の連鎖が医師不足の実態だ。  こうした状況打開のため、秋田大では医学部卒業生の県内定着に向け、地域枠などを設けて定員を増員。県は医師配置適正化計画の策定部会をスタートさせたばかりだ。医療は経済効率だけでは論じられない「公共財」であり、医師不足は一人一人の生命に直結する「命の問題」である。医学部教授らの疑惑は、その対極にあると言えよう。  疑惑が生ずること自体、本県医療にとってはダメージと言わねばならない。明確で迅速な調査結果の公表と、信頼回復への取り組みを大学は急ぐべきだ。 "[he-forum 16752] 毎日新聞茨城12/27 毎日新聞茨城版2011年12月27日付 医師不足:解消へ、筑波大に寄付講座 土浦市、霞ケ浦医療センターに3人常駐  土浦市は筑波大(つくば市)に寄付講座を設置し、土浦市役所近くの独立行政法人国立病院機構・霞ケ浦医療センター(同市下高津2)内に新たに公募する同大付属病院医師3人を来年4月から常駐させることを決めた。3者の代表が26日、同大で協定締結式を行った。県内で市町村単独で同大と医師不足解消に向けた寄付講座を設置するのは初めて。  式には中川清市長、山田信博学長、五十嵐徹也付属病院長、国立病院機構の矢崎義雄理事長が出席。中川市長は「市から寄付講座設置を要望した。地域医療の拡充と成果を確信している」と強調した。  同市などによると、寄付講座名は「土浦市地域医療教育学講座」。霞ケ浦医療センター内に「筑波大学付属病院土浦市地域臨床教育ステーション」(仮称)を設置し、同大教員の医師3人を公募し配置する。来年4月1日から5年間で、土浦市の寄付金額は医師3人の給与を含めて5年間で計2億1000万円という。【福沢光一】 "[he-forum 16753] 毎日新聞山形12/27 毎日新聞山形版2011年12月27日付 東日本大震災:山大・宮城教育大・福島大、「災害復興学」を開講--来年度後期  山形大、宮城教育大、福島大の3国立大は新学問分野としての確立を目指す「災害復興学」について12年度の後期授業から開講を目指すことを山形大で22日に開いた南東北大学連携研究会で決めた。2月1日に福島大で開かれる予定の次回研究会までに授業で使うテキストの骨子案をまとめ本格的な議論に入る。  3大学は東日本大震災を受け、復旧・復興に連携して取り組むことにしている。連携研究会は3大学の副学長や教授らが参加し、復興教育や復興学をどう展開していくかを8月から話し合ってきた。山形大によると、3月に山形市で災害復興学について学ぶシンポジウムを開く計画案も決めた。  災害復興学は、長期にわたる災害復興事業の一翼を担う人材育成を目的としている。内容は、災害の記憶を「社会の記憶」として継承していく▽被災の記憶を乗り越えるだけの「生きる力」を持たせる▽災害に冷静かつ的確に対処できるような知識と心の準備を持たせる▽災害で貢献できる支援のノウハウを持たせる▽復興に向けた活動を通じ、人間的な成長を実現する--の5項目を柱としている。【浅妻博之】 "[he-forum 16754] 高知新聞12/28 高知新聞2011年12月28日付 高知大新学長に脇口氏(医学部長) 来年4月就任 選考会議で決定  高知大学は27日、相良祐輔学長の任期満了に伴う学長選考会議を開き、同大 医学部長の脇口宏氏(65)を次期学長に選出した。任期は、2012年4月1 日から4年間。  学長選には、脇口氏と独立行政法人大学評価・学位授与機構理事の岡本和夫氏 (63)が出馬。26日に教職員871人(うち棄権35)人による学内意向投票を行 い、脇口氏424票、岡本氏407票、無効5票だった。  理事や学部長、学外の有識者ら計11人で構成する学長選考会議は27日、2候補 から将来構想や大学運営などの考え方を聞き取った上で、意向投票も参考にして 協議。選考会議事務局の同大総務課によると、全員一致で脇口氏に決定したとい う。決定理由やメンバーは非公表としている。  脇口氏は、愛媛県出身、岡山大医学部卒。香川県立中央病院の小児科医師など を経て1979年から高知医大助手。01年同大教授、08年から現職。専門は 感染症や小児血液・腫瘍学など。県内の乳児死亡率の改善などに取り組んでいる 県周産期医療協議会の会長も務めている。  同大によると、脇口氏は文部科学省から正式任命されるまではコメントできな いとし、大学運営への抱負などは来年4月の就任後に発表するとしている。   "[he-forum 16755] 高知新聞12/28 高知新聞2011年12月28日付 高知大学長選 対立候補らの控訴棄却 高松高裁「公正害したと言えず」  2008年4月、文部科学省が高知大学学長に相良祐輔氏を任命したのは「違法」 として、学長選の対立候補だった高橋正征氏らが国に任命の取り消しを求めてい た訴訟の控訴審判決が27日、高松高裁であり、小野洋一裁判長は原告の控訴を棄 却、却下した。  問題となったのは、07年10月、同大が国立大学法人移行後に実施した学長選考 手続き。学内意向投票では、高橋正征氏が相良氏を41票上回る開票結果が確定し たが、その後、票を整理していた職員が「相良氏の20票が高橋氏の投票箱に混入 していた」と指摘。投票管理委員が数え直すと、得票は1票差になり、選考会議 は2通りの集計結果を参考に相良氏を学長に選任した。  これに対し、高橋氏らが選考の正当性をめぐり提訴。高知地裁は10年12月、 「違法は認められない」と訴えを退けていた。  小野裁判長は、票数確定後に職員が票の枚数を確認し直した点について、「配 慮不足があったと言わざるを得ず、疑惑が生じても無理からぬものがある」と指 摘。一方で、「投票用紙を書き換えるなどの行動を取ったことをうかがわせる証 拠もない」「手続きの公正を害するに至っているとまで言えない」と結論づけた。  原告の1人で、当時の選考会議委員の根小田渡氏の訴えについては「原告適格 を有しない」とした一審判決を支持し、却下した。  原告代理人の一人は「2通りの投票結果を参考にした選考のあいまいさなど、 こちらの疑問に何ら応えていない」と批判した。  "[he-forum 16756] 日本経済新聞東北12/28 日本経済新聞東北版2011年12月28日付 「大学・研究所」に204億円 12年度予算ここが焦点(中)  政府の2012年度予算案で、東日本大震災の復興経費を別枠で管理する特別会計に、東北を拠点とした大学や研究所などを活用した地域再生費として計204億円が計上された。震災を機に産学官連携を推進し、新産業の育成を狙う。  研究成果を被災企業と共に実用化するイノベーション創出事業に予算を配分。被災地の企業と大学が連携し、研究成果の事業化を推進する。次世代エネルギー研究開発事業では高効率の太陽電池開発のほか、波力など東北の地域性を生かしたエネルギー研究を進める。  教育面では被災児童の学習を支援するため22億円で被災地の教職員を1000人増やす。被災大学生の授業料減免支援に76億円を配分。専門・専門学校向けには復興を担う専門人材の育成(5億円)が盛り込まれた。  学校の復旧や津波観測網の整備にも引き続き予算を計上した。資金を有効活用し、学習の場の立て直しと雇用を生み出す新産業の育成が急務だ。 "[he-forum 16757] 佐賀新聞12/28 佐賀新聞2011年12月28日付 「肝臓がん」に取り組む寄付講座 県が佐賀大学と協定  佐賀県は佐賀大学医学部と連携し、死亡率全国ワーストワンが続く肝臓がん対策に取り組む寄付講座を来年1月から設置する。講座では専従の医師らが肝疾患の研究を進めるとともに、医学部内に新設する「肝疾患センター」を軸に県内医療機関のネットワークを構築する。佐賀大で27日、協定締結式が開かれた。  寄付講座は学外からの寄付金で研究の活性化を図る制度で、県と佐賀大では地域医療支援、重粒子線治療に続き3講座目。今回の設置期間は2014年度末までで、1億750万円を寄付する。  講座では専従の医師3人を雇用し、新設する肝疾患センターで患者の検査結果や診療内容をデータベース化して一元管理する。それを参考に、専門医がいる県内8カ所の専門医療機関と、各市町のかかりつけ医のネットワークを整備。患者が県内のどこで受診しても、適切な治療を提供できる仕組みを構築する。  佐賀大によると、県内の肝がん患者の9割をB、C型ウイルスキャリアが占めるが、自覚症状がないため、検査を受けない人や陽性であっても放置して肝硬変や肝がんに進行するケースが多いことが課題となっている。  対策として、8カ所の専門医療機関と50カ所のかかりつけ医で、1人ずつ看護師や保健師を「肝炎コーディネーター」として養成。コーディネーターはウイルス検査を勧めて患者を掘り起こし、陽性者には治療を働きかける。  2010年の人口10万人当たりの肝がん死亡率は全国平均25・9人に対し、佐賀県は41・1人。12年連続でワーストワンを記録している。  協定を結んだ古川康知事は「時限的な講座だが、これを契機に医療体制を構築し、死亡率の改善につなげたい」と述べた。佛淵孝夫学長は「肝がんをターゲットに絞った今回の取り組みは成果が分かりやすい。汚名返上のため、県内の全医療機関で取り組んでいく」と意気込みを示した。 "[he-forum 16758] 徳島新聞12/28 徳島新聞2011年12月28日付 鳴教大2年連続1位 教員就職率77・9%  鳴門教育大学の学校教育学部を今春卒業した人の教員就職率は77・9%(9月末時点)で、2年連続で全国1位となったことが27日、文部科学省のまとめで分かった。全国44の国立教員養成大・学部の平均は62%。  鳴教大の今春の卒業生は113人。教員に採用されたのは88人(正規57人、臨時31人)だった。このうち県内の公立学校へ就職したのは23人(正規13人、臨時10人)で、昨年の22人を1人上回った。  同大は2004年に就職支援室を開設し、公立学校の校長経験者をアドバイザーとして配置。05年3月の卒業生から60%以上の教員就職率を維持し、10年には78・3%(卒業者115人中90人採用)と1981年の開学以来、初めて全国1位となった。  同大は、若手現職教員と学生の意見交換会や模擬面接、模擬授業などを行っており「支援を通じて一人一人の学生に教員になるための資質が身に付いた」としている。  全国44大学・学部を今春卒業した学生1万479人のうち、教員に採用されたのは6494人(正規3820人、臨時2674人)だった。 "[he-forum 16759] 朝日新聞12/30 朝日新聞2011年12月30日付 「地域が求める人材育てる」 大分大・北野新学長に聞く  大分大学の新学長に、北野正剛氏(61)が今年10月1日付で就任した。就任会見で、「地域とともに大学の発展に全力を尽くし、存在感のある大学を目指す」と抱負を述べ、「改革を断行する」と強調。どんな大学を目指すのか。話を聞いた。  ――どういったことに力を入れていきたいですか。  色々とあるが、まずは組織改革と教育改革。これまで、組織としての意思決定に時間がかかっていた。幹部会議の数を減らすなど、短時間で意思決定できる方法を考えていきたい。大学も効率化が求められている。  ――教育改革とは。  学生に付加価値をつけ、地域に貢献できる、地域に求められる人材を育てることを目指す。これまで、おざなりとは言わないが、少し足りない部分があった。具体的には、講義やセミナーを充実させることで、実現したい。専門科目の勉強はもちろん当たり前。それに加え、一般社会人としての素養も重要視される時代だ。  ――付加価値とは。  私の指針は、「LEADS」。Look around(周りを見る)、Esteem(尊敬する)、Act now(ただちにやる)、Do the best(最善を尽くす)、Shympathize(共感する)の頭文字をとったもの。学生もそういった人間になってほしいと思っている。  ――2004年に独立行政法人化して以降、大学自身が大学を経営しなければならなくなりました。  独自の判断で経営ができるようになったということ。世の中、評価の時代。評価で外部資金も決まる。運営交付金が毎年段階的に削られており厳しい状況だが、今年度の日本学術振興会からの補助・助成金は3億568万円と、2006年度に比べ1億8千万円増となった。  また、学内にベンチャー企業を立ち上げ、研究成果を社会に還元する形で発表し、資金を得ることもできる。学内のベンチャーは15社。旧帝大に比べるとまだまだだが、徐々に増やしていきたい。  ――経営力を高めるには評価を上げていく必要があるのですね。  大学の評価が上がれば入学希望者も増えてくる。優れた人材に入学してもらい、さらに付加価値をつけ、卒業させることが私たちの役目だと思っている。(聞き手・城真弓)     ◇  〈きたの・せいごう〉 和歌山県出身、九州大学大学院医学研究科を修了。1996年から大分医科大学(現・大分大学)医学部教授を務める。大分大医学部副学部長などを経て、今年10月1日付で学長に就任した。内視鏡を使った胃がん手術をいち早く始めたことでも知られる。 "[he-forum 16760] 日本経済新聞12/28 日本経済新聞2011年12月28日付 大学の学費補填、奨学金も予習が肝心 有利子なら条件緩く  年が明ければ大学受験シーズンが本番を迎える。推薦入試などで、すでに入学を決めている高校生も多いだろう。合格後に気になるのがお金の工面。大学選びでは授業料や奨学金も大きな要素になる。合格後に慌てないためにも、必要な費用を賄う手段を予習しておきたい。  「最近の保護者からの質問はほとんどがお金の話」。旺文社(東京・新宿)の受験生向け雑誌「蛍雪時代」の宮沢静也・総編集長はこう話す。受験生や保護者を対象にした進学相談会で講演すると、決まって学費の安い大学や奨学金が充実した大学について聞かれるという。2008年のリーマン・ショック以降、特にその傾向は強まっている。 ■減少続く生活費  日本学生支援機構が隔年で実施する調査によると、08年度の大学生(昼間部)の学費を含めた生活費の総額は年間186万円で、06年度に比べ2%減った(グラフA)。00年度をピークに減少が続き、金額は8年間で1割減った。一方で奨学金を受給する割合は上昇。00年度の29%から08年度は43%に伸びた。  大学生を経済的に支援する制度は奨学金や教育ローン、学費の減免制度など様々ある(表B)。実施する主体も大学や自治体、民間の団体など幅広い。おおむね返済の負担が軽いものほど家庭の収入や成績などの条件が厳しく、競争率が高い。数多くの制度から自分に合うものを探し、条件のよい順に検討したい。  経済的な支援で最も魅力的といえるのが返済の必要がない給付型の奨学金だ。大学が独自に制度を設けているほか、様々な民間の団体も手がける。最近は「成績優秀者を対象にした奨学金を新設する私大が増えている」(旺文社の宮沢氏)という。  例えば早稲田大学は首都圏以外の受験生を対象に、成績優秀で家庭の収入が多くない場合、年40万円を約500人に給付する奨学金制度を09年度入試から始めた。秋に申し込み、合格すれば奨学金がもらえるかどうかが出願前に分かる。慶応大学なども同様の奨学金制度を始めた。給付型は一般に、人数が限られる。  多くの人が利用しやすく身近に感じられるのが貸与型の奨学金だろう。特に日本学生支援機構の奨学金は受け取っている大学生(短大生含む)が10年度で97万人に上り、全大学生の36%を占める。  学生支援機構の奨学金は借りた分だけ返済する「無利子型」と、利子を付けて返済する「有利子型」がある。それぞれ家庭の収入や成績などの条件があり、選考を経て対象者を決める。  無利子の方が条件が厳しく競争率は高い。ただ有利子に関しては「この数年は条件を満たした学生全員が貸与を受けている」(広報担当者)。返済時に上乗せされる金利は国債などに連動する仕組みで、上限は年3%。直近は固定金利型で年1%台だ。  家族の収入が急減した場合などは、大学から授業料の減免を受けられる場合がある。東日本大震災の被災者向けの支援制度を持つ大学も多い。金融機関などの教育ローンは奨学金に比べ金利が高めだが、まとまった金額を一度に借りられる。国の教育ローンは母子家庭などに手厚い。 ■借りすぎに注意  奨学金や教育ローンを使う際は将来の返済にも気を配りたい。ファイナンシャルプランナー(FP)の畠中雅子氏は「少し足りないくらいを借りて子どもがアルバイトで補うのがよいだろう」と話す。お金は余分にあれば使ってしまうためだ。月5万円借りると4年間の借入総額は240万円。学生支援機構の有利子型で、金利が上限の年3%なら15年間で返済する場合の総額は300万円を超える。  以前に比べて収入が増えにくい分、奨学金などの返済の負担感は強まっている。「安易に奨学金を使い親子の関係が悪化することもある」と畠中氏は話す。大切なのは納得して目指す進路に進むこと。親子で家計の状況を共有し、無理のない計画を立てたい。 "[he-forum 16761] 毎日新聞12/30 毎日新聞 2011年12月30日 11時02分 大阪府・市の大学統合:教育学部設置で橋下市長が国と対立  大阪府立大(堺市中区)と大阪市立大(大阪市住吉区)は年明けに、一体経営に向けた協議会を設置する方針を固めた。府と市の新組織「府市統合本 部」が来秋以降にまとめる統合案に、現場の意見を反映させる狙いがある。ただ、松井一郎知事と橋下徹市長が新設する方針の教育学部について、文部科学省は 「法律上、認められない」としており、新たな火種になりそうだ。  両大学は現在、それぞれ公立大学法人が経営。府市から年間で府立大が117億円、市立大が135億円の交付金を受ける。府立大は7学部、市立大は8学部あり、このうち工、理、経済の3学部は重複している。  松井、橋下両氏はダブル選で「大阪都公立大学法人」(仮称)を設立し、両大学を一体経営するとしていた。橋下市長は「交付金をまとめ、重なる学部を再編すれば、投資効果を生むような使い方ができる。アジアの競争に勝てる大学にしていく」と意義を説明する。  大学側も前向きに検討を始めた。市立大は今月12日に法人統合戦略本部を設置し、理工▽医療▽教育▽事務部門の各分会で課題を議論する。西沢良記学長は「規模拡大で研究施設の整備もしやすくなる。うまく融合していきたい」と意欲を見せる。  府立大も今月、検討会議を発足させた。船野智加枝・府立大総合調整室長は「事務部門をまとめれば経費削減が可能だ」と期待する。両大学は既に協議会設置に向けて情報交換を始めている。  一方、教育学部の新設は、松井知事が「大阪全体の教育の質向上のためだ」と口火を切った。文科省によると、教員を養成する教育学部を設立するには付属学校が必要だが、公立大学法人は法律上、設置できないという。  橋下市長は「国立大や私立大は付属校を作れるのに公立大は作れない。こんなバカな話はない。文科省がとんちんかんな回答をしている」と批判。国立 の大阪教育大(同府柏原市)との競合も予想されるが、「国立では知事や市長の意向が反映されない。大阪にとって必要な教員を養成する」と話す。  元文科官僚の寺脇研・京都造形芸術大教授は「公立大が設置できないという理屈は通らない」と指摘した上で、教育学部の狙いについて「教育基本条例 案の理念と同じく競争主義、成果主義といった民間企業のマインドを持つ教員を養成するためではないか」とみている。【原田啓之】 "[he-forum 16762] 毎日新聞1/4夕刊 毎日新聞2012年1月4日付夕刊 東大:「古代ハス」ゆかりの研究施設、財政難で売却検討  約2000年前の古代の香りが楽しめる「大賀ハス」の種の保存・研究を続けてきた東京大学緑地植物実験地(千葉市花見川区)について、法人化による東大の財政難のあおりで、3月末での閉鎖、売却が検討されていることが分かった。大賀ハスは千葉市の花に指定され、市民に身近な存在。「ゆかりの場所を残せないか」との声が高まりそうだ。  大賀ハスの種は1951年、東大旧検見川厚生農場内の遺跡から植物学者の故大賀一郎氏が発見。開花に成功し、「世界最古の花」として米ライフ誌でも取り上げられた。種子は全国へ移植され、千葉県の天然記念物にも指定されている。  同農場はその後、東大総合運動場などになったが、大賀ハスの数百種とされる系統種の保存・研究は、隣に開設された同実験地で続けられてきた。ところが、東大などによると、予算不足や人員削減による施設集約のため、同実験地の閉鎖と売却が決まった。ハスの保存・研究は西東京市にある東大の施設に移す計画という。  地元自治会は08年から11年にかけ計約5万人の署名とともに千葉市へ存続を要望してきた。【荻野公一、森有正】 "[he-forum 16763] 西日本新聞社説1/5 西日本新聞社説2012年1月5日付 医工連携 あればいいなを形にするには ■2012 明日へ■  健康に対する関心はますます高まるだろう。健康食品やアンチエイジング(抗老化)をうたう商品の売り上げが加速し、体力維持のためのウオーキングは一層盛んになるかもしれない。  できるだけ病気をせずに長生きしたい。予防が重要になる。仮に病を得ることになっても、ごく初期に正確な診断ができれば完治の可能性は高まる。  病気を抱えて暮らすことになっても、最期まで自分のことは自分でやりたい。より使いやすいリハビリ用や介助用のロボットの開発が求められる。  超高齢社会で医療・介護の需要が高まるのは間違いない。多岐にわたるニーズがある。内需拡大が期待できる。成長分野だ。というわけで野田政権が打ち出した「日本再生の基本戦略」の中に、創薬や医療機器開発で世界をリードするなどの目標が盛り込まれた。  ▼生活の質が向上すれば  医薬品の国内生産額は2010年が約6兆7790億円で、輸出額は約1400億円台にとどまる。これに対し輸入額は約2兆3165億円に上る。  医療機器は国内生産が約1兆7134億円に対し、輸入額は1兆円超で輸出額の2倍以上になっている。  医薬品・医療機器は大幅な輸入超である。国を挙げてここにテコ入れし、輸出産業にも育てようというわけだ。  医療や介護の分野で、そろばん勘定が先立つのはどうかとも思う。だが技術革新が進み、高齢者や病気を抱えている人や、その家族の生活の質が改善されるなら結果的にはいいことだ。  大分県ビジネスプラングランプリ最優秀賞を受けた「自動たん吸引装置」は良い例である。自発呼吸ができず、のどに詰まったたんを出せない難病患者の場合、家族など介護者が吸引器を使って取り除くしかない。夜中も小まめに起きての24時間の介護になる。  これでは家族が疲れ切ってしまう。何とかしたいと大分県宇佐市の企業「徳永装器研究所」と大分市の病院長が中心になって開発した。07年夏に実用化に成功し、10年夏に販売を始めた。  こつこつと積み上げた成果もある。九州工業大名誉教授の藤居仁さんの研究が本紙で紹介されたのは20年ほど前だ。当時は情報工学部の教授だった。  藤居さんは皮膚にレーザーを当て、皮下の反射光がつくる模様の変化をコンピューター処理し、血液の流れをカラー画面に映し出す装置を開発した。  この血液循環画像装置を長崎県島原市の眼科医らと共同で、目の病気の診断に応用したのだ。当時の記事には、糖尿病などの早期発見、治療に役立つと注目されている、などとあった。  藤居さんはその後、大学発ベンチャー企業のソフトケア(福岡県飯塚市)を設立し、製品化も果たした。現在は長崎大や久留米大、東北大などと簡易操作型装置の共同研究を進める。  精度の高い診断機器を開発する意味は、病気の早期発見である。画像装置で正確に兆候を捉えられれば、誤診や病気を見逃す可能性が小さくなる。  治療も内視鏡活用などで患者の負担を軽くする流れにある。九州大では「ナビゲーション手術」という面白い試みがあるようだ。開腹しなくても医師が患者の臓器を実際に見ているような映像が得られる仕組みで、無駄のない手術ができ、患者負担は最小という。  いずれも医工連携の試みだ。九州では他にも取り組みは数多い。九工大と九州歯科大、産業医大がある北九州市では「医歯工連携」との言葉も聞く。  ▼高い壁を幾つも越えて  可能性は無限にあり、有望そうだ。だが、成果がなかなか見えてこない。  医薬品や医療機器は開発から製造、販売に至るまで長い時間がかかる。何よりも安全でなければならない。効果も慎重に見極める必要があるからだ。  大手企業が手を出しにくい「すきま」市場がたくさんありそうだが、経営体力が弱い中小企業は入りづらい。  医学と工学の接点が少ないこともある。九州経済産業局が昨年12月に第1回「医工連携推進研究会」を福岡市で開いた。仲介役がどれだけおり、実際にどのくらい動けるかも鍵になる。  大分県と宮崎県は医療産業拠点形成のために手を結んだ。両県の「東九州メディカルバレー構想」は、政府の「地域活性化総合特区」に選ばれた。  両県には血液や血管に関する医療機器を製造するメーカーの生産・開発拠点が集積している。都道府県別の医療機器生産金額(10年)では、大分は約1181億円で全国4位、宮崎は143億円で全国25位、九州では2位だ。  これを足場にもっと裾野を広げたい。産学官連携で研究開発、人材育成を進めたい。特区の利点を生かして企業誘致を図り、地場企業の参入も促したい。両県はこんなふうに考えている。  国の政策では革新的な技術開発、先端医療開発の「スーパー特区」もある。地域を超えて全国の大学や病院が手を結んで先端研究に挑む。中には九大が代表を務めるプロジェクトもある。  生活の質を上げる。あればいいなを形にする。試行錯誤がさまざまなレベルで行われている。どのくらいモノになるだろうか。「連携」は容易ではない。ただ、その試みは後押ししたい。 "[he-forum 16764] 読売新聞山形1/6 読売新聞山形版2012年1月6日付 最先端がん治療など目標 山形大学長が行動計画  山形大の結城章夫学長は、5日の記者会見で、同大の2012年の行動計画「結城プラン2012」を発表した。重粒子線による最先端がん治療施設を東北地方では初めて同大付属病院に設置することなど、計65項目の目標を掲げた。  同大医学部によると、重粒子線治療は、通常の放射線治療よりも大きい粒子を加速し、がん細胞に照射して死滅させる治療法。体の表面は傷つけずに前立腺がんや肺がん、膵臓(すいぞう)がんなど体の深部のがん治療に効果を発揮する。体を切らずに、1、2回の照射で治療が可能という。  2004年から導入を目指してきた装置で、資金調達のめどがつけば3年以内に稼働が可能という。施設の規模は3600平方メートル程度で、総建設費は約150億円。全国的には群馬大など3施設で導入されている。  山下英俊医学部長は、「年度内に、大学、行政、医療界、財務の専門家による検討会議を設け、設置形態や資金計画の検討を始めたい」と話した。  結城プランではこのほか、物質の状態変化を観測できる放射光施設の設置を目指すことや、自立分散型社会システムを考える「東北創生研究所」で学際的な研究を進めることなどを掲げた。 "[he-forum 16765] 日本経済新聞1/6 日本経済新聞2012年1月6日付 東大への出向「見直す考えない」 文科相  文部科学省が高等教育局長を東京大の理事に出向させる異例の人事を決めたことに絡み、中川正春文科相は6日の閣議後の記者会見で、「そういう人事をしたからといって文科省の影響が大学に強く反映されているわけではない」と述べた。自主性を高めるため法人化した国立大への官僚の出向を問題視する声も多いが、現時点では制度を見直さない考えを示した。  今回の人事は「東大学長の要請に基づき、適格性も審査して出向させた。学長は大学改革に強い思いがあり、我々も連動できればという期待があった」と説明。大学の自主性が損なわれるとの批判に対しては「文科省が大学をコントロールしているとかの次元の話ではない」と強調した。 "[he-forum 16766] 朝日新聞1/8 朝日新聞2012年1月8日付 教員志望者、首都圏から 秋田大教育文化学部が東京で今春入試  秋田大学教育文化学部(定員290人)が今春、入試を初めて東京都内で行うことになった。全国学力調査で小中学生の好成績が続く秋田県だが、秋田の優れた教員養成力を売りに、教員志望者を首都圏から呼び込むほか、県内出身者が多い学部生に刺激を与える狙いもある。  文部科学省の全国学力調査で、秋田の小中学生の成績は上位が続いている。10年の調査では大半の科目で1位だった。同大によると、県内の小中学校教諭は、約7割が教育文化学部の卒業生。先生の指導力、ひいては教員養成力が好成績の一つと自負する。  昨年あった公立学校の教員採用試験の競争率は秋田県が9.7倍。東京都の4.5倍など首都圏の倍率は秋田の半分程度だった。東京での試験実施で優秀な学生を確保し、さらに首都圏の学生なら、出身地で教員になれる確率も高いとみている。また同学部は県内出身者が6割を占めるが、吉村昇学長は「県外出身者を5割程度までに増やしたい」と話している。  同大では、工学資源学部が前身の秋田鉱山専門学校として初の学生を受け入れた1911(明治44)年から東京で入試を行っている。入試課によると、教育文化学部の2月25日の前期日程を江東区の臨海副都心のビルで行う。出願時に東京会場を選べるが、会場の都合で先着100人に限る。工学資源学部も同じ会場で行う。県内の予備校は「倍率や難易度に大きな変化はないと思う。第1志望に選んでもらうために、秋大はもっと熱心に首都圏でPRする必要があるだろう」と話した。  県内の国公立大では、国際教養大が札幌や仙台、東京など6会場、県立大が仙台やさいたまなど3会場で入試を行っている。 "[he-forum 16767] 信濃毎日新聞1/7 信濃毎日新聞2012年1月7日付 県立大学準備室など新設へ 県の組織改正案概要が判明  県が4月に行う組織改正案の概要が6日、分かった。県短大(長野市)の四年制化に備えた「県立大学設立準備室」、リニア中央新幹線計画への対応や沿線の地域振興を図る「リニア推進振興室」など現時点では1課3室の新設が中心。これとは別に商工労働部産業政策課の産業誘致係を、室に格上げすることも検討している。  課や室の改編は県の組織規則を変更すれば可能で、県議会の同意は必要ない。県は2013年度を初年度とする新たな総合5カ年計画を策定中のため、今回の組織改正は早急な態勢強化が必要な分野など小規模にとどめる。各課室の名称などを詰めた上で、2月上旬までに決定する。  改正案によると、県立大学設立準備室は、総務部情報公開・私学課に新設。リニア推進振興室は企画部交通政策課に設ける。同課では並行在来線対策室を「新幹線・在来線企画室」に名称変更し、14年度末の北陸新幹線長野―金沢間開業を控えた対応業務も一元化する。  観光部には、県外からの定住者や交流人口の増加に取り組む「移住・交流課」を新たに置き、同部観光企画課に県の総合的なブランド構築を担う「ブランド推進室」を設置する。総務部管財課は県有財産の総合的な管理、活用を進める狙いで、「財産活用課」に名称を変える。  このほか環境部温暖化対策課は、自然エネルギー活用の取り組みを強めるため、人員態勢を拡充する方針。 "[he-forum 16768] 財経新聞1/10 財経新聞2012年1月10日付 国立教員養成大学や学部卒業者の62%が教職に  昨春の国立教員養成大学や学部卒業者の62%が教員として国公私立の幼稚園、小中学、高校、中等教育、特別支援学校などに就職していたことが文部科学省の調べで分かった。前年より教員就職率は2.4ポイント増加した。  国立教員養成大学や学部卒業者は昨春1万479人で、このうち6494人が教員として就職した。うち41.2%にあたる2674人は病休や産休、育児休業などの代替教員などの臨時的任用だった。  また教員以外の職に就いたものは1892人(うち150人は保育士として就職)。1137人は進学。未就職などその他は946人になっていた。  文部科学省では教員就職率が増加した要因として教員採用数が増加したことに加え、教員養成大学や学部の入学定員減によるものとみている。  ちなみに教員就職率の高い大学は鳴門教育大学で77.9%、兵庫教育大学の74.7%、愛知教育大学の71.8%と10人中7人が教職に就いていた。逆に低かったのは秋田大学で44.5%、琉球大学で47.2%、鹿児島大学で同、岩手大学で49.1%といずれも5割を割っていた。(編集担当:福角忠夫) "[he-forum 16769] 朝日新聞1/10 朝日新聞2012年1月10日付 筑波大に小学教諭免許課程 今春新設  筑波大学(茨城県)は今春、人間学群教育学類(定員35人)に小学校教諭の免許を取得できる「初等教育学コース」を新設する。昨年7月に文部科学省に申請しており、近く認可される見通し。  筑波大ではこれまで、中学と高校の教諭の免許は取得できたが、小学校教諭の免許は取れなかった。  筑波大は東京都内に付属小学校をもち、初等教育の研究が行われている。このため、1973年の開学当初から「研究成果を生かした小学校教員の養成機能をもたせられないか」との声はあった。  しかし、「小学校免許取得の課程を設けるということは、小学校の教員養成を主目的に学生を募集し専任の教員を配置することになるが、筑波大はそうしたことを目的とする大学ではない」と反対する意見も根強く、見送られてきた。  その一方で、学生や受験生からは「なぜ小学校の免許は取れないのか」との質問が寄せられ続けていた。  教育学類によると、10年ほど前から大学と付属小との連携が進み、大学教員と付属小教諭との共同研究なども珍しくなくなったことから、大学側は「機が熟した」と判断。初等教育学コースを新設することになったという。  教育学類の定員は35人のままで、今春入学の学生から2年次に「教育学」と「初等教育学」の2コースに分かれる。付属小の教諭が集中講義を行うなど、現場の声を生かしたカリキュラムを検討しているという。 "[he-forum 16770] 朝日新聞1/8 朝日新聞 2012年1月8日0時22分 東北初の重粒子線がん治療施設設置へ 山形大が行動計画  山形大(結城章夫学長)は5日、東北初となる重粒子線がん治療施設を付属病院に新設する構想を盛り込んだ行動計画「結城プラン2012」を発表した。 3600平方メートル規模で総建設費は約150億円。今年度内にも専門家による検討会議を設け、設置形態などの検討を始める方針で、山下英俊医学部長は 「資金のめどがつけば2、3年で導入できる」と話している。  重粒子線がん治療は、がん細胞に重粒子線を照射して死滅させる治療法で、肺や前立腺など体の深部のがんを切らずに治療できる。山下医学部長によると、国内では千葉市、前橋市、兵庫県たつの市の3施設に導入されており、東北地方では年間1500人以上の患者が想定される。  同プランは65項目で、東日本大震災を受けて自立分散型社会システム作りを目指す東北創生研究所での研究も掲げている。研究所は1日に設立され、所長に 北野道世副学長が就任した。「社会創世」「産業構造」「食料生産」の3研究部門の研究員やコーディネーターとして計27人を配置。当面は県内3、4カ所の モデル地域で研究を進める。  プランには、強い光で物質の構造や状態変化を観察する「3ギガエレクトロンボルト級の放射光施設」の設置を目指すことなども盛られた。 "[he-forum 16771] 河北新報社説1/12 河北新報社説2012年1月12日付 東日本大震災 大学の連携/英知集めて復興に広がりを  地域の復興を担う人材の育成に、高等教育機関が果たす役割は大きい。そうした認識を共有する東北の各大学が連携して教育事業を始めるケースが相次いでいる。  宮城県内の17の大学・短大などでつくる「学都仙台コンソーシアム」は復興大学というセンター組織を発足させ、4月から役割分担して講義を行う。  山形、福島、宮城教育の3大学は、学生に震災を乗り越えられる力量を身に付けさせる新しい研究に共同で取り組む。  これまで防災教育は各地で行われていたが、復興をテーマとした分野は取り上げられてこなかった。各校とも震災復興の過程を長い目で捉え、有為な若者が東北に定着し、活躍することを目指している。  ボランティアなどに励む学生に基礎知識と理論的な考察の機会を与えることにもなり、事業の意義は大きい。活発な議論を通じ、成果のあるものに仕上げてもらいたい。  仙台コンソーシアムは東北工大を代表校に四つの事業を行う。「人材育成コース」では、復興のための政治学、社会学、科学技術など6科目の講義を実施する。1年間で全科目を取得すれば、所属大学で単位がもらえる。  学生は30人程度を想定し、JR仙台駅近くのオフィスビルで週末と夏季休暇などに集中講義を行うという。  「教育支援コース」は宮教大の担当。震災で親を失った子どもを支える教育、避難生活で懸念される学力低下への対応、疲弊した教員に対するケアなどが期待されている。  このほか、景観に配慮した市街地形成といったカリキュラムも設けた。専門知識を生かした社会貢献を果たしてほしい。事業費6800万円は国からの補助金を活用した。  一方、山形大など3大学による共同研究は、「災害復興学」の確立をうたう。共通の教材を使い、有事に冷静、的確に対処できる知識と精神力、有効な支援策の構築を掲げた。  先月中旬、「3学長の決意表明」と銘打った福島大での記者会見で、各学長は「住宅や産業だけでなく、人間の持つ能力の開発も重要だ」などと人材育成への思いを熱く語った。  被災地に復興ステーションを設置する計画を個別に持つ大学もある。宮城大は近く、宮城県南三陸町の施設を利用して、支援活動の拠点をつくる。  本年度から5年間、ボランティアが泊まる農家民宿への支援、間伐材を活用したまちづくりに取り組むという。  学生の個性も得意分野も異なる大学が、新たな共通テーマに挑戦するのは困難を伴うかもしれないが、知を結集した斬新な切り口を望みたい。  規模の大きい東北大は、全学的な組織「災害復興新生研究機構」を創設した。海洋の領域ではアワビやナマコの生態系の調査、陸上養殖などを模索中だ。  復旧、復興の予算を学術研究の実践に使うことは将来、有効な見返りが得られるだろう。各校の奮闘にエールを送りたい。 "[he-forum 16772] 朝日新聞1/12 朝日新聞2012年1月12日付 福島大への交付金、授業料免除などで10%増 センター建設にも補助  福島大学は11日、新年度予算案で国から交付される運営費が37億700万円で、前年度より3億7800万円、10%の増額となったと発表した。また、今年度の補正予算で新たに復興支援事業の補助金として1億5400万円と、事業拠点となる「うつくしまふくしま未来支援センター」の施設建設費が認められた。  国立大学の運営費交付金は一律1%減額が原則となっているなか、震災と原発事故の復興にあたる拠点として、被災地の他大学とともに認められたという。  内訳は被災者の授業料免除に1億400万円、磐梯朝日国立公園の保全に関する研究や、高度専門職業人育成教育事業といった特別プロジェクトなどに、前年度より7600万円多い2億6千万円など。 "[he-forum 16773] 毎日新聞岐阜1/12 毎日新聞岐阜版2012年1月12日付 岐阜大大学院:PMDAと協定 医療機器分野で連携協力  岐阜大の森秀樹学長と独立行政法人、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の近藤達也理事長は11日、岐阜大大学院連合創薬医療情報研究科とPMDAが医療機器分野の教育研究で連携協力するための協定を結んだ。PMDAは医薬品における連携研究協定を7大学と結んでいるが、医療機器分野で国内の大学と協定を結ぶのは初めて。  PMDAは医薬品の審査や使用における安全対策と健康被害救済を行う国内唯一の機関。一方、同研究科は岐阜大と岐阜薬科大の国内初の連合大学院で、創薬科学専攻と医療情報学専攻がある。安全な薬物治療法や医薬品の評価方法などを開発・研究している。  両者の連携により、世界で後れをとる、医療機器の安全基準を科学的根拠に基づいて作っていくための研究交流を進める。4月からPMDAが客員教員を選任し、同研究科で授業を開講するほか、同研究科の大学院生をPMDAへ修学職員として派遣し、博士号取得を目指して指導を受ける。  紀ノ定保臣・研究科長(58)は、文部科学省の補助事業で先端医療機器の開発を8年間研究してきた医学・工学博士。日本の医療機器分野の開発研究は米国、ドイツ、オランダと比べて遅れており、医療機器を扱う産業界が国際成長するためにも、医薬品と併せて医薬機器の専門知識を体得した人材の育成が国家的課題という。  紀ノ定研究科長は「医療機器は発展が期待される分野。大学院生がPMDAで学ぶことで、産業界に優秀な人材を輩出できる。少子高齢社会を支える技術として、医療や福祉などの成長分野で社会貢献できる人材を育成していきたい」と話している。【立松勝】 "[he-forum 16774] 毎日新聞三重1/11 毎日新聞三重版2012年1月11日付 県:欧州研究機関や三重大と連携、協定締結  県は、欧州最大の研究機関「フラウンホーファー研究機構」(ドイツ・ミュンヘン)と三重大と、産学官連携推進や新エネルギー・環境分野の研究などで連携する協定を締結した。県は、環境エネルギー分野で先進的な欧州への県内企業の進出、新規の販路開拓を目標としている。  県内企業8社の代表などで組織し、欧州を歴訪している鈴木英敬知事や三重大の内田淳正学長が現地時間の9日午前、同機構のアレクサンダー・クルズ上級副社長らと面談し、協定を締結した。  協定は、3者が学術、産業分野で技術交流し、産学官連携を進める▽県クリーンエネルギーバレー構想(案)の戦略立案やプロジェクトの構築▽県の産業競争力向上のため、同機構や県内企業の共同技術開発を促進--などとなっている。期間は3年間で、県は期間内に具体的な事業の推進を目指す。  同機構は、ドイツ国内に太陽・風力エネルギー関連など60の研究所を持ち、県などが四日市市に設置した「高度部材イノベーションセンター」にショールームを構えている。【駒木智一】 "[he-forum 16775] 朝日新聞青森1/13 朝日新聞青森版2012年1月13日付 日本一の地方大学へ 自信持って  弘前大学長を今月末で退任する遠藤正彦学長(75)の講演会が12日、弘大みちのくホールであった。日本一の地方大学を目指して務めた学長10年を振り返りながら、厳しくなる大学間競争の中で今後も地域性を生かし、「佐藤敬・新学長の下に結集して生き残ってほしい」と、聴講した大学役員や教職員に託した。  遠藤学長は、2002年に就任。国立大学の法人化後も再任され、改革期の弘大を通算10年率いてきた。  講演で、「弘大は中規模総合大学だが、学問の全領域をカバーしている」とし、地域特性を生かす北日本新エネルギー研究所、白神自然環境研究所、被ばく医療総合研究所と、特徴的な研究にも力を入れてきたと強調。大震災後は、福島への被曝(ひ・ばく)医療支援が高く評価されているとした。  法人化後の大学間格差の拡大、学部連携や単科大統合などによる今後の大学の生き残り問題にも言及。受験生の中堅私立大への進学指向による流出などがある中で、弘大が注目されるために「東北、北海道の高校を回ってPRしてきた」などとも振り返った。  遠藤学長は「まだ日本一の地方大学になったとは思えないが、基盤整備はかなり進んだ。自信を持って進んでほしい」と要望。国立大法人化後の第1期中期目標の中間評価は最下位だったが、新しい計算方式に基づく第1期の最終評価は「32位です」と独自試算の結果を紹介。「まだまだ頑張れると思います」と今後に期待した。学長として最後の定例記者会見は、26日に行われる予定だ。 "[he-forum 16776] 日本経済新聞関東甲信越1/13 日本経済新聞関東・甲信越版2012年1月13日付 茨城大、工学部に防災技術など4分野の新研究組織  茨城大学は工学部の研究教育機能を強化する。防災技術など重点的に取り組む4つの分野それぞれの研究組織を月内に設置するほか、日立キャンパス(茨城県日立市)に新たな研究拠点を整備する。学内外の関係機関や企業と連携して研究に取り組み、新産業育成につなげる。研究資金の確保を巡って大学間の競争が激しくなるなか、体制強化で国の大型研究資金などの獲得を目指す。  設定した重点分野は建造物の耐震化や災害時の情報通信を研究する「防災セキュリティ技術」と福祉機器などを扱う「ライフサポート科学」、鍛造や圧延、プレスなど塑性加工の新技術開発を目指す「塑性加工科学」、環境に配慮した電子装置を探究する「グリーンデバイス」。分野ごとに工学部付属の「教育研究センター」を設けてセンター長を置き、学内外と連携して研究を進める。  日立キャンパスにはX線分析装置や電子顕微鏡といった実験装置を備えた「機器分析センター」を整備し、各教育研究センターが共同で利用できるようにする。教員の負担軽減を狙い、実験装置の操作や管理を担当する専任技術者を置くほか、企業との共同研究や国からの研究資金獲得を支援するコーディネーターや事務補佐員を雇う。  実際の研究開発では各センター長が中心になって工学部外も含めた学内の研究者と連携する。地域の企業や自治体などとは会員制の研究会を設け、産学官連携を進める。「工学部の実験設備の導入や施設整備はセンターを優先するほか、国への予算要求や大型競争資金もセンターが代表して申請する」(友田陽工学部長)という。  2004年の国立大学法人化を受けて、研究資金の獲得などを巡る大学間競争が激化した。茨城大は05年から「SCOPE計画」を打ち出し、学部や学科を超えた研究の活性化などに取り組んできた。  教育研究センターの設置により人員や資金、設備などを拡充、研究者間の連携を一層深めて独自性のある研究開発を加速させる。  15年までには毎年2件程度の大型競争資金を獲得し、企業などとの共同研究を拡大することを目指す。  25日に日立市の工学部構内で開くシンポジウムで一連の取り組みの狙いを企業や関係者に広く公開し、研究会などへの参加を促す。 "[he-forum 16777] 日本経済新聞関東甲信越1/14 日本経済新聞関東・甲信越版2012年1月14日付 認知症専門の相談拠点 千葉市が計画、千葉大病院に  千葉市は13日、2012~14年度の高齢者保健福祉推進計画(介護保険事業計画)の素案を公表した。千葉大学医学部付属病院と連携して認知症専門の医療相談拠点を12年度中にも開設する。特別養護老人ホームを3年間で460床増やす。住民の意見募集や説明会などを経て3月下旬をめどに計画をまとめる。  千葉大病院に認知症の診断や治療のための検査、医療機関紹介などの相談を手掛ける「認知症疾患医療センター」を開設する方針。同病院に運営を委託し、相談などにあたる職員を常駐させる。同様のセンターは県内では袖ケ浦市の病院にあり、千葉市が開設すれば2カ所目となる。  社会福祉士などを置いて高齢者の支援をする「地域包括支援センター」は10月をめどに、現状の12カ所から倍増させる。  11年度末の特別養護老人ホームのベッド数は2592床の見込み。整備を進め、14年度末に3052床とする。  施設での日帰り介護や訪問介護などを組み合わせて提供する小規模多機能型の居宅介護事業所は24カ所と現状の3倍弱に増やす。  介護保険料は月の基準額ベースで現行の3975円から4887円と2割強上げる見通しだ。  14年に千葉市の高齢者の人口は24万1000人と現在から約4万5000人増えると推計されている。高齢化率は24.8%と約4ポイント上昇する見通しだ。 "[he-forum 16778] 読売新聞石川1/13 読売新聞石川版2012年1月13日付 先端大 中国機関と留学協定 国内個別大で初 公費学生を募集  北陸先端科学技術大学院大(能美市、片山卓也学長)は12日、中国国家留学基金管理委員会(CSC)と公費留学生受け入れに関する協定を締結した。CSCはハーバードやオックスフォードなど、欧米の大学とは協定を締結しているが、国内の個別大と締結するのは先端大が初めて。  CSCは中国政府奨学金業務を主管する中国教育部直轄の非営利法人で、中国人の公費派遣留学などを扱っており、昨年は1万人を超える学生を海外に派遣した。  先端大には1日現在、博士課程前期、後期合わせて948人の学生がいるが、うち262人(27・6%)が外国人留学生。中国からが最も多い90人で、現在はほとんどが私費留学だという。  協定により、同大はCSCの協力で中国全土で広く学生を募集できるほか、協定に基づいて入学した学生は、滞在中の生活費がCSCから奨学金として支給され、大学の入学料や授業料は免除される。  協定の調印式には片山学長とCSCトップの劉京輝秘書長らが出席。劉秘書長は「研究レベルが世界でもトップクラスにある先端大との協定締結は、日中友好の進展につながると期待している」とあいさつ。その後、両者が協定書にサインし、握手を交わした。  片山学長は「中国がわが校の実力を認めてくれて大変うれしい。優秀な学生が来てくれることを期待している」と話していた。協定に基づく定員は20人で、第1期生の入学は来年10月を予定している。 "[he-forum 16779] 朝日新聞1/18 朝日新聞2012年1月18日付 復興へ協力協定締結 福島大と双葉8町村  福島大学と福島県双葉郡8町村は17日、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復旧・復興を目的とした連携協力協定を結ぶ。産業や環境、教育の分野で協力し、大学側が産業復興に関わる研究成果や調査データを提供したり、線量測定や除染、子どもたちの学習の手助けをしたりする。  福島大はすでに復興に向けた学内組織「うつくしまふくしま未来支援センター」を中心に、双葉郡の復興を目的としたシンポジウムや大規模な住民アンケートを実施したり、浪江町の避難児童を対象にした学生ボランティアによる学習支援をしたりしている。また、農業や自然エネルギーなど産業復興にかかわる研究や線量測定、除染指導にも携わってきた。  特に同町や川内村、大熊町などとの協力が多かったが、協定を結ぶことで全町村とのつながりをさらに深め、大学機能をより利用しやすくすることにした。  福島大には、国の今年度の補正予算で被災地復興支援事業に1億5千万円余りの補助金が盛り込まれており、支援センターを中心に双葉郡の復興につながる研究や事業を充実させていくことにしている。(渡辺康人) "[he-forum 16780] 朝日新聞1/16 朝日新聞2012年1月16日付 大分大、「世界の北野」が広告塔 学生確保へ学長動く  入学志望者の減少が続く大分大学が、巻き返しを狙って大学の魅力発信に力を入れている。大分県内の高校で説明会を企画、昨秋就任した北野正剛学長自らが出向いて学生獲得のためのPRに乗り出した。  大分大の受験者数は2011年が4909人。6171人いた06年と比べて5年間で受験生が2割減った。  先月15日、大分市の岩田学園高校で説明会が初めて開かれた。大会議室のプロジェクターが1990年のニュース映像を流し出すと、集まっていた1~3年生約230人がどよめいた。目の前にいる北野学長がニュースに登場したからだ。西日本で初めて内視鏡を使った胆のう摘出手術を報じていた。  北野学長は外科医。「世界の北野」とも呼ばれる内視鏡手術のパイオニアだ。昨秋、「週刊ダイヤモンド」で「ガン治療の名医50人」のひとりとして紹介された。  説明会は約1時間。北野学長が講演し、4学部の説明も行った。終了後、1年の楠元あいさんは「内視鏡手術の話が面白かった。九大医学部を目指しているが、分大(ぶんだい)にも興味をもった」と話した。  高校生対象の説明会に国立大の学長が登場するのは珍しい。北野学長は昨年10月の就任会見で「広報に力を入れる」と表明。説明会に学長とともに参加した山口正孝広報室長も「学長には広告塔になってもらいたい」と宣言していた。  広報室は昨年9月、学長の直轄部署として新設され、広告会社の勤務経験が長い山口さんが室長に起用された。山口さんはFMラジオの番組に学生を出演させたり、テレビCMを打ったりした。「各大学が危機感を持って取り組んでいる。大分大もブランド化のために今までできなかったことをどんどんやっていきたい」  学長による説明会は、まず身近な高校生を取り込むべく、地元高校で始めることにした。県内の高校から大分大に進学する人は44%。今後、県外にも出向く予定という。 ■独立法人化で拍車  大学は今、少子化で志望者数が定員を下回る「全入時代」を迎え、どの大学も優秀な学生を獲得するため広報活動に力を入れている。大分大に限らず国立大は2004年に独立行政法人になって以来、文科省に頼らない経営努力をしなければならない点も、それに拍車がかかる理由だ。  熊本大学は09年度から「女子中高生理系選択支援事業」を始めた。天草に1泊2日で海洋生物の実習に連れて行ったり、講演会を開いたり。志望者が少ない理系女子を獲得するためだ。  長崎大学も10年、学長直轄の広報戦略本部を設け、外部から識者を雇った。市民向け公開講座を始め、地域貢献に力を入れている。(城真弓) "[he-forum 16781] 宮崎日日新聞社説1/19 宮崎日日新聞社説2012年1月19日付 公立大連続セクハラ 抜本的な組織改革が必要だ  なぜ、これほどまでにセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)が続くのか。宮崎公立大では今月明らかになった大学職員による女子大生らへのセクハラを含めると計4件に上る。  大学によると、過去の反省から教職員を対象に年2回の研修を行うなど防止策を強化してきたという。しかし、ここまで連続すると、そうした表面的な対症療法はもはや通用しないと考えるべきだ。大学固有の問題が根底にあるととらえた上で、教職員と組織の在りようを含めて抜本的に改革する以外に再出発の道はないだろう。 ■立ち位置ぶれる組織■  40代の男性職員は未成年の女子学生に対して一人暮らしの自宅や学内で数回にわたってセクハラをしたとされる。学生が学業に専念するための環境づくりに心を砕かねばならない職員による破廉恥な行為に対して公立大は今回、懲戒解雇という厳しい処分を下した。  だが、それ以前の対応には疑念を持たざるを得ない。公立大は過去、2002年1月と08年2月、10年12月の計3回、いずれも教員による女子学生への行為を「セクハラ」と認めているが、処分は停職や降格にとどまっている。学内には「懲罰が軽かったのではないか」という声が根強い。  このうち2件は教員側が処分を不服として民事訴訟で係争中だが、大学が組織として「セクハラ」と正式に認めた以上は、被害者である女子学生の立場に立った対応をとるのは当然のことである。一度決定していながら立ち位置がぶれるような組織は構成員に軽んじられるものだ。このような状態に公立大があるのでは、という識者の指摘もある。 ■危機意識不足も原因■  少子化による大学全入時代に突入し、学生獲得にしのぎを削る私立大学に比べると、学費が比較的安価な公立大は受験生の「国公立大神話」にも支えられてきた。年間10億円余りの運営費に多額の公金が投入されて経営が安定している「親方日の丸」のような状態が、私立大とは対照的な危機意識不足を招いているとも考えられる。  多額の公費によって支えられているがために今回の問題の公表も含めて組織運営の透明化が避けられない公立大は、むしろ私立大以上に教職員一人一人に高い倫理性と危機意識が求められることを肝に銘じなければならない。  辞任の理由を公の場で一切説明することなく学長は突然職を辞した。4月までに決まる新学長には、従来の組織運営とは決別し、改革に大ナタを振るえる人材が選ばれるべきだ。  地元の人材を地元で育てるという理念の下に約20年前開学して以来、本県にとって貴重な教育インフラであることに変わりはない。存続するためには、大学自体が生まれ変わらなければならないのだ。まずは問題が発生した原因の徹底検証から始めるべきだろう。 "[he-forum 16782] 日本経済新聞1/19 日本経済新聞2012年1月19日付 産学連携で活躍の場を、専門外への視野重要に 「若手博士育成シンポ」でパネル討論、日本を元気にする産業技術会議、  若手博士育成シンポで基調講演した川村隆・日立製作所会長は、米国や中国が国家戦略として人材を育成する例を挙げ、日本も博士号取得者など高度人材を継続的に育成する体制作りが必要と述べた。講演に続くパネル討論では、企業が博士人材に期待することなどを議論。産学官が連携を密にし、博士人材に対する意識改革と活躍の場を提供することが大切だという認識で一致した。  パネル討論には、元矢崎総業採用担当部長の三谷哲也氏、トクヤマの柳裕之・つくば研究所所長、早稲田大学博士キャリアセンター長の朝日透教授、京都大学の小寺秀俊副理事、経済産業省大学連携推進課の進藤秀夫課長、産業技術総合研究所の景山晃イノベーションスクール副スクール長の6人が参加した。  若手博士人材に求める人物像について、三谷氏は「自分の専門分野だけでなく、幅広い知識を身に付けていること」を挙げた。柳氏は「専門分野の知識に加えて自分の考えを相手に伝える能力、自分の考え方を柔軟に変えていける力が必要」と述べ、コミュニケーション能力の大切さを訴えた。  朝日氏は早大で取り組む海外インターンシップ制度を紹介した。「外国で全く違う文化の人たちと一緒になれる環境が大切」だという。既に取り組みを通じて海外企業から、人材を受け入れたいとの申し入れが来るようになっているという。  小寺氏は細分化した研究分野のみを扱ってきたこれまでの大学院教育を反省。その上で「専門以外にも美術に造詣があるなど、幅広さがないと魅力的な研究者にはなれない」と持論を展開した。  景山氏は、企業と連携して若手研究者に実践的な研究開発教育をする「産総研イノベーションスクール」の取り組みを紹介した。  「スクール生は来たときは視野が狭い。専門分野以外にもいろんなことに興味をもち、興味をもったことと専門分野を関連付けて考え、問題解決能力より課題の発見能力でアピールできる人材となるよう伝えている」(景山氏)と人材育成の極意を語った。  若手博士人材を活用するにはどうすればいいかについて三谷氏は「企業職場内訓練(OJT)や連携大学院、インターンシップのほか、企業から大学への教師の派遣などを通じ、相互に情報交換をしていくことだ」と提案。柳氏は「社会人で博士号をとろうと大学院に行く人など、産学の人材交流がカギ」と述べた。  大学側からは朝日氏が「インターンシップは1週間程度の見学ではなく、3カ月間ぐらい研究現場に入り、何か役割を演じさせるのが非常に効果的」と分析した。経産省の進藤氏は「長期インターンシップがどこまでできるかだ。採用につながる仕組みがあってもいい」と述べた。  一方、小寺氏は「産学官が連携すれば何でもできるというのは誤解」と指摘。学部生から大学院生まで、なるだけ早い段階から(高度人材として働くための)動機づけの重要性にも触れた。  人材育成には息の長い政策が必要だ。産総研のイノベーションスクールも一例といえる。ただ、「産総研で大人数をまかなうのは難しい。経団連のほか、国立大学協会や日本私立大学協会などと長期戦略に基づいて真剣にやっていけないか」(景山氏)と提案した。 "[he-forum 16783] 日本経済新聞1/18 日本経済新聞2012年1月18日付 横国大、MM21地区に拠点 高速通信使う医療技術研究  横浜国立大学とフィンランドのオウル大学は3月、横浜市のみなとみらい(MM)21地区に医療関連の情報通信技術(ICT)に関する研究開発拠点を開設する。両大は2010年度から神奈川県横須賀市で共同研究を始めている。国の国際戦略総合特区の指定を受けたMM21地区にも拠点を置くことで、研究開発のスピードを上げると同時に産業界との連携も深め、実用化に取り組む。  2月完成の横浜三井ビルディングに設ける。横国大は本部キャンパスにある「未来情報通信医療社会基盤センター(MICT)」の出張拠点。オウル大は100%出資する新会社、「ワイヤレス研究所日本支所」としてそれぞれ部屋を確保し、連携して研究を進める。  両大が開発に取り組むのは「UWB(超広帯域)無線」と呼ばれる高速通信技術を使った医療用の通信システム。同技術は人体や他の電子機器への干渉がほとんど無いという。  すでに情報通信の研究集積拠点である「横須賀リサーチパーク」(YRP、横須賀市)で、同技術を使った診断・治療システムの共同研究を始めている。  具体的には、小型カプセルに超小型カメラを入れ、血管や内臓など体内の状況をリアルタイムで把握できるシステムを開発する。衛星通信を使って高画質の医療用動画像を送受信し、遠隔地からの医療や診断を可能にする研究にも取り組む。  新拠点を設けるMM21地区は昨年末に国から「京浜臨海部ライフイノベーション総合特区」に指定された。今後は臨床研究に関する手続きの簡素化や、外国人研究者の在留資格の緩和といった規制緩和が見込まれている。  YRPに比べて交通面などの利便性も高い。横国大で研究を主導する河野隆二教授は「オウル大との共同研究に取り組みやすくなるうえ、実用化に向けて連携する民間企業の集積も進む」と期待している。  横国大は通信工学で強みを持ち、医学部を持つ横浜市立大学と連携して通信工学と医学を融合させた研究に取り組む。オウル大はフィンランドで第2の規模を持つ総合大学。携帯電話端末世界大手のノキアと連携するなど情報通信分野の研究が活発だという。 "[he-forum 16784] 河北新報1/19 河北新報2012年1月19日付 「東北広域連合」創設提言へ 東北大公共政策大学院生7人  東北大公共政策大学院の学生7人が24日、北海道東北地方知事会の「広域連携等に関する検討会議」に対し、東北6県と仙台市による「東北広域連合」創設を提言する。広域行政で取り組むべき防災、医療、産業分野の7政策を具体的に提案し、広域連合の組織や構成も示した。震災で中断した検討会議が2月6日に再開されるため、7人は「議論に一石を投じられれば」と期待している。  24日に宮城県庁を訪れ、検討会議の事務局を務める県震災復興・企画部の幹部職員に説明する。  提言によると、広域連合の参加自治体は歴史的、経済的な結び付きから東北6県と政令市の仙台市を想定。知事会に参加している新潟県と、政令市の新潟市も意向次第で参加を検討するとした。  先行する関西広域連合に倣い、国出先機関のうち地方整備局、経済産業局、地方環境事務所の移管を求める。広域連合長と広域連合議員は、一定の権限移譲が進んだ段階で、住民が直接選挙で選ぶ制度に移行させる。  7政策は住民が広域連合のメリットを理解しやすいように、東北全域への波及効果が期待できる事業を選んだ。広域防災拠点の整備は、災害時に支援物資の調達や分配の窓口となる場所を設置する。広域防災訓練は、関西広域連合が被災地から高い評価を得た「カウンターパート方式」による組織的な支援体制の構築を目指す。  2012年度までに、宮城を除く5県が配備を完了する「ドクターヘリコプター」の共同運航に取り組むほか、6県の大学病院がそれぞれの得意分野を生かし、東北全域の遠隔医療を支えるネットワークを形成する。  7人は昨年5月に提言づくりに着手。関西広域連合や東北の国出先機関、各自治体などを現地調査し、全国知事会長の山田啓二京都府知事、増田寛也前岩手県知事らのヒアリングも重ねた。学生代表の修士課程1年森本直樹さん(23)は「震災後、一つの県では解決できない課題が山積している。東北6県がバラバラのままで、この苦難を乗り越えられるか疑問を感じる」と話した。 ◎議論のたたき台に  学生を指導した菅原泰治・東北大公共政策大学院教授(地方行政)の話 国の財政状況が厳しい中、関西や九州は自治体が地域単位でまとまることで生き残ろうとしているが、東北は残念ながらその動きが鈍い。提言内容はまだ粗削りで、すぐに実現可能とは言えないが、議論のたたき台にはなる。大いに物議を醸し、前向きな議論が生まれればいい。まずは広域連合を創設するメリットについて、8道県の検討会議で抽象論を脱した議論を始めるべきだ。 "[he-forum 16785] 読売新聞山形1/19 読売新聞山形版2012年1月19日付 山形大院観光コース新設へ 業界で働く社会人対象 「経営」「おもてなし」が柱  山形大は、観光業界で働く人などに観光の理論と実践を体系的に学んでもらうため、大学院理工学研究科(米沢市)に「観光人材育成コース(仮称)」を新設する構想を進めている。埋もれた観光資源の発掘や、新たな観光事業の創造などができる人材を育て、地域経済を盛り上げていくことを目指す。社会人向けの観光系大学院は、全国で3か所しかなく、コースが新設されれば東北初となる。  県は昨年3月、「やまがた観光交流推進プラン」を策定。定住人口が減少する中で、観光振興に取り組んでいくことで、交流人口の拡大や地域の活性化が期待できるとして、高等教育機関と連携した体系的な人材育成システムを構築する方針を明記した。  県の委託事業に基づき、山形大では昨年9月、観光人材育成コースの開設に向けたカリキュラム検討会議(座長=高橋幸司・山形大教授)の初会合を開催。会議には、前観光庁長官で、首都大学東京教授の本保芳明氏や、やまがた女将(おかみ)会会長で、かみのやま温泉「日本の宿 古窯」女将の佐藤洋詩恵氏ら16人が参加し、準備を進めている。  山形大などによると、同コースは、理工学研究科の「ものづくり技術経営学専攻」に設けられる予定。  潜在的な観光資源を発掘して新しい観光を創造できる人材や、経営学的な視点から観光事業の再生ができる人材、地域のリーダーとして域内の連携を促し地域全体をマネジメントできるような人材の輩出を目指す。  主に観光業界で働く30~60歳代を対象に、商品開発なども含めた「人を呼び込む経営」と、「ホスピタリティー(おもてなし)」を教育内容の2本柱に設定。県内の温泉地や道の駅などをフィールドに実践教育を行い、単位認定につなげることも予定している。  また、東京の企業や人材を育成に活用するため、首都大学東京と県、山形大の三者による協力協定を結ぶことも検討している。  多忙な観光業界関係者が通学できるよう配慮し、3か月単位で集中的に学べる4学期制とし、科目履修生も受け入れる予定だ。山形大では、早ければ今年10月から、10人程度の学生を募って開講することを目指している。  高橋教授は、「山形県には山寺や上杉家の歴史など多くの観光資源があるので、工夫のある観光事業でもっと活用し、地域経済を保つことを考えるべき。全国から人材を集め、復興途上にある被災地の人材にとっても学ぶ意義の深い教育内容にしたい」としている。 "[he-forum 16786] 河北新報1/19(2) 河北新報2012年1月19日付 東北大が「プロデューサー塾」開設、地域経済復興に向け  東北大は2012年度、産業人材を育成する社会人向け講座「地域イノベーションプロデューサー塾」を開設する。同大が始める「地域産業復興支援事業」の一環で、東北の経済復興に向け、中小企業の若手経営者らの新たなビジネスプラン構築をサポートする。  事業は16年度までの5年間で、総額約4億6000万円の事業費を見込む。運営は東北大大学院経済学研究科が担う。  講座の開設は毎年5月~翌年3月で、月9回程度の講義を予定する。12年度は公募する15人でスタートし、翌年から30人に定員枠を拡大する。受講料なども含め、初年度の公募要項は後日発表する。  東北大の教員を中心に、特任教授などととして招いた民間の実務経験者らが講師を務める。組織運営や市場調査の手法に加え、ゼミ方式で資金確保策などを指導。新ビジネスの構築とその実現を後押しする。  他大学の社会人向けビジネススクールは大企業の事例研究に力を入れており、受講生自身のビジネスプラン構築を主眼に据えるのは珍しい。新事業の実現に向け、東北大は官民によるファンド創設も模索する。  また、復興支援支援事業として、東北大は被災した地元企業の継続調査にも着手する。企業の復興に向けた取り組み事例を集め、産業振興の政策提言などに役立てる。調査は東北学院大や宮城大など他大学の研究者とも連携する。  東北大地域イノベーション研究センター長の藤本雅彦大学院経済研究科教授は「震災復興を契機に、大学としてこれまで希薄だった地域産業との連携に積極的に取り組みたい」と話している。 "[he-forum 16787] 毎日新聞1/19 毎日新聞2012年1月19日付 クローズアップ2012:東大、秋入学移行へ 国際競争に危機感 留学促進狙い ◇「入学までの過ごし方」課題  入学時期の見直しを検討してきた東京大の懇談会(座長、清水孝雄理事・副学長)が、学部の春入学を廃止し、秋入学への全面移行を求める提言をまとめた。背景には、国際的な大学間競争に対する強い危機感があり、他大学への波及も必至の状況。入試は現行の春を維持するとしており、東大がめどとする5年後に秋入学が実現した場合、入学までの半年間の過ごし方が課題になるほか企業の採用活動や高校教育にも大きな影響を与えそうだ。【木村健二、川口雅浩】  「厳しい国際競争の中で、本学における検討そして行動には『待ったなし』のスピード感が求められている」  提言は、日本を代表する大学として国際競争に遅れまいとする強い姿勢を打ち出した。  英国の高等教育専門誌が昨年10月に発表した世界大学ランキングでは、米ハーバード大や英オックスフォード大など欧米の大学が上位を占め、東大は30位。ランクアップには、留学生や外国人教員の比率上昇などが不可欠とみられている。  海外留学中の東大生は昨年5月現在、学部で53人(0・4%)、大学院で286人(2・1%)しかいない。提言は海外留学が進まない理由として、「入学時期や学期のずれが一つの要因」と指摘。入試時期を春に据え置いたまま、国際的に主流の秋入学への全面移行を提言した。  ●海外体験求め  高校卒業と大学入学の間に生じる期間「ギャップターム」については、海外での体験やボランティア活動に取り組むよう求めた。  もともと日本の大学は9月入学だったが、1921年に会計年度に合わせて4月入学に変えた経緯がある。国際化の進展で秋入学が脚光を浴び、07年にも政府の教育再生会議が9月入学の大幅な促進を提言。文部科学省によると、09年度に学部段階で245大学が4月以外の入学を認め、2226人が入学している。だが、帰国生徒や留学生の受け入れが中心で、秋入学を全面実施する大学はない。  民間の教育シンクタンク「ライセンスアカデミー進路情報研究センター」が昨夏、263大学から回答を得た意識調査によると、秋入学導入時の対応について、「4月入学と併存」が26・6%、「4月入学廃止」が16・4%で肯定派が43%を占めた。しかし「秋入学不要」も39・5%に上り、同センターは「各校とも東大の模様眺め」と分析する。  ●有名大は意識  それでも、他の有名大は東大の動きを意識している。九州大の有川節夫学長は18日、秋入学の検討委員会を来月にも発足させる方針を表明。京都大は「入学の時期、入学試験のあり方も含めて今後検討する予定」とコメントし、早稲田大も「秋入学のあり方については今後議論を進めていく」とした。慶応義塾の清家篤塾長は「秋入学については、大学界全体で、どのような形で進めていくのがよいのか検討を進めるべきだ」と話す。  04年の開学当初から9月入学を取り入れた国際教養大(秋田市)の中嶋嶺雄学長は「東大の社会に対する影響は他の大学と比較にならないほど大きい」と評価したうえで「グローバルスタンダードのカリキュラムや留学制度などが整わなければならない」と内容面の課題も指摘した。  ◇グローバル企業、歓迎多く/高校関係者、混乱懸念の声  中間報告は、新卒者を春に一括採用する企業や国などに柔軟な対応を求めた。  大企業の多くは「現時点では採用活動に大きな影響があるとは考えていない。他大学や産業界の動きを見極める必要がある」(三菱商事)などと、当面は大学側の動向を見守る考えを示す。最大の関心事は、旧帝大や早慶などの有名私大が追随するかどうか。「秋入学、秋卒業の大学が増えれば、春と秋の2回採用実施など採用活動を大幅に見直さざるをえない」(大手企業)との見方が支配的だ。  グローバルに事業を展開する大企業の間では、秋入学を歓迎する声が多い。経団連によると、ソニーや日立製作所など大手企業の26・5%は「通年採用」を実施し、外国人や留学生などを夏や秋に採用している。「海外赴任を前提とした日本人や、国籍を問わず優秀な人材を採用する企業が増えている」(経団連)。ソニーは「現状でも上智大など9月入学の学生を採用するなど、時期にこだわらず柔軟に対応している」という。  しかし、春採用の一般企業には戸惑いも広がる。東大のみ先行した場合、「時期がずれる東大生だけ青田買いされるのではないか。現状でも就職活動が大学3年から始まるなど早期化しているのに、どんな影響が出るか想像もつかない」(中小企業関係者)と、混乱を懸念する声もある。  高校の関係者からも懸念の声が上がる。全国高等学校長協会の小栗洋事務局長は「東大か、東大を中心とした何校かが導入するだけでは、混乱するのでは。東大志望者はそれほど多くないので、生徒の気持ちの分断は避けたい」と生徒によって春入学と秋入学に分かれる事態を懸念する。  高校卒業と大学入学の間の「ギャップターム」については、受け皿作りが課題だ。留学やボランティア活動が想定されるが、「日本学生ボランティアセンター」の西尾雄志・センター長は「東大が導入すれば、学生向けのボランティアプログラムを新たに組む動きへ確実につながっていくだろう」と期待する。 "[he-forum 16788] 共同通信1/18 共同通信2012年1月18日19時28分 京大、大阪大も秋入学検討へ 関西の国立にも影響  東大の懇談会が秋入学への全面移行を積極的に検討すべきだとの中間報告をまとめたことについて、京都大と大阪大は18日、秋入学導入を慎重に検討する方針を明らかにした。神戸大も「情報を集める」としており、関西でも影響が広がりそうだ。  大阪大は、教育担当の東島清副学長を中心に、秋入学の導入に伴う入学時期のずれの問題や就職への影響を検討する予定。平野俊夫学長はこれまでに「国際化の手段の一つだが、目的ではない」との考えを示していた。  日比謙一郎総務課長は「社会的な影響が大きく、1大学だけでやれるものではない。慎重に検討したい」としている。 "[he-forum 16789] 国立大学法人改革の情勢分析について 全国のみなさん 茨城大学教職員組合です。 昨年から今年にかけて、国立大学法人改革について様々な動きがあったので 組合のなかでも議論を始めました。 大変重要な問題なので、組合から、組合員でない教職員へも「組合ニュース」の 形で情報提供をしました。 HPにアップしましたので、みなさんのお役に立てば幸いです。 「組合の動きno.5」 国立大学、再編と統合の時代へ 一法人一大学方式から、一法人複数大学方式へ  →http://www.ibakyo.or.jp/ugoki1/no5vol55.html   ==================================== 茨城大学教職員組合 〒310-8512 茨城県水戸市文京2-1-1 Phone/Fax:029-228-3060 e-mail:ibakyo@bd.wakwak.com URL:http://www.ibakyo.or.jp/ ==================================== "[he-forum 16790] 毎日新聞1/22 毎日新聞2012年1月22日付 質問なるほドリ:国立大が外部から受け取る研究資金の種類は?=回答・袴田貴行  <NEWS NAVIGATOR>  ◇共同研究や奨学寄付金など 国の交付金減少、大学は獲得に注力  なるほドリ 国立大学の原子力関連研究に国や企業などから多額の研究資金が流れ込んでいるようだけど、国立大学法人が外部から受け取る研究資金にはどういうものがあるの?  記者 共同研究、受託研究、奨学寄付金、寄付講座などがあります。04年の国立大学法人化以降、国から支給される運営費交付金が減少し、各大学は外部資金獲得に力を入れています。  Q 奨学寄付金は研究室や研究者に直接渡されるの?  A いいえ。各大学が学内規定などで手続きや条件を定めており、それに従って大学に振り込んでもらいます。東京大の場合は、寄付者に寄付先や使用目的などを尋ね、内部の審査機関でチェックします。手続きを経て振り込まれると、寄付先の研究室や研究者に渡されます。  Q 受け取ったお金は自由に使えるの?  A 何に使ってもいいというわけではありません。大学の会計規程に基づき、研究のために使うことになっています。東大の場合、使用後は領収書などを提出してもらい、外部の会計監査を受けます。  Q 共同研究と受託研究はどう違うの?  A 共同研究では、大学が他の研究機関や企業などから研究員や経費を受け入れ、大学の教員と共同で研究します。一方、受託研究は大学が外部から委託を受けて研究し、成果を委託者に報告する仕組みで、研究経費は委託者の負担になります。  Q 寄付講座というのはどんなものなの?  A 企業や団体からの寄付金を基に開設される講座です。開設期間はおおむね3~5年で、寄付者がテキストやカリキュラムを作成し、講師を派遣することもあります。新技術の開発など、寄付者の意向を受けた研究をするケースも多いようです。  Q 大学の先生が特定の企業や団体から資金の提供を受けることで、企業などに有利な研究結果を出すなど、悪影響が出ることはないのかな?  A 以前、インフルエンザ治療薬の副作用を調べる厚生労働省研究班で班長を務める大学教授が、その薬の販売元から奨学寄付金を受け取っていたことが問題になったことがあります。そういうケースは「利益相反」と呼ばれ、国の審議会や学会、各大学などは防止対策を進めていますが、最後は研究者本人のモラルにかかっています。(社会部) ==============  ご質問をお寄せください。〒100-8051毎日新聞「なるほドリ」係 "[he-forum 16791] 毎日新聞社説1/21 毎日新聞社説2012年1月21日付 大学秋入学 教育改革のステップに  東京大学が秋入学全面実施に向け、本格的に動き始めた。他大学にも連携や同調の動きがあり、「グローバル人材」を求める経済界も巻き込んで論議は加速しそうだ。実施まで5年前後をめどとするが、入試など教育改革課題とも有機的に連動させることが肝心だ。  秋入学は、世界の主流に合わせて留学生や教員らの国際的な出入りを活発化させ、国際的な教育・研究レベルと評価を高めるのが狙いだ。例えば、東大でも学部段階で留学生が2%に満たないような状態は、世界の主だった大学に大きく引き離されている。こうしたことは国際評価を低くし、昨年のある調査では、東大のランクは30位だった。  しかし、秋入学はあくまできっかけ。魔法のつえのように交流を活発化させ、問題を解決するわけではない。従来妨げとなりがちだった言葉の壁を取り除くコミュニケーション能力の育成、世界にスタンダードとして通用するカリキュラムなど、付随する課題は山積しており、それに本腰を入れてこそ意義がある。  入試の時期には今回触らず、現行の春のままとした。このため、日本人の合格者には半年程度の空白期、いわゆる「ギャップターム」が生じる。これをどう活用できるかが、秋入学制の大きなポイントになる。  東大は、この間に海外体験やボランティア活動など、それまで経験のないことを通じて勉強の目的や将来の目標を考える自由な準備期間と想定している。アルバイトであらかじめ学費を稼ぐもよし、興味ある講義を聴きに来るのもよし、とさまざまなかたちがあり得るという。  日本の大学教育で全面的なギャップターム導入は未知のことであり、東大は他大学とも話し合いをしているという。ここは知恵の絞りどころだ。単に受験勉強のアカを落とすような発想では、意味のない、無駄な「空白」となりかねない。  国家試験や就職採用時期の問題もある。東大は、企業には一括採用方式ではなく、通年採用のように柔軟な仕組みに変えるよう求める。それも単に仕組みの変更ではなく、人材選抜や養成など、雇用のあり方を考え、変える契機に結びつけたい。  秋入学は1980年代の臨時教育審議会などで、過去繰り返し検討課題に挙げられてきた。今回現実味を帯びてきたのは、日本が先行き不透明な厳しい状況にあることと無縁ではない。国際的人材育成の要望はいつになく強い。  東大は秋入学を単独ではなく、他大学と連携して実施したいという。だが大学だけで自己完結する話ではない。社会も密接な連携をしないと、真の改革には結びつかないだろう。 "[he-forum 16792] 愛媛新聞社説1/22 愛媛新聞社説2012年1月22日付 大学秋入学 多様な人材育成につなげたい  東大の入学時期の在り方を検討している懇談会が、学部の春入学を廃止し、秋入学への全面移行を検討すべきだとする中間報告をまとめた。他の国立・私立大を加えた12校で協議会を設け、足並みをそろえて5年前後での実現を目指すという。  世界の大学の6割以上が入学時期を9月か10月、欧米では8割が9月に設定しているという。主だった大学で、東大は学部留学生の割合も低い。グローバル化が進む中、国際競争力を高めねばならないとの危機感がうかがえる。  学生の留学や海外からの留学生受け入れを活発にする。「国際標準」の秋入学への移行は、大学の国際化を進める一つの方向ではあろう。  ただ、国際化には何より教育・研究面での大学の質が問われるはずだ。東大の構想には、高校卒業から大学入学までの空白期間を使い学生に社会体験を積ませる狙いもある。秋入学を表面的な国際化にとどまらず、多様な人材の確保・育成の手段としたい。  だが、実現させるには解決すべき問題があまりに多い。学生の不安を拭うためにも、社会と連携した改革を進めることが鍵となろう。  秋入学は1980年代の臨時教育審議会以来、検討課題とされ続けてきた。2007年には学校教育法施行規則の改正で春入学の原則を撤廃し、入学時期を学長判断で決められるようにもなった。  しかし、文部科学省の09年度調査によると、学部で4月以外の入学制度を持つ245大学のうち、実際に学生を募集しているのは115大学、入学者は2200人余りと少ないのが実情だ。一度導入しながらやめた大学もある。  壁となるのが、4月に新スタートを切る日本社会に根付いた慣習、とりわけ就職への影響だ。既に通年採用を実施している企業もあるが、新卒の4月一斉入社といった画一的な採用を官公庁も含め見直さねばならない。  入学までの空白期間も課題だ。東大は、ボランティアやインターンシップ(就業体験)、国際交流といった体験活動を想定しているようだが、その内容や受け入れ先の十分な確保が求められよう。  そもそもペーパーテストに偏った受験競争の後、すべての学生がこういった活動に主体的に携われるものか疑問がある。東大も指摘しているように、ここは大学入試の改革とセットで考えるべきだ。  懸念されるのは、就学期間が4年半ないし5年に延びることで、学生の経済負担が増すと予想されることだ。  奨学金制度の充実など支援措置が取られなければ、今以上に経済的な条件で入学者をふるいにかけることになりかねない。それでは改革の意義が根本から問われよう。 "[he-forum 16793] 信濃毎日新聞社説1/20 信濃毎日新聞社説2012年1月20日付 改革は柔軟に大胆に 東大秋入学  「学部の春入学を廃止し、秋入学に全面移行すべきだ」。入学時期のあり方を検討している東京大学の懇談会が、こんな中間報告をまとめた。  欧米で一般的な秋入学に合わせることで、海外へ留学する学生や受け入れる外国人留学生を増やし、国際化を推進する狙いがある。春から入学までの半年間は、ボランティア活動や国際交流といった時間に充てるという。  検討課題は多いものの、学生が視野を広げ、経験の幅を広げられるような改革には賛成だ。他の大学も続き、多くの学生が在学期間を有意義に過ごせる環境を整えてもらいたい。  就職活動や資格試験への影響を懸念する声がある。経済界や関係機関には、東大の発案を後押しする柔軟な対応を求めたい。  文部科学省によると、海外に留学する日本人は2004年の8万3千人をピークに減り続け、米国の大学では10年前の半数以下になった。一方、東大の学部生に占める留学生の割合は1・9%。ハーバード大10%、ソウル大6%、北京大5%に比べて低い。  国内は少子化が進み、国際的な大学間競争はかなり激しくなっている。秋入学の提案は、東大の危機感の表れと言える。  ただ、春入学の廃止は疑問だ。米国では春も秋も入学できる大学が大半で、取得した単位数によって2~3年でも卒業できる。国際化を進めるなら、春入学の道も残してはどうか。早期卒業を認めれば、学生も留学や社会活動の計画を練りやすくなるだろう。  学生が最も心配しているのは就職活動が不利になることだ。いまは通年採用や秋採用を取り入れる企業が増えている。今回の中間報告についても、経済界からは評価する声の方が強い。官公庁も含め、新卒者を春に採用する慣行こそ見直すべきだ。  もう一つ気がかりなのは、学生の経済的な負担である。留学や社会活動を促すなら、無利子や返済義務のない奨学金制度を充実させる必要がある。米国のように、卒業生から小口の寄付を募り、一つの奨学金にまとめるような方法も考えてはどうか。  国内には既に、春以外の入学を認めている大学が245(09年時点)ある。が、実際に入学する人は少なく、定着していない。東大の提案を機にもう一度、大学内外で議論を深めたい。  入学時期に限らず、国際社会で活躍できる人材がより多く育つよう思い切って改革してほしい。 "[he-forum 16794] 北海道新聞社説1/21 北海道新聞社説2012年1月21日付 大学の秋入学 東大案に理解広がるか  東大が、学生の入学時期を秋に変更する動きを加速させている。  見直しを検討してきた学内の懇談会が「試験は春、入学は秋」とする中間報告をまとめた。最終決定を急ぎ、5年後の実施を目指すようだ。  狙いは、欧米と同じ秋入学を導入し、国際化を推進することだ。海外への留学や外国人留学生の受け入れが、世界の主要大学に比べ極端に少ないという危機感が背景にある。  確かに、春入学は日本やインドなど数カ国にすぎない。学期のずれは、留学に支障があるだろう。とはいえ、大正期に定まった90年来の慣行を変えるのは容易ではあるまい。  4月を基本にする学生の就職、企業や公務員の人事政策、医師などの国家試験ともミスマッチが生じる。影響は大きく、関係各界に理解を求める努力が必要だ。  東大は、高校や経済界からも意見を募るという。他大学にも同調を求めており、北大を含む数校が検討する意向を示している。  だが、教育界にはさまざまな見解がある。反対論は東大内部にも根強いほか、春入学と秋入学の併存が現実的、あるいは秋入学は夏入試とセットにすべき―など多様だ。  仮に、東大単独、もしくは一部の大学だけの見切り実施となれば、混乱は小さくないのではないか。  中間報告によると、秋入学を実施すれば、卒業時期が現在より半年から1年延びる。学生たちの経済的負担が増すのは間違いない。  合格者が、秋入学までの半年間をいかに過ごすかも課題だ。  中間報告は、ボランティアや海外体験などを想定している。学業以外の挑戦を通して「タフな東大生の育成」を強調する浜田純一学長の意向に沿うもののようだ。  東大合格者は毎年3千人に上る。半年の空白を有意義にするのは簡単ではなかろう。学生がタフになるとは限らない。受け皿となる支援プログラムが必要との指摘もある。  秋入学は、過去にも検討された問題だ。古くは1987年、中曽根康弘内閣の臨時教育審議会が初めて提唱した。2007年には安倍晋三首相の意を受けた政府の教育再生会議が「大幅促進」の方針を示した。  いずれも立ち消えとなったのは、社会慣行と折り合いが付かなかったからではないか。  春秋併存を採用はしたものの、秋については帰国子女や留学生を除いて取りやめた大学もある。就職などへの支障が大きく、結局、志願者が減ったためだ。  東大が、大学のあり方に一石を投じた意義は大きいが、結論を性急に求めるべきではない。 "[he-forum 16795] 中国新聞社説1/21 中国新聞社説2012年1月21日付 東大が秋入学検討 解決すべき課題は多い  入学といえば春。そんな社会通念を打ち破る大学の秋入学が果たして定着するのだろうか。  入学時期のあり方を検討している東大の懇談会が、全学部で秋入学への移行を積極的に検討すべきだとの中間報告をまとめた。留学生を増やすなどして国際競争に打ち勝つのが狙いという。  欧米では夏休み明けの入学が主流だ。グローバル化を進める経済界の一部からは、「国際基準」ともいえる秋入学への移行検討を評価する声が出ている。旧帝大なども学内で検討を始めるようだ。  東大の動きは一石を投じたと言えるが、入学前と卒業後の各半年をどうするかなど課題は多い。保護者の負担も増えそうだ。  安倍晋三首相時代の教育再生会議が9月入学の促進を4年前に打ち出したものの、広がらなかった経緯もある。教育関係者にとどまらない幅広い議論が要ろう。  日本でも1920年ごろまで大学は秋入学だったが、会計年度に合わせて4月入学に変えた。この方が国内では合理的だし、すっかり定着した。ところが、海外との入学時期のずれは、留学する際の「障壁」になっているという。  学部生に占める留学生の比率は、米国ハーバード大10%、韓国ソウル大6%に対し東大は1・9%しかない。東大からの海外留学も学部生の0・4%にとどまる。  世界の有名大学に負けない最高水準の教育を追求するには、海外の優秀な学生を集める必要があると東大の懇談会は強調する。キャンパスのグローバル化である。  国際展開する大企業などは外国人や留学生の採用を進めており、秋入学を歓迎する。秋採用を既に実施している会社も少なくないが、産業界が足並みをそろえるのは容易ではなかろう。  教育再生会議でも指摘されたが、最大の懸念は入学前と卒業後に空白期間が生じることだ。東大の懇談会はボランティアや留学、就業体験などを想定するものの、保護者の家計負担は増えよう。  大学進学率50%の時代になったが、経済的に豊かな家庭に育たないと難関大学に入りにくくなっているとも言われる。そんな傾向を助長する恐れがありはしないか。  少子化が進み、定員割れのケースも珍しくない。全ての大学がグローバルな人材養成を目指して秋入学に移行するとは思えない。  仮に東大や旧帝大、有名私大が秋入学となれば、大学の二極化が進む可能性もある。  中国地方では、特定学部へ導入する取り組みが出始める一方で、一部大学の動きとの冷静な受け止めもあるようだ。  東大などでこれから本格的な議論が始まる。空白期間の具体的な受け皿づくりや保護者の負担軽減などについて、高校側など学外の意見にも耳を傾けるべきだ。  留学生を増やすにしても、入学時期を変える以外にやりようはないのか。カリキュラムや宿舎も含めた受け入れ環境を整えるなど多角的な検討も欠かせまい。 "[he-forum 16796] 毎日新聞1/22(2) 毎日新聞2012年1月22日付 原発推進:11大学に104億円 国と企業が提供  東京大や京都大など11国立大学の原子力関連研究に対し、06~10年度、国や原子力関連企業などから少なくとも104億8764万円の資金が提供されたことが、毎日新聞の集計で分かった。規模の大きな大学は毎年、数億円規模で受け取っている。「原子力推進」に沿う限り、研究資金を安定的に得られる仕組みで、大学が国策に組み込まれている構図が鮮明になった。  各大学への情報公開請求で得た資料を分析した。原子力関連の研究室や研究者が、受託研究▽共同研究▽奨学寄付金▽寄付講座--の形で、国、日本原子力研究開発機構などの政府系団体、電力会社や原子力関連企業から受け取った金額を集計した。未公開部分もあるため、実際にはもっと多いとみられる。  ほとんどは受託研究が占め93億円。特に国からの委託は高額で、文部科学省が福井大に委託した「『もんじゅ』における高速増殖炉の実用化のための中核的研究開発」(5億1463万円、10年度)など億単位も目立つ。  共同研究は総額4億1083万円。企業側が数十万~数百万円を負担することが多い。  奨学寄付金は総額2億1822万円で、研究者が自由に使えるケースも多い。  個人別で最多だったのは、福島第1原発事故直後、当時の菅直人首相から内閣官房参与に任命された有冨正憲・東京工業大教授で1885万円。有冨氏は「持病があり、学会などで海外渡航する際にエコノミークラスが使えず、旅費がかさむ。その点を配慮してくれているからでは」と話す。  企業からの寄付が研究結果をゆがめる恐れについては、「気をつけている。私は安全評価より開発研究が中心で、問題は生じないと思う」と話した。  一方、原発の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた京都大の小出裕章、今中哲二の両助教には、「原子力マネー」の提供はなかった。  寄付講座は4大学が電力会社などの寄付で開設し、総額4億9100万円だった。  大学別では、京都大33億640万円、東京大25億5895万円、東京工業大16億7481万円の順だった。【日下部聡】 "[he-forum 16797] 信濃毎日新聞社説2012年1月B22日付 信濃毎日新聞社説2012年1月22日付 センター再試験 肥大した制度の見直しを  大学入試センター試験の再試験が全国47会場で行われた。  14日の試験の地理歴史と公民で問題冊子を配り忘れたミスを受けての処置である。過去最多の200人余が受験した。  希望する大学や短大の2次試験に向け、少しでも多く時間を確保したい時期だろう。センターと会場を引き受けた大学は、初歩的なミスで受験生を動揺させたことを十分に反省し、再発防止に努めなければならない。  今年は、これまで別々だった地理歴史と公民の試験時間を一緒にした。地歴と公民の計10科目から最大2科目を選ぶ方式を導入。地歴と公民二つの問題冊子が必要な受験生と、一つだけの受験生が混在する会場もあり、主に公民の冊子の配布を忘れたり、遅れたりするトラブルが相次いだ。  センターの周知不足と大学の認識不足が原因と指摘されている。公民から解くはずの受験生が、地歴から手を付けざるを得ない事態が生じた。遅配で試験時間が延長された分、規定より長く解答できた受験生が出るなど、公平性への疑問も出ている。  過去最悪の混乱になったためか、野田佳彦首相が対応を指示した。文部科学副大臣は、原因究明と再発防止のため作業チームを設ける考えを示している。  今回の問題に限れば、地歴と公民の冊子を1冊にすれば済む。政府が問題意識を持っているのだから、センター試験のあり方そのものを見直してはどうか。  共通1次試験に替わり、センター試験が始まったのは1990年。偏差値による“輪切り”で受験競争を助長してきた反省からだった。センター試験は、私大も参加し、受験科目は各大学が決めるようになった。入試の多様化も進み、一定の評価はできる。  半面、1点刻みで合否を争う重圧に受験生がさらされる実態はあまり変わっていない。  以前、旧大学審議会が提言したように、一定の点数を取れば大学入学の資格を得られる仕組みにできないか。必要な知識や適性は2次試験で判断する。センター試験を年に何回か行えば、受験生の負担感は軽くなるはずだ。  試験の方式をコロコロと変えるのは望ましくない。受験する側も監督する側も理解しやすい内容にし、一定の期間は続けることで定着を図るべきだ。  どのように改善するのであれ、センターと大学には緊張感が求められる。試験中に監督教員の携帯電話が鳴るようでは困る。 "[he-forum 16798] キャリアブレイン1/20 キャリアブレイン2012年1月20日付 大学病院の8割「10年度に経営改善」- 医学部長病院長会議の調査  全国の大学病院の8割超が、10年ぶりに全体でのプラス改定となった2010年度診療報酬改定後に経営の全般的な状況が良くなったと感じていることが19日、全国医学部長病院長会議の調査で分かった。同日の定例記者会見で明らかにした。  調査は10年10月に、全国の大学病院を対象に実施。本院80病院、分院49病院の計129病院から回答を得た。  調査結果によると、1年前に比べ、全般的な状況が「よくなっている」「少しよくなっている」と答えたのは計84%。このほか「変わらない」が11%、「少し悪くなっている」「悪くなっている」が計5%だった。  良くなっていると考える理由は「診療報酬改定による収入増」(69病院)が最多で、患者数の増加や診療内容の改善といった「内部努力」(32病院)がこれに続いた。  収入増の主な要因は、「手術手技料」(93病院)が最も多く挙げられ、以下は「小児入院医療管理料」(72病院)、「急性期看護補助体制加算」(46病院)、「新生児特定集中治療室管理料」(31病院)、「DPC機能評価係数による評価」(28病院)などの順。10年度報酬改定で、難しい手術を中心に手術料がアップしたことや、大学病院本院などの特定機能病院も小児入院医療管理料を算定できるようになったことが功を奏したとみられる。 ■嘉山氏「鼻血は止まったが、余裕はない」  ただ、調査結果を取りまとめた同会議「大学病院の医療に関する委員会」の海野信也委員長は同日の会見で、医業収入だけでは人件費や医業支出を賄えず、文部科学省からの運営費交付金や補助金でカバーしている病院や、依然として赤字の病院もあると指摘。「24時間救急対応などの診療機能を担いながら、一方で医師の労働環境などの問題を抱えているのが大学病院の現状。補助金などではなく、診療報酬を増やして、自立的に将来の計画を立てられるようにしてほしい」と述べた。  嘉山孝正相談役は大学病院の経営状態について、「やっと鼻血が止まったところで、余裕は全然ない」との認識を示した。 "[he-forum 16799] Re: [he-forum 16796] 毎日新聞1/22(2) 佐賀大学の豊島です.昨日の毎日の一連の記事はネット上に公開されて います.リンクがNPJサイトにあります.http://www.news-pj.net/ そのうちの次の記事の末尾には,研究発表への規制が書かれています. http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120122ddm003040128000c.html 「日本原子力研究開発機構によると、現在も研究員が学会などで発表す る際には機構の許可が必要だ。」 大学ではありえないことが,原研では許されるということでしょうか. 核兵器とからむセンシティブな問題を理由にするのかも知れませんが, 少なくとも「不許可」の決定には厳しい「規制」や「透明性」が課せら れていなければなりません.そうでない限り,学問の自由への重大な侵 害と言うべきでしょう.このような検証はなされているのでしょうか? On 2012/01/22, at 10:49, news wrote: > 毎日新聞2012年1月22日付 > > 原発推進:11大学に104億円 国と企業が提供 > >  東京大や京都大など11国立大学の原子力関連研究に対し、06~ > 10年度、国や原子力関連企業などから少なくとも104億8764 > 万円の資金が提供されたことが、毎日新聞の集計で分かった。規模の > 大きな大学は毎年、数億円規模で受け取っている。「原子力推進」に > 沿う限り、研究資金を安定的に得られる仕組みで、大学が国策に組み > 込まれている構図が鮮明になった。 > >  各大学への情報公開請求で得た資料を分析した。原子力関連の研究 > 室や研究者が、受託研究▽共同研究▽奨学寄付金▽寄付講座--の形 > で、国、日本原子力研究開発機構などの政府系団体、電力会社や原子 > 力関連企業から受け取った金額を集計した。未公開部分もあるため、 > 実際にはもっと多いとみられる。 > >  ほとんどは受託研究が占め93億円。特に国からの委託は高額で、 > 文部科学省が福井大に委託した「『もんじゅ』における高速増殖炉の > 実用化のための中核的研究開発」(5億1463万円、10年度)な > ど億単位も目立つ。 > >  共同研究は総額4億1083万円。企業側が数十万~数百万円を負 > 担することが多い。 > >  奨学寄付金は総額2億1822万円で、研究者が自由に使えるケー > スも多い。 > >  個人別で最多だったのは、福島第1原発事故直後、当時の菅直人首 > 相から内閣官房参与に任命された有冨正憲・東京工業大教授で188 > 5万円。有冨氏は「持病があり、学会などで海外渡航する際にエコノ > ミークラスが使えず、旅費がかさむ。その点を配慮してくれているか > らでは」と話す。 > >  企業からの寄付が研究結果をゆがめる恐れについては、「気をつけ > ている。私は安全評価より開発研究が中心で、問題は生じないと思 > う」と話した。 > >  一方、原発の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた京都大の小出裕章、 > 今中哲二の両助教には、「原子力マネー」の提供はなかった。 > >  寄付講座は4大学が電力会社などの寄付で開設し、総額4億910 > 0万円だった。 > >  大学別では、京都大33億640万円、東京大25億5895万 > 円、東京工業大16億7481万円の順だった。【日下部聡】 > > 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 16800] 産経新聞主張1/21 産経新聞主張2012年1月21日付 東大の「秋入学」 果敢な提案を評価したい  色づき始めるイチョウ並木の下で、入学式の行われる日が来るのかもしれない。  東京大学の懇談会がまとめた中間報告は4月の一斉入学を廃止し、秋入学に全面移行するとした。大学の競争力を強化し、学生に多様な経験を積ませるための挑戦だ。戦後の新制大学発足以来、例のない果敢な問題提起を基本的に評価したい。  というのも、大学の秋入学は世界の国々の約6割が採用しているからだ。有力大学が優秀な学生や教員の獲得を競っている中で、春入学が一般的な日本の大学は不利を強いられてきた。  秋入学は中曽根康弘内閣時代の臨時教育審議会(臨教審)以来、再三検討されてきたが、学校制度や企業採用の慣習もあり進まなかった。しかし経団連は昨年6月、優秀な人材の確保や国際化への対応からも、秋入学などへの改革を求める提言をまとめていた。  入試自体は現行通り春に行う。秋入学までの半年間、受験競争で染みついた価値観を払拭してもらい、目的意識を明確にして大学生活に臨む。就学期間中も留学や体験活動などを取り入れ、卒業までに4年半~5年かける。  東大では今後、学内での合意形成や産業界などへの説明、告知期間を経て、早ければ5年後の導入を目指すという。 思い切った提言だが、実現までに解決しなければならない課題も少なくない。  まず産業界には、学生の採用のあり方など抜本的な見直しが迫られる。学校や官公庁、企業の活動はどこも年度を単位に行われてきた。さっそく他大学から足並みをそろえる動きも出てきたが、採用形態の多様化やインターンシップへの協力拡大などは早急に実現しなければならない。  国民のコンセンサスづくりも欠かせない。在学期間がこれまでより長くなれば、親の立場からは経済的負担が一段と増す。また、「入学や卒業はサクラの咲くころ」といった長く続いてきた文化観が、違和感なく受け入れられるかといった問題もある。  秋入学が実現しても、高校卒業から入学までを漫然と過ごしてしまわないだろうか。有意義な半年間にするためボランティア活動を義務づけるなど、工夫が必要だ。東大の問題提起を機に、社会全体で議論を深めたい。 "[he-forum 16801] 朝日新聞社説1/21 朝日新聞社説2012年1月21日付 東大の秋入学―学生のための国際化を  東京大学が秋入学に全面的に移る方針を打ち出した。  早ければ5年後から、学部の入学は9月か10月になる。  大半の国にあわせて秋入学にすれば、東大生の留学も、海外から東大への留学生も増える。それが大きな狙いだ。  有名大学が、自らリスクをとって挑戦する。その意気込みは評価したい。  日本の大学生の留学は近年、減る傾向にある。ことに渡米する学生は10年でほぼ半減した。  とかく学生の内向き志向がいわれるが、東大が卒業時にとった学部生のアンケートでは、3人に1人は留学を希望していたと答えた。しかし、実際に留学を経験した学生は1割未満だ。  就職活動への影響や留年への心配が大きかった。これを解消して留学を増やし、国際感覚を育みたいというのだ。  一方、海外からの留学生も学部生の2%にとどまる。5~10%である米中韓などの主要大学に後れをとっている。外国人教員や研究者も少ない。  世界の大学ランキングで、東大を含む国内大学の格付けは高くない。世界に選ばれる大学になりたいという狙いもある。  入学前にできる半年の空白期間にボランティアや語学留学を経験すれば、受験競争で染みついた点数至上主義の解毒もできる、と訴えている。  とはいえ、企業は春採用が今も主流だ。秋採用や通年採用が広がらなければ、就活に不利だからと受験生に敬遠されかねない。過去に秋入学を試みたが長続きしなかった大学もある。  東大も、春入学と秋入学に複線化する案を検討した。しかし基礎から積み上げる学部の授業体系にあわず、教員の負担も大きいと判断した。  東大は他の11大学や経済団体との協議を4月に始める。多くの大学にも及べば、企業の採用慣行も変わるかもしれない。  浜田純一総長は「東大単独ではやらない。秋採用や通年採用が広がるめどが立たなければ、秋入学はやらないくらいのつもりで協議する」と語った。学生の最大の不安は就活だ。しっかり実行してほしい。  気がかりは保護者の負担だ。卒業までの期間が半年か1年長くなれば、それだけ教育費が重くなる。今でも、東大生の家庭の半分は世帯年収950万円以上だ。お金がない家庭の子に、ますます行きにくい大学になれば本意ではないだろう。  国内外の多様な環境で育った若者が学びやすい大学にして、互いの視野を広げられる制度を考えたい。 "[he-forum 16802] 日本経済新聞社説1/21 日本経済新聞社説2012年1月21日付 社会全体で考えたい秋入学  東京大学が入学時期を秋に移す案を打ち出した。過去にもたびたび検討されながら実現しなかった秋入学に、トップ大学が自ら踏み出す意味は大きい。  企業や官庁の採用、高校以下の学校にも影響を与える改革だ。グローバル化に対応した野心的な計画として具体化を注目していきたい。同時に、社会全体での議論につなげていく必要がある。  大学の入学時期はもともとは秋だったが、大正期に、小学校などに合わせて春に統一された。海外では新学期は秋が主流で、春入学では留学生の受け入れ・送り出しなどの面で不都合が多い。  臨時教育審議会が秋への移行を提言したこともあったが、掛け声倒れに終わった。一部に秋入学の枠を設ける大学も出てきたものの、広がりを欠いたままだ。  東大の構想の背景には、こうした現状への危機感がある。入試は春に実施するが、学部の新学期を秋に移行し、入学までの間は「ギャップターム」として海外体験やボランティア活動にあててもらう。5年後の実現をめざすという。  すでに他の国立大などで追随の動きが出ており、今後はどれだけ多くの大学が足並みをそろえられるかが焦点だ。  入学予定者の半年間の「受け皿」整備や、卒業も秋になる場合の企業・官庁の対応がカギになろう。新卒一括採用はかねて弊害が指摘されている。今回の大学側の動きを、既卒者も含めた通年採用拡大の契機にしてもらいたい。  大学側は、秋入学と併せて抜本的な入試改革にも取り組むべきである。東大はギャップタームについて「受験競争で染みついた偏差値重視の価値観をリセット」してもらう期間としているが、そうした価値観を植えつける入試体系そのものの打破を期待したい。  入学時期の問題は本来、大学だけのテーマではない。学校暦をすべて秋スタートに変えたほうが合理的だという声もある。これを機に、長期的な視点に立って大転換を探る意義があろう。 "[he-forum 16803] 読売新聞社説1/21 読売新聞社説2012年1月21日付 東大秋入学案 社会的な環境整備の議論を  東京大学が、学部の春入学を廃止し、海外で主流となっている秋入学へ全面移行する構想を公表した。  浜田純一学長は記者会見で、「5年後の移行を目指す」と述べた上で、「他の大学や企業との協議体を作り、条件整備の検討を始めたい」と実現に向けた意欲を語った。  産官学が連携して秋入学の問題点を洗い出し、議論を深めていくことが大切である。  学内懇談会のまとめた構想によると、入学時期を国際標準と一致させることで、日本人学生の海外留学と外国人留学生の受け入れを促進する狙いがある。  入学までに生じる半年間の「ギャップターム」には、ボランティアや海外ホームステイなど多様な経験を積んでもらうという。  東大を秋入学の検討に駆り立てたのは、国際的な大学間競争で後れをとるわけにはいかないという強い危機感だ。  欧米を中心に主要大学は、高い研究水準を維持するために、優秀な研究者や学生の獲得にしのぎを削っている。  ところが、東大の留学生の受け入れ比率は学部段階で1・9%にすぎず、ライバル大学に大きく立ち遅れている。外国人教員の割合も6・8%にとどまっている。  経済のグローバル化が進む中、語学力や交渉力を身に着け、国際舞台で活躍できる人材の育成は、産業界からの要請でもあった。  読売新聞が全国の国立大学を対象に調査したところ、30を超える大学が、秋入学の検討を開始するとしている。今後、こうした動きが広がる可能性もある。  だが、実現までには解決すべき課題も多い。  ギャップタームを有意義なものにするには、ボランティアの受け皿作りなど社会的な環境整備が欠かせない。  大学入学後の勉学にも生かせる具体的な活動メニューを、大学側が試験合格者に提示していく必要もあるだろう。  ギャップターム中、合格者が事故に遭った際の対応や学割の適用といった問題もある。立場が不安定なままで不利益を被ることがないよう、配慮してもらいたい。  また、国家試験の日程、企業の春季一括採用が変わらなければ、夏の卒業から翌春の就職までの期間にも空白が生じ、学生側の経済負担が増してしまう。  産業界にも通年採用の導入を進めるなど、大卒採用時期の柔軟化が求められる。 "[he-forum 16804] 読売新聞1/22 読売新聞2012年1月22日付 茨城大に教育研究センター 工学部に4分野 中小企業と基礎研究  茨城大工学部(日立市)は25日、教育研究体制の強化や中小企業支援の充実を目指し、学部内のベテラン、若手の教員や大学院生らによる学科・専攻を横断した新組織「付属教育研究センター」を設置する。  中小企業とともに基礎研究などに取り組むほか、インターンシップなどで企業に協力してもらい、若手教員や学生に現場を経験させ、教育研究の質を向上させる。友田陽・工学部長にセンターの狙いなどを聞いた。(聞き手・富田智晃) ――設置の狙いは何か。  「工学部は教員や技術系職員、大学院生に、2年生以上の学部学生を加えると約2800人の研究集団で、もっと存在感があっていいはずなのに目立たない。社会貢献、教育、研究活動を一体的に強化し、外部に見える形にするため、しっかりした体制を整備したい。世界で戦える人材と中小企業の養成が目標だ」 ――社会貢献にどう取り組むのか。  「地元金融機関に地域の中小企業をグループ化してニーズを把握してもらい、各センターにつないでもらう。各センターは企業が固定メンバー(維持企業会員)として加入した研究会を作り、長期にわたり密度の濃い産学連携を進める。地域のニーズを踏まえ、基礎研究のシーズ(新技術)を創出する。企業の人材育成、技術開発を大学側が包括的に担う形になる。中小企業が独自技術を持ち、大企業に提案できるようになってもらいたい」 ――教育、研究面での特徴は何か。  「工学部は産業界で活躍する技術者を養成するのが使命だが、現場の実態を知らないで技術者教育はできない。若い教員に現場を見てもらうため企業に助けてもらう。外部講師として大学で講義をしてもらったり、若手教員や学生のインターンシップを受け入れてもらったりしたい」  「研究面では異分野の教員がチームを作り、組織的に対応する。個々の研究者は成果を出しているが、大学院レベルの優れた教育研究拠点に国が研究費を重点配分するグローバルCOE(卓越した拠点)プログラムに選ばれるようなプロジェクトなど、茨城大工学部の目玉研究を作りたい」 ――センターでは具体的にどんな研究をするのか。  「例えば、塑性加工科学は今後も日本が世界と勝負していける得意分野だ。プレス加工製品の強度評価や、組織解析などの研究を進める。高度化防災セキュリティ技術では東日本大震災も踏まえ、周辺自治体に安全・安心な都市に向けた防災面での提案ができればと考えている。さらにIT分野でのセンターも設置に向けて取り組んでいる」 <25日に発足シンポ> 茨城大工学部は25日午後1時から、日立キャンパスで付属教育研究センターの発足シンポジウムを開く。元大阪大工学部長でJSTイノベーションプラザ大阪(大阪府和泉市)の豊田政男館長の特別講演に続き、4分野の各センター長が研究内容などを説明する。参加無料。問い合わせは茨城大工学部総務係(0294・38・5004)へ。 "[he-forum 16805] 朝日新聞茨城1/22 朝日新聞茨城版2012年1月22日付 入学金など免除 茨大、新年度も  茨城大学は21日、東日本大震災で家族が被災したり、福島第一原発事故で避難したりしている新入生に対して、入学料や授業料を免除する支援を今年度に続いて2012年度も実施すると発表した。  対象は、実家が全半壊したり、保護者が死亡、失業したりして諸費用の納付が困難な新入生と、実家が原発事故の警戒区域や計画的避難区域にある新入生。被災した在校生の授業料免除も引き続き行う。  大学によると、入学料を免除した学生は今年度49人、授業料については前期分が216人、後期分が227人だった。主に茨城と、岩手、宮城、福島の3県の学生が中心で、免除した総額は約1億3千万円に上ったという。 "[he-forum 16806] 毎日新聞富山1/24 毎日新聞富山版2012年1月24日付 寄付講座:北陸電力、富山大に 電気工学分野に1億円  富山大(遠藤俊郎学長)は北陸電力(本店・富山市)の寄付講座「先進電力システム」を4月から大学院理工学研究部に設置することになり、23日、富山市の五福キャンパスで目録・感謝状贈呈式が行われた。  同講座は電気工学分野の教育支援が目的。北陸電力からの寄付は16年度末までの5年間で総額1億1800万円。電力中央研究所(東京都)の田中和幸・研究参事を教授に迎え、東大大学院生1人を助教に配置。電力系統解析技術の改良や再生エネルギー大量導入時の系統対策などの研究に取り組む。また、田中教授は週1回金沢大でも講義を担当するほか、北陸地区の他大学への派遣も検討している。  この日は久和進・北陸電力社長から遠藤学長に目録が手渡され、遠藤学長から感謝状が贈呈された。久和社長は「太陽光など新しい分野も含めて勉強してもらい、実りあるものにしていきたい」と期待していた。  一方、富山大では国や原子力関連企業などから06~10年度に計835万円の原子力関連研究費を受けている。遠藤学長は「脱原発など日本の電力事情のさまざまな取り組みがあるが、これまで軽視されがちな本質的な部分を積み上げて、新しいものを常に見直すのが基本。(今回の寄付講座では)それができるよう努力していきたい」と話していた。【青山郁子】 "[he-forum 16807] 日刊工業新聞1/25 日刊工業新聞2012年1月25日付 東大、リガクと「産学連携室」開設-X線分析など研究  東京大学大学院工学系研究科とリガク(東京都昭島市、志村晶社長、042・545・8111)は、東大工学系研究科総合研究機構内に「東京大学・リガク産学連携室」を開設した。  X線回折装置を中心とした最先端X線分析や計測技術の開発、学生やユーザーへの普及・啓発が狙い。室長には寺井隆幸東大工学系研究科総合研究機構長が兼務で就任する予定。東大が技術担当職員2人、リガクが協力研究員2人を派遣し、スタートした。  連携室にはリガクのX線回折装置「スマートラボ」の粉末用、薄膜評価用の計2台を設置し共同で運用管理する。東大以外の機関にも共同利用を促す。共同研究では東大がユーザーとしてX線回折装置の要望を出し、仕様の提案も行う。 "[he-forum 16808] 中日新聞富山版1/24 中日新聞富山版2012年1月24日付 北電が富大に「電力講座」 人件費や研究費を寄付  北陸電力は四月から、富山大大学院理工学研究部に、電力の基礎から再生可能エネルギーの電力系統対策までを研究する「先進電力システム寄付講座」を設置する。北電が人件費や研究費などの経費を寄付する講座開設は初めて。同大五福キャンパスで二十三日、目録と感謝状の贈呈式が開かれた。  設置は五年間。教授に電力中央研究所の田中和幸氏(59)を、助教に東京大大学院博士課程三年の河辺賢一氏(26)を招いて研究室を新設。工学部生と大学院生六人を指導しながら研究を進める。研究内容は、発電から使用までの電力系統。太陽光発電など再生可能エネルギーを大量普及するための電力系統の対策まで学ぶ。  工学部生に送配電工学の講義を週一回のペースで実施。金沢大に非常勤講師として出向き、同じ講義をする。同大での結果を評価して、北陸のほかの大学への派遣拡大も検討する。  式では、北電の久和進社長が「太陽光など分散型電源の新しい分野も含めて勉強して、社内の研究開発とも連携できれば」と期待した。 (山田晃史) "[he-forum 16809] 産経新聞1/24 産経新聞2012年1月24日付 理研と埼玉大などが技術研究組合を設立へ 半導体の塗布技術を生かした新世代装置開発目指す  有機半導体をフィルムなどに塗った太陽電池の実用化に向け、理化学研究所(埼玉県和光市広沢、野依良治理事長)と埼玉大学(さいたま市桜区、上井喜彦学長)は23日、化学メーカーなど5社とともに、共同研究などを行う「新世代塗布型電子デバイス技術研究組合」を24日に設立することを明らかにした。  技術研究組合とは、技術向上と実用化に関する試験研究を民間企業や大学、研究機関が共同で行い、知見やノウハウを相互に補完するためのもので、埼玉県内では初めての設立となる。  太陽光など再生可能エネルギー利用への転換が叫ばれる中、有機半導体を溶剤に溶かして塗布、乾燥させれば、室内などの弱い太陽光でもエネルギーに変えられる「有機薄膜太陽電池」を作り出す研究が現在、世界中で進められている。  同組合で開発を目指すのは、静電塗布法と呼ばれる方法を利用して半導体を塗布し、エネルギー変換効率の高い太陽電池を作り出すこと。平成27年までの実用化を目指している。このほか、この技術を発光装置やトランジスタなどの開発に応用したいとしている。  組合の理事長に就任する理研・社会知創成事業有機光電子工学研究チームの田島右副(ゆうすけ)チームリーダーは「今後は子供や高齢者でも使えるモバイルパソコンの進化形や、生活に密着した電子機器が求められる。軽くて落としても壊れず、廃棄が容易な製品の開発を早期に実現したい」と意気込んでいる。 "[he-forum 16810] 河北新報社説1/24 河北新報社説2012年1月24日付 東大秋入学/右倣え避け多角的な検討を  東京大が秋入学に全面移行するとした中間報告を発表した。東北大をはじめ旧帝大と早大、慶大など11大学と協議会を発足させ、就職時期とのずれ、3月の入試合格から入学までの半年間(ギャップターム)をどう過ごすかなどの課題を話し合うという。  浜田純一東大総長は「単独では移行しない」と明言し、議論をリードしつつも他大学と足並みをそろえたい意向だ。早ければ5年後に実現する道筋を描いている。各大学も議論の誘いに乗るところが多い。  これだけの顔ぶれが秋入学を検討するとなれば、流れが一気に進む可能性がある。最大の狙いは、国際的な標準に合わせて留学生の受け入れ、派遣をスムーズにすることにより、大学間競争を勝ち抜くことにある。  そのために日本人の美意識に根付く春入学を変えるというのはしっくりこない。感覚が古いと言われればそれまでだが、企業の4月一括採用から外れて就職できなかったり、親の仕送り負担が増すなどの不都合をどう考えるのか。  旧帝大など教員、職員がたくさんいて財務力のある大学は、秋移行による業務の複雑化、仕事量増大に対応できるだろう。経済界も自動車、流通、製鉄など海外展開している大手は既に「通年採用」を行い、アジアの学生を大量に採用している。  このため経団連などからは評価の声が聞かれる。外国語に通じ、海外の暮らしを経験した学生が入社することは、採用する企業にとっても大きなメリットがあると捉えているようだ。  唐突に見える東大の呼び掛けも実は周到に練り上げられ、実現可能と読んでいた節がある。  ぬるま湯体質とされる大学界に水を浴びせ、改革モデルを示した姿勢は認めたいが、大部分を占める小規模な大学、日本の部品技術を支えてきた中小企業の採用計画への影響まで考慮しないと混乱するのではないか。  教員を養成する教育大は、小中高校の入学時期を一緒に変えない限り、秋移行は難しい。東大が投げた一石は、教育界全体に波及するものなのだ。  入学前のギャップタームで例示したのは、ボランティア活動、語学留学、企業インターンシップなど。「受験競争で染みついた偏差値重視の価値観をリセットできる」と強調している。  しかし、東日本大震災で被災地に入っているボランティアをみると、主体的に選択行動している学生ほど多くを学び取っている。最初から単位に組み込むなどして組織的にプログラム化し、仕向けるような性格のものなのだろうか。  大学間の競争と生き残りへの挑戦は必至の時代だが、秋入学は有力な大学が先導し、結局はそれ以外も追随するという従来のパターンを踏む恐れがある。  また右へ倣えでは本質は変わらない。国立大法人化といった一連の改革は、それぞれの個性と多様性を高めることが求められていたはずだ。冷静で慎重な論議を求めたい。 "[he-forum 16811] R`V1/26"," 山形新聞 2012年01月26日 11:23 山形大「秋入学、どちらとも言えない」 35国立大が検討意向  東大の懇談会が学部の春入学廃止と秋入学への全面移行を打ち出し "[he-forum 16812] 東奥日報1/27 東奥日報2012年1月27日付 秋入学に慎重姿勢/遠藤弘大学長  任期満了に伴い1月末で退任する弘前大学の遠藤正彦学長(75)は26日、最後の定例会見を行った。東京大学が検討している秋入学への全面移行について、個人的見解と断った上で「有力大学だからできること。一部の大学主導でやれば、大学が分断され階層化が一層進む。国として制度設計をやらないといけない」と述べ、あらためて慎重な姿勢を示した。 "[he-forum 16813] 河北新報1/26 河北新報2012年1月26日付 復興関連の研究も展示 仙台で産学官連携フェア  東北6県の大学などが産業技術に関する研究成果を発表する「産学官連携フェア2012みやぎ」(みやぎ産業振興機構主催)が25日、仙台市青葉区の仙台国際センターで開かれた。震災復興に関連した研究なども紹介された。  東北大、岩手大などの大学や公的研究機関、産業支援組織など計47団体が参加。「ものづくり」「情報通信」など7分野97テーマについて、パネルや開発品の展示などで研究内容を紹介した。  このうち震災復興関連の特別コーナーでは「津波の堆積物を活用した土地造成」「自然エネルギーによる海水の浄化設備」など33テーマが展示され、来場した多くの企業関係者の関心を集めた。  みやぎ工業会主催の新春産学官交流大会も同時開催された。優れた工業製品などを支援する「第4回みやぎ優れMONO(もの)」として、工具製造のミヤギタノイ(宮城県七ケ宿町)の製造コスト削減につながる工具など、同県内6社の商品が認定された。 "[he-forum 16814] 共同通信1/27 共同通信2012年1月27日20時11分 秋入学で東大学長、協議呼び掛け 地方国立大に  学部の秋入学への全面移行に意欲を示している東大の浜田純一学長は27日、共同通信との単独インタビューに応じ「地方の国立大にも個別に情報を提供し、協議への参加を呼び掛けていく」と述べ、既に協議を働き掛けた11大学以外とも幅広く議論し、連携を求めていく考えを示した。  教員養成系を中心に秋入学に否定的な国立大も多いことについては「各大学の事情で考えればよく、全国一律に移行すべきだとは考えていない。当面は春入学と秋入学が併存することで、多様性が生まれる」とした。  共同通信が実施した全国立大学長アンケートでは、4割以上が秋入学検討の意向を持つことが判明した。 "[he-forum 16815] 陸奥新報1/27 陸奥新報2012年1月27日付 弘大・遠藤学長が最後の定例会見  弘前大学の遠藤正彦学長(75)は26日、同大で定例会見を開き、東京大学が秋入学移行を本格検討していることについて「個人的な見解」とした上で、「より一層大学の階層化が進むことになりかねず、国としての制度設計を進めなければならない」との考えを示した。  この日は今月末で退任する遠藤学長の最後の会見となった。就任から10年間の国立大学法人化の中での実績や、弘大の国立大学法人評価の向上などの取り組みを振り返り「無我夢中でやってきた。大変だったが、多くのことをやれたのは教員職員の協力があったから。充実していた10年だった」と総括した。 "[he-forum 16816] 日本経済新聞1/27 日本経済新聞2012年1月27日付 東大学長、秋入学協議組織「中核は10~20校」  東京大の浜田純一学長は26日、秋入学移行を大学間で協議する組織について、10~20校程度を中核にする考えを示した。報道各社との懇談会で明らかにした。既に参加を呼び掛けている国私立の有力11校が中心になるが、秋入学に関心を持つ大学とは広く連携して緩やかな連合体を目指すとした。  浜田学長は「秋入学のように全国的な広がりを持つ問題は、参加校を限定した形で議論するのは望ましくない」と指摘。政府や企業側との交渉を進めるために中核の大学群は必要だが、各大学が広く議論の場に参加できるようにするとした。  東大は4月の協議組織設置に向け、旧帝国大6校と一橋、筑波、東京工業、早稲田、慶応の計11校に参加を打診した。浜田学長は「地方大学でも前向きな動きがあり、地域ごとに議論する場があっても良い」と話した。  採用時期の見直しなどを話し合う産業界と大学側の協議組織については「中小企業や地方企業の団体とも議論したい」と大企業以外にも参加を求める考えを示した。 "[he-forum 16817] 日本経済新聞1/27(2) 日本経済新聞2012年1月27日付 文科省局長の東大出向、学長「悪いと思わず」  文部科学省が大学政策の実務の責任者である高等教育局長を東京大の理事に出向させる異例の人事を行ったことについて、浜田純一学長は26日の報道各社との懇談会で、「文科省からの出向が悪いとは思わない。基本は学長が理事を使いこなす力を持ち、言うことを聞かないなら辞めさせるというスタンスを取れるかが大事だ」と述べた。  文科省からの出向人事は、自主性向上や民間的な経営手法を取り入れるとした国立大法人化の狙いを損なうとの指摘がある。浜田学長は「高等教育に十分な視野を持ち、東大がグローバルな展開をしていける人をという希望を出し、ふさわしい人物に来てもらった」と経緯を説明した。 "[he-forum 16818] キャリアブレインニュース1/25 キャリアブレインニュース2012年1月25日付 基礎研究医の養成が課題- 文科省課長  文部科学省は24日、「国公私立大学医学部長・医学部附属病院長会議」を開き、全国の大学の医学部長らに2012年度予算案や関連事業などについて説明した。この中で同省高等教育局の村田善則医学教育課長は、基礎医学を担う研究医の養成が課題だとの認識を示した。同省は、基礎研究医の養成プログラムなどに取り組む大学を支援する新規事業を12年度予算案に盛り込んでいる。  同省によると、1993年と2010年の医学系大学院の入学者数を比べると、全体では1700人以上増えているが、基礎系に進む医師免許を持つ人は逆に減っている=グラフ=。その結果、医学論文の本数が減っており、将来的には基礎医学の教員不足も懸念される。  基礎研究医の確保をめぐっては、医学部を卒業して医師免許を取得すると、臨床研修により研究に2年間の空白期間が生まれることが課題になっている。このため新規事業では、▽医学部生に基礎研究への動機付け教育を行う▽臨床研修と大学院での研究を両立させ、空白期間をつくらない―など、医学生の研究マインドを大学院につなげる養成プログラムを行う大学を支援する。  村田課長は会議で、事業の狙いを「当面は各大学でいろいろな取り組みをしていただき、その中からどういうやり方が考えられるか検討したい」と説明した。  また、この新規事業では、参加型臨床実習の充実に取り組む大学も支援する。臨床実習について、時間の確保や内容の充実が課題になっているためで、例えば米カリフォルニア州などでは、72週以上の臨床実習が医師免許登録の要件になっているが、日本で72週以上の実習を行っているのは79大学中2大学しかないという。  村田課長は「単なる見学ではなく、『参加型』の臨床実習が十分に行われているとは言えない状況」との認識を示した。 "[he-forum 16819] 信濃毎日新聞1/26 信濃毎日新聞2012年1月26日付 信大大学院名称変更 理学部悲願の「理」1字プラス  信大(本部・松本市)は来年度、大学院の「工学系研究科」(修士課程)を「理工学系研究科」に変更する。理学系コースを含むのに名称に「理」の文字がなく、学生に分かりにくいとの声が出ていた。理学部にとって「足掛け15年の悲願」(武田三男学部長)といい、理学系大学院生の確保にプラスに働きそうだ。  大学院にはもともと1976(昭和51)年発足の理学研究科(修士課程)があったが、98年に博士課程を設けるため、博士前期課程(修士課程)と同後期課程(博士課程)を持つ工学系研究科に加わった。武田学部長によると、この時に名称が議論になったが、同研究科を構成する工、繊維学部を説得できず、「理」の文字が消えた。そのためか、他大学から信大の理学系コースを志願する学生がほとんどいなくなったという。  2008年に就任した武田学部長が再度、変更を要望。昨年、他学部に承認され、文部科学省に申請した。同学部長は「『理』が加わり、地球規模の課題解決に取り組んでいることを示すことができる。環境負荷の少ない技術の確立や自然環境保全の研究を一層推進したい」としている。  信大は併せて、繊維学部関係の7専攻を4専攻に改組。同様に、工学部関係の社会開発工学専攻を、土木工学と建築学の2専攻に分ける。 "[he-forum 16820] NHKニュース1/27 NHKニュース2012年1月27日19時50分 大学病院などの初診料増を提案  厚生労働省は、紹介状がなく、大学病院などの高度医療を提供する大規模な病院を受診した場合、患者の初診料の自己負担が増える仕組みを導入し、これによって大規模病院の勤務医の負担軽減を図る方針を、27日、中医協=中央社会保険医療協議会に提案しました。  27日、開かれた中医協の総会で厚生労働省は、ほかの医療機関による紹介状がなく、大学病院など高度な医療を提供する大規模な病院を受診した場合、初診料の一部を保険適用外とする方針を示しました。厚生労働省の説明では、この方針は医療機関の役割分担を明確化し、勤務医の負担を減らすためで、患者の自己負担が増えることで症状が軽い患者の診療所などの受診が増えるとしています。厚生労働省は、1年間の周知期間を設けたあと、来年4月からこの仕組みを導入したいとしています。また、厚生労働省は、2回目の診療の際に支払われる再診料について、同じ病院で1日2つ以上の診療科を受診した場合、2つ目の診療科の診察料も負担してもらう方針を示しました。これに対して、健康保険組合の委員からは、患者負担が増えることに反対する意見が出されました。中医協は、来月中旬までに個別の診療行為ごとの報酬の改定案を取りまとめることにしています。 "[he-forum 16821] 大分合同新聞1/30 大分合同新聞2012年1月30日付 「秋入学」 大学・企業の本音は右へ倣え?  東大が5年後の全面移行を打ち出した「秋入学」。国際標準に対応できるというメリット、高校卒業から入学までに半年の空白期間が生まれるなどのデメリットが挙げられるが、県内の大学での論議、検討はこれから。現行システムからの“大転換”だけに、「周りが変えるなら、ついていこうか…」という本音も垣間見える。学生を採用する地元企業の多くも実感がないためか静観の構え。新入生を迎えるのは桜からコスモスに変わるのか?  「小・中・高校、家庭、企業など全てに影響が出る。大分大単独ではできない」。26日、県庁で開かれた記者会見。大分大の北野正剛学長は、秋入学導入の適否を検討する委員会を新年度中に設置する方針を明らかにした上で、導入には社会全体のシステムが変わる必要があると指摘した。  実際、別府大は「留学生の秋入学は認めているが日本社会は春から始まる学年歴。現時点では前向きに考えるのは難しい」との姿勢。ただ、「検討せざるを得ない状況になれば検討する」ともする。日本文理大は「検討していくべき重要な課題」とするにとどまる。  一方、2000年の開学当初から春秋の年2回、入学生を迎えている立命館アジア太平洋大。11年秋に入学した437人のうち、約9割の399人が留学生だ。「多様な学生を確保するため、秋への一本化は検討していない」が、「社会システムや高校の教育制度が見直されるきっかけになれば」と期待を込める。  県内企業の多くは、秋入学に対応した「秋採用」には実感が湧かない様子。ある小売店の採用担当者は「秋卒業の人も翌春の採用試験を受けてもらっている。しばらくは様子を見る」。金融機関の担当者は「官公庁が変われば、民間も徐々に変わるのでは。そうなれば、手間は掛かるが春秋2回の採用になるとは思う」と話す。  県人事委員会事務局は「多くの大学が秋に切り替えるようなら、良い人材を獲得するためにも出遅れはできない。どんなメリット、デメリットがあるかを学ぶ必要がある」としている。 学生 期待と不安が交錯  学生らには、秋入学への期待と不安が交錯する。  「導入されると国際交流が盛んになる」と大分大2年の男子。大分市内の進学校に通う高校2年男子は、大学入学までの空白期間を生かして「アルバイトやボランティアなど、興味のあることができる」と言う。  半面、「企業は優秀な人を採用しようと、東大に合わせて採用時期を秋に変更するのでは。その場合、春に卒業する大学の学生は、就職の機会が奪われはしないか」(大分大2年の男子)との懸念も。  入学前と卒業後に空白期間が生じた場合、「アルバイトに時間を割いてしまい、学力が低下するのではないか」「仕事に就くまでの生活が厳しくなる」などの不安も漏れた。  大分舞鶴高校で進路指導に携わる佐藤秀信指導教諭(48)は「入試が(高校卒業後の)夏になれば、高校でよりきちんと教える時間ができるのでは」と話す。一方で「大学によって入試時期がバラバラ、受験が複雑になると、高校側の負担が大きくなりすぎる」と、大学側に統一歩調を求めた。 <ポイント> 大学の秋入学  欧米では一般的で、学生の海外留学や留学生の受け入れのしやすさがメリットとされる。共同通信が各大学の学長を対象に行ったアンケートでは、東大の方針を受けて約4割の国立大、早稲田大や慶応大などの私立大も検討する意向を持っていることが明らかになった。 "[he-forum 16822] 西日本新聞社説1/29 西日本新聞社説2012年1月29日付 大学秋入学 社会全体で考える問題だ  東京大が先に表明した秋入学への移行方針は、全国の大学を巻き込みながら、にわかに現実味を帯びてきた。  東大は入学時期を検討する懇談会で、5年後をめどに秋入学に全面移行を目指すことを決め、九州大を含む国立大9校に早稲田大、慶応大を加えた11校と協議会を設置して検討を始めるという。  国内トップを自任する大学の挑戦であり、果敢な問題提起と評価したい。  明治期から大学の入学は秋だったが、大正期に小学校などと合わせて春になり桜の下での入学式はこの国の伝統行事となっている。秋入学は臨時教育審議会が1980年代に論議して以来、再三検討された。だが企業の一括採用、春入社という慣行があり前に進まなかった。  いま、東大が秋入学を打ち出した背景には大きな危機感がある。  まず留学問題だ。世界の大学の6割は秋入学である。春入学では留学生の受け入れ、送り出しともに不都合が大きい。  学部学生約1万4千人中、この10年間で海外留学したのは毎年30―60人という現状を、浜田純一学長は「10年後、20年後、社会はますますグローバル化しているはずだが、若い人たちがやっていけるのか、何より気になる」と心配する。  多くの留学生を受け入れ、送り出すことで、語学力や交渉力の充実など国際化に対応できる人材を育てたいという。  さらに問題は、学生の価値観の画一化だ。偏差値重視のいわゆる受験エリートが集まる傾向は東大だけではあるまい。  東大の案では、春の入試後、合格者は秋の入学まで約半年の時間差がある。浜田学長は「ギャップターム」と呼ぶこの期間を通じて「ボランティア活動などで多様な価値観を育んでほしい」と、実社会で学ぶことに期待を寄せる。  共同通信のアンケートでは、東大以外の国立大81校のうち4割以上の35校が秋入学を検討する意向を示した。九大の有川節夫学長も会見で「メリットの方が大きいのではないか」と述べ、学内に検討組織を設ける考えを表明している。  しかし、入学時期を秋にするだけで単純に大学が国際化し、留学が進むものではない。卒業も原則、秋になることが想定される。多彩な人材活用を阻む春の一括採用の矛盾が指摘されるなか、経済界はおおむね歓迎の意向だが、本当に企業側の採用活動が変わるのか。春卒業を前提としている医師や公務員などの国家試験の時期とのズレも問題になろう。  多様で国際的な人材育成には入試制度の改革も不可欠であり、ギャップタームの分だけ親の経済的負担も増える。  事は根が深く一筋縄ではいかない。実施には多くの難題が絡んでいることを百も承知で、東大は秋入学を目指すという。一方で「東大単独での導入は考えていない」(浜田学長)と述べる。  政府も後押しする方針だ。社会全体の問題として受け止め、官民挙げて考え、議論しなければならない課題である。 "[he-forum 16823] 長崎新聞1/29 長崎新聞2012年1月29日付 長崎大学病院が4月からドクターカー初導入 救命率向上図る  長崎大学病院(河野茂病院長)は4月から長崎市と近郊で「ドクターカー」の運用を始める。救命救急センターの医師と看護師が救急現場に駆け付け初期治療し、救命率の向上を図る。ドクターカー導入は県内で初めて。  病院によると、救急車で医療機関まで搬送するよりも早い措置が必要な患者や、交通事故などで救出に時間がかかる場合などに対応する。具体的には患者の気道を確保する気管挿管や、肺が破れ胸腔(きょうくう)にたまった空気を出す緊急脱気などの医療行為をする。  要請を受けた救命救急センターの医師が患者の症状に応じ派遣を判断。ドクターカーはセンターの医師や看護師ら医療従事者を運び、患者は従来通り救急車で搬送する。活動地域は基本的に旧長崎市内と西彼時津、長与両町。当面平日の日中に運用する予定で、年間100件ほどの出動を見込んでいる。  車両は東日本大震災のような災害現場で救命処置に当たる医療チーム「DMAT(ディーマット)」の移動手段にも当てる。燃料確保が難しい災害現場で一定期間活動できるよう軽油を積み込めるクリーンディーゼル車を採用した。整備費は県の地域医療再生基金を活用する。  救命救急センターの山下和範助教は「緊急性が高い患者により早く医療を始めることができる。若い医師が救急医療の経験を積むことができ、将来的に地域医療の向上にもつながる」と話している。 "[he-forum 16824] 秋田魁新報1/29 秋田魁新報2012年1月29日付 秋大、被災学生を支援へ 大潟村農家有志の寄付活用  秋田大学(吉村昇学長)は2012年度、東日本大震災で被災した学生への経済支援を目的にした一時金給付を行う。新入生への入学準備金のほか、在学生に生活支援金や就職活動支援金として支給する。  大潟村の農家有志19戸が、戸別所得補償制度の補償金の一部から同大に寄付した約2千万円を活用する。農家有志が昨年11月、県内大学から被災学生の支援策を募集、コンペで同大への寄付を決めた。  対象となるのは▽扶養者の自宅が全半壊したり、扶養者が死亡または行方不明となっている▽震災の影響で扶養者が失業した▽福島第1原発事故の影響で扶養者の自宅が警戒区域か計画的避難区域にある—など。  入学準備金は10万円で、13年度の新入生も対象とする。在籍する学生(大学院含む)には、生活支援金(アパート代や食費補助)として上限10万円、就職活動支援金(交通費など)として上限5万円を支援する予定。 "[he-forum 16825] 河北新報1/28 河北新報2012年1月28日付 大学チームや企業入居 南相馬に放射線対策拠点  福島第1原発事故の放射線被害に対応する南相馬市放射線対策総合センターが27日、同市原町区にオープンした。  開所式で桜井勝延市長が「このセンターから南相馬の命の再生をしてほしい」とあいさつした。  センターは平屋で床面積約500平方メートル。復興支援や家畜への放射線影響調査に当たる東北大、北里大、福島大の研究チーム、除染業務に関わる地元企業などでつくる「みなみそうま除染企業組合」が入居し、来月にも活動を本格化させる。  工業製品や食品、事業所の残留放射能を調べる放射線測定室2室、放射線被害や補償、損害賠償に関する相談室も設けた。  センターは地元企業の復興と産業創出の目的もあり、中小企業整備基盤機構の仮設施設整備事業として整備した。 "[he-forum 16826] 京都新聞2/1 京都新聞2012年2月1日付 秋入学12校が慎重 京滋13大学アンケート  東京大が打ち出した学部の秋入学全面移行について、京都新聞社は31日までに京都と滋賀の国公私立大13校の総長・学長にアンケートを実施、うち12校が移行に慎重な姿勢であることが分かった。半数以上が移行の検討には前向きだが、経済負担や就職への影響などを懸念する意見が多く、困惑も広がっている。 ■立命は賛成 8校「検討」  アンケートは▽秋入学移行への賛否▽秋入学を検討しているか▽導入のメリットとデメリット▽留学生受け入れなど国際化の方向性-を聞いた。  秋入学に賛成は立命館大のみで、川口清史総長は「グロバール化が加速し、日本の大学の国際化は急務。学生の一定割合を対象に秋入学が可能になることは望ましい」とした。  他の12校は賛否を明確にしなかったが、滋賀大の佐和隆光学長は「小中高の学年歴を同時に秋入学に改めない限り『反対』」と、大学だけの移行には明確に反対した。滋賀医科大なども「秋入学導入には国全体のシステムを変えることが必要」とした。  「検討している」「検討する」は8校。移行のメリットとしては「留学生の受け入れ」(8校)、「学生がギャップタームに多様な体験ができる」(3校)が多く、「新卒一括採用の慣行が変わる可能性がある」(同志社大)、「学期が長期休業で分断されない」(京都教育大)などの期待もあった。  デメリットには6校が「保護者の経済負担の増加」を挙げ、他にも「就職活動に影響」(滋賀県立大)、「医師などの国家試験受験に影響」(京都府立医科大)、「(春入学の大学との兼ね合いで)クラブ活動に支障」(京都産業大)など懸念の声も多かった。  京都大は「入学の時期、入学試験の在り方も含めて、今後検討する予定」との従来のコメントのみだが、部局長や若手研究者などさまざまなレベルでの検討会を設置する方針を固めている。 "[he-forum 16827] 中国新聞1/31 中国新聞2012年1月31日付 広島大も秋入学導入検討へ  広島大(東広島市)は30日、秋入学導入について検討する教職員のワーキンググループ(WG)を4月に設置すると発表した。定例会見で浅原利正学長が明らかにした。  浅原学長は秋入学の利点として、学生の海外留学や留学生の受け入れが進めやすくなる点を強調。国際化が急速に進む中、「欧米で一般的な秋入学に合わせるよう検討することは必須」とし、「春入学との併存も可能」とも述べた。  同大は2009年3月にも秋入学について教職員10人のWGが報告書をまとめた。当時は高校や就職先とのギャップなどを勘案して「社会環境が整っておらず、時期尚早」と判断していた。  浅原学長は「企業側も通年採用を導入する動きがあり、問題は解決しつつある」と再度秋入学を検討する理由を説明。導入する場合は最短でも今春の入学生が卒業する16年以降になるという。 "[he-forum 16828] 西日本新聞2/1 西日本新聞2012年2月1日付 女性教員で学内活性 大分大新年度から  大分大は2012年度から、常勤の女性教員採用に積極的に取り組んだ学部に対し、学内予算をより多く配分する新たなシステムを導入する。少子化が進み、人材不足や研究力の低下が懸念される中、男性に比べて割合が少ない女性研究者をより多く活用することで、学内の活性化を狙う。  大分大によると、昨年5月1日現在の全常勤教員(教授、准教授、助教など)は579人で、女性は15・5%の90人。文部科学省の10年度の集計では、女性教員の割合は平均で国立大約13%、公立大約26%、私立大約23%で、国立大の低さが際立っている。  大分大は国立大平均をやや上回っているものの、約1年後の12年度末までに、20%に引き上げる目標を掲げている。11年度に比べて女性教員の割合が多くなった学部に、その割合に応じて予算を多く配分するなど検討している。  大分大女性研究者サポート室長の松浦恵子・医学部准教授は「女性研究者は出産や育児もあり、活躍の場が少なかった。支援や育成を強化することで、より優秀な人材確保につなげ、大学の研究力を底上げしたい」と話している。 "[he-forum 16829] 中日新聞2/1 中日新聞2012年2月1日付 名大病院に新訓練施設 高度な技術伝授  ロボットを使った手術や内視鏡検査、血管治療などをシミュレーション機器を利用して訓練する「メディカルシミュレーションセンター(仮称)」が、2013年度中に名古屋市昭和区の名古屋大病院に誕生する。最先端の機器を10種類以上備え、年間3万人の利用を見込む国内最大規模の施設となる。  国は、運営費交付金として3億3千万円を新年度予算案に計上。完成後は名大病院の医師や看護師、医学生だけでなく、院外にも開放される。松尾清一病院長は「センターを通じ、この地域全体の医療技術向上に貢献したい」と期待する。  新センターには、医師が遠隔操作する内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」の操作や、血管内治療などの練習装置を設置。診療室や集中治療室(ICU)、手術室を再現した部屋を用意し、トレーニング用マネキンを使ってチームで治療を進める際の訓練もできるようにする。  名大病院には現在、新センターよりも小規模なスキルトレーニングセンターがあり、麻酔や注射の技術が習得できる。年間1000件、延べ2万人以上が利用しているが、新センターはこの1・5倍を見込む。  これまで、医療技術は「徒弟制度」のような形で受け継がれてきた。しかし、技術が高度化するにつれ、従来の方法には限界が近づいていると指摘されている。松尾病院長は「新センターで、医療関係者は数が少ない症例への対処法も学べる。このようなセンターは今後、日本各地に必要で、その先例となるよう努力したい」と話している。 "[he-forum 16830] 毎日新聞群馬2/1 毎日新聞群馬版2012年2月1日付 連携協定:群馬大と健科大、放射線医学で 修士課程にコース新設  群馬大と県立県民健康科学大は31日、医学と放射線医科学分野での連携協定を締結した。13年度から両大の大学院修士課程に「放射線生命医科学コース」が新設される。  連携協定は、医学・生命科学教育が充実している群馬大と、放射線科学教育が充実している健科大とで、互いの得意分野を生かし、教育・研究を補い合う目的で結んだ。  新設の放射線生命医科学コースは、群馬大大学院医学系研究科の学生が健科大で放射線科学の基礎知識を、健科大大学院診療放射線学研究科の学生が群馬大で医学・生命科学の基礎知識を相互に学び合う。募集は群馬大15人、健科大3人。今年8月に出願を受け付け、入学試験は9月の予定。  群馬大の高田邦昭学長は「群大単独ではなし得ない教育と研究ができる」と述べ、健科大の土井邦雄学長は「大きな刺激となり、教育レベルの改善にも役立つ」と期待した。【鳥井真平】 "[he-forum 16831] m3.com 2/6"," m3.com 2012年2月6日 橋本佳子(m3.com編集長 "[he-forum 16832] 四国新聞2/2 四国新聞2012年2月2日付 大学改革へ学生も参画/香川大で公開シンポ  香川大は1日、幸町キャンパスを主会場に、今後の大学改革のビジョンを示す「構想会議」の公開シンポジウム「“私たちの香川大学”が動き出す」を開いた。学生と構想会議の学外委員らが、学生、大学それぞれに期待することや課題などを公開討論。学生からは要望を出すだけでなく「自分たちも動かなければ」という声も上がった。  構想会議は昨年10月に発足し、学外有識者や学部長ら計24人で構成。これまでに4回会合を開き、教育・研究面での課題や大学のあるべき姿などを協議してきた。  シンポジウムは、構想会議で進める改革に学生の意見を反映することなどが狙い。医、工、農の各学部のキャンパスをテレビ会議でつなぎ、計約200人が参加した。  学生は、「3年次の就職活動までに社会人と接する機会を増やしていくべき」「学生が自由に集まって打ち合わせできるスペースがない」などと大学生活で感じている課題を提起。中には、「私たちが動かないと、意見だけ言っても仕方がない」と学生側の積極性や主体性が必要との意見も出ていた。  学生と教職員の垣根を取り除けばよりよい大学になるとの意見に、洲之内徹四国電力取締役副社長は、「共に良い大学にするというところで、ベクトルを合わせていってほしい」とアドバイスしていた。  構想会議では今回の意見も踏まえ、3月をめどに大学の将来構想の骨子案をまとめる予定。 "[he-forum 16833] 岩手日日新聞2/6 岩手日日新聞2012年2月6日付 研究センター設置へ 岩手大が来年度 「平泉学」の拠点に  「平泉の文化遺産」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産登録されたことを受けて、岩手大(藤井克己学長)は2012年度に「平泉学」の研究に本腰を入れる。来年度中に平泉に関する総合的研究の拠点形成として、平泉学研究センターを設置。東アジアからの視点などを取り入れながら、他大学と連携して平泉学の構築を目指していく。  同大では、「平泉」は世界遺産として登録されたものの、平泉研究については個別学問分野の枠にとどまっていることや、組織的・体系的・継続的な研究環境、理化学分析が未整備であること、東アジアという国際的視点からの研究が未成熟であることを課題として挙げる。これを解決することを目指し、「世界遺産・平泉文化の総合的研究の拠点形成」に来年度から取り組むことにした。  国の来年度予算案で同事業が盛り込まれ、約6000万円が計上された。具体的には研究連携の中核を担う組織として平泉学研究センターを設置。同大としては土壌堆積物などの分析や、輸入陶磁器などの理化学的分析を進める。東アジアとの関係をより深く研究することを狙いに、中国の西北大や山東大、寧波考古研究所との連携を強化。さらに、いわて高等教育コンソーシアムの平泉文化研究会、盛岡大(民俗学)、県立大(宗教史)のほか、県教委や文化庁ともより緊密な連携を図っていく方針。  研究を進めることで、産学官民を横断した総合的な平泉学の構築だけでなく、東アジアからの視点による平泉研究の進展と国際的意義の解明、教育、社会学、地域振興を包含する地域における平泉の活用の活性化などを目指していく。  将来的には研究成果として平泉学を講義科目に取り入れることも検討する見通しで、岩渕明副学長は「他大学と連携しながら平泉の研究を進化させる」と語っている。 "[he-forum 16834] 千葉日報2/6 千葉日報2012年2月6日付 高度医療研修と就職支援へ 医師不足の解消目指す 県と千葉大が新センター  深刻化する県内の医師不足解消を目指し、千葉県が千葉大と連携して高度な医療技術研修と就職を支援する「県医師キャリアアップ・就職支援センター」が5日、本格稼働を始めた。実践的に訓練できる最新鋭の内視鏡シミュレーション機材などを備えた国内最大規模の研修施設で、先端の医療技術指導のほか、県内医療機関への職業紹介事業を展開。全国各地から医師を呼び込み、県内への定着を図る。  県と千葉大と共同で立ち上げる県医師キャリアアップ・就職支援センターは、若手医師を県内に呼び込み定着を促進しようと、県が約2億5千万円を投じて、千葉市中央区の千葉大医学部付属病院の旧精神科病棟を改修。昨年12月に工事が完了し、本格稼働に向けた準備を進めてきた。  研修セミナーとして、年度内は、内視鏡を使った手術や腹部エコーの研修など七つのプログラムを用意し、約100人の医師が参加する予定。  就職支援では、県内医療施設の求人情報を集約した「県ドクターバンク」(無料職業紹介事業)で、医師や研修医向けの求職情報がウェブ上で確認できるほか、就職に向けた面接などをサポートする。  運営は、同大や県医師会、県内の主要病院でつくるNPO法人「千葉医師研修支援ネットワーク」に委託した "[he-forum 16835] 河北新報社説2/6 河北新報社説2012年2月6日付 東北広域連合/若者の政策提言を生かそう  東日本大震災後の東北像を描くのは誰か。復興に要する膨大な時間と労力、資金を考えれば、若い世代にこそ積極的に声を上げてほしい。  「東北を一つに」を合言葉に、東北大公共政策大学院の学生たちが「東北広域連合の創設」に関する政策提言をまとめ、宮城県に提出した。  私たちは震災前から、広域行政の必要性を訴えてきた。ヒト、モノ、カネ、情報が地球規模で往来する時代。東北が地域主権を確立し、自立的発展を遂げるためには「県域」ではなく「圏域」として凝集しなければならないと主張してきた。  「1000年に1度」の大災害を受け、県境を越えた互助のシステム構築が喫緊の課題になっている。  広域連携は「おらが県意識」が障害となって、ともするとできない理由を探す作業になりがちだ。だが、できることを今すぐやろう、という若者のチャレンジ精神は現状変革の起爆剤となるだろう。  同大学院は公共政策の専門家などを養成する専門職大学院。20代の若者を中心にワークショップなどを通じて、地方自治体が抱える課題解決に向け、提言などを行っている。  今回は学生7人が広域行政で取り組むべき(1)防災(2)医療(3)産業-の3分野、7項目を提案、広域連合の組織構成も示した。  提言は広域連合の参加自治体として東北6県と政令市の仙台市を想定。国出先機関のうち、地方整備局、経済産業局、地方環境事務所の移管を求める。  最大の特徴は、住民が連合のメリットを実感しやすい分野を中心に提言をまとめたことだ。  大震災で支援物資の調達と分配業務に支障が出たことを踏まえ、連合自身が中核的な広域防災拠点を整備する必要性に言及。第1段階として、いわて花巻空港隣接地(北東北担当)、山形空港隣接地(南東北担当)を挙げた。  各県が所有するドクターヘリを連合に移管、県境を越えて共同運航すれば、初期治療までの時間を最大10分短縮できるという。このほか、東北に遍在する地熱資源を共同開発する構想などが盛り込まれている。  先行する関西広域連合は発足から1年を経過し、実績を着々と積み重ねている。構成7府県ごとに被災県を割り振る「カウンターパート」方式で、きめ細かい支援活動を展開してくれた。  九州地方知事会と災害時相互応援協定を締結したほか、支援を受け入れる側に回った場合の態勢確立を目指して広域防災計画案も取りまとめた。  震災で中断していた北海道東北地方知事会の「広域連携等に関する検討会議」がきょう、再開される。  他ブロックに比べ「周回遅れ」の感が否めない東北の連携構想を推進するには、市民レベルの盛り上げが必要だ。各県知事は粗削りではあるが、その分、野心的な若者の声に耳を傾け、東北の一体化に向けて大胆にかじを切ってほしい。 "[he-forum 16836] X-Priority: 3 "[he-forum 16837] 秋田魁新報社説2/4 秋田魁新報社説2012年2月4日付 大学の秋入学 社会全体で広く議論を  東大の懇談会が、春入学を廃止し秋入学に全面移行することを検討すべきだとする中間報告を発表した。早ければ5年後の導入を目指し、他大学にも足並みをそろえることを呼び掛けている。これをきっかけに、県内の大学でも秋入学を検討する動きが広がってきた。  秋入学で卒業も秋になった場合は、新卒者の4月採用の社会慣行から外れて就職が困難になる可能性や、学生の負担増などのデメリットも指摘されている。各大学は秋入学のメリット、デメリットを十分検討し、企業や自治体などの理解と協力度も勘案しながら導入の是非を判断するべきだろう。  秋入学導入の理由として中間報告は、欧米では秋入学が一般的な中、現行の春入学制度が日本人学生の海外留学や外国人留学生の受け入れの制約になっていることを指摘する。本県でも県立大とノースアジア大は同様の理由で「秋入学はいずれ必要になる」としており、秋田大は4月以降に学内に検討会を設置する見通しだ。  文部科学省の集計では、2009年度に海外留学した日本人は前年より7000人近く減り約6万人だった。同省は「長引く不況と就職活動の早期化」が理由と分析している。不況の影響や厳しい就職状況への対応が不十分なまま秋入学を導入すれば、混乱を招きかねない。  国際教養大は春入学が中心だが、04年の開学時から一部学生の秋入学も併せて実施している。このように入学コースを複線化すれば大学としては多様な学生を集めることができ、受験生にとっては選択肢が増えて望ましい面もある。  しかし、秋入学一本にする東大の案だと学生には高校卒業から大学入学まで半年間、必ず空白期間が生じる。さらに、大学を秋に卒業してから就職するまでの半年も同様に空白になる可能性がある。報告では、入学前のこの期間にボランティアやインターンシップ(就業体験)、国際交流などの体験活動に取り組むことを想定するが、保護者からの仕送りやアルバイトで生活する学生にとっては負担が大きいだろう。  企業や官公庁の新卒者採用が4月だけのままならば、秋卒業で就職活動に不利が生じる恐れもある。県内の大学関係者からも「学生の就職を見据えれば、企業も秋採用に移行する必要がある」などと、社会の慣行や制度を変える必要性を指摘する声が聞かれる。  こうした懸念を払拭(ふっしょく)するには、奨学金制度の拡充だけでなく新卒者の採用時期など社会全体の仕組みについて広く議論することが必要だ。県内でも大学関係者だけに任せずに経済界など各界が知恵を集め、大学の在るべき姿を考える好機としたい。それは人材育成や社会貢献に密接に絡む問題であり、本県の中長期的な成長戦略を練ることにもつながるはずである。 "[he-forum 16838] 読売新聞2/6 読売新聞2012年2月6日付 放射線の測定能力、技能試験を実施へ  筑波大は、土壌の放射線測定をしている国内21機関の測定能力をチェックする技能試験を、国際原子力機関(IAEA)の国際標準試料を使って実施すると発表した。  各機関の測定技術を向上させ、技術の質のばらつきをなくすのが狙い。  ほかに東大など10大学と、日本原子力研究開発機構、気象研究所、民間の環境管理会社などが参加する。  筑波大によると、IAEAが、放射線濃度を厳密に測定したセシウムやウラン、プルトニウムなどを含む水、土、草、エアフィルターのサンプル試料計10種類を無償提供。各機関は4月初旬までにそれぞれの試料の放射線濃度を測定し、結果をIAEAに返送する。  5月以降、機関名を伏せて結果を公表。測定値にばらつきが生じた場合、原因についての情報を共有し、専門家から改善に向けた技術指導を受ける。 "[he-forum 16839] 読売新聞2/6 読売新聞2012年2月6日付 放射線の測定能力、技能試験を実施へ  筑波大は、土壌の放射線測定をしている国内21機関の測定能力をチェックする技能試験を、国際原子力機関(IAEA)の国際標準試料を使って実施すると発表した。  各機関の測定技術を向上させ、技術の質のばらつきをなくすのが狙い。  ほかに東大など10大学と、日本原子力研究開発機構、気象研究所、民間の環境管理会社などが参加する。  筑波大によると、IAEAが、放射線濃度を厳密に測定したセシウムやウラン、プルトニウムなどを含む水、土、草、エアフィルターのサンプル試料計10種類を無償提供。各機関は4月初旬までにそれぞれの試料の放射線濃度を測定し、結果をIAEAに返送する。  5月以降、機関名を伏せて結果を公表。測定値にばらつきが生じた場合、原因についての情報を共有し、専門家から改善に向けた技術指導を受ける。 "[he-forum 16840] 時事通信2/6 時事通信2012年2月6日6時2分 秋入学、総合大5割が前向き=国際化期待、資格系は慎重  東京大が5年後をめどに、学部の入学時期を秋に全面移行させる検討を始めたことを受け、東大が今後協議を進める11大学以外の国公立や大手私立計37大学の動向を時事通信社が調べたところ、総合大など23大学のうち11大学が導入に「賛成」、もしくは一部条件付きながら「前向きに検討する」と回答した。医歯薬、教職系の14大学は総じて慎重な姿勢を示した。  賛成もしくは前向きなのは、お茶の水女子、東京外国語、横浜国立、金沢、青山学院、国際基督教、中央、明治、南山、関西、立命館の11大学。「海外留学や留学生の受け入れが進み、国際化に適した環境がつくられる」(青山学院)など、大半が国際化による利点を挙げた。 "[he-forum 16841] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.37 ニュースレター NO.37                        2012、2、1                              公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489)        行くぞ最高裁!   不当判決―上告決定!   ―闘いはさらに続きます―    高知大学のすべての皆さん。本裁判に注目している全国の皆さん。  2011年12月27日 13時10分高松高裁において「高知大学 学長任 命処分無効確認訴訟」の控訴審判決が開かれました。原告二名のうち、根小田名 誉教授が出席し(高橋名誉教授は所要で出席できず)、本会からも代表が参加し ました。    結果は主文「1.本件訴訟をいずれも棄却する。2.控訴審費用は控訴人らの 負担とする」というもの。すなわち「控訴人根小田の訴えを棄却し、控訴人高橋 の請求を棄却した原判決は相当であると判断する」という一審判決支持の判決で す。    投票用紙を勝手にいじった二人の職員について、「保管のために関係書類を整 理しようとすることはともかくとして、投票用紙の記載や枚数まで確認すること が権限外かつ不相当な行為であることはいうまでもない」「両名の行為には配慮 不足の点があったといわざるを得ず、その意味で、控訴人ら指摘のような疑惑が 生じたとしても無理からぬものがある」としながらも、結論としては一審と同じ ということになりました。    判断の根拠として挙げられているのは、一審の理由づけの語句を一部修正した だけというまさに「手抜き判決」です。まったく、結審からこれまで長い時間を かけて裁判長はなにをやっていたのでしょうか。    この不当な判決に対して、原告・弁護団はただちに上告の手続きを取りました。    我々「裁判を支える会」としても、この原告・弁護団の決定を支持し、最高裁 での戦いに臨みたいと思います。    3月末で相良学長の任期が終了しますので、その時点で「訴えの利益なし」と される可能性は大です。しかし、学内の惨状を見ても他大学の状況を見ても、我 々がこのまま引き下がるわけには行きません。「法人法」そのものに関する国民 的議論を喚起するためにも、我々は闘い続けます。   --------------------  ■次期学長選考―岡本候補惜敗   しかし、今後につながる新しい芽も!      高知大学学長選考は12月26日の意向投票を受けて27日に学長選考会議に よる選考が行われました。  結果はすでに報じられている通り以下のようになりました。    意向投票結果     岡本和夫 (大学評価学位授与機構理事) 407票     脇口 宏 (高知大学医学部長)     424票    これを受けて学長選考会議は脇口宏氏を次期学長候補に決定しました。    この結果についてはあえてコメントしません。一つだけ言えることはここでも 「闘いは続く」ということです。    結果は上に述べたようなものですが、今回の学長選考において、新しい希望と も言うべき動きもありました。若手・中堅の教員が「立会い演説会」の開催を求 め立ち上がり、自主開催にこぎつけたことです。たしかに、この動きに対して冷 ややかに対応した候補が今回選ばれたことは、今後公的な立会い演説会を実現す ることが必ずしも容易でないことを示しています。しかし、you tubeで動画を公 開するなど、柔軟で創意に満ちたその活動は「この大学も捨てたもんじゃない」 と思わせるのに十分だと思います。    また、意向投票が多様な大学構成員の意見をきちんと反映するためには、有資 格者の見直し(拡大)は不可欠でしょう。付属校園の教員、特任教員・再雇用教 員など、当然投票権を持っていておかしくない人々が現在の仕組みでは排除され ていることの問題点については今後、学内できちんと議論し改善を求めていく必 要があります。    最後にもう一つ重要なことを指摘しておきます。    学長選考会議委員細木秀美氏が学長候補である脇口宏氏の利害関係者なのでは ないかとの疑問が提示されたことについてはすでに前号で指摘しました。選考会 議議長の答えは、「(非常勤職員なので)利害関係者に当らない」というもので した。社会通念上非常識としか言えない答えですが、現行「国立大学法人法」の 規定では「利害関係者」を選考会議委員から排除することができないという事態 がここで露呈しました。    しかし、この極めて明白な事例が示されたことで、今後「国立大学法人法」の 改正(廃止がベストですが)を求めていく中で重要な論点(学長選考が利害関係 によって左右される危険の存在=学問の自由に対する侵害の危険)が提供された といえるでしょう。    学長選考の結果は本学の未来について必ずしも楽観できない影響を及ぼすでし ょう。闘いはまだまだ続きます。   ------------------ ■「学長選考を考える」ツイッターから  大学の未来のために奮闘してくれた皆さん。結果は学内掲示板にあるとおり、 脇口候補が選出され、岡本候補は惜敗しました。皆さんのご支援に感謝するとと もに、今回の選挙で芽生えた新しい芽をなんとか生かしていきたいと考えていま す。 "[he-forum 16842] 陸奥新報2/7 陸奥新報2012年2月7日付 「伝統踏まえ発展を」佐藤敬弘大新学長が抱負  弘前大学の佐藤敬学長が6日、弘大事務局で就任後初めての記者会見に臨み、「これまでの伝統、歴史とこれからの課題を踏まえて本学の発展を期していきたい」と抱負を語った。東京大学が検討している秋入学への全面移行については「現在の併用型(春・秋の入学)で対応できるか、そこも含めて検討する必要がある」と慎重な姿勢を示した。  佐藤学長は1日付で就任。任期は2016年1月末までの4年間。 "[he-forum 16843] 毎日新聞2/8夕刊 毎日新聞2012年2月8日付夕刊 特集ワイド:東大よ!秋入学考えてる場合か  東京大(浜田純一学長)が本格的に「秋入学」の検討をリードし始めた。だが、東日本大震災からの復興や、人口減社会への対応が急務となる今、「秋入学」が本当に最高学府・東大がやるべきことなのか。他にやるべきことはないのか。識者3人と考えた。【中澤雄大、江畑佳明】  ◇教育水準の底上げが先--滋賀大学長・佐和隆光さん  東大の主張は、「秋入学」が国際化、競争力強化の十分条件のように聞こえるが、それだけで中国や韓国などから優秀な学生が来てくれるかは疑問です。私の知る限り、彼らは将来良いポジションに就くために米国の大学の博士号取得を目指すのがスタンダード。それが無理ならばオーストラリアなど英語圏へ行く。韓国では日本の博士号を取っただけでは一人前とは見なされていないのが現状です。  なぜ海外の優秀層が来ないのか。理由は明確です。日本の大学院は文系、理系いずれも、米国などと比べて高レベルの専門教育を体系的に施すカリキュラムが構築されていない。特に理系では顕著です。担当教授が関心のある研究テーマを選ばざるを得なかったり、論文を執筆しても指導教授名を必ず入れねばならないなど、昔ながらの“相撲部屋”に入るようなものです。  「英語による授業だけで学位取得を可能にする」とのことですが、授業のうまさに定評がある日本人教員が、英語で同内容の授業をするのは大変。日本人学生には、英語になったばかりに内容的に物足りなくなる可能性もある。  一方、日本人留学生が「減った」理由についても、「内向き志向」や「学年暦が違う」からではなく、単に実力不足が原因なのです。語学試験などが振るわず、中国人らとの競争に負けて入学できないだけ。過去10年の国際的な論文掲載数は中国、韓国の伸びは著しいが、日本は衰退傾向にある。まずは、受験勉強では身につかない論理的思考力など、教育水準の底上げが最優先課題でしょう。  東大など一部の大学だけで秋入学とするのは不適切です。やるなら、全大学と小中高を変更すべきです。国家資格試験もそれに合わせて時期をずらせばいい。個人的には、韓国のように「3月入学」が最適だと思う。会計年度変更や「早生まれ」などの摩擦も最小限に済むし、後期が9月始まりとなるので、海外留学や日本への帰国編入にも切れ目なく対応できると考えます。  ◇問題山積、一起爆剤に--法政大教授・尾木直樹さん  「秋入学」に対し、「ギャップターム」など幾つも懸念が指摘されているけれど、そんなことを言っている余裕はないのよ。東大をはじめとする国内の大学は国際社会で沈没している。今回の決断はこうした現状から、どう浮上させるのかという起死回生策なのね。  英ロンドン・タイムズの「世界大学ランキング」最新版で、東大は30位。日本の受験勉強が昔ながらの知識詰め込み暗記型なのに、既に中国や韓国、インドは近年の教育改革で、自ら課題を発掘し解決する能力を伸ばす方向に転換している。相対的に日本の高校生のレベルが落ちる中、大学側にはグローバル化して優秀層を集めなければ、これまでの研究レベルを維持できないという危機感があるのね。  かつて大学の「レジャーランド化」が指摘されたけど、今はむしろ学生はまじめで、閉鎖的な環境に引きこもりがちです。留学の機会があっても「不況時に留学したら就職に不利だ」と恐れて行かない。東大でさえ、海外留学する学生は、全学部生の0・4%に過ぎない。  ところが実は、内向きは企業のニーズと合わない。それは既に新卒大学生の就職率低迷に顕著で、就職できない東大生も少なくないわ。国内大手企業で言えば、パナソニックの内定者の約8割は外国人。母国語はもちろん日本語と英語が堪能で、プレゼンテーション能力や協調性なども高いとなれば、結果は明らか。日本人学生は、「3K」職場に追いやられていく時代です。  東大は外国人教員数も少ないし、海外の大学との単位互換や研究交流も遅れているなど問題が山積している。旧態依然の教育方針も改める必要があるわ。秋入学で、すべてを解決できるとは思わないけれども、一つの起爆剤になるのでは。同時にそれは、小中高の学力が全国学力試験で測れるものなのかといった、そもそも論に行き着くはず。今は各大学で温度差はあるけど、議論は動き始めた。極めて正常な感覚だと思う。  ◇研究者の質上げよ--NPO法人環境エネルギー政策研究所所長、飯田哲也さん  「秋入学」は、国際的な標準に合わせる意味では必要だと思います。ただ、より根本的な問題として、大学の研究と教育のクオリティー(質)を上げることが一番大事です。残念ながら日本の研究者は世界的なレベルではあまりに低い。日本の最高学府である東大でさえ、少なくとも私の専門である環境エネルギー政策分野で、世界で通用する学者はほとんどいないのが実情です。  また、国や政治の影響を受けやすい。国の審議会メンバーに選ばれるだけで満足する研究者もいます。福島第1原発事故以来、「原子力ムラ」の閉鎖性がよく指摘されましたが、例えば「万一事故が起きたらどうするのか」という一般常識に背を向け、専門的な研究にタコツボ的に打ち込んでしまう傾向も見られます。  でも東大だけが悪いのではありません。この「東大的なもの」は日本の大学でどこにでも見られます。だから大学教員の選考過程をより厳格にして、さらに海外の優秀な研究者にもっと門戸を開く。また、教授になっても、その地位に安住しないように競争原理も導入すべきです。  一方、学生の側で言えば、入試制度を根本的に変えることも必要です。現在は「知識詰め込み型」ですが、こんな試験で育った人間が、世界の舞台で通用しないのは明白です。だからこれをもうやめて、米国やフランスで実施されているような一定水準の学力が認められれば入学できる「最低水準型」にすべきです。今後日本で少子化が進めば、1人で2人分、3人分の価値のある仕事ができる人材が増えなければ、現在の国力は維持できない。クリエーティブな人材をいかに育てるかが喫緊の課題です。  そうなると日本の初等教育から再編成することも考えねばならない。東大には、ここまで提言してほしいですね。  秋入学で生じる「ギャップターム」が問題点として指摘されていますが、学生が課題を見つけて取り組めるようにすればいいだけで、大きな問題ではないと考えます。 ==============  「特集ワイド」へご意見、ご感想を t.yukan@mainichi.co.jp ファクス03・3212・0279 ==============  ■人物略歴  ◇さわ・たかみつ  東大大学院経済学修士課程修了。東大経済学部助手、京大経済研究所所長などを経て10年から現職。69歳。 ==============  ■人物略歴  ◇おぎ・なおき  早大教育学部卒。早大客員教授。東京都公立中学教諭などを経て臨床教育研究所「虹」主宰。愛称は「尾木ママ」。65歳。 ==============  ■人物略歴  ◇いいだ・てつなり  京大大学院工学研究科修了。民間企業を経て、東大先端科学技術研究センター博士課程単位取得。53歳。 "[he-forum 16844] 朝日新聞山梨2/8 朝日新聞山梨版2012年2月8日付 山梨大学長 前田秀一郎さん ■東大が「秋入学」検討 山梨大は ――東大が「秋入学」への全面的な移行案を打ち出しました。  大学の国際化の必要性はここ10年議論されてきました。秋入学はその大きな流れの中にあり、ひとつのシステム改変ととらえるべきで、それだけを切り離してもあまり意味がありません。ただし東大が秋入学を打ち出したのは、一定程度でとまっていた大学の国際化を改めてラジカルに問題提起する意図があったと思います。山梨大もこれを機に検討を始めたところです。 ――今月2日に学内で第1回検討会を開きました。  まずは各学部の現状把握です。今年度中に第2回の検討会を開いて、各学部ごとにメリット、デメリット、課題を洗い出してもらう予定です。 ――秋入学の最大のメリットは留学生の受け入れ促進です。山梨大の現状は。  山梨大への留学生は学部・大学院あわせ今年度約200人。全体の約4%。少ないですね。半数は大学院に在籍しており、大学院はすでに秋入学を一部導入しています。学部では、国家試験がある医学部はゼロですが、工学部と教育人間科学部に留学生がいます。大部分は中国やマレーシアなどから工学部に日本の技術を学びにきています。その2カ国は本国が秋入学です。 ――秋入学導入の検討材料になりますね。  海外と学年進行をそろえるのは一定の意味はあるでしょう。とはいえ、秋入学の導入ですぐに優秀な留学生がきてくれるというわけではありません。山梨大は4年間英語だけで講義を完結するプログラムはまだない。海外からの教員の確保、成績評価の基準整備など、秋入学以外にも取り組むべき課題があります。 ――国内の学生だと合格から入学までの半年間、いわゆる「ギャップターム」はデメリットになりかねません。  山梨大にも全国から学生が集まります。半年間の経済支援だけでなく、ギャップタームを学生にどう過ごさせるのかという問題もあります。「自主性に任せる」という意見もありますが、まだ受験を終えたばかりの学生です。たとえば、他の都道府県の大学と共同で半年間の教育プログラムをつくるという方法もあり得ます。 ――東大を先頭に旧帝大や都内有名私立大が全面移行に賛同しています。地方大学の立場は。  地方大学だからといって、国際的に活躍する資質、能力をもった人材の育成が使命であることは変わりません。ただし何度も言うように、秋入学は大学を国内外に開くための仕組みのひとつに過ぎません。社会人や留学生だけの限定や、春入学を併存するかたちも考えられます。 《略歴》  まえだ・しゅういちろう 1948年、福岡市生まれ。九州大大学院医学研究科修了。医学博士。九州大、熊本大を経て、93年に山梨医科大医学部の教授に。統合後の2002年から山梨大医学部教授。09年、学長に就任。 《キーワード》  東大の秋入学導入案 東京大学が「国際化に対応するため」として、海外で主流の秋入学への全面移行案を1月中旬に発表した。入試時期は従来通りで、合格から入学まで生まれる半年間の「ギャップターム」には研究やボランティア、国際交流などを例示している。東大は早ければ5年後に導入したい意向だ。  京大、東北大、九州大など旧帝大や早稲田、慶応など都内の私立大学が賛同する姿勢を示しており、経団連など産業界も歓迎ムードだ。ただ、就職・採用の時期やギャップタームにかかる保護者への経済的な負担など課題も多い。 《取材を終えて》  「太い欅(けやき)の幹で日暮らしが鳴いている。三四郎は池のそばへ来てしゃがんだ」  1908年、朝日新聞に連載された夏目漱石の「三四郎」で描かれた、東京帝国大学に入学するため九州から上京した主人公・小川三四郎が、授業開始前に大学構内を散策する場面だ。明治時代の入学シーズンは、ヒグラシの鳴く残暑のころであったことがうかがえる。  そもそも明治政府が学校制度を整備して以来、日本の大学はずっと秋入学だった。それが1921年、会計年度に合わせる形で春入学になった。  今回、東大が打ち上げ、大きな話題を集めている秋入学の導入論だが、社会的に影響を及ぼす制度改正の割には、「大学はこれからどうあるべきなのか」という肝心な議論がまだあまり聞こえてこない。「欧米のスタンダードにあわせなければ国際基準から遅れてしまう」という焦りが、制度設計を誤らせないことを願いたい。(板垣麻衣子) "[he-forum 16845] 日本経済新聞2/9 日本経済新聞2012年2月9日付 東大、米カブリ財団から研究助成 宇宙の謎解明に  東京大学は8日、宇宙物理学などの分野で世界の研究機関を支援している米カブリ財団から研究助成を受けると発表した。同財団が750万ドル(約5億7千万円)の基金を設立し、その運用益で、宇宙の謎の解明に取り組んでいる東大の数物連携宇宙研究機構の研究を助成する。  これを受け、同研究機構は4月1日付けで名称を「カブリ数物連携宇宙研究機構」に改める。運用益の目標額は公表していない。  カブリ財団はこれまでに米国のスタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学、中国の北京大学などの15研究機関を支援する基金を設立。村山斉・同機構長は「世界的な研究ネットワークに加われて、優秀な人材が集まる」と期待している。  同財団はノルウェー生まれのフレッド・カブリ氏が米国で自動車部品などを製造する会社を設立し、築いた富をもとに設立された。 "[he-forum 16846] 大分合同新聞2/9 大分合同新聞2012年2月9日付 大分大、新学部を検討  大分大学が新学部の創設に向けて検討を始めたことが8日、同大への取材で分かった。少子化が進む中、地域のニーズに応じた教育・研究分野に乗り出すことで、学生や地域にとってより魅力的な大学にするのが狙い。分野や設置時期は未定としている。学生数の拡大や教職員の増員は財源的に難しいことから、既存の学部を再編する形になりそうだという。  国内の大学は少子化に伴い“冬の時代”を迎えている。学生を確保するための競争が激化。各大学は生き残りを懸け、地域貢献などで特色ある大学づくりに努めている。  昨年10月に就任した北野正剛学長は、大分大を大分における「知の拠点」と位置付け、社会のニーズに応えるための組織改革に取り組むと明言。大学運営では「入学者の数を確保し、特色ある教育、研究、医療の確立などが不可欠」とし、教育では「学生に地域や社会から求められる付加価値を与え、社会に貢献できる人材を育成することが急務」との考えを示していた。  同大によると、新学部創設に向け、教育改革担当の椋野美智子副学長が中心となって情報収集を開始。学内や行政、産業界の意見を聞きながら方向性を模索している。最終的には大学設置・学校法人審議会の答申を踏まえた文部科学大臣の認可が必要となる。  椋野副学長は「地域の意見を聞く中で、地元国立大学への期待の高さを感じている。受験生にとっても採用する企業にとっても魅力ある、地域のニーズに応じた学部にしたい」と話している。 <ポイント>大分大学  1949年、大分師範学校、大分青年師範学校、大分経済専門学校の3校が統合されて誕生(学芸学部、経済学部)。66年に学芸学部を教育学部に改称、72年に工学部を設置、99年に教育学部を教育福祉科学部に改組。2003年に大分医科大学と統合、04年に国立大学法人となった。現在、教育福祉科学、経済、工、医の4学部があり、学生数は大学院を含め計5770人(昨年5月1日現在)。 "[he-forum 16847] 朝日新聞社説2/8 朝日新聞社説2012年2月8日付 研究者と政策―寄付公開し信頼高めよ  原子力の安全や政策づくりにかかわる大学教授らが、原発メーカーや電力会社から多くの寄付を受けていた。このような経済的な関係は公表したうえで働いてもらう仕組みが必要だ。  専門家としての知識を期待されて選ばれた人たちである。そういう学識経験者には、何より中立性が求められる。業界との関係が疑われるようなことがあってはならない。  内閣府の原子力委員会や原子力安全委員会、あるいはその下に置かれた委員会などで審議に当たる専門家の責任は重い。  そのような任につくときは、いつ、どこから、どんな寄付や報酬を受けたのかを、明らかにして透明性を確保することが、国民から信頼されるために欠かせない。  委員たちは、審査や委員会での発言が「寄付には左右されない」と説明しているのだから、情報開示に問題はないはずだ。国民に判断してもらう材料を提供することにもなる。  同じような問題は現代社会の随所にある。  原発事故から将来のエネルギー政策、医療、食品の安全まで直面する多くの課題に、最新の科学知識が欠かせない。政策を決めるのは政治家や行政であっても、その基礎に科学的な深い判断が必要だ。  そこに、大学の研究者らの力が求められる。学識とともに見識があり、特定の業界との疑いを持たれない研究者が望ましいのはもちろんだ。  ところが、大学の研究は今、民間からの研究費なしでは成り立たない。大学への交付金は年々減り、研究者は外部から研究資金を得て、産業界とも連携するよう求められている。  そうした現実を踏まえたうえで、研究の成果をあげつつ、発言の中立性をどう保ち、また、政府に助言し、政策決定にかかわる研究者をどう選ぶか。  製薬企業と大学病院などの医師とのつながりが、しばしば問題になったのが医療分野だ。  こうした分野での透明性を確保するルールづくりは、米国などと比べて日本では遅れていた。昨年ようやく、日本医学会や日本製薬工業協会が医師への研究資金や寄付金などを公開する指針を公表した。  研究費など、企業からの経済的支援の透明性は、ほかの分野でも大いに高めるべきだ。そのうえで協力を進め、信用を保ったうえで成果を出せばいい。  政府は政策決定などにかかわる委員を選ぶに当たり、関連業界との関係や、その情報開示に関するルールをつくるべきだ。 "[he-forum 16848] 朝日新聞1/24 朝日新聞2012年1月24日付 強い総長の強い意思、大学を動かす 東大秋入学の行方(1)  東大が、早ければ今後5年前後で秋入学に全面移行するというワーキンググループ(WG)素案を正式に発表したのは1月20日だった。今年4月には他の11大学(北海道、東北、筑波、一橋、東京工業、名古屋、京都、大阪、九州、早稲田、慶応)や経済団体との協議の場を設けて意見調整を進める。すでに日程調整など事前の事務的な話し合いは水面下で始められている。これからどうなっていくのだろうか。  浜田純一・東大総長は20日の記者会見で、秋入学で「日本人の学生を海外に送り出すことに大きな意味を見いだしたい」と話し、「学生の送り出し」に力点を置いた。秋入学は手段で、それによる国際化が目的だとすれば、ことは大学内の国際化や教育態勢の充実にとどまらない。大学経営の意思決定方法、学生の就職・雇用・採用慣行の見直し、さらには日本の文化や社会のあり方にまで影響が及ぶ可能性がある。  これまでのいきさつや今回発表されたWG素案の内容をまとめ、他大学や文部科学省、経済界などの動きも含めて随時報告していきたい。 ■国際化実現への道  浜田総長は就任当初から国際化にかなりの意欲をみせていた。2009年の就任時には秋入学ではなく「学生全員が海外に留学してもらうことを考えてみたい」と話していた。その後、学生送り出しに向けた動きは、経済的な理由や東大と同等の海外大学と協定を結び交流することの困難さから、直線的には加速しなかった。替わって秋入学への移行という発想が浮上してきた。  昨年3月に刊行された浜田総長の著書「東京大学 知の森が動く」(東京大学出版会)では、学内広報誌に掲載されたこんなインタビューが収録されている。「思い切って、大学だけ9月入学にして、3月に高校を卒業したら大学入学までの半年間、何か特別なことをやるという仕組みを考えて良いかもしれません。すぐには変えられなくても、しっかり議論をはじめたいと考えています」。この本の末尾にも「将来、東大が秋入学になっている初夢を見た」というコラムが収められている。  昨年4月にはWGを発足させ、入学時期についての意見交換を始めている。その後、外部の民間委員らが入る経営協議会の懇談会でも取り上げられ、総長が自信をもったのが6月15日の経営協議会だった。直後の7月1日に日本経済新聞が報じて、ホットな話題になった。 ■法人化後の総長の力  話は少しさかのぼる。国立大学は2004年4月、一斉に法人化された。それまでの文部科学省の内部組織という位置づけから、独自の法人格を得て独立した。中期目標や中期計画を文科省に出して認可を受けなければならないが、各大学の総長・学長の権限は強大だ。教学のトップ組織の教育研究評議会、外部者を入れた経営協議会、さらに学内の理事らで構成される役員会を束ねる。総長が理事らの選任権限ももつので、総長の意思が教学や経営に以前より破格の影響を与える仕組みになっている。法的には、総長の意思が全学に通りやすい組織になった。このため、東大で総長が秋入学を固めた以上、総長の残り任期中は執行部の方針が変わることは考えにくい。  WGは月1回のペースで秋入学の話し合いを進めていった。すでに総長の意思は揺るぎないので、素案は秋入学の導入を前提とすればどんな課題があるのか、詰めるべきところはどんな点なのかという論調になる。 ■他大学にも根回し  WGの素案がおおむね固まったのは11月下旬。WGは12月10日ごろから素案を学内の研究科・学部長らに配り、WG座長の清水孝雄・理事(副学長)が2回にわたって学内の説明会を開いた。同時に総長らが個別に他の旧帝大代表らとも意見を交換した。浜田総長によると、秋入学を始める際に生まれる合格から入学までの時期的なギャップをどうすればいいかなどが話し合われた。慶応大学とは学生ボランティアの方法などについての意見も交わしたという。1月中旬には改めて素案を旧帝大各校に示し、記者会見の2日前にあたる1月18日には浜田総長自身が一橋大学の山内進学長と会って協力を要請した。  WGの発足から記者会見まで、浜田総長の熱意が秋入学移行計画を導いてきたことは間違いない。背景には法人化による総長権限の強さがあった。それでは、内容はどんなものか。問題点はないのだろうか。 "[he-forum 16849] 朝日新聞1/28 朝日新聞2012年1月28日付 国際化への地ならし、学内改革始動 東大秋入学の行方(2)  東京大学の浜田純一総長の記者懇談会が26日、本郷キャンパスで開かれた。秋入学の素案を公表した20日の記者会見以前に決まっていた日程だったが、もちろん質疑応答時間のほとんどが秋入学の話題に費やされた。  浜田総長は「若い人が内向きになっているのではなく、社会の仕組みが内向きではないのか。それを変えるのが年長者の仕事。学生たちに『タフになれ、リスクをとれ』と言っているのに何もしないのは見苦しい。課題は山ほどあるが、政府や企業の反応はいい感触だ」と改めて秋入学について語った。  東大は2012年度から各学部の始業時刻や授業時間を本郷、駒場のキャンパスごとにほぼそろえることを昨年1月に決めた。東大の歴史で初めてという。実はこのことは、秋入学を考えるうえで重要な意味を持つ。東大の特徴と、秋入学から国際化に向かう起点が表れているからだ。 ■学内でも進む「標準化」  大ざっぱにいえば、東大は戦後、旧制一高と東京帝国大学を統合して発足した。旧制高校とは、語学教育に比重を置き帝大進学の準備をする学校ととらえることができる。東京帝国大学は成り立ちから見て各専門学部の独立性が高く、それを総長が束ねていた。法的な役職名は「学長」にもかかわらず旧帝大トップが「総長」と呼ばれているのはそのためだ。  各学部の授業時間をそろえることは、学生が他学部で授業を受けることが可能になることを意味する。それだけでなく他学部の単位を取得でき、学位の取得にまでつながる。学内に向けては他学部にどんな授業科目があり、それらがどのような内容かも示さなければならない。始業・授業時間をそろえるとは、学部間で「授業」のフォーマットを標準化したということだ。  それぞれの学部の成り立ちが異なるため、この作業はかなりの労力を使ったと関係者は言う。理系では実験が授業と連動しているなどそれぞれ歴史が違い、学部の連続性を考えるとなかなか横を合わせにくいという事情があった。  秋入学も似たようなことがいえる。海外への学生の送り出しは現状よりも秋入学のほうがしやすくなる。加えていうなら、入学だけでなく学期(セメスター制やクォーター制など)の始まりを合わせれば、授業もとりやすくなる。英語による授業の比率も高めれば、より海外からの受け入れと送り出しも実質化してくる。こうしたことが大学の国際化を進めることになる。  ただし、秋入学だけでは、単に入り口を米国中心に合わせるということになり、本格的な教育の国際化にはならないともいえる。今回の秋入学移行案は、大学入試のタイミングを変えずに、合格後と入学までの期間のずれを社会体験などに利用しようというねらいが込められている。半年間というずれを国際化に伴うさまざまな要求と合わせるという、日本らしい使いこなしを考えている。 ■国際化に向けた現状と展望  それでは素案をみてみよう。詳細は東大公式サイト内の次のページで参照してほしい。⇒入学時期の在り方についての検討  素案(中間まとめ)は資料編も含めて56ページ。「はじめに」の項目ではっきりと「国際標準となっている秋季入学へ全面移行」と言い切り、「入学前等のギャップタームを活用して質の高い多様な体験を学生に積ませる」という趣旨を述べている。さらに、国際化が進んでいない現状と春入学という現行システムの問題点、秋入学の長所短所、今後の東大としての構想、東大内部で必要な検討課題も挙げられている。  それによると、留学生の受け入れが大学院生では全体の18.6%なのに対し、学部段階では1.9%。送り出しも大学院生で2.1%、学部生で0.4%と、とくに学部レベルの留学生の受け入れと送り出しが低いことがわかる(2011年5月現在)。英語による授業科目は学部で59、大学院で262(2009年度実績)。英語のみで学位取得できるコースも大学院36、学部2(2012年度、予定含む)となっている。語学以外で英語による授業の受講者は3割という。  一方で、学生の留学への意欲や要望についての調査データも盛り込んだ。学部卒業生の4割が「大学の年間スケジュールなどが留学の妨げになった」との設問に肯定的な回答を選んだとのアンケート結果も紹介、「入学時期が変われば留学しやすくなる」と考える学生がある程度存在することをうかがわせている。  秋入学をめぐる細かい議論についてここでは紹介しないが、「ギャップターム」という期間を9月入学前に設定するのか、4月入学としてそのあとに半年間置くのか、ということも検討。さらに卒業後の就職などを考え、4年後の8月卒業後から翌年春までを「ギャップターム」というとらえ方もできる、としている。優秀な学生のために大学院への早期アクセスも検討するという。全面的に秋入学に移行することを考えつつ、細部は柔軟に案を練っていくというスタンスがうかがえる。 ■総長の権限、にこやかに肯定  秋入学については入り口の課題とともに、一部崩れ始めているとはいえ3年生から始まる新卒一括採用の慣行や公務員試験、司法試験など就職、採用という出口の課題もある。これらに対して政府側は好意的に受け止め、「社会システムのなかで整合性がとれるよう検証する」(平野博文・文科相)などとの発言が相次いでいる。浜田総長が経済界の代表らと会う予定もある。  前回のこのコラムでは「法人化で総長の権限が強くなったことが秋入学を提案できた背景にある」と指摘したが、今回の懇談会でもその見方を裏づける発言があった。1月7日付で文部科学省高等教育局長から東大理事(人事労務など担当)に出向、就任した磯田文雄氏の人事について、官僚の天下り人事だとして「おかしいのではないか。ねらいは」という質問があった。浜田総長は「この先の高等教育全般についての視野を持っている、ふさわしい人物。私の指示に従わない理事はすぐに辞めてもらう。文科省からの出向人事が一概に悪いとは思わない。総長には使いこなす責任がある」とにこやかに話していた。  次回は、秋入学が投げかけた課題をどうとらえればいいのか考えたい。 "[he-forum 16850] 朝日新聞2/1 朝日新聞2012年2月1日付 ギャップターム問題の先にあるもの 東大秋入学の行方(3)  秋入学に全面移行することにはさまざまな課題がありそうだ。今回からはおおまかに論点をあげてみたい。 ■美しい未来への憧憬、現実的課題  「議論は始まったばかりだが、総長はあたかも決まったことのように話している印象がある」  東京大学で1月26日に開かれた浜田純一総長との記者懇談会で、こんな質問が出た。これに対して浜田総長は「外で言葉を選びながら話したことが強めに響くことがある。メディアの報道と学内議論のギャップは仕方がないが、それを埋めるのが総長の仕事。さいわい、秋入学をすべきではないという議論は聞かない」と述べた。また、秋入学を提案した原点を「国際競争が強化され、グローバル人材が求められるなか、若い人が10年後しっかりやっていけるだろうか。海外の人と競争、協調して活躍できるだろうか、というところにある」と話した。  たしかに報道を見る限り、秋入学の提案に対して問題点の指摘は少なくないが、真っ向から反対という意見は少ない。大きな理由がある。少なからぬ人が、いまの社会の人材の育成のあり方や大学、教育の現状に満足していない。秋入学移行には、そういった現状がひょっとしたら変わるかもしれない、という希望を抱かせる響きがあることは否めない。  実現した場合、対象となる学生は早ければあと5年前後で東大に入学する。さらに5年後の卒業といえば、いまから10年ほど後になる。その学生たちが本当にたくましい人材になるかどうかは保証の限りではない。雲をつかむような話である。ただ大学も含めて行き詰まり、停滞感がある現実を何とかしたいという思いが秋入学への共感の根底にある。  当事者である東大や追随するかもしれないほかの大学が、現実的な事務作業や議論の整理に必死であることは否定しない。だが、情緒的にみれば秋入学を取り巻く社会の空気には将来へのあこがれがあるのではないか。いってみれば映画「三丁目の夕日」シリーズにみられるノスタルジーとは逆のベクトルで、将来が美しく、こうあってほしいという願いともいえるものだ。当事者以外には、痛みや切迫感は伴いにくい。秋入学を語るとき、厳しい反対異論が出ないことにはそんな要素もある気がしてならない。  しかし時間がたつにしたがって、具体的な計画や対策の中身が節目ごとに問われ、やがては現実的な論点が山のように出てくるはずだ。  東大の秋入学では、入試合格後の春から秋までの期間をギャップタームとして、さまざまな社会体験や海外体験を経験してもらうことを想定している。この期間を対象者がどんな身分でどう過ごすのかは大きな論点の一つで、広げれば社会像のあり方にまで踏み込まざるをえない。 ■半年間をどう設計するか  素案を公表した20日の記者会見で、ギャップターム期間の合格者の身分を問われ、東大側は「大学入学予定者」と呼んでいた。大学としてはそう呼ぶしかないから呼んでいるだけで、仮に秋に入学することが決まれば、東大入学予定者という通称名の無職者ということになる。逆に、4月に入学してもらいすぐに半年間のギャップタームを過ごすプログラムを東大が用意すれば学生という身分になる。  この半年間について浜田総長は「民間団体と協力してボランティアなどのプログラムを体験することも考えられる」とも述べていた。この場合、合格者が半年間プログラムを提供するNPOなどの民間団体に所属することも考えられる。大学側の関与の仕方によって身分は変わる。まったく関与しなければ、自宅浪人生のような存在になるだろう。ほかにも、奨学金を受ける場合東大が保証するのかどうかなど、さまざまな経済的な問題が発生するかもしれない。  この期間をどう組み立てるかは入学後にも大きくかかわってくる。完全に放任で家庭に任せれば、ある者はダブルスクールのように他大学に試し学習に行くかもしれない。アルバイトする人もいるだろう。海外に放浪する人もいれば、大学に慣れたい人はクラブ活動やゼミなどに入り込むかもしれない。そうなると、入学時点で経済事情による学力や社会体験の差も出る可能性もある。駒場の教養学部は、語学や理数系など入学時点でかなりの差が生まれることを前提に教えなければならない。  一方で、かなりの人が東大や民間団体が用意したプログラムに基づいた体験をするのなら、上述した差はそれほど出ない。しかし、ギャップタームの教育という新たな負担を現状の教養学部の教員が受け入れられるかどうかも試される。若者の教育に力を注げる態勢になっているのか、そんな態勢づくりができるのか、現状のままでは疑問が残る。  民間団体に任せるのも方法の一つだが、その場合、コストは家庭と東大のどちらが負担することになるのだろうか。常識的に考えると、ギャップタームと入学、秋入学による教育の国際化(英語による授業科目増など)を考えると駒場キャンパスの負担は増える。大学として新たな資源を投入することも必要で、そのためには社会や政府に訴えて捻出させる覚悟がいるかもしれない。 ■世直しにつながる提言を  これらの課題は、東大以外でも同様に問題となるだろう。ただ、ギャップタームをどう過ごすかということだけにとらわれすぎると、問題の本質を見失う可能性がある。これによってどんな社会像を描くのかというところまで考えたほうがいい。  かつて1985年の臨時教育審議会では、生涯学習や大学によるリカレント教育(社会人教育)が強調された。しかし、四半世紀が過ぎたいまでも就職して社会に出ると大学は遠い存在になり、学び直しができにくい環境にある。  世界的にみて大学には、人材が移動する際の供給源としてのプラットホームの機能があるが、日本では大学を中心に人が社会の間で移動できるシステムに乏しい。社会人が一時的に無所属となることを嫌う風潮が世間に強いため、いったん大学を出ると、再び大学に戻って学び直した後にまた社会に出る、ということに経済的にも社会的にもメリットを見いだしにくいのが現状だ。移動するためのコスト負担やセーフティネットを用意するのは政府の仕事でもある。  仮に、東大のギャップタームが目的をもつ無職者の増加や人の移動を促す社会システムの大きな変革につながってくれば、人材育成や雇用の条件も変わらざるをえない。大きくいえば、社会政策や財政政策とも連動しなければ、秋入学のギャップタームを起点にする改革の効果はあがらないかもしれない。  こうした社会像を描きながら秋入学を導入することを政府に期待できない以上、人材の宝庫である東大が代わりに考えてもいいかもしれない。素案を見るかぎり、社会を変えていくこともにらんだ秋入学を提案していることは間違いない。とすれば、東大の現執行部がどんな未来の社会像を描いて秋入学を位置づけるか、公に示しても筋違いではないのではないか。 "[he-forum 16851] 朝日新聞2/8 朝日新聞2012年2月8日付 「単独移行」が崩した壁、つくる壁 東大秋入学の行方(4)  実は、国際化のために秋入学を提案するという考え方はまったく新しい視点ではない。むしろ古めかしい。自民党政権時代の中曽根康弘内閣の臨時教育審議会(1984~1987年)や、安倍晋三内閣が主導した教育再生会議(2006~2008年)でも提案された。実現しなかったのは、それなりに理由がある。  中曽根内閣の臨教審では、審議途中から何度も国際化のための9月入学などが提案されていた。当時の提案は学校全体、小学校から大学まで秋入学に移行させる内容だった。先送りになった大きな理由は、秋入学への移行にかかる時間とコストに見合う効果が社会全体としてあるか、確信をもてなかったことがある。 ■臨教審・再生会議の蹉跌  たとえば、学校すべてを秋入学に移行する場合、全学年一斉に2年間に分けて実施、初年度は経過措置として6月入学にして、次年度から9月入学と提案されていた。しかし、春入学から秋入学に移行する際の教員増の財政負担をどう埋めるのか、という課題が大きかった。  当時も問題になったのは、私立学校の移行コストの問題だ。秋入学を国策とするなら、融資の政府保証が必要になるだろう。入試や授業料に依存している私学は春から秋に移行する間、基本的に現金収入の根幹を失う。学校経営上、教員の給料や施設維持費などをどうつなぎ融資するかが問題だった。それがなければ経営は厳しい。  一方、就職においても事情は似ている。企業や役所の採用、国家試験などを秋卒業前提に切り替える必要があるだけではない。採用、教育、評価など人事管理体制を秋入卒移行前後の人材にそれぞれ対応させねばならない。複雑化した分、手間とコストが企業などの負担を増やすことになる。これらをしのぐだけのメリットがあれば秋入学も実現可能だったかもしれないが、社会的には課題に対応できなかったといえるだろう。  安倍・教育再生会議が秋入学を実現できなかった理由も基本的には同じである。移行する労力と資金、緊急性、効果の不透明さが根底にある。報告では、9月入学の大幅促進のためにすべての国立大学で入学枠を設定、私立大学でも促進するとし、そのために運営費交付金や私学助成などの支援措置を講じるとしていた。このあとに、文部科学省は学長の権限で入学時期を決められるよう制度を改めたが、たとえば私学全体の秋入学への移行にはかなりのつなぎ融資が必要になるとの試算もあり、実現はしなかった。  秋入学について、高等教育の専門家からは「政策が行き詰まったときに浮上してくるテーマ」という声もあった。こうした課題は、東大の秋入学移行でも簡単には解消されないだろう。 ■単独実施で状況打開へ  それでは過去の政府論議と今回の東大秋入学の違いは何だろうか。決定的に違うのは、東大が単独で言い出したという点だ。大学が独自に実施することについて法的な難点はほとんどなく、意思決定がしやすかったということがある。  しかも、入試制度は変えない。春入学から秋入学のコスト負担ははっきりとはしないが、これまでの発表で見るかぎり、家庭にかかる負担が増す一方で大学側の負担は極力抑えられる可能性が高い。さらに、かなりの旧帝大グループが追随する動きをみせているので、完全に孤立するわけでもなさそうだ。学校制度全体の仕組みを変えるわけではないので、政府にとっても労力、コストがかつての論議以上にかかるものではない。政府にしては見守ればいいのだから「歓迎」しやすい状態にある。  今回の秋入学は、過去に問題になった難点を東大単独で巧みに避けて打って出たということだろう。しかも、東大が動けば動くという旧帝大など難関国立大学の主体性のなさもプラスになる。本来、人材育成を根本的に見直すのなら、どんな若者を入学させるかという入試改革は避けてとおれないはずだが、入学時期のみの変更ではその点を連動させてはいない。スピード感を出すねらいもあっただろうが、結果的には秋入学という枠組みのみの改革にとどまっている印象は否定できない。 ■新たな格差が生まれる懸念  大きな問題が出る兆しもなくはない。それは大学全体が、秋入学組と春入学組の二重構造になることだ。東大は他の11大学に呼びかけたが、それ以外の大学でも検討委員会を学内に設けて追随する動きはある。温度差はあるものの、東大を筆頭にする旧帝大グループと、その他の春入学グループという階層に大学が分かれる可能性がある。  現状では、大学教育に限れば、海外への学生送り出しに熱心で実績があるのはエリート人材の育成が期待される大学では必ずしもない。むしろ、地方の特色を出そうと模索している小規模私大の取り組みの方に見るべきものがある。現行の春入学でも、英語による授業や欧米に合わせて学期をセメスターやクォーターという国際標準にしようとしている大学もなくはない。  もっとも悲劇的なのは、世間が秋入学という外側だけを見てエリートグループの大学ととらえ、教育の国際化も進んでいるという錯覚に陥ることだ。枠組みと実質が伴わないまま入学時期によって大学の価値が判断されてしまうと、肝心の教育の質が向上しないうえに大学間格差がいま以上に広がりはしないだろうか。  いまのところ、大規模私大の学長らは秋入学をかなり冷静に受け止めている。大学全体や社会にとって、この二重構造ともいえる状態がいいのかどうか。実現に向かって案が正式に計画になるときがくれば、本格的に考えなければならない。 "[he-forum 16852] 北国新聞2/11 北國新聞2012年2月11日付 津波、地震研究で協定 北電と金大  北陸電力と金大は10日、産学連携の推進に関する協定を締結した。東日本大震災や福島第1原発事故を受け、4月から津波や地震に関する共同研究を始める。日本海側でどの程度の津波が起きるかなどを専門家を交えて調査し、志賀原発などの防災対策に役立てたい考えだ。  金大で協定の調印式が行われ、北電の久和進社長と金大の中村信一学長が協定を交わした。久和社長は「震災以降、電気エネルギーに対する関心が高く、エネルギー分野での成果に期待したい」と話し、中村学長は「直接的に社会に役立つ研究をしていきたい」と述べた。  共同研究は津波、地震のほか、火力発電所で石炭を燃やした後に排出される石炭灰「フライアッシュ」の有効活用など5件で進める。志賀原発の停止により、北電の火力発電所はフル稼働の状態でフライアッシュの量が増えているため、活用策を探る。  津波については海岸工学の専門家とともに研究を進める予定で、地震の研究では能登半島の地殻構造などを調べる。これまでも地震の研究はしていたが、解析の精度を高める。  北電によると、金大は水中でプラズマを発生させ、化学物質を分解する技術を持っており、火力の排水処理などで活用できるかも研究するという。  協定では、研究開発やインターンシップ(就業体験)の受け入れ、企業情報の提供などで連携する。  調印式終了後、久和社長は志賀原発の安全協定の見直しに向けた北電と七尾、羽咋、中能登3市町の協議会が17日に開かれることについて「これからお話をさせていただく」と述べた。 "[he-forum 16853] 佐賀新聞2/11 佐賀新聞2012年2月11日付 佐賀大、総合内科医養成へ 富士大和温泉病院に拠点  佐賀大学医学部附属病院は4月、佐賀市の富士大和温泉病院内に「総合内科研修センター」(仮称)を新設する。研修医数人を毎年度受け入れ、地域住民の日常的な疾患に対応でき、かかりつけ医にもなる総合内科医を育成。医師不足や偏在に悩む中核医療機関への定着を目指す。  従来の医師養成の教育カリキュラムは臓器や分野別の専門医療に偏り、進路も専門性に沿って分化しがち。そこで一定の専門性を生かしながら疾患を広く診ることができる総合内科医の養成拠点を、高度医療を専門にしている大学病院とは別に、市中の基幹病院に「サテライトセンター」として設けることにした。  具体的には医学部を卒業して総合内科医を目指す後期研修医を毎年度、数人受け入れる。附属病院は指導医を平日フルタイムで派遣。研修医は外来診療を通して総合的な知識や診療技術、患者対応を身に付ける。総合内科と専門内科研修を交互に受けることができ、県内の別の中核病院での循環器や消化器などの専門的な研修を組み入れる。  佐賀大は県地域医療再生計画に基づき、県と共同で2013年度までに産科・小児科などの医師27人を養成する寄付講座に取り組んでいる。今回のセンター新設は、寄付講座で連携している富士大和温泉病院との間で継続的に総合内科医を養成する仕組みを整える狙いもある。附属病院と結ぶ電子カルテや画像システムなど診療基盤整備は県が担い、ICT関連の環境整備費は13年度までで総額約5700万円。  県北部や西部の中核病院では医師不足や偏在が続いており、さまざまな疾患に初期対応でき、専門医につなぐ総合内科医の役割が重要視されている。附属病院の宮崎耕治病院長は一連の育成体制づくりについて「地域医療の再生に必要な総合内科医を育てる新しいモデルになり得る」と話している。 "[he-forum 16854] 山陰中央新報2/10 山陰中央新報2010年2月10日付 認定看護師養成センター 鳥大病院両県初開設へ  鳥取大学医学部付属病院(米子市西町)が、特定分野に精通した認定看護師の養成機関「看護師キャリアアップセンター」を4月1日、山陰両県で初めて開設する。対象分野は、高齢化が進む両県でニーズの高い、がんの化学療法看護。全国的に需要が拡大する認定看護師の養成を両県でも促すと同時に、がん患者のケア向上に結び付ける狙い。  認定看護師は、日本看護協会が認可する専門資格で21分野ある。このうち、がん化学療法看護は843人が登録中だが、両県では14人(鳥取7人、島根7人)にとどまる。  鳥大病院の推計では、がん患者の増加に伴い、両県で少なくとも13の総合病院が、がん化学療法看護を専門とする認定看護師計20人程度の増員を求めているとみられる。しかし、資格取得には関西、中京方面の認定機関で半年間受講する必要があり、増員の障壁となっていた。  このため鳥大病院は昨年4月、センター設置の準備をスタート。日本看護協会への認定機関申請を経て、同11月に認可された。  計画によると、定員は10人で、7月の受講者選考試験を経て9月1日に開講。受講者は2013年3月末まで7カ月間、病院実習、座学など計660時間のカリキュラムをこなす。受講料は70万円。専門教官は、鳥大医学部保健学科のスタッフらが受け持つ。  鳥大病院は当面、20人の養成を目指す。その後は、他分野の認定看護師を育成するカリキュラムに切り替える考え。センター長に就任する広岡保明・鳥大医学部保健学科長は「認定看護師を地元で育てることが大切だ。全国との〝看護格差〟を是正したい」と話した。 "[he-forum 16855] 毎日新聞茨城2/11 毎日新聞茨城版2012年2月11日付 筑波大:授業料免除、申請漏れ相次ぐ 方法の変更きっかけに 学生ら「告知不十分」  筑波大学(つくば市)が授業料免除の申請方法を変更したのがきっかけで、条件を満たすにもかかわらず申請漏れとなり、免除が認められなくなるケースが相次いでいることが10日、分かった。大学側は「救済は難しい」としているが、学生からは「告知が不十分」と疑問の声が上がっている。  同大は、経済的理由により授業料の納付が困難で学業優秀と認められる学生に対し、年2回(1期・2期)の授業料免除制度を実施。昨年度は、年度初めに1・2期分を一括で申請できたが、今年度は秋に新たに2期分の書類提出が必要となった。同大学生支援室によると、この申請方法の変更を知らずに2期目の申請を逃した学生が5人程度相談に来ているという。  同大学生生活課によると、申請方法を変更したのは、年度途中で親の収入状況が好転するなど条件が変わった場合に必要としている届け出を怠る学生が続出したため。今年度は1期に2327人、2期に2249人が申請。各期約2130人の申請が認められ、うち約300人が全額免除となったという。  毎日新聞の取材に応じた院生の女性は、母子家庭で経済状況が恵まれず、成績も基準を満たしているとして08年から授業料免除制度を利用しており、今年度の1期も全額免除となっていた。しかし、申請方法の変更に気付かず2期分を新たに申請しなかったため、授業料約27万円の免除が認められず、督促を受けているという。女性は「変更点は書類の中にひっそりと書かれていた。見逃した私に過失もあるが、窓口で注意喚起を受けていないし、不親切ではないか」と話す。  同大の担当者は「制度の変更を知らず、2期分の申請を知らない人が多くいる可能性もあるが、線引きが難しく、救済を認めるのは難しい」としている。【山内真弓】 "[he-forum 16856] 毎日新聞福島2/14 毎日新聞福島版2012年2月14日付 福島大:放医研と共同研究で協定  福島第1原発事故による汚染状況の研究や人材育成を連携して進めようと、福島大は13日、放射線の人体への影響などを研究する独立行政法人「放射線医学総合研究所」(千葉市)と協定を結んだ。福島大の入戸野(にっとの)修学長は「地元大学として、放射線の低減化に努力したい」と話した。  協定の締結で、農作物などに含まれる放射性物質を計測するため、放医研が所有する高精度の「ゲルマニウム半導体検出器」が活用できる。学生と所員の交流や、共同研究を深め、汚染対策に関する学生の育成を図る。福島大構内に、共同の研究拠点の設立も検討しているという。  放医研の米倉義晴理事長は「福島県の復旧と復興に尽くしていきたい。この協定はその第一歩」と話した。【三村泰揮】 "[he-forum 16857] 東奥日報2/15 東奥日報2012年2月15日付 国の運営費交付金、弘大は2.6%減  弘前大学に対する国の補助金「運営費交付金」が、2012年度の政府予算案で、110億8200万円となることが14日、分かった。弘大の江羅茂副学長(総務担当理事)が14日、内示額を明らかにした。11年度比で3億100万円(2.6%)減。東日本大震災復興費の確保のため、予算案の中で運営費交付金の総額が減ったことが原因とみられる。弘大が前年度から継続を希望した事業全8件については引き続き予算が認められた。 "[he-forum 16858] 京都新聞2/17 京都新聞2012年2月17日付 京大と大阪府教委 人材育成で連携印刷用画面を開く  京都大と大阪府教委は16日、京大時計台記念館(京都市左京区)で高大連携協定を結んだ。進学に力を入れている府立高の生徒に京大の研究者が「自学自習」の大切さを伝える講義を行うなど、次世代のリーダーとなる人材を育てる。  大阪府教委は橋下徹前知事による教育改革で、本年度から北野高、天王寺高など府立高10校を「進学指導特色校」に指定、京大、東京大などへの進学実績向上を掲げた。京大も高大連携に力を入れており、両者が協力して教育モデルを探る。  京大と特色校は、生徒の自律的な学びにつながる授業や、京大での教育研究に関心を持ってもらう取り組みを検討、年内にも実施する。教育改革に向けた調査研究も行う。  京大は、東京大が打ち出した秋入学移行方針を踏まえ、入試や教育の在り方を検討する総長直轄チームを近く立ち上げる。幅広い教養のある人材育成を目指しており、高大連携は柱の一つ。  京大は京都府、京都市の両教育委員会とも連携協定を結んでいるが、出前授業など個別の事業にとどまっている。  松本紘京大総長は「初年次教育の充実や入試改革には高校の教育現場を知ることが重要。(大学と高校の)相互理解がリーダー育成に欠かせない」、天王寺高の兵庫將夫校長は「京大の先生の話をじかに聞くことが高い志につながる」と話した。 "[he-forum 16859] 日本経済新聞2/18 日本経済新聞2012年2月18日付 埼玉大、全5学部と企業の交流会 文系含め産学連携促進  埼玉大学は3月16日、5つある全学部の研究成果を企業などに紹介する産学交流会を開催する。自然科学・技術を中心にした交流会は何度か開いていたが、大学全体を対象としたものは初めて。人文・社会科学系の学部も巻き込み、研究成果を社会的な課題の解決などにもつなげる狙いだ。  交流会「埼玉大学研究紹介フェア」はさいたま市内のキャンパス内で午前10時から開く。企業に加え一般市民も対象とし、入場は無料。研究者と企業関係者との懇親会も有料で開く。  研究事例の発表では伊藤修経済学部長が旧山一証券の破綻についての研究を紹介するほか、大学院理工学研究科の森田真史教授は医療機器の開発について説明する。県内中小企業と先端技術を使って共同開発した実験用小型電気自動車の試乗会や、ロボットの実演、研究センターの見学会なども実施する。  埼大は教養、教育、経済、理、工の5学部すべてが同一キャンパス内にあることが特徴で、分野を横断した研究開発がしやすい環境にある。すでに次世代自動車や太陽電池などの分野では企業と技術開発・研究上での交流を進めており、今回の交流会を機により幅広い分野での産学連携の推進を目指す考えだ。 "[he-forum 16860] 中国新聞2/12 中国新聞2012年2月12日付 広島県・一橋大が包括協定  広島県と一橋大は、人材育成などで協力する協定を結んだ。県が大学と包括協定を締結するのは初めて。  県が2011年に設立した官民の投資ファンド「広島版産業革新機構」に助言する顧問に同大イノベーション研究センター長の米倉誠一郎教授(経営史)が就任。国際平和拠点ひろしま構想の策定には同大大学院の秋山信将准教授(国際政治)が携わった。両者は協定を通じさらに連携を深める。  協定は、人材育成▽経済・産業政策▽行政経営▽国際交流・国際平和▽学術研究と教育―の5項目。湯崎英彦知事が同大で講義するほか、同大は県の産業振興施策への助言や研修への講師派遣などを予定する。  湯崎知事と山内進学長が10日、県庁で協定書を交わした。湯崎知事は「さらに関係を深めて施策を加速させたい」と強調。山内学長は「自治体との協定は初めて。広島での知名度を高める効果にも期待したい」と述べた。 "[he-forum 16861] 読売新聞2/18 読売新聞2012年2月18日付 東北大が放射能相談窓口 福島市に21日から毎週火曜対応  東京電力福島第一原発事故対策をめぐり、東北大学(仙台市)は21日から、放射能に関する相談窓口を福島市内に開設する。  市の依頼を受けたもので、専門知識を持つ教授らが相談に応じることで、市民らの疑問や不安を解消させたい考え。県によると、原発事故に関連して専門家が相談に応じる常設の窓口設置は珍しいという。  市環境課などによると、市内の空間放射線量は事故前に比べて高い状態が続いており、放射線に関する問い合わせが今も絶えず寄せられている。専門的な内容には十分に答えられないことから、東北大に対応を依頼した。  相談窓口は、福島市放射線モニタリングセンター内にある東北大の「福島第一原子力発電所事故対策本部福島市分室」に開設。市の放射能対策アドバイザーを務める石井慶造教授(放射線工学)をはじめ東北大の教職員が、毎週火曜の午後1~4時の間に応対する。  相談は1件当たり30分以内、1日5件まで。対象者は市民か市内に勤務する人で、市の放射線総合対策課(024・535・1136)に連絡して予約する。 "[he-forum 16862] 日本経済新聞2/16 日本経済新聞2012年2月16日付 大学との共同特許出願件数 トップはトヨタ自動車  パテント・リザルト(東京都台東区)は、企業による大学との特許の共同出願件数を集計した結果を発表した。その結果、1位はトヨタ自動車、2位はNTT、3位は台湾Foxconn Electronics社だった(図1)。  この結果は、海外の大学からの出願も含め、1990年代前半から2011年12月末までに日本の特許庁に出願された公開公報などを対象に集計したもの。1位のトヨタ自動車の共同出願相手は東京大学が最も多く、排ガス浄化装置用の材料や車両用シート、走行制御のためのセンサなどに関する出願が目立つという。東京大学の他に、名古屋工業大学、東北大学、名古屋大学などとの共同出願も多い。2位のNTTは、京都大学、大阪大学、東京大学、慶応義塾大学などとともに、炭素繊維強化樹脂やフレキシブル基板、広域データ通信に関する技術などを出願している。  Foxconn ElectronicsはEMS(電子機器の受託製造サービス)事業で知られる台湾企業で、共同出願の相手は全て中国清華大学。近年日本での出願を精力的に進めており、中でもタッチパネル技術が目立つという。この他、韓国サムスン電子も海外の大学との共同で日本の特許庁に出願している。 (日経ものづくり 吉田勝) "[he-forum 16863] 朝日新聞2/16 朝日新聞2012年2月16日付 最大のハードル、内なる問題の克服 東大秋入学の行方(5)  秋入学への全面移行を素案としてまとめた東京大学の浜田純一総長は2月1日、経団連の教育問題委員会と意見交換した。経団連側は全面支援の意向を伝え、入試の合格後から入学までの間にできる空白期間「ギャップターム」の活用方法などについて作業部会などで検討する構えだ。浜田氏は2月13日の国立大学協会の理事会でも、東大の総長として秋入学の素案を説明したという。  素案に対して、旧帝大などの他大学も温度差はあるものの検討する動きをみせ、政府側も歓迎している。経済団体も流れに沿う方向で急ピッチで動いているようだ。  ただ経団連という組織が支援表明をしても、各会社の人事・採用の実務とは直結はしない。ギャップタームの活用方法と同時に、なかなか変わらない新卒一括採用という慣行がどうなっていくのかも、秋入学の大きな課題になる。卒業の出口の部分が見通せないと、秋入学に対する学生の不安は解消されないかもしれない。 ■授業国際化への険しき道  東大の学外への説明は順調に進んでいるように見えるが、学内の手続きは始まったばかりだ。むしろ学内の態勢をどう整えるかが焦点で、最大の難関でもある。これが中途半端に終わると、枠組みだけができても国際化という内実が伴わない。  一連のコラムで、浜田総長の国際化への意欲が当初、学生の海外への送り出しに向いていたことを書いた。海外への送り出しを増やすには、回り回って、その大学の教育の国際化が充実しているかというところに至る。学生の送り出しを大量に増やすには、それに見合った海外の大学と協定を結ぶ必要が出てくる。それが難作業になる。  協定を結ぶには、海外からの受け入れも増やさなければならず、それには共通言語としての英語による授業科目とそれを担当できる教員も必要になる。一口に英語による授業といっても、授業の準備や教材の開発を考えただけでも相当の労力がかかる。プログラムやコース、単位や学位取得のあり方にまでつながる問題だ。しかも、授業そのものを国際標準にするなら、たとえば学期が3カ月で完結するクォーター制などのように授業の形態を改めなければならない。さらに送り出し、受け入れともに奨学金を充実させることが必要になる。特に受け入れの場合は宿舎の整備も必要だ。  時間と労力と財政の負担増をどう解決するか。秋入学は教育を変えていく一つの手段という位置づけなので、同時に改革を進めなければ空回りしかねない。 ■大改革成るか、花火で終わるか  難しい問題がある。東大は本郷キャンパスを中心に各学部の独立性が歴史的に強い。授業も1年ごとの積み上げ方式が中心で、先に述べたように各学部の授業時間もようやく合わせたほどだ。留学の受け入れも含めて、学生が他学部の授業を受けにくい構造になっている。  まず入学者を受け入れるのは駒場キャンパスの教養学部で、こちらの2年間はリベラルアーツの色彩で整えられている。もっとも2年生の夏には実質的に各学部への進学が振り分けられるので、その先の対応の時間は限られる。国際化するには、時間的にも人的にも窮屈な状態といえそうだ。東大の関係者は「教育の国際化を少しずつやっていくのも一つの方法だが、秋入学をテコに一気にこまごましたことも変えて加速させるのもいい」と話す。  そのためにも必要不可欠なのは、外部への働きかけとともに、本気で学内の教員や職員を動かすことができるか、そして実質的に国際化に向けて教育を変えていけるかという点だ。場合によっては、教育と研究の役割分担も必要になるかもしれない。  大規模私立大学は比較的、国際化の核になる学部や系列大学があることが多い。学部の再編や統合も活発に進められている。東大でもたとえば教養学部を教養国際学部に衣替えして国際化の核にするという手も考えられるが、東大の伝統が自由自在な変化への妨げとなっている面もある。浜田総長の残り任期はあと3年余だ。  東大が投じた一石はどう波紋を広げるか。大げさにいえば社会のあり方にも関心を広げることができるだけに目が離せない。しかし中途半端に終われば「きれいな花火」で終わってしまうかもしれない。 "[he-forum 16864] 時事通信12/47 時事通信2012年2月17日12時47分 学長予定者が辞退=不正経理で2人連続-東工大  東京工業大の学長に就任予定だった岡崎健・工学部長が、自分の研究室の研究費不正経理問題の責任を取り、就任辞退を申し出たことが17日、分かった。同大では昨年夏にも、就任予定だった大倉一郎元副学長が同様の理由で辞退している。  東工大によると、岡崎工学部長は16日夜、「研究費不適切使用があったことを重く受け止めている。新エネルギー・産業技術総合開発機構の処分が近く出される見通しとなり、大学にこれ以上迷惑は掛けられない」と、辞退を申し出る文書を伊賀健一学長らに送付した。  学長選考会議で審議するが、申し出は受理される見通し。学内の処分は別に行われる。 "[he-forum 16865] 産経新聞2/20 産経新聞2012年2月20日付 大学の学費 奨学金・教育ローンも活用  大学受験シーズン本番。合格が決まった後に必要となるのが、入学料、授業料などの費用だ。その額は4年間で数百万円規模に上り、計画的な準備が必要となる。自己資金で賄えない部分は奨学金や教育ローンなども上手に活用したい。(竹岡伸) ◇ 子供の自立を促す  多摩大大学院客員教授(家庭経済)でファイナンシャルプランナーの紀平正幸さんの元には、中学生や高校生を持つ親から大学進学費用に関する質問がよく寄せられるという。  文部科学省のまとめでは、国・公・私立大学の初年度納入金額は別表の通り。2年目以降も授業料や施設設備費、理工系では実験実習費などもかかる。交通費や教科書代なども不可欠で、紀平さんは4年間の費用として「国立大・自宅通学で400万円前後、私大・自宅通学だと文系で約650万円、理系で約800万円」と試算。下宿すれば生活費などの仕送りも加わる。  大学進学を機に家計負担が急増するのを避けるためにも「入学までの間に、国公立に絞るのなら100万円程度、私立も視野に入れるのなら文系で300万円程度はためておきたい」(紀平さん)  ただ、家計から全額捻出するのは容易ではない。足りない費用をカバーする方法として一般的なのが奨学金や教育ローンの活用だ。  奨学金(貸与型)は「子供が借りて子供が返す」、教育ローンは「金融機関から、主に親が借りて親が返す」のが基本。奨学金は毎月一定額を、教育ローンは一度にまとまった金額を受け取る点も異なる。  紀平さんは「最もお金のかかる初年度への対応ができているなら、子供の自立を促すためにも奨学金の利用を勧める」。貸与型の場合、就職後に元本・利息の返済義務が生じるため、「責任感が増し、若者の早期離職の防止につながる」というわけだ。  平成22年度に約97万4千人の大学・短大生が貸与を受けた日本学生支援機構の奨学金。無利息の「1種」と利息付きの「2種」があり、成績や親の収入などを考慮して選考される。卒業後、9~20年かけて返済する必要があるが、進学したり就職に失敗したりした場合などは一定期間猶予される。2種の方が間口が広く、「条件を満たしていれば、ほぼ全員が貸与を受けている」(同機構)という。 十分話し合って  大学独自のもの、民間団体、地方自治体が手掛けるものなど、さまざまな給付型、貸与型の奨学金が用意されている。いずれも成績、親の収入などの条件が設けられており、利用時には確認が必要だ。  教育ローンは日本政策金融公庫の「国の教育ローン」(融資額300万円以内)のほか、各民間金融機関が手がける融資限度額や金利、返済期間などの異なる多様な商品がある。「在学中は利息のみの返済」などの優遇もあるが、基本的に融資と同時に返済を始める必要がある。  教育目的に使うとはいえ、奨学金、教育ローンはいずれも「借金」だ。紀平さんは「親子でそれぞれどの程度負担するのか。子供の仕事観や家計の状況などを共有したうえで、十分話し合って決めてほしい」とアドバイスしている。 "[he-forum 16866] 朝日新聞新潟2*21 朝日新聞新潟版2012年2月21日付 秋入学、4国公立大では 学長らに聞く  東京大学が「秋入学」への全面移行案を打ち出した。新潟大も検討組織の設置を表明するなど、県内教育界にも波紋を広げている。秋入学を検討する動きをどう評価し、大学の国際化にどう取り組むのか。県内の主な国公立4大学の学長らに聞いた。      ◇ ■新潟大  新潟大の下條文武学長は今月1日にさっそく、秋入学導入について「前向きに検討すべく、専門部会を立ち上げたい」との考えを明らかにした。  同大は2008年、留学生を増やすことなどを狙って、入学者や企業の意向を把握するため、秋入学を検討するワーキンググループを立ち上げて、情報収集をしたことがある。全国の高校421校を訪ね、同大卒業生が就職した企業63社にアンケートをしたが、「将来の課題とする」との結論にとどまった。  今回、再び検討を始めるのは、「経済、産業界が支援する動きを見せている。見ているだけではなく前向きに検討しようと思った」(下條学長)からだという。(高岡佐也子) ■長岡技科大  国際化が進む長岡技術科学大の新原晧一学長は「秋入学は国際化の面で利点があり、反対ではない」と考えている。  同大では学部の学生の8%が留学生、大学院は15~17%。「東大などが目標とする留学生比率は達成している」。学部は機械系など7科目で留学生向けに英語による授業があり、大学院は英語による授業のみで修了もできる。  ただ、高専からの編入者が8割を占める同大には「高専生が卒業後半年を経て編入を志すか」という疑問もある。現状では、学内で検討を始める環境はまだ整っていないが、新原学長は特に企業の動向を重視しながら、「東大などの検討の流れを注視していく」という。(松本英仁) ■上越教育大  「教員養成の単科大学という性格上、教員採用の日程などから現時点では秋入学は考えていない」。上越教育大の加藤泰樹副学長はそう語る。「学校、地域の仕組みが変わらないと学生たちが困るかもしれない」  同大にいる留学生は2010年度は40人で、ほとんどが大学院生。海外との教員免許制度の違いなどが背景にあるようだ。  ただ「国際化」には前向きだ。毎年、約2週間の海外研修をし、英語による授業もある。  加藤副学長は「教育の中でも国際感覚を持たないといけない。同じ教員養成の大学と共通理解を深め、社会情勢、社会の仕組みの変化によっては今後、考えていくことになると思う」と話す。(上嶋紀雄) ■県立大  秋入学という形より、教育内容の改革が先決、という考え方もある。  「秋入学は形式として一つの選択肢。大学教育の改革のきっかけにはなる」と県立大の猪口孝学長。「留学生、日本の学生にかかわりなくやる方向に教育の質を持っていく『中身』の議論の方が重要だ」  09年開学の県立大は留学生を受け入れておらず、学生の海外派遣も最大約50日の語学研修がほとんどだ。  国際地域学部はグローバル化に対応できる人材の育成を掲げ、語学教育に力を注ぐ。教授陣約80人のうち少なくとも10人は英語で授業ができる。猪口学長は「留学生を出し、受け入れられるような施策を地道にとっていく」と話している。(吉武祐) "[he-forum 16867] しんぶん赤旗2/22 しんぶん赤旗2012年2月22日付 教育無償化は世界の流れ 給付制奨学金の実現を 衆院委 宮本議員が主張  日本共産党の宮本岳志議員は21日の衆院予算委員会で、「無償で教育を受ける権利を保障するのが世界の常識となっている」と述べ、返済の必要のない給付制奨学金をただちに実現するよう求めました。無償化へと向かう世界の流れからも大きく立ち遅れている日本政府の姿勢が浮き彫りになりました。  宮本氏は、玄葉光一郎外相が国際人権規約に定められた中等・高等教育の「漸進的無償化条項」の留保撤回を表明(9日の衆院予算委員会)したことについてただしました。1979年に条約を批准して以来、同条項を留保しているのは日本とマダガスカルだけとなっていました。  宮本 非常に大事な決断だ。撤回することにした理由は何か。  玄葉外相 高校の授業料無償化が大きな弾みとなり、大学生への奨学金の予算が拡充傾向にあることから撤回すべきと判断した。  宮本氏は、無償教育導入の努力を進めていくことが国際公約になると指摘。玄葉外相は「いったん撤回したら、取り消すなどできない」と認めました。  宮本氏は、OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国中「授業料が有料で給付制奨学金がない」のは日本だけだと国会図書館調査資料で提示。文科省が概算要求で給付制奨学金を求めながら、予算計上をなぜ見送ったのかとただしました。  宮本 学業をあきらめざるをえない若者を見捨てるのか。  安住淳財務相 「所得連動返済型奨学金」を導入した。返済してもらった方が貸与にまわる。  平野博文文科相 (所得連動返済型創設で)一歩前進、二歩前進として対応している。  宮本 学生の厳しい実態がわかっているのか。月額10万円を4年借りれば利子も含め650万円も返済が必要だ。  所得連動返済型奨学金とは、年収300万円以下世帯の学生を対象とした奨学金です。  宮本氏は、イギリスが給付制を廃止して所得連動返済型を導入したものの、教育が保障されず給付制を復活させたことを紹介し、「給付制の代わりにはならない」と強調。被災した宮城の学生から「1年休学して学費と生活費をためている。学業に打ち込めるよう給付制を実現してほしい」との声があがっていることをあげてただしました。  宮本 子どもや若者に奨学金と名付けて金を貸し、利子まで背負わせる。これで救われると思うのか。  平野文科相 経済的な困窮で学ぶ機会が失われないように努力しなければならない。  平野文科相が、給付制奨学金の導入に努力したいと表明したのに対して宮本氏は、必要な予算は高校生向けで102億円、大学生向けで147億円であることを指摘。米軍への「思いやり予算」のわずか7分の1、政党助成金320億円にも及ばないと述べ、予算を修正し、給付制奨学金を実現するよう強く求めました。 "[he-forum 16868] しんぶん赤旗2/22(2) しんぶん赤旗2012年2月22日付 給費制廃止 司法修習生に負担 「貸与」前から借金358万円 「ネット」が調査  法律家の“卵”である司法修習生に国が給与を支払う「給費制」の廃止が修習生に大きな不安を与えている―。21日、法律家を目指す若者や若手弁護士でつくる「ビギナーズ・ネット」のアンケート調査で、その実態がわかりました。同ネットでは、給費制の復活を強く訴えています。  昨年11月で、廃止となった給費制に伴い、生活費用が必要な修習生には、国がお金を貸す「貸与制」が導入されました。  ビギナーズ・ネットでは、同月から研修がはじまった新65期の司法修習生396人からアンケートを回収。  その結果、回答者の53%がすでに法科大学院の奨学金などで、借金を抱えていることが分かりました。返済の必要な奨学金の額も平均358万円となっており、1200万円を抱える修習生もいました。  さらに回答者の半数以上が、すでに奨学金の返済を始めており、返済額は月平均約1万9000円となっています。  都内で行った会見で、同ネットの黒澤有紀子弁護士(新64期)は「アンケートでは、『親に経済的負担をかけていることが悲しい』などの声が寄せられた。私の場合300万円の奨学金がある。もし貸与制だったら600万円の“借金”になっていた。ぜひ給費制に戻して、“卵”たちが安心して修習を受けられる環境に戻したい」と訴えました。 借金で交通費・保険料・書籍代  ◆貸与金という借金を衣食住にあてていること自体、情けなくなります。妻子がいるのですが、家族の年金や健康保険も貸与金から支払っています。  ◆修習生としての身なりを整えるため、スーツや靴を買いそろえなければならず、修習に必要なパソコンも購入。遠い実家から(修習先に)通っており、交通費は1日2500円かかります。すべて借金で払わなければならず、苦痛です。  ◆就職が決まっておらず、返済できる自信がない。  ◆食費も極力抑えるようにし、欲しいと思う法律の書籍購入も我慢。経済的に余裕があれば、もっと勉強に専念できるのに。(アンケートの声から) "[he-forum 16869] 毎日新聞宮城2/17 毎日新聞宮城版2012年2月17日付 宮城教育大:角田市・市教委と教育振興の覚書  宮城教育大と角田市、角田市教育委員会は16日、教育の振興などを目的とした「連携協力に関する覚書」を締結した。子供の学力や教職員の資質能力などの向上を目指し、市は近く「大学連携支援推進室」を設置して関連事業を進める。同大と県内市町村の連携協力の締結は6カ所目。  具体的には、12年度から市が独自に実施する学力テストの結果を同大の協力を得て分析したり、夏休みなどには大学から講師を派遣してもらう授業などを計画している。  市役所で行われた覚書締結式で、同大の高橋孝助学長は「教育大の特色や機能を還元し、社会に貢献したい」とあいさつした。大友喜助市長は「まちづくりは人づくり。大学と絆を深めていきたい」と述べた。【豊田英夫】 "[he-forum 16870] 神戸新聞2/24 神戸新聞2012年2月24日付 柏原病院への医師派遣を増員・継続 神戸大   兵庫県立柏原病院(丹波市柏原町柏原)に神戸大学が医師を派遣する「地域医療循環型人材育成プログラム」について、県と丹波市、同大学は2012年度から3年間、継続することで合意した。派遣医師は現行の5人から10人に増やす。新年度予算案に県と市合わせて1億8900万円の委託費を計上しており、議会の議決を経て3者で協定を結ぶ。(桑野博彰)  同プログラムは、同病院の医師不足を受け、08年10月に始まった。交代しながら常時5人が勤務し、地域医療を学ぶとともに診療に当たる。現在、常勤医25人のうち5人が派遣医師で、委託費は県と市で負担している。  今回の合意を受け、新年度からは派遣医師が倍増。医師の出入りがあるため常勤医の総数は未定だが、県は「増加するのは確実」としている。  同病院には、同大学が特命教授クラスの非常勤指導医を年2人以上派遣する制度もあり、現在は計6人が診療と人材育成に当たっている。新年度からはこの制度を同プログラムに統合し、派遣する最低人数を3人以上に増やすことも決めた。  委託費は県一般会計、県病院事業会計、市一般会計からそれぞれ6300万円を出す。プログラム拡充に伴い市の負担分は1050万円増える。  同病院の足立確郎院長(61)は「県、市、神戸大の支援をありがたく思う。病院のさらなる機能回復に取り組みたい」と話している。 "[he-forum 16871] 西日本新聞2/24 西日本新聞2012年2月24日付 法学部の人気下がり気味  国公立大2次試験の前期日程が25日から始まる。長引く不況を受け、受験生の間では、就職に有利とされる理系学部の志望が目立ち、文系学部の人気はいまひとつ。とりわけ、「文系の最難関学部」と言われる法学部の志願倍率の低迷がここ数年、続いている。  予備校関係者によると、法学部の人気低迷は、私立大を含め全国的な傾向で、九州の国公立大の志願倍率も徐々に下がっている=表参照。  その理由として、教育情報会社「ベネッセコーポレーション」の担当者は、受験生の「現役・地元志向」を挙げる。「不況下での教育費負担を考えると、受験生は浪人回避と親元からの通学を求め、難易度が高い法学部を敬遠しているようだ」と話す。  「法科大学院の司法試験合格率低迷が要因の一つ」と指摘するのは、河合塾福岡校の秦利勝・校舎長。「多くの法科大学院が設立された8年前は『法学』の人気が高まったが、今はイメージを低下させているのではないか」。河合塾が昨年11月に行った全国模試では、医学系や看護系などの志願者は増えたが、法学系は前年の約9割にとどまったという。  北九州予備校の博多駅校(福岡市博多区)に通う国立大法学部志望の男子受験生は「法学部を目指す人はクラスでも少数派です」。受験生の間では「法学部は法律を学ぶ場」という印象が強く、「堅いイメージ」(文学部志望の女性)も敬遠傾向の背景にあるようだ。  大学側は現状をどう考えているのか。九州大の酒匂一郎・法学部長は「人気が低迷しているという実感はない。ただ、法学部の出身者は法曹だけでなく、地方公務員も多い。今後も地方行政の担い手となる優秀な人材を集めたい」と語る。  一方、小中高校では本年度以降、新学習指導要領に基づき、法律の意義や考え方を学ぶ「法教育」が段階的に導入される。法教育の普及に取り組む福岡市の春田久美子弁護士は「弁護士や公務員になるためだけでなく、さまざまな問題解決の方法を身に付け、民主主義の担い手を育てていくためにも、法律を学ぶ学生が増えてほしい」と期待する。 "[he-forum 16872] 読売新聞静岡2/24 読売新聞静岡版2012年2月24日付 オーバードクター72人応募 活用事業 県教委、反響に驚き  就職していない大学院博士課程修了者らを県立高校に配置する県教委の「オーバードクター等活用事業」に、定員の2倍以上の72人が応募したことがわかった。県教委は「予想以上の反響」と驚いている。  この事業は、大学院博士課程を修了しながら大学や企業などに就職先が見つからない「オーバードクター」らを、新年度から県立高校に配置し、理数系生徒の学力向上や教育現場の指導力向上を図ることが狙い。全国的にも珍しい取り組みで、雇用創出にも期待がかかっている。採用枠は32人程度で、今月17日まで応募書類を受け付けていた。  理数系科目や農・工業などに関する博士号取得者を常勤講師とする「サイエンスエキスパート」枠には33人(募集予定10人程度)、理数系科目や外国語、芸術、防災などに関する博士、修士号取得者を非常勤講師とする「博士・修士派遣」には39人(同22人程度)の応募があった。  20~30代が7割を占めたが、中には70代の応募者も。県外からの応募も多かったという。県教委は3月3日に採用面接を行い、3月下旬、内定者を対象に公務員としての心構えなどについて研修会を行う。 "[he-forum 16873] 毎日新聞茨城2/24 毎日新聞茨城版2012年2月24日付 協定:リハビリ医育成で連携 筑波大と県立医療大が締結  筑波大と県立医療大は23日、連携協力協定を締結した。リハビリテーション医療の共同研修プログラムを作り高い能力を持つ専門医を育てるなど、両大学の持ち味を生かした連携を進める。  両大学はそれぞれ付属病院を運営。リハビリ分野では、筑波大付属病院が急性期、県立医療大付属病院が急性期を過ぎた回復期の患者を対象としている。今回の連携で「専門医養成後期研修プログラム」を共同で運用、総合的な診療能力を備えた医師を養成する。  協定は、学部学生教育の充実▽大学院学生教育・研究交流の推進▽付属病院の連携--が3本柱だ。単位互換も積極的に行う。  この日は筑波大で両学長が協定書に署名。記者会見した筑波大の山田信博学長は「優れた成果を生み出し、社会に貢献したい」と述べた。県立医療大の工藤典雄学長は「高度先進医療の発展と、人材を養成することで地域医療の質の向上に寄与したい」と語った。【安味伸一】 "[he-forum 16874] 岐阜新聞2/23 岐阜新聞2012年2月23日付 岐阜大「駅前拠点」祝う スカイウイング進出を正式発表  岐阜市のJR岐阜駅北西地区で再開発ビル「岐阜スカイウイング37」の建設を進める問屋町西部南街区市街地再開発組合は22日、ビル東棟4階に岐阜大20+ 件学サテライトキャンパスが進出することを正式発表した。キャンパスには多目的講義室や企業相談室などを設け、講義や生涯学習、共同研究の打ち合わせなど幅広い活用を図る。  同ビルは、37階建ての東棟と11階建ての西棟、駐車場の3棟。東棟1階は地権者の店舗6区画と十六銀行、同3階は岐阜市信用保証協会、西棟6~11階はビジネスホテルチェーン「ドーミーイン」の進出が決まっている。ビルの完成は8月末の予定。  サテライトキャンパスのスペースは約590平方メートル。学生や地域の高校生、社会人らの学びの場として利用するほか、臨床心理士による心理カウンセリングなども行う予定。  この日は、同大学進出セレモニーが市内のホテルで開かれ、細江茂光市長や地権者ら約70人が出席。森秀樹学長は「駅前に教育の拠点を持ちたいという願望があった。サテライトキャンパスを通して地域貢献したい」などと話した。  また岐阜市出身のデザイナー山本寛斎さん制作のオブジェの除幕もあり、寛斎さんは「飛翔というイメージで女神のオブジェを制作した」などと思いを語った。  セレモニー前には、ビル最上部分の完成に伴う上棟式が行われ、関係者がくす玉割りなどで棟上げを祝った。 "[he-forum 16875] 中国新聞2/23 中国新聞2012年2月23日付 広島大が食品実習施設を一新  広島大(東広島市)は食品製造の教育に使う東広島キャンパスの実習工場の設備を一新し22日、施設を公開した。食品の成分を分析する装置を新たに導入した。大学の説明では食品製造から分析まで一貫した実習施設を持つ大学は全国で同大しかないという。  レトルト食品などの殺菌状態を把握する装置のほか、発がん物質や香り成分の特定、毒物の測定に用いる設備を追加。食感を決める歯応えなどを測る機器も含めて計11台を導入した。レトルト食品や缶詰に圧力を加えながら熱湯をかけて殺菌する装置も刷新した。  国の補助金を含めて約1億3千万円を投じて整備。近隣の大学や企業、公的な研究機関にも活用してもらう。  施設を管理運営する同大大学院生物圏科学研究科の江坂宗春研究科長は「食の安全安心の教育を充実させ、高度な技術者を社会に送り出したい」と話している。 "[he-forum 16876] 一人の女性、北大と法的争い、事実上の勝利 神沼公三郎(北大教職員組合委員長)です  北大で数年間、契約職員(フルタイムの非正規雇用職員)で働いた 女性のAさんは、2010年3月31日に雇い止めになったのち、北大が 速やかに発行すべき離職証明書をなかなか発行しなかったため、とう とう雇用保険の失業給付を受けられなかった一件で、北大を相手取っ て裁判に訴えていました。  さる2月17日、札幌高裁で和解が成立しました。事実上、Aさん勝利 の内容です。一人の、勇気ある女性が北大を相手に闘った法的争い で、堂々と勝利しました。以下、この裁判の事実経過を簡単に報告し ます。 *Aさん、2004年4月1日、北大の契約職員に採用される。 *2010年3月31日に雇い止め。  外部資金による雇用だったので、3年期限を越えて採用されていた (北大の有期雇用は原則として3年)。 *2010年4月に入り、いくらたっても離職票がAさんの手元に届かない ので、Aさんが公共職業安定所(ハローワーク)に確かめてみると、北 大が離職証明書を発行していないからだと知る。そこでAさんは1回、 2回と北大に対して、離職証明書の発行を急ぐよう要求。 *結局、Aさんの手元に離職票が届いたのは2010年5月12日。しかし Aさんは、幸か不幸かその前日の5月11日に現在の会社に就職したの で、ついに雇用保険の失業給付を全く受けられなかった。 *あとで裁判(札幌地裁)のなかで被告側(北大)が明らかにしたとこ ろによると、北大がAさんの離職証明書を公共職業安定所に提出した のは、2010年4月28日ごろだった。しかし雇用保険の制度では、事業 主は離職証明書を、労働者が離職した日の翌々日から10日以内に公 共職業安定所に提出しなければならない。 *また北大は、Aさんの社会保険資格喪失届けを5日以内に日本年金 機構に提出しなければならないのに、この手続きも遅かった。Aさんは、 この点も腹に据えかねた。 *以上のようなことから、Aさんは北大の怠慢について怒り心頭。2010 年9月30日、北大学長を相手取り、損害賠償と慰謝料など68万円あま りを要求して、札幌地裁に提訴。  Aさんの代理人は北海道合同法律事務所の弁護士の皆さん。北大職 組はAさんを支援。 *これまた裁判のなかで明らかになったことだが、北大側は、Aさんに 関する離職証明書の発行が遅れに遅れた理由を次のように言う。 *2010年4月1日づけで雇用保険の資格喪失手続きを要した職員は816  人、うち離職証明書の作成が必要だったのは309人。 *この作業を担当する北大職員の人事移動があった。また、職員の給与、  社会保険、雇用保険などの事務を外部業者に委託している。 *こうしたことから、「結果として離職証明書の提出が遅れたものであり、こ  の点について被告に故意・過失はない。」 *数回の公判は、原告側が有利に進展。裁判長の訴訟指揮も、北大の 怠慢性を常に指摘するような感じ。 *しかし、2011年6月30日、札幌地裁判決:「原告の請求を棄却する」  判決理由は次のように言う。  「事業主が何らかの理由で離職証明書を発行しない場合であっても、被 保険者であった者は、いつでも被保険者でなくなったことの確認を請求す ることができる(雇用保険法8条、9条1項、雇用保険法施行規則8条)。 確認請求により被保険者でなくなったことの確認をされない場合で、その 者を雇用していた事業主の存在が明らかでないことその他やむを得ない 理由があるときは、被保険者であった者は、公共職業安定所長に対し、 離職証明書を添えずに、雇用保険被保険者離職票-2の交付を請求する ことができ、この場合、公共職業安定所長は、被保険者であった者に対し、 離職票を交付しなければならない(雇用保険施行規則17条1項3号、同条 3項)。」 *国立大学法人が、「その者を雇用していた事業主の存在が明らかでな い」状況、つまり倒産するような状況には、現在のところ絶対にならない。 また、「その他やむを得ない理由」も全く考えられない。  Aさんの代理人も、数人の労働法研究者も、いちように「これはひどい判 決だ!!」。こんな判決が出て、一番驚いたのは他ならぬ北大側だったか も知れない。 *2011年7月7日 Aさん、札幌高裁に控訴 *2011年12月7日 控訴審第1回公判  札幌高裁(3人の裁判官)は開口一番、和解を提起。裁判官は、地裁判 決の内容にあきれて、最初から和解を提起した様子。直ちに和解に向けて 協議開始。 *2012年2月17日 第2回目の協議で早くも和解成立。「和解調書」の中 心部分は次のとおり(「被控訴人」は北大、「控訴人」はAさん)。  「和解調書   期日 平成24年2月17日午後3時00分   ・・・   手続きの要領等     第3 和解条項       1 被控訴人は、その責に帰すべき事由により、控訴人に対する        離職証明書の交付を遅滞したことを認め、今後、職員の離職に        際し、離職証明書の交付その他雇用保険法上の手続を適正に        行うものとする。       2 被控訴人は、控訴人に対し、本件和解金として20万円の支払        義務があることを認める。   ・・・」  この条項のなかに、いちおう北大が責任を認めて、今後は襟を正す旨の文 言が書かれているので、Aさんは和解することに同意。 *北大人事課は2月20日と23日に学内の部局事務あてに事務連絡を発して、 前者の文書では離職証明書の発行が遅れないように、後者の文書では社会 保険に関する届け出の手続きが遅れないように、と指示。  以上が概略です。勇気ある女性Aさんの主張に、北大が屈服したと言えます。 今後北大は離職証明書、社会保険関係の手続きを、定められた期間内に完遂 しなければなりません。  なお、本質的な問題は、いうまでもなく北大が有期雇用に固執していることで す。北大は、有期雇用を続けているので、毎年度当初、数100人もの離職証明 書を発行しなければなりません。有期雇用を解消すれば、この点で北大は直ち に、非常に楽になります。 "[he-forum 16877] 山陽新聞2/24 山陽新聞2012年2月24日付 岡山大病院、「高度救命救急センター」に指定 「災害拠点病院」にも  県は24日、重篤な患者を24時間受け入れる「高度救命救急センター」と、災害時に傷病者に緊急対応する「災害拠点病院」として、岡山大病院(岡山市北区鹿田町)を指定すると発表した。指定日はいずれも4月1日付。  高度救命救急センターは、広範囲のやけどや急性中毒といった特殊な疾患を受け入れる施設で、川崎医科大付属病院(倉敷市)に次いで県内2カ所目。岡山大病院は既設の3次救急センターの救急医らが中心となり、集中治療室など22床で治療に当たる。  同大病院は「地域の医療機関に任せてきた救急医療に貢献したい」と、県に申請。県医療審議会救急医療対策部会が審議し、了承していた。  県内の救命救急センターは他に、岡山赤十字病院(岡山市北区)と津山中央病院(津山市)がある。 "[he-forum 16878] 琉球新報2/29 琉球新報2012年2月29日付 琉大と企業連携し育成 実践通し経営参加型人材  琉球大学観光産業科学部のキャリア開発講座で、座学で学生の判断力を伸ばし、企業で実践研修を行う「STWT人材育成プラン」の取り組みが始まっている。「STWT」は「School To Work Transition」の略で、大学新卒者が就職活動で感じる社会人と学生時代とのギャップを埋めるため、大学と企業が連携して、その成長を一定期間支援する活動。大学と企業をつなぐ同プランを開発しているオーシャン21の酒元謙二社長は「学生は実践力を身に付け、企業は高度な人材育成や新たな分野の市場拡大につなげられる。双方に利点がある仕組み」と意欲を見せる。  「STWT人材育成プラン」では、CIS能力を習得し、起業家精神を身に付けた経営参加型学生の育成を目指す。CISとはコミュニケーション(交渉力)、イマジネーション(想像力)、センス(観察力)の略。酒元社長は「日本の教育ではKIT能力(知識、情報、技術)を重視してきた。しかし企業に必要なのはCIS能力やそれを生かした判断力のある人材だ」と強調する。 座学通しCIS能力  プランでは、大学生活の途中でギャップイヤーを設定。学生が1年間大学を休学し、企業内で勤務しながら座学を通してCIS能力を養う。学生は体験を通して社会人としての生活をイメージでき、多くの気付きを得ることができる。  一方、企業側にも、未来の社員候補を評価する機会が得られる、学生の発案が新事業開拓につながる可能性がある、など利点がある。酒元社長は「研修している学生の中に求める人材がいれば採用すればいい。従来の偏差値重視の採用システムを変え、定着率の向上にもつながると思う」と期待を込める。 1日カフェ成功  同プランの実践に向け、講座を受講している有志が昨年10月、琉球大学STWT研究会(玉城仁美代表)を結成。企業の協力を得てカフェ経営、離島の特産品を使った商品開発、ファストフードの企画立案の班に分かれ、経営に挑戦している。  カフェ経営班は9日、那覇市のミュージアム・カフェ「茶花」で1日カフェを開いた。集客のためにワークショップ「世界へ伝えたい沖縄」を企画。ワークショップは、英語で沖縄の文化を発信する本を出版した団体「ふるさとプロジェクト」に運営を依頼し、綿密な打ち合わせ、同店舗での接客研修、広報活動などを行った。  開店当日は、講師と受講生がお茶を飲みながら、言葉や文化を学ぶことについて和やかに語り合う場を実現。同研究会代表の玉城さん(法文学部総合社会システム学科4年)は「他の団体との調整など難しいこともあったが、何とか開店できた」とほっとした表情を見せ「今後は継続性を持たせていきたい」と語った。  「茶花」を経営しているアイ・ステーションの安和朝彦社長は、企業家を育てたいという同プランの趣旨に賛同し、営業時間終了後の店舗を提供するなど学生をサポート。「企業が負担なく学生に挑戦の機会を与え、採用にもつなげられる。大変面白い取り組みだ」と評価した。 (与那覇裕子) "[he-forum 16879] 京都新聞2/29 京都新聞2012年2月29日付 京大農場移転、ようやく動き 合意から2年半印刷用画面を開く  京都大農学研究科の拠点の付属農場(大阪府高槻市、約15ヘクタール)を木津川市へ移転することが合意されて約2年半、事態がようやく動きだしそうだ。高槻市が現農場の土地を取得するための議案を、1日開会の3月定例市議会に提案する。移転は、京大の新規研究や木津川市のまちづくりの前提となるだけに進展を望む関係者が行方に注目している。  高槻市の京大農場をめぐっては、弥生時代の集落跡などが見つかったため、市が公園としての活用を大学に申し入れ、同大と市、都市再生機構(UR)が2009年9月、関西学研都市・木津中央地区への移転に関する大枠合意の覚書を締結した。  当初は10年度中に本協定を結ぶ予定だったが、史跡範囲の確定作業や市長、市議選を控え議案提案が遅れた。市は11年9月議会に初めて議案を出したが、上面利用が未決定のまま施設整備費が盛り込まれたことなどへの反発から継続審査扱いになった。その後、議案は取り下げられた。  移転先の木津中央地区は、計画人口1万1千人のニュータウンで、今春のまちびらきを予定。「農(みのり)のまちづくり」がテーマで、新農場はその核となる施設だ。議案取り下げを受け、木津川市では、市議らから「本当に移転できるのか」と不安の声が出ていた。  URによると、新農場の造成に約2年を要する。同機構がニュータウン事業全般から撤退する13年度末が迫る中、「ここで前進しなければかなり厳しい」と話す関係者もいる。  高槻市が3月議会に提案する12年度一般会計当初予算案では、土地取得と整備構想策定費のみを盛り込んだ。関連議案は、16日の総務消防委員会を経て、27日の本会議で採決される見込みだ。  京大は「現農場では遺跡のために老朽化した建物の建て替えができない。一日も早い移転問題の進展を望んでいる」としている。 "[he-forum 16880] 北国新聞2/28 北國新聞2012年2月28日付 東大研と再生エネ協定 谷本知事方針 セミナーで技術指導  石川県議会2月定例会は27日開会し、提出議案の説明で谷本正憲知事は、再生可能エネルギーの研究開発に関し、東大先端科学技術研究センターと来月にも協定を締結する方針を明らかにした。国内のエネルギー研究をリードする同センターと自治体が協定を結ぶのは初めて。定期的なセミナーを開き、県内企業への技術指導を行う。  認定農業者らが一堂に会する「全国農業担い手サミット」が、2013年度に県内で開かれることが決まった。例年は皇太子さまが臨席しているイベントで、谷本知事は「世界農業遺産に認定された能登の里山里海をはじめ、特色ある農産物や観光資源、伝統文化など本県の魅力を発信する絶好の機会」と述べた。  高等教育機関と連携した能登の活性化事業として、来年度から「能登ワールド・チャレンジ・プロジェクト」と銘打ち、金大が持つ知識や国際的ネットワークを生かし、国内外の研究者を招いたり、能登の魅力を英語で紹介できる人材の育成などに取り組む。  金沢外環状道路海側幹線については、白山市乾町―金沢市福増町と白山インターチェンジを、4月21日に供用開始するとした。鞍月―大河端(おこばた)町は、能登有料道路の無料化に合わせ、来年度に暫定2車線で供用する。  志賀原発について、谷本知事は「運転には安全の確保が大前提」と強調。国に説明責任を果たし安全対策を徹底するよう求めた上で、北電に対して「地元の理解を得ながら各種の安全対策に全社を挙げて取り組むよう重ねて強く求めていく」と述べた。  県は2月定例会に、一般会計総額5235億円の新年度当初予算案など議案49件、報告6件を上程した。会期は3月23日まで。 "[he-forum 16881] 佐賀新聞2/29 佐賀新聞2012年2月29日付 県内企業、佐賀大とベトナム視察 進出の可能性探る  佐賀県内の企業と佐賀大学は3月4日から5日間、経済発展が著しいベトナムの日系企業や大学を合同視察する。現地の大学とのパイプを持つ佐賀大が仲介役を果たし、産学連携8 件で企業進出と人材育成の可能性を探る。  視察は、県工業連合会と佐大大学院工学系研究科で設立した「工学系高度人材育成コンソーシアム佐賀」の活動の一環。県貿易協会の会員企業も加わり、東亜工機(鹿島市)や唐津鐵工所、戸上電機製作所(佐賀市)など20社23人と、大学関係者3人が参加する。  産業都市ホーチミンでは、自動車部品製造の丸栄工業(愛知県)や機械製造の協和機工(長崎県)の現地工場を訪問。佐賀大と学術交流のあるベトナム国家大学では、企業進出時の人材確保や日本人の語学研修などで連携の可能性について意見交換する。  県工業連合会のベトナム視察は初めて。参加企業は、労働賃金の低さや勤勉さに関心があり、将来的な工場進出や中国からのシフトを視野に入れている社もあるという。  同会の中村敏郎会長は「円高で国内経済も冷え込む中、生き残るためには外を向く必要もある。ベトナムは中小企業も進出できる可能性を秘めており、佐賀大と連携しながら関係を構築したい」と話す。 "[he-forum 16882] 時事通信2/28 時事通信2012年2月28日19時4分 稲盛財団、阪大に寄付講座=藪中氏らが国際公共政策学  大阪大学(平野俊夫総長)は4月から、稲盛財団(理事長・稲盛和夫京セラ名誉会長)の寄付により、大学院国際公共政策研究科に「グローバルな公共倫理とソーシャル・イノベーション」をテーマとする講座を新設する。藪中三十二前外務事務次官が特任教授に招かれる。  28日に大阪市内で寄付金贈呈式が行われ、稲盛理事長は「専門性のみに特化するのではなく、公共倫理にも配慮した横断的視点を持ちながらリーダーとして学んでほしい」と講座への期待を述べた。藪中氏は「グローバル化が進む中で国際社会で堂々とやっていける人材を育てたい」と抱負を語った。 "[he-forum 16883] 秋田魁新報3/2 秋田魁新報2012年3月2日付 秋田大、「国際資源学部」の新設検討 工学資源、教育文化を改組  秋田大学(吉村昇学長)が、国際的な資源開発や金属資源リサイクル分野の教育、研究に取り組む「国際資源学部」(仮称)の新設を検討していることが、1日分かった。  工学資源学部の資源系学科と教育文化学部の国際系課程を集約して新学部とする構想。工学資源学部の工学・理学系学科は「理工学部」(同)に改組し、計4学部とする。早ければ2014年4月の開設を目指す。学部が新設されれば、1970年の医学部以来となる。  同大は今後、学内組織を立ち上げて新学部設置と工学資源、教育文化両学部の改組の検討を進めるほか、県内の高校や企業に新学部と学部改組への意見を聞くアンケートを実施する予定。 "[he-forum 16884] 読売新聞3/1 読売新聞2012年3月1日付 17国立大病院が医療ネット、外国人患者受け入れ  医療ツーリズムなどで日本の医療が注目される中、全国の国立大学病院が外国人や海外在住の日本人を分担して受け入れる仕組みを作った。九州大病院(福岡市)の提案で昨年12月から始まった「国際医療連携ネットワーク」。相談・申し込みの窓口を九大病院に一本化し、病気や症状の軽重に応じて迅速、適切に割り振るのが狙いで、「患者や病院の負担を減らすために役立てたい」としている。  同ネットワークで患者の受け入れを表明しているのは、九大病院のほか、東京、名古屋、北海道、熊本、大分、鹿児島など計17の国立大学病院。ホームページ(HP)に設けられた相談・申し込みのコーナーに、年齢、国籍、使用言語、病名、相談内容、感染症の有無などを日本語か英語で書き込んで送信すると、事務局を務める九大病院が内容をチェックした上で、得意分野や感染症の拡大リスク、来日の際の交通の便などを考慮し、紹介先を決めるシステムだ。 "[he-forum 16885] 下野新聞3/4 下野新聞2012年3月4日付 さらなる躍進誓う 宇大工学部が50周年記念式典  宇都宮大工学部創立50周年記念式典が3日、宇都宮市の県総合文化センターで開かれ、大学関係者や卒業生、現役学生ら約200人が出席して今後のさらなる躍進を誓った。  1961年に工学部の母体となる国立宇都宮工業短期大が設置され、64年に同部が3学科体制で発足。92年には博士後期課程が設置された。卒業生は約1万9千人に達する。  式典では井本英夫工学部長が「設立時から地元の方々の支援をいただいた。今後も支援をお願いしたい」と式辞を述べた。同大学の進村武男学長は「光学などの特定分野では世界最高水準の研究を進める」とあいさつし、来賓として出席した福田富一知事は「今後も有能な人材を数多く県内、世界に送り出してほしい」と祝辞を述べた。 "[he-forum 16886] 読売新聞3/3 読売新聞2012年3月3日付 東大・早慶など38大学・短大で不正経理  文部科学省は2日、東京大や慶応大、早稲田大など38の大学・短大と2研究機関で、物品を架空発注して業者に代金を預ける「預け金」などの研究費の不正経理が判明したと発表した。  不正総額は調査済みの26機関で計約7858万円。金額はまだ膨らむ見通しだ。  調査は、全国1179の国公私立大・短大、研究機関などが対象。北海道大、東北大など6機関は回答を保留しているという。同省は2007年、研究費の管理・監査の徹底を求めるガイドライン(指針)を策定しており、08年度以降と07年度以前に分けて調査した。  08年度以降については、大阪大や法政大など14機関が不正経理を認めた。調査中の東大などを除く8機関の総額は計約595万円。不正経理を認めた機関は次の通り。  【08年度以降】  北海道教育大、東京大、東京農工大、大阪大、愛媛大、都留文科大、下関市立大、昭和薬科大、東海大、法政大、立教大、関西学院大、高エネルギー加速器研究機構、国立高等専門学校機構  【07年度以前】  北海道教育大、群馬大、東京大、東京農工大、東工大、東京海洋大、札幌医科大、横浜市立大、東京歯科大、慶応大、工学院大、上智大、昭和女子大、昭和薬科大、成蹊大、東京家政大、東京家政学院大、東京慈恵会医科大、東京農大、東邦大、日本女子大、法政大、武蔵野大、立教大、立正大、早稲田大、産業医科大、武蔵丘短大、東京家政大短期大学部、東農大短期大学部、高エネルギー加速器研究機構、国立高等専門学校機構  【年度不明】  宮城教育大、名古屋大 "[he-forum 16887] 山陽新聞3/4 山陽新聞2012年3月4日付 岡山大と中韓の大学が連携へ初会合 世界で活躍する人材育成へ  岡山大など日中韓の3大学が連携し、世界で活躍する人材の育成を目指す「キャンパス・アジア」事業の初会合が3日、岡山市内で開かれた。留学生の増員による交流促進など、各大学が取り組む事業の構想を発表。大学間で単位や学位の取得を認めるシステムの構築や相互理解の推進について意見を出し合った。  文部科学省が2015年度まで、大学の世界展開や高等教育のネットワークづくりを支援する補助事業を活用。岡山大は個別に交流協定を結んでいた中国・吉林大、韓国・成均館大と連携し、人材育成を軸に交流を深める。  会合には3大学の関係者約100人が出席した。岡山大の森田潔学長は「価値観や文化の相違を超え、共通の目的を持つ事業。真の国際化の第一歩となる」とあいさつ。成均館大の金峻永学長、吉林大の呉振武副学長もそれぞれ「共同教育が共同研究に発展し、成果が世界に貢献することを望む」「友好を深め、人材育成や実務協力を発展させたい」と述べた。  岡山大は留学生について、11年度は中韓の両大へ計20人を派遣、計12人を受け入れたが、12年度以降は各約70人に増やす計画。インターネットによる遠隔講義での単位認定と学位取得を含めた共通の教育システムの構築、国際的視野と伝統文化への理解を持った企業や団体の幹部候補、医療関係者の輩出といった事業も構想している。 "[he-forum 16888] 東京新聞3/2 東京新聞2012年3月2日付 <はたらく>低収入で待遇不十分 大学の非常勤講師  「大学の非常勤講師の窮状を知ってほしい」。こんな声が生活部に届いた。大学教育を支えているのに、生活を満足に支えられない収入に甘んじ、厚生年金をはじめ社会保険にも十分に加入できない。授業中の講義室以外に大学に居場所もなく、常に雇い止めの不安を抱える不安定な立場だという。 (稲田雅文)  「学生も先生が週一度のパート労働者だと思っていないと思います。実情を話すわけにもいかない」。関西地方でフランス語やフランス文学を教える非常勤講師の五十代男性は自嘲気味に話す。  男性は関西の公立と私立の三大学で九十分間の授業をそれぞれ一週間に二コマ、計六コマを受け持っている。報酬は一コマ当たり月二万五千円、一回の授業だと六千円を上回る程度。あとは交通費が出るだけだ。年収は二百万円に届かず、上がる見込みもない。  大学には講師控室があるのみ。じっくり作業できる場所はなく、自宅が「研究室」になっている。いつでも学生の質問に答えたいが、授業後に講義室に残って対応するしかない。  一人暮らしに必要な経費を切り詰めて、研究のため必要なフランス語の本を月一万円ほど買うほか、教材にするためフランスのテレビ放送を視聴する経費もかかっている。働くため欠かせないパソコンやネット接続費用などもすべて自腹だ。  国民年金保険料は納めているものの、国民健康保険料は「毎月払ったら生活できない」。過去に借りた奨学金の返済も求められており、話し合いで月五千円ずつ返済している。  専任教員を目指し、募集があれば何度も応募したが採用されなかった。フランス語教員自体の需要が減っており、いつ雇い止めになるかも不安だ。「フランスの文化を普及させようと思う使命感だけが支え。ボランティア活動と思っています」と男性。「まだ自分はまし。今は大学院の定員が増え、若い世代は非常勤講師の口も少なく、警備員や家庭教師などをしてしのいでいる」と語る。  「大学の授業の半分は非常勤講師が支えている。今の賃金では暮らしていけず、労働時間を授業時間の四倍にみなすべきです」と語るのは、首都圏大学非常勤講師組合の志田昇書記長。教員は一回の授業の準備で三時間程度の時間を費やしているほか、試験の採点時間なども必要だが、労働時間として考慮されていないためだ。      ◇  同組合や関西圏大学非常勤講師組合などが実施した二〇〇七年の調査では、事例の男性のような専業の非常勤講師五百七十二人の年収の平均は三百六万円。平均で週九コマ担当している。研究と教育のバランスが取れる適正な数は週五コマとされ、生活のために授業を詰め込んでいる現状が浮かび上がる。  この調査で、専任教員との待遇差も歴然と出ている。常勤の職を得ていて、アルバイトで非常勤講師を担う人の場合、年収の平均は八百七十二万円で、倍以上を稼ぐ。  「一コマ月五万円を」という組合の要求で報酬を上げた大学もある。しかし、深刻なのは、雇われている人が入る被用者保険に入れないことだ。特に厚生年金の場合、現在は一つの職場で週に三十時間程度以上働くことが適用の条件となっているため、複数の大学から報酬を得ている非常勤講師の働き方では、まず加入できない。  志田書記長は「少額の報酬でも事業所に厚生年金の保険料を負担させ、複数の事業所の保険料を合算する仕組みが必要だ」と制度改正を求めている。 "[he-forum 16889] 東京新聞茨城3/3 東京新聞茨城版2012年3月3日付 1年を6区分、5週集中授業も 筑波大が13年度導入  筑波大学(つくば市)が二〇一三年度から全ての学群・大学院で、二学期制の下で一年間を六つの期間に分け、十週や五週で終わる授業を導入することが二日、筑波大への取材で分かった。  筑波大によると、学生が柔軟に授業を選べることで、留学などをしやすくなるメリットがある。筑波大はこの新たな学期制度を経て、東京大学が呼び掛けている秋入学に全面移行することを前向きに検討している。  筑波大は一九七三年の開学以来、一学期十週の三学期制を採用してきた。国内の多くの大学が二学期制であるため、学生や教職員が学外と交流する際に支障があることなどから一三年度から春学期、秋学期とも十五週の二学期制に移行することを決定した。併せて春学期、秋学期をそれぞれ三つの期間に分けて、十五週で終わる授業だけでなく十週や五週の短期集中型の授業も導入することにした。    (松尾博史) "[he-forum 16890] 共同通信3/2 共同通信2012年3月2日17時48分 東大学長、国家試験の時期変更を 秋入学移行で要請  秋入学への移行を検討している東大の浜田純一学長は2日、古川元久国家戦略担当相と内閣府で会談し、医師など国家試験の時期変更や、秋入学移行に伴う費用を国が負担することなどを要請した。  これに対し、古川国家戦略相は「国の仕組みを産業界に先駆けて変えていく検討をしたい」と前向きな姿勢を示した。  浜田学長は会談後に記者団に、計12校の予定で秋入学を話し合う協議会について「他のやりたいところと一緒にできるかどうか、幅広く考えていった方がいい」と述べ、拡大を検討する方針を明らかにした。 "[he-forum 16891] 北國新聞3/5 北國新聞2012年3月5日付 北陸で高度がんプロ 文科省が採択内示  金大、金沢医科大、県立看護大、富大、福井大の5大学が、今年度で終了する北陸がんプロフェッショナル養成プログラムを発展、拡充させ、2012年度から5年計画で「北陸高度がんプロ」事業を新たに開始することになった。過去5年間の事業で構築した三県の大学、がん診療連携拠点病院、患者団体とのネットワークを生かし、がん専門医、看護師などの高度な人材育成やがん情報提供などの地域貢献事業を手厚く展開し、北陸のがん医療向上を目指す。  金沢市文化ホールで4日開催された北陸がんプロ市民公開講座(北國新聞社主催)で、全国がんプロ協議会の松浦成昭会長(阪大大学院教授)が、文部科学省から5大学申請事業採択の内示があったことを明らかにした。  文科省はがんプロ事業の後継となる「がんプロ養成基盤推進プラン」として新年度政府予算案に21億円を計上、北陸など全国15の大学グループに配分する見通しである。  2007年度から始まった北陸がんプロ事業では、大学院教育でeラーニングを使った学習システムやテレビ会議システムなどを構築した。  この5年間で、がん治療認定医が39人から274人、がん看護専門看護師がゼロから6人、がん薬物療法専門医が3人から25人に増え、北陸がんプロ独自の認定医、認定看護師なども大幅に増加した。人材養成の成果とともに、著名人らを招いた市民公開講座などの地域貢献も評価されたとみられる。  「北陸高度がんプロチーム養成基盤形成プラン」と名付けた新年度からの事業では、教育改革、地域貢献、研究者養成を3本柱とし、がんプロに特化した講座の増設、医療リーダー養成へ向けた単位互換制度、休職中の看護職を対象にした復帰プログラムなどを実施する。患者団体との連携をさらに強化し、患者本位の「北陸版モデル」定着を図る。  全国がんプロ協議会の松浦会長は「市民の声、患者の声を反映し、マスコミとも連携した北陸がんプロは、全国でも高い評価を受けており、第2期の事業でも、地域のがん医療充実へ、さらに成果を発揮してほしい」と述べた。 "[he-forum 16892] 日本経済新聞3/2 日本経済新聞2012年3月2日付 大学知財戦略 進む海外連携 阪大や京大、関西TLO  大学の知的財産を海外に売り込もうと、海外の機関と連携する動きが関西で広がっている。大阪大学は米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)と協力する。米国での販売に向けて、保有する特許の価値の評価を受ける。関西の大学の知財を扱う技術移転機関、関西ティー・エル・オー(TLO)はドイツのTLOなど大学を含む海外5機関と連携する。知財が大学の収益の大きな柱になるとみて、海外市場の獲得を目指す。  阪大はUCSD内の事業化支援組織「グローバルコネクト」に阪大の保有する特許について産業化の実現性を見極める査定を依頼した。提示する分野は医療、情報技術、環境エネルギーなど。3月末までに先行してまず2件実施する。 ■技術を事業に  グローバルコネクトはUCSDの研究センターやベンチャー企業などと連携して技術の商業化を支援する組織。技術を事業に育てるノウハウがある。阪大は有望な知財の産業化に向けて支援を受け、国内外にこだわらず技術移転の成功例をつくる狙いだ。  京都大学は米エール大学と事業提携交渉を進めている。新型万能細胞(iPS細胞)関連の技術を軸に、再生医療や創薬などの分野で共同研究のほか、特許の相互利用を進める。9日に京都市内で協議する予定。エール大との提携は、実現すれば国内で初めてとなる。  関西TLOは2月にドイツのミュンヘン大学などのTLO「バイエルン州広域TLO」と提携した。昨年にフィンランドやニュージーランド、ハンガリーの大学とも契約しており、海外5機関と協力する体制を築いた。 ■互いに知財紹介  お互いの知的財産をそれぞれの地元企業に紹介し合う。関西TLOの扱う国内大学の技術を海外に売り込んでライセンス料の獲得を目指す。  関西TLOは京大のほか和歌山大学、京都府立医科大学、奈良県立医科大学、九州大学の計5大学の知財の営業などを請け負う。ライセンス先を探す営業活動だけでなく、大学が特許を出願する前の相談なども受ける。  国内の大学の特許料収入はまだ少ない。文部科学省によると、2010年度の国内大学の特許権実施料収入は前年度から約62%増えたが約14億5千万円にとどまる。京大は2位だが約1億5000万円、阪大は7位で約6000万円だ。  米国では大学が技術移転を積極化した結果、特許料収入は急拡大。スタンフォード大学が遺伝子組み換えの特許のライセンスで200億円以上の収入をあげた例がある。10年の大学の特許料収入は24億ドル(約1900億円)に達するなど大きな収入源になっている。医療、情報技術、環境エネルギーなどでの活用が期待されている。  武田薬品工業の元知財担当役員である知財管理会社、知的財産戦略ネットワーク(東京)の秋元浩社長は「日本の大学は稼ぐのが下手。企業ならば実施料を今の10倍は取れる」という。外部機関を使いこなすことができれば、適正なライセンス料を取れ、収入が大きく拡大する可能性がある。 "[he-forum 16893] 朝日新聞福岡3/6 朝日新聞福岡版2012年3月6日付 九工大が地元復興へ協定  九州工業大学(北九州市戸畑区)と、山口フィナンシャルグループ(山口県下関市)、傘下の北九州、山口、もみじの3銀行は5日、地域産業の振興と発展に寄与するため連携に協力する協定を結んだ。  地域社会や産業界が必要としている技術や研究と大学の研究成果について、銀行側が仲介して情報を交わしたり、出前講座やセミナーを開いたりすることで産学連携を進める。  調印式で、松永守央(もり・お)・九工大学長は「地域貢献の有力な武器になる。地域から日本経済を発展させる意気込みで連携を進めたい」、北九州銀行の加藤敏雄頭取は「これから何をするかが大事。実のある協定にしていきたい」とあいさつした。期間は来年3月末までで、1年ごとに自動更新する。大学と銀行側の情報交換会議を月1回ほど開く。  九工大は2010年に西日本シティ銀行(福岡市)と、昨年は日本政策金融公庫福岡支店や飯塚市などと同種の協力関係を結んでいる。(小浦雅和) "[he-forum 16894] 読売新聞3/5 読売新聞2012年3月5日付 岡大 ミャンマーに診療拠点…医師教育、医療の質向上  東南アジアの発展途上国ミャンマーへの医療支援を続ける岡山大は、同国の医師を指導し、診療拠点ともなる「臨床アカデミー」を現地に設立する構想を明らかにした。養成機関が少なく、人員不足が慢性化している同国の医師に技術や知識を教え、医療水準を引き上げる手助けをする。今後、設置場所や診療科などについて同国保健省と協議し、数年中の着工を目指す。(辻田秀樹)  岡山大の医療支援は、2002年、当時、医学部教授だった岡田茂さん(72)の尽力で同国保健省と協定を結んだことに始まる。岡田さんは、後輩の医師を誘って首都ネピドーや同国最大の都市ヤンゴンを訪れ、医師同士の勉強会や治療指導などを行った。  岡田さんは、父親が第2次世界大戦中、ビルマ(現在のミャンマー)戦線に従軍し、英軍の捕虜となった際、現地の人に食べ物をこっそり分けてもらったという話を聞いて、現地の人に親近感を抱いていたという。  05年に岡山大を退職すると、大学院医歯薬学総合研究科の木股敬裕教授(形成再建外科)が支援活動を引き継いだ。同大学は10年からは手術の支援も始め、形成外科を中心に現地の患者約160人を治療した。  一方、岡田さんもNPO法人「日本・ミャンマー医療人育成支援協会」(岡山市)の理事長として支援を続けた。NPOのメンバーらと何度も現地に行った木股教授によると、同国では、人口10万人当たりの医師数が約30人で、日本の約7分の1。医学部のある大学は4施設だけで、医師不足が慢性的。地方ではやけどをしても治療が受けられないケースも目立ち、やけどによる死者が多いという。  窮状を救いたいとの思いを強める一方で、木股教授は「医療支援だけを続けていても、先細りになる。まずは人づくりだ」と実感。岡山大として医師教育に力を注ぎ、医療の質を向上させる臨床アカデミー設立を目指すことになった。建設資金はNPOがスポンサー企業を募る計画という。  木股教授は「定期的に医師を派遣する制度をつくり、多くの患者を救える仕組みにしたい。ミャンマーとの交流を深め、大学の国際化も進めたい」と話している。 "[he-forum 16895] 山形新聞3/6 山形新聞 2012年03月06日 19:32 山形大重粒子線がん治療施設の準備室長に嘉山氏  山形大が同大医学部(山形市飯田西2丁目)への設置を目指す「重粒子線がん治療施設」について、結城章夫学長は6日の定例会見で、学内に設置準備室を設け、室長に独立行政法人国立がん研究センター理事長の嘉山孝正氏(62)を据えることを明らかにした。  室長就任は4月1日付。嘉山氏は同大で医学部長を務めていた当時から重粒子線がん治療装置の導入を提唱してきた。国立がん研究センター理事長は3月31日で退任することが決まっている。  設置準備室は学長直属の組織とし、5人程度のスタッフを想定。採用する技術や人材の確保、患者の受け入れ、建設費、運転費の見積もりなどについて検討 し、具体的なプランづくりを進める。行政、医療、財界のメンバーを含めた検討会議に関しては、現在人選を進めており、発足は4月以降の見込み。  当面の課題である資金調達について結城学長は「山形の発展と東北の新生のために必要なプロジェクト。協力への理解を得ていきたい」と説明した。  重粒子線がん治療は放射線の一種、重粒子線(炭素線)を体外から患部に照射する治療法。従来のエックス線と比べ、がん細胞に対する破壊力が強く、正常な細胞へのダメージが少ない。導入されれば北海道、東北地方で初となる。 "[he-forum 16896] 北海道新聞3/7 北海道新聞 (03/07 09:20) 職員飲酒運転 「懲戒免は酷」 根室市処分取り消し判決 釧路地裁  【釧路】飲酒運転を理由にした懲戒免職処分は不当として、根室市職員の男性(50)が市に免職処分の取り消しを求めた訴訟で、釧路地裁は6日、男性の訴えを認め市に処分の取り消しを命じる判決を言い渡した。  判決理由で、小西洋裁判長は「(男性の飲酒運転が)重大な違法行為であることに疑いはない」とする一方、「人身事故でなく、飲酒運転については不起訴処分で、(交通)違反点も付いていない。懲戒免職は酷」と述べた。  判決によると、男性は2010年12月9日、職場の忘年会で飲酒後、車を運転して帰宅する途中に、街灯に衝突する事故を起こした。警察の検査で検出されたアルコールは、酒気帯び運転の基準を下回る呼気1リットル中0・1ミリグラムだった。  男性は飲酒運転を理由に同月下旬、懲戒免職となり、11年6月、釧路地裁による懲戒免職処分の執行停止決定を受け復職した。  判決について、根室市の長谷川俊輔市長は「主張が認められなかったことは残念。今後の対応を考えたい」とコメントした。男性の代理人は「物損事故で免職は重すぎた」と話した。  福岡市職員が06年8月に飲酒運転で幼児3人を死亡させた事故の後、多くの自治体が処分基準を厳格化。しかし、その後に処分を受けた職員側が取り消しを 求めて、自治体を訴えて勝訴する例が相次いでいる。最高裁では09年9月以降、兵庫県加西市や神戸市、佐賀県の敗訴が確定し、自治体の処分規定見直しの動 きが広がっている。 "[he-forum 16897] 共同通信 3/7 【共同通信】 2012/03/07 17:14 国家公務員の退職金減額へ 民間を4百万円上回る  人事院は7日、国家公務員の退職手当と共済年金の独自加算を合わせた2010年度の退職給付は2950万3千円 で、民間企業の退職金と企業年金より402万6千円多かったとの調査結果を公表し、総務、財務両相に格差是正を求める見解を文書で提出した。これを受け政 府は、国家公務員の退職手当を引き下げる改正法案を12年度中に国会提出する方針。  一方で人事院の見解では、調査対象の過半数で企業年金があったことから、共済年金への何らかの独自加算を念頭に公務員にも「考慮した対応が必要」と指摘。早期退職の手当割り増し制度の導入も求めた。  06年公表の前回は公務員が民間を下回った。 "[he-forum 16898] 時事通信3/7 時事通信 (2012/03/07-20:31) 国大協、秋入学を議論へ=東大学長「教育改革、加速を」  国立大学協会は7日、東京都内で通常総会を開き、予定していた議事の最後に、会長の浜田純一東京大学長が、秋入学について「入試改革などと連動させ、教 育改革を加速させたい」と述べ、協会として議論することを提案した。反対意見はなく、今後、協会内の委員会で協議する。総会には86校中81校の学長が出 席した。  浜田学長は「秋入学に賛成、反対という単純な図式でなく、総合的な教育改革という大きな視野で、主体的な検討と具体的な取り組みを行っ ていただきたい」と呼び掛けた。これに対し、一橋大の山内進学長は「いろいろな形で議論を重ね、教育改革を進めていくことが大切。議論することは大いに結 構」と述べた。  一方、大阪大の平野俊夫学長は「秋入学という言葉ばかりが独り歩きしているが、入学時期はあくまで手段。重要な教育改革の中身の議論がされなくなることを一番懸念している」と意見を表明した。 "[he-forum 16899] ??3/8"," しんぶん赤旗 2012年3月8日(木) 宇宙は平和のために JAXA法改悪で署名呼び掛け 秋山元飛行士ら  宇宙へのロマンを大切にしたいから、宇宙航空研究開発機構(JAXA)法からの「平和目的」規定削除に反対します―。日本人初の宇宙飛行士で ジャーナリストの秋山豊寛・ "[he-forum 16900] 読売新聞3/8 読売新聞 2012年3月8日 東大の秋入学、京大学長が距離「まず教育の質」  全国の国立大学が加盟する国立大学協会(会長・浜田純一東京大学長)の総会が7日、都内で開かれ、東大が進める秋入学構想について慎重な意見が相次いだ。  総会では、浜田会長が秋入学について「グローバル化に対応できる人材育成や、社会システムの改革を求めるものだ」と理解を求めた。これに対し、松 本紘・京都大学長が「入学時期の問題は国際化の要素の一つでしかない。大学教育の質や入試改革を優先的に考えるべきだ」と述べたほか、大阪大や一橋大の学 長からも距離を置く発言が相次いだ。 "[he-forum 16901] ?V3/8"," 読売新聞 2012年3月8日 大学生に勉強させよ…対策の大学に財政優遇案  大学生の勉強時間を増やせ――。  中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の大学分科会大学教育部会は7日、学生の勉強時間 "[he-forum 16902] {CV3/7"," 日本海新聞 2012年03月07日 注目集める環境大「英語村」 グローバル化に対応  4月に公立大学となる鳥取環境大学(鳥取市若葉台北1丁目)に「英語村(多文化交流空間)」が新たに設置される。グローバル社会に対応するための 実践的な英語力 "[he-forum 16903] ?V3/7"," 伊勢新聞 2012/3/7(水) 「世界一の環境先進大学に」 三重大「環境・情報科学館」来月開館 【津】環境教育や地域交流の拠点として期待される三重大学の「環境・情 "[he-forum 16904] {CV3/6"," 日本海新聞 2012年03月06日 学科や講義新設 「まんが王国」平井知事方針  「まんが王国とっとり」の展望について、鳥取県の平井伸治知事は5日の2月定例議会 "[he-forum 16905] 読売新聞3/9 読売新聞 2012年3月9日 新潟大元副学長、名誉毀損で大学訴える  新潟大学(下條文武学長)の先端医療機器購入を巡る問題で、講義と学生指導の職務を停止された元副学長の永山庸男教授(56)が新潟大を相手取り、事実に基づかない刑事告訴で名誉を毀損 きそん されたなどとして1100万円の損害賠償を求める訴訟を新潟地裁に起こしたことが7日、わかった。  この問題を巡っては、契約は有効と主張する中堅ゼネコン「安藤建設」(東京都港区)が昨年6月、新潟大を相手取り、立て替え金など約19億円の支払いを求めて東京地裁に提訴。永山教授は同社の利害関係者として補助参加しており、今回の提訴で全面対決の構図が固まった。  訴状によると、永山教授はこの問題を受け、昨年4月22日付の書面で講義と学生指導の地位を停止され、同5月、有印公文書偽造・同行使の疑いで東 京地検に刑事告訴された。永山教授側は「告訴はぬれぎぬ」「教育研究者としての専門的な能力を著しく制約された」などと指摘。「精神的にも重大な損害を 被った」として1100万円の賠償を求めた。  新潟大は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。  一方、永山教授が新潟大を相手取り、以前と同様に教育活動ができるよう地位保全を申し立てた仮処分の審尋が7日、新潟地裁で行われた。永山教授側 は、「給料を支払っており不利益は生じていない」という新潟大に対する反論を14日までに提出し、同地裁で今月中に決定が出される見通し。 "[he-forum 16906] 朝日新聞3/8 朝日新聞 3/8 山上浩二郎の大学取れたて便 教育の質向上は学修時間の増加から 中教審大学教育部会 中教審大学教育部会に提出された資料「学士課程教育の質的転換への好循環の確立」で示されたイメージ図。「先の見えない今の時代を生きる若者や学生が『生涯学び続け、どんな環境でも勝負できる能力』をやしない、技術や技能を身に付けることができる大学へ」とうたっている  これまで何度かこのコラムで取り上げた中央教育審議会大学教育部会の報告素案が3月7日の会議に提出された。大きな柱は「大学教育の質を上げるには、まず学修時間を増やして学生の主体的な学びを確立すること」となった。  最初に言葉の問題から。「学修」は知識や技能を学び修める(身につける)こと、「学習」は学び習うこと、と複数の辞書にある。要するに身につけるかどうかが「学修」と「学習」の分かれ目のようだ。この回では中教審にならって学修という言葉を使いたい。 ■時間増で「主体的学び」促す  素案では、これまで紹介してきたように米国と比べて日本の学生の学修時間がかなり少ないことが指摘された。卒業要件となっている単位から想定された学修 時間が1日8時間程度なのに対して「実際には4.6時間とのデータもある」と記述。さらに「授業計画(シラバス)をつくっている大学は約96%だが、予習 などの具体的な準備学修内容を示しているのは36%、標準学修時間の目安を示しているのは7%」と学生に対する授業計画が充実していないことも書き込まれ た。  この現実認識をもとに、素案は大学の教育改革の柱として学修時間を中心にすえた。量はもちろん、学生が自主的に予習・復習をする「主体的な学び」の確立 を目標とした。同時に、学修時間の増加・確保を「カリキュラム全体でどんな能力を育てようとしているか」「各科目がどう連携・関係しているか」「主体的な 学びを引き出す効果的な教育方法や成績評価とは」「教員にはどんな教育力が必要か」「カリキュラム編成・改善を全学的観点から行えるマネジメントとは何 か」といったもろもろの課題の解決、教育の質的転換への始点として位置づけた。  そのためには実態把握が必要だ。素案では関係機関が学生の学修時間を把握したり、大学の優れた取り組みを紹介したりすることなどを求め、その取り組みを資源(予算など)配分の参考資料とするよう提案している。 ■制度化への道は不透明  これらを受けた具体策として、素案では授業科目のナンバリング、ティーチング・アシスタントなど学修支援環境の充実を挙げた。また、学生の学修成果の把 握としてアセスメントテスト、学修行動調査などの活用を例示。さらに、大学としての成果を情報発信し他大学と比較できるよう「大学ポートレート」(仮称) の早期整備も強調した。  総じて今回の素案は、これまでの議論をもとに、学修時間を軸にしながら教育を向上させる取り組みを進めようという切り口になっている。しかし、いい取り 組みをした大学に予算をつけることで改革への誘導をねらっているのは窺えるが、どの程度制度として進めるのかはまだわからない。どちらかといえば、大学へ のメッセージという色彩が強い。  素案は3月末に正式報告となる。学修時間を増やすにしても、学生や教員、カリキュラム体系の調査を大学自身が実施することが必要になるうえ、その有効性の検証も同時にしていかなければならない。学修時間を軸とする教育改革は緒に就いたばかりだ。 "[he-forum 16907] 産經新聞3/7 産經新聞 2012.3.7 22:41 重点6校「改善進まず」 中教審の法科大学院特別委  中教審の法科大学院特別委員会は7日、教育内容などについて昨年までに重点的に改善を求めた法科大学院13校のうち、6校について「改善の取り組みが進んでいない」とする調査報告を了承した。  「取り組みを相当実施した」と評価したのは東洋大と静岡大だけで、鹿児島大など5校は「一定程度実施した」と評価した。  桐蔭横浜大と統合する大宮法科大学院大を除き、昨年「継続的な改善」を求めた14校のうち「改善の取り組みを相当実施」したと認定したのは2校、「一定程度実施」としたのは6校。今回新たに駒沢大、広島修道大、西南学院大、福岡大の4校にも継続的な改善を求めた。  一方、特別委は法科大学院の志願者に課す適性試験の総受験者の下位から15%を基本に、各校が入学最低基準点を設定すべきだと確認した。 "[he-forum 16908] キャリアブレインニュース3/10 キャリアブレインニュース2012年3月10日付 国立大病院、ネットワーク構築で機能強化を- 国立大病院長会議が将来像  国立大学附属病院長会議は9日、国立大学附属病院の間でネットワークを構築して、機能強化を目指すべきだとする将来像を公表した。臨床技術の訓練施設や、先端医療の開発設備などを共有・共同利用することで、医療レベルの地域格差を是正したり、臨床教育を充実させたりすることが狙いだ。  将来像では、国立大学附属病院のミッションに、▽教育▽診療▽研究▽社会・地域貢献▽国際化―の5つを掲げた。その上で、管理・運営システムの改革を課題に挙げ、病院間のネットワーク構築による機能強化が必要だと提言している。  ネットワークを構築すべき分野としては、臨床技術の訓練施設と、先端医療開発・臨床研究の支援機能を例示した。研修施設や研究設備などをネットワーク内で共有・共同利用することで、予算を集中的に配分でき、投資効果の飛躍的な向上が期待できるとしている。  同会議が将来像を策定・公表したのは、国立大学の独立行政法人化による経営圧力の増大や、東アジア諸国の医療技術向上など、国立大学附属病院を取り巻く環境の変化に対応するには、「一時的な状況の変化に左右されない自律的な改革の規範となる将来像を策定し、広く社会に宣言することが重要」と判断したため。「グランドデザイン委員会」をつくり、2年近くにわたって審議・検討を重ねたという。 "[he-forum 16909] 日本経済新聞3/7 日本経済新聞2012年3月7日付 大学院改革、修士論文は本当に不要か 有信睦弘×水月昭道×古市憲寿  文部科学省は来年度から、博士課程に進む大学院生には修士論文を不要とする制度改正を実施する。大学院の早い段階から研究テーマを絞り込むのを防ぎ、広い視野を持つ人材を育てるのが狙いで、論文の代わりに筆記試験を課す。  修士論文は不要なのか。改革によって博士の就職難は解決するのか。改革案をとりまとめた中央教育審議会大学院部会の有信睦弘部会長(東京大学監事、64)、近年の大学院改革を鋭く批判した著書『高学歴ワーキングプア』などで知られる水月昭道氏(44)、現役の大学院生で社会学者の古市憲寿氏(27)にそれぞれ尋ねた。 ■有信氏「研究室の外でも通用する知見必要」  今回の制度改正では、博士課程に進む大学院生に対し、修士論文の代わりに「博士課程研究基礎力試験(Qualifying Examination、QE)」を課す。QEでは専攻分野のみならず関連分野の専門的知識を筆記試験などで評価する。なぜ修士論文は不要なのか。有信氏は「必ずしも論文が悪いわけではないが、論文だけだと視野が狭くなるケースが出てくる」と説明する。  「多くの大学院では入学時点で学生が専攻する専門分野や研究室が決まっており、早い段階で学生の研究テーマが絞り込まれている。そこから論文に向かっていくと、狭い興味に縛られた人材となりかねない」  「確かに論文執筆の際も、幅広い知識が求められることがある。教員の論文指導がしっかりしている研究室だと、論文だけで十分効果が上げられるだろう。しかし、現状は必ずしもそうではない。ほとんど学生任せで指導が行き届かないケースは多い」  「特に理系、中でも遺伝子などライフサイエンスの分野では、極めて狭い分野に特化した研究が行われている。これは国の方針で莫大な研究費を投入してきたことが影響している。こうした研究室では、学生は教授の研究のための研究を行うことが多い。しかしその研究は他の分野に応用が利かず、研究室の外ではあまり役に立たない。就職できるとしてもせいぜい創薬業界くらいだ」  「本来は国が研究施設を作って人材を吸収すべきだと思うが、できていないのが現状だ。彼らのような人材がもっと幅広い知識を習得し、研究室の外でも力を発揮できるようにする。それが今回の改革の狙いだ」  「QEの導入は強制ではなく、手を挙げた大学院でまず実施していく。当面は理系が中心となるだろう。細かい仕組みはそれぞれの大学で決めていくことになる。QEの導入を契機に、修士課程においてより幅広い知識を習得できるようなカリキュラムへと変わっていけば、修士号を得て就職していく人材の底上げにもつながると期待している」 ■水月氏「博士の就職難は政策に責任、救済を」  こうした改革について、博士の厳しい就職事情や生活実態をつづった著書『高学歴ワーキングプア』『ホームレス博士』などで知られる水月昭道氏は厳しい見方を示す。「今回の改革は、方向性が間違っていたこれまでの改革の延長線上にある。博士が社会で受け入れられないのは視野が狭いから、能力が低いからなど、問題をすべて学生の責任とする認識はおかしい」  「そもそも出口を整備せずに博士を大量生産してきたこれまでの『大学院改革』にこそ問題がある。既に生み出された博士を社会にどう生かしていくか、の議論が先だ」と主張する。  「文部科学省は1990年代、『大学院重点化』という旗印の下、大学院の定員増を奨励した。研究者だけでなく、企業など社会で幅広く活躍する人材を育てるのが目的だった。大学院の在籍者数はこの20年間で3倍以上に増えた」  「一方で、大量に生まれた博士は就職難にあえいでいる。文科省の調査では、2009年度に博士課程を修了した者のうち大学や企業などに就職できたのは60%。人文科学系に至っては38%しか就職できていない。博士取得後、大学などで任期付きで勤めている『ポストドクター』は不安定な立場と低収入で困窮している。任期後の就職もきわめて厳しい状況だ」  「不況と重なったこともあるが、本来博士を収容すべき大学でポストが増えなかったことが主因だ。教員の定年が延長されたことで、さらにポストが空きにくくなった」  「企業は日本型の雇用システムの中で、賃金が高くなりがちな博士を受け入れない。いまだに『博士は使いにくい』などの誤解もある。理系ならまだしも、文系はひどい状況だ」  「理系にしても、研究室の現場では博士が安い労働力として使われている。日本を代表するような研究室であっても、非正規雇用の博士が100人以上チームを組み、身分の保障もないまま研究を続けている。彼らの中には30代半ばを超えた人も多く、もはや研究室の外での就職は厳しい状況だ。しかし彼らこそが、日本の先端研究を支えている。こうした博士号取得者の待遇改善が何より先ではないか」 ■古市氏「学生は多様化、カリキュラムに問題」  現役の大学院生はこうした議論をどう感じているのだろう。『絶望の国の幸福な若者たち』などの著書で注目されている東京大学大学院の古市憲寿氏は「大学院のカリキュラムに問題があるのではないか」と指摘する。  「大学院生の数だけを増やしてカリキュラムがそのままならば、相対的に質が低い博士が生まれてしまうのはある意味当然ではある。博士課程に進むのがごく一部の学生だった時代から、あまりカリキュラムが変わっていない大学院もある」  「たとえば自分の所属する文系では、取得単位も少なく、論文に関してもほとんど学生に任されている。自主的にできる人はいいが、そうではない人は貴重な時間を無駄にしてしまう。ごく一部の優秀な学生を集めることを前提としたカリキュラムでは対応できなくなっている」  「そもそも大学院の研究にとじ込めてしまう仕組み自体が時代に合わないのではないか。修士課程でも博士課程でも、途中で社会に出て戻ってこられるようにするとか、企業との人材交流や共同研究をもっと進めるとか、柔軟な仕組みの方がいいと思う」  「今回導入するQEについては、チームでの研究が多い理系と、個人プレーの文系とでは事情が違うのではないか。理系により適した仕組みのように思える」 ■有信氏「大学院には品質保証が必要、大学と教員の意識改革を」  一連の大学院改革について、有信氏は「これまで進めてきたものも含めて、大学、学生、世間の人々になかなか真意が伝わっていない」と嘆く。  「日本は欧米と比べて、まだまだ博士号取得者が少ない。産業界でも官僚の世界でも、世界と交渉するなかで『マスター(修士)』か『ドクター(博士)』かで交渉力が大きく変わってくる。外国企業を買収すると、ドクターが多いことに驚く。日本では大学教員でさえ、博士号を取得していないことが多い」  「日本は人口が減り、少子高齢化が進む中で、1人当たり国内総生産(GDP)は伸び悩んでいる。このままでは生活を支えるインフラが劣化していく。これからはイノベーションを起こす人材が必要。その担い手こそが博士だ」  「ただ、問題なのは大学や大学教員の意識が変わっていないこと。昔は大学に至るまでの教育がしっかりしていて、大学はその上にあった。だから大学や大学院では学生にある程度の自由を認めても大丈夫だった。しかし初等教育はかなりがたついてしまった。大学もレベルが落ちた。その結果、未消化なまま大学院に進学する学生が増えた」  「一方で教員は研究に対する評価が厳しくなり、教育に向ける余裕がなくなってきた。特に理系では学生は労働力とみなされ、学生もまじめだから言われたことのみ忠実にこなした。鍛えられ方が違う学生をいきなり研究室に放り込んで狭い分野のみ研究させ、スキルが身につかないまま社会に放り出す。こうした現状を是正しようとの問題意識が、一連の改革の背景にある」  「大学院改革を進める中で知って驚いたのは、大学院入学者の選抜についての規定がないこと。大学の場合は『大学設置基準』の中に『入学者の選抜は、公正かつ妥当な方法により、適当な体制を整えて行うものとする』という規定がある。『大学院設置基準』にはこうした規定がなかった」  「今回、QEの導入とともに、選抜規定を新たに設けた。私は長く一般企業(東芝)に勤めていたが、企業ではこんなことはあり得ない。入り口も出口もしっかりしていないこれまでの大学院から、学位取得者のレベルを保証できるような大学院へと変わらなければいけない」 ■水月氏「博士を活用する仕組みが必要」  一方、水月氏は「博士が増えたこと自体は悪いことではない。しかし、だからといって大学院を就職予備校のように位置づけるのはどうか」と指摘する。「すぐに社会に役に立つことだけがいい研究ではない。何に役立つかわからなくても、年月を経て光が当たる研究もある。基礎研究がまさにそうで、社会科学系の研究もそうしたものが多い。多様な研究の積み重ねのなかで、日本社会は厚みを増していく」  「博士は日本の財産。せっかく多額の税金を投入して生み出したのだから、社会の中での活用法を考えるべきだ。残念ながら、民間には博士を受け入れる土壌が乏しいのが現状なので、まずは公的な支援が必要だ。学校法人の理事に一定割合の博士号取得者を義務付けるとか、中学や高校の教育現場での活用などが考えられる。社会の中で目に見える形で博士が増えてくれば、博士に対する見方、たとえば『視野が狭い』などの偏見も払拭されていくだろう」 ■古市氏「学生は院に閉じこもらず自己防衛を」  大量に生まれた博士について、古市氏も「もったいない」と漏らす。「米国では博士は企業などで活躍している。欧州では国の研究機関などで吸収している。それに比べて日本は活躍の場が少ない」  一方で「文系については、大学院進学にはもともとリスクが伴うもの。自己防衛も必要なのではないか」とも指摘する。  「1つの研究テーマを突き詰めるのも大事だが、今の時代、それだけではだめだと思う。大学院生に限ったことではないが、1つの仕事しかできないことは、大きなリスクになっている。制度が柔軟になることも必要だが、自分自身が柔軟になることが時代を生き抜く上で求められている」  「そもそも文系の大学院では、大学院でしか学べないことは実は少ない。一部の専門性の高い分野を除けば、大学院の外でも十分学ぶことができる。だからこそ、積極的に外に出る機会をつくって、社会とかかわった方がいいと思う。僕も友人が起業した会社に入ることが決まっていなかったら、大学院に進もうとは思わなかった」 ◇ 有信睦弘(ありのぶ・むつひろ) 1947年生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。76年東京芝浦電気(現・東芝)入社。研究開発センター所長などを経て2008年から顧問。2010年、東京大学監事。中央教育審議会大学院部会の部会長を務める。 水月昭道(みづき・しょうどう) 1967年生まれ。大学中退後、バイク便ライダー等を経て長崎総合科学大学卒。九州大学大学院博士課程修了。人間環境学博士。『高学歴ワーキングプア』で話題を集める。近著に『他力本願のすすめ』。学校法人筑紫女学園勤務。浄土真宗本願寺派の僧侶でもある。 古市憲寿(ふるいち・のりとし) 1985年生まれ。慶応義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。慶応義塾大学SFC研究所訪問研究員(上席)。友人が起業した有限会社ゼントではIT戦略立案などに関わる。主な著書に『希望難民ご一行様』『絶望の国の幸福な若者たち』 ◇  文科省は2009年、それまでの方針を転換し、国立大学に対して大学院博士課程の定員削減を求める通知を出した。一連の対応は、「大学院重点化」が人材育成のビジョンも環境整備もないまま進められたことを示唆している。  今回の改革は、博士の底上げが狙いだ。しかし実際には博士課程に進まず就職する大学院生は多い。こうした人材の底上げをどう図るか。海外の例も踏まえた修士課程の抜本的な見直しなど、さらなる制度改革が不可欠だろう。(電子報道部 河尻定) "[he-forum 16910] ?kV3/12"," 河北新報 2012年03月12日月曜日 研究、内外で連携強化 東北大が震災1年報告会 東北大の研究者7人が震災の研究成果や課題を述べた報告会  東北大の研究者が東日本大震災に関する研究成果や今後の取り組みを発表する「東日本大震災1年後報告会-国際減災研究協力の体制構築に向 "[he-forum 16911] 日本経済新聞3/8 日本経済新聞2012年3月8日付 重点6校「改善進まず」 中教審の法科大学院特別委  中教審の法科大学院特別委員会は7日、教育内容などについて昨年までに重点的に改善を求めた法科大学院13校のうち、6校について「改善の取り組みが進んでいない」とする調査報告を了承した。  「取り組みを相当実施した」と評価したのは東洋大と静岡大だけで、鹿児島大など5校は「一定程度実施した」と評価した。  桐蔭横浜大と統合する大宮法科大学院大を除き、昨年「継続的な改善」を求めた14校のうち「改善の取り組みを相当実施」したと認定したのは2校、「一定程度実施」としたのは6校。今回新たに駒沢大、広島修道大、西南学院大、福岡大の4校にも継続的な改善を求めた。  一方、特別委は法科大学院の志願者に課す適性試験の総受験者の下位から15%を基本に、各校が入学最低基準点を設定すべきだと確認した。 "[he-forum 16912] 朝日新聞愛知3/10 朝日新聞愛知版2012年3月10日付 省エネ+エコ 学生寮が完成 愛教大  刈谷市の愛知教育大学の構内に新しい学生寮(女子棟)が完成し、9日、関係者が出席して披露式典があった。二酸化炭素の排出量削減や環境負荷の低減を実現するため、LED照明や複層ガラス、外断熱を採用するなど省エネと環境面に配慮した。  同大では6棟目の学生寮になり、鉄筋コンクリート4階建てで延べ床面積は約770平方メートル。総事業費は約1億6千万円。車いす利用者用1室を含む計32室で、1~4年生と外国人留学生が生活する。  各部屋の広さは約14平方メートルで、ユニットバス、トイレ、キッチン、エアコン、クローゼットなどを完備し、寮生活の利便性を確保した。各階には洗濯機と衣類乾燥機、ホールもある。  寄宿料と共益費、光熱水道料などで月1万9500円。今後は、古くなった既存の学生寮の改修にも取り組むという。(松永佳伸) "[he-forum 16913] J-CASTニュース3/12 J-CASTニュース 2012/3/12 12:23 大学の国際化、最も進んでいるのは同志社大学 文部科学省は2012年3月9日、大学の国際化を推進する「大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業」に選ばれた13大学について、09年度から10年度末までの取組状況の中間評価を発表した。 「優れた取組状況であり、事業目的の達成が見込まれる」という最高ランクの「S」は同志社大学のみが獲得した。東京大学など10大学がこれに次ぐ「A」で、慶應義塾大学、上智大学は「より一層の改善と努力が必要と判断される」という「B」にとどまった。 同志社大学は「国際化戦略特別経費」の確保など大学全体として戦略的に国際化を推進している。10年度の留学生受け入れ数は目標値を35%上 回り、米国からの留学生が28%を占めるなど、アジアに偏らない留学生受け入れを実現しているほか、外国人教員の採用数も目標値を上回っていることなどが 評価された。 "[he-forum 16914] Aさんのメッセージ 神沼公三郎(北大)です  私はさる2月25日、he-forumに「一人の女性、北大と法的争い、事実上の勝 利」(he-forum 16876)を投稿して、Aさんの裁判闘争を紹介しました。  このたび、そのAさんがhe-forum用に下記のメッセージを寄せたので、ここに 紹介いたします。 (Aさんのメッセージ)******************************************   北大の怠慢が招いた離職票交付遅延による   損害賠償請求裁判を起こして  私は、2010年9月30日、北大を相手取り札幌地裁に損害賠償を請求し、 2012年2月17日に実質勝訴の内容で和解が成立いたしました。この件に 関し、少しでも皆様のお役に立てればと思い、ここに全大教のhe-forumをお 借りする次第です。以下に経緯をご報告させていただきます。長くなりますが、 お付き合いくださいますと幸いです。  私は2010年3月末日までの6年間、北海道大学(北大)の研究機関に技 術補佐員(フルタイム勤務の非正規雇用職員)として勤務しておりました。実 際の勤務内容は研究職でした。北大の非正規雇用職員は基本的に3年期限 ですが、私はいわゆる外部資金で雇用されていたので、3年を越えて雇用さ れました。しかし、それでも北大は雇用期限にこだわり、6年が過ぎるとき、正 当な理由もなく一方的に雇い止めを通告してきました。  もちろん私は北大に在職中から北大での更なる継続勤務を希望しておりまし たが、以上のような経過で2010年4月1日から失業しました。そこで、やむな く次の就職先を探すために北大からの離職票を待ちましたが、早々に届くはず の離職票が、北大からは一向に届きませんでした。私は失業生活に不安を感 じ、失業給付の手続きも行えないまま求職活動を行った結果、離職票が届くよ りも先に現在の会社に就職が決まり、同年5月11日より就業しました。  結局、北大から離職票が届いたのは、私が現職に勤務を開始した翌日の 2010年5月12日でした。退職日から何と40日以上も経ってから離職票を受 け取ることになり、そのため私はこの間の失業保険を北大によって全額、不当 に奪われました。  このような北大の詐欺同然の行為を到底許すことができず、北大在職時の所 属部局の担当係長に、なぜこのような事態が起きたのか説明を求めたところ、 係長はメールでの経過報告に終始するのみで、私に対する謝罪はおろか、「ハ ローワークの責任にできないのか」などとハローワークに責任転嫁する言葉を並 べ、あろうことか「(君は)若いから給付金の額も少ないだろう(従って、給付金を 得てもそれほどの金額にはならないだろうから、まあ我慢したまえ、という意味 合い)」などと言い放つ無責任さでした。私は係長のこれらの言葉に憤慨し、北 大教職員組合(北大職組)に相談しました。  北大職組の尽力により、北大事務局人事課の課長補佐と示談交渉する機会が できたのですが、しかし北大から提示された額は、私に本来給付される額のおよ そ半額に過ぎず、さらに、「提示額に納得がいかなければボランティアの調整員 など第3者を交えて、我々(北大人事課のこと)の主張も取り入れた交渉をしたい」 などと、北大側のミスであることを棚にあげ、極めて傲慢な態度で私に“宣戦布告” するありさまでした。  私は、この一件に関わる北大のすべての担当者が示した無自覚さと、無責任か つ無定見な態度に憤慨し、佐藤博文弁護士・中島哲弁護士をはじめとする北海道 合同法律事務所の弁護士の先生たちに相談しました。そして、北大の脅迫めいた 宣戦布告に応じる為に、2010年9月30日に札幌地裁へ提訴しました。  地裁での裁判を通じて知ることのできた北大の主張は、実に驚くべきものでした。 離職票の交付が遅れた理由は、3月末は退職者が非常に多く、しかも北大の担当 事務員も異動して事務作業が遅滞した、不可抗力であるという趣旨の主張を平然 と述べて、自らの責任を頑なに否認するのです。こうした愚かさに、これが日本の最 高学府なのかと愕然としました。自らの怠慢について何らの羞恥心を持たず、しかし 非正規職員を1500人以上も抱える事業所と知り、もはや北大自身による自戒は 全く期待できません。そこで私は、裁判の進行過程で司法による北大への厳罰を 訴え続けました。  双方の主張は並行したまま、翌年の2011年6月30日に札幌地裁の田辺麻里子 裁判官によって判決が出されました。しかし、予想に反して私の主張は完全棄却され、 敗訴しました。まさに青天の霹靂で、あまりに信じ難く、北大の怠慢さに勝るとも劣ら ない拙悪な判決でした。  棄却理由は、やむを得ない理由により事業所(北大のこと)から離職票の交付がな されない場合、失業者はハローワークに離職票を請求し、入手することができると、 雇用保険法の失業者への救済措置を、あろうことか裁判官が北大に全面的に肩入 れする解釈にすり替えたのです。まさしく不当と呼ぶに相応しい判決内容でした。  この判決を失業者の側から見ると、悪質な事業所が失業者に対するハラスメントと して離職票の交付を意図的に遅らせ、失業者が離職票を入手することができなくても、 それはすべてハローワークに離職票を請求しない失業者の自己責任である、というこ とになります。これは、失業者にとって最悪の判決です。私の裁判の結果、多くの失 業者に不利益を与えることになるので、判決に対する怒りと同時に危機感を覚え、即 刻、札幌高裁へ控訴しました。  2011年12月7日の控訴審第1回期日では、その冒頭に札幌高裁の小林裁判長 から和解勧告が出されました。高裁の裁判は裁判官が3人ですが、そのうち和解交 渉を担当した片岡裁判官に、北大に対する私のすべての怒りを述べました。たとえ和 解が不調に終わって高裁の判決を求める事態に至っても、地裁と同じ判決を高裁が 出すことのないようにと、私の気持ちを片岡裁判官に率直にぶつけたのです。  その後、2012年2月17日の第3回期日で北大が全面的に非を認め、かつ再発防 止に努めると約束した和解案を提案したので、私は佐藤博文弁護士・中島哲弁護士 らと相談して和解に応じることにして、裁判は終結しました。  和解という終結に賛否両論の意見を頂戴していますが、私自身は納得しています。 この一件が発生した2010年春から裁判の一審終結まで、北大は自らの責任を認め ることを頑なに拒み、責任転嫁を繰り返していましたが、二審になって初めて自らの責 任を認めたのです。これは、今後、北大が自らを変革していく第一歩だと思います。  また、判決を求めると、たとえ勝訴しても、北大が私に対して再発防止を約束する結 論を得ることはできないようですが、和解であるために、北大が今後、退職者に対して 適正に対処すると私に約束することになりました。そのため、今後の退職者の負担を わずかながら軽減できたのではないかと思っています。  更にこの和解によって、事業所の怠慢が地裁判決の主張するやむを得ない事情には 該当しないことも証明できたと感じています。このような事から、勝訴ではありませ んが、 内容的には完全に勝利できたと受け止めております。  しかし、これで北大における非正規雇用問題のすべてが解決したわけではなく、むし ろ裁判を通じて北大のずさんな実態を改めて痛感し、今後も継続的な是正活動が必要 だと再認識しております。また、北大の例は氷山の一角でしかなく、北大のように怠慢 な機関は無数にあるのかもしれません。しかし、個人や弱者の権利を軽んじ、侵害する ような組織に対して、その権力の大きさに関わらず、労働者は権利を強く主張していく べきだと、裁判を終えて改めて実感しています。  私は、幸運にもこれ以上ないほど強力な弁護団の先生がたと、北大職組を始めとする 支援者から、解決に向けた尽力をいただいた結果、比較的早期の終結となりましたが、 私個人では決して戦いきれるものではなかったと自認しています。多くの方々に支えら れたからこその結果であり、共有できる勝利に本当に心から感謝しております。  今後、北大が健全な事業所へと変革される為に、裁判の結果が皆様に活かされ続け ていく事を心から願っています。また、同じ組織や異なる組織で同様の被害を受けてい る方または受けた方に、この裁判が少しでも手助けになれば幸いです。 ******************************************************************* "[he-forum 16915] 朝日新聞3/12 朝日新聞2012年3月12日付 文理超え学ぶ大学院 5年一貫、京大・慶大など導入へ  京都、大阪、慶応の3大学が、文理統合型の新たな大学院プログラムを導入する。理系の学生にも哲学や宗教を学んでもらい、環境・資源、高齢社会など、一つの学問領域だけでは解決が難しい課題に対処できる人材を育てる。いずれも一学年20人程度とし、修士・博士課程の5年一貫教育を計画している。  文部科学省が、大学院教育の抜本改革を支援する「博士課程教育リーディングプログラム事業」の一つ。3校の計画が採択され、阪大、慶大が2012年4月から開設し、京大は13年度にも新たな大学院を設ける準備を進めている。  学生は、既存の各研究科への入学予定者から選抜する。履修者には、専門分野での博士課程とプログラムのふたつの修了が認定される。学生には生活費として月約20万円が支給される。  阪大では、工学など理系の学生にも「法と正義」や「宗教」を教える。経済界や政界で活躍する将来のリーダーを育てるのがねらいだ。「超成熟社会発展のサイエンス」をテーマとする慶大では、理工、医療、政策、社会科学の融合により新産業の創出を目指す。京大は学生が日夜議論ができる全寮制の大学院「思修館」を新設する。  また、3大学とも、企業や自治体、研究機関、国際機関、海外の大学などと連携を図り、講師の派遣、長期インターンシップの受け入れ態勢を構築するという。外国語による説明能力の向上にも力を入れる。  今回のプログラム開設には、大学進学率が50%を超える一方、博士号の取得者数は近年、低迷している事情がある。限られた分野のエキスパートだけではなく、広く社会で活躍できる人材を育てることで、大学院としての魅力を高めるねらいだ。これまでは、修士と博士課程の区分性も強く、一貫性に欠けるという問題意識もあった。  経済のグローバル化が進む中で、産業界からも「国際的に活躍できる優れた人材の育成システムが必要」という要請が強まっていた。(編集委員・多賀谷克彦) "[he-forum 16916] 読売新聞3/13 読売新聞2013年3月13日付 被災地、国立大の人気維持…福島の私大は苦境に  大学入試シーズンも終盤。東日本大震災で被災した受験生たちは、全国の大学が用意した学費支援を積極的に利用して進路を決めている。  ただ、被災3県の国立大は人気を維持したが、福島県の私立大は原発事故を懸念した受験生の減少が著しく、苦境に立っている。  「避難所で子供たちの面倒を見て、『やっぱり小学校の先生になりたい』と強く思うようになりました」  宮城県立石巻高校3年女子(18)はそう語る。石巻市内の自宅は津波で全壊した。両親からは「心配せず、大学に進学しなさい」と励まされたが、やはり負担はかけたくない。そんな中、東北福祉大(仙台市)が自宅全壊の受験生は入学金と初年度の授業料を全額免除すると知り、目の前が開けた気がした。昨年12月、推薦入試に合格。「支援に後押しされた。大学でいろんなことを学びたい」と新生活に胸を躍らせる。  大手予備校・河合塾の調査では、全国203大学が、被災した受験生向けに学費減免措置を用意。河合塾は「被災地の高校では、支援をきっかけに推薦入試などで早めに合格をもらおうとする傾向も出た」とする。  被災地の大学への志願動向は変動した。東北大の2次試験志願者は、九州地方など西日本からの受験生が減り前年比5%減となったが、宮城県内の志願者は50人増の1152人と人気を集めた。福島大は全受験生の受験料を免除し、2次試験出願者が22%も増加しており、国立大の人気は堅調だ。 "[he-forum 16917] 宇部日報2012年3月13日IU 山大工学部が新奨学金  山口大工学部(堀憲次工学部長)は、返還の必要のない給付型奨学金制度を2種類、今年度に創設した。特に博士課程の進学者と在籍者に手厚く支給する。優秀な研究者を経済的に支援することで、工学部の研究力を高めるのが狙いだ。  同学部同窓会の常盤工業会と、共同研究などでつながりが強い新光産業による寄付金で創設した。  常盤工業会奨学金は、博士、修士、学部生が対象。博士課程は成績の優秀な順に、A、B、Cの3タイプあり、それぞれ年間50万円、25万円、10万円を、各1人以内、6人程度、7人程度に支給する。  修士課程も成績重視で、10万円を3人程度に支給。学部生は、経済的に恵まれない学生を対象に、10万円を11人に支給する。  新光産業奨学金は、当面、5年間設置。博士課程の進学が決まった修士課程の成績優秀な学生4人以内に25万円を支給する。いずれも毎年、募集し審査する。  制度創設の背景に、博士課程の進学者の減少がある。同学部によると学部生540人のうち、約65%が修士課程に進学する。しかし、就職難を悲観して、博士課程に進学するのは10~15人程度。若手研究者の不足による大学の研究力の低下が懸念されるという。  常勤職に就けずに任期付きの職を渡り歩くポスドク(博士研究員)になるのを恐れる学生が多いとされるが、堀工学部長は「工学系に限れば、博士号取得は、企業研究職には圧倒的に有利」と話す。将来的には、30人程度の進学者を見込む。  新光産業奨学金について「申し出に大変感謝している。企業、研究機関が求める優秀な人材をしっかり育成したい」と話した。 "[he-forum 16918] 沖縄タイムス3/14 沖縄タイムス2012年3月14日付 県と大学院大 連携協定  今年秋の沖縄科学技術大学院大学開学に向け、ジョナサン・ドーファン学長と仲井真弘多知事は13日、県庁で県内大学や研究機関、企業との交流を促進し、新産業創出や地場産業の高度化など沖縄の自立的発展を目指すネットワーク構築の連携協定を交わした。  ドーファン学長は「新薬創出や、太陽発電、情報通信など産業振興に結びつくことが期待される研究や予測もつかないような革新的な研究が進められている」と、研究成果への自信と期待を示した。  仲井真知事は「沖縄の自立的発展に寄与するだけでなく日本、世界全体にも活用できるものが生まれてくる。沖縄の海など自然環境から育まれる資源を使った生命科学の発展などいろんな可能性が広がる。沖縄の科学水準の底上げにつながるのと同時に玉手箱のような大学院大学の将来に期待したい」と述べた。 "[he-forum 16919] 岩手日報3/14 岩手日報2012年3月14日付 岩手大に文科大臣賞 環境に配慮した活動など評価  盛岡市の岩手大(藤井克己学長)が第21回地球環境大賞(フジサンケイグループ主催)で文部科学大臣賞を受賞した。環境に配慮した教育、研究、社会貢献活動の実践や専門性を備えた人材育成に力を入れている点などが高い評価を受けた。授賞式は4月24日に東京で行われる。  岩手大は10年以上前から環境に関する全学的な取り組みを開始。▽学部生対象の環境科目の開講▽産学官民連携による環境人材育成▽学生と教職員の協働による環境マネジメントの取り組み-などに力を入れてきた。  同大の環境活動は、全国大学法人のエネルギー消費量や環境教育などをアンケート調査し、点数化する「エコ大学ランキング」で、3年連続上位入賞するなど多方面で評価されている。  岩手大の中島清隆・環境マネジメント推進室員は「10年以上続く全学的な取り組みの成果だと思う。受賞を励みに、活動をさらに推進していきたい」と語る。 "[he-forum 16920] 読売新聞3/14 読売新聞2012年3月14日付 リケジョを増やせ! (1)東大が理系女子獲得作戦  「パーン」。耳をふさぐ女子中高生たちの目の前で、大きな音を立てながら青白い光がさく裂する。昨年11月5日、東京大学工学部の高電圧実験室で行われた落雷実験。雷の衝撃から人を守るにはどうしたらいいか、人工的に作った雷を使って学んだ。  東大は昨年10、11月の週末、理系学部や研究所が女子中高生と保護者に向けたイベントを開催し、理系の魅力をアピールした。落雷実験は、「工学部をのぞいてみよう」のイベントの一つだ。  参加したのは、女子中高生30人と保護者13人。実験や研究室を見学し、教員、女性院生と交流した後、「生活の役に立つ学問であることが分かった。娘にぜひ進んでほしい」「女の子だけで参加しやすかった」などと話した。  同大生産技術研究所では、昨年6月、子どもたちに科学技術への興味を持ってもらおうと、産学連携で出張授業などを行う「次世代育成オフィス」を開設。その1回目の出張授業を12月に埼玉県立浦和第一女子高校(さいたま市浦和区)で行い、車両研究の第一人者が講義した。  オフィス室長の大島まり教授は「高校に工学という教科がないので触れる機会がないが、社会とどんなつながりがあるのかを示したい。特に女子はライフサイエンスに興味を示すが、工学となると少ないので重要な分野だと知ってほしい」と話す。  東大は2020年までに女子学生比率30%を目指している。世界の主要大学では50%近いのに対し、同大では学部で19%。同大男女共同参画室によると、昨年度から現役女子学生による母校訪問を、今年度は新入学女子歓迎会を始めた。  東京理科大学(東京都新宿区)は、08年から、「科学のマドンナプロジェクト」と銘打ち、東京、千葉、北海道の各キャンパスで実験体験やサマースクールを開催。関西地区の大学は「女子中高生のための関西科学塾」という科学イベントを持ち回りで開く。独立行政法人・科学技術振興機構は「女子中高生の理系進路選択支援事業」としてこれらに助成している。  理系女子を獲得しようという機運が高まっている。(金来ひろみ) ◇  国際競争力の強化や男女共同参画社会への動きを背景に、“リケジョ”(理系女子学生や女性研究者)がますます注目されている。大学や企業の思惑、理系女子を取り巻く環境などを取材した。  メモ 第4期科学技術基本計画で、自然科学系全体で25%という女性研究者の採用目標を早期に達成し、更に30%まで高めることを目指している。第3次男女共同参画基本計画でも、女子生徒の理工系分野への進路選択支援を施策の基本方針とする。多様な視点での研究活動を活性化するためには、女性研究者の活躍が不可欠とされている。 "[he-forum 16921] 日本経済新聞3/14 日本経済新聞2012年3月14日付 京大・九大など6大学、英6大学と協力 産学連携など 【ロンドン=上杉素直】京都大、九州大など日本の6大学は13日、ブリストル大など英6大学と産学連携や人材の育成で協力していく新たな枠組みを設けると発表した。日英12大学で共有するプログラムを作るなどし、大学の国際化や社会貢献を進める。  枠組みは「RENKEI」と名付けられ、産業界との技術・知識移転、大学間の人材交流、社会貢献の3分野を中心に構成。各大学の研究員や学生を対象にした交流プログラムなどを用意する。  参加するのは東北、東京、名古屋、京都、立命館、九州の各大学。英国からはブリストル、リーズ、リバプール、ニューカッスル、サウスハンプトン、UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)。英国の国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルが協力する。 "[he-forum 16922] 読売新聞宮城3/14 読売新聞宮城版2012年3月14日付 被災3県国立大が人気 支援策効果/福島の私大苦境  東日本大震災で被災した受験生たちは、全国の大学が用意した学費免除などの支援策を積極的に活用し、進路を決めている。被災3県の国立大は、こうした支援策で例年以上の受験生を確保したが、福島県の私立大は受験生の減少が著しく、苦境に立っている。  「避難所で子供たちの面倒を見て、『やっぱり小学校の先生になりたい』と強く思うようになりました」  石巻市の県立石巻高校3年の大森あずなさん(18)はそう語る。石巻市の自宅は津波で全壊。両親からは「心配せず、大学に進学しなさい」と励まされたが、やはり負担はかけたくない。そんな中、東北福祉大(仙台市)では、自宅全壊の入学者は入学金と初年度授業料を全額免除すると知り、目の前が開けた気がした。昨年12月、推薦入試に合格。「支援に後押しされた。大学でいろんなことを学びたい」と胸を躍らせる。  大手予備校・河合塾の調査では、全国203大学が、被災受験生向けの学費減免措置を用意。河合塾は「被災地の高校では、支援をきっかけに推薦入試などで早めに合格をもらおうとする傾向も出た」とする。  被災地の大学への志願動向は変動した。東北大の2次試験志願者は、九州地方など西日本からの受験生が減り前年比5%減となったが、宮城県内の志願者は50人増の1152人となった。福島大は全受験生の受験料を免除し、2次試験出願者が22%も増加した。  福島大を受験した福島県立福島東高の男子生徒(17)は「県外の私大も併願したが、復興に役立つ仕事に就くなら地元の国立大が有利。学費負担も考慮して決めた。放射線は気にしていない」ときっぱり。  一方、東北最大の私立大、東北学院大(仙台市)は、一般入試とセンター試験利用入試の志願者が6%減少。「東北地方の経済低迷で、家計負担を避ける心理が働いたのでは」とみる。  福島県内の私立大は、さらに厳しい。日本大工学部(郡山市)では前年比35%も減少。日大本部広報課は「原発事故の影響以外に考えられない」とする。東日本国際大(いわき市)も3割減の見通しだ。いわき明星大(同)も4割減の状態で、「復興を担う人材育成強化で、大学の魅力を発信していくしかない」と話す。 "[he-forum 16923] 中國新聞3/15 中國新聞 12/3/15 公務員共済、15年廃止 政府検討、厚生年金と保険料統一  政府は14日、公務員などが加入する共済年金を2015年10月に廃止する方向で検討に入った。民間会社員の厚生年金と一元化する。厚生年金より低い共済年金の保険料率を毎年段階的に引き上げ、18年に18・3%(労使折半)で統一し「官民格差」の是正を図る。  政府は来月、関連法案を国会提出する方針だが、共済独自に平均月約2万円を上乗せ給付する「職域加算」への税投入の在り方をめぐり、政府、民主党 内で意見が対立。岡田克也副総理は公務員の退職給付に関する有識者会議を設け検討する意向を表明しており、一元化で職域加算を廃止した後の制度設計につい ては、提出法案から切り離し、結論を先送りする。  現在の保険料率は、厚生年金が16・412%、国家公務員共済と地方公務員共済は15・862%。いずれも毎年0・354%ずつ引き上げており、 厚生年金は17年以降、18・3%で固定することになっている。公務員共済は1年遅れの18年に同率とする。私立学校教職員の私学共済については、保険料 率統一の時期を調整中。  公務員優遇の見直しではほかに、恩給制度から共済年金への移行前に公務員となったOBに対し、恩給期間分に見合う額を給付するための「追加費用」を削減する。追加費用額は12年度予算ベースで約1兆900億円。  遺族年金の給付対象が民間より広い「転給」の仕組みも廃止。対象を厚生年金にそろえる。  共済年金の制度はなくなるが、医療保険事務などを扱う各共済組合の組織は存続する見通しだ。  今回の法案は、自公政権が07年にまとめた被用者年金一元化法案(廃案)をほぼ踏襲する内容 "[he-forum 16924] 読売新聞3/15 読売新聞2012年3月15日付 リケジョを増やせ! (2)女性院生「後輩」を応援  「工学部というと、機械やロボットをいじっている『ガテン系』なイメージがあるかと思いますが、今日はそれだけではないことを教えたいと思います」。昨年10月25日、宮城県立仙台二華高校の総合学習の時間。理系進学を目指すことに決めたばかりの1年生を前に、3人の女性大学院生が説明を始めた。  3人は、東北大学(仙台市)の自然科学系10部局の女性院生でつくる「サイエンス・エンジェル(SA)」のメンバーだ。この日は出張セミナーの講師として呼ばれ、自分の生い立ちを記した「夢年表」を示しながら、理系に進んだいきさつや自分の研究について説明した。「自分の研究が世の中の役に立っているという実感が持てる」と学生生活の充実ぶりを話すと、高校生は真剣なまなざしで聞き入っていた。  1913年、帝国大学で初めて女子学生を受け入れ、3人を理学部に入学させた歴史を持つ同大。女性研究者が少ないのは、身近にお手本がおらず将来像を描きにくいのが一因だとして、2006年からSA活動を始めた。現在、41人が登録し、高校への出張セミナーのほか、オープンキャンパスの女子高生相談会や市民向けの科学イベントで、科学の魅力を発信している。  「科学の面白さを伝えたい」「自分も進路選択で悩んだので後押ししたい」。そんな動機で参加した女性院生にとって、SA活動は自身のプレゼンテーション能力向上や他部局の学生との交流、研究者としての使命感を深める場にもなっているという。  昨年度から出張セミナーを取り入れた同高は、今年度初めて、理系を志望する生徒の数が文系を上回った。共学になって2年目の同高は、男子生徒が1、2年ともまだ十数人ずつしかいないが、今後、理系志向が高くなると見越してこれまで以上に理系に力を注ぐ必要性を感じたという。  菅原賢一教諭(47)は「出張セミナーは生徒が今後、自主的に大学のイベントなどに行くための動機づけ。早いうちにどんな研究があるのか知ってほしい」と期待を込める。  同大女性研究者育成支援推進室副室長の田中真美・医工学研究科教授(41)は「異分野融合で学問は横断的になっており、一つの学部だけでやっている研究はない。だが、そのことを知らない高校の先生方は少なくない」と話す。  高校生の進路選択に、リケジョの力が活用されている。(金来ひろみ)  メモ 文部科学省の2011年度学校基本調査によると、大学学部生に占める女性の割合は42.6%。人文科学系学部は女性が66.2%。理系学部では、医学や薬学などを含む保健58.1%、農学41.8%と多い一方で、理学部は25.9%、工学部11.2%と少なく、分野によって偏りがある。 "[he-forum 16925] 日本経済新聞3/17 日本経済新聞2012年3月17日付 教員養成の修士レベル化を 中教審作業グループが提言  教員養成や研修の見直しを検討してきた中央教育審議会特別部会の作業グループは16日、現在は大学4年間で教職課程を履修すれば取得できる教員免許を大学院修了レベルの資格にするよう求める提言をまとめた。ただ制度化の時期のめどは示さず、受け皿となる教職大学院を全都道府県に設置するよう求めた。特別部会が4月に審議を再開し、夏をめどに文部科学大臣に答申する。  昨年1月に特別部会がまとめた審議経過報告を踏襲。教員免許を学部4年で取得できる「基礎免許状」、大学院で1~2年程度の修士レベル課程を終えた教員に与える「一般免許状」、学校経営など特定分野で高い専門性を身に付けた教員に与える「専門免許状」の3段階にする。  教員養成の修士レベル化を進めるため、受け皿として教職大学院の活用を提唱。現在は20都道府県にしかない同大学院を残りの府県にも設置するよう求めた。国立大大学院の教育学研究科などを教職大学院に衣替えする案を示した。  一方、教員免許更新制の見直しや複数の学校種をまとめた免許状の創設、教員資格の国家試験化などは今後の検討課題として先送りした。免許の3段階化などは法改正が必要だが、実現には課題が多く、曲折が予想されている。 "[he-forum 16926] しんぶん赤旗3/18 しんぶん赤旗 2012年3月18日(日) 奨学金 無慈悲取り立て追及 衆院委で宮本議員「相談に応じよ」  日本共産党の宮本岳志議員は16日の衆院文部科学委員会で、日本学生支援機構による奨学金の無慈悲な取り立てを直ちにやめさせるように求めました。  宮本氏は、滞納3カ月で個人信用情報機関のブラックリストに載せられ、9カ月で法的処理、滞納に10%の延滞金が課されると指摘。「子育てする人 間にこんな仕打ちをする日本には未来がない」と話す100万円近い延滞金を迫られた母親の声を紹介し、「金利さえ返せないのに延滞金が払えるわけがない」 とただしました。  城井崇・文科政務官は「返還を促す側面をもち、公平性の観点から課している」と答弁。宮本氏は「促すためなら返還意思を示せば相談と減額に応じるべきだ」と主張しました。  宮本氏は、弁護士を立てた交渉中に返還者や保証人に機構が直接取り立ての連絡をした例を紹介。また、裁判でも延滞金を一切減免せず、「金融業者と の『特定調停』制度よりもひどい」と弁護士から告発が寄せられていることをあげ、サラ金やヤミ金より無慈悲なのかと批判。城井氏は「督促前のプロセスの周 知を丁寧にすることは徹底していく」と述べました。  宮本氏は、年収300万円未満の場合に返還が5年間猶予される制度について、知らずに未申請なら遡及(そきゅう)して適用すべきだと主張。平野博文文科相は「だめだということではない」と答えました。 "[he-forum 16927] しんぶん赤旗3/18 しんぶん赤旗 2012年3月18日(日) 大学 就活環境改善して 学生ら苦しい現状訴え 集会を開く  今春の大学卒業予定者の就職内定率が過去3番目に低い80・5%と発表された16日、就職活動中の大学生らが参院議員会館で集会を開き、「就活」に振り回される学生の苦しい現状を改善するため企業の採用活動のルール化などを求めました。  実行委員長の法政大学3年生の男子学生は、就職に悩み自殺する学生が年間50人以上もいることをあげ、「学生の能力や自己責任ではなく、就活の制 度や環境にこそ問題があるのではないか」と指摘しました。また、9割以上の学生が登録する大手就職サイトの企業掲載料が数十万から数百万円もするために、 採用情報が大手企業に偏重している現状や、「滝に打たれると内定が出る」などと宣伝し学生をあおる悪質な「就活ビジネス」が横行していることを報告。これ らの是正や制限を求めました。  「未来の大学生のためにここに来ました」と発言した早稲田大学3年生の女子学生は、「なぜ大学最後の2年間を就活によって奪われなくてはいけない のか。大学生が4年間しっかり学び、学問を尊ぶ気持ちを就活によって阻害されないように、この状況を一緒に考えてほしい」と訴えました。  法政大学の児美川孝一郎教授は「今の就活では、企業もコストと時間を費やすだけで“勝者”にはなれない。こんなことを続けていると社会の持続可能性がなくなってしまう」と話し、就活への社会的規制を求めました。  集会には各党の議員が参加。日本共産党からは宮本岳志衆院議員が連帯のあいさつをしました。 "[he-forum 16928] 毎日新聞島根3/18 毎日新聞島根版2012年3月18日付 しまねのひと:新年度から島根大学長に就任、小林祥泰さん ◇小林祥泰さん(65)  県内唯一の国立大である島根大(本部・松江市西川津町)の学長に来月1日付けで就任する。世界的な視野と地域での取り組みが相互に作用する「グローカル」がキャッチフレーズ。「グローバル(世界的)な考え方やものの見方を身につけつつ、ローカル(地域)の発展に寄与できる人材を数多く育てていきたい」と意気込む。  300年続く医師の家系で育った。慶応大医学部卒業後、開設されたばかりの北里大病院で経験を積んだ。その後、故郷・出雲市にある島根医大(現・島根大医学部)付属病院で開設直後の80年から勤務する。「新設の大学病院に2カ所勤めた経歴を持つ医師も少ないだろう。新しい病院だからこそ、新しいことにも挑戦できた」と語る。そのキャリアからか、同病院長に就任した05年以降、地域医療を担う人材の育成など斬新なアイデアを次々実現してきた。  国立大は04年の法人化以降、大学間競争にさらされるが、「地方大学が『ミニ東大』を目指していた時代とは違う」と強調。「例えば地域の中小企業で学生が社会体験をするのもいい」と語る。現場でもまれつつ、地域のニーズを研究に生かせるような「タフな人間」を育てたいという。  「島根大はどんな大学?」という問いには、「出雲の古い文化を守りはぐくみ、そして生かしていく場所でありたい」。教職員と学生ら合わせて約8000人が集う「島大」の新たな舵(かじ)取り役として、その手腕に注目が集まる。【曽根田和久】 ============== ■人物略歴  1946年11月生まれ。出雲市出身。医師としての専門は神経内科。日本脳卒中学会理事や日本老年医学会理事、米国内科学会日本支部長を務めている。 "[he-forum 16929] 毎日新聞社説3/18 毎日新聞社説2012年3月18日付 視点 大学入試改革 寅さんが説く「筋道」  映画「男はつらいよ」の第40作「寅次郎サラダ記念日」に、寅さんのこんなせりふがある。受験で悩むおいの満男に勉強の意味を問われて、戸惑いながら答えるのだ。  「人間長い間生きてりゃ、いろんな事にぶつかるだろう。そんな時、俺みてえに勉強してない奴(やつ)は振ったサイコロの出た目で決めるとか、その時の気分で決めるよりしょうがない。ところが、勉強した奴は自分の頭できちーんと筋道立てて、はて、こういう時はどうしたらいいかな、と考えることができるんだ。だからみんな大学へ行くんじゃないか、そうだろう?」  学力の基本が論理的な思考力であることをたくまずして言い当てている。だが、今の学生たちはどうか。またいささか心配な現実が日本数学会の「大学生数学基本調査」でのぞいた。  昨春の新入生を中心に約6000人に基本の問題を出した。  結果は、例えば4人に1人は小学校で習う「平均」の意味がよく理解できていない。中学、高校レベルの問題でも読解や論理的に証明するようなものに誤答が目立つ。背景にいわゆる「ゆとり」の授業減少が指摘されるが、入試の影響も大きい。数学の記述式問題を出す大学とそうでないところで、学生の正答率に顕著な差が出たという。  マークシート方式の大学入試センター試験は、当初これで各大学が受験生の基本的な学力を試し、大学個別の試験(2次試験)で選抜するという想定だった。しかし、大学の中にはセンター試験結果だけで選抜するところがあり、さらには、推薦やAO(アドミッション・オフィス)入試などで事実上教科学力試験がない方式も増えた。  進学率が5割を超す一方で少子化が進み、定員割れを起こすところも相次いだ事情がある。  しかし、調査で浮上したように入試のあり方と学力は密接な関係がある。仮にも、学生集めだけの“お手軽選抜”に陥ったら、大学教育や研究を衰退させかねない。  今、大学の秋入学移行論議がにわかに高まっている。秋移行はあくまで大学の国際化、高度化の手段で即効薬ではない。同時に入試も改めなければ意味がない。こういう意見が大学人の間から出ている。賛成だ。  手間をかけた入試を、と言うはやすく、確かに簡単ではない。  今年のセンター試験は問題配布ミスなどが発生し、文部科学省とセンターが再発防止の検証を進めている。それは必要だが、この際、大きく踏み込んで入試のあり方そのものの論議を高め、広げる時ではないか。(論説委員・玉木研二) "[he-forum 16930] 大分合同新聞3/16 大分合同新聞2012年3月16日付 呼吸器外科と乳腺外科 新患の受け入れ中止  大分大学医学部付属病院は4月1日から、呼吸器外科と乳腺外科で新たに患者を受け入れないと15日、発表した。移籍や定年退職に伴い医師が確保できないため。同病院総務課は「現在、全国規模で医師を募集をしており、できる限り早い再開を目指したい」としている。同病院で、医師が確保できず、新患の受け入れを中止するのは初めてという。  同課によると、両科の医師が所属する医学部総合外科学第2講座の医師10人のうち7人が3月末付で辞め、後任が確保できないため。同講座の川原克信教授は定年退職、残る6人は他の医療機関に移るという。  新年度からは、医師が3人態勢になるため、入院患者や、継続して受診中の患者にも別の医療機関を紹介している。  同病院は、高度医療を提供する特定機能病院。呼吸器外科は肺がんや自然気胸など、乳腺外科は乳がんなどの治療をしている。2010年度の年間外来患者は、呼吸器外科が1338人、乳腺外科が1879人。同年度の延べ入院患者は呼吸器外科が3568人、乳腺外科は1352人。 "[he-forum 16931] 中国新聞3/19 中国新聞2012年3月19日付 地域と大学、産学連携シンポ  地域と大学の関わりを議論するシンポジウムが、広島市中区の中国新聞ホールであった。都市型大学の役割、産学連携の方向性などについて、経済産業省の担当者や地元企業の代表者ら4人が意見を交わした。  経産省の細谷祐二地域政策研究官は「言葉だけの産学連携ではなく、目に見えるネットワークの構築が重要」と指摘。マツダの竹内雄司グローバル人事部長は「大学は国際的な視野に立ち、世界で働く人材の裾野を広げてほしい」と訴えた。リョービの中村憲文人事部長、中国新聞社の北村浩司総合編集本部長も意見を述べた。 "[he-forum 16932] 読売新聞岩手3/20 読売新聞岩手版2012年3月20日付 大槌町と東大復興連携協定 人材育成や情報共有など  東日本大震災で甚大な被害を受けた大槌町と東京大学が19日、復興について連携・協力する包括的な協定を結んだ。東大は震災後、学内に「救援・復興支援室」を設置し、被災地の復旧・復興を後押ししてきた。なかでも、同町には大学付属機関「国際沿岸海洋研究センター」がある縁で、「大槌連絡所」を設置。町の復興計画策定作業や仮設住宅の運営について助言するなどの支援を続けてきた。今後も、町の復興に向けて手を取り合っていこうと、今回協定を結ぶことにした。  協定には、復興関連施策への助言や町の将来を担う人材育成の協力、社会・産業・文化の発展の寄与、情報共有などが盛り込まれた。具体的な協力内容は、今後詰める。  大槌町の碇川(いかりがわ)豊町長は「将来、学術的な面で世界から注目されるような町にしたい」と話した。東大の浜田純一学長は「これからは海洋研究だけでなく、医療・町づくり・教育など様々な面で関わっていき、大学として全力でサポートしていきたい」と述べた。 "[he-forum 16933] 福井新聞3/20 福井新聞2012年3月20日付 恐竜博物館研究部門が県立大機関へ 国際的活動の円滑化狙う  福井県と県立大が、県立恐竜博物館の研究部門を同大の研究機関として新年度内にも改編する方向で協議を進めていることが19日、関係者への取材で分かった。  国外の自然科学系博物館は大学の付属機関として設置されているケースが多く、学会や論文発表では信頼性の裏付けともなっているという。研究員が教授や准教授の身分を併せ持つことで、国際的な研究活動を円滑化する狙いがある。  また、世界的に評価が高い同博物館の研究を、同大の研究として行うことで、国際的な知名度アップにつなげる。大学の機関になると、国からの研究費助成の面でのメリットも期待できるという。  大学院に古生物専門の専攻課程を設けることも検討材料にある。2010年度、吉田優一郎理事長を委員長に経済、水産、看護などの専門家で組織する同大改革構想委員会がまとめた報告書では、先端研究の推進の具体的提言として、「県立恐竜博物館との研究活動の連携」を盛り込んでいた。(小島茂生) "[he-forum 16934] 読売新聞三重3/20 読売新聞三重版2012年3月20日付 地域医療研究で協定三重大が伊賀、名張市で講座  三重大(津市)と伊賀、名張市は、地域の医療研究と市民の診療をする寄付講座を開設することになり、19日、3者で協定を結んだ。深刻な医師不足を補うのが目的で、県内では初の取り組みという。  講座は「伊賀地域医療学講座」。大学から派遣される内科、外科医計7人が伊賀市の上野総合市民病院、岡波総合病院、名張市立病院で診療するとともに、地域の保健、福祉の現状を調査。三重大医学部の研修医が3病院で臨床研究する際には7人が各専門分野で指導する。  講座は来月から2014年3月までの2年間。両市は計7400万円を三重大学に支払う。医師不足に悩む両市が大学側に打診し、1年間にわたって協議を続けてきた。  同大学で行われた調印式で、内田淳正学長は「市と大学が共同して地域医療に貢献する講座は画期的」と語り、伊賀市の内保博仁市長、名張市の亀井利克市長は「県内最大の三重大病院からの助けは重要。伊賀地域にいる18万人の市民が適切な医療を受けられるよう、互いに連携したい」と話していた。 "[he-forum 16935] 河北新報3/21 河北新報2012年3月21日付 気仙沼市、東京海洋大と協定 水産業再生へ連携  宮城県気仙沼市と東京海洋大は20日、東日本大震災からの復興に取り組む連携協定を結んだ。同大は市内に開設した「三陸サテライト」を拠点に海洋関連の人材育成や商品開発を先導。水産のまち・気仙沼の再生に協力する。  調印式は気仙沼市の魚市場会議室であり、菅原茂市長と竹内俊郎副学長が協定書を取り交わした。竹内副学長は「サテライトが気仙沼の産業のいち早い復興に役に立つようにしたい」と話した。  三陸サテライトは魚市場近くのビルの3階に開設した。約35平方メートルの部屋に非常勤職員1人を配置する。市との連携事業の相談窓口機能を担う予定で、本格的な事業開始は4月中旬ごろになる。  事業は主に4項目あり、「人材育成」は小中学生向けの持続的海洋教育や船員養成などを行う。「産業振興」はメカジキを活用した新商品を開発する。「教育研究」は震災後の気仙沼湾の水質や海底調査などを実施。スローフードを推進する「まちづくり」事業にも取り組む。  菅原市長は式後の記者会見で、「街や工場をつくり直しただけでは将来は約束されない。他地区と差別化し、付加価値の高い製品開発を行うため、海洋大の知恵を活用させていただきたい」と語った。  同大は国内唯一の海洋系大学としての専門的知見を生かし、被災地の復興支援に取り組もうと気仙沼市との連携を決めた。 "[he-forum 16936] 紀伊民報3/20 紀伊民報2012年3月20日付 産学連携で医療機器開発へ 和歌山県の戦略会議  和歌山県内の企業代表者や学識経験者らで構成する県産業技術戦略会議(議長=仁坂吉伸知事)は19日、和歌山市内で会合を開き、県立医科大学など県内の大学と県内企業が連携して医療機器の開発に取り組むプロジェクトを推進することにした。  戦略会議は2009年、県新技術創出推進条例に基づき設置。新産業の振興や既存産業の付加価値化に取り組むため県産業技術基本計画を10年に策定した。計画はロボットなどの加工組み立て技術、化学、医療福祉などの4分野を戦略分野と位置付け、国や県の支援事業を活用しながら研究開発の推進や知的財産の活用に取り組み、5年間で製品出荷額5%増を目標にしている。  この日の会議では、委員を務める県立医科大学の板倉徹学長が県内企業と県立医科大学、和歌山大学などが連携して医療機器の開発に取り組むプロジェクトを提案した。  プロジェクトは、県立医科大学による医療現場の需要を捉えた提案や医学的な助言と、和歌山大学や近畿大学生物理工学部の技術研究分野、県内企業の技術力を組み合わせることで、世界市場に通用する医療機器開発を目指すとしている。  この提案に対し、和歌山大学学長の山本健慈委員をはじめ大学や企業関係の委員は、大学間の連携を強化できる点や企業と大学が互いの知識を生かせる点などから賛成。プロジェクトを進めるため話し合いの場を設けることで合意した。  会議では、現在の基本計画で位置付けている4分野について、5分野に細分化し内容を見直すことを確認。梅やミカン、柿といった県内の有力農産物についても、機能性に着目した研究開発の在り方や観光分野への活用について話し合った。 "[he-forum 16937] 琉球新報3/20 琉球新報2012年3月20日付 琉大、中国病院と提携 医療ツーリズムを期待  琉球大学付属病院(村山貞行院長)は、技術・人的交流を目的に中国最大の国立病院「中日友好医院」(北京)と包括協定締結に向け調整している。1月に村山院長らが北京の同医院を訪ね、事務調整を実施。5月にも中国側から医院幹部を招く。交流の具体的内容は未定だが、調整を進め、年内の締結を目指す。  同医院は1984年、日本政府の政府開発援助(ODA)を受け開院。ベッド数は1500床で年間外来患者数は200万人。米ハーバード大など世界の一流大学30校以上と交流している。  19日に那覇市の沖縄産業支援センターで開かれた「万国医療津梁協議会(会長・岩政輝男琉大学長)」の2011年度成果報告会で報告された。同協議会は、官民連携で国際医療交流や医療ツーリズム商品の造成を目指している。  同協議会によると、中国ではリハビリ分野の専門医師不足や医療技術の低さから、沖縄に関心を寄せる関係者が多数いるといい、沖縄の気候を生かしたスポーツキャンプとリハビリを組み合わせた医療ツアーが有望とされている。  同協議会の石原守次郎ネットワーク・マネージャーは「初めは国際医療交流がメーンだが、関係を深め、将来的には医療ツーリズムなど民間交流も発展してほしい」と期待する。 "[he-forum 16938] 西日本新聞3/21 西日本新聞2012年3月21日付 九大に新宇宙センター  九州大学は4月、宇宙環境を総合的に研究する「国際宇宙天気科学・教育センター」を設立する。福岡市東区の箱崎キャンパスにある宙空環境研究センター(SERC)の機能を強化。新たに宇宙医学を取り入れるなど研究分野を広げ、世界的な研究拠点を目指すという。  SERCは2002年設立。理学、工学研究院などの研究者13人が、太陽フレア(太陽表面の爆発現象)などの太陽活動を予測する「宇宙天気予報」の研究や、宇宙ごみの観測をしている。発足10年の節目に研究者を6人増やして組織を拡充。センター名も変更する。  宇宙医学を研究対象にしたのは、日本人宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在するようになったため。宇宙放射線やISSの閉鎖空間が人間の心身に与える影響を調べる。医学研究院から放射線医学と精神医学の教授2人が研究に加わる。  また、従来のセンターでは宇宙空間が研究範囲だったが、太陽活動と地球の気候変動との関係を解明するために、宇宙空間と大気圏との境界部分(高度100-500キロ)も研究対象に追加。大気圏などの専門家も宇宙天気の研究に参加する。  九大は新しいセンターを、ブラジルやインドなど海外にある宇宙天気の研究機関を統括する国際拠点にする考え。SERCの羽田亨教授(宇宙プラズマ物理学)は「宇宙環境を総合的に研究し、宇宙の平和利用で国際貢献に取り組みたい」と話している。 "[he-forum 16939] 朝日新聞2/22 朝日新聞 2012年3月21日12時5分 教職課程履修を相互受け入れ 立命館大と佛教大が協定  立命館大(京都市中京区)と佛教大(同市北区)は19日、双方の学生が互いに教職課程を履修できる協定を結んだ。大学間で教職課程を履修する学生を相互に受け入れる例は全国で初めてという。  立命館大が中学・高校教諭1種免許の理科と保健体育で、佛教大は小学教諭1種免許で受け入れる。  立命館大の産業社会学部には、子ども社会専攻(定員60人)に小学教諭の教職課程があるが、毎年50人程度が他大学の授業を受けて免許を取っているという。一方、佛教大は教育学部と通信教育課程で教員免許を取得できるが、理科と保健体育の課程はなかった。  立命館大の川口清史(きよふみ)学長は「この協定で多くの学生のニーズに応えられる」、佛教大の山極(やまぎわ)伸之学長は「両大学の強みを生かし、有為な人材を育てたい」と話した。(筒井次郎) "[he-forum 16940] V3/22"," 毎日新聞 2012年3月22日 東京朝刊 中教審:教員免許取得、国家試験見送る報告書 "[he-forum 16941] 産經新聞3/22 産經新聞 2012.3.22 07:35 (1/3) 大卒=エリート「今は昔」 大学は基礎学力向上、就職後ケアを  大卒がエリートだった昔に比べ、大学数は半世紀で3倍に増え、進学率も50%を超える。しかし、伝統や実績のない大学の学生たちは職にあぶれた り、劣悪な労働環境の企業に就職したりするなど、“ノンエリート”としての職業人生を送らざるをえないケースもある。大学では今、就職支援はもちろん、学 生の基礎学力向上や就職後のケアが重要な課題になっている。(横山由紀子) 内定は得られるが…  因数分解、2次方程式、グラフ、図形…。大学1年の授業で、就職試験に出る一般常識問題集に取り組む大学がある。数学、国語、理科、社会、英語は、いずれも中学卒業程度の内容だ。   「基本的な学習に思えるかもしれませんが、1年のスタート時に基礎学力の見直しを図ることで、専門教育に生き、就職試験にも有効。一定ラインの得点を得て いたら就職試験で門前払いされずに済み、就職活動を少しでも有利に進めることができる」。神戸国際大学(神戸市東灘区)経済学部の居神浩教授(社会政策) は話す。  居神教授は『日本労働研究雑誌』(平成22年)に論文「ノンエリート大学生に伝えるべきこと」を発表。「大学の増加で高等教育は大衆化し、学生の質は多様化した」とする。こうしたことから、学生の就職戦線にもちょっとした異変が起きているという。 産經新聞 2012.3.22 07:35 (2/3)  厳しい就職戦線の中、伝統や実績がない大学の学生は、安易に内定を得られるが劣悪な労働環境の“ブラック企業”に就職してしまう場合があるとい う。ある卒業生は、商品を売るために社員数人で高齢者を取り囲んで高額ローンを組ませる会社に就職し、数年で退社。何回かの転職の末、しっかりとした会社 に就職した。悪徳商法まがいの会社はその後、破産したという。 職業人生把握を   文部科学省の学校基本調査によると、昭和30年度に7.9%だった大学進学率は平成21年、5割を超えた。背景には、1990年代以降の規制緩和で、大学 や学部の新増設が進んだことがある。昭和37年度に260校だった大学が、平成2年度は507校、23年度には780校と、50年間で3倍に増えた。  高校からの推薦入試、書類や面接だけで合否を判定するAO入試など、いわゆる“無試験”で入学できるシステムも拡大。受験の選抜機能が失われ、平均以下のレベルにある学生を分厚い層として取り込む形で、進学率は上昇を続けているという。  神戸国際大では先月、2、3年生を対象に、就職後の労働問題を学ぶ講座を開催。求人票や雇用契約書などの確認の仕方、パワハラを受けた際の対応、不利益を被ったときの団体交渉、異議申し立てなどをロールプレーイング形式で学んだ。 産經新聞 2012.3.22 07:35 (3/3)  居神教授は「仕事のスキルが身に付かず使い捨てにされるブラック企業に、根性論でしがみついていては若者の未来が望めない。大学が大衆化した昨 今、大学の知名度にかかわらず、全ての学生たちが“ノンエリート”としての職業を選択してしまう可能性がある」と指摘。そのうえで、「大学は、学生の基礎 学力アップなどの就職支援はもとより、就職後の職業人生まで把握しケアすることが必要だ」と話している。 ◇ 【用語解説】ブラック企業   低賃金での長時間労働やサービス残業、休日や休憩なしの勤務、暴言などのパワーハラスメントが当たり前で、違法性の強い劣悪な労働環境を強いる会社。事前 の準備がいらず、1回の面接で即内定がもらえるなど“楽勝就職”できるため、学生が就職先として安易に選んでしまうケースもある。 "[he-forum 16942] 給与問題での声明について(東北大) 全大教単組MLの皆様 全大教高等教育フォーラムMLの皆様 cc.組合執行部ML、組合支部書記長ML、東北地区協ML 東北大学職員組合です。 全大教、各単組の奮闘に敬意を表します。 当組合は3月21付で下記2つの声明を発表しました。 ご参照いただければありがたく存じます。 1)声明『「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する   法律」の成立を強く非難し、その即時廃止を求める』 http://tohokudai-kumiai.org/docs12/sm120321_1.html 2)声明『国立大学法人の「国家公務員の給与の改定及び   臨時特例に関する法律」への追従を絶対に許さない』 http://tohokudai-kumiai.org/docs12/sm120321_2.html ※組合hp http://tohokudai-kumiai.org/ ※前者『廃止を求める』声明については、衆参両院議長、  各政党、被災3県の知事・議長、宮城県各市町村の首長・  議長、および、ファクス送信できる範囲で衆参国会議員に  送っています。後者『追従を絶対に許さない』は大学当局  に提出しています。また前者後者とも宮城県政記者会にも  提供しました。 ※同じ趣旨で、やや刺激的な色調の組合ポスターもつくり、  各キャンパスの立看板を立てています。ご参照ください。 http://tohokudai-kumiai.org/docs12/11ps4a.pdf http://tohokudai-kumiai.org/docs12/11ps4b.pdf http://tohokudai-kumiai.org/docs12/11ps4c.pdf --------------------------------------------- 東北大学職員組合書記局 info@tohokudai-kumiai.org http://tohokudai-kumiai.org/ 内線 片平(91)5029 tel 022-227-8888 fax 227-0671 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","fuj-tanso@ml.asahi-net.or.jp;全大教 高等教育フォーラム","fuj-tanso@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP","shikkobu@tohokudai-kumiai.org;tohokuchiku@tohokudai-kumiai.org;全大教総務部;shibu-shokityo@tohokudai-kumiai.org","shikkobu@tohokudai-kumiai.org;tohokuchiku@tohokudai-kumiai.org;somu@zendaikyo.or.jp;shibu-shokityo@tohokudai-kumiai.org","SMTP;SMTP;SMTP;SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 16943] 長崎新聞3/23 長崎新聞2012年3月23日付 長崎大核廃絶研究センターの概要など明らかに  長崎大が4月1日、文教キャンパスに設置する「核兵器廃絶研究センター」の概要やスタッフがほぼ明らかになった。核兵器に関するデータベースの構築や政策提言、市民のシンクタンク機能を担うほか、教育面では今秋から核兵器をテーマにした講義を開設する。  核兵器廃絶に特化した公的研究拠点は国内でも例がなく、田上富久長崎市長は長崎新聞社が開いた座談会で「被爆地長崎が弱かった核兵器廃絶に向けた政策立案などの機能を埋めることができる」と期待感を示した。地元との連携では、長崎大と県、長崎市などでつくる協議会の設置を検討。シンポジウムなどの平和事業の共同開催も視野に入れているとみられる。  センター長にはNPO法人ピースデポ特別顧問の梅林宏道氏、副センター長に国連勤務経験もある広瀬訓宮崎公立大教授が就任予定。顧問に土山秀夫元長崎大学長、日本軍縮学会長の黒澤満大阪女学院大大学院教授の2人を迎え、日赤長崎原爆病院長の朝長万左男氏らが客員教員で入る。  同センターは、4月末からウィーンで始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議(15年)に向けた第1回準備委にスタッフを派遣し情報収集に当たるほか、センター開設記念のシンポジウムも予定している。 "[he-forum 16944] 徳島新聞3/23 徳島新聞2012年3月23日付 災害拠点病院に指定 徳島大病院・徳島市民病院  徳島県医療審議会(会長・川島周県医師会長)が22日夜、徳島市の徳島グランヴィリオホテルであり、徳島大学病院(徳島市)と徳島市民病院(同)の2病院を災害拠点病院に指定することを了承した。また、県の第5次保健医療計画(2008~12年度)の進展状況が報告された。  災害拠点病院は、災害時に重傷患者らを受け入れて治療を行うほか、県外で大規模災害が発生した際には医療救護チームを派遣して医療活動に当たる。2病院は、災害時に大勢の負傷者を受け入れることができ、医療スタッフも充実していることから指定された。今回の追加指定で県内の災害拠点病院は11カ所になった。  保健医療計画については、県が11年度末時点における24項目の数値目標の達成度を報告した。へき地医療拠点病院数や災害派遣医療チーム数など8項目が「達成」、地域医療支援病院数など6項目が12年度末に達成するとみられる「順調」、糖尿病患者数やがん検診受診率など10項目は一層の取り組みが求められる「努力」となっている。 "[he-forum 16945] 西日本新聞3/23 西日本新聞2012年3月23日付 宮大、延岡に県北拠点  医療機器産業の集積を目指す国の総合特区「東九州メディカルバレー構想」に基づき、宮崎大医学部は21日、血液・血管先端医療学講座の県北拠点を県立延岡病院(延岡市)内に開設した。同学部の助教1人が4月から常駐。同病院で臨床データを集めながら地元の企業とも情報交換して、産学官連携を進める。  講座には県と延岡市が運営費350万円ずつを拠出した。こうした寄付講座が産学官連携を目的に開設されるのは全国でも異例という。  宮崎大には2月に設置済み。同講座の藤元昭一教授(腎臓内科・透析医学)によると、講座では腎臓や血液の疾病を研究。県北拠点では、担当助教が患者の治療にあたってデータを蓄積する。同市には人工腎臓や血液用ウイルス除去フィルターを生産する旭化成の企業群があり、新たな医療機器開発へ意見を出す場にもしたい考えだ。  開設式で迫田隅男医学部長は「産学官一体の特別な講座。研究の成果を出したい」とあいさつ。首藤正治市長も「メディカルバレー構想が動きだす一歩。地域医療にもプラスの効果が出ると思う」と述べた。 "[he-forum 16946] 中国新聞3/23 中国新聞2012年3月23日付 「原爆と広島大学」を復刻へ  広島大(東広島市)は4月、1977年に発行した「原爆と広島大学『生死の火』学術編」を35年ぶりに復刻する。原爆に関連する同大の医学研究を中心にまとめた同書は現在は絶版状態。復刻版は放射線災害からの復興を担う人材養成プログラムの教材にも活用する。  復刻版はB5判、314ページ。カバーをつける以外は体裁も35年前と同じにする。内容は原爆による健康被害の調査や研究結果が中心で、がんや白内障など34節に分けてまとめている。原爆ドームの保存や平和教育の歴史も紹介している。  同書は教職員たちでつくる同大原爆死没者慰霊行事委員会が、被爆30年の追悼事業の一環で執筆、編集に取りかかった。関係者に配った非売品という。  同大は、東京電力福島第1原発事故を契機に、被爆地の復興の歩みが伝わる同書の価値を再確認。復刻を決めた。執筆した研究者や遺族から著作権を譲り受けた。  浅原利正学長は「復興の様子が当事者として書かれており、今の学生にとっても有意義なものだ」と力を込める。2100円。問い合わせは広島大学出版会=電話082(424)6226。 "[he-forum 16947] 読売新聞3/23 読売新聞2012年3月23日付 リケジョを増やせ! (6)経験伝える学内女子会  お弁当を持った女子学生が続々と集まってきた。昨年12月16日正午過ぎ、広島大学(広島県東広島市)。毎月1回開かれる「研究者を目指す女性院生・学部生のランチ持ち寄り交流会」、通称「Brown Bag Chat(BBC)」だ。  専攻によっては女性が少なく孤立しやすい女子学生に情報交換や仲間作りの場を提供しようと、2007年に始まった女子限定のランチ会。欧米の大学にある昼食時間帯のセミナーをまねて、「昼食を食べながらおしゃべりしよう」と、同大男女共同参画推進室が呼びかけている。  「どんな研究をしているの」「実験で何日も研究室に泊まっているよ」。学部や専攻の枠を超えて、女子学生同士が自由に語りあう。身近に女性の先輩や同級生がいなくても、ここに来ればキャリアや研究室の人間関係の悩みへのアドバイスがもらえる。  院生にとっては、他分野の学生との交流を通して自分の研究を客観的に見られる利点がある。4月から修士課程に進む理学部4年の出射早希子(いでいさきこ)さん(22)は「どうやって研究を続ければいいか体験談を聞けるのがいい」と歓迎する。  男女共同参画推進室長の坂田桐子・総合科学研究科教授(47)は「ここから学生同士の共同研究が始まったら面白い」と期待を込める。  東京農工大学(東京都府中市)では、女子学生対象のメンター制度を07年から実施。農学系と工学系の全専攻から募った女性院生が、メンターとして後輩の相談に乗る。  同大女性未来育成機構によると、以前から学生課に「博士課程にいる女性の先輩に話を聞きたいので紹介してほしい」といった要望が寄せられていた。「女性が少ない専攻の院生ほど、自分の経験を伝えたいと積極的」と同機構。メンター役の女性院生のキャリアアップのため、学会などへの旅費補助も行っているという。  女子学生がキャンパスライフを過ごしやすくするため、施設を充実させる大学もある。神奈川工科大学(神奈川県厚木市)は他大学に先駆けて、1999年にシャワールームやパウダールームなどを完備した女子学生専用フロアを学生会館に設けた。実験で遅くなって帰宅できなくなった女子学生を安全に泊まらせることなどが目的だ。  大学が様々な方法でリケジョの学ぶ意欲を支えている。(金来ひろみ、写真も)  メモ 文部科学省の2011年度学校基本調査によると、大学院修士課程の在籍者数は17万5980人。専攻分野で見ると、工学、社会科学、理学の順で多く、工学は7万4702人と全体の約4割を占めている。国立大学工学部の卒業生の65%が大学院に進学。私立の22%と比べて大きな開きがある。 "[he-forum 16948] 東海日日新聞3/26 東海日日新聞2012年3月26日付 蒲信と静岡大学が業務協力締結  蒲郡信用金庫(竹田知史理事長)と、国立大学法人静岡大学(伊東幸宏学長)は23日、静岡大学浜松キャンパスで、「産学連携に関する業務協力」を締結した。静岡大学が持っている最先端の技術を生かし、地域企業が製品開発などを進めることで、地域経済の発展を図っていく。締結には竹田理事長と伊東学長が出席した。  同金庫は、地域産業界の広範な産学連携ニーズの対応策として、静岡大学との連携を検討していた。一方、静岡大学は、平成20年度から文部科学省「産学官連携戦略展開事業」で、豊橋技術科学大学とも共同で、『東海イノベーションネットワーク』による地域連携を行ってきた。双方のメリットが共有できたことから締結に至った。  業務協力内容は①地域経済活性化に関する情報交換と業務協力による支援②ベンチャー企業や中小企業等の新分野進出・新事業展開に関する情報交換と融資支援③技術相談や共同研究等に関する情報交換など。(鈴木良征) "[he-forum 16949] 毎日新聞3/27 毎日新聞 2012年3月27日 東京朝刊 大学生:「もっと勉強を」 中教審が取り組み求める  中央教育審議会の大学教育部会(部会長、佐々木雄太・愛知県立大学長)は26日、「質の高い教育に不可欠な学生の学習時間が少ない」として、予習 や復習を含めた学生の実質的な学習時間を確保する取り組みを求める報告書をまとめた。改善策として、学生の学習到達度を測定する標準化テストの開発、授業 科目をレベルに応じて分類する「ナンバリング」の導入などを例示。中教審は改善策の具体化を進め、今夏をめどに答申をまとめる。  東京大が07年に行った調査によると、日本の学生が授業や関連学習に費やす1日当たりの学習時間は約4時間35分。文部科学省の大学設置基準で卒 業要件として想定されている「8時間程度」には遠く及ばず、報告書は「学習時間を増加・確保して大学教育の改善を図る必要がある」と指摘した。 "[he-forum 16950] ?V3/27"," 読売新聞 2012年3月27日 センター試験、問題配布ミスなど防止へ改善策  1月の大学入試センター試験で問題冊子配布ミスなどが続出した問題で、大学入試センターの検証委員会は26日までに、改善策を取 "[he-forum 16951] 産經新聞3/26 産經新聞 2012.3.26 12:03 改善策「問題は1冊に」 センター試験の検証委  1月の大学入試センター試験で問題の配布忘れなどの混乱が相次いだのを受け、センターが設置した有識者による検証委員会が、2冊に分かれていた問 題を1冊にするよう求める再発防止策をまとめたことが26日、分かった。センターは、近く検証結果を文部科学省に提出し、来年の試験から改善する方針。   今年の試験では、地理歴史と公民の10科目から最大2つまで選択できる方式を導入。受験科目の組み合わせにより必要な冊子の数が違ったが、試験監督が1つ しか配らないケースが相次いだ。このため、検証委は配り間違いを防ぐことが最重要と指摘。地歴と公民の2つに分かれていた冊子を1つにまとめるよう提言し た。試験前の注意事項の説明が長引き、試験開始が遅れる会場が続出した点も改善の必要があると判断。説明内容を厳選して簡潔にすることで対応すべきだとし た。 "[he-forum 16952] 河北新報3/27 河北新報 2012年03月27日火曜日 「みちのく未来基金」奨学金で進学 震災遺児、地元貢献誓う 一人一人が進学の抱負と決意を語った祝う会  東日本大震災で親を失った高校生の進学を経済面で支援するため、カゴメとカルビー、ロート製薬が設立した公益財団法人「みちのく未来基金」は25日、4月から大学や専門学校に進む1期生の門出を祝う会を事務局のある宮城大(宮城県大和町)で開いた。   初年度奨学金を受けるのは25日現在、被災3県の94人(岩手35人、宮城53人、福島6人)。会には51人が参加し、一人一人が決意表明した。長沼孝義 代表理事は「去年の夏から手探りだったが、何とか送り出せた。いつまでも応援するので、困り事があったら相談してほしい」と激励した。  青森県の 大学で農業を専攻する気仙沼市の女性(18)は「野菜の栽培技術などを学び、将来は地元で農業改良普及員になりたい」と抱負を語った。新潟県の大学に進む 陸前高田市出身の男性(18)は「基金のおかげで大学に進めた。応援を頂いた分、世界に貢献できる人間になれるよう4年間勉強したい」と話した。  基金は高校を卒業する震災遺児を対象に、大学や短大、専門学校の入学金や授業料などを年間300万円を上限に卒業まで給付する。今後25年間程度続ける方針。基金の財源は3社が毎年3000万円ずつ拠出する一方、個人や団体にも参加を呼び掛けている。  新年度の募集要項は4月上旬にまとめる。連絡先は022(777)8157。 "[he-forum 16953] 日本経済新聞3/26 日本経済新聞 2012/3/26 19:39 「学生の勉強時間増やして」 中教審、各大学に提言  中央教育審議会の大学教育部会は26日、学生が授業以外で主体的に学ぶ時間を増やすよう各大学に求める提言をまとめた。国には仕組みづく りに取り組む大学への財政支援を求めた。全入時代で学生の質の低下が懸念される一方で、グローバル社会に対応できる能力の育成が課題になっており、「勉強 しない学生」を放置してきた大学に抜本的な意識改革を迫った。  同部会に専門家が提出した調査結果によると、日本の大学生の勉強時間は1日4.6時間(授業を含む)。1単位の取得には本来45時間(同) の学習が必要とされ、総卒業単位(124単位)を得るには1日8時間程度勉強しなくてはならないが、実態は半分近い水準だ。自主的な予習・復習が少ないた めで、米国の学生と比べても短く、日本の大学教育の評価が低い原因という。  提言は、グローバル化や少子高齢化が進み、変化の予測が難しい社会での大学教育の役割を「生涯学び続け、主体的に考える力の育成」と定義し た。講義を一方的に聞く受動的な学びではこうした力は鍛えられず、予習・復習をしっかり行う課題解決型の授業などを中心にすべきだとした。  必要な仕組みとして、学生が事前に準備しやすくなる内容の濃いシラバス(授業計画)や体系化されたカリキュラムの整備、授業を補助するス タッフ、教室内のICT(情報通信技術)機器や図書館機能の充実などを挙げた。個々の教員任せにせず大学全体で改革に取り組み、勉強時間の充実をきっかけ に教育の質を高めていく好循環をつくるよう提案した。  国に対しては、こうした取り組みを財政支援するよう要請。文部科学省は提言を受け、今後の国立大の運営費交付金や私学助成の配分にこれらの取り組み状況を反映させる方針だ。 "[he-forum 16954] 中日新聞静岡3/28 中日新聞静岡版2012年3月28日付 人材活用し地域貢献へ 静大がエスパルスと連携協定  静岡大(静岡市駿河区)は27日、サッカーJ1の清水エスパルスを運営するエスパルス(同市清水区)と、双方の人材を活用して地域貢献などに取り組む連携協定を結んだ。締結期間は3年間。  (美細津仁志)  静岡大はこれまで、エスパルス選手を招いた子ども向けの学習教室や、サッカー部とエスパルスとのサッカー交流試合を開催してきた。協定により交流をさらに深め、選手らが大学で講義をしたり、大学側が引退した選手の再出発を支援したりする。具体的な連携事業は今後検討するが、両者が手を組み地域貢献活動も進めていくという。  静岡市清水区三保のエスパルスクラブハウスであった調印式では、静岡大の伊東幸宏学長とエスパルスの竹内康人社長が協定書に署名した。伊東学長は「静岡大とエスパルスがタッグを組み、地域に元気が出れば」と話した。  竹内社長も「地域の活性化に尽力したい」と意気込み「大学内にもサポーターサークルができれば」と期待をかけた。 "[he-forum 16955] 日本経済新聞3/27 日本経済新聞2012年3月27日付 「学生の勉強時間増やして」 中教審、各大学に提言  中央教育審議会の大学教育部会は26日、学生が授業以外で主体的に学ぶ時間を増やすよう各大学に求める提言をまとめた。国には仕組みづくりに取り組む大学への財政支援を求めた。全入時代で学生の質の低下が懸念される一方で、グローバル社会に対応できる能力の育成が課題になっており、「勉強しない学生」を放置してきた大学に抜本的な意識改革を迫った。  同部会に専門家が提出した調査結果によると、日本の大学生の勉強時間は1日4.6時間(授業を含む)。1単位の取得には本来45時間(同)の学習が必要とされ、総卒業単位(124単位)を得るには1日8時間程度勉強しなくてはならないが、実態は半分近い水準だ。自主的な予習・復習が少ないためで、米国の学生と比べても短く、日本の大学教育の評価が低い原因という。  提言は、グローバル化や少子高齢化が進み、変化の予測が難しい社会での大学教育の役割を「生涯学び続け、主体的に考える力の育成」と定義した。講義を一方的に聞く受動的な学びではこうした力は鍛えられず、予習・復習をしっかり行う課題解決型の授業などを中心にすべきだとした。  必要な仕組みとして、学生が事前に準備しやすくなる内容の濃いシラバス(授業計画)や体系化されたカリキュラムの整備、授業を補助するスタッフ、教室内のICT(情報通信技術)機器や図書館機能の充実などを挙げた。個々の教員任せにせず大学全体で改革に取り組み、勉強時間の充実をきっかけに教育の質を高めていく好循環をつくるよう提案した。  国に対しては、こうした取り組みを財政支援するよう要請。文部科学省は提言を受け、今後の国立大の運営費交付金や私学助成の配分にこれらの取り組み状況を反映させる方針だ。 "[he-forum 16956] 河北新報3/28 河北新報2012年3月28日付 地域医療に医師派遣 宮城県、東北大で寄付講座 協定締結  宮城県と東北大は27日、県内医療機関への内科医や小児科医の安定的な供給を目指し、東北大大学院医学系研究科に寄付講座を設置する協定を締結した。「宮城地域医療支援寄付講座」と「小児科医師育成寄付講座」で、4月に開講する。  地域医療講座は医師らが地域医療に貢献しながら、自らのキャリア形成を目指せる仕組みをつくる。対象は県内医療機関に勤務する若手・中堅の医師や看護師。医師らが大学で先進医療などを学ぶ間、大学は代わりのスタッフを勤務先の病院に派遣する。  小児科講座は質の高い小児科専門医育成の研修プログラムを設ける。全国から小児科医らを集め、地域の中核病院のスタッフとして研修させる。  いずれも設置期間は2年で、両講座を運営するための県の寄付金は単年度で計9000万円。  県庁であった協定締結式で村井嘉浩知事は「内科医、小児科医ともに県民から充実への強い要望がある」とあいさつ。井上明久東北大総長は「責任を持って講座を運営したい」と述べた。 "[he-forum 16957] 佐賀新聞3/28 佐賀新聞2012年3月28日付 人材育成へ産学官連携 さがものづくり振興協議会設立  次代を担う若年技能者の育成・確保を目的とした「さがものづくり振興協議会」が27日、発足した。円高、原材料価格高騰、アジア諸国の台頭など製造業を取り巻く環境が厳しさを増す中、産学官が連携、人材育成や技能向上に向けた取り組みを充実・強化する。  企業や教育・職業訓練機関、佐賀県など63団体で設立。産学官の人材や知見、情報、資金を有効に活用し、キャリア教育への支援▽若年技能者の育成・技能伝承▽ものづくりへの理解促進▽企業在職者のスキルアップ-を柱に取り組みを進め、産業人材の確保・育成やものづくり産業の持続的な発展につなげる。  具体的には段階に応じた人材育成事業を展開。小、中学校ではキャリア教育支援や企業見学会を開催。優れた技術を伝える県の高度熟練技能者派遣事業を協議会に移し、従来の高校、産業技術学院に加え、大学、専修学校でも取り組み、内容も充実させる。将来的には技能五輪全国大会の県内誘致を目指す。  佐賀市内であった設立総会には70人が出席。会長に県工業連合会の中村敏郎会長(中村電機製作所会長)を選任。事業計画や方針などを決めた。中村会長は「知識、学力より知恵や創造力が求められる。協議会が一丸となりものづくり元年、立県を目指す」と抱負を語った。 "[he-forum 16958] 朝日新聞岡山3/30 朝日新聞岡山版2012年3月30日付 岡山大・森田潔学長に聞く ■秋入学,飛びつかない/半年間どう過ごす・就職活動調整を  東京大が検討を始め、クローズアップされている秋入学。だが、地元・岡山大学の森田潔学長(62)は「私自身は、必ずしも秋入学であるべきだとは思っていません」と話す。秋入学について、どう考えるか聞いた。(長崎緑子) ――東大は国際化を目的に挙げます。岡大を国際的な研究・教育拠点に、という学長の理念とも合うのでは  「秋入学イコール国際化」というイメージは、必ずしも正しくありません。留学しようとする時、春入学と秋入学の時期がずれているというのは多少の障害にはなりますが、研究に支障はないでしょう。  医学部教授として指導したスタッフの多くを海外に留学させましたが、秋まで仕事をして出発してもらっていました。受け入れの際も秋に来てもらっていました。 ――ということは、秋入学に反対ですか  いや、大学全体をグローバル化するには、世界標準の秋入学にあわせた方がいいのは確かです。だから私を含め、秋入学に反対する人はいません。入学といえば桜というイメージは取り払わないといけませんが。  ただ、岡大では学部生約3千人のうち、留学生は1%程度の30人ぐらい。秋入学で多少は留学生が増え、グローバル化が進むかもしれませんが、そのメリットは微々たるもの。障壁の方が大きいでしょう。 ――障壁とは  合格から入学までの約半年間、学生がどこにも所属しない「ギャップターム」が、まず問題になります。みんなが有意義に過ごすのは難しいのではないでしょうか。大学がすべて秋入学になったら、約80万人の若者が半年間、社会にあふれます。そんなに多いと、みんながボランティアというわけにはいかないでしょう。海外留学もいいですが、だれが費用を負担するかという問題が出てきます。  それに、岡大医学部は入学者の約半数が浪人生。ギャップタームのような浪人期間を過ごした彼らを、さらに半年間、「無所属」にしてよいのかと思う。大学だけでなく、社会全体で関与しなければ、秋入学はうまくいきません。 ――具体的には  例えば、約半年ずれる国家試験や就職活動時期の調整が必要になるでしょう。行政や企業には、採用を春と秋の年に2回にしてもらわなければなりません。小学校から秋入学にするくらいの覚悟が必要です。 ――岡大としては、どうしますか  医師や教員などを専門に養成する単科大学だったら秋入学は導入しません。しかし、様々な学科が集まって多様な人材を輩出する総合大学である以上、学部によっては大きなメリットがあるかもしれません。地方大学だからこそ、グローバル化を進めたい気持ちは強い。学内で、メリットの検討と課題の洗い出しを進めています。 ――いつ決断を  「大学改革」のイメージとして、秋入学に飛びつくつもりはありません。ほかの大学の動向をふまえ、本当に学生にとってためになる入学時期はいつなのか、戦略的にじっくりと考えて決めるつもりです。 ※秋入学 東京大学が全面移行を本格的に検討している。海外では主流となっており、留学生が行き来しやすくなって大学の国際化につながるとされる。一方で、合格から入学までの約半年が「ギャップターム」となり、学生側の経済的負担が課題として指摘されているほか、就職活動への影響も懸念されている。 ■もりた・きよし 1949年、倉敷市生まれ。74年岡山大医学部卒。02年に同大医歯学総合研究科教授となり、11年に学長に就任。専門は麻酔・蘇生学。 "[he-forum 16959] 西日本新聞3/29 西日本新聞2012年3月29日付 佐賀大が美術館概要発表  佐賀大学は28日、2013年10月1日にキャンパス内に開館予定の美術館の概要を発表した。建設場所は北側の正門そばに決定。正門も再整備計画が進められており、美術館と合わせて正門一帯を新しい大学のシンボルにする狙いだ。  佐賀大は美術・工芸課程があり、全国公募展などで入賞・入選をしている学生や教員が多いことから、作品を収蔵、展示する場として美術館を新設する。国立大が美術館を設置するのは東京芸術大に次いで2校目で、総合大学では初めて。  美術館は2階建て。延べ床面積は1200-1500平方メートルを予定し、総工費は6億円。建設費の半分と維持運営費を寄付金で賄う方針で、4月2日から募金を始める。同大の佛淵孝夫学長は「佐賀の名所の一つと呼ばれるようにしたい」と話した。 "[he-forum 16960] 朝日新聞3/29 朝日新聞2012年3月29日付 東京芸大、教員がオペラ出やすく 新国立劇場と協定  東京芸術大でオペラを教える教員が、新国立劇場で制作するオペラの公演に柔軟に出られるようになる仕組みができた。大学と劇場が協定を結び、23日に発表した。  同劇場によると、日本のトップレベルのオペラ歌手は、同大をはじめとした大学教員になることが多い。だが、同劇場のオペラは、事前の練習に1カ月以上拘束されるのが普通で、大学の授業を休んで参加してもらうことが難しかったという。  今回の協定で、大学側は教員がオペラに出られる機会を増やす一方、欠席期間中は別の非常勤職員らを充てて授業をする。劇場側は、学生がオペラの舞台裏を見たり、教員のリハーサルの様子を見たりできるようにする。  協定締結の会見で、同劇場の福地茂雄理事長は「国立劇場として、世界に比肩すべきものを自主制作で世に問うのがわれわれのミッション。(協定で)充実したオペラを提供できるようになる」と話した。今後、他大学との協定も進めていく方針という。(木村尚貴) "[he-forum 16961] 日本経済新聞3/28 日本経済新聞2012年3月28日付 沖縄科学技術大学院大、海流予測で海保と協力協定  沖縄科学技術大学院大学(OIST、沖縄県恩納村)と第11管区海上保安本部(11管、那覇市)は27日、相互協力協定を締結した。両者が保有する計測データや試算結果などを相互に活用する。OISTは海流シミュレーションの精度向上に役立て、11管は漂流物の方向や速度の予測に生かす。海洋レジャーの安全確保などにつなげる。  協定の対象期間は2014年度までの約3年間。同日、OISTのジョナサン・ドーファン学長と11管の真嶋洋本部長が協定書に調印した。  OISTは11管が持つ水深などの詳細な実測データを海流シミュレーションに反映させる。11管はOISTのシミュレーション結果を利用し、漂流予測の精度を高める。船舶転覆時の乗組員捜索や、タンカー座礁で流出した原油の拡散などに備えることができようになるという。  沖縄周辺の海域は、台湾から本州に向かって流れる黒潮や、黒潮から沖縄本島沿岸に分岐する海流に加え、海の温度差に起因する複雑な海流もある。OISTは、コンピューターを使った沖縄周辺の海流シミュレーションを得意としている。  11管は海図を更新するため測量船を使って海洋地形を計測しており、センチメートル単位で水深を把握。超音波や電磁波で海流の速さも調べており、詳細な実測データを保有している。  両者は海流の予測精度を高めることで、ダイビングやシュノーケリングといった海洋レジャーを安全に楽しんだり、船舶の事故対策を充実させたりできるとみている。タンカー座礁時に原油流出による環境への影響を最小限に抑えるためにも活用する。 "[he-forum 16962] 信濃毎日新聞社説3/30 信濃毎日新聞社説2012年3月30日付 秋入学 大学改革の入り口に  入学時期を検討している東京大学の懇談会が、秋入学への全面移行を積極的に検討すべきだ、とする最終報告書をまとめた。  懇談会が今年1月、同様の中間報告を公表してから、他の大学や経済界などで賛否両論が交わされてきた。  東大は4月から、正式な委員会で本格的な議論を始める。他の大学と「教育改革推進懇話会」も設け、連携を図るとしている。  入学の時期にとどまらず、大学教育を幅広い視点から考える場にしてもらいたい。  欧米で一般的な秋入学に合わせることで、海外へ留学する学生や受け入れる留学生を増やし、国際化を推進する狙いがある。国際的な大学間競争が激しくなり、国内で少子化が進んでいることへの危機感が背景にある。  慎重・反対の大学からは、就職活動が不利になることや、3月卒業が前提となっている公務員や医師といった資格試験への影響を心配する声が出ている。  経済界では、秋入学を歓迎する声の方が強い。通年採用や秋採用を導入する企業も増えている。ある程度の大学の足並みがそろえば、人材を求める企業側が柔軟に対応するだろう。  国も、入学時期の変更で資格試験の受験機会が損なわれないよう、積極的に協力すべきだ。  より本質的な課題に目を向け、議論を進めてほしい。  そもそも、日本の大学の教育課程に魅力があれば、留学生は自然と集まるに違いない。入学時期を欧米に合わせることで、研究や教育の内容がこれまで以上に厳しく問われることになる。  東大の懇談会は「受験準備の受動的な学びから大学での主体的な学びへの転換」をうたっている。詰め込み教育で、受験までに疲弊してしまう現在の入試制度自体を見直す必要がある。  春入学は廃止し、入学までの半年間をボランティア活動や国際交流に充てるという。学生が、社会活動や短期留学を「しなければならない」ととらえ、型にはまることは避けたい。  大学で学びたいことや将来の職業を考えたり、知らない世界にふれたりする時間にしたい。そのためには、大学が幅広い分野の民間団体と協力し、相談態勢を整えることが求められる。  入学時期の移行から始めることに異論はない。けれど、大学の改革が実を結ぶまでには長い時間がかかるはずだ。覚悟を決めて取り組まなければならない。 "[he-forum 16963] 中日新聞長野3/30 中日新聞長野版2012年3月30日付 災害時緊急情報、携帯に 信大松本キャンパス  信州大松本キャンパス(松本市)の学生や教職員向けに、災害時に必要な緊急情報を携帯電話に流す「エリアワンセグ放送」の実験が29日、始まった。大学では全国初の試みで、簡単な映像と文字情報で、大地震でも途絶しない緊急連絡手段の確保を目指す。  放送電波の未使用周波帯域の有効活用を図る総務省「ホワイトスペース特区」の実験局として、信州大とケーブルテレビのテレビ松本(松本市)が共同申請し、昨年春に開局が許可された。4月1日の放送開始を前に、学内の電波送出設備が整い、関係者が試験放送の点灯式で門出を祝った。  画面上部に映像、下部に文字のデータを流し、災害時には現在の被災状況や避難所、物資などの情報を伝える。受信できるのは松本キャンパスを中心におおむね半径1キロ以内で、付属病院の患者やキャンパスへの避難者らの視聴も想定した内容にする。  浸透を図るため、平時には休講情報や学生食堂のメニューの情報などを放送。親しみやすい健康関連などの番組も制作する。実験期間は1年間だが、その間に本放送の許可を申請し、継続的な放送体制の整備に努める。  受信範囲内でワンセグ視聴機能のある携帯電話を設定すれば学生以外でも視聴は可能だ。山沢清人学長は「キャンパスに来れば誰でも安心して情報が得られるよう、内容の充実を図りたい」と話していた。   (安藤孝憲) "[he-forum 16964] 朝日新聞富山3/30 朝日新聞富山版2012年3月30日付 学生証にIC乗車券 富大、来年4月から内蔵 富山市、身分証で先行導入 公共交通 利用増に期待  富山大は来年4月から、富山市の補助を受けて学生証を一新し、富山地方鉄道が路面電車などで導入しているIC乗車券を内蔵させる。市も今月1日、職員の身分証を約10年ぶりに更新し、IC乗車券の機能をつけた。公共交通の利用促進と中心市街地の活性化につながると、市では期待を寄せている。  富大は昨年12月の役員会で、学生生活の利便性やセキュリティーを向上させるため、学生証のICカード化を決めた。従来の学生証と生協カードの機能に加え、富山地方鉄道のIC乗車券「ecomyca(え・こ・まい・か)」の計3機能を持たせることになった。北陸3県の大学では初めての試みで、2013年4月以降の新入生に対して発行する。  1枚当たりの作製費はこれまでの70円から約21倍の1500円程度かかる。毎年の新入生は約2500人で費用負担は大きい。そこで、広瀬貞樹副学長は市に支援を要望した。「学生の利用者が増えれば、公共交通にも大きなメリットがあるはず」との思いからだ。市側は交通部局で協議し、公共交通の利用促進に効果があると判断。支援に踏み切ることを決めた。  市はシステム改修費などへの補助として、12年度当初予算に約350万円を計上。市交通政策課によると、社会実験として中心部の人出などを調べて効果を検証しながら、15年度まで補助を続けるという。  富大では、JR東日本のIC乗車券「Suica(ス・イ・カ)」搭載の学生証を08年から使う明治大学(東京)などの先行事例を参考に、導入に向けて準備を進めている。「県外出身の富大生は特に中心部の商店街に行かないことが多い。導入されれば街の活性化にも一役買う」と広瀬副学長。  一方、市も今月1日、職員の身分証を約10年ぶりに更新し、「ecomyca」を内蔵させた。先行する松山市からサンプルを取り寄せて検討し、「全国の自治体で初めて定期券として使える機能も追加した」(市情報統計課)という。  1月末時点のIC乗車券発行枚数は「ecomyca」が約4万8千枚、「passca(パ・ス・カ)」(富山ライトレール発行)が約3万2千枚、65歳以上向けの割引IC乗車券「おでかけ定期券」(市発行)が約2万3千枚で、計約10万3千枚。ここに、富大の新入生(毎年約2500人)と市職員(再任用も入れて4352人)分が加わる。  富山地鉄も更なる利便性の向上を目指し、今月17日からIC乗車券の利用可能区間を鉄道全線に拡大した。  市交通政策課の大場一成課長は「IC乗車券の広がりをきっかけに、公共交通の利用者が増えて少しでも街の活性化につながれば」と話している。 "[he-forum 16965] 時事通信3/29 時事通信2012年3月29日20時34分 「グローバル・リーダー」育成へ=秋入学で最終報告-東大  学部の秋入学移行を検討してきた東京大学の懇談会は29日、学内から寄せられた387件の意見を反映し、中間報告の一部に修正を加えた最終報告をまとめた。新たに地球規模の問題を解決できる人材を「グローバル・リーダー」と定義し、同リーダーの育成が、秋入学への移行と一体で進める教育改革の最終目標と強調した。  近く、旧帝大や有力私大計11大学と「教育改革推進懇話会」を組織し、報告書をたたき台に協議を進め、1~2年で整理。最終報告には明記しなかったが、5年後をめどに秋入学への全面移行を目指す。  最終報告では「高校を卒業してから入学するまでの間(ギャップターム)に学力が低下することを懸念する声」に配慮したほか、「経済的な理由で教育機会の不均等が助長されぬよう検討が必要」と指摘した。 "[he-forum 16966] 日本経済新聞3/30 日本経済新聞2012年3月30日付 秋入学、卒業後半年の負担軽減を 東大懇  東京大学の「入学時期の在り方に関する懇談会」(座長=清水孝雄副学長)は29日、学部の入学時期を秋に全面移行するよう求める最終報告を公表した。1月の中間まとめの公表後に学内外から寄せられた意見を踏まえ、高校卒業から入学までの半年間(ギャップターム)の学生への経済支援の充実などを課題として新たに盛り込んだ。今後、別の検討組織を設けて学内での議論を本格化させる。  懇談会は同日、最終報告を浜田純一学長に提出した。浜田学長は「教育改革への取り組みは1合目から2合目にさしかかる。障害の存在を安易に弁解理由とせず、すみやかに行動に移す」とのコメントを出し、5年後をめどに全面移行する考えを強調した。  東大は京都大や東北大、早稲田大、慶応大など有力11大学との協議会を4月に発足させる。清水副学長は記者会見で12大学の協議会名が「教育改革推進懇話会」(仮称)で、秋入学をはじめとする大学教育の改革を幅広く話し合うとした。  最終報告は、グローバル人材育成や国際的な大学間競争を乗り切るために「世界の7割の国が導入する秋入学への移行が不可欠」とした中間まとめを踏襲。国際化推進と、ギャップターム中に学生に多様な体験を積ませるため、スピード感を持って検討すべきだとした。  中間まとめ公表後、懇談会は学内から意見を公募し、387件の意見があった。費用対効果などから慎重意見もあったが、最終報告は「グローバル化に対応する大学や社会の人々のメンタリティーの転換、社会システム全体の見直しにつながるインパクトを持つ」と強調し、理解を求めた。  一方、産業界などの反応は「おおむね好意的」と分析。他大学に同調する動きが広がっていることも踏まえ、東大単独ではなく連携して移行を目指すとした。  そのうえで課題として指摘が多かったギャップターム中の学生の経済負担の軽減策を検討し、「経済的な理由で教育の不均等が助長されないよう十分な検討が必要」と指摘。解決策として、ギャップターム中の活動は無償のボランティアだけでなく、自治体や非営利組織(NPO)から収入を得る活動も認めることを提案。地方出身者のための寮や、入学前の学生への奨学金貸与制度などを創設するよう求めた。 "[he-forum 16967] {o?V3/30"," 日本経済新聞  2012/3/30 11:35 教職員らのボーナス減額、学校法人に支払い命令 京 "[he-forum 16968] 西日本新聞社説4/2 西日本新聞社説2012年4月2日付 核兵器廃絶研究 長崎大の決意に期待する  被爆地・ナガサキにある大学だからこそ、平和な世界をつくり出すために、やらねばならぬことがある-。そんな強い決意が伝わってくるようだ。  長崎大核兵器廃絶研究センター(梅林宏道センター長)が1日、開所した。  「核なき世界の実現」に向け、具体的な手法と理論を専門的に研究して、国際機関や各国政府に政策を提言する。  長崎大によると、核兵器廃絶にテーマを絞った調査研究機関は国内初という。被爆体験を訴え、核兵器の悲惨さを世界に問うてきた被爆地の取り組みを、さらに一歩進めるものとして評価したい。  核兵器に関するデータベース構築など情報収集機能を高め、時代に即した平和研究の成果を世界に発信する。講座や公開シンポジウムなどを開き、学生や市民との連携を重視するのも特徴だ。  今月末からウィーンで開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議第1回準備委員会には早速、スタッフを派遣し、核兵器をめぐる情勢分析などをする。  長崎大のセンター設立の背景にあるのは、世界で唯一の被爆国の中でも実際に“被爆体験”を持つ学術機関としての使命だ。67年前の原爆で前身の長崎医科大の学生ら約900人が犠牲となった。  設置趣旨の中で「核なき世界の実現」が大学にとって極めて重要な課題とうたっていることは、十分に理解できる。  故鎌田定夫さんが設立し、反核・平和運動の理論的拠点だった民間の「長崎平和研究所」が、財政難などから2年前に閉鎖されたのも大きな要因だった。  長崎大は従来、原爆被爆者や旧ソ連・チェルノブイリ原発事故の被ばく者の治療など、医学的研究には実績があるが、核軍縮や平和などに関する研究の弱さが指摘されていた。このため、国際的に通用する研究機関の設置を求める声が地元を中心に高まっていたのである。  こうした状況の中で、長崎大は長崎市や軍縮・核兵器問題の専門家などを交えて約1年をかけて構想を練ってきた。  そうして導き出されたのが、国立大としては例のない核兵器廃絶に特化した研究機関を創設して、具体的な平和への道筋を世界に発信していくことだった。  センター設立を働きかけた一人、元長崎大学長の土山秀夫さんは「被爆者が積み重ねてきた感性に訴え掛ける活動と、論理に訴える活動の両方が大事」と常々発言している。その通りであろう。  「核兵器なき世界」を提唱したオバマ米大統領のプラハ演説から3年たつが、北朝鮮やイランが核開発を続けるなど国際社会が核兵器廃絶に向かっているとは言い難い状況だ。それだけに、発足したセンターにかかる期待も大きい。  東京電力福島第1原発の事故を受け、放射能による被害という観点からも、原発をめぐる研究も避けては通れまい。  私たちは市民の立場から、長崎大の挑戦が花開くよう願うと同時に、活動に積極的に参画して後押ししていきたい。 "[he-forum 16969] 西日本新聞4/1 西日本新聞2012年4月1日付 育て獣医師“薩長同盟” 鹿大、山大「共同学部」発足  鹿児島大と山口大は1日付で、同じ教育課程で獣医師を育てる「共同獣医学部」を新設する。両大学をインターネット回線で結ぶ遠隔授業によって少ない教員を補完し合う、全国初の試みだ。背景には、家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)といった大規模な感染症への対応から、食の安全確保まで、近年の獣医師の役割増大がある。“薩長同盟”で互いの強みを生かし、世界に通じる獣医学教育を目指す。  鹿児島市の鹿児島大。「最新鋭の機材をそろえた」。そう語る担当者に案内された教室には、ハイビジョンの大画面や電子黒板が並ぶ。  鹿大が導入した遠隔授業システムだ。直線で約300キロ離れた山口市の山口大との間をネット回線で結ぶ。画面の一つに映し出されたのは山大の教室。山大の画面には鹿大の教室が映る。電子黒板の文字も即時送信され、教員は授業を生中継し、1人で両大学の学生を教えることができる。  共同獣医学部は、両大学の農学部獣医学科を改編し、それぞれ設置する。入試は別々に実施し、学生は各大学に所属するが、同じカリキュラムと時間割で学ぶ。必要に応じて専門科目の遠隔授業を行い、夏休みなどは相互の大学に学生を集め、共同実習も予定する。    □   □  「日本の獣医学教育は世界的に遅れているが、一つの大学で充実させるのは難しい」。鹿大の学部長に就任する高瀬公三教授は“薩長同盟”の背景をこう説明する。  近年、獣医師は治療だけでなく、口蹄疫や鳥インフルエンザなど感染症への対応、国際的な防疫、食の安全確保など、幅広い知識と技術が求められている。対応するには国際水準の獣医学教育が不可欠なのだという。  しかし、「日本は欧米に比べて獣医学教育の規模が小さい」と高瀬教授。獣医師の養成課程がある国立大は10校で、各大学の教員は欧米の4分の1程度しかいない。  連携には、少ない教員を補完し合う狙いが大きい。例えば、教員約30人の鹿大は消化器系の専門教員が不在で、これまで循環器系の専門教員が教えていた。4月からは、鹿大の学生は山大の専門教員から遠隔授業で学べるようになる。  両大学には、それぞれの特長がある。鹿大は畜産地帯を抱え、家畜など産業動物に強い。学内には全国唯一の馬専門の診療施設もある。一方、山大はペットなどの感染症分野に定評がある。互いの強みを生かし、教育の質を高めていくという。    □   □  地域貢献も期待されている。日本はペットの獣医師が多く、産業動物の専門家や自治体の勤務医が少ない。2年前に宮崎県で口蹄疫が流行した際は、獣医師不足が浮き彫りになった。高瀬教授は「高い技術を持つ獣医師を多く輩出し、『獣医師の偏在』という課題を解消したい」と話す。  一方、遠隔教育の限界を指摘する声もある。日本獣医師会九州地区理事を務める鹿児島県獣医師会の坂本紘(ひろし)会長は「獣医学は実学で、映像だけで学べるものではない。現場で顔を突き合わせて学ぶ共同実習の充実が、質の高い教育につながる」と強調した。 "[he-forum 16970] 高知新聞4/4 高知新聞 2012年4月4日  脇口高知大新学長に聞く  海洋系学科つくりたい 真の学内融和が課題    高知大の新学長に4月1日付で就任した脇口宏氏(65)=前医学部長。少子化 が進む中、どう個性ある大学をつくろうとしているのか、抱負を聞いた。(聞き 手=社会部・宮崎順一)  -新学長として取り組みたいことは。  相良(祐輔)前学長の路線を引き継ぎ、大学の目玉や個性をつくる改革を進め る。「高知大ではユニークな教育が受けられ、研究ができる」と社会に認識され なければ、少子化が進む中、高知大を残したいという人は高知県にもいなくなる。 前学長も言っていたが、「地方の大学」ではなく、「地域の大学」として、県の 発展をベースに国、世界に貢献する大学にしていく。  -高知大らしい研究とは、例えば?  若手教員を(授業を担当させずに)研究に専念させる「イノベーティブマリン テクノロジー」というプロジェクトを進めている。内容は微生物など「黒潮の恵 み」の研究。彼らが一人前の研究者になれば、例えば、高知の特長を生かせる海 に関連した学科をつくりたい。海洋深層水などの研究を「健康な体をつくること」 に生かすことを考えている。(県の目指す)「健康長寿日本一」にもつながるの ではないかと期待している。  -運営面では、法人化、それに続く国の運営費交付金削減など厳しさもある。  正直、ほんとに厳しい。でも、法人化によって、大学が自分の考えで(国や団 体など外部の)競争的資金を取ってきたりプロジェクトを組んだりして、維持発 展できる。マリンプロジェクトなどはいい例。法人化をチャンスとし、とにかく 食い付いていかないといけない。大学として(生き残りへ)正念場。  -大学には研究だけでなく、人材育成の役割がある。  高知県、四国でリーダー的な存在になる人を育てたい。世の中の問題点を自分 で探して解決し、新たな方向付けができる人を育てることが大事。講義でただ教 えるだけでなく、学生が考え、討論するカリキュラムにも取り組んでいる。  -2代続けて医学部出身の学長。旧高知大と旧高知医大との融合具合は?  互いの理解はまだまだ。植物や人の健康の研究で農学と医学が連携するなどの 共同研究が深まれば、融和は進む。真の融和を一日も早く実現する。それが学長 の大きな役割の一つと思う。 "[he-forum 16971] 日本経済新聞4/3 日本経済新聞 2012/4/3 21:12 学校法人の95%が財務情報公開 ホームページで  私立大学などを運営する学校法人のうち、収支計算書や貸借対照表などの財務情報をホームページ(HP)上で公開しているのは昨年10月時 点で全体の95.3%となり、前年に比べて8.1ポイント増えたことが文部科学省の調査で分かった。図表を使って分かりやすく説明をしているのは5割にと どまり、3%に当たる20法人は一般向けに一切公開していないなど、課題はなお残っている。  調査は大学、短大、高等専門学校を設置する全ての666法人を対象に行った。  HPや広報誌、学内掲示板などのいずれかで公開しているのは646法人で全体の97.0%に達した。ただ公開する内容や方法にはばらつきがある。  HPで公開する内容のうち最も多かったのは貸借対照表で全体の95.2%。収支計算書も94.6%に達した。一方、財産目録や監査報告書は約1割が未公開だった。  一般向けに財務情報を分かりやすく説明する資料を作成したのは553法人で全体の83.0%にとどまった。グラフや図表を活用した資料の掲 載は53.9%、年ごとの数値の変化が分かるようにしていたのは72.5%、新校舎建設などに充てる学校会計独自の「基本金」など企業会計との違いの説明 は29%だった。HPのトップページから財務情報の項目をすぐ見つけられるようにしていたのは83.0%だった。  財務情報を一切公開していない20法人は学生募集を停止していたり、学校開設から間もない大学が目立った。取材に対し「公開する項目の検討に時間がかかったが、5月にはHPに掲載したい」と答える法人もあった。  私立学校法は在学生ら「利害関係者」が求めれば財務情報を公開するよう定めているが、一般向けの公開義務はない。ただ、全入時代を迎えて私立大の経営環境は厳しさを増していることから、文科省は積極的に公開するよう指導している。 "[he-forum 16972] 読売新聞富山4/4 読売新聞富山版2012年4月4日付 富山大が基金創設 財政基盤強化へ寄付募る  富山大は、財政基盤を強化するため、「富山大学基金」を創設した。国からの運営費交付金が年々減額される中、企業や卒業生から寄付を募り、独自の財政基盤確立を目指す。  2日に五福キャンパスで開かれた基金事務室の開所式では、遠藤俊郎学長らが事務室の看板を除幕した。遠藤学長は「先輩方や県内の様々な業種の協力を得ながら、大学の発展を目指したい。基金が有用に使われることを願っている」とあいさつした。  2004年の国立大学法人化に伴い、国からの運営費交付金は毎年約1%ずつ削減されており、各地の国立大学で同様の基金が創設されている。富山大では、11年度の削減額は約1億3000万円だった。  同基金への寄付は、学生支援、教育研究支援、国際交流支援などに充てられる予定。県内の産業界や卒業生に寄付を呼びかけるほか、ウェブサイトなどを通じ寄付を募っていく。 "[he-forum 16973] 佐賀新聞3/31 佐賀新聞2012年3月31日付 佐賀大附属病院、「地域総合診療センター」を新設  佐賀大医学部附属病院は30日、佐賀市立富士大和温泉病院内に新設する「地域総合診療センター」の開所式を行った。臓器や疾患を限定せず、患者の全身状態を診ることができる「総合内科医」の育成を目指す。附属病院から若手医師2人が常駐勤務し、地域医療の現場で臨床経験を積みながら、知識と技術を身につけていく。  センター常勤の若手医師は、附属病院が定期的に派遣する講師クラスの医師の指導を受け、患者の診療や回診に当たる。常勤医は半年から1年で交代し、数多くの総合内科医を育成する方針。4月から業務を始める。  開所式には附属病院や佐賀市の関係者が出席。センター長を務める附属病院総合診療部の山下秀一教授は「地域医療の崩壊を食い止める最善策が総合内科医の育成で、センターはその拠点。どんな病気の患者も診ることができる懐の深い医師を育て、県内各地で活躍してもらいたい」と述べた。 "[he-forum 16974] しんぶん赤旗(主張)4/5 しんぶん赤旗 2012年4月5日(木) 主張 JAXA法改定 宇宙軍拡進める悪法を廃案に  独立法人宇宙航空研究開発機構法(JAXA(ジャクサ)法)から、宇宙開発を「平和の目的」に限定している規定を削除するための改定法案が近く審議入りする見込みです。  JAXA法から「平和の目的に限り」との規定が削除されれば、世界的にも高い評価を受けているJAXAの宇宙技術や運用能力が政府の進める宇宙の 軍事利用拡大策に組み込まれることになります。平和を願う多くの研究者・技術者らが反対の声をあげています。憲法の平和原則をふみにじって宇宙の軍事利用 を拡大することは絶対に許されません。 米国と日本企業のため  JAXA法改定案は、2008年に自民、公明、民主3党が強行した宇宙基本法にあわせて、現行の「平和の目的に限り」を削除しようというものです。  「平和の目的に限り」という規定は宇宙の軍事利用を禁止するために定められたものです。1969年に宇宙開発事業団法が制定されたさい、「憲法の趣旨にのっとり、非核・非軍事を趣旨として」盛り込まれ、JAXA法に引き継がれました。  戦争を放棄した日本が宇宙の軍事利用を拡大するのは、憲法の平和原則をふみにじる暴挙にほかなりません。憲法の平和原則を具体化した規定は守られ るのが当たり前です。自公政権でさえ改定に手がつけられなかったのはこのためです。野田佳彦政権が「平和の目的」規定の削除を強行するのは、憲法の平和原 則を守る姿勢がないことをうきぼりにするものです。  政府の狙いはJAXAのロケットを使って多種多様な軍事衛星を打ち上げ、衛星を追跡するなどのJAXAの高い技術を宇宙軍拡政策に動員することです。文字通りJAXAを宇宙軍拡に組み込もうとしているのです。  政府が宇宙軍拡を進めるのは、日米軍事同盟の飛躍的強化を求めるアメリカの要求に応えるためです。日本が軍事衛星から得た情報をアメリカに提供す るなど、アメリカとともに海外で戦争する態勢づくりが一段と加速します。日本と世界の平和を脅かす企てを許すわけにはいきません。  JAXA法の改悪は財界・兵器産業界の要求そのものでもあります。経団連は宇宙の軍事利用に道を開いた宇宙基本法にあわせてJAXA法を改定するようくりかえし要求してきました。  何種類もの軍事衛星を数多く打ち上げるには巨額の費用が必要です。いま空を回っている情報収集衛星は開発・打ち上げなどで8000億円がかかりました。宇宙軍拡で大もうけを図るのが狙いです。財界・兵器産業界の身勝手な要求に応えるいわれはありません。 公開の原則が危うい  JAXAが宇宙軍拡に組み込まれることで、宇宙開発の「自主・民主・公開」の原則が危うくなることも重大です。自衛隊法は軍事秘密を漏らした者に 懲役5年以下の刑罰を科しています。野田政権は懲役を10年以下とする秘密保全法づくりも企てています。軍事衛星の情報は秘密のため、衛星について自由に 成果を発表し共有し合う研究者らの自由さえ奪われることになる懸念があります。  科学を戦争に動員した過去の誤りを繰り返すことは許されません。JAXA法改定案を廃案に追い込むことが重要です。 "[he-forum 16975] 河北新報4/5 河北新報2012年4月5日付 科学技術振興機構、3県に事務所 企業・大学の研究開発支援  科学技術振興機構(JST、東京)は4日、岩手、宮城、福島3県に「JST復興促進センター」の名称で、それぞれ事務所を開設した。地元企業の技術革新につながる大学などの研究開発を支援し、東日本大震災からの復興を後押しする。  開設はいずれも2日付で、岩手が盛岡市の県先端科学技術研究センター内、宮城が仙台市青葉区の旧JSTイノベーションプラザ宮城、福島が郡山市の県ハイテクプラザ内。民間企業などで科学技術の実用化経験がある人材を「マッチングプランナー」として、計18人を配置した。  プランナーは地元企業が求める技術と、大学など研究機関のシーズ(種)を発掘する。双方をつないで共同研究にまとまれば、80テーマを上限に1件につき毎年最大2000万円を助成する。  このほか、将来有望な技術開発に向けた課題解決を目指す公的機関の中長期的な研究に、1件につき毎年最大3000万円を支援。企業への技術移転の可能性がある大学などの研究に170万円、技術移転が可能かどうかを検証する大学や企業の研究に800万円をともに1年間に限って補助する。  JSTは9日、復興促進センターの開所式と事業説明会を仙台市青葉区のアエル内で開く。助成申請の募集は4月中に始める。  仙台事務所は「震災で被災地の企業が受けたダメージはあまりに甚大。新たな技術開発で産業を再生させ、雇用拡大にもつなげたい」としている。  JSTは文部科学省所管の独立行政法人で、産学官連携や技術開発支援などに取り組んでいる。 "[he-forum 16976] 日本経済新聞4/5 日本経済新聞2012年4月5日付 東北大、災害研究で世界へ 研究所設け減災対策提案  東北大学が東日本大震災を教訓にした災害研究を本格始動した。被災地の地域医療網の構築を目指す「東北メディカル・メガバンク機構」は10年計画で約15万人の遺伝子(ゲノム)情報を集め、災害医療に役立てる。総事業費は約500億円を見込む。約70年ぶりの新研究所となる「災害科学国際研究所」も発足。災害の発生メカニズムや防災について研究し、成果を世界に発信する計画だ。  メディカル・メガバンク計画は被災地の新生児と両親、祖父母の3世代の遺伝子情報をデータベースに蓄積する。地域住民からもデータを集め、合わせて15万人分の資料を分析して予防医療などに役立てる。  災害時にどのような病気が多く発生し、どう予防するかは災害研究の1つの柱になる。被災地で生まれた子供の疾病や地域住民の生活習慣病などの発症状況を分析し、遺伝子情報との因果関係を調べる。初めの5年間でゲノム解析の仕組みを確立し、その後5年間で疾患と遺伝子の関係を分析する研究に進む計画。  宮城県の地域病院のほか、岩手医科大学とも連携し、岩手県にも協力を要請する。研究と同時に被災地の医療体制の拡充にも役立てる方針で、大学から若手医師を交代で派遣する体制をつくる。山本雅之機構長は「大学医局が支える地域医療の新しい形を始めたい」と話す。  一方、災害科学国際研究所は災害リスクや都市再生など7部門、計36分野について研究を進める。教員数は兼務を含め73人で発足し、2年で約80人規模まで増やす方針。2014年には大学敷地内に5階建ての研究施設も完成する。  10年後に巨大災害に対する減災対策を提案することを目指し、今後発生が予測される東海地震や首都直下地震への備えにする。文系と理系の垣根を越えた研究を進める狙いで、歴史学の平川新教授が所長に就任した。平川所長は「大災害に立ち向かうには研究者の力不足、限界があった。大いなる反省を踏まえ災害に強い社会を目指す」としている。  両事業は震災を受けて東北大が進めている7つのプロジェクトのうちの2つ。  4日記者会見した里見進総長は「日本は災害が頻発する宿命を負う。研究で得た情報を日本から世界に発信していく」と意気込みを語った。 "[he-forum 16977] 中日新聞石川4/6 中日新聞石川版2012年4月6日付 「産学官」連携 金大に新拠点 先端科学・イノベーション推進機構 名称プレート 学長ら除幕 研究成果 還元誓う  基礎研究から応用研究までを一貫して支援し、産学官の連携を強めるため、金沢大が二〇一二年度に立ち上げた組織「先端科学・イノベーション推進機構」の発足式が五日、学内であった。中村信一学長らが、建物に設置した名称プレートを除幕し、社会貢献を軸にした新しい拠点としての発展を誓った。  新しい組織は教職員計十八人でスタートする。世界情勢や国の研究支援の方針を見極めながら、産業界や地域のニーズに沿った研究を推進するのが狙い。知的財産の管理や若手研究者の育成、社会への研究情報の発信などの役割を担う。起業の支援にも取り組み、研究成果を社会に還元する。  式は、角間キャンパス中央部にある機構の建物入り口であり、機構長に就いた山崎光悦理事が「研究が多岐にわたる中、産業界との連携や知的財産の管理などを一貫して担っていく」と決意。中村学長もあいさつし、社会貢献に期待を寄せた。名称プレートを覆った白い幕を引くと、出席の教職員から拍手がわき起こった。 (前口憲幸) "[he-forum 16978] 毎日新聞青森4/6 毎日新聞青森版2012年4月6日付 寄付講座:「津軽は短命」汚名返上 健康づくりリーダー育成 弘前市、弘大大学院に開設  全国一の「短命県」でも特に短命とされる津軽地方の汚名返上を目指し、弘前市は弘前大20+件大学院に寄付講座を開設する。医学研究科の「地域健康増進学講座」で、地域の健康づくりリーダーを育成し健康増進と長寿化を図る意気込みだ。4日記者会見した中路(なかじ)重之研究科長(社会医学)は「市税で寄付講座をつくるのは全国でもおそらく初めて」と話す。  厚労省の05年調査によると、全国の平均寿命(男78・8歳、女85・8歳)に対し、本県は男76・3歳、女84・8歳といずれもワースト1位。県の市町村別寿命表でも同年、津軽地方が短命とされた。  同研究科は05年度から、県や市などと協力して旧岩木町(現弘前市)の住民を対象に生活習慣病の予防などの「岩木地区健康増進プロジェクト」を実施。昨年度からは旧相馬村(同)でも同様のプロジェクトを展開してきた。その過程で地域の健康づくり指導者の養成が課題に上がった。 "[he-forum 16979] 日本経済新聞関東甲信越4/6 日本経済新聞関東・甲信越版2012年4月6日付 横浜国大と横浜市大、サテライト授業を拡充  横浜国立大学と横浜市立大学は2012年度にそれぞれ横浜市内にサテライトキャンパスの拠点を開設し、独自の授業を始めた。両大学はこれまで建屋1棟を借りて授業を共同運営していたが11年度末で国の補助金が終了。横浜国大が芸術、横浜市大が街づくり分野に特化して、好評だった外部識者との交流を軸とした実践的な授業を続けることにした。  横浜国大は12年度、保土ケ谷区の大学内に講座などを企画運営する拠点「横浜都市文化ラボ」を設置した。夏にも学外で映画と演劇のワークショップを開く。関係者を講師に呼び、映画や舞台を制作し市内での開催を目指す。京都精華大学と連携した都市文化を考える集中講座も夏に開く。  横浜市大は中区にある市の施設、ヨコハマ創造都市センター内に「YCCスクール」を開設した。4月中旬から街の活性化や都市デザインなどを考える講座をセンターで始める。市内商店街やガイド協会の幹部を招き、街づくりの歴史や今後の課題を分析する。  7月からは毎月、市民講座を開く予定。来年1月には街づくりに関するアジアの関係者を集めた国際会議も計画する。  両大学を含む7つの大学は09年10月にサテライトキャンパス「北仲スクール」を開設。国からの補助金約2億円超で中区北仲地区に建屋を借り、授業を始めた。11年度末までに外部の講師約300人が出向いて、実践型講義や市民講座などを実施した。全国で珍しい取り組みとして、市民を含め延べ1万4000人以上が受講した。  両大学は市や大学の施設を使うなどで事業費を従来の3分の1以下に抑える考え。ただ今後も他大学や企業に参加を呼びかけ規模拡大を狙う。「文化ラボとYCCスクールの連携も図り、共同運営時と同規模の受講者数を目指す」(横浜市大の鈴木伸治准教授)  横浜国立大学の室井尚教授は「北仲スクールでは外部の人と学生が交わることでアイデアが生まれ、学生は社会の見方が広がった。この実験的な取り組みを途絶えずに続けたい」と話す。 "[he-forum 16980] 中日新聞4/7 中日新聞2012年4月7日付 中部7大学、先端医療開発で協定   中部地方で病院を持つ7大学が先端医療の開発で連携する「中部先端医療開発円環コンソーシアム」が6日、発足した。基礎研究の成果を、医薬品や医療機器の開発・産業化にすばやく結びつける。欧米先進国に大幅に後れをとる現状の打破を目指す。  愛知医科、金沢、岐阜、名古屋、名古屋市立、藤田保健衛生、三重の7大学の病院長らが6日、名古屋大で協定書に調印した。名大によると、複数の大学が協定を結んで先端医療開発に取り組むのは全国で初めて。  プロジェクトごとに参加大学を募り、各病院にある最先端研究設備や情報を共有する。開発、臨床研究、治験、実用化までの過程を共同で推進する。がんや再生医療、免疫療法など16件が決まっており、5月上旬ごろから着手する。  先端医療開発をめぐっては、日本中の大学病院で基礎研究をしているが、それぞれが限られた施設と予算で取り組んでおり、投資効果や研究の効率が悪い。  研究や医療の水準は高いにもかかわらず新薬の開発品目数は年々減少。手術支援ロボットなど最新医療機器はほとんど外国製で、医薬品と医療機器は圧倒的な輸入超過となっている。  理事長に就任した名大病院の松尾清一院長は「近畿や東北など地域ごとに同様の組織が今後設立され、それぞれが連携できれば日本中の基礎研究の成果を吸い上げられる。世界に後れをとっている現状を中部地区から突破したい」と話した。 "[he-forum 16981] 徳島新聞4/6 徳島新聞2012年4月6日付 災害時の救護活動で協定 県と徳大・徳島市民病院  徳島県は5日、徳島大学病院(徳島市)と徳島市民病院(同)に災害拠点病院の指定書を交付するとともに、両病院と災害時の医療救護活動に関する協定を結んだ。災害拠点病院の指定は3月30日付で、指定病院は県内で11カ所となった。  飯泉嘉門知事が県庁で、安井夏生徳大病院長と露口勝徳島市病院事業管理者に指定書を手渡した後、協定書に調印した。知事は「想定される3連動地震をどう迎え撃つか。各病院の得意分野を生かした対策をお願いしたい」と話した。  両病院は災害時に大勢の負傷者を受け入れることができ、医療スタッフも充実していることから指定を受けた。災害時は、重傷患者らを受け入れて治療に当たるほか、医療救護班を県内外の被災地に派遣する。 "[he-forum 16982] 共同通信4/7 共同通信2012年4月7日19時12分 福島大、東京サテライトを開設 新入生6人が入学  東日本大震災で大きな被害を受けた福島県の復興の在り方を学ぶ福島大大学院地域政策科学研究科東京サテライトの開設式が7日、連携協定を結んでいる東京・池袋の立教大で行われた。  入戸野修福島大学長は「福島では震災から1年たっても復興に向けた確固たる動きはない。教員一丸となって支援するので、しっかりと学んでほしい」と新入生を激励した。  新入生は20~60代の6人。災害対策や行政法などを2年間、立教大のキャンパスで学ぶ。新入生の1人で、あしなが育英会奨学課長の仕事を続けながら学ぶ予定の小河光治さん(46)は「被災地の子どもの貧困問題などを解決するため勉強したい」と話した。 "[he-forum 16983] ??4/8"," しんぶん赤旗 2012年4月8日(日) 宇宙軍事化許せない JAXA法改悪 科学者らシンポ  宇宙分野の最先端技術を軍事動員するための宇宙航空研究開発機構(JAXA)法改悪の動きについて考えるシンポジウムが7日、東京都内で開かれました。主催は日本科学者会議東京支部科学委員会( "[he-forum 16984] 産經新聞4/7 産經新聞 2012.4.7 13:52 (1/2ページ) 原発技術者の“卵”、各大学院で減少 将来性懸念か  原子力関連の専門教育を施し、電力会社や原発関連メーカーなどに人材を提供してきた大学院(工学系)への今春の入学者数が昨年度に比べ、減少して いることが7日、分かった。東京電力福島第1原発事故に伴う業界の将来性への懸念などが背景にあるとみられ、関西電力の原発全11基などを抱える福井県の 福井大大学院は定員割れの事態に。福島第1原発の事故処理には30年以上かかるとされ、古い原発の安全確保にも技術者は不可欠で、大学関係者は「有能な技 術者を絶やすわけにはいかない」と危機感を募らせている。 定員に満たず   福井大大学院工学研究科原子力・エネルギー安全工学専攻(修士課程)の今春の入学者は昨年度より15人少ない22人。「3次募集まで行ったが、定員(27 人)に達しなかった」(同専攻担当者)といい、同大関係者は「学生が原発事故の影響に敏感になっているのかもしれない」と話す。  原子力工学専攻や環境工学専攻などが統合され、平成17年に発足した大阪大大学院工学研究科の環境・エネルギー工学専攻(修士課程)は昨年度を8人下回る81人となった。   昭和32年に原子核工学専攻が全国に先駆けて設置された京都大大学院工学研究科(修士課程)は、昨年度比1人減の23人だった。また、名古屋大大学院の量 子エネルギー工学分野(修士課程)も1人減の21人。九州大大学院のエネルギー量子工学専攻(修士課程)も2人減の35人となっている。 産經新聞 2012.4.7 13:52 (2/2ページ) 事故を教訓に  こうした傾向について、杉本純・京大大学院教授 (原子核工学)は「他の大学でも修士の志願者は23年度に比べ全体的に減っているようだ。福島第1原発事故の影響があるとみている」と話す。杉本教授によ ると、1986年に起きた旧ソ連でのチェルノブイリ原発事故以降、原子力関連専攻の学生数は低迷傾向にあった。しかし、数年前からはアジアを中心に新たに 原子力を導入する国が増加するなどし、福島第1原発事故直前までは原子力が世界的に再評価され、学生数も持ち直していたという。  杉本教授は「仮に『脱原発』を選択するにしても今ある原発を廃炉にするには長い時間が必要。事故を教訓として安全レベルを格段に上げるためにも、今後も技術者育成に貢献したい」と話している。 "[he-forum 16985] V4/9"," 朝日新聞 4/9 私大生への仕送り、過去最低 9万1300円  昨春入学した私立大学生への親元からの仕送り月額は平均 "[he-forum 16986] V4/9"," 朝日新聞 2012年4月9日14時45分 医学部いる?いらぬ?賛否両論 栃木 国際医療福祉大・北島政樹学長  栃木県内への医学部新設に、県医師会は反対する立場を明確にしている。一方、大田原市を拠点とす "[he-forum 16987] 日本経済新聞4/10 日本経済新聞 2012/4/9 22:12 大学はリストラ、高専は増設を 国家戦略会議  政府は9日、国家戦略会議(議長・野田佳彦首相)を開き、次世代を担う人材の育成策について議論した。産業界が求める人材と教育機関が育 成する人材のミスマッチを解消するため、民間議員が教育システムの抜本改革を提言し、大学の統廃合や高等専門学校の増設を求めた。ただ大学のリストラには 教育界の反発が予想され、改革は難航する可能性が高い。  民間議員は「東大の9月入学導入を機に、教育システムの転換を図るべきだ」と指摘。統廃合を含む大学改革の推進に加え、小学校・中学校・高校の「6・3・3制」のあり方も見直し、小中・中高が連携した一体教育の充実を求めた。  大学改革では、国立大学法人の運営費交付金や私立大学の私学助成の配分を見直す。私学助成は学生数や教職員数に応じて配分が決まるが、今後 はグローバル化や地域貢献度を基準にメリハリをつけることを提言。今年度中に新基準を作るように求めた。一方で、成長産業の人材を育てるために高専の拡充 を訴えた。今年春の高専卒の就職内定率(2月1日現在)は98%と高いためだ。首相は平野博文文部科学相に5月に対応策を報告するように指示した。  会議では、生活保護を受ける人の自立支援策も検討。小宮山洋子厚生労働相が、働いて得た収入の一部を積み立てて、保護から脱却した時に受け取れる「就労収入積立制度」の導入を表明した。 "[he-forum 16988] ?M@4/10"," 時事通信 (2012/04/09-21:36) 大学統廃合を推進=「6・3・3制」見直しも-国家 "[he-forum 16989] 新潟日報4/10 新潟日報2012年4月10日 新大法科大学院、大幅定員割れ 新司法試験合格率低迷  新潟大法科大学院の本年度の入学者数が定員を大幅に割り込み、定員充足率が15%に満たなかったことが9日、関係者の話で分かった。新司法試験の合格率 の低迷が背景にあるとみられ、関係者は「抜本的な意識改革と魅力あるカリキュラム設定が急務」と危機感を募らせている。  本年度、新大では定員35人に対し入学者5人で、定員充足率は14・3%。11年度は26人(充足率74・3%)、10年度は22人(同62・9%) だった。近隣国立大の12年度の充足率は、金沢大が92・0%(定員25人に対し23人)、信州大は100%(定員18人)。 "[he-forum 16990] 宇宙の軍事利用に歯止めを 読者の皆さま 東京工業大学の浜田と申します。 オンライン署名「JAXA for Peace」の事務局員です。 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の設置法(JAXA法)の改定案が、国会に 提出されており、間もなく審議されそうな緊迫した状況であることは、皆さまご存知でしょうか?法 改定の内容は、 「宇宙開発は平和目的に限る」としている現在の規定を削除するものです。 もし、「平和目的」規定が削除されると、日本の宇宙開発が軍事目的化され、研究・開発 のプロセスや成果が軍事機密のベールに包まれてしまうことが心配されます。また、研究者が 軍事研究に動員されてしまう心配があります。このような重大な問題がほとんど報道もされず、 人々に知られないうちに、国会で通されようとしていることも問題だと思っています。 世論を盛り上げて、今回のJAXA法の改訂は食い止めたいという気持ちから、オンラインでの署 名活動をしています。賛同者は1200名を越えました。これまで、第一次(3月9日)、第二次 (3月26日)にわたって、皆さまからの署名とメッセージを、法案を審議する衆議院内閣委員会 に所属する国会議員に届けてきました。間もなく、第三次の要請行動を行います。皆さまからの もう一回りのご賛同をお願いします。 署名サイトは http://jaxaforpeace.a.la9.jp/ です。 ■報道状況 「JAXA法改悪反対 ネット署名広がる」しんぶん赤旗4月5日 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-04-05/2012040514_01_0.html また、4月9日に、本メーリングリストで、以下の記事が紹介されました。 Forwarded by ----------------------- Original Message ----------------------- From: he-forum-news To: S勳 H[ Date: Mon, 9 Apr 2012 12:16:07 +0900 Subject: [he-forum 16983] しんぶん赤旗4/8 ---- しんぶん赤旗 2012年4月8日(日) 宇宙軍事化許せない JAXA法改悪 科学者らシンポ  宇宙分野の最先端技術を軍事動員するための宇宙航空研究開発機構(JAXA)法改悪の動きについて考えるシンポジウムが7日、東京都内で開かれました。主催は日本科学者会議東京支部科学委員会(長田好弘委員長)。  政府は今国会に、日本の宇宙開発を担うJAXAの業務を「平和の目的に限り」行うと定めた同法からこの規定をなくす改定案を提出。近く審議入りする緊迫した局面です。  シンポでは、同法改悪反対のインターネット署名運動の事務局を務める火山研究者の浜田盛久さんが報告しました。「小惑星探査機はやぶさの大航海が 映画化され国民的感動を呼んだ背景で、着々と宇宙の軍事化が進められているのは許せない」と述べ、軍産学複合体が形成され第二の原子力ムラが形成される▽ 軍事機密の壁ができて国民に情報が隠される▽際限ない軍拡競争につながる―などの危険性を指摘。「世論を盛り上げ、法案をくいとめて、科学者の社会的責任 を果たしたい」と訴えました。  天文学者の石附澄夫さんが、JAXA法改悪の背景を解説しました。日本の宇宙開発が「平和利用=非軍事」で進められていた時代から、2008年の 宇宙基本法でこれが覆った経過を説明。ミサイル防衛のための宇宙利用や偵察衛星の導入、軍事通信衛星を使った自衛隊の海外活動、安定的な軍需を得るために 防衛族議員や日本経団連が進めてきたことを明らかにしました。  長田委員長は「原発も宇宙の問題も、技術について真剣に考えねばならない時期にきている」と述べました。 --------------------- Original Message Ends -------------------- -- 浜田盛久 東京工業大学・理学部・地球惑星科学科 勤務 "[he-forum 16991] 信濃毎日新聞4/10 信濃毎日新聞2012年4月10日付 4年制化の県短大運営形態「公立大学法人が望ましい」  県短大(長野市)四年制化を検討している県は9日、大学移行後の運営形態は県直営でなく、公立大学法人による運営が望ましい―などとする庁内検討会議の検討結果をまとめた文書を、県会6会派でつくる懇談会(石田治一郎会長)に示した。月内にも発足する設立準備委員会の検討材料とする。  県立大学設立準備室によると、企画部長をトップとし、関係部局の17人でつくる庁内検討会議が昨年度、3月28日までに3回開き、まとめた=表。運営形態について、県直営では人事面や財務面でさまざまな制約がある―と指摘。公立大学法人の運営ならば、「大学の自主的な判断に基づく弾力的な予算執行や人事管理が可能」などとした。  教育課程では、現在ある幼児教育学科について「県が保育士や幼稚園教諭を養成する必要性は高い」と指摘。生活科学科での栄養士養成については、資格を生かした就職が減っていることなどを挙げ「必要性は必ずしも高くない」とした。  施設については、入学定員が現在と同程度なら県短大の敷地を活用できるとした一方で、校舎は老朽化しており、大規模改修か解体・新築の必要があるとした。  設立準備委は有識者ら14人程度で構成し、9月をめどに学部構成や運営体制などを盛った基本構想をまとめる予定だ。 "[he-forum 16992] 読売新聞4/11 読売新聞2012年4月11日付 大学の抜本改革を提言、定員削減や英語の授業  公益財団法人「世界平和研究所」(会長・中曽根元首相)は9日、入学定員の大幅削減や英語での授業推進などを柱とする「大学改革試案」を発表した。  試案は「日本復活の鍵は高等教育の再生が握っている」とし、世界に通用する質の高い高等教育の実現を目指し、大学の抜本改革を提言。短期大学を含めて1000校を超える日本の大学は淘汰(とうた)が必要とし、併せて入学定員の削減も求めた。  「世界標準の大学教育」の実施に向け〈1〉英語での授業や討論〈2〉9月入学〈3〉卒業単位の厳格認定――を掲げた。学生が長期間、就職活動に専念せざるを得ないような状況も改めるべきだとした。また、大学教員のレベルアップも不可欠とし、教員資格に任期を設けることや、学生や第三者に教員の指導内容を評価させる制度の導入が必要だとした。 "[he-forum 16993] 産経新聞4/12 産経新聞2012年4月12日付 野村証券 福島大と震災復興支援で連携協定  野村証券は11日、東日本大震災の復興支援について福島大学と連携協力協定を締結したと発表した。野村証券が復興支援で教育機関と連携するのは初めて。  福島大学は震災から1カ月後の昨年4月、地元の復興支援を効果的に進めるために学内に新たな研究機関「うつくしまふくしま未来支援センター」を開設。復興支援として土壌汚染調査や県民へのアンケートなどを、幅広い研究者が共同で行っている。野村証券は今後、同大学が行う全国調査や復興支援に関する政策提言などに助言を行う。  今回の締結とあわせ、野村証券は昨年4~6月に実施した震災支援策「紙削減プロジェクト」で集まった806万3400円を福島大学に寄付した。同プロジェクトは、投資信託の販売時に交付する目論見書など、有価証券の売買時に投資家に交付する書類について紙でなく電子メールで交付するもので、個人投資家8万634人が契約していた。 "[he-forum 16994] 富山新聞4/12 富山新聞2012年4月12日付 自由な発想で「面白い富大を」 若手職員、広報サポートスタッフ発足  富大の広報活動に若者の自由な発想を生かそうと、20代の若手職員でつくる「広報サポートスタッフ」が発足した。第1弾として新聞の全面広告を制作しており、新年度も新たな企画を打ち出そうと、11日はスタッフが富山市の五福キャンパスに集まり、アイデアを出し合った。スタッフは「富大って面白そうと思ってもらえる企画を考えたい」と張り切っている。  広報サポートスタッフは、多様化する大学の広報活動に若い感性を取り入れようと、五福、杉谷、高岡の3キャンパスから、勤務年数5年以内の事務系職員を募った。昨年11月までに12グループから各1人が選ばれた。  スタッフは、3月30日付の富山新聞に掲載された全面広告の企画を担当。スタッフと学生の顔写真で「富山大学」との文字を描くユニークな仕上がりとなった。同じデザインでJR富山駅の看板広告を作り、ポスターも100部制作した。ポスターは、5日に富山市総合体育館で行われた入学式や学内に掲示したところ、学生から「ポスターをほしい」との声も寄せられた。  11日はスタッフから▽富大のイメージキャラクターやグッズを作りたい▽図書館や黒田講堂を地域の人にもっと利用してほしい▽研究に打ち込む学生や、職員の素顔を紹介すれば、大学の魅力をもっと知ってもらえる―などの意見があった。  学術情報部図書館情報グループの金田佳子さん(25)は「別の部署のいろんな人の話を聞くことが、自分の業務の参考にもなる」と話した。総務部広報グループの関口真美さん(24)は「スタッフの意見をつなぎ合わせ、若手職員にしかできない柔軟な発想で企画を考えたい」と意気込んでいる。 "[he-forum 16995] 日本経済新聞4/13 日本経済新聞 2012/4/13 11:11 厚生年金と公務員共済年金の一元化、政府が閣議決定  政府は13日、会社員の厚生年金と公務員の共済年金を一元化する法案を閣議決定した。現在、公務員などが加入している共済年金は2015 年10月に廃止し、公務員も厚生年金に加入させる。共済年金の優遇部分は原則厚生年金にそろえる。ただ、官優遇の象徴で共済独自の上乗せ給付である職域加 算については、見直しを先送りした。  共済年金は国家公務員、地方公務員、私学教職員が加入する年金制度で、厚生年金よりも低い保険料率で手厚い給付が受けられるとの批判があっ た。保険料率を段階的に引き上げ、国家公務員と地方公務員は2018年、私学教職員は2027年に厚生年金と同じ保険料率にそろえる。  保険料率以外の優遇部分では、遺族年金について、配偶者が再婚すれば、父母などが年金をもらえる転給を廃止する。年金をもらいながら働く公務員は会社員よりも年金減額の条件が甘いが、これも厚生年金の基準に合わせる。 "[he-forum 16996] 産経新聞茨城4/13 産経新聞茨城版2012年4月13日付 県内4大学で「寄付講座」 茨城  県経営者協会(会長=関正夫・関彰商事会長)は今年度、県内の4大学で県内の企業経営者・幹部らが授業を行う「寄付講座」を実施する。大学側の要望によるもので、若者の仕事への意識を高めてもらう狙いがある。11日に茨城キリスト教大で、12日に常磐大でスタート。茨城大、流通経済大は後期科目で開講する予定。 "[he-forum 16997] 河北新報4/13 河北新報2012年4月13日付 東北大加齢研とフィンランドの大学、学術交流で協定締結  東北大加齢医学研究所は12日、スポーツ・健康科学分野の研究で実績のあるフィンランドのユヴァスキュラ大と学術交流協定を締結した。  調印式は仙台市青葉区の加齢医学研究所で行われた。佐竹正延所長と、アイノ・サーリネン学長が協定書に調印し、取り交わした。  ユ大は1934年に設立された国立大で、教員1400人、学生1万5000人を抱える。自然科学や人間科学領域を中心に研究教育を行い、長寿と運動の効果の研究にも取り組んでいる。  今後、加齢医学研究所で実績のある脳科学と、ユ大の運動科学の知見を持ち寄って共同研究を行う。教員や学生の交流も計画している。  調印式に参加した同研究所の川島隆太教授は「お互いの研究を生かし、脳と体を鍛えることで、高齢者が生き生き暮らせる社会づくりを目指したい」と話している。 "[he-forum 16998] 中日新聞4/13 中日新聞2012年4月13日付 <はたらく>職にあぶれる若手研究者 大学院重点化策の「余波」  三月二日本欄で、低待遇を強いられている五十代の大学非常勤講師の声を紹介したが、若い世代の研究者はさらに厳しい状況に置かれている。国が進めた「大学院重点化政策」で研究者の“卵”が多く養成されたものの、増加に見合うだけの大学のポストや就職先がないためだ。定職に就けず、不安定な生活を送る若手研究者を取材した。 (福沢英里)  関東地方の私立大で任期付きの研究員として語学系の研究に励んでいた男性(36)は、三月で大学との契約が切れた。  四月からは、複数の大学で非常勤講師として働く。収入は月給換算で約十二万五千円と、以前に比べ四割以上減った。一つの職場での勤務時間数が短いため共済年金に加入できず、研究費も出なくなった。  海外の名門大への留学も経験し、専門の研究は人一倍努力してきた。大学院へ進学すると、教授に「頑張れば私みたいになれる」と言われ、教員になって研究に打ち込む姿を思い描いていた。  しかし、男性の所属する語学系の研究科は過去十年、専任教員の募集がない。他大学や研究機関の常勤職を求め、少ない公募に応募するも駄目だった。周囲の先輩たちは、四十歳前後で見切りをつける人が増えた。  上の世代は、非常勤講師で何とか食いつないでいたが、今はそれすら厳しい。四十歳も目前。「別の仕事でも何でもして生活費を工面するしかない」と不安を募らせる。      ◇  大学院在学者数は、一九九一年は約九万九千人だったが、大学院の重点化により、二〇一一年には二・八倍の約二十七万三千人に増えた。  博士課程を修了すると、研究を目指す人はポスドクとなって経験を積み、大学教員や研究機関などの常勤のポストを目指す。しかし、非常勤の教員が増えて常勤の数が減る中で、就職先として常勤教員を想定していた博士の多くが職にあぶれた。  一〇年版「科学技術白書」などによると、理工農系の博士課程修了者のうち、大学教員になったのは一割。四十歳未満の大学教員数も、重点化が始まったころは、約34%だったのが、〇七年には27%と年々減少している。  国立大で研究員をする男性は「“万年助手”と皮肉を込めて言われた時代もあったが、今は万年の職すらない。任期付きの『助教』と呼ばれるポストに群がる四十代がごろごろいる。ポストのためにプロジェクトがつくられ、渡り歩く人も」と打ち明ける。  「ホームレス博士」などの著書がある大学職員の水月昭道さんは「専任教員になりたいと日夜、研究に打ち込み、論文を書きまくる粒ぞろいの若手研究者が養成されても、その能力は生かされない」と指摘。常勤職員を雇う余裕がなく、非正規雇用で賄う大学が増えている現状に、「正規職員を終身雇用で完璧に守る構造こそ見直す必要がある」と説く。 ◆博士人材 社会で生かせ  博士の就職先を広げようと、国も二〇〇六年から、博士やポスドクのキャリア開発に取り組んでいる。新成長戦略にも「二〇年までに理工系博士課程修了者の完全雇用の達成を目指す」との目標が盛り込まれた。しかし、文系の博士やポスドクへの支援は各大学に委ねられ、十分とはいえない状況だ。  いち早くキャリア支援を始めた名古屋大は、当初五割程度だった博士の就職率が、四年たって七割を超えるまでになった。門戸を広げ、全国の博士やポスドクから登録を受け付ける。  同大社会貢献人材育成本部の森典華特任准教授は「企業は博士より修士を欲しがる。日本の成長に高度な知識を持つ博士こそ社会で生かしていく必要がある。企業に理解を求めていきたい」と意気込む。  博士・ポストドクター 2011年度学校基本調査によると、大学院を置く大学は国内に617校。大学院の入学者数は増加しているが、博士課程の学生数は近年減少し、定員割れの研究科も。博士課程修了者は毎年約1万6000人。「ポストドクター(ポスドク)」と呼ばれる任期付き研究員は全国に約1万5000人。 "[he-forum 16999] 産経新聞4/8 産経新聞2012年4月8日付 原発技術者の“卵”、各大学院で減少 将来性懸念か  原子力関連の専門教育を施し、電力会社や原発関連メーカーなどに人材を提供してきた大学院(工学系)への今春の入学者数が昨年度に比べ、減少していることが7日、分かった。東京電力福島第1原発事故に伴う業界の将来性への懸念などが背景にあるとみられ、関西電力の原発全11基などを抱える福井県の福井大大学院は定員割れの事態に。福島第1原発の事故処理には30年以上かかるとされ、古い原発の安全確保にも技術者は不可欠で、大学関係者は「有能な技術者を絶やすわけにはいかない」と危機感を募らせている。 定員に満たず  福井大大学院工学研究科原子力・エネルギー安全工学専攻(修士課程)の今春の入学者は昨年度より15人少ない22人。「3次募集まで行ったが、定員(27人)に達しなかった」(同専攻担当者)といい、同大関係者は「学生が原発事故の影響に敏感になっているのかもしれない」と話す。  原子力工学専攻や環境工学専攻などが統合され、平成17年に発足した大阪大大学院工学研究科の環境・エネルギー工学専攻(修士課程)は昨年度を8人下回る81人となった。  昭和32年に原子核工学専攻が全国に先駆けて設置された京都大大学院工学研究科(修士課程)は、昨年度比1人減の23人だった。また、名古屋大大学院の量子エネルギー工学分野(修士課程)も1人減の21人。九州大大学院のエネルギー量子工学専攻(修士課程)も2人減の35人となっている。 事故を教訓に  こうした傾向について、杉本純・京大大学院教授(原子核工学)は「他の大学でも修士の志願者は23年度に比べ全体的に減っているようだ。福島第1原発事故の影響があるとみている」と話す。杉本教授によると、1986年に起きた旧ソ連でのチェルノブイリ原発事故以降、原子力関連専攻の学生数は低迷傾向にあった。しかし、数年前からはアジアを中心に新たに原子力を導入する国が増加するなどし、福島第1原発事故直前までは原子力が世界的に再評価され、学生数も持ち直していたという。  杉本教授は「仮に『脱原発』を選択するにしても今ある原発を廃炉にするには長い時間が必要。事故を教訓として安全レベルを格段に上げるためにも、今後も技術者育成に貢献したい」と話している。 "[he-forum 17000] 日本経済新聞四国4/14 日本経済新聞四国版2012年4月14日付 香川大、県内3市にサテライトオフィス  香川大学は2012年度中に坂出市、東かがわ市、三豊市の県内3市にサテライトオフィスを開設する。「医学」や「農学」「経済」などの項目ごとに公開講座を定期的に開くほか、地域住民の生涯学習拠点としての活用も予定する。少子化などで大学経営の環境が厳しさを増す中、地域密着を加速させて認知度向上につなげる。  19日に香川大学の長尾省吾学長と3市の市長が高松市でサテライトオフィスの運営に関する覚書を交わす。  新拠点では香川大の教授など職員や学生による公開講座を予定している。東かがわ市では医学や地域マネジメント、坂出市では経済や農学関連、三豊市では教育と工学関連の内容で定期的に開催する。具体的な立地や講座の頻度などはまだ固まっていないが、市と連携することで年度内のできるだけ早い時期の開設を目指す。  香川大の外部拠点としてはキャンパスがある高松市の中心部の商店街内に「ミッドプラザ」を開いている。ただし活用の仕方は主に学生サークルが主催する展示会やコンサート、縁日などの開催。このほか大阪市には入試広報に特化した外部拠点を持っている。  住民向けの本格的な学習機能を持つ拠点としては今回が初めて。「サテライトオフィス開設を機に地域の課題への対応や幅広い協力・連携につなげていきたい」としている。  香川大はサテライトオフィスとは別に3市と包括連携・協力に関する協定も結ぶ。「教育・研究の推進」や「産業・文化の活性化」などが連携対象。サテライトオフィスの拠点機能も組み合わせて産官学連携の推進にもつなげる狙いがある。  3市としても、大学との連携で市民向けの文教関連施策を拡充できるほか、地元の特産品や産業活性化につながる糸口を見つけ出すきっかけになる可能性がある。交流人口の増加も期待する。  サテライトオフィスは愛媛大学は06年に愛媛県内の四国中央、今治、宇和島の3市と連携協定を結んで開設した。産学官連携の拠点としている。徳島大学も大阪市や東京都港区に拠点を設けて企業との連携の窓口として活用している。 "[he-forum 17001] 東京新聞茨城4/13 東京新聞茨城版2012年4月13日付 茨城大 生態系の調査強化 放射能研究プロジェクト  茨城大(池田幸雄学長)は二〇一一年度から実施している東日本大震災と福島第一原発事故による放射能被害に関する調査・研究プロジェクトについて、一二年度は調査内容を強化し、継続すると発表した。森林や川などの生態系で放射性物質がどのように移動していくかを調べるほか、復興支援の研究などを重点的に取り組む。 (小沢慧一)  昨年秋に導入した放射性物質を調べるゲルマニウム半導体検出器を、六月にもう一台(約二千二百万円)投入し、森林や川の放射性物質の詳細な実態把握などを行う。学長特別補佐の横沢正芳教授(物理学)は、森林からは部分的にかなり高い放射性物質が検出されているとした上で、「針葉樹林は全ての葉が生え替わるのに五年ほどかかる。その間は毎年落葉の時期は空間線量の数値が上がるだろう。その放射性物質はやがて川に流れ、霞ケ浦などの湖底に堆積する」と警告する。大学の責務として「生態系における放射性物質の調査はやっていかなくてはいけない」と話した。  同大では一一年度から震災・放射性物質関連の研究をするチームが三十二設置され、三十六プロジェクトを実施している。これまでの研究成果は五月末ごろまでに資料にまとめ、大学ホームページなどで一般公開される。 "[he-forum 17002] 長崎新聞4/13 長崎新聞2012年4月13日付 長崎大学に言語教育研究センター  国際社会で活躍できる人材育成を目的に、長崎大で本年度から、新たな外国語教育の取り組みが始まった。学内に新たに設立された「言語教育研究センター」を中心に、学生の外国語学習のサポートや独自の教材開発などに取り組む。  日本英語学会会長で、言語学が専門の稲田俊明九州大名誉教授を同センター長に起用。専任の英語教員を新規に5人採用し、英語、中国語、韓国語、フランス語の教員計12人体制とした。英語の全授業の5割以上を専任教員が担当することになり、非常勤講師が担当する場合と比べ、より英語教育に特化した指導が可能になるという。  また同大では、パソコンを使ったオンライン英語自学自習システムも整備。学生は自宅などから24時間体制で大学のサーバーにアクセスでき、動画や音声などを用いた英語学習が授業以外でも可能となった。  12日に同大であった言語教育研究センターの完成を祝う式典で片峰茂学長は「センターは英語教育に最大限の力を注ぐという長崎大のシンボル。世界に通用するような若者を育てていきたい」と語り、稲田センター長らと玄関に銘板を掲げた。 "[he-forum 17003] 共同通信4/16 共同通信2012年4月16日10時55分 【「原子力」入学者16%減】今春、原発事故が影響/「原子力ルネサンス」一変  原子力を研究する大学の学科や大学院の専攻に今春入学した人は、東京大など7大学の合計で昨年より16%減少、最大71%減った大学もあったことが共同通信の集計で16日、分かった。東京電力福島第1原発事故で関心が高まる原子力だが、文部科学省は「将来性が不安視されているのではないか」としている。  脱原発が進む場合でも、福島第1原発などの廃炉作業、放射性物質の除染技術開発、既存原発への対応など、メーカーや電力会社などで原子力分野に携わる人材は必要だが、今後確保が困難になる可能性がある。  集計対象は、「原子力」「原子核」などの名称が入った学科や大学院の専攻を入学時に選択できる東京大、京都大、福井大、早稲田大、東京都市大、東海大、福井工業大。今春新設された長岡技術科学大や「今後公表する」と回答した東京工業大は除いた。東大は入学者数を回答しなかったため合格者数を集計対象にした。  7大学の対象の学部、大学院の入学者の合計は223人で昨年の264人から16%減った。福井工業大は昨年の34人から10人へ71%減、福井大は42人から25人と40%減。両大学がある福井県は、再稼働に向けた手続きが進む関西電力大飯原発など原発が集中している。  志願者は合計647人で昨年比12%減。昨年は志願者、入学者ともほぼ前年並みで、今春の減少が目立つ。定員割れした大学もあった。  福井工業大の中安文男(なかやす・ふみお) 原子力技術応用工学科教授は「停止中の原発の再稼働の見通しも不透明で、学生が不安を感じている」と指摘する。  志願者が昨年から約1割減った東大の担当者は「(電力会社などへの)就職目的の学生が減る一方、海外からの留学生が増えた」としている。大阪大や近畿大などにも「環境・エネルギー工学専攻」などの名称で原子力関連学科や専攻があるが、文科省によると同様の傾向とみられるという。 【原子力業界の将来性懸念 教員養成も課題】   今春、大学の原子力関連学科などで入学者が減少したことについて、文部科学省の担当者は「30年、40年先も働けるか。学生は原子力業界の将来性を冷静に見ている」と分析する。  この数年は、地球温暖化対策を背景に「原子力ルネサンス」と呼ばれる原発推進機運が海外で高まり、入学者は増加傾向だったが、昨年の東京電力福島第1原発事故の影響で一変した。  「原子力発電や放射線利用の実践的な技術者を育成する西日本唯一の学科」を看板にし、卒業生の約9割が原子力関連企業や団体に就職する福井工業大。入学者は昨年の3分の1以下に落ち込んだ。中安文男(なかやす・ふみお)教授によると、東南アジア地域は今後原発を増やす方針で、日本の技術力を頼りにしている国も多く「今後も人材が必要。こうした状況を高校生に説明したい」と話す。  1986年のチェルノブイリ原発事故後、原子力が付いた学科や専攻の名前を「エネルギー工学科」などと変更する大学が相次いだ。東京工業大の斉藤正樹(さいとう・まさき)教授は「他の分野の研究者も入り、原子力の専門性が薄まった」と指摘。原発の新設が多かった70年代前後に研究者になった教員も退職を迎えるといい「優秀な教員の育成も課題だ」という。 ▽大学の原子力教育     大学の原子力教育 原子力の研究開発や利用の原則などを定めた原子力基本法が成立した後の1956年、東海大が国内で初めて原子力工学専攻を設置。その後、東京大や京都大、大阪大など国内の大学で関連の学科や専攻が次々と設置された。原子炉や核燃料サイクル、放射線の関連技術や核融合などが教育研究の対象で、研究者や、メーカーや電力会社などの技術者を送り出した。社会情勢や大学教育の方向性転換の影響を受け、「量子」「エネルギー」などの名称に変更した大学も多い。 "[he-forum 17004] 日本経済新聞4/17 日本経済新聞 2012/4/16 20:08 大学教育改革へ地域フォーラム 文科省、学習の質向上へ議論  文部科学省は16日、「どうすれば学生が授業以外で主体的に学ぶ時間を増やせるか」などをテーマに、学生や教職員、経済界関係者らで話し 合う「大学教育改革地域フォーラム」を今月末から夏にかけて各地で開く方針を決めた。大学教育を巡る議論を全国で盛り上げ、改革につなげる狙い。フォーラ ムで出た意見は中央教育審議会大学教育部会に報告し、政策にも反映させる考えだ。  他に「高校までの学習や入試は今のままで良いか」などのテーマも取り上げ、大学教育の質を高め、学びを充実させる方策を話し合う。  各地の大学が同省と協力して開き、7月までに10回行う。第1弾は4月28日に関西国際大(兵庫県三木市)で開く。学生や大学関係者によるパネル討論、少人数グループに分かれて課題を議論する「熟議」などを行う。  中教審は3月末、学生により勉強をさせるよう大学側に求める提言を策定した。これを受けて同省は今月、全大学の学長約700人と学部長約2100人に対し、学生の学習時間をどう把握しているかなどを問うアンケート調査も始める。 "[he-forum 17005] 読売新聞神奈川4/17 読売新聞神奈川版2012年4月17日付 学内重要データ相互保管  横浜国立大(横浜市保土ヶ谷区)は16日、震災や停電などで学籍や授業記録、研究成果などの電子データが失われた場合に、即時に復旧できるようにするため、宇都宮大(宇都宮市峰町)と協力し、相互に重要なデータをコンピューターサーバーに保管し合うことを盛り込んだ「大学情報戦略の協調に関する協定」を締結した。東日本大震災でデータ保護の必要性が高まっており、両大学によると、先進的な取り組みという。  横浜国大の鈴木邦雄、宇都宮大の進村武男両学長が16日、横浜国大で協定に調印した。  両大学によると、想定しているのは、大規模な自然災害や停電、サイバー攻撃などでコンピューターがダメージを受けデータを失う恐れがある緊急事態。学生や卒業者の学籍や履修記録、研究データといった大学運営に必要なデータや、緊急時の学生や教職員の安否情報などを、両大学内に設置するサーバーにそれぞれ保管し、互いにバックアップする体制の構築を目指す。保管データは、互いに閲覧できないようにする。  年内に、両大学の情報管理担当者らが、保管データの優先順位や予算、データを取り扱う人材の育成などを盛り込んだ運営計画を作成する。実際の運用は2~3年後になる予定だ。  一般的にデータが失われた場合、復旧に数か月はかかると見込まれるが、「相互バックアップ」により即日で復旧でき、復旧の時間・コストの大幅削減が期待できるという。  両大学は互いに距離が100キロ以上離れ、災害で同時に被災する可能性が低いことなどから、2009年から災害時のデータの保護とバックアップを連携して行う研究を進めてきた。10年3月から実験用サーバーに一部データを保管し合い、実験を進めている。  宇都宮大では昨年3月の東日本大震災直後に、栃木県内で発生した約20時間にわたる大規模停電や、その後の計画停電でサーバーに多大な負荷がかかり、データが失われるおそれがあったという。  鈴木学長は協定締結後、「データを喪失するリスクを低コストで回避し、研究に打ち込める環境を整えたい」と期待を寄せた。 "[he-forum 17006] 朝日新聞神奈川版4/18 朝日新聞神奈川版 2012年04月18日 医学部新設へ知事始動  黒岩祐治知事は17日、大学医学部新設の検討を始めると表明した。実現すれば、全国で1981年以来の新設になる。詳細は不透明な部分も多く、県医師会との調整も課題だ。  県の「医療のグランドデザイン案」に盛り込んだ。キャンパスを国から指定を受けた横浜、川崎市臨海部の「ライフイノベーション国際戦略総合特区」(下記参照)の中につくる予定。「国際的な医療人材の育成」の拠点として現存する医学部と差別化をはかる。  黒岩知事は「医療・科学分野での経済のエンジンを回す、という特区の趣旨にも沿っている」と話した。  県医療課などによると、米国の大学医学部の分校を誘致する案も上がっている。外国人医師が英語で講義をしたり、留学生を多く受け入れたりすることを検討。付属病院では、外国人の医師による診療や、外国の患者の受け入れも考えているという。  もともとは医師不足の打開策として検討された。人口あたりの医師数は全国39位、看護師数は全国で最も少ない。  医学部の新設に対して、県医師会は「新設には時間も費用もかかる。地域差、診療科ごとの偏在を解消する方が先決だ」(幹部)と反対してき た。黒岩知事が昨年末、国に医学部新設の要望をすると反発。このグランドデザインの内容を議論してきた県のプロジェクトチームから一時、脱退した。  医師会メンバーが復帰後、チームが3月にまとめた最終報告書では、医学部の新設を提示しつつ「教員の確保によって、地域の医師不足を助長するおそれがある」などの課題も併記していた。  知事の発表に対し、県医師会は「現段階では、見解は言えない」としている。  県は、このデザインについての県民の意見を18日から5月17日まで、県のホームページなどで募集する。  「ライフイノベーション国際戦略総合特区」 医療分野の国際競争力を高めるため横浜市、川崎市の臨海部が昨年末、指定された。新たな抗が ん剤の開発、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を活用した再生医療などの6事業について、法人税の軽減や財政支援などの優遇が認められている。 (佐藤陽、山口博敬) "[he-forum 17007] キャリアブレインニュース4/19 キャリアブレインニュース2012年4月19日付 基礎研究医養成で補助金、8月に交付- 文科省委員会、公募要領案を大筋了承  基礎研究医の養成や、診療参加型の臨床実習の充実などに取り組む大学を補助する文部科学省の新規事業について、同省の「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成推進委員会」は18日、公募要領案を大筋で了承した。同省では、月内にも公募要領を公表し、書類審査を経て、8月に補助金を交付する方針だ。  同新規事業の2012年度予算計上額は3.6億円で、事業期間は5年を予定している。補助対象は、▽医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成▽グローバルな医学教育認証に対応した診療参加型臨床実習の充実▽医学・歯学教育の認証制度などの実施―に取り組む大学。  公募要領案によると、基礎研究医の養成では、10件程度を選定し、最高で年2000万円を交付する。取り組み例として、▽学部教育の段階で研究室に配属したり、大学院の講義を履修させたりして、基礎研究への動機付けを行う▽臨床研修が始まるのと同時に、大学院に入学させ、研究に空白期間をつくらない―などを挙げている。  この事業の背景には、解剖学や免疫学、薬理学などの基礎医学が医学・医療の基盤となるにもかかわらず、基礎医学研究に進む医師が減少していることがある。このままの状況が続けば、医学教育や研究の質が低下すると懸念されている。  診療参加型臨床実習の充実では、10件程度を選び、最高で年1060万円を交付する。取り組みの例としては、臨床実習のカリキュラムの改革や運営などの役割を担う「臨床実習コーディネーター」の配置などを紹介している。  背景には、日本の臨床実習は諸外国に比べ、実習期間が短い上に、見学型にとどまるものが多いと指摘されていることがある。米国カリフォルニア州などでは、72週の診療参加型臨床実習が医師免許取得の要件とされているが、日本では平均48週にとどまっているという。  教育認証制度などの実施では、医学、歯学でそれぞれ1件ずつ選び、医科大に最高で年3600万円、歯科大に年1800万円を交付する。複数の大学が共同で取り組むプログラムについて、幹事となる大学が代表して申請することもできる。  医学教育に特化した分野別評価制度は、欧米や韓国、豪州などでは既に導入されているが、日本では導入されていない。 "[he-forum 17008] 日本経済新聞北海道4/18 日本経済新聞北海道版2012年4月18日付 帯畜大、敷島製パンと協定 十勝で産官学連携広がる  十勝圏の産業振興に向け、産学官の連携が加速する。帯広商工会議所と札幌国際大学、帯広畜産大学と敷島製パンがそれぞれ連携協定を締結。帯畜大は帯広市と共同で今年度からフードバレー人材育成事業にも乗り出す。農業や観光を十勝の成長産業と位置付け、共同研究や講座開設などを通じて地域経済の活性化を目指す。  敷島製パンと帯畜大が20日に結ぶ協定は学術振興や十勝圏農業への貢献を掲げ、研究者の交流などを盛り込む見込み。敷島製パンは北海道生まれのパン用小麦新品種「ゆめちから」を使った商品開発を進めており、開発担当者らを帯畜大が社会人学生として受け入れるなど共同研究にも取り組む。帯畜大は敷島側から特別講師を招き、インターン実習などを検討する。  敷島製パンが大学と包括連携協定を結ぶのは全国で初めて。道内では「Pasco(パスコ)」ブランドの製品を事実上販売していないが、十勝産バターや小豆など原料調達面で縁があったという。  帯畜大は帯広市と組み、食に関する社会人向け人材育成の講座を開く。17日に共同事業契約を締結した。5月から受講生を公募し、7月をメドに開講する。受講料は2万~5万円で、食品関連企業などから20人程度の受講を見込む。  帯広商議所も17日、観光振興を主眼に札幌国際大と産学連携協定を結んだ。3年生の後期課程から選択科目の一環として「十勝学講座」を開く。帯広での現地実習を交えながら観光ビジネスを担う人材育成につなげる。 "[he-forum 17009] 読売新聞4/17 読売新聞2012年4月17日付 東大もお茶大も、文京区で子供科学講座  18の大学・短大がひしめく東京都文京区で、大学と区が連携して区内の子供対象の科学講座が始まった。  最先端の学術研究に触れることができるユニークな試みで、理科離れが叫ばれる中、区内にある東大、中央大、お茶の水女子大などの研究者も協力。「文京区から未来のノーベル賞受賞者を出せれば」と期待を寄せる。  区ではこれまで、小学校低学年向けの「親子教室」を開催してきたが、より高度な内容を求める声を受けて「子ども科学カレッジ」を始めた。講師は第一線の研究者。対象を小学校高学年から中学生に引き上げ、最先端の研究成果を学ぶ場とした。  14日に開かれた初回講座では、宇宙科学研究の第一人者、東大の牧島一夫教授(63)が、宇宙誕生の秘密などを解説。「宇宙の端」などについて話すと、参加した約80人からは、「その先はどうなっているの?」などの質問が次々に飛び出した。講義を終えた牧島教授は「想像力の豊かさに驚かされた。こうした場は、私たちにとっても刺激になる」と笑顔で語った。 ◇  講座は全13回。バイオテクノロジーやロボット工学などを取り上げる予定。対象は文京区在住の小5~中3。問い合わせは、区教育センター(03・5800・2591)へ。 "[he-forum 17010] 読売新聞鳥取4/19 読売新聞鳥取版2012年4月19日付 防災で官学連携合意 鳥大と4市の連絡協議会  鳥取大学と鳥取、倉吉、米子、境港の県内4市の官学連携を話し合う連絡協議会が18日、倉吉市役所で開かれた。東日本大震災を受け、防災対策や避難計画づくりなどで連携を深めていくことで合意した。  会議には同大学の能勢隆之学長や竹内功・鳥取市長ら約40人が出席。各市から同大学に防災対策や新エネルギー産業の育成、地域づくりなど6項目にわたって支援の要望があった。  特に防災対策については、島根原発から30キロ圏内となる米子、境港の両市が「事故の際に住民の被曝(ひばく)を最小限に抑える方法について、医学的見地から指導してほしい」などと求めたほか、津波からの避難ルート設定に対する助言も要請。鳥取大の担当者が「今月に設置した工学部付属地域安全工学センターを通じて全面的に協力したい」と答えた。連絡協議会は2004年から毎年開かれており、今回で8回目になる。 "[he-forum 17011] しんぶん赤旗4/17 しんぶん赤旗 2012年4月17日(火) 公務員バッシングの正体 神戸女学院大学教授 石川康宏さんに聞く(1) 市民の不満そらす世論操作  「身を切る」とした公務員削減と賃下げ、大阪市での「思想調査」…。さまざまな形であおり立てられている公務員バッシング。公務員を批判すれば政 治はよくなるのでしょうか。いまなぜ公務員バッシングか。そのねらいと構造はどういうものか。神戸女学院大学の石川康宏教授に聞きました。(聞き手 行沢 寛史)  いま公務員バッシングを、少なくない市民が応援するような状況が生まれていますが、それはこの社会にとってたいへん危険なことだと思います。この問題を正確にとらえるには、まず公務員バッシングを積極的に行っている財界や政府のねらいを見ておく必要があります。 責任なすりつけ  公務員バッシングが受け入れられている背景の一つが、貧困と格差の広がりです。その最大の要因は、財界と政府がすすめてきた「構造改革」路線です。非正規雇用労働者が増大し、社会保障が切り捨てられました。それによって財界は巨大な利益をあげました。  しかし、こうした状況は、市民の不満、怒りを強めます。その不満の矛先を、財界や政府に向けさせないために「原発安全神話」よろしく演出されたのが「公務員=貧困者の敵神話」です。  「国民生活から切り離された生ぬるい労働、生活環境が公務員にはある」「公務員は働かない」「公務員は市民の苦労をよそに、ぬくぬく暮らす既得権勢力だ」というわけです。  これによって財界と政府は、貧困拡大の責任を、公務員たちになすりつける。巧妙な世論操作です。  公務員職場の一部の問題が大きく報道されることがありますが、それは問題ごとに適切に解決すればよいことです。それを「だから公務員はだめだ」というバッシングの理由にしてしまえば、財界・政府の思うつぼということです。  日本の長者番付ベスト10は大企業経営者で埋めつくされています。大企業の利潤の源は、正規・非正規両方をふくむ労働者の安づかいであり、公務員人件費の削減も、法人税減税や大企業への補助金につかわれていけば、まったく同じ役割を果たします。  こんな見え透いた責任逃れや、矛先かわしの世論操作に、市民や労働者が簡単に乗せられていてはいけないのです。最初に根本の問題として、この点を強調しておきます。  くわえて公務員バッシングを通じた公務員の人件費削減は、民間労働者の賃上げ要求を鎮静化させ、さらに公務と民間での「賃金引き下げの連鎖」をつくることで、民間労働者の人件費削減につなげられます。いうまでもなくこれは民間大企業の利潤拡大に直結します。 赤字の根源扱い  先日、国家公務員の賃金を平均7・8%削減する法律が強行成立させられました。推進したのは、民主、自民、公明という「構造改革」をすすめてきた 張本人です。これが正規・非正規を問わず日本の労働者全体の賃金抑え込みの新しい条件づくりになることを、労働者はもっとしっかり自覚するべきです。  また公務員バッシングは「公務員の給料が高いから財政赤字だ」という、事実にもとづかない荒唐無稽な「公務員=財政赤字の根源神話」としても悪用されています。  しかし、たとえば2000年に84万人もいた国家公務員は、2011年には30万人に減らされましたが、その間に財政赤字は拡大しています。  理由は簡単で、赤字拡大の最大の原因である法人税減税や、証券優遇税制による税収の減少、無駄な大型公共事業などでの浪費、そして景気の低迷による税収の伸びのストップといった根本問題への対策が、まるで的外れなままになっているからです。  ここでも公務員バッシングは、問題の「真実の根源」から市民の目をそらす「魔法の盾」「目くらましの道具」とされています。(つづく) "[he-forum 17012] しんぶん赤旗4/18 しんぶん赤旗 2012年4月18日(水) 公務員バッシングの正体 神戸女学院大学教授 石川康宏さんに聞く(2) 財界奉仕者への転換を狙う  「大企業が潤えば、やがて国民も潤う」という大企業第一主義の「構造改革」路線は、国民の絶対的な貧困化という形で破綻が明らかになりました。そ れにもかかわらずこの路線を継続しつづける。そのための国民ゴマカシの格好の手段として意図的に演出されているのが、公務員バッシングです。それは悪政を 免罪させる手段であり、そのような悪政を政治に求める財界を免罪させる道具ともなっています。 震災後の猛奮闘  実際の公務員の働きですが、たとえば昨年の東日本大震災の現場には、公務員たちの自己犠牲的ながんばりが無数にありました。  ハローワークは、たいへんな量の業務をこなし、わずか2カ月で1年分の失業給付の支給を行いました。流された保育所を、ただちに再開していく努力 も行われました。国土交通省の地方整備局は、寸断された道路15本を4日間で開通させ、さらには物資の輸送に不可欠だった仙台空港を、津波から5日目に復 旧させました。  これらを担ったのは公務員です。全国から支援に入ったたくさんの公務員が、復興を願う地元の人たちやボランティアの人たちと力をあわせました。  私はこういう能力と責任感をもつ公務員をたたいて、つぶしていくのは日本社会の今後にとって大きなマイナスにしかならないと思っています。  いま私たちが行わねばならないのは、公務員バッシングという財界発の悪巧みに乗せられてしまうことではなく、逆にそのねらいをしっかり見抜いて、くらしの改善のために、公務員の仕事をいっそう充実させていくことだと思います。  国民の生活や命を支える国や自治体をつくろうとすれば、その具体的な仕事を行うのは公務員です。その公務員をたたくことで、市民のくらしが改善されるはずがありません。 全体の奉仕者が  この国の憲法は「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」(第15条2項)としています。そして「この憲法は、国の最高法 規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」(98条1項)とも書いています。  現在の公務員バッシングには、公務員を「全体の奉仕者」から「一部の奉仕者」に転換させるねらいが込められています。  公務員を全国民・住民のくらしを支える公務労働の担い手から、住民のくらしは二の次、三の次として、大企業に奉仕することを最優先する財界の手下に変質させようということです。  1960年代から70年代にかけて、全国各地に革新自治体がつくられました。最大時には全国民の43%がそれらの自治体で生活しました。「憲法を くらしの中に生かそう」が合言葉とされ、住民の生存権や学習権を守り、大企業による環境破壊を規制するために、自治体や公務員は大いに活躍しました。そも そも、そういう自治体をつくる上で、各地の公務員の労働組合は住民とともに大きな役割を果たしていました。  しかし70年代半ば以降、財界の強い巻き返しによって、革新自治体はつぶされ始めます。当時の社会党の路線転換が決定的な要因となりました。  これをきっかけに、80年代には財界指導者が政治の前面に出た「臨調行革」路線が推進されます。社会保障など革新自治体の取り組みの成果をこわ し、さらに「財界の声が通りやすい国」をめざすというものでした。同じ時期に公務員の労働組合や、民間もふくめた全国の労働組合に対する攻撃が強められま す。(つづく) "[he-forum 17013] ??4/19"," しんぶん赤旗 2012年4月19日(木) 公務員バッシングの正体 神戸女学院大学教授 石川康宏さんに聞く(3) 「全体の奉仕者」の意味は  財界の巻き返しの動きとして、1980年代には政府の各種会議に経 "[he-forum 17014] 読売新聞4/12 読売新聞 (教育ルネサンス) 2012年4月12日 (1)ひきこもり 仲間と克服 マチュピチュ遺跡のジグソーパズルが飾られるなど、ラテンアメリカの雰囲気が漂う「アミーゴの部屋」で、ゲームを楽しむメンタルサポーター(中央2人)と学生(4月5日、和歌山大学で)  真新しいスーツを着た新入生でにぎわうキャンパス。保健管理センターの一角にある「アミーゴの部屋」では、学生らが陣取りゲームに興じていた。「こんなのありえない!」。男子学生が声をあげると、室内に笑いが満ちる。4月5日、和歌山大学(和歌山市)での光景だ。  体験者が支援  アミーゴは、スペイン語で「心を許せる仲間」の意味。同大の「アミーゴの部屋」は、ひきこもりを乗り越えて外出が可能になった学生の居場所のことだ。ゲームなどのレクリエーションだけでなく、対人スキルを磨く集団精神療法なども行われる。  30年前から不登校やひきこもりの学生の支援に力を入れてきた同大では2002年、それまでの蓄積を基に、「ひきこもり回復支援プログラム」を開 発した。その中心にあるのが自助グループ「アミーゴの会」の活動で、当時、問題となり始めていた発達障害による学生生活への不適応にも有効とされた。  同じ悩みを乗り越えた先輩学生が、メンタルサポーター「アミーゴ」として、ひきこもる後輩を訪問し、修学や人間関係などの問題解決を支援する。 「キャンパス内の居場所で仲間を作り、安心感に支えられて成功体験を重ねることが学業復帰への近道となる」と、プログラムの開発者で3月まで同センター所 長だった精神科医の宮西照夫教授(当時)は説明する。   元気の源に  こうした支援により、学生の9割が半年以内に外出可能になるという。大学を休学中のある男子学生(24)は、「アミーゴは、いてくれるだけでほっとする存在。前に進もうとしている人たちなので、元気ももらえる」と話す。  10年には、3人の「アミーゴ」を非常勤職員として採用した。その一人、瀧口穂高さん(26)は、発達障害の診断はないものの、物事をできるか、できないかで決めつけてしまう部分がある。卒業研究でつまずいたのがきっかけで、3年の後期から授業に出られなくなった。  就職活動も重なって精神的に落ち込み、体調を崩した。休学と復学を繰り返して中退したが、同センターに通うようになり、アミーゴの会に参加。少し ずつ回復し、今では同じ悩みを抱える後輩たち約50人を支える立場に回っている。「悩みを抱えているのは自分だけではないと分かり、気持ちが楽になった」 と振り返る。  とはいえ、メンタルサポーターであること自体が、社会に出る前の猶予期間。別所寛人・同センター所長は、「ゆくゆくはここを巣立ち、社会に出てほしい」と話す。そんな期待に応えようと、瀧口さんは今、児童福祉の仕事を目指して大学の通信課程で学んでいる。  苦しみを克服する先輩の姿勢が、後輩の進むべき道を示している。 受験の門戸広がる  発達障害がある学生が増えている。日本学生支援機構が全国の大学などを対象に実施した実態調査によると、2011年5月1日現在、発達障害の診断 書がある学生は、298校に1179人が在籍していた。診断書がなくても、発達障害と推察されて教育的配慮が行われている学生も、2035人おり、診断書 のある学生の約1.7倍に上った。  大学入試センター試験では11年から、特別措置を申請できる障害種別に、発達障害が新たに加わった。申請が通れば、試験時間の1.3倍延長、拡大 文字問題冊子の配布、別室受験などが認められる。11年は95人、12年は135人が特別措置を申請し、発達障害がある受験生への門戸は広がっている。  07年度から特別支援教育が本格的に始まった小・中学校と高校では、特別支援教育コーディネーターの配置や、個別の指導計画の作成などを通して、 一人ひとりの教育ニーズに応じた支援が進んでいる。「大学全入時代」の到来で入学生が多様化するなか、こうしたサポートを経て進学してくる学生をどのよう に支えていくか、大学の対応が急がれている。  発達障害 知的発達の遅れを伴わない発達の遅れのこと。脳機能障害とされている。読み書きなどの習得が困難な 学習障害(LD)、衝動的に行動しがちな注意欠陥・多動性障害(ADHD)、対人関係が苦手な高機能自閉症などがある。2007年に学校教育法が改正さ れ、従来の特殊教育では含まれなかった発達障害の子も対象とする特別支援教育が本格的に始まった。(保井隆之、写真も) "[he-forum 17015] 読売新聞4/13 読売新聞(教育ルネッサンス)2012年4月13日 (2)名入り集合写真の力 学生相談室で面談にあたる夛賀真理・相談員。メンタルな悩みを抱えた学生が訪れる(4月6日、仙台市の宮城教育大で)  集合写真にペンでびっしりと書き込まれた学生の名前。「たった一枚の写真が、発達障害がある学生の支えになることもある」。宮城教育大学(仙台市)の学生相談室で、夛賀 たが 真理・相談員は感慨深げに振り返った。  視覚、聴覚、知的障害、肢体不自由、病弱の5障害領域を網羅する特別支援教育教員養成課程を設置しているのが、同大の特色だ。「1年の必修科目 『特別支援教育概論』を開設し、学生が特別支援教育マインドを育むよう力を入れている」と、関口博久・学務担当副学長(59)は強調する。  2009年に「しょうがい学生支援室」を設置。その下に発達障害部会を設け、細やかな支援を目指している。きっかけとなったのは、アスペルガー症候群と診断された一人の男子学生、真壁実さん(仮名)の入学だった。  入学前、真壁さんは保護者と大学を訪れ支援を受けたいと申し出た。同大にとって、発達障害の診断がある学生を受け入れるのは初めてだった。  真壁さんは予期せぬ事態が起きると対応できず、パニックを起こしやすかった。「自分なんか生きていない方がいい。罰せられた方がいい」と落ち込 み、自傷行為に走ってしまうこともあった。人の顔と名前を覚えるのも苦手で、学生生活を送る上でそのことにも不安を抱えていたという。  5月の合宿研修を控え、同大は両親とも相談した結果、同じ専攻の学生に彼の障害を伝えた。臨床心理士が発達障害について一般的な説明をした後、真 壁さんは「人の名前を覚えるのが苦手で迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いします」と短い言葉でカミングアウトした。  そんな彼のために、学生が進んで準備したのが名前を書き込んだ集合写真。「彼を受け入れ、支えるに足る学生たちだった」と夛賀さんは話す。  「いつも緊張でこわばった顔をした真壁さんが、合宿で柔らかな表情を浮かべていた」と関口副学長。「発達障害は一人ひとりの困りごとが違い、単純にひとくくりにできない。でも、彼を4年間支えた経験が、その後の支援に役立っている」と話す。  教職員のサポートに加え、仲間にも恵まれた真壁さんは卒業後、大学院に進学した。「4年間楽しかった。その思いがあるから、研究に打ち込める」と話している。  仲間が自分を受け入れ、手を差しのべてくれた経験が、真壁さんの成長を大きく促した。(保井隆之、写真も)  アスペルガー症候群 知的な遅れがない広汎性発達障害の一つ。特徴として社会性、コミュニケーション、想像力の欠如などがあり、対人関係をうまく築けなかったり、他者の気持ちを察することができなかったりする。アインシュタインやゴッホもアスペルガー症候群だったと言われている。 "[he-forum 17016] 読売新聞4/14 読売新聞(教育ルネッサンス)2012年4月14日 (3)告知して自立を後押し 障害学生支援センター前に設けられたボランティア募集コーナーには自作のチラシが並ぶ(10日、愛知県美浜町の日本福祉大で)  「ノートテイクをして下さる方を探しています」などと書かれたチラシが、掲示板にぎっしりと並ぶ。  4月10日、日本福祉大学(愛知県美浜町)の障害学生支援センター。「障害学生自身にボランティアを見つけてもらう。自立した学生生活を送るためです」と同センター長の藤井克美教授(66)が説明してくれた。  同大は10年以上前から、発達障害支援に取り組んできた。初代センター長の近藤直子副学長(61)は「当時はLD(学習障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)という用語は一般的でなく、MBD(微細脳機能障害)とひとくくりにされていた」と振り返る。  学生約5400人のうち、障害学生が視覚、聴覚障害、肢体不自由なども含め100人を超える同大は、「セルフコーディネート」という考え方を掲げ る。大学は、社会に出て自立した生活を送るための力をつける場であり、支援を待つのではなく自分から要望する姿勢が必要になる。  発達障害の学生のためには、2010年度から「個別学習支援計画」を導入した。自分の特徴などを記した自己カルテを基に、配慮してほしい項目など を記入したもので、本人が教員に伝える。「教員が作る、高校までの『個別の指導計画』とはそこが違う。自分に必要な支援も明確になる」と藤井教授は話す。  発達障害を学生本人に伝えるかは、どの大学も頭を悩ますが、同大は告知する立場を取っている。「学生生活の先に就労という問題が待っている。就職活動では、自分を客観化して強みと弱みを分析することが不可欠で、診断はそのためのステップになる」と近藤副学長は強調する。  数年前に卒業した後藤真輔さん(仮名)は、アルファベットを読むのに困難を抱えるLDだった。小学生の時に診断されたが、「孫を障害者にするのか」と祖父母が反対し、両親は告知せずにきた。同大は入学前に告知を勧めた。  診断名を知った後藤さんは「自分に能力がないからだと思っていたけれども、そういうことだったんですね」と、ほっとした表情を浮かべたという。教員から講義を録音する許可を得て、パソコンで文字を分かち書きするなど、自分なりの工夫を重ねた。  「正月には『元気に働いています』と年賀状が届いた」と顔をほころばせる近藤副学長。「発達障害というレッテルを貼るためではなく、適切なサポートのための告知だったと再確認した」と語る。(保井隆之、写真も)  MBD(微細脳機能障害) 微細脳機能不全とも言われる。知能障害や明らかな脳障害がないにもかかわらず、認 知、言語、注意、協調運動などに障害を示す症状の総称。認知面の問題を取り上げたLD(学習障害)や、行動面を取り出したADHD(注意欠陥・多動性障 害)の概念が広がり、使われなくなってきている。 "[he-forum 17017] 読売新聞4/19 読売新聞(教育ルネッサンス)2012年4月19日 (4)対人関係の悩みも対応 学修支援センターには、発達障害関連の書籍や漫画も置かれている。学生や教職員が気軽に手にし、理解を深めてもらうのが狙いだ(4月9日、埼玉県宮代町の日本工業大で)  教員と向き合い、授業でつまずいた箇所を個別指導してもらう学生たち。中には対人関係の悩みを教員に打ち明ける者もいる。4月9日、日本工業大学 (埼玉県宮代町)の学修支援センター。「ここは学業に限らず、大学生活の悩みを解消する場」と、同センターの田中佳子准教授が説明してくれた。  2005年に開設された同センターは、専属教員が常時待機し、高校レベルの数学、英語、物理、国語などを基礎から指導。夏休みなどには不得意分野 の克服講座も開いている。波多野純学長(65)は、「勉強についていけず、留年する学生が目立っていた。その対策として、大学内に“家庭教師センター”が 必要だと考えた」と振り返る。  ところが、開設からしばらくたつと、発達障害が疑われる学生の存在が目立つようになった。工学系大学のため、卒業論文はチームで取り組むが、研究 室内で人間関係を築けないのだ。実際、臨床心理士がいる学生相談室には、発達障害の診断を受けた学生が、入学前に親と支援を求めてくるケースも増えてい た。  一方、こうした学生を教える教員の中には、自分の指導方法に疑問を持ち、悩みを抱える者が現れてきた。大学を挙げて発達障害に取り組む必要に迫られ、センターでも対応することになった。  発達障害が重かったり、不眠やうつなどの二次障害が出ている場合、学生相談室の臨床心理士が対応する。センターの田中隆治准教授(60)は「そうした子を学生相談室へとつなぎつつ、教務課や担当教員などと情報を共有するための『橋渡し』を果たすのもセンターの役割です」と強調する。  数年前に卒業したアスペルガー症候群の男子学生は、授業中に立ち歩いたり、奇声を上げたりする行動などを理由に、高校を退学させられた。高卒認定試験を受けて入学してきたが、発達障害を理由にいじめられた体験がよみがえると、パニックになった。  本人と親の許可を得て、研究室の学生に発達障害を公表した。パニックを起こした時は、同センターで気持ちを落ち着かせるなどの対応を取った。周囲の理解が得られ、学生の表情は日増しに明るくなっていった。今は、就職活動に励んでいる。  「橋渡し」を介した全学的取り組みと自立まで寄り添う姿勢が、発達障害の学生を支えている。(保井隆之、写真も)  二次障害 本来の発達障害が原因で環境との不適応を起こし、二次的に派生した問題。周囲の無理解や誤解、叱責 や失敗体験が重なることで自尊心が低下し、夜尿などの神経症的症状、抑うつなどの情緒的症状、非行などの問題行動、不登校などが表れる。不適切な環境に長 くいると、二次障害の方が大きくなることもある。 "[he-forum 17018] 「日本の科学者」4月号掲載の拙文を転載 佐賀大学の豊島です. 「日本の科学者」4月号に「『御用学者』批判ができない大学社 会」という文章を発表しましたが,このほど同誌編集部の許可を得て, ネット上に公開しました. http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/ patronizedscholars.html ミラー http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/patronizedscholars.html これからできるだけ文中に関連文書へのリンクを付けて,参照しやすく するつもりです. なお,同じ号に,仙台赤十字病院呼吸器科医師・東北大学臨床教授,岡 山博氏の「放射線被曝問題と発言の仕方 ― 健全な議論を妨げる日本 社会」と題する,山下俊一教授を批判した文章が掲載されていますが, これも著者本人のブログに転載されています. http://hirookay.blog.fc2.com/blog-entry-28.html 私の文章の第1節,第2節とテーマが重なりますので,岡山氏の文章も お読み下さい. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 17019] 南日本新聞4/21 南日本新聞2012年4月21日付 「論議深め方向性」鹿児島大が秋入学シンポ  鹿児島大学は20日、大学の秋入学や国際化について考えるシンポジウムを開き、県内の企業、教育、医療関係者らと利点や問題点について意見交換した。吉田浩己学長15 件は秋入学について「地域で議論を深め、大学の方向性を選択したい」と述べた。  県連合校長協会高等学校長部会の池田久幸副部会長は、県内の短大進学率の高さから「早く就職させたい親の希望が多いといえる。秋入学は経済的負担が大きく、難しいのでは」と話した。  一方、県工業倶楽部の岩元正孝会長は「産業界は秋入学に対応できる」と主張。2年半での高校卒業や留学生枠の増加を提案し「秋入学をてこに、日本の固定観念や閉そく感を打破してもらいたい」と語った。  吉田学長15 件は、高校卒業から社会に出るまで実質5年かかることを課題にあげ「秋入学導入には社会と地域の理解が欠かせない」と述べた。  シンポには、県内外から約170人が参加した。 "[he-forum 17020] 日本経済新聞4/22 日本経済新聞2012年4月22日付 大学開国時代のグローバル人材 「語学+α」の条件 選ばれる大学へ 欧米は比較しやすく 大学開国 番外編  国際競争に打って出ようとしている日本の大学界にとって、教育内容を外部から客観的に評価できる仕組みづくりが急務になっている。日本のビジネススクールで米国で通用する認証を受けているのは2校のみ。先行する欧米の事情を追った。  日本など多くの国で、政府機関が大学の認証を行う一方で、米国では民間団体がその役割を果たしている。進学先の大学が全米高等教育機関基準認定協議会(CHEA)の認証を受けているかどうかを確認する人は多い。認証がない大学の場合、奨学金や企業からの学費負担を受けられない場合があるからだ。  CHEAには約60の認証団体があり、これらの団体の認証を元に約3000の高等教育機関を学位大学として認めている。  CHEAの広報担当、ティム・ウィラード氏は「米国の大学認証評価(アクレディテーション)は学生や家族、政府機関や雇用主が、ある高等教育機関が質の高い教育を提供しているかを知るうえで重要な役割を担っている」と語る。 世界の大学ランキング 1 英ケンブリッジ大 2 米ハーバード大 3 米マサチューセッツ工科大 4 米エール大 5 英オックスフォード大 ※2011年版USニューズ&ワールド・リポート誌まとめ  もっとも、CHEA認証の有無が大学選びの決め手になっているとは言い難い。学生らが実際に参考にするのは「USニューズ&ワールド・リポート」誌の大学ランキングだ。同誌でのランキングは優秀な学生集めの成否に関わってくるため、大学側も研究レベルの高さなどランキングの評価対象の項目に集中投資するなど努力を惜しまない。  欧州では各国でバラバラだった大学の教育課程を共通化する「ボローニャ・プロセス」が1999年に始まった。当初29だった参加国数は47に増え、欧州域外にも広がった。大学間での単位認定や学位制度の「学士・修士・博士」の3段階での統一が柱。2010年には参加国が「欧州高等教育圏」の発足を宣言した。  ボローニャ・プロセスの事務局(ルーマニア)は「圏内の大学を比較可能にし、教育に互換性を持たせ、一貫した制度下に置くのがプロセスの狙い」と説明する。4月下旬には参加国がブカレストで閣僚会議を開き、教育圏の強化について討議する予定だ。  プロセスの一環として、大学教育の「質」に関するガイドラインが完成した。ガイドラインに基づき、欧州大学協会(ブリュッセル)はこれまで実際に45カ国の約300の大学の質を評価した。  協会のミラー広報部次長は「絶対的な評価を出すのではなく、教育の質の向上を助けるのが目的」と説明。教育圏の発足や教育の質の向上により、欧州の大学で学ぶ外国籍の学生は徐々に増加してきたという。 (ニューヨーク=清水石珠実、ジュネーブ=藤田剛) "[he-forum 17021] キャリアブレインニュース4/20 キャリアブレインニュース2012年4月20日付 後期研修先に大学病院選ぶ医師5割で横ばい- 医学部長病院長会議「不十分な教育懸念」  全国医学部長病院長会議は19日、2009年の医師国家試験合格者のうち、初期臨床研修を修了し、11年度に大学病院の後期臨床研修に進んだ割合(帰学率)が52.9%で、10年度の51.7%からほぼ横ばいだったとの調査結果を明らかにした。現行の臨床研修制度を導入する前は、7割を超える医師が大学に残留していたが、導入後の帰学率は5割台で低迷しており、同会議の森山寛会長(東京慈恵会医科大附属病院長)らは、十分な教育を受けていない医師の増加を懸念している。  同会議の「地域医療に関する専門委員会」は、77大学を対象に帰学率を調査した。  森山会長は、帰学率の低迷を問題視し、「(後期研修先が)小さい病院だと、どうしてもスキルアップしていかないのではないかと心配している。大学病院に長くいろとは言わないが、どこかで1回通った方が、大人数でいろんな科のことを学べ、視野が広がる」述べた。  吉村博邦顧問(北里大名誉教授)は、給与だけで研修先を選ぶ医師がいると指摘。「しっかりと後期研修できる環境ですることが重要。大学だけがよいとは思わないが、このままでは、きちっと研修を受けていない医師が増えてくる可能性がある。本当はそれを把握して、ちゃんと後期研修を受けさせるシステムをつくることが大事」と述べた。  森山会長は、低迷する帰学率を上げる方策として、大学病院の充実した教育面の情報を各病院のホームページなどを通じて公表することや、給与の改善を挙げた。 "[he-forum 17022] 中日新聞4/20 中日新聞2012年4月20日付 医工連携へ人材育成 東海3県の技術仲介  成長が期待される医療福祉分野の機器開発に、東海3県の製造業の技術を生かそうと、岐阜県研究開発財団が本年度、橋渡し役となる人材の育成に乗り出す。医療と工業の連携に特化した人材育成は全国でも珍しい。  製造業の医療福祉分野への技術応用では、航空機部品用の強化プラスチックを同県各務原市の企業が人工関節に転用した例がある。  しかし、医療福祉現場の技術ニーズが把握できず、開発した機器の許認可を得る方法を把握していないことなどからハードルは高い。このため、コーディネーターを育成して技術とニーズを橋渡しする。  具体的には、医療現場と企業を結んで機器開発を目指すヘルスケア産学連携コーディネーターと、医療機器の治験を支援する治験コーディネーターの育成を目指す。  ヘルスケア産学連携コーディネーターは、製造業の知識や人脈を持つ中小企業診断士などが対象。医療福祉の現場ニーズや薬事法の許認可の取り方などを教え、機器開発から事業化までを手掛ける。  治験コーディネーターは、看護師や薬剤師、臨床検査技師などの医療専門職が対象。開発した医療機器のデータ集めを行い、安全性を評価する。  東海3県を舞台にセミナーなどを行い、薬事法や医療機器などの専門家が講義したり、医療福祉現場の視察も検討する。二つのコーディネーターで二百数十人を育成する。総事業費は2200万円で、全額が国の補助金。  岐阜県研究開発課は「医療福祉は成長が見込まれる分野だが、進出には特殊な知識が必要。人材育成を通じ、中部地域の基幹産業に育てたい」と話す。 "[he-forum 17023] ??4/20"," しんぶん赤旗 2012年4月20日(金) 公務員バッシングの正体 神戸女学院大学教授 石川康宏さんに聞く(4) 全国民への攻撃 見抜いて  公務員バッシングは、結局、国民のくらしを支える公務をバッシングするもので、これは財界や政府からの全国民に対する攻撃といっていいものです。 国 "[he-forum 17024] 読売新聞4/20 読売新聞(教育ルネッサンス)2012年4月20日 (5)専門の調整役が支援  「目から入る情報と、耳から入る情報とを統合するのが苦手です」。  4月13日、関西学院大学(兵庫県西宮市)のキャンパス自立支援室。人間福祉学部2年の中村哲也さん(19)(仮名)が、困っていることを淡々と説明してくれた。  入学して間もなく、教員がスライドを使いながら話し続ける授業につまずき、大きなストレスを感じた。ゼミの担当教員の勧めで医師の診察を受けると、「視覚と聴覚の情報の同時処理につまずく」との所見がついたため、自立支援室を訪れた。  支援室では、発達障害専門のコーディネーターである鈴木ひみこさん(26)が対策を検討。事情を担当教員に説明し、「スライドを印刷したレジュメ を渡してほしい」と頼んでくれた。スケジュール管理が苦手で、テストが重なると混乱し、単位を落としてしまうことがある中村さんのために、優先順位が一目 で分かるスケジュールも作ってくれた。  「先生の配慮で、授業が分かりやすくなった」と中村さん。「大学院に進学し、人間の身体構造などを研究したい。2次元を瞬時に頭の中で3次元に置き換えることができ、空間的処理には自信がある」と目を輝かせた。  1910年代に視覚障害の学生を受け入れるなど、同大の障害支援は長い歴史を持つ。2006年には、自立支援室の前身となるキャンパス自立支援課を設置。障害学生を支援するコーディネーターを置き、ノートテイクなど学生有償ボランティアの育成を本格的に始めた。  だが、発達障害への対応は手薄だった。臨床発達心理士などの資格を持つ鈴木さんも、11年に採用されたばかりだ。米山直樹教授(43)(臨床心理学)は「視力や聴力など基準が分かりやすい他の障害に比べ、発達障害はどこから支援すべきか、その判断が難しい」と説明する。  現在は、診断のない学生も含めて16人が鈴木さんらの支援を受ける。「それぞれの学生の『困り感』をきちんと評価し、具体的にどのような支援が必要なのかを正確に判断することが重要だ」と鈴木さんは話す。  課題は、発達障害の自覚がないままトラブルを起こす学生への支援だ。教職員向けの研修などで発達障害への関わり方を指導するなどして、間接的に支援しているという。  最適な支援を見極めながら、学内の調整に走るコーディネーターの使命は、大きく重い。(保井隆之、写真も)  メモ 2007年度から本格的に始まった特別支援教育で、学内外の連絡調整役となる「特別支援教育コーディ ネーター」が位置づけられた。各校で校長が指名する。文部科学省の10年度の統計によると、指名率は幼稚園で56.4%、小学校99.3%、中学校 94.8%、高校79.1%。大学でも特別支援教育コーディネーターの名称で、専門職員を配置する動きが出始めている。 "[he-forum 17025] 読売新聞4/21 読売新聞(教育ルネッサンス)2012年4月21日 (6)支援側に回って自信  昼下がりの保健室に、一人、また一人と学生が集まってくる。テーブルの上には、せんべいとチョコレート。4月16日、南山大学の瀬戸キャンパス(愛知県瀬戸市)。馥郁ふくいくとした紅茶の香りが漂うなか、自閉症やアスペルガー症候群の学生らを対象にしたピア・サポートのグループ「セトゼミ」は始まった。  この日のテーマは、単位取得の攻略法。保健室室長で精神科医の早川徳香・専任講師(40)が、「授業はどう?」と学生たちに話しかけていく。「き つい授業ほど必修なんだよなあ」とみんなを笑わせたのは、情報理工学部2年の永田学さん(19)(仮名)。「友人が少ない自分には、1回の欠席が致命傷。 他の人にノートを借りるのが難しいから」  セトゼミがスタートしたのは、2009年。月に1回、勉強を教えたいという学生も含め約10人が参加する。発達障害の学生だけでなく、自分から対人関係を築くのが難しい学生に交流の場を提供し、情報を交換して修学を達成してもらうのが目標だ。  室長の早川さんは、「先輩や友だちとのおしゃべりで試験対策を聞き出すことも、コミュニケーションが不得手な学生には難しい。その結果、留年や退学してしまう学生も少なくない」と説明する。  自閉症やアスペルガー症候群の学生は、入学までにいじめを経験し、自己肯定感が低い場合が多い。だが、セトゼミで自分の勉強法が評価され、受け入 れられると、自尊感情が高まっていく。「不足部分を補う凹のサポートを受けるのと同時に、他者を支援する凸のサポートにも回ることで、社会適応性の向上が 見られる」。早川さんはそう強調する。  高機能自閉症の診断がある永田さんは、小学生の頃から激しいいじめに遭ってきた。「弁当をひっくり返されたり、暴力を加えられたり……。こっちも反撃したけれども」と振り返る。  親の助言で、セトゼミに参加したのは11年秋。誰も理解してくれなかった現代史への精通ぶりを、「すごい」と認めてもらえたのが自信となった。「コミュニケーション能力が絶望的なのであきらめていたが、セトゼミを足がかりに友だちを作ってみたい」  生き生きと歴史の知識を披露する現在の姿は、いつも下を向いていた半年前の永田さんからは想像もできない。「友だちを作ってみたい」という言葉に、早川さんは彼の大きな成長を実感している。(保井隆之、写真も)  ピア・サポート 「ピア」は仲間の意味。同じ背景を持つ仲間同士が一緒に時間を共有し、対等な立場で話し合い、悩みや考えを聞き合いながら、お互いを支え合う活動。友だち作り、カウンセリング的アプローチ、葛藤解決の3種類の支援の形がある。 "[he-forum 17026] 朝日新聞社説4/23 朝日新聞社説2012年4月23日付 大学改革―授業と入試を一体で  もっと、大学生に勉強させよう。文部科学相の諮問機関の中央教育審議会が、そんな議論をしている。  日本の大学生は1日平均で、4時間半しか勉強しないという調査がある。十数年前に比べれば、これでも増えたといわれるが、国の想定する大学生の勉強時間は8時間なので、まだ相当に短い。  こつこつと講義、授業に出ているが、予習や復習など自習の時間が少ないそうだ。  こうしてはどうか、と中教審はいう。前もって課題を与えて予習させ、議論や意見の発表をさせる。一方通行の授業を改めて、自ら学び、考える力をつけさせる――。  これなら学生の意欲も高まるだろう。ただ、実現していくには、入試のあり方も一体的に見直す必要がある。  いまの大学生の半分近くは、面接や小論文で選考する方式や推薦で入学している。  決して悪いことではないが、一般的な学力試験がないぶん、高校時代に勉強する習慣を身につけずに大学に入る人が増えたのは確かだ。  現に最近の約15年間に、いわゆる標準的な学力の高校生の勉強時間は、ほぼ半減しているというデータもある。これでは最低限の基礎学力すら身につかないだろう。  だからといって、いまさら詰め込み式、暗記型の勉強に戻せというのではない。大学での授業に対応できる程度の学力の有無を、知識の量よりも思考力を測ることで見極める。そんな入試制度に改善することが求められている。  たとえば、小中学校の全国学力調査や国際学力テストPISA(ピザ)では、グラフの読み解きや、討論を読んで主張の欠点を問うような問題が出される。  こうした設問に答えるには、細部にわたる知識の量よりも、考える力、論理を組み立てる構想力などが要る。  今回の大学改革がめざす授業も、これに沿うものといえる。当然、入試も同じような志向性が求められるはずだ。  かつて、大学生は「大学に入ったら勉強は終わり」と、よくいわれた。仕事に必要な知識は就職してから学ぶのが一般的だった。  しかし、経済のグローバル化や長引く不況で、多くの企業が創意工夫のできる自立した人材を求めるようになっている。そしてこれからは、他国の優れた若者と就職活動を競う機会も増える。  大学改革は待ったなしだ。 "[he-forum 17027] 中国新聞4/25 中国新聞2012年4月25日付 医師配置で広大が専任副学長  広島大(東広島市)は中山間地域や島しょ部の医師不足を解消するため、地域医療を担当する専任の副学長を新たに置いた。自治体や病院からの医師派遣要望を受け付ける窓口となり、広島県などと連携して都市部に集中しがちな医師の適正配置を目指す。  1日付で就任した医歯薬保健学研究院教授の平川勝洋副学長が担当。派遣要望を受けて必要な医師の専門分野を地域ごとに分析、県と協議して配置を調整する。  同大は2009年度入学から医学部医学科の推薦入試「ふるさと枠」を導入しており、該当する学生が卒業後に勤務する地域の参考にもするという。  広島県は1月、医師免許取得や臨床研修を終えた同大大学院生を対象に、中山間地域の公的医療機関で非常勤医師として働くと奨励金を支給する制度を新設した。同大は2月、県や県医師会など5団体と地域医療を担う医師の確保で協力する協定を結んでいる。  浅原利正学長は24日の会見で「広島県は無医地区が全国で2番目に多い。県内唯一の医師育成機関として地域医療を支えていきたい」と話した。 "[he-forum 17028] 福井新聞4/25 福井新聞2012年4月25日付 福井大学原子力工学研 人材育成へ問われる真価  福井大附属国際原子力工学研究所が今春、敦賀市のJR敦賀駅西側に開所し、新たな一歩を踏み出した。本県のエネルギー研究開発拠点化計画の中核施設の一つとして、重要な役割を担う。東京電力福島第1原発事故を受けて、重要視される原子炉の安全性向上や原子力防災・危機管理などに的確に対応できる人材の育成に向け、真価が問われる。  福井大では2009年4月に福井市の文京キャンパスに同研究所を設置した。今回、原発が集中立地している嶺南エリアの敦賀市に移転、開所し、研究の軸足を置いたことは、周辺にある原子力関係の各施設や機関との密着度が高まり、人材育成を進める上で大きなメリットとなろう。  移転に伴い、これまでの原子力工学に関する4分野7部門の組織を、原子炉物理学部門、原子炉構造システム部門など分野なしの6部門に再編した。この中で、福島第1原発事故の教訓をもとに、過酷事故評価やリスク評価、耐震・耐津波などの研究を推し進める原子力防災・危機管理部門を新たに設けたことが特筆される。  福島事故により、原発の安全神話は完全に崩壊した。原子炉全体の安全性の向上、原子力災害発生時に対するより高度な防災・危機管理技術の研究開発は、避けて通れない重要課題として突き付けられている。  安全管理、危機管理とも適切で迅速な対応を取るには、幅広い知識を蓄積した多くの人材が必要なことは言うまでもない。とりわけ災害発生時での的確な判断が住民の命を守り、生活を守り、財産を守ることにほかならない。  研究所では大学院生ら約20人が学ぶ。敦賀市にある若狭湾エネルギー研究センターや県国際原子力人材育成センターをはじめ、電力事業者など関係各機関との連携、交流を深め、絶えず研究内容の検証を重ねていくことが大切だ。  人材育成の拠点としての評価を高めることで、北陸や中京、関西圏からも学生や教員が集まり、さらには東南アジアや欧米など国外からの研究者や研修生を受け入れる研究都市の構築へとつながっていけば、地域活性化の大きな力ともなろう。  研究所では地域住民を対象とした原子力安全セミナーや公開講座、研究発表会などを開催することを計画している。こうした場を通して地域の生の声を聞き、住民目線での研究を進めていく体制づくりにも生かしていきたい。  研究所の名称に含まれている「国際」の文字に重みがある。設置時のスローガンは「世界トップレベルの特色ある原子力人材育成および研究開発を行い、環境と調和した持続的なエネルギー供給基盤を持つ世界の構築に貢献する」である。確固たる信念に基づいた責任感、使命感を強く持ち、大きな成果につなげてほしい。 "[he-forum 17029] 河北新報4/25 河北新報2012年4月25日付 TICC 大学発ベンチャー育成 16年度まで5件事業化  東北イノベーションキャピタル(TICC、仙台市)は24日、東北の大学や研究機関の先端技術などをベンチャー企業創出につなげる新規事業に取り組むと発表した。  医療機器やナノテクノロジー(超微細技術)・材料の分野を中心に、2016年度までに5件程度の事業化を目指す。  文部科学省の新規事業「大学発新産業創出拠点プロジェクト」として取り組む。全国の投資会社7社が事業を受託した。このうちTICCは東北を中心にした東日本を担当する。  同社は8月までに、先端技術の事業化を目指す大学や公設試験場の研究者を公募。技術の将来性などから4、5件を選び、事業化や資金調達の計画づくりを支援する。  初年度は約1億5000万円の予算で、事業計画策定のほか市場分析や試作品の開発なども支援し、ベンチャー企業の設立につなげたい考え。事業の本格展開に向け、民間ファンドなどの資金活用も仲介する方針。  TICCの熊谷巧社長は「東北には潜在能力が高い技術がある。海外にも事業展開できるベンチャー企業を育て、東北の雇用創出につなげたい」としている。 "[he-forum 17030] 読売新聞滋賀4/26 読売新聞滋賀版2012年4月26日付 滋賀医大病院の改修完了 耐震化、増床 7年かけ“大手術”  滋賀医大付属病院(大津市瀬田月輪町)が、耐震化や機能強化のため、2005年から進めていた病棟・診療棟の新築、増築や全面改修工事が完成した。延べ床面積は4割増で、入院患者の個室や手術室などを大幅に増やしたほか、玄関ホールでも治療できるよう医療用設備を充実させ、災害時にも対応できる態勢を整えた。(川崎陽子)  同病院は1978年、県内唯一の大学病院として開院。老朽化が進み、81年施行の改正建築基準法の耐震基準を満たしていなかったため、入院患者がいる2病棟と外来患者の診療棟の耐震化や増築を行い、病棟1棟も新築。延べ床面積は約1万8000平方メートル増の約6万平方メートルに増えた。総事業費約202億円。  病棟では、6人部屋を廃止し、個室は69室から163室、4人部屋は20室から98室に増えた。手術室は8室から14室、周産期医療では新生児集中治療室(NICU)や回復期治療室(GCU)を計21床(15床増)と強化した。  玄関ホールには、災害時に治療ができるよう、自家発電装置や、パソコンで電子カルテを使うため、LANを整備した。コーヒーチェーン店の新設や病棟の屋上緑化も実施し、患者に開放するなど快適な空間を提供することにした。  工事完成を祝い、28日午後1時30分から玄関ホールで、同大学出身者や市民らでつくる「セタフィルハーモニックオーケストラ」など約140人が、ベートーベンの交響曲第9番を演奏する。無料。問い合わせは同大学総務係(077・548・2008)。 "[he-forum 17031] JAXA法改悪ラジオ解説 「高等教育フォーラム」メーリングリスト 読者の皆さま 東京工業大学の浜田と申します。 オンライン署名「JAXA for Peace」の事務局員です。 4月10日に、本メーリングリストで、JAXA法の改悪(平和目的規定の削除)についてアナウンス をし、署名へのご協力をお願い致しました。その後、たくさんの方から署名をして頂きました。 本来ならば、一人ひとりにお礼を述べるべきところですが、対応しきれませんので、この場を借りて お礼を申し上げます。署名総数は、本日の時点で1350筆です。 この問題は、なかなか報道されませんので、多くの市民・研究者は問題の存在を知りません。 そんな中、今晩(27日)のFMラジオ J-WAVE ""Jam the World""が、JAXA法改悪の問題点 について取り上げることになりました。ラジオ局の依頼により、僭越ながら、浜田がニュース解説 を行います。首都圏在住の方しか聴けないのですが、アナウンスをさせていただきます。 J-WAVEの情報番組 ""Jam the Wolrd""(20:00-21:50) のうち、20:55ごろから30分間 「最新ニュースを独自の視点で深読み!JAXA法改正とは?そのメリットデメリットは何なのか?」 周波数 FM 81.3 MHz ゲスト出演:浜田盛久(東京工業大学特任助教) 番組ホームページ http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/ もし、「平和目的」規定が削除されると、日本の宇宙開発が軍事目的化され、研究・開発 のプロセスや成果が軍事機密のベールに包まれてしまうことが心配されます。また、研究者が 軍事研究に動員されてしまう心配があります。このような問題点を、番組の中で明らかにできれ ばと思っています。 -- 浜田盛久 オンライン署名 JAXA for Peaceホームページ http://jaxaforpeace.a.la9.jp/ "[he-forum 17032] 岩手日日新聞4/28 岩手日日新聞2012年4月28日付 研究センターを設置 岩手大世界遺産追加登録も後押し  岩手大(藤井克己学長)は2012年度に新たに「平泉文化研究センター」を設置した。平泉の庭園文化を中心に土壌分析などを通じて中国や韓国と比較しながら解明を進め、将来的には「平泉学」として総合化することを目指している。27日には盛岡市の同大で看板上掲式が行われ、センターとしての活動が本格的にスタートを切った。  式では、藤井学長と藪敏裕センター長(同大教育学部教授)が総合教育研究棟の玄関に看板を掲げた。  センターは05年度から県教委と協力して「平泉フォーラム」などを実施して東アジアの視点で平泉の意義を考察したことが始まり。学内で「平泉文化の国際性と地域性」として研究拠点形成に向けて準備を進め、「世界遺産・平泉文化の総合的研究の拠点形成」が国の予算で認められたことを機に設置が実現した。  藪センター長のほか、歴史考古学分野の伊藤博幸特任教授、中国考古学分野の劉海宇特任准教授(10月採用予定)、各学部の兼任教員14人で組織。兼任教員の中には理化学的機器分析分野(工学部)、土壌分析・形態分析分野(農学部)の研究者も含まれている。高性能実体デジタル顕微鏡システムなどを購入し、平泉庭園遺跡群から採取した土壌分析を行い、当時の植生の復元などを図っていく。  県教委のほか一関、奥州、平泉各市町教委とも連携しながら、柳之御所遺跡や骨寺村荘園遺跡など「平泉の文化遺産」の世界遺産追加登録も後押ししていく。  今後は中国・山東大との共同シンポジウムやワークショップなどのほか、中国の庭園調査などを行う。研究成果は年1回開催される平泉文化フォーラムの中で披露していく。  藤井学長は「平泉は京都の平等院との関係も指摘されているほか、東アジアの視点では中国・長安とつながり、国際性、地域性を視野に研究していかなければならない。大学として特徴ある研究を推進していく」と語っている。 "[he-forum 17033] 読売新聞岐阜4/28 読売新聞岐阜版2012年4月28日付 獣害対策を研究 県と岐阜大寄付講座開設へ  中山間地域を中心に、イノシシやシカなどによる農作物被害が深刻化する中、県と岐阜大学は27日、鳥獣被害の対策を研究する寄付講座を開設する協定を締結した。県によると、鳥獣対策に特化した自治体の寄付講座は全国で初という。講座では、野生動物の保護や管理の手法「岐阜県モデル」をつくり、県に政策として提言する方針だ。(福島利之)  寄付講座は5月1日に開講し、期間は5年間。大学が持つ科学的な知見や分析能力を活用し、県や市町村が鳥獣の保護管理をより効率的に行えるようにするのが目的で、県は「森林・環境税」から年間2000万円(計1億円)を支出する。  同大の野生動物管理学研究センター内に「鳥獣対策研究部門」として設置し、若手研究者2人を新たに採用するほか、県からも専門の主任技師1人が常駐し、共同で研究にあたる。  具体的には、市町村や猟友会、農林業従事者が行っている対策の内容や課題などを詳しく分析したり、鳥獣の生息状況や個体管理の方法などの調査研究を行ったりする。  県庁で行われた協定の締結式には、古田肇知事と岐阜大の森秀樹学長らが出席。古田知事は「農作物の被害額は深刻だが、対策は十分とはいえない。研究を通じて提言をいただくことを期待したい」と述べ、森学長は「森林の多い岐阜県にある大学として、野生動物を研究する責任がある。『岐阜県モデル』づくりに精力的に取り組みたい」と述べた。 "[he-forum 17034] 時事通信4/26 時事通信2012年4月26日19時47分 筑波大と鹿屋体大が連携=体育・スポーツ分野で  筑波大と鹿屋体大は26日、体育・スポーツ分野で連携すると発表した。今後は選手強化や指導者の育成、指導法の研究などで交流を深め、施設の相互利用、実習の相互乗り入れにも取り組む。  筑波大は柔道やサッカー、体操など多くの競技で日本代表、五輪メダリストを輩出。鹿屋体大も、アテネ五輪の競泳女子800メートル自由形で金メダルを獲得した柴田亜衣さんを育てるなど、近年高い実績を残している。  両大学は同日、茨城県つくば市の筑波大で協定書に調印した。筑波大の山田信博学長は「体育系専門学部を持つ国立大は日本で2校のみ。連携してスポーツ分野で日本の先導的な役割を目指していきたい」と意気込みを示し、鹿屋体大の福永哲夫学長も「日本のこの分野にとって大きな前進になると思う」と語った。 "[he-forum 17035] 信濃毎日新聞4/28 信濃毎日新聞2012年4月28日付 運動で健康に―国際モデルを 信大が早大と学術連携協定  信大大学院医学系研究科(松本市)は27日、早大大学院スポーツ科学研究科(埼玉県所沢市)と学術連携協定を結んだ。信大の能勢博・スポーツ医科学講座教授らが確立した運動による健康増進のノウハウを、早大側の研究と融合・発展させ、世界に普及させる計画。高齢者の健康長寿につながる運動プログラムの国際標準づくりを目指す。  信大松本キャンパスで開いた会見に、能勢教授、福嶋義光・信大大学院医学系研究科長、中村好男・早大大学院スポーツ科学研究科長らが出席。福嶋・中村の両氏が連携協定書を交わした。  能勢教授は、40歳以上を対象とする「熟年体育大学」を1997年に始め、速歩きとゆっくり歩きを交互に繰り返す「インターバル速歩」を考案。携帯型カロリー計やIT技術を駆使した健康増進システムを構築し、国内31カ所の自治体や大学に広めた。受講した約5千人のデータから、体力が向上する、高血圧・高血糖・肥満が改善する、医療費が削減されるといった効果が確認されている。  今後は熟年体育大学のノウハウを、早大が連携する英国、カナダ、ドイツ、中国、台湾、韓国の大学とのネットワークを使って普及。データを共同分析して国際標準モデルの確立を目指す。  中村科長は「信大の先駆的な取り組みには注目していた。両大から世界標準を発信したい」。福嶋科長は「信大で生まれた方法が、早大の知的資源と融合して大きく発展してほしい」と述べた。 "[he-forum 17036] 中日新聞三重5/2 中日新聞三重版2012年5月2日付 医師不足や偏在解消へ支援センター設置  県は一日、医師の不足や偏在の解消に取り組む拠点「県地域医療支援センター」を設置した。同日、事務局を置く県庁で開所式があり、鈴木英敬知事とセンター長の内田淳正・三重大学長が看板を取り付けた。  センターは、県が三重大などと連携して医師確保に取り組む組織。若手医師が地域の病院と中核的な病院を行き来しながら勤務することで、専門分野の治療経験を積むプログラムをつくり、その後の県内定着も目指す。医師の確保とキャリアアップ支援を一度に実現する試みで、予算の半分を国が補助する。  センターは今後、医師不足の原因や、地域・病院・診療科ごとの医師の需要実態などを詳しく調べてプログラム作りに生かす。  鈴木知事は「県内の医療は厳しい状況が続いている。センターの取り組みで若手医師の確保や定着につなげたい」と期待。内田学長は「県と大学、病院が一緒になり医師の適正配置に取り組むのは県内医療にとって重要だ」と評価した。  県地域医療推進課によると、県の人口十万人あたりの病院勤務医数は一一二・一人で全国四十四位。地域別では伊賀が五一・八人、東紀州が六五・三人と不足や偏在が目立っている。  (渡辺泰之) "[he-forum 17037] 朝日新聞5/1 朝日新聞2012年5月1日付 文科省、iPS細胞研究拠点と臨床機関をネット化-再生医療実用化急ぐ  文部科学省は万能細胞(iPS細胞)を軸とする再生医療の実用化・産業化に向け、京都大学など基盤的な研究に取り組む中核的研究拠点と臨床応用を目指す研究機関とのネットワーク化を進める。心臓疾患などの疾患ごとや脊髄・神経系などの組織ごとに高い専門性を持つ医療機関、大学、企業を抽出して中核拠点との連携を促し、オールジャパン体制で実用化を急ぐ。関係各省の協力も得て、2013年度から10年間程度の長期スパンで取り組む方針だ。  研究対象としてはiPS細胞のほか、胚性幹細胞(ES細胞)や体性幹細胞を想定。京大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)など、これらの安全性確立や標準化に向けた研究を手がけている中核拠点と臨床応用に向けた研究に取り組む機関をネットワーク化する。iPS細胞などを提供するとともに、知識の共有化を図る。心臓疾患や網膜疾患などの疾患別、あるいは体の組織別に応用研究の実施機関を決める。  並行して立体構造を持つ細胞の培養など次世代の再生医療技術に関する研究やiPS細胞を活用して疾患の仕組みを解明する研究も進める。いずれも最長10年間程度の計画で、腰を据えた研究に取り組むよう促す。  文科省は08年度から京大iPS細胞研究所など全国の4研究機関を再生医療の中核的研究拠点と定め、幹細胞バンクの整備や利用技術の確立に向けた研究を後押ししてきた。当初予定していた同支援策の実施期間が12年度で終わるのを踏まえ、これら基盤的な研究の継続と臨床応用に向けたネットワーク構築を促す。厚生労働省や経済産業省にも連携を求めた上で、制度設計や経費の算定を急ぎ、13年度予算の概算要求に盛り込む方向で調整する。 "[he-forum 17038] 毎日新聞長崎5/3 毎日新聞長崎版2012年5月3日付 なるほドリ:長崎大の核兵器廃絶研究センターどんな所? ◇世界の情勢専門家が調査・分析 平和の道筋、市民と提言  なるほドリ 長崎大学に核兵器廃絶研究センターができたって。どんな所なの? 記者 「核兵器廃絶」と冠した初のシンクタンクと言われます。センター長は、NPOピースデポで活躍した梅林宏道さんです。被爆地・長崎が悲願としてきた核兵器廃絶に向け、具体的な道筋を提言していくことが期待されています。刻一刻と動く世界の情勢をタイムリーにつかみ、現実に即した提言が求められます。そのために、核軍縮に関する国際会議に出向き、各国の発言を把握するとともに、発言にどんな背景があるかなどを探ります。 Q 市民も利用できるのかな。 A ええ。「開かれたシンクタンク」を掲げていますから。国際会議で得た情報や、各国の核兵器に関する情報などはホームページで公開し、アクセスしやすくすることで、市民が最新のデータに基づいて主張する手段にできます。被爆地のメッセージは、被爆体験から感情で訴えてきた一方、理詰めの交渉をするための論理は不足していると言われてきました。センターは、これを補完し、市民の主張とで車の両輪の役割を果たすことが期待されています。 Q 何から始めるの? A 11日までウィーンで開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備会合に参加しています。 Q NPTって何? A 核兵器保有国が増えることを防ぐため70年に発効した条約です。68年までに核実験を終えていた米ソ英仏中を「核保有国」、それ以外を「非核保有国」と区別。核保有国には核兵器を減らすための交渉を誠実に行うことを求め、非核保有国には原子力の平和利用は認め、核兵器の製造、取得を禁じています。 Q 40年以上も前から。で、進展は? A まだ問題が多いのが現状です。核保有国の核兵器削減は進んでいません。核兵器を開発している疑いをもたれている国も増えています。95年に条約の無期限延長を決定し、5年毎に再検討会議を開くこととしました。その4年前から毎年開くことにしたのが準備会合です。 Q 準備会合でセンターは何をするのかな。 A スタッフが常駐して会議をモニターします。また、梅林センター長が、被爆地の研究者として「核抑止」の考えを超えて新しい平和の形をどう描くか、話す予定です。 <回答・釣田祐喜> "[he-forum 17039] 西日本新聞社説5/6 西日本新聞社説2012年5月6日付 共同獣医学部 大学の「薩長連合」に期待  明治維新を生み出す原動力となった薩摩藩と長州藩による「薩長連合」を、ほうふつさせるような出来事である。  日本の大学が、大きく変わる契機となるかもしれない。そんな思いを抱かせる試みが、今春から始まった。  鹿児島大と山口大が本年度、設置した「共同獣医学部」のことである。  両大学の農学部にあった獣医学科を改編し、それぞれに新設した。入試は別々に実施するが、インターネット回線で結ぶ遠隔授業のほか、相互に学生が出向いての実習もある。同じ教育課程で世界に通じる獣医師を育てるのが狙いだ。  近年の獣医師には、動物の治療にとどまらず、口蹄疫(こうていえき)や鳥インフルエンザなど感染症への対応、食の安全確保など幅広い知識と技術が求められている。  だが、現状はどうか。獣医学系の学部や学科を持つ大学は国公私立合わせても計16校で、大学当たりの教員も欧米の4分の1程度しかいないという。  2年前、宮崎県で口蹄疫が発生した際に獣医師不足が明らかになり、獣医師育成や臨床教育の充実などの課題が浮き彫りとなったことは記憶に新しい。  とはいえ、国の財政事情は逼迫(ひっぱく)し、受験人口は減少するなど、大学を取り巻く環境は年々厳しさを増している。  「一つの大学で教育環境を充実させるのは難しい」(鹿大)現実があるのも事実だ。その意味でも、共同獣医学部の設置は意義深いものといえる。  共同学部の新設自体、両大学が全国で初めてであり、成果が注目される。  2009年3月に施行された大学設置基準の一部改正で、国公私立を問わず複数の大学が共同で学科や学部、大学院などを創設することが可能になった。  大学の教育課程共同化は、05年の中央教育審議会による「高等教育の将来像答申」などを踏まえ、地域活性化や特色ある教育研究の推進のため掲げられた。  各大学が単独では実践が困難な人材養成や地域貢献に、効果的に寄与し、学問の学際化などによる新しい教育研究ニーズに迅速対応するのが目的である。  社会的役割が増大しながら欧米に比べ研究基盤が貧弱な獣医学教育は、この制度を最大限生かせる分野といえる。  鹿大は畜産地帯を抱え、家畜などの産業動物に強い。山大はペットなどの感染症分野が得意だ。両大学は互いの強みを生かし、共同学部の教育水準を上げていくという。今後に期待したい。  このような取り組みは、大学院ではすでに行われている。東京女子医科大と早稲田大は10年4月、大学院に共同先端生命医科学専攻を設け、医用材料分野や人工臓器さらに医療ロボットなど医学と理工学の学際研究を進めている。  今後は、他大学でも研究分野ごとに連携が模索されるであろう。その先鞭(せんべん)をつけた鹿大と山大の挑戦が、大きな刺激となることは間違いない。学部再編が秘める新たな可能性に期待したい。 "[he-forum 17040] 岩手日報5/8 岩手日報2012年5月8日付 県立大が震災枠継続 13年度入試、授業料の減免も  県立大(中村慶久学長)は、震災で被災した県内の高校生を支援するため、2013年度も震災特別入試を行う。募集は各学部若干名で試験は今年10月21日。入学料免除と授業料減免も継続実施する。  特別入試は同大の看護、社会福祉、ソフトウェア情報、総合政策の4学部と盛岡、宮古の両短期大学部で、既存の定員とは別枠で若干名を募集。震災特別選抜として実施した昨年は39人が受験し、22人が合格した。  出願資格は、県内の高校を13年3月末に卒業見込みで、本人か保護者が震災で被災し、評定平均値が推薦入試(一般)と同一基準であること。小論文、面接、出願書類(調査書、志望理由書、罹災(りさい)証明書など)で選抜する。  入試スケジュールは、進学を望む生徒が早く安心感を得られるように、通常の一般・推薦入試の前に行う。募集要項は7月中旬ごろに発表し、出願期間は9月27日~10月2日、合格発表は10月26日。  被災学生の授業料減免なども継続。12年度1年生の入学料免除と1~4年生の前期授業料減免は実施済みだが、12年度後期授業料の減免と、13・14年度1年生の入学料免除と授業料減免も実施する。  佐々木民夫副学長は「被災した高校生が進学を諦めることのないよう、県民のための大学としての使命を果たしたい」と語る。14年度以降の震災特別入試については、復興の進み具合を勘案して決める。 "[he-forum 17041] 日本経済新聞5/8 日本経済新聞2012年5月8日付 秋入学、東大など12大学が初会合 懇話会が発足  秋入学への全面移行を目指す東京大学が有力11大学に呼び掛けて設けた「教育改革推進懇話会」が7日、発足した。同日、東京都内で初会合を開き、世界で活躍するグローバル人材の育成に向け、カリキュラムや入試制度の改革、国際化への対応などを総合的に話し合うことで合意。入学時期の見直しについては各校で考えに開きがあり、改革策の一つとして議論を進める方針を確認した。  懇話会は、東大をはじめ北海道、東北、筑波、東京工業、一橋、名古屋、京都、大阪、九州の国立大10校と、早稲田、慶応の私立大2校で構成。東大と慶応大が幹事役として協議を進め、国立大や私立大の団体に議論の経過を伝える役割も担う。  話し合うのは主に(1)カリキュラム改革(2)入試改革など高校との接続問題(3)欧米の大学で主流の秋入学の導入など国際化に対応した教育システム(4)国際的・社会的な体験活動の推進――など。テーマ別に作業グループをつくり、取り組みやすい内容から順次実施していくとみられる。  秋入学などの実現には春卒業を前提とする企業の入社時期の変更が必要となるため、同懇話会は企業などを交えた協議組織を別に発足させる。  東大は1月に浜田純一学長の私的懇談会が秋入学全面移行を求める中間報告を公表。4月にも有力12大学による協議の場を設け、議論を加速させる考えを示した。  各大学間では、国際化や学生が多様な体験を積むのに役立つとして賛成の意見が広がる一方、高校卒業から入学までの半年間(ギャップターム)の過ごし方や経済負担への懸念なども続出。懇話会の参加校でも「若者の意識改革には入試制度を変える方が重要」(京大の松本紘学長)と温度差が表面化し、秋入学に限定せず総合的に改革を議論することで落ち着いた。  東大の浜田学長は初会合後に「議論をスタートできて良い感じだ。何でもすぐに進むわけではない」と強調。意見の違いはあるが、有力大が秋入学について本格的に議論する場が整ったことを前向きに受け止めた。 "[he-forum 17042] 信濃毎日新聞5/8 信濃毎日新聞2012年5月8日付 県立大構想案を9月までに決定 設立準備委が初会合  県短大(長野市)の四年制化に向け、学識経験者や経済人らが大学の基本構想を話し合う「県立大学設立準備委員会」(委員長・和田恭良副知事、14人)は7日、県庁で初会合を開いた。9月までに大学の設置場所や開校時期、学部や学科の特色、名称などを盛った基本構想案を決定。これを受けて県側が11月に構想を決める。  県側は、有識者らで昨年度までの2年間設けた「県短大の将来構想に関する検討委員会」や庁内検討会議、1月に委嘱した有識者4人の顧問による検討経緯を報告し、今後の日程を説明した。  焦点の一つになる教育内容について、検討委の報告書は「外国語をツール(道具)として使いこなす能力の養成」「コミュニケーション(意思疎通)能力の育成やキャリア教育」などの必要性を指摘。「県の伝統・文化・自然などの研究を通じて郷土愛をはぐくむ教育」などの特色を出すことも求めている。  開設場所については、庁内検討会議が「入学者定員が現在(の短大)と同程度なら(既存敷地で)問題ない」と指摘。一方、校舎に関しては「老朽化が進んでおり、大規模改修か新築が必要」とした。運営形態については「県直営ではなく公立大学法人が望ましい」としている。  この日の会合で委員からは「現在、県内に無い学科の設置を考える必要がある」「入学試験をなくす方向で考えてみてはどうか」「秋入学を見据えた議論が必要」といった意見が出た。  阿部守一知事は冒頭のあいさつで「県立四年制大学の設置を契機に、再び名実ともに長野県を教育県にしたい」と述べた。 "[he-forum 17043] 西日本新聞5/8 西日本新聞2012年5月8日付 九工大がマレーシア校 バイオマス研究推進  九州工業大(北九州市)が、バイオマス(生物資源)の共同研究協定を締結しているマレーシアの公立マレーシアプトラ大に2013年5月、「マレーシア校」を開校する計画を進めていることが7日、分かった。文部科学省によると、日本の国立大学法人が学位を取得できるキャンパスを国外に設けるのは初めて。太陽光やヤシなどの再生可能エネルギーが安定的に確保できるマレーシアで最先端のバイオマス研究を進めるとともに、世界で活躍できる人材を育成する狙い。  マレーシアにはマレー系、中国系、インド系など50を超える民族がひしめく。英語が広く使われ、宗教もイスラム教、仏教、ヒンズー教など多彩。親日家も多く、九工大は「国際感覚あふれる人材を育てるには最適」としている。  両校は3月30日、プトラ大が学内の敷地2ヘクタールに延べ床面積800平方メートルの共用校舎を建設し、九工大がマレーシア校を開設することで基本合意した。九工大は教職員の派遣や実験器材購入に充てる資金の助成を文部科学省に申請する方針。総額5億円とみられ、早ければ今秋にも認可される見通し。  マレーシア校は学部や専攻の垣根を取り払い、九工大の全学生が利用できる。プトラ大の学生も同校で受講すれば、プトラ大の単位が取れる。初年度は博士課程のみとし、九工大の大学院生約10人が同校に移る見通し。教職員は少なくとも3人を派遣し、ヤシの収穫機械化ややし油の搾りかすの再利用について主に英語で講義する。現地職員も採用する。  プトラ大は首都クアラルンプールに隣接するセランゴール州にあり、学生数は約1万5千人。九工大はプトラ大と1994年から交流を始め、04年には同大にサテライトオフィスを開設。やし油の搾りかすや廃液からメタンガスを製造する実証工場を建設するなど、連携を深めていた。現在は年に両校の学生延べ約40人が研究のため両国を行き来している。  18年にわたりプトラ大と共同研究を進めてきた九工大大学院生命体工学研究科の白井義人教授(55)は「年間を通じてバイオマス資源や太陽エネルギーが安定して得られるマレーシアならではの研究ができる。国内の人材育成の面でも、国際経験を積めるメリットは大きい」と話す。(丹村智子) "[he-forum 17044] 四国新聞5/8 四国新聞2012年5月8日付 香川大サテライト施設/10日、三豊市でオープン  新たな情報発信拠点として香川大が整備を進めるサテライトオフィスが10日、香川県三豊市豊中町の市民交流センターでオープンする。同大の教員らが地域住民向けセミナーを行うほか、絵画教室や学生によるコンサートなどを開催する予定。  同オフィスは、大学の教育、研究成果の発表や地域住民の生涯学習活動を支援することを目的に三豊、東かがわ、坂出の3市に設置。18日には東かがわ市湊の市交流プラザに同オフィスを開設、坂出市では9月以降のオープンを目指して準備を進めている。  三豊市では、地域住民向けセミナーの第1弾として「生活習慣病を知る」と題した講義を開催。10日から6月14日までの毎木曜午後7時から、同大医学部の准教授らが糖尿病など生活習慣病の基礎知識や治療、予防法などについて講義する。参加無料。  問い合わせは同大学術室研究協力グループ〈087(832)1311〉。 "[he-forum 17045] 南日本新聞5/8 南日本新聞2012年5月8日付 次世代エネ導入へ薩摩川内市が鹿児島大学と協定  薩摩川内市は、鹿児島大学と次世代エネルギーに関する協定を結び7日、鹿児島市の同大で調印した。次世代エネを導入したまちづくりを目指すため、専門的な知識を有する大学との連携を強化し、取り組みを進める。  薩摩川内市は2012年度中に、持続的な経済発展につながるビジョンと行動計画を策定する予定で、4月に地元企業や有識者による策定委員会を発足させた。連携は市側が提案し、同大はビジョンづくりへの協力や助言をする。  同市が、エネルギーを賢く使う「スマートコミュニティー構想」も模索していることから、同大は次世代エネルギー分野にとどまらず、幅広い分野で支援する考えだ。 "[he-forum 17046] 毎日新聞5/8 毎日新聞2012年5月8日付 産学協働人財育成円卓会議:産学連携、人材育成へ アクションプラン策定  新日鉄や三井住友銀行など主要企業20社と東京大、早稲田大など12大学が昨年7月に設立した「産学協働人財育成円卓会議」は7日、国際社会で活躍でき、社会を変革できるリーダーを育成するためのアクションプランをまとめ、発表した。【石丸整】  プランは(1)日本の学生が積極的に海外留学できる環境づくり(2)外国人留学生の受け入れ拡大(3)専門分野を超えた幅広い知識を持つ人材を大学院で育成−−など。円卓会議に参加する20企業、12大学がそれぞれ取り組む。  共同座長を務めた日立製作所の川村隆会長は「これまで企業と大学がそれぞれに取り組んでいた人材育成について、ようやく産学一緒に動き出した」と話した。東京大が導入を検討している秋入学について、同大の浜田純一学長は「国家資格試験の時期の見直しなども検討してほしい」と国に要望する発言も。企業側からは「既に秋採用や通年採用を実施しているが学生に周知されていない」との声も上がった。  プラン作成の背景には、留学する学生が減少し、日本経済が停滞していることへの危機感がある。  ◇入社前留学、全寮大学院も  今回発表されたアクションプランに沿う人材育成は、企業や大学で始まっている。 "[he-forum 17047] NHKニュース5/10 NHKニュース2012年5月10日16時38分 東大研究部門に米財団から6億円  宇宙誕生の謎に迫ろうと、世界の数学者や物理学者が集まって研究している東京大学の研究部門が、世界の名だたる大学などの研究を支援しているアメリカの財団に選ばれ、日本の大学では初めて、研究費として6億円もの基金の提供を受けることになりました。  アメリカの財団に選ばれたのは、東京大学に5年前にできた「数物連携宇宙研究機構」です。  宇宙誕生の謎に迫ろうと、これまで別々に研究していた数学者や物理学者などが連携して研究するという世界でもユニークな研究部門で、宇宙誕生直後に生まれた星の成長過程をコンピューターシミュレーションで明らかにするなど世界的な成果を挙げています。  こうしたレベルの高い研究が、ハーバード大学やケンブリッジ大学など、世界の名だたる大学などの研究を支援しているアメリカの「カブリ財団」に評価され、日本の大学では初めて自由に使える研究費の提供を受けることになりました。  10日は、カブリ財団のフレッド・カブリ会長なども出席して東京大学の柏キャンパスで、記念式典が開かれ、村山斉機構長が「世界トップレベルの仲間入りを果たせ、とても光栄です」とあいさつをしました。  研究機構には、およそ6億円の基金が贈られ、その1年間の運用益が研究費として自由に使えるということで、村山斉機構長は「世界の優秀な研究者がさらに集まるようになるとともに、自由な資金でリスクのある研究にも挑戦できるようになる」と話しています。 "[he-forum 17048] 信濃毎日新聞5/9 信濃毎日新聞2012年5月9日付 信大とNISA、情報通信分野で連携協定  信大産学官連携推進本部(松本市)と、県内情報関連企業でつくる県情報サービス振興協会(NISA・長野市)は8日、連携協定を結んだと発表した。ネットワーク上のソフトやデータを活用するクラウドシステムなどの分野で共同で研究開発する。信大の産学官連携はこれまで、ナノテクノロジーを柱としたものづくり分野が中心だったが、情報通信分野でも研究成果が出ているため、提携で事業化に結び付ける狙い。  本年度はまず、信大研究者が講師になって、NISAの会員企業と話し合う「研究交流会」を開始。クラウドのほか、情報技術で効率的に電気を使う次世代送電ネットワーク「スマートグリッド」などをテーマにする予定で、1テーマにつき数回交流会を開き、共同研究開発や実証実験など具体的な活動につなげる。  相互に講師を派遣して人材育成を図ることや、信大学生をNISA会員企業でインターンシップとして受け入れることなども計画している。  同本部の職員が数年前から、NISAの市場開発委員会に参加して、新規事業の開拓について協議。研究成果を事業展開するノウハウを求める信大と、独自製品・サービスの基になる研究成果を求めるNISAの思惑が一致した。  信大松本キャンパスで開いた会見で、三浦義正・信大産学官連携推進本部長は「ICT(情報通信技術)は業態を超えて活用できるインフラ。進化が速く発展も望める」と説明。若林邦彦NISA会長は「国際競争力があり雇用も創出できる独創的分野を作り出したい」と述べた。 "[he-forum 17049] 山陽新聞5/9 山陽新聞2012年5月9日付 「岡大農場」を商標登録 第1弾は白桃デザート  大学のイメージアップに役立てようと、岡山大(岡山市北区津島中)は8日、学内で収穫した農産物や加工品の統一ブランド名「岡大農場」を商標登録したと発表した。第1弾として、地場企業と共同開発した白桃入りのデザート3種類を11日から県内の百貨店などで販売する。  岡大農場は、実習用ほ場(農学部付属山陽圏フィールド科学センター)の通称。収穫野菜を直売するなど地域住民にも親しまれており、生産物に対する責任をより明確にし、ブランド力を強化する狙いで商標登録を申請し、4月に認められた。  マークは、青地に毛筆の白抜きで漢字を配した。デザインした農学部の舟橋弘晃教授は「配色は夏の青空に浮かぶ雲のイメージ。『岡』の文字には、消費者に笑顔になってほしいという願いを込めた」と話した。  商品第1弾は県青果物販売(同岡南町)と共同開発。昨夏収穫した白桃約320キロでジュレ(525円)、プリン(252円)、アイス(315円)を作った。  天満屋岡山店、同倉敷店、アリオ倉敷、岡山空港の4カ所で先行発売し、大学内の生協やJR岡山駅などでの販売も計画。夏に向けた第2弾として、ブドウを使ったデザートを試作中という。 "[he-forum 17050] {o?V5/11"," 日本経済新聞 2012/5/11 11:12 政府、独法・国立大の給与削減を正式要請  政府は11日の閣議後の閣僚懇談会で、独立行政法人や国立大学など国の公的部門に対し、給 "[he-forum 17051] 毎日新聞5/11 毎日新聞 2012年05月11日 12時44分 給与削減:国立大・独法職員も適用 復興財源に  政府は11日、国家公務員給与が4月から平均7.8%引き下げられたことを受けて、独立行政法人や国立 大学などの法人で職員の人件費を削減し、復興財源に充てることを決めた。安住淳財務相が同日の閣議後の記者会見で明らかにした。実現すれば、年700億円 の財源を確保できる見通し。  政府から独法や国立大には、運営費交付金が流れているが、このうち人件費にあたる部分などを削減する。 今年2月、国家公務員給与を平均7.8%削減する特例法が成立したが、運営費交付金の削減幅は、給与削減した国家公務員と同水準での削減を目指す。捻出で きる財源の内訳は、独法で300億円、国立大で300億円、特殊法人で100億円となる見込み。政府は各公的機関に対して、給与削減に向けた労使交渉を急 ぐように要請する。  一方、地方公務員などの給与削減について、安住財務相は「国や独法の取り組みを見て対応してほしい」と求めた。【工藤昭久】 "[he-forum 17052] 産經新聞5/11 産經新聞 2012.5.11 12:16 独立行政法人などの職員給与削減へ 政府が年700億円の財源捻出  政府は11日、国家公務員給与の削減に合わせ、独立行政法人や国立大学など公的機関の職員の人件費を削減する方針を決めた。国が各機関に支出している運営費などを減額して、年間700億円の財源を捻出、東日本大震災の復興に充てる見込みだ。  安住淳財務相が同日の閣議後会見で明らかにした。  政府は独法や国立大、特殊法人に対し、人件費の削減に向けて労使交渉を急ぐよう要請。国からの運営費や交付金で人件費がまかなわれている法人については、国家公務員と同率の給与削減額を算定し、予算編成で減額する方針だ。  国家公務員に関しては、2月に給与を平均7・8%削減する臨時特例法案が成立。平成26年3月末まで2年間の時限立法で、総額5530億円を復興財源に充てることになっている。  政府としては、消費税増税を控え、“身を切る”姿勢を国民に示す狙いもあるとみられる。  地方公務員などは対象外だが、安住財務相は「国や独法が行っていることをみて対応してほしい」と同様の人件費削減に期待を示した。 "[he-forum 17053] 読売新聞徳島5/11 読売新聞徳島版2012年5月11日付 徳大、白河市と協定 原発放射能被害の対応連携で  徳島大は10日、東日本大震災の影響による、東京電力福島第一原子力発電所の放射能被害の対応について、福島県白河市と連携、協力する協定を締結した。  同日、徳島市の徳島大事務局で行われた協定締結式には、同大・香川征学長や白河市の鈴木和夫市長らが出席。同大では震災直後から、同市の中学生や保護者を対象にした放射線の基礎知識や体内被曝(ひばく)に関する学習会を開催。一般市民を対象にした日常生活の注意点や除染方法などの講習会への講師派遣、住民の質問に答える相談会も開いてきた。  今回の協定締結は、それらの支援を今後も継続するためで、総合科学部の中山信太郎教授(原子核物理)ら教員4人と学生7人が中心となる。徳島大と連携する東京大や鳥取大、熊本大など他大学にも活動を依頼する可能性もある。中山教授は、「月に1校程度の割合で(学習会の)支援できたら」としている。  同市では、小学校の校庭の除染のために削り取った土の仮り置き場が決まらず、そのまま校庭に深く穴を掘って埋めている。鈴木市長は「放射能の知識、理解が進まないために不安が先行している」とし、「徳島大に科学的に説明してもらうことで、不安は軽減されるはず」と期待していた。 "[he-forum 17054] 中日新聞5/11 中日新聞2012年5月11日付 <はたらく>若手研究者の窮状に反響 雇い止めは使い捨て ※調査は、大学で働く非常勤講師の待遇改善を求める「関西圏大学非常勤講師組合」など6組合が、2005年度に1011人を対象に実施。07年に「大学非常勤講師の実態と声」と題した報告書にまとめた。「雇い止めの理由」には423人から、複数回答で計728件の回答があった。  生活面で二度にわたり、低待遇の非常勤講師や定職に就けない若手研究者を紹介したところ、同じように苦しむ読者から反響が寄せられた。常勤教員と同様に、大学の講義を支える立場でありながら、一方的な雇い止めや受け持ち講義数の削減といった“使い捨て”同然の働かせ方を疑問視する声が多かった。 (福沢英里) ■突然の通告  関東地方の私立大で哲学や倫理学の非常勤講師を務める男性(38)は、五年勤めた大学を今年度末で“雇い止め”になる。大学側から昨年秋、突然「五年程度でやめてもらうのが慣例」と告げられた。  国立大の任期付き研究員が昨年度で終わったため、この私立大での二コマの講義のほか、他大学の講義なども掛け持ちし、収入は月計十万円ほど。来年度以降は半減し、生活の見通しが立たなくなった。  男性は「大学院重点化」後に大学院へ進学。二〇〇八年に博士号を取得し、年間十~二十件程度の常勤教員の公募に応募し続けたが、すべて不採用。学会での論文発表や翻訳なども三十編以上にのぼり、専門分野の中では一定の成果を挙げ、評価を得てきたつもりだった。結局、常勤教員の就職には役に立たなかった。  突然の通告に加え、経済的な不安。「必死に講義に取り組んできたことが否定されたと感じ、衝撃は大きかった」。精神安定剤を飲み、何とか講義や研究を続けている。男性は「常勤が担う大学の雑務を除いても、常勤は非常勤の三倍近い報酬をもらっている。常勤の給与を削減するなどして、非常勤の待遇改善に取り組んでほしい」と訴える。  ある芸術系の私大教授は「非常勤講師がいなければ、大学の講義は成り立たない」と打ち明ける。教授が勤務する大学では、非常勤講師は週二日までの勤務で任期も三年までだが、「事前準備を怠らず、常勤よりも実技指導が優れている人もいる」と話す。 ■泣き寝入り  愛知県内の私立大で英語の非常勤講師を務める四十代の女性は昨年秋、大学を相手取り、待遇改善などを求めて提訴した。昨年度の講義のコマ数を、それまでの週十コマから四コマに正当な理由もなく減らされたためだ。  無記名による学生アンケートの評価が高く、講義も熱心、といった大学側の評価でコマ数が増えた経緯があり、非常勤講師で十コマを受け持っていたのは女性だけだった。非常勤講師の組合に加盟し、四度の団体交渉で二コマ取り戻したが、その後も納得のいく説明はない。「非常勤講師の人事を、一部の教授が恣意(しい)的に運用している。私のように声を上げる人はまれで、多くは泣き寝入り」と女性は訴える。 ■脱重点化を  東海地方の国立高専准教授の四十代男性は、大学院重点化に疑問を投げかける。男性が大学院に入学したのは重点化一年前の一九九〇年。「人文系は当時すでに、大学院を修了しても、教員になるハードルは非常に高かった」と振り返る。  自然科学系でも九七年以降、博士課程修了者が大学教員採用者数を上回り、「博士課程から研究員を経て大学教員」という道は険しくなった。  「増加した大学院修了者の受け入れ余地を用意できないのは、最初から分かっていたはず。二十年がたち、理系では一定の成果があったかもしれないが、『脱重点化』を検討する時期ではないのか」と話す。  <大学院重点化> 科学技術分野における国際競争力を高め、優秀な研究者を養成する目的で、国が1991年に始めた。「2000年度までに大学院学生数を2倍程度増やす」という大学審議会の答申に基づき、12の国立大で90研究科を整備。当時約9万9000人の大学院在学者数が、11年には約27万3000人と3倍近くに増えた。 "[he-forum 17055] 毎日新聞山梨5/11 毎日新聞山梨版2011年5月11日付 桂川:流域の交流促進を 都留市と横浜国大、包括連携協定へ  桂川(相模川)で結ばれた都留市と横浜国立大(横浜市)は21日、上下流域間の交流を図るために「包括連携協定」に調印する。  協定は「水の流れ」の関係を重視し、上下流域の地域資源の活用と交流を進めることが目的。同大地域実践教育研究センターは、桂川(相模川)で結ぶ水の共同利用圏域・運命共同体「神奈川拡大流域圏」を研究フィールドの一つとしている。都留市も06年度からの第5次長期総合計画で、交流圏の拡大を目指しており、同大の研究内容と一致した。  今後は(1)共同で調査研究推進(2)教育・人材育成のための交流推進(3)講演会・学術セミナー・公開講座の開催(4)施設・設備の相互利用−−などを進める。また、環境問題などでは、同市の都留文科大社会科学系と横浜国立大の自然科学系の研究の融合も可能だ。 "[he-forum 17056] 時事通信5/10 時事通信2012年5月10日18時47分 法科大学院統廃合で両論=政府が論点整理  司法試験や法科大学院など法曹養成制度の在り方を議論する政府の「法曹養成フォーラム」(座長・佐々木毅学習院大教授)は10日、論点整理をまとめた。焦点の法科大学院の統廃合については積極、慎重両論を併記し、改革の方向性は示さなかった。  定員割れとなっている法科大学院があり、文部科学省から改善を求められるケースもある。論点整理では、法科大学院の定員削減や統廃合を進めるべきだとの意見を記す一方、「良質な教育を受ける機会を奪いかねない」との慎重論にも触れた。 "[he-forum 17057] 毎日新聞愛知5/11 毎日新聞愛知版2011年5月11日付 共同大学院:名市大と名工大、来年4月に開設 新薬研究開発へ  名古屋市立大(名古屋市瑞穂区)と名古屋工業大(同市昭和区)は10日、新薬の研究開発などを行う両大学の共同大学院「共同ナノメディシン科学専攻」を来年4月に開設すると発表した。複数の大学の薬学、工学分野が連携して共同大学院を設置するのは国内初という。  名工大のナノテクノロジー(超微細技術)を使った生物工学(ナノバイオ)研究と、名市大の薬学研究が連携。ナノテクノロジーを利用することで、既存の薬の有効性を高めるほか、飲み薬を貼り薬にして皮膚から浸透させるなど、新たな薬の開発、研究を進める。  教員や学生は講義や研究のため両大学施設を利用する。定員は名市大大学院が4人、名工大大学院が3人の計7人で、学生募集は今年秋以降の予定。【岡村恵子】 "[he-forum 17058] NHKニュース5/11 NHKニュース2012年5月11日4時2分 東工大 教養専門の教育センター  教養教育を見直す動きが広がるなか、東京工業大学が、歴史や哲学などの教養を教える、専門の教育センターを設立し、記念講演会が開かれました。  東京・目黒区の東京工業大学は、理工系の学生に、知識や考え方の基盤となる歴史や哲学、それに倫理などの教養を専門に教える教育センターを設立し、今年度から講義が始まりました。  これを記念した講演会が、10日開かれ、センターの教授となる、ジャーナリストの池上彰さんや、哲学と文化人類学の専門家が、教養教育について意見を交わしました。  の中では、「かつては経済が安定し、与えられた環境で勉強や仕事をすれば何とかなったが、今は価値観が多様になり、自分で問題の本質を見極めて解決する力が求められている。そのためには教養が必要だ」という指摘がありました。 日本の大学は、この20年ほど専門教育に力を入れてきましたが、グローバル化などで社会が複雑になり、より幅広い教養が役立つとして、大学も教養教育を重視する動きが広がり、学生からも注目されています。  東京工業大学では今後、1年生から4年生まで、センターの教授から教養を学ぶことができます。  センター長の桑子敏雄教授は、「社会が急激に変化するなかで、教養を学んでもらい、人の『根っこ』となる部分を育てたい」と話していました。 "[he-forum 17059] 四国新聞5/12 四国新聞2012年5月12日付 香川大サテライトオフィスの開設祝う  香川県三豊市豊中町の市民交流センターで10日夜、香川大サテライトオフィスのオープニングセレモニーが開かれ、同大の長尾省吾学長と横山市長ら約160人が新たな情報発信拠点の開設を祝った。  同オフィスは、大学の教育、研究成果の発表や地域住民の生涯学習活動を支援することを目的に三豊、東かがわ、坂出の3市に設置。セレモニーで横山市長は「(香川大のある)高松だけでなく、香川に広く出て市民に情報を提供されるとともに、市民の声を聞く施策をとられたことはありがたい」と謝辞を述べた。  長尾学長による大学の概要説明の後、同大医学部管弦楽団による演奏や、第1回講演として同大医学部の河井信行准教授が頭痛をテーマに講話を行った。聴講した三豊市高瀬町の主婦石井澄子さん(67)は「非常に分かりやすいし、興味深く勉強になった。また時間を見つけてきたい」と話していた。  三豊市では地域住民向けセミナーの第1弾として、6月14日まで「生活習慣病を知る」と題した講義の開催が決定している。毎木曜の午後7時から同センター横の豊中町農村環境改善センターで、同大医学部の教授らが糖尿病など生活習慣病の基礎知識や治療、予防法などを講義する。参加無料。  18日には、東かがわ市でオープニングセレモニーが開かれる。 "[he-forum 17060] 毎日新聞社説5/12 毎日新聞社説2012年5月12日付 大学入試改革 待ったなしで切り込め  これを機に大学入試全体を見直す論議につながれば、とも期待したが、そうはならなかった。  問題配布ミスなどで大混乱した1月の大学入試センター試験について、文部科学省の検証委員会はルールの周知徹底など再発防止策をまとめて終わった。対策は必要なことだ。  ただミスの背景には、50万人以上が出願するような一斉マンモス試験の緩みや制度的疲労も考えられる。  そして、繰り返し改革の必要がいわれながら、一向に前へ進む気配のない入試全体のあり方がある。抜本改革に踏み出してはどうか。それは大学教育改革に直結する問題だ。  大学教育の現況を危ぶむ、あるいは怪しむ声が絶えない。中でも学生たちの「学力」「コミュニケーション能力」の不足がよく嘆じられる。  平均的に学生が勉強に使う時間が足りない。中央教育審議会大学教育部会は今春の報告で、予習や復習など必要な学習(学修)時間を確保して充実させるよう求めた。また、学習成果を測る「アセスメントテスト」実施や、授業科目の関連レベルを分類して受講判断をしやすくする「ナンバリング」なども例示した。  深刻だ。報告は、大学教育の質的転換は「待ったなし」と言い、「具体的な行動を直ちに」と求める。  その意味で、まず大学に入ってくる学生を選ぶ入試の質的転換が必要ではないだろうか。 "[he-forum 17061] 西日本新聞5/13 西日本新聞2012年5月13日付 九大が100周年記念式典  1911年創立の九州大学は12日、福岡市東区の箱崎キャンパスで創立100周年記念式典を開いた。昨年開催予定だったが、東日本大震災直後だったため、1年延期していた。有川節夫学長は「常に未来の課題に挑戦する活力に満ちた最高水準の研究教育拠点になる。どの分野でも世界のトップ100大学に躍進すべく、これからの100年の発展を築く」と決意を述べた。  式典には、平野博文・文部科学大臣や浜田純一・東京大学長、小川洋・福岡県知事ら学内外の約1300人が出席した。  式典後、卒業生2人が講演。宇宙飛行士の若田光一さんは「大学は問題を解決するアプローチを習得する場である」という九大時代の恩師の言葉を紹介。ノーベル賞受賞が期待される九大の新海征治・特別主幹教授は「世界最先端の学研都市を伊都キャンパス(福岡市西区)につくりたい」と夢を語った。13日は伊都キャンパスで、卒業生の鮎川誠さんが率いる「シーナ&ロケッツ」の演奏などがある「九大100年まつり」が開かれる。 "[he-forum 17062] 共同通信5/13 共同通信 2012/05/13 02:19 大学にハローワークの出先機関 連携強化で就職支援  政府がまとめる「若者雇用戦略」の骨子案が12日、判明した。景気低迷に伴い就職難が続く大学生らを支援するた め、全国的情報網を持つハローワークの出先機関を大学内に設けるなど行政と学校の連携強化を打ち出した。雇用機会均等の観点から就学支援や職業教育充実を 挙げ、中小企業の人材確保支援、フリーター大幅削減の確実な達成も盛り込んだ。  野田佳彦首相と関係閣僚、学識経験者、労使代表らでつくる「雇用戦略対話」の下に設置したワーキンググループで骨子案を基に議論し戦略を策定。6月にも対話会合で正式決定する。 "[he-forum 17063] しんぶん赤旗5/14 しんぶん赤旗 2012年5月14日(月) 「大学統廃合」要求する財界  財界の要求実行に前のめりな野田内閣に、財界側の注文も露骨さを増しています。最近では「大学の統廃合」まで公然と求めるに至っています。  「次世代の育成」などを議題とした4月9日の政府の国家戦略会議(議長=野田佳彦首相)に、米倉弘昌日本経団連会長、長谷川閑史経済同友会代表幹 事ら民間議員5人連名の提案文書が提出されました。提案文書では、国立大学法人の運営費交付金や私学助成について「抜本的にメリハリ」をつけた配分を要 求。こうした手法も「活用しながら」、「統廃合等の促進を含む大学改革を促進」するよう迫っています。  そこには、「世界で活躍し、イノベーションを起こす人材」が必要だなどとする産業界の要求と、大学が育成する学生像とに「ミスマッチ」が生じてい るとして、海外に拠点を広げる大企業に使い勝手のよい人材を供給するよう、高等教育を再編したいという財界のねらいがあります。  国立大学運営費交付金や私学助成は大幅削減が続けられる一方で、今年度予算に「国立大学改革強化推進事業」(138億円)が新設され、文科省内に タスクフォース(特別任務のプロジェクト・チーム)を設けて「大学群」創出など大学再編を推進させようとしています。提案文書は、予算面でもこうした大学 間の選別をさらに強め、経営的にも大学を追い詰めて統廃合に向かわせるよう、国に促したものです。  会議では、欠席した米倉会長のコメントも紹介され、「現下の課題は『戦略』ではなく『実行』にある」などと、政府にハッパをかけています。  これら民間議員の要求をうけ、野田首相は、5月に文科省の「取組方針」を報告するよう、平野博文文科相に指示しました。日本の学術の発展を阻害する危険な動きです。(清水博) "[he-forum 17064] 全大教中央執行委員会声明:「国立大学法人・大学共同利用機関法人・独立行政法人高専機構に対する運営費削減と給与減額強要に抗議する」 高等教育フォーラム 各位 全大教の書記長の長山です。 全大教中央執行委員会として、標記の声明を発表しましたので、お知らせします。 声明文中にも記しましたが、国立大学法人・独立行政法人への今回の政府方針は、憲法違反の暴挙です。 こうした方針の撤回を求め、また補正予算を阻止し、各法人における団体交渉による労使自治による労働条件の決定を貫徹させる運動を強めていきます。 みなさまのご支援をお願いし、また、それぞれの立場での奮闘を期待します。 (声 明)  国立大学法人・大学共同利用機関法人・独立行政法人高専機構に  対する運営費削減と給与減額強要に抗議する  2004年、国は多くの国民・大学人の反対を押し切って国立大学・大学 共同利用機関・高等専門学校(以下、国立大学等という)を法人化した。  全大教は多くの国民とともに、法人化に反対し、国立大学等に対し国が 責任を持つよう求めてきた。また、法人化後はその制度のもつ多くの問題 点を指摘し、制度の見直しを求めてきた。  政府は、5月11日の閣僚懇談会において、国立大学法人・独立行政法人 に対し、給与削減に向けた労使交渉を急ぐよう要請する方針を正式に確認 するとともに、運営費交付金を給与引き下げに見合う分だけ減らす方針も 申し合わせた、と報じられている(日経新聞)。  国立大学等の法人制度の根幹である中期目標の財政的基盤である運営 費交付金の減額は、文部科学大臣が決定した中期目標の実現を困難と するものであり、法人制度をも自ら踏みにじる暴挙をおかそうとするものだ。 国立大学法人化に際して参議院附帯決議にも明記された、憲法第23条で 保障される学問の自由、大学自治の侵害でもある。  給与削減に向け労使交渉を要請することは、労使自治への介入であり、 非公務員とされた国立大学等の教職員のもつ、憲法第28条で保障された 団体交渉権を実質的に侵害する行為である。  いずれも、政府が憲法、法令をおかそうとする行為であり、法治国家として 考えられない暴挙である。  私たちは、こうした施策を強行しようとする政府に強く抗議するとともに、 問題を明らかにし、今後、こうした施策が実施されないための運動をさま ざまな場面で行なっていく。  今回の政府の方針は、「震災復興」に名を借りつつ、「身を切る姿勢」を 見せるためのパフォーマンスに、国民の大切な財産である国立大学等を 巻き込むものであり、真の復興に役立つものではない。  私たちは、2011年3月11日の震災発生以降、高等教育機関としての社会的 責任を自覚し、専門的知識、技術を活用し、復興に力を尽くしてきた。  私たちは今後も、被災地に心をいたし、復興に貢献していくとともに、全国民 のための公教育を守り発展させていくことをここに明らかにする。                             2012年5月12日                              全大教中央執行委員会 -- 長山泰秀 全国大学高専教職員組合 〒110-0015 東京都台東区東上野6丁目1番7号 MSKビル7階 tel:03-3844-1671 fax:03-3844-1672 携帯電話:090-4383-4689 e-mail(PC):nagayama@zendaikyo.or.jp e-mail(携帯):zendanaga@i.softbank.jp "[he-forum 17065] Re: [he-forum 17064] 全大教中央執行委員会声明:「国立大学法人・大学共同利用機関法人・独立行政法人高専機構に対する運営費削減と給与減額強要に抗議する」 佐賀大学の豊島です. On 2012/05/14, at 17:09, 長山 泰秀 wrote: > 問題を明らかにし、今後、こうした施策が実施されないための運動を > さまざまな場面で行なっていく。 「実施されないための」(させないための?)運動とありますが,その ような効果を持ちうる戦術・戦略は何ですか?それを提起しなければ, 口先だけ,ということになります.それとも声明さえ出しておけばよ い,ということでしょうか? 全大教新聞5月10日号の1面下の「文科省会見報告, 4月25日」の記事にしても,すでに4月からいくつかの国立大学 で賃下げが行われているにもかかわらず,そのようなひどい現実とはか け離れた,楽観論をあおるような体裁です.信州大、茨城大、奈良女子 大で4月1日より減額が実施されたという重大ニュースを,なぜもっと 目立つように掲載しないのでしょうか?それとも,全く掲載なし?? このMLもほとんど新聞切り抜きだけで,「フォーラム」とはとて も言えない状況ですが,現在の参加者はどのくらいでしょうか?私のこ のような投稿を読む人がいるのでしょうか? 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 17066] Re: [he-forum 17065] Re: [he-forum 17064] 全大教中央執行委員会声明:「国立大学法人・大学共同利用機関法人・独立行政法人高専機構に対する運営費削減と給与減額強要に抗議する」 > 私のこのような投稿を読む人がいるのでしょうか?  投稿者の氏名を見ただけで「ああ、またか」と思ってスルーしてしまう投稿はたしかにあります。でも、それは読者の自由です。投稿者は読んでもらえるような投稿に心がけること、それはMLにせよ、ニュースグループにせよ、ネチケット以前の常識というものです。  これに対して、私的ないらだちを公的な場所へぶつけるのはネチケット違反です。 ※個人メールアドレスを変更しました。最下段を御覧下さい。 |立山紘毅@山口大学経済学部 | |tateyama@yamaguchi-u.ac.jp |qso-sn2012a@earth.email.ne.jp "[he-forum 17067] 時事通信5/14 時事通信2012年5月14日20時25分 広島、長崎大と研修医交換へ=「医療復興に尽力を」-福島県立医大  福島県立医大の菊地臣一学長は14日、被爆地の広島、長崎両大との間で研修医を交換するカリキュラムを整備する方針を明らかにした。3大学は東京電力福島第1原発事故を受けて昨年4月、連携協定を結んでおり、菊地学長は「広島、長崎には(被爆の)原体験があり、若手の交流は極めて意義がある」と話した。  3大学の学長は14日、福島県立医大で意見交換会を開催。菊地学長は被爆地両大からのこれまでの支援に感謝した上で、「新たに心の問題などが深刻になってきており、今後も率直な提言をいただきたい」と話した。研修医交換制度は、地域医療研修などの枠組みを活用し、早ければ今年度中にも講座を整備したい考え。期間は数カ月を想定しているという。 "[he-forum 17068] 北海道新聞5/15 北海道新聞2012年5月15日付 遠隔医療 中国で始動 旭医大、4病院と回線結ぶ 【旭川】旭川医科大(吉田晃敏学長)と中国の4医療機関をインターネットの専用回線で結ぶ遠隔医療ネットワークが完成し、14日に同大と中国で同時に始動式が行われた。離れた患者の映像をもとに、診断や手術の指示を出すことができる「旭医大式」の遠隔医療が、中国内で始まることになる。  都市と地方との医療格差解消を目指す中国政府と、1994年から遠隔医療に取り組み、日本唯一の遠隔医療センターを持つ旭医大などが昨年5月、援助協定を結び稼働準備を進めてきた。  ネットワークは、旭医大と中国側の拠点となる中日友好医院(北京)と瑞金医院(上海)の3者間、さらに両拠点とそれぞれの支援先である神木県医院(陝西省)と都江堰市人民医院(四川省)を回線で結び、最新の立体ハイビジョン映像の送受信を可能にした。 "[he-forum 17069] 福井新聞5/15 福井新聞2012年5月15日付 福井大4年連続就職率1位理由は 分析本発刊され話題に 高い就職率の秘密に迫った木村誠氏著書「福井大学はなぜ就職に強いのか」  国立大で4年連続就職率ナンバー1を誇る福井大学(福井県)の“秘密”に迫る著書「福井大学はなぜ就職に強いのか」が発刊され、全国の大学関係者の注目を集めている。  大学関係のルポを数多く手がける教育ジャーナリストの木村誠氏が執筆した。  民間情報会社の就職率調査によると、2007年度から10年度まで、複数学部を有する国立大で福井大は4年連続1位。また厚生労働省の10年調査で、入社3年目(07年度卒業)までの離職率は、全国の大卒平均で30%であるのに対し福井大は8%にとどまっている。  著者は「この定着率の高さこそ福井大の就職力を示すバロメーター」と指摘。地域や企業に根差した徹底的な現場主義の教育展開と、地方の中堅国立大の地元密着、少数の学生という特性を生かしたきめ細かい就職指導にあると分析する。  「福井方式」と言われる産学官連携の共同研究や、企業から参加希望が殺到する学内企業説明会など、高い就職率と低い離職率を生み出す同大の取り組みを分かりやすく解説している。  A5判、202ページ。税込み1680円。 "[he-forum 17070] Re: [he-forum 17066] Re: [he-forum 17065] Re: [he-forum 17064] 全大教中央執行委員会声明:「国立大学法人・大学共同利用機関法人・独立行政法人高専機構に対する運営費削減と給与減額強要に抗議する」 九州大学の出水です。 >  これに対して、私的ないらだちを公的な場所へぶつけるのはネチケット違反です。 これは、どういう風に受け取ればよいのでしょうか。 仮に、これが豊島さんの発言へ向けられているとしたら、おかしな反応だと思います。 あらゆる社会運動の出発は「私的ないらだち」のはずです。 しかも、豊島さんの提起は、かなり重要な問題提起を含んでいるのですから、「ネチケット違反」などという反応は、いかがなものでしょう。 -- ※このメールへの返信は大学のアドレス(kizumi@law.kyushu-u.ac.jp)にお願いします。 出水 薫(IZUMI Kaoru) 九州大学大学院法学研究院 812-8581 福岡市東区箱崎6-19-1 kizumi@law.kyushu-u.ac.jp "[he-forum 17071] 時事通信5/15 時事通信2012年5月15日20時30分 薬・工共同大学院設置へ=全国初、創薬研究者育成が目的-名古屋  薬学部を持つ名古屋市立大と工科系国立大の名古屋工業大が15日、全国初の薬学と工学の共同大学院「共同ナノメディシン科学専攻」を設置する覚書を締結した。創薬の研究者を育成するのが目的で、来年4月に開設する。  名市大によると、同専攻は3年の博士後期課程で、設立初年度の入学予定定員は名市大が4人、名工大が3人。それぞれの大学院に入学した学生は、卒業に必要な26単位のうち、相手方のキャンパスで10単位以上取得するよう義務付ける。 "[he-forum 17072] しんぶん赤旗5/16 しんぶん赤旗 2012年5月16日(水) 奨学金の会 教育無償化へ要請 国際人権規約留保撤回を  国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会(奨学金の会)は14日、外務省を訪れ、玄葉光一郎外務大臣あての要請書を手渡しま した。中等・高等教育の漸進的無償化を定めた、国際人権A規約の13条2項(b)(c)(別項)の留保を早期に撤回することなどを求めました。  教育無償を求める運動と世論に押され、政府は同条項の留保を撤回する方針を表明しています。政府は1979年に同規約を批准しておきながら、「奨 学金制度、授業料減免制度の存在」などを理由に留保しつづけてきました。規約批准160カ国のうち同条項を留保しているのは日本とマダガスカルのみです。  要請には、三輪定宣会長(千葉大学名誉教授)ら6人が参加。三輪会長は、経済的理由から退学に追い込まれる学生や、給付制奨学金がないため卒業後に返済に苦しむ利用者の実態などをあげ、「学費が高くて奨学金が貧しいのでは、国際社会に対して恥ずかしい」と批判しました。  参加者たちは、「具体的にどのように留保を撤回するのか政府の姿勢が見えてこない」と強調しました。  「いつまでに撤回できるかはいえない」と応じる担当者に対し、日本学生支援機構労働組合の藤井和子委員長は「経済的な負担が個人や学生に借金となってかからないよう、留保撤回をすすめてほしい」と迫りました。 A規約13条2項(b)(c)  A規約13条2項(b)(c)は次のとおり。  (b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。  (c )高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。  国際人権A規約 1948年の世界人権宣言を基に条約化し、人権の国際的保護を定めたものです。66年に国連総会で採択され、76年に発効されました。A規約は「社会権」を、B規約は「自由権」を、それぞれ規定しています。 "[he-forum 17073] JAkbiJAItBVuOj5/11"," 国家権力による労使自治への介入は許されない-独立行政法人・国立大学法人の給与「見直し」にあたって  ※国公労連の談話を紹介します。  国家権力による労使自治への介入は許されない(談話)  ~独立行政法人・国立大学法人の給与「見直 "[he-forum 17074] 河北新報5/18 河北新報2012年5月18日付 大学医学部新設を 東北市長会が特別決議 国に要望へ  東北75市でつくる東北市長会(会長・奥山恵美子仙台市長)は17日、仙台市青葉区のホテルで総会を開き、地域医療の充実に向けた大学医学部の新設に関する特別決議を全会一致で承認した。6月開催予定の全国市長会総会に合わせ、関係省庁に要望活動を行う。  特別決議は、東日本大震災で沿岸の医療機関や医療従事者が被災し、地域医療は崩壊の危機にあると強調。「早急に医師の偏在の解消を図るとともに、医学部を新設して地域に根差した医師を養成するなど、抜本的な対策を講じることが必要」と求めた。  原案を審議した4月の宮城県市長会の定例会議で、一部市長が「国は医学部の定員を増やしており、医師が適正に配置されていないことが問題だ」と指摘したことを受け、医師偏在解消の重要性も盛り込み、理解を得た。  提案した亀山紘石巻市長は「医学部新設という手法で東北の医療の改善、充実に向けた大きな一石を投じたい」と語った。奥山仙台市長は「東日本と西日本では医学部が偏在しており、地域医療に携わる医師確保に向け、一つの手段として総意がまとまったのはよかった」と述べた。  総会には70市長が出席し、国に要望する29議案を承認した。特別決議はほかに(1)震災からの早期の復旧・復興(2)東京電力福島第1原発事故の早期解決(3)国出先機関の存続(4)環太平洋連携協定(TPP)参加への慎重な対応-など。 "[he-forum 17075] 熊本日日新聞5/17 熊本日日新聞2012年5月17日付 大学教育の在り方議論 熊本大で改革フォーラム  大学教育の質の向上に向けた「大学教育改革地域フォーラム」が16日、熊本市の熊本大で約280人が参加してあり、学生や教職員、経済界関係者が、大学教育の在り方について議論した。同大と文部科学省の共催。  同省の山中伸一審議官が「グローバル化の中、社会に人材を供給する大学には、教育機能の強化が求められている」と問題提起。谷口功学長は、国際社会に通用する人材育成に向け、教養教育の改革に取り組んでいることを報告した。  企業、経済界の立場から発言した熊本商工会議所の田川憲生会頭は「英語教育の徹底や、物事を考える力、ディベート能力の鍛錬を」と注文。熊本北高の光岡和隆校長は「説明型から参加型・双方向型の授業への転換が必要」と指摘した。  学生は3人が発言。医学部4年の伊東山舞さん(23)は学生のアンケート結果を基に、教育方針の明確化や、向上心のある学生がグループで勉強できる場所の確保を要望した。  フォーラムは、中央教育審議会(中教審)がまとめた大学教育改革の提言を受け、文科省が全国の大学と協力して4月から開催。熊本大が2カ所目。同省は7月までに10カ所程度で開き、議論を政策に反映させる。(楠本佳奈子) "[he-forum 17076] 東奥日報5/18 東奥日報2012年5月18日付 弘大の海外拠点設置は9月めど  中国・大連の大連理工大に海外拠点設置を検討してきた弘前大学(佐藤敬学長)は17日、今年9月をめどに「弘前大学大連事務所(仮称)」を設置することを正式に決めたと発表した。事務所には日本語を話せる現地スタッフ1人を常駐させ、中国から優秀な留学生を確保するためのPR活動を行うほか、研究者や学生の交流を支援する。同大は12カ国26大学と大学間交流協定を結んでいるが、海外拠点の設置は今回が初めてとなる。 "[he-forum 17077] 日本経済新聞5/20 日本経済新聞2012年5月20日付 東大、秋入学へ実証実験 今夏から  秋入学への全面移行を目指す東京大学の浜田純一学長は19日、同大の大学祭「五月祭」で、学生ら約200人を前に講演し「秋入学導入は教育の質向上や国際化対応を目指す社会運動。先頭に立って進むのが東大の役割」と意義を強調した。  また秋入学導入に伴って発生するギャップタームに関連して、今年夏から実証実験を始めると表明。現在の学生にボランティアや留学といった体験活動をしてもらい、その成果を高校卒業から入学までの半年間の過ごし方についての検討材料にする方針だ。  学生からは「在学期間が長くなり経済的負担が増す」などの意見が寄せられた。浜田学長は「早期卒業は検討する必要がある。逆にもっとゆったり学べた方がいいという考えもある」と述べた。 "[he-forum 17078] 平野文部科学大臣記者会見録5/11 平野博文文部科学大臣記者会見録(平成24年5月11日)より、一部抜粋 http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1320914.htm 記者)  もう1点、国家公務員の給料引き下げに関して、国立大学も対象にするということがありましたけれども、それについては。 大臣)  これも当然国家公務員を削減をいたしておるわけですから、それに準じて独法並びに国立大学法人の皆様方についても御理解をいただい て、是非善処をしていただきたいということでございます。これは、官房長名で依頼をいたしております。現実これは当然現場では労使交渉というプロセスが本 来ありますから、そこでしっかりとその趣旨を理解をいただいて、対処していただきたいというふうに私も思っておりますし、再度またそういう趣旨でお願いを したいと、こういうふうに思っております。 記者)  労使交渉の結果に関わらず国立大学の運営費交付金を人件費分だけ削減していくという考えはあるんでしょうか。 大臣)  そうならないように、そういうことにならないように、自主的に労使交渉の中で解決をしていただきたいと私は思っています。官房長の通達はいつ出してもらいましたか。 文科省)  これは、3月です。 大臣)  だから今はその状況を含めて、再度その状況に対して、要は国家公務員並みの削減を含めて、まずはあの行政依頼ですから、あくまでも大学内の労使交渉、法人内での労使交渉の中での妥結、決めていかれることですが、それに強く期待をいたします。 記者)  今の1点に関連してですが、趣旨は分かるんです、復興のためにという。ただその名目上、大学にしても研究所にしても独立行政法人に なっているわけですよね。ということは、当然そのさっきの冒頭の法律の話ではないですが、それぞれの法人でそのガバナンスというか、お金をどうやって使う か何かは全部決めているということになっているわけです。それをその文科省の方から、通達という形ではありますけれども、なんていうか給料を返納というか 削減してくださいねというのは、何かこうちょっと越権行為的な感じも受けるんですが、それはどうでしょう。 大臣)  ですから越権というよりも、お願いをすると。交付金を、やっぱり税金を使って運営をしている、独法といえども税金を使ってお願いをしているわけで、国家公務員も経費削減ということに対したわけですから、それに準じてお願いということであります。 記者)  特に応じなかったらペナルティーがあるとか、そういうわけではない。 大臣)  それは先ほどそういう部分が、そういうことがあるのかと、こういう御指摘があったわけですが、それについてはそうならないように努 力していただきたいというのが現時点での文科省の対応でございます。まだ八つだったかな、今朝段階では合意をして削減をしていただいた法人は。御理解いた だけると期待しています。 (了) "[he-forum 17079] 佐賀新聞5/22 佐賀新聞2012年5月22日付 佐賀大学長が県内高校を訪問、学生獲得へアピール  佐賀大学は6月から、佛淵孝夫学長が県内の高校を訪問して校長や進路指導担当教諭らと意見交換する。少子化で学生獲得に向けた大学間の競争が激しくなる中、“トップセールス”で特色をアピールし、高校との連携強化を図る。  これまで入試担当教員らが年1回高校を訪問していたが、今年から佛淵学長も加わる。1カ月間で県立14校を訪れ、大学の入試内容や学生の就職状況を説明したり、高校の意見を聞いたりする。  佛淵学長は「10年後は18歳人口が20%程度減少して厳しくなる。将来に備えて高校の要望を聞きながら、大学の教育改革を進めたい」と話す。大学の本年度入学者の出身地別割合は福岡県が37・4%で最も高く、次いで佐賀県の26・2%となっている。 "[he-forum 17080] 日本経済新聞5/23 日本経済新聞2012年5月23日付 東大秋入学、学内で議論本格化 検討会議を設置  東京大は22日、秋入学への全面移行をはじめとする教育改革を本格的に議論するための検討会議を設置した。秋入学移行を求める最終報告を今年3月に公表した浜田純一学長の私的懇談会の後継組織で、2012年度中をめどに改革の方向性や工程を示した提言をまとめるという。  名称は「入学時期等の教育基本問題に関する検討会議」(座長・清水孝雄理事・副学長)。役員会の下に設置し、副学長や学部・研究科長らで構成する。秋入学移行で生じるギャップターム(高校卒業から入学までの半年)中の体験活動のあり方など、個別課題を探る作業部会も設ける。  会議では秋入学移行の可能性などを検討し、移行の方法などを具体的に示す。提言は各学部の教授会などの意見も聞いた上で策定。役員会は提言を受けて秋入学移行などの方針を決める。  浜田学長は「グローバル化が急速に進行する中で、秋季入学の構想についてしっかりと検討を進めていくことは東大の社会的役割だ」と議論の深まりに期待を示した。 "[he-forum 17081] 読売新聞高知5/23 読売新聞高知版2012年5月23日付 高知大付属病院の新病棟起工式 集中治療室2倍の12床、ヘリポートも整備  高知大医学部付属病院(南国市岡豊町小蓮)で22日、新病棟の起工式が行われた。南海地震が発生すれば拠点病院となるため、屋上にヘリポートを整備し、集中治療室を2倍の12床に増やすなど、高度な医療に対応出来るよう設備を充実させる。2014年11月の完成後には現在の病棟など6棟の全面改修に着手。総工費約160億円で、19年度内の工事完了を目指す。(松田俊輔)  現在の病棟が築30年を超えて老朽化したため、全面的な増改築を行うことになった。高知大によると、新病棟は7階建てで免震構造。ヘリポートは現在、病棟から500メートル離れたグラウンドを代用して救急車で患者を搬送しており、新病棟ではより速やかな対応が可能になるという。  2、3階が治療室や手術室となり、重篤患者を24時間態勢で治療する集中治療室(ICU)は6床から12床に。また、周産期医療にも力を入れるため、新生児集中治療室(NICU)を6床から9床に、回復期治療室(GCU)は8床から12床に増やす。  手術室の広さは、従来の2倍となる60平方メートルを確保する。より多くの医師、看護師が支援でき、ロボットアームを操って内視鏡手術を行う最新医療機器などの設置も可能になるという。  4~7階は病室となり、現在の病棟の改修と合わせて13床増の計618床に。大幅な増床とはならないが、希望者の多い個室を約3倍の217床に増やし、広さも11・7平方メートルから16・6平方メートルに拡張。希望者の少ない2人部屋は廃止し、4人部屋を27・5平方メートルから32・5平方メートルに広げ、過ごしやすくする。  新築・改修工事に合わせ、医療機器も約60億円かけて整備する予定で、同大学は「最先端の医療が実践できる病院を目指していく」としている。 "[he-forum 17082] 産経新聞北海道東北5/25 産経新聞北海道・東北版2012年5月25日付 ビジネス振興へ京大の知恵 盛岡で人材育成・起業スクール7月開校  東日本大震災の被災地復興支援のため、被災地支援チーム「SAVE IWATE」(盛岡市、寺井良夫代表理事)と、京都大大学院に設置されている「京都ビジネスリサーチセンター」(京都市、代表理事・若林靖永京都大経営管理大学院教授)は24日、7月から盛岡市内に「岩手ソーシャルビジネススクール」を開校すると発表した。経営ノウハウなどを学ぶ人材育成研修と起業支援の2本柱で、無償で受講を受けることができる。  同ビジネススクールは今年度の内閣府「復興支援型地域社会雇用創造事業」(2億3500万円)の採択を受けた。こうした事業は全国的には例がないという。  人材育成研修は、マーケティングや資金調達などを学ぶ「震災復興のための経営マネジメント」▽「パソコン初心者」▽「介護・ケア」▽地域社会の再生を目指す「震災復興まちづくり」-のコースに分かれ、知識や技術などを学ぶ。  起業・新規事業(イノベーション)支援では合計50団体・個人を対象に、県内に拠点を置き、社会的な貢献を目指す起業(土木・建設業以外)または新規事業参入について、指導、助言のほか上限210万円の支援金を支給する。  京都大経営管理大学院は、研究成果を社会還元するため、平成22年8月に院内に京都ビジネスリサーチセンターを設置。今回の支援事業の講師にも大学院スタッフが参加する。  コースや起業支援の詳細な内容は今後、詰めていくが、若林教授は「被災者にはそれぞれ問題意識や復興の理想があるはずで、それに合わせた講義の内容にしていきたい。初めからひな形があるわけではない。受講者が自立する力をつけてもらえればいい」と話した。  公募説明会は6月18日午前10時から盛岡市盛岡駅西通のアイーナいわて県民情報交流センターで開催。終了後に募集要項、参加申し込みをホームページに公開。4コースは7月中に開始。起業支援では事業計画書を提出してもらい、社会性などについての審査のうえ、1次の支援対象者を7月20日に発表する。2次募集は9月下旬に予定している。 "[he-forum 17083] 西日本新聞5/24 西日本新聞2012年5月24日付 佐賀大 街へ出る カフェを実習拠点に  佐賀大学で地元文化の発信や地域活性化に貢献する人材育成に取り組む「鍋島ルネサンス構想運営委員会」が、佐賀市唐人2丁目のカフェ「cafe TRES(カフェ・トレス)」を“実習拠点”として利用することになった。今後、カフェを舞台に、公開講座や交流会などが行われる。26日に開設式典がある。  委員会は、文化教育学部の教授らが中心となって昨年4月に設置。8人の教職員が、新しい教育プログラムづくりや留学生との交流行事などを企画してきた。  学外の実習拠点づくりは、発足当初からの構想。「大学内で市民向けの行事を開いても、来る人は限られる。地域の人が集まるところへ大学が出向くことが大切」とスタッフの有島宏介さん(24)。  これまで佐賀市内のカフェを中心に候補地選定を進めてきた。構想への協力を快諾したのが、トレスを経営する株式会社サードプレイス(佐賀市)。企画内容に従って、店舗の一部を貸し出すという。  試験的なイベントは既に実施され、今月14日には福岡市の語学学校のフランス人講師を招き、フランス大統領選をテーマにした無料の市民講座も行った。参加者13人は、飲み物や食事を楽しみながら耳を傾けた。企画した文化教育学部の相原征代講師(41)は「堅苦しくなく、議論に参加しやすい雰囲気がつくれた」と笑顔を見せた。  委員会は今後、弦楽コンサートや食育をテーマにした講座などを計画。有島さんは「実際の店舗を舞台に、大学が何をどのように発信するのか。企画も工夫していきたい」と話している。 "[he-forum 17084] 日本経済新聞5/29 日本経済新聞2012年5月29日付 国立国会図書館が調査報告書 大学への助成制度、見直しの必要  国立国会図書館は、大学や研究機関に対する政府の資金助成に関する調査報告書をまとめた。日本は1990年代以降、助成制度を大きく変えてきたが、複数の仕組みが乱立気味となり、効果もしっかり評価できていないと指摘した。制度を包括的に問い直す時期にさしかかっていると唱えている。  報告書は日米欧の主要先進国における研究課題や政府の研究費支出の推移、大学や政府系研究所の概況などを比較した。科学技術が専門的で高度になるとともに、各国の公的研究機関には産業界との連携や国際的な協力が求められており、人材確保や組織改革に追われていると分析した。  時代の要請に合わせた助成制度の設計と運営が先進国共通の課題で、特に日本は模索が続いていると指摘。財政状況が厳しいなかで効果的な助成の仕組みを見直す必要があると提案した。 "[he-forum 17085] 福井新聞5/28 福井新聞2012年5月28日付 高就職率誇る福井大 細やか支援が力引き出す  就職率で福井大生の快進撃が続いている。卒業生1000人以上で複数学部を有する国立大にあって、2008年から昨年まで4年連続のトップに輝いた。今春卒についても昨年を上回る状況にあり、5年連続の期待も大いに高まる。  就職活動(就活)を通じて学生は社会人としての適性などを厳しく評価されるとともに、自己アピール度も試され、高就職率は福井大生の高い評価、実力を示す数字でもある。それを遺憾なく引き出しているのが、同大のユニークで細やかな就職支援・指導だ。  ■個別説明会で“相思相愛”■  民間大学情報サービス会社の就職率調査によると、福井大は08年が95・3%、09年97・2%、10年94・3%、11年94・7%と高率だ。就職支援・指導に関しては、教育ジャーナリストの木村誠さんが著書「福井大学はなぜ就職に強いのか」(財界展望新社)を発刊するなど全国的に注目を集めている。同書や同大就職支援室の青山傳治室長の話を通じ、高就職率を支える取り組みとして、まず挙げられるのが個別企業説明会だろう。  同説明会は、200、300社が一堂に会して学生が企業の話を聞く合同企業説明会とは違って、1社、2社といった少数の企業が対象。参加する学生も少数の場合が多いが、その分、参加企業に意欲のある学生が集まり、企業とのやりとりも熱のこもったものになるという。  また、大学のOBが説明に来るケースも多く、学生にとっては合同説明会などで聞くことのできない内容にまで踏み込める。企業側も学生の資質を十分に見極めることができるため、この段階で“相思相愛”の関係が築けることにもなる。  ■低い離職率が好循環に■  こうした独自の個別企業説明会を可能にしているのも、低い離職率があってのこと。厚生労働省の調査では、入社3年目までの大卒離職率は全国平均で30・0%にも上っている。これ対して福井大は8・0%と低率だ。離職者が少ないため、企業が安心して福井大に人材を求めるという好循環につながっている。  青山室長によれば、個別説明会は08年のリーマン・ショックで雇用環境の悪化が想定されるとの危機感から始めたという。参加企業は09年の43社、10年の97社、11年の132社と急増。13年春採用に向けた今年は、150~160社に達するとみている。  携帯メールを使った、学生に対する就職情報の発信も大きな武器だ。求人情報、求人票は今では約2900社に及んでいる。とりわけ役立っているのが、追加求人情報だろう。就活のヤマ場となる3~5月以降、採用枠を満たせなかった企業が追加募集する。さらに秋の採用決定時にも追加募集が出てくる。内定を得られなかった学生にとっては、再チャレンジの好機といえる。そうした情報を素早く発信することは、就活の生命線にもなっている。  ■グローバル化にも一手■  エントリーシートの作成講座や面接対策講座などガイダンスも40を数え支援態勢は充実している。女子学生向けの「メイクアップ講座」など至れり尽くせりの感がある。さらに普段の授業、カリキュラムの段階で、企業との交流や製品開発、地域活動など、職業観やコミュニケーション力を高める取り組みがあり、まさに大学挙げての手厚い支援は、学生にとって心強い。  語学センターの設置は、企業のグローバル化を見込んでの一手ともいえるだろう。県内企業でも新興国の需要の取り込みや円高対策などから、生産拠点の海外移転を進展させている。企業の求めに応じて海外で働くことが今後、採用の大きな条件にもなってくるはずだ。  学生一人一人顔の見える就職支援・指導が、福井大生の高就職率を支えているといえる。他の大学からの視察も絶えないというが、参考にすべきは、国ではないか。今春卒の大学生の就職率が4年ぶりに改善した要因として、新卒ハローワーク効果を挙げ、さらに大学内にハローワーク窓口を設置することも検討している。少なくとも福井大には不要だろう。大学は生き残りをかけ創意工夫を凝らす。国の細やかな支援は、既卒のフリーターらにこそ向けられるべきだ。(近藤 修) "[he-forum 17086] 秋田魁新報5/28 秋田魁新報2012年5月28日付 [教授の力(上)] 医師派遣の実権握る 公平なシステムを模索  複数の臨床系講座(医局)の研究室などが入った築39年の建物の中は昼間でも薄暗く、人影もまばらだ。  臨床系講座の教授室などがある臨床医学研究棟 2006年12月21日夕。3階にある講座の教授室を1人の男性が訪ねた。  「研究の補助に使ってください」。男性がこう言って差し出した封筒を、教授は受け取った。男性は教授の講座から医師派遣を受ける由利本荘市の民間病院長。封筒には現金100万円が入っていた。  秋田大医学部で昨年10月以降、2人の教授の不祥事が相次いで発覚。一つは、医師派遣先の病院から現金100万円の提供を受けた男性教授(64)の事案だった。  男性教授は今年3月、就業規則違反で大学から停職1カ月の処分を受けた。しかし、県警や秋田地検の捜査や、学内の調査でも、現金の趣旨は明らかにならなかった。  現金は何を意味したのか―。   ■―――■  臨床系講座の教授の持つ権限の一つに、医師派遣における人事権がある。  秋田大医学部は県内各地の病院に常勤、非常勤を合わせ、多くの医師を送っている。ほとんどの病院は、大学からの派遣なしに診療や運営が成り立たないのが実情だ。  02年以降、東北大や北海道大の医学部で、医師派遣先病院から金銭提供を受けるなどの不祥事が発覚。大学からの医師派遣の仕組みを見直す動きが全国的に広がった。  秋田大でも04年から常勤医の派遣要請を受け付ける窓口を一本化。医学部長や病院長、各講座の教授らで構成する地域医療検討委員会が人事を判断することになった。  公平で透明な人事を目指す改革のはずだったが、実効性を疑問視する声は根強い。医学部の多くの教授や県内の病院関係者は「窓口一本化は有名無実。結局、人事権を持つのは教授」と口をそろえる。   ■―――■  医師派遣は、診療科別などに設けられた講座単位で行う。ある病院関係者によると、派遣を希望する診療科の教授に打診し、了承が得られれば正式に医学部に要請するというのが一般的な流れ。教授とのパイプの有無が、要請を受け入れてもらえるかどうかに影響することもあるという。  こんな声もある。過去に医師確保業務を担当した県内のある市の職員は、地元の民間病院関係者と年数回の教授へのあいさつ回りを欠かさなかったという。「病院関係者がのし紙のない茶封筒を教授に手渡しているのを5、6回見た。中身は分からないが、医師を派遣してもらうのは大変なことだと感じた」  教授の不祥事を受け、秋田大は派遣システムの改革を検討している。4月に就任した澤田賢一医学部長(兼大学院医学系研究科長)は言う。「各講座の教授に話を聞かずに派遣要請を判断することは難しい。どんな透明性ある仕組みでも人事権は付きまとう。ただ、疑念を抱かせる行為はあってはならない」 秋田大医学部  1970年創設。国立大では戦後最初の新設医学部。71年に県立中央病院が国に移管され、医学部付属病院として開院した。2002年に秋田大医療技術短期大学部が医学部保健学科に改組され、医師養成の医学科と、理学療法士や作業療法士、看護師などを養成する保健学科から成る。医学科は6年間、患者を診察する臨床医学(内科学や外科学など)と、人体構造などに関する基礎医学(解剖学や生理学など)について学ぶ。今春までの医学科卒業生は計3510人。所在地は秋田市本道。 "[he-forum 17087] 秋田魁新報5/29 秋田魁新報2012年5月29日付 [教授の力(下)] 寄付金額、全学の8割 地域貢献へ期待背負う  昨年発覚した2人の医学部教授による不祥事で、クローズアップされたのが奨学寄付金だ。1人は奨学寄付金から支出される旅費を不正に請求、確認された分だけで不正受給は計約45万円に上った。  もう1人は、医師派遣先の民間病院から現金100万円の提供を受けたケース。この教授は大学の調査に「奨学寄付金との認識だった」と説明したが、正規の事務手続きを取らずに全額を使っていた。   ■―――■  秋田魁新報社が情報公開請求で入手した秋田大医学部と付属病院への奨学寄付金の申請一覧には、数万から数百万円の金額が並ぶ。寄付者は、大手製薬会社や県内の総合病院などが目立つ。ほとんどは、講座の代表を務める教授宛ての寄付。少額の消耗品購入といった場合を除き、使途は教授が決める。  研究に使う資金には、大学本部から配分される運営費交付金と、奨学寄付金などの外部資金がある。交付金で不足する研究関連費用は、寄付金から支出する。  それでも足りない場合、教員が自腹を切るケースもある。医学部のある教授は「うちの講座は出張回数が多く、交付金や寄付金で旅費を賄い切れない。自分以外の教員は、自費で出張することが多い」と明かす。  2004年度の国立大学法人移行後、国からの交付金が減少している全国の国立大にとって、外部資金の獲得は重要な課題の一つ。奨学寄付金は教育研究を進める上で欠かせない資金だ。  10年度に秋田大に寄せられた奨学寄付金は、全体で801件、約6億4300万円。うち医学部と付属病院を合わせた分は690件、約5億4200万円で、全体の金額の約84%を占める。工学資源、教育文化両学部と比べ、医学部が件数、金額とも突出する傾向は以前から変わらない。   ■―――■  県内医療機関などからの医学部への寄付は、本県医療を支えてもらいたいという期待の表れでもある。医師派遣を受けている講座の教授に、寄付する病院もある。県内のある民間病院は「医師育成に役立ててもらいたいと考え寄付している」と説明する。  同大理事で研究や産学連携を担当する西田眞副学長は2人の教授の不祥事について「私的な使用や、正規の手続きなしに現金提供を受けることがいけないことは、研究者の常識だ」と指摘、「不適切な使用は、寄付者の期待を裏切ることでもある」と語る。  県内で9病院を運営するJA秋田厚生連では、医学部から常勤、非常勤合わせて多くの医師の派遣を受けているが、それでも医師は不足しているのが実情だ。厚生連として医師育成を支援するため、医学部の複数の教授に奨学寄付金を出している。  厚生連の丸井保総務人事部長は「大学も人手不足で、簡単に医師を派遣できない実情は十分理解しており、できる応援はしたい」と話した。 奨学寄付金  個人や一般企業が、大学の特定の教員らに対する教育研究助成を目的に提供する資金。学部の別なく主に各講座の研究器具購入費や教員の出張旅費、非常勤職員の人件費に充てている。対象研究関連にしか使えない文部科学省の科学研究費補助金などに比べ、日常業務を含め幅広く使途が認められている。 "[he-forum 17088] 薬事日報5/25 薬事日報2012年5月25日付 【厚労省】臨床研究中核病院に5国立大学病院を選定‐北海道、千葉、名古屋、京都、九州  厚生労働省は25日、国際水準の臨床研究や医師主導治験を実施する医療機関ネットワークの拠点となる「臨床研究中核病院」として、北海道、千葉、名古屋、京都、九州の5国立大学の附属病院を選定した。施設・設備整備費に1カ所当たり5億円程度を支援するほか、研究費を各1億円程度補助する。期間は2016年度までの5年間。千葉大病院の整備費は東日本大震災からの復興枠予算を充てる。  今年4月の公募には51機関が申し込んだが、ICH‐GCPに準拠した臨床研究や多施設共同試験の管理が可能などの条件で、外部の専門家や医薬品・医療機器業界の代表らが評価を行って絞り込んだ。  政府は臨床研究中核病院等を13年度までに15カ所程度整備する方針を決めている。これに沿って厚労省は11年度に「早期・探索的臨床試験拠点」として国立がん研究センター東病院、大阪大学病院、国立循環器病研究センター、東京大学病院、慶應義塾大学病院を指定しており、今回を今年度には合わせて10カ所の体制整備にメドがつくことになる。 "[he-forum 17089] 北国新聞5/31 北國新聞2012年5月31日付 知の継承、創造拠点に 金大創基150年記念式典  金大の創基150年記念式典は30日、金沢市のホテル日航金沢で行われた。大学関係者や卒業生ら約580人が、1862(文久2)年に開設された加賀藩の彦三種痘所(ひこそしゅとうじょ)に始まる歴史を振り返り、知の継承、創造拠点としての役割に期待を寄せた。  中村信一学長は「150年後も、金沢大学が社会のための大学として光り輝くことを確信している」とあいさつ。平野博文文部科学相は「学生時代に金沢大学を受験して不合格だったので、万感の思いを込めてあいさつしたい」と述べて会場を沸かせ、グローバル化に対応した人材育成や地域貢献の取り組みに期待を寄せた。  濱田純一東大総長、金大と大学間交流協定を結ぶロシア・カザン連邦大のイルシャト・ガフロフ学長、知事代理の中西吉明副知事、山野之義金沢市長が順に祝辞を贈った。  祝賀会では、板東久美子文科省高等教育局長、松本紘京大総長、松原藤継金大医学部十全同窓会顧問、新木富士雄前北陸経済連合会長が祝辞を述べた。  林勇二郎前学長の発声で乾杯。柴田正良創基150年記念事業準備委員長が謝辞を述べ、金大学友会長の深山彬金沢商工会議所会頭が万歳三唱した。記念講演した森喜朗元首相は、金大総合移転の歩みを振り返り、秋入学の積極的な検討も呼び掛けた。  金大の名誉客員教授称号記授与式は30日、金沢市のホテル日航金沢で行われ、中国・浙江工業大の沈寅初(シェンインチュ)名誉学長、ケニア中央医学研究所のポケ・ソロモン・サニンゴ・リアント所長、ベトナム・ハイフォン医科大のファム・トユック・ヴァン学長に中村信一学長が称号記を手渡した。  4月1日付で名誉教授となった12人の称号記授与式も行われた。新名誉教授は次の皆さん。  長野勇(電気工学)砂原陽一(哲学)諸岡康哉(教育方法学)西川清(理論化学、計算科学)田中一郎(科学技術史)中山謙二(信号処理学)石田啓(海岸工学)梶川康男(橋梁工学)東田陽博(脳細胞遺伝子学)太田富久(天然物化学)岡澤孝雄(衛生動物学、寄生虫学、公衆衛生学)渡邊明敏(英文学) "[he-forum 17090] 日本経済新聞近畿5/30 日本経済新聞近畿版2012年5月30日付 大阪府大・市大統合、府市統合本部が来年3月までに構想  大阪府と大阪市による府市統合本部は29日、府立大と市立大の統合に向け、有識者6人による会議を6月に設けることを正式に決めた。統合本部は大阪の経済成長を支える知の拠点として大学を重視しており、有識者会議が今年秋にもまとめる提言を踏まえ、来年3月までに構想を打ち出す。  会議は「新大学構想会議(仮称)」。メンバーは北九州市立大前学長で大学改革に取り組んだ矢田俊文氏、元東京都職員で県立広島大教授の吉川富夫氏、府立大監事で弁護士の尾崎敬則氏、りそな銀行元頭取の野村正朗氏、府市特別顧問で慶応大教授の上山信一氏、府市特別参与で自治医科大准教授の大嶽浩司氏の6人。  両大学や経済界にヒアリングを行って、大阪の経済成長に貢献する大学のあり方や、学部の再編について検討。11月にも府市統合本部への提言をまとめる。  29日の会合で、橋下徹市長は「大学こそ人材育成機関の最たるもの」と強調。出席者からは「大阪の成長のエンジンになる人材を集め、育てる大学にする」「大学と産業は密接に結び付いており、高度な教育が成長戦略のキーになる」などの意見が出た。  両大学の学生数の合計は約1万7000人。神戸大とほぼ同じで、公立大では首都大学東京を上回り全国最大規模になる。 "[he-forum 17091] 中国新聞5/31 中国新聞2012年5月31日付 山口大、医師派遣で地域支援  山口大は6月1日から美祢市立病院(同市大嶺町)に初期診療室を設け、同大の医師3人を派遣する。医師は診療して地域医療を下支えするほか、派遣先で臨床研修医や学生を指導する業務も担う。  大学側は臨床研修医や学生を育成する上で、高度医療に重点を置く大学病院と、初期診療の経験を積む市立病院の双方のメリットを生かすことが狙い。医師不足に直面する市立病院側と、思惑が一致した。  山口大が派遣する医師は、学内公募に応じた内科2人、小児科1人。3人は大学での研究や診察も続けながら、それぞれ週に1・5日、同病院に設けた診療室で外来の初診患者を診察する。任期は1年。  従来の医師派遣は、病院が医師の必要な診療科を指定して大学に依頼。大学が派遣した医師は病院の非常勤医師として勤め、大学の給与と病院の報酬を得ていた。  今回は山口大が、文部科学省の補助金1200万円と美祢市から受ける医師確保対策費900万円をもとに、医師に給与を支給。医師は病院の報酬はなく、同大の給与のみを得る。  30日、同病院で会見した山口大医学部付属病院の岡正朗病院長は「山口県内全体の医師確保に向け教育を充実するための取り組み。5年を一つの区切りに、効果を検証したい」、村田弘司市長は「病院は地域の宝だという認識を持ち、市民が安全安心に暮らせる環境を整えていきたい」と話した。 "[he-forum 17092] 日本経済新聞5/30 日本経済新聞2011年5月30日付 国際協力銀と一橋大連携 資源開発などの金融人材を育成  国際協力銀行(JBIC)と一橋大大学院は海外へのインフラ輸出や資源開発などの資金調達を担う金融専門家の育成で連携する。今秋から同大学院商学研究科の経営学修士(MBA)コースにJBICが寄付講座を設ける。すべて英語で講義し、アジア地域などを相手に即戦力で働ける専門家を育てる。留学生も積極的に受け入れる。  連携するのは大型事業の資金調達を賄う有力な手法である「プロジェクトファイナンス」の専門家の育成。JBICの専門家らが講師を務める。理論だけでなく具体的な融資の事例に即しながら金融実務も学べる講義を目指す。 "[he-forum 17093] 共同通信5/31 共同通信2012年5月31日17時52分 法科大学院、弁護士の半数が反対 3千人調査  司法制度改革による弁護士数の増加に反対する「法曹人口問題全国会議」所属の弁護士有志が31日、法科大学院制度について全国の弁護士を対象に実施したアンケートの結果を公表した。51%が現行制度に反対だった。  アンケートは4~5月に実施。日弁連の会員約3万2千人の事務所にファクスで質問票を送り、うち3215人から回答があった。  無回答を除き、制度への賛成は26%。ただ、2004年度に開校した法科大学院出身の新司法試験合格者では逆に52%が賛成しており、15%しか賛成していない旧司法試験合格者とは評価が分かれた。 "[he-forum 17094] しんぶん赤旗6/1 しんぶん赤旗 2012年6月1日(金) 消費税増税PR 財務省、大学で押しかけ講義 4・5月 10校で12回  政府がねらう消費税の大増税に向け、財務省の幹部職員が各地の大学で「説明会」を行い、正規の講義の時間を使って、消費税増税の必要性を訴える一 方的な宣伝を行っていることが31日、わかりました。大学での説明会は4、5月で10大学計12回にのぼっています。財務省が大学にもちかけたもので、税 金を使った広報活動の一環と認めています。(竹腰将弘) (関連記事) (写真)財務省幹部が消費税増税PRで訪れた大阪大学の「公開講座」のポスター  「説明会」が行われたのは、国立大学6校、公立大学2校、私立大学2校(表参照)。このうち、お茶の水女子大学では2週連続で大学院のゼミ、3年 生向けの「労働経済学総論」の講義の計2回、和歌山大学では2日続きで経済学部と観光学部それぞれの1コマ90分の授業時間すべてを使っていました。  講師として派遣されたのは大臣官房参事官、主税局調査課長などの幹部職員。これらの職員がインターネット上に公表した報告によると、佐賀大学で約 150人の1年生に向けた説明では「将来を担う若者にこれ以上負担を先送りしないための改革である」と強調。福井大学では「(『一体改革』には)低所得者 対策や税制全体の見直しも含んでいる」とするなど、消費税大増税を不可欠とPRしています。  一方、参加した学生からは「アルバイトをしながら生活しているなか消費税の引き上げは厳しい」(常磐大学)、「税率の引き上げにより所得の低い方 が影響を受けることになる」(お茶の水女子大学)、「税率引き上げが消費に与える影響をどう考えるのか」(香川大学)など、財務省の思惑に反して、消費税 増税に批判的な意見も根強く出されています。 国民の声をふみにじる  消費税をなくす全国の会・牧野由子事務局長の話 消費税増税には国民の6割が反対し、まだ決まってもいません。国会の行方も混とんとしている。そ ういうときに、財務省の幹部職員が大学で一方的な説明をするなんて非常識です。野田政権のあせりのあらわれでもあるでしょう。多くの学生は、高すぎる学 費、アルバイト生活に追われ「このうえ、消費税増税はたまらない」という声をあげています。この国民の声を踏みにじる行為に怒りを禁じえません。 広報活動の一環  財務省大臣官房の話 財務省から各大学当局に開催を働きかけ、協力を得られたところで「説明会」を開いている。政府の広報活動の一環であり、講師には職員旅費を支給している。通常の政府の広報活動であり、国家公務員の政治的中立や大学の自治に照らしても問題はない。 "[he-forum 17095] 朝日新聞富山5/31 朝日新聞富山版2012年5月31日付 富大など共通講義へ 県も協力 来春から連携強化  石井隆一知事と富山大学の遠藤俊郎学長が30日、富山市五福の富山大五福キャンパス内で、県と大学の連携について会談した。来年4月に、県内の4大学・2短大・1高専が連携する「大学コンソーシアム」を発足させ、県も支援することを確認した。共通の集中講義や地域の課題解決に取り組むことを検討している。  富山大、県立大、高岡法科大、富山国際大、富山短大、富山福祉短大、富山高専で構成する。これら7高等教育機関は、2001年に作った県大学連携協議会で就職活動支援や広報をしてきたが、事務局は持ち回りで、継続的な事業の実施や充実が難しかった。  そこで、各教育機関の得意分野を生かしながら内外で連携強化するため、専任職員のいる事務局を設けて組織を発展させることになった。  単位互換も視野に、まず各校の学生が共通して受けられる集中講義が検討されている。テーマには、「地域学・富山学」や「災害ボランティア」が挙がっている。さらに、産学連携の窓口や県内自治体との共同研究も構想されている。  石井知事は「限られた資源の中で役割分担して、新しい物を生み出してほしい。富山大にはリーダーとしての役割を果たしてもらえれば」と期待感を表明した。  また、国際的な人材育成のため、県側は、中国・大連にある県内企業の事業所で学生が働くインターンシップ制度を提案。アジアからの留学生の受け入れ態勢や高齢者の生活設計に関わる分野などで協力していくことも確認した。 "[he-forum 17096] 毎日新聞徳島5/30 毎日新聞徳島版2012年5月30日付 徳島大:教職員給与引き下げ 労組反発「根拠なく不当」  徳島大が、教職員の給与を6月分から14年3月分まで平均7・8%削減することを決めたことに同大の教職員労働組合(葭(よし)森健介委員長)が反発し、29日、県庁で記者会見を開いて「根拠がなく不当な引き下げだ」と訴えた。  大学によると、削減は4月から始まった国家公務員給与の削減に合わせた。政府は震災復興財源確保のために運営費交付金を削減する方針を示し、国から大学側に給与引き下げの要請があったという。学長や理事らは既に4月から報酬などを10%削減している。  会見で教職員労組は声明文を発表し、「独立行政法人として国立大学は独自の経営をするべきだ」と主張。「引き下げは法的正当性がなく、行政からの圧力によるもの。研究教育の根幹を脅かす」などと強く反発した。  大学側は4、5月に教職員向けに説明会を開催したとしており、「きちんと説明して進めてきたことなので、理解してほしい」としている。【大原一城】 "[he-forum 17097] 新潟日報6/1 新潟日報2012年6月1日付 県立大、来春の大学院設置を延期 企業ニーズ把握できず  新潟市東区の県立大学(猪口孝学長)が2013年春を目指していた大学院の設置を、14年度以降に延期することが31日、分かった。大学院を修了した学生の受け皿となる地元企業の意向を確認し、カリキュラムなどに反映させる必要があると判断した。同大事務局は「大学院を設ける方針に変更はない。さらに準備に時間をかける」としている。  県立大は、県立新潟女子短大を募集停止し、男女共学の4年制大学として09年度に開学。学部は国際地域、人間生活の二つがある。 "[he-forum 17098] 河北新報6/3 河北新報2012年6月3日付 見上一幸・宮教大新学長に聞く 被災地の学習支える  みかみ・かずゆき 東北大大学院理学研究科修了。宮城教育大助教授を経て94年教授。環境教育実践研究センター長、付属小校長などを歴任。07年総務担当理事・副学長。専門は生物学。神奈川県綾瀬市出身。  宮城教育大(仙台市青葉区)の新学長に、見上一幸氏(65)が4月1日付で就任した。東日本大震災の教育面の復興支援や、大学の運営方針について聞いた。(聞き手は報道部・佐藤素子)  -学長就任の抱負は。  「少子化が進む一方、保護者からは質の高い教育が求められており、大学の責任は大きい。被災は岩手、宮城、福島3県の広範囲にわたる。被災地の大学との連携を進め、これまで以上に東北を意識して地域貢献に取り組みたい」  -震災後の6月、学内に教育復興センターを設けた。  「学生も職員も積極的に被災地の学校を支援し、大きな財産になった。本年度は気仙沼市の協力を得て、現地に活動拠点を設けた。大学職員と市職員を1人ずつ常駐している。学生ボランティアはここで心のケアなどの基礎トレーニングを受けた上で、支援先に向かう。仙台市中心部と岩沼市にも順次設置する」  -被災地の学力低下、教育格差の拡大が懸念されている。  「あのときこうしていれば差が出なかった、と後悔しないよう学力レベルを上げる新たな挑戦が必要だ。現場は多忙だが、指導法の研修会を開くなどしてサポートしたい」  「仮住まいのため、住居や部屋が狭いなどの理由で、勉強に打ち込む時間が取りにくい子どものケアにも取り組む。自治体と連携しながら、学習ボランティアの派遣などを続け、少なくとも10年はしっかりと支える」  -大学院教育の充実も掲げている。  「教科教育を学ぶ従来の修士課程を見直し、大学院生が授業で学んだ研究内容を、実際に教育現場で生かせる場を設ける。より実践的なカリキュラムにして、他大学との差別化を図る」  -学生と教員に期待することは。  「学生には、子どもに『勉強って面白い、楽しい』と思わせる教師になってほしい。教師は多様な考えの親と接する。海外交流などにも積極的に参加し、グローバルな視点を養ってほしい」  「教員からは、研究の時間がないという声を聞く。IT化や代行などで事務作業を簡略化したり、海外での研究を後押ししたりして、環境づくりを進めたい」 "[he-forum 17099] 毎日新聞6/3 毎日新聞2012年6月3日付 文科省:「国立大改革」てこ入れ 専用予算に138億円  文部科学省が「国立大学改革」に本腰を入れ始める。「大学生は勉強しない」との指摘を受け、昨年12月に省内に検討チームを設置。初めて設けた改革専用の予算を、特色ある教育をする大学に付ける。近く実行プランを公表する予定だが、大学改革をきっかけに地域再生や日本社会の国際化につなげたい狙いもある。  きっかけは、昨年11月の政府の行政刷新会議。大学教育が議題に上り(1)学生が勉強せずレベルが低下している(2)人材育成ビジョンを持っていない(3)社会と乖離(かいり)している−−と厳しい意見が相次いだ。その後、文科相と財務相が相談し初めて「国立大改革の資金」を設け、今年度138億円の予算を付けた。  文科省は大学4年間の1日あたりの平均勉強時間(授業と授業に関する時間)を8時間と想定してきたが、東京大の調査によると日本の大学1年生は1日平均4・6時間。大学院で取得する学位の100万人当たりの数も、他の主要国と比べ低い。  この状況を打破しようと、同省が検討チームを発足させた。大学の評価を分かりやすく受験生や企業に提示し「ガラス張り」にすることで大学教育の質向上を狙うという。  文科省は、大学改革をてこに国や社会の変革も視野に入れる。地域再生の核となったり、大学が世界的な存在感を発揮したりすることで国全体の国際化を進める方針。また東京大などが検討している秋入学は、日本と海外の留学を双方向で増やす手段の一つだ。  大学側も「学生の起業家精神を養うため米シリコンバレーで研修」(九州大)▽「県内の他大学、短大などと共同授業を実施し地域社会に貢献」(岐阜大)など特色を出し始めている。  検討チームは、各大学の「改革」や状況を評価した上で138億円の配分を決める。【石丸整】 "[he-forum 17100] 読売新聞6/4 読売新聞2012年6月4日付 都道府県超え、国立大を広域再編…文科省方針  文部科学省は、都道府県を超えて国立大学の学部の再編を進める方針を固めた。  一つの国立大学法人の下で複数の大学の学部を集約し、例えばA大は医学部と理工学部、B大は法学部と経済学部、C大は文学部に特化することなどを想定している。予算や設備、人員を学部ごとに集中させて教育の質を高め、優秀な人材を育成する狙いがある。  文科省は、政府が4日に開く国家戦略会議(議長・野田首相)で方針を報告する。年度内に基本方針を策定したうえで2013年夏をめどに具体案をまとめ、14年の通常国会に国立大学法人法の改正案を提出する方向だ。  現在、同法は一つの国立大学法人が一つの大学のみを運営できると定めており、都道府県ごとに様々な学部をそろえた総合大学が設立されている。新制度は、一つの国立大学法人が複数の国立大を運営できるようにする。その上で、各大学にある同様の教育内容の学部を再編する。 "[he-forum 17101] 産経新聞6/3 産経新聞2012年6月3日付 わずか14% 給与削減実施の国立大 「7・8%減」に組合側反発  国立大学教職員の給与削減が進んでいない。政府は3月、国家公務員の平均78%給与削減に準じて国立大学法人の職員にも同程度の削減を求めたが、5月末時点で実施したのは全国立大学のわずか14%にとどまっていることが2日、分かった。国立大学教職員は非公務員であるため政府の権限は「要請」どまり。職員組合側から「非公務員なのに下げ幅が大きすぎる」と反発を受け、労使交渉が難航している実態が浮かび上がっている。  文部科学省によると、5月末時点で教職員の給与削減を実施した国立大学は90法人中13法人。東京大、京都大、大阪大など旧帝大の多くも未実施だ。  国立大学は平成16年に法人化され、職員も非公務員となったが、国から毎年多額の運営費交付金を受けており、24年度予算案では約1・1兆円が計上されている。給与の削減分は東日本大震災の復興財源に充てられることにもなっている。このため各大学の経営側には「減額やむなし」の声が多いが給与は労使交渉で決められる。  「とにかく下げ幅が大きすぎる。通常の人事院勧告に基づく削減は1%以下だが、今回は7・8%。職員組合に説明しても理解を得るのは容易ではない」。関東地方の国立大学で、労使交渉にあたる担当者はこう話す。東大や阪大なども下げ幅が最大のネックになっている。  被災地の東北大は6月から削減実施を決めたが、意見は割れたという。甲野(こうの)正道理事は「下げる必要があるのかという意見と、実際に被災した職員もおり、復興財源に使われるのなら下げないわけにはいかないという意見があった」と話す。  福島大も4月末に給与減額を盛り込んだ就業規則の改正案を職員組合側に提示したが、組合側は拒否。担当者は「復興財源になるので、公的機関として社会的要請に応えないといけない。ねばり強く交渉していきたい」と話している。  労使交渉が難航する中、岡田克也副総理は5月11日の会見で「各法人の対応が遅れているので、早急に対応していただきたいと各大臣にお願いした」と述べた。政府は運営費交付金から国家公務員の給与削減相当額を減額する方針を表明。こうした対応が「国家公務員ではないのに」といった反発につながっているとの見方もある。  ある国立大学幹部は「どの大学も実施しないといけないのは分かっているが、職員組合の力の強い大学では交渉は相当難航するだろう」と指摘している。 ■国立大学など公的機関の給与削減  今年2月、平成24、25年度の国家公務員給与を22年度比で平均7・8%引き下げる臨時特例法案が成立。これを受け、政府は3月、国立大学や独立行政法人など国の公的機関の役職員にも同程度の給与引き下げを要請した。5月には国家公務員と同程度の給与削減相当額を算定し、国立大学などに拠出する運営費交付金から減額する方針を表明した。 "[he-forum 17102] 読売新聞6/3 読売新聞2012年6月3日付 留学1000人に年100万円…民間寄付で基金  大学生の海外留学を促進するため、文部科学省の働きかけで奨学基金を設立する計画があることが分かった。  大手企業などから200億円を集め、年間1000人を送り出す考えだ。同省によると、国が民間資金による留学目的の奨学金制度を作るのは初めて。  計画では、年内をめどに留学支援機関を一般社団法人として設立。奨学基金の運営や奨学生の選考を行うほか、海外での就業体験プログラムや大学、現地生活に関する情報提供、帰国後の就職活動への助言なども実施する。名称は「GiFT」とし、最終的には公益法人とする。  奨学基金は個人や企業の寄付金をもとに設立。1人年間100万円程度の奨学金を原則4~6年間支給することを検討している。既にコンビニエンスストア大手のローソンや個人が寄付、複数の企業が寄付を約束しているという。  日本人の海外留学は、2004年の8万2945人をピークに減少に転じ、09年には6万人を割り込んだ。政府は2年前に閣議決定した「新成長戦略」に「海外派遣30万人」を明記。今年度予算に留学や短期滞在の奨学金として31億円を計上、年間約9000人の送り出しを目指している。 "[he-forum 17103] 朝日新聞6/1 朝日新聞2012年6月1日付 大学・大学院生、原子力離れ 産業先細りで就職に不安  東京電力福島第一原発事故の影響で、原子力を専攻する学生が減っている。朝日新聞が、専攻のある全国の大学と大学院に調査したところ、入学志望者数が全体で約1割減った。事故による原子力へのイメージ悪化に加え、原子力産業の先細りで就職に不安を感じている側面もあるようだ。  朝日新聞は「原子」という単語が入る学科、専攻のある全国3大学と7大学院に事故前の2011年度と事故後の12年度の入学志望者数を取材した。結果、新設を含む3校が増加、7校が減少し、全体では804人から1割以上減って713人になった。  特に、13基の原発が立地する福井県にある福井工業大は、志望者数が11年度の60人から、12年度は24人に激減。入学者数も設置当初の10人から11年度は34人にまで増えたが、12年度は10人だった。  同大は05年に原子力技術応用工学科を設置。原子力関連の資格を在学中に取得でき、卒業生の多くは経済産業省や電力会社に就職してきた。中安文男教授(原子力学)は「原子力に対する負のイメージが強く、高校の先生や保護者に止められたのかもしれない」と話す。  入学後に専攻を選ぶ大学でも深刻な事態になっている。2年次にコース分けする名古屋大学工学部物理工学科で学生に意向を聞いたところ、原子力を学ぶ量子エネルギー工学を第一志望にした学生は事故前、定員とほぼ同数の約50人だったが、事故後は半分以下になった。山本章夫教授(エネルギー科学)は「事故の影響は明らか。原発の安全性に主力を置くようなカリキュラムを取り入れたい」と話す。  東北大学工学部では、機械知能・航空工学科が3年次から研究室を選ぶが、原子力に関連する14研究室のうち、昨年度より4研究室多い9研究室が定員割れをした。  就職活動にも影響が出ている。日本原子力産業協会は年2回、大阪と東京で原子力関連の企業が参加する就職セミナーを開いてきた。事故前の10年度は来場者数が1903人だったが、11年度は496人と4分の1に。参加企業数も65社から53社に減った。  もともと人気が低かった原子力分野だが、福島事故前の数年間は、化石燃料の価格高騰や温室効果ガスの削減が世界的な問題となり、「原発ルネサンス」と呼ばれるほど原発を再評価する動きが高まっていた。各大学や企業はこうした動きに合わせて、入学者や採用者数を増やしていただけに反動は大きい。  ある大手プラントメーカーは「原子力事業に投資してきたが、福島の事故で事業は厳しい状況になっている。そんな中で採用数を増やすのは難しい」と苦しい胸の内を明かす。  福井県内の大学で原子力を専攻する男子大学生(20)は「学ぶ前から、危険だから嫌だと思い込んでいる高校生は多いと思う。僕は福島の事故を忘れたくないので、卒業後も原子力に携わっていたいと思う」と話す。(高橋玲央、山田理恵) ■研究者は必要  原発の即時廃止を訴え続けている小出裕章・京都大学原子炉実験所助教の話 福島の原発事故や放射性廃棄物の後処理を押しつけるのだから、若者が嫌がるのは当然。ただ原発が現存するのは事実で、研究者はこれからも必要だ。 "[he-forum 17104] 日本経済新聞6/5 日本経済新聞 2012/6/5 11:01 文科省、地域課題解決に取り組む大学を財政支援  文部科学省は5日、2017年度までの大学改革の工程表「大学改革実行プラン」を正式発表した。国立大の学部再編方針を明記するととも に、雇用創出など地域の課題解決に取り組む大学を財政支援する「センター・オブ・コミュニティー(COC)構想」の実現に13年度から着手することを盛り 込んだ。大学を地域再生の中核にしたい考えだ。  COC構想では地域が抱える課題の解決につながる優れた教育研究活動に対し、プログラムの策定経費や人件費などを補助する。採択された大学への国立大運営費交付金や私学助成の上乗せ、別に補助金を出すことなどで支援する。13年度予算の概算要求に盛り込む。  対象となる取り組みは地域の特産農産物の栽培方法や品種改良への助言など研究成果の還元、学生による商店街活性化の活動、地域で働く人材の育成やキャリア支援、災害の影響や防災対策の研究などを想定している。  大学改革実行プランでは国立大の役割を全学部で再定義し、都道府県の枠を超えて機能別に学部を再編する方針を明記した。少子化の影響で私立 大も地方の中小規模校は学生募集に苦労するケースが少なくない。地域によっては大学や学部がなくなり、地元が反発することも予想される。同省はCOC構想 で地域に根差した大学を支援する姿勢も打ち出して理解を得たい考えとみられる。  大学改革実行プランではこのほか、私立大の教育の質保証を厳格化する方針も明記。私学助成の配分にメリハリをつけるとともに、教育上問題が ある大学に対しては学校教育法に基づく改善命令などを出す姿勢を鮮明にして「社会変化に対応できない大学には退場を求める」と強調した。 "[he-forum 17105] 産經新聞6/5 産經新聞 2012.6.5 23:40 県またぎ学部再編 1大学法人が複数運営 文科省、少子化で改革案  文部科学省は5日、国立大学に都道府県境を越えた運営法人や学部再編を促すことなどを柱とした大学改革プランを公表した。少子化が急速に進む中、 大学教育の質を高め、世界で活躍する人材の育成が目的。今年度から着手し、中教審の議論などを踏まえながら平成29年度までに実行する方針。   国立大学改革では、全国立大に来年夏までに、各学部の役割を再定義させ、改革策を打ち出すよう求める。大学や学部の枠を超えて再編を促すものだが、そのた めに導入するのが、1つの国立大学法人が複数の国立大を運営できる「アンブレラ(傘)方式」だ。民間の持ち株会社に似た方式で、都道府県境にとらわれず、 1法人が所在地の近い大学や教員養成系など同じ分野の大学をグループ化したり、教育内容が重なる学部を統合したりできる。  現行法では「1法人1大学」とされているが、文科省は法改正を目指す。  国立大は、16年に法人化される以前は100校以上ある時期もあったが、少子化などを背景に統廃合が進み、現在は86校。政府の国家戦略会議から、さらなる統廃合促進を含めた改革を求められていた。  しかし、私大より授業料の安い国立大がさらに減少すると、経済的理由で大学進学の機会を奪いかねない。このため、文科省はアンブレラ方式の導入により大学運営を効率化し、大学をなくさない形で再編を進めることにした。  高井美穂文部科学副大臣は「少子化に応じて大学の数を減らすという議論もあるが、都市、地方ともに日本が持続的に発展していくためには、高等教育を受ける子供の数を増やし、質を高めていくということが一番大事」と述べた。  一方、入試改革では現行の知識偏重の入試から、意欲や能力、適性を総合的に評価する方式に転換する。  例えば、大学入試センター試験では1点刻みで競うのをやめ、得点に応じて数段階のレベルで評価する方式を促すほか、2次試験で面接や論文で意欲を見ることや、英語能力試験「TOEFL」などの点数を活用することも提案する。 "[he-forum 17106] 産經新聞6/5 産經新聞 2012.6.5 13:34 センター試験、「1点刻み」廃止 知識偏重の大学入試転換へ 文科省が改革案  文部科学省は5日、知識偏重の入試を転換し、意欲や適性も反映させることを柱とした大学改革プランを発表した。近く中教審で具体的な制度設計の議 論を始める。大学入試センター試験は、1点刻みで競うのをやめ、得点に応じて数段階のレベルを認定する方式を提唱。資格試験のようにして、浪人した場合は 再度受けずに済むようにする案もある。  センター試験、2次試験とも知識の活用力を重視した問題を採用するよう強調。2次は面接を組み合わ せたり、模擬授業を受けた後でリポートを出させたりして意欲を見ることも提案した。英語能力試験「TOEFL」などの点数を外国語科目の代わりに使うこと や、複数の大学による共通試験も促す。  文科省は「多面的な評価で選抜する必要がある」としており、入試改革をする大学は財政支援を手厚くする方針。 "[he-forum 17107] 毎日新聞6/5 毎日新聞2012年6月5日付 国立大改革:一法人が複数大学運営 事務統一、効率化−−文科省案  文部科学省は4日、政府の国家戦略会議(議長・野田佳彦首相)で国立大学改革を柱とする教育改革案を報告した。ひとつの国立大学法人が複数の大学を運営できる「一法人複数大学・アンブレラ(傘)方式」などを想定。各大学16件が得意とする分野の学部を選び、研究費や人材などを特化。都道府県を超えての再編も検討する。【石丸整】  現在、国立大は86あり、国立大学16件法人法で一つの大学法人が一つの大学のみ運営できると定められている。アンブレラ方式は、例えばA大学を法学部と経済学部に、B大学は理学部と工学部に特化し、一つの国立大学法人の下に集約して運営する。民間の持ち株会社(ホールディング)をイメージしており、大学間の連携も目指す。人事管理などの事務を統一することで効率化も期待できるという。  アンブレラ方式の導入は国立大の各学長が決めるため、どの程度の大学が導入するかは不明だが、文科省は予算を大学ごとに重点配分することで改革を促す。このほか、国公私立大が共同で研究所を設立したり、海外の大学と教員派遣や教材の提供などで連携することも想定している。  一方、私立大について文科省は、国際化や成長分野への人材育成に取り組む大学16件に予算を重点的に配分しながら、経営改善の見込みのない大学へは私立学校法に基づく解散命令を出すなどして統廃合を促すとした。東京大などが導入を検討している秋入学については、各種の国家試験や資格試験、公務員制度の検討をするにとどめた。また、高校を2年で卒業して大学進学できる制度創設も盛り込んだ。  4月の国家戦略会議では、国立大への運営費交付金のメリハリのある配分や私立大も含めた統廃合の促進を含む大学改革案を求められていた。 ============== ■解説  ◇学部集約、慎重な議論必要  文部科学省が大学改革に乗り出したのは、大学進学率が5割に達し、入学定員と志願者数が均衡する「全入時代」の到来で「質の低下」が指摘される背景があるためだ。  入学定員数で私立大(約45万4000人)の約2割の国立大(約9万6000人)が、予算では3倍超の約1兆1400億円の運営費交付金を受けていることも改革の必要性を高めている。  改革で文科省がイメージするのは学部や研究分野の選別だ。ある大学の理学部は戦前から化学分野で優れた研究を続けていたり、別の大学の教育学部は前身が師範学校で定評があったりする。大学が「強み」に特化することで教育の質向上につなげたい狙いがある。  だが、改革を進めると医学部や教育学部など特定の学部がなくなる都道府県が出てくる可能性もあり、大学や地域の反発も予想される。人材供給や地域経済に大きな影響を与えるおそれもある。さらに慎重な議論が求められる。【石丸整】 "[he-forum 17108] 財務省官僚が国立大学で消費増税プロパガンダ:批判意見広告にご支援を 佐賀大学の豊島です. 6/1のしんぶん赤旗が報じましたが,財務官僚による一連の授業は見過 ごせないと思います.これを批判する新聞意見広告に取り組まれている 方がおられます.皆さんも応援いただけませんか? 目次 1)何が問題か(豊島の意見) 2)意見広告の内容 3)支援方法(カンパの振込先) 4)付け足し(豊島) 1)何が問題か(豊島の意見+赤旗の引用) 財務省のページの一覧表 http://www.mof.go.jp/comprehensive_reform/index.htm これを見ると,国立大学側が主体の企画ではなく,もっぱら財務省主導 の政治活動と見られます.もしそうなら,これを容認する国立大学は, 国家権力との間に取るべき距離感にあまりにも鈍感であり,さらに言え ば大学の独立性を放棄しているといわざるをえません.また,役人の側 としても,「社会保障・税一体改革」という特定内閣の政治スローガン を,要するに「消費増税」を,公費を使って宣伝して回っているわけ で,公務員が職務にかかわって政治活動をするという違法行為にあたる と思われます. また,赤旗の取材によると「財務省が大学にもちかけたもので、税金を 使った広報活動の一環と認めて」いるとあり,財務省主導は明白のよう です. http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-06-01/2012060101_01_1.html 2)意見広告の内容 毎日新聞への意見広告(掲載がほぼ決定) (1)意見広告の文章 「中央中枢権力による大学の私物化・広報機関化を告発し、抗議します (見出し) 新聞報道および財務省のホームページによれば、本年4月中旬から 5月下旬にかけて、全国の10の国公私立大学の正規の講義の 12回において、現役の財務官僚により、立法府である国会で審議中の消 費税増税法案について、推進の立場から、そのキャンペーンが行われま した。これは、大学側が主体となった企画ではありません。このこと は、中央中枢権力による大学の私物化・広報機関化ということができま す。 また、憲法第二十三条に規定されている「学問の自由」にもとづいて社 会制度として保障されている大学の自治、教育基本法の第二章の七条お よび第三章の第十六条、さらに国家公務員法の第百二条(政治的行為の 制限)を侵すものであることは明らかです。 これについて、私たち大学教員有志は、ここに告発と強い抗議をします。             全国大学教員有志一同 代表 佐賀大学教授  藤田勝良 (2)広告費用 1,260,000円 (3)配布エリア 関東の1都(東京)6県 (4)掲載予定日 2012年6月9日~6月 11日(朝刊) 東京新聞への意見広告(掲載が正式決定ずみ) (1)意見広告の文章 「中央中枢権力による大学の私物化・広報機関化に抗議します(見出し) 新聞報道および財務省のホームページによれば、本年4月中旬から5月 下旬にかけて、全国の10の国公私立大学の正規講義等で、現役の 財務官僚により、立法府の国会で審議中である消費税増税法案につい て、推進の立場から、その説明会が行われました。 このことは、中央中枢権力による大学の私物化・広報機関化ということ ができます。これについて、私たち大学教員有志は、強く抗議をいたし ます。              全国大学教員有志一同    代表 藤田 勝良 (2)広告費用 1,299,375円 (3)配布エリア 関東の1都(東京)6県 (4)掲載予定日 2012年6月15日(朝刊) 3)支援方法(カンパの振込先) カンパ振込先:ゆうちょ銀行,「藤田勝良」名義:記号 1770, 番号 9655551 (カンパ総額は定期的に豊島のブログで報告します.カンパされた方の お名前は公表されません.) 4)付け足し(豊島) 今年6月というタイムスタンプのついた文科省の「大学改革実行プラ ン」というパワポが出回っています.国立大学の「法人化」から何年も 経ち,国立大学は文科省の指示に従うのがあたりまえ,と思う人が増え ている現在,自分の大学はこれにどう「対応するか」に汲々となる事態 が想像されます.その中で,この問題にクギを刺しておくことは大きな 意味があると思います. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 17109] 国立大学法人改革から戦後大学政策の転換へ(その1) 全国のみなさん 茨城大学教職員組合です。 連日、新聞報道されていますが、大学改革が進行しています。 文科省は、経営改善の見込みのない私立大学については、解散命令を出し統廃合 を促す、としています。 もはや、国立大学法人改革の枠を越え、大学政策の転換とも言えます。 1月19日に[he-forum 16789] 国立大学法人改革の情勢分析について で「国立大学 統合と再編の時代へ 一法人一大学方式から一法人 複数大学方 式へ」 で情報提供しましたが、 6月5日に行われた国家戦略会議で、国立大学改革と教育改革のプランが明らか になってきました。 今回配信しました「国立大学法人改革から戦後大学政策の転換へ」は、何回かの 連載でみなさんへ報告する予定です。 文中にも記しましたが、この報告は、事実の部分と仮説や試論の部分が含まれて います。 みなさんの討議の素材として、批判的にご覧になっていただければと思います。 ■組合HP掲載(組合の動き) 「国立大学法人改革から戦後大学政策の転換 その1」  →http://www.ibakyo.or.jp/ugoki1/no03vol56.html 文中(添付資料2) 「国立大学 統合と再編の時代へ 一法人一大学方式から一法人複数大学方式 へ」  →http://www.ibakyo.or.jp/ugoki1/no5vol55.html 2012.6.8   執行委員長 深谷信夫 ==================================== 茨城大学教職員組合 〒310-8512 茨城県水戸市文京2-1-1 Phone/Fax:029-228-3060 e-mail:ibakyo@bd.wakwak.com URL:http://www.ibakyo.or.jp/ ==================================== "[he-forum 17110] 長崎新聞6/8 長崎新聞2012年6月8日付 長大病院が離島で専門医育成  長崎大学病院は本年度から、若い研修医と指導役の医師を2人一組で離島やへき地の病院に派遣する事業を始めた。より現場に即した研修ができる一方、指導医が診療に加わり地域医療を支援する。優秀な専門医の育成が期待される。  国の補助金で創設した「県地域医療再生臨時特例基金」のうち8220万円を活用し、来年度まで2年間続ける予定。今年夏からは地域の病院側から医師のリフレッシュ研修を受け入れることも計画している。  研修医と指導医師の受け入れ先は▽長崎記念病院(長崎市)▽北松中央病院(佐世保市)▽県島原病院(島原市)▽県上五島病院(新上五島町)-の計4カ所。  現在、大学病院の研修医は50人程度。1病院につき1人(島原病院は2人)が指導医とペアで週1回、ヘリコプターや車で各病院に出向き、大学病院では経験できないプライマリーケア(初期診療)の技術や知識を学ぶ。指導医は研修状況のチェックだけでなく、通常の外来診療も行う。  指導医として上五島病院に通う長崎大学病院神経内科の枡田智子さん(33)は「ヘリでの移動は大変だが、地域での経験は研修医はもちろん、私にも良い刺激となり有意義」と話す。  大学病院の濱田久之医療教育開発センター長は「専門医を育てるとともに、人手が不足している地域の病院を支援し、ウィンウィン(相互利益)になる」としている。 "[he-forum 17111] JAXA法改定:国会要請【6月11日】 皆様 東京工業大学の浜田です。 これまで、何度か、JAXA法改定問題で投稿させていただいています。 報道でご存知かもしれませんが、6月8日(金)にJAXA法改定案など 宇宙に軍事利用を進める一連の法案(内閣府設置法等の一部を改正する 法律案)の審議が、衆議院内閣委員会で始まりました。今後、どのような スケジュールで審議されるのか不透明ですが、早ければ6月14日(木)に 質疑が行われ、採決が強行される可能性があります。 JAXA法の改定は、日本が歯止めの利かない宇宙軍拡の道に突き進み、 周辺国との無用の軍事的緊張を生み出す危険性を持っています。また、 JAXAの研究者・技術者たちが軍事研究に動員されることによって、 研究成果が公開されなくなったり、自由な議論が制限されたり、純粋な 科学研究のための予算が圧迫されるなど、宇宙科学・宇宙開発の健全 な発展が阻害されることも心配されます。軍拡競争の場としての宇宙 からは、ロマンも失われるでしょう。 私たち""JAXA for Peace"" http://jaxaforpeace.a.la9.jp/ が呼びかけた 署名に、1550名を越える研究者や市民の方々が賛同し、メッセージを 寄せてくださいました。これらの署名・メッセージは、これまで4回にわた って、衆議院内閣委員会に所属する国会議員39名に届けてきましたが、 審議入りを機に改めて、国会議員に、  ◎JAXA法改定は問題点が山積している。何よりも、最高法規である  日本国憲法の平和主義と矛盾している。多くの研究者・市民も、JAXA  法改定に反対していること。  ◎審議が不十分のまま、拙速に6月14日に採決を強行するのではなく、  法案の問題点を慎重かつ十分に審議すること。 を直接要請したいと考えています。突然のご案内で恐縮ですが、ご都合 のつく方は、ぜひ国会議員要請にご参加下さい。 ■■日時:6月11日(月) 午前9:30■■ ■■衆議院第一議員会館入り口ロビー集合■■  http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm ""JAXA for Peace""の札を持ってお待ちしています。お昼までには終わります。 当日連絡先 電話 070-5567-3328(浜田) 【別件】 6月10日に、日本科学者会議神奈川支部ほか主催で、JAXA法改悪問題の 学習会が開かれます。詳細は、以下のページをご覧下さい。 http://jaxaforpeace.a.la9.jp/17th_9jo_kanagawa.pdf --- 浜田盛久  東京工業大学・地球惑星科学専攻 勤務 オンライン署名 JAXA for Peace 世話人 "[he-forum 17112] 口座番号訂正: [he-forum 17108]財務省官僚が国立大学で消費増税プロパガンダ:批判意見広告にご支援を すみません,口座番号が間違っていました.「記号」の方です.正しく は次のとおりです. カンパ振込先:ゆうちょ銀行,「フジタ カツヨシ」名義        記号 17770,番号 9655551 On 2012/06/08, at 15:12, 豊島 耕一 wrote: > 佐賀大学の豊島です. > 6/1のしんぶん赤旗が報じましたが,財務官僚による一連の授業は見 > 過ごせないと思います.これを批判する新聞意見広告に取り組まれて > いる方がおられます.皆さんも応援いただけませんか? > > 目次 > 1)何が問題か(豊島の意見) > 2)意見広告の内容 > 3)支援方法(カンパの振込先) > 4)付け足し(豊島) > > 1)何が問題か(豊島の意見+赤旗の引用) > 財務省のページの一覧表 > http://www.mof.go.jp/comprehensive_reform/index.htm > これを見ると,国立大学側が主体の企画ではなく,もっぱら財務省主 > 導の政治活動と見られます.もしそうなら,これを容認する国立大学 > は,国家権力との間に取るべき距離感にあまりにも鈍感であり,さら > に言えば大学の独立性を放棄しているといわざるをえません.また, > 役人の側としても,「社会保障・税一体改革」という特定内閣の政治 > スローガンを,要するに「消費増税」を,公費を使って宣伝して回っ > ているわけで,公務員が職務にかかわって政治活動をするという違法 > 行為にあたると思われます. > > また,赤旗の取材によると「財務省が大学にもちかけたもので、税金 > を使った広報活動の一環と認めて」いるとあり,財務省主導は明白の > ようです. > http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-06-01/2012060101_01_1.html > > 2)意見広告の内容 > 毎日新聞への意見広告(掲載がほぼ決定) > (1)意見広告の文章 > 「中央中枢権力による大学の私物化・広報機関化を告発し、抗議しま > す(見出し) > 新聞報道および財務省のホームページによれば、本年4月中旬 > から5月下旬にかけて、全国の10の国公私立大学の正規 > の講義の12回において、現役の財務官僚により、立法府である > 国会で審議中の消費税増税法案について、推進の立場から、そのキャ > ンペーンが行われました。これは、大学側が主体となった企画ではあ > りません。このことは、中央中枢権力による大学の私物化・広報機関 > 化ということができます。 > また、憲法第二十三条に規定されている「学問の自由」にもとづいて > 社会制度として保障されている大学の自治、教育基本法の第二章の七 > 条および第三章の第十六条、さらに国家公務員法の第百二条(政治的 > 行為の制限)を侵すものであることは明らかです。 > これについて、私たち大学教員有志は、ここに告発と強い抗議をしま > す。 >             全国大学教員有志一同 代表 佐賀大学教 > 授 藤田勝良 > (2)広告費用 1,260,000円 > (3)配布エリア 関東の1都(東京)6県 > (4)掲載予定日 2012年6月9日~6 > 月11日(朝刊) > > 東京新聞への意見広告(掲載が正式決定ずみ) > (1)意見広告の文章 > 「中央中枢権力による大学の私物化・広報機関化に抗議します(見出 > し) > 新聞報道および財務省のホームページによれば、本年4月中旬から5 > 月下旬にかけて、全国の10の国公私立大学の正規講義等で、現 > 役の財務官僚により、立法府の国会で審議中である消費税増税法案に > ついて、推進の立場から、その説明会が行われました。 > このことは、中央中枢権力による大学の私物化・広報機関化というこ > とができます。これについて、私たち大学教員有志は、強く抗議をい > たします。 >              全国大学教員有志一同    代表 藤 > 田勝良 > (2)広告費用 1,299,375円 > (3)配布エリア 関東の1都(東京)6県 > (4)掲載予定日 2012年6月15日(朝刊) > > 3)支援方法(カンパの振込先) > カンパ振込先:ゆうちょ銀行,「藤田勝良」名義:記号 > 1770,番号 9655551 > (カンパ総額は定期的に豊島のブログで報告します.カンパされた方 > のお名前は公表されません.) > > 4)付け足し(豊島) > 今年6月というタイムスタンプのついた文科省の「大学改革実行プラ > ン」というパワポが出回っています.国立大学の「法人化」から何年 > も経ち,国立大学は文科省の指示に従うのがあたりまえ,と思う人が > 増えている現在,自分の大学はこれにどう「対応するか」に汲々とな > る事態が想像されます.その中で,この問題にクギを刺しておくこと > は大きな意味があると思います. > > 豊島耕一 > http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ > http://twitter.com/yamamoto2007 > http://ad9.org/pegasus/Default.html > http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ > 佐賀大学理工学部物理科学科 > 840-8507 佐賀市本庄町1 > phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 17113] 西日本新聞6/9 西日本新聞2012年6月9日付 有機EL拠点、福岡市西区に整備へ 九大など産学官連携  県は、ディスプレー素材として注目される有機EL(エレクトロルミネッセンス)の次世代型製品の開発を目指す拠点として「有機光エレクトロニクス実用化開発センター」を、福岡市西区元岡に整備することを決めた。有機ELの材料にレアメタル(希少金属)を使わず高効率で電気から光エネルギーを生み出すことに成功した九州大の安達千波矢(ちはや)教授が、センター長に就任。実用化研究を行い、関連産業の育成や集積を目指す。  センターは鉄筋コンクリート造りの2階建て、延べ床面積約1800平方メートル。クリーンルームや試作室、耐久性・性能評価室などを備え、九州大伊都キャンパスの近くに建設する。県の外郭団体「県産業・科学技術振興財団」(理事長=小川洋知事)が運営し、安達教授をはじめ研究者など14人体制で研究・開発に当たる。  国や県などが補助金を拠出し、総事業費は8億9500万円。約3600平方メートルの土地は福岡市が無償貸与する。23日に着工し、2013年1月に完成。来春の稼働を目指す。  安達教授は、イリジウムなどレアメタルを使わない次世代有機ELの実用化を進めており、九州大は高い発光効率の有機ELの特許を持っている。県新産業・技術振興課は「センターは企業の技術者の利用も想定しており、九州大など産学官が連携した開発拠点化を目指したい」としている。 ■有機EL  有機化合物の薄い膜に電流を流し、光らせる仕組み。液晶、プラズマに続く次世代ディスプレーの素材として携帯電話やテレビ、照明などに利用される。液晶よりも消費電力が少なく、鮮やかな色合いや高画質が特徴。紙のように折り曲げ可能なディスプレーなど次世代の受像機への活用も期待される。 "[he-forum 17114] しんぶん赤旗6/8 しんぶん赤旗2012年6月8日付 技術者の軍事動員可能に JAXA法改定案 きょう審議入り  宇宙の軍事利用を進める体制整備にむけた関連法案が、8日の衆院内閣委員会で審議入りする見通しです。7日に開かれた同委員会理事懇談会で、提案理由説明を8日に行うとしました。日本共産党の塩川鉄也議員は理事懇で、「審議するのであれば、慎重審議で参考人質疑を行え」と求めました。関連法案は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)法、内閣府設置法、文部科学省設置法の各改定案など。  JAXAは日本の宇宙開発を担う独立行政法人。現行JAXA法はその業務を「平和の目的に限り」行うと定めています。野田内閣が提出した改定案はこの規定を削除し、平和目的のもとでJAXAが培ってきたロケットや人工衛星などの最先端の技術、研究者・技術者の軍事動員を可能にするものです。  改定案は「国際的な平和及び安全の維持」などの必要性があれば主務大臣がJAXAに「必要な措置」を求めることができるとしており、防衛相によるJAXAの直接動員にも道を開いています。またJAXAの業務として、民間事業者の求めに応じて「援助」や「助言」を行うことも盛り込みました。JAXAの中期目標の策定は、「安全保障」や「産業育成」などを柱にした宇宙基本計画に基づくこととしています。  内閣府設置法改定案は、宇宙政策の“司令塔”機能を内閣府にもたせるとともに、衛星の整備・管理を所掌事務に追加。「日米協力の強化」や「安全保障」に役立つとして前のめりで進めている準天頂衛星システムの推進体制を整備します。  これまで宇宙開発の長期的計画を担ってきた文科省宇宙開発委員会を廃止(文科省設置法改定)し、内閣府に宇宙政策委員会を新設します。 解説 宇宙軍拡の流れの一環  JAXA法改悪の動きは、自民・公明・民主の3党が2008年に宇宙基本法を強行成立させ進めてきた、宇宙軍拡の流れの一環です。基本法は、1969年の国会決議で「非軍事」に限定されてきた日本の宇宙開発に、軍事利用の道を開く狙いで導入。今回の改定案は、日本唯一の宇宙機関であるJAXAを、基本法の理念を具体化する“実行部隊”として軍事動員を可能にするものです。  これまでもJAXAは、災害対応などを口実に98年に導入された情報収集衛星(内閣官房が運用し防衛省などが利用する事実上の軍事スパイ衛星)の開発・運用に関与してきました。しかし、法改悪により、いっそう宇宙軍拡が進むことが懸念されます。  一方、宇宙政策が軍事優先で進み、民生分野を圧迫することも心配されます。宇宙開発の「自主・民主・公開」の原則がないがしろにされ、研究発表の自由が制約されたり、予算面でも民生分野が軽視されることが予想されます。情報収集衛星の実態はこの恐れを先取りしています。軍事機密保護を口実に情報管理・罰則が強化されたり、研究者が身元調査や思想調査される危険もあります。  背景には、宇宙産業界が新たな軍需ビジネスを展開するため「民生と防衛のデュアルユース」(軍民共用)を重視していることや武器輸出三原則緩和による兵器の国際共同開発への動きもあります。  憲法の平和原則に反する重大な動きに、国民からは反対の声があがっています。日本人初の宇宙飛行士でジャーナリストの秋山豊寛・京都造形芸術大学教授らが呼びかけた改悪反対のインターネット署名に、平和を願う市民や科学者、JAXA職員から賛同メッセージが多数寄せられているほか、平和団体や科学者団体が反対を表明しています。国民の批判を受け止めて、廃案にすべきです。 (中村秀生) "[he-forum 17115] ??6/12"," しんぶん赤旗 2012年6月12日(火) 財務省の消費税増税PR 43大学で押しかけ講義 でたらめテキスト 学生税負担なし!? 宮本議員追及  政府がねらう消費税大増税に国民的反対世論が広がるなかで、財務省が幹部職員を全国の大学に派遣してい "[he-forum 17116] しんぶん赤旗6/12 しんぶん赤旗 2012年6月12日(火) 学生の夢つぶす増税 宮本氏 生活実態示し撤回迫る 衆院特  日本共産党の宮本岳志議員は11日の衆院社会保障・税特別委員会で、消費税増税が重くのしかかる大学生の厳しい生活実態を示し、増税の撤回を強調しました。  宮本氏は、この10年間で学生の親の平均年収が150万円減少、仕送り額も33万円減少し、学生も生活費を27万6300円削っている実態(図) を紹介。非課税の授業料と家賃、医療費を除いても年間57万円にも消費税がかかることをあげ、「ぎりぎりまで追い詰められている家庭と学生に追い打ちをか けるのか」と追及しました。安住淳財務相は「みんな苦労している」などと答弁。岡田克也副総理は、学生に対する軽減措置について「考えられない」と述べ、 野田首相は「就学支援はしっかりやっていく」と答えました。  宮本氏は、返済不要の給付制奨学金がないのは経済協力開発機構(OECD)の中でも、日本とアイスランドだけだと指摘。奨学金の最高月額12万円(4年間、有利子3%)を借りれば、総額775万1445円も返済しなければならなくなると迫りました。  安住財務相は「出世してお金を稼いだら返すというのは良き美学」などと正当化。宮本氏は就職が決まらず、自殺者まで出している厳しい実態を示し、「学生に負担増だけ押し付け、奨学金で借金をおわせる。将来世代の夢も希望も押しつぶす」と、消費税増税の撤回を求めました。 "[he-forum 17117] 毎日新聞茨城6/15 毎日新聞茨城版2012年6月15日付 茨城大:学長に池田氏を再選  茨城大は14日、池田幸雄学長(69)の任期が8月31日に満了することに伴う学長選考会議(柳生修議長)を開き、池田氏を再度選出した。文部科学相の任命を受けて9月1日に再任される。池田氏は同日、水戸キャンパスで行われた記者会見で「地域貢献の方向を強め、さらに地域から信頼される大学にしていきたい」と述べた。  池田氏は横浜市出身。東京大大学院理学系研究科修士課程を修了し、同大理学部助手を経て1976年、茨城大理学部助教授。85年から同学部教授、95年〜99年に理学部長を併任し、08年から現職。専攻は隕石(いんせき)学。  池田学長は任期を「大学をオープンにし、情報の透明化に積極的に努めてきた」と振り返った。県北ジオパーク構想による地域活性化などを挙げ、「積極的に地域と向き合い、目に見える形で成果を上げていきたい」と抱負を語った。【鈴木敬子】 "[he-forum 17118] 朝日新聞北海道6/15 朝日新聞北海道版2012年6月15日付 新学部1年先送り 道教大、14年度目指す  北海道教育大(札幌市北区)は14日、当初来春に予定していた教育学部以外の新しい学部の設置を、1年先送りして2014年度を目指すと発表した。文部科学省が発表した大学の改革計画に合わせ、大学の役割などを再度検討する必要があるためとしている。来春の入学試験は、今春と同じ方式で実施されることになった。  同大は現在、札幌、函館、旭川、岩見沢、釧路の5キャンパスで、教育学部のみ。このうち、教員免許状を取得しなくても卒業できる函館校の「人間地域科学課程」を「国際地域創造学部」(仮称)に、「芸術課程」と「スポーツ教育課程」がある岩見沢校を「芸術・スポーツ文化学部」(同)にし、来春から3学部体制をスタートする計画だった。実現すれば教員養成系の国立単科大学としては全国で初めてのケースとなる。  一方、文科省は今月初めに大学改革実行プランを発表。教員養成の役割や大学・学部の設置目的を明確にすることなどを示している。同大ではこうした国の動きを受け、新学部や教員養成の新たな役割などについてさらに検討が必要と判断したという。本間謙二学長は「国の方針に合わせた形で改革するにはもう少し時間をいただきたい。今後文科省とやりとりしながら進めていく」と話している。  基本的な3学部構想の方針は変えず、14年度の新学部設置を目指し、道民の意見を聞く組織を設けながら議論したいとしている。 "[he-forum 17119] 東京新聞6/14夕刊 東京新聞2012年6月14日付夕刊 法科大学院 入学定員割れ86%  今春、学生を募集した法科大学院七十三校のうち、86%に当たる六十三校で入学者が定員を下回ったことが十四日、文部科学省の調査で分かった。定員の半数に満たなかったのはうち三十五校で、前年度より十四校増えた。  二十校は入学者数が十人未満となり、特に新司法試験合格率が低迷する学校は前年度からの落ち込みが大きかった。  学生数が極端に少ないと教育の質の確保が難しくなる。運営がさらに厳しくなったことが入学者数からも裏付けられ、統廃合が今後加速する可能性がある。  定員に占める入学者数の割合(充足率)が最も低いのは神戸学院大の6%で、次いで東北学院大7%、駿河台大10%、来年度からの学生募集停止を決めた明治学院大13%が続いた。国立は新潟大、静岡大、島根大、香川大、鹿児島大の五校が五割を下回った。全体では前年度比9ポイント減の70%となった。  一方、100%以上だったのは、一橋大、京都大、神戸大など十校で、国立大が大半を占めた。  七十三校の合格者数は、前年度より五百八十六人減の延べ六千五百二十二人。志願者数は一万八千四百四十六人で四千四百八十一人減り、入学者数は四百七十人減の三千百五十人だった。  受験者数を合格者数で割った競争倍率が二倍未満だったのは、六校減の十三校だった。 "[he-forum 17120] 大分合同新聞6/15 大分合同新聞2012年6月15日付 県教委と6大学・短大、初の連絡協議会開催  県教委は14日、大分市で教員養成課程を持つ県内の6大学・短大との連絡協議会を初めて開いた。教員の大量退職期を控え、優秀な人材を地元から確保するため、養成段階から互いに協力して“教員の卵”の資質向上を図るのが狙い。定期的に意見交換を重ね、多様化する教育課題に対応できる人材を育てる具体策について協議する。本年度中に数回開く予定。  対象は大分大、立命館アジア太平洋大、日本文理大、別府大、同大短期大学部、県立芸術文化短期大。会合は大分大学旦野原キャンパスであり、県教委の冨高松雄教育次長と各大学の代表ら約20人が出席した。  県教委側が教職員の人材育成方針を説明。▽専門知識を持ち、実践的指導力がある▽柔軟性と創造力を備え、未知の課題に立ち向かう―といった理想の教員像を示し、「在学中から教員の資質を高める取り組みに協力をお願いしたい」と求めた。  大学側からは「教員志望者を増やすためにも、学習環境の整備に県の支援があれば助かる」「理想は分かるが、大学ではまずは基本的な実践力、指導力を身に付けることが第一」といった声が上がった。  協議会では今後、(1)教員養成カリキュラムの共同開発(2)教員養成段階での学習評価基準の導入(3)教育実習・学校現場体験の効果的な実施―などについて検討を進めていく方針。  大分大学教育福祉科学部の柳井智彦学部長は「優秀な教員を育てたいという思いは同じ。協議会での議論を通して、大学の枠を超え学生全体のレベルアップにつなげたい」と話した。  県教委は数年後に始まる大量退職期を見据え、来年度の公立学校の採用予定数を本年度から58人増やし277人とした。一方で競争倍率の低下も見込まれるため、受験者の質の確保が課題となっている。 "[he-forum 17121] しんぶん赤旗主張6/14 しんぶん赤旗主張2012年6月14日付 JAXA法改定 宇宙軍拡促進の悪法は廃案に  ロケットの開発や人工衛星の打ち上げを行っている独立行政法人宇宙航空研究開発機構の設置法(JAXA法)から、宇宙開発を「平和の目的」に限った規定を削除する法案が今日にも衆院内閣委員会で採決されようとしています。  人工衛星などの開発・利用は「平和の目的に限り」と限定しているJAXA法からその規定を削除するのは、宇宙の軍事利用拡大政策にJAXAを組み込むのが狙いです。アメリカのように宇宙を利用して戦争を進める態勢づくりは、戦争を放棄した憲法の平和原則をふみにじるものであり、許されません。 米国と日本企業に奉仕  JAXA法改定は、自民、公明、民主3党が2008年に強行した宇宙基本法にあわせたものです。「平和の目的に限り」という規定は、憲法の平和原則にもとづいて宇宙の軍事利用を禁止するために定められたもので、政府がJAXAを軍事力強化に動員する企てを許さない歯止めとなってきました。この規定を削除すれば、JAXAの技術と能力が軍事力強化のために使われ、政府の宇宙軍拡政策を加速させることにしかなりません。  政府の狙いは、JAXAのロケットを使って軍事通信や早期警戒などの多種多様な軍事衛星を打ち上げ、衛星を追跡するJAXAの能力を宇宙軍拡に組み込み、文字通り軍事力強化の手足にすることです。改定法案が「国際的な平和及び安全の維持」をうたっているように、日米軍事同盟を強化し、海外での戦争態勢づくりをめざすものであるのは明らかです。  改定法案がJAXAに「必要な措置を求めることができる」主務大臣に総理大臣を加えているのも問題です。自衛隊の“最高司令官”であり、安全保障会議の議長である総理大臣が主務大臣になればJAXAの軍事利用に拍車をかける恐れがいっそう強まります。  JAXAが宇宙軍拡政策に組み込まれることによって、宇宙開発に求められる「公開」の原則がふみにじられるのはとりわけ重大です。防衛省は「国防」をたてに12万件以上もの情報を秘密扱いにして外部に漏れないようにしています。そのため国民やメディアは戦争態勢づくりの実態をつかみにくくなっています。「公開」が原則の人工衛星やロケットなどの情報が秘密にされれば、自由に研究成果を発表し、共有しあう研究者らの自由さえ脅かされることになりかねません。  どこからみてもJAXA法改定案は問題だらけです。憲法の平和原則を正面からふみにじる悪法を許すわけにはいきません。 国民生活守るためにも  JAXA法の改悪は財界と兵器産業界が要求してきたものでもあります。防衛省が企てている何種類もの軍事衛星を数多く開発し打ち上げるには巨額の予算を伴います。いま宇宙を飛び回っている日本の情報収集衛星だけでも開発・打ち上げなどで約8000億円かかりました。軍事衛星を次つぎ打ち上げ、宇宙軍拡で大もうけを図ろうという財界・兵器産業の身勝手な要求のため、国民の血税を使わせるわけにはいきません。  国民には消費税増税を押し付けながら、一方でカネのかかる宇宙軍拡を推し進めるJAXA法改定法案は、この点でも廃案にするしかありません。 "[he-forum 17122] しんぶん赤旗6/15 しんぶん赤旗2012年6月15日付 JAXA法改悪案を可決 吉井議員 “軍事動員”と反対 衆院委  民主、自民、公明、みんなの各党は14日の衆院内閣委員会で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の軍事動員を可能にするJAXA法改定案とその関連法案をわずか2時間の質疑で可決しました。日本共産党は反対しました。  質疑で日本共産党の吉井英勝議員は、改定によって「平和目的」を削除することで、小惑星探査機「はやぶさ」など宇宙科学分野で大きな成功をおさめたJAXAの研究や組織のあり方に機密の網がかぶせられると指摘。内閣官房が運用する情報収集衛星(軍事スパイ衛星)での三菱電機による水増し請求事件は、秘密主義の典型的な問題だと述べました。  改定案では政令で防衛相が主務大臣になることができるとしていることについて、「自衛隊が必要とする軍事衛星の開発のためにJAXAを動員できるのではないか」と質問。古川元久宇宙開発担当相はそれを認めたうえで、「現時点で具体的な計画はない」と述べましたが、将来の軍事動員の可能性は否定しませんでした。  また吉井議員は、法改定の動機が日米共同のミサイル防衛のための早期警戒衛星の開発や防衛省が検討している小型偵察衛星打ち上げなどにJAXAを軍事動員することではないかと質問。防衛省の西正典防衛政策局長は、すでに進めている調査研究の成果を踏まえて開発するかどうかを今後検討するなどと述べ、その可能性があることを示唆しました。 "[he-forum 17123] 千葉日報6/18 千葉日報2012年6月18日付 飛び入学、浸透鈍く 先駆け千葉大は人材輩出 大学の「体力不足」指摘も  才能ある生徒の育成などを目的にスタートした「飛び入学」制度。全国に先駆け導入、全国最多の入学者数を誇る千葉大学は各界に多くの人材を輩出している。だが、裾野の広がりは鈍く県内他大学に追随の動きはほとんどない。志を抱く若者たちからは「能力を試す場所が少ない」とため息が漏れる一方、大学側の“体力不足”が足かせになっているのではとの指摘もある。  鳴り物入りでスタートした飛び入学制度だが、高校の卒業資格を持てないことや手続きが複雑なことが課題。文部科学省は今月上旬、早期卒業制度の創設を検討、学校教育法の改正を目指している。  同省によると、現在飛び入学制度を導入しているのは全国6大学で、本年度までに計101人が入学。最も多いのが千葉大学の68人で、2番目の名城大学(26人、名古屋市)に大きく水をあけている。  すでに51人の卒業生を社会に送り出した千葉大学。2000年、私立開成高校(東京都)から同大学に入学、マサチューセッツ工科大学大学院で博士号を取得し、現在は京都大学大学院工学研究科の博士研究員として材料工学を研究する日沼洋陽さん(30)は「制度が広まっていないことが残念」と後進に門戸が拡大されない点を惜しむ。  生き残り競争が激化する大学にあって、導入のメリットの前にコスト面の課題もありそうだ。 "[he-forum 17124] YSV6/19"," 産經新聞 2012.6.19 09:57 「可能性すら予想できない」 役に立たなかった地震研究 科学技術白書  政府は19日、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故への対 "[he-forum 17125] {o?V6/19"," 日本経済新聞 2012/6/19 20:48 国立大改革実行プラン、警戒感強く 「合理化優先」  文部科学省は19日、都内に全国86校の国立大学長らを集め、2017年度までに進める "[he-forum 17126] NHKニュース6/19 NHKニュース2012年6月19日17時27分 国の大学改革案に懸念の声も  国立大学の学長を集めた会議が東京で開かれ、少子化や国際化が進むなか、文部科学省が大学の役割を見直すべきだとする改革案を示したのに対し、一部の学長からは慎重な議論を求める声も出されました。  東京・千代田区で開かれた会議には、全国に82ある国立大学の学長などが参加し、今月、政府の国家戦略会議が示した教育改革の方針を踏まえて文部科学省がまとめた国立大学の改革案が説明されました。 それによりますと、少子化や国際化が進むなか、今後の大学の在り方を見直す必要があるとして、世界的な研究拠点を目指す大学や地域に密着した人材を育成する大学など、それぞれが担う役割を明確にすべきだとしています。 そのうえで、全国の大学を近い地域や同じ系統の学部ごとに再編することも検討するよう求めています。  これに対し一部の学長からは「大学の役割を限定するのは難しい」とか、「大学の再編が目的なのではないか」などと慎重な議論を求める意見も出されました。  茨城大学の池田幸雄学長は「大学の在り方を時代にあった形に見直す必要性は感じるが、進め方が拙速な印象だ」と話していました。 "[he-forum 17127] 河北新報6/20 河北新報2012年6月20日付 宮城知事、医学部新設を政府に要望 復興の財政支援も  村井嘉浩宮城県知事は19日、2013年度政府予算の概算要求に向け、東日本大震災からの復興をめぐる各種の財政支援や、大学医学部の新設を含めた医師確保策の推進などを政府に要望した。  重点要望は13項目。復興庁では村井知事が平野達男復興相に要望書を手渡した後、「将来にわたって復興の予算を確保してもらえるか不安がある。災害危険区域以外の住民にも、住宅移転の支援について特段の配慮をお願いしたい」と話した。  震災犠牲者の追悼と鎮魂の場となる「国営祈念公園」の石巻市への整備や、大学医学部の新設に関する規制緩和などへも理解を求めた。  平野氏は危険区域外の住民に対する住宅再建などの支援について「個人資産の形成につながる部分を認めるわけにはいかず、原理原則は崩せない」と従来の考えを説明。医学部新設は「重い問題と認識している」との見方を示したという。  村井知事は民主党のほか文部科学、農水、国土交通、経済産業の各省にも赴き要望した。 "[he-forum 17128] しんぶん赤旗6/19 しんぶん赤旗2012年6月19日付 宇宙関連軍事費650億円超 JAXA法改悪なら さらに増加も 昨年度防衛省分 吉井議員調査  防衛省が2011年度に宇宙開発利用分野で宇宙関連企業などと契約した業務の総額が650億円を超えることが、日本共産党の吉井英勝衆院議員の調査でわかりました。  日米共同で進める弾道ミサイル防衛システム関連で約124・1億円、同システムを構成する早期警戒衛星を導入する場合の要の技術となる「2波長赤外線センサ技術の研究」に約13・8億円、商用画像衛星の利用に約75・8億円。衛星通信関連は約436・6億円で、そのうち約139・2億円が防衛省初の衛星保有計画が進められている次期Xバンド衛星通信システム関連。契約相手は三菱電機、富士通、日本電気、NTTドコモ、MCC、IHIマリンユナイテッド、パスコ、日立製作所、三菱重工などの企業や米国政府です。  日本の宇宙開発利用をめぐっては、1969年の国会決議で「非軍事」に限定されていましたが、軍事利用に道を開く宇宙基本法が08年に成立。今国会には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務を「平和の目的に限り」行うと定めた規定を削除するJAXA法の改悪案が提出され、15日に衆院本会議を通過しています(日本共産党、社民党は反対)。  同法案は、今週にも参議院で審議される予定。もし成立すれば、今回のように防衛省が直接企業と契約するケースに加え、JAXAを通して宇宙軍拡のための研究・開発が進められ、これまで以上に支出が増える可能性が懸念されます。 "[he-forum 17129] Fwd: 「『大飯原発真下の破砕帯(断層)の検討・現地調査を求める緊急要望書』への賛同要請(6月23日まで)」","みなさまへ ご存知の方もいらっしゃるとは存じますが、 標記、緊急要望書への賛同要請が、あるメルマガから送られてきましたので転送させていただきます。 是非、各ご職場の組合員の皆様や、お知り合いの方々などに至急お伝え下さい。 -- ******************************** 溝口 和子 Kazuko Mizoguchi 和歌山大学教育学部  生物準備室(教務職員) 〒640-8510 和歌山市栄谷930  Tel:073-457-7378 kazukomz@center.wakayama-u.ac.jp ******************************** 以下、転送です。                                        -------- Original Message --------  「大飯原発真下の破砕帯(断層)の検討・現地調査を求める緊 急要望書」への  賛同要請(6月23日まで)  福井・関西・首都圏9団体から、「大飯原発真下の破砕帯(断層)の検討・現地調 査を求める緊急要望書」への賛同が要請されています。締切は、6月23日(土) の22時 となっています。  是非ご協力を! 「呼びかけ文」  http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/sandou_yobikake20120620.htm (引用開始) 大飯原発真下の破砕帯(断 層)の検討・現地調査を求める緊急要望書に賛同を  大飯3・4号の真下を走る断層について、早 急に詳細な検討と現地調査を行うよう求 めよう。それまでは、大飯3・4号の運転を開 始しないよう求めよう。  緊急要望書への賛同をお願いします。  団体、個人、国会議員、地方議 員などからの賛同を広く募ります。  緊急要望書は6月25日に提出します。  下記から、賛同をお願いします。  ★賛同締め切り 6月23日(土)22時  個人の賛同はこちらから https://fs222.formasp.jp/k282/form2/  団体の賛同はこちらから https://pro.form-mailer.jp/fms/d813ba8530769  政府は多くの反対の声を押し 切って大飯3・4号の再稼働を決定しました。7月1日に も大飯3号を起動しようとしています。  しかし、大飯原発3・4号の直下を走る破砕帯(断層)は活断層の危険性が濃厚だと 専門家が警告を発しています。この断層が動け ば、地表にズレを引き起こし、配管や重 要な機器を破壊してしまいます。  このような危険性を放置して、運転再開など許せません。  ・この断層については、これまで、国の調査では詳細な調査が行われていません。  ・国の耐震バックチェックでは、この断層が動いた可能性を示す資料(トレンチ北側の図)  について検討されていません。  ・保安院は6月10日の福井県原子力安全専門委員会で、この断層について、建設  前のトレンチ図の拡大版と写真を入手すると 表明しています。これら資料も早急に公開  すべきです。  大飯3・4号の運転再開前に、早急に、この断層について検討と現地調査を行うよう求 めましょう。  この断層が活断層であるかどうかを調べる現地での調査は、1~2日もあれば実施でき ます。 ◆詳細な検討と現地調査を求める緊急要望書に賛同をお願いします。  要望書の提出先:   経済産業大臣、原子力安全・保安院長   「地震・津波に関する意見聴取会(活断 層)」各委員 呼びかけ団 体:9団体  原発設置反対小浜市民の会  プルサーマルを心配するふつうの若狭の民の会  サヨナラ原発福井ネットワーク  グリーン・アクション  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)  福島老朽原発を考える会(フクロウの会)  国際環境NGO FoE Japan  グリーンピース・ジャパン  福島原発事故緊急会議 (引用終わり) 「緊急要望書」  http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/hasaitai_youbou20120620.pdf (引用開始)         大 飯原発の破砕帯に関する緊急要望書      直下を走る破砕帯(断層)を至急に検討・ 現地調査してください 地震・津波に関する意見聴取会(活断層関係) 委員各位 様 原子力安全・保安院長 深野弘行 様 経済産業大臣 枝野幸男 様  敦賀原発では、4月の現地調査によって、国 の専門家が破砕帯は活断層であると 認めました。これを契機に、同様の危険性が大 飯原発の破砕帯にも存在するのでは ないかという疑いが急浮上しています。複数の 専門家によってその危険性が指摘され ています。この断層が動けば、地表にズレを引 き起こし、配管や重要な機器を破壊し てしまいます。  国の「地震・津波に関する意見聴取会(活断層関係)」委員でもある杉山雄一氏 も「大飯原発など若狭湾の原発は、現地調査で あらためて状態を確認するべきだ」と 話しています(6月7日中日新聞)。  関西電力がこれまでのバックチェックで国に提出した説明資料の中では、設置許可 申請書では出していたF-6破砕帯のトレンチ 北側の図を省略していました。また、粘 土の記述についても省略しています。  保安院は6月10日の福井県原子力安全専門委員会で、この断層について、建 設前のトレンチ図の拡大版と写真を入手すると 表明しています。これら資料も早急に 公開すべきです。  この断層が活断層であるかどうかを調べる現地での調査は、1~2日もあれば実施 できます。大飯3・4号機が再稼働するより前 に、この破砕帯の詳細な検討と現地調 査が行われる必要があります。そのため以下の 点を要望します。 要望事項 1.大飯原発直下の破砕帯について、新たな専門家の見解も考慮して、早急に詳 細な検討及び現地調査を行ってください。 2.破砕帯の実態を示す資料をすべて公開してください。 3.少なくとも調査が終了するまで、大飯3・4号機の再稼働はしないでください。 2012年6月○日 原発設置反対小浜市民の会 プルサーマルを心配するふつうの若狭の民の会 サヨナラ原発福井ネットワーク グリーン・アクション 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会) 福島老朽原発を考える会(フクロウの会) 国際環境NGO FoE Japan グリーンピース・ジャパン 福島原発事故緊急会議 (引用終わり) ________________________________ (付録) 『2012.6.15 首相官邸前 11000人 大飯原発再稼働抗議行動』  http://www.youtube.com/watch?v=sKMkCmovl_k "[he-forum 17130] しんぶん赤旗6/22 しんぶん赤旗2012年6月22日付 国立大の給与下げ強要 政府圧力 運営費交付金を減額  野田内閣が、全国の国立大学法人(90法人)に対し、教職員(13万人)の給与の大幅削減を不当なやり方で強要していることが、21日までに明らかになりました。  2月末に成立した国家公務員の賃下げ法をうけて、野田内閣は、同法による給与削減の対象でない国立大学法人や独立行政法人に対しても、同等額の7・8%削減を「要請」しています。文部科学省が5月14日付で各法人に発した「民主党・行政改革調査会からの資料要求に係る再調査依頼について」と題する文書は、「国家公務員の給与特例法に準じて職員給与規程を改定済」かどうかのほか、「労使交渉中の場合、終了時期のメド」などまで記載して提出することを求めています。  国立大学法人などの教職員は公務員でないため、給与削減を行うかどうかは、労使交渉によって決定すべきものです。給与改定したかどうかとあわせて、各法人での労使交渉について、交渉終了時期まで国に報告させることは、労使関係への国による不当な圧力となります。  しかも、5月11日の閣僚懇談会では、国家公務員の給与削減と同等の額を運営費交付金から減額するとし、安住財務相は会見で、国立大学300億円、独立行政法人300億円、特殊法人100億円の減額になるとのべています。財政面からも、各大学の給与削減を強要しようというわけです。  これらは、国立大学を法人化する際に、「法人化前の公費投入額を十分に確保し、必要な運営費交付金等を措置するよう努める」、「『良好な労働関係』という観点から、関係職員団体等と十分協議が行われるよう配慮する」とした国会付帯決議(2003年)にも反しています。 要請は不当 交付金守れ  全国大学高専教職員組合の長山泰秀書記長の話 政府の国立大学法人等への国家公務員給与臨時特例に準じた賃金引き下げ要請は全く不当なもので、賃金引き下げ分を教育・研究・医療を守り充実するために必要な運営費交付金から減額するなどあってはならないことです。事実上、各法人での労使交渉が機能しない現状を作り出している政府は、要請を直ちに撤回すべきです。 "[he-forum 17131] 北海道新聞6/22 北海道新聞2012年6月22日付 大学間で講義生中継 道内7国立大、一般教養対象に  北大など道内国立7大学は、2013年4月から一般教養の講義の共有化を始める。講義を中継して他大学で聴講できるようにし、学生との質疑応答も可能にする双方向型システムを構築する。各大学は国からの交付金減額で運営効率化が迫られていることに加え、北大を除く単科大にとっては分野が多岐にわたる一般教養で講義を補い合い、内容を充実させる狙いもある。  首都圏などでは大学同士が協定を結び、学生が他大学の講義に出席して単位を取得する例はあるが、他大学の講義を自校で受講でき、教育課程に組み入れる例は「国立大として初めて」(文部科学省大学振興課)という "[he-forum 17132] 追伸:大飯原発直下の破砕帯問題 とは。","みなさま 大飯原発直下の破砕帯問題については、 下記、「見逃された破砕帯問題」:渡辺満久・東洋大教授 の講演で、大変わかりやすく説明されています。 再稼働を止めよう!市民・弁護士・超党派議員の集い ~大飯原発、安全性はどこへ?: 見逃された破砕帯問題:渡辺満久・東洋大教授を迎えて~ 日時:2012年6月13日(水)10:30~12:00 場所:参議院議員会館 講堂 原子力資料情報室によるUSTREAM映像をご紹介いただきましたので、 転送いたします。 是非、ご視聴下さい。 なお、渡辺先生のご講演は、映像開始後約27分後から始まります。 http://www.ustream.tv/recorded/23276279  (1時間00分21秒) -- ******************************** 溝口 和子 Kazuko Mizoguchi 和歌山大学教育学部  生物準備室(教務職員) 〒640-8510 和歌山市栄谷930  Tel:073-457-7378 kazukomz@center.wakayama-u.ac.jp ******************************** "[he-forum 17133] 共同通信6/22 共同通信2012年6月22日12時37分 横国大、新入生1割に半年留学 全国初の試み  横浜国立大は22日までに、2015年度に入学する学生の1割に、入学直後から半年間の海外留学を義務づけることを決めた。大学受験で養った語学力維持と国際感覚を身に着けさせるのが狙い。全国初の試みとみられる。  横浜国立大によると、対象は全4学部の新入生(入学定員1662人)のうち約1割。学部ごとに一般入試とは別に、国際志向が強く語学力に秀でた学生を選抜する方針。  留学先はアジア各国やオーストラリア、ニュージーランドなどの協定校で、英語を中心とした授業を受けさせる。留学先の授業料は不要。渡航費と生活費は自己負担となる。 "[he-forum 17134] しんぶん赤旗6/24 しんぶん赤旗2012年6月24日付 奨学金負担軽減を 宮本議員 就活実態取り上げ  日本共産党の宮本岳志議員は19日の衆院青少年問題特別委員会で、深刻な「就活」の実態を取り上げるとともに、将来不安に拍車をかける奨学金負担の軽減を求めました。  宮本氏は、就職失敗を原因とする20代の自殺者が2007年の60人から10年には153人へと倍増していることを指摘。「命まで絶ちたくなる学生たちの苦しみがわかるか」と追及しました。中川正春担当相は「社会全体が新しいシステムにもっていく必要がある」と答えました。  宮本氏は「若者は就職失敗を人生の失敗と受け止めざるをえないような厳しい現実がある」と述べ、きめ細かい雇用対策を要求しました。  また、奨学金の返済に苦しむ若者が「高校、大学に借金を作りに行ったようなものだ」と悲痛なメールを寄せてきたことも紹介し、「経済負担を軽くするためにも給付制奨学金に踏み出すべきだ」と主張しました。  中川担当相は「所得連動返済型無利子奨学金制度をつくった。『出世払い』で実質的には給付型と同じ効果がある」と答弁。宮本氏は、所得連動型奨学金は年収300万円まで返済を猶予する制度でしかないことを指摘し、「年収わずか300万円がどうして『出世』といえるのか。安心して学べる給付措置を行うべきだ」と強調しました。 "[he-forum 17135] 静岡新聞6/24 静岡新聞2012年6月24日付 今春入学者1桁... 静岡大法科大学院 改革急ぐ  全国8割の法科大学院で入学者が定員を下回り、学生募集を停止する大学も出る中、静岡大は今春の入学者が初めて1桁となり危機感を強めている。入学者の減少は大学運営や教育の質に影響を与えるとして、2013年度入試を全国8会場で行うなど改革を急ぐ。  今春、学生を募集した法科大学院73校のうち63校で入学者が定員を下回った。静岡大は定員20人に対し入学者8人。ことし入学した学生は「教員に質問しやすいなど少人数のメリットも感じるが、大学経営の面では大変だと思う」と話す。  全国の法科大学院で入学者が減少している背景には、新司法試験の合格率の低迷がある。法科大学院のスタート時、政府は「合格率7、8割」を目標としていたが、11年の平均合格率は23・5%で過去最低を更新した。静岡大の11年合格率は14・9%(7人)だった。  静岡大は10年に中教審法科大学院特別委員会から、教育内容などに大幅な改善が必要とされる「重点校」に指定された。同大学院法務研究科長の田中克志教授は「入学者数に影響している」とみる。  静岡大は成績・進級判定の厳格化や各授業の到達目標の明確化など組織的な教育開発(FD)活動を行ったことが認められ、ことし3月には「重点校」から脱出した。今後も教育体制や学習環境の充実を図り、新司法試験合格率の上昇を目指す。  入学者の確保のため入試改革も行う。来年度入試は試験日を3日程から4日程に拡大する。会場もこれまでの静岡、東京に、札幌、仙台、富山、大阪、松山、福岡を追加する。ただ、「会場を増やしても、遠方の地方都市の志願者はそれほど増えるとは思えない」との厳しい見方もある。  伊東幸宏学長は「実績を上げて地域の期待に応えるため、大学としてあらゆる努力をしていく」と述べた。  【メモ】法科大学院は法曹(裁判官、検察官、弁護士)を養成する専門職大学院で、2004年に開設された。修了後5年以内に3回まで新司法試験を受験できる。静岡大は05年に設置した。同大の新司法試験の合格率は08年11.8%、09年11.1%、10年16.2%、11年14.9%で推移している。 "[he-forum 17136] 西日本新聞6/20 西日本新聞2012年6月20日付 九大法科大学院六本松へ  九州大は、福岡市東区の箱崎キャンパス内にある法科大学院を、同市中央区の同大六本松キャンパス跡地(約6・5ヘクタール)に移転させる方針を決めた。早ければ2017年度から講義を始める予定。跡地には裁判所や検察庁、福岡県弁護士会館などの移転計画があり、弁護士の講師派遣など法曹機関との連携も図る。  同大は5月、学長らでつくる将来計画委員会で、六本松移転を盛り込んだ法科大学院の将来構想を承認。跡地を所有する都市再生機構(UR)に移転の意向を伝えた。  計画では、法科大学院は、URが跡地北側に計画している複合施設に入居。延べ床面積約1400平方メートルのスペースに、演習室や講義室、図書室などを整備する。  同大学院によると、移転後は県弁護士会や大学院OBの弁護士を講師に招いたり、裁判の傍聴を授業に採り入れたりすることを計画。大学院生による無料法律相談の開催や、弁護士の講義を九州の他の法科大学院生に開放する構想もある。  同大学院の赤松秀岳院長は「裁判所などの移転が正式に決まれば、法曹機関のすぐ近くに立地する全国にも例がない法科大学院となる。六本松一帯を『リーガルパーク(法曹街)』と位置付け、教育の質を高めたい」としている。  同大学院は04年4月開設。在籍者は約200人。九大は19年度までに同市西区の伊都キャンパスに施設の大半を移転させる予定。旧教養部などがあった六本松キャンパスは09年に転出を終え、URが跡地を購入。地下鉄駅に隣接し、社会人の通学に便利なこともあり、法科大学院の移転候補地に挙がっていた。 "[he-forum 17137] 神戸新聞6/23 神戸新聞2012年6月23日付 全授業英語のプログラム開始へ 神戸大学大学院    神戸大学(神戸市灘区)は22日、大学院経営学研究科で海外のビジネススクールなどと連携し、全授業を英語で行う「戦略的共創経営(SESAMI)プログラム」を来年4月から開始すると発表した。経営学の大学院で5年間、英語だけで教育を行うのは日本では初めてという。  日本語ができないため受け入れが難しかった海外の優秀な学生を獲得し、グローバルな人材を育成する。  同プログラムは、高度な戦略を持つ企業家を養成する「創造経営」と環境や社会との共生を目指す「共生経営」に特化しており、文部科学省の博士課程教育リーディングプログラムに申請している。  定員は12人で、10月から募集を始める。日本人と外国人を6人ずつ募集する予定。米スタンフォード大など海外の18大学・研究所から教員を招き、集中的に講義を行う。  修士課程では、パナソニックや大阪ガス、ネスレなど関西の企業10社とプロジェクトを組み、企業の抱える問題を研究して解決策を提案する。神大では、共同で研究する企業を募っている。神戸大学大学院経営学研究科TEL078・803・7256(塩津あかね) "[he-forum 17138] {o?V6/22"," 日本経済新聞 2012/6/22 22:20 京大入試、課外活動も評価 16年春入学にも  京都大の松本紘総長は22日の記者会見で、新し "[he-forum 17139] しんぶん赤旗6/25 しんぶん赤旗 2012年6月25日(月) 病院賃下げ直接介入 田村議員 厚労相の暴挙追及  日本共産党の田村智子議員は19日の参院厚生労働委員会で、厚労省が国の機関ではない独立行政法人の国立病院や労災病院などの職員給与引き下げへ圧力をかけている事実を明らかにし、追及しました。  全国の労災病院は、職員給与について人事院勧告に準拠せず、病院の経営状況、医師・看護師の人材確保などを労使で話し合い、決めています。田村氏 は、労働基準法の施行に責任をもつ厚労省労働基準局長が5月17日付で、労災病院を運営する健康福祉機構に対して協定を無視して賃下げを直接要請していた ことを追及。労働条件が後退すれば、医師・看護師の確保がいっそう困難になると指摘しました。  小宮山洋子厚労相は、国立病院機構などの理事長から給与引き下げは困難と直接要請を受けたが、「公共部門全体で人件費見直しをするのが政府の方針」と機構理事長に要請したと居直りました。  田村氏は「介入以外のなにものでもない」と批判。東日本大震災で被災した国立病院や労災病院の職員にも、全国から被災地支援にかけつけた病院職員にも給与削減を押し付けることは許されないと強調しました。 "[he-forum 17140] V6/23"," 朝日新聞 社説 2012.6.23 大学改革―減らせば良くなるのか  政府の国家戦略会議がテーマの一つとする大学改革論議で、大学の「統廃合促進」が取りざたされている。いわく、大学が増えすぎて学生の質が下がった。専門知識はおろか一般教養も外国語も身についていない。大学への予算配 "[he-forum 17141] 朝日新聞6/25 朝日新聞 2012年6月25日16時10分 大学生の仕送り、過去最低額 愛媛県内の千世帯を対象に調査  愛媛銀行ひめぎん情報センター(松山市)が大学や専門学校などに通う子どものいる愛媛県内の家庭を調査したところ、自宅外生への仕送り額は月平均9万1 千円(前年比1千円減)で1996年の調査以来、過去最低となった。自宅生への小遣いは過去最低だった前年と同じ月平均1万4千円。同センターは「長引く 不況の影響」としている。  アンケートは3月下旬、学生がいる県内の千世帯を対象に実施し、342世帯から回答を得た。進学先は大学75.1%、専門学校6.4%などで、自宅通学 が24.9%、自宅外通学は65.2%だった。学費と生活費を足した年間総費用は平均184万円(同7万2千円増)で、回答世帯の平均年収717万6千円 の約25%を占めており、84.2%が「負担が大きい」と答えた。進学の理由は、「希望の職業に就くため」が44.2%で最多。「資格・免許取得のため」 が年々増加しており、過去最多の21.3%になった。親の心配も「卒業後、就職できるか」が66.7%で最多だった。同センターは「厳しい就職率で就職へ の不安が続いている」と分析している。 ," 読売新聞 2012年6月27日 低所得世帯向け、学ぶ意欲支える「土曜塾」開講…松山 サポーターリーダーに任命される山高さん "[he-forum 17143] V6/27"," 朝日新聞 2012年6月27日5時38分 留学生の補助金、23校が不適切申請 経済状況を "[he-forum 17144] 佐賀新聞6/27 佐賀新聞2012年6月27日付 佐賀大病院で新棟着工 17年春完成へ  佐賀大学医学部附属病院(宮崎耕治病院長、佐賀市鍋島)の新棟2棟の建設工事が26日、着工した。高度先進医療や救命救急、高齢者医療の充実に向け、来年夏の完成を目指す。新棟完成後は既存施設の大規模改修に移行し、2017年春完成を目標に病院全体の再整備を進める。  新診療棟となる南新棟は鉄筋コンクリート4階建てで、延べ床面積7072平方メートル、総工費27億1千万円。南側の壁面にひさし代わりの太陽光パネルを配したデザインが特徴。大規模災害時に独立して機能を維持できるよう免震構造を採用し、地下水や発電車に対応させてライフラインを二重化する。屋上にはヘリポート、1階に救命救急センター、2階に集中治療室、3階に手術室などの高機能部門を集中的に配置する。  佐賀大病院の昨年1年間の手術数は約6千例で、病床数604床の病院としては全国トップクラス。手術室を4増して14室にすることで、年間7千例を目指す。  新病棟の北新棟は3階建て8850平方メートル。高齢社会を見据え、運動機能や脳機能の多角的リハビリに取り組む「先進総合機能回復センター」を置く。病院全体の病床数は変わらないが、個室は108室(18%)に倍増。看護単位(病棟ごとの看護師チーム)当たりの病床数も現在の50床から43床に減らし、より適正な看護を可能とする。  起工式には大学や医療、工事関係者約50人が出席。宮崎病院長は「高度先進医療を担い、地域医療に貢献する大学病院を目指しながら、既存の施設では厳しかった患者の利便性や快適性も向上させたい」と語った。 "[he-forum 17145] 秋田魁新報6/28 秋田魁新報2012年6月28日付 秋田大、王立ブータン大と協定 来月、現地訪問し締結  秋田大学(吉村昇学長)は来月、国民総幸福量(GNH)という指標を提唱し、近年「幸福の国」として注目されているブータンとの交流を進めるため、同国唯一の国立大学機関・王立ブータン大学と国際交流協定を締結する。秋田大によると、国内の大学が王立ブータン大と協定を結ぶのは初めて。  秋田大副学長で国際交流センター長の榎本克彦・医学部教授(分子病態学・腫瘍病態学)らが来月4〜6日に現地を訪れ、協定を締結する。  ブータン大は2003年に設立された総合大学。伝統医学、科学技術、教育などの分野の10単科大学を下位組織に持つほか、13研究科、言語文化研究所、伝統医学センターなどを備える。教員約300人、学生約8千人。学長はジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王。 "[he-forum 17146] 毎日新聞6/30 毎日新聞2012年6月30日付 東京工業大:経理問題で混乱 新学長決まる  東京工業大は29日、任期満了に伴い退任する伊賀健一学長(72)の後任に、三島良直副学長(63)を選出したと発表した。任期は10月1日から16年3月31日まで。学長人事を巡っては、候補者2人が相次いで研究室の不正経理問題で辞退して混乱が続いていた。  伊賀学長の任期は昨年9月までだったが、同7月に次期学長に内定していた当時の副学長が不正経理問題で辞退。次に候補になった別の教授にも再び同様の問題が浮上し、辞退していた。  三島氏は、1975年に東工大大学院を修了し、97年に東工大大学院教授に就任。昨年10月から副学長だった。 "[he-forum 17147] 徳島新聞7/1 徳島新聞2012年7月1日付 学校図書館賞を受賞 鳴教大・児童図書室、子育て支援活動を評価  鳴門教育大学付属図書館の児童図書室が、全国学校図書館協議会の学校図書館賞実践の部で奨励賞を受賞した。児童図書室設置から25年間での優れた児童書の収集・保存や、読み聞かせ会開催など地域の子育て支援活動が評価された。  鳴門教育大児童図書室は1987年5月に付属図書館の一角に設置された。63平方メートルと小さいが、延べ3万人から利用されてきた。乳幼児向けの絵本や児童書、図鑑など約1万5千冊を所蔵し、新刊も充実している。  わらべ歌や人形劇などのイベントを年10回程度開くほか、読み聞かせを随時実施しており、保護者から好評。活動は学生ボランティア・児童文化研究会が担い、児童図書室は学生と子どもの交流の場にもなっている。  余郷裕次室長は「地方大学の図書館の片隅にある、小さな児童図書室のささやかで地道な実践が評価され光栄。子どもたちの読書生活の拠点となる試みを、さらに発信していきたい」と語った。  全国学校図書館協議会は、50年に全国の教員有志が結成した団体で、学校図書館の充実や読書の推進を目指す。学校図書館賞は、学校図書館の振興に功績のあった個人・団体に贈られる。本年度は42回目で、計3部門に全国から12件の応募があった。 "[he-forum 17148] 読売新聞7/2 読売新聞2012年7月2日付 「福島だから」学べるものを…入戸野修・福島大学長に聞く  福島大は昨年3月11日の震災発生時から学内の施設を避難所として開放し、翌4月には災害研究拠点を設けるなど、被災者支援の先頭に立ってきた。復興に向け、地元の国立大学が果たすべき役割は何か。入戸野修学長に展望を聞いた。 ――被災地の大学としての役割をどう考えるか。  「地域の大学として地元と長く付き合っていくというのが基本的な立場だ。震災後、県外から多くの大学(関係者)が訪れたが、現地調査をして資料を大学に持ち帰るなど、支援ではなく研究になりがちだった。私たちには地域に密着して研究活動を行ってきた歴史があるから、各教員が専門分野で生の声を聞いて支援につなげることができる。そこから新たな研究課題も生まれてくるはずだ」 ――昨年4月に設置した「うつくしまふくしま未来支援センター」は、復興支援や災害科学研究の拠点となると期待されているが。  「震災直後から教員、職員、学生たちがそれぞれに空間線量を測定したりボランティア活動をしたりし始めた。それらの多岐にわたる活動をきちんとまとめ、発信していくのが大学の役割だと考えた。今年4月からは外部から専任教員も招き、センター員38人態勢で本格的に始動した。『復興計画支援』『子ども・若者支援』など4分野で活動している」 ――具体的な活動や成果は。  「放射線量マップ、自治体の復興計画、地熱発電による土湯温泉(福島市)の復興施策、子供の心理調査など、さまざまな作成や支援をしている。学生も多く参加して、現場の体験を通して実践力を身に着けている。本来の目的は復興支援だったが、教育の場としての機能も備わってきた」 ――今年4月には、立教大(東京・豊島区)と協力して大学院地域政策科学研究科のサテライト講座を東京で開講した。  「震災や原発事故のことを東京の人たちにも考えてほしい、東京から見た震災の姿を発信してほしい、という視点で始めた。今年度は院生6人で、マスコミやボランティア活動など多様なキャリアを持つ人が集まった。福島大の卒業生もいる。講座は『ふくしま復興学』と銘打ち、防災行政、賠償法制など災害復興に関することを学ぶ。従来、災害といえば地震や津波のことだったが、原発事故や風評被害などの視点も加え、どう復興させるか、どう支援できるかを考えていく。教員と学生が議論を交わし、基礎から実践まで体系的に新しくつくりあげていきたい」 ――今後、目指していく大学の姿は。  「個性のある大学だ。津波や原発事故など複合災害を受けた福島の大学だからこそ学べるものを提供していきたい。今年、一般入試で入学した県内出身者数は、学部を再編した2005年度以降初めて、県外出身者数を超えた。福島で学び、それを福島のために役立てたいという学生が多い。その思いに応えられる教育環境を整え、復興のリーダーとなる人材を育てていくことで、地域の大学としての役割が明確になっていくと考えている」 (聞き手・小沼聖実) にっとの・おさむ  1941年、横浜市生まれ、70歳。東工大大学院修了、工学博士。専門は物質科学など。東工大教授、福島大共生システム理工学類長などを歴任し、2010年から現職。趣味は、科学の原理を使った「科学マジック」で、ネタを考えては子ども向け科学講座や大学卒業式などで披露している。 "[he-forum 17149] 産経新聞7/2 産経新聞2012年7月2日付 国立病院の勤務医 給与削減に反発民間への医師流出を懸念  政府が国家公務員の給与削減に合わせ、国立大付属病院や国立病院にも給与引き下げを求めているのに対し、勤務医らが「民間より低い水準をさらに引き下げると、人材流出と医療崩壊を招く」と反発。現場の医師は慢性的な人手不足や過重労働の中でがん治療などの高度医療や地域の救急医療を担っていると訴えており、交渉は難航しそうだ。  国家公務員の給与は、大震災の復興費に充てるため、4月分から平均7・8%減に。政府は5月、削減対象を国立大や国立病院を含む独立行政法人の職員にも拡大すると表明。国立大付属病院でつくる病院長会議などによると、国立大病院の医師の平均年収は、40代の助教で822万円(平成20年度)。国立病院の勤務医の平均年収は、厚生労働省調査で1468万円(22年度)。民間病院の勤務医の平均年収は1550万円で、開業医は2755万円(22年度)。病院長会議は「格差が開けば、国立離れに拍車が掛かる」と危機感を募らせている。 "[he-forum 17150] 毎日新聞7/1 毎日新聞2012年7月1日付 大学秋入学:東大と協議11大学、毎日新聞調査 「春と併存」5校 早大・京大、「全面移行」否定的  東京大が5年後をめどに導入を提唱する「学部生全面秋入学構想」で、東大が呼びかけて参集した国内主要11大学のうち、5大学が「入学時期は春秋併存」を理想と考えていることが、毎日新聞のアンケートで分かった。東大の全面秋入学方針については、肯定的意見が5校、否定的意見が2校だった。秋入学構想が公になって約1年が経過したが、東大案で足並みをそろえることの難しさが浮き彫りになった。【福田隆、苅田伸宏、石丸整】  アンケートは、今年5月、東大の呼びかけで設立された「教育改革推進懇話会」のメンバー12校のうち、東大を除く11校(北海道、東北、筑波、早稲田、慶応、東京工業、一橋、名古屋、京都、大阪、九州の各大学)に対し、6月、電子メールなどで実施し、全校が回答した。  東大は、企業の採用活動や国家試験の弾力化をにらみ、3月にまとめた報告書で「秋入学への移行を本学単独で行おうとすることは容易ではない」と、他大学との連携を重視。同会が実現のかぎを握る存在になっている。  東大が表明した学部全面秋入学は「賛同」が筑波、東工、九州の3校で、「どちらかと言えば賛同」は北海道、一橋の2校。「どちらかと言えば賛同できない」は早稲田、京都の2校だった。「賛同できない」はなく、「どちらとも言えない」が4校だった。 "[he-forum 17151] 大学政策についての情報提供  全国のみなさんへ  委員長の深谷が、「国公私学大学政策の転換へ」と題する文書をまとめました のご参考までにお送りします。  なお、「国立大学の一法人複数大学化」の問題は、別にまとめる予定とのこと ですので、近日中にお送りします。 ■組合HP掲載「国公私学大学政策の転換へ」   →http://www.ibakyo.or.jp/iincho/ronnbunn/120702ronbun10.pdf       2012.7.2  執行委員会 ==================================== 茨城大学教職員組合 〒310-8512 茨城県水戸市文京2-1-1 Phone/Fax:029-228-3060 e-mail:ibakyo@bd.wakwak.com URL:http://www.ibakyo.or.jp/ ==================================== "[he-forum 17152] 読売新聞7/4 (2012年7月4日 読売新聞) 東大、秋入学までの空白期間に学生を海外派遣へ  東京大学の秋入学構想と教育改革について考える「人材育成フォーラム」(日本MOT振興協会主催)が4日、東京都内で開かれた。  出席した東大の浜田純一学長は、秋入学導入で生じる、春の合格から秋入学までの空白期間「ギャップターム」の試行として、今年の夏休みに、東日本大震災の被災地や、海外でのボランティア活動などに学生を派遣する準備を進めていると明らかにした。  浜田学長は「課題山積だが、解決のために主体的に取り組むことで教育に活力も生まれる」と述べた。 "[he-forum 17153] 日本経済新聞7/4 日本経済新聞 2012/7/4 20:27 東大学長「秋入学は時代の流れ」 実現に意欲  浜田純一東京大学長は4日、東京都内で開かれたシンポジウムで講演し、東大が移行を目指している秋入学について、「各大学に差があって も、秋入学という時代の大きな流れは変わらない。秋入学はもう無理だと社会が降参すれば、日本の閉塞感はさらに強まる」と述べ、改めて構想の実現に強い意 欲を示した。  東大は京都大や慶応義塾大など有力11大学と秋入学を含む大学教育の改革について話し合う「教育改革推進懇話会」を設けている。浜田学長は 「12大学は積極論から消極まで幅はあるが、大体ベクトルは同じだ。消極論の大学も秋入学の意義を否定するのではない。他に優先すべき課題があり、温度差 というより時間差の問題だ」と指摘した。  その上で「時を待てば各大学がもう少し動きやすくなるだろうが、そこまで待てるのか。受け身、後手の改革になってしまう。東大という体力のある大学がまずは打って出て、火の粉を浴びながらやっていく」と述べて、5年以内の秋入学移行を東大主導で目指す姿勢を鮮明にした。 "[he-forum 17154] しんぶん赤旗7/5 しんぶん赤旗 2012年7月5日(木) 消費税増税「押しかけ講義」 財務省 実施35大学判明 宮本議員に回答  財務省幹部職員による消費税増税押しかけ「説明会」が実施された35大学(5月末現在)が4日、判明しました。日本共産党の宮本岳志衆院議員の求めに財務省が回答しました。  それによると、今年1月から5月までに説明会を開いた大学は、国立大学は九州大、信州大など20校、公立大学は山梨県立大など6校、私立大学は中央大など12校。開催大学は全国にある167国公立大学の16%、同596私立大学の2%にあたります。  財務省は地方の出先機関である財務局を使い、全国の大学に説明会を開くよう働きかけてきました。九つの財務局別にみると、関東甲信越財務局管内では18大学20回、東北管内5大学6回、近畿管内4大学5回などとなっています。(1大学で2回開いている事例があるため)  この問題で、宮本議員は6月11日の衆院社会保障・税特別委で、開催した大学をすべて公表するよう要求。安住淳財務相は「公表できるものは公表している」と答えるにとどまっていました。  財務省は「大学側の了承がえられないものは公表できない」としており、今回の回答でも三つの私立大学は大学名を明らかにしていません。同省ホームページでは、現在も11大学しか公表していません。 説明会を行った大学 開催順  〈国立大学〉 九州大、信州大、神戸大、山口大、東京大、大阪大、広島大、香川大、お茶の水女子大、青森大、和歌山大、福井大、佐賀大、岡山大、千葉大、北海道大、東北大、岩手大、埼玉大、富山大  〈公立大学〉 山梨県立大、山形県立米沢女子短大、横浜市立大、青森公立大、高崎経済大、福井県立大  〈私立大学〉 中央大、関西学院大、城西大、関東学院大、千葉商科大、東京家政学院大、常磐大、松山大、白百合女子大(他に私立3大学は校名非公表) "[he-forum 17155] 日本経済新聞7/4 日本経済新聞2012年7月4日付 東北大とニュービジネス協議会 復興へ起業家100人育成 今後5年、被災3県に拠点 経営者など実践教育  東北大学と東北ニュービジネス協議会(TNB、仙台市)は、東日本大震災からの復興を担う起業家を5年間で100人程度育成する。岩手、宮城、福島の3県に活動拠点を設け、経営者や学者が実践的に指導する。被災自治体に人材を派遣し、まちづくりを支援する事業も始める。大学の知見と民間のノウハウを生かして復興を後押しする。  産学の有識者や行政経験者が設立した「東北未来創造イニシアティブ」が3日、東京都内で記者会見を開いて事業概要を発表した。東北大経済学部長の大滝精一教授とTNB会長の大山健太郎・アイリスオーヤマ社長が代表発起人に就いた。2016年度までの5年を活動期間として起業家支援に当たる。  仙台市に本拠地を置くほか、岩手県の盛岡市と釜石市、宮城県の気仙沼市と石巻市、福島市にも活動拠点を設置する。活動に賛同する企業や大学、特定非営利活動法人(NPO法人)から有識者や専門家を派遣。起業を目指す人にマーケティングや会計など事業化に必要な知識を実践的に指導する。新事業の立ち上げ後も継続的に助言する。  今年度は既に起業プランのコンペを実施し、30人の起業家候補を選抜した。さらに20人を加えた後、8月をめどに各拠点で具体的な指導を始める計画だ。2カ月に1回は受講者を仙台市に集めて交流会を開く。育成する起業家は13年度から100人規模に増やす。  12年度の活動資金は内閣府の補助金約1億円を充てる。13年度以降は経済団体や個別企業の寄付も受けたい考えだ。記者会見で大山社長は「復興には未来に向けた新産業をつくる必要がある」と話した。  被災地のまちづくりや産業振興を後押しするため、自治体にも専門家を派遣する。第1弾として10月から気仙沼市を支援する予定だ。派遣する人材は自治体の要望を聞いたうえで決める。半年ごとに被災自治体の首長と経営者が集まる会議を開き、復興の方向性を話し合う。大滝教授は「行政は弱体化しており、民間の発想や支援が求められている」と述べた。 "[he-forum 17156] 神戸新聞7/5 神戸新聞2012年7月5日付 神戸学院大学長 司法試験の課題訴え   2013年度から、法科大学院の学生募集を停止することを決めた神戸学院大(神戸市西区)。岡田豊基学長が4日、神戸市内で会見し、「受験生に理解してもらえる環境をつくれず、志願者を増やせなかった」と悔しさをにじませた。全国的にも法科大学院の募集停止が相次いでおり、関係者は「司法試験の合格者を増やすなど現行制度を改めないと、他大学でも起こり得る」と危機感を募らせている。(本田純一)  同大学法科大学院はここ数年、入学者数が低迷し、12年度は2人と定員充足率は全国最低の6%に。志願者数も設立された04年度は846人だったが、09年度には70人、12年度は9人だった。  大学を運営する学校法人「神戸学院」は3日の理事会で、募集停止を決定。早ければ在学生が修了する14年度末にも廃止になる見通し。  岡田学長は「苦渋の決断。全国的にも司法試験の合格者数が少なく、志願者数の改善は難しいと判断した」と説明。現行の法科大学院制度については「司法試験の合格者が増えなかったのは残念。法曹資格者の就職先も拡大してほしかった」と漏らした。  募集停止は全国で4校目、県内では姫路独協大に続き2校目となる。  法科大学院は全国的に入学者が低迷。12年度は、学生を募集した全73校のうち63校(86%)で定員割れした。充足率が100%以上だったのは、神戸大など10校。私立大は低迷する傾向にあり、県内では、関西学院大が46%、甲南大が48%といずれも5割を切った。  県内のある法科大学院担当者は「一私学の失敗ではなく、国策の失敗。司法試験の質を維持し、合格者数は制限せず、企業の需要を掘り起こすなどの対策が必要」と話した。 "[he-forum 17157] 佐賀新聞7/6 佐賀新聞2012年7月6日付 携帯端末と連動の大学案内冊子を作成 佐賀大  佐賀大学は、スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット型多機能端末と連動させた大学案内冊子を制作した。冊子に載っている学生にスマートフォンなどのカメラをかざすと、研究室やゼミの様子を紹介する動画を見ることができる仕組み。全国の大学で初めての取り組みで、高校生に人気の情報ツールを使って大学をアピールする。  冊子には学科別に16人の学生が登場。オープンキャンパスを動画で体験することを想定しており、学生が訪ねた研究室の様子を説明し、教員や他の学生にインタビューする3~5分間の動画を見ることができる。  AR(拡張現実)など最新の情報通信技術を駆使し、冊子の文字や写真で伝えきれない情報を発信しようと考案した。兒玉浩明・大学アドミッションセンター長は「学科の内容を詳しく知りたい高校生のニーズに応えるとともに、オープンキャンパスに参加できない全国の人に見てもらえる」と話す。 "[he-forum 17158] 朝日新聞7/2 朝日新聞2012年7月2日付 大学入試と高校・大学教育の大改革の行方  文部科学省の中央教育審議会(中教審)という政策の方向性を議論する場で、本格的に大学入試と「高校と大学の接続」の改革を検討することになった。6月19日の中教審で合意された。近く、特別に大学と高校の専門家らが集まる場を設定して議論を始める。大学入試の新たな方向性が打ち出されるかもしれない。  「高校と大学の接続」といっても、教育政策に関心がある高校や大学関係者の一部を除けば何のことだろうと思うかもしれない。よく「高大接続」と省略される。「接続」とは、高校と大学の間にあるギャップを埋めて円滑に両者をつなぐ意味が込められている。  昔は、高校と大学の間には入試があり、それに合格することで高校生の努力目標、学習時間や内容の修得もある程度共通に維持されてきた一方で、大学に入学する学生の水準も保つことができた。しかし、高校進学率が98%、大学進学率が5割を超えて、だれもが大学に入学できる時代に入っている。高校で生徒が学んできた教科など教育の内容は一様ではない。高校間の学力格差もある。いまや入試そのものが学力試験を課さない推薦・AO入試、個別試験、センター試験と多様化している。大学も入学者を確保するため、さまざまな方法で受け入れるために学生をどのように底上げするか悩みが深い。高校教育と入試と大学教育は密接に結びついているので、たとえば大学は「高校はいったいどんな教育をしているのか」、高校は「きちんとした入試で選んでいるのか」などと互いに批判だけで終わりがちになる。これでは何にもならない。だから、一緒に議論するということになった。    ■高校・大学の連携必要  前置きが長くなったが、19日の中教審は大学政策を審議する大学分科会の委員に加えて、高校教育を審議する部会つまり高校側の委員も含めて話し合うという初の試みになった。文科省の力の入れ方がわかる。  この会議に提出された論点メモ案がある。今後の審議のポイントとなる要点を事務局である文科省側が書き出した。  それによると、現状の問題点として、「学力中間層の高校生の学習時間は大きく減少」「大学での補修学習などが増加」「大学入試センター試験は限界といわれるほど複雑化」と三つあげている。さらに、学校で育成する能力の国際的な通用性、妥当性が問われるなか、「高校と大学の接続」もこの観点から見直すことが求められているとある。そして、高校教育、入試、大学教育の役割分担と連携を見直し、高校教育の質保証、大学入試の改善、大学教育の質的転換を、それぞれ責任を持ちつつ連携しながら同時に進行することが必要と訴えている。  この論点メモの最後には、今後の検討体制という項目があり、次のような文言が盛り込まれている。「高校の質保証のため生徒の学力状況を多面的・客観的に把握するさまざまな仕組みの構築(到達目標、達成度を測る仕組みや指標)」「高校や大学の教育構造に大きな影響を与えるので、互いに関連付けながら同時に進化していく」「具体化するための恒常的な議論の場を中教審に設けることが必要」  審議会に出席した委員からは、「職業・社会参加も含め、高校で共通して身につけるべきコアとは何か。学校が目標を明らかにして修得状況を示す高校の質保証が重要。三者の協議の場が必要となる」「思考力を問う大学入試改革をお願いしたい」「大学でいえば(学部など)細かく分けて進学を決めさせる。高校は科目が多くなっている。両者が細分化されて接続がうまく機能していない。高校側は(いまの状態では)学習時間の動機付けが見つからない」「高校から社会に出たあとで、大学との接続という視点も重要」などの意見があった。  要するに、高校の教育内容を大綱的に示した学習指導要領はあるものの、今回の検討は高校での目標や共通に必要な教育内容のコアとは何か、学力を把握するテストなどを測る仕組みを考えつつ、それをいかに入試や大学教育と連続させて質をあげるかという視点を打ち出したようだ。議論の展開次第では、高校教育の見直しや大学入試改革の方向性を打ち出すかもしれない。      ■高2の学習時間、減少傾向  文科省が提出した資料のうち、学校外での平日の高2学習時間がどう年代で推移したかみてみよう(ベネッセの第4回学習基本調査)。偏差値が50~55の中間層の学習時間は112分(1990年)→83分(96年)→67分(01年)→60分(06年)と減っている。また、同じように経年で見ると(同調査)、学校外の学習を「ほとんどしない」「30分程度」の割合は26%→34%→37%→39%となり、比率が増えている。  この数字を見ると、確かに学習時間は減っている傾向にある。しかし、生徒らが「大学全入時代」や「高校の多様化」に学習スタイルを合わせてきたともいえる。一方で、学習指導要領とそれに基づいた大学入試センター試験はいま何とか機能している質保証の支え(伝統的なツール)になっている。今回の検討が、「全入時代」や「多様化」を否定するところまで至るのか、それとも伝統的なツールとは別なものを設けるのか、伝統的なツールを改変するのか(たとえば高校の教科の再編成、センター試験の改革)など、難しい問題を含んでいる。大学入試センターの責任者も加わった議論が必要になる。  高校教育と大学教育、入試を照準に、大学と高校側が合同で審議するのは当然だが、テーマ設定をその都度明確にしないと、これまでの政府の「○○一体改革」のように責任がぼやけて方向性が迷走する可能性もある。そのうえ、かつて当たり前のように高校→入試→大学と進んできた議論する側の古い世代の中教審委員と、いまの生徒の世代間ギャップをどう埋めるのかという問題もある。  この高校教育と入試と大学教育の変質と立て直しの必要性はいま始まったわけではない。関係者の間からは質の保証という意味では危機感があり、最近では政府の行政仕分けでも「全入時代のセンター試験のあり方とは何か」などと指摘されてきた。学生・生徒や進学の構造が変わってきたのは明らかだった。慎重さと大胆さ、持続力が求められる。 "[he-forum 17159] 日本経済新聞7/9 日本経済新聞 2012/7/9 11:09 東大が学部横断の語学力強化コース グローバル人材育成  東京大は国際社会で活躍できるグローバル人材の育成に向け、新入生の1割を対象にした学部横断型のコースを2013年度に新設する方針を 決めた。学部の授業とは別に英語と第2外国語を集中的に教え、海外の大学が行う夏季講座に派遣。高い語学力と教養を備えた人材の育成を目指す。  新コースは「グローバルリーダー育成プログラム」。新入生約3000人のうち約300人を選抜し、1、2年生全員が所属する教養学部では英語などの集中講義で語学力を鍛える。  各学部に分かれる3年生以降は対象者を約100人に絞り、外国人留学生と英語で歴史や環境、哲学などを学ぶ特別授業を受ける。  海外大学の夏季講座や海外企業での就業体験にも参加させ、国際経験を積ませる。卒業時は留学に必要な英語力を測るテスト「TOEFL」(120点満点)で、100点以上の得点が目標。これは幅広い話題を理解して自然な会話ができるレベルとなる。  東大は文部科学省が今年度から公募を始めたグローバル人材育成推進事業に同プログラムを申請中で、採択されれば補助金が交付される。 "[he-forum 17160] 読売新聞7/12 (2012年7月12日 読売新聞) 小樽商大、学生6人無期停学を決定  北海道小樽市の小樽商科大学アメリカンフットボール部員が飲酒し、未成年7人を含む9人が病院に搬送され、1人が死亡した問題で、同大は11日、 教授会を開き、4年生男子部員5人と「学生コーチ」1人の計6人を無期停学とするなど部員の処分と、同部の廃部を賛成多数で決定した。  12日に部員に処分を通知して公示し、記者会見する。  教授会終了後、報道陣の取材に応じた山本真樹夫学長は、最も軽い訓告から無期停学までの懲戒処分対象者が50人規模になることを示唆した。1年生 の未成年者でも、飲酒した学生については厳重注意とすることも明らかにした。自身ら幹部の責任については、「明日(12日の記者会見で)報告させていただ く」と述べるにとどめた。  山本学長は、「重い議題なので、原案をそのまま通すのではなく、随分(参加した教授から)意見を出してもらうようにした」と振り返り、アメフト部の廃部処分については、「(廃部にすることが)規定にない手続きだったので議論が長引いた」と語った。  教授会の最中、会場となった同大会議室から、「(月内に設置する外部委員の)第三者委員会の結論が出てからにしろ」といった怒声も聞こえた。山本学長は、議論の過程について「ノーコメント」と言及を避けた。 "[he-forum 17161] 共同通信7/10 共同通信2012年7月10日11時38分 名大病院、ソウル大と協定 看護師ら相互派遣へ  名古屋大病院(名古屋市)は10日までに、韓国・ソウル大病院と看護師ら病院職員を定期的に相互派遣する協定を今月中旬にも締結することを決めた。名大病院によると、看護師の派遣を趣旨とした海外の大学病院との協定は、国立大病院では初めて。  海外の現場で患者のケアなどを研修し専門性を高めるほか、人材育成や離職率の改善といった両病院共通の課題を研究、分析することを狙う。  名大病院によると、両大は2006年に学術交流協定を締結し、学生の相互交流をしてきた。医師と比べて看護師の交流の機会は少なく、病院同士の協定を新たに結ぶことになった。 "[he-forum 17162] 信濃毎日新聞7/12 信濃毎日新聞2012年7月12日付 法科大学院中心の法曹養成 現行制度に疑問58% 県弁護士会  県弁護士会は11日、県内弁護士を対象に実施した法曹(裁判官、検察官、弁護士)の養成制度などに関するアンケートをまとめた。法科大学院を中心とした現行制度では多様で質の高い法曹養成は達成できない―と考える弁護士が回答者の過半数を占めた。  アンケートは、同会司法制度調査会が5月に県内の全弁護士(201人)を対象に行い、73人(36・3%)から回答を得た。現在の養成制度で多様で質の高い法曹養成が達成できていると「思わない」と答えたのは58・9%で、「思う」の5・5%を大きく上回った。  同調査会委員長の小林正弁護士(長野市)によると、「法科大学院の導入で人材が均一化した」「経済的余裕がなければ法曹になれない」などの意見があったという。一方、適切な法曹養成制度については「現行制度を基本に修正を図る」が23・4%、「旧司法試験制度を基本としつつ修正を図る」が16・9%などと意見が割れた。  また、現在全国に3万2千人余いる弁護士の適正と思う数を問う質問では「3万人」が35・6%、「4万人」が15・1%、「2万人」が12・3%などとなった。  小林弁護士は「養成制度を軌道修正しないと、弁護士の質が低下する恐れがある」とし、県弁護士会の総会や市民集会などを通じ、問題意識を広げたいとしている。 "[he-forum 17163] 原子力基本法改悪問題を教授会に提起 佐賀大学の豊島です. 原子力基本法に「わが国の安全保障」という言葉を入れるという暴挙 が,ほとんど誰も気付かないうちに行われました.しかも,下位法とも 言うべき「原子力規制委員会設置法」の「附則」で上位法の基本法の, しかもその根幹部分を変えるという「裏技」です.このため,国会には 原子力基本法の改正という議案は出されていないのです. 「安全保障」という言葉が,軍事を含む防衛という意味であることは常 識で,したがって原子力研究,利用に安全保障目的を加えると言うこと は,核兵器開発に道を開くことになります. 昨日開かれた,私の所属する教授会(佐賀大学工学系研究科教授会) に,この問題を提起しました.大学や教員の「社会貢献」が自己点検・ 評価の項目にあるのだから,このような重大問題を見過ごすことは出来 ない,と説得しました.また,イランなどのいわゆる核疑惑に対して日 本政府が批判や制裁を口にしていることとも矛盾する,とも述べました. その結果,議長(研究科長・学部長)は,各専攻科(学科)に持ち帰っ て検討し,次回の代議員会(学科の代表会)で議論することになりまし た. 教授会の発言で使ったスライドを次に置いています.すでに教授会メン バーからはかなりのアクセスがあります. http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/docs/FM/ スライドの目次です. 改正された法律文・・・・・・・・・・1 日本学術会議の1950年声明・・・・・・2 世界平和アピール七人委員会の声明・・3 東京新聞の記事 ・・・・・・・・・・・4 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 17164] V7/12"," 朝日新聞 2012年7月12日 教員免許更新制の廃止先送り 中央審議会最終まとめ案  自民党から民主党に政権交代したあと、 "[he-forum 17165] 大学政策転換についての二つの文書 全国のみなさんへ 茨城大学教職員組合です。 委員長の深谷が、今回の大学改革に関係して、二つの文書をまとめました。 茨城大学の教職員組合で、組合員の学習と討議に使おうと考えています。 参考までに、送付します。 二つの文書は、 「国公私学大学政策の転換へ」と「国立大学法人 一法人複数大学化の意義」と です。 ■「国公私学大学政策の転換へ」(最新版に差し替えました)   →http://www.ibakyo.or.jp/iincho/ronnbunn/120725ronbun-10.pdf ■「国立大学法人 一法人複数大学化の意義」   →http://www.ibakyo.or.jp/iincho/ronnbunn/120713ronbun-11.pdf 2012.7.13 執行委員会 ==================================== 茨城大学教職員組合 〒310-8512 茨城県水戸市文京2-1-1 Phone/Fax:029-228-3060 e-mail:ibakyo@bd.wakwak.com URL:http://www.ibakyo.or.jp/ ==================================== "[he-forum 17166] 読売新聞7/12 読売新聞2012年7月12日付 阪大受講で高校の単位に…府教委が連携協定  大阪大と大阪府教委は11日、次世代のリーダーとなる人材を育成することを目指した「高大連携」に関する協定を締結した。  これまでも各高校と各学部などの間で個別に連携する例はあったが、今後は包括的に取り組みを進める。  大学進学実績の向上に力を入れる「進学指導特色校」に指定された府立高校10校を中心に、〈1〉阪大の教員らを講師として派遣〈2〉高校生が大学1年生の授業を受けて高校の単位として認定〈3〉夏休み期間中に阪大が開くセミナーに高校生が参加――などの取り組みの実施を検討する。  大阪市内で協定書に調印した大阪大の平野俊夫総長は「高校生に阪大の魅力を直接知ってもらい、進路選択の参考にしてもらいたい」と期待した。  府教委の中西正人教育長は「知的好奇心が刺激され、チャレンジすることを目指す生徒が増えるよう願う」と述べた。 "[he-forum 17167] 茨城新聞7/14 茨城新聞2012年7月14日付 天心が縁、2大学連携 茨城大と横浜国大、六角堂資料30点寄贈  茨城大(池田幸雄学長)は13日、明治期の美術思想家、岡倉天心が生誕した横浜市の横浜国大(鈴木邦雄学長)に対し、東日本大震災の津波で流失し今年4月、創建当時を模して復元した六角堂(北茨城市)の鬼瓦など資料計30点を寄贈した。来年、天心生誕150年を迎えることから、横浜国大は記念事業としてこれらを学内に展示し、シンポジウム開催なども予定。池田学長は「岡倉天心から学ぶべきものを共有したい」、鈴木学長は「学術面でも交流を深めたい」とし、天心が結ぶ連携の幅を広めたい意向だ。  茨城大によると、寄贈は横浜国大側から茨城大に依頼があった。横浜国大は、来年の記念事業に当たり、天心の五浦在住に関わる六角堂の資料が不可欠と判断した。  寄贈品は、流失して海中から回収された元の鬼瓦のほか、今回の復元で新たに作られた鬼瓦、イギリスに特注した窓ガラス、年表や写真などのパネル資料など。  同日、水戸市文京2丁目の茨城大で、贈呈式があり、池田学長が鈴木学長に寄贈品を直接手渡した。鈴木学長は「茨城大が迅速に六角堂を復興したことに感動した。茨城大のパワーを見せてもらった」と、感謝の言葉を述べた。  岡倉天心は、1863年の誕生から11歳まで横浜で過ごしたという。  横浜国大では、寄贈品を学内のミュージアムに展示する方針。鈴木学長は「横浜は生誕地でありながら、岡倉天心についてあまり知られていない。記念事業をきっかけに学生にPRしたい」との方針を示した上で、「知的財産を共有することで、国立大としての存在価値が高められる」と、茨城大との連携の意義を強調した。 "[he-forum 17168] 毎日新聞三重6/30 毎日新聞三重版2012年6月30日付 三重大:上野市駅前に「知の拠点」 忍者、まちづくり産学官 /三重  三重大は29日、伊賀市の上野市駅前再開発ビル「ハイトピア伊賀」内にサテライトオフィス「伊賀連携フィールド」を開設した。市、上野商工会議所と連携し「忍者」と「まちづくり」を軸にした研究や教育活動を進める。市民講座も開き「知の拠点」として大学のない伊賀地域の発展を目指すという。【矢澤秀範】  上野商議所の3階フロアにある「地域活性化センター」(約40平方メートル)に開設した。人文学部が中心となり、伊賀に密着した研究や現地授業、まちづくりの提案などを行う。記者会見で樹神(こだま)成・人文学部長は「日本は東京・秋葉原や京都だけではない。留学生にも来てもらい、伊賀を世界に発信できたら」と話した。誘致にあたった商議所の田山雅敏副会頭は「商議所内に大学機能があるのは、おそらく日本初で画期的なこと。産学連携で伊賀市の活性化を図りたい」と期待を込めた。  今年度は「忍者文化」に着目した学術研究を進める。国内外の忍者に関する文献・アニメ・映画などをデータベース化するほか、伊賀流忍者博物館所蔵の古文書整理、市民向けの連続講座(無料)を開催する。 "[he-forum 17169] 河北新報7/10 河北新報2012年7月10日付 東北大がILC推進協 岩手県の誘致後押し  東北大は、岩手県が県南部の北上山地に誘致を目指す超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の実現を後押しするため、「東北大ILC推進協議会」を設置した。  協議会は、委員長の伊藤貞嘉研究・環境安全担当理事、数井寛産学連携担当理事ら委員14人で構成。7月下旬に初会合を開いた後、誘致に向けた現地の地質調査を行うほか、ILCを活用した東北地域の産業振興の可能性を探る。  素粒子物理研究をめぐっては、欧州合同原子核研究所(CERN、スイス)が4日、二つの国際チームによる大型加速器を使った実験で、物質の質量の起源となる「ヒッグス粒子」とみられる新粒子を発見したと発表した。  ILCは全長約30キロに達する高エネルギー電子・陽電子加速器。「ヒッグス粒子」発見のためCERNで1~2年かかった実験を、1日で行うことができるという。  世界中から常時数千人の科学者や技術者が集まり、数十年にわたって素粒子物理研究の中心的な役割を担うとされる。  協議会委員を務める大学院理学研究科の山本均教授は「今後の素粒子物理学は、ヒッグス粒子の精査・検証が主な研究課題になる。誘致が実現すれば、この分野で実績のある東北大がILCの研究拠点になることが期待される」と話している。 "[he-forum 17170] 秋田魁新報7/13 秋田魁新報2012年7月13日付 あきた 医療を問う 第3部・人材育成 [寄付講座] 実技通じ総合力養う 県全体で教育体制支援  医師役 どのような痛みがありますか。  患者役 頭が脈打つように痛くて。それがいつも片側だけなんです。  秋田大学医学部の入学して間もない1年生120人を対象とした初年度ゼミ。先月行われたゼミでは、学生が医師役と患者役に分かれ頭痛について模擬診断する授業を行っていた。  「コミュニケーションで良かった点、悪かった点はありますか」。一つの班の発表が終わると、長谷川仁志教授が問い掛ける。学生からは「良性の頭痛と緊急性の高い頭痛の区別をもっとすべきではないか」などの意見が出た。   ■―――■  秋田大医学部は2011年度から、1年生を対象に、一般市民から募った模擬患者相手に医療面接の実技試験を実施している。臨床能力の向上を目的とした医療面接を1年時に行うのは、全国で初の取り組み。ゼミの模擬診断は、医療面接に向けたトレーニングの一環で、頭痛のほか、胸痛、腹痛、めまいの症状を学ぶ。  全国的に見ると、1年時は座学を中心とする医学部が大半であり、秋田大の取り組みは注目されているという。  初年度ゼミを担当するのは、「総合地域医療推進学講座」。県が08年10月に開設した寄付講座だ。入学直後から人間性やコミュニケーション能力、幅広い診療力など将来、何科に進んでも対応できる総合力を身に付けさせ、患者中心の医療を実践できる医師の育成を目指す。  学生の総合力を養う初年度ゼミに加え、09年度からは1、3年生を対象に、学生が医学部各科と県内の臨床研修病院を交互に見学する早期臨床実習も実施。地域医療の実情に触れる機会を増やしている。医療面接同様、在学中の早い段階で大学と病院を行き来し見学する実習は、全国的にも珍しい。  早期臨床実習を経験した4年の男子学生(23)は「患者と直接話す機会があり、医師として頑張りたいという気持ちがより強くなった。実習先で見学した事例を、その後の授業で学ぶこともあり、モチベーションも上がった」と話す。  講座の取り組みは学生たちにとって、県内医療現場で働くやりがいを実感する機会となっている。受け入れる病院側も、早期から学生教育に携わることで、病院としての指導力が向上しているという。   ■―――■  長谷川教授は「大学と県内各病院の熱意ある指導医の先生たちによって、1年時から卒業後の初期臨床研修(2年間)まで8年間にわたり、県全体でよりよい医師を育てようという教育体制が充実しつつある」と話す。  県は「高齢化社会が進む中、総合力を持った医師の育成は重要」と寄付講座設置の意義を強調。「学部教育の段階で総合力を身に付けながら、県内地域医療の現場を体感し、関心を抱いてもらえることはありがたい。本県の医療現場で活躍する人材の輩出に期待している」としている。 県が設置する秋田大医学部の寄付講座  県内の医師不足解消に向けて、県が人件費などの費用を寄付し大学に設置する講座。総合力のある医師養成を目指す「総合地域医療推進学講座」(2008年10月設置)と、医師派遣システムの実践的研究に取り組む「地域医療連携学講座」(10年7月設置)があり、本年度の県の負担額は2講座合わせて1億6500万円。 "[he-forum 17171] 日本経済新聞7/16 日本経済新聞2012年7月16日付 産官学で「成年後見人」支援組織 担い手不足解消  経済産業省、東京大学、損害保険ジャパンなどは9月、認知症などで判断能力が低下した人の生活を守る「成年後見人」を支援する新組織の運営を始める。後見人への助言サービスに加え、後見業務を手がける特定非営利活動法人(NPO法人)の設立を支援する。親族以外の第三者の成年後見人を増やし、担い手不足を解消する。  今月設立した新組織は一般社団法人の「後見人サポート機構」。代表理事は成年後見制度の創設にかかわった小池信行弁護士と元日本生命保険副社長の正田文男氏が就いた。東大内に事務所を置き、経産省が運営費を補助する。運営に必要な基金は企業などから1億円を集め、寄付も募る。  9月から後見人や後見人をめざす人を会員として募り、支援する。東大の後見人養成講座の修了生らの加入も見込んでいる。10年以内に全国に8拠点を設置する。  成年後見人の制度は2000年に始まった。裁判所が選び、認知症の高齢者や知的障害者の契約や財産管理を代行する。推定で12万人に上り、その9割は親族とされる。後見人による財産の横領も多発している。第三者の成り手を増やし、質を高めることが急務となっていた。 "[he-forum 17172] 毎日新聞青森7/18 毎日新聞青森版2012年7月18日付 弘前大:教職員ら給与削減で抗議 294人の署名提出  弘前大の教職員らで作る弘大職員組合(約100人、ビクター・カーペンター委員長=人文学部教授)は17日、大学側が1日から職員給与を平均7・8%削減したことに抗議する集会を弘前市の文京町キャンパスで開き、非組合員を含む294人の抗議署名を提出した。結成45年の組合でこうした抗議活動は初めてという。  組合によると、大学は5月下旬、文部科学省の大学運営費交付金が今年度約8億円減額されるとの見通しから給与削減を提案したという。組合は「大学は団体交渉や折衝で、国家公務員の給与削減に沿った文科省の要請に従うとする説明の域を出なかった。04年の国立大学法人化で給与は労使間で自主的に決められるはずなのに、大学は使用者責任を果たしていない」と批判。給与削減の撤回や削減根拠の明示などを求めている。【松山彦蔵】 "[he-forum 17173] 朝日新聞福島7/19 朝日新聞福島版2012年7月19日付 「環境と放射能」の先端研究拠点を ●福島大が設立構想  福島大学は18日、原発事故による放射性物質の移動や影響を解明するための研究機関「環境放射能研究所」を設立する構想を発表した。国内外の研究機関と連携して、放射能対策で国際的な先端研究拠点をめざす。国の大学改革事業に名乗りを挙げており、予算が認められれば今秋にも発足する見通しだ。  すでに大学役員室を事務局とする準備委員会を発足させた。メンバーには同大のほか、放射線医学総合研究所や筑波大、広島大、長崎大など放射能研究で知られる研究機関からの参加が予定されている。  高橋隆行・福島大副学長は、チェルノブイリ原発があるウクライナ(旧ソ連)は平坦(へいたん)な地形で雨が少ない気候であるのに対し、福島第一原発が立地する福島は急峻(きゅうしゅん)で雨が多いほか、土壌の性質や植生も異なると説明。放射性物質の今後の移動や除染の効果、環境への影響などについて長期間にわたる研究が必要と指摘する。  このため、福島大はすでに連携協定を結んでいるベラルーシ大学のほか、米、英、独、仏、ロシアや国内の大学との共同研究を模索。放射線の基礎や環境、生態、情報科学など様々な研究分野の拠点を整備することにした。  主な研究内容として、(1)放射性物質の長期的な移動(2)測定技術の開発(3)食物連鎖のメカニズム(4)気象の影響(5)資料やデータの保管――などを想定している。  国の国立大学改革強化推進事業に数億円の予算を申請している。採択されれば10月にも、研究分野ごとにスタッフを置く組織を作り、来年度以降に専用施設の建設をめざす。最終的に約30人の態勢をめざす。採択されない場合も時期を延ばし、設立の考えは捨てないという。  高橋副学長は「今回の事故で学術研究拠点はまだなく、福島大が世界の拠点として役立ちたい」と話す。(渡辺康人) "[he-forum 17174] 朝日新聞7/20 朝日新聞2012年7月20日付 学生集まらぬ法科大学院、補助金カットへ  文部科学省は19日、学生が集まらない法科大学院を、補助金カットの対象とする方針を中央教育審議会法科大学院特別委員会で示し、了承された。近く具体的な基準を作り、2014年度から適用する。  学生数があまりに少ないと、討論形式の授業がしにくいなど、教育の質が下がるとの指摘がある。補助金カットの条件を従来より広げ、定員に対する学生数の割合が低い大学院の撤退を促す狙いがある。  従来の条件は、前年度入試の競争倍率が2倍未満で、「合格率が全国平均の半分未満」「その年の春の修了者のうち司法試験を受けた人が半数未満で、その合格率も全国平均の半分未満」のどちらかが3年間続いていること。今年度から適用され、全国73校(募集停止中の1校を除く)のうち6校が対象になった。そのうちの2校が統合を、1校は募集停止を決めた。 "[he-forum 17175] 毎日新聞青森7/21 毎日新聞青森版2012年7月21日付 弘前大:新エネルギーの研究コース新設 大学院に来年度  弘前大(佐藤敬学長)は、大学院理工学研究科に「新エネルギー創造工学コース」(定員約10人)を来春新設する方針を明らかにした。初の海外事務所を13日に中国・大連理工大エネルギー研究所内に開設した一環として、交流発展のため同大にも留学を呼びかけたいという。  コースは地熱やバイオマス、太陽光発電など、自然資源を活用した新エネルギーの研究や人材育成が目的。【松山彦蔵】 "[he-forum 17176] 日本経済新聞7/18 日本経済新聞2012年7月18日付 燕三条地場産センター、新潟大大学院と包括連携 経営力磨く  新潟県燕市と三条市などが出資する燕三条地場産業振興センターは26日、新潟大学大学院技術経営研究科と包括連携協定を結ぶ。民間企業出身者など技術と経営に詳しい教員が在籍する同研究科と組むことで、燕三条地域の中小企業の経営力を高める狙い。  26日に同センターで、理事長の鈴木力燕市長と同研究科の野中昌法研究科長が出席し、協定の調印式を開く。  同センターが大学と連携協定を結ぶのは今回が初めて。  2、3カ月に1度、同研究科の教員による講演会を開くほか、各企業が持つ個別課題について助言する機会なども設ける。同研究科は技術と経営の両方に精通する自動車や電機など大手メーカー出身の教員らを抱える。  一方、燕三条地域には技術力に優れた企業が多いものの、企業戦略を立てるといった経営面の力量が不足している企業も少なくないという。  26日の調印式後には記念講演会を開く。ヤンマー出身で同研究科の田中亨特任教授による「日本企業とグローバル化」と題した講演などが予定されている。 "[he-forum 17177] 朝日新聞7/19 朝日新聞2012年7月19日付 就活開始、大学6割が「遅らせて」朝日新聞・河合塾調査  大学生の就職活動の開始時期について、全国の大学の約6割が、現在の「3年生の12月」より遅らせるよう望んでいることが、朝日新聞社と河合塾の「ひらく 日本の大学」調査でわかった。企業の採用選考についても、約5割が現在の「4年生の4月」からの先送りを望んでいる。大規模校ほど先送りを望む傾向が強かった。  調査にはすべての国公私立大学計741校のうち、約82%の611校から回答があった。  来春の大学卒業予定者の就職活動は、経団連が倫理憲章を改めたことで前年より2カ月遅い3年生の12月に本格化。企業の採用選考は前年と同じ4年生の4月に本格化した。  調査では、就職活動と採用選考開始にふさわしいと思う時期をそれぞれ選択肢から答えてもらった。就職活動について、今より遅い時期を選んだ大学は計59.2%に達した。3年生の1~3月が21.4%、4年生の4~6月が24.9%を占め、4年生の7月以降とした大学も12.9%あった。今より早い時期を望む大学は13.4%だった。今のまま3年生の12月としたのが21.6%だった。  一方、採用選考開始の時期としては、5割近くが今より遅い時期を選んだ。中でも、選択肢の中で最も遅い「4年生の7~9月」が全体で37.6%で、1学年の学生数が3千人以上の大規模校では78.3%にも上った。  先送りを求める理由としては、「(学内の)試験などを尊重した採用日程を組み、学生としての適正な教育・研究環境に配慮を」(早稲田大)、「平日は学業優先にし、採用活動は夕方や土日にしてほしい」(明治大)といった声が出た。  「卒論やゼミなど自主的勉学の時間がとれず、大学らしい学びが崩壊状況にある」(岩手大)、「大学生は実質3年間しか勉強しておらず、日本の人材育成にマイナス」(尾道大)など、就職活動が学業を圧迫する現状を憂える声が多かった。  一方で、小規模な大学を中心に、先送りに否定的な意見もあった。北陸学院大の担当者は「有名校なら学生の意識も高く、短期決戦でも勝ち残れるが、小規模校では就職活動の期間が長い方がチャンスが増える」と話した。高知県立大は「一斉にエントリーする都会の大学と違い、地元企業から直接大学に求人が来ることが多く、採用が遅くなっても効果が薄い」、至学館大は「採用が遅くなれば活動期間が短くなり、学生の選択の幅が狭まる」とした。  また、就職活動開始が2カ月遅くなった一方で、採用選考は4年生の4月解禁のままとなっていることについて、「学生の就職活動期間が短くなり、選考開始を遅らせないと企業や業界の研究が不十分になる」(福岡大)、「期間がタイトになり、説明会や採用試験が重なって機会を損失している」(名古屋工業大)など、懸念の声があった。  経団連は、2014年春卒業の学生についても今季のルールをそのまま適用する方針だ。(工藤隆治) "[he-forum 17178] ??7/24"," しんぶん赤旗 2012年7月24日(火) 教員養成 修士レベル化 中教審が答申案 免許更新制は存続  中央教育審議会(文部科学相の諮問機関、会長=三村明夫新日鉄会 "[he-forum 17179] 神戸新聞7/24 神戸新聞2012年7月24日付 ひょうご産学官連携会発足へ 成長分野を共同研究  兵庫県は8月2日、県内企業や大学の研究機関、新産業創造研究機構(NIRO)などと、成長分野の共同研究を推進する「ひょうご産学官連携研究会」を設立する。新しい省エネ機器の開発などを目指して、大学などが持つ技術シーズ(種)を公開するほか、中小企業の市場参入に向けた勉強会も開いていく。  同研究会は、昨夏に発足し各機関を仲介するコーディネーター120人がいる「ひょうご産学官連携コーディネーター協議会」内に事務局を置く。県内の製造業130社が交流する「兵庫イノベーション集積協議会」と連携し、中小企業の事業創出などに重点を置く。  当面は、成長が期待される「新エネルギー」と「環境・資源・リサイクル」の2分野で研究会を設ける。再生可能エネルギーや廃棄物処理、海水淡水化などの新技術や市場動向を把握する勉強会を開き、産学や企業間のマッチングを行う予定。  同研究会の設立を記念したセミナーを同日午後1時から、神戸・ポートアイランドの神戸大統合研究拠点で開く。田中耕一記念質量分析研究所の神野正文課長による「温度差で遊ぶ‐スターリングエンジンの紹介」などの講演がある。参加無料。同研究会事務局TEL078・306・6801 (桑名良典) "[he-forum 17180] 中日新聞7/24 中日新聞2012年7月24日付 職員派遣協定を締結 名大病院とソウル大病院 【ソウル=辻渕智之】名古屋大病院(名古屋市昭和区)と韓国のソウル大病院は23日、看護師ら病院職員を相互派遣する協定の締結式をソウル大病院で開いた。松尾清一、丁憙源(チョンヒウォン)両院長らが出席した。  看護部門が中心となって現場レベルで海外の病院と協定を結ぶのは国立大病院で初めて。松尾院長はあいさつで「チーム医療という観点からも看護師レベルに交流を広げることによって、アジアで中核的な存在の両病院が世界をリードする新しいヘルスケアや医療システムを構築できると信じる」と語った。  名大病院側からは三浦昌子看護部長、若園尚美副看護部長、西脇公俊麻酔科教授、粕谷英樹国際交流室長らも出席した。  派遣は本年度内に1週間から3カ月の期間で始め、対象は実務経験が5年以上の看護師。世界的に研究レベルの高いソウル大病院で看護ケアの実践や新人教育の方法などを学ぶ。将来は放射線技師や薬剤師にも派遣範囲を拡大する。ソウル大病院からも9月に看護師を受け入れる。 "[he-forum 17181] 東京新聞社説7/23 東京新聞社説2012年7月23日付 教員養成改革 「修士レベル」は要らない  力量のある先生をどう育てるか。中央教育審議会の特別部会は修士レベルの学びが必須だと結んだ。だが、それで学校現場の抱える課題をクリアできるのか疑わしい。頭でっかちの先生は要らない。  特別部会の話し合いは結論ありきだった印象が強い。小中高などの先生になるには大学院修士課程の修了を条件とするという民主党の公約が出発点だったからだ。  将来の学校教育はどうあるべきか。どんな先生が求められ、どう養成するのか。そんな素朴だが、肝心な問いに答えるやりとりは抜け落ちていた。  グローバル競争社会にあって子どもの学力を向上させる。いじめや不登校、障害のある子にきめ細かく対応する。先生には高度の知識と技能が必要とされている。  だから大学四年間に加え、実習を組み込んだ一~二年ほどの修士レベルの課程を修めさせる仕組みにする。それが特別部会が打ち出した改革の要点だ。理論と実践の積み重ねこそ優れた先生を輩出するという発想のようだ。  しかし、それでは研究者の養成ではないか。専門職とはいえ医師や弁護士などとは違い、先生が向き合うのは繊細で未完の子どもたちだ。理屈や法則通りに物事が運ばない方がむしろ自然だろう。  大津市の男子中学生の自殺問題では、教育委員会や学校が責任逃れや自己保身に躍起の様子だ。  学校は「いじめのない学校づくり」を宣言していた。男子がいじめられて自殺したとすれば看板倒れだ。そんな論理と心理が、いじめを見聞きしたという子どもたちの訴えを封殺したのではないか。  子どもへの愛情や信頼、そして教育への情熱を欠いては先生の仕事は務まらない。それは大学院で学んだからといって備わる資質や能力ではない。  高学歴化を図るよりも職場環境の改善が先決だ。今の先生は雑務に追われ、子どもと触れ合うゆとりがない。山ほどの報告書を作ったり、めじろ押しの行事をこなしたりと枚挙にいとまがない。  授業の計画や教材の研究、保護者面談や家庭訪問といった大事な活動は二の次だ。人事や予算を左右する学校運営の評価制度が先生を萎縮させたり、不祥事を隠そうとしたりする土壌となっている。そんな指摘がある。  先生が生涯学び続ける姿勢は大切にしたい。だが、文部科学省のお手盛りにも映る「教職大学院の拡充」は必要あるまい。先生は教壇に立ってこそ鍛えられるのだ。 "[he-forum 17181] 東京新聞社説7/23","東京新聞社説2012年7月23日付 教員養成改革 「修士レベル」は要らない  力量のある先生をどう育てるか。中央教育審議会の特別部会は修士レベルの学びが必須だと結んだ。だが、それで学校現場の抱える課題をクリアできるのか疑わしい。頭でっかちの先生は要らない。  特別部会の話し合いは結論ありきだった印象が強い。小中高などの先生になるには大学院修士課程の修了を条件とするという民主党の公約が出発点だったからだ。  将来の学校教育はどうあるべきか。どんな先生が求められ、どう養成するのか。そんな素朴だが、肝心な問いに答えるやりとりは抜け落ちていた。  グローバル競争社会にあって子どもの学力を向上させる。いじめや不登校、障害のある子にきめ細かく対応する。先生には高度の知識と技能が必要とされている。  だから大学四年間に加え、実習を組み込んだ一~二年ほどの修士レベルの課程を修めさせる仕組みにする。それが特別部会が打ち出した改革の要点だ。理論と実践の積み重ねこそ優れた先生を輩出するという発想のようだ。  しかし、それでは研究者の養成ではないか。専門職とはいえ医師や弁護士などとは違い、先生が向き合うのは繊細で未完の子どもたちだ。理屈や法則通りに物事が運ばない方がむしろ自然だろう。  大津市の男子中学生の自殺問題では、教育委員会や学校が責任逃れや自己保身に躍起の様子だ。  学校は「いじめのない学校づくり」を宣言していた。男子がいじめられて自殺したとすれば看板倒れだ。そんな論理と心理が、いじめを見聞きしたという子どもたちの訴えを封殺したのではないか。  子どもへの愛情や信頼、そして教育への情熱を欠いては先生の仕事は務まらない。それは大学院で学んだからといって備わる資質や能力ではない。  高学歴化を図るよりも職場環境の改善が先決だ。今の先生は雑務に追われ、子どもと触れ合うゆとりがない。山ほどの報告書を作ったり、めじろ押しの行事をこなしたりと枚挙にいとまがない。  授業の計画や教材の研究、保護者面談や家庭訪問といった大事な活動は二の次だ。人事や予算を左右する学校運営の評価制度が先生を萎縮させたり、不祥事を隠そうとしたりする土壌となっている。そんな指摘がある。  先生が生涯学び続ける姿勢は大切にしたい。だが、文部科学省のお手盛りにも映る「教職大学院の拡充」は必要あるまい。先生は教壇に立ってこそ鍛えられるのだ。 "[he-forum 17180] 中日新聞7/24","中日新聞2012年7月24日付 職員派遣協定を締結 名大病院とソウル大病院 【ソウル=辻渕智之】名古屋大病院(名古屋市昭和区)と韓国のソウル大病院は23日、看護師ら病院職員を相互派遣する協定の締結式をソウル大病院で開いた。松尾清一、丁憙源(チョンヒウォン)両院長らが出席した。  看護部門が中心となって現場レベルで海外の病院と協定を結ぶのは国立大病院で初めて。松尾院長はあいさつで「チーム医療という観点からも看護師レベルに交流を広げることによって、アジアで中核的な存在の両病院が世界をリードする新しいヘルスケアや医療システムを構築できると信じる」と語った。  名大病院側からは三浦昌子看護部長、若園尚美副看護部長、西脇公俊麻酔科教授、粕谷英樹国際交流室長らも出席した。  派遣は本年度内に1週間から3カ月の期間で始め、対象は実務経験が5年以上の看護師。世界的に研究レベルの高いソウル大病院で看護ケアの実践や新人教育の方法などを学ぶ。将来は放射線技師や薬剤師にも派遣範囲を拡大する。ソウル大病院からも9月に看護師を受け入れる。 "[he-forum 17179] 神戸新聞7/24","神戸新聞2012年7月24日付 ひょうご産学官連携会発足へ 成長分野を共同研究  兵庫県は8月2日、県内企業や大学の研究機関、新産業創造研究機構(NIRO)などと、成長分野の共同研究を推進する「ひょうご産学官連携研究会」を設立する。新しい省エネ機器の開発などを目指して、大学などが持つ技術シーズ(種)を公開するほか、中小企業の市場参入に向けた勉強会も開いていく。  同研究会は、昨夏に発足し各機関を仲介するコーディネーター120人がいる「ひょうご産学官連携コーディネーター協議会」内に事務局を置く。県内の製造業130社が交流する「兵庫イノベーション集積協議会」と連携し、中小企業の事業創出などに重点を置く。  当面は、成長が期待される「新エネルギー」と「環境・資源・リサイクル」の2分野で研究会を設ける。再生可能エネルギーや廃棄物処理、海水淡水化などの新技術や市場動向を把握する勉強会を開き、産学や企業間のマッチングを行う予定。  同研究会の設立を記念したセミナーを同日午後1時から、神戸・ポートアイランドの神戸大統合研究拠点で開く。田中耕一記念質量分析研究所の神野正文課長による「温度差で遊ぶ‐スターリングエンジンの紹介」などの講演がある。参加無料。同研究会事務局TEL078・306・6801 (桑名良典) "[he-forum 17178] しんぶん赤旗7/24","しんぶん赤旗 2012年7月24日(火) 教員養成 修士レベル化 中教審が答申案 免許更新制は存続  中央教育審議会(文部科学相の諮問機関、会長=三村明夫新日鉄会長)は23日、教員養成期間として大学4年間に加えて大学院修士課程レベルの履修 を求める「教員の資質能力の向上方策について」の答申案をまとめました。答申案は、教員免許更新制については存続の方向を示しました。  答申案は改革の方向として「教員の高度専門職業人としての位置づけを確立するため教員養成を修士レベル化する」としました。それに向け教員免許を 学士課程(大学)修了レベルの「基礎免許状」、大学院修士課程で1~2年の学修を標準とする「一般免許状」、特定分野で「高い専門性を身に付けた」ことを 証明する「専門免許状」の3段階にすることを提起しました。  「基礎免許状」取得者は「早期に『一般免許状』を取得することが期待される」とし、「『一般免許状』取得後に教員として採用」「『基礎免許状』を 取得し、教員採用後一定期間のうちに修士レベルの課程等での学修により『一般免許状』を取得」などを例示。「地域の実情に応じた様々な試行の積み重ねが必 要」としました。  「専門免許状」は「学校経営、生徒指導、進路指導、教科指導」など分野ごとに設けるとしています。  教員免許更新制は「講習の質を向上するなど必要な見直しを推進する」としています。  一方、「教員は日々の教育実践や授業研究等の校内研修、近隣の学校との合同研修会、民間教育研究団体の研究会への参加、自発的な研修によって、学び合い、高め合いながら実践力を身につけていく」と校内研修や自主研修の重要性にもふれています。 実態考慮していない  全日本教職員組合(全教)の得丸浩一・教文局長の話 答申案は、子どもに寄り添う教師ではなく、「エリート」を育てる教師を育成することが目標になっていると感じます。  教員の資質向上どころか現場を苦しめている免許更新制は直ちに廃止するべきです。全教のアンケートでも8割が「廃止すべきだ」と答えています。  教員養成の修士レベル化は、「新たな学びに対応した授業スタイル」や「高学歴化の進展」のためとされ、子どもたちの実態を考慮しているとは思えま せん。世界一といわれる日本の大学の高学費も解決の道筋は示されず、学費負担が大変で、教師になる道が狭められる恐れがあります。  免許を3ランクにすることも問題です。免許の種別によって職務上の位置付けに差異をつけたり、勤務労働条件に格差を生じさせることにつながりかねませんし、職場のチームワークを破壊します。  「教員の資質向上」は、答申案が強調する個々の教員の資質向上にとどまらず、学校総体としての教育力の向上という視点を欠いてはなりません。 "[he-forum 17177] 朝日新聞7/19","朝日新聞2012年7月19日付 就活開始、大学6割が「遅らせて」朝日新聞・河合塾調査  大学生の就職活動の開始時期について、全国の大学の約6割が、現在の「3年生の12月」より遅らせるよう望んでいることが、朝日新聞社と河合塾の「ひらく 日本の大学」調査でわかった。企業の採用選考についても、約5割が現在の「4年生の4月」からの先送りを望んでいる。大規模校ほど先送りを望む傾向が強かった。  調査にはすべての国公私立大学計741校のうち、約82%の611校から回答があった。  来春の大学卒業予定者の就職活動は、経団連が倫理憲章を改めたことで前年より2カ月遅い3年生の12月に本格化。企業の採用選考は前年と同じ4年生の4月に本格化した。  調査では、就職活動と採用選考開始にふさわしいと思う時期をそれぞれ選択肢から答えてもらった。就職活動について、今より遅い時期を選んだ大学は計59.2%に達した。3年生の1~3月が21.4%、4年生の4~6月が24.9%を占め、4年生の7月以降とした大学も12.9%あった。今より早い時期を望む大学は13.4%だった。今のまま3年生の12月としたのが21.6%だった。  一方、採用選考開始の時期としては、5割近くが今より遅い時期を選んだ。中でも、選択肢の中で最も遅い「4年生の7~9月」が全体で37.6%で、1学年の学生数が3千人以上の大規模校では78.3%にも上った。  先送りを求める理由としては、「(学内の)試験などを尊重した採用日程を組み、学生としての適正な教育・研究環境に配慮を」(早稲田大)、「平日は学業優先にし、採用活動は夕方や土日にしてほしい」(明治大)といった声が出た。  「卒論やゼミなど自主的勉学の時間がとれず、大学らしい学びが崩壊状況にある」(岩手大)、「大学生は実質3年間しか勉強しておらず、日本の人材育成にマイナス」(尾道大)など、就職活動が学業を圧迫する現状を憂える声が多かった。  一方で、小規模な大学を中心に、先送りに否定的な意見もあった。北陸学院大の担当者は「有名校なら学生の意識も高く、短期決戦でも勝ち残れるが、小規模校では就職活動の期間が長い方がチャンスが増える」と話した。高知県立大は「一斉にエントリーする都会の大学と違い、地元企業から直接大学に求人が来ることが多く、採用が遅くなっても効果が薄い」、至学館大は「採用が遅くなれば活動期間が短くなり、学生の選択の幅が狭まる」とした。  また、就職活動開始が2カ月遅くなった一方で、採用選考は4年生の4月解禁のままとなっていることについて、「学生の就職活動期間が短くなり、選考開始を遅らせないと企業や業界の研究が不十分になる」(福岡大)、「期間がタイトになり、説明会や採用試験が重なって機会を損失している」(名古屋工業大)など、懸念の声があった。  経団連は、2014年春卒業の学生についても今季のルールをそのまま適用する方針だ。(工藤隆治) "[he-forum 17176] 日本経済新聞7/18","日本経済新聞2012年7月18日付 燕三条地場産センター、新潟大大学院と包括連携 経営力磨く  新潟県燕市と三条市などが出資する燕三条地場産業振興センターは26日、新潟大学大学院技術経営研究科と包括連携協定を結ぶ。民間企業出身者など技術と経営に詳しい教員が在籍する同研究科と組むことで、燕三条地域の中小企業の経営力を高める狙い。  26日に同センターで、理事長の鈴木力燕市長と同研究科の野中昌法研究科長が出席し、協定の調印式を開く。  同センターが大学と連携協定を結ぶのは今回が初めて。  2、3カ月に1度、同研究科の教員による講演会を開くほか、各企業が持つ個別課題について助言する機会なども設ける。同研究科は技術と経営の両方に精通する自動車や電機など大手メーカー出身の教員らを抱える。  一方、燕三条地域には技術力に優れた企業が多いものの、企業戦略を立てるといった経営面の力量が不足している企業も少なくないという。  26日の調印式後には記念講演会を開く。ヤンマー出身で同研究科の田中亨特任教授による「日本企業とグローバル化」と題した講演などが予定されている。 "[he-forum 17175] 毎日新聞青森7/21","毎日新聞青森版2012年7月21日付 弘前大:新エネルギーの研究コース新設 大学院に来年度  弘前大(佐藤敬学長)は、大学院理工学研究科に「新エネルギー創造工学コース」(定員約10人)を来春新設する方針を明らかにした。初の海外事務所を13日に中国・大連理工大エネルギー研究所内に開設した一環として、交流発展のため同大にも留学を呼びかけたいという。  コースは地熱やバイオマス、太陽光発電など、自然資源を活用した新エネルギーの研究や人材育成が目的。【松山彦蔵】 "[he-forum 17174] 朝日新聞7/20","朝日新聞2012年7月20日付 学生集まらぬ法科大学院、補助金カットへ  文部科学省は19日、学生が集まらない法科大学院を、補助金カットの対象とする方針を中央教育審議会法科大学院特別委員会で示し、了承された。近く具体的な基準を作り、2014年度から適用する。  学生数があまりに少ないと、討論形式の授業がしにくいなど、教育の質が下がるとの指摘がある。補助金カットの条件を従来より広げ、定員に対する学生数の割合が低い大学院の撤退を促す狙いがある。  従来の条件は、前年度入試の競争倍率が2倍未満で、「合格率が全国平均の半分未満」「その年の春の修了者のうち司法試験を受けた人が半数未満で、その合格率も全国平均の半分未満」のどちらかが3年間続いていること。今年度から適用され、全国73校(募集停止中の1校を除く)のうち6校が対象になった。そのうちの2校が統合を、1校は募集停止を決めた。 "[he-forum 17173] 朝日新聞福島7/19","朝日新聞福島版2012年7月19日付 「環境と放射能」の先端研究拠点を ●福島大が設立構想  福島大学は18日、原発事故による放射性物質の移動や影響を解明するための研究機関「環境放射能研究所」を設立する構想を発表した。国内外の研究機関と連携して、放射能対策で国際的な先端研究拠点をめざす。国の大学改革事業に名乗りを挙げており、予算が認められれば今秋にも発足する見通しだ。  すでに大学役員室を事務局とする準備委員会を発足させた。メンバーには同大のほか、放射線医学総合研究所や筑波大、広島大、長崎大など放射能研究で知られる研究機関からの参加が予定されている。  高橋隆行・福島大副学長は、チェルノブイリ原発があるウクライナ(旧ソ連)は平坦(へいたん)な地形で雨が少ない気候であるのに対し、福島第一原発が立地する福島は急峻(きゅうしゅん)で雨が多いほか、土壌の性質や植生も異なると説明。放射性物質の今後の移動や除染の効果、環境への影響などについて長期間にわたる研究が必要と指摘する。  このため、福島大はすでに連携協定を結んでいるベラルーシ大学のほか、米、英、独、仏、ロシアや国内の大学との共同研究を模索。放射線の基礎や環境、生態、情報科学など様々な研究分野の拠点を整備することにした。  主な研究内容として、(1)放射性物質の長期的な移動(2)測定技術の開発(3)食物連鎖のメカニズム(4)気象の影響(5)資料やデータの保管――などを想定している。  国の国立大学改革強化推進事業に数億円の予算を申請している。採択されれば10月にも、研究分野ごとにスタッフを置く組織を作り、来年度以降に専用施設の建設をめざす。最終的に約30人の態勢をめざす。採択されない場合も時期を延ばし、設立の考えは捨てないという。  高橋副学長は「今回の事故で学術研究拠点はまだなく、福島大が世界の拠点として役立ちたい」と話す。(渡辺康人) "[he-forum 17172] 毎日新聞青森7/18","毎日新聞青森版2012年7月18日付 弘前大:教職員ら給与削減で抗議 294人の署名提出  弘前大の教職員らで作る弘大職員組合(約100人、ビクター・カーペンター委員長=人文学部教授)は17日、大学側が1日から職員給与を平均7・8%削減したことに抗議する集会を弘前市の文京町キャンパスで開き、非組合員を含む294人の抗議署名を提出した。結成45年の組合でこうした抗議活動は初めてという。  組合によると、大学は5月下旬、文部科学省の大学運営費交付金が今年度約8億円減額されるとの見通しから給与削減を提案したという。組合は「大学は団体交渉や折衝で、国家公務員の給与削減に沿った文科省の要請に従うとする説明の域を出なかった。04年の国立大学法人化で給与は労使間で自主的に決められるはずなのに、大学は使用者責任を果たしていない」と批判。給与削減の撤回や削減根拠の明示などを求めている。【松山彦蔵】 "[he-forum 17171] 日本経済新聞7/16","日本経済新聞2012年7月16日付 産官学で「成年後見人」支援組織 担い手不足解消  経済産業省、東京大学、損害保険ジャパンなどは9月、認知症などで判断能力が低下した人の生活を守る「成年後見人」を支援する新組織の運営を始める。後見人への助言サービスに加え、後見業務を手がける特定非営利活動法人(NPO法人)の設立を支援する。親族以外の第三者の成年後見人を増やし、担い手不足を解消する。  今月設立した新組織は一般社団法人の「後見人サポート機構」。代表理事は成年後見制度の創設にかかわった小池信行弁護士と元日本生命保険副社長の正田文男氏が就いた。東大内に事務所を置き、経産省が運営費を補助する。運営に必要な基金は企業などから1億円を集め、寄付も募る。  9月から後見人や後見人をめざす人を会員として募り、支援する。東大の後見人養成講座の修了生らの加入も見込んでいる。10年以内に全国に8拠点を設置する。  成年後見人の制度は2000年に始まった。裁判所が選び、認知症の高齢者や知的障害者の契約や財産管理を代行する。推定で12万人に上り、その9割は親族とされる。後見人による財産の横領も多発している。第三者の成り手を増やし、質を高めることが急務となっていた。 "[he-forum 17170] 秋田魁新報7/13","秋田魁新報2012年7月13日付 あきた 医療を問う 第3部・人材育成 [寄付講座] 実技通じ総合力養う 県全体で教育体制支援  医師役 どのような痛みがありますか。  患者役 頭が脈打つように痛くて。それがいつも片側だけなんです。  秋田大学医学部の入学して間もない1年生120人を対象とした初年度ゼミ。先月行われたゼミでは、学生が医師役と患者役に分かれ頭痛について模擬診断する授業を行っていた。  「コミュニケーションで良かった点、悪かった点はありますか」。一つの班の発表が終わると、長谷川仁志教授が問い掛ける。学生からは「良性の頭痛と緊急性の高い頭痛の区別をもっとすべきではないか」などの意見が出た。   ■―――■  秋田大医学部は2011年度から、1年生を対象に、一般市民から募った模擬患者相手に医療面接の実技試験を実施している。臨床能力の向上を目的とした医療面接を1年時に行うのは、全国で初の取り組み。ゼミの模擬診断は、医療面接に向けたトレーニングの一環で、頭痛のほか、胸痛、腹痛、めまいの症状を学ぶ。  全国的に見ると、1年時は座学を中心とする医学部が大半であり、秋田大の取り組みは注目されているという。  初年度ゼミを担当するのは、「総合地域医療推進学講座」。県が08年10月に開設した寄付講座だ。入学直後から人間性やコミュニケーション能力、幅広い診療力など将来、何科に進んでも対応できる総合力を身に付けさせ、患者中心の医療を実践できる医師の育成を目指す。  学生の総合力を養う初年度ゼミに加え、09年度からは1、3年生を対象に、学生が医学部各科と県内の臨床研修病院を交互に見学する早期臨床実習も実施。地域医療の実情に触れる機会を増やしている。医療面接同様、在学中の早い段階で大学と病院を行き来し見学する実習は、全国的にも珍しい。  早期臨床実習を経験した4年の男子学生(23)は「患者と直接話す機会があり、医師として頑張りたいという気持ちがより強くなった。実習先で見学した事例を、その後の授業で学ぶこともあり、モチベーションも上がった」と話す。  講座の取り組みは学生たちにとって、県内医療現場で働くやりがいを実感する機会となっている。受け入れる病院側も、早期から学生教育に携わることで、病院としての指導力が向上しているという。   ■―――■  長谷川教授は「大学と県内各病院の熱意ある指導医の先生たちによって、1年時から卒業後の初期臨床研修(2年間)まで8年間にわたり、県全体でよりよい医師を育てようという教育体制が充実しつつある」と話す。  県は「高齢化社会が進む中、総合力を持った医師の育成は重要」と寄付講座設置の意義を強調。「学部教育の段階で総合力を身に付けながら、県内地域医療の現場を体感し、関心を抱いてもらえることはありがたい。本県の医療現場で活躍する人材の輩出に期待している」としている。 県が設置する秋田大医学部の寄付講座  県内の医師不足解消に向けて、県が人件費などの費用を寄付し大学に設置する講座。総合力のある医師養成を目指す「総合地域医療推進学講座」(2008年10月設置)と、医師派遣システムの実践的研究に取り組む「地域医療連携学講座」(10年7月設置)があり、本年度の県の負担額は2講座合わせて1億6500万円。 "[he-forum 17169] 河北新報7/10","河北新報2012年7月10日付 東北大がILC推進協 岩手県の誘致後押し  東北大は、岩手県が県南部の北上山地に誘致を目指す超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の実現を後押しするため、「東北大ILC推進協議会」を設置した。  協議会は、委員長の伊藤貞嘉研究・環境安全担当理事、数井寛産学連携担当理事ら委員14人で構成。7月下旬に初会合を開いた後、誘致に向けた現地の地質調査を行うほか、ILCを活用した東北地域の産業振興の可能性を探る。  素粒子物理研究をめぐっては、欧州合同原子核研究所(CERN、スイス)が4日、二つの国際チームによる大型加速器を使った実験で、物質の質量の起源となる「ヒッグス粒子」とみられる新粒子を発見したと発表した。  ILCは全長約30キロに達する高エネルギー電子・陽電子加速器。「ヒッグス粒子」発見のためCERNで1~2年かかった実験を、1日で行うことができるという。  世界中から常時数千人の科学者や技術者が集まり、数十年にわたって素粒子物理研究の中心的な役割を担うとされる。  協議会委員を務める大学院理学研究科の山本均教授は「今後の素粒子物理学は、ヒッグス粒子の精査・検証が主な研究課題になる。誘致が実現すれば、この分野で実績のある東北大がILCの研究拠点になることが期待される」と話している。 "[he-forum 17168] 毎日新聞三重6/30","毎日新聞三重版2012年6月30日付 三重大:上野市駅前に「知の拠点」 忍者、まちづくり産学官 /三重  三重大は29日、伊賀市の上野市駅前再開発ビル「ハイトピア伊賀」内にサテライトオフィス「伊賀連携フィールド」を開設した。市、上野商工会議所と連携し「忍者」と「まちづくり」を軸にした研究や教育活動を進める。市民講座も開き「知の拠点」として大学のない伊賀地域の発展を目指すという。【矢澤秀範】  上野商議所の3階フロアにある「地域活性化センター」(約40平方メートル)に開設した。人文学部が中心となり、伊賀に密着した研究や現地授業、まちづくりの提案などを行う。記者会見で樹神(こだま)成・人文学部長は「日本は東京・秋葉原や京都だけではない。留学生にも来てもらい、伊賀を世界に発信できたら」と話した。誘致にあたった商議所の田山雅敏副会頭は「商議所内に大学機能があるのは、おそらく日本初で画期的なこと。産学連携で伊賀市の活性化を図りたい」と期待を込めた。  今年度は「忍者文化」に着目した学術研究を進める。国内外の忍者に関する文献・アニメ・映画などをデータベース化するほか、伊賀流忍者博物館所蔵の古文書整理、市民向けの連続講座(無料)を開催する。 "[he-forum 17167] 茨城新聞7/14","茨城新聞2012年7月14日付 天心が縁、2大学連携 茨城大と横浜国大、六角堂資料30点寄贈  茨城大(池田幸雄学長)は13日、明治期の美術思想家、岡倉天心が生誕した横浜市の横浜国大(鈴木邦雄学長)に対し、東日本大震災の津波で流失し今年4月、創建当時を模して復元した六角堂(北茨城市)の鬼瓦など資料計30点を寄贈した。来年、天心生誕150年を迎えることから、横浜国大は記念事業としてこれらを学内に展示し、シンポジウム開催なども予定。池田学長は「岡倉天心から学ぶべきものを共有したい」、鈴木学長は「学術面でも交流を深めたい」とし、天心が結ぶ連携の幅を広めたい意向だ。  茨城大によると、寄贈は横浜国大側から茨城大に依頼があった。横浜国大は、来年の記念事業に当たり、天心の五浦在住に関わる六角堂の資料が不可欠と判断した。  寄贈品は、流失して海中から回収された元の鬼瓦のほか、今回の復元で新たに作られた鬼瓦、イギリスに特注した窓ガラス、年表や写真などのパネル資料など。  同日、水戸市文京2丁目の茨城大で、贈呈式があり、池田学長が鈴木学長に寄贈品を直接手渡した。鈴木学長は「茨城大が迅速に六角堂を復興したことに感動した。茨城大のパワーを見せてもらった」と、感謝の言葉を述べた。  岡倉天心は、1863年の誕生から11歳まで横浜で過ごしたという。  横浜国大では、寄贈品を学内のミュージアムに展示する方針。鈴木学長は「横浜は生誕地でありながら、岡倉天心についてあまり知られていない。記念事業をきっかけに学生にPRしたい」との方針を示した上で、「知的財産を共有することで、国立大としての存在価値が高められる」と、茨城大との連携の意義を強調した。 "[he-forum 17182] 徳島新聞7/25","徳島新聞2012年7月25日付 人口減時代の学校のあり方検討 徳島県教委と鳴門教育大  人口減少が予想される20年後に対応した学校制度のあり方を検討する共同研究を県教委と鳴門教育大が始めた。県庁で23日、記者会見し、同大の山下一夫理事は「新たな取り組みを『徳島モデル』として、全国に発信していきたい」と述べた。  人口問題研究所が2007年発表した人口動態予測によると、県内の人口は35年には約62万人(10年に比べ2割減)、14歳以下は5万7千人(同4割減)とされている。そこで、県教委と同大では6月、人口減少を視野に少人数を強みとした新たな学校教育のあり方「徳島モデル」の研究に着手。同大の教員8人によるプロジェクトチームを立ち上げた。県教委は同チームに対し、助言やサポートをしていく。  研究モデルとして小中一体型の学校▽ITを活用した遠隔授業▽地元企業、大学と協働した専門高校の高度化▽学校と社会福祉施設の一本化をあげている。実際に実施している地域の先進事例を集め、検討したり、ディスカッションなどを通じて、来年3月に研究報告書を取りまとめる。実施に向けて、学習指導要領や学校教育法など見直しが必要となる法令については、積極的に国へ政策提言していきたいとしている。(伊藤あかり) "[he-forum 17185] 岐阜新聞7/24","岐阜新聞2012年7月24日付 岐阜大と鳥取大「共同獣医学科」 来年度設置、教育高度化  岐阜大学応用生物科学部は、2013年度から鳥取大学農学部とともに共同獣医学科(6年制)を設置する。両大とも獣医学教育分野は1学年30人程度と小規模だが、研究施設や環境を有効活用し、高度な専門的教育を行うことで、複雑化する獣医療に対応した教育研究体制の構築を進める。  共同学科の設置は、文部科学省の「獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」が11年にとりまとめた提言に基づくもので、既に12年度から▽帯広畜産大と北大▽岩手大と東京農工大▽鹿児島大と山口大―の3組が共同学科を設置しており、岐阜大と鳥取大は4件目。  両大は09年度から3年間、京都産業大学を加えて「獣医・動物医科学系教育コンソーシアム」を実施し、一部で連携を進めた下地がある。岐阜大は野生動物医学、鳥取大は鳥類疫病学など得意とする研究分野もあり、それらを相互補完して、教員がより専門性の高い講義、研究を行うことが可能となり、教育体制の充実にもつながる。教育内容は全国初の「獣医学教育開発推進センター(仮称)」を設け、カリキュラムの総合管理、開発を行う。  学生はいずれかの大学に本籍を置くことになり、入学試験は本籍を置く大学に出願、受験する。入学後は両大学の在籍となり、同じカリキュラムで講義、実習を受ける。講義は両大学でそれぞれに同一内容で行うほか、双方向で通信ができる遠隔講義システムを用いたり、教員が移動して講義を行ったりもする。また実習内容によっては、相互に学生が移動して行うケースもある。学位記は両大学長連名で授与される。  13年度の入学定員は65人で、うち岐阜大は30人(センター入試を課す推薦入試4人を含む)。現在の岐阜大の獣医学課程、鳥取大の獣医学科の募集は停止する。岐阜大応用生物科学部の金丸義敬学部長は「新しい段階に入りつつある獣医学教育をより充実させたい」と話している。来月9日に鳥取大で、岐阜大の森秀樹学長らが出席し、共同学科設置に向けた調印式がある。 "[he-forum 17184] 時事通信7/27","時事通信2012年7月27日19時12分 京葉銀、千葉大と連携協定締結  京葉銀行と千葉大学は27日、地域の産学連携や経済活性化を図るため連携協力協定を締結した。千葉大学の持つ研究成果や教員の知識を生かし、京葉銀行の取引企業との共同研究や研究成果の事業化促進に取り組む。千葉大発のベンチャー事業への支援も行う。 "[he-forum 17183] 東京新聞7/28","東京新聞2012年7月28日付 共同大学院設置 横浜国大、無断で申請  横浜国立大学(横浜市保土ケ谷区)が、横浜市立大学(横浜市金沢区)の了解を得ないまま、文部科学省の補助金事業への申請書類に横浜市大と共同で大学院を設置すると記載し、市大側から抗議を受けていたことが二十七日、分かった。  両大学関係者によると、補助金事業は「博士課程教育リーディングプログラム」。横浜国大工学部の教授が、横浜市大の医学分野と連携し、共同の大学院設置(二〇一五年度予定)を柱とした学長名の申請書を提出していた。実現可能性などを審査し採択されると、最大七年間で約三十億円超が支給される。  横浜市大の石田英昭・学務教務課長は「申請書では、あたかも共同で設置するような内容になっているが、市立大学として、大学院設置を決定したことはない」と話し、横浜国大に抗議したという。  横浜国大広報・渉外室の大沢俊正室長は「横浜国大を主体に、独立系の大学院をつくるつもりだった。市大との連携は、外せないという意味だ。誤解を招いたのであれば、申し訳ない」と釈明し、既に横浜市大に謝罪したという。一方で「申請を取り下げる考えはない」としている。  文科省大学振興課の担当者は「両大学の大学院の設置が宙に浮いているのであれば、好ましくない。虚偽とは言わないが、取り下げてもらわないと、いけないかもしれない」と話している。 <博士課程教育リーディングプログラム> 産学官でリーダーとして活躍できる学生を養成するため、大学院の充実を支援する事業で、2011年度にスタート。支援は「オールラウンドリーダー」「複合領域リーダー」「オンリーワン」の3分野に分かれ、採択されると、初年度は上限として3億円、次年度以降は倍額される。12年度は、70大学124件の提案があり、日本学術振興会が審査し9月末までに、予算額116億円の範囲で、採択される。 "[he-forum 17187] 陸奥新報7/29","陸奥新報2012年7月29日付 外傷患者の処置法学ぶ/弘大病院がセミナー  弘前大学医学部附属病院高度救命救急センター主催の青森外傷セミナーが28日、同病院で開かれ、津軽地域の救急隊員や医師、看護師らが、日本救急医学会公認の病院前外傷教育プログラム「JPTECプロバイダーコース」を受講し、現場や病院搬送中に外傷患者に対して実施すべき適切な観察や処置を学んだ。  受講者は、同センターの伊藤勝博講師からJPTECの概念や内容について講義を受け、インストラクターによるデモンストレーションを見学。その後、インストラクターの指導で「状況評価」「初期評価」「全身観察」「車外救出」といったJPTECに必要な知識や技術の習得に努め、最後に筆記と実技の試験で確認した。 "[he-forum 17186] 産経新聞7/20","産経新聞2012年7月20日付 75%の学長「大学生 学習時間が不十分」  国公私立大の学長の75%が、授業以外に学生が学ぶ時間が不十分だと考えていることが文部科学省の調査で分かった。学習時間や方法の把握に取り組んでいると答えたのは60%だった。  調査は5~6月、全国750大学の学長に実施し、91%が回答した。授業以外の学習時間が「不十分」または「やや不十分」と答えた学長は75%。一方、授業に出席する時間は「十分」「ある程度十分」と答えた割合が高かった。  授業の課題は66%が「教員間の連携が十分ではない」を挙げ、「科目が細分化され、開設科目数が多い」も57%。「大人数の講義が多い」としたのは25%。  文科省は今後、カリキュラムの改善に力を入れている大学の学長が学習時間増に効果があったと感じているかなどを分析する。 "[he-forum 17188] 新潟日報7/27","新潟日報2012年7月27日付 長岡造形大、公立大学法人化へ 30日、長岡市に要望書提出  長岡造形大(長岡市)は27日までに、私学から公立大学法人への移行を目指すことを決めた。公立大学法人は、設立する自治体(設置団体)に代わり大学を運営する。設置団体は長岡市とし、30日に同市に要望書を提出する。造形大は3年連続で定員割れが続いており、少子化が進む中で学生を確保し運営基盤を強化する狙いがある。  公立大学法人制度は、2004年度に導入された。設置団体には国から地方交付税が交付される。設置団体からの財政支援を基に授業料を国公立大並みにできるため、学生の確保につながるとされる。 "[he-forum 17189] 京大職組:賃下げ強行への声明と団交要求案","京大職組 書記長 石田です。 8月1日賃下げ強行実施と7月18日付けの文科省からの「情報提供」に対応する中執声 明と団体交渉要求案です。 高山佳奈子(京大職組委員長)のブログ http://kanakotakayama.blog.eonet.jp/ (団体交渉の申し入れ案) 1.賃下げの8月1日実施を撤回し、補正予算確定まで待つことを要求します。 (7月18日付けの文科省からの「情報提供」に基づき)給与削減率を低減して「返 金」することを要求します。) (1)運営費交付金削減の前提が違ってきており、議論のやり直しを行うこと。 (2)教授層に適用されている、4.35%等の給与削減率を引き下げること。 注) 7月18日付けの文科省からの情報提供の連絡により、運営費交付金の削減額は国 立大学全体で300億円と通知されています。これまでの団体交渉での法人側の説明に 従っても、この金額を京都大学に当てはめると給与削減率をもっと引き下げることが 可能と判断できます。 (中執声明:8月1日付け) 賃下げの8月1日実施を撤回し、補正予算確定まで待つことを要求します。 (7月18日付けの文科省からの通知に基づき)給与削減率を低減して「返金」するこ とを要求します。 団体交渉は、職員組合が大学法人側から賃下げの提案の説明を受けただけで、論議は 未だ半ばであり、合意はされていません。 これまでの議論では、概ね下記の7点について、賃金引き下げの根拠、理由がないこ とを明らかにしてきました。 (1)今回根拠とされているのは閣議決定ではなくて、文科省の事務連絡による要請で あり、お願いであり、閣僚懇談会という非公式の場での大臣発言であること。 (2)削減された人件費が震災復興に使われるのかどうかが極めて疑わしくなってきて いること(7月18日付け通知、および、7月13日行政改革推進本部第6回会合における 野田総理発言)。 (3)補正予算で運営費交付金が削減されるのかは不明であり、成立するまで待つべき であること。 (4)運営費交付金が削減されるとしても、その率が教職員人件費の平均7.8%となるか が疑わしいこと((2)と同様)。 (5)政府のやり方は直接的に使用者であるという振る舞いであり、労使関係への介入 になる。簡単に政府の賃下げ圧力等に屈してはならないこと。 (6)合理的理由の無い不利益変更は労働契約法にも違反していること。 (7)更には、4、5、6月あたりに賃下げの先行した大学では、返金も考えるという動き になっていること。 その上で、組合としては、8月1日実施案を直ぐに強行されることに改めて断固反対 し、団体交渉の継続を要求することを表明しました。 7月27日付けで出された「総長書簡」は、これまでの団体交渉でのやり取りを踏まえ た「誠意」の示されたものとして、一定の評価はできるものです。 しかしながら、国立大学全体での運営費交付金の削減額が300億円だとする、7月18日 付けの文科省からの文書の存在を示さず、当初の給与削減率を維持したまま、7月23 日の団体交渉、過半数代表への説明、部局長会議、評議会、運営協議会への附議を 行っていたことが明らかになりました。 このような大学法人執行部のやり方・姿勢は誠実な交渉とは言えないものです。 組合は、8月以降、賃金引き下げ分の請求要求を求めるとともに、法定闘争も辞さな いという強い態度で、引き続きの団体交渉において奮闘するものです。 京都大学職員組合HP http://www.kyodai-union.gr.jp/ ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","全大教he-forum","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 17192] 日本経済新聞8/4","日本経済新聞2012年8月4日付 日本の大学論文、化学で質・量とも低下 文科省調べ  文部科学省の科学技術政策研究所は3日、研究論文数などを基準に国内の大学の競争力を分析した結果を発表した。研究分野ごとに過去15年間で論文の質や量の変遷をみると、多くの大学で化学が質、量ともに低下していた。これまで日本人のノーベル賞受賞者を多く輩出してきた化学分野だが、「中国が台頭し、日本は存在感が下がっている」と同研究所は指摘している。  2002~11年で1千本以上の論文を発表した日本の128大学を対象に調査した。他の論文から引用された回数を基に、論文の質を数値化した。論文数の世界シェアと併せ、各大学の特徴を分析した。  化学分野で日本の論文は質量とも低下傾向にあり、世界でトップレベルに属する大学は東京大や京都大などに限られた。  日本の化学の論文数(08~10年)は8888本。02~04年と比べ2%減った。他の先進国では見られない状況という。  一方、物理学や臨床医学の論文数は10%以上伸びた。物理学ではトップレベルにある名古屋大や京大をはじめ、多くの大学が伸びていた。 "[he-forum 17195] 時事通信8/3","時事通信2012年8月3日20時26分 月給、ボーナスとも据え置きへ=公務員給与、勧告は8日-人事院  人事院は3日、国会と内閣に対し行う2012年度の国家公務員給与勧告で、月給の改定は見送る方向で最終調整に入った。勧告の基礎となる民間給与実態調査で、特例減額前の月給と民間の格差が小幅だったことを踏まえた。期末・勤勉手当(ボーナス)も、現行の年間3.95カ月のまま据え置く見通し。勧告は8日に実施する方針。  国家公務員の給与は、東日本大震災の復興財源を捻出するため、今年4月から2年間、特例的に本来額から5~10%引き下げられている。国家公務員の給与は人事院勧告を受けて定められるが、勧告に基づかない特例減額は今回が初のケースで、人事院がどのような勧告を行うかが焦点となっていた。  人事院の調査では、月給は、特例減額前の本来の額で比較すると民間を数百円上回った。しかし、減額後の給与では民間を下回る。また、ボーナスも、民間では昨年からわずかに下がったものの、ほぼ前年並みの水準にとどまった。このため、人事院は、月給、ボーナスともに改定の必要はないと判断した。   人事院は既に、55歳以上の職員の昇給を原則停止するよう勧告する方針を固めている。 "[he-forum 17191] 朝日新聞8/2","朝日新聞2012年8月2日付 岐阜大と鳥取大、来年4月に獣医学科を共同設置  東海・北陸地方でただ一つ、獣医学課程を持つ岐阜大学応用生物科学部が、来年4月に鳥取大学農学部と共同の「獣医学科」を設ける。それぞれの大学にいる高い専門性を持った教員から両大学の学生が学ぶことができるようになる。国際化が進む獣医学の分野で活躍する人材の育成をめざす。獣医学部・学科の共同設置は全国で4例目。  学部の名称は「岐阜大学応用生物科学部・鳥取大学農学部共同獣医学科」。入学定員は岐阜大は30人、鳥取大は35人。学生は本籍をどちらかに置き、キャンパス間を移動したり、インターネットを使ってテレビ中継する遠隔講義システムを使ったりして同じカリキュラムの講義を受ける。学位は両大学長の連名で授与される。  獣医学の分野では、鳥インフルエンザのような国境を越える感染症の発生などにより、より専門的で国際的に活躍できる獣医師の確保が求められている。そのため、学生がより多くの教員から専門分野を学ぶことで、高度化する社会の要請に応えられる人材として育成したいというねらいがある。  文部科学省も大学の枠を超えた連携を推奨しており、すでに今春から北海道大と帯広畜産大、岩手大と東京農工大、山口大と鹿児島大の3組で取り組みが始まっている。  応用生物科学部の金丸義敬学部長は「学科としての充実を図り、より国際的な現場でも知識を持って対応できる獣医師を養成したい」と話す。 "[he-forum 17194] 読売新聞7/31","読売新聞2012年7月31日付 京大院農場、移転…16年春  京都大、大阪府高槻市、独立行政法人・都市再生機構(UR)の3者は、同市にある同大学大学院農学研究科付属農場を関西文化学術研究都市の「城山台」(京都府木津川市の木津中央地区)に2016年春に移転することで基本協定を結び、30日、発表した。  城山台への移転は2009年に大枠で合意していた。協定締結により、URは5月に街開きした城山台(245・7ヘクタール)に新農場用地(24・6ヘクタール)を造成し、14年3月、京都大に売却。京大は太陽光発電施設や生物エネルギー循環利用施設などを整備して16年4月に開場する。  1928年に開場した高槻市の現農場(16ヘクタール)は敷地内に弥生時代の環濠集落遺跡「安満(あま)遺跡」があり、移転後は跡地のうち7・1ヘクタールを京都大が同市に売却し、同市が史跡公園と道路として整備する。残る8・9ヘクタールは京都大から土地を購入したURが防災公園に整備した上で同市に売却することになっている。 "[he-forum 17190] しんぶん赤旗8/5","しんぶん赤旗2012年8月5日付 財界主導の大学政策批判 長崎 私大教連が教研集会  日本私立大学教職員組合連合(押谷一委員長)主催の第23回全国私立大学教育研究集会が4日、長崎市の長崎県総合福祉センターで開かれ、170人が参加しました。  丹羽徹副委員長が「財界主導の新たな大学政策を批判する―『私立大学政策提言』を対置して」と題して基調報告。国家戦略会議で財界主導の大学改革の議論がすすんでいること、大学のあり方をゆがめる財界の「グローバル人材」論などを批判しました。教育を受ける権利を実現するために私大教連が打ち出した「私立・国立同等の原則」を掲げ、社会に根ざした大学づくりと大学の自治を高めていく運動を呼びかけました。  石川康宏・神戸女学院大学教授が記念講演。原発再稼働反対の声の高まりが象徴する「市民と財界の衝突」の中で、「資本のため」から「人間と社会のための教育・研究」への転換が国民的な課題だと訴えました。  集会は6日まで開かれ、私立大学政策など9のセッションに分かれて討論します。 "[he-forum 17193] 千葉日報8/4","千葉日報2012年8月4日付 千葉大に小児発達研究科 発足記念しシンポ 全国5校連合大学院  千葉大は、全国の大学と連携して5大学連合大学院「小児発達学研究科千葉校」を発足させた。4月から第1期の大学院生6人が入学。他大と授業の連携を図りながら、発達障害などの子どもたちに認知行動療法を施す人材を育成する。同大は亥鼻キャンパス(中央区)で記念シンポジウムを開催。連携する他の4大学からも担当者が出席し、児童・思春期の“心のひずみ”への対応の重要性について訴えた。  連合大学院は千葉大と大阪大、金沢大、浜松医科大、福井大の5校が設置した。子どもの発達障害などに関する学問領域は、教育、医学、心理学と広範囲にわたる上、治療などのため専門的な教育を受けた人材が必要なことから、各校が連携して養成することにした。  5校はこれまでに、子どもの発達に関する総合的な研究を行う「子どものこころの発達研究センター」を設置している。大学院の研究科は大阪大、金沢大、浜松医科大の3校が先行して開設。千葉大と福井大は本年度から始まった。千葉大の研究科は、認知行動療法を子どもたちに施すセラピストの育成が特徴となる。 "[he-forum 17196] 時事通信8/8","時事通信 8月8日(水)13時8分配信 55歳以上、昇給停止=月給、ボーナスは据え置き―人事院勧告  人事院(原恒雄総裁)は8日、国家公務員の給与について、来年1月から55歳以上の昇給を原則停止するよう国会と内閣に勧告した。月給とボーナス(期末・勤勉手当)は、民間との格差が小幅だったことなどを踏まえ、水準の改定勧告を見送り、据え置かれることになった。  現行の規定では、標準的な勤務評価を受けた職員は55歳に達しても毎年昇給するが、勧告は、55歳以上の職員について、原則として昇給できないように改めることを求めた。勤務評価が優秀な場合は、引き上げ額を縮小した上で認める。  人事院が実施した民間給与実態調査では、今年4月の国家公務員給与は民間を273円(0.07%)上回った。ボーナスは、昨冬と今夏の民間の支給割合が3.94月で、公務員の現行の支給月数(3.95月)とほぼ均衡していた。  月給、ボーナスともに民間との格差がわずかだったことに加え、国家公務員の給与が東日本大震災の復興財源を捻出する目的で今年4月から2年間、特例的に引き下げられていることを考慮し、勧告の必要はないと判断した。  "[he-forum 17197] 読売新聞8/7","読売新聞 8月7日(火)14時0分配信 国家公務員の退職金、14・9%下げ閣議決定  政府は7日午前の閣議で、国家公務員の退職金の支給水準について、平均約14・9%引き下げる方針を閣議決定した。  官民格差是正のためで、実施されれば、民間より平均402・6万円高い退職金額の官民格差はほぼ解消される。政府は来年1月から引き下げを行う予定で、国家公務員退職手当法改正案の早期国会提出を目指す。  総務省によると、国家公務員の退職金の基本額は給与の基本給をもとに算出されるが、2003年以降、4%増の支給率となっている。今回の引き下げは、基 本額から13%減として計17ポイント引き下げる。具体的には、13年1月から同9月末までに6ポイント減、同10月から14年6月末に6ポイント減、同 7月以降は5ポイント減と段階的に引き下げる予定だ。 "[he-forum 17198] 朝日新聞8/8","朝日新聞 2012年8月8日 国家公務員給与、4年ぶり据え置き 人事院勧告  人事院は8日、2012年度の国家公務員の給与について、月給・ボーナスともに据え置く勧告を内閣と国会に提出した。国家公務員給与は東日本大震災の復 興財源を捻出するため、今年4月から2年間、平均7.8%引き下げられているが、引き下げ前でも民間との差がわずかというのが理由だ。給与の据え置き勧告 は4年ぶり。  人事院によると、国家公務員行政職(平均年齢42.8歳)の平均月給は、平均7.8%の引き下げにより37万2906円。民間を7.67%(2万 8610円)下回っている。引き下げ前では40万1789円で、民間を0.07%(273円)上回るが、人事院は「差が小さい」と判断した。  ボーナスも、国家公務員が3.95カ月分なのに対して民間は3.94カ月分と、ほぼ変わらない。このため、月給もボーナスも据え置きを勧告した。  また、55歳以上の国家公務員について、勤務評価が標準以下の場合の昇給停止を勧告した。同じ年代の民間企業社員との給与格差を是正する目的。勤務評価が標準を上回って昇給する場合でも、引き上げ幅を圧縮する。人事院は来年1月からの実施を求めている。 = "[he-forum 17202] 朝日新聞8/8","朝日新聞2012年8月8日付 パナソニック、阪大に「共創型」研究所-大学の幅広い提案募る〈BCN〉  パナソニックは大阪大学に材料デバイス基盤協働研究所を設立し、近く本格稼働する。企業側から課題を持ちかける従来の産学連携手法と異なり、大学側との開かれた議論を通じて研究テーマを絞り込む「共創型」とする。液晶や半導体、電池などの既存製品で韓国や中国メーカーの追い上げが厳しさを増す中、大学の持つ幅広い学術領域の先進的な研究インフラやそれを推進する研究人材との交流を通じて、社会に変革をもたらす萌芽(ほうが)的なテーマを立案、推進する。  パナソニックは産学連携で年600件弱のテーマを研究しているが、共創型は初という。大阪大学吹田キャンパス(大阪府吹田市)内に研究所を設立。研究所長は瀬恒謙太郎大阪大学大学院工学研究科教授、副研究所長は上野山雄パナソニック役員。ほかに大阪大学から兼任教員7人と特任教授2人が、パナソニック側から招へい研究員7人が参画する。  期間は3年。テーマの一例は「エネルギーハーベスティング」。生活環境に存在する振動や光、熱、電波などのあらゆるエネルギーを効率良く収集、蓄積する技術で、その中の「スーパーエネルギーストレージ」は、二次電池並みのエネルギー容量を備え、コンデンサーに匹敵する高速充放電と長寿命化の実現を目指している。将来、充電しなくても済む携帯電話なども視野に入る。  既存技術の延長線ではなく、これまでは不可能と思われていた課題を解決し「非連続な技術革新」を目指す。議論は一方通行にならず、大学側からの幅広い提案を募る。  パナソニックは10月始動の新本社体制を見据え、本社R&D部門も「デバイスソリューション」などの新規事業創出に注力する体制に改める。今回の産学連携スキームも、こうした考え方に沿った形となる。  パナソニックと大阪大学は2003年12月に連携推進に関する協定書を締結して以来、ディスプレー材料や半導体などの共同研究講座を設置するなど連携を深めてきた。 "[he-forum 17201] 中国新聞8/8","中国新聞2012年8月8日付 広島大病院に心臓病教室開講  広島大病院(広島市南区)の心不全センターは7日、心不全患者向けに再発防止のための生活指導などする心臓病教室を院内で始めた。生活習慣を改善できずに再発、入院を繰り返すケースが目立つため、2カ月単位の講座を年間通じて開く。  初回は、入院中や外来の患者14人が受講した。臨床検査技師が心臓の検査方法を説明。血液検査について動脈硬化を防ぐ数値の目安を紹介した。  2年前に冠動脈の手術を受けて、リハビリを続ける西区の阿南公朗さん(72)は「血液検査の数値の読み解き方が分からないこともある。参考になった」と話した。  同病院によると、広島県内の心不全患者は推計6万人に上る。木原康樹センター長は「生活面での原因を理解してもらうのが重要だ。習慣を見直すための知識を提供したい」と話している。教室は毎週火、木曜日の午前11時から(今月16日は休講)。医師や管理栄養士、理学療法士たちが予防策や対処法などを指導する。予約なしで受講できる。 "[he-forum 17200] 読売新聞8/8","読売新聞2012年8月8日付 原発廃炉、研究を支援…国主導で手法確立  政府は5日、原子力発電所の廃炉の技術向上に関する研究開発を後押しするため、大学や研究機関に対する予算支援を2013年度から始める方針を固めた。  廃炉が正式に決まった福島第一原発1~4号機をはじめ、今後は老朽化した原発の廃炉が相次ぐためだ。効率的な廃炉手法を国主導で確立することで、廃炉にかかるコストを圧縮し、電力各社の経営安定や電気料金の値上げ抑制に少しでもつなげたい考えだ。  経済産業省が13年度予算の概算要求で、国内の大学などが取り組む廃炉技術の選別や基礎研究の予算として、数億円を計上する。  廃炉費用は福島第一原発だけで数兆円に上る見通しだが、政府の原子力損害賠償支援機構の支援対象外だ。東電は自力での費用捻出を図る一方、新たな支援をすでに政府に要請している。 "[he-forum 17199] 朝日新聞長崎8/8","朝日新聞長崎版2012年8月8日付 拠点活動「打って出る夏」 ◎長大・調副学長、変化感じる  長崎大の調(しらべ)漸(すすむ)副学長(56)にとって「お盆」はずっと8月9日だった。幼稚園児の頃から、長崎大医学部(長崎市坂本1丁目)の裏山にある「グビロが丘」で営まれた慰霊祭に出席していたからだ。  長崎大医学部の前身、長崎医科大では原爆で約900人の教職員や学生が亡くなった。生き残った学生たちが焼け跡に放置されていた遺骨を集めて埋葬したのが、市内を一望するこの丘だ。原爆投下以前、虞美人草(ヒナゲシ)が一面に咲いていたことから、この名で呼ばれている。慰霊碑が建てられ、1981年まではこの丘で慰霊祭が開かれていた。  調副学長の祖父は長崎医科大と長崎大医学部で教授を務めた調来助さん(1899~1989)。自らも被爆し、2人の息子を失いながらも負傷者の救護に奔走したことで知られている。医大付属医学専門部に在学していた次男は、講義中の教室で亡くなっている。  調副学長は熊本大医学部出身。在学中は100回以上も水俣市に通い、水俣病患者の支援活動に携わった。祖父は外科だったが自分は内科を選んだ。長崎に戻るつもりはなかったが、祖母に説得されてしまった。「ラインを外したつもりでも、(祖父に)つきまとわれる」と笑う。  今年は長大に、調副学長が設立に奔走した核兵器廃絶研究センターができて初めての原爆の日を迎える。「センターは順調過ぎる滑り出し」と言いながら、大きな変化を感じている。  これまでは「祈りの夏」「慰霊の夏」として、長崎の被爆の歴史をつなぎ、遺族が出会う静かな夏だったが、今年は一変。「打って出る夏」(調副学長)となった。  10、11両日に長大も協力して長崎原爆資料館で開かれる軍縮・核不拡散のフォーラムに出席する包括的核実験禁止条約(CTBT)機関準備委員会のティボル・トート事務局長ら世界中から様々な人たちが大学を訪ねてくる。  長大で長年培われてきたものが動き始め、世界と連携し、長崎から平和や核兵器廃絶を訴える流れがより噴き出す夏となる。 (菅野みゆき) "[he-forum 17199] 朝日新聞長崎8/8","朝日新聞長崎版2012年8月8日付 拠点活動「打って出る夏」 ◎長大・調副学長、変化感じる  長崎大の調(しらべ)漸(すすむ)副学長(56)にとって「お盆」はずっと8月9日だった。幼稚園児の頃から、長崎大医学部(長崎市坂本1丁目)の裏山にある「グビロが丘」で営まれた慰霊祭に出席していたからだ。  長崎大医学部の前身、長崎医科大では原爆で約900人の教職員や学生が亡くなった。生き残った学生たちが焼け跡に放置されていた遺骨を集めて埋葬したのが、市内を一望するこの丘だ。原爆投下以前、虞美人草(ヒナゲシ)が一面に咲いていたことから、この名で呼ばれている。慰霊碑が建てられ、1981年まではこの丘で慰霊祭が開かれていた。  調副学長の祖父は長崎医科大と長崎大医学部で教授を務めた調来助さん(1899~1989)。自らも被爆し、2人の息子を失いながらも負傷者の救護に奔走したことで知られている。医大付属医学専門部に在学していた次男は、講義中の教室で亡くなっている。  調副学長は熊本大医学部出身。在学中は100回以上も水俣市に通い、水俣病患者の支援活動に携わった。祖父は外科だったが自分は内科を選んだ。長崎に戻るつもりはなかったが、祖母に説得されてしまった。「ラインを外したつもりでも、(祖父に)つきまとわれる」と笑う。  今年は長大に、調副学長が設立に奔走した核兵器廃絶研究センターができて初めての原爆の日を迎える。「センターは順調過ぎる滑り出し」と言いながら、大きな変化を感じている。  これまでは「祈りの夏」「慰霊の夏」として、長崎の被爆の歴史をつなぎ、遺族が出会う静かな夏だったが、今年は一変。「打って出る夏」(調副学長)となった。  10、11両日に長大も協力して長崎原爆資料館で開かれる軍縮・核不拡散のフォーラムに出席する包括的核実験禁止条約(CTBT)機関準備委員会のティボル・トート事務局長ら世界中から様々な人たちが大学を訪ねてくる。  長大で長年培われてきたものが動き始め、世界と連携し、長崎から平和や核兵器廃絶を訴える流れがより噴き出す夏となる。 (菅野みゆき) "[he-forum 17212] 読売新聞8/17","読売新聞2012年8月17日付 国立大改革、文科省が財政支援…近く対象校決定  文部科学省は、大学改革に積極的に取り組む国立大への財政支援制度をスタートする。  競争を促し、特色ある大学作りを進める狙いがある。2012年度政府予算で138億円を確保しており、近く対象校と支援額などを省内の大学改革作業部会で決定する。  対象校を選ぶ基準は、〈1〉海外留学の推進〈2〉外国人や実務家らの教員登用〈3〉学部・研究科の改組〈4〉大学間連携の進展――など。「世界でトップを争う人材」「地域に根ざす人材」といった具体的に育成を目指す人材像を明確にしているかどうかも考慮する。  財政支援制度は、政府の行政刷新会議(議長・野田首相)が昨年11月に行った「提言型政策仕分け」で、国立大改革の重要性が指摘されたことを踏まえて導入が決まった。 "[he-forum 17210] 河北新報8/17","河北新報2012年8月17日付 新薬臨床試験を円滑に 東北大と民間が協定  東北大病院は東京の臨床試験専門施設・関野臨床薬理クリニックと協定を結び、新薬などの開発に連携して取り組む。医薬品の臨床試験で国立大が民間組織と産学連携するのは、全国初の試み。日本では国内外の新薬を患者に使うまでに時間がかかる「ドラッグラグ」の問題が指摘されており、この改善が期待される。  新薬などの承認には「少人数の健康成人」「少人数の患者」「多数の患者」の3段階の臨床試験を行う必要がある。これまで東北大は、患者を対象にする臨床試験のみを行ってきた。  関野臨床薬理クリニックは、臨床試験のうち「少人数の健康成人」を対象に臨床試験を行う専門機関。新薬に応じて健康なボランティアを募り、薬の安全性と体内での変化、排せつ状態の確認を担う。  協定により、3段階の臨床試験を一貫して行うことが可能になった。東北大病院に臨床試験推進センターを設置。クリニックと連携し、臨床試験を進めるとともに、研究者と製薬会社とをつなぎ役として、大学発の新薬開発を後押しする。  日本では、第1段階と第2段階以降の試験が円滑に行われていないことがドラッグラグの一因とされてきた。国立大の中には、自前で第1段階を行おうとする動きもあるが、多大な人材と時間が必要なため、実現には至っていない。  下瀬川徹病院長は「一貫した体制で臨床試験を円滑に進め、国内の新薬開発に寄与したい」と話している。 "[he-forum 17211] NHKニュース8/17","NHKニュース2012年8月17日4時40分 大学の地域貢献推進で助成へ  文部科学省は、大学の地域貢献を進めるため、特産の農作物の品種改良など地域の産業振興につながる研究や、震災で避難生活を続けている子どもの学習支援を行っている大学などを対象に、人件費や事業費を助成する制度を設けることになりました。  文部科学省は、大学の地域貢献を進めるため、地域の抱える課題の解決に大学の研究成果をより積極的に活用すべきだとして、大学の学長らの会議を開くなどして、具体的な方法を検討してきました。その結果、特産の農作物の品種改良や栽培方法を地元企業と共同で研究するなど、地域の産業振興につながる研究や、自治体やNPO団体などと協力して、震災で避難生活を続けている子どもの学習支援を行っている大学などを対象に、人件費や事業費を助成する制度を設けることになりました。  文部科学省では、大学が地域と連携を深めることで、学生の能力の向上も期待されるとして、来年度予算案の概算要求に必要な経費を盛り込むことにしています。 "[he-forum 17209] 東京新聞8/13","東京新聞2012年8月13日付 福島廃炉で研究チーム 産官学連携し技術開発  政府は、民間の原発関連会社や大学などの研究機関と連携し、東京電力にも協力を求め、福島第一原発の廃炉処理に向けた技術開発を進める研究チームを九月にも発足させる方針を固めた。福島のように炉心溶融(メルトダウン)した原子炉を廃炉にする技術がないのに加え、今後は老朽化した原発の廃炉処理が相次ぐため、政府主導で技術を確立させる必要があると判断した。政府は廃炉の財政支援も検討する。  ただ、福島第一原発の廃炉費用は数兆円に上る見通し。東電は自力で賄うのが困難になった場合、新たな支援を政府に要請するとしている。政府は、福島の復興には廃炉処理が不可欠として理解を求めていく考えだが、技術開発を進めるうちに、なし崩しに国民の税金で廃炉費用を負担する仕組みができる懸念もある。  経済産業省など関係省庁は、技術確立の研究費として二〇一三年度予算案の概算要求に約一億円を計上する。民間も資金を出し、総額は数億円。研究チームは一三年度予算の成立を待たず、先行して民間資金で運営する。  研究チームが開発を目指す技術は、炉心溶融した核燃料を取り出す機械や、高い放射線量下でも誤作動しないコンピューターなど。日本では現在、廃炉技術を持つのは東電などに限られており、民間の技術を政府に集積する狙いもある。  廃炉費用については、今の法律では政府が直接支援できない。政府は国策として原発政策を進めてきた経緯を踏まえ、廃炉処理に関与できるようにすることも含め、廃炉手続きを定めた原子炉等規制法の改正や新法制定を検討する。 "[he-forum 17208] 河北新報社説8/13","河北新報社説2012年8月13日付 奨学金制度拡充/政策の優先順位を上げよ  家計が厳しさを増し、子どもの貧困率が上昇傾向を見せる中、奨学金制度の充実を求める声が高まっている。  経済的な負担を理由に進学を断念する。十分な教育が受けられないことで希望する仕事に就けず、苦しい生活から抜け出せない-。奨学金はそうした「貧困の連鎖」を断ち切るための足掛かりでもある。  家庭の経済力で将来が決まってしまうとすれば、あまりに理不尽だ。個人の努力では突破できない。家計が学ぶ機会を遠ざけ、飛躍の可能性をしぼませる状況の放置は、行政の不作為と言っていい。社会の公正さを損ね、持続的な安定と活力をそぐことにもなる。  奨学金を利用する学生は増え続け、その割合は2人に1人を超えている。所得の落ち込みとともに親からの仕送りは減る一方で、家庭外の支援措置は重要性を増している。進学を支える最後の「セーフティーネット」でもあり、使い勝手のいい制度への改善を急ぎたい。  要となる日本学生支援機構の公的奨学金は原則貸与だ。かつては無利子(1種)中心で、利用者の拡大とともに有利子(2種)貸与が多くなっている。  借りたお金は返すのが道理だが、雇用経済環境の厳しさから返済が重荷になっている。失業率の高止まりや収入の乏しい非正規労働が一般化しており、滞納を余儀なくされるケースが目立つ。  文部科学省は本年度、返済を猶予する所得連動型の制度を導入したものの、延滞金などの負担は重い。利用者の年収に応じたきめの細かい柔軟な返済の仕組みを検討するべきで、一定収入以下の人には無利子の導入や免除などの措置も考えたい。  日本の教育にかける公的負担は世界最低レベルにあり、学費が高い割に支援体制が貧弱だ。無利子を原則にするぐらいの見直しを図っていいし、多くの主要国が設けている返済を伴わない「給付型」に踏み込みたい。被災・避難家庭への目配りも欠いてはいけない。  文科省は2012年度予算の概算要求に給付型の導入を盛り込んだが、財源が確保できず、最終的に見送られた。  消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案で、政府は高齢者とともに若者・子どもを重視する考えを強調している。給付型を取り入れる好機であり、あらためて概算要求に盛るなど、将来世代を大事にする姿勢を形にしてはどうか。  有力大学が地方出身の学生を対象にした奨学金制度を拡充させている。少子化の加速を受けた学生の獲得競争の側面が強いが、授業料の減免などを含めた支援措置は歓迎したい。  困難な時代を切り開く学生らへの支援は、人的なインフラ整備を意味する。質の高い人づくりは国際競争を乗り切る不可欠の要素だ。教育にお金がかかることが要因の一つとされる少子化対策にもなり得よう。  奨学金制度充実を図る政策の優先順位は間違いなく、高い。 "[he-forum 17207] 山陰中央新報論説8/7","山陰中央新報論説2012年8月7日付 京大元教授逮捕/研究費不正絶つ仕組みを  研究費の不正がついに収賄事件になった。物品納入に便宜を図った見返りに渡されたクレジットカードを自由に使い、医療機器販売会社に負担させたとして、収賄容疑で京都大大学院薬学研究科の元教授(6月28日付で辞職)の辻本豪三容疑者が東京地検特捜部に逮捕された。  事実の解明は捜査の結果を待ちたいが、研究費を多く獲得する著名な研究者の逮捕にまで至ったのは異例である。日本の研究を揺るがす大事件として受け止めるべきだ。  研究費の不正はこれまで何度も繰り返された。研究費の不正使用が内部告発で明るみに出た。しかし、大半は大学などの内部調査を基に、懲戒処分や役職の辞任、研究費返還で処理されてきた。  そこには、研究者の自律性や、産学協同研究の必要性、学界の自浄作用を尊重する捜査当局の抑制が利いていた。大学や文部科学省は研究費の不正問題で何度も包括的な調査を重ねてきたが、自主申告を基本にしており、公表されるのは”氷山の一角”にすぎない。辻本元教授も10年以上、研究費不正が見逃されて、深みにはまっていった。  不正防止のために科学者の倫理規範を日本学術会議が策定しているが、現場への浸透は弱い。研究費の不正をもとから絶つ仕組みが必要である。  日本の研究費は”科学技術創造立国”を掲げる科学技術基本法が施行された1995年から増え続けた。一方で、脚光を浴びやすい応用研究に予算が集中する傾向が強まった。創薬に結び付く医療研究は政府の成長戦略でも重視されてきた。  辻本元教授は、解読が急激に進むゲノム(全遺伝情報)を手掛かりに新薬を開発しようとするゲノム創薬研究の第一人者として頭角を現した。政府の最先端研究開発支援プログラムでは、ノーベル化学賞受賞者の田中耕一島津製作所シニアフェローが主導する研究プロジェクト(2013年度までに約40億円)の一翼を担うまでになった。  そのために京大薬学部に最先端創薬研究センターが10年に創設され、そのセンター長に就いていた。地道な研究より、ビジネスのように巨額の研究費を集めてくる教授が評価されがちで、批判されないまま、不正が起きやすい環境ができる。  最近は各省庁や企業などから研究費をかき集める有力な研究者も少なくない。使い切れないほどの研究費を特定の個人に流せば不正を誘導する。研究費の極度の集中は避けるべきだ。  年度内に使い切れず業者に架空請求したりカラ出張したりして研究予算を”預け金”としてプールし、自由に使う手法が不正のほとんどだ。辻本元教授の場合も、これが業者と相互依存の癒着の温床になった。  確かに研究予算の執行が遅れて物品の購入が間に合わないようなケースは多い。基金化して年度を越えて使えるようなルールは必要だろう。研究費の適正執行のため、優秀な事務スタッフが関与するようにもしたい。  辻本元教授の研究では、遺伝子情報を解読する最新分析機器などの購入費に予算がかなり投じられた。ハコモノ研究といえる。そうした研究にはより強い監視が望ましい。京大と文部科学省は徹底的に調査し、再発防止策を示す義務がある。 "[he-forum 17206] 南日本新聞社説8/12","南日本新聞社説2012年8月12日付 [京大元教授逮捕] 不正できない仕組みを  物品納入の見返りと知りながら業者から提供されたクレジットカードを飲食や家族が使う電化製品などの購入に使っていたとして、京都大学大学院薬学研究科の元教授辻本豪三容疑者が、収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕された。  辻本元教授は、ゲノム(全遺伝情報)から新薬を開発する研究の第一人者として誰もが認める存在で、「研究費をたくさん取ってくる研究科の“稼ぎ頭”」としても知られていたという。  研究費の不正はこれまで何度も繰り返されており、日本学術会議が不正防止のための倫理規範を策定しているが、研究費に比較的恵まれた著名研究者が逮捕に至ったのは異例だ。東京地検は癒着の構図を徹底解明してほしい。  日本の研究費は、“科学技術創造立国”を掲げる科学技術基本法が施行された1995年から増え続けた。なかでも脚光を浴びやすい応用研究に予算が集中する傾向が強く、創薬に結びつく医療研究は、政府の成長戦略でも重視されてきた。  辻本元教授が、ノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一シニアフェローと共同提案した薬開発プロジェクトは、内閣府が推進する最先端研究の一つに選ばれ、2013年度までの4年間で総額40億円の助成が決まっていた。10年には京大薬学部に最先端創薬研究センターが創設され、辻本元教授が施設長に就任した。  研究費の不正は、年度内に使い切れなかった予算で業者に架空請求したりカラ出張したりして“預け金”としてプールしておき、後で自由に使う手法がほとんどだ。辻本元教授のケースも、これが業者との癒着の温床となった。  背景には、地道な研究よりビジネスのように巨額の研究費を集めることのできる研究者が評価されがちな現実がある。だが、使い切れないほどの研究費が特定の個人に集まれば、不正が起きやすい環境が整うことになる。研究費の極度の集中を避ける工夫が必要だ。  研究予算の執行が遅れ、研究機材を購入できないこともある。そんなときに備えて不正資金をプールしなくても済むよう、予算を基金化して年度を越えて使えるようにすることも考えたい。  辻本元教授の研究では遺伝子情報を解読する最新分析機器などの購入にかなりの予算が投じられた。機材の購入に大金がかかる研究では、研究費の適正執行のため、独立した事務スタッフの関与を義務付けることも考えなければなるまい。重要なことは、研究費の不正をもとから断つ仕組みをつくることである。 "[he-forum 17205] 中国新聞8/10","中国新聞2012年8月10日付 各大学に授業の再編求める 中教審の大学分科会  中教審の大学分科会は9日、学部教育の質を向上させるため、各大学が学長を中心としたプロジェクトチームをつくり、授業科目の再編を進めるよう求める答申案を大筋で了承した。  諸外国に比べ日本の大学生の学習時間が少ないとして、積極的な学びを促すため、授業の関連性を分かりやすく整理して学生に示し、効率よい授業編成をするよう大学に求める。  答申案は、各大学に対し、教育課程を通じて学生が身に付けるべき能力を明示し、その能力の習得に役立つように授業を再編することを要請。外部テストなどで学習成果を測り、カリキュラムの改善を進めるシステムを確立するべきだとした。  そのために、学長がリーダーシップを発揮して大学全体の授業再編を進める必要があるとしている。  文科省が5~6月、学長や学部長に実施したアンケートでは「授業科目の内容が各教員に任され、教員間の連携が十分でない」との意見が目立っていた。  答申案は、高校と大学の連携が不十分だとして、大学改革と、高校教育や入試の見直しをセットで議論する場を直ちに設置するとしている。 "[he-forum 17204] 読売新聞8/11","読売新聞2012年8月11日付 阪大病院に未来医療開発部…施設使用など有料化  大阪大病院(大阪府吹田市)は、再生医療などの基礎研究と、医薬品開発などを目的とした臨床試験(治験)を手掛ける「未来医療開発部」を発足させた。臨床試験を行う際の書類作成の手助け、高度な研究施設の使用などを有料化し、“もうける”セクションに育てていきたいとしている。文部科学省によると、大学病院でこうした試みは珍しい。  阪大病院によると、未来医療開発部は、再生医療やワクチン療法などの先端研究を支援する「未来医療センター」と、企業の依頼を受けて治験を行う「臨床試験部」という院内の2機関を統合し、1日付で設置。看護部や薬剤部と並ぶ「部」へ昇格させた。  両機関はこれまで、治験計画の作成やデータの解析、高額な維持費がかかる実験施設の運営などを担っていたが、収入は治験を依頼する企業からだけで、“赤字”続き。国の補助金(年間約2億円)や、人件費を病院負担とすることなどで存続してきた。  未来医療開発部では、製薬企業による臨床試験の計画書作成を支援する場合は54万円、完全滅菌で人の細胞を培養する施設の使用料は1室1日6万円などと、料金を設定。料金は、学外研究者からは企業の半額程度を、これまでは無料だった学内研究者からも同3分の1程度を徴収する。同部長に就任した澤芳樹副院長は「有料化によって、基礎研究から臨床応用までを担う部として自立を図り、組織を発展させたい」としている。 "[he-forum 17203] 岐阜新聞8/11","岐阜新聞2012年8月11日付 岐阜大と鳥取大、共同獣医学科で調印 13年度設置  2013年度に設置される、岐阜大学(岐阜市柳戸)と鳥取大学(鳥取市)の共同獣医学科の調印式が、鳥取大学で行われた。  獣医学教育改革の「調査研究協力者会議」の提言を受けて設けられる「モデル・コア・カリキュラム」への十分な対応や、岐阜大の野生動物に関する教育研究、鳥取大の動物感染症に関する研究といった得意分野、互いの施設を生かし獣医師養成に向けた実践的な対応力の養成を行うことなどが目的。  調印式は両大学の関係者らが出席。岐阜大学の森秀樹学長は「自分のところにない、特長ある実習を充実してほしい」、鳥取大の能勢隆之学長は「グローバル化に向け、歩みを進めたい」などと述べ、調印書にサインした。 "[he-forum 17213] 河北新報8/21","河北新報2012年8月21日付 重粒子線がん治療の施設設置へ課題検討 山形大推進協  東北初の重粒子線がん治療施設の設置に向け課題などを話し合う「山形大重粒子線がん治療施設設置推進協議会」(議長・結城章夫学長)の初会合が20日、山形大で開かれた。  東北経済連合会や日本政策投資銀行、東北経済産業局、東北厚生局、東北大、山形県など協議会を構成する15団体の代表が出席。会合は非公開で行われ、大学側が同施設を山形大に設置する意義や課題などを説明したのに対し、出席者から設置を期待する発言などがあったという。  会合後の記者会見で山形大同施設設置準備室の嘉山孝正室長は「東北大から『大賛成』との発言があるなど、山形大がこの施設設置に(東北で)最適と認めてくれたと受け止めた」と語った。  設置をめぐっては、約150億円とされる資金調達が最大の焦点になっている。会見で結城学長は「まず国費、それが駄目なら借り入れ、などといろんな策を模索したい」と述べた。  協議会は年3、4回のペースで開かれる。大学側は協議会の意見などを聞きながら、本年度内に資金調達へのめどを付けたい考えだ。 "[he-forum 17214] 原子力基本法改正に関して大学教員一同で声明文","佐賀大学の豊島です. 原子力基本法改正に関して,佐賀大学・理工・物理学専攻教員一同によ る「安全保障目的」を削除するよう求める声明文が,本日,総理大臣と 衆参両院議長宛に教室から送られました.佐賀県庁の記者クラブにも届 けます. 声明文では触れていませんが,改正されなかった部分にも問題がありま す.第一条に「原子力の研究、開発及び利用を推進することによつて、 将来におけるエネルギー資源を確保し」とあります.つまり原発維持・ 推進か脱原発かの今日の国民的議論を無視し,「推進」のままにされて いるのです. 短いので全文を転載します. ---------- 改正された原子力基本法から「安全保障」の語の削除を求める 政府は,原子力基本法の第二条(基本方針)に「安全保障」という目的 を付け加えるという改正を行った.法律の中で使われる「安全保障」と いう言葉は,外交政策だけでなく防衛政策をも含み,軍事的な意味も排 除されない.すなわち,原子力の研究・開発・利用に「安全保障」目的 が加わることは,核兵器開発も含まれるものと受け止められかねない. このような解釈の余地を残すことは,同じ第二条の第一項にある「平和 の目的に限」るというわが国のこれまで原子力政策の基本と矛盾する. 核兵器開発の歯止めを外すことにつながりかねない今回の改正は,核兵 器の廃絶という国民大多数の願いにも反する.核兵器は科学技術の悪用 の最たるものである.これが物理学者たちによってこの世に生み出され たため,わが国の物理学の優れた先達たちも,「湯川・朝永宣言」など 核兵器廃絶のための努力を行ったが,その目的は未だに達成されていな い.よって我々は,同じ学問分野の教育と研究に携わる者としてこの努 力を受け継ぐべく,今回の改正を元に戻し,第二条から「安全保障」の 語を削除することを政府と国会に求めるものである. 2012年8月23日   佐賀大学工学系研究科物理科学専攻教員一同       連絡先:米山博志(専攻 長)     住所 840-8502 佐賀市本庄町1, 電話  0952-28-8544,ファクス 8547 ---------- 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 17215] 読売新聞徳島8/23","読売新聞徳島版32012年8月23日付 3大学、県立3施設と協定 <学芸員養成科目開講で>  学芸員の資格取得に必要な講義を県立博物館、同近代美術館、同文書館で開講するため、県と徳島大、鳴門教育大、四国大の3大学は22日、学芸員養成科目の開講に関する協定を結んだ。県によると、県立の複数施設と国立、私立大学が協定を結ぶのは全国的に珍しいという。  2012年度の入学生から、学芸員取得に必須の博物館に関する科目が改められ、博物館資料保存論、博物館展示論、博物館教育論の3科目が新設された。実務経験者がいることや設備が整っているため、3大学から教育委員会に協力要請があり、開講することになった。  今年度は、四国大の学生約20人が、9月25~29日の5日間の集中講義で、博物館資料保存論を受講。収蔵庫の工夫などを学ぶ。来年度から3科目開講し、ほかの2大学も受講する。 "[he-forum 17218] 朝日新聞8/21","朝日新聞2012年8月21日付 法曹養成見直し、有識者会議の設置を閣議決定  法科大学院の志願者減少や弁護士の就職難で混迷している法曹養成制度を大幅に見直すため、政府は21日、有識者らによる「法曹養成制度検討会議」(座長=佐々木毅学習院大教授)の設置を閣議決定した。今月末にも議論を始め、法曹人口の目標数や法科大学院の統廃合などについて、1年以内に結論をまとめる。  滝実法相はこの日の閣議後の記者会見で「幅広い意見で、みんなが納得できる結論が導かれればと思っている」と期待を語った。  現行制度の見直しをめぐっては、法務、文部科学両省が中心となって昨年5月から、裁判官、検察官、弁護士の法曹三者の代表や有識者でつくる「法曹の養成に関するフォーラム」で検討してきた。だが、結論をどう生かすかが規定されていなかったため、フォーラムのメンバーを増員して検討結果を引き継ぐ形で、権限と責任を明確にした検討会議を新設することにした。事務局は法務省に置き、結論を踏まえて政府が行程表を作成し、改善策を取る。  法曹人口の目標を「5万人規模」とした司法制度改革審議会の意見書(2001年)を受けて、政府は10年ごろまでに司法試験合格者を年間3千人にする目標を立て、養成機関として04年に法科大学院を新設した。全国で74校が開校したが、修了者の7~8割と想定していた合格率は2割台に低迷。合格者は2千人台で頭打ちとなり、3千人の目標は達成できなかった。  法科大学院の志願者は急減し、撤退を決めた法科大学院はすでに5校に。一方で、弁護士が大幅に増えたため、試験に合格しても就職できないケースが深刻化している。  総務省は今年4月、年間3千人の司法試験合格者の目標は多すぎるとして見直しを勧告。日本弁護士連合会なども法科大学院の定員や合格者の削減を求めている。(田村剛) "[he-forum 17216] 読売新聞神奈川8/23","読売新聞神奈川版2012年8月23日付 横浜国大、新入生1割に「集団留学」 2015年度から  横浜国立大(横浜市保土ヶ谷区)は2015年度から、新入生の約1割を集団で約半年間、英語圏の大学と、英語で教育するアジアの大学に留学させるプログラム「海外集中キャンプ」を導入する。専門課程や就職活動が始まる前に語学力を養い、国際的な人材を育てるのが狙い。同大によると、全国でも先進的な取り組みだという。  海外集中キャンプは、4学部の入学定員1662人のうち、7~10%に当たる新入生100~160人程度が対象となる。入試で語学力を重視した選抜を行ったり、合格後に意向を調査したりして募集する予定だ。  海外集中キャンプに参加する新入生は、5月頃から約1か月間、提携するオーストラリアや英国などの英語圏の大学に語学留学する。その後約4か月間、フィリピンやマレーシアなどの生活費が安く英語で教育を行うアジアの大学で教養科目を履修する。  留学先で取得した単位は横国大の卒業単位として認められる。留学費用は同大の授業料に含め別途徴収はせず、渡航費や生活費などは自己負担とするという。  文部科学省によると、海外に留学する日本人留学生数は04年の8万2945人をピークに、09年には5万9923人に減少した。同大でもこれまで提携する海外の大学への短期留学を実施してきたが、進級や就職活動に支障が出るなどの理由で志望する学生は05年度をピークに近年、減少傾向にあるという。  同大が始める海外集中キャンプについて、一橋大国際教育センターの太田浩教授(比較国際教育学)は「近年、大学教育レベルの上がっているアジア圏に目を向けるのは興味深く、留学単位を幅広く認定するのは国立大として先駆的だ。入学後早期に半年間という長さで留学するのは、きちんと勉強するうえで意味がある」と評価している。  横浜国大国際課は「大学生になりたてで意欲が高いうちにグローバルな視野を育て、その後に生かせるようにしたい」としている。 "[he-forum 17217] 福井新聞8/23","福井新聞2012年8月23日付 福井大が就職率5年連続全国1位 12年春卒の国公立大部門  福井大の2012年春卒学生の就職率が95・8%で、卒業者1千人以上の大学で2年連続全国1位となったことが、民間情報会社の集計で分かった。国立大20+ 件部門では5年連続全国1位だった。  就職率は、卒業者数から大学院進学者数を差し引いた人数を分母に、就職者数を分子にして算出した数字。全国公立・私立大にアンケート調査し、回答のあった546大学の数字をまとめた。平均就職率は76・1%だった。  福井大の12年春卒業者は1288人で、進学者は304人、就職者は943人だった。就職率は前年に比べ1・1ポイント上昇した。2位は九州工業大(福岡)で95・3%、3位は国際医療福祉大(栃木)で94・1%だった。  福井大就職支援室の青山傳治室長は「メールを活用した企業説明会や採用情報の提供、学内での個別企業説明会など、きめ細かい支援策が定着してきた結果」と話している。  県内大学では、卒業者100人以上1千人未満の部で、福井工大51位(就職率92・1%)、県立大70位(同90・1%)、仁愛大100位(同86・4%)だった。 "[he-forum 17223] 河北新報8/25","河北新報2012年8月25日付 東京エレクトロン、東北大に産学連携拠点 磁気メモリー開発  半導体製造装置大手の東京エレクトロン(東京)は、東北大が整備している青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)に研究開発棟を寄付し、共同で次世代磁気メモリーの実用化に向けた技術開発を進める。東北大が24日、発表した。同キャンパスで、民間拠出による産学連携拠点の設置が決まったのは初めて。  新設されるのは「国際産学連携集積エレクトロニクス研究開発センター(仮称)」で、鉄骨3階で延べ床面積約6000平方メートル。総工費約22億円で東京エレクトロンが建設し、東北大に寄付する。2013年春に完成予定。28日に現地で安全祈願祭が行われる。  研究対象は次世代磁気メモリー「STT-MRAM」。電源を切っても記憶を保持し、情報を処理する時だけ電力を消費する。スマートフォン(多機能携帯電話)などの省エネ化につながるため、国内外で開発競争が激しさを増している。  同分野の研究は、大学院工学研究科の遠藤哲郎教授(電気エネルギーシステム)が世界をリードする。開発には遠藤研究室を中心に東京エレクトロンをはじめ、電子機器メーカー10社程度が参加。東京エレクトロン宮城(宮城県大和町)で18年度の本格量産を目指す。  東京エレクトロンの保坂重敏常務は「次世代メモリーの開発は、企業単独では難しい。大学の技術を生かして実用化につなげたい」と話している。 ◎企業立地促進助成金増額へ 仙台市、東北大と再締結  仙台市は、東北大が整備を進めている青葉山新キャンパス(青葉区)への企業の研究開発施設の誘致促進に向け、市独自の企業立地促進助成金を上積みする方針を固めた。年内にも東北大と協定を再締結する。  2008年に結んだ協定では、進出した研究開発施設の固定資産税相当額を5年間、助成することを決めた。新たな協定には、助成金の大幅増額のほか、東日本大震災の復興特区法に基づく「民間投資促進特区」を活用することも盛り込む。  市は支援策の強化により、地域産業の活性化につなげたい考え。同キャンパスに設置が決まった「国際産学連携集積エレクトロニクス研究開発センター(仮称)」に加え、世界レベルの研究開発施設の集積促進も目指す。 "[he-forum 17225] 共同通信8/25","共同通信2012年8月25日9時28分 大学入試センター試験の検定料免除継続 被災の受験生対象  大学入試センターは、東日本大震災で被災した受験生が対象のセンター試験の検定料免除を、来年1月の試験でも継続する。免除されるのは、3教科以上で1万8千円、2教科以下で1万2千円の検定料のほか、成績通知手数料800円。  今年の試験と同じく、被災して自宅が全半壊したり、家計を支える家族が死亡や行方不明になったりした場合が対象。東京電力福島第1原発事故による警戒区域や計画的避難区域に加え、避難指示解除準備区域などの出身者も対象になる。 "[he-forum 17224] 長野日報8/25","長野日報2012年8月25日付 慶応大と連携協定 信大農学部と大学院農学研究科  信州大学農学部(南箕輪村)の中村宗一郎学部長は24日、信大農学部と大学院農学研究科が、慶応義塾大学総合政策、環境情報の2学部(神奈川県藤沢市)と、大学院政策メディア研究科と連携協定を締結した、と発表した。学生と教職員が相互交流し、双方の大学を発展させる。信大によると、国立・私立大間の連携協定は前例がなく、全国的にも珍しいという。  信大農学部が所有する農場と、演習林の共同利用を望む慶応大との間にさらに幅広い連携を持たせるため協定を結んだ。信大側が研究で積み上げてきた食料と環境、生命の各分野について、慶応大側が強い経済と経営分野に結びつける。  協定内容は▽学術研究▽学生の教育研究▽教職員の相互交流-など6項目。学生の単位互換は特別講義と集中講義を予定し、国立大と私立大で違いが大きい授業料を調整して来年4月からの運用を目指す。  今回の連携協定で初めての活動として、信大側が夏休み中の9月にバスツアーを企画して慶応大湘南藤沢キャンパスを訪問する。慶応大側は2013年度に開設する博士課程教育リーディングプログラム「グローバル環境システムリーダーコース」の授業を農学部の施設で行う。  中村学部長が22日に慶応大藤沢キャンパスを訪れ、環境情報学部の村井純学部長、政策メディア研究科の徳田秀幸委員長と連携協定を取り交わした。  中村学部長は「学生たちがとても喜んでいる。刺激になり、視点を変えることで改めて信大のよさを感じてもらえれば。私学の雄・慶応大との交流で相互発展に努めたい」と意気込みを話した。 "[he-forum 17221] 読売新聞社説8/26","読売新聞社説2012年8月26日付 教員養成改革 指導力ある若手の育成を急げ  教員になる人には、大学の4年間に加え、大学院で修士レベルの教育を受けてもらう――。  教員の資質向上策として、中央教育審議会が近く文部科学相に提出する答申案にそんな提言が盛り込まれた。  いじめや不登校など、学校で深刻な問題が増えているにもかかわらず、教員が適切に対処できていないとの批判は根強い。  近年、教育現場では、大量採用されたベテラン教員の退職や業務の多忙化などで、若手教員を育てる余裕が失われつつある。教員同士が学び合い、指導法を受け継ぐという雰囲気も乏しいようだ。  教員養成システムが手直しを迫られているのは確かだろう。  答申案によると、学部4年を修了すると、仮免許ともいえる「基礎免許」、その後、大学院で必要な課程を履修すれば「一般免許」を付与する。基礎免許のみでも教壇に立てるが、一定期間内に一般免許の取得を求めるという。  校長経験者ら実務家が指導にあたり、学校での実習を重ねる養成方法の確立を目指す。その中核として想定しているのが、2008年に開設された教職大学院だ。  養成にある程度、時間をかけ、実践的な指導力を身につけさせるという狙いは理解できる。  ただ、教職大学院は現在、25校にとどまる。定員は計815人で、毎年の教員採用数(公立で3万人)に遠く及ばない。受け皿整備は今後の重要な課題である。  大学院に通う学費負担の問題もある。奨学金など適切な支援がなければ、優秀で意欲のある人材が経済的な理由から教員志望を断念することになりかねない。  今後10年間は、定年を迎える教員の大量退職が見込まれ、教員全体の約3分の1が入れ替わる。若手教員の養成は喫緊の課題だ。  「修士制」導入の検討と並行して、教員養成に携わる大学が自ら、カリキュラムの改善を早急に進めることが肝要である。  大学側は、教員を採用して学校に配置する教育委員会と密接に情報交換を重ねるべきだ。指導内容が現場のニーズに即しているかどうかについても、厳しく点検しなければならない。  社会人に教員への門戸を開くことも大切だ。例えば、科学の研究者が教員として、その面白さを伝えれば、子供の理科離れを防ぐ一助となろう。子供の英語力向上に役立つ人材も登用したい。  幅広い層の多彩な経験を生かすことが、教育現場の活性化につながるはずだ。 "[he-forum 17222] 時事通信8/24","時事通信2012年8月24日22時10分 福島第1廃炉へ人材育成=来年度予算で経産省  経済産業省は24日、東京電力福島第1原発の廃炉に向けた人材育成や技術開発の取り組みを支援する方針を明らかにした。2013年度予算の概算要求で、廃炉技術研究の中核拠点として期待される大学・研究機関に対する助成を行うため、必要な経費を盛り込む。国際的な研究拠点を福島県内に置く検討にも着手する。 "[he-forum 17220] 読売新聞富山8/25","読売新聞富山版2012年8月25日付 7大・高専が連合 単位互換や教員派遣  県内七つの大学・高専が、単位互換などの連携を進めるための連合体「大学コンソーシアム富山」を来年4月に設立することが決まった。石井知事と各大学の学長らが24日、コンソーシアムの設立と運営に関する覚書に調印した。  参加するのは富山大、県立大、高岡法科大、富山国際大、富山短大、富山福祉短大、富山高専の7高等教育機関。大学の教員が高校で専門性の高い特別授業を開いたり、大学での講座受講を高校の単位として認定したりする「高大連携」や、大学間での単位互換などを行う。単位互換科目の案としては「富山の地域学」と「災害救援ボランティア論」の2科目が挙げられた。地域課題の解決に取り組む教員らの活動も支援する。  富山市内に事務局と専任職員を設置し、県は設立や運営の支援を行う。  富山市舟橋南町の「高志の国文学館」で行われた石井知事と学長らの会談で、石井知事は「少子化で入学者数が減り、大学間の競争が激しくなる中で、教育水準や魅力を高めることを期待している」と述べた。富山国際大の中島恭一学長は「大学の資源を役立てるだけでなく、地域や企業の教育力を活用したグローバル人材育成事業の積極的な展開を期待する」と話した。  7教育機関の学生を対象に、中国・大連の大連YKKジッパー社での企業実務研修を来年2~3月に行うことも決まった。 "[he-forum 17219] 国立大学法人法改正案(独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案による国立大学法人法)の解説(1)","国立大学法人法改正案(独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案による国立大学法人法)の解説(1) 2012年8月24日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 1.「独立行政法人」から「行政法人」に 政府は 2012年5月11日に独立行政法人通則法の改正案と関連整備法の2本を提出した。今国会で成立させ、来年の通常国会で統合する個別の法人の統合法案を提出し、2014年4月に新制度に移行する計画とされている。 主な内容は、「独立行政法人」を「行政法人」に改め、「中期目標行政法人」と「行政執行法人」に分類して、それぞれ別の管理運営形態をとることとしている。「中期目標行政法人」は、3~5年の中期目標を設定して裁量性のある事業を実施する非公務員型の法人であり、研究開発事業を実施する法人は研究開発行政法人としてこれにはいる。「行政執行法人」は裁量性のない事業を実施する公務員型の法人であり、文科省に関連する法人は該当しない。なお、法案の詳細については、内閣官房の提出法案の一覧(http://www.cas.go.jp/jp/houan/index.html)から「独立行政法人通則法の一部を改正する法律案」および「独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案」を参照されたい。 変更のキーワードとして、「監査機能の強化」、「内部ガバナンスの強化」、「主務大臣の責任による確実な中期目標管理」などがあげられていることからも、独立行政法人の業務運営への関与を強化するという政府の目的を読み取ることができよう。 国立大学法人法には独立行政法人に準拠している部分が多くあり、その部分は連動して変更されるが、それにとどまらず、通則法に準拠していない部分についても政府の関与強化という観点から重要な変更点がいくつかある。しかしながら、これらの変更についてほとんど知られていないのが実態である。 本事務局では、今回の国立大学法人法改正案の内容を独立行政法人通則法改正案の内容と参照しながら、どのような変更が行なわれているのかを何回かに分けて解説する。変更点などの一覧表を掲載するので、それと合わせてお読みいただきたい。 なお、国立大大学法人法改正案は、独立行政法人通則法の関連法ということで350もの関連法と一緒に一括して総務委員会で審議されることが予想される。変更内容の重要さや国立大学法人法の成立の経緯、衆参両院での付帯決議などの観点から、国立大学の内部でも十分検討するとともに、衆院文部科学委員会および参院文教科学委員会で慎重に審議をするよう強く要望したい。 2.国立大学法人法の構造 (1) 現行国立大学法人法(以下、「法人法」)の本体は、41条の条文と附則から成る。しかし、これは見かけ上のことに過ぎない。法人法には、35条の規定により、独立行政法人通則法(以下、「通則法」)の3条、7条2項、8条1項、9条、11条、14条~17条、24条~26条、28条、31条~40条、42条~46条、47条~50条、52条、53条、61条、63条~66条が準用されており、これらを合わせるとその条文の数は80に膨らむ。通則法から準用されている規定の主なものは、「業務の公共性、透明性及び自主性」「財産的基礎」「登記」「監事」「職員の任命」「業務方法書」「年度計画」「年度評価」「中期目標期間評価」「中期目標期間終了時の検討」、そして財務会計に関する規定の大半である。 (2) 通則法から準用される規定は、法人法の中では、それぞれ、「主務大臣」を「文部科学大臣」、「評価委員会」を「国立大学法人評価委員会」などと読み替えている。また、条文毎に必要な語句の読み替えを行っている。準用規定と読み替えが多いことにより、法人法の条文は大変にわかりにくい構造になっている。この点だけ見ても、主権者である国民を無視した悪法といってよいだろう。 3.改正案の構造 (1) 改正の内容の検討に先立って、法人法案の構造がどうなっているのかを確認しておきたい。現在、閣法として国会に提出されている通則法の改正法案(「独立行政法人通則法の一部を改正する法律案」)では、①法人法には準用されない通則法の条文の改正、②法人法に準用される通則法の条文の改正、が企図されている。③さらに、一括して提出されている「独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案」において、法人法固有の条文にも、内容に踏み込んだ変更が目論まれている。 (2) 改正案の構造および手続きに関して、二つの大きな問題がある。一つは、②の改正が行われることにより、法人法の準用規定も改正されてしまうことである。すなわち、固有の条文を一切いじらなかったとしても、事実上、法人法の改正を行うことができるのである。 (3) もう一つの大きな問題は、③の改正である。これは本来、通則法の改正に伴う関連法律案として行われてよいようなものではない。 (4) なお、②と③の改正が行われることにより、法人法の改正案は現在のものにも増してわかりにくい構造になっている。表では、改正の全体像を少しでもわかりやすくするために、条文毎に色分けしてみた。法人法の改正案において、まったく変更されていない条文はマーク無し(白)、細かな字句や条項の番号にとどまる条文は灰色、削除されたものは黄色、現行と同じ通則法の条項を準用するものは黄緑、新設された通則法の条文を準用するものは緑、法人法の固有の条文を変更するものは赤でマークした。通則法にも、さまざまな変更が行われている。新設の条項や内容上の変更があったと見なしうる条項は桃色でマークした。これらが法人法に準用されている場合(黄緑または緑でマーク)、法人法にも実質的な変更が行われたと見なすことができる。 つづく 一覧表を含めて詳細は以下のURLを参照 http://www.shutoken-net.jp/index.php?option=com_content&view=article&id=3889&Itemid=114 "[he-forum 17226] 読売新聞8/28","読売新聞 2012年8月28日08時02分 今春大卒者2割超、アルバイト・非正規か職なし  今春、大学を卒業した約56万人のうち、アルバイトや非正規労働に就いた人と、就職も進学もしていない人が計約12万8000人で全体の2割以上いたことが27日、文部科学省の今年度の学校基本調査でわかった。  非正規労働に就いた人を初めて調べたところ、2万人を超えていたという。  同省は毎年5月1日現在で、全国の幼稚園から大学を対象に在学、卒業、就職などの基本情報を調べている。  大卒者55万9030人に関する調査では、雇用期間が1年以上で週30~40時間働いている契約社員や派遣社員などの非正規労働に就いた人が全体の3・9%の2万1990人に上った。  アルバイトなど「一時的な仕事に就いた者」と「進学も就職もしていない者」を合わせた進路未定者は10万6234人で、前年度より880人減少したが、同省は「非正規労働もあわせて大卒者の22・9%が不安定な立場にある状況は深刻な問題」としている。 "[he-forum 17231] 東京新聞社説8/25","東京新聞社説2012年8月28日付 法科大学院 学生を失望させぬよう  法科大学院が若者の期待を裏切っている。司法試験の合格率が低下を続け、志願者も激減しているのだ。定員割れの学校も大半だ。真面目に勉強すれば、70%程度が合格できる制度へと導くべきだ。  23・5%-。昨年の司法試験の合格率だ。年々、減少し続け、過去最低となった。法科大学院を修了して、三回の受験資格を使った者の合格率でみても、50%をやや上回る程度にすぎない。  厳しい現実は、法曹をめざす若者を尻込みさせる。法科大学院制度がスタートした二〇〇四年度には、志願者数が約七万三千人もいたのに、本年度は約四分の一にまで下がった。  入学者数も、ピークだった〇六年度の約五千八百人から四割以上も減った。  深刻なデータはもっとある。文部科学省の調査で、今春、学生を募集した法科大学院七十三校のうち、86%に当たる六十三校で、入学者が定員を下回ったのだ。定員の半数に満たなかったのは、そのうち三十五校にものぼった。  募集しても、学生が集まらない。入学しても、司法試験に合格できない-。授業料を負担する学生に見放されても当然で、こんな悪循環は放置できない。七十四校も乱立したのが、最大原因だ。  すでに五校が学生の募集停止を決めたが、自然淘汰(とうた)だけでは限界があろう。入学者がわずか一桁の学校が二十校もあるが、切磋琢磨(せっさたくま)の授業が成り立つだろうか。最も迷惑するのが学生だ。  そうした大学には、まず自主的に撤退を促すべきだ。さらに定員充足率や司法試験合格率などを総合的に勘案した基準を設け、統廃合を進めるときではないか。政策的な再編は不可避だろう。  ただし、地方の学校は将来、地元に定着する弁護士を育てる意味でも特例的に考えた方がいい。全国に適正配置することは必須だ。  法科大学院は司法制度改革の柱の一つだ。裁判官や検察官、弁護士などの法律実務家が、研究者と協力して、充実したカリキュラムを持つ。法曹専門の教育機関として、もっと発展させたい。  法曹養成制度を見直す国の検討会議が発足する。身近で頼りがいのある法律家を輩出する理念と、厳しい現実との溝をどう埋めるか。多様な分野から人材をどう集めるか。貧しい学生への奨学金制度なども、さらに充実させるべきだろう。勉強すれば、法曹の道に入れる-。学生が希望を持てる改善策を打ち出してほしい。 "[he-forum 17230] 北海道新聞社説8/27","北海道新聞社説2012年8月27日付 法科大学院 さらなる改革が必要だ  弁護士や裁判官、検察官を育てる法曹養成制度が混迷を深めている。  司法試験合格率の低さなどから、8年前に創設された法科大学院は入学者が激減し、閉鎖も相次いでいるからだ。  年間3千人を法曹界に送り込むとした政府の目標も破綻状態にある。  政府は合格者目標の引き下げや大学院の統廃合などを念頭に、有識者検討会議を設置した。  見直しが、単に大学院の開設数や目標を絞り込むだけの数合わせで終わることがあってはならない。  そもそも制度改正には、司法試験に合格さえすれば法曹界に入れる従来のあり方を改め、社会人も取り込んで、法律家としてふさわしい教育を施す狙いがあった。  こうした狙いは十分に浸透したのか。まずその検証が不可欠だ。  大学院の教育力や大学院生の質を高めて合格者を増やすだけではなく、弁護士の偏在を改める抜本的な改革に取り組むことも重要だ。  法科大学院は、司法試験の年間合格者を当時の1千人から2010年ごろに3倍にする政府目標を掲げ、04年に開設された。修了すれば司法試験の受験資格が得られる。  ところが、今春は全国73校の半数で定員の半分に満たなかった。道内2校の定員充足率は、北大90%、北海学園大は60%だった。  背景には、大学院の乱立があり、これに伴い大学院生の質が低下したとの指摘もある。当初、修了者の7、8割と想定した司法試験合格率は2割台まで落ち込んでいる。  司法試験が狭き門で、合格しても十分な弁護依頼がないとすれば、敬遠されるのは当然だろう。新任弁護士の収入が減少傾向にあることも見逃せない。  制度改正後、道内では弁護士が800人を超えるまで増えた。その面で一定の効果は出ている。  ただ、裁判官が常駐せず、1カ月に3日程度しか法廷が開けない地裁支部は道内16カ所のうち10カ所に上る。弁護士事務所がない市町村も8割を超している。  深刻な「司法過疎」は依然、解消されていない。  合格者の就職が難しいとされるのは、都市部への偏在が大きな原因でもある。検討会議はその視点を忘れてはならない。  もう一つ看過できないのは、法科大学院のしわ寄せで、法学部からそのまま大学院に進んで研究者を志す学生が減っていることだ。  法学は政治学や国際関係論、憲法学など多岐にわたる。やせ細っては国の将来を担う人材が不足する。  この問題も、法科大学院のあり方と一体で考えてもらいたい。 "[he-forum 17227] 河北新報8/28","河北新報2012年8月28日付 被災企業の産学連携支援、東北で48事業 科学技術振興機構  科学技術振興機構(JST)は27日、東日本大震災の被災地企業と大学など研究機関のマッチングを支援する「復興促進プログラム」として初採択した56事業を発表した。東北では石巻市の企業が取り組む高級ナマコの養殖など48件が対象となった。JSTは1件当たり年間2000万円を上限に最長3年間、研究開発費を支給する。  採択事業の県別内訳は、青森2件、岩手15件、宮城23件、福島11件、茨城5件、千葉3件。一部事業は複数企業が県境を越えて取り組む。企業は今秋中に共同研究を始め、3年以内の実用化や商品化を目指す。  高級ナマコの共同研究は、石巻魚糧工業が弘前大と取り組む。宮城県内の他の3社・団体とともに、アワビも含めた高級食材の水槽内での養殖実現を目指す。養殖用魚粉などの製造販売を手掛ける同社は「食品流通企業とも連携し、将来は中国などへの輸出も目指したい」と意気込む。  水産加工業の丸辰カマスイ(釜石市)は一関高専とともに、加工後の廃棄物だったイカの中骨やサンマのうろこを原料とするサプリメント開発を目指す。東洋刃物(宮城県富谷町)も東北大と共同で、水産加工向けのさびにくい工業用刃物の開発に取り組む。  JSTは支援先を来年度にかけて追加募集する予定で「被災地の企業の売り上げ増や、雇用の拡大につながる研究に期待したい」と話している。  JSTは4月、仙台、盛岡、郡山の3市に「復興促進センター」の事務所を開設。企業から相談を受け付け、研究機関を紹介している。 "[he-forum 17228] 読売新聞広島8/28","読売新聞広島版2012年8月28日付 他大と連携「知の拠点」・・・広大本部跡地の活用策  広島大は、広島市中区の同大学本部跡地(11・4ヘクタール)の再開発について、跡地内の東千田キャンパス(1・8ヘクタール)に社会人教育や他大学との連携拠点となる「知的人材育成センター」などの整備構想をまとめた。学内に設置した作業部会で、9月をめどに具体的な機能や整備日程を詰める。東広島市に本部が移転してから12年。懸案だった跡地利用計画が大きく前進することになりそうだ。(澤本梓)  同大学によると、広島市と共同で進める跡地活用策で、東千田キャンパスの北東側駐車場(0・3ヘクタール)と、隣接する国立大学財務・経営センター(千葉市)が所有する0・6ヘクタールの空き地の換地が4月に完了。同キャンパスを1・8ヘクタールに拡大させ、2棟の新施設を建てる。  広島市立大と修道大、広島経済大など県内11大学と連携して、共通の講義や共同研究などに取り組む「広島地域国公私立大学連携知的人材育成センター」(仮称)を設置する。このほか、広島大の医歯薬の学部生(1学年約850人)の教養教育や、社会人教育の拡充などの機能を持たせる。新棟の完成は早くて2年はかかるという。  跡地は「知の育成エリア」「知の継承エリア」「知の拠点を支えるゾーン」の3ブロックに分けて整備。国立大学財務・経営センターが所有する被爆建物の旧広島大理学部1号館(約2800平方メートル)は敷地内の空き地との土地交換によって市が取得し、東千田公園の一部として保存・活用する方針。一方、現在、市などが所有している4・1ヘクタールの土地は売却し、民間活力を利用した住宅や商業施設として整備していく。  現在、東千田キャンパスには、法、経済学部の夜間コースや法科大学院などがあり、社会人を含む約700人が学んでいる。  同大学学長室の担当者は「跡地は本学発祥の地。地域に開かれた知の拠点として、再生したい」としている。 "[he-forum 17232] 毎日新聞8/28夕刊","毎日新聞2012年8月28日付夕刊 女性教員:大学で増加、過去最高21.2% 学内保育所や相談窓口設置、研究サポート充実  大学で女性教員が増え続けている。文部科学省が27日発表した学校基本調査によると、大学教員のうち女性は21・2%(昨年度比0・6ポイント増)と過去最高を更新。女性の視点を研究に生かして生き残りを図ろうとする大学は、学内に保育所や相談窓口を設けるなど積極的に「働きやすい職場」作りの工夫をこらし、女性教員の確保を目指している。【石丸整】  北海道大は06年11月、出産や育児で研究に十分な時間が取れない女性教員のため、最大で週30時間までアルバイトの研究補助員が実験動物の飼育や事務作業を手伝う仕組みをスタートさせた。現在20人の女性教員が利用しているほか、10年5月には教職員向け保育所を設立した。  同大女性研究者支援室の有賀早苗教授(分子生物学)は「研究者は論文などのキャリアに空白があると公的研究費獲得で不利になる。保育所も大きな一歩」と喜ぶ。有賀教授自身も大学生の長女と高校生の長男を育てた。  北大の女性教員は05年度の7%(151人)から11年度末は10・5%(219人)に増えた。20年に20%にする計画で、女性に限定した理系教員の公募も実施している。  学校基本調査によると、今年5月1日現在の全国の「学長」から「助手」までの教員17万7571人のうち女性は3万7721人(21・2%)。昨年の3万6424人(20・6%)から1297人増えた。  私立大も女性の確保に力を入れる。早稲田大の今年度の女性教員は20・6%(1274人)で、10年前の15・7%(703人)から大幅に増えた。06年に学内に託児室を設けたほか、07年には主に理系の研究者のための相談窓口を設置した。  同大の男女共同参画推進室長の川田宏之教授(機械工学専攻)は「ものづくりに女性の視点が欠かせない。女性を支援しないと大学も立ちゆかなくなる」と指摘している。  ■大学の職名別女性教員数 学長    66人( 8.8%) "[he-forum 17229] 読売新聞8/27","読売新聞2012年8月27日付 教職大学院、半数で定員割れ…メリット少なく  学力向上からいじめまで、教育現場が抱える様々な問題に対処できる高い専門性を持つ教員育成を目指す教職大学院の2012年度の入学状況は、全国25校のうち13校で定員を下回っていることがわかった。  制度発足から5年連続で、4割超の大学院で定員割れが続いている。中央教育審議会は28日、教員の養成期間を6年に引き上げる答申をまとめるが、受け皿となる大学院の中には、定員削減に踏み切る動きも出ている。  読売新聞が教職大学院25校について今年度の「定員充足状況」を調べたところ、13校で入学者数が定員に対し60~95%で、定員割れの状態だった。25校全体の総定員815人に対し、入学者数は782人だった。  教職大学院は、学力向上、いじめ、不登校など、学校が抱える様々な問題に対処するため、生徒の指導方法や学校経営などについて実践的な手法を学ばせる場としてスタートした。  しかし、大学院を修了してもメリットが少ないことが課題。教員採用試験では、修了者に対する優遇措置がほとんどなく、現役教員が修了しても待遇などは不変で、こうしたことが不人気の背景にあるとみられる。 "[he-forum 17228] 読売新聞広島8/28","読売新聞広島版2012年8月28日付 他大と連携「知の拠点」・・・広大本部跡地の活用策  広島大は、広島市中区の同大学本部跡地(11・4ヘクタール)の再開発について、跡地内の東千田キャンパス(1・8ヘクタール)に社会人教育や他大学との連携拠点となる「知的人材育成センター」などの整備構想をまとめた。学内に設置した作業部会で、9月をめどに具体的な機能や整備日程を詰める。東広島市に本部が移転してから12年。懸案だった跡地利用計画が大きく前進することになりそうだ。(澤本梓)  同大学によると、広島市と共同で進める跡地活用策で、東千田キャンパスの北東側駐車場(0・3ヘクタール)と、隣接する国立大学財務・経営センター(千葉市)が所有する0・6ヘクタールの空き地の換地が4月に完了。同キャンパスを1・8ヘクタールに拡大させ、2棟の新施設を建てる。  広島市立大と修道大、広島経済大など県内11大学と連携して、共通の講義や共同研究などに取り組む「広島地域国公私立大学連携知的人材育成センター」(仮称)を設置する。このほか、広島大の医歯薬の学部生(1学年約850人)の教養教育や、社会人教育の拡充などの機能を持たせる。新棟の完成は早くて2年はかかるという。  跡地は「知の育成エリア」「知の継承エリア」「知の拠点を支えるゾーン」の3ブロックに分けて整備。国立大学財務・経営センターが所有する被爆建物の旧広島大理学部1号館(約2800平方メートル)は敷地内の空き地との土地交換によって市が取得し、東千田公園の一部として保存・活用する方針。一方、現在、市などが所有している4・1ヘクタールの土地は売却し、民間活力を利用した住宅や商業施設として整備していく。  現在、東千田キャンパスには、法、経済学部の夜間コースや法科大学院などがあり、社会人を含む約700人が学んでいる。  同大学学長室の担当者は「跡地は本学発祥の地。地域に開かれた知の拠点として、再生したい」としている。 "[he-forum 17233] 時事通信8/28","時事通信2012年8月28日21時52分 学長チームで授業再編を=大学の質向上、中教審答申-平野文科相、入試の改善諮問  中央教育審議会は28日、大学生に主体的に考える力を身を付けさせるため、学長らが特別チームを組み体系的な授業へ再編するよう平野博文文部科学相に答申した。平野文科相は「提言をしっかり受け止め、諸施策に取り組む」と述べた。  答申は、米国などと比べ日本の大学生の学習時間が短いと指摘。主体的に考える力を身に付けることや、学士課程教育で質の転換が必要とした。  その上で、学生の取得すべき課題を明示し、外部テストなども活用しながら体系的な授業の必要性を強調。今後の改革方策として、学長や学部長がチームを組み、カリキュラムを再編するよう求めた。 "[he-forum 17236] 山陽新聞8/29","山陽新聞2012年8月29日付 岡山大病院に小児センター 中四国の拠点目指す  先進的で総合的な小児医療の提供に向け、岡山大病院(岡山市北区)は9月1日、院内組織「小児医療センター」を設置する。診療科の枠を超えた“横の連携”を充実させ、最先端の医療を行う「中四国地方の拠点病院」を目指す。  同センターは既存の小児科、小児循環器科、小児外科、小児神経科、小児歯科の5科で組織する。麻酔蘇生科、放射線科など高度な診療に欠かせない他診療科との連携をこれまで以上に深めながら、重症小児患者の治療に当たる。  不登校や拒食症などに悩む子どもたちをケアする「子どものこころ診療部門」と、遺伝的な疾患を扱う「子どもの遺伝診療部門」も置き、より専門的な治療を行う。多くの治療実績がある小児白血病などを専門にする「小児血液・腫瘍科」を新たに設けることも検討するという。  医師は各診療科に所属して専門性を高めるが、医師免許取得から数年の若い医師には診療科にとらわれない研修を実施する。複数の分野に通じ高い専門性も持った医師を育成すると同時に、岡山県内の病院などに送り出し、地域の小児医療の発展を図る。 "[he-forum 17235] 朝日新聞大阪8/29","朝日新聞大阪版2012年8月29日付 府市大学統合、学部再編も  府立大と大阪市立大の統合について協議している新大学構想会議(座長・矢田俊文・北九州市立大学名誉教授)は28日、大阪市役所で、大阪商工会議所の常議員との意見交換会を開いた。席上、構想会議の上山信一委員は、大学統合に、看護や工学など2大学に共通する学部学科の再編を伴う考えを明らかにした。  「移転を伴っても、大阪市内の便利な場所に大学を作り、国際競争力を高めてほしい」という商工会議所からの要望に対し、矢田座長は「産学一体となって改革したい」と応じた。上山委員は「府立・市立ともに近年、人員と予算が減ったが、仕事のやり方が変わっておらず、疲弊している。経営改革が必要」と指摘。具体的に「少人数や学生のニーズがない学部を無理に存続させない」「教授会で人事を決めない」などを提案した。 "[he-forum 17234] 日本経済新聞8/29","日本経済新聞2012年8月29日付 大学入試、意欲や能力を総合評価 文科相が改革諮問  平野博文文部科学相は28日、大学入試の抜本的な改善策を示すよう中央教育審議会に諮問した。国際化や少子高齢化が進み社会構造が大きく変わる中、教科の知識量を問う筆記試験が中心の従来型入試では次世代を担うリーダーやグローバル人材は育ちにくいと指摘。志願者の意欲・能力・適性を総合的に評価する入試への転換を求めており、自らが考え、行動できる人材の育成を目指す。  中教審は同日の総会で、特別部会を設けて近く議論を始めることを決めた。大学入試センター試験を含めた入試の改善策のほか、高校教育と大学教育の連携強化やスムーズな移行策をテーマにする。1年後をめどに答申をまとめる。  諮問文は面接などで合否を決める推薦入試やアドミッション・オフィス(AO)入試が事実上の学力不問となり、評価尺度の多元化といった本来の趣旨から外れていると指摘。難関大も知識偏重型の入試が変わっておらず、協調性や行動力などを備えたグローバル社会で活躍できる人材を生み出すには課題があるとした。  平野文科相は「(現在の入試制度は)国民の期待に十分には応えきれていない」と強調。今後は「志願者の意欲、能力、適性の多面的・総合的な評価に基づく入試」への転換が不可欠とした。  6月に文科省がまとめた大学改革実行プランには、センター試験を1点刻みではなく数段階で成績を示す方式にして面接と組み合わせた合否判定に使う案が盛り込まれた。 "[he-forum 17238] 日経QUICKニュース8/31","日経QUICKニュース(NQN)2012/8/31 10:47 財務相、予算執行抑制策を発表 地方交付税の9月配分を延期  安住淳財務相は31日午前の閣議後の記者会見で、赤字国債発行法案の今国会での成立が絶望的な状況を踏まえて2012年度予算の執行抑制 策を発表した。「可能な限り執行を後ろ倒しすることで財源の枯渇時期を少しでも遅らせることを検討する」と説明。閣議でもこうした考えを各閣僚に伝え、 「来週から慎重に執行して頂きたい」と要請した。政府は9月8日までの会期内に法案が成立しない場合、執行抑制策を閣議決定する。  地方自治体向けの地方交付税の配分は、9月初旬の支払い分を一部延期する。その後は「地方交付税の執行抑制について、地方公共団体の円滑な 財政運営に十分配慮して検討」する方針を示した。政府部内の庁費、旅費などの毎月の支出は半分以下に抑制、独立行政法人や国立大学向けの運営費交付金は3 カ月ごとに予算の半分以上の支払いを留保する方針。一方、外交・安全保障や治安分野の経費や国債利払い費などは対象外になる。  赤字国債発行法案は一般会計歳入の約4割の裏付けとなる。10月末で財源がほぼ底をつくため、可能な限りの節約にとり組むことにした。財務相は同法案成立を前提にした政府短期証券の追加発行による穴埋めを、現行法令上「許容できない」と否定した。  赤字国債発行法案は衆参「ねじれ国会」では野党の協力なしには成立が不可能で、自民党は野田佳彦首相による衆院解散を協力の条件にしてい る。財務相は法案が成立しないと国民生活全般にわたって悪影響を免れないとし、「この法案を『人質』に何かを勝ち取ろうとするのは、政治のあり方として好 ましくない」と語った。= "[he-forum 17237] 毎日新聞8/31","毎日新聞 2012年08月31日 11時01分 安住財務相:「特例公債法案不成立なら予算執行抑制」表明  安住淳財務相は31日の閣議後記者会見で、赤字国債発行に必要な特例公債法案が今国会で成立しない場 合、9月以降、自治体への地方交付税(約4.1兆円)の支払い延期や国立大学への補助金の減額など、予算執行を抑制する方針を正式表明した。予算執行を抑 制するのは初めて。野田佳彦首相への問責決議が可決されて国会が空転した与野党対立の構図が、国民生活に影響を与えかねない異例の事態になる。  9月8日に会期末を迎える今国会での法案不成立が確実になった時点で、執行抑制を閣議決定する見通し。安住財務相は 9月4日に予定されている地方交付税の配布について「延期せざるを得ないだろうが、地方から切実な要望を受けている。(財政力の弱い自治体などへ)十分に 工夫と配慮をして計画を立てていく」と述べ、総務省と具体的な方法を調整するとした。また、独立行政法人や国立大学法人向けの補助金の支払いを従来の 50%以下にするほか、出張費など政府の行政経費の支出も50%以下に抑える。民間向け補助金なども交付を抑制する。= "[he-forum 17239] 毎日新聞三重8/28","毎日新聞三重版2012年8月28日付 医療研究講座:設置へ 津市と三重大、県が協定  津市と三重大、県は27日、地域の実情に合った医療体制の構築に向けた研究を行う寄付講座を同大大学院に設ける協定を結んだ。津市の前葉泰幸市長、三重大の内田淳正学長、鈴木英敬知事が市庁舎で調印した。  新講座は「津地域医療学講座」。市は高齢化が進む白山・美杉地域で、家庭医療の充実を目指している。患者や地域住民の健康問題を幅広く扱う家庭医の育成に力を入れる県立一志病院(津市白山町南家城)を運営する県、三重大と協力し、新たに同病院と同大大学院に計3人の医師を招き、地域性を踏まえた健康づくりの方針や、医療体制についての研究を行う。また将来の地域医療を担う人材を育成する研修カリキュラムの開発なども行う。講座の設置期間は9月1日から16年3月末までで、市は単年度に最大3440万円を提供する。  前葉市長は「予防、保健、福祉などが連携した地域医療の充実を全国に先駆けて取り組んでいきたい」と話した。また内田学長は「一志病院が家庭医療センターとして機能し、市が全国の地域医療のモデルになることを期待している」と話した。【永野航太】 "[he-forum 17241] 佐賀新聞8/31","佐賀新聞2012年8月31日付 認可保育所が「認可外」に 佐大病院の変更で波紋  佐賀大学医学部附属病院(佐賀市鍋島)が来年度から医学部構内にある認可保育所を認可外保育施設へ変更する計画を進めており、保護者に戸惑いが広がっている。病院側は「受け入れ人数の拡充など柔軟な運用で医師、看護師らのニーズに応えるため」としているが、保護者の中には「協議もなく一方的」との声もある。佐賀市や佐賀県は、病院側が開設時に認可保育所を要望した経緯や保護者の意向を踏まえて現状維持を要請する。  保育所は病院が園舎を建設し、2008年3月に認可保育所のひなた村自然塾(同市大和町)の分園として開所。病院関係者の子どもの入所が8割以上を占め、それ以外の一般利用者もいる。午後10時までの夜間保育も実施し、当初30人だった定員は現在、50人まで増えている。  病院は、看護師らへのアンケートで佐賀市外在住者が利用しにくい実情や24時間保育の要望があったと説明。また、現在は別々に運営する通常保育と病児保育の一体化や看護職を今後100人増員する計画も踏まえて子どもの受け入れ拡大を課題に挙げる。  認可保育所は定員、開園時間など細部にわたって行政の認可が必要で、運営面で一定の制約がかかる。そのため、病院は職員のニーズに合わせてより柔軟に対応できる認可外保育施設に切り替える方針を決めた。ひなた村自然塾との園舎使用貸借契約の期限が切れる来年度からの実施で、新たに運営先を公募するとしている。  計画では、厚生労働省の事業所内保育施設に関する助成金も活用、保育士の配置や設備など現行水準を維持する。地域に開放していた利用者は病院関係者に限定し、新規に受け入れない。病院は「子育て中の職員が働きやすい環境づくりは地域医療を担う上で不可欠。保育園を利用しやすくするための運営の見直しは必要」とする。  病院関係以外の保護者からは「利用者の意向も確認せず、病院の方針を突然聞かされた」「保育は保育士との信頼関係が大切。預け先があればいいという話ではない」「スタッフが変わることによる子どもの情緒面も不安」などと反発の声が上がる。  病院側は現在の利用者に対し、保育料を据え置いて受け入れを継続するなど経過措置を提示している。「保護者が今の保育に満足なのは理解できるし、申し訳なく思うが、今の運用では預けられないでいる保護者が出ていることも考えるとやむを得ない」と話す。  佐賀市教委こども課は「そもそも開設時に病院が認可施設を要望し、それに応じた経緯がある」と指摘した上で、「継続性は認可の前提であり、約束をほごにされた」と批判。保育所の許認可権を持つ県こども未来課は「保護者も現状を変えてほしくないという意向であり、病院に継続を依頼したい」と話す。  ひなた村自然塾は「子どもにとって最善な方法は何かという視点が抜け落ちている。これまで安全で安心できる保育を行い、成長を見守ってきた責任もあり、継続した形を求めていきたい」と話す。厚生労働省は「行政支援がある認可から任意で認可外になったケースは聞いたことがない」としている。 "[he-forum 17240] NHKニュース8/31","NHKニュース2012年8月31日11時34分 財源枯渇しかねない”予算執行を抑制  政府は、今年度予算の財源を確保するための「赤字国債発行法案」が成立する見通しが立たないことから、「財源の枯渇が現実のものとなりかねない」として、来月予定していた4兆円の地方交付税の支出を延期するなど、予算執行を抑制することを決めました。  今年度予算は、一般会計の総額90兆3000億円のうち38兆3000億円分を赤字国債で賄うことになっていますが、赤字国債発行法案の成立の見通しが立っておらず、財務省によりますと、このまま予算の執行を続けると、税収などの裏付けのある財源を10月から11月にかけて使い切る計算です。 このため政府は「今の国会中に法案が成立しなければ、財源が枯渇する懸念が現実のものとなりかねない」として、来月以降、予算執行を抑制することを決めました。  それによりますと、自治体の財源不足を補うため地方自治体に支給する地方交付税は、来月4日に予定されていたおよそ4兆円の支出をいったん延期します。 また、各省庁などの経費や国立大学への交付金、それに私学助成などは、支払いを半分以下に抑えるほか、財源確保のため一般会計から特別会計への繰り入れをできるだけ抑制するなどとしています。  政府は、引き続き法案の成立を働きかけていくことにしていますが、参議院で野田総理大臣への問責決議が可決されたことで法案の成立は極めて難しい情勢で、政府は国会の閉会に合わせて、こうした方針を閣議決定することにしています。 これについて安住財務大臣は閣議のあとの会見で、「このままいけば国民の生活、それを支える地方自治体の行政運営、国の行う事業などに支障が出てくるおそれがある。政治的に難しい状況であることは十分、認識しているが、国民の生活を守るためにも、この法案だけは与野党の合意で成立を図ってほしい」と述べました。 "[he-forum 17248] 福井新聞8/29","福井新聞2012年8月29日付 学校拠点実習が教員養成モデルに 「福井方式」が中教審答申反映  中央教育審議会の28日の答申には、教員養成と研修の一体化や教職大学院の拡充に向けた提言が盛り込まれ、福井大教職大学院と県教委による学校拠点方式の取り組みが、教員養成のモデルとして随所に反映された。少子化などを背景に教育系学部の不要論もある中で、「福井方式」が全国の大学から注目を集めそうだ。  いじめや不登校問題、ICT活用など学校現場の課題は高度化、複雑化しており、答申の第1の特徴は「学び続ける教師像」を鮮明に打ち出した点にある。これまで分断していた養成(大学)と研修(教育委員会)を一体化し、教員生活全体を通じて学び続けることを促す必要性を求めた。  教員免許を「一般免許」(修士レベル)「基礎免許」(学部卒)と、高い専門性を身に付けたことを証明する「専門免許」に種別化する提案が盛り込まれたのは、こうした背景によるものだ。  第2に、その受け皿として、教職大学院の拡充・整備が強く打ち出された。答申では「教職大学院の設置されていない都道府県においては、大学と教育委員会との連携・協働により、教職大学院の設置を推進することが望まれる」と踏み込んで提言された。  これらの提言は、福井大教職大学院と県教委が2008年度に始めた学校拠点方式による教員養成の取り組みがベースになっている。答申には改革モデルとして「一部の教職大学院については、学校を大学院の実習・学修の拠点とする方式により、現場での課題の解決に当たる試みを行い成果を上げている」と紹介された。  福井大教職大学院は、拠点となる学校での具体的な課題の解決を題材として、現職教員や学部卒の院生が、現場で学ぶことを基本としている。さらに大学教員が拠点校を定期的に訪れ、学校全体の教員を含めて一体的な研究を進めている。教委との密接な連携による取り組みは、他県の教職大学院にはみられない。  同大によると、中教審の審議過程を踏まえ、すでに複数の大学から「福井方式」導入に向け、共同研究の申し込みもあるという。同大教職大学院の松木健一専攻長は「福井のためだけでなく、日本全体の教育を念頭においてきた。各大学が連携して授業を持ち合いにするなど、全国的なネットワークを構築していくことが重要」と話す。  また教員研修の充実に関して、校内研修や自主研修の活性化と、それらの成果を単位化するなどの提言も盛り込まれた。  すでに県教委は教員の修士号取得に向け、福井大教職大学院と連携して現職研修を単位とする検討も行っている。今後、制度改革とともに、先進事例として一気に進む可能性もある。 "[he-forum 17247] 沖縄タイムス9/1","沖縄タイムス2012年9月1日付 大学院大学 きょう開学 34人が入学  沖縄科学技術大学院大学(OIST)=恩納村=が1日、開学する。県出身の女性1人を含め、18の国と地域から34人の学生が入学。すでに始動している研究分野に加え、教育機関としての活動がスタートすることになり、大学としての形が整った。  ジョナサン・ドーファン学長は「学生は大学に活力を与えてくれる。大学を構成するすべての要素がそろい、うれしく思う」と期待した。  OISTは、2010年3月に施設の一部使用を開始、11年11月に学校法人となった。すでに世界各国から集まった260人の研究員により、さまざまな研究を続けている。  大学院の教育課程は5年一貫の博士課程。同大は3日に入学セレモニー、6日に外部の関係者を招きレセプションを開く。 "[he-forum 17246] NHKニュース9/1","NHKニュース2012年9月1日20時53分 法科大学院“新たな仕組みを”  全国で法科大学院の志願者が大幅に減っていることから、日弁連=日本弁護士連合会は、制度について考えるシンポジウムを開き、参加者からは多様な人材を育成するために新たな仕組み作りが必要だという意見が相次ぎました。  法科大学院は、質の高い法律家を養成する目的で全国に設置されましたが、司法試験の合格者は当初の目標を大きく下回る年間2000人程度にとどまり、これに伴って法科大学院の志願者も4分の1まで減っています。  日弁連は、ことし7月、法科大学院の統廃合を進めることなどを盛り込んだ提言をまとめていて、今後の改善策を探ろうと東京でシンポジウムを開きました。 教員や弁護士などからは「法科大学院で勉強すれば司法試験に合格できるという期待が崩れ、制度は危機的な状況だ」として、多様な人材を育成するために新たな仕組み作りが必要だという意見が相次ぎました。  その一方で、「実践的な授業が充実していて、幅広い分野で活躍できる弁護士が増えた」と教育の成果を評価する意見も出されました。  法科大学院は、すでに5校が入学者の減少から募集を停止したり、停止を決めたりしていて、国は専門家による検討会議の初会合を開くなど、法律家の養成について見直しに向けた検討作業を進めています。 "[he-forum 17245] 東京新聞9/3","東京新聞2012年9月3日付 【私説・論説室から】 これが「究極の行革」!?  野田内閣が九月以降、二〇一二年度予算の執行を抑えるそうだ。当初予算九十兆三千億円のうち約四割の約三十八兆円は赤字国債を充てるが、それを発行するための公債発行特例法案が与野党対立で成立しなかったためだ。「ない袖は振れない」のは当然だろう。  これは大変、と社説では「処理すべき重要法案の成立」が危うくなり、「これが『決められる政治』とは聞いて呆(あき)れる」などと批判してきたが、あることが頭をよぎった。これは究極の行政改革ではないか、と。  収入が減れば支出を抑えるしかない。政府は当面、各省庁の庁舎運営費や出張旅費など行政経費、国立大学や独立行政法人に交付する運営費などを予算額の半分以下にする。社会保障や治安、防衛は対象外だ。  なかなか手が付けられなかった経費も、財政の非常事態が理由なら、ばっさり削ることができる。冗費が減り、行政機構が筋肉質になるのなら大歓迎だ。既得権益を打ち破るにはショック療法は不可欠だろう。  最初は無理だと思っていても、やってみれば何とかなることは、節電などの知恵と工夫で、原発稼働が実質ゼロでも暑い夏を乗り切れたことで実証された。  野田佳彦首相がそこまで考えて政権運営をしているのなら、たいした策士である。これまでさんざん腐(くさ)してごめんなさい、と言いたいところだが、多分違うだろうことが何とも悲しい。      (豊田 洋一) "[he-forum 17244] 高知新聞社説9/1","高知新聞社説2012年9月1日付 【予算執行抑制】国民生活に影響及ぼすな  政府が2012年度予算の執行の抑制に踏み切る。本格的な抑制は初めてで、異例の事態といってよい。  国会の空転で、赤字国債の発行に必要な公債発行特例法案の成立が見通せないためだ。国民生活に影響を及ぼすことがないよう求めたい。  抑制の主な対象は政府の行政経費、国立大学法人と独立行政法人向けの運営費交付金、地方交付税の三つ。医療・介護や生活保護などの社会保障費、治安や安全保障・外交に関わる費用などは除いている。  地方交付税については9月の配分額を圧縮する。市町村には財政力を考慮して満額を配分するものの、道府県は予定の3分の1とし、残りは10月以降に先送りする方針だ。  道府県は交付税をさまざまな使途に充てている。配分先送りによって事業に支障が出ないようにするために、金融機関から一時借り入れをするなどの対応が必要になるだろう。交付金の一部が執行停止となる国立大などでも、運営に影響が出る恐れがある。  こうした事態を招いた原因は、野田首相の問責決議可決に至った与野党の激しい対立にある。  12年度予算では一般会計の歳入不足を補うため、約4割の38兆円余りを赤字国債で賄う。発行は公債法案の成立が前提となる。  衆院で法案を強行採決した与党に対し、野党は反発を強め、8日に会期末を迎える今国会での成立の見通しは立っていない。政府はこのままでは10月末にも財源が底を突くとして、節約に踏み切ったわけだ。  昨年も、野党が公債法案を当時の菅政権を追い込むカードとして使った。菅首相が成立を退陣3条件の一つにしたことから、決着が8月下旬にずれ込んだ経緯がある。  予算については憲法で衆院の議決の優越が規定されているが、関連法案は一般の法案と同じ扱いだ。衆参の多数派が異なる「ねじれ」状態下では、今後も公債法案をいわば「人質」にする手法が繰り返される可能性は否定できない。  国民生活に影響を及ぼしかねない混乱を避けるため、与野党は公債法案を駆け引きの材料に使わず、予算本体と同じように扱う方策について真剣に考えるときだ。12年度予算の円滑な執行に向けて、与野党が歩み寄ることがその一歩となる。 "[he-forum 17243] 北海道新聞社説9/2","北海道新聞社説2012年9月2日付 予算執行抑制 政争のしわ寄せ国民に  赤字国債の発行を可能にする特例公債法案の成立のめどが立たないことを受け、政府は2012年度予算の執行を9月以降、抑制すると発表した。  4日に予定されている地方交付税の配分は一部、先送りする。赤字国債が発行できずに予算執行を抑制するのは初めて。  高橋はるみ知事は、記者会見で「交付税が滞れば、行政サービスに大きな影響が出てくる」と懸念を表明した。  特例公債法案は民主党が衆院で単独可決したが、衆院解散時期をめぐる与野党の対立のあおりで、たなざらしになっている。  同法案を「政争の具」にして、国民生活を犠牲にすることは許されない。今国会の会期末は、8日に迫っている。与野党は今国会中の法案成立に向け、ぎりぎりの努力をしなければならない。  政府は、本年度予算の一般会計(90兆3千億円)の4割強に当たる38兆3千億円分の財源を赤字国債で賄う。特例公債法案が未成立のまま今のペースで支出を続けると、10月末に財源が底を突くという。  予算抑制策ではまず、各省庁の事務経費や庁舎の光熱費、職員の出張旅費などの行政経費(年間約3兆円)を半分以下にする。  生活保護費や医療、介護などは抑制対象から除外するが、国立大学法人向けの運営費交付金や私学助成は半分以下に抑えられ、国民生活への影響も出そうだ。  地方交付税の配分先送りも大きな問題だ。政府は4日、交付税を受けていない東京都を除く46道府県分として2兆1千億円、市町村分として2兆円を配分する予定だった。  先送りの対象は財政力の弱い自治体を除き、道府県分を中心に検討するという。  先送りされた自治体は財源の穴埋めのため、金融機関からの一時借り入れなどを迫られる。政府は、金利支払いの肩代わりをして自治体側の理解を得たい考えという。  だが、肩代わり分は国の新たな財政負担となり、ツケを払うのは結局、国民だ。  特例公債法案は昨年の菅直人前首相の退陣をめぐる政局でも、その成立が「退陣3条件」の一つだった。  国会空転の原因は野田政権の強引な国会運営にある。しかし、国民生活に直結する法案の成立には野党にも重い責任がある。  民主党内には「法案が成立しなければ、世論の批判は野党に向く」との思惑があるとされるが、党利党略と言わざるを得ない。  与野党とも、国民に背を向けた政治に終止符を打つべきだ。 "[he-forum 17242] 産経新聞主張9/3","産経新聞主張2012年9月3日付 予算執行の抑制 「人質合戦」は許されない  政府が今年度予算の執行を一部抑制する方針を決めた。赤字国債を発行するための特例公債法案の今国会成立が難しくなり、このままでは10月末にも財源が枯渇する恐れがあるからだ。  こうした異常事態は速やかに解消しなければならない。まずは与野党が法案成立に向けて協力すべきだ。野田佳彦政権には、仮に法案成立が遅れても、国民生活への影響を最小限にとどめる責務がある。政府短期証券の追加発行など当面の財源を確保する手段をもっと検討するよう求めたい。  今年度一般会計予算約90兆円のうち、約4割に相当する約38兆円は赤字国債で賄うことになっている。この発行に必要なのが特例公債法案の成立だ。  だが、野田首相に対する問責決議が可決され、8日までの国会は事実上の休会状態に入っている。会期中の成立が極めて難しいのは、早期解散を迫る野党が、この法案を人質にとっており、一方で解散を避けたい与党は、それを突っぱねるという不毛な対立の構図になっているからだ。「人質合戦」は許されない。  予算執行の抑制は、4日に予定していた地方交付税の配分を遅らせたり、国立大学の運営補助や私立学校助成の一部を留保したりすることが中心だ。ただ、医療費や生活保護費などの予算や治安・防衛関係の経費はそのまま執行するという。  問題は、予算執行の抑制対象が各省庁の行政経費や地方交付税などに限定されていることだ。  野田政権が、予算執行の抑制を野党の協力を引き出すための政治的な材料にしているのなら、あまりにも国民生活への影響を軽視した判断だと言わざるを得ない。予算執行の遅れは、景気の回復にも影響を与えかねない。  当面の措置として取るべきは政府短期証券の追加発行であり、一時的な資金繰りとして有効だ。今年度の発行枠は20兆円だが、特例公債法案の成立を前提にすれば枠の拡大は十分に可能だ。  特例公債法案は、すでに成立した予算と一体の関連法案だ。その重要法案を成立させられないなら、責任は与野党双方にある。  政党交付金や国会議員歳費こそ予算執行を遅らせるべきだ。与野党を問わず政治家は痛みを負わないというのでは、国民の理解は到底得られない。 "[he-forum 17251] 室蘭日報9/4","室蘭日報2012年9月4日付 北海道大学室蘭臨海実験所、新研究拠点の完成祝う  室蘭市舟見町の旧道立函館水産試験場室蘭支場跡に移転した、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター水圏ステーション室蘭臨海実験所(本村泰三所長)の施設見学会が3日、同所で開かれ、関係者が各研究施設を視察した。  北大理学部付属海藻研究所を前身とする同実験所は昭和8年、同市舟見町に設立。31年に、沿岸動植物採集に最適な母恋南町のチャラツナイ浜に移転。海藻類の培養技術開発などの研究を進めていたが、建物の老朽化などを受け、今年6月に移転した。  旧道立函館水産試験場室蘭支場を改築・増築した新施設は、実験研究棟(鉄筋コンクリート造り2階建て、512平方メートル)と、学生や研究者の宿泊にも対応した多目的研修棟(鉄筋コンクリート造り2階建て、258平方メートル)がある。実験研究棟には培養室や実習室などが備え付けられている。  施設見学会には、本堂武夫副学長ら北大関係者、室蘭市内の教育や漁業の関係者ら計20人が出席。本村所長らが、施設内を案内しながら、電子顕微鏡などの機器を用いた研究概要や、培養室での取り組みなどについて解説した。  本村所長は、室蘭漁業協同組合や道立栽培水産試験場などが集積している新施設のある追直漁港周辺に触れ、「海藻類の実験施設だけでなく、教育機関としてのウエートも高まっている。各関係機関とも一層の連携を深めていきたい」などと意欲をみせた。  同日夕には中央町の室蘭プリンスホテルで、完成記念式典が開かれた。 (松岡秀宜) "[he-forum 17250] 読売新聞社説9/3","読売新聞社説2012年9月3日付 大学生と就職 学んだ成果も評価する採用に  「大卒」の肩書は、もはや就職の保証にならないということか。  文部科学省の学校基本調査で、今春に大学を卒業した学生のうち、12万8000人が安定した仕事に就いていないことがわかった。  大学院進学者(7万6000人)を含む全卒業生56万人の約2割が、非正規労働やアルバイト、進路未定者の計算になる。  文科省が、「極めて深刻な事態であり、改善が必要だ」と懸念するのは当然だ。  経済状況が好転せず、雇用環境は依然として厳しい。一方で、学生の間に知名度の高い企業を志向する傾向も根強く、採用を希望する中小・中堅企業とのミスマッチは解消されてはいない。  就職先が決まらず、途中で就職活動をあきらめてしまった学生も少なくないようだ。  各大学は、厚生労働省が設置した若者向けのハローワークなどと連携し、粘り強く就職活動の支援・助言を続けてもらいたい。  同時に考えねばならないのは、大学が4年間の教育を通じて、学生に社会で通用する力を身につけさせることである。  中央教育審議会は、大学改革の一環として、学生の学習時間の増加を求める答申をまとめた。  大学生の学習時間は、授業を含めても1日平均4・6時間で、文科省が想定する時間の半分程度にとどまると指摘している。  授業に出るだけ、という受け身の姿勢では、社会で必要とされる、様々な問題の解決方法を自ら探求する思考力や、新たな技術を生み出す創造力は培えまい。  大学教育の現状に、学生を採用する側の産業界が不信感を抱くのも無理はない。  答申は、大教室での一方通行的な講義ではなく、討論型の授業を増やすことや、学生の知的好奇心を刺激する分かりやすい授業計画を示すことを提言している。大学はこうした実践によって、教育の質を向上させる必要がある。  学生の成績評価の基準を明確に示し、進級や卒業の認定も厳格に行うべきだろう。  産業界の努力も欠かせない。  現在、企業の多くは採用時に大学での学習成果や専門性を重視していない。採用の際、それらも適正に評価するようになれば、在学中に学生が勉学に励む動機づけになるのではないか。  会社訪問などに時間を割かれ、学業がおろそかになりがちだ。そんな現状を改善するため、就職活動の期間短縮も必要である。 "[he-forum 17249] 読売新聞9/4","読売新聞2012年9月4日付 「改革派」私大を重点支援…文科省  文部科学省は、私立大学への補助金を、教育の質を向上させる改革を学校全体で進める大学に重点配分する方針を決めた。  来年度から実施する。グローバル化の進展で大学の教育力アップが迫られる中、全大学の8割近くを占める私大に改革を求める。  補助金の配分は「教育の質向上」「地域再生の核となる大学作り」「産業界・国内外の大学と連携した教育研究」の三つを評価の柱にして、人件費、施設費、設備費を一体的に支援する新たな仕組みで実施する。  具体的には、〈1〉カリキュラムや教員の指導力改革、図書館を24時間開館するなど学生が勉強に専念できる環境整備〈2〉地域の課題解決のための教育プログラム〈3〉問題解決型授業など世界で活躍する人材育成、企業との教育プログラムの共同策定――などを支援する。  全国783大学のうち、私大は605校で77%を占め、学生数は約211万人。文科省は私大を「日本の分厚い中間層を支える土台」と重視しており、今年度の大学向け私学補助金は総額約3263億円に上る。  ただ、私大の約45%が定員割れし、赤字経営も4割近い。大学全入時代の到来で、「大学生の学力低下が著しい」との批判も強く、学長らのリーダーシップによる改革努力を促す。 "[he-forum 17254] 福井新聞9/6","福井新聞2012年9月6日付 福井大、海外教員招聘し教育改善 世界的人材育成へ新評価システム  福井大学は5日、役員・学部長等懇談会を開き、世界で活躍できる人材の育成に向け、新たな教育評価システムを導入することを決めた。学部ごとに海外の大学へ教職員を派遣し先進的な教育事例を学ぶとともに、一定期間、海外の教員を招へいし福井大の教育について評価を受ける。地方の中小総合大学が国際的に質の高い教育を実現するための実践、評価、改善モデルの構築を目指す。  政府の行政刷新会議が2011年11月に行った提言型政策仕分けでは、日本の大学について「グローバルに仕事ができる人材を教育する力が弱い」点が指摘された。  また、同大の長期目標(09年3月から12年間)として、グローバル社会で高度専門職業人として活躍できる優れた人材の育成を目指している。一方、第2期中期目標(10~15年度)では国際的に通用する質の高い教育の実施を掲げ、具体的取り組みとして、国際的な視野からの評価を行い改善を図るとしている。  今回の新システム導入は、これらの実効策。教育システムの世界的スタンダードとされる米国を中心に、国外の大学に教職員を派遣し先進事例を視察し、成果を次年度の教育内容に生かす。さらに夏休み期間などを利用して視察先の大学から教員を数週間から2カ月程度招へい、全学部、全研究科で評価を受け改善を図る。派遣教職員の国際的視野、意識の向上にもつなげたい考え。  本年度は、教育地域科学部は今月12日から9日間、米国のワシントン大教育学部を訪れ、学校と大学の協働関係を視察。医学部は8日から10日間の日程で、英国の大学や病院で専門性の高い看護師の養成や終末期医療の取り組みを学ぶ。大学院工学研究科は11月中旬の10日間、提携校の米クレムソン大を訪問する予定。 "[he-forum 17253] 北日本放送9/6","北日本放送2012年9月6日14時23分 県が県立大法人化の基本方針示す  富山県は平成27年4月を目途に法人化する県立大学について、理事長と学長を分離するなど法人化の基本方針を示しました。  これは、6日開かれた県議会の経営企画委員会で県側が示したものです。  県立大学は、平成2年に日本海側初めての工学系公立大学として開学し就職率も全国トップクラスですが大学間の競争が激しくなる中、県は、全国の公立大学と同様に、競争力の向上と運営の効率化を目指して経営を地方自治体から自立させる法人化を決めています。  6日示された基本方針によりますと組織運営としては経営と教育・学問にそれぞれ集中できる体制とするよう理事長と学長を分離するほか理事は外部を含め5人以内で、学長選考会議のメンバーも学外者を優先して選出するとしています。  給与は現行の水準で移行し短期間の研究プロジェクトなどに対応するための任期制教員制度の導入など多様な採用制度や兼職・兼業制限の緩和の拡大も検討するとしています。  財政面では県が運営費交付金を交付し算定方法は中期計画策定の中で検討します。  また、施設などの整備は方法や経費負担について県と法人が協議するとしています。  県は、平成27年4月を目途に県立大学を法人化する考えです。 "[he-forum 17252] 琉球新報9/7","琉球新報2012年9月7日付 沖縄科学技術大学院大学 科学向上 貢献誓う 大学院大学、学生迎え開設式典  世界18の国と地域から、県出身者1人を含む34人の学生を迎え、1日に開学した沖縄科学技術大学院大学(OIST、ジョナサン・ドーファン学長)の博士課程開設式典が6日、恩納村谷茶の同大学院大学で開かれた。  式典には仲井真弘多県知事や内閣府の石田勝之副大臣をはじめ、学内関係者や県内の教育関係者らが出席。世界最高水準の科学技術の研究と教育により、沖縄の自立的発展と世界の科学技術の向上に寄与することを目指す同大学院大学に期待を寄せた。  ドーファン学長は「学問に必要な要素がそろった。学生には限りないチャンスと知的視野を広げる道が与えられている」と博士課程開設の喜びを語った。仲井真知事は「教員と学生の皆さんには、沖縄の記憶を持って、世界中でいろいろな問題解決、学問の進歩に貢献してほしい」とあいさつした。  同大学院大学学園理事を務める金澤一郎博士は「OISTは教育的観点で見ても国際的だ。日本の他の大学院大学の先行モデルとなることを望む」と期待した。同大学院大学上級副学長のロバート・バックマン博士や研究科長のジェフ・ウィッケンス教授も登壇した。現在、同大学院大学には世界各国から260人の研究員が所属している。 "[he-forum 17258] 読売新聞9/6","読売新聞2012年9月6日付 20大学に研究資金を重点配分…文科省  世界レベルの研究成果が期待される地方大学などを支援するため、文部科学省は、学長の裁量で運用できる研究資金を約20大学に重点配分する新制度の導入を決めた。  2013年度予算の概算要求に約100億円を盛り込む。研究者が申請する科学研究費補助金などの競争的資金とは別に、大学の特色を生かした研究開発拠点をつくるのが狙いだ。  日本の理工系は、国際競争力が低下している。同省科学技術政策研究所によると、影響力の大きい論文数(09~11年)は、日本は10年前の世界4位から7位に低下。中国やカナダよりも低い水準にまで落ち込んでおり、研究水準の底上げが急務となっている。 "[he-forum 17257] 中国新聞社説9/5","中国新聞社説2012年9月5日付 予算執行抑制 歳出減の努力忘れるな  戦後は例のない異常な事態である。38兆円余りの赤字国債を認める「公債発行特例法案」の今国会成立が絶望的になったのを受け、政府が予算執行の抑制という荒業に出た。  このままいけば11月には財源が枯渇してしまう、という理由である。まず影響を受けたのが自治体。きのう予定されていた4兆1千億円の地方交付税の支給が見送られた。  法案審議は、10月の臨時国会で仕切り直しとなりそうだ。国民生活の混乱を招かぬよう、与野党が頭を冷やして成立へ歩み寄ってもらいたい。  それにとどまらず、過去最大に水膨れした予算を少しでも削るきっかけにしてはどうか。  予算の4割を赤字国債で賄う現状では特例法案は政権のアキレスけんといえる。ねじれ国会の下、菅直人前首相は成立と引き換えに退陣に追い込まれた。  消費増税で「民自公」が協力した今年。民主党側は何とかなると高をくくっていた節がある。ところが衆院解散をめぐって対立が深まり、自民党などが野田佳彦首相を追い詰める最大のカードとしている。  年度初めから5カ月が過ぎた今、国民からすれば見苦しく映る。いつまでも駆け引きの道具にすることは許されまい。  一方で執行抑制に踏み切った政権の姿勢もほめられたものではない。このままなら大変なことになるぞと、野党をけん制する思惑も透けて見えるからだ。  とりあえず対象とするのは地方交付税のほか、国立大学の運営費交付金、各府省の会議費や出張費などのようだ。中央官庁の腹がさほど痛まない支出を安易に抑えた印象は拭えない。  とりわけ交付税の支出を遅らせたのはいかがなものか。自治を支えるために財源を再配分する役割に、国会混乱のしわ寄せを及ぼすべきではなかろう。  財政基盤の弱い市町村分は月内にも予定額が出るというが、道府県については当面、圧縮していく方向という。場合によっては自治体の財政運営に支障が出ることも考えられる。  財源がないなら差し止めるべき支出はほかにもあるはずだ。  今回の事態の責任を負うのは何より国会である。「お手盛り」の象徴ともいわれる政党交付金は今のままでいいのか。  年間総額320億円のうち4分の1が10月に支給される予定だが、与党から「凍結を」との声がある。延期ではなく一気に削減する姿勢も求められよう。  各府省の事業予算も見直せないものか。不要不急のものが本当にないか早急に点検してもらいたい。仮に特例法案が無事に通っても、その分は減額補正して歳出を減らす方法もある。  幹部職員が公然とグリーン車を使える。そんな取り決めもこの際、改めるべきだろう。  赤字国債に建設国債を加えて44兆円。政権交代後、税収を上回る借金を毎年続けてきたのが民主政権だ。景気低迷という側面はあるにせよ、そのこと自体が異常と言わざるを得ない。  来年度予算の概算要求が、今週末に締め切られる。基本的な歳入構造は変わらないというのに、またも公共事業の大盤振る舞いを懸念する声がある。  消費増税で国民に負担を求めようとする野田政権。危機意識がこのままなら、理解など得られるはずもない。 "[he-forum 17256] 東京新聞社説9/5","東京新聞社説2012年9月5日付 予算執行抑制 行政スリム化の好機に  野田内閣が二〇一二年度予算の執行を抑え始めた。与野党対立で赤字国債が発行できないためだ。国民生活への影響を避けるのは当然だが、このピンチを行政の無駄を削る好機としてはどうか。  一二年度当初予算は九十兆三千億円。歳入のうち約四割に当たる約三十八兆三千億円は赤字国債を充てることになっている。  しかし、赤字国債を発行するための公債発行特例法案は八日に閉会する今の通常国会では成立しない見通しで、政府はこのままだと十月から十一月には財源が枯渇するとしている。  政府が予算執行を抑制するのは「ない袖は振れない」にほかならない。対象は各省庁の庁舎運営費や出張旅費などの行政経費、独立行政法人や国立大学法人に交付する運営費などで、九月以降は予算額の半分以下にするという。  四日には安住淳財務相が地方自治体向けの約四・一兆円の地方交付税の支払いを「当面、見送らせていただく」と述べた。  財源不足による予算の執行抑制は異例の事態だ。野田内閣の側には、公債発行特例法案の成立を拒む自民党など野党側に軟化を促す狙いもあるのだろう。  予算執行に欠かせない財源を確保するための法案は本来、政争の具とすべきではない。野党側も公債発行特例法案を内閣総辞職や衆院解散の取引材料とするのは厳に慎まなければならない。  予算執行に支障が出ないよう、財源確保のための法案は予算案に準じて、衆院の議決を尊重するような国会運営の工夫が必要だ。  年金、医療、生活保護など社会保障関連や、防衛や治安の経費、東日本大震災復興経費は執行抑制の対象外だ。財政の非常事態とはいえ、国民生活への影響をできる限り避けるのは当然だろう。  同時に、財政のピンチは、行政スリム化のチャンスになり得る。  行政事務に非効率はないか、無駄な事業はないか、これを機に徹底的に見直すべきだ。使える予算がなければ無駄を削り、限られた予算を、優先順位を付けて重点的に配分するしかない。知恵はおのずから出てくる。年間約三百二十億円の政党交付金や、議員歳費なども聖域とすべきでない。  地方交付税の受け取りが遅れる地方自治体も同様だ。資金不足の自治体は銀行からの借り入れでしのぐが、行政の在り方を徹底的に見直して無駄を削れば、借入額も金利負担も減る。その努力が地方自治をより強くすると信じたい。 "[he-forum 17255] 秋田魁新報社説9/6","秋田魁新報社説2012年9月6日付 予算執行抑制 異常事態の解消を急げ  国政の混乱が地方財政に深刻な影響を及ぼしつつある。政府は4日に予定していた地方交付税4兆1千億円の支払いを当面先送りした。赤字国債発行を可能にする公債発行特例法案の成立のめどが立たず、国の財源が枯渇する恐れがあるためだ。  交付税のほか国立大学法人への運営費交付金支払いも先送りするなど、予算執行を抑制する前代未聞の事態である。長期化すれば国民の暮らしにも影響が出かねない。にもかかわらず国会は野田佳彦首相に対する問責決議が可決されて以降、事実上の休会状態となっている。責任放棄以外の何物でもなく、早急に法案を成立させるべきだ。  公債法案は与党が強行採決して衆院を通過させたが、参院で可決される見込みは立っていない。野党が多数のねじれ国会では、公債法案が与野党間の駆け引きの道具に使われている。昨年も、当時の菅直人首相を退陣に追い込むために野党側の戦略に利用された。  今回の異常事態も衆院解散をめぐる与野党の対立によるものだ。国会がねじれるたびに同じような事態が繰り返されるならば、国・地方を問わずに行財政運営に無用な混乱が生じる。たとえねじれの状況下であっても、暮らしに直結する予算の執行を政争の具にするようなことはあってはならない。  国の本年度予算は、一般会計歳入の4割に当たる38兆3千億円を赤字国債で賄う。公債法案が成立しなければ、10月末にも財源が底を突くという。だからといって、交付税の支払いを先送りするというのは、地方からすればあまりにも一方的で乱暴な話ではないだろうか。  交付税4兆1千億円のうち、2兆7千億円は今月中に配分されるが、道府県分は予定額の3分の1しかなく、残りは公債法案成立後になるという。道府県は金融機関からの一時借り入れなどを余儀なくされ、本県も330億円を借り入れる。  借り入れによって、短期的には大きな影響はないかもしれない。だが、交付税は使途が限定されない一般財源で、地方財政の主要な歳入となっている。先送りが長引けば、事業の延期、縮小といった支障が生じる恐れもあるだろう。  本県の佐竹敬久知事も「12月以降は大変厳しい状況になる」と法案成立がずれ込むことに懸念を示し、他の知事からは「来年になれば資金ショートする」など不安の声が上がる。政府は借り入れに要する金利の肩代わりを検討しているようだが、それも原資は税金であり、結局は国民の負担になってしまう。  高齢化や経済の疲弊など地方では課題が山積し、予算執行の抑制による行政の停滞は避けなければならない。民主、自民両党内では党首選びが過熱するが、遅くとも秋の臨時国会までに公債法案を成立させることが最低限の責務であることを与野党は忘れてはならない。 "[he-forum 17262] 日本経済新聞9/8","日本経済新聞2012年9月8日付 文科省、学生の自主学習意欲高める大学に財政支援  文部科学省は2013年度から、学生が自主的に勉強する仕組み作りに取り組む大学の財政支援を始める。全国で260校を選び、課題解決型の授業や図書館の24時間開放などを進める費用を援助する。教員の講義を聴く受け身の学習スタイルを変えることで、国際社会で自立できる自ら考え行動する人材を育てる。  国立大10校と私立大250校で、13年度概算要求では国立大向けに30億円を計上。私大向け補助金額は今後詰める。  支援する取り組みは、学生と教員が活発に意見を交わす参加型授業や、学生が企業や地域の課題解決に取り組む授業の導入、授業の補助スタッフや教室内のICT(情報通信技術)機器の充実などを想定している。  概算要求には学生の経済支援の充実も盛り込んだ。貸与型奨学金の対象者を約10万人増の143万人にするほか、授業料減免枠は1万5千人増の約12万人にする。 "[he-forum 17266] 日本経済新聞9/8","日本経済新聞2012年9月8日付 法科大学院向け補助金減額、文科省が新基準  文部科学省は7日、司法試験の合格率が低迷する法科大学院に出す補助金を減額する際の新たな基準を決めた。現行の入試の競争倍率と司法試験合格率の2つの指標に、入学者が定員をどれだけ満たしたか示す「定員充足率」を加える。2014年度予算から適用する。文科省によると、現状のままだと全体の3分の1の25校程度が減額対象になる。教育の質を保てない大学院の統廃合を促す狙いだ。  新たに「前年度までに入学定員の充足率が50%未満の状況が2年以上継続」という指標を設ける。既に導入している(1)前年度入試の競争倍率が2倍未満(2)新司法試験の合格率が全国平均の半分未満という状況などが3年以上継続――と合わせ、3指標になる。  減額されるのは、3指標のうち2指標を満たす場合。1指標しか該当しなくても、司法試験の合格率が全国平均の4分の1以下など数値が極端に悪い場合は減額する。  補助金のうち、法科大学院の設置に伴い増員した教員分の人件費を削る。減額幅はどの指標に該当するかによって差を付ける。13年度の入試や司法試験の結果を踏まえて対象校を決める。  現行基準では6校が削減対象になっている。今春に学生を募集した法科大学院73校のうち86%が定員割れで、充足率が50%未満だったのは35校。入学者が10人未満も20校に上り、同省は教育の質の確保が難しくなっていると判断。定員充足率も指標に加えた。 "[he-forum 17265] 日本経済新聞9/7","日本経済新聞2012年9月7日付 沖縄科学技術大学院大学が開学 新産業の創出期待  「世界最高水準の科学技術の研究・教育」を目指す沖縄科学技術大学院大学(OIST、沖縄県恩納村)は6日、博士課程に18カ国・地域の34人を迎え、開学式典を開いた。生命科学や環境分野で最先端の「知の拠点」になるとともに、企業との共同研究や研究成果の産業化に取り組む。県もバイオ関連など新産業創出の核として期待する。  「OISTは生命、物理、環境分野で新たな可能性を切り開く。学生の目の前には知的視野を広げる道がある」。米スタンフォード大から招いた物理学者のジョナサン・ドーファン学長は式典で宣言した。  来賓としてあいさつした仲井真弘多沖縄県知事は「県民は文化であれ学問であれ、頑張っている人に敬意を払う。沖縄の記憶をしっかり刻んで、将来は世界中で学問の進歩に貢献することを祈念します」と期待の言葉を贈った。  OISTは5年一貫教育の博士課程で毎年約20人前後の学生を受け入れる。1期生は34人で、うち日本人は5人。アジアから中国、インド、パキスタンなどの12人、米国から3人、欧州からドイツや英国などの9人、アフリカ・中東からエジプトなどの5人が選考を突破した。女性は計10人。  教授陣は18カ国・地域から招いた46人がすでに研究ユニットを発足させており、神経科学、環境・生態学など5分野に大別される。ノーベル生理学・医学賞を受賞したシドニー・ブレナー博士も教授として在籍する。  OISTは2001年に内閣府が設置を提唱。準備期間を経て昨年11月、文部科学省が設置を認可した。特別法に基づいて設立され、国の予算で運営される。毎年約100億円の研究事業費、運営費が投入される。  沖縄県は3月、OISTと連携協定を締結。地元企業との共同研究を促し、バイオ関連など新産業を創出・育成する。県とOISTも海洋微生物を用いた創薬研究で連携を始めるなど、今年度からの第5次沖縄振興計画でも産官学連携の核と位置付けている。  エジプト出身のモハメッド・アブデルハックさん(23)は「コンピューターを活用して脳の働きを研究したい。日本と沖縄のことも知りたい」と抱負を述べた。 "[he-forum 17264] 富山新聞9/9","富山新聞2012年9月9日付 奨学金滞納、増加の一途 県教委の高校、大学生向け  富山県教委が高校生、大学生らに貸与する奨学金で、2011年度の未返済金(滞納額)は10年度比262万円増の2118万円となり、05年度の奨学金制度変更後、最多となった。長引く景気低迷の影響で、滞納額が右肩上がりで増え続ける中、県教委は口座振替の推奨や担当職員の増員などで滞納者への督促を強化しており、「返還金は将来の奨学生への原資」(県立学校課)であるとして、未返済金の回収に全力を挙げる考えだ。  県教委は05年度に旧日本育英会(日本学生支援機構)から高校生対象の奨学金事業を移管された後、高校生や大学生に奨学金を貸与している。厳しい景況を反映し、奨学金貸与者数は、初年度は316人だったが、右肩上がりで増加し、11年度は500人を超えた。  貸与者数の増加に応じて滞納額も増えており、初年度は455万円だったが、06年度553万円、07年度737万円、08年度875万円と徐々に膨れ上がり、リーマンショック後の09年度には1552万円と急増、10年度も1856万円と増加傾向が続いている。  11年度の滞納額の内訳は単年度分が601万円(前年度比117万円減)で、過年度分が1517万円(同379万円増)。滞納者数は80人で前年度より4人減ったものの、滞納額の多い長期間の滞納者が全体の滞納額を押し上げた。  県教委は対策として、05年度に滞納整理に当たる職員を1人から2人に増員。06年度には口座振替を導入して奨学生の返還忘れの防止を図っている。一方で、高校や大学卒業後、安定した職に就けない奨学生も増えており、そうしたケースでは分割返還などの相談を受け付けている。  県教委は「近年、奨学金のニーズは高まっており、生徒、学生の就学機会を確保するためにも未返済金の回収に努めていきたい」(県立学校課)としている。 "[he-forum 17263] 四国新聞9/6","四国新聞2012年9月6日付 薬学部教育の質向上へ/四国内の3大学が連携  徳島文理大香川キャンパス(香川県さぬき市)など薬学部がある四国内の3大学は5日、国立、私立の枠を超えて教育の質を向上させるため連携し、高度な専門知識を持つ薬剤師や研究者の養成を目指すと発表した。各大学の教育内容を総合的に学べるプログラムづくりなどを進める。  参加したのは、徳島文理大、同大香川キャンパス、徳島大、松山大の3大学4薬学部。3日には文部科学省の「大学間連携共同教育推進事業」に選ばれた。期間は2016年度までの5年間で、事業費は年間6600万円程度。  連携策として、学生が他大学の講義を受けられる遠隔授業システムを来年秋ごろまでに導入。単位の交換も行えるようにする。  4薬学部には付属薬局を設置し、大学院生の教育拠点として活用する。医薬品の安全性や有効性などを確認する治験コーディネーターや災害医療に対応できる薬剤師の養成にも取り組む。  徳島文理大の桐野豊学長は「教育の質を向上させることで、四国外への学生流出を防ぐことができる」と話した。 "[he-forum 17261] 河北新報社説9/9","河北新報社説2012年9月9日付 教員養成改革/高学歴化も結構だけれど  改革の理念に共感しつつも、実効性と実現性への懸念は否めない。中央教育審議会が先日、平野博文文科相に答申した教員養成改革である。  答申は教員を「高度専門職業人」と位置付け、養成の方向性として「修士レベル化を図る」と明記。新たに3段階の教員免許制度を創設するとした。  標準となる「一般免許」は学部4年に加えて1~2年間、修士レベルの課程で学んだ人に付与。学部卒業者には「基礎免許」を与え、早期に一般免許を取得してもらう。  一定の経験年数を重ね、研修などで高い専門性を身に付けた教員に対しては、最上位の「専門免許」を設ける。  基礎免許は当面の間とし、学級担任をせず授業の補助などにとどめる案を含め、今後、任務を検討する方針。正教員として教壇に立つのは「大学院修士課程修了」が原則となる。  教育現場を取り巻く環境は大きく変わった。高度化・複雑化する課題に対処するため、学校や教員に求められる役割は多様で難しさを増している。  社会問題化するいじめや不登校への対応など、教員の指導力が厳しく問われる状況もある。  教員の資質向上が望まれており、答申が掲げている改革理念に違和感はない。知識を蓄え技能の研さんに努めるなど、「学び続ける教師像」の確立を求めたことも当然だ。ただ、「高学歴化」という形にこだわり、先を急いでは成果は危うくなる。  一時論議された教員資格取得の6年課程化が、経済的な負担の重さにより優秀な教員志望者を遠ざけることにつながるとして半ば消滅。そうした懸念が取り除かれたわけではない。  修学期間の延長に代わるように2008年に創設され、答申で修士レベルの教育を施す要と期待する教職大学院も多くの課題を抱えている。  教職大学院は現在25校、定員は計815人。採用試験で優遇されないなど、利点の乏しさもあり定員割れが目立つ。教員採用は全国で毎年3万人に上り、受け皿を飛躍的に拡大しなければ、構想は前に進めない。  当分、基礎免許での教員採用を認める場合、一般免許の取得を求める時期をどう設定するのか。採用で優遇するなど、大学院修了を事実上の採用要件とする場合、奨学金など支援措置の拡充が必要で、財源確保の課題を乗り越えられるのか。  フィンランドやフランスなどは教員養成の修士レベル化を採用している。ただ、学部卒が大半の先輩と少数の高学歴の若手との協調のきしみなども無視できず、丁寧な制度設計と慎重な工程が欠かせない。  力量を高める上で、期間を延ばすなど教員研修の充実強化策も大事にしたい。初任者研修の抜本的な見直しや教員免許更新時講習の徹底的な検証と内容の改善にも目を向けたい。  答申の柱の一つ、教育委員会と大学の連携強化も重要だ。大改革の前に、できること、しなければならないことは多い。 "[he-forum 17260] 共同通信9/7","共同通信2012年9月7日20時13分 学長年収も東大トップ2332万円也記事を印刷する  文部科学省は7日、86国立大と4研究機構の2011年度の給与水準を公表した。諸手当を含めた学長、機構長の平均年収は1777万6000円で、前年度より4万9000円下がった。  トップは東京大で2332万8000円。東北大2309万9000円、京都大2209万7000円と続いた。  教授や准教授ら大学教員の平均年収は866万円で、前年度の870万3000円からわずかに減った。事務・技術職員は557万1000円で前年度から微増した。 "[he-forum 17259] 日本海新聞9/8","日本海新聞2012年9月8日付 選考候補に井藤ら4氏 次期鳥大学長選  鳥取大学(鳥取市湖山町南4丁目)は7日、来年3月末の任期満了に伴う次期学長選考のための意向調査(投票)を公示した。候補者は井藤久雄(63)=理事・副学長(医学部)、岸田悟(60)=副学長(大学院工学研究科)、豊島良太(63)=医学部長、本名俊正(67)=理事・副学長(農学部)=の4氏。27日に投票を行い、投票結果を基に翌日の学長選考会議で選ぶ。  4氏は学内の理事らで構成する教育研究評議会と、理事のほか外部有識者らでつくる経営協議会の推薦を受け、8月31日に開かれた学長選考会議(16人)で候補者に選ばれた。  投票は教員(助教以上)、付属学校主幹教諭以上、事務職は専門職以上の809人が行う。任期は来年4月1日から4年間。 "[he-forum 17267] Re: 河北新報社説9/9","news 様 返信にて失礼致します。 以上、宜しくお願い致します。  安達 >河北新報社説2012年9月9日付 > >教員養成改革/高学歴化も結構だけれど > > 改革の理念に共感しつつも、実効性と実現性への懸念は否めない。中 央教育審議会が先日、平野博文文科相に答申した教員養成改革である。 > 答申は教員を「高度専門職業人」と位置付け、養成の方向性として 「修士レベル化を図る」と明記。新たに3段階の教員免許制度を創設す るとした。 > 標準となる「一般免許」は学部4年に加えて1~2年間、修士レベル の課程で学んだ人に付与。学部卒業者には「基礎免許」を与え、早期に 一般免許を取得してもらう。 > 一定の経験年数を重ね、研修などで高い専門性を身に付けた教員に対 しては、最上位の「専門免許」を設ける。 > 基礎免許は当面の間とし、学級担任をせず授業の補助などにとどめる 案を含め、今後、任務を検討する方針。正教員として教壇に立つのは 「大学院修士課程修了」が原則となる。 > 教育現場を取り巻く環境は大きく変わった。高度化・複雑化する課題 に対処するため、学校や教員に求められる役割は多様で難しさを増して いる。 > 社会問題化するいじめや不登校への対応など、教員の指導力が厳しく 問われる状況もある。 > 教員の資質向上が望まれており、答申が掲げている改革理念に違和感 はない。知識を蓄え技能の研さんに努めるなど、「学び続ける教師像」 の確立を求めたことも当然だ。ただ、「高学歴化」という形にこだわり、 先を急いでは成果は危うくなる。 > 一時論議された教員資格取得の6年課程化が、経済的な負担の重さに より優秀な教員志望者を遠ざけることにつながるとして半ば消滅。そう した懸念が取り除かれたわけではない。 > 修学期間の延長に代わるように2008年に創設され、答申で修士レ ベルの教育を施す要と期待する教職大学院も多くの課題を抱えている。 > 教職大学院は現在25校、定員は計815人。採用試験で優遇されな いなど、利点の乏しさもあり定員割れが目立つ。教員採用は全国で毎年 3万人に上り、受け皿を飛躍的に拡大しなければ、構想は前に進めない。 > 当分、基礎免許での教員採用を認める場合、一般免許の取得を求める 時期をどう設定するのか。採用で優遇するなど、大学院修了を事実上の 採用要件とする場合、奨学金など支援措置の拡充が必要で、財源確保の 課題を乗り越えられるのか。 > フィンランドやフランスなどは教員養成の修士レベル化を採用してい る。ただ、学部卒が大半の先輩と少数の高学歴の若手との協調のきしみ なども無視できず、丁寧な制度設計と慎重な工程が欠かせない。 > 力量を高める上で、期間を延ばすなど教員研修の充実強化策も大事に したい。初任者研修の抜本的な見直しや教員免許更新時講習の徹底的な 検証と内容の改善にも目を向けたい。 > 答申の柱の一つ、教育委員会と大学の連携強化も重要だ。大改革の前 に、できること、しなければならないことは多い。 > > >","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;akai@sc.niigata-u.ac.jp;aau66840@par.odn.ne.jp;koga@human.niigata-u.ac.jp;tool@eng.niigata-u.ac.jp;akiko-56@med.niigata-u.ac.jp;takazawa@geo.sc.niigata-u.ac.jp;shibata@ed.niigata-u.ac.jp;sa-ito@agr.niigata-u.ac.jp;khoshi@lib.niigata-u.ac.jp;yatmn@human.niigata-u.ac.jp;iwasaki@eng.niigata-u.ac.jp;yagiprev@dent.niigata-u.ac.jp;nishi@astro.sc.niigata-u.ac.jp;hinode@ed.niigata-u.ac.jp;fujimura@agr.niigata-u.ac.jp;kourakata@ccr.niigata-u.ac.jp;t.nozawa@adm.niigata-u.ac.jp;koikehiroyuki63@yahoo.co.jp;yotoriya@ed.niigata-u.ac.jp;nakabayashi@human.niigata-u.ac.jp;sakio@agr.niigata-u.ac.jp;seisaku2@med.niigata-u.ac.jp;hemmi@human.niigata-u.ac.jp;uematsu@eng.niigata-u.ac.jp;hiraga@ed.niigata-u.ac.jp;kobaya@bri.niigata-u.ac.jp;tiwasaki@bio.sc.niigata-u.ac.jp;takasaki@eng.niigata-u.ac.jp;matsuo@nt.sc.niigata-u.ac.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;akai@sc.niigata-u.ac.jp;aau66840@par.odn.ne.jp;koga@human.niigata-u.ac.jp;tool@eng.niigata-u.ac.jp;akiko-56@med.niigata-u.ac.jp;takazawa@geo.sc.niigata-u.ac.jp;shibata@ed.niigata-u.ac.jp;sa-ito@agr.niigata-u.ac.jp;khoshi@lib.niigata-u.ac.jp;yatmn@human.niigata-u.ac.jp;iwasaki@eng.niigata-u.ac.jp;yagiprev@dent.niigata-u.ac.jp;nishi@astro.sc.niigata-u.ac.jp;hinode@ed.niigata-u.ac.jp;fujimura@agr.niigata-u.ac.jp;kourakata@ccr.niigata-u.ac.jp;t.nozawa@adm.niigata-u.ac.jp;koikehiroyuki63@yahoo.co.jp;yotoriya@ed.niigata-u.ac.jp;nakabayashi@human.niigata-u.ac.jp;sakio@agr.niigata-u.ac.jp;seisaku2@med.niigata-u.ac.jp;hemmi@human.niigata-u.ac.jp;uematsu@eng.niigata-u.ac.jp;hiraga@ed.niigata-u.ac.jp;kobaya@bri.niigata-u.ac.jp;tiwasaki@bio.sc.niigata-u.ac.jp;takasaki@eng.niigata-u.ac.jp;matsuo@nt.sc.niigata-u.ac.jp","SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 17268] 山形新聞9/10","山形新聞2012年09月10日 14:00 医師不足解消狙い定員増へ 東北などの医学部  文部科学省は10日、医師不足や地域による偏在を解消するため、1校当たり125人が上限の医学部の入学定員を一部の大学に限り、来年度から増やす方針を固めた。  対象は東北地方などで定員が120~125人の国公私大で、増加人員は全体で数十人程度。10月末ごろまでに対象校や人数を決める。今春、国公私大79校で8991人だった医学部定員は、増員によって今後、9千人以上になる見込み。  65歳以上が日本の人口に占める高齢化率は2060年に約40%に達し、医療ニーズが広がる見通しだが、東北地方を中心に医学部定員が上限に達し、医師確保策を望む声が高まっていた。 "[he-forum 17271] 北海道新聞社説9/12","北海道新聞社説2012年9月12日付 教員資格 「大学院修了」は必須か  中央教育審議会(中教審)は、正規の学校教員は原則、大学院修了を要件とするよう、文部科学相に答申した。  新卒者の免許を二つに分け、1~2年の大学院修了者は「一般免許」、大卒は「基礎免許」とする方向だ。基礎免許は授業補助にとどめる案も出ている。  学部卒で教員になり、その後、修士課程に進む選択肢も示した。  大学院は教育実習主体で指導力を養う。  答申に従えば、教育現場や教員志望者の負担が格段に大きくなるのは明らかだ。大学院修了を必須とすることには、慎重な論議を求めたい。  答申が言うように、グローバル化や情報化に伴い、教員が身につけるべき知識は高度で複雑になっている。いじめへの対処など生徒指導も難しさを増している。  とはいえ、諸問題の主たる原因を、教員の専門性不足とみなすのは短絡的すぎる。学部だけでは時代に即した養成が「困難」とする根拠も明確に伝わってこない。  答申の核心は、教職を高度専門職に位置づけたところにある。6年制で養成される医師や薬剤師と肩を並べることを意識している。  教員が授業や学級運営で必要とする知識は、医学部や薬学部で学ぶ専門性とは質的に異なる。特に学級運営や生徒指導は、教壇に立ってから学ぶ部分が多いはずだ。  中教審は、教職大学院が成果を上げているとし、それも教員養成期間を延長する理由にしている。  しかし、2008年度に創設された教職大学院は12年度、全国25校のうち半数を超える13校で定員割れを起こした。  修了しても待遇上のメリットがない、何を学ぶかが不明瞭、大学院にふさわしい中身が伴っていない―など、敬遠の理由はいくつかある。  教職大学院が活用されていないのはなぜか。文科省は、まずそれを検証しなければならない。  教員志望者の側に立っても、大学院までの延長には問題がある。  現状でも、学生の多くが学費の負担を抱えている。大学院までとなれば、さらなる負担増から教員になる夢を断念する学生も増えるだろう。  しかも、教職に就くには、都道府県や政令指定都市が行う教員採用試験のハードルもある。経済支援抜きの論議は、志望者の減少、ひいては質の低下を招きかねない。  中教審では志望者にさらに国家試験を課す案も議題に上った。結局、結論は出ず、中長期的課題としたが、国にそこまでの権限を与える必要性があるのだろうか。  制度設計を慎重に行わなければ、教員の門戸を狭めかねない。 "[he-forum 17269] 読売新聞9/10","読売新聞2012年9月10日付 九州の3大学、ゆうちょで授業料払えず  大学生が授業料を納める際の口座振替について、九州の国立10大学のうち、鹿屋体育、熊本、佐賀の3大学が、対象の金融機関にゆうちょ銀行を含めていなかったことから、総務省九州管区行政評価局(福岡市)の諮問機関に「サービス向上の観点が欠けている」と指摘されていたことが分かった。  3大学は同評価局の要請を受け、来年度から、ゆうちょ銀行を取り扱い金融機関に加える。  授業料は、大学指定の金融機関に保護者らが口座を開設し、大学の口座に送金する仕組み。県外の大学に子どもを通わせる保護者らから、「全国に窓口があるゆうちょ銀行を取り扱い金融機関に含めてほしい」との要望が同評価局に寄せられていた。  同評価局が4~5月、九州の全国立大学を調べたところ、鹿屋体育大など3大学がゆうちょ銀行を対象としていなかった。同評価局の諮問機関・行政苦情救済推進会議(6人)では、「保護者の居住地に銀行の支店がないこともある」と改善を求める声が続出し、サービス面の不十分さを指摘した。 "[he-forum 17270] 時事通信9/11","時事通信2012年9月11日19時8分 法科大学院4校の補助金削減=合格率低迷、13年度-文科省  司法試験合格者の発表を受け、文部科学省は11日、合格実績が乏しい法科大学院4校について、2013年度の補助削減を決めた。  削減されるのは、島根大(島根県)、愛知学院大(愛知県)、大東文化大(東京都)、東海大(同)の各法科大学院。島根は国立として初めて、大東文化と東海は2年連続で削減対象となった。  いずれも、同省が補助削減の対象に定めた大学院の入試倍率が2倍未満で、3年連続で司法試験合格率が全国平均の半分未満とする指標に該当した。 "[he-forum 17275] 京都新聞9/16","京都新聞2012年9月16日付 大学の研究、スムーズに事業化 らくなん進都で起工式印刷用画面を開く  大学の最先端の研究成果を事業化につなげる産学公連携の研究開発施設「技術の橋渡し拠点」(仮称)の起工式が15日、京都市伏見区治部町の建設予定地であり、事業主体の京都高度技術研究所や同市、京都大の関係者ら約30人が工事着工を祝った。  施設は市南部の「らくなん進都」内に位置し、来年11月に開所を予定。地上5階、地下1階、延べ床面積は約6千平方メートルで、研究室や交流スペース、レンタルオフィスなどを備える。総事業費は25億円で、経済産業省が15億円、市が10億円を補助する。  2002年に市が予定地約3千平方メートルを購入後、文部科学省の補助事業で施設建設が決まりかけたが、09年の政権交代に伴う事業仕分けの対象となっていったん頓挫。市などが巻き返しを図り、昨年7月に経産省の補助事業に採択された。  起工式では神事で工事の安全を祈った後、同研究所の西本清一理事長が「最先端の高度技術をなめらかに産業界へ移転したい」と述べ、門川大作市長は「少し長い道のりだったが起工式までたどり着いた。京都の未来につながる仕事をしてもらえると思う」と感慨深げにあいさつした。 "[he-forum 17274] 毎日新聞社説9/17","毎日新聞社説2012年9月17日付 法科大学院 統廃合を進めるべきだ  今年の司法試験合格者がこのほど発表された。過去最多の2102人(昨年比39人増)が合格したが、政府が02年の閣議決定で目標値とした3000人には遠く及ばなかった。  法科大学院を中核とした法曹養成制度は、厳しい現状に直面している。法科大学院修了者の合格者は2044人で、合格率は24.6%だった。一方で、経済的事情などで法科大学院に通えない人が受験できる「予備試験」をパスして今回の司法試験に臨み合格した人は58人で、合格率は68.2%だった。  合格率の違いは、「予備試験」ルートへの期待に拍車をかける可能性がある。高い授業料を払って2年、もしくは3年、法科大学院に通うよりも、予備試験チャレンジの方が効率的だと判断する人も出てこよう。  だが、司法改革の原点を思い出してもらいたい。受験技術優先の傾向を廃し、質的にも高い法曹人を時間をかけて養成する教育機関として法科大学院は整備されたはずだ。  司法制度改革審議会は01年、法科大学院修了者の7、8割が司法試験に合格できる教育を行うべきだと提言した。だが、合格率は想定を下回り、受験制限の3回までに合格できる修了者は半数に満たない。一方で近年、新人弁護士の就職難が深刻化し、就職先が見つからないために弁護士登録できない人が相次ぐ。 "[he-forum 17273] しんぶん赤旗9/14","しんぶん赤旗2012年9月14日付 高校・大学無償 留保を撤回 国際人権規約 日本政府が通告  日本政府は13日までに、高校・大学までの段階的な無償化を定めた国際人権A規約(13条2項b、c)の適用を留保してきた問題で、「留保撤回」を閣議決定し、国連に通告しました。国民の運動や日本共産党のたたかいに押されたもので、日本は文字通り、中・高等教育の無償化を国際的にも迫られることになります。  同規約は1966年に採択され、日本は1979年に批准しましたが、中・高等教育への「無償教育の漸進的導入」の規定については留保。締約国160カ国(2012年8月現在)のうち、留保しているのは日本とマダガスカルだけになっていました。  外務省は、高校・大学の経済的負担の軽減策をあげて、「留保の撤回は可能と判断」したとしています。  日本共産党は一貫して教育無償化を主張し、留保の撤回を求めてきました。2012年2月にも、宮本岳志衆院議員が衆院予算委員会で「無償で教育を受ける権利を保障するのが世界の常識だ」と同規約の留保を批判。玄葉光一郎外相は留保撤回を表明し、「準備が整い次第、速やかに行いたい」と答弁していました。 --------------------------------------------------------------------------- 国民の運動と論戦の成果  宮本岳志議員の話 今回の政府の決定は、1979年の条約批准以来、30年以上にわたって営々と続けてきた学生、教職員、父母、国民各層の運動と、国会での日本共産党の論戦の重要な成果です。ともに喜びあいたいと思います。  今後は、給付制奨学金の実現、大学の学費の無償化、私立高等学校の就学支援金の拡充などをすすめ、名実ともに留保撤回にふさわしい施策が実施されるよう、引き続き国民の運動と連帯して取り組みます。 "[he-forum 17272] 中日新聞社説8/28","中日新聞社説2012年8月28日付 法科大学院 学生を失望させぬよう  法科大学院が若者の期待を裏切っている。司法試験の合格率が低下を続け、志願者も激減しているのだ。定員割れの学校も大半だ。真面目に勉強すれば、70%程度が合格できる制度へと導くべきだ。  23・5%-。昨年の司法試験の合格率だ。年々、減少し続け、過去最低となった。法科大学院を修了して、三回の受験資格を使った者の合格率でみても、50%をやや上回る程度にすぎない。  厳しい現実は、法曹をめざす若者を尻込みさせる。法科大学院制度がスタートした二〇〇四年度には、志願者数が約七万三千人もいたのに、本年度は約四分の一にまで下がった。  入学者数も、ピークだった〇六年度の約五千八百人から四割以上も減った。  深刻なデータはもっとある。文部科学省の調査で、今春、学生を募集した法科大学院七十三校のうち、86%に当たる六十三校で、入学者が定員を下回ったのだ。定員の半数に満たなかったのは、そのうち三十五校にものぼった。  募集しても、学生が集まらない。入学しても、司法試験に合格できない-。授業料を負担する学生に見放されても当然で、こんな悪循環は放置できない。七十四校も乱立したのが、最大原因だ。  すでに五校が学生の募集停止を決めたが、自然淘汰(とうた)だけでは限界があろう。入学者がわずか一桁の学校が二十校もあるが、切磋琢磨(せっさたくま)の授業が成り立つだろうか。最も迷惑するのが学生だ。  そうした大学には、まず自主的に撤退を促すべきだ。さらに定員充足率や司法試験合格率などを総合的に勘案した基準を設け、統廃合を進めるときではないか。政策的な再編は不可避だろう。  ただし、地方の学校は将来、地元に定着する弁護士を育てる意味でも特例的に考えた方がいい。全国に適正配置することは必須だ。  法科大学院は司法制度改革の柱の一つだ。裁判官や検察官、弁護士などの法律実務家が、研究者と協力して、充実したカリキュラムを持つ。法曹専門の教育機関として、もっと発展させたい。  法曹養成制度を見直す国の検討会議が発足する。身近で頼りがいのある法律家を輩出する理念と、厳しい現実との溝をどう埋めるか。多様な分野から人材をどう集めるか。貧しい学生への奨学金制度なども、さらに充実させるべきだろう。勉強すれば、法曹の道に入れる-。学生が希望を持てる改善策を打ち出してほしい。 "[he-forum 17276] 中国新聞9/19","中国新聞2012年9月19日付 広島大、16年度秋入学を説明  広島大(東広島市)は18日、2016年度からの秋入学導入などの検討状況について、同大サタケメモリアルホールで教職員や学生向けの説明会を開いた。議論や要望を踏まえ、浅原利正学長が今月末をめどに取りまとめる行動計画に盛り込む。  広島市の霞(南区)と東千田(中区)の両キャンパスもテレビ会議システムでつなぎ、計約260人が参加した。今春発足し、浅原学長から検討事項を付託されていた六つのワーキンググループ(WG)の座長たちがそれぞれ結論を報告した。  秋入学は4月の入学を維持しながら、10月入学も実施。15年11月のアドミッション・オフィス(AO)入試から30人の枠を設けることを検討している。全ての授業を英語で行う「都市・防災政策コース」など3コースを総合科学部の特別プログラムとして置き、スタートする方針。他に導入する学部・学科は今後詰める。  教職員たちから「各WGがばらばらで全体の方針が見えない」などの意見が上がった。 "[he-forum 17277] 読売新聞島根9/18","読売新聞島根版2012年9月18日付 文科省「統廃合選択肢に」~山陰法科大学院への交付金削減  存続か統廃合か――。受験者の減少や司法試験合格率の低迷が続く島根大大学院法務研究科(山陰法科大学院)。文部科学省は2013年度の同法科大学院への運営費交付金の削減を決定した。大学側は今後、将来の統廃合など運営方法の再検討を迫られる。「法曹の卵」を育ててきた拠点は今、岐路に立たされている。(寺田航) ■増えない受験者  山陰法科大学院は、「地域に根ざした法律家を育てよう」と地元の要請を受け、法科大学院制度が始まった04年度に設立された。受験者数は09年度まで毎年、定員の30人を上回っていたが、徐々に減少。卒業後の仕事に恵まれた都会の法科大学院に流出しているとみられる。  10年度は定員を20人に減らしたにもかかわらず、初の定員割れ。今年度も受験者は15人。合格後に入学を辞退したケースもあり、結局入学者は3人に。入学者数の伸び悩みもあって、今年度の司法試験合格率は5・88%と全国74校中63位だった。  11日に今年度の司法試験合格者が発表されたのを受け、文科省は、合格率が過去3年とも全国平均の半分未満であることなどを理由に、同法科大学院への運営費交付金の削減を決定。将来的な統合・撤退を選択肢とすべき、とした。  国立大の法科大学院が削減対象とされたのは島根大が初めて。同省専門教育課は「今後の統廃合などは、大学の判断に任せる」としながらも、「どんな地域にも法曹を適正に配置することは重要。ただ、受験者が増えないということは、地域にニーズがないということでは」と突き放す。 ■灯を消すな  一方、同法科大学院の藤田達朗・島根大法務研究科長は、存続に意欲を見せる。昨年までに、同法科大学院で学んで司法試験に合格したのは計16人。そのうち6人が地元で弁護士活動を行っている点を挙げ、「地域に密着した弁護士を育てて送り出してきた。司法過疎を解消する上でも一定の役割は果たしている」と強調。  同大学は、交付金の削減で、人件費の6分の1程度が不足するとみている。当面、若手の教員を起用しながら、教員の人件費を抑えることや、募集定員の削減などを視野に対策を考えるという。  山陰唯一の法曹養成機関の灯を消すな――。危機感を感じてきた県弁護士会の有志は7月、法科大学院の存続を求める要望書を島根大に提出。「山陰を離れて都会の法科大学院に通うことができない人もいる。そんな人たちにも法曹になる機会を与えてきた」と訴える。  同法科大学院OBで、松江市で活動する西村信之弁護士(31)は鳥取県境港市出身。08年度に修了し、司法修習を経て、今年1月、晴れて弁護士になった。交付金削減に「制度が始まってまだ10年もたっていない。地元のために働きたいという若者のためにも、数字だけ見て早まった結論を出すべきではない」と語った。 "[he-forum 17278] 朝日新聞秋田9/19","朝日新聞秋田版2012年9月19日付 県内3大学、高校長と懇談 ◇進路指導へ特色説明  秋田大、県立大、国際教養大の県内3大学と県高校長協会(会長・高橋貢秋田高校長)の懇談会が18日、県総合教育センター(潟上市)であった。3大学の学長自らが出席する会合で、3大学の特色を知り、進路指導に生かそうと県内の公私立高校長ら約90人が出席した。  秋田大の吉村昇学長は、工学資源学部と教育文化学部の再編で2014年4月に開設する「国際資源学部」について、「人文社会系・技術系パッケージ型教育を展開」と説明。小間篤学長が出席した県立大は、出席校長からの「県立大はどのような戦略で臨むか」という質問に「農工連携による新しい価値の創造を戦略としている」と答えた。  徹底した語学教育で知られる国際教養大の中嶋嶺雄学長は英語で行う講義や主体的に勉学に励む学生の姿を紹介した。協会の高橋会長は閉会後、「各大学が何を目指しているのかを知ることができた」と話した。 "[he-forum 17278] 朝日新聞秋田9/19","朝日新聞秋田版2012年9月19日付 県内3大学、高校長と懇談 ◇進路指導へ特色説明  秋田大、県立大、国際教養大の県内3大学と県高校長協会(会長・高橋貢秋田高校長)の懇談会が18日、県総合教育センター(潟上市)であった。3大学の学長自らが出席する会合で、3大学の特色を知り、進路指導に生かそうと県内の公私立高校長ら約90人が出席した。  秋田大の吉村昇学長は、工学資源学部と教育文化学部の再編で2014年4月に開設する「国際資源学部」について、「人文社会系・技術系パッケージ型教育を展開」と説明。小間篤学長が出席した県立大は、出席校長からの「県立大はどのような戦略で臨むか」という質問に「農工連携による新しい価値の創造を戦略としている」と答えた。  徹底した語学教育で知られる国際教養大の中嶋嶺雄学長は英語で行う講義や主体的に勉学に励む学生の姿を紹介した。協会の高橋会長は閉会後、「各大学が何を目指しているのかを知ることができた」と話した。 "[he-forum 17284] 日本経済新聞9/22","日本経済新聞2012年9月22日付 九大、素粒子物理学の新拠点を10月開設  九州大学は21日、素粒子物理学の教育研究施設「先端素粒子物理研究センター」を10月1日に開設すると発表した。九大は質量の起源とされる「ヒッグス粒子」とみられる新粒子を発見した国際研究に参加しており、「拠点開設でさらなるノーベル賞級の発見に貢献したい」(川越清以教授)としている。  新センターは福岡市東区の箱崎キャンパスに開設する。2015年度以降、同市西区の伊都キャンパスに移転する方針。  素粒子物理学の分野では、新粒子を発見した欧州合同原子核研究機関(CERN、スイス)の粒子加速器に続く次世代加速器「国際リニアコライダー」(ILC)の建設が計画されており、佐賀・福岡両県にまたがる脊振山地や岩手県の北上山地が有力候補地に挙がっている。  新センターには、CERNでの実験に引き続き参加する部門のほか、ILCの九州誘致を進めるため、脊振山地の地質調査やILCを中心とした学術都市計画を検討する部門を設ける。 "[he-forum 17283] 河北新報9/22","河北新報2012年9月22日付 東北大、自動車産業向けツアー 研究室紹介し新規参入促す  東北大を中心にした宮城県内の産学官による「次世代自動車イノベーション推進協議会」は21日、自動車関連の地元企業を対象に、仙台市内の同大の研究室を紹介する「ラボツアー」を始めた。  数回にわたって開催予定で、最先端の実験機器や最新の研究成果を知ってもらい、それぞれの技術革新や人材育成などにつなげる。  県内企業の役員や技術者ら約20人が参加。「高性能磁石」や「材料表面改質」「ハイブリッドナノ粒子と機能性材料」といった研究に取り組む7カ所やクリーンルームを見て回った。  精密部品製造を手掛ける堀尾製作所(石巻市)の堀尾克彦専務は「次世代車の技術開発に向けて大学との連携で何ができるのか、探っていきたい」と話した。  協議会はツアーとともに、10月に地元企業の技術者を対象にした専門講座を開講する。先端機器も利用できるようにし、地元企業の自動車産業参入を後押しする。  プロジェクトのまとめ役の一人、東北大未来化学技術共同研究センターの宮本明教授(計算化学)は「東北大の研究者が力を合わせて地元企業との連携に取り組み、地域の競争力アップにつなげていきたい」と話す。 "[he-forum 17285] 四国新聞9/22","四国新聞2012年9月22日付 防災の専門家養成/香川大と徳島大が連携  香川大と徳島大が連携し、学校防災や救急救命などの専門家を養成する新たな教育プログラムを2013年度に開設する。南海トラフ地震に備え、実践力を備えた人材を地域社会に輩出することが目的。教員や自治体、企業の防災担当者らも受け入れる。  養成を目指すのは「学校防災の危機管理マネジャー」「自治体や企業で事業継続計画(BCP)を策定する危機管理マネジャー」「救急救命・災害医療・公衆衛生に対応できるコーディネーター」。両大学が役割分担して大学院にプログラムを開設し、遠隔授業システムも導入する。  今回の事業は、文部科学省の「大学間連携共同教育推進事業」の一環。期間は16年度までの5年間で、事業費は年間6600万円。  香川大の担当者は「5年後には、四国4県の国立大が連携して防災の専門家を養成する大学院を立ち上げたい」としている。 "[he-forum 17282] 富山新聞9/22","富山新聞2012年9月22日付 IC乗車券付き学生証 富大と富山地方鉄道  富大は来年4月、富山地方鉄道(富山市)の路面電車やバスの運賃支払いができるIC乗車券「ecomyca(えこまいか)」の機能が付いたICカード式の学生証を導入する。富大によると、地方大学で運賃支払い機能が付いた学生証は珍しい。初年度は新入生約2500人の学生証を対象とし、学生生活の向上や地域公共交通の活性化につなげる。  富山市中心部と路面電車、路線バスでつながる五福、路線バスでつながる杉谷の両キャンパス、富山市を訪れる高岡キャンパスの学生が、地鉄の交通機関を利用しやすくなる。富大によると、公共交通機関の運賃支払い機能が付いた学生証は首都圏では多いが、地方では香川大のみ。  セキュリティー機能向上を目的とする学生証のICカード化で、「えこまいか」のほか大学生協食堂・売店の料金支払い機能も付ける。ICカードは毎年の新入生を対象に導入を進め、4~6年で、職員を含め全1万3千人分を移行させる。希望する在学生の学生証についても検討する。  導入に向け21日、五福キャンパスで遠藤俊郎学長と地鉄の川岸宏社長が、「地域交通振興に関する連携協定書」と「IC身分証に関する覚書」を交わした。遠藤氏は「地域振興につなげたい」、川岸氏は「公共交通への若者の注目を集める機会にしたい」と話した。  富大側は講義や附属病院の開業時間に合わせた路面電車やバスのダイヤ調整、病院へのカード料金積み増し機の設置を要望した。  川岸氏は席上、7月に立山町職員256人のIDカードに「えこまいか」機能が付いたと紹介した。3月に職員4340人を対象に導入した富山市に続いて県内自治体2例目。 "[he-forum 17281] 秋田魁新報9/19","秋田魁新報2012年9月19日付 理工学部4学科に、教育文化は2課程に集約 秋田大の学部改組  秋田大は18日、2014年度に予定している「国際資源学部」(仮称)の開設に伴う学部改組で、工学資源学部を母体として新設する理工学部(同)を4学科とする方針を示した。教育文化学部は現行の4課程から、教員養成課程を含む2課程に改める計画。同日開かれた県高校長協会と同大との懇談会で、大学側が説明した。  国際資源学部は文理融合型で、工学資源学部の地球資源学科と、教育文化学部の教員養成以外の3課程の一部を集約して新設。国際資源学科1学科とし、その下に政策文化系、地質系、開発環境系の各コースを置く。現段階では、定員120〜125人程度を予定している。  定員390人程度とする理工学部は、地球資源学科以外の7学科(環境応用化学、生命化学、材料工学、情報工学、機械工学、電気電子工学、土木環境工学)を4学科に再編し、各学科の下にコースを置く。  教育文化学部は、教員養成以外の3課程(地域科学、国際言語文化、人間環境)を一つにし、社会科学、人文科学を中心とした課程とする方針。定員は100人程度。教員養成課程は定員110人程度とする。 "[he-forum 17280] 河北新報9/21","河北新報2012年9月21日付 「放射光施設を東北に」7国立大、復興支援で誘致に乗り出す  東北の7国立大が連携して、強力な電磁波(放射光)を用いて物質の構造を詳しく解析する大型放射光施設の東北への誘致に乗り出している。エレクトロニクスや医療などの最先端の研究成果を企業誘致や産業創出につなげ、東日本大震災からの復興に役立てる。7大学は学長レベルの推進会議を発足させ、建設を求める要望書を文部科学省に提出するなど活動を強めている。  大型放射光施設による物質分析は、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーなど幅広い分野にわたり、企業側の利用ニーズが高い。推進会議事務局の早稲田嘉夫東北大名誉教授によると「先端材料の企業など、予備調査では潜在的な需要は約600件に上る」という。  国内には理化学研究所の「スプリング8」(兵庫県佐用町)、高エネルギー加速器研究機構の「フォトンファクトリー」(茨城県つくば市)など大小九つの放射光施設がある。東北は空白域となっている。  施設構想は昨年6月、東北の研究者有志が発案。弘前、岩手、東北、宮城教育、秋田、山形、福島の7大学の研究者約60人による検討会が打ち出した。今年5月、日本放射光学会が支援を表明。6月に推進会議(世話幹事・入戸野修福島大学長)と専門委員会を設け、8月末に文部科学省に要望した。  新設を目指す放射光施設はリング型で、全長は約300メートル、直径は約100メートル。炭素や酸素など「軽元素」の解析に適した軟エックス線ナノビームを中心に、産業利用を目指す。設置場所は建設が認められた時点で各県から募る。  既存施設の技術利用により、建設費はスプリング8の約5分の1の約200億円で済むという。着工すれば、3年以内の運用開始を見込む。  東北大は推進委員会を設ける方針で、設置を後押しする。伊藤貞嘉理事は「放射光施設は、ものづくり産業などを直接支援する最先端ツール。データの解析などで全面的にサポートしたい」と話している。 [大型放射光施設]電子を全長数百メートルのリング型加速器や線型加速器に入れ、光とほぼ等しい速度まで加速させ、磁場の力で電子を曲げた際に発生する放射光を利用して物質の構造を分析する装置。放射光を当てて得られる原子の回折像を調べると、物質の性質を決める結晶構造情報が分かる。生命科学や医療、エレクトロニクスなど幅広い分野に利用されている。 "[he-forum 17279] 信濃毎日新聞9/21","信濃毎日新聞2012年9月21日付 県立大の素案、県議会から反発・疑問の声 学科内容や県の進め方に  県会6会派でつくる「県短大の4年制化に向けた懇談会」は20日、県庁で開き、県側が県短大(長野市)を四年制化して新設する県立大学の基本構想素案を説明した。「総合マネジメント」(ビジネス経営、公共経営の2課程)、「グローバルこども教育」の2学科を設ける案や、県の進め方に、反発や疑問の声が続出。新県立大学設置に向けた予算案などを審議する県会側の厳しい姿勢が浮き彫りになった。  懇談会は石田治一郎氏(自民党、長野市)が会長を務め、県議12人で構成。この日は風間辰一氏(自民党、長野市)が、県短大同窓会「六鈴会」などから設置要望が出ていた管理栄養士養成課程が外れた点を疑問視。宮沢敏文氏(県民クラブ・公明、北安曇郡)は「ここ(新県立大学)でビジネス経営や公共経営を学ぶ意味はない」と批判した。  県側の素案は、英語に重点を置いた教育内容など秋田県の公立大学法人国際教養大(秋田市)と重なる部分が多い。ただ、同大の卒業生の多くは、県外に就職しており、竹内久幸氏(改革・新風、長野市)は「卒業生が外に出て行くような大学でいいのか」と指摘。素案の段階で県民意見を募集する県の進め方について「早すぎる」との反発もあった。  こうした状況に石坂千穂氏(共産党、長野市)は、県会内に特別委員会を設置することなどを念頭に、「議会の意見が反映されないなら、『違う手段』を考えざるを得ない」と指摘。倉田竜彦副会長(改革・新風、長野市)も終了後、「議会の意見を提起していく段階にいよいよ来たと思う」と述べた。  一方、県立大学設立準備委員会の委員長でもある和田恭良副知事は懇談会後に会見。「あくまでも素案であり、固まっていない。いろいろな意見をもらい、検討していく」とした。  県側は素案で、原則として新入生全員に1年間、海外からの留学生とともに過ごす寮生活を義務付けることも提示。入試関係では、高校生の社会活動や高校生活を重視したアドミッション・オフィス(AO)入試の実施、入学定員に一定の「県民枠」を設けること、秋入学の一部導入なども挙げた。開学時期については、あらためて「未定」とした。 "[he-forum 17286] 東京新聞社説9/26","東京新聞社説2012年9月26日付 司法試験 大学院教育とつなげよ 法科大学院を経ない予備試験からの司法試験合格者が初めて出た。「特急コース」が拡大すれば、大学院制度の意味が薄れる。むしろ、試験自体を大学院教育とつなぐよう根本的な改革が必要だ。  予備試験は、法科大学院を修了した者と同等程度の知識や応用力が試される制度で、昨年度に初めて実施された。これに合格すると、司法試験の受験資格を得る。  もともと大学院に進む資力に乏しい人や、働きつつ法曹をめざす社会人らを想定して導入された、例外的な仕組みといえる。  今年の司法試験合格者は二千百二人で、そのうち予備試験のコースを経た受験生は八十五人おり、五十八人が合格した。合格率は68・2%であり、法科大学院修了者の合格率24・6%と比べて、極めて高かった。  しかも、合格者のうち、大学生が二十六人で、大学院生が八人にのぼった。つまり、現役の大学生らが法科大学院を修了しなくても、司法試験に合格できる「特急コース」となったわけだ。  法曹界の中には、この予備試験ルートを拡大した方がいいという意見がある。だが、今後、「特急コース」の間口をうんと広げてしまったら、必然的に誰もがその道を選択することになろう。大学院に通うよりも、費用や期間の点で、効率的だからだ。  それでは司法制度改革の柱の一つである、法科大学院制度の理念と目的がかすんでしまう。  改革すべきは、むしろ、司法試験そのものにある。短答式と呼ばれる試験科目も増え、暗記する知識が多くなっている。論文式試験も質問範囲が広く、質と量もレベルが高すぎると指摘される。  難解な問題を解く能力が高い人ばかりを選抜する、知識偏重の仕組みを脱すべきである。受験技術にたけた人と、優れた法曹人とは必ずしも一致しないからだ。  法科大学院では、幅広い教養を身につけさせる法曹養成をめざしている。実務教育を重視したり、先端展開科目という、司法試験とは直接かかわらない法律や科目を教えたりしている。  だから、司法試験も一定レベルの法律知識のチェックを受けるだけで、合格させる仕組みにしてはどうか。医学部で真面目に勉強すれば、おおむね医師国家試験に合格できる。それと同じように、本道たる大学院で真剣に学んでいれば、おのずと法曹人になれる試験制度にすべきだ。 "[he-forum 17287] 西日本新聞社説9/26","西日本新聞社説2012年9月26日付 法曹養成見直し 改革の「理念」を見失うな  有識者による政府の「法曹養成制度検討会議」が始動した。鳴り物入りでスタートした司法改革だが、その根幹をなす法曹(弁護士、裁判官、検察官)養成システムが混迷している。そこにメスを入れ、制度を抜本的に見直すのが目的だ。  見直し自体に異論はないだろう。  政府は2002年、司法改革の要となる司法試験合格者を10年ごろ年間3千人にする目標を立て、その中核養成機関として04年度に法科大学院を創設した。だが、08年に2千人に達して以降、伸び悩み、計画は思うように進んでいない。  最大の要因は「法曹の卵」を輩出する法科大学院の乱立である。全国で74校も開校し、修了者の7~8割とされた司法試験合格率は2割台に低迷している。今年の合格率も25・1%にとどまった。志願者も減り続け、本年度は初年度7万2800人の4分の1にまで激減した。  この結果、一方で合格者の質の低下が懸念され、他方でいまの合格者数でも弁護士の就職難が取りざたされているのが現状だ。ここに来て、入学者減による法科大学院の閉鎖も相次いでいる。このままなら、有為な若者が法曹界からますます離れていく事態も憂慮されよう。  今年に入って、総務省が制度の見直しを勧告し、合格者数の目標を年間1500人に抑えるよう求める日弁連が、法科大学院の統廃合や入学者定員の大幅削減を提言したのも、そのためである。  ただ、見直しが司法試験合格者数や法科大学院数の絞り込みといった単なる「数合わせ」に終わっては元も子もない。  「市民に身近な司法」を追求するのが司法改革の理念だったはずだ。これまでの法曹増員で一定の成果が上がっていることを、忘れてはならない。  地域によって弁護士が少ない司法過疎問題は相当改善し、法律相談などで市民を支援する法テラスも浸透してきた。付添人制度など法律家が身近な存在として活躍する場も、確実に拡大した。  こういったプラスの面を正当に評価したうえで、何が足りないのか。改革の原点に返って検証する必要がある。  そもそも、今回の司法改革は21世紀の日本社会を見据え、多様な法曹を養成・確保する狙いがあったことを思い起こすべきだ。法廷業務をこなすなど受け身ではなく、もっと積極的に社会や企業に入り込み、「国民の社会生活上の医師」の役割を果たすことが期待されていた。  さらには、知識が幅を利かす司法試験という「点」による選抜ではなく、法科大学院から司法試験、司法研修までの「プロセス」を重視し、それらを有機的につなぐのも重要な論点だった。それによって、実社会に即した実践的で幅広い法曹養成を目指したのではなかったか。  誰のための改革か。見直し論議は、ここから始めるべきだ。決して法曹関係者のためではない。どうすれば一般市民に法の恩恵を実感させ、頼りがいのある司法を実現できるのかが問われている。 "[he-forum 17287] 西日本新聞社説9/26","西日本新聞社説2012年9月26日付 法曹養成見直し 改革の「理念」を見失うな  有識者による政府の「法曹養成制度検討会議」が始動した。鳴り物入りでスタートした司法改革だが、その根幹をなす法曹(弁護士、裁判官、検察官)養成システムが混迷している。そこにメスを入れ、制度を抜本的に見直すのが目的だ。  見直し自体に異論はないだろう。  政府は2002年、司法改革の要となる司法試験合格者を10年ごろ年間3千人にする目標を立て、その中核養成機関として04年度に法科大学院を創設した。だが、08年に2千人に達して以降、伸び悩み、計画は思うように進んでいない。  最大の要因は「法曹の卵」を輩出する法科大学院の乱立である。全国で74校も開校し、修了者の7~8割とされた司法試験合格率は2割台に低迷している。今年の合格率も25・1%にとどまった。志願者も減り続け、本年度は初年度7万2800人の4分の1にまで激減した。  この結果、一方で合格者の質の低下が懸念され、他方でいまの合格者数でも弁護士の就職難が取りざたされているのが現状だ。ここに来て、入学者減による法科大学院の閉鎖も相次いでいる。このままなら、有為な若者が法曹界からますます離れていく事態も憂慮されよう。  今年に入って、総務省が制度の見直しを勧告し、合格者数の目標を年間1500人に抑えるよう求める日弁連が、法科大学院の統廃合や入学者定員の大幅削減を提言したのも、そのためである。  ただ、見直しが司法試験合格者数や法科大学院数の絞り込みといった単なる「数合わせ」に終わっては元も子もない。  「市民に身近な司法」を追求するのが司法改革の理念だったはずだ。これまでの法曹増員で一定の成果が上がっていることを、忘れてはならない。  地域によって弁護士が少ない司法過疎問題は相当改善し、法律相談などで市民を支援する法テラスも浸透してきた。付添人制度など法律家が身近な存在として活躍する場も、確実に拡大した。  こういったプラスの面を正当に評価したうえで、何が足りないのか。改革の原点に返って検証する必要がある。  そもそも、今回の司法改革は21世紀の日本社会を見据え、多様な法曹を養成・確保する狙いがあったことを思い起こすべきだ。法廷業務をこなすなど受け身ではなく、もっと積極的に社会や企業に入り込み、「国民の社会生活上の医師」の役割を果たすことが期待されていた。  さらには、知識が幅を利かす司法試験という「点」による選抜ではなく、法科大学院から司法試験、司法研修までの「プロセス」を重視し、それらを有機的につなぐのも重要な論点だった。それによって、実社会に即した実践的で幅広い法曹養成を目指したのではなかったか。  誰のための改革か。見直し論議は、ここから始めるべきだ。決して法曹関係者のためではない。どうすれば一般市民に法の恩恵を実感させ、頼りがいのある司法を実現できるのかが問われている。 "[he-forum 17294] 日本海新聞9/29","日本海新聞2012年9月29日付 鳥取大、次期学長に豊島氏 医学部から連続登用  来年3月末の任期満了に伴う鳥取大学(鳥取市湖山町南4丁目)の学長選考会議が28日開かれ、豊島(てしま)良太医学部長(63)が次期学長候補に選ばれた。現在の能勢隆之学長に続き、医学部からの登用となった。年内にも文部科学相に上申し、正式決定する。任期は来年4月1日から4年間。 豊島良太氏  鳥大では豊島氏のほか▽井藤久雄理事・副学長(64)医学部▽岸田悟副学長(60)大学院工学研究科▽本名俊正理事・副学長(67)農学部-の4人の候補者が、教育研究評議会と経営協議会で学長候補者に推薦されていた。  27日には教員(助教以上)、付属学校主幹教諭以上、事務職は専門職以上の809人を対象に意向調査(投票)を実施。投票数632票(有効投票数625票)のうち、豊島氏が269票を獲得、トップとなった。133票を獲得した2位の井藤氏とは約2倍の差をつけた。学長選考会議は非公開で行われ、この結果を参考に豊島氏を次期学長候補に決めた。2004年の法人化以降、学長選考会議での選出方法に変わってから、最多得票数の候補が学長に選任されている。  豊島氏は「本学は『知と実践の融合』のもとに「人間力を育てる教育を行い、豊かな教養と行動力あふれる有為な人材を社会に送り出している。また、乾燥地科学など世界的な研究だけでなく、医療の重要な拠点となる付属病院の運営など、新たな大学の役割としてクローバル化に向け、貢献していきたい」と抱負をコメントした。  豊島良太氏の略歴 鳥取大学医学部卒。鳥大大学院医学研究科博士課程(外科系専攻)修了。1999年鳥大医学部教授(整形外科学講座)。2003年同学部付属病院副病院長、07年同病院長。11年同大学医学部長。 "[he-forum 17293] 朝日新聞宮崎9/29","朝日新聞宮崎版2012年9月29日付 総合医、地域の要に育成  幅広い科目を診療し、必要に応じて専門医につなぐ「総合医」の本格的な育成に、宮崎大医学部と県が乗り出す。来春、県立日南病院に臨床研修センターを設ける協定の締結式が28日、県庁であった。県内で深刻な山間地の医師不足や診療科の偏りの解消をめざす。  臓器や疾病ごとに診療する専門医に対し、総合医は初期の体の不調に対応して全般的に診るため、家庭医やかかりつけ医とも呼ばれる。予防医療や在宅医療のリーダー役も担う「地域医療の要」と期待されている。  県医療薬務課によると、県内の人口10万人あたり医師数(10年12月現在)は233・7人。全国平均の230・4人をわずかに上回るが、内実は最大の宮崎市・東諸県地域で332・9人、最小の西都・児湯地域で126・2人という偏在ぶりだ。特に過疎地で地域に根ざす総合医の確保は急務。センター整備は、県地域医療再生基金を活用して進められた。  新設される「地域総合医育成サテライトセンター」は、大学付属病院地域総合医育成センターの実践的な研修の場として、来年4月に始動。指導医を3人程度置き、卒後3~4年の若手医師を年3~5人受け入れる。地域の医療機関へ派遣する機会も設ける予定で、研修後は市町村立病院などに、県が調整して配置する。  総合医には、内科、外科の枠を超えた初診での診察力が求められる。大学付属病院では他院から紹介される患者が多く、初診は2割ほど。一方、日南病院は県南地域の中核病院ながら、初診が6割。救急外来も多く、臨床研修により適した病院として選ばれた。  新センターで指導医を務める松田俊太郎医師は「専門医療が最先端なら、総合医の現場は『最前線』。各診療科、地域の医療機関とも協力し、必要な知識をまんべんなく学ぶ環境を整えたい」と意気込む。(谷川季実子) "[he-forum 17291] 中国新聞9/27","中国新聞2012年9月27日付 医工人材育成が文科省事業に  広島大(東広島市)など広島県内の4大学が共同で取り組む医工連携の人材育成プログラムが、文部科学省の「大学間連携共同教育推進事業」に採択され26日、4大学や協力企業、団体が同大で発表した。医学、工学、情報科学の分野を超え、共通の授業や研修を通じて地域の先進医療に貢献できる人材を育成する。  広島大、広島市立大(広島市安佐南区)広島工業大(佐伯区)広島国際大(東広島市)が共通のカリキュラムを作成、テレビ会議システムで授業をする。  2016年度までの5年間で文科省の補助金約3億円を受ける。合宿や病院実習、協力企業での研修を通じ、異なる分野を専攻する学生が交流する。課題を解決するため、グループ討議の場や成果発表会も設ける。  介護用ロボット開発や、インターネットを通じた遠隔地での診療など新しい医療の従事者、遺伝子情報を解析する技術者たちの育成を想定。1学年につき4大学で学部生計30人、大学院生計10人程度の規模を見込み、希望者から選考する。スタートは来春の予定。  発表会見には各大学の学長や協力企業、NPO法人の代表者計8人が出席。広島大の浅原利正学長は「地域医療を地域のチームで担いたい」とあいさつした。 "[he-forum 17292] NHKニュース9/29","NHKニュース2012年9月29日6時38分 中教審 大学入試の在り方検討へ  国際化や少子化が進む中、中教審=中央教育審議会の特別部会は大学入試について、今のような試験とは別に高校までの学力の到達度を判断する試験を設けることなど、受験生の意欲や能力を総合的に評価するための入試の在り方を検討することになりました。  28日、文部科学省で開かれた部会には、大学教授や高校の校長などおよそ20人の委員が出席しました。 現在の大学入試を巡っては、推薦入試やAO入試など学力検査を行わない方法が増えている一方、難関大学を中心に知識に偏り過ぎた試験が行われていると指摘されています。  このため特別部会では、国際化や少子化が進むなか、社会に求められる人材を生み出しにくくなっているとして、受験生の意欲や能力を総合的に評価するための大学入試の在り方を検討することにしています。  委員からは大学入試とは別に高校までの学力の到達度を判断する試験を設けるべきだとか、大学入試センター試験は、得点ではなく生徒の学力レベルをみるものに位置づけるべきだといった意見が出されました。  特別部会は毎月1回程度開かれ、来年夏ごろをめどに入試の改善策をまとめることにしています。 "[he-forum 17291] 中国新聞9/27","中国新聞2012年9月27日付 医工人材育成が文科省事業に  広島大(東広島市)など広島県内の4大学が共同で取り組む医工連携の人材育成プログラムが、文部科学省の「大学間連携共同教育推進事業」に採択され26日、4大学や協力企業、団体が同大で発表した。医学、工学、情報科学の分野を超え、共通の授業や研修を通じて地域の先進医療に貢献できる人材を育成する。  広島大、広島市立大(広島市安佐南区)広島工業大(佐伯区)広島国際大(東広島市)が共通のカリキュラムを作成、テレビ会議システムで授業をする。  2016年度までの5年間で文科省の補助金約3億円を受ける。合宿や病院実習、協力企業での研修を通じ、異なる分野を専攻する学生が交流する。課題を解決するため、グループ討議の場や成果発表会も設ける。  介護用ロボット開発や、インターネットを通じた遠隔地での診療など新しい医療の従事者、遺伝子情報を解析する技術者たちの育成を想定。1学年につき4大学で学部生計30人、大学院生計10人程度の規模を見込み、希望者から選考する。スタートは来春の予定。  発表会見には各大学の学長や協力企業、NPO法人の代表者計8人が出席。広島大の浅原利正学長は「地域医療を地域のチームで担いたい」とあいさつした。 "[he-forum 17290] 福井新聞9/27","福井新聞2012年9月27日付 福井大、国際人材育成拠点に 文科省選出、北陸で唯一  福井大学は26日、文部科学省が進める「グローバル人材育成事業」の拠点に北陸地方で唯一、選ばれたと発表した。工学部を中心に今後、英語の指導教員を現在の12人から倍増させる。  文科省が公募し、全国の129大学が応募。福井大を含む42大学が選ばれた。北陸では富山大、金沢大も申請したが外れた。福田優学長は、記者会見で「小さい大学だが、拠点に選ばれた。責任に身の引き締まる思い」と話した。  各大学が国際人材育成の5年計画をつくり、国が補助金を出す。福井大は今年、新たに雇う英語の教員の人件費など8千万円弱を申請する考えだ。  具体的には、英語能力試験のTOEICの点数を底上げする。福井大の1年生は990点満点のうち平均で400点に満たないが、5年後には600点まで引き上げることを目指すという。(小堀龍之) "[he-forum 17289] 大分合同新聞9/28","大分合同新聞2012年9月28日付 県内2大学の事業 文科省の助成対象に  文部科学省は、大分大学が申請した留学生を支援して地域活性化に生かす事業と、立命館アジア太平洋大学(APU)が取り組む海外に通用する人材育成の事業をそれぞれ助成対象に決めた。いずれも実施期間は本年度から。 【大分大】「留学生交流拠点整備事業」として全国で7大学が選ばれたうちの一つ。地域全体で留学生の生活や就職を支援し、地域経済の活性化や観光振興などに留学生の力を生かす仕組みづくりを目指す。  県内の大学、短大や民間企業、県などで構成する「大学コンソーシアムおおいた」が事業主体となる。県内全ての外国人留学生を対象に県内企業への就職あっせんや地域住民との交流プログラムを実施する。  大分大国際交流課の安部義博副課長は「留学生が地域に溶け込み、多文化が共生するまちづくりを進めたい」とする。実施期間は9月から3年間で、補助金申請額は総額約3800万円。 【APU】「グローバル人材育成推進事業」として採択された。対象は日本人学生。留学や卒業後のキャリアを見据えた▽体系的な学習プログラムの強化▽海外インターンシップ制度の拡充―などを通し、世界で通用するグローバル人材を育てることが目的。  学生の学習到達レベルを測定する評価指標を定め、事業の成果分析も進める。是永駿学長は「グローバル人材育成の全てを分析、可視化することで他大学と成果を共有し、国の高等教育全体の高度化につなげたい」としている。実施期間は9月から5年間で、補助金申請額は総額約8億円。 "[he-forum 17288] 毎日新聞社説9/24","毎日新聞社説2012年9月24日付 沖縄科技大学院 開学の志を忘れずに  沖縄科学技術大学院大学(OIST、沖縄県恩納村)が今月開学し、18カ国・地域から博士課程の学生34人(日本人は5人)を迎えた。大学の公用語は英語で、約260人の教員・研究者の半数は外国人だ。学部は設けず、学際的な研究に力を入れるなど、従来の日本の大学にはない試みは国内外の注目を集めている。  米スタンフォード大教授から転身した物理学者のジョナサン・ドーファン学長は博士課程開設式で「世界最高水準の教育研究機関に成長するという揺るぎない目標に向かって進む」とあいさつしたが、日本の大学に新風を送り込むとともに、研究成果を産業化につなげることで沖縄の未来も切り開くことを期待したい。  OISTは沖縄振興を目的に、01年に構想された。私大だが、法に基づく特別な学校法人として、国が予算のほとんどを支出している。今年度を含む8年間の交付金・補助金総額は859億円。今後も当面は年間約100億円程度が研究費や運営費として国から補助される見通しだ。  東シナ海を望むキャンパスは美しく、電子顕微鏡やDNA配列の解析装置などの設備もハイレベルだ。OISTの理事を務める金澤一郎・元日本学術会議会長が「日本の大学院大学でOISTほど恵まれた所はない」と言うのもうなずける。物理や生命科学など五つの分野を中心に研究活動は一足早く始まっており、沖縄にも関係が深いサンゴの全ゲノム解読など世界的な成果も出ている。 "[he-forum 17298] 読売新聞9/30","読売新聞2012年9月30日付 東大・京大、ナノ技術など人材育成で異例の連携  世界最先端のナノ・マイクロ技術分野の研究で人材育成を進めるため、東大や京大などは今月から、神奈川科学技術アカデミー(KAST、川崎市高津区)が開発したシステムを利用し、インターネットを通じた遠隔講義を始めた。  東大と京大が人材育成事業で連携するのは、異例という。  ナノ・マイクロ技術は、100万分の1メートルから10億分の1メートルという超微細な尺度で物質を加工する技術で、スペースをとらない小さな化学実験設備や機械のわずかな振動で発電できる超小型発電装置など、幅広い分野への応用が期待されている。  遠隔講義は、国内の研究成果や技術を結集し、国際競争力の育成を図るため、文部科学省が進める「グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス事業」(GRENE)の一環。参加者は、大学の教室やKASTのパソコンから、研究機関が専用サーバーに保管した講義データにアクセスして受講する。  技術開発が高度・専門化する中、人材育成には学生や研究者間の研究成果の共有や相互連携が必要だ。国内では大学や研究機関、企業の枠組みを超えた教育システムの構築が、課題となっていた。  社会人講座を長く実施してきた実績から、KASTが人材育成の拠点として選ばれ、昨秋から遠隔講義のシステムを開発してきた。  今年度は来年2月末まで、東大、京大、東工大などの6機関が、学生や企業の技術者向けに、大学専門課程から大学院レベルの遠隔授業をする。今後は大学同士の相互単位認定も検討していくという。  この事業で人材育成を担当する京大大学院工学研究科の平尾一之教授(材料化学)は「各大学の知識を枠を超えて伝えることで、ものづくりの人材を育て、日本を世界水準の研究大国にしていきたい」と意気込む。同アカデミーの馬来義弘理事長は「今後、講義の内容をさらに充実させたい」と話している。(藤亮平) "[he-forum 17297] 河北新報社説10/1","河北新報社説2012年10月1日付 法曹養成見直し/司法改革の理念忘れずに  法曹養成制度の在り方を抜本的に見直す有識者による検討会議の初会合が先日開かれた。  司法の担い手、法曹(弁護士や裁判官、検察官)を育てる中核の機関として法科大学院が2004年に創設されてから8年。課題が鮮明になっており、改善に取り組むのは当然だ。  ただ、質量ともに豊かな法曹を確保し、「身近で利用しやすい司法」の実現を掲げた改革の理念をぐらつかせてはいけない。  見直しの要因は、法科大学院修了者の司法試験合格率の低迷と、その結果としての志願者数の減少や、増えた法曹人口の大半を占める弁護士の就職難の深刻化にほぼ集約できる。質の低下を懸念する向きもある。  7、8割を想定していた合格率は当初から低めに推移、ことしは25.1%(予備試験通過者を含む)にとどまった。合格者が過去最多の2102人に上ったとはいえ、目標の年間3千人を大きく下回ったままだ。  その結果、7万人を超えていた志願者は減少を続け、12年度は約1万8千人で4分の1にまで落ち込んだ。  合格者が伸び悩んでいるにもかかわらず、司法修習を終えた新人弁護士の就職先探しは難航。速やかに弁護士登録をできない人が増えている。  「市民の司法」を支える有能な法律家を増やすための養成制度が、目標と現実の落差によって志願予定者の法曹離れを招き、一般市民の法曹イメージを損ねては元も子もない。  大学院の乱立による定員の多さが危ぶまれていた。大学院に通えない人のためにことし始まった司法試験の「予備試験」を通った受験者の合格率が68%に達しており、大学院の存在自体が問われかねない状況だ。  教育内容をあらためて吟味するとともに、司法試験とのつながりを強めるべきだ。理念に掲げた多様な人材を取り込むため、受験回数制限(5年以内3回)の緩和も検討していい。  定員割れ続出の状況を踏まえて大学院の統廃合を進めるほか、法曹人口の望ましい規模の練り直しも視野に入る。  ただ、法律家の大都市偏在に伴う司法サービスの地域格差は解消せず、削減ありきの議論に陥るのは避けたい。大学院と定員の地域適正配置に努め、合格目標の削減も弁護士の活動分野を広げる手だてを尽くすこととセットでなければならない。  原子力損害賠償紛争解決センターの審理が滞っている。弁護士らスタッフ不足も要因とされる。法曹人口の過剰感は、ニーズを掘り起こし切れていない結果のようにも映る。  企業や行政機関に所属する「組織内弁護士」の採用促進の働き掛けは十分だろうか。企業内弁護士は増えてはいるが、まだ開拓の余地はあるし、国や都道府県、政令市の大規模自治体で条例づくりなどに能力を発揮してもらう可能性も探りたい。  弁護士の就労問題に引きずられては十分な成果を期待しにくい。改革の原点を踏まえた総合的で丁寧な見直しを望みたい。 "[he-forum 17296] 福島民報9/28","福島民報2012年9月28日付 廃炉作業ロボット開発 県、産学官連携を支援へ  東京電力福島第一原発の廃炉作業に向けて、福島県は産学官連携による廃炉作業用ロボット開発のモデル事業を実施する。浜通りの中小企業群と福島大、東京大による国内初の専用ロボットの開発を支援する。さらに開発を通じて廃炉に関する県内企業の技術力向上を図り、廃炉関連産業への県内企業の参入を促進する。  ■県内企業関連産業へ参入促進  27日開かれた県議会の9月定例議会で、本田仁一議員の代表質問に伊東正晃商工労働部長が示した。  廃炉作業では格納容器の損傷箇所や放射線量などを調べたり、実際に解体したりするために遠隔操作のロボットが必要になる。しかし、米国など海外では既に製品があるが、国内では実用化されていない。  モデル事業では、浜通りの金属加工や機械加工など約30社の製造業者が中心となり、米国製のロボットを参考に開発を進める。福島大、東京大が技術面などで支援する。県は研究・開発費として約2400万円を9月定例議会に提出した一般会計補正予算案に計上した。  モデル事業には、開発を通じて原子力分野に特有の技術力を県内中小企業が身に付ける意味合いもある。原子炉の耐熱合金などは特殊鋼材で加工が難しい。県は、県内企業が専門的な加工技術や知識を習得することで廃炉用の機器の開発を促し、大手メーカーとの連携による産業化を進めたい考え。  高濃度除染、耐放射線技術などについても、国と連携し、大手メーカーと県内企業とのマッチングを積極的に実施する。 "[he-forum 17295] 毎日新聞社説10/1","毎日新聞社説2012年10月1日付 大学入試改革 教育の質転換に生かせ  文部科学相の諮問を受けて、中央教育審議会が大学入試の改革を審議し始めた。なぜもっと早く、の感もあるが、密度の高い議論で、難題を先送りにしない、実効性のある結論を強く望みたい。  戦後の大学入試制度で大きな節目になったのは、1979年からの国公立大学共通1次試験と、これをやめて私立も活用できるようにした90年からの大学入試センター試験の導入である。  過度の受験競争や難問奇問を排して、受験生にも大学にも過度の負担がないようにという考え方がベースにあった。  今回の諮問は「大学入学者選抜の改善をはじめとする高校教育と大学教育の円滑な接続、連携強化の方策」を求めている。「中」の入試を変えることによって「前」の高校も「後」の大学も教育の質やつながりを高めようというのである。  平たく言えば、入試が大学の教育にふさわしい力を高校生に求め、そうしてつけた力が大学教育に直結するという構図である。  少子化を背景に“お手軽入試”も目立つ中、事実上学力不問で入学、高校程度の補習を受けるといった光景は珍しくない。  肝心なのは、入試(入学者選抜)をどう変えるのかということだ。  諮問理由は「グローバル化、情報化、少子高齢化など社会構造が大きく変化し、先を見通すことが難しい時代」では、主体的に考え、予想外の事態を乗り越える力、グローバル化に対応できる力が必要という。 "[he-forum 17303] 産経新聞10/4","産経新聞2012年10月4日付 16大学、物品納入で不備 検査院が改善要求  平成22年度に文部科学省から公的研究費の交付を受けた計65の国立・私立大学のうち、16大学は研究者に物品の直接発注を認めながら、事後チェックを行わないなどの不備があったことが3日、会計検査院の調査で分かった。内部監査の際、54大学で取引業者の帳簿提供を受けていなかったことも判明した。  大学の研究者らによる物品納入をめぐる不正経理が後を絶たないことから、検査院は、事務系職員が納入書と物品を確認したうえで研究者に渡す「検収業務」の実施を徹底するよう、文科省に改善を求めた。  検査院の調査によると、対象となった65大学すべてで「検収業務」を行う体制となっていたが、このうち16大学では「事務処理の効率化」などを理由に一部の物品で検収を省略。事後の点検も行われていなかった。22年度に大学側へ支払われた公的研究費のうち、こうした不備のある納入物品の総額は約6億5900万円に上った。  また、内部監査も65のすべての大学で実施していたが、54大学では在庫の確認などを行うだけで、取引先業者から帳簿の提供を受けて突き合わせる作業を怠っていたという。 "[he-forum 17302] 日本経済新聞東北10/2","日本経済新聞東北版2012年10月2日付 東北大学、沿岸被災地に医師派遣 若手の育成狙う  東北大学は1日、東日本大震災の沿岸被災地へ医師を派遣する制度を始めた。震災から1年半が過ぎ、各地からの医療支援は縮小傾向にあるため、医師不足の緩和に取り組む。若手医師の参加を見込んでおり、地域医療や新たな医療分野に強い人材を組織的に育成していく考えだ。  同日始めたのは「ToMMoクリニカル・フェロー制度」。東北大の学内組織「東北メディカル・メガバンク機構」が大学病院、大学院医学系研究科と協力。9人の医師を任命した。  機構などは約15万人分の遺伝子情報を集めてデータベース化し、予防医学などに役立てる構想を持つ。派遣される医師は1年間のうち4カ月間を被災地の医療機関に交代で勤務し、残りの8カ月間は大学で研究などにあたる。フェローは3年後には30人体制を目指し、沿岸部を中心に医療支援を続けていく。 "[he-forum 17301] 中日新聞静岡10/5","中日新聞静岡版2012年10月5日付 静大連携講座 13日開講 ◆伊東学長に聞く  東日本大震災の被災地復興の見通しはたたず、震災の教訓を踏まえた新しい社会の姿はまだもやの中にある。昨年に続き、震災の問題と向き合う静岡大と中日新聞の連携講座「震災後の日本を考える 社会の読み方、創り方」の十三日開講を前に、静岡大の伊東幸宏学長(55)に聞いた。  -震災に関する大学の取り組みは。  被災地の復興に役立ちそうな大学の知識や技術を「知による貢献」としてホームページ上で公開した。特定の問題への対応としてはおそらく初めての試みだ。廃棄物を粉末燃料に変える技術などに問い合わせがきている。  学生には関連科目での単位取得と最終レポートの合格を条件に「防災マイスター」の称号を授与する制度を始めた。昨年度は教育学部の三人が称号を受けて卒業し、地域防災の拠点となる小中学校の教員になった。県との協力事業で「ふじのくに防災フェロー養成講座」も実施し、自治体や企業の担当者が受講している。  -震災以後、教員や学生の意識に変化は。  災害をより一層、自分たちに直結した問題と捉えるようになった。ボランティア活動への参加を含め、人の役に立ちたいという思いが強まっていると感じる。  -南海トラフ巨大地震の被害想定で、住民に不安が広がっている。  想定はあくまでも最悪の事態で何も手を打たなかったら、という数字だ。どういう手を打てば被害を減らせるのかと併せて理解していくことが大事。大学も客観的なデータの発信で役に立ちたい。  -講座の特徴は。  発生から一年半がたち、震災後の社会をどうつくっていくかという次のフェーズに入ろうとしている。防災や工学に加え、人文社会科学部、情報学部のメンバーがそろった。三回目の川瀬教授は早くから復興予算の使われ方を問題にしてきた。四回目には学生の発表もあり、教員だけでなく学生が社会に対してどのような貢献をしようとしているのか、見てもらえると思う。  -五回目はインターネットと政治参加がテーマになる。  アラブの春などを見てもインターネットが政治的に強い力を持っているのは確かで、脱原発の首相官邸前デモはその一つの表れだ。一方で、中国の反日デモでは、その強い力がコントロールされた時の怖さも垣間見えている。以前はアジ演説をしても声の届く範囲だったが、今は世界中の人が動きかねない。市民が高い見識を持つことがますます大切になっている。 (聞き手・立石智保)  <いとう・ゆきひろ> 東京都出身。1987(昭和62)年、早稲田大大学院理工学研究科博士後期課程修了。静岡大情報学部教授、情報学部長などを経て2010年4月から現職。 ◆講座は来春まで5回予定  連携講座は、全五回のいずれも浜松市中区の静岡大学浜松キャンパス工学部システム棟で、来年二月まで月一回ずつ開催する。定員は百人、参加無料。  (1)10月13日午後2~4時 原田賢治・防災総合センター准教授「東日本大震災から津波防災を考える」(11教室)  (2)11月10日午後2~4時 青木徹・工学部、電子工学研究所准教授「正しく測って適切に怖がろう~放射線計測の仕組みと活用」(21教室)  (3)12月8日午後2~4時 川瀬憲子・人文社会科学部教授「東日本大震災後の政府復興予算と自治体財政~なぜ生活再建が進まないのか」(11教室)  (4)1月12日午後2~4時 水谷洋一・人文社会科学部准教授と環境政策研究室学生「検証・新しいエネルギー計画はどのようにつくられたのか」(11教室)  (5)2月2日午後2~4時 佐藤哲也・情報学部准教授「これからの政治のあり方~インターネットと政治参加」(11教室)  申し込みは公開講座係のウェブサイトかファクス、Eメール、はがきで先着順。各講座の二日前に必着。郵便番号と住所、氏名、電話番号、講座名、参加回を明記する。空席があれば、当日参加もできる。四回以上の参加者に修了証を発行する。  サイトはhttp://www.Lc.shizuoka.ac.jp/、ファクスは054(238)4295、はがきは〒422 8529 静岡市駿河区大谷836 静岡大学社会連携推進機構 連携講座係。問い合わせは同機構=電054(238)4817=へ。 "[he-forum 17300] 朝日新聞熊本10/5","朝日新聞熊本版2012年10月5日付 熊大、研究医養成へ 柴三郎プログラム   目指すは北里柴三郎!   熊本大が基礎研究医の養成に力を入れる。高校生に医学研究を体験させたり、大学で大学院の単位取得を可能にしたりして、大学院での研究者を増やすのが狙いだ。破傷風菌の純粋培養法を確立したことなどで知られる小国町出身の北里柴三郎のような人材を育てようと、「柴三郎プログラム」と名付けた。   熊大医学部などによると、大学卒業後に医療機関での臨床研修(2年以上)が2004年から義務化されたが、研修後に大学院に進んで研究を続ける人は全国的に減少しているという。   このプログラムの実施にあたり、熊大医学部は同学部に入学実績のある県内の高校に呼びかけ、8月に説明会を開いたところ46人が参加した。高校生はネズミの手術やIPS細胞にふれるなどの体験をし、このうち8人が放課後や週末に大学で研究を続けているという。同大は「研究の機会や設備の提供で研究心を植え付けたい」という。   同プログラムでは、医学部で大学院の単位を取得する飛び級を可能にしたり、選考の上、大学院の入学料と2年間の授業料計130万円を免除したりする。こうした環境作りで高校、大学、大学院で研究を継続しやすくし、研究医の育成につなげるという。   熊大は文部科学省の事業に応募し、全国で10大学、九州では唯一採択され、今年度から5年間で計1億円の予算がプログラムに認められた。   医学部の入試では14年から面接も導入し、人物面も評価対象にする方針だ。医学部の富沢一仁教授は「北里柴三郎博士のように人類に恩恵を与え、世界で活躍する研究医師の育成を目指したい」と話す。   問い合わせは事務局(096・373・5051)。 "[he-forum 17299] 毎日新聞茨城10/4","毎日新聞茨城版2012年10月4日付 協定:農業・食と健康、共同研究で--行方市と筑波大  行方市と筑波大は3日、「農業・食と健康の共同研究に関する連携協定」を締結した。農産加工の新商品開発や健康寿命を延ばすなど多角的な分野で地域活性化に向け、大学の研究成果を現場に生かしていく。  筑波大で同日、清水一彦副学長と同市の伊藤孝一市長が協定書に署名。記者会見した清水副学長は「大学の研究成果や知財を還元しお役に立ちたい。実りある成果を出したい」とあいさつした。伊藤市長は「大学の若い世代との地域交流も期待できる。健康になって楽しく住めるまちづくりを大学の協力を得て進めたい」と語った。  同市ではサツマイモやエシャレットをはじめ約60品目の野菜が作付けされるなど、農林水産業が基幹産業。農業生産額235億円(06年)で、県内2位を誇る。協定は同市が申し入れて実現した。  筑波大生命環境系の宮崎均教授は「市販の野菜ジュースの野菜の多くは海外産だ。行方オリジナルの機能性にこだわった野菜ジュースを開発したい」と、具体的な取り組みの一例を説明した。【安味伸一】 "[he-forum 17309] 日本経済新聞10/6","日本経済新聞2012年10月6日付 病院の自販機運営で随意契約、阪大系財団が多額利益 検査院  大阪大学の名誉教授らが理事を務める一般財団法人「恵済団」(大阪府吹田市)が、阪大医学部付属病院内の自動販売機の運営を随意契約で請け負い、手数料収入で2年間に1億円以上の利益を得ていることが5日、会計検査院の調べで分かった。検査院は阪大に対し「不適切な契約で、大学に収入が入るように見直すべきだ」と指摘した。  恵済団は病室の有料テレビ向けのカードや飲料水の自動販売機を計59台運営し、自販機を置くスペースの賃料として2010年度と11年度に阪大に420万円を支払った。一方、自販機の管理は民間業者に再委託し、自販機の売り上げ全額を業者の収入とする代わりに手数料として計1億1580万円を業者から受領し、賃料との差額1億円超を稼いでいた。  阪大は随意契約とした理由について、「競争入札で不慣れな業者が落札すると病院運営に支障が出る」としていたが、検査院は「結局は民間業者に再委託しており、契約を恵済団に限定する必要はない」と判断。恵済団は2年間で4848万円相当を阪大に寄付しているが、契約を見直せばさらに6千万円超の増収を図れると指摘した。  恵済団は付属病院内の環境整備などを目的に1922年に設立。7人いる理事のうち6人を名誉教授や元阪大職員が占める。阪大は「自販機の契約は自主的に見直すことを決めており、来年度から競争入札に改める」としている。 "[he-forum 17307] 日本経済新聞10/4","日本経済新聞2012年10月4日付 東大などで個人情報流出か ハッカー集団が声明  国際的なハッカー集団「ゴーストシェル」が、東京大や京都大など国内の5大学を含む世界の有力100大学のサーバーに侵入し、学生や教職員などの個人情報約12万件を抜き取ったとする声明をインターネット上で発表したことが4日、捜査関係者などへの取材で分かった。声明は個人情報をリスト化してネット上に公開するとしている。  警察当局は、こうした行為が不正アクセス禁止法違反などにあたる可能性があるとみて、実際に被害があったかどうかの確認など情報収集を進めている。  捜査関係者などによると、ゴーストシェルが声明をネット上に発表したのは1日。大学教育、教育制度への批判とともに、世界の主要100大学をターゲットにサイバー攻撃を仕掛けたことを宣言した。  攻撃対象には、米ハーバード大やスタンフォード大、英ケンブリッジ大など世界の名門大学のほか、東大、京大、東北大、名古屋大という日本の国立大の名前も含まれている。教職員や学生の氏名、メールアドレスなどが抜き取られた可能性がある。東大広報課は「現在、事実関係を確認中」としている。  ゴーストシェルは今年に入り、米国の政府機関やウォール街などの企業へのサイバー攻撃を繰り返しているハッカー集団。今年6月に日本の政府機関などに攻撃を仕掛けた「アノニマス」とも関係が近いとされる。 "[he-forum 17308] 時事通信10/3","時事通信2012年10月3日16時18分 大和ハウス、ユビキタス拠点を東大に寄贈=14年3月完成 大和ハウス工業が東京大学に寄贈する「ユビキタス技術」研究棟の完成予想図 大和ハウス工業は3日、東京大学本郷キャンパス(東京都文京区)に、コンピューターが自律的に連携して生活を支援する「ユビキタス技術」の研究拠点となる東大大学院情報学環の学術研究棟を建設・寄贈すると発表した。延べ床面積は2700平方メートル、建設費は約11億円で、2014年3月に完成する。 "[he-forum 17306] NHKニュース10/4","NHKニュース2012年10月4日23時38分 世界の大学ランキング 日本は苦戦  イギリスの教育専門誌は、世界の大学ランキングを発表し、シンガポールや中国などアジアの大学が去年より順位を上げた一方、日本はアジアトップを維持した東京大学が順位を上げた以外は、上位の4校がいずれも順位を下げ、厳しい結果となりました。  これは研究内容や論文の引用回数など13の指標を基に、イギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が独自に集計して、毎年発表しています。3日発表されたことしのランキングによりますと、上位200の大学のうち11位までをアメリカとイギリスの大学が占め、アジアのトップは去年に続いて東京大学で、去年より3つ順位を上げて27位でした。  アジアでは、シンガポール国立大学が29位で続き、順位も去年の40位から大きく上げたほか、中国の北京大学が3つ順位を上げて46位、韓国のソウル大学は一気に65も順位を上げて59位でした。  一方、上位200に入った東京大学以外の日本の4校は、いずれも順位が下がり、京都大学は順位が2つ下がり54位、東京工業大学は20順位が下がり128位でした。  イギリスの教育専門誌は「アジアの大学は、研究への投資を増やすなど環境整備に力を入れており、躍進の原動力となっている」と分析しています。 上位十位の大学は 世界大学ランキングで上位10の大学は以下の通りです。 1位カリフォルニア工科大学 2位オックスフォード大学 (同2位)スタンフォード大学 4位ハーバード大学 5位マサチューセッツ工科大学 6位プリンストン大学 7位ケンブリッジ大学 8位インペリアルカレッジロンドン 9位カリフォルニア大学バークリー校 10位シカゴ大学 一方、日本の大学で上位200に入ったのは以下の大学です。 27位東京大学(去年30位) 54位京都大学(去年52位) 128位東京工業大学(去年108位) 137位東北大学(去年120位)147位大阪大学(去年119位)     "[he-forum 17305] 中国新聞10/7","中国新聞2012年10月7日付 広島4大学連携講座スタート  広島市内の4大学は6日、国内外で活躍できる人材養成に向け、大学間の連携講座を開講した。グローバル化の進展に対応するため、広島県も補助金を出す。来年1月まで全15回の講座には、商社マンや国際弁護士たちを招き、外国の商習慣や文化などを学ぶ。  初日の講座があった安田女子大(安佐南区)のほかに、市立大、広島修道大(安佐南区)、県立広島大(南区)が連携する。  学生や社会人たち約60人の受講生を前に、安田女子大の辻秀典現代ビジネス学部長があいさつ。海外留学する若者の減少に触れ「内向き志向ではなく、将来を担う若い人には、国際感覚を磨いてほしい」と求めた。  講師の三井物産中国支社(中区)の鈴木泰彦副支社長は、電力や交通など各国の事業に絡んだ自社の取り組みを紹介し「語学力だけでなく情熱が必要」と訴えた。  4大学は、県が本年度始めた「大学連携による新たな教育プログラム」に採択され、上限1050万円の補助を受ける。 "[he-forum 17304] 静岡新聞10/2","静岡新聞2012年10月2日付 静大に「未来創成基金」 地域へ情報発信も強化  静岡大は1日、財務基盤の強化を目的に「未来創成基金」を創設した。基金の将来的な発展につなげていこうと、地域住民や企業に広く大学の情報を発信するコミュニティー「静岡大学サポーターズクラブ(SSC)」も併せて設立した。  寄付は個人と法人から募り、主に学生への奨学支援や国際交流事業の促進、学術研究費助成、キャンパス整備などに活用する。  SSCは卒業生、地域住民、企業など誰でも入会できる。大学はホームページから教育、研究、社会連携の取り組みに関する情報を発信する。2〜3カ月に1回、メールマガジンも配信する。情報発信機能を高めることで、大学と社会のつながりを深め、理解と支援を得る考え。  国立大学の基金は2004年の国立大学法人化以降、各校で設立されている。国の運営費交付金が毎年削減されているため、外部資金の獲得は各校の課題になっている。  伊東幸宏学長は「多くの人に静岡大に関心を持ってもらい、一緒に大学を作っていってほしい」と話した。SSCは参加費無料。ホームページから登録できる。問い合わせは静岡大未来創成基金、サポーターズクラブ事務室<電054(238)5073>へ。 "[he-forum 17310] 福島放送10/10","福島放送2012年10月10日9時38分 税理士育成 福大に寄付講座 次世代を担う税理士を育成するため日本税理士会連合会は来年度から福島大に寄付講座を開設する。 東北の大学での講座開設は初めて。 東北税理士会が「震災の復興支援に」と日本税理士会連合会に要望し実現した。 3年間にわたり、各年度の後期に開設し計15回の講座を開く。 講座は一線で活躍している税理士を講師に迎え、理論だけではなく実務的な内容まで踏み込んで学ぶ。 福島大OBの税理士も講師を務める予定。 東北税理士会の日出雄平会長は9日、福島大を訪れ、入戸野修学長に講座開設の通知を手渡した。 "[he-forum 17313] 読売新聞鹿児島10/13","読売新聞鹿児島版2012年10月13日付 鹿大に「リケジョ」集まれ 来月体験講座  リケジョ、集まれ――。鹿児島大は11月、理系学部への進学を目指す女子中高生を対象にした体験講座を初めて開催する。国際競争力の強化や男女共同参画社会への動きを背景に、全国的に注目を集める“リケジョ”(理系女子学生や女性研究者)。同大は「実験や女子学生との交流を通じて、理系の魅力を知ってほしい」とPRしている。  講座を実施するのは、同大の理系7学部のうち、水産、共同獣医、理、農、工の5学部。11月中の土日を使い、各学部2コースずつ計10コースを開講する。  「工学女子になってみる!」と題した工学部の講座では、女性建築家が仕事内容や建築家になるまでの道のりを講義。その後、女子学生と一緒に家具やキッチンのデザインを考案する。  全国初の複数の大学による共同学部である共同獣医学部は、牛や豚、馬などと触れ合いながら、産業動物の魅力を知る講座を企画。農学部では、家畜の生殖細胞を使って、受講生が実際に体外受精に挑戦する。  リケジョを巡っては、政府が昨年8月、自然科学系全体に占める女性研究者の採用目標を設定した第4期科学技術基本計画を閣議決定。東大は2020年までに女子比率30%を目標に掲げているほか、東京理科大や愛知教育大などがリケジョ向け講座を開いている。  鹿児島大によると、学部全体での女子学生の割合は40・2%。「農ガール」が注目を集めている農学部は44・4%で平均を上回っているが、工学部は13・3%にとどまるなど、分野によって偏りがあるという。  同大は「女性研究者を求める企業も増えており、理系分野で女性が活躍する場は広がっている。特に進路選択前の中学生や高校1年生に受講してもらい、理系に興味を持つきっかけにしてほしい」としている。  受講料は無料で、定員は各コース10人(先着順)。申し込み期間は15~31日。問い合わせは同大男女共同参画推進センター(099・285・3012)へ。 "[he-forum 17312] 日本海新聞10/13","日本海新聞2012年10月13日付 鳥大病院2センター増床 12日に完成記念式典  鳥取大学医学部付属病院(米子市西町、北野博也病院長)は、総合周産期母子医療センターと救命救急センターの施設を増床整備し、12日に完成記念式典を開いた。16、17日にそれぞれ供用開始、ベッド数の増加で集中管理が必要な新生児をこれまでより多く受け入れることができ、救急態勢が強化される。  増床整備は、満床で新生児の受け入れができないことや、救急処置の現場と病棟が離れている問題に対処する狙い。  2011年3月に新設した救命救急センターが入る建物の2階部分を整備、3階部分を新たに建設し、2階に救命救急センターの集中治療室などを移して10床から15床に拡充。3階に総合周産期母子医療センターの新生児部門を移して18床から27床に増やした。  改修と機器導入を合わせた事業費8億1千万円のうち、鳥取県が2億3千万円、島根県が4800万円を支援。床面積はそれぞれ2倍以上の682平方メートルに広がった。  北野病院長は「より質の高い医療を広域に提供できる」と効果を強調していた。 "[he-forum 17311] 四国新聞10/11","四国新聞2012年10月11日付 学部の垣根越え授業/香大が改革プラン発表  香川大(長尾省吾学長)は10日、外部有識者らでつくる「香川大構想会議」での議論を踏まえた来年度からの大学改革プランを発表した。学部や学科の垣根を越えた授業や教育プログラムを実施するほか、教員の所属組織を再編し、一体感のある大学づくりを目指す。  同会議は、学外有識者と学内委員計25人で構成され、昨年10月から計11回開催。教育、研究、社会貢献、大学経営に関する課題や改革案について議論を重ねてきた。  教育分野では、学習意欲の高い1、2年生向けの授業「アドバンスト・クラス」を開設。学生は所属学部や専攻に関係なく、興味のある授業を選択できる。また、時代のニーズに応じた授業を提供する「特別教育プログラム」では、米国や中国の大学の専門学部で1年間学べるプログラムや、防災士を育成するプログラムなどが設けられる。  学部や教員間の連携不足を解消するため、教員の所属組織を再編。文系学部4組織の教員は「人文社会科学系」、理系学部3組織の教員は「自然生命科学系」にまとめ、連携を強化する。  さらに、研究プロジェクトを支援する学長直属の組織「研究戦略室」を設置。社会貢献の分野では、本年度から先行実施しているサテライトオフィスのほか、学生や教職員が瀬戸内国際芸術祭の運営に協力するプロジェクトも設けた。  同日、同大で会見した長尾学長は「学生が香川大出身であることを誇りに社会に出られるような大学にしたい」と改革への意気込みを語った。 "[he-forum 17317] 京都新聞10/17","京都新聞2012年10月17日付 大学の研究成果を中小企業へ橋渡し印刷用画面を開く  京都企業のOBらでつくる京都シニアベンチャークラブ連合会(京都市下京区、KSVU)は、大学の研究成果を中小企業へ橋渡しすることを目的にした技術シーズ集の作成を進めている。昨年度は京都工芸繊維大の50テーマをまとめ、冊子とネットで発信した。本年度は工繊大に加え、京都大のシーズも集めてアピールしていく。  KSVUは京都の製造業OBらの人材活用組織として1999年に発足。現在は堀場製作所やワコールなどのOB組織を含む9団体が連合を組み、計約370人が加入している。技術シーズ集は京都市が京都高度技術研究所に委託した事業を、KSVUが受託して昨年度から3カ年計画で進めている。  高度で複雑な大学の研究成果を分かりやすく中小企業に伝えようと、現場経験が長いメンバーが工繊大の研究室を訪れて研究者に取材した。キャッチフレーズや実用が見込める用途、特許や参考資料の引用先などを、1テーマに付きA4判2ページにまとめた。  木村照夫教授による竹や廃棄衣料、野菜など繊維材料の有効利用がテーマの研究は、機能性を高めた紙や板状にする技術で、食べられる野菜シートなどへの活用を紹介。「工業部品キャップ類の一発成形」といった高倉章雄教授と飯塚高志准教授の金属加工技術も図解して説明している。  本年度事業として、9月に工繊大の新たな70テーマの取材を始めた。今後、京大の20テーマを選び、第2号の技術シーズ集を発表する予定。  KSVUの船越健事務局長は「大学の技術が何に使えるかに絞ってまとめているので、中小企業が新製品を開発する際のヒントにしてもらいたい」と話す。問い合わせはKSVUTEL075(315)6639。 "[he-forum 17316] 西日本新聞10/17","西日本新聞2012年10月17日付 国際人育成で連携 長崎県内の10大学・短大  県内の10大学・短大の学長や理事長らが16日、長崎大で記者会見し、国際社会で活躍する人材の育成に来年度から連携して取り組むと発表した。「長崎学」などの共通講義を始め、希望する日本人学生と留学生が大学の垣根を越えて一緒に学ぶ機会を設ける。約300人の学生の参加を見込んでいる。  連携事業に参加するのは長崎大、長崎国際大、長崎県立大、活水女子大、長崎ウエスレヤン大、長崎外国語大、長崎純心大、長崎総合科学大、長崎女子短大、長崎短大。  計画によると、大学が異なる日本人学生と留学生で10人程度のグループをつくり、1年生で長崎の歴史や経済を学ぶ「長崎学」や語学、企業が求める人材像などを知るキャリア教育科目を一緒に履修。2年生になると、グループ単位で企業や自治体などへのインターンシップを経験する。  学生グループは授業時間以外にも集まって学び合うことを想定。TOEIC750点、日本語検定1級獲得などの目標を設定し、成績優秀者にはグローバル人材証書(仮称)を授与する。  長崎大の片峰茂学長は「日本の大学環境をグローバル化していくことが重要。留学生と日本人学生がしっかりと触れ合うことで、多様な文化を理解してもらいたい」と狙いを語った。  今回の連携は本年度の文部科学省の大学間連携共同教育推進事業に選定された。期間は5年間。  長崎大と県立大、長崎国際大の3大学8学部は在宅がん医療・緩和ケアを担う専門人材育成にも協力して取り組む。医師会や薬剤師会など12団体が実習施設を提供して支援する。 "[he-forum 17315] しんぶん赤旗主張10/11","しんぶん赤旗主張2012年10月11日付 山中氏のノーベル賞 基礎研究の醍醐味示す快挙  山中伸弥京都大学教授がiPS細胞(人工多能性幹細胞)をつくることに成功した研究で、ノーベル医学・生理学賞をうけることが決まりました。「再生医療の切り札」として世界的な注目をあびた研究です。実際の応用はこれからですが、「重症の患者さんを救う治療法をみつけたい」という志をつらぬき、医療に大きな可能性を開いた快挙として、心からの祝福を送ります。  「僕も人の役に立つ研究をしたい」。若い研究者も幼い子どもたちも、喜びと希望ではじける声をあげています。 無駄や失敗が糧に  山中教授は、ヒトの細胞が受精卵から分裂し、皮膚や心臓などの体細胞に分化していく前の「幹細胞」を、人工的につくりだしました。さまざまな人体組織に分化するところから「万能細胞」ともいわれます。皮膚の細胞からつくったiPS細胞を分化させて、心筋細胞や神経細胞をつくりだす―そんなことも可能になるでしょう。  iPS細胞は、受精卵を壊して取り出してつくるES細胞(胚性幹細胞)に比べ、実用化のさいの危険性や倫理上の問題が少ないという利点があります。皮膚の細胞に山中因子とよばれる四つの遺伝子を導入することによって、細胞の「初期化」、すなわち体細胞から幹細胞への「細胞の若返り」をはかってつくるものだからです。まさに驚異の大発見です。  こうした発見が、いったいどうしてうまれたのでしょうか。山中教授は、先にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんとの対談で、「一見無駄に思えることのなかに未知なる発見が隠れている」とのべています。自らの大学院生やアメリカ留学の時代に、予想に反する意外な実験結果がでても、それを無駄だったと捨てるのではなく、驚きと興奮をおぼえて、ますます研究のとりこになっていった、それがiPS細胞の研究につながる始まりだったといいます。  研究途上の数々の無駄や失敗が、画期的な発見を切り開くための糧となる、そこに基礎研究のもつ醍醐味(だいごみ)があります。わが国の若い研究者に大きな刺激をあたえ、励ましとなるでしょう。  ところが、わが国の研究現場は、どうなっているでしょうか。国立大学や試験研究機関は、独立行政法人化してから10年近くがたちました。その間、国からの運営費交付金は毎年削減され、研究者は資金を獲得できる研究、短期で成果のでる研究に追われ、自由で自主的な研究の条件を奪われています。若い研究者の多くは有期雇用のもと、将来不安のなかで研究し、無駄や失敗など許されない環境に追い込まれています。 基盤的経費の充実を  まさに学術の危機といえる深刻な事態です。自民党政治がすすめた「大学の構造改革」を民主党政権が引き継ぎ、短期的な効率主義や成果主義を大学、研究機関におしつけてきた結果です。  日本の研究者が相次いでノーベル賞を受賞し、基礎研究の水準の高さを世界に示しています。この水準をさらに高め、わが国が「科学立国」として発展するには、大学、研究機関の基盤的経費を充実し、基礎研究と若手研究者への支援を抜本的に拡充する方向へ、科学技術政策を転換することが強く求められます。 "[he-forum 17314] 日本経済新聞10/16","日本経済新聞2012年10月16日付 田中文科相、科技予算「生活者重視で配分」  田中真紀子文部科学相は日本経済新聞社などの取材に応じ、科学技術分野の予算配分は「時代のニーズや生活者に近い技術を重視する」と話し、新産業の創出やエネルギー資源の確保につながる研究に予算を重点配分する方針を示した。再生医療や海底資源探査などを手厚くする意向だ。  優先的に予算を配分する分野の一つは、今年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった山中伸弥京都大学教授が開発したiPS細胞を活用した再生医療の実用化技術の研究。若手研究者や知的財産の専門家などの研究支援者の雇用などが課題になっている。田中文科相は「ノーベル賞受賞がインセンティブ(動機づけ)になった」として、優遇する考えを示した。  国際宇宙ステーション(ISS)などを使い無重力状態で新素材を開発する研究や、潜水艇でメタンハイドレートなどの海底資源を探す研究も期待する分野に挙げた。  高速増殖炉もんじゅについては「どんな研究成果が取り出せるかを見極める」と語った。将来の廃炉を目指す方針は維持する。廃炉時期は「閣内や専門家と話し合い決める」と述べた。使用済み核燃料を減らす技術開発などに使う可能性がある。 "[he-forum 17318] しんぶん赤旗10/18","しんぶん赤旗 2012年10月19日(金) 大学運営費など意見交換 宮本議員 国大協専務理事と懇談  日本共産党の宮本岳志衆院議員は18日、東京都内の国立大学協会(国大協)を訪問し、一井眞比古(いちいまさひこ)専務理事と懇談。大学運営費交付金削減問題や高等教育無償化へ向けた課題などで意見交換しました。  野田政権は、震災復興財源を捻出するという名目で国家公務員の賃下げを強行し、国立大学にも同様の賃下げを求めました。それにみあって、今年度と 来年度の運営交付金を各600億円減額するとしています。宮本氏は、「本来、震災復興予算は国費で国が責任を果たすべきであり、国立大学の教員の給与を震 災復興に回すというのは問題だ」と語りました。  一井氏は、文科省から削減を「要請」されている学長は「厳しい立場に置かれている」と述べ、「法人化した国立大学から人件費を持っていくのは筋違い。結果的に、国立大学の人材の流出や教職員の士気の低下を招くことになる」と表明しました。  宮本氏は、国立大学の学費は2006年以来値上げされていないものの、親の経済状況の悪化で退学を余儀なくされる学生が出ている実情を紹介。給付 型奨学金が2012年度の概算要求に盛り込まれたものの実現しなかったと述べ、「政府は、高等教育を段階的に無償化するという国際人権規約に対する留保を 撤回したのだから、給付制奨学金の実現を急ぐべきだ」と強調しました。  一井氏は、「奨学金制度をめぐっては、国の財政状況の話が真っ先に出てくるが、本来は高等教育のあり方から議論することが先です。欧米と比べて遅れている給付制奨学金の創設と奨学金の全体量を増やしていくためにぜひ協力をお願いしたい」と語りました。  高校授業料の無償化について宮本氏は、自民党などが所得制限導入の圧力をかけるなか、社会で支えるという理念が堅持されていると指摘し、「高等教 育においても、同じく理念を語らないといけない」と述べました。一井氏は「高等教育の機会均等を保障するのが国立大学の大きな役割です。それを達成するた めにも給付制奨学金が大事です」と応じました。  文科省が示している「大学改革実行プラン」について宮本氏は、「上からの押し付けであってはならない」と指摘。一井氏は、「改革は必要だが、どう改革するのかが十分見えないという不安感を持つ大学もある」と述べました。= "[he-forum 17319] しんぶん赤旗10/19","しんぶん赤旗2012年10月19日付 大学運営費など意見交換 宮本議員 国大協専務理事と懇談  日本共産党の宮本岳志衆院議員は18日、東京都内の国立大学協会(国大協)を訪問し、一井眞比古(いちいまさひこ)専務理事と懇談。大学運営費交付金削減問題や高等教育無償化へ向けた課題などで意見交換しました。  野田政権は、震災復興財源を捻出するという名目で国家公務員の賃下げを強行し、国立大学にも同様の賃下げを求めました。それにみあって、今年度と来年度の運営交付金を各600億円減額するとしています。宮本氏は、「本来、震災復興予算は国費で国が責任を果たすべきであり、国立大学の教員の給与を震災復興に回すというのは問題だ」と語りました。  一井氏は、文科省から削減を「要請」されている学長は「厳しい立場に置かれている」と述べ、「法人化した国立大学から人件費を持っていくのは筋違い。結果的に、国立大学の人材の流出や教職員の士気の低下を招くことになる」と表明しました。  宮本氏は、国立大学の学費は2006年以来値上げされていないものの、親の経済状況の悪化で退学を余儀なくされる学生が出ている実情を紹介。給付型奨学金が2012年度の概算要求に盛り込まれたものの実現しなかったと述べ、「政府は、高等教育を段階的に無償化するという国際人権規約に対する留保を撤回したのだから、給付制奨学金の実現を急ぐべきだ」と強調しました。  一井氏は、「奨学金制度をめぐっては、国の財政状況の話が真っ先に出てくるが、本来は高等教育のあり方から議論することが先です。欧米と比べて遅れている給付制奨学金の創設と奨学金の全体量を増やしていくためにぜひ協力をお願いしたい」と語りました。  高校授業料の無償化について宮本氏は、自民党などが所得制限導入の圧力をかけるなか、社会で支えるという理念が堅持されていると指摘し、「高等教育においても、同じく理念を語らないといけない」と述べました。一井氏は「高等教育の機会均等を保障するのが国立大学の大きな役割です。それを達成するためにも給付制奨学金が大事です」と応じました。  文科省が示している「大学改革実行プラン」について宮本氏は、「上からの押し付けであってはならない」と指摘。一井氏は、「改革は必要だが、どう改革するのかが十分見えないという不安感を持つ大学もある」と述べました。 "[he-forum 17320] 中日新聞10/18","中日新聞2012年10月18日付 奨学金を考える(上) 返還に苦しんで 弁護士らへ相談  非正規雇用などで収入が不安定のため、奨学金の返還に苦しむ若者や親が多い。背景には、貸与中心の奨学金制度など構造的な問題がある。各地の法律家らは、奨学金返還についての相談活動に力を入れ始め、この問題に取り組む労働組合と、制度見直しを求める運動にも力を入れる構えだ。二週にわたり、奨学金の返還問題について考える。 (白井康彦)  奨学金の返還や労働相談に乗る首都圏なかまユニオン、日本学生支援機構労働組合(学支労)などの労組と各地の法律家らが、九月二十九日に開いた「奨学金返済ホットライン」。全国五カ所で計六十件の相談が寄せられた。  東海地方に住む主婦も、悩みを電話で法律家に伝えた。「子どもの奨学金返還の負担が重く、家計がピンチ。子どもも将来展望が見えません」  夫は六十歳で定年退職した後も会社勤めをしているが、年収は以前に比べ大きく減り、二百万円ほど。子ども二人は私立高校から私立大学に進み、下宿生活を送った。共に就職し、一人は正社員だが、もう一人は契約社員の扱いで、約一年勤めたものの諸事情から退職、今は求職活動中だ。  二人とも、日本学生支援機構の奨学金を高校生のときから利用。貸与総額は一千万円を超えた。現在は、失業中の子どもの返還を親が肩代わり。住宅ローンと合わせると、毎月十万円ほど返している。貯金は底をつきかけており、必死で節約する日々だ。  ホットラインの相談の大半は、親からの相談だった。「子どもが就職に失敗した」「就職はしたが、非正規労働で低賃金」「子どもが精神疾患になった」といった事情が目立つ。奨学金は子どもに支給されるが、通常は親が連帯保証人になる。  奨学金ホットラインは、これまでは労組が中心になって東京都や大阪市、那覇市で行っていたが、今回は全国各地の弁護士や司法書士に協力要請し、初めて名古屋市や札幌市でも開設した。  奨学金でシェアが大きいのは日本学生支援機構。同機構は、低所得などで返すのが困難な人向けに返還猶予制度を設けており、なかまユニオンなどは、相談を受けた際に「返還猶予制度を使えば、返還を一時的にストップできる」とアドバイスする。  ただ、奨学金の返還に迫られ、消費者金融なども利用して多重債務に陥った人も少なくはない。そうした場合などは、法律家に頼んで債務整理することが必要だ。  日本弁護士連合会貧困問題対策本部に所属する岩重佳治弁護士は、各地の弁護士や司法書士に協力を要請した結果、「全国の五十人ほどの法律家に協力してもらえることになった」と説明。「今後は各地の弁護士会にも協力を呼び掛ける予定。制度改善に向け、弁護士会としての提言なども検討してほしい」と話している。 ◆「非正規雇用で延滞」増  日本学生支援機構が持つ債権のうち、3カ月以上返還が延滞している分の金額は、2011年度末で2647億円。12年前の約2.8倍の水準=グラフ。学生への仕送り額が減少し続けるのに伴って、奨学金利用者が増え、比例して延滞債権額が伸びた。  非正規雇用労働者の割合が高まったことを反映し、今は延滞者の半数以上が非正規雇用や失業中の若者だ。全体の債権額の伸びが大きいので、今後も延滞債権額は伸びていく見込みだ。  労組幹部は同機構の奨学金制度にも問題があると指摘する。学支労の岡村稔書記次長は「返還が不要の給付型を導入すべきだし、貸与型については無利子タイプのものを拡充しなければ」と訴える。「大学の学費そのものを抑えるべきだ」という意見も、労組や法律家には強い。 "[he-forum 17321] 読売新聞10/22","読売新聞2012年10月22日付 地域医療 再生へ5大学連携…岐阜 岐阜大などモデルプラン  医療系学部のある岐阜県内五つの大学が19日、組織の枠を超え、地域医療の課題解決を目指して岐阜医療系大学地域連携協議会を設立した。  大学間の連携に向けた地域医療再生のモデルプランを作成し、過疎地で医療や介護に携わる人たちの支援体制づくりなどに役立てる。  参加したのは、岐阜大、岐阜薬科大、県立看護大、朝日大、岐阜医療科学大。  少子化による学生の減少や都市部の大学との競合により、地方大学は厳しい状況が続き、地域医療も医師不足によって深刻化している。そのため、岐阜薬科大の勝野真吾学長が大学の改革推進を提唱し、各大学が積極的な参加を表明した。  岐阜大は付属病院があって先端医療や救急医療に優れ、朝日大は歯科医育成が専門となっており、各大学の医療教育の特色を生かし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、放射線技師などの協力体制を築き、地域医療に必要とされる人材を育成する。  地域医療再生のモデルプランを1年間かけて作成し、山間地域を含めた県内の医療介護の実態を調査して在宅患者などの支援を考える。このほか、医療の各分野の専門家が連携を図りながら、東日本大震災のような大きな自然災害にも対応できる行動指針の策定も目指す。  JR岐阜駅前の岐阜大サテライトキャンパスでこの日、5大学の学長による連携協定の締結式が行われた。勝野学長は「過疎地で1人で頑張っている医師を薬剤師や看護師が支援する体制をつくれば医師不足の問題解決につながる。そうした連携を図れるようにしたい」と話す。  また、岐阜大の森秀樹学長は「地域医療を守るのが医療系大学の役割。一つの大学より複数の大学が協力していけば地域医療の貢献につながる」と話している。 "[he-forum 17322] 中国新聞10/20","中国新聞2012年10月20日付 地方の法科大学院に支援を  島根大大学院の山陰法科大学院(ロースクール)への国の補助金が来年度削減されるなど、地方の法科大学院の存続が危ぶまれる状況を受け、島根県弁護士会(水野彰子会長)は19日、政府と日本弁護士連合会(日弁連)に支援を求める会長声明を発表した。  声明は、地方在住者が地域で教育を受けて法曹になる機会を保障するために地方の法科大学院は必要と主張。だが、多くが司法試験の合格率伸び悩みと定員充足率低迷の問題を抱えていると指摘した。存続のため、政府に補助金を削減しないよう求め、日弁連には実務家教員の人件費への補助金交付などを訴えている。 "[he-forum 17323] 朝日新聞千葉10/23","朝日新聞千葉版2012年10月23日付 千葉大、秋入学に慎重論 入学時期検討委員会中間報告 【渡辺延志】千葉大の入学時期検討委員会(委員長・山本恵司理事)の中間報告がまとまった。秋入学制度を新設する方針を打ち出したが、当初は帰国子女や留学生などに限定するとしている。秋入学への全面移行には、受験生や保護者の負担が大きいことなどを理由として慎重な姿勢を示している。  秋入学への全面移行を東京大が提唱したのを受け2月から検討していた。欧米や中国など主要国では秋入学が主流なので、国際化を進めるにはそれにあわせることが必要だとの主張だ。  これに対して千葉大の中間報告は「学部に秋入学を導入する」との方向を打ち出したが、当初は対象を外国人、帰国子女などに限るとしている。  来年の秋から、実現可能ないくつかの学部でスタートさせたい方針だ。現行の春入学の定数は減らさないことが前提で、定数の運用枠を利用して入学させるもので、130人程度の受け入れが可能だという。  秋入学への全面移行については「社会の様々な分野に及ぼす影響も大きいことから、慎重な議論と関係者の理解が必要となる」との見解をまとめた。  東京大は、入試は春に行い、秋の入学までの半年を留学や社会体験などに活用することを提案している。  それに対して千葉大は、大学を出るまで実質的に4年半かかることになるとして経済負担を重視。中間報告は「学生の在学期間の実質的長期化は避ける方向が望ましい。入学から卒業までの期間が現行以上になる場合は、それに伴う経済的負担をどのように解決するかを最も考えなければいけない」と指摘している。全面的に秋入学に移行するには、小学校から高校までを一緒に変えることが必要だろうとの意見が強かったという。  千葉大ならではの特色を出すために、飛び入学と組み合わせる可能性を今後検討する方針を示した。高校を卒業しなくても入学できる飛び入学は国立大では千葉大だけの制度。  高校3年生の秋に入学することに道を開くもので、新たな選択肢を受験生に提示することになる。成績が特に優秀な場合には、在学3年半で卒業することを可能とすることも検討する方針だという。  まとまった中間報告を各学部などで検討し、その意見も聞いて、今年度中に最終報告をまとめる方針だ。  山本委員長は「秋入学の長所と短所を様々な視点から検討し、秋にも入学する制度を設けることにしたが、全面的な秋入学は現時点では学生や保護者の負担が大きいと考える。千葉大らしい制度を考えてゆきたい。国際化は進めなくてはいけないが、秋入学にしなければ、できないものではない」と語った。 "[he-forum 17325] 中国新聞10/23","中国新聞2012年10月23日付 秋入学16年度に導入 広島大  広島大は22日、大学運営の方針をまとめた行動計画を発表した。学生の秋入学制度を2016年度に総合科学部で先行導入する。秋入学は海外留学がしやすくなる利点があり、浅原利正学長は「国際社会で活躍する人材を育てる大学を目指す」と説明している。  総合科学部に、秋入学の日本人、留学生各15人を受け入れ、国際的な教養を身に付けさせるコースを新設。授業は英語で行う。15年11月に入学試験を行い、16年10月から入学させる。  行動計画ではほかに、入学試験のあり方も見直す。学力試験を課さないアドミッション・オフィス(AO)入試では、英語能力試験の「TOEIC」や「TOEFL」なども合否判定の材料の一つにする。  学長室によると、大学入試センター試験の結果は、得点通りの評価をやめ、100点刻みぐらいでグループ化して評価する「段階評定」に変更。論文や面接、クラブをはじめとする課外活動の実績なども評価に反映しやすくするという。いずれも実現の時期は未定。  東千田キャンパス(広島市中区)への知的人材育成センターの建設、全学生にTOEICで一定程度の成績取得を求める卒業要件化の検討、職員宿舎の一部廃止などによる財務改善、大学院の充実なども盛り込んだ。  霞キャンパス(南区)で記者会見した浅原学長は「グローバル化の中、大学の存在意義が問われている。できることから速やかに着手したい」と話した。 "[he-forum 17324] 時事通信10/24","時事通信2012年10月24日11時55分 春入学維持、授業開始は9月=東大検討会議が中間まとめ  学部の秋入学全面移行を検討している東京大学の学内検討会議が、春入学・卒業を維持したまま、正規の授業を9月から始める案をまとめたことが24日、分かった。秋入学移行に慎重な学内の声に配慮したもので、既に各学部長らに示された。同案を採用するかは、浜田純一学長が最終的に判断する。  東大によると、春入学後の約半年間は「導入教育」と位置付け、大学で学ぶ意義などを考えさせ、大学が用意する講座などへの自主的な参加を促す。正規の授業は9月からで、学期が約半年間短くなることから、週ごとの授業時間数を増やすことも検討しているという。 "[he-forum 17326] 「ミッション再定義」なる違法作業への荷担は問題","佐賀大学の豊島です.大学の「ミッション再定義」なる作業が行われて います. この件は私の所属教授会(佐賀大学工学系研究科)では,先週10 月17日に議題になりました(結果的に不成立). 10月11日に行われた文科省の「説明会」の内容を,事務職員の方 が説明し,研究科長(学部長)がさらに補足をしました. これに対して,私は,このようなプロセス自身が違法ではないかと指摘 しました.国立大学法人法には,文部科学省が国立大学にいろいろ指図 できるのは,中期目標と法律上明記されている.30条2項 の5つ項目である.このように明記されているということは,それ以外 の指示は勝手にやってはいけないというように理解するのが当然だ.今 回の件は中期目標プロセスでもない.何ら法的根拠もない指示というの は違法性があるのではないか,と述べました. また,「ミッションの再定義」というのは国立大学の存在意義に関わる ことであり,文科省の「下敷き」をなぞるようなやり方は無責任でもあ る,とも指摘しました.すなわち,この種の議論では,アジェンダ・ セッティングこそが,つまり重点の置き方こそが最大の問題である. 「どこに特色を出すか」と言うことが重点なのか,それとも,国立大学 というのはそもそもどのようにあるべきなのか,このどちらを重点的に 検討すべきかという問題である. たとえば,今回の原発事故に際して科学者がどういう役割を果たした か.何人もの大学教員に対し「御用学者」という批判がなされたが,こ れをどう受け止めたのか.ユネスコの高等教育世界宣言が求めるような 大学教員や教育機関の「批判的な役割」をどれだけ果たしたか,あるい は果たさなかったのかというような反省も全くないままに,文部科学省 のテンプレートをなぞって行くなどと言うのは,全くの責任放棄であ る.違法性に加えて,国立大学の基本的な機能についての無反省の表出 でもある,このような趣旨を述べました. 違法性の問題について議長である研究科長に問いただしましたが,明確 な答えは返ってきませんでした.先に説明した事務職員が,学長の「文 部科学省が主導でこういうことをやっているというのは法律的な根拠が 乏しいんじゃないか.ミッション再確認という用語が正しいのではない か」という言葉を紹介しました. 1人の教授から,「この問題で文部科学省を対立軸としてとらえるべき ではない.国家戦略会議や財務省からのプレッシャーをかけている.む しろ文科省とスクラムを組んで一緒にやった方がいいんじゃないか」と いう趣旨の発言がありました. そこで,私は次のように反論しました.「何十年もまえからそう言われ ている.本当の『敵』は財務省だ,大蔵省だ.文科省はわれわれの味方 になってくれていると.しかしそのロジックの結果が『法人化』であ り,現在の国立大学の状態だ.国家機関である文科省と大学との役割の 違いが大きいのか,それとも文科省と財務省との役割の違いの方が大き いのか,その役割の違いや距離の測定を間違えたら全くおかしくなる. 国家機関と教育機関の間方が距離が大きく,役割も明かに違う.」 教授会でのやりとり(の一部)は以上ですが,この件では,著名大学人 の役割と責任は大きいでしょう.いわゆるnobless obligeです. 他の社会的問題でいくら立派な発言をしていても,自らの大学社会の問 題で必要な発言をしない,教授会で沈黙しているとしたら,単なる「タ レント」という疑念を持たれるかも知れません. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 17330] 時事通信10/25","時事通信2012年10月25日15時51分 池田泉州銀行、阪大と産学連携基本協定  池田泉州銀行は25日、大阪大学産学連携本部と産学連携基本協定を結んだと発表した。人的・知的資源の交流と活性化が狙い。 "[he-forum 17331] 中日新聞10/25","中日新聞2012年10月25日付 奨学金を考える(下) 進まぬ給付型導入  就職しても低賃金だと返還が難しくなる奨学金。返還の必要がない給付型が主流になれば、利用する側はありがたい。が、日本では、国や自治体の財政難から公的な奨学金のほとんどは貸与型だ。一部給付の独自の奨学金制度を導入した香川県の事例や海外の事情を基に、「貸与か給付か」を考えた。 (白井康彦)  「反響はかなりありました」。香川県教育委員会高校教育課の中村禎伸課長補佐は、こう振り返る。これまで県独自の奨学金制度はなかったが、低所得世帯の学生を支援するため新設。二〇一一年秋に初めて利用者を募集した。  一二年春に大学、短大、大学院などに入学する人が対象で、学力や世帯収入の基準を満たすことが条件。募集人員は約百人。これに加え、特別に一一年春に入学していた学生も約百人募集した。計約二百人の募集枠に約八百人の申し込みがあった。  今年三~四月は、一三年春の入学者を対象に二回目の募集を行い、約三百五十人が応募した。  人気の要因は、県内就職者への一部返還免除だ。免除されるのは、一万五千円に奨学金の利用月数を掛けた金額。奨学金を四十八カ月利用していた場合は、七十二万円を返還しなくて済む。  この奨学金を利用しても、卒業後に県内で就職するとは限らない。中村さんは「県内就職は半分ぐらいと見込んでいる」と説明する。年間利用者約百人のうち五十人が県内で就職すると仮定すると、一部返還免除の合計は毎年三千六百万円になる計算。県の財政はその分だけ持ち出しになる。  浜田恵造知事は、一〇年の知事選で奨学金制度の創設を選挙公約に掲げた。財政難の中で一部給付の奨学金が実現できたのは、知事主導だったからだ。       ◇  国の予算が使われる独立行政法人「日本学生支援機構」(東京)の奨学金はすべて貸与型。給付型は、個々の大学が学業優秀者に支給するほかは、多くの自治体が医師確保策の一環で医学部生へ奨学金を出しているのが目立つぐらいだ。  欧米諸国では状況が大きく異なる。教育関係の労働組合などでつくる「奨学金の会」が、経済協力開発機構(OECD)が編集した「図表でみる教育OECDインディケータ」(一〇年版)を基にまとめた資料を見てみよう。家計の教育費への公的補助に占める給付型奨学金の割合を示したものだ。日本は0%だが、フランスやイタリアなど欧州の十一カ国は100%で、OECDの平均でも58・5%。欧米では給付型が主流だ。       ◇  「奨学金の返還負担の重さを考え、貧しい世帯では大学進学をあきらめる人が多い」。こういった声が教育界で強いため、文部科学省は日本学生支援機構の奨学金に給付型を導入しようとした。  文科省の概算要求で、高校生向けの奨学金については一〇、一一、一二年度に、大学生など向けも一二年度に給付型の新設を求めた。大学生など向けは二万一千人を給付対象に、一人当たり平均で年間七十万円を給付する案だった。  しかし、国の財政が厳しいことを理由に財務省や与党が給付型の導入に反対し、結局、給付型は導入されなかった。文科省は、一三年度の概算要求では給付型を求めなかった。  実現が遠そうな給付型。低賃金の非正規労働の割合が上昇し、給与所得者の平均収入は減り続ける。奨学金の返還を将来長く背負わされる若者はつらい。  奨学金問題に詳しい中京大国際教養学部の大内裕和教授は「日本の教育予算の割合は海外諸国に比べて低く、大幅にアップさせる必要がある。給付型奨学金を導入するなどして、若者に希望を持たせねばならない」と話している。 "[he-forum 17329] 読売新聞山梨10/25","読売新聞山梨版2012年10月25日付 山梨県研修医あっせん…山梨大と支援センター設置へ  県は来年度を目標に「地域医療支援センター」を山梨大と共同で設置し、地域で偏りがある医師数の格差解消を図る方針を固めた。  センターでは県内の病院ごとに状況を分析して医師不足の深刻度を判断し、研修医をあっせん。キャリア形成の面で地方勤務に不安を抱く研修医のサポートも現役医師が担当する。  甲府市で24日開かれた県地域保健医療計画の検討会で、県医務課が明らかにした。山梨大医学部は2008年度の入学生から地域枠を設けており、県は、地域枠の学生が初めて卒業して研修医となる14年春に合わせ、センターを受け皿として機能させる方針。  センターには専従の医師と職員を配置し、支援が必要な病院の分析や、研修医と病院間の調整などに当たる。将来的には研修医以外にも「山梨で地域医療に携わりたい」という医師と病院の橋渡しをする計画もある。  医師が都市部へ集中する傾向は県内でも強まっており、10年度の人口10万人当たりの医師数を見ると、全国平均219・0人を上回っているのは、265・1人の中北地域のみ。他の3地域はいずれも全国平均を大きく下回っている。  都市部への集中の背景には、大学を卒業した研修医が04年度から研修先を自由に選べるようになり、症例の多さなどから都市部の病院を選ぶ傾向が強まったことがある。研修医には「地方勤務では先進医療から取り残されてしまう」というキャリア形成への不安があるとされ、センターは研修計画の作成支援などを通して不安解消を図る。  国は11年度からセンター設置の補助制度を設けており、福島県や京都府など全国20か所でセンターが設置されている。 ◇地域枠  卒業後も一定期間県内で勤務することを条件に、山梨大医学部の推薦入試で導入された。県内高校を卒業した30人と、県外高校卒業の5人の計35人を定員としている。2008年度に入学した1期生は14年3月に卒業する予定。 "[he-forum 17328] 山陽新聞10/24","山陽新聞2012年10月24日付 岡山大とピッツバーグ大が協定 医療、自然科学分野で協力 【米・ピッツバーグ23日難波孝光本紙記者】岡山大は23日午前(日本時間同日深夜)、米東部・ペンシルベニア州のピッツバーグ大と医療、自然科学分野で協力協定を締結した。地元を米国トップクラスの先進医療地域に育てた同大と、学生や研究者らを相互に派遣。共同研究なども進め、岡山県の医療産業都市化構想の実現を目指す。  岡山大がモデル都市とするピッツバーグ市は人口約30万人。19世紀に鉄鋼の街として栄えたが、その後衰退した。都市再生に向け、地元財界と大学が手を結び1980年代から、大学と病院を基盤にハイテクや医療、教育分野を発展させ、米国で最も住みやすいといわれる街に変貌した。  大学病院は86年、ピッツバーグ大医療センターとして大学本体から別法人化され、現在20の病院(約4500床)、400の診療所や介護施設を運営。州内最大の雇用(約5万5千人)を生み都市基盤を支えている。  ピッツバーグ大での調印式では、荒木勝、アーサー・レバインの両副学長のほか、現地の医療体制を視察中の岡山経済同友会のメンバー15人も出席。両副学長は「互いに学生や研究者の短期留学をサポートするため、惜しみない努力をしよう」とあいさつし、協定書に署名した。 "[he-forum 17327] 読売新聞10/24","読売新聞2012年10月24日付 東大、9月「始業」を検討…春入学・卒業は維持  学部新入生の秋入学全面移行を打ち出している東京大学(浜田純一学長)が、現行の春入学を維持したまま、正規の授業を秋から始める学期スケジュールの導入を検討していることが23日、わかった。  秋入学移行を巡る学内の反対論に配慮した案で、秋までの半年近くは新入生向けの導入教育を行うという。卒業時期は従来通りの3月となる。学内の合意が得られれば、2014年度新入生からの実施をめざすとしている。  新たな案は、東大が今年4月に設置した、副学長や教員らでつくる秋入学構想の検討会議が9月末にまとめ、各学部・大学院の教授会に「中間取りまとめ」として示した。意見を集約した上で、今年度中に浜田学長に報告する予定。最終判断は浜田学長が下す。  同案では、入学後の4~5月は「フレッシュプログラム」を実施。受験勉強から離れて、大学で何を学ぶかを考えさせる。夏休みは6~8月とし、海外の著名な研究者や学生を招いた夏季講座「サマープログラム」を開く。希望者は4月から8月末まで、ボランティアや短期留学などをする「ギャップターム(空白期間)」も選択できる。  授業開始は9月。9~12月、1月中旬~5月を学期単位とする。最終年次の最後の学期は3月で終わる。授業期間の減少を補うため、週ごとの授業時間数を増やすことも検討されている。 "[he-forum 17333] 毎日新聞社説10/28","毎日新聞社説2012年10月28日付 私学解散命令 最悪事態を避けるには  結局、学生にしわ寄せがきた。  創造学園大学などを営む学校法人「堀越学園」(群馬県高崎市)が行き詰まり、文部科学省が年度末までに解散命令を出すことになった。  解散命令は過去3例あるが、既に休眠状態で教育の実態がなかった。今回のように在学生がいる中での決定は初の異例事態だ。  文科省は残された学生たちの転学あっせん、奨学金の継続など必要な支援に万全を期してほしい。それとともに、学生たちを巻き込んだ事態を重く受け止め、これを避けるための制度改善に目を向けよう。  解散命令は妥当と答申した大学設置・学校法人審議会(文科相の諮問機関)の学校法人分科会長も特にコメントを出し、今回のような学生を抱えたケースに対応できる制度的方策を今後の検討課題に挙げた。  同学園は、学生減、理事らの経営権をめぐる内紛などで経営難に陥り、教員の給与未払い、電気料金滞納などという深刻な状態になっていた。文科省は悪化が進んだ07年以来学園を再三行政指導し、財務状況などの報告、再建策の明示を求めた。だが、学園側は十分協力せず、結局、強制的効力がある「解散命令」を使うことになったという。  特異な事例ではある。  だが、少子化で進学者数が頭打ちになるなど、定員を満たせない私立大学が増えている中、今回の事態は警鐘的な意味を持つ。  日本私立学校振興・共済事業団の調べでは、今春、4年制私立大学で定員割れしたのは46%にのぼり、過去最悪の水準だ。学生からの納付金が主柱である私立大にとって、学生減はただちに経営に影を落とす。一部では募集停止も行われている。  また90年代初めの大学設置基準大綱化(緩和)に伴って大学数も増え、今年度は国公私立で783校、うち私立が605校を占めている。  こうした流れの中で文科省は学生を抱えた破綻校が出ることも想定し、近隣校に学生引き受けを要請、応じた場合は経常費補助を増額するなどの対策を05年にまとめた。今回それが適用されることになる。  だが、そうした最悪の事態を避けるため、経営状況公開の徹底など透明化を図ることが何より肝要だ。第一義的に経営者の責任だが、ここに至るまで、行政側にそれ以上なすすべがなかったのかも問われよう。  それとともに、少子高齢時代に多くの大学が存立するためには、もっと大学での教育機会を地域に開き、地元産業界も大学を人材養成、起業の場として活用するなど、積極的に取り込んでいくことが求められる。  また今回の事態を教訓と生かすため、検証と公開も不可欠だ。 "[he-forum 17332] 毎日新聞茨城10/26","毎日新聞茨城版2012年10月26日付 筑波大:山田学長再任せず 来年1月学内投票  筑波大は25日、脳梗塞(こうそく)のため入院加療中の山田信博学長(60)について、再任の意思がないと発表した。これを受けて次期学長選考に向けた作業が12月から始まる。次期学長内定は来年1月29日の予定。  山田学長の任期は来年3月末まで。鈴木久敏副学長は記者会見で「声が出せないが、ボードで再任の意思がないことを示された」と説明した。山田学長は8月3日に自宅がある東京都で倒れ、リハビリを続けている。筑波大によると、学長選考会議の岸輝雄議長(物質・材料研究機構名誉顧問)らが今月21日に学長と面会し、意向を確認したという。  同会議は24日付で学長選考日程を学内に公示。12月6〜12日に推薦を受け付け、来年1月25日の学内投票を経て同会議が学長を内定し、文部科学相が最終決定する。任期は来年4月から2年間。【安味伸一】 "[he-forum 17336] 朝日新聞社説10/27","朝日新聞社説2012年10月27日付 秋入学―東大よ、初志を貫け  春入学・春卒業の枠は変えぬまま、始業を秋にずらす。東京大学が、構想中の「秋入学」のプランを修正した。  始業の季節を諸外国にあわせるだけでも、東大生の留学や、海外からの留学生受け入れがしやすくなる。グローバル化への一歩として評価できる。  しかしながら、東大が1月に発表した当初の構想は、東大だけが変わればいいというような狭い了見ではなかった。  東大だけではやらない。他大学と手を組み、産業界にも春の新卒一括採用の慣行を改めるよう働きかける。国内だけ考えて事足れりとする社会の内向き志向を変えよう。スケールの大きな提案だから注目されたのだ。  修正案は社会の仕組みをいじらずに東大単独でやれる。現実的な分、大学も社会も変わろうとのメッセージは弱まった。  あくまでこれは一里塚。海外で主流の秋入学への全面移行をめざす方針はそのままだと東大はいう。ここで足を止めず、粘り強く初志を貫いてほしい。  軌道修正の事情はこうだ。  東大は秋入学を5年後をめどに始めたい。産業界は通年採用や秋採用に前向きで、そこに支障はない。むしろ「5年後でも遅い」とせっついている。  ネックは医師などの国家試験や公務員試験の時期を動かす見通しが立たないことだという。政府は検討事項としているが、肝心の大学界が「秋入学」で足並みがそろわぬ現状では、省庁もすぐには動きにくい。  要は、間に合わないから出来ることからやるということだ。しかし、まだ構想を出して1年に満たない。改革の地ならしには時間がかかって当然だ。なにも焦ることはなかった。  残念なことがもう一つある。  初めの構想は、合格から入学までの「空白の半年」を使い、ふつうの勉強を離れて海外生活やボランティアなどを原則、全員に経験させるとしていた。そこには「タフな人材を育てる」という理念があった。  修正案では、これが希望者の選択制に後退した。代わりに、大学で学ぶ意味を考える導入的なプログラムを、大学側が用意するという。やらないよりはいいが、お仕着せのメニューでタフな人材が育つだろうか。  それに、春卒業のまま秋始業にすれば、4年分のカリキュラムを3年半で学ぶことになる。そもそも学生の質を高めるのが大きな目標のはずだ。詰め込みに陥っては元も子もない。  あちこち壁は高いだろうが、じっくりタフな交渉をして突破してもらいたい。 "[he-forum 17335] 中国新聞10/26","中国新聞2012年10月26日付 大学改築ラッシュ 中国地方  中国地方の各大学が相次いで、校舎の建て替えや改修工事を進めている。少子化で大学経営が厳しさを増す中での積極投資の背景には、グローバル化や産学連携など特色のある教育を実践し、学生確保につなげる思惑も強く働いている。  広島修道大(広島市安佐南区)は2015年度までに総額55億円を投じる。校舎2棟を解体、跡地に国際交流や地域連携の拠点となる校舎など計2棟を建てる。  「国際社会で活躍できる人材を育てたい」と市川太一学長。昨年度172人だった海外への留学生の倍増を目指す。国際交流の校舎はキャンパスの中心に据え、留学相談窓口の態勢を強化する。  本年度の全国の18歳人口は119万人で、この20年で約4割減った。日本私立学校振興・共済事業団(東京)の調べでは、中国地方36私大の今春の入学定員の充足率は92・92%で、前年度に比べ3・73ポイントダウン。大学は「学生を選ぶ側」から「学生に選ばれる側」の色合いが濃くなってきた。  福山大は来年8月までに、工学部の校舎3棟を解体。跡地に1棟を建設する。棟内には4学科の学生が共同でロボットや電気自動車製作に取り組む実験室を設ける。  国立大も積極的に動いている。山口大は来年度までに、吉田キャンパス(山口市)の図書館を改修、増築する。常盤キャンパス(宇部市)の総合研究棟2号館も改修し、実験環境を整える。  鳥取大も14年度までに医学部の臨床研究棟を改修する。他にも、島根大が講義棟や図書館など3施設を改修。岡山大も医歯薬学総合研究科の研究棟の新築を予定している。 "[he-forum 17334] 毎日新聞10/27","毎日新聞2012年10月27日付 飲酒制限:「一橋祭」今年は禁酒 事故懸念、大学側押し切る ◇学生ら「節度ある飲酒、販売可能」  一橋大(国立市)は11月2日からの大学祭「第43回一橋祭(いっきょうさい)」で初めてアルコール類の持ち込みや販売を全面禁止する。学生で作る運営委員会は「学生自身で節度ある飲酒・酒類販売は可能」と反対したが、未成年の飲酒や過度の飲酒による事故を懸念する大学側が押し切った形だ。学園祭で飲酒を制限する大学は増えており、キャンパスのお祭り風景も変わりつつある。【平林由梨】  一橋大では08年、新入生歓迎コンパで1年生(当時18歳)が急性アルコール中毒で死亡。以降は校内での飲酒は一橋祭の3日間に限り認められてきた。しかし運営委によると、昨年の一橋祭で訪れた男性が泥酔し搬送される事態が発生。大学側は5月、今年の開催要件として「全面禁酒」を打ち出したという。  これに対し、運営委は参加約100団体の責任者を対象に意見交換会を実施。「過度な飲酒をしている団体がいて不快」などと禁酒を肯定する意見もあったが「年に1度のお祭りが盛り上がる」「OBやOGとの交流が深まる」と反対意見が多数を占めた。  運営委では「過度な飲酒はしません」とする学祭関係者892人分の署名を大学側に提出。そのうえで9月に▽酒類は運営委が管理できる場所で販売▽各団体が仕入れる酒のアルコール度数や量などを運営委も把握−−など新ルールを大学側に提示したが、受け入れられなかったという。  古木智英・運営委員長(21)=社会学部3年=は「準備期間が迫り、今回は大学の決定を受け入れざるを得なかった。来場者の意見を集め、来年度以降の議論の下敷きにしたい」。同大企画広報室は「未成年の学生も多く参加する学祭で販売すべきではないと判断した」と説明する。 ◇20歳以上誓約書/チケット制/スタンプ制…独自ルール作る例も  独自のルール作りに乗り出す大学もある。  慶応大の三田祭(11月22〜25日)では酒類販売のチケット制を導入。実行委のみが販売でき、20歳以上と確認できなければ販売しない。購入者の名前と生年月日を登録し、1人1日3枚(3杯)が購入の上限だ。  東京外語大の外語祭(11月21〜25日)では4年前から、未成年者や酔っ払っていないことを実行委が確認した上で配布する「アルコールパスポート」を持つ人に限り、酒類を販売している。 "[he-forum 17333] 毎日新聞社説10/28","毎日新聞社説2012年10月28日付 私学解散命令 最悪事態を避けるには  結局、学生にしわ寄せがきた。  創造学園大学などを営む学校法人「堀越学園」(群馬県高崎市)が行き詰まり、文部科学省が年度末までに解散命令を出すことになった。  解散命令は過去3例あるが、既に休眠状態で教育の実態がなかった。今回のように在学生がいる中での決定は初の異例事態だ。  文科省は残された学生たちの転学あっせん、奨学金の継続など必要な支援に万全を期してほしい。それとともに、学生たちを巻き込んだ事態を重く受け止め、これを避けるための制度改善に目を向けよう。  解散命令は妥当と答申した大学設置・学校法人審議会(文科相の諮問機関)の学校法人分科会長も特にコメントを出し、今回のような学生を抱えたケースに対応できる制度的方策を今後の検討課題に挙げた。  同学園は、学生減、理事らの経営権をめぐる内紛などで経営難に陥り、教員の給与未払い、電気料金滞納などという深刻な状態になっていた。文科省は悪化が進んだ07年以来学園を再三行政指導し、財務状況などの報告、再建策の明示を求めた。だが、学園側は十分協力せず、結局、強制的効力がある「解散命令」を使うことになったという。  特異な事例ではある。  だが、少子化で進学者数が頭打ちになるなど、定員を満たせない私立大学が増えている中、今回の事態は警鐘的な意味を持つ。  日本私立学校振興・共済事業団の調べでは、今春、4年制私立大学で定員割れしたのは46%にのぼり、過去最悪の水準だ。学生からの納付金が主柱である私立大にとって、学生減はただちに経営に影を落とす。一部では募集停止も行われている。  また90年代初めの大学設置基準大綱化(緩和)に伴って大学数も増え、今年度は国公私立で783校、うち私立が605校を占めている。  こうした流れの中で文科省は学生を抱えた破綻校が出ることも想定し、近隣校に学生引き受けを要請、応じた場合は経常費補助を増額するなどの対策を05年にまとめた。今回それが適用されることになる。  だが、そうした最悪の事態を避けるため、経営状況公開の徹底など透明化を図ることが何より肝要だ。第一義的に経営者の責任だが、ここに至るまで、行政側にそれ以上なすすべがなかったのかも問われよう。  それとともに、少子高齢時代に多くの大学が存立するためには、もっと大学での教育機会を地域に開き、地元産業界も大学を人材養成、起業の場として活用するなど、積極的に取り込んでいくことが求められる。  また今回の事態を教訓と生かすため、検証と公開も不可欠だ。 "[he-forum 17338] 読売新聞10/29","読売新聞2012年10月29日付 山梨大に「女性研究者支援室」…交流の場にも  山梨大は今月、甲府市武田の甲府キャンパスに「女性研究者支援室」を新設した。  出産や育児を抱える研究者のために、実験やデータ整理を手伝う「サポーター」の雇用制度を11月にも始めるほか、同室をカフェのようなおしゃれな内装にし、交流の場として開放する計画も進んでいる。  総務省の昨年3月末現在の統計では、全国の大学や研究機関に属する女性研究者は全体の13・8%。一方、山梨大の女性研究者は全学部合わせて16・6%と、全国水準をやや上回る。その中で支援室を設置するのは、全学的な支援姿勢をアピールすることで、女子高校生の理系離れを食い止め、研究の道を選ぶ女子学生の不安を解消するのが狙いという。  目玉事業の一つがサポーター制度。「長時間の実験中、子どもの保育園の迎えの時間がきてしまった」といった場合、代わりに実験を引き継いだり、データ整理を請け負ったりする人を同室が仲介し、大学で雇用する。サポーターは、山梨大大学院生や学外の博士・修士課程修了者を公募する予定。なるべく女性を雇用するという。  同室には職員や教員の女性7人が所属する。室長で生命環境学部の風間ふたば教授(環境学)自身も、育児経験者。子どもを保育園に預けていた頃は、送迎時間に実験スケジュールを合わせるのに苦労し、研究が停滞したという。「サポーター制度はとても有効だと思う」と実感を込める。  このほか、来月からは同室の内装を模様替えし、昼休みなどに女性研究者の相談を受けたり、研究者同士で情報交換したりする場として開放する計画もある。風間教授は「大学全体で女性研究者を支援する雰囲気をつくりたい」と意気込んでいる。 "[he-forum 17337] NHKニュース 10/29","NHKニュース 2012年10月29日17時42分 国立大 交付金減額で借り入れ  「赤字国債発行法案」が成立しないなか、政府は先月から国立大学への運営費交付金の支出を半分以下に減額していて、金融機関から借り入れをしてやりくりする大学も出ています。  東京・港区にある国立大学、東京海洋大学では大学の収入のおよそ60%に当たる55億円余りを国からの運営費交付金で賄っています。  しかし、赤字国債発行法案が成立しないなか、政府は財源が枯渇するおそれがあるとして、国立大学への運営費交付金を半分以下に減額することを決め、東京海洋大学でも、これまで支出された運営費交付金がおよそ7億円少なくなっています。  大学では、現在行われている研修を行う建物の改修工事や、今後の研究に影響が出るおそれがあるとして、緊急の措置として銀行から5億円を借り入れることを決めました。  大学側では、借り入れに伴い、およそ50万円の金利負担をしなければならなくなったということです。  大学院の女子学生は「研究には日々の積み重ねが大切ですが、影響が出るようなことがあっては心配です。気兼ねなく研究できるようにお願いしたいです」と話していました。  また、東京海洋大学の鶴田三郎理事は「学生への影響が出てはいけないので、最低期間、最低金額の借り入れを決めた。法案を早く成立させてもらうとともに、利子分の負担も考慮してもらいたい」と話していました。 "[he-forum 17345] 河北新報10/31","河北新報2012年10月31日付 雪印メグミルクが弘前大で講座 テーマは「中高年の健康」  乳業大手の雪印メグミルク(東京)は11月1日、弘前大大学院医学研究科に寄付講座「ソーシャルヘルスマネジメント学講座」を開設する。中高年の健康づくりをテーマに調査研究し、生活の質(QOL)向上や今後の医療費抑制につながるような成果を目指す。  期間は2014年10月までの2年。シニア世代の生活習慣や食生活を調べ、その結果を基に健康増進プログラムを開発する。  同大医学研究科長で社会医学講座の中路重之教授や梅田孝准教授ら4人が担当する。雪印メグミルクからも研究員1人の派遣を受け、計5人で研究を進める。  講座は「弘前大が前から実施しているシニアの健康づくり活動と、当社の問題意識が合致して開設を決めた」(雪印メグミルク広報部)という。同社が寄付金(金額は非公表)を出して運営する。  中路教授は「これまでも健康づくりや介護予防に取り組んできたが、なかなか普及しないのが課題だった。大学の持つ科学的なデータと企業の文化とを融合させ、研究に取り組みたい」と語った。 "[he-forum 17344] 陸奥新報10/27","陸奥新報2012年10月27日付 弘大資料館オープン/文京キャンパス  弘前大学は26日、大学の歴史、各学部・研究科の研究成果などを紹介する「弘前大学資料館」を文京町キャンパスの教育学部1階にオープンした。佐藤敬学長や館長を務める長谷川成一・人文学部教授ら関係者がテープカットして開館を祝った。  資料館は入館無料。開館時間は午前10時~午後4時(入館は午後3時半まで)。通常休館日は土、日、祝日。盆期間、年末年始も休館。総合文化祭会期中の27、28日は特別に開館する。 "[he-forum 17343] 毎日新聞社説11/3","毎日新聞社説2012年11月3日付 大学新設不認可 「なぜ」の説明が必要だ  田中真紀子文部科学相が大学設置・学校法人審議会の答申を覆し、3大学の新設を不認可とした。大学側に不備があるのではなく、「政策判断」だという。極めて異例だ。  なぜか。  これまで大学が多くつくられ、教育の質が低下し、それが就職難にもつながっている。そう文科相は論じる。そして長く変わらないできた審議会制度のあり方を見直し、当面は新設を認めないという。  だがその論法が、具体的な欠格理由なしに不認可とされた3大学に通じるだろうか。来春の開学に向け準備に当たってきた当事者や入学志望者にはたまったものではあるまい。個別に「なぜ」の説明が必要だ。  政策として当面、大学新設を見送るというのなら、本来、審議会に諮問する前の段階で明示するのが手順というものだろう。  文科相が「50年後、100年後の将来のため」と説くにしては、あまりに唐突の感がぬぐえず、無用な混乱を引き起こす懸念もある。  大学設置基準は1990年代初め、規制緩和の流れをくんで大綱化(緩和)された。大学は増え、大学進学率も上昇し、5割を超えた。  一方で少子高齢化は予想以上に進み、総定員枠に総志願者数がほぼ収まる「全入」時代に。今年度入学では私立大の4割以上で定員割れを起こしている。  経営難の大学も現れた。先月は創造学園大学などを運営する堀越学園(群馬県)が学生が在籍するまま年度末までに文科相の「解散命令」を受ける異例事態になった。  文科相は今回そうした状況にも触れ、大学設置基準厳格化を挙げる。  大学の「質」を支えるためだが、開学のハードルを今より高くするだけで改善することではない。数が多いから学力が落ちるという論法なら、数を絞れば学力も上がるということになるが、一面的だろう。  むしろ、入学試験のあり方や見極める学力、高校・大学の学力の接続法、資格試験の導入案など、中央教育審議会などで積み上げられてきた論議を深めたい。  また先進国の中で日本の大学数が突出しているわけではない。  ただ「生涯学習」の視点からみると、大学はまだ機能を十分果たしているとは言い難い。さまざまな学習、研修にキャンパスが開かれるなど「学び直し」と能力・教養向上の場として活用されるのでなければ、今の数でも大学はさらに“淘汰(とうた)”を余儀なくされる恐れはある。  そうした論議やコンセンサスを広く高めるにしても、今回の文科相のやり方は、拙速だったといわざるをえない。 "[he-forum 17342] 北海道新聞10/31","北海道新聞2012年10月31日付 道教大3・5億円借り入れ 運転資金来月確保 交付税配分延期で  特例公債法案の成立が遅れ、国立大学への交付金の支払いが滞っている問題で、北海道教育大は11月中旬、教職員の給与などを支払う資金を確保するため金融機関から約3億5千万円を借り入れる方針を固めた。室蘭工大も11月上旬、約2億7千万円借り入れる見通し。運転資金確保を目的とした借り入れは両大とも初めて。  道教大は、9月分の交付金4億8千万円が1億9千万円しか支払われず、10月分の5億6千万円は全額支払いが見送られた。これまでは内部資金の取り崩しや支払い延期で対応してきたが、このままでは11月16日支給予定の給与や、11月末に控える業者への支払資金が不足するのが確実なため、借り入れを決めた。 "[he-forum 17341] 毎日新聞奈良11/1","毎日新聞奈良版2012年11月1日付 産学連携事業:奈良先端大とダイキン、新技術・ビジネス開発へ連携  奈良先端科学技術大学院大(生駒市)と空調大手のダイキン工業(大阪市)は31日、病気になりにくくなる成分を含む「医用野菜」の研究や、新たなフッ素高分子の開発などの分野で協力する産学連携事業を始めると発表した。期間は3年で、新しい技術やビジネスの開発を通じた社会貢献を目指す。  従来の産学連携は企業側が課題を提案し、大学側が応じる形だったが、今回は双方で議論を重ねて決める「課題創出型」で、同大では初。先端大の教員と同社の研究者で構成する「未来共同研究室」を設置し、1日から「世界中の人たちの健康維持への貢献」と「超クリーンな生活環境の創出」という二つの課題への取り組みを始める。医用野菜は06年から同大で研究が進められており、実用化に向けて研究者の期待が高まっている。  同大の村井眞二副学長は「双方に大きなメリットがある。協力して未来の役に立つものを残したい」と話した。【伊澤拓也】 "[he-forum 17340] 毎日新聞岩手10/30","毎日新聞岩手版2012年10月30日付 県立大:中村学長を再任  県立大は29日、次期学長に中村慶久学長(71)を再任すると発表した。任命は来年4月1日で任期は15年3月31日までの2年間。  今年度末の任期満了に伴う学長選考会議(議長・佐々木民夫副学長)で、唯一推薦された中村氏が、書面や面接などの審査を経て、26日に決定した。  中村氏は1963年に東北大学工学部を卒業。同大大学院工学研究科博士課程修了後に、同大教授や科学技術振興機構「JSTイノベーションプラザ宮城」館長などを歴任し、09年4月から現職。【金寿英】 "[he-forum 17339] 毎日新聞11/2","毎日新聞 2012年11月02日 12時36分(最終更新 11月02日 13時04分) 田中文科相:3大学の新設認めず…審議会の答申覆す  田中真紀子文部科学相は2日、閣議後の記者会見で「大学設置認可の在り方を抜本的に見直す」と述べ、認 可を厳格化する方針を示した。また、大学設置・学校法人審議会が1日に来春の開学認可を答申していた秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大(愛知 県)の3件の4年制大学を不認可とした。文科相が審議会答申を覆したのは、省内に資料が残る30年間で初めてで、極めて異例の判断。  学校法人が大学を開校したり学部を新増設したりする場合、文科相は審議会にその可否を諮問し、答申を受けて決定する。田中文科相は 全国に4年制大学が780(国公立181、私立599)校あることに触れ「大学教育の質が低下している。そのために就職できないことにもつながっている」 とし、当面は新設を認めない方針を示した。今後、検討会を設け、メンバーの多くが大学の学長や教授で占められている審議会の在り方を見直す。  1日に答申された学部の開設(16件)、大学院の開設(13件)は答申通り認可した。【石丸整】 "[he-forum 17347] 読売新聞山形11/5","読売新聞山形版2012年11月5日付 山形大、有機材料研究の大学院新設  山形大は2013年4月、有機ELや有機トランジスターなどに活用する有機材料や、企業と連携した最先端研究の進め方などを総合的に学ぶ「フロンティア有機材料システム創成フレックス大学院」を工学部に新設する。  博士課程の前・後期を合わせた5年間の一貫教育で、世界的な活躍が期待できる研究者の育成を目指す。  同大大学院理工学研究科の全科目から自由に履修できる「フレックス制」が特色で、同大や国内外の大学などから12人を選抜。学生には報奨金として月額15万円を支給する予定で、授業料や学生寮の家賃も補助する。優秀な学生は、4年間での修了も可能。白色の有機ELを開発した同学部の城戸淳二教授らが指導に当たる。  今回のフレックス大学院構想は、博士課程教育を活性化するために日本学術振興会が打ち出した推進事業に採択された。同大は今月29日、面接による選抜試験を実施する予定。 "[he-forum 17346] 読売新聞社説11/4","読売新聞社説2012年11月4日付 大学新設不認可 文科相の独断が混乱を招いた  理解に苦しむ判断である。  危惧していたことが起きてしまった。  田中文部科学相が、3大学の新設申請を不認可とした。文科相の諮問機関である大学設置・学校法人審議会が「新設を認可する」とした答申を独断で覆した。過去30年で初のケースという。  田中文科相は記者会見で、「大学はたくさん作られてきたが、教育の質自体が低下している」と述べ、現行の大学設置認可制度を見直す考えを明らかにした。  だが、なぜ、この3校の新設を認めないのか、という明確な理由は示さなかった。文科省は「大臣の政策的判断」と説明するが、政治主導をはき違えた、あまりに乱暴な判断と言うほかない。  そもそも、設置審の認可答申は、文科省が定めた大学設置基準などに基づいて、3校の教育体制や財務計画を精査した末に出された結論である。  文科相が最終的な認可権限を持つとはいえ、基準を満たした3校の新設を大臣の判断で認めなかったことは、「裁量権の乱用」と批判されても仕方がない。  しかも、田中文科相は、設置審が認可答申を出した、他大学の学部や大学院の新設については認可している。大学新設だけを不認可としたこととの整合性をきちんと説明できるのだろうか。  文科相の独断と暴走がもたらす混乱は計り知れない。  来春開校予定だった大学側は校舎整備を進め、教員も確保している。3校の一つ、秋田公立美術大の開校を目指す穂積志・秋田市長が、不認可の撤回を求める方針を表明したのは当然と言える。  入学希望者から「直前に言われても困る」といった声が上がるのも無理はない。  一方で、大学を取り巻く状況は厳しさを増している。  少子化で学生が減少しているにもかかわらず、規制緩和により大学の新設が続き、大学の数は20年前の1・5倍にまで膨らんだ。  大学の中には、定員割れで経営難に陥るところもあり、先月には群馬県内で大学を運営する学校法人に文科省が解散命令を発動することを決めたばかりだ。  大学政策の見直しは必要だが、その際には、個別の大学の認可とは切り離し、中長期的な視点から、中央教育審議会などの場でしっかりと議論すべきである。  問題閣僚のスタンドプレーで現行ルールに沿った結論が覆されるようでは行政の継続性は失われ、教育現場が混乱するだけだ。 "[he-forum 17356] 東京新聞社説11/10","東京新聞社説2012年11月10日付 大学設置問題 拙速避け本気で議論を  三大学の開設が不認可とされた騒動は紆余(うよ)曲折の末、田中真紀子文部科学相が翻意し、謝罪して収まった。だが、問題の本質は、大学の乱立を放任してきた文教行政にある。議論を深めたい。  来春の開学を目指す岡崎女子大(愛知県岡崎市)などの三大学はさぞかし肝を冷やし、憤慨しただろう。入学を志す若者たちも一時は途方に暮れたに違いない。  三大学の開設を認めるとした大学設置・学校法人審議会の答申をいきなりひっくり返したかと思えば、強い非難にさらされると一転して引っ込める。  田中氏の唐突な発言で持ち上がった騒動は、文教行政を混乱に陥れ、信頼を損ねた。国と地方の対立にさえ発展しかねなかった。トップとしての責任は大きい。  現行制度下で審議会が認めた個別の大学の開設に待ったをかけたのは、行政の一貫性を欠いた。しかし、大学のいわば粗製乱造に歯止めをかけ、高等教育の質を向上させるべきだという田中氏の訴えは、極めて重要な問題提起だ。  田中氏の指摘には、本紙読者からも「官僚による大学増設政策は破綻している。大臣の蛮勇を支持する」といった声が多く寄せられた。普通の市民目線に立てばいくつも疑問が浮かぶのだ。  なぜ少子化の中、大学の新設が相次ぐのか。なぜ認可が下りる前に校舎が立ち、教員が確保されているのか。つぶれた大学の在学生の就学機会は担保されるのか。大学がビジネスの手段や官僚の天下り先に堕していないか、と。  大学が増えた背景には一九九〇年代からの規制緩和がある。国からの私学助成金を当て込み、専門学校が大学にくら替えしたり、就職実績が芳しくない短大が四年制大学に衣替えしたりしてきた。地方では若者の流出を防ぐため、開学を後押しする自治体も多い。  高等教育の質をどう保つかという問題は、中央教育審議会でも長く論議されてきた。一向に成果が上がっていないのは現状が証明している。大学行政の立ち遅れはもはや目に余る。  文科省は田中氏の意向を踏まえ、大学設置認可制度の在り方を話し合う検討会議を近くつくる。大学設置基準や審査方法を見直すというが、形だけの議論は許されない。  社会の需要はあるか。学生は集まるか。安定経営は可能か。大学新設は当面見送ってでも、幅広い人材を交え腰を据えて検討するべきだ。田中氏のいう生活者や納税者の視点も欠かせないだろう。 "[he-forum 17354] 沖縄タイムス社説11/9","沖縄タイムス社説2012年11月9日付 [大学「不認可」問題]お粗末すぎる政治主導  やはり単なる「お騒がせ大臣」だったということか。  田中真紀子文科相がおとといの衆院文部科学委員会で、来春開学を目指す秋田公立美術大学(秋田市)など3大学に対する自身が下した「不認可」方針について、一転して新設を認める考えを表明した。文科省が近く正式に通知するという。  田中氏は「(大学)設置の在り方の見直しはかなりの方が賛成していることが分かった。これが私が知りたかったことだ」と突然の方針転換の理由を説明するが、額面通りに受け取る人はまずいないだろう。  実際は、明確なビジョンがないにもかかわらず、威勢よく「極論」をぶちあげて存在感を示したものの、予想を超える大学側などの猛反発に屈したとしか見えない。政治主導を気取ったつもりだったのだろうが、あまりにもお粗末すぎる。  ただ、田中氏が当初提起した、乱立気味の大学の現状に疑問を呈し、大学設置認可の仕組みにメスを入れたいという認識そのものは悪くはなかった。だが、来春の開学に向けて現行制度に沿って準備してきた3つの大学の設置の可否を絡めたのはどう考えても道理が合わなかった。    この間、田中氏は「教育の質を向上させたいというのが私の真意」と再三強調してきた。本当にそのような問題意識があるならば、当初から3大学の設置問題とは切り離して、大学の現状や設置の在り方を問うための審議会などを立ち上げるべきだったのではないか。  文科省の資料によると、1992年当時、523校だった四年制大学は2011年には780校まで増えた。少子化が進む2000年代に入っても増えたのは、当時の小泉構造改革の下で、新規参入を容易にする規制緩和が一気に進んだためだ。  大学新設については、従来の「事前規制型」から「事後チェック型」に移行した。設置審査は「設置基準に適合していれば認める」という形になり、質の確保は第三者機関による評価や大学間の競争に委ねることになった。その結果、少子化は急速に進むのに大学は乱立し、私大の半数近くが定員を割り込み資金繰りに苦しむとの指摘もある。  今回の迷走劇の中で「功」を挙げるなら、大学設置の現状に国民の目を向けさせたことだろう。田中氏が名誉挽回を図りたいなら、大学の窮状に対する自身の危機感を率直に語り、行動すべきだろう。  田中氏をめぐっては、野党から、大臣としての資質や適格性に疑問の声が上がっている。政府や民主党は「田中氏の対応に問題はなかった」と擁護するが、田中氏の進退が政局になる可能性もある。  田中文科相は、小泉政権の外務大臣時代に官僚と激しく対立し、省内を混乱させ、更迭された。野田佳彦首相はそんな「経歴」を重々知りながら、党内融和や離党防止、選挙対策という党内事情を優先して大臣起用に踏み切ったはずだ。田中氏の騒動は支持率が急落する野田政権の末期的状況を如実に象徴している。 "[he-forum 17355] 北海道新聞社説11/9","北海道新聞社説2012年11月9日付 田中文科相 「前言撤回」では済まぬ  田中真紀子文部科学相が、札幌保健医療大など来年度開学を目指していた3大学の申請を「不認可」から「認可」へ変更した。  大学関係者や受験生らを不安に陥れ、混乱を招いた。最大の原因は文科相の独断専行にある。  文科相は謝罪し、一連の経緯について説明責任を果たさなければならない。その上で大学設置のあり方について真剣に議論すべきだ。  3校は大学設置・学校法人審議会の審査を経て開学準備を進めていた。手続きに何の過ちもない。今月は推薦入試の募集を始める予定だった。不認可を突きつけられた関係者のショックは察するに余りある。  最終的な認可権限は文科相にある。だからといって各大学の問題点も示さず、「大学の数が多すぎる」などの漠然とした理由で不認可とするのは理不尽である。  受験生にとっては入試に向け追い込みの時期だ。1日たりとも無駄にできない。「志望校消滅」の恐怖にさらされたこの1週間近い空白は、簡単に取り戻せるものではない。  文科相には、自らの発言が当事者に与える影響についての認識が欠けていた。批判を受けると一転して認可を表明した。閣僚としての適格性すら問われかねない。  本人に反省の色はない。それどころか3大学について「逆に良い宣伝になった」と記者団に開き直った。こんな無責任な態度は許されない。  田中氏は小泉純一郎内閣の外相当時、外国要人との会談キャンセルなどの問題行動が指摘された。それを知りつつ閣僚に任命した野田佳彦首相の責任も問われる。  文科相は3大学不認可の方針を発表前に首相に伝えていた。首相は「そのまま進めてください」と答えたという。首相にも混乱の経緯について説明する責任がある。  藤村修官房長官は「大臣として間違っていない」と文科相を擁護した。野党が攻撃姿勢を強めていることから、政権への打撃を避けたいのだろうが、責任逃れにしか見えない。  混乱にけじめをつけた後で、大学設置のあり方を論じてもらいたい。  多くの私大が定員割れとなっている現状は放置できない。都市部に学生が集中し、地方で定員割れを起こす傾向がある。一方で地方の大学は地域の人材育成の場でもある。それぞれの事情を考慮して、質量ともに適正化を図ることが肝心だ。  文科相が指摘した大学設置審の改革はしっかり進めてほしい。大学関係者に偏った委員の人選は幅を広げるべきだ。設置審査の進行中に大学側が校舎建設を進め、答申の時点では後戻りできなくなる実態もある。制度の抜本的見直しが必要だ。 "[he-forum 17352] 読売新聞山形11/10","読売新聞山形版2012年11月10日付 山大不祥事とまらず、学長「対策思い付かない」  山形大で今年度、学生ら関係者が相次いで逮捕されるなど、不祥事が止まらない。再発防止に取り組み始めた直後に4人目の学生が逮捕され、結城章夫学長は9日の記者会見で、「新たな対策は思い付かない」と困惑の表情を浮かべる。一方で、専門家からは「学生に対するメンタルケアが必要」との指摘も出ている。  結城学長は同日の会見で、4人目となる医学部生が先月17日に逮捕されたことについて問われ、「誠に残念だ」と述べた後、「今までの対策をやっていくしかない。新たな対策はちょっと何とも、もう思い付かない」と力なく語った。  逮捕前日の先月16日、結城学長は3人目の逮捕者が出たことを受けて、会見で「異常事態」と発言し、学生への指導を強化する方針を打ち出した。  学内には「山形大の学生であるという誇りと自覚を持ち、行動を律するよう強く求める」と学長名の告示を掲示。学部ごとに学生を集めた集会を開き、学部長らが告示の内容を読み上げて注意喚起した。教授らにも直接指導を求め、必修の語学授業やゼミ活動の時間などを利用して、学生に節度ある行動を呼びかけた。  同大関係者は「成人している学生らに伝える難しさはあるが、教育機関として私生活の指導は必要。一定の効果はあるはずだ」と強調する。  山形大は今年度、学生のほか、付属病院医師の酒気帯び運転による検挙などを含めると、不祥事に絡んだ関係者は計8人に上る。  このため、教職員の綱紀粛正にも力を入れる。10月には県警担当者による交通講習会を学部ごとに開催。小白川キャンパスの3学部では、同大理事が教授会に出席し、飲酒運転の禁止を直接呼びかけるなどした。  だが、一方的に再発防止を呼びかける大学側の対応に、冷めた反応を示す学生も少なくない。  理学部3年の男子学生(21)は「大学生を相手に、集会の呼びかけで対応しようというのが間違い」と指摘。人文学部3年の女子学生(21)は「逮捕されたのは一部の人。大学が集会を開いて注意を呼びかけても、気を付けようと思わない人には効果がない」と疑問を口にする。 ◇メンタルケア不可欠  教育評論家の尾木直樹・法政大教授の話 最近の学生は学力が高く、頭では「やってはいけないこと」と理解していても、悩みを抱えるなどして精神的に追い込まれ、衝動的に犯行に及んでしまうケースが多いのではないか。  山形大のように、学生の意識改革のために集会を開いて注意喚起をするのは、ナンセンス。本当に大事なのは、メンタルケアだ。カウンセリング室に来るのを待つのではなく、大学側から積極的に心の健康状態をチェックしてあげる態勢づくりを進めないと、同様の不祥事が相次いでしまう可能性がある。  ここ5、6年、精神的に未成熟な20歳代の学生らが、非常に多くなっている。大学側は「30歳までは思春期」と考えて、対応する必要がある。 "[he-forum 17353] 信濃毎日新聞社説11/10","信濃毎日新聞2012年11月10日付 大学認可問題 幅広い議論が必要だ  来春開学予定の3大学の認可をめぐる問題は、混乱を招く一方で大学設置の在り方に目を向けさせた。文部科学省は来週にも検討会議を設ける。幅広く議論を深めなければならない。  3大学については、田中真紀子文科相が二転三転の末、不認可の方針を撤回して決着した。きのうの記者会見で謝罪している。乱暴なやり方で、大学側や受験生らを振り回した責任は重い。本人の閣僚としての資質とともに、野田佳彦首相らの対応が適切だったのかも問われてしかるべきだ。  一方で、そうした問題とは別に大学の設置や教育の在り方を考える必要がある。少子化が進む中で大学数は増えてきた。私立大の半数近くが定員割れといった状況をほうってはおけない。  検討会議は、企業関係者らさまざまな分野の専門家を集めて設ける。新設の必要性や学生確保の見通しなどをより厳格に審査するための新基準を作るほか、審議会や手続きの在り方を見直す。  それぞれ大事な点だ。開学してやっていけるのか、見極めなければならない。新設の必要性などを評価する基準作りは簡単でないだろう。恣意(しい)的な判断が入り込んだりするのでは問題がある。しっかり詰めてほしい。  認可の前に施設が整えられるといった不自然な形を改めるのも当然だ。大学の新設は普通、文科省と数年前から相談して準備を進める。諮問を受ける審議会は追認にならざるを得ない。思い切って手順を変える必要がある。  文科省は2014年春の開学を目指す大学に新基準を適用する考えだ。再び混乱を生じることがないよう大学側への十分な説明や配慮が欠かせない。  大学は、小泉政権の「聖域なき構造改革」で量的規制方針が取り払われるなど、規制緩和の流れの中で増えてきた経緯がある。設置認可を厳格に審査する「事前規制型」から、第三者評価などを徹底する「事後チェック型」で教育の質を保つという考え方だった。  狙い通りになっていないとすれば、どこに原因があるのか。検討会議で、問題点を掘り下げてほしい。事前規制について見直すだけでなく、事後チェックをどう働かせるかもあらためて考えたい。  既存の大学での教育の在り方も問われる。学生が勉強をしないといった問題は今に始まったことではない。入学に比べて卒業するのは易しい大学の在り方、高校までの教育や企業の採用方法など、多角的な議論が求められる。 "[he-forum 17349] NHKニュース11/8","NHKニュース2012年11月8日4時35分 東工大に業務運営の改善求める  国立大学の業務や財務内容などを評価する国の第三者機関は、研究費を巡る問題が相次ぎ、学長を新たに選出することができなかった、東京工業大学について、5段階で最も低い評価とし、業務運営の改善を求めました。  平成16年に法人化された国立大学は、教育・研究や財務の内容、それに業務運営などについて、毎年、国の第三者機関「国立大学法人評価委員会」の評価を受けることになっています。  7日、都内で開かれた委員会の総会で、昨年度の評価結果が報告され、この中で、東京・目黒区に本部がある東京工業大学について、去年の学長選挙にあたり、研究費の不適切な扱いを指摘された候補者が相次ぎ、1年にわたって学長を新たに選出することができなかったとして、5段階で最も低い評価とし、業務運営の改善を求めたことが説明されました。  文部科学省によりますと、委員会が国立大学に対し最も低い評価を行ったのは初めてだということです。  また、東京大学や名古屋大学など12の大学について、研究費を取り引き業者に預けて、別の物品の購入に充てるなど、不適切な処理が行われていたとして、いずれも「法令遵守(じゅんしゅ)の取り組みがやや遅れている」と評価し、改善を求めました。 "[he-forum 17351] 毎日新聞11/6","毎日新聞2012年11月6日付 京都大:「リーダー育成」大学院、来春新設 定員1学年20人  京都大は5日、「国際社会で活躍するリーダーの育成」を目標に掲げる全寮制の大学院「総合生存学館」(通称・思修館)を来春、新設すると発表した。5年制の博士課程で、定員は1学年20人。  アルバイトをする暇がないほどの厳しいカリキュラムが予想され、原則として全学生に月額約20万円の「奨励金」を支給する。ただし、年間約60万円の学費は学生が負担する。  「総合生存学」は京大が新たに提唱する学問体系で、人類が生存し続けるために不可欠な地球規模の課題の解決方法を探る。文系・理系を問わない。入試は小論文や口頭試問(面接)で、学部で学んだ専門知識を踏まえ、自分の将来ビジョンを語ることが課される。  学生はキャンパス内の寮で生活し、授業なども寮で行われる。教授陣は24人(兼務含む)を予定し、学生個別の目標に合わせたカリキュラムを作成した。  授業はディベート(討論)形式が中心となる。また、在学中に海外での留学やインターンシップを義務づける。  京大は「国際機関やグローバル企業、国内の省庁などでリーダーとなる人材を輩出したい」としている。【五十嵐和大】 "[he-forum 17348] 中国新聞社説11/9","中国新聞社説2012年11月9日付 大学「不認可」騒動 せめて改革への弾みに  空騒ぎと言うほかない。田中真紀子文部科学相が、北海道や秋田、愛知両県で来春開学する公私立大3校にだしぬけの「不認可」を突き付けた揚げ句、その判断を覆した。  前任の大臣が諮問した案件とはいえ、行政の継続性を損なっていいはずがない。最高学府の生殺与奪を握る認可権は伝家の宝刀といえる。そう安易に抜き払ってもらっては困る。  過ちを自ら認めることなく言い繕い、文部官僚のせいにしたのもいかにも見苦しい。  理不尽にも振り回された大学側や編入学の志望者たちは胸をなで下ろしていることだろう。何より田中氏本人がまず謝罪するべきではないか。  3大学についていったん「不認可」とした、個々の理由については今もあやふやなままである。どうして烙印(らくいん)を押そうとしたのだろう。  田中氏は記者会見で「大学が乱立」「教育の質を向上させたい」のが真意と説明している。かねて大なたをふるうチャンスをうかがっていたようだ。  大学生年齢に当たる18~22歳人口は1990年代前半をピークに減り続けている。学力評価に重きを置かないAO入試や複数回入試による受験者掘り起こしで進学率こそ5割を超えるものの、この春は定員割れした私立大が半数近くに上った。  これほど少子化が叫ばれていながら、大学の数はこの四半世紀で460から780に増加。2007年には全体で進学希望者が入学定員を下回る「大学全入時代」を迎えている。  自民党政権時代の91年に中央教育審議会が、設置基準を大幅に緩和した影響が尾を引いている。この流れを変えたいのなら、やはり中教審に諮って結論を得るのが筋ではないか。  定員割れが常態化したしわ寄せは当然ながら、経営に及ぶ。行き詰まった群馬県の学校法人に先月、解散命令が出されることが決まった。中国地方でも萩市の私立大が大量の留学生を不釣り合いなサテライト施設に在籍させていた実態が明るみに出ている。  私立大に対する経常費補助金だけでも本年度は3200億円を超えている。納税者の感覚からすれば、たれ流しにしておくのは納得がいくまい。その点については田中氏も指摘している通りである。  大学設置・学校法人審議会のメンバー構成に偏りがあることも浮き彫りとなった。3分の2以上を大学学長や理事、教授ら関係者が占める。こうした顔触れでは、「身内」審議とみられても仕方なかろう。  認可通りにいかず経営破綻した実例については、利害を離れて検証し、教訓をその後の審議に反映させていく必要がある。審議会の改革も、それに向けた一歩と受け止めたい。  6日の会見で田中氏は、今回の判断について「首相と官房長官に事前報告、相談済み」と明かしていた。世論の反発にあわて、支えきれなくなるようなものを政策と言えるだろうか。  教育は国家百年の計といわれる。大学改革には真正面から、腰の据わった熟議が欠かせない。手法こそお粗末だったが、せっかくの問題提起である。田中氏の罷免をめぐる政局で論点が脇道にそれるとすれば、元も子もなくなる。 "[he-forum 17350] 信濃毎日新聞11/7","信濃毎日新聞2012年11月7日付 県立大基本構想の決定時期先送り、県議会など歓迎の声  県短大(長野市)の四年制化による新設県立大学の基本構想をめぐり、阿部守一知事が決定時期を先送りした6日、基本構想素案に反発していた県会や県短大関係者は歓迎の声を上げた。来年度予算編成や来年度からの新たな総合計画策定が大詰めを迎え、知事側が県会側との対立の火種を取り払った格好だ。  田中真紀子文部科学相がこの日、来年度新設を予定した3大学の設置不認可問題で、厳格な審査につなげる新基準を設ける考えを表明したことも、県側が四年制大学開学に向けて慎重に検討する要因に。阿部知事は情報収集を進める考えを示している。  基本構想素案への異論が噴出した9月県会後、県側は和田恭良副知事ら幹部が県会各派に素案の再説明を試みた。しかし理解は得られず、知事は仕切り直しを指示したとされる。10月まで実施した県民意見募集で寄せられた800件近くの意見にも異論が相当数含まれているとみられる。  6日朝も共産党県議団が「県短大の発展的改組という現在までの検討と議論の経過を踏まえてほしい」と知事に要望。解決の糸口を見いだせない知事がその後の県会正副議長らとの懇談会で基本構想決定時期の先送りを表明すると、県会側は「じっくり意見を聴いて結論を出してほしい」(平野成基議長)、「大変歓迎する」(改革・新風の寺島義幸副代表)と反応した。  管理栄養士養成課程の設置を求め、素案に反発していた県短大同窓会「六鈴会」の岡村昭子会長は「素案の内容を早めに進めないという点で良かった」と好意的。ただ、議論の長期化による開設時期の先延ばしには懸念も示した。四年制化を求めてきた鷲沢正一長野市長は6日の定例会見で「困ったことだと思うが、時間が多少かかるのはやむを得ない」と述べた。  一方、管理栄養士養成課程がある松本大学(松本市)を運営する学校法人松商学園の高橋慈夫事務局長は「私大も県立大も両方が発展する形でじっくり話し合うなら」という条件付きで「(年内にこだわらない姿勢は)評価できる」とした。  関係者の認識には開きがあり、合意形成が容易でないことに変わりはない。県側が決定の先送りを経て、どんな内容の基本構想を示すかが議論の行方を大きく左右する。 "[he-forum 17357] 山梨日日新聞11-13","山梨日日新聞2012年11月13日付 山梨大学長、前田氏が再任へ 選考会議が決定  山梨大の前田秀一郎学長(64)の任期満了(来年3月31日)に伴い、同大の学長選考会議(議長・中村亨史教育人間科学部長)は12日、次期学長候補者を前田氏とすることを決めた。近く文部科学省に前田氏の学長再任を上申する。正式決定すれば、任期は来年4月1日から2年間。  前田氏は1978年に九州大大学院医学研究科博士課程を修了。米国ロッシュ分子生物学研究所、熊本大助教授などを歴任。93年に山梨医科大医学部教授となり、2004年から医学部長を務めた。09年4月から学長に就任し、専門は生化学(分子病態学)。  学長選考は、学内で学長候補適任者として推薦された前田氏と工学部長の豊木博泰氏(56)を対象に、1、2の両日に1次意向投票を実施。得票数は前田氏が286票、豊木氏が213票だった。  投票結果を踏まえて学内6人、学外6人で構成する同選考会議が選考基準に沿って協議し、前田氏を次期学長候補者とすることを決めた。  前田氏は「グローバル化に対応した人材育成など文部科学省の『大学改革実行プラン』を受けた機能強化に努めたい。任期中に山梨大の存立基盤を確固たるものにしていく」とした。〈樋川義樹〉 "[he-forum 17358] 京都新聞11/13","京都新聞2012年11月13日付 「教育院」来年4月にも設立 京大、教養教育を抜本再編  京都大は12日までに、教養教育を一元的に担う新組織「国際高等教育院」(仮称)を来年4月にも設立する方針を決めた。大学改革の柱としての教養教育強化が狙い。教養部廃止以来、20年ぶりの抜本再編をめざすが、教員からは「理念も理想もない大学の専門学校化だ」などと反対の動きも強まっている。  京大は、1~2年の一般教養教育を担った教養部を1993年3月に廃止。同時期に開設した総合人間学部と大学院人間・環境学研究科と各学部が連携し、2003年からは研究科から独立した高等教育研究開発推進機構が教養教育の企画・立案を担っている。  しかし、大学院の教員を中心に講義を実施する体制は、教員によっては研究活動や専門教育を重視し教養教育がおろそかになるとの指摘もあった。  松本紘総長を委員長とする検討委員会が今年7月にまとめた「基本方針」などによると、人間・環境学研究科などの教員を教育院に異動、企画から実施まで一元的に実施する。過度な細分化を避けて開講する科目を精査し、「学力低下」も踏まえて基礎的科目を重視する。  しかし、教員から▽研究科から教育院への一方的な異動▽教育内容について全学的な討議がない▽教授会で決める体制ではなく、学部自治が保障されていない-などと反対の声が出ている。人間・環境学研究科教授会は9月、合意なく計画を進めることに反対する決議を行った。教授の一人は「最先端の研究活動があるからこそ、深い教養教育ができる。教育院構想は研究と教育の一体性が失われ、教育レベルが低下する恐れがある」と話す。  林信夫・高等教育研究開発推進機構長は「議論は継続中で、決定事項はない」としている。 "[he-forum 17359] 北海道新聞11/14","北海道新聞2012年11月14日付 大学院入学料を免除 道教大現職教員対象 来春から  道教大は13日、現職教員を対象に、大学院の入学料を来春から全額免除すると発表した。道教大には、高度な実践力のある教員の養成を目指す「教職大学院」と、「大学院教育学研究科」がある。学力低下やいじめが社会問題化する中、大学院で学びやすい環境を整え、教員の資質向上につなげるのが狙い。 "[he-forum 17360] 学芸大学教職員組合での連続シンポジウム","皆様 東京学芸大学教職員組合書記長の藤本と申します.  私たちは,未払い賃金回復を求める学内世論を高めるために、4回の連続シンポジ ウム「いま大学に求められている選択は何か?」を企画しております。特に12月1 4日は、裁判闘争に決起された福岡教育大学教職員組合の方をお招きして裁判闘争の リアルな情報をお聞きすることにしております。また、1月30日は教員養成系大学 の組合にふさわしい復興支援のひとつとして、「3.11後の東北朝鮮学校の復興を支援 する映画会」を開催します。参加は自由ですので、他大学の方もぜひご参加くださ い。 連続シンポ「いま大学に求められている選択は何か?」 第1回 失われた賃金をどう取り戻すか パート1  日時 2012年10月31日(水) 18時30分~  場所 講義棟C102教室   賃下げの背景や周囲の動向など、この間に起こったことを総括します。 第2回 失われた賃金をどう取り戻すか パート2  日時 2012年11月28日(水) 18時30分~  場所 附属高等学校 会議室 附属学校の先生方の問題を中心に、議論を深めたいと思います。 第3回 他の大学の取り組み紹介  日時 2012年12月14日(金) 18時~  場所 講義棟S103教室 福岡教育大学教職員組合の西崎副委員長を講師に迎え、法的手段に訴える際の 具体的な取り組みについてお話を伺います。11月27日に提訴予定とのことです ので、現在進行形の状況を知ることができます。 第4回 3.11後の東北朝鮮学校の復興を支援する映画会(後援)  日時 2013年1月30日(水)     Ⅰ部15時50分~「ウリハッキョ」     Ⅱ部18時30分~「東日本大震災東北朝鮮学校の記録」他  場所 北講義棟 N411教室   ウリハッキョ     監督金明俊 2006韓国 131分日本語字幕   韓国の人々が朝鮮学校と子どもたちについて認識を深めた作品で、   日本でも上映を重ねてきた作品   東日本大震災東北朝鮮学校の記録ほか    監督コマプレス 2011日本 67分日本語字幕   震災で校舎が全壊した東北朝鮮学校の2011.3.15~20の記録。   山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映。福島朝鮮学校の除染作業と   合同授業についてのショート作品も併せて上映 ----------- 東京学芸大学教職員組合 〒184-8501 東京都小金井市貫井北町4-1-1 東京学芸大学構内 Phone&FAX 042-321-1850 (内線Phone&FAX 5119) u-gakugei@abeam.ocn.ne.jp http://www8.ocn.ne.jp/~gakugei/ 職組ニュースがブログになりました! http://blogs.yahoo.co.jp/union_tgu/ "[he-forum 17363] 日本経済新聞11/22","日本経済新聞2012年11月22日付 大学設置認可基準、年内に提言 有識者会議が初会合  文部科学省は21日、大学設置認可のあり方を見直すための有識者検討会議(座長=浦野光人ニチレイ会長)の初会合を開いた。審査を厳格化するよう求める声のほか、審査基準に地域貢献度や社会人学生の受け入れを増やす取り組みなどを加えることを求める意見が出た。年内に提言をまとめ、早ければ2014年度の開学を目指す大学から新たな審査基準を適用する方針だ。  検討会は新たな審査基準や体制、スケジュールなどを議論する。田中真紀子文科相は初会合で「設置認可の問題に取り組みたいと前から考えていた。少子化の中でどうあるべきか、直言をいただきたい」と述べた。  委員からは「地域への貢献をどれだけ考えているかを審査基準に加え、審査する側にも地域のニーズをよく知る人を入れるべきだ」との提案が出た。社会人学生の受け入れを増やす取り組みや、財務面の情報公開の徹底を条件にするよう求める意見も相次いだ。  大半の委員は、設置認可を厳格化するだけでは大学教育の質は向上しないとして、認可後のチェック体制や経営が悪化した大学をどうフォローするかも含めた総合的な対策が必要と指摘した。  委員には、認可審査を担ってきた大学設置・学校法人審議会の佐藤東洋士会長も入った。田中文科相が審査の甘さなどを批判した経緯も踏まえ、佐藤氏が「学生確保の見通しや社会での卒業生のニーズは大学側に根拠を示させ、議論している。大臣には日本の高等教育がどこを目指すべきかということを考えてほしい」と“反論”する場面もあった。  会合後、浦野座長は記者団に、今年末に提言を出した時点で検討会は終了すると説明。具体的な審査基準などを示すことは難しいが、方向性は示すとした。14年開学を目指す大学の申請期限である来年3月末に間に合わせるためだが、短期間で十分な議論ができるか懸念する声も出ている。  検討会議は、文科相が設置認可を厳格化するとして来春開学予定の3大学をいったん不認可にした問題を受け、設置された。 "[he-forum 17361] 南日本新聞11/21","南日本新聞2012年11月21日付 鹿児島大学次期学長に元農学部長の前田氏  鹿児島大学は20日、学長選考会議(議長=萬田正治元同大副学長)を開き、次期学長候補に同大理事で元農学部長の前田芳實(よしざね)氏(67)を選んだ。文部科学大臣に申請し、吉田浩己・現学長の任期満了後の2013年4月1日に任命される。任期は3年。  選考会議は、学部長らでつくる「教育研究評議会」と学外有識者らでつくる「経営協議会」の計14人。推薦があった5人から、学内意向調査(投票)の結果などを踏まえ、1日までに「候補適任者」として清原貞夫氏(学長補佐)、坪内博仁氏(医歯学総合研究科長)、前田氏を選出。20日に3人の演説・提案があり、投票で選んだ。  前田氏は鹿児島市出身。1969年、鹿大大学院農学研究科修了。94年から同大教授、06年から農学部長を務めた。専門は畜産学、動物遺伝学。 "[he-forum 17362] 新潟日報11/22","新潟日報2012年11月22日付 上教大 新学長に佐藤氏  上越市の上越教育大学は21日、学長選考会議を開き、若井弥一学長(65)の任期満了に伴う次期学長に佐藤芳徳副学長(60)を選んだ。任期は2013年4月1日から4年。  学長選考会議は教授や学外者ら7人でつくり、6月に学長選の実施要領を決定。10月に公示し、佐藤氏1人が推薦された。21日は教職員の意向投票が行われ、257人のうち251人が支持したことを受けて選考会議が佐藤氏を選出した。 "[he-forum 17365] 北海道新聞社説11/21","北海道新聞社説2012年11月21日付 大学教育 改革は骨太の論議から  大学は過剰なのか―。その設置認可のあり方を見直す検討が、きょうから文部科学省で始まる。  札幌保健医療大など3大学の開学認可をめぐって騒動を起こした田中真紀子文科相が、有識者に提言を求める。  在籍する学生がいるにもかかわらず今年、大学の経営が立ち行かなくなった堀越学園(群馬県)のような事例は言語道断だ。  学生を途中で放り出す無責任体質をまかり通らせてはならない。同じ愚を繰り返さないためには、経営内容を積極的に開示する仕組みが欠かせない。  四年制私大の半数近くが定員割れを起こしている現状をみれば、田中文科相の危機意識には一理ある。  しかし、「大学が増えたから教育の質が下がった」「数を絞らないといけない」という発想は短絡的すぎる。検討会の場に限らず、文科省には大学のあり方を根本から問い直す骨太の議論を求めたい。  文科省は今後、大学の統廃合を念頭に置いている。狭き門にすれば、一定の学力に満たない志望者はふるい落とされるが、それで教育の質を高めることにはならない。  大学の数は1992年から20年間で1・5倍の約800に増え、大学進学率は5割を超えた。  見逃してならないのは、日本の大学進学率は経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均にも届いていないことだ。しかも、ここ2年は連続で低下している。  日本は先進国の中でも家庭の教育負担率が高いことが指摘されてきた。不況下で、負担感がさらに強まっているのは否めない。  授業料の無償化は将来的な課題ではあるが、せめて授業料の抑制と奨学金制度の拡充を図り、もっと進学希望者に扉が開かれるよう努めるのが本来のあり方ではないか。  大学の間口を広げることには学力低下の危惧がつきまとう。中学、高校の授業の学び直しから始めざるを得ない大学が少なくない現状が、その深刻さを物語っている。  門戸を狭めず、なおかつ教育の質を維持していくのは容易ではない。  大学側が教育力をつけることは言うまでもない。  高校卒業時に学習到達度を測る試験を課すのも一考だ。それを大学入学資格試験にして入学者を増やし、大学卒業の認定を厳しくしていく方向も考えられる。  社会人が大学で学びやすくする方策も重要だ。「学力」の定義も知識偏重から、幅の広い、多様な能力に見直す必要がある。  改革には、既成概念を排した大胆な発想が求められている。 "[he-forum 17364] 河北新報社説11/23","河北新報社説2012年11月23日付 大学の質/向上図る改革に知恵尽くせ  「大学の質」に厳しい視線が注がれている。皮肉にも大学の設置認可をめぐる田中真紀子文科相の迷走劇が目を向けさせた面もあるが、時代は大学当局に質重視の取り組みを要請する。  鍛えられ、磨かれた学生の活躍なしに、成熟社会のあるべき姿をたぐり寄せることも、国際的な経済競争をはじめとする難しい時代を乗り切ることもできない。  認可制度を見直すため議論を始めた有識者検討会議には、骨太の提言をまとめてほしい。  「入るのは難しいが、出るのは容易」。大学に対するこんな見方も今は昔だ。私大の半数近くが定員割れする「大学全入時代」が到来。一部の難関大学を除けば入学の希望はかなう。  日本の大学生の勉強時間は1日4.6時間(授業を含む)。総卒業単位を取得するには8時間程度は必要とされ、実態は半分に近い状況だ。出るのは相変わらず易しいままだ。  大学の増加に全ての要因を求めるのは乱暴にすぎるが、質の維持、ましてや向上は危うい。実際、学生の数学力の心もとなさを示す調査結果もある。  大学の質は端的に、研究・教育内容とその成果である学生の成長で測られる。大学の定員割れの現実と勉強不足の傾向は、不十分さを暗示する。  生き残りを模索する私大などは時代の変化を取り込んだ斬新な学部・学科名をアピール、入学を誘う。ただ、看板を掛け替えただけでは効果は一時的で、根本的な解決になり得ない。  伝統のある著名な大学ほど危機感が強く、貪欲に学ぶ姿勢を育む方策と加速する国際化を意識した教育改革を構想する。  「秋入学への移行」を目指す東大は前段として「秋始業」を検討。海外留学やボランティアなどの活動ができる1年間の特別休学制度も打ち出した。  筑波大は単位認定を緩和し、留年を気にせず留学できる仕組みを整え、横浜国大は入学直後の短期海外留学を計画する。早大は20年後のビジョンに学部生の2割削減を明示。グローバルリーダー育成のための教育体系の再構築を柱の一つに掲げる。  海外留学を通じて学生の成長を促す一方、優秀な留学生を取り込み、その触媒効果を期待する。ただ、こうした大学は限られ、東大の秋入学コースに合格した海外学生の3割が入学を辞退する現実の壁もある。  学生の意欲と能力を高める工夫が確かな道筋となる。佐賀大は学生の目標設定や学習活動を支援するシステムを導入し、新潟大は学習成果を可視化する仕組みを取り入れる計画だ。  文科省の調査で「授業が退屈」と認めた学長が3割を超えた。予習・復習に生かせるシラバス(授業工程表)の充実を図るとともに、授業そのものの改革を急ぐべきだ。入試の在り方を抜本的に見直す必要もある。  大学の量的拡大は高等教育の大衆化を通じて「民力」の引き上げに貢献した。約半数が学士の高学歴社会を迎えた今、国も質の充実に本腰を入れる時だ。 "[he-forum 17366] 北国新聞11/22","北國新聞2012年11月22日付 先端医療、次世代の芽に システムサポート、東大研と連携  次世代ビジネスとして関心が高まる先端医療分野を開拓する動きが北陸で広がってきた。金沢市のIT企業は東大先端科学技術研究センターと連携し、がん治療などに役立つ遺伝子研究を支援する。自社の技術を生かし、再生医療関連に参入するメーカーも見られる。ノーベル賞を機に人工多能性幹細胞(iPS細胞)が脚光を浴びる中、各社が医療、健康の領域で事業拡大の芽を探る。  東大先端科学技術研究センターと連携するのは、ソフトウエア開発のシステムサポート(金沢市)。研究に必要な大量の情報を蓄積するデータベース構築を担う。  同社によると、研究はゲノムデータ(全遺伝情報)を高速で読み取る装置「次世代シーケンサー」を活用し、膨大な情報を収集。病気になる時の遺伝子変異のパターンを調べ、将来的に適切な治療法の発見などに役立てるという。  同社は、データ管理のためのストレージ(記憶装置)やバックアップシステムを開発する。同センターゲノムサイエンス分野の油谷浩幸教授の研究を支援し、10月から社員を研究室に派遣している。  能登満専務は「医療は未知の領域だが、IT技術を駆使して最先端の研究に貢献したい。実績が出ればビジネス展開も狙う」と意欲を示す。同社は石川県産業創出支援機構のトライアル連携事業を活用し、経費の一部補助を受けた。  医療市場は高齢化や健康志向に伴う拡大が予想され、参入を目指すIT企業が増えている。石川県情報システム工業会によると、先端医療をはじめ、遠隔医療や在宅介護システムなどで自社技術を応用できないか関心が高まっているという。  製造業でも先端医療関連に打って出るメーカーが出てきた。  再生医療分野を「最先端ビジネス」と位置付け、産学連携で装置の研究開発を行うのは澁谷工業(金沢市)。担当者は「研究レベルから産業化へのステップを歩んでいる」と話す。  これまでに佐賀大や東京のベンチャー企業と共同で再生医療用ロボットシステムを開発。iPS細胞や患者の細胞から欠損、不全となった細胞を再生して治療する装置で、細胞の塊を剣山のような針に刺し、積み上げて培養した上で軟骨などの立体組織をつくる。  無菌状態でロボットを作動させる澁谷工業の技術を応用した。再生医療関連では他の大学とも共同研究を進めており、無菌空間を提供したり、滅菌したりする同社装置の需要も高まるとみている。  スギノマシン(魚津市)は独自開発の繊維「バイオマスナノファイバー」を再生医療の組織培養基材として応用できないか研究を進めている。  ナノファイバーは植物の主成分や、カニの甲羅などに含まれるキチン、キトサンを加工した極細繊維で、金沢工大と再生医療向けに共同開発を行っている。杉野岳執行役員新規事業開発本部長は「再生医療はビジネスとしての収益性はもちろん、患者の助けになる。必要とされる分野であり力を入れていく」とした。  新たなビジネスとして注目される先端医療だが、関係者からは「高度な技術や知識が求められ、研究機関との連携が必要なケースが多い。企業単独ではハードルが高い」と参入の難しさを指摘する声も聞かれる。 "[he-forum 17368] 福井新聞11/23","福井新聞2012年11月23日付 文科相発言で動揺も開学へ「前進」 敦賀市の公立大学設置委  福井県敦賀市が2014年度開学を目指している市立看護大学について協議する公立大設置委員会が22日、同市役所で開かれた。田中真紀子文科相の発言に端を発した大学設置認可基準見直しを受け、交野好子委員長は「開学に向けて粛々と作業を進める」と、国の動向を見守る考えを示した。  同市は定員割れが続いた敦賀短大を廃止し、市立看護専門学校を発展する形で、同短大の施設を利用した4年制公立大の設置を目指している。定員は1学年50人で、来年3月に大学設置認可申請を行う予定。敦賀短大はすでに学生募集を停止している。  委員会で交野委員長は、11月2日に田中文科相が来春開学予定の3大学を不認可とした発言について「崖の上から突き落とされ、足がすくむ思いだった」と振り返った。不認可は撤回され、21日には大学設置認可制度を見直す文科省の検討会議が開かれるなど、状況は変化していることから「開学に向けてひたむきに前進するのみ」と述べた。  市の穴吹憲男特任部長は、21日の検討会議の傍聴に市職員を派遣したことを明らかにし「審査の厳格化などを求める意見もあったが、方向性は決まっていない。検討会議の議論を注視する」と話した。また「(申請に向けて)文科省と協議を進めており、専門学校との違いや具体的な就職見込み数を求められている。次回委員会で認可申請内容を示す」と説明した。  委員会ではこのほか、教員採用予定30人のうち、教授13人など24人(助手2人含む)を内定したと報告した。大学設置基準では、助手を除き19人、そのうち教授10人以上を必要としており、市は「基準はクリアしたと考えている」と説明。交野委員長は「(教員確保が進んでおり)何が何でも(審査を)通さないといけない」との決意を示した。 "[he-forum 17367] NHKニュース11/19","NHKニュース 2012年11月19日7時24分 大学院生4人に1人 バイトで研究に支障  大学院生の4人に1人が、学費や生活費を稼ぐアルバイトのために研究時間を十分に確保できないと感じているという調査結果がまとまりました。    この調査は大学院生の自治会で作る協議会がことし7月から9月にかけて全国38の大学の大学院生およそ760人を対象に行いました。  それによりますと、研究や生活上でどんな不安があるのか複数回答でたずねたところ、「研究費や生活費の工面」をあげたのが半数(51%)に上りました。  また「授業料の工面」をあげたのも3人に1人(32%)に上り、研究費や授業料の確保に不安を感じている大学院生が多いことが分かりました。 こうした状況の中、「学費や生活費を稼ぐアルバイトのために研究時間が確保できない」と答えたのも25%、4人に1人に上りました。  アンケートの自由記述欄には「研究に必要な資料や書籍が購入できない」「お金がかかり飛行機や新幹線を使うような調査や学会に参加できない」といった声も寄せられていました。  全国大学院生協議会議長の奥村美紗子さんは「大学院の学費や研究にかかる費用は非常に高い。研究するためにアルバイトをしなくてはならずその結果、研究時間が確保できず、業績も出せないという悪循環に陥っている。奨学金制度の充実や研究環境の整備が必要だ」と話しています。 "[he-forum 17369] 読売新聞11/21","読売新聞2012年11月21日付 大学不認可騒動、田中大臣の発言チェック・検証  田中文部科学相が主導した大学設置審査制度を見直す検討会の初会合が21日夕、開かれる。大学不認可騒動で、田中氏がこき下ろした審査制度。発信力を買われた大臣の発言だけに、世間には共感する声も少なくない。ただ、田中氏の批判には誤解もうかがえる。大臣発言に沿って、制度の本来の意味を調べてみると――。 〈許可される前から、ビルが建ち、教授を確保している。これ、極めて不自然だと思う〉  新設の審査を行っているのは、文科相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会(設置審)」。委員は文科省令「大学設置基準」に照らして、実際の開校までに、研究室や教室の数、運動場の広さが確保されるかどうかも審査する。委員の一人は「ある程度建物ができていないと、基準を満たしているかを確認できない」と話す。実際に今年の審査でも、校舎が狭いことなどを理由に、6月の時点で1校が不認可とされた。  こうした事情で、多くの新設大学は、正式申請の1年以上前から、文科省と相談した上で、校舎の建設を進める。別の委員は「認可後に建て始めても間に合わない。『事前に建てるな』というなら、審査期間をもっと延ばす必要がある」と話す。 〈設置認可は大臣の権限。設置の基準をクリアしているか判定するのが審議会で、答申を受けて判断するのが大臣の職能〉  一見もっともだが、ある国立大関係者は「設置審は、大臣が独断で大学の新設を認可したり、不認可としたりすることがないようチェックする役割も果たす」と話し、「設置審の答申を覆すには相応の必然性が必要」と指摘する。政治家である大臣の裁量が自由だと、自分の選挙区の大学をひいきしたり、逆に特定の宗教的背景のある大学を排除したりする恐れがあるからだ。 〈設置審の会議は数か月に1回しか開かれていない。メンバーはほとんどが大学の総長・教授〉  実際に、設置審が置く「大学設置」「学校法人」の2分科会の開催は年に数回だ。ただ、その下に専攻分野に応じた28の専門委員会などがあり、専門家約280人がカリキュラムや教員の質などを細かく検討している。ほかにも委員会はあるが、専門委だけでも計100回以上開かれ、分厚い書類の読み込みに時には朝から晩まで費やし、「委員の負担はかなり大きい」(文科省幹部)。  ある委員は「我々は厳しく審査している」と怒り心頭。別の委員も「審査に納得がいかないなら、設置基準を変えればいい。大臣は無知」と憤る。  なお、文科省によると、委員に大学人が多い理由は、「内容が専門的すぎて、ほかに任せられる人がいないため」という。 〈大学の乱立に歯止めをかけ、教育の質を向上したい。それが真意〉  大学の数は確かに、短大からの改編が相次ぎ、20年前の1・5倍、約780校まで増えた。今年度は入学時に定員割れをした大学が約46%に上っている。  文科省幹部は「最近の新設は、医療関係、福祉関係などが多く、いずれも短大、専門学校を高度化するケースばかり」と説明。時代のニーズにあったものを認めていると強調している。  ただ、開設された大学のレベルを事後にチェックする仕組みが十分に機能せず、質の低下が起きたことは同省も認めている。(石井正博、朝来野祥子) "[he-forum 17370] 共同通信11/21","共同通信2012年11月21日19時49分 大学認可厳格化へ議論、初会合 田中文科相が意義強調  文部科学省の大学設置認可制度を見直すための有識者検討会議の初会合が21日開かれ、財務状況の透明化など認可の審査をより厳しくする新基準づくりに向けた議論がスタートした。  検討会議は1カ月後をめどに提言をまとめる方針だが、2014年春開学を目指す大学に具体的な新基準を適用するのは難しいとみられる。  田中真紀子文科相は冒頭のあいさつで、秋田公立美術大(秋田市)など3大学の認可をめぐる混乱について触れ「私はトラブルメーカーだと思われたが、自立した日本人をどう育てるかを考えたい」と、問題提起の意義を強調した。 "[he-forum 17371] 西日本新聞社説11/24","西日本新聞社説2012年11月24日付 大学設置基準 抜本見直しなら腰据えて  「大学設置認可のあり方を抜本的に見直す」。田中真紀子文部科学相がこうぶち上げて20日余り、有識者による検討会議が発足し、議論がスタートした。  秋田公立美術大など3大学の新設を突然、不認可にして持ち出した論議だ。  二転三転した末に事態は認可で収拾したものの、大学設置・学校法人審議会の認可答申を一夜にして覆した「ルール無視」の独断は許されるものではない。来春入学を望んでいた生徒を一時的とはいえ、不安に陥れた。「若者の心をもてあそんだ」と言われても仕方なかろう。  そう厳しく指摘したうえで、始動した検討会議に幾つか注文したい。  文科相の問題提起は「大学は多すぎる」との認識から始まっている。だから教育の質が低下し、競争激化を招いて大学運営に支障が出ている-というのだ。  だが、増えたから減らせ、取りあえず新設に歯止めを-といった単純な話ではないということが、まず一つである。  規制緩和の流れに沿って大学設置基準が大幅に緩和され、この20年間ほどで大学は1・5倍に激増した。就職に有利だとして短大の四年制化や専門学校からのくら替えが進んだほか、地域活性化策として自治体による誘致も目立った。少子化なのに、大学は減りそうにない。  「認可の前に校舎が完成している」という設置認可の仕組みは、確かに不自然だ。検討会議は設置基準の厳格化が求められるが、現状の基準の見直しに加え、学生は集まるのか、社会的に需要はあるか、財務状況は本当に大丈夫か-など、より厳正な審査が必要になるだろう。  一方で大学の質は経営だけでは論じられない。進学率に地域間格差がある。地方では地元に密着した人材育成も担っている。そうした論点を忘れては困る。  田中文科相は審議会の委員に大学関係者が多すぎるとして審議会の構成も見直す方針だが、設置基準や審議会運営を変えるだけで済む問題ではない。結局は今後、社会にどんな大学が求められているかを見極めることが重要なのだ。  もう一つ、大学が増えたのは、事前規制から第三者評価機関による事後チェックに転換したことが大きい。私立大では半数近くが定員割れを起こしている。大学増加が教育の質低下の誘因なら、そのチェック機能の検証は欠かせない。  50%超という日本の大学進学率は、世界的に決して高くないことも留意すべきだろう。経済協力開発機構(OECD)によると、70%超の韓国はもちろん、おおむね60~70%の欧米諸国より低い。  大学の数を抑制すれば教育の質は上がるかもしれないが、若者の学ぶ機会を奪うことにならないか。質を問うなら、むしろ今ある大学の質をどう向上させるかが大事となる。検討会議の論議は、そこにつながる内容でなければなるまい。  約1カ月で提言をまとめるというが、あまりに期間が短い。今度こそ手順を踏み、腰を据えて取り組むべきだ。 "[he-forum 17372] 山陽新聞11/29","山陽新聞2012年11月29日付 岡山大病院と就実大薬学系が協定 教育や研究で交流・連携  岡山大病院(岡山市北区鹿田町)と就実大薬学部・同大学院医療薬学研究科(同市中区西川原)は29日、教育や研究に関する連携協定を結んだ。交流を盛んにするとともに、それぞれが協定を結んだ独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA、東京)とも協力して医薬品や医療機器開発も進める。  同病院で調印式があり、槇野博史病院長と押谷善一郎学長が協定書を交わした。槇野病院長は「協定を機に薬剤師を中心にした幅広い人材育成につなげたい」、押谷学長は「最先端の医療現場である病院から新薬開発などの面で学ぶべきことは多い」と述べた。  交流は就実大に薬学部が開設された2003年度から学生の実習などでスタートしており、今後、病院の薬剤師が大学でさらに専門性を高めたり、医師らが就実大生に講義するなど関係を深める。  岡山大病院が他大学と協定を結ぶのは初めて。就実大は津山中央病院(津山市川崎)に次いで2カ所目という。 "[he-forum 17373] 毎日新聞11/30","毎日新聞2012年11月30日付 京都大:「秋入学」見送りへ 松本学長「入試改革が先」  東京大が提唱する「秋入学」について、京都大の松本紘(ひろし)学長は29日、毎日新聞の取材に対し、「先に入試改革を行う。入試改革にめどが立たない段階で秋入学をやる気はない」と述べ、事実上、見送る方針を明らかにした。東大は5年後の実現を目指しているが、賛否を決めかねている大学も多い。京大が同調しないことで、各大学の判断にも影響を与えそうだ。  大学の国際化を目的とする「秋入学」は、東大が昨年から検討を始め、今年1月、5年後をめどに全学部生を秋入学に移行する方針を打ち出した。九州大など一部の国立大は賛同しているが、否定的な考え方も根強い。  松本学長は6月、入試科目以外の勉強や課外活動なども対象に独自の方法で学習意欲を評価する「特色入試」を、早ければ16年度入試で一部導入する方針を表明。また、京大は来年度、国際社会で活躍するリーダーを育成するための全寮制大学院を設置する。  入試改革の理由として松本学長は「入試が最優先になり、入学後に進路を見失う学生が多い。高校時代に幅広い勉強をした学生を、大学でさらに伸ばすことが大事」と述べ、高校教育との連携を強化する姿勢を示した。  そのうえで「秋入学には大変なエネルギーと時間がかかる。入試を変えることによって日本人の考え方が変わる効果の方が大きいと考えている」と述べた。【五十嵐和大】 "[he-forum 17375] 福井新聞12/1","福井新聞2012年12月1日付 福井大新学長に眞弓光文氏 2人目の医学部出身者  福井大は30日、来年3月末で任期満了となる福田優学長(70)の後任の学長選考会議を同大で開き、次期学長予定者に同大理事(研究・評価担当)で副学長の眞弓光文氏(63)を選出した。福田学長に続き、2人目の医学部出身の学長となる。眞弓氏は4月1日付で就任する。任期は3年。  次期学長選には、助手以上の教育職員と課長補佐クラス以上の事務職員の投票資格者10人以上から推薦があった大学院工学研究科教授の荒木睦大氏、前大学院工学研究科長で特命教授の小倉久和氏、眞弓氏の3人が学長候補者として選ばれた。  同大経営協議会の学外委員と各学部長らからなる学長選考会議で、教職員による投票結果や候補者からの所信などを総合的に判断した。眞弓氏は投票数563票(投票率86%)のうち最多の309票を獲得した。  眞弓氏は三重県出身。京都大医学部を卒業後、1980年に同大医学部附属病院助手。同学部講師、助教授を経て97年に福井医科大医学部教授。2003年(福井大と統合)に福井大医学部教授、同大学長補佐となり、07年医学部長、08年から理事、副学長を務めている。専門は小児科学、膠原(こうげん)病・アレルギー・感染症内科学、免疫学。  福田学長は統合後、初の医学部出身の学長として07年4月1日に就任し、現在2期目。  眞弓氏は「福井大が国立大としてこれまで以上に社会に貢献することができるよう教職員と力を合わせて、その先頭に立って努力したい」との所感を発表した。 "[he-forum 17374] 福井新聞12/4","福井新聞2012年12月4日付 福井大、眞弓新学長が会見で抱負 「教職員の先頭立ち社会貢献」  福井大(福井県)の次期学長予定者に選出された同大理事(研究・評価担当)で副学長の眞弓光文氏(63)が3日、福井県福井市の同大文京キャンパスで会見した。眞弓氏は「社会から必要とされ社会に貢献できる大学であるため、教職員の先頭に立って努力したい」と抱負を述べた。  少子化や国の財政を背景に、文部科学省は6月に策定した「大学改革実行プラン」で、1法人が複数大学を運営する「アンブレラ方式」による国立大の再編の検討を提示。国立大を取り巻く環境が厳しい中、眞弓氏は「3学部とも、県民から福井にあってよかったと思っていただけていると自負している。地域貢献を見据えた上で、日本全体、世界に対して福井大は必要だというところまで研究、教育を高めていきたい」と力を込めた。  また研究面に関して、東京電力福島第1原発事故を機に、同大附属国際原子力工学研究所に原子力防災・危機管理部門を設置したことを挙げ「どの政党が政権を取るかで流動的だが、仮に10年後に原発が全廃となったとしても、その後の処理などのために専門的な人材が必要」と話し、継続して人材育成を進めていく考えを示した。  その上で「そのための研究、人材育成について一切、語られていない。負け戦の敗戦処理だけに自分の将来をかけたいと思う学生はそんなにおらず、大学の思いだけで人材は育っていかない」と指摘し、国が重要性をしっかりと示すことを注文した。 "[he-forum 17377] 山陽新聞12/2","山陽新聞2012年12月2日付 弁護士研修センターが開設 岡山大法科大学院  岡山大法科大学院(岡山市北区津島中)の「弁護士研修センター」が1日、全国に先駆けて開設された。学内に誘致した法律事務所で、同大学院を修了した若手弁護士が実務を経験。企業や医療機関、自治体などに所属する「組織内弁護士」として育成し、地域の司法サービス向上を目指す。  センターは、津島キャンパス内の文化科学系総合研究棟1階(約80平方メートル)に設置。午前10時から開所式があり、上田信太郎法務研究科長と、吉野夏己教授(弁護士)が看板を掛けて開所を祝った。  センターに隣接する法律事務所には出身の新人弁護士3人が所属、独立採算制で運営する。今後、経験の浅い弁護士を面接などで毎年3人程度選考。日常の弁護士業務と合わせ、病院や自治体関係者も集まる研究会などに参加させ、現場で起こる法的トラブルの解決能力を身に付けさせる。20日から業務を始める。  組織内弁護士は全国で800人近いが、東京や大阪に集中。センターでは専門性を高め、2年をめどに企業などに輩出する予定で、上田科長は「地域のニーズに対応した質の高いリーガルサービスを提供するために、派遣先と若手弁護士を結びつける『橋渡し役』となりたい」と話していた。 "[he-forum 17376] 中日新聞12/4","中日新聞2012年12月4日付 共同大学院の学生募集を開始 名工大と名市大  名古屋市立大大学院薬学研究科と名古屋工業大大学院工学研究科が3日、薬工分野で全国で初めて来年4月に創設する共同大学院「共同ナノメディシン科学専攻」の学生募集を始めた。  共同大学院は3年間の博士課程。薬学と工学の知識を融合することで、がんやアルツハイマーの特効薬など次世代の薬剤開発を目指す。  この日から要項を配布し、両大学で1月に願書を受け付ける。入試は2月。1学年の定員は名工大3人、名市大4人。併願はできない。修了者には両大学連名で「ナノメディシン科学」の博士号が授与される。  両大学は2011年から準備を進め、ことし5月に覚書を取り交わした。11月に文部科学省から設置認可を受けた。 "[he-forum 17378] 東京新聞12/5","東京新聞2012年12月5日付 次期学長に立石教授 東京外国語大  東京外国語大(府中市)は四日、次期学長の選考会議で、同大学院総合国際学研究院教授の立石博高氏(61)が選ばれたと発表した。任期は来年四月から四年。  立石氏は神奈川県出身。東京外大外国語学部スペイン語学科を卒業後、七八年に都立大大学院人文科学研究科史学専攻修士課程を修了。九二年に東京外大助教授、九五年に教授、九七年から大学院教授。二〇一一年から副学長も務める。  現在の亀山郁夫学長は来年三月で退任する。 "[he-forum 17386] キャリアブレインユース12/8","キャリアブレインニュース2012年12月8日付 来年度の医学部定員、50人増の9千人超- 文科省・5大学が125人超  文部科学省は7日、来年度の医学部入学定員について、国公私立17大学で計50人の増員を認めるとの増員計画を発表した。医師不足の解消のため増加に転じた2008年度以降の累積で1416人増え、総定員は9041人になる見込み。文科省では、地域の医師不足を解消するため、1大学の定員の上限を125人から緩和するよう11月に省令を改正しており、東北地方を中心に5大学で125人超になる予定だ。  医学部定員の増員では、▽地域医療への従事を条件とする奨学金や選抜枠を設定した増員(地域枠)▽複数大学の連携で研究医を養成する拠点をつくるための増員(研究医枠)▽併設する歯学部定員を減らした分の医学部の増員(歯学部振替枠)―の3つの枠組みが認められている。  増員計画によると、地域枠で12大学の計39人、研究医枠で5大学の計9人、歯学部振替枠で1大学の2人の増員を認める。歯学部振替枠での増員を要望したのは岩手医科大だけで、地域枠と合わせて5人の増員を要望している。  大学別に見ると、東北大の10人が最多で、次いで岩手医科大、福島県立医科大、新潟大、信州大の各5人などの順。総定員は、東北大の135人が最多となり、このほか岩手医科大と福島県立医科大が共に130人、弘前大と新潟大が共に127人で、5大学が125人超となる見込みだ。  増員計画は、14日に大学設置・学校法人審議会の分科会で審議される。文科省では、同審議会からの答申を得た上で、増員の手続きを進める方針だ。【高崎慎也】 "[he-forum 17384] 日本経済新聞12/7","日本経済新聞2012年12月7日付 国家公務員、13年度は3000人減 総務相が報告  樽床伸二総務相は7日の閣僚懇談会で、2013年度の国家公務員の定員を3千人減員すると報告した。東日本大震災の復興にかかわる臨時増員を考慮した実質的な減員数は2600人となり、10年度の1993人を上回る過去最大規模になる。14年度からの消費増税を控えて「身を切る改革」をアピールする狙いだ。  減員数は約30万人の国家公務員全体の1%近くに相当する。総務相は閣議後の記者会見で「最終的には来年度予算案に向けて確定する作業に入る」と述べた。  これに関連して岡田克也副総理は閣僚懇で、国家公務員と比べて給与水準が高い5つの特殊法人と独立行政法人について給与の見直しを関係閣僚に求めた。日本中央競馬会と沖縄振興開発金融公庫、沖縄科学技術大学院大学学園に給与引き下げや抑制を要請。日本政策金融公庫と日銀には給与水準の設定のあり方を検証し、公表するよう求める。 "[he-forum 17383] 毎日新聞山形12/7","毎日新聞山形版2012年12月7日付 山大生死亡:損賠訴訟 和解働きかけ再要請 山形大学長に職組  昨年10月、山形大2年の大久保祐映(ゆうは)さん(当時19歳)が自ら119番したにもかかわらず自力受診を要請され、9日後に遺体で見つかった問題を巡り、山形大職員組合(品川敦紀(あつのり)執行委員長)は6日、結城章夫学長に対し、市へ和解の働きかけを求める再要請書を提出した。組合は先月29日にも要請書を提出したが、結城学長は4日の記者会見で要請に応じない意思を示していた。  再要請書を提出後、組合は結城学長ら大学側と協議。組合によると、結城学長は「救急車が出動していれば助かったかもしれないと思うと大変残念だ」との見解を述べつつも、「裁判は進行中であり要請のような行動は取れない。推移を見守りたい」と従来の姿勢を崩さなかったという。【鈴木健太】 "[he-forum 17382] 茨城新聞12/7","茨城新聞2012年12月7日付 安心して院内助産 つくば市バースセンター、来年5月に開設 筑波大付属病院、周産期医療充実目指す  総合周産期母子医療センターに指定されている筑波大付属病院は来年5月、つくば市と協力し、同病院内に、助産師と医師が連携することで安心して院内助産ができる「つくば市バースセンター」を開設する。市側は同大に設ける寄付講座と同センターの整備費用として計5億1千万円を同病院に寄付する。産科医が不足する中、助産師や医師の人材育成を図り、周辺の周産期医療体制の充実を目指す。  センターは助産師が中心となってお産を担当し、異常発生時には医師が介入する。  市周産期等医療体制懇談会(会長・中田義隆市医師会長)が10月、市原健一市長に対し、市内に不足する産科医療の実態を踏まえ、同病院と協力した院内助産システムの整備を提案していた。  センターは同病院の新棟「けやき棟」(同市天久保2丁目)内に開設する。病床数は6床で、2017年ごろを目途に12床に増床し、三つの分娩(ぶんべん)室を設ける予定。  寄付講座の設置期間は13年5月から18年3月末まで。同大大学院人間総合科学研究科に「市総合周産期医学講座(仮)」を開く。センター運営や人材育成のため、教授や講師ら3人分の人件費や研究費など5年間で計2億1千万円を寄付する。  加えて、同センターの関連設備に要する経費として3億円を寄付する。市と同病院は近く協定を締結する。  市によると、市内で分娩を扱う医療機関は四つ。同市の出生届け出数(10年度)計2210人のうち里帰り出産以外の理由で市外で産んだ母親は計406人に上った。  同病院の周産期の病床数は現在32床で、新棟開設に伴い35床に増える。県によると、県内では唯一、水戸済生会総合病院(水戸市)が院内助産所を開設している。 "[he-forum 17381] 四国新聞12/7","四国新聞2012年12月7日付 香大に寄付講座設置を/県の精神科医療を考える会  県の精神科医療を考える会(発起人・森下立昭県医師会長、川部英則県健康福祉部長)はこのほど、香川県高松市浜ノ町の香川県医師会館で最終会合を開催。香川県内に精神科医療相談窓口を設置することや、香川大医学部に寄付講座を設けることなどを盛り込んだ提言書をまとめた。  香川県によると、さぬき市民病院で2008年3月末に精神科病床が廃止になり、さぬき市と東かがわ市域で入院可能な精神科病院がなくなったことから、香川県高松市内では満床に近い病院が増加。高松市民病院では医師不足のため昨年度から新規患者の受け入れを停止しており、東讃地域で糖尿病や高血圧などの疾患を併せ持つ身体合併症患者の対応が困難になっている。  提言では、夜間や休日に問い合わせを受け付ける精神科医療相談窓口を設置するよう提案。同様の窓口は34都道府県には既にあり、「本来公立の機関に設置すべきだが、できない場合は民間精神科病院などに早急に設置すべき」としている。  香川県や大学、総合病院などの代表者でつくる「地域精神科医療連携体制推進協議会(仮称)」の立ち上げも提言。同協議会で香川大医学部に寄付講座を設置し、合併症患者の症状に応じて受け入れ先の医療機関を決めるルール作りなどについて研究するよう求めている。 "[he-forum 17380] 毎日新聞茨城12/7","毎日新聞茨城版2012年12月7日付 筑波技術大:新修士課程計画を発表 村上学長、再任へ  筑波技術大は6日、聴覚・視覚障害者の大学教育の専門家を育てる修士課程を大学院に新設する計画を発表した。「情報アクセシビリティ専攻」として2年後の開設を目指す。村上芳則学長は記者会見で「大学教育の内容を専門的スキルで伝える指導者を育て、ノウハウを各大学に提供したい。世界で初めてとなる」と説明した。  また村上学長は同日の学長選考会議で次期学長候補者と決まった。4年間の実績などを評価したという。任期は来年4月から2年間。近く文部科学相に上申、再任が決まる見通し。同大は聴覚・視覚障害者だけを受け入れる全国唯一の国立大学。【安味伸一】 "[he-forum 17379] 中日新聞12/7","中日新聞静岡版2012年12月7日付 静岡大の学長ら交流サイトや基金PR  静岡大の伊東幸宏学長らが六日、浜松市東区の中日新聞東海本社を訪れ、いずれも十月に立ち上げた同大の「サポーターズクラブ」と「未来創成基金」をPRした。  サポーターズクラブは、インターネット上の交流サイト。ブログやメールマガジンで、大学の講座や学生サークルのイベント情報などを発信する。登録は無料で、希望する学生も入会している。「会員サロン」で、参加者が地域の行事などを学生に情報提供することもできる。  創成基金は、個人や企業から寄付を募り、学生の奨学金や国際交流事業に役立てる。伊東学長は「まだ大学は敷居が高いと思われている。地域に身近な『自分たちのまちの大学』と思われるようにしていきたい」と話していた。 (立石智保) "[he-forum 17388] 日本経済新聞12/11","日本経済新聞2012年12月11日付 千葉大など県内3大学、在宅医療担う薬剤師育成  千葉大学、城西国際大学、千葉科学大学の県内3大学は共同で在宅医療や災害時の救急医療などに当たる人材を育成する。薬学部の学生を対象に来春からインターネット経由の遠隔講義(e―ラーニング)や各施設での実習を始める。薬剤師の活動の場は調剤薬局や病院から在宅医療などに広がっている。各大学が強みを持ち寄り、より実践的な講座を用意する。  2013年4月に在宅医療や災害時医療など5つのテーマで11コースを開講する。具体的には、千葉大が心臓病や脳血管障害などの精密検査で使う放射性物質を含んだ医薬品の扱い方や管理業務などを担当する。千葉科学大は災害時医療を中心に、城西国際大は在宅患者向けの服薬指導などを受け持つ。医薬品の適正使用などの啓発活動でも3大学が連携する。  1コースはおおむね半年で終える。学生は座学をe―ラーニングで済ませ、夏季休暇などを利用して各大学で実習に取り組む。例えば放射性医薬品のコースでは千葉大で動物を使って画像診断の方法などを学ぶ。3大学合わせて年間50人の受講を見込む。同事業は文部科学省の「大学間連携共同教育推進事業」に採択され、5年間で1億4500万円の補助を受ける。 "[he-forum 17387] 北海道新聞12/11","北海道新聞2012年12月11日付 北大学長に山口氏 「数年内に秋学期移行」  北大の次期学長を決める選考会議(平山健一議長)は10日、委員13人による投票を行い、山口佳三副学長(61)を第18代学長に選んだ。山口氏は記者会見で、現行の4月入学を維持したまま、授業を9月から始める「秋学期制」へ数年以内に全面移行する考えを示した。  山口氏の任期は来年4月から4年間。候補者は他に喜田宏獣医学研究科特任教授、松井博和農学研究院長で、山口氏が10票、喜田氏が3票を得た。  秋学期制では、入学から9月までは新入生向けの教育プログラムを設ける。9月始業は東大の学内会議が検討しており、山口氏は「東大案に沿って検討を進め、導入のタイミングも合わせたい」と話した。  山口氏は大阪市出身。京大大学院理学研究科博士課程修了。北大理学部長などを経て2011年から副学長、理事。専門は微分幾何学。 "[he-forum 17389] 山形新聞12/13","山形新聞 2012年12月13日 11:24 山大教員、研究で不正 医学部、都合良いデータを使用  山形大医学部の30代男性教員が留学先の米国で行った、治療に関する研究で、都合の良いデータを選択して解析、帰国後の学会で発表していたことが12日分かった。同大は告発を受けて調査、データの一部改ざんなどの不正行為に当たると判断した。処分は今後検討する。  同大によると、男性教員は複数の実験結果を比較する際、本来全てのデータを踏まえて比較すべきところ、結果の違いが明確になるようデータを選び、結論を導き出していた。今春開かれた自身が所属する学会で発表。その際、留学先での共同研究者の名前を加えることも怠った。  大学は学会発表後、この研究に携わった人物からの告発で把握。5月から調査を進めていた。教員は不正行為を認め、反省しているという。既に発表は取り下 げられ、学会からも注意を受けた。結城章夫学長は「誠に遺憾。真摯(しんし)に受け止め、研究者倫理のより一層の徹底を図る」とコメントしている。 "[he-forum 17390] 秋田魁新報12/14","秋田魁新報2012年12月14日付 吉村学長「深くおわび」 秋大病院不適切機器購入問題  秋田大医学部付属病院・前中央検査部長の元教授(61)による不適切な機器購入やパワーハラスメント問題で、吉村昇学長は13日、記者会見し「極めて遺憾。深くおわびする」と陳謝、「県民に信頼される病院へと再出発したい」として再発防止に全力を挙げる考えを示した。その上で自身の役員報酬10分の1、1カ月分を自主返納することを明らかにした。  会見には熊田亮介副学長、澤田賢一医学部長、伊藤宏病院長が同席。熊田副学長が、機器購入に関わった教職員の処分について説明した。  購入時の仕様策定委員で、不適切な機器購入を見過ごすなどした3人を文書での厳重注意としたほか、別の策定委員3人を病院長注意喚起。技術審査職員2人を文書での厳重注意とした。不適切に購入された動物実験用機器を、使用が認められていない中央検査部内で使った医師2人(付属病院勤務)についても、文書での厳重注意とした。 "[he-forum 17391] しんぶん赤旗12/17","しんぶん赤旗 2012年12月17日(月) ゆうPRESS 学びたい、でも… 全学連「黒書」・全院協調査  「お金の心配なく勉強したい」「就活が忙しくて授業に出られない」―。いま、安心して学びたいという学生たちの普通の要求が、ふみにじられていま す。就職内定率もいぜん低水準が続くなか、全日本学生自治会総連合(全学連)と、全国大学院生協議会(全院協)がおこなったアンケートからは、大学生活や 将来への不安を抱く、学ぶ学生の姿が浮き彫りになりました。  全学連がまとめた「学費・雇用黒書2012年版」では、3882人が回答を寄せました。「学費を負担に感じる」とした学生は70%に上り、「家族 に負担をかけることがつらい」(1848人)、学費が「家計を圧迫している」(743人)、「親が仕事を増やした」(242人)としています。(グラフ 1)  奨学金を受けている学生は44%で、学費(768人)や生活費(487人)のたしにすると回答。一方、借りなかった理由は「返済への不安」(464人)が断トツでした。  全院協は7月から9月にかけて、「大学院生の経済実態に関するアンケート調査」をおこないました。38大学から755枚の調査票を得ました。  回答者の7割以上がアルバイトに従事。その目的として約93%が生活費あるいは学費(研究費)をまかなうためと答えています。  こうした状況が「研究に影響している」と回答した人は約60%。具体的な影響として「研究資料・書籍を購入できない」が7割を超えています。(グラフ2) 大学生「黒書」から 交通費が負担に  ■関西地方の大学4年生  3年生の1月から本格的に就職活動を始めました。地元静岡での就職も視野に入れているため、春休み期間中は大阪でおこなわれる説明会を受けたあ と、その足で静岡に帰って就活をすることもありました。交通費は多いときで月10万円に達しました。コンビニの夜勤アルバイトをしながらの就活です。交通 費が大きな負担となっているので、政府や企業の支援がほしい。 食費削るしか…  ■京都市内の大学で学ぶ3年生  私立高校を卒業までに借りた奨学金がすでに300万円。「これ以上、借金を作った状態で社会に出るのは大変」と親に言われ、いまは借りていませ ん。現在は一人暮らし。1冊何千円もする書籍を買わなければいけないときや、大きな出費があると「食費を削るしかない」とそのたびに落ち込んでいます。大 学院への進学を希望していますが、学費がかかるので悩んでいます。とにかく時間にもお金にも余裕がなくてしんどい。もっと余裕がほしい。 大学院生「報告書」から 将来への不安感  ■国立大学博士課程2年  何よりも将来への不安感。少しでも多く貯金しておきたいのが本音。だから奨学金の返済や授業料のことを考えると不安で仕方がない。変なあせりもあり、おちついて研究できない。 窮乏の悪循環に  ■私立大学修士課程2年  経済的負担やそこからくる研究への悪影響があまりにも多い。経済的窮乏→アルバイトで工面→研究時間の不足→業績の不振→経済的窮乏という悪循環 に陥っている。貧乏人は研究も満足にさせてもらえないのか。奨学金制度も貧困な院生の実態をまったく反映しておらず、何のための制度なのかわからない。不 公平さを感じ、正直失望するしかない状況である。 死んだ方が…と  ■私立大学博士課程3年  借金が多く、経済的にも困難なのに、今後どのように奨学金の返済をしていけばいいのか、また就職のことも考えると死にたくなります。死んだほうが奨学金の返済も可能なのかもしれないと考えます。 学費負担軽減保障して 全日本学生自治会総連合 藤浦修司委員長  今回の調査では、高学費が学生に重くのしかかっている現実が改めてあきらかになりました。学費が払えずに中退した知人がいると答えた人もいます。 そして、学費や生活費を稼ぐために、学生が寸暇を惜しんでアルバイトをしています。日本ではそれが当たり前になっていますが、本当におかしなことだと思う のです。  奨学金も卒業と同時に多額の借金となり、就職難のなか、返済が心配で困っている人ほど借りにくいものになってしまっています。  政府には学費の値下げや、返済不要の奨学金の創設などによる抜本的な学費負担軽減、その保障となる大学予算の増額を求めたい。  自分の家の家計が苦しいからしょうがないと思っている青年もいます。あきらめず一緒に声をあげていきたいです。 安心して研究できる環境を 全国大学院生協議会 佐藤郁子さん(仮名)  大学院生の収入が不足し、研究時間をしっかりと確保できないというのは重大な問題だと思います。  国の政策によって大学院生の数が増やされましたが、大学などの研究機関において常勤の教員や研究者が削減され、非常勤講師など非正規で働く研究者が増えています。大学院で研究を頑張っても就職に希望がもてない。これは極めて問題であると感じています。  こうした現実から優秀な学生が大学院に進学しない状況があります。これは社会にとっても大きな損失ではないでしょうか。  9月に国際人権規約の無償化条項の留保撤回がされました。政府には、それに基づき高等教育の無償化を実現してほしい。そして、大学院生が安心して研究できるよう、給付制奨学金の創設、大学の若手教員の増員、高等教育予算の拡充などを求めます。 "[he-forum 17392] 福島民報12/16","福島民報2012年12月16日付 人材育成、活用考える 東邦銀行と福島大地域フォーラム  東邦銀行と福島大主催の「地域戦略フォーラム」は15日、福島市のエスパル福島・ネクストホールで開かれ、出席者が人材の育成や活用について理解を深めた。  「組織づくりは人なり・街づくりは人から」をテーマに開催し、約70人が出席した。福島大の伊藤宏経済経営学類教授が「人材育成・人材活用と地域・企業の活性化」と題して基調講演した。  学生や行員が大学、企業、地域での人材育成・人材活用の現状と課題について研究成果を発表。前同行常務の渡辺正彦同大客員教授が「異分野の融合が生み出す創造的人材」と題して総括講演した。  東邦銀行と福島大は、産学連携の取り組みとして「地域戦略研究会」を組織し、行員や教員、学生が定期的に勉強会を開催している。 "[he-forum 17400] 日本経済新聞12/19","日本経済新聞2012年12月19日付 法科大学院の統廃合へ基準 検討会議、13年夏までに  政府が設置した司法試験や法科大学院などの在り方を見直す「法曹養成制度検討会議」(座長・佐々木毅学習院大教授)は18日の会合で、法科大学院の統廃合に向けた具体的な基準案を検討することを決めた。  来年3月をめどに素案をまとめ、パブリックコメント(意見公募)の実施を経て、検討会議の設置期限である同8月までに統廃合の基準を正式に決める。  東京・霞が関の法務省で開いた18日の会合では、佐々木座長が法科大学院の統廃合を前提に「基準案づくりに向け具体的な準備作業に入ってほしい」と指示。法科大学院ごとの司法試験の合格率や教育内容、地域的なバランスなどを検討し、統廃合の基準案を協議する方針を示した。  法科大学院修了者の司法試験の合格率は、制度が始まった2004年に想定していた7~8割を大きく下回り、今年は24%と低迷。法務省や文部科学省などは、質の低い法科大学院の統廃合などによる教育内容の底上げを検討している。  検討会議は政府の法曹養成に関する関係閣僚会議の下部組織。今年8月下旬に初会合を開き、今回の会合は5回目。 "[he-forum 17398] 沖縄タイムス12/20","沖縄タイムス2012年12月20日付 琉大学長に大城肇氏「魅力ある大学創る」  琉球大学(岩政輝男学長)は19日、任期満了に伴う学長選の選考会議を開き、理事で副学長の大城肇氏(61)(島嶼(とうしょ)経済学)を第16代学長に決めた。任期は来年4月から4年。大城氏は「先頭に立って学生や職員間のコミュニケーションを増やし、はつらつと魅力ある大学を創っていく」と抱負を述べた。  同大は18日、大城氏と宮城隼夫工学部教授を候補者に学長選(意向調査)を開き、19日の会議で全会一致で決定した。得票数は大城氏424票、宮城氏319票だった。「大学法人の管理運営、教育研究などにリーダーシップを発揮、大学の改革や発展に寄与できる」を理由に決めた。  大城氏は1951年、鳩間島生まれ。74年琉大法文学部卒、77年広島大学大学院経済学研究科修了。89年に琉大法文学部助教授。同大アジア太平洋島しょ研究センター長などを経て2008年に副学長、09年から理事。 "[he-forum 17397] 日本経済新聞12/20","日本経済新聞2012年12月20日付 浜田東大学長「秋入学は社会の課題」 大学改革シンポ  東京大が提唱した秋入学への全面移行構想などを議論する大学改革シンポジウム「秋入学と人材育成」(日本経済新聞社主催)が19日、文京学院大(東京・文京)で開かれ、約700人が耳を傾けた。  基調講演した浜田純一・東大学長は「秋入学は大学教育のありようの課題であると同時に、若者を育てる社会の課題だ。社会の環境条件がどう整えられていくかにかかっている」と述べ、産業界などに協力を訴えた。  続いて日本学術振興会の安西祐一郎理事長、立命館の川口清史総長、日本マクドナルドホールディングスの原田泳幸会長兼社長を交えてパネル討論。「入学時期だけでなく、討論を増やすなど大学教育自体の改革が必要だ」「企業も大学での人材育成にもっと関わっていくべきだ」といった意見が出た。 "[he-forum 17401] 共同通信12/18","共同通信2012年12月18日22時12分 13校の学部・大学院認可 文科相  田中真紀子文部科学相は18日、石巻専修大(宮城県)など公私立大計13校が来年度に予定している学部や大学院の新設を認可した。  内訳は、学部の設置が4校、大学院設置が2校、大学院研究科設置が2校、研究科の専攻設置または課程変更が5校。大学設置・学校法人審議会が17日付で認可するよう答申していた。  また、兵庫県立大や東京福祉大(群馬県)が大学院研究科の課程変更などを取り下げた。 "[he-forum 17395] 神戸新聞12/19","神戸新聞2012年12月19日付 神戸大、福田秀樹学長を再任  神戸大は18日、来年3月末に任期満了を迎える福田秀樹学長(65)=生物化学工学=を学内の学長選考会議で再任したと発表した。2期目で、任期は2013年4月1日から2年。  福田学長は京都大工学部卒で工学博士。化学メーカー勤務を経て94年に神戸大教授となり、同大大学院自然科学研究科長や同大自然科学系先端融合研究環長などを歴任した。09年4月、民間企業出身者として初めて同大学長に就任した。 (紺野大樹) "[he-forum 17399] 東京新聞12/20","東京新聞2012年12月20日付 大学独自の奨学金 返済必要ない給付型も 光田 洋子  大学受験を控える子どもがいる家庭は、年明けにはすぐ、受験校の絞り込みと出願準備が始まります。受験する大学が決まったら、親も入学案内などに目を通し、初年度納付金だけでなく翌年以降の年間納付金も確認しておくことが大切です。  学費などに不安があり、奨学金の利用を考えている方は、大学資料で奨学金制度についても見てみましょう。  日本学生支援機構が実施する「学生生活調査」によれば、大学昼間部で何らかの奨学金を受給している学生は二〇一〇年度に50%を超えました。そのうち80%以上が支援機構の奨学金で、その他の奨学金、または両方の利用者はそれぞれ8%前後にすぎません。しかし、支援機構の奨学金は貸与型のため、卒業後の返還が子どもの負担になることも。  そこでぜひ、大学独自に実施する返済の必要がない給付型の奨学金も調べてください。リクルートと文部科学省の研究チームが今年六月に行った合同調査では、国公立・私立大学の約八割に独自の給付型奨学金制度があり、私立大学では九割近くが実施しています。  独自奨学金の導入目的は「成績上位者の支援」が最も多く、受給基準も学力を重視する大学が半数近く。経済状況を重視するのは四分の一、残りが学力と経済状況を同程度に重視と答えています。  高校の成績や入試の成績上位者は、一年生から給付型奨学金を支給する大学も多く、二年目以降は在学中の成績によって年間数十万円の奨学金を支給する制度が複数あります。  子どもが給付型奨学金の受給を目指して学業に励めば、子ども自身の将来にも役立ち、卒業後の負担軽減につながります。(マネージャーナリスト) "[he-forum 17396] 毎日新聞茨城12/20","毎日新聞茨城版2012年12月20日付 筑波大:次期学長候補に永田教授を決定  筑波大の学長選考会議(議長=岸輝雄物質・材料研究機構名誉顧問)は19日、学長特別補佐の永田恭介医学医療系教授(59)を次期学長候補者として学内で公表した。教員の連署などによる推薦受け付け期間が12日で終了し、他に推薦はなかった。来年1月25日に学内投票を行い、同29日の選考会議で学長予定者を決める。  正式決定は文部科学相が行う。任期は来年4月から2年間。山田信博学長(61)は8月に脳梗塞(こうそく)を発症、リハビリ治療を続けている。10月に再任を望まない意向を示したため、次期学長の選考手続きが進められている。【安味伸一】 "[he-forum 17404] 読売新聞12/23","読売新聞2012年12月23日付 「最新鋭」備えた新病棟完成…筑波大付属病院  筑波大付属病院(茨城県つくば市天久保)の最新鋭の機器を備えた新病棟「けやき棟」が完成し、26日から運用が始まる。  新病棟は、地上12階地下1階で、延べ床面積は4万5746平方メートル。1976年に完成した現病棟の800床のうち611床を26日に移す。外来の診察は27日に始める。  大規模災害時も機能を維持できるよう、免震構造にしたほか、屋上にヘリポートを設けた。1階の「けやきプラザ」(約400平方メートル)は地域のイベントなど多目的に使い、病院群の災害対策本部にもなる。  患者を動かさず、脳腫瘍などの手術をより安全に進めるため、移動式の磁気共鳴画像装置(MRI)を国内で初めて導入。心臓や脳の手術で精度の高い画像が得られるよう、ベッドで血管造影ができる「ハイブリッド手術室」も備えた。  患者のプライバシーに配慮し、一般病室のベッド数を5から4に減らしたほか、窓を大きくし、ゆったりとした感じを出した。12階には筑波山系が一望できる展望ラウンジがある。  筑波大と県、つくば市は「国際戦略総合特区」の指定を受けており、新病棟では生活支援ロボットの実証実験も行われる。  新病棟は2010年7月に着工。建物と機器の総経費は約365億円。建設や維持管理に、民間資金やノウハウを活用して社会資本整備を進める「PFI」方式を国立大学病院としては全国で初めて導入した。病棟名は、市の木がケヤキであることなどから付けられた。現病棟は今後、研究などにも使われる予定。 "[he-forum 17405] しんぶん赤旗12/22","しんぶん赤旗2012年12月22日付 ネットカフェに泊まって就職活動 賃金安くて奨学金返す見込みない 給付制奨学金急いで 全学連が議員要請  全日本学生自治会総連合(藤浦修司委員長)は21日、参院議員会館の各党議員室を訪ね、学費負担軽減や、高等教育予算の増額などを要請しました。大阪府や愛知県など各地から学生28人が参加。高額な奨学金の返済や就職難に苦しむ実態を告発し、「給付制奨学金を早急につくってほしい」「就職活動と勉強を両立できるようにするべきだ」と訴えました。日本共産党は井上哲士参院議員が応対しました。  日本福祉大学4年の男子学生(22)=名古屋市=は、卒業後、奨学金の返済を約300万円も抱えることに大きな不安を覚えると話し、「自分に子どもができたとき、お金の面で大学に行かせてあげられない状況をつくりたくない」と訴えました。  給付制奨学金の創設を強く訴えた立命館大学4年の男子学生(22)は、後輩が返済への不安で奨学金を借りられず、1日3食すらまともにとれずに学校生活を送っているとのべました。「お金がないと学べない状況を何とかしてほしい」と語りました。  「就職活動で遠距離の会社へ面接に行くのに月数万円も交通費がかかる。インターネットカフェに泊まって就職活動する学生もいる」「就職が決まっても賃金が安くて奨学金を返せる見込みがない」「学費が高くて進級したいと親にいえない」など学生の切実な実態が次々にあげられました。  井上議員は、政府が国民の運動に押されて、高校・大学までの段階的な無償化を定めた国際人権A規約(13条2項b、c)の留保を撤回したことにふれ、「みなさんの実態を聞きながら、給付制奨学金の創設など力をつくしていきたい」と語りました。 "[he-forum 17402] 秋田魁新報12/22","秋田魁新報2012年12月22日付 2012秋田この1年 取材ノートから [大学不認可騒動] 「田中流」受験生を翻弄 異例の政治判断で混乱  今月18日、来春開学する秋田公立美術大の推薦入試と3年次編入試験の合格者が発表された。美術大の母体となる秋田公立美術工芸短大のキャンパス(秋田市新屋)に、合格者計37人の受験番号を掲示。編入試験に合格した美短2年の女子学生(20)は「自分の番号があってよかった」と笑顔を見せ、新たな学生生活に期待を膨らませた。  秋田公立美術大の新設を祝う横断幕を歩道橋に掲げる住民有志。田中文科相の 1カ月半前の11月上旬は来春開学の見通しが立たず、美術大志望者に大きな動揺が広がっていた。田中真紀子文部科学相が突然、美術大の新設を「不認可」としたからだ。  その後「不認可」から「再審査」、「認可」へと判断が二転三転。結局、文部科学省の大学設置・学校法人審議会の答申通り「認可」で決着した。とはいえ、1週間近くに及んだ「田中劇場」は志望者や大学関係者を振り回し、無用の混乱を招いた。「一連の騒動は何だったのか」。田中氏に翻弄(ほんろう)された人たちからは、ため息が漏れた。  来春開学を目指す秋田市は今年3月、美術大の新設を文科省に申請。諮問を受けた審議会は、文科省の大学設置基準に沿って審査し、美術大を含む3大学の新設を認める答申を出した。ところが、田中氏は設置認可を厳格化する必要があるとして、待ったを掛けたのだ。  大学の数が多過ぎるとの認識を示し、「大学の質が低下してきている」と主張。認可の在り方に一石を投じたと一定の評価を示す見方もあったが、3大学の新設とは切り離して検討するのが筋だった。理不尽な「問題提起」だったと言わざるを得ない。  審議会の答申を覆して文科相が不認可とした例は過去30年に一度もなく、異例の政治判断だった。秋田市は「裁量権の範囲を逸脱しており、到底承服できない」(穂積志市長)と猛反発。他の2大学や国会からも批判の声が上がった。  包囲網に屈する形で認可に転じた田中氏は「大学設置の在り方の見直しは、かなりの方が賛成していると分かった」と翻意の理由を説明した。だが、精いっぱいの強がりのようにも聞こえた。  田中氏は11月下旬、大学設置認可の在り方を見直すため、有識者による検討会を設立したものの、16日投開票の衆院選で新潟5区に民主党公認で出馬し落選。民主党も政権から転落し、田中氏主導の「改革」は実現しないまま終わりを迎える。 大学不認可騒動  田中真紀子文部科学相は11月2日、来春に予定していた秋田公立美術大、札幌保健医療大(札幌市)、岡崎女子大(愛知県岡崎市)の新設について「残念ながら認可するわけにはいかない」と発言した。大学側の反発を受け、6日に「新基準で再審査する」と表明。翌7日には「現行基準で新設を認める」と全面撤回に追い込まれた。 "[he-forum 17403] 毎日新聞12/23","毎日新聞2012年12月23日付 秋入学:7大学「春と併存が理想」 前回より2増  東京大が5年後導入を目指す「学部生全面秋入学」に関し、主要12大学の「懇話会」参加校のうち、東大以外の11大学中7大学が「入学時期は春秋併存」を理想としていることが毎日新聞のアンケートで分かった。今年6月の前回調査より2校増えた。就職や国家試験の日程も依然春入学前提となっており各大学が現実的な対応を探る様子がうかがえる。【福田隆】  調査は11月、東大が呼びかけた「教育改革推進懇話会」のメンバー12校のうち、東大を除く11校(北海道、東北、筑波、早稲田、慶応、東京工業、一橋、名古屋、京都、大阪、九州)に、電子メールで実施した。東大は秋入学導入にあたり、懇話会メンバーを中心とする他大学との連携を重視している。  「学部生全面秋入学」案への賛否は、賛同2(前回3)▽どちらかと言えば賛同3(同2)▽どちらかと言えば賛同できない1(同2)▽賛同できない0(同0)。「どちらとも言えない」が4(同4)だった。  東大が今年9月の中間とりまとめで示した「春入学、秋始業」案への賛否は、賛同2▽どちらかと言えば賛同3▽どちらとも言えない5。不賛同はなかった。賛同理由として「現行の制度的・社会的枠組みの範囲内での対応がおおむね可能」(北海道)▽「より柔軟な国際化への取り組みを可能とする点に注目」(慶応)など、実現可能性の高さを評価。京都大は両案への賛否を示さなかったが、松本紘学長は11月29日、アンケートとは別の毎日新聞の取材に対し「秋入学」の見送りを明らかにしている。  理想的な入学時期は、春秋併存7(同5)▽秋を基本2(同3)で、「春を基本」はゼロ。前回調査時と比べると、慶応が無回答から、九州が「秋を基本」から、それぞれ春秋併存に変わった。 ◇最善策見つけたい  東京大広報課の話 各大学は、それぞれの実情に応じて国際化を検討しており、入学時期など学事暦についても多様な考え方があることは当然。諸大学と学事暦の見直しに関する情報交換をしながら最善策を見つけたい。 "[he-forum 17408] 北海道新聞社説12/25","北海道新聞社説2012年12月25日付 大学不正経理 業者との癒着にメスを  北大と道教大で、教員が業者に多額の「預け金」を繰り返してきた実態が明らかになった。  道教大の教授は私的流用が判明した。預け金がこれまでの調査で総額2億円に達した北大も、私的流用がなかったか調査を進めている。  流用があった道教大教授は、家族名義の宿泊代などを預け金から捻出していた。大学の教壇に立つ者として許されない行為だ。  北大はまだ中間報告の段階で、今後、期間を拡大して調査を退職教員にも広げる。徹底解明し、うみを出し切らなければならない。  預け金は、年度末に使い切れなかった研究費を業者に預け、後で別目的で使う行為である。  交付元である国などへきちんと返還するのが筋だ。  北大の調査結果で看過できないのは、預け金防止策を強化した2007年度以降も、架空取引という手法で不正が続いていたことである。  北大は、納入物品を監視を兼ねた納品受付センターでチェックする仕組みにしたが、あとで物品を業者に持ち帰らせて代金をそのまま預け金にするなど抜け道があった。  見つからない限り不正経理は続けていいとする感覚がまん延していたとすれば、悪質と言わざるを得ない。研究費は公金という認識が欠けているのは明白だ。  業者にとっては、預け金が生じても、次年度以降の契約が取れれば、長い目でみて利益が出せる。中間報告は、教員と業者のもたれ合いが続く限り、完全には防げないこともうかがわせる。  懸念されるのは、業者との癒着は、横領や収賄といった犯罪にもなりかねないことだ。  京大の元教授が現職時代、特定の医療機器販売会社に総額4億円余の物品を発注した見返りに、海外旅行費用などを肩代わりさせ、収賄容疑で逮捕された事件は記憶に新しい。  北大はこれまで約100人の教員から事情を聴取し、35人の不正経理を認定した。預け金について、多くは研究費を使い切るのが目的で、別の研究や物品購入に充てていたと説明しているという。  研究費を単年度で使い切らなくてはならない制度は現実的ではないとの指摘がある。結果を出すまでに長い年月を要する研究もあるからだ。次年度に持ち越せる仕組みを検討しなければならない。  教員の直接発注を禁ずる対策を取っている大学もある。北大も納品後の抜き打ち検査などを検討中だ。  教員一人一人があらためて、研究者としての倫理観を自らに問うべきだろう。 "[he-forum 17406] 朝日新聞12/26","朝日新聞2012年12月26日付 国立大、来春の定員減 「学生の質の保証」狙いも 国立大・大学院の定員数と18歳人口の推移 【小林恵士】国立大・大学院の入学定員の総数が来年度、減少に転じる見通しだ。文部科学省の集計でわかった。18歳人口が減る一方、例外措置があった年を除いて定員は増え続けていたが、大学進学率が5割を超す中、学生の質の確保を目的に定員を減らす大学も現れた。  18歳人口は、第2次ベビーブーム世代が18歳になった1992年度に約205万人で60年代後半に次ぐピークを迎えた。その後は減少が続き、2012年度には約119万人まで減った。一方、国立大・大学院の定員は、92年度の13万5067人から、12年度は15万5212人に増えた。13年度はここから36人減って15万5176人となる見通しだ。  過去には99、00年度に前年度比で減少した例があるが、18歳人口のピークに合わせた定員増特例の解除に伴う例外的な減少だった。  また、大学院を除き、大学の学部定員に限った場合にも減った例はあったが、91年に旧文部省の大学審議会(現中央教育審議会)が大学院の整備充実を掲げたことなどを受け、ほとんどは同時に大学院修士課程の定員を増やしており、合計は増え続けていた。  今回象徴的なのは、佐賀大。「学生の質の保証」のため経済学部の定員を275人から15人減らした。その分大学院定員を増やしたわけではなく、異例の「純減」だ。学内調査で、入試倍率が2倍を切ると入学者の学力が下がる結果が出ており、12年度に1.7倍だった経済学部の定員減に踏み切った。  佛淵(ほとけぶち)孝夫学長は「学力が低いまま入った子は、辞めたり卒業できなかったりするケースが多い。母数(18歳人口)が減っているのだから、定員を減らすのは当然。後に続く大学も増えるだろう」と説明する。  文科省の担当者は「国立大が、質の保証を目的に定員を減らすのは例がない」とし、「教育を受ける機会を奪わないよう、近くに同様のことが学べる大学があるかなどに配慮が必要だ」と話す。  大学教育に詳しい矢野眞和・桜美林大学教授は「18歳人口が減る中、定員を今まで増やし続けてきたのが鈍感。定員を減らす動きは必然の流れ。経営戦略として、学生の質を担保するという考え方は合理的だ」と話している。 "[he-forum 17407] 四国新聞12/26","四国新聞2012年12月26日付 地域医療充実へ寄付講座を設置/香川大と高松市  過疎化や高齢化が進む地域の医療体制の充実に向けて、高松市と香川大(長尾省吾学長)は25日、同大医学部に寄付講座「地域包括医療学講座」を設置する協定を結んだ。幅広い診療能力を持つ専門医の育成と確保が目的。  同講座では、同学部の研修医らが、市民病院塩江分院(塩江町)と付属香川診療所(香川町)の2カ所を対象に、診療や研究を実施する。設置期間は2013年1月から16年3月末までで、寄付総額は1億5千万円。  この日、市役所で調印式があり、大西市長や長尾学長らが出席、協定書に署名した。大西市長は「全国的な医師不足で医師の確保が困難な状況。地域医療の充実に向け、全面的に協力していただきありがたい」とあいさつ。長尾学長は「大学は地域貢献を重視しており、今後も継続してやっていきたい」と述べた。 "[he-forum 17410] 日本経済新聞12/28","日本経済新聞2012年12月28日付 大学設置審査を厳格化 下村文科相「第三者がチェック」  下村博文文部科学相は27日未明の記者会見で、大学の設置認可制度について「既に800近い大学があり、全入時代を迎えている。経営が成り立つのか、地域性やニーズを第三者の目できちんとチェックする必要がある」と述べ、審査を厳格化する考えを示した。  設置認可のあり方を巡り、田中真紀子前文科相は有識者検討会を設けた。下村氏は「大学は国力そのもので質と量の両方を充実する。検討会の議論を聞いた上で認可後の経営のフォローも強化していく」と話した。  高校授業料無償化制度は2014年度以降に所得制限を導入すると表明。自民党では年収700万円とする案が出ており、下村氏は「公私間格差や経済の状況、低所得世帯の支援策を踏まえて総合判断する」とした。  いじめ問題への対応は「出席停止制度の活用など、今すぐできる対策を断行する」とした上で、総合対策を盛り込んだいじめ防止対策基本法の策定に取り組む考えを示した。自民党が公約に掲げた幼児教育の無償化は「厚生労働省などと協議し、できるだけ早く実現したい」とした。  教科書検定基準の見直しについては「(愛国心の育成などを明記した)改正教育基本法が施行されたのに教科書があまり変わっていないという問題意識がある」と述べ、現状や課題を整理した上で判断するとした。道徳教育の教科化も「中央教育審議会で改めて審議したい」と意欲を見せた。  下村氏は27日午前、文部科学省で田中氏から引き継ぎを受けた。田中氏は、福島第1原発事故の避難住民を訪れたことに触れ「避難者は国の支援を求めているが世代ごとに要望が違う。具体的にできることにすぐ着手することが大事」と助言し、さばさばした表情で引き継ぎ書類に署名した。 "[he-forum 17409] 陸奥新報12/29","陸奥新報2012年12月29日付 弘大損失1億5700万円/病院の不適切支給  2010年に発覚した、弘前大学医学部附属病院で医師の超過勤務手当の不適切支給があった問題で、弘大は28日、調査の結果、大学の損失が約1億5700万円に上ることを明らかにした。超過勤務手当の未払い額は約4億5200万円、過払い額は約2億9500万円。弘大は問題に関わった現職の医師や、事務職員合わせて26人に戒告や訓告などの処分を下した。会見した神田健策企画担当理事は「社会的な問題を引き起こしたことをおわびしたい」と謝罪した。弘大は今年度中に精算を完了したいとしている。 "[he-forum 17414] 東京新聞1/4","東京新聞2013年1月4日付 電力業界 8国大に寄付 原子力工学などに17億円  原子力関連の研究に取り組む東京大や東北大、名古屋大など八国立大が、電力会社や原子炉メーカー、核燃料加工会社など電力・原子力業界から二〇一一年度までの五年間に計約十七億四千四百万円の寄付を受け取っていたことが三日、共同通信による各大学への情報公開請求で分かった。  大学側が受け取った寄付金はほとんどが提供先を指定されており、原子力工学などの研究者に渡った。原発の新たな安全基準を検討する原子力規制委員会の会合に参加する研究者も含まれていた。原子力規制行政に詳しい専門家からは「国の安全規制に影響する危険性があり、徹底的な検証が必要だ」との声が上がっている。  情報公開請求の対象は北海道大、東北大、東京大、東京工業大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大。過去に旧原子力安全・保安院の専門家会議などに参加した研究者が所属する研究科や研究所を中心に、電力会社や関連する企業などからの寄付の状況を調べた。  五年間で受入額が最も多かったのは東大の約五億六千万円。東北大の約四億一千七百万円、名大の約二億五千百万円、京大の約二億一千二百万円が続いた。東工大は約一億四百万円、九大約八千三百万円、阪大約七千九百万円、北大約三千八百万円だった。  大学関係者らによると、寄付金は学会に参加するための旅費や備品の購入のほか、寄付講座の開設に使われたという。  寄付したのは原発を持つ東京電力や日本原子力発電など電力八社のほか、電力会社関連企業・団体、三菱重工業や日立GEニュークリア・エナジーなどの原子炉メーカー、原子燃料工業などの核燃料加工会社。  大学に寄付する理由について業界側は「優秀な人材育成のため」(東電)と説明、寄付を受けた側で規制委の会合に参加する大学教授は「(規制委では)合理的な根拠に基づいて議論するため他の要素が入る余地はない」としている。 "[he-forum 17413] 中国新聞1/4","中国新聞2013年1月4日付 広島大病院診療棟4月に完成  広島大病院(広島市南区)の診療棟の外観がほぼ出来上がった。2013年4月の完成を目指す。手術室を増やして機能を強化。先端医療に取り組む「未来医療センター」と「スポーツ医科学センター」を設け、特色を打ち出す。  未来医療センターは、血管の再生治療やリンパ球を活性化して体内に入れる細胞療法など、最新の研究成果を診療に取り入れる。  スポーツ医科学センターは、広島東洋カープなどトップ選手の手術や治療の実績を生かし、故障の予防や運動機能の向上に力を入れる。先端医療とスポーツ医療は07年から、病院の将来構想の重点項目に掲げていた。  診療棟は地上5階地下1階建てで、延べ3万8560平方メートル。これまで5棟に分かれていた内科や整形外科、小児科、歯科、検査部門の大半を1~3階に集めて利便性を高める。4階の手術室は17室。これまでより4室増やし、予備の3室も設ける。  抗がん剤治療を受ける通院患者の増加に合わせ、化学療法室をこれまでの2倍に当たる28床にする。建設費は約120億円。さらに約77億円をかけて医療機器を購入する。放射線出力が従来の最大5倍となる最新の放射線治療装置リニアックも全国の国立大学病院では初めて導入する。  屋上庭園や壁面緑化、自然採光などを取り入れ、環境にも配慮した。外来診療の開始日は9月20日。茶山一彰病院長は「患者に優しく、21世紀にふさわしい医療に対応できる施設にしたい」と話している。 "[he-forum 17412] 陸奥新報1/4","陸奥新報2013年1月4日付 教育学部予算で「ラボ・バス」継続/弘前大  弘前大学教育学部が2008年度から取り組んでいる文部科学省特別経費による「教育力向上プロジェクト(通称ラボ・バスプロジェクト)」。本県全域の教育力の底上げを図ろうと、高度な実験機器を搭載できる移動教室用実験バス「ラボ・バス」を活用して県内の小・中・高校などで実施した移動教室や研修は300回以上を数える。同プロジェクトは今年度で終了するが、同学部は実績を踏まえて来年度以降、形を変えて学部の予算で継続していく方針だ。 "[he-forum 17411] 信濃毎日新聞1/3","信濃毎日新聞2013年1月3日付 駒ケ根市、駒工、東工大の連携事業スタートへ  駒ケ根市と市内の駒ケ根工業高校、東京工業大(東京)が連携し、同市の科学技術力の底上げを図る事業が2013年、動きだす。既に始まっている同校と同大の連携を土台に、市が橋渡し役となって市内企業も巻き込み、共同研究や学会誘致などを推進。新産業創出やものづくりの人材育成につなげる狙いだ。  同大の研究者や学生を同校や市内企業に招いての共同研究、学会や講演会、ゼミ合宿の誘致、同大の催しで同校や市内企業の情報を発信することなどを構想。同大は「大学で確立した研究成果の社会還元」、同校は「教育の充実による人材育成」、市は「地域産業の活性化」にそれぞれ期待する。  同校と同大は昨年、共同研究契約を締結。同校電気科の3年生が、同大原子炉工学研究所の林崎規託(のりよす)准教授や大学院生から助言や機材提供を受け、プラズマ(原子を構成する原子核と電子が分離して飛び回る状態)を発生させる実験に成功した。同大が工業高と共同研究契約を結ぶのは2004年の国立大学法人移行後初めて。先駆的な高大連携に市や市内企業も加わり、産学官連携のモデルを目指す。  当面は、林崎准教授を中心にプラズマの共同研究を継続。がん治療など医療分野への応用も期待されているといい、同准教授は「高校生や地域企業とのつながりを深める中で、どのような連携ができるのかを模索したい」と話す。将来は、研究テーマを他分野にも広げていく考えだ。  市商工観光課は「地域経済が厳しさを増す中、企業が新分野に目を向けるきっかけになり、新製品開発にもつながればいい」。同校電気科の関悟教諭は「ことしは駒工創立50周年の節目。上伊那唯一の工業高校の魅力をさらに発信し、地域の活力にもなればうれしい」と話している。 "[he-forum 17418] 産経新聞1/3","産経新聞2013年1月3日付 法科大学院修了でも…司法試験は不合格、法知識活用へ就活サポート  法科大学院は出たものの、法曹への道は断念-。そんな法科大学院修了者の就職活動を支援する動きが広がっている。新司法試験で不合格となった修了者が一般企業に職を求めても、年齢の高さに対して社会人経験が乏しいため、企業側に敬遠されるケースも多かった。こうした中、修了者の法的知識に着目し、企業への紹介を行う会社が登場。法科大学院側も「就職支援をアピール材料に」と同社と提携を始めた。(滝口亜希) ■気がつけば30歳  「学んだことを強みにできるのではないかと法務の仕事を希望したが、面接にさえ進めなかった」と就職活動の厳しさを振り返るのは関西学院大学法科大学院を修了した花(はな)畑(はた)雄(ゆう)さん(31)だ。  新司法試験では法科大学院修了後5年以内に3回の受験が認められているが、花畑さんは平成24年試験までに3度不合格に。いわゆる“三振”となり就職活動を始めた。このときすでに30歳。資格は普通乗用車の運転免許しかなく、就職サイトから応募した5社は全て書類選考で落ちた。  文部科学省によると、17~19年度の修了者約1万1500人のうち5年以内に合格したのは約5900人。ほぼ半分が受験資格を失った計算だ。企業への就職に切り替えても、さらに苦労する例は少なくない。  人材紹介を行う「モアセレクションズ」(東京都渋谷区)の上原正義社長(31)は「20代後半から就職活動を始めることになる一方、ほとんどの人は社会人経験がないため、企業が採用に慎重になる場合が多い」と打ち明ける。  ただ、同社では「契約内容の確認など法的素養がある人材が求められる場面は多い」と企業側のニーズに着目。修了生を対象に人材紹介を始め、インターンシップ期間を経て採用を検討してもらう方式などで、花畑さんを含めこれまで約120人の就職を斡旋(あっせん)した。  修了生の採用を検討する広告代理店「オフ・ザ・ボール」(福岡市)の小松誠(たか)昌(まさ)社長(33)も「顧問弁護士は業務の細かい事情までは把握していない。法律を分かる人が社内にいれば、現状に即した形で弁護士に要望を伝えられる」と、橋渡し役を期待する。 ■大学院も危機感  法科大学院側にも“就職難”への危機感が漂う。新司法試験全体の合格率低迷などを背景に、入学志願者数が減少しているためだ。  関西学院大学法科大学院職員の角(かど)谷(や)雄(ゆう)城(き)さん(32)は「本学の合格率だと、法曹になれない人の方が多い」と話す。24年試験を受けた186人のうち、最終合格者は27人。こうした状況を受け、同大学院では今年度からモア社と提携し、履歴書の書き方や面接方法を指導するセミナーを開催。希望者にはインターン先企業の紹介も行う。  角谷さんは「初めから企業就職を志望する学生は少ないが、入学志願者を確保する上でも教育機関として『出口』を整えておく必要がある」と指摘。「志願者向けのアピール材料にしていきたい」としている。 "[he-forum 17417] 読売新聞1/7","読売新聞2013年1月7日付 友達ができない 休学 独りぼっちが怖い・・・トイレで食事 レンタルフレンド  「気が合いそうな相手とペアになって」と促され、約70人の若者が2人ずつ向き合い、自己紹介を始めた。  関西福祉科学大(大阪府柏原市)に入学予定の高校3年生らを集めた<顔合わせ会>。行われたのは初対面同士、相手の得意なことを聞き出す「インタビューゲーム」だ。雰囲気は徐々に和み、あちこちでメールアドレスの交換が始まる。  友達作りの一助に、と3年前から開かれているこの会。「友達ができないからと、休学や退学してしまう学生もいるので」。司会を務めた准教授の長見まき子が、事情を打ち明けた。     ■    □  文部科学省によると、2012年度の大学の休学者は過去最高の約3万1000人に上り、ここ10年で1万人近く増えた。一方、内田千代子・福島大教授が57の国立大に行った09年度の調査では、休学理由は意欲減退などの「消極的理由」が31%で最も多く、この傾向は2003年度以降、続いている。  関西の国立大に通う翔太(24)(仮名)の場合、入学1か月で不登校になった。  中学や高校と違い、大学では自分で履修する授業を決め、その都度教室も変わる。待っていても誰も声をかけてくれない。でも、自分から話しかけるのは、変に思われそうでできない。気がつけば1人。「めしを食う相手もいない」と思われたくないと、トイレの個室にパンやおにぎりを持ち込み、息をひそめて食べた。  インターネットの掲示板を見ると、周りから孤立する学生は「ぼっち」と称され、バカにされていた。「大学に向かうだけで手が震え、腹が痛んだ。他人が怖かった」。6年前の苦悶(くもん)を、翔太は振り返る。  大阪大非常勤講師の井出草平らの調査では、大学で不登校となった学生の8割以上が、高校までは普通に登校していた。「今の学生はサークルや部活にかつてほど参加していない。友達作りで最初につまずくと、ずっと孤立してしまう」。井出はこう指摘する。     □    ■  「ついてきてもらえませんか」。浩一(25)(仮名)が昨夏、電話で依頼した先は東京都内の便利屋「クライアントパートナーズ」。ダンスを楽しむ若者でにぎわう「クラブ」に行きたくなり、「レンタルフレンド(友達代行)」という有料サービスを申し込んだ。  友達役の女性2人が同行し、3万円。フリーターには痛い出費だが、1人で行くのは嫌だし、知り合いを誘って断られるのもつらい。  1週間後の深夜。「浩一さん、踊れますか」。女性たちは笑顔を絶やさず、気さくに話しかけてくれた。1時間ほどでクラブを出た後も、レストランで明け方まで楽しく過ごした。  「無条件に受け入れてもらえる安心感がある。孤独が癒やされた」。そう喜ぶ浩一は学生時代、仲良くなれると思った相手に自分の話ばかりして嫌がられた。「傷つくくらいなら、お金を使った方がいい」と言う。  同社へのレンタルフレンドの依頼は月数十件。多くは、他人との距離感に戸惑い、悩み、自信を失った若者からだ。代表の安倍真紀(37)は「確固たる自分の価値観がないから、他人の評価を必要以上に気にしてしまう。でも彼らは往々にして、ネット上では交友関係が広い。それは相手の顔色をうかがう必要がない一方通行のコミュニケーションですからね」と話す。  親に勧められてのぞいた自助グループに通い、その後、立ち直ることができた翔太には、レンタルフレンドを利用する若者の気持ちが、痛いほどわかる。「本来、友達とかと一緒に行くべき場所に、1人で行くという選択肢はないんです。こんなところに1人で来ているやつって思われるのって、しんどいんですよ」(敬称略) "[he-forum 17416] 読売新聞1/5","読売新聞2013年1月5日付 埼玉大、ハイチの教育復興支援  埼玉大学(さいたま市桜区)は、3年前のハイチ大地震で甚大な被害を受けた中米の島国・ハイチの教育復興支援を始めた。  2012年度からの3か年計画で同国から視察団を受け入れて、教員養成の仕組みを学んでもらったり、実際に学校を見てもらったりする。  ハイチの支援を継続的に行っている国際協力機構(JICA)と連携協定を結んでいる縁で、JICAから教育面での支援を提案され、快諾した。JICAなどによると、ハイチではそもそも教員の養成・研修の方法が確立されておらず、免許がないまま授業をする教員が多かったうえ、その教員も震災で700人以上が犠牲になった。次代を担う子どもたちの教育を立て直す見通しが立たない状態が続いているという。  同大やJICAは、12年度から3年がかりで支援をする「ハイチ教育復興・開発セミナー」の計画を立てた。初年度はまず、同国の教育省幹部を招き、日本の教育システムを視察してもらった。また、県教委とさいたま市教委の協力を得て、小中学校・高校の授業や運動会の見学をしたり、県立総合教育センター(行田市)で教員の研修を視察したりした。  同大は新年度、また秋に視察団を受け入れる予定。ハイチの教育改革につながるより具体的なカリキュラムを策定していく方針だ。 "[he-forum 17415] 日本経済新聞社説1/7","日本経済新聞社説2013年1月7日付 国力を高める(5) 多様な人材が革新と成長を生む  国籍や性別、年齢などにとらわれず、多様な人材を組織に集める「ダイバーシティー」が日本でも重視され始めている。  日産自動車は社内の上位98のポストのうち48を外国人が占める。新型車の企画などの現場でも外国人はざらだ。スイスのネスレなどの欧米企業のように、国籍が多様で価値観や感性の異なる人材が協力して新しいものを生みだす。 外国人や女性が貢献  たとえば人気車の小型多目的スポーツ車(SUV)「ジューク」。SUVらしい頑丈さとクーペの軽快さという相反する要素を融合したデザインは、英国の拠点の案をもとに日本で仕上げた。  女性の視点も企業にとって貴重だ。ローソンはプライベートブランド(PB=自主企画)商品の試作品を女性社員が評価する。使い勝手の良い日用雑貨や健康志向の食品などの開発につなげている。  人口が減るなかでも労働力の減少を抑え、経済の活力を損なわないためには、女性や高齢者の就業をもっと促さねばならない。  政府の試算によれば2010年で6298万人の就業者数は20年に5937万人に落ち込むが、女性、高齢者や若者の就労を進めれば20年時点で6289万人と、10年並みの労働力を保てる。  職歴や経歴の異なる人材を取り込む中途採用も多様性を高める。情報技術(IT)分野では外部から採った人材が斬新な発想で新規事業を伸ばしている例が多い。  環境・エネルギー、医療関連などの成長分野を伸ばすうえでも、専門性のある中途採用者は重要な担い手になるだろう。  日本社会は長らく、日本人の「男性」「新卒者」で組織を固めてきた。男性が家計を支え、女性は家事といった暗黙の分担があった。勤続年数に応じて賃金が上がる年功制では社員を生え抜きで固め、入社年次ごとにグループ分けする必要があり、そこから生まれたのが「新卒一括」採用だった。  そうした人材の自前主義は同質で硬直的な組織を生む。グローバル化や技術革新の速さについていけない。人材の多様性を高めることは時代の要請だ。  にもかかわらず、日本のダイバーシティーへの取り組みは欧米に比べ周回遅れだ。外国人の大学新卒者を採用し、日本で勤務してもらう企業は一部にとどまる。中途採用は広がりを欠き、働く女性の6割が出産を機に退職する状況はこの20年変わっていない。  多様な人材を受け入れにくくしている仕組みや慣行を改める必要がある。まず、「あうんの呼吸」で動く日本の組織のカルチャーだ。企業が外国人や中途入社者に力を発揮させるには、どんな仕事をどこまでこなせば昇進や昇給につながるか、明確な説明が不可欠になる。世界では当たり前の人材マネジメントだ。  今も根強い年功制を見直し、実力主義でポストや報酬を決めることも、外部から採った人材に活躍してもらうには避けられない。日本的な人事・処遇の改革をダイバーシティー経営では迫られる。 大学入試を変える時  政府の後押しも要る。たとえば出産で退職した女性が就業しやすくするため、保育士の数などの国の基準を満たした認可保育所を増やす必要がある。規制緩和で企業が認可保育所を運営できるようになって10年あまりたつが、企業の参入を自治体が認める例はまだわずかだ。こうした裁量行政を国は許すべきでない。  多様な資質や能力を持った人材を社会に送りだすために、均質性を重んじすぎる学校教育のあり方を見直す必要もある。そのなかでも重要な課題は大学入試の改革だろう。選抜のモノサシを変えればさまざまな学生に道を開くことができるし、高校以下の教育も変わらざるを得なくなる。  1990年に始まった大学入試センター試験は、もっぱら受験知識をどれだけ身につけているかを問い、小数点刻みで受験生をふるい落とす役割を担ってきた。  こうした選抜を続けていては本当に優れた能力は発掘できず、多様な人材をみすみすとり逃して「受験秀才」ばかりを社会に送り出していくことになる。センター試験の大学入学資格試験への転換や、大学ごとのもっと手間ひまをかけた選抜への改革を急がなければならない。それもダイバーシティーを実現する道筋になる。 "[he-forum 17419] 西日本新聞社説1/8","西日本新聞社説2013年1月8日付 大学改革を考える 主体的に学ぶ姿勢を育てよう ■2013確かな明日へ■  参加した大学人ら教育関係者は、よほど頭を悩ませているのだろう。  「グローバル時代の人材育成」を主要テーマに昨年12月、九州大が福岡県教育委員会と福岡市内で開いたシンポジウムでのことだ。「そんな能力を身に付けるには、どうしたらいいのか」と会場から質問が相次いだ。  質問を受けたのは九大の卒業生で、国際ビジネス界に身を置く立場からパネリストを務めたパソコン販売大手レノボ・ジャパンの渡辺朱美社長だ。  人や物、金、情報が地球規模で往来するいま、渡辺社長はシンポで「自律的に自分で考え、行動できる能力」と「価値観や考え方が異なる多様な世界を受け入れ、自分の考えを伝えるコミュニケーション能力」を持つ人材が求められている、と力説したからだ。  質問に対し、渡辺社長は「(自らの意見を論理的に述べ合う)ディスカッション中心の授業」を教育界に求めたうえで「やはり練習であり、慣れだと思う。教えてできるものではない。何度も経験することだ」と説いた。  考え行動する力も、コミュニケーション能力も近年、日本人に必要とされる資質であり特段、目新しい指摘ではない。しかも、その課題を解消する方策が「訓練」だというのである。  小難しく考えることはない。もちろん、それだけではなかろうが、小中学校から高校、大学と各段階で「経験」を地道に積み重ねることこそ、難題を解く近道だ‐ということだろう。 ▼グローバル時代に  21世紀に入り、すでに10年以上が過ぎた。大学の定員と志願者数がほぼ一致し、望めば誰でもどこかの大学に入れる大学全入時代を迎え、あらためて大学教育のあり方が問われている。  中央教育審議会の大学教育部会が「大学生にもっと勉強させよう」と提言したのは、昨年春だった。全入時代で学生の質の低下が懸念される一方、グローバル社会に対応できる能力育成が懸案となっている背景がある。  提言は現代を、グローバル化や少子高齢化などで社会が激変し、将来予測が困難な時代と定義し、大学の役割に「生涯学び続け、主体的に考える力の育成」を掲げたのが最大の特徴だ。  具体的に重視したのが勉強時間である。東京大などの調査によると日本人学生は授業を含め1日平均4・6時間で、欧米の学生の半分程度という。  大学教育部会は、その要因について学生は授業には出るものの自主的な予習・復習が少ないため‐と分析し、授業の前後に予習・復習をしっかりするなど「主体的な学び」を提唱した。  入学さえすれば、自分から学ばなくても卒業できる。かつてはそうだったとしても、これからはそうはいくまい。社会がどう変わるか予測が難しい時代であり、学生には自ら未来を切り開く努力が求められ、大学にはそうした主体性ある人材を育てる責任がある。  九大シンポで渡辺社長が唱えた能力を若者が獲得し、今後の社会を生き抜くためには、一方的に講義を聴く従来型の受動的学習から、自ら課題を発見して答えを見いだす課題解決型の能動的学習への転換が必要だろう。  無論、最低限の基礎学力は欠かせない。しかし、習得した知識の量を誇る時代は過ぎた。知識を活用して課題を解決する力こそが求められている。  中教審は、その後の答申で、双方向形式の講義や実習などのほか、インターンシップ(就業体験)、ボランティア活動、留学など、幅広い学びの場を提供するよう、大学に要望した。  これまた広い意味で、価値観が異なる多様な世界を前提に対話を重ね、課題に立ち向かう「ディスカッション中心の授業」に通じるといえよう。  大学は「学生は自分で勉強するものだ」とする固定観念に甘え、人材を育てる使命を軽視しがちではなかったか。研究と教育が大学の両輪だが、教育の側面が弱かったという声もある。  文部科学省が全国の国公私立大の学長に聞いたところ、「授業が退屈」と認めた学長が3割を超えた。本当に学生本位の授業をしているのか。大学は真摯(しんし)に反省すべきときであろう。 ▼入試も一体改善を  いまの学生は「学ばない」といわれるが、「学び方を知らない」といった方がより正確である。知識を得る以外、学び方を習って来なかったのだ。  小中学校では、学習指導要領の趣旨である「考える力」育成に力を入れている。だが、まだまだ高校までに主体的に学ぶ習慣は定着していない。この断絶をどうしたらいいのか。九大シンポでは、そんな問題提起もあった。  一方通行の授業を見直すなら、大学入試も一体的に変える必要がある。  知識量よりも思考力を測るよう、手間をかけてほしい。一発勝負、1点刻みの選抜も排除したい。そうした入試が浸透すれば、小中学校はもちろん、高校の教育も変容せざるを得まい。  九大の有川節夫学長は「課題を与えて考えさせれば、学生はついてくる。学生の力を信じる」とシンポジウムを締めくくった。学校教育の頂点に立つ大学が変わらなければならない。  大学改革は待ったなしである。 "[he-forum 17420] 山形新聞1/11","山形新聞2013年01月11日 09:17 山形大の「重粒子線」研究費に10億円 政府方針、補正案に計上  山形大が医学部(山形市飯田西2丁目)への整備を目指している「重粒子線がん治療施設」について、政府が2012年度補正予算案に研究開発の費用として 約10億円を盛り込む方針を固めたことが10日、分かった。診療現場での将来的な活用を想定した治療装置・システム開発を主眼にした補助金で、北海道・東 北では初となる最先端医療施設の実現へ、大きな一歩を踏み出すことになる。  重粒子線によるがん治療装置が現在、稼働しているのは、放射線医学総合研究所(千葉市)、兵庫県立粒子線医療センター(たつの市)、群馬大(前橋市)の 3カ所で、導入事業が進行しているのも佐賀県と神奈川県の2カ所だけ。がん細胞に対して従来のエックス線などより破壊力があり、正常な細胞へのダメージが 少ないといった治療面のメリットがある一方、初期投資とともに高額な維持・運用経費が導入へのネックだ。  関係者によると、山形大が研究開発に取り組むのは、重粒子線の照射状況に応じて電力供給を制御するなどし、低エネルギーで稼働する省エネ型のがん治療装置・システムとされる。導入促進へ、維持・運用経費の軽減につながる新たな技術の確立が期待されているという。  また、同大医学部付属病院など東北各県のがん拠点病院で組織する「東北がんネットワーク」は昨年8月、「粒子線コンソーシアム」を発足し、事業への協力を確認。治療装置・システム開発に合わせ、同大が高度先進医療ネットワーク構築への役割も担うことになりそうだ。  山形大は04年から医学部を中心に重粒子線がん治療装置の導入を検討。昨年は大学の実行計画に盛り込み、学内に設置準備室を設け、行政、財界も巻き込んだ開設検討会議を組織するなど準備を進めていた。  政府は12年度補正予算案を15日に閣議決定し、通常国会に提出する。 = "[he-forum 17423] 中国新聞1/11","中国新聞2013年1月11日付 山陰法科大学院存続アピール  司法試験の合格者低迷などで存続が危ぶまれている島根大大学院の山陰法科大学院(ロースクール)について、溝口善兵衛知事や財界人、島根、鳥取両県の法曹関係者たちが10日、存続を求める声明を発表した。文部科学省や最高裁、日弁連などに郵送する。  声明は、両県は弁護士が少ない司法過疎であると指摘。同法科大学院は人材を両県に輩出する責任を負っているとし、存続・発展のための支援を国や両県民に訴えている。  呼び掛け人は溝口知事をはじめ、古瀬誠山陰合同銀行会長や両県の弁護士会長たち25人。島根県庁で会見した同法科大学院の三宅孝之前研究科長は「少ないが着実に司法試験合格者を出し地域に根付いてきている」と強調した。呼び掛け人たちは今後、入学者増加に向け学生の学費を支援する組織の立ち上げを検討している。  2004年4月に設立された同法科大学院は12年度までに197人が入学し司法試験合格者は18人。本年度、合格率が6%と3年連続で全国平均の半分未満となり、入試競争倍率も0・75倍と2倍を下回ったため、新年度は国立の法科大学院として初めて国の補助金を削減される。 "[he-forum 17422] NHKニュース1/11","NHKニュース2013年1月11日6時40分 「給付型」奨学金の創設を要望へ  奨学金を受けながら勉強する学生が急増し、厳しい雇用情勢のなかで、就職先が決まらないまま返還を迫られる若者も多いとして、弁護士や当事者などが、現在日本にはない「給付型」の公的な奨学金制度を創設するよう、国に求めていくことになりました。  文部科学省によりますと、国の奨学金制度を利用する大学生と短大生の数は、昨年度初めて100万人を超え、全体の4割近くに上っています。 アメリカやイギリスなどには返す必要がない「給付型」の公的な奨学金制度がありますが、日本にはありません。 このため、就職先が決まらないまま返還を迫られる若者も多いとして、10日夜、都内で、労働問題に詳しい弁護士や奨学金を返還する当事者たちが集会を開きました。 この中で、弁護士は「会社から賃金が支払われず、奨学金の返還が滞ったところ、延滞金を含めて厳しい取り立てにあっている、などの相談が多く寄せられている」と報告しました。 そして、今後、奨学金の返還に悩む当事者の相談にメールなどで対応するホームページを立ち上げるとともに、国に対して、給付型の奨学金制度の創設や返還が滞った際の延滞金の取り消しなどを求めていくことを決めました。 集会を開いた団体の伴幸生さんは、「大学や大学院を卒業する時点で、数百万から1000万円近くの借金を抱える現在の制度を、当事者の声を集めて改善していきたい」と話しています。 "[he-forum 17421] 読売新聞1/9","読売新聞2013年1月9日付 研究実用化へ東大などに1800億円出資  政府は、大学での基礎的な科学研究成果の実用化を促すため、国立大学や私立大学向けに計1800億円の資金を拠出する方針を決めた。  民間企業の資金も呼び込み、産学連携で基礎研究を具体的なビジネスに発展させ、経済活性化につなげる狙いがある。安倍政権が掲げる経済再生の柱として、11日にとりまとめる緊急経済対策に盛り込む。  具体的には、東京大、京都大、大阪大、東北大などの国立大に対し、年度内に計1200億円を出資する。  また、慶応大などの私大向けにも、独立行政法人の科学技術振興機構を通じて600億円を拠出する。  各大学は、政府の資金拠出を呼び水として、事業化のノウハウや資金力が豊富な民間企業、金融機関からの資金も受け入れる。これらの資金を使って大学の研究設備を整えたり、企業に研究者を雇ってもらったりして、産学共同で基礎技術の実用化を目指す。新たな商品やサービスを生み出し、一定の利益が得られれば、その一部を国に納める。 "[he-forum 17424] 佐賀大,賃金引き下げ撤回を求め学内デモ","佐賀大学の豊島です.私の大学では,国家公務員の給与7.8%削減 に倣って(国の要請を受けて),今年の5月から給与を同じ率だけ下げ ています.組合はこれまでこれに抵抗する行動は事実上何もして来ませ んでしたが,ようやく先月19日,ささやかながら学内デモが実施 されました.学内デモというのはずいぶん久しぶりのことなので,学生 も珍しそうに見てました. 大学当局は,大学に来る「運営交付金」が減額されてもいないのに,た だただ文科省による「パワハラ」を恐れて国のいいなりになったわけで すが,大学の自主性も何もない,労働者にとっての一方的な「不利益変 更」に抵抗しないというのでは,自分たちの利害もさることながら,学 生たちにも示しがつきません.これを見過ごしては「人権」や「大学の 自治」について学生に語る資格がなくなってしまいます. 他の大学ではどのような行動がなされているのでしょうか?あまり聞か ないので,このささやかなデモもニュースかも知れないと思い,お知ら せしました. (拙ブログに上と同様の文章と,写真2枚があります.) http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2012-12-19 関連した話題を一つ. 学内デモといえば,5年前に,法政大学構内でデモをやったというだけ で処分,起訴されるという事件がありました.(詳しくは拙ブログ記事 をご覧下さい.) http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2008-06-06 この事件はしかし,上のブログ記事にも書きましたように,人権や民主 主義を標榜する人たちの間でもほとんど無視されています.その理由は 「セクトがらみ」ということのようです. マルティン・ニーメラー牧師の「ナチが共産主義者を襲ったとき,自分 はやや不安になった」で始まる文章は,少なくとも左翼・リベラルの間 では有名です.しかし,この最初に襲われるとされる「共産主義者」と は字義どおり共産主義者に限られるものではなく,社会の中で少数派と 見なされ,あるいは異端視されているすべての人々を指すでしょう. この事件の逮捕者,被処分者を支援するブログです. http://www.geocities.co.jp/houdaikyuuenkai/ http://hosei29.blog.shinobi.jp/ 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://ad9.org/pegasus/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 17427] しんぶん赤旗1/13","しんぶん赤旗2013年1月13日付 学び支える 奨学金に 給付制実現・学費無償化を 「会」が署名行動  給付制奨学金の実現と教育の無償化を求める宣伝署名行動が12日、東京・JR御茶ノ水駅前で行われました。労働組合や学生の団体などでつくる「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」(奨学金の会)の取り組みです。  日本の公的奨学金制度は、卒業後に返済しなければならない貸与制です。OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国で授業料が有料で給付制奨学金がないのは日本だけです。署名は▽返済不要の給付制奨学金の実現▽公私とも高校無償化、大学の学費減免制度拡充―などを求めています。  全日本学生自治会総連合の藤浦修司委員長は「親戚からの借金で大学に通う学生、奨学金で数百万以上の借金を負うことができずに学びを諦める学生が大勢います。社会のこういう状況をなんとしても変えていきましょう」と訴えました。  「チェンジ! 学びを支える社会に」と書いた横断幕を掲げながら学生らが「奨学金拡充を求める署名です」「教育費無償化を」と呼びかけると、高校生や保護者など、1時間の宣伝で約130人が請願署名に応じました。  署名した東京都世田谷区の男子高校生(2年生)は「父が職を失い、大学生の兄と中学生の弟の3人兄弟を、母がパートで支えている」といいます。「卒業後の返済が怖くて、奨学金も利用していません。みんなが受けられる給付制の奨学金をつくってほしい」と語りました。 "[he-forum 17428] Newsポストセブン1/10","NEWSポストセブン 2013.01.10 16:00 高学歴プア 東大院卒就職率56%、京大院卒はゴミ収集バイト  学歴は武器、どころか足かせとなった。名だたる大学院を出ても非正規雇用、あるいは無職となってしまう者たちが続々と生まれている。そんな高学歴ワーキングプアの実態を『高学歴ワーキングプア』(光文社新書)の著者である評論家の水月昭道氏がレポートする。  * * *  京都大学大学院で博士号を取得したAさん。30代前半で他の大学の授業を週に2科目担当する非常勤講師だが、同時に毎朝の「ゴミ収集アルバイト」も続けている。生活を維持できないからだ。  大学の非常勤講師は1科目を担当すると月4コマ(1コマ90分)の講義を行なう。報酬の相場は1科目3万円だから、Aさんは月収6万円。生活費に 加え、資料代や研究費などの経費まで自己負担するため、アルバイトせざるを得ない。「超高学歴ワーキングプア」といったところだろうか。  こうした非常勤雇用は私大に多く有名大学で半分、中には7割に達するところもある。大学全体でも正規雇用(教授、准教授など)17万人に対し、ポ スドク、文系非常勤講師などを含めた任期つき非正規雇用は5万人程度で、ほとんどは任期1~3年。その他に非正規の働き口さえない者が5万人程度いるとさ れる。  発端は1991年に当時の文部省が始めた大学院重点化政策にある。21世紀には修士、博士の必要性が高まるとの予測のもとで始まり、1991年に10万人だった修士・博士は2011年には約26万人まで激増した(平成23年度 学校基本調査より)。  問題は“出口”が用意されていなかったことだ。例えば今、博士が大学教員として正規雇用されるかは、研究実績よりも「ポストに空きがあるかどう か」という要素が強い。院生を増やしても、上の世代がポストを空けなければ行き場はない。また、ユニーク学科の相次ぐ設立で大学側が教科ごとに正規教員を 抱える余裕をなくし、非常勤講師を増やしていく流れとも重なった。  こうして大学院重点化以降、特に文系の修士や博士となった40代前半から30代前半までが分厚い高学歴ワーキングプア層を形成しているのである。  大学を離れ、民間企業に就職しようにも彼らの活路は開けない。修士・博士の称号は民間就職にはむしろ足かせとなる。新卒一括採用、年功序列賃金を 温存する企業にとって、「学部卒と同じく就労経験はないのに、年齢は上なので高い給与を払わなければならない存在」である修士・博士の採用は敬遠されるの だ。東京大学の大学院博士課程修了者の就職率はたったの56%。文系修士でも75%だ。  文科省は修士・博士のキャリアサポートに乗り出し、企業とのマッチングを行なっているが、状況が改善する兆しは見えない。そもそもこうした施策が 取られた背景には、少子化で学部への新入生が減少する中で「大学院生を増やして食い扶持を維持したい」という大学側の思惑がある。これからも新入生は減少 を続ける。だから大学側は院生の数を適正化しようとしない。格差の底辺に突き落とされる高学歴プアは増加を続けることになる。 ※SAPIO2013年2月号 "[he-forum 17426] 福島民報論説1/14","福島民報論説2013年1月14日付 【進学と奨学金】希望をさらに支えよう  高校、大学の受験期を迎えた。生徒にとっては人生の大きな岐路となる。経済的な問題や格差が将来の妨げとなってはならない。公設の奨学金はあるものの、返還義務を負う「貸与型」が主軸だ。負担のない「給付型」を充実すべきだ。民間の支援にも期待したい。勉強や文化・スポーツ活動を通じて知識、技術、体験を得た若者は復興を目指す本県にも大きな力となる。  日本政策金融公庫の平成23年度調べで、県内で高校入学から大学卒業までに必要な費用は子ども一人当たり1055万5000円。前年度と比べて25万円増えた。一方で、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故に伴う家屋修理費や収入減、家族分散などが家計に影を落とす。奨学金が助けになるはずだ。  県奨学資金に「震災特例採用」が23年5月に設けられた。国の臨時特例交付金に基づく。震災や原発事故で被災した高校生や専修学校生に月額1万8000~3万5000円を貸与する。23年度は1545人、24年度は1332人が受給した。4月からも新たに募集し、26年度まで継続する。  さらに進学した際には返還を猶予する。卒業後1年目の所得見込みが基準未満なら全額を免除する。高校卒で320万円、大学卒で360万円。大半が返済不要となろう。実質的な「給付型」として評価したい。  ただ、大学生は特例採用の対象外だ。日本学生支援機構や県の貸与型奨学金などがあるが、近年は申請をためらう事例も目立つという。就職がうまくいかずに十分な収入が見込めない場合、返済が重い負担となるためだ。  新政権の下村博文文部科学相は高校無償化に所得制限を採り入れ、浮かせた財源で低所得者向け給付型奨学金を創設する考えを示している。早期に実現してほしい。  震災を機に民間の財団、団体が被災者向け奨学金を設けたり、拡充したりしている。支給額・数に限りはあるが、給付型が中心だ。昨年末発足したクリナップ財団は、大学生らに月額2万円を支給する奨学金制度をつくる。4月から募集する計画だ。東日本大震災復興支援財団による高校生対象の「まなべる基金 緊急支援奨学金」は8月末まで申し込みが可能だ。入学金や授業料の減額・免除措置を講じている大学や短大は多い。  生徒、学生も活用を探ってほしい。志望先や家庭の状態などの条件次第で、恩恵を受けられる場合がある。希望を持ち、自ら動けば道はさらに広がる。(鈴木 久) "[he-forum 17429] 山形新聞1/16","山形新聞 2013年01月16日 14:58 結城学長「山形を世界的拠点に」 補正案に山大重粒子線がん研究費  山形大が医学部への設置を目指す重粒子線がん治療施設について、政府は研究開発費として約10億円を15日の臨時閣議で決定した2012年度補正予算案 に計上した。これを受け結城章夫山形大学長は同日、山形新聞の取材に対し、待機電力を軽減する省エネ型の治療装置、東北一円から患者を集めるネットワーク システムの構築を進め、山形を重粒子線がん治療の世界的な拠点とする考えを示した。  北海道、東北地区で初となる同施設は東北大、弘前大も誘致に動いていた。結城学長は今回の研究開発費の予算化で「山形大が最短距離に位置付けられた」と強調した。  省エネ型の装置は重粒子線を照射しない時の電力供給を抑える仕組みで、電力が変動しても安定した磁場を発生する電磁石をメーカーや同大工学部(米沢市) と連携して開発する。東北一円から患者を集めるシステムは、各県のがん診療連携拠点病院などで組織する「東北がんネットワーク」を活用。画像などを相互交 換できる情報通信網を整備し、遠隔地の患者を事前に診断、山形大を訪れた際は即時治療ができるようにする。  結城学長は「重粒子線治療は日本が世界をリードしており、山形で開発した次世代型のシステムは海外への輸出も見据えている。施設を運営する海外医師らの育成を山形で担えれば、世界的な集積拠点になる」と語った。  約150億円と見込まれる施設本体の予算について、結城学長は全額を国の予算で賄うのは困難との見方を示した上で「東北の経済界、行政機関で組織した推 進協議会で企業、自治体からの資金支援を議論し、国の14年度予算の概算要求が始まる今年夏までに方向性をまとめたい」とした。 "[he-forum 17431] 中日新聞静岡1/15","中日新聞静岡版2013年1月15日付 法科大学院見直し議論 「地方」の意義訴え ◆20日、県弁護士ら都内シンポ  法曹養成制度について法科大学院の統廃合を含めた見直しが政府の検討会議で議論される中、静岡県弁護士会の弁護士らが二十日、地方や夜間の大学院の存在意義を考えるシンポジウムを都内で開く。静岡大など全国各地の大学院との共催。シンポの討論内容を検討会議に提出し、本年度末にもまとまる見直し案に地方の声を反映させたい考えだ。  法科大学院をめぐっては、司法試験合格実績の低迷を背景に、大学院間の格差拡大や志願者数の減少などの課題が浮上。文部科学省は大学院の再編を促すため、入学試験の競争倍率や司法試験合格率が低い大学院に対する交付金や補助金を二〇一二年度から削減している。  政府が一二年八月に設置した有識者による「法曹養成制度検討会議」(座長・佐々木毅学習院大教授)は、大学院など法曹養成制度の見直し案を本年度中にまとめた上で、パブリックコメント(意見公募)をする予定。これまでの議論では、地方や夜間の法科大学院に一定の配慮をする必要性を認めつつ、統廃合はやむを得ないとの意見も目立つ。  シンポを発案した静岡県弁護士会の内山宙(ひろし)弁護士(38)は「地方を離れられない人や仕事を辞められない人など、法曹への多様な人材の確保が司法の底力になる」と強調。自身も仕事を続けつつ夜間の大学院に通った経験から「司法試験の合格実績など数字だけで大学院を統廃合すれば、多様な人材が法曹を目指す機会が失われる」と訴える。  ただ、法曹関係者の間では法科大学院制度自体の存廃も論点になっている。弁護士有志でつくる「法曹人口問題全国会議」が一二年に全国の弁護士対象に実施したアンケートでは、法科大学院制度について反対が51%と賛成の26%を上回った。  シンポは「地方で目指す 夜間で学ぶ-法科大学院の成果と展望-」と題し午後零時半から筑波大東京キャンパス文京校舎(文京区大塚)で開催。国際法曹協会会長の川村明弁護士による基調講演などに続き、法科大学院の教員や出身者らが討論する。入場無料。 (赤川肇) "[he-forum 17433] 時事通信1/15","時事通信2013年1月15日18時52分 実用研究、大学に出資=iPS細胞など事業化促進-文科省  文部科学省は、大学の基礎研究の実用化を促すため、事業化が見込める研究開発を産学連携で進める大学に出資する。安倍政権が掲げる「経済再生」の一環で、今年度補正予算案に計1800億円を盛り込んだ。  対象となる分野は、創薬が期待される人工多能性幹細胞(iPS細胞)の応用研究のほか、インフラやエネルギー関連など実用化や事業化が近い研究開発。企業側にも3分の1から2分の1程度を出資してもらう。(2013/01/15-18:52) "[he-forum 17432] 読売新聞1/11","読売新聞2013年1月11日付 災害看護で初の共同大学院設置…国公私立5校  兵庫県立大など看護学研究科のある国公私立の5大学院が、災害看護の専門家を養成する初の共同大学院を創設する。  海外の被災地での救護や被災者ケアの政策立案に携わるなど、国際的にも活躍できる人材を育てるのが狙いで、2014年度の開校を目指す。  1995年の阪神大震災を機に災害看護教育に取り組む兵庫県立大のほか、高知県立大、東京医科歯科大、日本赤十字看護大、千葉大の各大学院。いずれも災害看護教育で定評がある。5年間の共同教育課程を設け、初年度の定員は10人。学生は各大学院に所属し、看護学に加え、都市工学や環境学、国際福祉、英語などを学び、他大学の特色ある講義はインターネット中継で受講する。災害拠点病院での実習や世界保健機関(WHO)など国際機関での就業体験にも取り組む。  背景には阪神、東日本大震災の経験を引き継ぎたいとの狙いがある。被災地では看護師が被災者の手当てに加え、避難所や仮設住宅を巡回し健康チェックや生活相談などを担当。さらに行政や医療機関と連携し、中長期的に被災者をケアしていくことが求められてきた。  2004年のインド洋大津波に遭ったインドネシアなどからは「日本の災害看護を学びたい」との声も寄せられ、5大学院が11年度からカリキュラムを検討。現在、文部科学省への認可申請を準備している。  兵庫県立大の片田範子・看護学研究科長は「孤独死防止や被災者支援体制づくりなど大震災で学んだことを伝え、一人でも多くの命を救えるリーダーを養成したい」と話している。 災害看護  看護師の知識やネットワークを生かして、被災者に寄り添い、災害直後の救命看護から健康維持、心のケアまで全般に関わる取り組み。地震などの自然災害や大火災、放射能事故などを想定する。1998年に看護師らでつくる日本災害看護学会、2008年には日、米など7か国が参加する世界災害看護学会が発足した。 "[he-forum 17430] 毎日新聞1/10","毎日新聞2013年1月10日付 東日本大震災:福島の避難高校生、国立大推薦枠検討−−下村文科相  下村博文文部科学相は9日、大震災と原発事故で避難生活を強いられた福島県の高校生について「推薦枠を設けられないか、国立大学に協力を求めたい」と述べ、大学入試で被災地推薦枠の創設を検討することを明らかにした。下村氏は、学校所在地が警戒区域になるなどした県立双葉、双葉翔陽、富岡の3高校生が学ぶ同県いわき市のいわき明星大敷地内のサテライト校などを視察し、校長との懇談の中で言及した。  双葉高には震災前の4分の1以下の119人の大半が親元を離れて寮生活しながら通学し、3年生67人は1人を除き進学を希望している。【中尾卓英】 "[he-forum 17435] 産経新聞ニュース1/18","産經新聞ニュース 2013.1.18 08:16 55歳以上の国家公務員、給与昇給停止へ 民主政権下の方針を転換  政府は、55歳以上の国家公務員の昇給を原則停止するよう求めた昨年8月の人事院勧告を、平成25年度から実施に踏み切る方針を固めた。民主党政権下では自治労などの支援団体の反発もあり、実施は見送られたが、政権交代に伴い、方針を転換した。  自民党は人事院勧告を尊重する立場で、先の衆院選公約では国と地方を合わせ、公務員の総人件費を2兆円削減する方針を打ち出しており、今回の措置はその一環。昇給の是非については最終的に、官房長官が主宰する関係閣僚会議で協議され、閣議決定される。 "[he-forum 17441] 共同通信1/17","共同通信2013年1月17日19時19分 東大に入札契約破棄求める 仕様書に助言、協定違反  東大が昨年6月に実施した入札をめぐり、事前に利害関係業者から発注仕様書への助言を受けたのは政府調達協定違反として、内閣府政府調達苦情検討委員会は17日、東大に落札業者との契約を破棄するよう求める提案をした。  検討委が違反認定したのは、材料設計などに用いる計算ソフトの開発事業の入札。大阪市の「ヴァイナス」が約2800万円で落札した。同事業は、文部科学省が2008~12年度に予算総額約23億円を計上して進めている研究開発プロジェクトの一部。 "[he-forum 17440] 中日新聞静岡1/18","中日新聞静岡版2013年1月18日付 大学飛び入学検討 知事が委員会設置表明  静岡県の川勝平太知事は十七日の定例会見で、高校、大学教育を見直すため、有識者らによる外部委員会を今春にも設置することを明らかにした。有馬朗人静岡文化芸術大理事長を中心に、県内の高校や大学の関係者を加えた組織とする考え。高校途中から大学に飛び入学できる制度導入や、実業高校での職業教育の充実などを検討してもらう。  知事は会見で「六・三・三・四制のうち、特に後半の青年教育を充実させたい。静岡が高等教育の先例になるようにしたい」と強調した。  担当する県文化・観光部によると、委員の人選や設置時期などは未定。下山晃司部長は「高校と大学、公立と私立の垣根を取り払って、課題を洗い出す。具体的なものはまだないが、学ぶ場の魅力を向上させたい」と話した。また、大阪市立高校で部活顧問の体罰を受けた生徒が自殺した問題で、知事は「体罰は言語道断。一貫して根絶に取り組んでいる」と訴えた。 "[he-forum 17439] 中国新聞1/18","中国新聞2013年1月18日付 広島大、大学運営に学生視点  広島大(東広島市)は17日、経営協議会学外委員と学生の公開意見交換会を同大サタケメモリアルホールで初めて開いた。学生の視点を大学運営に生かす狙いで、「社会から求められる人材になるには何が必要か」をテーマに大学の役割などを話し合った。  霞、東千田の両キャンパスともテレビ会議システムで結び、学生計約250人が参加。挙手をした約30人が自由に発言した。壇上に企業のトップや他大学の役員でつくる学外委員全7人や浅原利正学長たちが並び、それぞれ思いを述べた。  学生から「今のカリキュラムは必修科目が続いていて、長期留学など自発的な活動が困難」「スポーツなどを通じ、学生にあえて苦労させる仕組みがあっていい」などの意見が出た。企業が求める人材について学外委員に質問する一幕もあった。  元広島県教育委員長で広島文化学園理事の小笠原道雄委員は「課題を共有できたことが重要」などと話していた。 "[he-forum 17438] 四国新聞1/17","四国新聞2013年1月17日付 香大など7校「改善進まず」/中教審・法科大学院評価  中教審の法科大学院特別委員会は16日、教育内容などの面で問題がある法科大学院を対象にした2012年度調査で「重点的な改善が必要」と評価した10校を明らかにした。うち香川大など7校は「前年度から改善が進んでいない」と指摘、鹿児島大など3校は「一定の改善や努力をした」と認めた。  特別委は、教育内容や学生の質を高めるため(1)入学定員(2)厳格な成績評価(3)学生の意欲を高める取り組み―などについて問題があると評価した大学院を継続的に調査している。今回、重点校の他に「継続的な改善」を求められた法科大学院は信州大など19校だった。 "[he-forum 17437] 日本経済新聞1/16","日本経済新聞2013年1月16日付 学校の耐震化対策に1425億円 文科省、補正予算案で  文部科学省は2012年度補正予算案で、国公私立学校の耐震化や老朽化対策を進める費用として3272億円を盛り込んだ。うち耐震化対策は1425億円。12年度当初予算などを合わせると、全国の公立小中学校の耐震化率は93%となり、昨年4月に比べて約8ポイント上昇する見通し。  国立大や私立大の教育研究を支える基盤的な設備の購入費として899億円も計上した。各大学は老朽化した実験設備やコンピューター設備の買い替え費用などに充てる。ほかに20年夏季五輪の東京招致や国立競技場の改修に向け、日本スポーツ振興センターの財政基盤を強化するための出資金などに63億円を盛り込んだ。 "[he-forum 17436] 読売新聞1/18","読売新聞2013年1月18日付 秋入学、社会制度整わず困難…東大学長  東京大の浜田純一学長は17日、報道各社との懇談会で秋入学への全面移行について、「大学だけではなく、社会の条件が整わないといけない。事実認識としては困難だ」と述べた。  理由として、秋に卒業する学生が、翌年まで医師国家試験を受験できなくなるなど、社会制度の対応が整っていないほか、春の合格から秋入学までの半年間、新入生全員が待機を強いられることへの不安や懸念が学内外に根強いことなどを挙げた。  一方で、浜田学長は「理想はめざしていく」とし、東大の検討会議が昨年秋にまとめた、4月に入学して9月から正規の授業を始める新しい学期スケジュールを2014年度にも導入する案について、今夏までに判断する意向も示した。 "[he-forum 17442] しんぶん赤旗1/21","しんぶん赤旗2013年1月21日付 下村文科相 進学塾から多額献金 教育再生実行会議のメンバー企業も  下村博文・文部科学相(58)が支部長を務める自民党東京都第11選挙区支部が、進学塾や予備校などの関連企業から2005~11年の7年間で、1300万円近い献金を受け取っていたことが本紙の調べでわかりました。献金企業の代表者のなかには、安倍晋三首相の肝いりで設置された「教育再生実行会議」のメンバーもおり、文科相と関係業界の密接な関係は論議を呼びそうです。  同選挙区支部の政治資金収支報告書を調べたもの。11年分の場合、5万円超の献金をおこない、企業・団体名が記載されている44団体計427万円のうち、進学塾や予備校、受験専門塾、通信制サポート校などの教育関係が15団体、190万円を占めるなど、教育関係の献金が目立ちます。  この傾向は、毎年同じで、05~11年の7年間で教育関係の企業・団体献金は総額1289万円に上ります。  このなかには、24日に官邸で初会合が開かれる「教育再生実行会議」のメンバーになった進学塾などの総合教育サービス企業「成基コミュニティグループ」代表の佐々木喜一氏が率いる「成基学園」「成基コミュニティ」が計60万円の献金をしていました。  利潤追求を目的とする株式会社は、学校教育法で学校を設立することはできませんでしたが、下村氏は、小泉政権がすすめた「規制緩和」の教育特区の担当者として、株式会社の学校参入を可能にしました。05年10月に設立された「学校設置会社連盟」(現・新しい学校の会)の顧問に下村氏は同年12月に就任していますが、第一学院高校の設置会社「ウィザス」が84万円、日本教育大学院大学の設置会社「栄光」が24万円など、連盟加盟企業の献金も含まれています。  国会で、「特区学校法人の問題等々について積極的に取り組んでいただきたい」(04年1月の衆院予算委員会)と要求、塾関係雑誌で「民間教育はいまがビッグチャンス」などとあおってきた下村氏と、これら教育関係企業との密接な関係は見過ごすことのできないものです。 首相側近の“文教族”  下村氏は、大学在学中から私塾を始め、卒業後も塾経営を続け、1989年から東京都議2期を経て、96年の総選挙で初当選、現在6期目。この間、自民党文部科学部会副会長、文部科学政務官などを務めた文教族。第1次安倍政権では、官房副長官として「愛国心」を盛り込んだ「改正」教育基本法の成立にかかわるなど、教育分野の右傾化を担う安倍首相側近の一人です。 "[he-forum 17445] 室蘭民報1/21","室蘭民報2013年1月21日付 室蘭工大学院の改組再編、専門知識持つ人材育成に力  室蘭工業大学(佐藤一彦学長)は、大学院の改組再編に向けた作業を進めている。社会的な要望が高まっている高度な専門知識を持つ人材の育成に力を入れる方針だ。  同大は昭和40年に大学院工学研究科を開設した。当初は修士課程のみだったが、平成2年に博士課程を設け、博士前期課程(修士)と同後期課程(博士)に改組。23年度までに修士5413人、博士405人(論文博士を含む)を社会に輩出している。  改組再編の柱は、両課程の定員と教育内容の見直し。このうち定員は前期課程を増やし、後期課程を絞る方向で調整。学内では準備委員会や作業部会を立ち上げ、カリキュラムや教員の配置などを検討している。  佐藤学長は「高度な専門知識を持った人材に対するニーズは堅調であり、高度化する研究開発には人材が必要となっている」と、改組に向けた作業を進めている背景を説明。「大学として社会の要請に応えるためにも、できるだけ早い時期に改組再編を実施したい」と話している。 (有田太一郎) "[he-forum 17444] 共同通信1/18","共同通信2013年1月18日22時34分 教育基本計画に政権方針反映を 文科相、中教審に要請  下村博文文部科学相は18日、中教審の部会に出席し、今後5年間の国の重点施策を定める教育振興基本計画に、高校無償化の対象世帯に所得制限を設けるといった安倍政権の方針を反映させるよう要請した。  同部会は2011年に高木義明文科相(当時)の諮問を受け、13年度からの第2期計画を審議中。12年度中の策定に向け最終的な議論を進めている。  下村氏は政権の方針としてほかに、小中高校と大学を「6・3・3・4」の年数で区切る学制の見直しや、大学入試の抜本的改革を挙げた。  要請に対し部会は「検討が必要な項目として加えることは問題ない」と基本的に了承。具体的な表現は取りまとめまでに調整するとした。 "[he-forum 17443] 毎日新聞社説1/21","毎日新聞社説2013年1月21日付 大学入試改革 今こそ机上論を超えて  大学入試センター試験が19、20両日行われ、受験シーズンもたけなわとなった。例年変わらぬ光景だが、政権交代で与党に返り咲いた自民党が「大学入試の抜本的な改革」を公約に掲げている。「高校在学中に何度でも挑戦できる達成度テストの創設」である。  高校生の学習到達具合を共通して測る。官邸に設けた教育再生実行会議で、まずこのテストの仕組みや、これを活用した大学入試の根本的なあり方について検討するという。  知識量の判定に傾く大学入試を思考力などの重視に変えれば、高校、中学の授業も変わり、大学教育も質的に向上する。その必要は早くから指摘され、そしてなかなか手がつけられないできた積年の重大課題だ。今こそ机上論を超えた有意義な論議と改革の前進を求めたい。  挙げられた達成度テスト案の具体像はこれからだが、フランスの大学入学資格試験であるバカロレアのような統一試験から、基礎的な学力の確認テストまでさまざまなかたちや利用法が考えられる。  入試改革については、高度経済成長期には受験競争の過熱と難問・奇問などの改善が求められた。近年は「質の維持と転換」が眼目だ。  学力低下や、志願者総数が総定員枠にほぼ収まるような「全入時代」到来で、事実上学力不問の“お手軽入試”が一部に現れた事情もある。しかし、それだけではない。  進学後には、専門知識のほか論理的思考やコミュニケーション、討論の力など、グローバル化の中で不可欠な能力の育成が大学教育全般に求められるようになった。そうした力につながる入試が必要だ。  また難関とされる大学の入試合格者でも、受験勉強漬けの直後に始まる大学教育に目標を見失い、動機付けができない学生が少なくない。  大学のあり方をめぐってはさまざまな論点があるが、つまるところ入試と無縁ではあり得ない。  例えば、前文部科学相の提起で大学設置認可の基準を見直す検討会が設けられた。また東京大学が9月入学構想を表明した。これらも入試のあり方、つまり受験者のどういう才能や適性を見て、どう伸ばすかという点を抜きにしては論じられない。  一般に政策論議でしばしば気になるのは、以前から類似の提言が繰り返されていたり、別々の場で同テーマが論じられたりすることだ。  高校と大学教育のつながりについても既に「高大接続テスト」の構想があり、また中央教育審議会では部会で高校教育の質や入試改善、大学との円滑な連携などを論じている。  これらを総合した改革ビジョンにし、速やか、着実な歩を進めたい。 "[he-forum 17446] 山形新聞1/22","山形新聞2013年01月22日 12:07 吉村知事、地方公務員給与引き下げに反対  国と地方の協議の場で、政府が2013年度の地方交付税を圧縮する方針を示し、地方公務員の給与水準を国家公務員並みに引き下げるよう要請したことに対 し、吉村美栄子知事は21日の定例会見で「地方における消費を抑制し、デフレ脱却に向けた国の取り組みに逆行する」と述べ、反対の姿勢を示した。  県は国に先駆けて職員数と給与削減に取り組んできたとして、吉村知事は「知事部局の職員給与総額はこの10年間、84億3600万円(25%)の大幅な 削減となっている」と強調。「このたびの一方的な要請は大変乱暴。デフレ脱却、経済再生に向けて地方の声に耳を傾け、必要な財源確保に努めてほしい」と述 べた。 "[he-forum 17447] 朝日新聞デジタル(山形)1/23","朝日新聞デジタル 2013年1月23日 重粒子線がん治療施設、今年中にも概算要求 山形大学長  山形大の結城章夫学長は22日の定例会見で、構想を進めている重粒子線がん治療施設について、「研究開発の成果を見ながら、2014年度の概算要求に出していこうと思っている」と述べ、今年中にも国に施設本体の予算を要求する考えを示した。  15日に閣議決定した今年度補正予算案に、重粒子線を照射する省エネ型加速器の技術開発と、東北全域を視野に入れた遠隔診断などができるがんネットワー クシステムの研究開発費に約10億円が盛られたことを踏まえた。結城学長は「大きな前進だが、まだまだ1、2合目だ」としている。  施設本体の費用は約150億円とされ、国への要求額について結城学長は「大学でいくら都合を付けるのか、県や市にどれくらい協力を要請するのか、これから詰めていかなければならない」と語った。  補正予算案の山大関連は設備関係の計16億8100万円のほか、山大工学部敷地内にある国重要文化財の旧米沢高等工業学校本館の耐震改修など施設整備に計約30億円が盛り込まれた。 = "[he-forum 17448] NHKニュース1/24","NHKニュース2013年1月24日12時14分 教育改革“物議おそれず議論を”  政府は、小学校から大学までの「6・3・3・4制」の見直しなど、教育改革の具体策を検討する「教育再生実行会議」の初会合を開き、安倍総理大臣は「物議をかもすことをおそれず、活発に議論することが日本の教育を変えていく一因になる」と述べ、改革に取り組む決意を強調しました。  総理大臣官邸で開かれた初会合には、安倍総理大臣、下村文部科学大臣など関係閣僚のほか、座長を務める早稲田大学の鎌田薫総長ら有識者の委員が出席しました。 この中で安倍総理大臣は、「教育の再生は、経済の再生と並ぶ日本の最重要課題であり、強い日本を取り戻すために不可欠だ。教育再生を進めるうえではさまざまな壁もあるが、物議をかもすことをおそれず、活発な議論を頂きたい。それが日本の教育を変えていく一因ではないかと思う」と述べました。 「教育再生実行会議」は、安倍内閣が「経済の再生」と並ぶ最重要課題として掲げる「教育の再生」に向けた具体策を検討するために設置され、今後、月に2回程度、会合を開き、まず、いじめを巡る問題への対策を強化するための提言を取りまとめることにしています。  その後、現在の小学校から大学までの「6・3・3・4制」や、教育委員会制度の抜本的な見直し、それに大学改革などについて議論を進めることにしています。 "[he-forum 17448] NHKニュース1/24","NHKニュース2013年1月24日12時14分 教育改革“物議おそれず議論を”  政府は、小学校から大学までの「6・3・3・4制」の見直しなど、教育改革の具体策を検討する「教育再生実行会議」の初会合を開き、安倍総理大臣は「物議をかもすことをおそれず、活発に議論することが日本の教育を変えていく一因になる」と述べ、改革に取り組む決意を強調しました。  総理大臣官邸で開かれた初会合には、安倍総理大臣、下村文部科学大臣など関係閣僚のほか、座長を務める早稲田大学の鎌田薫総長ら有識者の委員が出席しました。 この中で安倍総理大臣は、「教育の再生は、経済の再生と並ぶ日本の最重要課題であり、強い日本を取り戻すために不可欠だ。教育再生を進めるうえではさまざまな壁もあるが、物議をかもすことをおそれず、活発な議論を頂きたい。それが日本の教育を変えていく一因ではないかと思う」と述べました。 「教育再生実行会議」は、安倍内閣が「経済の再生」と並ぶ最重要課題として掲げる「教育の再生」に向けた具体策を検討するために設置され、今後、月に2回程度、会合を開き、まず、いじめを巡る問題への対策を強化するための提言を取りまとめることにしています。  その後、現在の小学校から大学までの「6・3・3・4制」や、教育委員会制度の抜本的な見直し、それに大学改革などについて議論を進めることにしています。 "[he-forum 17449] 日本経済新聞1/24","日本経済新聞中国版2013年1月24日付 中国5県と4病院、ドクターヘリの相互運航協定  中国地方の5県と4病院は23日、ドクターヘリの広域連携基本協定を結んだ。県境をまたぐ地域でヘリを相互乗り入れし、救命効果が高いとされる飛行時間30分以内の救急医療体制を築く。今後、5県で実施細目を決め、3月にも運用を開始したい考え。  5県と島根県立中央病院(島根県出雲市)、川崎医科大学付属病院(岡山県倉敷市)、広島大学病院(広島市)、山口大学医学部付属病院(山口県宇部市)が協定に調印した。ドクターヘリは島根、岡山、山口、鳥取(兵庫県、京都府と共同運航)の各県で配備済み。広島県も2013年度中の導入を予定している。  協定では、生命にかかわるなど緊急時に運航距離や時間から自県の基地病院では迅速な救命が難しいと判断される場合、他県にドクターヘリの出動要請ができるとした。災害で多数の負傷者が発生した際は、各県のドクターヘリが協力する。経費は当面、出動側の県が負担する。  救急医療分野で広域連携が実現することで、中国広域連合設立に向けての動きに拍車がかかりそうだ。 "[he-forum 17449] 日本経済新聞1/24","日本経済新聞中国版2013年1月24日付 中国5県と4病院、ドクターヘリの相互運航協定  中国地方の5県と4病院は23日、ドクターヘリの広域連携基本協定を結んだ。県境をまたぐ地域でヘリを相互乗り入れし、救命効果が高いとされる飛行時間30分以内の救急医療体制を築く。今後、5県で実施細目を決め、3月にも運用を開始したい考え。  5県と島根県立中央病院(島根県出雲市)、川崎医科大学付属病院(岡山県倉敷市)、広島大学病院(広島市)、山口大学医学部付属病院(山口県宇部市)が協定に調印した。ドクターヘリは島根、岡山、山口、鳥取(兵庫県、京都府と共同運航)の各県で配備済み。広島県も2013年度中の導入を予定している。  協定では、生命にかかわるなど緊急時に運航距離や時間から自県の基地病院では迅速な救命が難しいと判断される場合、他県にドクターヘリの出動要請ができるとした。災害で多数の負傷者が発生した際は、各県のドクターヘリが協力する。経費は当面、出動側の県が負担する。  救急医療分野で広域連携が実現することで、中国広域連合設立に向けての動きに拍車がかかりそうだ。 "[he-forum 17450] 日本経済新聞1/22","日本経済新聞2013年1月22日付 大学新設を2段階審査、地域ニーズ重視 文科省会議  大学の設置認可制度の見直しを検討していた文部科学省の有識者会議(座長・浦野光人ニチレイ会長)は21日、大学新設時の審査を2段階にし、地域ニーズや社会が求める人材の育成を重視するよう審査基準を改めることを提言した。審査期間延長などは今後の検討課題とした。同省は2014年度開学を目指す大学から導入する。  提言では、大学や学部の新設を審査する際は、学生確保の見通しや社会が求める人材を育てられるかをより明確に確認すべきだと指摘した。  具体策として、大学側から申請を受けた後でまず「全体構想審査」を実施。学長や理事長の予定者から、大学の将来像などを直接聞き取り、構想が社会ニーズに合っているか現実性があるかを判断する。地元経済界や高校、自治体の意見も聞く。  第2段階として、教育課程や教員数、建物などが大学に必要な基準を満たしているかを審査。学生が計画通りに確保できなかった場合の対応方針も新たに確認する。  検討課題として(1)現在は7カ月となっている審査期間の長期化や申請時期の前倒し(2)大学設置基準の明確化(3)保有財産を少なく申請するなどした場合の罰則の強化――などを挙げた。中央教育審議会などで具体案を検討する見通しだ。  有識者会議は、「大学は量より質が重要だ」と主張する田中真紀子前文科相の意向で、昨年11月下旬に設置された。しかし今年3月末に申請を締め切る14年度開学予定の大学の審査に間に合わせることを優先したため、検討期間が短くなった。  さらに政権交代で「大学は質、量ともに充実させることが重要」と主張する下村博文文科相が就任。有識者会議も「入り口を絞るのではなく、質を伴った量的拡大が狙いだ」(浦野座長)とし、審査基準の大幅な厳格化は見送られた。 "[he-forum 17450] 日本経済新聞1/22","日本経済新聞2013年1月22日付 大学新設を2段階審査、地域ニーズ重視 文科省会議  大学の設置認可制度の見直しを検討していた文部科学省の有識者会議(座長・浦野光人ニチレイ会長)は21日、大学新設時の審査を2段階にし、地域ニーズや社会が求める人材の育成を重視するよう審査基準を改めることを提言した。審査期間延長などは今後の検討課題とした。同省は2014年度開学を目指す大学から導入する。  提言では、大学や学部の新設を審査する際は、学生確保の見通しや社会が求める人材を育てられるかをより明確に確認すべきだと指摘した。  具体策として、大学側から申請を受けた後でまず「全体構想審査」を実施。学長や理事長の予定者から、大学の将来像などを直接聞き取り、構想が社会ニーズに合っているか現実性があるかを判断する。地元経済界や高校、自治体の意見も聞く。  第2段階として、教育課程や教員数、建物などが大学に必要な基準を満たしているかを審査。学生が計画通りに確保できなかった場合の対応方針も新たに確認する。  検討課題として(1)現在は7カ月となっている審査期間の長期化や申請時期の前倒し(2)大学設置基準の明確化(3)保有財産を少なく申請するなどした場合の罰則の強化――などを挙げた。中央教育審議会などで具体案を検討する見通しだ。  有識者会議は、「大学は量より質が重要だ」と主張する田中真紀子前文科相の意向で、昨年11月下旬に設置された。しかし今年3月末に申請を締め切る14年度開学予定の大学の審査に間に合わせることを優先したため、検討期間が短くなった。  さらに政権交代で「大学は質、量ともに充実させることが重要」と主張する下村博文文科相が就任。有識者会議も「入り口を絞るのではなく、質を伴った量的拡大が狙いだ」(浦野座長)とし、審査基準の大幅な厳格化は見送られた。 "[he-forum 17451] しんぶん赤旗1/25","しんぶん赤旗 2013年1月25日(金) 公務員 年度途中の退職問題 減額条例強行に根源 責任すり替えは許されない  教員や警察官などを含む地方公務員の退職手当を大幅に減額する条例改定が16都府県で行われたため、3月末の年度替わりを待たずに早期退職を希望する人が相次ぎました。  日本共産党は地方議会で退職金カットが教育現場などに混乱をもたらすことを指摘し、反対していました。  兵庫県議会では昨年12月14日、礒見恵子県議が、「(阪神・淡路)大震災による住宅ローンなどをかかえた職員も多い中、将来設計におおきな影響 を与える。職員・教職員の理解と納得を得ていない」と強調。「とくに学期の最後を区切りに退職することが多い教職員の間に大きな矛盾と混乱をもたらす」と 警告しました。  3学期末(年度末)である3月31日に定年退職する場合では、160万円も減額となり、「年度途中でいなくなることは、とても苦しく悩んでいる」という教員の声を紹介し、「むごい選択を迫るものだ」と批判しました。  埼玉県議会では村岡正嗣県議が12月21日、「被災地の復興支援や県民サービス向上に懸命に働いている職員の士気をそぐ。対象者は、警察・教員も 含め6万人に上る」と強調。京都府議会でも島田敬子府議が26日、「年度途中の提案で、職員・教職員にとって退職後の生活設計を狂わせる重大な不利益変更 だ。デフレ不況にある地域経済へも大きな打撃を与える」と訴えました。  退職金カットはもともと、国家公務員の退職手当の大幅削減法を自民、公明、民主などが11月16日、衆院解散当日のどさくさにまぎれてまともな審議もせず、日本共産党などの反対を押し切って強行可決し、それにあわせて地方公務員にも押し付けたものです。  教員の退職について文科省は「教員は職責を十分考えろ」といいますが、十分に予測できた教育現場の混乱を教員の自覚の問題にすりかえることは許されません。 "[he-forum 17451] しんぶん赤旗1/25","しんぶん赤旗 2013年1月25日(金) 公務員 年度途中の退職問題 減額条例強行に根源 責任すり替えは許されない  教員や警察官などを含む地方公務員の退職手当を大幅に減額する条例改定が16都府県で行われたため、3月末の年度替わりを待たずに早期退職を希望する人が相次ぎました。  日本共産党は地方議会で退職金カットが教育現場などに混乱をもたらすことを指摘し、反対していました。  兵庫県議会では昨年12月14日、礒見恵子県議が、「(阪神・淡路)大震災による住宅ローンなどをかかえた職員も多い中、将来設計におおきな影響 を与える。職員・教職員の理解と納得を得ていない」と強調。「とくに学期の最後を区切りに退職することが多い教職員の間に大きな矛盾と混乱をもたらす」と 警告しました。  3学期末(年度末)である3月31日に定年退職する場合では、160万円も減額となり、「年度途中でいなくなることは、とても苦しく悩んでいる」という教員の声を紹介し、「むごい選択を迫るものだ」と批判しました。  埼玉県議会では村岡正嗣県議が12月21日、「被災地の復興支援や県民サービス向上に懸命に働いている職員の士気をそぐ。対象者は、警察・教員も 含め6万人に上る」と強調。京都府議会でも島田敬子府議が26日、「年度途中の提案で、職員・教職員にとって退職後の生活設計を狂わせる重大な不利益変更 だ。デフレ不況にある地域経済へも大きな打撃を与える」と訴えました。  退職金カットはもともと、国家公務員の退職手当の大幅削減法を自民、公明、民主などが11月16日、衆院解散当日のどさくさにまぎれてまともな審議もせず、日本共産党などの反対を押し切って強行可決し、それにあわせて地方公務員にも押し付けたものです。  教員の退職について文科省は「教員は職責を十分考えろ」といいますが、十分に予測できた教育現場の混乱を教員の自覚の問題にすりかえることは許されません。 "[he-forum 17453] Presidentオンライン1/18","(プレジデントオンライン)2013年1月18日(金)14:20 PRESIDENT 2013年2月4日号 掲載 “65歳雇用時代”到来で現役の実質賃下げが視野に 1月半ばに本格スタートする今春闘で、65歳までの雇用義務付けに対応した賃金制度 見直しが最大の争点に浮上しそうだ。春闘で常にメーンテーマだった賃金改善(ベースアップ)は、春闘相場のリード役だった自動車、電機などの主要産業別労 働組合が昨年末までに統一要求を見送り、戦わずしてギブアップしたからだ。代わって主役に躍り出そうなのが、現役世代の賃金引き下げも視野に入る「65歳 雇用時代」を見据えた賃金制度であり、労使ともに一線を譲れない問題だけに、例年にない厳しい春闘が予想される。 企業への65歳までの雇用 義務付けは、厚生年金の支給開始年齢が65歳まで段階的に引き上げられ、その間に定年退職者が年金を受け取れない「空白期間」が生じるのを防ぐのが狙い だ。今年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、企業は希望者全員を再雇用しなければならなくなる。企業にとっては人件費の総額が膨らむことから、 「2013年問題」として、その対応が迫られていた。 実際、NTTグループは今年10月、65歳までの継続雇用に合わせ、新たな賃金制度の 導入に踏み切る。現役世代の賃金上昇を抑える一方で、60歳からの継続雇用者の賃金を引き上げる。NTTは「新制度が導入されても、社員が受け取る生涯賃 金の水準は変わらない」とするものの、65歳雇用義務化のしわ寄せは、40~50代の「家庭の大黒柱」の実質賃下げとなってくるのが現実だ。 NTTの場合、社員数が多く、65歳定年への延長は人件費増加に直結しかねず、現役世代の賃金抑制という仕組みを選択した。歴史が長い重厚長大型の大企業には毎年数百人規模の定年退職者が出るケースも少なくなく、NTTと同様の賃金制度を導入する可能性は高い。 事 実、春闘で経営側を代表する経団連は、春闘に臨む経営側の指針として1月下旬に公表する「経営労働政策委員会報告」に、65歳雇用時代を見据え、賃金カー ブ全体の見直しが必要との判断を盛り込む。65歳までの雇用を維持しながら総額人件費を抑えるには、「定年前の賃金制度の改革が不可避」とし、現役世代の 賃金水準を抑え込む方向を提示する。 NTTが新たに導入する賃金制度は、経団連による経労委報告の内容を先取りしており、この提言に倣って、働き盛りの現役世代に実質賃下げを迫る賃金制度の見直しが、今後、多くの企業で進む可能性がある。 し かし、こうした賃金制度の導入に当たっては、現役世代を含めた賃金カーブ全体を見直さなければならず、目前に迫った今春闘での定期昇給(定昇)をめぐる労 使交渉にも大きな影響を及ぼす。さらに、「日本型」として定着してきた年功序列型の賃金体系に大ナタを振るうことにもつながりかねない。 ■高年齢社員を戦力化する「出口戦略」が必要 今 春闘での賃金改善をめぐる交渉は、春闘の本格スタートの前から、大手製造業を中心にすでに労働側の敗色が濃厚となっている。自動車、電機それぞれの労組で 組織する自動車総連、電機労連は、昨年末までに賃金改善に向けた統一要求を見送る方針を確認しているだけに、労働側にとっては定昇確保による賃金水準の維 持を死守するしかない。しかし、経団連の経労委報告は定昇について「制度の見直しを聖域にすべきでない」と明記し、65歳雇用義務化への賃金制度見直しと 併せて、厳しい選択を労働側に突きつける。 その意味で、「2013年問題」は今春闘の最大の争点に浮上すると同時に、賃金交渉にも大きな下押し圧力として働くことは確実だ。賃金の目減りは個人消費の低迷に直結し、安倍晋三首相が最重要課題に掲げたデフレ経済脱却への重い足かせにもなりかねない。 た だ、企業は65歳雇用時代を迎える以上、高年齢社員の戦力化を図らなければならない。これまでのように定年後の再雇用で極端に賃金を下げた場合、働く意欲 は失せ、企業にはマイナスに作用すると見るのが妥当だろう。このため、トヨタ自動車が定年後の生活費を補う新退職金制度の検討に入ったほか、大和ハウス工 業やサントリーホールディングスが今年4月に65歳定年制に踏み切る計画など、65歳雇用時代を見据えた新たな対応を急いでいる。 65歳雇用問題に詳しい某人材コンサルタントは「企業は賃金だけでなく、現役世代からの研修などを含め、65歳までの人材を戦力化する『出口戦略』を早急に構築する必要がある」と指摘。春闘に限らずとも、「2013年問題」は企業に待ったなしの対応を迫っている。 (PANA=写真) "[he-forum 17452] 朝日新聞デジタル1/23","朝日新聞デジタル 2013年1月24日(木)13:08 休日出勤手当3千万円未払い 堺の太成学院大  太成学院大(堺市美原区)が、教員が入試やオープンキャンパスなどで休日出勤した際の手当を払わず、堺労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわ かった。労働基準法に基づいて請求できる過去2年分(2010年7月~12年8月)について、昨年10月31日付で支払った。総額は約3千万円にのぼると みられる。  大学側によると、07年から採用している裁量労働制について「解釈の違いがあった」としている。教員らによると、大学側は休日出勤手当について定めた労使協定を昨春まで教員側に示さず、「裁量労働だから、休日手当は不要」と説明していたという。  私立大は近年、学生募集のために、春から夏にかけて土日にオープンキャンパスや高校への出前授業などを展開。太成学院大では、教員の休日出勤は1人あたり年10~15日にのぼるという。同大では09年にも正職員の残業代の未払いがあった。 "[he-forum 17452] 朝日新聞デジタル1/23","朝日新聞デジタル 2013年1月24日(木)13:08 休日出勤手当3千万円未払い 堺の太成学院大  太成学院大(堺市美原区)が、教員が入試やオープンキャンパスなどで休日出勤した際の手当を払わず、堺労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわ かった。労働基準法に基づいて請求できる過去2年分(2010年7月~12年8月)について、昨年10月31日付で支払った。総額は約3千万円にのぼると みられる。  大学側によると、07年から採用している裁量労働制について「解釈の違いがあった」としている。教員らによると、大学側は休日出勤手当について定めた労使協定を昨春まで教員側に示さず、「裁量労働だから、休日手当は不要」と説明していたという。  私立大は近年、学生募集のために、春から夏にかけて土日にオープンキャンパスや高校への出前授業などを展開。太成学院大では、教員の休日出勤は1人あたり年10~15日にのぼるという。同大では09年にも正職員の残業代の未払いがあった。 "[he-forum 17456] 東京新聞1/24","東京新聞2013年1月24日付 奨学金の返済困難者を支援 「全国会議」設立へ  大学卒業後に奨学金の返済で苦しむ若者が多い現状を打開したいと、全国各地の法律家や学者らが、三月にも「奨学金問題対策全国会議」(仮称)を設立する。返済困難者の救済だけでなく、奨学金制度の抜本的な改善を求める運動を展開する方針だ。 (白井康彦)  会社員の平均給与の減少など家計の悪化が目立ち、大学生の奨学金利用者の割合は年々上昇。今は約五割に達している。卒業後、日本学生支援機構への返済が遅れている人も増え続け、二〇一二年三月末で約三十三万人に及ぶ。  今後は、大学卒の男女が結婚した場合、およそ四分の一の夫婦は、二人とも奨学金を返済していくことになる。合計の返済月額は、二万~四万円程度の夫婦が多くなりそうだ。  全国会議の代表幹事の一人に就任予定の大内裕和・中京大国際教養学部教授は「奨学金の返済ができるのか、という心配で結婚できなくなったペアの話も聞く。奨学金問題も一因に、少子高齢化が加速しかねない」と訴える。  生活が厳しい家庭から大学に入学し、卒業後に非正規労働に就職したようなケースはさらに深刻だ。毎月十万円を四年間借りて、年利3%の金利で二十年間で返済するケースでは、返済総額は約六百四十六万円にもなる。大内さんは「非正規労働に就職した場合は、返済がかなり難しいのが現実」と説明する。  全国会議の事務局長は、日本弁護士連合会貧困問題対策本部に所属する岩重佳治弁護士が務める予定。岩重さんはこの十九日、東京都内で開かれた消費者問題のリレー報告会で、これまでの経緯などを報告。十二日の大阪市内の会合では、多重債務問題に取り組んできた全国各地の法律家や市民団体幹部らと、今後の活動の進め方について協議した。  岩重さんは「これまで奨学金返済に苦しむ人への支援活動は、教育現場に関わる労働組合などが中心だったが、多重債務を抱えているケースも少なくなく、法律家などがしっかり関わっていくべきだ」と強調。法律家らが賛同した。  呼び掛けを受け、多重債務者の支援に取り組む市民団体「愛知かきつばたの会」は二十日の総会で、奨学金の相談対応に力を入れることを決めた。  全国会議は、返済困難者を対象にした相談・救済活動を積極的に行うほか、奨学金問題の集会も頻繁に開く予定だ。       ◇  大学生や高校生にも、全国会議の活動に協力していこうという動きがある。昨年九月には、中京大の学生らが「愛知県学費と奨学金を考える会」を結成。同会の会合には名古屋文理大、名古屋大などの学生のほか、高校生も参加した。全国会議が開く集会では、こうした若者らの体験発表も想定されている。  日本の奨学金制度では、一番の柱は日本学生支援機構の奨学金だ。これには、返済不要の給付型はなく、すべてが貸与型。貸与型の中でも、無利息のタイプの割合は小さくなる一方だ。  これまでは、給付型の導入や無利息タイプの拡大などを求めて、労組などが中心の「奨学金の会」「奨学金連絡会」といった団体が国などに要望活動をしてきた。奨学金の会の関係者は「全国会議とはしっかり連携していきたい」と話す。 "[he-forum 17455] 読売新聞1/25","読売新聞2013年1月25日付 信州大、研究室を民間企業に貸し出し  信州大(本部・長野県松本市)は4月から、松本キャンパスで企業に研究室を貸し出す取り組みを始める。  建設中の研究棟「信州地域技術メディカル展開センター」(延べ床面積約3320平方メートル)を活用し、医学部の研究者らと交流して医療機器の開発に役立ててもらうのが狙い。現時点で医療機器開発メーカーなど7社が入室を希望している。  同大によると、貸し出す研究室は約45~106平方メートルの広さで計20室。1平方メートルあたり、1か月1050円で企業に貸し出す。契約は3年で、継続中の研究があれば延長できる。大学が所有している研究用の機器約50種類を使用することも可能で、医療現場のニーズを把握している研究者らと連携できるのが利点という。  同センターの総事業費は約9億円で、経済産業省の「イノベーション拠点立地支援事業(技術の橋渡し拠点整備)」として5億8000万円の助成を受けている。  同大研究推進部産学官地域連携課では「市場のニーズを踏まえた新しい医療機器の開発を目指してほしい」としている。 "[he-forum 17454] 日本経済新聞1/25","日本経済新聞2013年1月25日付 教育再生会議が始動 改革へ課題山積み  安倍晋三首相が政権の重要課題と位置付ける教育改革を議論する「教育再生実行会議」(座長・鎌田薫早稲田大総長)が24日、スタートした。スピード重視で議論を重ね、夏の参院選前に成果を示したい考えだが、いじめ対策や教育委員会、大学の改革と、課題は山積み。実効性のある提言を打ち出せるか、首相の指導力が問われる。  「いじめ対策にはすぐ取り組まねばならない。議論だけしている時間はない」。24日の初会合終了後、記者会見した下村博文文部科学相は2月中に開く次回の会議でいじめ対策の提言をまとめたい考えを示した。  いじめ対策に特効薬は見当たらない。文科省によると、昨年4~9月に全国の学校が把握したいじめは14万件で、前年度1年間の2倍超。同省はいじめによる自殺などが問題化するたびに学校カウンセラー増員などを進めてきたが、成果は見えにくい。  初会合では「児童虐待防止法のような通報制度を導入すべきだ」「道徳の教科化を」「学校を交番の巡回コースに加えるべきだ」といった具体的な提案があった。一方、家庭と学校の連携強化や、子供の自己肯定感を高める必要性を指摘する抽象的な意見も多く、「制度改正などでは根本的な解決は到底できない」といった意見まで出た。  初会合後、鎌田座長は「具体的な議論が進んだとまではいえない」と話した。実効性のある対策を打ち出せるかは未知数。教委制度など他のテーマも一筋縄では解決できないものばかりだ。  「実行会議は大所高所から議論するのが役割。ここで全てを決めるわけではない」と鎌田座長は語る。総花的な内容の提言では教育改革の「実行」はおぼつかない。拙速に陥らず、中身のある議論が求められる。 "[he-forum 17456] 東京新聞1/24","東京新聞2013年1月24日付 奨学金の返済困難者を支援 「全国会議」設立へ  大学卒業後に奨学金の返済で苦しむ若者が多い現状を打開したいと、全国各地の法律家や学者らが、三月にも「奨学金問題対策全国会議」(仮称)を設立する。返済困難者の救済だけでなく、奨学金制度の抜本的な改善を求める運動を展開する方針だ。 (白井康彦)  会社員の平均給与の減少など家計の悪化が目立ち、大学生の奨学金利用者の割合は年々上昇。今は約五割に達している。卒業後、日本学生支援機構への返済が遅れている人も増え続け、二〇一二年三月末で約三十三万人に及ぶ。  今後は、大学卒の男女が結婚した場合、およそ四分の一の夫婦は、二人とも奨学金を返済していくことになる。合計の返済月額は、二万~四万円程度の夫婦が多くなりそうだ。  全国会議の代表幹事の一人に就任予定の大内裕和・中京大国際教養学部教授は「奨学金の返済ができるのか、という心配で結婚できなくなったペアの話も聞く。奨学金問題も一因に、少子高齢化が加速しかねない」と訴える。  生活が厳しい家庭から大学に入学し、卒業後に非正規労働に就職したようなケースはさらに深刻だ。毎月十万円を四年間借りて、年利3%の金利で二十年間で返済するケースでは、返済総額は約六百四十六万円にもなる。大内さんは「非正規労働に就職した場合は、返済がかなり難しいのが現実」と説明する。  全国会議の事務局長は、日本弁護士連合会貧困問題対策本部に所属する岩重佳治弁護士が務める予定。岩重さんはこの十九日、東京都内で開かれた消費者問題のリレー報告会で、これまでの経緯などを報告。十二日の大阪市内の会合では、多重債務問題に取り組んできた全国各地の法律家や市民団体幹部らと、今後の活動の進め方について協議した。  岩重さんは「これまで奨学金返済に苦しむ人への支援活動は、教育現場に関わる労働組合などが中心だったが、多重債務を抱えているケースも少なくなく、法律家などがしっかり関わっていくべきだ」と強調。法律家らが賛同した。  呼び掛けを受け、多重債務者の支援に取り組む市民団体「愛知かきつばたの会」は二十日の総会で、奨学金の相談対応に力を入れることを決めた。  全国会議は、返済困難者を対象にした相談・救済活動を積極的に行うほか、奨学金問題の集会も頻繁に開く予定だ。       ◇  大学生や高校生にも、全国会議の活動に協力していこうという動きがある。昨年九月には、中京大の学生らが「愛知県学費と奨学金を考える会」を結成。同会の会合には名古屋文理大、名古屋大などの学生のほか、高校生も参加した。全国会議が開く集会では、こうした若者らの体験発表も想定されている。  日本の奨学金制度では、一番の柱は日本学生支援機構の奨学金だ。これには、返済不要の給付型はなく、すべてが貸与型。貸与型の中でも、無利息のタイプの割合は小さくなる一方だ。  これまでは、給付型の導入や無利息タイプの拡大などを求めて、労組などが中心の「奨学金の会」「奨学金連絡会」といった団体が国などに要望活動をしてきた。奨学金の会の関係者は「全国会議とはしっかり連携していきたい」と話す。 "[he-forum 17455] 読売新聞1/25","読売新聞2013年1月25日付 信州大、研究室を民間企業に貸し出し  信州大(本部・長野県松本市)は4月から、松本キャンパスで企業に研究室を貸し出す取り組みを始める。  建設中の研究棟「信州地域技術メディカル展開センター」(延べ床面積約3320平方メートル)を活用し、医学部の研究者らと交流して医療機器の開発に役立ててもらうのが狙い。現時点で医療機器開発メーカーなど7社が入室を希望している。  同大によると、貸し出す研究室は約45~106平方メートルの広さで計20室。1平方メートルあたり、1か月1050円で企業に貸し出す。契約は3年で、継続中の研究があれば延長できる。大学が所有している研究用の機器約50種類を使用することも可能で、医療現場のニーズを把握している研究者らと連携できるのが利点という。  同センターの総事業費は約9億円で、経済産業省の「イノベーション拠点立地支援事業(技術の橋渡し拠点整備)」として5億8000万円の助成を受けている。  同大研究推進部産学官地域連携課では「市場のニーズを踏まえた新しい医療機器の開発を目指してほしい」としている。 "[he-forum 17454] 日本経済新聞1/25","日本経済新聞2013年1月25日付 教育再生会議が始動 改革へ課題山積み  安倍晋三首相が政権の重要課題と位置付ける教育改革を議論する「教育再生実行会議」(座長・鎌田薫早稲田大総長)が24日、スタートした。スピード重視で議論を重ね、夏の参院選前に成果を示したい考えだが、いじめ対策や教育委員会、大学の改革と、課題は山積み。実効性のある提言を打ち出せるか、首相の指導力が問われる。  「いじめ対策にはすぐ取り組まねばならない。議論だけしている時間はない」。24日の初会合終了後、記者会見した下村博文文部科学相は2月中に開く次回の会議でいじめ対策の提言をまとめたい考えを示した。  いじめ対策に特効薬は見当たらない。文科省によると、昨年4~9月に全国の学校が把握したいじめは14万件で、前年度1年間の2倍超。同省はいじめによる自殺などが問題化するたびに学校カウンセラー増員などを進めてきたが、成果は見えにくい。  初会合では「児童虐待防止法のような通報制度を導入すべきだ」「道徳の教科化を」「学校を交番の巡回コースに加えるべきだ」といった具体的な提案があった。一方、家庭と学校の連携強化や、子供の自己肯定感を高める必要性を指摘する抽象的な意見も多く、「制度改正などでは根本的な解決は到底できない」といった意見まで出た。  初会合後、鎌田座長は「具体的な議論が進んだとまではいえない」と話した。実効性のある対策を打ち出せるかは未知数。教委制度など他のテーマも一筋縄では解決できないものばかりだ。  「実行会議は大所高所から議論するのが役割。ここで全てを決めるわけではない」と鎌田座長は語る。総花的な内容の提言では教育改革の「実行」はおぼつかない。拙速に陥らず、中身のある議論が求められる。 "[he-forum 17457] 中国新聞1/29","中国新聞2013年1月29日付 広島大、学長会見を動画配信  広島大(東広島市)は30日、動画配信サービス「ユーストリーム」を活用し、浅原利正学長による定例記者会見のインターネット配信を始める。無料で、大学の公式ホームページからアクセスできる。  月1回の会見のうち、質疑応答を除く15分程度を録画し、その日のうちに公開。翌日以降も配信を続ける。国際的に評価された研究の紹介など学生や教員の活躍のほか、大学の運営方針、地域への貢献活動の状況などについて発表する。  開かれた大学を目指し、学生や住民に大学への理解を深めてもらう狙い。広島県知事たちの記者会見の動画配信をヒントに、公開を決めた。  同大広報グループによると、学長の定例会見の動画配信は全国的にも珍しいという。「学長の生の声を聞き身近に感じてほしい」としていた。「ユーチューブ」「ニコニコ動画」など他の動画配信サービスへの拡大も計画している。 "[he-forum 17458] 毎日新聞奈良1/31","毎日新聞奈良版2013年1月31日付 県立大:法人化へ 特色づくり狙い改革案検討 15年4月予定 /奈良  県は30日、県立大(奈良市船橋町)の運営を、公立大学法人に移行すると発表した。予算や人事面で裁量を拡大させることで、特色ある大学への転換を進めることが狙い。文部科学省と協議したうえで、15年4月の法人化を目指す。  県は2月4日、荒井正吾知事を本部長とする「県立大改革推進本部」を発足。具体的な改革案を検討し、4月までに文科省に提出する資料をまとめる方針だ。法人化には機動的に大学の運営ができるメリットがあるという。  改革案では、法人の理事長に県立大参与の北岡伸一・東大名誉教授を据える。また、来年4月には唯一の学部である地域創造学部内の観光学科と地域総合学科を廃止。1学年約150人の生徒を約30人ずつに振り分け、4年間通して学習するゼミを設けるなど、対話型少人数教育を進める。  客員教授として、元東南アジア諸国連合(ASEAN)事務総長のスリン・ピッスワン氏(63)らが内定しており、県が進める東アジアとの連携を教育面でも模索する。  荒井正吾知事は「就職難の時代なので、社会に適応できる能力を身につけられる大学にしたい」としている。【伊澤拓也】 "[he-forum 17462] 福井新聞2/2(2)","福井新聞2013年2月2日付 北陸の大学病院、連携し患者確保 福井大など希少疾患の研究促進へ  福井大学医学部と同附属病院(永平寺町)は、金沢大など北陸の6大学とともに、連携して臨床研究に当たる「北陸臨床研究推進機構」を立ち上げる。各大学病院合計で約3千の病床を確保することで、患者数の少ない希少疾患の新しい治療法や、新薬の早期開発につなげる。同病院が臨床研究ネットワークに参加するのは初めて。  参加するのは福井大(600病床)のほか▽金沢大(838病床)▽金沢医科大(835病床)▽富山大(612病床)―の4大学病院と、工学系の金沢工業大、北陸先端科学技術大学院大。2日に金沢大附属病院で合意書を交わす。  福井大病院によると、国内では医療の基礎研究が充実している一方、臨床研究は欧米が先行。国内で先進医療を受ける時期が遅れる傾向がある。これを受け厚生労働省が臨床研究の促進に取り組んでおり、各地の大学病院でネットワークづくりが進んでいるという。  同病院でも、これまで他大学との連携は診療科や医師個人単位にとどまっていた。今回、大きなネットワークで人材と症例数を確保することで、子どもの病気や難病など、患者数の少ない病気の先進医療、薬の治験に効果的に取り組めるようになる。多くの実績を積むことで、先進医療を一般病院に普及させることにもつながるとしている。  医療の倫理審査を共同で行う仕組みづくりや、人事交流を通した人材育成にも取り組む。工学系大学とは、医療機器の開発で連携する。  合意書締結式には和田有司病院長が出席。続いてキックオフ・シンポジウムがあり、各大学の担当者が研究を報告する。 "[he-forum 17461] 岐阜新聞2/1","岐阜新聞2013年2月1日付 岐阜大など41病院が協定 県内外、災害時に相互支援  岐阜大学付属病院など県内外の41病院が、地震や台風などの災害時に、医薬品の援助や医師の人員派遣などで相互に支援する協定を結んだことが31日、分かった。事務局の同病院によると東日本大震災以降、東北の公立病院同士が連携協定を結んだ例はあるが、国立、公立、私立とさまざまな運営形態の病院が参加した大規模な災害相互支援協定は、全国的に珍しいという。  協定に参加した病院は、1989年に発足した岐阜大学関連病院長会の会員病院で、岐阜圏域18病院、中濃圏域7病院など、県内5圏域全てにわたる。県外も愛知、滋賀両県に計5病院ある。  大規模災害が起き、県災害対策本部が立ち上がると、各病院は県や各自治体の防災計画に沿った役割を果たす。だが事務局によると、東日本大震災ではそれらが機能するまでに発生から約2週間かかり、その間は情報が交錯、医療現場でも混乱が見られたという。  協定は震災を受けて一昨年の同会の病院長会で提案され、可能な範囲で病院間の支援を行おうと、昨年末の会議で締結された。災害発生から2週間程度の初期対応を想定しており、各病院は相互に医療機器や医薬品、食料など応急物資の援助、医師、看護師ら医療スタッフの人員派遣、患者の移送や引き受けを行う。岐阜大学付属病院が調整役となる。協定に期限は設けていない。  事務局は「県域は広く、大地震でも県内全ての病院が機能不全に陥ることは考えにくい。協定を有効に生かし、県民の医療、生命を守りたい」としている。 "[he-forum 17460] 福井新聞2/2","福井新聞2013年2月2日付 福井大学の予算、1.5%増加 内示概要発表、運営費交付金は減  政府の2013年度予算案決定を受け福井大学は1日、予算内示概要を発表した。設備、施設整備費の前倒しなど12年度補正の11億1332万円を合わせた「15カ月予算」は、本年度比1・5%(4億141万円)増の271億6355万円となった。  収入の3分の1を占める国からの運営費交付金は、国家公務員の給与削減相当額(6億3506万円)などが引かれ、本年度比7・6%(7億2241万円)減の88億1658万円。  自己収入は、授業料収入などが0・5%(1525万円)減の33億5217万円、病院収入が0・2%(2575万円)増の138億8148万円で、補正予算を含まない13年度の全体収入は、2・7%(7億1192万円)減の260億5023万円となった。  支出では、教職員の人件費や基礎的教育研究費、大学施設の維持管理費などの一般経費が6・1%(7億786万円)減の108億3993万円。特別プロジェクトや基盤的設備の整備などの特別経費は13・5%(7624万円)減の4億8822万円だが、補正予算を含めると16億154万円となり、本年度比183・7%増となった。  特別プロジェクトの主な新規分としては、地域医療指導者育成プログラムや、グローバル社会に必要な大学院教育モデルの確立と大学間連携の強化が盛り込まれた。 "[he-forum 17459] 福島民報論説1/28","福島民報論説2013年1月28日付 【大学改革プラン】福島大こそ先進事例  国公立大入学試験の出願がきょうから始まる。福島大は昨年、東京電力福島第一原発事故の影響で志願者が大幅に減ると心配されたが、実際には前年を大幅に上回った。県内出身者がかなり増えたためだった。景気が低迷する中で地方では国公立大への受験生回帰が進み、「地元の大学で学び、福島の復興に役立ちたい」との決意を持つ志願者が多かったものとみられる。  福島大は高い倍率の翌年に、敬遠されて倍率が下がる傾向がある。大学側は、昨年受験生を送り出した県内外の500近い高校にチラシを送って放射線への取り組みや災害復興支援学の開設などをPRしてきた。今春も受験生が集まることを期待したい。  福島大は東日本大震災直後から復興支援に着手、35件もの多岐にわたる緊急研究課題に取り組んだ。その成果を関係自治体に報告するなど、被災地の大学としての役割を果たしてきた。  ただ、本県の復興に向けて歩む福島大に、文部科学省の大学改革実行プランが重くのしかかる。急激な少子化、国際化などが進む中で、大学・学部の設置目的や公的教育機関としての存在意義を問い直す内容で、昨年6月に公表された。  改革プランが出た背景には、国立大への財政負担を減らしたい財務省の意向があるとみられる。改革が実行されれば、学部の再編ばかりか大学の統廃合すらあるのではないかとの懸念が出ている。特に規模が小さい地方の大学ほど苦しい立場にあるという。  今後存続するためには、今ある学部が地域のために役立っているか、その地域に必要なのか-などが大きなポイントとなる。  福島大は時代の要請を先取りするかのように、既に平成16年に学部を再編している。旧制福島師範時代からの伝統がある「教育学部」の名称をなくすなどして4学類で新たなスタートを切った。  震災後は大学全体で地域のために一層努力してきた。地方の大学が自治体や住民と連携して地域を支援している例として、文科省は福島大生が避難所の子どもに勉強を教えたことを挙げている。  本県の復興には福島大での研究と人材育成が欠かせない。放射線や除染、再生可能エネルギーなどの研究は地元大学ならではの「地の利」もあるはずだ。  福島大には、本県が原発被害から立ち上がるために大きな使命を持つ。改革プランで画一的に縮小したり切り捨てたりすることはできない、と訴えたい。(佐藤 晴雄) "[he-forum 17471] 日本経済新聞2/5","学生確保の見通しなど審査強化を 大学設置認可見直し  大学の設置認可のあり方を議論していた文部科学省の有識者会議(座長・浦野光人ニチレイ会長)は4日、見直しの方向性をまとめた報告書を下村博文文科相に提出した。大学・学部の新設を審査する際、学生確保の見通しについてより明確に示させるなど、審査の強化を求めた。  当面の改善策として、大学新設時は学長予定者などから将来構想を聞き取る「全体構想審査」を行い、その後に教員数や施設などの詳細な審査に入ることを提言。大学の必要性や地域ニーズも重視する。文科省は2014年度開学の大学から適用する。  中央教育審議会などで今後検討する事項としては、学校法人の内部統制や法令順守の体制、資産状況などを厳しくチェックする仕組みづくりを挙げた。  春に申請して約7カ月後に認可が下り、翌春に開学するという現行の審査スケジュールの見直しも要請。審査期間を延ばすとともに、余裕を持って学生を募集できるよう認可時期を早めることを検討すべきだとした。 "[he-forum 17470] 毎日新聞徳島2/4","毎日新聞徳島版2013年2月4日付 シンポジウム:大学の地域貢献考える 教授ら意見交換−−徳島大 /徳島  大学の地域貢献のあり方について考えるシンポジウムが3日、徳島市の徳島大で開かれた。同大を含め全国5大学の教授が、それぞれ実際に地域社会や自治体と取り組んでいる事例を紹介し、意見交換した。  同大の岸江信介教授(言語学)は、研究室の学生らが同市と協力して取り組んだ公文書の外国語翻訳について発表。岸江教授は「議論を重ね市や県に提言したい」と述べた。  その後の討論では、在日外国人支援などの地域連携を進める神戸大の岡田浩樹教授(文化人類学)が「大学は中長期のスパンで地域のために仕事をすべきだ。単に今、役立つだけではいけない」と指摘した。また、他の参加者からは「大学は教育・研究機関であり、地方自治体との関係を見直すべきだ」との意見も出された。【大原一城】 "[he-forum 17469] NHKニュース2/1","NHKニュース2013年2月1日13時36分 “奨学金の悩み”無料電話相談  「就職できず奨学金が返せない」など奨学金に関する悩みに弁護士が無料で電話相談に応じる「奨学金返済問題ホットライン」が1日、全国一斉に行われています。  ホットラインは午後10時までで、全国共通の電話番号は0120-459-783です。  このうち、東京の会場では4人の弁護士が相談に当たっています。  長引く不況で奨学金を利用する学生が増え、昨年度に国の奨学金制度を利用した大学生と短大生の数は初めて100万人を超え、全体の4割近くに上っています。  奨学金問題に詳しい弁護士によりますと、厳しい雇用情勢のなか、卒業後も就職できなかったり、安定した仕事に就けなかったりした人たちから、「生活が厳しく奨学金が返せない」という相談が増えているということです。  1日も「失業して生活保護を受けて暮らしている。80万円になった奨学金の延滞金の支払いを求められている」という相談が寄せられ、弁護士が「裁判を通じて延滞金が増えないようにし、そのあと返済計画を考えるとよい」などとアドバイスをしていました。  ホットラインの呼びかけ人の岩重佳治弁護士は、「奨学金を返せなくなった人への救済制度はあるが、要件が厳しく、使いづらいのが現実だ。奨学金問題で悩んでいる人は誰でも相談してほしい」と話しています。 "[he-forum 17468] 日本経済新聞1/30","日本経済新聞2013年1月30日付 奨学金返済額は所得で変動 文科省、17年度にも導入  文部科学省は大学卒業後の所得に応じて奨学金の毎年の返還額が変わる「所得連動返済型奨学金制度」を2017年度にも導入する。現在は所得水準に関係なく定額を返す方式で低所得の若い世代を中心に負担が重いとの声が出ていた。意欲ある学生が安心して勉学に打ち込める環境を整える。  新制度の検討やシステム設計の費用として13年度予算案に1億円を盛り込んだ。有識者会議を設け、具体的な制度設計を進める。  現行制度は年収が300万円を上回るまでは返済が猶予され、その後は一定額を返す。月5万4千円の無利子奨学金を4年間借りるとしたモデルケースでは、返済額は月1万4400円になる。  新制度は毎年の返済額を課税所得の1割にすることを検討。年収300万円を超えた場合の返済額は月7千~8千円で、所得が上がるにつれて増額する。返済総額は変わらない。  景気悪化の影響などで奨学金の滞納額は増加中。文科省は「新制度が導入されれば少しずつでも返済したいという人の気持ちにも応えられる」としている。 "[he-forum 17467] 河北新報1/30","河北新報2013年1月30日付 放射光施設、東北7国立大誘致 宮城・丸森町が候補地名乗り  東北の7国立大が連携し東北誘致を進める大型放射光施設の建設地に、宮城県丸森町が名乗りを上げた。町は29日、専門家を町内に招いて講演会を開催。今後、大学側への働き掛けのほか、町民への浸透を図るなどし誘致活動を本格化させる。  7大学の学長らで構成する「東北放射光施設推進会議」の事務局を務める早稲田嘉夫東北大名誉教授は29日、町内の講演会で「産業利用ニーズは多い。丸森に建設されれば町の未来を切り開く施設になる」と述べた。  大型放射光施設は光速近くまで加速させた電子を磁場の力で曲げた際に出る放射光を使い、物質の構造を解析する装置。生命科学や医療など幅広い分野で利用される。  弘前、岩手、東北、宮城教育、秋田、山形、福島の7大学が誘致に乗り出し、推進会議が昨年8月、文部科学省に設置を要望した。  建設が国に認められた段階で正式に候補地を募るが、丸森町はいち早く動き始めた。建設地として町北部にある舘矢間地区の町有地47ヘクタールを用意。既に地盤調査も実施した。関連企業の進出も見込めることから、仙南地域の近隣自治体と連携し誘致活動を展開したい考えだ。  7大学が新設を目指す施設はリング型で周の長さ約300メートル、直径約100メートル。県内に建設された場合、10年間で約3200億円の経済効果が見込めるとの試算もある。  関係者によると、現時点で丸森町以外に、県内を含む東北の複数の自治体が関心を示しているという。  保科郷雄町長は「誘致できれば、町の過疎化に歯止めをかけられると期待している。町民とともに放射光への理解を深めながら進めたい」と話している。 "[he-forum 17472] 静岡新聞2/5","静岡新聞2013年2月5日付 減災へ東海圏国立6大学連携 静大など3月組織設立  南海トラフ巨大地震などの被害軽減を共に目指そうと、静岡大、名古屋大、岐阜大、三重大など国立6大学の防災研究部門が3月、連合組織「東海圏減災研究コンソーシアム」を設立する。互いの研究成果やデータを共有・活用するほか、防災人材の育成プログラムなどへの教員の相互派遣も進める。  名古屋工業大、豊橋技術科学大を含む6大学はそれぞれ地震学、土木建築、防災教育など得意分野がある一方、研究者を欠く分野もある。地質や災害情報、火山、津波などの専門家がいる静岡大には、土木建築の学科はない。  このためコンソーシアムでは「各大学が互いの足りない部分を補完し、特長を伸ばせるように連携する」と、静岡大防災総合センターの牛山素行副センター長は説明する。研究成果や人材育成を通じて、各県の防災力向上への貢献も目指す。  3月3日、名古屋大野依記念学術交流館(名古屋市千種区)で設立記念のシンポジウムを開き、6大学の代表者が今後の連携方法を話し合う。毎年1回は各大学持ち回りで研究成果の報告会を開き、情報共有化を図る。  コンソーシアム設立を呼び掛けてきた名古屋大の福和伸夫・減災連携研究センター長は「大学は研究成果を競う面もあるが、災害に対しては協力して立ち向かっていく必要がある」と話している。 "[he-forum 17466] 愛媛新聞1/30","愛媛新聞2013年1月30日付 産学連携研究、成果を発表 愛媛大  愛媛大は29日、2012年度に産学連携促進事業に採択した研究の発表会を愛媛県松山市文京町の同大で開き、農学部や工学部の教員らが成果を披露した。  同事業は07年度に始まり、産学連携の可能性のある研究を資金面で支援。29日は、12年度採択分15件のうち5件の発表があった。  工学部の森雅美技術員は、悪臭の原因物質の濃度などを測定するガスセンサーを「ニオイセンサー」に応用する研究を発表。「家庭用の空気清浄器やエアコンに付けて換気のサインを示すセンサーにしたい」と話した。 "[he-forum 17465] 岩手日報2/3","岩手日報2013年2月3日付 岩手大に産学連携拠点を設立へ 共同研究体制を整備  岩手大(藤井克己学長)は、産学連携拠点となる「ものづくり基盤技術開発コンソーシアム(連合体)」を設立する。同大が中心となって運営する産学官の岩手ネットワークシステム(INS)をベースに、産業界のニーズを踏まえた共同研究体制を2012年度内に整備する。4日には企業向け説明会を開催する予定で、本県の産業振興を目指し次世代の技術開発や人材育成を行う。  同コンソーシアムは、企業の共通課題や個々の研究者が取り組む関連テーマを再構成し、新たな連携テーマの発掘や共同研究のマッチングを支援する。複数企業と複数の研究者が参加する共同研究を可能にする仕組みを取り入れるのが特徴で、研究に必要な装置やスペースは大学が提供する。  同大の強みである▽金型(かながた)▽鋳造▽高機能化学合成-などの基盤技術を核に、次世代自動車をはじめとする成長産業の育成を後押し。共同研究の短期(3年内)成果目標として60件を掲げる。12年度内に設立し、13年度から運営事業をスタートする方針だ。4日の企業向け説明会は午後1時半から、同大内の盛岡市上田4丁目の市産学官連携研究センターで開かれる。問い合わせは同大地域連携推進センター(019・621・6292)へ。 "[he-forum 17464] 千葉日報1/29","千葉日報2013年1月29日付 グローバル人材育成へ 海外留学50%目指す 千葉大が大学改革シンポ  グローバル人材の育成を目指す千葉市稲毛区の千葉大学(斎藤康学長)が28日、大学改革シンポジウムを開催した。海外留学を積極的に進めるなど、語学力だけでなく、国際理解に必要なさまざまな知識を身に付け、世界で通用する人材を育てるのが目標。シンポジウムでは新年度から始まる「Skipwiseプログラム」を紹介し、今後の方策を説明した。  Skipwiseは(1)飛び入学・早期卒業で「時間を貯金」し複数回の留学を経験(2)日本・国際文化を学び「国際日本学」を習得(3)TOEIC730を目標値とした英語学習(4)国内外でのインターンシップ、ボランティアなど実践活動の四つの柱を運用するプログラム。斎藤学長は「言葉だけでないコミュニケーションをとれる人材を育てる必要がある」と、プログラムの意義を強調する。  既に同大で導入している飛び入学・早期卒業は、留年せずに半年、1年の留学や、複数回の短期留学を可能にする。目標人数を設定して、徐々に増やし、将来的に学生の半数が留学できる体制づくりを目指す。また海外への学生派遣ではASEAN諸国の小中高校で授業を行ったり、海外に進出している日本企業でインターンを行うなどを企画する。 "[he-forum 17463] 読売新聞栃木2/5","読売新聞栃木版2013年2月5日付 大学中退者どう支援…あす実態報告と公開討議  社会から孤立しやすい、大学を中途退学した人への支援などについて考えるシンポジウムが6日、県庁研修館で開かれる。県内の大学関係者らによる中途退学者の実態調査の報告や、専門家による公開討議が予定されている。主催者は「多くの人と情報を共有し、問題の解決につなげたい」と参加を呼びかけている。  宇都宮大や足利工業大など県内の6大学やNPO法人、県などがメンバーとなり、昨年3月に発足した「中途退学者に関わる課題・支援検討委員会」が初めて開催するシンポジウム。委員会の調査部会が実施した中退経験者への聞き取り調査の結果や、県内各大学での支援状況などが報告される。  また、公開討議は「大学等からの中途退学者アンケートより見えてきたこと」をテーマに行う。討議者は、労働政策研究・研修機構の小杉礼子統括研究員、「日本中退予防研究所」(東京)の山本繁所長、県連合教育会の丸山隆相談部長の3人。大学生やその家族が、個別に悩みを相談できる相談会も開く。  文部科学省によると、大学や短大を中途退学した若者は全国で約6・7万人(2010年度)いるとされる。しかし、大学には中退率を公表する義務がなく、実態把握がなおざりになってきた。小中学校や高校のような「不登校」対策が乏しいうえに、大学を離れると就労支援を受けにくく、そのまま若年無業者(ニート)になる人も多い。県内でも、若者の自立支援を行うNPO法人と大学との連携がほとんどなく、若者が孤立化するケースが目立つ。  シンポジウムは午後1時半から研修館講堂で行われる。参加は無料。問い合わせは、NPO法人とちぎユースサポーターズネットワーク(028・612・3341)。 "[he-forum 17479] 共同通信1/10","共同通信2013年2月10日1時52分 南海トラフ地震、被害軽減へ連携 名大など6大学  南海トラフ巨大地震による甚大な被害が懸念される東海4県(岐阜、静岡、愛知、三重)にある名古屋大や岐阜大など国立の6大学は、地震学や建築学などの知見を生かし、連携して被害軽減を目指す連合組織「東海圏減災研究コンソーシアム」を3月に発足させる。  参加するのは2大学のほか静岡大、名古屋工業大、豊橋技術科学大、三重大。  東海地方は津波や帰宅困難者対策、コンビナートの安全確保などの課題を抱え、土木学や地震学、建築学、人文社会学など幅広い分野の連携が求められる。研究成果やデータの共有、研究者同士の情報交換、人材育成、各県でのシンポジウム開催などに取り組み、対策推進につなげる。  旗振り役の名古屋大減災連携研究センターの福和伸夫教授(地震工学)は「各大学の持ち味を生かしつつ、互いに補い合って減災の研究を進めていきたい」と話している。  3月3日には、名古屋大で発足記念行事を開く。 "[he-forum 17480] 毎日新聞2/9","毎日新聞2013年2月9日付 大阪府立大・大阪市立大:統合し16年に新大学設立  大阪府市統合本部の会合が8日開かれ、大阪府立大(堺市中区)と大阪市立大(大阪市住吉区)を統合し、16年度に新大学を設立することを決めた。首都大学東京を抜き、学生数や財政規模で全国トップの公立大学が誕生する。14年度に両大の理事長など人事・組織を一本化し、15年度に法人を統合する。新大学は、新設する地球未来理工学部、獣医学部、看護学部など9学部、4学域で構成する。 "[he-forum 17478] 読売新聞2/11","読売新聞2013年2月11日付 研究費不正に罰則強化…応募停止最長10年  公的な研究費の不正使用や、データ捏造などの不正行為を防止するため、文部科学省は研究者に支給する補助金の規定を見直し、2013年度支給分から、罰則を強化する方針を決めた。  研究費を私的流用した悪質な研究者に対しては、応募資格を現状の2倍の10年間停止する。新たに上司の監督責任も問う。厚生労働省など公的研究費を扱う他の7府省も罰則基準をそろえ、不正の根絶を図る。  政府の公的な研究費は12年度予算で約4300億円あり、文科省分は約3580億円を占める。うち約2570億円は科学研究費補助金(科研費)。こうした研究費は、研究者が獲得を競い合うため競争的資金と呼ばれる。  公的な研究費を巡っては、年度内に使い切れなかった分を、消耗品を購入したことにして取引業者に預ける「預け金」などの不正がしばしば発覚し、文科省は07年、管理・監査のガイドライン(指針)を策定。大学などに発注・納品を確認するチェックシステムの強化などを求めた。  しかし、同省の調査では07~11年度の5年間に、科研費だけで約300人が不正を理由に応募資格を停止され、計3億円近くの返還を命じられた。11年には大阪大でカラ出張などによる約4000万円の不正経理が発覚。12年には北海道大で35人の教員による計約2億2300万円の「預け金」も見つかっていた。このため、文科省、厚労省、内閣府、総務省など8府省は昨年10月、研究費の不正に対して統一的なペナルティーを科すことを申し合わせた。 "[he-forum 17477] 朝日新聞2/8","朝日新聞 2013年2月8日12時59分 研究費不正に厳罰 政府、応募制限を最長10年に  全国の大学や研究機関への公的研究費について、政府は、新年度から研究者に不正使用があれば、応募の制限期間を最長10年に厳しくすることを決めた。上司ら管理者についても、不正に関わっていなくても監督責任を問い、2年間、応募を制限する規定を新たに盛り込んだ。  内閣府や文部科学省、厚生労働省など8府省でつくる政府の連絡会は昨年10月、公的研究費の不正受給や不正使用の防止を図る「競争的資金の適正な執行に関する指針」を改正した。個人の利益を得るための私的流用をした場合、新年度予算分から、研究費受給の応募制限期間を現行の5年から10年に延ばす。  下村博文・文科相は8日の閣議後会見で「(制限期間が)10年ということは、事実上、その研究者が続けていくことは不可能に近い。公正なルールにのっとって対応してほしい」と注文した。 = "[he-forum 17476] 毎日新聞2/8","うちわ話:国家公務員の退職手当引き下げに伴い… /香川 毎日新聞 2013年02月08日 地方版  国家公務員の退職手当引き下げに伴い、地方自治体でも同様の動きが広がっている。だが、埼玉県など年度 途中から引き下げを始めた自治体では、教職員や警察官などの早期退職者が相次いだ▼早期退職者を批判するのは適当ではないと感じる。ローンの返済計画など 私的な事情もあり、苦渋の決断だったと思う。疑問なのは、行政側がなぜ十分な周知期間も設けず年度途中から引き下げるかだ。早期退職者が多数出ることは予 測できたはずだ▼「年度末まで勤めた人の方が退職金が少ないという制度的におかしな形になる」として、県は4月から引き下げる予定だ。国の意向に沿うこと も必要と思うが、県民への影響も考えながら今後も行政運営してほしい。【久保聡】 "[he-forum 17475] 財経新聞2/7","財経新聞2013年2月7日付 大学設置 認可見直しで検討会がまとめ  田中眞紀子氏が文部科学大臣就任直後に取り組んだ大学設置認可見直しに向けて立ち上げた検討会が4回の審議を経て、6日までに会としての報告をまとめた。文部科学省に検討の成果を反映させるよう要望している。  それによると「学生確保の見通しや社会的人材需要等を十分に考慮することを審査基準上明確化することや設置認定審査の充実」を早期に実施するよう提案している。  このなかで、全体構想審査の実施について「設置構想全体が社会的ニーズ等を反映し、現実性が十分に認められるものであることを確認できるよう、大学新設の際には教育課程や教員等の内容の審査に入る前に、理事長(予定者)や学長予定者を直接面接し、設置構想全体について説明を求める機会を設ける」こと。  また「大学と地域との関係は重要」として「新設の場合、自治体として大学に期待することや地域にとっての意義、大学との連携への意識等を確認する。特にキャンパスの誘致等があった場合、大学への支援内容等を重点的に確認する」などを提起した。  学生確保については「地域社会の人材需要等に詳しい者を専門委員等に加えるなどの審査体制の充実を図る」こともあげた。  一方「学生が計画通り確保できなかった場合でも安定的な大学運営が求められることから、対応方針について審査の過程で確認する」こともあげた。  このほか「設置計画に係る財務計画の妥当性を十分確認することが重要であるため、寄附金等に係る提出書類の充実などにより、実態を伴った寄附であるかどうかを厳格にチェック。同時に、虚偽申請や認可後の不適正な状況があった場合等のペナルティを強化する」ことを提言した。  あわせて、認可後も継続的に改善・充実を図るため「事後チェック機能の強化を含む質保証のトータルシステムの確立や大学の閉鎖等の場合の学生保護の仕組みなど、退出の制度設計、学生や保護者の立場に立った情報公開の一層の促進」に取り組むよう求めている。 "[he-forum 17474] 河北新報2/6","河北新報2013年2月6日付 山形大学生ら摘発続発 学長「異常事態」 再発防止急ぐ考え  学生が逮捕される事件が相次いでいる山形大の結城章夫学長は5日の定例記者会見で陳謝し、「異常事態と思っている。多くの卒業生が長年培ってきた信頼を揺るがした」と、再発防止に取り組む決意を示した。事件が続く原因を専門家に分析してもらい、あらためて対策を検討する。  同大ではこれまで、教職員が学生に注意喚起したり、悩みを相談する学生センターの利用を呼び掛けたりしてきた。結城学長は「大学の意図が学生一人一人に伝わっているか分からないが、繰り返し努力するしかない」と述べた。  同大では本年度、学生計6人が公然わいせつや盗みの疑いで逮捕されたほか、職員2人が酒気帯び運転の疑いで逮捕され、1人が同容疑で取り調べを受けた。 "[he-forum 17473] 佐賀新聞2/7","佐賀新聞2013年2月7日付 学長選候補の推薦受け付けを開始 佐賀大  佐賀大学の学長選考会議は6日、9月末の任期満了に伴う学長選考の候補者推薦の受け付けを始めた。候補者は学内外を問わず、3月22日まで受け付ける。  候補者は教育・研究分野での優れた業績や組織のトップ、幹部経験などを資質の条件とする。推薦には20歳以上の推薦者(学内外問わず)10人の連署が必要。受け付け終了後、5月中旬以降に候補者の所信表明演説や教職員による2回の意向投票を実施。候補者が1人の場合、投票は1回となる。  選考会議での面接を経て、意向投票の結果も踏まえて6月上旬に決定する予定。選考会議は、学部長ら学内関係者7人と学外の識者7人で構成する。学長の任期は10月1日から4年間で、再任の場合は2年間となる。 "[he-forum 17483] 中日新聞1/31","中日新聞2013年1月31日付 経済苦 忍ぶ大学院生 国の支援策これから  高い学費の工面や奨学金の返済など、経済的な不安を抱える大学院生が増えている。国はこれまで、大学などの高等教育の段階的無償化を求めた国際人権規約の条項を、30年以上留保してきたが、昨年秋に撤回。ただ、学費の減額や返還不要な給付制奨学金制度の創設など、無償化に向けた具体的な施策はこれからだ。 (福沢英里)  愛知県内に住む大学院の博士課程に在籍する女性(26)は、八百万円を超える奨学金の返済額にため息をついた。受験を控えた中学三年のころ、父親は病気で入退院を繰り返していた。教師になりたかったので、奨学金を借りて高校、国立大へ進学。研究者の道も視野に大学院に進み、その間の学費や生活費の大半を奨学金に頼ってきた。  学部生の時はほぼ毎日していたアルバイトも、大学院へ進んでからは研究時間を確保するため、週二回に減らした。博士課程の一年目に結婚。就職や返済の見通し、子どもは持てるのかを考えると、将来への不安が常にあった。実家の家族も支えねばならず、大学をやめて地元で公務員試験を受けようと考えていたところ、専門学校の常勤教員の職が見つかった。  大学を休学して働き始めてまもなく、妊娠が分かり、昨年末に出産。教員の夫も奨学金の返済があるため、二カ月の子どもを保育所に預け、二月にも仕事に復帰する。「仮に月五万円弱の返済でも十年以上はかかる。実家へ仕送りもしたい」と女性。いつ復学できるかは分からない。      ◇  全国大学院生協議会(全院協、東京)が昨年実施した「大学院生の経済実態に関するアンケート」によると、回答した七百五十五人の七割以上がアルバイトをしており、その目的として93%が「生活費あるいは学費を賄うため」と回答した。さらに半数の大学院生が、生活費や研究費の工面に不安を抱えていることも分かった=グラフ。  背景には日本の大学の学費が、国際的に見ても高いことがある。経済協力開発機構(OECD)加盟国の半数は大学の学費が無料なのに対し、日本の高等教育に対する教育費支出の対国内総生産(GDP)比は、加盟国の中で最低の0・5%にすぎない。  そのしわ寄せは家庭にも及ぶ。日本政策金融公庫が昨年十一月に発表した調査でも、高校入学から大学卒業までの費用は、一人あたり千三十一万円と、五年連続で高水準。世帯年収に占める教育費の割合は平均39%と、過去十年で最高になった。  奨学金返済に困窮する学生を支援する法律家らの全国組織が、三月にも発足する一方、根本的な問題解決のため、全院協は毎年、授業料の減額、授業料免除枠の拡大、給付制奨学金の創設の三点を柱に、文部科学省や日本学生支援機構などに訴えてきた。  二〇一二年度予算の概算要求に一度は盛り込まれた給付制奨学金も、一三年度予算では見送り。国は一二年度から始めた、奨学金を受けた本人が卒業後、年収三百万円を得るまで返済を猶予する新しい奨学金制度(院生は対象外)をさらに進めることや、「授業料免除枠の拡大に努力する」との回答にとどまっている。  東京都内の国立大に通う博士課程の女子学生(26)は昨年、月二十万円が支給される日本学術振興会特別研究員に選ばれ、学費と生活費を工面する苦労からひとまず解放された。しかし、特別研究員の採用枠は博士課程の学生全体の一割に満たない。女子学生は「選考が厳しく応募をためらう学生や、制度を知らない学生も多い」と院生の厳しい現状を嘆く。  全院協議長の奥村美紗子さんは「安心して研究生活に専念できるよう、今後も返還の必要のない給付制奨学金の創設を粘り強く訴えていきたい」と話している。 "[he-forum 17482] 読売新聞2/12","読売新聞2013年2月12日付 教員就職率80%、3年連続1位の国立大は…  鳴門教育大(徳島県鳴門市)は同大学の学校教育学部を昨年3月に卒業した学生の教員就職率が80%となり、国立の教員養成大学の中で3年連続で全国1位になったと発表した。  44大学・学部の卒業生の昨年9月末現在の教員就職状況を文部科学省が調査。同大学では昨年の卒業生数は110人で、うち88人が就職した。正規採用は53人だった。2位は兵庫教育大の78・8%。四国では高知大が58・8%、香川大が58・5%、愛媛大が50・7%だった。  同大学では少人数クラスによるきめ細やかな指導や、卒業生の現職教員との意見交換の場の設定、模擬面接や模擬授業といった実践的な教育をするなどして、学生をサポートしている。  同大学は「学生が自己実現できるように、引き続き就職支援体制の充実に努めたい」としている。 "[he-forum 17481] 中国新聞2/14","中国新聞2013年2月14日付 広島大旧理学部を無償取得  広島市などが進める中区の広島大本部跡地(11・4ヘクタール)の再開発で市は13日、跡地内の被爆建物、旧理学部1号館とその敷地を、所有者の独立行政法人国立大学財務・経営センター(千葉市)から無償で取得する方針を正式に表明した。1号館の保存・活用方針を決めるための調査を2013年度に実施。将来は隣接する市東千田公園と一体化して開放する考えも明らかにした。  東千田公園は3・0ヘクタール。東に隣接するセンター所有の1号館と敷地0・6ヘクタールについて、市は3月末までに無償で譲り受ける方向で調整している。  市は13年度、老朽化した1号館の劣化状況を調査し、保存・活用策を検討する。具体的な保存・活用策の決定を踏まえ、1号館と敷地を東千田公園に組み込む想定でいる。  センターは現在、1号館の敷地を柵で囲い人の立ち入りを禁止している。敷地では07年、土壌汚染対策法の基準値を超える鉛や水銀など有害物質が検出された。市は公園として開放する際、盛り土や芝生を植えるなどして現在の表土の飛散を抑えるとしている。 "[he-forum 17484] 読売新聞2/14","読売新聞2013年2月14日付 輝く女性研究者たち…大学OG紹介本が出た  鹿児島大が発行した「輝く女性研究者たち」  鹿児島大男女共同参画推進センターは、卒業生や同大に所属する女性研究者のキャリアや研究活動を紹介する「輝く女性研究者たち―鹿児島大学ロールモデル集―」(A5判、39ページ)を発行した。  理系への進学や研究者を目指す女子生徒、学生が少ない傾向にあることから、研究の魅力を伝えることでキャリア形成を支援し、理系を希望する学生を増やそうと製作した。  臨床心理学や看護学の研究者、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の職員など16人が登場。その道を目指したきっかけや研究内容のほか、趣味や育児方法、一日のタイムスケジュールなども紹介している。同センターは「研究内容だけでは硬い読み物になるので、日常の様子が分かる写真も多く取り入れた」という。  鹿児島県内の全中学、高校のほか、市町村教委などに配布している。同センターの山口真理コーディネーターは「どんな分野でも女性が活躍している時代。女性の視点やパワーを研究に生かしてほしい」と話している。 "[he-forum 17491] 新潟日報2/20","新潟日報2013年2月20日付 新大病院に医療人育成センター  14年開設  新潟大医歯学総合病院(新潟市中央区)は高度医療に対応した医師の育成を目的とする「新潟医療人育成センター」を、2014年に大学構内に開設する。魅力ある研修環境を整えることで、臨床研修医の県内への定着を図る。建設費用の5億1千万円は国の交付金を充てる。県の13年度当初予算案に計上する。  新大や県によると育成センターは4階建て。病院内に分散していた内視鏡や腹腔(ふくくう)鏡を使った手術を疑似体験できる新鋭シミュレーターを集約し、24時間使えるようにする予定。このほか、疑似手術室や疑似病室も設ける。 "[he-forum 17487] 日本経済新聞2/19","日本経済新聞2013年2月19日付 科技会議の権限強化 科技相、予算配分などで改革案  山本一太科学技術政策担当相は政府が18日に開いた産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)で総合科学技術会議の改革案を示した。各省庁が独自に計上している科技関連予算を科技会議が一元的に配分する機能強化案が柱。現在、休眠状態となっている科技会議を今後、1カ月に数回程度開く方針も盛り込んだ。  同会議は2001年の省庁再編で科学技術政策の司令塔として内閣府に設置された。しかし、科技関連の予算は経産省や文科省などの関係省庁が別々に計上し、縦割りの弊害が指摘されている。予算の配分・執行で政府は今後、強い権限を与える法改正を検討する。  また、橋本和仁東大教授ら民間委員も改革案を示した。研究開発を担う大学や独立行政法人への補助金の拡大や、国が主導する研究開発機関の創設も提言した。  安倍首相は競争力会議で「科学技術会議の司令塔機能を抜本的に強化する。権限・予算の両面において、これまでにない強力な推進力を発揮できるようにする」と強調した。  一方、自民党も専門の部会が科技会議の改組について3月末をメドに改革案をまとめる方針だ。科技相は党の案も参考に最終的な改革案を6月までに産業競争力会議に示す。 "[he-forum 17486] 信濃毎日新聞2/20","信濃毎日新聞2013年2月20日付 基本構想「新年度決定も」 県、新設県立大で見通し  県短大を四年制化し新設する県立大の基本構想の決定時期について、県の増田隆志・県立大学設立準備室長は19日の県会「県短大の4年制化に向けた懇談会」(石田治一郎会長)で、「新年度に入ることも想定される」との見通しを示した。増田室長は「できるだけ早い段階で決める」と強調。決定した段階で、大学開設に向けた補正予算計上を始めるとした。開設時期は明言しなかった。  県は当初、昨年中に基本構想を決定予定だったが、昨年秋の素案公表後、管理栄養士などの養成課程の設置が可能かあらためて検討。これに、同様の課程があり競合関係になる松本大(松本市)など県内私立大が反発し、県側との意見交換が続いている。  県会側からは同日、県短大同窓生の石坂千穂氏(共産党、長野市)が、素案公表以降、外部有識者らによる設立準備委員会が開かれず、検討経過などが県民に明らかにされていないと問題視。受験生への影響から、基本構想決定が「これ以上遅れるのはどうか」と早期決定を促した。  倉田竜彦氏(改革・新風、長野市)も「段々混乱してきている。期限を決めて進めるべきだ」と要望。1月に松本大などと懇談した望月雄内氏(自民党、安曇野市)は私立大側から十分に意見を聴取するよう求めた。 "[he-forum 17490] 神奈川新聞2/20","神奈川新聞2013年2月20日付 地域連携へ、保土ケ谷区と横浜国大が協定結ぶ/神奈川  横浜市保土ケ谷区(鈴木和宏区長)と横浜国立大学(同区、鈴木邦雄学長)は19日、地域での連携を図るため、連携協力協定を結んだ。  連携内容は(1)人材の育成(2)学術研究の推進(3)地域の活性化(4)安全・安心なまちづくり-など7項目。協定期間を3年とし、定期的に事業結果を検証する。  両者はこれまでにも、区役所での学生インターンシップ(就業体験)受け入れや、学生による生活保護家庭の中学生の学習支援など、個別に連携してきた。協定を結び、一層の推進を図る。  区の2013年度予算案には、新規事業として「横浜国立大学パートナーシップ事業」(110万円)を計上。地域の魅力づくりや課題解消に向けた研究などへ助成する。  鈴木邦雄学長は「地域と連携することで教育・研究の質を高め、地域にも貢献していきたい」、鈴木和宏区長は「行政だけでなく地域で学ぶ学生とともに福祉やまちづくりなどを考えていきたい」と語った。 "[he-forum 17489] 河北新報2/19","河北新報2013年2月19日付 放医研と共同研究へ 山形大の重粒子線がん治療装置  東北、北海道で初の重粒子線がん治療施設設置に向け、東北の経済界や行政機関、医療団体が意見を交わす「山形大重粒子線がん治療施設設置推進協議会」(会長・結城章夫学長)の2回目の会合が18日、山形市の山形大で開かれた。大学側は、同治療施設の関連費用約10億円が国から初めて予算化されたことを報告し、今後、放射線医学総合研究所(千葉県)などと治療装置の共同研究を進めることなどを説明した。  東北経済連合会や東北経済産業局、東北大、山形県など15団体から計20人が出席、結城学長が「研究開発経費は大きな前進だが、全体としては(設置まで)1合目、2合目だ」とあいさつした。  大学側は、2012年度補正予算案に盛り込まれた関連費用約10億円の内訳について、(1)次世代型重粒子線装置の開発に向けた技術開発に7億2000万円(2)広域医療ネットワークを活用した患者情報管理の基盤技術開発に2億8800万円-と説明。150億円とされる建設資金の確保に向け、体制整備など今後の活動予定も示した。  委員からは「民間から資金を募るには、東北全域から患者を確保できるという見通しが必要だ」「がん治療だけでなく、地元産業の振興にもつなげてほしい」といった意見が出た。  会合後の記者会見で結城学長は、重粒子線装置の開発に当たり、学外から加速器物理の専門家2人を迎え、放射線医学総合研究所や装置メーカーと共同研究を進めることを明らかにした。研究開発の結果を受け、14年度概算要求に施設建設費を申請する。 "[he-forum 17488] 秋田魁新報社説2/20","秋田魁新報社説2013年2月20日付 秋田公立美術大 芸術通じて地域貢献を  秋田公立美術大学が4月に開学する。秋田公立美術工芸短大からの移行により、東北唯一の公立四年制美術大学となる。東北、さらに全国から意欲的な学生が集まり、新たな大学の礎を築くことが期待される。大学側は高度な研究成果の蓄積や優れた人材の養成に努めてほしい。加えて、芸術文化の拠点として短大時代以上に地域に開かれた運営を心掛けてもらいたい。そうした多様な取り組みが地域貢献の深化につながるはずだ。  公立美大は新しい芸術領域の創造、秋田の伝統・文化の発展、世界に発信する人材育成、地域社会への貢献—の四つの基本理念を掲げる。1学部1学科で学生を一括募集し、3年次から「アーツ&ルーツ」「ビジュアルアーツ」「ものづくりデザイン」「コミュニケーションデザイン」「景観デザイン」の五つの専攻に分かれる。アーツ&ルーツ専攻を例に取ると、日本画や彫刻などを学ぶだけでなく、地域の文化資源を発掘し、それを生かして既存の芸術にはない発想、表現を現代美術に取り入れることを目指すという。  こうしたシステムは、県外の既存の美術大学が日本画、油彩画、彫刻、工芸など、ジャンルごとの学科構成となっているのとは異なる。旧来の芸術教育の枠組みにとらわれず、地域と関わりながら新たな芸術の在り方を探究するという姿勢は評価されよう。研究の質を高めつつ、次代を担う芸術家の養成に成果を挙げてほしい。デザインやまちづくりの分野でも新しい発想で企業の商品開発やPR、地域活性化などに寄与する人材輩出を期待したい。  初の一般選抜入試(2次試験)の志願倍率が4・4倍となったことは、受験生側の期待の高さの表れと受け止められる。一方で卒業後の進路、就職先が大学に対する評価に大きく影響することは言うまでもない。  四年制移行の議論に当たり、短大卒業者は四大卒業者より就職率が低い傾向にあることが理由の一つに挙げられた。今春、短大から3年次に編入する学生が卒業するのは2年後。早くから学生たちの進路意識を高めてきめ細かい支援を進めるべきだろう。同時に県内外の企業に大学をPRし、養成する人材への理解を深める努力も必要だ。  1995年に開学した短大は公開講座や「アトリエももさだ」での各種イベント、デザイン関係の受託事業などさまざまな形で地域貢献に努めてきた。卒業後も県内にとどまり、制作活動を続ける若者も少なくない。  初年度、秋田市が負担する運営費交付金はおよそ8億円。公費支出に対する市民の理解を得るためにも、開学後は教授陣と学生が一層積極的に地域との関わりを深め、活性化に貢献していくことが重要だ。地域社会の側でも大学との協働で若い発想を生かし、企業活動の新たな展開やまちづくりに取り組む機運が高まることを望みたい。 "[he-forum 17485] 佐賀新聞2/15","佐賀新聞2013年2月15日付 佐賀大学美術館が着工 10月開館目指す  佐賀大学本庄キャンパス(佐賀市)に新設する美術館が14日、着工した。特設美術科の伝統をくむ「美術工芸の佐賀大」の象徴として、10月の開館を目指す。  美術館は鉄骨造り2階建てで、全面ガラス張り。本庄キャンパス北側の正面付近の駐車場に建設する。敷地面積は1712平方メートルで、展示スペースは約600平方メートル。美術・工芸課程の歴代美術教員や卒業生、学生の作品を展示する。全国の国立大学法人では2例目の美術館建設となる。  事業費は建築費6億円、施設維持管理費3億円を見込み、学内や同窓会、企業、団体などから寄付を募る。  起工式には、大学や工事関係者ら約60人が出席。佛淵孝夫学長が「やっと第一歩を踏み出せた。文化・芸術分野でも佐賀大学が貢献し、美術館を地域の交流の場にできれば」とあいさつした。 "[he-forum 17495] NHKニュース2/23","NHKニュース 2013年2月23日17時24分 奨学金返済 40%超が生活苦訴え  日弁連=日本弁護士連合会が、全国で奨学金の返済に関する電話相談を行った結果、「生活が苦しく返済できない」という相談が全体の40%以上に上っていることが分かりました。  来月、弁護士らが全国組織を作って救済に向けた取り組みを進めることになりました。  大学生などを対象にした奨学金は、年間120万人余りが利用する日本学生支援機構の制度や自治体が設けたものなどがありますが、多くは「貸し付け」で返済が滞るケースも出ているため、日弁連は先月から今月にかけて東京や大阪など全国44の弁護士会を通じて電話相談を行いました。  その結果、全国で453件の相談が寄せられましたが、「生活が苦しく返済できない」という内容が全体の42%と圧倒的に多くなったことが分かりました。 この中には「650万円を借りたが就職先が見つからない」とか、「生活保護を受けていて自己破産を考えている」といった深刻な内容も多く、親からも「子どもが病気になったが、自分は年金で生活しているため支払いが難しい」などの相談が寄せられたということです。  担当した弁護士らは来月、「奨学金問題対策全国会議」を発足させ、利用者を救済する取り組みや、返済を猶予する制度の拡充などを求める活動を進めることにしています。 奨学金返済が足かせ  電話相談を担当した「日弁連貧困問題対策本部」の岩重佳治弁護士は、「電話相談では生活に追われ疲れ切った声で問い合わせる人が多かった。卒業後に奨学金が足かせとなって苦しい生活から抜け出せない、いわば「負の連鎖」が起きていることが問題で、返済を猶予する制度の拡充や、奨学金を給付制にするなど制度の改革を求めたい」と話していました。 "[he-forum 17494] 毎日新聞青森1/31","毎日新聞青森版2013年1月31日付 弘前大:退職金削減方針で集会 職員組合が抗議  弘前大は来月1日から、国家公務員と並び職員の退職金を削減する方針を決めた。これに対し、弘大職員組合(委員長・ビクター・カーペンター人文学部教授)の組合員ら約40人が30日、弘前市文京町のキャンパスで抗議集会を開き、佐藤敬学長に説明を求める抗議声明を提出した。  組合などによると、国家公務員と同じく国立大職員の退職金削減を求める昨夏の閣議決定に基づき、大学側が削減案を提示した。来月1日から来年7月まで3段階で6〜17%減額され、勤続35年の退職金水準は2707万円から2305万円に平均402万円の引き下げとなる。これを受けた早期退職者は、30日までに看護師3人がいるという。  組合は「国立大学法人化後は民間労働者。国家公務員法の適用を受ける理由はない」と反発。「仮に削減する場合でも4月以降への実施延期と教育現場などの混乱回避措置を」と大学側に要求している。【松山彦蔵】 "[he-forum 17493] 新潟日報2/23","新潟日報2013年2月23日付 魚沼基幹病院に教育センター設置へ  県と新潟大、魚沼基幹病院(仮称)を運営する県地域医療推進機構は22日、臨床研修医を育成する「魚沼地域医療教育センター」を設置する協定を結んだ。新潟大が指導医を常駐させて運営し、地域医療を担う総合診療医を育てる。病院名は「県地域医療推進機構魚沼基幹病院(略称・魚沼基幹病院)」に決まった。  県庁で開かれた締結式には泉田裕彦知事、下條文武新大学長、荒川正昭推進機構理事長が出席。協定では、指導医の給与は病院側が負担することなどを確認した。  県によると、センターでは初期治療から高度医療、救急まで一体の研修プログラムを実施。研修医の人数は今後調整する。指導医は約30人を想定し、新大が公募などで全国から集める。指導医は診療も担い、病院の医師確保にも貢献する。2013年度中に指導医2人を採用し、準備室を置く。  泉田知事は「センターの設置で新大の教育機能が高まり、医師にとっても魅力のある医療教育環境になる」と強調。下條学長は「県内の医師の充足と定着に結びつける拠点にしたい」と述べた。  病院は15年6月に南魚沼市に開設。県が建設し、機構が運営する。 "[he-forum 17492] しんぶん赤旗2/22","2013年2月22日(金) 改定労働契約法 施行前に雇い止め 田村議員 “国のおひざ元で横行” 参院予算委  日本共産党の田村智子議員は21日の参院予算委員会で、改定労働契約法の施行(4月1日)を前に非正規雇用労働者を雇い止める動きが広がっていると追及し、不況打開にも逆行する動きをただすよう求めました。  改定労働契約法では契約期間が5年を超えた労働者は本人の申し出によって無期契約に転換されます。ところが、大阪大学では「無期転換」の申し込み権を発生させないために就業規則で上限を5年に変更しました。  田村氏は、同様の変更が神戸大学や早稲田大学でも検討されていることをあげ、「合理性がないばかりか、大学に大きな混乱をもたらす」と指摘。「わ が党が契約更新の上限設定に歯止めをかけないと『雇い止めが横行する』と指摘した通りのことが起きようとしている」と批判しました。  田村憲久厚労相は「雇用の安定を図るのが(改定の)目的」「趣旨を理解して検討してもらう必要がある」と答弁。下村博文文科相は「一律に終了させられることがないよう適切な取り扱いを促していく」と答えました。  田村議員は、日本年金機構でも、就業規則で契約更新の上限を定め、3月で2008人ものアシスタント職員を雇い止めにすることをあげ、「政府のお ひざ元で理不尽な雇い止めを止められなければ、安倍内閣が掲げる『まじめに働く人が報われる社会』も看板倒れになる」と強調しました。= "[he-forum 17497] 新潟日報3/1","新潟日報2013年3月1日付 3大学1高専、専門生かし連携協定 長岡  長岡市内にある3大学と高専による包括的連携協定の締結式が28日、長岡市千秋4の長岡造形大学であった。各学長と校長は「工学、経済、デザインという、それぞれの専門分野を生かした、多彩な研究交流を促進したい」と語った。  協定を結んだのは、長岡技術科学大と長岡造形大、長岡大、長岡工業高等専門学校。協定では、学術研究や、教職員・学生の交流、地域貢献、国際化の推進などでの連携を確認。関係を強化することで、地域社会の発展と人材育成に寄与することを目的にしている。  3大学と高専は2007年、長岡市と協定を結び、文化や福祉など市政に関わる内容で連携を深めてきた。今回の協定では、教育研究分野での連携を重視した。  締結式では、学長・校長4人が協定書にサインした。雪国での太陽光発電の開発とデザインをテーマに共同研究が進んでいる例も紹介され、技科大の新原晧一学長は「四つの高等教育機関が一緒に活動することで、地域が抱える課題を解決できる。グローバルな人材育成も進められる」と語った。 "[he-forum 17496] しんぶん赤旗主張2/27","しんぶん赤旗主張2013年2月27日付 返済苦の奨学金 給付制の導入こそが急がれる  学生時代に借りた奨学金の返済に苦慮する若者たちが増加しています。「就職が決まらず返すめどがたたない」「収入が少なく返済できない」。日本弁護士連合会が最近行った全国いっせい奨学金返済問題ホットラインには切実な相談が相次ぐなど事態は深刻です。  社会人としてスタートしたばかりの若者に多額の「借金」を強いる貸与制奨学金の過酷さを浮き彫りにしています。世界で主流となっている、返済の必要のない給付制奨学金の導入が急がれます。 世界に例ない過酷さ  奨学金は、経済的理由で進学が困難に陥らないように、国民に教育の機会均等を保障するための仕組みです。学費が高騰しているなかで学生の半数以上がなんらかの奨学金を利用するなど重要な役割を果たしています。  問題は、奨学金を利用して学業を終えた学生が、卒業とともに返済に苦しむ事態を引き起こしていることです。日本学生支援機構の調査では、同機構の奨学金滞納者は約33万人(2011年度末)と、返還対象者の1割以上にのぼっています。返せない理由の60%以上が「家計収入の減少」です。滞納者の約55%が派遣やアルバイト、失業・無職となっており、89・3%が年収300万円未満です。  就職難と不安定雇用が若者の暮らしを直撃し、「返したくても返せない」という実態を招いていることは明らかです。  75%が返済時に高額な利子がつく仕組みが深刻さに拍車をかけています。月12万円の奨学金を4年間利用した人は200万円近い利子がつく場合もあります。返還できない人に過酷な取り立てが行われ、延滞金も加算され、金融機関のブラックリストにのせられる“制裁”まで科せられます。  こんな過酷な仕組みのため奨学金利用を断念し、進学そのものを断念する若者も後を絶ちません。若者の希望を奪っている貸与制しかない日本の奨学金制度が根本から問われています。  世界では高等教育の無償化が大きな流れとなっています。OECD(経済協力開発機構)加盟の34カ国のなかで大学授業料を無償化している国は半数にのぼり、返還の必要のない給付制奨学金を導入している国は32カ国と圧倒的多数となっています。  日本政府は昨年9月、「中等・高等教育の無償化を段階的にすすめる」ことを定めた国際人権規約の留保の撤回をようやく決めました。世論と運動が政府を動かした重要な成果です。  ところが政府は態度をあらためません。12年度までは給付制奨学金の一部導入を概算要求段階で求めていたのに、13年度予算案では要求すらしない後退ぶりです。奨学金貸与数拡大も有利子が中心です。留保撤回をしておきながら、直後の予算編成で無償化に背を向け続ける態度は許されません。 無償化を確実にすすめよ  経済的理由で、教育上の差別がつくられる社会に未来はありません。貧困の広がっているときこそ国民が等しく教育を受ける権利が保障されなければなりません。  国の奨学金をすべて無利子に戻すことや返還猶予・免除などの改革を急ぐとともに給付制奨学金導入に踏み切るときです。高校、大学、専門学校の無償化を確実にすすめるうえでも重要です。 "[he-forum 17498] 新潟日報3/2","新潟日報2013年3月2日付 新原学長を再任・長岡技科大  長岡技術科学大(長岡市)は1日、学長選考会議を開き、9月に任期満了となる新原晧一学長(71)の再任を決めた。任期は9月16日から2年間。  新原学長は鹿児島県出身で、ナノ材料工学が専門。防衛大学校や大阪大学産業科学研究所の教授などを経て、2005年に長岡技科大の教授、07年に特任教授を歴任した。09年9月から現職。  新原学長は「地域や産業界と結び付き、貢献できる大学を目指す。引き続き、グローバルな視点を持った人材育成に力を入れたい」と話した。 "[he-forum 17502] 中国新聞2/25","中国新聞2013年2月25日付 岡山大、小児救急充実へ講座  岡山大(岡山市北区)は2013年度から5年間、広島県と福山市の寄付を受けて、大学院医師薬学総合研究科に「小児急性疾患学講座」を設置する。医師不足に陥っている福山市内の病院に小児科医を派遣するなどして、小児救急医療に携わる人材を育成する。  講座は小児科医の准教授と講師の2人が担当。学生向けの講義や臨床実習の指導をする。また福山・井笠地域の小児救急医療を担う福山市内の病院に週2、3日通い、休日・夜間の業務に従事しながら、研修医の指導や地域医療の維持について研究する。  広島県と福山市は13年度、講座の運営費として1千万円ずつ計2千万円を岡山大に寄付する方針。寄付総額は5年間で1億円になる見込み。  福山・井笠両地域の休日・夜間の小児救急医療は、国立病院機構福山医療センターや福山市民病院など市内の4病院の小児科医15人が輪番で担当する。  12年度は医師の退職や転勤の影響もあり、輪番の医師が確保できない「空白日」が毎月1~7日発生した。重症の子どもを尾道市や倉敷市の病院まで救急搬送せざるを得なくなるなど、医師不足が深刻化していた。 "[he-forum 17501] 西日本新聞3/4","西日本新聞2013年3月4日付 予防医科学大学院設置へ 長崎大と金沢、千葉大が連携  長崎大は2016年度を目標に、金沢大や千葉大と連携して、生活習慣病などの早期診断法や病気の予防法を研究する「革新予防医科学共同大学院(仮称)」を設置する。科学的な視点で病気を防ぎ、病気になりにくい体をつくっていく「予防医科学」の研究と人材育成を通して、医療費の削減や健康な社会づくりに貢献する。  大学間の連携推進などを目的とした文科省の国立大学改革強化推進事業(本年度予算138億円)として採択された。共同大学院設置事業の本年度の予算は21億円。  共同大学院では、これまでの1次予防(健康増進の啓発)、2次予防(病気の早期発見)、3次予防(病気の再発防止)に加えて、病気へのかかりやすさなどを遺伝子から解明する「0次予防」に取り組む。  長崎大の被ばく医療など各大学の強みを生かしながら、これまでの疫学調査経験を共有。遠隔講義のほか、教員や学生が大学間を行き来して交流もしていく。片峰茂学長は「3大学は医学に強みを持つなど共通点が多い。予防医学を担う人材を育てたい」と意欲を語った。 "[he-forum 17500] 中日新聞静岡3/4","中日新聞静岡版2013年3月4日付 減災へ連携 静岡大など6大学調印  南海トラフ巨大地震による災害を減らす目的で、静岡、愛知、岐阜、三重県の国立大六大学がタッグを組む連合組織「東海圏減災研究コンソーシアム」が三日、発足した。名古屋市千種区の名古屋大で設立協定の調印式が開かれた。  コンソーシアムに参加するのは静岡大、名大、名古屋工業大、豊橋技術科学大、三重大、岐阜大。調印式には各大学の代表者が集まり、協定書にサインした。  名大減災連携研究センターの福和伸夫センター長は「互いに弱い部分を補い合い、減災につなげたい」。静岡大防災総合センターの増田俊明センター長は「災害に県境はないという思いでコンソーシアムに加わった」と話した。  減災を進めるには、地震学だけでなく建築学、土木学、人文社会学などの研究が不可欠。コンソーシアムは、各大学の足りない部分を支援し合い、共同研究や人材育成を手がける。  集まった研究成果は相互に活用できるようにする。共同研究を進めることで、国からの予算を取りやすくする狙いもある。 "[he-forum 17499] 日本経済新聞3/2","日本経済新聞2013年3月2日付 国立大改革加速へ14補助事業を採択 文科省  文部科学省は1日、国立大学改革を後押しするために新設した補助事業に北海道大や京都大などのプロジェクト14件を選定し、発表した。国際競争力を高めるために地域内での連携を深めたり、大胆な組織改革を通じてグローバル人材を育成したりする取り組みが中心。2012年度で総額138億円を交付し、国立大の改革を加速させる呼び水にする考えだ。  補助事業が始まった背景には国立大の改革が遅いという政府の不満がある。政府は、先頭に立って改革に取り組む大学に補助金を重点配分することで、競争力を高めるとともに、統廃合や大幅な学部の再編成を促していくとみられる。  徳島大、鳴門教育大、香川大など四国の国立5校は、面接などで選考するAO(アドミッション・オフィス)入試や教養教育を共同実施し、効率を高める事業に乗り出す。北海道の国立7校も教養教育や入学前の留学生教育を共同実施する。  組織改革などでは、京都大がグローバル人材の育成を目指して「国際高等教育院」(仮称)を新設。100人規模の外国人教員を新規採用し、教養科目の半分以上を英語で講義するという構想が採択された。九州大も30人規模の外国人教員を採用し、国際社会で活躍できる人材を育てる。  国際競争力を高めるための大学間連携も採択された。獣医学を強みとする帯広畜産大と北海道大、山口大、鹿児島大の4校は地域の枠を超えて連携し、アジアで初となる欧米水準の獣医学教育の実現を目指す。  福島大と広島大、長崎大などは、原発事故の経験を生かして環境放射能の影響解明に取り組む先端研究拠点を整備する。筑波大と鹿屋体育大は世界で通用するスポーツ指導者を育てる共同大学院を新設する。 "[he-forum 17503] 秋田魁新報3/4","秋田魁新報2013年3月4日付 外国人留学生10年前の4倍 県内大学  グローバル化の進展や2004年度の国際教養大開学を受け、県内大学への外国人留学生が増えている。県の海外技術研修員を含む12年度の県内留学生数は394人(10月1日現在)で、02年度の100人から約4倍に増加。各大学は「交換留学を推進し、国際的な人材の育成に力を入れる」「将来的な研究分野での交流をにらみ、留学生受け入れを進めたい」としており、県内の外国人留学生はさらに増えそうだ。  秋田地域留学生等交流推進会議(事務局・秋田大)によると、県内の留学生数は教養大開学後、05〜10年度の6年連続で過去最高を更新。10年度は415人となり、初めて400人を超えた。  11年度は、東京電力福島第1原発事故の影響で留学辞退や延期が続出。389人と前年度より26人減少した。12年度は5人増の394人。内訳は▽秋田大211人▽県立大18人▽教養大143人▽ノースアジア大11人▽秋田高専8人—のほか、県の海外技術研修員が3人。 "[he-forum 17504] 河北新報3/5","河北新報2013年3月5日付 産学で最先端電池開発 東北大、企業と連携組織 5月設立  東北大は新年度、最先端電池の開発と実用化を目指す産学連携組織を国内の大手企業などと設立する。充電できる「2次電池」と「太陽電池」「燃料電池」の3種類について、素材や生産装置の開発、電気自動車や次世代型都市「スマートシティー」などへの活用を共同で検討する。  参加を予定する企業などへの説明会を4日、仙台市青葉区の同大片平キャンパスで開催した。設立総会を5月30日に同キャンパス内で開くことも決めた。  説明会には日本IBMや京セラ、ホンダ技術研究所、半導体製造装置大手の東京エレクトロンなど26社の関係者が出席。東北大からは流体科学、金属材料、多元物質の3研究所と未来科学技術共同研究センターの各研究室の代表者らが参加した。  計画によると、東北大が得意とするナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)の結晶作成などの技術を電池開発に生かす。手始めに大学と企業との意見交換や技術者向け講義を開催し、共同研究に移行する。  人材交流も積極的に進める。東北大の研究者や大学院生を企業に派遣し、実用段階でのニーズを吸収する。企業の開発担当者を特任教授などに任命し、先端研究に取り組んでもらう。  事業費は2015年3月分までで3億円。経済産業省の産学連携イノベーション促進事業の補助金も活用する。事業は15年4月以降も続ける方向。参加企業はさらに増える可能性があるという。  取り組みの中心を担う寒川誠二東北大流体科学研究所教授は「電池分野の研究開発は幅広く応用できる。国際競争で厳しい状況にある日本の電機電子産業の再生などに貢献したい」と話している。 "[he-forum 17507] 千葉日報3/6","千葉日報2013年3月6日付 医薬品情報学で新講座 千葉大とマツキヨが連携  千葉大(千葉市)とマツモトキヨシホールディングス(松戸市)は5日、同社のドラッグストアチェーンから得られる情報を活用し、医薬品情報学の研究に取り組む新講座を4月に設置すると発表した。  講座名は「医薬品情報学(マツモトキヨシHD)寄付講座」。大学院薬学研究院に2016年3月末までの3年間設置する。教授1人、助教3人が中心メンバーとなる。講座の運営費として同社が年間約3千万円を提供する。  同社は全国約1300店での販売業務を通じて得られる医薬品の説明文書の評価や副作用事例、在宅医療での医薬品ニーズなどの情報を提供。これらを活用して研究を進め、医薬品情報業務についての科学的な基盤構築や解析方法の開発などに取り組む。 "[he-forum 17506] 時事通信3/7","時事通信2013年3月7日17時21分 新産業創出へ15拠点採択=北海道から九州まで-文科省  文部科学省は7日、「国際科学イノベーション拠点」を公募した結果、北海道から九州まで計15件を採択したと発表した。医薬品や有機エレクトロニクス、炭素材料など、地域の大学と企業が得意分野を生かし、国際競争力のある新産業の創出を目指す。2012年度補正予算で総額500億円を補助し、建物や設備などハード面の整備に充ててもらう。  ソフト面の研究開発費と人件費は13年度の新事業「センター・オブ・イノベーション」を6月に公募する際、今後3~9年間の事業計画を提出してもらい、秋に採択されれば支給する。改めて審査する形だが、建物・設備がほぼ完成した頃に研究開発を始められるよう配慮した。(2013/03/07-17:21) "[he-forum 17505] 日本経済新聞3/7","日本経済新聞2013年3月7日付 千葉・新潟など国立6大学が協定 教育研究を強化  千葉、新潟、金沢、岡山、長崎、熊本の国立大6校は6日、教育研究などの機能強化を目的とする包括協定を結び、連携コンソーシアムを設立したと発表した。大学間競争や国の財政支援が厳しくなる中、6大学の強みを持ち寄って研究大学群としての存在感を高め、生き残りを目指す。  今後は東京に事務局を置き、連携内容の協議のほか、国などに要望を伝えたり支援を呼び掛けたりする際の拠点にする。  連携の第1弾としてグローバル社会で活躍できる人材の育成に取り組む。留学生の派遣・受け入れの共同実施や海外共同教育プログラムの創設、海外シンポジウムの開催などを計画している。東南アジアの大学連合との連携強化も進める。  6校は旧制医科大を前身とするなど共通点が多いことから「旧六」と呼ばれ、学長会議を定期的に開くなど協力関係にあった。旧帝国大に次ぐ規模の総合大学だが、国際的な知名度は高いとはいえなかった。  世界大学ランキングの順位で大学を評価する風潮が強まっている上、深刻な財政事情を背景に政府は国立大に機能強化を強く迫るようになり、6校は危機感を募らせていた。包括協定で研究面などの競争力を高める狙いだが、経営統合は考えていないという。 "[he-forum 17508] 産經新聞ユース3/12","産經新聞ニュース 2013.3.12 10:40 国家公務員55歳以上の昇給停止 法案を決定  政府は12日、2014年1月から国家公務員の55歳以上の昇給を原則停止する給与法改正案を閣議決定した。民間より手厚い国家公務員の高年齢層の給与を是正する。  法案は、55歳以上を対象に勤務評価が標準以下であれば昇給せず、評価が良好な場合でも昇給額を現在の半分から3分の1に抑えるとした。13年度分は14年1~3月の3カ月で約5億円の削減を見込む。  人事院は昨年、昇給停止を13年1月から実施するよう勧告した。しかし民主党政権は、東日本大震災の復興財源確保のため国家公務員の給与を12年4月から2年限定で平均7・8%減額していることや、公務員労組の反発に配慮して、実施を先送りしていた。  地方公務員に関しては、政府が1月の閣議決定で、国と同様の昇給停止を実施するよう自治体に要請した。既に実施している自治体もある。 "[he-forum 17512] 毎日新聞青森3/5","毎日新聞青森版2013年3月5日付 弘前大:大学院に医工連携科目、医療機器開発担う 来年度から  弘前大は4日、先進医療機器の開発を担う人材育成のため弘大大学院理工学研究科の博士前期課程(2年)に13年度から工学技術と医学知識を連携させた「健康科学システム」科目を新設すると発表した。社会人向けの特別措置も設ける。  新科目は弘大の医学・保健学両研究科や付属病院と連携してカリキュラムが組まれる。吉沢篤・理工学研究科長は「理工系学生が医療現場を知り、ニーズを把握して患者らの苦しみを軽減する、人にやさしい装置を学ぶ絶好の機会」と話す。担当の小野俊郎・知能機械工学科教授は「本学は義足具の改善やスポーツひじ防止センサーなどが有望テーマで、内視鏡の管の縮小化や新生児用の心肺補助装置などの開発にも期待が持てる」と言う。  学生受け入れは毎年5人程度を予定。社会人には夜間や休日、夏休みなどの受講を認めるほか、聴講制度を設け認定証の発行も考えている。【松山彦蔵】 "[he-forum 17511] 新潟日報3/7","新潟日報2013年3月7日付 新潟大など国立6大学が連携協定  新潟大(下條文武学長)は、千葉、金沢、岡山、長崎、熊本の国立5大学とともに包括連携協定を締結、6日に東京都内で調印式が開かれた。大学の国際化とグローバル社会をリードできる人材育成の加速、国際的な学術交流推進などが目的。「国立六大学国際連携機構」を設け、東南アジアのアセアン大学ネットワークなど海外の大学連合と人的交流や共同研究を進める予定だ。  6大学は学生数1万人規模で、戦前からの伝統など共通点があり、もともと交流が深い。大学ごとに得意分野や特徴があり、研究や教育プログラムの充実が図りやすくなることから連携協定締結となった。  同機構を通じ、共同学生交流プログラムを実施。日本から海外、海外から日本への留学生を増やし、研究内容に応じ最適の大学がその受け皿となる。連携事業をスムーズに行うため東京に事務局を設けたいとしている。  海外連携は東南アジアを皮切りに欧州など他地域へも広げていく方針。具体的事業では今夏、タイのバンコクでサマースクールを開くほか、ミャンマーの科学技術省を通じて技術者養成に協力する方針も決定した。  下條学長は「協定により6大学の緊密な連携が進み、相互に大学の力を増強することにつながる。情報交換もさらに密になる。新潟から世界で活躍できる人材を輩出していきたい」と話した。 "[he-forum 17510] 日本経済新聞2/26","日本経済新聞2013年2月26日付 徳島大学、阿波銀行と連携協定 地域の産業振興狙う  徳島大学と阿波銀行は25日、産学連携の推進を目的とした連携協力協定を結んだと発表した。徳大が持つ技術を阿波銀の取引先企業の課題解決に役立てることで地域の産業振興につなげるのが狙い。徳島大は上勝町などの地方自治体と地域振興を目的とした連携協力協定を結んでいるが、民間金融機関と連携協定を結ぶのは今回が初めて。  徳島大の研究成果と阿波銀の取引先企業が抱える技術的な課題や研究開発ニーズを紹介し合って、大学と企業を引き合わせる。徳島大の教員が大学発ベンチャーを設立する際、阿波銀が経営や融資の相談に応じる体制も整える。阿波銀の本店第二営業部と徳島大の産学官連携推進部が窓口となり、情報、意見交換を進める。担当者連絡会も原則年4回開催する。  徳島大は企業との共同研究や受託研究につながることを期待。阿波銀は取引先企業の技術相談にも応じてもらうことで、取引先へのサービス向上を狙う。阿波銀は県立工業技術センターと協力関係にあるが、大学と連携協力協定を結ぶのは今回が初めてとなる。 "[he-forum 17509] 福井新聞3/2","福井新聞2013年3月2日付 福井会議所と福井大が連携協定 グローバル人材育成へ  福井商工会議所と福井大は1日、産学連携を一層深めるため包括連携協定を締結した。グローバル人材育成に向け、大学の教育カリキュラムに企業側の意見を反映することや、同大が昨年4月に設置した語学センターを企業に開放することなどが柱。繊維や機械設計、金属加工の分野で共同研究開発も始める。  従来から技術交流や同大留学生の就職などで連携を重ねてきたが、同大が本年度、文部科学省の「グローバル人材育成推進事業」に採択されたことを受け、実効性の高い事業とするために産業界との協力が不可欠として協定締結を申し入れた。  福井市の同会議所ビルで行われた調印式では、同会議所の川田達男会頭と同大の福田優学長が協定書に署名。川田会頭は「県内企業の成長戦略のため互いが持つ資源やネットワークを活用していきたい」、福田学長は「地域コミュニティーの中心として大学が一層の力を発揮していきたい」と連携推進へ抱負を述べた。  協定書では人材育成のほか、地域産業活性化に向けた取り組みを明記。繊維や機械設計などの共同研究は、学内に2011年に設けた「ふくい産学官共同研究拠点」(グリーンイノベーションセンター)を活用。協定に基づいて同会議所が会員企業と学内研究を仲立ちし、新技術開発を進める。  同大の教授らによる大学発ベンチャーの事業化へ、会員企業とのマッチングに従来以上に力を入れていく。  3月中にも実務レベルの連絡協議会を設置。さらに具体的な連携テーマごとに各企業や研究者が参加した拡大協議会も開催し、意見交換を重ねていく。  同会議所は07年にも県立大と同様の連携協定を結んでいる。 "[he-forum 17514] 共同通信3/13","共同通信2013年3月13日6時0分 面接や内申書で合否 東大推薦入試導入へ  東大が2次試験の後期日程を廃止し、筆記試験を課さずに、最終的に面接や内申書で合否を判断する一般推薦入試を新たに導入する検討を進めていることが12日、東大関係者の話で分かった。導入時期は数年後をめどとしている。  東大関係者によると、受験生の基礎的な学力を把握するため、現在、1次試験として実施している大学入試センター試験の受験は義務付け、前期日程は現行方式を維持する。新たな推薦入試では、高校の内申書の成績に加え、面接も実施。指定校推薦はしない。  東大幹部は「ペーパーテストの点数だけでなく、学生の主体性や意欲の評価も入試に反映させたい」と話している。 "[he-forum 17513] 毎日新聞夕刊3/12","毎日新聞夕刊2013年3月12日付 京大:教養科目の半分、英語で講義 「理解できるのか」異論も  京都大は13年度から5年間で、欧米などの外国人教員を約100人増員し、主に1、2年生が学ぶ教養科目の講義の半分を英語で行う方針を決めた。文部科学省によると、国立大では全国初の試みだという。同大学が取り組む教養教育改革の柱と位置づけ、国際的に活躍できる人材育成を目指す。  学内の教員からは「物事の本質を理解させるためにも日本語での授業を減らすべきではない」と反対の声も出ており、議論を呼びそうだ。  京大によると、現在1、2年生が履修できる教養科目(人文・社会・自然科学)は約1100科目あり、うち約5%の60科目は外国人教員11人が英語で講義している。  13年度から国の補助金を活用して英語を母語とする外国人教員を海外の大学などから招き、段階的に英語による講義を増やす。  京大は93年、「教養部」を廃止し、新たに教養科目を担う総合人間学部を創設した。しかし、学生の学力低下に加え、教養教育が軽んじられる傾向もあり、教養教育の改革に着手。松本紘学長は昨年、改革の目標を「専門分野だけでなく、幅広い教養を身につけ、英語で語ることができる研究者を育成する」とし、教養科目の充実と英語教育の強化を打ち出した。  今春、新組織「国際高等教育院」を設置し、教養科目のカリキュラム作成や講義の英語化を進める。  こうした構想に対し、総合人間学部の広野由美子教授(英文学)は「大学入学直後に日本語ですら難しい教養の講義を英語で理解できるのか。逆に英語コンプレックスを抱きかねず、真の国際人育成につながらない」と疑問を投げかける。【五十嵐和大】 "[he-forum 17515] 読売新聞熊本3/15","読売新聞熊本版2013年3月15日付 4大学連携し減災リーダー講座 熊大など  熊本大と県立大、熊本学園大、熊本保健科学大の県内4大学は4月から、連携して「減災型地域社会」のリーダーを養成する講座を開く。都市計画に携わる公務員や、災害に関する専門知識を持つ医療従事者らの育成を目指す。(出水翔太朗)  各大学が、学生や社会人の受講者を募集。4月は熊本大が、地震や津波のメカニズムや災害に強いまちづくりなどを学ぶ2講座を開設する。2講座の定員はそれぞれ約20人。他の3大学の学生も受講できる。他大学も今後、同様の防災関連講座を設ける予定で、学生には、正規の単位として認め、社会人には修了証を発行する。講座は少なくとも5年は続ける。  熊本市で5日に開かれた開講記念シンポジウムでは、五百旗頭(いおきべ)真・県立大理事長が基調講演し、熊本が減災の拠点となることに期待した。4大学の学長によるパネルディスカッションもあり、防災に強い地域に向けて議論した。  熊本大で講座を受け持つ山田文彦大学院教授(地域防災学)は「全国的に減災の機運が高まる中、それぞれの大学の強みを生かし、災害に強いまちづくりに携わる人材を輩出したい」と話している。 "[he-forum 17516] 北国新聞3/15","北國新聞2013年3月15日付 医学図書館、装い一新 金大、共同学習スペース備え  金大宝町・鶴間キャンパスにある医学図書館が14日、リニューアルオープンした。旧図書館と比べ、床面積は1・7倍の3185平方メートル、閲覧席は2・6倍の335席に拡充し、医学書を中心に約16万冊を所蔵。市民も利用可能で、共同学習の場やセミナー会場なども備えた。  図書館は鉄筋コンクリート造4階建てで、グループで討論しながら学習できる「オープンスタジオ」やセミナーなどを開催する「十全記念スタジオ」、学習の合間にリラックスできる「ブックラウンジ」などを備えた。総工費は5億3千万円。以前の建物が老朽化し手狭になっていたため、2011年12月から増改築工事を開始し、今年1月に完了した。  14日の竣工式では、柴田正良金大附属図書館長が式辞を述べた。中村信一学長は学問の木とされるカイノキを中庭に植樹することに触れ「木のように学生が育ち、素晴らしい学問が育つことを期待している」とあいさつした。文部科学省文教施設企画部計画課整備計画室の笠原隆室長、佐藤保十全同窓会長が祝辞を述べ、横田崇医学図書館長が新図書館の概要を説明した。記念祝賀会も開かれた。 "[he-forum 17517] しんぶん赤旗3/18","しんぶん赤旗 2013年3月18日(月) 徳島大1000人“無期雇用”へ 労組の運動実る 雇い止め改善「画期的成果」  徳島大学は4月1日から教員系を除く有期雇用職員について、雇用期限(契約更新回数の上限)を撤廃することにしました。約千人の有期雇用職員が対 象となる見込みです(看護師は無期雇用に移行済み)。同大学教職員労働組合との労使協議で大学側が回答したもの。同組合は「組合の主張通りの結論であり、 労働契約法改正を機に5年で雇い止めを徹底する方針の国立大学が多い中、画期的な成果」と歓迎しています。  最初の5年間については単年度契約とし、契約更新の際に継続審査を行いますが、5年を超える労働期間となった場合には、労働者からの申し込みによ り無期契約に転換するというものです。それまでは、1年ごとの更新で3年が経過すると雇い止め。再雇用の場合には1カ月間のクーリング期間を設けていまし た。  同組合は、「国家公務員準拠」による賃金7・8%の削減・退職金の切り下げ撤廃の要求とともに、有期雇用の撤廃を要求していましたが、昨年12月の協議で大学側は「原則5年での雇い止め」を提案してきました。  これに対して同組合は、昨年2月に行ったアンケート結果を大学側に提出。有期雇用のデメリットを示して交渉を続けてきました。  アンケートは正規・有期雇用両職員を対象に実施。正規職員の約80%(回答数159)が「有期雇用職員の雇用期限は不都合」、正規職員・有期雇用職員を合わせた全体の約90%(回答数354)が「雇用期限撤廃」「延長」を選択しています。  同労組の山口裕之書記長は「有期雇用職員の1カ月のクーリング期間には業務に支障が起き、正規職員の過重労働につながる。雇い止めで人がかわるた びに指導業務が増えるなど正規職員の多くが不都合を感じている。今回の決定は、有期雇用職員はもとより、正規職員にとってもいいこと」と強調。「徳島大学 は、経済規模でいえば徳島県で最大級の事業所で、国の機関でもある。労働者を切り捨てるようなことをしてはいけない。正しいことは率先してやるべきだ。今 後は引き続き、賃金の引き上げなどを要求していく」と話しています。 "[he-forum 17528] 朝日新聞佐賀3/23","朝日新聞佐賀版2013年3月23日付 佐賀大学 志願者急増の秘密は? 【松川希実】少子化が進み、優秀な学生獲得に各大学が躍起になる中、佐賀大で今年の志願者数が前年比で1千人以上増えた。佐賀医科大と統合し、新佐賀大が発足してからでは過去最多。一方、「質の保証」で定員削減にも踏み切った。同大のねらいを探った。  21日、佐賀大の後期試験の合格発表。理工学部に自分の番号を見つけた佐賀市の高校生(18)は「倍率が高くて、チョーびびってたんです」とほっとした表情を浮かべた。  県内の進学校で進路指導にあたる教師は、「地元志向が高まっている。家庭の経済事情を心配する子どもは以前より増えた」と話す。確かに佐賀大でもこの2、3年、志願者数は緩やかな上昇傾向にある。 ●理工学部が底上げ  しかし、今年は一般入試で5956人と、前年より1178人も増え、過去最多となった。とりわけ後期が3346人と1109人増えた。入試を担当するアドミッションセンター長の兒玉浩明教授は「理工学部の入試制度が変わったため」と説明する。  理工学部は今年から後期試験に個別学力検査を導入した。前年まで後期はセンター試験の点数で合否を決めていたが、今年は、物理や化学など各学科で指定された1教科を受験し(2学科は2教科からの選択)、センター試験6、個別学力検査4の割合で点数配分されることになった。これにより、センター入試で奮わなかった受験生にもチャンスが広がった。  理工学部には後期だけで前年より約1千人多い、1658人が志願、受験倍率は前年の2・0倍から7・8倍に跳ね上がり、全体の志願者数を押し上げた。この急増は佐賀大にとっても想定外だったという。 ●「質の保証」には苦心  志願者数急増の一方で、佐賀大は定員削減にも踏み切り、今年は経済学部の定数を15人減らした。ねらいは「学生の質の保証」にあるという。  アドミッションセンターによると、経済学部は志願者の増減が激しい学部で、受験倍率が1・5倍を切った年は、成績が水準に達していなくても合格させるケースが出て、入学者の学力にばらつきが出た。そのため、入学後にやる気を失っい、留年や退学など「ドロップアウト」する学生が目に付いたという。  兒玉教授によると、受験倍率と入試の得点の関係を調べたところ、倍率が高い年は、点数が高い学生が一定数合格したのに対し、倍率が低いと、同じ合格者でも点数の開きが大きくなり、入学後の学力格差につながったとみる。定員削減に踏み切りつつも、一定の質の保証には受験者数という量の確保は重要という。  佐賀大は、さらなる受験者の獲得を目指して、新年度は高校教員を対象にした入試説明会を、6月から佐賀市だけでなく、長崎、熊本、北九州、宮崎、鹿児島、大分、山口、福岡の各市で実施する。 "[he-forum 17527] 読売新聞北海道版3/24","読売新聞北海道版2013年3月24日付 大学と地域の連携探るシンポジウム  北海道教育大旭川校主催の「地域貢献プロジェクト」シンポジウム(特別協力=協同出版、読売新聞北海道支社)が23日、旭川市の同校で開かれた。「地域連携の先に見えるもの」をテーマに、大学と地域社会の新しい関係づくりについて討論し、教員や行政関係者ら約150人が聞き入った。  シンポは少子高齢化や人口減少を背景に、大学に地域再生の核としての役割が求められていることから企画された。  旭川市の小池語朗教育長ら4人によるパネルディスカッションで、読売新聞北海道支社の中西茂・編集委員兼論説委員が「道内ではボランティアに取り組む大学生がまだまだ足りない。勉強のカリキュラムが過密で、学生が学外に出られないことが一因だ。大学教員は地域への意識をもっと高めた方がよい」と指摘した。  道教育庁の武藤久慶義務教育課長もこれに賛同し「教育関係者が町づくりに協力する風土にしないといけない」と述べた。  聴講した同大付属旭川中の小野祥康教諭(40)は「小中学校で地域のことを生徒が調べる授業が増えている。教育大の学生こそ地域貢献の体験を積んでほしい」と話していた。 "[he-forum 17526] NHKニュース3/22","NHKニュース2013年3月22日23時23分 大学の医療研究を企業に 具体策検討 政府の産業競争力会議は、健康や医療をテーマにした分科会を開き、政府は、再生医療などに関する大学の研究成果を企業に橋渡しする新たな機関の創設を求める有識者議員の提言を踏まえ、今後、具体策を検討し、成長戦略に反映させることになりました。 成長戦略の具体策を検討する政府の産業競争力会議は、22日夜、健康や医療をテーマにした分科会を開き、甘利経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らのほか、5人の有識者議員が出席しました。 この中で、有識者議員は、アメリカの例にならって、再生医療などに関する大学の研究成果を、医薬品や医療機器の開発などのビジネスにつなげるため、研究成果を企業に橋渡しする新たな機関を創設すべきだと提言しました。 さらに、医薬品や医療機器について、国の承認を得るための審査に時間がかかりすぎているとして、審査を行う独立行政法人の人員を拡充することなどを求めました。 これを受けて、政府は、今後、産業競争力会議で具体策を検討し、成長戦略に反映させることになりました。 "[he-forum 17520] 毎日新聞京都3/23","毎日新聞京都版2013年3月23日付 なるほドリ:京大の教養教育改革とは? ◇「高等教育院」で国際人育成へ 手続きなどめぐり反対運動も なるほドリ 京都大のキャンパスで反対運動が起きているようだけど何に反対しているんだろう? 記者 それは「国際高等教育院」に対してですね。国際的に活躍できるグローバルな人材を育てるため、各学部が一元的に入学後の教養教育のカリキュラムを見直そうという、松本紘学長肝いりの組織改革です。しかし、「学内の手続きが一方的で問題がある」などと反対し、半ば公然と松本学長の辞任を求める教員もいます。 Q 難しい名前だけれど、一体何をしようとしているの? A まず、京大の教養教育の経緯を知っておいた方がいいでしょう。現在、京大では総合人間学部(大学院人間・環境学研究科)や、理学部(同理学研究科)の教員が主体となって、哲学や歴史学、数学など、主に学部1、2年生の教養科目を担当しています。昔は「教養部」に所属する専任教員たちが担ってきましたが、各学部の専門教育の充実を求める社会的な要請もあって、教養部は93年に廃止されました。  その後、各学部が専門科目の比重を高めていく一方で、経済界を中心に「大学を卒業しても、本当に必要な教養が身についていない」と松本学長へ苦言が寄せられているのだそうです。教養部廃止による組織再編では、教育改革が成功していないという意見が根強いのです。 Q じゃあ国際高等教育院は教養部みたいな組織ってこと? 昔に戻るから反対する人がいるのかな。 A 確かに、かつての教養部は教養科目の授業を専任で行ってきた組織ですが、今の総合人間学部の教員は、それぞれ独自の専門分野を持ち、研究活動にあたっています。大学側も「元の教養部には戻らない」と説明していますし、現段階で揺り戻しが起きるとは考えにくいですね。 Q 結局、何に反対なの? 本当に分かりにくいよ。 A 具体的な組織改革の中身は明らかにされていませんし、多くは新年度から検討することになりますが、少なくとも今の京大生が受ける授業に大きな変化はなさそうです。  でも、外国人の教員数を今後5年間で100人ほど増やし、教養科目の講義の約半数を英語で行う構想が浮上しています。この構想にも教員の間から「本当にできるのか」と疑問の声がありますが、いずれにしても京大生の将来のためになる改革であってほしいですね。<回答・五十嵐和大> "[he-forum 17525] 共同通信3/22","共同通信2013年3月22日20時00分 「法曹3千人」撤回へ 法科大学院検討会議の提言案  弁護士の数や法科大学院の在り方について議論している政府の法曹養成制度検討会議がまとめた中間提言案の全容が22日、判明した。司法試験合格者を「年間3千人程度」とする政府計画を撤回し、司法試験の合格率が低い法科大学院への教員派遣を中止するなど支援態勢を見直すことが柱。  「国民の多様な法的ニーズに応える」という司法制度改革の理念が一層後退することになり、政府の抜本的な対策が求められそうだ。  政府は2002年、千人程度だった司法試験の年間合格者を10年ごろに3千人に増やす計画を閣議決定したが、新司法試験が始まった翌年の07年以降も約2千人にとどまっている。 "[he-forum 17519] 陸奥新報3/19","陸奥新報2013年3月19日付 弘前6大学の学長と市長が意見交換  弘前市内の6大学が連携する「学園都市ひろさき高等教育機関コンソーシアム」(会長・佐藤敬弘前大学長)は18日、弘前大学創立50周年記念会館で葛西憲之市長と加盟大学長との懇親会を開き、学生活動を通じた地域活性化の在り方について意見を交わした。  「学生力を活かした地域活性化について」をテーマに、コンソーシアムに加盟する6大学の学長と葛西市長が意見を交換した。 "[he-forum 17518] 北國新聞3/19","北國新聞2013年3月19日付 金大が秋始業検討 来年3月めどに判断  金大は新年度、欧米の大学で一般的な秋入学に対応するため、現行の春入学を維持したまま秋に本格的な授業を始める改革案を検討する。入学から授業開始までの半年間は、インターンシップ(就業体験)やボランティア活動、語学研修などのプログラムで単位認定する方針。来年3月をめどに、導入の有無などを判断する。  中村信一学長が18日の記者懇談会で明らかにした。4月から1年間、理事でつくる教育企画会議で、秋始業の対象となる学類や実質3・5年で卒業要件を満たすカリキュラム、入学後の半年間の活動を単位として認める仕組み、学期の在り方などを検討する。卒業時期は従来通り3月とする。  金大は、学生の海外留学と留学生受け入れの推進や教育の充実に向け、入学時期や入試の在り方を見直すため昨年3月、外部有識者を含む諮問機関を設けた。2月末の答申で秋始業が提案された。中村学長は導入時期について「4~5年はかかるのではないか」とし、「国内外の動向を見ながら、本学のアイデンティティーを示したい」と述べた。  大学の入学時期をめぐっては、東大が春入学のまま秋に本格的な授業を始める改革案を検討している。 "[he-forum 17524] 日本経済新聞夕刊3/19","日本経済新聞夕刊2013年3月19日付 奨学金、返せる自信は 就職難や住宅ローンも考慮を  大学に合格したものの、計画通りに教育資金が作れず、学費に頭を悩ませる家庭は少なくない。不足を補う手段としては教育ローンや奨学金があるが、多くの場合は借金。親の老後資金や子の将来の家計を圧迫することがある。日ごろから親子で将来やお金について考えることが大切だ。  「教育ローンのおかげでタイムラグを埋められた」。東京都のA子さん(47)だ。娘が18歳になる12月に200万円の給付を受ける学資保険に加入していたが、娘は大学に推薦入学。秋口に入学金などが必要になったので、あわてて国の教育ローンに申し込み、事なきを得たという。 ■タイプは様々  教育ローンの利点は、入学金や学費のため、一時にまとまったお金を借りられること。銀行など多くの金融機関が用意しており、タイプも様々だ。たとえば日本政策金融公庫が扱う「国の教育ローン」は、学費だけでなく、一人暮らしの生活準備などにも充てられる。世帯収入の審査はあるが、子の学業成績は不問。今後1年間に必要な費用として、学生1人につき300万円まで親が借りることができ、「学資の駆け込み寺」(国民生活事業本部)ともいわれる。  一方、学生本人が借りたり給付を受けたりするのが奨学金。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金などがよく知られる。学費に苦心する家庭の増加もあり利用者は右肩上がりに増え、2010年度には昼間に通う大学生の2人に1人が何らかの奨学金を利用していたという。  JASSOの奨学金は無利息の一種と利息の付く二種の2タイプ。学業成績や世帯収入などに応じて、いずれかを選ぶ。二種の金利は年3%が上限。貸与額は月3万、5万、8万、10万、12万円の5タイプがある。注意が必要なのは返済だ。  多くの人が利用する有利子で月8万円の貸与を受けるケースで考えてみよう。4年間の貸与総額は384万円で、卒業後に返済が始まる。仮に金利が年0.5%(20年固定)とすると、20年かけ返済する総額は404万円。毎月の返済額は1万6855円となる。  さほど負担にならない返済額に見えるが、実際は違う。返済で貯蓄が少なくなる。結婚資金や病気などへの備えは簡単ではない。 「返済の負担は住宅購入時にも影響するので注意が必要」と指摘するのはファイナンシャルプランナ(FP)の菅原直子さん。夫婦2人で月に2万円の奨学金を返している場合、多くの金融機関では月に8万円の返済能力があっても、2万円を引いた6万円と判断される。金利2%の35年ローンで月に8万円返済できれば、借り入れ可能額は2415万円。だが、6万円になると1811万円しか借りられない。  もちろん、本人からみれば、奨学金の利用は大卒の学歴を手に入れるための先行投資といえる。それでも「奨学金は借金。返済をよく考えて」とFPの豊田真弓さんも警鐘を鳴らす。 ■給付型も調べて  対策の一つは返済のない給付型奨学金の利用だ。  「奨学金を予約をしていたので安心して入学試験を受けられた」と話すのは、早稲田大学スポーツ科学部3年生、竹中達郎さん(21)。父親の定年退職が近いため、私大進学をあきらめていたが、早大で「めざせ!都の西北奨学金」ができると知り、申し込んだ。  首都圏以外の高校出身で家計が苦しい学生を対象にした奨学金で、毎年500人を上限に出願前に給付の予約を出す。合格すれば年間40万円、留年しないなどの要件を満たせば4年間160万円が給付される。  竹中さんはJASSOの一種奨学金も受け、経済面の不安を解消。サッカー指導者を目指し、学業に集中する日々を過ごしている。  給付型の奨学金は誰でも受けられるものではない。だが、早大のように大学独自で奨学金を設ける動きが広がっている。調べる価値はあるだろう。  最近は大卒でさえ就職が容易ではないことも考慮すべきだ。収入不足などで「生活苦から返済を滞納。延滞金がかさみ自己破産をした人もいる」。奨学金の返済問題に詳しい岩重佳治弁護士はそう話す。  この現状で奨学金などで数百万円の借金を子に負わせるのは、リスクがある。「親として、せめて入学金を含む初年度の学費は出せるようにしておくべきだ」と菅原さん。豊田さんは「子が奨学金の返済ができる職に就けるよう、後押しすることも大切」と指摘している。(清水桂子) "[he-forum 17523] 山陽新聞3/23","山陽新聞2013年3月23日付 岡山大病院に緩和支持医療科 4月新設、がん患者ら総合ケア  岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は22日、がんなどと診断された患者の治療と同時に、精神的なケアや就労支援も手掛ける「緩和支持医療科」を4月1日に設置し、平日午前に外来診療すると発表した。同病院の30を超える診療科と連携して病気や副作用による痛みの緩和などに総合的に取り組む。  松岡順治教授をはじめとする専従医師3人を配置する。口腔(こうくう)外科や形成外科、放射線科、麻酔科蘇生科の専門医や薬剤師、臨床心理士、就労をサポートするソーシャルワーカーら計25人のスタッフが一つのチームとなって患者と家族の苦しみに寄り添う。  対象となる疾患はがんをはじめ、神経難病、腎不全、呼吸不全など。これらの患者は痛みで満足に睡眠や食事が取れなくなるなど生活の質(QOL)が著しく低下。職を失って経済的に困窮したり、疾患告知で家族とともに大きな精神的ショックを受けるケースも少なくないという。  これまでも診療科の枠にとらわれずにがん治療に取り組む腫瘍センター内で緩和ケア外来を行ってきたが、独立する。松岡教授は「岡山大病院の理念は最先端で優しい医療の提供。患者さんとご家族の生活の質向上につながるよう努める」としている。 "[he-forum 17522] 京都新聞3/23","京都新聞2013年3月23日付 「JSTプラザ」京大の産学連携施設へ印刷用画面を開く  独立行政法人「科学技術振興機構」(JST)が産学連携推進に向け開設した活動施設「JSTイノベーションプラザ京都」(京都市西京区)が、4月に京都大に無償譲渡されることが22日分かった。2009年に国の事業仕分けで「廃止」と評価され、11年度末に閉館していたが、京都市も協力し、産学連携機能を維持して再出発する。  プラザは、大学の研究成果を社会に還元する拠点として、04年に新産業創出拠点「桂イノベーションパーク」内に開設した。3階建て、延べ床面積約2710平方メートル。コーディネーターが大学の研究と企業の製品開発を結びつける活動をしたり、産学協同研究などを行ってきた。同様の施設は全国に京都を含め8カ所ある。  事業仕分けで「経済産業省が考える分野だ」などとして「廃止」が決定し、機構は当初、京都市に売却を打診した。昨年6月に機構が「機能を10年間継承する場合は国立大学法人も含め無償譲渡する」との条件を示したため、京大が受け入れを検討し、3月に無償譲渡が決定した。  4月からは、大学の研究成果と企業を結びつけるコーディネーターを京大と京都市で計4人配置する。大学の研究者と企業を引き合わせる交流会や、大学による新技術の説明会も計画する。2、3階部分は主に研究用のレンタルスペースとし、賃料を建物の運営費に充てる。京大の大型研究プロジェクトなどで活用する予定という。  京大は「研究成果の社会還元や新産業創出などの機能を継承し、地域での科学技術振興のさらなる発展を図りたい」(工学研究科)としている。 "[he-forum 17521] 山梨日日日新聞3/24","山梨日日新聞2013年3月24日付 山梨大ワイン科学研究センターが優秀賞 地域産業支援プログラム事業 「人材育成、品質向上に貢献」  ワイン醸造に関わる人材を養成する山梨大ワイン科学研究センター(奥田徹センター長)の取り組みが、第2回地域産業支援プログラム表彰事業の優秀賞を受賞した。地域を支える人材を育成し、ワインの品質向上に貢献している点が評価された。  センターは修士課程の学生と2年以上の実務経験があるワイナリーの技術者を対象に、半年間で120時間の授業・実習を実施。フランス・ボルドー大や県ワイン酒造組合、県果樹試験場などから講師の派遣を受け、甲州種ワインの醸造を中心に、ブドウの栽培や醸造、味や香りを審査する官能検査、ワイナリー経営などを多角的に学ぶ。  社会人技術者44人、修士18人が課程を修了し、このうち37人は同大のワイン科学士の認定を受けた。修了者は県内外のワイナリー27社で醸造責任者などとして活躍し、国産ワインコンクールで多くの入賞を果たしている。  地域産業支援プログラム表彰事業は、全国の大学や産業支援機関などでつくる「全国イノベーション推進機関ネットワーク」などが主催。新事業・産業の創出を目指す優れた取り組みを表彰している。〈樋川義樹〉 "[he-forum 17529] 山形新聞3/26","山形新聞 3月26日(火)朝刊 未払い給与365万円 支払い求め提訴へ  山形大の教授ら7人  山形大職員組合に所属する教授ら7人が、一方的に給与を削減されたとして、同大に対し、未払い分計約365万円の支払いを求め、26日に山形地裁に提訴する 方針を固めた。  原告側によると、提訴するのは教授6人と准教授1人。昨年2月に2012、13年度の国家公務員給与を平均7・8%削減する臨時特例法が成立したことを受け、全国の 国立大に同様の給与カットの要請があった。同大は職員組合の反対を押し切り、昨年7月1日に給与削減を強行。今年2月までの給与が1人当たり30~50万円未払いだとしている。  原告側は「労働者の合意なしでの一方的な不利益変更が常態化することば許されない」と訴えている。= "[he-forum 17529] 山形新聞3/26","山形新聞 3月26日(火)朝刊 未払い給与365万円 支払い求め提訴へ  山形大の教授ら7人  山形大職員組合に所属する教授ら7人が、一方的に給与を削減されたとして、同大に対し、未払い分計約365万円の支払いを求め、26日に山形地裁に提訴する 方針を固めた。  原告側によると、提訴するのは教授6人と准教授1人。昨年2月に2012、13年度の国家公務員給与を平均7・8%削減する臨時特例法が成立したことを受け、全国の 国立大に同様の給与カットの要請があった。同大は職員組合の反対を押し切り、昨年7月1日に給与削減を強行。今年2月までの給与が1人当たり30~50万円未払いだとしている。  原告側は「労働者の合意なしでの一方的な不利益変更が常態化することば許されない」と訴えている。= "[he-forum 17533] 日本経済新聞3/26","日本経済新聞2013年3月26日付 京大、エネルギー・医療の研究拠点 産学連携で15年春に  京都大学は25日、大学構内に産学連携によるエネルギー・医療関連の研究開発拠点を新設することを明らかにした。大学や企業が共同で先端技術を用いた機器などを開発する研究室を複数設ける。事業費は約40億円で全額国が補助する。年内にも着工し、2015年3月までの完成を目指す。  京都市の吉田キャンパスの本部構内に設ける「国際科学イノベーション拠点」(仮称)は延べ床面積は約1万平方メートルで地上5階、地下1階。大学や企業が使う研究室のほか、学生用の会議室などを設置する。  先端技術を使った省エネ機器の開発や再生医療の実用化などを進めたい企業や大学の研究開発や事業化を後押しする。ロームやパナソニック、三菱重工業など11社が同施設を活用する計画だ。  京都府や京都市とも協力し、先端技術を実用化したい研究者の紹介や、特定の技術を探す企業への研究者の紹介などを担う専門職員も置く。 "[he-forum 17532] 河北新報3/26","河北新報2013年3月26日付 胎児心電図、臨床試験スタート 東北大病院  お母さんのおなかに電極を張り、赤ちゃんの心電図を計測する「腹壁誘導胎児心電図装置」の臨床試験が、仙台市青葉区の東北大病院で始まった。装置は東北大と国内の医療機器メーカーが共同開発した。実用化されれば、周産期分野では初めての「大学発純国産医療機器」の誕生となる。  胎児の心電図は5~20マイクロボルトと微弱。母親の約1000マイクロボルトと比べわずか200~50分の1で、通常の心電図装置では胎児の心電図を取れなかった。  計測法は東北大医学系研究科の木村芳孝教授(周産期医学、生体情報工学)が開発した。複数の電気信号から不要な信号を除去する独自の解析理論を導入し、母親の心電図から胎児の信号をリアルタイムで抽出する。  医療機器製造のアトムメディカル(東京)と共同開発した試作機は妊娠中期から測定できる。胎児の脳の低酸素状態を示す微細な揺れも測定でき、心疾患の早期発見と治療、切迫早産の管理などに役立つことが期待できるという。  臨床試験は東北大病院に通院か入院する妊娠中期~後期の妊婦17人を対象に22日に始めた。胎児の心拍数を測る従来の分娩(ぶんべん)監視装置との比較などを行い、薬事法などの審査を経て1年後の実用化を見込む。  東北大によると、医療機器の多くは海外の大手メーカー製。医療関連予算の国外流出や輸入超過が続いており、国産機器の開発と実用化、輸出増を図るのが課題という。  木村教授は「実用化で1人でも多くの赤ちゃんを助けたい」と語る。東北大病院臨床試験推進センター長の八重樫伸生教授(産婦人科学)は「純国産の医療機器をぜひ世界標準に育てたい」と話している。 "[he-forum 17531] NHKニュース3/25","NHKニュース2013年3月25日5時17分 自民 教育再生提言案をまとめる  自民党の教育再生実行本部は、国際社会で活躍する人材を育成するため、英語の検定試験「TOEFL」で一定以上の点数をとることを大学受験の条件とすることなどを盛り込んだ教育改革の提言案をまとめました。  提言案では、「安倍内閣が最重要課題に掲げる経済再生のためには人材の育成が不可欠であり、平等主義から脱却してトップを伸ばす戦略的人材育成を行う」としています。 具体的には、国際社会で活躍する人材を育成するため、英語教育の抜本的な改革を行うことや、イノベーションの推進を目指し、博士号取得者を倍増させるため、理数教育を刷新すること、それに、情報通信技術の教育を充実させることを、「教育再生の3本の矢」にするとしてます。 このうち、英語教育については、英語の検定試験「TOEFL」などで一定以上の点数をとることを大学受験の条件とし、そのために、少人数で充実した英語指導を行えるよう教師を増員することや、留学にかかる費用の負担を軽減するため財政支援を拡充するなどとしています。 また、小学校に理科の専任教師を配置することや、すべての小・中・高校などでタブレット型の情報端末を1人1台整備することなどを盛り込んでいます。 教育再生実行本部は、今週、提言を決定したうえで、安倍総理大臣に提出することにしています。 "[he-forum 17534] 読売新聞北海道3/25","読売新聞北海道版2013年3月25日付 道教大、小学教員向け英語資格など認定へ  北海道教育大が新年度から、小学校での英語の教科化を前提にした教員向けの独自資格や、教育実習前の試験の開発に着手することが、24日分かった。本間謙二学長が、読売新聞の「学力危機」キャンペーンのインタビューで答えた。本間学長は「教員を送り出す大学として学力問題の重要性を痛感している。教育委員会とも連携し、あらゆる手を尽くしたい」としている。  道教大は、愛知教育大と東京学芸大、大阪教育大の4大学で成果を共有し、国全体の教員養成にも役立てるプロジェクトを進めている。4大学の頭文字を取ったこの「HATO(ハト)」プロジェクトは、文部科学省の予算も得て、教員向けの英語の独自の認定資格や教育実習前の試験の開発を行う。現在の小学校の英語は教科ではなく、「外国語活動」として高学年の授業に組み入れられている。独自資格は、将来の教科化に対応できる人材育成に先手を打つ狙いがある。  一方、教育実習には、基本的な知識や意欲に欠ける学生まで学校現場に出て、“実習公害”と呼ばれる弊害も生じている。新しい試験は、こうした弊害を解消するのが目的だ。開発には、医学教育の臨床実習前に行う試験などを参考にする。  また、教育委員会や現場の教員、保護者らの声を科目作りに生かすため、大学の授業を積極的に公開し、教員養成の核となるカリキュラム開発を進めていく。  本間学長は「教員養成大学の目的は、優秀な教員を育てることに尽きる。その原点は教科の指導力。学び直しが必要な時代だけに、教育委員会とも連携し、若手からベテランまで、教師の力量を引き上げる努力をしたい」としている。 "[he-forum 17530] 大阪日日新聞3/25","大阪日日新聞2013年3月25日付 16年度開学、構想具体化へ 府・市立統合新大学  大阪府と大阪市が進める府立大と市立大の統合、再編について、2016年度に新大学としてスタートする方針が固まり、府と市は現在、具体的な概要固めの段階に入っている。2月8日の府市統合本部会議で示された大阪府市新大学構想会議委員らの提言をもとに、両大学への意見聴取や府市両議会での議論を踏まえ4月をメドに新大学ビジョン(案)の策定を進めている。 ■「3本柱」提言  矢田俊文会長(北九州市立大学前学長)はじめ大阪府市新大学構想会議委員らによる新大学構想の概要をまとめた提言によると、(1)新たな教学体制の導入(2)選択と集中による教育組織の再編(3)大学運営システムの抜本的改革-を改革の3本柱と位置付けている。  両大学の重複分野を見直し、その資源を戦略的分野に投入するなど選択と集中による再編で、日本の国公立大学のモデルとなる大学経営システムの改革実現を目指す。  体制としては、旧来からの8学部制をとる市立大と4学域制をとる府立大のシステムの違いをどう統一するかが課題だが、提言では新大学の学士課程で学部と学域を併存し、重複分野を統合するとしている。 ■「強み」を生かす  両大学の工学の強みである建築や土木、海洋、航空、新エネルギーなどを統合し、大学統合のシンボルとして打ち出すのに加え、ナノ、創薬など未来分野を充実し、理学・工学分野を融合した未来志向の新学部「地域未来理工学部(仮称)」を設置。また地域保健学域(府大)と生活科学部(市大)を再編し、栄養、リハビリ、福祉など人間のトータルサポートをめざす新学域「人間科学域(仮称)」などを新設し、新大学の目玉とする。  さらに現在、公立大学で府大に唯一設置されている獣医学科を新大学では「獣医学部」とするほか、経済・経営系の学部では国際的人材育成や大阪の成長戦略への貢献を期待し国際経済、地域経営の新学科を設置するなどの案が示されている。 キャンパスイメージとしては、両大学の現有キャンパスをそれぞれ医療系や学術系、学際系など特徴を出しながら活用するほか、新学域の設置などを念頭に新キャンパスを大阪市中心部に新設する案なども盛り込まれている。 ■来月ビジョン案  府市が4月に新大学ビジョン案を、府市と両大学の4者で構成するタスクフォースが8月までに具体的な新大学案を策定する。教育研究の分野においては両大学による「新大学推進会議」(仮称)を設置し、具体的な検討を進める。  14年度中に理事長の一本化や法人事務局の統合など組織の実質統合を行い、15年度には両法人を統合(1法人2大学化)、16年度からは大学も統合し、新大学を開校する予定にしている。 "[he-forum 17555] 毎日新聞4/1","毎日新聞2013年4月1日付 MEMO:複数国立大が連携、14研究に138億円  文部科学省は国立大改革推進の一環として、複数の大学が連携して研究にあたるなどの14プロジェクトを選定した。12年度予算で計138億円を支援。各大学は研究をスタートさせている。  福島大、筑波大、広島大、長崎大などは、東京電力福島第1原発事故を受けて環境放射線の長期的な影響について共同研究する。  スポーツ医科学分野に強い筑波大と、国立で唯一の体育大の鹿屋体育大は、世界で通用するスポーツ指導者養成の大学院を共同で設置する。  近隣の大学同士の連携もある。名古屋大、愛知教育大、三重大の3大学は、アジアを中心に年間3600人の留学生の受け入れと、年間1200人の日本人学生を派遣する。  奈良教育大、京都教育大、大阪教育大の関西の3教育大は、地域の教育課題に対応して教員を養成する。徳島大、鳴門教育大、香川大、愛媛大、高知大の四国の5大学は、AO(アドミッション・オフィス)入試や一般教養の講義を共同で実施していく。【石丸整】 "[he-forum 17554] 読売新聞茨城3/30","読売新聞茨城版2013年3月30日付 つくばの出産環境改善へ 筑波大と市連携…茨城  茨城県つくば市内で誰もが出産できる環境を整えるため、筑波大学と市は新年度から5年計画で、市内の周産期医療の環境改善に着手する。  市の寄付講座を通じて医師を確保し、助産師が出産を主導しながらも緊急時に備えて必ず医師が立ち会う独自の院内助産システム「市バースセンター」を新設し、出産扱い件数を増やす。同大によると、市町村の協力で国立大学病院内に助産システムが設けられるのは全国初。講座設置に関する協定は29日、結ばれた。  市医療環境整備課によると、2010年度、出産できる病院と診療所の合計は水戸市13、土浦市8に対し、つくば市は4と少ない。同年の出生届出件数は2210人で、4医療機関で出産したのは1339人。市外で出産した871人のうち半数近い406人が、市内の医療機関で予約が取れないことなどを市外で出産した理由に挙げている。  市内は、つくばエクスプレス沿線の開発で今後も人口が増えると予想され、出産に対応できる医療機関の不足は大きな課題だ。具体的な改善策が求められる中で、昨年10月には、市周産期等医療体制懇談会が市に対し、施設の新設ではなく、筑波大と協議して、医師が立ち会う方式での出産システムを付属病院内に設けることを提案していた。  筑波大付属病院は現在、重症の妊産婦や新生児の緊急治療にあたる総合周産期母子医療センターに指定されているが、新設するバースセンターでは、正常な出産のみを扱う方針。  市は5年間で計5億1000万円を支出する予定だ。筑波大と市の合意事項のうち、ソフト面では、市が新年度から4200万円ずつ5年間で計2億1000万円を同大に寄付して講座を開くことで、講師を兼ねた常勤医師3人を確保する。講座では、卒業前後の医師や助産師を指導する。医師は全国から公募し、バースセンターは付属病院内の6床程度で始め、年150人が産めるようにするという。  ハード面では、数年以内にバースセンター専用棟を建設する予定だ。陣痛から回復までを同じベッドで過ごせる部屋を含めた12床程度を用意する予定で、15年頃着工し17年頃の完成を目指す。完成後は年間300~400人が出産でき、市内で全員が出産できる医療態勢が整う見通しだ。市は着工に合わせて施設整備費として3億円を寄付する方針だ。 "[he-forum 17556] 北日本新聞3/28","北日本新聞2013年3月28日付 「富山大の給与減違法」 教職員労組が提訴へ  国家公務員の賃下げに合わせて給与を減額されたのは不当だとして、富山大教職員組合(委員長・広瀬信同大人間発達科学部教授)が富山大に未払い給与の返還を求め、4月中旬に富山地裁に提訴する方針であることが27日、分かった。  原告は教授や准教授、事務職員ら55人。同組合によると、昨年2月に成立した国家公務員の給与を平均で7・8%削減する臨時特例法に合わせ、同大でも7月から賃下げが実施された。  同組合は、同大職員の給与水準は国家公務員を100%とした場合82・4%で、教員は同規模私立大の70%程度にとどまるとし「国家公務員ではないのに、さらに削減することは認められない。一方的な給与切り下げが違法であることを明らかにしたい」としている。  富山大は「現段階ではコメントできない」としている。  福岡教育大教職員組合、山形大職員組合などは既に同様の提訴をしている。京都大職員組合も提訴する方針。 "[he-forum 17552] 3/31毎日新聞","毎日新聞 3月31日(日)10時26分配信 福井・敦賀原発:資料問題 審議官更迭の名雪哲夫氏、山形大出向 学長「問題ない」 「けじめ付いている」 /山形  原子力規制庁審議官を2月に更迭された名雪哲夫氏の山形大教授への出向人事について、同大の結城章夫学長(64)は30日、毎日新聞に「問題ない」と答え、電話口でも淡々と対応した。  「倫理的に問題は無いのか」との質問に、しばらく間を置いた後、「漏えい問題は、訓告という指導上の措置にとどまっていて、けじめは付いている。倫理的 な問題はないと思っている」と述べた。また「あくまで出向という形で、天下りではない」と強調。「重粒子線がん治療施設の設置で、技術行政の経験を生かし てもらいたい」と語った。  結城学長によると、名雪氏は重粒子線がん治療施設設置準備室本部企画室の教授に就任する。「人事のプロセスは明かせない」としつつ、文部科学省側から名雪氏を提案されたという。教授会を通さない理事による役員会で人事は決まった。  名雪氏は1月、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査で、原子力規制委員会の調査団の評価会合の前に、日本原電の求めに応じて報告書原案を渡した。規制庁は2月1日付で訓告処分とし、出身官庁の文科省に出向させていた。【前田洋平】 "[he-forum 17553] 東京新聞3/31","東京新聞 2013年3月31日 05時01分 元規制庁審議官が山形大教授に 原発断層調査で資料漏えい  元原子力規制庁審議官の名雪哲夫氏  文部科学省は31日、官房付で元原子力規制庁審議官の名雪哲夫氏が山形大に出向する人事を発表した。31日付。規制庁審議官在任中、電力事業者に資料を漏えいした問題で処分、更迭された。山形大では教授に就任予定で、放射線分野の研究をするという。   名雪氏は1月、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査をめぐり、原子力規制委員会の調査団が評価会合を開く前に、日本原電の求めに応じて報告書原案 を渡した。また内規に違反して1人で日本原電側と面会していた。規制庁は2月1日付で名雪氏を訓告処分とし、出身官庁の文科省に出向させていた。= "[he-forum 17551] 3/27読売新聞山形地方版","読売新聞 3月27日(水) 朝刊 33頁 未払い賃金求め提訴 山大の教授ら7人  昨年2月に成立した国家公務員の給与を削減する特例法を踏まえ、労使間の合意なく就業規則を変更し賃下げを行ったのは不当だとして、山形大の教授ら7人が26日、同大に対し、未払い賃金約360方円の支払いなどを求める訴訟を山形地裁に起こした。同様の提訴は福岡教育大に続き、全国で2例目。  訴状などによると、教授らは国立大学法人の職員で非公務員であるにもかかわらず、国家公務員の給与を削減する特例法に別して昨年7月から、職種に応じて給与を4.77~9.77%減額された。職員組合が反対する中、大学側が就業規則を一方的に変更して賃金カットを実施するのは、労働契約法違反だとしている。 同大総務課は「訴状を確認していないのでコメントできない」としている。 "[he-forum 17550] 毎日新聞3/27山形地方版","毎日新聞 3月27日(水)朝刊 27面 山形大学職員組合 給与減額不当を提訴 国家公務員の給与を削減する臨時特例法施行に伴って国立大学法人の教職員給与も減額したのは労働契約法に反するとして、山形大の教職員組合に所属する教授ら7人が26日、山形大に減額分計約364万円の給与支払いを求め、山形地裁に提訴した。国立大学法人の同様の提訴は、福岡教育大に続き2例目。  訴状によると、山形大は昨年6月29日、文部科学省からの要請に応じ「役職員給与臨時特例規程」を制定。労働契約法が求める職員の合意なしに同7月から最高で給与9.77%を減額した。原告側は「法人化し、公務員ではなくなったのに大学は国の要請に従い減額を強行した」と批判している。 "[he-forum 17549] 3/27朝日新聞(山形地方版)","朝日新聞 3月27日(水) 朝刊 29面 国家公務員に合わせた「賃金引き下げ違法」 山大教授ら大学を提訴  国家公務員の賃金引き下げに合わせて大学職員の給与カットを強行したのは違法だとして、山形大学の教授ら7人が26日、大学に元の賃金との差額計約365万円の支払いを求める訴訟を山形地裁に起こした。  国家公務員の賃金は昨年2月に成立した特例法で、同年4月から2年間、最大9.77%引き下げられている。訴状などによると、国から要請を受けた山形大は職員組合に賃金の引き下げを打診。3度の団体交渉の後、組合の反対を押し切って昨年7月1日から4.77~9. 77%の給与カットをした。  原告らは、国立大学法人の職員は公務員ではなく、一方的な賃金切り下げは労働契約法に反すると主張。昨年7月~今年2月の賃金や期末手当などの減額分の支払いを求めている。会見した原告代理人の佐藤欣哉弁護士は「賃金の引き下げは『例外的に』許されるもの。大学側が国の要請を唯々諾々と受け入れていることはおかしい」と述べた。  大学側は「訴状を見てから対応したい」とコメントしている。同様の訴訟は全国で相次いでおり、原告らは27日、近く提訴予定の富山大と京都大の職員組合と共同で東京で会見する。 "[he-forum 17548] 3/27山形新聞","山形新聞 2013年(平成25年)3月27日(水曜日)29面 山大教授ら大学提訴 山形地裁「賃金引き下げ不当」  山形大職員組合に所属する教授ら7人が26日、国家公務員の賃金引き下げに合わせ、一方的に給与を削減されたのは不当だとし、同大にカットされた賃金計約365万円の支払いを求める訴訟を山形地裁に起こした。国立大学法人の教職員による同様の訴訟は全国で2例目。  訴状によると、給与削減を定めた臨時特例法が昨年2月に成立したことを受け、国家公務員の賃金が引き下げられた。これに伴い、独立行政法人などでも給与が見直されることになり、大学側は固からの運営費交付金が約8億円減額されることも理由に、教職員の賃金を1割削減する方針を打ち出した。職員組合は3度にわたる団体交渉でこの方針に反対、給与削減以外の方法が模索できないか提案したが、大学側は一方的に決定し、昨年7月から強行したとしている。  原告は医学部を除く全学部の教授と准教授で、提訴した26日、同大で記者会見した。原告代表の品川敦紀理学部教授は「運営費交付金は大学の収入の4分の一1程度。交付金の減額分を補うために給与を削減することば認められない」と述べた。 "[he-forum 17547] 3/27NHKニュース(山形地方局)","NHK 03月27日 08時24分 山大教授ら 給与カットで提訴 法人化された国立大学の教職員の給与を国家公務員と同じように引き下げたのは違法だとして、山形大学の教授らが、削減された分の賃金にあたる360万円あまりの支払いを求める訴えを起こしました。 訴えたのは、山形大学の教授や准教授など7人です。 訴状によりますと、震災復興の財源にあてるため国家公務員の給与を削減する法律が去年成立したことに伴い、山形大学は、7月から、教職員の給与を最大で10パーセント近く引き下げたということです。 教授らは、法人化された国立大学の教職員は国家公務員でないにも関わらず、給与を引き下げたのは違法だとして、去年7月から先月までに減額したあわせて360万円あまりの賃金を支払うよう大学に求めています。 26日、教授らとともに記者会見を行った代理人の田中暁弁護士は、「民間と同じ労働法規が適用されている国立大学の給与に国が介入するのは明らかに違法だ」と述べました。 大学の教職員らで作る組合によりますと、今回の給与の削減をめぐって提訴するのは、国立大学法人では福岡教育大学に続いて2例目だということです。 提訴されたことについて山形大学は、「訴状が届き次第、確認して対応したい」としています。 "[he-forum 17546] しんぶん赤旗3/29","しんぶん赤旗2013年3月29日付 大学非常勤講師 5年雇い止めに“待った” 琉球大で撤回 首都圏でも活動広がる 労組「法の悪用させない」  大学非常勤講師など有期雇用労働者を5年以内に雇い止めにする規定を導入する動きがあるなか、非常勤講師の契約更新を5年上限とする提案を国立琉球大学では撤回、首都圏の大学でも“待った”をかける動きが広がっていることが、28日までに分かりました。 国会内で緊急集会  各大学の状況が参院議員会館で開かれた大学有期教職員問題の緊急院内集会で報告されました。  首都圏大学非常勤講師組合によれば、東京大学、一橋大学、東京外語大学、東京芸術大学、東京工業大学、東京学芸大学、高崎経済大学などでも5年以内の更新上限を設定しないと確認しています。4月実施の改定労働契約法を悪用させない労働組合の道理をつくした活動で歯止めをかけているのです。  私立大学の多くは「様子見」だと報告がありました。早稲田大学が5年上限を強行しようとしており、立正大学も5年上限実施を通告して組合と交渉中です。琉球大学でも大学等非常勤講師ユニオン沖縄のたたかいを同首都圏組合が支援しました。  院内集会は、東京地区大学教職員組合協議会、首都圏大学非常勤講師組合、関西圏大学非常勤講師組合が主催し、日本科学者会議や全国大学院生協議会などからも参加者がありました。  院内集会には、全国に先駆けて非正規雇用の教職員の5年雇い止めを実施しようとしている大阪大学から、非常勤講師、有期職員、正規雇用の教員がそろって参加。「労働条件の一方的不利益変更はおかしい」「学生の教育環境を整えることもできない」と訴えました。  理化学研究所労働組合の大竹雅雄書記長は、期限付きプロジェクト型研究費で職員が有期雇用となっている実態を発言。榎木英介近畿大学講師は、「博士取得者は増えたのに研究ポストは減っている。雇用が安定しないと、いい研究ができない」と強調しました。  日本共産党の田村智子参院議員と糸数慶子参院議員(無所属)があいさつしました。 ---------------------------------------------------------------------------  労働契約法改定 有期労働契約で労働者が通算5年以上働いたときは、労働者の申し込みで期間の定めのない無期労働契約に転換できるルールが4月1日から実施されます(18条)。しかし、雇用安定という本来の趣旨に反し、5年以内で雇い止めする規定をつくる使用者があらわれ問題になっています。 "[he-forum 17545] 毎日新聞3/29","毎日新聞2013年3月29日付 大阪教育大:近畿大と連合教職大学院 15年4月設立  国立の大阪教育大(大阪府柏原市)と私立の近畿大(東大阪市)は28日、共同で連合教職大学院を2015年4月に設置すると発表した。担当する教科の専門性を高めるとともに、いじめや体罰、国際化などに対応できる質の高い教員の育成が目的。大教大によると、国立と私立の垣根を越えた連合教職大学院は、京都教育大と同志社大など7私大の連携に次いで全国2例目という。  新設の大学院は定員約30人、学舎は大教大天王寺キャンパス(大阪市天王寺区)を予定している。4月に具体的なカリキュラムなどを検討する協議会を両大学で設置する。  教職大学院は専門性の高い教員養成を目的に08年度に設置が認められた。大教大は「さまざまな課題に対応できる教員を育成するには、国私立の垣根を越えた連携が最も有効だと判断した」としている。【江口一】 "[he-forum 17544] 毎日新聞3/27夕刊","毎日新聞2013年3月27日付夕刊 奨学金問題:全国組織、31日設立 返済苦しむ若者急増で  不況や就職難で奨学金が返済できず、厳しい取り立てを受けたり、自己破産したりする若者が急増しているとして、全国の学者や弁護士らが「奨学金問題対策全国会議」を31日に発足させる。背景には、学費高騰や学生支援組織の独立行政法人化などがあり、支援者らは「本人の努力だけでは解決できない社会問題だ」と訴えている。奨学金問題で全国組織が結成されるのは初めて。  独立行政法人・日本学生支援機構(旧日本育英会)によると、2011年度の同機構の奨学金利用者は128万9000人。大学や専門学校に通う学生の3人に1人が利用している。同機構の奨学金に給付型はなく、卒業後に返済が必要だが、就職難や非正規雇用の増加で返済が遅れる利用者が続出。延滞者は03年度末から11万人増え、11年度末で33万人にのぼる。  追い打ちをかけたのが、独立行政法人化による回収の厳格化だ。同機構は10年度から、3カ月滞納した利用者を銀行の個人情報信用機関に登録(いわゆるブラックリスト化)し、4カ月目から民間の債権回収会社(サービサー)に委託している。その後は裁判をし、11年度だけで給料差し押さえなど強制執行は135件にもおよぶ。  全国44の弁護士会が2月に実施した奨学金に関する初の電話相談には計453件が寄せられ「生活苦で返済できない」が42%で最多だった。対策会議設立の母体は80年代から多重債務者を救済してきた全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会。対策会議事務局長(予定)の岩重佳治弁護士は「学生の将来をひらくための奨学金が、将来をつぶすことになっている。学生支援のあり方を含め、社会全体で取り組む必要がある」と話す。  対策会議の設立集会と記念シンポジウムは31日13〜16時、東京都千代田区六番町の主婦会館プラザエフで。問い合わせは、東京市民法律事務所内の事務局(03・3571・6051)。【浦松丈二】 "[he-forum 17543] 須坂新聞3/30","須坂新聞2013年3月30日付 須坂市が信大でまちづくり事例講義の寄付講座開設  須坂市は信州大学全学教育機構(松本市)が新年度後期に開講する授業の一つで、市民と行政の共創によるまちづくり事例について講義する「寄付講座」を地方自治体で初めて開設する。27日、市防災活動センターで授業の「連携に関する覚書」 を締結した。同機構からは村上好成(よしまさ)機構長や杉本光公(みつきみ)機構長補佐(健康科学教育部門准教授)、松岡俊裕広報・情報委員長(教授)が出席。中沢正直副市長が署名した。  平成16年に締結した「信大と須坂市との連携に関する協定書」に基づく覚書の締結。今年10月から来年1月末まで毎週木曜に90分授業を16回受け持つ。授業名は「『田園環境健康都市須坂』を『共創』」。 第五次市総合計画(平成23年開始)に沿い、まちづくりに携わる市民がリレー形式で1年生(60人~100人、2,000人の学生が選択)に講義していく。  村上機構長は「初年次教育では、高校生から大学生の行動に移行できる人間力の向上を目指している。知らない人と話ができない学生が増えているので須坂市の取り組みを学ぶことで、コミュニケーション力や言語力、論理構成力を高めたい」と期待した。  中沢副市長は「地域づくりの実態を伝えたい。発表することでふるさとへの誇りが持てる。保健補導員会や農業小学校、海外展開する企業、ボランティアなど講師陣を今後検討したい」と述べた。  寄付講座は講師旅費など無償で提供する。昨年7月に招かれた三木市長の共創の講演が契機。契約は3年間。 "[he-forum 17542] 共同通信3/28","共同通信2013年3月28日18時24分 産学連携で4大学に1200億円  文部科学省は28日、大学と民間企業が連携して新しい技術開発や研究を進めてビジネスにつなげる取り組みを支援するため、東大など国立4大学に総額1200億円を出資することを決めた。政府の経済成長戦略の一環で、新産業創出を支えるのが狙い。  出資額は、東大に500億円、京都大350億円、大阪大200億円、東北大150億円。これまでの企業との共同研究実績から選定した。  今後、大規模インフラや再生可能エネルギー、創薬や素材開発などさまざまな分野から、大学が新技術開発の見込める複数の研究内容を選択し、協力を得られる企業を見つける。企業にも必要予算の3分の1以上の出資を義務付ける。5~10年後をめどに事業化し、収益が上がれば一部を国庫に返納させる。(共同通信) "[he-forum 17541] 日本経済新聞3/30","日本経済新聞2013年3月30日付 医療技術創出へ政府に司令塔 産業競争力会議、薬や機器開発  安倍晋三首相は29日開いた政府の産業競争力会議(議長・安倍首相)で、日本発の医薬品や医療機器の開発を加速するため医療政策の司令塔となる新たな組織の具体策を早急につくるよう関係閣僚に指示した。日本の医療技術をアジアなど新興国に展開するための推進体制もつくる。医療・健康分野の成長戦略を強力に進める狙いだ。  新組織は米国の国立衛生研究所(NIH)の日本版となる。大学など全国の研究機関の成果から有望な技術を探し出し、産業界に橋渡しすることで実用化の道筋をつける。  各省庁に分かれた医療政策や予算を一元化する狙いがある。例えばiPS細胞を活用した再生医療では、基礎研究を文部科学省、臨床応用を厚生労働省、産業育成を経済産業省が担っており、政府内の連携不足が指摘される。各省庁の予算が重複する例もあり、一体的な戦略が描けずにいる。  米NIHはがん研究所、ヒトゲノム研究所など27の研究機関を束ね、医学、生命科学研究の予算を配分している。ほかにも類似の機関を持つ国は多いが、日本では各省庁や大学、産業界の利害が対立して実現していない。  首相は会議で「研究と臨床がつながっていないことが革新的な治療手段を実用化するネックになっている」と指摘。「研究と臨床の橋渡しや研究費の一元的配分の司令塔機能が必要」と述べ、厚労相、文科相、経産相に具体策づくりを求めた。政府は2014年度にも新組織の設立を目指す。  アジア新興国に日本の医療技術やサービスを一体的に提供する体制づくりにも着手する。日本に治療に訪れる外国人患者を支援している一般社団法人、メディカルエクセレンスジャパン(東京)が役割を担う予定。同法人は11年に経産省の支援で設立された。今後は厚労省も省内に医療国際展開戦略室(仮称)を設け、同法人を軸にした海外展開を支援する。  田村憲久厚労相は会議で電子処方箋の検討や介護ロボットの普及を促す方針も示した。ただ民間議員が求めた医療費の自己負担の引き上げや病床規制の撤廃、医療機関への株式会社参入などは「実施困難」と回答。6月の成長戦略の策定に向け、引き続き議論する。 "[he-forum 17540] 沖縄タイムス3/30","沖縄タイムス2013年3月30日付 琉大、非常勤講師の雇い止め撤回  4月の改正労働契約法施行に伴い、雇用に関する基本方針で非常勤教員の雇用期間の限度を「通算5年」と提案していた琉球大学は29日までに、非常勤講師について適用しないことを決めた。非常勤職員には引き続き適用する。  改正労働契約法はパートや契約社員らの雇用の安定が目的。同じ職場で5年を超えて働いた場合、無期限雇用に転換できることなどを盛り込んでいる。  琉大は2月、文科省の補助金の減少による人件費不足を理由に、非常勤教員の雇用期間を原則5年とすることなどを盛り込んだ基本方針を通告。これに反対する非常勤講師らが大学側に再考を求めていた。  非常勤講師の適用除外について、琉大の矢崎雅之総務部長は「弱い立場の人を守るという改正労働契約法の趣旨に乗っ取って決めた。詳しい労働条件などは今後の団交で決めたい」と話している。大学等非常勤講師ユニオン沖縄の新城知子書記長は「5年を上限とする雇い止めが撤回できた。全国の非常勤教員の方々に力を与える結果になった」と評価した。 "[he-forum 17539] 琉球新報社説3/30","琉球新報社説2013年3月30日付 沖大被養護者支援 社会全体で支えよう  児童養護施設の入所者や里子ら社会的養護が必要な若年者を対象に、沖縄大学は推薦入試合格者の授業料を4年間全額免除する奨学生制度を来年4月から始める。県内大学では初で、全国的にも4年間の全額免除は珍しいという。これら若年者は経済的理由で進学を諦める事例が多く、沖縄大学の支援策を高く評価したい。 県内の乳児院、児童養護施設、里親宅、ファミリーホームで暮らす社会的養護が必要な子どもは2010年度で544人いる。児童福祉法では18歳になると自立とみなされ、里親委託は解除され、入所者は施設を出なければならない。  実の親の支援を受けられない子どもが大学進学を希望する場合、入学金、授業料など多額の費用を自身で確保する必要がある。さらに家賃や生活費も工面しなければならない。このため多くが進学を諦めざるを得ない現実がある。  さらに進学できたとしても経済的な理由で中途退学する学生も多い。県児童養護施設協議会が2005年にまとめた九州・沖縄8県の児童養護施設から進学した当事者のうち46%が中途退学している。  県内8人のうち卒業したのは3人だけで中途退学は5人と6割を超えている。しかも5人全員が「生活費・学費不足」を理由に挙げた。学費だけでなく生活費も確保しなければ大学に通えない状況は若年者にとってあまりに厳しい。教育の機会均等という観点からも是正しなければならない。  こうした学生を支援しようという動きが県内で起きている。県内児童養護施設を卒業した学生を仕送りで支援する「にじのはしファンド」という団体が11年1月から活動を始めた。また寄付金を積み立てて在園生の自立を支援する会もできている。こうした民間の支援組織に加え、沖縄大学の取り組みがほかの大学や専門学校にも広がっていくことを期待したい。  行政として新たな支援制度を設けることはできないだろうか。昨年10月の県里親会の要請に対し、与世田兼稔副知事は県として進学を支援する奨学金制度について「研究できないかと思う」と述べ、前向きな姿勢を見せた。ぜひ実現してほしい。  家庭的に恵まれなかった境遇を乗り越えて進学に向かう若年者を挫折させるような社会は健全ではない。社会全体で支え合う仕組みをつくりたい。 "[he-forum 17538] 京都新聞3/27","京都新聞2013年3月27日付 京大、2016年から特色入試 課外活動など評価印刷用画面を開く  京都大は26日、学部ごとに推薦入試やAO(学力アドミッションズ・オフィス)入試を実施する「京大特色入試」を2016年度入試から実施すると発表した。数学オリンピック出場など高校在学中の課外活動や、志願者が作成する「まなびの設計書」、論文、面接などから人格や意欲を審査する。大学入試センター試験の成績も合否判定に用いて学力を担保するとしている。  会見した松本紘総長は「(今の入試制度は)入試科目だけを勉強すればよいという風潮を生んでおり、大学の入試改革は不可欠だ。自ら課題を発見し、チャレンジする人材を選抜したい」と話した。  特色入試の定員枠は各学部で若干名~25人。高校での学業活動報告書や「まなびの設計書」の提出を義務づけ、学部ごとに高校の推薦書や小論文、センター試験の成績などから審査する。  総合人間学部は「文系総合科目」や「理系総合科目」、教育学部は知識の活用法を診断する「パフォーマンス評価重視入試」など従来の科目の枠組みにとらわれない筆記試験も実施するなど、学部ごとの特色も出す。  実施時期は、法学部が後期日程として行い、京大では08年度以来8年ぶりの「後期」復活となる。他の9学部は、東大が同じく16年度から導入を決めた推薦入試と同様に前期日程の前に実施する見込みで、京大や他の国公立大の一般入試も受験できる。 "[he-forum 17537] 神戸新聞3/29","神戸新聞2013年3月29日付 兵庫県立大が大学法人化 国が認可  兵庫県は28日、県立大(事務局・神戸市西区)の大学法人化が25日付で国に認可され、2013年度から「公立大学法人兵庫県立大」を設立すると発表した。理事長は清原正義学長が兼務する。  県立大は柔軟な大学運営を目指し、11年5月に外部識者らの改革委員会を立ち上げ、公立大学法人化に向けた議論を重ねてきた。  少子化による大学間の競争激化などを背景に、全国の公立大では大学法人化が進んでいる。文部科学省によると、13年度で全83公立大学のうち、同大を含む65大学が法人に移行することになるという。  県立大は04年、神戸商科大と姫路工業大、県立看護大を統合して発足。神戸市西区や姫路市、明石市、上郡町などの七つのキャンパスに6学部、12研究科があり、学生数は約6700人(12年5月1日現在)。 (黒川裕生) "[he-forum 17536] 佐賀新聞3/30","佐賀新聞2013年3月30日付 佐賀大学学長選考会、候補に2氏  佐賀大学の学長選考会議は29日、9月末の任期満了に伴う学長選考の候補者を現職の佛淵孝夫氏(60)と農学部教授の野瀬昭博氏(64)の2人に決めた。候補者の所信表明演説や教職員の意向投票を行い、選考会議での面接を経て6月上旬に次期学長を選出する。  佛淵氏は、九州大医学部卒。1998年に旧佐賀医科大教授となり、附属病院副病院長などを経て09年10月、学長に就任した。  野瀬氏は、九州大大学院農学研究科修士課程修了。佐賀大農学部助教授などを経て98年から現職。07年から4年間、農学部長を務めた。  届け出は2人だけで、学外からの応募はなかった。5月中旬に所信表明演説を行った後、2段階の教職員の投票による意向調査を実施する。新学長の任期は現職の再任の場合が2年、新任は4年となる。  学長選考会議は学外の識者7人と学部長ら学内関係者7人で構成。組織トップの経験や強いリーダーシップを学長の資質要件にしている。 "[he-forum 17540] 沖縄タイムス3/30","沖縄タイムス2013年3月30日付 琉大、非常勤講師の雇い止め撤回  4月の改正労働契約法施行に伴い、雇用に関する基本方針で非常勤教員の雇用期間の限度を「通算5年」と提案していた琉球大学は29日までに、非常勤講師について適用しないことを決めた。非常勤職員には引き続き適用する。  改正労働契約法はパートや契約社員らの雇用の安定が目的。同じ職場で5年を超えて働いた場合、無期限雇用に転換できることなどを盛り込んでいる。  琉大は2月、文科省の補助金の減少による人件費不足を理由に、非常勤教員の雇用期間を原則5年とすることなどを盛り込んだ基本方針を通告。これに反対する非常勤講師らが大学側に再考を求めていた。  非常勤講師の適用除外について、琉大の矢崎雅之総務部長は「弱い立場の人を守るという改正労働契約法の趣旨に乗っ取って決めた。詳しい労働条件などは今後の団交で決めたい」と話している。大学等非常勤講師ユニオン沖縄の新城知子書記長は「5年を上限とする雇い止めが撤回できた。全国の非常勤教員の方々に力を与える結果になった」と評価した。 "[he-forum 17538] 京都新聞3/27","京都新聞2013年3月27日付 京大、2016年から特色入試 課外活動など評価印刷用画面を開く  京都大は26日、学部ごとに推薦入試やAO(学力アドミッションズ・オフィス)入試を実施する「京大特色入試」を2016年度入試から実施すると発表した。数学オリンピック出場など高校在学中の課外活動や、志願者が作成する「まなびの設計書」、論文、面接などから人格や意欲を審査する。大学入試センター試験の成績も合否判定に用いて学力を担保するとしている。  会見した松本紘総長は「(今の入試制度は)入試科目だけを勉強すればよいという風潮を生んでおり、大学の入試改革は不可欠だ。自ら課題を発見し、チャレンジする人材を選抜したい」と話した。  特色入試の定員枠は各学部で若干名~25人。高校での学業活動報告書や「まなびの設計書」の提出を義務づけ、学部ごとに高校の推薦書や小論文、センター試験の成績などから審査する。  総合人間学部は「文系総合科目」や「理系総合科目」、教育学部は知識の活用法を診断する「パフォーマンス評価重視入試」など従来の科目の枠組みにとらわれない筆記試験も実施するなど、学部ごとの特色も出す。  実施時期は、法学部が後期日程として行い、京大では08年度以来8年ぶりの「後期」復活となる。他の9学部は、東大が同じく16年度から導入を決めた推薦入試と同様に前期日程の前に実施する見込みで、京大や他の国公立大の一般入試も受験できる。 "[he-forum 17535] TPP参加交渉からの即時脱退を求める要望書(全国大学教員有志)へのご協力願い","皆様 久しぶりの投稿です。すでに重複して入手されている方もおられるかと思いますが、 このたび、大学教員有志でTPP参加交渉からの即時脱退を求める要望書を提出するこ とにいたしました。4月8日までに、ご賛同いただける方は、下記の様式に記入のう え、指定のアドレスまで送信していただければ幸いです。 要望書は、メールの最後についています。至急、多くの大学教員(元教員を含む)に 拡散していただければ、幸いです。 とりいそぎのお願いまで。 京都大学 岡田知弘 ********************************* 全国の大学教員・名誉教授・元教員の皆様  私たちは先日、日本政府が交渉に参加することを表明したTPPの危険な 本質を多くの国民に伝えるとともに、この4月上旬に、安倍首相と日本政府 に対し、直ちに交渉から脱退することを求める添付のような申し入れをする ことにしました。  つきましては、全国の大学教員の皆さまに賛同を呼びかけ、賛同者名簿を 添えて安倍首相と政府に申し入れをするとともに、記者会見でこの申し入れ を広く国民にアピールしたいと考えています。  この申し入れにご賛同いただける方は下記にご記入の上、4月8日(月)ま でに、 tpp2013@mbr.nifty.com へ送信くださるよう、お願いいたします。 ------------------------------------------------------  お名前  所属と専攻(○○大学教授・△△学専攻)  メール・アドレス  メッセージ(100字以内でお願いします。) ------------------------------------------------------ 注:①お名前・所属はそのまま公表させていただきます。    ②メッセージも原文のまま公表させていただく場合があります ので、ご了承ください。   ③このメールをお知り合いの大学教員・名誉教授・元教員に拡散 していただけましたら幸いです。                        以上 呼びかけ人(2013年3月27日現在)  磯田 宏(九州大学准教授/農業政策論・アメリカ農業論)  伊藤 誠(東京大学名誉教授/理論経済学)  大西 広(慶応義塾大学教授/理論経済学)  岡田知弘(京都大学教授/地域経済学)  金子 勝(慶応義塾大学教授/財政学・地方財政論)  鈴木宣弘(東京大学教授/農業国際)  醍醐 聰(東京大学名誉教授/財務会計論)  日野秀逸(東北大学名誉教授/福祉経済論・医療政策論)  渡辺 治(一橋大学名誉教授/政治学・憲法学) ---------------------------------------------------------------------------- ------ 2013年4月〇日 内閣総理大臣 安倍晋三様 TPP参加交渉からの即時脱退を求める要望書 全国大学教員有志  自民党は昨年12月の総選挙で①聖域なき関税撤廃を前提としない、のほか、②自動 車等の数値目標は受け入れない、③国民皆保険制度を守る、④食の安全安心の基準を 守る、⑤国の主権を損なうISD条項は合意しない、⑥政府到達・金融サービス等は我 が国の特性をふまえる、が確保されない限りTPP交渉に参加しないと公約しました。 にもかかわらず、安倍首相は2月22日の日米首脳会談で農産物重要品目保護に何らの 担保も得られていないのに①が確認されたと強弁し、さらに②~⑥は「公約ではな い」、「参加の判断基準ではなく参加後の実現目標だ」というレトリックを用いて、 3月15日に交渉参加を正式に表明しました。このような公約改ざんがわずか3ヶ月で行 なわれるのでは、議会制民主主義は成り立ちません。  また参加表明にあたって「国民に丁寧に情報提供していくことを約束する」「新た なルールづくりをリードしていくことができる」旨強調していますが、いずれも非現 実的です。まずTPP交渉が完全に秘密裏に行なわれ、国民が情報アクセスできないこ とが交渉国間で確立されたルールとなっています。また昨年カナダとメキシコが参加 承諾を受けるにあたって(ア)すでに既存交渉国で合意された事項は内容すら見ること なしに丸呑みする、(イ)参加後も交渉事項の追加や削除の権限はない、という念書に サインさせられたことが明らかになっており、(ウ)参加後に既存交渉国が合意する 内容についても拒否権がないとの指摘すらあることからして、今から日本が参加して も極度に差別的な取り扱いを受けて対等な「ルールづくり」などに加われない、逆に できあがったルールの丸呑みになる公算が大です。  政府はわが国がTPPに参加した場合の日本経済全体の効果はGDPべ-スでは0.66% (3.2兆円)の増加になるとの「試算」を示しました。しかし農林水産業に及ぼす影 響額(▲3.0兆円)は、今でも異常に低い日本の食料自給率をさらに押し下げ、農林 水産業者の営業と生活はもちろん、関連する地域経済に壊滅的な打撃を与えることを 意味します。  さらにTPPへの参加は、「試算」で全く考慮されていない非関税分野においても重 大な脅威をはらんでいます。既存交渉参加国間では既に、食品の原産地表示への自己 証明制度の導入、貿易手続の規制緩和、各国法令・国内規制を策定する過程へ外国企 業の利害関係者を参加させる内国民待遇の採用、各国の著作権や医薬品・医療技術ま でを含む特許権のアメリカ水準への強化、そうした協定ルールに抵触したとして外国 企業が投資受入国政府を当該国の司法制度を超越していわば治外法権的に訴える権利 を付与する投資家対国家紛争解決(ISD) 条項の導入などが協議されています。これ らの事項は、いずれもわが国の経済自主権、国民の健康等を侵害する恐れをはらむも のです。これでは「平成の不平等条約」といっても過言ではありません。こうした事 態が見込まれるTPP交渉にわが国が参加するのは、国民不在の「国益」=「日米同盟 の絆」の証しにはなっても、守られるべき国民益を毀損することは間違いありませ ん。  以上から、私たちは安倍首相と日本政府に対し、TPP交渉への参加表明を撤回し、 事前交渉をすみやかに中止することを要請します。そして、私たちは今後、国民各 層、各団体と連帯して、日本政府にTPP交渉から脱退するよう求める運動を続ける意 思を共有していることをお伝えします。 以上  呼びかけ人(五十音順)2013年3月26日現在 磯田 宏(九州大学准教授/農業政策論・アメリカ農業論)   伊藤 誠(東京大 学名誉教授/理論経済学) 大西 広(慶応義塾大学教授/理論経済学)          岡田知弘(京都大 学教授/地域経済学) 金子 勝(慶応義塾大学教授/財政学・地方財政論)      鈴木宣弘(東京大 学教授/農学国際) 醍醐 聰(東京大学名誉教授/財務会計論)         日野秀逸(東北大学 名誉教授/福祉経済論・医療政策論) 渡辺 治(一橋大学名誉教授/政治学・憲法学) "[he-forum 17557] しんぶん赤旗4/1","しんぶん赤旗 2013年4月1日(月) 奨学金全国会議を設立 弁護士・研究者ら「まともな制度に」  高い学費を奨学金でまかなう学生が増える一方、卒業しても低収入で返済に困難をきたしている人も増えているとして、全国の弁護士や司法書士、研究者らが31日、「奨学金問題対策全国会議」を設立しました。  東京都千代田区の主婦会館プラザエフで開かれた設立集会には、185人が参加。弁護士の岩重佳治さんは、全国会議の設立について、「奨学金返済に 苦しむ人の相談・救済活動をおこないつつ、当事者が声を上げる場をつくりながら、真に学びと成長を支える奨学金・学費の制度改革をめざす活動を続けたい」 と語りました。  中京大学教授の大内裕和さんが「教育における格差と貧困―奨学金問題から考える」と題し基調講演。「奨学金が奨学金として機能していない。返済猶予・減額免除や有利子奨学金の改善、給付型奨学金の導入が必要だ」と語りました。  当事者が「これは自分だけの問題でない。社会問題だ」と訴え。奨学金制度の実態について「奨学金の会」事務局次長の岡村稔さんらが報告しました。岡村さんは「教育は無償に、奨学金は給付に。その実現のためにみんなで前に進もう」と話しました。  日本共産党の宮本岳志衆院議員が紹介され、「学費無償化は世界の流れです。無償化でなく、給付制奨学金がない国は先進国では日本だけです。いっ しょに、まともな奨学金制度をつくらせよう」とあいさつしました。山口清明名古屋市議が、奨学金返還支援制度づくりの取り組みについて話しました。 "[he-forum 17559] 日本経済新聞4/1","日本経済新聞2013年4月1日付 これからの大学費用「子の負担も増やす」49% 週末マネー講座 第9回読者アンケート結果  安倍晋三首相の要請で賃上げに乗り出す企業も出始めたものの、なお厳しさが続く所得・雇用環境。これからの時代、子どもの大学進学にかかる費用は親(祖父母も含む)と子でどう負担するのが望ましいのでしょうか。3月16日付「大学進学へ最低200万円 学資保険、備えどこまで」と同23日付「奨学金、返せる自信は 就職難や住宅ローンも考慮を」の掲載を受け電子版読者に聞いたところ、「親が大半だが、子の負担も増やす」との回答が49%を占めました。  「自分が奨学金で大学に行き必死に勉強したので、子どもにも同じ経験をさせようと考えている」「親の稼ぎは減っているのが現実。子に相応の負担を求めるのは仕方がない」などの理由が挙がっています。次いで「親が全額負担する」(39%)とした方からは「子どもの将来に『奨学金貧乏』があってはいけない」「自分はすべて出してもらった。今度は自分が親として負担する番だ」といった意見が出ました。  大学進学費用の準備や借り入れ手段として、今後活用を最も増やしたい(または増えると考えられる)ものについては「奨学金」が32%と最多。「返済が不要な完全給付型の奨学金が今後ますます求められる」「在学中の成果と返済負担をリンクさせる仕組みが必要だ」など制度の拡充を求める声が目立ちました。次いで「預貯金」が26%、「学資保険」が25%で拮抗しています。  今回のアンケートには121人の方に回答いただきました。寄せられた主なコメントは以下に紹介しています。「暮らしを磨く 週末マネー講座」では今後も、テーマごとにこうした意識調査を実施していく予定です。生活に密着したおカネに対する皆さんのご意見をお寄せください。 回答者の内訳 回答総数 121 男性 94% 女性 6% 20代 3% 30代 7% 40代 27% 50代 23% 60代 29% 70代 9% 80代以上 0% 小数点以下は四捨五入 子どもの大学進学費用について「親が大半だが、子の負担も増やす」と答えた方のコメント 30代女性 親は学費を支払う財力があったが、私は父親にならい奨学金で大学に進学した。自分で払っているので元を取ろうと必死に勉強した。子どもにも同じように経験させようと考えている。 40代男性 年間で学費150万円、家賃70万円、仕送り100万円は親が、それ以外の生活費は子どもが奨学金でそれぞれ負担している。 50代男性 親が出せるものなら出すが、稼ぎが減っているのが現実。年功序列の時代でもなく、多くの社員はある程度の年齢で給与が頭打ちになったり減ったりする。子に相応の負担を求めるのは仕方がない。 50代男性 大学までの教育資金は親の義務だと思っているが、さらに大学院などに進む場合は奨学金を利用してほしい。 70代男性 米国の大学院にいたころ、級友の過半は期末の長い休暇を利用して働いていた。日本の学生も単なるアルバイトでなく、企業が学生に働いてもらう機会を与えたらどうか。 ▼「親が全額負担する」と答えた方のコメント 40代男性 祖父母に孫の教育資金を出させるのはよくないし、子どもの将来に「奨学金貧乏」があってもいけない。親が責任を持つべきだ。 40代男性 自分は親に大学資金をすべて出してもらった。今度は自分が親として負担する番だ。 50代男性 いまは年代層によって富が偏在している。大学に進む世代が今後就職しても、本人の努力で得られる実質手取り金額は低いままだろう。返済による若年層の負担は過去より大きい。 60代男性 大学は学問を学ぶ場であり、親が面倒をみるか子どもが奨学金を使って通うべきだ。学生にアルバイトをさせ学費を捻出させるのは負担が大きすぎ、学問に身が入らず就活に苦しむ結果を招く。 ▼「親子でほぼ半々ずつ負担する」と答えた方のコメント 40代男性 高等教育はオプションと考えるべきだ。 ▼「子が大半だが、親の負担も増やす」と答えた方のコメント 40代男性 親の見えで高学歴を望むなら親が出資すればいいし、子が自分の意志で学びたいというなら親は援助してやるだけでいい。 ▼「子が全額負担する」と答えた方のコメント 60代男性 大学は遊びに行くところではないのだから、働いて賃金などを費用に充てて元を取ればいい。 ▼大学進学費用の準備や借り入れ手段として、今後活用を最も増やしたい(または増えると考えられる)のは「奨学金」と答えた方のコメント 40代男性 返済が不要な完全給付型の奨学金が今後ますます求められると思う。北欧諸国のように教育費の将来負担の心配がなくなれば少子化にも歯止めがかかるだろう。 60代男性 在学中に期待するレベルの知識や技能を習得し、それを活用できる企業に就職した場合は返済を免除するなど、成果と負担をリンクさせる仕組みが必要だ。 60代男性 所得水準が低い層も学問を学ぶ権利はある。国として寄付などを募り、奨学金の充実を図るべきだ。 70代男性 借りた奨学金をきちんと返済させる厳重な制度が必要。一方で自衛隊や消防など献身的な勤務に就く場合は免除するといった恩典も与えるべきだ。 ▼「預貯金」と答えた方のコメント 40代男性 地道に積み立てるのが正道だと思う。 60代男性 公的年金や個人年金で恵まれていた世代として貯蓄を取り崩しつつ、無税の範囲内で定期的に子どもたちに資金を移し、ローン金利の削減を促している。 60代男性 学資保険では足りないので、やはり預貯金の蓄えが必要。投資信託や金融商品などまったくあてにできない。 ▼「学資保険」と答えた方のコメント 40代男性 預貯金と学資保険しかない。金融商品の変動リスクにさらせないお金であり、子どもに過大な返済負担を残すこともできれば避けたい。 40代女性 預貯金に余裕があれば学資保険も利用しなくていいのだろうが……。 60代男性 なるべく早めに資金計画を考えないと間に合わない。 ▼「教育ローン」と答えた方のコメント 40代男性 借り入れは増やしたくないが、ローンしかないだろう。 ▼「投資信託」と答えた方のコメント 40代男性 子どもが生まれてから、学資保険や定期預金で準備してきた。今後は将来の自分のためも含めて、投資信託をはじめとする金融商品での運用を検討しなければならない。 ▼「その他金融商品」と答えた方のコメント 40代男性 学資保険を利用していたが、ローリスク・ローリターンすぎた。 "[he-forum 17560] 東京新聞4/1","東京新聞2013年4月1日付 生活不安 重い「借金」 奨学金 返済困難を支援  長引く不況や就職難で奨学金の返済が困難になった人を支援しようと、弁護士らが三十一日、「奨学金問題対策全国会議」を設立し、東京都内で奨学金の在り方を考える集会を開いた。  全国会議には現時点で、各地の弁護士や司法書士ら約五十人が協力態勢をとっている。集会では、奨学金を返せず派遣切りにあって抑うつ状態になり、自己破産を申し立てた女性の切実な訴えも紹介された。  「将来のことを考えると不安でいっぱい」と話すのは、福島県出身の女性会社員(25)。高校卒業後、東京都内で一人暮らしをして私立大に通った。学費は親に払ってもらったが、生活費や米国への短期留学費は月十万円の奨学金とアルバイト代で賄った。  卒業時の返済額は利子を含め計約五百七十万円。毎月約二万四千円を二十年かけて返さなければならない。保険会社の営業として就職したが、三年目から歩合給になった。給料が八万円の月もあって生活するのがやっと。それでも奨学金を返し続け、貯金も底をついた。  転職を決め、結婚もすることになったが、婚約者から「子どもができたら産休の間、誰が奨学金を返すの?」と言われた。近く年金暮らしになる親に負担は掛けられない。子育てにもお金がかかる。「自分の力だけで返していけるのか。これは“借金”なんだと実感している。誰に相談していいのか」と戸惑う。  奨学金事業の大半を担っているのは、二〇〇四年に日本育英会などが独立行政法人化した日本学生支援機構。同機構によると、〇一年度の滞納者十七万九千人、滞納額約三百五十六億円から、一一年度の滞納者は一・八倍の三十三万一千人に、滞納額は二・五倍の八百七十六億円に増えた。裁判所を通じた一一年度の支払い督促の件数は一万件を超えた。  全国会議事務局長の岩重佳治弁護士は「終身雇用や安定収入といった返済の前提が崩れている」と指摘。「独法化した支援機構は奨学金回収を強化しており、金融事業化している。返済に悩み、精神的に追い込まれている人もいる」と話す。  全国会議で設ける相談窓口では、返還猶予など現行の救済制度の利用や、自己破産など法的整理のアドバイスをする予定。岩重弁護士は「返済不要で欧米では主流になっている給付型奨学金を増やしたりするなど制度改革にもつなげていきたい」と話している。 "[he-forum 17558] 読売新聞4/1","読売新聞2013年4月1日付 就活解禁を大学4年4月、政府が経済界に要請へ  政府は、大学生の就職活動の開始時期を現在より4か月遅らせ、4年生の4月からとするよう経済界に要請する方向で検討に入った。  新3年生が主な対象となる2015年春の入社採用からの実施を目指す。教育改革を重視する安倍政権として、就職活動期間の短縮により大学で教育を受ける時間を確保し、学生の質の向上を目指すとともに、大学生が海外留学しやすい環境を整備する狙いがある。  企業の採用選考の紳士協定である経団連の「倫理憲章」は現在、会社説明会などの「広報活動」の開始を3年生の12月から、面接や試験などの「選考活動」の開始を4年生の4月からと定めている。政府は、広報活動については4年生の4月から、選考活動は8月からとするよう倫理憲章の改定を求める考えだ。 "[he-forum 17561] しんぶん赤旗4/2","しんぶん赤旗 2013年4月2日(火) 奨学金 有利子が7割にも サラ金以上の取り立て 宮本議員告発 文科相“適切な対応考える時期”  日本共産党の宮本岳志議員は、1日の衆院予算委員会で、「ローン化」「サラ金化」した奨学金の非情な取り立てが若者と親を苦しめている実態を告発し、返済の必要のない給付制奨学金をただちに実現するよう求めました。 給付制奨学金ただちに  宮本氏は、中等・高等教育の漸進的無償化を定めた国際人権規約を具体化するために奨学金制度の改善を要求。日本は貸与の奨学金しかなく、しかも有 利子奨学金が増えて7割にもなっていることをあげ、「奨学金は無利子こそ根幹ではなかったのか」と迫りました。下村博文文科相は「おっしゃる通り」と答弁 しました。  宮本氏は、無利子分の財源について政府からの貸付金が減り、返還金の割合が増え、「返せないので奨学金を借りたくない」という声が広がっていると指摘。深刻な若者の実態を告発しました。  ▽奨学金として総額450万円を借りた30代女性は過労のためうつ病になり、正社員を退職。パートで働いているが月10万程度しか収入がなく、自己破産を勧められています。  ▽総額64万8千円を借りた女学生は在学中に心肺停止、蘇生後脳症と診断される病気のため、医療費だけで100万円以上になるのに返済免除が認められていません。  宮本氏が「返せない人からも、本来なら返す必要のない人からも、非情に取り立てている」と批判すると、下村文科相は「個々の状況把握に努め、経済的理由などで返還が困難なものに対しては、よりきめ細かな、柔軟な対応を検討する」と述べました。  宮本氏が「サラ金ですら延滞利息の減額を認めているのに、支援機構は延滞金を一切減額しない」と指摘し、「『ローン』や『クレジット』と同じだ」 と迫ると、下村文科相は「ご指摘はもっともな部分がたくさんある。真に困窮している方への適切な対応を学生支援機構も考える時期に来ている」と述べまし た。  宮本氏は、給付制奨学金を導入し、有利子は無利子に変え、返済猶予の5年の期限も取り払うことを求めました。= "[he-forum 17562] 朝日新聞山形版","報告書漏出の官僚、教授就任  ◆ 山大「道議的問題なし」  山形大学は1日付で、原子力規制庁審議官を今年2月に更迭された名雪哲夫氏(54)を、出身元の文部科学省から教授として迎えた。2日記者会見した結城章夫学長は道義的な問題はないのか問われ、「本人はすでに処分を受け、悔い改めている」と説明、問題はないとの認識を示した。  国許認可考え決定  山大によると、名雪氏は放射線の安全規制に詳しい行政官。山大が医学部への導入を目指す「重粒子線がん治療施設」の実現にあたり、国の許認可を得るうえでの「適任者」として、同施設設置準備室の専任教授に迎えたという。  結城学長は元文科事務次官。「人事のプロセスを明かすのはあまり良くないと思っている」とした上で、重粒子線プロジェクトを推進するため、同省に「放射線安全規制に明るい人材がいないか」と照会したところ、名雪氏を紹介されたという。  名雪氏は今年1月下旬、日本原子力発電(原電)の敦賀原発直下の断層をめぐって公表前の報告書案を原電役員に手渡し、漏出させた。この件で「中立性を重視する職員として著しく軽率」として、2月1日、内規でもっとも重い訓告処分を受け、原子力規制庁審議官を更迭されている。  結城学長は、名雪氏が受けた処分について「人事記録に残す懲戒処分ではなく、指導上の訓告にとどまっている」「すでに処分を受けて、いわば終わった問題。受け入れにあたって支障はないと判断した」と説明している。  大学側では、今回の人事について「学内に心配する声もあった」(結城学長)が、最終的に役員会で決定した。(伊東大治)= "[he-forum 17563] 山形新聞4/3","山形新聞 2013年04月03日 09:23 重粒子線がん治療施設の準備室に名雪氏ら配置・山形大  山形大は2日、医学部への導入を目指している重粒子線がん治療施設の設置準備室に、放射線医学総合研究所重粒子医科学センター物理工学部サイクロトロン運転室の前室長後藤彰氏(62)と、元原子力規制庁審議官の名雪哲夫氏(54)を教授として配置すると発表した。1日付。  大学によると、後藤氏は磁場と高周波電場によってイオンをらせん状に加速させる装置「サイクロトロン」研究の第一人者。名雪氏は文部科学省からの出向で、技術行政の経験を生かし研究をする。大学はさらに東京大から重粒子線専門の准教授を1人を招く予定。  名雪氏は規制庁審議官在任中、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査をめぐり、日本原電に資料を漏えいした問題で処分、更迭された。  名雪氏の採用の経緯に関し、結城章夫学長は2日の記者会見で「文科省に対し、放射線の安全規制に詳しい人物を要請し、提案されたのが名雪氏だった」と説明。「名雪氏の知識、能力、実績は大学のプロジェクトにとってプラスと判断し、役員会で承認した。問題は区切りが付いており、支障はない」と語った。= "[he-forum 17564] 河北新報4/3","河北新報 2013年04月03日水曜日 山形大、名雪氏を教授に採用 更迭の元原子力規制庁審議官  山形大は2日、電力事業者に資料を漏えいした問題で処分された元原子力規制庁審議官の名雪哲夫氏を、1日付で重粒子線がん治療施設設置準備室教授に採用したと発表した。結城章夫学長が定例記者会見で明らかにした。  結城学長は名雪氏について「文部科学省に放射線に明るい人材が欲しいと相談し、紹介を受けた。本人も処分を受け悔い改めている。知識や実績もあり、受け入れは支障がないと判断した」と語った。  重粒子線がん治療施設は、同大が東北、北海道で初の設置を目指す最先端医療施設で、関連経費約10億円が2012年度補正予算で初めて認められた。  名雪氏の採用は予算化を受けた体制強化の一環で、もう一人の教授として放射線医学総合研究所(千葉市)の重粒子医科学センター物理工学部サイクロトロン運転室長、後藤彰氏も採用した。 "[he-forum 17569] 時事通信4/2","時事通信2013年4月2日11時54分 4年生4月解禁に慎重姿勢=大学就活で-米倉経団連会長  経団連の米倉弘昌会長は2日、大学生の就職活動の開始時期を現在より4カ月遅らせ4年生の4月からにするよう政府から非公式に要請されたことを明らかにした。その上で「学生からは従来通りが望ましいという声がある。長期的な観点からの検討が必要だ」と述べ、慎重姿勢を示した。  東京都内で野田聖子自民党総務会長と懇談後、記者団に語った。米倉会長は「(政府からの)正式要請はまだ来ていない」としながらも、採用活動の指針を示した経団連の倫理憲章の改定を求められていることを暗に認めた。現行の憲章では、大学の新卒生を対象にした会社説明会など広報活動の解禁時期を3年生の12月からとしている。 "[he-forum 17567] 産経新聞4/3","産経新聞2013年4月3日付 大学評価制度、同友会が情報公開徹底を提言  経済同友会は3日、大学に対する評価を行っている現行の「大学評価制度」が一般に認知されていないとして、学生、保護者、企業などの利害関係者が大学を的確に評価できるよう、情報公開の徹底や説明責任の強化を求める提言を発表した。大学間の競争を促進させ、大学教育の質を向上させるためには大学が自校の将来像を明確化し、実現に向けた方策を着実に実行することだと強調。大学の教育成果が把握できるよう評価制度を変えるべきとした。   大学評価制度は国公私の全ての大学、短期大学、高等専門学校が定期的に文部科学大臣の認証を受けた認証評価機関による評価を受ける制度で、2004年4月に導入された。だが、評価項目は組織運営など最低基準の確認が中心で、評価結果はほとんど「適合」となっている。  大学機能の再構築のため文科省が昨年6月に策定した「大学改革実行プラン」では「評価制度の抜本改革」も課題になっており、今年度から検討が始まる。 "[he-forum 17568] 読売新聞千葉4/3","読売新聞千葉版2013年4月3日付 千葉大 攻めの取り組み  少子化に伴う大学全入時代のなか、千葉大が攻めの姿勢に転じている。新年度からフリーキャスターの木場弘子さん(48)を客員教授に迎え、広報活動を強化する。学生が英語だけで話す場「イングリッシュ・ハウス」も学内に開設し、国際的人材の育成にも本腰を入れる。国立大は各都道府県のシンボル的存在で、地域経済にも影響を与えるだけに、注目を集めそうだ。(向井ゆう子)  「国立大学は広報活動が謙虚だ。底力のある千葉大なので学生にたくさん来てほしい」  2日午前、千葉大西千葉キャンパス(千葉市稲毛区)で、木場さんの就任式が行われた。斎藤康学長が任命状を授与し、木場さんが抱負を述べた。斎藤学長も「国際的にも国内的にも広報していくには最適な方だ」と期待を寄せた。  木場さんは同大教育学部出身。2006年から学部特命教授でPRに一役買ってきた。今回、同大初の「広報担当」客員教授に就任し、本格的に広報活動を担う。マスコミ出身の木場さんの任命で、民間の目線を取り込む狙いがある。具体的には、全国での講演活動や大学説明会などで受験生と対話することを検討している。  千葉大が4月から始める新たな取り組みが、英語を「公用語」と位置づける空間「イングリッシュ・ハウス」の開設だ。  学生食堂に隣接した校舎の一角。白塗りの壁に、色とりどりの英単語がプリントされ、ソファや椅子が並ぶ。コーヒーや軽食を提供するスペースもあるほか、音楽やファッションを取り上げた英国の雑誌も並ぶ。  外国人教員が常駐し、学生は好きな時間に出入りできるのが特徴。学生同士も英語で話すのが基本だ。斎藤学長が2年前に発案し、開設に向けて準備してきた。広さは約300平方メートルで、食堂など校舎の一部を改装した。  同大は5年後に、卒業時のTOEIC平均点を730点に引き上げる目標を新たに掲げた。現状は、入学直後の約500点で、「イングリッシュ・ハウス」を活用して伸ばす考えだ。医学部の新1年生、川面(かわつら)貴彦さん(19)は「医学では英語力も求められる。積極的に参加したい」と話す。  こうした取り組みの背景には、大学全入時代を迎え、大学間の競争が激化していることがある。千葉大の志願倍率は、横ばい傾向で、目立った落ち込みはない。だが、全国的には、大学教育の質の低下が懸念されている。  文部科学省は教育向上に努力した大学に財政支援をするなど競争を促している。千葉大も昨年、国際的な人材教育プログラムが同省の財政支援を受けることになった。実績が出るのは来年度以降で、具体的な成果が問われることになりそうだ。 "[he-forum 17566] 秋田魁新報社説4/3","秋田魁新報社説2013年4月3日付 秋田公立美大開学 独自色ある教育前面に  秋田公立美術大が開学した。地元の秋田市新屋では、住民たちが歩道橋に横断幕を掲げて祝った。9日に入学式が行われれば100人余りの新入生が通い始め、キャンパスも活気づくことだろう。地元のみならず、各界の期待に応える大学として発展を遂げてもらいたい。  北海道・東北では唯一の公立美術系大学で、美術学部美術学科の105人(1日現在)が入学する見込み。教員は母体となる秋田公立美術工芸短大の27人に、新たに採用した14人を加え計41人と充実した。  学生は入学後の2年間で美術の基礎的な知識を幅広く学び、3年時に五つある専攻から選択する。1、2年次の教養科目には「東北造形史」や「東北生活文化論」を取り入れている。こうした科目で本県を含む東北の伝統文化への理解が深められるのは他にはない特色だ。  既存の美術系大学の多くは募集段階や入学時から専門分野に分かれ、それに特化した教育を行っている。専門性を優先するのか、幅広い教養を求めるのか—。意見の分かれるところだろう。しかし、既存の美術系大学と同じような目標を目指すのでは、後発の大学として存在感を発揮するのは難しい。秋田公立美大の個性を前面に打ち出していくことを大切にしたい。  理事長兼学長に就任した樋田豊次郎氏(美短学長)は会見で、大学が掲げる四つの理念に沿って▽芸術の伝統を掘り下げる▽伝統の最先端を追求する▽美術と芸術に関するグローバルな人材を輩出する—などの抱負を示した。秋田の伝統を強く意識していることがうかがえる。そうした伝統重視の姿勢にも、この大学ならではの学びの芽があると言える。ぐんぐん伸ばしていってほしい。  秋田公立美大の基本構想では「まちづくりに貢献し、地域社会とともに歩む大学」を理念の一つとして掲げている。法人設置者の秋田市が毎年、多額の運営費を交付するので当然と見る向きもあるだろうが、これもスクールカラーとしていくべき重要な理念といえよう。  美短も教員や学生が地域とさまざまな形でつながりを持ってきた。教育環境が格段に充実する秋田公立美大には一層地域との結び付きを強め、発展に寄与することが求められる。  初年度の入学予定者のうち、県内の高校出身者は約2割。それでは少ないという見方もあるかもしれない。しかし、本県は若者の県外流出に歯止めをかけられない状況にあるだけに、県外から8割の学生を呼び込む効果は決して小さくない。  さまざまなものづくり、商品づくりに美術的センスのある人材が求められている。卒業後も秋田に残って活躍する若者を増やすことが肝要だ。大学と地域の連携が、そうした機運の盛り上がりにつながるに違いない。新大学には、若者定着という観点からも期待がかかる。 "[he-forum 17565] 毎日新聞鹿児島4/3","毎日新聞鹿児島版2013年4月3日付 鹿児島大:「カラーと個性明確に」前田新学長が抱負 水資源など新たに研究  鹿児島大の新学長に就任した前田芳實(よしざね)氏(68)が2日、記者会見し「鹿児島大のカラーと個性を明確につくっていきたい」と抱負を述べた。就任は1日付で、任期は1期3年。  前田新学長は鹿大のカラーや個性を「9学部10研究科があり、西日本随一の総合大と自負している。日本の“食糧基地”としての役割や離島など鹿児島の地域の特性を生かした研究を進めたい」とした。学部を超え全学的に取り組む研究については、新年度から新たに「水資源」と「エネルギー」分野を加えることを明らかにした。  また、山口大との共同獣医学部が設立から1年になるのを受け、「共同講義などでこれまで実施できなかった獣医学教育の幅広い授業が展開できるようになった。今後、施設面でも充実を図りたい」と意欲をみせた。  鹿児島市出身で、鹿児島大大学院を修了。専門は家畜の遺伝子研究。前任の吉田浩己学長は2期6年を務め、退任した。【垂水友里香】 "[he-forum 17570] 毎日新聞神奈川4/4","毎日新聞神奈川版2013年4月4日付 エコ医療:実現へ貢献 産官学がセンター運用 川崎・殿町で来年度から  生命科学分野の拠点形成が進んでいる川崎臨海部の殿町地区(川崎市川崎区)で、新たに「(仮称)ものづくりナノ医療イノベーションセンター」が14年度から運用を開始する。産業化につながる成果を出すため、産官学が一体となった新たなマネジメント組織が運営に当たる。【高橋直純】  新センターには東京大、東京工業大、国立がん研究センターなどの研究機関やニコン、富士フイルムなどの民間企業が入居し、ナノテクノロジー(微細加工技術)を使った新しい医薬品や診療機器などの開発に取り組む。効率的に患部に届く抗がん剤の開発など、現段階で12のプロジェクトが予定されている。  統括する片岡一則東大教授は、2日に川崎市役所で記者会見し、「高品質だが庶民的な『エコ医療』の実現に貢献できる」と説明した。市は運営開始後10年程度で、日本全体で6000億円の経済効果、3万5000人の雇用を生むと試算している。  産業化を見据えた研究体制を構築するため、入居する企業や大学が人や資金を出し合って新たに「(仮称)エコ医療フォーラム」を設立する。市臨海部国際戦略室によると、産官学が一体となった研究マネジメント組織は日本初の取り組みになるという。国内外の優秀な人材を雇用し、研究成果の実用化や知的財産の管理などを行う。  建物や設備を管理運営するのは、市が出資する公益財団法人市産業振興財団。国からの交付金35億円と市からの借入金10億円で整備する。当初は全額を国費で賄う予定だったが、想定より少なかったため急きょ市からの貸し付けが決まった。8000平方メートルの建設予定地は市が約14億円で購入し、財団に貸し付ける。財団は、年間数千万円の賃借料について、入居する企業や大学からの家賃収入などで賄うとしている。  市や県は「運営段階でも税金を投入していくだろうが、できるだけ民間資金で回るようにしていきたい」としており、今後は研究開発資金を集めるファンドの設立などにも取り組むとしている。 "[he-forum 17571] 時事通信4/3","時事通信2013年4月3日18時37分 教育目的税の創設検討も=10兆円の財源確保で-下村文科相  下村博文文部科学相は3日、日本記者クラブで記者会見し、中央教育審議会(文科相の諮問機関)が教育機関への支出総額を経済協力開発機構(OECD)諸国並みに増額するよう提言したことについて、「個人的な考えだが、新たな『教育目的税』的な形を取らないと理解が得られないのではないか」と述べ、財源確保に向けて新税創設も視野に検討する考えを明らかにした。  日本の教育支出をOECD諸国並みに増やすには、年間約10兆円が必要になる。下村文科相は「消費税を4%(10兆円相当)アップするのは国民や政府全体の理解が得られない」として、消費税率の引き上げによる捻出は困難と指摘。一方で10兆円増額が実現すれば、大学、高校、幼児教育が全て無償化できるとの見通しを示した。  2009年度の国と地方自治体の教育機関への支出総額は16兆8000億円で、国内総生産(GDP)比3.6%。OECD諸国平均は5.4%となっている。 "[he-forum 17573] 福島民報論説4/4","福島民報論説2013年4月4日付 【大学入試の結果】希望かなえる指導を  県内の今春の大学入試結果がまとまった。福島大、福島医大、会津大の地元国公立三大学はいずれも前年と比べて本県勢の合格者が減った。東京電力福島第一原発事故による放射線問題で本県の大学を敬遠した他県勢の志願が今春は戻ったためとみられる。本県の高校生は依然として厳しい教育環境にある。受験生の希望がかなえられるよう高校の現場で支えてほしい。  福島大は、一般入試の県内合格者が4学類合わせて昨春比で93人減った。比率も48・7%から36・7%に低下した。代わって山形が36人増の96人、岩手が20人増の40人と、近隣県の合格者が大幅に増えた。  県外合格者の増加について大学側は「構内での放射線量の状況などを理解してもらえたためではないか」と分析している。事故から2年経過して、冷静に判断した他県の受験生が多かったといえる。  福島医大医学部は定員が5人増えて130人になったが、本県勢は推薦、前期、後期含めて52人にとどまった。昨春より9人少なく、比率も48・8%から40・0%に下がった。合格者52人のうち、本県勢に有利な推薦が実に35人を占めている。二次試験を課す前期、後期では他県勢にかなり押されたことが分かる。  会津大も、一般入試で県内出身者の比率が36・0%で前年の37・1%から下がった。昨春は原発事故前の6割程度だった県外高校の受験者が、今春は8割程度まで回復した分、本県勢合格者の比率が低下したといえる。  超難関の東大は減少、京都大は増加したが、大きな変化はなかった。東北大は前期、後期合わせた合格者が104人にとどまり、過去十年間で最低だった。都道府県別では、宮城、東京、栃木、岩手に次いで山形、埼玉と並んで5番目だった。六つの大学合格者数では、本県勢が躍進したとはいえない結果だ。  今年1月にいわき市を訪れた下村博文文科相は、大学進学で被災地枠を設けるよう求められたのに対して「各大学に協力をお願いしたい」などと述べた。県立高校サテライト校の要望への説明で、具体化するならば朗報となる。ただ、来春の入試で制度化されるかどうかは不透明だ。  厳しい教育環境にある本県の児童生徒の学力を心配する声がある。復興を進める本県では、さまざまな分野で活躍する人材が必要となる。志願する大学に一人でも多く合格者を送り出せるよう、教育現場での適切な指導と努力を求めたい。(佐藤 晴雄) "[he-forum 17572] 読売新聞4/4","読売新聞2013年4月4日付 東大大学院、「授業のやり方」教える講座開設へ  東京大学は2013年度から、大学教員を目指す大学院生を対象に「授業のやり方」を教える講座を開設する。  東大でも、教員は研究に専念するだけでなく、「教える力」を身に着けてもらう必要があると判断した。学生への教育力を大学が強く求められていることが背景にある。  この講座では、授業計画書の書き方のほか、大教室での講義、討論やグループ発表といった学生参加型授業の組み立て方などを教える。各学期、180分の授業を8回行う予定で、13年度は約100人の受講を目指す。修了者に履修証を交付し、大学への応募時に活用してもらう。  東大の博士課程在籍者は昨年5月時点で約6000人。毎年200人程度が大学で教員になるとみられる。講座を担当する栗田佳代子特任准教授は「大学教員は研究中心の意識が強かったが、教育力が不可欠になっている」と話す。 "[he-forum 17577] 共同通信4/4","【共同通信】2013/04/04 17:15 天下りの非常識人事 山形大職員組合が抗議  電力事業者に資料を漏えいして原子力規制庁審議官を更迭された名雪哲夫氏が山形大教授に出向した人事で、山形大職員組合が4日、「天下り官僚を受け入れる非常識な人事」として結城章夫学長に抗議文を提出した。  山形大によると、名雪氏は1日付で「重粒子線がん治療施設」の設置準備室の専任教授に就任した。大学側が文部科学省に放射線の専門家を求めたところ名雪氏を提案されたという。結城学長は「既に処分を受けており、問題ない人事だ」としている。  職員組合の執行委員長を務める品川敦紀教授は記者会見で「予算獲得のための人事と疑われても仕方がない。あしき癒着構造だ」と指摘した。 "[he-forum 17576] スポニチアネックス4/4","スポニチアネックス 2013年4月4日 16:23 山形大職員組合が抗議「天下り官僚を受け入れる非常識な人事」  電力事業者に資料を漏えいして原子力規制庁審議官を更迭された名雪哲夫氏が山形大教授に出向した人事で、山形大職員組合が4日、「天下り官僚を受け入れる非常識な人事」として結城章夫学長に抗議文を提出した。  山形大によると、名雪氏は1日付で「重粒子線がん治療施設」の設置準備室の専任教授に就任した。大学側が文部科学省に放射線の専門家を求めたところ名雪氏を提案されたという。結城学長は「既に処分を受けており、問題ない人事だ」としている。  職員組合の執行委員長を務める品川敦紀教授は記者会見で、結城学長と同じ旧科学技術庁出身の3人の教授も活動実績が乏しいとして「予算獲得のための人事と疑われても仕方がない。あしき癒着構造だ」と指摘した。  名雪氏は、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査をめぐり、原子力規制委員会の調査団がまとめた公表前の報告書原案を日本原電に渡したとして、2月に訓告処分を受け審議官を更迭された。 "[he-forum 17575] 朝日新聞4/5","朝日新聞(2013年04月05日) (声)官僚による大学支配はごめんだ  大学教員 品川敦紀(山形市 56)  日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査をめぐり、公表前の報告書案を原電役員に渡したとして更迭された原子力規制庁・名雪(なゆき)哲夫前審議官が、山形大学重粒子線がん治療施設設置準備室の教授に採用された。文科省からの「出向人事」だそうだ。  山形大は医学部への重粒子線がん治療施設の早期の設置を目指し、国の2012年度補正予算では約10億円の研究開発費が計上されている。結城章夫学長は準備室に工学系の研究者を招きたいと発表していたが、そのひとりが名雪氏だったとはあきれてものが言えない。 "[he-forum 17574] 山形新聞4/5","山形新聞 2013年04月05日 07:28 「あしき癒着」と山形大学長に抗議文 山形大教授名雪氏就任で職員組合  資料漏えい問題で更迭された元原子力規制庁審議官名雪哲夫氏が山形大重粒子線がん治療施設設置準備室教授に就任した人事に関し、山形大職員組合(品川敦紀執行委員長)は4日、結城章夫学長に抗議文を提出した。  抗議文では「今回の人事は、天下りの官僚を受け入れるというあしき癒着構造そのもの」とし、名雪氏の早期の文部科学省復帰を求めた。  記者会見で、品川執行委員長は「(情報漏えいで処分を受けた)名雪氏が教授の資格に該当するとは思えず、重粒子線がん治療施設設置に向けた予算獲得の見 返りと思われても仕方ない」と強調。今回とは別に旧科学技術庁から就任したほかの3人の同大教授に関しても「活動内容が分かりにくい」と指摘した。 "[he-forum 17578] 日本経済新聞4/5","日本経済新聞 2013/4/5 10:48 更迭の元審議官受け入れに抗議 山形大職員組合  電力事業者に資料を漏洩して原子力規制庁審議官を更迭された名雪哲夫氏が山形大教授に出向した人事で、山形大職員組合が5日までに、「天下り官僚を受け入れる非常識な人事」として結城章夫学長に抗議文を提出した。  山形大によると、名雪氏は1日付で「重粒子線がん治療施設」の設置準備室の専任教授に就任した。結城学長は「既に処分を受けており、問題ない人事だ」としている。  名雪氏は、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査をめぐり、原子力規制委員会の調査団がまとめた公表前の報告書原案を日本原電に渡したとして、2月に訓告処分を受け審議官を更迭された= "[he-forum 17579] 朝日新聞山形4/5","朝日新聞 山形 2013年4月5日 「あしき癒着構造に」  名雪氏人事  ∞ 山大職員組合抗議  山形大学職員組合(品川敦紀執行委員長)は4日、原子力規制庁審議官を2月に更迭された名雪哲夫氏(54)を、文部科学省から重粒子線がん治療施設設置 準備室の教授に迎えたことについて、結城章夫学長に抗議書を提出し、名雪氏を文科省へ早期に復帰させることを求めた。この人事を問題視する学部長もいると いい、同大の評議会でも論議を呼びそうだ。  組合側は、結城学長ら理事による役員会で決定した名雪氏の人事について、新聞報道を通じて知ったといい、二つの側面から問題だとしている。まず、規制す る側の名雪氏が規制される側の日本原子力発電役員に公表前の情報を漏らし更迭されたばかりであり、「山形大学教員選考規程」で定める「人格および識見とも に優れた者」とは言えないと指摘。  さらに、国の2012年度補正予算で重粒子線がん治療施設に関する研究開発費10億円を付けた文科省から名雪氏を受け入れることは「予算獲得のための天下り官僚受け入れと疑われても仕方がない。『あしき癒着構造』と国民の指弾を受ける」と批判している。 "[he-forum 17580] 毎日新聞 山形4/5","毎日新聞 4月5日(金)12時6分配信 福井・敦賀原発:資料問題 名雪氏出向人事、山形大教組が文科省帰任求め学長に抗議文 /山形  原子力規制庁審議官を2月に更迭された名雪哲夫氏を山形大教授として採用した出向人事について、山形大教職員組合(品川敦紀代表)は4日、名雪氏の早期文部科学省への帰任を求める抗議文を結城章夫学長あてに提出した。  抗議文では、情報漏えいで処分を受けた名雪氏が、山形大の教員選考規定で定められている「人格及び見識共に優れた者」とはいえないと批判した。  また、重粒子線がん治療施設の設置にむけ、12年度補正予算で10億円の研究開発費を獲得していることに触れ、「予算の見返りか獲得のためと疑われても仕方がない」と指摘した。  品川代表は、抗議文提出後に開いた記者会見で「名雪氏を採用するようなことを繰り返していると、世間からは山形大が日常的に不透明な人事を行うように思われる。今後の教員の応募も質が下がってしまう」と訴えた。  名雪氏は1月、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査で、原子力規制委員会の調査団の評価会合の前に、日本原電の求めに応じて報告書原案を渡した。規制庁は2月1日付で訓告処分にした。【前田洋平】 4月5日朝刊= "[he-forum 17581] しんぶん赤旗4/6","しんぶん赤旗 2013年4月6日 任期制助教解雇撤回を、教職員組合が訴え 東京医科歯科大学歯学部 東京医科歯科大学歯学部 任期制助教解雇撤回を、教職員組合が訴え   大学教員に任期制と個人評価制度が導入された例は多くありますが、その運用方法によっては教員の労働環境におよぼす深刻な問題点を含んでいます。 国立大学法人・東京医科歯科大学歯学部では3人の任期制の助教授」「准教授」に次ぐ職階)が再任不可にされてしまいました。就職先の紹介もなく、解雇通告 を受けており、助教側は労働審判に訴えています。  同学部で学校側から任期制と評価制度の導入が打診されたのは2000年初頭でした。当時の歯学部長は「任期更新の際には、決して窒息(しい)的な個人評 価は行いません。むしろ、評価は皆さんをエンカレッジする(励ます)ように運用いたします」と答えたと、質問者ははっきり覚えていると語っています。その 後04年に一部の不同意者を除き、任期制が導入され、助教職には、すでに2回の再任が行われ、当初の歯学部長発言に沿ったかたちで、任期制と個人評価の運 用がなされてきました。  この運用に異変が起きたのは09年の冬から10年にかけてでした。同学部に15年半勤務するAさんはこの頃に上司から「今度つくる再任基準は、絶対に一 人で達成は不可能だ。早く探して外に出て行け」といわれ、顔を合わせると「論文を書くより、職探しが優先だ」と退職を勧奨され続けました。  同学部では昨年11月17日の時点で、対象者33人中16人が発表論文数を規定した再任基準に達しませんでした。論文数不足にもかかわらず、教授の理由書提出で11人が再任可とされ、その後2人が同様に再任可とされ、最終的に3人のみが再任不可となサています。  Aさんらは研究教育業績再任基準を達成していますが、大学院生への教育が問題とされ、再任不可となっています。しかし、大学院生の配属は教授の権限でなされており、直属の大学院生がいないAさんらの場合、不備は教授にあるはずです。  今回の不当解雇通告について、東京医科歯科大学教職員組合は、次のように指摘しています。  「研究教育業績より教授個人の悪意附評価を最優先させる体制の確立が現在の学部執行部の狙いであるようです。この理屈が通ってしまったら、任期制関連の問題は全国で頻発するでしょう。全国の支援も得て、不当解雇通告を撤回させたい」 "[he-forum 17582] しんぶん赤旗4/8","しんぶん赤旗 2013年4月8日(月) 日本の異常 高学費・有利子奨学金 4年間で借金700万円  新入生が希望に胸をふくらませる春です。しかし高すぎる日本の学費は、充実した大学生活を望む若者の前に立ちふさがり、子育て世帯に過重な負担を強いています。学費問題を通して「日本の異常」に迫ります。 「何のための大学か」  「公認会計士の資格をとろう」  東京都内の私立大学に入学したとき、田原真人さん(23歳=仮名)は意欲に燃えていました。「商学部の勉強はおもしろい」。順調に簿記2級に合格しました。しかし1年目の冬に、挫折しました。  両親は自営業。1990年代のバブル崩壊後、経営が悪化しました。「大学には行くといい」。進学を後押ししてくれましたが、費用は奨学金に頼らざるをえませんでした。 大学の学費急騰  入学金と4年間の授業料で約400万円。生活費が4年分で約300万円。合わせて700万円を超す借金を背負いました。  それでも生活費は足りませんでした。居酒屋で週3~4回、午前3時か5時まで働きました。授業に出られずアパートで眠る日が増えました。自由な時間が限られ、簿記1級の分厚いテキストをこなせませんでした。  わずかな貯金ができても、実地調査の授業の交通費と宿泊費に消えました。友人から映画館に誘われても断り、趣味の映画は100円のレンタルビデオを借りて見ました。  「高い学費で学生生活が台なしにされる。何のための大学なのか。おかしな国です」  日本の大学の学費は70年代以降、急騰しました。初年度納付金は60年と比べ、国立大学で約82倍、私立大学で約19倍になっています。(グラフ) 給付奨学金なし  世界に目を向けると、日本の教育政策の異常さは際立ちます。  OECD(経済協力開発機構)加盟34カ国のうち、半数の17カ国は大学の授業料が無償です。  フランスは登録料171ユーロ(約2万4千円)のみ。スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークは登録料もない徹底した無償制です。  そのうえ32カ国で、返済義務のない給付制奨学金が支給されています。授業料が比較的高いアメリカでは65%の学生が受給。授業料が無償の国でも、低所得の家庭の学生に生活費を保障するなどの目的で支給されています。  授業料が有料で給付制奨学金さえないのは、日本だけ。文字通りの「例外国家」です。 "[he-forum 17582] しんぶん赤旗4/8","しんぶん赤旗 2013年4月8日(月) 日本の異常 高学費・有利子奨学金 4年間で借金700万円  新入生が希望に胸をふくらませる春です。しかし高すぎる日本の学費は、充実した大学生活を望む若者の前に立ちふさがり、子育て世帯に過重な負担を強いています。学費問題を通して「日本の異常」に迫ります。 「何のための大学か」  「公認会計士の資格をとろう」  東京都内の私立大学に入学したとき、田原真人さん(23歳=仮名)は意欲に燃えていました。「商学部の勉強はおもしろい」。順調に簿記2級に合格しました。しかし1年目の冬に、挫折しました。  両親は自営業。1990年代のバブル崩壊後、経営が悪化しました。「大学には行くといい」。進学を後押ししてくれましたが、費用は奨学金に頼らざるをえませんでした。 大学の学費急騰  入学金と4年間の授業料で約400万円。生活費が4年分で約300万円。合わせて700万円を超す借金を背負いました。  それでも生活費は足りませんでした。居酒屋で週3~4回、午前3時か5時まで働きました。授業に出られずアパートで眠る日が増えました。自由な時間が限られ、簿記1級の分厚いテキストをこなせませんでした。  わずかな貯金ができても、実地調査の授業の交通費と宿泊費に消えました。友人から映画館に誘われても断り、趣味の映画は100円のレンタルビデオを借りて見ました。  「高い学費で学生生活が台なしにされる。何のための大学なのか。おかしな国です」  日本の大学の学費は70年代以降、急騰しました。初年度納付金は60年と比べ、国立大学で約82倍、私立大学で約19倍になっています。(グラフ) 給付奨学金なし  世界に目を向けると、日本の教育政策の異常さは際立ちます。  OECD(経済協力開発機構)加盟34カ国のうち、半数の17カ国は大学の授業料が無償です。  フランスは登録料171ユーロ(約2万4千円)のみ。スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークは登録料もない徹底した無償制です。  そのうえ32カ国で、返済義務のない給付制奨学金が支給されています。授業料が比較的高いアメリカでは65%の学生が受給。授業料が無償の国でも、低所得の家庭の学生に生活費を保障するなどの目的で支給されています。  授業料が有料で給付制奨学金さえないのは、日本だけ。文字通りの「例外国家」です。 "[he-forum 17583] 福井新聞4/5","福井新聞2013年4月5日付 福井大学新学長、産学官連携に意欲 就任会見で眞弓光文氏が抱負  福井大の新学長に就任した眞弓光文氏(64)が4日、福井県福井市の同大文京キャンパスで会見した。大学の社会貢献が強く求められているとし「産学官の連携を深め、大学を『知』と地方の『地』の拠点としたい」と抱負を述べた。  産学官の連携について「医学部では医療器具の開発、工学部では繊維の新たな活用分野の開拓といった、地域産業のニーズに応える研究に力を入れる」と意気込みを語った。  学内の組織改革も重要とし、新たに「研究特区」と呼ばれる制度を設けることを表明。「世界レベルの高度な研究を行う教授に対し、受け持つ講義を減らすなどし、研究に専念できるようにする」と狙いを語った。  学生には「県内企業の現地法人へのインターンシップなどで積極的に海外に出て視野を広げてもらいたい」と期待を寄せ、支援体制の強化を目指すとした。  眞弓新学長は三重県出身。1997年から福井医科大医学部で教授、2003年から福井大教授、08年から同大の副学長を務めてきた。 "[he-forum 17584] 毎日新聞新潟4/7","毎日新聞新潟版2013年4月7日付 にいがた人模様:上越教育大の新学長に就任、佐藤芳徳さん ◇夢与える教員育てたい−−佐藤芳徳さん(60)  任期満了に伴い退任した若井弥一学長(65)の後任として、1日に上越教育大の第7代学長に就任した。「子どもたちに夢を与える教員を育てたい」と抱負を語る。  母親が小学校教諭だった。中学時代は尊敬できる先生と出会い、影響を受けた。将来、自分も中学か高校の先生になると決め、大学を選んだ。  大学で初めて触れた「水文学(すいもんがく)」。河川や湖沼、地下水などの、水の状態や変化を研究する自然地理学の一分野。指導教官(教授)が魅力的な人だったこともあり、興味を持った。さらに深く学びたいという思いに駆られ、大学院に進学。研究者の道を歩み始めた。  大学院(博士課程)を中退し、宇都宮大に助手として赴任。87年、上教大に転任した。上越では地下水をくみ上げる消雪パイプが普及していることから、主に、高田平野の地下水の流れを調べてきた。  学外の活動にも熱心に取り組んできた。県環境審議会の委員として県の環境施策に携わり、河川や地下水の水質保全について提言している。  15年春開業予定の北陸新幹線の県内沿線自治体などでつくる広域連携会議では「駅名等検討部会長」を務める。上越駅(仮称)の正式名称を巡っては、さまざまな意見が沿線市民から挙がる中、JR東日本に要望する地元案のまとめ役を託され、調整力を発揮。結論に導いた。  上教大は地域との関わりに力を入れている。例えば、県や新潟、上越市など自治体と連携。教育課題について積極的に意見交換を行っている。  また、大学教員を県内の小中高校や町内会などに派遣し、出前授業や公開講座も開いている。「大学と地域との関わりは、これからも充実させたい」と、意欲を見せる。  一方、上教大の運営経費の約7割は文部科学省からの運営費交付金。それも毎年約1%減額されている。新学長は台所事情とも向き合わなければならない。「厳しい状況だが、経営努力を重ねていきたい」と表情を引き締める。【長谷川隆】 ==============  ■人物略歴  ◇さとう・よしのり  1952年、群馬県東吾妻町生まれ。東京教育大卒、筑波大大学院中退。専門は「水文学」。09年から上教大の副学長。趣味は野球で、大学の職員チームで外野手を務める。 "[he-forum 17585] 読売新聞4/4(2)","読売新聞2013年4月4日付 大学入学前 目指せ500万円  住宅費用、老後費用と並び「人生の三大支出」とされる教育費用。幼稚園から大学までの合計で最低1000万円、最大2500万円必要との調査結果もある。巨額だが、お金のかかる時期は事前に想定できる。その時を意識して、早めの準備を進めたい。 私立は最大2.5倍  表は、国公立か私立かにより、学校の段階ごとに教育費が平均でいくらかかるかを示した。教育費には入学金や授業料、教科書・教材費といった学校でかかるお金に加え、塾や通信教育、参考書など学校外の分も含まれている。  一番お金がかからないのが、幼稚園から大学まで全て国公立のケースで、トータル1020万円。逆に最も高いのは全て私立のケースだ。大学が文系で約2400万円、理系で約2500万円になった。一番安いケースの2・5倍だ。私立の医・歯学部を卒業すれば理系の倍近くかかるケースもある。  遠方の大学に入学するなどして、アパート住まいとなれば、さらにお金が必要になる。  日本政策金融公庫の調査では、自宅外通学を始める際、アパートの敷金や家具の購入などで約45万円かかる。また、親の仕送り額は年108万5000円。4年間の合計で約479万円の追加負担だ。 聖域化   子供の教育については「お金がかかっても、できる限りのことをしてあげたい」と考えるのが親心だ。ファイナンシャルプランナーの竹谷(たけや)希美子さんは「教育費は聖域化しており、なかなか削れない。それだけに、いくらかかるかの目安を把握し、子供が幼いうちから準備を始めることが重要」と指摘する。  教育費が一番かかるのは大学入学時だ。そこまでに大学4年間分の学費の大半をためることを、竹谷さんは提案する。国立大を目指すなら250万円、私大文系で380万円、理系で520万円が貯蓄額の目安という。子供が幼くて進路が定まらないなら、一番お金のかかる事態を想定して、500万円を目標にしよう。 貯金・保険で準備  準備には積み立てタイプの金融商品を組み合わせて使うとよい。例えば、銀行の積立定期預金で200万円、学資保険(こども保険)の満期保険金で300万円、それぞれ用意するという形だ。  学資保険は、貯蓄性の高い商品を選ぶ方がたまりやすい。払い込んだ保険料の総額よりも満期保険金の方が多くなるタイプだ。  例えば、ソニー生命保険の学資保険(契約者が30歳男性で、子が0~18歳に払い込む場合)は、保険料総額274万7520円(月1万2720円)に対し、満期保険金は300万円。保険料の1・09倍の保険金を受け取れる。  残り200万円は、同じ18年間の場合、月9260円の積み立てで用意できる(利息は考慮せず)。早めに始めれば、過大な負担にはならない。(田渕英治) "[he-forum 17587] NHKニュース4/8","NHKニュース2013年4月8日19時8分 非常勤講師労組 早大を告発  早稲田大学が、今月から実施した非常勤講師の雇用期間の上限を5年とする就業規則を巡って、作成手続きに問題があったとして、労働組合のメンバーらが8日、大学の理事らを労働基準法違反の疑いで検察庁に刑事告発しました。  刑事告発したのは、首都圏の大学の非常勤講師およそ300人でつくる労働組合の松村比奈子委員長らで、8日、東京地検を訪れ告発状を提出しました。 告発状によりますと、労働基準法では就業規則の作成にあたって従業員の過半数の代表者などの意見を聴くよう定めていますが、早稲田大学が今月から実施した非常勤講師の雇用期間の上限を5年とする就業規則を作成した際、理事らはこうした手続きを取っていなかったとしています。 組合によりますと、早稲田大学には、非常勤講師らはおよそ4200人いるということです。 今月から改正された労働契約法では、非常勤講師ら雇用期間に限りのある人が5年を超えて働き続けた場合、期間に限りのない無期雇用に切り替えることができることになっていて、松村委員長は「大学は法律の適用を避けようとしているのだろうが、非常勤講師の安定した雇用に率先して取り組んでほしい」と話しています。 早稲田大学は「詳細が分からないので、コメントは差し控えたい」と話しています。 "[he-forum 17586] 日本経済新聞4/9","就活「4年生から」現実味 経団連が容認姿勢 解禁繰り下げ「政府要請あれば」  大学生の就職活動の解禁時期を大学3年生の12月から、大学4年生の4月に繰り下げる動きが現実味を帯びてきた。経団連の米倉弘昌会長は8日の記者会見で、政府から正式な要請があれば繰り下げを容認する考えを示した。中小企業の採用への影響など今後議論すべき課題は残るが、慎重だった経団連が容認姿勢に転じたことで、早ければ2015年3月卒の学生から解禁繰り下げが実現する可能性がある。  米倉会長は記者会見で、要請があった場合の対応について「政府の意向を粛々と受け止め、会員に周知徹底する」と語った。ルールを企業に浸透させるには現在、就活の解禁時期を「3年生の12月以降」としている倫理憲章を書き換える必要がある。米倉会長は「多くの企業が賛同する内容にしないといけない。要請が来てから色々と検討する」と憲章の改正にも前向きな姿勢を示した。  就活の解禁時期を遅くするのは、「学生の勉強時間を担保する」(下村博文文部科学相)のが最大の理由だ。政府は若者の就業支援などを議論する会議として「若者・女性活躍推進フォーラム」を官邸に設け、就職活動の繰り下げを協議している。大学生の採用活動の解禁時期を遅らせて大学4年生の4月にするよう経済界に求める案もこの中で浮上した。  これまでの議論では賛成意見が大半を占めており、同フォーラムは時期繰り下げを含めた提言を5月までにまとめる方針。政府は関係省庁での検討を経て、経済界に正式に提案する見通しだ。  就活の解禁時期を巡っては、経済同友会の長谷川閑史代表幹事が大学3年の行事が終わった「3月からにすべきだ」と繰り下げを提言。対して経団連は就活時期の短期化で学生に混乱が広がりかねないなどと慎重だった。  就活時期が仮に繰り下げられても課題は残る。経団連の倫理憲章に賛同していない企業はルールを守る必要がなく、外資などが優秀な人材を先に囲い込む可能性もある。大手の後に採用活動が本格化する中小企業は日程が窮屈になるため、優秀な人材を採用できるか懸念する声もあがっている。 就活解禁を大学4年生の4月まで繰り下げた場合 メリット 大学3年生の終わりまで勉強に集中できる 3年生の冬休みもインターンシップに使える 欧米への留学生組が採用に間に合う デメリット 大企業の後に採用のピークを迎える中小企業は不利 準備不足の学生と優秀な学生の差が開き、全体の内定率が落ちる恐れ 外資など経団連の倫理憲章に縛られない企業が解禁時期を守らない可能性 "[he-forum 17589] 中国新聞4/10","中国新聞2013年4月10日付 4病院で敷地内禁煙が未実施  中国地方で独立行政法人や国立大学法人が運営する30の公的病院のうち、広島大病院(広島市南区)など4病院が敷地内を全面禁煙にしていないことが9日、中国四国管区行政評価局の調査で分かった。厚生労働省は健康増進法に基づき「医療機関は全面禁煙が望ましい」との見解を示しており、評価局は4病院に改善を求めた。  全面禁煙になっていないのは広島大病院のほか、国立病院機構南岡山医療センター(岡山県早島町)▽同米子医療センター(米子市)▽労働者健康福祉機構山陰労災病院(同)。  広島大病院は昨年1月、中央診療棟の近くに「喫煙ハウス」(約5平方メートル)を設けた。室内の空気をフィルターで浄化して排気する装置を備え、ハウス内に限り喫煙を認めている。全国44の国立大学病院のうち、全面禁煙でないのは広島大と九州大だけという。  広島大病院以外の3病院も敷地内に喫煙所を設けている。いずれも壁や窓で遮断されておらず、煙が外気に触れる状態という。  病院内の喫煙をめぐっては、厚労省が10年2月の健康局長通知で、受動喫煙の防止をうたう健康増進法に基づき「官公庁と医療機関は全面禁煙が望ましい」としている。  広島大財務・総務室は「喫煙ハウスは外部と遮られて受動喫煙の可能性はなく、事実上の全面禁煙になっている認識だった」と釈明。「他の大学病院の状況を踏まえ対応を検討する」としている。 "[he-forum 17588] 福井新聞4/10","福井新聞2013年4月10日付 「地域が求める福井大に」 眞弓新学長が来社、抱負語る  福井大の眞弓光文学長が9日、就任あいさつのため福井新聞社を訪れ、吉田真士社長らと懇談した。法人化10年目を迎え、地方の国立大を取り巻く状況は厳しいとの認識を示した上で「これまで以上に、地域になくてはならない大学にしたい」と意欲を語った。  眞弓学長は「地域にいかに優秀な人材を輩出するかが求められる」と述べ、「知の拠点」に加えて「地の拠点」として地域貢献に努める姿勢を強調した。  地域医療については「福井に優秀な専門医を確保するシステムを作り上げるかが課題」と話し、地域全体を見据えた在り方を模索すべきだと提案した。  東京電力福島第1原発の事故以降、全国的に志望者が減っている原子力分野は「?敗戦処理?ではなく、光り輝くもの(将来性)を社会がどう提示できるかが大切」と指摘。同大附属国際原子力工学研究所にシビアアクシデント(過酷事故)を専門とする所長の下、「安全安心の分野に一層力を入れる」と述べた。  教職大学院は全国的に評価が高い点に触れつつ、今後は医学部のように指導者側も附属学校の教育現場で直接、教員を育成する手法を探りたいとした。 "[he-forum 17590] 山形新聞4/11","山形新聞 2013年04月11日 08:33 県内公務員の給与削減額は年146億円 調査機関試算、経済への影響171億円  県内の地方公務員の給与が国家公務員並みに引き下げられた場合、県全体の年間給与削減額は146億4548万円になることが10日、地方自治について調 査する県地方自治研究センター(山形市)の試算で分かった。県内経済へのマイナス影響は消費支出、税収、貯蓄の減少などで総額171億6991万円に上る としている。  同センターは自治労県本部の研究機関。国が地方公務員の給与カットを前提に地方交付税の削減を決めたことを受け、試算した。総務省の地方公共団体給与実 態調査結果(2012年)を基に県、市町村、警察などの職員数を3万1463人、平均給料月額を32万3111円とし、給料は国家公務員並みの平均 7.8%、一時金は10%をそれぞれカットした場合の1年間の給与削減額などを計算した。  地域経済の影響に関しては、給与削減に伴う消費支出の減少が75億7111万円。県内総生産で考えると、50億4387万円減で全体の0.14%のマイ ナスになるとした。税金と社会保険料の減収分は24億4579万円、貯蓄は32億2200万円減ると推計。さらに企業の経済活動が縮小することで、554 人の雇用が失われるとした。地方公務員の給与を基準に賃金を決める企業や団体もあり、同センターは「マイナスの影響はさらに大きくなる」と指摘。自治労県 本部の岡田新一委員長は「地方交付税の減額措置で地方公務員の給与が下がれば、地域経済に多大な悪影響を及ぼすことになる」と強調している。 "[he-forum 17590] 山形新聞4/11","山形新聞 2013年04月11日 08:33 県内公務員の給与削減額は年146億円 調査機関試算、経済への影響171億円  県内の地方公務員の給与が国家公務員並みに引き下げられた場合、県全体の年間給与削減額は146億4548万円になることが10日、地方自治について調 査する県地方自治研究センター(山形市)の試算で分かった。県内経済へのマイナス影響は消費支出、税収、貯蓄の減少などで総額171億6991万円に上る としている。  同センターは自治労県本部の研究機関。国が地方公務員の給与カットを前提に地方交付税の削減を決めたことを受け、試算した。総務省の地方公共団体給与実 態調査結果(2012年)を基に県、市町村、警察などの職員数を3万1463人、平均給料月額を32万3111円とし、給料は国家公務員並みの平均 7.8%、一時金は10%をそれぞれカットした場合の1年間の給与削減額などを計算した。  地域経済の影響に関しては、給与削減に伴う消費支出の減少が75億7111万円。県内総生産で考えると、50億4387万円減で全体の0.14%のマイ ナスになるとした。税金と社会保険料の減収分は24億4579万円、貯蓄は32億2200万円減ると推計。さらに企業の経済活動が縮小することで、554 人の雇用が失われるとした。地方公務員の給与を基準に賃金を決める企業や団体もあり、同センターは「マイナスの影響はさらに大きくなる」と指摘。自治労県 本部の岡田新一委員長は「地方交付税の減額措置で地方公務員の給与が下がれば、地域経済に多大な悪影響を及ぼすことになる」と強調している。 "[he-forum 17591] 東京新聞社説4/12","東京新聞社説2013年4月12日付 学生の奨学金 返済の重荷負わせるな  新学期を迎えた。希望に燃え、奨学金で大学生活を送る学生も多い。ところが、社会に出てから返済に窮する若者が増えている。高等教育が貧困を押し広げている形だ。奨学金制度を見直さねば。  入試から大学卒業までの四年間にいくらかかるのか。全国大学生活協同組合連合会の試算が実態に近そうだ。昨年度の新入生の保護者に聞き取って見積もった。  例えば、東京の国公立大に通うと、自宅生は五百四十五万円、下宿生は九百四十五万円。私立大となると、自宅生は七百二十四万円、下宿生は千百四十三万円に上る。  デフレ不況が長引き、家計の収入は伸び悩んでいる。これほど多額の費用を賄うとなれば、奨学金に頼る学生が増えて当然だ。  今や大学生の二人に一人は奨学生。有能であれば、ゆとりのない家計を助けて高等教育の機会を与え、可能性を伸ばす。それが奨学金制度の大きな狙いだ。  奨学金の九割は貸与型だ。将来は返済を迫られる借金である。返済不要の給付型は個々の大学が成績優秀者に支給する程度だ。  広く知られる貸与型は、国が資金を貸す日本学生支援機構の公的制度だ。大学奨学生の三人に一人が利用している。本年度予算案では百四十四万三千人の利用を想定している。  無利子と年利3%を上限とする有利子がある。貸与条件が緩やかな有利子枠が七割を占める。  仮に毎月十万円を四年間借りて年利3%で二十年間の月賦で返すとすると、返済額は約六百四十六万円。毎月約二万七千円を支払わねばならない。遅れると年利10%の割合で延滞金が加算される。  収入の不安定な非正規の仕事に就いたり、就職に失敗したりすれば行き詰まる。返済遅れの人はすでに三十三万人を上回る。三カ月以上の滞納者の八割以上は年収三百万円に満たない。  無論、借金は返さねばならないが、連帯保証人の親が年金を削ったり、消費者金融に手を出して多重債務に陥ったりする人がいる現実は厳しすぎる。  欧米諸国では給付型の公的制度が目立つ。若者は社会の発展を担う貴重な人材であり、大学が無償の国もある。機構の制度は税金の投入が少なく、民間資金に頼るから給付型でなく貸与型になる。  高等教育の受益者は学生ではなく、社会そのものだ。有利子から無利子へ、貸与型から給付型へとかじを切る機会だろう。 "[he-forum 17592] しんぶん赤旗4/11","しんぶん赤旗2013年4月11日付 TPP交渉 即時撤退を 大学教員850人が要望 国会内で有志が会見  全国の大学教員850人が安倍首相にTPP(環太平洋連携協定)参加交渉即時撤退を求めている―。大学教員有志が10日、国会内で記者会見しました。  醍醐聰東京大学名誉教授ら17人の大学教員有志が呼びかけ人になって、安倍首相に参加交渉即時撤退を求める要望書への賛同を全国の大学教員に募り、先月28日から短期間で集めたものです。会見には醍醐氏のほか、萩原伸次郎横浜国立大名誉教授、金子勝慶応大教授、鈴木宣弘東大教授らが出席。醍醐氏は「あらゆる分野の大学人が、TPP問題への政府の対応に危機感を持っている」とのべました。  金子氏は、TPP参加交渉がアメリカの言いなりになる危険性を指摘し「国の主権を脅かすTPP参加は『売国的』ともいえる」と批判しました。 "[he-forum 17594] しんぶん赤旗4/12","しんぶん赤旗2013年4月12日付 “アベノミクスに危機感” 中央公聴会 公述人が意見陳述  衆院予算委員会は11日、中央公聴会を開きました。8人の公述人が意見陳述し、「アベノミクス」による国民生活への悪影響や財政悪化への懸念の声が上がりました。  全労連の小田川義和事務局長は、「アベノミクスでは、賃金改善に回ってこない」と指摘。2002年―06年にも企業業績が改善したが、賃金は低下したことをあげて、「今回も同様の状況になることを懸念せざる得ない」と述べました。  小田川氏は予算について、「供給サイド重視、需要サイド抑制で労働者・国民に痛みを押し付ける内容だ」と批判。生活保護削減をやめて、非正規労働者の賃金引き上げや高校・大学の無償化の推進など国民の生活を支え、労働者の所得を増やす施策を求めました。  財界が労働法制の規制緩和として求めている「解雇の金銭解決」などについて「『解雇自由社会』に踏み出しかねない」と批判し、人間らしく働けるルールの確立を求めました。  北海道大大学院の山口二郎教授は、安倍内閣がすすめるトリクルダウン政策(大企業が潤えば労働者にも回ってくる)は「小泉構造改革で実行されたが、賃金低下は歴史的事実が証明している」と批判。「政治の力で賃金を上げる一番簡単な方法は最低賃金の引き上げだ」と強調しました。  みずほ総合研究所の高田創常務は、大幅な金融緩和で10年国債が「歴史始まって以来の低金利で、未踏の状況だ」と指摘。財政赤字の背景にある国債発行の膨張について「バブル崩壊以降の民間債務の“身代わり地蔵”だ」と述べました。  防災教育が東日本大震災で役立ち“釜石の奇跡”といわれていることについて、群馬大大学院の片田敏孝教授は「国土強靭化」の一方で、防災教育が欠かせないと強調。大阪府の中原徹教育長は教育委員会制度を解体して、首長が教育行政の責任者を選任すべきだと主張、首長が教育に支配介入する考えを述べました。 "[he-forum 17593] 読売新聞4/10","読売新聞2013年4月10日付 「就活 大学4年から」課題は? 「青田買い」広がる懸念  経団連の米倉弘昌会長は政府の要請を受けて大学生の就職活動の解禁時期をこれまでよりも4か月遅らせて大学4年生になる4月以降に繰り下げる方針だ。時期を変更した背景と課題をまとめた。(伊藤剛) Q なぜ就活の時期を後ろにずらすのか。 A 大学側は「早すぎる就活で学生たちが学業に専念できない」(日本私立大学団体連合会の小出秀文事務局長)と主張してきた。このため、政府も経済界に、就活の解禁を大学3年生の12月から4月以降に、選考試験は4月から8月以降に、それぞれ後ろにずらすように要請する方針だ。 Q 企業側はどう反応しているのか。 A 政府の方針を受けて、経団連は就活の解禁時期を企業に示す「倫理憲章」を見直す方向だ。今は、13年春の卒業生から就活の解禁時期を大学3年生の12月以降、選考活動は4月以降としている。これを政府の要請通りに後ろにずらして、15年春の卒業生から適用する見込みだ。経団連の米倉会長は記者会見で「会員企業に周知徹底する」と述べた。  ただ、経団連の会員企業約1300社のうち約830社が賛同している紳士協定なので、法的な拘束力も罰則もない。 Q メリットと課題は。 A 憲章が見直されて企業がルールを守れば、大学生が落ちついて勉強できる時間が増える。企業にとっても「(しっかり勉強した)優秀な人材を採用できるなら(政府の)要請に応えるべきだ」(経済同友会の長谷川閑史代表幹事)との声もある。  一方で、国内の大企業からは外資系など協定に縛られない企業は自由に採用できるとの批判の声も聞かれる。また、かつてのように優秀な人材を囲い込むために前倒しで内定を出す青田買いが広がるとの懸念もある。 "[he-forum 17605] 共同通信4/12","共同通信2013年4月12日19時57分 問題ある法科大学院に法的措置を 日弁連が要望  政府の法曹養成制度検討会議が法科大学院の統廃合の必要性に言及した中間提言をまとめたことを受け、日弁連の山岸憲司会長は12日、問題のある法科大学院には法的措置を取るよう求める声明を発表した。修了者の司法試験受験資格を制限することなどを念頭に置いているとみられる。  司法試験の合格者数を「年間3千人程度」とする政府計画を撤回したことは評価し「司法修習修了者の就職難が深刻化し、実務経験を十分得られない新人弁護士が増えている。当面の合格者数は減少させる必要がある」とした。  政府は12日~5月13日にパブリックコメント(意見公募)を実施。7月までに最終提言をまとめる。 "[he-forum 17604] 琉球新報社説4/11","琉球新報2013年4月11日付 法曹改革 司法過疎の深刻化招くな  国民が等しく、多様で良質な法的サービスを受けられる社会が実現する。そんな目標を掲げていた司法制度改革を、政府が見直すことになった。  政府の計画を信じて法曹を目指した人たちの人生を変えてしまったというのに、なぜ政府が間違ったのかも分からず、だれに責任があるのかも分からない。  制度設計した専門家もそれに飛びついた政府も、経緯を検証しないのは無責任すぎる。問題点を検証し、国民の前に明らかにすべきだ。  政府の法曹養成制度検討会議が今回示した中間提言は、司法試験合格者数を年3千人程度としていた政府計画の撤回を打ち出した。法科大学院も「定員が多すぎる」と統廃合を強く促す構えだ。  2001年に始まった司法制度改革は「法曹人口の増員」を掲げていた。改革で04年には全国74の法科大学院が開校し、06年から新しい司法試験も始まった。だが合格者数は2千人程度で頭打ちとなり、当初は7万人を超えた法科大学院の志願者数も、直近は2万人を割り込んだ。  法廷以外でも弁護士の需要が高まると見込んでいたが、法律相談は増えず、企業や自治体の採用は広がらない。就職先を見つけるのさえ困難で、昨年は4分の1がすぐに弁護士登録できなかった。目算が甘すぎた感は否めない。  現状を見ると合格者数目標の撤回は当然で、法科大学院の見直しもやむを得ない。ただ、見直しの方向性は十分吟味すべきだ。  政府は大学院への支援打ち切りで統廃合を促そうとしているが、問題だ。本来、法曹人口増は司法過疎をなくし、どこに住もうと十分な法的サービスを受けられるようにするのが狙いだったはずだ。政府のやり方で統廃合すれば、司法過疎は一層深刻化しかねない。  改革のもう一つの狙いは、経済学や理数系など他の分野を学んだ者や社会人として経験を積んだ者など、多様な背景を持つ法曹人を輩出することだった。それをいたずらに統廃合すれば、夜間コースに特化するなどして社会人が学ぶような、特色ある大学院も廃止されてしまう。  司法制度改革の方向性自体は評価すべき点も多い。性急な見直しでそうした点まで撤回すべきではない。地方切り捨てが許されないのも当然だ。見直しは、十分な検討の上でしてもらいたい。 "[he-forum 17606] 農業協同組合新聞4/12","農業協同組合新聞2013年4月12日付 【TPP】大学教員有志850人が即時脱退を要望  全国の大学教員850人(4月9日現在)が賛同者となって結成された「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」が4月9日に内閣官房を通じて安倍首相あてに「即時脱退を求める要望書」を提出、林農相にも同文書を渡した。同会は10日に記者会見と関係者との意見交換会を国会内で開いた。  同会の事務局長を務める財務会計論が専門の醍醐總・東大名誉教授は、世論調査で安倍首相のTPP交渉参加表明を支持する声が多いことに「十分に理解されているのか危惧した。自然科学系、社会科学系を問わずもっと発信をしていかなければならない」と3月下旬に急遽、会の立ち上げを決めたと話した。専門分野を問わずTPP参加反対でこれだけの大学人が結集する取り組みは初めて。  記者会見ではさまざま専門分野の大学教員が寄せたメッセージ集も配布。「首相にはこのメッセージ集をぜひ読んでほしいと伝えた。米国の属国になる、大企業に支配されるだけとの声が本当に多い。研究と教育を通じてより熟した理解を図り、世論調査を真に民意を反映したものするのが大学人の責務」と話した。  今後は、TPP推進派との公開討論会や、政府の影響を試算の検証を共同研究していくなどの活動を展開していくという。  要望書では▽公約改ざんがわずか3か月で行われるのでは議会制民主主義は成り立たない、▽交渉は秘密裏、既存交渉国で合意された事項は見ることすらできないルールなど、今から参加してもルールづくりなどに加われず、丸呑みになる公算大、▽農林水産業に与える影響額(▲3兆円)は農林水産業者はもちろん地域経済に壊滅的な打撃、▽ISD条項など「平成の不平等条約」といっても過言ではない。国民不在の国益=日米同盟の絆の証にはなっても、国民益を毀損する、などの問題点を指摘した。  そのうえでTPP交渉への参加表明を撤回し事前協議をすみやかに中止するよう要請した。また、国民各層、各団体と連帯し日本政府にTPP交渉から脱退するよう求めるとしている。 【呼びかけ人】(敬称略) ▽磯田宏(九大准教授・農業政策論、アメリカ農業論) ▽大西広(慶大教授・理論経済学) ▽金子勝(慶大教授・財政学、地方財政論) ▽志水紀代子(大手門学院大名誉教授・哲学) ▽醍醐總(東大名誉教授・財務会計論) ▽萩原伸次郎(横浜国大名誉教授・アメリカ経済論) ▽廣瀬清吾(専修大教授・ドイツ法) ▽渡辺治(一橋大名誉教授・政治学、憲法学) ▽伊藤誠(東大名誉教授・理論経済学) ▽岡田知弘(京大教授・地域経済学) ▽楜沢能生(早大教授・法社会学、農業法学) ▽白藤博行(専修大教授・行政法学) ▽鈴木宣弘(東大教授・農業経済学) ▽田代洋一(大妻女子大教授・農業政策論) ▽日野秀逸(東北大名誉教授・福祉経済論、医療政策論) ▽山口二朗(北大教授・行政学) "[he-forum 17603] 北海道新聞社説4/11","北海道新聞社説2013年4月11日付 法曹養成制度 理念を維持し将来像を  弁護士を増やし、紛争解決の助言など法律サービスを市民が利用しやすくするという司法制度改革の理念の一つを揺るがす内容だ。  法曹人口などの在り方を論議する政府の法曹養成制度検討会議は、司法試験合格者を年間3千人程度とした政府の数値目標の撤回を柱とする中間提言をまとめた。  国民の意見公募を経て、7月までに最終提言を出す。  目標は2002年、政府が閣議決定した司法制度改革推進計画に盛り込まれた。だが、司法試験合格者は年間2千人程度にとどまる一方、訴訟など弁護士の仕事は想定ほどは増えず、就職難が深刻化している。  年間千人前後だった合格者を急増させたことによるひずみと言える。  問題は、何らかの修正が要るのに新たな目標を設けない、という姿勢だ。改革実施の基盤となる法曹人口の目標をなくせば改革頓挫の懸念が生じる。法律サービスを利用する側の立場で再検討を求めたい。  裁判迅速化や裁判以外の紛争解決手段の拡充、弁護士の都市部偏在の解消など課題は多く、法曹人口の増加が必要であることに変わりない。  改革の実施状況と今後の見通しから、どの程度の法曹人口を確保しなければならないか、その年次目標を示すべきだ。  見過ごせない点はまだある。合格率などが著しく低い法科大学院に定員削減や統廃合を促す対応だ。  補助金削減に加え、裁判官や検察官の教員としての派遣を見直すべきだとし、改善の見込みがない場合の「新たな法的措置」検討の必要性を挙げた。  専門職大学院とはいえ、合格率の低さで、こうした措置を取るべきではない。不利益を被るのは学生だからだ。社会人を受け入れている大学院などへの配慮も不可欠だ。  心配なのは法科大学院の志願減だ。学費と司法試験合格後の司法修習中の生活費など経済的負担は大きく、法曹資格を得ても将来が見通せない現実も背景にあるとされる。  検討会議は最終提言で、こうした問題解決の方向性と新たなビジョンを打ち出すべきだ。このままだと人材が集まらなくなる。  弁護士会の協力も欠かせない。  新人弁護士をめぐっては、採用してくれる事務所がなく、本来は一定期間、必要な先輩弁護士の指導が受けられない問題も生じているが、その対策を考えることが求められる。  報酬基準が分かりにくいなど市民にとって敷居が高い現状を改める。司法過疎地を含め、市民が法律サービスを利用しやすい環境をつくる。こんな課題に真正面から取り組み、新時代の弁護士像を示してほしい。 "[he-forum 17602] 信濃毎日新聞社説4/11","信濃毎日新聞社説2013年4月11日付 司法制度改革 弁護士数だけの問題か  政府の法曹養成制度検討会議が、司法試験の合格者を「年間3千人程度」とする政府計画の撤回を柱とした中間提言案を了承した。  法曹(裁判官、検察官、弁護士)の8割以上を占めるのが弁護士。その大幅増員に歯止めをかけることになる。ただ、県内を含め「弁護士過疎」が解消されたとは言い難い。郡部にも弁護士が事務所を構えられる環境づくりを進める必要がある。  「年間3千人」は2001年に司法制度改革審議会がまとめた最終意見書の中で示され、翌年、閣議決定された。当時の司法試験合格者数を段階を追って3倍にする計画だった。  規制緩和などを背景に社会のトラブルの解決を法廷に求める傾向が強まり、裁判の迅速化が課題になっていた。先進諸国に比べ法律家1人当たりの人口が極端に多いという事情もあった。増員による質の確保のため法科大学院も各地に整備された。  だが、新司法試験の合格者は2007年以降、約2千人にとどまっている。検討会議は今回、「3千人」は現実性を欠くと判断。数値目標は設けないのが相当とした。司法制度改革の大きな看板が下ろされる。さらに法科大学院の定員削減や統廃合にも言及した。  日弁連によると、全国の弁護士の数は昨年3月時点で約3万2千人。10年で約1・7倍の増加だ。県内の弁護士も1日現在、212人で10年で約1・8倍に増えている。若手弁護士からは「仕事がなくて困っている」「事務所に就職できない」との声も聞かれる。  弁護士は全体数で増えても、地域偏在はあまり変わっていない。県内の弁護士も長野、松本市などの都市部に集中。今も全77市町村の8割近くに弁護士事務所がない。長野市で最近独立した弁護士は「郡部は需要が見込めず、リスクが大きい」と話す。  飯田市の山あい、南信濃地区でことし1月、車の中から親子4人の遺体が見つかった。遺書があり、警察は心中とみている。地元住民に多額の借金を重ねていたという。住民の間からは「早く弁護士らに相談していれば、こんな事態は防げたかもしれない」と悔やむ声が出ている。  「弁護士過疎」の解消には、事務所の開設資金を支給する日弁連の支援制度などをさらに広げる必要がある。同時に、依頼したくてもお金がないという潜在的な需要に応えるため、弁護士費用などを立て替える法律扶助制度を周知、充実させることも欠かせない。 "[he-forum 17598] 毎日新聞青森4/5","毎日新聞青森版2013年4月5日付 地域がん疫学講座:弘大に設置 県が費用負担、発生状況を研究  「全国一の短命県」という汚名返上のため、県が費用を負担して県内のがん発生状況を疫学的に研究する寄付講座が1日から弘前市の弘前大大学院医学研究科に設置された。三村申吾知事と佐藤敬・弘大学長らが4日、弘大で記者会見し講座内容を発表した。がんに特化した寄付講座は全国初という。  講座名は「地域がん疫学講座」。教授を併任する中路重之・弘大医学研究科長によると、がんは本県の死因1位で、本県のがん死亡率は全国と比べて圧倒的に高いという。  講座では、(1)県内の全838医療機関を介して「がん発生数」を把握し、死亡率の高さが発生数自体が多いためか、医療や検診が不十分なためかの研究(2)地域差や生活習慣病との関連の調査−−を行った上で、県が取るべき対策を提言したいという。寄付金は14年度までの2年間で計6000万円を予定。  三村知事は「実態と分析を知り、的を絞った戦略的な取り組みを進めたい」と抱負を語った。【松山彦蔵】 "[he-forum 17601] 秋田魁新報社説4/12","秋田魁新報社説2013年4月12日付 法曹人口数値目標 見直しに地方の視点を  司法試験の合格者数を「年間3千人程度」とする政府の数値目標が、撤回されることになった。数値目標の閣議決定以来、約10年の歳月をかけても目標を達成できなかったのであり、制度設計に問題があったと指摘せざるを得ない。目標と実際の法曹人口がなぜ大幅に乖離(かいり)したのかを、詳細に検証しなければならない。  政府は2002年、多くても年間千人だった合格者を「10年ごろには3千人程度に増やす」とした。しかし、2千人程度で頭打ちとなっているのが現状であり、政府の法曹検討会議は今回、「現実性を欠く」として中間提言に目標撤回を盛り込んだ。新たな目標を示さなかったことには不満も出た。目標は確かに必要だが、十分な検証もないまま提示するのは拙速であり、現場を混乱させるだけだ。  司法制度改革が目指す弁護士過疎地の解消と、全国にあまねく「法の支配」を実現させるという理念に、異を唱える者はあるまい。問われているのは、より実情に即した制度の見直しということだ。  本県の弁護士は現在73人。02年の49人から1・5倍に増えた。秋田地裁支部のある全ての地域に弁護士がおり、本県の弁護士過疎地問題は、ほぼ解消されたと言えよう。秋田弁護士会は「毎年数人が増え、バランスが取れている状態」とみており、その点では、法曹人口増加策の恩恵を受けたことになる。  全国的に見れば、法曹人口が増加したことで、司法修習を終えても弁護士事務所などに就職できないという厳しい現実がある。弁護士事務所に入って実務経験を積まない限り、一人前の弁護士になることは難しい。法曹関係者も「実務経験のない合格者ばかりが増えるのは問題だ」と指摘している。  中間提言は70校を超す法科大学院の乱立を受け、統廃合も必要だとした。学生が増える一方、教員不足による教育レベルのばらつきもあり、合格率20%台で低迷しているからだ。東北で法科大学院がある東北大と東北学院大のうち、東北学院大は来年度の入学者募集停止を表明した。補助金カットなどの対象となる低迷校からは、「地方切り捨て」との反発の声もある。統廃合では、新たな弁護士過疎地が生じないようにするとともに、現在学んでいる学生に不利益がないよう配慮しなければならない。  私たちの暮らす社会は隅々まで法によって規定されている。それだけに、憲法をはじめとするさまざまな法律に精通し、実務経験豊かな法曹が増えることは歓迎すべきことだ。社会正義の実現のため、弁護士が近くにいることは大切な条件の一つであり、法に対する市民の意識向上にも結び付く。「法の支配」を通じて、地方をどう豊かにすることができるのか。法曹人口を、そうした観点から見直すことも必要だろう。 "[he-forum 17595] 毎日新聞島根4/13","毎日新聞島根版2013年4月13日付 県立大:短大部4年制、検討へ 資格取得など「2年では不十分」  県立大(浜田市)の本田雄一学長は、松江キャンパスの短期大学部について4年制化の検討を始める方針を明らかにした。学部内では4年制移行の意見で一致しており、今後、学内の法人改革検討委員会に諮り、社会情勢の変化や地域ニーズなどを踏まえて判断する。  現在、松江キャンパスの短期大学部には、健康栄養、保育、総合文化の3学科があり、定員は計230人。健康栄養、保育の両学科では栄養士や保育士の資格取得が可能なカリキュラムが行われているが、実質倍率が漸減傾向の学科もある。  本田学長は記者会見で「より専門的な管理栄養士の資格や教員免許と両方を持つ栄養教員の養成、幼児教育の全般に対応する資格取得などを保証するには2年制では不十分」と語った。  総合文化学科の4年制化は、現在行っている司書養成を発展させ、観光や文化資源を生かせる人材の養成につなげていきたいという。【江田将宏】 "[he-forum 17600] 岩手日報4/12","岩手日報2013年4月12日付 革新的な経営者育成 東北大大学院、花巻にサテライト  東北大大学院経済学研究科地域イノベーション研究センター(センター長・藤本雅彦教授)は本年度、革新的な事業を創出できる経営者の育成を目指す「地域イノベーションプロデューサー塾」のサテライトを花巻市大通り1丁目の市ビジネスインキュベータ内に開設する。今後、東北6県でサテライトを増設し、復興や産業振興の担い手が遠隔地でも学べる体制を構築する。  本年度は9月から来年2月まで開講。サテライトでは経営学の基礎講座をテレビ会議システムで毎週火曜夜に中継する。特別講座や実践ゼミ、研修などは本校のある仙台市青葉区の同大片平キャンパスで開く。  同大大学院の教員や民間コンサルタントでの勤務経験がある特任教授らが指導し、半年間で塾生一人一人がビジネスプランを策定。サテライトでは地元金融機関や経済団体からの推薦を受けた経営者の中から、面接試験で塾生を選考する。花巻入塾料は10万円。  問い合わせは同センター(022・217・6265)へ。 "[he-forum 17599] 長崎新聞4/13","長崎新聞2013年4月13日付 長大大学院に新たな研究科  長崎大は12日、大学院の修士課程で、熱帯医学分野と国際健康開発分野を統合した新しい研究科「熱帯医学・国際健康開発研究科(仮称)」を2015年10月に設置する計画を明らかにした。アジアやアフリカの医療現場で治療法の開発や最前線での実践的な医療など総合的に活躍できる人材の育成を目指す。  定例会見で片峰茂学長が明らかにした。  統合するのは、熱帯地域特有の病気について治療法や検査方法を研究する「医歯薬学総合研究科熱帯医学専攻」と、地球規模の健康課題に対応できる能力を身に付ける「国際健康開発研究科国際健康開発専攻」。これまではそれぞれに特化して学んでいたが、今後は双方の基礎知識を学べる。修了後は、医歯薬学総合研究科にある熱帯医学系の博士課程に進むこともできる。  長崎大は4月に熱帯医学と国際健康開発の両分野で世界最先端の研究をしているロンドン大衛生熱帯医学大学院(LSHTM)と学術交流協定を締結。LSHTMから講師派遣や発展途上国での共同活動が期待できるという。  片峰学長は「世界的に日本は未熟な分野。LSHTMが持つノウハウを生かし、世界に通用する教育を目指す」と述べた。  14年4月の開設を目指す多文化社会学部(仮称)については「最後の大詰めの段階」とした。順調なら5月末に文部科学省管轄の審議会に設置計画書を提出する。 "[he-forum 17597] 長野日報4/12","長野日報2013年4月12日付 信州がんセンター開設 信大病院と地域連携強化  信州大学医学部(松本市)に新たに設けられた「包括的がん治療学講座」と、同付属病院に設置された「信州がんセンター」の開設式が11日、病院隣接の県旭町庁舎で行われた。包括的がん治療学講座では、県内へのがん治療専門医を目指す若手医師を育成し、地域がん診療拠点病院と連携した人材交流も進める。既設のがん総合医療センターを発展的に解消し新たに立ち上げた「信州がんセンター」は、化学療法と放射線治療を同時に行う集学的治療に対応するほか、がん医療支援部、がん情報部を備えて、地域がん診療連携拠点病院との連携を強化する。  包括的がん治療学講座は、文科省のがんプロフェッショナル養成基盤推進プランを受けて開設。化学療法専門医の小泉知展教授と、放射線治療、緩和医療専門医の助教3人で構成する。がん治療専門医を目指す若手医師の育成に向けて卒前・卒後教育、研修医受け入れなどを行う。さらに通院治療室24床、入院病床8床を運用し、消化器、胸部、血液など多くのがん種の治療を担当するほか、特に集学的治療や原発不明がんを積極的に受け入れる。  信州がんセンターには、同講座による診療部門に加え、がん医療支援部、がん情報部を設置。医療支援部では地域連携拠点病院との地域連携、診療連携を進めるほか、がん情報の提供や患者支援を行い、情報部では院内のがん登録と地域(県内)のがん登録を進める。1施設で院内と地域のがん情報を集約するのは全国でも沖縄県と長野県だけで、小泉教授は「疫学的にレベルの高い有用な情報を県民に発信できる」としている。  開設式であいさつに立った信州大学の山沢清人学長は、「県のがん診療の中核拠点病院としての役目をさらに進化させ、県民にレベルの高い医療を提供することが本学の務め。さらにレベルの高い医療を提供していきたい」と述べた。 "[he-forum 17596] 大分合同新聞4/13","大分合同新聞2013年4月13日付 7階建て新病棟完成 大分大付属病院  由布市挾間町の大分大学医学部付属病院(野口隆之院長)の新病棟が完成し、記念式典が12日、同病院であった。内科や外科などが入る東病棟の患者を新病棟に移して、29日から本格始動する。同病院が2010年から実施している病院再整備の一環。式典には、県内の医療関係者ら約100人が出席。大分大学の北野正剛学長が「最先端の医療を提供できる施設にしていきたい」とあいさつした。  新病棟は7階建ての免震構造で、延べ床面積約1万2千平方メートル、計221床。旧病棟よりも1室当たりのスペースを広げ、全室にトイレを設けるなど快適性を向上させている。個室も増やした。2階にリハビリテーション室、4階には新生児集中治療室(NICU)と分娩(ぶんべん)室を移設する。  同病院は16年度までの計画で施設の整備を進めており、これまでにPET(陽電子放出断層撮影装置)検査棟、ヘリポートのある救命救急センター棟が完成。今後、老朽化した東西両病棟や診療棟の改修を予定している。 "[he-forum 17607] 山形新聞4/13","山形新聞 2013年04月13日 08:09 山形大学長「名雪氏人事、問題ない」 認識あらためて強調  資料漏えい問題で更迭された元原子力規制庁審議官名雪哲夫氏が山形大教授に就任した人事で、同大職員組合(品川敦紀執行委員長)が抗議文を提出したこと に対し、同大の結城章夫学長は12日の定例会見で、あらためて問題がないとの認識を示した。重粒子線がん治療施設に関する予算獲得の見返り、との抗議文の 指摘に関しては、会見後の取材に対し「そういうことで予算を決めるべきではないし、決まっていない」と強調した。  会見で結城学長は「(問題となった行為自体は)優れたものとは言えないが、本人が反省しており、区切りが付いたと思っている。持っている能力、知識を活用することの方が大事だ」と見解をあらためて説明した。  また、抗議文で活動内容が不明瞭と指摘があった旧科学技術庁出身の名雪氏以外の3人の教授について結城学長は「東北創生研究所のコーディネートや有機エレクトロニクスプロジェクトの業務などで大きな貢献をしている」とした。 = "[he-forum 17609] 四国新聞4/16","四国新聞2013年4月16日付 奨学金  春の大学のキャンパスでは新入生が学生生活のスタートを切ったが、経済的には厳しい現実が待ち受けている。  東京地区私立大学教職員組合連合の調査では、2012年春に入学した学生への仕送りの平均月額は、過去最低を更新し8万9500円。家賃を引いた1日当たりの生活費は千円を切った。  キャンパスライフを楽しむどころか、授業のほかにはアルバイトに追われる学生も少なくない。  家計に占める学費や仕送りの負担が重くなるのを反映、奨学金受給者が右肩上がりだ。奨学金事業の中心である日本学生支援機構から受給する短大・大学生は37・3%(11年度)に上る。機構の奨学金は、貸与制で無利子と有利子があり、有利子は最高月12万円が貸与される。だが卒業後の返還額は、貸与月額によって数百万円にもなる。いま返還の延滞が大きな問題になっている。  機構の調査では、延滞理由の一番は「本人の低所得」。年功序列、終身雇用制度で安定した給与生活が可能だった時代とは違い、大学を出ても非正規労働に就いたり、リストラされたり、収入が不安定な生活を余儀なくされるケースは珍しくない。  国際人権規約は高等教育への無償教育の漸進的な導入を規定。政府は昨年、ようやくこの規定の適用を受け入れた。家計の負担軽減のためにも、早急に無償化の道筋を示す必要がある。  同時に、返還義務のない給付型奨学金の整備など、先進国の中で大きく後れを取っている奨学金問題に本腰を入れるべきだ。(K) "[he-forum 17608] 産経新聞4/17","産経新聞2013年4月17日付 教育費の準備 大学進学までに300万~500万円目標  この春、子供が大学や高校に進学した家庭も多いのでは? 特に大学に進学する場合は数百万円規模のお金が必要となるため、なるべく早めに準備を始める必要があるという。貯蓄や学資保険などを組み合わせ、上手に教育費をためていきたい。(竹岡伸晃) 早めに準備  「家計の状況が厳しさを増す中、教育費に不安を感じる家庭は増えている」  ファイナンシャルプランナーとして数多くの相談に乗ってきた平野敦之(あつし)さんはこう話す。「ただ、子供を持つ家庭にとって決して避けられないのが教育費。必要額を把握し、家計を見直して子供が生まれたらすぐに準備を始めた方がいい」  教育費はいくらかかるのか-。文部科学省の「子どもの学習費調査」(平成22年度)によると、幼稚園~高校まですべて公立だった場合の学習費は504万円、すべて私立の場合は1702万円。  一方、日本学生支援機構の「学生生活調査」(同)によると、自宅から国立大に通う学生の平均支出額は授業料や通学費、生活費など含めて年間約109万円、私立大だと約169万円。下宿生の場合、それぞれ約171万、約236万円かかる。4年間では「自宅・国立」で約436万円、「下宿・私立」で約944万円となる計算だ。  平野さんは「これらはあくまでも平均値で、部活や通う塾によってはさらに増える。大学受験費用なども必要」と指摘。そのうえで「高校卒業までの教育費は基本的に月々の家計の中から賄う。それとは別に大学進学時までに、できれば300万~500万円程度用意しておきたい」と話す。  かなり大きな金額だが早めに準備を始めれば月々の負担は減る。例えば、子供が生まれてから高校卒業までの18年間で300万円ためる場合、毎月の積立額は単純計算で1万4千円弱。 無理のない範囲で  ためる方法としては預貯金や学資保険の活用などが一般的だ。  学資保険は親などの契約者が定期的に保険料を支払い、子供が大学に進学する際などに学資として保険金を受け取る商品。保険料として半ば強制的に積み立てられるため、「貯蓄が苦手な人に合っている」(平野さん)。契約者が死亡した場合などに、それ以降の保険料支払いが免除されながらも保険金は受け取れるものが多く安心感が高い。  (1)貯蓄性重視(2)保障内容充実-の2タイプに分けられ、(1)は支払った保険料総額を上回る保険金を受け取れる商品も多いという。(2)は子供の死亡保障や契約者が死亡した場合の育英年金などの保障が特徴だ。  加入する際は「返戻率(へんれいりつ)」(保険料総額に対する満期保険金などの割合)や保障内容を確認し、親が既に入っている保険の保障内容などと見比べて選びたい。また、返戻率が100%を上回る商品でも途中で解約すると元本割れとなる可能性があるため注意が必要だ。  平野さんは「家庭では突発的な出費があったり、当初の予定よりも生活費が増えたりすることがある。柔軟に対応できるよう、貯蓄で半分、学資保険で半分積み立てるなど、無理のない範囲で組み合わせて教育費を準備しては」とアドバイスしている。 "[he-forum 17610] 中国新聞4/17","中国新聞2013年4月17日付 地元大学・短大進学へDVD  広島県は、県内の高校生に県内の大学や短大への進学を呼び掛けるためのDVDを初めて作る。進学者の半数近くが県外に出る状況が続いており、高校での進路指導などを通じ県内への進学者を増やす効果を狙う。6月完成の予定で、県内全136高校に配布する。  DVDは20~30分程度で、県内の大学や短大を卒業して県内で働く社会人や現役学生、保護者たちのインタビューを収録。広島で学び、住み続ける魅力を伝える。県内企業の経営者や湯崎英彦知事のメッセージも入れる。  600枚を作製。県外に進学した場合との学費、生活費の比較などを紹介するリーフレットや県内にある27大学・短大の特色をまとめたガイドブックも作り、DVDとともに県内の国公立と私立の全高校に配る。20校程度では県学事課の担当者たちが7~12月に学校を訪問。DVDの上映会を予定する。  県内では2012年度、大学・短大に進学した1万6086人のうち47・2%の7592人が県外に進んだ。一方、県外から県内への進学者は5599人で、1993人の転出超過となっている。  県は15年度、転出超過を1400人に減らす目標を掲げる。 "[he-forum 17611] 日本経済新聞関東甲信越版4/18","日本経済新聞関東甲信越版2013年4月18日付 「環境経営」、共同で遠隔講義 信州大など4大学  信州大学、横浜国立大学、広島大学、茨城大学の4大学は環境に配慮した企業経営である「環境経営」に関する講義をテレビ会議システムを使って共同で開く。9月に3日間の集中講義として横浜国立大で実施、来年度以降は通年講義として参加大学を広げていく。遠隔地でテレビ中継で授業を受ける学生も単位が認定される仕組みだ。  19日に都内の学士会館で山沢清人信大学長ら、4大学の学長が出席して単位互換協定を結ぶ。  講義は大学院の修士課程レベルの副専攻を想定しており、大学などでつくる組織「環境人材育成コンソーシアム」と環境省が共同で開発した。環境に関する基礎を学ぶ地球環境学概論、環境政策概論、環境経営概論など7科目からなる。  9月の集中講義はこの7科目のオムニバスで、3日間で1科目2単位として認定される。工学や経営学など様々な分野を専門に持つ学生を、環境との調和を意識した経済人に育てる狙いだ。  来年度以降は通年講義を検討しており、参加大学も増やす計画という。 "[he-forum 17612] sankeibiz4/18","sankeibiz 2013.4.18 16:30 原子力規制庁更迭された名雪氏の解任求める  電力業者に資料を漏えいし、原子力規制庁審議官を更迭された名雪哲夫氏が山形大に出向した人事で、山形県内に住む東京電力福島第1原発事故の避難者らが18日、結城章夫学長に名雪氏の解任を求める要求書を提出した。  「福島原発被災者フォーラム山形・福島」の武田徹代表(72)は記者会見で「全国で最多の避難者がいる山形の国立大に名雪氏が来たのは、被災者として容認できない」と強調した。山形大が解任しない場合、文部科学省にも人事撤回を訴える考えだ。  結城学長は記者団に「福島の人の苦しみや怒りは理解できるが、すでに処分も終わり人事に問題はない。名雪氏には山形大で貢献してもらいたい」と話した。= "[he-forum 17613] 朝日新聞 山形 4/19","朝日新聞 山形版 2013年4月19日 「名雪氏解任を」 原発被災者団体  ∞ 山大学長に要求  原子力規制庁審議官を2月に更迭された名雪哲夫氏(54)を山形大学が文部科学省から教授として迎えた件で、「福島原発被災者フォーラム山形・福島」の 武田徹代表らが18日、結城章夫学長と面会して名雪教授の解任を強く求めた。これに対し結城学長は「原発事故に対する福島の方々の苦しみ、悲しみ、怒りは よくわかるが、それと名雪問題は少し違う面がある、と説明した」と取材に答え、名雪氏の解任は「考えていない」と述べた。  被災者団体と結城学長の面会は冒頭のみ公開で、40分近くにわたった。  武田代表らは、原子力規制庁の審議官だった名雪氏が日本原子力発電敦賀原発の断層調査の報告書原案を日本原電側に渡していた行為を問題視し、そのような 人物を教授として迎えた結城学長の行為は「福島原発事故で山形県内に避難しているおよそ9千人の人々や苦悩の日々を送る福島県人の心を、土足で踏みにじる がごとき暴挙」と非難した。  これに対して結城学長は名雪氏を迎えた理由を説明し▽名雪氏への処分はすでに終わり、本人も反省していること▽規制庁時代の仕事と山大での仕事(重粒子線プロジェクト)は違うことなどを「丁寧に説明した」という。  面会後に県庁で記者会見した武田代表らは「名雪氏の行為は懲戒解雇に値するものと考えている。それを懲戒処分でもなく、決着した問題だと話す学長の認識は、一般常識とかけ離れている」と述べ、要求が受け入れられない場合、文科省に名雪氏の人事撤回を申し入れるという。 = "[he-forum 17614] 山形新聞4/19","山形新聞 2013年04月19日 原発避難者が名雪氏の解任求める 山形大学長に  電力業者への資料漏えい問題で更迭された元原子力規制庁審議官名雪哲夫氏が山形大教授に就任した人事に関し、原発事故の避難者らでつくる「福島原発被災者フォーラム山形・福島」(武田徹代表)が18日、結城章夫学長に名雪氏の解任を求める要求書を提出した。  武田代表らが同大を訪れ、結城学長に要求書を手渡した。学長は「問題は決着しており、大学に有為な人材」などと応じ、解任しない考えを示したという。武 田代表は県庁で記者会見し「今回の人事は原発事故の被災者として我慢できない。福島県民、山形への避難者を侮辱するのも甚だしい」と強調。解任されない場 合、文部科学省に対し人事の撤回を申し入れるとした。  結城学長は取材に対し、「原発事故はひどいことで、痛みや怒りはよく分かる。ただ、名雪氏の処分は終わり、本人も反省している。重粒子線がん治療施設の仕事で貢献してもらいたい」と述べた。 = "[he-forum 17614] 山形新聞4/19","山形新聞 2013年04月19日 原発避難者が名雪氏の解任求める 山形大学長に  電力業者への資料漏えい問題で更迭された元原子力規制庁審議官名雪哲夫氏が山形大教授に就任した人事に関し、原発事故の避難者らでつくる「福島原発被災者フォーラム山形・福島」(武田徹代表)が18日、結城章夫学長に名雪氏の解任を求める要求書を提出した。  武田代表らが同大を訪れ、結城学長に要求書を手渡した。学長は「問題は決着しており、大学に有為な人材」などと応じ、解任しない考えを示したという。武 田代表は県庁で記者会見し「今回の人事は原発事故の被災者として我慢できない。福島県民、山形への避難者を侮辱するのも甚だしい」と強調。解任されない場 合、文部科学省に対し人事の撤回を申し入れるとした。  結城学長は取材に対し、「原発事故はひどいことで、痛みや怒りはよく分かる。ただ、名雪氏の処分は終わり、本人も反省している。重粒子線がん治療施設の仕事で貢献してもらいたい」と述べた。 = "[he-forum 17616] 西日本新聞社説4/22","西日本新聞社説2013年4月22日付 大学入試改革 多様な人材が求められる  東京大学と京都大学が入試改革に乗り出した。学力試験だけで選んでいた従来の方針を転換し、東大は推薦入試、京大は書類や面接を中心に選考する「特色入試」を導入する。2016年度入試から、それぞれ100人程度を選抜する。  「偏差値エリート」ばかりでなく、多様な人材を確保するためだという。  日本が誇る東大、京大も、海外の有力大学に比べると、抜きんでているわけではない。むしろ近年では後れを取っているとの評価もある。社会、経済は国境のないグローバル時代を迎えている。世界を舞台に活躍するたくましい若者をどんどん育てようという理念には賛同する。  では、どのような学生を求めるのか。そのためにはどんな選抜方法がふさわしいか-。中身の詰めはこれからだ。両大学の方針変更は、全国の国立大学などの入試に少なからぬ影響を及ぼす。学生の混乱を招かぬよう、できるだけ早く明確な指針を示してもらいたい。  推薦入試は国公立大学の95%で実施されている。大学の特色づくりだけでなく、少子化対策で一般入試の前に学生を囲い込んでおきたいとの思惑も働いている。それを横目に、学力試験だけの選抜にこだわってきた東大、京大も、国際的に学生争奪競争が加速する中で、トップ校のブランドにあぐらをかいてはいられなくなったといえる。  東大の浜田純一学長は12日の入学式で、東大の「二つの弱さ」を訴えた。  一つは「国際化の遅れ」。米国の有力大学では学生の半数以上が海外への留学やインターンシップを経験するの対し、12年に海外留学した東大の学部生は全体の0・5%にとどまる。海外からの留学生も少ない。浜田学長は「(国際化の)遅れはきわめて深刻」と懸念する。  もう一つは「均質化」だ。黒川清東大名誉教授によると、東大入学者の5人に2人は、わずか20の進学校の卒業者で占められ、その多くが中学高校の6年間、同じ学校で学んできたという。さらに首都圏出身者が半数以上、保護者の平均収入が高い-などの共通点がある。  似た環境で育った者ばかりが集まることで、個性に乏しく、「内向き」「指示待ち」の気質が強まっているという。東大入学自体を目的としてきた学生は、入学後の学習意欲低下が指摘されている。将来のリーダー候補がこれでは困る。  新たな推薦入試は、数学や歴史、文学など特定の分野に強い人が対象で、高校の校長が推薦する。5教科でまんべんなく高得点が必要な今の入試の枠からはみ出してしまう「異才」や「奇才」が、大学に新風を吹き込むことを期待する。  また、私立の中高一貫進学校が幅を利かせる東大入試は、地方の公立高校の生徒にとってハードルが高く、保護者の経済的負担も大きい。奨学金の拡充なども併せ、地方出身者に門戸を広げる制度にしてもらいたい。それは大学が求めている「多様性」への有効な一手でもある。 "[he-forum 17615] 福井新聞4/21","福井新聞2013年4月21日付 福井大と大野市が地域活性目指し連携  福井大と福井県大野市の相互友好協力協定の調印式が二十一日、同市の平成大野屋平蔵で行われた。地域活性化に向け国公立大と自治体が協定を結ぶのは県内初。官学連携の新たなモデルケースとして期待が集まっている。  独立法人化を控え地域に開かれた大学を目指す福井大側と地域の課題克服や文化、教育の振興を図る市側で合意に至った。式には天谷光治・大野市長、児嶋眞平・福井大学長ら関係者十人が出席。天谷市長と児嶋学長が協定書に調印し「これを機に飛躍を」とがっちり握手を交わした。  天谷市長は「地方分権が進む中、コンサルタントなど人任せでなく、市民が自らの手で自立したまちづくりを進めるためにも、連携プレーや指導を期待したい」とあいさつ。児嶋学長は「法人化を控え、地域との共生や地域貢献が大学の存在価値を示すことになる。他の自治体との協定も視野に入れており、成功例にしたい」とこたえた。福井医科大との統合も控えていることから「地域医療への貢献もできる」と語った。  両者の協議の結果、本年度は▽克雪まちづくり▽介護予防目的の高齢者筋力トレーニング教室の開催▽歴史や文化を生かした住民参画のまちづくり▽小人数教育や部活動のアシスタントとして学生ボランティアを派遣▽スポーツ振興計画の策定―など十二事業に取り組む。同大は、地域活性化や再生を研究をする学生への単位授与制度も設けた。  協定期間は二年。両者とも異議がない場合は自動で更新していく。官学連携を目指す同大は、小浜市とも協定締結へ向けた話し合いを進めている。 "[he-forum 17617] 毎日新聞夕刊4/19","毎日新聞2013年4月19日付夕刊 特集ワイド:続報真相 若者つぶす奨学金 ◇回収強化する学生支援機構/返済延滞で年10%の“罰則”/「貧困ビジネス」との批判も  「奨学金は、貧困ビジネスになっている」。先月31日、この問題で初の全国組織となる「奨学金問題対策全国会議」が設立された。共同代表になった大内裕和・中京大教授は冒頭のように語り、社会的な救済が必要だと訴えた。今、非正規雇用の広がりなどで奨学金の返済延滞が急増し、独立行政法人・日本学生支援機構(旧日本育英会)が回収強化に乗り出している。その実態を追った。  「寒い日でした。高校3年の冬、自転車の荷台にこたつを縛り付けて看護専門学校の寮に向かいました。車の多い環状7号線を通って東京・多摩地区の自宅から北区の寮まで。何時間かかったでしょうか。ようやく到着した時には排ガスで全身真っ黒でした」  東京都内で看護師として働く恵子さん(33)=仮名=は、18歳の門出をそう振り返る。病院でアルバイトして自活した。所持品はこたつの他にインスタントラーメン3個とお年玉の現金2万円。日本育英会(当時)の奨学金制度を恵子さんは知らなかった。  それから12年後。  「突然、裁判所から奨学金の支払い督促が届きました。不思議に思って母に聞いたところ、父の借金返済のために私名義で母が借りていたことを知りました」  実は恵子さんのような例は決して少なくないという。  奨学金は、消費者金融のように貸金業法の規制を受けない。有利子タイプはほぼ無審査、無担保で利用できる。現在、大学生の半数以上が奨学金を利用しており、日本最大の奨学金事業者、日本学生支援機構の貸付残高は7兆円を超えている。  同機構は小泉政権時代の2004年に独立法人化され、国から「延滞額を5年で半減」などのノルマを課せられた。しかし、若者層を中心に非正規雇用が広がり、逆に延滞額は増加。11年度末の延滞者数は33万人、延滞額は876億円に上っている。  同機構の申し立てで東京簡易裁判所が恵子さんに支払い督促を出したのは10年11月8日。財務省の指導を受けた同機構が、滞納者を個人信用情報機関に登録(ブラックリスト化)するなど回収強化に乗り出した時期にあたる。12年5月までに滞納3カ月以上の1万2281人を登録。支払い督促は00年度の338件から11年度に1万5件と約30倍になった。  恵子さんが督促されたのは156万円。高校3年間に貸与された元金に、延滞金62万4000円が加えられていた。同機構では毎月の返済が遅れると、割賦金(元金)に対して年10%もの延滞金が課せられるのだ。  「大金を一括請求されてただ驚き、途方に暮れました。でもこれまでに一度の連絡もなく、ペナルティーの延滞金まで支払えという態度は納得できなかった」と東京簡裁に異議を申し立てた。  11年12月の簡裁判決は、恵子さんが母親から説明を受けていなかったとして延滞金と時効分の支払いを免除した。同機構は控訴し、東京地裁は今年2月に一転して延滞金の支払いを命じた。奨学生には返済義務を明記した書類を渡していたという高校担当者の証言を証拠採用したのだ。同機構のずさんな住所調査から督促状が届かなかった事情は考慮されなかった。恵子さんは東京高裁に上告している。  訴訟を支援する首都圏なかまユニオンの伴幸生副委員長は「書類が本人に渡っていたという確かな証拠がないのに、延滞金まで認めた不当判決です。若者を支える奨学金に年10%もの延滞金というペナルティーがあるのがおかしい。負けられない裁判だと思っています」と強調する。   ■  ■  より典型的なのは、九州在住の事務職パート、紀子さん(30)=仮名=のケースだ。高校2年間と大学4年間で利用した同機構の奨学金元本と利子は計800万円以上。紀子さんは「借りたお金を返すのは当然ですが、債務に縛られた一生だと思うと落ち込みます」とため息をつく。  毎月3万2000円で20年返済。救済がないわけではない。同機構には年収300万円以下なら最長5年の返済猶予がある。総額は減らないが、毎月の返済額を減らせる最長10年間の減額返済もある。ただ、いずれも延滞金があると申請できない。  紀子さんは返済猶予の5年を使い切り、今年から減額制度を利用する。最長10年間の減額(半額)を毎年申請して認められたとして、54歳になるまで返済に追われる。  「パートの手取りは残業代を含めて9万〜10万円。減額後の返済額は1万6000円ですが、延滞すると減額が認められなくなり、返済も延滞金にあてられる。とても結婚や出産は考えられない」という。  実家の家計は苦しかった。高校を出たら就職するつもりだったが、地元の求人は遊技場店員など不安定なものばかり。「大学さえ出れば」と地元の私立大学に進学した。無利子と有利子(最高3%)を合わせて月15万円を借りた。一部を親の借金返済と妹と弟の学費に回した。  卒業後、IT企業に正社員として就職したが、うつ病になって2年で退社。満額返済できたのは1年半だけで、約750万円の債務が残る。実家に戻って両親と弟妹の5人で暮らすが、父親は障害基礎年金、母親は月5万円のパート収入だ。弟と妹も奨学金返済に追われる。  相談した弁護士には自己破産を勧められた。「考えてみましたが、父親と叔父が連帯保証人になっているので、自宅を売却しなければならないのです」。奨学金以外に道はなかったか? 「一度就職して学費をためて進学する道はあったが、高校時代には知るすべがなかった。もう少し学費が安かったらよかった」  文部科学省によると、12年の初年度納付金は国立大学で入学金28万2000円と授業料53万5800円。私立大学の平均は入学金、授業料と施設設備費で131万5882円。不況、デフレなのに右肩上がりだ。   ■  ■  冒頭に登場した恵子さん。「内緒で奨学金を借りた母を恨んではいません。私が中学生のころ、父が事業に失敗して多額の借金を抱えました。母はパートで働きましたが、子ども3人を抱えて本当に大変だったと思います」  取り立てから逃れる父親から時々、母に電話が入った。「大きな仕事をしている。もうすぐ現金が入るから振り込む」。約束の日、うなだれて銀行から帰ってくる母親の姿が忘れられない。当時、自宅に上がって酒を飲むようになった消費者金融担当者の会社名を覚えている。  「実録『取り立て屋』稼業」を書いた元武富士社員の杉本哲之さん(34)に、その会社名を告げると「いわゆる中小規模の悪徳街金融業者です。自宅に上がり込むのは相手に恐怖心を植え付けて心を支配するため。洗脳です。多重債務者に無理やり奨学金や児童扶養手当、生活保護などを申請させて、その金で返済させるのが常とう手段です」と証言する。さらに「奨学金はほぼ無審査、無担保で月十数万円も借りられる。貸金業者にとって、親が返せなくなった借金を子どもに背負わせる都合のいい制度なのです」と話す。   ■  ■  奨学金が金融事業化しているとの批判について、同機構を所管する文科省学生・留学生課長の松尾泰樹さんは「奨学金は学生支援を目的として、与信審査をせず、担保も取らずに貸与しており、金融事業とは異なる。回収は強化しているが、返済猶予もあり、返せない人から無理やり返してもらうようなことはしていない」と話す。ただ、その猶予は5年だけだ。  2月に全国44の弁護士会が一斉実施した相談会には「生活が苦しく返済できない」などの相談が453件寄せられた。奨学金問題対策全国会議の大内共同代表は「高卒の求人は激減しています。このため、親の経済力によって進学できない子どもは非正規、無業になる可能性が高いという『貧困の連鎖』が起きている。それを避けようとすれば無理な金額を借りてでも進学するしかない。なのに返済が遅れたら年10%の延滞金が課せられる。奨学金は貧困者を対象にもうける金融ビジネスになっている」と指摘する。  高校新卒者向け求人はバブル末期・92年の167万人をピークに、12年には20万人と87%も激減した。奨学金で進学しても就職難。自分の奨学金を完済する前に、子どもが借りるケースも出始めた。  対策会議事務局長の岩重佳治弁護士が訴える。「学生の立場に立った奨学金が今ほど求められる時代はない。真の学びを社会全体で支えていく仕組みが必要です」【浦松丈二】 ==============  ■4年制大学の初年度納付金の推移       国立       私立         大卒初任給(参考) 1979年 22万4000円  64万8637円  10万9000円  1989年 52万5000円 103万5116円  16万円    1999年 75万3800円 127万3095円  19万6000円  2012年 81万7800円 131万5882円  20万1000円 ※国立と私立の初年度納付金は文部科学省調べ。大卒初任給は男子平均、厚生労働省調べ ============== "[he-forum 17619] 朝日新聞北海道4/20","朝日新聞北海道版2013年4月20日付 7国立大 講義中継し共有 ■来年度スタートめざし連携 ■教養科目 教員不足補う  【熊井洋美】道内の国立7大学が、テレビ会議システムを使った中継授業で、教養科目の講座を共有することになった。大学法人化で運営の効率化を迫られる中、教員不足を補完し合うなどして教養教育の質を確保しようという取り組み。来年度の開始に向けて、今年度中に準備を進める。  連携するのは北海道大、北海道教育大、小樽商科大、帯広畜産大、室蘭工業大、北見工業大、旭川医科大の道内国立7大学。北大以外は単科大学で、法人化に伴う運営効率化で専門分野の充実を優先すると、どうしても教養科目の講座の多様性や教員の数を維持できないという悩みを抱えていた。  北見工業大(北見市)では、教養科目の第2外国語でドイツ語とロシア語、中国語を選べるとしているが、ロシア語はここ数年、「休講」の状態だ。常勤の教員がいるのはドイツ語だけで、中国語は他の大学とかけ持ちする非常勤の講師に依頼している。  ロシア語は、前任の教員が転勤してから地域での人材確保ができないままだ。「札幌市からは日帰りで講師を呼ぶのが難しい距離で、心苦しいが、学生のニーズに応えられない」と田牧純一副学長は話す。  室蘭工業大(室蘭市)も第2外国語のほか、教員志望者向けの教職科目の人材確保に苦心している。夏休み期間などに北海道教育大から講師を招き、集中講義で対応しているという。  状況を改善するため、2年前に学長同士の話し合いで、各大学が双方向でやり取りできるテレビ会議システムを応用し、講義の共有化を図ることになった。設備費用などは文部科学省の補助金を利用する。  事務局を担う北大学務部は、今後、共有する講義を選択し、効果的な授業法や教材の開発、中継機材の扱いについて研修などを行う方針。西田久美子学務部長は「総合大学や教員養成大学から単科大学への講座供給だけでなく、単科大の特色ある講座を他大学の学生も聴けるようにし、多様性のある講座の実現に活用したい」と話す。 "[he-forum 17618] 中国新聞4/20","中国新聞2013年4月20日付 広島大、3大学と単位協定  広島大(東広島市)は19日、信州大(長野県松本市)など国立3大学と、環境問題に取り組む人材を育成する講義で単位を互換する協定を結んだ。  参加するのは広島大、信州大のほか、横浜国立大(横浜市)、茨城大(水戸市)。  講義のプログラムは、環境省と産学官の連携組織「環境人材育成コンソーシアム」が開発した。企業やNPO法人などで活躍することを念頭に、環境政策や環境ビジネスなどを柱に学ぶ。大学院生を対象としている。  東京都内での調印式には、4大学の学長が出席。広島大の浅原利正学長は「環境問題は人類共通の課題だ。(連携することで)質の高い教育を提供できる」と話した。  各大学はインターネット回線で他大学に講義を中継する。本年度は今秋以降、環境の視点から経営を学ぶ科目の日本語と英語の講義をスタート。最終的には7科目での単位互換を計画している。 "[he-forum 17620] 朝日新聞4/24(ニュースQ3)","朝日新聞 2013.4.24 (ニュースQ3)更迭の原子力規制庁官僚、教授に…反発の被災者も  ナスカの地上絵を新発見して注目を集める山形大学が実はこの春、ごたごたしている。情報漏出で原子力規制庁の審議官を更迭された名雪哲夫氏(54)が教授になったのがきっかけだ。何があったのか。  ■山形大に赴任、重粒子線研究  今月1日付で、名雪氏は山形大が医学部への導入を目指している「重粒子線がん治療施設」の設置準備室に配属された。学生には講義せず、重粒子線装置の研究開発にあたるという。  名雪氏は原子力規制庁ナンバー3の審議官だった2月、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査に関する報告書案を原電側へ漏出させ、更迭された。  教授就任は、文部科学省が3月末に公表するまで学部長クラスもほとんど知らなかった。公募が原則の学部の教授ではなく、本部の専任教授だったからだ。大 学側は結城章夫学長(64)と理事5人らによる役員会で受け入れを決定。学内には「人格・識見に問題がある」「補助金の見返りではないか」と反発が広がっ た。  ■出身の省から補助金10億円  山形大学は6学部、学部生約7700人を擁し、東北では2番目の規模の国立大学だ。重粒子線がん治療は国の最先端医療で、山形大は2012年度補正予算 で文科省の補助金10億円を獲得。その研究に同省出身の名雪氏が当たる構図に、職員組合は「補助金交付と天下り官僚受け入れのあしき癒着構造」と批判す る。  波紋は学外にも広がる。名雪氏は原子力規制庁のナンバー3でありながら、規制される側に情報を漏らしたことに、東京電力福島第一原発事故の被災者らは反 発。山形県内に避難した人らでつくる「福島原発被災者フォーラム山形・福島」は18日、「原発事故で暮らしを破壊された福島県人の心を土足で踏みにじる暴 挙」と、名雪氏の解任を結城学長に要求した。武田徹代表(72)は「受け入れられなければ、文科省に今回の人事の撤回を求める」。  ■“天下り”学長「終わった問題」  だが、文科省の元事務次官だった結城学長は意に介さない。現在2期目の結城学長自身、最初の学長選では「天下り」批判を浴びたが今回、「文科省に『放射 線安全規制に明るい人材がいないか』と打診し、紹介されたのが名雪氏だった」。また、ともに旧科学技術庁出身で「彼の能力も知識も知っている」という。  情報漏出問題については「終わった問題だ」と言い切る。名雪氏は訓告処分を受けたが、人事記録に残る懲戒処分ではないことを挙げ、「彼が持つ能力なり知識なりを活用することがより大事だ」と主張する。  文科省内からは「実際どうかは別にして、はた目には科技庁出身の後輩を自分の所で身を立てさせてやろうとしたと見られても仕方ない」との声も聞かれる。  理事の一人によると、文科省から名雪氏を打診されて教授就任を決定するまで、役員会では大学のイメージダウンを心配する声も挙がったという。  だが、重粒子線プロジェクトは原子力分野。「原子力ムラと言われる狭い世界で、代わる人材がいなかった」。理事はこう付け加えた。「学長はドライな人。名雪氏が成果を出せなければ、簡単に切りますよ」  名雪氏にも大学側を通じて取材を申し込んだが、応じてもらえなかった。  (伊東大治) "[he-forum 17632] しんぶん赤旗4/27","しんぶん赤旗2013年4月27日 TPP協議 参加撤回求める 大学教員の会が会見で声明  「TPP(環太平洋経済連携協定)参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」は26日、国会内で記者会見し、TPP日米事前協議の米国追随的合意を告発し、交渉参加撤回を求めました。  大西広慶応大学教授が声明文「日本の国益を守るためにはTPP交渉参加を撤回するしかない―『日米事前協議』の結果は日本側全面屈服以外の何物でもなかった―」を説明。  声明は事前協議について「日本側が一方的に譲歩しただけで米国側から一切の譲歩を得ていない」「米国のさらなる要求を受け入れるための日米2国間並行交渉の設置が義務付けられた」「全面屈服内容とそれを受け入れた屈辱的外交の真実を日本政府が隠蔽(いんぺい)しようとしている」と問題点を指摘しています。  醍醐聰東京大学名誉教授は、「会」として野党議員に国会質問を要請していくと述べました。  賛同者から名古屋市立大学特任教授の中川十郎氏、佐久総合病院医師・獨協医科大学非常勤講師の色平哲郎氏が発言しました。アジア太平洋資料センターの内田聖子事務局長が事前協議について説明をしました。  「TPP参加交渉からの即時脱退を求める要望書」の賛同者はこの間40人増えて890人になったと発表されました。 "[he-forum 17630] 読売新聞社説4/28","読売新聞社説2013年4月28日付 再生医療推進法 産学官の連携強化を図りたい  病気やけがで傷ついた臓器を復元する再生医療の研究成果は、いち早く治療に役立てたい。新法は、そうした体制を整備する第一歩だ。  再生医療推進法が参院本会議で全会一致により可決、成立した。iPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使った治療を実用化するため、推進法は「再生医療を世界に先駆けて利用する機会を国民に提供する」と明記した。  研究開発に関する基本方針策定や、大学などでの先進的な研究への助成を国の責務とした。  政府は成長戦略の柱の一つに再生医療を掲げている。その実用化促進のための法的基盤が議員立法で整ったことを評価したい。  再生医療は本来、患者本人の細胞や組織を使うため、臓器移植と違って拒絶反応の恐れがない。目の難病である加齢黄斑変性については、既に理化学研究所がiPS細胞で治療する臨床研究を厚生労働省に申請している。  これ以外にも、交通事故による脊髄損傷や心臓病の治療など幅広い分野への応用が見込まれる。  iPS細胞を作製した山中伸弥・京都大教授のノーベル賞受賞に象徴されるように、日本は基礎研究では世界のトップ水準だ。  問題は、その成果を実際の治療に活用したくても、障害が多いことである。例えば、治療効果を調べる治験に費用や時間がかかり過ぎる。これでは、ベンチャー企業などが参入しようとしても開発意欲がそがれてしまうだろう。  このため、推進法は、再生医療製品の早期承認や審査体制の整備をうたっている。事業への新規参入を促すため、「必要な税制上の措置を講じる」とも定めた。  現行法での審査は、人体にとって異物である医薬品を主な対象にしている。人体の細胞を基にした再生医療製品には、新たな審査基準を設ける必要もあろう。  再生医療を巡る海外の研究機関や企業との競争は激しい。実用化で後れを取らぬよう、具体策の検討を急ぐべきだ。  推進法成立を機に、産学官の連携が進むことを期待したい。  一方で、推進法が「国は安全性を確保し、生命倫理に対して配慮する」とクギを刺したのも当然である。国民が安心して再生医療の治療を受けられるようにしなければならない。  厚労省は再生医療を規制する法案を今国会に提出する方針だ。アクセルである推進法と、ブレーキとなる規制法を適切に使い分ける法の運用が求められる。 "[he-forum 17631] 共同通信4/27","共同通信2013年4月27日1時51分 研究不正3.6億円、大学など46機関139人 文科省調べ  文部科学省は26日、架空取引で業者に研究費を管理させる「預け金」やカラ出張などの方法で不正請求した「プール金」といった公的研究費の不正使用が全国の大学など46の研究機関で計約3億6100万円あったと発表した。関与したのは計139人。  昨年3月の中間発表時は計約7900万円で、約2億8200万円増えた。調査は続いており、不正金額はさらに増える可能性がある。  私的流用は、自宅のエアコン購入に使った愛知大の教員のほか京都大、関西学院大、高エネルギー加速器研究機構で新たに判明。昨年発表した上智大と大阪大と合わせ、総額は計約900万円。その他は研究室の備品購入など、本来の目的外に使ったケースが多いとみられる。  これまでに判明した不正使用が最も多いのは、北海道大の約1億6800万円、次いで日本大の約4700万円。  文科省所管の1179機関を対象に2011年7月までの公的研究費を調べた。文科省の研究費使用指針施行後の08年度以降は、不正使用は19機関で計約1億7200万円だった。 "[he-forum 17629] 河北新報社説4/29","河北新報社説2013年4月29日付 就活解禁見直し/社会が求める人材の育成を  意欲的に学ぶ環境が整い、社会に有用な人材が育つ。そんな大学改革につながる第一歩にしなければいけない。  安倍晋三首相が大学生の就職活動の解禁時期の繰り下げを打ち出した。学業に専念し、多様な経験ができる下地を整えることで、グローバル社会で活躍できる人材を育てるのが目的だ。要請を受けた経済団体も受け入れを表明。現在大学2年生の就職活動から実施される。  就職活動の長期化をめぐっては、以前から学業の妨げになっているとの指摘があり、見直しを歓迎したい。早期の活動開始が留学を妨げる背景の一つともされてきただけに、海外で学ぼうという学生が増える要因にもなり得よう。  現在の就職活動は、解禁に当たる会社説明会などの開始時期が3年生の12月以降、筆記試験や面接などの選考が4年生の4月以降となっている。  「採用選考に関する企業の倫理憲章」にのっとったルールで、経団連は首相の要請に従って憲章を見直し、解禁を3年生の3月以降に、選考を4年生の8月以降に遅らせる。  ただ、経団連が定める憲章は法的拘束力がない「紳士協定」。以前の就職協定が、優秀な学生を早々と囲い込む企業の横行によって有名無実化し廃止された歴史がある。経済界には見直しの趣旨を十分理解した上でルールを徹底するよう強く求めておきたい。  外資系企業などの動向も気掛かりだ。企業側に疑心暗鬼が生まれ足並みがそろわなければ、学生を無用な混乱に巻き込むことになってしまう。  中小企業への影響も心配される。大手企業の選考が一段落した後に採用活動が本格化するため、大手の採用が遅くなればそれだけ中小と学生が互いを見極める期間が短くなる。  民間の就職情報会社によると、ことしの就職活動では大企業を希望する学生の割合が6年ぶりに上昇した。卒業までに就職先を決めたいとはやる気持ちが、採用活動の開始が早い大手志願へと学生を駆り立てることも予想される。  中小企業にとっては、これまで以上に情報提供の回路やインターンシップ(職業体験)の受け入れを増やすなどの努力が求められることになるだろう。  今回の見直しが、本来の目的に沿った人材育成に結び付くかどうかは、何より大学の質的転換にかかっている。  文部科学省は昨年、大学改革実行プランを作成し、大学に対して「主体的に考え行動できる人材」や「グローバル社会で活躍する人材」の育成を求めた。就職活動開始時期の見直しは、そのための環境整備の一環とも言えるが、解禁繰り下げで増えた時間を、学生が研究や勉学に充てるとは限らない。  既存の知識の習得にとどまらず、社会が求める多様で高度な能力を身に付けられるようなカリキュラムの導入や、指導方法の工夫が迫られる。大学の質、力量が問われる局面だ。 "[he-forum 17626] 日本経済新聞4/26","日本経済新聞2013年4月26日付 学制・大学入試など重点改革 5年計画、中教審が答申  中央教育審議会(三村明夫会長)は25日、2013年度から5年間の教育行政の指針となる第2期教育振興基本計画の原案を下村博文文部科学相に答申した。小中高校から大学までの学制の見直し、大学入試改革など30項目の重点施策を挙げた。教育への公的な財政支出について、経済協力開発機構(OECD)諸国並みに引き上げるとの目標を初めて掲げた。  ただ、現在の公的な教育投資は国内総生産(GDP)比で3.8%。OECD平均の5.8%にするには年10兆円の支出増が必要となる。答申は厳しい財政状況を考慮し、OECD平均並みの実現は「将来の目標」にとどめた。  重点施策は小中高校の分野の目標として「国際的な学力調査でトップレベルを目指す」と明記。具体的には、土曜授業の復活▽高校での学力到達度テストの導入▽情報通信技術(ICT)を活用した双方向型学習の推進――などを挙げた。  コミュニティースクール(地域運営学校)を全公立小中学校の1割に拡大することも盛り込んだ。コミュニティースクールは保護者や地域住民が学校運営に直接参加する仕組みで、現在は約1200校が導入している。子供を巡る様々な課題を地域全体で解決するため、導入校を約3千校に増やすとした。さらに、いじめ防止策を徹底するため、道徳の教科化を検討する。  大学教育では、グローバル社会で活躍できる人材の育成を挙げた。30年までに日本人留学生を倍の12万人に増やす。筆記試験に偏った入試方法を改め、面接などによる時間をかけた総合的な評価の導入なども検討。学生の自習時間を国際水準に高めるため、授業の質を変えるとした。  さらに図書館の充実など学習支援環境の整備を進めるほか、討論などを中心にした授業を増やす。早期に離職する若者が多いことなどを踏まえ、職業教育の充実も盛り込んだ。  小中高校と大学を6・3・3・4に区切る学制を見直し、より柔軟な教育システムを作る検討も始める。教育費の負担を軽減するため幼児教育を無償化するとした一方、高校授業料の無償化制度には所得制限を導入する方針を明記した。ただ、低所得世帯への支援は充実するとしている。  文科省は答申を踏まえ、同計画を早期に閣議決定する。文科相は答申を受けて「教育再生に向けた具体的な道筋を示していただいた。関連施策の推進に全力で取り組みたい」と述べたが、教育投資の増額は財務省などの反発が予想され、政府内の調整は難航しそうだ。 "[he-forum 17628] 北海道新聞4/26","北海道新聞2013年4月26日付 奨学金改善 学生の力で 北大院生、あす団体設立 制度改正訴え  独立行政法人日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金を返済できない人が急増している問題で、北大院生3人が27日、奨学金制度の問題点や解決法を探る学生団体をつくる。弁護士や他大学の学生とも連携し、国へ制度改正も訴えていく。  弁護士らによる奨学金問題対策全国会議(東京)によると、同様の学生団体は愛知に続いて全国2例目。  団体をつくるのは、自ら奨学金を受けている北大大学院修士2年の藤島和也さん(27)=札幌市=ら。無利子奨学金の増加や、欧米で主流の返済不要な給付型奨学金を日本でも実現させるよう目指す。  団体の初会合は27日午後6~8時、札幌市中央区の「かでる2・7」で。藤島さんが現状を説明し、意見交換する。無料。問い合わせは藤島さん(電)090・7519・6614へ。 "[he-forum 17627] 西日本新聞4/26","西日本新聞2013年4月26日付 九大病院に小児救命センター 5月1日開設、24時間対応  九州大学病院(福岡市東区)は25日、24時間体制の「小児救命救急センター」を5月1日に開設すると発表した。同センターの開設は全国で6番目、九州では熊本赤十字病院(熊本市)に続き2番目。事故や病気で重篤な小児患者を救う北部九州地域の拠点となる。  同病院によると、既存の救命救急センターでも小児患者に対応しているが、小児センター開設に伴い、現在の集中治療室(ICU)20床のうち6床を小児集中治療室として割り当てる。小児科医4人を中心に専従スタッフを確保し、小児外科や脳外科との連携も強化。子どもの体格に合った医療器具をそろえることで、緊急の血液透析など高度な治療が可能になるという。  病気や事故で救急搬送される患者や、他の病院で治療困難な患者の受け入れを想定。事業費は年間約2億2千万円。  厚生労働省によると、新生児の死亡率は新生児集中治療室(NICU)の整備などで先進国中最も低いが、乳幼児の重篤な急病などに対する専門的な医療施設は少なく、全国的に小児救命救急センターの開設が急がれている。 "[he-forum 17624] 毎日新聞4/23","毎日新聞2013年4月23日付 給付型奨学金:大学生も 返済義務なし、対象拡大−−文科省  文部科学省が導入を検討している返済義務のない高校生向けの「給付型奨学金」について、大学生も対象に含める方針であることが22日、分かった。下村博文(はくぶん)文科相が同日、就職活動に関する意見交換のため同省を訪れた大学関係者に明らかにした。当初は無利子の貸与型奨学金としてスタートさせ、給付型に移行させる考えだ。早ければ来年度から段階的に導入される見通しで、支給額や選考方法など制度の詳細を検討している。  文科省は、教育再生のためには低所得世帯の生徒・学生が安心して学業に専念できる環境整備が重要と判断。高校生を対象とした給付型奨学金の制度設計に着手していたが、下村文科相が「高校だけでなく大学も含めて制度設計する」と決断した。  財源は、現行の高校授業料無償化のための予算4000億円を削って充当する。現在の無償化の枠組みは一部見直し、所得制限をかける方針。  高校生の場合、所得制限以下であれば現行の授業料の無償化を継続し、低所得者層には奨学金も支給するよう制度設計する。  大学生については卒業後に就職できず、貸与型の奨学金の返済に苦慮するケースが問題化しており、給付型の奨学金を新たに設ける。支給額は月数万円程度となる可能性が高い。  自民党は所得制限を世帯年収700万円以下にした場合、高校無償化の対象世帯が5割になるとの試算を示している。文科省は、制限をかける世帯年収を800万円、900万円などにした場合の対象世帯数や必要予算などを詳細にシミュレーションしている。【福田隆】 "[he-forum 17625] 茨城新聞4/24","茨城新聞2013年4月24日付 茨城大、環境重視の経営者育成 4大学で単位互換 横浜国大と信州大、広島大  環境問題に対する関心の高さを背景に、茨城大は横浜国立大など計4大学と合同で、企業を経営していく上で直面する環境問題に対応できる人材を育成する教育課程を本年度からスタートさせる。授業では、企業利益の追求と環境保全を両立できる「環境経営力」を身に付けた、実践力のある「環境人材」を育てていく。  この教育課程は、2011年に設立された産学官民の組織「環境人材育成コンソーシアム(EcoLeaD)」が、環境省とともに開発した「グリーンマネジメントプログラム(GMP)」に基づき実施される。  EcoLeaDに加盟する茨城大、横浜国立大、信州大、広島大の4大学がお互いに遠隔授業を実施。本年度は入門編となる「GMP概論」の授業を横浜国立大が受け持ち、各地の大学でそれぞれ学生が受講する。9月に日本語、来年2月には英語で同じ内容の授業を行い、学生はどちらかを受講する。茨城大では大学院農学研究科に専攻課程を設ける。  それぞれの大学の授業をお互いの学生の単位として認めるための「単位互換協定」については、今月19日に4大学が都内で調印式を行った。  本年度は1科目でスタートし、今後は地球環境学や環境経営概論、環境ビジネス実践論など計7科目を開講する。全課程を修了した学生には「環境人材」としての資格認定を検討する。将来的には、国内の他の大学の参加や、アジア・大平洋諸国との連携を視野に入れているという。 "[he-forum 17623] 日本経済新聞4/24","日本経済新聞2013年4月24日付 社会人学び直しに助成 文科省が教育改革プラン  下村博文文部科学相は23日の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)で、人材育成強化に向けた教育改革プランを発表した。成長産業への転職を促すため、社会人が専門知識を学び直せるように大学や専門学校の教育プログラム開発を助成。日本人学生の海外留学を倍増させるため民間資金を活用した奨学金も創設する。国立大教員へ年俸制を導入し、民間の優秀な人材も呼び込む。  文科省によると、2012年度に大学や専門学校で学んだ社会人は12万人。国内の産業構造の変化に伴い、職種転換が必要になるのは年間20万人に上ると推計される。同省は「新たな知識や技術の習得が重要」として、5年間で大学・専門学校で学ぶ社会人を現状の2倍の24万人に引き上げる目標を掲げる。  産業界と協力し、社会人向けの教育プログラムを開発する大学や専門学校に費用を助成する。例えば新エネルギー開発、都市再生、農林水産業の高度化など成長分野で活躍できるプログラム開発を促す。ほかにも、女性の職場復帰やシニア層の地域活動に役立つプログラムも支援する。  グローバル社会で活躍する人材の育成も強化する。日本人の海外留学生を現状の2倍の12万人にすることを目指す。学校での英語教育を強化するとともに、民間企業からの資金を活用し、留学希望者に奨学金を出す仕組みをつくる。  海外留学をしやすくするように、国際標準の秋入学の導入も促す。秋入学が拡大すれば、高校卒業から大学入学までの半年間を利用して海外留学する学生の増加が見込まれる。大学界と産業界が協力し、海外留学希望者の支援組織を立ち上げることも促す。  また、国立大教員に年俸制や民間企業からの報酬受け取りを本格導入し、優秀な民間研究者や外国人教員を呼び込む。日本と海外のトップ大学が共同で大学院を設置することも支援し、グローバル人材を育成する力を強化する。政府が6月にまとめる成長戦略に盛り込み、実現を目指す。 "[he-forum 17622] 琉球新報社説4/25","琉球新報社説2013年4月25日付 就活解禁繰り下げ 何より人材育成に留意を  言うまでもなく学生の本分は学業に努め、教養を高めることだ。それを忘れてはならない。  大学生の就職活動解禁時期が2016年卒から3カ月繰り下げられ、大学3年生の3月からとなった。近年の就活はあまりに早く始まるため、肝心の学業がおろそかになりがちとの批判が根強い。改革は学業への悪影響を少なくするのが狙いで、評価したい。  大学生の就活は近年、長期化していた。大学3年の夏に始まり、2年近くに及ぶ例も少なくない。大学生活の半分を費やすことになる。その分、学業に励む期間は短くなるから、人材の質が企業の求める水準に到達しないとの指摘すらあった。  長期化に比例して費用もかさむ。就職情報会社の調査によると、就活費用は九州・沖縄の学生で21万7千円余もかかる。関東の1・7倍だ。長期化の弊害は大きい。  このため経団連は11年3月、「倫理憲章」を改定し、13年卒を対象に、会社説明会など広報の解禁時期を従来より2カ月遅らせ、大学3年の12月からとした。  それでも批判は根強くあったから政府は今月、経団連などに解禁時期の3カ月繰り下げを要請し、経済界も受け入れた。広報の解禁を繰り下げるだけでなく、面接など企業の選考活動も4カ月遅らせ、4年生の8月からとする。大学側も「学生が授業に専念できる」と歓迎している。  外国へ留学していた学生は外国の年度替わりの6月ごろに帰国するから、選考開始が8月になれば間に合う。近年、減る一方だった留学を後押しする効果もあろう。  とはいえ、これで問題なしというわけではない。経団連の倫理憲章はあくまで紳士協定であり、拘束力はない。外資系や新興IT企業などが順守するとは限らない。  人材獲得で遅れを取るのは企業にとって命取りだ。もともと就職協定は選考開始を4年生の8月からとしていたが、協定破りが横行し、1997年に廃止された経緯がある。今回も同じ轍(てつ)を踏まないよう何らかの拘束力を持つ方法も検討すべきだ。  改革の目的は将来性豊かな人材の育成にある。経済界も大学もその点に留意してほしい。  期間は後ろにずれたが、就活の成否は事前の準備の度合いに左右される。学生は豊かな職業人生を送れるよう、しっかり準備して取り組んでほしい。 "[he-forum 17621] 共同通信4/23","共同通信2013年4月23日12時44分 文科省、国立大教員に年俸制検討 外国人や若手積極採用  文部科学省が大学教育の改革案として、国立大に教員給与の年俸制の導入を求める方向で検討していることが23日、分かった。来年度からの実現を目指す。  国立大は2004年度の法人化で給与体系を自由に決められるようになったが、見直しは進んでいない。より流動的な教員配置を可能にすることで新規採用枠を確保してもらい、外国人教員を海外から集めたり、若手研究者を採用したりしやすくする考え。  共同研究に取り組む民間企業などから教員が報酬を受けやすくすることや、教育、研究の結果を年俸に反映する成果主義を導入することも促す。 "[he-forum 17633] 産經新聞ニュース5/2","産經新聞ニュース 2013.5.2 08:03 秋入学の空白期間に留学を 下村文科相が全員対象の奨学金制度提唱  下村博文文部科学相は1日、米首都ワシントンで講演し、東京大などが進める秋入学への移行に合わせ、高校卒業から半年間の短期留学を希望する学生 全員を対象とした公的な奨学金給付制度を創設する考えを示した。下村氏は「高校を3月に卒業すると秋入学の大学まで半年間の空白期間ができる。この期間を 利用して海外に行く学生に対して国が全額無償の奨学金を出す」と述べた。  講演後の記者会見で下村氏は、大学の秋入学移行には数年かかるとみられることから「実施は少し先の話になる」と説明。「1人30万円ほどで数カ月間の留学は可能。大学の数も多くないので、それほど大きな予算規模にはならない」との見通しを示した。  海外でのインターンシップやボランティア活動は奨学金の対象外となるが「民間企業にも協力してもらいながら大学による体制づくりを国が支援したい」と述べた。(共同)= "[he-forum 17637] 北海道新聞4/28","北海道新聞2013年4月28日付 奨学金滞納者の相談相手に 札幌で学生団体が発足 学生団体の初会合で日本学生支援機構の奨学金制度の問題点について話し合う参加者  独立行政法人日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金を経済的困窮で返済できない人が急増している問題で、北大院生3人が呼び掛けた学生団体が27日発足し、札幌市内で初会合を開いた。今後、学生向けに制度の勉強会を開き、滞納者の相談に乗る活動を行うことを決めた。  学生や社会人ら15人が参加。呼び掛け人で自身も奨学金を借りている北大大学院修士2年の藤島和也さん(27)が、元本を超える延滞金が付くこともある現行制度の問題点を解説した。  問い合わせは藤島さん(電)090・7519・6614へ。 "[he-forum 17634] 日本経済新聞5/1","日本経済新聞2013年5月1日付 海外短期留学、全希望者に奨学金 秋入学を後押し 【ワシントン=中山真】訪米中の下村博文文部科学相は1日、ワシントンで記者会見し、東京大などが検討している秋入学に対応し、3月の高校卒業から入学までの半年間(ギャップターム)で海外留学を希望する学生全員に奨学金を支給する考えを明らかにした。秋入学移行を後押しするとともに、低迷する日本人学生の海外留学を底上げする。  文科相は「ギャップタームを活用して海外に留学したい学生は全員対象にしたい」と明言した。奨学金の支給基準は設けない考えも示し、「数カ月であれば1人当たり数十万円程度の額なので予算面でも対応できる」との見通しを示した。  東大が秋入学への移行を目指す2017年度から奨学金制度を導入するという。  安倍政権は日本から海外に留学する学生向けの奨学金制度を拡充する方針を打ち出している。秋入学の学生に限定しているとはいえ、希望者全員を奨学金の支給対象とするのは異例。少子化が進むなかで学生の獲得を狙う大学で秋入学の導入が加速する可能性もある。  文科相は、ギャップタームを活用した海外でのインターンシップやボランティアは奨学金の対象にならないとしたうえで「民間企業にも協力してもらいながら大学による体制づくりを国が支援したい」と発言。一定の範囲で海外インターンなどを支援する可能性にも含みを残した。  日本人の海外留学生数は1980年代後半から増え続け、ピーク時は8万人を超えたが、ここ数年は6万人弱に減っている。文科相はワシントンでダンカン教育長官と会談し、日米双方向の留学生を現在の2倍に増やすことで合意、両国の協力を確認した。 "[he-forum 17636] 日本海新聞4/30","日本海新聞2013年4月30日付 県奨学金 返還に猶予 未就職、出産も対象に  厳しい経済情勢や不安定な雇用形態によって、未就職や低所得などの理由から、奨学金の返還が困難な若者が増加している。鳥取県教委は、高校・大学などを卒業後に就職できなかった人や、妊娠・出産・育児を理由に休業した人、生活保護の受給と同程度の低所得者にも返還猶予の対象範囲を拡大し、未納者圧縮に乗り出している。  県育英奨学資金(高校、大学)は、貸与終了後に返還しなければならないが、奨学生の社会的状況によっては一時的に返還の猶予を認めている。  これまでの制度では、大学などへの進学▽留年▽失業中▽傷病▽生活保護の受給-などの場合に認めているが、新卒で就職できない人や低所得者の場合は、返還猶予の対象となっていなかった。  新卒で未就職者だったり、育児休業などの理由で安定した償還計画が立てられない事例が増えていることや、低所得者の修学機会の確保を図り、奨学金返還の不安を解消していくことが求められ、範囲を拡大することにした。  申請期間は低所得、産前・産後・育児休業の場合はその理由が続いている期間(1年ごとに申請)、新卒・在学猶予切れで無職・未就職の場合は1年ごとに申請、通算5年を限度とする。  県教委人権教育課によると、債権回収会社へ委託する件数も増え続け、債権額は今後、未納額がさらに膨らむと見込まれる。  進学奨励資金と県育英奨学金(高校、大学)の2012年度の返還対象者は8千人で、そのうち進学や留年などの理由で201人が返済を猶予された。失業中は12人、生活保護受給4人、傷病は2人だった。対象が拡大されることによって10~20人が猶予される見通し。  同課の鳥飼敏博課長補佐は「初めから猶予されることが分かっていれば、安心して子育てができ、就職活動もじっくり取り組める」と話し、子育てや就労しやすい環境づくりを整え、未納額の減額につなげたい考えだ。  11年度に収納すべき金額(債権額)は約7億9千万円で、このうち返済未納額は約3億2600万円だった。 "[he-forum 17635] 福島民報5/2","福島民報2013年5月2日付 大災害時の連携協定 福島大など東北の7国立大  福島大を含む東北地方の7つの国立大は1日までに、大規模災害発生時の連携・協力に関する協定を結んだ。同日、福島大が発表した。  福島、弘前、岩手、東北、宮城教育、秋田、山形の7大学が協定に参加した。地震・風水害が発生したり、感染症がまん延した際、被災した大学の要請に応じて生活必需品を提供、教職員を派遣する。協定の有効期間は1年で、申し出がない限り自動更新される。  仙台市の東北大で4月25日に協定の締結式が行われ、福島大の〓刀俊洋副学長が出席した。 ※〓は功の旧字体 "[he-forum 17640] 日本経済新聞5/8","日本経済新聞2013年5月8日付 法科大学院、93%で定員割れ 入学者10人未満が23校  今春、学生を募集した法科大学院69校のうち、93%に当たる64校で入学者が定員を下回ったことが8日、分かった。文部科学省が同日、法科大学院の在り方を検討している中教審法科大学院特別委員会に報告した。昨年度の86%からさらに悪化し、司法試験合格率が低迷する法科大学院の学生離れが一段と鮮明になった形だ。  文科省がまとめた資料によると、今春の法科大学院の募集定員は69校で計4261人。入学者は定員の63%に当たる計2698人にとどまり、2004年のスタート以降で最低を更新した。昨年の3150人(73校)から452人減った。  入学者数が定員の半数に満たなかったのは40校。23校は入学者数が10人未満となり、特に司法試験合格率が低迷する学校は前年度からの落ち込みが大きかった。  定員に占める入学者数の割合(充足率)が最も低いのは大阪学院大で7%。次いで久留米大と島根大が10%、東海大と東北学院大が13%、駒沢大が19%と続いた。  国立で5割を下回ったのは島根大のほか、新潟大(25%)、鹿児島大(27%)、香川大(30%)、静岡大(40%)、熊本大(41%)、東北大(44%)。  100%以上だったのは千葉大(118%)、大阪大(114%)、神戸大(105%)、一橋大(102%)、京都大(101%)の5校で、いずれも国立大だった。  昨年の司法試験の合格率が一橋大(57.0%)、京都大(54.3%)に次ぐ3位(53.6%)だった慶応義塾大の充足率は94%。4位(51.2%)だった東大は97%だった。  法科大学院全体の志願者は延べ計1万3924人(前年比4522人減)で、合格者は延べ計5619人(同903人減)だった。 "[he-forum 17639] NHKニュース5/6","NHKニュース2013年5月6日6時4分 留学促進 民間資金で奨学金拡充へ  国際的に活躍できる人材の育成に向けて、大学生の海外留学を促進するため、文部科学省は、返済のいらない給付型奨学金について、民間企業に呼びかけて資金を募り、来年度から規模と対象を今年度の2倍程度に拡充したいとしています。  日本人の海外留学者は、平成16年のおよそ8万3000人をピークに、経済的負担や就職活動への影響などを背景に減り続けており、平成22年にはおよそ5万8000人となっています。  こうしたなか、文部科学省は、海外留学を希望する大学生を対象にした返済のいらない給付型奨学金について、今年度の当初予算案で36億円を計上し、留学期間が1年以上の200人を対象に年間およそ200万円、留学期間が1年未満の1万人を対象に毎月8万円を支給することにしています。  文部科学省は、国際的に活躍できる人材を育成するためには大学生の海外留学を促進する必要があるとして、来年度から給付型奨学金の規模と対象を今年度の2倍程度に拡充したいとしています。  具体的には、民間企業に呼びかけて資金を募り、規模をおよそ70億円程度に、対象もおよそ2万人に増やしたいとしており、今後、資金を提供した民間企業への税制面での優遇措置なども検討することにしています。 "[he-forum 17638] 高知新聞社説5/8","高知新聞社説2013年5月8日付 【奨学金返済】担い手を社会で支えねば  奨学金で大学を卒業したものの、就職難で収入が安定せず、返済が滞るばかりか延滞金も――将来の社会の担い手を、こんな窮状のままいつまで放っておくのだろう。  長引く不況の影響などで家庭の経済状況が悪くなり、現状では大学生の2人に1人が何らかの奨学金を利用しているとされる。  代表的な奨学金機関である日本学生支援機構が2011年度に貸与した学生は無利子約38万人、有利子が約91万人で年々増える傾向にある。  進学の夢を支える奨学金制度の意義は、今更いうまでもない。だが、ここ数年、卒業後に就職できなかったり非正規社員の身分が続いたりして、返済滞納者や滞納額が急増している。  支援機構の滞納者は11年度に30万人を超し、10年前の約2倍になった。滞納額は約880億円と3倍近くに達している。返済に困った末、自己破産に追い込まれる若者も少なくないという。  滞納者には、延滞金が年利10%課せられる決まりだが、支援団体には「負担が重過ぎる」との声が多く寄せられていた。そこで文科省は、早ければ来年度から金利を5%程度にとどめる検討に入ったという。  負担軽減策の一環として文科省は、年収が一定額以下の低所得層の返済猶予期間を延ばす制度を設けている。成績が優秀な学生は、返済を一部免除する仕組みも検討しているという。  ただし、こうした対策が滞納者らを減らす決め手となるかは疑わしい。確かに金利の負担減で一息つく滞納者はいるかもしれない。だが、根本的には景気や雇用の改善が伴わない限り滞納額などは減らないだろう。  日本は支援機構を含めて官民のほとんどの奨学金制度は貸与型だ。一方、欧米では返済義務がない給付型が主流で、それは社会全体で若者を支えていくことを目的にしている。  卒業後に安定収入を得た社会人が奨学金を返済し、後輩学生を支える貸与型も当然残してよい仕組みだろう。だが、以前この欄で取り上げた通り、日本は公的教育費の政府支出割合が先進国中最低だ。  それならば、もっと教育関連に公費を使ってもいいはずで、貸与型から給付型へとそろそろ軸足を移す時期かもしれない。将来の担い手を社会全体でいかに支え、育てるのか。奨学金制度からの重い問い掛けだ。 "[he-forum 17645] NHKニュース5/9","NHKニュース2013年5月9日4時0分 法科大学院9割超で定員割れ  法律の専門家を養成する法科大学院の今年度の入学状況がまとまり、学生を募集した全国のおよそ70校のうち90%を超える64校で定員割れとなり、入学者数もおよそ2700人と過去最低だったことが文部科学省の調べで分かりました。  これは8日開かれた中教審=中央教育審議会の特別委員会で報告されたものです。 法科大学院は、質の高い法律の専門家を養成しようと司法制度改革の一環として9年前から設けられたもので、今年度は全国73校のうち69校が学生を募集しました。 この結果、入学者数が定員を上回ったのは千葉大学や京都大学など国立大学の5校にとどまり、全体のおよそ93%に当たる64校で定員割れとなりました。 このうち定員の半数に満たなかったのは40校に上っています。 また、入学者数は昨年度より452人少ない2698人で、ピークだった平成18年度の半数以下と、過去最低となりました。 法科大学院を巡っては、司法試験の合格率の低迷から志願者が減少し、現在、4校が学生の募集を停止しています。 一方で、経済的な事情などで法科大学院に通えない人が司法試験の受験資格を得るための例外的なルートの「予備試験」を受けるケースが増え、本来のルートである法科大学院の存在意義が揺らぐ事態になっています。 文部科学省は、法科大学院の質の改善を促すため司法試験の合格率が低い状態が続く大学院などに対しては補助金を削減していて、今後、中教審で法科大学院の数や教育のあり方について検討することにしています。 "[he-forum 17644] 愛媛新聞社説5/9","愛媛新聞社説2013年5月9日付 奨学金延滞金利下げ 進学支援へさらなる見直しを  文部科学省は、所管の日本学生支援機構が大学生らに貸与している奨学金の返済延滞金の年利を引き下げる方針を固めた。来年度にも実施の方向で検討している。  就職難や非正規雇用の増加に伴って卒業後の収入が安定せず、奨学金の返済にあえぐ人の救済は喫緊の課題だ。延滞金の利下げは負担軽減の有効な手だての一つであり、速やかな実施を望みたい。ただし、十分とは言い難い。  さらに延滞金そのものの撤廃や無利子型、返済不要の給付型奨学金の拡充など抜本的な制度の見直しが不可欠だ。  同機構の公的奨学金は貸与型が基本。世界的にも高水準の学費や長引く不況で大学生の2人に1人が利用。分割返済が始まるのは、卒業から半年後だ。同機構によると、期限の過ぎた未返済額は2011年度末で過去最高の約876億円に上る。滞納者は約33万人。毎月の返済期限が過ぎると、返済額に対し年利10%の延滞金が課される。  弁護士らでつくる全国組織の相談窓口には、延滞金も含め数百万円の奨学金返済に苦しむ人らの相談が数多く寄せられている。  奨学金は経済的理由で進学を断念したりすることのないよう学生を支えるためのもの。なのに、返済が重荷となり、卒業してもまともな暮らしができないのでは本末転倒だ。返済の苦労を嫌って利用を控えれば、奨学金制度本来の役割が失われかねない。  文科省は滞納当初の数カ月は延滞金の年利を1~2%とし、その後は最高5%程度にとどめる案を検討している。返済が遅れれば、延滞金が生じるのも通常の貸借なら当然だ。しかし、学生支援が本旨にしては年利が高すぎよう。  延滞金自体の減免や、経済状態が悪化した場合に5年を上限に返済を猶予する現行規定はあっても、運用基準が厳しすぎて「使いづらい」と指摘されている。基準緩和や柔軟運用を図るべきだ。  そもそも延滞金をとること自体がおかしいと言わねばならない。公的奨学金が教育ローン化し、厳しい返済を求めることで「返したくても返せない」低所得の人を窮地に追い込んでいる。返せるようになれば返してもらう環境を整えることこそ肝要だ。  東京地区私立大学教職員組合連合の調べでは、首都圏中心の私立大に昨年度入学した下宿生の仕送り月額は、過去最低を更新した。保護者の収入が減り、奨学金などに頼らざるを得ないのが実態だ。  家庭の経済力によって子どもの進学が左右されるような状況は許されない。国は教育の機会均等の原点に立ち返り、思い切った財政投入による大学の学費引き下げや、給付型奨学金の拡充などに取り組みたい。 "[he-forum 17643] 日本経済新聞近畿版5/9","日本経済新聞近畿版2013年5月9日付 訪日外国人に高度医療を提供 阪大が「国際センター」設立 「ツーリズム」事業展開  訪日外国人に高度医療を提供するネットワークが関西で動き出す。大阪大学は新しい医療センターを設立。国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)やりんくう総合医療センター(同泉佐野市)と連携し、アジアや中東から患者を受け入れる。高度の医療技術を活用して「医療ツーリズム」を新事業に育て、関西経済の活性化につなげる。  中核となる阪大は8日、4月1日付で同大付属病院(吹田市)に国際医療センターを設置したと発表した。中国や韓国、中東から年30~40人の患者を受け入れる。心臓から血液を送り出すポンプ機能が弱った患者に、心筋シートと呼ばれる筋肉の培養細胞を貼る治療などを実施。英語やアラブ諸国の言語に習熟した医療通訳者を雇う。患者の受け入れから治療、治療費の支払いまでの流れを円滑化する。  これまでも阪大病院の医師が個人で毎年20人程度の患者を受け入れてきた。ただ、言語や文化、法制度の違いから入院中や治療費の支払時に混乱が生じることがあった。  阪大は中国、韓国、東南アジアを中心に医師や看護師を受け入れ、医療研修も実施する。同大の外国語学部などと連携し、医療通訳者を養成する。将来は海外と共同で臨床試験を進めたり、日本の医薬品や医療機器の輸出を促したりする。  新センターはりんくう総合医療センターや淀川キリスト教病院(大阪市)と連携する。りんくうセンターでは関西国際空港への近さを生かし、長距離移動が難しい急病患者を治療。淀川病院ではイスラム教徒向けの調理所を作り、中東や東南アジアから患者を受け入れる。大阪駅北側の「うめきた」にも拠点を置く。  日本政策投資銀行の予測では、医療ツーリズムの潜在市場規模は2020年時点で5507億円、訪問者は42万5000人。医療通訳者が不足するなど課題があり、観光庁の推計では12年は8万~9万人程度にとどまった。  国内の他地域はこれまで、医療機関が個別に海外から患者を受け入れてきた。地域ぐるみで複数の医療機関が参加する仕組みは全国初という。 ■「医療都市・関西」に厚み 経済界の後押し焦点  大阪大学の取り組みは関西経済にも一定の追い風になりそうだ。医療などライフサイエンス分野は関西が官民で推進する関西イノベーション国際戦略総合特区の柱の一つだが、これまで認定された同分野のプロジェクトは創薬や医療機器の開発支援が中心。いわゆる医療ツーリズムが加われば「医療都市・関西」の厚みは一段と増す。  医療ツーリズムは医療法人や製薬業界など医療に直接関連する産業以外にも恩恵をもたらすため、注目が集まっている。関西では南海電気鉄道が2010年に参入。大阪府と大阪市も今年度から、医療ツーリズムの拡大などを協議する有識者会議を開いている。  経済団体では大阪商工会議所が「メディカル・ポリス形成プロジェクト」を今年度の事業計画に盛り込んだ。医療機器の開発支援で大商はすでに国内有数の実績を持つ。  ただ、関西経済界は医療ツーリズムに必ずしも積極的でない。医療現場が商業主義に陥り外国人を優先すれば「国民皆保険が崩壊し、患者がデメリットを受ける可能性もある」(大商の手代木功副会頭)からだ。  日本医師会も反対姿勢で、阪大は今回の取り組みを「医療の国際貢献」と表現した。阪大はイノベーション特区への追加申請する方向で検討しているが、関西経済界の後押しが得られるかどうかは不透明感も漂う。 "[he-forum 17642] 秋田魁新報社説5/11","秋田魁新報社説2013年5月11日付 奨学金未返済増 学ぶ夢尊重へ改善急務  大学などを卒業後、奨学金を返済できず、延滞金が重い負担となるケースが増えている。学ぶ夢を実現させるための奨学金が生活を脅かすのはあまりに残念な事態だ。制度の在り方を見直し、改善すべき点の是正を急ぎたい。  日本学生支援機構によると、大学生らに貸与している奨学金で期限を過ぎた未返済額は2011年度末で過去最高の約876億円に上った。返済が滞った場合に加算される延滞金は年利10%。その負担の重さに苦しむ未返済者が少なくない。  11年度の未返済は約33万人で01年度の2倍近い。返済できない理由の多くは、就職難などを背景にした経済的な事情。卒業後に非正規労働に就いたり、リストラされたりして収入が不安定で返済がままならないという厳しい状況が浮かび上がる。  文部科学省は昨年度から、卒業後の年収が300万円以下の場合に返済を猶予する奨学金を導入。さらに早ければ来年度から延滞金を5%程度に引き下げる方針。低所得層に配慮して負担軽減に動きだしていることは評価したい。  ただ制度については厳しい意見も多い。延滞金減免の規定がありながら、基準が厳しいため適用されない場合があるという。また経済状況悪化の場合に返済を最大5年間猶予する制度は、延滞金が課せられていると利用できないとする声もあり、改善を急ぐ必要がある。  奨学金について「返済するのが重い負担」というイメージを固定化させてはならない。「返済できなければ大変」だから「進学を断念」ということになりかねない。そんな事態はなんとしても避けるべきだ。  下村博文文部科学相は先に、東京大などが進める秋入学への移行に合わせ、高校卒業から半年間の短期留学を希望する学生を対象とした公的な奨学金給付制度創設の考えを示した。一般の奨学金についても現在の返済型から、こうした給付型の奨学金へ転換することも視野に入れたい。  利子付きにせよ、無利子にせよ、奨学金の大半は家計が厳しいために活用されるものだ。それだけに返済への不安を払拭(ふっしょく)するのは容易ではない。親を失い、厳しい家庭環境にある遺児らの場合はなおさらだろう。ためらわずに必要な奨学金を活用してもらうためには現在の返済型では限界がある。  経済的格差が教育の格差に直結する社会は不幸といえよう。それでは当事者ばかりではなく社会全体の損失になる。そうした考えがもっと浸透すれば、給付型奨学金の整備などに対しても一層理解が深まっていくのではないか。  社会全体で奨学金制度を支える仕組みを整えていくことが肝要だ。国だけではなく、自治体や民間の力も合わせて、未来を切り開いていく若者たちの学ぶ夢を尊重すべきだ。 "[he-forum 17641] 京都新聞5/10","京都新聞2013年5月10日付 京都大と滋賀県教委協定  高大連携、推進へ印刷用画面を開く  京都大と滋賀県教育委員会は9日、京都市左京区の京大時計台記念館で高大連携に向けた協定を締結した。京大が教育改革の柱とする高大連携強化の一環で、出前授業や研究室訪問で大学での学びに触れてもらい、意欲の高い高校生の受験につなげる。  京大は、東京大などが進める秋入学よりも入試や学部教育の改革を優先。志願者が作成する「まなびの設計書」などで人格や意欲を審査する「京大特色入試」の2016年度導入を決めている。  協定は、過去5年間に生徒が京大を受験した県立高校を「連携校」に指定。教授らが高校で授業したり、生徒が大学研究室で実習などを受ける。特色入試について高校教員らとの意見交換もする。  京大の松本紘総長は「課外活動やクラブ活動などで幅広く学んできた生徒が不利にならないように入試改革を進めている。連携で学びや研究への意欲を高めることに協力したい」と話した。連携校を代表して膳所高の渕田豊朗校長は「これまでの京大教員による講座でも、生徒の目的意識がはっきりする効果があった」と一層の連携に期待を寄せた。  京大との連携協定は京都府と京都市の両教委も結んでいるが、高大連携を重視した協定は大阪府教委に次いで2件目。 "[he-forum 17647] 佐賀新聞5/14","佐賀新聞2013年5月14日付 有明海再生へ佐賀大、長崎大など4大学連携  有明海再生に向けて科学的な知見やデータを結集しようと、佐賀大など沿岸4県の4大学による共同観測プロジェクトが始まった。国営諫早湾干拓事業の開門調査をめぐって佐賀、長崎両県の対立が続く中、大学の連携を深めてより広範囲で高精度な調査研究につなげ、漁業者や住民、自治体の判断材料となる客観的な情報を提供するのが狙い。「諍(いさか)いの海」から脱却し、地域連携を促して環境や漁業の改善を目指す。  プロジェクトには佐賀大のほか九州大、長崎大、熊本県立大が参加。各大学は、長年の有明海研究の実績や蓄積した調査データを持つ。今後の開門調査も見据えて観測結果などを共有しながら調査と分析を進め、環境異変のメカニズムを解明しようと共同で行うことにした。  メンバーは佐賀大の11人を含む20人。沿岸海洋学、生物学、土木学、法学など幅広い専門分野の研究者がそろい、開門による有明海の環境改善効果についてはそれぞれ賛否や見解が異なるという。  プロジェクトは2018年までの6年間。佐賀大は低平地沿岸海域研究センターが有明海湾奥部に設けた観測タワーによる調査や実地調査などを行うほか、各大学が持っている設備や技術を生かして流速観測や水質調査を進める。開門の前後による環境変化も検証しながら、有明海の総合的な環境対策を検討する。  プロジェクト事務局の速水祐一同センター准教授は「有明海全域の調査や第三者の立場からの中立的なデータ提供が可能になる。開門の是非ではなく、有明海を再生させる未来志向で研究を進め、地域連携につながるよう成果を市民に分かりやすく発信したい」と話す。 "[he-forum 17646] 愛媛新聞5/14","愛媛新聞2013年5月14日付 AO入試などで連携 四国の国立5大学が協定  受験生の個性を重視して書類や面接で選考するアドミッション・オフィス(AO)入試、教育、産学連携の3分野で共同事業をしようと、愛媛大など四国の国立大5校は13日、連携協定を結んだ。愛媛大はAO入試の基幹校となり、2015年実施の入試から総合的に評価する選抜方法の導入を目指す。  愛媛、徳島、鳴門教育、香川、高知の「四国5大学連携による知のプラットフォーム形成事業」は3月、文部科学省の2012年度の国立大改革強化推進補助金事業に選ばれた。文科省の予算は12~17年度の6年間で計約16億5000万円。 "[he-forum 17648] 読売新聞5/22","(2013年5月22日07時24分 読売新聞) 国家公務員3年連続最低評価で免職も…自民原案  自民党の行政改革推進本部がまとめた国家公務員制度改革の原案が21日、明らかになった。  能力や実績を昇給やボーナスに適切に反映させる新たな人事評価制度の導入を求めるとともに、3年連続で最低の評価を受けた公務員を免職処分にするとした。  同本部は22日に安倍首相に内容を報告し、政府が検討している公務員制度改革への反映を求める。  原案は、新たな人事評価制度について、民間企業の例も参考に評価基準を明確化するよう求めた。客観性を確保し、最下位評価となった職員には成績向上のための措置を講じるとした。  現行の国家公務員法は身分保障を定めているが、成績が向上しない公務員については降格や免職処分の対象とすることも明記した。 "[he-forum 17649] 読売新聞社説5/21","読売新聞社説2013年5月21日付 東大の推薦入試 多様な人材発掘につながるか  「受験秀才」ではない有能な人材発掘につながるだろうか。  東京大学が2016年度入試から、推薦入試を導入する。独自の筆記テストを行わない入試は初めてだ。従来の選抜方法では見いだせなかった多様な学生を確保する狙いがある。  入学定員の3%にあたる100人程度の募集を想定している。人数は決して多くはないが、筆記テスト中心の入試の在り方に、一石を投じる試みと言えよう。  東大の浜田純一学長は4月の入学式で、「学部の学生構成の均質性が東大の弱さだ」と述べた。  首都圏や中高一貫進学校の出身者が多く、女子学生や留学生が少ない環境では、学生が切磋琢磨(せっさたくま)して、社会で必要な力を身につける機会が乏しいとも指摘した。  東大は論文数などを指標とした国際大学ランキングでも、欧米の主要大学の後塵(こうじん)を拝している。  あらかじめ「正解」のある問題を手際よく解く能力に秀でた学生ばかりでは、世界で通用する独創的な研究者や様々な分野のリーダーとなる人材が育つのは難しい。今回の入試改革の背景に、そんな危機感がうかがえる。  推薦入試では、高校長の推薦に加え、専攻を希望する分野に関する論文を提出させた上で、時間をかけて面接を行う。意欲や問題設定の能力をじっくり見極めようという姿勢は評価できる。  推薦入試の合格内定者に大学入試センター試験を受けさせるのも特徴の一つだ。一定水準の成績を収めなければ、内定を取り消すこともあるという。  京都大学でも、書類審査や面接などで能力を総合評価するAO(アドミッション・オフィス)型の入試を16年度から始める。東大と同様、センター試験の成績を合否の判断材料とする。  これまで私立大学を中心に導入されてきた推薦入試やAO入試では、学力試験を課さないケースが多かった。東大や京大の新たな入試は、大学生の学力低下を招いたとの批判がある従来の方式とは明らかに異なるものと言える。  東大や京大には、新たな選抜方法で入学する学生の才能を確実に伸ばすことが求められる。東大では早い時期から大学院の授業の聴講を認める方針だ。十分な成果を上げるには、指導方法に工夫を凝らすことが大切である。  首相直属の教育再生実行会議でも大学入試改革がテーマとなる予定だ。東大や京大の取り組みを参考に議論を重ねてもらいたい。 "[he-forum 17651] 日本経済新聞5/22","日本経済新聞2013年5月22日付 「研究の間接経費増額を」 東大・京大など11大、国に提言  東京大、京大など全国11大学でつくる懇談会「RU11」が22日、大学の国際競争力を強化するため、研究環境の整備などに充てる「間接経費」の増加を求める提言を発表した。同日、記者会見した東大の浜田純一学長は「大学改革は切羽詰まった課題。大学運営の機動性を高めるため、間接経費の割合を高める必要がある」と訴えた。  間接経費は、国が大学の研究に直接かかる経費の獲得額に応じて助成する裁量資金。光熱費のほか、研究を補助する人材の雇用などに充てられる。提言は、同懇談会に加盟する大学で現在、直接経費比平均14.2%にとどまる間接経費の割合を30%まで増やすことを求めた。  同懇談会によると、過去10年の大学部門の研究費は米国が1.4倍、中国が4.4倍に増えているが、日本は1.1倍にとどまっており、「日本の科学技術の地位が相対的に低下する要因になっている」としている。 "[he-forum 17650] 西日本新聞社説5/20","西日本新聞社説2013年5月20日付 大学生の奨学金 社会全体で支える制度に  就職難などから、大学卒業後に奨学金を返済できない人が増えている。滞納者を支援する対策を含め、奨学金件制度の拡充を図りたい。  学費は上がる一方で、親からの仕送りなどは減り続けている。大学生が奨学金を利用する割合は年々上昇し、今では2人に1人が何らかの奨学金を受けているという。  日本育英会などを再編した日本学生支援機構が国内の奨学金事業の大半を担っている。機構によると、2011年度の滞納者は約33万人で、01年度の2倍近くになった。滞納額は過去最悪の876億円に上る。  裁判所を通じた11年度の支払い督促件数は1万件を超えた。このため一定の期間を過ぎた滞納者を個人信用情報機関に登録するなど回収に力を入れている。  返済金は新たな奨学金の原資となる。返済しなければならないのは当然だが、卒業して数百万円の借金を返すことができずに自己破産する例もある。  滞納者は、失業者や年収300万円以下の非正規労働者が目立つ。厳しい経済情勢を反映する社会問題でもある。  滞納者の重荷になっているのは、返済額に対して年利10%の延滞金が課されることだ。  機構を所管する文部科学省は、延滞金を年利5%程度に引き下げることを検討している。半歩前進だが、滞納者を大幅に減らす抜本的対策からは程遠い。  所得に応じて返済期限を猶予する制度もあるが、できるだけ負担を軽くし、少しずつでも着実に返済できるような仕組みづくりを進めたい。  一方で、利用する側も注意しなければならないことがある。将来の返済を考え、安易に奨学金を受けることは避けなければならない。あくまで借金である。  かつて奨学金を貸与してきた日本育英会には返済免除などもあったが、機構では原則すべて返済しなければならないタイプとなった。無利子の奨学金もあるが、大半は有利子となっている。  先進国では、返済義務のない給付型が普及している。日本でも家計が苦しい学生には一定の基準や資格に基づく給付型奨学金の導入を急ぐべきだろう。  文科省は本年度予算に、大学生の海外留学を促進するための給付型奨学金として36億円を計上した。来年度以降には、民間資金を活用した「官民基金」の創設を目指している。  国の財源だけでなく、民間の力も利用しながら、安心して大学に通うことができる奨学金制度にしていきたい。  すべての子どもに教育の均等な機会を保証し、大学で優秀な人材を育て、卒業後には社会で活躍してもらう。この仕組みがうまく回り出せば、家計に左右されることなく、希望を持って前に進める社会の実現へ近づくのではないか。  次世代を担う若者を育てる奨学金制度のあり方を社会全体で考えたい。 "[he-forum 17652] 東海日日新聞5/23","東海日日新聞2013年5月23日付 高橋正実さんと顧問デザイナー契約 東海地区の国立大で初・大学の魅力をPR  東京スカイツリーのエレベーターの内装などを手がけたデザイナー高橋正実さんが、豊橋市天伯町の豊橋技術科学大学(榊佳之学長)と顧問デザイナー契約を締結し、同大学の魅力を体系的・統一感のあるデザインで内外にPRしていく。22日、榊学長とともに会見に臨んだ高橋さんは「科学・技術の『見える化』の一助になりたい」と意欲を語った。  高橋さんは町工場が密集する東京都墨田区の生まれ。ラーメンチェーン「スガキヤ」で愛用されている食器「ラーメンフォーク」のデザイナーとしても知られる。コンセプトワークを得意とし、グラフィックやインテリア、空間のデザインからブランディング、地域開発、技術開発等の基本コンセプト構築活動は多岐に渡る。「工場へ行こう!」の著書もある。  同大学の中内茂樹教授が、ユニバーサルデザインに関するシンポジウムで、ものづくりを応援する高橋さんと意気投合。昨年は、高橋さんデザインによるエコバッグを作成した。  同大学によると、東海地区の国立大学法人で、デザイナーと顧問契約するのは初の試み。すでに基本デザインのコンセプト案の提案を受けており、今後、新しいエコバッグや東三河地域にある企業とのノベルティグッズ制作などを行う予定。  会見で高橋さんは「製造現場には技術はあるが、未来へのアイデアが少し足りない。未来から現代を逆算し、社会をデザインすることで、日本の産業活性化や科学・技術の『見える化』の役に立ちたい」と抱負を述べた。 "[he-forum 17653] 山陽新聞5/24","山陽新聞2013年5月24日付 法律分野で総社市と連携協力 岡山大法科大学院が協定  岡山大法科大学院(岡山市北区津島中)と総社市は23日、連携協力に関する協定を結んだ。同大学院が自治体と連携協定を結ぶのは初めて。  大学院は、犯罪被害者や成年後見制度の利用などを支援する総社市権利擁護センター(同市中央)の運営に協力したり、教員による市職員の法務研修を実施。市側は大学院の弁護士研修センター(岡山市北区津島中)に所属する若手弁護士の実務研修の場として市役所を提供することなどを検討している。  市役所で調印式があり、上田信太郎大学院法務研究科長と片岡聡一市長が協定書に署名した。上田科長は「若手弁護士のスキルアップと市民への法的サービスの向上につなげたい」、片岡市長は「大学院の力を借り、総社で起こったことは総社で解決できるようにする」と述べた。 "[he-forum 17654] 西日本新聞社説5/24","西日本新聞社説2013年5月24日付 法科大学院 役割を明確にして改革を  10校のうち9校の割合で定員割れ状態という。このままでは、その存在意義さえ問われかねない異常事態である。  今春、学生を募集した法科大学院69校のうち、93%(昨年度比7ポイント増)の64校で入学者が定員を下回ったことが文部科学省の集計で分かった。  姫路独協大が今年3月に廃止されるなど計5校はすでに学生の募集を停止している。東北学院大も2014年度以降の募集停止を決めるなど深刻な状況だ。  欠員続出の背景には、新司法試験の合格率低迷や法曹(裁判官、検察官、弁護士)への就職先が広がらない事情などが挙げられる。各校は定員を昨年度より計約200人削減したが、志願者総数はこれを大幅に上回る約4500人もの減少となり、定員割れに拍車を掛けた。  内実はもっと深刻だ。入学者総数は2698人にとどまって過去最低を更新し、ピークだった06年度の半数以下になっている。定員の充足率が100%だったのは京都大など5校で、40校は定員の充足率が50%に満たなかった。  全体の充足率も63%で昨年度より7ポイント低下した。全校の3分の1に当たる23校は10人未満の入学者しかおらず、法科大学院の運営や教育の質を確保するのも困難な状況に陥っている。  法科大学院は法曹養成の専門職大学院だ。受験技術優先の旧司法試験を重視した選抜から脱却し、学部段階での専門分野を問わず、幅広く人材を受け入れる教育機関として04年度に発足した。06年から始まった新司法試験の受験資格は原則、法科大学院修了者だけに与えられる。  修了者の合格率は当初7~8割と想定されていたが、実際には3割にも満たない。民間企業や行政機関での需要も予想ほど増えていない。法科大学院を修了しなくても受験資格を取得できる予備試験も11年から始まった。これでは法科大学院から法曹希望者が離れていくのは自明の理であろう。  では、どうしたらいいのか。法科大学院のあり方については、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別委員会が検討している。政府の法曹養成制度検討会議も中間提言で司法試験の合格者数を「年間3千人程度」とする政府計画の撤回を求め、問題を抱える法科大学院の補助金削減強化も求めている。  もちろん、適正な定員管理や教育の質を向上させる必要は言うまでもない。だが、それだけでは不十分だ。重要なのは、法科大学院を単なる司法試験の「受験支援機関」にしないことである。  現在の司法試験は、旧司法試験より科目が増えて受験生の負担が重くなっている。多様な人材を受け入れるため、科目削減も含めて試験内容や合格者決定の方法を抜本的に見直すべきだ。法曹資格取得後の継続教育として法科大学院を有効に活用することを考えてもいい。法曹養成全体の中で法科大学院の役割を明確に位置付け、改革を図っていくべきだ。 "[he-forum 17655] 毎日新聞5/22夕刊","毎日新聞2013年5月22日付夕刊 研究費:東大など11大学、充実要望  東京大や京都大、早稲田大など11大学の連合体「学術研究懇談会(RU11)」は22日、国際競争力強化のため大学の「間接経費」の充実を国に求める提言を発表した。懇談会は、研究に直接配分される経費(直接経費)は人件費などに充てられず、国外の優秀な研究者の獲得を制限し、研究者の正規雇用につながらないなどと指摘した。 "[he-forum 17659] 時事通信5/25","時事通信2013年5月25日15時24分 給付型奨学金に反対=高校無償化の見直しで-財政審  高校授業料無償化の見直しをめぐって下村博文文部科学相が打ち出した「給付型奨学金」構想に対し、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が反対を表明することが25日、分かった。麻生太郎財務相に27日提出する報告書に「新たな奨学金支援を行う必要性は見いだしがたい」と明記する。  下村文科相は2014年度以降、年収が800万ないし900万円を上回るような世帯を高校授業料無償化の対象外にする所得制限を主張。これにより生じる1000億円前後の財源を、低所得世帯への給付型奨学金などに充てる考えを示している。  これに対し、財政審の報告書は、全国の高校生のうち、経済的な理由で中退する生徒は0.03%にとどまると指摘。都道府県が無利子の奨学金を提供していることなどを挙げ、所得制限導入によって浮いた財源は、小中学生にも対象を広げた「教育の質向上」に充てるよう提言する。  財政審が文科相の提案を全面否定したことで、14年度予算案の編成に向けた財務・文科両省の攻防が激化しそうだ。 "[he-forum 17656] 沖縄タイムス5/27","沖縄タイムス2013年5月27日付 奨学金返済へ連携 「悩む人の会」始動  「奨学金返済に悩む人の会」の設立報告会が26日、那覇市NPO活動支援センターで開かれた。病気や非正規雇用による低収入などで返済が滞っている当事者らが初めて集まり、現状や解決策を話し合った。6月下旬に県内外の国会議員らと協力し、最長5年の返還猶予期限を無期限にすることや、年利最大10%の延滞金を無くすよう国に求めていくことを決めた。(與那覇里子)  参加したのは日本学生支援機構(旧・日本育英会)の奨学金返済に困っている人やその親ら。  那覇市の40代の女性は、大学卒業後就職したが体調を崩し、支払いが滞った。172万円を借りたが延滞金が加わり、返済額は約500万円にふくれあがっている。家族にも話せずにいるが最近、17歳の息子が大学進学を機に奨学金を借りたいと言ってきた。「勉強はしてほしいが、同じ思いをしてほしくない」と苦しい胸の内を吐露した。  別の男性(27)は専門学校卒業後、精神疾患と診断され、生活保護を受けている。「借りた270万円を返すのは難しい。生活も厳しく、返済に手が回らない」と訴えた。  奨学金問題に取り組む「沖縄なかまユニオン」メンバーで沖縄国際大非常勤教員の西岡信之さんは当事者約250人から相談を受けた経験がある。いったん支払った延滞金で元本をまかなうことができたケースなどを紹介した。  「悩む人の会」は今後、非正規雇用の拡大などで返済が滞っている当事者らの声を集め、本格的に制度改善に取り組む。比嘉勝子代表は「奨学金問題の解決に向けて連携しよう」と呼び掛けた。 [ことば]  日本学生支援機構の奨学金 同機構は2004年の小泉政権時代に独立法人化、文部科学省が所管する。奨学金は無利子と、最大年利3%の有利子があり、それぞれ月3万円から貸与できる。消費者金融のように貸金業法の規制を受けない。景気の悪化などで期限を過ぎた未返済額は11年度、過去最高の約876億円、滞納者は全国で33万1千人に上る。同機構の調査では、延滞者の83%が年収300万円未満だった。同機構は延滞金の金利を5%程度に引き下げる方針を決めた一方、長期滞納者の回収強化に乗り出している。 "[he-forum 17658] 読売新聞佐賀版5/26","読売新聞佐賀版2013年5月26日付 奨学金滞納額、5年で3倍  経済的に困窮している高校生、大学生を対象にした県の奨学金制度の滞納額が約1億4900万円と、5年前に比べて約3倍に増えている。地域経済の回復の遅れが遠因だが、これ以上滞納額が膨らむと、資金不足に陥る恐れもある。このため運営する県教委は法的手段による回収の検討に入った。(村岡経世)  県庁10階の執務室の一角。奨学金を担当する県教委の職員らが、4月分の返還状況の確認に追われていた。机の上に積まれた同月分の督促状は500通以上。担当職員は「なんとか返してもらわないと」と話した。  県の奨学金制度は1961年度から始まり、国からの交付金と県費を原資にしている。2006年度の貸し付け開始分までは大学生も対象だったが、現在は高校生に限定。奨学金は月額1万8000~5万円で、入学時には一時金として10万~20万円を貸し付け、返還期限は最長20年間。  10年度から高校授業料の無償化制度が導入されたが、奨学金の希望者は増加傾向にある。これまで年間700人程度で推移していたが、ここ数年で増え、12年度は約1000人になった。申請理由は「自営していたが廃業した」「勤め先からリストラされた」などの不況型が目立つ。  奨学金のニーズが高まるなか、増えているのが滞納だ。県教委によると、07年度までの滞納額の累計は約5100万円だったが、08年度約6200万円、09度約7300万円、10年度約9200万円、11年度約1億3100万円と年々増え、12年度(暫定値)は約1億4900万円となり、滞納者は約1200人に上る。  返還率をみると、07年度は88%だったが、12年度は80%にダウン。「非正規の仕事で生活が苦しい」「失業した」など返還に関する相談が増えており、背景に不況や不安定な雇用状況があるとみられている。 ◇県教委、回収に法的手段検討  制度では、低所得で返還困難な場合などに猶予を認めている。滞納となるのは、無断で払わなかったり、猶予が認められなかったりしたケースで、中には正当な理由を示さないまま10年以上も滞納しているケースもある。  県教委はコンビニエンスストアで支払える納付書の配布や、民間の債権回収会社に長期滞納者への督促を委託するなどの対策を講じている。ただし、教育支援の制度のため、文書や電話で返還を要請する「モラル頼み」を基本としており、これまで強制的な取り立ては行っていなかった。  現在、検討している法的手段は、簡易裁判所への支払督促の申し立てや、給与・財産の差し押さえなど。県教委教育支援課は「本当に必要な人に貸せない事態は避けなければならない。返還の呼びかけを徹底するとともに、滞納期間が長期にわたるなど悪質な例には厳しく対処するよう対応を改めたい」と話す。 ◇熊本、鹿児島で返還率改善  奨学金の滞納について、各地で様々な回収方法が導入されている。  熊本県教委は、2010年度から滞納者の預金や給与、自動車などを差し押さえる法的措置に踏み切った。  開始前の09年度は滞納者756人、返還率75.3%だったが、11年度は217人、82.7%に改善した。担当者は「申請段階で、滞納した場合は厳しく対処することを強調している」と話す。  鹿児島県で奨学金制度を運営している同県育英財団は、09年度から「債権管理協力員」を20人程度に増員し、離島を含む県全域に配置した。滞納者の自宅を訪問するなどして、返還を促している。  12年度の返還率は75.05%で、導入からの4年間で約7ポイント上昇している。担当者は「直接会って、滞納していることを相手に意識してもらうことが、返還につながる」と指摘する。 "[he-forum 17657] 時事通信5/28","時事通信2013年5月28日9時44分 世界100位に10校以上を=大学改革で首相に提言-再生会議  政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は28日、首相官邸で大学改革などに関する提言を安倍晋三首相に提出した。国際社会で活躍できる人材育成に向け、今後10年間で世界の大学ランキング100位以内に10校以上をランクインさせるとの数値目標を設定。小学校英語教育の教科化や低学年化も盛り込んだ。同会議の提言は、いじめ対策と教育委員会改革に次いで3度目。  安倍首相は提言を受け、「しっかりと政府において取り組んでいきたい。同時に、各大学にもご協力をいただいていきたい」と述べた。  提言は、日本の大学について「グローバル化の遅れは危機的状況」と指摘。2017年までの5年間を「大学改革実行集中期間」とするよう政府に要請した。英教育情報誌が昨年10月発表した世界ランキングで、100位以内に入った日本の大学は東京大、京都大の2校にとどまっており、大幅増を目指す。 "[he-forum 17662] 中日新聞富山6/1","中日新聞富山版2013年6月1日付 大学と地域 連携活発 富大 拠点事業構想を発表 知事と学長会談  県内で、周辺自治体と連携して、地域の課題解決に積極的に取り組む大学などの教育機関が増えている。三十一日に県庁であった石井隆一知事と富山大の遠藤俊郎学長との会談では、連携の重要さが互いに強調された。地域の中核的存在を目指した文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」(大学COC事業)には、県内の大学、高専、短大七校のうち五校が申請している。  COCは、センター・オブ・コミュニティーの略。事業は、県や市町村と連携して社会貢献を進める大学や高専、短大などの教育機関五十校を選び、本年度からの最大五年間で最大五千八百万円を助成する。県内からは富山大と県立大、富山福祉短大、富山国際大、富山短大の五校が申請した。八月上旬に選定される。  会談では、富山大のCOC構想を発表。本年度中に大学内に「COC推進委員会」を置き、大学が取り組む地域課題を協議するほか、県と市町村、産業界、教育界との間で「地域課題検討会議」を設けて、取り組みが必要な課題をまとめる。  COCに、遠藤学長は「他大学を含めながら、力を入れて取り組みたい。これまでの全ての活動を包括する形」とし、石井知事は「さらに一段と飛躍し、内容を拡充していくことには大賛成。ぜひ頑張ってもらいたい」と話した。  県立大(射水市)では二〇〇四年度に地域連携センターを大学の窓口として開設。企業などから相談があれば、コーディネーターが大学の教員や研究グループとつなげている。今後は窓口を拡大し、相談を受けるのみならず、地域課題を具体的に提案する仕組みづくりに取り組むという。  地域連携センターの岡田敏美センター所長は「開校当時から地域連携を理念に掲げてきた。工学部の単科大だが、規模は小さくても積極的に取り組んでいける」と前を見据える。  文科省によると、〇六年に改正された教育基本法で、大学の役割として「成果を広く社会に提供する」ことが指摘された。担当者は「地域に根ざした学生の育成や社会貢献の担い手になることが期待されている」と話している。 (石井真暁) "[he-forum 17661] 沖縄タイムス社説5/31","沖縄タイムス社説 2013年5月31日付 [奨学金返済問題]県内の実態把握を急げ  日本学生支援機構(旧日本育英会)が大学生や専門学校生に貸し付ける奨学金の返済滞納額が年々増え続けている。2011年度は全国で約33万人が滞納し、滞納額は過去最高の876億円になった。  長引く不況で、大学を卒業しても就職できず、あるいは低所得雇用を余儀なくされた結果、返済が滞っている人が多いと指摘されている。  こうした状況に危機感を抱き、今年3月、全国の弁護士らが「奨学金問題対策全国会議」を設立した。奨学金問題で全国組織ができるのは初めてで、問題が深刻化している一端と受け止めたい。  設立時の集会では、連帯保証人の事業破産や自身の派遣切りで返済に苦しむ当事者の訴えや、滞納金の回収を強化する支援機構側に「貧困者を対象にもうける金融ビジネス」との批判も出た。  弁護士らによると、バブル崩壊以降、高校新卒者向けの求人が激減し、高卒のままで非正規になるよりも、有利子の奨学金を借りてでも進学したほうがいいというのが背景の一つという。  県内でも奨学金問題に取り組む「沖縄なかまユニオン」が中心となって今月、「奨学金返済に悩む人の会」が発足した。ユニオンには過去5年間で奨学金関連の相談が約200件寄せられている。  県内は失業率が高く、低所得者層が多いとされる。借りた金は払うのが当たり前という筋論は当然だとしても、奨学金を返済したくても払えない実態がどうなのか、丁寧な把握が必要だ。     ■    ■  悩む人の会の初会合では、大学卒業後就職したものの、体調を崩し、奨学金の返済が滞った40代女性が悩みを打ち明けた。172万円を借りたが、延滞金が加わり、返済総額は500万円に膨れあがっているという。  奨学金は無利子のほか、最大年利3%の有利子で借りる方法がある。ただ、返済金を滞納すると、最大10%の年利をペナルティーとして課される場合もあり、多大な借金を抱える要因の一つだ。  この現状に政府は返済に苦しむ低所得層に配慮し、延滞金の年利について早ければ来年度に最大5%程度に引き下げる方向で調整している。  ただ、教育の機会均等を目指した奨学金制度の抜本的改革を求める声も強い。奨学金の返済が原因で若者の将来が左右されるようでは、社会全体にとってマイナスだ。無利子奨学金の拡充や返済の必要がない給付型奨学金など未来が描ける改革にしてほしい。     ■    ■  日本は経済協力開発機構(OECD)諸国の中で、教育への公的支出が国内総生産比で最も低い国だ。時代に沿った大学教育をどう進めていくのか、視野を広げて奨学金問題を考えるべきだ。  11年度の奨学金利用者は約130万人、大学と専門学校生の3人に1人が借りている計算になる。貸付残高は7兆円を超える。  人口比からすれば県内学生も相当数が奨学金を受けている可能性があり、県も国や同機構だけに任せず、積極的に現状を把握してほしい。 "[he-forum 17660] 秋田魁新報社説5/31","秋田魁新報社説 2013年5月31日付 教育再生3次提言 どう実現するかが課題  政府の教育再生実行会議が「これからの大学教育などの在り方」に関する提言をまとめた。2月の「いじめ対策」、4月の「教育委員会制度改革」に続き第3次の提言となる。矢継ぎ早の取りまとめは安倍政権の意気込みを感じさせる。  大学をはじめ高等教育改革に必要なことはほぼ網羅したとされるだけに、内容は実に多岐にわたり、高い目標がいくつもちりばめられている。徹底した国際化を断行し、今後10年間で世界の大学トップ100に10校以上をランクインさせたいというのは代表例といえる。  小学校の英語教科化や中学校英語の英語による授業、先進的な高校「スーパーグローバルハイスクール」(仮称)の指定制度もその一環だ。小学校段階から英語力や国際的素養の積み上げを図り、大学のレベル向上につなげるというのは自然な流れではある。  グローバル化が急速に進む中、思い切った教育改革で世界に伍(ご)して活躍できる人材を育成していく—。この狙いに反対する人はまずいないだろう。問題は別のところにある。どう実現するかだ。  最大の課題はやはり、いかに財源を確保するかになる。提言には日本人留学生の12万人への倍増、研究支援の充実、社会人の学び直し支援といった項目も並ぶが、新たな予算が必要なものがめじろ押しなのだ。  財政健全化が求められる中、あれもこれもというわけにはいかない。それでなくても安倍政権は公共事業費の増加や成長戦略の諸施策で歳出が膨らみそうな雲行きなのである。  提言段階とはいえ、財源の裏付けが見込めないようなら、「絵に描いた餅」にすぎないことになる。言い換えれば、安倍晋三首相の本気度、あるいは実行力が試される。  身近なところでは、小学校の英語教科化も課題として浮上してきそう。ただ本県は既に英語力向上対策に力を入れている。英語では全国的に評価の高い国際教養大も控える。小中学校の学力が全国トップ級という実績も強い味方となる。  今後、文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」で議論される見通し。計画がいくら良くても、実現できないようでは意味がない。教育現場が無理なく取り組めるような具体策が欠かせない。  安倍首相が「国の力を強める提言」「大学力が成長戦略の柱だ」と強調してやまない点もやや気になる。国力アップや経済成長に役立たない場合はどうなるのかという疑問が生じてくるからである。  大学はまず何より真理探究の場としての顔を持つ。豊かな人間性を育むこともまた大事だ。役立つか役立たないか、実利があるのかないのかに力点が置かれ過ぎると、大学本来の存在意義が薄れることも頭に入れておきたい。 "[he-forum 17663] 東京新聞5/31","東京新聞 2013年5月31日付 <はたらく>大学非常勤講師の契約期間 「通算5年上限」就業規則に反発  非正規労働者が五年を超えて勤めると、期間の定めのない雇用契約に転換できるとした四月の労働契約法改正を受け、大学で働く非常勤講師の契約期間を通算五年に限る動きが出ている。五年上限を定めた就業規則を新たに制定した早稲田大では、非常勤講師の労働組合が大学を刑事告発。同様に五年の上限を設けた大阪大でも、反発が広がっている。(稲田雅文)  早大で語学の非常勤講師を務める四十代男性は三月下旬、大学から届いたメールの内容に目を疑った。非常勤講師向けの新しい就業規則で、これまで上限がなかった雇用契約期間を通算五年までとする内容だった。  一コマ九十分の講義をする契約を、一年ごとに更新する働き方を十年以上続け、別の大学の講義を掛け持ちしても年収は三百万円ほど。妻と共働きで家計が成り立っている。新しい就業規則が適用された場合、五年後に収入は半減するかもしれず、不安を抱えながら教壇に立つ。「大学が弱い立場の人間を切り捨てるようなことをして、まともな教育ができるのか」と憤る。  早大文科系の非常勤講師を務める五十代男性は、昨年度のカリキュラム改編に伴い、受け持つ講義数が半減した。別の大学の講義も、同じくカリキュラム改編で二年後になくなる。五年後に残りの講義もなくなったら「生活は成り立たない」と男性。  専任教員の募集に応募をしているが、断られるばかり。「この年だと専任教員となるのは無理。新しい職に就くのも難しい」      ◇  首都圏大学非常勤講師組合の松村比奈子委員長らは四月上旬、大学が進めた就業規則作成の手続きは、労働基準法に違反している疑いがあるとして、早大の鎌田薫総長と常任理事ら計十八人を東京地検に刑事告発した。  同法九〇条では事業主に対し、新しく就業規則を作成するときは、事業場ごとに労働者の過半数代表者の意見を聞くよう定めている。就業規則作成の動きを知った組合の申し入れで実施された団体交渉で、大学側は二月に過半数代表の選出の手続きを進めたと説明した。しかし、組合によるとこの時期は入試期間だったため、非常勤講師は大学構内に入れなかったという。  松村委員長は「大学の教育を支える非常勤講師の意思を反映させないための悪質な期間設定だ」と批判する。  組合によると、早大では教授など専任や専任扱いの教員は二〇一二年度に約二千百五十人。これに対し、非常勤講師は約三千七百六十人に上り、客員教授らも合わせた非常勤の教員は四千二百六十人にも上る。年収一千万円を超える専任教員がいる半面、非常勤講師は同じような教育研究で百五十万円にしかならない。松村委員長は「五年の雇い止めは格差を永続化させ、大学内の身分制社会を固定化する」と語る。今後は労働委員会に救済を申し立て、五年上限の撤回を求める考えだ。早大は「詳細が分からないため、コメントは控えたい」とした。 ◆大阪大でも告訴へ  大阪大も四月、非常勤講師の契約期間の上限を五年とする規定を設けた。関西圏大学非常勤講師組合は、労基法違反で大阪大を大阪地検に告訴する考えだ。  組合は団体交渉で五年の上限を設けないよう求めたが、大学側は「非常勤講師と結んでいるのは労働契約ではなく、民法に基づく準委任契約。労働者に当たらない」と主張。過半数代表者の意見を聞かないまま、規定の施行を強行したという。  組合の新屋敷健委員長は「労働者でなければ、労働契約法に基づいて、五年の上限を設ける必要はないはず。大学は法律の都合の良いところだけ持ち出している」と批判する。大阪大は「毎年予算が削減されており、実現できない約束はすべきではない」と五年上限を設けた狙いを説明する。 "[he-forum 17664] 毎日新聞6/1","毎日新聞 2013年06月01日 大阪朝刊 立命大ボーナス訴訟:和解成立 支払額、1審上回る公算--大阪高裁  立命館大などを経営する学校法人立命館(京都市中京区)がボーナスを一方的にカットしたのは不当だとし て、大学や系列学校の教職員(退職者ら含む)205人が法人に計3億1200万円の支払いを求めた訴訟は31日、大阪高裁(八木良一裁判長)で和解が成立 した。法人が解決金計1億2540万円を支払うとの和解内容。  1審・京都地裁判決(昨年3月)は「ボーナス切り下げの差し迫った事情はなかった」と指摘し、労働組合との合意なしに1カ月分を減額した法人に2005~07年度のカット分計2億2900万円の支払いを命じていた。  原告側によると、法人が和解条項とは別に今年度のボーナスで一律5万円を上乗せする姿勢を示したため、和解に応じた。上乗せされるのは一時金の労使交渉の対象となる教職員約2000人に上り、法人の支払額は1審判決の水準を超える見込みだとしている。  記者会見した原告団副団長の斎藤敏康教授は「勝利的和解だ。賃金問題で係争している他の大学に影響があると思う」と述べた。法人は「和解の成立は意義があると考える。今後も教育・研究活動にまい進したい」とコメントした。【内田幸一】= "[he-forum 17665] 立命館学園一時金訴訟をすすめる会声明 5/31","立命館学園一時金裁判の和解成立に当たって ≪声明≫ 2013年5月31日 「立命館学園一時金訴訟をすすめる会」世話人会 〔一〕 私たちが2007年11月に提訴した「立命館学園一時金訴訟」は、京都地裁における一審勝利判決の後、立命館法人側が控訴し、2012年9月以降、大阪 高裁において和解協議が行われてきたが、5月31日、8回目の協議において以下の解決金に基づく和解が成立した。これまでの協議で確認された事項を含め、 和解金の総額は概ね以下のような内容である。 (1)和解金額は1億2540万円である。これは当初訴額の約39%、一審判決の約55%に当たる。また現職教職員の一時金上乗せ分(710万円)を加えた額、1億3250万円は訴額の約43%、一審判決の約58%になる。 (2)法人側は、今回の和解に当たって、学園のすべての現職教職員に対し13年度一時金に一律一定額を上乗せするとしている。この現職教職員全員への一時金増額を含めると、法人が今次和解のために支払う金額は、京都地裁判決の水準を超えると推計される。 〔二〕 この和解成立によって、一審の京都地裁判決が金額を除いて確定する。社会的には、法人側は金額を除く一審判決を是認し、それゆえ和解金として1億 3250万円を支払うと理解される。これは私たちにとって勝利和解である。誠実交渉義務違反や「一時金は賃金の一部である」ことなどを認定した一審判決は 学園における今後の労使交渉の規範とされなければならない。また私たちの勝利和解は賃金。一時金問題で係争中の全国の大学などに一定の影響を及ぼすことに もなろう。 〔三〕 そもそも私たちの訴えの趣旨は、05年乃至07年の一時金1か月カットが不当であり、数々の不当労働行為、誠実交渉義務違反が存在したことを認めさせる とともに、業務協議会を中心とした正常な労使交渉と労使の信頼回復、ならびに理事長・総長による専断的な大学運営を改め、立命館の民主的な制度、運営を回 復することであった。  このうち、私たちは裁判闘争においては勝利和解を勝ち取ることができた。また教職員組合の奮闘や関係者の努力によって、業務協議会を中心とした労使交渉 も一定の前進を見せている。しかし労使の信頼回復は未だ道半ばであり、理事長・総長による専断的な運営の改革や民主主義の回復に至っては前途遼遠と言わぎ るを得ず、現状を憂慮する人々との厳しいつばぜり合いが展開されている。  とりわけ学園は今、茨木校地への移転と展開に関して財政破たんの危機を手んだまま重大な決定を行おうとしている。多くの教職員が不安や疑間を感じてお り、全学の教授会からも批判的な意見書が多数表明されている。私たちはこれまで確かに「訴訟」という単一の課題で結束して運動を進めてきたが、和解が成立 すれば「後のことは我関せず」という態度で済ますわけにいかないことは明らかである。訴訟のたたかいを担ってきた者として、運動の成果を学園における民主 的なガバナンスの構築にどう結び付けるのか、そのことを考え、行動する必要があると思われる。 〔四〕 私たちの5年6カ月に及ぶ裁判闘争を終始支えてくれた弁護団、立命館教職員組合連合、京滋及び日本私大教連、立命館の民主主義を考える会、地裁の証人調 べに立たれた佐々木嬉代三氏、松宮孝明氏、これまで応援していただいたすべての人たちに感謝したい。また、原告として一致団結してたたかってきた205名 の皆さんに敬意と誇りを覚える。最後までともに歩んでいただいた「立命館学園一時金訴訟をすすめる会」の皆さんの努力と世話人会に対する信頼に感謝した い。 "[he-forum 17666] 読売新聞和歌山6/4","読売新聞和歌山版 2013年6月4日付 和歌山大に学長アドバイザー  和歌山大(和歌山市栄谷)は3日、大学の経営や教育研究について指導や助言を行う「学長アドバイザー」を新設し、県出身で元国土交通事務次官の谷口博昭氏(64)と、同大経済学部OBで大和証券グループ本社名誉顧問の原良也氏(70)に委嘱したと発表した。任期は2015年3月31日まで。  谷口氏は旧建設省に入省後、主に道路行政に携わり、近畿地方整備局長や技監などを経て国土交通事務次官に。現在は「国土技術研究センター」研究総括監。  原氏は和歌山大卒業後、大和証券に入社し、事業法人営業副本部長、同証券グループ本社会長などを歴任した。いずれも無報酬で、防災分野や大学改革について山本健慈学長にアドバイスをしていくという。  山本学長は「第一線で幅広くご活躍されているお二人に、社会状況を踏まえた助言をいただきたい」と話している。 "[he-forum 17667] 産経新聞近畿6/4","産経新聞近畿版 2013年6月4日付 観光学部に博士課程 和歌山大学が設置を申請  和歌山大学(和歌山市)は3日、大学院に観光学を研究する博士課程の設置を文部科学省に申請したと発表した。来年4月の開設を目指す。  和歌山大は平成19年に経済学部内に観光学科を設置し、20年に観光学部となった。23年には大学院に修士課程が設置された。  博士課程の申請は5月31日付。開設が認められれば、観光学の分野で学部から博士課程までがそろう全国で初めての国立大学となる。  「観光は地域づくりや町づくりと重要な関わりがある」(担当者)として、世界遺産の熊野古道などがある和歌山で、観光についての専門性が高く、実務にも精通した人材の養成を目指す。定員は6人で3年制。  山本健慈学長は「国際水準の観光学研究を進め、社会変化に対応できる実務家を養成することで地域に貢献していきたい」と話した。 "[he-forum 17669] しんぶん赤旗6/6","しんぶん赤旗 2013年6月6日(木) 無期雇用へ支援を 研究者処遇 宮本氏が是正要求 衆院科技特委  日本共産党の宮本岳志議員は5月30日の衆院科学技術イノベーション特別委員会で、科学技術を支える研究者の処遇や雇用が危機に直面している実態を告発し、是正を求めました。  宮本氏は、労働契約法改定で有期契約の研究者が無期雇用へ転換となる5年の直前で雇い止めされる動きが大阪大学などで現実に起きていると指摘。「法の趣旨に反する状態を放置するな」と迫りました。  山本一太科学技術政策担当相は、「若手研究者から雇い止めの懸念が出されている。フォローアップ(追跡調査)していく」と答えました。  宮本氏は、運営費交付金など基盤的経費の削減で非正規雇用を増やさざるをえない大学の実態を示し、「無期(雇用)への転換に必要な財源を国として確保することが必要だ」と迫りましたが、山本担当相は「運営費交付金は必要不可欠な基盤的経費だ」と述べるにとどまりました。  宮本氏は、「基盤的経費の充実を求める大学の声に真剣に耳を傾けるべきだ」と主張しました。= "[he-forum 17668] しんぶん赤旗6/6","しんぶん赤旗 2013年6月6日(木) 給与の削減を強制 国立大・独法 塩川氏が政府批判 衆院総務委  日本共産党の塩川鉄也議員は5月30日の衆院総務委員会で、政府が国立大学法人や独立行政法人の運営費交付金を削って給与削減を強制している問題を取り上げ、デフレ脱却にも逆行する賃下げをやめるよう求めました。  塩川氏は、▽運営費交付金の削減▽催促と点検の実施―で給与削減に追い込むのは、地方交付税を削って地方公務員給与の削減を強制するやり方と同じ だと指摘。これまでも人事院勧告を受けて各大学に要請することはあったが、同勧告と連動して交付金を削った前例があるかとただしました。文科省の常盤豊大 臣官房審議官は「勧告に連動して額を決定したことはない」と答えました。  塩川氏は、政府から独立して自主的に運営するという大学法人化の目的を政府自身が踏みにじる不当な賃下げだと各地の組合が提訴に踏み切っているこ とを紹介。大学執行部と教職員との溝が生まれるなど深刻な事態になっていることへの認識があるかと批判し、「現場の混乱に耳を傾けずに、大学本来の役割は 果たせない」と強調しました。 "[he-forum 17670] 日本経済新聞6/6","日本経済新聞 2013/6/6 12:18 センター試験に変わる新テスト AO入試に活用も  下村博文文部科学相は6日、高校在学中に複数回受けられる「到達度テスト」(仮称)を創設し、5年後をメドに大学入試センター試験を廃止 することについて「制度設計の方向性は間違っていない」と述べた。そのうえで政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)の提言を受けて、詳細を 検討するとした。  実行会議は同日、大学入試改革に向けた議論をスタートさせた。安倍晋三首相は会合の冒頭で「高校と大学の接続のあり方は極めて重要。大学入試に過度にエネルギーを集中せざるを得ないことがわが国の教育の問題だ。幅広い観点から議論してほしい」と述べた。  大学入試を巡っては、年1回の共通テストによる合否判定を重視しすぎるとの指摘がある。また学力を問わないAO(アドミッションオフィス)入試や推薦入試も広がり、学習時間が短く、学ぶ意欲の低い大学生の増加が懸念されている。  文科省はこうした問題点を解決するため、到達度テストの成績をAO入試や推薦入試の合否判定の条件に盛り込むことを各大学に奨励する考えだ。これに応じた大学には金銭的な支援を行うことなども検討する。  実行会議は到達度テストの活用方法のほか、論文や面接など多面的な評価方法の活用▽高校と大学の接続のあり方▽英語能力テスト「TOEFL」など外部試験の入試への活用――などを議論し、9月をメドに安倍首相に提言する。 "[he-forum 17671] 共同通信6/6","2013/06/06 11:08 【共同通信】 文科省、センター試験廃止検討 複数受験、到達度を測定  今年1月の大学入試センター試験=東京・本郷の東京大学  文部科学省は6日、大学入試センター試験を廃止し、高校在学中に複数回受験できる「到達度テスト」を創設する検 討に入った。共通1次試験から続いた年1回のテストが合否を左右する方式から転換し、高校で基礎学力が定着しているかを測る試験に衣替えする方針。早けれ ば5年後をめどに導入する考えだ。  到達度テストは年2~3回の実施を想定。最も成績の良かったものを受験に利用できるようにする。問題は3段階程度のレベルに分け、進学先の条件に合わせて選ばせる方針。点数のない資格試験とする案もあったが、入試への利用が難しいことから得点を付ける試験とする見込み。 "[he-forum 17673] 時事通信6/6","時事通信 2013年6月6日19時50分 「到達度テスト」の導入検討=センター試験見直しも-大学入試改革で再生会議  政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は6日、首相官邸で第9回会議を開き、大学入試改革などをテーマに議論を始めた。現行の大学入試センター試験を見直し、高校在学中に複数回受けられる新しい「到達度テスト」を導入することも含めて議論を進め、9月にも安倍晋三首相に提言する。  下村博文文部科学相は「大学入試は、これからの社会に対応すべき転換点に来ている」とした上で、「どんな入試をするかは、今後の大学教育と同時に高校以下の教育にもかかわる。入試そのものや入試で何を問うかについて、時間をかけて検討していただきたい」と述べた。 "[he-forum 17672] 信濃毎日新聞社説6/7","信濃毎日新聞社説 2013年6月7日付 到達度テスト 受験生のための議論を  文部科学省が大学入試センター試験を廃止し、年に複数回受験できる新制度「到達度テスト」を導入する検討を始めた。  センター試験が始まったのは1990年。共通1次試験が、大学の序列化や偏差値による“輪切り”を助長してきた反省からだった。  私大も参加し、受験科目を各大学が決められるようになった。半面、1点刻みで合否を競う重圧に、受験生がさらされる実態はあまり変わっていない。  到達度テストが詰め込み教育の弊害を取り除き、生徒たちの負担を和らげ、意欲的に学習に取り組めるような制度になるのなら異存はない。議論する政府の教育再生実行会議は、大学や高校の教育の在り方を含め、幅広い観点から検討してほしい。  新制度は基礎学力が定着しているかを測ることを目的に、年2~3回実施。最も成績のよいものを受験に利用できるようにする。問題の難易度を3段階程度に分け、生徒たちに選ばせることを想定している。米国の大学進学適性試験「SAT」に近い。  学生の学力低下に大学側が危機感を募らせている。学力試験を課さない入試や推薦で入学する学生が増えていることが要因の一つとされる。学生に高校科目の補習授業を受けさせる大学は多く、予備校から講師を招いているところもある。こうした実情も到達度テスト検討の背景になっている。  気になるのは、難易度を「3段階程度に分ける」としている点だ。また、生徒たちを“輪切り”することにならないか。  米国ではSATの点数とともに、高校の成績が重視される。両方の基準を満たしていれば願書を出すことができ、大学の多くは課外活動、論文、面接などの評価を加えて合否を決める。  日本でもテストは一律にし、基準点を満たせば希望先に出願できるようにしてはどうか。出題も、学校で勉強していれば答えられる内容にとどめるべきだ。  肝心なのは入り口で競うことより、大学に入ってからだろう。到達度テストが、生徒たちを新たな受験対策に駆り立てるようでは改革にならない。  「大学全入時代」と言っても、進学率は50%ほどだ。生徒たちの卒業後の進路が多様化する中で、それぞれの高校が選択できる履修科目の幅を広げている。  新制度が、各校の特長や生徒たちの学習ニーズに影響しないよう配慮が欠かせない。 "[he-forum 17674] 秋田魁新報6/6","秋田魁新報 2013年6月6日付 弘大医学部に寄付講座、大館市 人材育成、技術向上図る  深刻化する医師不足に対応するため、大館市は10月から弘前大学医学部に寄付講座を開設する。2017年度までの4年半、県補助で「地域医療推進学講座」を設ける計画で、大学から臨床指導医を派遣してもらい、人材育成にも取り組む。  大館市によると、研究内容は▽大学指導医による大館北秋田地域の診療支援ネットワークの構築▽若手医師の人材育成▽がん、糖尿病などの予防策について、市民講座を通じた市民への啓発—を想定。  研究を通し、地域医療に従事する医師の養成を支援するほか、指導医の派遣を受け中堅クラスの医師の技術向上も図りたい考え。 "[he-forum 17676] 南日本新聞社説6/8","南日本新聞社説 2013年6月8日付 [大学入試改革] 学習意欲高める制度に  文部科学省は大学入試センター試験を廃止し、高校在学中に複数回受験できる「到達度テスト」を創設する検討を始めた。早ければ5年後をめどに導入する考えだ。  入学志願者の基礎学力をより正確に測る制度にしようというのが狙いである。年1回のテスト結果が進学先に直結する「一発勝負」のセンター試験が廃止されれば、共通1次試験が始まった1979年以来の抜本改革になる。  センター試験は50万人以上が志願する入試制度だ。見直しの影響は教育界だけでなく多方面に及ぶ。専門家や教育現場の声を聞きながら幅広い議論をしてほしい。  文科省は到達度テストの導入で、大学志願者の学習意欲を引き出し、国際的に活躍できる人材を育成する方針だ。政府は大学の教育・研究機能の強化を成長戦略に盛り込んでいる。入試制度改革はその柱といえる。  センター試験は1点刻みのテスト結果が大学の合否を左右する手段として使われ、基礎学力を測る当初の目的が薄れていると、長年改善が求められていた。大学入試が「暗記に偏っている」との批判も見直しの背景にある。  到達度テストは年2、3回実施し、最も成績のよかったものを受験に利用できるようにする。問題は3段階程度のレベルに分け、進学先の条件に合わせて選ばせる方針という。  具体的な制度設計はこれからだ。実施する学年や既卒者の扱い、各高校の授業の進行状況との兼ね合いなど、課題は山積している。中教審や教育再生実行会議などが行う議論に注目したい。  海外では到達度テストを利用した入試が行われている。米国では7回受験でき、高校の成績や小論文を加味して合否を決める。フランスの受験機会は1回だが、記述と口述試験で多様な能力を評価し、大学入試資格を与えている。  文科省はこうした先進事例を参考にして議論する意向だ。各大学に2次試験で筆記のほかに面接や論文の組み合わせることを求め、受験生の多様な能力を判断して合否を決める入試への転換を促す。  現行の入試では学力試験を課さないアドミッション・オフィス(AO)や推薦など多様化が進み、到達度を測る仕組みがないとされる。文科省は、到達度テストの併用で高校の学習量を維持したい考えだ。学力の底上げも考慮に入れた検討も期待したい。  日本の大学進学率は50%を超え、大学入試への国民の関心は高い。混乱を避けるためにもどんな議論が行われているか、途中経過も含め丁寧な説明が求められる。 "[he-forum 17675] 西日本新聞社説6/8","西日本新聞社説 2013年6月8日付 大学入試改革 センター試験やめるなら  大学入試センター試験を廃止し、替わりに高校在学中に複数回受験できる「到達度テスト」を創設してはどうか-。  文部科学省が大学入試の抜本的改革の検討に入った。早ければ5年後にも導入する。政府の教育再生実行会議で議論し、9月にも提言をまとめる予定だ。  センター試験をめぐってはさまざまな意見があるが、前身の共通1次試験を含めると30年以上続いており、定着している受験方式である。全面的に改めるとなれば、受験生はもとより、高校や大学など教育現場に多大な影響があろう。  現行制度と比べ、どのような利点があるのかを具体的に示した上で、関係者の理解を得るための丁寧な説明と、現場の混乱を招かない十分な配慮が必要だ。  マークシート方式の共通1次試験は1979年、国公立大に導入された。過度の受験競争の反省からだった。90年に始まったセンター試験には私大も参加し、科目を大学が指定できるようになった。  2013年度入試では、国公私立合わせて840大学(短期大学含む)がセンター試験に参加し、全大学入学志願者の7割超に当たる約54万人が受験した。  センター試験は本来、受験生の基礎学力を判定することが目的で、それに各大学が独自試験の結果を加味して入学者を選抜することを前提としていた。  ところが、少子化によって数字上、希望者が全員大学に入れる「全入時代」の到来をにらみ、学生確保のために入試科目を少なくしたり、センター試験だけで合否判定したりする大学が相次いだ。  さらに推薦入試や面接・論文で審査するアドミッション・オフィス(AO)入試が急増した。12年度に入学した大学生の4割以上は学力試験を受けていない。  入試のハードルが下がるのに伴い、大学生の学力不足が問題視されるようになった。学力試験を課さない大学からは「高校で学習到達度を測る仕組みを」との要望が強まった。センター試験の開始当時と比べ、社会、教育環境は様変わりしている。時代に応じた手直しは必要だ。問題は何を、どう変えるか、である。  文科省は、年2~3回程度の到達度テストを行い、最も成績の良かったものを受験に利用することを想定している。  「一発勝負」をやめ、複数の機会を与えることで、学力をより公正に評価で きるかもしれない。一方で、試験回数が多くなり、試験対策の期間も長くなれば、生徒の負担増が懸念される。部活動など学校生活にも支障が出かねない。  授業内容の変更を迫られる学校側の反対もあろう。年数回の試験問題を誰が作り、どう実施・評価するかも課題だ。  到達度テストは欧米の制度を参考にするという。こうした国の大学は、入学より単位を取得して卒業する方が難しいことが少なくない。見直すのであれば、大学合格をゴールとする受験教育を改め、大学で何を学ぶかを重視し、大学改革と連動した入試制度の再構築を求めたい。 "[he-forum 17677] 秋田魁新報社説6/8","秋田魁新報社説 2013年6月8日付 大学入試改革 望ましい制度へ議論を  大学入試制度が大きく変わる可能性が出てきた。現行の大学入試センター試験を廃止し、基礎学力の定着度を測る「到達度テスト」への転換が検討されている。文部科学省は早ければ5年後の導入も視野に入れているというが、制度変更は教育全体に大きな影響を及ぼすだけに十分な議論が必要だ。  1979年に始まった共通1次試験、それに続くセンター試験は合わせて30年以上続くが、一発勝負の弊害を指摘する声や、1点刻みで得点を競うため知識偏重に陥っているなどとの批判があった。到達度テストは高校在学中に2〜3回受験し、最も良い成績を受験に利用。各大学では2次試験で筆記のほか面接や論文なども組み合わせることを想定している。  1回のテストによる合否でなく、地道な基礎学力での判定に軸足を移す狙いがあるのだろうが、現行制度でも2次試験など複数受験の機会が担保されている。センター試験廃止ありきの議論のようにも受け取ることができ、新制度創設には疑問も残る。  大学生の学力不足、知識不足を嘆く声は強いが、近年、若者たちが指摘されている最大の問題点は何だろう。コミュニケーション能力の不足や、海外への留学者減少などに象徴される内向き志向、課題解決能力の欠如などではなかったか。  一定レベルの知力、学力の必要性は当然として、実社会で生きていく力、社会が求める能力や人間力を育む高等教育のシステムづくりにもっと力を入れるべきではないだろうか。将来の国の在り方を見据え、求められる人間像を実現させるための大学教育であり、それに向けた入試制度であってもらいたい。  そもそも大学の改革を行わず、入試制度だけを見直しても意味がない。1995年度に565校だった大学は、2012年度には783校に増加。大学全入どころか私立大の約半数は定員割れとなるなど、大学の質の問題もクローズアップされている。既存の大学の教育改革も同時に進める必要がある。  到達度テストが導入されれば、高校生が試験対策に長期間追われる恐れも出てくる。多感な思春期に人間性を育む教育や高校生活を確保できるだろうか。学習塾や予備校など受験産業はビジネスチャンスが増えると見ているといい、高校生の負担は逆に増す可能性もある。高校側も受験対策や学校行事の見直しを迫られるだろう。  制度に「完全」はあり得ない。常に現状を見直し、より望ましいシステムを考えていく姿勢は大切だ。教育は国家百年の大計といわれる。大学入試制度に関しては受験生や家族の関心も高く、高校教育への影響も少なくない。それ故にメリット、デメリットをしっかり見極める必要がある。専門家や教育現場の声を十分聞くと同時に、国民への丁寧な説明も欠かせない。 "[he-forum 17678] 佐賀新聞6/11","佐賀新聞 2013年6月11日付 佛淵佐賀大学長、再選 4年間の改革評価  任期満了に伴う佐賀大学学長選考で、学内外の委員でつくる選考会議(議長・指山弘養前県商工会議所連合会長、14人)は10日、現職の佛淵孝夫氏(61)を次期学長に選出した。任期は10月から2年間。  選考会議では、大学運営の改善や学長自ら企業を訪問するなど佛淵氏の1期4年間の取り組みが高く評価された。候補者への面談や協議後に出席者13人の投票が行われ、佛淵氏が過半数を獲得した。指山議長は「学長として改革の先頭に立ち、成果を出しつつある。意欲も高い」と述べた。  佛淵氏は九州大医学部卒。1998年に旧佐賀医科大教授となり、附属病院副病院長などを経て09年10月から学長を務めている。今回の選考では、佛淵氏と農学部教授の野瀬昭博氏(64)が候補になっていた。選考手続きの中で2段階の教職員の投票による意向調査も行われ、いずれも佛淵氏が上回っていた。  学長任期は現職の再任の場合は2年、新任は4年となっている。 "[he-forum 17679] しんぶん赤旗6/12","しんぶん赤旗 2013年6月12日付 国立大賃下げで提訴 京大職組 差額分支払い求める  国家公務員に実施されている平均7・8%の賃金削減に準じて、国立大学法人が賃下げを実施している問題で、京都大学職員組合(全国大学高専教職員組合=全大教=加盟)の組合員ら96人が11日、京都大学を相手取り減額された賃金の差額分1183万円の支払いを求めて、京都地裁に提訴しました。  政府は昨年2月に成立した公務員「賃下げ特例法」に準じて、独立行政法人・国立大学法人に賃金削減を要請していました。これを受けて京都大学は、最大4・35%の賃金を削減する就業規則の変更を提案。国立大学法人職員は、団体交渉権など労働基本権が保障されているにもかかわらず、組合との合意がないまま、昨年8月から賃下げが強行されました。  京大職組の高山佳奈子委員長は記者会見で、「財政状況が悪くないにもかかわらず、合理的な根拠のない賃下げは許されない。世界トップレベルをめざす教育・研究機関として、このようなことでいいのか」と語りました。  国立大学法人などの賃下げをめぐってはこれまでに、全大教・高専協議会、高エネルギー加速器研究機構職員組合、福岡教育大学職員組合、山形大学職員組合、富山大学職員組合の組合員あわせて320人が、同様の趣旨で各地裁に提訴しています。 "[he-forum 17684] NHKニュース6/14","NHKニュース2013年6月14日13時12分 「教育振興基本計画」を閣議決定  政府は14日の閣議で、高校生に基礎的な学力を身につけさせることを目的として、学習の到達度を把握する新たなテストの導入に向けた取り組みを進め、大学の入試に活用するかどうかを含めて検討するなどとした、今年度から5年間の教育振興基本計画を決めました。  それによりますと、教育こそが社会全体の今後一層の発展を実現する基盤であるとして、授業や体験活動などを行うため土曜日の活用を促していくことや、道徳を教科にするための具体的な検討を行うなどとしています。  そのうえで、高校生としての基礎的・基本的な学力を確実に身に着けさせるため、生徒の学習の到達度を把握する新たなテストの導入に向けた取り組みを進めるとしています。  そして、大学の入試に新たなテストの結果を活用するかどうかを含めて、検討を進めるとしています。さらに、海外に留学する日本人を2020年をめどに倍増することを目指し、経済的な負担を軽減するための新たな仕組みを創設するほか、社会人のいわゆる学び直しの機会を充実させるための環境整備を進めるとしています。 "[he-forum 17683] 琉球新報社説6/9","琉球新報社説 2013年6月9日付 センター試験廃止 暗記偏重型から脱却を  文部科学省は、大学入試センター試験を5年後をめどに廃止し、高校在学中に複数回受験できる「到達度テスト」の創設に向けた検討を始めた。1979年に始まった共通1次試験から年1回のテストが合否を左右してきたが、抜本的な制度変更となる。  文科省は「改革」の名に値する制度の設計を慎重に進めてほしい。併せて、教育現場で無用な混乱を招かぬよう、新制度のメリット、デメリットを含め、国民に対する情報開示と説明責任を徹底すべきだ。  共通1次試験と、90年から導入された大学入試センター試験は、30年以上、1点刻みで得点を競う一発勝負の運用がなされてきた。  基礎学力を測るという当初の目的は薄れ、特に国公立大学の入学志望者を対象にした89年までの共通1次は、受験生に原則として5教科を課す方式で「大学の序列化を招いた」と厳しく批判された。  90年開始のセンター試験は、大学が受験科目を自由に選べるようになったが、一発勝負で受験生がふるい落とされる構図は残った。  一方、少子化の進展で、学力試験を課さないアドミッション・オフィス(AO)や推薦入試が広がるなど、学力を測る仕組みについて関係者の懸念は強まっていた。  到達度テストの具体的な制度設計はこれからだが、年2~3回の実施を想定。最も成績の良かったものを受験に利用できるようにするほか、問題は難易度の異なる3段階程度に分け、進学先の条件に合わせて選ばせる方針という。  ただ、学校関係者からは「生徒も教師も試験に追われる生活を送ることになりかねない」との声も上がる。新制度は受験競争の緩和と逆行してはならない。  問題作成にかかる時間やコストが膨大になるとの懸念もあるほか、高校卒業程度認定試験(旧大検)の位置付けや浪人生の受験方法など検討課題は山積する。基礎学力を測る到達度テストが、点数で受験生を振り分ける手段となり、センター試験の二の舞いにならないとの保証もない。  こうしてみると、大学入試改革は、知識の暗記に偏った従来方式から脱却し、思考力や問題解決力を含めた真の学力の底上げにつながることが肝要と言えよう。  文科省や関係者には入試の在り方にとどまらず、国際社会に通用する人材をどう育成するか、国家像を踏まえた議論を求めたい。 "[he-forum 17681] 中国新聞社説6/8","中国新聞社説 2013年6月8日付 センター試験廃止検討 真の教育改革へ議論を  大学入試をどう改革するかは日本の教育全般、さらには学歴社会の行く末に関わる問題といえよう。国づくりを支える人材養成である。5年間の論議で決着できるだろうか。  文部科学省が大学入試センター試験を廃止する検討に入った。早ければ5年後、高校在学中に年2~3回受ける「到達度テスト」を設けて置き換える方向という。  センター試験が受験生に与えるプレッシャーは大きい。試験前日に風邪をひいたり、当日に電車やバスが遅延したりと、運にも左右される。  それを別のテストに置き換えても、点数で評価される限り、高校生活は単に慌ただしくなるだけかもしれない。  到達度テストの導入は自民党が昨年の衆院選で政権公約に掲げた。政府の教育再生実行会議が今後、大学入試改革の方策として議論を深めていくようだ。  政府はまず、制度を変更する必要性と目的について、国民に説明を尽くす責務があろう。  戦後、国立大学は一期校と二期校に分かれ、受験機会が2回あった。しかし大学間格差が固定化し、入試に難問や奇問も目立つとして、1979年に導入されたのが共通1次試験だ。私立大の参加を広く促そうと90年には現在の呼称に改められた。  受験生が自らの学力を相対的に把握する意味は大きい。難問や奇問も減ったようだ。  とはいえ課題も少なくない。よく言われる批判の一つが、筋道立てて問題を解く思考能力を育んでいないこと。マークシート方式は当てずっぽうでも正解となる場合があるからだ。  受験生の得点1点刻みで大学の序列化はいっそう進む。どの大学を卒業したかが就職などでものをいう学歴社会は厳然としてあり、それが受験競争に拍車を掛けている。  それが到達度テストで変わるだろうか。制度の具体化はこれからだが、疑問は尽きない。  複数回のテストから最も良い成績を受験生自身が選んで大学に志願することになりそうだ。一発勝負に伴う心理的負担は確かに減るだろう。  高校生が落ち着いて勉強できる環境になれば、基礎学力アップも期待できよう。しかし、逆に高校の授業が受験対策一色に染まりはしないか。  テストに小論文などを積極導入すれば論理的な思考を測る物差しとなろうが、全国で評価基準を統一するのは至難の業に違いない。しかも大学側が2次試験としてそれぞれペーパーテストを課せば、受験生が対策に迫られることも変わらない。  浪人生だけでなく帰国子女や海外からの留学生にも対応した制度になりうるか。高校卒業程度認定試験(旧大検)との関係も整理しなければならない。公平な入試とするには、緻密な制度設計が必要となりそうだ。  安倍晋三首相はおとといの教育再生実行会議で「大学入試に過度にエネルギーを集中せざるを得ないことが問題だ」と述べた。問題意識はその通りだろう。ただセンター試験の廃止だけで全てが解決しないことは、首相も分かっていよう。  主体的に学び、個性を伸ばし、社会で求められる自主的な問題解決能力をどう育むか。単にテストの平均点が上がっても、教育再生とはいえない。 "[he-forum 17682] 愛媛新聞社説6/9","愛媛新聞社説 2013年6月9日付 センター試験廃止検討 「学力とは何か」根底の議論を  文部科学省は、大学入試センター試験を廃止し、高校在学中に複数回受験できる「到達度テスト」を創設する検討に入った。早ければ5年後をめどに導入する考えだ。  導入が決まれば、1979年の共通1次試験開始から30年以上続く大学受験システムの大転換となる。が、何を目指すのかはっきりしない。検討の経過を国民に説明し慎重に論議しなければならない。制度変更ありきの性急な推進は混乱を招くだけだ。  かつて、共通1次は受験生に原則5教科を課し「大学の序列化を招いた」と批判が噴出。90年開始のセンター試験は各大学が受験科目を自由に選べるようにした。が、高校の教育課程弾力化による科目選択の範囲拡大を背景に、2012年には問題配布ミスなどトラブルが多発。文科省内で試験廃止論が強まった。  今回の到達度テストへの移行検討発表は、いかにも唐突だ。過度な受験競争を避け、一発勝負から地道な基礎学力定着への移行を狙うとされるが、さまざまな疑問が残る。  到達度テストは年2~3回実施し、最も成績の良いものを受験に利用することを想定する。問題は3段階程度のレベルに分け、進学先の条件に合わせて選ばせる方針。点数で受験生を振り分けることに変わりはない。むしろ、今より長期間、高校生がテスト対策に拘束される心配がある。部活や運動会、文化祭など学校生活にも影響は必至だ。  学校による学習進度の差は大きい。どう対処するのか。受験生が早くからレベル選択を迫られる可能性もある。大学側もどのレベルを選ぶかで序列化が進む恐れがある。  近年、学力試験をしないアドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試が増え、学力低下が問題視されるようになったのを受け、文科省は達成度テスト導入による学習量維持や勉強への意欲向上もうたう。だが、従来の知識偏重型テストなら逆に意欲喪失も免れないだろう。  制度設計も容易でない。問題作成にかかる時間や人、予算は膨大。受験産業を後押しするだけにならないか。高校卒業程度認定試験(旧大検)の位置付けや既卒者、社会人の受験体制も課題だ。  文科省が参考にする米国の入試「SAT」は計7回試験を受け最も良い点数を大学に申請できるが、大学側は小論文や面接でボランティアなど課外活動を重視して合否を決める。フランスの「バカロレア」は年1回実施だが、哲学など筆記で考え方を問う。  いま問われているのは学力観だ。何をもって学力とし、小学から大学までを通し、どんな人間を育てるのか、教育像が見えないのが最大の問題だ。根底の議論がない小手先の制度改革なら将来はない。 "[he-forum 17680] 北海道新聞社説6/9","北海道新聞社説 2013年6月9日付 大学入試改革 「真の学力」徹底議論を  政府の教育再生実行会議が、大学入試改革や高校教育のあり方をめぐる議論を開始した。  高校在学中に全国統一の到達度テストを複数回行い、大学が選抜に利用する案が浮上している。一発勝負の大学入試センター試験の見直しや廃止も視野に検討が進められそうだ。  センター試験は、大学の序列化や点数主義を助長し、暗記や知識に過度に偏った受験勉強を強いると批判を浴びてきた。  高校の3年間で幅広い知識やものの見方、考え方を身につけることを阻害している面は否めないだろう。  現行制度は課題が山積している。実行会議は9月をめどに結論を出すとしているが、時間を区切らず、慎重に議論を尽くしてもらいたい。  到達度テストは、高校3年ないしは2年生が年に複数回受けられる方向で検討されている。授業の習得状況をみるとともに、一番いい成績を大学に提出して入試に利用する。  もちろん大学は独自に2次試験を課すことができる。  実現すれば大変革となるが、現行の統一試験を前倒しするのでは、学習負担を増すだけになりかねない。  真の学力とは何か。この観点に立ち、高校から大学に至る学習のあり方を徹底的に議論するのが先決である。新たな選抜方法を一から作り上げる覚悟で変革を目指すべきだ。  たとえば、フランスの高校生が受ける到達度テスト(バカロレア)は学力のとらえ方が日本と根本的に異なる。「国家がなければ人はもっと自由になるか」といった哲学的な命題を与え記述・口述で答えさせる。  フランスに限らず欧米各国の入試制度も参考になろう。  大学入試の統一試験は1979年から共通1次試験が始まり、90年からセンター試験に切り替わった。  この間、2人に1人が大学に進む時代になり、学生の学力レベルも関心も多様化した。  50万人もの受験生が1回のみの試験を一斉に受け、1点刻みで評価を受けるセンター試験は、もはや学力の把握に最適とは言えまい。  一方で、学力試験を原則免除し、面接や書類で選考するアドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試を採用する大学が増えた。  得意分野を持ち、意欲的な学生を発掘できる半面、最近は基礎学力不足で大学の授業についていけない学生が目立つという。こうした実態が到達度テストの導入検討にも影響を与えている。  万能の選抜制度など、もとよりない。だが、入試は若者の人生を大きく左右する。理想に近づく努力を惜しんではならない。 "[he-forum 17685] 日刊ゲンダイ6/12","日刊ゲンダイ 2013年6月12日付 センター試験廃止で文科官僚“焼け太り”  これが新たな利権拡大じゃなくて何なのか。文部科学省が「大学入試センター試験」を廃止し、高校在学中に複数回受験できる「到達度テスト」を創設するという一件だ。「1回のテストが合否を左右する一発勝負はよくない」という理由で、基礎学力の定着を図るために、到達度テストを年2~3回、実施することを想定している。受験生は、その中から一番良い成績を大学に提出する仕組みだ。早ければ5年後をめどに導入する。今後、政府の教育再生実行会議で議論するという。  最も成績の良かったものを受験に利用できるとなれば、受けられるだけ受けようと考えるのが人情だろう。もちろん、受験料はタダじゃない。今のセンター試験と同水準なら、1回の受験料はおよそ1万8000円。年に3回となると、家計への負担も大きい。  社会学者の宮台真司氏はラジオ番組で「センター試験廃止で組織は焼け太り」「きれいごとにダマされちゃダメ」などと指摘していたが、本当にその通りだ。  センター試験を実施する「大学入試センター」は、文部科学省管轄の独立行政法人だ。かつての共通1次試験が90年からセンター試験に移行したが、その後は私大や短大の入試でもセンター試験が採用されるようになり、見事に権益を拡大してきた経緯がある。 「そもそも今は受験生の数に比べて大学の数が多く、全員がどこかの大学に入れる“全入時代”です。日本の学生は大学に入ると勉強しなくなってしまうし、基礎学力の定着というのなら、大学入学後に学力到達度テストを実施した方が現実的でしょう。しかし、少子化で受験生が減る一方だから、文科官僚は試験制度を変えたいのです。年3回の試験にすれば、単純計算で受験料収入は3倍になる。予算も増えるし、新たな天下り先もつくれる。そういう権益を拡大したいという思惑が透けて見えます。自民党と既得権者のタッグによる利権政治が完全に復活した印象です」(ジャーナリスト・横田一氏) 「大学入試センター」は民主党政権時代には、事業仕分けで国の運営交付金(2.5億円)が仕分け対象になった。約100億円の土地財産を持っていることも問題視された。こんな独法が、自民党政権に戻ってまた焼け太りなんて、絶対に許しちゃダメだ。 "[he-forum 17688] 北國新聞6/17","北國新聞 2013年6月17日付 薬草生産で能登元気に 金大、産学連携で穴水に拠点  金大が能登に、漢方薬の原料となる薬用植物の生産拠点を構築する。金沢市の企業から穴水町の農地約13ヘクタールの提供を受け、薬用植物園として整備する方向で検討している。国内市場の8割を占める中国産薬用植物の価格が高騰する中、栽培地を拡大しながら安定した収穫量を確保するとともに、雇用創出などに貢献し、高齢化が進む能登の活性化につなげたい考えだ。  プロジェクトは金大医薬保健研究域薬学系の御影雅幸教授らのグループが担当。廃棄物処理を手掛ける「金剛」(金沢市)が、穴水町兜、旭ケ丘地区の農地約13ヘクタールの提供を申し出ている。  計画では秋までに、金大の研究者や学生、金剛の従業員が鎮痛効果があるシャクヤクを中心に栽培を開始。品種を徐々に増やす。  金剛は穴水町で食品廃棄物をリサイクルした肥料でキャベツを栽培するなど農業ビジネスでも実績があり、栽培が軌道に乗れば、地元で従業員を雇用して大規模生産を展開する予定だ。  将来的には、薬学生の実習の場としても活用するほか、美しい花が咲く薬用植物を多数栽培して植物園としての性格も持たせ、県内外からの観光誘客を図る。  漢方薬の原料となる薬用植物は、伝統医学の再評価を背景に日本や中国、欧米で消費が伸びている一方、主産地の中国では工業化の進展などで生産量が減少しており、今後、供給不足に陥る懸念もあるとされる。国内では北海道などで栽培されているが、十分な収穫量はまだ確保できておらず、金大は独自に能登で産地化を進めることにした。  金大はこれまで角間キャンパスの薬用植物園で、優良品種の種苗確保や栽培方法の開発を進めており、今年4月からは志賀町の農地約300平方メートルで先行的に薬用植物約1千株を栽培している。志賀町と穴水町のほかにも、能登各地の耕作放棄地などを利用し、生産を拡大する方針だ。  御影教授は、薬用植物は栽培にかかる労力が比較的少なく、高齢者に適した作物の一つとした上で、「能登を薬草産地にする取り組みは、国民の健康を守ると同時に、高齢化が進む能登を元気にすることにもつながる。企業や行政と連携し、成果を残したい」と語った。 "[he-forum 17687] NHKニュース6/15","NHKニュース 2013年6月15日5時47分 大学の秋入学で検討会議設置へ  文部科学省は大学の秋入学の導入を促すため、大学や経済界の関係者などをメンバーとする新たな会議を設置し、入学前の期間を利用して海外留学をする学生に対する奨学金制度などの対応策を検討することになりました。  欧米に多い大学の秋入学を巡っては、国内の大学でも学生の海外留学を促したり、優秀な留学生を集めたりして、大学教育の国際化を進めようと導入を検討する動きがあります。  ただ、入学時期を春から秋に移した場合、大学入学前と卒業後に「空白期間」が生じることから、この期間をどう活用するかが課題として指摘されています。 このため、文部科学省は、大学や経済界、それに、NPO法人の関係者らをメンバーとする新たな会議を設置し、秋入学の導入に伴う課題への対応策を検討することになりました。  具体的には「空白期間」の活用法として、海外留学をする学生に対する奨学金制度の内容や、入学前の期間をボランティア活動に充てた場合の評価の在り方を検討することにしています。  また、現在の春入学を前提としている公務員の採用や公的な資格試験の時期の見直しについても議論が行われる見通しです。  文部科学省は、会議のメンバーの人選を進め、来月下旬にも初会合を開きたいとしています。 "[he-forum 17686] 西日本新聞6/16","西日本新聞 2013年6月16日付 大学、留学生獲得へタイに拠点続々 中韓とのあつれき背景  日本の大学が東南アジア諸国連合(ASEAN)地域への展開を視野に、タイでの活動を活発化させている。事務所開設から留学生確保、大学間連携協定など幅広い。主導しているのは「留学生30万人計画」を掲げる文部科学省だが、これまで関係を深めていた中国、韓国との交流が、領土や歴史認識をめぐるあつれきから低調になっていることも背景にある。 (バンコク野中彰久)  「指名されたら好きなポーズをして名前を言ってね」-。バンコク中心部にあるシーナカリンウィロート大。真新しい教室で学生たちが自己紹介ゲームを始めた。タイ人に交じっておどけたポーズを取るのは明治大学の学生。同大の9人は先月末、英語とタイ語の1年間の海外留学をスタートさせた。  「東南アジアはこれから伸びる。タイ語ができるのは強みになる」と4年生の井直大さん(23)=熊本市出身=は参加動機を語る。  教室は、シーナカリンウィロート大の一角に先月開設された明大アセアンセンターの中にある。最大180人を収容し、ネット経由で日本の授業を受けることもできる。大学の海外拠点が教室を持つのは珍しい。  両大学が締結した連携協定に基づいて設置されたセンターの最大の目的は学生の語学研修。計画では明大は年間50人の学生を送り込み、同数のタイ人学生を受け入れる。センターの斎藤正雄運営総括は「ここはASEAN地域での大学セールスや学術交流の拠点でもある。各国の大学とも連携を強め、より多くの学生や院生が明大に関心を持つきっかけをつくりたい」と意欲を見せる。  バンコクではこのほか、昨年の立命館アジア太平洋大(APU)=大分県別府市=に続き、今年は福井工業大、秋田大が事務所を設置した。いずれもASEAN地域の拠点という位置づけだ。秋田大は地下資源の豊富な同地域で地球資源学科の学生の研修や学術交流を展開する予定。事務所の責任者の今井亮教授は「ASEANとのつながりを大学の特色にしたい」と話す。    ◇   ◇  今月3~7日にはバンコクの日本大使館で留学説明会が開かれた。北海道大、東海大など12の大学と日本語学校7校が参加し、タイの高校生に特徴や入試、支援制度などを説明した。  大使館での留学説明会は例がないという。独立行政法人・日本学生支援機構とともに初の説明会を企画した同大使館の俵幸嗣1等書記官は「ASEAN地域からの留学生が欲しいという学校が増えている」と開催理由を説明する。  その背景について、参加した広島大の小池一彦准教授は「中国、韓国からの留学生の減少が大きい」と話す。  文科省の留学生30万人計画では、大学の国際化を進め、国際競争力を高めるため、2020年の受け入れ留学生数30万人を目標に掲げる。だが、同機構によると昨年5月時点の留学生数は前年比319人減の13万7756人にとどまる。とりわけ中国の1209人減、韓国の989人減が目立つ。東日本大震災に加え、両国との関係悪化が影響しているという。  中韓両国からの留学生が減少する中、日本の大学がASEANに目を向けているのは「大学ランキングの影響もある」と、日本学術振興会の山下邦明バンコク研究連絡センター長(元九州大教授)は指摘する。評価の尺度はランキングの実施団体によって異なるが、論文引用数などとともに、留学生比率も評価される場合が多い。中国やシンガポールの大学と順位を争う日本の各大学にとっては留学生の確保は大きな課題だ。山下センター長は「政府の成長戦略に盛り込まれたグローバル人材育成のためにも、日本の大学の国際化は不可避。ASEANとの関係はこれからますます強くなる」と話している。 "[he-forum 17689] 毎日新聞6/18","毎日新聞 2013年06月18日 東京朝刊 島根大:法科大学院の募集停止--国立初  島根大は 17日、大学院法務研究科(松江市、山陰法科大学院)の2015年度以降の学生募集を停止すると発表した。志願者が減り改善の見込みがないためで、文部科 学省によると、法科大学院の募集停止は全国8例目だが国立大では初めて。山陰地方で唯一の法科大学院で、04年4月に定員30人で開設された。これまで に、18人が新司法試験に合格している。志願者数は04年度が304人だったが、12年度は16人、13年度は11人まで急減した。= "[he-forum 17694] 岩手日報6/17","岩手日報 2013年6月17日付 全研究科で秋入学を導入 岩手大大学院、14年度から  岩手大(藤井克己学長)は2014年度から、大学院人文社会科学研究科(修士課程)で10月入学を開始する方針を決めた。これで同大大学院の全5研究科が秋入学に取り組むことになり、少子化、国際化への対応が叫ばれ続ける中、社会人、外国人留学生らの受け入れ態勢が充実する。東北地区の国立大で、全研究科が秋入学を導入するのは同大が初めて。  人文社会科学研究科の秋入学は既に同研究科教授会が決定。今後、入試方法や日程、カリキュラムなど詳細を詰めた上で、要項を公表する予定だ。  同大は今後も春入学を実施するが、秋入学の拡充は社会人や留学生を含む、多様な学生に研究活動への門戸を広げる意味合いがある。同大入試課によると、工学研究科博士前期、同後期、農学研究科、連合農学研究科の過去3年間(10~12年度)の秋入学者総数はそれぞれ17人、22人、9人、34人で、うち社会人・留学生は8人(構成比47%)、20人(同91%)、6人(同67%)、28人(同82%)となっている。 "[he-forum 17692] 中国新聞6/18","中国新聞 2013年6月18日付 山陰法科大学院が募集停止へ  島根大は17日、2015年度の山陰法科大学院(ロースクール)の入学者募集を停止すると発表した。国立大法科大学院の募集停止は初めて。15年度からは複数の大学と「広域連合法科大学院」を設立し、入学者を募集する方針。  04年度設立の同法科大学院は、12年度の司法試験合格率は6%、入試競争倍率は1・88倍。3年連続で合格率が全国平均の半分未満、入試倍率が2を下回ったため、13年度は国立法科大学院として初めて国の補助金を約2500万円削減された。また入学者数は減少を続け、13年度は2人(定員20人)と落ち込んでいた。  この日、同大で会見した小林祥泰学長は「補助金が削減され、このまま単独で維持するのは難しい」と募集停止の理由を語った。  14年度の入試はこれまで通り実施。在学生が修了するまでは現在の法科大学院は維持し、新設する広域連合法科大学院へ中途で転籍することも可能とする。  同大によると、広域連合法科大学院は、国公立、私立を問わず複数の大学と共同で設立。各大学のキャンパスからテレビ電話などを活用し遠隔授業をする。キャンパス分散型は法科大学院では初の試み。法科大学院を運営する複数の大学と交渉を進めているとしたが、小林学長は「具体的な交渉先は明かせない」とした。 法科大学院募集停止「驚き」  島根大が17日に発表した国立大初の法科大学院の募集停止。法科大学院を擁する他大学や法曹関係者に驚きが広がる一方、併せて発表した連合法科大学院構想には、地元から期待の声も上がった。  岡山大の上田信太郎法務研究科長は「法科大学院を取り巻く厳しい状況を痛感した」と話す。大学院内に二つの法律事務所を置き実務を学べる環境を整えるなど、教育の質向上の努力を続ける。  しかし、同大の2013年度の定員に占める入学者の割合は56%と低迷。中国地方では広島大も56%、広島修道大も30%と「定員割れ」の状況だ。  政府の法曹養成制度検討会議も6日、最終提言案で司法試験合格者数を年間3千人程度に増やす目標を撤回するなど逆境は続く。  広島弁護士会の法科大学院運営支援委員長の河合直人弁護士(38)は「法科大学院の我慢比べが終わり、地方の弱い大学から影響が出てきた。手を打たなければ流れは広島にも波及するだろう」と分析。「地方の法科大学院は、地域の実情を知る弁護士養成に必要。学生の都市部への集中を是正する対策が急務だ」と指摘する。  一方、地元からは連合法科大学院という形での存続を歓迎する声が上がる。  「絶望的な状況から何とか生き残り策を示してくれた」。3月に弁護士や自治体関係者たちで設立した山陰法科大学院支援協会の池野誠会長代行(79)は大学の判断を歓迎する。同協会は企業や個人からの募金で14年度から入試受験料の補助制度を設ける予定だ。「地域で支える仕組みを築きたい」と意欲を示す。  同法科大学院1期生で松江市に事務所を持つ広沢努弁護士(41)は「教育の質を高め、入学者が増えるような努力が一層必要になる」と指摘。「課題は山積だが、地方の法科大学院の存続モデルになる可能性はある」  島根大の小林祥泰学長は、連合法科大学院で企業や自治体で専門知識を生かす「法務実務家」の育成も重視する考えを示した。「今後は法科大学院の半分が単独では存続できなくなるのではないか。そのまま倒れるより挑戦したい。背水の陣で臨む」と語った。 "[he-forum 17693] NHKニュース6/19","NHKニュース 2013年6月19日4時7分 東大 4年後の秋入学事実上断念  東京大学は、4年後をめどに学部の入学時期を春から秋に全面的に移行する方針を、事実上断念することになりました。  代わって、海外からの留学生の受け入れや日本の学生の短期留学に対応できるよう、1年を4つの学期に分ける制度を平成27年度までに導入することを決めました。  東京大学は大学教育の国際化を進めるため、4年後をめどにすべての学部の入学時期を春から秋に移行する方針を打ち出し、学内の検討会議で実施方法について議論してきました。  しかし、秋入学への全面的な移行を巡っては、国家試験の時期が変わらないなど東大単独での移行に理解が得られにくいことや、学内からも、入学前に空白期間が生じ、学生の学習する権利を奪うなどの意見が出されていました。  こうしたことを踏まえ、学内の検討会議は今月13日に答申をまとめ、当初示した4年後をめどとした秋入学への全面移行は事実上断念し、平成27年度までに4月から翌年3月までの1年間を4つの学期に分ける制度を導入することを決めました。  具体的には、▽4月から5月、▽9月から10月、▽11月から12月、▽1月から2月などの4つの学期に分けるとしていて、東京大学によりますと、これにより秋入学が主流の海外の留学生を9月から受け入れることが可能になるほか、東京大学の学生が夏休みの6月から8月に行われる海外の大学のサマースクールに短期留学することなどが可能になるということです。  東京大学は秋入学の実施について引き続き検討するとしていますが、今回の方針について、「国家試験の時期の見直しなど社会的な理解が得られないなか、大学の国際化に対応する現実的な方向性を探ることにした」と話しています。 "[he-forum 17691] 日本経済新聞近畿6/19","日本経済新聞近畿版 2013年6月19日付 京都市に化学研究拠点を今秋開設  京都市出資の財団法人・京都高度技術研究所は化学分野に特化した産学官連携拠点を11月に市内に開く。京都大学などの研究プロジェクトが入るほか、企業に貸し出す部屋を設ける。大学の研究成果をもとにした新ビジネスを後押しする。  市が南部の産業集積地区と位置付けた「らくなん進都」内でビルを建設している。地上5階地下1階建てで、延べ床面積は約6000平方メートル。総事業費25億円で、国と京都市が負担した。  京都大学と京都工芸繊維大学の4つの研究プロジェクトがまず入居する。発光ダイオード(LED)用の材料、高機能たんぱく質を応用した食品や化粧品などを開発する予定だ。  貸し出し用の研究室を15室、貸しオフィス3室をそれぞれ用意する。府外の企業も利用でき、7月19日まで募集する。広さは研究室、オフィスとも約85平方メートルで、月額賃料は17万8500円が中心となる。  企業と大学をつなぐコーディネーターとして専任職員を4人程度置く。新しい技術の発表会や産学関係者の交流会も開く。拠点で生まれた知的財産権の企業での活用も後押しする。 "[he-forum 17690] 日本経済新聞社説6/19","日本経済新聞社説 2013年6月19日付 「技術立国」復活へ研究費配分を見直せ  科学技術への重点投資で新たな製品やサービスをどう生みだし、経済成長につなげるか。安倍政権は成長戦略で「科学技術創造立国の復活」を掲げたが、それを実現する道筋や手段が見えない。  日本の研究開発費は頭打ちが続き、世界の論文や特許に占めるシェアは急低下している。一方で中国などが台頭し、日本の技術力は揺らいでいる。政府は危機感を強め、科学技術研究の立て直しへ実効性のある具体策を示すべきだ。  成長戦略では「優位だった技術で負ける例が出ている」との認識を示し、「技術で勝ち続ける国」を目標に掲げた。国の総合科学技術会議の提言も踏まえ、政策立案の司令塔機能の強化や、先端分野で新たな国家プロジェクトを始動させることなどを盛った。  資源の乏しい日本にとって、独創的な研究を育み、優れた製品を開発する戦略は欠かせない。そのために司令塔の強化などが必要なことには違いないが、取り組むべき優先順位はそれでよいのか。  日本の研究投資のうち2割は公的機関や大学、8割を企業が担っている。だが民間投資はリーマン・ショック後の不況からの回復が鈍く、ピークだった2007年度より1割近く減ったままだ。財政が厳しいなか、国の研究費の大幅な増額も容易ではない。  最優先すべきは、国の研究費の配分を見直して無駄を極力減らし、大学などで生まれた基礎的な成果を企業の応用研究に効率的に橋渡しする仕組みづくりだ。  科学研究費補助金(科研費)に代表される「競争的資金」の改革は急務だ。同研究費は研究者に資金獲得を競わせ、ぬるま湯体質とされた大学などの活性化に一定の効果をあげてきた。半面、8府省で20以上の制度が乱立し、研究費の重複配分や使い勝手の悪さが指摘されている。  制度を整理し、研究費を使いやすくする必要がある。いまは実験補助員や博士研究者(ポスドク)の正規雇用に使えず、ポスドクの多くが身分が不安定な非正規雇用のままだ。次代を担う若い頭脳が研究に専念できる環境づくりと併せて対策を示すべきだ。  約20ある研究開発型の独立行政法人のあり方や資金配分も改革が避けられない。独法で生まれた成果を産業界にどう橋渡しするか。税制や規制を見直し、産官学の共同研究や人材交流を促す施策が欠かせない。 "[he-forum 17697] 毎日新聞(山形)6/19","毎日新聞(山形)2013.6.19 山大側、棄却求める 初弁論/給与減額分支払い請求訴訟  東日本大震災の復興財源に充てるため国家公務員の給与が引き下げられたのに合わせ、国立大学法人の教職員の給与が減額されたのは違法だとして、山形大の教員らが大学側に減額分の支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が18日、山形地裁(石垣陽介裁判長)であった。大学側は請求の棄却を求め、争う構えを示した。  原告の品川敦紀・山形大学職員組合執行委員長は、意見陳述で、「大幅給与カットを私たち労働者の同意を得ないまま強行した。労働法制無視の対応を取る被告に法の遵守を求めてほしい」と訴えた。  訴状によると、同組合に所属する教授ら7人は、減額は労働契約法に反するとして減額分計約364万円の支払いを求めている【安藤龍朗】 "[he-forum 17696] 山形新聞6/19","山形新聞(朝刊) 2013.6.19 給与削減は独自判断 未払い分請求訴訟  山形大、棄却求める  国家公務員の貸金引き下げに合わせ、一方的に給与を削減されたのは不当だとして、山形大職員組合に所属する教授ら7人が同大にカットされた未払い賃金計約365万円の支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が18日、山形地裁であった。被告側は「大学の自治に基づく給与減額」とし、国の方針に従ったのではなく独自の判断だったと主張、請求棄却を求めた。  答弁書で大学は、組合に対し、国からの運営費交付金が削減されれば大学の運営に支障が生じるため、給与削減の必要性があると十分説明した上での措置だったと主張。違法な給与カットではないと反論した。国は国家公務員給与臨時特例法の成立によって、大学に対し、職員給与削減について要請したにすぎず、国の方針に準じた対応ではないと強調した。  この日は原告代表者2人が意見陳述。品川敦紀理学部教授は「カット後は准教授時代の給与すら下回っている。まともな説明もなく一方的に強行した被告に法の順守を求めたい」、足立和成工学部教授は「学内流動資産をなぜ放出できないのか理解に苦しむ。被告の姿勢には憤りを禁じ得ない」とそれぞれ述べた。= "[he-forum 17699] 朝日新聞(山形)6/19","朝日新聞 2013.6.19 給与カット訴訟 山大側争う姿勢 第1回口頭弁論    国家公務員の賃金引き下げに合わせて大学職員の給与カットを強行したのは遵法だとして、山形大の教授ら7人が元の賃金との差額計約365万円の支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が18日、山形地裁(石垣陽介裁判長)であった。大学側は「遵法な給与削減はしていない」として、全面的に争う姿勢をみせた。= "[he-forum 17698] 読売新聞(山形)6/19","読売新聞(山形) 2013.6.19 賃金訴訟 争う姿勢  国家公務員に準じた給与削減を労使間の合意なく一方的に行ったのは不当として、山形大の教授ら7人が同大を相手取り、未払い分の賃金約360万円の支払いなどを求めた訴訟の第-回口頭弁論が18日、山形地裁(石垣陽介裁判長)で行われた。大学側は請求棄却を求める答弁書を提出し、争つ姿勢をみせた。  答弁書で大学側は、国から給与削減に関する必要な措置を講ずるよう要請はあったが、減額は大学の自治に基づいて判断したもので、労働組合側にも必要性は十分説明したとしている。= "[he-forum 17695] 共同通信6/20","共同通信 2013年6月20日0時40分 国大協の新会長に京大・松本学長  国立大学協会は19日、東京都内で総会を開き、新会長に京都大の松本紘学長を選出した。任期は2015年6月まで2年間。前会長の浜田純一・東大学長は顧問に就く。松本氏は記者会見し「国立大の価値を社会に発信することが重要。教育の質の向上や、先端研究の社会への還元に努力したい」と抱負を述べた。  また副会長には里見進・東北大学長、浜口道成・名古屋大学長、谷口功・熊本大学長、羽入佐和子・お茶の水女子大学長の4人を選んだ。 "[he-forum 17701] 読売新聞6/21(2)","読売新聞 2013年6月21日付 原子力の将来描けぬ…7大・大学院で定員割れ  国内の主要大学・大学院にある原子力関係の3学科と9専攻のうち、2学科5専攻で今年度の入学者(4月末現在)が定員割れになっていることがわかった。  背景には、原発事故によるイメージ悪化に加え、国の原子力政策が定まらず、将来が描けない学生の原子力離れがある。人材育成が滞れば今後の原発の廃炉作業にも影響が及びかねないため、関係者は危機感を強めている。  文部科学省が入学状況を調査している、「原子」のつく学科・専攻は、大学で3学科、大学院(修士課程)で9専攻ある。読売新聞がこれらに今年度の入学者を聞いたところ、福井工業大や東海大、東京工業大、京都大など、4月末現在で7大・大学院の2学科5専攻(早稲田大は9月入学を含まず)が定員割れしていた。東京大などは定員を満たしていた。  定員割れした大学は、原発事故直後の2011年度は大学院の2専攻だけだったが、12年度は6学科・専攻に増加。2年連続で定員割れした東京工業大で指導する井頭政之教授(放射線物理学)は、「親の反対で入学直前に辞退した人もいた。逆風の中、あえて原子力を学ぶ学生が減っている」と危機感を語る。 "[he-forum 17702] 高知新聞社説6/21","高知新聞社説 2013年6月21日付 【大学4学期制】留学促進へ現実的選択だ  東大は秋入学移行を当面見送り、2015年度末までに4学期制を導入する方針を決めた。  今後、学部ごとに導入時期などを検討する。秋入学を検討していた他大学にも影響を与えそうだ。  社会や経済の国際化が進む中、大学への期待は高い。研究のレベルアップや海外で活躍する人材育成が求められている。そのためには世界の先端大学との人的交流が重要だ。  しかし、社会の環境整備が追い付かず、留学生の派遣や受け入れが進んでいない。  学期の区切りを海外の大学の学期開始時期と合わせることで、海外留学や留学生の受け入れをしやすくする。東大が選んだ4学期制はより現実的だと言えるだろう。  欧米で主流の秋入学は1980年代の臨時教育審議会以来、ずっと言われ続けてきたテーマだ。この10年ほどでも教育改革国民会議や教育再生会議が秋入学を提言している。  しかし、秋入学が進まないのはなぜか。  一つは国家試験や就職の問題だ。  通年採用の企業は増えているが、多くは依然4月に新卒者を採用する。秋入学で卒業が夏になると、就職活動で不利益を被る学生が出てしまう。公務員の採用試験や国家試験の時期も春入学が前提だ。  高校卒業後の半年間の過ごし方も懸念材料だ。  学生がボランティアや体験活動をするには受け皿の問題のほか、費用がかかるため格差が生まれるとの指摘もある。  また、3月卒業・4月入学という小中高校の現状に影響を及ぼす可能性もある。大学までの教育の在り方が大きく変わるかもしれない。  秋入学移行には整備すべき条件は多い。大学だけで解決できる問題ではなく、実現には国や経済界の理解と協力が不可欠だ。  日本からの海外留学はここ数年減り続けている。4学期制では夏休みの長期化も可能になるため、短期留学もしやすくなる。併せて奨学金制度の充実など経済的な面からの支援も必要だ。  東大の浜田純一学長は「大きな方向として秋入学を見据えていく」とし、将来的な実現を目指す考えを示している。秋入学だけでなく、大学教育そのものについて国民全体で考えたい。 "[he-forum 17700] 読売新聞6/21","読売新聞 2013年6月21日付 阪大、求む一流研究者…支度金最高8500万円  大阪大は、国際的に活躍する研究者を世界中から招くための制度を設けた。新たに研究室を構えるため、国内の大学では異例の「支度金」を最高8500万円用意し、給与も年600万円まで上乗せする。国立大の人材誘致策では破格の優遇制度で、学外から優秀な人材を獲得し、世界最高水準の大学を目指す。  対象者は、国際的に評価されている海外の研究型大学で学位を取得し、専門分野で世界的な業績を挙げている研究者。学部長らの推薦をもとに、学長らでつくる委員会が選考する。任期は設けず、終身雇用の教授として採用し、大学院生の指導や学部生の授業もしてもらう。  これらの教授には、就任初年度に、実験装置や設備、研究室スタッフの人件費などとして500万円の支度金を支給。交渉次第で8000万円まで加算する。研究者の引き抜きが盛んな米国の大学では、数千万~1億円以上を支給する例があるが、国内では珍しいという。予算は大学経費で賄うが、人数や総額は未定。  給与面では、同時に設ける「特別教授制度」を適用、阪大教授の年間給与(2011年度で平均1095万円)に、年最高600万円の特別手当をプラスする。特別手当を含めても、年収2000万円を超す米国の有名大教授クラスには及ばないが、阪大の免疫やロボットの研究などは国際的に評価が高く、海外の研究者を呼び込むことも可能とみている。  相本三郎・副学長は「世界トップレベルの大学を熟知している人に、高度な研究や教育を提供してもらう。優秀な人材が集まり、そのことで大学の研究水準がさらに高まり、国際競争力が増すという効果を期待したい」と話している。 "[he-forum 17706] 長野日報6/25","長野日報 2013年6月25日付 県立大学の基本構想決まる  阿部守一知事は24日、県短大(長野市)を改組し新設する県立大学の基本構想を決定した。「総合マネジメント学部」「健康発達学部」の2学部(3学科)構成で、文言など一部修正したが、有識者の設立準備委員会が19日に報告した構想案とほぼ同内容。大学の「骨格」(県立大学設立準備室)を固めたことで、県は今後、カリキュラムや教員採用、学長候補人選などの具体的な検討に入る考え。  県庁で記者会見した阿部知事は、県内私大が競合する学部学科設置に反発している点に、「私大でできないところを県立大でやってほしいというのが各私大の基本的な意見。今までの大学像とは一線を画した大学でなければ意味がない、という点は、実は(私と)私大とは同じ思い」とし、「志の高い大学像をしっかり堅持していくことが私大のご意見に応える道だ」と述べた。  競合する松本大(松本市)が反対する管理栄養士養成課程(健康文化学科「食健康コース」)、諏訪東京理科大(茅野市)などと重なる経営系学部は、県立大の理念・教育目標に盛る「グローバルな視野を持ってイノベーションを創出できる人材」の明確化で「差別化、違いを出せる」と説明。具現化する方策には、英語力を問う入試選抜や、実践的な英語力を習得する教育内容を挙げた。  昨年9月の素案に追加し、争点化した管理栄養士養成課程については、「単に資格を取るための課程ではない。それだったらつくる必要はないとはっきり思っている」とも強調した。  併せて、県は、国の地(知)の拠点整備事業補助金(COC)の「県版COC」検討や、振興策を継続的に意見交換する仮称「県内私立大学・県連絡会議」設置といった県内高等教育振興策も提示。知事は「私大と県との信頼関係をしっかり構築し、県内高等教育全体の振興を責任を持って一緒に取り組むことが重要だ」と述べた。 "[he-forum 17705] 信濃毎日新聞6/25","信濃毎日新聞 2013年6月25日付 競合私大異論相次ぐ 松本市長「広く意見を」 県立大構想  県が24日に県短期大(長野市)を四年制化して新設する県立大の基本構想を決定、発表したことについて、競合する学部、学科がある県内私立大の学長らから異論が相次いだ。  構想に管理栄養士受験資格が得られるコースの設置が盛り込まれたことについて、同様の課程がある松本大(松本市)の住吉広行学長は同日午前、取材に「彼(阿部守一知事)がそういうふうに言っただけで、認めることができない」と強調した。  構想案取りまとめから1週間足らずで県が決定したことについて「なぜそんなに焦っているのか」と疑問視。管理栄養士受験資格を得ることができるコースの有無で変わる関連予算の差を明らかにしていないとも指摘し、「予算が具体的になった時点で県民がどういう判断をするかは分からない」とも指摘した。  今後は県内の他の私立大や私立大がある自治体と連携して反対運動を続けると説明。大学の新設を認可する文部科学省にも何らかの働き掛けをする考えも示した。  松本市の菅谷昭市長はコメントを出し、「21日に知事に慎重に判断いただくよう要請文を提出したが、その矢先に県議会の議論を待たず、構想案に沿って進める旨の意志が表明された」と指摘。「いささか性急な決断ではあるが、具体化するに当たっては広く県民の意見を聞いて、成案とするよう求めたい」とした。  一方、新県立大と経営系の学部、学科が競合することになる諏訪東京理科大(茅野市)の河村洋学長は「経営系の学部学科は既存の県内私立大にたくさんある。重ならないようにしてほしいと一貫して申し上げてきたにもかかわらず、取り入れられなかったことは遺憾だ」と述べた。 "[he-forum 17704] しんぶん赤旗6/22","しんぶん赤旗2013年6月22日付 労基法違反 早大を告訴 非常勤講師15人 “「雇い止め」強行で不正”  早稲田大学の非常勤講師15人が21日、東京・新宿労働基準監督署長あてに、同大学の鎌田薫総長ら理事を労働基準法(労基法)違反で刑事告訴しました。  早大は、非常勤講師を上限5年で雇い止めとする就業規則改定を強行しており、講師側は、労基法90条で必要な労働者代表選出にあたって不正があったと訴えています。告訴した講師を首都圏大学非常勤講師組合が支援しています。  「5年雇い止め」問題は、労働契約法改定で有期雇用を5年以上続けると無期雇用に転換できるとする規定がもうけられたことに対し、「雇用安定」の法の趣旨に反して5年までに雇い止めにしようという雇用主が広がった問題です。  早大では、就業規則改定に必要な労働者の過半数代表選出の際、大学入試期間で講師が立ち入れない大学構内で投票用紙を配布するなど、講師が知らないうちに決めていました。早大の非常勤講師は4000人を超え、5年雇い止めは大きな影響を与えます。  非常勤講師組合は団体交渉で選挙のやり直しを求めましたが、大学側は応じず、改定した就業規則を送りつけました。  労基法は、違反に刑事罰がある強制法規です。非常勤講師組合の松村比奈子委員長らは4月、第三者として早大を刑事告発。今回は、実際の被害者である早大非常勤講師による告訴として、より重い意味を持ちます。  会見で松村委員長は、「早大が5年雇い止めを強行すると、その影響は全国の大学や民間企業にもおよぶ」と強調しました。  早大の5年雇い止め問題は、日本共産党の田村智子参院議員が18日の国会で質問しており、谷川弥一文科副大臣は早大で労使トラブルがあることを認め、「学校法人においても労働関係法に従うもの」と答えています。 "[he-forum 17703] 山陽新聞6/23","山陽新聞 2013年6月23日付 岡山大学長が「学都構想」語る おかやま楽習塾  郷土ゆかりの識者による連続講演会「おかやま楽習塾」の第3期第1回講演会が22日、岡山市北区柳町、山陽新聞社さん太ホールで開かれた。岡山大の森田潔学長(63)が、国際的な研究、教育拠点として地域に貢献する「学都構想」について展望を語った。  2011年の学長就任以来、構想の柱として提唱する「強く、美しい、魅力ある大学」の実現について説明。少子化で激化する大学間競争の現状を踏まえ、「研究、教育の充実はもちろん、地域に存在感を発揮することで評価を高めたい」と強調した。  具体的方策として、11月に竣工(しゅんこう)する鹿田キャンパスのホール、津島キャンパスに建設する交流広場を市民に開放することなどを挙げた。その上で、大学と地域が協力して全米一の医療産業都市となったピッツバーグ、まちづくりに取り組むフランス・ストラスブールのような学都を目指すとした。  蓄積した研究成果と人材を生かし、「岡山を世界の誰もが知るブランドにするため努力を惜しまない。協力をお願いしたい」と約300人の聴衆に呼び掛けた。 "[he-forum 17707] 日本経済新聞6/27","日本経済新聞 2013年6月27日付 法科大学院統廃合へ「強制措置」 政府会議提言を了承  政府の法曹養成制度検討会議(座長・佐々木毅元東京大学長)は26日、司法試験の合格率が低い法科大学院を強制的に退場させる「法的措置」を検討することを盛り込んだ最終提言を了承した。司法試験の合格者数を「年3千人程度」とした政府目標は撤回するとした。近く上部組織の法曹養成制度関係閣僚会議に提出する。  法曹志望者の深刻な就職難などを受けて設置された検討会議は昨年8月以降、16回にわたり委員らが議論を交わした。方向性は示したものの、具体的な制度設計まで踏み込まず、先送りになった課題も多い。  最終提言は法科大学院の現状を「教育力に比べて定員が過大なところが相当数ある」と指摘。合格率の低い法科大学院の自主的な定員削減や統廃合を促すため、補助金削減や裁判官らの教員派遣の中止などを求めた。  それでも改善が見込めない場合は、強制力を伴う「法的措置」で対応する。修了者に司法試験の受験資格を与えないことなどが想定されるが、具体的な内容や適用基準は新たな有識者会議の下で「2年以内に結論を出す」とした。  司法制度改革の旗印とされた合格者3千人の政府目標は「現実性を欠く」などとして撤回。法曹人口の増加は依然重要としながらも「当面は数値目標を立てない」とした。その上で、有識者会議に調査の実施を求めた。  司法試験の受験回数制限は現行の「法科大学院修了後の5年間で3回まで」から「5年で5回」に緩和。短答式試験は7から3科目(憲法、民法、刑法)に削減する。このほか、論文式試験から専門性の高い選択科目などを削減することも検討課題として挙げた。  法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格を得られる「予備試験」の受験者が増えている現状にも言及。「制度の趣旨と異なる状況が生じている」として、有識者会議で2年以内に問題点などを再検討することとした。  最終提言に盛り込まれた見直し案は、7月に開かれる予定の関係閣僚会議で決定。必要な法改正などを経て実施される見通しだ。 "[he-forum 17710] 朝日新聞6/28","朝日新聞(山形)2013年6月28日 山形大医学部、推薦候補見送り 次期学長選考  山形大医学部は27日、来年3月の結城章夫学長の任期満了に伴う次期学長選考に、推薦候補を出さないことを決めたと発表した。医学部が候補を出さないのは極めて異例だ。  記者会見した山下英俊学部長によると、26日に開いた教授会で、結城学長と嘉山孝正・学長特別補佐の2人を推す意見があったが、結城学長は「人心を一新する時期だ」、嘉山氏は「医療で貢献したい」としていずれも固辞したという。 "[he-forum 17709] 朝日新聞6/28","朝日新聞 2013年06月28日11時02分 就職せず卒業、就活後ろ倒しで増加? 大学の半数が予測  就活の解禁が12月から翌年の3月に後ろ倒しされることで、就職せず卒業する学生数が「増える」とみる大学が半数近くにのぼることが、就職情報会社マイナビがまとめた「キャリア・就職支援への取り組み調査」でわかった。  4月11日~5月31日に、全国の大学・短大の456校の就活支援担当部署から回答を得た。マイナビは「就活後ろ倒しが、多くの大学で、学生に悪影響を与えそうだとみている」と説明している。  まとめによると、就職せずに卒業する学生数が「増える」と答えた割合は46・1%で、「減る」は0・9%、「影響ない」は53・1%だった。大学の担当 者からは、「学生が回る会社数が大幅に減る」「学生の自己分析や業界・企業研究が浅くなる」「学生を中小企業に目を向けさせることが難しくなる」などの懸 念の声があったという。 "[he-forum 17708] 朝日新聞6/28"," 朝日新聞 2013年06月28日09時43分 24日にあった「愛知県 学費と奨学金を考える会」の例会。約15人が参加した。今年になって、全国各地で、奨学金の課題や返済者の支援策を考える集会が開かれるようになっている=名古屋市昭和区の中京大  【大西史晃】学生への経済支援は、どうあるべきか――。その方策を議論してきた文部科学省の検討会の会合が17日にあり、無利子奨学金の拡充などを盛り込んだ「中間まとめ」案が示された。財源の確保などハードルは高いが、文科省は検討会での今後の議論も踏まえて来年度予算の概算要求に反映させたい考えだ。 ■財源の確保が課題  大学生の約4割が利用している日本学生支援機構の奨学金は、 規模の拡大や不況の影響で未返還額が増加。2011年度末で、約876億円に上っている。返還促進策が強化される一方、利用者の負担軽減を求める声も上が るようになった。文科省は具体的な方策を探るため、専門家らによる「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」(主査=小林雅之・東京大教授)を設置。 4月から会合を重ねてきた。  17日の中間案には、現在の学生が置かれた経済状況や支援の目指すべき方向を記し、各制度の改善策も盛り込んだ。▽貸与型の奨学金は無利子を基本とし、拡充する▽社会人の学び直しも奨学金で支援する▽返還の方法や金額は、限定的になっている所得連動型の対象を広げ、より柔軟な形にする▽年10%の延滞金の利率を引き下げる――といった内容が並ぶ。  最大の焦点は、給付型奨学金の 導入だ。委員の間で創設を求める声は強いが、「借りて返すという現行のシステムには教育的側面がある」との意見もある。最初から給付が約束された形がいい のか、それとも一定の成績を修めた場合に返還を免除する形にするべきか、という制度設計上の課題もある。論点が多く、今後も検討が続けられる見込みだ。  文科省は中間まとめを今夏中につくり、方向性が固まった部分は、概算要求に反映させる。ただ、財源が必要な方策が多く、ハードルは高い。給付型については、2年前に147億円を概算要求したものの、財務省に認められなかった経緯がある。14日に閣議決定された「第2期教育振興基本計画」では、教育予算は「経済協力開発機構(OECD)諸国並みを目指す」とした文言の掲載が見送られている。  だが、文科省の担当者は「OECD並みにこだわらず、必要な経費を積み上げて予算を取っていきたい」とする。給付型については、学内の業務を手伝うことと組み合わせて奨学金を与えるなど、様々な形を検討していくという。 ■生活切りつめ返済  学びを支援する奨学金。だが、不況で厳しい雇用情勢が続く中、その返還に苦労する人は多い。  「金額を知った時、何で自分は大学に行ったんだろうと後悔しました」。都内に住む女性(25)は、日本学生支援機構から届いた1通の通知書を手に、そう振り返った。  高校を出て短大に進学。その後、将来の就職を考え、大学に入り直した。実家は母子家庭。生活は楽ではなく、奨学金がないと進学は難しかった。短大、大学を合わせて計6年間機構の奨学金に頼り、昨春に卒業。数カ月後に届いた通知書で、約900万円の「借金」を知った。  しっかり返したい思いは強いが、卒業後に働き始めた事務職員の給与はまだ低く、月に約4万円の返還は難しい。自宅のインターネット用回線を止め、新聞の購読もやめて節約。年収300万円以下の場合、月々の返還を半額に抑えてもらえる制度を利用し、やりくりしている。  「今の世の中、仕事に就くのも大変。椅子取りゲームですよ。私は事務職員になれたけど、そうでなければ、どうなっていたか」と話す。奨学金制度の充実が議論されているが、「私はむしろ、大学の学費が高すぎること自体を何とかしてほしい。奨学金の返済は大変だし、お金がないなら学校に行かないという子が増えたら、それは社会にとっていいことなのでしょうか」。  都内の男性(51)は統合失調症と診断され、数年前、障害で働く能力を失った場合などに認められる奨学金の返還免除を、機構に申請した。だが、見解の違いから認められず、返還猶予の状態が続いている。現在は、生活保護を受けながら自立を目指そうと職を探す。年を重ねるにつれ、自身の将来と残されたままの奨学金への不安が募る。  返還に悩む人たちを支援している首都圏なかまユニオンの伴幸生・副委員長は「やむを得ない理由で返せない人については、どこかの時点で返還を免除するべきではないか」と指摘。回収策の強化ばかりが進んでいるとし、「入り口では奨学金だが、返す段階では単なるローンのようになっている」と、現状を批判する。 "[he-forum 17715] 山形新聞6/29","山形新聞 2013年06月29日 07:24 次期山形大学長に小山氏が就任へ 他候補なし、10月決定  任期満了(来年3月31日)に伴う山形大学長選考で、学長選考会議(議長・有馬朗人武蔵学園長)が28日、山形市の同大で開かれ、副学長の小山清人氏 (64)を1次候補者とすることを決めた。ほかに候補者はおらず、就任が確実な情勢だ。小山氏の学長就任は10月の選考会議で正式に決まる。  候補者は各学部と、学外有識者や学長、副学長らで構成する経営協議会がそれぞれ2人まで推薦することができる。小山氏を推したのは人文、地域教育文化、 理、工、農の5学部で、医と経営協議会は誰も推薦しなかった。教員数最多の医学部が候補者の推薦を見送り、医学部以外の人文、地域教育文化、理、工、農の 5学部が同一候補を推薦するというのは異例。  2007年の学長選考で、医学部は当時文部科学事務次官だった現学長結城章夫氏を推薦。ほかの学部からも3人が推薦された。結城氏は「学内意向聴取」と 呼ばれた教職員の投票では2位だったが、学外有識者を含む選考会議で学長に選出された。今回は5学部の足並みがそろい、選考会議に結束を示した形だ。これ まで学長選で存在感を示してきた医学部は、意中の人物に固辞され、結果的に候補を推薦できなかった。  今後、候補者の所信を聴く会を小白川、飯田、鶴岡、米沢の4キャンパスで開き、10月の学長選考会議で候補者にヒアリングした上で新学長を決める。 "[he-forum 17714] 国立大学のミッションの再定義関連文書の公表について","国立大学のミッションの再定義関連文書 2013年6月29日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 現在教員養成系・医学系・工学系の3分野においてミッションの再定義が進められている.本事務局はミッションの再定義に関連していくつかの資料を入手したので公表する. 資料1 「国立大学法人学長・大学共同利用機関法人機構長等会議」(平成25年6月20日)における文部科学大臣挨拶 資料2 「今後の国立大学の機能強化に向けての考え方」(平成25年6月20日) 資料3 教員養成系分野のミッションの記述例とその解説 詳細は本事務局の以下のURLを参照されたい. http://www.shutoken-net.jp/ "[he-forum 17713] 日本経済新聞社説6/28","日本経済新聞社説 2013年6月28日付 「2年後」では遅すぎる法科大学院の改革  法曹界の人材養成のあり方について、現行制度の見直しを議論していた政府の検討会議が最終提言をまとめた。  司法試験の合格者数を年間3千人程度まで増やしていく目標を撤回し、法科大学院を統廃合するために法的措置を導入することを今後の検討課題としてあげている。  司法改革の制度設計そのものに問題があったことを指摘しながら、肝心の具体的な改善策は先送りしてしまった。そんな印象がぬぐえない結論である。  10年前に千人ほどだった司法試験の合格者は、2千人程度にまで増えている。この間に弁護士の数は1.7倍になった。ところが法律にかかわる仕事の需要は、想定したほどには伸びていない。  このため弁護士になっても弁護士事務所に採用されず、仕事がない人が増えた。事務所で実際の業務を通した教育がなされないため、質の低下も危惧されている。  「身近で使いやすい司法」を実現するために法曹人口を増やす方針は間違っていないが、現実的でなくなった数値目標をいったん取り下げるのはやむを得まい。  約70校が乱立する法科大学院の統廃合を進め、全体の教育レベルを高めるのは当然の措置である。法科大学院修了生の合格率は低迷しており、昨年は25%だった。入学者数は3千人を割り、ピーク時の半分にまで減っている。  しかし提言は統廃合のための法的措置の中身や適用基準について、「新たな有識者会議のもとで2年以内に結論を出す」との内容にとどめた。これでは問題の先送りと言われてもしかたあるまい。  2年後に結論を出して、それから制度を作って実施するのでは、改善までに何年かかるのか。いま法科大学院で学んでいる学生や、法曹の世界を志す若い人たちに、これ以上の不安や迷いを与えるようなことがあってはならない。  法科大学院を出ても合格できない。合格しても就職先がない。それがさらに大学院離れにつながる。よりよい司法を目指したはずの改革だったが、むしろ多様で有為な人材を確保できない危機に直面している。一刻も早く新たな道筋を示すことが国の責任である。  今回の最終提言は近く、上部組織である法曹養成制度関係閣僚会議に提出される。司法試験は法務省、法科大学院は文部科学省という枠組みを超えた、政治のリーダーシップに期待したい。 "[he-forum 17711] 山陽新聞6/28","山陽新聞 2013年6月28日付 在宅医療充実へ遠隔システム研究 岡山大、7月に寄付講座開設  岡山大大学院医歯薬学総合研究科は27日、遠隔医療に用いるリアルタイムモニターシステム開発などに取り組む寄付講座「高齢社会医療・介護機器研究推進講座」を7月に設置すると発表した。医師の都市部への偏在が進む中、過疎地などでの高齢者医療、在宅医療の充実につなげる。設置期間は3年。  担当教員は、笠原真悟准教授(心臓血管外科)と坂野紀子講師(衛生学)。同大が開発に協力した携帯型心電計や布団の下に入れて脈拍、呼吸数を自動計測するマットを組み合わせたモニターシステムを新見、岡山、尾道市に住む高齢者や不整脈患者らに利用してもらい、その有用性を検証した上で、最適な在宅医療や介護の在り方を検討していく。  愛知県でソフトウエアを開発している企業が同大に9千万円を寄付した。笠原准教授は「厳しい環境下にある地域医療の抜本的な改革に向け、研究を進めていきたい」としている。 "[he-forum 17712] 神戸新聞6/24","神戸新聞 2013年6月24日付 奨学金制度の改革を 中京大・大内教授、神戸で講演  「奨学金問題と学費を考える兵庫県集会」がこのほど、神戸市中央区雲井通の市勤労会館で開かれた。大内裕和・中京大教授が講演し、困窮する若者の生活実態を指摘するとともに、現行の奨学金制度について、延滞金の廃止、返済猶予、給付型奨学金の導入など抜本的な改善を訴えた。(中部 剛)  兵庫県内の弁護士や労働組合などで「奨学金問題と学費を考える兵庫の会」(共同代表・赤松範夫弁護士)が設立され、初めて集会を開いた。  大内教授は、今年3月末に発足した奨学金問題対策全国会議の共同代表。大学生や若者の貧困対策に取り組んでいる。  大内教授は、日本の学費は先進国の中でも高額だとした上で、「50代になっても奨学金の返済が終わらない人や、祖父母が年金から返済しているケースがある。働き始める前から年収以上の借金を抱えている状況だ」と、これまでの相談事例を交えながら話した。  教授によると、独立行政法人・日本学生支援機構(旧日本育英会)が貸し出す有利子奨学金は1998年度に11万人だったのが、2012年度は96万人に達している。教授が最も問題視しているのは、年利10%の延滞金と機構の厳しい取り立て。「学生の修学を支える奨学金ではなく、事実上のローン。貧困ビジネスだ」と訴え、返済猶予、有利子の無利子化、返済のいらない給付型奨学金の導入などを求めた。  兵庫の会では、奨学金で悩んでいる人の相談を受け付けている。事務局TEL078・362・1166、メールhy-shougakukin@mbr.nifty.com "[he-forum 17716] お尋ね Re: [he-forum 17714] 国立大学のミッションの再定義関連文書の公表について","新首都圏ネット事務局様 下記のメ-ルを頂きさっそく ※詳細は本事務局の以下のURLを参照されたい. http://www.shutoken-net.jp/ にアクセスさせていただきましたが、資料の入手不可です。 大変申し訳ありませんがどのように処理すれば入手可能でしょうか。 福岡教育大学教職員組合 事務担当 綾部 -----Original Message----- From: 新首都圏ネット事務局 Sent: Sunday, June 30, 2013 6:18 PM To: he-forum@ml.asahi-net.or.jp Subject: [he-forum 17714] 国立大学のミッションの再定義関連文書の公表について 国立大学のミッションの再定義関連文書 2013年6月29日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 現在教員養成系・医学系・工学系の3分野においてミッションの再定義が進められている.本事務局はミッションの再定義に関連していくつかの資料を入手したので公表する. 資料1 「国立大学法人学長・大学共同利用機関法人機構長等会議」(平成25年6月20日)における文部科学大臣挨拶 資料2 「今後の国立大学の機能強化に向けての考え方」(平成25年6月20日) 資料3 教員養成系分野のミッションの記述例とその解説 詳細は本事務局の以下のURLを参照されたい. http://www.shutoken-net.jp/ "[he-forum 17717] 毎日新聞7/1","毎日新聞 2013年7月1日付 記者ノート:入試改革にご意見を  政府や自民党の大学入試改革案が目白押しだ。大学入試センター試験の見直し、高校在学中に複数回受けることができる「到達度テスト」の導入を求めるなど、入試制度の大改革を提案している。  1979年から始まり国公立大を対象にした「共通1次試験」は、それまでの難問・奇問を排して一定の学力水準を測ることが目的だった。大改革だった。90年にセンター試験に変更され、英語のリスニング試験も導入。私立大も利用可能にした。今では最大50万人以上が受験する。これも大きな改革であった。  「一発勝負を見直す」「複数回受けられることで高校教育の質保証ができる」と到達度テストを推進する声も多い。学力試験を経ていない大学生の学力低下を憂うのであれば、一定以上の成績を受験の要件にするのは効果的かもしれない。  もちろん課題もある。どのくらいの教科を、誰が作問し、どこで何回実施するのか。公平性は担保できるのか。費用はどのくらいかさむのか。詰め込み教育に拍車がかからないか。学習進度の速い中高一貫校が有利ではないのか。  入試改革は専門家だけが議論し、専門家だけが結論を出すべきものとは思わない。そこで読者の皆さんのご意見・アイデアを募集したい。議論百出で結構! お待ちしています。【澤圭一郎】 "[he-forum 17719] 中国新聞社説7/1","中国新聞社説 2013年7月1日付 法科大学院の統廃合 地方に配慮 欠かせない  専門知識と教養を兼ね備えた人材を法曹界に送り出す。鳴り物入りで始まった法科大学院制度が、10年もたたずに転機を迎えている。  政府の法曹養成制度検討会議が先週、司法試験の合格率が低い大学院に淘汰(とうた)を迫る提言をまとめた。  2004年にスタートした制度は合格者が伸び悩み、入学志願者は当初の5分の1にまで減った。既に入学者募集を打ち切ったところもある。  今回の提言を踏まえ質、量ともに向上させる必要がある。併せて地方の実情にも即した改革へとつなげたい。  提言の柱は、実績を挙げていない大学院に対し、定員減や統廃合を促したことである。政府には補助金の削減や教員派遣の中止を求め、改善が見込めない場合は修了者に司法試験の受験資格を与えないなどの強硬手段まで視野にあるとみられる。  法科大学院は当初、修了者の7~8割が司法試験に合格すると期待されていた。ところが全国で74校も乱立し、定員割れが相次いだ。ここ数年の合格率は平均で2割台に低迷する。  法科大学院を出たのに司法試験に受からない。これでは「話が違う」と志願者たちが思うのも当然だろう。  教育の質の低下はもはや見過ごせない。選別の時代に入るのもやむを得まい。  一方で、法曹人の育成に力を入れてきた新設校などの芽を摘んでしまう懸念が残る。統廃合を促す具体策は、新たな検討会議が2年以内にまとめるという。合格率といった一律の物差しだけではなく、大学院側の改善計画などをくみ取る柔軟さが欠かせない。  統廃合のしわ寄せは、小規模の大学院が目立つ地方への影響が予想される。その結果、都市部にばかり大学院が残れば卒業後もそのまま、地方に戻らない人が増えかねない。  医師と同様、弁護士は暮らしの安全や安心を支える地域資源である。頼りがいのある法律家を身近に数多く育てるという、法科大学院導入の原点を忘れてはなるまい。  人口が都市部に集中し、地方が過疎にあえぐ。アンバランスが弁護士の世界でも広がらないような具体策が求められる。  例えば、地方自治体が弁護士を職員として雇い入れる試みを促すことも考えられよう。欧米では一般的だが、日本ではまだ広がっていない。  地方分権の時代には、必要な条例を自ら制定する姿勢が欠かせない。国や都道府県に追随するのではなく、法的な視点から政策を考える能力が求められつつある。市民サービスの向上にもつながる。  法曹養成機関の在り方としては、島根大の山陰法科大学院が構想を打ち出した「広域連合法科大学院」が一つの方向性を示しているだろう。  国公私立を問わず他大学と連携し、テレビ電話などを通じた遠隔授業も提供する計画である。単独では15年度に停止する入学者募集でも連携を図る。都市部に劣らない教育の提供は、志願者にとっても魅力に映るはずである。  法曹人が活動できる場を地方でも広げ、地域づくりに生かしていくことの重要性をあらためて共有したい。 "[he-forum 17718] 佐賀新聞6/26","佐賀新聞 2013年6月26日付 卒業生離職率追跡して調査 佛淵佐賀大学長  佐賀大学の学長に再任が決まった佛淵孝夫学長は25日、会見を行い、「主体的に改革を進め、地域との連携を強化しながら『必要とされる大学』を目指したい」と2期目の抱負を述べた。  佛淵学長は、卒業生の離職率など追跡調査を実施する意向を示し、「面倒見の良い教育に取り組む一方で、学生が就職先に満足しているかどうかも重視したい」と強調。大学改革を進める国の動きに対し、「予算や人員の削減が見込まれ、地方の大学はさらにスリム化が求められる。民間の手法も取り入れた業務改善を続けたい」とした。  東京大が打ち出した4学期制については「(秋入学より)比較的やりやすく、検討に値する」とし、学内で今後協議する考えを示した。佛淵学長の任期は10月から2年間。 "[he-forum 17721] 薬事日報社説6/28","薬事日報社説 2013年6月28日付 将来見据えた薬学教育改革を  薬学教育6年制の移行に伴い、薬剤師国家試験の受験資格は、原則として6年制学部・学科の卒業者に与えられることになったが、2017年度入学者までは、基礎薬学を学ぶ4年制学部・学科に進んだ学生にも、卒業後の修士課程2年に加え、共用試験や実務実習などの臨床教育を2年間行うことで、国試の受験資格を認める経過措置が設けられている。  この経過措置を今後も存続させるべきかをめぐり、日本薬学会が推進派の柴崎正勝会頭と反対派の遠藤浩良帝京大学名誉教授との公開討論会を開いた。  討論会では、柴崎氏が経過措置の延長により、4年制学科で基礎研究を学んだ“多様性のある薬剤師”の育成や、基礎薬学研究の水準低下防止などの意義を強調。遠藤氏は、4年制の学生が国試の受験資格を取得するための手段は、「経過措置の存続ではなく、学士入学を用いるべき」と主張し、意見は対立した。  6年制教育では、臨床薬学がクローズアップされているが、臨床現場では健康や病気、薬の効き目などを化学的な視点から的確に説明できる基礎薬学の知識が必要な場面はある。  しかし、一部の6年制学科では、基礎研究に割く時間が減少しているだけでなく、教育内容が国試合格を重視したものに偏ってしまう“大学の予備校化”の指摘もある。そうした大学が増えれば、臨床現場での問題解決能力を備えた薬剤師どころか、知識偏重で臨床では評価されない薬剤師が輩出されることになってしまう。  大学で基礎研究を学ぶ時間が減ったというのは、各大学の問題で個別に解決すべきことで、その問題に経過措置の延長が問題解決にどれだけの効果があるのか未知数な部分もあるが、柴崎氏の問題提起は、6年制と4年制の並立によって生じた、薬学の基礎研究レベルの低下という問題を浮かび上がらせた。  12年度の厚生労働科学研究「薬剤師需給動向の予測に関する研究」(研究代表者:望月正隆・薬学教育協議会代表理事)は、「10年単位では今後、薬剤師が過剰になるとの予測について、否定できるものはない」との見通しを示した報告書をまとめた。  これは「国試に合格してしまえば一生安泰」という時代の終わりと、免許だけの薬剤師が必要とされなくなる日が、そう遠くない将来にやってくるということを意味している。  経過措置の存続という手段がいいか悪いかは別として、医薬品に関する高度な知識と、患者や他の医療職種とのコミュニケーションスキルの双方を備えた薬剤師の輩出は、不断に行われる必要がある。  討論会では、両者とも質の高い多様性のある薬剤師を育成すべきという点は一致していた。そのためには、どのような改革を行うべきなのか、大学の関係者は知恵を出し合ってもらいたい。 "[he-forum 17720] 京都新聞6/28","京都新聞 2013年6月28日付 京大が国際化目標 留学生・外国人教員数倍増…印刷用画面を開く  京都大の松本紘総長は27日の定例会見で、京大の国際化に向けた数値目標を明らかにした。2020年までに留学生や外国人教員の数を倍増させるとともに、「世界大学ランキング」でトップテン入りするとしている。  2020年までの国際戦略「TWO by2020」で、国際化に関わる数字を2020年までに2倍にする。具体的には、海外への留学や世界トップレベルの大学院、英語の講義などを倍増し、英教育専門誌の世界大学ランキングで現在(2012年、東京大は27位)の54位から10位以内にする。  松本総長は「京大の国際化を、あらゆる方面で進めたい」と強調した。  東京大が導入方針を決めた4学期制についても、京大も検討する方針を明らかにした。「各部局に1年かけて議論してもらい、医学部生のインターン時期など問題点を見極める」という。  さらに大学入試改革について言及し、今月就任した国立大学協会長としても「(大学入試改革は)国民的課題で、国大協としても検討を始めている」と議論を積極的に進める考えを示した。  文部科学省が大学入試センター試験の代わりとして導入を検討する到達度テストについては「試験機会が増えるのはいいが、大学で実施するのか、高校なのか、誰がいつやるのか慎重に検討しないといけない。専門家を交えた国大協の入試委員会に検討をお願いした」という。 "[he-forum 17722] 6月20日開催の国立大学法人学長・大学共同利用機関法人機構長等会議の配布資料について","2013年6月20日開催の国立大学法人学長・大学共同利用機関法人機構長等会議の配布資料の公表について 2013年7月1日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 2013年6月20日に国立大学法人学長・大学共同利用機関法人機構長等会議が文科省会議室で開催された.その時配布された資料を入手したので紹介する.一部は先に紹介した教員養成系ミッション再定義関係の文書とも重複する. 配布資料は以下の通り 議事次第   ダウンロードは,こちら 文部科学大臣挨拶   ダウンロードは,こちら 今後の国立大学の機能強化に向けての考え方   ダウンロードは,こちら 高等教育局説明資料   ダウンロードは,こちら 研究振興局説明資料 ダウンロードは,こちら 文教施設企画部説明資料   ダウンロードは,こちら 大学の取り組み説明資料(秋田大学、新潟大学、福井大学、京都大学)   ダウンロードは,こちら 詳細は本事務局のHPへ http://www.shutoken-net.jp/index.php?option=com_content&view=article&id=4539&Itemid=118 "[he-forum 17723] しんぶん赤旗7/2","しんぶん赤旗 2013年7月2日(火) 十分な研究奨学金を 宮本議員質問に参考人  衆院科学技術・イノベーション特別委員会で6月21日、参考人質疑が行われ、日本共産党の宮本岳志議員が質問しました。  宮本氏は、若手や女性研究者の活躍の場を広げなければならないが、現状は「任期付き」の職しかなく、日々の暮らしさえ成りたたず将来の見通しが持てないと指摘。博士課程に進みたくとも、お金を理由に断念せざるえない学生も多いと述べました。  政策研究大学院大学の白石隆学長は「任期というリスクに見合うだけの報酬が当然なければならない」と述べ、博士以上の学生には十分な研究奨学金を提供すべきだと語りました。  理化学研究所の野依良治理事長は、日本以外の国では大学院生に全生活費が支給されていると強調し、「月20万程度は保証すべきだ」と述べました。  宮本氏は、国や地方公共団体からの科学技術研究費がこの10年で減り続けていることを指摘しました。野依氏と白石氏はともに、「ゆゆしき問題。ぜひ増強していただきたい」と語りました。= "[he-forum 17724] 教育家庭新聞7/1","教育家庭新聞 2013年7月1日付 国立大学を改革 地域連携で教員養成  文部科学省の平成24年度補助金「国立大学改革強化推進事業」が14事業選定され、教員養成系大学の改革や大学の国際化、グローバル人材育成に関する取り組みが各地で開始した。教員養成大学を中心にまとめる。 文科省・H24年度補助募集  教員養成系大学では、地域間で連携して教員養成機能を強化する。   東京学芸大学は、北海道教育大学、愛知教育大学、大阪教育大学と連携して、教員養成の高度化支援システムの構築「教員養成ルネッサンス・HATOプロジェクト」に着手する。教員養成単科大学が組織を越えて連携することで、師範学校以来の教員養成機能の深化を図るため、教員養成プログラムを開発、全国の教員養成系大学・学部へ展開する。   奈良教育大学、京都教育大学、大阪教育大学が連携し、「学び続ける教員」のための教員養成・研修高度化事業「京阪奈三教育大学連携による教員養成イノベーションの創生」を展開する。   徳島大学・鳴門教育大学・香川大学・愛媛大学・高知大学では、四国5大学連携により、AO入試、教養教育、産学連携等を共同で実施する。   大学の国際化にも着手する。   名古屋大学・愛知教育大学・三重大学では、年間1200人程度の日本人学生を海外に派遣すると共に、留学生を年間3600人受け入れることで、国際人材育成と国際化の促進を目指す。   京都大学では、グローバル化に対応した教学マネジメントのための組織改革として、国際高等教育院(仮称)を設置。学部等のグローバル化を推進するために、100人規模の外国人教員を新規採用し、教養科目の半分以上を英語で講義することを目指す。   九州大学では、学士課程教育において、専任教員として30人規模の外国人教員を採用し、国際化を推進する。 秋田大学では、将来の資源・エネルギー戦略を担う即戦力として資源系の企業・商社・政府機関等様々な分野での人材育成に取り組む。 "[he-forum 17725] 信濃毎日新聞7/4","信濃毎日新聞 2013年7月4日付 県立大構想に相次ぐ要望 松本広域、私大4校、県議有志  県が県短大(長野市)を四年制化して新設する県立大の基本構想について、松本広域連合や同連合議会、中信地区の県議有志、県内の私大4校が3日、県に対し相次いで要望書を提出した。競合を懸念する松本大(松本市)が設置に反対している管理栄養士養成課程などを問題視し、学部構成の再検討や入学定員の削減、慎重な対応などを要望。県側は岩崎弘総務部長らが対応し、県の具体的な考えを説明する機会をつくってほしいなどと求めた。一方、この日の県会総務企画委員会では、長野市選出の県議から、早期の構想具体化を求める意見などがあり、県立大をめぐる混迷が続いている。  松本広域連合は、代表副広域連合長の小口利幸塩尻市長や、同連合議会議長の太田更三松本市会議長ら6人が県庁に岩崎部長を訪問した。小口市長は「子どもが減っていく時代に、私立と公立の学生の奪い合いになる懸念が強い」と主張。坪田明男・松本市副市長は「松本大は県や松本市などの多額の財政支援でできた『地域立大学』。同じような学科をぶつけるのは理解できない」と述べた。  これに対し、岩崎部長は「私大側と話し、指摘は十分踏まえて議論してきた」とした上で、「構想を具体化する中で意見交換しながらやっていきたい」と述べた。  要望書を提出した県議有志は、県会最大会派自民党の清沢英男氏(東筑摩郡)、第2会派改革・新風の下沢順一郎氏(松本市)、中川博司氏(同)、甕裕一氏(安曇野市)、続木幹夫氏(塩尻市)、第3会派県民クラブ・公明の中川宏昌氏(松本市)の6人。県立大学設立担当の高田幸生総務参事に要望書を渡し、松本広域連合などの要望を十分に踏まえ、慎重に対応するよう求めた。  また、松本大、長野大(上田市)、諏訪東京理科大(茅野市)、清泉女学院大(長野市)の私大4校は、阿部守一知事や本郷一彦県会議長宛ての要望書を、高田総務参事などに提出。「県内私立大と競合せず、高度な学部学科の設置を要望してきたが、構想に十分反映されていない点は、極めて遺憾」とし、入学定員を絞るよう求めた。松本大の小倉宗彦事務局長は取材に「大学の理念や高等教育の振興策は一定の評価はするが、私大側の要請が受け入れられておらず、納得していない。管理栄養士養成コース設置を認めるつもりもない」とした。  一方、県議会総務企画委員会ではこの日、改革・新風代表の倉田竜彦氏(長野市)が早期の構想具体化や学長選任を要望。県短大卒業生の共産党県議団長、石坂千穂氏(同)は管理栄養士受験資格などが取得できる課程を重視するよう求めた。県民クラブ・公明顧問の宮沢敏文氏(北安曇郡)は県がこれまで私立大との関係構築を怠ってきた―とし、今後の改善を求めた。 "[he-forum 17726] 共同通信7/3","共同通信 2013年7月3日19時31分 日弁連、奨学金制度改善を要求 返済滞り増加  日弁連は3日、経済状況の悪化で大学生向け奨学金の返済に苦しむ人が増えているとして、文部科学省と日本学生支援機構に制度の改善を求める意見書を提出した。  意見書は、学費高騰による借入金額の増加や非正規雇用の広がりで返済が滞るケースが増え、支援機構の回収も厳しくなっていると指摘。「奨学金は教育を受ける機会を保障するために重要であり、制度の充実を望む」としている。  具体策として、返済の必要がない給付型奨学金の創設、利息や延滞金の廃止、返済困難な人への救済制度の拡充などを求めた。 "[he-forum 17727] 岐阜新聞 7/3","岐阜新聞 2013年7月3日付 岐阜大、農学で国際連携 アジア10大学とコンソーシアム  岐阜大学は2日、農学博士課程の教育を充実するため、東南アジア、南アジア5カ国の10大学と連携する国際コンソーシアムを設立したことを明らかにした。学生のインターンシップや教員の相互派遣を促すため今月から学内とバングラデシュ、インドネシアの大学に同大のコーディネーターを置き、支援体制を整えた。  コンソーシアムの統括責任者である同大大学院連合農学研究科長の鈴木文昭教授(60)が同日、10大学の研究科長らが岐阜市に集った会議で詳細を報告した。10大学はダッカ(バングラデシュ)、インド工科、ガジャマダ(インドネシア)、ハノイ工科(ベトナム)、チュラロンコン(タイ)など各国の有力大学。  岐阜大大学院連合農学研究科の学生のうち約4割が留学生で、うち約3割は修了後に母国で大学教員となっている。国際連携は、培ってきた人的なつながりを生かして博士課程教育の質を高めようと、岐阜大が、留学生OBが教員を務める10大学に提案して実現した。  コーディネーターは3人で、岐阜大には企業の海外拠点で勤務経験のある同研究科の日本人OB、ダッカ大とガジャマダ大には留学生OBをそれぞれ配置した。現地に関連企業や拠点を持つ一丸ファルコス(本巣市)、岐阜セラツク(岐阜市)、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)など東海3県の企業5社による協力部会も発足し、インターンシップの受け入れ先確保などで支援する。  学長補佐も務める鈴木学科長は、「博士教育で連携の実績をつくり、学部や全学的な連携に発展させたい」と意欲を語った。 "[he-forum 17730] 高知新聞社説7/5","高知新聞社説 2013年7月5日付 【法科大学院】身近な法曹どこで育てる  政府の法曹養成制度検討会議は、司法試験の合格率が低い法科大学院を強制的に退場させる法的措置を検討することを盛り込んだ最終提言を採択した。  法科大学院の司法試験の合格率は低迷しており、昨年は約25%だった。合格率が低いと大学院の志願者が減り、学生の質を確保するのが難しくなる。その結果、合格率はさらに低くなるという悪循環が起きている。  質の問題は司法制度の根幹に関わるだけに、法科大学院の統廃合を進めるのはやむを得ない。しかし、学生や法曹を志す人たちに不安を与えないよう、政府は慎重に結論を出さなければならない。  司法制度改革は法曹人口を増やし、国民が身近に法律相談などができる社会を目指して始まった。法科大学院創設はその制度改革の目玉だった。  これまでに約70の法科大学院ができたが、司法試験の合格率が高い大学院の固定化など教育の質の二極化が早くから指摘されてきた。社会人や法学部以外の出身者らの合格率も伸び悩んでいる。  そこで検討会議は、実績の低い大学院の定員縮小や統廃合を促すため、補助金の削減や教員派遣の中止を求めている。改善が見込めない場合は、修了した学生に司法試験の受験資格を与えないことなどを想定している。  ただし、法科大学院の乱立を招いた責任の一端は、設置を許可した文部科学省にもある。合格率だけで切り捨てるのではなく、改善に向けた各大学院の取り組みへの配慮も必要だ。  統廃合の動きは小規模な法科大学院が多い地方でも進むだろう。  地方の志願者は都市部の大学院に進むしかなくなる。経済的事情で法曹の夢を諦める人も少なくないだろう。  一方、弁護士ゼロ地域は解消されたようだが、地方では多様な司法サービスを提供できる状態になったとはいえない。  そもそも司法制度改革は身近な法律家を育てることが目標ではなかったか。  2015年度の法科大学院の入学者募集をやめた島根大は、広域連合方式の大学院設置を目指すという。  医師と同様、弁護士も市民の安心を守るために欠かせない存在である。地域の法曹育成の場をどう確保するか、議論を重ねていきたい。 "[he-forum 17729] 十勝毎日新聞 7/5","十勝毎日新聞 2013年7月5日付 大学4年間の授業料補助 新得高支援で町教委 【新得】町教委は、新得高校の入学生に対し、国公立大学に進学する生徒の4年間の授業料全額相当を補助するなど新たな町独自の支援策をまとめた。来年度入学生の確保に向けて大胆な施策を打ち出したもので、道教委は「(高校支援策としての)大学授業料補助は聞いたことがない」としている。  これまでも大学(短大、専門学校含む)進学者には入学金補助や無利子の入学資金貸付の支援を行ってきたが、新たに国公立大進学者の授業料を補助する内容。1人につき年間50万円を限度とし、4年間最大200万円。町内、町外の生徒を問わず、返還は不要としている。年間国公立大進学者は2人を想定している。  高校側も指導体制が整っていることから、大学進学後の負担軽減を強調することで、国公立大を志望する生徒が入学することを期待している。町教委は「出口対策を強化し、経済的に不安定な場合でも安心して進学を目指せる環境づくりを目指す」としている。  このほか、特別な支援を要する生徒に対応する支援員を学校に配置し、普通学校への進学を希望する該当生徒の受け入れをサポートする体制を整える。町の発達支援センターの心理士とも連携していく。  町は2013年度予算に同校入学者への支援として通学費全額補助、大学入学金補助など約1900万円を計上。新たな支援策に必要な経費は来年度予算に盛り込む予定。5日午後の町議会議員協議会で説明した。  12年度から1学年1学級となった同校の今年度入学者は17人にとどまっており、町は高校存続に向けた正念場と捉え、町内中学生へのアンケート結果などに基づき振興策を練ってきた。なお、新得高校の国公立大学進学者は10年度2人、11年度1人、12年度はいなかった。 "[he-forum 17728] 信濃毎日新聞7/5","信濃毎日新聞 2013年7月5日付 信州大学長に山沢氏再任  任期満了(9月30日)に伴う信州大学長選考会議(議長・山口浩一郎上智大名誉教授)は4日、信大本部(松本市)で開き、次期学長に現学長の山沢清人氏(68)を再任した。山沢氏と渡辺秀夫・前信大人文学部長(65)を候補に同会議全17委員が投票。山沢氏が過半数の14票を得た。任期は10月1日から2年。  信大の学長任期は最長2期までで、1期目が4年、2期目が2年。2003年に就任した小宮山淳前学長(現学校法人松商学園長)も07年に再任され、09年まで務めた。  山沢氏は、6月に行われた教職員の意向投票で423票を得て、渡辺氏の341票を上回っていた。  同会議後の会見で、山沢氏は「文部科学省や社会が求めている大学改革をこの2年間で軌道に乗せる必要がある。重責に身の引き締まる思い」とした。大学の将来像として「全学の英知を集めて信州『知の森』を深化させる」「人と自然を愛する心豊かな学生を育てる」の2点を掲げ、抜本的な組織改革と教育研究改革、外部資金による産学官連携体制の構築・推進などに取り組むとした。  山沢氏は東北大大学院工学研究科修士課程修了。信大工学部の助教授、教授、学部長を経て、09年10月から学長。東京都武蔵野市出身。 "[he-forum 17731] 熊本日日新聞7/7","熊本日日新聞 2013年7月7日付 有明海再生へ初シンポ 県立大など4大学連携  熊本県立大など有明海沿岸の4大学の研究者が6日、有明海の環境をテーマに佐賀大でシンポジウムを開いた。本年度から取り組む「有明海地域共同観測プロジェクト」の最初の集まりで、環境悪化と再生の必要性を確認し合った。  プロジェクトには県立大、佐賀大、長崎大、九州大の研究者ら20人が参加。2018年度まで、赤潮発生などそれぞれの研究成果を共有し合うことで、有明海の現状を多角的に検証する。  国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門の開門調査に関しても、環境にどのように影響するか、プロジェクトとして一定の見解を提示。熊本など3県の漁業者が早期開門を求める一方で、長崎県の干拓農家らが反対していることから、議論の場の提供も考えたいとしている。  シンポでは各研究者が、有明海でのプランクトン発生メカニズムなどを報告。熊本県立大環境共生学部の堤裕昭教授は、潮受け堤防の締め切りで潮流が変化したとして「開門によって現状を崩せば、赤潮が発生しにくくなる可能性がある」と指摘した。(小多崇) "[he-forum 17732] 朝日新聞7/8","朝日新聞7/8 (私の視点)労働の質 人への投資で高める必要 金井利之  このままでは日本社会における人材は「安かろう、悪かろう」になってしまう。将来に向けて、それでよいのか。改めて考える必要がある。  「安かろう、悪かろう」を端的に示すのが、復興を目的とする昨年来の公務員給与の7・8%削減だ。復興予算の流用が相次ぐように、実は復興予算は余って いる。また、復興のための所得増税に加えて公務員だけが二重に負担するのは、公平性の点で問題がある。それにもかかわらず、公務員給与を下げることは、質 の低い仕事でよいと認めることになる。むしろ公務員に高付加価値の仕事をさせることこそが大事だ。  公務員給与のあり方は、政府・民間企業・家計を問わず、日本社会における人材に関する根源的な問題の反映だ。「安かろう、悪かろう」の人材で、これからの日本が生きていけるのか。給料は高いが、よいものを生み出す、そんな高付加価値の労働こそ必要ではないか。  「安かろう、悪かろう」の第1の問題は、仕事を通じて能力を蓄積すべき時期の20~30代が不安定な非正規雇用のまま使い尽くされ、十分な能力を形成す る機会を奪われたことだ。その結果、第2の問題として、たとえば医療や介護、子育てなど公共的なサービスでも圧倒的に人手不足なのに、仕事をこなせる人材 がいない。  いま必要なことは、人材に投資して能力を高め、社会が必要とするところで高付加価値の仕事ができる人材を育てることだ。企業・行政・NPOが真摯(しん し)に人材を育成するように仕向ける環境作りも重要だ。簡単に非正規労働で済ませたり、賃下げをしたり、従業員のクビを切ったりできなくなれば、能力を上 げて仕事をしてもらうしかない。それこそが経営のはずだ。経営者に人的投資へのインセンティブを与えるには労働規制の強化こそ必要だ。成長戦略で重要なの は、設備投資ではなく人的投資への刺激なのだ。  しかも、アベノミクスが引き起こすインフレ下では、それを相殺する以上の賃上げが欠かせない。インフレとは実質的な賃金切り下げであり、「安かろう、悪 かろう」政策の典型である。そして、子育ても含め、社会保障の分野にしっかり財政支出を回すべきだ。老後に不安があれば、国民は金を使わない。子育てに金 がかかるので、少子化が助長されている。  将来への最大の人的投資である子供が減れば、「安っぽい国」への坂道を転げ落ちるだけだ。今まさにその分岐点に立っている。 "[he-forum 17733] 朝日新聞7/6","朝日新聞 2013年07月06日03時09分 増えた博士、足りぬ仕事 4割が安定した職に就けず  【岡雄一郎、河原田慎一】せっかく博士課程まで勉強しても、安定した職に就いたのは半数だけ――。昨年の文部科学省の調査で、そんな実態が明らかになった。成長戦略に欠かせない技術革新の担い手として期待される人材なのに、就職先が足りないのだ。 ■教員への就職、難しく  「正規雇用」と「非正規雇用」――。文科省は昨年、博士課程を終えた後の進路について、初めてこんな区分を設けて調べた。  昨春の修了者1万6260人のうち、無期雇用の正規職員は8529人(52%)。一方、1年以上の有期雇用の非正規職員は2408人(15%)、主に1 年未満の「一時的な仕事」855人(5%)、進路が決まらない「就職も進学もしない」3003人(18%)。つまり、安定した職に就かない博士が計38% に上った。  この「非安定雇用」の割合は専攻分野で差がある。医学や薬学などの「保健」は24%と低いが、「農学」53%、数学や物理学などの「理学」57%、文学などの「人文科学」は60%。「すぐに利益につながらない基礎研究などの分野は、特に企業への就職が難しい」と文科省の担当者はみる。  なぜか。1991年度からの15年間で博士課程修了者は2・6倍に増えた。「研究者の需要が広がる」として国がその方針をとったからだ。だが、就職先は整わなかった。  修了者の多くは、大学の教員職に就いてきた。91年には、博士課程修了者6201人に対し、全国の大学教員採用者は計8603人。09年には、教員採用者は1万1066人に増えたものの、修了者1万6463人を下回った。大学数は増えたが、教員の定年延長や人件費の抑制でポストが空きづらい状況だ。  企業への就職もふるわない。国が製造業を中心に主要企業へ尋ねたところ、新卒の博士を研究開発者として採用した企業は7%のみ(10年度)。07年度の同じ調査では「過去5年間、博士を採用していない」企業が42%を占めた。  野村総合研究所は10年、博士の進路に関する報告書で、「企業の博士に対する評価は低くはないが、修士より能力が特に優れているとみられず、『協調性』といったチームワークに課題があるとの指摘も多い」などと分析している。  そんな中、博士課程へ進む割合は減ってきている。02年度に修士全体の14・1%だった「進学者」は、12年度には9・6%まで下がった。「東京大ですら、先の見通せない博士課程は修士の間で『貧乏くじ』とも言われる」(文科省幹部)との声もある。 ■「ポスドク」活用模索  「非正規」の多くは、「ポストドクター(ポスドク)」と呼ばれる任期付き研究者だ。主に数年間の研究事業ごとに雇われるが、その後の地位の保証はない。その数、1万5220人(09年度)。「ポスドク問題」と呼ばれる。  文科省は、企業と協力して約3カ月の就業体験を博士課程の学生にさせる事業を08年度に始めた。その後の4年間で379人が就職にこぎ着けた。また、06年度からは、高い実績を残したポスドクに無期雇用のポストを用意する大学に、補助金を出している。  政府は先月まとめた「成長戦略」で、「イノベーション(技術革新)の推進」を柱の一つとし、大学や研究機関の環境整備や民間の研究投資促進を目標に掲げた。しかし、ポスドク問題解決の道のりは遠い。  国の総合科学技術会議議員の原山優子・東北大名誉教授(科学技術政策)は「博士号取 得者の活躍の場が限られた現状は、国の施策だけでは変わらない。研究機関は、社会で活躍できる人材育成と研究に努める姿勢がこれまで以上に必要だ。企業 も、国内の高い研究水準の維持が将来的に自社に利益をもたらすという視点に立って、研究者育成に協力してほしい」と話す。 ■「橋渡し」力入れる大学  博士やポスドクの就職支援に、独自に力を入れる大学も出てきた。企業でのインターンシップの紹介や就職相談ができる支援センターは、全国30以上の大学にできているという。  中でも、名古屋大が06年に設けた「ビジネス人材育成センター」は最大規模だ。登録している院生やポスドクは約1200人。約6割は名大以外で、全国から利用があるのが特徴だ。  開設以来約460人が就職。専門外の職に就く人も約3分の1いる。センターの森典華特任准教授は「1500社以上の企業を回り、博士を採用する利点を伝えてきた」と話す。  名大大学院工学研究科でポスドクをしていた伊藤俊成さん(35)は09年、再生医療に関わる企業に就職。2年間のポスドク時代は450万円の年俸制で、研究費が続く保証もなかった。「社会とつながっていたい」との思いがあったという。  専門は生物工学で、細胞の培養の経験もあるが、仕事は病院を回る営業職。重いやけどで人工皮膚が必要になると、保冷バッグを抱えて病院に駆けつけ、培養のための患者の皮膚を受け取る。「学会の最新情報を医師に伝えるなど、研究者から営業へという珍しさが『売り』になっている。研究室で培った忍耐力、論理的思考力が強み」と話す。  日本科学未来館(東京都)で展示を紹介する科学コミュニケーターを務める石川菜央さん(34)は、名大大学院環境学研究科で人文地理学が専門だった。あらゆる分野の科学技術を扱うため、勉強の毎日だ。  博士課程に入ってすぐ、センターに通った。「こういう人がいる、道がある、と具体的に示してくれた。研究職以外のことを考えるうえで心のよりどころだった」 "[he-forum 17734] Re: 朝日新聞7/8"," On 2013/07/08 12:29, ""he-forum-news"" wrote: > 朝日新聞7/8 > > (私の視点)労働の質 人への投資で高める必要 金井利之 > >  このままでは日本社会における人材は「安かろう、悪かろう」になってしまう。将来に向けて、そ > れでよいのか。改めて考える必要がある。 > >  「安かろう、悪かろう」を端的に示すのが、復興を目的とする昨年来の公務員給与の7・8%削減 > だ。復興予算の流用が相次ぐように、実は復興予算は余って いる。また、復興のための所得増税に加 > えて公務員だけが二重に負担するのは、公平性の点で問題がある。それにもかかわらず、公務員給与 > を下げることは、質 の低い仕事でよいと認めることになる。むしろ公務員に高付加価値の仕事をさせ > ることこそが大事だ。 > >  公務員給与のあり方は、政府・民間企業・家計を問わず、日本社会における人材に関する根源的な > 問題の反映だ。「安かろう、悪かろう」の人材で、これからの日本が生きていけるのか。給料は高い > が、よいものを生み出す、そんな高付加価値の労働こそ必要ではないか。 > >  「安かろう、悪かろう」の第1の問題は、仕事を通じて能力を蓄積すべき時期の20~30代が不安 > 定な非正規雇用のまま使い尽くされ、十分な能力を形成す る機会を奪われたことだ。その結果、第2 > の問題として、たとえば医療や介護、子育てなど公共的なサービスでも圧倒的に人手不足なのに、仕 > 事をこなせる人材 がいない。 > >  いま必要なことは、人材に投資して能力を高め、社会が必要とするところで高付加価値の仕事がで > きる人材を育てることだ。企業・行政・NPOが真摯(しん し)に人材を育成するように仕向ける環境作 > りも重要だ。簡単に非正規労働で済ませたり、賃下げをしたり、従業員のクビを切ったりできなくな > れば、能力を上 げて仕事をしてもらうしかない。それこそが経営のはずだ。経営者に人的投資へのイ > ンセンティブを与えるには労働規制の強化こそ必要だ。成長戦略で重要なの は、設備投資ではなく人 > 的投資への刺激なのだ。 > >  しかも、アベノミクスが引き起こすインフレ下では、それを相殺する以上の賃上げが欠かせない。 > インフレとは実質的な賃金切り下げであり、「安かろう、悪 かろう」政策の典型である。そして、子 > 育ても含め、社会保障の分野にしっかり財政支出を回すべきだ。老後に不安があれば、国民は金を使 > わない。子育てに金 がかかるので、少子化が助長されている。 > >  将来への最大の人的投資である子供が減れば、「安っぽい国」への坂道を転げ落ちるだけだ。今ま > さにその分岐点に立っている。 > > "[he-forum 17735] しんぶん赤旗7/11","しんぶん赤旗 2013年7月11日(木) 早大が労契法を脱法 非常勤講師の無期化回避狙う 労組が記者会見  早稲田大学が、非常勤講師に対して5年の契約更新による無期雇用転換を回避するため、半年間休職させて契約期間をリセットする「クーリング期間」 偽装の脱法行為を計画していることが分かりました。10日、首都圏大学非常勤講師組合が東京都内の記者会見で明らかにしました。  同大学法学部の非常勤講師に、「今後の授業計画に関するアンケート」が配布され、「5年間継続して勤められたならば、1学期の間お休みしていただく」として、2014年度~18年度の前後期で授業担当の希望を聞き、休職へ誘導しています。  改定労働契約法では、5年間契約を継続すると有期雇用から無期雇用へ転換できる、という規定が導入されました。厚労省発行の『労働契約法改正のあらまし』は、「あらかじめ労働者に無期転換申込権を放棄させることはできません」としています。  非常勤講師組合は、早大の行為が雇用安定という法の趣旨に反すると批判。非常勤講師に対して、アンケートにはすべての期間で「授業担当を強く希望する」と回答するよう呼びかけています。  早大は、さまざまな無期転換回避策をこころみており、4月には就業規則改定を強行して、契約期間5年上限で雇い止めにすると決めました。非常勤講師と組合から労働基準法違反で刑事告訴・告発をうけています。 "[he-forum 17739] 日本経済新聞7/12","日本経済新聞 2013年7月12日付 法科大学院、14年度入学定員11%減 定員割れで見直し  2014年度の学生を募集する全国の法科大学院の総入学定員数は3809人で、今春の総定員数より11%減少する見通しであることが11日、文部科学省の集計で分かった。ピークだった07年度(5825人)より35%減となる。  司法試験の合格率低迷を背景に、ほとんどの法科大学院が定員割れしており、定員の見直しが進んでいる。  文科省は、大幅な定員割れが続く法科大学院には14年度から補助金を削減する方針。定員を減らして基準を満たそうという大学院が相次いだとみている。  同省によると、13年度に学生を募集した69校のうち、東北大や立命館大など24校が定員削減を計画。数人から30人程度の削減計画が多いが、関西大は今春の定員100人から60人減らし、40人に絞る。東北学院大と大阪学院大は来春から学生募集を停止する。  今春の総定員数に占める入学者数の割合(充足率)は63%。定員割れは69校のうち64校に上った。政府の法曹養成制度検討会議は6月、補助金削減や教員派遣の中止で定員縮小や統廃合を促す最終提言をまとめている。 "[he-forum 17738] 時事通信7/11","時事通信 2013年7月11日18時23分 JT、奨学金制度を創設=国内企業で給付額最大  日本たばこ産業(JT)は11日、大学生を対象とした返済不要の奨学金制度を創設したと発表した。2014年4月にも給付を始める。大学4年間で約500万~880万円を支給。JTによると、国内企業による奨学金制度の中で1人当たりの給付額は最大という。  対象は学費の支払いが困難で、東大など国公立大学33校か医学部など6年制大学に入学する学生。原則としてJTが指定した全国トップクラスの公立高校128校を卒業することが求められる。1学年で最大50人に給付する。 "[he-forum 17737] 中日新聞長野7/9","中日新聞長野版 2013年7月10日付 信大の頭脳を商品に活用 医学部、2社の寄付講座  信州大医学部(松本市)は九日、菓子メーカー「ブルボン」(新潟県柏崎市)と、航空機用のモータ・センサを手がける「多摩川精機」(飯田市)の健康食品や医療機器開発などを支援するため、両社による寄付講座を開設したと発表した。信州大医学部は、企業にアイデアや人材を提供して実績を重ね、企業側は大学の知識や人脈を商品開発に生かす。  医学部の大橋俊夫教授らが松本市の信州大医学部で会見した。講座名は「メディカル・ヘルスイノベーション講座」。四月から、信州大病院の駐車場に設置された「信州地域技術メディカル展開センター」で、医学部と企業が共同で研究を進めている。大橋教授が講座の責任者を務め、約三十年間の教授としての経験や、国や経済界との人脈を生かして企業に助言をする。大橋教授の他、約三十人の国内外の大学の教授が研究に協力する。  設置期間は三年で、二社の寄付は年間で計約一千万円。  信州大医学部出身の大橋教授は「自分の歩んだ研究遍歴と人生遍歴を生かして、母校に恩返ししたい」と話した。  (中津芳子) "[he-forum 17736] 信濃毎日新聞7/9","信濃毎日新聞 2013年7月9日付 信大と県信濃美術館、連携調印 学芸員養成や所蔵品展開催など  信州大(本部・松本市)と県信濃美術館(長野市)は8日、芸術振興と教育研究に連携して取り組むため、覚書に調印した。美術教育や美術館学芸員の養成、美術品や資料の調査・研究、所蔵品の展覧会開催などで協力する。期間は3年で、更新も可能。  信大と県教委は2007年に連携協定を締結。信大と同館はこれに基づき、同館の研修会に信大が講師を派遣したり、同館が信大生の実習を受け入れたりしてきた。  覚書では連携をさらに円滑にするため、「美術教育と美術館学芸員養成」「美術品及び資料の調査、研究及び活用」など六つの協力事項を具体的に記した。信大が旧制松本高校から受け継いだ絵画などの展覧会を来年度に同館で開く他、信大が所蔵する彫刻家、画家の石井鶴三(つるぞう)(1887~1973年)の作品や資料を同館学芸員が価値付けするといった連携を検討している。  信大本部で調印した後、記者会見した山沢清人信大学長は「学生には信州が持つ文化芸術を総合的に継承させたい。協力関係がさらに広がり深まることを期待する」。橋本光明同館館長は「個々の人のつながりで連携していたが、総合的に進めることができるようになる。信大の全学部と連携し新しい企画を考えたい」と述べた。 "[he-forum 17740] 読売新聞7/12","読売新聞 2013年7月12日付 東大の4学期制、慶大など6大学が導入検討  留学促進などを目的に東京大学が導入方針を決めた4学期制について、東大の呼びかけで秋入学推進の協議会に参加した11大学のうち、早稲田大学が一部導入しているほか、6大学が導入を検討することがわかった。  同調する大学が増えずに東大が当面見送った秋入学に比べ、各地の有力大学が前向きな姿勢を見せており、全国的に波及する可能性が出てきた。  東大は6月、秋入学への全面移行構想については現時点では難しいと判断し、2015年度末までに4学期制に順次移行するとの最終案をまとめた。  これに合わせ読売新聞が6月下旬~7月上旬、協議会に参加した11大学の学長や副学長らに取材。北海道、東北、一橋、慶応、大阪、九州の各大学が「4学期制を検討」と答えた。今年度から順次導入している早稲田大は、17年度までに授業の7割を移行させるという。 "[he-forum 17747] 岩手日報7/13","岩手日報 2013年7月13日付 大学院試験にTOEFL導入 岩手大・人社研究科  岩手大(藤井克己学長)は12日、2014年10月以降の入学から、同大大学院人文社会科学研究科の外国語試験で英語能力試験TOEFL(トーフル)など外部試験を活用すると発表した。同大初の導入で、同時期にスタートする10月入学の試験と合わせ、社会人や外国人留学生らの受け入れ態勢を充実する。  TOEFLなどの活用は、大学の国際化への対応が求められる中、国際標準を取り入れるのが狙い。外国語試験では、試験日当日にTOEFLを受験する。TOEFLやTOEIC(トーイック)などの試験で一定以上の成績を収めた証明書を提出すると、試験を免除される。  同大入試課の藤原昇課長は「外部試験の活用や、春に加え秋にも入学機会が増えることで、多様な学生に研究活動への門戸を開くことができる」とする。詳細な募集要項は14年4月ごろに公表する。 "[he-forum 17746] 朝日新聞7/15","朝日新聞 2013年7月15日付 給付型奨学金や学費無償化訴え 東京で大学生らがデモ  高すぎる学費の無償化や給付型奨学金の実現を求める「教育の機会均等を!」デモが14日、大学生ら約90人が参加して都内で行われた。奨学金を受給する学生らで組織する全国学費奨学金問題対策委員会が主催。  雨の中、千代田区霞が関の財務省や文科省前を練り歩き、「大学はブラック企業か」「教育にもっと金を出せ」などと声をあげた。  参加した大阪経済法科大の齋藤隼飛(はやと)さん(22)は学費が払えず一度除籍された経験があり、高校在学時からの奨学金の総額は1千万円だという。「この国で教育を受ける権利は平等じゃない。自分も周りの友人も、コンビニの夜勤でアルバイトして授業中眠気をこらえる毎日。声をあげなければと思った」と話す。 "[he-forum 17745] 読売新聞7/13","読売新聞 2013年7月13日付 大学入試改革 (5)「新思考」多彩な学生選び  「行動力や思いやりなど、早稲田らしさを備えた学生を採りたい」。  6月18日、早稲田大が進める入試改革について学内で開いた記者説明会で、沖清豪(きよたけ)・入試開発オフィス長(文学部教授)が強調した。  新しい発想で選抜を行う「新思考入試」を同オフィスが中心になって開発。同大は数年のうちに実施する方針だ。そのたたき台として、志願者に討論させたり、講義を受けさせてリポートを書かせたりなど、様々な方式が検討されているという。  狙いは、多様で優秀な学生の獲得。同大は様々なAO(アドミッション・オフィス)入試や推薦入試を実施し、中には地方優先枠もあるが、一般入試の合格者は今春、東京を中心とした1都3県だけで75%に達し、かつて同大が持っていた出身地の多様性は薄らぐばかりだ。  教育情報会社「大学通信」情報調査・編集部の安田賢治ゼネラルマネジャーは「『私学の雄』である早大の改革がうまくいけば、他大学も動くだろう。東京大、京都大が導入する推薦・AO入試と併せて、抜本的な変化につながるかもしれない」とみる。  一方、高知大や香川大など、四国の国立大5校は5月、地域リーダーの育成を目指し、志願者の能力や意欲などを総合的に評価する「新入試」を共同で始めると発表した。早ければ2016年度から実施の見込みで、その業務を担う「連合アドミッションセンター」の本部を愛媛大に設置した。  新入試では、高校での日常的な学習活動を重視する方針だ。高校から提出された調査書の内容をうのみにせず、担当者が高校へ出向き、調査書を作成した教師に会うなどして確認することを考える。  センター長に就任した井上敏憲・愛媛大教授は「的確な審査には、実態に即した調査書が不可欠だ。高校と信頼関係を築いていく必要がある」と話す。  しかし、高校側は大学が進める入試改革に冷ややかだ。全国高校長協会が12年7月に会員の高校長を対象に実施したアンケート調査では、国公立大のAO・推薦入試の定員について、生徒の大半が4年制大学に進学する高校の校長の3割が「少なくしてほしい」と答えたのに対し、「多くしてほしい」は1割に満たなかった。政府が見直しを検討し始めた大学入試センター試験についても、「学力レベルに応じた2種類あるのがよい」と回答したのは、全校長のうちたった1割だったという。  早大で新思考入試にかかわる教員は「型破りな高校生はさほどいない。多くの高校が、生徒を型にはめる教育をしているからだ」と顔を曇らせた。手間のかかる入試に研究時間を割かれる大学教員の不満も強い。理想的な入試を目指す道のりは険しそうだ。(石塚公康) "[he-forum 17744] 読売新聞7/12(2)","読売新聞 2013年7月12日付 大学入試改革 (4)AO型 13時間かけ選抜  文学部で心理学の講義を聞いた後、経済学部に移動し、ゼミで行動経済学を勉強――。  九州大学(福岡市)の「21世紀プログラム」で学ぶ3年、鶴羽愛里(えり)さん(20)の木曜日のスケジュールだ。ビジネスを通じて、途上国の貧困問題などの解決を目指す研究を進める。  同プログラムは2001年春にスタートした。学生はどの学部にも所属せず、全11学部の講義を自由に選び、自分の関心に合わせて独自のカリキュラムを作って学ぶことができる。  狙いは、国際的な視点や幅広い専門知識を持ち、リーダーシップを発揮できる人材の育成。入学定員は26人で、志願倍率は3~5倍に上る人気だ。  リーダー養成のためのプログラムだけに、学生の選抜にも工夫を凝らす。入試は小論文と面接などによるAO(アドミッション・オフィス)型で、2日間計13時間をかけて行う。  初日は、人文、社会、自然科学の3分野で同大の教員の講義を50分ずつ受け、それぞれ70分でリポートをまとめる。2日目は、講義に関する集団討論と小論文、個人面接。高校生にはハードな内容となる。  大学側は入試準備にも相当時間をかける。毎年、新たな講義を考えなければならず、35人以上の教員がかかわる。プログラムの運営に携わる林篤裕教授(高等教育論)は「学生の考え方を見極めるには、このような方式が欠かせない」と話す。  入学後の教育も手厚い。学生それぞれに指導教員がつき、授業科目の選択を指導するほか、大学での学習法や進路などの相談にも乗る。学生と読書会を開いたり、留学の申請書の添削をしたりする指導教員もいる。  5月下旬、鶴羽さんが卒業後の進路相談に、指導教員の林教授の研究室を訪ねた。「京都大大学院の特別プログラムへの進学を考えているのですが……」。鶴羽さんが挙げたコースでは専門にこだわらず総合的な学習ができるが、鶴羽さんの目標を知る林教授は、経済学など専門分野を深めることも検討しては、と助言した。鶴羽さんは「いつも適切なアドバイスをくれる。相談することで考えも整理できる」と話す。  林教授は「自由に学べるからこそ、悩む学生もいる。力や目標を把握し、サポートすることが大切だ」と強調する。  入試から入学後のサポートまでの体制をいかに整えるかが大学に問われる。入試だけを小論文と面接にしても、うまくいかないこともある。同大でも法学部は09年度を最後にAO入試をいったん廃止した。酒匂一郎学部長は「AO入試の実施だけで、求める学生が入ってくるわけではない」と説明する。  ただ同学部では15年度から、AO入試を再開する。大学入試センター試験の受験なども課す内容に改め、入学後も英語による教育に力を入れたプログラムを準備する。酒匂学部長は「求める人材を選び、育てるには入試と入学後の教育プログラムをセットで考えなければならない」と語る。(饒波(のは)あゆみ) "[he-forum 17743] 読売新聞7/11","読売新聞 2013年7月11日付 大学入試改革 (3)英語「話す力」どう採点  「Are you ready?(準備はいい?)」  京都市中京区の市立西京(さいきょう)高校で6月24日、青木宮美(くみ)教諭(37)が語りかけると、生徒のグループが英語で寸劇の発表を始めた。  英語を使う機会を充実させる目的で、今年度から導入された高校の新学習指導要領では、英語授業の指導は、英語で行うことが基本になった。同高は国際社会で活躍できるグローバル人材の育成を目標に掲げ、「英語を使いこなす力」の指導を重視。昨年度には文部科学省の研究拠点校にも指定され、「英語で英語指導」を先行実施してきた。  ただ今のところ、3年生になると日本語中心の指導も行っている。生徒の多くが志望する、京都大などの入試英語対策に重点を置くからだ。受験対策を求める生徒の要望も強い。村上英明校長(57)は「高校の教育目標はあっても、目の前の大学入試は無視できない」と話す。  国際的に活躍出来る人材の育成が進まないのは、大学入試で「話す」力が問われず、結果として高校までの英語教育が文法や訳読中心の指導から抜け出せないためだと指摘される。  大学側でも「話す」力を測るテストを探る動きが強まる。京都工芸繊維大は昨秋から、一般入試での導入に向けた検討を重ねる。同大の羽藤由美教授(56)(応用言語学)は「最近は高校も大学も英語での発信力強化に力を入れている。両方の動きがつながるように、大学入試も変えなければ」と言う。  だが、課題は多い。面接官や教室を学内で確保できるか。入試の「公平・公正」を維持するには、質問や面接時間、採点基準などをそろえ、面接官の訓練も必要だ。羽藤教授は「現時点ではまだ、手探りの段階です」と述べる。  「大勢の受験生を試験日に集めて、一斉テストで選抜する方式が続く限り、入試英語を変えることができない」。上智大の吉田研作・言語教育研究センター長(64)は強調する。上智大と日本英語検定協会は、大学入試用英語力テスト「TEAP」を共同開発する。  TEAPは筆記と面接で、「読む・聞く・話す・書く」を400点満点で採点する。日本の高校生の水準に合わせた問題が中心で、大学入学後に留学などに挑戦できる力があるかどうかを見る。  TEAPについて、英検協会は2014年度から、全国7都市で年3回、公開テストを実施予定だ。上智大は15年度一般入試から、定員の一部で選抜の材料とする。  TEAP普及のため、6月28日に上智大で初開催された協議会には48大学が参加した。ただ、上智大以外に入試での導入を決めた大学はなく、今後の普及は未知数だ。  16年度入試からは、英語で英語授業を受けた高校生たちが大学受験に挑む。いかに高校と大学の英語教育を接続するか。模索は続く。(伊藤史彦) "[he-forum 17742] 読売新聞7/6","読売新聞 2013年7月6日付 大学入試改革 (2)「話せる英語」目指すには  エール大、コロンビア大、マサチューセッツ工科大――。  大阪府立三国丘高校(堺市)の教室には、TOEFLを入試などに利用する海外の難関大学の一覧表が貼り出されている。  TOEFLは米国の非営利団体が開発した英語力テストだ。留学促進につなげようと、政府の教育再生実行会議は5月、TOEFLなど外部英語テストの大学入試への活用を提言した。  府内有数の進学校である同校は2011年度から、「国際的に活躍できる英語力を」とTOEFLのための特別講座を開く。年10回の講義と2泊3日の合宿。今年度は1、2年生の希望者計101人が参加する。  海外大学への進学を目指す2年の脚(きゃく)ノ(の)友里さん(17)は「半分以上がリスニングで、普段の英語授業とまるで違う」と戸惑いつつ、「米国の映画産業で働くのが夢」と話す。指導する山脇龍郎教諭(58)は「思っていた以上に、世界の大学を意識する子が増えた」と驚く。  大阪府内の府立、私立高校では今年度、約20校が希望者を募り、同様のTOEFLの学習に取り組む。府が今年度から、模擬試験の費用(1回2900円)を年3回分支給する支援策を決めたためだ。だが一方で、広がりには限界もみられる。  象徴的なのが、11年度に当時の橋下徹知事(現・大阪市長)の発案で行われた事業の失敗だ。  現状の英語教育では「話せる英語」が身に着かないと考えた橋下知事は、「10年後、20年後には英語を話せることが就職の条件になる」と、TOEFL利用を奨励した。促進策として学年の3分の1以上の生徒がTOEFLを受験し、平均点が全国平均を上回った学校に、最大1800万円の特別予算を支給する事業をスタートさせた。  しかし、対象約270校のうち、参加は11年度が8校、12年度が5校にとどまった。全国平均を上回らなければ、特別予算は支給されず、1人約2万円の受験料が生徒の負担となったためだ。府教委高等学校課の恩知忠司参事は「目標が高すぎ、各校が二の足を踏んだ」とみる。  学校側には「TOEFLの点数ばかりを追いかけてはいられない」という事情もある。国内の難関大学の入試では現在、会話力より文法理解力や語彙(ごい)力を高い水準で要求される。TOEFLの点数を一般入試の合否判定に利用する大学はほとんどない。府立高のある英語教諭は「受験英語は別。現場としては、受験という目の前のハードルを越えさせるのが第一だ」と漏らす。  事業は結局、2年で行き詰まり、模擬試験費用の支給に変わった。中原徹・府教育長は「英語教育を変えてほしい、という声は大きくなっている」と強調する一方、「全面的に『話せる英語』を目指す教育に切り替えるには、大学入試そのものが変わらなければ難しい」と話した。(桜井悠介) "[he-forum 17741] 読売新聞7/5","読売新聞 2013年7月5日付 大学入試改革(1)米国進学へ 自己アピール  大学入試が変わろうとしている。  TOEFLなど外部の英語力テストの導入検討、東京大学や京都大学にまで広がる推薦やAO(アドミッション・オフィス)入試――。社会が求める人材が大学で育っていないという産業界の不満が、背景にある。いかに優秀な人材を選抜し、育てるか。入試を巡る議論が活気を帯びてきた。 課題文章で評価  「私たちに不可欠なものは?」「iPad!」「インターネットは本当に必要なの?」  5月27日、私立渋谷教育学園渋谷高校(東京都)で、海外大学への進学を目指す3年生6人が授業中、英語で米国人教員と話し合っていた。「エッセー」と呼ばれる課題文章を書くため、アイデアを練るのが目的だ。独創性や熱意などの選考資料となる。  米国の大学入試では、学力は「SAT」などの共通テストで見る。年数回行われ、結果は大学の選考資料の一つとなる。だが、ハーバード大など有名大では、SATが満点の出願者も珍しくない。エッセーで、どれだけ自己アピールをできるかが合否を分ける。  同高3年の小橋めぐさん(17)は米国の大学で経営学やジャーナリズムを学びたいという。「試験の点数だけで選考する日本の大学と異なり、米国の大学では、エッセーの課題こそが『こういう人が欲しい』と示すメッセージ。課題を考えることで、私自身もこの大学を希望していいかを考えられる」と話す。  指導する伊藤幸子教諭(53)は「いかに自分の魅力を伝えられるかが勝負。最低でも10回は書き直しています」と言う。  学業以外の受賞歴や就労体験なども選考資料だ。教員2人による生徒評価も求められる。▽やる気▽他者への思いやり▽リーダーシップ――など16項目を「平均以下」から「これまで出会った生徒の中でも最優秀」まで7段階で評価する。 公正な制度とは  「必死に自分をアピールしないと認めてもらえないという、米国社会の姿を反映している」と高際伊都子副校長(46)は指摘する。  学習意欲や大学への適応性を見極め、優秀な学生を選抜する米国流。模範的な選抜方法と見る人も多い。自民党の教育再生実行本部は5月、高校在学中に複数回挑戦できる「達成度テスト」を創設し、学力水準が大学進学レベルかどうかを見極めた上で、学力以外の力も見るような入試に抜本改革するよう、政府に求めた。これを受け、下村文部科学相は大学入試センター試験の見直しにも言及した。  ただ米国流の入試では、結果が点数で表れる学力試験に比べ、合否の基準も明確ではない。同高では、米国の大学を目指す生徒が増える一方、入試制度が肌に合わないと、日本の大学を選ぶ生徒も少なくないという。  日本の社会が入試は公正・公平こそが大切だとしてきた結果でもある。高際副校長は言う。「日本と米国の入試は違う。どちらが優れているかではなく、多様な尺度があることが大事ではないでしょうか」(伊藤史彦) ◇  ◇  ◇ 共通試験 欧米でも  政府が達成度テスト導入の検討を始めた背景には、有名大が1点刻みの成績で合否を決める知識重視型の入試を続ける限り、「独創性や思考力、応用力が求められる現代のグローバル社会で活躍する人材は育たない」という産業界などからの強い批判がある。  一方、少子化で定員割れに陥った私立大が、面接などによる合否判定を増やした結果、学力が低い受験生でも入学しやすくなり、1点刻みで成績を出すセンター試験の存在意義が揺らいでいる事情もある。  欧米でも全国共通試験を実施する国が多い。フランスでは「バカロレア」、ドイツでは「アビトゥア」という大学入学資格を与える試験が年1回行われる。合格すれば、原則として希望する大学に進める。ただ、学生が増えすぎ学習環境の悪化が進んでいるとされ、フランスのエリート校では別に厳しい選抜試験を課している。  多様な水準の大学がある米国では、選考方法も大学によって異なる。有名私立大はSATなどの成績にエッセーや面接を組み合わせ、独創性を重視する。他方、多くの学生が進む州立大は、SATなどの得点と高校の成績が一定以上であれば入学できるが、中退者も多いという。  大学の多様化が進み、学生の学力格差が広がりつつある日本でも、対応した入試制度が求められ始めている。(石塚公康) "[he-forum 17750] NHKニュース7/18","NHKニュース 2013年7月18日4時8分 中教審 大学国際化具体策検討  世界で活躍できる人材を育成するため、中教審=中央教育審議会は、留学の促進や教育体制の整備など大学の国際化を進めるための具体策の検討を始めました。  17日、文部科学省で開かれた中教審のワーキンググループの初会合には、学識経験者や経済界の関係者など11人の委員が出席しました。  この中で、文部科学省の担当者が社会のグローバル化が進むなか、大学教育の国際化が必要だとして、海外に留学する学生の倍増や、外国の大学と共同で学位を取得できる体制の整備、英語での講義の拡充など政府の方針を説明しました。これについて経済団体の関係者からは、「世界的に活動する日本企業では外国籍の社員が半数を超えているところも多い。日本の大学の国際化は遅れており、抜本的な改革が必要だ」という意見が出されました。  また、国立大学で国際化に取り組む教員は、「語学ができるだけではグローバルな人材とは言わない。世界の課題を解決できる人材をどう育成するかが重要だ」と述べました。  ワーキンググループは、今後、国際化を進める大学への支援の在り方などを検討し、具体策を取りまとめることにしています。 "[he-forum 17749] 北海道新聞社説7/18","北海道新聞社説 2013年7月18日付 大学秋入学 社会の後押しが必要だ  大学を活性化させるには、優秀な研究者や留学生を相互に交流させ、国際競争力を高める必要がある。  秋入学が主流の欧米各国と歩調を合わせるかのように、東大が昨年、秋入学を打ち出したのは、こうした戦略がある。  国際化を視野に、多様な文化・価値観を尊重できる人材の育成も欠かせない。こうした時代の要請に応える狙いもあったろう。  しかし、結果的に当面の導入は見送られた。事前準備に周到さを欠き、他大学の賛同を得られなかったことが背景にある。経済界の共感も呼び起こすことができなかった。  東大にとっては大きな誤算だろう。だが、これまで春入学が慣例となってきた日本の教育制度に一石を投じた意義は小さくない。  浜田純一学長は「秋入学を諦めたわけではない」と語り、今後も入学時期の変更を模索する方針だ。  東大の動きに呼応して、文部科学省は「推進」の立場から有識者会議を設置する考えを示している。大学教育のあるべき姿を見据えた慎重な論議が不可欠だ。  秋入学の検討にあたり、忘れてならないのは、これが大学に限定した問題ではないということだ。幅広い社会のコンセンサスが必要だ。  とりわけ難題は、現行制度のままでは入学前と卒業後に生じる空白期間をいかに解消するかにある。  小中高校の卒業時期や就職・国家試験の時期も並行して変えていかなければ、導入は難しい。社会全体で知恵を絞らねばならない。  東大が秋入学を提唱したもうひとつの理由は、国内の優秀な人材が海外に流出している現実に対し、強い危機感があるからだ。  英国の高等教育専門誌の昨年の調査では、世界における東大の位置づけは、米ハーバード大などに大きく水をあけられ、27位にとどまった。これが秋入学の実現に駆り立てていると言っていい。  東大は当面の秋入学を見送る一方で、次善の策として4学期制の導入を決定した。  授業の密度を高めて各学期を2カ月に短縮するシステムだ。長期休暇の取得や、海外の入学時期に合わせた留学が容易になると説明するが、教育的な効果は未知数だ。  東大の秋入学構想をめぐっては、北大など旧帝大を中心に12大学が連携組織を設置して検討を始めた。  北大の山口佳三学長は「秋入学を念頭に置きつつ、4学期制の導入を前向きに考えたい」と、現状の変更に肯定的な意向を示している。  大学が社会と密接に関わる存在であることを議論の前提にしなければならない。 "[he-forum 17751] 十勝毎日新聞7/18","十勝毎日新聞 2013年7月18日付 生産額5241億円減 TPP反対 大学教員ら試算 家計所得は4191億円減 道内農業 【東京】環太平洋連携協定(TPP)に反対する大学教員のグループは17日、TPP参加で全ての関税が即時撤廃された場合、道内の農林水産物の生産減少額が5241億円に上るとの試算を発表した。道内の関連産業に波及する生産減少額は1兆4390億円に及ぶとし、安価な輸入農林水産物の流通で家計負担が軽くなる分を差し引いても、家計所得は4191億円減ると見込んだ。  醍醐聰東京大名誉教授(財務会計論)、土居英二静岡大名誉教授(経済統計学)、三好ゆう桜美林大専任講師(財政学)が、参院議員会館で発表した。  道内の農林水産物の生産減少額の内訳は、米、野菜、果物1974億円、小麦、乳製品などその他農産物2687億円、漁業446億円、畜産101億円、林業33億円。総務省などの産業連関表に基づく関連産業の生産減少額は1次産業4450億円、2次産業4452億円、3次産業5488億円とし、試算を担当した土居名誉教授は「TPPの影響は農林水産業にとどまらない」と説明した。  関連産業を含む全国の生産減少額試算は約11兆6918億円。家計所得の減少額と併せ、都道府県別では道の打撃が最も大きい。  道内の酪農・畑作経営への影響試算では、酪農は搾乳牛の飼養頭数100頭以上を含む全ての規模で、補助金以外の所得が赤字に。全道で521億5000万円の所得減を見込んだ。作付面積20ヘクタール以上の畑作農家も補助金抜きで約850万円の赤字になると試算。全道で753億円の所得減に陥るとした。(岩城由彦) "[he-forum 17748] 十勝毎日新聞7/11","十勝毎日新聞 2013年7月11日付 帯畜大に1.6億円施設寄贈 カルビー相談役  カルビーの創業者一族で元会長・社長の松尾雅彦さん(72)=現相談役=が、帯広畜産大学の敷地にジャガイモの新品種開発に向けた遺伝的特性などの研究に関する温室栽培室を建設し、10月末の完成後に同大に寄贈することになった。日本に導入されたジャガイモは「男爵」や「メークイン」などの歴史的に古い品種が主流を占め続け、後継の「新たな主役」が出てこないことに、農業・食品関係者が危機感を持つ。国内最大級の産地になる十勝での研究に期待を込めた形だ。  施設の正式名は「松尾記念温室棟」で内定。松尾氏は自己資金約1億5960万円を投じ、現在、同大の原虫病研究センター南側の空き地に建設している。鉄骨造り平屋建て、延べ435平方メートル。  同大によると、1個人の寄付金で建設する初の大型施設という。  松尾氏は4月、カルビーやキユーピー、ケンコーマヨネーズ、道馬鈴しょ協議会の4社・団体と共同で1億8200万円を帯畜大に寄付し、寄付講座(研究部門)「バレイショ遺伝資源開発学講座」を開設した。  背景には、中国などでジャガイモの増産が続く中、現在主流の古い品種では加工品を中心に国内市場で輸入品に少しずつ圧迫され、国際競争に出遅れる懸念が生産者側と加工業界にある。  寄付講座では専任の研究者が、野生種や原産地の南米アンデスの在来品種が持つ優秀な遺伝的特定を見つけ、新たな品種の育成に結び付く必要な技術などを研究している。  温室棟は季節を問わず一年中栽培できるメリットがある。  松尾氏は同講座開設時の会見で「いかに国際競争に勝つか(研究を)見守っていきたい」とし、帯畜大は「十勝での研究が価値のあるものと考えていただき、地域にとっては大変ありがたい」(施設課)と話している。 "[he-forum 17753] 中日新聞福井7/19","中日新聞福井版 2013年7月19日付 学生の海外留学促進を 大学連携リーグ事業  県内の大学などが交流する「大学連携リーグ」事業で、各大学などの学長・理事長らと西川一誠知事との懇談会が十八日、県庁であった。グローバル時代に対応できる人材の育成に向け、学生の海外留学促進を目指し、連携を強めていくことを申し合わせた。  福井大、県立大、福井工大、仁愛大、仁愛女子短大、福井医療短大、福井高専、放送大学福井学習センターの学長や理事長らが出席した。  県内企業の海外進出が進み、グローバルリーダーの育成が求められているため、事務局の県大学・私学振興課が、学生の海外留学促進に向けた取り組みを提案。留学体験者の体験発表会や、県内企業の海外駐在員らによる講演会、留学希望者と体験者の交流会などの企画を挙げた。  各大学の学長らからは「学生間で互いに刺激を受ける場として効果的」などの意見があり、具体化することにした。大学・私学振興課によると、本年度中に留学希望者向けの体験発表会を開く。  (正津聡) "[he-forum 17752] 読売新聞7/18","読売新聞 2013年7月18日付 大学入試改革 (6)東大 推薦で「とがった才能」  筆記試験での選抜にこだわってきた東京大学が今年3月、2016年度の推薦入試導入を発表した。  構想していた秋入学全面移行は当面見送る方針だが、同時に進めていた入試改革は一定の方向性を示しつつある。入試改革担当の佐藤慎一副学長に狙いを聞いた。  ――なぜ推薦入試か。  言語も価値観も多様なグローバル社会で活躍できるリーダーを育成するため、多様な人材、(特定の分野に優れた力を発揮するような)「とがった才能」を採りたい。  今年の新入生は、過半数が首都圏出身で、女子の比率も2割弱にとどまった。外国人学生も少ない。キャンパスで中学校時代から同じ学校の友達と過ごすだけでは、異質なものに対応する力が育たない。米国の有力大も意図的に様々な国や地域の、多様な文化的背景を持つ学生を入学させ、刺激を与えようとしている。女子比率も5割近い。  ――現行の入試ではだめなのか。  全否定はしないが、1度の試験で選抜し、しかも合格者と不合格者の差はわずか。本当に公正・公平だろうか。試験で測れない才能があるのではないか。また、物理の才能がある学生と、歴史学への資質を秘めた学生を同じ尺度で比べることが本当に妥当なのか。学生を多様にしようとするなら、選抜も多様にすべきではないか。  ――推薦入試は、どういう選抜になるか。  学問分野の第一線で活躍する教員が「この学生はすごい。育ててみたい」と思える人材を採る。現在、各学部で選抜基準を立案してもらっており、今年度中に公表する。出願は11月で、どの学問分野に興味や関心があり、関連してどんなことに取り組んできたか、成果や業績も提出してもらう。書類審査で1次選考し、12月に面接を行う。  面接の時間や形態も統一しない。各学部の教員が出願書類を熟読して、個別に質問を考えて実施する。場合によっては、模擬講義や口頭試問もあるかもしれない。各学部には「最善と思う方法で最善の人材を採ってほしい」とお願いしている。  ――学力は不要か。  学力は求める。面接試験のあと、年明けの大学入試センター試験を受けてもらい、一定水準を求める。達しなければ、面接の成績がよくても不合格となる。総合的な学力がないと、東大1、2年の教養課程を修了することができない。  ――入学後はどうなる。  大学入試は人材育成のプロセスで、ゴールではない。才能を見込んだ学生を、さらに伸ばす教育を用意する。例えば「メンター」と呼ぶ指導役の教員をつけたり、大学院授業にも参加できるようにしたり。そんなことも考えたい。(聞き手・伊藤史彦) "[he-forum 17754] 産経新聞主張 7/20","産経新聞主張 2013年7月20日付 法科大学院の改革 弁護士の活躍の場拡大を  定員割れや司法試験合格率の低さといった多くの問題を抱える法科大学院に対し、自主的な定員削減や統廃合などを求める提言を政府の検討会議がまとめた。  導入時に7~8割と考えられていた合格率は、最近の平均で2割台にとどまり、入学志願者は当初の約5分の1に減っている。法曹界に人材を送り出す使命を果たせない大学院が、自ら撤退の判断を迫られるのは当然といえよう。  法科大学院は平成16年、受験技術に偏らない学識と実務能力を併せ持つ法曹人材を養成する機関として始まった。10年を待たず、改革の理念が揺らぎかねない状況を迎えた。  成果の上がらない大学院が多くなった原因は明白だ。20~30校程度と想定されていた数が74校もの乱立となったことなどだ。実務指導を担当する教員が不足し、教育の質の低下は避けられない。  大学側が既存の法学部に学生を集めるため法科大学院を利用し、経営的利害などを優先させた結果だとすればその責任は大きい。法令にある基準を満たすだけで、開校を認めた文部科学省の姿勢も問われねばなるまい。  若者らが安心して法曹の道を目指せるよう、一刻も早く養成制度のあり方について方向性を示すことは政府の重い責任である。  疑問なのは、提言が合格者を年間3千人に増やす政府目標の撤回に言及したことだ。本来は、質を高めながら法曹人口の増加を図るというのが改革の柱ではなかったのか。目標を捨てる前に、法曹人材の拡大、活用策を示すなどなすべきことは多いはずだ。  約千人だった司法試験合格者は制度改革を経て2千人程度に増え、弁護士数は1・7倍になった。だが仕事の需要は想定されたほど伸びていない。これで法曹の世界に希望を持てるだろうか。  検討会議では、自治体で弁護士らを職員に雇ってチームを作り、福祉分野の仕事にあたらせている事例などが紹介された。官庁や企業、社会をあげて、法曹有資格者を法廷以外の場で積極的に活用することを真剣に検討すべきだ。  提言は政府の関係閣僚会議も了承し、新たな組織で検討が続けられる。統廃合の適用基準など具体的対応も新組織に委ねられる。作業を加速して、問題の先送りを避けてほしい。 "[he-forum 17755] 神戸新聞7/23","神戸新聞 2013年7月23日付 兵庫県立大など5大学 災害看護の共同大学院開設へ  兵庫県立大など国公私立の5大学は22日、国内初の災害看護の専門家を育成する共同大学院「共同災害看護学専攻」を開設する、と発表した。2014年4月の開設を予定しており、今秋にも学生募集を始める。  ほかの4大学は、高知県立大、東京医科歯科大、千葉大、日本赤十字看護大。  5年間の博士課程で、各大学が2人ずつ受け入れ、統一の教育プログラムを実施。テレビ会議システムを用いた遠隔授業や海外研修、行政や企業へのインターンシップなどを行い、災害現場での救急救命のほか、中長期的な被災地支援、防災・減災に力を発揮できる人材を育てる。  この日、東京都内で開かれた会見には各大学の学長らが出席。兵庫県立看護大(当時)や近大姫路大の学長を歴任した高知県立大の南裕子学長は「5大学のそれぞれの強みを生かし、世界の災害に対応できるリーダーを育てたい」と話した。(山本哲志) "[he-forum 17756] 毎日新聞北海道7/24","毎日新聞北海道版 2013年7月24日付 北海道教育大釧路校:学長辞任求め、教授会が決議  北海道教育大釧路校は23日、教授会で本間謙二学長の辞任を求める決議を可決したと発表した。  同校の今泉博副学長によると、本間学長は今年3月、卒業式の式辞で、テレビ番組の内容を自分の意見のように話し、「剽窃(ひょうせつ)(盗用)の疑いがある」という。教授会は調査委員会の設置も求めている。  19日に開かれた同校教授会には、40人余りが出席。反対意見も出たが、多数決で決議した。今年6月の学長選考会議で同校教授会は本間学長の再々任に反対していた。  今泉副学長は「教授会の決議は重い。学術倫理規範を維持するためにも(盗用は)あってはならないこと」と話している。【近藤卓資】 "[he-forum 17757] 共同通信7/25","共同通信 2013年7月25日11時53分 大学入試、抜本改革必要と文科相 センター視察  政府の教育再生実行会議の鎌田薫座長(早稲田大総長)ら委員と下村博文文部科学相は25日、東京都目黒区の独立行政法人大学入試センターを視察した。下村氏はセンター幹部らに「(入試改革は)大学教育や高校以下の教育に関わる本質的な問題。今の高校生から直ちに変えることは考えていないが、抜本的な改革の検討が必要だ」と述べた。  視察は、センターの現状や課題を把握し、大学入試の抜本改革を検討している実行会議の議論に反映させる目的。センター側が下村氏や実行会議の委員に業務内容などを説明した。  自民党は、大学入試センター試験を廃止して、到達度テストを活用すべきだと主張している。 "[he-forum 17758] 山形新聞7/26","山形新聞2013年07月26日 11:27 山形大工学部、学部長候補が辞退 異例、学長発令なく  山形大工学部(米沢市)の学部長選をめぐり、次期学部長候補として選出された教授が就任を辞退したことが25日までに、関係者への取材で分かった。教授 会の投票で現職を破り選ばれたが、結城章夫学長は1週間以上にわたり発令しないという異例の経緯をたどった。教授は翻意について「自分で決めた」としてい るが、学内では疑念の声が上がっている。  辞退したのは、応用生命システム工学科長の山本修教授。生体機能修復学が専門で、秋田大工学資源学部から2011年4月に着任した。関係者によると、 23日の臨時教授会で体調不安を理由に挙げた。山形新聞の取材に対し「自分で全て決めた。今は健康に問題はないが、就任後のストレスを考えると不安があ る」と語った。工学部は再選挙を含めた今後の対応を検討している。  工学部の学部長選は任期満了に伴うもので、今月16日の教授会で実施された。1次選挙で現職の飯塚博氏、山本氏を含む3教授を候補適任者として選出。2 次選挙で過半数を獲得した候補者がいなかったため、飯塚、山本両氏による決選投票の結果、82票対88票で山本氏が勝った。事実上、就任が内定した。  大学の「学部長等選考規程」によれば、学部長の任命は「当該学部の教授会の議に基づき学長が任命する」とあり、これまでは各学部が選出した候補者が例外 なく就任してきた。結城学長は2年ほど前から候補者へのヒアリングを実施。運営ビジョンを確認した上で発令する手順を踏んでいる。山本氏とは1回ヒアリン グしたが「面識が浅く十分な話ができなかった」といい、本人と工学部に結論を保留することを伝えていた。一方で同じ日に教授会が行われた地域教育文化学部 の次期学部長については翌日に公表している。  関係者によれば、山本教授が辞退表明した臨時教授会では、教員らから学部長選への異論が続出。選挙規程見直しを求める意見が出たという。ある教員は「学部の看板の有機ELと関係ない分野の人だから外されたのでは」と語った。  山本教授は取材に対し、大学当局などから辞退を促されたとの見方を否定。他方で「選挙で90票弱の支持を受けながら辞退する結果になった責任は百パーセント自分にあり、教授会で真摯(しんし)に説明申し上げた」と語った。  結城学長は「工学部は山形大の屋台骨。面談は時間が短く、1回では(任命を決めるまでの)得心がいかなかった。何度か面談して得心がいけば発令の可能性もあった」と話した。 = "[he-forum 17759] 時事通信7/26","時事通信 2013年7月26日17時15分 4学期制導入を正式決定=2015年度末までに-東大  東京大学は26日、2015年度末までに4学期制を順次導入することなどを柱とした学部教育の総合的改革に関する実施方針を決定したと発表した。秋入学については16~21年度での推進を目指し、環境整備に向けた社会への働き掛けや他大学との連携強化など必要な措置を取るとしている。  実施方針は、学部の秋入学全面移行を検討していた学内検討会が6月に答申した内容を受けて、25日の役員会で決定した。4学期制の導入によって、現行の2学期制より海外留学や留学生受け入れを容易にして、国際競争力の向上を狙う。  答申では4学期制について、夏休みの時期を海外に合わせる案と現行通りとする案の二つを提言していたが、どちらを採用するかは今後各学部で検討するという。(2013/07/26-17:15) "[he-forum 17760] 高知新聞7/27","高知新聞2013年7月27日付 高知大を教授ら提訴 「労使合意なく給与減額」  国家公務員の賃下げに合わせて教職員の給与を削減したのは違法だとして、高 知大学の教員ら18人が26日、同大学に減額された給与約1062万円の支払いを求め、 高知地裁に提訴した。福岡教育大や京都大など7大学・機関の教職員も同様の提 訴をしている。  東日本大震災の復興財源に充てるため、国家公務員の給与を平均7.8%削減する 臨時特例法が昨年2月に成立。法人化された国立大の教職員は国家公務員ではない が、国は各国立大にも教職員の給与削減を要請し、各大学は昨年4月以降、順次 実施している。    今回提訴したのは、30~60代の教授や准教授ら18人。    訴状によると、高知大は昨年5月から教職員の給与を4.77~9.77%、賞与を9. 77%、管理職手当を10%それぞれ引き下げた。教授らが所属する組合から事前に 意見聴取を行わず、労使間の合意がないまま給与を減額することは違法で、国の 要請を無条件に受け入れる義務はない-などと訴えている。原告の18人の減額は 約33万~89万円。    法人化した国立大の労使関係は国家公務員法などではなく、民間と同じ労働法 規が適用される。高知大学教職員組合によると、同大教職員数は約1500人。同組 合の原崎道彦委員長は提訴後に会見し、「大学側は、減額幅を減らしてほしいと いう組合の要求も無視し続けている。納得するまで話し合うのが大学の見識のは ずだ」と話した。 "[he-forum 17761] NHKニュース7/29","NHKニュース 2013年7月29日17時11分 無利子の奨学金拡充など検討へ  経済的な理由で進学できなかったり、奨学金が返済できなかったりする若者の支援について、文部科学省の検討会は、無利子の奨学金の拡充など負担を軽減する取り組みを検討していくことを決めました。  29日、文部科学省で開かれた検討会には、大学や奨学金を貸し出している団体などから8人の委員が出席しました。  文部科学省によりますと、年間130万人余りが利用する日本学生支援機構では就職難などで奨学金の返済が滞っている人がおよそ33万4000人、滞納金は925億円に上っています。  返済が滞った場合の利息は現在、年に10%ですが、検討会では、利息を引き下げたり、無利子の奨学金を拡充したりして負担を軽減する取り組みを検討していくことを決めました。  また、返済の必要のない奨学金も必要だとして、授業料の免除ではなく本人に給付する仕組みにすることで、進学先の選択の幅が広がるのではないかと指摘しました。  検討会では、それぞれの取り組みの課題などについてさらに議論を重ね、今年度中に具体的な支援策をまとめることにしています。 "[he-forum 17761] NHKニュース7/29","NHKニュース 2013年7月29日17時11分 無利子の奨学金拡充など検討へ  経済的な理由で進学できなかったり、奨学金が返済できなかったりする若者の支援について、文部科学省の検討会は、無利子の奨学金の拡充など負担を軽減する取り組みを検討していくことを決めました。  29日、文部科学省で開かれた検討会には、大学や奨学金を貸し出している団体などから8人の委員が出席しました。  文部科学省によりますと、年間130万人余りが利用する日本学生支援機構では就職難などで奨学金の返済が滞っている人がおよそ33万4000人、滞納金は925億円に上っています。  返済が滞った場合の利息は現在、年に10%ですが、検討会では、利息を引き下げたり、無利子の奨学金を拡充したりして負担を軽減する取り組みを検討していくことを決めました。  また、返済の必要のない奨学金も必要だとして、授業料の免除ではなく本人に給付する仕組みにすることで、進学先の選択の幅が広がるのではないかと指摘しました。  検討会では、それぞれの取り組みの課題などについてさらに議論を重ね、今年度中に具体的な支援策をまとめることにしています。 "[he-forum 17764] 高知新聞社説7/28","高知新聞社説 2013年7月28日付 【論文の不正】荒療治もやむを得ない  東京大学で長年にわたって、多数の論文に改ざんや捏造(ねつぞう)が行われ、大学側が「撤回が妥当」とする予備調査報告書をまとめた。  国内では近年、研究者の論文改ざんが発覚するケースが相次いでいる。日本の学術研究への信頼も揺るがしかねない重大な問題だ。実態を解明し、各大学や研究機関に共通する再発防止のルールづくりを急ぐべきだ。  東大の論文の不正は分子生物学の第一人者とされる教授が関わった研究で、教授は昨年3月に大学を辞職している。過去16年間の論文165本を調べたところ、同一画像の使い回しが多数見つかったほか、画像に反転などの加工をした上で、別の画像として使っていたケースもあった。  元教授は直接改ざん・捏造に関わっていないというが、なぜこんな単純な不正を見抜けなかったのか。研究室や研究グループでの議論は十分だったのかなど、チェック機能のずさんさが疑われる。  元教授は多額の公的助成を受けた研究も多かった。不正に関係した研究への税金投入は許されず、返還するのが当然だ。  それ以上に論文不正が罪作りなのは、今後の同種の研究に誤った結果を伝えかねないことだ。特に医療研究の分野は、患者らの生命に関わるかもしれず、厳しいチェックが必要だ。  実際、京都府立医大の臨床研究で、データの操作が明るみに出たばかりだ。誤った情報で高血圧患者に薬が処方された可能性がある。  東大の報告書が「撤回が妥当」とした論文は、計43本にも上る。研究を率いた元教授だけでなく、実際に改ざんに手を染めた若い研究者たちはどんな思いでいただろう。彼らの将来にも計り知れない悪影響を及ぼす。  論文の不正は学問の自殺行為にほかならない。少しぐらい手を加えてもいいだろうという意識が広がっているのなら、少々の荒療治もやむを得ないだろう。  専門家の間には、公的な監視機関の必要性とともに、法整備による罰則の強化を主張する声もある。研究者の倫理性が疑われる以上、外からのチェックの目を利かせ、厳しく対処する必要がある。  研究費をめぐる、業界と研究者らの不透明な関係の問題もある。研究室はもはや「聖域」ではあり得ない。 "[he-forum 17762] 高知新聞7/29","高知新聞2013年7月29日付 【災害看護教育】5大学の連携に期待する  高知県立大学(県大)など看護の専門コースを大学院に持つ全国の5大学が、災害看護学の専門家を養成する共同大学院を2014年4月に設置する。  東日本大震災から2年以上が経過したが、現在も約30万人が避難生活を送る。環境の急激な変化やそのストレスなどで体調を崩したり、病状が悪化して亡くなったりする人が後を絶たない。  災害現場では救命救急だけでなく、被災者の心のケアや避難所での健康維持など長期的な支援が必要だ。それらの活動を担う看護師育成は急務で、5大学の取り組みへの期待は大きい。  災害看護は1995年の阪神大震災を機に、自らも被災した県大の南裕子学長が中心となって確立した分野だ。大学や大学院での看護教育にも取り入れられるようになり、国際的な学会もできた。看護師間の知識や教訓の共有も進んでいる。  だが、南学長は「東日本大震災ではとてもニーズに対応できなかった」と説明する。  東日本大震災では前例のない広域災害で避難者も避難所の数も想定を上回った。福島原発の事故という事態も重なり、従来の支援では被災者の命や暮らし、健康を守ることが難しくなったとの指摘もある。  そこで、より複雑化した課題に対応できる人材を育てるため大学同士の連携が重要になる。  連携する5大学は県大のほか、千葉大、東京医科歯科大、兵庫県立大、日本赤十字看護大だ。  県大は南海トラフ地震を想定した防災支援リーダーの育成を進めており、兵庫県立大は阪神大震災の研究実績がある。日本赤十字看護大は災害現場での看護、救援活動の経験が豊富だ。  共に災害看護教育をけん引してきた大学だ。各大学の強みを生かし、災害時に最前線でリーダーとなれる人材育成に力を注いでもらいたい。  卒業後の活動の舞台は国内に限らない。世界保健機関(WHO)など国際機関でインターンシップを行い、自然災害だけでなく、紛争地の難民キャンプなど海外の災害現場でリーダーシップを発揮することも期待されている。  世界各地で大勢の人が内戦や虐殺、暴力、飢餓、災害の危険にさらされている。命の重みに国境はない。海外でも災害看護の力を生かせるはずだ。 "[he-forum 17763] 琉球新報社説7/29","琉球新報社説 2013年7月29日付 科学者不正行為 国民と科学への背信だ  科学者による不正行為が後を絶たない。科学研究への国民の信頼を裏切るだけでなく、科学に真摯(しんし)に向き合うべき研究者の自殺行為だと深い失望を禁じ得ない。  東京大学では、分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授らが発表した論文に多数の捏造(ねつぞう)があったことが25日に発覚したほか、同じ日に政策ビジョン研究センターの秋山昌範教授が東大と岡山大から研究費名目で計2180万円をだまし取った詐欺の疑いで逮捕された。26日には北里大を運営する北里研究所が、文部科学省の研究費補助金の不正受給が新たに判明したとして、約8790万円を返納すると発表した。  国内では近年、論文の不正が相次いで判明しているほか、研究費の不正使用も後を絶たない。文科省がことし4月に発表した公的研究費の調査では、全国の大学など46の研究機関で不正使用が計3億6100万円に上り、計139人が関与していた。架空取引で業者に研究費を管理させる「預け金」や、カラ出張などの方法で不正請求した「プール金」などだ。  科学者のモラルを厳しく問いたい。文科省は大学や研究機関と連携し、不正を事前チェックする態勢を早急に構築する必要がある。  加藤元教授は分子生物学研究の第一人者で公的資金を使った研究も多かった。東大は外部からの指摘を受け、1996~2011年に元教授が関わった165本の論文を調査。うち43本は「撤回が妥当」とする報告書をまとめた。  加藤元教授は「改ざん、捏造があったのは事実」と認める一方、「悪質な不正を繰り返していた者は少ない。不正箇所の多くは図表を良く見せるためのお化粧と理解している」とも述べた。社会的な信用を失墜させる重大な事態を真摯に受け止めているとはにわかに信じがたい発言だ。多くの誠実な科学者にも影響を及ぼす自らの責任を深く反省すべきだ。  一方、秋山容疑者は医療ITが専門で、こちらも電子カルテ研究の第一人者として知られていた。東京地検特捜部によると、詐取した金を私的に使い、一部を共謀した業者に手数料として支払ったとされる。事実ならば言語道断だ。  科学の真理を探究することは、人類の発展に貢献する崇高な行為だ。科学者一人一人は、国民の大きな夢と希望を担っていることを忘れないでほしい。 "[he-forum 17765] 北海道新聞社説7/30","北海道新聞社説 2013年7月30日付 論文捏造 不正ただす制度不可欠  東京大学で研究論文の捏造(ねつぞう)や改ざんが長年にわたり、繰り返されてきたことが明らかになった。  大学の権威と研究の信頼性を根底から揺るがす由々しき事態である。  なぜこのような不祥事が放置されてきたのか。大学を挙げて実態解明に取り組まなければならない。  研究者にとって論文の改ざんは自殺行為に等しい「重大な罪」であることを再認識する必要がある。  東大では昨年も特任研究員が人工多能性幹細胞(iPS細胞)を世界で初めて臨床応用したと虚偽の発表を行って社会を騒がせた。  倫理観の欠如に驚きを禁じ得ない。組織そのものに緩みがあると指摘されても仕方あるまい。  今回、改ざんが認定された論文は全部で43本に上る。肥満の仕組み解明などをテーマに研究室のメンバーら20人以上が名を連ねていた。  成果を偽装するため実験結果の画像を消したり、別の画像を切り貼りしたりしていた。悪質極まりない。  とりわけ主導した元教授の当事者意識の欠如には目を覆うばかりだ。元教授は「捏造は自分の知らないところで行われていた」と釈明している。こうした研究姿勢が不正の温床となったのは明らかだ。  だが、論文の改ざんは東大に限った話ではない。  他大学でも繰り返されており、先日は京都府立医大の研究者と製薬会社社員が結託した高血圧治療薬の論文データ改ざん問題が表面化した。  なぜこうも不祥事が続くのか。  背景には成果主義の激化がある。研究者は、期限付きで採用されるのが一般的となり、教授職は論文の数や質によって選考される。このため、論文が「出世の道具」となる傾向が一段と強まっている。  世界ランキングの上位に食い込むため、大学同士が論文の発表数を競い合っていることも見逃せない。  東大の論文捏造は、学外から「データに加工の疑いがある」との指摘を受けて発覚した。不正を防ぐには通報制度の普及が効果的と言える。  論文の共著者が内容を相互にチェックし、改ざんや捏造を見つけた際は告発も辞さない空気を醸成していくことが不可欠だ。  研究には巨額の税金が使われている。不正は納税者への背信につながり、厳正に処分されるのは当然だ。  医療や薬剤の分野では、健康や暮らしに重大な影響を及ぼすことも忘れてはならない。  米国では政府機関が不正の調査と研究者への倫理教育の両面を担っているという。日本も政府と大学が一体となって研究倫理を確立しなければ、信用力の低下は免れない。 "[he-forum 17771] 読売新聞7/29","読売新聞 2013年7月29日付 大学世界ランク入り支援、10校100億円補助  文部科学省は世界大学ランキングの上位100校入りを支援するため、10国公私立大学に対し、年100億円補助することを2014年度予算の概算要求に盛り込む方針を固めた。  10校を「スーパーグローバル大学(仮称)」に指定し、海外の大学との共同研究や著名な研究者の招請を後押しして、ランキングを上昇させることを目指す。  政府は大学の国際的な地位向上を通じて、産業競争力の強化を狙っている。6月にまとめた成長戦略「日本再興戦略」では、10年間で上位100校以内に10校以上入ることを目標にスーパーグローバル大学制度を創設することを掲げた。  ランキング上昇のためには、大学に所属する研究者が独創的な研究を行うことを通じて、研究論文が他の研究者から引用されることなどが必要となる。 "[he-forum 17768] 京都新聞8/1","京都新聞 2013年8月1日付 京都工繊大がLINEで情報発信 国立大初、特色アピール印刷用画面を開く  京都工芸繊維大は31日、中高生に人気の無料通信アプリ「LINE(ライン)」で情報発信を始めた。国立大による公式利用は初めてという。短文投稿サイト「ツイッター」と交流サイト「フェイスブック(FB)」による情報発信も同時に開始した。  LINEはオープンキャンパスや入試など受験生向けの情報を提供する。大学生の利用が多いツイッターは、学内イベントなどを発信、文章や画像など多くの情報が盛り込めるFBでは教育や研究活動も掲載する。  各サービスで、デザインを学ぶ学生が撮影した京都の風景や、教員や学生が関わった建築物や庭園なども紹介するなどして、大学の特色をアピールする。同大学は「地域や社会に開かれた大学として、積極的に発信、交流していきたい」としている。 "[he-forum 17770] 東京新聞社説8/1","東京新聞社説 2013年8月1日付 論文データ操作 学術研究への裏切りだ  医薬品研究などの論文にデータ操作や捏造(ねつぞう)の不正が相次ぎ発覚した。公的研究費の架空請求事件で、東大教授も逮捕された。科学者の不祥事は社会の信頼を揺るがす。学術研究への裏切りでもある。  日本の医薬品研究の信用を失墜させる重大事態といえよう。製薬会社ノバルティスファーマが販売する降圧剤をめぐる論文で、「データが人為的に操作された」と東京慈恵医大が発表した。  既に京都府立医大でも、「データ操作で、臨床研究の結論に誤りがあった可能性が高い」と発表している。ノ社側は「意図的な捏造や改ざんをした事実はない」と不正への関与を否定しているが、二つの大学の調査委員会の指弾は極めて重大である。  二〇〇四年から始まった降圧剤研究は、血圧を下げる効果のほかに「脳卒中や狭心症のリスクを半減させる」という結論を導き出していた。根拠となるデータが操作されれば、結論が変わりうるのは当然だ。「論文撤回」に発展した前代未聞の事態は、科学の名に値しない。服用した人は憤っているだろう。悪質だ。  慈恵医大では、ノ社の元社員が問題となったデータの統計解析をしていたと認定した。  元社員は公立大学の非常勤講師でもあったが、利害関係者が研究に加われば、自社に有利な結果を導く恐れがある。本来、許されることではないはずだ。論文の基礎となる解析作業を、元社員に丸投げしていた研究者側にも責任はあろう。  この降圧剤は販売額が年間一千億円を超えている。ノ社から府立医大側にも慈恵医大側にも多額の奨学寄付金が提供されていた事実もある。臨床研究のデータは患者の身体、生命と密接にかかわる。徹底的な真相解明が早急になされるべきである。  東大分子細胞生物学研究所の元教授らが発表した論文四十三本についても、「意図的な改ざんと捏造があった」と、同大に指摘された。東京地検に東大教授が詐欺容疑で逮捕される事件もあった。架空発注で研究費約二千二百万円を詐取した疑いだ。  研究者の不正は蔓延(まんえん)しているようだ。文部科学省の調査では、科学研究費補助金などの不正使用は、四十六機関で計約三億六千百万円にのぼっている。公金だけに見逃せない事態だ。企業が絡んだ科学研究の在り方も再考すべきだろう。癒着がないか、厳格なチェックが欠かせない。 "[he-forum 17769] 産経新聞主張8/1","産経新聞主張 2013年8月1日付 研究費不正 萎縮させず監査の強化を  大学の科学研究費補助金(科研費)をめぐる不正行為が、また明らかになった。  補助金の不正受給で東京地検特捜部に逮捕された東京大政策ビジョン研究センターの教授は、架空発注で親族企業に公金を横流ししたほか、私的流用も疑われている。教授は否認しているが、事実なら言語道断だ。  科研費は、技術立国を目指す日本には極めて重要なものとして、充実が図られてきた。しかし、その一方で会計上の不適切処理や不正は後を絶たないのも事実だ。  自由闊達(かったつ)な研究を阻害するものであってはならないが、科研費の交付にあたって、これまでのコンプライアンス(法令順守)のあり方が改めて問われている。大学をはじめ研究機関は、信頼回復のため、不正行為を見逃さない、しっかりとした監査体制の再構築に取り組んでほしい。  逮捕された東大教授は、医療情報システムに関するデータベース作成などを業者に発注したように見せかけ、大学などから公金を詐取した疑いがもたれている。  架空発注ばかりでなく、取引業者に書類の改竄(かいざん)を指示するなどの不正は、これまでも繰り返されてきた。昨年も京都大学で遺伝子情報研究の第一人者が取引業者に海外旅行の代金などを負担させたとして逮捕されている。  文部科学省の調査だと、公的資金の不正使用は平成12年度以降、判明した分だけでも、46機関139人で計約3億6100万円にのぼるという。  科研費については、研究者側にも不満がある。単年度会計主義から複数年度にわたる研究には使い勝手が悪く、過剰な成果主義も疑問視されている。直ちに結果を出せない研究には交付されにくいからだという。  だが、科研費を受けながら成果報告書の提出義務を怠っている研究者は、会計検査院の調べによれば、11年度からの9年間で593人約58億円にのぼる。研究者側も公金意識を忘れてはなるまい。  国は科研費交付のガイドラインを定め、不正があった場合の応募資格の剥奪期間を今年度から最大10年に延長した。  成長戦略を進める上でも科研費の増額は今後も欠かせない。そのためにも、改善が図れない組織には国が積極的に指導や是正を講じることも必要だろう。 "[he-forum 17767] 読売新聞社説7/30","読売新聞社説 2013年7月30日付 公的研究費 不正使用の徹底防止を図れ  科学技術の向上を支える公的研究費の在り方が問われている。  東京大学政策ビジョン研究センターの教授が、架空業務を業者に発注し東大などから2180万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で東京地検特捜部に逮捕された。  引き出された資金には、IT技術を医療分野に活用する研究支援として、厚生労働省が支給した補助金が含まれていた。特捜部は私的流用があったと見ている。  教授は容疑を否認しているが、事実であれば、大学の研究事業に対する期待と信頼を裏切る行為と言わざるを得ない。  特捜部は、事実関係の解明に全力を挙げてもらいたい。  公的研究費を巡っては、かねて不正使用が問題視されてきた。  文部科学省が4月に発表した調査結果によると、46の大学と研究機関で不正使用が確認され、その額は3億6100万円に上る。  中でも目立つのが、「預け金」と呼ばれる手口だ。  研究者が物品を購入したように装って、代金を業者に渡し、プールさせておく。自由に使える資金を確保したり、年度内に消化できなかった予算を次年度以降に繰り越したりする目的で行われる。  大学との取引が有利になると期待して、業者が研究者に協力するため、癒着につながりやすい。  研究者側には、年度ごとに消化することが求められる公的研究費について、弾力性に欠けるといった不満が根強くあるようだ。  ただ、研究費の原資は、言うまでもなく国民の税金であり、都合の良い流用は許されない。  政府の成長戦略の柱として、科学技術振興が盛り込まれた。今後、予算増額の可能性もあるだけに、なおさら、研究費は適正に利用されなければならない。  各府省が今年度から、不正使用を行った研究者に対する罰則を強化したのは当然である。  研究費の応募資格を停止する期間を、私的流用の場合には5年から10年に延長した。新たに、研究を管理する上司についても、必要な注意義務を怠れば、応募資格を最長2年停止することにした。  大学側のチェックの甘さも問題だ。文科省は2007年にガイドラインを策定し、発注通りに物品が納品されたか、監査の徹底を求めた。だが、取り組みが依然、不十分な大学が少なくない。  各大学は管理体制を再点検すべきだ。文科省もガイドラインの履行状況を検証し、不正の根絶につなげていく必要がある。 "[he-forum 17766] 新潟日報7/30","新潟日報 2013年7月30日付 8月に改革案最終まとめ 新大実務法学研究科有識者会議  今春の入学者数が定員を大幅に下回った新潟大大学院実務法学研究科(法科大学院)の在り方を考える第2回有識者会議が29日、新潟市中央区の新大医学部有壬記念館で開かれた。当初は12月に予定していた報告書のとりまとめを繰り上げ、次回8月19日に最終決定し、下條文武学長に答申することを決めた。  国の法曹養成制度検討会議の取りまとめを受け、新大の改革案を早急に出す必要性が高まり、日程を大幅に繰り上げた。  29日の会議には弁護士ら6人が出席。中長期的な視点から法科大学院の在り方について(1)単独で維持(2)他大学と連携し運営(3)法科大学院廃止―の3ケースについてそれぞれ問題点を出し合った。  「県内では弁護士が不足している地域がある。大学院が県内で活躍する弁護士30人を輩出したのは大きな成果」と法科大学院の存続を求める訴えが相次ぎ、「大学入学から6年一環教育を行うなど学部との連携が重要だ」などの意見が出た。  また、他大学との連携については「先行する大学では、一方の大学による吸収合併のようになっていて、連携の良さが発揮されていない」などの事例が報告された。 "[he-forum 17772] Newsweek 7/30","Newsweek 2013年7月30日号 エコノMIX異論正論 池田 信夫 日本の大学は非常勤講師を使い捨てる「ブラック大学」  早稲田大学が今春から非常勤講師に適用した就業規則について、早大の非常勤講師15人が6月、早大総長や理事らを労働基準法違反で東京労働局に刑事告訴した。原告の首都圏大学非常勤講師組合の松村委員長によると、非常勤講師は今年度から契約更新の上限を5年とする、と大学から一方的に通告されたという。  大学側は労働基準法にもとづいて意見を聞いたとしているが、講師らは正当な手続きを経ていないと主張し、「早大はわれわれを5年で使い捨てるブラック大学だ」と批判している。大阪大学も今年度から非常勤講師の契約期間の上限を5年とする規定を設け、これに対しても労働組合が告訴する動きがあり、これは一部の大学の問題ではない。  4月から改正された労働契約法では、非正規労働者が5年を超えて勤めると、本人が希望すれば期間の定めのない「正社員」に転換しなければならないため、多くの企業で契約社員などを5年で雇い止めする動きが広がっている。大学の場合は今まで事実上無期限に勤務してきた非常勤講師が多く、早大の場合は教員の6割、4000人が非常勤だというから、雇い止めの影響は大きい。  私もいくつかの大学で非常勤講師をやったが、賃金はだいたい一コマ(90分)で7000円ぐらい。準備の時間や往復の交通費や試験などの事務にとられる時間を考えると、コンビニのアルバイトと大して変わらない。ところが専任講師や准教授になると実質的に終身雇用になり、教授になれば年収1000万円を超えるので、常勤と非常勤の格差は非常に大きい。  ある非常勤講師の場合は、1週間に10コマ掛け持ちしても年収は300万円程度で、ボーナスも昇給もないので、50過ぎても生活は苦しい。カリキュラムは毎年変わるので、いつクビになるかわからないが、大学の教師というのはつぶしがきかないので、本当にコンビニぐらいしか働き口がない。  こんなひどい差別があるのは、日本の大学だけである。文部科学省の調べによれば、アメリカの大学教員のうちテニュアをもつのは62%で、助教授では12%しかいない。一流大学ほど要件はきびしく、ハーバード大学では2300人の教員のうちテニュアは870人しかいない。それなのに日本では、准教授になったら1本も論文を書かなくても昇進し、早大の場合は70歳まで雇用が保証される。  企業のサラリーマンは競争がないようにみえるが、いろいろな部署に配置転換され、仕事のできない社員は左遷されるので、ポスト競争は強いインセンティブになっている。ところが大学教師は専門が決まっているので、仕事のできない教師を左遷することができない。授業も学生しか聞いていないので、勤務評定もほとんどない。だから日本の大学のレベルは、主要国でも最低なのだ。  文科省は来年度の概算要求で、10校の大学を「スーパーグローバル大学」に指定し、世界の大学ランキングの上位100校以内に入ることを目標にして100億円の予算を要求するという。しかしこのように研究者に競争がまったくない状態で、いくら補助金を出してもすぐれた研究が出てくるはずがない。  日本の大学は、最低品質のサービスを最高料金で提供する産業である。しかも一流大学も定員割れの大学も一律に私学助成が出る。その総額は約1兆5000億円で、農業補助金に次ぐ。農業補助金が農家を甘やかして農業をだめにしたように、私学助成が大学を堕落させたのだ。助成金は大学ではなく成績優秀な学生に奨学金として出し、海外の大学にも行けるようにすればいい。グローバルに育てるべきなのは大学ではなく、人材である。  だから日本の大学の競争力を上げるのに、100億円の予算なんか必要ない。世界の大学がどこもやっているように、教授・准教授を含むすべての教員を任期制にし、テニュア審査に合格できない教員は契約を打ち切ればいいのだ。これによって非常勤講師も優秀な研究者は教授になれ、論文を書かない教授はクビになる。それが世界の常識である。 "[he-forum 17774] NHKニュース8/2","NHKニュース 2013年8月2日16時55分 大学不正行為で検討会議設置へ  下村文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、東京大学の教授が研究費をだまし取ったとして逮捕されるなど、大学での研究を巡る不正行為が相次いでいることを受けて、省内に検討会議を設置して対策をまとめる考えを明らかにしました。  大学での研究を巡っては、先月、東京大学の教授が大学などから研究費2100万円余りをだまし取ったとして逮捕されたほか、東京大学の元教授のグループが発表した論文に多数の改ざんが見つかるなど、不正行為が相次いでいます。これについて下村文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、「科学技術に対する国民の信頼を揺るがす、ゆゆしき事態だ。不正を行わせないため、事前のチェック機能などを図っていく必要がある」と述べ、福井副大臣を座長とする検討会議を設置して対策をまとめる考えを明らかにしました。  会議では、これまでに明らかになった研究費の不正使用や論文の改ざんの事例を検証したうえで、秋ごろまでに、不正防止のための具体的な対応策を取りまとめる方針です。 "[he-forum 17773] 読売新聞秋田8/3","読売新聞秋田版 2013年8月3日付 秋大に学内外共同研究所  秋田大学(秋田市手形学園町、吉村昇学長)は7月30日、学内外の研究者が特定分野の研究を共同で進める「プロジェクト研究所」を、8月中に設置すると発表した。それぞれの研究を統括し、研究者同士の交流や研究の協力体制作りを支援する「秋田大イノベーション創出総合研究機構」も同時に設立する。同日開かれた記者懇談会で、吉村学長らが説明した。  研究機構長には、玉本英夫理事が就任する。当初は、「モーションキャプチャ開発研究所」「次世代燃料電池複合研究所」「秋田宇宙開発研究所」など、秋田大が得意とする約10の研究分野のプロジェクト研究所を設置する予定で、20程度まで増やすことを検討している。  今回の研究体制では、民間企業の研究者らとの交流を促進することで、研究の視野を広げると共に、研究ノウハウの情報交換につながることも期待されている。同様の体制は、早稲田大が2000年に始めており、今回はそれを参考にしている。  プロジェクト研究所の設置要件は、学内教員3人以上による共同研究で、学内の専任教員が所長を務めること。特定の研究施設は持たず、教員の研究室などを拠点にする。また、一定の期限付きで、原則として5年以内に研究結果を出す必要があり、設置3年後には、研究継続の可否を決める審査を行う。  資金については、大学運営費交付金と外部の補助金を充てる予定だが、優れた研究を支援するため、学内で研究費を支援する公募事業も予定している。  玉本理事は「時限的な組織により、社会の要望にタイムリーに応える研究組織作りが可能になる。研究内容を積極的に情報発信していきたい」と述べた。 "[he-forum 17775] 山形新聞8/7","山形新聞 2013年08月07日 10:00 山形大が三菱電機、東芝と共同研究 重粒子線がん治療装置開発に着手  山形大が医学部への導入を目指す重粒子線がん治療施設について同大は6日、三菱電機、東芝の2社と共同で次世代型装置の開発に着手したと発表した。海外への普及を見据えて省エネ、省スペース化の研究を進める。研究開発の期間は2014年度までの2年間を想定している。  同大が開発を目指す次世代型装置は、普及のネックになっている課題を解消するため▽消費エネルギーの削減▽施設の省スペース化▽操作の簡易化▽廃棄物ゼロ―などが特徴。  従来型は未使用時も電源を入れている状態だが、照射に必要な時だけ電源を入れられるようにすることで運転時間の最大7割減を目指す。消費電力は2割減を 目標にする。省スペースに関しては、現在は平面で動いている重粒子線を立体的に動かすことなどにより施設面積を縮小する。  共同研究を行うメーカーの選定には3社が応募。プレゼンテーションを経て、評価が高かった2社を選んだ。今後、2社が装置を部分的に試作し、省エネ化、省スペース化を図るために必要な研究を行う。  結城章夫学長は同日の定例会見で「来年まで2年間は研究開発をする。そこで成果が出れば本体建設に進む可能性が開ける」、設置準備室長の嘉山孝正学長特別補佐は「海外への普及を考えると小型化が必要。山形モデルを開発したい」と述べた。 "[he-forum 17791] 読売新聞8/7","読売新聞 2013年8月7日付 観光教育で連携 関西の11大学が新組織  観光分野の教育研究を行っている関西の11大学が6日、人材育成などで連携を図る組織「関西観光教育コンソーシアム」を設立した。9月に高校教員や高校生対象の合同入学説明会を開き、来年には企業向けの説明会や教育プログラムの発表会も予定している。  観光学部がある和歌山大が設立を呼び掛けた。観光系学部を持つ阪南大(大阪府松原市)、大阪観光大(同府熊取町)、神戸夙川学院大(神戸市)のほか、観光に関する科目を設けている立命館大(京都市)などが参加した。  大阪市北区で設立総会が開かれ、代表幹事に選ばれた山本健慈・和歌山大学長は「日本の観光産業を担う人材への需要は大きい。多くの大学で連携し、教育や研究の質の向上を目指したい」と話していた。 "[he-forum 17789] 福島民友8/8","福島民友 2013年8月8日付 「むらの大学」被災地支援 福島大、学生がにぎわい創出へ  福島大は7日、東京電力福島第1原発事故からの復興を担い、本県の未来を創造する人材育成を目的とした授業科目群「ふくしま未来学」の創設を正式に発表した。学生が被災地を訪れ地域のにぎわい創出などに取り組む「むらの大学」(地域実践学習)や、復興に取り組む市町村の担当者などを大学に招き講義をしてもらう「地域再生学」(仮称)など、ふくしま未来学に位置付ける授業科目を来年度から順次新設する。  ふくしま未来学は、主に1年生が履修する必修の「コア科目」と、2~4年生が履修する「モデル選択科目」に分かれる。コア科目は、来年度から開講する「むらの大学」や「ボランティア論」、2015(平成27)年度開講予定の地域再生学など。既存の科目のうち、ふくしま未来学にふさわしい科目も組み込む。「目玉科目」のむらの大学では、双葉郡8町村など同大が協定を結んでいる市町村を学生が夏休みなどを利用して訪れ、地域住民と共に課題解決に取り組み、避難者の帰還にもつながるにぎわい創出を目指す。 "[he-forum 17788] 秋田魁新報社説8/10","秋田魁新報社説 2013年8月10日付 高齢化社会対応 大学の力、地域に生かせ  秋田大学が北秋田、潟上、横手3市で、高齢化社会に伴う地域課題の解決に向けた研究に乗り出す。文部科学省の補助を受けた5カ年事業として実施、各地域と連携した取り組みを進める。研究内容を自治体の施策に随時反映させ住民の満足度向上につなげるなど、大学の力を積極的に発揮してもらいたい。  秋田大は横手市と北秋田市に分校を開設、地域交流などに取り組んでいるほか、両市や潟上市とは連携協定も締結している。今回の研究は、全学的な態勢で地域貢献しようというのが大きな特徴である。  高齢化社会への対応が3市に共通する研究テーマだ。高齢者らの「安全・安心」をどう確保し、地域の「元気」を維持するのか。人口減、少子化も進む中、高齢化への対応は特に全県的に重要な課題といえよう。  高齢化に伴う問題は通院や除雪、日常の買い物など実にさまざまある。高齢化で地域行事などが維持できなくなれば、人々を結び付ける貴重な地域コミュニケーションが減退するという問題も出てくるため、解決策を講じることが急がれている。  今回の研究で秋田大は、豪雪地帯の横手市で山間部での冬場の地震を想定した避難計画の策定や不安の解消などに取り組む。医学部は在宅看護モデルについて研究し提案する。  過疎化により伝統行事の継承が危ぶまれる北秋田市では、行事の保存などを通じた世代間交流の推進や地域の元気づくりの方策を探る。潟上市では、地域のよりどころとなってきた小学校の閉校を受け、住民の交流拠点の在り方を考える。  全学態勢で地域づくりに関わる秋田大の教員には、専門知識を十分に生かした斬新な研究手法を期待したい。その効果が各地域で具体的に見えるようになれば、教員の意欲も一層高まることになろう。  さらに期待されるのは、学生たちの積極参加である。学生ならではの新鮮な発想や若者自身が必要と考える施策を、ぜひ地域づくりに反映させてほしい。講義や教室の研究では学べない実学の場となるに違いない。それぞれの専攻の延長として地域課題の解決法を探るという経験は、社会人になってからも役立つはずだ。  同時に、容易に解決できない問題があることを知る機会にもなる。そのハードルの高さが、学生の研究意欲をさらに引き出すと信じたい。何よりも自分が住む地域に目を向け、考えるという生きた学問になる。  自治体側がどう対応するかも重要だ。秋田大の研究によって解決策がすぐに見つかると考えるのは、誤りであろう。行政のプロとして、地域事情に即して大学側の提言を活用してほしい。自治体の施策は議会の承認手続きなどもあり、後手に回りがちである。研究内容を可能な限り迅速に施策へ反映させることが必要だ。 "[he-forum 17787] 福井新聞8/8","福井新聞 2013年8月8日付 大学進学減、高まる地元就職志向 厳しい家計事情が影響?  福井県教育委員会(県教委)は7日、2013年3月の県内国公私立中学、高校卒業者についての進路実態調査を発表した。高校卒業者の大学・短大への進学率は52・8%で3年連続の減少。一方、就職率は23・5%と前年比1・5ポイント増だった。就職率は10年に過去最低を記録し、翌年から増加傾向にある。県教委は「大学生の就職が厳しい社会情勢や家計事情が影響し、進学より地元企業への就職に魅力を感じているのではないか」としている。  中学校の卒業者は、少子化の影響で記録が残る1951年度以降初めて8千人を割り、7983人となった。  高校卒業者は270人増の7776人。大学・短大などへは4107人が進んだ。進学率は52・8%で前年比2・1ポイントのマイナス。10年の57・4%をピークに減少を続けている。内訳は大学が83・6%(前年比1・4ポイント減)、短大が15・5%(同1・4ポイント増)、社会人向けの高校専攻科などその他が前年と同じ0・9%だった。  進学先は、県内が37・6%の1544人で、前年より2・6ポイント増えた。県教委は「県内の大学が魅力づくりに努め、選ぶ生徒が増えていることが考えられる」としている。  高校卒業者の就職者の総数は前年比183人増の1831人だった。専修学校・各種学校には1460人が入学した。  中学卒業者の高校などへの進学者は7873人で、進学率は前年と同じ98・6%だった。  また県は同日、13年度学校基本調査速報も発表した。県内にある国公私立の小中高校と特別支援学校、幼稚園、専修学校などを対象に、5月1日時点の状況を調べた。  小学生の数は4万4457人(前年比566人減)、中学生は2万3816人(同270人減)で、ともに記録が残る1951年度以降で最少を更新した。高校生は2万3229人、特別支援学校生は987人、幼稚園児は5016人で、いずれも前年を下回った。 "[he-forum 17790] 新潟日報8/8","新潟日報 2013年8月8日付 本県大学進学率、4年連続で低下  今春に県内の高校を卒業した生徒の大学・短大への進学率は45・0%で前年より0・9ポイント減り、4年連続で低下したことが文部科学省の学校基本調査で分かった。全国平均を8・2ポイント下回ったが、順位は前年と同じ32位だった。専門学校など専修学校への進学率は28・4%、就職率は17・3%で、ともに前年より上昇した。  県教育委員会高校教育課は「景気低迷による経済的理由から大学進学ではなく、専門学校で資格取得を目指したり就職したりする生徒が増えたのではないか」と分析。「学力向上に加え、県内大学の魅力のPRに取り組みたい」としている。  高校卒業者数(中等教育学校卒業者を除く)は前年比220人増の2万1246人。このうち大学・短大への進学者数は9559人で同99人減った。本県の大学進学率は1986年~89年まで全国最下位となり進路指導などに力を入れて上昇したが、2008、09年の48・7%をピークに低下に転じた。全国との差が8ポイントを超えたのは01年以来。  専修学校への進学者は同266人増の6029人。進学率は同1・0ポイント増となり3年連続で全国1位。就職者数は同102人増の3685人で、就職率は同0・3ポイント増となった。  中等教育学校の卒業者を含む大学進学率は同0・7%ポイント減の45・7%、専修学校進学率は同0・9ポイント増の28・0%、就職率は0・2ポイント増の17・1%だった。  12年度に病気や経済的理由以外で年間30日以上欠席した「不登校」の小学生は345人(前年度比16・5%減)で全体に占める割合は0・29%、中学生(中等教育学校を含む)は1644人(同5・0%減)で全体の2・48%を占めた。 "[he-forum 17786] 中国新聞8/11","中国新聞 2013年8月11日付 広島県医療再生に国が12億円  広島県はこのほど、2013年度から3年間の新たな地域医療再生計画に、国が12億5千万円を交付するとの内示を受けたと発表した。要望していた15億円の8割強。災害拠点病院の津波対策など12事業に割り当てる。  津波対策には最大の4億5千万円を充てる予定だ。南海トラフを震源とする巨大地震などで浸水の恐れがある県立広島病院(広島市南区)や中国労災病院(呉市)など6病院で、自家発電機や貯水槽を屋上などに移設、新設する。  このほか、広島、岡山両大医学部の地域枠学生に対する奨学金や、在宅医療を支援するための介護と医療の連携事業、地域医療や小児救急をテーマにした寄付講座の運営などに使う。 "[he-forum 17785] SANSPO.COM8/9","SANSPO.COM 2013.8.9 13:25 橋下氏、大阪市立大学長人事での教職員投票を否定  橋下徹大阪市長は9日、大阪市立大の学長人事に関し「全教職員の投票なんか許さない」と述べ、教職員による投票を経て学長を決める現在の選考方法をやめるよう担当部局に指示したことを明らかにした。今後は自身の意見が反映する選考方法に改める方針。  これに対し橋下氏は、市役所で記者団に「学長を選ぶことが大学の自治じゃない。何の責任もない教職員に決めさせるのはおかしな話だ」と強調した。  地方独立行政法人法では、公立大の学長は学内の選考機関の選考に基づき、首長が任命すると規定されている。(共同)= "[he-forum 17784] 毎日新聞8/9","毎日新聞 2013年08月09日 12時33分 橋下大阪市長:市立大の学長選、廃止へ  橋下徹大阪市長は9日、大阪市立大の学長を教職員らの投票などで選ぶ制度を廃止する意向を表明した。今後は橋下市長の意向を反映させた選考会議で選定する方針。市役所で記者団に明らかにした。  橋下市長は「僕の意見を反映させる。何の責任もないメンバーが1票を投じるなんてまかりならない。選挙で選ばれた市長が任命するのが民主主義だ」と話した。  市立大によると、現在は、全教職員が学長候補者を投票し、辞退者を除く候補者から、常勤教員らが2次投票。その結果を考慮し、大学幹部や有識者でつくる理事長選考会議が決定する。  市立大は「大学の自治を重視し、教職員の意向を反映できる仕組みにしている」と話し、国立大の多くが同様の制度を導入しているという。現在の西沢良記学長の任期は今年度末までで、9月ごろから投票が行われる予定だったが、見直しを検討している。【茶谷亮】= "[he-forum 17783] 朝日新聞8/9","朝日新聞 2013年08月09日13時30分 橋下大阪市長、市立大学長選認めず 「選ぶのは市長」  大阪市長から任命される同市立大学長が従来、大学の教職員による選挙結果に基づき選ばれていることについて、橋下徹大阪市長は9日、「ふざけたこと。そんなのは許さん。学長を選ぶのは市長であり、選考会議だ」と述べ、今秋にも想定される選挙を認めない考えを示した。市役所で記者団に語った。  同大の定款では、学長は大学の選考会議からの申し出に基づき、市長が任命する。ただ、学長候補者は従来、大学の教職員による2回の投票を経て選び、その結果をもとに選考会議が候補者を市長に伝えていた。現在1期目の西沢良記学長は来年3月末で4年間の任期を終える。 "[he-forum 17782] 共同通信8/7","共同通信 2013年8月7日2時4分 大阪の3大学が連合大学院 再来年設置へ、全国2例目  大阪教育大、関西大、近畿大の3大学は6日、連合教職大学院を設置すると発表した。2015年4月の設置を目指し、協議会を立ち上げる。文部科学省によると、京都教育大や同志社大など8校の連合に次いで2例目となる。  大教大の長尾彰夫学長は記者会見で「教員を多く出している2つの大きな私学と連携し、オール大阪の教員養成高度化のモデルをつくる。多様性のある教員を育てたい」と抱負を語った。  大教大によると、1学年の定員は30人とし、現職の教員も学生として受け入れる。  教職大学院は教員養成のための専門大学院として、08年度に創設された。現在は25校あり、文科省は12年から制度の見直しを議論している。 "[he-forum 17781] 日本海新聞8/6","日本海新聞 2013年8月6日付 鳥大病院の次世代内視鏡開発 国の補助事業に  鳥取大学医学部付属病院(米子市、北野博也病院長)は5日、同病院の次世代高度医療推進センターが進める次世代内視鏡の開発が国の補助事業に採択されたと発表した。最大で3年間に計2億4千万円の支援を受けて企業4社と協力し、患者への負担を軽減する自走式内視鏡の2017年の商品化を目指す。  大腸検査に用いる従来の内視鏡は、医師が肛門から押し込むため患者が痛みを感じ、時には大腸の壁が破れるなどの問題があった。  同センターの植木賢・特命准教授(41)は07年から、(1)先端に付けた風船を空気で伸縮させて内視鏡が腸内を自走(2)大腸の壁に過度の力が加わらぬよう圧力センターで監視(3)大腸のひだの裏側まで見られる-の3点で従来の欠点を解消する内視鏡の製品化に取り組んでいる。  会見を開いた植木准教授は「学生時代にあまりの痛みで涙を流しながら検査を受けていた患者さんを見たのが開発のきっかけ。痛くない内視鏡を実現させたい」と話していた。 "[he-forum 17780] 日本経済新聞8/7","日本経済新聞 2013年8月7日付 研究力で助成金に差 文科省、22大学など選抜  文部科学省は6日、科学分野で重点的に支援する対象として、世界的な成果が見込める22の大学や機関を選んだと発表した。10の指標で選び、今年度から毎年2億~4億円を10年間支給する。東京、京都、東北、名古屋の4大学が最高評価の4億円の助成を受ける。研究水準の高い大学や機関を強化することで、国際的な地位が低下している日本の研究競争力の向上につなげる。  価値があると認められた研究が対象となる国の科学研究費補助金に採択された数、同補助金の研究者1人あたりの獲得額、他の研究者に引用される回数が上位10%に入る影響力の高い論文の割合、成果の民間企業への移転など10の指標で評価した。評価によって年間の助成額を4億、3億、2億円と差を付けた。5年後の中間評価によって入れ替えも検討する。  文科省は今年度の予算で確保した68億円を充てる。各大学は研究戦略や知財管理を担う人材や研究を支援する技術者の雇用、若手研究者の登用などを継続的に進める。  学術研究の質と量の双方で、日本の国際的な地位は低下している。文科省の集計によると、2000年時点の論文数は米国に次いで2位、引用回数が上位10%に入る論文の数は4位だった。しかし10年ではそれぞれ5位、7位に順位を下げた。 "[he-forum 17779] 河北新報8/8","河北新報 2013年8月8日付 東北大総長、5カ年計画発表 今秋ILCフォーラム  東北大の里見進総長は7日、2017年度までの任期中に取り組む「里見ビジョン2013」を発表した。世界トップ級の研究者を数カ月単位で招く「知のフォーラム」の開催や、海外留学する学生を12年度比約1.7倍の2000人とする数値目標を盛り込んだ。  重点戦略として「グローバルな修学環境整備」「復興アクションの遂行」など16分野を掲げた。  知のフォーラムは、国際連携による研究力強化が狙い。定期的に招く研究者を、学内の研究者と交流させる。第1弾としてことし10月、東北の産学官が誘致を目指す超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」関連のフォーラムを開く。  海外留学者の増加に向けては、提携する海外の大学への留学プログラムを拡大する。学生の国際体験を促し、中でも年齢の若い学部生対象の短期留学を12年度の120人から500人に増やす。  仙台市内で記者会見した里見総長は「地球規模の課題解決に貢献できる人材育成が目標。東日本大震災からの復興についても引き続き成果を出していきたい」と述べた。  東北大では国立大法人化後の2007年、井上明久前総長が「井上プラン」を発表し、11年度までに4回改訂した。「里見ビジョン」は「井上プラン」に続く総長の公約となる。 "[he-forum 17778] 山形新聞8/8","山形新聞 2013年08月08日 13:00 候補者辞退した山形大工学部、学部長に飯塚氏再選  山形大は7日、教授会で選出された候補者が辞退していた工学部の学部長選で、現職の飯塚博教授(58)の再選を決めたと発表した。任期は9月1日から2年間。  任期満了に伴う工学部の学部長選をめぐっては、7月16日の教授会で最多得票を得て選出された教授に対し、結城章夫学長が1週間発令せず、その間に本人が体調不安を理由に辞退するという異例の経過をたどった。  6日の教授会で再選挙を行い、飯塚氏は1回目の投票で上位3人に入り、2回目で過半数の100票を獲得して次期学部長候補に選出された。7日に結城学長 がヒアリングを行い、就任が決まった。飯塚氏は千葉県成田市出身。秋田大大学院鉱山学研究科修士課程修了。専門は機械材料、材料力学など。 "[he-forum 17777] 朝日新聞8/8","朝日新聞 朝刊(2013年08月08日) やがて悲しき博士号 4割が就職難、採用枠増えず 文科省調査  この春に博士課程を修了した大学院生のうち、非正規雇用の身分で働くなど安定した職に就いていない人が40・1%(前年比1・6ポイント増)に上った。文部科学省が7日に発表した学校基本調査(速報値)でわかった。高学歴の博士たちが、就職難に苦しんでいる。  博士課程を終えた大学院生1万6440人のうち、就職者は5月1日時点で1万829人。就職率は65・9%(同1・4ポイント減)で、3年ぶりに下がった。  進路のうち、雇用期間が限られる「非正規雇用」、勤務時間の短い「一時的な仕事」、「進学も就職もしていない」の3項目は「安定した職に就いていない 人」と位置づけられ、計6599人で全体の4割を超えた。学部卒の20・7%(同2・2ポイント減)、修士課程修了者の17・3%(同0・4ポイント減) に比べ、突出している。  博士課程に進む学生は、20年間で2・5倍に膨らんだ。国が1991年度から「研究や産業技術の高度化に伴い、企業や研究機関で需要が急増する」とみ て、「10年間で2倍程度」を目標に大学院生を増やす政策をとったことが背景にある。しかし、主な就職先である大学の採用枠はそれに見合うほど増えなかっ た。民間企業も採用に消極的とされる。  そのため、「ポストドクター(ポスドク)」と呼ばれる任期付きの身分で研究を続ける人も増えた。今回の調査でも、非正規雇用の40%がポスドクだった。(岡雄一郎)  ■3校で講義、月収9万円 31歳のポスドク、年金も支払えず  首都圏の大学3校で講義を受け持つ女性(31)は昨春、東京の私立大で経営学の博士号を取ったポストドクター。肩書は「兼任講師」だが、名刺の裏に入れた英訳は「パートタイム・レクチャラー」だ。  正規の教員ではないため正式な身分証はなく、研究室も教職員用のメールアドレスも与えられず、大学の図書館ですら申請しないと使えない。国民年金は支払 い猶予を申請し、健康保険証は父の会社のものだ。その父もあと2年で定年。クレジットカードを作るにも年収を見て不審がられる。  今は1コマ5千~6千円の講義が週4コマ。月収9万円でボーナスはなく、都内の実家で暮らす。契約はどの大学も1年間。その後はどうなるかわからない。  企業の正社員にあたる任期なしの教員や、3~5年の任期付きの助教職に空きを見つけては履歴書を送る。昨春から10校に応募したが、8校は研究実績の書類選考で漏れ、面接にたどりつけたのは任期付き助教職の2校。いずれも不採用だった。  博士として研究業績を上げるには論文を書き続け、学会誌に掲載される必要があるが、文献収集も学会への報告で海外へ行くにも、研究費はすべて自腹だ。  「後戻りできない道を自分で選んだんだとわかっていても、『大学を出て就職していれば……』って考えてしまうんです」  ■研究職を得ても、契約は1年ごと  理化学研究所(埼玉県和光市)の工学博士の女性研究員(35)は2011年、約10倍の難関を突破して今の職を得た。年収は約700万円。自分で調達し なければならない研究費も、15年春までの3年半で科学技術振興機構から計4千万円の助成金を得られることになった。だが、理研との契約は1年ごとで、更 新される保証はない。「今は恵まれている。でも、終身ポストが得られるまで安心できない」  同じ研究室の仲間も、職探しではライバルだ。「重要な情報は教えないし、長い期間休む同僚がいると、その間に差をつけることができると思ってしまう」と打ち明けた。  ポスドクを経験した芥川賞作家の円城塔さん(40)。7年で三つの国立大を転々とした。任期切れのたびに職探しを強いられる生活に疲れ、34歳で知人を 頼って民間企業に就職。だが、博士号を持つ社員の人脈も生かして仕事をする欧米と異なり、「日本企業は、博士は専門化しすぎて役に立たないと、敬遠する傾 向が根強い」という。 "[he-forum 17776] 時事通信8/8","時事通信社 2013年 8月 07日 17:30 JST 更新 大卒2割、安定雇用なし=前年からは減少―文科省  今春の大学卒業者約56万人のうち、非正規雇用やアルバイト、進学や就職の準備をしていない「ニート」など安 定的な雇用に就いていない人が計11万5000人余り(20.7%)に上ったことが7日、文部科学省の学校基本調査の速報で分かった。前年度より2.2ポ イント、約1万2600人減少したが、同省は「本人が望まない形で社会に出ざるを得ない状況は、引き続き改善すべき課題だ」としている。  調査によると、大卒者55万8853人のうち5月1日現在で37万5959人が就職し、就職率は67.3%(前年度比3.4ポイント上昇)と3年連続で改善。うち非正規雇用は前年度比約800人増の2万2786人(4.1%)だった。  [時事通信社]= "[he-forum 17777] 朝日新聞8/8","朝日新聞 朝刊(2013年08月08日) やがて悲しき博士号 4割が就職難、採用枠増えず 文科省調査  この春に博士課程を修了した大学院生のうち、非正規雇用の身分で働くなど安定した職に就いていない人が40・1%(前年比1・6ポイント増)に上った。文部科学省が7日に発表した学校基本調査(速報値)でわかった。高学歴の博士たちが、就職難に苦しんでいる。  博士課程を終えた大学院生1万6440人のうち、就職者は5月1日時点で1万829人。就職率は65・9%(同1・4ポイント減)で、3年ぶりに下がった。  進路のうち、雇用期間が限られる「非正規雇用」、勤務時間の短い「一時的な仕事」、「進学も就職もしていない」の3項目は「安定した職に就いていない 人」と位置づけられ、計6599人で全体の4割を超えた。学部卒の20・7%(同2・2ポイント減)、修士課程修了者の17・3%(同0・4ポイント減) に比べ、突出している。  博士課程に進む学生は、20年間で2・5倍に膨らんだ。国が1991年度から「研究や産業技術の高度化に伴い、企業や研究機関で需要が急増する」とみ て、「10年間で2倍程度」を目標に大学院生を増やす政策をとったことが背景にある。しかし、主な就職先である大学の採用枠はそれに見合うほど増えなかっ た。民間企業も採用に消極的とされる。  そのため、「ポストドクター(ポスドク)」と呼ばれる任期付きの身分で研究を続ける人も増えた。今回の調査でも、非正規雇用の40%がポスドクだった。(岡雄一郎)  ■3校で講義、月収9万円 31歳のポスドク、年金も支払えず  首都圏の大学3校で講義を受け持つ女性(31)は昨春、東京の私立大で経営学の博士号を取ったポストドクター。肩書は「兼任講師」だが、名刺の裏に入れた英訳は「パートタイム・レクチャラー」だ。  正規の教員ではないため正式な身分証はなく、研究室も教職員用のメールアドレスも与えられず、大学の図書館ですら申請しないと使えない。国民年金は支払 い猶予を申請し、健康保険証は父の会社のものだ。その父もあと2年で定年。クレジットカードを作るにも年収を見て不審がられる。  今は1コマ5千~6千円の講義が週4コマ。月収9万円でボーナスはなく、都内の実家で暮らす。契約はどの大学も1年間。その後はどうなるかわからない。  企業の正社員にあたる任期なしの教員や、3~5年の任期付きの助教職に空きを見つけては履歴書を送る。昨春から10校に応募したが、8校は研究実績の書類選考で漏れ、面接にたどりつけたのは任期付き助教職の2校。いずれも不採用だった。  博士として研究業績を上げるには論文を書き続け、学会誌に掲載される必要があるが、文献収集も学会への報告で海外へ行くにも、研究費はすべて自腹だ。  「後戻りできない道を自分で選んだんだとわかっていても、『大学を出て就職していれば……』って考えてしまうんです」  ■研究職を得ても、契約は1年ごと  理化学研究所(埼玉県和光市)の工学博士の女性研究員(35)は2011年、約10倍の難関を突破して今の職を得た。年収は約700万円。自分で調達し なければならない研究費も、15年春までの3年半で科学技術振興機構から計4千万円の助成金を得られることになった。だが、理研との契約は1年ごとで、更 新される保証はない。「今は恵まれている。でも、終身ポストが得られるまで安心できない」  同じ研究室の仲間も、職探しではライバルだ。「重要な情報は教えないし、長い期間休む同僚がいると、その間に差をつけることができると思ってしまう」と打ち明けた。  ポスドクを経験した芥川賞作家の円城塔さん(40)。7年で三つの国立大を転々とした。任期切れのたびに職探しを強いられる生活に疲れ、34歳で知人を 頼って民間企業に就職。だが、博士号を持つ社員の人脈も生かして仕事をする欧米と異なり、「日本企業は、博士は専門化しすぎて役に立たないと、敬遠する傾 向が根強い」という。 "[he-forum 17793] 東京新聞埼玉8/16","東京新聞埼玉版 2013年8月16日付 大学・短大 進学率2年連続減 今春の県内高校卒業者  県教育局は、今春の県内の高校卒業者五万七千五百二十人の進路状況調査速報(五月一日現在)を発表した。大学・短大への進学率は56・5%(前年比0・5ポイント減)で、二〇一一年(57・1%)をピークに二年連続で減少した。  専門学校への進学率は17・7%(前年比0・6ポイント増)で二年連続で増えた。同局の担当者は「将来の進路を考え、資格や技能を身に付けようという傾向が高まっている」と分析する。  大学進学者の内訳では、医・歯学系や栄養士の資格が取得できる家政系への入学率が伸びた一方、人文や理工学系は低下した。  就職者は13・2%(前年比0・5ポイント増)となり、三年連続で上昇。今年三月の県内高校生の求人数が前年同期よりも7・5%増えたことなどが背景にあるとみられる。  進路未定者は、この区分ができた〇五年(2・4%)以降で最も低い0・7%(前年比0・6ポイント減)だった。 (増田紗苗) "[he-forum 17792] 日本経済新聞8/16","日本経済新聞 2013年8月16日付 大学発ベンチャーの7割、売上高1億円に届かず  帝国データバンクが15日発表した大学発ベンチャー企業の調査によると、約7割は売上高が1億円を下回った。約半数は5000万円未満だった。有望技術や特許を強みに設立しても、事業が軌道に乗らず苦戦が目立つ。経営手腕の優劣が業績を大きく左右しており、損益状況を開示する企業に限れば55%が最終黒字だった。  2012年の売上高が分かったベンチャー企業(536社)を対象に調査を実施した。売上高が1億円未満は360社(67%)、そのうち5000万円未満が251社(47%)だった。有望技術や、特許、アイデアを持って起業したにもかかわらず、市場調査が未熟で商品開発が遅れるほか、販売網を広げられないなどの課題がある。  損益を開示した304社のなかで最終黒字だったのは166社だった。そのうち設立から5年未満の企業は5%(9社)にすぎない。大学発ベンチャーは研究開発などで先行投資が重くなりがちで、利益を出しにくい構造がある。研究者が経営トップを兼務する企業が多く、戦略立案や資金調達などの力量に左右されている。  調査対象の企業のうちの設立年では03年が64社とピークとなり、11年が12社とほぼ減少を続けている。新規株式公開(IPO)したのは、バイオ関連のミドリムシ培養のユーグレナ、画像加工ソフトのモルフォなど15社あった。 "[he-forum 17794] しんぶん赤旗8/19","しんぶん赤旗 2013年8月19日(月) 日本の異常 大学教育 日本再生の柱(安倍政権)と言いながら 毎年、予算削減の怪  安倍晋三政権が「世界の中で競争力を高め、輝きを取り戻す『日本再生』のための大きな柱」(教育再生実行会議提言)と位置づけるのが、大学教育です。ところが大学教育予算は10年連続で減らされ、増額される気配はありません。(浜島のぞみ) 各国と比較最低の水準  高等教育(大学や高等専門学校)の予算を国際比較すると、日本のお粗末さは一目瞭然です。  経済協力開発機構(OECD)諸国のなかで、国内総生産(GDP)に対する高等教育機関への公財政支出は平均1・4%。これに対し、日本は0・7%と最低水準です。  さらに、高等教育機関への公財政支出の伸び率をみると、この10年で各国が支出を増やし、なかでも韓国は1・8倍に達しています。それなのに、日本はほぼ横ばいのままです。教育に対する姿勢の違いは明らかです。  日本では、2004年の国立大学法人化を起点に、大学側の裁量で使える運営費交付金が、毎年、およそ1%ずつ減らされつづけています(図)。運営費交付金の8割程度を占めるのは「基盤的経費」。最低限の研究費、人件費、水高熱費、事務費など、大学運営に必要不可分な予算です。 東大と京大廃止に匹敵  文部科学省国立大学法人支援課の担当者は「大学サイドから『予算が厳しい』という声が聞こえてくる。運営に支障をきたさないよう、削減に歯止めをかけ、予算を獲得していきたい」と話します。  ところが安倍内閣は、概算要求でシーリング(上限)のしばりをかけ、運営費交付金を1%ずつ減額しつづける方針を変えていません。予算総額を減らし、特定の研究に重点配分する“アメとムチ”を続ける姿勢です。  大学法人化以降、政府は、新しい学部開設やプロジェクトなどに対して審査のうえで交付する「競争的資金」を推進。基盤的経費とは別建てで、短期間で成果をあげる研究を優遇しています。  国立・私立・大学で構成する「学術研究懇談会」は5月に提言を発表し、「(国は運営費交付金を)わずか10年間で1600億円も削減した。これは 東大と京大の廃止に匹敵する額だ」と告発。「基盤的経費を削る方向性は研究者や大学を養わないことと同じ。国際競争力を確実に低下させる」と危機感をあら わにしています。 研究費少なく科学的検証できません  大学キャンパス内の学生食堂や付属病院の廃食用油をバイオディーゼル燃料に精製する循環システムの研究をしている山梨大学大学院の竹内智教授(工学博士)を訪ねました。  実験室には大型の廃油回収タンクや精製装置が並びます。  竹内教授は「教育・研究のためには科学的な測定に基づいて検証することが必要です。しかし、研究費がわずかなために計測機器を買えず、検証できない」と嘆きます。  燃料へ精製する機械自体が高額であることに加え、成分分析器は1台で数百万円。十数項目の成分分析にそれぞれ1台ずつ必要です。  バイオディーゼル燃料に関心が高まるなか、竹内教授の研究室では市民公開講座を開催してきました。「市民が持ち込む廃食用油が実用に適するかどうか調べたくても、測定機器が備わっていないためにできません」。研究を地域社会に還元できない歯がゆさを訴えます。  資金を競争で獲得させるやり方では、すぐ息切れしてしまい、共同研究も進みません。  「教育費・研究費がしわよせを受け、学生の基礎学力の低下にもつながるのが教育予算削減の問題です。全体的な底上げこそが必要です」= "[he-forum 17796] 岩手日報8/19","岩手日報 2013年8月19日付 岩手大に教職大学院 16年度にも設置の方針  岩手大(藤井克己学長)は高度な専門性を備えた教員を養成するため、教職大学院を開設する方針を固めた。今後、具体的な体制の検討に入り、早ければ2016年度にも設置する見通し。文部科学省が進める国立大学改革の一環で、複雑、多様化する教育課題に中心的に対応する教員の育成拠点とする考えだ。  教職大学院は、教員養成に特化した専門職大学院。児童生徒の学ぶ意欲の低下やいじめなど学校現場が深刻な問題を抱える中、教員の指導力向上を目的としている。  基本的に2年課程で、学部卒業者を対象とする即戦力の新人教員と、現職教員の再教育によるスクールリーダー(中核的中堅教員)を養成。現在、全国で国・私立の計25大学が設置しており、東北では宮城教育大と山形大にある。 "[he-forum 17795] 読売新聞社説8/19","読売新聞社説 2013年8月19日付 大学入試改革 混乱招かぬよう丁寧な議論を  入試制度の改革は、教育現場や受験生に大きな影響を与える重要テーマである。丁寧かつ多角的な検討が求められる。  政府の教育再生実行会議で、大学入試に関する議論が始まった。自民党が参院選の公約に盛り込んだ「達成度テスト」を導入するかどうかが焦点だ。  達成度テストは高校生を対象に、年に複数回実施される。受験生はテストの最も良い成績を大学に提出する。大学はその成績で基礎学力を把握し、思考力や問題設定能力を測る独自の選考も行う。そんな構想のようだ。  「一発勝負型」の現行入試に対しては、受験生に過度の負担をかけているとの批判がある。  選考の機会が増えれば、受験生は運に左右されずに実力を発揮しやすくなる。大学が優秀な人材を見いだすうえにも有効だろう。  面接などで選抜するAO(アドミッション・オフィス)入試や推薦入試が広がった結果、高校生の勉強時間が減り、学力不足は深刻化したと指摘されている。  達成度テストという新たな目標を設けることで、高校生の学習意欲を喚起し、学力の底上げにつなげたいとの狙いも理解できる。  だが、費用対効果はどうなのか。達成度テストは全く新しい選抜方式だけに、学力を正確に見極める問題の作成や、全国一斉に実施する試験の運営には多大なコストがかかると見られる。  難易度や教科数をどう設定するかという課題もある。  大学入試センター試験の存廃も検討しなくてはならない。  1990年にスタートしたセンター試験は、高校段階の学習到達度を判定する統一試験として、広く定着している。入試に利用している大学は国公立だけでなく、私立大学でも9割に達している。  仮に廃止すれば、現場の混乱は避けられまい。  複数回行う試験が高校3年の早い時期から実施されれば、授業の前倒しによる詰め込み教育が加速することも想定される。  「高校生がテスト対策に追われ、学校行事や部活動に大きな制約が出かねない」と高校関係者が危惧するのはもっともだ。  浪人生や社会人はどのように達成度テストを受けるのか、という問題も忘れてはならない。  教育再生実行会議は秋にも提言をまとめる予定だが、拙速な議論は禁物だろう。入試制度の見直しは、高校・大学双方の教育の質をいかに向上させるかという視点で進めることが肝要だ。 "[he-forum 17797] 日本経済新聞社説8/18","日本経済新聞社説 2013年8月18日付 「輸出産業」として大学に競争力を  高等教育のグローバル競争が激しくなっている。留学生を受け入れたり、大学の分校を海外に設けたり、講義をネット配信したりすることで、世界の人材を囲い込もうという動きだ。  狙いは大学をはじめとする高等教育機関の経営の安定、さらには外貨の獲得や雇用の創出だ。いわば「輸出産業」として教育を位置づけ、その顧客である学生をひき付ける力を競い合っている。 豪州4位の外貨獲得  官民挙げた取り組みで成果をあげてきた代表的な国は、オーストラリアだろう。昨年秋に発表された報告書によれば、2009年に受け入れた留学生は100以上の国から50万人超に達した。  留学生の学費や生活費など、直接・間接に稼いだ外貨収入はおよそ173億豪ドル(約1兆5000億円)。同年の輸出総額の8%を占め、鉄鉱石、銅、金に次ぐ4位の「輸出品目」だった。  豪州政府が教育を輸出産業と位置づけたのは1980年代。留学生を消費者として保護する仕組みや、信頼できる情報を提供する仕組みなどを整えてきた。  英国では1999年、当時のブレア首相が戦略産業として教育を振興する方針を打ち出した。ニュージーランドも英語を母国語とする強みを生かし先行してきた。  英語圏の外でも動きは広がっている。フィンランド政府は2009年に、輸出産業としての教育の振興に乗り出した。「ノキアに続く成長のエンジンに」と関係者は意気込んでいる。  日本政府は1983年、年間10万人の留学生受け入れを目標に掲げ、2003年に達成した。その実績を踏まえ2020年をメドに30万人を受け入れる計画を進めている。ただ、政府も大学も輸出産業と位置づける意識はなお薄い。  産業の側面だけで教育を考えてはならないのは当然だが、産業としてとらえる視点が役に立つのは確かだ。豪州では留学生向け教育サービスの質を確保するための評価機関を、政府が関与して設けている。品質管理も格付けも産業界ではおなじみだが、こうした取り組みは日本では弱い。  輸出産業として考えると英語圏の国々が有利なのは否定できない。英語による授業でグローバル競争に打って出ようとしている日本の大学もある。一方で日本語を学ぶ海外の若者が増えているのも事実だ。しっかりした日本語教育を提供することで日本語による授業も競争力を高められるはずだ。多彩な取り組みがあっていい。  留学生の送り出し大国である中国は近年、受け入れ国としても台頭している。原動力の一つは、共産党政権が世界各地に展開している中国語学校「孔子学院」だ。一党独裁体制ならではの独特の仕組みではあるが、語学教育の役割を考えるうえで参考になろう。  そもそも英語圏でも、海外の学生が大学の授業を受けるには高い水準の英語力が必須で、政府も大学も民間の語学学校の活用に熱心だ。日本語学校という民間活力をどう生かすのか、政府と大学は問われている。 ネット講義も不可欠  ここにきて世界規模の競争を一段と激しくしているのが、情報技術(IT)の広がりだ。大学の講義をネット経由で世界に発信する「公開オンライン講座」が急拡大し、大学の国際的な知名度を高め留学生を集めるのに不可欠の手段となりつつある。  先行する米国では、スタンフォード大やハーバード大などが専門の配信サービス会社を設け、他の有力大学も巻き込んで500以上の講座を提供している。開始から2年足らずで世界の受講者は600万人に膨らんだ。  膨大な受講者の成績などを「ビッグデータ」として活用し、企業に学生を紹介する動きも広がる。英国では米国に対抗しようとする産学官の連携が動き出した。日本の出遅れは明らかだ。いまのところネット配信の計画は東大と京大の計3講座にとどまる。  留学生の受け入れは、将来の成長を支える人材を引き寄せ、同時にソフトパワーの面で国際的な影響力を高めようとする、戦略事業だ。自らの社会の多様性を育もうとする取り組みでもある。  競争力の中核を担う教育の質の向上に加え、海外の若者たちが日本に行きたいと思うような魅力的な社会づくりも問われる。 "[he-forum 17798] 日本経済新聞8/5","日本経済新聞 2013/8/5 21:11 追手門学院大、教授会を学長諮問機関に  追手門学院大学(大阪府茨木市)は5日、これまで大学運営で意思決定に関わっていた教授会を学長の諮問機関に位置付け、学長の権限を強化したと発表した。学長のリーダーシップで学内改革を推進する狙いがある。  学校教育法は教授会について「重要な事項を審議する」と定めており、多くの大学で意思決定に関わっているのが現状。文部科学省の担当者は「教授会を学長の諮問機関に位置付けたのは聞いたことがない」としている。  追手門学院大は2012年から機構改革に本格的に着手。昨年4月には選挙による学部長の選考を廃止し、学校法人の理事会が候補者を選考・任命するようにした。教授会については、6月に文科省に届け出る学則を改正、7月に学内の規定を改め、学長の諮問機関に位置付けた。  坂井東洋男学長は「学生のニーズに迅速に応えていきたい」と強調。「学部を越えたゼミや理系の新学部の設置を検討している」としている。  政府の教育再生実行会議は5月、大学改革推進のため教授会の役割の明確化や学長の権限強化を提言している。= "[he-forum 17799] 毎日新聞宮城8/20","毎日新聞宮城版 2013年8月20日付 東北大:「復興寄与」など目指す 里見学長がビジョン  東北大の里見進学長はこのほど、大学の将来像を示す「東北大グローバルビジョン」の一部となる「里見ビジョン」を発表し、「国際社会で活躍できる人材の創出」「東日本大震災からの復興に寄与する」「イノベーションの創出」などを目指すとした。  具体策としては、2012年度に120人だった学生対象の海外派遣プログラムを拡充し、17年度には500人、将来的には希望者全員が海外経験をできるようにする。また、優れた研究者が集まる「研究ハブ」として世界に飛躍するため、14年度中に3億円かけてサロン機能を持つ「知の館」を設置し、常にノーベル賞クラスの研究者が何人も滞在していることを目指す。今年10月には、ノーベル賞受賞者を招待したパイロットプログラムの開催を予定している。  さらに里見学長は、宇宙誕生の謎に迫る超大型加速器「国際リニアコライダー」誘致について、「(九州大がヒッグス粒子の研究を始めたのは数年前で)東北大のほうが裾野が広く、進んでいる」と研究面での優位性を強調した。【山越峰一郎】 "[he-forum 17800] 山陽新聞8/20","山陽新聞 (2013/8/20 12:50) 大学院准教授が未承認で疫学研究 付属書類も虚偽と岡山大発表  岡山大大学院医歯薬学総合研究科の40代男性准教授による論文の多重投稿問題で、同大は20日、准教授は国などの研究倫理指針で求められている学内倫理委員会の承認を受けずに肝臓がんなどに関する疫学研究を実施し、論文を投稿していたと発表した。  午前11時から同大で許南浩副学長らが記者会見し、「患者に不利益はなかったが、研究者モラルから大きく逸脱した行為で極めて遺憾。おわび申し上げる」とした。同大は今後、外部有識者を含めた特別調査委を設けて本人から聴取、動機などのさらに詳しい調査に着手する。  新規性が必要な論文の多重投稿は倫理面などから禁止されているが、准教授は2011年7月~12年11月、国内外の複数の学会誌などにほぼ内容が似通った論文4本を多重投稿して掲載された。  准教授が10年までに359例行った肝臓がんなどの治療後の感染症や副作用に関する研究は、病気の発症頻度や分布を調べて要因を明らかにする「疫学研究」に当たり、事前に学内の倫理委で承認を受ける必要があった。  さらに、論文のうち、12年5月に投稿した英文1本の付属書類で承認を受けているとの虚偽内容を申告していた。 "[he-forum 17803] しんぶん赤旗8/21","しんぶん赤旗 2013年8月21日付 TPPは「壊国交渉」 大学教員の会 首相に「脱退」要請  「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」の醍醐聰東大名誉教授らは20日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相に「TPP交渉からの即時脱退を求める要望書」を提出し、衆参両院の農林水産委員長に要望したと発表しました。  安倍首相への要望書では、環太平洋連携協定(TPP)の日米事前協議に関連し、日本郵政が米国保険会社アフラックのがん保険を全国の郵便局で販売することを受け入れたことは全面屈服だと指摘。「TPP交渉が米国ならびに内外の一握りの多国籍企業に日本の国民益を売り渡す屈辱的な壊国交渉であることが一層明白になった」として、「TPP交渉からの脱退」とともにTPP交渉と並行して行われる日米2国間協議を「直ちに打ち切る」ことを求めています。  衆参農林水産委員長への要請では、農産品5品目の「聖域」扱い、残留農薬・食品添加物の基準、漁業補助金の維持、ISD(投資家対国家紛争処理)条項に合意しないことなどを求めた委員会決議が守られるよう政府を厳格に監視するよう求めました。  これに対し、野村哲郎参院農林水産委員長は「参加各国に委員会決議を英訳して送付した。『脱退』は大変なことだが、公共企業の扱いをめぐってアメリカと対立しているマレーシアやベトナムの動きに注目している。交渉が行き詰まって暗礁に乗り上げるのがベストと考えている」と述べたといいます。  大学教員の会は、全国で約900人の大学人が参加。今後は、9月にシンポジウム、秋に大規模な集会を呼びかけるなど、TPP反対の国民世論を盛り上げるとしています。 "[he-forum 17802] 毎日新聞茨城8/21","毎日新聞茨城版 2013年8月21日付 筑波大:文科省選定、研究強化対象機関に 年3億円予算配分  筑波大は、文部科学省の「研究大学強化促進事業」の対象機関に選ばれたと発表した。今後10年間、年間3億円の予算が配分される。同大は(1)研究センターの機能強化(2)海外研究者の増員(3)若手や女性、外国人教員の登用−−などにより研究力を強化し、10年後に世界の大学ランキング100位以内を目指していく。  同事業は、国内の大学の研究活動を世界水準に引き上げることを目的に文科省が実施。東京大、京都大、大学共同利用機関法人の高エネルギー加速器研究機構(つくば市)など22機関が選ばれた。  筑波大は今後、研究設備の共用化など効率化を図るとともに、教員の構成比を10年後には▽若手30%(現在23%)▽女性25%(同16%)▽外国人11%(同5%)に引き上げるなど改革を進めていく。  英教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」の2012年の世界大学ランキングでは、東京大27位、京都大54位に対し、筑波大は「301〜350位」。【相良美成】 "[he-forum 17801] 信濃毎日新聞8/21","信濃毎日新聞 2013年8月21日付 県立大関連予算を検討 県9月補正 知事査定で最終判断  県が9月19日招集の県会9月定例会に提出を予定する補正予算案に、県短期大(長野市)を四年制化して新設する県立大の施設整備やカリキュラム検討などに向けた関連経費を盛る方向で検討していることが20日分かった。県立大をめぐっては教育内容が競合するとの懸念から、県内の複数の私立大や周辺自治体が県の基本構想に反対している。議論が平行線のまま、9月上旬に予定する知事査定で阿部守一知事が予算計上を最終判断するかどうかが注目点だ。  阿部知事は関連経費の予算計上については明言せず、同日の取材に「県民にとって良い大学にするためにやっている」とのコメントを出した。  県は、管理栄養士の受験資格が得られるコースの設置などを盛った県立大基本構想を6月に決定。県の県立大学設立準備室などによると、施設整備計画やカリキュラムなどを検討するため、新たに有識者らによる複数の専門部会を設ける必要があり、県は同部会設置に伴う有識者への報酬などの経費を補正予算案に計上したい考えだ。  カリキュラムの検討については、新たに選ぶ学長候補の下で進める方針だったが、人選が難航。教員募集などに影響が出ないよう、専門部会での検討を先行させる案が出ている。  ほかに、プロポーザル(提案)方式で大学施設の設計業者を選ぶ経費なども今後、必要になってくるが、9月補正予算案に盛るかどうかは調整課題となっている。  基本構想では、県短期大を四年制化し、2017年4月の開学を目指す。総合マネジメント学部(定員160人)と健康発達学部(同80人)を設け、同学部に管理栄養士受験資格が得られる健康文化学科・食健康コースを置く。 "[he-forum 17805] 読売新聞静岡8/22","読売新聞静岡版 2013年8月22日付 大学への飛び入学、検討委が実現求める  高校から大学への飛び入学の在り方などを検討している県の委員会(委員長=有馬朗人・静岡文化芸術大学理事長)は21日、川勝知事に中間まとめを提出し、飛び入学の早期実現を求めた。  中間まとめでは、数学や物理といった従来の分野に加え、〈1〉農業や工業、芸術などの分野で特に優れた資質を有する者〈2〉高校2年生で学力・能力が大学の求める水準に達している者――を静岡型の飛び入学の対象としている。  今後、高校生や保護者の意識調査を行い、来年3月頃に最終提言を行う方針。 "[he-forum 17804] 読売新聞愛知8/22","読売新聞愛知版 2013年8月22日付 産学連携「技術革新を」 名大に研究開発講座  名古屋大は21日、日本メナード化粧品(名古屋市)、田辺三菱製薬(大阪市)と連携して研究開発に取り組む「産学協同研究講座」を開設したと発表した。同大には2014年度末に、産学連携研究のための施設が完成する予定で、記者会見した浜口道成学長は「企業との連携を一層緊密にし、技術革新を起こす拠点を作りたい」と話した。  同講座では、研究テーマを企業側が決め、社員を特任教授などの教員として同大に出向させ、大学の設備や研究成果を使って研究を進めることができる。研究費や諸経費は企業が負担する一方、企業からの出向教員の発明など知的財産は企業側に帰属する。  日本メナード化粧品の中田悟専務取締役・総合研究所長は「名古屋大に蓄積された研究成果を利用し、一企業ではなしえなかった商品開発を進めたい」と意気込みを語った。 "[he-forum 17806] 共同通信8/23","共同通信 2013年8月23日11時29分 島根大と静岡大が広域連携 法科大学院、協議始める  島根大が、静岡大と広域連合・連携した法科大学院の設置を目指し協議していることが23日、関係者への取材で分かった。近県以外の連合・連携は全国初だが、実現しても、教育体制の充実や司法試験合格率の上昇につながるかは不透明だ。  島根大は合格率低迷が続き、国立大で初めて2015年度の入学者募集をやめることを決めていた。  島根大の朝田良作法務研究科長は「地元に根付いた法曹の養成という教育理念が一致している。それぞれ強みのある分野で講義もできる」としている。ほかの法科大学院とも協議をしているという。 "[he-forum 17808] 農業協同組合新聞8/22","農業協同組合新聞 2013年8月22日付 国民益侵害するTPP、即時脱退を 大学教員の会  TPP参加交渉から即時脱退を求める大学教員の会は8月20日、安倍総理に対して「国民益を根幹から侵害するTPP交渉からの即時脱退を求める要望書」を提出、記者会見を開いた。  大学教員の会は、マレーシア会合から日本が参加し、これまで伝えられた情報をもとに、「TPP交渉が米国と一握りの多国籍企業に日本の国民益を売り渡す屈辱的な壊国交渉であることが一層明白になった」と強調した。 その「最たるもの」としたのは、米国保険会社のアメリカンファミリーが全国の郵便局でガン保険を売り出す提携したこと。これはTPP交渉参加の「入場料」として米企業の販路拡大を約束したものと批判する。  そのほか▽「知的財政権」で米国は医薬品の特許期間延長を求めているが、これが実現すれば安価な後発薬(ジェネリック医薬品)の普及率を現在の21%から2017年までに60%以上に引き上げて医療財政を立て直そうとしているわが国の政策に決定的な障害となる、▽「環境」分野では漁業補助金の禁止も要求しているが、漁港整備や燃油高騰対策が禁止さされば震災復興にも多大な打撃を与える、などの問題も指摘している。  また、農産物の関税撤廃問題は、これから交渉が本格化するとして日本の主張が実現できる余地があるような楽観論があるが、交渉参加国には日本の重要5品目の輸出大国がひしめいており「これらの国々を相手に関税撤廃の例外扱いとする要求を実現することは不可能と言って間違いない」と訴えている。 こうした状況をふまえ大学教員の会は「日本の食料主権、環境、健康、司法権など国民主権の根幹が侵害される懸念が現実になる」として「TPP交渉から脱退することこそ、わが国の国民益を守る最善の道」と政府に訴えるとともに、TPPに固執することなく、東アジア包括的連携協定(RCEP)など代替政策の検討を政府に求めた。  記者会見には大西広・慶応大学教授、楜沢能生・早稲田大学教授、鈴木宣弘・東京大学教授、醍醐聰・東京大学名誉教授が出席した。 "[he-forum 17807] 読売新聞8/23","読売新聞 2013年8月23日付 ■ 大学の実力 「強行突破」の行方は  大学が社会の期待に応えるには、何が必要か。「大学の実力」調査で尋ねたところ、全学長の85%が「教員の教育・学習支援力を強化する」と回答した。その一つ、長崎大学は昨秋、他に例のない改革に着手した。  約25の社会的なテーマを設定し、それぞれに関連した8~10科目を学ぶシステムの導入だ。例えば「核兵器のない世界を目指して」のテーマでは、核の歴史や被曝(ひばく)医療の現状、芸術との関わりなど、多角的に科目を設け、討論などを通して自ら学ぶ姿勢の育成を狙う。  教員同士の意思疎通や教育への意欲向上など、教える側にも変化が求められる。そのためもあってか、構想段階から教員の反発は激しかった。片峰茂学長は「最後は強行突破で踏み切った」と振り返る。  変化の兆しは徐々に出ているという。課題や資料をネット上に掲載する学習用ウェブの利用時間は、課題などを作る教員で前年の4倍、学生では5倍にまで増えた。学生の満足度が上昇したというデータはまだ出ていないが、学内の雰囲気が違ってきたそうだ。  〈学生は学びたがらない。教員は教えたがらない〉。大学でよく聞く言葉だ。その嘆息をかき消すことができるのか。「強行突破」の行方が気になる。(編集委員 松本美奈) "[he-forum 17809] 中国新聞8/24","中国新聞 2013年8月24日付 広域連携で法科大学院設立へ  島根大が、静岡大と広域連合法科大学院の設立に向けて協議していることが、23日分かった。近県以外との連携は全国初の試みで、教育体制の充実や司法試験合格率の上昇を目指す。  島根大は合格率低迷で、国立大で初めて2015年度に山陰法科大学院の入学者募集を停止。同年度に複数の大学と法科大学院の設立を目指している。  この日、松江市であった山陰法科大学院支援協会の会合で同大が明らかにした。同大の朝田良作法務研究科長は「静岡大とは、地域に根差した法曹養成という教育理念が一致した」と連携を目指す理由を説明した。中心的な役割を果たす「基幹校」は、静岡大にする方向で協議しているという。  島根大は他の複数の大学とも連携を協議しており、朝田科長は「遅くとも本年度中には体制を決めたい」とした。 "[he-forum 17810] 時事通信8/24","時事通信 2013年8月24日16時30分 教師の防災意識向上へ=教員養成大学で安全教育強化-文科省  文部科学省は、教師の防災や防犯、交通安全意識を高めるため、教員養成を目的とする大学・学部で学校安全教育を強化する方針を固めた。2014年度予算概算要求に授業内容の検討費用など約1000万円を盛り込む。将来的には教職員免許法の施行規則を改正し、教員養成課程での安全教育必修化を目指す。  東日本大震災を契機に、津波からの避難など学校での防災教育の重要性が指摘されているほか、児童生徒が登下校中に犯罪や交通事故に巻き込まれるケースも増えている。このため文科省は、教員養成段階から安全に対する意識向上に取り組むことにした。  教育大学や教育学部を持つ大学など教員を養成する大学・短大は、現在全国に約850校ある。養成課程では、「生徒指導」「教育相談」「進路指導」「教育課程」「指導法」に関する科目などが必修科目に定められている。 "[he-forum 17811] 朝日新聞8/27","朝日新聞 2013年08月26日21時24分 岩手大教授を書類送検 留学生をホステスにあっせん容疑  女子留学生をスナックのホステスにあっせんしたとして、岩手県警は26日、入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで岩手大国際交流センターの男性教授(59)=盛岡市=を書類送検し、発表した。同法は留学生が風俗店で働くのを禁じているが、教授は大学の調査に「風俗店と思わなかった」と話しているという。  県警によると、男性教授は昨年10月26日と今年2月9日、自分の授業を受けているロシア人と中国人の女子留学生計4人を、盛岡市内のスナックに紹介し、ホステスのアルバイトをあっせんした疑いがある。  大学によると男性教授はこのスナックの常連客で、経営者の男性(59)に紹介を頼まれた。学内の掲示板にアルバイトを紹介するチラシを貼ったり、授業の後、そのチラシを留学生に渡したりしていたという。 "[he-forum 17813] 千葉日報8/27","千葉日報 2013年8月27日付 高校→大学円滑に接続 カリキュラム開発も 千葉大工と長生高が包括協定  科学技術教育の向上を目指し、千葉市稲毛区の千葉大学工学部(北村彰英工学部長)と茂原市の県立長生高校(見田豊茂校長)は26日、高大連携事業に関する包括協定を締結した。高校の授業と大学の授業を円滑につなげるため、高校のカリキュラム開発に大学教員が協力することを盛り込んだ。カリキュラム開発を含む高大の包括協定は県内初という。  長生高校は2010年度から5年間、文部科学省により「スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)」に指定されており、これまでも千葉大工学部の教員を招いた連携授業を数多く行ってきた。  協定は(1)SSHなどの授業に対する大学側の支援(2)双方による公開講座の実施(3)双方による中・高等教育のカリキュラムに関する協議、協力(4)その他-といった内容。  協定の要となるのは、大学教員による高校カリキュラム開発への協力。大学側が「こういった知識は高校の間に身に付けてほしい」と考える内容を授業に反映させることで、進学後も授業のギャップに困らず、スムーズに講義を受けられるようになる。「大学側にとっても、(大学に入ってくる)高校生が受けている授業内容を知る機会になる」(北村工学部長)という。 "[he-forum 17812] 共同通信8/28","共同通信 2013年8月28日2時0分 奨学金の無利子枠、5万6000人分増やす 文科省方針  文部科学省は27日、日本学生支援機構が大学生らに貸与している奨学金の無利子枠を5万6千人分増やし、卒業後に返済に苦しんでいる人の返済猶予期間を延長するなど救済策も拡大する方針を固めた。学ぶ意欲があっても経済的理由で進学を断念することがないよう環境を整備するのが目的。文科省は2014年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。  本年度は約14万人分を確保していた新入生向けの無利子枠を4万人分増やし、これとは別に東日本大震災で被災した世帯の学生向けを4千人分拡大。また海外留学する学生のために新たな無利子奨学金制度を創設し、1万2千人分の確保を目指す。一方で、有利子枠を一定程度削減する。  非正規雇用の広がりや経済状況の悪化で低収入の若者が増え、奨学金の返済が滞るケースが目立つことから、卒業生向けの支援にも取り組む。現在、年収300万円以下などの場合に最大5年間、返済を猶予する制度があるが、この期間を10年間に延長。適用条件の緩和も想定している。  返済が滞った場合に年利10%の延滞金が加算されるが、この利率も5%への引き下げを検討している。  返済義務のない給付型奨学金制度の創設も検討したが "[he-forum 17814] NHKニュース8/29","NHKニュース 2013年8月29日17時17分 産学連携へ 大学が研究成果を披露  企業などとの連携による新しい技術や製品の開発を目指して、大学などが400を超える最新の研究成果を披露する催しが東京で始まりました。  この催しは、企業などと大学との「産学連携」によるイノベーション(=新機軸・革新)を目指して、いずれも独立行政法人のJST=科学技術振興機構とNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構が開いたもので、今回で10回目です。  東京・江東区の東京ビッグサイトには、医療や環境保全、それに、防災など合わせて10の分野について、国内の大学と高等専門学校が合わせて400を超える最新の研究成果を紹介しています。  このうち、関西大学システム理工学部の和田友孝准教授らのグループは、同じ場所にいる複数の人の体に小型のセンサーを付けて、歩いているか走っているかなどを把握するシステムを紹介しています。  将来的には、センサーとしてスマートフォンなどの携帯端末を利用し、多くの人が集まる所で火災や通り魔による事件などが起きても、1分以内にそれを検知して、周りにいる人たちに知らせ、安全に避難してもらうことで犠牲者を減らすのが目標だということです。  また、大阪大学産業科学研究所の能木雅也准教授らのグループは、太陽光を当てると発電する薄い紙や、紙のように折り畳むことができるアンテナなどを紹介しています。  能木准教授は、これらの技術を融合すれば、将来、太陽光で充電しながら情報を送受信し、軽くて折り畳み可能な“ペーパースマートフォン”も実現するのではないかと説明していました。  会場には多くの企業などの担当者が訪れ、大学などの研究者から、説明を聞いたり質問したりしていました。  この催し、「イノベーション・ジャパン2013」は、主に企業などの担当者を対象に、30日まで開かれています。 "[he-forum 17815] 中日新聞8/29","中日新聞 2013年8月29日付 奨学金返済額1100万円も 大学院生の厳しい生活  返済に苦しむ人が増え続け、社会問題化している奨学金。研究者を目指す大学院生が、厳しい生活実態や将来への不安を語ってくれた。「貸与型」から返済不要な「給付型」への転換など、制度改善を求めて今年三月、法律家や教育関係者らが奨学金問題対策全国会議を設立したが、国の財政難の中、解決への糸口すら見いだしにくい。 ◆学業多忙でバイトできず  東海地方の理科系大学院一年の男性(25)は現在、学費や生活費を全て奨学金で賄う。父親の勤め先の会社の経営状態がよくなく、仕送りに頼れない。「この状況で大学院に進学することの苦しさを、日々実感しています」と打ち明ける。  四年で卒業した大学も、通学中の大学院も国立。学費と入学金の合計は九年間で約五百四十万円。生活費の借り入れもあり、奨学金(一部は利子3%)の返済予定額は約一千百万円になる。大学時代はアルバイトで生活費を補った。「今は実験や勉強で忙しくて時間がありません。バイトをしている人もいるそうですが、研究に十分には集中できないはず」  一カ月の食費は一万二千円ほど。朝食は食パン二枚と、インスタントコーヒー一杯。昼食は、冷凍保存しておいたおにぎり二個とふりかけ、インスタントみそ汁。夕食はスーパーの閉店間際の割引で買った食材で作ったおかず一品と、冷凍保存しておいたご飯。「私より食費を削り、一カ月一万円未満の人もいます」  教科書や教材は専門性が高く値段が高い。図書館で借りることが多いが不便だ。卒業後は多額の「借金」を二十年間で分割返済しなくてはならないのに、将来収入が十分に確保できる保証もない。「理系では、大学院に進まなければ専門性を生かした活躍ができにくい社会構造になってきました。お金がある人しか安心して学べないのは、あまりにもおかしいと思います」 ◆制度改善求める意見書採択を  男性のような事例は珍しくはない。大学などの学費はひと昔前に比べると格段に高く、暮らしぶりに余裕がない世帯も増え続けている。奨学金利用額は膨らみがちで、就職先が低収入の非正規労働だった場合は返済が難しくなる。今は大学生の約半分、大学院生の約六割が何らかの奨学金を利用しており、返済が滞っている卒業生は全国で約三十三万人に上る。  このため奨学金問題対策全国会議などが、返済困難者の救済制度充実や、給付型奨学金を国としてつくること、学費抑制などを国に働きかけている。二十四日には名古屋市内で、奨学金問題をテーマにした地方議員の勉強会があり、全国会議の大内裕和会長(中京大国際教養学部教授)が「多くの地方議会で、制度改善を求める国への意見書を採択してほしい」と訴えた。  文部科学省は日本学生支援機構が大学生らに貸与している奨学金の無利子枠や、返済困難者向けの救済策を拡大する方針だが、同機構の給付型奨学金制度の創設は見送る方針。これに対し、大内会長は「深刻な状況なので、微々たる前進としか言えない」と話した。  (白井康彦) "[he-forum 17814] NHKニュース8/29","NHKニュース 2013年8月29日17時17分 産学連携へ 大学が研究成果を披露  企業などとの連携による新しい技術や製品の開発を目指して、大学などが400を超える最新の研究成果を披露する催しが東京で始まりました。  この催しは、企業などと大学との「産学連携」によるイノベーション(=新機軸・革新)を目指して、いずれも独立行政法人のJST=科学技術振興機構とNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構が開いたもので、今回で10回目です。  東京・江東区の東京ビッグサイトには、医療や環境保全、それに、防災など合わせて10の分野について、国内の大学と高等専門学校が合わせて400を超える最新の研究成果を紹介しています。  このうち、関西大学システム理工学部の和田友孝准教授らのグループは、同じ場所にいる複数の人の体に小型のセンサーを付けて、歩いているか走っているかなどを把握するシステムを紹介しています。  将来的には、センサーとしてスマートフォンなどの携帯端末を利用し、多くの人が集まる所で火災や通り魔による事件などが起きても、1分以内にそれを検知して、周りにいる人たちに知らせ、安全に避難してもらうことで犠牲者を減らすのが目標だということです。  また、大阪大学産業科学研究所の能木雅也准教授らのグループは、太陽光を当てると発電する薄い紙や、紙のように折り畳むことができるアンテナなどを紹介しています。  能木准教授は、これらの技術を融合すれば、将来、太陽光で充電しながら情報を送受信し、軽くて折り畳み可能な“ペーパースマートフォン”も実現するのではないかと説明していました。  会場には多くの企業などの担当者が訪れ、大学などの研究者から、説明を聞いたり質問したりしていました。  この催し、「イノベーション・ジャパン2013」は、主に企業などの担当者を対象に、30日まで開かれています。 "[he-forum 17817] 河北新報8/31","河北新報 2013年8月31日付 ILC調査検討費5000万円 文科省、計画明記し初計上  文部科学省は30日に公表した2014年度予算の概算要求で、超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」計画の調査検討費5000万円を計上した。ILC計画の調査検討費が計上されるのは初めて。  調査内容は、ILC計画の参加国や巨額な建設費用の分担といった枠組みづくり、研究者や技術者ら必要な人材の確保などとなる見通し。  文科省は11年度に国内候補地の地質調査費を計上したが、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の運営費交付金の枠内だった。今回はILC計画と明記しており、要求が通れば政府が正式に予算化したことになる。今後、国内誘致に向け国際協議を始める姿勢を示すかどうかが注目される。  概算要求ではこのほか、継続事業でILC研究開発関連予算約26億円を計上した。内訳は加速器技術開発が約3億円、測定器開発が約5億円、KEK運営費交付金が約18億円で、いずれも13年度予算と同規模だった。  ILC計画をめぐっては、研究者組織のILC戦略会議が23日、岩手県南部と宮城県北部にまたがる北上山地を国内候補地に選んだ。一方、日本学術会議の検討委員会は29日、「誘致するかどうかは2~3年かけて判断すべきだ」との答申案をまとめ、9月にも文科省に提出する。 "[he-forum 17816] 中国新聞8/30","中国新聞 2013年8月30日付 広島大、南相馬市と包括協定  広島大は30日、福島第一原発事故の被害を受けた福島県南相馬市と、包括的連携協力に関する協定を結ぶ。同市の市立総合病院に広島大が医師を派遣するなど積み上げてきた実績を基に、継続的な支援につなげる。広島大が被災地の自治体と協定を結ぶのは初めて。  南相馬市は福島第1原発の20~30キロ圏にある。広島大の医師や研究者たちは原発事故後、被爆後に培ってきた研究成果を生かし、南相馬市で住民の内部被曝(ひばく)検査や仮設住宅での健康相談、環境中の放射性物質の調査などに携わってきた。  浅原利正学長は29日の定例会見で「協定を結べば、広島大の活動について南相馬市民の理解も得やすい。より一層の支援につなげたい」と話した。  調印式は30日、同市役所であり、広島大から浅原学長たち3人が出席する。 "[he-forum 17818] 沖縄タイムス9/2","沖縄タイムス社説 2013年9月2日付 [14年度概算要求]将来像がよく見えない  2014年度予算に対する各省庁の概算要求が出そろった。一般会計の要求総額は、公共事業など各分野で軒並み増額され、過去最大の約99兆2千億円に膨らんだ。本年度予算を7兆円近くも上回っている。  1千兆円を超える借金を抱え、財政危機が叫ばれているにもかかわらず、概算要求からは危機感が伝わってこない。古い自民党に逆戻りしたかのような、メリハリを欠いた要求内容だ。  「財政再建」と「経済成長」を両立させる予算要求だと言えば聞こえはいいが、財政規律を失えば後が怖い。  内閣府沖縄担当部局の要求額は3407億6800万円。沖縄関係予算も要求額が大きく膨らみ、本年度当初予算(3001億円)を406億円余りも上回った。  来年1月からの着工を念頭に、那覇空港第2滑走路の増設事業費として300億円(13年度予算130億円)を要求した。予算化されれば、これが最大の目玉となるが、クリアすべき点も多い。  防衛省は15年度末までに那覇基地のF15部隊を現在の1個飛行隊から2個飛行隊に増やす計画である。第2滑走路を建設した場合、民間機と自衛隊機の運用形態はどうなるのか。自衛隊が一つの滑走路を独占するとなると、沖縄振興予算を使って滑走路を増設することに疑問が生じるだろう。  軍用機と民間機では騒音のレベルが異なる。F15部隊を増やせば騒音のレベルが高まるのは確実である。国には丁寧な情報開示を求めたい。     ■    ■  仲井真弘多知事は、第2滑走路の予算について、沖縄振興予算とは別枠での予算化を求めている。  予算の別枠化という点で言えば、沖縄科学技術大学院大学の関係経費も本来、沖縄振興予算とは切り離して別枠で処理すべきである。沖縄振興だけを目的にした施設ではないからだ。  今後も引き続き沖縄振興予算で運営していくのであれば、現在、取り組んでいる地域との交流事業や県内の小中高校を対象とした「出前授業」などの事業をさらに充実させていく必要がある。  沖縄科学技術大学院大学(OIST)関係の要求額は198億円。13年度当初予算に比べ2倍近い大幅な増加である。  地域を挙げてOISTを応援していくという機運づくりと、OISTの成果を地域に還元し産業化に結びつけるという、補い合うような取り組みが重要である。     ■    ■  防衛省は、与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊の配置に向け、155億円を要求した。航空自衛隊那覇基地に早期警戒管制機E2Cの部隊を編成し、現在13機あるE2Cのうち数機を那覇基地に常駐させる計画もある。  南西諸島の防衛強化に向けた動きが14年度以降、加速するのは確実な情勢である。  「基地の負担軽減」と「沖縄振興」とを切り離し、沖縄振興は法律に基づいて粛々と進める。「負担軽減」は民意に沿って着実に、目に見える形で進める-そうすべきだ。 "[he-forum 17825] 新潟日報9/6","新潟日報 2013年9月6日付 県内大学に観光学部 県、設置へ調査開始  県は、観光産業について専門的に学ぶ「観光学部」を県内大学に創設するための調査事業を近く開始する。観光関連の学部・学科が全国的に急増する中、県はニーズが高い学部を新設することで若年層の県外流出に歯止めを掛けたい考えだ。泉田裕彦知事が5日、県観光復興戦略会議で構想を明らかにした。  県内には観光関連の専門学校が2校あるが、大学は国公立、私立のいずれにも国際観光や接遇に関連した学部・学科はない。  一方で観光庁によると、2012年度の観光系の学部と定員は全国で42学部・4772人と、05年度の20学部・2300人から倍増している。長野、群馬など隣県の公立大と私立大にも観光政策学科や観光ホスピタリティ学科、環境ツーリズム学科などの専門学科がある。  県は、県内の私大全体で300~400人の定員割れが生じている現状を打開するため、大学経営改善支援事業費として13年度予算で新規に800万円を計上。同事業の一環として観光学部の開設準備に取り組む。創設に関心を寄せる大学が実態調査やカリキュラム構成などに乗り出す場合、県が後押しする。  泉田知事は「観光学部の設置を県内でやろうと思っている。観光経営なのか、現場のサービスやガイドができる人を育てるのか、どういう形で教育コースを組んだらいいか検討に入っている」と説明。閉会後の取材に「どの大学に設けるかは全く決めていない。教師陣の確保など難しい面もあるが、就職先をきちんと確保できる学部にしたい」と述べた。 "[he-forum 17824] 読売新聞9/7","読売新聞 2013年9月7日付 AO入試実施校、初の減少…来年度国公立大入試  文部科学省は6日、2014年度の国公立大学入試の概要を発表した。  書類審査や面接などを組み合わせ、受験生の個性や意欲などを総合的に評価するAO(アドミッション・オフィス)入試を実施する大学が、初めて減少に転じた。  国公立163大学557学部の募集定員は12万4677人。前年より計186人増加した。AO入試を実施するのは69大学171学部で、前年より1大学1学部減った。AO入試は、国公立大では2000年度に東北大などが初めて導入して以降、実施大学は年々増えてきており、減るのは初めて。募集定員も31人減の3216人で、2年連続で減った。  また、推薦入試でセンター試験を課す大学は79大学174学部で、今春より3大学8学部増えた。学生の学力不足の深刻化で、受験生に基礎学力がついているかどうかを、センター試験で見極める傾向が強まっているとみられる。 "[he-forum 17823] 山陰中央新報9/7","山陰中央新報 2013年9月7日付 談論風発 : 山陰法科大学院の連合化/構想実現へ地域の支援を 弁護士 広沢 努  「こんな残念な町の残念な列車のためによくそんな必死になれるね」  連続テレビ小説「あまちゃん」序盤のキョンキョン(小泉今日子さん)のせりふである。「町」と「列車」を他の言葉に置き換えれば、あらゆる場面に応用可能だ。例えば、私に対する揶揄(やゆ)はこうなる。  「こんな残念な県の残念な大学のためによくそんな必死になれるね」  島根大学大学院法務研究科(山陰法科大学院)を修了して弁護士になった私は、新聞やテレビで母校の存在意義を繰り返し訴えた。2013年3月に設立された山陰法科大学院支援協会の事務局長を引き受け、5月には日弁連ホームページに紹介記事を執筆した。その矢先、6月18日の山陰中央新報1面トップに「山陰法科大学院募集停止」の見出しが躍った。「国立初、15年度から」とも。  しかし、島根大が決定したのは単なる募集停止ではない。記事をしっかり読めば分かるが、最大の眼目は、他の法科大学院と連携し、15年度にキャンパス分散型の広域連合法科大学院として再出発すること。つまり、山陰唯一の法曹養成拠点は他の法科大学院の分校のような形で存続していく。  山陰法科大学院の設立は最後まで困難を極めたと聞く。難産した教育機関を安易に廃止してしまう大学は、それこそ残念な大学だ。「大学改革実行プラン」(12年6月、文部科学省)による国立大の再編が加速すれば格好の整理対象となり、骨抜きにされかねない。  大学だけではない。官民挙げて誘致した法科大学院の撤退を黙認するような地域は見くびられる。財政再建の名の下に、国の出先機関は合理化される。人口減少社会を迎え、効率化、重点化の世の中だ。県外資本の撤退も現実味を帯びる。  私を支援活動に駆り立てるのは、感傷的な愛校心とは違う。これ以上残念な県にされてたまるかという焦燥感にも似た思いがある。法科大学院は小規模な1研究科だが、それを切り捨てることで地域にはね返る損失を憂慮しているのだ。  とはいえ、心配してばかりもいられない。泣いても笑っても島根大単独での学生募集は今年が最後。法曹養成教育の空白を避けるには、目標通り15年4月に広域連合法科大学院構想を実現させなければならない。一年でも遅れたら、広域連合の魅力が失われるにとどまらず、島根大の姿勢が厳しく問われる。構想が頓挫した日には、大学に対する地域の信頼を裏切ることになる。8月末にようやく連携相手が明らかになったが、島根大は構想の具体化と実現に全力を挙げるべきだ。  言うまでもないが、全国初の試みを成功に導く上で地域の支援は欠かせない。企業や自治体には、司法試験の合否にかかわらず修了生を積極的に採用してもらいたい。在職のまま山陰法科大学院で研修できる制度も歓迎だ。修了後の生活の不安を緩和すれば志願者増につながるし、入学後は勉強に集中できる。採用する側にも利点がある。殊に、紛争に発展しかねない法的問題の早期発見が期待される。松江市教育委員会に修了生がいれば、「はだしのゲン」騒動など起きなかったであろう。  島根大が自認するように(島根大学憲章)、大学は地域の知の拠点だ。田舎であればあるほど大学の存在感は大きく、大学の教育研究の成果が地域の潜在能力に直結する。残念な地域は、残念な大学によってもたらされる。大学はそのことを自覚し、象牙の塔を脱してほしい。  大学の在り方をどう考えるかが、この地域に生きる私たち自身の課題として突き付けられている。山陰法科大学院の問題は、その一端にすぎない。 ……………………………  ひろさわ・つとむ 弁護士(熱田・廣澤法律事務所)。出雲市出身。東京大学法学部卒業。島根県職員などを経て山陰法科大学院修了。日弁連法科大学院センター委員、島根県弁護士会ロースクール委員長、山陰法科大学院支援協会事務局長などを務める。 "[he-forum 17826] 日本経済新聞9/7","日本経済新聞 2013年9月7日付 国立大の授業料支払い改善求める 総務省、金融機関の拡大要請  総務省は6日、学生や保護者が国立大学の授業料を支払う際、引き落としや振り込みの金融機関が限定されていて不便だとして、取扱金融機関を拡大するよう文部科学省に改善を求めた。文科省は3カ月以内に対応を報告する。  一部の大学で地元銀行での引き落とししか認めていないケースがあり、「新たに口座開設を求めるのは不親切」との行政相談を受けていた。  国立大学22校のうち、旭川医科大、北海道教育大、小樽商科大(以上、北海道)、熊本大は、引き落としできるのが地元の金融機関に限られていた。広島大は支払い方法が振り込みのみで、地元の1金融機関を指定。他から振り込むと手数料が割高になる場合があった。  一部の大学で地元銀行での引き落とししか認めていないケースがあり、「新たに口座開設を求めるのは不親切」との行政相談を受けていた。  各評価局は、それぞれの行政苦情救済推進会議で「保護者や学生へのサービスを向上させようとする観点が欠けている」といった意見が出たため、昨年6月~今年3月に大学側に改善を求めた。 "[he-forum 17822] 中日新聞富山9/5","中日新聞富山版 2013年9月5日付 大学連携 初の授業 「とやま地域学」に80人 7機関で単位認定  県内の大学や短大など七つの教育機関による「大学コンソーシアム富山」の初めての授業科目「とやま地域学」が四日、富山市舟橋南町の高志の国文学館で始まり、学生ら約八十人が聴講した。七日まで。  大学コンソーシアム富山は今年四月に開設。各校で単位として認められる授業科目を行ったり、市町村から寄せられる地域課題の解決に取り組んだりする。とやま地域学は、富山国際大がカリキュラムを組んだ。  この日、最初の講義「立山連峰の積雪と氷河」では、立山カルデラ砂防博物館学芸課の飯田肇課長が担当。立山の雪の特徴や、氷河を見つけるまでの調査を解説し、その発見を「氷河を“抱く”山として、立山に新しい魅力を加えた」と説明した。  受講した富山高専五年の庄司修人さん(19)は「県外に就職するので、講義を通して学ぶ富山の魅力を、他県の人にも伝えたい」と意気込んでいた。  とやま地域学は全十五回で二単位を取得できる。富山国際大の教員や魚津水族館の職員が講師を務め、自然環境や産業など富山の魅力や課題を探る。  大学コンソーシアム富山は富山大、県立大、高岡法科大、富山国際大、富山短大、富山福祉短大、富山高専で構成。来年二月には、「災害救援ボランティア論」を開講する。 (石井真暁) "[he-forum 17819] 東京新聞千葉9/5","東京新聞千葉版 2013年9月5日付 奨学金で自己破産 就職難や非正規増影響…  就職難や非正規雇用の増加を背景に、学生時代に借りた奨学金の返済滞納者が増えている。千葉市の男性(25)もその一人で、返済ができずに自己破産に至った。関係者からは制度の問題点を指摘する声も出ている。 (白名正和)  男性は高校卒業後、都内のアニメ専門学校に入学する際、日本学生支援機構を通じ、奨学金を借りた。共働きの両親の月収三十万円では、進学できなかったからだ。  一年半ほど通ったが、父親が親戚から借りた約二百万円の返済に奨学金を充てざるを得なくなり、学費がなくなって中退。利子を含めて借りた奨学金約三百万円が負債として残った。その後、警備会社でアルバイトしたが、月十数万円の手取りでは返済は進まなかった。  一〇年六月、コンビニ店のオーナーから「ゆくゆくは店長にするから」と店の仕事に誘われた。仕事は見つかったが、父親が男性名義で百万円以上の借金をしていたことが新たに分かり、借金は五百万円近くに膨らんだ。仕事もオーナーが一二年一月に突然店を閉めたため失った。借金返済を相談した司法書士から「ほかの借金だけなら何とかなるが、奨学金も合わせると破産しかない」と言われ、自己破産した。  「奨学金に人生を狂わされた。借りなければ、もっと良い人生が歩めたかな…」と疑問を抱く男性。父親も亡くなり、現在は生活保護を受けながら仕事を探す。だが、高卒で車の運転免許もなく、仕事はアルバイトぐらいしか見つからないという。  こうした事例について、奨学金問題対策全国会議の事務局長で岩重佳治弁護士は「雇用崩壊などで、制度の弱点が表に出てきた」と指摘する。  返済義務のある奨学金は、卒業後に安定した職業に就けるという前提でしか成り立たない。しかし、最近は非正規雇用の対象拡大で学生らの就職は不安定となり、「返したくても返せない状況が構造的に生み出されている」(岩重弁護士)という。 ◆12年度の滞納 全国33万4000人  日本学生支援機構によると、二〇一二年度末時点で奨学金を借りている人は全国で百三十二万人、貸与額は一兆八百億円。滞納者は一二年度に三十三万四千人、滞納額は九百二十五億円となった。滞納者と額はいずれも過去五年間で増え続けている。  同機構の調査(一一年度)では、滞納者は雇用期限付きの正社員やアルバイトら非正規雇用と無職で46%を占め、正社員の34・5%を上回る。滞納者の年収は三百万円未満が83・4%で、滞納理由は「収入が減った」が75・3%に上っている。 "[he-forum 17821] 山陰中央新報9/6","山陰中央新報 2013年9月6日付 生活 : 大学図書館利用促進へ活動報告  大学付属図書館の利用促進を考えるシンポジウム「私たちの手でつくり出す図書館の形」が5日、松江市西川津町の島根大で2日間の日程で始まった。初日は中四国を中心に、10大学の学生図書委員が活動報告をした。  シンポジウムは、島根大、島根県立大、梅光学院大(山口県下関市)、山口大(山口市)の各図書館が2年前から持ち回りで毎年開催。今年は、図書館司書や同委員ら100人が参加した。  この日は14人の同委員が、学生や一般利用者が使いやすい図書館のサービスや学生ならではのアイデアを報告した。  島根県立大浜田キャンパスの学生3人は、人気のある書籍を学生が選ぶ「ブックハンティング」と呼ばれる取り組みを交互に紹介。都市部の書店で人気の高い書籍を見つけ、図書館の特設コーナーに置くことで、来館者の好評を得ているという。  また、徳島大大学院(徳島市)1年の出口桜子さんは、アニメや映画の原作を集めた企画展示や毎月1回、手作りの情報誌を発行しており、「活動を通して知識の幅が広がり、本を通じて意見交換の場が作られる」と強調した。 "[he-forum 17820] 西日本新聞社説9/4","西日本新聞社説 2013年9月4日付 法科大学院 抜本的改革で再生を図れ  小手先の対策では、制度そのものが早晩立ち行かなくなるのではないか。そんな懸念すら抱かざるを得ない。  修了者の司法試験合格率が低迷し、統廃合や定員減を余儀なくされている法科大学院のことである。  このうち、2015年度の入学者募集中止を決めている島根大は、静岡大と連合・連携した広域型の法科大学院設置を目指して協議しているという。  実現すれば、近県以外の連合・連携は全国初となる。島根大は、静岡大とは地元に根付いた法曹(裁判官、検察官、弁護士)養成という基本理念が一致しており、教員の相互派遣などを通じて講義の充実も期待できる‐などとしている。  大学院間の広域的な連携が司法試験合格率の上昇など活性化につながるかどうかは予断を許さないが、窮地に追い込まれた法科大学院の「生き残り」を懸けた取り組みの一つといえるだろう。  厳しい状況は九州でも変わらない。  文部科学省の集計によると、九州の法科大学院6校では今春、総定員202人に対し入学者は過去最低の89人にとどまった。九州大は唯一、定員充足率が71%で5割を超えたが、入学者は前年より21人減って50人だった。九州の大学でも、今後は島根大と同じような対策を模索する動きが出てくるかもしれない。  法曹人口や法科大学院のあり方を考える政府の検討会議は、司法試験合格率の低い大学院に法的措置を取れる制度の導入を盛り込んだ最終提言をまとめた。補助金削減や教員派遣中止などで、半ば強制的に定員縮小や統廃合を促す内容だ。  検討会議の結論を受け、政府は司法試験の合格者を年間3千人とする計画の撤回を含めた提言を了承した。だが、これらを実行したとしても対症療法にしかなるまい。いま必要なのは法科大学院制度の課題を徹底的に検証することだろう。  司法制度改革の大きな柱の一つだった新しい法曹養成制度は、多様な経歴を持つ法律家を育てることが大きな狙いだった。法科大学院は受験技術優先の旧司法試験を重視した選抜を改め、学部段階での専門分野を問わず、幅広く人材を受け入れる法曹養成の専門職大学院として04年4月以降、各地に開校した。  実務教育も積極的に導入し、即戦力となる法曹を育てるのが大きな目的でもあった。ところが、現在の司法試験は旧司法試験より科目が増えたうえ、内容も以前と同じように判例や法解釈が中心となっている。今でも受験予備校に頼る学生は少なくないという。  これでは、たとえ法科大学院の合格率が多少上がったとしても、単なる司法試験の「受験支援機関」になるだけで、その存在意義が問われかねない。  どうすれば一般市民に法の恩恵を実感させ、頼りがいのある法曹を育てることができるのか。政府は司法制度改革の原点に立ち返り、司法試験のあり方も含めて抜本的な対策を講じるべきだ。 "[he-forum 17827] 日本経済新聞東海・北陸9/10","日本経済新聞東海・北陸版 2013年9月10日付 静岡県、医科系大学・大学院の新設を提案 国家戦略特区  静岡県は9日、国が募集していた「国家戦略特区」に「グローバル人材育成のための医科系大学・大学院の設置」を提案した。医科系大学の設置で医師不足解消を目指すほか、医療機器や医薬品開発の機能も持たせて産学連携を進める。  ただ、医学部新設には規制緩和が必要で、提案が実現するかは不透明な情勢だ。  県の提案は、医科大学か医科系大学院を静岡県が設置するか、私立の医科大学(大学院)を誘致するという内容。付属病院を設けるほか、学生の海外への留学や外国人医師の受け入れを通じてグローバル人材を育成する。川勝平太知事は誘致先として「東部地域が念頭にある」とした。  国は医学部新設を認めておらず、県は提案の中で規制緩和を求めた。静岡県の人口10万人当たりの医師数は全国で40番目に少ない。県は「深刻な医師不足の状況にある」としている。 "[he-forum 17831] 共同通信9/10","共同通信 2013年9月10日21時45分 法科大学院18校の補助金削減へ 14年度、基準厳格に  文部科学省は10日、法科大学院全73校中、実績の低迷が続く18校への2014年度の補助金を削減することを決めた。削減基準を厳しくしたため、13年度の4校から大幅に増えた。法務省が公表した13年の司法試験の結果から明らかになった。  文科省は「今回の結果を重く受け止め、抜本的な見直しを検討してほしい」としており、法科大学院の再編の動きが加速しそうだ。政府は司法試験の合格者を年間3千人とする計画を撤回し、法科大学院に自主的な定員削減や統廃合を求める方針を7月に決めている。  文科省によると、削減対象となったのは国立が2校、私立が16校。 "[he-forum 17830] 読売新聞9/11","読売新聞 2013年9月11日付 司法試験合格者、予備試験組120人…倍以上に  法務省の司法試験委員会は10日、今年の司法試験の合格者を発表した。  合格者は前年比53人減の2049人。合格率は法科大学院修了生の25・77%に対し、大学院を修了しなくても受験資格が得られる予備試験を経たケースは71・86%と高く、予備試験組が初めて受験した前年の58人から倍以上の120人となった。優秀な人材が法科大学院から予備試験に流れている実態が鮮明になった。  全体の合格率は前年比1・71ポイント増の26・77%で、2年連続で上昇した。これは、受験者が前年より734人少ない7653人にとどまったことが影響したためだとみられる。合格者の内訳は、男性1572人、女性477人。平均年齢は28・37歳で、最年少は20歳、最年長は57歳だった。  74ある法科大学院で、合格者が最多だったのは慶応大の201人で、東京大の197人、早稲田大の184人が続いた。50人以上の合格者を出した9校(計1121人)だけで、全合格者の半数以上を占めた。一方、合格者ゼロの大学院は3校。1けたにとどまったのは35校あり、依然として学校間格差は大きい。  一方、予備試験を経た167人のうち120人が合格した。内訳は、現役大学生が41人、法科大学院の在学生も33人。経済的事情などで法科大学院に通えない人や社会人らを想定して設けられた予備試験が、大学院を修了せずに司法試験に挑戦するための「近道」として利用されていることが改めて裏付けられた。  政府は02年、司法試験の合格者数を年間3000人程度とする目標を掲げたが、法科大学院の低迷などもあって合格者数は2000人前後で伸び悩んでいることなどから、今年7月に目標を撤回した。 "[he-forum 17829] 沖縄タイムス9/12","沖縄タイムス 2013年9月12日付 大学院大、分子解析のベンチャー企業設立へ  9月で開学から1年を迎えた沖縄科学技術大学院大学(OIST)が、世界で唯一の技術を利用し、製薬会社が医薬品開発に必要なタンパク質分子のデータを分析・提供するベンチャー企業を2014年4月にも設立することが11日、分かった。政府は大学発の科学技術を利用したい企業や研究機関を大学周辺に集め、沖縄の新たな経済振興を図る目的で同大学を設置。OISTや県はベンチャー企業設立が成功することで、企業を集める呼び水となることを期待している。(銘苅一哲)  企業設立は文部科学省が12年度に開始した大学発新産業創出拠点(START)プロジェクトを活用。東京大学など国内トップレベルの大学の27事業の一つとしてOISTの案が採択され、12年度1500万円、13年度3千万円の開発研究・企業設立準備の経費を補助されている。  企業は同大学がある恩納村内に事業所を構え、学外の経営経験者を社長に5人程度でスタートする予定。製薬会社へのデータ提供料や目標年収などビジネスプランは現在検討中だが、市場調査など準備を進めるOIST事業開発セクションは「一般的に大手企業を対象としたビジネスの利益は年間数億円単位となる」と説明。収益の一部は技術の特許使用料としてOISTに還元される。  ベンチャー企業は同大学で構造細胞生物学を研究するウルフ・スコグランド教授(スウェーデン出身)が特許を持つタンパク質の「3次元分子構造解析」技術を応用。製薬会社が医薬品の開発で人間の体内への影響を調べる際のタンパク質の分子観察のため、より鮮明な分子構造のデータを提供する。  製薬会社は通常、タンパク質分子を結晶化し分析しているが、タンパク質は多様な形態のため、結晶化後は分子の一部しか観察できない。  さらに、結晶化そのものが難しいため、製薬会社は結晶化そのものの技術開発にも多くの経費、人材を投入している。スコグランド教授の技術は結晶化がいらず、ありのままの分子を鮮明に分析できるため、OISTは国内外で市場が十分にあると見込んでいる。 [ことば]  タンパク質の「3次元分子構造解析」技術 タンパク質の分子は大きさ数ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートルで髪の毛の太さの1万分の1)。通常の技術は分子を結晶化しX線をあてて分析するが、データが不鮮明なため本来の姿の2割程度しか分析することができない。スコグランド教授の技術はX線を利用せず分子を大型の電子顕微鏡で撮影し独自に開発したソフトウエアで画像を処理することで、さまざまな角度から解像度の高い画像で分子そのものを観察できる。 "[he-forum 17828] 神戸新聞9/10","神戸新聞 2013年9月10日付 増える奨学金の滞納 慎重な資金計画を  不況や就職難などを背景に、大学などを卒業後、奨学金を返済できずに苦しむケースが増えている。奨学金に詳しい、川西市在住のファイナンシャルプランナー中村典子さん(60)は「進学の資金計画は慎重に」と呼び掛ける。(片岡達美)  「非正規雇用になり生活が苦しい。消費者金融に手を出したことも。奨学金はもちろん返せず、困り果てている」(40代、男性)  「奨学金を借りた30代の息子が行方不明になってしまった。延滞金も発生し、連帯保証人である自分(=母親)のところに督促状がくる…」(60代、女性)  奨学金の返済に苦しむ人を支援するために今年3月、弁護士らが「奨学金問題対策全国会議」(東京)を設立。6月には「奨学金問題と学費を考える兵庫の会」(事務局・神戸市中央区)が結成された。前述の声は同会に寄せられたものだ。「件数はまだ数えるほどだが、どこに相談したらいいか分からない人が多く、問題の根は深い」と同会事務局長の佐野修吉さん(64)。まず困っている人に声を上げてもらい、問題を把握したいという。    ×   ×  日本の奨学金は、貸与型が中心。奨学金利用者の大半に貸与している独立行政法人「日本学生支援機構」(横浜市)は、無利子の「第1種」と利子(上限3%)付きの「第2種」を設けているが、近年、第1種、第2種とも貸与金額が増加、返済の延滞も増えている。2012年度に返済すべき奨学金を滞納したのは約33万4千人で、期限を過ぎた未返済額は過去最高の約925億円に上った。  注意したいのは、1、2種とも返済が滞った場合、年利10%の延滞金が加算される点。ファイナンシャルプランナーの中村さんは「奨学金という名の金融商品と考えた方がいい」と警鐘を鳴らす。  奨学金問題対策全国会議共同代表で、中京大国際教養学部の大内裕和教授(46)=教育社会学=は「『借りた金を返さないのは甘い』という批判もあるが、余裕があるのに返さない人はごく少数。長期の返還滞納者の9割近くは年収300万円以下の人たち」と説明。さらに「本人の年収をベースに返済し、延滞金は廃止。将来はすべてを無利子にし、返済の必要がない給付型奨学金も拡充すべきだ」と制度の見直しの必要性を訴えている。    ×   ×  奨学金問題の相談は「奨学金問題と学費を考える兵庫の会」事務局TEL078・362・1166、メールhy-shougakukin@mbr.nifty.com  日本学生支援機構の奨学金 大学生、大学院生らを対象にしており、2012年度の貸与実績は、第1種が約40万2千人、第2種が91万7千人。家計の経済状況が苦しいことなどが貸与の基準になっている。借り入れ可能な金額は大学生の場合、第1種、第2種とも月額3万円から。返済期限などはさまざま。 "[he-forum 17832] 朝日新聞9/13","朝日新聞 2013年09月13日09時41分 法科大学院、背水の策 補助金削減 最多18校 来年度の補助金が減る法科大学院と過去3年の合格率  【千葉卓朗、藤田絢子】法律家を育てる法科大学院の低迷が続いている。法務省は10日、今年の司法試験の合格状況を発表。これを受け、文部科学省は来年度に過去最多の18校について国からの補助金削減に踏み切ることにした。生き残りをかけ、各校は司法試験の合格率アップ策だけでなく、合格後の就職対策まで面倒をみるなど懸命だ。  今年度に国立大として初めて補助金を削減された島根大法科大学院(山陰法科大学院)。2015年度から募集を停止することを決める一方で、他の地方大学と連携することによって、新たに「広域連合法科大学院」として再出発することを模索している。  朝田良作研究科長は、司法試験合格率が低迷する静岡大と提携協議をしていることを認め、「さらに複数の大学と協議中」と話す。来年5月までに国に広域連合法科大学院の新設を申請し、15年度からの入学開始を目指すという。  地方大学の場合、首都圏の大規模校に比べて多様な専門分野ごとに教員をそろえることは難しい。大学同士が手を結ぶことで互いの教員を活用でき、学生がより専門性の高い授業を受けられるようにして、司法試験合格率を上げるのが狙いだ。離れた大学の授業を中継映像で結ぶ「遠隔授業」を採り入れる予定だという。  駒沢大法科大学院は、今年の合格率が7・9%にとどまった。全国平均の半分を3年連続で下回り、来年度からの補助金削減の対象になった。  同大は少しでも多くの入学者を集めようと、今年から全国初の9月入学制度を始めている。学生は8月の入試の翌月にすぐに入学できるため、修了後から司法試験までの受験勉強期間を長く確保できる利点がある。入学時期が4月でも9月でも同じ内容の授業を受講できるよう、カリキュラムも見直している。  ただ、今年8月の入試では期待したほど効果は出ず、9月入学を希望した合格者は3人だけだった。對馬(つしま)直紀研究科長は「文科省への届け出が遅れた影響で広報を始めたのが6月。入試までの周知期間が短かったのが響いた」と話す。  合格率を高めるため、授業などで丁寧な指導を行っているのが愛知大法科大学院だ。学生に課題を出し、授業の数日前までに解答をメールで提出させる。それを教員が徹底的に添削する。それによって、学生の理解度を正確に把握でき、授業では理解度が浅い部分に絞って指導することができるという。今年の司法試験合格率は42・9%で全国5位。中央大や早稲田大といった強豪を上回る成果を上げた。  司法試験合格後の就職まで面倒をみる大学も現れた。岡山大法科大学院は昨年12月、地元弁護士と協力して岡山市のキャンパス内に法律事務所を開設。同大を修了した新人弁護士をここで採用し、地元の医療機関や自治体での仕事を経験させる。期間は2年間。  新人弁護士の就職先は主に弁護士事務所だが、地方では就職難が続いている。岡山大は、こうした取り組みを通じて、新人弁護士が企業や自治体に直接就職する道を広げることを狙っている。 ■法科院を「敬遠」 予備試験組、合格者倍増  今年の司法試験では、合格率1割以下の法科大学院が74校中25校にのぼった。「入試競争倍率が2倍未満」「3年連続で合格率が全国平均の半分未満」などの基準に基づき、文部科学省は来年度、過去最多となる18校の補助金を減らす。  法曹養成制度のあり方を検討してきた政府の会議は6月、合格者の少ない法科大学院の修了者に司法試験の受験資格を与えないなどの「法的措置」の導入などを提言している。文科省は今回、補助金削減の基準を厳しくしており、大学側に改善を促す「荒療治」に乗り出した格好だ。  国立は、鹿児島大と、2年連続となる島根大の2校。私立では、日本大のように受験者が100人以上の大規模校も対象となった。  法科大学院を修了していない人を含む予備試験組の合格率は71・9%と高かった。合格者数は120人で、58人だった昨年から倍増。約半数が20~24歳の若い層だった。  法科大学院修了は司法試験受験の要件だが、経済的事情などで大学院に進学できない人向けに昨年から始まったのが予備試験。しかし、修了までに数年かかる法科大学院を敬遠する若い層が「抜け道」として利用しているのが実情だ。  予備試験組の増加は、合格率が低い法科大学院にとって存続意義が問われる事態となっている。愛知大法科大学院の森山文昭教授は「法科大学院 "[he-forum 17838] 京都新聞9/13","京都新聞 2013年9月13日付 大学3、4年生「正社員なれぬ 自己責任」 京のNPO、就職調査印刷用画面を開く  雇用環境の変化など社会の実情を学んでいない大学3、4年生の多くが「正社員の職が見つからないのは甘えや努力不足が原因」と考えていることが、若者への労働法教育に取り組むNPO法人「あったかサポート」(京都市下京区)の調査で分かった。専門家は「就職難が自己責任論に終始しないよう、問題意識や自尊心を持って就職に向き合えるような教育が必要」と指摘する。  キャリア支援の課題を探るため、京都などの5大学430人を対象に今年4~7月、学校で学んだ内容や就職への意識を調査した。  このうち、3、4年生(約170人)は、約6割が大学で「自己分析」や「適性検査」の講座を受けていたが、「雇用環境の変化」や「労働者の権利」など働き続ける上で必要な労働教育を受けた人は、それぞれ約2割にとどまった。雇用環境の変化について学んでいない人の半数が、正社員になれないことを「自己責任」と考えていた。  一方、アルバイト経験のある学生の3分の1が「バイト先の正社員の働き方や労働条件には問題がある」と回答。「問題がある」と答えた人は、「ない」と答えた人よりも「中高年や老後の生活に不安を感じる」割合が高く、アルバイト経験が労働観に与える影響が大きいことも見えた。  調査を分析した法政大の筒井美紀准教授(教育社会学)は「大学の支援は、目先の就職を考えたキャリア教育に偏っている。アルバイト経験を学びにつなげるなど、雇用の現実や労使間で守るべきルールを知って働き続けるための教育も考えるべき」と指摘する。  14日午後2時から同志社大(上京区)で開くシンポジウム「半身就活でいこう」で、筒井教授らが調査結果を報告する。500円(学生無料)。問い合わせは同NPO法人TEL075(352)2640。 "[he-forum 17837] 西日本新聞9/14","西日本新聞 2013年9月14日付 佐賀大美術館が完成 学生作品展示や地域の交流場所に  佐賀大学が本庄キャンパス(佐賀市本庄町)の正門そばに建設を進めていた美術館が完成した。公募展などで入賞した学生や教員の作品を紹介するほか、佐賀美術界の発展と市民の交流の場として活用するのが目的。国立大が美術館を設けるのは東京芸術大に次いで2校目。10月2日に開館する。  美術館は2階建て、延べ床面積1712平方メートル。地域に開かれた美術館を表現しようと、キャンパスの本通り側はガラス張りにしている。  1階は展示スペースで、学生たちの作品を展示。2階では工芸品や大学の所蔵品を並べたり、学生の映像作品を上映したりする。館内にはカフェ(93席)もある。  総工費は6億円。建設費の半分と維持運営費の一部を寄付金で賄う予定だが現在、寄付金総額は1億7千万円にすぎず、不足分は大学の基金で賄うという。  佛淵(ほとけぶち)孝夫学長は「新たな特色ができた。地域の方にも足を運んでもらって、美術館という枠を超えた交流の場にしたい」と話している。入館無料。佐賀大美術館=0952(28)8333。 "[he-forum 17836] 読売新聞9/14","読売新聞 2013年9月14日付 就活解禁、大学3年生の3月から…経団連が指針  経団連は13日、大学生の新たな採用ルールを定めた「採用選考に関する指針」を発表した。  会社説明会などの解禁時期を大学3年生の12月から3月に、面接や筆記試験など選考試験の解禁時期を4年生の4月から8月に、それぞれ繰り下げるのが柱だ。就職活動は企業、学生ともに「短期決戦」となり、激しさを増しそうだ。ただ、企業への強制力がないため、ルールの骨抜きを懸念する声もある。  新ルールは政府の要請に応じたもので、2016年4月に就職する現在の大学2年生から適用される。対象は、賛同企業だけだった現在の約830社から、経団連の全加盟企業の約1300社へ広がる。大学生が学業に専念できる期間を確保するのが目的としている。  経団連は新ルールを分かりやすく説明するため、具体的な項目を示した「手引き」も作成した。例えば、企業が8月以前に学生に対してエントリーシートの提出を求めても、面接など選考試験の解禁違反には当たらないことなどを明記している。 "[he-forum 17835] 琉球新報9/13","琉球新報 2013年9月13日付 ベンチャー設立へ 大学院大学、製薬会社にデータ  沖縄科学技術大学院大学(OIST)が、医薬品開発に必要なタンパク質のデータを製薬会社などに提供するベンチャー企業の来年度中の設立を目指していることが12日、分かった。同大が特許を保有する技術を活用する。同大学の目指す沖縄の自立的発展と世界の科学技術向上への貢献に向けた第一歩として、知的産業クラスター形成推進や雇用促進が期待されている。  ベンチャー企業設立は、文部科学省の大学発新産業創出拠点(START)プロジェクトの一環で、2012年度に採択。文部科学省が研究開発費や市場調査費などとして、12年度に約1500万円、13年度に約3千万円を補助している。  社長は学外の会社経営経験者が務める予定。企業事務所の設置場所や目標の年間収益は検討中。収益の一部は技術の特許使用料として、同大学に還元され、運営費にも充てられる。  ベンチャー企業は、構造細胞生物学を研究するウルフ・スコグランド同大教授が開発し、同大学が特許を保有するタンパク質の「3次元分子構造解析」技術を活用する。  同大事業開発セクションの担当者によると、製薬会社が医薬品を開発する場合、薬がタンパク質にどう影響を与えるかを調べる必要がある。だが、従来の方法ではタンパク質の約8割が分子レベルで可視化できないため、薬の働きを調べるために多くの実験を重ねるという。同大の技術を活用すると、これまで見られなかった残り8割を可視化できる。  担当者は、今回の技術を活用することで「国際的な薬品の認可承認を受ける時に非常に有効なデータになる。これまで実施してきた実験がいらなくなる可能性もあり、経費節減につながる」と話した。 "[he-forum 17834] 毎日新聞新潟9/11","毎日新聞新潟版 2013年9月11日付 協定:産学連携を推進 技術科学大と長岡商議所  長岡市の長岡技術科学大(新原皓一学長)と長岡商工会議所(丸山智会頭)は10日、産学連携を推進していくための包括的連携協定を締結した。  両者はこれまでも共同研究や個別事業で連携してきたが、改めて組織として協定を結ぶことで、地域経済の成長や活性化を図る狙いがある。  同大であった締結式には、関係者ら8人が参加。新原学長と丸山会頭が協定書に調印し、握手を交わした。新原学長は「地域を活性化させるために、新しい産業や起業の動きを加速させたい」と強調。丸山会頭は「技科大の広い見識と研究成果を生かし、新技術や新製品の開発につなげたい」と話した。【湯浅聖一】 "[he-forum 17833] 信濃毎日新聞9/13","信濃毎日新聞 2013年9月13日付 県立大設立準備で972万円計上 9月補正予算案  県は13日午前の部局長会議で、19日招集の定例県会に提出する本年度一般会計補正予算案に、県短期大(長野市)を四年制化して2017年度開学を目指す県立大の設立準備関連予算972万円を計上することを決めた。阿部守一知事が6月に県立大基本構想を決めて以降、関連予算の計上は初めて。  基本構想は、総合マネジメント学部と健康発達学部を設け、同学部に管理栄養士受験資格が得られるコースを置く内容。松本大(松本市)などの私立大や松本市などが、管理栄養士養成課程の競合などへの懸念から、見直しを求めている。  県によると、計上したのは構想内容を検討してきた「設立準備委員会」の下に設ける専門部会の運営費用。教育課程・教員選考、施設整備の二つの部会を年内には設置し、「構想を具体化、明確化していく」(県立大設立準備室)としている。  委員(有識者)の人数や会合の開催回数などに応じて教育課程・教員選考専門部会の予算が906万円、施設整備専門部会の予算が66万円。内容は主に委員に支払う報酬と交通費だが、教育課程・教員選考専門部会の予算には大学設立認可に向け、外部の専門機関に調査を委託する費用として313万円を含む。  阿部守一知事は部局長会議後の記者会見で県立大関連の予算計上について「慎重に検討した上で決めた」とし、「用地買収とか設計とか、大学設置の直接的な経費ではない」と強調した。経済団体や市町村など「各界、各層への意見聴取」や、私大や高校などの関係者との意見交換会を4地区程度で10月ごろまでに行う意向も明らかにした。  一般会計補正予算案は総額68億5600万円。特別会計補正予算案と合わせると総額72億5200万円で、このうち経済対策関連事業は52億8900万円。財源には国からの「地域の元気臨時交付金」、地域医療再生基金、緊急雇用創出基金などを充てる。  一般会計では、今春の凍霜害の緊急対策として被害を受けた農家への支援などに4134万円を計上した。経済・雇用情勢への対応として県単独公共事業に30億422万円を計上。道幅の狭い観光地へのアクセス道路の拡幅などを進める。 "[he-forum 17843] 産経新聞主張9/18","産経新聞主張 2013年9月18日付 法科大学院 質の高い法曹人の確保を  創設10年目を迎えた法科大学院で、司法試験合格率が平均で2割台にとどまっている。文部科学省は成果の上がらない18校への補助金を平成26年度から削減することなどを決めた。  低迷を続ける大学院への国費投入を見直すのは妥当だ。18校が自ら抜本的な改善策に取り組むのは当然だが、好転がみられない大学院には再編や閉校を勧告するなど、政府としても積極的に是正策をとるべきだ。  法科大学院は司法制度改革の柱として16年度からスタートした。テクニック偏重と批判のあったそれまでの司法試験を見直し、実務能力と見識を備えた法曹人をじっくり育てる考え方はよいが修了者の7~8割が合格するとの構想は甘すぎた。  25年の合格率は平均26・8%にとどまった。志願者数も当初の約5分の1に減った。一方、法科大学院を修了せず予備試験から挑戦した受験生167人中、120人が合格する皮肉な結果が出た。  予備試験は、時間や金銭上の都合で法科大学院を出なかった人にも、司法試験受験資格を得る道を開くために導入された。こうした状況が続けば空洞化が進み、制度の根幹が問われる。  全国20~30校という見込みに対し、74校が開校された「乱立」に原因があるのは明らかで、質の低下は当初から懸念されていた。  すでに大学院間の統合などを模索する動きもみられるが、規模の適正化など、質の向上を伴う再編でなければなるまい。多くの大学院が使命を果たせずにいる深刻さを考え、国や教育界を挙げて取り組んでもらいたい。  法科大学院の低迷を受け、政府は司法試験合格者を年間3千人にする数値目標をさきに撤回したが、「質の高い法曹人口の拡大」という当初の目標はどうなるのか。国民の権利を擁護するという目的を達成するには、拡大の具体策が必要だ。  政府が17日に設置した「法曹養成制度改革推進会議」での検討も鍵となるのは法曹人材の需要拡大策だろう。資格はあっても仕事がなければ、法曹の世界に若者は希望を抱けないからだ。  裁判官や検察官増員の可能性、官庁、企業での雇用拡大の方策を考えるべきだ。法廷以外でいかに活躍の場を広げるか、法曹界としても知恵を絞ってほしい。 "[he-forum 17842] 毎日新聞社説9/17","毎日新聞社説 2013年9月17日付 法科大学院10年 質高め改革の加速を  法律家を育成する法曹養成制度の中核である法科大学院が2004年に発足して10年目に入った。  司法試験合格率の低迷が指摘され、司法修習を終えても法律事務所に就職できない弁護士が急増するなど司法を取り巻く環境が変化した。近年は入学者も減少傾向だ。  それでも先日の司法試験合格発表によると、2049人の合格者のうち法科大学院修了者が約94%を占めた。近年は制度の行き詰まりや限界さえ指摘されるが、法律家養成の中心になっているのは間違いない。より充実した教育が実施できるよう政府、司法界は知恵を絞るべきだ。  低い合格率が最大の問題点だ。今年の法科大学院修了者の合格率は25.8%で、4人に1人にとどまる。ただし、上位14校は3割を超える。大学院間の格差が大きいのだ。  トップの慶応大が201人の合格者を出す一方、74校中35校が合格者1桁でゼロも3校あった。  合格率が極端に低ければ学生は集まらず、質の高い教育の維持は難しい。文部科学省は、合格率の低い法科大学院への補助金をカットしている。14年度から定員の充足率も補助金削減の条件に加え、今年度の4校から大幅増の18校の補助金削減を決めた。既に新規の募集停止に踏み切ったところもある。文科省の締め付けで音を上げる前に、まず他校との統合や提携などを積極的に模索し、教育の質の向上を図るべきだ。  政府の法曹養成制度検討会議は6月、「法的措置」導入を検討するよう最終提言に盛り込んだ。現在は法科大学院を修了すれば司法試験の受験資格が得られるが、合格率が低い大学院には受験資格を与えないなどの方法が取りざたされる。  だが、そういった手法は疑問だ。法科大学院を法律家育成の柱に据えた司法改革の理念からも遠ざかる。  教員と学生が双方向で時間をかけて法律や実務の知識を深めていく授業スタイルへの評価は低くない。  ならば法科大学院修了後の出口でふるいにかけるのではなく、入学者選抜試験という入り口で一定の選別をし、出口をプレッシャーのない試験方法にすることも真剣に検討すべきだ。受験勉強的な要素を排し教育の密度と多様性を高めるのだ。  法科大学院は、制度発足後、毎年2000人前後の司法試験合格者を社会に送り出してきた。外国との経済取引の拡大で法廷実務以外で通用する法律家の需要は高い。一方で、地方をはじめ国民に十分な司法サービスが行き届く体制が整備されたとは言えない。政府は「年間3000人」の合格者目標を撤廃した。だが、法科大学院を軸に現状レベルの合格者を出す方向性は維持すべきだ。 "[he-forum 17841] 読売新聞社説9/17","読売新聞社説 2013年9月17日付 法科大学院 優秀な人材をどう集めるか  このままでは、優秀な人材が法曹界に集まらなくなるのではないか。  法曹養成の中核である法科大学院が、危機的な状況に陥っている。  今年の司法試験で、法科大学院の修了生の合格者は1929人、合格率は約26%と低迷を続けている。当初想定された7~8割という合格率には遠く及ばない。  こうした現状から、学生の法科大学院離れは進む一方だ。入学志願者は減少し、今春はピーク時の5分の1に落ち込んだ。  大学の法学部人気も低下しており、国公立大学では法学部の志願者がこの2年で約1割減った。  三権の一角を担う法曹界を目指す若者が減れば、法治国家の根幹が揺らぎかねない。  法科大学院は、「質・量ともに豊かな法曹を育てる」という司法制度改革の理念の下、2004年に開校した。専門知識と法的分析力を備えた即戦力の実務家を育成することが期待された。  ところが、文部科学省が広く参入を認めた結果、74校が乱立し、司法試験の合格者数が1けたにとどまるところが続出した。  文科省は来年度、司法試験の合格率低迷など、実績を上げられない法科大学院18校の補助金を減額する方針だ。統廃合を促す狙いがある。養成機能を果たせない法科大学院の淘汰(とうた)はやむを得ない。  一方、法科大学院を修了せずに司法試験の受験資格を得られる「予備試験」経由者の合格が急増している。今年は前年の約2倍の120人を数えた。  予備試験は、経済的理由で法科大学院に通えない人にも司法試験に挑戦する道を開くために設けられた。にもかかわらず、今年の司法試験に合格した予備試験組には法科大学院在学生が目立つ。  法科大学院で学ぶ過程を省く「近道」として予備試験を利用する人が増え続ければ、法科大学院の空洞化が進むだけだ。  法科大学院制度を維持するなら、修了者に対し、司法試験の受験回数の制限を大幅に緩和するなど、学生が法科大学院に進みたいと思うような見直しが必要だ。  無論、法科大学院にも教育の質向上の取り組みが求められる。  司法試験に受かり、弁護士になっても、働き口が見つからない状況も深刻だ。将来の展望が開けないのでは、学生が法曹界を敬遠するのも無理はない。  自治体や企業による雇用拡大など、弁護士の活動領域を広げる方策について、政府と法曹界は早急に検討すべきだ。 "[he-forum 17840] 東京新聞埼玉9/18","東京新聞埼玉版 2013年9月18日付 台風18号被害の大学生に奨学金 日本学生支援機構  日本学生支援機構は十七日、台風18号の被害で家計が悪化した世帯の大学生らを対象に、新規の奨学金貸与や返還猶予などの申請を受け付けると発表した。災害救助法が適用された埼玉県熊谷市や京都府福知山市と舞鶴市に居住しているか、実家のある大学生らが対象。近隣地域で大きな被害を受けた場合も申請できる。 "[he-forum 17839] 毎日新聞島根9/17","毎日新聞島根版 2013年9月17日付 島根大病院:研修医育成拠点「みらい棟」完成  島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)に研修医のキャリア形成などを支援する施設「みらい棟」が完成し、14日、記念式典が開かれた。小林祥泰・同大学学長ら関係者が出席し、若手医師の育成拠点の誕生を祝った。  みらい棟は4階建てで、延べ床面積は約2480平方メートル。昨年9月に着工した。総事業費は約5億円で、そのうち県が3億円を負担した。1階には医学部卒業から10年程度のキャリアをどう描くかを具体的にアドバイスする「しまね地域医療支援センター」が入り、個々に適した研修先の調整などを担う。また、研修医が自習用に活用できる専用の部屋や仮眠室なども各階に設けられた。既に8月から利用されている。  この日の式典では、小林学長が「(みらい棟開設を機に)医師不足を全国に先駆けて解決し、全国から注目されるようになることを期待している」と述べた。【金志尚】 "[he-forum 17845] 日本経済新聞9/19","日本経済新聞 2013年9月19日付 大学運営から教授会排除を 競争力会議の民間議員  政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)は18日、雇用・人材分科会で、大学改革と留学の促進策を議論した。  民間議員は教授会による「根拠なき大学運営への関与の排除を検討すべきだ」とし、学長主導の改革を訴えた。優秀な教員確保のために、中高年の教員の給与を抑え、その分を若手や外国人研究者に回すことも訴えた。  日本人留学生を2020年までに現在の6万人から12万人に倍増する政府目標を達成するために、予算を十分確保することに加えて、帰国した学生と企業を引き合わせる場を設けて、就職環境を改善することを求めた。日本に来る外国人留学生を増やすためには、重点的に開拓する地域を決めて、具体策をまとめることを求める。  その他の検討項目には転職の環境整備、裁量労働制、限定正社員の導入があがった。解雇無効の判決を受けた人が職場復帰の代わりに金銭を受け取る金銭解決も盛り込まれた。だが、これに対して民間議員は「諸外国の制度や改革の状況を十分に調査・分析し、多様な働き方の個人の利益を踏まえつつ慎重に行うこととする」と導入ありきの議論をけん制した。 "[he-forum 17844] 信濃毎日新聞9/19","信濃毎日新聞 2013年9月19日付 「県立大 県民へ説明丁寧に」 県会の懇談会で県に注文  県短大(長野市)を四年制化して新設する県立大をめぐり、県会全6会派の代表者12人でつくる懇談会(石田治一郎会長)は18日、第9回会合を県庁議会棟で開いた。県議からは、説明に来た県の担当者に対し、県民への丁寧な説明を求める声が出た。  構想は県立大に管理栄養士養成課程を設けるなどの内容で、教育課程の競合を懸念する松本大(松本市)や松本市などが見直しを求めている。  県短大同窓生の石坂千穂氏(共産党、長野市)は、県内高卒者の8割超が県外に流出していることなどが県民に知られておらず、県立大の必要性が十分に理解されていないなどと指摘。県側に「広く県民に発信をするべきだ」とした。県立大設立準備室の担当者は、市町村や高校、大学などに構想に関する説明を繰り返してきたと報告。県立大学設立担当の高田幸生総務参事は「中信以外ではおおむね構想内容について理解していただいている」と述べた。  県側は、県立大設立に向けて教育課程・教員選考、施設整備の二つの専門部会を設置する費用として972万円を9月補正予算案に計上することも説明。県議からは、学長候補選任を急ぐよう求める声もあった。 "[he-forum 17846] 長野日報9/20","長野日報 2013年9月20日付 経済:人材育成へ諏訪圏一丸 ものづくり推進機構と県 協議会を成立  諏訪圏ものづくり推進機構(諏訪市)と県諏訪地方事務所は19日、諏訪市の諏訪商工会館で初会議を開き、「諏訪圏ものづくり人材育成協議会」を設立した。諏訪地方6市町村の関係機関が協働で、ものづくりの人材育成を継続的、計画的に行う仕組みを構築した。技能だけでなく、経営者の意識改革、社員教育など、新人からトップまで対象に事業を推進する。  産業の空洞化や国際競争力の激化、顧客ニーズの多様化などで、ビジネス環境が大きく変化する中、製造業の集積地である諏訪地域の企業が国際競争力を高めるため、同推進機構と県は、「『人づくり』『現場力』の強化が緊急の課題」との認識を強めている。昨年10月に諏訪市と松本市で開かれた「長野技能五輪」で諏訪地域の11人が入賞する活躍を受け、人材育成を6市町村が協働で進める「場」として、同協議会を発足した。  構成メンバーは6市町村の担当者のほか、商工会議所、商工会、岡谷技術専門校、茅野高等職業訓練校、信州大学諏訪圏サテライトオフィス、諏訪東京理科大学など産業界、大学・研究機関、支援団体などがそろった。  会長は、同推進機構の草間三郎理事長、副会長に県諏訪地方事務所の赤羽典明・商工観光課長がそれぞれ就任した。任期は2年。2015年3月末までとした。  協議会は、構成団体相互の人材育成に関する情報交換、連絡調整を行い、人材育成の企画、啓発活動などを協議する。今年度は諏訪地域の企業250社を対象に人材育成に関するアンケートを行っている。調査結果を基に、研修や訓練カリキュラムを試行する。  草間会長は「6市町村で共通できるところは協働で実施したい。人材育成の取り組みは共通化できる。一つのテーブルの上での協議を見据えながら事業を進めたい」と今後の展開に期待した。    "[he-forum 17847] 共同通信9/18","共同通信 2013年9月18日23時47分 国立大教員の1万人目標に年俸制 文科省、15年度末までに  文部科学省は18日、国立大学に約6万人いる教員のうち、2015年度末までに約1万人に年俸制の導入を目指す方針を明らかにした。教員の流動性を高め、優秀な研究者を集めるのが狙いとしている。  同日開かれた産業競争力会議の分科会で明らかにした。同省は今春から大学教育の改革案として年俸制導入を検討していた。  年俸制でも終身雇用が崩れるわけではないが、実力主義の給与体系が加速するとみられる。年俸制を望まない教員は現行制度のままにする。 "[he-forum 17848] 中日新聞9/19","中日新聞 2013年9月19日付 「奨学金」世代間で見方に差 経済状況、大きく変化  利用者や返済に苦しむ人が増える奨学金。しかし、高齢者を中心に「ありがたい制度であって、返済はそんなに難しいはずがない」といった声も強い。ひと昔前の利用者と近年の利用者では、経済状況などが大きく違い、それが奨学金への見方の差につながっている場合が多いようだ。こうした「世代間断層」について考えてみた。  「世代間断層」という言葉は、奨学金問題対策全国会議の代表を務める中京大国際教養学部の大内裕和教授が好んで使っている。  名古屋市昭和区の中京大で、毎月一回のペースで「愛知県学費と奨学金を考える会」の例会が開かれる。会員の大学生、奨学金問題に関心を持つ市民、法律家、地方議員らが、大内教授を中心に話し合う。  この席でよく話が出るのが、ずっと昔の体験やそのころに得た知識を基に「奨学金問題はたいしたことはない」と話す人の存在だ。「親に『奨学金問題ごときでそんなに頑張るな』みたいに言われて激論になった」と大学生が打ち明けたこともある。  近年、大学生をめぐる経済状況は厳しいが、二、三十年前はそれほどではなかった。大内教授は「五十代以上と三十代以下では、考え方に体験から生まれた断層が生じている」と解説。大学生らは親の年齢以上の人に「現状をしっかり認識してほしい」と訴える。  大学生の奨学金の利用割合は一九九六年度は21・2%だったが、今は約50%まで上がった。この状況を知って、五十代以上の人が何げなく口にすることがあるのが「貧しい家庭だったら国立大に行けばいい。私立に比べて授業料などが断然安いので何とかなる」といった言葉だ。  昔はそうした傾向だったが、今は国立大もそれほど安くはない。授業料に入学料を足した国立大の初年度納付金は、七五年度はわずか八万六千円。その後、急ピッチで上昇。九八年度には約七十四万円になり、今は約八十二万円だ。  親の収入が十分であれば、大学生は奨学金を利用しなくて済む。しかし、給与所得者の平均年収は九七年をピークに下落傾向が続き、今では12%ほど少ない水準になっている=図。  奨学金を借りても、就職後の給与が多ければ、返済は難しくない。現実には、九〇年代後半から低賃金の非正規雇用の割合が上昇し続けている。  近年は、大学生の大半は就職先がなかなか決まらない。奨学金を利用している大学生は、奨学金の返済負担もあって就職活動に走り回らざるを得ない。こうした学生の姿を大内教授は「全身就活」と表現する。  こんな大学生の窮状を聞いて、高齢者らが言いたくなる言葉は「それなら高校で卒業して働けばいい」。これも重要な事実を見逃している場合が多い。ここ二十年ほどで、高卒求人数が激減しているのだ。高卒で就職する道も相当に細くなっている。  (白井康彦) "[he-forum 17853] 大分合同新聞9/21","大分合同新聞 2013年9月21日付 累積滞納額が過去最高 県奨学会  県内の高校・大学生に奨学金を貸与する県奨学会が滞納額の増大に苦慮している。2008年度以降、返済時期を迎えた奨学生の増加に伴い、累積滞納額が急増。12年度末には過去最高の約1億1千万円まで膨らみ、この5年間で倍増した。悪質な滞納者に対し、法的措置に踏み切るケースも相次いでいる。返済金は次世代の奨学金の原資となるだけに、滞納金の回収強化に力を入れる。  奨学金の返済は高校・大学在学中は猶予し、卒業の半年後から最大19年の期限内に年2回の分割で返済する。  05年度に高校生向けの奨学金事業を日本育英会(当時)から引き継いだ経緯もあり、ここ数年は在学猶予を終えた「返還対象者」が毎年千人近いペースで増加。奨学金の回収率は80%前後を維持しているものの、対象者の増加に比例して累積滞納額も急増し、12年度には設立以来初めて1億円を突破した。  近年は音信不通の状態が続いたり、返済可能な収入がありながら再三の督促に応じないケースもあり、悪質と判断した場合は家庭裁判所に支払い督促を申し立てる。これまで年間数件だった申立件数は12年度に57件に急増したという。  今後も返済時期を迎える奨学生の増加が見込まれるため、県奨学会は債権管理に精通した金融機関と県税事務所のOB2人を専従として配置するなど回収体制を強化。一方で経済的な負担を考慮し、希望者には月払いでの分納に応じることも検討する。  県奨学会は「滞納金が増える背景には不況や就職難の影響もあるが、話し合いができれば無理のない返済方法に応じることもできる」とした上で「督促しても一向に反応がなければ法的措置を取るほかない」としている。  <メモ>  県奨学会は1961年設立。現在は公益財団法人。経済的な理由で修学が困難な県内の高校生に月額1万8千~3万5千円、大学生に月額3万6千~5万1千円を無利子で貸与するなどしている。12年度は高校・大学生の計3378人に総額約9億2800万円を貸し付けた。高校生向けの奨学金制度の利用者は約1千人で、県内全体の高校生の約1割に当たる。返還に関する問い合わせは県奨学会(TEL097-506-5620)へ。 "[he-forum 17849] 共同通信9/21","共同通信 2013年9月21日17時36分 39公立大が教員投票制廃止 学長選考、制度維持で賛否  地方自治体が設立した公立大のうち法人運営に移行した65校の過半数に当たる39校が、教員らの投票を経て学長を決める「意向投票」制度を廃止していることが21日、公立大学協会のアンケートで分かった。  国立大の大半が学内自治を尊重して投票制を維持しているのとは対照的。投票廃止で学長を柔軟に選べるメリットがある一方、大学の民主的伝統として残すべきだとの声もあり、賛否は分かれている。  アンケートは8月、公立大83校のうち法人化した65校を対象に行った。学長選考で意向投票を実施しているのは京都府立大など24校で、39校が実施していない。2校は「検討中」などとした。 "[he-forum 17852] 毎日新聞埼玉9/21","毎日新聞埼玉版 2013年9月21日付 奨学金:返済に苦しむ若者、支援へネットワーク 弁護士や大学教授ら−−28日、設立総会と無料相談会  大学時代に借りた奨学金の返済に苦しむ若者を支援し、返済不要の奨学金創設などを求めようと弁護士や大学教授らが「埼玉奨学金問題ネットワーク」を設立する。失業や低賃金のため返済できない若者が増えており、同ネットは28日に設立総会と弁護士による無料相談会を開き、実態把握を始める。【西田真季子】  ◇半数が利用  景気悪化で親の収入が減ったことなどから、大学生の約半数が奨学金を利用しているとされる。このうちの約7割が利用する独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会、本部・横浜市)によると、2011年度に同機構から奨学金を受けた人は約129万人。うち約7割の91万人が利息付きの貸与奨学金を利用しているという。  ◇重い負担  同ネット代表に就任する聖学院大学(上尾市)政治経済学部の柴田武男教授によると、利息付き奨学金を上限いっぱいまで借りると返済額は総額840万円以上に上る。20年返済で月額約3万5000円となり、就職したばかりの若者や増加している非正規労働の若者には重い負担だ。  ◇督促強化  また、10年ごろから機構による取り立てが強化された。延滞3カ月で一般のローンが組めなくなるブラックリストに登録され、延滞9カ月でほぼ自動的に裁判所に支払い督促申し立てをされるという。  柴田教授は「返済型の奨学金は、知識がないまま18歳で背負わされる借金だ」と強調。奨学金返済に苦しむ若者に身近な場所で相談してもらおうと、県内で多重債務問題に取り組んできた司法書士、弁護士らが同ネットの設立を決めた。  28日は午後1時半から、埼玉教育会館202号室(さいたま市浦和区高砂3)で大学生や奨学金返済をしている若者、高校教諭らによる実態報告と弁護士らによる奨学金問題の説明などが行われる。参加、相談ともに無料。問い合わせは埼玉総合法律事務所(電話048・862・0355)の鴨田譲弁護士まで。 "[he-forum 17851] しんぶん赤旗9/22","しんぶん赤旗 2013年9月22日付 早大に非常勤講師労組 5年上限の雇い止め撤回要求 100人超が加入  首都圏大学非常勤講師組合は、早稲田大学(東京都新宿区)による非常勤講師の5年上限での雇い止めを阻止しようと、早大で100人以上の組合加入を達成し、21日、同大学内で早稲田ユニオン分会の結成集会を開きました。  当面の要求として、▽就業規則の契約5年上限やコマ数制限など不利益変更の撤回▽日本語インストラクターの来春の雇い止め阻止▽英語など単位認定科目の外注「偽装請負」化撤回―などを決めました。  分会代表となった大野英士さんは「知識人であると同時に非正規雇用の苦しみを味わっている私たちが、先頭に立って、日本全体の非正規雇用など苦しい状況の労働者の運動を発展させる」と強調しました。  早大は、改定労働契約法に盛り込まれた、有期雇用を5年継続すると無期雇用に転換できる規定を回避しようと、5年雇い止めの就業規則変更を強行。従業員代表選出の際、非常勤講師が構内に入れない入試期間に投票用紙を配布するなど、労働基準法違反を行ったとして、組合と講師たちから刑事告訴・告発を受けています。  東京地区大学教職員組合協議会の荒井竜一議長、早大の専任教員から岡山茂教授、関西の非常勤講師などがあいさつしました。  日本共産党の吉良よし子参院議員(早大出身)が来賓あいさつしました。共産党は田村智子参院議員が6月に早大の問題を国会で取り上げ、谷川弥一文科副大臣に早大で労使トラブルがあると認めさせ、「学校法人においても労働関係法に従う」という答弁を引き出しています。 "[he-forum 17850] 東京新聞9/22","東京新聞 2013年9月22日付 地域の創業支援を強化 競争力法案 3年の実行計画策定  政府が十月の臨時国会に提出する「産業競争力強化法案」の全容が分かった。地域経済を活性化するため、市区町村が民間と連携して地元で新たなビジネスを育てる創業支援事業を強化し、国も資金面などで協力する。二〇一三年度以降の五年間は成長戦略に沿って企業に再編や設備投資を促す「集中実施期間」とし、経済再生に向けた三年間の実行計画も策定する。  経済の変化に対応したベンチャー企業の育成や先端的な生産設備の導入、中小企業の底上げなどに向けた幅広い施策の枠組みを盛り込んだ。安倍政権の目玉法案と位置付け、早期成立を目指す。  法案では、日本経済を「中長期にわたる低迷の状態から脱却させ、持続的発展の軌道に乗せる」と明記した。実行計画には重点施策や実施期限、担当閣僚を明示し、計画を毎年点検して遅れがあれば、実行に移すための追加措置をとる。  柱となる規制改革では、健康分野などの新事業が適法かどうかを企業があらかじめ国に確認できる「グレーゾーン解消制度」や、特例的に企業ごとに規制を緩和する「企業実証特例制度」を創設する。  中小企業の支援策では、一部の市区町村で取り組んでいる創業支援を全国規模に拡大する。自治体が起業支援の事業者や他の自治体とも協力し、地域の特性を生かした新規事業を発掘・育成する。国も予算措置や起業ノウハウの提供、取引先の拡大などで支援する。  中小企業やベンチャー企業が特許申請時に支払う料金は来年四月から減免し、申請手続きも国がサポートして特許を取得しやすくする。国立大学法人によるベンチャーへの出資も特例で認める。  また、物の形を立体的に再現する「3Dプリンター」など先端設備の機器をリースする企業を援助する制度も導入。過剰な供給状態にあるとみられる事業分野は、国が実態を調べて結果を公表し、事業再編につなげる。 "[he-forum 17854] 共同通信9/23","共同通信 2013年9月23日18時56分 国立大教員1万人に年俸制導入 文科省、15年度末までに  文部科学省は23日までに、国立大学に約6万人いる教員のうち、2015年度末までに約1万人に年俸制の導入を目指す方針を明らかにした。教員の流動性を高め、優秀な研究者を集めるのが狙いとしている。  年俸制で終身雇用が崩れるわけではないが、実力主義の給与体系が加速するとみられる。年俸制を望まない教員は現行制度のままにする。文科省はこうした改革をする国立大に運営費交付金を重点的に配分する考え。  18日に開かれた産業競争力会議の分科会で方針を明らかにした。同省は今春から大学教育の改革案として年俸制導入を検討していた。  文科省によると、現在は国立大での年俸制はほとんどない。他大学に転籍すると退職金が大幅に減ってしまうために教員の移動を妨げているとされ、退職金に回す分を毎年の年俸に上乗せできるような制度改正を予定している。  また、高額な年俸を提示すれば優秀な外国人研究者の獲得ができるとして、大学の国際競争力の向上にも効力があるとみている。若手日本人の登用も進むとしている。  さらに、年俸の一部を企業に負担してもらう「混合給与」も選択できるようにし、企業の技術開発にも貢献することを目指す。全体として理工系分野の研究者を中心に想定しており、文系への影響は限定的とみられる。 "[he-forum 17856] TBSニュース9/17","TBSニュース 2013年9月17日19時36分 奨学金を多く借りている学生ほど「生活が苦しい」  大学の生活協同組合が行った大学生の生活実態に関する調査で、奨学金を多く借りている学生ほど収入が多くても「生活が苦しい」と感じていることが分かりました。  これは、全国大学生活協同組合連合会が去年10月、全国の8600人あまりの学生から回答を得た調査結果をさらに分析したものです。  下宿生の1か月の平均収入に着目すると、暮らし向きが「大変苦しい」と答えた学生のほうが、「大変楽だ」と答えた学生より2000円あまり収入が多くなっていました。しかし、収入の内訳を見ると、「大変楽だ」と答えた学生は仕送りが71.5%で、奨学金が11.8%、「大変苦しい」と答えた学生は仕送りが30.3%で、奨学金が44.0%でした。  全国大学生協連では、「今の学生は奨学金を“借金”と感じる意識が強いとみられ、奨学金に頼る収入構造を“苦しい”と自覚している傾向がみられる」と分析しています。 "[he-forum 17860] 中国新聞9/28","中国新聞 2013年9月28日付 労基署勧告も大学は是正せず  労働基準法に基づく労使協定の届け出をせず教職員に時間外労働をさせたなどとして、山口県立大(山口市)が昨年2月に山口労基署から是正勧告を受けながら一部は今も是正していないことが27日、明らかになった。  同日の県議会一般質問で、池内英之総務部長が「労使が合意に向け継続協議中。互いに歩み寄り、できるだけ早期の解決を図ってもらいたい」とし、現在も是正していないものがあることを認めた。県は、この件で理事長の処分などは考えていないという。  同大などによると、勧告は昨年2月13日付で、労基法36条に基づく協定の届け出がないのに時間外労働が行われている▽休日の時間外労働に割増賃金が支払われていない―など5項目。是正したものもあるが労使交渉は今も続いているという。 "[he-forum 17859] 中日新聞長野9/28","中日新聞長野版 2013年9月28日付 「学長慎重に選びたい」 新県立大構想で知事  県が設立を目指す新県立大の学長選考の時期について、阿部守一知事は二十七日の県議会一般質問で「いたずらに時間をかけるつもりはないが、ふさわしい人を慎重に選びたい」と述べた。今井氏の質問に答えた。  阿部知事は学長について「新県立大の基本構想を理解し、学生の教育に熱意と愛情をもって大学づくりに取り組める人を候補にお願いしたい」と述べた。  また、新県立大の設立準備委員会に設置を予定する二つの専門部会のメンバー構成について「教育課程・教員選考専門部会の委員は、学問分野の専門家を中心に構成する。施設整備の専門部会の委員は大学関係者、建築の専門家を中心にしたい」と述べた。  今井氏は、管理栄養士養成課程を含む新県立大の基本構想に県内私大を中心に反対意見があることを踏まえ「専門部会の議論の結果によっては学部学科の変更があるか」と質問。阿部知事は「専門部会においては、今示している学部学科を前提に、さらに具体的に固めてもらいたい」と述べるにとどめた。  (小西数紀) "[he-forum 17861] 信濃毎日新聞9/28","信濃毎日新聞 2013年9月28日付 信大、3研究所新設検討 大学間競争で存在感アピール  信州大(本部・松本市)が大学改革の一環として、研究組織の大幅な改編を検討していることが27日、分かった。環境・エネルギー関連など独創的で最先端の分野をテーマとする三つの研究所を新設し、既存の2研究所と合わせ「先鋭領域融合研究群(仮称)」として一体的に運営。五つの各研究所が連携して教育、研究に取り組む。文部科学省と折衝を重ね、遅くとも来春までに設置する意向だ。信大が積み重ねてきた研究能力を高め、社会が抱える問題解決に役立てていく狙い。大学間の生存競争が激しくなる中、存在感をアピールしていく。  計画だと、工学部がある長野キャンパス(長野市)に、リチウムイオン電池や燃料電池を研究する「環境・エネルギー材料科学研究所」、繊維学部がある上田キャンパス(上田市)に、生物由来の繊維や医療分野で使う繊維などを研究する「国際ファイバー工学研究所」をつくる。医学部がある松本キャンパス(松本市)には、予防医療や先端医療に取り組む「バイオメディカル研究所」を新設する。  このほか、山岳科学研究所に改称する山岳科学総合研究所(松本市)と、カーボン科学研究所(長野市)を合わせた五つの研究所を一つの研究群として運営するため、各研究所の代表らでつくる運営委員会を設置=図。各研究所の運営方針を論議し、研究テーマごとに連携策などを話し合っていく方針だ。  各研究所とも基本的に既存建物を使い、研究者を学内外から15人ほど集める。研究群長は研究担当の理事が兼ねる予定。研究支援センターや外部評価組織も設けるほか、研究者は授業や研究指導など教育業務にも携わる。  山沢清人学長は「今までのように各研究者が個人の考えで研究を進めていては、なかなか人類社会に貢献できない。信大が持っている特徴を生かし、集中して研究を進めていく」と話している。 "[he-forum 17858] 朝日新聞京都9/27","朝日新聞京都版 2013年9月27日付 大学でどう教える?  大学でどう教えるか――。専門知識を身につける大学での講義のあり方を考える講座を、京都大学(左京区)が2005年から研究者志望の学生向けに開いている。参加者同士の討論や専門家による講義を一日中繰り返すハードな内容だが、人気は上々。背景には、研究職を巡る厳しい就職事情もある。 ●「教育者」自覚促す  今年は8月5日に開かれた。参加者は、大学院の修士課程や博士課程に在籍する学生、すでに非常勤講師として働く卒業生ら約70人。専攻は人文・社会科学系、自然科学系の多分野にわたる。  この日は4部屋に分かれ、「大学の授業をどう思うか」をテーマに議論していた。  「大教室での一方的な授業はやはり面白くない」「研究に対する先生の情熱が感じられれば、少しくらい話し方が下手でも興味深く聞いていられる」――。  参加者は、そんな自身の体験を中心に持論を述べていた。  将来、研究者になるということは、同時に「教育者」にもなるのだと学生たちに自覚を促すとともに、専門分野の違う者同士の交流を深めてもらおうと、8年前に始まった。  ドイツ現代史が専門で、文学研究科博士課程2年の鈴木健雄(たけお)さん(27)は、アルバイト先で専攻を聞かれる度、専門的な事柄を分かりやすく伝える難しさを感じていたという。「自分が身につけた知識を、学界だけでなく社会全体に広く還元できたらいい」と語る。  「大学の授業の現在と未来」と題した講義では、米国の大学で人気を集める授業などをスライドを使って紹介。工夫次第では、大教室の講義でも学生が夢中になる例が示された。  講義と討論が中心のプログラム「ベーシック」とは別に、08年からは教育経験者向けの「アドバンス」も開講。代表者が約20分の模擬講義をした後、聞いていた全員で内容を検討する。  「話し方が単調」「レジュメの見出しをもっと魅力的にしないと学生が興味を持たない」など厳しい指摘のほか、「授業中に質問する場合、少し考える時間を与えた方がうまくいく」といったアドバイスも出た。 ●厳しい就職背景に  大学の研究職では近年、採用試験の際に模擬講義を課す例が増えている。求職中の参加者には、その対策にも役立っているようだ。  スポーツ科学が専門で、人間・環境学研究科博士課程1年の田辺弘子さん(25)は「非常勤講師をしている先輩の中には、教え方で悩んでいる人もいる。どうやって授業を組み立てていけばいいのか、具体的な意見を交換できるのはとても貴重な機会」と話す。  講座の最後には、淡路敏之副学長から修了証が手渡された。厳しい就職環境の中、履歴書に記載することで少しでもプラスにしたいと考える切実な人もいる。  講座に携わる高等教育研究開発推進センターの松下佳代教授は「1日の研修でやれることには限界がある。もっと時間をかけて授業の課題について学び、実際に教えてみることが必要」と指摘する。  京都大ではすでに、より長期間かけてこうした問題に取り組める授業なども用意しているという。 "[he-forum 17857] 読売新聞9/26","読売新聞 2013年9月26日付 富山市 富大に寄付講座 総合診療医養成  富山市は24日、市中心部に多い高齢者向けの地域医療・在宅医療の担い手となる総合診療医を養成し、都市型の地域包括ケア体制の構築に向けた研究を行うため、来月、富山大大学院医学薬学研究部に寄付講座を設置すると発表した。  名称は「富山プライマリ・ケア講座」で、10月1日から2016年3月末までの2年半設置する。寄付予定額は総額9550万円。同大付属病院の医師3人が准教授、助教に相当する教員として講座を担当する。  市社会福祉課によると、市が11年度に行った市内の独居老人の調査では、市中心部でも高齢化率が上がっていることがわかった。こうした高齢者を対象にした医療の必要性が高まっていることを背景に、市が大学に講座の設置を要請した。  講座では、市内で地域医療・在宅医療を必要としている高齢者がどのくらいいるかなどの調査を行い、その担い手となる総合診療医を養成。医療に関する講演会の企画や、介護関係者や訪問看護師などとの連携体制づくりにも取り組む。  将来的には、講座で養成した総合診療医らが、市が地域医療の拠点として中心市街地への設置を目指している診療所の運営に携わることを想定している。富山大医学部の村口篤学部長と山城清二教授とともに同大で記者会見した森雅志市長は、旧総曲輪小学校跡地を候補地としている地域医療・介護の拠点施設にこの診療所の機能を持たせ、15年度内にも整備したいとした。  森市長は「総合診療医の養成に寄与することができればありがたい」と述べた。村口学部長は「日本の未来型地域包括ケアにしたい」と期待を示した。 "[he-forum 17862] 佐賀新聞9/29","佐賀新聞 2013年9月29日付 佐賀大・佐賀医大、統合10周年で記念式典  佐賀大学と佐賀医科大学の統合10周年記念式典が28日、佐賀市の本庄キャンパスであった。大学関係者ら約250人が出席。佐賀県内唯一の総合大学として教育の質を高め、「知の拠点」となって地域や産学官の連携を深める決意を新たにした。  式典で佛淵孝夫学長は「大学の経営戦略の視点を重視し、業務の効率化なども進めてきた。これからも地域や学生に愛される大学を目指し、発展に全力を尽くしたい」とあいさつ。周年事業で整備した正門の除幕式と美術館の開所式も併せて行われた。一新された正門は、旧佐賀高校の正門の位置に大学名の入った石碑を建て、門や塀は設けずに「開かれた大学」をイメージしている。  両大学は2003年10月1日に統合し、新しい佐賀大学が誕生。翌04年4月に国立大学法人化した。旧佐賀大を継承する本庄キャンパスと旧佐賀医大の鍋島キャンパスがあり、文化教育、経済、医、理工、農の5学部で編成する。 "[he-forum 17863] 読売新聞山口9/28","読売新聞山口版 2013年9月28日付 山口大が新学部構想 英語力と科学知識習得  山口大は27日、2015年度に新たな学部を設置するなどの大学改革構想を発表した。新学部は、高い英語力や科学技術の知識を習得する「国際総合科学部」(仮称)で、来年末にも設置の可否が決まる見通し。大学院の研究科統合も掲げ、「理系に強い国際的な人材」を育成して他大学との差別化を目指すという。(清島愛)  「とくに科学技術が関与した諸問題に対して複眼的、総合的に理解し、解決できる人材を育てたい」。記者会見した丸本卓哉学長は新設を目指す国際総合科学部の狙いを説明した。  国際教養大(秋田市)、国際基督教大(東京)など国際的な人材育成を掲げて実績を上げている全国の国公私立大や学部に対抗できるような「国際学部」を目指す。  新学部では、学生が県内外の企業に出向き、様々な社会問題の解決を目指して企画立案などを行う「課題解決型学習」を導入。1年生の夏に海外で語学研修を行うほか、2年秋~3年夏にアジアや欧米の提携大学への留学をカリキュラムに組み込む。講義の一部は英語で実施。卒業時には、ビジネスで必要な英語力を測る「TOEIC」で730点以上の力を身につける。  新学部の定員は1学年100人で、人文社会系の学部の定員を削減して割り当てる。医学部、共同獣医学部の定員は減らさない。高校で文系、理系のいずれを選択しても受験できる入試科目にするという。  大学院では、15年度をめどに、理工学系、医学系、農学系の3研究科を一つの研究科に統合する。「専門が細分化され周辺領域への知識が不十分」との指摘があるため、各領域を横断した幅広い研究を促す狙いがある。  理系の研究科を統合した後は、文系の改革にも着手するという。 "[he-forum 17864] 読売新聞9/30","読売新聞 2013年9月30日付 筑波大 40周年…科学、スポーツの拠点  筑波大学では現在、学生約1万6400人、教職員約4700人が研究活動などに励む 筑波大学(永田恭介学長)は10月1日、創立40周年を迎える。  「筑波研究学園都市」の一角を占め、茨城の「知の拠点」として、科学研究の一定分野で世界をリードするほか、多くのスポーツ選手を輩出してきた。  筑波大は前身の東京教育大が移転する形で、1973年10月、茨城県つくば市に開学した。東京の過密化対策のため63年9月、国の研究機関などを移転して筑波研究学園都市をつくることが閣議了解され、開学もその流れの中にあった。  総合大学としての筑波大は、いくつかの科学技術分野で際だった成果を上げている。藻類を用いた石油生産技術、医療や福祉での活用が期待されるロボットスーツ「HAL」開発や睡眠の仕組み解明に対しては、国の大型予算が投じられている。  研究成果を社会へ生かす取り組みも進む。文部科学省科学技術政策研究所の調査によると、2008年度末時点の大学発ベンチャー(新興企業)設立数では、76社で全国5位。東北大や九州大といった各地方の拠点大学を上回っている。  ゆかりのあるノーベル賞受賞者も、1992~98年に学長を務めた江崎玲於奈博士(88)、79~2000年に教壇に立った白川英樹博士(77)、前身の東京教育大で1956~62年に学長を務めた朝永振一郎博士(1906~79年)の3人がいる。ただ3人は筑波大以前の成果で受賞しており、今後、生え抜きの研究者の受賞に期待がかかる。  1日には記念式典が開かれ、江崎博士と、同じくノーベル賞を受賞した小林誠博士(69)の対談などが行われる。 メダル量産の幹事校務める  筑波大のもう一つの強みはスポーツだ。柔道創始者の嘉納治五郎(1860~1938年)が前身の高等師範学校などの校長を務めた。その伝統を受け継ぎ、五輪とパラリンピックに計91人の学生や卒業生が出場、柔道などでメダリストを誕生させた。サッカーW杯に2回出場した中山雅史さん(46)らサッカー、陸上、バレーボールなどでも名選手を輩出している。  スポーツ研究も盛んで、メダリストの“量産”を目指す文部科学省の「チーム『ニッポン』マルチサポート事業」では幹事校を務める。 永田恭介学長「課題見つけ進歩続ける」  建学の理念で「開かれた大学」を掲げる。  地球規模の人材育成などでは同規模の大学としてトップレベルだと思うが、海外を目指す学生や教員への支援はまだ不十分だ。一例だが、米マサチューセッツ工科大には、学生が発展途上国の課題を見つけて解決するプログラムがある。学生が自らそうしたことをやりたがるような教育を実現したい。  研究には基礎と応用があるが、共に一定水準を保っている。ロボットスーツのような役に立つものを生み出しつつ、宇宙などの謎を解く研究も進める。  地域貢献は率直に言えば不完全燃焼と感じる。つくばは「知の集積」と言われる一方、力を合わせて成果を出すための仕組みがなかった。市や県、研究機関と共にシステム作りを始めたところだ。  筑波大のもう一つの建学理念は「不断の改革」。常に課題を見つけて進歩を続けたい。(談) "[he-forum 17865] 埼玉新聞9/29","埼玉新聞 2013年9月29日付 弁護士ら、埼玉奨学金問題ネットワーク設立「希望持てる奨学金に」  大学の学費などを支払うための奨学金制度を考える「埼玉奨学金問題ネットワーク」が28日、弁護士や司法書士、研究者らをメンバーにさいたま市内で設立した。設立に伴い開かれたシンポジウムでは、授業料の値上げや学生の厳しい雇用情勢に加え、日本学生支援機構による厳しい取り立てや延滞金の利率(10%)に批判が相次いだ。  奨学金問題対策全国会議事務局長で弁護士の岩重佳治さんによると、大学在学中、寝たきりになった学生の親が返還の免除申請を申し出たところ、同機構から「でも借りたんでしょ」と言われ、免除の申請用紙すら受け取れなかった例もあったという。  岩重弁護士は「生活保護の水際作戦と同じ。取り立ても厳しく、容赦がない」と同機構を厳しく非難。「学費について(給付ではなく)貸与に頼っている国は珍しい。制度改革に向けて提言していく」と語った。利息や延滞金、個人保証制度の廃止を求めるとともに、国による給付型奨学金の創設や学費の引き下げを要請していくという。  シンポジウムに参加した東松山市に住む中村潤さん(23)は母子家庭で、将来教員を目指し、大東文化大学教育学部に通っている。現在有利子分を含め月10万円の奨学金を借りているという。「将来、奨学金を返せないときのことを考えるとプレッシャーがかかる。学ぶ権利があるのだから、安心して大学生活を送れるような制度がなければならない」と話す。  埼玉ネットワーク代表で聖学院大の柴田武男教授は奨学金問題の現状について「多重債務の問題と同じ。学生の未来を押しつぶす制度になっている」と指摘。「若者にとってもっと希望が持てる制度にすべきだ」と話した。 "[he-forum 17866] 埼玉新聞9/29","東京新聞埼玉版 2013年9月29日付 奨学金問題 「埼奨ネット」発足  大学時代に借りた奨学金の返済に苦しむ若者を救済するため、弁護士や教員らでつくる「埼玉奨学金問題ネットワーク」(埼奨ネット、代表=柴田武男・聖学院大教授)が二十八日設立され、さいたま市内でシンポジウムが開かれた。奨学金を返済中の参加者たちは「返せるか分からない」と不安を訴え、教育関係者からは「給付型の奨学金を普及させるべきだ」などの意見が聞かれた。  今年三月に設立された全国組織「奨学金問題対策全国会議」によると、近年は学費の高騰や家計収入の減少で奨学金に頼る大学生が増え、二人に一人が奨学金を利用。だが、就職難や非正規雇用の拡大による低賃金などで返済に窮する若者が増えている。  シンポジウムで全国会議事務局長の岩重佳治弁護士は、日本学生支援機構の奨学金がすべて貸与型であることや、返還猶予期間が短いといった課題を挙げ、給付型奨学金の普及などを呼び掛けた。  社会人二年目で団体職員の男性(24)=さいたま市浦和区=は壇上で、自身の窮状を説明した。高校時代に父が失踪し、大学時代に約七百五十万円の奨学金を借りたという男性は「今の月収は二十万円。月約三万円の返済は苦しく、体調が悪くても病院に行くのを控えている。個々の事情に応じた返済を認めてほしい」と訴えた。  埼奨ネットは今後、県内在住の若者の相談に乗るほか、奨学金制度の改正や啓発活動を進める。柴田代表は「若者の未来を切り開くはずの奨学金が逆に未来をふさいでいる。若者に笑顔を取り戻したい」と話した。問い合わせは、埼玉総合法律事務所=電048(862)0800=へ。 (池田友次郎) "[he-forum 17867] 茨城新聞10/2","茨城新聞 2013年10月2日付 歴史回顧、飛躍誓う 筑波大40周年祝い式典  筑波大(永田恭介学長)の開学40周年を祝う記念式典が1日、つくば市天王台の大学会館で開かれた。同大や関係機関などから約750人が参加し、革新的な改革を実践してきた“新構想大学”の歴史を振り返りながら、一層の飛躍を誓い合った。  永田学長は式辞の中で「旧来の講座制によらない研究グループ制により、既存の学問分野の枠を超え、時代の要請に柔軟に対応してきた」と、新構想大学としての歴史を振り返った。  その上で、「未来のフロントランナーであり続けるために挑戦を重ねる。未来地球社会の創造に向けた知を創出し、教育・研究の革新を進める」と発展を誓った。  文部科学省の布村幸彦高等教育局長は「海外の有力大学と学術交流に取り組むなど、世界に開かれた大学として重要な役割を担っている」と、下村博文大臣の祝辞を代読。橋本昌知事は「国の1県1医大構想の下、本県に医学部が初めてできたことに感謝している」と礼を述べた。  筑波大は1872年に東京で誕生した師範学校が起源で1973年10月1日、前身の東京教育大の筑波移転計画に伴い開学した。  特にスポーツと科学の研究分野で多くの成果を上げており、オリンピックには現役・卒業生合わせて選手約70人が出場。世界トップを目指す国の最先端研究開発支援プログラムには、ロボットスーツと睡眠研究で2人の教授が選ばれている。  現在は人文・文化、社会・国際、人間、生命環境、理工、情報、医学、体育、芸術の9学群と大学院8研究科があり、学生約1万6400人が在籍。卒業生は11万人を超える。 (今橋憲正) "[he-forum 17868] 中日新聞北陸10/1","中日新聞北陸版 2013年10月1日付 派遣留学が急増中 金大生は「外向き」志向 国際学類新設交流協定拡大 5年で4.2倍に  海外留学を希望する日本人学生が減少する中、金沢大の派遣留学生が二〇一〇年度から三年連続で増加している。大学が積極的に留学環境を整え、五年前の四・二倍と急増した。一三年度は八月末現在で五十八人を数え、過去最多だった一二年度の実績(五十九人)に迫る。(前口憲幸)  金大は〇八年度、留学を推奨する国際学類を新設。海外の大学や研究機関と積極的に交流協定を結び、協定は百七十五になる。協定の数は十年前に比べ二・六倍の伸びで、金大の国際化を鮮明に映す。  文部科学省によると、一〇年に海外留学した日本人学生は五万八千六十人で、六年連続で減少。ピークの〇四年と比べ、約二万五千人(30%)も減り、学生の「内向き志向」の高まりが指摘される。  金大もかつて、海外留学が減少。ピークの〇四年度から四年連続で減り、〇七年度は過去十年間で最少の十四人だった。しかし、国際学類ができた〇八年度に増加に転じ、一〇年度に初めて大台の五十人に。三年連続で過去最多を更新した。  一方、政府は国際競争力の強化を念頭に、グローバル人材の育成を大学改革の柱に据える。日本再興戦略では海外留学生を倍増する目標を明記。義務教育段階での英語力向上にも取り組む方針を示す。  金大の留学支援について、文科省の担当者は「国際系の私立大が留学生の数を伸ばす事例はあるが、地方の国立大では珍しい」と評価。交流協定にも触れて「金大は地域と連携し、留学生の受け入れにも前向き。この姿勢が交流拡大に結び付いた」と分析する。 自主講座で多言語学習  海外留学を志す学生が増えている金沢大で、多言語を学ぶ動きが出ている。二〇一三年度、トルコ語とアラビア語の自主講座が相次いで開講。英語以外では、中国語や韓国語、ドイツ語、フランス語が中心だが、なじみの薄い中近東の言語にも関心が広がっている。  「トルコ語の文法は日本語に近いです」。角間キャンパスの教室で開かれるトルコ語講座。両親がトルコ人の留学生カプラン・タイジャンさん(24)が講師を務める。手作りプリントを示して「文字はアルファベットを使います。発音は少し難しいけど、ローマ字だから親しみやすいですよ」と助言する。  二つの講座の立ち上げに協力したのは国際学類の粕谷雄一教授(フランス語文化)。「多言語の学習に意欲ある学生の受け皿を整えたかった」と説明する。トルコ語を学ぶ学校教育学類三年の浅岡詩穂さん(21)は「大学時代は自身の可能性を広げるチャンス」と話す。  中近東の言語を学ぶ背景には時事の動きに敏感な学生たちの旺盛な好奇心がある。  トルコ語講座の話が具体化したのは一二年度。二〇年夏季五輪招致でイスタンブールの話題にあふれていたころだ。一方、アラビア語が開講した契機は一三年一月のアルジェリア人質事件。日本人が犠牲となった事件後で、粕谷教授に「アラビア語を学びたい」との要望が寄せられた。粕谷教授は「イメージ悪化を懸念したが、逆に『現地を知りたい』と思ったようだ」と説明する。   日本再興戦略  安倍政権が6月に閣議決定した成長戦略。大学改革ではグローバル化による世界トップレベルの教育の実現を掲げる。2020年までに日本人留学生を12万人に倍増するほか、優秀な外国人留学生の受け入れを12年の14万人から30万人に増やす目標も明記。留学の機会を増やすため、秋入学に向けた環境整備も検討している。 "[he-forum 17869] 毎日新聞9/30","毎日新聞 2013年9月30日付 入試問題:98大学で外注 07年中止要請も逆に拡大  今春実施された大学入試のうち、全国の98大学が問題の作成を予備校や受験関連企業に委託していたことが、文部科学省の調査で分かった。同省が2007年度に初めて「問題外注」の実態を調査した際は71大学で、当時より4割近く増加している。同省は07年7月、全国の大学に入試問題の独自作成徹底を通知したが、逆に拡大している実態が明らかになった。大学入試改革を検討している政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)の議論にも影響を与えそうだ。  調査は今年4〜6月、全国の740大学を対象に実施した。外注していた大学は私立大97校、公立大1校。国立大はなかった。私立大では6校に1校が外注していたことになるが、調査は大学の自己申告で「実際にはこの2倍以上あるのではないか」とみる受験関係者もいる。  関係者によると、受注しているのは教育コンサルタント会社や予備校で、作成費は1教科あたり100万円前後とされている。  入試問題の外注を巡っては、07年度入試で全国の国公私立大741校(当時)のうち71校の私立大が外部に委託していることが判明。同省は、入試問題の漏えいや公平性が損なわれる恐れがあるとして07年7月、全国の大学に「(問題の)作成は大学の受け入れ方針に基づき、自ら行うことを基本とする」と通知。今春実施された入試要項でも外注しないことを求めていた。  大学入試の見直しを検討している教育再生実行会議は、高校生の学力把握のために「到達度テスト」の導入などを検討しているが、大学の「問題外注」は、各大学が独自の教育理念に基づいて入学を求める学生像を示すアドミッションポリシーの放棄ともいえ、今後の入試改革でも議論になりそうだ。【水戸健一、三木陽介】 ◇理念軽視の背信行為  大学の力量低下を象徴する入試問題の外注だ。個々の大学が教育目的に合う学生を選ぶ入試問題の作成を、受験産業に委ねることは本末転倒と言わざるを得ない。  少子化などで私立大の4割が定員割れする状況の中、学生確保を巡る大学間の競争は激しい。定員確保のため、同じ学部や学科を何度も受験可能にしたり地方受験の機会を設けたりする大学が増加。作問量は当然増えるが教員が対応しきれていない。悪問も発生する。 "[he-forum 17870] 読売新聞大分10/2","読売新聞大分版 2013年10月2日付 大分大が「教職大学院」開設へ  旧大分大と大分医科大が統合した大分大は1日、開学10周年を迎えた。大分市のホテルで開かれた記念式典で、北野正剛学長は、高い専門性を持つ教員を養成する「教職大学院」の開設準備を進めていることを明らかにした。  統合された大分大は2003年10月に発足。県内唯一の国立大で、教育福祉科、経済、医、工の4学部と教育学、経済学、医学系、工学、福祉社会科学の5研究科がある。学部生5040人、大学院生715人、教職員1775人が在籍している。  式典には、歴代学長や各学部の同窓会長ら約260人が出席。北野学長はあいさつで、2016年度の開設を目指し、県内初となる教職大学院の設置に向け文部科学省への申請準備を進めていることに触れた。  このほか、全学生に英語能力テスト「TOEFL」の受験を必須とし、成績優秀者に奨学金を給付することなど、人材育成に力を入れる考えを示した。  式後、広瀬知事による講演もあり、参加者は大分大の節目を祝福した。 "[he-forum 17871] しんぶん赤旗10/4","しんぶん赤旗 2013年10月4日(金) 全国の国立大教授ら「賃金支払いを」 減額は不当 各地で裁判  昨年、全国の国立大学法人・国立高等専門学校で、最大で1割近くの大幅な賃金カットが強行されました。これに対し、7月までに、全国大学高専教職 員組合(全大教)に加盟する八つの組合で約500人が原告となり、減額された賃金の支払いなどを求める裁判をおこしました。国立大学の教授らが賃金問題で これだけの規模の裁判を起こすのは初めてです。 賃金切り下げは労働契約法違反  国立大学・高専の教職員は、2004年4月の法人化で公務員から民間労働者と同じ身分になりました。賃金や労働条件は、法人と労働組合との団体交渉で決めるようになったのです。  しかし、昨年の国家公務員「賃下げ」特例法をうけ、ほとんどの大学・高専の法人は、政府からの要請を口実に、教職員の強い反対を押し切り、一方的に、国家公務員と同等額の賃金カット(最大9・77%、平均7・8%)を強行しました。明らかな労働契約法違反です。  京都地裁に提訴した京都大学職員組合副委員長の高山佳奈子教授は「こんな不合理なことが教育・研究機関で行われていいのかを訴えたい」と語っています。 優秀な教授の流出止まらず  賃金カットは、教育研究に深刻な影響を与えています。高知大学教職員組合のアンケートによると、賃金カットで「働く意欲が下がった」教職員は67%にのぼりました。  優秀な教授の流出も止まりません。東京大学のある研究科では法人化以降、定年前に退職した教授は10人にのぼり、うち8人は私立大学への転出です。  政府は、自ら賃下げを強要しながら、法人が賃金カットしたことを口実に運営費交付金を629億円も削減。これで法人化後の削減額は、東大と京大の廃止に匹敵する1700億円にもなりました。  全大教の森戸文男副委員長は「安倍政権は世界ランキング100に入れとはっぱをかけるが、法人化で疲弊しているうえに、賃金カットでは、モチベーションはあがらない」と語っています。 公共的役割にふさわしく  賃下げは、あらゆる経営努力を行ったうえで、最後の最後に労働組合との合意のもとに行うべきものです。しかし、多くの法人は、「国からの要請」と いう圧力に屈しました。その判断は、財務状況を十分に検討して賃金カット回避に努力した結果ではありませんでした。ある大学は、裁判で、政府の報復を恐れ て言いなりになったと証言しています。  森戸副委員長は「自律性を高めるという口実で法人化したのに、国のいいなりでいいのか。大学教員はその公共的な役割にふさわしく身分を保証する必要がある。それを勝ち取るためのたたかいだ」と決意を語っています。  (学術・文化委員会 土井誠) 裁判を起こしている労働組合  全国大学高専教職員組合(全大教、中嶋哲彦委員長)・高専協議会、高エネルギー加速器研究機構、福岡教育大学、山形大学、富山大学、京都大学、新潟大学、高知大学の各組合。さらに、いくつかの組合が提訴準備中です。= "[he-forum 17871] しんぶん赤旗10/4","しんぶん赤旗 2013年10月4日(金) 全国の国立大教授ら「賃金支払いを」 減額は不当 各地で裁判  昨年、全国の国立大学法人・国立高等専門学校で、最大で1割近くの大幅な賃金カットが強行されました。これに対し、7月までに、全国大学高専教職 員組合(全大教)に加盟する八つの組合で約500人が原告となり、減額された賃金の支払いなどを求める裁判をおこしました。国立大学の教授らが賃金問題で これだけの規模の裁判を起こすのは初めてです。 賃金切り下げは労働契約法違反  国立大学・高専の教職員は、2004年4月の法人化で公務員から民間労働者と同じ身分になりました。賃金や労働条件は、法人と労働組合との団体交渉で決めるようになったのです。  しかし、昨年の国家公務員「賃下げ」特例法をうけ、ほとんどの大学・高専の法人は、政府からの要請を口実に、教職員の強い反対を押し切り、一方的に、国家公務員と同等額の賃金カット(最大9・77%、平均7・8%)を強行しました。明らかな労働契約法違反です。  京都地裁に提訴した京都大学職員組合副委員長の高山佳奈子教授は「こんな不合理なことが教育・研究機関で行われていいのかを訴えたい」と語っています。 優秀な教授の流出止まらず  賃金カットは、教育研究に深刻な影響を与えています。高知大学教職員組合のアンケートによると、賃金カットで「働く意欲が下がった」教職員は67%にのぼりました。  優秀な教授の流出も止まりません。東京大学のある研究科では法人化以降、定年前に退職した教授は10人にのぼり、うち8人は私立大学への転出です。  政府は、自ら賃下げを強要しながら、法人が賃金カットしたことを口実に運営費交付金を629億円も削減。これで法人化後の削減額は、東大と京大の廃止に匹敵する1700億円にもなりました。  全大教の森戸文男副委員長は「安倍政権は世界ランキング100に入れとはっぱをかけるが、法人化で疲弊しているうえに、賃金カットでは、モチベーションはあがらない」と語っています。 公共的役割にふさわしく  賃下げは、あらゆる経営努力を行ったうえで、最後の最後に労働組合との合意のもとに行うべきものです。しかし、多くの法人は、「国からの要請」と いう圧力に屈しました。その判断は、財務状況を十分に検討して賃金カット回避に努力した結果ではありませんでした。ある大学は、裁判で、政府の報復を恐れ て言いなりになったと証言しています。  森戸副委員長は「自律性を高めるという口実で法人化したのに、国のいいなりでいいのか。大学教員はその公共的な役割にふさわしく身分を保証する必要がある。それを勝ち取るためのたたかいだ」と決意を語っています。  (学術・文化委員会 土井誠) 裁判を起こしている労働組合  全国大学高専教職員組合(全大教、中嶋哲彦委員長)・高専協議会、高エネルギー加速器研究機構、福岡教育大学、山形大学、富山大学、京都大学、新潟大学、高知大学の各組合。さらに、いくつかの組合が提訴準備中です。= "[he-forum 17873] 南日本新聞10/4","南日本新聞 2013年10月4日付 鹿児島大学病院に研修医育成の拠点完成  鹿児島県内の臨床研修医育成の拠点として、鹿児島大学病院(鹿児島市桜ケ丘8丁目)が2010年度から整備を進めてきた「総合臨床研修センター」が完成し、3日、同センターが入居する新病棟の竣工(しゅんこう)式があった。  総合臨床研修センターは9階建ての新病棟(延べ床面積1万5437平方メートル)の8階に入居。面積1360平方メートルに、内視鏡手術や超音波検査などを模擬体験できる総額約1億8000万円の各種シミュレーターや、チーム医療や看護研修に使える模擬病室などを備える。  これらにより、研修医は、実際の医療現場での研修を前に、高度な医療技術を体験できる。センターは、鹿大の研修医だけでなく、県内すべての研修医を受け入れる。  松藤凡センター長は「鹿児島に多くの研修医に集まってもらい、これからの鹿児島を担う医療人の育成に努めたい」と話した。 "[he-forum 17872] 四国新聞10/3","四国新聞 2013年10月3日付 理事が副学長を兼務/香川大新役員  香川大は2日までに、任期満了に伴う新役員を発表した。教育研究と経営の一体化を推進するため、理事は副学長を兼務する。任期は1日から2015年9月30日までの2年間。  新任の理事は3人。教育担当は前経済学部長の藤井宏史氏(59)=写真右=、研究担当は前農学部長の早川茂氏(65)=同中央=、総務・企画担当は副学長の平下文康氏(54)=同左=が就いた。再任の理事は労務担当の高木健一郎氏(66)。  兼務を除く副学長は1人増やし、5人体制に。新設の医療担当に医学部付属病院長の千田彰一氏(65)が就任。このほか、国際戦略・地域連携担当は前理事の板野俊文氏(63)、情報担当は前医学部付属病院副病院長の筧善行氏(59)が就いた。 "[he-forum 17874] NHKニュース 10/4","NHKニュース 2013年10月4日 4時36分 大学入試改革素案 複数回受験検討を  政府の教育再生実行会議は、大学の入試改革について、今の大学入試センター試験に代えて、結果を1点刻みで順位づけるのではなく、学力の水準をおおまかな段階で示すテストを複数回受験できるようにするなどとした改革の素案をまとめました。  政府の教育再生実行会議は、大学入試を、知識に偏重した選抜方法から能力や意欲などを多面的に評価するものに転換するための改革の素案をまとめました。 それによりますと、今の大学入試センター試験に代えて、結果を1点刻みで順位づけるのではなく、受験生の学力水準をおおまかな段階で示す新たなテストを導入し、各大学は、このテストに加えて、面接や論文など多様な方法で選抜を行うとしています。 また、これとは別に、高校生が在学中に基礎的な学習がどこまで到達しているかを把握するテストを導入し、推薦入試などの判定に活用できるようにすることも盛り込まれています。 素案では、一度だけの試験ではなく、できるだけ多くのチャンスを与えるため、これらのテストをいずれも複数回受験できるようにすることを検討するとしています。 テストの具体的な実施方法などは、中教審=中央教育審議会で検討するとしていて、今の高校生に影響を与えないよう、実際に導入する場合でも5年前後の期間を置くことになるとみられます。 教育再生実行会議は、早ければ今月末にも提言を取りまとめたいとしていて、来週開かれる会議に改革の素案を示し、議論を進めることにしています。 "[he-forum 17885] 山形新聞10/8","山形大学 2013年10月08日 08:43 重粒子線がん施設、2018年度に治療開始 山形大方針  山形大が導入を目指す重粒子線がん治療施設の設置推進協議会(議長・結城章夫同大学長)の会議が7日、山形市の同大小白川キャンパスで開かれ、大学側は 2015年度に施設建設に着手し、18年度の治療開始を目指すとする構想を初めて示した。文部科学省の14年度予算の概算要求に治療装置の研究開発費など として約10億円が盛り込まれたことも報告した。  同大はまた、フィデア総合研究所(山形市)による施設設置の経済波及効果も提示。患者を年間約600人とした場合の試算で、設備投資が88億円、患者による年間支出が33億円で計121億円の効果とした。  協議会は結城学長や設置準備室長の嘉山孝正学長特別補佐ら学内関係者と、東北の経済団体、行政機関、医師会などの代表者で組織。会議は非公開で、大学側 が治療装置開発の進捗(しんちょく)状況や今後の展望を説明した。13、14年度に装置を開発し、15年度に施設本体工事を開始して18年10月に治療を 始めたいとしている。施設は同大付属病院に接続する形で建設する予定。14年度予算の概算要求約10億円の内訳は、装置の開発が約6億円、東北地方のがん 治療拠点病院を結ぶネットワークシステムの開発が約4億円。装置は▽省エネルギー▽省スペース▽廃棄物ゼロ―などを特徴とし、三菱電機と東芝が共同で開発 している。 "[he-forum 17884] 朝日新聞(山形)10/8","朝日新聞 2013年10月8日 重粒子線がん治療開始へ 山形大、18年10月にも  【遠藤隆史】山形大は7日、学内設置に向けた研究を進めている重粒子線がん治療施設について、2015年度から3年かけて治療棟の新設や治療装置の製 作、臨床試験を終え、18年10月から実際の治療を始めたいとする考えを示した。同大が治療開始時期の具体的な見通しを明らかにしたのは初めて。  重粒子線がん治療は、重粒子を巨大な装置で加速させてがん患部に照射し、がん細胞を破壊する治療法。治療費は高額になるが、患部周辺の正常な部位への損傷が減り、治療日数が短くなるなどの利点がある。  山形大では昨年度に国から約10億円の補正予算を受け、重粒子線装置の小型化・省エネ化などの技術開発を進めていて、来年度予算にも研究開発費として約10億円を求めている。  同大は今年度中に医学部のある飯田キャンパスに重粒子線研究棟を新設する方針で、18年から患者を受け入れる拠点となる重粒子線がん治療棟も、その近くに建設したい考えだ。 "[he-forum 17883] 宮崎日日新聞社説10/6","宮崎日日新聞 2013年10月6日付 法曹養成改革 需要拡大や制度手直し急げ  政府は法曹養成制度改革推進会議を発足させた。適正な法曹人口の調査や法科大学院改革の検討を進め、2年以内に結論を出すとしている。  司法試験合格者を年間3千人まで増やす計画が閣議決定されて11年。今年7月の関係閣僚会議でこの数値目標が撤回された際に、谷垣禎一法相は「弁護士過疎の解消や企業内弁護士の増加など一定の効果もあった」と述べた。だが弁護士の大都市部偏在は相変わらずで、司法サービスを国内に行き渡らせるとの目標からは程遠い。  さらに弁護士は増えたが、訴訟や法律相談などの需要は伸びず、難関を突破したのに「就職難」の時代を迎えている。全国各地に次々開校した法科大学院は司法試験の合格率低迷と志願者減少に悩まされ、募集停止に追い込まれたところも少なくない。  法曹需要拡大や現行制度手直しなどやるべきことは多い。これ以上の先送りは許されず、早期に具体的改革の道筋を示すべきだ。 ■合格率が低い大学院■  今年の司法試験合格者は昨年より53人減の2049人。合格率は26・8%で1・7ポイント上昇した。うち法科大学院修了者は1929人で合格率は25・8%。受験資格を原則として大学院修了者に絞るに当たり「7~8割の合格」が想定されたが、20%台の低迷が続く。  出身校別の合格者数を見ると、74校中の上位10校が全体の6割を占める一方で、1桁が35校、ゼロもあった。  文部科学省は、実績が低い18校に対する2014年度の補助金を削減することを決めた。推進会議では、合格率の低い大学院については、修了しても受験資格を与えないなどの法的措置を取れる制度の導入も検討されるという。だが根本的な解決にはつながらないのではなかろうか。 ■弁護士急増で就職難■  法科大学院制度は、実務能力と見識を備えた多様な人材の確保を目指した。だが司法試験に合格する受験技術を優先する傾向は根強く、大学院離れの一因になっている。5年間に3回という受験回数制限の緩和や試験科目の見直しなどは避けて通れないだろう。  弁護士が活躍できる場の確保も急がねばならない。3千人計画以降の10年で法曹人口は1万3千人増えたが、裁判官や検察官の増員は財政事情から難しく、弁護士が急増する結果を招いた。大学院時代に奨学金を借り、司法試験に合格して司法修習生になってからは生活費などの貸与を国から受け、晴れて法曹資格を手にしても仕事がないのでは安心して法曹を目指すことはできない。  国や企業、自治体が連携していっそうの雇用拡大を図る必要がある。また裁判所法は修習生が働くことを禁じているが、2年前に給費制から貸与制に変わってからは、かなり重荷になっているという。そういう点にも目配りが必要だろう。 "[he-forum 17882] 産経新聞10/7","産経新聞 2013年10月7日付 返済が不要な「給付型奨学金」に注目 企業や財団…資格含め多様  家計を圧迫するのが大学の授業料などの教育費。そこで注目したいのが、返済が不要な「給付型奨学金」。民間の企業や財団のほか、最近では大学が独自に導入するケースが増えている。 ◇            「生命保険文化センター」(東京都千代田区)の平成22、23年度調査によると、自宅通学で国立大学に4年間通った場合、入学金や授業料、生活費などの1人当たりの教育費は平均約511万円。私立文系は約671万円、私立理系では約803万円。1人暮らしとなると、さらに数百万円が余計にかかる。  世帯収入が低いほど大学進学率が低下する傾向にある。しかし、返済が不要な給付型奨学金を使えば進学も可能だ。  子育て世代の家計アドバイザーでファイナンシャルプランナー、北村きよみさんは「大学奨学金には貸与型と給付型があるが、給付型があることを知らない人が多い。インターネットなどで情報がたくさん見られるので、ぜひ調べてみてほしい」と話す。 ◆予約型も  給付型奨学金の運営主体は民間企業や財団などで、運営主体によって応募条件や給付額などは異なる。応募方法は高校や大学を通じて、または希望者本人が直接応募するケースがある。いずれも家計の経済的状況や成績、人物などで給付を考慮される。  最近では、高校在学中に受験予定の大学に奨学金を申請し、合格し実際に入学すれば授業料免除や奨学金支給が得られる「予約型の給付型奨学金」も増えている。 ◆大学も導入  近年は給付型奨学金を導入する大学も増え、種類も豊富になっている。  「リクルートマーケティングパートナーズ」(同)の23年11月の調査では、全国の約8割の大学で給付型奨学金を導入している。  早稲田大学(新宿区)によると、学部と大学院を対象にした独自の学内奨学金は約100種類あり、全てが給付型奨学金だ。  日本学生支援機構や民間の奨学金などとの併用が可能で、(1)成績優秀(2)家計の経済的状況-などの各条件により給付。年間約6600人が受給している。  慶応大学(港区)では学部・大学院が対象の独自奨学金は67。成績優秀者や家計困窮者、地方出身者用のほか、海外での学習支援などさまざまなタイプがある。年間約2600人が受給している。  北村さんは「極端に成績が優秀でなくても、家計が苦しくなくても受けられるタイプのものもあるので、よく調べてみて」と話している。(清水麻子) ◇ ■親が病気の人向けも  がんなど病気で学業の継続が困難になった人向けの給付型奨学金もある。  「アフラック」(東京都新宿区)は平成26年度から、親をがんで亡くした遺児のための給付型奨学金の対象を小児がん経験者にまで拡充。月額2万5000円の奨学金を高校卒業まで支給する。  NPO法人「J.POSH」(大阪市鶴見区)は、乳がんで母親や保護者が亡くなったり、闘病中だったりした場合、月1万円の奨学金を高校生らに支給している。 "[he-forum 17881] しんぶん赤旗10/6","しんぶん赤旗 2013年10月6日付 奨学金 文科省 給付制導入先送り 運動受け無利子枠は拡大  文部科学省は奨学金のあり方などについて有識者による検討会の「中間まとめ」(8月30日)を発表しました。高額の教育費に苦しむ学生と父母の願いに応えるものなのか。  (丹田智之)  「奨学金は借りるものではなく、もらえるものであってほしい」と語るのは東京都内の国立大学3年生の加藤友志さん(21)です。  家賃と学費以外の生活費は、日本学生支援機構から出る月5万円の有利子奨学金でまかなっています。卒業後には利子60万円を含め、300万円の返還を求められることになります。  「日々の生活費の上、教科書代もかかるし、研修や実習も全て実費です。幼い頃からの貯金を取り崩してもギリギリの生活です」と話します。 「負担に感じる」  4589人を対象に行ったアンケート(2012年、全日本学生自治会総連合)によると、65%の学生が学費を「負担に感じる」と回答しています。日本学生支援機構の奨学金返還対象者の1割以上が滞納者です。卒業後も安定した職に就けず、奨学金返済に苦しむ実態は深刻な問題です。  文科省の「中間まとめ」は、「有利子奨学金の拡大に頼ってきた」「多額の借り入れとなり、返還の負担が極めて重くなる」と奨学金制度の不備を認めつつ、今後の方向性としては「無利子奨学金の拡充」「延滞賦課率の見直し」などにとどまっています。  給付制奨学金の導入については「先進諸国ではほとんどの国で実施されている」としながらも「高等教育における重要な課題」と先送りされています。導入する場合も「優秀な成績を修めた学生へのインセンティブ(報奨)とする」と背を向けています。  日本政府は、国際人権規約にある「中等教育、高等教育の漸進的無償化条項」の留保を昨年9月に撤回しました。「中間まとめ」でも「学生等の学びを社会全体で支えることが極めて重要である」としています。 共産党が求める  日本共産党の宮本岳志衆院議員は4月1日の国会質問で給付制奨学金導入や有利子奨学金の無利子化を求めました。下村博文文科相は「真に困窮している方への適切な対応を考える時期」と答えました。  2014年度予算の概算要求では大学等の奨学金貸与人数を147万3千人(前年比3万人増)と、有利子枠が4万人減らして、無利子枠を7万人拡大しました。奨学金の返還猶予年数の延長や利子負担軽減が盛り込まれたことは、世論と運動に押されたものです。 --------------------------------------------------------------------------- 今こそ導入の決断を 日本学生支援機構労組中央執行委員長 藤井和子さん  公的奨学金は、家庭にお金があろうとなかろうと、同じ環境で学ぶことを保障するためにあります。その趣旨からみても、貸与制しかないというのは大問題です。  返還額も以前と比べるとかなり大きくなり、卒業後も学生の首を絞めることになっている現状は放置できません。返還を免除するなどの改善策も必要と考えます。  そもそも奨学金の原点は給付制です。文科省は貸与制を維持するというところから抜け出せていません。「教育は国が保障する」という原点に立ち返って、給付制を導入する決断を今こそ行うべきです。 "[he-forum 17880] 岩手日日新聞10/7","岩手日日新聞 2013年10月7日付 復興学習を必修化 岩大・人材育成プロジェクト 被災地での合宿計画  岩手大(藤井克己学長)は、全学生を対象に東日本大震災に伴う被災地復興に関する学習を必修化することなどを盛り込んだ人材育成事業「地域と創る〝いわて協創人材育成+地元定着〟プロジェクト」に取り組む。2014年度からは被災地での合宿形式での授業を行う計画で、教育面での地域志向強化を目指していく。  文部科学省の「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」の採択を受けて実施。同事業は自治体などと連携し、全学的に地域を志向した教育、研究、社会貢献を進める大学を支援し、地域再生や活性化に取り組むことで教育カリキュラム、教育組織の改革につなげることなどを狙いとしており、13年度は同大を含む52件が採択された。  同大では震災復興を含め、岩手の多種多様で複合的な課題を解決して地域を再生、活性化するためには、地域の文化などを理解し、人材育成などが必要として、地元定着を促していくことを目指していく。  事業期間は今年度から5年間で、事業費は年間4500万円を見込んでいる。  全学共通教育、各学部の専門教育の中に地域に関する科目を体系的に配置。岩手の歴史、文化、特色などを学ぶ科目を設定するほか、地域課題をテーマとした課題解決も導入。地域企業や自治体へのインターンシップも拡充する。震災学習もこの一環で必修科目として盛り込まれ、特に1年次に学生1100人を対象に被災地での合宿などを予定している。  事業の実施により、地域に関する科目の履修者は12年度は延べ343人だったが、事業最終年度の17年度には約3200人に増やす。さらに県内就職率は過去4年間の平均は34%だが、同様に17年度に39%とすることを目指す。  県や盛岡市なども参画する地域連携推進協議会を発足させ、事業の詳細について検討を進め、来年度から順次取り組みを開始する予定。藤井学長は「地域と大学がスクラムを組んで正のスパイラルを形成していきたい」としている。 "[he-forum 17879] 産経新聞主張10/7","産経新聞主張 2013年10月7日付 大学入試改革 大事なのは教育の中身だ  大学入試を、大きく変える改革が検討されている。政府の教育再生実行会議は、大学入試センター試験の見直しなど改革案を近く公表する。  制度を安易にいじり、受験生を振り回すだけの結果にならないよう慎重な議論を求めたい。  それ以上にいま肝心なのは、入学後の学生をどう育てるかだ。教育の中身の改革をこそ急ぐべきではないか。  産業界からも、創造力のある人材や、特定分野に秀でた世界で仕事ができる人材の育成が強く望まれている。  今回の大きな改正点は、大学の1次試験にあたるセンター試験の改革で、結果は点数でなく学力レベルが分かるよう段階的に示す。受験機会は、年1回でなく複数回に増やす。各大学には2次試験で面接や小論文を重視し、社会貢献活動を評価するなど多様な尺度で選抜するよう促す。  高校で基礎学力が身についているか、学習到達度テストも導入する。大学で学べる学力を確かめ、学習意欲のある多様な人材を大学に受け入れ育てるねらいだ。  これまでも入試制度の改革は繰り返されてきた。センター試験の前身、共通1次試験が昭和54年に導入された当時から、答えを選択するマークシート方式に対し、「考える力が育たない」との批判が根強かった。  共通1次は当初5教科7科目を課したが、「受験生に負担が大きい」とされ、センター試験で各大学が必要な科目だけ選ぶ方法に変わった。このため受験科目の少ない大学が目立つようになった。  知識偏重を見直し、多才な人材を育てたいというねらいは通らず、受験科目になければ勉強しないという結果を招き、学力低下が心配されるようになった。  一発勝負、1点刻みの入試を変えるという試みが「ゆとり教育」の失敗のようにならないか。各大学が2次試験などの選抜方法を工夫する力が問われる。  今回の入試改革案は、欧米の大学入試制度を参考にしている。だが卒業認定が厳しい欧米と比べ、日本の大学は「入るのは難しく、出るのはやさしい」といわれ、事情が違う。  大学改革では入学後に勉強しない学生が批判されてきたが、なかなか変わらない。成績が悪ければ退学を勧告するなど、大学には厳しい姿勢も求めるべきだろう。 "[he-forum 17878] 河北新報社説10/7","河北新報社説 2013年10月7日付 法科大学院/原点に返った抜本改革を  専門知識と教養を備えた法律家を数多く育てるとした司法制度改革の原点が揺らいでいる。  創設10年目を迎えた法科大学院のことだ。  法曹養成制度検討会議の提言を受けた政府は9月、改革案をまとめる組織を立ち上げた。  法科大学院は、受験技術に偏らない実務教育を重んじる法曹養成の専門機関として設置された。法曹を司法試験という「点」で選抜するのではなく、大学での法学教育から司法修習までを有機的に連携させた「面」として養成するのが目的だ。  その理念に異論はない。問題は、中核的位置付けの法科大学院をめぐる「見込み」と「現実」の落差で、法曹養成が悪循環に陥っていることだ。  修了者の7、8割と見込んでいた司法試験合格率は、大学院の乱立による質のばらつきなどもあって、2、3割と低迷したままだ。合格者数も2千人程度で推移し、政府目標の3千人を大きく下回っている。  法曹人口が以前より早いペースで増加したことで、弁護士の就職難という新たな問題も浮上した。司法試験を突破しても就職先がなく、弁護士登録を見送る司法修習修了者もいる。  これでは貴重な学費や時間を投じてまで法科大学院で学ぼうという意欲は薄れよう。今春の志願者は1万4千人を切り、初年度の5分の1にまで減少した。優秀な人材の法科大学院離れが進めば、院自体の質の低下にも拍車が掛かることになる。  一方、法科大学院を経ずに司法試験の受験資格が得られる予備試験受験者は急増している。  本来は経済的事情で大学院で学べない人や社会人を想定した制度だが、大学生や法科大学院生の多くが「近道」として利用している。受験資格の厳格化などに着手しない限り、法科大学院の空洞化は避けられない。「面」で法曹を育てるという制度の根幹にかかわる事態だ。  法曹養成の在り方を議論してきた検討会議は6月にまとめた最終提言に、3千人とした司法試験の年間合格者目標の撤回や、大学院の定数削減、統廃合などを盛り込んだ。事実上の出直し宣言と言える。  今後の改革作業に当たっては、法曹資格を持った人材が企業や官公庁など法廷外で活躍できる場の確保が急務だ。弁護士を暮らしの安全、安心を支える地域資源ととらえ、活躍領域を開拓したい。それなしに適正な法曹人口は導き出せない。  心配なのは、安易な法科大学院の統廃合だ。司法試験の合格者は大都市圏の大学院に集中しており、地方の法曹志願者が不利益を被らないような配慮が欠かせない。  法科大学院に実務教育を求めながら、司法試験は旧来型のままだとの指摘もある。抜本的な見直しが必要な課題は多い。  法的サービスの質を高め、広げることは、国民の権利を守ることでもある。希望を持って法曹界を志す若者が増えるよう、一刻も早く新たな道筋を示すことが国の責任ではないか。 "[he-forum 17877] 西日本新聞社説10/6","西日本新聞社説 2013年10月6日付 入試問題外注 大学の自主自律の放棄だ  大学入試センター試験の出願受け付けが始まり、入試の季節が到来した。だが、志望校合格を目指して頑張っている学生だけでなく、保護者や学校関係者の多くが割り切れない思いを強めているのではないだろうか。  今春実施された大学入試で、全国98校の公私立大が入試問題の作成を予備校や受験関連企業などに外注していたことが文部科学省の調査で分かった。  教育基本法は、大学の目的を「学術の中心として高い教養と専門的能力を培い」「深く真理を探究して新たな知見を創造」して、その成果を社会に提供することだと定めている。  そのために「自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」としている。  どのような教育、研究を行うのか。それにふさわしい学生をどう受け入れるか‐。大学教育の根幹はそこにあろう。にもかかわらず、大学が求める人材を選抜する大切な入学試験を外部に委ねるのは、教育基本法を持ち出すまでもなく、大学の自主性、自律性を自ら放棄するに等しいと言わざるを得ない。  入試問題すら自前で準備できない大学が果たして学生をきちんと教育できるのか。そんな素朴な疑問が付きまとう。外部に発注することで、試験問題の漏出や公平性が損なわれる懸念も拭えない。  大学は「学術の中心」にふさわしい自覚を持って、自らの教育理念に基づいた試験を作成、実施してもらいたい。  調査は今春学生を募集した全国の国公私立大740校を対象に実施した。  同様の調査は2007年にも行っており、このときは私立大71校が外注を認めた。文科省は「外注は好ましくない」として独自に問題を作成するよう各校に通知した。しかし、今回の調査をみると、外注は前回調査より約4割も増えた。  どうしてこんなことが起きるのか。  背景には少子化がある。大学入学志願者が減り、大学を選ばなければ全員が大学に入れる「全入時代」を迎えた。それに伴って大学間の競争は激しくなり、私立大の約4割が定員割れの状態だ。  生き残りのため、経営の厳しい大学は経費や人員の削減を進めた。その結果、教員は研究や授業に追われて試験問題にまで手が回らなかったり、試験問題を作れる人材が学内にいなかったりして、やむなく外注に頼っているのだという。  より多くの学生を確保するため、アドミッションオフィス(AO)入試や推薦入試を導入して受験機会を複数化し、担当教員の負担が増えたことも、外注の流れに拍車を掛けた一因とみられる。  近年は入試で学力試験を課さない大学も増え、大学生の学力低下が指摘されている。このため、センター試験の見直しなど入試の抜本改革の動きも強まっている。それだけに、各大学は入試を含め、独自の教育理念や方針をどう示すかが、これまで以上に問われよう。 "[he-forum 17876] 高知新聞社説10/6","高知新聞社説 2013年10月6日付 【入試問題外注】大学の責任を果たせるのか  今春の大学入試で全国の公私立大98校が問題の作成を予備校や教育関連企業などに外注していたことが、文部科学省の調べで分かった。2007年に初めて実施した調査では私立大71校で、当時より大幅に増えている。  いかなる事情があるにせよ、問題作成の外部委託は大学の責任放棄と捉えられても仕方がないだろう。大学淘汰(とうた)の厳しい時代だからこそ、どんな学生を求めているのか、大学は自らの力で発信するべきだ。  調査は今春に学生を募集した全国の国公私立740校を対象に行われた。うち私立97校と公立1校が外注していた。国立はなかった。  背景には、入試の多様化が進み、問題作成の負担が一層増していることが挙げられる。  少子化と大学の増加で全入時代が到来し、国公立、私立を問わず大学は学生の確保に必死だ。小論文や面接での選考のほか、受験機会を増やすなどあの手この手で生き残りを図っている。  その結果、問題作成を担う教員の負担が大きくなり、教育、研究という本来の業務に支障が出ている。教養課程の比重が低下し、入試に詳しい教員が不足している状況もある。  10年ほど前、大手予備校が入試問題の作成請負を表明し、20校近くの私立大学が発注したことが明らかになった。これを受け、文科省は全国の大学に外注しないよう求めた。  07年の調査の際も、文科省は「問題作成は大学の方針に基づいて自ら行うことが基本」との通知を出し、「外注は好ましくない」として各大学に例年慎重な対応を要請している。だが、一部の大学が外注に頼る実態は変わっていないようだ。  外注には問題漏えいの懸念がつきまとい、公平性が保たれるのか疑問が残る。大学の信頼が揺らぎかねない。何より受験生に不誠実ではないか。  一方で、過去の問題を互いに利用し、入試業務の負担を減らそうという大学間のネットワークがある。「過去問題は大量にあり、暗記に頼るのは不可能で、受験生間に不公平はない」としており、高知工科大などが参加している。  現在、政府の教育再生実行会議では大学入試改革を議論している。学生を選ぶ余裕を失いつつある大学の現状について認識を新たにし、入試の在り方を考える必要がある。 "[he-forum 17875] 琉球新報社説10/6","琉球新報社説 2013年10月6日付 新大学入試 真の教育改革へ国民論議を  大学入試改革を議論している政府の教育再生実行会議が現行の大学入試センター試験に替え、1点刻みではなく一定幅の段階評価とする共通試験導入を提言する見通しであることが分かった。入試とは別に、高校在学中に学習の到達度を測るテストの創設も求める。 実現すれば、1979年の共通1次試験導入以来の大学入試制度の大改革となるが、目的がはっきり見えない。制度変更の是非、新たな制度設計と導入時期をめぐる議論や合意形成にあたっては、受験生や高校・大学教育の現場の混乱を招かぬよう十分配慮し、時間をかけ慎重に作業を進めるべきだ。  提言案によると、新しい共通試験は現在のセンター試験を土台とし、点数に応じて複数段階の結果を示す。1点刻みの過度な受験競争の弊害をなくし、高校・大学の教育の質を上げるのが狙いという。  学習到達度をみる新テストは、高校生が身に付けるべき基礎的・共通的な目標を国が設定し、思考力や判断力を含めた幅広い学力を測る。希望者が高校在学中に複数回受験できるように設計する。  新大学入試の結果を段階別の「点数グループ」で示すことで評価の公正さを担保できるか疑問だ。到達度テストの大学推薦入試などへの活用が受験期間を事実上の前倒しし、生徒の負担を増幅させないか懸念する。「高校・大学の教育の質」の向上にとって、新入試が優先課題なのか吟味も必要だ。  日本学術会議の教育学の展望分科会が2010年にまとめた報告書では、「21世紀の教育改革の要諦は『質』と『平等』の同時追求にある」と指摘している。  その中でOECD(経済協力開発機構)諸国の中で国内総生産(GDP)に占める教育支出が最下位レベルに転落した日本の現状や、貧困を背景とする学ぶ権利の疎外と学ぶ機会の剥奪、学校現場における臨時採用教師と非常勤教師の激増、「副校長」「主幹教諭」など職階制導入による官僚主義形成とこれに伴う教師の多忙化-など、教育の問題点を洗い出し、改善を求めている。  政府が「教育の質」の改善を言うのなら、こうした提言も踏まえ、日本の教育の総合的な検証を公平・公正に実施するのが筋だ。  知識偏重型教育から創造的な学び、人間力を育む教育への転換を見据え、多角的な専門家の論議、国民的論議を求めたい。 "[he-forum 17886] 日本経済新聞近畿10/10","日本経済新聞近畿版 2013年10月10日付 大阪府立・市立大統合「学長選廃止を」 有識者会議提言  大阪府立大と大阪市立大の統合のため府市が設置した「新大学構想会議」は9日、統合後の大学では学長選考で教職員による投票を廃止することや、理事長と学長を分離することなどを求める提言を府市に提出した。  提言は両大学のガバナンス体制を検証。市大は教職員の意向投票結果を尊重して学長を選んでいるが、こうした方法は公立大では数例しかないとして廃止を提言。大学法人の経営審議機関と教育研究審議機関の構成員から選出した選考会議が選び、最終的には首長が任命するよう求めた。  理事長と学長の兼務もやめ、理事長は経営や改革を担当し、学長は教育研究を担当する体制が望ましいと指摘した。  市大の学長選考を巡っては、橋下徹市長が8月「全教職員の投票なんか許さない」と述べ、選考方法の見直しを指示していた。 "[he-forum 17887] 河北新報10/9","河北新報 2013年10月9日付 東北に医学部新設「検討」 文科相、着手を正式表明  東北への大学医学部の新設について、下村博文文部科学相は8日の閣議後の記者会見で、具体的な検討に着手する考えを正式に表明した。「設置主体や場所などを含めて、関係自治体が一つにまとまることが必要だ」との認識を示した。  下村氏は安倍晋三首相からの指示を踏まえ、4日に文科省を訪れた村井嘉浩宮城県知事に地元での調整などを求めたという。下村氏は「東北の自治体から意見を聞き、関係省庁と連携して早急に検討を進める」と述べた。  検討項目として、下村氏は合理的な設置基準、教員の態勢、付属病院の規模や内容などを挙げ、「卒業生が東北の医師不足地域に定着する必要がある。医学部教員、付属病院医師らの確保に伴う引き抜きなどで、地域医療に支障を来さない条件整備も考えなければならない」と指摘した。  医学部新設は1979年の琉球大を最後に凍結され、2003年には文部科学省告示で新設しない方針が確認されている。政府は東北のほか、産業競争力会議で国家戦略特区を活用した医大新設も検討している。 "[he-forum 17888] 朝日新聞10/10","朝日新聞2013年10月09日23時55分 医学部新設禁止の告示見直しへ 文科相、被災地を念頭  下村博文・文部科学相は、大学医学部の新設を禁じた2003年の文科省告示を改める意向を固めた。大学による医学部新設の申請ができるようになる。安倍政権は当面、東北地方での医学部新設を念頭に置くが、新設を希望する全国の大学から申請を求める声が相次ぐ可能性もある。  医学部新設をめぐっては、文科省が医師の供給過剰で質を低下させないなどとして、1979年の琉球大を最後に認めていない。文科省は03年に出した告示で、改めて大学の認可基準として「医師の養成に係る大学等の設置でないこと」を明記。事実上、一切の医学部新設を禁じたもので「硬直的だ」との批判も出ていた。  安倍晋三首相が4日、復興支援策として東北地方での医学部新設を指示したのをきっかけに、下村氏は、一切の医学部新設を禁じてきた告示を見直すことにした。  現在でも、医学部新設を希望する大学はあり、北海道医療大(北海道当別町)、東北福祉大(仙台市)、国際医療福祉大(栃木県大田原市)などで構想が練られてきた。告示の見直しで医学部開設の申請が相次ぐことも考えられ、今後、医学部の新たな審査基準や、地域ごとの需給バランスを考えた医師養成計画の作成も必要になりそうだ。 医学部新設については、自民党の支持団体である日本医師会などが、かなりの医師を教員として大学に籍を移す必要があり、地域の医療サービスが低下する▽地方の医師不足を解消するのに最も必要なのは医師の偏在をただすことだ――などと反対しており、調整も必要になりそうだ。 "[he-forum 17890] 朝日新聞10/11","朝日新聞 2013年10月11日 人物本位の選抜促す 入試改革 再生会議近く提言 教育再生実行会議に臨む(右から)安倍晋三首相、鎌田薫座長、下村博文・文部科学相=4月、首相官邸 新たな二つのテストの概要  【村上宣雄】大学入試改革をめぐり、政府の教育再生実行会議(座長=鎌田薫・早稲田大学総長)は11日、これまでの会議の内容をまとめた素案を議論する。「1点を争う競争から、人物本位の選抜への転換」を掲げた内容だ。  素案などによると、現在の大学入試センター試験をベースにした「新テスト」が選抜の第一関門になることは変わらない。眼目は、受験生の成績を1点刻みで集計するのではなく、何段階かのランクで表示することだ。  各大学は、これで「求める学力水準の到達度」を判定。その後は、面接や論文、部活動、ボランティアといった活動歴で受験生の潜在能力をみるなど、「多様で丁寧な選抜による入学者割合の大幅な増加」を強く求めている。  また、素案は、高校在学中に基礎的な学習の定着を確認する学力テストの創設も打ち出した。いずれも、現在の高校生らには適用せず、5~6年後の実施を想定している。  これまでの会議では「わずかな点差で合否を決めることには意味がない」との意見が多かったという。受験学力重視の入試が変われば、高校で様々な体験を積む余裕が生まれ、生徒の可能性を広げられる、という意見も示されたという。  しかし、実現可能性を疑問視する声は少なくない。面接重視型の入試をすでに実施している大学の教員は「定員を数十人に絞っても大変な労力がかかる」と言う。有名私大では出願者が10万人を超えるところもあり、「実際問題として不可能だ」という声がある。  どんな選抜方法をとるか、最終的な判断は当然各大学に委ねられており、国が縛ることはできない。「新テスト」への参加は自由で、従来通り各大学が別途独自の学力試験を実施することも自由だ。 "[he-forum 17889] 朝日新聞10/11","朝日新聞 2013年10月11日 交付金、18国立大に重点 重点配分予定の大学の改革構想の例  【渡辺志帆】国立大学の改革を加速させようと、文部科学省は来年度から、国立大への運営費交付金を18大学に重点的に配分する。これまで運営費交付金は 学生数や規模などに応じて全国立大にほぼ機械的に振り分けられてきていて、一部とはいえ、限られた大学だけに政策的に配られるのは初めてだ。交付金の格差 という「アメとムチ」を前に、各大学は対応を迫られている。 ■改革構想に応じて差  文科省は、来年度の運営費交付金として約1兆1410億円(前年度比618億円増)を財務省に予算要求した。このうち110億円について、大学組織や研究教育の抜本的な改革構想を示した18大学に対し、2・8億~11億円ずつ重点配分する方針だ。  年数に限りがあるなど不安定な競争的資金ではなく、国立大の収入の4割を占める運営費交付金として配分するのは、大学の財政基盤を支え、継続して改革に取り組めるようにするのが目的という。  改革構想はあっても、学内の意見をまとめきれないことなどが原因で、今回は68国立大が重点配分の対象にならなかった。文科省は、これらの大学についても、少なくとも改革の加速期間と位置づける2015年度までは準備が整えば配分する方針だ。  また、小規模な組織改編や人材確保には、運営費交付金とは別に改革推進のための補助金を出す。12年度から毎年設けており、来年度は今年度より35億円多い、220億円を財務省に要望している。  同省幹部は「18大学を選んだのは、高い水準の取り組みなら国もしっかり応援するという、ほかの国立大へのメッセージでもある」と話し、今後も残る国立大の改革を促す方針だ。 ■国際化と機能強化に力  運営費交付金の重点配分を受ける予定の18大学の改革構想は、二つの類型に分けられる。教育研究のグローバル化と、分野ごとの機能強化だ。  グローバル化構想で多かったのが、海外から研究者を招いて教育研究拠点をつくる「取り込み型」だ。  建築とデザインを強みに打ち出す京都工芸繊維大学は、来年度にも世界で活躍する建築家やデザイナーを、助手らを含めたチームごと誘致する。待遇は年俸制で、海外の有名大学並みの高収入を示すという。  古山正雄学長は「財政は厳しいが、重点配分は五輪の強化選手に選ばれたようなもの。必ずメダルを取りたい」と意気込む。  一方、アジア諸国の法整備支援に力を入れてきた名古屋大学は、海外拠点を強化する「外向き型」といえる。研究センターがあるベトナムやカンボジアを皮切 りに、各国の提携大学にアジアキャンパスを設置し、それぞれの国の中枢を担う人材育成をめざす。東京医科歯科大学も、海外拠点のチリ大学などと共同学位 コースを設け、国際競争力を強化する計画だ。  ただ、日本の大学の学位を授与できる海外校の設置には、国内と同じ基準を満たす必要があるなど実現へのハードルは高い。外国の大学と連名での学位授与には制度改正が必要となる。このため、両大学とも条件が整うのを待って踏み切るという。 "[he-forum 17891] 毎日新聞10/11","毎日新聞 2013年10月11日 東京朝刊 大学入試:国公立大、2次の学力試験廃止 人物重視、面接や論文に--教育再生会議検討  政府の教育再生実行会議(座長、鎌田薫・早稲田大総長)が、国公立大入試の2次試験から「1点刻みで採点する教科型ペーパー試験」を原則廃止する方向で検討することが分かった。同会議の大学入試改革原案では、1次試験で大学入試セ ンター試験を基にした新テストを創設。結果を点数グループでランク分けして学力水準の目安とする考えだ。2次試験からペーパー試験を廃し、面接など「人物 評価」を重視することで、各大学に抜本的な入試改革を強く促す狙いがある。実行する大学には補助金などで財政支援する方針だ。【福田隆、三木陽介】  同会議のメンバーである下村博文文部科学相が、毎日新聞の単独インタビューで明らかにした。  同会議は「知識偏重」と批判される現在の入試を見直し、センター試験を衣替えした複数回受験可能な新しい大学入学試験と、高校在学中に基礎学力を測る到達度試験の二つの新テストを創設し、大規模な教育改革を進めようとしている。11日の会合から、本格的な議論に入る。  下村文科相は「学力一辺倒の一発勝負、1点差勝負の試験を変える時だ」とし、新テスト創設の必要性を強 調。さらに、大学ごとに実施する2次試験について「大学の判断だが(同会議では)2回もペーパーテストをしないで済むよう考えたい」「暗記・記憶中心の入 試を2回も課す必要はない」と述べた。私立大も新テストを活用するのであれば、同様の対応を求める方針だ。  同会議の改革原案では、各大学がアドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)に基づき多面的・総合的 に判断する入試を行うよう求めている。だが、面接や論文、課外活動の評価を重視する新しい2次試験では、従来のペーパー試験に比べ、人手など膨大なコスト が発生する。下村文科相は「改革を進める大学には、補助金などでバックアップしたい」と述べ、国が費用面で支援する考えを示した。 ==============  ■解説  ◇可能性発掘には難しさ  教育再生実行会議が、国公立大入試の2次試験や私立大入試で教科型ペーパー試験の廃止を検討する背景には「大学任せの入試改革は限界」という危機意識がある。= "[he-forum 17892] 毎日新聞10/11","毎日新聞 2013年10月11日 東京朝刊 大学入試:国公立大、2次の学力試験廃止 人物重視、面接や論文に--教育再生会議検討  企業が求める即戦力や意欲ある若者の育成は、大学の教育機能の向上が不可欠だ。入り口の入試も極めて重 要になる。「1点刻み」の学力テストが2次試験から廃されれば、受験生の負担はある意味軽くなる。だが、面接や論文、課外活動の評価は新たな競争も生み出 しかねず、大学がそこで受験生の可能性をしっかり見いだすことも容易ではない。トップレベルやマンモス大学からの反発も予想される。それでも、成熟期を迎 えた日本が国際社会で生き残るためには「知識偏重主義」からの脱却が避けられないことを同会議は示そうとしている。  大学の狙いが明確ならば、従来通りの試験も可能だが「なぜペーパー試験なのか」の説明が必要だ。どのような学生を入学させ、どう育て、社会に送り出すのか。同会議は大学に考えさせようとしている。【福田隆】= "[he-forum 17893] 毎日新聞10/11","毎日新聞 2013年10月11日付 国公立大入試:「知識偏重」より可能性発掘  政府の教育再生実行会議(座長、鎌田薫・早稲田大総長)が、国公立大入試の2次試験や私立大入試で教科型ペーパー試験の廃止を検討することが分かった。この背景には「大学任せの入試改革には限界がある」という危機意識がある。  企業が求める即戦力や意欲ある若者の育成は、大学の教育機能の向上が不可欠だ。入り口の入試も極めて重要になる。「1点刻み」の学力テストが2次試験から廃されれば、受験生の負担はある意味軽くなる。だが、面接や論文、課外活動の評価は新たな競争も生み出しかねず、大学がそこで受験生の可能性をしっかり見いだすことも容易ではない。トップレベルやマンモス大学からの反発も予想される。それでも、成熟期を迎えた日本が国際社会で生き残るためには「知識偏重主義」からの脱却が避けられないことを同会議は示そうとしている。  大学の狙いが明確ならば、従来通りの試験も可能だが「なぜペーパー試験なのか」の説明が必要だ。「公平性」だけに寄りかかるわけにはいかない。大学としてどのような学生を入学させ、どう育て、社会に送り出すのか。同会議は大学に考えさせようとしている。【福田隆】 "[he-forum 17894] 産経新聞主張10/11","産経新聞主張 2013年10月11日付 医学部新設 「地域勤務」条件にしたい  東日本大震災後の医師不足が深刻化する東北地方に医学部を新設するよう、安倍晋三首相が下村博文文部科学相に検討を指示した。  下村氏も、「関係自治体が一つにまとまることが必要だ」と前向きな考えを示した。実現すれば、昭和54年の琉球大学以来となる。  医師養成には時間がかかる。既存の医学部の入学定員増で対応可能だとの意見もある。だが、地元に愛着を持って働く医師が輩出するには、東北地域への勤務を義務づけるような医学部の新設は不可欠ではなかろうか。  被災地では、医療機関は立て直せても、一度去った医師の呼び戻しは難しい。満足に医療が受けられない状況が続けば、復興にも影響が出かねない。  政府は、「東北」とは別に、国家戦略特区での新設も検討している。すでに千葉県成田市や静岡県が名乗りを上げている。  現在は、希望する大学があっても文科省告示で申請すら認められない。新規参入があれば既存医学部との役割分担や地域の事情に合った医師育成も期待でき、医学教育全体の活性化につながる。 医学部は西日本に偏り、医師不足の地域差を招く一因ともなっている。高度化、多様化する医療に対応するにも意欲とアイデアのある大学への門戸開放は必要だ。  ただし、せっかく医学部を新設しても、入学者の大半を他地域の出身者が占め、卒業後は大都市部などに流出するというのでは意味合いが薄れる。  既存の医学部との違いを明確にするためにも、医師不足が深刻な地元地域の医療機関に一定期間は勤務することなどを、入学条件とするぐらいの義務は課したい。  一方、国家戦略特区を活用しての新設が認められれば、安易な申請ラッシュも想定される。新設希望の大学や誘致を検討する自治体は全国に少なくないからだ。  法科大学院のような乱立を避けるため、申請は、薬学など医系学部を持つ大学に限ったり、学費水準を国公立大学並みに抑えたりする要件を設定してはどうか。  臨床医の育成とともに、先端医療や基礎医学を担う大学の整備も必要だ。医師不足の背景にある診療科目の偏在を招かない工夫も重要だ。政府は、既存医学部を含めた医学教育全体の在り方見直しの検討も進めてもらいたい。 "[he-forum 17899] 読売新聞大分10/10","読売新聞大分版 2013年10月10日付 大分大病院 高度救命救急センターに指定  県は、由布市の大分大医学部付属病院を、全身やけどや指の切断などの特殊疾患患者を受け入れる「高度救命救急センター」に1日付で指定した。九州では福岡県の久留米大病院に次いで2施設目。  同付属病院は2008年5月、脳卒中や事故に巻き込まれた重篤患者が搬送される救命救急センターを開設。現在は14人の専任医師で対応し、大分市のアルメイダ病院や県立病院、別府市の新別府病院とともに県内の救急医療の中核を担っている。  県医療政策課によると、同付属病院は、昨年10月に県内で唯一、高度救命救急センターの指定基準となっているドクターヘリの発着場を整備。特殊疾患患者の受け入れ実績があることなどを評価した。  同付属病院は「職員の増員や研修などで体制を整えてきた。より高度な救命救急の機能を果たせるよう努めていきたい」としている。 "[he-forum 17898] 日本経済新聞10/12","日本経済新聞 2013年10月12日付 教育の質や人材育成考慮 大学入試改革の提言素案  政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は11日、会合を開き、大学入試改革の提言素案を委員に示した。現在の大学入試センター試験に代わる新共通テストと、高校生の学習到達度を確かめる基礎学力テストの2種類を創設するのが柱。同会議は素案を土台に議論を進め、10月末にも最終的な提言をまとめる。  会合の冒頭、安倍晋三首相は「能力や意欲を多面的、総合的に評価し判定する方向に転換する必要がある」と入試改革の重要性を訴えた。  素案は、知識偏重の1点刻みの大学入試や学力不問の一部の推薦・AO(アドミッション・オフィス)入試が大学合格を目的化し、「大学が求める人材像と入学者選抜が評価している能力とのギャップが生じている」と指摘。教育の質向上や人材育成機能の強化に向け、入試改革を行う必要があるとした。新テストの導入時期は「高校生に不安を与えないよう十分な周知期間をおくことに留意する」とした。  この日の会合では、高校での学習到達度を確認する新テストについて「高校生の実態は多様で、テストの具体的な内容には丁寧な検討が必要」「参加希望型ではなく、できる限り全員が受けられるものにすべきだ」との指摘があった。「テスト結果を検証し、高校教育の改善にも役立てられる」と導入には前向きな意見が目立った。  センター試験に代わる大学入試用テストについては「(大学側の)負担増を懸念する声がある。慎重な制度設計が必要」との意見が出たほか、「導入されれば各大学は面接試験などを重視することになる。面接官として大学OBや企業人に協力を求めることも考えられる」との意見があった。  別の委員は「2つのテストを完全に分ける必要はない。『基礎』と『発展』として一種類の試験にしてはどうか。ただし、複数回実施すべきだ」と述べた。  同会議は議論を踏まえ、提言で新テストの大きな方向性を示す方針。具体的な制度設計は、提言の提出後、文部科学相の諮問機関である中央教育審議会(中教審)で議論される見通しだ。 "[he-forum 17897] 共同通信10/11","共同通信 2013年10月11日14時10分 文科相「学力試験否定せず」 大学入試での廃止検討に  下村博文文部科学相は11日の記者会見で、政府の教育再生実行会議が国公立大入試の2次試験で学力試験の原則廃止を検討するとの一部報道に関し「学力テストを否定しているわけではない。学問の府だから(試験を実施するのは)当然」と述べ、一律に廃止する考えはないと明らかにした。  ただ、「学力一辺倒の試験で良いのかが問われている。各大学は時代の変化に対応した入試改革に取り組んでほしい」と注文を付けた。  具体的な入試の在り方は「高校時代のリーダーシップを発揮した活動やボランティア活動など、学力以外でも総合的に判断する必要がある」と語り、面接や小論文重視の必要性をあらためて強調した。 "[he-forum 17900] 福井新聞10/14","福井新聞 2013年10月14日付 普段の福井大学医学部を知って 学生目線でオープンキャンパス  福井大医学部の学生が企画したオープンキャンパス「医学部体験ツアー」が13日、福井県永平寺町の同大松岡キャンパスで行われた。体験授業を担当する教員は「講義が分かりやすい」「面白い」といった学生間の“口コミ”から選択。採血体験、病理標本や解剖標本の案内役も学生が担当し、学生目線にこだわって「医療人を目指すのに役立つ情報」を提供した。  受験生に近い年齢から見た福井大の良さを知ってもらおうと、例年の大学主催のオープンキャンパスに、学生企画の日程を今年初めて加えた。工学部は6月に行い、医学部はこの日の大学祭に合わせて実施した。  ツアーには医学部医学科、看護学科を志望している受験生や浪人生、保護者の計140人が参加。受け入れ側は学生17人で実行委員会をつくって準備を進めてきた。  医学科の体験授業を担当した1人で精神科医の高橋哲也講師は、専門分野である脳波の解析について説明した。最先端の学説を紹介しつつ、学生時代の一人旅の失敗談などを織り込んで人気講師の本領発揮。最後に「医学の世界はまだまだ分からないことだらけ。白紙の医学の教科書を埋めていく作業に一緒に挑戦しよう」と受験生に熱いエールを送った。  また人形を使った採血体験コーナーでは、看護学科の学生が注射器の使い方や基本的な技術を伝えた。体験した啓新高3年の上野晴香さんは「本格的な授業や体験を通じて看護師になりたい気持ちがますます強くなった」と語っていた。  学生アンケートを元に医学部生の日常生活を紹介するコーナーもあり、「部内の各運動部には代々伝わる試験の『過去問』があるため、部活加入率は非常に高い」といった“裏話”にも受験生は興味津々だった。 "[he-forum 17896] 毎日新聞10/14","毎日新聞 2013年10月14日付 大学入試改革:教育界から提言  大学入試の改革が佳境を迎えている。本紙連載「さまよう入試」(9月30日〜10月4日朝刊社会面)では現状と課題に迫った。本欄では大学、高校、塾の立場から、大学入試改革について意見を聞いた。【三木陽介、水戸健一】 ◇入試、3レベルに分けよ−−国語専門の大学受験塾経営・中井浩一さん  「全入時代」を迎えた今、全大学が個別の入試をする必要はない。入試をしながら事実上受験生全員を入れている大学もある。「外注」もそうだが「装い」の入試にコストをかけるのは社会全体の無駄だ。  高度成長期は受験競争が激しかったため、各大学が客観的で公平な選抜方法として学力を基本にした入試をする意味はあった。だが大学も増え、進学する学生のレベルも多様化している。いかに円滑に高校から大学へ移行させるかが大切で、現実に合わせた入試改革を考えた方がいい。  入学制度は米国のように「開放入学」「資格選抜」「競争選抜」の3種類に分けるべきだろう。「開放」は18歳か高校卒業者ならだれでも入れる。「資格選抜」は基礎学力を測る統一テストなどで、各大学の設定基準をクリアすれば全員が入学できる。国が導入を検討している「到達度テスト」をこの目的で使うなら賛成だ。「競争選抜」は一部の難関大だけが大学独自の試験を実施して選抜する。  入試では公平性が原則とされるが、大学に入学しやすくして、入った学生の能力に合った教育が受けられるようにするのが本当の平等だ。大学在学中でも能力がアップすれば上のレベルの大学へ、逆に能力が落ちれば下の大学へ移るような仕組みも必要だろう。大学は「出口」を厳しくして教育を充実させる方向に注力すべきだ。  社会的階層が、入試で入った大学のレベルで確定されてしまう社会ではなく、人生ずっと競争が保証されるようなシステムや考えに変えていくべきだ。 ◇教科書外からも出題を−−東京理科大教授・渡辺正さん  大学入試は本来、大学教育につながるような力を試すものだが、大学に入ると、高校で勉強したことや入試で覚えたことを一度リセットして頭を再起動しているのが実態だ。  問題点は教科書にある。入試問題は教科書の範囲を逸脱してはいけないというルールがあるが、教科書の中には大学に入ってからほとんど使わない用語や記述が昔のまま澱(おり)のように残っている。例えば、私が専門の化学でいうと電子式。元素記号の周りに電子の数を点で打って表す式だが、その用語は大学でまず使わない。このほかにも「マイナスのイオンがプラス極に引かれていく」という電気分解の説明も15年前に誤りを指摘してようやく教科書から消えた。  科学の世界は日々進化しているのに、教科書の中身は依然変わらないまま高校で教えられ、それが入試に出ているのが現状だ。  教科書の範囲をはみ出してはいけないのは、入試に「公平公正さ」が求められるからだと言われているが、現状のように入試で勉強したことを大学でいったんリセットしなければいけないのは非常にもったいない。入試では、教科書に載っていないような物質を素材に、その反応を考えさせるような問題を出すべきだ。  現行の入試も無駄だとは言わない。我慢してたくさんの用語などを覚えることも大切だ。しかし、公平公正さからはイノベーションや新しい産業は生まれない。1000人の受験生がいれば必ず数十人は磨けば光る人材がいる。入試でそういう人材を見つけ、大学で伸ばしていくことが求められる。 ◇大学は丁寧な選抜必要−−元全国高校長協会会長・秀明大学頭、甲田充彦さん  日本の高校進学率は98%だ。勉強のできる高校生もいれば、できない子もいる。さらに「勉強をしない子」もいるのが現実だ。政府の教育再生実行会議が大学入試センター試験に代わる段階別の共通テストと、学習到達度を測る新テストの導入を検討するとされているが、この新しい二つの試験ですべての高校生の学習意欲をかき立てることができるのかというと、疑問が残る。  「大学全入時代」になったとはいえ、大学・短期大への進学率は6割弱だ。大学や短大に進学するつもりがない「勉強をしない子」は、新たな二つの試験ができたことで、勉強するようになるだろうか。  彼らは高校卒業後、就職したいと考えているが、企業の求める能力がなく苦労する。新しい到達度テストが学力だけでなく、思考力、判断力も測るのならば、スコアを大学入試の合否判定だけでなく、企業などが採用時の判断材料として活用できるはずだ。そのような仕組みになれば、勉強は嫌いだが学校が好きな生徒が勉強する動機付けになる。  筆記試験を経ずに入学した新入生の学力の低さを嘆く大学関係者がいるが、入学させた責任は大学にある。私が学頭を務める秀明大はすべての学部の受験生に面接を課している。学力は十分なのに、面接で落ちる受験生もいる。新しい試験ができることで、アドミッションオフィス(AO)入試や推薦入試も変わるだろうが、育てたい学生を選抜するという大学の心構えは変わらないはず。より丁寧な選抜をすることが大学に求められることになるだろう。 ============== ■人物略歴 ◇なかい・こういち  1954年生まれ。「鶏鳴学園」(東京都)代表。著書に「大学入試の戦後史」(中公新書ラクレ)など。 ============== ■人物略歴 ◇わたなべ・ただし  1948年生まれ。科学教育が専門。東京大名誉教授。高校生の国際科学五輪にも深く関わる。 ============== ■人物略歴 ◇こうだ・みちひこ  1946年生まれ。東京教育大(現筑波大)卒。都立高で教員、校長。2009年度から現職。 "[he-forum 17895] 中国新聞社説10/8","中国新聞社説 2013年10月8日付 センター試験改革 現場の声 聞いて結論を  政府の教育再生実行会議が、現在の大学入試センター試験の改革を提言する見通しになった。当初は廃止も検討されていたが、軌道修正し、入試改革と学習到達度テスト創設の2本立てになるとみられる。  提言は来月にもまとめ、中教審で具体的な制度設計を進める。大学入試をどう改革するかは日本の教育全体の行く末に関わる問題といえよう。多感な10代にとっては高校生活を左右する。現場の声を十分に聞いたうえで結論を出してもらいたい。  センター試験は全国公立大学を対象にした基礎学力試験である共通1次試験が前身である。1979年に導入され、その後、私立大学の参加を広く促そうと入試科目を弾力化し、90年に現行制度に改められた。  だが、それから20年を超え、制度疲労は否めない。大学は1点刻みで序列化され、出題6教科29科目は細分化されすぎているとの指摘がある。受験生にとっても、一回だけの試験は体調や天候など当日のアクシデントに左右されやすい。  何より思考力や判断力を含めた幅広い学力を問うものなのかどうか、疑問があろう。  検討中の提言案は、まず試験結果を大くくりに段階評価する複数回の共通試験を導入するという。センター試験の蓄積や利点は生かしつつ、「1点刻みの序列化」という批判をかわしたいのだろう。その後実施する大学ごとの選抜では面接や論文を重視するよう求める考えだ。  受験生は入試に付きものの「一発勝負」のリスクを避けることができる。半面、1点刻みの方がかえって公平・公正を保てるのでは、という意見もあろう。今後検討の余地がある。  当初は現在のセンター試験を、高校在学中に複数回受ける学習到達度テストに置き換える方向だった。  だが、高校生や学校の負担が大きい、受験が事実上前倒しになる、などの懸念はつきまとう。このため、高校での学習内容がどの程度定着しているかを測り、指導に生かすためのテストに位置付けることで落ち着いたとみられる。  到達度テストは入試改革というだけでなく、高校教育の質の維持という側面もあろう。中間層の学力の高校生は、勉強時間が最近15年間で半減しているという民間調査結果がある。  もっといえば、到達度テストは一定レベルの高校生の学力を全体的に底上げする狙いがあるのではないか。授業履修に必要な基礎学力を入学前に付けておいてほしいという大学側の意向でもあろう。  ただし、高校生の学力低下は「全入時代」の大学側の選抜の手法、特に推薦入試やアドミッション・オフィス(AO)入試などにも原因はありはしないか。その再検討を抜きに、共通試験の部分だけをいじることはできないだろう。  安倍晋三首相は「『大学力』は国力そのもの」と位置付け、「グローバル化した社会で活躍できる人材の育成」を掲げる。そのためには「高校と大学の接続(高大接続)」のあり方は避けて通れない検討課題だが、大学側も人材を育てる明確なビジョンを持ってほしい。  高校教育、大学入試、大学教育の改革が「三位一体」となってこその教育再生ではないか。 "[he-forum 17901] しんぶん赤旗10/16","しんぶん赤旗 2013年10月16日(水) 橋下大阪市長の府・市大学統合問題 大学関係者が憂慮声明  大阪府立大学と大阪市立大学の元教員と卒業生でつくる「大阪府立大学と大阪市立大学の統合問題を考える懇談会」は15日、「橋下(徹大阪)市長の大学自治への介入と府大・市大の拙速な統合を憂慮する」と題した声明を発表しました。  代表世話人の宮本憲一市立大学名誉教授、小林宏至府立大学名誉教授、世話人の西谷敏市立大学名誉教授、三本弘乗元府立大学教授らが府庁内で記者会見。宮本氏は統合問題が「チェックとか議論がないまますすめられていることに大きな危惧を感じている」と述べました。  大阪府・市と両大学は9日に統合後の新大学の具体的内容を示す「新大学案」と、新大学を設置・運営する新法人の基本的な方針として「新法人基本方針」を策定。2016年4月の新大学スタートに向けてすすめる計画です。  声明は、「大学自治にかかわる2つの大きな問題がある」と指摘。学長選考問題での「全学意向投票」廃止と教授会の人事権剥奪など、学問の自由と大 学の自治の伝統が根底から脅かされているとのべています。予算削減が先行する統合計画の推進はあまりに拙速だとのべ、両大学の内部での徹底した討議を期待 し、両大学の元教員や卒業生、府民・市民の意見を尊重し、両大学の将来のあり方を真剣に考えたいとしています。= "[he-forum 17907] 大分合同新聞10/18","大分合同新聞 2013年10月18日付 大分大病院「高度救命救急センター」に昇格  県は大分大学医学部付属病院(由布市挾間町)を災害時に広域な医療体制を確保するための中核的な病院と位置付け、重いやけどなど専門性の高い治療を実施する「高度救命救急センター」に10月、指定した。県内に四つある救命救急センターからの格上げで、広域救急医療のけん引役として期待される。九州では2カ所目で県内初。指定は1日付。  センターは重篤な患者を受け入れる救急医療機関。1年前から医師を乗せて現場に向かう県ドクターヘリが配置されている。約20分以内で県内全域に飛ぶ広域な体制を整えている。  県は、建物が免震構造で自家発電の装置があり、津波被害の心配が比較的少ない地理にあることも踏まえ、大規模な災害が起きた時の中核的な病院に指定した。  広範囲のやけど、手足や指の切断、体に合併症のある精神疾患など、これまで十分に受け入れ態勢が確立されていなかった分野の「最後のとりで」(県)になる。  病院と県は3年ほど前から指定に向けた準備を進め、▽手術に必要な要員を待機させ、常に高度救命救急医療に対応できる▽必要な医療機器を備える▽専任の精神科医を配置―といった国、県の定める要件をクリアした。  センターの石井圭亮診療教授は「引き続き各地の病院や消防と地道な対話を重ね、県内の救急医療を強化できるように努めたい。長期的には人材の確保、育成をどうやっていくかが課題になる」と話した。  県医療政策課は「より高度な医療の提供に向け、センターのリーダーシップを発揮してほしい」としている。  "[he-forum 17906] 朝日新聞10/18","朝日新聞 2013年10月18日 (大学変貌)学長主導へ改革どこまで トップダウンの意思決定狙う  大学で学長がリーダーシップを発揮できる環境をつくろうと、組織のルールを改める動きが加速している。「ガバナンス(統治)改革」とも呼ばれ、国の議論も始まった。教授会の役割の見直しなどにもつながっているため、現場からは根強い反対の声も上がっている。  ■教授会の権限見直しへ  「学部長の『指名』制度は、国の動きに沿うかたちで突如持ち出された。学部として反対の立場で取り組むことが必要ではないか」  山口市の山口大で9月にあった「緊急集会」。山口大教職員組合の鴨崎義春委員長は、学長側が提案した学部長選考の改革案に反対するよう、集まった約20人の参加者に呼びかけた。  学部長の選考方法について、従来の山口大の規則は「各学部教授会の議に基づき、学長が行う」としており、学長は学部が選挙などで選んだ候補を事実上「追 認」してきた。ところが、改革案では、学部から3人以内の複数の候補を推薦させ、学長がその中から役員会の承認を得て任命する仕組みとなる。候補に所信表 明を出してもらい、面接も行うことで、学長が主体的に選考に関わることになる。  国立大学は2004年度の法人化以降、国からの運営費交付金が減らされ、改革を迫られ続けている。06年に就任した山口大の丸本卓哉学長も教養教育の見直しなどを進めてきた。一方で、関係部局の説得や調整に時間がかかったとの反省があるという。  丸本学長は「国立大のガバナンスが発揮できないのは、部局中心の考え方が抜けないからだと言われてきた。山口大でも、もう少し部局長の理解が進んでいれ ば、よりスピーディーに改革できたと思う」。学部長選考方法の変更は、執行部と部局の「一体感」を高める狙いがあるという。  こうしたガバナンス改革の背景には、「トップダウン」の強化を目指す経済界や政府の動きもある。経済同友会は昨年、学校教育法を改正して教授会の権限を 限定するよう提言。教授会が教育研究だけでなく、大学の運営にも関わり、「組織決定の迅速性を阻害」していると指摘した。政府の教育再生実行会議も今年5 月、教授会の役割の明確化を提言に盛り込んだ。  私立大学でも同様の動きが出ている。追手門学院大(大阪府茨木市)は7月、学則を改定して教授会を「諮問機関」にした。  同大の教授会には、もともと学部の教員人事や「その他重要事項」について審議・決定する権限が与えられていた。かつては学長が決めた副学長人事が学部などの意向で否決されたケースもあったという。  坂井東洋男学長は「諮問機関化は、審議はしてもらうが、『決定』はさせないということ。教授会の決定がないと何一つ前に進めないというシステムでは、改革ができない」と話す。  ■「学長の暴走」危ぶむ声  教員からは反発の声が上がっている。山口大では、各学部の会合などで反対意見が続出。人文学部の准教授の一人は「教授会の自治を危うくする制度。改革の必要性はわかるが、学長の言うことを聞く中間管理職を増やすことが本来のやり方なのか」と憤る。  全国大学高専教職員組合の長山泰秀書記長は「経営の観点からスピード感や成果ばかり重視されると、時間のかかる研究分野などはおろそかにされる」と指 摘。同組合は7月の定期大会で、トップダウン強化の動きを「教授会の権限を根こそぎ奪おうとしている」と批判する特別決議をした。  教授会の改革は、学長の権限強化と一体である場合が多く、学長の「暴走」を懸念する声もある。これに対し、山口大の丸本学長は「教授の人事や学問の専門 的なところに口を出すつもりはない。おかしい点が出てくれば、リコールでも何でもすればいい」。追手門学院大の坂井学長も「改革は学長の執行責任を明確に する。責任も重くなる」と話し、独断に走らないように教員の意見を聞く場を定期的に設けるとしている。  ただ、学長の影響力が強まっていると見られる現象も現れている。追手門学院大は昨年、学部長選考について、学部選出の候補と学長が推す候補の中から理事会が選ぶ形に変更したところ、学部と学長で候補が異なった3学部は、いずれも学長側の候補が選ばれた。  文部科学省の中央教育審議会の部会では、こうしたガバナンス改革について今年6月から議論を始めており、年内にも方向性をまとめる方針だ。  部会の委員を務める金子元久・筑波大教授(高等教育論)は「日本の大学の最大の問題は、学部という形で学問領域が細分化されている点。教育研究の方針も 学部中心に決められ、社会のニーズに対応できていない面がある」と指摘。「教育の高度化といった重要な課題について、学部にこだわらずに幅広い観点から検 討できるよう、教授会や学長の在り方を見直していってはどうか」と話す。  (大西史晃) "[he-forum 17905] 日本経済新聞社説10/17","日本経済新聞社説 2013年10月17日付 ネット講義を広めて大学改革に生かせ  大学の授業をインターネットで無料で配信する動きが世界で広がり、日本でも来年春にサービスが始まる。多くの人に教育の機会を広げ、大学の知名度を高める手段としても期待は強い。これを大学改革や国際競争力の強化にどう役立てるか。産業界とも連携して知恵を絞ってほしい。  ネットによる授業配信は「大規模公開オンライン講座」と呼ばれる。先行する米国ではハーバード大などが配信会社を設け、世界の有力大学約150校、550以上の講座を配信している。修了しても「単位」にはならないが、受講者は700万人を超えた。  ネット講義の利点は誰もが受講でき、学びの場が広がるだけではない。最大数万人が聴く授業の魅力を高めるため、教員は創意工夫を迫られる。教室での授業の役割は重いが、今のように知識詰め込みでよいか見直す契機になる。漫然と教え続ける教員は淘汰され、大学を変革する可能性が大きい。  だが日本では対応が遅れ、東大が9月以降、米配信会社を経由して2講座の公開を始めたのにとどまる。教員の多くが新しい情報技術の活用に消極的で、ネット講義を、既得権益を脅かす黒船のようにみる教員もいるという。  出遅れに危機感をもつ国内の大学や企業が集まり、先週、産学の推進協議会が発足した。東大、京大、早稲田大、慶応大など少なくとも13大学が来春、それぞれ1講座以上の配信を始めるという。  参加大学や講座数を増やすため、まず大学関係者の意識改革を求めたい。日本の大学の研究水準は世界に引けを取らないが、情報発信が貧弱で留学生集めも苦戦している。大学の魅力を国内外に発信し、意欲の高い学生を集めるのにネットをもっと活用すべきだ。  産業界が協力する余地も大きい。ネット講義は膨大な数の受講者を集め、それぞれの理解度に応じて教材を作るなど「ビッグデータ」の塊とされる。企業が技術開発を支援し、受講者に使いやすいサービスになれば、新たな教育ビジネスの芽にもなるだろう。  米国ではネット講義で優秀な成績をあげた学生の就職を企業に仲介する動きがある。これには賛否があるが、ネット講義が国境を越えた人材獲得競争に使われ始めた現実も見据え、日本独自の配信サービスを定着させたい。受講者データの保護や利用について協議会がルールを作る必要もあろう。 "[he-forum 17902] 山陽新聞10/17","山陽新聞 2013年10月17日付 岡山大の新学長選考に現職ら3氏 11月末までに決定  2014年3月末の任期満了に伴う新たな岡山大学長の選考で、候補者推薦の受け付けが16日締め切られ、現職の森田潔学長(63)、大学院環境生命科学研究科の佐藤豊信教授(64)、大学院医歯薬学総合研究科の佐野俊二教授(61)の3氏の推薦が提出された。30日に開かれる学長選考会議で面接を行うなどし、11月末までに適任者を決める。  新しい学長の任期は14年4月から3年間。学外5人、学内8人の委員13人で構成する学長選考会議が候補者の業績や所信を基に書類、面接で総合的に審査する。選考会議が必要と認めた場合、教職員(講師、課長級以上)による投票を行い、判断材料の一つとすることもある。  財政や運営面などで国の“保護”から離れ、“自立”を促した04年春の国立大学法人化から9年余り。少子化が進む一方、短大からの4年制移行などもあって大学が増え、希望者が全員入学できる「全入時代」を迎えている。大学間競争が激化する中、優秀な学生の獲得や学術研究の推進、優れた教育システムの構築などが急務となっている。 "[he-forum 17904] 毎日新聞10/17","毎日新聞 2013年10月17日付 記者の目:大学入試改革 入学後の成長見据えて=水戸健一  大学は入試を通じて教育理念に合った学生を選ぶ。だが、その「物差し」を独自に作れない大学が増えている。今春の入試で問題の作成を予備校や専門業者に外注していたのは全国98大学(私立97校、公立1校)。私たちはこの事態を大学の衰退の象徴と捉え、入試の現状と課題を連載「さまよう入試」で報じた。現在の大学入試は受験生本位のものになっているのか。改革の方向性はどうあるべきか。連載を終えた今、改めて考えたい。 ◇試験の種類増え教員に重い負担  2007年度に問題を外注していた大学は71校(私立大のみ)だった。文部科学省は中立性、機密性を守るため、全国の大学に「作成は大学の方針に基づき、自ら行うことを基本とする」と通知したが、歯止めがかからない。入学希望者が入学定員を下回る「全入時代」を迎えて学生獲得競争が激化する中、各大学が受験機会を増やし、何度も挑戦できることを「集客」の売りにしていることが大きな要因だ。  多くの私立大は複数の日程から受験日を選べる日程選択制の導入を進めている。受験生は何度も同じ学部、学科に挑戦できるが、問題の内容は当然、受験日ごとに異なる。地方会場で受験する機会を設けたり、全学部が共通の問題を使う統一入試を実施したりする大学も少なくない。問題作成を請け負う予備校関係者は「入試で必要とされる問題の数は雪だるま式に増えている」と言う。大学の現状に詳しいジャーナリストの石渡嶺司さんは「入試の回数が増えても作問担当の教員が増えるわけでない。負担が年々、重くなっている」と説明する。  大学の設置基準が緩和され、教養部が1990年代に相次いで廃止された結果、高校で学ぶ各教科に精通する教員が減少したことも外注増加の背景と言われる。文科省によると、12年度入試の出題ミスは133校で218件。10年前から大学数、件数ともにほぼ倍増した。予備校関係者は「選択肢に正答がないものから問題として成立していないものまである」と質の低下を嘆く。  問題の質を維持するためには外注はやむを得ないのかもしれない。だが、そうだとしても外注している大学名が公にされないことには納得できない。受験生からすれば、問題自体が大学の特色を知るための重要な情報だ。外注の事実を明らかにしない大学の態度は、食品の「産地偽装」に近い。機密を守る必要があるので外注先まで明かす必要はないが、せめて外注している大学名は公表されるべきだ。 ◇「調査票」底上げ 高校にも一因  ただし、入試がゆがんだ原因は大学だけにあるわけではない。偏差値重視の選抜を見直そうと、90年代以降、アドミッション・オフィス(AO)入試が私立大を中心に急速に広まった。面接や作文などを受験生に課す人物重視の入試だ。AO入試や推薦入試で私立大に入学する学生は全入学者の5割を占める。  学力試験のない入試で、大学は高校が生徒の成績を5段階で評価した「調査票」を合否の判断材料に使う。だが、関西の私立高の男性教師は「ほとんどの生徒が4か5。よっぽど悪い生徒で3」と明かす。東京都内の大学に勤務する元高校教師の女性は「保護者に評価のつけ方を指摘されることが何度もあった。必然的に高い評価の生徒が増えた」と話した。これは送り出す側の問題だ。ある私立大の男性教授は「絶対評価だから信用できない」とぼやく。  石渡さんは「早い時期に学生を確保したい大学と、一人でも多く現役で合格させたい高校。それぞれに思惑がある」と双方の責任に言及する。学力試験に中学レベルの問題を出す大学があり、AO入試も形ばかり。大学に入るハードルは確実に下がり続けている。しかし、形骸化した入試をパスして入学した学生は果たして幸せなのか。大学の講義についていけない学生もおり、一部は退学を選択する。  政府の教育再生実行会議は11日、1点刻みのセンター試験に代わり、結果を段階別に示す共通テストと、高校在学中に学習到達度を確かめる新テストの導入を検討する方針案を示した。後者はAO、推薦入試での活用が見込まれる。  これまでの入試改革は、選ぶ側の大学が中心となって進められてきた。しかし、在学中に受ける新テストは、高校が関与する余地が多分にあるはずだ。生徒を大学に入れることだけを目的とせず、大学入学後の成長も見据えた関わり方を高校に期待したい。(社会部) "[he-forum 17903] 東京新聞10/17","東京新聞 2013年10月17日付 【お金の話】 奨学金の返済 困難なら猶予の手続きを 畠中 雅子  今年三月に大学などを卒業した人の中にも、日本学生支援機構から、奨学金を借りたケースは多いと思います。今年三月に貸与が終了した方は、今月二十八日から返済が始まります。定職に就けないまま、社会に出た人などは、返済に窮するケースもあるでしょう。  返済が難しいのであれば、返還期限猶予の利用を検討しましょう。無職、未就職、低収入、傷病などの理由で返済が困難な場合、返済を待ってくれる制度です。  申込期限は原則として、前々月末まで。例えば今月中に手続きすれば、十二月分から返済が猶予されます。猶予の期限は原則一年。十二月から適用される場合は、来年の十一月分まで猶予されます。  来年になっても正社員としての就職が決まらない場合、あらためて申請すれば、通算五年まで猶予を利用できます。傷病などが理由の場合は、猶予の期限はありません。  口座からの振り替えが三カ月以上できないと、信用情報機関に情報が登録されるといった不利益を受けます。延滞金の加算で返済額も増えてしまいます。滞納前に猶予の手続きをすべきでしょう。  一方、これから貸与型の奨学金を借りる予定のご家庭は、返済時のマイナスポイントも親子で確認し合うことをお勧めします。例えば奨学金の返済があると、社会人になった後の貯蓄力が下がります。将来マイホームを購入しようとする際、借入可能額が引き下げられることも考えられます。返済可能額から、奨学金の返済額分を差し引かれるというわけです。  奨学金を利用しないと、大学に進学できない子どもがいるのも事実です。借りる予定のあるご家庭では、日本学生支援機構のホームページ上での返済シミュレーションは必須。  子どもが何歳から何歳まで、ひと月いくらの返済をするのかといった事実を伝えたり、理解を求めたりする必要もあるでしょう。  (ファイナンシャルプランナー) "[he-forum 17911] 中国新聞10/19","中国新聞 2013年10月19日付 山口大、教職大学院を設置へ  山口大(山口市)は18日、学校経営などの実践力の高い教員を養成する教職大学院を、早ければ2016年度に設置する構想を明らかにした。中国地方5県では岡山大(岡山市北区)に続き2番目。  山口大の構想では、定員41人の大学院教育学研究科のうち、半数程度を教職大学院に充てる。うち半分は教育学部を卒業した学生が対象で、残る半分は現職の教員を受け入れる方針。指導教官は11人を見込み、うち5人は小中高校などの教員経験者とする。  教職大学院は山口県教委などと連携し、学校現場での実習を重視したカリキュラムを組む。学生は学校経営や生徒指導、授業などの課題をくみ上げ、その解決策を考えることで実践力を高める。 "[he-forum 17910] 毎日新聞10/21(2)","毎日新聞 2013年10月21日付 留学促進:就職、国が後押し 企業も奨学金…文科省方針  文部科学省は来年度から、大学生の海外留学を促進するため、民間企業と連携して留学経験者の就職を有利にするプロジェクトを実施する方針を決めた。留学前後には研修を開催。帰国後には企業のインターンシップ(職業体験)や説明会の場を設け、就職に結びつける計画だ。国の奨学金制度に企業の奨学金も組み合わせ、自己負担を大幅に軽減する。文科省は全国で200社を目標に、総額200億円規模の民間資金を活用する考えで、来秋にも最初の留学生を送り出す予定だ。  日本人学生の海外留学者数は2004年の8万2945人をピークに、10年は5万8060人と減少傾向が続いている。文科省が原因を分析したところ、留学が就職に結びつくとは限らない▽帰国後、留年する可能性がある▽費用がかかる−−などの消極的な考え方が学生に広がっていることが分かった。また留学経験の仕事への生かし方の理解が学生にも乏しく、企業の求める人材とのミスマッチを抱えていることも分かった。  このため文科省は、国、民間、大学による「グローバル人材育成コミュニティー」構想を立案。来年度当初予算の概算要求に、前年の3倍に相当する大学生3万2500人、高校生3600人を対象とした留学奨学金事業153億円を計上した。さらに企業には「欲しい人材」に沿った形の奨学金を創設してもらい、国の制度と組み合わせて留学を希望する学生の負担を大幅に軽減する。  参加企業には学生を選抜してもらい、留学前後に研修を実施。「なぜ留学が必要か」「留学経験をどのように社会で生かすか」など社員が直接学生に伝える。その上で留学修了者を対象としたインターンシップや企業説明会も実施し留学と就職を結びつける。研修の過程で学生と企業が「相思相愛」となれば、入社の可能性も高まる。参加企業間での情報交換も促し、留学経験がある学生は、広く企業から内定が得やすくなるという。  下村博文文科相は「留学することが就職にも有利になると思う。私もトップセールスで企業に協力をお願いする」と話している。【福田隆】 "[he-forum 17909] 日本経済新聞社説10/21","日本経済新聞社説 2013年10月21日付 企業の創意生かす競争力強化策に  安倍晋三政権が6月にまとめた成長戦略「日本再興戦略」が実行の段階に入る。政府は産業の新陳代謝を促す産業競争力強化法案を今国会に提出した。国際的なビジネス環境を整える国家戦略特区の関連法案も準備している。  デフレからの早期脱却を目指し、成長戦略の軸足を企業の支援に置くのはいい。日本経済の主力エンジンである企業の活力を引き出し、設備投資や雇用、賃金を生み出す力を高めることが、国民生活を向上させる結果にもなる。 過剰な介入は避けよ  だが経済再生の成果を急ぐあまり、国が過剰な介入に乗り出すのでは困る。企業の創意工夫や自主的な経営判断を妨げないような成長戦略の運用を望みたい。  産業競争力強化法案は2013年度からの5年間を、成長戦略の「集中実施期間」と位置づけた。施策の内容や実施期限、担当閣僚を定めた実行計画をつくる。  事業の再編や先端設備の導入、ベンチャー支援に動く企業を法人税減税などで優遇する。車の自動運転のような先端技術の実証実験に取り組む企業に、特例的な規制緩和を認める制度も設ける。  日本では同じ業界に多くの企業がひしめき、過酷な消耗戦を続けている。先行きに自信を持てず、投資に二の足を踏む企業も少なくない。過剰な規制は新規事業の開拓を阻み、リスクマネーの不足は起業の障害になっている。  こうしたゆがみを是正し、産業の新陳代謝や需要の創出を促すという法案の趣旨に異論はない。一連の法人税減税や規制緩和にも一定の効果は期待できるだろう。  法人税減税には生産性や利益率などの基準を設け、特例的な規制緩和には安全性の確保といった条件を課す。詳細は省令や告示で定めるが、企業の使い勝手が悪くならぬよう注意した方がいい。  問題は国の干渉が強まりかねない点だ。今回の法案には、供給過剰などで事業再編が必要な業界を国が調査・公表する規定もある。国が成長分野と衰退分野を選別し、特定の方向に企業を誘導するのがいいことだとは思えない。  期限つきの政策減税や規制緩和の特例には、政治家や官僚の裁量が働きやすい。優遇措置の見返りに企業に過度の圧力をかけ、無理な賃上げや投資の拡大を迫るようなことがあってはならない。  国家戦略特区は厚い岩盤に阻まれた規制改革の突破口だ。医療分野では混合診療の対象や外国人医師の受け入れを拡大し、病床規制を緩和できるようにする。  教育分野では公立学校の運営を民間に委ね、大学の医学部を新設することを認める。都市分野では都心への居住を促す容積率の緩和、農業分野では農地利用の効率化に向けた農業委員会の権限縮小などが可能になる。  法案の成立を見越して準備を始めた自治体もある。国際空港を擁する千葉県成田市は、国際医療福祉大(栃木県)が計画する医学部・付属病院の誘致に名乗りをあげた。海外からも医師や患者を招き、一般の会社員世帯が払える学費に抑えることを売り物にする。  雇用分野では有期雇用の期間拡大を検討したが、厚生労働省が現行5年の有期期間を全国一律で10年に延ばす法案の提出を約束した。これも国家戦略特区の効用といえるだろう。 特区を再生の起爆剤に  政府の規制改革会議がふがいないだけに、先兵役の責任は重い。この特区をうまく活用し、経済再生の起爆剤にすべきだ。  安倍政権の成長戦略はこれで終わりではない。産業競争力強化法案や国家戦略特区が重要なのは確かだが、これまでに打ち出した施策の満足度が高いとは言い難い。  復興特別法人税の廃止に続く法人実効税率の引き下げや、医療・農業の岩盤規制の改革に踏み込むべきだ。成長戦略を絶えず進化させる首相の指導力が試される。  企業の経営努力も問われるだろう。安倍政権が14年4月の消費税増税を決断した一方、多くの法人税減税を実施する点については「企業優遇」との批判が絶えない。企業収益が増えても、雇用の拡大や賃金の上昇という恩恵が家計に及ばないとの不満も根強い。  安倍政権は「6重苦」ともいわれた企業の障害を、曲がりなりにも取り除きつつある。それでも企業が手元資金を積み上げ、必要な投資や従業員への還元を渋るのでは、経済再生の弾みがつかない。  長い目でみた収益基盤を固めるために何を育て、何を捨てるのか――。国の政策に注文をつけるだけでなく、企業自身の成長戦略も語らなければならない。 "[he-forum 17908] 毎日新聞10/21","毎日新聞 2013年10月21日付 大学入試改革:「教育変える突破口に」 下村博文文科相に聞く  大学入試について、毎日新聞は連載「さまよう入試」などを通して、入試の「外注」増加や大学生の学力低下の問題点を報じてきた。今後、政府の教育再生実行会議の提言を受け、中央教育審議会(中教審)で入試改革の具体的な制度設計が検討される。そこで、中教審に諮問する立場の下村博文・文部科学相に入試改革への展望を聞いた。【聞き手・三木陽介、福田隆】 ◇補助金で大学を支援 --大学入試の外注問題についての見解を。 ◆入試問題は本来、自分の大学で作るべきだと思うが、大学側がどんな人材教育をするのか、きちんと提示することが大事だ。その上で、例えば大学入試センターのような外部の専門機関に作ってもらい、私立大が利用することもありえる。実際、学内の関係者に作ってもらうより、的確な能力判断ができるという部分もある。やり方の問題だと思う。 ●一発勝負やめる --6年前の初めての外注実態調査の時は、文科省が大学に外注自粛の通知を出したが、今回はどうか。 ◆結果的に大学の教育力が低下していくことにならないように、注意喚起していきたい。  これまでの入試は学力一辺倒の一発勝負、1点差勝負の試験で、学力だけの評価だった。そこを変えたいと思っている。今、政府の教育再生実行会議で議論してもらっているが、1次試験の学力試験では結果を得点ランク別に示し、東京大であれば、例えば1000点満点の850点以上なら全員OKとする。2次試験以降は面接や小論文で、リーダーシップや創造力、ボランティア活動力など、ペーパーテストで判断できない能力を判断して、最終的に合否を決めるようにしたい。 --各大学が実施する2次試験では、従来のようなペーパーテストはやめるということか。 ◆暗記中心のペーパーテストを2回もしないでも済むように考えたい。賛否両論あると思うが、学力だけの1点差で勝ったことにどんな意味があるのか。運もツキも相当ある。それが人生における運になるかというと、別の話だ。大学に合格したこと自体は運が良かったのかもしれないが、その判断基準が社会の中で必要な能力といえるのか。テクニック的な部分だけではなく、そもそも入試の役割、大学の役目は何なのか、社会で本当に有為な人材づくりにつながっていくのか、ということの連動性の中で、入試のあり方を考えていくべきだ。 ●自己改革待てぬ --大学には相当負担になるが。 ◆大変だと思うが、大学自らが変わるのを待っていても仕方がない。大学が「象牙の塔」になっていて、社会で真に必要とされている人材は何なのか、真剣に考えていない。この選抜方法をやるかやらないかは国が強制できる話ではないので、各大学の判断になるが、そういうことをやる大学には、国から補助金など、インセンティブを与えることがあっていい。大学入試を変えるのは、本質的にこの国の大学教育だけでなく、高校以下の教育も大きく変えることにつながる。突破口になる。 --これからの大学に求められるものは? ◆日本は少子高齢化の中で、労働生産人口がどんどん減っていく。これからは一人一人の付加価値、つまり、労働生産性を上げていくしかない。そのための唯一のツールは教育だ。日本の大学進学率は52%で、経済協力開発機構(OECD)平均(60%)より低い。韓国やアメリカは約70%、豪州は96%だ。これからいかに質も量も高い高等教育を提供できるかを考えていく必要がある。 ●危機意識が必要 --具体的には。 ◆質の面では教育機関として、大学が時代の変化にどう対応するか、危機意識を持ってもらわなければいけない。これまで大学には自分たちは研究機関で教育機関ではないという考えがあった。学生が勝手に頑張ってきた面もある。社会のニーズに的確に応えた教育を提供していくことが求められる。  量の面では18歳人口の進学率を上げると同時に社会人の学び直しの促進も必要だ。25歳以上で大学に行っている人の割合は、日本は2%程度だが欧州の多くの国々は15%を超えている。30歳になっても40歳になっても、大学にもう一度行き直して勉強して、また社会に戻ってくる、というサイクルを国全体でバックアップする仕組みを作らなくてはならない。  今は学費への公的支援が低く、個人負担が大きい。公的支援を充実させ、さらに貧富のハンディキャップをなくし、大学や大学院に行ける仕組みを作りたいと思っている。 ◇「到達度テスト」など活用−−教育再生実行会議の改革案  国が進める大学入試改革は「一発勝負」「1点刻み」式の現行制度からの脱却と、学力保証の両方を満たす方向を目指している。  政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)で検討している改革案によると、二つの新テストを創設する。  一つは、現在、主に国公立大の1次試験に使われている大学入試センター試験の「改定版」。大学教育に必要な能力を判定するためのテストで、結果は現行のような「1点刻み」の点数主義ではなく、得点を大まかなランクに分けて表示する。例えば、1000点満点のテストなら「A(800点以上)」「B(700〜799点)」というイメージだ。  二つ目は、高校在学中に基礎学力の定着度を測るための「到達度テスト」。学力試験を原則課さないAO(アドミッション・オフィス)・推薦入試が学力低下を招いたという指摘もあるため、このテストを学力保証のために活用する。  いずれのテストも複数回受験できることを想定している。  近く実行会議が両テストを盛り込んだ提言をまとめ、具体的な制度設計や導入時期などの議論の場は文科相の諮問機関「中央教育審議会(中教審)」に移る。 "[he-forum 17912] 読売新聞10/23","(2013年10月23日09時15分 読売新聞) 公務員給与削減、自治体14%が「予定なし」  総務省は22日、今月1日現在で全自治体(1789)の71・5%の1280自治体が、政府の要請などに基づき地方公務員給与を削減したと発表した。  7月の58・0%から増加した。一方で255自治体(全体の14・3%)は「実施予定なし」と回答し、削減を事実上拒否している。  要請に応じて削減したのは1069自治体(同59・8%)、要請とは別に「国と同等水準に抑制済み」と回答したのが211自治体(同11・8%)。実施予定の自治体も合わせ、全体の7割超が削減している。  政府は、東日本大震災の復興財源にあてるため国家公務員の給与を7・8%引き下げており、今年1月、地方公務員も同様に引き下げるよう求めていた。 "[he-forum 17913] 北國新聞10/23","北國新聞 2013年10月23日付 次期学長に浅野氏 北陸先端大  北陸先端科技大学院大(能美市)は22日、片山卓也学長の任期満了に伴う学長選考会議(議長・日比野靖理事、副学長)を開き、情報科学研究科長の浅野哲夫氏(64)=京都府福知山市出身=を次期学長候補者に決めた。任期は来年4月1日から6年間。文部科学相の任命を受けて正式決定する。  浅野氏は1972(昭和47)年大阪大卒、77年同大で工学博士の学位取得。大阪電気通信大助教授、教授を務め、97年から北陸先端科技大学院大教授となり、2012年から現職。国内外の大学院と連携し、先進的な大学院教育を開発する学内「大学院教育イニシアティブセンター」のセンター長を兼務している。  選考会議には委員16人が出席し、学内の教授、准教授らから推薦された4候補で投票を行った。投票結果は公表していない。 "[he-forum 17914] 下野新聞10/23","下野新聞 2013年10月23日付 女子学生向けキャリアセミナー 栃木労働局と県内3大学が初開催  栃木労働局と宇都宮、作新、白鴎の3大学は22日、宇都宮大学で女子学生向けのキャリアセミナーを初めて開催した。  女子学生が今後のキャリアや働き方を考える際に、具体的なイメージを持つことができるようにするのが狙い。学生を中心に約100人が参加した。  「仕事も家庭も、欲張りに生きよう!本音で語るトークセッション」をテーマにパネルディスカッションが行われ、第一線で活躍する起業家や企業で働く県内の女性4人が自らの経験や考えを披露した。  一児の母のカンセキWILD-1事業部の岡田敦子さんは「毎日バタバタしているが、仕事も家庭も周囲に助けてくれる人はいる」と強調。クルール・プロジェの阿久津智子社長は「仕事を収入を得るものとだけ考えると不満が増えてしまうが、仕事で得られる喜びはたくさんある。喜びをどれだけ感じていけるかが、継続するこつ」と話した。 "[he-forum 17916] 読売新聞10/24","(2013年10月24日14時54分 読売新聞) モンスターペアレント対応、教員内定者にも研修  理不尽な要求を繰り返す「モンスターペアレント」と呼ばれる保護者への対応や学級運営に悩む教員が増えていることを受け、東京都教育委員会は、教員として採用されることが決まった内定者に、保護者との接し方などを学ぶ研修を実施する方針を固めた。  来年度から都内公立小中高校で勤務する2000人を対象に、来年1月にも実施する。  都教委によると、新人教員が、保護者との付き合い方や学級運営に悩むケースが増え、勤続1年未満に病気を理由に退職する教員が毎年数十人いるという。  このため都教委では、「採用前から教員として一定のノウハウや心構えを身に着ける必要がある」と判断した。学級運営の研修は5日間で、内定者は、 退職した元校長らと学校現場を見学しながら児童生徒との適切な付き合い方を学ぶ。実際に学校に寄せられた保護者からの苦情を事例とし、適切な対応策を考え る講習も実施する。都教委幹部は「新人でも採用直後から教壇に立つので、即戦力にする必要がある」としている。 "[he-forum 17915] 毎日新聞愛知10/23","毎日新聞愛知版 2013年10月23日付 豊橋技科大:次期学長に大西氏 日本学術会議の会長  豊橋技術科学大(豊橋市)の次期学長候補に、日本学術会議会長の大西隆氏(65)=都市工学専攻=が決まった。来年4月の就任予定で任期は4年間。同大で記者会見し、「国際的視点で研究、教育機関として名を上げ、留学生が豊橋に学びに来るようにしたい」と意気込みを語った。  榊佳之学長の任期が今年度で切れるため、助教以上の教員らによる選挙結果を踏まえ学長選考会議が決めた。  大西氏は松山市出身。1980年東大大学院工学系研究科博士課程都市工学専攻修了。95〜2013年東大大学院教授。  会見では、国際的に活躍できる人材育成や地域発展のため企業、行政などとも連携を重視するなど、抱負を語った。「榊学長の成果の継承、発展が大事だ。優れた成果を出し続ける基盤を作りたい」と述べた。【清藤天】 "[he-forum 17923] 朝日新聞10/26","朝日新聞 2013年10月26日09時52分 大学新設、来春5校認可 文科省審議会、全申請認める  文部科学省の大学設置・学校法人審議会は25日、来春に大学5校、大学院1校の新設を認める答申を出した。13大学で15学部、12大学院で13研究科の開設も認めた。看護を中心に、資格に結びつく教育内容のものが目立つ。  昨秋、田中真紀子文科相(当時)が一時3大学の新設を不認可とする問題が起き、審議会は今回から学生確保の見通しなどについて詳しい説明を聞くようにした。文科省は「可否の判断を厳しくしたとは考えていない」といい、今回は1校が途中で申請を取り下げた以外は、新設の全申請が認められた。  開学予定は次の通り。  【大学】山形県立米沢栄養(同米沢市)▽敦賀市立看護(福井県敦賀市)▽日本医療(札幌市)▽京都看護(京都市)▽大和(大阪府吹田市)【大学院】新見公立(岡山県新見市)= "[he-forum 17922] 読売新聞10/26","読売新聞 2013年10月26日付 子どもの貧困(8) 奨学金可否で進学に明暗  東京都多摩市で9月、イトーヨーカ堂の創業者が設立した公益財団法人・伊藤謝恩育英財団が開いた奨学金研修会。  奨学金を受ける全国の大学生約140人が自分の専攻や将来の目標を語り合っていた。  その中に東京大学に今春入った男子学生(19)の姿もあった。「奨学金のおかげで充実した学生生活を送れる。将来は国際NGOに入り、発展途上国のために働きたい」と学生は語った。  この財団の奨学金は経済的に苦しい家庭に配慮し、返済の必要がない「給付型」で、入学一時金30万円のほか、毎月6万円が支給される。学生は飲食店のアルバイトを週3回こなし、実家から仕送りを受けていない。  学生が中部地方の公立高校2年生だった時、父親が経営する会社が倒産し、両親は離婚した。一緒に暮らす母親が働きながら借金を返済していたため、学生は大学の入学金や授業料を母親に頼れない状況になった。  そんな時に学校で知ったのが同財団の奨学金だった。  大学入試の前に奨学金支給の内定が出る「予約型」というタイプで、学生は昨年10月に内定通知を受けた。「入学後の見通しが立ってほっとした。何としても合格しようと思った」といい、早朝や放課後、休日も学校で受験勉強に打ち込んだ。  独立行政法人・日本学生支援機構の調査では、2010年度に奨学金を受けた大学生や高校生などのうち、給付型は11%(約19万人)。返済が必要で卒業時に数百万円の負債を抱えることもある「貸与型」が89%(約152万人)を占めており、給付型の拡充を望む声は強い。  ただ、いずれの奨学金も受けられず、進学をあきらめる例も少なくない。  茨城県立高校3年生の男子生徒(18)は情報処理の科目が得意で、ゲームソフト制作の専門学校への進学を考えていた。  しかし、パートを掛け持ちする母親の月収は10万円程度。母親、兄妹と4人暮らしの生活を考えれば、進学費用は自分で用意するしかなかった。  1年生の夏からアルバイトを始めたが、アルバイト代から家の光熱費を負担しなければならず、3年生の夏になっても進学に必要な100万円をためられる見通しは立たなかった。  さらに、アルバイトや家事に時間を取られて英語や数学の成績は下がっていった。奨学金の審査を通るのは難しくなり、結局、進学を断念した。その後、就職活動を始めたが、希望した情報処理会社には採用されず、来春から地元企業での工場勤務が決まった。この男子生徒は「勉強だけに専念できていたら、と悔しい気持ちはある。でも、今は頑張って働きたいと思っている」と話す。  貧困家庭の高校生を支援する「首都圏高校生集会実行委員会」世話人の鈴木敏則さん(62)は「アルバイトに疲れ果てた高校生は十分勉強できず、進学も将来の夢もあきらめてしまうことが多い。家庭の経済状況によって進路選択の幅が狭められることがないよう、給付型奨学金の拡充など教育費の負担軽減を進めるべきだ」と訴える。(山田睦子、大広悠子) "[he-forum 17919] しんぶん赤旗主張10/27","しんぶん赤旗主張 2013年10月27日付 高校無償制廃止 生徒の学び支える制度壊すな  安倍晋三内閣は、高校授業料の無償制をやめ所得制限を導入する法案を国会へ提出しました。そのかわりに低所得世帯等への支援を拡充するといいます。日本共産党は無償制廃止に反対です。 世界では授業料ゼロ  高等教育の無償制は国際人権規約にも明記された、世界の人々の権利です。教育を受けることは、人として生きていくうえで欠かせません。若い世代が学び、新しい知識や技術、理想を身につけることは社会の貴重な財産となります。だから教育を人権と認め、社会全体で支えようというのが、無償教育の理念です。経済協力開発機構(OECD)諸国のほとんどで公立高校授業料はゼロです。  日本は4年前に無償制を導入し、世界の仲間入りをしました。昨年には人権規約の無償条項への留保を撤回し、無償化をすすめる国になると宣言したばかりです。  無償制をやめる法案は、大きな後退と言わなければなりません。  政府は所得制限により2割程度の生徒を無償から外す計画です。「同じ教室で授業料を払う生徒とそうでない生徒に分けていいのか」。現場の声は痛切です。  しかも法案は、保護者が申請しなければ、授業料を払わせる仕組みです。非正規雇用などで収入把握がむずかしい保護者が書類を出せず、無償から排除されかねません。ほぼ全家庭からの申請の受け付け、公立高での授業料徴収の再開など新たな事務が生じ、多額の経費がかかる問題もあります。  「高所得世帯は授業料を負担してもいいのでは」という考えはどうでしょうか。しかし、高所得世帯には授業料でなく、税金の形で負担してもらい、国際的な人権保障の制度である無償制を守るのが、とるべき対応です。  国は所得制限で890億円を捻出するといいます。しかし、大資産家優遇の税制を改め、年収3000万円以上の高額所得者への課税を1998年の水準に戻せば約1000億円が捻出できます。こうした方向こそ、適正な経済的負担のあり方です。  もちろん低所得家庭等への支援拡充はおおいに進めるべきです。  私立高校の平均学費は約55万円、保護者の負担は重く「同じ高校なのになぜこんな違うのか」の声は切実です。公私間格差の是正に本腰をいれる必要があります。  通学費が工面できず学校を続けられないなど深刻な実態も残っています。経済的理由で高校を諦める生徒が出ないような給付制奨学金の創設もまったなしです。  ところが法案には支援拡充の条文がなく、来年度予算編成で検討するというだけです。このままでは無償制廃止が決まっただけとなりかねません。無償制を守り、私学と低所得世帯への支援を拡充させるとりくみを広げましょう。 重すぎる負担の軽減を  政府が無償制の廃止法案の横で低所得世帯支援をちらつかせているのは、国民を分断し抵抗をそぐためです。連帯の精神ではねのけましょう。  日本は高校も大学も「世界一の高学費」で、国民の負担は限界にきています。負担軽減は国民的課題であり、高校の無償化はその一歩です。日本共産党は「あなたの学びを社会全体で支えます」と高校生、さらに大学生に言えるような国をつくるため全力をあげます。 "[he-forum 17921] 産経新聞10/27","産経新聞 2013年10月27日付 大学入試改革 職業資格試験も活用 簿記など提言へ 教育再生会議  政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)が議論している大学入試改革で、TOEFL(英語運用能力テスト)だけでなく簿記などの資格検定試験も学力試験と同じ扱いで大学入試に利用するよう、各大学に求めていく方向で調整が進められていることが26日、文部科学省関係者への取材で分かった。学力だけの知識偏重の入試制度を改め、能力や適性を総合的に判定する選抜方法にするのが狙い。今月末に開かれる実行会議で第4次提言としてまとめられる。  入試に利用される資格検定試験としては、簿記など職業分野の各種資格・語学検定のほか、工業高校の生徒が取得した資格や技能を点数化して評価する「ジュニアマイスター顕彰制度」などが含まれる見通し。語学系の大学ならTOEFLや実用英語技能検定(英検)、経営学部系なら簿記といったように、各大学各学部の特色に応じた試験が利用されるという。  実行会議が検討している入試改革ではこれまで、高校在学中に基礎学力を測る「達成度テスト・基礎レベル」を創設するとともに、現行の大学入試センター試験を「達成度テスト・発展レベル」として衣替えし、一体運用していく方向で調整が進められている。  資格検定試験は発展レベルのテストの代わりとしても活用されるといい、文科省関係者によると「学力水準の達成度の判定と同等に扱われる」という。どの試験を入試に利用するかは各大学の判断に任せられるが、導入した大学に国が財政支援を行うなどして、積極的な利用を促進する。  資格検定試験を大学教育に活用することについては、自民党の教育再生実行本部が今年4月、国公立大でTOEFLの成績を受験や卒業の要件とするよう求める方針を策定。これを受けて政府の教育再生実行会議でも5月、大学教育におけるTOEFLの活用を盛り込んだ第3次提言を打ち出していた。  今回の第4次提言は入試改革がテーマで、語学検定だけでなく職業分野の資格検定試験を大学入試に活用することに力点を置いた。 "[he-forum 17920] 河北新報10/25","河北新報 2013年10月25日付 東北7国立大、大型放射光施設誘致 東北大「推進室」設置  東北大は、東北の7国立大が取り組む「大型放射光施設」の誘致実現を目指し、同大電子光理学研究センター(仙台市太白区)に「東北放射光推進室」を設置した。誘致活動の実働部門として施設設計、運営方法の検討などに当たる。  推進室は室長を務めるセンターの浜広幸教授をはじめ、学内外のビーム物理学者や放射光科学研究者など十数人で構成される。  既存の放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)、「フォトンファクトリー」(茨城県つくば市)からも研究者を室員として加え、加速器システムとビームラインの設計、設置場所、運営方法などの検討を行う。  大型放射光施設は、全長数百メートルのリング型や線型の加速器で電子を光とほぼ等しい速度まで加速させ、磁場の力で電子を曲げた際に発生する放射光を利用して物質の構造を分析する装置。  材料開発や医療など科学研究の幅広い分野で利用されている。国内には大小10カ所の放射光施設があるが、東北は空白域となっている。  東北への誘致は2011年の東日本大震災直後、研究者有志が発案。12年6月には7大学の学長レベルによる「東北放射光施設推進会議」(世話幹事・入戸野修福島大学長)、さらに全国の放射光関係者も加えた専門委員会を発足させ、国に設置を働き掛けてきた。  14年度政府予算の文部科学省概算要求に放射光施設の調査費が盛りこまれたことから、推進会議の窓口や予算の受け皿となる推進室を東北大に置くことにした。  推進会議はリング型の施設新設を目指す。全長約300メートルで、リングの直径は約100メートル。炭素や酸素など「軽元素」の解析に適しているという。浜教授は「東北の復興にとどまらず日本の科学技術をリードする施設を目指す」と話す。 "[he-forum 17918] 河北新報10/26","河北新報 2013年10月26日付 東北への大学医学部新設 地域医療貢献度が焦点  政府が検討に着手した東北への大学医学部新設をめぐり、東北ではこれまでに財団法人厚生会仙台厚生病院と東北薬科大(いずれも仙台市青葉区)が設置構想を明らかにした。新設は1校に限られ、どちらが運営主体に選ばれるかが焦点となる。東日本大震災で疲弊が増す地域医療への貢献度も重要な判断基準になるとみられる。両構想のポイントを整理し、展望を探る。(報道部・菊池春子) <医師不足対策>  各構想の要点は表の通り。東北福祉大(青葉区)を連携先とする厚生病院は医師不足対策として定員の3割を奨学生で受け入れ、卒業後は指定病院への7年間勤務を義務付ける案を作った。  奨学生は全国から募集し、東北出身者を優先する。奨学金の返還は勤務先の自治体などが肩代わりする。希望に応じ他の学生にも学資を貸与し、東北の任意の病院での勤務7年間を義務化する。  奨学金受給者は3人一組で指定病院に派遣する。厚生会の目黒泰一郎理事長は「孤立を防ぎ、交代で休める体制が築ける」とメリットを挙げる。  薬科大は10人程度の地域枠を設け、東北の各高校からの推薦で選抜。指定病院への9年間の勤務を義務とし、成績上位者の学費減免も検討する。  地域枠とは別に、希望する学生には必要な学資を貸与する。貸与した年数の2倍の期間、医師派遣を希望する東北の病院での勤務を義務付ける。  高柳元明理事長は「意欲にあふれる東北出身者を入学させ、地域に定着する医師として育てたい」と言う。地域枠の拡大も検討していく。 <教員の確保策>  指導教員の確保も焦点だ。日本医師会などは「地域医療の現場から働き盛りの勤務医が引き抜かれ、医師不足が加速しかねない」と懸念する。  厚生病院は、総合臨床医育成の先進地米国で活躍する日本人医師ら国内外から人材を集める考え。目黒理事長は「米国並みの厳しい教育を受けた総合医こそ東北で即戦力になる。国際的視野で教員を確保する」と語る。  薬科大は、東北大を含む全国の大学から教員を集める方針。旧東北厚生年金病院(宮城野区)を取得し、今年4月開設した付属病院には「臨床系の教授にふさわしい医師も多くいる」(高柳理事長)。薬剤師養成の実績を生かしチーム医療を担う総合医育成を目指す。 <専門家の見方>  1979年以来となる医学部新設はどんな手続きで進むのか。東北への設置は復興支援の特例措置となり、文部科学省医学教育課は「従来の設置基準や手続きとは別に考えねばならない」と説明。「被災地の地域医療や復興に長期的に寄与できるかが重要だ。地元自治体や厚生労働省、復興庁などと協議して進める必要がある」と話す。  地域医療に詳しい伊関友伸城西大教授(行政学)は「医学部をつくって終わりではなく、地域に定着する総合医をいかに数多く育てるかが大前提となる」と指摘する。  その上で「地域医療の体制構築は東北全体の問題だ。地元自治体や知事会などが当事者意識を持ち、どんな医学部や設置主体がふさわしいか検討すべきだ」と提言する。 "[he-forum 17917] 時事通信10/25","時事通信 2013年10月25日17時37分 大学など6校の新設答申=見直し審査基準で初-設置審  大学設置・学校法人審議会は25日、山形県立米沢栄養大(米沢市)など公私立大5校と新見公立大大学院(岡山県新見市)について、2014年度の新設を認めるよう下村博文文部科学相に答申した。田中真紀子前文科相が昨年、3大学を一時不認可とした問題を受けて見直された基準で初めて審査した。  審査では、新たに学長候補者から計画について直接聴取する「全体構想審査」を導入し、学生確保の見通しについても書類の提出を求めた。文科省は「申請内容は毎年異なるので、見直しの成果は今後の動向を見る必要がある」(大学設置室)と話している。  認可を答申したのは他に、敦賀市立看護(福井県敦賀市)、日本医療(札幌市)、京都看護(京都市)、大和(大阪府吹田市)の各大学。 "[he-forum 17924] 読売新聞徳島10/29","読売新聞徳島版 2013年10月29日付 徳島大・香川学長を再任  徳島大は28日、学長選考会議を開き、香川征(すすむ)学長(68)の再任を決めた。任期は来年4月から2年間。  会議後、記者会見した香川学長は、教養教育を充実させるための新組織設立に取り組むとしたほか、工学部を改組し、大学院と一体となった6年一貫コース導入や、女子学生が集まるような学科新設も検討していく考えを示した。  香川学長は高松市出身で、専門は泌尿器科学。1969年に同大学医学部を卒業後、88年から同部教授を務め、2010年に学長に就任した。 "[he-forum 17926] 読売新聞広島版 10/29","読売新聞広島版 2013年10月29日付 古本売って広大生支援 奨学金原資の基金に  広島大は、学生らが不要になった本を売ったお金で奨学金などの原資「広島大学基金」に寄付する「広島大学古本募金」を11月2日からスタートさせる。学生支援の一環で、中四国・九州地方の国立大では初めて。  「Book cycle~ヒロガル×ツナガル」プロジェクトと称し、古本の販売・買い取り業者「バリューブックス」が在学生や卒業生、教職員などから書物を買い取り、その代金が基金に寄付される仕組み。一般の人も参加できる。  買い取りの対象は本、DVD、CD、ゲームソフトで、5点以上であれば送料無料で引き取ってもらえる。漫画雑誌は対象外。「バリューブックス」に電話し、「広島大学古本募金プロジェクトへの申し込み」と伝えれば、同社が市場価格を考慮して査定する。  同基金は2007年に設立され、「フェニックス奨学金」や短期海外研修制度「STARTプログラム」、「大学院学生のための国際学会発表支援」などの事業に使われている。基金残高は現在約6億円。  問い合わせは、広島大基金事務局(082・424・6132)かバリューブックス(0120・826・292)。 "[he-forum 17925] 京都新聞10/29","京都新聞 2013年10月29日付 「京大ファンド」に熱視線 説明会盛況、投資先選定に懸念も印刷用画面を開く  産学協同で大学の研究成果を実用化する取り組みに対する国の出資先に京都大が決まり、出資金の活用に京都の産業界が注目している。大学と民間でつくるファンドなどを通じて出資金を投資する仕組みで、このほど開かれた説明会では高い関心が示される一方、投資先の選定などに対する懸念もみられた。  2012年度補正予算で決まった国立大学に対する国の出資事業で、京大や東京大など4大学に計1千億円が出資された。京大には292億円が投じられる。産学出資のファンドなどから、大学発ベンチャーや企業との合弁会社に出資する仕組み。今臨時国会で審議予定の国立大学法人法の改正を受け、大学がファンドなどに出資できるようになる。  京大がこのほど開いた説明会には、大学との共同事業を考える企業や出資を検討する金融機関の担当者ら約200人が出席した。  会場からは「大学にどういうシーズ(ビジネスの種)があるのか」「投資件数はどれくらいか」などの質問があり、出資を活用した事業展開への関心の高さをうかがわせた。一方、「大学の先生と以前から付き合いのある企業と、それ以外のところが平等に扱われるのか」といった声も上がった。  京大は適切な投資先の選定や、出資事業に対する統治体制づくりを進めるという。小寺秀俊京大理事・副学長は「海外に比べ、日本は研究の実用化(のスピード)が遅い。日本なりのやり方を考え、大学が生み出した成果が市場に出ることを加速させたい」と意気込む。  「ベンチャーの都」と称される京都でも、近年はベンチャー企業は出にくくなっているとされる。説明会にも出席した服部重彦京都工業会長は「京都の活性化のためにも、産業界が大学発の研究成果の実用化に応えていきたい」と話している。 "[he-forum 17927] 河北新報社説10/29","河北新報社説 2013年10月29日付 大学入試改革/納得の得られる制度目指せ  政府の教育再生実行会議が、現行の大学入試センター試験に替わる新テストの創設を、近く安倍晋三首相に提言する。  高校生の学習到達度を把握する「基礎」と、大学の一般入試に利用される「発展」の2種類のテスト導入が柱で、それぞれ高校在学中に複数回の受験を可能とする案が有力だ。  実現すれば、1979年に始まった共通1次試験以来続いてきた、「一発勝負」による入試制度の見直しにもつながる大改革となるだけに、関心は高い。  制度設計や運営体制などの検討は、文部科学相の諮問機関・中央教育審議会(中教審)が担うが、入試改革の及ぼす影響は教育界にとどまらない。拙速を避け、慎重な議論と国民への丁寧な説明を強く求めたい。  大学入試は本来、大学の定めた教育理念と求める人材にふさわしい受験生を選抜する最も重要な手続きのはずだ。  しかし、大学が自らの責任を放棄していると見なされても仕方がない状況が目立っている。  経営環境が厳しい私立大では、入試問題を自前で作れず予備校などに外注している。学力を問わない推薦・AO(アドミッション・オフィス)入試を安易に拡大し、学力低下を招いている大学も少なくない。  多くの私立大が利用するセンター試験についても、難易度の問題から得点分布の二極化が進むなど、制度疲労を指摘する声が強く、選抜ツールとしての役割に疑問符がついて久しい。  こうした現状を見れば、受験生の能力や意欲を多面的に評価する入試制度への転換は急務と言える。ただ、新制度の成否は、どれだけ多くの大学と高校が参加するかにかかっており、関係者や専門家らによる綿密な議論が必要になるだろう。  例えば、センター試験を引き継ぐ「発展」テスト。知識偏重というこれまでの反省を踏まえ、1点刻みではなく一定幅の段階評価とする。大学入学後に必要な基礎学力を見極める資料との位置付けだ。  大学には、面接や論文等を組み合わせた2次試験を求め、総合的な人物評価を促すというが、評価分け段階での線引き作業は残る。面接の実施は受験生が多い大学ほど負担増となり、面接官を増やせばそれだけ公平性が問われることにもなる。  また、受験機会を複数回とする案は、天候や体調に左右されて実力を発揮できない不運を救う点から理解できるものの、どの段階から認めるかは悩ましい。仮に高校2年で認めれば、早期の受験対策を強いて競争をあおる結果にもなりかねない。  新たな制度の必要性を認識してもらい、納得を得られる内容に仕上げない限り、現場の抵抗感は強いと予想される。中教審の責任は重い。  そもそも入試は、大学が社会の求めに応えて描く未来像を念頭に検討されるもので、入り口の技術論だけで完結するテーマではない。見直しは広範な大学改革の中の一つでしかないという原点を忘れてはならない。 "[he-forum 17928] 共同通信10/30","屋嘘・渥外€ョ穏旭€梳凾タ【共同通信】 大学の卒業認定厳格化へ 留年増でも補助金減額せず  政府の教育再生実行会議は29日、留年する学生が増えて定員を超過した場合、大学への補助金などが減額される現 在の制度を緩和するよう提言する方針を固めた。成績の悪い学生でも留年させにくいという現状を改め、大学の卒業認定を厳しくするよう促して「出口管理」を 強めるのが狙い。  「入学しにくく、卒業しやすい」と指摘される日本の大学の在り方を見直し、知識偏重の入試を変えると同時に、大学生の学習量を増加させることを目指す。 "[he-forum 17930] 東京新聞社説11/1","東京新聞社説 2013年11月1日付 法曹養成 何のための予備試験か  今年の司法試験では、法科大学院を修了しない人の合格者が激増した。本来は社会人らを想定した予備試験が、現役学生の“特急コース”になっているのだ。放置すれば、大学院制度が空洞化する。  予備試験はもともと経済的事情で法科大学院に進めない人や、実社会で経験を積んだ人にも法曹資格を得るための道としてつくられた仕組みだ。大学院修了者と同等の学識や、応用能力、法律実務の基礎的素養を判定される。  二千四十九人の合格者が出た今年の司法試験では、予備試験組から百二十人が難関を通った。  昨年は五十八人であったから、一気に倍増したわけだ。  とくに注目したいのが、大学生が四十人、法科大学院生が三十四人にのぼることだ。合わせると、七十四人である。全員が経済的に困窮しているとは限らない。むしろ、法科大学院を経ないで、司法試験に合格する“特急コース”と化しているとみられている。  二十歳から二十四歳の合格者が六十四人に達することからも、それが推察される。合格率も70%超の高い水準だ。「真のエリートコース」とも呼ばれる現状だ。  それに比べて、法科大学院を経た人の合格率は20%台にとどまり、低迷を続ける。このままだと今後、予備試験組の合格者が爆発的に増える可能性が極めて高い。大学院組と予備試験組との合格割合を均衡させることが、閣議決定されているからだ。必然的に大学院制度の空洞化につながる。  では、実際に実社会から狭き門を通った人を数えると、公務員や会社員、自営業を合わせても、二十五人にとどまる。本来の予備試験の趣旨どおりに運用されているとは言い難い。  しかも、現役学生の場合、親の年収などのチェックが全く行われていない。「経済的事情」の約束事が空文化しているのは問題である。予備試験はあくまで例外的制度であり、年齢制限や、現役学生には受験させないなどの対策を考えてはどうか。  “特急コース”も認める意見もあるだろう。だが、司法試験という一発勝負の「点」での選抜ではなく、大学院を通じた「プロセス」で、法曹人を養成するよう転換したのだ。「点」への逆戻りを許しては、司法制度改革の意義がかすんでしまう。  “エリート”の選別に予備試験が使われる現状は、新制度の逸脱ではないだろうか。 "[he-forum 17929] 読売新聞社説11/1","読売新聞社説 2013年11月1日付 大学入試改革 人材の発掘・育成に繋がるか  大学入試制度の改革には、多大なコストがかかる。十分な効果が得られるのか、慎重な見極めが必要である。  政府の教育再生実行会議が、大学入試改革に関する提言をまとめた。1990年から続く大学入試センター試験に代わり、難易度の異なる「基礎」「発展」の2種類の達成度テストを新設するのがポイントだ。  「基礎」テストは、高校生の基礎学力を調べる。提言は、この結果を推薦入試や、面接などによるAO(アドミッション・オフィス)入試で活用するよう求めた。  推薦・AO入試の増加で、高校生の学習意欲が減退し、学力低下を招いているとの指摘がある。新たなテストが高校生のやる気を引き出し、学力向上に結び付けば、導入する意味はあろう。  「発展」テストは、大学進学に必要な学力の判定が目的だ。センター試験と異なり、結果は1点刻みの点数ではなく、大まかなランクに分けて示される。  各大学は、これを基礎資料とした上で、論文や集団討論などで独自選考を行い、高校時代の活動実績も勘案して合格者を決める。  面接官に学外の企業人を起用することも提言に盛り込まれた。  筆記試験の点数で合否を判定する従来の入試には、知識偏重で、受験生の意欲や創造性が評価されていないとの批判がある。  大学に求められるのは、変化の激しい時代において、柔軟な発想力や問題解決能力を備えた人材の育成だ。総合的かつ多角的に受験生を評価する選抜方法を検討する意義はあると言えよう。  だが、課題も少なくない。  選抜にはこれまで以上に手間や労力を要するだろう。マンモス大学では対応できるのか。  点数という明確な評価基準がなくなるため、受験生が選抜の公平性に不満を抱きかねない。  テストは複数回受けられる仕組みにする方向だが、実施時期が高校3年の秋頃になれば、高校の授業や行事に影響を与える。  何よりも懸念されるのは、「発展」テストの導入が優秀な人材の発掘や育成に繋(つな)がるのか、不透明なことだ。中央教育審議会でさらに議論を深めてもらいたい。  日本では、進級や卒業の際の成績評価を厳格に行っていない大学も多い。入学さえしてしまえば、比較的簡単に卒業できるという状況は今も変わらない。  入試制度の改革にとどまらず、大学教育の抜本的な機能強化を図ることが大切である。 "[he-forum 17931] 産経新聞10/31","産経新聞 2013年10月31日付 大学入試改革提言、現場への十分な配慮必要  現行の一発勝負、1点差勝負の大学入試制度からの大転換を求め、31日にまとめられた教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)の第4次提言。複数回受験できる「達成度テスト」の導入を柱にしており、「平成2年の大学入試センター試験開始以来の大改革」(安倍晋三首相)となる。だが、受験生や学校側の負担も少なくなく、今後議論される具体的な制度設計にあたっては、教育現場への十分な配慮が必要といえそうだ。 ■複数回チャレンジ  第4次提言の最大のポイントは、生徒がもつ本質的な能力や適性を、どのように評価するかだ。現行の一発勝負型の入試制度は運にも左右され、1点差勝負型の評価方法には「知識偏重」との批判が強かった。  実際、1点刻みの点数評価ではボーダーラインに得点が集中し、「東京大学の入試をやり直したら合格者の3分の1が入れ替わるだろう」(大学関係者)との声もあるほどだ。  第4次提言では、高校在学中に実施される「達成度テスト・基礎レベル」と、大学入試センター試験に代わる「達成度テスト・発展レベル」を導入。いずれも複数回受験できることにした。 ■透明性を保てるか  だが、大幅な入試改革には高校や大学側からの反発も予想される。東京の都立高関係者は「複数回のテストを行うとなれば、授業カリキュラムの変更だけでなく、生徒のクラブ活動にも大きな影響が出る」と話し、負担増を懸念する。  入試の公平性、透明性をどう保つかも課題だ。第4次提言では、発展レベルのテストで結果を1点刻みの点数で示すのではなく、一定幅の点数で段階別に表示することにし、大学ごとに実施する2次試験では面接や論文なども重視するよう求めた。しかし、その評価と採点基準をめぐり、疑問視する声も根強い。  入試現場に詳しい北海道大学の佐々木隆生名誉教授は「生徒の発言力や文章力を高める必要性はもちろんあるが、入試のための面接や論文になってしまっては意味がなく、誰もが納得するかたちでの合否判定は困難だ」と話す。 ■丁寧な進め方を  こうした批判は、政府でも十分認識している。安倍首相は31日、「小学校から大学までの教育全体を変えていくことにもつながる」と提言内容を評価するとともに、「受験生、保護者、国民に説明を行いながら、丁寧な進め方が重要だ」とも述べた。  第4次提言では、大学入試改革の目的として、「高校教育で本来養うべき・多面的・総合的な力の育成」を打ち出している。そのためには、大学入試に合格することが目的化しているような現状を大胆に変えていくことが不可欠だ。  下村博文文部科学相は「中央教育審議会で具体的な実施項目を検討し、入試改革を着実に実行していきたい」と強調した。 "[he-forum 17938] 毎日新聞11/5","毎日新聞 2013年11月05日 03時00分 不正経理:山形大工学部、余剰金をプールし転用  山形大工学部(山形県米沢市)が、国に単年度決算を義務付けられている教育研究活動費について、使い切 れなかった分はプールし、施設維持・管理費などに転用していたことが大学関係者への取材で分かった。結城章夫学長は毎日新聞の取材に「不適切な状態だっ た」と認め、工学部に是正を指導した。  工学部によると、教育研究活動費は文部科学省が大学運営のために渡す「運営費交付金」から支出され、工 学部の教員約200人に1人あたり年平均200万円配分している。工学部の年間予算約12億円のうち約4億円を占める。同省は2010年10月、年度をま たぐ積み立てにより次年度以降の使途が不明朗になる弊害があるとして、国立大学法人に対し単年度決算を徹底するよう文書で指導していた。  しかし、大学関係者によると、工学部は少なくとも約10年前から、余った教育研究活動費を一括して各教 員から借りる形でプールし、各教員には「使い切れなかった分は、それぞれの翌年分の教育研究活動費に上乗せする」と約束し、協力を求めていた。プールした 金は、新しく建設した研究施設への設備搬入費用などに転用していた。  工学部はプール金関係の収支の帳尻を合わせるため、学部予算を投入するなどしてきたが、学部の12年度 決算で2億2000万円の赤字を出して破綻。大学本部が調査してプール金の存在が発覚した。大学本部によると、プール金の運用が始まった時期や、年間の運 用規模などの全体像は不明という。  工学部は有機エレクトロニクスの国内最大級の研究拠点。国などから多額の補助金を受けて次々に研究施設を建設しているが、設備搬入費用など付随する経費がのしかかり、教育研究活動費に頼るようになった。  結城学長は取材に「学部と教員との間で予算を貸し借りするような状態は不適切であり、今後行わないように指導した」と話した。【前田洋平】= "[he-forum 17937] 日本経済新聞11/1","日本経済新聞 2013年11月1日付 大学入試、知識偏重を転換 再生会議が新テスト提言  政府の教育再生実行会議は31日、現行の大学入試センター試験を廃止し高校在学中に複数回受験できる「達成度テスト」(仮称)の創設を安倍晋三首相に提言した。一般入試に活用する「発展」と推薦・AO(アドミッション・オフィス)入試に使う「基礎」の2つのレベルを設定。発展レベルは知識偏重とならないよう、5~10の段階別で結果を評価する。  1979年に始まった共通1次試験以降、1回の共通テストの結果に基づき1点刻みで合否を判定してきた入試のあり方を転換する。提言は各大学が実施する2次試験で面接や論文を重視するよう要請。意欲や適性も含めた総合評価で選抜し、イノベーションを起こせる人材育成を目指す。  同会議の鎌田薫座長(早稲田大総長)から提言を受けた安倍首相は「改革を通じ、記憶力中心の受け身の学力にとどまらず、主体的に学ぶ力を育て積極的に評価していくべきだ」と話した。  今後は中央教育審議会(中教審)で具体的な制度設計を協議し、来年3月をメドに答申する。文部科学省は早ければ5年後の導入を目指すとしているが、体制の整備には大学や高校関係者の理解が不可欠で、実現には曲折も予想される。  提言によると、達成度テストの発展レベルはセンター試験に代わるものと位置付け、大学が求める学力水準の達成度を測る。点数に応じ5~10段階に成績を分類し、各大学の2次試験の基礎資格とする。基礎レベルの新テストは希望参加型で、高校の基礎的・共通的な学習の到達度をみる。いずれも在学中に複数回受験できるようにする。  提言は「入学しにくく卒業しやすい」とされる大学の構造改革も提案した。幅広い教養を身につけた質の高い学生を社会に送り出すため、転部や転学など、大学入学後の進路変更が柔軟にできる仕組みの構築や、成績評価と卒業認定の厳格化を求めた。  高校と大学の連携強化では、大学レベルの授業を高校で実施し大学進学後に単位認定する「アドバンストプレイスメント制度」の導入や、大学入試での国際教育プログラム「国際バカロレア」資格の積極活用を促した。 "[he-forum 17936] 北海道新聞社説11/2","北海道新聞社説 2013年11月2日付 大学入試改革 具体像が見えてこない  政府の教育再生実行会議が、大学入試センター試験に代えて、「基礎」と「発展」の2種類の達成度テストの導入を提言した。  今後、中教審で実施に向けた制度設計を行い、5、6年後の導入を目指す。  実現すれば受験制度の抜本的な改変となる。将来の受験生や親にとっても無関心ではいられない。  だが、高校の学習達成度と大学進学の適性を測るために、なぜ2種類のテストが必要なのか。その理由があいまいだ。テストの性格づけも不明瞭で、具体像が見えてこない。導入には慎重な論議が不可欠だ。  提言によると、基礎テストは高校生に必要な学習の達成度を把握するもので、在学中に希望者が受ける。卒業認定や大学入学資格には使わず、推薦やアドミッション・オフィス(AO)入試に役立てるという。  一方、センター試験に相当する発展テストは1点刻みの成績評価をやめ、各大学に面接など人物重視で最終選抜を行うよう要請している。  「1点刻みを廃す」「人物重視」と聞こえはいいが、テストでレベル分けし、大学に独自選抜を求める点で、「ふるい落とし」の発想から抜け出ていないのは明らかだ。  学ぶ意欲のある人には門戸を広く開く。大学入試はこれを基本に、将来のあり方を検討していくべきだ。  高卒レベルの学力習得が見極められれば、進学希望者はそれぞれの資質に応じた大学に進学できる制度にすることが望ましい。  たとえば、ドイツやフランスは大学入学資格試験を通過すれば原則、希望する大学に入学できる。  センター試験は23年を経て、見直しの時期を迎えている。最大の問題は受験科目が6教科29科目まで増えて複雑になったうえ、高校生が受験対策で細分化した科目に絞って学習するようになった点である。  高校時代に幅広く身につけておくべき知識が偏重し、本来の教育目的が果たせなくなってきた。  この弊害を新しいテストでどう解消するのか。提言は問題点を認識しつつも、解決の道筋という肝心の部分の説明が欠落している。これでは評価のしようもない。  大学には人物本位の最終選抜を求めているが、その実現の可能性にも疑問符がつく。果たして短期間で数千、数万人もの受験生の資質を的確に判別できるだろうか。  選考基準が不明確になり、公平感や信頼感が失われるようでは入試制度の根幹を揺るがしかねない。  達成度テストは制度設計によっては高校、大学双方の変革を促す好機となる。中教審にはさらなる熟慮を求めたい。 "[he-forum 17935] 東京新聞社説11/2","東京新聞社説 2013年11月2日付 入試改革 大学こそ教育力鍛えよ  政府の教育再生実行会議が提言した大学入試の仕組みは、試験漬けの高校生活を招きかねない。問題視される大学生の能力低下には大学システムに由来するものもあり、大学教育の改革が先決だ。  提言の最大の柱は、大学入試センター試験に代えて、基礎と発展の二通りから成る達成度テストを創設することだ。高校在学中にそれぞれ二度、三度と受験できるような仕組みを想定している。  基礎テストでは高校生の日ごろの学習の定着度を確かめる。推薦やAO(アドミッション・オフィス)の入試で参考にするよう促した。  推薦やAO入試では学力不問の形式が多く、入学者は全体の四割を占める。大学生の学力低下の要因という指摘があり、高校時代からやる気を引き出す狙いだ。  発展テストは一般入試に利用する。センター試験とは違い、成績は一点刻みではなく、一定幅のランク別に示す。二次試験では論文や面接、高校での活動実績を踏まえ、人物本位の評価を求めた。  知識の蓄積や瞬時の計算は、もはやコンピューターが担う時代だ。グローバル化や少子高齢化が進み、先行き不透明の社会では自ら問題意識を育み、解決の道筋を描く能力が欠かせない。  従来のペーパーテストでは一点差で合否が分かれたり、暗記力重視に偏ったりしがちだ。数字のみの物差しでは測れない意欲や適性、潜在能力が見落とされる恐れが強い。多面的に人物の品定めをするという発想は自然だろう。  提言のそんな危機感にはうなずける面もある。とはいえ、主体性や独創性に富んだ人材を育てたり、才能を発掘したりするのに達成度テストは役立つだろうか。  一点を争う一発勝負の試験では体調や天候、トラブルに結果が左右されやすい。実力を試す機会が多く与えられるのは、受験生にとって利点かもしれない。  しかし、高校生活を通じて受験対策一色にならないか気がかりだ。スポーツや芸術、ボランティアといった活動も、入試目当てになれば広い視野が養えるかどうか。二次試験での人物評価も難しい。公正かつ公平にできるか不安が残る。  安定経営を優先させて学生確保に走る限り、入試制度を改革しても有能な人材を見いだしたり、育成したりできないだろう。入学も卒業も容易になってしまえば、大学の価値は損なわれる。大学こそ率先して教育力を磨くべきだ。 "[he-forum 17934] 福島民報論説11/4","福島民報論説 2013年11月4日付 【未来支援センター】国が事業資金確保を  福島大の「うつくしまふくしま未来支援センター」が発足3年目を迎えた。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に見舞われた本県の復興を目的に設立され、避難者の生活や帰還の支援、産業や地域復興など多方面で大きな成果を上げている。  文部科学省はセンター運営のための補助金を支給するが、支給年限は平成27年度まで最長5年だ。原発事故の避難が長期化する中、センターによる支援は今後も欠かせない。国は、運営費を大学の恒久財源として確保し、活動を支えるべきだ。  センターは震災と原発事故発生直後の23年4月に入戸野修学長が設立を宣言し、始動した。現在、中井勝己センター長はじめスタッフ63人が大学が持つ専門的知見を生かして、被災者に寄り添う現場第一主義の姿勢で活動に取り組む。  農地・住環境空間放射線量マップを作り、水稲を試験栽培した。風評克服へ県産品販売の「ふくしま復興!マルシェ」を開いた。南相馬市の委託を受け、避難者の自宅帰宅用の大型タクシー運行を支援する。被災地に残された文化財の救援・修復を進めた。富岡町おだがいさまセンター運営を支援する。双葉郡8町村住民の被災実態も調べた。  県内外に散り散りの子どもと保護者が交流する「郷土に想[おも]いを寄せる同窓会事業」を展開している。子どもたちの遊びや学習を手助けし、保護者向けの相談室も開く。飲食物による被ばく線量評価、放射線理解へ住民や市町村職員の研修会も開催する。  国は、センターの事業を高く評価する。被災地の文化財救援・修復事業は今年3月に文化庁長官感謝状を受けた。同窓会事業は今年度版の文部科学白書に復興を担う人材育成の好例として紹介された。  国の補助金は初年度の23年度に1億5千3百万円、24年度に1億3千万円、25年度に1億2千万円拠出されたが、補助金だけで事業費は全て賄えない。3年間に寄せられた寄付などの外部資金約3億円が頼りだ。  同様の補助金は福島大のほか福島医大、いわき明星大にも支給されている。宮城、岩手、青森の震災被災県の大学も活用する。本県は震災に加え原発事故との複合災害の渦中にある。廃炉まで40年、復興へ長く細く険しい道のりが見込まれる。  県内大学の支援事業は本県の未来を照らす一筋の光だ。国は外部資金で賄う分も含めて、事業費を大学の恒常的財源である運営費交付金に転換してほしい。(小池 公祐) "[he-forum 17933] しんぶん赤旗11/4","しんぶん赤旗 2013年11月4日付 国立大へ介入やめよ 衆院文科委 文科相を宮本氏追及  日本共産党の宮本岳志議員は1日の衆院文部科学委員会で、文部科学省が国立大学の目標設定や組織のありようにまで介入している問題を取り上げ、ただちに中止するよう求めました。  介入が先行して行われている教員養成系の国立大学では、同省が各大学に対し、目標として「広域拠点型」「地域密着型」「大学院重点型」の3類型のいずれかを提示しています。文科相は教員組織のあり方についても、学校現場の指導経験がある教員の割合の数値目標を提示。さらに、教育委員会との連携として教育長を構成員とする諮問会議の設置や、新課程の原則廃止、教職大学院の設置など細かく指示しています。  下村博文文科相は「大学の自主的・自律的取り組みを尊重する」としながらも、「文科省も役割を果たすことが求められる」と介入を正当化しました。  宮本氏は、法人化法案の質疑時の答弁と矛盾していると批判。運営費交付金が法人化以降の9年間で1623億円も削減されたことも指摘し、「金も出さず、上から指示するだけではないか」と追及しました。下村氏は「運営費交付金の確保は重要」と答えました。  この日の委員会では、高校授業料の無償化制度を廃止し、来年度から所得制限を導入する政府提出法案の趣旨説明が行われました。 "[he-forum 17932] 中国新聞11/2","中国新聞 2013年11月2日付 山口大の新学長に岡正朗氏  山口大は1日、任期満了に伴い退任する丸本卓哉学長(71)の後任に、大学院医学系研究科教授の岡正朗氏(63)を選んだ。任期は来年4月1日から4年間。  学長選には岡氏と理事の西田輝夫氏(66)、大学院理工学研究科教授の三浦房紀氏(63)、同研究科アドバイザーの増山博行氏(65)が立候補。10月31日に投票を行い、岡氏に決まった。岡氏は「輝く大学に踏み出す途についたところ。母校のために尽くしたい」と抱負を述べた。 "[he-forum 17939] 西日本新聞11/6","西日本新聞 2013年11月6日付 九工大、松永学長の再任を内定  九州工業大(北九州市、福岡県飯塚市)は5日、来年3月末に任期満了を迎える松永守央学長(64)の再任を内定したと発表した。2日の学長選考会議で決めた。文部科学相による任命を経て、正式決定する。  任期は来年4月1日から2年間。松永氏は京都大大学院修士課程修了。九工大工学部教授、副学長10+ 件などを経て、2010年4月から現職。 "[he-forum 17940] 山形新聞11/6","山形新聞 2013年11月6日付 山形大工学部で不適切経理 教員研究費の不用相当額、翌年分に上乗せ  山形大工学部(米沢市)が研究活動のための教員研究費について、年度内に使わなかった予算を別の経費に回し、その分を次年度に教員研究費に上乗せする経理を続けていたことが5日分かった。大学本部が「柔軟な予算編成ができなくなる」として是正するよう指示し、工学部は「不適切だった」として本年度から取りやめている。  工学部によると、国の予算の運営費交付金から配分される教員研究費は研究室ごとに年一律20万円に加え、学生数に合わせて支給される。教員1人当たり年平均で30万円となり、これに外部獲得資金を含めた研究費の中から、教員が使わなかった分を、学部運営上必要な別の経費に充てていた。その分は、あらかじめ教員と約束して予算を確保し、次年度の教員研究費に上乗せする慣習となっていた。  大学本部は同日、記者会見し、柴崎孝、北野通世の両理事が経緯を説明。「次年度に教員に返すと約束することで学部として自由に使える予算が減る。将来的に学部運営に支障を来す恐れがあり、望ましくない。研究費が教員の積立預金のようになってしまうという点でも不健全だ」との見解を示した。その上で「学部に配分された予算は学部長の判断で使い道を変更することができる。現金がプールされている事実はなく、不正経理には当たらない」と強調した。  工学部はキャンパス内での相次ぐ施設工事により設備移転費がかさみ、12年度決算では2億2千万円の赤字を計上。大学本部の調査により、不適切な経理を続けていたことが発覚した。 "[he-forum 17941] 共同通信11/6","共同通信 2013年11月6日10時43分 文科省、法科大学院を5段階分類 補助金傾斜配分、15年度実施へ  文部科学省が法科大学院への補助金支給ルールを見直し、全73校を5段階にグループ分けして補助金を傾斜配分する仕組みを導入する方針を固めたことが6日、分かった。関係省庁と調整して詳細を詰め、2015年度からの実施を目指す。  法科大学院をめぐっては、司法試験合格率の低迷などで、定員割れに陥るケースが続出。文科省は新たな仕組みで全校の経営改善を後押しするとともに、特に課題を抱える法科大学院への補助金削減を厳しくして、統合、再編を促す考え。 "[he-forum 17942] 山形新聞11/6","山形新聞 2013年11月06日 08:06 山形大工学部で不適切経理 教員研究費の不用相当額、翌年分に上乗せ  山形大工学部(米沢市)が研究活動のための教員研究費について、年度内に使わなかった予算を別の経費に回し、その分を次年度に教員研究費に上乗せする経 理を続けていたことが5日分かった。大学本部が「柔軟な予算編成ができなくなる」として是正するよう指示し、工学部は「不適切だった」として本年度から取 りやめている。  工学部によると、国の予算の運営費交付金から配分される教員研究費は研究室ごとに年一律20万円に加え、学生数に合わせて支給される。教員1人当たり年 平均で30万円となり、これに外部獲得資金を含めた研究費の中から、教員が使わなかった分を、学部運営上必要な別の経費に充てていた。その分は、あらかじ め教員と約束して予算を確保し、次年度の教員研究費に上乗せする慣習となっていた。  大学本部は同日、記者会見し、柴崎孝、北野通世の両理事が経緯を説明。「次年度に教員に返すと約束することで学部として自由に使える予算が減る。将来的 に学部運営に支障を来す恐れがあり、望ましくない。研究費が教員の積立預金のようになってしまうという点でも不健全だ」との見解を示した。その上で「学部 に配分された予算は学部長の判断で使い道を変更することができる。現金がプールされている事実はなく、不正経理には当たらない」と強調した。  工学部はキャンパス内での相次ぐ施設工事により設備移転費がかさみ、12年度決算では2億2千万円の赤字を計上。大学本部の調査により、不適切な経理を続けていたことが発覚した。= "[he-forum 17943] 読売新聞11/8","(2013年11月8日07時10分 読売新聞) 公務員給与7・8%引き下げ継続せず…来年度  政府は、2012年度から実施している国家公務員給与を平均7・8%引き下げる特例措置について、14年度は継続しない方針を固めた。  近く給与関係閣僚会議を開いて確認する。国家公務員に連動して給与削減を求められる地方自治体の反発や消費拡大を狙った民間への賃上げ要請との整合性などを考慮した。  国家公務員給与は、東日本大震災の復興財源を捻出するため、2年間に限って引き下げる措置が取られている。政府は今年度、地方自治体に対し、地方 公務員給与について国家公務員と同水準に減額するよう要請し、地方交付税を削減した。大半の自治体は応じたものの「公務員給与削減はデフレ脱却の方向性と 違う。要請は今年度限りにしてほしい」(全国知事会)などの反発が出ていた。 ,,"分類項目 赤" "[he-forum 17944] 退職金減額は無効と佐賀地裁に提訴しました","元佐賀大学の豊島です. 昨日,佐賀大学で退職金減額がなされ,私もそれに該当しました.数ヶ月前から準備をしていました,昨日,2名でこの減額は無効と佐賀地裁に提訴しました. 原告団・弁護団の提訴声明と,私の「提訴の目的と意図について」という文章をブログに転載していますので,お読み頂ければありがたく存じます. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2013-11-07 後者のみ本メールにコピーします. -------- 提訴の目的と意図について           原告 豊島耕一(佐賀大学名誉教授) 私が退職する直前,今年の1月1日に実施された就業規則の変更によって,退職金が本来の額から約6%減額されました.これは労組などとの交渉など適正な手続きを踏むことなく行われ.しかも該当者への通知が実施の数日前という,全く理不尽なものでした.したがって違法なもので,容認できません. 提訴の直接の目的はもちろん,大学当局の不当な行為による私自身の経済的損失を回復することです.しかし同時に,今回の大学の決定の背景にある国立大学と文科省,政府との関係の問題性も同時に明きらかにしたいと思います.つまり,2004年に実施された「独立行政法人」というシステムはとてもグロテスクなもので,「独立」という名前とは反対にむしろ官僚統制を強めるものである,という問題です.この制度は,法に基づかない支配,つまり文科省からの「パワハラ」を一層やりやすくしていますが,まさにそのパワハラによって今回の退職金減額もなされ,また数年前からの賃金減額もなされているのです. パワハラは,賃金という労働条件の問題だけではなく,「大学のミッション再定義」などと称して大学の研究・教育にまで及んでいます.つまり「大学の自治」や「学問の自由」という民主社会の基本的な価値まで脅かしています. 自分自身に降り掛かった使用者の違法な行為については,教育者としても,また長年お世話になった佐賀大学への「忠誠」という意味でも,二重の意味で見逃すことは出来ません.つまり,自らの権利を守り不正と戦うべしとこれまで教えて来たはずなので,今回の事態を放置することはみずからそれを裏切ることになり学生たちに示しがつきません.また,佐賀大学において正常な労使関係が損なわれることに抵抗し,正常化するための職員の方々の努力に,たとえ微力でも加わりたいと思うのです. 私は法学系の人間ではありませんが,イェーリングの「権利のための闘争」という本は法科学生の必読の古典とされているそうです.その中に「倫理的苦痛」という言葉があります.それは,物理的な身体への侵害における肉体的苦痛と同様に,権利侵害に対する警告として与えられるものだそうです.この警告への感性を私は大事にしたいと思います. また次のような一節もあります.「権利者は自分の権利を守ることによって同時に法律を守り,法律を守ることによって同時に国家共同体の不可欠の秩序を守るのだと言えるとすれば,権利者は国家共同体に対する義務として権利を守らなければならぬ」と言うのです.現在の法学がイェーリングをどう評価しているか知りませんが,私は大変説得力を感じます. 最後になりましたが,私の問題提起を深く受け止めていただいた弁護団の皆様,そして物心両面での支援を申し出ていただいた佐賀大学教職員組合の皆様に感謝を申し上げます. -------- 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","""全大教 高等教育フォーラム""","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準",,"分類項目 赤" "[he-forum 17949] 福島民報11/8","福島民報 2013年11月8日付 入戸野氏、中井氏推薦か 福島大学長選  来年3月末の任期満了に伴う福島大の学長選で、立候補・推薦の届け出が7日締め切られた。大学事務局は届け出状況を明らかにしていないが、関係者によると、現職の入戸野修氏(71)=一期=と、同大うつくしまふくしま未来支援センター長で行政政策学類教授の中井勝己氏(61)を学長候補適任者とする推薦書がそれぞれ提出されたもようだ。選挙戦になるとみられる。  同大は11日に学長選考会議を開き、学長候補に適任かどうかを審査し、結果を公示する。12日に実質的な学長選となる学内意向投票が公示され、14日に適任者の所信を公表する。12月2日に大学、付属学校の教職員約500人が投票する。同3日に投票結果を学長選考会議で協議し、次期学長が決まる見通し。  学長の任期は新任の場合は来年4月から4年。ただし、学長の在任期間は国立大学法人法で最長6年と定められており、入戸野氏が続投する場合、任期は2年となる。 "[he-forum 17948] 南日本新聞社説11/7","南日本新聞社説 2013年11月7日付 [大学入試改革] 一発勝負の軽減目指す  政府の教育再生実行会議は、現行の大学入試センター試験に替え、1点刻みではなく一定幅の段階評価とする共通試験の導入を提言した。  高校在学中に学習到達度を測る新たなテストの創設も求め、共通試験と合わせた2本建ての「達成度テスト」を年に複数回受験できるようにして受験生の一発勝負のプレッシャーを軽減する。  入試で実際に評価される受験生の能力と、大学側が本来求めている能力のギャップを少しでも埋めようとの狙いである。だが、実現に向けては大学、高校関係者の理解が不可欠で課題も多い。今後具体的な審議をする中教審には慎重な制度設計を望みたい。  提言によれば、達成度テストは基礎的な学習到達度をみる「基礎レベル」と、大学教育を受ける能力を判定する「発展レベル」の2種類で、後者がセンター試験を引き継ぐ。学力は点数に応じて複数段階に分類して、各大学の2次試験の基礎資格とする。  だが、現在でもセンター試験の点数を重視した選抜だけでなく、2次試験の論文や面接を通して多様な学生を受け入れる大学は増えている。人物重視のアドミッションオフィス(AO)入試や推薦入試も広がり、一発勝負とは無縁のこの二つの制度で入学する学生は4割に達している。  提言は、学力低下の原因として二つの制度をやり玉に挙げ「事実上、学力不問の選抜になっている」と批判した。確かにAOなどの多くは学力試験を課さないため、入学後の学力が問題になることがあるという。基礎レベル達成度テストを新設することで、学力の底上げも同時に図ることができるということなのだろう。  だが、提言は一方でセンター試験の問題点として「多数の出願科目の準備や、約55万人が同時に受験するための運営にかかる負担が増大し、限界に達している」とも指摘した。提言は2本建ての達成度テストを年に複数回実施するとしているが、もっと困難なのではないか。  高校で受けることになる基礎レベルテストについても、誰がレベルを設定し問題を作るのかさえ分かっておらず、新たな負担が増える教育現場の反発が予想される。提言の掲げる理想はよいが、これまで以上に手間のかかるシステムになることは間違いあるまい。  下村博文文部科学相は、新たなテストの導入は5、6年先との考えを示したが、高校教育を巻き込んだ改革に発展する可能性がある。関係者の意見を十分聞きながら実現への道を探ってほしい。 "[he-forum 17946] 四国新聞11/7","四国新聞 2013年11月7日付 国立大中期目標、香川大ほぼ順調/12年度評価  文部科学省の国立大学法人評価委員会は6日、国立大と共同利用機関の計90法人が立てた2012年度分の中期目標について、全法人が「基本的な目標に沿って計画的に取り組んでいる」との評価結果を公表した。  評価委は(1)業務運営の改善と効率化(2)財務内容の改善(3)自己点検・評価と情報提供(4)その他業務運営―の4項目を「特筆すべき進捗(しんちょく)状況」「順調」「おおむね順調」「やや遅れている」「重大な改善事項がある」の5段階で評価した。  安全管理や法令順守に関する(4)で10法人が「やや遅れている」との評価。研究費の不適切な使用があった北海道大や静岡大、臨床研究倫理違反があった東京医科歯科大などが該当した。  それ以外の項目はいずれも「おおむね順調」以上の評価。学外からも給与を受けられる制度導入など、人事システムを改革した東大などが(1)で「特筆すべき進捗状況」と判断された。  香川大は(1)が「おおむね順調」、(2)、(3)、(4)はいずれも「順調」の評価で、改善すべき課題の指摘はなかった。全体としては、本年度から外国語学習の特別授業などを行う「特別教育プログラム」を開始するなど、目標に沿って計画的に取り組んでいることが評価された。 "[he-forum 17945] 朝日新聞11/8","朝日新聞 2013年11月8日付 富山大と県が連携策を協議 学長・教育長ら19人参加 【吉川喬】富山大学と県との連携について話し合う会議が7日、あった。同大を含む県内の大学・高専が連携した単位互換講義「とやま地域学」の開催結果などが報告された。  「県と国立大学法人富山大学との連携推進会議」で、寺井幹男教育長や遠藤俊郎・富山大学長ら関係者19人が参加した。  会議では、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域からの留学生受け入れ拡大のため、インドネシアやベトナムでの留学フェアへの参加が報告された。また、県内の大学生や同大看護学科卒業生の就職状況、同大医学科卒業生の県内医療機関での研修人数も報告された。  参加者からは移転が予定されている新近代美術館や文化振興に関して、同大芸術文化学部との積極的な連携を求める声が出た。また、就労3年目以降の医師の県内定着率を上げる必要性の指摘もあった。 "[he-forum 17950] 岐阜新聞11/7","岐阜新聞 2013年11月7日付 岐阜大が交流協定 スペイン・カルロス3世大学  岐阜市の岐阜大工学部は、スペイン・マドリードの国立カルロス3世大工学部と学生や教員の交流、教育研究に関する情報交換を推進する学術交流協定を結んだ。  ロボット工学を専門とする3世大の教授が岐阜大の開発した5本指のロボットハンドに興味を示したのが縁で、岐阜大は昨年から3世大の留学生2人を受け入れ。今年9月から岐阜大も学生1人を派遣している。  協定では学生の交換留学を促すため、派遣先で認定された単位の互換ができることや、受け入れ側が入学料や授業料を免除することを明記。教員の相互訪問やセミナー開催、共同研究を推し進め、派遣先で教員が研究室や図書館などの施設を利用できるようにする。  6日に岐阜大で調印式があり、岐阜大の六郷惠哲工学部長と3世大のカルロス・バラゲル副学長が協定書を取り交わした。六郷学部長は「本学と欧州の大学との協定は少なく、大学の国際化に向けて協定は意義深い」。カルロス副学長は「交流をロボット工学以外の分野にも広げたい」とあいさつした。  岐阜大工学部が海外の大学と学部間協定を結ぶのは、韓国やインドネシア、インドの大学に次いで6校目。 "[he-forum 17960] しんぶん赤旗11/10","しんぶん赤旗 主張 2013年11月10日(日) 大学での有期雇用 正規雇用への転換こそ急務だ  大学で有期雇用されている教員・研究者、職員を5年で「雇い止め」する動きが広がり、「大学のブラック企業化だ」と問題になっています。こうした 中で、自民党は、大学や研究機関での有期雇用期限を5年から10年に延ばす法改定を今国会に提出する構えだと報じられています。問題の解決どころか、有期 雇用の乱用をいっそうまねく危険があります。 有期雇用の乱用をまねく  今年4月全面施行の労働契約法改正で、有期雇用契約を更新して通算5年を超えた労働者は、申し込めば無期契約に転換できるようになりました。とこ ろが大学や研究機関では更新上限を5年に設定する就業規則の変更が広がり、有期雇用の研究者の中で「雇い止め」への懸念が強まっています。自民党案はこれ への対応といわれていますがとんでもないことです。  自民党案は、無期雇用への転換権を先延ばしするだけです。「雇い止め」を防止する措置もなく、10年働いても正規雇用に就けず、「使い捨て」の危険もあります。無期雇用のポストの10年の有期雇用への代替を可能にし、有期雇用の乱用をもまねきかねません。  下村博文文部科学相は日本共産党の田村智子参院議員の質問に「教育研究上の必要があり、能力を有する人が一律に契約を終了させられることにならな いよう、適切な取り扱いを促してまいりたい」(2月21日)と答弁しています。政府がやるべきことは、「雇用の安定」という法改正の趣旨にのっとった対応 を大学や研究機関に徹底することです。  大学が無期転換を拒む背景には、政府による人件費を含む大学の基盤的経費の削減があります。大学予算を抜本的に増やし、無期雇用を促す政策に転換すべきです。  根本的な解決のためには、有期雇用の乱用をやめて、抜本的な正規雇用化が必要です。国立大学の任期付き教員はこの5年間で倍増し、1万5千人に達 しています。首都大学東京や横浜市立大学など、全員任期制を導入した大学は、いずれも優秀な研究者が流出し、大学の評価を落とし、任期制の見直しを迫られ ています。  若手研究者の正規雇用のポストが抑制され、35歳以下の大学教員の割合が19%(1989年)から11・9%(2010年)に低下しています。若 手研究者の多くが博士号をとっても安定した就職先がなく、有期雇用で使い捨てられる状況のもとで、優秀な若者が研究職に希望を失い、大学院の博士課程に進 学する若者が減っています。日本の学術の将来に関わる大問題です。 学術研究のためにも必要  大学の現場が本当に求めているのは有期雇用の延長ではなく正規雇用化です。ノーベル賞受賞者の山中伸弥京都大学教授も“iPS細胞研究所の9割は有期雇用。10年たつと40歳。そこで終わりとなれば行く場所がない。正社員化をお願いしたい”と語っています。  欧州連合(EU)の「欧州研究者憲章」は、研究者は専門家であり、それにふさわしく正規・安定雇用で処遇するべきだと明記しています。フランス は、大学・研究機関で働く約1万人の有期雇用者を正規の公務員に4年かけて転換します。有期雇用の抜本的な正規雇用化こそ、日本の大学や研究機関を充実・ 発展させる道です。= "[he-forum 17961] しんぶん赤旗11/10","しんぶん赤旗 2013年11月10日(日) 大学リストラ計画中止を 井上大阪市議が質問  日本共産党の井上浩大阪市議は8日、市議会決算特別委員会で橋下徹市長に質問し、市立大学と府立大学の「統合」という名の大学リストラ計画をやめるよう強く迫りました。  橋下市長のすすめる市大と府大の「統合」計画には、市大、府大の名誉教授らでつくる「懇談会」が橋下市長の大学自治への介入と拙速な統合を憂慮す る声明を発表し、市大教職員組合が「拙速な大学統合に反対」する立場を表明しています。市議会でも3月、「市大、府大の拙速な統合撤回を求める陳情」が維 新以外の賛成多数で採択されています。  井上氏は「市長は現役世代への重点投資をすると言っているが、この市大こそ現役世代への投資だ」と指摘し、「小中学校の基礎教育に力を入れるとする一方で、その集大成である高等教育の予算を削るのは、市長の方針にも矛盾している」とただしました。  橋下市長は、「高等教育、大学は基本的には広域行政や私立、国立でやるものだ」と答えました。  井上氏は、「市長はしばしば運営費140億の首都大学東京と比較して『市大、府大合わせて200億円もの税金をつぎ込んでいる。こんなバカなマネ ジメントはない』と発言しているが、市大は東京の半分程度の経費で、首都大学東京の1・9倍の学生に大学教育を受ける機会を提供している」と強調。「交付 税制度、住民の福祉、教育を充実させるという地方自治体の本旨から大きくかけ離れた一連の発言は偽装だ」と批判しました。= "[he-forum 17959] 高知新聞社説11/2","高知新聞社説 2013年11月2日付 【大学入試改革】「人物重視」をどう具体化  大学入試を点数から人物重視へ―ぜひとも実現したい改革だが、どう具体化するかが問題だ。  政府の教育再生実行会議が大学入試改革を安倍首相に提言した。大きな柱は現行の大学入試センター試験から、複数回受験できる2種類の「達成度テスト」(仮称)への変更だ。  センター試験は、共通1次試験を引き継ぎ1990年に始まった。一発勝負、1点刻みの結果が志望大学選択に直結するため、受験生の大きな心理的負担になってきたのは確かだ。  この状況を踏まえて提言は、1点刻みの選抜をやめ、一定幅の段階評価とすると明記した。複数回の受験機会を設け、面接や論文、留学・ボランティア経験など多様な観点での選抜を大学側に求めた。  さらに高校在学中にも基礎レベルの達成度テストを複数回実施する。結果は推薦入試やアドミッション・オフィス(AO)入試で参考にするよう大学に要望するという。  提言通りに入試改革が進むと、点数至上主義からの大転換となる。ペーパーテストでは分からない、豊かな発想力や経験を持った若者が希望大学に合格するかもしれない。  ただし、実現には課題が多い。  例えば、人物重視の代表的な選抜方法・AO入試を実施する大学は2000年以降増えていたが、最近は廃止、縮小が目立ち始めた。  大きな要因は、長時間の面接や論文審査など選考側にかかる負担の重さだ。私立大には受験者が10万人を超すマンモス校がある。面接や論文による丁寧な選抜は理想だが、提言通りに対応するのは事実上不可能だろう。  2種類の達成度テストを、どの組織が作成し、いつ実施するかも大きな問題だ。複数回用意するとなると作成者も一定数そろえる必要がある。実施時期によっては受験勉強が前倒しされる懸念がある。  そうした大事な制度設計について教育再生会議は何も示していない。中央教育審議会に丸投げした格好だ。  下村文科相は改革時期を「5、6年先」としたようだが、大学入試の在り方は小中高校の教育とも深く関係する。教員や保護者、受験生らの意見を聞き、慎重に制度を整えてほしい。  教育立国・日本の入試制度の足腰が定まらないようでは、将来の人材育成で大きなマイナスとなる。 "[he-forum 17958] 秋田魁新報社説11/2","秋田魁新報社説 2013年11月2日付 大学入試改革 理念先行で混乱招くな  政府の教育再生実行会議が、「達成度テスト」(仮称)の創設などを柱とする大学入試改革の提言を打ち出した。提言内容からはさまざまな課題も浮かび上がってくる。理念先行で教育現場や受験生を混乱させないよう、丁寧な議論を積み重ねていくことが必要だ。  提言は現行の大学入試センター試験を達成度テストに衣替えすることを唱える。「1点刻み」「一発勝負」から脱却し、「人物重視」とする狙い。現行試験の弊害を踏まえ、改善を目指している点は評価したい。  達成度テストは「発展レベル」と「基礎レベル」の2本立て。「発展レベル」の方がセンター試験に替わる共通試験で、1点刻みではなく一定幅の段階評価とする。「基礎レベル」は高校在学中に学習到達度を測る新たなテスト。推薦入試などで参考にされる。  いずれも複数回受験できる制度設計を目指す。さらに共通試験後に行われる各大学の2次試験は、面接や論文を重視するよう求めるとしている。  導入は5年以上先とみられ、実施主体となる組織や、対象教科などは今後、中教審で具体的に審議される。しかし現段階で既に多くの困難や疑問点が指摘されている。実現への道のりは相当遠いと言わざるを得ない。  試験の複数回実施については、現場の負担が大き過ぎるため困難という声がある。さらに高校側は試験時期の前倒しによる受験準備早期化を懸念する。部活動や学校行事への影響は避けられず、高校教育の空洞化が危惧されるという。  大学側には、2次試験で面接や論文の重視を求められることへの不安が大きい。入学者の多い大学には負担が重過ぎるという意見だ。留学やボランティア活動の評価を取り入れるというが、大学が的確に人物を見極めることができるのかという疑問もある。  「多面的、総合的な評価に転換」「ペーパーのみの選抜で、若者の能力を伸ばすチャンスを失ってはならない」。大学入試改革に関する安倍晋三首相の発言からは、学力偏重からの脱却を目指す決意が伝わってくる。ただ最終的な目的が人材育成にあるなら、大学の入り口だけの改革では済まないはずだ。  教育再生実行会議は大学の卒業認定を厳しくして「出口管理」を強めることも提言。留年が増えて定員を超過した場合、大学への補助金などが減額される現在の制度を緩和するよう求めた。しかし、それが大学教育の充実につながるかどうかは不透明だ。  高校生が受験対策のためのボランティア活動、面接技術習得に追われるような事態は避けなくてはならない。人物重視も客観性が保たれなければ公平性を欠くことになる。そうした懸念が払拭(ふっしょく)されないまま、大学入試改革を性急に進めることがあってはならない。 "[he-forum 17957] 読売新聞11/8","読売新聞 2013年11月8日付 文科省、3大学から聞き取り…「複合機」漏えい  東大など3大学で、複合機で読み取った学生らの個人情報がネット上に公開されていた問題で、文部科学省は7日、3大学から聞き取り調査を始めた。  3大学は事実関係を認め、学内全ての複合機についても確認を進めている。一方、琉球大で使われた複合機の製造元のリコーは同日から、過去に販売した全顧客を訪問しセキュリティー状況の調査を開始。対象は数十万台に上るとみられ、対策が講じられていない複合機はIDなどの変更手続きに入る。  文科省によると、琉球大は、今年1、2月に実施された期末試験の答案など個人情報が学内の一部の複合機から閲覧できる状態になっていたことを認め、現在、他の複合機についても調査を進めているという。一方、東大と東北大は読売新聞に対し、学内に設置されていた一部の複合機から情報が誰でも閲覧できる状態になっていたことを認めた。両大学は学内の全ての複合機について調べ始めた。 "[he-forum 17956] 朝日新聞11/7","朝日新聞 2013年11月7日付 複合機からネットに内部資料漏れる 東大や琉球大  コピーやスキャナー、ファクスなどの機能を1台にまとめた複合機を通じ、東京大や琉球大など複数の大学で学内試験の答案などの内部資料がインターネット上で誰でも閲覧できるような状態になっていたことがわかった。パスワードなど事前のセキュリティー設定が不十分だった可能性があるという。複合機は官公庁や企業などに普及しており、リコーや富士ゼロックス、キヤノンのメーカー各社は自社のホームページでセキュリティーの仕組みや設定方法を紹介するページを設けた。  東大広報課によると、6日午後、学内から「(ネット上で)内部情報が閲覧できるようになっている」との指摘があった。漏出した資料は東大医科学研究所のものとみられる。同研究所に設置され、ネットに接続された複数の複合機から漏出したらしい。東大広報課は「漏出した資料に個人情報が含まれていたかどうかを調査中」としている。  琉球大では、今年実施した学内試験の答案がネット上に漏出していた。同大関係者によると、数日前に大学外部から「ネット上で、学生の情報が閲覧できる状態になっている」との連絡があった。調べたところ、大学内の複合機のスキャナーで取り込んだ答案の点数や学生の名前などが、外部から閲覧できるようになっていたという。同大総務課は「事実関係を調査中」としている。  内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)によると、今年6月から、全ての中央省庁で使用している複合機のセキュリティーを調査しており、来年3月をめどに結果を取りまとめる予定だ。現在のところ情報流出は確認されていないという。 "[he-forum 17955] 宮崎日日新聞社説11/9","宮崎日日新聞社説 2013年11月9日付 大学入試改革 課題多く説得力欠く提言だ  政府の教育再生実行会議は、現行の大学入試制度を改め、達成度テストを導入するよう提言した。実現すれば、1990年から続いてきたセンター試験は終わり、制度は大きく転換する。  だが、提言にある制度改革の理由に十分な説得力はない。制度設計を審議する中教審は、蒸し返しとの批判を恐れずに根本的な検討をするべきだ。 ■AOや推薦を問題視■  提言によると、達成度テストは、基礎的な学習到達度をみる「基礎レベル」と、大学教育を受ける能力を判定する「発展レベル」の2種類。センター試験を引き継ぐ「発展」は年に複数回実施、一発勝負の圧力から受験生を解放する。学力は1点刻みではなくランク分けして評価、知識偏重からの脱却を目指すとしている。  現在、センター試験の点差だけで合否を決めるのではなく、2次試験で論文や面接を課して多様な学生を受け入れる大学・学部も増えている。  人物重視のアドミッションオフィス(AO)入試や推薦入試も広がり、この二つの制度で入学する学生は4割を超える。提言は両制度をやり玉に挙げ「事実上、学力不問の選抜になっている」と批判したが、それはセンター試験の罪ではあるまい。  提言はセンター試験の問題点として「多数の出題科目の準備や約55万人が同時に受験するため運営にかかる負担が増大し、限界に達している」とも指摘する。そうであれば、同種の共通テストを年間に複数回実施することはもっと困難なのではないか。  全高校生が参加する可能性のある「基礎」も複数回実施するとなれば、誰が問題を作り、誰が試験を監督し、採点するのか。その点も課題となってくる。 ■年2回は過去に頓挫■  「発展」の複数回実施には、入試の通年化や事務負担の増加を理由に、高校や大学が反対する可能性が高い。実際、2000年に大学審議会がセンター試験の年2回化を求めたときは、高校や大学の反発が強く、頓挫している。  参考にするべきは1999年の中教審答申ではないか。学生に対しては、偏差値で大学を選ぶのではなく、入りたい大学を主体的に選択するよう求めた。また大学には「求める学生像」を明示し、テストで振り落とすのではなく、教育理念に合った生徒を見いだす力を要請した。  入試を学生と大学と「よりよい相互選択」にしようという考え方であり、今回の提言が、グローバル化や少子化の中で、国に資する人材を育てるという視点に貫かれているのとは対照的だ。  入試制度を改革するのなら、何も高校生や浪人生だけを対象に限った話ではないだろう。本当に学びたいことがみつかったときに再挑戦できる社会人入学や、編入学の道を大幅に拡大するという方法も考えるべきではないか。 "[he-forum 17958] 秋田魁新報社説11/2","秋田魁新報社説 2013年11月2日付 大学入試改革 理念先行で混乱招くな  政府の教育再生実行会議が、「達成度テスト」(仮称)の創設などを柱とする大学入試改革の提言を打ち出した。提言内容からはさまざまな課題も浮かび上がってくる。理念先行で教育現場や受験生を混乱させないよう、丁寧な議論を積み重ねていくことが必要だ。  提言は現行の大学入試センター試験を達成度テストに衣替えすることを唱える。「1点刻み」「一発勝負」から脱却し、「人物重視」とする狙い。現行試験の弊害を踏まえ、改善を目指している点は評価したい。  達成度テストは「発展レベル」と「基礎レベル」の2本立て。「発展レベル」の方がセンター試験に替わる共通試験で、1点刻みではなく一定幅の段階評価とする。「基礎レベル」は高校在学中に学習到達度を測る新たなテスト。推薦入試などで参考にされる。  いずれも複数回受験できる制度設計を目指す。さらに共通試験後に行われる各大学の2次試験は、面接や論文を重視するよう求めるとしている。  導入は5年以上先とみられ、実施主体となる組織や、対象教科などは今後、中教審で具体的に審議される。しかし現段階で既に多くの困難や疑問点が指摘されている。実現への道のりは相当遠いと言わざるを得ない。  試験の複数回実施については、現場の負担が大き過ぎるため困難という声がある。さらに高校側は試験時期の前倒しによる受験準備早期化を懸念する。部活動や学校行事への影響は避けられず、高校教育の空洞化が危惧されるという。  大学側には、2次試験で面接や論文の重視を求められることへの不安が大きい。入学者の多い大学には負担が重過ぎるという意見だ。留学やボランティア活動の評価を取り入れるというが、大学が的確に人物を見極めることができるのかという疑問もある。  「多面的、総合的な評価に転換」「ペーパーのみの選抜で、若者の能力を伸ばすチャンスを失ってはならない」。大学入試改革に関する安倍晋三首相の発言からは、学力偏重からの脱却を目指す決意が伝わってくる。ただ最終的な目的が人材育成にあるなら、大学の入り口だけの改革では済まないはずだ。  教育再生実行会議は大学の卒業認定を厳しくして「出口管理」を強めることも提言。留年が増えて定員を超過した場合、大学への補助金などが減額される現在の制度を緩和するよう求めた。しかし、それが大学教育の充実につながるかどうかは不透明だ。  高校生が受験対策のためのボランティア活動、面接技術習得に追われるような事態は避けなくてはならない。人物重視も客観性が保たれなければ公平性を欠くことになる。そうした懸念が払拭(ふっしょく)されないまま、大学入試改革を性急に進めることがあってはならない。 "[he-forum 17954] 教育家庭新聞11/4","教育家庭新聞 2013年11月4日付 教員養成改革で教職大学院を重点化 柔軟性・即応性ある教員を確固たる理念の下で養成  様々な今日的課題にも積極的に対応できる「学び続ける教員」が求められている。10月15日、文部科学省は「大学院段階の教員養成の改革と充実等について」報告書を公表した。国公立大学の教員養成系修士課程を見直し、教職大学院を重点化、既存の国立の教員養成に関わる修士課程については、原則として教職大学院に段階的に移行する。本報告書に基づき、免許法の施行規則や専門職大学院の設置基準等の見直しが図られる。なお教職大学院は平成20年4月から設置されており、平成25年度には全国で25大学に設置される。入学定員は815。 ■「専門性の育成 おろそか」「連携 不十分」と指摘   本報告書では現状のシステムや制度について厳しく課題を指摘している。「大学院段階において、教職としての高度の専門性の育成がおろそか」、「校内研修と教育委員会研修の連携・協働が不十分」であり、「学校教育を取り巻く現状の変化に適切に対応できる即応性・柔軟性のある教員を確固たる理念の下で養成することが強く求められている」とする。   様々な学校課題‐‐いじめ・不登校等生徒指導上への諸課題への対応、英語教育、道徳教育、特別支援教育の充実、外国人児童生徒への対応、新たな学びに対応するICTの活用の要請‐‐に対応するためには教科指導力や学級経営力に加え、児童生徒の発達段階やカウンセリングなどに関する理論について理解し、個々に応じて適切に指導できること、知識・技能を活用する学習活動や課題探究型の学習、協働的学びなどの「新たな学びをデザインできる指導力」が求められており、それらの育成が必要であるものの、現状のシステムでは必ずしもそうなってはいない。一方、平成20年に設置された教職大学院では一定の成果が見られることから、さらに教職大学院を強化、充実していく考えだ。   国立大学の教員養成系修士課程は、原則として教職大学院に段階的に移行。専修免許状の認定課程を有する国公私立大学の教員養成系以外の修士課程は、一定の分野について幅広い知識等を強みとする教員を養成する。   共通に開設すべき授業科目(共通5領域)は、各領域を均等に履修させる考え方を改め、コース等の特色に応じて履修科目や単位数を設定できるようにする。スクールリーダーの育成や校長や教頭等をめざす「管理職特化コース」の設置、特別支援教育やICT教育を取り扱う科目をそれぞれ共通科目の一部として必修化、学校マネジメントを重点的に学修するコースの設置など。   総合的な学習の時間、言語活動など、学習指導要領が提起している知識を活用したり探究したりする能動的な学習に対応した教材や指導法を開発できる力量の育成も目標の1つだ。   それに伴い免許法の施行規則の改正や教員採用選考の改善、教職大学院の設置基準も改正する。 ■グローバル対応   また、学生が外国の大学に留学しても、留年することなく教育実習や介護等体験を受けることができるようにする。外国の大学に留学するなどの事情がある学生については、一定の科目の単位を取得していなくとも教育実習などを受けることを認めるなどの柔軟な取り組みを推進。教員採用選考において、TOEFLやTOEIC、英検など外部検定の成績を評価する。 年間800人では不足―玉川大学教職大学院 堀田龍也教授   教職大学院において教員の実践的な力量を向上するなどの試みは大いに効果が期待でき、方向性は推奨すべき。しかし、25大学・定員800人の枠では、現状の学校ニーズには不足。教育内容の見直しを進めつつも教職大学院の確保、そこで教える教授陣の確保が必要。また、学問に精通しているだけでは初等中等教育における教員の実践力を向上させることは難しい。理論と実践を往還しながら研究を進めてきた教授陣が求められている。 "[he-forum 17953] 日本経済新聞近畿11/9","日本経済新聞近畿版 2013年11月9日付 京都市に化学研究拠点、産学官連携で新事業創出  京都市の外郭団体、京都高度技術研究所は8日、化学分野に特化した産学官連携拠点「京都市成長産業創造センター」を同市伏見区に開設した。再生医療技術や燃料電池の開発など、大学での最先端研究を事業化につなげる。新事業の創出や京都の産業競争力を高めることを目指す。  同センターでは京都大学や京都工芸繊維大学、ロームなどの研究プロジェクトチームを誘致。産学が連携して水素やメタンなどのエネルギー原料を貯蔵・分離する技術や、再生医療で使う細胞の凍結保存技術を開発する計画だ。大学の研究技術を企業の商品開発に生かすほか、人材育成にも力を入れる。  産業集積地区「らくなん進都」に建設した同センターは地上5階、地下1階で延べ床面積は約6000平方メートル。1~3階には大学と企業の研究者の交流スペースや会議室、貸研究室を設けた。4~5階は大学や企業などの共同研究室を置いた。  企業と大学をつなぐコーディネーターは5人程度配置する。事業費25億円のうち、15億円は国の補助金で賄い、10億円を京都市が負担した。  8日の開所式で同研究所の西本清一理事長は「環境エネルギーや医療介護分野でのイノベーションの実現に貢献したい」と意気込みを語った。 "[he-forum 17952] 産経新聞主張11/10","産経新聞主張 2013年11月10日付 法科大学院 精鋭育成へ再編が急務だ  司法試験合格率が低迷している法科大学院に対し、文部科学省が新たな評価制度で改革に乗り出す方針を決めた。  レベルを5段階で評価し、低評価の大学院は補助金を大幅に削減し、統廃合を促す。法曹養成の教育機関として質が危ぶまれており、荒療治は当然だ。厳しく評価し再編を急いでもらいたい。  法科大学院は平成16年の開設から10年目になる。知識偏重との批判があった旧司法試験制度を改め、裁判員制度などとともに司法制度改革の中核ともされた。  米国のロースクールをモデルに、法律知識にとどまらない、思考力、識見を育てる。同時に法学部出身者以外にも広く人材を求め法曹界に送り出す。20~30校程度で精鋭を育て、7~8割の司法試験合格率を見込んでいた。しかし想定と異なり現在73校が乱立し、質に疑問が持たれている。  今年の司法試験合格者は2千人余りだが、法科大学院からの合格率は2割台だ。上位校でも合格率5割台にとどまる。法科大学院への志願者減少が続き、人材を集める役割にも影を落としている。  逆に法科大学院を経なくていい予備試験通過組は167人中、120人が合格し、合格率7割と高い。来年の司法試験受験資格を得た予備試験通過者はさらに増えている。予備試験は法科大学院に通えない苦学生などへの例外的措置のはずだったが、当の法科大学院生や法学部出身者の合格が多く、新制度は骨抜きになっている。  法科大学院が多すぎることは当初から問題になってきたが、是正は進まなかった。弁護士や検察官など実務経験のある教員の確保がままならない大学院もある。  法科大学院の教育の質を高めるため、少数精鋭体制に再編することが欠かせない。文科省は5段階の評価によって補助金を傾斜配分するという。最低レベルには補助金を半減し、場合によってはゼロにすることもある。これまでが甘すぎたのだ。大学側は生き残りのため、カリキュラムを練り真剣に改革しなければならない。  法曹は、医師と同様に弁護士の地域的偏在の問題も解消されていない。質の高い法曹人口を増やす法科大学院の責任は重く、地方大学も思い切った再編と教育内容の工夫が必要だ。文科省は法曹界と連携し、法科大学院改革に早急に手を打ってもらいたい。 "[he-forum 17951] 秋田魁新報社説11/9","秋田魁新報社説 2013年11月9日付 秋大国際資源学部 人材育成へ強み生かせ  秋田大の「国際資源学部」新設が文部科学省に認められた。各国の資源獲得競争が激化する中、専門知識や語学力を備え、内外で資源開発に携わる人材の育成を目指す。100年を超す鉱山研究の蓄積という強みを生かした新学部の創設であり、世界で活躍できる多くの人材の輩出を期待する。  秋田大は来年度、国際資源学部新設と併せ、工学資源学部を理工学部に改組する。「文理融合」を掲げる国際資源学部は定員120人。4学部の総定員はやや減ったが、1970年の医学部以来の学部新設となる。  資源学の専門知識だけでなく、国際情勢、資源国の歴史や文化、法律を学ぶ。1、2年対象の英語集中プログラムを設けて専門の授業を英語で行い、3年時は海外研修を義務付ける。  注目されるのは、さらなる社会貢献を目指す姿勢が大学を今後どう変え、社会にどのような果実をもたらすかであろう。  秋田大は新設前、資源関連企業を対象に調査を実施。その結果、「資源国で交渉や折衝ができる人材」が求められていると判断し、企業や公的機関で即戦力として活躍する「グローバル資源人材」の養成を掲げた。  さらに教授会の機能を執行機関に限定。教育や研究の意思決定は社会のニーズを反映できるよう民間の専門家らでつくる機関が主導する。  象牙の塔にこもっていては十分な社会貢献は望めない。世界での資源の開発と獲得に役立つ学問に挑戦し、存在感を存分に発揮してもらいたい。大学間競争が激しさを増す中、特色を打ち出すことはますます重要となるからだ。  国内大学の資源系学科が再編、縮小される中での新設であり、秋田大の国立大法人化10年目の節目の新路線である。生き残りを懸け、これまで以上に個性を発信していく必要がある。  中でも、かつて鉱山で栄えた秋田の強みを前面に押し出した点を評価したい。工学資源学部の前身、秋田鉱山専門学校の設置以来の長い歴史を持つ鉱山学を軸にしたアピールは、足元の価値にあらためて光を当てた発信といえる。県内の他分野でも積極的に参考にすべき取り組みであろう。  乗り越えるべきハードルもある。目標とする人材の「世界的教育拠点」の実現には高い教育レベルの維持が不可欠であり、実績のある優れた教員を採用することが重要。学生が体系的な研究を続けるため、大学院の早期開設も必要になろう。  県内では、英語による授業や留学義務付けで知られる国際教養大が全国から注目されているほか、農業や観光分野で独特の学科を持つ大学がある。  こうした個性ある大学の増加は本県の魅力を一層増すことになろう。本県で学び世界を目指す若者が増えることは地元活性化にもつながる。国際資源学部設置をそんな契機としたい。 "[he-forum 17962] 読売新聞11/14","(2013年11月14日 読売新聞) 北大「預け金」4億8000万円…教員43人を処分 研究費の不正経理問題を受け、記者会見で謝罪する北海道大学の山口佳三学長(左)ら(13日、札幌市北区の北大で)=栗原怜里撮影  北海道大は13日、教員が「預け金」などの不正経理に関与していた問題で、2004年度以降に教員44人が計約4億8000万円の不正経理に関 わったと発表した。うち元教員1人については、預け金をだまし取り私的流用した疑いがあるとして、今年6月に北海道警に詐欺容疑で刑事告訴したことも明ら かにした。  北大は実名を公表しなかったが、告訴されたのは、北大遺伝子病制御研究所の西村孝司元教授(60)。西村元教授の弁護士は「適切でない経理はあったが、私的流用の有無はわからない」とコメントした。  発表によると、私的流用の疑いは北大の内部調査で昨年11月頃に浮上した。北大は今年6月、「懲戒解雇相当」と決定し、西村教授(当時)に通知し た。しかし、西村教授はその後辞職し、退職金の受け取りも辞退した。西村元教授が関与した不正経理の額について、北大の山口佳三学長は13日の記者会見で 「現時点で詳細はいえない。捜査の状況をみて、今後公表したい」と話した。  北大はこのほか43人の教員を処分し、うち教授ら15人は停職2か月の懲戒処分となった。  北大は昨年12月の中間発表で、不正経理額として2007年度以降の判明分を約2億2000万円とし、教員35人が関与していたと公表。今回は 04~06年度まで遡って調査した結果、新たに約2億6000万円の不正経理が判明した。新たに9人の不正経理が分かったという。北大は13年度内に調査 結果をまとめる方針。 "[he-forum 17963] 秋田魁新報11/13","秋田魁新報 2013年11月13日付 秋田大新学長に医学部長・澤田氏 任期は来年4月から4年間  任期満了(来年3月31日)に伴う秋田大の学長選考が12日行われ、次期学長候補に医学部長の澤田賢一氏(61)が選ばれた。任期は来年4月から4年間。文部科学相の任命を受け、学長就任が正式決定する。  学長選考には澤田氏のほか、前医学部長で理事(教育・学生・入試担当)兼副学長の本橋豊氏(59)が立候補していた。  教職員ら約900人による意向投票を行った後、大学幹部や外部委員による学長選考会議(委員12人)を開き、意向投票の結果や候補者2人の所信、実績などについて審議。委員の過半数が澤田氏を支持し、新学長に選出した。意向投票、選考会議とも大差で澤田氏を支持したとみられる。 "[he-forum 17965] 北國新聞11/14","北國新聞 2013年11月14日付 金大次期学長に山崎氏 4学期制、国際学類から  金大学長の任期満了に伴う学長選考会議は13日開かれ、理事(研究・国際担当)・副学長の山崎光悦(こうえつ)氏(61)を次期学長に選出した。山崎氏は世界で活躍する人材の育成を重点目標に掲げ、年間の授業区分を四つに分ける「4学期制」について、留学希望者の多い国際学類などで先行導入を検討するとした。  山崎氏は4学期制について「海外留学や留学生受け入れの機会を増やすいい方法」とし、来年度にも導入を決定したいとした。現在は3学期制の医学類を除き2学期制を採用しており、導入が決まれば2、3年後から4学期制となる見通し。  2015年春の北陸新幹線金沢開業に向け、県外からの受験希望者が増える可能性があるとし「首都圏など県外での入試も視野に入れたい」とした。  金大次期学長の選考では、山崎氏と人間社会研究域法学系教授の樫見由美子氏(59)の2人が候補者となっていた。山崎氏は11日に続き、13日に行われた教職員の意向を聞く学内投票でも364票と最多得票した。この結果を参考に、13日午後に開かれた学長選考会議で合議により次期学長に決定した。樫見氏は223票だった。  次期学長の任期は来年4月から4年間で、これまでの6年間から変更された。1回の再選が可能で、その任期は2年となる。  山崎氏は小矢部市出身。1976(昭和51)年に金大大学院工学研究科修士課程修了後、工学部助手、講師、助教授、教授を経て、2002年から学長補佐や理工研究域長を歴任。12年からは理事(研究・国際担当)・副学長を務める。専門は計算力学・設計工学。 "[he-forum 17966] 産経新聞11/12","産経新聞 2013年11月12日付 法科大学院、下位校統廃合を推進 5段階分類で補助金傾斜配分 文科省改革案  文部科学省は11日、法科大学院全73校を5段階に分類し、公的支援金を大胆に傾斜配分する改革案を正式に公表した。最下位グループに分類された場合、上位校と連合しなければ公的支援金が平成27年度に半減、28年度には全廃される。これにより、定員割れなどの問題を抱える下位校の統廃合を進め、専門教育の質を向上させる。  改革案によると、27年度以降、法科大学院各校の(1)司法試験合格率(2)入学定員充足率(3)社会人入学者の割合(4)地域バランス(5)夜間開講-などを点数化し、全73校を上から第1類、第2類A、同B、同C、第3類-の5段階に分類。第1類には公的支援金を現行の90%支給する。以下、段階が下がるごとに10%ずつ減額され、最下位の第3類は50%減、28年度には100%減になる仕組みだ。  一方、下位校が他校と連合すれば、公的支援金が50~60%増額。上位校でも新たな教育プログラムを開発したり、下位校への支援プログラムを導入すれば最大で50%増額する。連合すれば公的支援金をアップさせることで、自主的な統廃合を進めることにした。  法科大学院は新たな司法改革の柱として16年に創設されたが、予想を大幅に上回る74校(うち1校は廃止)が開校し、政府は今年7月、定員削減や統廃合を促す方針を決めていた。 "[he-forum 17964] 北海道新聞11/14","北海道新聞 2013年11月14日付 小樽商大、新学長に和田氏 【小樽】小樽商大は13日、山本真樹夫学長(64)の任期満了に伴う学長選を行い、和田健夫副学長(63)を次期学長に選出した。和田氏の任期は来年4月1日から4年間。  10月に行われた候補者を決める推薦投票と学長選考会議では、和田氏だけが選出されていた。この日の学長選では教職員139人が投票し、和田氏は130票で無効票は9票だった。  和田氏は高知県出身。金沢大大学院修了、北大大学院法学研究科博士後期課程単位修得退学。1980年に小樽商大講師となり、91年から同大教授。専門は経済法。学生部長を経て2001年から副学長。 "[he-forum 17967] 日本海新聞11/13","日本海新聞 2013年11月13日付 大学連携による地域活性化考える 琴浦でシンポ  鳥取大学と連携する鳥取県内4町は12日、琴浦町のまなびタウンとうはくで「鳥取大学連携シンポジウムin琴浦」を開き、パネルディスカッションなどを通して大学の研究や人材を生かした地域活性化策の在り方を考えた。  鳥大への職員派遣などを行っている南部、大山、日南、琴浦の4町が主催。過去6回は各地域を題材にした研究の成果を発表する形式だったが、今回は連携の在り方について討論する形式にした。  パネルディスカッションは「自治体と鳥取大学の挑戦」がテーマ。坂本昭文南部町長、森田増範大山町長、増原聡日南町長、山下一郎琴浦町長がパネリストを務めた。  町長らは、鳥大との連携による研究や人材が町の活性化に役立っていると評価した上で、「鳥大は知の宝庫。それにいかに気付き、どう生かすかが課題」「行政ニーズが増える中、大学の力を地域づくりに生かしたい」「若い人が入って来てお年寄りも元気になる。大学には『知』だけでなく『気』も期待している」などと述べた。  また、パネルディスカッションに先立って鳥大の豊島良太学長が「鳥取大学の地域貢献」をテーマに基調講演を行った。 "[he-forum 17968] 共同通信11/12","共同通信 2013年11月12日11時12分 科学研究費監視、4割不十分 文科省と大学に改善勧告  総務省は12日、科学研究費補助金(科研費)を受け取った全国61大学を抽出調査したところ、約4割の23大学は不正使用を防止するための監視態勢が不十分だったと発表した。同省は大学事務局のチェック機能を強化しなければ、研究者の不正をなくすことができないとして、大学や文部科学省に改善を勧告した。  調査によると、23大学の事務局職員は、研究者らが科研費を使って物品やデータ分析を業者に発注した際に、実際に納品や報告があったかを十分確認していなかった。特に川崎医科大(岡山県倉敷市)は事務局による確認を一切しておらず、東大は100万円以上の高額物品だけしか確認していなかった。  納品を確認しなければ、研究者が架空発注して、代金を業者に預け、必要な時に引き出す「預け金」という不正を誘発しかねない。総務省は、事務局による確認を義務付けるべきだとした。  また14大学では、科研費の使用が年度末の3月に集中していた。東大は、3月末に約50万円の機器を購入していた。総務省は「科研費を使い切るため、無駄遣いをしている可能性がある」とみており、余った研究費の返還を促す仕組みづくりを求めた。  調査は、2011年度に科研費を受け取った国公私立大学のうち、過去に不正使用などがあった61大学を対象とした。 "[he-forum 17969] NHKニュース11/15","NHKニュース 11月15日 10時57分 国家公務員の給与減額措置終了へ 政府は、来年度の国家公務員の給与について、東日本大震災の復興財源に充てるため、平均で7.8%引き下げている臨時の措置を終了する一方、50代後半を中心とした中高年層などの給与抑制を早急に検討するよう人事院に要請することを決めました。 政府は、15日に開かれた給与関係閣僚会議と閣議で、来年度の国家公務員の給与について、東日本大震災の復興財源に充てるため、平均で7.8%引き下げている臨時の措置を終了し、元の水準に戻すことを決めました。 一方で、給与体系の抜本的な改革に取り組むため、民間企業よりも高い水準にある50代後半を中心とした中高年層や、地方に勤務する一部の職員の給与抑制を早急に検討するよう人事院に要請するとともに、可能なものは来年度中に実施するとしています。 さらに、地方公務員の給与についても、国家公務員や民間企業の給与水準を上回っている自治体に対しては、適正化を図るために必要な措置を取るよう要請するとしています。 新藤総務大臣は閣議のあと記者団に対し、「臨時異例のものとして講じられた減額措置は来年3月で終了するが、安倍内閣としては、わが国の厳しい財政状況を鑑みて、今後とも行財政改革を不断に進めていく」と述べました。= "[he-forum 17971] 福井新聞11/14","福井新聞 2013年11月14日付 福井県立大がアジア2大学と協定 台湾とタイ、学術交流へ  福井県立大は13日、台湾の国立台中科技大、タイの国立カセサート大とそれぞれ学術交流協定を締結したと発表した。留学生を互いに受け入れる学生交流に関する合意書も交わした。福井県立大が海外の大学と協定を結ぶのは台湾で3校目、タイは初。協定締結校は12となった。  下谷政弘学長が永平寺町の福井県立大福井キャンパスで会見した。  2校はともに数万人の学生を持つ総合大学。台中科技大は台湾でトップクラスの職業系大学で、日本研究センターを昨年開設するなど日本研究に力を入れている。センターで下谷学長が講演するなど交流があったことから協定が実現した。7日に同大学で調印式を行い、下谷学長と李淙柏(りそうはく)学長が協定書を交わした。  カセサート大はタイ王国初の農科大で、国内で3番目に古い。魚醤(しょう)や発酵食品の研究で、県立大の宇多川隆副学長と協力していた。協定は11日に書面で結んだ。  下谷学長は「大学のグローバル化が広まり、先生や学生が足しげく行き来することを期待している」と話した。タイとは発酵食品の研究で一層の期待を寄せ、台中科技大からは看護系の学生を受け入れを進めたいとの意向を示した。 "[he-forum 17970] 福島民報11/15","福島民報 2013年11月15日付 入戸野氏、中井氏所信表明 福大学長選 震災対応など示す  来年3月末の任期満了に伴う福島大の学長選で、同大は14日、学長候補適任者に決まっている現職の入戸野修氏(71)=1期=と、同大うつくしまふくしま未来支援センター長で行政政策学類教授の中井勝己氏(61)の所信を文書で公表した。2人は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の対応のほか、教育、研究、組織運営などについてそれぞれ目標や考え方を示した。  入戸野氏は震災、原発事故後に取り組んできた「うつくしまふくしま未来支援センター」や「環境放射能研究所」などの各種事業が目標通り展開できる組織、仕組みづくりを進め、教育重視の人材育成大学として発展させるとした。  中井氏は震災、原発事故の被災者・被災地域への継続的な支援活動を展開するとともに、今後予想される大災害に対しても、被災地域の復旧・復興に当たることができ、課題に立ち向かい、未来を切り開ける人材の育成を目指すとした。  実質的な学長選となる学内意向投票は12月2日に大学、付属学校の教職員合わせて約500人で行う。翌3日に開かれる学長選考会議で投票結果を協議して次期学長を決定、公示する。 "[he-forum 17972] 秋田魁新報社説11/17","秋田魁新報社説 2013年11月17日付 教育改革 実現性見据えた議論を  少し急ぎ過ぎではないか。安倍政権の教育改革をめぐる動きのことである。  政権肝いりの教育再生実行会議が大学入試改革をはじめ、各種提言を繰り出しているだけではない。文部科学省側も英語教育の小学校3年生への前倒し、道徳の教科化、社会科教科書の検定基準改正を打ち出した。  教育には確かに問題が多い。一連の動きにはそれをどうにかしたいという安倍晋三首相の意気込みがうかがえる。しかし、これまでの改革案には前のめりだったり、実現性に乏しい対策も少なくない。  教育を変えていくには子供や保護者、教職員らと広範な人々の理解が不可欠。それには相応の時間を要する。性急に進めて混乱が残るような事態は避けなければならない。  再生会議提言の特徴の一つに、自治体首長の教育委員会への関与を強めたり、大学学長の権限を強化したりする「トップ主導型」への転換がある。  トップの権限強化が必ずしも悪いわけではない。いじめや体罰などの問題が起きた場合に迅速に対応し、必要に応じて大胆な大学改革に踏み切れるようにすべきだ、といった提言の趣旨は理解できる。  半面、懸念もある。首長の関与強化で公教育の中立性は保てるのか、研究・教育者としては優れていても大学の経営にもたけた人材は本当に育っているのかなどである。慎重な進め方が欠かせない。  道徳の教科化にも安倍カラーがにじむ。いじめ対策の一環として子供の規範意識を育もうという意図だとすれば分からないではない。ただ、特定の価値観を教えることにつながりかねないとの危惧が与党内にもあることには留意しておきたい。  社会科教科書の検定基準改正も同じだ。近現代史で政府見解を反映させるよう見直すという。南京事件や従軍慰安婦問題を指すとみられるが、その時々の政府の考えで教科書の内容が変わることに違和感を覚える人は少なくないはずである。  再生会議の提言が理想に走るきらいがあるのも気掛かりだ。落としどころをにらみながら、まず目標は高く掲げておきたいということなのかもしれない。  代表例は今後10年間で世界の大学トップ100に10校以上ランクインさせることだろう。そのために小学3年から英語を始め、中学校英語も英語で授業を行うということのようだ。  センター試験を「基礎」「発展」二つのテストに衣替えさせる大学入試改革は、受験機会が複数回になる分、かえって高校生の負担が増すとの心配が今から絶えない。2次試験で論文や面接を重視する人物本位への転換も、何万人も受験する大学では不可能に近いのである。  絵に描いた餅では意味がない。今後はもっと実現性を見据え、地に足を付けた議論をしなければならない。 "[he-forum 17974] しんぶん赤旗11/21","しんぶん赤旗 2013年11月21日付 なし崩しの規制緩和反対 「産業競争力強化法案」審議入り 倉林議員ただす 参院本会議  規制緩和などを通じて「世界で一番企業が活動しやすい国」づくりを目指す「産業競争力強化法案」と、高校授業料無償制をやめて所得制限を導入する「高校無償化廃止法案」の趣旨説明と質疑が20日の参院本会議で行われ、審議に入りました。日本共産党の倉林明子議員が「産業競争力強化法案」について質問に立ちました。  倉林氏は、企業単位で規制緩和を認める「企業実証特例制度」と、新規事業の規制適用の有無を事前に確認できる「グレーゾーン解消制度」の創設によって「なし崩しに規制緩和が進められる」と主張。茂木敏充経産相は「規制改革を推進することが前提となる」と述べ、規制緩和による労働者のリストラと不安定雇用増加に無反省な姿勢を示しました。  倉林氏は、法案と関連して検討されている法人税の軽減措置について言及し、税構造をゆがめ国民負担を招く法人税の「引き下げ競争」をやめるよう要求。また、国立大学法人がベンチャーファンド(成長企業への投資基金)に出資や援助ができる規定が盛り込まれていることについて、「損失が出た場合、誰が責任を負うのか」とただしました。  下村博文文科相は「適切に対応する」としか答えませんでした。  倉林氏は「賃上げによる内需拡大と中小企業支援で地域経済を再生させることこそ、国民生活の向上につながる」と強調しました。 "[he-forum 17973] 日本経済新聞11/20","日本経済新聞 2013年11月20日付 教授会の権限を限定 中教審素案、学長主導の大学改革促す  大学のガバナンス改革を議論している中央教育審議会の組織運営部会は19日、従来よりも教授会の権限を限定する提言素案を示した。教授会の審議事項を、教育課程の編成や学生の身分に関する審査、学位授与などと具体的に規定した。  教授会の役割を教育研究関係に絞ることで、人事や予算配分など経営の重要事項の決定権限は学長にあることを明確にし、学長主導の大学改革を促す。年内に提言をまとめ、文部科学省が法令を改正する。  学校教育法は「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない」と規定しているが、重要な事項の解釈が曖昧なため「教授会が大学経営にも影響を与え、学長主導の改革を妨げている」といった声が根強かった。  素案は学長の任期長期化や、学長が自由に使える研究・教育関連の裁量経費の拡充も盛り込んだ。このほか、学長を補佐する専門職の新設や、職員のスキル向上のための研修の義務化を検討するとしている。  時代のニーズに応じて柔軟な組織運営を実行する大学には、重点的に支援するなど優遇策も明記。現在、最長6年と定められている国立大の学長任期を最長10年に見直す。  組織運営部会は、政府の教育再生実行会議が、教授会の役割の限定を提言したことを受けて設置。19日の部会では「権限が集中した学長を暴走させないための仕組みを設けることも重要だ」との意見も出た。 "[he-forum 17975] 東京新聞茨城11/16","東京新聞茨城版 2013年11月16日付 大学院に新専攻「情報保障学」 筑波技術大が来年度  視覚・聴覚障害者が学ぶ筑波技術大学(つくば市)は、二〇一四年度から大学院の修士課程に「情報アクセシビリティ専攻」(二年間)を設けると発表した。目や耳が不自由な障害者がより多くの情報を入手し、社会参加を支援する人材の育成や手話技術の習得、活動をサポートする機器の研究開発を行う。  このような学問分野を「情報保障学」と呼び、社会への浸透を目指している。筑波技術大(旧・筑波技術短期大)は一九八七年の開設以来、視覚・聴覚障害者のみを対象に教育を行ってきたが、同専攻で初めて健常者も受け入れる。  募集人員は五人。技術大の学生や特別支援学校の教員、福祉関係者らの入学を想定している。修了後の進路としては、障害者支援に関わる教職員や研究者を見込んでいる。  村上芳則学長は「将来的には博士課程や働いている人も受講しやすいようにサテライトキャンパスの設置を進めたい」と意欲を示す。 (松尾博史) "[he-forum 17976] しんぶん赤旗11/25主張","しんぶん赤旗 2013年11月25日(月) 主張 有期雇用 5年での雇い止めは違法行為  パートや契約社員、非常勤講師など有期雇用契約で働く労働者を5年で雇い止め(解雇)する動きが問題になっています。ことし4月に施行された改定 労働契約法で、有期契約の通算期間が5年を超えたら、無期雇用への転換を求める権利が労働者に与えられました。そこで5年になる前に労働者を雇い止めしよ うという悪質、身勝手な経営者の動きが広がっているのです。これは法が定めた「無期転換ルール」を踏みにじるものであり、明白な違法行為です。 合理的な理由がない  コーヒーチェーン「カフェ・ベローチェ」で3カ月更新で10年近く働いてきたアルバイトの女性が、明確な理由なく更新を打ち切られ、労働組合に 入ってことし7月、雇い止め撤回を会社に求める裁判を東京地裁に起こしました。突然の雇い止めは、改定労契法による無期雇用への転換を回避するための違法 行為だと主張しています。  一方、早稲田大学で3月、大学側が非常勤講師の契約更新の上限を5年にする就業規則を一方的につくり、講師に送付する問題が起こりました。100人を超える講師たちが組合をつくって反対のたたかいに立ち上がっています。  このような非正規雇用の労働者を雇い止め不安に追い込む経営者の動きが広がっているのは、放置できない大問題です。改定労契法で、有期契約の通算 期間が5年を超えた労働者を無期雇用に転換させる仕組みをつくった本来の趣旨は、雇い止めの不安解消、期限の定めのない雇用に移行する道を開くことにあり ます。昨年8月に厚生労働省が出した通達でも「有期労働契約の濫用的な利用を抑制し労働者の雇用の安定を図ること」と明記しています。  有期労働契約の「濫用的な利用」というのは、一時的・臨時的でない恒常的な業務で、本来なら正規雇用でおこなうべきものを、低賃金で解雇しやすい 有期雇用労働者でまかなうやり方をいいます。それを抑制するための改定法が、逆に雇い止め不安を広げる事態は何としてもくい止めなければなりません。  改定法の「無期転換ルール」は、もともと法案の段階で重大な弱点が指摘されていました。5年に達する前に経営者から雇い止めされる危険があること はその一つでした。労働者が「転換権」をもつまで5年という期間も長すぎます。政府、厚労省は、法の弱点をくぐろうとする経営者に対して強い態度で対処す べきです。無期雇用に転換したくないからと、就業規則に契約上限を盛り込んで雇い止めの根拠をつくろうというやり方は絶対に認められません。合理的な理由 がない雇い止めは、明らかな改定法違反です。 正規雇用への転換を  日本で非正規雇用の労働者が3割を超えて増えています。雇用は正社員が当たり前、という雇用政策への転換が急務です。改定法の「無期転換ルール」 は、その第一歩です。これが経営者によって踏みにじられ、「5年雇い止め」が常態化することになれば、雇用不安が増すことが避けられません。  政府は、国会に提出した国家戦略特区法案に、技術者などの無期転換ルールの適用除外の検討を盛り込みましたが、労働者の権利を奪うものです。正規雇用への転換を決断すべきです。= "[he-forum 17977] しんぶん赤旗11/25","しんぶん赤旗 2013年11月25日(月) ニュースを読む 大学の危機さらに加速  安倍内閣の「大学改革」 自治の保障、予算増こそ           改正 充(かいしょう・みつる)  安倍内閣は、6月に決定した「日本再興戦略」で大学改革を「成長戦略」の一環に位置付けました。目玉は「世界大学ランキング100に10校以上入れる」というものですが、内容は大掛かりな大学の反動的再編になっています。2001年以来の「大学の構造改革」の第2ラウンドといえます。  安倍内閣の大学改革の特徴の第一は、「産業競争力強化の観点」から、財界・多国籍企業が求める「グローバル人材」「イノベーション人材」を養成する大学に資金を重点投入し、他の大学を切り捨てることです。 予算を大幅削減 国が「スーパーグローバル大学」と指定する10校に対して、年間100億円を投入します。さらに、国から各国立大学に交付する基盤的運営費の配分を見直し、約1兆円の交付総額のうち3~4割を、国が求める改革を断行する大学に集中配分するとしています。この10年間に年1700億円も削減した大学予算が、多くの大学でさらに大幅な削減を余儀なくされます。  大学教員1500人のポストを外国人研究者に置き換えることとあわせて、大学教員の給与を年棒制にするとしています。年棒制とは、国が交付する退職金をなくし、毎年の業績評価で給与額を決めるシステムであり、いっそうの給与削減と過度な競争に大学教員を追い込むものです。そして、「優秀な若手・外国人材のポスト・給与」の財源にしようというのです。 第二は、文科省が「国立大学改革プラン」として全国の国立大学ごとに改革方針を策定し、「世界水準の教育研究」、「全国的な教育研究」、「地域の中核」など3段階の大学群に分化・差別化することです。そのために、文科省は各大学に対して「それぞれの大学の強み、特色を示す」として具体的な目標や組織改革を提示し、その承認を求めています。 こうした押し付けは、大学間の格差をいっそう広げるばかりか、大学の自主性を大きく損ない、各大学の教育研究がもつ多様な役割をゆがめることになります。宮本岳志議員が衆院文科委員会(11月1日)で追及したように、文科大臣が策定する各大学の中期目標については「国立大学法人が作成する原案を最大限尊重する」とした03年の答弁にも反しています。  第三は、こうした政府の意に沿った改革を各大学で推進するために、「学校教育法の改正など、抜本的なガバナンス改革を行う」、「教授会の役割を明確化する」として、「大学運営決定への教授会の関与の排除」を検討していることです。  教授会は大学の自治をささえる基本組織です。大学の学長などが教授会の多様な意見を尊重し、その総意にもとづいて運営するからこそ、「学問の府」にふさわしい優れた研究をうみだしてきたのです。教授会の権限を奪い、大学運営から排除するなら、その活力が消えうせ、大学自治は崩壊してしまいます。  わが国の大学は、長年の自民党政治によって、深刻な危機に追い込まれています。雑誌『Nature』の調査では、日本の研究者の「処遇満足度」は先進国で最下位となり、学術論文数も唯一日本だけが減少しています。安倍内閣がねらう大学改革は、こうした危機をいっそう加速させるだけです。 共産党 改革提案 日本共産党は、大学の危機を打開するための「大学改革提案」を10年6月に発表しました。その柱は、①大学の基盤的経費の増額と基礎研究支援の拡充をはかる、②大学の自主性を弱めた国立大学法人制度をみなおし、“自治と民主主義”を保障する、③高等教育の段階的な無償化や若手研究者の採用をひろげる、④大学への公費支出を欧米並みにひきあげるというものです。 この方向へ大学政策を転換してこそ、日本の大学が世界に誇りうる研究と教育を発展させていく最も確かな道が開けます。 (党学術・文化委員会事務局次長) "[he-forum 17981] 中日新聞11/23","中日新聞 2013年11月22日付 司法修習の無給化に批判 奨学金、貸与金が負担  裁判官や検察官、弁護士になるために、司法試験合格者は一年間の司法修習が義務付けられているが、国は二〇一一年から修習期間中の給与支給(給費制)をやめた。司法試験受験には、法科大学院の修了が原則だ。学生時代に奨学金を借りる学生も増えており、「裕福な家庭の子しかなれなくなり、弱者の気持ちを理解できる法曹が育たない」と、批判が高まっている。  中部地方の男性弁護士(29)は、憧れの弁護士を目指し、親元を離れて国立大法学部に入学。同じ大学の大学院への進学を希望したが、「生活費がかかる」との理由で地元に戻り、国立大法科大学院へ通った。  学費や生活費のため、大学四年間は月約十四万円、大学院三年間は月九万円弱の奨学金を借り、七年間の総額は一千万円を超す。さらに司法修習中は給与がなく、国の貸与制度を利用して最高裁判所から月二十三万円を借りたため、「借金」は一年間で約三百万円増えた。修習は自宅から通ったが、交通費や参考書の購入も自己負担。修習に専念する義務があるためアルバイトはできず、貸与金がなければ生活できなかった。  修習中は借りたお金を工面して奨学金を返済。男性が利用した奨学金は有利子で、返済が遅れるほど返済総額が増えるので返済を急いだ。「借りたお金で借金を返す。多重債務者と同じことをやっていた。でも奨学金がなければ弁護士にはなれなかった」と話す。  昨年末に弁護士になり、以降は月約五万円の奨学金を返済。四年後には貸与金返済も始まり、月七万円以上の負担になる。      ◇  愛知県弁護士会の久野由詠(よしえ)弁護士(29)は「借金はしないで」という母の意向で、修習中の貸与金は借りず、貯金を切り崩して暮らした。修習中は毎日、昼食におにぎりを持参するなど節約したが、何か買う際は母に尋ねなければならなかった。  「修習中は実務に必要なことを学ばせてもらった」という。検察官や裁判官の視点を理解したことで、市民の権利を守る弁護士として役立つと考える。ただ、修習中は司法研修所の教官との懇親会が頻繁にあり、費用は自己負担。「少しでも実務の話を聞きたい気持ちは強く、できる限り出席したいが、経済的な理由で欠席する修習生もいた」と振り返る。  久野さんら各地の元修習生の弁護士たち二百十一人は、損害賠償を求めて八月に全国四地裁に提訴した。「給費制廃止は職業選択の自由や、文化的で最低限度の生活を保障する憲法に違反している」と主張している。  修習地は本人の希望がかなうとは限らず、自宅外に住む場合も。引っ越し費や修習中に裁判所などへ通う交通費も全て自己負担だ。修習の一環で二カ月利用する司法研修所の寮(埼玉県和光市)も合格者が増えたため、近年は入寮は抽選だ。外れてアパートを借りれば約二十万円の出費になるという。  訴訟の弁護団共同代表の宇都宮健児弁護士は、「私のように貧しい家庭に育った人が法曹になれなくなる。そうすると社会的、経済的弱者の権利を守る視点が後退してしまう」と危ぶんでいる。 ◆修習と勉強で10時間超  二〇一一年十一月から司法修習を受けた司法修習生を対象に、日弁連が実施したアンケートによると、回答した七百十七人の修習時間は定時で一日平均七・三時間。これに加えて平日一・六時間、休日には一時間、実務修習のために活動。内容は判決文や訴状の起案や文献の調査、法律相談への立ち会いなど。さらに勉強会など、自己研さんのためにも時間を費やしていたことが分かった。  約三割は、経済的な不安や就職難などを理由に「修習の辞退を考えたことがある」と回答。生活費の原資が「最高裁からの貸与金」とした修習生は85%に上る。 (稲熊美樹) "[he-forum 17980] 日本経済新聞近畿11/23","日本経済新聞近畿版 2013年11月23日付 大阪市立大の学長・理事長分離案を否決 市議会委  大阪市議会は22日の委員会で、大阪市立大の学長と理事長の兼務を解消する大学定款の変更案を反対多数で否決した。賛成したのは大阪維新の会のみで、公明、自民、民主系、共産の各会派は「行政主導で拙速だ」などとして反対した。  市立大は大阪府立大との統合を目指しており、統合に向けた改革の一つだった定款変更の否決で、大学統合は一歩目からつまずいた形だ。  橋下徹市長は同日夜、記者団に「市長や議会が経営者の視点で組織のあり方を考えないといけないのに、議論がかみ合わず残念だ」と語り、予定通り統合を進める考えを示した。  市立大を巡っては、府立大との統合のため大阪府市が設置した「新大学構想会議」が10月、「理事長は経営などを担当し、学長は教育研究を担当することが望ましい」などとする提言を橋下市長に提出していた。  市立大と府立大は現在、別法人がそれぞれの大学を運営しているが、府市はまず2015年度に法人を統合し、16年度に大学も統合する方針。 "[he-forum 17979] 毎日新聞兵庫11/23","毎日新聞兵庫版 2013年11月23日付 県立大:豊岡に大学院 コウノトリの郷公園内に来年4月に開学−−市職員を院生に、2年間派遣方針  兵庫県立大(本部・神戸市西区)の新大学院「地域資源マネジメント研究科」(修士課程)が豊岡市祥雲寺の県立コウノトリの郷公園の敷地内に設置されることが決まった。開学は来年4月。これを受け豊岡市は、職員を同科に院生として2年間派遣する方針を決めた。29日開会の定例議会に補正予算案を上程する。  大学院の建物は郷公園の管理・研究棟と豊岡市立コウノトリ文化館の間に建設中。県産木材活用のため木造で、2階建て延べ約1000平方メートル。実習室や、研究成果を示す展示室も建物内に作る。  社会人も含め年間12人を募集する。コウノトリや山陰海岸ジオパークなどを地域資源と位置づけ、それらを生かした地域振興を考える。生態学、地球科学、人文社会科学の3分野がある。  市は、「35歳未満で市での在職年数3年以上」などの条件を満たした職員から希望者を募り、市役所内の選考試験を経て派遣職員を決める。選ばれた職員は大学院の選考試験を経て2年間、研修の形で大学院に在籍する。市役所に戻ってからは、研究内容に沿った部署・業務に就くという。【柴崎達矢】 "[he-forum 17978] 毎日新聞11/23","毎日新聞 2013年11月23日付 東京医科歯科大:新学長に吉沢靖之氏  東京医科歯科大(東京都文京区)は22日、大山喬史(たかし)学長(74)の任期満了(来年3月)に伴う学長選考会議を開き、吉沢靖之理事・副学長(69)を新学長に選出した。任期は来年4月から3年間。 "[he-forum 17982] 朝日新聞11/26","朝日新聞 2013年11月26日20時02分 国立大教員に年俸制 文科省、競争を導入・退職金廃止  【村上宣雄】国立大学の教員の給与について、文部科学省は、年功序列を改めて退職金を廃止し、業績を反映させる年俸制への転換を進める方針を決めた。「競争がなく、ぬるま湯体質だ」との批判もある国立大の組織全体の活性化を進めるのが狙いで、26日にまとめた「改革プラン」で示した。当面の目標として、理工系を中心に2015年度末までに1万人を年俸制に切り替えるとしている。  文科省はあわせて、企業からの研究資金などを年俸に組み込む「混合給与」も進める。また、教授の定年退職の際、「弟子」の准教授を無条件に昇進させるのではなく、有能な若手や外国人の登用を促す。  国立大は全国に86校あり、教員の総数は約6万3千人。文科省によると、現在も新規採用や年数を限った契約で年俸制をとるケースはあるが、全体で数千人にとどまるという。  計画では、勤続年数が長い教授らも終身雇用を維持しつつ年俸制への転換を進める。退職金を廃止する分、毎年一定額を従来の給与に上積みするが、一方で、以後の年俸は査定を反映させる。  優れた研究や教育を進めた教員は年俸が大幅にアップする一方、ほとんど論文発表がないような教員はダウンもあり得る。退職金廃止で帰属意識が薄まり、大学間の転籍が進んで全体の活性化も見込めるという。  文科省は、東京大、京都大、東北大、北海道大、名古屋大、大阪大、九州大の旧七帝大を中心に、先端的な研究に取り組む大学では特に年俸制を進め、15年度末までに20%を移行させたいとしている。  実際の雇用関係の見直しは、各国立大と教員の話し合いで決まる。教員側が拒めば現状維持もあり得るが、文科省は年俸制を積極的に導入する大学に予算を多く配分することで、取り組みを促す方針だ。  国立大の基本予算である「運営費交付金」の年間総額は、約1兆1千億円。従来は大学の規模に応じてほぼ機械的に振り分けてきたが、文科省は今後、このうち3~4割については「改革を進めている」と認定した大学にだけ重点配分する考えだ。年俸制が進まない大学は予算が減ることになり、文科省は「半強制」的に制度改変を進めることになる。 "[he-forum 17983] 産経新聞11/26","産経新聞 2013.11.26 12:40 文科省が国立大改革プラン 世界ランクアップへ教員年俸制導入も  文部科学省は26日、国立大学法人の改革プランを発表し、各大学の強みや特色を生かすよう、運営費交付金を傾斜配分して自主改革を促す方針を明ら かにした。大学教員の給与システムの改革にも踏み込み、年俸制の導入を促進する。一連の改革により、今後10年間で世界の大学ランキングトップ100に、 日本の大学から10校以上ランク入りすることを目指している。  文科省では、国立大学が法人化された平成16年度以降、6年ごとに中期目標を定めて改革を進めてきた。今回発表された改革プランは、平成28年度からスタートする第3期中期目標のことで、「各大学の機能強化」を打ち出した。   具体的には、(1)各大学の強みや特色を年内にまとめて公表し、その強みを伸ばすような取り組みに交付金を傾斜配分する(2)国立大学時代と変わらない大 学教員の給与システムを見直し、能力や成果を反映した年俸制の導入を促進する(3)教授会の影響力が強い大学運営のあり方を改め、学長がよりリーダーシッ プを発揮できるようにする-などの目標を掲げている。  下村博文文科相は26日の閣議後会見で「旧態依然の大学運営では厳しい国際社会で生き残るのは難しい。改革を進めることは必然的な時代の流れで、文科省が支援をするのは未来への投資として必要」と話した。   文科省によると、国立大学の法人化以降、産学連携の共同研究が倍増するなど一定の成果がみられるものの、国際評価はまだまだ低いのが現状だ。イギリスの教 育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が今年10月に発表した世界大学ランキングでトップ100入りした日本の大学は、東京大(23位)と京 都大(52位)の2校だけだった。文科省では「各大学の自主的な改革により、国際評価を一層高めたい」としている。 "[he-forum 17984] 毎日新聞11/27","毎日新聞 2013年11月27日 東京朝刊 東大TLO:山形大と契約  特許出願などのアドバイスをする東大の子会社「東京大学TLO」は26日、山形大医学部と業務委託契約を結んだと発表した。東大TLOが他大学と契約を結ぶのは初。東大TLOは1998年、東大が100%出資して設立。特許の出願、維持について、研究者や大学にアドバイスするほか、市場調査や企業との交渉を行っている。= "[he-forum 17985] 山陽新聞11/27","山陽新聞 2013年11月27日付 岡山大学長に森田氏再選 選考会議で3候補を審査  任期満了に伴う岡山大学長の選考会議が26日開かれ、現学長の森田潔氏(63)=麻酔・蘇生学=の再選を決めた。任期は2014年4月1日から17年3月末までの3年間。  学内外13人でつくる学長選考会議が、森田氏と佐野俊二・大学院医歯薬学総合研究科教授(61)、佐藤豊信・大学院環境生命科学研究科教授(64)の3候補を審査。25日に実施した教職員らによる学内意向投票の結果や面接などを参考に、森田氏を全会一致で学長適任者に選んだ。  会見した越宗孝昌・学長選考会議議長(山陽新聞社社長)は「学長として大学の管理運営に大きな実績を挙げてきた。大学間競争が激化する中、強力なリーダーシップを発揮して難局に立ち向かってほしい」と述べた。  森田氏は「2期目の大きな柱は教育改革。教養教育を充実させるとともに、グローバル化に対応できる能力、実践力を持った人材を育成する。研究力も強化し、国内の大学ランキングでトップ10入りを目指す」と抱負を語った。  岡山大学長の選考は、国立大学法人化(04年)を機に、従来の教員による投票から、選考会議が面接などを総合的に判断する形式に変更された。 "[he-forum 17986] 特定秘密保護法案に反対する学者の会","元佐賀大学の豊島です.内田樹氏が「特定秘密保護法案の廃案を求めるアピール」への賛同者を取りまとめておられます. http://blog.tatsuru.com/2013/11/27_1135.php メールか,氏宛のツイートで追加されるとのことです. ツイート: https://twitter.com/levinassien/status/405526536159117312 メルアドは,氏の「旧ホームページ」の下にあります. http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/3949/ 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","""全大教 高等教育フォーラム""","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 17991] 読売新聞長崎11/27","読売新聞 2013年11月27日付 医療機器開発者を育成 長崎大大学院に新コース  長崎大(片峰茂学長)は、来年度から同大大学院の医歯薬学総合研究科に、医学と工学の2分野を学べる「ハイブリッド医療人養成コース」を新設する。  国産の医療機器開発において主導的に活躍できる人材の育成を目指す。  同コースでは、医学部を卒業した学生と、大学院工学研究科の博士前期課程を修了した学生が異なる視点からものづくりを学ぶ。工学研究科、医歯薬学総合研究科の教員と、民間企業から招く講師らが、先端医療機器を使った臨床実習や、最新機器の企画、試作などを指導。文部科学省の「未来医療研究人材養成拠点形成事業」に採択されており、5年間、必要経費の助成を受ける予定。  募集定員は5人程度。4年間のカリキュラムを修了した学生には医学の博士号を与え、論文を提出すれば工学の博士号も取得可能という。同大医学部の永安武副学部長は「医療現場のニーズ(需要)に応えられ、研究側のシーズ(新技術)を備えた人材を育てたい」と話している。 "[he-forum 17990] 日本経済新聞11/27","日本経済新聞 2013年11月27日付 国立大運営費交付金を重点配分 4000億円、文科省が改革プラン  文部科学省は26日、国立大学の教育・研究機能の強化に向けた「国立大学改革プラン」を発表した。国際化や理工系を中心とした人材育成を重点課題とし、教員の年俸制導入など積極的な組織改編に取り組むよう求めた。文科省は来年度から運営費交付金の配分方法を抜本的に改め、プランに沿った改革を進める国立大に対し、計約4千億円を重点配分する。  26日の閣議後の記者会見で、下村博文文科相は「旧態依然の大学運営では厳しい国際社会を生き残るのは難しい。各大学の特色を最大限に生かした機能強化をスピード感をもって推進する」と述べた。  プランによると、各国立大には強みや特色に応じ(1)世界トップレベルの教育・研究拠点(2)全国的な教育・研究拠点(3)地域活性化の中核的拠点――のいずれを目指すのか、方向性を明確化させる。その上で、持続的な競争力を持ち、高い付加価値を生み出すため、国際化やイノベーション創出に取り組むよう求めた。  国際化を進める具体策として挙げたのは、海外大学の研究ユニットの誘致や国際共同大学院の創設など。イノベーション創出では、国立大から大学発ベンチャー支援会社への出資が可能となるよう、産業競争力強化法案を臨時国会に提出する。  優秀な外国人教員を積極的に採用するため、教員の給与体系も見直す。2015年度末までに教員1万人に年俸制を導入。外国人や若手研究者向けに1500人分の常勤ポストを確保するとした。  文科省によると、改革の進捗状況は毎年度評価する。国立大に対する運営費交付金(13年度で年間1兆700億円)のうち約4千億円は改革に積極的な大学に重点的に配分する。 "[he-forum 17989] 河北新報11/28","河北新報 2013年11月28日付 産学連携次世代磁気メモリー研究 東北大、センター開所  東北大が整備を進める青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)で27日、企業と共同で次世代磁気メモリーの実用化などを目指す「国際集積エレクトロニクス研究開発センター」の開所式があった。  センターは同キャンパス内の産学連携拠点「サイエンスパーク」の第1号施設。鉄骨造3階の研究棟に、企業と同規格の研究開発ラインのクリーンルームを備える。東京エレクトロン(東京)が総工費22億円を負担した。  主な研究対象は、次世代磁気メモリーの「STT-MRAM」。スマートフォン(多機能携帯電話)など電子機器の飛躍的な省電力化が期待されるという。  センター長の遠藤哲郎教授(電気エネルギーシステム)を中心に数年後の量産化を目指し、国内外の半導体や製造装置メーカー約20社と研究開発を進める。 "[he-forum 17988] NHKニュース11/28","NHKニュース 2013年11月28日17時18分 大学病院が臨床研究の不正対策  大手製薬会社ノバルティスファーマが販売する高血圧の薬の効果を調べた複数の大学の臨床研究で、データが人為的に操作されていた問題を受け、全国の大学病院などは臨床研究の元になったデータをネットワーク上で共有し、不正の疑いがある場合には第三者が検証できるシステムの運用を28日から始めました。  この問題はノバルティスファーマの高血圧の治療薬ディオバンの効果を調べた京都府立医科大学などの臨床研究に当時の社員が関与し、論文のデータが人為的に操作されていたもので、ほかの薬より狭心症などを減らす効果が高いなどとした結論が間違っていた可能性が指摘されています。  28日、会見した東京大学附属病院によりますと、全国の大学病院の研究者ら40万人が参加する情報共有のネットワークに、新たに臨床研究の計画書や患者1人1人の検査結果などの情報を匿名化して登録することを決めたということです。 これによって、不正の疑いがある場合は論文の結論が正しいかどうか第三者が検証できるということで、ネットワークを管理する東大病院は28日からシステムの運用を始めました。  会見した東大病院の門脇孝病院長は「データを登録することで不正が疑われた場合研究のどこに問題があるのかすぐに分かる。不正防止の第一歩になる」と話しています。 "[he-forum 17987] 読売新聞徳島11/29","読売新聞徳島版 2013年11月29日付 田中学長が再任 「次は改革加速期」 鳴教大  鳴門教育大は28日、学長選考会議を開き、田中雄三学長(71)の再任を決めた。任期は来年4月から2年間。会議後の記者会見で田中学長は、次の任期を「大学改革の加速期間」と位置づけ、教科の専門性を高める現在の大学院から、より実践的な教員の養成教育を行う「教職大学院」へと転換していくと強調したほか、学校現場や他大学との連携強化などで教育機能を充実させる考えを示した。  田中学長は鳥取市出身。1971年に鳥取大医学部を卒業。鳴門教育大学校教育学部教授、理事を務め、2010年に学長となった。専門は精神医学。 "[he-forum 17994] しんぶん赤旗11/29","しんぶん赤旗 2013年11月29日付 研究者の無期雇用転換期限5⇒10年なんて 労組が法改定案反対集会  有期雇用の研究者や大学教員、講師を無期雇用に転換する期限を5年から10年に延期する「研究開発力強化法改定案」が突然、自民、公明両党によって衆院に提出され、緊急反対集会が27日夜、参院議員会館で開かれました。  呼びかけは、東京地区大学教職員組合協議会(都大教)、首都圏と関西圏の大学非常勤講師組合の3者。  改定労働契約法によって、有期雇用を5年継続すると無期雇用に転換できるルールがつくられました。ところが改定案には、無期雇用に転換するまでの期間を10年にする特例条項が盛り込まれています。  有期雇用の研究者・大学教員にとっては事実上、無期転換の権利が奪われることになります。現行の研究開発力強化法の対象は主に理系分野ですが、有期雇用の延長については、文系分野や「研究者」としてまともな扱いを受けていない非常勤講師まで含まれるとされています。  開会あいさつで、首都圏大学非常勤講師組合の松村比奈子委員長は「突然出された法案だが、何とか成立を阻止したい」と訴えました。  全国大学高専教職員組合(全大教)の長山泰秀書記長は「労契法を改定して間もなく、大学を狙い撃ちしてきたことに怒りを感じる」と強調しました。  佐藤昭夫早稲田大学名誉教授(労働法)は、▽長期プロジェクトの場合は、現在でも労働基準法14条1項で5年を超える有期雇用が可能であり、法改正は必要ない▽雇用ルールは労働政策審議会での議論が必要であり、自民党の議員立法は手続きに問題がある―などと指摘しました。  国会情勢を報告した日本共産党の宮本岳志衆院議員は「大学を(無期転換ルールを破る)突破口にしようとしている」と、法案が全労働者に有害だとして、廃案に全力をあげる決意を述べました。 "[he-forum 17993] 河北新報11/30","河北新報 2013年11月30日付 東北に医学部新設 被災地の再生期待 設置主体選定へ意欲  文部科学省が東北に医学部新設を認めることを明らかにした29日、医学部設置構想を打ち出している宮城県内の2グループは、来年6月にも決定する設置主体の選定に向け、それぞれ強い意欲をみせた。  財団法人厚生会仙台厚生病院は、東北福祉大(いずれも仙台市青葉区)を連携先とした医学部設置を目指す。厚生会の目黒泰一郎理事長は「東北の人々の期待に応えられるよう頑張りたい」と決意を示すコメントを出した。  「東北医療への支援を通して復興に貢献するという初心、原点を大切にする」と目黒理事長。連携先の東北福祉大は「国に選ばれるよう最善を尽くす」と述べた。  文科省は、早ければ来年6月にも新設医学部の設置主体を決め、最短で2015年4月に開学させるスケジュールを打ち出した。  単独で医学部設置構想を掲げる東北薬科大(青葉区)の高柳元明学校法人理事長は「15年度開学に向け、認可申請の手続きや校舎新設などを準備する」との談話を発表した。  医学部設置の条件として文科省は、教員となる医師を東北の医療現場から引き抜かないなど、地域医療に支障が出ない方策を求めた。高柳理事長は「そうした事態の回避に十分配慮して(設置準備を)進めたい」と、構想実現に万全を期す考えを示した。 ◎3県自治体、歓迎/医師定着策に注文も  東北への大学医学部新設を認める文部科学省の基本方針を受け、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の首長は29日、地域医療の拡充に期待感を示した。教員確保に伴う医師の引き抜きに対する懸念や、卒業生の地元定着対策への注文も出た。  宮城県は医学部新設の支援態勢を強化するため、保健福祉部内に担当職員を配置した。村井嘉浩知事は「設置構想の提出期限までは短期間であり、県としても本腰を入れて取り組んでいく」とのコメントを発表した。  東北市長会会長の奥山恵美子仙台市長は「医師の不足や偏在、震災後さらに人材確保が難しくなった現状を国に訴えてきた立場として、大変ありがたい」と歓迎した。  市立病院が津波被害に遭った亀山紘宮城県石巻市長は「超高齢化を見据え、在宅医療に従事する医師の育成が重要」と強調し、「政府は早期の閣議決定を」と求めた。  戸田公明岩手県大船渡市長は「岩手県沿岸の医師が手薄な地域に卒業生が来てもらえるよう期待する」と話し、「病院勤務の専門医だけでなく地域に根差す総合医を育成してほしい」と要望した。  桜井勝延福島県南相馬市長は「新設が地域の医師不足を招かないよう願う」とくぎを刺す。「原発事故による避難先からの帰還条件に医療体制充実を挙げる住民が多い。地域医療の再生につなげてほしい」と注文を付けた。 "[he-forum 17992] 千葉日報11/29","千葉日報 2013年11月29日付 次期学長に徳久氏 千葉大学来春就任へ  千葉大学は28日、来春の任期満了に伴う学長選考会議を開き、次期学長に徳久剛史理事(64)が決まったと発表した。任期は来年4月から3年間。学長を2期務めた斎藤康氏(71)は退職する。  徳久氏は同大医学部卒。国保旭中央病院内科医などを経て同大教授、大学院医学研究院長などを歴任。2011年から理事(研究・国際担当)を務めている。専攻は免疫学、アレルギー学、腫瘍学、分子生物学。 "[he-forum 17995] 福島民報12/4","福島民報 2013年12月4日付 次期学長に中井氏 福島大 選考会議投票3回目で決定  来年3月末の任期満了に伴う福島大の学長選で、学長選考会議が3日、開かれ、次期学長に同大うつくしまふくしま未来支援センター長で行政政策学類教授の中井勝己氏(61)を選んだ。15人目の学長となる。  選考会議では、教職員対象の意向投票の結果などを踏まえ、外部委員を含む12人が無記名で投票した。選考会議の申し合わせでは、総投票数の3分の2の獲得が条件だが、中井氏が7票、現職の入戸野修氏(72)が5票で、1回目で決まらなかった。2回目でも同じ7票、5票だったため、条件を「過半数」に変更した。3回目で中井氏が7票を獲得して選ばれた。  中井氏は兵庫県宝塚市出身。専門は公法学・環境法。福島大の行政政策学類長、理事・副学長などを歴任。今年からうつくしまふくしま未来支援センター長。  選考会議終了後、中井氏は学内で記者会見し、「東日本大震災、東京電力福島第一原発事故の被災者、被災地域への支援活動を継続、発展させていく。災害復興に役立てる人材育成も社会的使命だ」と抱負を語った。選考会議の杉原陸夫議長が選考経過を説明した。  福島大は今後、文部科学省に中井氏の学長選任を上申し、文部科学大臣名で正式に学長に任命される。任期は来年4月1日から4年。  2日に行われた教職員の意向投票では、中井氏が入戸野氏を7票上回り、最多だった。 "[he-forum 17996] 毎日新聞12/4","毎日新聞 2013年12月4日付 愛知教育大:新学長に後藤ひとみ氏  愛知教育大(愛知県刈谷市)は3日、次期学長候補に教育学部教授(養護教育学専攻)の後藤ひとみ氏(57)を選出した。文部科学相の任命を経て正式に就く。任期は来年4月から6年間。文科省によると、国立大の女性学長は東海3県で初。  後藤氏は北海道教育大教育学部卒で、愛知教育大大学院教育学研究科修士課程を修了した。愛知県日進町(現日進市)の小学校養護教諭や同朋大専任講師、愛知教育大助教授などを歴任した。  現在、女性が学長を務める国立大は東京学芸、お茶の水女子、京都教育の3大学がある。【安間教雄】 "[he-forum 17997] 読売新聞秋田12/6","読売新聞秋田版 2013年12月6日付 宇宙関連 3者連携  観測ロケットの開発に取り組んでいる秋田大と県、能代市は5日、地域の活性化や県内産業の振興につなげようと、宇宙関連分野での連携協力に関する覚書を締結した。県と市はそれぞれ、地域産業活性化を目指した協定を秋田大と結んでいるが、宇宙関連に特化しての締結は初めて。人材育成や科学技術の振興、普及啓発のほか、社団法人を設立して企業会員を募り、産学官連携なども目指す。  秋田大は、かねて宇宙関連の研究を行っており、10月、学内に「秋田宇宙開発研究所」を設置。さらに、来年4月の学部再編で工学資源学部を理工学部に改組し、新たに「創造生産工学コース」を設置する。これにより、従来、個々に取り組んでいた学生や教員が体系的に学べる体制が整い、研究が進むと期待されている。  能代市は、市内に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の実験場があり、加えて海岸がロケットの打ち上げに適していることから、「宇宙のまちづくり」を進めている。毎年、宇宙関連のイベントを開催し、小学校の授業で小型ロケットの打ち上げを教えるなど、宇宙に親しみやすい環境作りに取り組んでいる。県も、県産業技術センターが秋田大とロケットを共同研究・開発しているほか、資金を提供している。  今回の覚書締結は、秋田大が提案。県と大学は2006年に、能代市と大学は08年に、それぞれ包括協定を結んでいるが、さらに宇宙関連分野でも連携を強化し、地域発展を目指そうと、3者での締結となった。今後、年度内を目標に社団法人「あきた宇宙コンソーシアム(仮称)」を設立し、企業などの参入を促すという。  秋田大講師で、秋田宇宙開発研究所の和田豊所長は「大学で宇宙産業について学んだ学生が、卒業後に地元で就職し、さらに地域を発展させられればいい。そのためにも、様々な県内企業にも関わってほしい」と呼びかけている。 "[he-forum 18000] 毎日新聞12/5","毎日新聞 2013年12月5日付 大阪市立大:学長選を廃止…幹部と市長ブレーンが選出へ  大阪市立大10+件が、教職員による学長選の廃止を決めたことが4日、わかった。大学自治の理念から約60年間続けてきたが、橋下徹大阪市長が「選挙で選ばれた市長が任命するのが民主主義だ」と見直しを求めていた。今後、学長は、大学幹部と市長ブレーンの市特別参与による選考会議が決めることになり、行政の介入が強まることに、学内から懸念の声も挙がっている。  大阪市立大10+件は学長選を1954年から実施し、全教職員が投票するシステムだった。これまでも大学幹部と有識者で構成する選考会議が存在し、投票結果を尊重していたが、橋下市長就任に伴い、市特別参与が参加するようになった。現学長が今年度末に任期切れになることから、橋下市長の意向を受けて対応を検討していた。  選考会議(議長・柏木孝副理事長)では「民主的に選ぶ方法として投票が定着している」と慎重意見もあったが、「ガバナンス(学内統治)改革の中で適切ではない」として11月27日、廃止でまとまった。今後は、教職員10人以上の推薦がある教職員を候補者とし、選考会議が書類と面接で選出、市長が任命する。  大阪市立大10+件の学長選を巡っては名誉教授らが10月、「学問の自由と大学自治の伝統が脅かされている」との声明を発表した。ある教授は「橋下市政の介入が露骨になるとの不安がある。自由な雰囲気と伝統が失われないか心配だ」と話した。【熊谷豪】 "[he-forum 17998] 中日新聞静岡12/1","中日新聞静岡版 2013年12月1日付 雇用環境の変化 奨学金返済で窮地に ◆「突然の裁判通知書、延滞金加算」  就職難や非正規労働の増加など雇用環境の変化で、学生時代に借りた奨学金を返せない人が増えている。滞納者はある日突然、延滞金も含めた返済を厳しく迫られ、追い詰められる。返せない事情をなかなか配慮してもらえないことに、支援団体は奨学金制度の構造的問題を指摘する。  「誰も返さないとは言っていない。でも、あまりに酷だ」。浜松市内に住む男性(40)はやり場のない怒りに耐えるように、苦しい表情を浮かべた。  男性は県外の私立大に通い、日本育英会などいくつかの学生支援団体が合併した独立行政法人「日本学生支援機構」から四年間で総額約二百三十万円の奨学金を無利子で借り入れた。返済は年十三万円の十七回払いにした。  卒業後は、板前になるのが夢で料亭などで修業。当初の六年間は返済を続けたが、生活は苦しく、返済は滞るようになった。罪悪感もあったが、滞納して六年以上、督促はなく次第にその気持ちも薄れていった。  事態は二〇〇七年のある日、一変する。機構から「返済未済額百七十四万九千円を払わないと裁判となる」旨が書かれた通知書が届いた。あわてて機構に連絡して自らの経済状況を説明し、年十三万円の返済計画を、家賃などを除いた生活費五万円のうち毎月一万一千円を返す方法に切り替えた。  しかし、男性はその後四年近く支払いを続けた後で、元本が全く減っていないことを知った。入金一覧表を取り寄せると、〇七年十一月~一一年五月まで毎月払い続け、約五十万円を返したが、それは延滞金に充当されたにすぎなかったのだ。  機構から延滞金の説明はなかった。男性は「借りたのは自分。自業自得だが、延滞金がいつの間にか加算されたり、突然裁判すると言ってきたり弱い者いじめだ」と不信感を募らせている。 ◆滞納者46%が無職  今年三月に弁護士や有識者らでつくった「奨学金問題対策全国会議」事務局長の岩重佳治弁護士(東京)は「雇用は不安定で返したくても返せない実情がある」と話し、制度の構造的問題を指摘する。  日本学生支援機構によると、滞納者のうち無職は46%、年収三百万円未満は83%。だが、二〇一二年度現在、百三十二万人に計一兆八百億円を貸与しており、うち滞納者は三十三万四千人、滞納額は九百二十五億円に上る。〇四年に独立行政法人化してから奨学金の原資の多くを企業から借りており、強硬な取り立てにならざるを得ない。  滞納者は延滞九カ月で裁判所へ支払い催促申し立てがされる。一〇年度の申立件数は五千八百二十七件だ。  機構の担当者は「返還が難しい時は、減額返還や返還期限猶予制度の活用を案内している」と説明する。しかし、滞納対策を債権回収会社に委託しており、個別事情が反映されにくい面もある。  全国会議は、所得に応じた無理のない返済計画や給付型奨学金の充実などを求めている。岩重弁護士は「親の経済状況に左右されず、真の教育機会の平等を確保してもらいたい」と訴える。  奨学金問題を考える「静岡県司法書士会・翔学(しょうがく)会」の中里功さん(40)=浜松市=は「奨学金は金融事業になっている」と現状を憂慮。同会では相談を受け付けている。問い合わせは、司法書士総合相談センターしずおか=電054(289)3704=へ。 (木原育子)  <日本学生支援機構> 2001年の特殊法人等改革基本法に基づき、前身の日本育英会が04年度に廃止され、改編された独立行政法人。育英会の奨学金制度は本来利子はつかず、国の財源で賄われていたが、財政悪化で有利子枠が創設され、07年度に民間資金の導入も始めた。学校教員になれば返済を免除される制度は1998年に廃止されている。 "[he-forum 17999] 日本経済新聞12/6","日本経済新聞 2013年12月6日付 教授会の権限を限定 中教審が提言案  大学改革を議論している中央教育審議会(中教審)の組織運営部会は5日、学長のリーダーシップ確立のため、教授会の審議事項を「教育課程の編成」など4項目に限定することを盛り込んだ提言案をまとめた。国立大を中心にガバナンス機能を強化し、学長主導の改革を促す。提言を踏まえて文部科学省は今年度内の法令改正を目指す。  提言案は、教授会の影響を抑えるため、審議事項を(1)教育課程の編成(2)学生の身分に関する審査(3)学位授与(4)教員の教育研究業績の審査――の4つに絞ることを求めた。  国には学長が自由に使える裁量経費の拡充を要請。学長を補佐する「統括副学長」を新設し、予算や組織改編などの調整権を与えることを提案した。入試や財務、学生支援などの分野に精通した「高度専門職」の設置や事務職員向け研修の義務化も必要とした。  一方で、強い権限を得る学長をチェックする機能の整備も提言。国立大学法人では、学長選考組織が仕事ぶりを定期的に評価し、経営悪化や業務執行に問題がある場合は任期途中で解任できる制度の導入を求めた。国立大学法人の監事による監査報告書の作成や学長への不正・法令違反の報告の義務化も求めた。 "[he-forum 18002] 日経産業新聞12/2","日経産業新聞 2013年12月2日付 就活本番、大学「G5」に熱視線 即戦力求める企業 グローバル化、一歩先行く5大学・学部  1日、就職戦線が本番を迎えたが、「G(グローバル)5」と呼ばれる大学・学部の学生に企業が熱視線を送っている。英語が堪能で外国人ビジネスマンとも直接交渉できる人材――。多くの企業がグローバル化を急ぐなか、即戦力は引く手あまただ。企業の評価は東京大学を頂点とする偏差値序列を変える力にもなるかもしれない。 ■解禁前に説明会  11月26日。3年生の就職戦線は解禁前のはずだが、国際基督教大学(ICU)の構内では、「業界研究」という名目での企業による説明会が始まっていた。外資系企業や省庁ばかりではない。素材、エネルギー、海運、食品……。就職協定をうたう経団連の代表銘柄も続々とICUを訪れ、自らをアピールした。  12月4日までの7日間、大学が用意した80の説明時間枠はあっという間に埋まった。総合商社やメガバンクなどの人気銘柄も今では必ず求人票を自ら持って三鷹市内のキャンパスを訪れる。「5年ほど前まで、ICU生の就職先といえば外資系が多かったが、わずか数年で大きく変わった」(篠田薫就職相談グループ長)。  2004年に開学した秋田市にある国際教養大学(AIU)。12月以降、160社を超える企業が同校を訪れ、企業説明会を開催する。同校の卒業生は年200人に満たないが、熱心な企業は3月までに2度、3度と秋田入りを繰り返す。  G5の仕掛け人は、2月に急逝したこのAIUの中嶋嶺雄前学長だった。10年頃、ICUや早稲田大学国際教養学部、立命館アジア太平洋大学(APU)に呼び掛け、連絡会組織を作った。その後、上智大学国際教養学部も参加して現在のG5が生まれた。  多くの留学生を抱える中で発生するビザの取り扱いなど基本的なトラブルへの対処から、イスラム国の留学生の祈りの場所をどこに確保するかなどのノウハウを共有。就職活動の取り組みも、担当者間で月1度テレビ会議で情報交換する。  G5の大学は授業が原則英語で行われたり、留学が卒業するための必要事項になっていたりする。各校とも留学生が多く在籍し、日常的に外国人と接触が多い。英語で考え、英語で表現する。そんな学生生活を送った学生は、海外事業を重視する企業から即戦力として高く評価される。 ■英語「800点」必須  各大学の就職先企業を見ればその傾向は顕著だ。AIUでは就職した学生の半分以上が製造業に向かう。ICUと上智大学国際教養学部では英語を社内公用語化した楽天の採用の多さが目に付く。同社は「内定者には入社までにTOEIC800点以上を求める」(グローバル人事部)。技術職はすでに内定者の6割が外国人で、国内勤務であっても英語の必要性は高い。英語力にたけたG5の学生は重宝される存在だ。  企業の評価は大学・学部への評価にもつながる。河合塾の算定するAIUの偏差値は67.5。東京大学文科一~三類の70.0に次ぐ水準。早大国際教養学部も偏差値67.5。創設10年足らずで、文系の看板学部である政治経済学部と同水準に達した。「今年初めて政経と両方合格して、国際教養を選んだ学生がいた」(森田典正学部長)と若い学部の成長を喜ぶ。  受験者数にも人気は反映する。少子化が進み、各大学が学生集めに苦慮するなか、とくにAIUと早大国際教養の伸びは顕著だ。明治大学や法政大学など他大学も類似の学部を看板に育てようとしている。  一方の東大。英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションが10月まとめた「2014年版世界大学ランキング」によると、23位だった。アジアでの首位は維持したが、欧米の有名大学に比べて劣ったのは「国際化」の評価が低かったためだ。学部の外国人留学生比率はわずか1.7%。海外へ留学意欲も低く、“内弁慶な秀才”のイメージがつきまとう。  就職に強い大学と言えば、歴史と伝統のある名門大学だった。だが、今の企業が欲しいのは海外でも通じるタフな人材、即戦力だ。G5への高評価はブランドに頼るだけでは、乗り切れなくなってきたことの証左でもある。(宇野沢晋一郎) "[he-forum 18001] NHKニュース12/6","NHKニュース 2013年12月6日0時3分 改正研究開発力強化法が成立 成長戦略の柱の1つの技術革新を進めるため、大学などで科学技術の研究に携わっている非正規職員を対象に、今は最大5年の非正規職員としての雇用期間を、特例で10年に延長することなどを盛り込んだ「改正研究開発力強化法」が、5日の参議院本会議で可決され、成立しました。  「改正研究開発力強化法」は、成長戦略の柱の1つの技術革新を進めるため、科学技術などの研究環境を整備しようというもので、大学や研究機関などで科学技術の研究に携わっている非正規職員を対象に、別の法律で、今は最大5年となっている非正規職員としての雇用期間を、特例として10年に延長するとしています。  また、科学技術などの分野で、困難は伴うものの実用化できれば極めて大きな成果が得られる研究に対し、必要な予算を配分することや、研究者が研究に専念できるように国が研究費の確保や特許の申請などの事務作業を行う人材の手当てを支援することなどが盛り込まれています。  この「改正研究開発力強化法」は、5日の参議院本会議で、提案した自民・公明両党や日本維新の会などの賛成多数で可決され、成立しました。 "[he-forum 18005] 西日本新聞 2013.12.13","http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/57426 政府、共謀罪創設を検討 組織犯罪処罰法改正で 2013年12月11日(最終更新 2013年12月11日 00時47分)  政府は10日、殺人など重要犯罪で実行行為がなくても謀議に加われば処罰対 象となる「共謀罪」創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を来年の通常国会に 提出する方向で検討に入った。政府関係者が明らかにした。  共謀罪が広く適用されれば、国による監視が強化される恐れがある。機密漏え いに厳罰を科す特定秘密保護法に続く国権強化の動きといえる。秘密法成立で言 論・情報統制が強まる不安が広がっているだけに、論議を呼ぶのは確実だ。  政府は、2020年の東京五輪開催に向けてテロ対策の必要性が高まったと判 断している。 (共同) ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","Yasuhiro ISCIDA","nqj35480@nifty.com","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18004] 中日新聞 2013.12.13","http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013121001003057.html 政府、共謀罪創設を検討  2013年12月11日 01時18分  政府は10日、殺人など重要犯罪で実行行為がなくても謀議に加われば処罰対 象となる「共謀罪」創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を来年の通常国会に 提出する方向で検討に入った。政府関係者が明らかにした。  共謀罪が広く適用されれば、国による監視が強化される恐れがある。機密漏え いに厳罰を科す特定秘密保護法に続く国権強化の動きといえる。秘密法成立で言 論・情報統制が強まる不安が広がっているだけに、論議を呼ぶのは確実だ。  政府は、2020年の東京五輪開催に向けてテロ対策の必要性が高まったと判 断している。 (共同) "[he-forum 18003] REUTERS 2013.12.11","http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2013121001003061 政府、共謀罪創設を検討  2013年 12月 11日 00:46 JST  政府は10日、殺人など重要犯罪で実行行為がなくても謀議に加われば処罰対 象となる「共謀罪」創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を来年の通常国会に 提出する方向で検討に入った。政府関係者が明らかにした。  共謀罪が広く適用されれば、国による監視が強化される恐れがある。機密漏え いに厳罰を科す特定秘密保護法に続く国権強化の動きといえる。秘密法成立で言 論・情報統制が強まる不安が広がっているだけに、論議を呼ぶのは確実だ。  政府は、2020年の東京五輪開催に向けてテロ対策の必要性が高まったと判 断している。 【共同通信】 "[he-forum 18006] しんぶん赤旗12/11","しんぶん赤旗 2013年12月11日(水) 秘密保護法認めない 学者3500人突破 成立後も続々  秘密保護法の強行採決に反対する学者の声が、成立後もさらに大きく広がっています。「特定秘密保護法に反対する学者の会」の声明への賛同者は、学者3511人(10日現在)に達し、いまも増え続けています。  法案の成立を受けて「会」は7日、秘密保護法の強行採決への抗議声明を発表し、「特定秘密保護法案に反対する学者の会」を、「特定秘密保護法に反対する学者の会」に改称。引き続き秘密保護法に反対するとしています。  声明は、秘密保護法を「憲法の定める基本的人権と平和主義を脅かす立法であり、日本の民主主義を戦後最大の危機にさらすもの」とし、強行採決されたことにたいし「深い憂慮と強い憤りを覚え、この暴挙に対する抗議」を表明しています。  賛同者には、滋賀大学学長の佐和隆光氏や和歌山大学学長の山本健慈氏も含まれています。このほかに院生、学生など1209人が賛同をよせており、合わせて4720人におよびます。  会の活動は、アメリカ科学振興協会の雑誌『サイエンス』にも掲載されました。 ◇  特定秘密保護法に反対する学者の会 ノーベル賞受賞者の白川英樹氏、益川敏英氏を含む、分野をこえた著名な学者31人で結成。11月28日に秘密保護法案の廃案を求める声明を発表しました。会には内田樹神戸女学院大学名誉教授、加藤陽子東京大学教授、姜尚中聖学院大学全学教授などが参加しています。 思い同じくする人 広げたい 「学者の会」よびかけ人  佐藤 学 学習院大学 教授  安倍政権の強行の大本には、「戦争する国づくり」があります。それを許すことはできません。今後も反対を続け、思いを同じくする人を5千人、1万人と広げたい。  民主主義の危機に、やむにやまれぬ思いで「学者の会」を立ち上げたのですが、あっという間に、かつてない賛同が広がりました。新しいのは、学会単 位ではなく、一人ひとりが個人として声をあげ、それが連帯した太い動きになったことです。平和と民主主義を守ろうという憲法の精神が国民の中にしみわたっ ていることを証明しています。  その潜在的な裾野は、慎重審議を求めた国民8割に広がっていると思います。安倍政権が「憲法改正」を叫べば叫ぶほど、この声は広がる。秘密保護法成立で終わりではなく、今後につながる大きなたたかいになっていると思います。= "[he-forum 18008] 時事ドットコム","http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013121100348 時事ドットコム 2013.12.11 11:07 「共謀罪」法案提出を検討=政府、通常国会に  政府は11日、犯罪の謀議に加わる行為そのものを処罰する「共謀罪」創設を 柱とする組織犯罪処罰法改正案を、来年1月召集の通常国会に提出する方向で検 討に入った。複数の政府関係者が明らかにした。同様の改正案は2003年以 降、自民党政権時代に3回提出されたが、いずれも野党の反対で廃案となった経 緯がある。提出までには曲折がありそうだ。   共謀罪の創設に向けた取り組みは、政府が00年12月、国連国際組織犯罪防 止条約に署名したことがきっかけ。同条約は、懲役・禁錮4年以上の重い犯罪を 対象に、謀議や犯罪組織への参加を罰する法整備を加盟国に義務付けている。  01年の米同時多発テロを受け、日本政府内で検討が本格化した。安倍政権と しては、20年の東京五輪に向けてテロ対策を強化する方針だ。  ただ、共謀罪の創設に対しては「処罰範囲が著しく拡大する恐れがある。刑事 法体系を変えてしまう」(日弁連)といった批判が強い。特定秘密保護法の成立 で国家権力を強める動きには警戒感が広がっており、改正案を提出すれば野党の 強い抵抗が予想される。(2013/12/11-11:07)","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","Yasuhiro ISCIDA","nqj35480@nifty.com","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18009] 北海道新聞 2013.12.11","http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/509403.html 北海道新聞 どうしんウェブ(12/11 00:56、12/11 00:58 更新) 政府 「共謀罪」創設を検討 秘密保護法に続き言論統制の懸念  政府は10日、殺人など重要犯罪で実行行為がなくても謀議に加われば処罰対 象となる「共謀罪」創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を来年の通常国会に 提出する方向で検討に入った。政府関係者が明らかにした。  共謀罪が広く適用されれば、国による監視が強化される恐れがある。機密漏え いに厳罰を科す特定秘密保護法に続く国権強化の動きといえる。秘密法成立で言 論・情報統制が強まる不安が広がっているだけに、論議を呼ぶのは確実だ。  政府は、2020年の東京五輪開催に向けてテロ対策の必要性が高まったと判 断している。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","Yasuhiro ISCIDA","nqj35480@nifty.com","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18011] 岐阜新聞12/11","岐阜新聞 2013年12月11日付 岐阜大学長に森脇氏 医学系、2代連続生え抜き  岐阜大は10日、森秀樹学長(70)の任期満了(来年3月末)に伴う後任の新学長に、同大大学院医学系研究科教授の森脇久隆氏(62)を選んだ。任期は来年4月から6年間。  森氏に続き2代連続で岐阜大卒の学長。医学系が専門の学長は3代連続。森脇氏は兵庫県三田市出身。岐阜大医学部を卒業後、同学部助教授、教授などを経て、2004年から同大大学院教授。06年から4年間、岐阜大病院長を担った。  専門は内科学(消化器病学)で、肝臓病の治療に精通。日本内科学会東海支部代表(評議員)、日本消化器学会執行評議員などを務めている。2月には岐阜新聞大賞を受賞した。岐阜市在住。  本紙の取材に森脇氏は「各学部・研究科が切磋琢磨(せっさたくま)して教育を充実し、優秀な人材を輩出してさらに地域貢献する大学を目指す」と抱負。「研究面でも世界的に輝く業績を上げる集団でありたい」と意欲を示した。「全国から優秀な学生を集める取り組みや、アジアなどからの留学生受け入れを通じた海外の大学との交流、国際貢献も強化したい」と述べた。 "[he-forum 18014] 佐賀新聞12/10","佐賀新聞 2013年12月10日付 大学で学ぶ意義は? 佐賀市で進学説明会  大学進学の意義ついて考える「大学進学説明会」(県教委主催)が8日、佐賀市のほほえみ館で開かれた。東京大理事の江川雅子氏がグローバル時代に求められる人材について講演、「大学で『学び方』を学んでほしい」と呼び掛けた。  江川氏は、グローバル時代に必要な資質として、論理的思考力▽環境適応力▽自分で考える力▽コミュニケーション力▽教養などを挙げた。その上で「高校までの学習は基礎的な知識の習得で、大学の学びは一生、学び続けるための基礎を身に付ける」と説明。「大学で知識ではなく、教養を身に付けてほしい」と話した。  説明会には、県内の高校生約80人が参加。早稲田佐賀高1年の久米修二君は「教養が学び続ける力になるという話が印象的だった。大学へ進むのが楽しみになった」と話した。 "[he-forum 18012] 岩手日報12/9","岩手日報 2013年12月9日付 大学などの女性研究者を支援 2組織発足で底上げへ  本県と近郊の大学や高専などで働く女性研究者の研究環境の充実や、教授・准教授ら上位職者数の拡大を目指す二つの連携組織が今月発足する。岩手大の実践をベースに、各機関に取り組みを普及し、ネットワーク化を推進。全体数、上位職者数ともに女性が少ない理系分野の底上げに重点を置き、研究活動の活性化につなげる。  連携組織は▽県立大や一関高専、八戸高専など北東北の大学等で構成▽県工業技術センター、岩手生物工学研究センターなど県内の公的研究機関で構成―の2種類。岩手大は両組織に所属する。17日に岩手大で設立会議とセミナーを開く。  岩手大は昨年度までの3年間、女性研究者の在籍数増や研究環境の向上、学内の意識改革を進めた。子育てや介護が研究継続の壁となる現状改善のため、実験などのサポート体制、配偶者の海外転勤時に同伴を理由に3年以内で休業申請できる他大学にない制度も構築した。本年度からは、連携組織を核に各機関に合った支援策を提案、普及させたい考え。研究者のニーズ調査やワークライフバランス相談などを検討する。 "[he-forum 18013] 読売新聞12/10","読売新聞 2013年12月10日付 就活窓口、学生向け住宅…広島大跡に知の拠点  広島市と広島大は9日、「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」として同大学本部跡地(中区、11・4ヘクタール)の未利用地(3・8ヘクタール)で公募、選定した事業計画案を発表した。  三菱地所レジデンスなど8事業者による「広島ナレッジシェアパーク」と称し、学生向けの賃貸住宅や活動支援施設、ホール、病院、分譲マンションなどを整備する。総事業費約300億円で、2018年の完成を目指す。  市によると、▽学生・留学生向け賃貸住宅(111戸)や就職・ボランティア活動支援窓口、ベンチャー支援オフィスなどの機能を持つ「ナレッジシェアファーム」▽公開講義やオープンキャンパスなども行える多目的ホール「ナレッジシェアプラザ」▽シニア向け住宅、託児施設などの「ナレッジシェアコミュニティ」▽スポーツクラブ▽脳神経疾患専門病院▽地上53階、地下1階の分譲マンション(665戸)▽カーディーラー――で構成。  区域内には、市民が自由に散策できるオープンスペースを配置し、パークに隣接する東千田公園との一体性も持たせる。  跡地を巡っては、同市と同大学が06年から人材育成や特色ある研究を行う施設の整備を掲げ、07年に事業予定者として広島市の不動産開発会社などを選定したが、同社が翌年に経営破綻し、今年6月から新たな民間事業者を公募していた。  市と同大学は12月、事業者グループと協定を結ぶ予定。  この日、広島市の松井一実市長と浅原利正学長が記者会見して事業計画を発表。浅原学長は「地域と連携し、共に発展する大学を目指しており、(今回の選定は)大変喜ばしい」と歓迎。跡地内にある東千田キャンパスに16年4月、県内の大学との共同研究や社会人教育の受け皿となる「知的人材育成センター」(仮称)をオープンする考えを明らかにした。  跡地ではこのほか、市が、無償譲渡を受けた被爆建物の広島大旧理学部1号館の建物と土地を保存活用する方針を示している。(薮上遼介) "[he-forum 18018] 朝日新聞 2013.12.11","http://www.asahi.com/articles/TKY201312110107.html 朝日新聞 2013年12月11日13時34分 「共謀罪」創設を検討 政権、予算成立後に法改正案視野  安倍政権は重大な犯罪の謀議に加わっただけで処罰対象となる「共謀罪」を創 設する組織的犯罪処罰法改正の検討に入った。2020年の東京五輪に向けたテ ロ対策強化が狙い。ただ、特定秘密保護法が国民の「知る権利」を損なうと批判 された直後でもあり、来年の通常国会への改正案提出が可能かどうかを含め、慎 重にタイミングを見極める方針だ。  共謀罪は、重大な犯罪にあたる行為を「団体の活動」として「組織により」実 行しようと共謀するだけで、実際に行動を起こさなくても罰する内容だ。  政府は00年に国連で国際組織犯罪防止条約が採択されたのに伴い、条約締結 のために国内法の整備が必要として、03年から3度、関連法案を国会に提出し た。ただ、対象となる犯罪が600以上にのぼることなどから、当局の恣意(し い)的な適用を懸念する世論の反発が起き、いずれも廃案となってきた。 -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca Centrale di Ingegneria Universita' Nagoya. Furocho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8603 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-3227 FAX: +81-52-789-5160 *--------------------------------------------------------*","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18020] 茨城新聞12/7","茨城新聞 2013年12月7日付 県内勤務4割が希望 筑波大病院水戸教育センター、研修医病院選び調査 筑波大付属病院水戸地域医療教育センター(水戸市宮町)が研修医や若手医師を対象に実施したアンケート調査で、自らの専門を決める後期研修の病院を選ぶ決め手として「優れた指導医」や「症例が豊富で研修プログラムが充実」を重視していることが分かった。回答者の4割は本県内での勤務を希望しており今後、研修医の確保を望む病院に影響を及ぼしそうだ。 アンケートは今年9月、同センターの研修医ら35人を対象に実施し、26人が回答した。回答者の内訳は▽初期研修医14人▽後期研修医11人▽若手医師1人で、出身・性別などは▽本県出身6人▽他府県出身20人、▽筑波大出身8人▽それ以外18人、▽男性15人、女性11人-だった。 調査結果によると、病院選択の決め手としては全員が「優れた指導医」と「症例が豊富で研修プログラムが充実」を重視した。 このほか、「施設・設備が充実している」や「将来のキャリアパスを描きやすい」「先輩・同僚医師の勧め」「身体的・精神的に合っている」も、いずれも8割を超えた。 研修後の勤務先希望については、「将来も本県で勤務」が4割の11人。同センターの渡辺重行センター長は「11人が残りたいと言ってくれている結果は素晴らしい」としている。 地方の医師不足対策については、「勤務医の労働条件改善」について「大いに賛成」か「賛成」としたのが全員で、「県内研修指導体制の充実」も全員が挙げた。「都会に比べ報酬アップ」「県内出身者で他大学卒業医師への働き掛け」なども9割以上だった。 "[he-forum 18019] 埼玉新聞12/12","埼玉新聞 2013年12月12日付 埼玉大新学長に山口宏樹氏  埼玉大学(さいたま市桜区)は11日、任期満了に伴う学長の選考会議で、上井喜彦学長(66)の後任として、同大理事(研究・国際担当)・副学長の山口宏樹氏(61)を新学長に選出したと発表した。  山口氏は12代目の学長となる。任期は2014年4月1日~18年3月31日まで。  山口氏は埼玉県出身。埼大理工学部卒業後、東大大学院工科系研究科を経て、1981年11月から93年3月まで埼大工学部講師を務めた。  94年4月に同大工学部教授に就任。同大大学院理工学研究科教授を経て、08年4月には同大工学部長に就任。  10年4月に同大大学院理工学研究科長となり、昨年4月から同大理事・副学長を務めていた。 "[he-forum 18020] 茨城新聞12/7","茨城新聞 2013年12月7日付 県内勤務4割が希望 筑波大病院水戸教育センター、研修医病院選び調査 筑波大付属病院水戸地域医療教育センター(水戸市宮町)が研修医や若手医師を対象に実施したアンケート調査で、自らの専門を決める後期研修の病院を選ぶ決め手として「優れた指導医」や「症例が豊富で研修プログラムが充実」を重視していることが分かった。回答者の4割は本県内での勤務を希望しており今後、研修医の確保を望む病院に影響を及ぼしそうだ。 アンケートは今年9月、同センターの研修医ら35人を対象に実施し、26人が回答した。回答者の内訳は▽初期研修医14人▽後期研修医11人▽若手医師1人で、出身・性別などは▽本県出身6人▽他府県出身20人、▽筑波大出身8人▽それ以外18人、▽男性15人、女性11人-だった。 調査結果によると、病院選択の決め手としては全員が「優れた指導医」と「症例が豊富で研修プログラムが充実」を重視した。 このほか、「施設・設備が充実している」や「将来のキャリアパスを描きやすい」「先輩・同僚医師の勧め」「身体的・精神的に合っている」も、いずれも8割を超えた。 研修後の勤務先希望については、「将来も本県で勤務」が4割の11人。同センターの渡辺重行センター長は「11人が残りたいと言ってくれている結果は素晴らしい」としている。 地方の医師不足対策については、「勤務医の労働条件改善」について「大いに賛成」か「賛成」としたのが全員で、「県内研修指導体制の充実」も全員が挙げた。「都会に比べ報酬アップ」「県内出身者で他大学卒業医師への働き掛け」なども9割以上だった。 "[he-forum 18021] 日本経済新聞東海北陸12/12","日本経済新聞東海・北陸版 2013年12月12日付 静岡大、外国人教員を公募 工学系の英語教育推進  静岡大学工学部は11日、2014年度に工学系の外国人教員5人を公募により採用すると発表した。工学部と大学院の専門科目を英語で教える。英語で教育できる体制を整えて海外との人材交流を促し、将来海外で活躍できるようなものづくりの人材育成につなげる。  外国籍の研究者で英語が堪能なことが条件。日本語能力は問わない。14年1~4月に海外向けに公募し、面接などを経て同年10月に着任する。機械工学科など各学科に1人ずつ配属する。雇用期間はまず3年間。1人あたり1千万円強の研究費を用意し、優秀な人材獲得をめざす。  外国人教員は専門科目の授業や研究指導を英語で行う。グローバルに活躍するような技術者に必要な英語能力を学生に身につけさせる。学内で英語での授業を増やすため、日本人教員に対しても語学を指導する。産学連携や国際共同研究などの成果も期待する。  静大は学生の海外派遣と、留学生の受け入れ拡大によるグローバル人材育成をめざしている。高い専門性と国際性を持った外国人教員の採用もその一環。佐古猛学部長は「県内企業は海外での事業を拡大している。専門性だけでなく、海外でも通用する語学力、精神力を持った人材を育てたい」としている。 "[he-forum 18022] 京都新聞12/8","京都新聞 2013年12月8日付 工繊大フェイスブック、国立大人気1位  京都工芸繊維大が交流サイト「フェイスブック」に設けたページが、大学別人気ランキングの国立大の中で1位になった。学内の情報だけでなく、京都の紅葉や大学周辺の見どころについても発信していることが高評価につながった。  7月に開設した。教育研究活動や京都の四季折々の風景をボランティアの学生8人と職員たちが取材し、記事と写真を1日1件のペースで掲載している。  11月18日からは紅葉の名所の見頃時期を美しい写真とともに毎日更新している。また、大学に近い北山通り沿いで電飾に彩られた木々を紹介し、人気を集めた。卒業生や外国人のコメントが付けられることもあるという。  ランキングはフェイスブックにページを開設している大学を対象にしている。ファン登録者人数のうち、「いいね!」を押すなどの反応をした人数の割合で算出されたランキングの12月1日発表分で国立大としては最上位になり、全体では4位だった。ファン登録者1077人の約45%に当たる人が反応した。京都の大学では同志社大が最も人気が高く、全体で2位だった。  京都工芸繊維大は「デザインや建築など本学の強みを生かした京都の新たな魅力を国内外に伝えていく」(総務企画課)とする。 "[he-forum 18028] 時事ドットコム 2013.12.11","http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013121100348 時事ドットコム 2013/12/11-17:46 共謀罪、通常国会は見送り=菅官房長官「提出予定ない」-政府  政府は11日、犯罪の謀議に加わる行為を処罰する「共謀罪」創設を柱とする 組織犯罪処罰法改正案について、来年の通常国会への提出を見送る方針を固め た。政府内では提出すべきだとの意見もあったが、菅義偉官房長官は同日午後の 記者会見で「提出する予定はない」と明言した。  同様の改正案は2003年以降、自民党政権下で3回提出されたが、日弁連な どの強い批判を招き、いずれも野党の反対で廃案となった経緯がある。特定秘密 保護法への世論の反発で内閣支持率が下落する中、改正案提出を急げば政権の体 力を一段と奪いかねないと判断したとみられる。   共謀罪創設は、政府が00年に署名した国連国際組織犯罪防止条約に対応した 国内法整備。20年東京五輪に向けたテロ対策強化の一環として「通常国会で法 整備が必要になってくる」(関係者)との意見が出ていた。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18026] NHK 2013.12.11","http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131211/t10013761631000.html NHK NEWS WEB 2013.12.11 21:16 「共謀罪」関連法案 通常国会提出せず  菅官房長官は、午後の記者会見で、テロなどの重大な組織犯罪の計画の謀議に 加わった場合に処罰の対象となる、「共謀罪」を新設するための関連法案につい て、来年の通常国会に提出する考えのないことを明らかにしました。  「共謀罪」は、テロなどの重大な組織犯罪について、実行していなくても、犯 行の計画の謀議に加わった場合に処罰の対象とするものです。  政府は平成12年、テロなどの組織犯罪を防ぐための国連の「国際組織犯罪防 止条約」に署名し、条約の批准に必要な国内法の整備として、「共謀罪」を新設 するための関連法案を、平成15年以降、国会に3回、提出しましたが、いずれ も廃案になっています。  これについて菅官房長官は午後の記者会見で、「『何も検討していない』と申 し上げている。国会に提出する予定はない」と述べ、来年の通常国会に法案を提 出する考えのないことを明らかにしました。  一方、政府筋は、「特定秘密保護法に対する反発を考えると、来年の通常国会 への提出はなかなか難しいだろう。ただ、東京オリンピックも控えているので、 提出の検討は続けなければならない」と述べました。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18024] テレ朝ニュース 2013.12.11","http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000017788.html テレ朝ニュース 2013.12.11 23:18 「共謀罪」創設の法改正案 国会提出を見送りへ 政府は、一部で検討していた「共謀罪」の創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正 案の来年の通常国会への提出を見送る方針を固めました。  菅官房長官:「何も検討していないと申し上げました。国会に提出する予定は ないということです」  共謀罪は、殺人などの重大な犯罪について実際に行動を起こさなくても、謀 議に加われば処罰対象となります。テロへの不安が高まったことを背景に、2000 年に国連で国際組織犯罪防止条約が採択され、日本にも共謀罪の創設が求められ ていました。ただ、政府は、共謀罪の創設を盛り込む組織犯罪処罰法改正案を通 常国会には提出せず、国際社会に日本の治安の良さをアピールすることで理解を 得る方針です。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18032] どうしんウェブ 北海道新聞 2013.12.13","http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/509879.html 北海道新聞 2013.12.13 社説 共謀罪新設 廃案の経緯を忘れたか(12月13日) 政府はこの国をどうしよ うと考えているのか。  幅広い犯罪を対象とし、謀議に加わるだけで処罰する法改正が行われれば結末 は目に見えている。通信傍受の際限のない拡大をはじめ、捜査機関の権限の肥大 化だ。  監視強化で市民の基本的人権も脅かされる懸念から容認できない。  政府は、殺人など重要犯罪を対象とする共謀罪新設のため組織犯罪処罰法改正 の検討に入った。来年の通常国会の改正案提出を見送り、時期は慎重に見極める という。  いまなお、共謀罪新設を考えているのかと驚かされる。  政府は2003年以降3回、改正案を提出して廃案となった。2回は衆院解散 に伴う廃案とはいえ、社会に強い懸念と反対の声を呼び起こした経緯を忘れては ならない。  国際的要請に加え、テロや暴力団などの組織犯罪を未然に摘発するのに必要だ と政府は説明してきた。  しかし、現行法でも対応できる半面、市民団体や労働組合にも適用される危険 性など数々の問題点が国会審議などで指摘された。  なのに再提出検討とは国民と国会への愚弄(ぐろう)にほかならない。即刻断 念すべきだ。特定秘密保護法のように世論の反対を無視し、強行突破を考えてい るのならとんでもない。  過去の改正案は4年以上の懲役・禁錮の罪が対象だ。殺人や強盗、窃盗など 600以上が該当し、実行行為がなくても罪に問える。  わが国の刑事法は犯罪の実行行為を事後的に処罰することを原則とし、例外的 に一部犯罪に実行行為なしに処罰できる規定を設けている。  殺人や強盗などには下見だけでも処罰できる予備罪が、自衛隊法や爆発物取締 罰則などには共謀罪もある。日弁連によると、こうした規定は約60の犯罪に設 けられている。  原則に反する規定は増やすべきでない。特定秘密保護法にも共謀罪があるが、 これは法律全体が論外だ。  政府は今回、共謀罪をテロ関連や密入国などに限る方向だというが、問題の本 質は変わらない。  政府はテロなど国際犯罪対策として国連が採択した条約の批准に共謀罪新設が 必要とするが、疑問が出ている。条約の要請は「(予備罪などの規定で)既に十 分に整備されている」(日弁連)などだ。  共謀罪との関係で看過できないのは法制審議会の部会で検討されている通信傍 受の幅広い対象拡大だ。薬物犯罪などの現行対象に窃盗や詐欺などを加える案が 浮上している。  憲法が保障する「通信の秘密」が脅かされる懸念が拭えない以上、安易な拡大 は慎むべきだ。国家の役割は市民を監視することではない。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","石田 康博","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18031] 琉球新報 2013.12.13","http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-216593-storytopic-11.html 琉球新報 2013.12.13 社説 「共謀罪」新設 国民監視する悪法要らない2013年12月13日  安倍政権は、話し合いをしただけで処罰される「共謀罪」新設を盛り込んだ組 織犯罪処罰法改正案の検討に入った。  犯罪が行われて初めて処罰するという日本の刑事法体系の原則から逸脱し、市 民の会話やメールまで捜査対象となる恐れがある。戦前の治安維持法、あるいは 米国統治下の沖縄のような監視・密告社会になりかねない。そのような悪法は必 要ない。  共謀罪は具体的に犯罪が行われるはるか前の、未遂や予備段階よりさらに前 に、2人以上が話し合い合意することを処罰の対象にする。思想でなく行為を処 罰するという刑事法体系の基本原則に矛盾し、憲法19条(思想・良心の自由) に抵触する。  共謀を証明するために、おとり捜査や、市民の日常会話や通話、メールの内 容まで捜査対象になりかねない。法学者は盗聴を容易にするため通信傍受法の改 正も視野に入れているとみる。  改正案は過去に3回廃案になっている。4年以上の懲役・禁錮を定めた 600以上の罪が対象になり、捜査当局の恣意(しい)的な適用や拡大解釈が懸 念されたからだ。廃案後も政府内では改正の動きが常にくすぶっていたようだ。 今回は対象をテロや薬物・銃器取引、密入国などに限る方向で調整するようだ が、懸念は拭えない。  石破茂自民党幹事長が特定秘密保護法案への反対運動をテロになぞらえたよ うに、共謀罪によって、市民団体が危険な組織と見なされ監視される可能性がある。  戦時下の言論弾圧事件として知られる横浜事件は、当局が目を付けた人物が 友人を招いて開いた宴会を共産党再建を共謀したとみなし、治安維持法によって 逮捕、4人が獄中死した。米国統治下の沖縄は米軍情報機関(CIC)が住民を 監視し、住民の中の密告者から情報を収集した。目を付けられ逮捕、拷問された 住民もいる。  強行成立させた特定秘密保護法、共謀罪、通信傍受法の三つがそろうと、主 権者である国民が徹底して監視される「警察国家」が出来上がるのではないかと 危惧する。  安倍晋三首相が、国民監視体制を強化する一方、国会で自民党「1強」とい う数の力に頼って「戦争のできる国」づくりを進め続けることは許されない。ま ず解散して国民に信を問わねばならない。それが民主主義のルールだ。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","石田 康博","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18030] 東京新聞 2013.12.12","http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013121202000179.html 東京新聞 2013.12.12 【特報】 秘密の次は…共謀罪 「戦争できる国」へ着々  内閣支持率の急落もなんのその、安倍晋三首相が「警察国家」「戦争できる 国」に向けて一気にアクセルを踏み込んだ。希代の悪法たる特定秘密保護法を強 引に成立させたかと思えば、今度は、事前の話し合いだけで処罰される「共謀 罪」創設が急浮上した。十七日にも閣議決定される国家安全保障戦略には武器輸 出推進が明記される見込みだ。来る。次々と来る。 以上 前文のみ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","石田 康博","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18029] 時事ドットコム 2013.12.12","http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013121200837 時事ドットコム (2013/12/12-20:30) 自民政調会長、共謀罪は早期整備を=公明代表は慎重姿勢  自民党の高市早苗政調会長は12日の記者会見で、犯罪の謀議に加わる行為を 処罰する「共謀罪」創設について、「できるだけ早く、国内の暴力団や組織的な 犯罪に対応する体制を取っていくことが国際社会に対する責任だ」と述べ、国連 国際組織犯罪防止条約の早期締結に向け、組織犯罪処罰法の改正を急ぐべきだと 主張した。  ただ、同法改正案について、菅義偉官房長官は来年の通常国会に提出する予定 はないと明言しており、高市氏も「具体的に提出する時期は定かでない」と述べ るにとどめた。  一方、公明党の山口那津男代表は12日のTBSラジオの番組で、「いろいろ 意見があるので、これまで何度も廃案になった。さあどうするかというところは 慎重に議論すべきだ」と語った。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","Yasuhiro ISCIDA","nqj35480@nifty.com","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18033] 福島民報12/12","福島民報 2013年12月12日付 県外からの帰還支援考える 福大公開シンポで事例報告  東京電力福島第一原発事故に伴う県外避難者の帰還支援について考える公開シンポジウム「県外から帰還する乳幼児家族のニーズとは」は11日、福島市の福島大で開かれた。  同大行政政策学類地域環境論研究室の主催。国立大協会の「国大協震災復興・日本再生支援事業」の採択事業で、約40人が出席した。  東日本大震災中央子ども支援センター福島窓口の富田愛さんが、県外避難者から寄せられた悩みの事例や、母親が悩みを語り合う「ままカフェ」を開設したきっかけなどを報告した。広島県への避難者でつくる「アスチカ」代表の三浦綾さんは、避難者同士の絆を維持するために考えた交流会などを紹介した。 "[he-forum 18034] 神戸新聞12/13","神戸新聞 2013年12月13日付 県立大大学院の新研究科 初の入試実施 来春豊岡に開設  2014年4月に兵庫県豊岡市内に開設される、県立大学大学院地域資源マネジメント研究科の入学試験A日程が12日、同市大磯町のじばさんTAJIMAで実施された。  同科は但馬地域では初となる大学院で10月末、正式に国に認可された。1学年の定員は12人。県立コウノトリの郷公園(豊岡市祥雲寺)内にキャンパスが設けられ、地球科学、生態学、人文社会科学の10人の専任教員が配置される。  入試は一般選抜のほか、社会人や推薦、外国人の特別選抜もあり、A日程は午前が小論文、午後が口述試験で、これまでの活動成果や入学後の研究計画などが問われた。合格発表は17日。  B日程の受付は2月上旬からで、3月上旬に試験が実施される予定。県立大学事務局学務部新研究科設置準備課TEL078・794・5482 (長嶺麻子) "[he-forum 18035] 読売新聞12/13","読売新聞 2013年12月13日付 アジア諸国「法律学ぶなら名大」…きっかけは 現場を歩く 国際交流  「貧困が原因だ」。  法学部の3、4年生グループが発表すると、ベトナム人留学生が「問題は教育だ」と反論した。カンボジアやモンゴルからの留学生も、それぞれの国の実情に触れながら考えを披露し、議論は一気に白熱した。  11月初め、名古屋大学の一室。ベトナムの人身売買問題をテーマに、学生たちが意見を戦わせていた。  授業ではない。学生チームが学外の討論会に出るための練習の場に、留学生が興味を持ち、駆けつけた。博士課程1年のウズベキスタン人、イブラギモフ・ブニヨドベクさん(27)は「日本の学生のこと、何でも知りたい」と言う。「いずれ母国の法整備に携わった時に、頼るべき仲間。何でも参考になるから」と理由を話した。  同大は近年、アジアの国々から、「法律を学ぶなら名古屋大で」との評価が高い。官僚や法律家を目指す精鋭が国費や私費で続々と留学してきている。きっかけは1990年代、当時法学部長だった森島昭夫・名誉教授(79)のベトナム訪問。中部地方の経済界が望むアジアとの交流をどう進めるかの調査が目的だったが、話は意外な方向に発展した。  長年の戦争で荒廃したベトナムはその頃、復興に向けた「ドイモイ(刷新政策)」にまい進していた。社会を安定させるための法律整備が進められていたが、専門家不足のまま作られた法律は重複や矛盾が目立ち、かえって混乱のもとに。森島さんはベトナム司法大臣との会談で、その窮状を訴えられた。  「経験を共有しなければ」――。戦後復興期の日本と重なって見えた森島さんは帰国後、法務省などに支援を呼びかけた。その一方で、手弁当で何度もベトナムに出かけ、現状やニーズを調べて民法、民事訴訟法の起草にこぎつけた。講義や研修も活発に行い、法律家の養成も。その真摯(しんし)な姿勢が、カンボジアなど周辺国にも伝わっていった。  これまでに同大は、法教育研究の拠点としてカンボジア、ベトナム、モンゴル、ミャンマー、ウズベキスタンに計6センターを開設。センターで研究した学生たちの多くが留学し、改めて同大で日本の法律を学んでいる。「日本の優れたところを持ち帰るため」(モンゴル人留学生)という。  そうした留学生との切磋琢磨(せっさたくま)は、日本人学生の刺激にもなっている。人身売買について発表した法学部3年の須賀原匠さん(21)は「国の期待を背負う人たち。覚悟と真剣さが違う」と圧倒された表情だ。  センターは来年早々、インドネシアやラオスにも開設される。単なるマーケット開拓ではない、血の通った大学発の国際交流が広がりつつある。(編集委員 松本美奈) "[he-forum 18036] 読売新聞12/14","読売新聞 2013年12月14日付 農業を強くする (1)「農学部」福島で支援の輪  農業が揺らいでいる。農家の高齢化や後継者不足など長年にわたる社会構造的な問題に加え、差し迫った難問も山積する。  東日本大震災後の福島第一原発事故による土壌汚染、貿易自由化に備えて国が始めたコメの生産調整(減反)制度の見直し……。岐路に立つ農業の足腰を強くするために、では大学は何をしているのか。 県外の大学から  農業就業人口(2010年)が全国3位の農業県・福島。県が設けた農業総合センター農業短期大学校はあるものの、県内の大学には農学部がない。震災後、農学部の教授らは県外から被災地に入り、土壌の放射能汚染に立ち向かい、農業再生に奔走する。  11月中旬の二本松市。氷雨の中、地元農家の畑で新潟大学の学生と教員計4人が大豆を収穫し、肥料の有無などで袋に分け入れていた。「数値はどうなったかな」と学生たち。土壌や地下水、農作物のセシウム濃度を計測し続けているのだ。  活動のきっかけは2年半前、震災直後に駆けつけた野中昌法・同大農学部教授(60)に、有機農業によるふるさとづくりを進めていた農家の人たちが口々に訴えた切実な言葉だった。目に見えない放射能で、土は、水は、作物はどうなっているのか。これからどうなるのか――知りたい、何としても知りたい、と。  以来、農地や山林で除染の実験や調査を続け、データを公開する。参加した教員や学生は延べ100人以上、中には20回近く足を運んだ学生も。その一人、修士1年の本島彩香(さやか)さん(25)は「役に立ちたい」とセシウムを吸収させない栽培法の研究に力を入れる。  昨夏からは、東京農工大学の横山正教授(60)のチームも合流した。現実即応を重視する新潟大に対し、農工大は長期的視野で臨む。同大で開発したブルーベリーの年中栽培技術を応用し、真冬でも出荷できる高級サクランボの開発に挑戦する。市内の農業男性は「放っておかないよ、という大学のメッセージが本当にありがたい」と言う。 除染データ公開  全域で避難指示が出された福島県飯舘村の水田でも、大学と村民、市民団体「ふくしま再生の会」が協力して水田や山林の放射線計測と除染実験を続け、先月末まで毎日24時間、計測データをインターネット上で公開し続けた。  システムを作ったのは、毎週末に現地入りする溝口勝・東京大学教授(53)。汚染土を深さ50センチの素掘りの穴に埋めると地表面の放射線量が1%以下に減衰したデータなど、試行錯誤段階の数字も公開する。「もっと良い方法を思いつく人がいるかもしれないから」と溝口教授。原発事故からどう立ち直るかが世界的に注目されるだけに、安全性確保の方法が確立すれば、農産物も「福島ブランド」として認められるのでは、と考える。  10月初め、試験的に作付けした田んぼで稲刈りしていた溝口教授に、地元のお年寄りが「先生、その手つきじゃダメだ」と笑いかけた。「オレだって、農家のせがれなのに」と照れる様子に茨城大や京都大など全国から集まった同じ志の教員らが笑い声でこたえ、冬支度を始めた農村がわいた。  東京農業大学の横井時敬・初代学長はかつて「農学栄えて農業滅ぶ」と、学問の進歩が必ずしも実質的な農業振興につながらない風潮に警鐘を鳴らした。バイオ、醸造、農業経済……。学問領域が多様化した今の農学系学部にとって、福島の「現場」が、実学としての農学を見直す好機となるかも知れない。 名称変更進む  「農学部」の看板が減っている。文部科学省によると、全国約800大学で「農学部」があるのはわずか32校だ。  田中耕司・京都大学名誉教授によると、看板の掛け替えが始まったのは1980年代後半。農業の衰退や少子化の進展を見据え、「農学部」では学生を集めにくいと、一部の国立大農学部が名称変更に踏み切った。  さらに91年、大学設置基準が緩和され、大学が学部の名称を自由に付けられるようになると、多様な名称の新学部設置がブームになった。農学部は次々と「生物資源」「応用生物」などに改組された。  こうした風潮を、田中名誉教授は「何を研究するのか、名称だけでは分からないような学部が増えた」と批判的に見る。学部の名称変更に合わせて研究分野も細分化し、多くの教員が「大豆のデオキシリボ核酸(DNA)はわかっても、植物としての大豆を知らない学生は珍しくない」と指摘する事態が広がっている。 "[he-forum 18037] しんぶん赤旗12/16","しんぶん赤旗 2013年12月16日(月) 大学学長に権限集中 中教審まとめ案 民主的運営破壊狙う  中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は13日、大学の学長に権限を集中・強化し、教授会をはじめ民主的な大学運営の破壊につながるとりまとめ案「大学ガバナンス改革」を示しました。安倍晋三首相が設置した教育再生実行会議の提言(5月)に基づき審議されていたもの。  まとめ案は、「経済再生」などに貢献するため、「学長がリーダーシップを発揮して機能的な大学改革を進めていくことが期待されている」と強調。 「トップの手腕が問われるのは株式会社と同じ」として、学長の下に統括副学長を設置するなど人事や予算、組織再編などの権限を集中し、強力に「改革」を進 めていくことを打ち出しています。  一方、教授会は「学長のリーダーシップを阻害している」として、学長選挙に関与させないなど、役割を後退させます。教職員に対しては、業績評価にもとづく年俸制の導入など、大学教育をゆがめる競争主義の強化を求めています。  国として学長権限を強化するための法改正や、「改革」をすすめる大学への重点的支援などを打ち出しています。  北城恪太郎(きたしろかくたろう)・経済同友会終身幹事は「教授会を意思決定機関とすることをやめるべきだ」と賛同。下村博文文科相は「法律改正がメッセージになる。教授会にしっかり示す必要がある」と話しました。= "[he-forum 18038] 朝日新聞12/15","朝日新聞 2013年12月15日17時28分 東北学院大も医学部新設検討 仙台厚生病院と連携  【福島慎吾】東北学院大(仙台市青葉区)が、財団法人厚生会仙台厚生病院(同区)と連携して医学部を新設する検討を始めたことがわかった。厚生病院から連携の打診を受けた。厚生病院は一方で、すでに公表している東北福祉大(同区)との医学部設置にも含みを残しており、学院大も含めた3者連携に発展する可能性もある。  学院大は10月末、学内の検討委員会と学外の関係者で作る懇談会をそれぞれ設け、財政面での課題などについて検討。12月5日の理事会で、新設の検討に入ることを正式に決めた。  学院大と厚生病院は情報交換や調整にあたる連絡協議会を設け、今後具体的な検討を進める予定だ。  厚生病院の目黒泰一郎理事長は「東北学院大は東北最大の私立大で、財政基盤も安定している。キリスト教系の大学の理念と、東日本大震災からの復興支援という医学部新設の理念が合致する」と期待する。  厚生病院はすでに東北福祉大と連携して医学部を新設する構想を公表していたが、9月の役員会でほかの大学との連携も選択肢とする方針を決めていた。  目黒理事長によると、政権交代後、福祉大のような看護師を養成する大学との連携という医学部新設のための条件がなくなり、連携の選択肢が広がった。学院大以外の大学にも連携を打診したほか、打診していない大学からも問い合わせを受けているという。  文部科学省は、来年5月まで医学部を新設する構想の公募を受け付ける予定。これを踏まえ、厚生病院は連携の枠組みを来年1月中旬にも決めたい考えだ。  医学部の新設をめぐっては、文科省が11月、東北地方に1校に限って認めることを発表。早ければ2015年春にも開設される。これまでに東北薬科大(仙台市青葉区)も単独での医学部新設に名乗りを上げている。= "[he-forum 18039] 西日本新聞12/16","西日本新聞 2013年12月16日付 福教大学長選考で混乱 学内外委員、投票覆す [福岡県]  11月に行われた福岡教育大(福岡県宗像市)の学長選考で、学内外の委員でつくる「学長選考会議」が教職員投票で得票1位となった教授を選ばず、現職を再任したことについて、教授会が「大学自治を踏みにじる」などと反発し、再審議を求める異例の事態となっていることが分かった。  福教大によると、学長選考には現職と、新人の教育学部長の2氏が立候補。11月26日、教授や事務職員など224人による投票で、教育学部長が現職を35票上回る123票を獲得した。投票率は87・15%。しかし投票後、非公開で行われた学長選考会議で、現職の再任が決定したという。  選考会議は学内代表5人と、宗像市長など外部の有識者5人で構成。同大の内規では、選考会議は教職員投票結果を「参考にする」と定めており、最終決定権は同会議が持つ。議長を務める前日本赤十字九州国際看護大学長の喜多悦子氏は「全委員で無記名投票し、現職が圧倒的多数で選ばれた」と説明。「選考過程に問題はない」として逆転選考の理由は明らかにしていないが、ある委員は取材に「現職の経営感覚を評価した」と語った。  これに対し、約200人が所属する教授会は同29日、再審議などを求める決議文を選考会議に提出。少なくとも過去約40年、学内投票の結果が覆されたことはなく「教職員の意向と違う結果を出すなら、きちんとした説明が必要」「選考会議の学外委員は再任された学長が任命しており、公正さが疑われる」などの意見が出ている。2日には教職員組合が抗議声明を出し、異議を訴えるビラを学生などに配布した。 ◇逆転選考、全国で10件超 訴訟も相次ぐ  福教大のような「逆転選考」は国立大学が法人化された2004年以降、全国で10件超に上る。一部では国を相手取った訴訟になっており、識者は「制度の見直しが必要」と指摘する。  文部科学省によると、学長選考会議は法人化に伴って新設された。競争力や経営感覚を、外部の視点で厳正に審査するのが目的だ。  最終決定権は選考会議が有しており、学内投票の結果は「参考」と規定している大学が多い。  滋賀医科、新潟、高知、北海道教育の4大学では、学長に選ばれなかった最多得票者らが学長の任命取り消しなどを求める訴訟を起こしたが、係争中を除く三つの訴訟で「違法性は認められない」などとして原告敗訴が確定している。  中央教育審議会の部会は「大学経営は厳しさを増しており、学長には一層のリーダーシップが求められる。過度に学内の意見に偏るのは適切でない」として学内投票がそのまま反映される選考には否定的だ。  一方、大学自治を研究する岡山大法学部の中富公一教授(憲法)は「選考会議の委員は多くが現職学長と利害関係があり公正な判断を担保できない。学内投票を尊重しなければ、教職員のやる気が損なわれかねない」としている。 "[he-forum 18041] 共同通信12/16","共同通信 2013年12月16日20時11分 8校の学部新設など答申 大学設置・学校法人審議会  大学設置・学校法人審議会は16日、公私立の8大学が来年度予定している学部や大学院の新設などを認めるよう下村博文文部科学相に答申した。学部は、看護学部を新設する千葉科学大や安田女子大など計4校。愛媛県立医療技術大は大学院の保健医療学研究科を新設する。 "[he-forum 18040] 朝日新聞12/17","朝日新聞 2013年12月17日19時40分 研究者の倫理研修義務化を提言 不正防止で日本学術会議  研究者によるデータの不正操作や研究費の不正使用を受け、日本学術会議(大西隆会長)の検討委員会は17日、不正の防止や対応について提言をまとめた。年内に正式に公表する。  防止策としては、研究費の申請などの際に、研究者や大学院生への倫理研修の受講の義務化を挙げた。研修に盛り込む行動規範には、データの記録保存の徹底、改ざんや盗用に加担しないことや、利益相反への注意などを列挙。研修プログラムの作成は、学術会議が学術団体などに呼びかけて進める。  不正の疑いが判明したときに、研究者が所属する大学や研究機関が調査のために設置する第三者委員会は、半数以上を外部の有識者とすることを求め、調査が不十分なら、この調査委とは別に各分野の学会などが第三者機関を設置して調査し、改善措置の勧告などを出すよう求めた。  検討委は今年7月、高血圧治療薬ディオバンをめぐる論文で不正なデータの操作の疑いを受けて設けられ検討作業を進めていた。= "[he-forum 18047] 政府の共謀罪火消のニュース(まとめて)","http://www.jiji.com/jc/zc?k=201312/2013121100348 時事ドットコム (2013/12/11-17:46) 共謀罪、通常国会は見送り=菅官房長官「提出予定ない」-政府  政府は11日、犯罪の謀議に加わる行為を処罰する「共謀罪」創設を柱とする 組織犯罪処罰法改正案について、来年の通常国会への提出を見送る方針を固め た。政府内では提出すべきだとの意見もあったが、菅義偉官房長官は同日午後の 記者会見で「提出する予定はない」と明言した。  同様の改正案は2003年以降、自民党政権下で3回提出されたが、日弁連な どの強い批判を招き、いずれも野党の反対で廃案となった経緯がある。特定秘密 保護法への世論の反発で内閣支持率が下落する中、改正案提出を急げば政権の体 力を一段と奪いかねないと判断したとみられる。   共謀罪創設は、政府が00年に署名した国連国際組織犯罪防止条約に対応した 国内法整備。20年東京五輪に向けたテロ対策強化の一環として「通常国会で法 整備が必要になってくる」(関係者)との意見が出ていた。 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131211/plc13121122200019-n1.htm 産経 2013.12.11 22:20 菅官房長官、「共謀罪」通常国会に提出せず  菅義偉官房長官は11日の記者会見で、テロ組織が重大犯罪を実行する前の計 画・準備に加担した段階で処罰する「共謀罪」創設を柱とする組織犯罪処罰法改 正案について、来年の通常国会に「提出する予定はない」と明言した。  政府は2020年東京五輪に向け国際テロ対策の強化に必要だとして検討して きたが、特定秘密保護法への世論の反発が強いことを考慮したとみられる。 http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000017788.html テレビ朝日 (12/11 23:18) 「共謀罪」創設の法改正案 国会提出を見送りへ 政府は、一部で検討していた「共謀罪」の創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正 案の来年の通常国会への提出を見送る方針を固めました。  菅官房長官:「何も検討していないと申し上げました。国会に提出する予定 はないということです」  共謀罪は、殺人などの重大な犯罪について実際に行動を起こさなくても、謀 議に加われば処罰対象となります。テロへの不安が高まったことを背景に、2000 年に国連で国際組織犯罪防止条約が採択され、日本にも共謀罪の創設が求められ ていました。ただ、政府は、共謀罪の創設を盛り込む組織犯罪処罰法改正案を通 常国会には提出せず、国際社会に日本の治安の良さをアピールすることで理解を 得る方針です。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18046] 自民・高市氏 共謀罪に前向き","http://www.asahi.com/articles/TKY201312120214.html 朝日新聞 2013年12月12日17時58分 高市氏、共謀罪創設に前向き 「暴力組織への対応重要」  自民党の高市早苗政調会長は12日の記者会見で、重大な犯罪の謀議に加 わっただけで処罰対象となる「共謀罪」の創設について、「テロリズム、組織的 な暴力組織に対する対応を国内できちっと行えるようにするのは大切なテーマ。 東京五輪もある。国際社会で協調し、安全な社会をつくる方向性については大変 重要だと認識している」と前向きな姿勢を示した。  ただ、法案提出の時期については「政府としてどの時期にお示しになるのか、 まだうかがっていない」と述べるにとどめた。                                                                        http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00259602.html FNNニュース  (12/12 18:17) 自民・高市氏、共謀罪創設について早急に法整備すべきとの認識 自民党の高市政調会長は12日午後、党本部で記者会見し、テロなどの重大な組織 犯罪の計画の謀議に加わった場合、処罰の対象となる「共謀罪」の創設につい て、早急に法整備すべきだとの認識を示した。 自民党の高市政調会長は「できるだけ早く、やはり日本として」、「組織的な犯 罪に関する対応の態勢をとっていく。これが、やはり、国際社会に対しての責任 だと、私は考えている」と述べた。 そのうえで、高市政調会長は「これから東京オリンピック・パラリンピックもあ る。国際社会で協調して安全な社会をつくるという方向性は、大変重要だ」と述 べ、「共謀罪」の創設を盛り込んだ関連法案の必要性を強調した。 「共謀罪」は、テロなどの重大な犯罪について、犯罪の計画の謀議に加われば処 罰の対象となるもので、政府は2003年以降、創設を盛り込んだ関連法案を国会に 3回提出したが、いずれも廃案になっていて、菅官房長官は、11日の会見で、 2014年の通常国会には提出しない考えを示している。 http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000017860.html 自民・高市氏 「共謀罪」創設の法改正に前向き(12/13 00:06) 自民党の高市政調会長は、「共謀罪」の創設に関して「組織的犯罪に対する態勢 を取るのが国際社会への責任だ」と法改正に前向きな考えを示しました。  自民党・高市政調会長:「できるだけ早く、組織的犯罪に関する対応の態勢を 取っていくことが国際社会に対しての責任だ」  共謀罪は、重大な組織的犯罪に関して計画・準備に加わると、実行する前の 段階でも処罰の対象とするものです。共謀罪の創設について、高市政調会長は、 2020年の東京オリンピックを引き合いに出し、「テロや組織犯罪への対応をきち んと行えるようにすることが大切だ」と法改正に前向きな考えを示しました。共 謀罪の創設を巡っては、「捜査機関に乱用される恐れがある」などの批判があ り、政府は来年の通常国会には法案を提出しない方向です。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;chusitu@nuufs.org;tosho@nuufs.org","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;chusitu@nuufs.org;tosho@nuufs.org","SMTP;SMTP;SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 18045] 京都新聞 2013.12.13","http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20131213_2.html [京都新聞 2013年12月13日掲載] 「共謀罪」検討  危険性に目を向けたい  暗い社会にならないか、ますます心配になる。  重大な犯罪を実行する前に、謀議するだけで処罰される。そんな共謀罪の新設 を、政府が検討し始めた。特定秘密保護法に続く、国権強化の動きと言えよう。  運用次第で日常会話やメールが捜査対象になりかねない。国民は厳しい目で注 視する必要がある。  共謀罪は組織犯罪処罰法改正案に盛り込むようだ。組織的に実行された殺人や 資金洗浄(マネーロンダリング)の処罰などを定めた法律。年明けの通常国会に 提出する方向のようだったが、菅義偉官房長官は「まだ決めていない」と確認を 避けた。秘密保護法への国民の反発が強いため、当面見合わせることにしたのだ ろう。  共謀罪の危険性は、重大犯罪の予防として見込み捜査や身柄拘束に及びかねな いところにある。戦前の治安維持法による思想弾圧を思い起こしても、一概に大 げさとは言えまい。  共謀罪は自民党政権が過去3回法案を提出し、野党の反対で廃案になってい る。日本弁護士連合会は共謀罪について、思想ではなく行為を処罰するという刑 法体系の基本原則に矛盾すると批判し、反対の意見書を出してきた。  想定される対象は4年以上の懲役・禁錮にあたる罪で、600以上に上る。対 象が広く、あいまいであれば、恣意(しい)的な適用を招きかねない。共謀の証 拠を得るため、電話やメールの傍受を認める法改正もあり得る。そうした懸念 が、法律専門家らから出ている。  共謀罪新設の背景には、国際テロに対する世界的な不安の広がりがある。国連 は2000年に国際組織犯罪防止条約を採択、参加国に創設を求め、日本も条約 に署名した。  条約批准を国際的な責任とする政府は、テロ対策を「大義名分」に掲げ、共謀 罪の必要性を強調してきた。安倍晋三首相も第1次政権時に法改正を指示している。  今回は2020年東京五輪開催に向けたテロ対策強化が、かっこうの名目に違 いない。しかし、共謀罪の対象が国際テロに限定されるのか、はなはだ疑問だ。  秘密保護法の中にも共謀罪が入っており、とくに市民活動団体から不安の声が あがっている。  自民党の石破茂幹事長は秘密保護法に指定された秘密の報道について「抑制さ れることになる」と発言した。こうした国民よりも国家を重んじる発想が、共謀 罪の新設につながっているようにみえる。共謀罪が何をもたらすか、一強多弱の 国会に提出される前に国民レベルで議論しておきたい。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18044] しんぶん赤旗 2013.12.14","http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-14/2013121403_01_1.html しんぶん赤旗 2013年12月14日(土) 安倍内閣が狙う国民弾圧の中身 秘密保護法の次は 共謀罪か  「海外で戦争する国」をめざす安倍内閣が、秘密保護法に続いて「共謀罪」の 新設を狙っています。自民党の高市早苗政調会長が「できるだけ早く」(12 日)といえば、谷垣禎一法相も「重要な課題だ」(13日)と呼応するなど、法 案提出に前のめりです。暴走の狙いと危険とは―。 -------------------------------------------------------------------------------- 第1次政権時から執着  「共謀罪」は、第1次安倍政権のときの2006年をはじめ、03年以来3度 にわたって「組織犯罪処罰法改定案」として狙われたことがあります。当時、安 倍首相はわざわざ法相と外務次官を官邸に呼び、「日本が組織犯罪に対応する役 割を果たす上で大事だ。今国会で成立を図るように」と指示する(07年1月) など、制定に執念を燃やしていましたが、審議すらできませんでした。  「共謀罪」新設は秘密保護法と同様、安倍首相の“怨念(おんねん)”がこもっ た国民弾圧法制づくりです。 国民の内心も処罰対象  「共謀罪」の最大の問題は、犯罪の実行や未遂など“行為”がなくても、2人以 上の人が犯罪について話し合っただけで処罰されることです。具体的行為がない のに話し合っただけで処罰されるのは、刑法の大原則を大きくゆがめるもの。国 民の「内心」まで処罰対象とすることにつながります。  たとえば、政治や社会への不満から「犯罪行為」に該当することを話し合え ば、本気でなくても処罰されかねません。処罰範囲が無限定に拡大される恐れが あります。 市民団体・労組の会議も  その上、「改定案」の対象団体の定義も「組織的な犯罪集団」などとあいまい です。政党や労働組合、非政府民間組織(NGO)などの内部の打ち合わせが 「共謀」行為として処罰されることも否定できません。  捜査当局の恣意(しい)的な強制捜査や政治的思想弾圧にも利用されかねません。  しかも、「共謀罪」の対象は、死刑や無期懲役、懲役10年以上の重罪だけで はなく、長期4年以上の犯罪すべてで、その数は600以上にのぼります。秘密 保護法に盛り込まれた「共謀罪」が「特定秘密」の漏えいや取得に関する謀議に 限定されているのとも違います。 盗聴・監視捜査が横行  「共謀」を特定するには、日常的な会話やメールが対象となります。そのた め、盗聴やメール監視、監視カメラなど人権やプライバシーの侵害を拡大する捜 査が横行する危険があります。  現に「共謀罪」とセットで通信傍受法(盗聴法)改定が検討されているといわ れます。 国際条約上も不要  法務省などは、国際組織犯罪防止条約に加入するために「『組織的な犯罪の共 謀罪』を新設する必要がある」(同省HP、共謀罪に関するQ&A)としていま す。谷垣氏や高市氏も同条約を「共謀罪」検討の口実にしています。  国際組織犯罪防止条約とは、テロや資金洗浄、麻薬密輸などの国際的な重大犯 罪を防止する国際協力を促進することが目的の条約です。しかし、条約加入には 「共謀罪」が必要というのは、政府のゆがんだ解釈です。  国連が同条約締約国に示した国内法整備のための「立法ガイド」では、「共謀 または犯罪結社に関する法的概念を有しない国においても、これらの概念を強制 することなく、組織犯罪集団に対する実効的な措置を可能とする」と、「共謀 罪」を新設することを強制しないと明記しています。  日本政府自身、条約の審議過程で提出した意見書で「すべての重大な犯罪につ いて、共謀罪や参加罪を導入することは日本の法原則になじまない」としていま した。  日本共産党は国会で「共謀罪」新設に反対を貫き、その危険な中身を明らかに するとともに、広範な団体、個人と連帯して「共謀罪」廃案の先頭に立ってきま した。  国家安全保障会議(日本版NSC)設置や秘密保護法の強行につづき「海外で 戦争ができる国」づくりのための国民弾圧の法整備をすすめる―戦前回帰を志向 する安倍内閣の危険な暴走に「ストップ」の声をあげるときです。 -------------------------------------------------------------------------------- “五輪支持”かさに強行は許されない  加藤健次弁護士(自由法曹団常任幹事)の話  「共謀罪」法案が廃案となってきたのには、それなりの理由があります。秘密 保護法でも監視社会づくりやプライバシー侵害が大問題になりましたが、「謀 議」しただけで犯罪になる「共謀罪」はもっと露骨で、普段から人々が何をや り、何を考えているかという内心まで調査されます。  「組織犯罪」が対象だといいますが、実際にはかなり広範な人々が対象になり ます。それは、警察がイスラム系の人々の生活を監視していたことからも明らか です。秘密保護法へのあれだけの大反対を顧みず、逆に開き直っているのではな いか。  2020年五輪の治安対策が「共謀罪」新設の口実になっていますが、犯罪行 為を罰する刑法原則を壊し、内心の自由も侵す「共謀罪」の根本的問題点は何ら 変わっていません。五輪招致への多数の支持をかさに着て強行するのは論外です。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18046] 自民・高市氏 共謀罪に前向き","http://www.asahi.com/articles/TKY201312120214.html 朝日新聞 2013年12月12日17時58分 高市氏、共謀罪創設に前向き 「暴力組織への対応重要」  自民党の高市早苗政調会長は12日の記者会見で、重大な犯罪の謀議に加 わっただけで処罰対象となる「共謀罪」の創設について、「テロリズム、組織的 な暴力組織に対する対応を国内できちっと行えるようにするのは大切なテーマ。 東京五輪もある。国際社会で協調し、安全な社会をつくる方向性については大変 重要だと認識している」と前向きな姿勢を示した。  ただ、法案提出の時期については「政府としてどの時期にお示しになるのか、 まだうかがっていない」と述べるにとどめた。                                                                        http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00259602.html FNNニュース  (12/12 18:17) 自民・高市氏、共謀罪創設について早急に法整備すべきとの認識 自民党の高市政調会長は12日午後、党本部で記者会見し、テロなどの重大な組織 犯罪の計画の謀議に加わった場合、処罰の対象となる「共謀罪」の創設につい て、早急に法整備すべきだとの認識を示した。 自民党の高市政調会長は「できるだけ早く、やはり日本として」、「組織的な犯 罪に関する対応の態勢をとっていく。これが、やはり、国際社会に対しての責任 だと、私は考えている」と述べた。 そのうえで、高市政調会長は「これから東京オリンピック・パラリンピックもあ る。国際社会で協調して安全な社会をつくるという方向性は、大変重要だ」と述 べ、「共謀罪」の創設を盛り込んだ関連法案の必要性を強調した。 「共謀罪」は、テロなどの重大な犯罪について、犯罪の計画の謀議に加われば処 罰の対象となるもので、政府は2003年以降、創設を盛り込んだ関連法案を国会に 3回提出したが、いずれも廃案になっていて、菅官房長官は、11日の会見で、 2014年の通常国会には提出しない考えを示している。 http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000017860.html 自民・高市氏 「共謀罪」創設の法改正に前向き(12/13 00:06) 自民党の高市政調会長は、「共謀罪」の創設に関して「組織的犯罪に対する態勢 を取るのが国際社会への責任だ」と法改正に前向きな考えを示しました。  自民党・高市政調会長:「できるだけ早く、組織的犯罪に関する対応の態勢を 取っていくことが国際社会に対しての責任だ」  共謀罪は、重大な組織的犯罪に関して計画・準備に加わると、実行する前の 段階でも処罰の対象とするものです。共謀罪の創設について、高市政調会長は、 2020年の東京オリンピックを引き合いに出し、「テロや組織犯罪への対応をきち んと行えるようにすることが大切だ」と法改正に前向きな考えを示しました。共 謀罪の創設を巡っては、「捜査機関に乱用される恐れがある」などの批判があ り、政府は来年の通常国会には法案を提出しない方向です。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;chusitu@nuufs.org;tosho@nuufs.org","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;chusitu@nuufs.org;tosho@nuufs.org","SMTP;SMTP;SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 18046] 自民・高市氏 共謀罪に前向き","http://www.asahi.com/articles/TKY201312120214.html 朝日新聞 2013年12月12日17時58分 高市氏、共謀罪創設に前向き 「暴力組織への対応重要」  自民党の高市早苗政調会長は12日の記者会見で、重大な犯罪の謀議に加 わっただけで処罰対象となる「共謀罪」の創設について、「テロリズム、組織的 な暴力組織に対する対応を国内できちっと行えるようにするのは大切なテーマ。 東京五輪もある。国際社会で協調し、安全な社会をつくる方向性については大変 重要だと認識している」と前向きな姿勢を示した。  ただ、法案提出の時期については「政府としてどの時期にお示しになるのか、 まだうかがっていない」と述べるにとどめた。                                                                        http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00259602.html FNNニュース  (12/12 18:17) 自民・高市氏、共謀罪創設について早急に法整備すべきとの認識 自民党の高市政調会長は12日午後、党本部で記者会見し、テロなどの重大な組織 犯罪の計画の謀議に加わった場合、処罰の対象となる「共謀罪」の創設につい て、早急に法整備すべきだとの認識を示した。 自民党の高市政調会長は「できるだけ早く、やはり日本として」、「組織的な犯 罪に関する対応の態勢をとっていく。これが、やはり、国際社会に対しての責任 だと、私は考えている」と述べた。 そのうえで、高市政調会長は「これから東京オリンピック・パラリンピックもあ る。国際社会で協調して安全な社会をつくるという方向性は、大変重要だ」と述 べ、「共謀罪」の創設を盛り込んだ関連法案の必要性を強調した。 「共謀罪」は、テロなどの重大な犯罪について、犯罪の計画の謀議に加われば処 罰の対象となるもので、政府は2003年以降、創設を盛り込んだ関連法案を国会に 3回提出したが、いずれも廃案になっていて、菅官房長官は、11日の会見で、 2014年の通常国会には提出しない考えを示している。 http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000017860.html 自民・高市氏 「共謀罪」創設の法改正に前向き(12/13 00:06) 自民党の高市政調会長は、「共謀罪」の創設に関して「組織的犯罪に対する態勢 を取るのが国際社会への責任だ」と法改正に前向きな考えを示しました。  自民党・高市政調会長:「できるだけ早く、組織的犯罪に関する対応の態勢を 取っていくことが国際社会に対しての責任だ」  共謀罪は、重大な組織的犯罪に関して計画・準備に加わると、実行する前の 段階でも処罰の対象とするものです。共謀罪の創設について、高市政調会長は、 2020年の東京オリンピックを引き合いに出し、「テロや組織犯罪への対応をきち んと行えるようにすることが大切だ」と法改正に前向きな考えを示しました。共 謀罪の創設を巡っては、「捜査機関に乱用される恐れがある」などの批判があ り、政府は来年の通常国会には法案を提出しない方向です。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;chusitu@nuufs.org;tosho@nuufs.org","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;chusitu@nuufs.org;tosho@nuufs.org","SMTP;SMTP;SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 18043] 47 NEWS 2013/12/12","http://www.47news.jp/47topics/e/248432.php 47 NEWS 2013/12/12 11:47 【共謀罪】 日常会話も捜査対象に 「監視国家」懸念高まる  政府は、犯罪の実行行為がなくても謀議に加われば処罰対象となる「共謀罪」 新設の検討に入った。市民の日常会話やメールが捜査対象となる恐れがあり、特 定秘密保護法と併せ「監視国家」化が進むとの懸念が高まっている。  日本の刑事法では、実際に犯罪が行われて初めて処罰されるのが原則だが、 共謀罪は実行の前に、複数の人が話し合い、合意すること自体を処罰の対象とす る。このため処罰の範囲が曖昧で、拡大していく恐れが付きまとう。  村井敏邦(むらい・としくに)大阪学院大法科大学院教授(刑事法)は「共謀 を証明するには(捜査当局が)共犯者を抱き込んで話を聞いたり、会話を傍受し たりといった手段が必要になる」と説明。現行の通信傍受法は薬物、銃器、集団 密航、組織的殺人の4分野に限り、捜査機関が電話やメールなどを傍受すること を認めているが、対象拡大へ法改正する可能性があるとみる。  さらに「例えば、共謀罪反対を掲げる市民団体が、危険な組織と見なされて中 心メンバーが尾行され、事務所への人の出入りも監視される可能性もある。政府 に反対する動きをすれば、自由を制限されることになりかねない」と語る。  日弁連秘密保全法制対策本部の江藤洋一(えとう・よういち)本部長代行も 「関係のない人まで巻き込み(捜査の範囲を)どんどん広げていく可能性があ る」と危惧する。「秘密保護法は、戦前と同じような、政府による大本営発表だ けになる危険性と、処罰による“萎縮効果”があるが、共謀罪はその萎縮をさらに 広げていくだろう。監視社会、息苦しい社会になる」と強調する。  法案提出となれば、担当するのは法務省。ある幹部は、共謀罪が野党の反発な どで繰り返し廃案になってきた経緯に触れ「今回もすんなりいくわけがない。内 閣支持率が低下した今、あえて冒険する必要はないのでは」と指摘。ただ「国際 組織犯罪防止条約」の署名後、10年以上たっていることに「異常といえば異 常。早く法成立させなければいけない、との危機感は常にある」と話す。  日弁連の山岸憲司(やまぎし・けんじ)会長は11日の定例記者会見で「政府 が法案提出のチャンスを狙い続けていたのは間違いない。秘密保護法や国家安全 保障会議(日本版NSC)創設とセットで、事実上の解釈改憲を推し進め、新し い秩序をつくっていくつもりなのだろう」と分析。「到底受け入れることはでき ず、反対の声を上げていきたい」と語気を強めた。  (共同通信) ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18042] 高知新聞 2013.12.13","http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=312652&nwIW=1&nwVt=knd 高知新聞 2013年12月13日08時13分 社説  【共謀罪】権利侵害の懸念は大きい  またぞろ国民の権利に触れかねない動きが出てきた。  政府が「共謀罪」の新設を盛り込む組織犯罪処罰法改正の検討に入った。 2020年の東京五輪に向け、警備を強化するためという。特定秘密保護法の成 立もあり、国家による統制強化へ強い懸念を抱かざるを得ない。  共謀罪は行為がなくても、犯罪について話し合って合意すれば処罰の対象と なる。それだけに犯罪とされる要件が曖昧となり、えん罪や捜査機関による監視 拡大につながる恐れがある。秘密保護法にも規定されている。  日本の刑事法制は一部の例外を除き、実行された犯罪を裁くことが大原則 だ。共謀罪が広く適用されればこの原則が根底から崩れかねない。あらゆる視点 から慎重な議論が要る。  自民党政権の共謀罪新設へのこだわりは相当のようだ。これまで国会へ3回 法案を提出し、いずれも市民活動への適用拡大の恐れなどから野党の反対で廃案 になっている。第1次安倍政権も成立を目指していた。  今回も、当初は殺人や強盗など600以上の犯罪を想定したとされる。しか し、恣意(しい)的運用への懸念が確実なため、対象をテロや薬物・銃器取引、 密入国などに限定するという。  だが、犯罪の種類を絞ったところで危険な本質が変わろうはずはない。対象 となる話し合いでの「合意」そのものが、「心の中で思う」のと紙一重だから だ。運用次第で現在ではあり得ない強引な摘発も可能となろう。  さらに、捜査機関が実際の行為に先立つ「合意」を犯罪として証明するに は、日ごろから市民の言動を広く把握する必要も出てこよう。電話やメールの通 信傍受などが際限なく広がりかねない。  政府は法案化のたび、2000年に国連が採択し、日本も署名した「国際組 織犯罪防止条約」を挙げ、批准には法整備が必要とする。一方、条約の批准に 「新たな立法は不要」とする日本弁護士連合会の見解もある。  国際的なテロ対策への責任はあるとしても、国民生活にまで取り締まりの細 かな網をかぶせる必要があるのか。基本的人権を侵害する危険は本当に防げるの か。不安は尽きない。  民主主義の根幹にかかわる問題だけに、政府・国会は慎重を期す必要があ る。秘密保護法のように、成立ありきの強引な姿勢は許されない。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18048] 埼玉新聞12/12","埼玉新聞 2013年12月12日付 埼玉大新学長に山口宏樹氏  埼玉大学(さいたま市桜区)は11日、任期満了に伴う学長の選考会議で、上井喜彦学長(66)の後任として、同大理事(研究・国際担当)・副学長の山口宏樹氏(61)を新学長に選出したと発表した。  山口氏は12代目の学長となる。任期は2014年4月1日~18年3月31日まで。  山口氏は埼玉県出身。埼大理工学部卒業後、東大大学院工科系研究科を経て、1981年11月から93年3月まで埼大工学部講師を務めた。  94年4月に同大工学部教授に就任。同大大学院理工学研究科教授を経て、08年4月には同大工学部長に就任。  10年4月に同大大学院理工学研究科長となり、昨年4月から同大理事・副学長を務めていた。 "[he-forum 18050] 京都新聞12/20","京都新聞 2013年12月20日付 滋賀医大学長に塩田氏 外部登用、任期は6年印刷用画面を開く  滋賀医科大は19日、次期学長に塩田浩平・京都大名誉教授(67)を選出したと発表した。任期は来年4月1日から6年。  学外からの選出は1987年の佐野晴洋第2代学長以来2人目で、2004年の国立大学法人化以降は初めて。滋賀医大では10月、付属病院長の柏木厚典副学長が責任者を務めた血圧降下剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験で解析データとカルテに10・1%の不一致があったことが発覚している。  塩田氏は京大医学部卒。京大医学部教授、副学長などを経て、12年10月から大学院総合生存学館特定教授・副学館長。専門は解剖学。  学長選考では、12月17、18日に学内で行われた意向聴取投票が学内出身者2人を含む3人で争われ、塩田氏が最多票を獲得。18日に開かれた学長選考会議で決定した。  塩田氏は「社会の期待に応えられるような質の高い研究を進めたい」と語った。 "[he-forum 18049] 岩手日報12/19","岩手日報 2013年12月19日付 岩手大次期学長に堺氏 63歳、地域防災センター長  岩手大(藤井克己学長)は18日、任期満了に伴う学長選考会議を開き、次期学長に堺茂樹教授・地域防災研究センター長(63)を決めた。任期は来年4月1日から3年間。堺氏は震災復興支援の態勢強化と、国際リニアコライダー(ILC)誘致の取り組みに意欲を示した。  学長選考の立候補者は堺氏と岩渕明理事・副学長の2人。教職員ら594人による投票を行い、堺氏が249票、岩渕氏が201票を獲得した。投票結果を踏まえ、選考会議の委員9人が堺氏を最終候補者として選出。年内にも文部科学省に上申する。  【堺 茂樹氏(さかい・しげき)】北海道大大学院修了。75年岩手大工学部助手。02年同教授。08年工学部長。12年4月から同大地域防災研究センター長。63歳。北海道函館市出身。 "[he-forum 18051] 京都新聞12/21","京都新聞 2013年12月21日付 京大、総長選考の教職員投票廃止検討 「学風に反する」声も  京都大の総長を決めるのに最も重要な判断材料となる教職員による投票の廃止を、学内外の委員でつくる「総長選考会議」が検討していることが20日分かった。学内からは「『自由の学風』に反する」と反対する声が上がっている。  国立大は2004年の法人化以降、学内の教員や学外の有識者の委員でつくる選考会議が学長(総長)を選んでいる。京大などほとんどの大学は法人化前のやり方を踏襲し、教職員による投票結果を参考に選出しているが、東北大など一部は投票を廃止している。  大学関係者によると、11月に開かれた京大の総長選考会議で教職員による投票の廃止が提案された。学外委員の賛同を集めており、早ければ年内に開かれる会議で廃止が決定される可能性があるという。京大の松本紘総長の任期は来年9月末で、それまでに次期総長が決まる。  京都大職員組合はこの動きに反発し、24日に学内で反対集会を開く。執行委員長を務める西牟田祐二・経済学研究科教授は「教職員による投票がなければ、京大に民主主義は存在し得ない」と話す。  教職員による投票をめぐっては、「大学運営に能力のある人が選ばれる保証がない」などとして廃止すべきとの意見がある一方、大学自治の観点から残すべきとの声も根強い。大阪市立大は、橋下徹大阪市長の意向を受けて廃止を決めた。 "[he-forum 18052] 琉球新報12/19","琉球新報 2013年12月19日付 大学院大、教授300人に 予算も確保、要望応え 【東京】政府は18日までに、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の教授陣を現在の50人から将来的に300人規模に増やす方針を固めた。2014年度予算の概算要求で計上したOIST予算198億円はほぼ全額確保する。19日に安倍晋三首相が仲井真弘多知事に方針を伝える見通し。  OISTの整備拡充は知事が17日に首相に要請している。首相としては知事の要望に応えることで、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て承認を促したい考え。  県などでつくる大学院大学発展促進県民会議(会長・仲井真知事)が13日に決定した決議に基づき、知事は(1)世界最高水準の機関にふさわしい規模、教授陣300人規模への拡充(2)14年度以降の200億円規模の予算確保(3)研究結果を活用した知的産業集積の形成に向けた施策―を求める。  山本一太沖縄担当相は5月の経済財政諮問会議で、関係閣僚と県など構成する「沖縄イノベーション(技術革新)特区推進本部」を創設し、OISTや琉球大を先端的で学際的な研究拠点とする計画を説明。首相は「県民に目に見える形で新しい産業が立ち上がるよう大胆に取り組んでほしい」と指示していた。 "[he-forum 18053] 佐賀新聞12/21","佐賀新聞 2013年12月21日付 佐賀大学病院の新棟完成 屋上ヘリポートも  佐賀大学病院(宮崎耕治病院長、佐賀市鍋島町)の新病棟が20日完成した。これまで分散していた救命救急センターと集中治療室、手術室を集約し、救急から先進医療まで一元的に対応する。  再整備計画に伴い「南診療棟」「北病棟」「診療支援棟」の3棟を新設。南診療棟の手術室と集中治療室には最新機器を導入した。屋上ヘリポートは県が1月中旬から運航するドクターヘリの拠点となる。北病棟には脳神経外科や血液・腫瘍内科、リハビリセンターなどが入る。病床数はこれまでと同じ604。総工費は68億2800万円。  今後は既存施設の大規模改修を行い、2017年度の完成を目指す。宮崎病院長は「地域医療を担う大学病院として、県民の期待に応えていきたい」と抱負を述べた。  患者や機器の引っ越しは30日にあり、28日から1月3日まで救急患者の受け入れを休止する。 "[he-forum 18054] 読売新聞12/2","読売新聞 2013年12月2日付 連載[科学再考] 第3部 頼られるために(上) 政策に研究成果どう反映させるか   「南海トラフ巨大地震では、5分ぐらい揺れます。1分以上揺れが続いたら、津波が来る。逃げて」 先月21日、兵庫県南あわじ市の公民館で開かれた講演会で、高知大特任教授の岡村真(64)が力を込める。想定震源域を表す地図をスライドに映し、同市南端も域内に含まれることを示すと、約200人の聴衆がどよめいた。  地図は昨年3月、内閣府が設置し、岡村も委員を務めた「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が発表したものだ。地震の規模はマグニチュード(M)9級に引き上げられ、震源域は従来想定から2倍に広がった。想定が変わった理由の一つは、東日本大震災前にはほとんど顧みられなかった岡村の研究成果が認められたからだった。 ■方針転換  岡村は、津波堆積物の専門家だ。高知県土佐市の池にある約2000年前の地層から厚さ約50センチの津波堆積物を発見し、2010年に学会で発表した。当時、南海トラフ周辺で起きた地震では最大級とされた宝永地震(1707年)の津波堆積物は15センチほど。発見結果から、大昔に超巨大地震が起きた可能性を指摘した。  東日本大震災後、岡村の研究は一躍注目を浴び、国の防災対策にも反映された。ただ、岡村は冷静に受け止めている。「研究者は求められれば、自分の研究データを基に、言えることを話すだけだ」  岡村の手帳は、講演予定を記した赤や黒の文字で埋まる。10月は15回、11月は17回。地震学が今、市民に伝えられることを説いて回っている。 ■葛藤  自然災害の防災対策に限らず、科学的な知見が求められる国の政策は増えている。だが、専門家の間で意見が割れたり、行政と科学者の間で摩擦が生じたりと、一筋縄でいかないケースも多い。  実は、南海トラフ巨大地震の想定震源域を拡大した同検討会でも、参加した専門家らは様々な思いを抱えていた。  「何でもありは、科学じゃないだろう」。岡村とともに委員を務めた京都大教授の橋本学(56)は、議論の多くの場面でそんな感想を抱いたという。  岡村らの研究成果から、地震や津波の規模の想定を引き上げることに異存はなかった。しかし、過去の地震記録などのデータが重視された従来の国の会議と異なり、「発生の可能性が否定できないのなら」と、想定震源域を大幅に広げる方向で議論が進んだことに抵抗を感じた。  修正を促す発言もしたが、最終的には検討会の方針に同意する。ただ、違和感は今も残る。「地下や海底でどのような破壊が起きるのか。まだ誰も分からないのに、国の結論があたかも真実であるかのように伝わってしまう。科学と行政の境界線はきちんと示す必要がある」 ■危機感  東日本大震災を経験し、地震学は変わった。一方で、経験のなさゆえに、国の動きが鈍い分野もある。一例が、感染症だ。近年は国全体がパニックに陥るような大流行は起きておらず、専門家らは「新たな感染症が次々と発生する今の時代に日本は追いついていない」と口をそろえる。  世界保健機関(WHO)は「公衆衛生上の脅威となりうる全ての事象」について、迅速な通告を求めている。だが日本では、感染症法で定められた疾患しか、保健所への報告を義務づけていない。医師が未知の感染症にかかった患者を診て、「変だな」と感じても、その情報が伝達される保証はない。  「日本は、感染症の基礎研究は強いものの、疫学調査の重要性が軽視されてきた。最新の医療体制を根拠に、大流行は起きないとの楽観論も根強い」。WHOで長く勤務した東北大教授、押谷仁(54)は危機感を抱く。  国の姿勢が変わらないのなら、現場が動くしかない。押谷が委員を務める日本公衆衛生学会の感染症対策専門委員会は10月下旬、津市で「感染症疫学分析のための研修会」を初めて開いた。医師や保健師ら約50人が9グループに分かれ、深刻な集団感染のシナリオをもとに約1時間、対策や危険度などを議論する机上訓練を行った。  押谷は言う。「危機的状況にまで陥らなければ、国は動かないかもしれない。でも、それまでに科学者が行動すれば、事態は、少しは変わるかもしれない」 (敬称略)                            ◇  連載第1部では「3・11」後の科学と社会の関係を、第2部では「リスク社会」における科学技術のあり方を見てきた。最終章の第3部では、「市民に信頼される科学」を実現するためには、何がまだ足りないのかを考える。 ◆2機関政策に関与  科学技術政策に関わる代表的な機関としては現在、「総合科学技術会議」と「日本学術会議」がある。  総合科学技術会議は2001年、「総理大臣及び内閣を補佐する『知恵の場』」として内閣府に設置された。閣僚7人と有識者ら8人で構成。原則月1回の本会議で、科学技術関連の国家予算や、国として重要な研究テーマなどを話し合う。同会議の結論は順次、政策に反映される。  日本学術会議は、1949年に設立された科学者の代表機関だ。科学的な事柄について科学者側から問題提起し、政府に勧告や要望、提言などを行う。強制力はないが、同会議事務局は「種々の政策を後押しする役割を果たしている」としている。 "[he-forum 18055] 読売新聞12/16","読売新聞 2013年12月16日付 連載[科学再考] 第3部 頼られるために(中) 論文の質 どう向上させるか ■量産の秘策?  インターネットで公開されている「論文倍増計画」と題された文章が、研究者らの間で話題を集めている。  「銅に関する論文を出したら、次は鉄で同じ実験をする。素材を次々に変えて論文を書く」「『○○相転移に関する動的○○理論 7』などとやれば、最後までついて来る人はほとんどいないので、同じ話を何度繰り返しても分かりゃしない。レフェリー(論文審査員)だってうんざりして通してくれる」等々、研究論文を量産する「秘策」の数々が披露されている。  「もちろん、ジョークですよ」。文章を自身のホームページで掲載している大阪府立大理学系研究科客員教授の萱沼洋輔(69)が笑う。  ジョークの裏に込めたのは、昨今は論文が「粗製乱造」されているのではないかという強い危機感だ。「目先の研究成果と論文の数だけが評価されがち。論文が出るまでに何年もかかるような分野が衰退しないかとも懸念している」 ■注目度も低下  2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大教授の山中伸弥(51)によるiPS細胞(人工多能性幹細胞)の開発、小惑星探査機「はやぶさ」の成功(10年)など、日本の科学研究は世界をリードしている分野も多い。総務省のまとめによると、日本の科学技術研究費の総額は11年度で約17兆3800億円。国内総生産(GDP)比で世界第4位の巨費が投入されている。  しかし最近、独創的な研究成果が出なくなっていることや、研究レベルの低下を指摘する声が高まっている。  懸念を裏付けるデータもある。文部科学省の科学技術・学術政策研究所がまとめた「科学技術指標」によると、日本の大学や研究機関から発表される研究論文のうち、国際的に注目されるものは徐々に減っているのだ。  米情報調査会社が発表する論文引用回数ランキングで上位を占める論文数の国別集計で、日本は00~02年には25か国中4位だったが、10~12年には8位に下がった。科学技術予算に詳しい鈴鹿医療科学大学長、豊田長康(63)がさらに、こうした注目度の高い論文数を人口100万人あたりで見たところ、日本は21位となり、台湾や韓国よりも下になった。 ■予算不足  退潮の要因は何か。  同研究所は、近年は中国を筆頭に各国の論文数が増加したため、日本の地位が相対的に低下したと分析。共同研究は国内の研究者同士が多く、注目論文の出やすい国際共同型が少ないことも指摘している。  これに対し、豊田は科学研究への予算配分を問題視する。  国は近年、高い研究力を持つ大学や研究機関に予算を集中する「重点化」を進めるとともに、人件費や施設の維持などに使われる運営費交付金を、財政的な理由から削減し続けてきた。  日本の基礎研究を支える国の科学研究費補助金(科研費)は、13年度総額が約2300億円に達し、年々増加。一方、この10年間の運営費交付金の削減総額は約1200億円。北海道大の年間予算を上回る規模だ。  「以前は地方大学からも、注目度の高い論文がたくさん出ていた。重点化のあおりで交付金が減った結果、若手研究者を雇えなくなり、雑務も増えるなど、質の高い論文を発表しづらい環境になっている」と指摘する。 ■白熱討論  「新規の申請は研究実績がないと採用されにくい。成果が見込める内容で申請しがち」「結果的にホームラン論文でなく、バントヒット論文が量産される」――。今月5日、日本分子生物学会が神戸市で開いた公開討論会「生命科学研究を考えるガチ議論」では、研究体制の問題点を追及する声が次々と上がった。  パネリストを務めたIT企業の役員から「産学連携ばかりやっていると、企業の手先になる。目先の研究は企業がやるので、大学や研究機関は遠い目標を掲げてほしい」とのエールも飛び出したほか、「予算を左右する政治に、科学界がロビイングなどの手段で働きかけをすべきだ」という意見も出た。討論会企画者の一人である藤田保健衛生大教授の宮川剛(43)は「社会とのつながりを意識し、重要性を訴えていくことが大切ということに、研究者がようやく気づき始めた」と話す。  惑星研究で知られる東京大名誉教授の松井孝典(67)が強調する。「日本の科学政策は科学と技術の境目があいまいで、単なる技術開発が『科学』として通用してきた。研究の質を高めるには、自然の仕組みを理解するといった科学の根っこの部分を削ってはいけない」  iPS細胞研究やスーパーコンピューター開発のような次世代の産業に直結するプロジェクトから、研究者がひらめいたばかりのアイデア段階のものまで、サイズも内容も様々な科学研究を、どうバランスよく進めるか。日本の科学政策の理念が問われている。(敬称略) "[he-forum 18056] 沖縄タイムス12/20","沖縄タイムス 2013年12月20日付 前向き進学「大学充実」県内大学生が調査  「目的や夢を実現させたい」など前向きなイメージを持って大学に進学した学生ほど、入学後も充実した大学生活を送っていることが、県内大学生らの調べで分かった。卒業年次に複数社から内定を得た学生の5割以上が、大学生活を「充実している」と答えた。大学生活の充実度アップに向け、学生課と就職支援センターの連携した支援が求められそうだ。(天久仁)  雇用と若者の意識の関係を調べようと、県内6大学の現役学生のグループ「若年者雇用問題を考える学生委員会」(大城梨亜奈代表)が取り組んだ。  11月に県内6大学(沖縄キリスト教学院大、沖国大、沖女短大、沖大、名桜大、琉大)の学生1~4年次2500人にアンケートし、1768人(70・7%)から回答を得た。  入学理由で「夢や目的の実現」「専門知識を深めたい」と前向きに答えた学生に入学後の印象を聞くと、「やや充実」を含め「充実している」と答えた層が85・73%だった。「大卒は給料がいい」「親に言われた」など消極的な学生の充実度は56・99%にとどまった。  全体では約7割が入学前の印象と比べ、大学生活に充実感を持っている。  就職活動へのイメージは1、2年次の過半数が「大変そう」「不安・心配」と答えており、就職難を反映し前途を厳しくみている。卒業年次の学生の12月時点の就職内定率は「その他」を含め「未決定」が約7割を占めた。  一方、複数社から内定を得た学生は、入学後の大学生活も充実しており、1社内定の学生のうち30・86%、2社内定の61・76%、3社内定の53・33%が「充実している」と回答している。  同学生委員会は調査結果を受け、大学進学への動機づけの強化や、大学生活の充実に向けた施策の強化などを課題に挙げている。  副代表で沖縄キリスト教学院大4年の福地宏達さん(22)は県内金融機関から内定を得た経験を踏まえ、「特定の地域や業種にこだわらず、早い段階で動くことが大切。学生生活が充実していれば結果がついてくる」と話した。 "[he-forum 18060] 京都新聞12/21","京都新聞 2013年12月21日 08時00分 京大、総長選考の教職員投票廃止検討 「学風に反する」声も  京都大の総長を決めるのに最も重要な判断材料となる教職員による投票の廃止を、学内外の委員でつくる「総長選考会議」が検討していることが20日分かった。学内からは「『自由の学風』に反する」と反対する声が上がっている。  国立大は2004年の法人化以降、学内の教員や学外の有識者の委員でつくる選考会議が学長(総長)を選んでいる。京大などほとんどの大学は法人化前のやり方を踏襲し、教職員による投票結果を参考に選出しているが、東北大など一部は投票を廃止している。  大学関係者によると、11月に開かれた京大の総長選考会議で教職員による投票の廃止が提案された。学外委員の賛同を集めており、早ければ年内に開かれる会議で廃止が決定される可能性があるという。京大の松本紘総長の任期は来年9月末で、それまでに次期総長が決まる。  京都大職員組合はこの動きに反発し、24日に学内で反対集会を開く。執行委員長を務める西牟田祐二・経済学研究科教授は「教職員による投票がなければ、京大に民主主義は存在し得ない」と話す。  教職員による投票をめぐっては、「大学運営に能力のある人が選ばれる保証がない」などとして廃止すべきとの意見がある一方、大学自治の観点から残すべきとの声も根強い。大阪市立大は、橋下徹大阪市長の意向を受けて廃止を決めた。 "[he-forum 18059] Independent Web Journal  2013.12.20","http://iwj.co.jp/wj/open/archives/117335 IWJ Independent Web Journal 2013/12/20 秘密保護法とその先にある共謀罪「明らかに一般国民をターゲットにしている」 ~岩上安身による山下幸夫弁護士インタビュー  秘密保護法の成立から1週間も経たぬうちに、次なる「悪法」が動き始めた。  12月10日、政府が東京五輪のテロ対策のためとして「共謀罪」創設を盛り込ん だ組織犯罪処罰法改正案を、「来年の通常国会に提出する方向で検討」との ニュースが新聞各紙を駆け巡った。しかし政府は翌11日、菅官房長官が法案提出 の「見送り」を発表。しかし、その翌12日には高市早苗政調会長が「早期整備」 の必要性に言及し、13日には谷垣禎一法相が「共謀罪」の新設に積極的な考えを 示した。  日弁連の共謀罪等立法対策ワーキンググループ副座長を務める山下幸夫弁護士 は、12月20日に岩上安身のインタビューに応え、この政府の動きについて「共謀 罪は過去3回廃案になっている。政府が共謀罪を成立させたいのは明らか。リー ク情報で世論の反応の様子見をして、提出するタイミングをはかっているのだろ う」と分析した。  インタビューではまず、12月6日に成立した秘密保護法についてうかがった。 安倍総理や、この法案作成の中心人物である礒崎陽輔総理補佐官は「一般国民や 処罰の対象にならない。記者の取材行為も罰せられない」と何度も強調してい る。山下氏は、「この発言は明らかに嘘であり、政府の説明には様々なトリック がある」と語り、条文や政府答弁を詳細に解説し、その矛盾点を解説。「特定秘 密に近づくありとあらゆる行為を罰せられるようにしたものであり、いかに情報 を得ようとする国民を取り締まるかがこの法案の本質だ」と批判した。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18058] 河北新報 2013/12/24","http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2013/12/20131224s01.htm?style=print 河北新報 2013年12月24日火曜日 社説 「共謀罪」検討へ/またもや危険性濃厚の法案  特定秘密保護法成立の余勢を駆って、長年の懸案を一気に片付けようという腹 積もりなのだろうか。  政府、自民党から「共謀罪」の早期実現を求める声が上がり始めた。実現すれ ば、犯罪の実行行為がなくとも計画段階で摘発できるようになる。  国際テロ組織などによる犯罪を防ぐのが目的で、国連で採択された「国際組織 犯罪防止条約」を批准するための国内法整備と位置付けられている。  テロ事件の容疑者を追跡し逮捕するためには、多くの国の間で情報交換や捜査 協力が必要になる場合はあるだろう。  それは理解できるが、共謀だけで摘発しようとするのは行き過ぎだ。国際テロ 事件に限らず国内の組織的な犯罪にも適用しようとしているのだから、なおさら 恐ろしい。  仮に法案の内容を変更しても、危うさを払しょくすることは難しい。特定秘密 の問題と同様、共謀罪も小手先の手直しでは済まない。  犯罪行為をむやみに拡大するような方法に頼らず、現在の法律の枠組みの中で テロ対策の充実を図っていくべきだ。秘密保護法の時のように数の力によって強 行突破するのはもっての外であり、国民の信頼をさらに失うだけだ。  共謀罪は刑法を変えるのではなく、組織犯罪処罰法を改正して導入することが 検討されている。その改正案はこれまで3度も国会に提出されたが、いずれも廃 案になった。それほど批判は強かった。  4度目の改正案提出がいつになるかはっきりしないが、7年後の東京五輪での テロ対策などを理由にこれからますます、早期成立への圧力が強まってくるだろう。  自民党が国会で圧倒的多数を握っている現状は、成立への願ってもない追い風 になるとみられる。  今後提出される組織犯罪処罰法改正案の詳しい内容は、まだ明らかでない。た だ、過去に提出された法案では、共謀罪が適用されるのは殺人や強盗などの凶悪 犯罪ばかりか窃盗や詐欺、恐喝なども含まれることが分かっている。かなり広範 に網がかぶせられることになる。  もちろん「組織的な犯罪」という条件は付くが、組織犯罪処罰法での「団体」 や「組織」の定義は例によって抽象的で曖昧であり、暴力団やテロ組織だけとも 限らない。解釈によっては、かなり幅広く「団体」とみなされる可能性がある。  そもそも共謀を犯罪とみなしていいかどうかは、よほど時間をかけて検討すべ き事柄だ。共謀は「未遂」や「予備」、「準備」などよりさらに犯罪の実行行為 から遠い。  捜査は密告や通信傍受に頼ることになるだろう。仮にテロの共謀なら、「特定 秘密」になって事件の存在すら隠される可能性があるのではないか。不当な権力 行使と人権侵害が起きても、「秘密の連鎖」の中に埋もれてしまうことになりか ねない。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18057] 東京新聞12/24","東京新聞 2013年12月24日 夕刊 独法再編、87法人に 閣議決定 研究開発に給与特例  政府は二十四日午前の閣議で、現在百ある独立行政法人(独法)を統廃合や特殊法人化などで八十七に再編する改革方針を決定した。  来年の通常国会に独法通則法改正案を提出。二〇一五年度から新制度を発足させ、独法の統合を進める方針だ。  稲田朋美行政改革担当相は記者会見で改革方針について「独法改革の集大成だ。独法制度の本来の趣旨に立ち戻って法人の機能強化ができる内容だ」と意義を強調した。  改革方針は、独法の特性に合わせた運用が行えるよう制度を変更する。  理化学研究所など研究開発を担う独法には、優秀な研究者を集めるため職員に高い給与を支払えるよう特例を設けた。  独法に不正があった場合は、所管する府省庁の閣僚が是正命令や業務改善命令を出せる仕組みに変えた。= "[he-forum 18061] 日本経済新聞近畿12/25","日本経済新聞近畿版 2013年12月25日付 近畿の国際競争力強化 14年度政府予算案  政府は24日、2014年度予算案を閣議決定した。近畿圏では科学技術振興や海外からの集客など、国際競争力強化に向けた施策が目立った。神戸市への立地が有力なスーパーコンピューター「京」の後継機開発に12億円を新たに計上。JR大阪駅北側の再開発地区「うめきた」の地下新駅計画を後押しする施策や、国際会議の受け入れ強化などに手厚く予算が配分された。  文部科学省が新たに予算を計上した「京」後継機は2020年までに開発する予定。「京」の開発や運用に携わってきた神戸市の理化学研究所のメンバーが開発の主体となるため、後継機も同市への設置が有力視されている。  「京」の後継機には「京」の100倍の計算能力を持たせる。高い解析能力を生かして、新薬の開発期間の大幅な短縮や、自動車設計などの効率化が見込まれている。世界最高水準の物質分析技術の施設である兵庫県内の「SPring―8」と「SACLA」などにも今年度並みの予算が計上された。  大学の研究にも厚く予算を配分した。京都大学や大阪大学など全国7大学・機構が参画する文科省の「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」は厚生労働省の事業と統合。予算は今年度の倍以上にし、効率的に国産の医薬品や医療機器の市場化を目指す。同じく京大や大阪大などが拠点のiPS細胞を使った再生医療や創薬のプログラムにも90億円が計上された。 "[he-forum 18062] 河北新報12/25","河北新報 2013年12月25日付 「新しい東北」加速へ 14年度政府予算案  政府は2014年度予算案で、「新しい東北」の実現に向け、被災地の住民や団体の先導的な取り組みを支援するモデル事業に15億円を新規計上した。調整費から9億円を執行した本年度に比べ、大幅に積み増した。  子育て、介護福祉、地域資源活用を後押しするため、専門家派遣や実証事業などへ2000万円程度を上限に支援。これまで66件を選定し、来年度は100件程度を採択する。 太平洋沿岸の自然公園を再編し、5月に誕生した三陸復興国立公園は、長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」(八戸市-相馬市、約700キロ)の路線計画策定などに5億円、浄土ケ浜海岸歩道(宮古市)など被災施設の復旧や利用拠点整備に18億円を盛り込んだ。  継続事業では、地域産業再生、復興の担い手育成など被災地の大学などを中心とした地域復興センター的機能整備事業を18億円に拡充。東北発素材技術先導プロジェクトに12億円、産学官連携による東北発科学技術イノベーション創出プロジェクトに26億円を充てた。  岩手県南部と宮城県北部にまたがる北上山地が候補地となっている超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」計画には、調査検討費として5000万円を予算化した。国内に誘致するかどうか判断するため、有識者会議で費用対効果などを検討する。  東北の大学1校に医学部を新設し、2015年春にも開学する方針をめぐっては、現段階で関連予算は付かなかった。新設構想の決定などを踏まえ、補正予算や予備費で措置するとみられる。 "[he-forum 18063] 宮崎日々新聞 2013.12.14","http://www.the-miyanichi.co.jp/kuroshio/_3288.html 宮崎日々新聞 2013年12月24日 くろしお 共謀罪新設を検討  大戦中の敗色が濃いナチスドイツ。それでも国民は熱狂的に支持していると 信じるヒトラー総統はある日、直接国民の声を確かめたくなって、変装し、お忍 びで街中へ出た。  たまたま出会った男に「今の総統をどう思うか」と尋ねたところ男は顔面蒼 白(そうはく)になった。人目を気にしながらヒトラーをアパートの部屋に連れ ていき、カギをかけ、窓とカーテンを閉めた。そしてテーブルの下に招いて耳元 でささやいた。「実を言うと支持者なんだ」。  時には旧ソ連のスターリンにも置き換えられる架空の小話。出所は分からな いが、何度聞いてもおかしく、背筋が寒くなる。そして小話の続き、ヒトラーの 複雑な心境を想像してしまう。もちろん目の前の支持者に驚喜するはずがない。  男のおびえた告白は図らずも、人心が離れていることの逆説だ。支持も反対 も堂々と表明できないのは、秘密警察による徹底的な日常生活の監視に加えて、 国民同士が疑心暗鬼に陥っているためだ。さらに物語を続ければ、この密談も摘 発される落ちを想像する。  安倍政権が新設の検討を始めた共謀罪は、具体的な犯罪行為がなくても2人 以上が謀議に加わっただけで処罰の対象だ。成立した特定秘密保護法と合わせ て、国民への監視が強まる。捜査機関が日常的な会話まで盗聴する恐れはないか。  重要犯罪が対象とはいえ、恣意(しい)的な運用に歯止めがかかる保証がな い。賛成も反対も国民が自由に議論し、意見を表明できなければ、社会は活力を 失っていく。寒気団が日本を襲うが、「もの言えば唇寒し」のような冬の時代は ごめんだ。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18070] 読売新聞12/23","読売新聞 2013年12月23日付 連載[科学再考] 第3部 頼られるために(下)  日本は今後、科学技術と社会の関係をどのように構築していくべきなのか。そのための課題とは何か。連載を締めくくるに当たり、日英の識者に聞いた。 ◆双方向で社会と関わる 英政府主席科学顧問 マーク・ウォルポートさん 専門は医学。2003年から10年間、医学研究に助成する世界有数の慈善団体「ウエルカム・トラスト」の理事長を務め、助成を受けた研究者に成果の無償公開を義務づける施策などを導入した。英ロンドン大インペリアル・カレッジ医学部長などを歴任。今年4月から現職。60歳。  英国では一般的に、科学と社会の関わりの重要性が広く認識されている。関わり方も、科学者から市民への一方通行ではなく、双方向の議論や質疑が基本になると考えられている。科学者は、人々がどのような価値観で世界を捉えているかを理解し、率直な議論をしなければいけない。  コミュニケーションは非常に難しい。議論の組み立て方もよく考えないといけない。それでも、研究成果を市民に伝えるまで、科学者の仕事は終わらないのだ。  科学者は市民に対し、わからないことはわからないと明確に伝え、「現時点で考えられる可能性はこうだ」と示すことを恐れてはならない。緊急時には特に、この姿勢が重要だ。  東京電力福島第一原発事故の際、英国では、緊急招集された専門家が、最悪のシナリオやその可能性を検討し、事故の数日後、東京在住の英国民が避難する必要はないという結論を政府に伝えた。  私の主な仕事は、科学技術分野における政府への助言だ。英政府の全省庁にそれぞれ科学顧問がおり、情報交換を密に行っているので、様々な分野をカバーできている。  私が行うのはあくまで助言であって、決断するのは政治家だ。ここには明確な違いがある。例えば、エネルギー政策を考える時、資源が安定して確保できるのか、持続可能性はあるのか、資源の価格は妥当か――といった様々な視点が必要だ。科学は政策を決める上で最も重要な要素かもしれないが、唯一の要素ではない。  英国や日本のような政府が重要視するのは、国民の健康と経済だろう。どちらにおいても、科学技術が占める役割は大きい。アイデアを知識に、知識を社会に役立つものに変えていくには、分かち合うことが必要で、透明性を忘れてはならない。  人々は科学に魅せられている。ヒッグス粒子やiPS細胞(人工多能性幹細胞)が良い例だ。様々な手法で情報発信し、社会全体で考えることを続ければ、科学技術と社会は良好な関係を築けるだろう。 ◆「3・11」後市民の知を重視 大阪大コミュニケーションデザイン・センター教授 小林傳司(ただし)さん 専門は科学哲学、科学技術社会論。福岡教育大助教授、南山大社会倫理研究所長などを経て、2005年から現職。遺伝子組み換え作物などをテーマに、市民と研究者が対等に議論する「コンセンサス会議」を日本で初めて開催。01年に設立された科学技術社会論学会の初代会長を務めた。59歳。  「3・11」を経て、科学者も市民も、変わった部分が確実にあると思っている。科学の不確実性について正面から否定する人はいなくなった。市民は、専門家が常に「答え」を持っているわけではないと理解し、自分の生活と結びつけて考えるようになってきているように感じる。普段は社会との接点を考えないような基礎研究系の科学者が、社会に向けて自発的に発信するといった動きもあった。  それでも、変化の度合いはまだ緩やかだ。日本では今、科学技術と社会についてきちんと議論をする場がないのではないか。  国際的には、科学技術と社会との関わりが重要だという認識はますます強まっている。  注目しているのは、昨年始まった「フューチャー・アース」という国際科学会議のプロジェクトだ。地球環境問題に関する国際的な研究成果が、市民に理解され、利用される知識になっていないとの反省からスタートした。様々な分野の科学者と市民、行政が一緒になって、「何を研究すべきか」というテーマ設定から話し合おうとしている。  米スタンフォード大には、社会が何を求めているのかを考える人文学と、それを技術的に実現させる理工系、社会へ浸透させる社会科学という三つの視点を持った人材を育てるプログラム「Dスクール」がある。独ミュンヘン工科大は、社会における科学技術を考える専門組織を設立した。  一方、日本の大学は今、「世界的な大学ランキングで上位を目指せ」というプレッシャーが大きい。順位を上げるには研究論文などで成果を上げなければならず、社会との関わりに力を注ぐ科学者が出なくなるのでは、と危惧している。  日本の主要大学は、社会との関わりを考える組織や教育プログラムを持つべきではないか。能力を自己実現のためだけに使うのではなく、社会に関わり、世のため人のために動くという感覚を持つ。科学技術を革新していくのも、そうした人材ではないかと考えている。 (第三部は原田信彦、新井清美が担当しました) "[he-forum 18068] 毎日新聞1/3","毎日新聞 2014年1月3日付 文部科学省:世界の頭脳を丸ごと誘致 国立大学を強化  文部科学省は来年度から、海外の世界トップクラスの大学研究者を研究室スタッフを含めて丸ごと日本の大学に誘致する方針を決めた。「ユニット誘致」と名付け、まず京都工芸繊維大、北海道大の国立2大学で開始予定。国立大の機能強化の一環で、国内初の取り組みとなる。今後、大学のグローバル化を加速させるため、国立大を中心に実施校を広げていく方針だ。  ユニットは教授、准教授、助教のほか大学院生ら5〜10人程度のスタッフで構成し、誘致期間は1ユニット5〜10年。誘致する大学にとっては、共同研究・開発が活性化する上、学生が海外留学しなくても世界トップクラスの研究者の指導を受けられる利点がある。  1級建築士試験の合格者が国公立大でトップ(2012年度)の実績を持つ京都工繊大はデザイン、建築分野で世界最高レベルの研究者がいる英国王立美術大やスタンフォード大(米国)、チューリヒ工科大(スイス)などから計4ユニットを誘致する計画。既に交渉を進めており、早ければ4月にも実現する。  学内に研究室を設け、日本人大学生向けの講義も想定しているほか、日産自動車やソニー、清水建設など世界有数の国内企業との共同研究プロジェクトも予定し、誘致される研究者側にもメリットがある。古山正雄学長は「これを機にグローバル化をさらに進めたい」と話している。  北海道大は、がん治療や感染症の分野で著名な研究者がいる米国やオーストラリアなどの大学からの誘致を予定している。  文科省国立大学法人支援課の担当者は「各大学の強い分野をさらに強化することで、他の部門への波及効果も期待できる」と話している。【三木陽介】 "[he-forum 18071] 愛媛新聞社説1/5","愛媛新聞社説 2014年1月5日付 教育再生 「強い日本」への改革に危うさ  「『強い日本』を取り戻す戦いは始まったばかり。日本の『新しい国づくり』に向けて大きな一歩を踏み出すべき時だ」。安倍晋三首相は年頭所感でこう述べ、教育再生を憲法改正議論や安全保障政策とともに重要課題とした。  いま、学校教育が目まぐるしく変わろうとしている。安倍政権発足以来、わずか1年の間に、教育制度改革が次々と打ち出された。実行に向けて今年は動きが本格化する。  人をどう育てるかは、この国の未来図をどのように描くかの表れでもある。「強い日本」に向け矢継ぎ早に変えられていく教育の姿に無頓着でいるわけにはいかない。必要な改革か、方向性に誤りはないか厳しく監視し、社会全体で論議しなければならない。  文部科学省は、小中学校で教える内容や授業時間を定めている学習指導要領について2016年度全面改定を目指して今夏にも中教審に諮問する。安倍政権は愛国心や伝統を重視しており、高校の日本史必修化が焦点のひとつだ。  日本の歴史を学ぶことに異議はない。ただ、小中高校の社会科分野の教科書検定基準は月内にも改定される見通しだ。政府や自民党の意向を受け、近現代史の歴史的事実に関して政府見解の尊重を求める。教科書会社に、従軍慰安婦の扱いや南京事件の被害者数などを軌道修正させる思惑がある。さらに、愛国心を養う記述も増やすよう促す。  検定という権限を使い、政治の思惑で教科書の内容を制限し、教育を一定の方向に導くことは決して許されない。  小中学校の道徳も、価値観の植え付けにつながりかねない検定教科書と評価の導入に向け、具体的検討に入る。  加えて教育委員会制度改革では、首長に教育行政の最終権限を持たせる改正法案が通常国会に提出される予定だ。為政者の意向で学校運営を左右する懸念が拭えない。教委制度は政治と一体になった軍国教育の反省から、戦後、政治的中立を守ってきた。骨抜きにしないよう、国会での慎重な審議を求めたい。  一連の改革をみれば、戦前を思わせる右傾化や政治介入の流れの加速が明らかだ。教育の自由は断固として守り抜かなければならない。  もうひとつの「強い日本」への改革は英語教育。小3からの開始や日本語を使わない中学の英語授業など18年度先行実施を目指す。安倍首相の狙いは成長戦略の中で「世界に勝てる」人材育成にある。  東アジアの緊張やエネルギー、環境問題、少子高齢化など難題を抱える時代。真に必要なのは、国際的協調を進めて課題に立ち向かい、平和な社会を築く力の育成だ。大学入試改革や6・3・3制見直しも含め、改革ありきではなく、深い論議の年にしたい。 "[he-forum 18069] しんぶん赤旗12/29","しんぶん赤旗 2013年12月29日付 早大が不当労働行為 非常勤講師組合 救済申し立て 都労委に  首都圏大学非常勤講師組合(東京公務公共一般労働組合加盟)と同組合早稲田ユニオンは26日、早稲田大学が団体交渉の進展を妨害し、組合差別を行ったとして、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てました。  早大は、有期雇用労働者が5年以上継続して働けば無期雇用に転換できるとした改定労働契約法の規定を回避するため、非常勤講師らを5年上限で雇い止めにする就業規則制定を強行しました。  組合側は、就業規則制定の手続きに、当事者の意見を聞かない重大な問題があると主張。第1回団交(3月19日)では、早大側の人事担当常任理事が自らの問題を認めました。ところが、次の団交からこの人事責任者が欠席し、弁護士が代理人となって「問題なかった」とこれまでの話し合いをくつがえしました。  組合側は、団交申し入れに対しても早大が回答を遅延し、早期開催の求めに応じないなど不誠実だとしています。  組合員100人を超えた早稲田ユニオンが組合室確保を求めたところ、専任教員の組合には要求したことのない名簿提出を要求してきました。組合側は非正規雇用に対する差別待遇だと批判しています。 "[he-forum 18067] 岩手日報12/29","岩手日報 2013年12月29日付 水産系の共同大学院構想 3大学、復興担う人材育成  岩手大(藤井克己学長)は三陸の水産業の復興を担う高度専門人材の養成を目指し、東京海洋大(東京都港区、岡本信明学長)、北里大(同、岡安勲学長)と水産系共同大学院の設置構想を進めている。構想を主導する岩手大によると、2014年度政府予算案に関連の調査費(要求額2300万円)が確保された。16年度の修士課程(2年)開設を目標に今後、大学間で具体的な検討作業に着手する見通しだ。  岩手大は11年10月、海洋に関する教育研究が専門の東京海洋大と、大船渡市から長く水産の専門人材を輩出してきた北里大との3大学で、三陸水産業の復興と地域の持続的発展に向けた連携で基本合意。岩手大が13年4月に釜石市に設置した三陸水産研究センターを拠点に、養殖の新技術開発や加工技術の高度化、商品開発・流通などの分野で研究成果を挙げてきた。  共同大学院構想はこれまでの研究成果と協力関係を基軸に、他大学や研究機関、自治体、漁協とも連携・支援態勢を構築し、水産業の6次産業化などを推進する高度で専門的な人材を育て、地域の復興への貢献を目指す。複数の大学が相互の教育・研究資源を生かし、共同で教育プログラムを編成する「教育課程の共同実施制度」を活用する計画だ。 "[he-forum 18066] 共同通信12/26","共同通信 2013年12月26日19時19分 東大、51論文に不正画像使用 行動規範委が中間報告を公表  東京大は26日、東大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授らが1996~2011年に発表した51本の論文の計210カ所に、不正な画像データが使われていたとする中間報告を公表。51本のうち43本は撤回、8本は訂正が必要だとしている。  加藤元教授以外に、不正に関与した人物の特定や処分は、最終報告で明らかにするとした。加藤元教授は12年に辞職しているが、東大は退職金返還を求める可能性があるとしている。  調査した科学研究行動規範委員会は、加藤元教授の研究室の関係者らが発表した165本の論文を調査した。 "[he-forum 18065] 読売新聞12/25","読売新聞 2013年12月25日付 農業を強くする (4)現場と大学 学び合う  遺伝子組み換えによる品種改良など、IT技術の進展に伴い、農学の世界でもコンピューターを使った研究が進む。  その一方で、基本である「土に帰る」ことの大切さが最近、見直されている。  「これは売れないな」。11月中旬、北海道富良野市の畑で、農家の男性(57)が形の良い白い百合(ゆり)根を手に嘆いた。芯の部分がほんの少し茶色に。茎が風に揺れることで、茎と接する部分が変色したのだという。  「そんなことで?」と驚いたのは、北海道大学の大学院生と教員の一行だ。3年前から同大が帯広畜産大、酪農学園大と共同で行う院生対象の授業「食の安全・安心基盤学」の受講者たちで、商品となる百合根の選別方法などを学びに来ていた。  授業の背景には、農業の実態を知らない農学部生の増加がある。学部での教育課程が近年、研究重視に傾いた結果、「机上で農業ができると勘違いする学生がいる」と嘆く教員もいるほど。「農業を強くする人材の育成は、やはり現場でしかない」。20年以上も自治体とともに農業振興に腐心してきた北海道大の坂下明彦教授(59)の発案で、授業は始まった。  農家での宿泊研修や、収穫物をキャンパスで販売する「マルシェ(市場)」開催など、生産から流通の実態を学ぶ。受け皿となる農家の数に限界があり、大学院での実施にとどまるが、「院生は面白いぐらい変わる」と坂下教授。事実、修士2年の松平将典さん(25)は「農業の活性化に関わりたい」と抱負を語る。「もっと良いものを」と意欲的な農家の人たちの素顔に触発されたという。  農家自身を育てる試みもある。佐賀大学は大学院に3年前、「農業技術経営管理士」育成のコースを開設した。高度な農業技術を持ち、経営感覚の優れた地域農業のリーダー養成のため、生産管理や食品化学、経営管理などの学習を年間150時間以上も課すハードなコースで、農家だけでなく広く社会人全般に門戸を開いた。  様々な業種の人たちを集め、交流を通じて学びを深める目的からだ。食品会社の社員や銀行員など、予想以上に多彩な受講者が参加し、交流によって高付加価値の商品も生まれた。  その一つが、佐賀市のブランド作物「光樹(こうじゅ)とまと」を使ったジュース「しずくシリーズ」。500ミリ・リットル入りの1本が5000円だ。開発に携わった育成講座1期生の農業、古賀信一郎さん(43)は「ハウスの中では会えない人たちに会い、刺激になった」と話す。どうしたら消費者に高付加価値の商品を買ってもらえるか、教員や受講生らとの議論が勉強になったという。  講座を担う内海修一特任准教授(64)は「大学を地域に開き、農業のリーダーを育成する。それがこれからの農学部の役割だ」と強調している。 "[he-forum 18064] 愛媛新聞社説12/29","愛媛新聞社説 2013年12月29日付 医療研究不正 信頼回復へ再発防止策徹底を  今年、医療研究をめぐる不正や疑惑が数多く発覚した。  東京大の元教授は、51本の論文に不正な画像データを使用。製薬会社社員は所属を示さず、自社の子宮頸(けい)がんワクチンの論文を発表し、その論文が接種の是非の検討の場で用いられた。国が大学などに求めた自主調査では、2009年4月以降の臨床研究約2万4千件中、指針違反などの不適切事例が137件見つかった。いずれも氷山の一角では、との疑念は拭えない。  「研究不正」は日本の医療の信頼を大きく揺るがし、生命や健康の安全さえ脅かしかねない。真相究明と再発防止が急務だが、道のりは遠い。  降圧剤ディオバンの臨床研究データ操作問題で、厚生労働省はようやく今月、販売元の製薬会社ノバルティスファーマなどを薬事法違反(誇大広告)の疑いで刑事告発する方針を固めた。  ノ社は組織的関与を否定。誰が実際にデータ操作したのかも分かっていない。強制力のない調査は既に手詰まりで刑事告発への転換は遅きに失した感も否めないが、全容の徹底解明を強く求めたい。  臨床研究を実施し、ディオバンに有利な論文を発表した5大学の調査も出そろった。東京慈恵医大と京都府立医大は、データ操作があったとして論文を撤回。滋賀医大は数値の不一致が10%もあり「科学的論文としては不適切」と発表した。名古屋大と千葉大は、数値のずれはあるが「結論は同じ」「意図的な操作はなかった」としている。  「単なる入力ミス。不正ではない」「主治医の勘違いで故意ではない」―食品偽装問題にも似た各大学の言い訳にはあきれる。ずさんな研究管理体制を放置し、臨床研究に協力した約3千人もの患者を裏切り、誤ったデータを基にノ社の「広告」に加担した大学の責任は、極めて重い。  利害関係のある製薬会社がヒトやカネを出し、有形無形の研究支援をしてきたことは周知の事実。ノ社も5大学に計11億3290万円もの奨学寄付金を提供している。  日本では2年前から、製薬業界の自主的な提供資金の情報公開が始まったが、まだ不十分。現状を鑑みれば、利益相反関係の明示徹底や、公的な監視機関の設置、罰則強化など、良心任せでない不正防止の仕組みが欠かせない。  現在、薬の承認審査関連以外の臨床研究には、強制力のない倫理指針しかない。厚労省は来年秋までに全臨床研究の法規制を検討するという。安倍政権は「医療の産業化」に積極的だが、その前にまず安全な仕組みを整えなければ不正はなくならず、日本の医療への評価も損なわれよう。国や企業の利益のためではなく、患者のために研究があることを忘れてはならない。 "[he-forum 18072] しんぶん赤旗1/7","しんぶん赤旗 2014年1月7日(火) 国立大学に年俸制を強要 文科省 学問の自由と自治に介入  文部科学省は来年度から、教員の賃金を「業績評価」によって決める「年俸制」を導入する大学を重点的に支援する方針です。2014年度予算では「導入促進」に24億円を計上しています。これに対して、学問の自由と大学の自治をゆがめるものだとの声が上がっています。  年俸制導入は、文科省が昨年11月に発表した「国立大学改革プラン」に盛り込まれました。安倍内閣が掲げる「産業競争力強化」に向けて、「持続的 な競争力を持ち、高い付加価値を生み出す」大学に「改革」することが目的です。大学の種別化・ランク付け、学長の権限強化などと合わせて打ち出されまし た。  具体的には、「国内外の優秀な人材の活用によって教育研究の活性化につながる人事・給与システム」と称して、年俸制を導入する大学に運営交付金を 重点配分。15年度までに「1万人規模で年俸制を導入する」との目標を掲げています。これは全教員の約19%に当たります。さらに、「シニア教員から若 手・外国人へのポスト振替等を進める」として、1500人分の常勤ポストを確保するためにベテラン教員の追い出しを進めるとしています。  年俸制について全国大学高専教職員組合(全大教)は、人事制度に文科省が介入するものであり、「教職員の中に過度の格差を生み出し、将来に不安を与える」と批判しています。  すでに昨年の臨時国会では、大学や研究機関の非常勤講師など有期雇用の研究者が5年を過ぎると正規雇用に転換できる権利を10年に先延ばしする改悪を強行しましたが、「研究者の使い捨てを進め、研究を劣化させるものだ」と指摘されています。  全大教は、「国立大学改革プラン」について「政府が大学を産業政策の中に組み込み、産業競争力強化の観点だけに立った大学改革を行わせようとするものだ」と批判。「大学の自治を破壊し、国立大学の責任と自主性を蔑(ないがし)ろにする」と強調しています。= "[he-forum 18074] 京都新聞1/8","京都新聞 2014年1月8日付 大学入試改革 多様な個性みる流れに 文化部 梶井進  大学入試改革の議論が本格化している。政府の教育再生実行会議は昨秋公表した提言で、1点刻みで合否を争う知識偏重の入試からの脱却を掲げ、意欲や適性を重視した選抜の拡充を求めた。これまでもそのような方法は模索されながら、筆記試験重視の風潮は変わっていない。しかし、筆記試験による一発勝負ではなく、個人の資質を多面的にみる選抜方法は今後求められるだろう。  提言は、問題点として高校教育が大学入試のための学習に傾いて入学後につながっていないと批判する。大学入試センター試験に代え、複数回受けられる達成度テストの導入のほか、各大学に入試改革の必要性を説く。同様の観点で二十数年前に導入が始まったのが、高校の成績や活動実績、面接、論文などで選ぶアドミッション・オフィス(AO)入試だ。昨春入試は、全国で7割余りの536大学が何らかの形で実施した。  ただAO入試は京都や滋賀の大学を含め撤退の動きが見られ始めている。負担の割に思ったような人材が集まらないからだという。合格者の学力不足を指摘する声は多く、入学前学習を課したり、特待生採用を動機付けに一般入試を受けさせたりする大学が増えている。京都のある私立大の入試担当者は「筆記試験が入試の王道で、AO入試は学力不足の生徒の受け皿になっている面がある」と明かす。  受験生にも負担が大きい。AO入試で課される論文や面接、模擬講義を受けてのリポート作成は、特別な対策が必要で、筆記試験と合わせて受けるメリットはない。意欲や適性を評価するのは難しく、現時点で受験生には筆記試験による評価が客観的で、信頼も勝ち得ている。  立命館大の一部学部のAO入試は、高校生向けの自作コンピューターソフトのコンテストを主催して入賞者を優遇したり、学内外をめぐって観察や記録、考察などフィールドワークの実践的能力をみたりする。入学後も意欲の高い学生を確保できているといい、入学センター部長の花﨑知則教授は「学部で事情は異なるが、適性を的確に把握できると非常にAO入試は効果的だ」と評価する。  筆記試験と同じような信頼性を勝ち取るには学部ごとに適切な選抜方法を開発し、筆記試験の合格よりも志望学部への適性が認められたと受験生が確信できるようにならなければいけない。  長年、日本の教育は個性的な人材が生まれにくいと言われてきた。入り口の入試がもっと多様で個性的になるのは賛成だ。京都大は「京大特色入試」として論文や面接などで評価する選抜を2016年度から始める。大量に効率よく選抜できる筆記試験中心から、少人数ながらも多様な能力や個性をみる流れになってほしい。 "[he-forum 18073] 読売新聞1/8","読売新聞 2014年1月8日付 大学学長の85%「学力に課題」…私大は9割超  国公私立大学の学長の8割以上が「自校の学生の学力に課題がある」と考えていることが7日、リクルートマーケティングパートナーズの調査でわかった。  一方で、約5割の大学では、学力だけでなく、学習意欲を含めて多面的に評価する独自の入試を実施している現状も浮かんだ。  調査は昨年8~9月、国公私立大745校を対象に実施。60・7%の452校の学長から回答があった。  学生の学力については、「大きな課題」(26・1%)「ある程度の課題」(59・2%)を合わせ、85・3%が「課題がある」と回答した。国公私立別に、その割合をみると、私立が93・7%で最も高く、国立(57・6%)、公立(61・5%)を大きく上回った。 "[he-forum 18075] 東京新聞1/9","東京新聞 2014年1月9日付 【お金の話】 大学進学資金の準備 入学前にかかる費用も注意 光田洋子(マネージャーナリスト)  年が明け、私立大では入学試験の出願書類の受け付けが始まりました。受験生を抱えるご家庭は受験校の絞り込みがほぼ終わり、受験料の振り込みや出願書類の用意で忙しくなる時期です。無事に合格すれば、入学手続きへと進むため、親は受験する大学の初年度納付金などを調べ、準備しておくことが大切です。しかし、その前にかかる費用にも注意してください。  昨年二~三月に、国の教育ローンを利用した世帯に聞いた「教育費負担の実態調査」(日本政策金融公庫)から、納付金以外にかかった入学費用を紹介します。私立大の場合、文系・理系ともに受験費用(受験料、交通費、宿泊費を含む)は平均二十二万~二十三万円。入学しなかった大学への納付金が平均四万円前後で、合わせて二十七万円前後。  国公立大の場合、受験費用は平均二十一万円。入学しなかった大学への納付金が平均十二万円で、合計は約三十三万円と、私立大の入学者より出費は多めです。国公立大は遠方受験になるケースが多い上、先に手続きが締め切られる私立大の入学金も必要になるため、入学前にかかる費用は、思った以上に多くなることもあります。  私立大志望者も受験方法の多様化で、受験料は高くなる傾向があります。同じ大学で複数学部に出願する場合やインターネット出願では、受験料が若干安くなることもありますが、受験時期が近づくと不安になり、当初の予定より多めに出願し、費用がかさむことも。入学前にかかる費用の増加は合格後の納付金の支払いにも影響するため、一定の予算で抑えたいものです。  最近は入学後に奨学金を申請する学生が増えていますが、入学前に決定する大学独自の奨学金もあります。学費の一部を給付、または無利子で貸与するタイプで、出願時に申請が必要なこともあります。これらも入試要項などで確認してみましょう。 "[he-forum 18076] しんぶん赤旗1/6","しんぶん赤旗 2014年1月6日付 サイバー防衛隊を検討 産学にも秘密法処罰対象拡大  政府が2014年度、警察と産業界、大学が連携してサイバー犯罪捜査をする「日本版NCFTA」や「サイバー防衛隊(仮称)」の新設を検討していることが明らかになりました。政府の秘密保護に関与する情報関連の企業や大学の研究者など民間人が秘密保護法の処罰対象者になる恐れがあります。  政府がモデルにしている米国のNCFTA(National Cyber―Forensics & Training Alliance)は、FBI(米連邦捜査局)、情報セキュリティー大手企業のシマンテック、カーネギーメロン大学など産官学で構成する非営利団体。サイバー犯罪情報の集約・分析や捜査員の訓練をしています。  政府はすでに13年度から「日本版NCFTA」設置に向けて警察庁の「総合セキュリティ対策会議」(委員長・前田雅英首都大学東京法科大学院教授)で情報関連企業や大学教授、弁護士らを集めて審議。捜査実習のために職員を米NCFTAに派遣し、海外捜査機関との連携強化を行うとしています。  警察庁に新設するとみられる「サイバー防衛隊(仮称)」については秘密のままです。  安倍晋三首相や自民党は“秘密保護法で民間人が処罰されることはない”と虚偽の説明をしていますが、「民間事業者等の知見の活用」として新たに情報関連の民間事業者や大学の研究者を政府の秘密保護業務に参加させることで、処罰対象者の範囲を広げています。 "[he-forum 18077] 信濃毎日新聞1/8","信濃毎日新聞 2014年1月8日付 信大、学部超える教員組織 ほぼ全員所属の「学術研究院」新設へ  信州大(本部・松本市)は2014年度に学部、大学院などの教育組織から教員の組織を分離し、ほぼ全ての教員が所属する「学術研究院」を新設する。教員は学術研究院の三つの学域のどれかに所属し、学部の枠を超えて教育に当たる。一方で優れた研究成果を挙げている教員は、新たに設ける「先鋭領域融合研究群」の研究所で研究にほぼ専念させる。国の運営交付金が年々削減されているため、大学全体で戦略的な人員配置をする狙いとしている。  学域は人文社会、理工、医学保健の三つで、下部組織として計10の「学系」を設ける。教員は各学系に所属し、以前所属していた学部にとどまらずに学生の教育に当たる。学術研究院長は学長が兼ねる。  信大は来年度から、環境・エネルギー材料科学、国際ファイバー工学、バイオメディカルの3研究所を新設し、既存のカーボン科学、山岳科学(山岳科学総合を改称)を合わせた5研究所を、同研究群として一体運営することを決めている。研究にほぼ専念させる教員は、同研究群に専任や兼任の形で派遣する。  信大はこれまで教員人事を各学部に任せてきた。来年度からは人事の基本政策の策定や研究費・人件費の配分は、学長(学術研究院長)や理事、副学長、学系長などでつくる学術研究院会議が行う。10人の学系長は各学系教授会議の選挙で選び、学長が任命。各学域長は持ち回りにする。  経営企画・総務・人事担当の渡辺裕理事は「全学の人材をうまく活用して教育や研究の成果を挙げるためにも、学術研究院は必要」と話している。  教育組織と教員組織の分離は筑波大(茨城県つくば市)、九州大(福岡市)、新潟大(新潟市)、金沢大(金沢市)などが取り入れている。 "[he-forum 18078] 信濃毎日新聞1/9","信濃毎日新聞 2013年1月9日付 山雅、信大に寄付講座開設へ 社員講師にクラブの活動学ぶ  信州大(本部・松本市)の全学教育機構は来年度、学生がサッカーJ2松本山雅FCの歴史や活動を学び、試合の集客イベントを企画する山雅の寄付講座を開設する。地元のプロサッカークラブに関わり、学生の企画力やコミュニケーション力を高める狙い。山雅は地域貢献の一環と位置付け、社員を講師として派遣する。  講座は「地域密着のスポーツプロモーション」。少人数形式で、山雅運営会社の大月弘士社長やイベント、グッズ販売、広報などの担当者がゲストスピーカーとして講義する。今年夏までに15回ほど開く予定だ。  学生は山雅の理念、イベントなどの集客施策、地域との関係を学び、松本市のアルウィンで開くホーム試合の際のイベントや山雅のグッズなどを考案する。今年夏のホーム試合で、実際にイベントを開き、グッズも販売するのが目標だ。  信大と山雅は昨年12月に講座を開設するための協定に調印した。山雅運営会社の上條友也取締役は「密度の濃い内容が期待できる。意欲的な学生に集まってもらえればうれしい」。講座でコーディネーターを務める信大の橋本純一教授も「大学も山雅もともに地域貢献が理念。ウィンウィン(相互利益)の連携になる」と話している。  両者の連携では、昨年10月に学生有志と山雅が試合観戦を通じて男女が親睦を深める合コン「スタコン」を合同で開いた。 "[he-forum 18079] 福島民報論説1/10","福島民報論説 2014年1月10日付 【奨学給付金創設】さらに充実、拡大を  政府が返済不要の「奨学給付金」制度創設を決めた。平成26年度から、低所得世帯の国公私立高生を対象に、年間で最大十数万円を支給する。教科書代や通学費にも使える。今春からの高校無償化への所得制限導入で生じる28億円を原資に充てる。教育格差による「貧困の連鎖」に歯止めをかける一助ともなろう。今回の創設を手始めとして、給付型奨学金の充実や対象拡大など、制度の見直しや改善を進めたい。  給付型奨学金の詳細は国会の予算審議を経て正式に決まる。都道府県の取り組みに対する補助として支出する予定で、各自治体で内容が違ってくるという。今後、中学三年生が進路を最終決断する時期を迎える。金額や基準、手続きを早急に示してほしい。  高校無償化が22年に始まり、高校生を持つ家庭の教育費負担は多少軽くなったはずだ。しかし、遺児らを支援する「あしなが育英会」は、同会の奨学金を貸与している高校生のうち、経済的理由で進学を断念して就職を選ぶ割合が2年前より大きく増えている-との調査結果を先月発表した。教育費は66・5%が「不足している」と答えた。  本県では、東日本大震災が追い打ちを掛ける。筆者は同震災復興支援財団が設けた高校生対象の給付型奨学金の選考に関わってきた。「親の仕事先がなくなって収入が激減した」「住宅が破損し、修理に多大な費用が掛かる」「家族がばらばらになって家計費が増えた」…。震災発生から3年近くがたっても、支給を申請する高校生は依然多い。原資には限りがある。公的な制度や安定財源が不可欠だ。  大学に進学すれば、負担はもっと膨れ上がる。日本学生支援機構の育英奨学金は大学生ら130万人以上が利用する。卒業後に返還する「貸与型」が大半で、利息の付く「有利子枠」が半数を超す。  就職難や非正規雇用の増加で収入が不安定となり、返済に苦しむ人が増えている。滞納者は、ここ10年で2倍にもなった。滞納には年利10%の延滞金が加算されるため、解決を難しくしている。あしなが育英会や日弁連などが給付型奨学金創設などを文部科学省や同機構に求めていた。  同省も「学びセーフティーネットの構築」として、26年度予算案に奨学給付金創設に加え、奨学金の「無利子枠」拡大や猶予期間の延長、延滞金の金利引き下げなどに伴う費用を盛り込んだ。  教育は、国の未来をひらく原動力だ。若者が安心して学べる環境づくりに、力をさらに注ぐべきだ。(鈴木 久) "[he-forum 18080] 退職金減額無効訴訟,第一回公判での意見陳述とフルブライト発言","元佐賀大学の豊島です. 昨年11月8日の投稿で,退職金減額無効訴訟を起こしたことをお知らせしました. [he-forum 17944] 退職金減額は無効と佐賀地裁に提訴しました その第一回公判が1月10日に開かれ,私が意見陳述しました.訴状も含め,ネット上に公開しています(とりあえずはブログからのリンクです). http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2014-01-11 意見陳述の最後はメリカのフルブライト上院議員(故人)の言葉を引用で締めくくりました. 「大学が,その本来の目的に背いて政府の付属物になり,目的よりも技術に,理想よりも手段に,新しいアイデアよりも伝統的な権威に傾くならば,大学は,学生に対する責任を果たしていないだけでなく,社会からの信頼をも裏切っていることになる.」 この出典などを詳細に調べるうちに,それが発言された米国上院の議事録に行き当たりました.よく読むと,今日の日本の大学と政府の関係についても当てはまる普遍的な問題が議論されていることが分かります. 例えば,引用部分の直前のパラグラフは次のようなものです. The formation of a military-industrial complex, for all its baneful consequences, is the result of great numbers of people engaging in more or less normal commercial activities. The adherence of the universities, though no more the result of a plan or conspiracy, nonetheless involves something else: the neglect and, if carried far enough the betrayal, of the university’s fundamental reason for existence, which is the advancement of man's search for truth and happiness. It is for this purpose, and this purpose alone, that universities receive?and should receive?the community’s support in the form of grants, loans and tax exemptions. 前文を文字化しました.こちらです. http://ad9.org/pegasus/society/academism/fulbright/fulbrightspeech1967Dec.htm http://ad9.org/pegasus/society/academism/fulbright/fulbrightspeech1967Dec.pdf 最後になりましたが,この訴訟については全大教から多大な資金援助をいただきました.この場を借りてお礼申し上げます. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","""全大教 高等教育フォーラム""","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18081] 福島民報論説1/14","福島民報論説 2014年1月14日付 【大学入試改革】課題山積実施急ぐな  大学入試センター試験が18日から始まり、今春の大学入試戦線が本格化する。県内の高校関係者らが大きな関心を寄せているのが、政府の教育再生実行会議が提言した大学入試改革の行方だ。1点刻みの合否判定に替えて新制度を導入する方針だが、高校の現場からは戸惑いの声が漏れてくる。実施は早くても5年後だが、文部科学省は現場の教員、保護者の意見を十分に反映すべきだ。  教育再生実行会議が提言した改革の柱は(1)高校在学中に複数回受験できる達成度テスト(基礎レベル)を創設する(2)センター試験に替え、達成度テスト(発展レベル)を導入。結果は1点刻みの選抜から脱却できるように工夫して段階的に示し、複数回受験を検討する(3)各大学の入試は、学力判定とともに面接や論文など多様な方法で選抜する-などだ。  一発勝負をなくすために大学入試センター試験を衣替えする。2次試験ではテストの結果に加えて面接、論文、高校からの推薦書などを加味して合否を決める。「知識偏重」から「人物重視」に移行する改革といえる。  とても立派な文言が並んでいるので評価する人もいるだろうが、いざ実施するとなると大変ではないか。一回だけで人生を左右する大学入試センター試験の代わりに2種類のテストを導入すると、確かにチャンスが広がる。しかし、受験生や高校にとって負担が増える。何より、大まかな段階的な表示では合否判定に活用しづらい。  提言では、面接などでは「能力、意欲、適性を多面的に評価する」としている。面接が合否でかなりの比重を占めるなら、高校や予備校では対策に力を入れて「大学側に好感を持ってもらえる受け答え」をみっちり事前指導するだろう。果たして型破りの生徒を受け入れるだけの度量が大学側にあるのか。県内の高校関係者の間では、大都会の生徒に比べて話下手な本県高校生がいたら気後れしないかと心配する声すらある。  多面的に評価する際に公平さを保ちながら合否を決める絶対的な物差しがあるのかとの疑念も残る。1点刻みの客観的な判定をするからこそ、受験生は1点に泣いても受け入れてきたのではないか。  今後、提言は中央教育審議会で検討される。昭和54(1979)年に始まった共通1次試験は構想から実施まで約8年かかった。拙速は許されない。県教委や本県の高校は要請、発言する場を見つけて、疑問点を大いにぶつけてほしい。(佐藤 晴雄) "[he-forum 18082] 産経新聞北海道東北1/15","産経新聞北海道・東北版 2014年1月15日付 モザンビークの資源開発人材育成 秋田大、現地大学と協定  秋田大(吉村昇学長)は資源開発人材の育成などでアフリカ南部、モザンビーク支援に乗り出す。中東・アフリカ歴訪中の安倍晋三首相立ち会いの下、12日に首都マプトで国立エドゥアルド・モンドラーネ大との間で協定書に調印した。  調印式には秋田大から玉本英夫副学長、モンドラーネ大からキランボ学長が参加。協定には(1)教職員、研究者の交流(2)学生の交流(3)共同研究の実施(4)講演、シンポの開催(5)学術情報、資料の交換-などが盛り込まれた。  学生交流に関する覚書も締結され、秋田大は今春新設される国際資源学部にモザンビークからの留学生を受け入れる。同学部は3年の全学生に資源国の企業や研究機関での「海外資源フィールドワーク」を義務付けており、モザンビークに積極的に学生を派遣する。  アフリカへの投資をめぐって政府は、先行する欧米や中国に対抗するため日本流の人材育成に力を入れている。  安倍首相はゲブザ大統領との首脳会談で、鉱山開発や資源の加工、環境問題への対応などに携わる人材を今後5年で300人以上育てると表明。秋田大はその重要な役割を担う。 "[he-forum 18086] 沖縄タイムス、西日本新聞、山梨中央新報、北海道新聞、富山新聞 14.1.19 山梨日々新聞 14.1.20","http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=60944 沖縄タイムス 2014年1月19日 02:00 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/64230 西日本新聞 2014年01月19日 http://www.sannichi.co.jp/kyodo/news2.php?genre=Main&newsitemid=2014011801002329 山梨日々新聞 2014年01月19日(日)02時00分 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/516114.html どうしんウェブ 北海道新聞 (01/19 02:05) http://www.toyama.hokkoku.co.jp/newspack/shuyo2014011801002329.html 富山新聞 1/19 02:00 http://www.sanin-chuo.co.jp/newspack/modules/news/article.php?storyid=1252076009 山梨中央新報 2014.1.20 以上ほかの報道、みな同文です。 政府、共謀罪新設方針を伝達 国際機関にテロ対策で  政府が、昨年夏に来日した国際機関の関係者に対し、殺人など重大犯罪の謀議 に加わっただけで処罰対象となる「共謀罪」新設を含めたテロ対策の法整備を進 めると伝えていたことが18日、分かった。  日本政府は2000年12月、テロ対策強化を目指す国連の国際組織犯罪防止 条約に署名。経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心に構成しテロ資金の根 絶を目指す「金融活動作業部会」(FATF)の使節団が昨年8月に訪日し、条 約批准の前提となる共謀罪新設を重ねて要請した。日本側は改正組織犯罪処罰法 の成立など法整備に前向きな対応を約束したという。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","石田 康博","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18085] 読売新聞社説1/18","読売新聞社説 2014年1月18日付 センター試験 改革に功罪の検証は不可欠だ(1月18日付・読売社説)  大学入試センター試験がきょうから2日間、実施される。  参加する大学・短大は843校で、志願者は56万人にのぼる。  多くの受験生が日夜、勉強に励んできたことだろう。試験では実力を存分に発揮してほしい。  試験を実施する大学入試センターと各大学の担当者は、一昨年に起きた問題冊子の配布ミスなどのトラブルを繰り返さぬよう、気を引き締めて臨む必要がある。  センター試験は1990年に導入された。共通一次試験から衣替えし、私立大にも参加の道が開かれた。現在、私立大の約9割が利用している。  推薦入試や、面接などによるAO(アドミッション・オフィス)入試と併用する大学もある。  大学進学に必要な基礎的学力を身に着けているかどうかを判定するための共通試験として、定着してきたと言えるだろう。  試験の問題は、大学教員らが2年近くの時間をかけて作成している。難問奇問を排した良質な問題が多いと評価が高い。  一方、出題科目数は、高校の授業内容の細分化で6教科・29科目にまで増えた。各大学はアラカルト方式によって、利用科目や科目数を自由に決められる。受験生から見ると、科目選択が複雑になり過ぎているのではないか。  加えて年1回の試験結果が受験の成否を大きく左右することが、受験生に過度の心理的負担を強いている面は否定できない。  全国の会場で50万人以上が一斉に受験する現行方式では、スムーズな運営が困難になっているとの指摘もある。  センター試験を巡っては、中央教育審議会で見直し論議が進んでいる。「達成度テスト」の創設を柱とする政府の教育再生実行会議の提言を受けたものだ。  提言は、高校生の基礎学力の到達度を測る「基礎」レベルと、大学の一般入試で活用する「発展」レベルのテストを新設し、それぞれ複数回の受験を認めるよう求めている。これが実現すれば、大学入試は大きく様変わりする。  挑戦する機会が増えるのは、受験生にとって望ましいことだ。  一方で、達成度テストには、出題科目はどうするのか、試験の運営はどこが担うのかといった検討すべき課題が多い。  入試改革は、受験生や教育現場に与える影響が極めて大きい。  まずは、センター試験の功罪をしっかりと検証し、議論を尽くすことが肝要だ。 "[he-forum 18084] NHKニュース1/17","NHKニュース 2014年1月17日17時11分 大学入試改革 各大学の評価割れる 検討が進められている大学入試改革について、NHKが全国の主な大学、およそ170校にアンケートを行ったところ、「どちらかと言えば効果が大きい」と答えた大学が半数近くを占めた一方で、「弊害が大きい」という大学も30%あり、評価が割れていることが分かりました。 大学入試を巡っては、去年、政府の教育再生実行会議が大学入試センター試験にかえて、複数回受験できる新たなテストを導入することや、面接や論文で能力や意欲を総合的に評価することなど改革の提言をまとめ、今後、文部科学省の審議会で議論されることになっています。 これについてNHKは、全国の主な国公私立大学201校を対象にアンケートを行い、84%に当たる168校から回答を得ました。 入試改革の影響を尋ねたところ、「どちらかと言えば効果が大きい」と答えた大学は78校と46%を占めた一方で、「どちらかと言えば弊害が大きい」という大学も52校と31%あり、評価が割れていることが分かりました。 すべての大学に入試改革の“効果”を複数回答で尋ねたところ、「多様な学生を獲得できる」が最も多く49%、次いで「受験生に複数のチャンスがある」が48%でした。 また、“弊害”については「面接や論文への対応が困難」が最も多く56%、「人物本位で合否を決める弊害」を指摘する大学も32%ありました。 なかでも、面接などを通して能力や意欲の判定を重視することについて「試験の公平性が担保できない」とか、「人物本位の入試で不合格となった場合には、学力試験以上の心理的負担をかけることになるのでないか」といった記述が相次ぎ、大学のとまどいが浮き彫りとなっています。 大学入試改革とは 大学入試改革は、知識偏重の選抜から能力や意欲などを総合的に評価するものに転換しようと、検討が進められています。 去年10月に、政府の教育再生実行会議がまとめた提言では、現在の大学入試センター試験に替えて、複数回受験できる新たな試験を導入し、成績は1点刻みではなく段階別におおまかに示すことや、高校在学中に、複数回受けることの出来るテストを創設して、基礎的な学習の到達度を把握することなどが盛り込まれています。 そして各大学は、養成する人材の姿を明確にしたうえで、面接や論文、高校の推薦書、さらには生徒会活動や部活動、ボランティアや海外留学などの取り組みをみて、生徒の能力や意欲、適性を多面的、総合的に評価するよう求めています。 この提言を受けて今後、中教審=中央教育審議会で、実施方法や体制などについて検討が行われ、実際の導入は5、6年先になる見通しです。 愛媛大学「効果大きい」 大学入試改革について「どちらかと言えば効果が大きい」と答えた大学のひとつ、愛媛大学は、多様な学生を獲得できるようになると期待しています。 背景には、急速に進む少子化への危機感があると言います。 愛媛大学の学生数は、法文学部や理学部など6つの学部で合わせておよそ8400人。 志願者数はここ10年ほど横ばいですが、少子化が進む中、数年後には減少に転じる見通しです。 定員を満たすために合格ラインを下げざるを得なくなり、大学のレベルを保てなくなるおそれがあるとして、学力だけでなく能力や意欲の高い若者を獲得する仕組みを整えたいと考えています。 去年からは、愛媛大学を含む四国の5つの国立大学が合同で、新たな入試制度の検討を始めています。 先週、各大学の担当者が集まって開かれた会議では、「四国に優秀な学生を呼び込めるような選抜方法を考えなければならない」といった意見が出されていました。 5つの大学でつくる「四国地区国立大学連合アドミッションセンター」の井上敏憲センター長は、「2018年には18歳人口が減少に転じる。四国は他の地域に比べて少子化の進行が早いため、特に危機感が強い。“優秀な学生”の定義を見直して、成績以外にも人物や高校での活動を評価する方法を開発していきたい」と話しています。 明治大学「弊害大きい」 大学入試改革について「どちらかと言えば弊害が大きい」と答えた明治大学は、新入生の学力低下や判定の平等性が担保できないといった問題を指摘しています。 明治大学では昨年度の一般入試の志願者数がおよそ11万人と、4年連続で全国の大学の中で最も多くなりました。 このため10ある学部の受験日をすべてずらし、3つのキャンパスを試験会場にして対応しています。 ペーパーテストではなく面接や小論文などで評価する、いわゆるAO入試を半分の学部で導入していましたが、入学後に学力不足が課題になるケースがあり、縮小する方向です。 今年度実施の入試では2学部に、来年度は1学部のみとなり、学力を把握する入試に転換すると言います。 入試改革の提言が、面接や高校での活動などを通して能力や意欲を評価するよう求めていることについて、明治大学の竹本田持入学センター長は「評価の基準をどう設けるのか。何分面接すれば十分か決めるだけでも難しいうえ、仮に10分としても10万人を超える受験生を面接するのは不可能だ。今のような1点刻みの合否判定には問題もあるが、受験生が自己採点を行って客観的に振り返ることのできる制度のほうが公平、公正だ」と話しています。 "[he-forum 18083] 読売新聞1/17","読売新聞 2014年1月17日付 選考方法見直しの大阪市大 学長に現職・西沢氏  大阪市立大は17日、次期学長兼理事長の選考会議を開き、現職の西沢良記氏(68)を選んだ。橋下徹市長が選考方法の見直しを求め、新しい方法となってから最初の選考で、西沢氏は2期目となる。任期は4月1日から2年間。  市立大では従来、学長選考の前に、教職員による投票で学長になってほしい人を選び、選考会議でこの投票結果が反映されてきた。  しかし、昨年8月に橋下市長が「権限や責任のない教職員が(学長を選ぶ)1票を持つのはおかしい」と反対した。  選考会議は昨年11月に教職員投票の廃止を決めた。今回から10人以上の一般教職員か、3人以上の幹部教職員、または同会議が推薦した教授や外部有識者の中から学長兼理事長を選ぶことにした。今回、推薦があったのは西沢氏だけだった。 "[he-forum 18087] 富山新聞1/20","富山新聞 2014年1月20日付 施設の整備、活用で富山大に最高評価 国立大で全国唯一  富大は文部科学省の国立大法人評価委員会から、全国の国立大法人で唯一、施設の整備・活用を含む部門で最高の評価を獲得した。富大は全国に先駆け、教員が学内の施設を使用する際に課金するスペースチャージ(施設利用課金)制を導入し、安定財源の確保と施設の有効活用を図っていることが評価された。こうしたシステム改革は点数化され、施設整備の補助金が受けやすくなり、キャンパスの耐震化など教育研究環境の充実を加速させている。  全国の国立大は文科省の国立大学改革プランに基づき、法人化の長所を生かした改革を進めている。2010~15年度は第2期中期目標期間に当たり、富大は12年度に▽施設設備の整備・活用▽安全管理▽法令順守―を含む「その他業務運営に関する重要目標」の達成度を図る項目で、5段階中「特筆すべき進捗(しんちょく)状況」とする最高レベルの評価を得た。最高評価は90法人中、富大だけだった。  高評価の要因は富大が12年6月、全教育研究施設約19万8千平方メートルを対象とし、一律に1平方メートル当たり年間千円を徴収するスペースチャージ制を導入したことが挙げられる。使用料は学部ごとに集約され、8学部で年間2億円に上る。老朽化した施設の修繕費として再配分が可能となり、安定財源が確保できた。  さらに今後、各学部の講義室などで稼働率の低い空間を洗い出して新たな研究スペースが必要な教員に割り振ることも検討し、施設の有効活用を目指す。  同様の制度を導入しているのは13年11月末現在、富大のほかに京大と大阪大のみで、平石憲良富大総務部企画評価グループ長は「新年度以降も高い評価を維持していけるよう改革を進めていきたい」としている。  スペースチャージ制導入によるシステム改革は、施設整備費の概算要求の際に文科省が実施する事業評価の点数に反映されている。富大は全てにプラス1点の評価が加わり、13年度は13点満点で10点以上の最高ランク「S」は11事業、5点以上の「A」は3事業を数えた。採択事業数では京大、東北大に次ぐ3番目に多い17事業約200億円に上り、地域への経済波及効果も大きい。  富山市の五福キャンパスでは大学食堂や総合情報基盤センターなどの改修工事が進み、杉谷キャンパスでも旧医学部校舎の総合研究棟、高岡キャンパスでは講義・管理棟などの改修が行われている。小松幸雄富大施設企画部長は「建物の改修で耐震化が進み、学生が安心安全に教育研究に打ち込める環境整備に結び付いている」と話している。 "[he-forum 18088] 福島民報1/16","福島民報 2014年1月16日付 子どもの心のケア支援 福島大が新年度から  東日本大震災、東京電力福島第一原発事故を受け、福島大は平成26年度から5年間をかけて県内の子どものメンタルヘルス支援事業に乗り出す方針を固めた。原発事故の自主避難で父親と離れ離れに暮らしていたり、発達障害などがあったりして心の問題を抱える危険性が高い子どもとその家庭に手を差し伸べる。  福島大は15日、文部科学省から伝達があった平成26年度予算案の運営費交付金の概要を発表し、26年度の事業費約3500万円が計上された。3月で震災発生から3年を迎え、子どもの精神面での問題が一層深刻化する懸念が出ているため事業化した。  臨床心理士やスクールカウンセラー、教員らを対象に研修を実施する。問題を抱える危険性が高い子どもを見極めたり、精神的ケアをしたり、専門機関につないだりする役割を果たすための知識・技術を伝え、支援活動の担い手を育成する。  また、県内で心の問題の状況を疫学調査し、結果を基に適切な支援の在り方を検討する。各専門機関と連携しながら支援活動を推進する。 "[he-forum 18089] 信濃毎日新聞 2014.1.22","http://www.shinmai.co.jp/news/20140122/KT140121ETI090005000.php 信濃毎日新聞 2014.1.22 社説  共謀罪 監視社会にならないか 01月22日(水)  話し合い(謀議)に加わっただけで処罰の対象にする。これが共謀罪だ。  実行していないのに考えたことを罰すれば、憲法が保障する内心の自由を侵す 恐れがある。  にもかかわらず国会でほとんど議論されないまま、昨年、強行採決で成立した 特定秘密保護法に盛り込まれた。非公開の情報を得られないかと話し合っただけ で罪に問われる場合がある。  その共謀罪をテロ対策を名目に広げようとする動きが出ている。政府が、昨年 夏に来日した国際機関の関係者に共謀罪新設を含めた法整備を進めると伝えたこ とが明らかになった。  政府は2000年、テロ対策強化を目指す国連の国際組織犯罪防止条約に署名 した。参加国には共謀罪創設が求められている。  日本の刑事法は、犯罪の実行行為があって初めて罰するのが原則だ。「共謀共 同正犯」という理論があるが、これも実行者がいて初めて、共謀した者に同じ刑 事責任を負わせるものだ。  政府は03年以降、組織犯罪対策として共謀罪を新設する法案を3回、国会に 提出した。日弁連や野党などが「刑事法の基本原則に矛盾する」「捜査が恣意 (しい)的に行われる恐れがある」と反対し、いずれも廃案になった。  それがまた浮上してきたのは、テロ対策を含めた安全保障政策への安倍晋三首 相の強い意思が働いているからとみられる。  共謀罪は、実行行為がないので、物的な証拠がなく、外に見えない罪だ。これ をどうやって取り締まるのか。  一つは密告の奨励だ。特定秘密保護法では、共謀についてだけ自首によって刑 を免除したり、軽くしたりする規定が設けられた。  もう一つは通信傍受の拡大。00年に施行された通信傍受法は、薬物、銃器、 集団密航、組織的殺人の4分野に限って、捜査機関が裁判官の令状を取って電話 やファクス、電子メールを傍受することを認めている。もっと捜査をやりやすく するためとして傍受対象の拡大を警察庁などが求めている。  これらによって監視社会になりかねない。  米国では、国家安全保障局がテロ対策としてインターネットの通信網に秘密裏 にアクセスし、膨大な個人情報を収集していたことが発覚した。国民の強い批判 を受けたオバマ政権は情報収集方法の見直しを余儀なくされた。  日本は同じ道を歩むまい。今度こそ十分な論議が必要だ。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","石田 康博","iscida@nul.nagoya-u.ac.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18094] 神戸新聞1/23","神戸新聞 2014年1月23日付 兵教大83%で全国トップ 国立大の教員就職率  兵庫教育大(加東市)の2013年3月の卒業生172人の教員就職率が、国立大で全国トップの83・1%だったことが文部科学省のまとめで分かった。  文科省が、教員養成系の国立44大学・学部について13年9月末までの就職状況を調査。臨時を含む全国の教員就職率は、前年比0・3ポイント減の61・3%だった。  兵庫教育大の就職は、幼稚園14人▽小学校116人▽中学・高校13人‐の計143人。教員就職率は前年より4・3ポイント増加し、2位の鳴門教育大を7・6ポイント上回った。  兵庫教育大では、採用試験の合格者が下級生に模擬面接や集団討論を指導する取り組みなどを続けており、「今後も学生を支援し、高い就職率を維持したい」とする。  また、同教育大の教職大学院は、現職教員を除いた修了者43人全員が教員になり、初めて教員就職率100%を達成した。(紺野大樹) "[he-forum 18093] 四国新聞1/23","四国新聞 2014年1月23日付 教員就職率66.4%/香川大、昨春卒業生  全国44の国立の教員養成大学・学部を昨春卒業した人の教員就職率(昨年9月末時点)は61.3%だったことが22日、文部科学省の調査で分かった。前年より0.3ポイント下がったが、団塊の世代の大量退職で新規採用が多い状況が続いている。  文科省によると、卒業生1万585人のうち、教員になったのは6485人。うち正規採用が3729人で、臨時採用が2756人だった。教員以外への就職は1957人、大学院への進学が1190人で、953人は未就職となった。  教員就職率が最も高かった兵庫教育大は83.1%で、鳴門教育大が75.5%、滋賀大と愛知教育大が72.8%。最低は岩手大の41.9%で、横浜国立大44.5%、山梨大46.1%と続いた。香川大は66.4%。  国私立の教職大学院25校を昨春修了した人のうち、現職教員を除いた修了生は372人。教員になったのは346人で、教員就職率は93.0%だった。 "[he-forum 18092] 下野新聞1/23","下野新聞 2014年1月23日付 教員就職率71% 宇大全国5位 前年14位から上昇  全国44の国立の教員養成大学・学部を昨春卒業した人の教員就職率(昨年9月末時点)は61・3%だったことが22日、文部科学省の調査で分かった。前年より0・3ポイント下がった。宇都宮大は71・2%で全国5位、東日本ではトップとなった。  宇都宮大の71・2%は前年より6ポイント上昇。全国順位も前年の14位から5位へと大幅にアップした。同大は05年に約38%と全国下位に低迷したことから、教員採用試験対策セミナーや相談体制の充実、学生が学校現場を体験する機会を増やすなど、教員就職率の改善に向け積極的に取り組んでいた。  同大の石田朋靖副学長(58)は「教員就職率が向上し大変うれしく思う。地元の栃木県にできるだけよい教員を送り出すことが宇都宮大の教育学部の役割として、学部も学生も努力してきた成果が出た」と話している。  文科省によると、卒業生1万585人のうち、教員になったのは6485人。うち正規採用が3729人で、臨時採用が2756人だった。教員以外への就職は1957人、大学院への進学が1190人で、953人は未就職となった。 "[he-forum 18091] 岩手日日新聞1/23","岩手日日新聞 2014年1月23日付 ものづくり研究棟完成 岩手大  岩手大(藤井克己学長)が盛岡市上田の工学部構内に建設を進めていた「ものづくり研究棟」の竣工(しゅんこう)式は22日、現地で行われた。県が進める次世代モビリティ(自動車)開発や、地元と連携した人材育成事業をより効果的に進めるため、金型、鋳造、複合デバイス(電子部品)の3分野を集積。実験室などが設けられ、産学連携の下での次世代向けの研究開発拠点形成を目指す。  式には関係機関や地元企業などから180人が出席。藤井学長が「本学の強みの重層的な産学ネットワークと金型や鋳造などの基盤技術を核に、ものづくり技術の高度化、技術融合による実用化促進を実現するため、必要な建屋を設置することとした。地域のものづくり企業と連携しながら新たなイノベーションの創出を目指す」とあいさつ。テープカットを行い、施設の完成を喜び合った。  同大では金型(北上市)、鋳造(奥州市)、デバイス(花巻市)の3サテライトや、学内にも工学部を拠点とした融合化ものづくり研究センターを設置して、ものづくりに関する研究を進めてきたが、今回新たな研究棟に3分野を集めることで、さらなる研究の加速化を図る。  特に、文部科学省の地域イノベーション戦略支援プログラムと、経済産業省の産学連携イノベーション促進事業として二つの事業が採択され、研究が進んでいることから、両事業の拠点としての役割も担う。  研究棟は鉄骨造り2階建てで、延べ床面積は約1300平方メートル。建設費は約3億5000万円で、3分野の実験室や検査分析室などのほか、企業などに貸し出すためのレンタルラボを設置。中央部には屋根付きのオープンスペースも設けられ、発表会や交流の場として活用していく。  既に鋳造分野の実験室は稼働しているが、4月には3分野そろって本格的な活動を開始する。企業などとの共同研究を進め、将来的には次世代の車の試作品発表も視野に入れている。3サテライトは従来と同様に活用していく方針。 "[he-forum 18090] 日本経済新聞中国1/17","日本経済新聞中国版 2014年1月17日付 山口大、学部長の選考方法を変更 学長含む役員会が決定  山口大学は16日、学部長と研究科長の選考方法を変更すると発表した。従来は学部や研究科の教授会が選び学長が追認していたが、4月からは学長を含む役員会が決める。学長がリーダーシップを発揮し、大学全体で将来のビジョンを共有して特色ある大学を目指す。このような選考方法は国立大学法人の総合大学では珍しいという。  役員会は学長と5人の理事で構成する。新たな選考方法は学部、研究科が複数の候補適任者を学長に推薦。学長は所信表明の提出を求め、役員が面接をする。その上で役員会で決定し、学長が任命する。同大には8学部、9研究科があり、一部は学部長が研究科長を兼務している。  また、学部長、研究科長の在任期間は原則4年までとする。従来は任期は2年で再任の限度は学部などがそれぞれ個別に設定していた。4月以降も任期2年は変わらないが再任は1回までとなる。 "[he-forum 18097] 愛媛新聞1/26","愛媛新聞 2014年1月26日付 奨学金返済の若者支援 「考える会」発足  不況や非正規雇用の増加で奨学金の返済が難しい若者らを支援する「愛媛県学費と奨学金を考える会」の発足総会が25日、松山市北持田町の県生活文化センターであった。  考える会は、昨年3月に設立した「奨学金問題対策全国会議」(東京)に連動して発足。共同代表に前愛媛大学長の小松正幸さんと元松山大学長の宮崎満さんが就いた。  考える会は今後、署名活動などを通して給付型奨学金の導入・拡大や無利子化を求めていく。 "[he-forum 18096] 福島民報1/24","福島民報 2014年1月24日付 産学連携拠点 人材育成・確保に力 研究成果、地域に還元  浜通りの復興に向け世界最先端のロボット研究開発拠点などを整備する政府の「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」は、大学や企業の原子力関係の研究所を集積した産学連携拠点の形成を柱の一つに掲げる。国内外の英知を集め、東京電力福島第一原発の廃炉を確実に進めるとともに作業に関わる人材の育成・確保を目指す。  政府視察団は1940年代からプルトニウムの精製が始まり、80年代後半の運転停止までの間に汚染水問題が起きた米ワシントン州の核施設「ハンフォード・サイト」と周辺地域を訪問した。  同地域にはパシフィック・ノースウエスト国立研究所(PNNL)のほか、ワシントン州立大トリシティ分校があり、研究成果を地域の産業振興に生かしている。  PNNLは原子力に関する研究発展を目的に65年に設立された。政府関連プロジェクト以外にも事業を拡大し、現在はエネルギー、環境問題、安全保障、医学など幅広い分野の研究・開発に携わる。高性能のスーパーコンピューターを無料開放し、世界中の研究者と共同研究を展開する。敷地内で約4500人が働く。  ハンフォード・サイトの汚染水問題にも取り組む。土壌中の放射性物質の動きをシミュレーションする研究や近くを流れるコロンビア川のモニタリング、放射性物質の生物への影響、遺伝的調査などを続けている。地域の水産資源であるサケやチョウザメの生態調査、養殖も進めている。  トリシティ分校はPNNLと連携し、生物工学研究に力を入れる。山林のマツから燃料用の濃縮糖を取り出すなど、持続可能なバイオ燃料開発の分野で評価を得ている。ワイン醸造の学科があり、技術を地元農家に広めている。現在、周辺地域はワインの国際的産地となっている。  両施設に接する都市圏の人口は70年に約5・5万人だったが、40年後の2010年に約17・2万人と3倍以上になった。政府は福島第一原発周辺の復興モデルになるとみている。  周辺地域の経済開発のため、地元の経済人らがNPO法人を設立し、企業誘致などを進める。法人役員のガリー・ペーターセンさんは「サイト内の除染が終われば多くの作業員は去ってしまう。地域社会が一つになり、除染が終わった後をどうするか考えることが大切だ」と力を込めた。  視察地は半世紀前から産学連携に取り組み、現在の活力ある地域経済をつくり出した。視察団の一人は「福島では数年で地域経済を復興させたい。構想実現には拠点となる場所に集中してインフラの整備などを急がなくてはならない」と語った。(本社報道部・丹治隆) "[he-forum 18095] 読売新聞社説1/26","読売新聞社説 2014年1月26日付社説 日本版NIH 医療の競争力強化の司令塔に  優れた医学研究を医薬品開発や治療法に結実させる必要がある。日本の競争力強化へ、“医療の司令塔”が果たすべき役割は大きい。  政府は、医療分野の研究開発を支援するため、独立行政法人「日本医療研究開発機構」を創設することを決めた。各省庁でばらばらだった研究支援体制を一元化する狙いがある。  世界の医学研究や創薬をリードする米国の国立衛生研究所(NIH)をモデルに、「日本版NIH」と呼ばれる。政府は関連法案を通常国会に提出し、新法人を2015年4月に発足させる方針だ。  医療分野は成長戦略の柱として期待される。成長の牽引(けんいん)力となるよう、看板倒れに終わらせず、実効性のある組織とすることが肝要である。  新法人は、各省庁の研究開発予算を一括管理し、大学などの研究機関に配分する役割を担う。有望な分野を優先し、基礎研究から製品化までを継続的に支援する。  山中伸弥・京都大教授が作製したiPS細胞(人工多能性幹細胞)に代表されるように、日本の医学の基礎研究レベルは高い。  ところが、医薬品・医療機器の貿易で約3兆円の輸入超過となるなど、医療技術の実用化では米欧に後れをとっている。  基礎研究と臨床応用の間に溝があり、大学などの研究成果が、企業による製品化に結びついていなかったのは問題と言える。  研究開発に対する政府の支援は、基礎分野を文部科学省、臨床研究は厚生労働省、産業化は経済産業省がそれぞれ担当し、時にちぐはぐだ。類似研究に各省が予算を奪い合うケースも多い。  新法人を十分機能させるためには、まず省庁の縦割りをなくし、効率化を図ることが不可欠だ。  新法人の職員は、医療や薬学の民間の専門家などで構成される予定だ。人材確保が難題である。  将来性の高い研究領域を見極め、製品開発に向けて研究機関と企業をどう結びつけるか。「目利き力」が求められよう。  産官学で取り組むべき課題は山積している。日本版NIHの創設はスタートに過ぎない。  基礎研究を偏重しがちな大学の研究者の意識改革を進めるとともに、失敗のリスクが大きい革新的な技術開発を手がけるベンチャー企業の育成も急ぐべきだ。  政府は、日本版NIHを大きく育てて、オールジャパンで医療分野の国際競争力を高める体制を築いてもらいたい。 "[he-forum 18099] 京都新聞1/27","京都新聞 2014年1月27日付 「大学のまち」就活後押し 京都市が推進計画案、14年度から  京都市は、2014年度から5年間実施する「大学のまち京都・学生のまち京都推進計画」案をこのほど策定した。全国トップ水準の大学・学生の集積度を誇る京都の強みを伸ばすため、学生の就職支援や留学生受け入れの促進、学生確保のためのプロモーション強化などに乗り出す。  推進計画は、2009年度に始まった現行計画の改訂版。少子化や競争激化など大学を取り巻く環境が厳しさを増す中で、大学や学生向けの支援策を拡充し、「世界の学生・研究者から選ばれる都市」の実現を目指す。  学生のニーズや社会的な関心が高い地元企業と学生のマッチングを後押しする。企業が学生グループに商品開発などを依頼し、学生の職業観養成や企業情報の発信につなげる。企業が芸術系大学や短大に出向く採用説明会なども企画する。  市は、12年度に6400人だった留学生を17年度までに1万人に増やす方針。目標実現へ、来年度中に大学での京都関連の講義や伝統文化体験を織り込んだ短期留学プログラムを策定し、海外からの留学生を誘致する。  高い技能を持つ国内外の人材を呼び込むため、研究者や芸術家を対象にした京都・高度人材交流拠点(仮称)の設置も検討する。  プロモーション関連では、旅行会社などを通じて中学・高校の修学旅行生向けに京都の主要大学のキャンパスを巡るツアーを開催。学生が中心となるPR活動も始める。  市内には37の大学・短大が立地し、本年度の学生数は同志社大の文系学部流入などにより前年度比7千人増の14万6千人となった。国内全学生の4・9%を占め、市人口の約1割に相当する。市市民協働政策推進室大学政策担当は「大学を生かし、地域活性化につなげたい」としている。市は2月10日まで市民の意見を募り、本年度中に最終決定する。 "[he-forum 18098] 読売新聞1/27","読売新聞 2014年1月27日付 バリアフリー目指せ…大学が本格的に取り組み    和歌山大は、「障害者差別解消推進法」が2016年4月に施行されるのを前に、障害を持つ学生が学びやすいキャンパスの整備に本格的に取り組む。  2月には、学生も加わって学内の実態を調査するなど、大学が一体となって障壁や段差をなくすバリアフリー化を一層進めていく。  和歌山市栄谷の丘陵地に広がる和歌山大のキャンパスには、長く急な坂道や階段など、障害者にとって移動が難しい場所が点在している。大学はこれまで、車いすの学生が入学する際に、要望を受けてスロープを設置するなど対応してきた。  障害者差別解消推進法では、国などに対して公共施設で障害者が壁を感じずに生活できるよう配慮することを義務づけている。そこで、大学自らキャンパスの問題点を調査、解消していく積極的な姿勢をとることにしたという。  2月19日には、自身も車いすを利用し、立命館大学在学中の2010年に福祉コンサルティング会社を設立した垣内俊哉さんを大学に招いてセミナーを開催。参加した学生とともに車いすで学内を巡って調査し、当事者の目線で大学側に改善点を提案する。  また、車いすでも入りやすい多機能トイレやエレベーターなどを分かりやすく図示し、ホームページ上などで公開する「バリアフリーマップ」の作成も進めており、今年3月末までの完成を目指している。  学生支援課の担当者は「学生が調査に関わることで、障害者が暮らしやすい施設作りについて考えるきっかけにしてもらえれば」と話す。  同大学教育学部の江田裕介教授(特別支援教育学)は、「学内には、身体障害者にとって開閉の難しいドアや独力で進みにくい急なスロープもある。学生が相手の立場に立って問題点を発見することで、障害者への理解が深まる」と期待。今回のセミナーにも、ゼミの学生を積極的に参加させるなど協力する。  参加を予定している教育学部3年坂田夏巳さん(21)は「障害を持つ学生も、健常者と同じように楽しくキャンパスで快適に過ごせるように、力になりたい」と意気込んでいる。(伊藤晋一郎) "[he-forum 18102] NHKニュース1/29","NHKニュース 2014年1月29日16時19分 東大初の推薦入試 定員は100人  東京大学は平成28年度入試から導入する推薦入試について、定員は100人とし、書類審査や面接のほか、大学入試センター試験の正答率がおおむね8割に達していることを目安に合格者を決めることを明らかにしました。  東京大学は、国際的に活躍できる多様な人材を確保しようと、後期日程を廃止して推薦入試を初めて導入することを去年、決めていましたが、具体的な選抜方法などが29日発表されました。  それによりますと、募集定員は10の学部で合わせて100人で、各高校から推薦できる人数は男女1人ずつまでです。  提出を求める書類は学部によって異なりますが、高校の調査書のほか、高校での活動を示す書類、それに論文や語学力の証明書などから11月に1次選考を行い、その後、面接と大学入試センター試験の成績を総合的に判断して、翌年2月に合格者を発表するということです。  センター試験の正答率はおおむね8割以上を目安とするとしています。  また、入学後は個別の指導教員を配置して継続的に学習や研究の支援を行い、その生徒の能力を伸ばしていきたいとしています。  東京大学の佐藤愼一理事は「従来型の入試ではすくい上げられなかった、特定の分野に卓越した能力を持った若者を選びたい。推薦入試の導入で高校での人材育成の在り方も変わってほしい」と話していました。  東京大学の推薦入試は現在の高校1年生から対象となり、募集要項は来年7月に公表される予定です。 "[he-forum 18101] 中日新聞福井1/29","中日新聞福井版 2014年1月29日付 バイオ新製品の開発促進 県立大、企業に培養棟開放  産学連携によるバイオ新製品の開発を促進するため、県立大は二十八日、永平寺町松岡兼定島の福井キャンパスの生物資源学部微生物培養棟を企業に開放する「バイオインキュベーションセンター」(FBIC)を開設した。  同大はこれまでも県内の企業と連携し、酒類や魚醤(ぎょしょう)を開発。より企業が利用しやすいように、培養棟の開放を決めた。  企業は、FBICにある微生物の大型培養器や殺菌機などの機材を活用し、新製品の研究ができる。微生物の培養や開発、発酵技術に関する相談を教授らにもちかけることもできる。  開所式では、同大の吉田優一郎理事長が「県内の企業に、培養棟の機能をフル活用してほしい」とあいさつ。入り口に看板を設置した。  活動の第一弾として、FBICの一室を「室次醸造場」(福井市)に貸し出し、同社はノンアルコール魚醤の大量生産を目指した研究に取り組む。  室次醸造場の白崎裕嗣代表は「中小企業がこれだけの研究機材をそろえるのは難しい。機材をいかして大手企業に負けない商品を開発したい」と話した。  (大山弘) "[he-forum 18100] 河北新報1/27","河北新報 2014年1月27日付 大学入試 最後のゆとり世代危機感 来年は脱ゆとり世代参入  本格的な大学入試シーズンに突入し、高校3年の現役生が危機感を募らせている。学習指導要領改定で現役生は「最後のゆとり世代」とされ、ことしを逃すと来年は「脱ゆとり」の高2生が参入するためだ。もっとも来年の入試で現役生が不利になるかどうかは諸説があり、関係者は「情報に流されず、全力を尽くして」とエールを送る。  18、19の両日、受験シーズン幕開けを告げる大学入試センター試験が全国一斉に行われた。  仙台市青葉区の東北大川内北キャンパスで初日を終えた大崎市の女子現役生(18)は「来年から数学と理科の受験科目が複雑になる。ことしのうちに受かりたい」と疲れた表情で話した。  脱ゆとりを目指し2008年度改定された新指導要領は、今の高2生が入学した12年度に数学と理科が先行実施された。センター試験は来年、両教科が新課程対応に切り替わる。  1995年度生まれの現高3生は新課程の対象から外れ、旧課程で授業を受けてきた。経過措置で来年は旧過程の問題も用意されるが、受験生には「授業時間や教科書のボリュームが多い新課程が受験に有利では」との不安が募る。  宮城県高校教育課の担当者は「新課程と旧課程で試験の結果に差が出た場合、大学側がそれを合否判定に反映させるのかどうか現段階では分からない」とみる。  2浪以上すると、経過措置の1年が切れる。センター試験の志願者に占める浪人生の割合は、25年前の4割から現在2割に減った。それでも難関校や医学部を目指し、浪人生活を選ぶ受験生は少なくない。  一方で「出題範囲の広い新課程は問題が難しくなる。経過措置の来年に限れば、旧課程がアドバンテージになる可能性もある」(予備校関係者)との見方もある。  河合塾東北本部(仙台市)の佐々木一幸本部長は「センター試験が振るわなくても、国公立大2次試験直前の追い込みで結果は大きく異なる。今はベストを尽くすことだけを考えて机に向かってほしい」と指導する。  ことしのセンター試験最終日。青葉区の男子1浪生(19)は「有利不利は関係ない。家族に迷惑を掛けないためにも、ことしで終わらせる」と自分に言い聞かせるように話し、川内北キャンパスを後にした。 "[he-forum 18106] 読売新聞1/30(2)","読売新聞 2014年1月30日付 大学成績表、面接前に出して…文系で導入増 「選考には影響しない」…人物理解の手がかりに  文系の学生を新卒採用する際、大学の成績表を面接前に提出させる企業が増えている。  インターネットなどで“面接必勝法”が紹介され、多くの学生が同じことを言う状態になったことを受け、面接官が学生としてやるべきことをやったかどうか見極める材料として注目しているようだ。  2012年の採用活動(13年4月入社組)以降、三井物産や帝人などが面接前の成績表提出制を導入したほか、今後導入を検討している企業もある。  大学や教員によって評価基準が異なるため、多くの企業では成績の良い、悪いで選考は行わない。選考書類に大学名の記入欄がないソニーも提出を求めるが、「成績表をみれば大学名はわかるが、選考に影響しない」(広報)と強調する。  企業側の主な狙いは、成績を面接の話題に取り上げて、知的好奇心や根気など企業人として必要な資質について「学生をより深く理解する手がかりにする」(神戸製鋼所)ことだ。例えば「興味がわかない必修科目にどう対処したか」と聞けば、気が乗らない仕事にどう取り組むかという資質を探るのに役立つという。  日本企業の採用活動は学歴主義から人物本位へと変化してきたが、大学の成績は重視されなかった。それでも理系の学生は面接で専門分野について詳しく問われることが多いが、文系の学生は一般的な話題でコミュニケーション能力を見る面接が中心だった。  帝人は、13年の採用活動から、成績表提出を面接前に早めた。人財開発・総務部の藤本治己部長は「学業に熱心な外国人留学生と比べ、日本人は大丈夫か、という漠然とした不安がある」と話す。今年から導入する三菱商事も、「やるべきことをやってきたかを評価項目の一つに加えたい」と狙いを説明している。(庄野和道)  大手就職情報サイト「リクナビ」編集長の岡崎仁美氏 「『海外の大学生は勉強熱心で即戦力』と喧伝(けんでん)される中、日本の企業も語学力などある程度基礎が身に着き、就職後もきちんと勉強して働く、まじめな生活習慣が身に着いた学生を求め始めた。そこを見極める材料の一つとして、成績表を使ってみようという動きだ。ただ、あくまで人物を見極める道具としての利用であって、(在籍大学が最優先された)学歴主義のような、成績主義にはならないだろう」 "[he-forum 18105] 読売新聞1/30","読売新聞 2014年1月30日付 高校~大学の学費1055万円…政策金融公庫調べ 2004年から111万円増  高校入学から大学卒業までに必要な学費が子ども1人当たり1000万円を超えることが、日本政策金融公庫(東京)の調査でわかった。  調査は、「国の教育ローン」を貸し付けている同公庫が2013年7月に実施。教育ローンを利用した約2万2000世帯に調査票を送付し、4942世帯から回答を得た。  回答を基に、同公庫が入学費用や在学費用を累計したところ、子ども1人当たりの学費は高校で344・6万円、大学で711・2万円となり、高校入学から大学卒業までに1055・8万円かかることがわかった。04年調査では944万円だった。  世帯年収の平均は552・6万円で、12年に比べて5・2万円減。子どもが2人いる世帯では世帯年収に占める学費割合が40・1%となり、比較可能な過去7年分の調査で最高となった。  教育ローン以外での教育費の捻出方法を複数回答で聞いたところ、「奨学金を受けている」(60%)、「節約」(56%)、「子ども本人がアルバイト」(41%)が上位を占め、子ども本人が教育費を工面するため努力している様子が浮かび上がった。  「国の教育ローン」は、低所得者でも利用しやすいよう、民間の金融機関に比べて利用要件が緩やかに設定されている。年間の利用は11万件に上り、その約1割を母子家庭世帯が占める。 "[he-forum 18104] 毎日新聞1/31","毎日新聞 2014年1月31日付 大学中退:7割「1年生でつまずき」  文部科学省が実態把握に乗り出すことになった「大学中退」問題は、これまで「学生募集の障害になりかねない」などとタブー視されてきた面が強かった。だが近年、中退率などを積極的に公表する大学も出始めた。さらに小中学校のような「担任制」を導入して学生にきめ細かく目配りし、中学・高校レベルの学び直し授業を取り入れるなど中退予防策に力を入れる動きも広がっている。  武蔵大(東京都)は2年前からホームページ(HP)で学部ごとに年間の退学者数と中退率を公表している。当初、学内で反対意見もあったが「受験生が知りたい情報」(広報担当者)と公開に踏み切った。九州産業大(福岡県)も2012年度分から各学部の学年別中退者数・中退率をHPで公表。広報課は「高校の進路指導教諭が着目するのは『中退率』と『就職率』とも聞く」と情報発信の重要性を強調する。  中退予防に取り組む大学も少なくない。静岡産業大(静岡県)は10年近く前から学生約10人につき1人の教員が「アドバイザー」として付き、授業への出席率が悪ければ面談して対応策を考える。保護者の協力も不可欠とし、年2回、保護者対象の相談会も開く。担当者は「中退率は経済情勢に左右されることもあり大幅に下げるのは難しいが、できることをやっていくしかない」と話す。  中退には「授業についていけない」という学力不足が要因のケースも多いため、入学前教育や1年生の時にリメディアル教育(中学・高校レベルの学び直し)を実施する大学も増加。日本リメディアル教育学会の11年調査では全大学の7割超が実施している。背景には、大学を選ばなければ入れる「全入時代」になったことがあるとも指摘されている。目的が不明確だったり不本意入学したりするなど学生の意識の問題も大きい。  独自に中退者の実態調査や大学の中退対策支援をしているNPO法人「NEWVERY」(東京都)の山本繁理事長は「経済的な理由よりもミスマッチが主因。対策は急務だ」と指摘する。中退の理由は▽教育内容・方法が合わない▽学力不足で授業についていけない、などが目立ち、中退者の7割近くは大学1年の段階で何らかのつまずきがあるという。山本理事長は「高校の進路指導で、自分に合った大学が見つけられる機会を生徒に提供するとともに大学側も教育内容・方法を在籍する学生に合わせる必要がある」と指摘している。【三木陽介】 "[he-forum 18103] 信濃毎日新聞1/31","信濃毎日新聞 2014年1月31日付 産学連携へ「信大見本市」 長野で3月、最新の研究成果を紹介  信州大(本部・松本市)は3月4日、各学部の教員らが最新の研究成果を一堂に紹介する「信州大学見本市~知の森総合展2014~」を長野市若里の工学部キャンパスで開く。地域に情報発信するとともに、新たな製品や技術の開発を目指す県内企業との共同研究などにつなげる初の試み。新素材や医療・健康、航空宇宙などの理系分野だけでなく、経済学部や人文学部といった文系からの出展もあり、当日は会場に100前後のブースが並ぶ予定だ。  山沢清人学長が委員長を務める実行委員会主催。信大によると、大学が自らの研究成果をまとめて「見本市」形式で披露するのは全国的にも珍しいという。実行委幹事長の杉本渉・繊維学部(上田市)教授は「大学の研究成果は、社会で実際に生かされるべきだ。地域の総合大学として県内企業と一緒に産業を盛り上げたい」としている。  橋本稔・繊維学部教授が開発責任者となり企業と共同開発中で、高齢者や障害者の体に装着して歩行を介助する装置「curara(クララ)」の最新型を展示予定。どのように動くか実演もする。自動車部品メーカーなどと燃料電池自動車に関する共同研究を進める杉本教授や、次世代型電池などの手嶋勝弥・工学部教授らも出展する。  企業の経営戦略づくりなどに生かす経済学部関連のブースや、「人文学部も企業や製品のブランドづくりなどに役立つ研究を紹介したい」(杉本教授)としている。  信大が県内企業と協力して開発し、2月に打ち上げられる信州製超小型人工衛星「ShindaiSat(シンダイサット)」(愛称・ぎんれい)の模型なども特別展示する予定だ。 "[he-forum 18110] 日本経済新聞1/31","日本経済新聞 2014年1月31日付 筑波大、大学教員による推薦入試を導入 16年度にも  筑波大学は2016年度にも、同大の教員が推薦した生徒を面接などで選抜する入試を導入する方針だ。大学の研究室に見学に来たり、教員が出前授業などで出会ったりした優秀な高校生を推薦。書類審査や面談、論文試験などを通じて合否を決める。大学教員が見込んだ「とがった人材」の獲得を通じて、大学の競争力向上につなげる。  新制度の詳細はこれから詰めるが、募集人員は数人になる見込み。推薦した教員を除く複数の教員で面接するなどして透明性を確保する。  推薦入試は通常、高校の校長が推薦するケースが大半で「大学の教員が推薦するのは、国立大学では初めて」(筑波大学)という。文部科学省大学入試室も「こうした制度はこれまで聞いたことがない」と話している。  推薦入試は筆記試験だけでは測れない多様な人材を獲得する狙いで、各大学が導入している。筑波大に推薦で入学した学生の割合は約25%。今後は推薦入試の種類を増やし、定員に対する比率を段階的に40~50%に引き上げる計画だ。  東京大学も16年度から推薦入試を導入予定で、全学部に推薦枠を設け計100人を募集する。 "[he-forum 18109] 信濃毎日新聞2/3","信濃毎日新聞 2014年2月3日付 信大法科大学院、募集停止検討 司法試験合格率低迷で  信州大(本部・松本市)が、法曹(弁護士、検察官、裁判官)を養成する同大法科大学院(大学院法曹法務研究科・松本市)について、早ければ2015年度に入学者の募集を停止する方向で検討していることが2日、分かった。募集が停止されると、既に廃止された法科大学院を含め、全国で10例目。国立大では島根大に続き2例目となる。同大学院修了者の司法試験合格率が低迷していることや、入学者の確保が難しくなっていることなどが理由とみられる。  司法試験をめぐっては、法科大学院を修了しなくても受験資格を得られる予備試験の受験者数が増加するなど、法科大学院離れが進んでいる。さらに、国が12年度から法科大学院に対する補助金を司法試験合格実績や入試競争倍率に応じて減額するなど制度改革を進めていることも、信大が募集停止を検討している背景にありそうだ。  信大法科大学院は県内唯一の法科大学院として、経済学部を母体に05年に設立。定員40人の3年課程で始まり、11年に主に法学系学部の卒業者を対象にした2年課程を新設した。  県内で弁護士活動を志す受験者を優先的に選抜する「地域」枠を設けるなど、地域に根差した法曹の養成に力を入れてきたが、司法試験の合格率は低迷。13年度の合格者は5人で合格率は10・0%となり、全国平均の26・8%(法科大学院を経由しない人を含む)を大幅に下回り、4年連続で全国平均の2分の1未満だった。同大学院修了者の司法試験合格者はこれまで22人。  入学定員は10年に18人に削減したが、13年度の入学者は定員の56%に当たる10人にとどまっていた。  同大学院は、募集停止前に入学した学生については、信大内の学習環境を維持していく考え。  法科大学院は司法制度改革の一環として04年に導入された。現在全国に73校あるが、4校が学生募集を停止し、4校が停止を決定。これ以外に1校が13年3月に廃止されている。 "[he-forum 18108] 福井新聞1/31","福井新聞 2014年1月31日付 教職員給与減で福井大は争う姿勢 福井地裁で第1回口頭弁論  教職員の給与を減額したのは不当として、福井大教職員組合の教職員13人が、国立大学法人福井大に減額分約1300万円の支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が30日、福井地裁であった。同大は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。  同大は答弁書で、国立大学として存続していくために「教育の質保証と個性・特色の明確化」が求められている一方、国からの運営費交付金は削減されるなど、大学を取り巻く厳しい状況を説明した。詳細については次回までに書面で認否、反論するとした。  原告団長の山根清志・同大教育地域科学部教授が意見陳述し「被告は、教職員の生活への打撃を顧みず、大幅な給与減額を一方的に強行した。教職員は労働に関して無権利状態になりかねない」などと訴えた。島田広弁護団長は「賃金など労働者にとって最も重要な労働条件の不利益変更は『高度の合理性』が必要」と述べ、被告に具体的な立証責任があると主張した。  訴状によると同大は、2012年からの国家公務員の給与減額に合わせ、教職員の給与を4・35~9・77%引き下げたとしている。原告の教職員は、12年6月から13年9月までの減額分の給与や、退職金の減額分などの支払いを求めている。  弁護団によると、同大の教授ら5人が追加提訴する予定という。 "[he-forum 18107] 神戸新聞2/2","神戸新聞 2014年2月2日付 新薬開発へ産学連携加速 製薬各社、京大と協力  画期的な新薬の開発を目指し、製薬各社が京都大と手を組んだり、独自の研究拠点を開設したりする動きが活発化している。製薬会社や医薬品分野の研究機関が集まる関西の地の利を生かし、新薬開発のスピードを上げる考えだ。  ノーベル賞を受賞した山中伸弥京大教授が生みの親の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、新薬を開発するプロジェクトも動きだす。  京都市左京区の京大に昨年3月に完成した「メディカルイノベーションセンター棟」。その一室で、白衣を着た田辺三菱製薬と京大の研究者が一緒になって慢性腎臓病の新薬開発に取り組む。  病気の進行を止め、腎臓の機能を回復させる新薬の開発に成功すれば、負担が大きい人工透析を受ける患者にとって朗報だ。同棟の他の部屋でも武田薬品工業、大日本住友製薬、塩野義製薬がそれぞれ京大と、がんや精神疾患などの治療薬の開発を進めている。  センターの運営や研究には京大病院の医師が関わる。田辺三菱の成田寛研究企画部長は「いつも患者に接している医師の意見を取り入れて研究を進めることができる」と話す。  関西に研究拠点を増やす企業も出てきた。大日本住友は再生医療の研究を強化するため、神戸市中央区のポートアイランドに新施設を開設する。地元に拠点を持つベンチャー企業と組み、iPS細胞を利用して目の疾患の新薬を開発する。  大日本住友の木村徹再生・細胞医薬事業推進室長は「この分野で1番手になる」と意気込む。  ロート製薬は、京都府木津川市の「けいはんな学研都市」にある「ロートリサーチビレッジ京都」に再生医療の研究施設を設けた。  新薬開発の環境整備も進む。独立行政法人の医薬品医療機器総合機構は昨年10月、大阪駅北側「うめきた」のグランフロント大阪に関西支部をオープン。医薬品承認の制度に詳しい担当者が常駐し、臨床試験が円滑に進むよう助言をしている。  ポートアイランドにはスーパーコンピューター「京」があり、塩野義は大阪府豊中市の医薬研究センターで、京を新薬開発に生かせるか検討している。 "[he-forum 18112] 日本経済新聞2/5","日本経済新聞 2014年2月5日付 東大の入試改革、「妥当」が50% 第165回 編集委員 大石格  東京大学が一芸に秀でた高校生を推薦で入学させる入試改革をどう思うか。電子版読者の50.6%が「妥当な判断だ」との回答でした。重視すべき基準では「科学・数学五輪などでの好成績」を選んだ読者が過半数を占めました。  回答からは科学分野を伸ばさないと日本の将来は危ういという読者の危機感がうかがえます。  理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーがSTAP細胞をつくり出したことで、リケジョ(理系女子)に注目が集まっています。  割烹(かっぽう)着姿などが話題になっていますが、ここまで大騒ぎになっているのは、科学の常識を塗り替えるかもしれない発見を工学博士になったばかりの30歳でなし遂げたという要素もあると思います。  「妥当な判断だ」とする読者のコメントです。 ○グローバル化を考えれば妥当な判断(46歳、男性) ○学生の多様化は大学の活性化につながる(54歳、男性) ○海外の上位校も推薦入試をしている(47歳、女性)  推薦入試かどうかは別にしても、日本のものづくりを勢いづけることのできる何かを読者は望んでいるのでしょう。「やってみてダメならば直せばよい」(48歳、男性)というとりあえずの支持もありました。  もっとも、推薦入試を主にするという回答を選んだ読者は少数でした。米国の主要校はSATなど何度でも受けられる全米統一の学力テストで絞り込み、あとは高校の推薦状などの書きぶりで選抜するところが多いのですが、そこまでいくのはいきすぎということのようです。  推薦反対も44.4%いました。 ○推薦入試には不正がつきもの(65歳、男性) ○今回の基準を満たす高校生は現状の入試で合格できる(54歳、女性)  東大が提唱したのに他大学の賛同があまり得られなかった9月入学と同じく、東大の焦りが感じられるという指摘がありました。  推薦入試の賛成派からも反対派からも「入試改革よりも、努力しないと卒業できないカリキュラムにすべきだ」という意見がたくさんあったことを紹介しておきます。 推薦の基準で圧倒的に多数だった「科学」を選んだ読者のコメントをみましょう。 ○天才を拾うには理系重視でよい(53歳、男性) ○客観的な基準でないとダメだ(62歳、男性)  「その他」ではどんな基準が多かったでしょうか。 ○社会に貢献するモチベーションの高い人材(44歳、男性) ○人柄が良好であること(47歳、女性) ○論理的な思考力(38歳、男性) ○コミュニケーション力(57歳、男性) ○集中力(37歳、男性)  どれも社会で活躍するのに重要な能力ではありますが、客観的に測れなさそうなものが多く、世間は納得しないような気がします。  日本の大学は国際競争の荒波を乗り切っていけるのか。否定的な意見が多数でした。 ○場当たり的な改革をしている(51歳、男性) ○大学の数が多すぎる(47歳、男性) ○もっと国際化することが必要だ(54歳、女性) ◇  安倍内閣の支持率は64.6%でした。前週に8.1ポイント下降した際、「特に要因は思い当たらない」と指摘しましたが、さらに3.1ポイント下げてしまいました。昨年12月に60%台が続きましたが、その頃の水準に戻ってしまった感じです。 "[he-forum 18111] 佐賀新聞2/4","佐賀新聞 2014年2月4日付 産学官連携の近況報告 佐賀大・佛淵学長  九州経済連合会(麻生泰会長)の佐賀地域委員会(委員長・陣内芳博佐賀銀行頭取)が佐賀市内で開かれた。佐賀大学の佛淵孝夫学長が県内の産学官連携の取り組みなどについて講演し、会員間で意見を交換した。  佛淵学長は統合10周年を迎えた昨年、国立大学で2番目となる美術館を設立し、盛況を博していることなど近況を報告。産学官連携については理系学部だけでなく、文系学部でも観光開発などリンクできる学問・研究があるとし、「積極的に活用してほしい」とアピールした。  また、整形外科医として取り組んだ人口関節や電子カルテなど医工連携の実例を紹介。「身近なニーズに応えるべく専門や大学の垣根を越えた有機的なネットワークの輪を広げ、地域活性化に貢献したい」と意欲を示した。  意見交換では「ハイテクよりもローテクという指摘にヒントを得た」とする意見などが出され、佛淵学長は「巨額の資金がなくても、アイデアプラス技術で何かを生み出すことができる。情熱こそが大切で、夢を熱く語りアイデアを出してほしい」と呼び掛けた。 "[he-forum 18116] NHKニュース2/1","NHKニュース 2014年2月1日19時9分 大学進学 強まる「地元志向」  NHKが全国のおよそ200の大学にアンケートを行ったところ、地元から進学してくる若者が増えていると答えた大学が60%に上り、地元志向が高まっていることが分かりました。  専門家は「不況や就職難の影響で、就職に有利かどうかを重視して大学を選ぶ傾向が強まり、資格の取得につながる学部が地方に増えていることが背景にあるのではないか」と指摘しています。  NHKは全国の主な大学201校を対象にアンケートを行い、84%に当たる168校から回答を得ました。  この中で、大学の所在地と同じ都道府県から進学してくる若者が10年前と比べて増えているかどうか尋ねたところ、「減っている」と答えた大学は45校で27%だったのに対し、「増えている」という大学は102校と61%に上り、若者の地元志向が高まっていることが分かりました。  その理由については、「経済的な要因」と考えている大学が最も多く38%、次いで「学生や保護者の志向の変化」が25%、「教育内容の充実」が7%、「就職に有利なため」が6%でした。  これについて、大学入試に詳しいリクルート進学総研の小林浩所長は、「長く続いた不況や就職難の影響で、進学費用や就職に有利かどうかを重視して大学を選ぶ傾向が強まってきた。看護や栄養学など資格の取得につながるような学部が地方に増えてきたことも、背景にあるのではないか」と話しています。 "[he-forum 18115] 信濃毎日新聞社説2/6","信濃毎日新聞社説 2014年2月6日付 法科大学院 制度の空洞化を見直せ  相談するなら人の痛みが分かり、幅広い視野を持った弁護士がいい。多くの人がそう思うだろう。  旧来の1回の司法試験による法曹(弁護士、検察官、裁判官)の選抜は、受験技術優先の傾向が顕著といわれた。そこで司法試験の前に広い分野の人たちを対象に実務の素養を学ばせることにした。それが法科大学院である。  ことしは創設10年。新制度は根本的な見直しが必要だ。  入学者の募集を停止する大学院が相次ぎ、廃止する所も出ているためだ。2005年開設の信州大も15年度以降の入学者の募集を停止する方向で検討している。停止すれば、全国に74校あった大学院のうち既に廃止された1校を含め全国で10例目になる。  主な理由は、志願者の減少と司法試験合格者の低迷だ。信大の場合、40人だった定員を段階的に減らし18人にしたが、本年度の入学者は10人にとどまった。全国でも9割余の大学院が定員割れだ。  志願者減少は、法曹希望者自体が減っていることもあるが、法科大学院を経ないで司法試験の受験資格を得る予備試験を選択する人が増えたのが大きな要因だ。  予備試験は、経済的事情で法科大学院に通えない人たちの例外的措置として11年度に始まった。大学院修了者と同等の学識、応用能力などを判定するとしている。  受験者全員の経済的事情を測るのは困難だとして、誰でも受験できるようにした。このため、3年間(法学系学部卒業者は2年)大学院に通うより、時間と費用を節約できるとの見方が広がった。  昨年、全国の法科大学院の志願者が約1万4千人だったのに対し、予備試験の志願者は1万1千人余と肩を並べるほどになり、「例外」とは呼べなくなった。法科大学院在学中に予備試験を受験するという、本来の趣旨と矛盾する学生も少なくない。  しかも、司法試験の合格率は昨年の場合、法科大学院修了生が平均25・8%なのに対し、予備試験を経た受験者は71・9%と大幅に上回っている。司法試験で問う中身が旧来とあまり変わらず、大学院に行かなくても十分太刀打ちできることを意味している。  これでは、受験技術偏重を排する法科大学院創設の意義は空洞化してしまう。多様な人が法曹になるため、経済的事情を考慮するのは大切だ。それが抜け道にならないよう、授業料の減免や奨学金の拡充など大学院進学に向けた配慮を厚くするべきだ。 "[he-forum 18114] 茨城新聞2/6","茨城新聞 2014年2月6日付 取手の病院に医師派遣 筑波大、市医師会と協定  筑波大(つくば市、永田恭介学長)と取手市医師会(真壁文敏会長)は5日、同医師会が運営する取手北相馬保健医療センター医師会病院(取手市)に同大から3人の教員(医師)を派遣し、寄付講座を設置することで合意した。全国平均の7割にとどまる取手・竜ケ崎医療圏の医師不足に対応するためで、地域医療を学ぶ若手医師の育成にも務める。  寄付講座は医師会病院内に筑波大付属病院のサテライト拠点を設けて設置される。期間は4月1日から2019年3月末までの5年間。  教員(医師)は筑波大が現在、全国から公募しており、4月から教授、准教授、講師の3人が常勤で働く予定。人件費などの費用は年間4500万円で同医師会が寄付。3人は現地で患者の診療に当たるとともに、医学生や研修医を受け入れて指導し、さまざまな症例を学んでもらうことで地域医療を志す人材を育てる。  寄付講座設置の協定書締結式は5日、筑波大で行われ、永田学長は「医師会病院を県南地域の教育研究拠点と位置付け、この地域の医療の充実と強化を図りたい」、真壁会長は「人材が限られている中で、画期的な取り組み。地元の人にとっても無上の喜び」と語った。  筑波大付属病院は2009年以降、県内各地の中核病院と連携し、今回のようなサテライト拠点を北茨城、日立、ひたちなか、水戸、土浦、神栖など各市に開設しているが、医師会と提携するのは初めて。取手市医師会は取手や守谷市の開業医で構成。医師会病院の病床数は215床。 "[he-forum 18113] 千葉日報2/6","千葉日報 2014年2月6日付 千葉大の在り方考える 教養科目再編方針も示す 大学改革シンポ  千葉大学のこれからの教育の在り方を考える大学改革シンポジウムが5日、千葉大けやき会館(千葉市稲毛区)で開かれた。時代の変化に合わせた大学の方向性について議論。主体的で能動的な学生の自己学習を目指し、教養科目の再編方針も示した。  シンポジウムは社会に求められる大学の在り方について考えようと毎年開かれ、5回目。この日は約220人が来場した。  開会に際し斎藤康学長は「教育の本質は変わらないが、時代とともに手法は変わる」とあいさつした。  基調講演では、中岡司・文科省大臣官房審議官が大学の統治機構の改革や国際化への対応の必要性などを強調。放送大学(同市美浜区)の白井克彦理事長は、少子高齢化や大学の大衆化など社会構造の変化に伴い多くの学生は学習意欲が低下しているとして「主体的に学ぶ動機付けには初年次教育の重要性もさることながら、海外に行くなどの社会体験が大切。企業と連携して目的意識を高める取り組みも重要となる」と訴えた。  その後、千葉大の長沢成次理事が、イングリッシュハウスや高等教育研究機構の設置など、斎藤学長が中心となって進めてきた近年の千葉大の教育改革について報告。グローバル化などに対応する文理融合型教育を検討するとともに、2015年度に向けて、中核的な教養科目を再編し、副専攻科目として新たに「国際日本学」と「コミュニティ再生・ケア学」を整備する方針を示した。  公開討論会も開かれ、教育関係者とともに学生も参加。付属図書館が中核となって、考える学生を育成するアカデミック・リンクの取り組みや、教養教育の在り方などについて意見を交わした。 "[he-forum 18117] 大分合同新聞2/7","大分合同新聞 2014年2月7日付 連携協定を締結 県教委と大学・短大7校  県教委は教員養成課程を持つ県内の大学・短大7校と「連携協力に関する協定」を締結。6日に大分市で初の連絡協議会を開いた。現職教員の資質向上につなげるとともに、学校現場が抱える課題に対応できる即戦力の教員志望者を育ててもらう狙い。情報を共有し“助言”を踏まえて教員研修を高度化するほか、各校の教員養成カリキュラムの見直しを進め、県教育力の向上につなげたい考えだ。  7校は▽大分大▽立命館アジア太平洋大▽日本文理大▽別府大▽県立看護科学大▽県立芸術文化短期大▽別府大短期大学部。1月に協定を結んだ。  協議会では、野中信孝教育長が「今後10年間で約半数の教員が定年を迎え、若手教員の育成は急務となっている」とあいさつ。主に小中学校の教員に見られる課題について説明した。  県教委によると、小学校では教科指導で特定教科だけが得意だったり、文系出身で理科の実験・観察に関する技能や経験が不足している教員がいるといった課題があるという。  このほか、教員養成カリキュラムで力を入れるべき課題として(1)いじめ、不登校などに的確に対応できるよう、相談に応じるカウンセリング力、生徒指導の実践的スキルの向上(2)発達障害がある児童・生徒への適切な対応や効果的な学習支援―などを挙げた。  県教委はこれまで、大分大と協定を結んでいたが、全県的な取り組みに拡大するため7校に広げた。河野盛次教育次長は「県教委だけでは不十分だった人材育成の体制をより強化し、県民に信頼される教育組織を目指す」としている。 "[he-forum 18119] 北国新聞2/8","北國新聞 2014年2月8日付 奥能登へ医師派遣継続 金大と金沢医科大  金大と金沢医科大は、能登北部地域(奥能登)への医師派遣を来年度以降も継続する。両大に医師を派遣してもらうため県が設けた寄付講座は今年度末で終了するが、引き続き診療支援を行うことで県と合意した。内科、外科などで今年度までと同規模の医療体制を維持し、医師不足が深刻な奥能登で「切れ目のない医療」の提供に努める。  奥能登への医師派遣は2010年度から、両大合わせて六つある県の寄付講座を通じて実施されてきた。寄付講座に所属するスタッフが診療支援として派遣される。  今年度は12年度と同じ、常勤15人と非常勤12人の計27人が、公立4病院(市立輪島、珠洲市総合、公立穴水総合、公立宇出津総合)を中心に派遣されている。  また、公立能登総合病院には常勤医4人が配置されており、同病院から奥能登の病院へ非常勤医師を派遣できる副次的効果も生まれている。  臨床研修後に一定期間、県内勤務が義務づけられている金大医学類特別枠の医師が誕生するのは17年度から。県では寄付講座が終了した後、17年度までの「空白の3年間」の医師確保が課題となっていた。  来年度以降も両大の協力を得られることが決まり、県は「奥能登の地域医療に空白を生じない体制が維持できる」(地域医療推進室)としている。 "[he-forum 18118] 産経新聞静岡2/10","産経新聞静岡版 2014年2月10日付 「東照宮の価値 世界へ」 静岡大と文化財調査など協力  久能山東照宮(静岡市駿河区)と静岡大学は、東照宮博物館が所蔵する文化財の調査や東照宮周辺の環境保全など7項目に関する協定を締結した。  76種191点の重要文化財を筆頭に、約2200点の文化財を有する東照宮博物館には、現在3人の学芸員が勤務。だが、専門分野が古文書の解読などに偏っており、すべての文化財については歴史的な価値を評価しきれていないのが現状だ。館長を務める落合偉洲(ひでくに)宮司は「文化財はただ存在するだけでは意味がない。東照宮もキャンパスの一部として多くの方に研究していただければ」と期待を込める。  文化財の調査は同大学の人文社会科学部と情報学部、植生や自然環境の調査は理学部と農学部、防災面では防災総合センターの専門家に委嘱する予定。東照宮側は学芸員資格の取得を目指す学生の博物館実習を受け入れる方針だという。伊東幸宏学長は「東照宮は大学にとっても研究テーマの宝庫。県の宝、国の宝である東照宮の価値を世界に発信していきたい」と話した。  現時点で調査が依頼されたのは、慶長16(1611)年にスペイン国王フェリペ3世から徳川家康に贈られた「洋時計」。文字盤の下に作者とされる「ハンス・デ・エバロ」の名前が刻印されたプレートが貼り付けられているが、平成24年5月に来日した大英博物館時計部門責任者のデービッド・トンプソン氏は「プレートの下に真の作者名が刻まれている可能性が高い」と指摘していた。今後同大学の電子工学研究所(浜松市中区)で、放射線などを利用した非破壊検査が可能かどうかを検討していくという。 "[he-forum 18122] 読売新聞京都版2/11","読売新聞京都版 2014年2月11日付 近畿の13国立大、災害時協定~備蓄情報共有や教職員派遣  近畿の全国立13大学が10日、大規模災害時などに相互に物資を提供したり教職員を派遣したりする協定を京都大(左京区)で締結した。東日本大震災後、九州、東北、中国・四国の各地域の国立大で同様の協定が結ばれており、4例目。  締結に参加したのは京大のほか、▽滋賀▽滋賀医科▽京都教育▽京都工芸繊維▽大阪▽大阪教育▽兵庫教育▽神戸▽奈良教育▽奈良女子▽和歌山▽奈良先端科学技術大学院――各大学。  13大学は、食料や水の備蓄情報などを日頃から共有し、自然災害や、新型インフルエンザなどの重大な感染症が起きた際に提供し合う。また、授業再開などに向けて教職員を派遣する。  この日の締結式には各大学の学長らが出席。京都大の松本紘学長は「東南海、南海地震などがいつ起きてもおかしくない。的確、迅速に支援し合えるよう努めたい」と話した。 "[he-forum 18121] 日刊ゲンダイ2/9","日刊ゲンダイ 2014年2月9日付 大手企業の新卒採用 「成績重視」のウソ  三菱商事や富士通などの大手企業が、新卒採用で大学の成績を重視すると報じられています。これまでは大学の成績評価を信頼していなかったからです。では、見方を変えたのかといえば、そんなことはないようです。IT企業の人事課長がこう言います。 「エントリーシートだけでは学生の本質は見抜けない。成績表を見てどの程度努力してきたのか、不得意なものは何かを見て、書類選考の参考にしている」  もちろん、成績は大学間で差があり、評価が甘い可能性もありますから、うのみにしているわけではありません。あくまで学力レベルのふるい分けに利用すると語るのは、商社の採用課長です。 「書類選考後に筆記試験を実施しているが、高卒程度の学力すらない学生も少なくない。会場の受け入れ人数に制限があり、英語など基礎科目の成績を見て、最低の学力レベルをクリアできそうな人を選ぶ」  成績表を早期離職の指標にしていると語るのは、小売業採用課長です。 「最低評価が多いとか、1年次より成績が下がっている場合は、長続きしないのではと思う。コンスタントに高い成績を維持している人は真面目という印象を抱く」  もちろん、理系学生の場合は文系以上に成績重視。精密機器メーカーの採用部長は「理系といっても以前に比べて数学、物理、化学の知識が弱い学生が多い。専門科目よりも重視している」と言います。結局、大学での成績、特に専門科目などについて評価が低い実態に変わりはないのです。 (溝上憲文=人事ジャーナリスト) "[he-forum 18120] 福島民報2/11","福島民報 2014年2月11日付 福島大の次期副学長候補 功刀氏ら5人内定 次期学外理事候補は青柳氏  福島大は10日、任期満了に伴う次期副学長候補者5人を内定した。任期は4月1日から2年。  次期副学長は、総務担当に功刀(くぬぎ)俊洋副学長(59)を再任。学務担当に三浦浩喜人間発達文化学類教授(53)、教育担当・総合教育研究センター長に神子博昭経済経営学類教授(61)を新任した。功刀、三浦、神子の各氏は理事を兼務する。  理事を兼務しない副学長として、研究担当・付属図書館長・総合情報処理センター長に千葉悦子行政政策学類教授(61)を新任、地域連携担当・地域創造支援センター長・国際交流センター長に小沢喜仁共生システム理工学類教授(59)を再任した。  功刀氏は平成10年に行政社会学部教授に就き、行政政策学類長などを歴任した。三浦氏は20年に人間発達文化学類教授となり、同大教育研究評議員を務める。神子氏は16年に経済経営学類教授に就任し、同大教育研究評議員を務めた。千葉氏は8年に行政社会学部教授に就任し、行政政策学類長などを歴任した。小沢氏は16年に共生システム理工学類教授に就き、18年から2年間、副学長(研究担当)を務めた。  次期副学長は中井勝己次期学長の意向を踏まえ、入戸野修学長が各学類の候補者から選んだ。    ◇  ◇  福島大は10日、任期満了に伴う次期学外理事候補者に元東邦ビル社長の青柳隆夫氏(64)を再任した。  青柳氏は昭和48年に東邦銀行に入行し、総務部長、取締役東京支店長などを歴任した。任期は4月1日から2年。 "[he-forum 18124] 北海道新聞社説2/12","北海道新聞社説2014年2月12日付 日本版NIH これで医療の司令塔か  政府は、医療の研究開発の司令塔となる「日本版NIH」構想をまとめ、今国会に関連法案を提出する。  米国立衛生研究所(NIH)を参考に、医療研究予算を一元管理し、大学など研究機関への配分や実用化までの支援を担う。2015年度の開設を目指す。  予算や組織を集約し、基礎研究と臨床研究の融合に力を入れれば、治療法や新薬の開発が格段に進む。米NIHが、がん治療で成果を挙げていることからも明らかだ。司令塔的な役割を持つ組織は必要だ。  残念なのは構想の策定過程で省庁の抵抗に遭い、権限の集中が十分でなかったことである。予算規模も当初案の3分の1に縮小した。  これでは研究支援が強化されるどころか、かえって組織が複雑化し、調整に手間取りかねない。政府は構想そのものを再検討すべきだ。  NIH構想は、総合戦略を決める政府の「健康・医療戦略推進本部」と、戦略に基づいて研究費を配分する独立行政法人「日本医療研究開発機構」の設立が柱だ。  現在、医療研究予算の所管は厚生労働省や文部科学省、経済産業省に分かれている。バラバラに戦略を立てていたため重複が多かった。  医療関係の学会などが予算や組織の集約によるムダの削減や、効率化を求めているのは当然だ。  だが、文科省の科学研究費補助金や厚労省の国立高度専門医療研究センターなどには切り込めなかった。機構の年間予算も約1200億円、職員も約300人にとどまった。  年間約3兆円の予算と約1万8千人の職員を擁する米国の「本家」とは比べようがなく、NIHを名乗るには看板倒れと言わざるを得ない。  構想が安倍晋三政権の成長戦略に組み込まれたのも問題だ。  日本は医薬品や医療機器の貿易で約3兆円の輸入超過という。政府や財界にはNIHを貿易収支の改善に利用しようという動きもある。  売れる薬品の開発など市場性ばかり重視されれば、研究がいびつになる。患者が少ない難病研究がおろそかになってはならない。  症状が重く、最も医療の手助けを必要とする患者の要望に沿った研究を後押しする組織でなければ、国民の信頼は得られないはずだ。  研究支援に当たって何よりも大切なのは多様な知識と経験の蓄積だ。  機構の職員には医学や薬学だけでなく、経済学、倫理学など幅広い分野の人材確保と養成が欠かせない。  患者のために、実用化への道筋も確かにする必要がある。国は、研究成果を製品化につなぐベンチャー企業の育成も視野に入れた対策を講じなければならない。 "[he-forum 18123] しんぶん赤旗主張2/13","しんぶん赤旗主張 2014年2月13日付 安倍流「大学改革」 大学自治の骨抜きを許すな  安倍晋三政権は、産業競争力強化のために「大学のガバナンス改革を推進する」として、「大学の自治」の保障である教授会の権限を制限するための学校教育法改定案を、今国会にも提出しようとしています。「学問の府」である大学のあり方をゆるがす重大問題です。 教授会の審議を制限  ガバナンス改革の方針を示した12日の中央教育審議会(文科相の諮問機関)大学分科会の「審議まとめ」は、教授会の審議事項が「経営に関する事項まで広範に及んでおり、学長のリーダーシップを阻害している」とし、教授会の審議事項から経営に関することをいっさい排除することを打ち出しています。学校教育法93条は、「大学の自治」の保障のために「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない」と定めています。この「重要な事項」を教育課程の編成など、限られた事項に制限するというのです。  しかし、大学の経営は、組織・予算・人事に関する事項が中心であり、それは教育研究のあり方と不可分です。教育研究に直接責任を負う教授会が審議に参加してこそ、適切な判断が可能となります。教授会審議の「重要事項」に経営も含まれることは、政府も国会答弁で認めています(参院文教科学委員会2003年7月8日)。経営に関わる審議から教授会を排除することは、学長による上意下達の運営を強め、教育研究への教職員の自主性と活力を損なうだけです。  世界では、教職員が予算配分も含む大学の意思決定に参加する権利を持つことが大学自治の原則とされています(ユネスコ「高等教育の教育職員の地位に関する勧告」)。教授会の審議事項の制限は、こうした原則にも反します。  「審議まとめ」は、教職員の選挙による学長選出についても「過度に学内の意見に偏る」として見直しを求め、「投票の結果はあくまで参考の一つ」にし、投票結果にもとづかない選出を促しています。京都大学や大阪市立大学で起きている、学長選挙廃止の動きを全国に広げるものです。  しかし、教職員の信任抜きに、学長がリーダーシップを真に発揮することはできません。教授会を基礎にした運営と学長選挙は、ともに「学問の府」にふさわしい自治のあり方として歴史的に形成されてきました。これを崩すことは「大学の自治」を骨抜きにし、自主的に改革する活力を奪うことになります。  大学分科会では、財界関係者が執拗(しつよう)に学校教育法改定を求めました。経団連や経済同友会は、教授会の「諮問機関化」や学長選挙廃止とともに、大学の再編・統合、国立大学の学費値上げ自由化などを求める「提言」をまとめています。学校教育法改定の狙いは、こうした財界の意に沿う「改革」を各大学で学長が推進する際に、その障害となる教授会を抑えこむことにほかなりません。 財界いいなりでよいのか  大学は真理の探究の場であり、教育研究を通じて国民に対する責任を負っています。そのために「学問の自由」と「大学の自治」が認められているのです。それが骨抜きにされ、政府・財界いいなりの「大学改革」をすすめるなら、大学は国民への責任を果たせなくなります。「大学の自治」を守る共同を広げることが期待されます。 "[he-forum 18127] 時事通信2/17","時事通信 2014年2月17日19時21分 高卒認定試験と同レベルに=達成度テスト・基礎の概要案-中教審部会  中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の高校教育部会が17日あり、在学中の基礎学力を測るために新たに導入する達成度テスト(仮称)の「基礎レベル」の概要案が示された。難易度は文科省が現在実施している「高卒程度認定試験」と同程度とし、二つの試験の統合も視野に入れるなどの内容。同日の議論を踏まえて、3月中に高校教育の質向上のための報告書をまとめる予定。  同案によると、高校2、3年の希望者を対象に年2、3回実施する。マークシート方式が原則だが、一部で記述式解答の導入も検討。成績は段階別に表示し、生徒の指導改善に活用するほか、大学が推薦・AO入試に利用できるようにする。 "[he-forum 18126] 産経新聞主張2/18","産経新聞主張 2014年2月18日付 大学の質低下 文科省の責任も問われる  少子化で受験人口が減る中で、大学教育の質低下が顕著になっている。文部科学省が新設大学などを対象にした調査では、英語の授業で中学程度の基本的な文法を教えている大学もあった。文科省と大学は高等教育の教育改革に真剣に対応してもらいたい。  文科省は、大学設置認可後に、授業内容や教員組織の整備など運営が適切か調べる「設置計画履行状況調査」を行っている。平成25年度の調査では、対象の大学・短大や大学院528校のうち、教員数が設置基準に満たないなどとして半数が改善を要求され、改善計画の提出を求められた大学も1割近くある。  中には受験生のほとんどが合格しており、英語の授業で中学で教えるbe動詞など基本的な英文法を教えている大学があった。「入学選抜機能が働いているとは考えられない」として、入試改善とともに入学後の補習などを整備するよう求められた。  いま、こうした教育の質低下の問題は、一部の大学だけの話ではない。英語のほかにも分数などの中学レベルの学力が身についていない学生が入り、補習などを行わざるを得ない所が少なくない。  かつて日本の大学は「入る(入試)は難しく、出る(卒業)はやさしい」といわれたが、「大学全入時代」といわれ、大学進学率が5割にのぼり、入学も卒業もやさしくなっている。一方で大学教育の改革は必要性が叫ばれながら進んでいない。成績が悪ければ退学を勧告するなど厳しい姿勢の大学は少数派だ。  大学の数は、規制緩和の中で旧文部省時代の平成3年以降、設置認可を緩和する施策に舵(かじ)が切られ、少子化にかかわらず増えた。4年制大学は2年当時の1・5倍の約800にのぼる。本来、大学同士の競争を促し教育内容を高めるはずの施策は、ねらい通り機能しているとはとてもいえない。  受験人口は、さらに減っていく時代だ。文科省はこれまでの大学教育の施策を真摯(しんし)に反省、検証することが必要だ。  国立大は運営費交付金、私大は補助金など、国から多額の税金が使われている。教育の質の高い大学には教育・研究費を厚く、問題ある大学には定数削減や統廃合を促すなど、さらにメリハリのある施策が欠かせない。大学の使命を厳しく認識してもらいたい。 "[he-forum 18125] しんぶん赤旗2/18","しんぶん赤旗 2014年2月18日付 論戦ハイライト 学費無償化は世界の流れ 衆院予算委 宮本議員ただす  17日の衆院予算委員会で、異常高騰する大学の学費問題をただした日本共産党の宮本岳志議員。学費無償化の世界の流れに沿った予算の拡充とともに、給付制奨学金の創設を強調しました。  日本政府は2012年9月、大学まで段階的に学費を無償にすることを取り決めた国際人権規約の条項を33年ぶりに留保撤回しました。  それにもかかわらず、日本の学生支援がいかに貧困か―。宮本氏は、OECD(経済協力開発機構)加盟34カ国の、授業料無償化と、大学生向けの給付制奨学金の有無を一覧にしたパネルを提示しました。ヨーロッパではほとんど無償化、給付制奨学金とも行われ、無償化が実現していない国も、返済の必要がない給付制奨学金がある事実を示しました。  宮本 授業料無償化もなければ、給付制奨学金もない。奨学金はすべて借金というのは日本ただ一つだ。  下村博文文科相 おおむね、その通り。  宮本氏は、2012年度の私立大学の平均授業料が年約86万円、入学金などを含む初年度納付金は約131万円にもなり、国立大の初年度納付金も標準で約81万円かかる日本の大学の異常に高い学費を告発しました。  諸外国と比べて高い学費の背景には、大学教育に対する予算が少ない問題があります。宮本氏の追及に、下村文科相は、新年度予算案では国立大学運営費交付金を前年度比で3・1%増、私学助成は0・3%増やしたと弁明しました。  宮本 国立への交付金が増えているのは教員給与を減らした分を戻した影響で、法人化後、減り続けている。経常費に対する私学助成の補助割合もピークの29・5%(1980年)から、現在は3分の1の10・4%まで減っている。学費が値上げされるのを手をこまねいて見ているだけだ。  文科相 客観的に見ると厳しくなっている。  宮本氏に数字を突きつけられ、政府も現実を認めました。 宮本氏 若者は借金漬けに 首相 給付型を検討する  「わが国の高等教育を受けようとする若者は、莫大(ばくだい)な借金漬けにされてしまった」―。宮本氏は、学費の高騰化、貸付制の奨学金が学生の負担となっている深刻な実態を示し、政府の認識をただしました。  96年に奨学金を借りていた学生(昼間部)は2割だったのが今では、半数にまでなっています(図)。大学の学部卒で300万円、大学院博士課程まで進めば1000万円の借金を背負わされます。宮本氏は、政府が学生の卒業後も「厳しい経済状況におかれている」と認めていることを指摘。昨年の衆院予算委では、日本学生支援機構が厳しい取り立てで若者を自己破産に追い込む実態をあげ、改善を求めてきたとして、「新年度予算案は、いったい何を改善したのか」と追及しました。  下村文科相は「(返済の)猶予制度の制限年数を5年から10年に延長した。延滞金を(10%から)5%と半分にした」などと答弁しました。宮本氏は「それでは不十分だ」と主張。「大学を辞めた」「結婚・出産は考えられない」「死んでしまいたい」など奨学金の返済に苦しむ若者から寄せられた悲痛な叫び(別項)を紹介し、こう追及しました。  宮本 奨学金制度が若者を追い込んでいる。奨学制は返済の必要のない給付型が当然だと思う。  麻生太郎財務相 (公平の観点から)借りた金は返すのが大事だ。  宮本 そんなこといっているから、こんな状況になる。自民党は2012年の総選挙時に「給付型奨学金の創設に取り組む」と公約していた。麻生さんは自民党が不公平を助長する政策を掲げたというのか。  首相 麻生副総理の人生観を吐露(とろ)したもの。たしかに、わが党は給付型の奨学金を検討すると申し上げている。今後、財源を確保していく上で給付型を検討していく。  宮本氏は、新年度予算案には高校生向けの「給付制奨学金」(28億円)が盛り込まれたことを指摘。大企業の減税や米軍むけの「思いやり予算」には何千億円も気前よく出すのに、学生向けにはわずか数十億円も回せないのでは若者に未来は守れないと強調しました。 --------------------------------------------------------------------------- 寄せられた声  【事例1】失業中です。返済猶予の利用を繰り返してきましたが、もう猶予ができないと言われました。連帯保証人である父に請求が来ています。おじも保証人になっており、迷惑をかけたくありません。自分が死んで支払いを免れるなら、死んでしまいたい。  【事例2】卒業後、就職しましたが、うつ病になって辞めました。減額返還制度を利用しても54歳までかかります。返済額は1万6000円で、延滞すると減額が認められなくなります。とても結婚や出産は考えられません。  【事例3】奨学金という名の借金が増えていくのが怖く、アルバイトを増やせば授業もままならなくなり、大学を辞めました。 "[he-forum 18128] 毎日新聞2/18","毎日新聞 2014年02月18日 10時18分(最終更新 02月18日 15時47分) 研究費不正使用:文科省、ガイドライン改正  文部科学省は18日、研究費の不正使用があった研究機関に対し、不正をした研究者の氏名を含めた調査結 果を原則210日以内に同省に報告するよう義務づけると発表した。研究費の不正防止に関するガイドラインを同日付で改正し、2014年度に運用を始める。 下村博文文科相が閣議後の記者会見で明らかにした。  ガイドラインは、研究費が適正に使われたかどうかをチェックする「コンプライアンス推進責任者」を各研 究機関に設置するよう求めた。不正に関する調査結果の報告が遅れた場合は、研究者個人への研究費を執行停止とするほか、在籍する研究機関全体の研究にかか る人件費などを次年度以降最大で10%削減する。また、ガイドラインに反して責任者を設置しなかった場合も、同様に人件費などを最大15%削減する。【斎 藤有香】= "[he-forum 18129] しんぶん赤旗2/18(2)","しんぶん赤旗 2014年2月18日付 若者の未来 守れない 給付制奨学金実現迫る 衆院予算委 宮本議員 異常な高学費、貸付制告発  「大企業には8千億円もの復興特別法人税を前倒し廃止、(米軍への)思いやり予算は何千億円も出しながら、学生にはわずか84億円も出せない。これでは若者の未来は守れない」。日本共産党の宮本岳志議員は17日の衆院予算委員会で、日本の大学の異常な高学費を告発、学費負担軽減のための予算拡充と給付制奨学金をただちに実現するよう求めました。論戦ハイライト  宮本氏は冒頭、政府が2012年9月に国際人権規約に定められた中等・高等教育の「漸進的無償化条項」を受け入れたことを指摘。一方、経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国の「授業料無償化」と「給付制奨学金」の有無を示したパネル(左表)を示し、二つとも行われていないのは日本だけだという事実を示しました。下村博文文科相は「おおむね、その通り」と認めました。  私立大学の平均授業料は年間86万円(初年度納付金は131万円)、国立大学の初年度納付金は標準で81万円―宮本氏は、高すぎる日本の学費の背景に、政府の大学教育に対する予算があまりにも少ない現状があることを指摘。減らされ続けてきた国立大学運営費交付金と私学助成を抜本的に拡充するよう求めました。  宮本氏は、異常な高学費のもと18年間で半数以上の学生が奨学金を借りるまでになった現状を示し、奨学金の返済に苦しむ学生たちの悲痛な実態を紹介。高校生向けの「給付制奨学金」が予算案に盛り込まれたとして、「大学生向けの給付制奨学金は84億円もあれば実現できる」と主張。自民党の選挙公約(2012年総選挙)にも「給付型奨学金の創設」が掲げられていたと迫りました。安倍晋三首相は「今後、財源を確保していく上で検討していく」と答えました。 "[he-forum 18132] しんぶん赤旗2/23","しんぶん赤旗 2014年2月23日付 給付制の奨学金を 学生・院生ら宣伝 東京・新宿  「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」(奨学金の会)は22日、東京都の新宿駅西口で、学費の無償化と給付制奨学金の実現を求める署名への協力を呼びかけました。同会は、全労連、全日本教職員組合、全日本学生自治会総連合(全学連)、全国大学院生協議会などの団体、個人でつくっています。  署名は、▽教育予算を拡充し、高校は公私ともに実質無償化▽大学などの学費引き下げ▽高校・大学ともに給付制奨学金の実現▽奨学金返還困難者への救済措置の拡充―を求めるものです。  奨学金の会の岡村稔事務局次長は「不安定な働かされ方や奨学金返済の不安が若者の未来を暗くしています。学費無償化と給付制奨学金は世界の常識です」と強調しました。  全学連の加藤友志中央執行委員は「日本では、先進国で一番高い学費のため進学を断念したり、中退したりする若者がたくさんいます」と語り、学費引き下げと給付制奨学金の実現を訴えました。  「4月から看護学校に入る」という八王子市の男性(29)は「お金のあるなしに関係なく、教育の機会が保障されるべきです。そのためにも給付制の奨学金と学費無償化はぜひ実現してほしい」と、署名に協力しました。 "[he-forum 18131] 読売新聞2/20","読売新聞 2014年2月20日付 地元高から国公立大、市が入学金…予算2人分  鹿児島県いちき串木野市は19日、同市の県立串木野高校(151人)から国公立大学に進学した生徒に大学入学金の全額を補助すると発表した。  全国的にも非常に珍しい取り組みという。  市教委などによると、同高の国公立大学への進学者は例年0~2人程度。大学進学を考える中学生の多くは近隣市の進学校に進んでおり、同高では近年、定員割れが続いている。  このため、同高の統廃合や廃校を懸念した市は、存続を目的に、独自の支援策を決定。新年度の一般会計当初予算案に2人分の入学金56万4000円を計上した。  市は、今春の合格者分から実施したい考え。進学者が3人以上出た場合は補正予算で対応する。  田畑誠一市長は「国公立大学への進学者を増やさなければ、串木野高に生徒は集まらないと考えての予算措置。市民の理解は得られる」と説明。同高の國生(こくしょう)勝海教頭は「大変ありがたい。学校としても、生徒の学力向上を図り、市の期待に応えたい」と話した。 "[he-forum 18130] 読売新聞2/22","読売新聞 2014年2月22日付 「便利さ」追求の陰で  「大学の実力」調査によると、学生の意欲をかき立てるため、多くの大学が討論を中心にしたり、グループ学習を盛りこんだりと、授業の形そのものを工夫する。  同時に広がるのが機器や技術の活用だ。その一つがスライド式の発表用ソフト「パワーポイント」。  写真やグラフ、動画も盛りこめ、便利な教材として使われるが、首をかしげたくなる場面にしばしば出くわす。誤字や脱字、要領を得ない文章を、画面上でよく目にするからだ。ある国立大学での授業では、教員が作った教材に、「市場(史上)最高」「気候(機構)改革」など、明らかな変換ミスが続々と。  こうしたケースが例外というわけではないようで、「ソフト使用を禁止しようかと思う」とある国立大学の学長。毎回、画面を印刷した資料が配られるため、学生がノートをとらないことも心配だという。ある私立大学長は「ビジネスの現場で、誤字のある資料は相手にされないのに……」と学生への悪影響を懸念する。  大学改革のうねりの中で、授業の進め方や教材作りに工夫を重ねる教員の姿を見てきた。それだけに、こうした現状をどう受け止めたらいいのか、戸惑うばかりだ。(編集委員 松本美奈) "[he-forum 18133] 琉球新報2/24","琉球新報 2014年2月24日付 琉大病院、救急部新築へ 重症患者受け入れ倍増  琉球大学医学部付属病院(國吉幸男院長)が、災害医療を強化するために国の予算を活用し、救急部を病院の隣接地に移転新築することが23日、分かった。4月に着工予定で、早ければ今年末にも開設する。救急専用ベッドを6床新設し、救急専属医を3人増員。重症度が高い3次救急患者の受け入れ人数を、現行の2倍に相当する年間500人程度と目標設定し、救急体制を拡充する。将来、救急救命センターの県指定を目指す構え。  移転新築は、生命に危機が及ぶような重症患者に対応する3次救急機能の強化と、災害時に患者の受け入れができる体制整備が狙い。救急専門医の育成にも力を入れる。  同病院は複数診療科があり、現在も救命救急センターに近い医療を提供しているが、専用病床がないためセンターの設備基準を満たしていない。急患が入院する場合は内科病棟の2床で対応している。しかし、満床時には使えないこともあり、重症患者の救急受け入れを断らざるを得ない事例もあった。  移転新築に伴い、救急専属医師を5人から、8人体制にする。看護師の配置数も増やす予定。観察室と診察室のベッドを増やし、救急車専用の入り口も設ける。  久木田一朗救急部長は、「医師の重症患者を診る力が向上し、専用病床があれば、災害時にも患者をスムーズに受け入れることができる。災害を想定した訓練も実施したい」と抱負を語る。  県内で、救急救命センターに指定されているのは、県立中部病院、県立南部医療センター・こども医療センター、浦添総合病院の3カ所。(高江洲洋子) <用語>救急救命センター  24時間365日、命に危険のある重症の救急患者を受け入れ、適切な医療を提供する。都道府県知事が指定する。循環器科、脳外科など複数にわたる診療科の医師を確保できる体制を整えている。20床以上の専用病床、日本救急医学会指導医、同学会認定医などの資格を持つ専属医師の配置などが整備基準となっている。 "[he-forum 18137] 読売新聞2/25(2)","読売新聞 2014年2月25日付 理系人気続く…国公立大学2次試験スタート  ほぼ全国的に好天に恵まれた25日、国公立大学の2次試験(前期日程)がスタートした。  文部科学省によると、前期日程で試験を行う国公立大学は計159大学537学部。志願者数は26万2904人で志願倍率は去年より0・1ポイント減の3・3倍となった。この日は東北大など一部で試験開始時間の繰り下げなどがあった。  文科省のデータでは、国公私立大の理学、工学、農学部の1年生に占める女子の割合は1990年度の9・3%から、13年度は19・7%にまで増加した。大手予備校「河合塾」の分析では、就職への不安から受験生の「実学・資格志向」が強く、今年も理系学部の人気が高い。「リケジョ(理系女子)」も多く誕生しそうだ。 "[he-forum 18136] 四国新聞2/25","四国新聞 2014年2月25日付 香川大など7校「課題改善なし」/法科大学院評価  中教審の法科大学院特別委員会は24日、入学者数の減少など深刻な課題を抱える法科大学院を対象にした2013年度調査で、12校に「重点的な改善が必要」と指摘した。このうち既に学生の募集停止を決めた5校を除く7校はいずれも「前年度から改善が進んでいない」とした。  7校の内訳は国立が香川大、鹿児島大、私立が白鴎大(栃木)、日本大(東京)、愛知学院大、京都産業大、久留米大(福岡)。特別委は、入学者数が低迷していることや教育体制が十分に整っていない点を課題に挙げた。  「継続的な改善」を求めたのは静岡大など20校。学生募集の停止を決定または検討中の4校を除く16校のうち、司法試験の合格状況などで「大幅な改善がある」と評価されたのは琉球大(沖縄)と青山学院大(東京)の2校のみ。残りの14校は一層の改善が必要とした。 "[he-forum 18135] 共同通信2/19","共同通信 2014年2月19日19時42分 広島大、学部入試ネット出願導入 国立大で初  広島大は19日、来春の15年度入試から全学部でインターネットを利用した出願を受け付けると発表した。広島大によると、国立大の学部入試では全国初という。  紙の願書受け付けも続けるが、17年度入試から廃止し、ネット出願への完全移行を目指す。願書取り寄せなど受験生の負担や大学側の事務作業を減らすのが狙い。  受験生は24時間出願が可能で、クレジットカードなどで受験料を決済できる。顔写真や内申点を記した高校の調査書は郵送してもらう。  大学院入試では北海道大などが既に実施。広島大の浅原利正学長は「(ネット出願は)間違いなく進むと思う。大学院でもやりたい」と話した。 "[he-forum 18134] 読売新聞2/25","読売新聞 2014年2月25日付 大学改革、学長に権限…教授会の役割を縮小  国際競争力の強化などに対応する大学改革を、学長主導で進めることを柱とした政府の学校教育法・国立大学法人法改正案の原案が24日、わかった。  現在は実質的な意思決定機関である教授会の役割を教育研究分野に限定することで、学長に意思決定の権限を一元化するのが特徴だ。  政府は今国会への改正案の提出を目指している。  国立・公立・私立大学の運営の仕組みなどを定めた学校教育法は、教授会について「重要な事項を審議する」と定めており、多くの大学で意思決定機関となっている。学長が、先進的な研究分野に予算を重点配分したり、外部人材を大胆に登用したりしようとしても、教授会の反対で実現しないケースがあった。  原案は、教授会を「教育研究に関する専門的な観点から重要な事項を審議する」機関と位置付けた。教授会の役割は、教育課程の編成や学生の身分、教員の教育研究業績の審査などに限定する方向だ。国際化の遅れが指摘される日本の大学改革を、学長のリーダーシップで加速させる狙いがある。 "[he-forum 18140] 共同通信2/28","共同通信 2014年2月28日5時45分 学生支援機構:留学生に奨学金を 企業個人の寄付募集  日本学生支援機構(JASSO)は27日、留学生に給付型奨学金を出すため、民間企業や個人からの寄付募集を始めた。政府は2020年までに留学生を倍増させるとしており、JASSOは文部科学省や企業と協力して官民共同の留学支援に乗り出す。  JASSOによると、7月末まで寄付を募り、第1陣として8月下旬から大学生ら約300人を3〜4カ月派遣する。来年からは1年を超える派遣もできるようにする方針で、寄付で20年までに計200億円を集める。  今回派遣する学生は3〜4月に公募し、企業関係者や有識者を交えて選考する。研究費や生活費を支給し、学費や渡航費の一部も負担する。(共同) "[he-forum 18139] NHKニュース2/27","NHKニュース 2014年2月27日4時32分 奨学金受給 学生の53%に  大学生が昨年度1年間に支払った授業料は、平均で87万1000円とこれまでで最も高くなり、奨学金を受けている学生が53%に上ることが日本学生支援機構の調査で分かりました。  この調査は、大学生の生活の実情を把握しようと、日本学生支援機構が2年に1度行っていて、昨年度はおよそ4万1000人から回答を得ました。  それによりますと、学生たちが1年間に使った金額は、平均で188万100円と前回の調査よりおよそ5万円多く、12年ぶりに増加しました。  使いみちは、学費が117万5500円、生活費が70万4600円で、学費の中でも授業料が87万1000円と、調査を始めた昭和43年以降で最も高くなりました。  一方で、学生の収入に占める保護者からの仕送りなどの割合は減っていて、奨学金とアルバイト料の割合が増え、合わせて37%となっています。  奨学金を受けている学生は53%と、これまでで最も多くなりました。  奨学金を巡っては、返済が滞っている人が33万人余りに上っていて、日本学生支援機構は、来年度から支払い猶予期間を5年から10年に延ばすほか、それを超えた場合の延滞金の利息を10%から5%に引き下げることにしています。 "[he-forum 18138] 日本経済新聞2/28","日本経済新聞 2014年2月28日付 グローバル人材の資質や養成議論 本社、大学改革シンポ  大学生や若手ビジネスパーソンの視点に立ち、国際社会で活躍できる人材になるための具体策を議論する大学改革シンポジウム「グローバル人材になるには」(日本経済新聞社主催)が27日、東京・千代田のイイノホールで開かれ、学生や大学・企業関係者ら約500人が参加した。  新浪剛史・ローソン最高経営責任者(CEO)は基調講演で、自らの海外留学の経験を踏まえて「異なるものを面白いと思う気持ちと自分の考えを伝えるコミュニケーション力があれば、誰でもグローバル人材になれる。英語はそのためのツールだ」と強調した。  続いて、ジャーナリストで東京工業大教授の池上彰氏をモデレーター兼パネリストにパネルディスカッションを開催。黒田玲子東京理科大教授と柳川範之東京大教授を交え、グローバル人材に求められる資質や大学教育のあり方、異文化に触れることの重要性などを巡って活発な議論が交わされた。 "[he-forum 18145] 河北新報3/3","河北新報 2014年03月03日月曜日 給与カット拒否市町村に「制裁」 政府、補助金を減額  政府は2日、2013年度中の実施を求めていた公務員給与削減に応じなかった市町村に対し、今年5月に配分予定の公共事 業関連の補助金を減らす方針を固めた。国の意向に従わない自治体に対する事実上の制裁措置で、首長らから「地方分権に逆行する」との反発が出るのは必至 だ。  これまで政府は、要請に応じなくても制裁はしないと表明していた。今回の対応は「給与を削減した行革に熱心な市町村への配分を手厚くした。制裁には当たらない」と説明する方針という。 "[he-forum 18144] 読売新聞3/2","(2014年3月2日 読売新聞) 就職難…奨学金滞納者30万人台 奨学金返済、不安募らす学生  奨学金を借りている大学生の間で、返済への不安が広がっている。卒業しても就職できなかったり、安定した収入を得られなかったりする若者が増えているためだ。  このため奨学金制度の問題点を訴える声が高まってきた。  奨学金を借りる大学生は少なくない。文部科学省によると、2011年は全大学生の約37%にあたる約96万人が、日本学生支援機構(旧・日本育英 会)の奨学金を借りた。同機構の奨学金には、家庭の事情などに応じて無利息で借りられるものと、最高3%の利息がつくものがある。返済の義務がない給付型 の奨学金制度は、日本にはあまりない。  一方で、返済滞納者は増加傾向にある。同機構によると04年度は約25万人だったが、12年度は約33万人。滞納者は派遣社員など非正規雇用の労働者が2割以上を占め、無職・休職中も2割近くいた。  奨学金を借りたために、卒業前から将来の不安を訴える学生もいる。  東京都内の私立大4年の男子学生(24)は、父親が失業したために家計が厳しく、母親のパートと自分のアルバイトだけでは足りないため、同機構か ら無利息と利息付きの奨学金を両方借りた。返済しなければならない金額は現在約850万円にも上る。「就職して返済するしかない」と考えた時期もあった が、もっと研究を続けたいという思いが強く、奨学金を借りて進学することを決めた。「大学院を終えたら死にもの狂いで返済するしかないが、『就職できな かったら……』と思うと不安になる」  都内の私立大4年の女子学生(22)は、シングルマザーの母親に負担をかけないために、アルバイトをしながら同機構から月6万4000円の奨学金を借りた。返済総額は約230万円。就職先は決まったが「就職1年目から、月々の返済ができるのか心配」と表情を曇らせる。 「給付型」の拡充求める声も  こうした中で、日本の奨学金制度の問題点を指摘する専門家グループが出てきた。中京大教授(教育学)の大内裕和さんは昨年3月に「奨学金問題対策 全国会議」を設立。シンポジウムなどを開いて「国は給付型奨学金を増やすべきだ」と訴えている。欧米では給付型のものが多いといい、「家庭の経済力によっ て、受けられる教育に差が出るのはおかしい」と指摘する。  大内さんは国立大の授業料が1975年度には年3万6000円だったが、現在は約54万円にまで増えた一方、世帯収入は過去16年で約120万円 減ったことを指摘。「学費の負担が重くなり、学生は奨学金に頼るしかなくなった」と話す。加えて大卒の就職事情は悪化し、正社員になれずに低賃金の非正規 雇用で働かざるを得ない、また就職すらできないなど、「奨学金を借りた学生の状況は、かつてないほど厳しい」と話す。  埼玉県内の弁護士らが昨年9月に設立した「埼玉奨学金問題ネットワーク」も、給付型奨学金の必要性を訴える。事務局長の弁護士、鴨田譲さんは「収 支を計算して、最低限必要な額しか借りないようにすることも大切。返済額がいくらになるのかを考えてから、借りる額を決めてほしい」と助言している。(吉 田尚大) "[he-forum 18143] 共同通信2/26","共同通信 2014年2月26日20時51分 大学生の4割が読書時間ゼロ 大学生協連調査  大学生の40.5%が読書にあてる時間をゼロと答えたことが、全国大学生協連(東京)の「学生生活実態調査」で26日、分かった。同項目の調査を始めた2004年以来、4割を超えるのは初めてで、学生の本離れの実態を裏付けた。  調査は昨年秋に実施。全国30大学の学生8930人が回答した。1日の読書時間(電子書籍を含む)は平均26.9分。「0時間」と答えたのは、文系学生で約34%、理系で約44%だった。下宿生の1カ月あたりの書籍購入費は7年連続で減少、過去最低の1820円となった。  同生協連全国学生委員会の木津谷甫副委員長は、読書時間ゼロが増えた背景について「学生の間でスマートフォンが普及した。ゲームなどのアプリに比べて、読書の優先順位が後退したためではないか」と分析した。〔共同〕 "[he-forum 18142] Diamond online 2 /28","ダイヤモンド・オンライン 2014年2月28日 変わりゆく大学のいま~激流の中で みわよしこ 第4回「人が減ったのに仕事は減らない……」 国立大学法人化が変えてしまった大学職員の日常  2004年に国立大学が法人化されてから、2014年3月で満10年となる。  「優れた教育や特色ある研究に各大学が工夫を凝らせるようにして、より個性豊かな魅力のある大学になっていけるようにするために」(文科省「国立大学の法人化をめぐる10の疑問にお答えします!」より)という当初の趣旨は、どのように実現され、あるいは実現から遠ざかっているだろうか?  今回は、東京大学・数理科学研究科図書室に勤務する一人の図書館司書の日常と業務を中心に、「国立大学法人化」とは何なのかを紹介したい。 給与明細で実感する 「公務員ではなくなった」  東京大学には、30の図書館・図書室がある。数理科学研究科図書室は、その一つだ。  数理科学研究科図書室長(2011年当時)のAさんは、2004年、国立大学法人化が行われた時期、別の国立大学で図書館司書(注)として勤務していた。国立大学法人化の前後で、図書館司書の業務の内容が変わるわけではない。給与も、ただちに変動するわけではない。  しかし2004年4月、給与明細を確認してみると、新たな天引き項目が加わり、手取り給与は少し減少していた。新たな天引き項目とは、「雇用保険料」である。基本的には失業のない公務員の身分から、失業もありうる国立大学法人職員への変化。雇用保険料を支払うということは、失業すれば失業給付の受給が可能ということでもあるのだが。  「ああ、公務員ではなくなったんだなあ、と実感しました」  国立大学法人の職員は、現在でも「みなし公務員」である。公務に従事しているものとみなされ、義務や制裁においては基本的には公務員と同様である。しかし、公務員そのものではない。官なのか? 民なのか? これからは、誰のために仕事をすることが求められるのだろうか?  もちろん、変わったことは「雇用保険料」だけではない。  「労働基準監督署のチェックが、厳しくなりました。原則、残業は事前に届け出をしないと出来ないようになりました」  それは、長時間労働を防ぐために、むしろ望ましいことかもしれない。  「でも、人は減るけど仕事は減らないんです」 (注)現在、国立大学法人に職名としての「(図書館)司書」は存在しない。しかしAさんの業務内容は、まぎれもなく図書館司書業務であり、図書館管理業務である。このため、本文中では「(図書館)司書」という用語を用いている。 カウンター業務だけではない 図書室長の多忙な日常  Aさんの勤務時間は、午前9時から17時30分である。しかしAさんは毎朝、8時30分には出勤している。  「まず、閲覧用の机を拭きます。消しゴムのカスの山になっていますから。それから、窓を開けて空気を入れ換え、コピー・照明などの電源をオンにします」  図書館の開館時間は、通常は9時15分から19時45分までだ。  「この図書室には、私を含めて5人の職員がいます。それぞれ、個人の都合があったり業務内容が異なっていたりしますから、勤務時間はずらしています」  入り口にはカウンターがある。カウンターには常時1人、職員の誰かがいる。  図書館職員の姿として、カウンターでの書籍・雑誌の貸出を思い浮かべる方は多いだろう。  しかし図書館職員の業務は、カウンター業務だけにとどまらない。  「まず、書籍や雑誌の購入ですね。もっとも、この図書室では、何を購入するかについては、図書担当の先生が、他の先生・学生さんたちの意見も聞きながら決めています」  大学図書館を利用するのは、学生だけではない。教員も職員も利用する。その幅広いニーズを考慮して何を購入するか・何を購入しないかを決定することは、決して容易ではない。  「購入した図書・雑誌の受入業務は、図書室のスタッフが行っています。分類して、ラベルを貼って、カバーをかけて、書架に配置するという一連の業務ですね」  書籍は、どの程度の冊数を取り扱っているのだろうか?  「書籍は、1ヵ月あたり60~100冊程度です。1ヵ月あたりで、約100万円です。ほとんど洋書だから、高いんです」  雑誌はどうだろうか?  「大学が一括で契約している雑誌の他に、600誌を購読しています。年間で700万円程度です。全部、数学関連の学術雑誌です」  書籍と雑誌だけで年間約2000万円。思わず、溜息がこぼれてしまう。  「でも、本と雑誌は、ここの仕事の道具ですから。それに、日本の雑誌は安いんですよ。海外の雑誌は、高いものだと年間50万円ほどです」  バブル期には、さらに高くついていたそうだ。  「当時、日本向けの価格が高く設定されている学術雑誌が結構あったんです。ほとんど読まれない、必要の少ない分冊も混ぜてパッケージしていたんですね」  可能な限り、不要なもの・必要ないものを除いて注文することも、図書館司書の業務であったりする。 補充されない人員、 減らない仕事  1980年代前半に大学を卒業したAさんは、いったん就職したけれども、図書館司書になろうと決意。司書資格を取得できる大学に編入し、資格を手にして卒業した。  卒業後は、ある私立大学に就職した。  「私学は、水が合わないと大変です。卒業生が就職するのならいいんでしょうけど」  1990年、Aさんは公務員試験を受験し、合格。東大に配属された。東大の30の図書館・図書室あわせて、同期は10人。当時、東大の図書館・図書室のスタッフは合計300人だったという。  「今は、図書館・図書室の数は変わらず30ですが、スタッフは200人ほどです。新人の配属は、ない年もありますね。年齢構成が逆ピラミッド形になってしまっています」  大学法人化が、人件費削減につながっている側面は否めない。  「そうなんです。人は減るけど、仕事は減らないんです。すると、ゆとりが減ります」  そのゆとりは、業務に必要なゆとりでもある。そのことを主張したこともある。すると「民間に業務を出せばいいじゃないか」と言われたこともある。  「でも、民間委託すると、かえって高くつくはずなんですよね。現在の人件費を増やさずに出来ることではないです」  Aさんが、この図書室の室長になった2007年、スタッフはAさんを含めて6人だった。1人が退職した後、人員の補充は行われていない。業務は減っていない。  「だから、利用者の方々との協力関係が大切だと思っています。利用者の方々、先生方、学生さんたちとは、協力関係を築きたいです。カウンターの第一印象は大切にしています」 図書館司書全体の “地盤沈下”が起きている  利用者との協力関係を築くにあたって非常に重要なのは、図書館業務の中核をなすレファレンス(調査支援)サービスであろうと思われる。 「そうなんですけど、私たちスタッフ5人は全員、数学のバックグラウンドがないんです。だから、内容についての質問には答えられないんです」  それでも、出来ることは少なくない。それに大学という場所には、毎年、新入生がやってくる。この数理科学研究科図書室も、毎年、理学部数学科の新3年生を迎える。  「『数学専門のデータベースで検索をして結果が出てきたらしいんだけど、結果の見方がわからない』とか、『必要な情報が何に掲載されているかは分かったんだけど、それが図書なのか雑誌なのか分からない』とか、そういう質問は毎年ありますね。それなら、私たちもある程度はわかりますし、答えられます」  いくつもの学術データベースを使いこなすことは、研究の世界の入り口に立った学生が最初に直面するハードルの1つでもある。そのデータベースの提供・運用も、大学図書館の役割の1つである。もちろん各大学の図書館では、データベースの使いこなしに関する講習会を積極的に開催している。  「講習会情報は重要ですね。データベースのアップデートの後など、それまで使いこなしていた方も迷うくらいです。困っている方に対しては、メールで質問できるサービスが存在することをお知らせすることもあります」  本来、この図書室には、数学のバックグラウンドを持った司書が常駐していてもよいほどかもしれない。そのような司書が、数学研究にまつわる悩みを抱えた利用者に対して積極的に寄り添うような支援を行えるような体制を整備したら、どうなるだろうか? もしかすると、教育や研究の営みの姿が大きく変わるかもしれない。でも、この10年間ほどで起こりつづけていることは、図書館司書という職種の専門性に対する軽視と、図書館司書全体の労働環境悪化である。大学図書館に限ったことではない。あなたの住む地域の公共図書館に、あなたのお子さんの通う学校の図書館に、現在、専任の司書はいるだろうか? "[he-forum 18141] 読売新聞北海道3/1","読売新聞北海道版 2014年3月1日付 他大学の授業も単位に…道内7国立大連携へ  道内の7国立大学は28日、教養教育科目を対象にした単位互換協定を結んだ。インターネットによる遠隔授業を2014年度後期からスタートし、学生は在籍する大学の教室にいながら画面で他大学の教養科目を受講でき、一定の成績をおさめれば卒業単位として認められる。  協定を締結したのは北海道大、北海道教育大、室蘭工業大、小樽商科大、帯広畜産大、旭川医科大、北見工業大で、この日は札幌市のホテルに学長、副学長が集まり協定書に調印した。  協定は大学間の教養教育の充実を図るのが主な目的だ。道内の国立大学は北大を除き全て単科大学で、北海道の広大な面積も手伝い、地域によって語学などの分野で講師確保が難しくなっている。連携は、遠隔授業で講師不足を補うとともに、各大学の専門分野を生かした授業を学生に提供し授業の質を上げる狙いがある。  遠隔授業は、他大学の授業をインターネットを使ってライブ配信するもので、講師と学生の質疑応答もできる。14年度には、まず小樽商科大を除いた6大学の約20科目を試験的に公開する。北大は、ロシア語やスペイン語といった語学の授業のほか、海洋生物や海の環境について学ぶ「環境と人間」など8教養科目を他大学に配信する。  15年度からはさらに開講科目を増やし、最終的に7大学で計200科目を目指す。学生が他の大学に足を運んで、授業を受けることもできる。  北大の山口佳三総長は記者会見で、「それぞれの大学の個性を生かした教育を提供できる。互いに知恵を出し合って新しい授業を開発したい」と話した。北見工大の高橋信夫理事・副学長は「文理関係なく、様々な授業を受けることができ、学生には視野を広げるいい機会だ」と新たな試みに期待した。 "[he-forum 18148] 読売新聞3/2","読売新聞 2014年3月2日付 「発展」達成度テスト、複数回受験が可能…原案  大学入試センター試験に代わる「達成度テスト・発展レベル(仮称)」についての文部科学省の原案が分かった。  高校3年の12月以降に5教科11科目程度で複数回実施するとしたほか、外国語では、例えば英語検定など民間試験の成績利用を検討する。導入は早くて5~6年後の見通し。文部科学相の諮問機関、中央教育審議会で原案を基に議論し3月末までに一定の方向性を出すが、教科の枠を超えた試験導入を求める声も強く、実施時期への異論も出るとみられる。  現行のセンター試験は6教科29科目と出題科目が多く、運営側の負担が大きいとの指摘がある。原案では、発展レベルの趣旨を、各大学が入学の資格試験のように利用できるものとし、内容は国語、数学、地理歴史、公民、理科の5教科11科目程度にしぼることを想定。試験問題は、知識より思考力や判断力などを測る内容を増やすとしている。外国語については、複数回受けられる民間の試験利用も含め検討するとしている。  また、実施時期は高校3年の12月以降を想定し、複数回受験で「再チャレンジ」を可能とする。成績は現行の1点刻みをやめ、十数段階のグループ別評価が相当としている。  ただ、高校側は「生徒の学習や高校の教育活動への影響が大きく、実施は1月以降にしてほしい」と反発。高校や大学教育を改善するためにも、従来型の知識偏重ではなく、教科の枠組みを超えた試験を開発するべきだという意見が中教審内でも強く、今後議論になりそうだ。  達成度テストは、政府の教育再生実行会議が大学入試改革の一環として提言したもので、「基礎レベル」と「発展レベル」の2種類がある。 "[he-forum 18147] 下野新聞3/2","下野新聞 2014年3月2日付 宇大、横国大がコラボでクッキー 連携のシンボル 【宇都宮】宇都宮大は情報戦略協定を締結している横浜国立大と協力し、両大学の連携の象徴となるオリジナルクッキーを開発した。「森のバスケット」と名付けたクッキーは、宇都宮大の付属農場で生産された農産物を材料にしているのが特徴で、両大学の生協で販売を始めた。  宇都宮大企画広報部によると、両大学は2012年4月に大学情報戦略の協調に関する協定を結んだ。互いのデータを保管し合い災害時に懸念されるデータ消失などに備えるのをはじめ、さらに広い観点から情報戦略に関する相互協力や人事交流を行うことを目的にしているという。  その協定書締結の際に、宇都宮大の進村武男学長らが連携の記念に両大学間で何かコラボレーション商品ができないかと提案。これを受け企画広報担当の職員や学生らが昨年夏から、商品開発に乗り出した。  完成した商品は「米粉いちごクッキー」と「はちみつ紅茶クッキー」の2種類をセットにしている。米粉は宇都宮大農学部が開発した新品種米「ゆうだい21」を使い、イチゴと小麦粉は同大の付属農場で取れたものを材料にした。蜂蜜は横浜市産で製造は同市内の洋菓子店が担当した。 "[he-forum 18146] しんぶん赤旗主張3/3","しんぶん赤旗主張 2014年3月3日付 世界一高い学費 国際公約を守って無償化へ  私立大学の学費値上げの動きが、報道され、受験生や父母に不安が広がっています。4月からの消費税増税が引き金になっているだけに、政府の責任が問われています。 私大で学費値上げ  私立大学の初年度納付金は平均で131万円、国公立大学も81万円を超えます。高校と大学に通えば、就学費用に1千万円もかかるといわれています。私立大学入学時の経済的負担を「重い」と答えている家庭は9割にのぼります。  経済的理由で進学をあきらめる若者が増え、経済的理由で退学に追い込まれる学生も1万人近くにのぼります。これ以上の負担増を避けるためにも、私立大学への緊急助成など対策が必要です。  親の収入が減るもとで、奨学金に頼る学生は、全体の半数に増えています。返還額は文科省によると学部卒で300万円、大学院博士課程修了で1千万円に上ります。労働法制の規制緩和で低賃金の非正規雇用が広がり、奨学金を返したくても返せない若者が増え、自己破産に追い込まれる若者もいます。若者にこれほど冷たい国に未来はありません。  欧州では、「誰もがお金の心配なく学べるように」と学費を徴収するどころか、生活費まで支えています。経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国中17カ国は大学授業料を無償化し、給付制奨学金導入は32カ国に広がっています。  「日本の学費は世界一高いうえに奨学金はまるでサラ金だ」。運動の広がりと日本共産党の国会での追及で、政府は一昨年9月、高等教育の学費を段階的に無償化することを定めた国際人権A規約13条2項(c)をようやく受け入れました。しかも、下村博文文科相は、教育予算を国内総生産(GDP)比でOECD加盟国の平均並みに増やせば、大学までほぼ無償化できると国会で答弁しています。  ところが、政府は、国立大学への運営費交付金を10年で1300億円も削減し、私立大学への経常費に対する助成の割合を、1980年の29・5%から10・4%に減らしています。世界への無償化の公約を守り、大学予算を増やし、学費を引き下げるべきです。  日本共産党の宮本岳志衆院議員は、昨年4月の国会質問で、奨学金の返還を延滞したら10%もの延滞金を課し、9カ月滞納で法的措置を取るなど日本学生支援機構がサラ金のように若者を追い詰める実態を告発し、給付制奨学金の実現を迫りました。これを受け、政府は、来年度から延滞利率を5%に、返済猶予期間の5年から10年への延長などの改善措置は取りました。しかし、給付制奨学金は、自民党が一昨年の総選挙で、公約しながら見送っています。  宮本議員は、2月17日の国会質問で「大企業には8千億円も法人税減税しながら、学生には数十億円でできる給付制奨学金を出せないのか」と厳しく追及しました。文科相は、OECD加盟国で授業料無償化も給付制奨学金の導入もしていないのは日本だけと認め、安倍晋三首相は給付制奨学金の創設を検討すると答弁しました。 給付制奨学金を直ちに  多くの大学で学費署名などの運動が広がっていることは希望です。日本共産党は学生のみなさんと力を合わせ、給付制奨学金、学費無償化の実現に全力をあげます。 "[he-forum 18149] 建通新聞3/2","建通新聞 2014年3月2日 【輝く未来へ】徳島の経済・社会に貢献する徳島大学~国の将来を担う若者を育て、質の高い教育研究活動を~  毎年、教育・研究活動の充実を目的とした施設整備を進める徳島大学。2013年度も常三島キャンパスと蔵本キャンパスを中心に多くの工事を行っている。国立大学法人として常に最先端施設を整備していくことは、国の将来を担う若者を育て、質の高い教育研究活動を続けるためにも不可欠なことだと言える。 研究設備を含めた施設整備に関連する予算は、文部科学省の施設整備補助金、共同研究費や寄付金を充てている。特に国立大学法人等施設整備事業費の対象は、近年、耐震化工事から現在では「高度化・多様化する教育研究活動に対応するとともにイノベーション創出の基盤となる最先端研究施設の整備」など、将来に向けた投資(施設整備)へと移行しつつある。教育研究活動施設と最先端研究施設の確保は、大学施設を整備する上での重要な要素となっている。 徳島大学において、2013年度は第2期中期目標(10~15年度)の4年目に当たる。この中で施設設備の整備・活用などに関する目標として、施設・設備の計画的な維持管理、有効かつ効率的な運用などを引き続き図るとともに、施設およびキャンパス環境を重点的に整備するなど施設マネジメントを推進することを掲げて、着実に事業を進めている。 13年度は、財団法人の寄付による藤井節郎記念医科学センターが完成したほか、立体駐車場や外来診療棟、フロンティア研究センター、地域連携プラザなどの新営工事の推進、工学部化学・生物・機械棟外壁改修や学生支援センターなどの改修工事などが鋭意進められている。産官学連携による積極的な研究活動を展開している同大学では、今後も教育研究活動や地域貢献などの推進に必要な施設の充実に向けて、年次計画的に整備を進めていく。 2013年度に整備中または発注した施設を紹介する。 外来診療棟新営その他 ~医療環境の改善を推進~ <蔵本地区> <藤井節郎記念医科学センター新営> 多様な研究や将来の研究の変化にも対応できるフレキシビリティの高いオープンラボと、先端的機器による解析サービスを行う共通スペースを備えた先端研究施設環境の提供を目指す。 蔵本キャンパス内に整備、完成した。 鉄骨鉄筋コンクリート造5階建て延べ6300平方㍍ と渡り廊下2カ所、関連設備工事。 <外来診療棟新営その他> 病院再開発計画の最終事業であり、医科および歯科診療部門の外来診療棟を新築・改修整備し、徳島大学第2期中期目標に掲げる「質の高い医療の提供と患者サービス向上のため、医療環境の改善を推進する」という目標達成を目指す。 鉄骨造5階建て一部鉄筋コンクリート造平屋1万8000平方㍍の外来診療棟改築と旧外来診療棟(改修面積4878平方㍍)の耐震補強・内外装・建具・屋根防水の全面改修、関連設備工事。 <立体駐車場新営その他> 長年の課題だった駐車場不足と、関係する諸問題(長期間にわたる運動場などへの仮設駐車場の設置、国道渋滞)の解消を図る。 規模は鉄骨造5階建て延べ1万4080平方㍍。 総合研究棟(医学系)新営(工事中) <総合研究棟(医学系)新営> 医療教育開発センターの下、医療系学部、大学院教育部が連携した専門職間連携教育を中心とした高度医療人養成教育の実践の場、学生のより良い教育環境の場として整備。 規模は鉄筋コンクリート造4階建て1400平方㍍。 フロンティア研究センター新営 ~世界トップの教育研究へ~ <常三島地区> <フロンティア研究センター新営> グリーンイノベーションやライフ・イノベーションに貢献するため、ソシオテクノサイエンス研究部におけるフォトニック材料工学、ナノテクノロジー、バイオエンジニアリング、医療情報処理、温暖化防止、省資源・資源循環工学などを融合して光ナノテクノロジー、医工連携と資源循環の分野で世界のトップに立つ教育研究を推進する施設を整備する。 規模は鉄筋コンクリート造5階建て延べ2970平方㍍。 <学生支援センター改修> 耐震性が低く、経年劣化による老朽化が著しい福利厚生施設を改修し、学生支援施設の充実を図る。 規模は鉄筋コンクリート像2階建て延べ1170平方㍍。 <化学・生物・機械棟外壁改修> 経年劣化により剥落の恐れがある外壁タイルを張り替える。 対象棟の規模は鉄筋コンクリート造8階建て延べ1万7695平方㍍。 <地域連携プラザ新営その他> 美術棟の耐震改修を行い安全を確保する。 また、機能改善改修により、大学地域創生センターの中核施設となる多目的な交流プラザやプロジェクト研究室などを整備する。 規模は鉄骨造2階建て延べ740平方㍍。 ■現場ルポ■ 「徳島大学(病院)外来診療棟新営その他工事」 ~周辺環境に配慮・15年度完成目指す~  「徳島大学(病院)外来診療棟新営その他工事」は、徳島大学病院の外来診療棟(鉄骨造5階建て一部鉄筋コンクリート造平屋約1万8000平方㍍)を新築、旧外来診療棟(鉄筋コンクリート造2~8階建て延べ2万9121平方㍍)のうち4878平方㍍を改修(耐震補強、内外装・建具・屋根防水、昇降機設備設置)するもの。使用する資機材は当初計画によると、既成コンクリート杭、生コン9500立方㍍、鉄筋950㌧、鉄骨2600㌧、ガラス2100平方㍍と改修分600平方㍍、鉄骨ブレース増設、鉄筋コンクリート増設壁40カ所。建設費が建築と設備で60億円を超える大型事業だ。  建設現場は、病院施設と構内道路に囲まれている。進入路(入口)は建物の正面部分(施工エリアの北東)のみとなり、限られたスペースの中で現場事務所は入口横の既設駐輪場敷地に建物を建設して、駐輪場の上、2~3階部分に確保している。  着工は2013年1月11日。仮囲い、掘削などを経て順調に工事は進んでいる。10月には1階床の基礎梁コンクリート、12月から鉄骨建方を開始した。施工エリアのうち西側と南側は大学の建物(医療施設)に面しており、3カ所に騒音・振動計を設置して常時監視しながら作業を進めている。平日の午前中など診療時間は極力、ハツリなど音の出る工事を控えて、診療の無い土曜日の午後に作業を集中させている。施工エリアの東側は構内道路で歩行者や車が通行することから、工事車両が通過する場合は音声で呼びかけるなど、周辺環境に配慮する。  現在は、鉄骨建方を進めている。エリアを4ブロックに分けて、120㌧クレーンにより入口より奥から順に作業している。2月末には西側の鉄骨建方をほぼ完了、3月にかけて引き続き南側~北側へと作業を進め鉄骨部分の工事を終える予定。「今後も、騒音などの環境面や安全に配慮して工事を進めていく」(明石善隆現場代理人)。蔵本キャンパスの正門を入って正面に位置する外来診療棟の新築現場は、2015年度の完成を目指して作業を続ける。 "[he-forum 18150] 読売新聞愛媛3/4","読売新聞愛媛版 2014年3月4日付 県内高校~大学 教育費835万円  県内で子ども1人が高校入学から大学を卒業するまで必要な教育費は835万6千円(全国平均1055万8千円)に上ることが、日本政策金融公庫松山支店が教育ローンの利用者を対象に行ったアンケートで分かった。年収に占める教育費の割合は子どもが2人いる世帯なら35・1%(同40・1%)を占め、教育費が家計にのしかかっている現状が浮かんだ。(蛭川眞貴)  同支店が昨年7月、国の教育ローンを利用した県内の195世帯にアンケート用紙を郵送し、44世帯から回答を得た。回答した世帯の平均年収は511万4千円だった。  子ども1人当たりの教育費の平均額は、高校3年間で247万円、大学で588万6千円だった。  子ども2人の世帯で年収に占める年間の教育費の割合は、全体の平均が35・1%で、40%を超える世帯は4分の1余りあった。年収が低い世帯ほど教育費の負担は重く、年収200万円以上400万円未満の世帯では平均73・2%にまで膨らんだ。  アパートなど自宅以外から通学する子どものいる世帯は4分の3あり、年間の仕送り額は平均86万4千円だった。住宅ローンも抱える世帯は半分近くあった。  教育費の捻出方法(複数回答)は、「奨学金を受けている」が70・5%、「教育費以外の支出を削る(節約)」が56・8%だった。何を節約するかは「衣類の購入費」「食費」がともに64%で、「保護者のこづかい」「旅行・レジャー費」がいずれも40%、外食費が32%と続いた。  同支店の担当者は「各家庭が節約に励み、教育費をやりくりしている状況がうかがえる」と話している。 "[he-forum 18152] 日本経済新聞中国3/6","日本経済新聞中国版 2014年3月6日付 山口銀の企業助成基金、大学の研究を初選定  山口銀行が設立した、やまぎん地域企業助成基金(理事長・福田浩一山口銀頭取)は2013年度の助成先を決め、山口県下関市で5日、表彰式を開いた。30回目の今回は初めて大学などの研究開発も対象とし、山口大学など5つの研究開発を選んだ。福田理事長は「研究の励みになればと始めた。地域活性化に役立ちたい」と語った。  山口大では大学院医学系研究科の末広寛准教授の「唾液検査でがんになりやすさを判定する方法の研究開発」など3件に助成。末広准教授は「助成金で唾液の検査キットを開発する。来年には完成させたい」と述べた。また、広島県立総合技術研究所と九州工業大学の研究開発も選んだ。  中小企業などの助成先は14で山口県が6、広島県が3、福岡県が5となっている。山口は周南クオーツ(周南市)など、広島は中央工業(東広島市)などに助成した。 "[he-forum 18151] 河北新報3/5","河北新報 2014年3月5日付 東北大院、復興農学センター設置 防災研究 農業者ら育成  東北大大学院農学研究科は4日、大規模災害からの農業復興をけん引する人材育成と、自然災害の被災地支援や防災に直結する研究に取り組む「東北復興農学センター」を設置すると発表した。開設は4月1日。  センターには教員31人が所属する。学内外との共同研究や教育活動を推進する「教育コア」、センター運営と活動記録に当たる「情報コア」、人材育成の「教育コア」の3部門で編成する。  仙台市青葉区の雨宮キャンパスで5月、受講費無料の講座を始める。受講者には、社会人と学生が対象の「復興農学マイスター」、新規参入を含む農業者向けの「IT農業マイスター」などの資格を認定する。  農学研究科は東日本大震災後、研究者が個々に復興関連の研究を進めてきた。センター化によって、学内外の大学や研究機関との連携をより促進させる狙いがある。  センター長を務める駒井三千夫研究科長は「次の大規模災害に備え、指導的な立場で国際的に活躍する人材を育成していきたい」と話した。 "[he-forum 18153] 毎日新聞3/8","毎日新聞 2014年3月8日付 国立大病院:資金公表へ…降圧剤試験疑惑受け  降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑を受け、全国42大学が加盟する国立大学付属病院長会議は7日、各病院やその職員が企業や個人などから受け取った資金について、今秋から情報開示する方針を明らかにした。  バルサルタン疑惑では、大学側に製薬会社から支払われた億単位の奨学寄付金が批判を浴びている。製薬各社は今年度から、医療関係者に提供した資金の情報公表を始めており、医療機関側も対応を迫られていた。  ◇提供元は非開示  公表するのは、全職員があらゆる企業、個人から受けた資金。奨学寄付金などの学術研究助成費▽共同研究などの研究開発費▽講演や原稿執筆への謝金▽接遇費−−の4項目に分け、診療科ごとの件数と総額を公表する。  一方で提供元の開示は見送った。その理由について、宮崎勝・千葉大付属病院長は「研究開発の内容が漏れることのマイナス面への懸念が大きい」と説明した。【八田浩輔】 "[he-forum 18154] NHKニュース3/10","NHKニュース 2014年3月10日4時23分 企業からの寄付金で海外留学支援へ  文部科学省と日本学生支援機構は民間企業からの寄付金で海外留学の費用を支援する新たな奨学金制度を設けることになり、10日から学生の応募を受け付けます。     文部科学省は国際的に活躍できる人材を育てようと、若者の海外留学を後押しする取り組みを進めていますが、経済的な理由などで留学をためらう学生が少なくないことが課題となっています。  このため民間企業からの寄付金で新たな奨学金制度を設けることを決め、10日から日本学生支援機構を窓口に応募を受け付けることになりました。 1回目の募集定員は300人で、最大で20万円の奨学金が毎月支給されるほか、往復の渡航費用として10万円から20万円、授業料は30万円を上限に支給され、返済の必要はありません。  対象となる留学は、工学や薬学といった理系の研究のほか、経済成長が期待される新興国での活動などで、企業が求める人材の育成にもつなげたいとしています。 文部科学省によりますと、すでに60社以上が協力を検討していて、これまでに少なくとも数十億円の寄付が固まっているということで、2020年までに200億円募ることを目指すということです。  応募の受け付けは来月21日まで、在籍する大学や専門学校などを通じて行われ、書類や面接による審査の後、ことし8月末の留学から支援を始めます。 "[he-forum 18155] 産経新聞3/11","産経新聞 2014年3月11日付 【種をまく 被災地で育つ地域医療】 (上)東北大学病院、99年支えた誇り 医師派遣の仕組み、どうつくる  先月19日、東北大学のキャンパスから、医師の卵たちを乗せた貸し切りバスが宮城県南三陸町の公立南三陸診療所に向かった。東北大学医学部が今年度から1年生に必修化した「被災地体験実習」だ。同行の指導教官は車中でこう訴えた。  「東北大学医学部は過去99年、地域医療の要として地域の病院に医師を供給してきた。皆さんの年代で医者は大幅に増えるが、東北大学医学部の歴史と伝統を引き継ぐメンバーに入ったことを自覚してもらいたい」 ◆三方一両損   医師不足を受け、政府は全国で医学部定員を拡大した。だが、医師を増やしても医師不足は解決しない。問題は都市部に集中する「偏在」だからだ。  被災地体験の必修化に尽力したのは、同大学病院の石井正教授。被災地で医師が不足しないシステムをつくろうと、同大学病院が昨年、発足させた「地域医療復興センター・総合地域医療教育支援部」に招かれた。石井教授は3年前、石巻赤十字病院の勤務医だったとき、東日本大震災に遭遇。全国の救護チームのコントロールタワーになった。「震災後の県と大学病院と地域医療をつなぐ顔」(大学関係者)だ。  医師不足解消のため、石井教授が描くのは「循環型医師派遣システム」。地域の拠点病院に、例えば県の奨学金を受けた医師などを集め、そこから地域の中小医療機関に医師が交代で出向く仕組みだ。「医師の犠牲的精神に頼る方法は非現実的で長続きしない。医師のキャリアにもなり、行きたいと思えて、みんなにメリットがあり、少しずつ譲歩する三方一両損的な仕組みが最も現実的だ」と言う。  交代制だけではうまくいかない。リーダー向けプログラムも始める。訪問診療や在宅看取(みと)り、予防医療、福祉や介護との調整など、「寄り添う医療」のできる総合医が、キャリアアップにつながる研究ができるように後押しする。  だが、本来、高度専門医療を任務とする東北大学病院には「寄り添う医療」の蓄積はない。石巻市立病院(開成仮診療所)や気仙沼市立本吉病院、みちのく総合診療医学センターと連携し、リーダーとなる総合医を養成する。 ◆今やらねば   この4月、石井教授の元に黒田仁医師が合流する。3年前は岩手県宮古市の田老診療所に勤務。大津波に追われ、高齢者を背負って高台へ走り、自身も被災しながら、同日から救護活動を開始した。  震災前、田老では訪問診療や在宅看取りを行い、住民に家庭での血圧測定を習慣づけて予防を進めた。ケアマネジャー資格を取って地域の介護力を引き上げ、その傍ら、研究を続けた。黒田医師は石井教授と出会い、母校の東北大学に着任することを「神のお告げか運命か、その類い」と話す。  「地域医療は原石を探す仕事。なじみの患者の胸の音が今日は少し変だと気づく、そこにアイデンティティーを求められる人が増えてくれればと思う」  被災地は来年以降、医療機関の建て替えラッシュを迎える。建物はできても、医療職を確保できるか-。  石井教授は言う。「行政、医師会、大学、地域医療機関。4者がこれだけ良い関係の地域はない。震災でひどい目に遭いながら協力し、何度もぶつかって信頼関係ができ、それが今も継続している。地域医療の立て直しは、今やらなければできない」(佐藤好美)                ◇  東日本大震災で東北沿岸部の医療は壊滅的な打撃を受けた。だが、医療過疎地だった地域で前と同じ医療を復旧しても問題は解決しない。拠点病院に医師を集約し、生活圏域では総合医が訪問や予防を行う「地域包括ケア」の実現。それは、多死高齢化の時代に都会も目指す医療体制だ。「最先端」をつくる被災地の取り組みを追った。 "[he-forum 18157] NHKニュース3/12","NHKニュース 2014年3月12日12時34分 奨学金の返済困難者対象の電話相談  就職難などを背景に学生時代に借りた奨学金の返済が困難になっている人などを対象にした電話相談が、東京で行われています。  電話相談は、12日午後4時まで行われ、電話番号は、03-3581-1581です。  大学生などを対象にした奨学金を巡っては、社会に出たあと就職難や経済的な理由を背景に返済が困難になる人が相次いでいて、日本学生支援機構の奨学金を利用した人のうち33万人余りの返済が滞っているということです。  こうした奨学金の返済について相談に応じる電話相談が12日行われ、東京弁護士会の弁護士2人が対応しています。  相談では、「きょうだいが来月から就職するが、収入が少なく、奨学金を返済できるか心配だ」といった相談が寄せられ、弁護士が、返済期限が猶予される制度の活用をアドバイスしていました。  日本学生支援機構では、奨学金を利用する人たちの負担を軽減するため、来年度から返済期限を超えた場合の延滞金を引き下げることなどを予定しています。  東京弁護士会の木下徹弁護士は、「雇用情勢は依然として厳しく、奨学金を借りても返済できないリスクを考えて、進学を断念する人が出てくるおそれがある。国は、返済の必要がない給付型の奨学金の導入などを進めるべきだ」と話しています。 "[he-forum 18156] 読売新聞3/12","読売新聞 2014年3月12日付 群馬の2県立大、法人化検討…有識者委設置へ  群馬県は11日の県議会総務企画常任委員会で、県立女子大(玉村町)と県立県民健康科学大(前橋市)を法人化すべきかどうかを判断するため、有識者による検討委員会を設置することを明らかにした。  17日に初会合を開き、6月に意見をまとめる。県はこれを受け、法人化の可否を判断する。  県総務課によると、検討委は学識経験者や弁護士ら10人で構成する。法人化すると、経営判断が速くなり、長期計画を立てやすくなる反面、事務負担が大きくなり、教員の研究時間が不足するという指摘がある。このため、有識者に両大学の実情を踏まえて検討してもらうことにした。  検討委は、法人化の適否のほか、法人化した場合、1法人が1大学を経営するのか、両大学を経営するのかといった組織形態を含めた方向性も議論する。  両大学の法人化を巡っては2012年、県の事務・事業見直し委員会が法人化を含めた「抜本見直し」が必要だと判断。県は昨年7月に両大学の関係者を交えた研究会を設置し、法人化の効果と課題を調べていた。  県内では、高崎経済大(高崎市)が11年4月に、前橋工科大(前橋市)が13年4月に法人化している。 "[he-forum 18160] しんぶん赤旗3/16","しんぶん赤旗 2014年3月16日付 長野県 給付制奨学金を創設 全国初 学生・父母らの要求実る  経済的な理由で進学をあきらめている学生を支援しようと、長野県は全国で初めて、入学一時金に相当する給付型奨学金を創設します。創設するのは2014年度から。上限額は30万円、30人程度に給付し、他の奨学金制度との併給も可能としています。  保護者が県内に在住し、県内高校を卒業見込みで、県内の大学・短大に進学する者を対象としています。支給は住民税非課税世帯で、5段階評価で平均値が3・5以上、勉学の意欲が高いことを要件としています。  県教職員組合などが1989年から取り組む県民教育署名は1300万人分集まり、国や県に対し、少人数学級や給付制奨学金制度の創設を求めてきました。同教組の市川昇書記長は「日本の奨学金制度は返済のものばかり。給付制によって貧困世帯の子どもたちの経済的負担が軽減される」と歓迎しました。  給付制奨学金制度をめぐって、日本共産党の両角(もろずみ)友成県議が昨年の9月議会で、「多くの学生や保護者から、長野県にも奨学金制度を創設してほしいと願っている」との声を示して迫りました。これに対し阿部守一知事は「奨学金のあり方ということもわれわれ行政が取り組むべき一つの選択肢として、今後十分検討していきたい」と答弁していました。 さらなる拡充を  両角友成県議の話 将来の青年の願いにこたえるもので、希望の光になる。今後、さらなる拡充を求めていきます。 "[he-forum 18159] 日本経済新聞3/12","日本経済新聞 2014年3月12日付 奨学金、返済しやすく 無利子型拡充や期限延長  奨学金を利用する学生が増えている。日本学生支援機構(独立行政法人)の調査によると、2012年度に奨学金を受給した大学生の比率は52.5%で、2年前の前回調査時に比べて1.8ポイント上昇した。奨学金は意欲のある学生を経済的に支援するために欠かせない仕組みだが、返済に苦労するケースも少なくない。仕組みをよく知った上で使いたい。  奨学金は大学や地方自治体、民間団体などが用意している。最も多く利用されているのが日本学生支援機構。返済の義務がある「貸与型」で、無利子(第1種)と有利子(第2種)の2種類がある。支給額は無利子型が月3万~6万4000円、有利子型が月3万~12万円。原則として在学期間中は毎月支給される。  12年度に同機構から貸与を受けた学生は約132万人。貸与基準は比較的緩く、無利子型には例年、上限枠を超える申し込みがある。有利子型なら世帯収入などの形式的な条件を満たせば、「ほとんどの学生が対象になる」(学生支援機構)。金利や返済期間などの条件も一般的な教育ローンに比べ有利とされる。  もっとも奨学金は学生に対する「ローン」。借りるより返す方が難しい。返済の必要がありながら延滞している人は12年度で33万人。03年度に比べて5割ほど多くなっている。奨学金の返済相談を手掛ける岩重佳治弁護士は「学費が上昇傾向にある一方で、卒業後の収入が低迷しているのが原因」とみる。  奨学金の返済負担は小さくはない。例えば大学4年間で、毎月3万円を借りた場合、卒業する時の負債額は144万円になる。12万円を借りれば負債額は576万円だ。  有利子型の場合はもちろん利払いの負担が加わる。576万円に金利1%を上乗せして返済する場合、毎月約2万7000円を20年間、返し続けることになる。返済総額は638万円を超える。  14年度からは少し、状況は改善するかもしれない。学生支援機構は、無利子奨学金の対象者を前年度に比べて2万6000人増やし、45万2000人にする計画だ。  さらに同機構は収入減などにより奨学金の返済が困難になった人への対策も拡充する。一定の条件を満たした場合、これまで最長で5年間、返済期限を猶予する仕組みがあった。14年度からは猶予期間を最長10年に延ばす。  ただし手続きをせずに返済を怠った場合、返済額に対して一定の延滞金がかかるので注意が必要。岩重弁護士は「真面目な人ほど生活が行き詰まるまで頑張ってしまいがち。奨学金の返済が大変なら、早めに専門家に相談してほしい」と話す。奨学金に申し込むなら、将来の返済計画を含めて慎重に考えたい。 "[he-forum 18158] 信濃毎日新聞社説3/15","信濃毎日新聞社説 2014年3月15日付 新県立大学 いったん引き返す時だ  今月に入って県内で“新たな大学”の計画が相次ぎ表面化した。  一つは上田市の私立長野大の公立大への移行。もう一つは長野市の長野医療技術専門学校の大学化だ。  長野市の県短大を四年制化して県立大をつくる方針を県が決めたのは2011年7月。当時と県内の高等教育の環境が変化する。にもかかわらず県会はきのう、県立大の設計関連費用などを盛った来年度当初予算案を一部議員の反対の中で可決した。  このまま開学目標の18年度に向かって突き進むべきではない。出発点に戻って考え直す時だ。  長野大の計画は、運営する学校法人を、上田市を設立主体とする公立大学法人に移行するものだ。2年後の16年度の実現を目指す。現在の社会福祉、環境ツーリズム、企業情報の学部構成をどうするかは未定としている。  長野医療技術専門学校は「長野保健医療大学」(仮称)として1年後の15年度の開学を目指す。現在のように理学療法士と作業療法士の資格を取得できる課程がある保健科学部を設ける。定員は4学年320人を予定する。  県立大を設置する理由の一つは、県内高校生の進学の選択肢拡大だった。設置決定前の10年に県が行ったアンケート調査によると、高校生の進学希望先は国公立が約5割、保護者が望むのは国公立が約9割。その理由の多くが「授業料が安い」だった。長野大が公立化されれば、こうしたニーズを一定程度満たすことになる。  また、理学療法士と作業療法士の資格取得ができる県内の大学は信州大しかなかった。長野保健医療大ができることで高校生の選択肢は増え、全国最低水準とされた県内の大学の収容力も上がる。  これらは県立大学をつくる前提が一部変わることを意味する。その必要性や学部構成を含めてあらためて県民の声を聞き、議論し直すべきだ。  昨年6月に決まった県立大の基本構想は、総合マネジメント学部(160人)と健康発達学部(80人)の2学部計3学科の構成だ。その概要は「多様性の中からイノベーションを創出できる地域社会のリーダーを育成」(総合マネジメント学科)というように、分かりにくさが目立つままだ。  県会にも責任がある。管理栄養士の養成課程の松本大との競合という“南北問題”に議論が終始した。大学の全体像を十分、県にただしてこなかった。これでは県民の理解も進まない。 "[he-forum 18161] 新潟日報3/18","新潟日報 2014年3月18日付 新大法科大学院廃止へ 15年度から募集停止  新潟大学は17日、大学院実務法学研究科(法科大学院)の入学者募集を2015年度から停止すると発表した。法科大学院の14年度入学者が1人だけで、今後も入学者数の増加が見込めないと判断した。入学者の受け入れは今春が最後となり、新入生と在校生47人が修了した時点で法科大学院を廃止する。文部科学省によると、廃止も含めた募集停止は全国13例目。国立大では島根大、信州大(長野県)に続き3例目となる。  新大法科大学院は「弁護士過疎地域」の解消などを目的に04年度に設置。初年度は定員60人を上回る志願者がいたが、徐々に減少したため、13年度から定員を20人に減らした。14年度は入学手続きを行った学生が1人にとどまった。  17日に新潟市内で会見した法科大学院の丹羽正夫研究科長は、廃止の理由について「抜本的に入学者が増えるとは考えられない。模擬裁判などを続けるには受講者が足りず、適切な授業運営が難しくなった」と説明した。高橋姿・新大学長は「ここ数年、司法試験の合格率は上がったが、入学者の確保に結び付かなかった」と話した。  新大では昨年、有識者会議を開き、法科大学院の在り方について議論。8月にまとめた最終報告書では「新大単独で大学院維持の方向性を探るべきだ」としていた。 "[he-forum 18165] しんぶん赤旗3/21","しんぶん赤旗 2014年3月21日付 給付制の実現迫る 奨学金問題 宮本氏ただす 衆院文部科学委  日本共産党の宮本岳志議員は19日の衆院文部科学委員会で、日本学生支援機構の奨学金を受けた学生が、卒業後に厳しい取り立てを迫られている現状を告発し、給付制奨学金の実現を迫りました。  宮本氏は、「借りる時は『機会均等のための奨学金』だったものが、返す時には『ただの借金』と同じ取り立て方になっている」と指摘。次の学生への貸付原資となる元金ではなく延滞金から先に回収していることをあげて「延滞金はいくら回収しても貸付原資には回らない。延滞金よりも元金の回収こそ大事だ」と迫りました。  文部科学省の吉田大輔高等教育局長は「一つの論点として考えられる」と述べました。  宮本氏が、奨学金の保証事業を行う日本国際教育支援協会が滞納者に代わって代位弁済を行った場合、「返済猶予期間の遡及(そきゅう)適用や延滞金の減額を受けることはできるのか」とただすと、吉田局長は「学生支援機構での制度は成り立たない」とし、代位弁済で協会に債務が移った場合、滞納者に10%の遅延損害金が上乗せされることを明らかにしました。  下村博文文科相は、給付制奨学金の創設を目指す考えを示し、宮本氏が指摘した代位弁済の課題についても「検討させていただきたい」と答えました。 "[he-forum 18164] 岐阜新聞3/21","岐阜新聞 2014年3月21日付 障害者医療で連携 県と岐阜大が協定締結  県と岐阜大は20日、家畜衛生の教育と防疫、障害者医療の2分野について連携を強化する協定を結んだ。協定に基づき、県は県中央家畜保健衛生所(大垣市)を同大敷地内に移転。障害者医療に携わる医師を育成する寄付講座を同大に開設する。  同保健衛生所は県の家畜防疫の中核施設。中部地方で唯一、獣医師養成機関がある同大内に移転することで連携を強化する。事業費は約14億円。2016年秋から供用開始する。  障害者医療の寄付講座は新年度から3年間開設する。県が総額7500万円を寄付。重症心身障害、発達障害の診断や治療方法について学ぶ場にする。学生に障害者医療へ慣れてもらうことを狙う。実態調査も予定する。  県庁での締結式には古田肇知事と森秀樹学長が出席。古田知事は「2分野とも県民生活に密接に関連している。岐阜大学との連携に期待している」とあいさつ。森学長は「地域貢献を進めたい」と抱負を語った。  締結式後に連携推進会議を開き、今後の取り組みについて協議した。 "[he-forum 18163] 北海道新聞3/22","北海道新聞 2014年3月22日付 北海道大の研究成果一冊に 産学連携本部、企業向けに106の話題  大学の知恵を企業に役立ててもらおうと、北大産学連携本部は研究成果を冊子「研究シーズ集」にまとめた。技術革新に役立ちそうな研究や共同利用可能な最先端の研究機器類など106の話題を盛り込んだ。  工学、医学、農学、水産など計108人の研究者が登場。医療危機や薬剤開発につながる「ライフサイエンス」、水浄化技術などの「環境」、微生物によるプラスチック生産などの「ものづくり技術」など8分野に分けて紹介した。  A5判124ページ。1700部を無料配布する。問い合わせはメールで同本部jigyo@mcip.hokudai.ac.jpへ。 "[he-forum 18162] 佐賀新聞3/20","佐賀新聞 2014年3月20日付 佐賀大「芸術学部」新設へ 有田窯大を統合  佐賀大は19日、「芸術学部」を2016年4月から新設する構想を発表した。県立有田窯業大学校(西松浦郡有田町)が同大に統合されるのに合わせ、「有田」「唐津」といったブランド力の高い焼き物産地として、次代を担う作家を養成するとともに、創作をビジネスにつなげる経営感覚を持った人材を育て、窯業を支える拠点づくりを目指す。  構想では、芸術学部は定員110人を予定。現在の文化教育学部の美術・工芸課程を引き継ぎ、新たに創作活動の産業展開などを学ぶ芸術マネジメントのコースも開設する。統合される有田窯大を「有田キャンパス」として、学士号が取得できる定員20人程度の「有田セラミック専攻」を設ける。また、最先端のICT(情報通信技術)を活用したデジタルアート教育も充実させる。  新学部創設に伴い、文化教育学部は「教育学部」に再編、教員免許取得を義務付けない課程(新課程)を廃止し教員養成機能に特化する。これまで定員90人だった学校教育課程を120人に増員。小中学校の教員養成だけでなく、発達障害支援や特別支援教育の専攻を設け、教職大学院の設置も計画している。  文部科学省が昨年6月、国立大の教育学部にある新課程を廃止する方針を打ち出したのを受け、佐賀大は対応を検討。同11月に有田窯大を事実上統合することで県と合意したことから、芸術に特化した学部創設を念頭に同省と学部再編の協議を重ねてきた。14年度中に学部新設などを同省に申請、翌15年度の認可を目指す。廃止される新課程(定員150人)は14年度に行う入試を最後に募集を停止する。  学部再編は法人化前の旧佐賀大で1996年に文化教育学部を設置して以来。芸術学部や教育学部の入試方法などは4月中に公表する。佛淵孝夫学長は「美術・工芸課程の歴史と実績や美術館という大学の強みを生かし、伝統工芸、観光などとも結び付けて今までにない芸術学部になる。県と一緒に世界の窯業の拠点化を目指したい」と話した。 【解説】「地域密着」構想 色濃く  芸術学部の新設を柱とした佐賀大の学部再編構想。背景にあるのは国が進める国立大学改革の流れだ。少子化に伴う「大学全入時代」を迎え、特色や強みを生かした個性的な戦略づくりと機能強化を図らなければ生き残れない、大学側の強い危機感がにじむ。  文科省は改革の一環として、学力向上や教員の専門性を高めるため、教育学部の教員養成課程の強化を打ち出す一方、少子化に伴う採用枠の減少を背景に設置された教員免許取得を義務付けない新課程の廃止を求めている。学生の定数減に直結する問題だけに、各大学が対応に苦慮する中で、佐賀大は有田窯大の統合を好材料に、何とか学部再編の道筋をつけた形だ。  景気回復の兆しが見えつつあるとはいえ、厳しい価格競争にさらされ、構造不況にあえぐ窯業界を、大学という「知の拠点」からどう支援していくか。新学部の果たす役割に期待が集まる一方、教員養成に特化される教育学部も卒業生の県内での教員採用を増やす目標を打ち出すなど、構想は「地域密着」が色濃い。  改革は今後、理工学部や農学部の再編も視野に入れる。県内唯一の国立大として、自ら掲げる「地域に必要とされる大学」の実現に向け、主体的な機能強化が求められている。 "[he-forum 18168] 産経新聞主張3/23","産経新聞主張 2014年3月23日付 京大総長の公募 自由な学風生かす改革を  京都大が、総長(学長)の候補者を広く海外からも求める新制度を検討している。日本の大学で初めて導入した学内投票による「総長選」も廃止が議論されている。  改革への積極姿勢は評価したい。しかし一方で、京大が築き上げてきたよき「伝統」と両立する改革とすべきだ。  新制度の狙いは、経営能力に秀でた総長を招いて、大学の研究力と教育力を高めることにある。豊富な海外経験や、人脈の広さも期待できよう。具体的には学内外の委員で構成する総長選考会議で、国内外の有識者に推薦を依頼するなどの手法が検討されている。  大学を取り巻く経営環境は激変している。教員にしろ経営陣にしろ、優秀な人材を広く国内外に求め、大学の魅力向上に努めなければ優秀な学生は育たないし、国際社会で生き残れない。  英教育専門誌、タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が発表した昨年の「世界大学ランキング」では、東大が23位、京大は52位だった。トップ10は欧米が占めたが、50位以内にはシンガポール国立大、香港大、韓国のソウル大、中国の北京大が入っている。京大が戦わねばならないライバルは明らかだ。  世界に伍(ご)するには、大学運営に関わる意思決定のスピードアップが欠かせない。組織の改革や適切な予算配分、経営資源の選択と集中も重要だ。そして、それらを阻害してきたのが、強すぎる権限を持つ教授会といわれてきた。  政府は教授会の権限を縮小し、学長に一元化すべく、学校教育法・国立大学法人法改正案を今国会に提出することをめざしている。学部の狭い思惑に左右されず意思決定できる、学長のリーダーシップ強化は必須である。  その一方で先人によって築かれた伝統や特性も大切にしてもらいたい。京大は湯川秀樹博士はじめノーベル賞学者を多く輩出したことで知られ、iPS細胞の山中伸弥教授のように他大学の出身者も受け入れてきた。自由で風通しがよい学風があったからである。  海外も含め、優秀なリーダーを求める方向性は支持できる。ただし、外部招聘(しょうへい)にありがちな目先の成果主義に陥ってはならない。総長の公募を、「改革のための改革」で終わらせず、京大の独自の学風を、時代に合ったかたちで発展させる機会としてほしい。 "[he-forum 18167] 室蘭民報3/21","室蘭民報 2014年3月21日付 室工大が協力「がん診療センター」のインテリア設計  製鉄記念室蘭病院(松木高雪病院長)が建設中の「がん診療センター」(今年8月稼働予定)で、室蘭工業大学(佐藤一彦学長)が取り組んでいる同センターの「インテリア設計」が完成した。病院らしい清潔感と存在感を保ちながらも自然の良さを演出。「患者が安心できるやさしい空間」をテーマにしたデザインになっている。  同病院と同大は、医工連携に基づいた各種の共同研究を行っており、同センターの建設についても同大が設計段階から協力。住宅の空間構成や居住環境の外部空間の働き―などを研究する真境名達哉講師(建築工学)が、昨秋からインテリア設計に取り組んでいた。  がん患者の治療施設となる同センターは患者側からみると、長期間の利用も想定され、コンセプトとしては「治療オンリーの暗いイメージを払拭した」(真境名講師)という。空きスペースを活用した中庭には、木々が植え込まれた緑地やベンチなども設けられる。  また、2階には木目の自然な雰囲気が特長のカフェや患者向けサロンなども設置、幅広い層がリラックスできる空間も創出した。室内の内壁には、木材の自然な風合いも取り入れるほか、壁の色合いについても1階は黄色、2階は朱色、3階は藤色とするなど病院を連想させる白色の壁をなるべく除いたという。  これらは、海外医療施設などの先進事例も参考にした。真境名講師は「医療施設のデザインは機能面ばかりが重視されるが、居心地の良さをはじめ、心地良さや快適性も重視した」などと話している。  放射線治療室の新設と外来化学療法センターの拡充などがメーンとなる同センターは、今年8月稼働の予定。放射線治療と化学療法を集約した中核施設の建設は現在、「全体の6割ほどの進ちょく」(同病院)という。 (松岡秀宜) "[he-forum 18166] 信濃毎日新聞社説3/24","信濃毎日新聞社説 2014年3月24日付 県立大学構想 自治の議論を素通りか  長野市につくる新しい県立大学の基本構想には、県会でほとんど議論されなかった問題がある。  運営体制で、教授会の役割を制限し、学長の権限を強化することだ。教育の統制を図る安倍晋三政権の施策の先取りといえる。学問の自由や大学の自治に関わる重大な問題だ。  基本構想は「学長のリーダーシップが発揮できる運営体制」を掲げる。このため「教授会の役割を、学長の教育・研究に関する諮問機関の位置付けとして限定的に明確化する」などとしている。  これは安倍首相直属の教育再生実行会議が昨年5月に提言した大学のガバナンス(統治)改革とほぼ同じ内容だ。提言を受けて協議している中央教育審議会の大学分科会はことし2月、教授会の役割を限定する法改正を行うべきだと結論づけた。  学校教育法は「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない」と定めている。憲法の保障する「学問の自由」とともに大学自治の根拠となっている。  こうした規定はなぜ、できたのか―。戦前、京大法学部教授が自由主義思想を理由に当時の文相に免官された滝川事件のように国家が大学の研究内容に介入し、学問の自由が妨げられた。この反省に立って、大学運営を教授会に委ねる仕組みをつくった。  教授会は、教授だけでなく准教授や専任講師を加えることができる。審議する「重要な事項」は大学の裁量に委ねられている。教育関連だけでなく、予算や人事など経営に関することを含めて審議する幅広い自治の形を取っている大学もある。  中教審は、こうした教授会が学長のリーダーシップを阻害していると指摘。教授会の審議事項を(1)学位授与(2)学生の身分に関する審査(3)教育課程の編成(4)教員の研究業績などの審査―の教育関連に限定する法改正を求めている。  ガバナンス改革を進めるため、国が「メリハリを利かせた予算措置を行う」ことも挙げている。予算を通じ、アメとムチで大学のあり方を変える狙いが見える。  教授会が経営にタッチしなくなれば、研究内容も経営を優先したものに制限されかねない。大学関係者の間からは心配する声が出ている。  管理栄養士の養成課程が他大学と競合するかどうかといった狭い議論で県会は県立大関連予算を認めた。木を見て森を見ない危うさがある。 "[he-forum 18170] 和歌山放送3/25","和歌山放送 2014年3月25日18時37分 和歌山大学で卒業式 学長式辞で特定秘密保護法を批判  和歌山大学の卒業式がきょう(3/25)午前10時半から和歌山市民会館大ホールで行われ、4つの学部生と大学院の1000人余りが卒業しました。  卒業式では、教育、経済、システム工学と観光の4つの学部と大学院の総代らが、色鮮やかな袴や黒のスーツ姿で壇上に上がり、山本健慈(やまもと・けんじ)学長から学位記を授与されました。  山本学長は、式辞で、特定秘密保護法について、かつて治安維持法の時代に、旅先の風景を語っただけでスパイとして罰せられた学生がいたことを例に挙げ、「何が秘密かも知らされない特定秘密保護法は、どこに地雷が埋まっているかわからないという恐れを抱かせ、何かを知ろうとする若者たちの意欲を萎縮させるものだ」などと述べた上で、「自発的な学びの意欲を阻害するような制度は、大学の経営を任されている者として容認できない」として、特定秘密保護法の制定を批判しました。  また、山本学長は、「学び続ける自由こそ民主主義の根幹。学ぶことの価値と意味を体験した皆さんには、学ぶことを阻害するものに抗していただきたい」と訴え、最後に「和歌山大学は、とりわけ学び続けるあなたの人生を応援します」とエールを贈りました。  きょう卒業を迎えた和歌山大学の学生は、教育、経済、システム工学、観光の4つの学部と大学院をあわせて1159人で、卒業生は、「卒業を迎えて清々しい気持ち。責任を持って行動できる社会人になりたい」「大学院を含めて6年間、在籍しましたが、学んだデザインを活かして大阪で災害に強いまちづくりに取り組みたい」などと話し、卒業後の新たな生活への期待に胸を膨らませていました。 "[he-forum 18169] 読売新聞3/26","読売新聞 2014年3月26日付 東大学長、論文盗用やデータ捏造に警鐘の告辞  東京大学の卒業式が25日、東京都江東区の有明コロシアムで開かれ、卒業生約3000人が出席した。  浜田純一学長は告辞で、「社会や研究生活で困難に遭遇しても『逃げない』という言葉を思い起こし、正面から状況に向き合ってもらいたい」と強調した。その上で、「論文の執筆や実験の成果に行き詰まった場面で、安易に他の人の文章を窃用したり、実験データを捏造(ねつぞう)したりするといった行為は、まさしく逃げているということにほかならない」と述べた。  理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーらによる「STAP(スタップ)細胞」の論文問題を意識した発言とみられる。 "[he-forum 18180] 日本経済新聞九州3/25","日本経済新聞九州版 2014年3月25日付 九大、西日本シティと連携 ベンチャーを育成  九州大学と西日本シティ銀行は連携協定を28日に締結する。九州大は最先端の研究成果を活用し、銀行の取引先企業と組んで新商品の開発やベンチャーの育成を目指す。西日本シティ銀は産学連携の仲介を通じて有力な地場企業を育成し、新規融資につなげる狙いだ。  九州大が金融機関と連携協定を結ぶのは日本政策投資銀行、ふくおかフィナンシャルグループに続いて3件目。西日本シティ銀はこれまでも専門的な研究発表会を主宰し、大学と地場企業との連携を取り持ってきた。九州大との連携により研究機関との関係を深める。 "[he-forum 18179] しんぶん赤旗3/30","しんぶん赤旗 2014年3月30日付 大学もブラック化 道内7大学で係争 札幌でシンポ  北海道で相次ぐ大学教員・職員の労働事件や大学運営をめぐる問題を考えるシンポジウム「ブラック化する大学と教育の危機」が札幌市で29日、開催され、大学関係者や弁護士など市民ら170人を超える人たちが参加しました。  「大学問題を広く知ってもらおう」と日本労働弁護団北海道ブロック、北海道私立大学教職員組合連合、北海道労働組合総連合など6団体が共催したもので、昨年に続き2回目となります。  日弁連憲法委員会副委員長の佐藤博文弁護士があいさつで、現在、道内7大学10件の係争があり、労働委員会に不当労働行為救済の申し立てが3件あることを紹介。「教員が大学の使用人化している」と指摘しました。  自身も不当に諭旨免職処分され、訴訟を起こした専修大学北海道短期大学前学長の寺本千名夫氏は「北海道で頻発する大学問題の背景と運動の方向性」と題して講演。寺本氏は、頻発する大学問題の背景には、国の文教予算の貧困さ、国立大学の法人化、私立学校法の改正などがあると強調し「大学問題を内部の問題とせず、市民と連携し、学問の自由、教授会の権限を奪う学校教育基本法の改悪に反対することや国・政府に教育に対する姿勢の転換を求めていくことが大事です」とのべました。  パネルディスカッションでは、3大学の教授から大学問題の事例の発表や教育への影響などが報告されました。 "[he-forum 18178] 読売新聞愛知3/30","読売新聞愛知版 2014年3月30日付 「教養つけ、世界見据えて」 愛教大・松田学長 退任記念し講演  今月末で退任する愛知教育大学(刈谷市)の松田正久学長(66)が28日、同大で退任記念の植樹や講演会を行い、学生らに教養を身につけ、世界を広く見据えることの大切さを訴えた。植樹はキャンパス内の付属図書館前で行い、高さ約3メートルの桜を植えた。その後、本部棟で「物理学徒として歩んだ道 今、未来に伝えたいメッセージ」と題した講演を行った。  この中で、松田学長は小学生の時に地球は自転していると知り、教室で何度も跳び上がったが、壁にぶつからず不思議に思った体験が物理への興味につながったとする思い出を披露し、「『なぜ、どうして』と問い続けてほしい」と話した。  また、日本人には国境、民俗、宗教など容易には理解できないことがあるとし、「だからこそ理解するには教育、教養が大事。知の力で世界を見据えてほしい」と語った。  松田学長は素粒子物理学が専門。教授、副学長などを経て、2008年4月から学長に就いていた。 "[he-forum 18177] 千葉日報3/28","千葉日報 2014年3月28日付 教員志望の高校生養成 大学講師陣が授業 千葉女、安房高と千葉大が連携  千葉大学教育学部と千葉女子、安房の県立2高校が27日、千葉市稲毛区の千葉大西千葉キャンパスで「連携教育に関する協定書」に調印した。両高校は新年度、教育者を目指す生徒を育成する「教員基礎コース」を設置。千葉大学教育学部は講師を派遣し、高校の授業をサポートする。  教員基礎コース設置は、県教委が進める学校改革推進プランの「魅力ある県立学校づくりの推進」プログラムの一つ。教育に関心を持つ高校生に、基本的な教員の素養を身に付ける授業を行う。  千葉女子高は4月入学の1年生から希望を募り、定員30人でスタート。1年の2学期、2年の1学期に千葉大から講師を招いた授業を行うほか、夏休みや休日に小学校の学習支援、特別支援学校でのボランティア活動などを実施する。  安房高は2年生からの選択で、講師を招いた授業のほか、教職体験実習を行う。同校は昨年度から教師体験ボランティアを実施していて、千葉大学の講師、学生が体験を総括する「振り返りの会」に参加した。  千葉女子高の田村幸子校長は「面接で教員になりたいという生徒が非常に増えた」と手応えを話し、安房高の川名和則校長は「小学校の教師体験は、生徒が適性を見つける素晴らしい機会になっている」と効果を紹介する。  高橋浩之・教育学部長は「最近は初めから教員を志望していない学生が多くなっている。教員になりたいのかどうかを、よく考えてから受験してもらえるよう協力したい」と約束。県教委の影山美佐子・企画管理部長は「グローバル人材の育成を目指す中で、いかに優秀な教育者を確保するかが重要。地元の子が、地元の学校で活躍できる環境を整えたい」と話した。 "[he-forum 18176] 河北新報3/27","河北新報 2014年3月27日付 医学部新設で宮城県、奨学金基金を検討 東北に医師定着促す  東北への大学医学部新設をめぐり、宮城県が設置実現を前提に、卒業生を東北6県の自治体病院に派遣するための基金創設に向け、国と調整に入ったことが26日分かった。村井嘉浩知事が東京での講演で明らかにした。  東北全体への医師定着策を具体化させることで、他県の自治体からの協力を取り付ける狙いがあるとみられる。  村井知事によると、基金は学生の奨学・就学金制度の枠組みに活用することなどを想定している。  医学部新設を検討する宮城県内の私大は、それぞれ独自の奨学金制度などを設ける方針。私大の財源には限度があることから、県に財政支援を求めている。  県は、文部科学省や復興庁と財源や制度の枠組みを協議している。医学部新設構想の受付期限となる5月までに具体化させる考え。  講演後、村井知事は取材に対し、「国から新設を認めるに当たり、東北への医師定着策を考えるよう求められていた。新設に名乗りを上げた私大だけで実現できる話ではなく、県として検討を始めた」と語った。 "[he-forum 18175] 読売新聞長野3/27","読売新聞長野版 2014年3月27日付 信州大に教員人事一元化組織  信州大(本部・松本市)は26日、新年度から重点的に進める改革計画を発表した。教員人事の流動性を確保することを目的とした「学術研究院」のほか、同大が強みとする研究領域を結集した「先鋭領域融合研究群」の新設が柱だ。  文部科学省は昨年11月、国立大の研究力を世界レベルに引き上げ、地域活性化の中核的拠点としての機能を強化しようと「改革プラン」を示した。組織再編や人事給与システムの改革を進める大学に対し、運営費交付金を重点配分するなどし、支援する内容だ。  信州大の計画は、文科省のプランを受けたもの。目玉の一つが、教員組織「学術研究院」の設置。従来、学部ごとに管理していた教員人事を一元的に運用する。教員が学部の垣根を越えて柔軟に指導・研究にあたることが可能になるという。  また、「先鋭領域融合研究群」には、信州大の強みとされる「カーボン科学」「山岳科学」など5領域で研究所を設け、4月から運用を始める。これまで研究は個人で行うことが多かったが、組織を設けることで外部研究者の招請や、若手育成をしやすい体制を作る。  さらに、学生の視点に立った学士課程教育の再編・強化にも取り組む。図書館の使い方や実験ノートの記入方法など、初年次教育を充実させるという。  山沢清人学長は「県内各地に分散している学部同士の連携が課題だったが、組織再編を契機に、全学的な指導力、研究力のアップを目指したい」と述べた。 "[he-forum 18174] 日本経済新聞四国3/28","日本経済新聞四国版 2014年3月28日付 愛媛大、高機能紙の開発拠点を新設  愛媛大学は27日、高機能紙の研究開発を担う「紙産業イノベーションセンター」を4月1日に設立すると発表した。現在は大学院に教育を中心とした紙産業特別コースがあるが、センター設立で産学連携の研究開発を強化する。教員を2人から6人に増やし、愛媛県四国中央市を中心とする紙産業の活性化を目指す。  愛媛県産業技術研究所紙産業技術センター(四国中央市)内に拠点を設け、内村浩美教授がセンター長に就く。製紙の製造過程で生じる廃棄物の再利用方法を検討、紙を活用した医療用バイオチップの開発も目指す。高機能紙の開発につながる新材料も研究する。  センターが立地する予定の四国中央市は紙製品の製造出荷額が全国の市区町村で最も多いが、低価格の輸入品の攻勢などで苦戦している。愛媛大には地元企業から巻き返しに向けた次世代品の開発相談が相次いでおり、研究体制を強化することにした。 "[he-forum 18173] 愛媛新聞3/28","愛媛新聞 2014年3月28日付 愛媛大4学期制検討へ 授業、短期集中型に  愛媛大が2014年度から、現在の前期、後期の2学期制を4学期制に変更する具体的な検討に入ることが27日、松山市道後樋又の愛媛大本部であった経営協議会で明らかになった。柳沢康信学長は、16年度に計画する「地域共創学部」(仮称)新設などの組織改編に合わせた変更を念頭に置いている。  愛媛大は現在、基本的に90分の授業を週1回、15週で2単位を与えている。教育担当の松本長彦理事・副学長によると、4学期制では毎週の授業が2回に増える一方、単位取得までに要する期間を8週に縮め、短期間で集中して学ぶ形にする。 "[he-forum 18172] 長崎新聞3/27","長崎新聞 2013年3月27日付 長大病院が教育プログラム  長崎大学病院は新年度、研修医が教員と一緒に近隣の市中病院に出向いて夜間の救急医療に携わる教育プログラムを導入する。研修医の基礎力を磨くほか、救急医療に携わる地域の医師不足を緩和する狙いもある。各病院との窓口になる救急医療教育室を新設する。  長崎市近郊では、日替わりで救急医療を担当する輪番病院がこの2年で2カ所減り9カ所になった。当面は負担が増えた済生会長崎病院と長崎記念病院が受け入れる。  大学病院では重症度や専門性の高い診療をする半面、専門分野以外の診療に携わる機会は少ない。病気やけがなど多様な患者の受け皿となる輪番病院で現場経験を積み総合的な力を育成する。  医師をほかの病院に派遣するのは珍しくないが、大学病院が教育プログラムに市中病院での救急医療を組み込むのは全国でも例が少ない。救急医療教育室長に就任予定の長谷敦子准教授は「実践的な教育で地域貢献もできる。医師不足が進む地方の大学病院の在り方として、一つのモデルになる」としている。 "[he-forum 18171] 岩手日日新聞3/27","岩手日日新聞 2014年3月27日付 人育てる意義 震災経て実感~藤井学長、退任前に会見  岩手大の藤井克己学長(60)は26日、3月末での退任を前に盛岡市の同大で最後の記者会見に臨んだ。最も印象に残っていることに東日本大震災を挙げ、学生や教職員と共に復興を目指した日々を「心が一つになれた」と振り返った。  藤井氏は滋賀県出身で東大農学部卒。1984年11月に岩手大農学部講師となり、学部長を経て2008年6月から2期学長を務めた。「学生こそが主人公」とした視点、地域連携をベースとした研究の展開などを掲げ、環境への取り組みや男女共同参画などを積極的に推進。震災後は学内に三陸復興推進機構や地域防災研究センターを設置するなど、県内での復興の牽引(けんいん)役となるべくさまざまな取り組みを進めた。  震災後には卒業式や入学式を中止し、授業再開も遅れるなどしたため「学生のいないキャンパスはいかに寂しいか。学生あっての大学、人を育てることの大事さを改めて感じた」と振り返った。復興に取り組んだことを「何とかやり遂げてきた」としながら「当初は緊急対応だったが、なりわいの再生、まちづくりなどは次のステージに来ている。中長期的な取り組みを担っていけるような立場を大学に期待したい」と述べた。  4月からはいわて産業振興センターの顧問に就任する予定で「粘り強く誠実に取り組むという学風は得難い財産で、継承してほしい」と後進や学生にエールを送った。  同大の新学長には4月1日付で工学部教授の堺茂樹氏が就任する予定。 "[he-forum 18181] しんぶん赤旗3/31","しんぶん赤旗 2014年3月31日(月) 科学研究をゆがめる内閣府設置法案 衆院委可決 赤嶺氏反対  内閣府に設置された「総合科学技術会議」の機能を強化する内閣府設置法改定案が26日の衆院内閣委員会で可決されました(27日の衆院本会議で可決)。日本共産党は反対しました。  同改定案は、政府全体の学術研究予算である科学技術振興費の4%相当(500億円)を内閣府が吸い上げ、総合科学技術会議の方針のもと、各省に再 配分するものです。再配分方針案を決める10人のプログラムディレクターのうち半数が、トヨタや三菱電機などの大企業関係者が候補としてあがっています。  反対討論にたった日本共産党の赤嶺政賢議員は「科学技術振興費を財界・大企業の要求する研究開発に再配分するもので、日本の科学研究をゆがめるものだ。長い目で見れば、イノベーション(技術革新)を生み出す日本の研究基盤を掘り崩すものになりかねない」と指摘しました。  採決に先立つ質疑のなかで赤嶺議員は「総合科学技術会議が自らの裁量で支援プログラムを決定でき」「産業界関係者をできる限り多く委員に加えるこ とが重要」などと記した経団連の提言(2013年)を示し、財界に忠実に応える法改定を批判しました。山本一太内閣府特命担当相は「研究開発費が潤沢な大 企業の製品開発を支援するものではない」などと答えました。= "[he-forum 18183] 日本経済新聞九州4/1","日本経済新聞九州版 2014年4月1日付 琉球大、地元2金融機関と産学連携協定  琉球大学の産学官連携推進機構は沖縄銀行、コザ信用金庫(沖縄県沖縄市)の2金融機関と産学連携協定を結んだ。琉球大の研究成果を起業などに還元するため情報交換し取引先企業の商品開発や販路拡大につなげる。  沖縄銀とはインターンシップなど人材育成策の充実や、同行が今後参画するものづくり関連のファンドを通じた産業育成を進める。コザ信金とは地元中小企業の商品開発や地域商店街の活性化を目指す。 "[he-forum 18182] 福島民報4/1","福島民報 2014年4月1日付 入戸野学長が退任 福島大  福島大の入戸野修学長(72)の退任式は31日、福島市の同大で行われた。  入戸野学長は地域に根付いた「顔の見える大学」を目指した4年間を振り返り、「持てる力を教職員が支えてくれた」と感謝した。大きな思い出として東日本大震災を挙げ、「一丸となって対応できたのが今日につながっている」と大学のさらなる発展を願った。  今後については「科学教育の啓発活動に力を入れたい」と意欲を述べた。教職員代表が花束を贈った。  入戸野学長は平成14年から同大の教育学部教授となり、22年から4年間、学長を務めた。 "[he-forum 18185] 山陽新聞4/1","山陽新聞 2014年4月1日付 岡山大「スーパー大学院」開講へ 教授や医師ら高水準の講義  幅広い分野について大学教授や医師らが高水準の講義を行う「岡山スーパー大学院」が5月、岡山市北区鹿田町の岡山大歯学部で開講する。元同大教授らでつくる運営委主催。第1弾として7月まで介護職員らを主な対象に「高齢者の心と身体のしくみ、疾病、予防の科学」と題した講座を設ける。  同講座は、介護をキーワードに基礎から応用まで網羅。同大大学院教授、同大名誉教授ら多彩な顔触れが認知症予防や薬の科学、新型インフルエンザの最新動向、口腔(こうくう)ケア、血液系の疾患・腫瘍などについて講義する。  開講は5月11、18日、6月8、15日、7月6、13日の午前10時半〜午後4時10分(初日は午前10時から)。1日3回の講義があり、1回90分。受講料2万円。  世話人の永井教之・同大名誉教授は「施設、在宅を問わず介護に携わる人にとって必要な知識を学べる場にしたい」と話している。  希望者は、事務局のNPO法人ヘルスサイエンス地域国際センター(086―897―6295)にファクスかメールで氏名、連絡先などを添え、申し込む。 "[he-forum 18184] 沖縄タイムス4/1","沖縄タイムス 2014年4月1日付 研究成果を事業化 沖銀と琉大が協定  沖縄銀行(玉城義昭頭取)は31日、琉球大学産学官連携推進機構(仲座栄三機構長)と連携協定を結んだ。両者は、定期的な情報交換会を開き、琉大の研究成果を事業化していく方針。沖銀が実施している寄付講座などの人材育成支援も充実させる。  同日、那覇市の沖銀本店であった調印式で、玉城頭取は「琉大の持つ研究成果を活用し、地域の活性化に貢献したい」と意気込みを語った。仲座機構長も「金融機関が計画段階から事業にかかわることで、事業推進につながっていく」と今後の進展に期待した。  沖銀は、製造業や農業の分野で琉大の研究成果を商品開発などに活用するほか、商品開発後は販路拡大支援なども実施し、産業の育成につなげたい考え。  また、琉大法科大学院生を受け入れ、司法試験合格を後押しするリーガルアシスタントを継続したり、同大が開催する学生ビジネスアイデアコンテストに協力するなど人材育成面でも支援する。 "[he-forum 18186] 山形新聞4/3","山形新聞 2014年04月03日 09:13 山形大・小山新学長が抱負、改革路線を継承 基盤教育充実図る  山形大の小山清人新学長は2日、山形市の同大小白川キャンパスで就任後初の定例会見を開いた。大学の意思決定迅速化など結城章夫前学長の改革路線を継承 し、「授業を通じて地域との交流を深め、県民に『私たちの山形大』と言ってもらえるような大学を目指したい」と抱負を述べた。  1日付で就任した小山学長は「学生が積極的に参加できる体験学習を増やすなど、基盤教育のさらなる充実を図りたい。自分の人生をどう生きるか、学生が考 える機会を設けていきたい」と語った。各キャンパスの自立と特色の明確化を課題に挙げた上で、「大学が法人化して10年たつが、約7割の職員がそれ以前に 雇われている。価値観を変え、組織として自立する姿勢を普及させたい」と話した。  文科事務次官を経て就任した結城前学長とのカラーの違いについて、「結城前学長は“外”の目で改革してくれた。私は約40年、山大におり、研究者、教育 者として生きている。改革路線を継承した上で、教育と研究現場の経験を生かしたい。私なりの色が自然と出てくると思う」と述べた。  医学部への設置を目指す重粒子線がん治療施設について、本年度は運営方法の検討を重ねる方針を示した。また同大が取り組むべき課題と目標をまとめた年間行動計画「結城プラン」を踏襲し、「アニュアル(年度)プラン2014」を作成した。 "[he-forum 18190] 読売新聞4/4","読売新聞 2014年4月4日付 医学生奨学金枠 10人に拡大…新潟  新潟県は2日、県外の大学の医学部に通う県出身者への奨学金の貸し出し人数を、今年度から10人に増やすと発表した。  借りた学生が卒業後、県内の病院で勤務した場合、返還を免除する制度で、枠の拡大で医師不足解消の一助とする。  奨学金は医師養成修学資金の名称で2008年度から年3人枠で始め、これまでに18人が借りているが、私立大(月30万円)5人と国公立大(同15万円)5人の計10人に拡大する。  学生の両親が県出身者の場合も対象となり、世帯の年収1500万円未満であることが条件。最大6年まで貸し出す。  返還が免除されるのは、県が指定する病院で、借りた期間の1・5倍、勤務する必要がある。例えば、6年借りたら9年勤務しなければならない。  泉田知事は、「1年間で約70人が県外大学の医学部に進学している。制度を活用して古里に戻ってきて、医療活動をしてもらいたい」と語った。県医師・看護職員確保対策課が23日まで募集している。 "[he-forum 18189] 産経新聞4/3","産経新聞 2014年4月3日付 国家戦略特区 「医学部新設」に医師会反発  政府の国家戦略特区に盛り込まれた大学医学部新設構想に対して、日本医師会(日医)や自民党の厚労族議員が反発を強めている。2日には、日医の横倉義武会長が安倍晋三首相に直談判し、構想の見直しを求めた。  「医学部を作るには約300人の医師が教員として必要だ。300人を集めれば、周辺には医療体制の“穴”ができる」  官邸での首相との面会で横倉氏はこう述べ、構想への強い懸念を表明した。  日医は教員として周辺の病院の勤務医が引き抜かれ、地域の医師不足が加速すると主張しているが、1地域で誕生する医学部が全国的な医師不足に拍車をかけるかは不透明。日医が開業医中心の業界団体であるため、開業医VS大学病院の構図とみる向きもある。  選挙で日医の協力を受ける自民党厚労族も同様の主張を展開しており、3月31日の特区に関する党の会議では、尾辻秀久元厚労相が「ただでさえ医師が少ない中300人持っていかれたらどうなる? それを考えて話をしとんのかね!」と政府の担当者にすごんでみせた。特区の政令は月内にも閣議決定される見通しで、落としどころが焦点となる。 "[he-forum 18188] 北國新聞4/3","北國新聞 2014年4月3日付 金大に改革推進委 学域学類制など点検  金大は2日までに、2008年度に導入した3学域16学類制や各研究センターの検証・改善を担う「改革推進委員会」を設置した。山崎光悦(こうえつ)学長を委員長に、理事や各部門のトップで組織し、課題解決に向けた具体的な方策を議論する。  同日、新任あいさつで北國新聞社を訪れ、髙澤基社長と懇談した山崎学長が明らかにした。山崎学長は「例えば、出願倍率が低下傾向の学類ならカリキュラムを見直さなければならない」と述べ、必要に応じて柔軟に対応する考えを示した。  大学運営については、国際化と研究力アップが重要だと指摘し、「総合力を上げるより、強い分野をさらに磨き、世界に注目される大学にしたい」と話した。年間の授業区分を四つに分ける「4学期制」の導入を「強い意志を持って進めていく」と強調した。  向智里、柴田正良、山本博、福森義宏、有松正洋の各理事・副学長、石原多賀子監事が同行した。 "[he-forum 18187] 東海日日新聞4/3","東海日日新聞 2014年4月3日付 大西新学長が会見 豊橋技科大/榊時代の成果継承し成功・発展図る/グローバル化推進など―5つのテーマで大学改革も  豊橋技術科学大学(豊橋市天伯町)の第7代学長に就いた、日本学術会議会長の大西隆氏(65)が2日、同大学内で会見を開き、マレーシア・ペナン校を拠点とした人材育成事業など、榊佳之前学長が残した成果を継承し発展させていく考えを示した。  記者会見には、理事・副学長(総務担当)大貝彰▽同(学務担当)井上光輝▽理事・事務局長(経営担当)鈴木章文の3氏も出席した。  大西学長は、国立大学が置かれている現状について「運営交付金が減ってきて厳しい」とした上で、「榊学長時代に新たな研究資金を獲得し、本格的にスタートする3大プロジェクト(ペナン校開校▽博士課程教育リーディングプログラム▽研究大学強化促進事業)を着実に軌道に乗せ、成功させることが私の役割」と述べ、まずは榊時代の成果を発展させていく考えを示した。  その上で、①大学全体のグローバル化推進②社会との連携③研究における本学の優位性向上④グローバル教育の推進⑤人材の継続と流動を統合した制度―の5テーマをあげ、大学の改革に取り組む姿勢を見せた。  同大出身者でない大西氏が学長に選ばれた感想を求められると「長岡技科大に7年いて技科大の特色や可能性は知っている。三遠南信地域の広域連携にも関わった土地勘も、選ばれた理由の1つではないか」と答えた。  大西学長は東京大学工学部卒業、同大学院工学系研究科博士課程都市工学専攻修了。長岡技科大助教授などを経て東大大学院教授等歴任。専門は都市工学。日本学術会議会長は9月末の任期まで兼務する。 "[he-forum 18191] 産経新聞4/5","産経新聞 2014年4月5日付 【ニッポンの分岐点 大学(1)】 旧制高校廃止 消えた“贅沢品” 大衆化招く  かつて同年代の1%ほどしか進学できない“狭き門”があった。少人数に対するエリート教育を行い、多くのリーダーを輩出した旧制高校だ。今や2人に1人が進学するほど大学の大衆化が進んだが、その起点になったのは昭和25(1950)年の旧制高校の廃止だった。 最後の一高入学生  23年4月、後に東京五輪やモントリオール五輪でボート競技の日本代表コーチを務めることになる荒川鉄太郎(83)は、17歳で憧れの旧制第一高等学校(現・東大教養学部)の門をくぐった。大卒が希少で、「学士さま」と呼ばれた戦前の感覚がまだ色濃く残る時代。旧制高校の中でも頂点に位置する一高の学生は、名実ともに日本のエリートと呼べる存在だった。  荒川らの学年は一高最後の入学生だった。すでに旧制高校は、22年入学者が卒業する25年3月で廃校されることが決まっていたからだ。敗戦後の21年、米国教育使節団から教育の民主的改革の指示が出され、翌22年に小学校6年・中学校3年・高校3年・大学4年の新しい教育課程を定めた教育基本法と学校教育法が公布されていた。  23年入学組の場合、在校1年で旧制高校を追い出され、24年から始まる新制大学を受験し直さなければならない。移行措置として旧制中学5年の課程を終えて卒業した者を新制高校3年生に編入し、翌年に新制大学を受ける道も用意されていたが、荒川はあえて終焉(しゅうえん)寸前の旧制高校を経由する“迂回(うかい)路”を選んだ。  「やはり、一高は憧れだし、行ってみたかった」。旧制高校のステータスは、それほど格別だった。  旧制高校教育の最大の特徴が、寮中心の学生生活だった。  「戦前の一高生と比べれば十分ではなかったが、それでも授業後は仲間で寮の部屋に集まって、議論したり酒を飲んだりした。先輩や先生との人間同士のぶつかり合いがあった」  荒川も一高の良さとして、まず寮での思い出を語る。旧制高校に入れば、原則無試験で帝国大学に進学できる。余裕ある環境の下、寮の仲間と競い合うように難解な哲学や文学、歴史の本を読み、知的な議論を交わす教養主義は、旧制高校の伝統だった。  旧制高校と新制大学の両方で学んだ希少な経験を持つ人々は“両生類”と呼ばれる。荒川も24年に新制東大に移る。一高時代に400人だった一学年の人数は約1800人に膨らみ、キャンパスは人であふれかえった。その後、大学院まで進んだが、一高と比べて東大での思い出は希薄だという。  寮を中心に級友と切磋琢磨(せっさたくま)し合った旧制の全人格的な教育は、少人数だからこそ実現できたことだと述懐する。 新制と旧制の大きな「断絶」  新制大学生も、旧制高校出身者に違和感を覚えていた。  旧制高校の実態を詳細に調べた『旧制高校物語』(文春新書)の著書もある現代史家の秦郁彦(81)は、26年に新制東大に入学し、駒場寮に入った。一高から引き継いだ寮には当時、まだ旧制高校出身者が大勢いた。「旧制出身者は『子供が入ってきた』と見下してきたし、こちらも『旧式教育の残り物か』と応じる。私の年だと、12歳のときに終戦を迎えて、以後は民主主義教育を受けてきたわけだから、肌合いが違う。心理的な反発があった」。年齢でいえばわずかな差だが、新制と旧制の断絶は大きかった。  秦によれば、旧制一高から東大に移った教員らも、新制大学生をどう扱っていいか分からない様子だったという。「一つには、人数が数倍に増えて学力が落ちたから。旧制のやり方を新制に押しつけるということもなく、おざなりに教え、こちらもおざなりに勉強したという感じがある」  旧制と新制との間に継続性は乏しかったというのが、秦の見立てだ。  終戦時、38校あった旧制高校。秦の計算によれば、数十年の歴史を通じての在校者累計は、23万人程度にすぎないという。大学数が800校近くあり、現在の在学生だけでも28万人を超える現代からすると、隔世の感がある。  その狭き門を目指せる人間も限られていた。そもそも義務教育は小学校6年までで、5年制の旧制中学に進学するのは同世代の1~2割程度。学力だけでなく経済的にも恵まれていなければ、旧制高校さらには大学を目指すことさえできなかった。 戦後は量的拡大を重視  現在とは比較にならない格差社会だった戦前の教育制度は「複線型」と呼ばれる。中-高-大を結ぶ進学コースのほかに、教員を養成する師範学校や各官庁が設けた講習所などが教育機関として多数設置されており、就職と直結していた。  早い段階でコースが振り分けられ、そこで職業や身分が固定される。格差が大きな社会構造に見合った教育制度だといえるだろう。それを打破しようとして戦後に導入されたのが、現在まで続く6・3・3・4の「単線型」学制だった。  荒川は、一高の寮に清掃などを行う「小使いさん」が出入りしていたことを思い出す。彼らは、働きながら夜間学校などに通う苦学生が多かった。「そうした人たちに、一高生が必ずしも温かく接していたとはいえない」。同年配でありながら、そこには大きな社会的格差が存在していた。  作家で旧制高知高校OBの三浦朱門(88)は、旧制高校を「大日本帝国の贅沢(ぜいたく)品」と評する。「戦前戦中の日本の中で、希有(けう)な自由と自治がそこに存在した。旧制中学までは服装も風紀もとにかく厳しい。だが高校に入ると、授業自体は厳しかったものの、サボるのも自由だし、服装なども大目に見られる。自分たち自身で、いいと思う行動ができた」  選ばれた少数者に対して自由で贅沢な知的環境を与えたからこそ、日本の急速な近代化を担う人材が育ったと三浦はみる。  「贅沢品」という三浦の表現に対し、秦も「言い得て妙」と同意する。「結局、贅沢品だからたくさん増やすことはできなかった。特に戦後の貧しい時代、少数者に対する特権的なエリート教育を維持するのは、機会の均等や平等の理念と両立しない」  戦後、何より重視されたのは、義務教育年限の拡大や進学率の向上などに象徴される教育の量的拡大だった。少数のエリートを養成する旧制高校はもはや不要な存在ともいえ、その廃止によって戦後の大学は大きく変貌していくことになる。=敬称略(磨井慎吾) "[he-forum 18192] 佐賀新聞4/5","佐賀新聞 2014年4月5日付 佐大病院 小児救急終了 時間外に影響深刻  佐賀大学医学部附属病院は24時間365日対応してきた小児救急を3月いっぱいで事実上、終了した。財源だった国の基金が減額され、専門医を常駐させることが難しくなった。年間約4千件の小児救急を受け入れていただけに、「入院や手術が必要な子どもの時間外救急への影響が特に深刻だ」としている。  小児救急は2010年度からスタートし、ベテランの専門医と臨床研修を終えた若手医師の7人態勢で日勤と夜勤のシフトを組んできた。国の「地域医療再生基金」を活用した県の寄付講座の一環。外科的な応急措置ができる小児科医の育成を図りながら、手薄だった県内の小児救急を充実させる政策医療的な側面も色濃かった。  国の基金は13年度でいったん期限を迎えたが、2年間の延長が認められた。しかし、補助額が半減したため、小児救急事業は予定通り終了となった。  佐賀大病院は、13年度の事業期限までに多くの若手医師を育成し、県医療センター好生館などに人材を供給して県内の小児救急を整備する計画だった。4年間で14人(うち女性5人)の若手医師を育てて県内の病院に供給したが、「小児科の抱える問題として過重労働で離職者が止まらず、いくら育てても人材不足は解消しない」(佐賀大)という。  4月以降、時間外の救急に対応してきた「夜勤」はいなくなり、小児科病棟の入院患者の容体急変に備えて待機している当直医が対応することになる。3月に退職した佐賀大病院小児科学前教授の浜崎雄平医師は「当直は寝て休むことを前提に翌日も継続して勤務する。時間外対応を強いられる現状はあまりに過酷で、医療の安全面からも続けられない」という。  昨秋から、好生館でも週に2日、小児の救急車の受け入れを始め、佐賀大病院の負担軽減を図っている。また、国立病院機構佐賀病院、佐賀中部病院(旧佐賀社会保険病院)を加えた4病院で1月、連絡会議を立ちあげて佐賀中部医療圏の小児救急の在り方について対策を協議している。  佐賀大病院によると、12年度の小児救急の時間外受診は2286件で、うち入院が必要な重症ケースは14・4%、330件にとどまった。浜崎医師は「便利だからという理由で時間外受診されるケースも少なくないが、大学病院の本来の役割は重症患者への対応。小児救急の厳しい現状を踏まえ、小児専用の電話相談や佐賀市の休日夜間こども診療所を上手に活用してほしい」と呼び掛けている。(栗林賢) ■県内の小児救急電話相談 12年度最多1864件  休日や夜間の急な子どもの病気に対し、佐賀大学医学部附属病院の専門医や看護師が助言する「小児救急電話相談」の2012年度の県内利用者は1864件で、前年度より137件増え、過去最多だった。県医務課は「年長者に相談できない若い親の需要が高い。不要な時間外受診を減らすためにも、積極的に活用してほしい」と呼び掛ける。  相談は全国共通の短縮ダイヤル「#8000」にかけると、都道府県が設置した窓口につながる。佐賀県は04年度に開始し、365日、午後7時~同11時の間に対応している。  助言の中身は、「様子を見て」が922件(49.5%)で最も多く、次が「外来を紹介」の241件(12.92%)。緊急事態のケースは少なく、「大学病院に連れてきて」は60件、「救急車を呼んで」は1件にとどまった。  症状別で最も多かったのは「発熱」の532件(28.5%)。次いで「嘔吐(おうと)」の141件(7.6%)だった。相談者は、0~4歳の子どもを持つ保護者が1383件で70%以上を占めた。  電話相談には小児科の時間外受診を減らす狙いもあるが、佐賀大病院小児救急の12年度の時間外(午後5時~翌朝)受診は2286件だった。 "[he-forum 18194] 読売新聞4/6","読売新聞 2014年4月6日付 政府、廃炉研究の大学指定へ…福島で技術開発  政府は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉を研究する拠点大学として、2~3校を夏頃に指定する。  指定された大学の研究者や学生は、2015年に福島に完成する拠点施設での廃炉の技術開発に参加する。大学側の持つ技術開発力を生かすとともに、学生に研究参加により意欲を高めてもらう狙いがある。  福島第一原発の廃炉作業に関しては、原子炉内で溶け落ちた核燃料(溶融燃料)の回収など、技術的に難しいものが多い。このため、技術開発などの拠点として、原子炉の一部を再現した模型を設置する「モックアップ施設」(福島県楢葉町)が、15年3月に完成する予定だ。同施設では、原子力関係企業などで作る「国際廃炉研究開発機構」が中心となり、主に1~3号機の原子炉内で遠隔操作で溶融燃料を取り出す方法や、原子炉の解体方法などの技術開発を進める。  施設には宿泊設備があり、大学の若手研究者や学生らも定期的に泊まり込み、機構の技術開発の現場に参加し、共同研究する。大学では遠隔操作などに関する研究を行い、新たな技術を機構に提供する。 "[he-forum 18193] 日本経済新聞社説4/6","日本経済新聞社説 2014年4月6日付 大学入試改革を失速させるな  大学入試制度の改革が難航している。政府の教育再生実行会議が昨年秋に「達成度テスト」導入などを求める提言を打ち出し、これを中央教育審議会で肉付けしているが、議論は拡散ぎみだ。  中教審の特別部会は先月、達成度テストのうち、現行の大学入試センター試験に代わる「発展レベル」のあり方についての報告をまとめた。しかし受験機会の複数化など、もとの提言の肝心の部分については結論を先送りした。  このままでは改革の動きが失速しかねない情勢だ。若者の能力や意欲を多面的に評価しうる仕組みへの転換という入試改革の原点に立ち返ってもらいたい。  そもそも教育再生実行会議が入試改革に乗り出した背景には、すでに20年以上続くセンター試験体制が時代に合わなくなってきているという問題意識があった。  受験機会は毎年1回だけ、1点刻みの成績評価、しかもマークシート方式だから「考えさせる問題」が出しにくい――。  そうしたなかで実行会議は大胆な提言をまとめた。(1)センター試験を事実上廃止して「基礎」「発展」両レベルの達成度テストを創設する(2)いずれも複数回の挑戦を可能とし、成績評価も段階別とする――などの内容である。  中教審の役割はこれの具体化だが、関係者からは異論が吹き出している。「2種類のテストを常に意識していては高校生活が試験漬けになる」「複数回の受験機会設定は高校にも大学にも事務的負担が大きい」といった声だ。  拙速な方向付けは禁物だが、抵抗が大きいからといって中途半端な結論に終わらせてはならない。改革に伴う現場の混乱や負担増大へのしっかりした対応も示しつつ、踏み込んだ議論を展開して答申につなげてもらいたい。  大学界ではいま、東京大学が入試に推薦枠を導入するなど個々の改革も進んでいる。しかし現行の入試体制の根幹にあるのはセンター試験だ。この見直しなくして選抜制度の大転換は果たせない。 "[he-forum 18195] 毎日新聞4/10","毎日新聞 2014年04月10日 15時00分 研究不正:文科省、対応指針の見直しへ  「STAP(スタップ)細胞」を巡る論文不正疑惑を受け、国内の各大学では論文やリポート作成について学生への倫理教育を強化する動きが広がっている。  文部科学省も、研究不正への対応指針の中で大学などの研究機関に倫理教育を義務付ける方針を固めている。  降圧剤バルサルタンの臨床試験疑惑などの研究不正が 相次いでいることを受け、昨年から指針の見直し作業を進めており、改正案では、研究機関に倫理教育実施体制の整備を義務付ける。国も教育プログラム開発な どを支援するほか、研究機関の取り組み状況を調査する。現行の指針では「研究者倫理の向上のための取り組みが求められる」とするだけで、具体的な義務は課 していなかった。  今後、STAP細胞論文問題の理化学研究所による調査結果も精査したうえで、必要な再発防止策を追加する方針。指針の改正案は省内で取りまとめた後、国民に広く意見を聞いた上で運用を開始する。【大場あい】= "[he-forum 18196] 研究者倫理の問題?北大・奈良林氏の場合","元佐賀大学の豊島です. 理研・小保方氏の論文をめぐって,研究者倫理の問題がメディアで取り沙汰されていす.まだ決着からは遠いようですが,次の事例は,論文ではないものの公的な場での明かな虚偽発言として明確であり,まさに科学者の倫理的責任が問われるべき重大性を持つと思います. 1月24日に佐賀県議会・原子力安全対策等特別委員会で,北大大学院教授の奈良林直氏が参考人として意見陳述をしました.その中で,例えば「原発より火力発電所の方が放射能を出す」というような虚偽発言や,高レベル廃棄物の放射能は40年で千分の1になるというような詭弁を行っています.他にも,放射線の影響についての定説を無視した発言など多数です. ビデオは県議会のサイトにあります. http://www.pref.saga.lg.jp/sy-contents/gikai/stream/usr/library/gikai_result2.php?GIKAIID=21170 原発の再稼働についての県議会の判断に影響するとも思われ,その意味でも重大です. そこで福岡核問題研究会ではこれに対する批判文「奈良林直氏の参考人意見陳述について」をまとめ,4月4日に議会事務局を通じて県議会に配布し,メディアに発表しました.また奈良林氏本人にも郵送しました. 福岡核問題研究会のサイトと私のブログの両方に全文をアップロードしています. http://jsafukuoka.web.fc2.com/Nukes/blog/files/83346d18654d577726d2ba2d993eae4d-16.html http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2014-04-04 8日の毎日新聞佐賀地方版がこの私たちの批判を報道しています.以下に添付します.ウェブ上では次にありますが,閲覧するには登録操作(無料)が必要です. http://mainichi.jp/area/saga/news/20140408ddlk41040495000c.html 上記文書も併せてお読み頂ければ幸いです. ------------- 県議会原子力対策特別委:参考人の奈良林氏「発言内容に問題」 核問題研究会が指摘 /佐賀 毎日新聞 2014年04月08日 地方版  県議会原子力安全対策等特別委で1月、参考人出席した北海道大大学院教授の奈良林直氏の発言について福岡核問題研究会(三好永作世話人、約10人)は7日、県庁で記者会見し「誤りや間違った認識を生じさせる恐れのある箇所がある」と指摘した。指摘内容は文書で奈良林氏と県議全員宛てに送ったという。  奈良林氏は1月24日、九州電力玄海原発(玄海町)の再稼働の是非を巡る参考人招致で、再稼働に肯定的な立場で意見を述べた。  研究会は学識経験者らで組織。会見した会の豊島耕一・佐賀大名誉教授によると、奈良林氏の発言のうち、原子力発電と太陽光発電のコスト比較▽放射線の人体への影響▽高レベル廃棄物埋設の安全説--など計7項目について「誤り」や「国際的な常識や定説を否定している」などの問題があるという。  水蒸気爆発の発生条件については「溶融物(核燃料など)が3000度以上で、落下先の水温が30度以下」との奈良林氏の説明に対し「溶融物が3000度以下でも、水温が30度以上でも水蒸気爆発が起きる例がある」と反論した。  豊島名誉教授は「原発については、科学的で正確な認識を持ってもらいたい」と批判した。【松尾雅也】 ------------- 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 "[he-forum 18200] 河北新報4/11","河北新報 2014年4月11日付 東北への医学部新設 開学、16年4月に先送り 大学側準備に遅れ  東北への医学部新設をめぐり、文部科学省は10日、開学時期を最短で2015年4月としていた当初目標を1年先送りし、16年4月にする方針を示した。新設に名乗りを挙げている大学側の準備状況などから15年4月の開学は困難と判断した。  自民党の会合で文科省が明らかにした。新たなスケジュール案では、新設構想の受付期限を当初の5月から6月にずらし、夏に1校の構想を採択する。正式な認可申請手続きの開始は15年3月とした。  文科省の担当者は「名乗りを挙げている大学と個別に協議する中で(開学目標の先送りを)決めた。国側も応募要綱を示せておらず、準備が若干遅れている。十分な期間を取って申請準備をしてもらう」と説明した。  構想を審査する有識者会議は地域医療に見識のある専門家ら十数人で構成することとし、4~5回の会合を開いて大学や地元自治体の意見聴取を行う方針も示した。  医学部新設は東日本大震災からの復興施策の一環で、東北地方の大学1校に新設を認める。現時点で仙台市の東北福祉大と東北薬科大が名乗りを挙げている。 ◎東北福祉大と東北薬科大、「構想充実図る」  医学部新設が当初目標から1年遅れることについて、設置を目指す東北福祉大と東北薬科大(ともに仙台市)は冷静に受け止めている。両校は時間的猶予を生かし、新設構想を一層充実させたい考えだ。  東北福祉大は「施設整備などに余裕ができた」と胸をなで下ろし、東北薬科大は「教員募集も腰を据えて取り組める」と前向きに捉えた。  5月の構想受け付け、採択から開学まで約10カ月という当初計画は「大変厳しい」というのが両校の本音だった。  東北薬科大の堀田徹事務局長は「医学部新設は社会的な関心が高い。慎重に判断したいという文部科学省の意向の表れではないか」と推測。「15年4月の開学は日程的に厳しいが、医師不足の早期解消を考えると17年4月では遅い。16年4月が現実的なスケジュールだ」と語った。 "[he-forum 18199] 薬事日報社説4/11","薬事日報社説 2014年4月11日付 大学の第三者評価結果を役立てて  6年制薬学教育がスタートし2年目に当たる2008年の年末、一般社団法人として発足した「薬学教育評価機構」が、この春、専門分野別としては初めてとなる薬剤師教育の第三者評価結果を発表した。  この取り組みのきっかけは古く、04年(平成16)年12月から、分野別評価としての第三者評価の実施に向けて検討を始めていた。  その後、実際に薬学6年制教育が開始され、各大学の意見を聞きつつ、「機構」を立ち上げ、トライアルを重ねた末、6年制薬剤師が輩出されるのに合わせて、同評価制度が稼働した。  第三者評価といっても、同機構が行う専門分野別評価では、『各大学が自らの掲げる教育研究上の目的を達成するために実施している教育プログラムを、どのように自己点検し、問題点を見出し、その改善のための取り組みを実施し、成果を上げているか』を、「評価基準」に則して評価するもの。  つまり、自ら点検し、自らの目標・目的に向けて教育体制等が適切か否かを自ら評価することが基本だ。同機構ホームページの巻頭でも、「大学自らがより良くなるためには、第三者による評価を待つのではなく、自ら分析し方略を修正し続けていくことが有効かつ重要」と指摘している。  今回は初めての評価ということで3大学に絞られ、3大学がそれぞれ12年度に自己点検・評価し、提出した「自己点検・評価書」に基づき、13年度に各大学の教員で構成される「評価チーム」による実際の訪問調査を含めて総合的に評価が行われた。  3大学のうち、1大学は重大な問題点があるとし、総合評価が保留された。評価結果の中で、国家試験準備のための時間を増やし、卒業研究の時間を実質的に減らし、多くの卒業延期者を出すなど、国試合格を目指した教育に偏重している問題点を指摘した。  その大学では2年次までに退学者が50人を超え、6年間の在籍で卒業率が5割に満たない状況が生じている。  先の第99回国試は、新卒者に限ると70・49%と、かろうじて70%台を堅持した。が、6年制初の第97回は95%、98回は84%と下がり続け、遂に70%台。旧4年制時代は平均70%台半ばであり、今回で底を打ったと思いたい。  今回の“新卒者”受験は全73大学(1学部含む)が全て揃ったが8822人だったが、新卒者に当たる08年入学学生は、11年に共用試験を受験した時点で、その合格者は1万0457人(本紙調査)だった。  全入学者数はともかく、共用試験時点から単純計算すると1600人余(16%)が留年、退学などの理由から国試受験から離脱した計算だ。  最近流行の「キッズファーマシー」には目を輝かせた多くの子供たちが参加している。日本の薬剤師教育は、より高い目標を掲げ6年制へと進化し、高い志のもとに評価制度も稼働させた。入り口から出口まで、当初の誓いを反映させ、キッズの夢をつなげてもらいたい。 "[he-forum 18198] 読売新聞4/7","読売新聞 2014年4月7日付 災害看護リーダー養成へ共同大学院…国公私立5大学  災害看護教育に力を入れている高知県立大(高知市)など5大学が5日、全国で初めて専門家育成のための共同大学院を開設した。  被災地での救護活動や被災者ケアの計画立案など、国際的に活躍できる災害看護のリーダー養成を目指す。  災害看護は、看護師の知識などを生かし、自然災害や大規模火災、放射能事故などの現場で、被災者の救命看護から健康維持、心のケアまでを担う。  阪神大震災(1995年)で注目され、東日本大震災(2011年)でも、避難所や仮設住宅で被災者の健康チェックや生活相談にあたった。重要性への認識は増している。  高知県立大のほか、看護学の研究科がある兵庫県立大、東京医科歯科大、千葉大、日本赤十字看護大の国公私立5大学が参加。「共同災害看護学専攻」(5年制博士課程)を設置し、初年度は学生が各大学から2~3人ずつの計11人、教員は計35人置いた。  学生はテレビ会議システムを通し、各大学で看護学、国際福祉、英語などを同時に受講する。年に数回程度、一か所に集まって合同講義を行う。実務経験を積むため、国内の災害拠点病院や東日本大震災の被災地での実習、世界保健機関(WHO)の就業体験もある。  この日、高知県立大池キャンパスで行われた開校式には、各大学の関係者ら約120人が出席。高知県立大の南裕子学長が式辞を述べ、学生代表の日本赤十字看護大大学院1年、池田稔子さん(47)が「5年間の学びを通して、災害時に人々の健康、安全を守る役割を果たせる人材になります」と宣誓した。  1期生となる、高知県立大大学院1年、諸沢美穂さん(32)は、「世界の災害現場で、一人でも多くの命を救い、息長く被災者支援ができるように学びを深めたい」と意欲を語った。(菊池真司) "[he-forum 18197] 秋田魁新報4/11","秋田魁新報 2014年4月11日付 「医工連携」進め大学院拡充へ 秋田大・澤田新学長が抱負  秋田大の澤田賢一学長(62)が10日、秋田市の手形キャンパスで就任後初の会見に臨み、「吉村昇・前学長の路線を受け継ぎつつ、大学院の拡充にも取り組み、秋田大生ならではのスピリットを持った人材を育てたい」と抱負を語った。  秋田大は学部改組で国際資源学部が誕生し、今月から4学部体制となった。澤田学長は「国立大学が変革を求められている中、新学部を擁する大学としてグローバル化とイノベーション(刷新)を進めていきたい」と話した。  任期中の主な取り組みとして、県内の医療体制確保に向けた医師養成を挙げたほか、「医学と工学の分野が連携する『医工連携』を大学院レベルで進め、新たな医療機器の開発を行うなどして雇用の確保や高齢化社会への対応につなげたい」と語り、大学院に新たなコースを設置するなどの拡充策を進める考えを示した。 "[he-forum 18204] NHKニュース4/9","NHKニュース 2014年4月9日4時5分 「スーパーグローバル大学」年5億補助へ  大学の国際競争力を高めようと、文部科学省は、先進的な研究や取り組みを行う大学、30校を「スーパーグローバル大学」に指定し、最大で年間5億円を補助することになりました。  これは8日に開かれた文部科学省の会議で決まりました。  会議には大学関係者や経済界の代表などが参加し、文部科学省が今年度から募集する「スーパーグローバル大学」について検討しました。  その結果、世界の大学ランキングの100位以内を目指す大学を「トップ型」と位置づけて10校指定し、最大で年間5億円を補助することや、先進的な研究や取り組みで国内の大学のモデルとなる「グローバル化けん引型」も20校指定し、3億円を上限に補助することを決めました。  補助はいずれも最長10年間続けられるということです。  応募の受け付けは来月26日から始まり、海外の大学との連携の状況や留学支援の体制、それに、外国語による授業の数などを基準に審査して、ことし9月、30校を指定することにしています。  会議には全国から300人近い大学関係者が傍聴に訪れ、この事業への関心の高さがうかがえました。立教大学の担当者は、「少子化で学生が減り、大学間の競争が激しくなっている。独自の英語教育で指定を目指したい」と話していました。 "[he-forum 18203] 北海道新聞4/13","北海道新聞 2014年4月13日付 北海道大が国際連携組織 がん治療、感染症ワクチン開発で 世界水準の研究後押し  北大は本年度、世界レベルの研究拠点形成を目指し、海外のトップクラスの大学との共同研究を行う学長直轄の教員組織「国際連携研究教育局」を開設した。米国のスタンフォード大などから研究室単位で研究者を招き、北大が独自に開発した技術を使うがんの放射線治療と、人と動物共通の感染症制圧に関する研究を行う。  北大はこれまでも教授らが個人的に海外の研究者と共同研究を行ってきたが、組織的に充実した研究体制を敷き、国際的に認められる共著論文などで大学の評価を高める狙い。  文部科学省は本年度から、世界水準の研究を行う大学などに国立大学法人の運営費交付金を重点配分。全国18大学に計77億円が配分された。道内は北大が唯一で、同教育局の人件費や研究費などとして1億9600万円が配分された "[he-forum 18202] 信濃毎日新聞4/12","信濃毎日新聞 2014年4月12日付 信大と県農協グループが包括連携協定 まず高齢社会対応  信州大(本部・松本市)と長野県農協グループは11日、研究開発や新規事業の創出、人材育成、地域医療推進などの分野で協力する連携協定を結んだ。当面、高齢者の健康維持や認知症予防などのテーマで行う信大の研究を、県農協グループが資金面で支援。グループ関係者が学生に講義をしたり学生に農作業を体験させたりする構想もある。  連携内容は、農業・農村の振興、健康・福祉・医療の振興、教育と人材育成、産業振興、文化振興を挙げる。特に信大の医学部、病院、バイオメディカル研究所と県農協グループは、連携して高齢者の健康維持、認知症予防、高齢者向け食品の研究開発などに取り組む。県農協グループが近く医学部に巡回診療などに使う車1台を寄贈することも決まっているという。  連携期間は5年。これまでも信大農学部(上伊那郡南箕輪村)と県農協グループが、2005年に連携協定を結んだり県厚生連が医学部に寄付講座を設けたりするなど個別に協力してきた。包括的な連携を深めるため、信大側から今回の協定締結を提案した。  信大本部で11日開いた記者会見で、県農協中央会の大槻憲雄会長は「高齢社会への対応は農協にとっても喫緊の課題。県全体をよくするために連携を深めたい」。信大の山沢清人学長は「連携を通して県民の暮らしが豊かになり、産業が育ってくればうれしい。知恵を交換して、次代への基盤をつくりたい」と述べた。 "[he-forum 18201] 共同通信4/11","共同通信 2014年4月11日13時28分 東大生3千人が入学式 「可能性の大海で鍛錬を」  東大の入学式が11日、東京都千代田区の日本武道館で開かれ、外国人留学生44人を含む新入生3158人が学生生活のスタートを切った。  浜田純一学長は式辞で「自己投企」という哲学用語を取り上げ「未来の可能性の中に自分を投げ込み、もがいてみることでこそ自分というものが形成される」と説明。「(東大という)可能性の大海に自己投企をして、皆さんの力を鍛え上げてほしい」と呼び掛けた。  東大は来年度末までに、現在の2学期制から4学期制に全学部で順次、移行することにしている。新入生は在学中に4学期制で学ぶことになる。 "[he-forum 18207] 福島民報4/15","福島民報 2014年4月15日付 浜通りに廃炉研究施設 開発機構、国内外の大学教員常駐 28年度末までに  東京電力福島第一原発の廃炉に向けた研究を推進する国際廃炉研究開発機構は平成28年度末までに、国内外の大学教員らが常駐する共同研究施設「福島復興研究大学連携拠点(仮称)」を浜通りに設置する。溶融燃料の取り出しなどに向けた技術開発を担い、廃炉に関わる人材育成も進める。福島大をはじめ十数校が参加予定で、廃炉作業の加速化を目指す。  14日、いわき市で開かれた政府の福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想研究会の会合で、開発機構の山名元(はじむ)理事長が福島復興研究大学連携拠点の構想を説明した。  開発機構は浜通りへの設置を目指しており、実験装置購入費を含めた施設整備費として30億円程度を見込んでいる。大学教員ら約50人が常駐し、高性能の機器を備えた研究室を共同で利用する。溶融燃料取り出しに活用するロボット開発、県内の放射線量低減や、浜通りの農業・畜産業再生に向けた研究を進める。  浜通りに整備が予定されている廃炉関係の研究施設は【表】の通り。連携拠点は、楢葉町に整備される日本原子力研究開発機構のモックアップセンター、東京電力の福島廃炉技術開発センター(仮称)などと研究内容や各種情報を共有し、廃炉技術の確立を急ぐ。  開発機構の計画に対し、福島大のほか、原子力関連の学科を持つ東京大など10を超える大学が参加する意向を示している。さらに、世界の英知を結集するため海外の大学教員も受け入れる。ロボット研究などで優れた実績を持つ米国テキサス州のテキサスA&M大が、教員派遣を前向きに検討しているという。  連携拠点には原子力を専攻する大学院生が長期間滞在し、各大学の教員から廃炉などについての講義を受ける。  開発機構と文部科学省は昨年9月から今年1月まで計9回にわたってワークショップを開き、廃炉に関わる研究活動の充実や中長期的な人材育成の方策を検討してきた。  ワークショップに参加した研究者の多くが、福島第一原発の廃炉作業に強い関心を抱いていた。こうした関係者が共同で研究に当たる施設があれば、廃炉関連の技術開発が加速すると判断し、連携拠点の整備に乗り出す。  山名理事長は「廃炉作業を速やかに進めるため、研究拠点を一刻も早く整備する必要がある」と話している。 【国際廃炉研究開発機構(IRID)】 東京電力福島第一原発の廃炉に向けた研究開発をするため東電など電力各社、日本原子力研究開発機構、原発メーカーなど17法人が参加し、昨年8月に経済産業省の認可を受け設立された。東京都内に事務所を置き、約600人が廃炉に関する研究に携わっている。 "[he-forum 18206] 山陰中央新報4/16","山陰中央新報 2014年4月16日付 島大松江キャンパス 敷地内に市民交流ハウス  島根大学が学生と地域住民との触れ合いの場として建設を進めていた交流施設が松江市西川津町の松江キャンパス敷地内に完成した。大学が開く市民向け公開講座の受講者の休憩スペースや、地域住民も参加できるイベント会場として活用される。  施設名は「学生市民交流ハウス FLAT(フラット)」で、木造平屋建て75平方メートル。計33枚のガラス窓を施設周りに設けるなどカフェ風の造りで、窓際にカウンターテーブルが設けられ、いす20脚が備えられている。今後、自動販売機やテーブルなどが整備されるという。  島根大は2004年の国立大学法人化から10周年を記念し施設の建設を計画。昨年12月初めから設計に取り掛かり、今年1月末に着工した。総事業費は約2600万円。  設計には、島根大大学院で建築・生産設計工学を学ぶ院生ら5人が携わり、開放感のあるデザインを考案した。設計に携わった総合理工学研究科2年、稲垣伸彦さん(23)は施設名について「大学と地域住民がフラットに交流してほしいという思いで5人で考えた」と説明する。  建設に当たっては日新(境港市西工業団地)など木材を取り扱う山陰両県の3社が県産材の合板などを提供。壁や天井などに使用した。開館時間は午前8時から午後5時40分までで、誰でも無料で利用できる。  島根大は同大ホームページや交流サイトのフェイスブック、県内の自治体、公民館などに配布する大学広報誌で施設を紹介している。小林祥泰学長は「学生や地域住民に大いに活用してほしい」と話している。 "[he-forum 18205] 読売新聞4/16","読売新聞 2014年4月16日付 国立大、学長選考基準を明確化…法改正案  学長主導の国立大学改革に向け、国立大学法人法と学校教育法を一部改正する政府案が判明した。  今国会中の成立、来年度施行を目指す。改正後も社会や経済の変化に迅速に対応するため、学長選考会議の学外委員を増やすことや組織全体の見直しを視野に入れた付則を設けるのが特徴で、国立大の組織運営の全面的な見直しに布石を打った形だ。  国立大学法人法では、〈1〉学長選考基準の明確化〈2〉経営に関する重要事項を審議する「経営協議会」の委員の過半数を学長が学外から任命する〈3〉教育・研究に関する学内の代表者機関に、学長を助ける副学長が入る――が大きな改正点。さらに、改正法施行後も、必要があれば学長選考会議の構成などについて検討すると付則に明記する。  経営協議会は学長が主催、産学連携や業務の効率化などを審議する。構成は副学長ら学内委員のほか、学外から民間企業役員や弁護士らが就いている。学外委員を過半数とすることで外部の意見をさらに反映できる。  また、学校教育法では、現行で教育課程や人事など「重要事項を審議する」としている教授会を「学長が重要事項を決める際に意見を述べる」役割にとどめた。 "[he-forum 18209] しんぶん赤旗4/18","しんぶん赤旗 2014年4月18日付 若者の返還に救済を 宮本氏 奨学金300万円超告発  日本共産党の宮本岳志議員は9日の衆院文部科学委員会で、日本学生支援機構の奨学金の返済を滞納した若者が、債務の保証事業を行う日本国際教育支援協会から300万円以上の一括返済を迫られている現状を告発しました。  本人と連絡が取れないなどの理由で、同協会が返還者に代わって代位弁済を行った場合、返還金の総額が“ただの借金”と同じ扱いになり、返済猶予期間の遡及(そきゅう)などの救済措置を受けることができなくなります。  宮本氏は「大学卒業後も低賃金のアルバイト生活になり、返還猶予の手続きのための書類をそろえる余裕がなく、督促の電話にも怖くて出られなかった」という若者の深刻な実態を紹介し、「年収は300万円未満であり、本来なら返還猶予を受けられたはずだ」と指摘。このような問題が生じるのは「『連絡が取れない』というだけで、本人の経済状況も分からないまま『支払い能力がある』とみなして全額一括請求し、1年が経過したら勝手に代位弁済するという対応を行っているからだ」と批判し、文科相の姿勢をただしました。  下村博文文科相は「本人にも相当な問題があったのではないか」とし、本人が督促の電話に出なかったために「最悪の手段を取らざるをえなかった」と正当化しました。  宮本氏は、連絡が取れないまま代位弁済しないよう求めました。 "[he-forum 18208] 共同通信4/17","共同通信 2014年4月17日22時37分 東大発ビジネスに拠点 千葉・柏市、産学連携で基礎研究  東京大は17日、産学連携で新たなビジネスを生み出す拠点施設「フューチャーセンター」を千葉県柏市に開設したと発表し、報道陣に公開した。学内の研究グループのほか、企業や民間団体も参加し「東大発」の事業の基礎研究を進める。  東大によると、ビジネスのアイデアは柏市内で社会実験を実施して検証する。成果や課題を研究結果に反映させて全国での事業展開につなげる。  施設は7階建て。生命科学、医用工学分野の学内の研究室や、地元の商工会議所などが入居。国のエネルギー関連の研究機関なども入る予定。  東大は柏市にキャンパスがあり、住民に協力を得るための包括協定を市と結んでいる。  施設を運営する東大フューチャーセンター推進機構の大和裕幸教授は「これまで東大になかった社会実験を進める拠点が完成した。研究成果を社会に発信していきたい」と話している。 "[he-forum 18212] しんぶん赤旗4/20","しんぶん赤旗 2014年4月20日付 学費無償化・給付制を 奨学金の会 宣伝・署名行動 東京・新宿  「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」(奨学金の会)は19日、東京・新宿駅前で、高すぎる学費の無償化や給付制奨学金の実現を求める宣伝、署名行動に取り組みました。  同会は、全労連、全日本教職員組合、全学連などの団体、個人でつくっています。  マイクを握った奨学金の会の岡村稔事務局次長は「公的奨学金を受ける学生の7割以上が有利子だ。月10万円の奨学金なら卒業時に500万円を超える返還額になる」と指摘。安定した仕事も少なく、奨学金の返還が若者に重くのしかかっている実態を訴えました。  全学連の加藤友志委員長は「日本では、異常に高い学費のため学業を断念する若者が多い」と強調。「お金の心配なく学べるように、学費無償化と給付制奨学金を実現しましょう」と呼びかけました。  署名は▽教育予算拡充による学費無償化と給付制奨学金の実現▽奨学金の返還困難者に対する救済措置の拡充―を求めています。  署名に応じた東京都八王子市の女性(54)は「私の子どもも奨学金を借りて大学を出ました。子どもは非正規で、雇用が切れるたびに返還が滞ります。学費引き下げと給付制奨学金はぜひ実現してほしい」と語りました。 "[he-forum 18211] しんぶん赤旗4/21","しんぶん赤旗 2014年4月21日付 「大学の自治」考える 学校教育法改定案反対 京大でシンポ  安倍政権が教授会の権限を剥奪し、「大学の自治」を揺るがす学校教育法改定案の今国会での提出をねらうなか、シンポジウム「いま、大学の自治を問う」が20日、京都大学(京都市左京区)で行われました。京都大学職員組合などが主催しました。  京大職組の髙山佳奈子副委員長が開会あいさつし、京都大学での総長選挙廃止の動きについて述べました。  西牟田祐二・京大職組委員長が、文科省の諮問機関である中央教育審議会大学分科会が2月に示したガバナンス改革案(審議まとめ)と学校教育法改定案について報告。西牟田氏は、学長の「リーダーシップ」確立を口実に、教授会の権限を奪い、外部から大学を統制するねらいを告発。報道で明らかになった改定案では教授会を学長の「助言機関」に位置づけていることを指摘し「これでは学長独裁の大学になる。大学の自治は、憲法が定める民主主義の基本的な制度であり、それを自覚して運動しなければいけない」と力を込めました。  鈴木眞澄・日本私大教連副委員長は、大学を企業と同列に扱う経済同友会の大学改革の提言を批判し、経済的利益を追求する企業と違い、大学は学問・研究のための組織であり、社会に還元する役割を持っていることを指摘。  中嶋哲彦・全国大学高専教職員組合委員長は、学外から学長を送り込めるように学長選挙を廃止し、教授会の権限を剥奪するというのは、教育研究の現場では何も決めさせず、大学を政府のコントロール下に置くことだと批判しました。  集会では、「学校教育法改正」に反対する緊急アピール・賛同署名が呼びかけられました。 "[he-forum 18210] 日本経済新聞中国4/19","日本経済新聞中国版 2014年4月19日付 山口大、国際化を推進 学長が就任会見  山口大学の岡正朗学長は18日、山口市の同大学で就任の記者会見を開き、経済学部や理系学部の学科を再編することなどを盛り込んだ「大学改革プラン」を発表した。4月に就任した同学長は「総合大学の強みを生かす。グローバル化を推進する」と表明。経済学部は現在、経済、経営学科など5学科1課程だが、これを3学科に再編する。国際総合科学部も新設する。2015年度の実施を目指している。  理系学部の学科再編も計画しており「農学部で経済的、工学的な分野を強化する」という。理系大学院も再編し、新産業を創出できる人材を育成する。  大学の研究を地域の課題解決に役立て、学生教育にも活用する取り組みも推進する。優秀な若手研究者や外国人研究者を確保するため、年俸制の導入を検討する。 "[he-forum 18214] 河北新報4/22","河北新報 2014年4月22日付 医学部新設で義務年限10年を想定 宮城県が基金骨格発表  宮城県は21日、東北に新設される大学医学部の卒業生の地元定着に向け創設を目指す基金制度の骨格を正式発表した。基金から授業料など修学資金の貸し付けを受けた医学生に課する義務年限を卒業後10年間と想定。卒業生の派遣を受け入れた自治体などが本人に代わり、貸付金の10分の1相当額を毎年返還する。  義務年限10年間は、全国各地に卒業生を供給している自治医科大(栃木県下野市)の9年間を参考にした。派遣を受けた病院を運営する市町村などが返還を負担し、新たな入学生への貸付金の原資として循環させる持続的な制度設計とした。  県によると、基金の原資は県をはじめ東北の他の自治体、医学部を新設する私大などが拠出。私大は募集定員に、東北の自治体病院などへの勤務を条件に入学を認める枠を設定する。  基金から資金の提供を受けた私大は、この枠で入学した医学生に修学資金として貸し付ける。医学生は義務年限を果たすと返還が免除され、医療機関側は安定的に医師派遣を受けられる。  県内では東北福祉大と東北薬科大(ともに仙台市青葉区)が新設に名乗りを挙げている。両校は県が公表した制度の骨格を踏まえ、文部科学省に設置構想を申請する。  文科省は昨年12月に示した医学部新設の基本方針で、大学と自治体が連携して卒業生の東北定着を図り、医師不足解消など地域医療に貢献するよう求めた。両校は村井嘉浩知事に支援を要請していた。  両校はともに募集定員を100人と想定。村井知事は21日の定例記者会見で、修学資金を貸し付ける医学生の数について「50人ぐらいいないと、医師不足が深刻な東北6県の医療ニーズには応えられない」との見方を示した。  医学部設置構想は、福島県郡山市の総合南東北病院などを運営する一般財団法人脳神経疾患研究所も公表している。 ◎新設構想2大学など「心強い支え」  宮城県を主体とする新医学部向け修学資金貸付制度が明らかになったことで、県内で医学部新設を目指す東北薬科大と東北福祉大が文部科学省に提出する新設構想の策定作業は、仕上げの段階に入る。  東北薬科大は「当初から、自治体との協力が文科省の意向だった。制度の趣旨を踏まえて最大限活用していく」、東北福祉大は「医師不足の解消に役立つことを期待したい」とのコメントをそれぞれ出した。  東北福祉大と連携する財団法人厚生会仙台厚生病院(青葉区)は「われわれとしても基金制度は必須。今後チャンスがあれば、県の指導を得ながら内容のよい構想をつくりたい」と語った。  基金を原資とする修学資金貸付制度の創設は、事実上、県をはじめとする関係自治体が新医学部を財政支援することを意味する。医学部新設は巨額の予算を必要とするだけに、両大学の関係者は「収支計画を策定する上でも心強い支えになる」と歓迎した。 "[he-forum 18213] 産経新聞4/22","産経新聞 2014年4月22日付 大学教育、授業の質が問われる時代 論説副委員長・沢辺隆雄  朝刊漫画の「ひなちゃん」が好きだという友人の娘さんが、中学受験で有名進学校に合格した。我田引水だが、「ひなちゃんのおかげ?」と聞いてみた。ひなちゃんには、暮らしのなかに日本の四季折々の行事も登場する。季節感豊かな思考が育まれ、入試でも力を発揮した-といいたかったが、友人は「ひなちゃんのおかげかどうかは分からないが、『おやこ新聞』は読ませていたよ」という。本好きで読書量の多さが入試突破の秘訣(ひけつ)のようだった。  読書は大切。でも難関をくぐると、日本の大学生は勉強しなくなると心配されてきた。今年の東大の入学式では、フランス文学者でもある石井洋二郎教養学部長の「スマートフォンの画面を見る、せめて半分くらいは読書のために割いて…」というあいさつが話題になった。大学生の一日の平均読書時間が26・9分で、読書時間ゼロの学生が4割という最近の調査をあげ、「まさか東大生にはあてはまらないと思いますが」としつつ、くぎを刺していた。  石井氏のあいさつは東大のホームページで読める。同氏は、リベラルアーツ(専門に偏らない幅広い教養)の本来の意味が「人を自由にする学問」であることなどを紹介し、知識、経験、思考を鍛えていく厳しさなどを新入生に語っている。  大学の入試改革は大きなニュースになりやすい。でも、大学改革が問われながら、どんな授業が行われているか、教育内容の方はあまり関心が持たれてこなかった。  そんな日本の大学教育に一石を投じるか。世界の大学の授業をネット上で無料で受講できる「MOOC」(ムーク、大規模公開オンライン講座)が注目され、今月14日には日本版が開講し配信を始めた。  ネットを通し著名な教授らの講義を受けられ、単元ごとなどに課題を与えられ一定の成績で修了証がでる。企業がこの成績を人事採用の参考にしている例もあるという。授業の質が世界から評価される時代だ。 "[he-forum 18215] 西日本新聞社説4/24","西日本新聞社説 2014年4月24日付 国立大学改革 競争力強化だけでよいか  京都大学が次期学長の候補者を海外からも募ることを検討している。国際競争力を高める改革を加速するのが狙いとされ、実現すれば国立大学では極めて異例だ。  研究・教育とも国内最高水準にある京大のこの動きは、国立大の置かれた状況を象徴している。国立大は今月で法人化して10年の節目を迎えたが、文部科学省は次の改革を迫っているからだ。  文科省が昨年11月発表した改革プランは、今後10年で世界の大学ランキング上位100に日本から10校以上入ることを目指す。おおむね京大と東京大の2校とされる現状からみて、かなり野心的な目標設定といえよう。  具体策として、各大学の個性を生かす改革を促すように国の運営交付金に傾斜配分を導入▽教員に対して成果主義に基づく年俸制の導入を促進▽大学運営で学長がより指導力を発揮できるようにする-などの項目を掲げている。  ただ、この改革プランは国立大学の将来像を左右する計画としてはあまりに性急ではないか。法人化10年の成果と問題点の検証やそれに基づく有識者の十分な議論などを経ずに、文科省から唐突に出てきた印象が否めない。しかも政府の成長戦略の一環と位置付けられ、経済再生のため科学・技術、学術を総動員するような内容だ。  そもそも10年前の法人化も、当時の行政改革や公務員削減の流れから出てきたもので、国立大学の本来あるべき姿を模索する中から生まれたとは言い難い。  国立大学法人は自由な運営ができるとの触れ込みだったが、毎年1%の運営交付金カットや人件費削減を求められ、旧帝大などの有力校とそれ以外の二極化が進んでいる。外部の資金を得る仕事に研究・教育の現場が追われ、学術論文数も減った-との指摘もある。  世界ランク上位を目指すにも裾野の拡大が欠かせない。短期の成果主義にはなじまない研究分野もあり、地域活性化に地元国立大が貢献している例もある。ここはいったん立ち止まり、国立大に何を望むのかを幅広く議論すべきだ。 "[he-forum 18218] 岩手日報4/24","岩手日報 2014年4月24日付 岩手大、大学院の統合検討 文理融合で人材育成  今月就任した岩手大の堺茂樹学長(63)は岩手日報社のインタビューに応じ、2016年度実施に向け、研究科(大学院)の統合を柱とした教育研究組織の大規模再編を検討していることを明らかにした。学部に連なる研究科の修士課程を一本化。文理融合によって防災やエネルギー、1次産業について学部・分野の枠を超えた「ジェネラリスト(総合的な人材)」育成を目指す。工学部の理工学部(仮称)への改組や学部レベルでの水産教育導入を進める一方、教員免許状を卒業要件としない教育学部の「新課程」は廃止(募集停止)する方針だ。  16年度は国立大の第3期中期目標期間が始まる。堺学長は国の国立大学改革プランなどを踏まえ、改革の方向性として▽グローバル化▽イノベーション創出▽震災復興―の3点を明示した。  大学院の統合は、文理融合・横断型の教育研究によるジェネラリスト育成が狙い。人文社会科学、農学など4学部に連なる形態で置かれている大学院の修士課程を統合し、教員も流動化。既存のスペシャリスト養成の専攻とは別に、ジェネラリストを育てる専攻やコースを設置する方向だ。分野は防災やエネルギー、農林水畜産業などを念頭に置く。 "[he-forum 18217] 日本経済新聞4/23","日本経済新聞 2014年4月23日付 奨学金の延滞者、57%が猶予制度知らず  学生時代に日本学生支援機構(東京)から借りた奨学金の返済を3カ月以上延滞している人の過半数が、返済猶予や1回分の返済額を減らす救済策を知らないことが22日までに機構の調査で分かった。延滞者の8割以上が年収300万円未満で、救済策の対象の人も多いとみられる。延滞者の支援団体は「周知が足りない」と訴えている。  2012年度の奨学金貸与者数は約131万人で、10年間で1.5倍に増加。一方、延滞者も同年度末に約33万人、延滞額は924億円に上り、返済を巡る問題は深刻化している。  機構は本人の年収が300万円以下の場合、返済を最長で10年間猶予。返済期間を延ばし、1回分の返済額を半減する制度も11年に導入した。  しかし3カ月以上延滞している約3800人を調査したところ、猶予制度は57%、減額制度は55%の人が「知らない」と回答。猶予制度を知っている場合でも、26%の人が「手続きがよく分からない」という理由で申請していなかった。  延滞者の職業をみると、派遣社員やアルバイトなどの非正規社員(29%)や、無職(18%)の割合が多い。年収は85%が300万円未満で、奨学金を借りた当時に想定した収入が得られず、返済困難に陥る実情が改めて浮かび上がった。  機構は救済策について、手続きを説明する動画をホームページで流したり、本人と連絡が取れる場合には案内文書を郵送したりしている。ただ延滞者からの相談に応じる「奨学金問題対策全国会議」の岩重佳治弁護士は「機構から積極的に情報発信しているとはいえず、延滞者に行き届いていない。相談しやすい雰囲気づくりのため、窓口担当の工夫も欠かせない」と指摘する。  延滞額が年々増えている状況を受け、文部科学省は昨年4月、奨学金制度の改善策を議論する有識者会議を設置。収入に応じて1回分の返済額が決まる仕組みや、給付型奨学金の導入などを検討中。今年7月にも報告がまとまる見通しだ。 "[he-forum 18216] 京都新聞4/24","京都新聞 2014年4月24日付 京大総長、従来通り教職員投票に印刷用画面を開く  京都大の次期総長の選考で教職員による投票の廃止が検討されていた問題で、学内外の委員でつくる「総長選考会議」は23日、従来通り教職員投票を実施することを決めた。強いリーダーシップを発揮できる人材を幅広く求めるべきだとの学外委員の意見を受け、海外を含めた学外候補枠を現在の最大2人から3人に増やす。  大学関係者によると、今回決まった次期総長の選考法は、従来通り、学内で選んだ10人の候補者と選考会議が学外から選んだ最大3人の候補者の中から、選考会議が6人に絞る。さらにこれまでと同様に教職員の投票で総長候補1人を決め、文部科学相が任命する。  昨年11月の選考会議で、学内のしがらみを排するなどの観点から投票の廃止が提案され、学外委員の賛同を集めていた。しかし、学内の反発は強く、議論が続いていた。  国立大は2004年の法人化以降、学内の教員と学外の有識者で構成する選考会議が学長(総長)を選んでいる。ほとんどの大学は法人化前の方法を踏襲し、教職員の投票結果を選考の最も重要な判断材料としている。  京大の松本紘総長の任期は9月末まで。それまでに次期総長が決められる。 ■「自由の学風」守る道選択  大学改革が叫ばれる中、約100年前に日本の大学で初めて総長選を実施した京都大は、「自由の学風」の源流とも言える伝統を守る道を選んだ。教授会の権限縮小など大学自治の在り方をめぐり、国などで行われている議論にも一石を投じることになる。  京大の総長選考会議で、教職員の投票の廃止の議論は当初、「賛成」の学外委員と「反対」の学内委員で意見が真っ二つに分かれた。その影響で、次期総長の選考法の決定は大幅に遅れ、手続き上の期限が迫り、時間切れの決着となった一面もある。  学内の投票は事実上、規模の大きな学部・研究科の「数の論理」で決まるという批判は強い。教職員が人物本位で投票することができなければ、また同様の議論が起きるだろう。 "[he-forum 18229] 毎日放送4/26","毎日放送 2014年4月26日12時7分 ■府立大と市立大の統合が白紙に 「学生のことを考えると…」  「学生のみなさんのことを考えれば、今の時点では当初のスケジュールは延期するしかないよね」(大阪府 松井一郎知事)  大阪府立大学と市立大学の統合計画について、府の戦略会議は、これまでのスケジュールだった2年後、2016年4月の統合を白紙にすると決めました。  大阪府と市は2つの公立大学を統合して、国際競争力のある大学をつくるとしていました。  しかし、去年11月には大阪市議会で関連する議案が否決されるなど、実現へのメドが立たないなか、国への新大学設置の認可の申請が今年10月に迫っていることや、入試科目を公表する時期に来ているので、受験生への影響を考慮して統合を延期にしました。  「もう少ししっかり学生の意見を聞いてからやってほしい。(統合が)延長になるのは歓迎です」(大阪市立大生・男子)  「話を聞いていたので、ショックでした。名前が変わるのが珍しいので、どんなふうになるのか(期待していた)」(大阪府立大生・女子)  大阪市も市立大学側に統合の延期を通知したということで、今後は、それぞれの大学で統合のあり方などを検討していくということです。 "[he-forum 18228] 南日本新聞4/26","南日本新聞 2014年4月26日付 鹿児島大、法科大学院廃止へ 2015年度募集停止  鹿児島大学(前田芳實学長)は25日、弁護士や検察官ら法曹の養成を目指す法科大学院の入学者募集を2015年度から停止すると発表した。入学者が定員に満たない状況や、司法試験の合格率低迷が続いたのが理由。在学生15人が修了した時点で廃止する。前田学長は会見で「入学者が増加する見込みはなく、存続は厳しい」と話した。  文部科学省によると、法科大学院は2004年以降、全国で最大74校が開校したが、廃止も含めた募集停止が相次ぎ、鹿大で16例目。国立大では島根大、信州大、新潟大に続き4例目となる。  法科大学院は2~3年課程。鹿大は04年に定員30人で開校したが08年から定員割れとなり、09年には入学者数が14人まで減少。10年に定員を15人に見直したが志願者の減少傾向は変わらず、本年度の入学者は3人だった。昨年度までの修了生は130人。司法試験の合格者は計13人で、年度ごとの合格率は0~10%だった。 "[he-forum 18227] 読売新聞4/26","読売新聞 2014年4月26日付 「教育再生」の予算 (2)道徳充実へ教材や研修会  「道徳とは何の時間でしょう」。講師を務める元小学校長が尋ねると、受講していた24人が首をかしげた。  東京都教育委員会が3月1日に行った採用前教員対象の研修。道徳を研修対象にしたのは、今年が初めてだ。  「自分で考え、判断し、行動できる人間を育てる。それが道徳です」と講師は答えを披露した。その上で、授業計画の作り方や読み物資料の使い方などを、授業風景を撮影したビデオを使いながら解説した。  道徳は現在、小中学校で週1コマの授業はあるが、教科ではなく、指導法も現場任せ。戦後の道徳教育は、国家主義的色合いが濃かったとされる「修身」へのアレルギーもあって軽視されてきた。実際、研修で講師が受講者たちにどんな道徳授業を受けたか尋ねると、大半が「ほとんど記憶がない」と答えた。 大津いじめ自殺きっかけ、教員の力量向上図る  「道徳教育の充実」が改めてクローズアップされたのは、2011年に大津市で起きた中学生のいじめ自殺がきっかけだ。今年度予算は14億円で、昨年度当初に比べて6億円増えた。文部科学省全体の予算の増加率は0・1%。道徳関連予算の伸び率の大きさに、力の入れようが見て取れる。  道徳教育充実のため、文科省はまず、教材を作成した。昨年度に副読本「心のノート」を改訂したばかりだが、今年度は偉人伝などを盛り込んだ「私たちの道徳」を作り、全国の小中学校に配った。教員用資料の作成・配布と合わせ、今年度予算には6億円を計上した。  さらに、講演会を開いたり、独自教材を作ったりする自治体の支援にも7億円を充てる。道徳の重要性を大勢に知ってもらい、軽視の風潮を払拭するためだ。現場教員を指導する校長や主任教員らを対象にした研修会開催には計1億円を補助し、教員の力量アップにも努める。 「少し分かったかも」「とりあえず、やってみます」  「道徳? 小中学校時代に何を学んだか覚えていないけれど、少し分かったかも」「とりあえず、授業をやってみます」。都教委の研修を終えた受講者らは、ひとまず安堵(あんど)の表情を見せた。ただ、早ければ来年度に迫る道徳の教科化については、3時間の研修で一言も触れられないまま。道徳軽視の払拭にはなお時間がかかりそうだ。 見えぬ教員養成策  大学の教員養成課程で道徳の授業を取材する度に実感するのは、授業時間に比べて内容が多すぎることだ。半年間15回の授業で、道徳の歴史から指導案の書き方などの実践テクニックまで。課題をこなしきれず、教員を目指す学生ですら、「道徳って、何だっけ」となっていた。  深刻ないじめ問題に端を発し、教科化に向けた議論が進む道徳。教材を作り、現場教員の指導者を育て、社会の雰囲気を醸成する――。予算にこうした項目が示されたのはいいが、担い手となる教員をどう養成するかの方策が見あたらないのが気がかりだ。(編集委員 松本美奈) "[he-forum 18226] 長崎新聞4/26","長崎新聞 2014年4月26日付 長崎大が福島支援組織発足  福島第1原発事故後、現地の被ばく医療を支援してきた長崎大が新たな学内組織「福島未来創造支援研究センター」を5月1日に発足させることが25日、分かった。時間がたつにつれ、課題となっている帰村の促進や地域再建に対応するため、大学全体で復興支援の姿勢を打ち出す狙い。  同大は原発事故の直後から、医師や学生を福島県内に派遣。昨年4月には一時全村避難した同県川内村と包括連携協定を結び「復興推進拠点」を設けた。  同年6月、同大は学部の枠を超えて対応するため、個別に取り組んでいた支援活動の情報を共有する場「福島復興支援タスクフォース」を設置。センターに格上げすることで支援活動に必要な予算や人材を確保しやすくなると期待される。教職員は当面、本来業務と兼任となる。  片峰茂学長は「地域に根差した活動を強化し、復興支援のモデルづくりを本格化させたい」としている。学長らは27日、協定締結から1年を迎えたのに合わせ川内村を訪れ、センター発足についても伝える。 "[he-forum 18225] 日本経済新聞4/26","日本経済新聞 2014年4月26日付 学長主導の大学改革促す 関連法改正案を閣議決定  政府は25日、学校教育法と国立大学法人法の改正案を閣議決定した。学長主導による大学改革を促すため、多くの大学で運営に大きな影響力を持つ教授会の権限を限定。国立大学では重要事項を審議する会議の過半数を外部委員とし、チェック機能を強める。今国会に提出し、2015年4月の施行を目指す。  国公私立の全ての大学が対象となる学校教育法は教授会の役割を「重要な事項を審議する」と規定しているが、表現が曖昧だった。中央教育審議会の部会は昨年12月、「教授会の審議が大学経営に関する事項まで広範に及び、学長のリーダーシップを阻害しているとの指摘がある」と文部科学省に提言していた。  改正案では、教授会の役割を「審議する」から「学長に意見を述べる」に改め、学長の諮問機関としての位置付けを明確にした。教授会の審議事項も「学生の入学、卒業、修了、学位授与」のほか「学長が必要と認めた場合」に限定した。  中教審部会は審議事項について、教育課程の編成や教員の教育研究業績の審査を含む4項目とすることを提言したが、学長や学長経験者から「細かく法制化すると、現場の自由度が奪われる」との意見が多かったため、学生に関わること以外は学長の裁量に委ねる。  現行法で「学長の職務を助ける」と定めている副学長は「(学長の)命を受けて校務をつかさどる」と変更。中教審部会の提言に沿う形で副学長に一定の権限を与え、学長を補佐する機能を充実させる。  国立大学法人法改正案では、国立大の予算編成などを審議する「経営協議会」の外部委員数を現行の「2分の1以上」から「過半数」に改める。外部委員と内部委員の数が同じ大学が多い現状を見直し、外部の意見が大学運営に反映されやすいようにする。  国立大学長が学内投票や多数派工作だけで選ばれないようにするため、学長選考の基準や結果の公表も義務付ける。学長選考を含む国立大の組織運営については改正法施行後も随時、検討するという付則も盛り込んだ。 "[he-forum 18224] しんぶん赤旗4/26","しんぶん赤旗 2014年4月26日付 教授会の審議権奪う 学校教育法改悪案を閣議決定  安倍内閣は25日、憲法が保障する「大学自治」を破壊する学校教育法・国立大学法人法改定案を閣議決定し、国会に提出しました。  改定案では、教育研究や大学運営に関する審議権を持つ教授会を、教育研究に関する重要事項に限って「学長が必要だと認めた場合、意見をのべる」として諮問機関とすることを規定。教授会の審議権を奪い、学長による上意下達の運営を強める内容となっています。  副学長について「学長を助け、命を受けて公務をつかさどる」と定め、学長権限を委任されたものとして副学長の役割を強化する規定を盛り込みました。  国立大学の学長選考に関しては、学長選考会議が学長選考の基準を定め、公表するとしました。一方で、学長選考会議の構成については付則で検討事項としています。  国立大学の経営協議会についても「過半数」を学外者とすることを新たに規定。学内の意見を反映しにくくする内容となっています。 「学問の自由」脅かす重大改悪  大学は、憲法第23条「学問の自由」にもとづき「大学の自治」が保障されています。政府の干渉をうけずに国民に対して教育研究の責任を負うためです。それを具体化した法制が学校教育法であり、第93条の定める教授会の審議権です。  安倍内閣が提出した学校教育法等改定案は、教授会を「学長が必要と認める場合に意見をのべる」だけの機関に矮小(わいしょう)化し、それも教育研究に関する事項に限定し、大学経営(予算・人事・組織)には意見も言わせないとしています。教授会の審議権をなくし、「大学の自治」を骨抜きにするもので、「学問の自由」を脅かす重大な改悪です。  学長権限の委任をうけた副学長をつくり権限の執行力を広げるとか、国立大学法人の経営協議会の過半数を学外者とし学内の意見を反映しにくくするなどの改悪もあります。  政府は、学長のリーダーシップを確立すると言いますが、大学は「学問の府」であり教授会にも多様な意見が存在します。そうした教授会の審議にもとづいて、多様な議論をまとめる能力・資質こそが学長に求められるリーダーシップです。  教授会の審議権をなくせば、学長独裁による上意下達の運営が強まり、教育研究や大学改革への教職員の主体性や活力が失われる寒々とした大学になるだけです。  政府は、国や財界の言いなりになる大学への変質をねらい、国立大学の法人化(2004年)で学長に権限を集中させました。そのもとで、山形大学では元文部科学事務次官の学長が、情報漏えいで原子力規制庁審議官を更迭された人物などを独断で採用しました。  今回の改悪は、こうした学長独断をすべての大学で可能にし、安倍内閣や財界のねらう大学「改革」、産業競争力強化に必要な人材の育成、大学教員の年俸制導入、国立大学の統廃合や学費値上げ自由化などを推進するために、その障害となる「大学の自治」を壊そうとするものです。  (改正充・党学術・文化委員会事務局長) "[he-forum 18223] しんぶん赤旗4/25","しんぶん赤旗 2014年4月25日付 学問の自由・大学の自治が危ない 学校教育法改悪反対 学者ら2200人署名賛同 すすめる会会見  尾池和夫・京都造形芸術大学学長、今野順夫・福島大学元学長、池内了・名古屋大学名誉教授、内田樹・神戸女学院大学名誉教授など11人の学者が呼びかけ人をつとめる「学校教育法改正に反対するアピール署名をすすめる会」は24日、東京・文部科学省内で記者会見し、署名を呼びかけて15日間で2200人の賛同が集まっていることを報告しました。  丸谷肇・日本私立大学教職員組合連合委員長が取り組みの経過を報告し、「政府の学校教育法『改正』は学長の権限を強め、教授会の権限を弱めるもので、学問の自由、大学の自治を侵害する。大学人の危機感から取り組みが始まった」と述べました。  呼びかけ人の一人、大橋英五・立教大学元総長は「大学を改革するには現場の声を反映することこそ大事だ。学長のリーダーシップだけでは大学は良くならない」と指摘。広渡清吾日本学術会議前会長・専修大学教授は「学問の府、討論の場である大学が、学長の独裁で運営される危険がある」と述べました。  呼びかけ人の松田正久・愛知教育大学前学長も参加しました。 "[he-forum 18222] 宮古島毎日新聞4/25","宮古島毎日新聞 2014年4月25日付 宮古島キャンパス開設/琉球大学学び直しの機会充実  琉球大学のサテライト宮古島キャンパスが24日、宮古島市中央公民館内に開設された。インターネットのビデオ会議システムを活用し、琉球大学が公開する授業や講座を宮古島キャンパスに配信、市民はこれらの講座を原則無料で受講することができる。2014年度は二つの授業と九つの講座が配信される予定で、市民の学び直しの機会が充実する。授業・講座の配信は来月1日から始まる。  琉球大学が文科省に申請した「ちゅら島の未来を創る知の津梁」が採択されたことを受けて開設。同大は当該自治体と連携して公開授業・講座を提供し、大学と地域が密接に結び付く学びのコミュニティーモデルの構築を目指す。  サテライトキャンパスは宮古島のほかに、那覇、石垣にも開設した。インターネットで双方向のやり取りを可能にする「サテライト教育システム(ビデオ会議システム)」を活用し、大学が主催する公開の授業や講座を現地サテライトに無料で配信する仕組みだ。  宮古島キャンパスでは5月に「海洋の科学」、8月中旬には「天体観測を通して学ぶ宇宙」が公開授業として配信される。担当学部はそれぞれ理学部。  公開講座の専門コースは医学部と教育学部が担当する。「新人養護教諭のための実務サポート講習」「ジオガイド養成講座」の2コースが予定されている。  一般コースは観光産業科学部と医学部、教育学部が計7コースを配信(一部は出前講座)する。  講座内容は「地域住民による健康まちづくり」「市民ランナーのためのランニング科学講座」など。  サテライト宮古島キャンパスの開設式典は24日に行われ、大城肇学長と下地敏彦市長が公民館入り口に看板を設置した。  大城学長は「地域のニーズに機動的に応えられるよう大学を挙げて運営に当たりたい」と決意を表明。下地市長は「受講生にとって魅力の講座ばかり。この宮古島キャンパスを活用して学び直しの機会をより充実させたい」と述べた。  この後、琉大法文学部の池田栄史教授がデモンストレーションとして公開講座を実施。式典に出席した教育関係者は、琉大からサテライト教育システムを活用して配信される講座をリアルタイムで受講した。  来月1日から配信が始まる公開授業・講座の受講を希望する人は琉球大学学術国際部地域連携推進課RCC事業本部(中頭郡西原町字千原1)に申し込む。方法は同本部サイト(http://ryudaicoc.jim.u-ryukyu.ac.jp/lecture)にある申込書に必要事項を記入して直接提出するか、ファクスか郵送にて提出する。詳細は同本部(電話098・895・8085)まで。 "[he-forum 18221] NHKニュース4/25(2)","NHKニュース 2014年4月25日10時52分 若者留学支援に66億円の寄付  若者の海外留学を支援しようと先月、国が設けた奨学金制度に50余りの企業や団体が協力を決め、少なくとも66億円の寄付が見込まれていることが分かりました。学生からは定員の5倍を超える応募があり、文部科学省はさらに寄付を呼びかけていくことにしています。  日本から海外に留学する人は、経済的な負担の大きさなどを理由に平成16年をピークに減少を続けていて、文部科学省と日本学生支援機構は先月、企業などからの寄付金で留学費用を支援する新たな奨学金制度を設けました。  文部科学省によりますと、これまでに大手メーカーや金融機関など53の企業と団体が協力を決め、少なくとも66億円の寄付が見込まれているということです。  この奨学金の利用を希望する学生の1回目の募集は21日に締め切られましたが、定員300人に対して5倍を超える1700人の応募があったということです。  下村文部科学大臣は25日の閣議後の会見で、「個人も含めて広く支援をお願いしていきたい」と話していました。  就職活動への影響を懸念して留学をためらう学生も少なくないことから、文部科学省や外務省などは、今後、留学中の職業体験や留学後の就職支援などを充実させていくことにしています。 "[he-forum 18220] 読売新聞4/25","読売新聞 2014年4月25日付 「教育再生」の予算 (1)国際力アップ、指定大学に巨費補助  「教育再生」を重要テーマに掲げる安倍首相のもと、今年度の教育関連予算が決まった。  文部科学省の予算は5兆3627億円と、昨年度当初比で69億円(0・1%)増えた。優先課題に掲げられるグローバル人材養成や、教科化を目前にした道徳教育、今年度復活した土曜授業、東京五輪に向けたスポーツ振興の各予算から、「再生」の行方を展望する。 年間最大5億円  今月初め、東京都千代田区のホテルで開かれた会合には、開場30分以上も前から学長ら100人以上の大学関係者が詰めかけた。「額が大きいからね。そりゃ、気になるよ」とある国立大学長。傍聴者が増えるにつれ、会場に緊張感が漂った。  今年度から文科省が始める「スーパーグローバル大学創成事業」の募集要項などを決める委員会。運営費交付金など国からの補助が毎年のように減らされ、少子化で学費収入も頭打ちという厳しい経営環境だけに、1大学に年間最大5億円の補助という新規事業に色めき立つのも無理はない。  総額77億円を充てる同事業が対象とする「スーパーグローバル大学」には、「トップ型」と「グローバル化けん引型」の2タイプが設定されている。  トップ型は10大学を指定し、世界の大学ランキングで100位入りを当面の目標にする。補助は年間最大5億円。けん引型は20大学を指定。日本のグローバル化に役立つ構想を提案した大学を対象にする考えで、2億~3億円の補助を見込む。いずれも補助期間は10年間の計画だ。  特に注目を集めるのが、トップ型だ。英誌の2013年ランキングで、トップ100に入るのは国内では東京大と京都大だけ。国際競争力強化のため、政財界などが大学の「成績向上」を強く迫っていることが、事業創設の背景にあるからだ。  即効性を求める文科省は、予算を生かし、大学が国際的に著名な研究者を招聘(しょうへい)することも念頭に置く。 徹底した改革期待  ただ、ランキングを上げるためだけに研究者を誘致することには、否定的な見方も。評価基準の一つとなる「論文引用回数」で世界トップクラスにある首都大学東京の奥村次徳副学長は、「品がない」と突き放す。「有用な研究を重ねることが大学の使命。引用回数の増加はあくまでその結果だ」と強調する。  大学の国際競争力強化は待ったなしの課題だ。日本の科学や技術分野の今後の発展に欠かせないからだ。そのためには学内の改革が不可欠で、今回の予算が誘い水になる。スーパーグローバル大学の指定には、学長のリーダーシップや入試改革、徹底した情報公開などが重視されるからだ。大学関係者の注目度が高いだけに、文科省の担当者は「指定を受けようとする大学が徹底した改革を進めるはずだ」と話している。  <スーパーグローバル大学創成事業>  大学の国際競争力の向上を目的に、海外の卓越した大学との連携や大学改革により徹底した国際化を進める、世界レベルの教育研究を行うトップ大学や国際化をけん引するグローバル大学に対し、重点支援を行う。予算額77億円。  ▽トップ型(10大学)  世界ランキングトップ100を目指す力のある大学  ▽グローバル化けん引型(20大学)  日本社会のグローバル化をけん引する大学 世界ランキング、あくまでも結果  人口減社会の中で将来を担う人材の育成のため、大学強化は重要な課題だ。だが、「世界ランキング入り」だけが注目されるのは、違和感がある。  ランキングはあくまで結果だ。例えば論文引用回数。金の微粒子の触媒作用に関する論文が多く引用される首都大学東京の春田正毅教授は、32年前に発見を世に出す直前、1年半も同じ実験を繰り返し、どんな質問にも答えられるよう準備したという。結局は、そうした真摯(しんし)な研究姿勢が世界に評価されるのだ。  日本の活力を取り戻すために、どんな大学が必要か。地に足のついた発想、施策に期待したい。(編集委員 松本美奈) "[he-forum 18219] NHKニュース4/25","「教授会」役割限定 改正案決定 NHKニュース4月25日10時16分  政府は25日の閣議で、学長主導で大学改革を進めるため、多くの大学で事実上の意思決定機関となってきた「教授会」の役割を限定するなどとした学校教育法の改正案などを決定しました。  中教審=中央教育審議会はことし2月、急速なグローバル化が進むなかで、各大学が国際競争力を高めていくには、学長のリーダーシップのもとで戦略的に大学を運営できる体制づくりが不可欠だとする報告をまとめました。  これを受けて政府は25日の閣議で、学校教育法と国立大学法人法の改正案を決定しました。  このうち学校教育法の改正案では、学長主導で大学改革を進めるため、多くの大学で事実上の意思決定機関となってきた「教授会」の役割を見直し、教育研究に関する事項を審議し、学長に「意見を述べる」ことに限定するなどとしています。また、国立大学法人法の改正案では、学長の選考の透明化を図るため、選考の基準や結果を公表することを義務付けるなどとしています。  政府は、これらの改正案を今の国会で成立させたいとしています。 "[he-forum 18235] 日本経済新聞近畿4/29","日本経済新聞近畿版 2014年4月29日付 京都府と京大、交通問題解決で連携  京都府と京都大学は28日、府内の交通関連の課題解決や交通政策に詳しい人材の育成に向けて連携協定を結んだ。京大の都市交通に関する研究成果などを生かし、府内全域で渋滞緩和や鉄道・バスといった公共交通の利便性向上などにつなげる狙い。都道府県と大学が交通政策で協定を結ぶのは珍しいという。  具体的には府などが出資する第三セクター鉄道の北近畿タンゴ鉄道(KTR)の再建策やLRT(次世代型路面電車)の導入検討などで協力していく。民間企業にも参加を求め、鉄道やバス、船などのダイヤ調整による乗り継ぎ時間の短縮、IT(情報技術)を生かした運賃収受システムや乗り継ぎ割引制度などについても研究する。  人材育成では地域に即した具体策を立案できる「都市交通政策技術者」を養成するため、京大が基礎と上級向けの2コースを設ける。府は受講の呼び掛けや実務者の講師派遣などで協力。自治体職員や民間交通機関の幹部らを対象に年50~60人の育成を目指す。  山田啓二知事は「地域全体の交通政策をどうすべきかという視点が欠如していた」と述べた。松本紘学長は「各自治体とも連携して交通システムの変化に対応した施策を打ち出していく」と意気込みを示した。  京都では市交通局と京都学園大学も同日、市営地下鉄の利用促進などを掲げて協定を結んだ。同大は来年4月に地下鉄東西線太秦天神川駅近くに新キャンパスの開設を予定。「公共交通の利用促進」など研究内容を駅構内で発表したり、学生が運営する店舗を駅に出店したりといった協力関係を深める。 "[he-forum 18234] 読売新聞4/28","読売新聞 2014年4月28日付 食糧問題解決へ、北大が「食資源」大学院  北海道大学は、世界的な食糧問題に対応できる人材を育成する大学院「国際食資源学院」を、2017年度にも設立する方針を決めた。  約30人の教員の半数は海外の大学から招請するとしている。早ければ16年度中に文部科学省の審議会の認可を受け、1学年約30人前後の大学院生を募集する。  5年制の新大学院は、食資源や水資源、食の安全について総合的に理解できる人材を育成する。授業は英語で行い、研究者に加え、国際機関や多国籍企業で活躍できる実務家の養成を目指す。食や環境を巡る国際情勢などを学んだ後、世界各地の農業現場や大学などで半年から1年間の実習・研究を行う。  北大で新しい大学院が設けられるのは、10年度の総合化学院以来となる。丸谷知己・農学研究院長は「食糧基地・北海道にふさわしい大学院教育が出来るようにしたい」と話している。 "[he-forum 18233] 週刊現5/3","週刊現代 2014年5月3日号 ドクターZは知っている 屋上屋を架す文部科学省の新・大学補助金  文部科学省が新たな補助金制度をスタートさせる。日本の大学の国際競争力の向上を目的に、全国30校を「スーパーグローバル大学」に指定し、億単位を補助するという。具体的には、世界の大学ランキングの100位以内を目指す力のある大学を「トップ型」とし、指定した10校に最大で年間5億円、先進的な研究や取り組みを行う「グローバル化牽引型」も20校指定し最大で3億円をそれぞれ補助する。  4月から大学側への説明会が始まり、来月には募集を開始するというが、はたしてこの制度はうまくいくか。そもそも、大学の「グローバル化」とか「世界レベル」はどう考えたらいいのだろうか。  大学の世界ランキングは、いろいろな機関から出されている。かつては英語圏の大学に有利すぎるものが多かったため、世界各国で作られるようになった経緯がある。その中で有名なものには、イギリスのタイムズ紙が出しているタイムズ・ハイアー・エデュケーションによるランキングがある。文科省もしばしば審議会資料で引用しているものである。  その「2013-2014版」によれば、世界ランク100位以内の日本の大学は、東京大学(23位)と京都大学(52位)の2校しかない。日本の大学を10校以上選ぼうとすると、世界ランク350位まで広げなければいけない。東京工業大学、大阪大学、東北大学、名古屋大学、首都大学東京、東京医科歯科大学、北海道大学、九州大学、筑波大学が出てくる形だ。  これらが「トップ型」の有力候補なのだろうが、何のことはない。このうち首都大学東京以外は、国立大学、しかも旧帝大がほとんどである。  ちなみに、2013年度の国立大学運営費交付金のベスト10を見ると、東京大学783億円、京都大学520億円、東北大学446億円、大阪大学438億円、筑波大学393億円、九州大学388億円、北海道大学357億円、名古屋大学302億円、広島大学244億円、東京工業大学202億円と、トップ型の候補とかなり重複している。屋上屋が否めない。  こうした国立大学には、文科省からの天下り官僚が事務局に入っている。さらに、カネを付けて、天下りシステムを強固にしたいのだろうか。  億単位の公的支援なら、他のいい方法がある。民間からの大学への寄付を税額控除するのだ。つまり、民間から大学へ寄付すればその分の税金が少なくなるようにする。そうすれば、民間企業から数億円の寄付が出てくる一方、その分の税金収入は減少するので、文科省の予算は少なくなる。従来の補助金が、税金で吸い上げて文科省の官僚が予算で「箇所付け」するのに対して、この寄付制度は文科省の官僚に代わって民間が「箇所付け」るのだ。  こうしたことを言うと、「民間では適正にカネを使えず、官が公平にやらなければいけない」という官からの反論がすぐ出てくる。しかし、官が天下りをセットとしてカネを付けるのと、どちらがいいかという問題だ。少なくとも、「スーパーグローバル」という以上、官がカネを吸い上げて、官が天下り先とセットで支出先を選ぶという古びた発想はもうやめたほうがいい。  世界ランク100位以内で教育を受けていないような文科省官僚が、それらに対抗していく大学を選べるとは思えない。まだ寄付制度によって、民間の知恵とカネを活用する方が、大学のレベルを引き上げる妙手になる気がするのだが。 "[he-forum 18232] 共同通信4/29","共同通信 2014年4月29日付 京大の次期学長、国内外から候補の推薦募る  京都大学は28日、次期学長を決める選考で、国内外の大学の学長や研究機関の責任者らに候補者の推薦を依頼することを決めたと発表した。幅広い視野を持ったトップを迎え、大学間の国際競争に打ち勝つのが狙い。  京大によると、推薦を受けた人物などから、学内外の委員でつくる選考会議が6人に絞り込み、この中から教職員が投票を実施。選ばれた学長候補を選考会議が面接し、決定する。6人のうち、学外候補枠はこれまで2人だったが今回、3人に増やす。  次期学長は7月上旬までに決める予定。現在の松本紘学長は9月末に任期満了を迎える。〔 "[he-forum 18231] 読売新聞社説4/29","読売新聞社説 2014年4月29日付 大学改革法案 迅速な意思決定が求められる  大学改革を迅速に進めるため、政府が、学長のリーダーシップの強化を柱とする学校教育法と国立大学法人法の改正案を国会に提出した。今国会での成立を目指している。  日本の大学は、国公私立にかかわらず、意思決定に時間がかかり、柔軟で機動的な運営ができていないとの批判が多い。  時代の変化に対応するため、大学はガバナンス(組織統治)の在り方を改善し、人材育成や研究活動の充実を図ることが重要だ。  改正案のポイントは、教授会の権限の見直しだ。  現行の学校教育法は、教授会について「重要な事項を審議する」と定めている。教授会の権限が大学運営全般に及ぶと解釈され、教授会が事実上の意思決定機関となっている大学も少なくない。  学長が思い切った改革を進めようとしても、教授会の反対で実現できない弊害が出ている。  改正案は、教授会の役割を、学長が決定を行う際に意見を述べることに限定した。大学運営の決定権が学長にあると、法律上、明確にし、トップ主導の改革を促しているのは妥当と言える。  学長が人事や予算の権限を適切に行使し、優秀な研究者を積極的に採用すれば、大学の国際競争力を高めることにもつながろう。  私立大では、経営母体である学校法人の理事長と、大学の学長が別々のケースもある。そうした大学では、円滑な意思決定を可能にしていくことが大切だ。  国立大学法人法改正案で注目されるのは、学長の選考過程を透明化する規定を加えた点だ。  現行法は、学内外の委員で構成する学長選考会議を設け、学長を選ぶと定めている。ところが、実際には、学内の教職員で事前に意向投票を行い、その結果を選考に反映させている大学が多い。  学内の多数派工作がトップ人事を左右するようでは、能力を備えた人物が選出されるか疑問だ。  2004年に法人化された国立大の学長には、経営手腕も求められる。こうした能力も評価できる選考法にしなければならない。  改正案が、学長選考の基準を策定し、選考結果とともに公表するよう求めたのは理解できる。  ただ、一連の法改正が実現すれば、学長に権限が集中する。学長が適正さを欠く大学運営を行った場合、任期途中で交代させるのは容易ではなかろう。  学長の暴走を防ぐ仕組みを、どのように整えるのか。国会で議論を深めてもらいたい。 "[he-forum 18230] 北海道新聞社説4/29","北海道新聞社説 2014年4月29日付 大学改革 学長だけでは担えない  学校教育法は大学の目的について、広く知識を授け、専門的な研究を深める場と定めている。その理念が損なわれかねない。  大学改革に主眼を置いた学校教育法改正案などが近く、国会で審議入りする。  政府案は国公私立大学の運営権限を学長に集中し、これまで重要事項の審議機関として大きな権限を持っていた学部の教授会を学長の助言役にするのが柱だ。  個々の大学の経営や競争力を強化し、改革の迅速化を図るのが狙いだとするが、学内が上意下達の組織に変質することは否めない。  大学の根幹である自治・自発性や研究の自由を揺るがし、活力を奪うことにつながらないか、強い危惧を覚える。  とりわけ経済人などで構成する選考会議が学長選考の決定権を持つことになる国立大学の法改正には、懸念を抱かざるを得ない。  教育や研究のあり方についての深い洞察よりも、目先のことを追求する能力が学長の資質として優先されかねないからだ。  企業経営を意識した組織の改編は大学にはなじまない。  学長権限強化の契機となったのは2012年、東大での秋入学をめぐる学内論議だった。  秋入学は浜田純一学長が国際化を狙いに発案したが、一部の教授会の抵抗もあって頓挫した。  権限の集中を掲げる背景には、世界ランキング100位以内に日本から10大学を入れたいとする安倍晋三政権の国際競争力強化戦略があることは明らかだ。  これまでにない高い目標を達成するには、大学組織を根底からつくり変える必要があると考えているのだろう。  だが、大学の評価は地道な研究の積み重ねの結果として得られるものだ。ランクづけを前提に大学同士、研究者同士を競わせるのは本末転倒ではないか。  さらに懸念されるのは、先端技術や実利分野に研究資金が集中投下され、基礎科学や社会・人文科学の研究が軽視される風潮だ。  土台なしに上屋は築けないことを忘れてはならない。  もちろん現行制度に問題がないわけではない。古い価値観や旧態依然の慣習を変えていくのは当然だ。現行の教授会が思い切った改革に踏み出せないでいる現状はもはや放置できない。  教職員一人一人が大学の存在意義を見失わず、柔軟な発想で対応策を発議する。これを改革の出発点とすべきだ。 "[he-forum 18236] 山梨日日新聞4/30","山梨日日新聞 2014年4月30日付 都留市と横国大が連携強化へ拠点 災害、環境など研究  都留市と包括連携協定を結んでいる横浜国立大は29日、都留市上谷2丁目の市テレワークセンター内に研究拠点「都留地域イノベーション・ラボ」を開所した。  市と同大は2012年5月に協定を締結し、環境や災害、地域活性化などについて調査、研究している。同大が初めて市内に設けた研究拠点は同センター内の一室にあり、研究データなどの整理やまとめの作業などを利用する。市民と話し合う交流の場としても使うという。  29日は関係者約20人が出席し、開所式が行われた。佐土原聡教授は「今後も行政と市民と一緒になって取り組んでいきたい」と話した。 "[he-forum 18238] 時事ドットコム 2014.5.1.","http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014050100786 時事ドットコム(2014/05/01-23:02) 共謀罪念頭に「制度整備」=日英共同声明で-首脳会談  【ロンドン時事】日英両首脳が1日に発表した共同声明には、マネーロンダリ ング(資金洗浄)対策の基準をつくる国際組織「金融活動作業部会 (FATF)」の要請に関し、「制度を整備することを真剣に検討する」と明記 された。犯罪の謀議に加わる行為そのものを処罰する「共謀罪」創設を念頭に置 いたものだ。  共謀罪創設は、政府が署名した国連国際組織犯罪防止条約に対応した国内法整 備。過去に関連法案が3回提出されたが、野党の猛反対でいずれも廃案となっ た。今国会提出を検討する動きが政府内にあったものの、菅義偉官房長官が白紙 に戻した経緯がある。","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;chusitu@nuufs.org;tosho@nuufs.org","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;chusitu@nuufs.org;tosho@nuufs.org","SMTP;SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18237] 産経新聞主張5/1","産経新聞主張 2014年5月1日付 学長権限の強化 人材得て魅力ある大学を  「教授会にお伺いを立てなければ、ことが進まない」という旧態依然の体制を変革できるか。  国会に提出された、大学の学長権限強化を柱とする学校教育法改正案などのねらいである。  大学は大きな時代の変化にさらされている。少子化の一方で進学率は上がり、全入時代ともいわれる。質低下への懸念は強い。  世界に目を向ければ、東大、京大などトップクラスでも教育研究環境のさらなる改善を迫られ、改革なしに勝ち残りはできない。  単に手足を縛られた学長を解放することが目的ではない。魅力ある大学に向け、改革をやり遂げられる制度を探ってほしい。  日本の大学は学部ごとに置かれた教授会の権限が強い。教授選考など学部内の問題で事実上決定権を握り、学長もなかなか口をはさめない。学部の力関係で学長が決まる大学も少なくない。  国公私立大に適用される学校教育法の改正案では、教授会の役割を「重要な事項を審議する」から「学長に意見を述べる」に改め、審議事項も限定する。  国立大の組織運営を定めた国立大学法人法改正案は、学長選考方法を明確化し、将来計画や予算を審議・助言する「経営協議会」に学外の意見を入れやすくする。  学長がリーダーシップを発揮しやすい運営体制を目指すのは、改革を機動的に進めるためにほかならない。10年前に法人化された国立大にもこうした発想は取り入れられ、学長が経営戦略を立て、学長らが構成する役員会が重要事項を決定する仕組みはある。  しかし、「意思決定が速くなった」との声がある一方で「いまだに文部科学省、役員会、教授会の三重構造」で学長主導の体制が機能していないとの批判がある。  学長選も、学外委員らを交えて適任者を選ぶと定められているのに、ほとんどの大学は教授らによる選挙結果を踏まえて決める。  改革の成否そのものは法改正ではなく、あくまでもビジョンと情熱を持った人物に学長を委ねられるかにかかっている。そのスタッフも、内外から能力の高い人材を起用することが欠かせない。  独り善がりで閉鎖的な「象牙の塔」ではいられない。学生のニーズをとらえた改革も必要だが、それ以上に教育研究を進める本来の大学の価値を考え、一致協力できる体制が求められる。 "[he-forum 18239] 共同通信5/4","共同通信 2014年5月4日16時57分 文科省、法科大学院に到達度試験 司法試験の合格率低迷で  文部科学省は4日、法科大学院が在籍する全学生を対象として進級判定に活用できる「共通到達度確認試験(仮称)」を導入する方針を固めた。課題を把握して教育内容の改善に生かすほか、成績の悪い学生に、別の進路を検討してもらう際の資料にもしたい意向だ。早ければ本年度末から複数校で試行を始め、数年以内に本格導入する。  多くの法科大学院で学生の司法試験合格率が低迷していることを受け、進級させるかどうかを厳格に判定することで修了者の質の保証につなげる狙いがある。法曹養成制度関係閣僚会議が抜本的な改善策の検討を文科省に求めていた。 "[he-forum 18240] 学校教育法および国立大学法人法を改正する法案に反対します 2014年5月7日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局","学校教育法および国立大学法人法を改正する法案に反対します 法案は、「大学の自治」を奪い、大学を安倍流成長戦略の道具に貶めるものです。 法案は、競争と権限集中を強化し、研究教育をさらなる腐敗に導くものです。   2014年5月7日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 内容 1 大学の自治「剥奪」法案 (1)法案の概要 (2)法案の最大の問題点―「大学の自治」の中核である人事権の侵食- 2 法案の具体的内容 (1)法案の4つの内容 (2)教授会は学長と学部長の諮問機関に (3)意向投票制度を骨抜きにできる学長選考基準 2 「日本再興戦略」の一環としての大学のガバナンス改革 (1)グローバル人材育成とイノベーション創出の道具としての大学 (2)競争と権限集中の一層の強化は教育研究をさらに腐敗させる 全文は本事務局のHPを参照 http://www.shutoken-net.jp "[he-forum 18241] (5/13(火))学校教育法改正反対院内集会・国会要請行動","各位 東京海洋大品川職員組合の岩崎です。 学校教育法改正反対の院内集会及び国会要請行動が来週行われるとのことですが、 これについて、今のところこのメーリングリスト上及びWeb上で公開された告知が ないようなので、全大教の各単組あてに届いている通知を参考までに引用します。 (全大教加盟単組の方が参加される場合の手続きは、下記の通知にあるとおり 単組経由で全大教の事務所に出席連絡することになるのかと思います。) ------------------------------------------------------- 全大発 98 通知 57 2014年4月28日 各単組委員長 殿 全国大学高専教職員組合 中央執行委員長 中嶋哲彦 「大学自治を否定する学校教育法改正に反対するアピール」にもとづく 院内集会・国会要請行動の実施について 日々の取り組み、ご苦労様です。 大学自治を否定する学校教育法の改正案は、4月25日に閣議決定がなされました。 現段階での予測では、教育委員会制度改悪の地方教育行政の組織及び運営に関する 法律の一部改正案の衆議院での審議が5月14日ごろに終了すると見込まれており、 その後の実質審議入りかと言われています。 こうした差し迫った状況の中で、「学校教育法改正に反対するアピール署名をすすめる会」 のアピールへの賛同が広がり、4月28日の段階で、約2,600筆に達しています。 広く市民を含む世論が大学の自治の否定を危惧し反対していることを国会審議の 場に活かすべく、下記の通り、院内集会と引き続いての議員要請行動を開くことを 決めさせていただきました。 国公私立を問わない広がりをもつ集会・行動とする予定です。 各単組におかれましては、この運動の成功のために出席をお願いします。 出欠の連絡は、5月9日(金)までに総務部あて( somu@zendaikyo.or.jp )、 お願いします。期日後に急遽ご出席いただける場合も歓迎いたします。      記 「大学自治を否定する学校教育法改正に反対するアピール」にもとづく 国会院内集会と要請行動 日時:5月13日(火)14時から17時30分(予定) 場所:衆議院第2議員会館第4会議室 地図:http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kokkaimap.htm 議員会館入り口ロビーでパスをお渡しし、案内をします。 旅費について:各単組1名(関東甲信越地区については各2名)について、全大教旅費規程 にもとづき旅費を支給します(但し、旅費相殺)。 出席連絡について:下記に記載の上、5月9日までにご連絡をお願いします -------------5月13日国会院内集会と要請行動 出席連絡票-------------------  単組名等  (          )  出席者氏名 (          )(          )  組合役職 (          )  備  考 (          ) -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) miwasaki@kaiyodai.ac.jp "[he-forum 18242] 退職金裁判,被告の準備書面を公開","元佐賀大学の豊島です. 退職金裁判について数度投稿しましたが,その続報です. [he-forum 17944] 退職金減額は無効と佐賀地裁に提訴しました [he-forum 18080] 退職金減額無効訴訟,第一回公判での意見陳述とフルブライト発言 去る4月11日に第3回の公判が開かれましたが,被告・佐賀大学の準備書面が今回もまた遅れ,結局公判当日にも間にあわず.先月25日にようやく提出されました.以下にこれを公開します. ネット上の公開に際しては,本旨に直接関係ない部分に一部モザイク加工をしています. 準備書面2 1~30ページ http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/hikokushomen21c.pdf 準備書面2 31ページ~最後まで http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/hikokushomen22c.pdf 証拠リストと説明 http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/otsu-list-of-evidences.pdf ざっと一読したところ,ひとことで言うと,「国のやることが法である」と見ているようにしか思えません.また,賃金制度に関しては「公務員である」としているかのよう.ブログからもリンクしています. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09 なお,準備書面1はこちらです. http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/hikokujunbishomen1-kakou.pdf これもブログからリンクしています. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2014-04-09 次回の公判は5月30日(金)10時から,佐賀地裁です. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 "[he-forum 18249] 神戸新聞5/8","神戸新聞 2014年5月8日付 災害看護学ぶ共同大学院 明石のキャンパスに2人在籍  国際的、学際的な視野を持つ災害看護の専門家を育成する共同大学院が、兵庫県立大学看護学部(明石市北王子町)などに今春、開設された。国内初の国公私立5大学による共同大学院で、学生11人のうち2人が明石のキャンパスに籍を置く。2人は「日々、学ぶことばかり。地域とのつながりも深めていきたい」と意欲を語る。  災害看護学に力を入れてきた同大学のほか、高知県立、東京医科歯科、千葉、日本赤十字看護の計5大学が連携し、5年間の博士課程「災害看護グローバルリーダー養成プログラム」を今年4月に開講。各地のキャンパスをテレビ会議システムで結び、講義を受けたり学生同士で討論したりしている。  明石には、和歌山県出身の松尾香織さん(32)、広島県出身の隅田さやかさん(31)が在籍。2人は共に看護師としての勤務経験を持ち、専門性を高めたいと入学した。  今期は、災害前、直後、中長期の各局面で求められる看護のあり方をはじめ、災害時の医療や情報、心理などを幅広く学ぶ。阪神・淡路大震災を機に構築された講義もあるという。  1カ月を経て、松尾さんは「災害看護というと緊急時のイメージがあったが、さまざまな分野にまたがり、非常に幅広いと実感している」。隅田さんは「地域社会のニーズも学んでいきたい」と話す。  同プログラムの専任教員を務める山本あい子、片田範子両教授は「情報や資源が限られた災害時に的確な判断ができる、実践力と研究力を併せ持つ人材を育てたい」と語る。1年目の後期には、地域との連携を図る講義も予定。「住民と学生が共に学び合える内容にしたい」と準備を進めている。(新開真理) "[he-forum 18248] 河北新報5/10","河北新報 2014年5月10日付 民間企業や財団 奨学金を打ち切る動き 震災から継続に限界  東日本大震災で被災した生徒や学生に向け、民間企業や財団が設けた奨学金制度で、新規募集を打ち切る動きが出ている。日本学生支援機構(横浜)によると、奨学金を支給してきた団体の4割近くが2013年度末までに、受け付けを締め切るか、制度自体を廃止した。震災発生から3年がたち、一定の役目を終えたと判断したとみられる。  似鳥(にとり)国際奨学財団(東京)は、13年春に高校進学する当時の中3生には高校で支給する奨学金への募集を呼び掛けたが、14年度の中3生には新規募集をしなかった。  同財団の広報担当者は「被災者向けの受け付け分が当初用意した限度額に達した」と理解を求めた。  奨学金の給付や貸し付けを行う日本学生支援機構によると、震災後、自治体以外で被災者向けに奨学金制度を設けたのは、機構が把握する分だけで40制度ある。  このうち13年度末までに新規募集を取りやめるか、制度自体を廃止したのは15制度で、全体の37.5%に上った。  本年度も募集を継続する被災地対象の奨学金制度は残る25制度のほか、岩手、宮城、福島の被災3県の基金や、被災学生を受け入れる学校の制度などがある。  ヒロセ国際奨学財団(東京)、小林国際奨学財団(大阪)、東京海上各務(かがみ)記念財団(東京)などは11年度に「災害特別奨学金」を支給した。いずれも単年度限りの取り組みで、「あくまでも震災発生直後の緊急措置」(各務記念財団)と話す。  基金や財団の設立目的が留学生支援などで、被災地支援とは異なる場合、被災者への奨学金は資金の目的外使用に当たる恐れもあるという。  そうした事情から、ある財団は「被災者向けに継続して奨学金を支援し続けることには限界がある」と話している。 "[he-forum 18247] 薬事日報社説5/10","薬事日報社説 2014年5月10日付 超高齢社会に対応した人材育成を  今年の薬剤師国家試験の合格率は、空白期間の2010年(第95回)、11年(第96回)を除き、過去20年で最も低い60・84%にまで落ち込んだ。  6年制新卒者の合格率が70・49%と平均的な水準だったのに対し、6年制既卒者の合格率が39・85%と低かったため、既卒者が全体を大きく押し下げる結果となったが、前年より約18ポイントも低下している点が気になる。  厚生労働省は、6年制になってから、医療現場で通用する実践力などを確認するため、基礎的な知識を応用して回答する問題を増やしており、「そうした問題への対応が不十分だったのでは」との見方を示したが、「極端に問題を難しくした認識はない」としている。むしろ、旧4年制時代には80~90%台を推移していた新卒者の合格率が、かろうじて70%台を維持するにとどまったことを踏まえ、「学生の質低下が要因の一つ」と分析する。  薬学部・薬科大学は、規制緩和によって新設が相次いだ結果、多くの大学が定員割れを引き起こし、教育や学生の質低下を懸念する声が上がっていた。今回の合格率低下は、この新設ラッシュにより、起こるべくして起こった事態とは考えられないだろうか。  教育関係者の中からは、大学の新設を認めた規制緩和に問題があったとして、文部科学省などに問題解決を求める声も上がっているが、大学側も教育の質を確保するために適正とされる定員数、確保すべき教員の数などを検討し、改善につなげる取り組みが必要だ。  12年度の厚生労働科学研究「薬剤師需給動向の予測に関する研究」(研究代表者:望月正隆・薬学教育協議会代表理事)では、「薬剤師の過不足が直ちに問題になるとは考えにくい」としながらも、「10年単位では今後、薬剤師が過剰になるとの予測について、否定できるものはない」との見通しを示した報告書をまとめた。  多少、分かりにくい表現になっているが、10年後には薬剤師が過剰になる可能性があることを示唆しており、関係者はこの事態をもう少し重く受け止めるべきだ。  10年後には“団塊世代”の多くが後期高齢者になり、医療や介護の面で大きな変革が求められる「2025年問題」が訪れる。それに対応できるだけの医師や看護師がほぼ見込めない中、薬剤師に期待されるのは、地域住民への健康サポートやアドバイスといった新たな役割だ。  厚労省は、14年度予算で2億4000万円を計上し、都道府県を対象とした「薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点推進事業」を進めるなど、かかりつけ薬局機能の強化に向け、必死に旗を振っている。4月の調剤報酬改定でもかかりつけ薬局の評価を手厚くしたが、実際のところは容易ではないだろう。  厚労省があるべき薬剤師と調剤業務の姿を改めて求め出した時に、最低水準の合格率を出してしまったことはタイミングが悪いと言わざるを得ないが、「2025年問題」は待ってはくれない。  薬剤師教育の抜本的な改革と共に、調剤薬局や病院の薬剤部も含め、業界全体で超高齢社会に対応できる薬剤師をどう育成していくかを考えることも急務となる。 "[he-forum 18246] NHKニュース5/10","NHKニュース 2014年5月10日4時21分 法科大学院の入学者が過去最低に  法律の専門家を養成する法科大学院の今年度の入学者は、およそ2300人と過去最低を更新し、9割の大学院で定員を下回ったことが文部科学省のまとめで分かりました。  法科大学院は、裁判官や弁護士など質の高い法律の専門家を養成しようと10年前に設けられ、今年度は67校が合わせて3809人を募集しました。  結果について文部科学省がまとめたところ、入学者の数は昨年度より426人少ない2272人と定員全体の60%にとどまり、過去最低を更新しました。  新潟大学と東海大学では入学者が1人だけとなるなど91%に当たる61校で定員を下回りました。入学者数が定員を満たしたのは、千葉大学や首都大学東京、それに一橋大学など6校だけでした。  法科大学院は最も多いときで全国に74校ありましたが、司法試験の合格率が低迷していることなどから志願者が減少し、今年度までに7校が廃止や募集停止となったほか、来年度も新たに9校が募集を停止することを決めています。国は定員の充足率などで各大学院を評価して補助金や交付金を配分する新たな仕組みを来年度から導入する予定で、大学院の統廃合など組織の抜本的な見直しを促すことにしています。 "[he-forum 18245] 中日新聞石川5/10","中日新聞石川版 2014年5月10日付 教職大学院を16年度開設へ 金大 長所生かし指導力強化  金沢大(金沢市)は九日、より実践的な指導力を備えた教員を養成する「教職大学院」を、二〇一六年度に開設する方向で検討していることを明らかにした。また四学期制の導入について判断を見送り、学内でさらに検討を続ける考えを示した。(小室亜希子)  教職大学院は標準二年間の専門職大学院で、即戦力となる新人教員の養成や現職教員の指導力向上を目指す。福井大など、国立、私立計二十五大学が開設している。  金沢大の山崎光悦学長は同日の記者懇談会で「希望としては一六年度。遅くとも一七年度までに開設したい」と表明。幼稚園から高校まで付属校がある点を“強み”と強調し「金沢大らしい教職大学院を整備したい」と述べた。  今後県教委と連携しながら、具体的なカリキュラムなどについて協議する。  四学期制については昨年度から学内の入試改革検討会議で導入を検討し、前任の中村信一学長が昨年度末までに入試改革の基本方針を示す意向を示していた。検討会議は「(現時点で)導入は難しい」とする意見を答申したという。  山崎学長は入試改革について「これまでの議論を踏まえて再出発したい」と述べ、学域ごとの入試の可否も含めて検討を継続するとした。  また今春の入学者が過去最低の八人にとどまった法科大学院について、今後も維持する考えを表明。学内外の研究者を対象にした「リサーチプロフェッサー(研究専念教授)制度」創設など、大学改革の基本方針「YAMAZAKIプラン2014」も発表した。 "[he-forum 18244] 新潟日報5/9","新潟日報 2014年5月9日付 新大図書館、入館者100万人突破  昨年4月にリニューアルオープンした新潟大五十嵐キャンパス中央図書館(新潟市西区)の入館者が先月、100万人を突破した。8日に記念セレモニーが同館で開かれ、100万人目となった農学部1年の中野杏子さん(19)らがくす玉を割り、図書館の利用拡大を祝った。  中央図書館は、老朽化への対応や今後蔵書量が増えると見込まれたことから大規模な増改築を行った。グループ学習ができるスペースが整備され、館内で外国語の指導を受けられるようにもなり、入館者はニューアル前と比べ倍増。先月18日に100万人を記録した。  同館によると国立大学法人付属図書館の中で、利用者数は京都大や大阪大に並びトップクラスだという。  高橋姿学長らとくす玉を割った中野さんは「100万人目と聞いてびっくりした。これからも講義の予習や復習をする際、図書館を利用したい」と話した。 "[he-forum 18243] しんぶん赤旗5/8","しんぶん赤旗 2014年5月8日付 2014 とくほう・特報 安倍流の「大学改革」 学問の自由あぶない!  安倍政権は、「大学の自治」の要をなす教授会の権限をなくし、学長の権限を強化する学校教育法・国立大学法人法改定案を国会に提出しました。5月中旬にも審議入りする構えです。「日本の大学と民主主義は重大な危機にある」と大学関係者から激しい反対の声が上がっています。  (土井誠 党学術・文化委員会事務局次長) --------------------------------------------------------------------------- 大学自治壊す 教授会が審議機関から学長“諮問機関”に変質  大学は13世紀に欧州で生まれ、世界各国で高等教育機関として発展しました。その歴史の中で、国家権力の干渉から学問研究と教育の自由を守るために「大学の自治」を形成してきました。これは世界共通の原則です。  日本では、憲法第23条に「学問の自由は、これを保障する」と定められ、「大学の自治」の法的根拠となっています。  学校教育法は、これを具体化し、「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない」(第93条)と定めています。 ■  □  「大学のあり方を根底から変えてしまう。もう大学ではなくなってしまう」。4月24日、日本私立大学教職員組合連合中央執行委員長の丸谷肇鹿児島国際大学教授は、学校教育法改定に反対するアピール署名の記者会見で力を込めて訴えました。署名は、この1カ月で大学教職員、学生など3000人を超えて広がっています。  学校教育法改定案は、93条を根本的に改変して、教授会を大学運営の審議機関から、「学長が必要と認める場合にだけ意見を述べる」機関にかえます。つまり、諮問機関への変質です。  教授会は現在、カリキュラムの編成をはじめ教員の業績評価・採用、学部長の選任、学部の廃止・改組などを審議しています。  丸谷氏は「学長が決定する際に教授会が意見を述べるものとして法案が例示したのは『学生の入学、卒業および課程の修了』と『学位の授与』だけ。つまり、大学の入り口と出口だけ。肝心の大学の4年間については、学長が意見を聞く必要がないと判断すれば、教授会は意見も言えない」と指摘します。「学生に直接教える教員が、カリキュラムの編成すら、ものが言えないのなら、学生を4年間で一人前の社会人に育てることなんてできない」と憤ります。  24日の記者会見では、東京大学元副学長の広渡清吾専修大学教授が「大学は主体的に取り組むところ。人に言われてやるところではない」と発言。「教員が教授会で議論しても、意見を聞かれるだけで、大学運営に主体的にかかわれない。教師が主体的でなくて、いったい主体的な学生が育つのか」と法案を批判しました。 「学長独裁」に “政府いいなり増える” 選挙自体廃止の動きも  国立大学法人法改定案では、各国立大学で学長を選ぶ機関(学長選考会議)が選考の基準を決めて公表するとしています。文科省は、「大学のミッション(使命)の実現にむけて大学を委ねられる」学長像を明確に示した選考基準になると説明しています。この基準にあわないと、教職員の投票(学長選挙)で1位でも学長になれなくなります。  学長選考会議が、学長選挙で1位になれなかった候補者を学長に選出する大学が増えていることが問題になっています。山形大学もその一つで、7年前に結城章夫文部科学事務次官が学長に選出されました。結城学長は昨年、情報漏えいで原子力規制庁審議官を更迭された人物を独断で教員に採用する「事件」をおこしています。  当時、同大地域教育文化学部長だった那須稔雄氏によると、教授会が人事に反対する決議をあげましたが学長はゴリ押ししました。  那須氏は「昨年、ミッションの再定義という書類をつくったが、文科省から何度も書き直しを命じられた。このミッションにそった学長を選ぶとなれば政府いいなりの学長が増える」と指摘します。  法案を先取りして、学長選挙そのものをなくす動きもあります。京都大学では、総長(学長)選考会議の学外委員による総長選挙廃止の動きがありましたが、職員組合などの運動で、先月23日に総長選挙の存続が決まりました。(下の図) ■  □  政府は法案提出の理由を、学長のリーダーシップを確立し、大学改革を推進するためと説明しています。  これに対し広渡氏は「教授会で議論が進まず、改革しようとしても一歩も踏み出せないというのは、みんながまだ納得していないから。学長のリーダーシップが大事ならば、学長がみんなを納得させる案を出して十分議論して、合意形成をして、大学を改革するのが真のリーダーシップだ」と批判しています。  教職員が支持しない人が学長になり、その学長が決める方針に教授会は従うしかないというのでは、「学長独裁」と言わざるをえません。しかも、その学長に政府いいなりの人物が就くとなると、もはや大学とは言えないものになります。  国の政策に批判的な教員が排除される危険もあります。京都大学の西牟田祐二教授は、「経済学分野では、マルクス経済学の影響を弱める動きがある。教育課程の編成を学長が教授会の意見を聞かずにできるようになれば、マルクス経済学の排除もおこりかねない。あるシンポジウムで経済同友会副代表幹事が『マルクス経済学を学んだが役に立たなかった』などと暴言を吐いた。こういう考えの人物が学長になったら大変なことになる」と危惧しています。  私立大学では、理事長の暴走を助長する危険もあります。創造学園大学では、教授会などの内部チェックが働かず、専断的で放漫な理事長の経営の結果、債務超過に陥り、設置者の堀越学園は文科省から解散命令を受けました。丸谷氏は「法案で教授会のチェック機能が外されると、こうした事例はますます増える」と危惧します。 ■  □  安倍内閣による、「大学の自治」破壊への暴走は、財界の強い要望を受けてのものです。財界は、「グローバルに活躍する人材」「イノベーション(技術革新)をつくりだす人材」が必要だとして、大学の再編・統合や学費値上げを求めています。こうした大学をつくるために、日本経団連は教授会の審議事項を狭めるための法改定を求め(13年12月)、経済同友会は教授会の諮問機関化を提言(12年3月)しています。  私大教連の丸谷氏は「法案は、財界が求める大学のスクラップ&ビルドをねらってのもの。なんとしても廃案に追い込みたい」と、署名への賛同を呼びかけます。  署名は、全国大学高専教職員組合や日本私大教連のホームページで受け付けています。 "[he-forum 18250] 学校教育法改正案に関する日本共産党声明(5・13)","「学問の自由」を脅かす大学自治破壊法案を許さない共同をよびかけます                              2014年5月13日 日本共産党  わが国の大学は、その存立を揺るがす危機に直面しています。安倍内閣が「大学の自治」を破壊する法律案(学校教育法・国立大学法人法の改悪案)を国会に提出しました。  大学は、国からの干渉をうけずに自由な教育・研究を行うために、「大学の自治」が保障されています。その土台をなすのが、学問研究と学生の教育にあたる 教員が自ら大学運営に参加する制度です。法案は、この制度を骨抜きにし、トップにたつ学長が独断で運営するしくみを確立するものです。憲法第23条の「学 問の自由」を脅かす悪法であり、断じて認めることはできません。  大学教員からは、「大学が大学でなくなる」「良心に従った研究・教育を不可能にする」「学長の独裁になり民主主義がなくなる」など、法案への強い危惧と 反対の声があがっています。元学長など大学関係者11氏がよびかけた「学校教育法改正に反対する緊急アピール」には、国公私立を問わず様々な専門分野の大 学教員、研究者の賛同が急速にひろがっています。  日本共産党は、大学関係者、国民のみなさんと共同し、この悪法の強行を阻止するために全力をつくします。 学校教育法改悪案は教授会から審議権をとりあげる重大な改悪です  学校教育法は、「大学の自治」を保障するため、国公私立のすべての大学に「重要な事項を審議するため教授会を置かなければならない」(第93条)とし、教授会の審議権を定めています。  改悪案は、この規定を「教授会は学長が必要と認めるものについて意見をのべる」と変更します。教授会が審議している教育研究費の配分、教員の業績評価、 教員採用などの人事、学部長の選任、カリキュラムの編成や学部・学科の設置廃止、学生の身分など、教育研究のあり方を左右する重要な事項を、教員の意見も 聞かずに学長が独断で決められることになります。  教授会から大学の重要事項を審議する権限をとりあげ、「学長のための諮問機関」に変質させる重大な改悪です。その一方で法案は、副学長も「学長の命をうけて校務をつかさどる」として権限を強化し、学長中心の執行体制を強めます。  これでは、どの分野に研究費を投入するか、学部長を誰にするか、どんな人を教員にするかなどは、学長の思いのままです。「学長の気に入らない研究には予 算をつけない」「国の政策に批判的な立場の研究者は採用しない」ということがおこり、学長の顔色をうかがう風潮が学内にはびこっていくでしょう。大学改革 や教育研究への教職員の主体性や活力はおしつぶされ、大学から教育研究の自由や多様性が失われます。 国立大学法人法改悪案は各大学の学長選挙を形骸化します  わが国の大学では、「大学の自治」を形成するなかで、学長は選挙で選ぶという民主主義の制度が根づいてきました。国立大学では、大学の評議会(学長、学 部長などで構成)が選挙結果にもとづいて学長を選んでいたのを、2004年の法人化によって、学外者が参加する各大学の学長選考会議が学長を選ぶしくみに されました。そのもとでも多くの大学では選挙で1位の人を学長に選んでいます。  今回の国立大学法人法改悪案は、学長選考会議が「各大学のミッション(使命・任務)にそった学長像」などの“基準”を定めて選考するとしています。教職 員の選挙で支持をえたか否かよりも、この“基準”に合うかどうかで学長を決めることになります。これは学長選挙を形骸化し、無力化するものです。教職員が 学長になってほしい人は学長になれず、なってほしくない人が学長になる、民主主義のない大学になります。  しかも、「各大学のミッション」とは、文科省が決めた大学ごとの改革ビジョンです。文科省の方針にそって大学を運営する人しか学長になれないのです。 学長のリーダーシップどころか「学長独裁」の大学になります  政府は、法案提出の理由を、学長のリーダーシップを確立し大学改革を推進するためといいます。しかし、学長選挙を形骸化し、学内で支持されない人物が学 長になっても、リーダーシップを発揮できるわけがありません。そんな学長にまかせれば、上意下達で強権的に改革を断行することになるだけです。  大学は多様な見識や価値観が存在するからこそ「学問の府」といわれます。そうした多様な立場からの意見のなかで、全学的な合意を形成する能力・資質こそ が、学長に求められるリーダーシップです。教授会の審議権を尊重し、教育研究や大学改革を現場で担っている1人ひとりの教職員の意見を大切にしなければ、 改革を実らせることはできません。  法案が求めるのは、学長のリーダーシップどころか「学長独裁」を確立し、上意下達の運営を強めることです。その結果、日本の大学は教育研究の質が劣化していくことは避けられません。  私立大学では、学園理事長のワンマン経営を助長することにもなります。文科省から解散命令をうけた堀越学園(創造学園大学)は、教授会などによる内部チェックが働かず、理事長の放漫、乱脈によって経営破たんをひきおこしたのです。 大学を政府・財界いいなりの機関に変えることがねらいです  安倍内閣が大学自治破壊をおしすすめるのは、財界の強い要望があるからです。  日本経団連は、「教授会で議論する『重要事項』の範囲を学校教育法第93 条に限定的なかたちで明記する」とし(2013年12月の提言)、経済同友会は「教授会は、教育・研究に関する学長の諮問機関とする」ことを求めています (2012年3月の提言)。政府が今回の法案を提出したのは、これをうけたものです。  これらの提言のなかで財界は、大学が産業界の競争力強化に貢献するような「優秀な人材」をうみだすべきだと唱えています。財界の目先の利益につながる教 育や研究を担うような大学につくりかえ るというわけです。そのために、政府は大学を再編・統合せよ、学費も高くせよ、大学は企業経営に学んで「ガバナン ス改革」をせよとのべています。  安倍内閣は、すでに国立大学の再編・統合を視野に入れた「国立大学の機能別分化」を各大学に押しつけています。さらに国公私立にわたって財界の要望に全面的にこたえた大学再編をすすめ、大学を政府・財界のいいなりの機関に変えることが、大学自治破壊法案の狙いです。  政府・財界は、「グローバルに活躍する人材」「イノベーションをつくりだす人材」が必要だといいながら、大学予算を削減しつづけ、非正規の教員、研究者 を増やす一方で、業績競争だけは大学に強いてきました。その結果、大学では基礎研究が存続できない深刻な危機に直面しています。世界で最先端の研究をにな う京都大学のiPS細胞研究所でも9割が非正規など、若手研究者や研究支援者の雇用はきわめて不安定です。  こうした流れこそ断ち切るべきです。 大学自治破壊法案を許さない国民的な共同を  学問研究と教育は、社会の未来をささえる大切な営みであり、大学は、教育研究を通じて社会の進歩に貢献すべき国民共有の財産です。政府・財界のいいなり ではなく、憲法にもとづき国民のための教育研究を行う機関でなければなりません。国がなすべきは、大学自治破壊ではなく、「学問の自由」を保障し、大学の 多様な発展に必要な条件整備を行うことです。そのために世界で最低水準の大学予算を抜本的に増やすことこそ急務です。  「学問の自由」と大学の発展を願うすべての人々が立場の違いをこえて力をあわせ、「大学自治の破壊を許すな」の一点で共同を広げることを心からよびかけ ます。日本共産党は、安倍内閣の大学自治破壊と正面から対決し、悪法を廃案に追い込むために、みなさんとともに全力をつくします。= "[he-forum 18253] しんぶん赤旗5/12","しんぶん赤旗 2014年5月12日付 給付型奨学金実現を 高知で集い 宮本議員が講演  民青同盟高知県委員会と日本共産党高知県委員会は11日、日本共産党の宮本岳志衆院議員を高知市に迎え、学生の奨学金について考える集いを開きました。  民青同盟は高知県内の大学生や専門学校生に対して学費・奨学金について問う「学生実態アンケート」を実施。アンケートに応じた128人のうち68%が「奨学金を利用している」「利用しようとしている」と答えています。バイトや奨学金がないと生活できないとの声が多く寄せられ、経済的困難を抱えながら学生生活を送っている実態がうかがえます。  集いには125人が参加。宮本議員は、OECD(経済協力開発機構)加盟34カ国中「授業料無償化」と「給付型奨学金」の二つとも行われていないのは日本だけと指摘。世界の常識になっている「高等教育は無償」を行わない日本政府の姿勢を批判しました。「日本共産党の提案と追及などで政府も重い腰を上げ、支援の検討を始め一部手直しも始めている。共同を広げ、給付型奨学金実現のためにがんばりましょう」と呼びかけました。  高校、短大で奨学金を受け、毎月1万6千円を返済している介護福祉士の29歳の女性は「臨時で給料も安く貯金ができないので将来に不安を感じる」と訴えました。 "[he-forum 18252] しんぶん赤旗5/11","しんぶん赤旗 2014年5月11日付 日本の高学費 世界一 国に届け! 値下げ求める声 高校・大学修学費1000万円超■バイト学生8割  「高校時代、大学の学費を稼ぐため、授業を抜けて働いた」「学費を賄うためにアルバイトして、勉強との両立に苦しむ友人がいる」。世界一高い日本の学費。学生の実態と願いは―。(土田千恵) ---------------------------------------------------------------------------  「小学校の先生になりたいんです。高校時代学費を稼ぐのはつらかったけど、大学をあきらめて、40年間ほかの仕事をやるなんて考えられなかった」。今年、西日本の大学に入学した女子学生は語ります。 ■自力で稼ぎ  高校時代、両親が失業し、「進学をあきらめてほしい」といわれました。しかし、自力で学費を稼いで、入学。「高校でためたお金は、初年度納付金でほぼ使い切りました。これからもバイトで大変だと思うし、不安です」  日本は、経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国の中で唯一、学費無償も給付制奨学金もなく、世界一学費が高い国といわれています。高校と大学に通えば、修学費用は最低でも1千万円超。今年も首都圏の私大では、数万円の学費値上げが実施されました。  東京私大教連の調査では、私立大学入学時の経済負担を、「重い」と回答した家庭は9割を超えます。仕送り額から家賃を引いた、学生の1日の生活費は、937円と過去最低となりました。ピークだった1990年の2460円の4割以下です。 ■学業の妨げ  アルバイトをする学生は8割にのぼり、このうちアルバイトが「学業の妨げになった」と答える学生は半数以上です。生活費のために働く学生は31・7%に達します。(東京大学「学生生活実態調査」2012年)  高学費に追い打ちをかけるように貧困が拡大しています。低賃金の非正規雇用労働者は、雇用者の4割近くに迫ります。生協労連のパート労働黒書では「年収が230万円以下だったため、銀行での融資を受けられず、本人が大学進学を希望しながら、家庭の事情で就職を選ばせました」との悲痛な声が寄せられています。  日本政府は2012年9月、高校・大学までの段階的な学費無償化を定めた国際人権A規約13条2項b・cの批准留保を撤回しました。学生や保護者らの運動で実現した画期的な成果です。  しかし、政府は今年度予算でも学費値下げをしていません。日本共産党の宮本岳志衆院議員は2月の予算委員会で、国際人権規約を守り、学費値下げと、給付制奨学金などを実施するよう求めました。  学生からは学費値下げを求める声と運動が広がり始めています。  西日本の大学に通う男子学生は「親に気兼ねしながら大学に通っている。気負いなく勉強したいし、友達にも学費で大学在学を悩んでいる人がいるので、ほかの国と同じように無償にしたい」と話します。  先の女子学生は語ります。「高校の友達も、学費が高すぎることを話してみると、みんな『ダメだね』『こまる』などと言います。署名運動をして、一人でも多くの人にこの問題をわかってもらって、政府に届けたい」 "[he-forum 18251] しんぶん赤旗5/14","しんぶん赤旗 2014年5月14日(水) 大学自治破壊許さない 立場超えた一点共同を 山下書記局長会見 共産党がアピール発表  日本共産党の山下芳生書記局長は13日、国会内で記者会見し、党のアピール「『学問の自由』を脅かす大学自治破壊法案を許さない共同をよびかけます」を発表しました。宮本岳志衆院議員が同席しました。 (アピール)  山下氏は、今国会に提出されている学校教育法・国立大学法人法の改悪案について、「憲法第23条の『学問の自由』を脅かす悪法であり、断じて認めることはできない」と厳しく批判しました。  学校教育法改悪案について、山下氏は「教授会から大学の重要事項を審議する権限を取り上げ、『学長のための諮問機関』に変質させる重大な改悪だ」と指摘。国立大学法人法改悪案は各大学の学長選挙を形骸化するとして、「上意下達で強権的な大学運営になる」と述べました。  そのうえで、今回の法改悪の狙いが、財界の目先の利益につながる教育や研究を担うような大学につくりかえることにあると強調。国がなすべきは、大学自治破壊ではなく、「学問の自由」を保障し、大学の多様な発展に必要な条件整備を行うことだと主張しました。  山下氏は、元学長など大学関係者11氏が呼びかけた「緊急アピール」への賛同が急速に広がるなど、法改悪に国民から強い危惧と反対の声が上がって いることを紹介。総長選挙廃止の動きを断念させた京都大学の取り組みや大阪府大・市大「統合」を延期させた市民運動など、大学自治の蹂躙(じゅうりん)を 許さない共同の広がりにも触れ、今回の法改悪に対しても、「『大学自治の破壊を許すな』の一点で立場の違いを超えた共同を呼びかけたい」と述べました。= "[he-forum 18254] しんぶん赤旗5/14","しんぶん赤旗 2014年5月14日(水) “希代の悪法 廃案に” 学校教育法「改正」 教職員ら反対集会  尾池和夫京都造形芸術大学学長、内田樹神戸女学院大学名誉教授ら11人が呼びかけた「学校教育法改正に反対するアピール署名をすすめる会」は13 日、審議入り目前の学校教育法・国立大学法人法の「改正」に反対する緊急院内集会を開き、国会議員要請行動を行いました。教職員ら約50人が参加しまし た。  日本私立大学教職員組合連合会の丸谷肇中央執行委員長(鹿児島国際大学教授)は、教授会から大学の重要事項を審議する権限を取り上げる改悪案につ いて、「教授会が入学と卒業の入り口と出口に意見を言うだけで、学生たちにどう教えていくのかにかかわれない。大学の教育そのものを否定する大学にとって 希代の悪法をとりつぶしたい」とあいさつしました。全国大学高専教職員組合の長山泰秀書記長が、4月7日に発表した反対のアピール署名が13日現在、 3787人に広がっていると報告しました。  日本共産党の宮本岳志衆院議員が「この法案には大変な問題があると言っている与党議員もいる。徹底した審議で、会期末時間切れで廃案においこめる 可能性もある。反対の一点での共同を思い切って広げていきたい」と話し、田村智子参院議員が「トップダウンが強まっている。学術研究分野が国策にひきずり まわされる危機的状況。廃案に追い込みたい」とあいさつしました。日本教職員組合と全日本教職員組合の代表が連帯のあいさつをしました。= "[he-forum 18256] 朝日新聞5/15","朝日新聞 2014年5月14日23時27分 美味しんぼ問題、福島大学長が弁明 教員に注意喚起巡り  週刊ビッグコミックスピリッツの人気漫画「美味しんぼ」に載った福島大准教授の発言をめぐり、同大が「大学人の立場をよく理解して発言するよう教職員に注意喚起する」との見解を出したことについて、中井勝己学長は14日の定例記者会見で、「(准教授の)発言の中身が不適切という趣旨ではない」と弁明した。  同誌12日発売号に、准教授が除染の効果を否定する発言が掲載された。こうした発言を佐藤雄平知事が「遺憾」としたことや、大学の見解を問う電話が複数あったことを挙げ、中井学長は「大学の見解ではないと示したかった」と説明。「福島大は地元の震災復興に関わってきた。一教員がそういう発言をしたことは非常に残念」と話した。  大学の見解について、県内で被災者の法律相談を続ける梓澤和幸・山梨学院大法科大学院教授(メディア法)は「教員に対し、政府や県の公式見解と異なる意見を発表することへの強い抑制効果をもたらす」との懸念を示した。= "[he-forum 18255] しんぶん赤旗5/15","しんぶん赤旗 2014年5月15日(木) 基礎研究の弱体化招く 田村議員 医療2法案で指摘  日本共産党の田村智子議員は13日、参院内閣委員会で、健康医療戦略推進法案と日本医療研究開発機構法案について、基礎的研究分野が弱体化しかねないとして政府の姿勢をただしました。  法案では、同機構に厚生労働科学研究費などライフサイエンス分野の競争的研究費が集約され、新たに設置される健康医療戦略推進本部(本部長=首 相)が策定する医療分野研究開発推進計画に基づき資金配分が行われることになります。この計画は、医学分野の研究開発の実用化や産業活動の創出など推進法 案の基本理念を具体化することになっています。  田村氏は、両法案が文科省所管の科学研究費以外のライフサイエンス関係研究費を実用化・産業化に重点化すると指摘。ノーベル生理学・医学賞を受賞 した利根川進氏が「基礎研究をする大学や研究機関にトランスレーショナル・リサーチ(実用化の橋渡し)をやれというべきではない」と述べていることを紹介 しました。  その上で、実用化・応用化につなげる部分が弱点と言うのであれば予算措置を別にすべきであり、現在の予算を全て実用化・応用に重点化すれば基礎的研究分野が弱体するのでは、と指摘しました。  菅義偉官房長官は「大学、産業界と役割を固定せず実用化を目指す」と答えました。= "[he-forum 18257] 学校教育法・国立大学法人改正反対の5.7声明の追加版の公表 2014年5月15日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク","5.7声明追加版の公表について 2014年5月15日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 本事務局は,5月7日付で公表した「学校教育法および国立大学法人法を改正する法案に反対します」に追加を行なったので,公表する. 追加点は「今後さらに、「社会経済情勢の変化」に応じて、学長選考会議の構成や国立大学法人の組織・業務に関する制度を検討、改変する予定であること」という法案の附則2項に関連する点である. 追加版の声明全文は本事務局のHPを参照 http://www.shutoken-net.jp/ +++++++++++++++++++++++++ 学校教育法および国立大学法人法を改正する法案に反対します 法案は、「大学の自治」を奪い、大学を安倍流成長戦略の道具に貶めるものです。 法案は、競争と権限集中を強化し、研究教育をさらなる腐敗に導くものです。 2014年5月7日(5月15日 一部追加) 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 内容 1 大学の自治「剥奪」法案 (1)法案の概要 (2)法案の最大の問題点―「大学の自治」の中核である人事権の侵食- 2 法案の具体的内容 (1)法案の5つの内容 (2)教授会は学長と学部長の諮問機関に (3)意向投票制度を骨抜きにできる学長選考基準 2 「日本再興戦略」の一環としての大学のガバナンス改革 (1)グローバル人材育成とイノベーション創出の道具としての大学 (2)競争と権限集中の一層の強化は教育研究をさらに腐敗させる "[he-forum 18259] 北海道新聞5/15","北海道新聞 2014年5月15日付 議会活性化へ、北大公共政策大学院と連携 斜里町議会が17日協定、記念講演も 【斜里】町議会と北大公共政策大学院は17日、議員の能力向上などを目的とした包括連携協定を結ぶ。同大学院が議会と協定を締結するのは2012年6月の十勝管内芽室町に続いて2例目。斜里町議会は「議会活性化につなげていきたい」と期待を寄せている。  町議会が議員の資質向上の方策を検討していたところ、同大学院が芽室町議会と連携協定を結んだことを知り、斜里でも締結できないかと打診し実現した。同大学院の連携協定の締結は道、後志管内喜茂別町、網走市、芽室町議会に続いて5例目。  協定には《1》大学院と議会による共同調査や研究《2》大学院による議員や住民などを対象とした学習機会の提供《3》町議会の事業への大学院生の参画―などを盛り込んだ。  具体的には、現行の研修や視察のあり方の見直しのほか、住民に対する議会報告会の改善点について大学院との意見交換などを町議会内部で現在、検討している。議員の政策立案能力や行政をチェックする資質の向上が狙いだ。協定は2016年度末まで有効で、その後の更新もある。  木村耕一郎議長は「協定締結によって人づくりや地域の産業発展に寄与できると期待している」と話す。  17日には、午後3時半からゆめホール知床で調印式を行った後、同大学院の山崎幹根院長が「これからの地方議会改革」、石井吉春副院長が「斜里町のこれからの政策課題」と題して記念講演する。一般参加も可能で入場無料。問い合わせは町議会事務局(電)0152・23・3131内線251へ。(谷本雄也) "[he-forum 18258] しんぶん赤旗5/16","しんぶん赤旗 2014年5月16日付 地域医療さらに疲弊 健康医療戦略推進法案で参考人 田村議員が質問  医薬品や医療機器、再生医療の実用化に向けた研究開発を国策で進める健康医療戦略推進法案など2法案の参考人質疑が15日の参院内閣委員会で行われました。  兵庫県保険医協会の武村義人副理事長は、公立病院が臨床研究に動員されるとし、「医師不足や医療費抑制政策で疲弊する地域医療をさらに疲弊させ、地域の患者に多大な犠牲を強いる可能性がある」と警鐘を鳴らしました。  武村氏は、法案を先取りする神戸市が研究開発のために中央市民病院の病床を約200床も減らした上で不便な郊外に移転・集約してきた現状を紹介し、「一般の患者さんの利便性の低下、地域の救急などが犠牲になっている」と批判しました。  法案は“経済成長に資する”“最高水準の医療提供”を強調しています。神戸市の先行事例が地域医療にどう貢献しているかを質問した日本共産党の田村智子議員に、武村氏は「デメリットの方が大きい」と答えました。  同法案は基礎研究を弱めかねず、自治医科大学の永井良三学長は「基礎研究は極めて重要だ。基礎研究なくして実用化はあり得ない」と指摘。名古屋大学の濱口道成学長は、国からの運営費交付金の削減が続いていることについて「現場は疲弊している。人件費で手いっぱい。危機的な問題だ」と述べました。 "[he-forum 18261] 共同通信5/20","共同通信 2014/05/20 13:45 【共同通信】 四国ロースクール廃止へ 志願者数が減少  愛媛大と香川大が連合して開校した、四国唯一の法科大学院「香川大学・愛媛大学連合法務研究科」(通称・四国ロースクール、高松市)が、来年度の入学試験を実施せず、在学生の修了後に廃止されることが20日、関係者への取材で分かった。  関係者によると、法科大学院を修了しなくても司法試験を受験できる「予備試験制度」などで、法科大学院の志願者数が減少したことが理由。  2004年に開校した四国ロースクールは、愛媛大と香川大が共同で運営する方式を採用しており、両大学の法学部などを卒業した学生が2、3年間、高松市のキャンパスで学ぶ。218人が入学し司法試験の合格者は28人。 "[he-forum 18260] しんぶん赤旗5/20","しんぶん赤旗 2014年5月20日(火) 大学自治破壊法案に反対 阻止へ共同 宮本氏、全大教と懇談  日本共産党の宮本岳志衆院議員らは19日、全国大学高専教職員組合(全大教)を訪れ、竹内智副委員長や長山泰秀書記長らに党が発表したアピール「『学問の自由』を脅かす大学自治破壊法案を許さない共同をよびかけます」を手渡し、懇談しました。  安倍内閣は、今国会に提出した学校教育法・国立大学法人法の改悪案を、今週にも審議入りさせる構えです。同案は教授会から審議権をとりあげ、学長選挙を形骸化するなど重大な問題をはらんでいます。  宮本氏は、教育委員会制度改悪案などの流れとあわせて、「安倍政権の『教育再生』と反動化路線に逆らう障害を次々と取っ払おうというものだ」と指摘。「上から下へ自分たちの思惑を通すことができるしくみになる」として、廃案に追い込むために力を尽くす決意をのべました。  長山書記長は、改悪に反対する緊急アピールへの賛同者は約4300人を超え、大学の教職員組合や教授会などが次々と反対声明を発表するなど運動が 広がっていると紹介。竹内副委員長は「学生あっての大学なのに、『改革』案の中身には学生の顔が見えない。このままでは大企業の奉仕する学生を育てる大学 となり、学問の多様性が失われる」とのべ、反対の世論を広げたいと語りました。= "[he-forum 18264] NHKニュース5/19","NHKニュース 2014年5月19日21時46分 大阪大学に産学協同の先端医療研究拠点  大学と企業が連携し、医療の基礎研究の成果を新しい医薬品や治療法の開発につなげようという研究拠点が、大阪・吹田市の大阪大学に設けられました。  「最先端医療イノベーションセンター」は、大学や大阪府、それに経済界などが協力し、医療研究の成果を発信しようという「大阪バイオ戦略」の拠点の1つとして整備されました。  19日、大学や企業などからおよそ600人が参加して記念の式典が行われ、平野俊夫学長が「基礎研究を社会に還元できるよう、技術革新に期待したい」とあいさつしました。  研究拠点の建物は、地下1階、地上9階建てで、およそ48億円をかけて整備されました。このうち6階から9階には、30の研究プロジェクトが使える研究室が設けられ、大阪大学と企業が共同で、がんや難病を対象にした免疫療法や、iPS細胞を使った心臓や目の病気の再生医療の開発を目指します。  また、遺伝子解析やたんぱく質の分析ができる最先端の機器も導入され、センターでの研究活動は来月から本格的に始まるということです。  日本製薬工業協会の手代木功会長は「大学は研究を得意とし、産業界は成果を実用化させるのが得意だ。1つ屋根の下で互いに顔を合わせ、より効率よく製品を開発していきたい」と話していました。  また、センター長に就任した西田幸二教授は「国内ではこれまで医療分野の産学連携はそれほど盛んではなかった。ここで産学連携の成功モデルを作り、多くの成果を世界に発信していきたい」と話していました。 "[he-forum 18263] 日本経済新聞関東・甲信越5/21","日本経済新聞関東・甲信越版 2014年5月21日付 埼玉県と埼玉大、先端3分野で産学連携  埼玉県と埼玉大学は、産学連携の研究開発プロジェクトを始める。県の重点施策「先端産業創造プロジェクト」の一環で、将来の成長産業分野で事業展開する県内企業の育成を目指す。2014~16年度に研究開発を進め、17年度以降の実用化を目指す。  研究開発の対象は、新エネルギー、先端ロボット、ライフサイエンスの3分野。新エネルギーでは壁面や窓ガラスに塗布できる薄膜太陽電池の研究を進める。先端ロボットでは、介護やリハビリ、車いすの移動などの支援につながるロボットを開発。ライフサイエンスでは、感染症やがんの早期検出につながる新薬の開発を目指す。  各分野ごとに埼玉大の研究者がプロジェクト責任者に就き、民間企業や他の研究機関も参画する研究チームを編成する。事業費には、県が100億円を投じて創設した「産業振興・雇用機会創出基金」を充てる。各プロジェクトごとに最大で5000万円程度の事業費を想定している。  県は「地元国立大と組み、地域活性化につながる技術の種を育成する」(産業労働部)と説明する。研究開発のめどが立った時点で、県内中小企業が関連部品を製造・加工するなど、新たな事業につなげる狙いだ。 "[he-forum 18262] 読売新聞秋田5/20","読売新聞秋田版 2014年5月20日付 秋大病院、ヘリポート運用開始  県内唯一の特定機能病院にもかかわらずヘリポートがなかった秋田大学医学部付属病院(秋田市広面)で、病棟南側に新設した立体駐車場屋上(地上約16メートル)にヘリポートが整備され、19日、運用が始まった。県内に13ある災害拠点病院の全てにようやくヘリポートが備わったことになる。  同付属病院ではこれまで、年10回ほどドクターヘリによる患者搬送が行われていたが、救急部から約500メートル離れた同大グラウンドに着陸し、救急車で搬送しなければならなかった。  ヘリポートは、病棟のある北側を除く3方向からヘリが進入できる。救急部までの距離は約100メートルと近くなり、ドクターヘリによる搬送は年30回程度に増えると見込まれている。今後、通路に融雪装置や屋根の設置を予定している。  昨年10月に工事が始まり、今年3月に完成したが、国土交通省東京航空局への申請や検査などに1か月余りかかったという。総事業費7億7200万円のうち国、県が2億5000万円ずつ出し合い、残りを大学が負担した。  19日はドクターヘリや県の防災ヘリなどの運航訓練も行われた。ドクターヘリは、急性心筋梗塞の疑いがある50歳代の男性を運ぶ想定で、秋田赤十字病院から搬送訓練を行った。  同大医学部付属病院の羽渕友則院長は完工式で、「多くの患者に迅速で適切な医療を提供でき、県民の安心にもつながる」と県内の救急医療充実に期待を込めた。 "[he-forum 18265] しんぶん赤旗5/23","しんぶん赤旗 2014年5月23日(金) 学長の独断運営に道 学校教育法等改悪法案 宮本氏が批判  学校教育法と国立大学法人法の改悪案が22日の衆院本会議で審議入りしました。代表質問に立った日本共産党の宮本岳志議員は「大学の自治の土台である教授会を骨抜きにし、学長の独断の大学運営を許す“大学自治破壊”法案だ」と批判しました。  法案では、教授会が審議できる事項を「学生の入学・卒業および課程の修了」と「学位の授与」に限定し、その他は「学長が意見を聴くことが必要であると認める」場合に限るとしています。  宮本氏は「大学の自治の保障をなくし、学問の自由を脅かすものだ」と指摘し、「教育研究の重要な事項を教員の意見も聞かずに学長が独断で決められる」と述べました。  国立大学の学長選考について法案は、「大学のミッション(使命)にそった学長像」など基準を定めて行うとし、教職員による選挙で選ぶ民主主義の伝統を否定する内容です。  宮本氏は、「大学のミッション」とは再編・統合を視野に入れた文科省の方針であり、これにそった人しか学長にさせないということだと指摘。「学長 独裁ともいうべき上意下達の運営がまかり通り、大学から自由と民主主義が失われる。教職員の主体性や活力が失われ、教育研究の質は低下する」と強調しまし た。  宮本氏は、産業競争力強化に貢献する人材を育成すべきだとして大学の再編・統合などを求める財界の要望に応えるものだと批判。「大学自治の破壊ではなく、学問の自由を保障し、世界で最低水準の大学予算を抜本的に増やすことこそ急務だ」と主張しました。= "[he-forum 18272] 高知新聞社説5/26","高知新聞社説 2014年5月26日付 【法曹の養成】地方の実情踏まえ議論を  法律家を目指す学生の法科大学院離れが止まらない。  今春、学生を募集した法科大学院のうち、9割で入学者が定員を下回った。司法試験の合格率低迷に加え、合格後の就職先が広がらないからだ。  一方で、法科大学院を修了しなくても司法試験を受験できる予備試験制度の人気が高まっている。  こうした流れを受け、愛媛大と香川大が連合して開校した四国唯一の法科大学院が廃止されることになった。香川大は廃止後、愛媛大と連携し、四国内で法学を学ぶ人を支援する新たな組織をつくる方針だ。  教育の質の確保や運営面で統廃合は避けて通れない。だが地方の法科大学院には、地域の弁護士を育てるという役割もある。地方の実情を踏まえた在り方を考える必要がある。  法科大学院は司法制度改革の柱として2004年以降、各地で開校した。政府は法廷以外で弁護士の需要が高まると見込み、司法試験の合格者を10年ごろに年間3千人とする目標を設け、修了者の7割以上の合格を目指していた。  しかし都市部の有力校を除き、合格率は低迷し、入学者も定員割れが続いている。そこで政府は「3千人合格」の目標を撤回し、実績が伸び悩む法科大学院へのてこ入れを始めた。  司法試験の合格率や入学定員の充足状況など一定の基準を満たさない法科大学院に対し、補助金の削減や、教員として裁判官や検察官を派遣しないことを決め、改善を促している。  さらに文部科学省は、法科大学院が学生の進級判定に活用できる「共通到達度確認試験(仮称)」を導入する方針を固めた。  教育の質の問題は司法制度の根幹に関わるだけに、法科大学院のレベルアップは欠かせない。とはいえ合格率での切り捨てや画一的な試験の導入で、多様な法律家を育てるという司法制度改革の理念が失われる可能性もある。  弁護士が活躍できる場の掘り起こしも重要だ。都市部に偏り、仕事の奪い合いが起きている一方で、地方では法的な手助けが必要な人が少なくない。市民の安心を守る存在として、地域の弁護士への期待は大きい。  政府は法科大学院制度の見直しなどを検討しており、来年夏までに結論を出す予定だ。地方の視点を忘れずに議論することが求められる。 "[he-forum 18271] しんぶん赤旗5/25","しんぶん赤旗 2014年5月25日(日) 広島大の「慰安婦」授業を攻撃 「産経」記事は学問の自由侵害 科学者会議支部が声明  広島大学の准教授が授業で「従軍慰安婦」問題を取り上げたことを攻撃する「産経新聞」の記事(21日付)に対し、日本科学者会議広島支部幹事会は23日、声明を出して抗議しました。  「産経」記事はもっぱら、授業に出席していた一学生の声にもとづいたもの。声明は、政権獲得前のナチス党が「青年組織に告発させる形で意に沿わな い学説をもつ大学教授をつるし上げさせ、言論を萎縮させていった歴史がある」と指摘。「産経」の記事はそれを「彷彿(ほうふつ)とさせる」と批判していま す。  また、授業に対し学生が異を唱えたとしても、それは学生と教員との「相互理解にゆだね」「教員と学生の対話によって解決」すべきものだと強調。外 部の報道機関が教育・研究に介入し、「特定の教員の講義内容を攻撃することは、学問の自由への侵害であるとともに、著しく公正を欠く」と批判しています。  「産経」の記事が出たことで、広島大学には「抗議」電話が殺到しているとして、声明は、大学当局に学問の自由を守るための毅然(きぜん)とした姿勢を求めるとともに、すべての大学人に学問の自由を守る行動を訴えています。= "[he-forum 18270] 河北新報5/22","河北新報 2014年5月22日付 新設医学部に最大30億円 宮城県、追加支援策を発表  東北への大学医学部新設をめぐり、宮城県は21日、県内に医学部を新設する私大に最大30億円の補助金を拠出する追加支援策を発表した。キャンパスの整備費や開学後の運営費など幅広い使途に対応する。先に公表した医学生の修学資金向けの基金制度と合わせ、新設医学部の公共性や公益性を担保し、財政基盤の安定化を図る。  補助金の財源には県費を充てる見通し。使途は整備、運営費のほか基金の原資などの選択肢から、私大側が一つか複数を選べるようにする。  30億円の拠出額は、2012年度の国の私学助成金が私大1校当たり最少約10億円だったことを考慮。医学部の全学年がそろう6年間は助成金が交付されないため、6年分計60億円の2分の1を上限に設定した。  新医学部の支援策として県は4月、東北の各自治体などが原資を出し合う基金制度の骨格を公表。修学資金を基金から貸し付けた医学生に卒業後10年間の義務年限を課し、東北の医師不足解消につなげるとした。  県内では東北福祉大と東北薬科大(ともに仙台市青葉区)が新設に名乗りを挙げている。キャンパスについて、福祉大は栗原市に整備する計画を発表。既に宮城野区に付属病院がある薬科大は最終調整を進めている。  両校はそれぞれの設置構想を今月30日までに文部科学省へ申請する。  県はまた、付属病院化など県立病院を活用する構想が採択された場合、職員の身分移管に伴う経費などについて応分の負担をする方針を示した。  医学部設置構想は、福島県郡山市の総合南東北病院を運営する一般財団法人脳神経疾患研究所も表明している。 "[he-forum 18269] NHKニュース5/23","NHKニュース 2014年5月23日14時24分 「日本版NIH」体制整える法律成立  「日本医療研究開発機構」を設立し、研究開発予算を一元的に管理することを柱とした、いわゆる「日本版NIH」の体制を整えるための法律が、23日の参議院本会議で賛成多数で可決され、成立しました。  法律は、最先端医療の研究開発の司令塔となるいわゆる「日本版NIH」の体制を整えるため、総理大臣を本部長にすべての閣僚がメンバーとなる「健康・医療戦略推進本部」を設け、研究開発の推進計画を策定するとしています。  また、独立行政法人「日本医療研究開発機構」を設立し、各省庁に分かれている研究開発予算を一元的に管理して、大学や研究所に配分することなどが盛り込まれています。  法律は、23日の参議院本会議で採決が行われた結果、自民・公明両党と、民主党、日本維新の会、結いの党、生活の党、新党改革などの賛成多数で可決され、成立しました。  法律の成立を受けて、政府は、来年4月に「日本医療研究開発機構」を設立し、基礎研究から製品化までを一体的に推進することにしています。 "[he-forum 18268] しんぶん赤旗5/23","しんぶん赤旗 2014年5月23日付 学校教育法など改悪案に対する 宮本議員の代表質問 衆院本会議  22日の衆院本会議で審議入りした学校教育法と国立大学法人法の改悪案について、日本共産党の宮本岳志議員が行った代表質問は次の通りです。  戦前、わが国の大学は、官吏養成機関として出発し、帝国大学令第1条では「帝国大学は国家の須要(しゅよう)に応ずる学術技芸を教授し」と定められていました。それが、学生を戦地に送った歴史の教訓から、戦後、大学は、国家目的への奉仕機関から「学術の中心」の機関に転換したのです。憲法が明記する学問の自由と、大学の自治は、まさにその保障であると言わねばなりません。  ところが、本法案は、大学の自治の土台である教授会を骨抜きにし、学長のリーダーシップの確立と称して学長独断の大学運営を許す、大学自治破壊法案です。 学問の自由脅かす  教授会が審議できる事項を「学生の入学・卒業及び課程の修了」と「学位の授与」に限定し、その他は「学長が意見を聴くことが必要であると認める」場合に限るなど、教授会の審議権を大きく制約しています。これは、大学自治の組織上の保障をなくし、学問の自由を脅かすものではありませんか。  教育研究費の配分、教員の業績評価、教員採用などの人事、学部長の選任、カリキュラムの編成や学部・学科の設置廃止など、教育研究の重要な事項を教員の意見も聞かずに、学長が独断で決められることになるのではありませんか。  私立大学では、理事長の暴走が問題となってきました。文科省から解散命令をうけた堀越学園は、教授会による内部チェックが働かず、理事長の放漫・乱脈によって経営破綻をひきおこしました。このようなワンマン経営をむしろ助長することになるのではありませんか。 上意下達の運営に  わが国の大学では、学長は教職員による選挙で選ぶという民主主義の制度が根づいてきました。国立大学では法人化後も多くの大学で選挙の結果に基づき学長を選んでいます。  法案は、国立大の学長は「大学のミッションにそった学長像」など、基準を定めて選考するとしています。学長は教職員の支持を得たかどうかではなく、この基準にあうかどうかで選ばれます。  しかし「大学のミッション」とは、大学の再編・統合を視野に入れた文科省の方針ではありませんか。つまり、文科省の方針にそった人しか学長にさせないということではありませんか。  しかし、学内で支持されない学長がどうしてリーダーシップを発揮できるのですか。  これでは、学長独裁ともいうべき上意下達の運営がまかりとおり、大学から自由と民主主義が失われます。教育研究への教職員の主体性や活力は失われてゆくのではありませんか。そして、民主主義のない寒々とした大学では、むしろ教育研究の質は低下するのではありませんか。  安倍内閣が大学自治の破壊を進めるのは、財界の強い要望があるからです。政府・財界いいなりの大学に変えるのが、この法案の狙いにほかなりません。財界は、大学が産業競争力強化に貢献する人材を育成すべきだとして、大学の再編・統合、企業経営の論理を大学に導入することを求めています。  さらには、国立大の学費設定の自由化まで主張し、学費の際限のない値上げまで要求しています。しかし、そのようなことになれば、最大の被害者は学生ではありませんか。  国がなすべきは、大学自治の破壊ではなく、学問の自由を保障し、大学の多様な発展に必要な条件整備を行うことです。この間、大学予算は削減されつづけ、非正規の教員・研究者が増え、基礎研究が存続できない深刻な危機に直面しています。世界で最低水準の大学予算を抜本的に増やすことこそ急務ではありませんか。  日本共産党は、安倍内閣の大学自治破壊を許さず、貧困な大学予算の抜本的拡充に全力をつくすことを表明し質問を終わります。 "[he-forum 18267] 茨城新聞5/24","茨城新聞 2014年5月24日付 地域連携4組織統合 茨城大、貢献力向上へ 記念シンポに170人  茨城大学は地域社会との連携活動を担ってきた四つの学内組織を統合し、「社会連携センター」を設立した。これまで分かれて実施していた地域活動を一元化し、地域への貢献力を強化する。23日、同大水戸キャンパス(水戸市文京2丁目)で設立記念のシンポジウムを開き、自治体や企業、大学の関係者など170人が、地域と連携した人材育成の推進を誓った。  統合したのは、地域総合研究所▽産官学連携イノベーション創成機構▽生涯学習教育研究センター▽地域連携推進本部-の4組織。  統合によって、これまで分かれて行っていた学生の地域参画や市民向け公開授業、企業との共同研究といった地域活性化活動を一元化。連携活動の効率的な運営や情報集約を図り、地域への貢献力を高める。  池田幸雄学長はあいさつで、「茨城大学は昨年度、民間調査機関の調査で『地域貢献度』全国3位の評価を受けた。社会貢献に一層努め、1位を目指したい」と飛躍を誓った。  同センターの神永文人センター長は「連携活動の成果の評価や発信が十分でなかった」と、これまでの課題を振り返り、「目標をしっかり定めて実現できる体制整備をしていきたい」と意気込みを語った。  シンポジウムでは、食品スーパー・カスミ(つくば市)の小浜裕正会長が基調講演し、学生が企業で必要なリーダーシップや発想力などの能力を発揮できる人材に育つためには、自分の考えを発信する訓練が必要と強調した。また、「学生に社会とのつながりの場をつくるのが大学と企業の使命」と、同大の社会連携活動に協力してゆく姿勢を示した。  このほか、茨城県北ジオパークの地域振興を推進したり、茨城町の中学校の再編統合を支援したりした同大の地域貢献の事例報告や、県内企業やNPO関係者によるパネルディスカッションが開かれた。 "[he-forum 18266] 中日新聞富山5/23","中日新聞富山版 2014年5月23日付 ASEAN留学生 確保を 知事、富山大学長に協力要請  石井隆一知事は二十二日、富山大の遠藤俊郎学長と富山市五福の同大五福キャンパスで会談し、地域独自の雇用創出事業を支援する「県ものづくり産業未来戦略雇用創造プロジェクト」を活用し、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国からの留学生確保に向けて協力するよう求めた。  プロジェクトは、二〇一四年度からの三年間で十二億五千万円の事業規模。人材確保や販路拡大など県の強みであるものづくり産業の活性化を支援する。  ASEAN諸国は急速な経済成長に加え、県内企業が多く進出し、優秀な留学生を採用できれば県内経済の活性化も期待できる。県は留学生向けの合同企業説明会開催などで、留学生と企業とのマッチングを図る方針。  石井知事は「留学生の県内定着につなげるため協力をお願いしたい」と要望。遠藤学長は「関連部署でしっかりと検討したい」と答えた。  富山大看護学科の卒業生が県内の病院などに勤務する「県内定着率」が、過去五年平均で約六割と伸び悩んでいることも報告された。 (広田和也) "[he-forum 18274] 読売新聞5/27","読売新聞 2014年5月27日付 「ポスドク」就業、国が支援…研究ポストを拡大  政府は、博士号取得後も助教などのポストに就けず研究をしている「ポストドクター(ポスドク)」が、正規の職に就けるよう国立大に促す方針だ。  安定した職を得られない研究者が増えれば、研究開発の基盤が揺らぎかねないためだ。「ポスドク対策」の実績に応じ、大学に配る予算(運営費交付金)に差をつけ、対策の効果を高める考えだ。  財務省と文部科学省が調整し、6月下旬にまとめる政府の「骨太の方針(経済財政運営の基本方針)」に反映させ、2015年度にも実施したい意向だ。ポスドクが学内外で正規の研究職に就けるようにするため、国立大に〈1〉学内で若手向けのポストを増やす〈2〉産学連携を強化し、企業も含め安定した職に就けるようにする――ことなどを求める。国立大の運営費交付金(約1・1兆円)の配分が硬直化しているとの声もあり、「対策」の成果を踏まえ配分を見直す方向だ。  大学院生は1991年度の9万8650人が13年度に25万5386人に増えたが、研究者採用は広がらず、ポスドクは96年の6274人が09年に1万7116人に増えている。 "[he-forum 18273] 読売新聞5/26","読売新聞 2014年5月26日付 地方大学 東京オフィス重視 就活支援や産官学連携の拠点  関西や九州などの大学が東京に事務所を開設したり、拡充したりする動きが加速している。  学生の就職活動支援や産官学連携の拠点とするためだ。少子化や研究のグローバル化が進むなか、大学の魅力を広くアピールし、競争力を高める狙いがある。  「有名大の学生が優秀に見えても、気後れせんでよか」。4月上旬、JR東京駅近くのビルにある西南学院大(福岡市)のオフィス。リクルートスーツに身を包んだ来春卒業予定の同大生らが、就活相談を担当する職員に助言を受けていた。  法学部4年の宇都まりなさん(21)は、夜行バスで17時間かけて上京。月3万4000円の長期滞在型宿泊施設に寝泊まりしながら、IT企業や広告会社などの面接を受けるという。「東京での就活は心身もお金も大変なので、オフィスがあって助かっている」と話す。  同大は東京オフィスを昨年1月に開設。学生、教職員らから設置を求める声が多く寄せられていた。今年はこれまでに約300人が利用。昨年同期より約1割増えた。  学生は着替えや荷物を預けることができ、成績証明書の発行なども可能だ。パソコンや就職情報誌が並び、東京の交通や手頃な宿などに関する情報交換ノートも。首都圏の企業に就職した卒業生に電話やメールで相談もできる。  同大の新卒者の約3割が首都圏で就職しており、吉田直史・同大東京オフィス長は「就活の拠点として、有効に活用してもらっている」と話す。  同じビルには、国私立計12大学の事務所がある。立命館大(京都市)は1999年に東京事務所を開設したが、就活支援を強化するほか、教育・研究拠点としても機能させるため、2007年、「東京キャンパス」としてこのビルに移転。フロア面積も約850平方メートルと以前の約4倍になった。  例年2~6月は、月約1000人の就活生が利用。スタッフ5人が相談に応じ、パソコンも並ぶ。教室も整備され、社会人など一般向けに語学や経済、医療などの講座を開設している。  「東京駅周辺はビジネスの中心地。社会人対象の講座は大学のPRにもなる」と佐藤智之・同大東京キャンパス課長は話す。同大の入試説明会や試験会場にもなるほか、卒業生の会合にも活用されている。  研究成果などを首都圏で情報発信する場として、省庁が集まる霞が関のビルに東京オフィスを開設したのは大阪大(大阪府吹田市)。04年に都内に事務所を構えたが、今年3月下旬に新オフィスを開設し、面積や設備が拡充された。  就活支援も行うが、講演会や会議などを首都圏で行う際の拠点とし、企業や省庁などとの連携を図る。オフィスには多目的室もあり、ビデオ講義システムを活用し、大阪での講義を東京で一般の人が聴講できるようにすることなども検討中だ。  平野俊夫学長は「世界トップ10の大学を目指すため、研究成果を産官学連携に生かしたい。グローバル化に向けた改革なども積極的に発信し、交流の場になれば」と語る。(桜木剛志) "[he-forum 18275] しんぶん赤旗5/28","しんぶん赤旗 2014年5月28日(水) 独法4割が残業違反 赤嶺氏 文科所管 勧告が判明  文部科学省所管の独立行政法人の約4割にあたる九つの独法が残業時間の上限を労使で定めた三六協定に違反し、労働基準監督署から是正勧告を受けて いたことが明らかになりました。調査した日本共産党の赤嶺政賢議員が23日の衆院内閣委員会で取り上げ、「人件費削減で労働者にしわ寄せされている証拠の 一つだ」と指摘しました。  同省所管の23の独法を対象に直近5年間を集計。割増賃金の未払いなど是正勧告の総数では11の独法でした。  赤嶺氏はさらに、各独法で非常勤職員の割合が増えているとし、「業務が効率化したのではなく、人件費削減のために常勤職員を非常勤職員に置き換え たのが実情だ」と批判。独法制度「改革」の検証のためにも非常勤職員数の推移などを公表するよう求めました。稲田朋美行革担当相は「法人が自主的、自律的 に決定すべきものだ」と答えただけでした。 通則法改定案可決衆院委で共産反対  独法の廃止・縮小に向けた制度を強化する独法通則法改定案が同日の衆院内閣委員会で可決されました。日本共産党は反対しました。赤嶺氏は反対討論 で、(1)大臣が評価する制度への変更は独法の運営を阻害する(2)組織の改廃に関する評価機関の権限強化は独法改廃の推進になる(3)雇用維持、権利義 務の継承などを保障する規定がない、と問題点をあげました。= "[he-forum 18279] 読売新聞社説5/30","読売新聞社説 2014年5月30日付 法科大学院離れ 養成機能の立て直しが急務だ  法科大学院離れに歯止めがかからない。  今春の志願者は過去最低の1万1450人にとどまり、ピークだった2004年の6分の1にまで減っている。  司法制度改革の目玉である法科大学院制度を維持するのなら、立て直しが急務である。  対照的に、志願者が増えているのが、法科大学院を経ずに司法試験の受験資格を得られる予備試験だ。今年の志願者は1万2622人となり、初めて法科大学院志願者を上回った。  予備試験経由で司法試験に合格するのは年100人超で、約2000人の合格者全体から見れば少数派だ。だが、このまま、予備試験ルートが肥大化すれば、法科大学院を中核とする法曹養成制度が揺らぎかねない。  予備試験は本来、経済的事情で法科大学院に通えない人にも、司法試験に挑戦する道を開くための「例外的制度」だ。  ところが、最近は、法科大学院で学ぶ時間と費用を節約するための「近道」として、予備試験を利用するケースが目立つ。法科大学院に在籍しながら、予備試験を受ける学生も多い。  現状が予備試験の趣旨に反しているのは明らかだ。  こうした状況を生み出した最大の原因は、法科大学院が自らに課せられた養成機能をきちんと果たしていないことにある。  昨年の司法試験における法科大学院修了生の合格率は26%で、低水準のままだ。2~3年の歳月をかけ、年間80万~150万円の学費を払っても、司法試験に合格する確率が低いのなら、学生が敬遠するのは無理もない。  04年にスタートした法科大学院は、即戦力の法律家を育てるのが目的だ。実務重視のカリキュラムが組まれ、司法試験の受験対策は基本的に行わない。その結果として、合格率が低迷し、理念倒れに陥っていると言えよう。  実務能力の養成はもちろん必要だが、まずは、司法試験を突破できるような実力を学生に身に付けさせることが大切だ。カリキュラムの見直しが不可欠である。  当初、74校が乱立した法科大学院の淘汰とうたも進めねばならない。  文部科学省は、司法試験合格率などに応じて、法科大学院をランク分けし、補助金を傾斜配分する方針だ。撤退や統廃合を迫られる大学院が増えるだろう。  重要なのは、法科大学院のレベルを向上させ、優秀な人材が集まる養成機関にすることだ。 "[he-forum 18278] 神戸新聞5/31","神戸新聞 2014年5月31日付 飛び入学制度、「既修者」にも拡大 神戸大法科大学院  神戸大学法科大学院(神戸市灘区)は、今秋に行う2015年度入試から、法学部3年生らを対象とした飛び入学制度を新設する。法科大学院は全国的に志願者が減少しているが、修了までの年限を短縮し、学生の負担を減らすことで、優秀な人材の確保を図る。  法科大学院は司法制度改革の目玉の一つとして04年に設けられたが、修了者の司法試験合格率の低迷などから志願者が減少。法科大学院に進学せず、司法試験予備試験を受ける道もあるため、「時間的な負担も敬遠される要因の一つ」(文部科学省)となっている。  神戸大でも14年度の志願者数は、前年度から約2割減。これまでも他学部生らを対象とした3年制の「未修者コース」は飛び入学を認めてきたが、15年度からは2年制の「既修者コース」にも拡大する。3年までに「優」を60単位以上取得することなどが要件となるが、大学入学から法科大学院を修了し、司法試験受験資格を得るまでが最短5年となる。  既修者コースの飛び入学は、司法試験合格率が上位の大学でも、学生の確保を狙い広まりつつある。慶応大は14年度に開始、京都大も16年度に導入予定という。県内の関西学院大、甲南大はすでに制度を設けている。  神戸大で入試を担当する島村健教授は「予備試験経由に比べ、時間はかかるかもしれないが、法科大学院で実務家による多様な科目を学ぶことは将来にも有益だ」と話す。(武藤邦生) "[he-forum 18277] 四国新聞5/31","四国新聞 2014年5月31日付 経産省「よろず支援拠点」/香川は産業支援財団に  中小企業の経営に助言をする経済産業省の「よろず支援拠点」が6月2日から全国に整備される。これを記念した式典が30日、経産省で行われた。  コーディネーターと呼ばれる地元の企業経営者や大学の研究者らが、中小企業の売り上げ拡大につながるよう、財務状況などを分析したり、助言したりする。各地の税理士や金融機関などとも連携する。経産省は中小企業を支援することで地方経済の活性化を目指す。  式典で経産省中小企業庁の北川慎介長官は「中小企業の複雑な悩みを、前に進めていけるようにしたい」とあいさつした。  支援拠点は47都道府県に1カ所ずつ置く予定。産業振興を担う財団法人や商工会組織が受け入れる。6月2日に40拠点を設置し、残りの7拠点も順次開設する。香川は高松市林町のかがわ産業支援財団に設置予定で、2日に同財団で開所式がある。 "[he-forum 18276] 沖縄タイムス5/30","沖縄タイムス 2014年5月30日付 琉大病院移転計画を正式表明 学長・宜野湾市長  西原町にある琉球大学医学部と付属病院が、来年3月に返還予定の米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区(約51ヘクタール)に移転する計画で、琉大の大城肇学長と佐喜真淳宜野湾市長らが29日午後、県庁で仲井真弘多知事と面談した。大城学長は「重粒子線治療施設などとも連携して高度な治療や先進的な医学研究することで、国際医療拠点の形成に積極的に貢献したい」と市や県などの構想への参画を正式に表明した。  仲井真知事は琉大医学部と付属病院の参画について「米軍基地の跡地利用のモデルというか、極めていい例だと思う」と述べた上で「目標をきちっと達成できるよう連携してやっていきましょう」と歓迎した。  移転先は返還される約51ヘクタールの約4割にあたる「国際医療拠点ゾーン」で、琉大は、県が同地区に進める重粒子線治療施設との連携を想定。産業振興と国際研究交流、地域医療水準の向上―の3本柱を軸に県と調整を進めている。  市や地主、県、国でつくる跡地利用の協議会ではこの案が検討され、27日から地主会への説明会が始まっている。佐喜真市長は「地権者の合意形成なくして前に進めないので、宜野湾市として責任をもって取り組みたい」と語った。  知事は6月3日に東京で開かれる「駐留軍用地跡地利用協議会」で、同計画を国家戦略として取り組むよう政府側に要請する方針だ。 "[he-forum 18280] しんぶん赤旗5/31","しんぶん赤旗 2014年5月31日付 大学自治壊す学校教育法改悪案 若手研究者の将来奪う 廃案へ関係者らがアピール  大学の研究に携わる准教授、助教、講師などの若手大学関係者有志は30日、学校教育法改悪案の廃案を求めるアピールを出しました。  国会で審議中の学校教育法改悪案は、大学運営の権限を教授会から学長に集中するものです。さらに政府がすすめる大学「改革」で外国人研究者の雇用を優先する方向を打ち出しているため、若手研究者の雇用拡大につながらない問題が浮かび上がっています。  アピールは、学長独断の大学運営にする改悪案を批判。改悪を通してすすめられる大学「改革」は「若手研究者に将来安定したポジションで多様な研究を行う希望を奪うものであり、日本における次世代の研究・教育者養成に深刻な影響を与えかねません」と表明しています。  この日、東京都内で会見した呼びかけ人の一人、大河内泰樹一橋大学准教授は「12日間という短い期間で530人の賛同署名が集まりました。危機感のあらわれです」と発言。斉藤渉東京大学准教授は「学長の判断で、文科省や財界の要求が大学に直接入ってくる。現場は混乱する」とのべました。  呼びかけ人はほかに、植上一希福岡大学准教授、白井聡文化学園大学助教など31人。 解説 安倍「改革」強行する体制に  安倍政権の掲げる「大学改革」は、日本の若手研究者の将来に深刻な影響を与えます。  文部科学省が昨年11月に発表した「国立大学改革プラン」では、「シニア教員から若手・外国人へのポスト振替等をすすめる」としています。しかし同「プラン」は、大学の国際ランキングを上げるために外国人教員比率の引き上げを目指しており、外国人教員の雇用が優先されます。若手のポストが増える保証はありません。  また同「プラン」は大学教員の給与を年俸制にするとします。業績評価で毎年の給与額を決めるもので、いっそうの給与削減と激烈な成果主義競争に教員を追い込むものです。  これらは、就職難と劣悪な待遇におかれている多くの若手研究者の行き場をさらに奪い、研究環境を悪化させます。  学校教育法改悪案は、こうした「改革」を強行する体制をつくるものです。教授会の権限を取り上げて、文科省の方針に沿う人物を学長にすえる仕組みにし、学長が強権的に「改革」できる体制をつくります。法改悪で最も被害を受けるのは若手研究者だといっても過言ではありません。  (党学術文化委員会事務局次長 土井誠) "[he-forum 18281] 朝日新聞鳥取5/31","朝日新聞鳥取版 2014年5月31日付 鳥取大が工学部を改組 8学科を4学科に  鳥取大は29日、来年4月から工学部を現在の8学科から4学科に改組する方針を明らかにした。すでに文部科学省に届け出ており、6月中旬の大学設置・学校法人審議会を経て、正式に決まる。  鳥取大によると、関連する学科を統合して機械物理系学科、電気情報系学科、化学バイオ系学科、社会システム土木系学科、とする。来年の入試では前期日程で選択科目を増やすなど一部を変更する。学部定員450人は変わらない。  工学部は1989年に9学科から7学科、95年から現在の8学科となった。しかし、細分化で受験生に教育内容が分かりづらいなどとして、2年前から改組を検討していたという。河田康志工学部長は「改組により、専門分野と関連周辺分野を合わせて学ぶことになる。骨太の人材を育てたい」と話した。(古源盛一) "[he-forum 18282] しんぶん赤旗6/2","しんぶん赤旗2014年6月2日(月) 大学あり方考える 若手研究者シンポ 「大学改革」に反対  国会で審議中の学校教育法・国立大学法人法改悪案の問題点と大学改革のゆくえを考えるシンポジウム「これからの大学を考える」が5月31日、東京都内で開かれ、若手研究者・大学院生、市民120人が参加しました。主催は若手大学研究者らでつくる実行委員会など。  同法改悪案の背景と問題点を報告した大河内泰樹一橋大学准教授は、大学改革と安倍政権の経済政策、財界の要請との強い関連性を指摘し、批判。「こ れを機に大学の自治、学問の自由とは何かをはじめ、民主主義社会を構成する市民を形成する場としての大学のあり方を考えることも必要」と語りました。  國分功一郎高崎経済大学准教授と白井聡文化学園大学助教が対談。白井氏は「本当の知性の探求と大学が分離し始めている」とのべ、國分氏は「ガバナ ンス改革」が大学に押し付けられているとして「ガバナンスは本来、民主主義的な手続きがあったほうが効率よく進められる」と話しました。  参加者からは「大学改革にあたっては、そもそもの大学の存在意義を考えるべきではないか」などの意見が出されました。= "[he-forum 18284] 岐阜新聞6/3","岐阜新聞 2014年6月3日付 岐阜大が創立65周年式典 森脇学長「国際化に力」  岐阜市柳戸、岐阜大学で2日、創立記念日(6月1日)にちなんだ式典があり、創立65周年の節目を祝った。  教員、学生ら約150人が出席。4月に就任した森脇久隆学長10+ 件が「地域に根差した教育や研究、社会貢献は当然。留学生を増やし、国際的に通用する人材の育成などグローバル化への対応に特に力を入れていく」と今後の運営方針を説明した。  森秀樹前学長10+ 件ら、任期満了や定年で3月末に退官した教員11人に名誉教授の称号を授けた。このほか、教員や学生を表彰、大学への寄付者らに感謝状を贈った。最後は出席者全員で同大愛唱歌を合唱して愛校精神を高めた。  岐阜大は1949年に国立大として設置され、今年5月1日時点の学生数は7360人、教員数は753人。 "[he-forum 18283] しんぶん赤旗6/3","しんぶん赤旗 2014年6月3日(火) ブラックバイトから学生生活を守ろう 共産党が政策提言 山下書記局長が会見  日本共産党の山下芳生書記局長は2日、国会内で記者会見し、不当な労働や過度な責任を強いるブラックバイトから学生生活を守ろうと呼びかける政策提言を発表しました。  山下氏は「学生のアルバイトといえば、正規雇用の補助として低賃金だが責任は軽く、テスト前には休むことができ、バイト先も比較的自由に選べると いうイメージだったが、現在はそうしたイメージが通用しなくなっている」と指摘。「低賃金・低処遇にもかかわらず、正社員並みの過度な責任やノルマが課さ れる例が多くある」とのべ、その結果、「テスト期間なのに『シフト(勤務番)に入ってくれ』と言われる」「(塾講師で)授業の準備や授業後の報告書づくり が賃金に加算されていない」など、学生生活に重大な影響が及んでいることを告発しました。  山下氏は、ブラックバイトが広がる背景として、(1)かつては正社員が行っていたような仕事をアルバイトなど非正規に肩代わりさせる動きが進行 し、(2)多くの学生が学生生活を維持するためにはバイトからの収入を途絶えさせることができない状態にあることを強調しました。  その実態を踏まえ、ブラックバイト問題の解決のために、▽国の労働行政が学生バイトであっても適正な労働環境にしていく責任があること、▽社会経 験の未熟さや労働法・雇用のルールの知識の乏しさにつけこんだ違法・脱法行為で成り立っていることから社会的世論と運動で包囲することが有効な反撃にな る、と指摘。学生バイトにもすべての労働法が適用されることなどを広く知らせることを強調しました。根本問題の解決のためには、学費負担の軽減や、安心し て借りられる奨学金制度の確立、人間らしく働けるルールの確立を提起しました。  山下氏は今回の政策提言「ブラックバイトから学生生活を守ろう」をもとにリーフレットを作成し、学生に情報提供と運動をよびかけていくと表明。「ブラック企業規制に続き、ブラックバイトもなくす、大きな運動を起こしていきたい」と述べました。 ブラックバイトから学生生活を守ろう(骨子)  ●何が起きているのか―違法行為や過酷な労働、パワハラが学生バイトにも広がっている  ●なぜ広がったのか―非正規雇用の拡大と国民の所得減少がブラックバイトを生み出した  ●ブラックバイト問題の解決のために―学生のみなさん、大学教育と労働問題にたずさわるみなさんが力を合わせることをよびかけます  【学生バイトにもすべての労働法が適用されます―違法な働かせ方をやめさせよう】  【大学としても、ブラックバイトから学生を守る取り組みを】  【高い学費、貧弱な奨学金制度、ブラックな働かせ方の横行―根本問題の解決を】 "[he-forum 18288] しんぶん赤旗6/5","しんぶん赤旗 2014年6月5日付 大学改悪法案 「学長の思い通りに」 衆院委 宮本氏質問に参考人  衆院文部科学委員会は4日、学校教育法と国立大学法人法の改定案について参考人質疑を行いました。池内了名古屋大学名誉教授が「教授会をおとなしくさせ、学長の思い通りに運営できる条件を整える意図がある」と法案の狙いを指摘。日本共産党の宮本岳志議員が質問しました。  意見陳述で、池内氏は、今回の法案で大学運営に関する教授会の関与を縮小すれば「教員はバラバラになり、大学一体で教育や研究、地域貢献する情熱を失う危険性が高い」と懸念を表明。教員や職員、学生、院生など大学を構成するすべての人が立場に応じた責任範囲で、大学の自治を担うことがやりがいをつくると訴えました。  教授会の役割に関わる法案の規定について、「学長が求めなければ意見を述べることができなくなる」と指摘。多様な意見を排除することで学長の権限を強めるようでは、「大学の自治、学問の自由が守られるか心配だ」と述べました。  宮本氏は、法案の背景にある大企業・財界の要望について質問。池内氏は、大学が専門学校化しているとし、「つくるべき人材を忘れ、手っ取り早く使える人間をつくる。これでは学問が死に絶える」と述べました。  また、宮本氏が「本当に国際的に通用する大学には何が必要か」と尋ねたのに対し、池内氏は返還不要な奨学金などをあげ、「力が発揮できる条件が整えば、人が集まる」「アルバイトが必要な学生をつくるべきではない」と語りました。 "[he-forum 18287] 東京新聞茨城6/4","東京新聞茨城版 2014年6月4日付 茨城大学長に三村氏  茨城大学長選考会議(議長・柳生修コロナ電気社長)は三日、新学長に三村信男副学長(64)を決定したと発表した。任期は九月一日~二〇一八年三月三十一日。  学長選では三村氏のほか、元文部科学省高等教育局長の磯田文雄氏が候補者だった。五月二十六日の教職員による投票では、三村氏が四百七十八票を獲得、二百十一票の磯田氏を大きく上回った。有効投票総数は六百八十九票、投票率は82・2%だった。  新学長に決まり、会見に臨んだ三村氏は「大学改革の見通しを立て、新しいプランのスタートを切る重要な時期。地域社会に貢献し、大学を発展させたい」と抱負を述べた。  具体的な目標として、世界で活躍する学生の育成▽全国に注目される研究成果の発信▽持続可能な地域社会づくりへの貢献-などを掲げた。学生には「素直で伸びる、すばらしい特徴を持っている。どんどん海外に出て行ってアジアの成長の熱気を感じ取ってきてほしい」と期待した。  三村氏は広島県生まれ。東京大大学院工学系研究科修了。東京大工学部助教授、カリフォルニア工科大研究員、茨城大工学部教授などを歴任し現在、茨城大広域水圏環境科学教育研究センター教授。今年四月から副学長。 (林容史) "[he-forum 18286] しんぶん赤旗6/4","しんぶん赤旗 2014年6月4日(水) 日航裁判で不当判決 客室乗務員ら「復帰までたたかう」 東京高裁  2010年末に日本航空が客室乗務員84人、パイロット81人を不当解雇し、解雇撤回・原職復帰を求めた客室乗務員の裁判で、東京高裁(大竹たか し裁判長)は3日、原告の控訴を棄却し、解雇を認めた東京地裁判決を維持する不当判決を出しました。高裁前にかけつけた原告、支援者ら約450人が、涙を こらえながら、「不当判決は許さない」「全員が職場復帰するまでたたかうぞ」と怒りの唱和を響かせました。  控訴審での最大の争点は、東京地裁判決が解雇を容認する最大の根拠とした「事業規模に応じた人員体制にするための解雇」の是非でした。  原告側は、会社側の算定方法を使っても人員削減計画が超過達成していることを論証し、解雇が必要なかったことを示しました。会社側は、これに対す る反論ができませんでした。しかし、高裁判決は原告側の主張を退けて、「本件解雇の時点で、削減計画で予定された人員体制が既に達成されていたとまでは認 められない」としました。  解雇回避措置について、判決は「いずれも合理的なものであって、解雇回避努力がされている」と指摘。組合員をねらった不当労働行為であるという原告の主張についても、「人選基準にも合理性があり…不当労働行為に当たるとは認められない」としました。  東京高裁で記者会見した客室乗務員原告団の内田妙子団長は「憤りでいっぱいだが、絶望するわけにはいかない。最高裁に上告してたたかう」と表明し ました。日航キャビンクルーユニオン(CCU)の古川麻子委員長は「解雇後、職場が様変わりし、経験も継承されなくなっている。安全を守るために、原告が 復帰するまでたたかう」と語りました。  国民支援共闘会議の大黒作治共同代表(全労連議長)は、ILO(国際労働機関)が2度にわたって勧告を出していることにふれ、「判決の不当性を世界にも広げて、勝利するまで支援する」とのべました。  パイロットの東京高裁判決は5日です。 原告勝利までともに 山下書記局長が談話  日本共産党の山下芳生書記局長は3日、日本航空の客室乗務員が解雇撤回を求めてたたかう訴訟で、東京高裁が原告側の控訴を棄却して解雇を有効とした不当判決に強く抗議する談話を発表しました。  談話は、原告側が整理解雇された時点で目標とされた必要人員体制が実現していたこと、ベテラン客室乗務員の解雇で安全運航が脅かされていることなどを詳細に立証し、解雇の不当性を明らかにしたと指摘しています。  ところが、高裁判決は、原告側の主張と立証を完全に無視し、会社側の主張のみを採用して解雇を容認した一審判決の枠組みをそのまま踏襲したものだ と強調。「『首切り自由』に道を開く、労働者全体への攻撃であり、空の安全と国民の命を脅かす最悪の判決である」と批判しています。  日本共産党は、「首切り自由」社会を許さず、空の安全の確保という大義を掲げてたたかう原告団が勝利するまで、ともにたたかうと表明しています。= "[he-forum 18290] しんぶん赤旗6/6","しんぶん赤旗 2014年6月6日(金) 大学自治破壊法案 許さない共同へ 日本私大教連と意見交換 宮本衆院議員 国会情勢を報告  日本共産党の宮本岳志衆院議員は4日、国会内で日本私立大学教職員組合連合(日本私大教連)の田中直書記長らに、党の発表したアピール「『学問の自由』を脅かす大学自治破壊法案を許さない共同をよびかけます」を手渡し、学校教育法の改悪案について意見交換しました。  宮本氏は、6日にも衆院文部科学委員会で同法案の採決をねらう動きが強まるなど、緊迫した国会情勢を報告しました。  田中書記長らはまず、宮本議員が今年3月の文部科学委員会で、私立学校法改悪案に反対の論陣をはったことに謝意を述べ、ひきつづき私立大学の公共性を高める日本私大教連提案の改正案にもとづく論戦を要望しました。  そのうえで、この日、国会審議を傍聴した感想を語りました。同教連政策委員会の野中郁江氏は「私立大学は多様であるべきだが、法案が通ってしまう と、法律と異なる大学づくりはダメとされるなど多様さが損なわれかねない」と指摘。田中書記長は「法案では、教授会の審議権の実質は、ほとんどないに等し い」と述べ、反対を表明しました。  宮本氏は「廃案に向けてともに頑張りましょう」と激励し、固い決意を表明しました。= "[he-forum 18289] しんぶん赤旗6/6","しんぶん赤旗 2014年6月6日(金) パイロットにも不当判決 日航裁判 原告ら「職場復帰必ず」 東京高裁  2010年末に日本航空がパイロット81人を不当解雇し、解雇撤回・原職復帰を求めた裁判で、東京高裁(三輪和雄裁判長)は5日、解雇を認めた東京地裁判決を維持し、原告70人の控訴を棄却しました。  判決は、経営破綻した日航を再建する更生計画を実現するために必要な措置だった、と決めつけて解雇を容認しました。原告側は、更生計画に基づく人 員削減目標は超過達成しており、会社が解雇回避の努力をするとした約束を破ったと主張。会社側は反論できませんでしたが、判決は具体的事実を無視しまし た。  判決直後の高裁前集会には原告や支援者ら400人が、報告集会には340人が参加。3日の客室乗務員に続く不当判決への怒りの声とともに、再び職場に戻るまでたたかい続ける決意が相次ぎました。  山口宏弥原告団長は、長年続けられた分裂・差別の労務政策を批判し、「現場の労働者こそ安全の基盤であり、われわれ自身がセンサーだ。その回路を 切ってしまうことになる。ものを言う労働者の解雇は安全運航に直結する重大な問題だ」と強調。「この判決を、絶対に許すことはできません。力いっぱいがん ばりたい」と表明。上条貞夫弁護団長は「客室乗務員への判決と同じく、新しく証明された事実を無視して何の事実認定もしていない不当判決だ」と批判しまし た。  日本航空乗員組合、日本航空機長組合、日本乗員組合連絡会議の代表が発言。客室乗務員の内田妙子原告団長は、「歴史に残る恥ずかしい判決だと、必ず世の中に断罪される日がきます。今からまた乗員(パイロット)と一緒にがんばります」と語りました。  日本共産党の穀田恵二国対委員長があいさつしました。  日本共産党の山下芳生書記局長は、「不当判決であり、強く抗議する」との談話を発表しました。= "[he-forum 18293] しんぶん赤旗6/5(2)","しんぶん赤旗 2014年6月5日付 給付制奨学金実現を 奨学金の会 署名を国会に提出  全日本学生自治会総連合(全学連)や全国大学院生協議会(全院協)、日本学生支援機構労組など11団体・個人でつくる「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」(奨学金の会)は4日、衆院第1議員会館で署名提出集会を開き、「教育無償化をすすめ給付制奨学金を実現する請願署名」3万8633人分を国会に提出しました。  日本は「世界一の高学費」といわれる実態がある一方、奨学金では給付制はなく、貸与制の7割以上が有利子です。不安定雇用の増加に伴って、奨学金返済が困難になり、進学をあきらめる実態も生まれています。  各団体の代表が発言。全学連の委員長は「24時間営業の弁当屋で朝5時までバイトしている友人もいる。学生の現実を見てほしい」と訴えました。全院協の議長は「優秀な先輩や後輩が学費が理由で辞めていきます。人と教育を大切にしない政治に未来はありません」と声をつまらせながら語りました。  全日本教職員組合の中村尚史副委員長が主催者あいさつしました。  「奨学金の会」の三輪定宣会長(千葉大学名誉教授)が講演。日本共産党の宮本岳志衆院議員、無所属の国会議員があいさつし、署名を受け取りました。 "[he-forum 18292] 福島民報6/6","福島民報 2014年6月6日付 9月、福島大に講座開設 日本公認会計士協会東北会 復興へ人材育成  日本公認会計士協会東北会は被災地の復興を担う人材育成を目的に、9月から福島大に寄付講座を開設する。東北会が大学に寄付講座を設けるのは初めて。5日、福島市の同大で覚書を交わした。  寄付講座は福島大の夏休みを利用した夏季集中講座として9月1日から5日まで、毎日90分授業を3回開く。  東北会に所属する福島大OBを含む公認会計士4人が講師を務め、実務と理論の両面から「財務諸表監査」について講義する。一般の聴講も可能。  東北会は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の発生以降、市町村などが設けている義援金配分委員会の監事監査をはじめ、県内の各商工会議所への原発賠償についての相談員派遣など復興支援活動を展開してきた。    ◇  ◇  福島大と日本公認会計士協会東北会は5日、同大で共同記者会見を開いた。  中井勝己学長は「実務の現場を熟知したスペシャリストに教えてもらうことは学生にとって有意義」、高橋一夫会長は「地域活性化につながる人材育成に貢献していきたい」と述べた。2人は覚書を手に握手を交わした。  福島大経済経営学類の真田哲也学類長、貴田岡信副学類長、衣川修平准教授、日本公認会計士協会の尾形克彦理事、同協会東北会県会の橋本寿会長、鈴木和郎氏が同席した。 "[he-forum 18291] しんぶん赤旗6/7","しんぶん赤旗 2014年6月7日付 大学自治破壊法案を可決 学校教育・ 国立大法人法 宮本議員が反対討論 衆院委  学校教育法と国立大学法人法の改悪案が6日の衆院文部科学委員会で自民、公明、民主、維新、みんななどの賛成多数で可決されました。自民、民主、維新、みんな4党共同の修正案も可決されました。日本共産党の宮本岳志議員は反対討論で「大学自治の土台である教授会を骨抜きにし、学長独断の大学運営を許す大学自治破壊法案だ」「修正案も(教授会の)審議事項を学長が決めることに変わりはない」と批判しました。  法案は、教授会の審議事項を「学生の入学・卒業」などに限定し、審議権を大きく制約するものです。  反対討論で宮本氏は、基準を定めて国立大の学長を選考することについて「文科省の方針にそった人しか学長にさせないということだ」と指摘。財界が、産業競争力強化に貢献する人材育成や企業経営の論理を大学に導入することを求めてきたことを示し、「大学を政府と財界いいなりに変える狙いだ」と批判しました。その上で「国がなすべきは自治破壊ではなく、学問の自由を保障し、大学の多様な発展に必要な条件整備を行うことだ」と強調しました。  採決に先立つ質疑で宮本氏は、経済同友会など財界が、学長のリーダーシップで大学改革を進め、教授会を“意見を聞くだけ”の諮問機関に変更するよう提案していたことを示し、「政府の意図は大学を財界に臨む方向に大改造することだ」と追及。下村博文文科相は「主体的に判断した」と開き直りました。 政府言いなりの学長選任の危険  6日の衆院文部科学委員会で宮本岳志議員は、国立大学法人法改悪案により、大学で政府いいなりの学長が選任される危険をとりあげました。  法案は、学外委員が半数を占める学長選考会議が「各大学のミッション(使命・任務)にそった学長像」などの「基準」を定めて学長を選考するとしています。  宮本議員は、学長選考会議に学外者として文科省出身者が入ることによって、政府方針通りの大学改革を進める人物を学長に据える狙いがあることを追及。現在、学長選考会議に文科省出身者が31国立大学に33人も入っていることが明らかになりました。  さらに、中央教育審議会(中教審)の安西祐一郎会長が、東北大学につづき、京都大学で学長選考会議の学外委員として、学長選挙廃止を策動していた問題を告発しました。  安西氏は、昨年6月に京都大学の総長選考会議の議長となり、議事録を非公開にして総長選挙廃止の検討を先導してきました。昨年12月にこのことが明らかとなり、学内外から「大学の自治、民主主義を壊すものだ」と批判が広がり、今年4月に総長選挙の存続が決まりました。  中教審大学分科会は今年2月に「大学ガバナンス改革の推進について」をとりまとめ、その中で学長選挙について「過度に学内の意見に偏るような選考方法は適切ではない」と敵視しています。  宮本議員は、安西氏が、政府の方針を先取り的に京都大学に押し付けようとしたのは問題だと追及。これに対し、下村博文文部科学相は「京都大学が自主的に安西氏を総長選考会議の委員に選任したのであり、なんら問題はない」と開き直りました。  質疑を通して、学長選考会議に入っている文科省出身者によって、政府の方針に沿って国立大学を運営する学長を選ぶように「基準」が定められる危険があることが明瞭となりました。  (土井誠 党学術・文化委員会事務局次長) "[he-forum 18294] しんぶん赤旗6/10","しんぶん赤旗 2014年6月10日(火) 大学自治破壊は財界の要求 競争力強化の人材育成  国会で審議中の学校教育法と国立大学法人法の改悪案。大学の自治を壊す法案が、だれの求めに応えて出てきたものなのか、改めてみてみると―。  「当初は省令で明らかにすることを考えていたが、さまざまな意見をうかがうなかで、法律を改正することが最も重要であるとの認識に至った」  下村博文文科相は6日の衆院文部科学委員会でこうのべ、法律改定を提案した経過について語りました。  大学の運営について中央教育審議会の大学分科会では、教授会権限の制限を盛り込みましたが、省令と法律のどちらで行うかで意見が分かれました。まとめでは「所要の法令改正を行う」とするにとどまりました。  それは、「自分で決めていくのが基本的な大学のあり方だ」「法律で教授会はこういう仕事以外はやってはいけないと書くことは、大学を大学でなくしてしまう」など法改正に反対する強い意見が相次いだからです。  これに対して、法改定を強く求めたのが財界出身者らです。 教授会の役割  経済同友会終身幹事の北城恪太郎・国際基督教大学理事長は「省令の改正でなく法律を変えて、教授会は決議機関ではないということを明確にしていた だいた方が大きな意識改革になる」(昨年12月13日)と再三、主張。中教審とりまとめ案が示された同24日にも、「下村大臣の力で改正をぜひ実現してい ただきたい」と執ように法改定を求めました。  北城氏は財界出身の私立大学理事長らと自民党の会合に出席し、法律改定を要求。こうした動きに押されて出された改定案には、大学の重要事項を審議する権限を教授会から奪い、学長の諮問機関に変質させることなどが盛り込まれました。  この間、財界は競争力強化に貢献する「優秀な人材」を生み出すよう求め、教授会の弱体化と「学長独裁」を求めてきました。  「教授会で議論する『重要事項』の範囲を学校教育法に限定的なかたちで明記」(経団連・2013年12月)「教授会は、教育・研究に関する学長の諮問機関とする」(経済同友会・12年3月)―。  さらに経団連は、「世界最高の『研究重点型大学』を形成する必要がある」として「大学の数や規模を見直し、再編・統合を」と主張。「競争原理を導入」するとして運営費交付金の配分見直しや、授業料も上限規制を見直して自由化するよう求めています。 「学長独裁」も  すでに安倍内閣は、国立大学の再編・統合を視野に入れた「機能別分化」や「年俸制導入」を押しつけています。今回の法案で「学長独裁」をつくり、 政府・財界が示す方向に沿った「大学改革」を推進しようというのです。国民のための大学を政府・財界いいなりに変える危険なねらいです。(深山直人) "[he-forum 18295] 朝日新聞6/10","朝日新聞 2014年6月10日10時20分 高度ながん放射線治療/みちのく科学医療  ◆ 東北6県の拠点 山形大が連携網   東北地方に点在する高度ながん放射線治療施設の情報を県境を越えて共有し広域の患者に利用してもらおうと、山形大学医学部は9日、東北6県の拠点病院57施設が参加する「広域がん放射線治療ネットワーク」を12月までに立ち上げると発表した。  山形大は2018年10月に総額150億円をかけて東北地方唯一の重粒子線がん治 療施設を開設する予定だが、稼働率を上げるには県外患者の利用が不可欠。このため、陽子線治療を行う南東北がん陽子線治療センター(福島県郡山市) や最新治療器のトモセラピーを導入する宮城県立がんセンター(名取市)など県外の病院に呼びかけ、ネットワーク構築で同意した。  病院間をテレビ会議で結んでがん患者の診断画像を交換し、高度な放射線治療をどこで受けるべきか相談する仕組み。患者は治療の相談のためだけに遠 方の病院に移動する必要はない。山形大の重粒子線治療施設が完成するまでの間は、治療が必要な患者は重粒子線医科学センター(千葉県)に紹介する。  サーバーの費用などシステムの立ち上げに必要な約4億円は山形大が負担する。ネットワークの利点について山形大は(1)東北全域のがん患者が住ん でいる地域に制約されずにより高度な治療を受けられる(2)地域の医師が高度放射線治療を有効な選択肢として意識する、などを挙げている。  嘉山孝正・学長特別補佐は「県境や学閥の違いを乗り越えてのネットワークは全国のモデルとなる。遠方の患者の交通費をどうするかなどの対応も考えたい」と話した。 (米沢信義)= "[he-forum 18296] Business Journal 6/7","Business Journal 2014/6/7 年収250万…早稲田大の非常勤講師らが、大学を刑事告発 突然の雇い止めの実態  6月27日午後5時から、早稲田大学本部構内10号館1F大教室で「大学における貧困、学費・奨学金・非常勤」(仮題)と称してシンポジウムが開催される。大学関係者だけでなく、希望者は誰でも参加できる。  今回のシンポジウム開催のきっかけは、非常勤講師を5年で雇い止めとする就業規程を早大が強行制定したことだ。  この方針に反対する非常勤講師らのリアルな活動を描いた『ブラック大学 早稲田』(同時代社)の著者として、筆者もパネラーとして招かれている。  2013年3月末、突然、非常勤講師を5年で雇い止めにするという就業規程が非常勤講師らのもとに送られてきた。そうでなくとも首都圏大学非常勤 講師組合などの調査によると、非常勤講師の平均年収は300万円そこそこで、そのうち250万円未満が4割もいるといい、彼らにとっては死活問題だ。  一方、専任教員の平均年収は、組合との団体交渉の場で副総長が約1500万円と明らかにしているが、実際には1400万円を切っていると専任教員たちは話している。授業計画の作成・実施、試験問題作成、採点、成績評価など、専任と非常勤の仕事内容に大差ない。  早大の教員のうち非常勤講師は59%(12年度末)で、授業の半分近くが非正規の教員によって行われている。つまり多数派の教員(ほとんどは博士)がワーキングプアか、それに近い状態に置かれているのだ。 ●1200万人の有期雇用労働者に影響する可能性  そればかりでなく、担当する授業時間の上限を週4コマ(4時限)にすることまで就業規程には盛り込まれていた。仮に早大だけで授業を担当するとなると、この上限により年収は150万円程度になってしまう。  就業規程強行制定の背景には、13年4月1日に施行された改正労働契約法がある。有期雇用労働者の雇用期間が通算5年に達した場合、その労働者は 期限の定めのない無期雇用への転換を申し込める権利を得た。無期雇用に変えても賃金その他の労働条件は従前のままでいいのだが、多くの大学で、その期限が 来る前に雇い止めにしようという動きが強まり、早大も同じだった。  一般企業でも同様の動きをみせているところがいくつもある。12年の厚生労働省の調査によれば、有期契約労働者は1200万人いるとされているが、早大で噴出している問題は、これらの人びとすべてに影響するといえる。 ●前代未聞の偽装選挙  ただ、その中でも早大の悪質なところは、5年雇い止めの就業規程を強行制定するために“偽装選挙”を実施したことである。  就業規程を変更または新規に制定する時は、労働基準法90条によって、全労働者の半数を超える加盟者のいる組合があれば、その組合の意見を聴き、 それがない場合には、「過半数代表者」を選出するべきことが定められている。選ばれた過半数代表者が意見書を提出し、その意見書と就業規程を労働基準監督 署に届けるのが正しい方法なのだ。  早大の理事会は、この過半数代表者選挙のお知らせと投票用紙を13年2月14日に各学部等の非常勤講師用のメールボックスに投函したという。  早大では、1月の在学生の試験が終わると、入学試験期間として構内への立ち入りは厳重に管理される。しかも、 専任教授のように個別に部屋が与えられていない非常勤講師は、在学生の試験の採点が終われば大学にはまったく行かなくなる。つまり、その当時約3800人 の非常勤講師は、過半数代表者選挙について何も知らされていないに等しい。  当事者である非常勤講師が関与せずに、過半数代表者が7名選出された。その全員が専任教員で、明らかに偽装選挙である。  この事実が発覚したことで、首都圏大学非常勤講師組合の松村比奈子委員長と早大名誉教授の佐藤昭夫氏が、鎌田薫総長ら大学理事18名を刑事告発。次いで当事者である非常勤講師のうち15人が刑事告訴する事態に発展した。  どちらも13年12月に不起訴になったが、告発者と告訴者は検察審査会に申し立て、第四検察審議会が受理し、現在審査中である。 ●組合員が12倍に  低報酬に加えて雇用さえ失われようとした非常勤講師たちは立ち上がった。5年雇い止めの就業規程が施行された時点では早稲田ユニオン結成準備会メンバーは10人だったが、次々に組合員を増やし、13年9月の結成大会で100人、年末には120人に達した。  母体となる首都圏大学非常勤講師組合とも連動し、何度も団体交渉を要求し実現。さまざまな資料も駆使して、講師たちの不利益を少しずつ取り除いていった。  不安を抱える一人ひとりの非常勤講師の相談に乗り、大学側と交渉したり、契約更新に際してどのような文言を大学側に伝えるかなど、具体的な内容を 書いたビラを配布したり、実務的なアドバイスを組合は重ねていった。「労働運動とは、粘り強く話し合って問題解決を図ること」と常に主張する松村委員長の 言葉を実行してきた結果ともいえる。  そして今年3月までに、13年3月末時点に在籍していた非正規教員の在職5年上限を撤廃させた。ただし、就業規程施行の13年4月1日以降に契約を結ぶ人には5年雇い止めが適用される。  さらに、週4コマまでとしていた授業上限を8コマまで妥協させた。1年前はお先真っ暗だったが、明るい兆しが見えてきたのである。それは、具体的で地道な活動と、なによりも早稲田ユニオンメンバーが激増したことが大きい。  彼らのノウハウは、大学のみならず、不安定雇用の改善をめざす多くのユニオン関係者に希望を与えている。 ●貧困を生み出す学費値上げと奨学金  早大をめぐっては、多くの人が手を取り合って少しずつ解決に向かっている面があるものの、非常勤講師への差別だけではなく、学費値上げや返済不能な奨学金問題が大学の未来、ひいては日本の先行きに暗い影を投げかけている。  13年、日本は国連人権規約13条B項「高等教育の漸次的無償化」にようやく批准した。ところが現実には今春、早大、慶應義塾大学、日本大学、明治大学、上智大学など全国の大学が相次いで学費の値上げに踏み切った。  私立大学の初年度納付金は、平均約140万円という巨額に上っている。不況や格差社会の進行により親の収入が減り続ける中、多くの学生が苛酷な負担に喘いでいるのだ。  一方、学生生活を支えるための日本の奨学金は高利子の「教育ローン」にすぎず、延滞金制度や苛酷な取り立てにより、“公営の闇金”とも呼ぶべき貧困ビジネスと化している。  卒業後、非正規や低賃金の職にしか就けなかった人は、奨学金を返したくても返せず、雪だるま式に増える借金と精神的な負担に打ちのめされている。  教育や研究を通じて学生・院生に輝かしい未来を保障する機関ではなく、大学は貧困を生み出し貧困に寄生する、文字通りの「ブラック大学」となろうとしているのではないのか 。  学費・奨学金・非常勤講師問題を切り口に、現在の「ブラック化する大学」の現状を学生・院生・教員と共に考え、改善に向けた一歩にしたいという意図で開催するのが、6月27日のシンポジウムだ。  ご興味を持たれた方は、ぜひご参加いただきたい。 【大学における貧困、学費・奨学金・非常勤】(仮題) ・日時:6月27日(金) 午後5時 ・場所:早稲田大学(早稲田キャンパス10号館1F大教室) ・パネラー 宇都宮健児弁護士(元日弁連会長・反貧困ネットワーク代表)  岡山茂・早稲田大学政経学部教授(専任教員組合委員長、『ハムレットの大学』新評論・著者) 林克明(フリージャーナリスト『ブラック大学 早稲田』同時代社・著者) 大内裕和・中京大学教授(奨学金問題対策全国会議代表)  ・問い合わせ先daigaku_hijoukin@yahoo.co.jp首都圏大学非常勤講師組合 (文=林克明/フリージャーナリスト)= "[he-forum 18298] 福井新聞6/11","福井新聞 2014年6月11日付 若狭高校と東京大学が連携協定 海洋教育促進の拠点に  スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)に指定されている福井県立若狭高校は10日、東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターと、海洋教育促進拠点としての連携に関する協定を結んだ。海洋科学科と文理探究科を中心に、東京大と連携し海洋教育のカリキュラム開発を目指す。  同センターと協定を結んだ高校は全国で2校目。協定の期間は2016年3月末まで。生徒が設定した課題研究のテーマや研究手法について、同センター側がアドバイスするほか、教員への指導・助言を行う。課題研究についての評価基準も共同で作成する。  小浜水産高との統合で同校に設置されて2年目となる海洋科学科と文理探究科では、課題研究やフィールドワークを教育にどう生かしていくかが課題となっていた。カリキュラム開発と評価基準の作成で、より質の高い教育になるという。  海洋教育には、生物や物理、化学といった理系科目以外に、海や漁業に根差した文化や歴史など文系科目も含むため、生徒全員に協定の効果が期待できる。  この日の調印式には、平松正尚校長と、理科教育カリキュラム開発が専門の日置光久・同センター特任教授が出席した。平松校長は「(連携は)生徒の課題研究や教員の教育に大きく寄与する」と述べた。日置特任教授は「海洋教育を促進する貴重なステップになる」と今後の活動に期待を寄せた。  同校は2012年、県立大海洋生物資源学部と高大連携協定を締結。海洋の専門科目を中心に研究活動や授業を行っている。 "[he-forum 18297] しんぶん赤旗6/11","しんぶん赤旗 2014年6月11日付 学校教育法等改悪案が衆院可決 大学自治を破壊 共産党は反対  大学自治を破壊する学校教育法・国立大学法人法の改悪案が10日、衆院本会議で自民、公明、民主、維新、みんな、結いなどの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。同法案は、大学自治の土台である教授会を骨抜きにし、学長独断の大学運営を許すもの。教授会から大学の重要事項を審議する権限をとりあげ、学長選挙も形骸化しようとしています。  大学関係者は同法案反対の緊急アピールを出し、署名活動に急いで取り組んでいます。  日本共産党の宮本岳志議員は、同法案の委員会採決(6日、衆院文部科学委員会)で、「大学を政府と財界のいいなりに変える狙いだ」と批判。「国がなすべきは自治破壊ではなく、学問の自由を保障し、大学の多様な発展に必要な条件整備を行うことだ」と強調しました。 "[he-forum 18299] 教育関係3法案に反対する学芸大教職組の声明","みなさま 東京学芸大学教職員組合の藤本と申します. 東京学芸大学教職員組合は6月11日に定期大会を開催し,以下のような声明を 決定しました. 教員養成系大学という立場から教育委員会への首長の介入を強める地方教育行 政法についても廃案を求めております. +++++++++++++++++++++++++++++++ 地方教育行政法・学校教育法・国立大学法人法の改正案の廃案を求める声明 2014年6月11日 東京学芸大学教職員組合  政府は、現在開催中の第186回国会に、「地方教育行政の組織及び運営に関 する法律の一部を改正する法律案」(地方教育行政改正法案)と「学校教育法 及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」を提出した。前者は5月20日に 衆院を通過し、後者は自民、民主・無所属ク、維新、みんなの4会派による修 正案を容れて6月10日に衆院を通過している。これらが参院で可決し成立すれ ば、行政や財界などの意向が教育現場にこれまで以上に直接的に影響を及ぼす という重大な問題がある。  まず地方教育行政改正法案は、自治体に首長が主宰する「総合教育会議」を 新設し、教育方針等について首長と教育委員会が協議するとしており、これま で教育委員会にあった教育行政の最終権限に首長の関与が強まることが予想さ れる。2013年12月13日施行の「国家戦略特別区域法」では公立学校の管理を民 間に委託することが方針となっているが、「教育委員会が抵抗する可能性が高 く、邪魔になる」(季刊教育法180号27頁)ことが法改正のねらいとして指摘 されている。この法改正の背景には、首長が全国学力テストの結果公表を主張 し、教育委員会がそれとは異なる決定を行ってきたこともあった(例えば2013 年9月11日静岡県知事の意向公表とその帰結)。  学校教育法改正法案・修正案は、教授会が大学の管理運営の中心的役割を担 うことは適切ではないとして、教授会が学長に対して意見を述べる事項を、① 学生の入学、卒業及び課程の修了、②学位の授与、③教育に関する重要事項 で、教授会の意見を聴くことが必要なものとして学長が定めるもの、に限定し ている(同93条)。また、国立大学法人法改正法案では、経営評議会につい て、学外委員が学内委員よりも必ず多くなければならないとしており(同20 条)、大学経営における当事者の意向にそぐわない経営に道を開こうとしてい る。併せて、国立大学の学長選考を「学長選考会議が定める基準」に基づいて 行うものとすることにより(同12条)、現在、東京学芸大学を含む95パーセント の国立大学で行われている意向投票(2013年6月文科省調査)の結果につい て、学長選考において無視することへの法的な裏づけを与えようとしている。  上記法案については、いかなる事実にもとづき改正が必要かについて、立法 の根拠が明確にされていないことも指摘しなければならない。唯一鮮明なのは 財界の意向だ。2013年3月の経済同友会の提言「私立大学におけるガバナンス 改革」が学校教育法93条改正により教授会を「諮問機関」に格下げし学長が リーダーシップを発揮することを求めていたことと、今回の法案の内容は基本 的に一致している。今次の法案は、公教育の民間委託やグローバル人材育成な どの財界の要望に一方的に応じた教育・大学の改革が目的と見なさざるを得な い。東京学芸大学の現状に照らしても、今回の改正が必要とは考えられない。 大学においてトップダウンの経営体制が強まれば、教職員と学生による闊達な 議論を基盤にした大学運営は困難になり、自由な雰囲気の喪失は大学における 学問研究と教育の創造的な発展を阻害する。学問研究と教育は社会の未来を支 える営みであり、その重要性に合致した条件整備を図ることこそ、本来政府が なすべきことである。  私たちは、両改正法案に反対し、参院における審議と教育現場と社会におけ る議論のなかで廃案とすることを強く求めるものである。 以上 "[he-forum 18302] NHKニュース6/13","NHKニュース 2014年6月13日17時13分 予備試験制度見直しを 法科大学院が提言  司法試験の受験資格が例外的に得られる「予備試験」の制度を利用する受験者が増え、本来のルートである法科大学院の志願者が大幅に減少しているとして東京大学など6つの法科大学院が13日、制度の見直しを求める提言書を法務大臣に提出しました。  現在の司法試験は、法科大学院で2年から3年学び卒業することが受験資格になっていますが、経済的な事情で通えない人などのために例外的なルートとして「予備試験」の制度が設けられています。しかし、この予備試験は誰でも制限なく受けられるため法律家への近道になるなどとして受験者が急増し、法科大学院では志願者が大幅に減少したり、退学する学生も出ています。  こうした状況を受け東京大学や京都大学など6つの法科大学院の担当者が13日、制度の改善を求める提言書を谷垣法務大臣に手渡しました。  提言書では、予備試験の試験科目を増やしてより幅広い知識や能力をはかれるようにすることや経済的な事情がある人などに受験を制限することを求めていて、改善されるまでは予備試験の合格者を増やすべきでないとしています。  提言書を出した京都大学法科大学院の洲崎博史教授は「法務大臣からは、解決に長い時間をかけられない課題だということばをいただいた。学生の間では予備試験が正規のルートととられ、優秀な法律家を育てるという法科大学院の理念が崩れる」と話していました。 "[he-forum 18301] 日本海新聞6/1","日本海新聞 2014年6月1日付 ウラジオの国立大と連携 鳥大医学部 覚書締結へ  鳥取大学医学部(米子市)は、ロシア・ウラジオストクにある太平洋国立医科大学と教育や医療の発展、学生らの育成を目的に覚書を締結する。3日に河合康明副学部長ら鳥取大関係者が太平洋医科大を訪れる予定。  太平洋医科大は、ウラジオストクの地域医療を支える拠点病院。覚書の締結で、両大が連携して教育や学術、医療の発展を目指すほか、学生や研究者が交流することで国際性豊かな人材を育成する。  鳥大とロシアとの医療分野での連携は、鳥大医学部付属病院次世代高度医療推進センターの難波栄二センター長らが行っている遺伝性難病の研究がきっかけ。2012年にロシアの難病患者の診断の依頼が鳥大病院にあり、13年8月に鳥大関係者がウラジオストクを訪問。行政関係者らとの面談の席上で連携の話が持ち上がり、10月には鳥大病院とウラジオストクの極東連邦大学医療センターが高度医療や人材交流の連携強化のための覚書を締結した。  今回の締結について難波センター長は「極東連邦大学医療センターは高度医療の拠点であるのに対し、太平洋国立医科大学は地域医療の拠点で、鳥大の学生にとってロシアで行われている医療に触れる絶好の機会。未来の医療を創造する人材育成プログラムで学生交流を検討したい」と話している。 "[he-forum 18300] 解釈改憲反対・岩手大学有志アピールの取り組みについて","各位  岩手大学の横山と申します。岩手大学では,この間,解釈改憲に反対する教職 員・退職教職員の運動を行い,昨日,記者会見を行いました。以下,その取り組 みについて簡単に御報告申し上げます。 ------------------------------------------------------------------------ 2014年6月13日 岩手大学教職員・退職教職員有志アピール: 「私たちは『立憲主義』『法の支配』を破壊する解釈改憲に反対します」 の取り組みについて  同アピール呼びかけ人代表                    横山英信(岩手大学人文社会科学部) この間,岩手大学では,岩手大学教職員・退職教職員有志アピール:「私たち は『立憲主義』『法の支配』を破壊する解釈改憲に反対します」の賛同署名活動 を行ってきました。  名誉教授10名・現役教員22名,計32名の呼びかけ人の連名で,下記の有志ア ピールの賛同署名活動を行い(署名者は名前を公表することが前提),5月19 日~6月6日の約3週間の取り組みで181名(退職教職員65名〔学長経験者3名を含 む〕,現役教職員116名)の方から御賛同を頂きました。呼びかけ人・賛同人は 合計で213名となりました。  短期間の取り組みにも拘わらず,これだけ多くの方が賛同して下さったこと は,現在の解釈改憲の動きにいかに多くの方々が懸念を持たれているかというこ とを示すものでもあります。  213名のうち現役教員は129名ですが,これは岩手大学現役教員の約3分の1に 相当します。とくに岩手大学の4学部のうち,人文社会科学部と教育学部では半 数以上の教員がアピールに賛同して下さいました。  昨日,岩手県庁で本アピールについての記者会見を行い,今朝の新聞各紙(地 方紙,全国紙地方版)が記事として取り上げて下さいました。これによって,社 会的に一定のアピールができたと考えています。また,岩手大学内でも本アピー ルを配布するなどして,解釈改憲の危険性と道理のなさを大学構成員に伝えてい るところです。  安倍首相は何が何でも集団的自衛権行使容認のための憲法解釈変更を行うつも りのようですが,本アピールでも指摘したように,それは大義が全くないもので あり,日本における「立憲主義」「法の支配」を破壊する以外の何物でもありま せん。このような道理のない,強引なやり方は,必然的に国民の良識から反撃を 受けることになるでしょう。  私たちは,今回のアピール賛同運動の成果を踏まえ,広範な人々と手を取り合 い,立憲主義,法の支配,そして民主主義を守るためにさらに行動していくつも りです。「立憲主義と法の支配を守れ」という運動をさらに大きく盛り上げるた め,ともに頑張りましょう。 -------------------------------------------------------------------------                (アピール本文)   岩手大学教職員・退職教職員有志アピール:   私たちは「立憲主義」「法の支配」を破壊する解釈改憲に反対します  岩手大学で学び働く学生・教職員,そして退職教職員の皆さん。岩手県民の皆 さん。  現在,安倍晋三首相は,今まで日本国憲法第9条によって禁じられてきた集団 的自衛権を行使できるようにするために,閣議決定によって憲法解釈を見直し, この下で集団的自衛権行使に向けた関係法令の制定・整備を行おうとしています。  しかし,この安倍首相の方針は,民主主義国家であれば当然の「立憲主義」と 「法の支配」の原則を真っ向から否定する重大な問題を持っています。すなわち,  ① 国民投票による憲法改正なしに,時の政権が憲法の文言を自らに都合のい   いように勝手に解釈して憲法の示す内容を変えることができるならば,「主   権者である国民が国家権力を縛る」ための憲法はおよそ憲法としての意味を   なさなくなる。(「立憲主義」の破壊)  ② 政権による上記の行為によって国家の最高法規たる憲法の示す内容が揺ら   ぐならば,憲法の下に置かれる諸法律にも勝手な解釈がまかり通ることにな   り,法に基づいた秩序が大きく揺らぐ。(「法の支配」の破壊) という問題です。  私たち岩手大学教職員・退職教職員の有志は,道理と論理を何よりも大切にし てきた大学人として,「立憲主義」と「法の支配」を破壊する,安倍政権による 集団的自衛権行使容認のための第9条の解釈改憲に反対します。 「個別的自衛権に基づく専守防衛」が第9条の下での軍事的対応の最大限  第2次世界大戦後,戦争放棄,戦力不保持及び交戦権否認を定めた第9条を持 つ日本国憲法が施行されましたが,その下で自衛隊が創設され,その増強が図ら れてきました。しかし,そこでは,自衛隊はあくまで急迫不正の侵略に対する 「必要最小限度の実力」であり,日本が行使できるのは「個別的自衛権」(自国 が武力攻撃された時にこれに実力で反撃する権利)のみであるとされ,この下で 日本ではこれまで「専守防衛」政策がとられてきました。これは第9条の文言か らは,「集団的自衛権」(自国は攻撃されていないが,自国と関係が深い国が武 力攻撃を受けた場合に,その国と一緒になって実力で反撃する権利)を導き出す ことはできず,また,自衛隊を「普通の軍隊」にすることもできなかったことに よります。  1990年代以降,自衛隊は国連平和維持活動(PKO)に参加したり,アメリカ軍 の戦闘の後方支援をしたりと,その任務活動を海外へ広げるようになりました が,その派遣に当たっては「海外での武力行使はしない」ことが条件になってい ました。これは,第9条をどんなに拡大解釈しようとしても,その文言からはや はり集団的自衛権に基づく自衛隊の海外での武力行使は導けなかったためです。  第9条の内容をこのように捉えることは国民のそれなりの合意を得ていたと言 えます。 国民的議論を回避する解釈改憲  このような状況に対して,集団的自衛権行使の容認を目指す人たちは第9条を 改正することによってこれを行おうとし,安倍首相もその立場に立ってきまし た。しかし,改正には憲法第96条の規定によって,衆議院・参議院それぞれの3 分の2以上の議員による改正発議と国民投票での過半数の賛成という高いハード ルが課されているため,国会の勢力状況,そして何よりも国民世論の動向に照ら してその実現は困難でした。最近の世論調査でも昨年に比べて改憲賛成が減り, 逆に改憲反対が顕著に増えています。  そこで,第2次安倍内閣発足当初に急浮上したのが第96条改正問題でした。こ れは,第9条改正をやりやすくするため,国会での憲法改正発議の要件を両議員 それぞれ3分の2から2分の1に引き下げることを狙ったものであり,安倍首相 もそれを推進しようとしていました。しかし,これも「憲法で縛りをかけられる 側の国会の発議要件が緩和されることは立憲主義に反する」という国民の反対世 論が広がる中で動きが止まりました。  そして,今回の解釈改憲の方針です。解釈改憲に向けた安倍首相の私的諮問機 関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の議論では,「集団的 自衛権の行使は憲法改正ではなく憲法解釈の変更で行うべきである」との意見が 出され,安倍首相もこれに沿った発言をしています。しかし,憲法解釈の変更で 集団的自衛権行使容認が可能であるならば,安倍首相はなぜ今まで第9条改正を 唱えてきたのでしょうか。なぜ最近まで第96条改正に積極的だったのでしょうか。  そこには,憲法に則った真っ当な手続きで第9条を改正しようとすれば,従来 と同様にかなり困難を極めることが予想されるため,衆議院で与党が圧倒的多数 の議席を持ち,衆参の「ねじれ」も解消している状況の下,「閣議決定」という 安易な方法で行える解釈改憲によって一気呵成に集団的自衛権行使容認に突き進 みたいという安倍首相の思惑が見えます。そのために,安倍首相は内閣の憲法解 釈の後ろ盾となる内閣法制局の長官についても解釈改憲に都合のよい人物を据え るという異例の人事を行い,集団的自衛権行使容認の布陣を敷いています。 解釈改憲に大義なし,安倍首相は「立憲主義」「法の支配」の本道に戻れ  しかし,従来培われてきた第9条の内容に関する国民的合意を無視し,また, 憲法改正に関する国民的な議論も回避する安倍首相の解釈改憲方針は明らかに立 憲主義に反します。第9条の文言を変えないまま,そこから集団的自衛権行使容 認を導き出すことが不可能であることは,内閣法制局長官の経験者も指摘してい ます。安倍首相の目指す「解釈改憲」は「解釈」の域を大きく逸脱しており,立 憲主義に照らして許されないものです。  集団的自衛権行使の容認は,従来のわが国の防衛政策,そして何よりも憲法第 9条が示す内容を決定的に変えるものです。これは,海外での武力行使=戦闘行 為を実際に行うことになるかも知れない自衛隊員はもちろんのこと,日本国民一 人ひとりの安全,基本的人権,そして生命に関わる問題です。日本周辺の情勢が 変化していることを理由に挙げれば事足りるというものでは全くありません。  このような国民・国家の根幹に関わる問題を,一政権の勝手な解釈で決めるこ となど絶対にやってはなりません。安倍首相は,集団的自衛権行使に関わる具体 的法律については国会で審議するのだから国民の声が反映されると言いますが, 憲法をないがしろにした下で制定された法律はその正当性を持ち得ません。その 時々の国会の多数派の暴走を防ぐのも「主権者である国民が国家権力を縛る」憲 法の役割だからです。憲法の形骸化は「法の支配」をも揺るがすことになるのです。  安倍首相が進めようとしている解釈改憲に大義はありません。私たちは,安倍 首相が解釈改憲を断念し,「立憲主義」「法の支配」の本道に戻ることを強く求 めます。 ------------------------------------------------------------------------- *************************************************************************    横山 英信( YOKOYAMA, Hidenobu )        岩手大学人文社会科学部 法学・経済課程(農業経済論 担当)        Faculty of Humanities and Social Sciences, Iwate University        〒020-8550  盛岡市上田3丁目18-34         Phone/Fax 019-621-6777(直通)        E-mail   yokoyama@iwate-u.ac.jp ************************************************************************** る通知??萎・??対応は、「大学院重点化」が人材育成のビジョンも環境整備もないまま進められたことを示唆している。  今回の改革は、博士の底上げが狙いだ。しかし実際には博士課程に進まず就職する大学院生は多い。こうした人材の底上げをどう図るか。海外の例も踏まえた修士課程の抜本的な見直しなど、さらなる制度改革が不可欠だろう。(電子報道部 河尻定) "[he-forum 18303] 朝日新聞6/16社説","朝日新聞社説 2014年6月16日(月)付 大学改革―知の多様性を守れるか  大学にトップダウンはなじむのか。この改革案は大学本来の強みを損ないかねない。  大学でのものごとの決め方を改める法案が、国会で審議されている。これまで教授会は、重要事項を審議する役割を担ってきた。これを、学長が必要と思うときに意見を聴く諮問機関に位置づけを変える。  大学は少子化で学生が減る危機に加え、新興国を含めた国際競争にもさらされる。安倍首相は「世界トップ100に10大学以上」を成長戦略に掲げた。  生き残るには、特色が要る。  お金と人を呼べる研究・教育への特化を進めたい。  選択と集中によって短時間で成果を出せる大学にしたい。  だから、各学部の発言力が強く、決定に時間もかかる仕組みをやめ、すいすいと結論を出せるようにしようというのだ。  しかし大学というものは、ひとの気づかないことを提案するのが大切な仕事だ。みんなが考える余裕のないことを、引き受けて考える仕事ともいえる。  それには、多彩な知のサンプルを取りそろえておく必要がある。今ここにある需要だけで学問の品ぞろえをしたら、間違える。長い目で見ると、かえって社会に貢献できなくなる。   たとえば秋田大の伝統である鉱山学は長く斜陽だったが、都市鉱山や資源外交で再び注目され、国際資源学部の創設に発展した。商売にならないものは切るよう な大学だったら、再生の芽は摘まれていた。人文や社会科学にも、社会に“セカンドオピニオン”を提供するという、金額に直せない役割がある。  世の中も学問も複雑になっている。どんなに優れたリーダーも、一人で全分野を見通して判断するのは容易でない。  改革案は、かえって学長を孤立させかねない。発言力を奪われた教授陣は、全学の運営に関心を失う。学長は多角的な意見を拾えなくなる。そうして、判断を誤るリスクが高まる。  学部タテ割りの弊害は改善すべきだが、今の制度でもできることだ。げんに、全学のテーマを討論する学部横断型の組織をつくっている大学は多い。  責任と権限をはっきりさせる利点もなくはない。小さな単科大学が学長の強い統率力で成長した例もある。しかし、それが大きな総合大学に通用するかといえば、あつれきを生むだけに終わるかもしれない。  大学の性質によって、それぞれ最適な意思決定の仕組みは違うはずだ。一律に学長主導を制度化しなくていい。右向け右は大学に最も似合わない。 "[he-forum 18304] しんぶん赤旗6/18","しんぶん赤旗 2014年6月18日(水) 文科省主導狙う 大学自治破壊法案を批判 参院委で田村氏  日本共産党の田村智子議員は17日の参院文教科学委員会で、学校教育法と国立大学法人法の改悪案について、国立大学に文部科学省主導の改革を行わせるものであり、「大学の自主性、主体性とは相いれないものだ」と批判しました。  法案で各国立大学に定めるよう求める学長選考基準について文科省は、「大学のミッション(使命・任務)」にそった学長像などの基準を定めるとしています。  田村氏は、文科省主導で「ミッションの再定義」が各大学で定められており、これにそって学部学科再編などの改革を短期間に行わせるものだと指摘。そのために大学運営費交付金の重点配分まで打ち出し、反対を押し切ってでも実施させるものだとただしました。  下村博文文科相は、選考基準は「学長選考会議が主体的に定めるもの」としつつ、「反対はあってもやるべきことは出てくるかもしれない」と述べ、学長独断で改革を進めていくことを認めました。  田村氏は、文科省の「国立大学改革プラン」では、「国立大学法人評価委員会」の委員に産業界出身者などを増やすとしていることを指摘。「自主的と言うが、文科省主導かつ産業界の評価にかなう改革が強力に進められる」と強調しました。  田村氏は学長選考基準に「再定義」と全く異なる基準を定めた場合に、文科省が見直しを求めることはないのかと質問。文科省の吉田大輔高等教育局長は「『ミッションの再定義』が含まれることを期待している」と答弁しました。= "[he-forum 18305] 学校教育法等改正案についての見解(東北大教員有志)","各位  東北大学文科系教員有志が学校教育法等改正問題につき、以下のような 見解を発表しましたので、お知らせします。  これは、6月14日から土日を含む正味3日間で賛同者を募ったものです。 現時点では賛同者は90名になっています。 ---------------------                            2014年6月16日 「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」についての見解                   東北大学文科系教員有志87名  現在、国会で「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」 の審議が行われている。この法案には看過することのできない問題が含まれ ており、廃案を強く求めるものである。  現行の学校教育法93条は、「大学には、重要な事項を審議するために、教 授会を置かなければならない」と定めている。ところが、法案は、教授会の 役割を学長に対して単に「意見を述べる」ことに限定している。しかも、「意 見を述べる」事項として明記されているのは、「学生の入学、卒業及び課程の 修了」と「学位の授与」のみである。6月6日の衆議院文部科学委員会におい て、学長が教授会の意見を聴くことができる事項に教育課程の編成、教員の教 育研究業績の審査等が含まれると修正されたが、これも法体系上、最も低位の 「施行通知」に記載されたに過ぎない。  そもそも現行の93条に教授会が審議すべき「重要な事項」が詳細に規定され ていないのは、それが各大学の裁量に委ねるべきものとされたからである。教 授会の役割を明確化するという名目の下、審議すべき事項に制限を加えるのは、 本末転倒といわざるをえない。  このように今回の法案は、教授会の権限を縮減する一方で、学長・副学長の 権限を強化し、さらに学長選考会議・経営協議会に梃子入れすることで大学運 営に対する外部からの容喙を従来よりも一層強く行いうるようにしている。  我々は、構成員が多様な意見をもって、自由闊達な活動を展開しているとこ ろに大学の知的活力を生み出す源泉があると考える。したがって、多様な意見 をくみ上げ、まとめ上げることによってではなく、外部の力も借りたトップダ ウンによって大学運営を行うことは、結局、活力の枯渇と発信力の低下を結果 するのではないかと危惧する。また、組織の健全な発展には、様々なレベルで チェック機能が働くことが不可欠である。そうした仕組みを失えば、大学とい う組織も荒廃を免れないのではなかろうか。  もとより我々もより良い大学を創生するための改革を否定したり、拒否した りするものではない。しかし、今回の「学校教育法及び国立大学法人法の一部 を改正する法律案」は、以上のようにあまりにも問題が多い。法案はすでに衆 議院を通過し、審議の場を参議院に移したということである。参議院において は、国立大学法人法の国会付帯決議(2003年7月)、「国立大学の法人化に当たっ ては、憲法で保障されている学問の自由や大学の自治の理念を踏まえ、国立大 学の教育研究の特性に十分配慮するとともに、その活性化が図られるよう、 自主的・自律的な運営の確保に努めること」を踏まえ、「良識の府」にふさわし く、本法案を廃案とされるよう、強く求めるものである。 呼びかけ人(五十音順) 明日香壽川(東北アジア研究センター教授) 小田中直樹(経済学研究科教授) 川端 望 (経済学研究科教授) 木村敏明 (文学研究科教授) 黒瀬一弘 (経済学研究科准教授) 小林 隆 (文学研究科教授) 座小田豊 (文学研究科教授) 佐竹保子 (文学研究科教授) 佐藤勢紀子(高度教養教育・学生支援機構教授) 嶋崎 啓 (文学研究科教授) 鈴木岩弓 (文学研究科教授) 高橋 満 (教育学研究科教授) 永井 彰 (文学研究科教授) 長岡龍作 (文学研究科教授) 名嶋義直 (文学研究科教授) 長谷川公一(文学研究科教授) 柳原敏昭 (文学研究科教授) 柳田賢二(東北アジア研究センター准教授) *注:有志87名には、呼びかけ人を含む。また、趣旨に賛同された理系教員若干 名を含む。 --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email kawabata@econ.tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm --------------------------- "[he-forum 18306] 学校教育法等改正案への反対声明(高知大学人文学部教授会)","皆様へ  高知大学の岩佐です。いつもお世話になっております。    さて、先ほど、高知大学人文学部教授会で、学校教育法等改正案への反対声明 が決議されました。取り急ぎ、お送りいたします。    なお、今回の反対声明の英語版も作成しております。日本語版とあわせて、高 知大学人文学部ホームページにアップされる予定です。      ┌────────────────────────────────┐ └────────────────────────────────┘    高知大学人文学部教授会声明 「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」    に反対します  政府は、現在開会中の第186回国会に「学校教育法及び国立大学法人法の一部を 改正する法律案」を提出し、会期中の成立を目指しています。私たちは、今回の 法改正によって「大学のかたち」が変質し、大学の自治ならびに学問の自由が危 機に陥るのではないかという重大な危惧を抱き、この声明を発するものです。  そもそも、今回の法改正の趣旨は、「ガバナンス改革の促進」、つまり、大学 運営において学長がリーダーシップを発揮しやすい環境を整備することにあると されています。その実態は、学長の権限強化の一環として学長補佐体制を強化す る一方、これまで「重要な事項を審議する」 1)と規定されてきた教授会の権限 を、学生の入学・卒業・課程の修了や学位の授与といった教育・研究領域に縮小 ・制限し、学長の求めに応じて「意見を述べる」諮問機関的な役割へと変更しよ うとするものです2) 。また、国立大学法人の学長選考については「学長選考会 議が定める基準により」の文言が追加され3) 、経営協議会については学外委員 比率を過半数にする規定が盛り込まれる等 4)、学長選考や大学運営のあり方を も大きく変更しようとしています。  今回の法改正は、中央教育審議会大学分科会『大学のガバナンス改革の推進に ついて(審議まとめ)』(2014年2月12日)で示されたように、グローバル化や イノベーション創出の視点を踏まえて大学の機能強化を図るためであるとして、 学長のリーダーシップによって予算・定員等の資源再配分や学部再編等を進める ことが念頭に置かれています。確かに、こうした法改正によって、学長が学内権 力を一手に握り、学長のトップダウン体制が制度的に保障されることになるのは 間違いありません。一見すると、スピード感のある効率的な大学運営が実現でき るように見えます。しかし、その反面、現場の教員で構成される教授会の権限は 剥奪・縮小され、教育・研究の現場に即した大学運営(大学の自治)が損なわれ るのは必至です。と同時に、学長の選出方法も、学長選考会議が主体となって決 定権を握り、教職員の総意を示す学内意向投票が軽視・廃止されたり、運営面で、 学長が恣意的に選んだ学外委員が経営協議会の多数派を占めることも想定されま す。こうした「暴走」を防ぐチェック機能も、監事の役割を除けば、法案の中で は一切想定されていません。  果たして、今回の法改正は、大学を、どのような方向に進めていこうとしてい るのでしょうか。学長への権力集中とは裏腹に、教職員や学生は大学運営の意思 決定から完全に疎外され、学長による学部長指名を通じて学長のトップダウン体 制が末端まで浸透することになるでしょう。そして、なんのチェックも受けない トップダウン体制が、簡単に「専制」「独裁」に堕するのは、歴史の教えるとこ ろです。さらに、国際競争力強化を掲げて無定見で中身のない大学改革と大学間 競争の中で、大学の教育・研究が学長のリーダーシップをテコに一時的な「国策」 に翻弄される恐れも考えられます。個々の教員は、一方的な評価を通じて競争・ 選別を強いられ、「国策」の名の下に短期的な判断によって「無用」とみなされ た教育・研究は、スクラップ対象となっていくことすら予想されます。学内権威 主義が確立し、教員・職員・学生という大学構成員による自治の制度的解体が進 めば、教員の自由で創造的な教育・研究は萎縮することになり、学生の主体的な 学びや成長は阻害されることになるでしょう。  このような流れは、学問や人類・社会の発展を危機的な事態に陥れることには ならないでしょうか。大学の自治や学問の自由は、戦前の国家権力による介入・ 弾圧という苦い経験から導き出された教訓ではなかったでしょうか5) 。また、 3.11東日本大震災・福島原発事故を経て、国策への奉仕の危うさと学問の自由の 大切さが、改めて浮き彫りになったのではないでしょうか。  私たちは、人文科学・社会科学の視座から、人間や社会に密着した教育・研究 に日々取り組んでいます。その際の出発点は、人間存在や人間が形成する社会の 多様性を評価し、それぞれの固有の価値を認めるところにあります。もちろん、 学生も多様であり、彼らは日々成長を遂げていきます。個性的で成長著しい学生 と日々関わりあっていくためには、個々の学生の目線に立ったきめ細かな教育を 実践していくことが大切であり、それによって多くの学生が社会に対して主体的 に貢献しようと志すようになります。  その意味で、大学運営は、教育・研究の自律性と下からの積み重ねが不可欠で す。そして、そのあり方を実際に即して検討・改善する場が教授会であり、その 議論を保障するものこそ、憲法23条に保障された「学問の自由」と「大学の自治」 であります。未来に向けて自ら舵を切る大学改革について、私たちは決して怠る ものではありません。しかし、学長に権限を集中し、一元的価値観に基づいて上 からの改革を推し進めていけば、教育現場において真の意味での改革を実現する ことはできないのではないでしょうか。  本来、大学とは、国策奉仕や職業訓練のためだけに存在するのではなく、人類 や社会の自由で多様な発展を支えることを使命としています。そして、そのこと が同時に、長期的には共同体の繁栄や共同体メンバーの幸福につながることは、 上で述べたとおりです。そうであるからこそ、大学は、多様な構成員が自由で創 造的な教育・研究を営み、それを土台に構成員同士の民主的な討議の中で運営さ れる知的共同体として形成されてきたのです。学長によるトップダウンではなく、 教職員や学生も含めた大学構成員の総意に基づく大学の自治は、学問の自由にと っても、さらには人類や社会の発展のためにも、不可欠な制度的条件であるとい えます。  以上の理由より、私たち高知大学人文学部教授会は、大学の自治ならびに学問 の自由、さらには人類や社会の発展を侵害しかねない今回の法改正に対して強く 反対するとともに、国会において徹底審議の上で廃案とすることを強く要求しま す。そして、私たちの声明に対して、大学人のみならず、学生や市民をはじめと する多くの人々が賛同されることを、強く訴えます。 2014年6月18日  第447回 高知大学人文学部教授会決議   ---------- 注 1 学校教育法第93条。 2 学校教育法改正案第93条。 3 国立大学法人法改正案第12条第7項。 4 国立大学法人法改正案第20条第3項、同第27条第3項。 5 例えば、沢柳事件や滝川事件の例が挙げられます。 前者は、1912年に京都帝国大学総長の沢柳政太郎が大学改革を理由に7名の教授を 専断で辞職させたところ、同大学の法科大学(法学部)の教員約40名が辞表を提 出して抗議した事件です。この結果、沢柳総長は辞職し、教授の任免について教 授会の同意が必要であるというルールや教員による学長選考の仕組みが、全国の 大学に広まりました。  後者は1933年、その思想が反国家的であるという理由で、京都帝国大学法学部 教授であった刑法学者の滝川幸辰に対して文部大臣が休職処分を下したところ、 それに抗議して法学部の全教員が辞表を提出し、結局、滝川を含む複数の教員が 辞職に追い込まれた事件です。 ------------ **************** 岩 佐 和 幸(IWASA Kazuyuki) 高知大学人文学部 国際社会コミュニケーション学科 〒780-8520 高知市曙町2-5-1 TEL:088-844-8244 FAX:088-844-8249 e-mail:kiwasa@cc.kochi-u.ac.jp URL:http://souls.cc.kochi-u.ac.jp/?&rf=59 **************** "[he-forum 18307] しんぶん赤旗6/20","しんぶん赤旗 2014年6月20日(金) 大学自治を掘り崩す 田村氏反対 改悪案が参院委可決  教授会の審議事項を「学生の入学・卒業」などに限定し、学長の諮問機関化する学校教育法と国立大学法人法の改悪案が19日の参院文教科学委員会 で、自民、公明、民主、維新、結い、みんなの党の賛成多数で可決されました。日本共産党の田村智子議員は反対討論に立ち、「大学の自治、学問・研究の自由 を脅かすものだ」と批判しました。  田村氏は、教授会は大学自治の根幹を担う機関として教育課程の編成や予算、人事など重要事項の実質的な審議・決定権を有してきたと強調。「教授会の役割を否定し、学長の上意下達の大学運営を確立することは大学自治を掘り崩す」と述べました。  法案が国立大学の学長選考基準を定めるとしていることについて田村氏は「学内の意思を民主的に反映させてきた学長選考意向投票制度を骨抜きにす る」と指摘。文科省が運営費交付金の重点配分を圧力に学部学科再編などの改革を進めようとしていることをあげ、文科省主導の「改革」を押し切る学長を選考 するのがねらいだと告発しました。  田村氏は、大学の経営評議会の学外者委員を過半数に増加させることについて「産業界の意向に沿わせるものだ。産業競争力を重視するあまり、基礎的研究や教育が軽視される懸念がある」「大学内での民主的な討論、意思決定こそ大学発展の力だ」と主張しました。= "[he-forum 18314] 北海道新聞6/16","北海道新聞 2014年6月16日付 奨学金返済の窮状訴え 札幌で弁護士が電話相談対応  学生時代に借りた奨学金の返済に困っている人の電話相談を受け付ける「全国奨学金返済問題ホットライン」が15日、全国17カ所で開設された。道内でも札幌の相談窓口に「失業して返済できない」などと窮状を訴える声が寄せられ、弁護士が返済の猶予制度などを説明した。  弁護士や大学教授らでつくる市民団体「奨学金問題対策全国会議」(東京)が昨年に続き実施した。札幌では「北海道学費と奨学金を考える会(インクル)」に所属する弁護士7人が中央区の北海道合同法律事務所で電話を受け、20~40代の本人と親、合わせて7人から相談が寄せられた。  相談の中には、返済猶予の制度を活用できず、奨学金の元金を上回る延滞金が発生してしまった例もあった。「数年前に失業したが、猶予が認められない。どうすればいいか」といった問い合わせもあり、弁護士が手続きの仕方を詳しく説明していた。  インクルによると、若年層の失業や非正規労働の増加で、独立行政法人日本学生支援機構(旧日本育英会)への返済が滞る人が増えている。インクルの橋本祐樹弁護士(33)は「減免や支払期限の猶予といった救済制度が十分に周知されていない」と話した。(関口裕士) "[he-forum 18313] しんぶん赤旗6/22","しんぶん赤旗 2014年6月22日付 学校教育法・国立大学法人法改悪 田村議員の反対討論 参院本会議  日本共産党の田村智子参院議員が20日の参院本会議で行った学校教育法・国立大学法人法改悪に対する反対討論(要旨)は以下のとおりです。  第一に、教授会を実態として学長の諮問機関化することは、大学の自治、学問・研究の自由を侵すものです。  教授会は、大学の自治の根幹を担う機関であり、多くの大学で、予算や教員人事に関わる事項を含め、教育・研究に関する重要な事項について実質的な審議・決定権を有しています。本法案は、こうした教授会の役割を認めず、「学長に意見を述べる」機関に矮小(わいしょう)化し、さらには審議事項も制限して、大学運営のあらゆる事項を学長個人の決定で行わせようとしています。  審議の中で、例えば入試での合否判定は教授会が決定し、その決定を学長が執行することを可能としなければ大学運営に支障をきたすと指摘しましたが、これさえも「学長が決定する」と、教授会決定を学長がくつがえすことはありうるとの答弁に終始しました。  学長が数千人、数万人の受験生の合否判定を行うなどありえず、教授会の決定を学長が変更することになれば、学長の恣意(しい)的な判断による不正入試さえ起こりえます。それでも、教授会の決定権限を断固として認めない、このような法案は、あまりに陳腐であり、むしろ大学の公正円滑な運営を阻害すると言わなければなりません。  政府は、教授会が法律をふみこえて権限を持たないように、国公私立すべての大学で学則・内規の見直しが必要、そのガイドラインを有識者会議でつくることまで明言しました。このように、大学自治に政府が介入し、上意下達の組織へと改変することは許されません。  第二に、学内の意思を民主的に反映させてきた学長選考意向投票制度を骨抜きにすることは重大です。  学長選考基準として、大学改革をすすめる資質能力の評価があげられました。文科省は各大学に「ミッションの再定義」を策定させ、これにもとづく改革を強力に進めようとしています。この中には、「大学の強み」とされた研究分野に大学内の予算を集中させる、そのための学部学科再編の検討までもりこまれています。  このような改革を学内の反対を押し切ってでもすすめることができる人物を学長にすえようという狙いは明らかです。  本法案は、文科省が省令改正で行おうとしていたものを、経済同友会のメンバーなどが再三「法改正で」と文科大臣に要望したことから急きょ法案として提出されたものです。  日本経団連は、昨年12月、「イノベーションの創出に向けた国立大学の改革について」との提言をまとめ、グローバル競争を企業が勝ち抜くために、産学連携の研究の強化、国立大学運営費交付金の基盤的経費を大胆に圧縮し、産業競争力につながる研究や人材育成への重点配分を政府に要求しています。  短期間に成果を求められる研究環境、基盤的経費の圧縮による教員・研究者の非正規化は、すでに日本の大学に深刻な疲弊・停滞をもたらしています。このような改革に大学の未来はありません。  教授会をはじめ大学内での民主的な討論、意思決定こそ、学問研究を発展させる力であることを指摘し、反対討論を終わります。 "[he-forum 18312] 日本経済新聞6/21","日本経済新聞 2014年6月21日付 大学入試の新テスト、知識より思考 中教審答申案  中央教育審議会(中教審)は20日、大学入試センター試験に代わる「達成度テスト(仮称)」のうち、一般入試の合否判定に活用される「発展レベル」の答申案を示した。大学生に必要な学力を「知識・技能を使える能力」と明記。教科の枠組みにとらわれず、思考力をはかる出題形式を新たに採用する。多面的な人物評価を通じたグローバル人材の育成が狙いだが、具体的な出題内容や評価基準などの制度設計は道半ばだ。  新たな大学入試選抜のあり方を議論してきた中教審の高大接続特別部会長の安西祐一郎・日本学術振興会理事長は、答申案を示し「大学入試は知識の活用力を問う形に変わる」と強調した。  達成度テストには高校段階の基礎学力の定着度をはかる「基礎」と、大学教育を受ける能力を判定する「発展」の2つのレベルがあり、同部会は発展レベルについての検討を続けてきた。  答申案が示された発展レベルは、現在、小学6年生で2021年春に入学予定の受験生から導入される。センター試験との主な違いは、実施回数と実施教科、成績表示の方法の3点だ。センター試験の受験機会が1回限りなのに対し、発展レベルは年2回に増やした。  試験科目も、現行は教科ごとの学習範囲から出題する6教科29科目だが、発展レベルでは、教科の枠組みにとらわれない「総合型」や、複数の教科・科目にまたがって出題する「合教科・科目型」の問題を新たに採用するとした。  同部会は「総合型」と「合教科・科目型」の出題内容を、それぞれ「学習で得た知識・技能を、総合して解決すべき内容」「複数の科目の学習内容を用いて解決すべき内容」と定義した。  例えば「合教科・科目型」では、英語で出題された数学の問題を解いたり、地理と数学の知識を生かして地図上に示された土地の面積を計算したりするといった内容を想定する。  3点目として「1点刻み」の成績表示から、試験の素点を基に数段階のレベル別に表示することとした。これらの変更点は、いずれも「限られた一部の能力を評価するのではなく、多面的・総合的に評価するものへと転換すべきだ」とする入試改革の方向性を明示することで、知識偏重からの脱却を目指している。  答申案は発展レベルの受験後、各大学が独自に行う2次試験のあり方にも踏み込んだ。2次試験の見直しで最優先と位置付けたのは、多面的な人物評価基準の導入だ。  面接や集団討論、高校在学中の活動実績などの多様な経験を総合的に評価するよう大学側に要請した。各大学の入試改革を後押しするため、国に対しても制度変更に前向きな大学を重点的に財政支援することを求める。  昨年11月以降、8回にわたる議論を経て答申案は示された。改革の狙いについて「知識・技能を活用する力を育成することで、新たな価値を創造したり、多様な人々の中で活躍したりできる人材を育成したい」と改めて言及している。 "[he-forum 18311] NHKニュース6/21","NHKニュース 2014年6月21日0時19分 教授会役割限定 改正学校教育法など成立  学長主導で大学改革を進めるため、多くの大学で事実上の意思決定機関となってきた「教授会」の役割を限定するなどとした改正学校教育法などが、20日の参議院本会議で可決・成立しました。  改正学校教育法と改正国立大学法人法は、急速なグローバル化が進むなかで、各大学が国際競争力を高めていくため、学長のリーダーシップの下で、それぞれの強みや特色を生かした運営ができるよう、大学の組織の規定や学長の選考の在り方を見直すものです。  このうち、改正学校教育法では、学長主導で大学改革を進めるため、多くの大学で事実上の意思決定機関となってきた「教授会」の役割を見直して、教育研究に関する事項を審議し、学長に意見を述べることなどに限定するとしています。また、改正国立大学法人法では、学長の選考の透明化を図るため、選考の基準や結果の公表を義務づけています。  改正学校教育法と改正国立大学法人法は、20日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と、民主党、みんなの党、日本維新の会、結いの党、生活の党などの賛成多数で可決され、成立しました。改正学校教育法と改正国立大学法人法は、いずれも来年4月に施行されます。 "[he-forum 18310] 読売新聞6/20","読売新聞 2014年6月20日付 第一原発廃炉へ国際研究拠点…16年度中にも 特集 福島原発  政府は19日、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向け、国内外の研究者らを集めた産官学共同の研究拠点「安全廃止措置国際共同研究センター」(仮称)を新設することを決めた。原子炉内で溶け落ちた核燃料(デブリ)の回収など現在は技術的に困難な作業を世界の最先端技術の研究を通じて実用化し、廃炉に道筋をつける狙いがある。2016年度中にも運用を開始したい考えだ。  下村文部科学相は19日、首相官邸で安倍首相と会い、研究センター設置などを盛り込んだ「福島第一原発の廃止措置等研究開発の加速プラン」を提出した。首相は「廃炉について、政府が前面に立ってやるうえで前進だ」と了承した。  政府は当初、国内の2~3大学を指定し、メーカーなどと共同して廃炉の研究開発を進める方針だった。しかし、日本の技術だけでは廃炉作業の難航が予想され、海外の専門家も含めた研究拠点が必要だと判断した。政府は整備に必要な経費を来年度予算に盛り込む方向で調整する。 "[he-forum 18309] しんぶん赤旗6/20","しんぶん赤旗 2014年6月20日付 大学自治を掘り崩す 田村氏反対 改悪案が参院委可決  教授会の審議事項を「学生の入学・卒業」などに限定し、学長の諮問機関化する学校教育法と国立大学法人法の改悪案が19日の参院文教科学委員会で、自民、公明、民主、維新、結い、みんなの党の賛成多数で可決されました。日本共産党の田村智子議員は反対討論に立ち、「大学の自治、学問・研究の自由を脅かすものだ」と批判しました。  田村氏は、教授会は大学自治の根幹を担う機関として教育課程の編成や予算、人事など重要事項の実質的な審議・決定権を有してきたと強調。「教授会の役割を否定し、学長の上意下達の大学運営を確立することは大学自治を掘り崩す」と述べました。  法案が国立大学の学長選考基準を定めるとしていることについて田村氏は「学内の意思を民主的に反映させてきた学長選考意向投票制度を骨抜きにする」と指摘。文科省が運営費交付金の重点配分を圧力に学部学科再編などの改革を進めようとしていることをあげ、文科省主導の「改革」を押し切る学長を選考するのがねらいだと告発しました。  田村氏は、大学の経営評議会の学外者委員を過半数に増加させることについて「産業界の意向に沿わせるものだ。産業競争力を重視するあまり、基礎的研究や教育が軽視される懸念がある」「大学内での民主的な討論、意思決定こそ大学発展の力だ」と主張しました。 "[he-forum 18308] 毎日新聞高知6/19","毎日新聞高知版 2014年6月19日付 大学改革:改正法案、教授会が反対声明−−高知大人文学部  高知大人文学部教授会(吉尾寛学部長、92人)は18日、学長の権限強化を柱とした学校教育法と国立大学法人法の改正案について反対を決議し、声明を発表した。  政府は4月、学長のリーダーシップを強め、大学改革の促進を目的に改正法案を閣議決定。来年4月の施行を目指し、国会で審議している。改正法案では、教授会は学長の諮問機関的位置づけに権限を縮小▽経営協議会の過半数を学外委員とする−−などの内容を含んでいる。  声明は「大学の自治と学問の自由が危機に陥る」と強い危機感を表明。「学長のリーダーシップをテコに一時的な『国策』に翻弄(ほんろう)される恐れも考えられる」と訴えている。【上野宏人】 "[he-forum 18315] しんぶん赤旗 6/24","しんぶん赤旗 2014年6月24日(火) 主張 学校教育法改悪 大学の自治守る共同をさらに  大学の自治を破壊する学校教育法・国立大学法人法の改悪法が、日本共産党などの反対、自民、公明の与党と民主、維新、みんななどの賛成多数で可 決、成立しました。国会審議を通じ、「学長独裁」の運営を可能にし、大学の自治、学問の自由を脅かす悪法の重大な問題が明らかとなり、大学関係者の厳しい 批判の声が広がりました。これを無視し、衆参合わせてわずか5日の委員会審議で打ち切り、国会最終日に強行した各党の責任が厳しく問われます。 教授会権限が焦点に  日本共産党の宮本岳志衆院議員は、学校教育法の制定時に教授会が大学自治の中心的担い手とされたことに照らして、教授会の権限を弱めれば学長独裁の大学に変質する危険を追及しました。  田村智子参院議員は、入試での合否判定を例に、教授会が教育研究の重要事項の実質的な決定権限をもつことを示しました。合否判定の教授会決定を学長が覆せば、恣意(しい)的判断が疑われ、大学の公正円滑な運営が阻害されます。  審議を通じて、文科省は、ことさら学長に最終決定権があることを強調する答弁に終始しました。教授会が持つ実質的な権限を奪うことに、法改悪の狙いがあることが浮き彫りとなりました。  政府は、改悪法の施行をうけて各大学が学内規則を見直す必要があるとし、そのためのガイドラインを策定することを明らかにしています。学内規則は 「大学が主体的に決めるべきもの」と答弁しながら、実際には文科省主導で学内規則を変えさせるもので、大学への介入にほかなりません。  法改悪に反対する大学関係者の共同は、国公私立の違いを超えて大きく広がりました。大学教職員、大学院生、非常勤講師、若手研究者、さらには教授会や学会など、さまざまな立場から反対声明が上がったことは画期的なことです。  マスメディアも「この改革案は大学本来の強みを損ないかねない」「一律に学長主導を制度化しなくていい。右向け右は大学に最も似合わない」(「朝日」16日付)と批判する社説を掲げました。  法施行にあたっては、政府による大学介入を許さず、教授会の意見を尊重する学内規則を維持するかどうかが焦点になります。関係者の共同をさらに広げ、各大学で民主的合意をつくることが期待されます。  学長が教育研究の重要な事項を、教授会の意見を聞かずに決定することへの懸念に対して、参院文教科学委員会の付帯決議が「学長が教授会の意見を聴くことが必要な事項を定める際には、教授会の意見を聴いて参酌するよう努める」としたことは、今後に生かせるものです。 政府の介入を許さない  各大学の学長選考会議が学長像などの選考「基準」を定めるにあたって、「政府は介入するな」との田村議員の追及に、「決定過程及び決定後を問わず、その内容について干渉するものではない」と答弁したことも重要です。  学長が教学事項について教授会に委任することは「法律上禁止されない」ことも確認されました。  政府による大学介入を監視するとともに、憲法の学問の自由と大学の自治の原則にそって、「学問の府」としての見識を踏まえた民主的な大学運営を守るために、日本共産党も力を尽くします。= "[he-forum 18316] 高知新聞6/24","高知新聞2014年6月24日(火) 【大学の運営】学長権限強化で大丈夫か  学長がリーダーシップを発揮しやすくなる半面、「大学の自治」や「学問の自 由」が後退する恐れはないのだろうか。    学長主導の大学運営や改革に道を開く改正学校教育法が成立した。すべての国 公私立大学が対象で、来年4月に施行される。    改正法の最大のポイントは、教授会の審議項目を限定したことだ。①学生の入 学、卒業、課程の修了②学位授与③教育研究に関する重要事項――と大きく三つ に分類される。    これらを学長が決定する際、教授会は「意見を述べる」諮問的な機関に位置付 けられた。    しかも3番目の重要事項は、「学長が教授会の意見を聴くことが必要と認める もの」と、さらに限定される。学長の権限強化が中心の法改正だ。    改正前は、教授会が審議する事項を具体的に定めていなかった。研究や教育、 人事、予算など大学運営に直接関わる部分を対象とし、教授会は事実上の意思決 定機関となってきた。    教授会は、専門が違う研究者が多様な視点から意見を出し合う場だ。学校運営 にそうした声が生かされることで、大学の自治や学問の自由が保障されてきた面 がある。    今回の法改正には、高知大人文学部教授会や山形、山口大などの教職員組合が 反対声明を出している。教授会が学長の「諮問機関」にされては、大学の自治は 守れないとの強い危機感があるからだ。    文部科学省は近年、「学長のガバナンス(統治)強化」の方針を掲げ、法改正 もその流れに沿っている。    新学部創設などの際、トップダウンで決定できれば改革はスムーズに進むかも しれない。日本は欧米と比較し、研究や資金面で見劣りする大学が多い。文科省 は、世界に通用する大学を増やすためにも学長権限を強化し、改革を加速化させ たい考えだ。    大学全入時代を迎え、確かに大学も変革を求められている。だが、トップダウ ンの改革で、これまで守ってきた大学自治や学問の自由が失われては、本末転倒 だ。    学生と一番身近に接しているのは教員で、教育や研究には当然時間がかかる。 大学改革が、今の学生やこの先入学してくる子どもたちの教育にどう生かされる のか。将来の大学教育を見据えた論議が必要だ。 "[he-forum 18320] 読売新聞岐阜6/23","読売新聞岐阜版 2014年6月23日付 岐阜大に国際教養コース 16年度  岐阜大学は、地域科学部に外国人と日本人を対象にした国際教養コースを2016年度に新設する。文科省が進める大学教育のグローバル化の取り組みの一環。日本語や日本文化に精通した外国人の人材育成と、海外で活躍する日本人の人材を増やすのが狙い。  同大には現在、中国や東南アジアなどから約320人の留学生が在籍している。だが、日本語や日本の生活習慣が壁となって、国内で就職する人は少ないという。  このため、同大と学術交流協定を結んでいる東南アジアやアメリカなど計44の大学を通して、留学生を募集。日本語ができる人材を育成し、国内の企業などで活躍してもらうことを目指す。  初年度の外国人は、10人程度を募集する。最初は英語で日本語を教えた後、日本の歴史や文化、政治、経済などについて教える。2年生後期から3年生前期にかけて1年間、県内の自治体や企業でインターンシップ(就業体験)をしてもらう予定。  現在、受験方法などについて検討している。外国人に、日本語や日本文化を教えるコースは他大学にもあるが、インターンシップ制度まで取り入れている大学は珍しいという。  また、日本人の学生は、学術交流協定を結んでいる大学で1年間勉強し、30単位を取得する必修のカリキュラムを導入する予定。募集人員は10人程度を検討中。  森脇久隆学長は「地域だけでなく世界に貢献できる人材を育てて、大学のプレゼンス(存在感)を高めていきたい」と話している。 "[he-forum 18319] 北国新聞6/25","北國新聞 2014年6月25日付 募集減らし「踏ん張る」 金沢大法科大学院、25人を15人に  金大は2015年度の法科大学院の募集人員を25人から15人に減らす。削減は40 人を25人とした2010年度以来、2度目。政府が昨年、司法試験の合格者数を「年間 3千人程度」とする計画を撤回して以降、補助金削減などへの対策として、定数を減らし たり、募集をやめたりする大学が増える中、金大は東京での入試や「飛び入学」制度と合 わせ、質の高い学生を確保するとともに定員に対する充足率アップを図る。  法科大学院を出なくても司法試験を受験できる「予備試験」の志願者数増加に伴い、法 科大学院の入学希望者は減少が続いている。文部科学省によると、今年春の入学者実績は 全国で2272人と過去最低を記録し、金大も前年度より12人少ない8人(充足率32 %)にとどまった。  金大は今年度の入試から、定員割れ対策として、試験会場に東京を追加し、時間的負担 の軽減につながる「飛び入学」制度を設ける。さらに、競争倍率や充足率向上のため、定 員削減を決め、文科省に報告した。  金大の佐藤美樹法務研究科長は、金大法科大学院が過去10年で77人の司法試験合格 者を輩出しているとし、「北陸三県で活躍する人材も多い。地域法曹界を支える存在とし て、何とか踏ん張らないといけない」と強調した。  入学者の募集をめぐっては今年3月に新潟大が15年度からの募集停止を発表。ピーク 時に74校あった法科大学院のうち、既に姫路独協大が廃校となり、新潟大のほか14校 が募集停止を決めている。  金沢弁護士会の金大法科大学院支援委員長を務める犬塚雅文弁護士は「地域の問題に対 処するには、地域に根差した弁護士が必要。定員を減らしても存続を選択してくれたこと は喜ばしい」と歓迎した。  金大法科大学院の入試説明会・見学会は24日、同大角間キャンパスで開かれた。14 人が入試に関する説明などを受け、講義棟や模擬裁判の授業風景を見て回った。 "[he-forum 18318] 全大教声明","2014/06/25 全国大学高専教職員組合中央執行委員会【声明】 大学自治を否定し学長を介した大学への政治介入の道を開く 学校教育法・国立大学法人法の改悪に抗議します      6月20日、参議院本会議において「学校教育法及び国立大学法人法の一部改正に関する法律案」が可決・成立しました。   今回の法改正によって、教授会が諮問機関化され審議項目が制限されることによって、学長の専権体制が築かれます。そして、国立大学法人について、学長選考 基準を定め公表することは、学長が教育研究部門と経営部門の両方の代表者であるという位置づけのうち、経営の論理が優越することにつながり、大学の教育と 研究の力が弱まる結果を引き起こす懸念があります。経営協議会の学外委員の比率を過半数とすることも、学内の意向を軽んじた大学運営が横行することにつな がります。  全大教は、この法案のもととなった中央教育審議会大学分科会の『大学のガバナンス改革の推進について(審議まとめ)』 (2014年2月12日)の撤回を求め、また法律案にも反対してきました。「学校教育法改正に反対するアピール署名をすすめる会」の事務局団体として署名 活動を支え、7,252筆の署名を集め、国会議員等へ届けてきました。多くの大学教授会や教職員組合、その他有志の会などが法律案の廃案を求める決議や声 明を発表しています。国会審議の中では、現行の学校教育法での「大学には、重要事項を審議するため、教授会を置かねばならない」(学校教育法第93条)を なぜ改正しなければならないのかについて、納得いく政府の答弁はありませんでした。  大学自治は歴史的に培われ国際的に認められた大学のあり方そのものです。改正の方向性は、教授会の果たす役割に対する全くの無理解にもとづく、大学のあり方を根本から変え、大学を大学ではなくしてしまうものです。   改正法が施行されれば、大学、とくに国立大学法人法の下に置かれた国立大学は、学長の専権体制の下、学長が示す大学運営の方向には異を唱えることはでき ず、教員集団の自由闊達な議論は阻害され、知の拠点としての活力は消え失せてしまうことが懸念されます。大学の学長はその大学の教育研究部門の長です。そ のことが、これまで学長が学内の選挙によって選ばれてきた理由です。今回の改正で学長選考基準の策定と公表が求められているのは、成長戦略という国策に 沿った大学経営を進める学長を選ぶという政府の意向の現れであり、政府による大学の教育と研究への介入が、これまで以上に容易に露骨に行なうことができる ようになります。今回の法改正は、学問の自由の基盤となる大学自治の諸制度を否定する意図をもって行なわれました。この法改正の方向性にそった改革を進め ることは、基本的人権として保障されている学問の自由を掘り崩す、日本国憲法に反するものです。  これら改正法が与える影響は、あらゆる 人が高等教育の場でそれぞれが求める教育を受ける権利を狭め、また学問の自由が保障されていることによって生まれる学術の成果を享受する権利を奪い去るも のです。民主的な市民を育てる大学の重要な役割も発揮できなくなり、日本の社会が人類共通の価値とは逆行する結果を引き起こすものです。  私たちは、多くの問題を含み非常に重大な結果をもたらす今回の法改正が、短時間の不十分な国会審議で成立させられたことに強く抗議します。  私たちは、今後とも、社会の民主主義の発展とともに勝ち取られてきた重要な権利である学問の自由、大学自治を守るために力を尽くします。私たちは、これらの権利を押し広げ、活用することで、高等教育の活動がひろく社会に貢献するために力を尽くしていきます。 "[he-forum 18317] 組合定期大会で三特別決議を採択","  定期大会で、学校教育法等改悪抗議、解釈改憲反対、    人事院の給与制度見直し反対の三決議を採択  名古屋大学職員組合は、6月21日に開催した第58回定期大会において、 「学校教育法及び国立大学法人法の改悪に抗議し、学問の自由と大学構成員 の総意にもとづく大学の自治により、多様で創造的な教育・研究と名古屋 大学の発展をめざそう」「『解釈』による集団的自衛権の承認に反対する」 「人事院の『給与制度の総合的見直し』に反対する決議」という三つの特別 決議を採択しました。  その決議の概要は以下の通りです。 1.学校教育法及び国立大学法人法の改悪に抗議し、学問の自由と大学構成  員の総意にもとづく大学の自治により、多様で創造的な教育・研究と  名古屋大学の発展をめざそう 《概要》  今国会で成立した「学校教育法等改正案」は、大学での教授会の審議権を 奪い、教学・経営等意思決定の権限をすべて学長に集中させ、学長が独断で 決定することを可能とする。その目的は、時の為政者にとって都合の良い 教育・研究を大学に行わせようとするもので、多様で創造的な教育・研究を 発展させるために必要な、大学の自治、学問の自由を脅かす。  国立大学法人法「改正」では、学長選考会議に学長選考の基準を定める 権限を与え、学長選考に対する意向投票を骨抜きにしようとする。また、 大学経営協議会の外部委員を「過半数」とし、大学の運営を財界人や官僚の 意向に従属させ、学長のリーダーシップさえも損なう。学長のリーダー シップは学問の多様性、創造性を引き出すために、全構成員の総意を結集・ 調整することによって発揮できる。  学校教育法及び国立大学法人法の改悪に抗議し、学問の自由と、全構成員 の総意にもとづく大学の自治をより強固なものとし、名古屋大学平和憲章と 名古屋大学学術憲章をかかげ、自由闊達に、多様で創造的な教育・研究を すすめ、名古屋大学の発展をめざすことを決意する。 2.『解釈』による集団的自衛権の承認に反対する 《概要》  「解釈」によって集団的自衛権を容認することに反対する。  第1に、集団的自衛権の行使を容認することは、憲法9条を改正するに 等しいが、こうした手続を採っていない。このことは立憲主義の精神に反 する。  第2に、こうした重要な規範を一内閣の解釈で変更できるなら、法的な 安定性に欠ける。  第3に、政府の解釈による集団的自衛権の行使の容認は、民意を反映して いない。  第4に、解釈改憲により軍備強化が図られるようになれば、大学の研究 がそれに取り込まれる危険も高まる。「平和憲章」を持つ名古屋大学で働く 私たちは、その芽をいち早く断つ責務がある。  立憲主義、平和主義、そして民主主義を尊重する視点から、こうした解釈 という姑息な手段を用いた改憲に反対する。 3.人事院の「給与制度の総合的見直し」に反対する決議 《概要》  人事院は、今年、「給与制度の総合的見直し」を勧告する準備を進めて いる。その内容は、民間賃金の低い地域にあわせた給与水準の引き下げ、 高齢層の給与水準の引き下げ、地域手当支給率の見直し、上位の昇給号俸数 の抑制というもの。  この内容で勧告が行われ、給与法改正が国会で可決・成立し、国公立大学 法人が、これに準じた賃金引き下げを実施すれば、一部の大都市所在の大学 を除いて賃金引き下げとなる。国立大学教職員の給与は、国家公務員と比較 しても低い水準に置かれている。これでは優秀な人材を私立大学へと流失 させる。  全国と地域で可能な共同の取り組みを行い、「給与制度の総合的見直し」 反対の行動に連帯し、「給与制度の総合的見直し」による賃金の切り下げの 反対行動を行う。                                以上 全文は以下のURLから参照してください。  学校教育法及び国立大学法人法の改悪に抗議し、学問の自由と大学 構成員の総意にもとづく大学の自治により、多様で創造的な教育・ 研究と名古屋大学の発展をめざそう http://nu-nc.nuufs.org/index.php?action=multidatabase_action_main_filedownload&download_flag=1&upload_id=886&metadata_id=30 『解釈』による集団的自衛権の承認に反対する http://nu-nc.nuufs.org/index.php?action=multidatabase_action_main_filedownload&download_flag=1&upload_id=887&metadata_id=30 人事院の「給与制度の総合的見直し」に反対する決議 http://nu-nc.nuufs.org/index.php?action=multidatabase_action_main_filedownload&download_flag=1&upload_id=888&metadata_id=30 *************************************************************** 戸 田 貞 一 Toda Teiichi 名古屋大学職員組合専従書記・中央副執行委員長     〒464-0814 名古屋市千種区不老町        名古屋大学工学部2号館332   TEL.052-789-4913 FAX.052-781-4072 MailAddress:toda.t@nuufs.org **************************************************************** ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18321] 山形新聞6/27","山形新聞2014年06月27日 14:42 重粒子線装置、治療開始は19年10月に 山形大医学部、調達に時間  山形大が医学部への導入を目指す次世代型重粒子線治療装置について、資材調達に時間を要することなどから、治療開始予定が2019年10月となる見通し となったことが26日分かった。従来の計画から1年間延びた。同大医学部と関連病院で構成する山形大蔵王協議会(会長・嘉山孝正同大学長特別補佐)の臨時 総会が同日、山形市の同学部で開かれ、導入スケジュールが示された。  計画では15年度に装置本体の設計に着手。これまでは群馬大重粒子線医学研究センターの事例などから建設期間を3年間と見込み、18年10月の稼働を目指していたが、計画を精査した結果、特殊装置の調達に時間を要することが分かったという。  臨時総会ではこのほか、装置の建設費約150億円について、国から割り当てられる予算のほかに自治体や民間企業、県民からの支援などで50億円ほどを確保する必要があるとし、加盟病院や会員の医師らに寄付の協力を求めた。 "[he-forum 18322] 朝日新聞6/28","朝日新聞 2014年6月28日12時57分 教育2014 青森)弘前大、学長権限を強化 須田世紀  大学の学長の権限を強める改正学校教育法が22日閉会の通常国会で成立した。少子化と国際競争の時代に「生き残る」ためリーダーシップを発揮させる狙いだが、「独裁」を懸念する声も。学長は以前にも増して重い責任を背負う。  弘前大学の佐藤敬学長は27日、弘大のガバナンス(統治)改革の概要を記者会見で発表し、「(大学の)法人化から10年。そのメリットを生かし、機能の強化を図っていく」と語った。  この改革は「スピード感を持った改革」を促す中央教育審議会の取りまとめなどを踏まえたもの。学長室の設置、学長、学部長の選考方法の変更などが柱だ。  新設の学長室は、統括的な観点からの調査分析や企画立案によって学長を補佐する役割を担う。  学長選考は、これまで教職員らの意向投票を経て、評議委員、役員らで組織する学長選考会議が最終的に決定してきた。改革後は学長選考会議の委員が推薦した候補者の中から、選考会議が直接決定する。委員に学外メンバーを加えることで、幅広い意見を生かす狙いがある。  学部長の選考方法は、これまで各学部の教授会が推薦した候補者を学長が「追認」してきた。改革後は学長が直接任命する。学長のリーダーシップの下、速やかに意思決定するためだ。  ただ、学長が直接選考した学部長らで周囲を固めることを懸念する声が職員の間にある。3月28日の学長説明会では教職員側から不安や反対の声も出た。  佐藤学長は「そういう(独裁的な)人が選ばれないようにしないといけない。本学を引っ張るにふさわしい人材を育てていくのが責務」と述べた。  選考の際には、選考する学部長の前任者ら当該学部の職員の意見を聴き、場合によっては推薦を依頼することも考えられるという。また、他学部や外部の人材の登用も「あり得る」(総務課)としている。 ■「大学なぜ存在?議論なく」  ガバナンス改革によって学部長の選考方法を変えた国立大学は、文部科学省国立大学法人支援課が把握するところでは弘前大、山口大の2大学。東北地方では先陣を切っての取り組みだ。  岩手大学ではガバナンス改革を受けて今年4月に学長室を設置。学長のリーダーシップを支援する役割を担う。ただ、学部長選考変更については「検討していない」(総務広報課)。現在注力しているのは「学部や学科の構成など、組織のあり方」の議論という。  一方、学部長選考方法を今年4月に変更した山口大は、各学部が原則3人以内の複数の候補者を推薦。その候補者の中から学長や理事らで組織する役員会の面接によって決める。同大広報課によると、選考方法についての質問はあったものの、「強い反対意見は出なかった」という。  今年3月まで弘大教職員組合の委員長を務めた麓信義名誉教授は、「2月に突然話が出てきて、急な議論に不安を覚えた」と振り返る。組合がマスコミに文書を送って問題提起したり、複数の教授が大学側に十分な審議を求める要望書を提出したりしたが、訴えは実らなかった。  麓名誉教授は学長のリーダーシップ発揮の必要性は認めるものの、「教職員側も含め、『自分たちの大学は何のために存在するのか』という議論をしてこなかった。今回の改革は大学の自主性によるものではない」と話す。  文科省の担当者は「学長のリーダーシップ発揮はガバナンス改革の柱」。ただ、「学長の独裁」を危惧する教職員らの声も意識し、「選考方法は各大学の判断だが、バランスを取って欲しい」と話した。(須田世紀)= "[he-forum 18328] 朝日新聞7/1","朝日新聞 2014年7月1日05時00分 (教育2014 大学を経営せよ!)リストラ、学科も教授も  大学職員の役割が大きくなった分、教員の影が薄くなっている。これまで学生支援でも大学の運営でも中心となってきた教員たちだが、経営力の強化と効率化の波に追いつけなくなっているとも指摘される。  少子化によって経営環境の厳しさが増す中、人件費が削られ、学科の統廃合や科目の削減が進むとどうなるのか。財政危機をきっかけに全国規模でリストラの嵐が吹き荒れたのが、イタリアだ。学生による暴動も起き、改革の影響は今なお続いている。  6月上旬。ローマ大学東洋研究学科の大教室では「東洋美術」の試験が行われていた。講座はもともと、「日本美術」や「中国美術」などに分かれていたが、一つになった。3年生のレオナルド・ジリオさん(22)は、「日本文化を学ぼうと学科を選んだが、日本を専門に学べる講座がない。予算削減で教育の質は悪くなった」と言う。  2009年から10年にかけて当時のジェルミーニ教育大学研究相は、大学の研究予算を7%削減した。10年にできた法律では、学生の集まらない学 科が統廃合を迫られた。「8割を人件費にかけていた古い体質を変えた。国の強化のために働けるか、大学の経営が問われている」。改革の意義について、ジェ ルミーニ氏はいま、こう言い切る。  予算カットで、正規の大学教員の新規採用数は激減した。大学史に詳しいボローニャ大学のアンナ・ラウラ・トロンベッティ教授(中世史)は「研究者 が不安定な『契約教授』になり、教員の3割以上を占めるようになった」。ローマ大では11あった学部を八つの学科に統合し、ラテン語学科は古典研究科に統 合された。マティルデ・マストランジェロ東洋研究学科長は「人気がなくても重要な学問にとっては、毎日が戦いだ」とため息をつく。  ローマ大では、学科の予算執行権限も来年から、学科長から職員による事務局に移るという。「教授会で学科のポリシーを決めても、事務局に予算決定権がある。学科で本を買うにしても、手続きに時間がかかるのではないか」。マストランジェロ学科長は心配する。  その一方で、改革で教員の研究や教育内容を評価する仕組みができ、教員が第三者の目を意識するようになったとのプラスの見方もある。現職のジャン ニーニ教育大学研究相は、「改革のいい面は強化していく」と評価したうえで、「教員の評価システムを国際的な基準に見合ったものにすることで、大学間の競 争力を高めていきたい」と話す。  日本の大学にも効率化の大波が押し寄せている。学生を集めやすい教育内容と、就職に有利な実学が重視される一方、消えていく講座もある。しかし、 大学は学生の教養を広げる教育機関として、学問の多様性を保障する責務を負っている。教員こそが、効率化を求める企業とは違う大学の役割を担うことができ る。学長の権限が大きくなっても、それは変わらない。= "[he-forum 18327] 朝日新聞7/1","朝日新聞 2014年7月1日00時51分 大学職員、教授に教え方支援 授業支える専門家に  学生にいかに教え、いかに学ばせるか。自己流の教授たちに大学職員が指南する時代になっている。 ? 特集・教育2014  6月下旬の夕刻、追手門学院大学(大阪府)の講師室で、職員の辰巳早苗さんが1時間近く、民俗学の教員と向き合っていた。「先生が一方的に話すよりも学生同士が説明し合うと、学生の深い理解につながるのでは?」。そんな会話が進んでいた。別の日には、授業をのぞいて回る。「板書が多すぎるかも」などとリポートにしてやんわりと提言するつもりだ。  辰巳さんは、熊本大学の大学院で「教授システム学」を学んでいる。いわゆる「教え方のプロ」を目指すコースだ。職員に指摘されることに慣れていない教授に信頼されるには修士が必要だと考えている。  来年度から京都経済短大で医療事務などの資格取得に結びつく講座が開設されることになったのも、職員のアイデアだった。発案者は「小規模大学ならではの柔軟さがあった」。  いま大学職員は、教員を上回るペースで増えている。文部科学省によると、2013年度の職員数は約22万人。03年度と比べ、25%も増えた。  「スタッフさん」とも呼ばれる事務員から、教授と対等に渡り合う専門家へ。大学職員はいまや、募集倍率が数百倍になる人気職業になった。不安定な研究者として大学に残るよりも、学生を支える職員を目指す方がいい。就職活動中の学生たちの間でそんな発想が少しずつ広がっている。 ■財政難のイタリア、学科も教授もリストラ  大学職員の役割が大きくなった分、教員の影が薄くなっている。これまで学生支援でも大学の運営でも中心となってきた教員たちだが、経営力の強化と効率化の波に追いつけなくなっているとも指摘される。  少子化によって経営環境の厳しさが増す中、人件費が削られ、学科の統廃合や科目の削減が進むとどうなるのか。財政危機をきっかけに全国規模でリストラの嵐が吹き荒れたのが、イタリアだ。学生による暴動も起き、改革の影響は今なお続いている。  6月上旬。ローマ大学東洋研究学科の大教室では「東洋美術」の試験が行われていた。講座はもともと、「日本美術」や「中国美術」などに分かれていたが、一つになった。3年生のレオナルド・ジリオさん(22)は、「日本文化を学ぼうと学科を選んだが、日本を専門に学べる講座がない。予算削減で教育の質は悪くなった」と言う。  2009年から10年にかけて当時のジェルミーニ教育大学研究相は、大学の研究予算を7%削減した。10年にできた法律では、学生の集まらない学 科が統廃合を迫られた。「8割を人件費にかけていた古い体質を変えた。国の強化のために働けるか、大学の経営が問われている」。改革の意義について、ジェ ルミーニ氏はいま、こう言い切る。  予算カットで、正規の大学教員の新規採用数は激減した。大学史に詳しいボローニャ大学のアンナ・ラウラ・トロンベッティ教授(中世史)は「研究者 が不安定な『契約教授』になり、教員の3割以上を占めるようになった」。ローマ大では11あった学部を八つの学科に統合し、ラテン語学科は古典研究科に統 合された。マティルデ・マストランジェロ東洋研究学科長は「人気がなくても重要な学問にとっては、毎日が戦いだ」とため息をつく。  ローマ大では、学科の予算の執行権限も来年から、学科長から職員による事務局に移るという。「教授会で学科のポリシーを決めても、事務局に予算決定権がある。学科で本を買うにしても、手続きに時間がかかるのではないか」。マストランジェロ学科長はそう心配する。  その一方で、改革で教員の研究や教育内容を評価する仕組みができ、教員が第三者の目を意識するようになったとのプラスの見方もある。現職のジャン ニーニ教育大学研究相は、「改革のいい面は強化していく」と評価したうえで、「教員の評価システムを国際的な基準に見合ったものにすることで、大学間の競 争力を高めていきたい」と話す。  日本の大学にも民間企業のような効率化の大波が押し寄せている。学生を集めやすい教育内容と、就職に有利な実学が重視される一方、消えていく講座 もある。しかし、大学は学生の教養を広げる教育機関として、学問の多様性を保障する責務を負っている。教員こそが、効率化を求める企業とは違う大学の役割 を担うことができる。学長の権限が大きくなっても、それは変わらない。 "[he-forum 18326] 朝日新聞6/30","朝日新聞 2014年6月30日03時00分 教育2014 石川)(「金大改革」の行方:下) 「研究力強化」前面に 樋口大二  「大学が自由な発想に基づいて研究をする場であることは、昔も今も変わらない。ただ国の競争力が落ちてきたという現実があり、明日の飯のタネになるような研究を優先することになるのは、やむを得ない」  金沢大学の山崎光悦学長(62)は自らの名前を冠して打ち出した改革ビジョン「YAMAZAKIプラン」の意図をそう説明する。  「研究力強化」を前面に掲げたプランには「学内資源の戦略的・重点的な配分」という項目がある。山崎学長は「選択と集中」による効率的な予算配分が必要だと説く。「金沢大のような中規模大学では、何でも自由に、とはいかない」    ◆    ◆  今月国会で成立したばかりの改正学校教育法では、学長の権限を強化してトップダウン形のガバナンス(統治)を導入することが明記された。「大学の自治」の主体とされてきた教授会の役割は「学長に意見を述べる」ことに限定された。  「YAMAZAKIプラン」にも「学長のリーダーシップの確立を目指したガバナンス改革」という項目がある。ただし山崎学長は「国の動きを特段意識したわけではない」という。  「学域学類制が定着し、かつての学部の力は薄れた。もう部局の教授会と学長が対立するような状況からは卒業している」  従来の学部を再編した学域学類制の導入で、研究機関と教育機関が分かれ、学部長の権限も研究域長と学域長に二分された。一部の大学のように、学部のまとまりを背景にした学部長と学長が意見調整に手間取るようなことは起きなくなっているという。  学長主導で研究の方向性をリードする。国の改革を先取りした形でもある。ただ、全国の大学事情に詳しい教育ジャーナリストの小林哲夫さんは「今のところ独自の売りになる研究は少ない。生き残りのボーダーライン上だ」と指摘する。  学内には意見集約の性急さを批判する声もあるが、山崎学長は「金沢大学は研究大学として生き残る」と改革の決意を語る。  だが、当の学生からはこんな不満の声も聞かれた。「学生の耳に全く入っていない状態で改革が進められていることに疑問を感じる。学生からも広く意見をとり入れてほしかった」(樋口大二)= "[he-forum 18325] 朝日新聞6/29","朝日新聞 2014年6月29日05時00分 (教育2014 大学を経営せよ!)権限集約、攻める学長 日本の大学の学長像/学長権限強化で大学どう変わる  ■人事・予算、反発の声も  学長と教授会の権限を巡る攻防は、既に始まっている。  「教授が選ぶ学部長が最も信頼できる。なぜ今までの選考方法をやめるのか」  キャンパスに雪の残る弘前大学のホールは熱気に包まれていた。3月下旬、約200人の教職員から、演壇の佐藤敬学長(64)に次々と質問が飛んだ。これまで教授会が決めた人選を学長が追認するだけだった学部長の人事を、学長が指名できるようにする改革の説明会だった。  反発の声が大きかったものの、結局、6月から学長が学部長を指名できるようになった。学生に魅力的な学部組織にするためには、迅速な判断が求めら れる。佐藤学長は「強い権限を学長が持たなければ何も決まらずに時間ばかりたっていく。教授会にお任せでは進まない」と強調する。  だが、教育学部の教授は「息のかかった学部長を選び、反発の声を黙らせようとしているのだろう」。一方、学長と教授会が対立していることを知る学生は少なく、「大学からの説明は何もない。学生は、かやの外だ」と不満をもらす教育学部3年の男性もいた。  弘前大と同じように学長の権限をいち早く強化したのが、横浜市立大学だ。  2005年ごろ、横浜市では、大学運営のための年間200億円以上の財政負担が問題となっていた。そこで、理事長と学長に人事権を集め、予算と人材を「適材適所」に配置する経営健全化策が出された。まちづくりを学ぶコースの新設や、学生の海外実習への補助金制度といった改革が進んだという。  新しい目玉ができたと同時に、消えたものもあった。教授会の役割は低下し、「哲学・古典語」「日本古典文学」といった伝統的学問を研究するゼミが消滅した。ある教員は「上意下達になり、現場の声が反映されにくい組織になってしまった」と話す。  一方、学長に権限を集中させ、危機をくぐりぬけた大学もある。  京都市の平安女学院大学の事務室の朝は、約40人の職員の唱和で始まる。「理事長のもとに、固く結束し……献身的に職務に精励します」。理事長とは、学長も兼ねる山岡景一郎氏(83)だ。経営コンサルタントを経て、赤字が年4億円超に膨れていた03年春に理事長に就いた。教職員組合の反発を抑え、給与を平均3割以上カットし、人事権も教授会から理事会に移した。  学院経営はその年度から黒字に転じた。山岡理事長の財界人脈も活用し、卒業生の就職率は2年続けて100%。「ワンマン経営でなければ、難局は乗り切れなかった」。全国の学長らからの相談が絶えないという。  ■英米、運営のプロ養成  有能な学者が有能な学長になれるとは限らない。どうやってプロの経営者に育てるか。日本より一足先に取り組んでいるのが、英国だ。幹部教員らに大学経営やリーダーシップをたたき込む「学長養成」研修が行われている。  「大学運営は今やビジネス。経営戦略の研修が役に立った」。ロンドン郊外のグリニッジ大学。デービッド・マグワイア学長(55)はこう話す。別の大学の副学長だった09年、全国の大学が出資する高等教育リーダーシップ財団の研修で、財務や組織論を半年かけて学んだ。99年に始まった研修の修了者からは100人以上の学長が輩出している。  マグワイア氏は研修後の11年にグリニッジ大に引き抜かれ、哲学など不人気科目の教員を減らし、3年で約180人の教職員をリストラした。英紙大学ランクで国内順位は11年の102位から70位に上がった。  英国では90年代から大学が急増している。国の負担を減らそうと、現在のキャメロン政権が12年から学費の上限を約3倍の9千ポンド(約150万 円)に引き上げたため、各大学とも値上げに踏み切った。学生は高い学費のリターンを求め、大学は不人気講座の見直しから寮や食堂の充実度にまで神経を使 う。  大学の希望に沿って学長選びを任されるヘッドハンティング会社もある。そのうちの一社、オジャーズベルンソン社は「候補者のプール」をつくり、3~5人の有力候補を大学に提示する。「しがらみのない学外人材の方が改革できる」と担当者は言い切る。  とはいえ、学長には教職員を従わせる権限だけではなく、調整力も求められる。リーダーシップ財団の研修責任者ポール・ジェントル氏は「教員、学 生、保護者など利害関係者の多い大学経営は企業よりも複雑で、『学長独裁』は結局、大学を荒廃させる。教職員と連携しないと大学運営はうまくいかない」。  4500を超す大学がしのぎを削る米国でも、米国教育協議会やハーバード大などで幹部教職員らの研修が行われてきた。学長に最も求められる資質はカネ集めの能力だ。米大学事情に詳しい英オックスフォード大の苅谷剛彦教授は「外部資金をどれだけ集められるかで、大学がやれることが決まる」と説明する。  08年のリーマン・ショックの あおりで、州立大は州政府の交付金カットの直撃を受け、私立大も寄付金が大幅に減った。米テンプル大学の幹部は、寄付者に財布のひもをゆるめてもらうため に、「学長のビジョンがますます重要になった」と指摘する。ある米国の学長経験者は、自嘲気味にこう言う。「米国の学長は、キャデラックに乗る物乞いのよ うなものです」  (この連載は、浅倉拓也、伊東和貴、河原田慎一、高浜行人、千葉卓朗、山下知子、山本奈朱香、渡辺洋介が担当します) "[he-forum 18324] 朝日新聞6/28","朝日新聞 2014年6月28日12時58分 教育2014 佐賀)生き残りかけ改革続々 大野宏  「組織の体(てい)をなしていない」。2009年10月に医学部から初めて佐賀大のトップに就任した佛淵孝夫学長は、何度もそう感じる。  大学の総意として決めたはずのことが徹底されない。例えば調査報告やアンケート。「知らない」「決めたといっても努力目標でしょ」と蒸し返され、いつまでもそろわない。 ? 特集・教育2014  大学教員が優先するのは個々の研究で、組織への帰属意識は希薄だ。「大学全体の危機感を共有せず、課題には目をつぶり、問題解決は先送り」と見た佛淵学長は、大学付属病院時代に手がけた「管理会計システム」の発想を導入する。  各部門から情報を出させ、収益や生産性などを算出するシステムで、予算配分の効率化につなげ、「国立大付属病院ではトップ」と自負する健全経営を実現した実績がある。  法人化で学長は経営責任を持つことになったのに全学レベルの情報を集め、分析・評価する組織がなかった。12年7月、学長直轄の「IR室」を設けた。  大学運営を支援する情報を分析・提供するIR(インスティチューショナル・リサーチ)の手法自体は新しいものではなく、国内でも2000年代から組織が設置され始めていた。  ただ、役割が分析・評価にとどまった他校と違い、佐賀大は「データを経営に使う」という目的意識があり、コンサルタントのような機能を持つ点で、 一線を画す。「都合の悪いデータを出してこいと言われます」と西郡大・室長。経済学部の13年度入学定員を削減したのは代表例だ。  入学者の学力格差が問題になっていた。IR室は過去6年間の入試得点を分析し、実質志願倍率が1・4倍だった10年度に、他の年度より得点の低い学生が入学したと算出。「1・5倍が危険水域」と指摘した。  さらに入学者の出身地域での18歳人口を加味し、1・5倍を確保できる定員をシミュレート。16~21年度は18人削減する必要がある、と結論づけた。この結果をもとに、経済学部は15人の定員削減を決めた。  理工学部の前後期日程の定員割り振りもIRがきっかけで変わった。後期入学者は、第1志望に入れずに来たからモチベーションが低い、と従来は考えてきた。ところが4年で卒業する率を調べると、後期が群を抜いて高い。15年度から後期の定員を増やす。      ■  文化教育学部で英語を担当する早瀬博範教授は、長年の悲願が、あっさり実現に向かう光景に驚いた。  12年6月。全学の統一英語能力テストとして、TOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)を導入する方針が決まった。  早瀬教授は、学生の英語レベルのばらつきを感じた十数年前から統一試験の必要性を訴えてきた。「佐賀大には英語だけで180ものクラスがあり、学 生のレベルのばらつきが広がっていた」。統一試験による客観的な判断基準がなければ、教育効果が上がらない、と考えた。TOEICなら就職活動にも使える。だが、「大学には大学の基準がある」との反発が同じ英語教員から上がった。  潮目が変わったのは12年の春。佛淵学長が、入学者を出している県内の高校を回った。「佐大に入った生徒の英語力が、卒業までに落ちていないか」との指摘を校長たちから受けた。企業回りをした先の経営者からも英語力の充実を求める声が上がってきた。  持ち帰った佛淵学長は「TOEICを入れない理由はあるのか?」と問いかけた。大学独自のよりよい方法があるなら提案せよ、とも。反論は出ず、翌月には正式導入が決まった。      ■  少子化が進む中、地方国立大の統廃合への気配に危機感を覚える関係者は少なくない。  国立総合大では初の佐賀大学美術館、県立有田窯業(ようぎょう)大学校との統合、芸術学部の創設など、美術・工芸部門の伝統を強みに押し出した施策が次々に進む。  佐賀大の経営に関する重要事項を審議する経営協議会で学外委員を務める、元熊本県知事で日本社会事業大理事長の潮谷義子さんは「九大を頂点とする九州の国立大のランク付けに収まらない特徴を作ろうとしている」とみる。「佛淵流」の手法については「根拠を明確にし、将来展望を示している」と評価する。  文系学部を中心に反発はある。ある教員は「改革はスピーディーになったが、教授会のブレーキ機能が形骸化し、残るのは上意下達の学長だけとなると、現場のモラルが下がるのでは」。  こうした声に佛淵学長は「IRの本質はボトムアップ」と反論する。経済学部の定員削減につながる数値はIR室のスタッフが自ら提出してきた。「最 大のミッションは大学存続。課題の発見と問題解決を繰り返していく」。1年ちょっとの残り任期も課題解決に邁進(まいしん)する覚悟だという。=全国の大 学経営を巡る課題を取り上げる連載が近く総合面で始まります。(大野宏) "[he-forum 18323] 朝日新聞6/29","朝日新聞 2014年6月29日01時43分 学長、自ら海外トップセールス 権限集中に反発の声も  海外進出に乗り出す社長のようだった。19日、ミャンマーの首都ネピドーの教育省。名古屋大学の浜口道成総長(63)は切り出した。「政府の幹部のみなさんを博士課程に受け入れたい。そのための拠点をつくりたい」。相手の教育大臣は「我が国にも大きな助けになる」とうなずいた。 ? 特集:教育2014  聴衆に訴えかける名司会者でもある。ヤンゴン大学に名大が設置した日本法律研究センターの1周年記念行事では、軽妙なトークで笑いを誘いながら、名大が誇るノーベル物理学賞受賞者の益川敏英・特別教授との対談を盛り上げた。  がん専門医の浜口総長が医学部長を経て総長に就いたのは2009年。すぐに「世界の名大」をめざす改革を打ち出した。18カ国を訪れ、約100の大学と研究や留学の協定を結んだ。  「産業界はアジアで生きていける人材を求めているのに、大学は欧米を向いてきた。それを変えたかった」。秋には、モンゴル、カンボジア、ベトナムに博士課程の拠点を置き、教員も送り込む。「国内では東大や京大ほど注目されないが、アジアでは違う」  学内では「急に計画が出てきて振り回されている」との声もあるが、調整と説明を重ねながら改革を進める手腕を文部科学省幹部は「戦略的なビジョンを持ち、学内外を巻き込むのがうまい」と評価する。  学長のリーダーシップ強化は、国と財界の悲願だ。少子化や国際競争の時代に「大学力は国力そのもの。変わらなければ、日本も地盤沈下する」(下村博文・文科相)との危機感がある。世界で渡りあえる人材を養成するには、従来のやり方を改める迅速な判断が必要だとして、学長の権限を強める改正学校教育法が20日に成立したばかりだ。  だが学長主導は、時に教員の激しい反発に遭う。  「京大はたぶん、全国の大学で一番(意思決定が)遅い」。9月末で6年の任期を終える京都大学の松本紘総長(71)は今月、東京で記者たちにこぼした。  教養教育のあり方をめぐる議論は、約15年が費やされた。全学生が受ける教養教育の拠点「国際高等教育院」が13年に開設されるまでに、研究や教育の自由が損なわれると心配した教員たちから総長辞任を求める運動も起きた。政財界では総長の手腕を評価する声は多いが、ある教授は「京大にトップダウンはなじまない」と言い切る。  東京大学では、浜田純一総長(64)が自ら打ち出した「秋入学構想」を、学内外の慎重論を踏まえて先送りした。「突っ走れば実現できたが、判断は間違っていなかった」と浜田総長。文科省幹部は「総長に強い力が必要だった」と言うが、企業統治が専門の江川雅子・東大理事は、学内議論が尽くされた上での決定だったことを前向きにとらえている。「企業では報酬と人事権で上司に従わせるが、専門家集団の大学では、アメとムチは通用しない」 ■学長VS.教授会  学長と教授会の権限を巡る攻防は、既に始まっている。  「教授が選ぶ学部長が最も信頼できる。なぜ今までの選考方法をやめるのか」  キャンパスに雪の残る弘前大学のホールは熱気に包まれていた。3月下旬、約200人の教職員から、演壇の佐藤敬学長(64)に次々と質問が飛んだ。これまで教授会が決めた人選を学長が追認するだけだった学部長の人事を、学長が指名できるようにする改革の説明会だった。  反発の声が大きかったものの、結局、6月から学長が学部長を指名できるようになった。学生に魅力的な学部組織にするためには、迅速な判断が求めら れる。佐藤学長は「強い権限を学長が持たなければ何も決まらずに時間ばかりたっていく。教授会にお任せでは進まない」と強調する。  だが、教育学部の教授は「息のかかった学部長を選び、反発の声を黙らせようとしているのだろう」。一方、学長と教授会が対立していることを知る学生は少なく、「大学からの説明は何もない。学生は、かやの外だ」と不満をもらす教育学部3年の男性もいた。  弘前大と同じように学長の権限をいち早く強化したのが、公立の横浜市立大学だ。  2005年ごろ、横浜市では、大学運営のための年間200億円以上の財政負担が問題となっていた。そこで、理事長と学長に人事権を集め、予算と人材を「適材適所」に配置する経営健全化策が出された。まちづくりを学ぶコースの新設や、学生の海外実習への補助金制度といった改革が進んだという。  新しい目玉ができたと同時に、消えたものもあった。教授会の役割は低下し、「哲学・古典語」「日本古典文学」といった伝統的学問を研究するゼミが消滅した。ある教員は「上意下達になり、現場の声が反映されにくい組織になってしまった」と話す。  一方、学長に権限を集中させ、危機をくぐりぬけた大学もある。  京都市の平安女学院大学の事務室の朝は、約40人の職員の唱和で始まる。「理事長のもとに、固く結束し……献身的に職務に精励します」。理事長とは、学長も兼ねる山岡景一郎氏(83)だ。経営コンサルタントを経て、赤字が年4億円超に膨れていた03年春に理事長に就いた。教職員組合の反発を抑え、給与を平均3割以上カットし、人事権も教授会から理事会に移した。  学院経営はその年度から黒字に転じた。山岡理事長の財界人脈も活用し、卒業生の就職率は2年続けて100%。「ワンマン経営でなければ、難局は乗り切れなかった」。全国の学長らからの相談が絶えないという。 ■英米、経営のプロ養成  有能な学者が有能な学長になれるとは限らない。どうやってプロの経営者に育てるか。日本より一足先に取り組んでいるのが、英国だ。幹部教員らに大学経営やリーダーシップをたたき込む「学長養成」研修が行われている。  「大学運営は今やビジネス。経営戦略の研修がとりわけ役に立った」。ロンドン郊外のグリニッジ大学。デービッド・マグワイア学長(55)はこう話す。別の大学の副学長だった09年、全国の大学が出資する高等教育リーダーシップ財団の研修で、財務や組織論を半年かけて学んだ。99年に始まった研修の修了者からは既に100人以上の学長が輩出している。  マグワイア氏は研修後の11年にグリニッジ大に引き抜かれ、哲学など不人気科目の教員を減らし、3年で約180人の教職員をリストラした。英紙大学ランクで国内順位は11年の102位から70位に上がった。  英国では90年代から大学が急増している。国の負担を減らそうと、現在のキャメロン政権が12年から学費の上限を約3倍の9千ポンド(約150万 円)に引き上げたため、各大学とも値上げに踏み切った。学生は高い学費のリターンを求め、大学は不人気講座の見直しから寮や食堂の充実度にまで神経を使 う。  大学の希望に沿って学長選びを任されるヘッドハンティング会社もある。そのうちの一社、オジャーズベルンソン社は「候補者のプール」をつくり、3~5人の有力候補を大学に提示する。「しがらみのない学外人材の方が改革できる」と担当者は言い切る。  とはいえ、学長には教職員を従わせる権限だけではなく、調整力も求められる。リーダーシップ財団の研修責任者ポール・ジェントル氏は「教員、学 生、保護者など利害関係者の多い大学経営は企業よりも複雑で、『学長独裁』は結局、大学を荒廃させる。教職員と連携しないと大学運営はうまくいかない」。  4500を超す大学がしのぎを削る米国でも、米国教育協議会やハーバード大などで幹部教職員らの研修が行われてきた。学長に最も求められる資質はカネ集めの能力だ。米大学事情に詳しい英オックスフォード大の苅谷剛彦教授は「外部資金をどれだけ集められるかで、大学がやれることが決まる」と説明する。  08年のリーマン・ショックの あおりで、州立大は州政府の交付金カットの直撃を受け、私立大も寄付金が大幅に減った。米テンプル大学の幹部は、寄付者の心をわしづかみにして、財布のひ もをゆるめてもらうためには、「学長のビジョンがますます重要になった」と指摘する。ある米国の学長経験者は、自嘲気味にこう言う。「米国の学長は、キャ デラックに乗る物乞いのようなものです」      ◇  この連載は、浅倉拓也、伊東和貴、河原田慎一、高浜行人、千葉卓朗、山下知子、山本奈朱香、渡辺洋介が担当します。 ? "[he-forum 18329] 閣議決定抗議緊急声明(岩大教員・退職教員有志)","                             2014年7月1日 各位  岩手大学の横山と申します。  本日の集団的自衛権行使容認の閣議決定に対して,岩手大学教員・退職教員 有志42名の連名で緊急抗議声明を出しましたので,御報告いたします。     2014年7月1日 -------------------------------------------------------------------------      立憲主義破壊・憲法違反の閣議決定は認められません  ―集団的自衛権行使容認の閣議決定は憲法違反であり,撤回を求めます―           2014年7月1日  岩手大学教員・退職教員有志 緊急声明  本日,安倍内閣は,「行使が認められるのは個別的自衛権だけである」として きた日本国憲法第9条についての歴代政府の解釈を変更し,それを集団的自衛権 にまで拡大するという閣議決定を行いました。  しかし,この閣議決定による憲法解釈変更は立憲主義を破壊するものであり, その内容は戦力の不保持と交戦権を否認する憲法第9条違反です。私たちは安倍 内閣に対して閣議決定を速やかに撤回するよう求めます。 与党協議に基づく閣議決定のみの憲法解釈変更は許されません  「第9条で認められているのは個別的自衛権だけであり,集団的自衛権の行使 は認められていない」という解釈は,約60年に亘る立法・行政・司法・学界など の場での第9条の条文に関する丹念な議論・検討を踏まえて確定したものであ り,この解釈は政府だけでなく,国民にも定着しています。憲法は「主権者であ る国民が国家権力を縛る」ものであり,その時々の政権が勝手に解釈を変更する ことは許されません(=立憲主義)。  今回の閣議決定は立憲主義において政府がやってはならない「禁じ手」を用い たものであり,立憲主義の蹂躙・破壊です。  今回の閣議決定に関して,与党の一員である公明党は当初,「現憲法下で集団 的自衛権は認められない」「集団的自衛権を認める場合には憲法改正の手続きを 踏むべきだ」と主張し,憲法解釈変更の閣議決定による集団的自衛権行使容認に 反対していました。これは民主主義国として当然の立憲主義に基づいた真っ当な 主張でした。しかし,その後,公明党は与党協議で自民党に妥協し,憲法解釈変 更による集団的自衛権行使容認の閣議決定を受け入れました。これは立憲主義の 立場とは矛盾しないのでしょうか。  また,今回,閣議決定に至るまでの憲法解釈変更をめぐる与党間の合意内容 は,与党協議の過程で二転三転しました。安倍内閣・与党は「第9条の意味内容 は与党協議によって決まる」と考えているのでしょうが,与党間の駆け引きで憲 法条文の意味内容が左右されるなど,立憲主義の下では絶対にあってはならない ことです。  このように今回の閣議決定にはまったく道理がありません。この閣議決定がな し崩し的に既成事実化されてしまうならば,今後,同じような形で,その時々の 政権が自らに都合のいいように憲法解釈を次々に変えていってしまうことは容易 に予想がつきます。  民主主義国として当然の立憲主義に基づくならば,歴史的に確定した憲法解釈 を国家権力の側である内閣が一片の閣議決定によって勝手に変えるということな どあってはなりません。もし,条文の意味内容を変えるのであれば,条文自体を 憲法第96条が規定する手続きに従って改正する必要があります。これに照らし て,今回の閣議決定は正当性を持ちません。私たちは安倍内閣に対して閣議決定 を速やかに撤回するよう求めます。 集団的自衛権を「限定」する「歯止め」は事実上ありません  安倍内閣は今回の閣議決定による集団的自衛権の行使容認は「日本と密接な関 係にある他国に武力攻撃が発生し,日本の存立が脅かされ,国民の権利が根底か ら覆される明白な危険がある場合」に「限定」されるとしています。しかし, 「明白な危険がある場合」の第三者的客観的基準はなく,それを判断するのは政 府です。したがって「限定」するための「歯止め」には全くなっていません。  そもそも,武力行使の最大の歯止めである憲法第9条の意味内容を「解釈」で 勝手に変え,歯止めを外しておきながら,閣議決定についてだけは厳格な解釈を して歯止めを守ることなどあり得るでしょうか。  今回の閣議決定は日本を海外の戦争に際限なく引きずり込む危険性を有してい ます。 憲法違反の閣議決定は無効です  日本国憲法第98条第1項は「この憲法は,国の最高法規であつて,その条規に 反する法律,命令,詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は,その 効力を有しない。」としています。今回の集団的自衛権行使容認の閣議決定はま さに憲法第9条違反に該当します。  もし,安倍内閣が閣議決定を撤回せず,今後,閣議決定に沿って国会で集団的 自衛権行使容認のための法令の制定・改定が行われたとしても,それらは当然な がら憲法違反であり,無効です。私たちはここをしっかりと押さえ,憲法に違反 する関係法令のなし崩し的な施行を許さない世論を作っていく必要があります。 立憲主義破壊・憲法違反を許さない声をさらに広げていきましょう  6月12日発表の岩手大学教職員・退職教職員有志アピール「私たちは『立憲主 義』『法の支配』を破壊する解釈改憲に反対します」には,岩手大学の現役教職 員138名,退職教職員75名の方々の賛同が寄せられました。世論調査でも,解釈 改憲による集団的自衛権行使容認に反対する割合は5割を大きく上回っていま す。多くの人々が安倍内閣の解釈改憲に道理がないことを喝破しています。  皆さん。立憲主義破壊・憲法違反の今回の閣議決定を既成事実化することを許 さず,日本の民主主義を守るためにこれからも声を大きく上げていきましょう。 【集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を求める                    岩手大学教員・退職教員有志】42名 〔現役教員〕池田成一,井上博夫,伊藤幸男,岩木信喜,宇佐美公生,       梶原昌五,菅野文夫,菊池孝美,菊地洋,古賀潔,齋藤博次,       佐藤眞,佐藤由紀男,重松公司,武井隆明,土屋明広,土屋直人,       土谷信高,中澤廣,新妻二男,西崎滋,比屋根哲,三井隆弘,       宮本ともみ,麥倉哲,横山英信 〔退職教員〕井上祥史,井上隆義,岡田幸助,齋藤徳美,笹尾道子,佐藤信安,       神常雄,高塚龍之,武田晃二,田中稔,種倉紀昭,早坂啓造,       樋浦順,藤井克己,村上祐,村上義和 ------------------------------------------------------------------------- *************************************************************************    横山 英信( YOKOYAMA, Hidenobu )        岩手大学人文社会科学部 法学・経済課程(農業経済論 担当)        Faculty of Humanities and Social Sciences, Iwate University        〒020-8550  盛岡市上田3丁目18-34         Phone/Fax 019-621-6777(直通)        E-mail   yokoyama@iwate-u.ac.jp ************************************************************************** "[he-forum 18330] 東京新聞社説7/14","東京新聞社説 2014年7月3日付 大学ネット講義 知の格差なくす契機に  入学試験の関門を突破しなくても、高い学費を払わなくても、大学の講義を受けられる。そんな高等教育サービスの行方が注目されている。学びの門戸を開放し、知の民主化を進める契機としたい。  大学の講義をインターネットで無料配信する取り組みだ。大規模公開オンライン講座を意味する英語の頭文字を取り、MOOC(ムーク)と呼ばれる。  二年前、米国のスタンフォード大やハーバード大といった名門大学で開講され、世界中の大学に広がった。今や受講者は一千万人を上回るそうだ。  ムークの主流は英語だが、スペイン語やフランス語、中国語での参入も目立ち、多言語化が進んでいる。大学の魅力を国内外に発信し、意欲のある学生を集める手段として期待されている。  日本でのムークは四月に緒に就いたばかりだ。東大や慶応大、早稲田大、北海道大、名古屋商科大などが講座の配信や受講者の募集に順次乗り出している。  参加大学は二十校程度とまだ少なく、それぞれ一、二講座の提供にとどまる。手探りの域を出ない。それでも、すでに中学生から八十代まで六万人を超す受講登録があり、さらに伸びている。高等教育への潜在需要は大きい。  講義は十分刻みの動画に収められ、繰り返し視聴できる。基本は週九十分ほどで四週間。宿題や試験も用意され、合格すれば修了証も発行される。受講生仲間の自主勉強会も生まれている。  この仕組みは大学の在り方を大きく変える可能性を秘めている。  へき地や海外にいても、働きながらでも、年齢を問わず学びの機会を得られるのだ。低収入や病気といった制約がもたらす教育格差を克服できるかもしれない。  大学の正規の単位として認められたり、就職で評価されたりするまでに社会の信認が高まれば、企業の採用活動にも影響するだろう。諸外国では現に動きがある。  大学界は厳しい時代を迎えている。高校生の進学率が五割台で伸び悩んでいる間に、子どもは減っていく。外国人留学生や社会人学生の受け入れを併せて増やさないと、経営は苦しくなる。  国内でのムーク効果は未知数だが、講師は間違いなく授業の創意工夫を迫られる。その満足度がひいては大学全体の評判に跳ね返り得るからだ。既成の知名度や偏差値は意味を失うかもしれない。  象牙の塔では生き残れまい。大学の気概と実力が試される。 "[he-forum 18331] 琉球新報7/2","琉球新報 2014年7月2日付 給付型奨学金を創設 県、県外大への進学支援  諸見里明県教育長は1日、県外大学へ進学する県出身学生を支援するため、返済義務のない「給付型」奨学金を創設する方向で検討していることを明らかにした。同日の県議会6月定例会で西銘純恵氏(共産)に答弁した。給付額や対象基準を今後検討し、早ければ2016年4月入学生から実施したい考え。教育庁教育支援課によると、都道府県による給付型奨学金の創設は全国的にも珍しい。  教育庁は本年度、有識者による「県外進学大学生奨学事業検討委員会」を立ち上げ、6月に第1回会合を開催した。諸見里教育長は「県外大学へ進学する学生を幅広く支援する観点から検討委員会を立ち上げた。12月をめどに、内容やスケジュールについて意見をとりまとめる」と述べた。  県はこれまで、東京や大阪など大都市圏に学生寮を整備するなどして県出身者の県外進学を支援してきた。しかし、近年、県出身学生の進学先が全国各地に広がっていることから、より多くの学生が支援を受けられる制度を求める声が有識者などから出ていた。 "[he-forum 18335] 京都新聞7/4","京都新聞 2014年7月4日付 京大総長選考、山極教授が最多票 学内「意向調査」  京都大の次期総長の選考に向けた学内投票「意向調査」が3日行われ、理学研究科の山極寿一教授(62)が候補者6人の中で最多票を得たことが分かった。学内外の委員で構成する総長選考会議が4日に開かれ、投票結果などを基に6人から次期総長を選ぶ。  意向調査は松本紘総長(71)が9月末で任期満了になるのに伴い、講師以上の教員と課長補佐以上の職員が参加。第1回の投票で過半数を獲得した候補者がおらず、山極教授と医学研究科の湊長博教授(63)の上位2人による決選投票となり、山極教授が過半数を得た。  6人の候補者は、常勤教職員による予備投票を経て総長選考会議が決めた。総長選考会議は今回の選考から、学外候補者の枠を2人から3人に増やしたが、6人の候補者全てが学内の教員だった。  山極教授は京大理学部卒。ゴリラの生態研究の第一人者として知られ、京大理学研究科長や国際霊長類学会長などを歴任した。専門は人類学・霊長類学。 "[he-forum 18334] 琉球新報社説7/4","琉球新報社説 2014年7月4日付 給付型奨学金 教育は最大の「振興策」だ  県土が狭く資源の乏しい沖縄の発展は、人材育成が大きな鍵を握る。経済、文化など社会のあらゆる面に関わり、ひとたび育った人材は一生、社会に貢献するのだから、教育は最も幅広く、有用な「振興策」と言える。特区などよりはるかに効果は高かろう。  その意味で誠に意義深い。県教育委員会は県外大学へ進学する県出身学生を支援するため、返済義務のない給付型奨学金創設を検討している。ぜひ創設し、積極展開してほしい。  きっかけは老朽化した首都圏学生寮の取り壊し・売却のようだ。学生寮は進学を支えてきたが、東京など大都市に限られる。近年、県出身者は地方の国公立大にも入学するなど、進学先地域は多様化しており、首都圏のみならずあらゆる地域の学生を支援しようとこの制度が浮上した。  文科省の資料によると、日本の大学の授業料は先進国中、飛び抜けて高い。北欧は軒並み無償、独仏は年額1万円台なのに、日本は国公立でも初年度80万円以上、私立は120万円を超す。しかも奨学金を受ける学生は各国で5割を超えるのに対し、日本は2割台。欧州では給付型が多いのに対し、日本は貸与型がほとんどだ。  だが若年層は就職しても収入が低いから、返済が生活を圧迫し、滞る例も目立つ。だから給付型の充実がつとに求められていた。  国内総生産(GDP)比で見た高等教育への公的財政支出は、経済協力開発機構(OECD)平均が1・1%なのに日本は0・5%で、先進国中最低水準だ。もっと大胆に支出していい。  国連の社会権規約は「無償教育の漸進的導入」をうたう。高等教育の私費負担軽減は世界的潮流なのだ。  戦後の沖縄には米国留学制度があった。米国の施政権下で評価しうるほとんど唯一の政策だ。その後は日本政府による国費制度で多くの人が学んだ。沖縄を支えてきたのはこうした人々だ。平均所得の低い沖縄でこうした制度がなければ今日の発展がなかったのは間違いない。  今回検討する制度はその復活と言っていい。過去の経験に照らしても、その有効性は明らかなのだ。  今後の沖縄の地平を切り開く意味でも、制度の創設と大胆な展開を求めたい。県外だけでなく、県内進学への支援も検討してほしい。 "[he-forum 18333] 東京新聞7/4","東京新聞 2014年7月4日付 幼児教育無償化を 教育再生会議提言 小中一貫制度化も  政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は三日、「小中一貫教育学校(仮称)」制度の創設や、幼稚園や保育園などでの三~五歳児教育の段階的な無償化を柱とする提言書を安倍晋三首相に提出した。文部科学省は、来年の通常国会に関連法案を提出し、早ければ二〇一六年度から小中一貫校の創設を目指す。  小中一貫校は、義務教育の九年間を一体的な教育課程(カリキュラム)で教育する。現状では特例で認められており、設置しているのは東京都品川区や三鷹市など全国でもわずかだ。  実行会議は、小学校から中学校に進学した際に学校生活の変化になじめず、いじめや不登校が増える「中一ギャップ」の解消や、小学校での英語教育導入などのため、小中一貫教育の推進を求めた。  導入されれば市町村の判断で「四年・三年・二年」や「五年・四年」などに区切り、弾力的に教育課程を編成できる。  現状では、学級担任が原則、全教科を教える小学校と、教科担任制の中学校とでは、教員免許が異なる。このため、複数の学校種で教えることができる教員免許制度の創設も求めた。  三~五歳児教育については、財源を確保し、無償化を段階的に進めるよう提言。無償化の実現後、義務教育の開始を一年前倒しして、五歳児からとする検討を求めた。だが、五歳児への義務教育前倒しだけで年間約二千六百億円の財源が必要との試算があり、実現の可能性は不透明だ。  提言を受けて下村博文文科相は、小中一貫校の創設や教員免許改革について、近く中央教育審議会(中教審)に諮ることを明らかにした。三~五歳児教育の無償化は、財源の確保など、実現に向けて環境整備を進めると述べるにとどめた。  <教育再生実行会議> 教育改革に強い意欲を示す安倍晋三首相の意向を受け、改革の方向性を打ち出すため政府が昨年1月に設置した。鎌田薫早稲田大総長などの有識者と首相、下村博文文部科学相らで構成する。これまでにいじめ対策、教育委員会改革、大学教育の在り方、大学入試改革の順に四つの提言をまとめている。 "[he-forum 18332] NHKニュース7/3","NHKニュース 2014年7月3日16時27分 「6・3」制弾力化へ 小中一貫校促す提言  政府の教育再生実行会議は、小中一貫教育学校の設置を促進して小学校6年、中学校3年の区分を自治体の判断で弾力的に見直せるようにすることや、幼稚園や保育所などでの5歳児の教育の義務化を検討するなどとした提言を安倍総理大臣に提出しました。  政府の教育再生実行会議は、小学校から大学までを「6・3・3・4」の年数で区切る今の制度は、社会の変化や子どもの発達に合わなくなってきているとして制度の見直しを求める提言をまとめ、3日、安倍総理大臣に提出しました。  このうち小中学校の義務教育については、中学校に進学する際に新しい環境になじめず不登校になる「中1ギャップ」などの課題が指摘されていることから、子どもの発達に応じた教育ができるよう、小中一貫教育学校の設置を促進して、小学校6年、中学校3年の区分を自治体の判断で「4・3・2」や「5・4」などの年数に弾力的に見直せるようにするとしています。  また幼児教育の質の向上を図るため、財源を確保したうえで3歳から5歳までの幼児教育の無償化を段階的に進めるとともに、幼稚園や保育所などでの5歳児の教育の義務化を検討するなどとしています。  提言に対し、安倍総理大臣は「終戦からおよそ70年を経たわが国の教育制度を大きく転換するものだ。子どもの発達の早期化、社会・経済の変化に対応した質の高い教育を実現するための重要な改革の方向性を示したものだ」と述べました。 提言を受けて、文部科学大臣の諮問機関である中教審=中央教育審議会が今月中にも具体的な検討を始める見通しで、政府は来年の通常国会で必要な法整備を行いたいとしています。 提言の詳細は  提言の柱は、小学校から大学までを「6・3・3・4」で区切る今の制度、特に「6・3」の小中学校の区分の見直しです。  この制度は、終戦直後の昭和22年に導入されましたが、最近では、小学校から中学校に進学して新しい環境になじめず、不登校やいじめが急増する、いわゆる「中1ギャップ」などが課題になっているほか、子どもたちの発達が、制度が導入された終戦直後と比べて、2歳程度早まっており、制度が発達に即していないのではないかという指摘もあります。  このため、提言ではまず、小中学校の教育を一貫して行う「小中一貫教育学校」の設置を促進し、小学校6年、中学校3年の区分を、自治体の判断で弾力的に見直せるようにするとしています。  小中学校の9年間を同じ学校で学ぶようにしたうえで、例えば「4・3・2」のように区切って、今の5年生の段階から、中学校で行われている教科ごとに専門の教員が教える授業を導入することで、「中1ギャップ」の解消と学力の向上を実現するねらいがあります。  制度の導入にあたって、教員免許の仕組みも見直し、小学校と中学校の両方で指導できる免許をつくることも盛り込まれています。  また、提言では、幼児教育を充実させる必要があるとして、3歳から5歳までの幼児教育の無償化を段階的に進めたうえで、特に、ことばに関する能力などが発達するとされる5歳児については、すべての子供に質の高い幼児教育を無償で保障すべきだとして、幼稚園や保育所などでの教育の義務化を検討するとしています。  さらに、今回の提言には、高校を卒業した生徒に、産業構造の変化や最新の技術に対応した実践的な職業教育を行う、新たな高等教育機関を創設することや、不登校の子供たちが学ぶフリースクールなどの教育の位置づけや、公費負担の在り方を検討することなども盛り込まれていて、今の学校の制度について、子どもや社会の変化に応じて幅広く改革を検討するよう求めています。 "[he-forum 18338] 日本経済新聞社説7/5","日本経済新聞社説 2014年7月5日付 教育の多様性広げる学制改革を進めよ  6・3・3・4制の見直しによる「平成の学制大改革」を――。安倍晋三首相が昨年の施政方針演説でこう意気込んだわりには、政府の教育再生実行会議がまとめた第5次提言は控えめで、現実的な内容となった。  しかし自治体の判断で「小中一貫教育学校」を設置できる制度づくりを求めるなど、いまの硬直的な仕組みに風穴を開けようとしているのは評価したい。中央集権的に、全国一律に学制を変えるよりも理にかなっていよう。  文部科学省は提言を生かし、教育の多様性と選択肢を広げる改革につなげるべきだ。  今回の改革案の柱である小中一貫校は、子どもの心身の発達状況が必ずしも6.3の区切りとは合わなくなっているという声を踏まえ、9年間の義務教育を同じ学校で展開できるようにする制度だ。これにより地域や学校ごとに「4・3・2」「5.4」などの設定が可能になる。  提言はこのほか、実践的な職業教育を担う新たな高等教育機関の創設や、高校の早期卒業、大学への飛び入学、大学間での編入を容易にすることなどを求めている。おもに不登校の子どもが学ぶフリースクールなど「学校外の教育機会」をどう位置付けるか、議論を促したのも注目すべきだ。  総じてみると教育コースの複線化、弾力化を強く意識した今回の改革案だが、具体化にあたって文科省が画一的な方向付けをするのでは意味がない。地域や現場がなるべく自由に切り盛りできる仕組みを心がけるべきである。  とりわけ2016年スタートが想定される小中一貫校には地域住民の関心が集まりそうだ。国があまり細かな部分まで口を出すのは避け、教育委員会制度改革で誕生する「総合教育会議」などでの議論を重んじてほしい。施設形態や学年の区切り方、カリキュラム編成など課題は山ほどある。  実行会議は今回の提言で3~5歳児の幼児教育の段階的無償化を訴え、さらに5歳児の就学前教育の義務教育化についても検討課題として盛り込んだ。  しかし5歳児の教育を無償化するだけで年に約2600億円かかるうえ、義務教育年齢の前倒しにはもっと議論が必要だ。実行会議が、いずれも将来的なテーマにとどめたのは妥当だろう。現時点では、少子化対策としても優先度が高いとは言えまい。 "[he-forum 18337] 毎日新聞社説7/6","毎日新聞社説 2014年7月6日付 小中一貫校 課題をしっかり見すえ  小学校と中学校を足して一つにするだけでは意味はない。そのメリットと可能性をどう引き出すか。  「学制改革」で、政府の教育再生実行会議第5次提言が柱とする「小中一貫教育学校」(仮称)の制度化である。学校、教育委員会だけでなく地域の参画、協力が欠かせない。  小中一貫校は、義務教育9年(小学校6年、中学校3年)を一体化し、発達状況を勘案して「4・3・2」や「5・4」などのように、柔軟に区切りをつけて編成する。  この制度導入の判断やカリキュラムの組み立ては、市区町村の判断に任せられる。  いくつか利点が挙げられている。  一つは、中学進学時、教育環境と内容の急変に子供が対応できず、不登校やいじめの原因になりやすいという「中1ギャップ」の解消だ。  学力面では、教員が小中段階にまたがって授業を工夫することで、円滑に学習指導しやすくなる。英語に期待が高い。また幅広い異年齢集団は、社会性を豊かにし、責任感や思いやりを育むとも指摘されている。  懸念もある。例えば、9年間固定的な人間関係が続く場合のデメリット。転校した先でカリキュラムが整合せず、混乱する可能性。高校との接続。教員の負担増−−などだ。  一貫校に適した教員養成や幅広く多様な教え方ができる新しい免許もいる。教科書はどうするか。施設整備などで、財政力など地域の条件によって格差が生じないか。  文部科学省は、中央教育審議会と国会での法改正を経て2016年度にも制度化の方針だが、これまでの論議は国民的な関心があまりついてこず、前のめり気味ではなかったか。きめ細かな説明がいる。  その意義と仕組み、地域での必要性や生かし方などについて広くコンセンサスを得ることが欠かせない。  この制度で肝心なのは、それぞれの学校が創意と多様性を確保できるかどうかだ。横並びでどれもが似たような形式になっては弾力性を失い、「一貫」の意義を失いかねない。  実行会議の今提言は小中一貫校のほか、幼児教育の段階的無償化や5歳児の義務教育化も将来の検討課題に挙げた。高度な職業教育の高等教育機関創設や、大学の編入学、飛び入学推進なども提起している。  財源の裏づけや具体性には欠けるが、総じて学制を弾力化し、幅広い選択と学習機会を多様化するという方向性は示したとはいえよう。  財源などの難題と切り結び、学制改革という大テーマで、政府が持続的な取り組みと国民的コンセンサス作りを進めるか、棚上げと忘却のかなたに遠ざけるか。  「教育立国」の真価が試される。 "[he-forum 18336] 京都新聞7/5","京都新聞 2014年7月5日付 <時のひと>京都大の次期総長に決まった山極寿一さん(62)  大学改革の流れが加速する中、京都大の第26代総長に10月に就任する。「京都大の主役は学生であるべきだ」。ゴリラの生態研究で身に付けたフットワークの軽さを理想のキャンパスづくりに生かす。  30年以上にわたってアフリカの熱帯林でゴリラの行動を観察し、人間の社会との比較を続けてきた。「現場で新たな問題を見つけられるのが魅力」。日本の霊長類学の先駆者、故今西錦司博士から続く京大のフィールドワーク(野外研究)の伝統を受け継ぐ。  ニホンザルの社会のトップは、力で群れを支配する「ボス型」だが、人間に近いゴリラは、周囲の求めに応じて就く「リーダー型」らしい。「研究を続けたい思いが強く、進んで総長になる気はなかった」が、「学内予備投票で2位となり、周りの期待にすごく心を動かされた」という。ゴリラと似た形で大学のリーダーを引き受けることになった。  野生ゴリラのような「泰然自若」がモットーだ。人の目線ではなく、自然の視点から人間を眺めると現代社会の問題点が見えてくると言う。政治や環境問題、子育てなど多彩な分野にわたり、講演やメディアで積極的な発言を続けてきた。  「京都は都市と山が近いのがいい」と、休日には山菜採りに出掛けて自分で料理して食べる。  東京都国立市出身。湯川秀樹博士にあこがれて京大理学部に入学した後、霊長類学に出合った。京都市中京区在住。 "[he-forum 18340] 共同通信7/6","共同通信 2014年7月6日22時2分 大学機関へ強まる関与 政府、軍事転用に注目  政府が大学など研究機関から技術提供を得ようと関与を強める事例が増えている。軍事転用の可能な先端技術に注目しているためだ。東大は軍事研究の禁止方針に基づき防衛省の協力要請を拒否したが、同省は働き掛けを続ける構え。政府の要求がエスカレートすれば、将来的には大学の自治への介入だと問題になる恐れもはらむ。  東大に協力を拒まれた事例は6月下旬の自民党国防部会でも取り上げられた。防衛省幹部は「引き続き文部科学省と相談したい」と述べ、東大側に善処を促す考えを明らかにした。  防衛省は昨年4月、文科省所管の独立行政法人、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と技術協力のための協定を締結。ミサイルや艦船に搭載する高感度の赤外線センサーを衛星に搭載する研究を始めた。きっかけは2012年6月にJAXAの活動を「平和目的」と限定した規定を削除した改正機構法の成立だった。  熊本大が12年に開発に成功した高い強度を持つマグネシウム合金も防衛省内で高い関心を集めている。次期戦闘機の機体に使う想定で、研究への投資を検討している。米国の軍事産業大手や中国も関心を寄せているといい、ある幹部は「外国には出すなと働き掛けている」と明かす。  防衛省には、自前の研究開発費が頭打ちの中、大学や外部機関の軍事転用可能な研究成果を取り込み、効率的に装備品を開発したい事情がある。 ■東大と軍事研究  岸信介内閣の下で日米安全保障条約の改定交渉が始まり、安保闘争が盛り上がった1959年、東大は当時の最高意思決定機関である評議会が「軍事研究は一切行わない考えである」との方針を申し合わせた。以後、明文化はされていなかったが、全ての研究者に厳格に適用されてきた。2011年3月には、情報理工学系研究科が軍事研究の禁止を明記したガイドラインを策定した。 "[he-forum 18339] 読売新聞7/6","読売新聞 2014年7月6日付 バカロレア入試 岡大全学科で…国立大初  岡山大は、「国際バカロレア資格」取得者への入試を、2015年度から全学部全学科で実施すると発表した。全学科での実施は国立大で初めて。  同資格は、国際バカロレア機構(スイス)が認定した学校で、一定の教育課程を修了して最終試験に合格した者に与えられる国際的な大学入学資格。文部科学省によると、認定校は約3790校、国内ではインターナショナルスクールなど27校あり、欧米の多くの大学で同資格取得者を受け入れているという。  岡山大は、海外で活躍できる人材の育成を目的に、12年度から理学、医学部など4学部1コースでバカロレア資格者対象の入試を導入し、これまで2人が入学。15年4月からは書類選考のみ(一部は面接あり)で医学部医学科に3人、他学部では若干名を受け入れる。  森田潔学長は「留学生はもちろん、海外で活躍する日本人の子弟で、日本での勉学を望む人々に門戸を開きたい」と話している。 "[he-forum 18341] 西日本新聞7/6","西日本新聞 2014年7月6日付 東大と軍事研究  岸信介内閣の下で日米安全保障条約の改定交渉が始まり、安保闘争が盛り上がった1959年、東大は当時の最高意思決定機関である評議会が「軍事研究は一切行わない考えである」との方針を申し合わせた。以後、明文化はされていなかったが、全ての研究者に厳格に適用されてきた。2011年3月には、情報理工学系研究科が軍事研究の禁止を明記したガイドラインを策定した。 (2014年7月6日掲載) 東大 空自機への協力拒否 不具合の原因究明 「軍事研究」と判断  防衛省が今年5月、強度試験中に不具合が起きた航空自衛隊輸送機の原因究明のため東大大学院教授に協力要請したところ、大学側が「軍事研究」を禁じた東大方針に反すると判断し拒否したことが5日分かった。防衛省は文部科学省を通じ東大に働き掛けを強め、方針変更を促す構えだが、文科省は大学の自治を尊重し消極的だ。一方、教授は大学側に届けず防衛省の分析チームに個人の立場で参加しており、大学方針の実効性が問われる可能性もある。  輸送機はC2次期輸送機。離島防衛のため陸上自衛隊部隊が移動する際の主力輸送手段と想定されている。2014年度末からの配備を予定していたが、今年1月、高高度を飛行するのに必要な強度を確認する試験で、貨物扉が外れるなど強度不足が判明した。小野寺五典防衛相は今月4日の記者会見で、配備の2年延期を明らかにした。  教授は東大大学院工学系研究科に所属し航空宇宙工学が専門。防衛省は有識者による機体構造の分析チームを設置するため5月中旬に委員委嘱を大学側に打診した。しかし東大側は研究科の判断でチーム入りを断った。教授は「研究への参加ではなく、最先端の情報を得る目的」としてオブザーバー参加した。  東大は1959年と67年に当時の最高意思決定機関の評議会で、軍事研究の全面禁止を申し合わせた。広報担当者は取材に「大学の方針に従い対応した」と説明した。  防衛省は6月、防衛産業や関連技術の維持・育成のため大学と連携強化を加速する新戦略を決定。防衛相は今回の事態を受け、同月中旬の国家安全保障会議(NSC)に参加していた下村博文文科相に「事態の改善をお願いしたい」と伝えた。文科省科学技術・学術政策局は「協力するかどうかの判断は大学の自主性に委ねている」としている。 ●大学の自治尊重を ▼軍事評論家の前田哲男さんの話 戦闘機やミサイルは巨額の開発予算が必要となり、国際共同開発が主流となっている。軍用にも民生にも使える技術が増えて、境目がぼやけている中で、防衛省が大学の先端技術を取り込もうとするのは当然の動きだ。これから防衛産業も含めた「産官学」の一体化は進むだろう。だからといって政権の意向を押し付けることは認められず、学問の自由、大学の自治は尊重されるべきだ。平和利用の原則を守った東京大学の対応は評価できる。 "[he-forum 18343] 産経新聞7/9","産経新聞 2014年7月9日付 【正論】 法科大学院はなぜ失敗したのか 早稲田大学教授・上村達男  法科大学院は当初の構想では、司法試験予備校中心の発想に代えて、対話型の思考力を養う教育により、7、8割の卒業生が合格するように設計するとされた。  だが、現実に法科大学院の受験者数は減少の一途をたどり、募集学生数を満たさない法科大学院の撤退が続出している。他方で、例外とされたはずの予備試験への受験生が急増しており、法科大学院の存在意義が問われている。 《構想がはらんだ二重の矛盾》  なぜそうなったのか。それは一つには、法科大学院構想の際に強調された法化社会の到来という新しい時代への認識と司法研修所の代替機能を持たせようという実務重視の発想との矛盾にある。  法化社会の到来は、金融・資本市場および公開会社法制のあり方が、旧大蔵省中心の護送船団型規制からルール型・市場型・事後型の発想に大きく転換したという認識を中核としている。一方で、事は司法制度改革だから司法制度全般の専門家である憲法学者、法哲学者の問題だという発想がある。二重の矛盾が、そこにある。  金融・資本市場規制の理念は市場の成熟度に応じて、産業警察的取り締まり→保護育成→市場規制という具合に刻々と変わる。資本市場と一体で機能する株式会社制度も本来の意義を発揮する時代となる。法化社会とはそうした規制理念変化の時代を表す言葉だ。  ここでは、昨日まで通念とされてきた基本原理自体の根本的な見直しが避けられない。欧米の失敗の経験を消化した、日本の規制のあり方を構築する理論ないし学問の研究の深化と並行して、新しい時代の論理を身につけた法曹を育成する-。いわば本格的な研究者の養成とともに、法科大学院構想は推進されるべきであった。  証券不正・会社不正などが時々刻々と起こる事態に備えて、ルールメーキングとエンフォースメント(執行)も時々刻々と変化し得るような、英国で言う〈打てば響く規制(responsive regulation)〉の実現こそが優先課題なのである。 《理論より実務重視の果てに》  しかし、バブル崩壊後の日本で一つは緊急経済対策、平たくいえば株価対策と疲弊した企業への手厚い支援策、起業や事業再生という、いわば病人対策としての規制緩和がひたすら追求された。  規制理念が変わったからといって、昨日まで見逃されてきたことを、今日から急に犯罪だとして端から摘発することはできない。結局、損失補填(ほてん)、飛ばし、公開買い付けにかかる三分の一ルールの脱法、大量保有報告書制度に関する脱法、損失隠し金融商品、不公正ファイナンスなども、実行されたときには違法ではなく法改正で初めて違法になる。書かれてなければやってよいという法運用がまかり通った。それを訴訟で争うような論理も、米国に備わる強力な法的武器もないのだから、法曹が増えても活躍する需要はない。  一方で、法科大学院構想は司法研修所機能の代替を制度設計上組み込んだ。ここでは、民法の要件事実や訴訟手続きといった、ほぼ固まった知識や実務を徹底的に教え込もうとする。「経験」と「実務」が通用する世界である。もともと司法研修所では企業法制や経済法制は基本的に教えない。かくして、研究者は法科大学院修了後に養成すればよいとされ、理論より実務ということで研究者養成は著しく軽視された。現に、東大、京大、一橋大で、基礎法を除く大学院修士課程が廃止された。  本物の実務家は研究や理論を重視し尊重すべきことを分かっている。だが、実務や経験という自分の土俵の知見だけで、真の法学教育者になったと思い込み、法学部など要らないといったような、驕(おご)れる実務家が大量発生した。 《研究者養成に壊滅的な打撃》  法科大学院の所属教員は、大学院後期課程の授業を持ってはいけないとか、修士課程すら持てないという風にされた。法科大学院は各大学の研究者養成に壊滅的な打撃を与えたのである。日本人の法的センスを涵養(かんよう)する法学部を大幅に縮小しつつ、裁判員制度も実施された。要は、こうした重大な犠牲に見合う司法試験合格者3000人なのか、ということだ。  規制理念が刻々と変化する金融・資本市場・公開会社法制の世界で、実務と経験だけを振りかざせば、新しい理論が求められているときに、旧理念の下での経験や実務、例えば、地上げやMOF(大蔵省)担時代の、経験や実務を評価することになりかねない。  司法試験科目も、司法研修所の発想が前提であるために、会社法の資本市場と一体の部分も〈民事法科目〉とされた。金融商品取引法は選択科目ですらなく、会社法は金商法が絡むと基本的に出題できない。世界中で誰もが最も重視する有価証券報告書を学ばない法曹が日々、生産されている。  以上の背景から、現在、多くの法科大学院が撤退を余儀なくされている。それは決して、現場で奮闘している教員や学生たちの努力不足によるものではない。そのことは関係者に強く訴えたい。(うえむら たつお) "[he-forum 18342] 河北新報7/9","河北新報 2014年7月9日付 宮城発、医療機器創生へ熱気 産学官金連携フェア  宮城での医療機器開発を目指し、企業と研究機関の連携を深める動きが加速している。高齢化が進む中、医療機器市場は急速に拡大する。東北大は国内で唯一の医工学研究科があり、大学の豊富な情報や技術を生かした新産業の創出に期待が高まる。  仙台市で1日にあった「みやぎ医療機器創生産学官金連携フェア」には宮城県内外から38企業が参加。主催者の想定を大幅に超える約500人が会場を訪れた。東北大を中心に研究者が開発シーズを示すブースが設置され、メーカーの担当者と熱心に情報交換した。  光で酸化の度合いを測る装置をパネル展示した東北電子産業(仙台市)の担当者は「医療機関との接点がなかなか持てなかった。情報を集め、新製品のアイデアに生かしたい」と話した。  フェアは宮城県や東北大、東北経済連合会などによる地域イノベーション戦略支援プログラム「知と医療機器創生宮城県エリア」が主催。プロジェクトディレクターの後藤順一東北大特任教授は「東北大には医療機器創出のシーズがある。産学官金の強い連携を構築すれば、創出地として宮城や東北が日本の中心となる可能性を秘めている」と強調した。  独立行政法人労働政策研究・研修機構の推計では、医療・福祉分野の就業者数は2030年代に900万人を超え、国内でも最大の産業となる見込みだ。  後藤氏は「新たな産業の創出は東日本大震災からの復興にもつながる。連携の動きを宮城から東北全体に広めていきたい」と話す。 "[he-forum 18345] 毎日新聞7/5","毎日新聞 2014年7月5日付  降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑など研究者と製薬会社を巡る不祥事で揺れる東京大の医学部生らが4日記者会見を開き、「東大医学部で学んでいることに自信が持てない。大学は説明責任を果たしてほしい」と、不祥事を起こした研究者が直接学生に説明するよう訴えた。  医学部6年の岡崎幸治さん(24)ら医学部生5人が先月23日、7月末までに研究者本人から説明を求める質問状を大学に提出した。「東大医学部で学んだ我々が将来、患者を救う真摯(しんし)な医療が実践できるのか」(岡崎さん)と考えたためだ。  東大医学部を巡っては、所属する研究者が主宰したノバルティスファーマのバルサルタンの臨床試験で、データ改ざんの可能性が指摘された。ノ社の白血病治療薬の試験でも社員が不適切に関与するなど、不祥事が相次いで発覚している。  大学側は研究者の処分などが決まり次第、学生も参加する形で臨床試験の倫理を考える会を開く方針だが、学生側は「研究者本人が会合に参加してくれるのか分からない」と納得していない。  会見した代表の岡崎さんは「東大医学部全体の問題。会合は不祥事に関係した研究者が出席し、早急に開いてほしい」と求めている。【河内敏康】 "[he-forum 18344] 北国新聞7/11","北國新聞 2014年7月11日付 金大の科研費、過去最多更新 727件、17億7千万円  金大の研究者に対し、文部科学省が2013年度に採択した科学研究費補助金(科研費 )が、計727件17億7203万円と、件数、金額ともに法人化された04年度以降で 最多となった。14年度は国の予算が減るが、金大の金額はさらに伸び、約20億円とな る見通し。科研費の実績は、大学の研究の質の高さを測る重要な指標とされる。12年度 からの継続分を含む採択件数の順位では、理化学研究所を抜いて全国16位(前年17位 )となった。  金大の13年度の科研費実績は、件数が前年比29件増、金額が同2058万円増で、 いずれも3年連続で前年を上回った。採択件数が700件を超えたのは初めて。全国最多 は東大の3659件だった。  研究部門を担当する向智里理事・副学長は、実績が伸びた要因の一つとして、研究者を 支援する人材「リサーチ・アドミニストレーター(URA)」の定着を挙げる。  URAは科研費など外部資金の獲得に関し、情報収集の面などで研究者をサポートする のが役割で、現在、学内に11人配置されている。金大は09年、全国に先駆けて導入し 、11年には、文部科学省の研究者支援人材育成のモデル機関に選ばれた。  向副学長は「最初は手探りだったが、5年たち、URAの能力が高まった」と指摘した 。このほか、科研費の採択実績が多い教員を選び、別の教員にアドバイスさせる取り組み も奏功したという。  14年度は、国の予算の総枠が13年度より13億円減って2305億円となるが、金 大は件数、金額ともに増加する見込みだ。今年4月時点で採択件数は13年度比62件増 の789件、金額は同2億891万円増の19億8094万円。最終的に多少の増減があ る可能性はあるが、前年度を上回るのは確実とみられる。  向副学長は「科研費の実績は大学の総合評価の指標となる。この調子で着実に上積みし ていきたい」と話した。 "[he-forum 18354] 京都新聞 2014.7.12","http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140712000114 京都新聞 2014年07月12日 臨時国会で共謀罪新設の法整備も 安保法制先送りで浮上  政府が今秋の臨時国会で、殺人などの重大犯罪の謀議に加わっただけで処罰対 象となる「共謀罪」新設の法整備に着手するとの見方が浮上している。集団的自 衛権の行使容認を踏まえた安全保障関連の法案提出が来年の通常国会に先送りさ れる見通しとなったことで生じる「隙間」を狙った動きだ。捜査当局の恣意的適 用などへの懸念から世論の反発も予想され、安倍晋三首相は慎重に判断する。  共謀罪は実行行為がなくても処罰対象となる。広範に適用されれば、国家によ る市民監視につながる恐れがあるとして野党や日弁連などは立法化の動きを批判 している。(共同通信) "[he-forum 18353] 北海道新聞 2014.7.12","http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/550842.html 北海道新聞 2014年07月12日 臨時国会で共謀罪新設の法整備も 安保法制先送りで浮上  政府が今秋の臨時国会で、殺人などの重大犯罪の謀議に加わっただけで処罰対 象となる「共謀罪」新設の法整備に着手するとの見方が浮上している。集団的自 衛権の行使容認を踏まえた安全保障関連の法案提出が来年の通常国会に先送りさ れる見通しとなったことで生じる「隙間」を狙った動きだ。捜査当局の恣意的適 用などへの懸念から世論の反発も予想され、安倍晋三首相は慎重に判断する。  共謀罪は実行行為がなくても処罰対象となる。広範に適用されれば、国家によ る市民監視につながる恐れがあるとして野党や日弁連などは立法化の動きを批判 している "[he-forum 18352] 西日本新聞 2014.7.12","http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/100987 西日本新聞 2014年07月12日 臨時国会で共謀罪新設の法整備も 安保法制先送りから浮上  政府が今秋の臨時国会で、殺人などの重大犯罪の謀議に加わっただけで処罰対 象となる「共謀罪」新設の法整備に着手するとの見方が浮上している。集団的自 衛権の行使容認を踏まえた安全保障関連の法案提出が来年の通常国会に先送りさ れる見通しとなったことで生じる「隙間」を狙った動きだ。捜査当局の恣意的適 用などへの懸念から世論の反発も予想され、安倍晋三首相は慎重に判断する。  共謀罪は実行行為がなくても処罰対象となる。広範に適用されれば、国家によ る市民監視につながる恐れがあるとして野党や日弁連などは立法化の動きを批判 している。 "[he-forum 18351] 共同通信7/11","共同通信 2014年7月11日18時5分 給付型奨学金創設明記 「子供の貧困」大綱案  経済的事情などで満足な教育や生活支援を受けられない子供のために、政府が必要な施策をまとめた「子供の貧困対策」の大綱案が11日、明らかになった。大学や専門学校で学ぶ場合に、給付型の奨学金創設を目指すと明記。学校をプラットホーム(拠点)と位置付け、福祉との連携や親の就労支援も盛り込んだ。今月下旬に閣議決定する。  子供の貧困をめぐっては、進学や就職を諦め、大人になってからも深刻な影響が続くとの問題点が指摘されている。  大綱案は「生まれ育った環境に左右されず、世代を超えて貧困が連鎖しないよう」に対策の必要性を強調している。 "[he-forum 18350] 岐阜新聞7/12","岐阜新聞 2014年7月12日付 医学生ら訓練奮闘 岐阜大病院、大規模災害を想定  岐阜市柳戸、岐阜大学病院で11日、大規模災害への対応能力を高める多数傷病者受け入れ訓練があり、医学生が他職種と連携しながら治療の優先順位を判定するトリアージや応急処置、病棟との交渉などを繰り広げた。 ◆傷病者受け入れを指揮  災害・救急医療を学ぶ実習で、医学部医学科の4年生100人が医師役、患者役を担った。訓練には現役の看護師や事務職員、助言役の医師を含め総勢200人が参加した。  大型バスが絡む多重の交通事故が発生したとの想定で、痛々しい傷口や流血などのメークを施した傷病者役60人が病院の玄関から次々と運ばれた。  傷病者の中には妊婦役もおり、医学生は重傷度や緊急度に応じてグループ分け。指揮統括も医学生が担当し、無線機を使って頭や胸のコンピューター断層撮影(CT)などの検査室や収容先の病棟の空き具合を確認して対応を指示。処置の済んだ患者を搬出していった。  トリアージエリアのリーダーを務めた4年小木曽美紀さん(22)は「事務職員の協力も得て滞りなくさばけた。全体を見渡してチームを引っ張る医師の役割の大きさがよく分かった」と収穫を語った。 "[he-forum 18349] 日本海新聞7/11","日本海新聞 2014年7月11日付 鳥大病院にヘリポート 広域の救急搬送、時間短縮  鳥取県米子市西町の鳥取大学医学部付属病院にヘリポートが完成し10日、完成式典が開かれて運用が始まった。ヘリを使った同病院への患者搬送にかかる時間がこれまでより10分程度短縮されるほか、山間部からの搬送や広域災害の救急対応に役立つ。鳥取県西部の病院で初のヘリポートで、鳥取、島根両県では6カ所目。  同病院の敷地内にはヘリポートがなく、2013年の1年間に30件あった同病院へのヘリ搬送は約1キロ離れた米子港に着陸して、患者を救急車に乗せ替える必要があった。また、米子港から同病院への道路の一部には橋が架かっていて、災害で被害を受けると搬送できない恐れも指摘されていた。  救命救急センターの隣に、ビルの5階に相当する高さ20メートルの鉄骨造の専用ヘリポート(21メートル四方)を総工費約3億4千万円をかけて新設。島根県が運航するドクターヘリや鳥取県消防防災ヘリなどの離着陸に活用される。  行政や病院の関係者約30人が出席した式典で関係者がテープにはさみを入れるなどして完成を祝い、ドクターヘリの離着陸訓練が行われた。  北野病院長は「山間部からの救急搬送の時間短縮にも貢献できる。これからはヘリによる搬送がもっと伸びてくる」と効果を話していた。 "[he-forum 18348] 河北新報7/13","河北新報 2014年7月13日付 バイクの納税、学生にPRへ 仙台市、5大学で初実施  原付きバイクやオートバイで通学する大学生に軽自動車税の納付を呼び掛けようと、仙台市は14日から18日にかけて、東北大や宮教大など市内や近郊の5大学でチラシを配布する。大学生対象のキャンペーンは初めて。納付への意識向上を図り、廃車や名義変更の手続きなど必要な知識を持ってもらうのが目的だ。  東北、宮城、東北工業、東北福祉、宮城教育の各大学に納税管理課の職員が出向き、学食などでチラシ計3000枚を配る。  チラシは、金融機関やコンビニでも納税できることをPR。市外への引っ越しのほか、他人に譲渡したり、盗難に遭ったりした場合に必要な手続きを紹介する。  同課によると、廃車申告や名義変更を忘れたため、車両を所有していないのに、課税対象になっている滞納者が多いという。正しい知識を伝え、「うっかり滞納」を減らしたい考えだ。  軽自動車税は市町村税で、本年度の市の当初予算は12億円を見込む。徴収率は2012年度決算で91.2パーセントで、市税全体の95.2%よりも低い。原付きバイク、オートバイの利用者の多い大学生への呼び掛けを通し、税収の積み上げを目指す。  キャンペーンには、来年度の軽自動車税増税に伴う滞納増加を防ぐ狙いもある。遠藤理課長は「大学生のうちに税を正しく納付する行動を身に付けてほしい」と話す。 "[he-forum 18347] しんぶん赤旗7/12","しんぶん赤旗 2014年7月12日付 国家公務員賃下げ 地方経済に深刻影響 国公労連 試算で明白  安倍政権は、「給与制度の総合的見直し」で、国家公務員に対して新たに恒久的な賃下げをねらっています。この賃下げは地方公務員や独立行政法人など約625万人の賃金に直結し、地域経済に深刻な影響を与えることが、日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)の試算で明らかとなりました。(堤由紀子)  安倍政権や人事院がねらう「給与制度の総合的見直し」には、地域間格差がさらに拡大するという大きな問題があります。 民間労働者も  昨年8月の人事院報告では、12県を選んで国家公務員給与と民間賃金を比べ、民間賃金が2~3%低いと指摘。公務員に対するさらなる賃下げを求めていました。この賃下げ分を原資にして、民間賃金が高い都市に地域手当としてつけるというもの。今でも18%にも及ぶ地域間格差が、さらに広がる恐れがあります。  しかも、今回の賃下げは民間労働者の賃金に悪影響を与え、地方経済に深刻な影響を与えます。  国公労連の試算では産業連関表を使い、国家公務員の賃下げを3%と仮定し、国家公務員、地方公務員、国立病院機構、国立大学法人に限って試算。29県について、地方経済へのマイナス波及効果を算出しました。  「見直し」の根拠として比較対象となった12県での影響は、非常に大きいものがあります。(表参照)  例えば岩手県では、給与削減額は72億3千万円となり、減額による直接消費支出減は43億3千万円にのぼります。公務員賃金の削減は他産業の賃金に波及し、公務員と民間を合わせた賃金減少額は93億円にも。その結果、岩手県全体の総消費支出は66億7千万円も減ることになります。  賃下げによる総消費支出減少額は12県で699億円にものぼり、地域経済を直撃します。 自治体も批判  ただでさえ経済が疲弊している地方からは、大きな批判の声があがっています。  国公労連は3日、人事院と交渉を実施。沖縄の代表は「中小企業団体中央会から『公務員賃金を上げてもらわないと地域経済が疲弊して困っている。もっと運動しないのか』と言われた」と発言しました。  交渉を控えた人事院前行動では、国公九州ブロックの代表が「自治体や経済団体への要請や懇談にとりくんでいる。九州市長会のメンバーからも給与制度の総合的見直しについて『おかしい』という声が上がっている」と紹介しました。  国公労連の盛永雅則顧問は「公務員の賃下げがおこなわれれば、今でさえ低い最低賃金までもが固定化されてしまう」と、民間労働者への悪影響を批判します。  比較対象とされた12県はいずれも最低賃金がもっとも低い水準のところで、民間賃金が低い地域です。最低賃金は少しずつ引き上げられてきましたが、地域間格差は広がっています。  盛永顧問が言います。「公務員の賃下げは民間労働者の賃上げの流れに逆行するものであり、経済はますます冷え込みます。自治体や経済団体との懇談に旺盛にとりくみながら、賃下げを許さない世論をつくりたい」 "[he-forum 18346] しんぶん赤旗7/13","しんぶん赤旗 2014年7月13日付 大学の自治守ろう 学長経験者ら迎えシンポ 大阪  大学の管理・運営制度をめぐる法改悪や拙速な統合に対し「大学の自治」や「学問の自由」を守ろうと、前京都大学総長の尾池和夫・京都造形芸術大学学長らを迎えたシンポジウムが12日、大阪市内で開かれました。実行委員会の主催。  先の国会では、大学の教授会から人事と予算の審議権を奪い、学長のトップダウンや国による大学への介入を強める学校教育法の改悪法が成立しました。  元滋賀大学学長の宮本憲一・大阪市立大学名誉教授は「研究・教育のコミュニティーである大学の管理・運営制度を、これまでのコミュニティー的な決め方から企業的な決め方に変質させるものだ」と批判しました。  芦田文夫・元立命館大学副総長は、各大学で改悪法を実質化させない運動が大事であり「教授会を足場としながら、その枠組みを超えるような全学的な運動を」と呼びかけました。  小林宏至・大阪府立大学名誉教授が大阪の府大・市大統合を批判。京都大学職員組合の竹中寛治副中央執行委員長が総長選挙の廃止に待ったを掛けたたたかいを報告しました。尾池氏は日本の大学の課題について講演。フロアから発言した日本共産党の宮本岳志衆院議員は「改悪を現場で食い止めるために頑張りたい」と語りました。 "[he-forum 18357] 毎日新聞静岡7/16","毎日新聞静岡版 2014年7月16日付 地方法科大学院:法相らに存続を要請 県内の弁護士ら「学生の経済負担軽減」  司法試験合格率低迷や定員割れで統廃合が求められている法科大学院を巡り、静岡や島根など4県の弁護士らでつくる「地方の法科大学院の存続を求める会」が15日、法務相や文部科学相らに財政支援などを求めて要請書を提出した。  静岡大を含め、今春学生を募集した法科大学院の定員割れは9割を超え、文科省はさらに統廃合を促す方針。要請書では、存続意思のある大学院への財政支援や地域性を考慮した配置を求めている。  会メンバーでもある小長谷保・県弁護士会長は同日記者会見し、「地方の法科大学院が存続すれば、学生の経済的負担を軽減できる」と訴えた。企業に就職後、静岡大法科大学院に通った県内出身の伊代田雄大弁護士は「社会人にとって、地元から通える大学院は重要。さまざまな視点を持つ法曹関係者育成のためにも地方の存在は重要」と訴えた。【荒木涼子】 "[he-forum 18356] 毎日新聞7/16","毎日新聞 2014年7月16日付  政府が月内にも策定する「子どもの貧困対策大綱」の原案が15日判明した。所得に応じて奨学金の返還月額を変えられる制度の導入を検討することなどが柱。既存の無利子奨学金の対象者を拡大することも盛り込んでいる。  大綱は今年1月に施行された「子どもの貧困対策法」に基づき、対策の具体的な内容を定めるもの。今後、与党内での調整を経て閣議決定する。  大綱案は、生活保護世帯の子供の高校進学率や、ひとり親家庭の親の就業率を改善させることを目指し、重点施策を掲げている。重点施策は、幼児教育から大学進学までの教育の支援や、居場所づくりなど生活の支援などを挙げた。  具体的には、(1)低所得でも奨学金を返済できるよう、所得に連動した返済月額を定める制度を検討(2)虐待などに遭っている子を福祉につなげるスクールソーシャルワーカーの配置の推進−−などを打ち出している。【遠藤拓】 "[he-forum 18355] 信濃毎日新聞7/15","信濃毎日新聞 2014年7月15日付 信大と事業構想大学院大が包括連携 リーダー育成狙い協定締結  信州大(本部・長野県松本市)と事業構想大学院大(東京)は14日、教育、研究などの分野で協力する包括連携協定を締結した。産業界で活躍するリーダー育成などが狙い。最初の連携事業として、信大上田キャンパス(上田市)の「博士課程教育リーディングプログラム」の大学院生が、今秋から同大学院大で学ぶ。  都内の学校法人が運営する同大学院大は2012年4月に開学。事業構想力を養う2年間の修士課程があり、社会人約70人が学んでいる。信大のリーディングプログラムは今年4月に新設され、8人が在籍。繊維・ファイバー分野で5年間の一貫教育を受けており、秋からは土曜日に同大学院大で創造的思考法などを学ぶ。  同大学院大での調印式には信大の山沢清人学長、同大学院大の清成忠男学長らが出席。山沢学長は「さまざまなプロジェクトでリーダーを務められる人材を育てたい」。清成学長は「起業家を目ざす学生も多いので、信大の学生にとっても刺激になるはずだ」と述べた。 "[he-forum 18359] 信濃毎日新聞7/17","信濃毎日新聞 2014年7月17日付  県短大(長野市)を四年制化し2018年度開学を目指す新県立大構想で、阿部守一知事が、運営主体となる公立大学法人の理事長に元ソニー社長の安藤国威(くにたけ)氏(72)、学長に慶応大名誉教授(ロシア語、言語学)の金田一真澄氏(65)を起用する方針を固めたことが16日、関係者への取材で分かった。17日にも発表する。両氏は大学運営や教育内容の具体化の中心となる。  安藤氏は、ソニーで家庭用パソコン「バイオ」の開発を主導し、2000年から05年まで同社社長を務めた。11年からソニー生命保険名誉会長。国際経験や、電機メーカーのソニーで新たに保険事業を始めた実績などがある。  金田一氏は今年3月まで慶応大理工学部教授。大半の学部の1、2年生が学ぶキャンパスでカリキュラム作りの責任者を務めた経験もある。昨年12月から新県立大の教育課程・教員選考専門部会の委員を務めている。  県が昨年6月に決めた基本構想によると、新県立大は「グローバル(地球規模)な視野を持ち、地域にイノベーション(革新)を創出できる」人材の育成を目指すとし、総合マネジメント学部(定員160人)と健康発達学部(同80人)を設置。健康発達学部には管理栄養士受験資格が得られる健康文化学科・食健康コースを置くとしている。  県は本年度一般会計当初予算に、県立大の施設設計関連費用など1億8800万円を計上。教育課程・教員選考専門部会は、授業科目を固めた上で、今夏までに中心となる教員のめどを付ける方針を示している。  県は15年度中に関連施設の設計を終え、同年度中に校舎などの建設工事に着手、16年度に建設に入る新学生寮と併せ、17年度中に完成させる予定だ。大学の設置申請は16年度、公立大学法人の設立申請は17年度に行う方針。 "[he-forum 18358] 毎日新聞7/18","毎日新聞 2014年7月18日付 九州大:新学長に久保氏を選出  九州大(福岡市西区)は17日、9月末に任期満了となる有川節夫学長の後任を決める選考会議(議長・石原進JR九州相談役)を開き、前同大病院長で国際医療福祉大副学長の久保千春氏(66)を選出した。任期は10月1日から6年間。  久保氏は鹿児島県出身で九大医学部卒。専門は心療内科で、同大医学部教授などを経て2008〜13年度に同大病院長を務めた。「大学の経営を改善し、国際的に活躍できる人材を育成したい」と抱負を述べた。  片野光男・医学研究院長、安浦寛人副学長を含む3人が最終候補者で、今月11日の教職員による学内投票で久保氏が最多だった。17日の選考会議では意見がまとまらず投票で決めた。【福永方人】 "[he-forum 18364] 中国新聞 2014.7.23","http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=73709&comment_sub_id=0&category_id=256&index_flg=1&pl=1222856417 共謀罪新設に前向き 法相「テロ対策で必要」 | 2014/7/23 谷垣禎一法相は22日の記者会見で、殺人などの重大犯罪の謀議に加わっただけで 処罰対象となる「共謀罪」新設のための組織犯罪処罰法改正に前向きな考えを表 明した。「必要なことは否定できない。諸外国と協調してテロ対策に当たるた め、いつかやらなければならない課題であることは間違いない」と述べた。  政府が秋の臨時国会で法整備に着手するとの見方が出ていることには「共謀罪 という名称を含め、未定という以上は申し上げにくい」と述べるにとどめた。菅 義偉官房長官も会見で「慎重な上にも慎重に検討していくべきだ」と強調した。  共謀罪をめぐっては、国連が2000年11月に「国際組織犯罪防止条約」を採 択し、日本政府は翌12月、条約に署名した。この後、組織犯罪処罰法改正案を国 会に3回提出したが、継続審議や廃案を繰り返した。  これに関し、谷垣氏は会見で「ずいぶん誤解もあったのではないか」と指摘。 政府高官は、日弁連が法の拡大解釈による人権侵害の懸念を示していることなど を念頭に「法整備はなかなか理解されない」と語った。 "[he-forum 18363] ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2014/07/22","http://jp.wsj.com/news/articles/JJ10615623475220984680118830077723519352323?tesla=y&tesla=y&mg=reno64-wsj 「共謀罪」法整備を=菅長官は慎重姿勢―自民・脇氏 2014年7月22日  自民党の脇雅史参院幹事長は22日の記者会見で、犯罪の謀議に加わる行為を 処罰する「共謀罪」創設について、「必要な国内法の整備は当然やらねばならな い。国際的にみても、要請がある」と述べ、組織犯罪処罰法の改正など関連法案 の提出を急ぐべきだとの考えを強調した。  共謀罪は、テロなどの組織犯罪の計画の謀議に加わった場合でも処罰の対象と するもので、政府は2000年の国連国際組織犯罪防止条約への署名を受け、創 設を目指している。  ただ、集団的自衛権の行使容認などで安倍内閣の支持率が低下する中、直ちに 共謀罪創設に着手することには否定的な意見もある。菅義偉官房長官は22日の 記者会見で「慎重な上にも慎重に検討していくべきだ」と語った。  [時事通信社] "[he-forum 18362] 長崎新聞 福井新聞 北国新聞 山陰中央新報 北海道新聞  2014.7.22","http://www.nagasaki-np.co.jp/f24/CO20140722/po2014072201001872.shtml http://www.fukuishimbun.co.jp/nationalnews/CO/politics/861581.html http://www.hokkoku.co.jp/newspack/seiji2014072201001872.html http://www.sanin-chuo.co.jp/newspack/modules/news/article.php?storyid=1282425010 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/552655.html 共謀罪、菅氏「慎重に検討を」 臨時国会での整備に(07/22)  菅義偉官房長官は22日の記者会見で、殺人などの重大犯罪の謀議に加わった だけで処罰対象となる「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法改正について、秋の 臨時国会での整備に慎重な考えを示した。「これまでのさまざまな議論がある。 慎重な上にも慎重に検討していくべきだ」と述べた。  これに関して政府高官は、日弁連などが法の拡大解釈による人権侵害や不当逮 捕の懸念を示していることを念頭に「法整備はなかなか理解されない」との見方 を示した。  共謀罪をめぐっては、国連が2000年11月に「国際組織犯罪防止条約」を 採択し、日本政府は翌12月、条約に署名した。 "[he-forum 18361] NHK NEWS WEB 2014.7.22","http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140722/k10013187361000.html 共謀罪 法案の秋の臨時国会提出は慎重に判断 7月22日 13時13分  谷垣法務大臣は閣議のあとの記者会見で、テロなどの重大な組織犯罪の計画の 謀議に加わった場合に処罰の対象となる「共謀罪」を新設するための関連法案に ついて、「いつかやらなければならない課題だ」と述べる一方、秋の臨時国会へ の提出は慎重に判断する考えを示しました。  「共謀罪」は、テロなどの重大な組織犯罪を実行していなくても、犯行計画の 謀議に加わった場合に処罰の対象とするものです。政府は、国連の国際組織犯罪 防止条約の批准に「共謀罪」の新設が必要なことから、組織犯罪処罰法の改正案 など、「共謀罪」を新設するための関連法案を平成15年以降、国会に3回提出 していますが、いずれも廃案になっています。  これに関連して、谷垣法務大臣は閣議のあとの記者会見で、「国際組織犯罪防 止条約は国会の承認を得ており、条約上の義務を果たすためにも立法が必要なこ とは否定できない。諸外国と協調してテロ対策に当たるためには、いつかやらな ければならない課題であることは間違いない」と述べました。  その一方で谷垣大臣は、秋に予定されている臨時国会に関連法案を提出するか どうかについて、「今まで何度か国会に提出したが、なかなか難しかったのも事 実だ。ずいぶん誤解もあったので相当慎重に考えていかなければならず未定だ」 と述べ、慎重に判断する考えを示しました。 ======================================================================= http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140722/k10013203621000.html 「共謀罪は慎重な上にも慎重に」官房長官 7月22日 19時52分  菅官房長官は午後の記者会見で、テロなどの重大な組織犯罪の計画の謀議に加 わった場合に処罰の対象となる「共謀罪」を新設するための関連法案について、 「慎重なうえにも慎重に検討すべきだ」と述べ、秋の臨時国会への提出は慎重に 判断する考えを示しました。  「共謀罪」は、テロなどの重大な組織犯罪を実行していなくても、犯行計画の 謀議に加わった場合に処罰の対象とするものです。 政府は、国連の国際組織犯罪防止条約の批准に「共謀罪」の新設が必要なことか ら、組織犯罪処罰法の改正案など、「共謀罪」を新設するための関連法案を平成 15年以降、国会に3回提出していますが、共謀罪の適用範囲があいまいだなど とする野党側の反発もあっていずれも廃案になっています。  これについて、菅官房長官は「国際組織犯罪防止条約を締結し、国際社会と協 力してテロや組織犯罪と戦い、未然に取り締まることは極めて重要であり、その ために条約上の義務を果たすための立法が必要なことは否定できない」と述べま した。  その一方で、菅官房長官は、記者団が「秋の臨時国会に関連法案を提出する考 えか」と質問したのに対し、「所管の法務省で検討されることになるが、これま でのさまざまな議論があるので、慎重なうえにも慎重に検討していくべきだ」と 述べ、秋の臨時国会への提出は慎重に判断する考えを示しました。 "[he-forum 18360] 琉球新報 2014.7.21","http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-228917-storytopic-1.html 共謀罪、菅氏「慎重に検討を」2014年7月22日  菅義偉官房長官は22日の記者会見で、殺人などの重大犯罪の謀議に加わった だけで処罰対象となる「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法改正について、秋の 臨時国会での整備に慎重な考えを示した。「これまでのさまざまな議論がある。 慎重な上にも慎重に検討していくべきだ」と述べた。  これに関して政府高官は、日弁連などが法の拡大解釈による人権侵害や不当逮 捕の懸念を示していることを念頭に「法整備はなかなか理解されない」との見方 を示した。  共謀罪をめぐっては、国連が2000年11月に「国際組織犯罪防止条約」 を採択し、日本政府は翌12月、条約に署名した。 (共同通信) "[he-forum 18365] 東京新聞千葉7/22","東京新聞千葉版 2014年7月22日付 千葉大病院 外来病棟を新設 木材で癒やしの空間  千葉大病院(千葉市中央区)は二十二日、外来患者向けの新しい診療棟での治療活動を始める。患者の増加に合わせて、広さは現病棟の二倍に拡大。中庭には緑が広がり、木材を多用して見た目にも患者がリラックスできる“癒やしの空間”を目指す。  新診療棟は敷地内に建てられ、診療室を百五十四室から二百九室に増やした。  内科と外科の区分ではなく、臓器別に外来診療を行う点が特色。例えば、脳神経外科と神経内科は同じ窓口で患者を受け付け、各科の医師が連携して治療がしやすくなる。  また、通院しながら抗がん剤治療を受ける患者のために、眺めの良い最上階の五階に治療室を設置。二~三時間の治療中、少しでも気分を和らげてもらおうと、市内の緑の景色が見渡せる大きな窓の前に治療用ソファを設けている。  山本修一院長は「患者が大学病院を訪れる際、感じている不安を取ることを第一に考えた診療スペース。外来棟に新たな機能を持たせていきたい」と話した。    (柚木まり) "[he-forum 18367] 毎日新聞7/25","毎日新聞 2014年7月25日付 大学生・奨学金:「返済を所得に連動」導入 18年度以降 ◇16年開始予定の「マイナンバー制度」活用  文部科学省は、大学生向けの奨学金制度について、卒業後の年収に応じ返還月額を変える「所得連動返還型」を新たに導入する方針を決めた。豪州など海外では導入されているが日本では初。景気や雇用状況を踏まえて柔軟に対応できるのが特徴で、2016年開始予定の「マイナンバー制度」を活用し、所得状況を把握しながら運用する計画。来年度予算の概算要求で実態調査費や導入へ向けたシステム改修費を盛り込み、18年度からの導入を目指す。  国の奨学金事業は独立行政法人「日本学生支援機構」が担っている。同機構によると、貸与型奨学金の利用学生は今年度、無利子、有利子合わせ約140万人。貸与額は月12万〜3万円で年間平均額は約80万円。卒業後20年以内で完済する。  無利子で4年間計約260万円を借りて15年間で完済する場合、返済月額は約1万5000円。現行では、年収300万円以下だと返還猶予制度があるが、300万円超だと、返還月額は固定されたまま。返還できないと年5%の延滞金がかかる。不況の影響などで返還できない人も多く、延滞額は925億円(12年度末)に上る。  所得連動型は、年収が減れば返還月額が減る仕組みで負担軽減になる。さらに少額でも返済につなげて未返還金を減らす狙いもある。  導入には各人の所得情報が必要になるためマイナンバー制度を活用する。国民全員に社会保障と税の共通番号を割り当てる同制度は16年から運用開始予定。これを踏まえ、新奨学金の導入は18年度を目指す。  来年度は、返還を求める年収の下限額や年収に対応した各返還月額を検討・設定するために、奨学金利用者の実態を調査する。【三木陽介】 "[he-forum 18366] 佐賀新聞7/25","佐賀新聞 2014年7月25日付 =地域と結ぶ 佐賀大法人化の10年=(上)変化  6月の日曜日、昼下がりの佐賀大本庄キャンパス(佐賀市)で、行き交う学生らに交じって、車いすの高齢者の姿があった。美術館を見学に訪れた介護施設の一行。「初めて来たけど、いろんな体験教室もあって楽しい」。引率の介護スタッフは笑顔を見せた。  佐賀医科大学との統合から10周年を迎えた節目にオープンした美術館。地方の国立大学法人で初めての施設という。館内にはカフェも併設し、開館から7カ月で来場者は3万人を超えた。文字通り「大学の顔」として、地域に定着しつつある。  「美術館の構想は以前からあったが、学内で意見がまとまらず立ち消えになった。法人化の前だったら、とても考えられない」。あるベテラン教授は感慨深げだ。  全国89の国立大学が法人化して10年。教授会で意見調整するボトムアップ型の運営手法から、学長を中心とした執行部が権限と責任を持つトップダウン型に変わった。総工費6億円を投じた美術館は、その「変化」を象徴する存在でもある。      *  ただ、国はなお一層の改革を大学側に迫っている。先の国会で成立した改正学校教育法と改正国立大学法人法では、これまで大学の運営に大きな影響を及ぼしてきた教授会の権限を教育研究分野に限定。予算編成などを審議する「経営協議会」も学長が選任した外部委員で過半数を占めるよう定められ、よりスピーディーな意思決定と外部の目によるチェックが求められる。  「大学の自治を否定する」との批判もあるこうした改革を国が打ち出す背景には、法人化が目指した「自主・自立的」な大学経営が十分に実現できていないとの認識があるようだ。  「国民の税金を使ってまで、大学が必要とされる存在意義が何なのか、示すように求められている」。法人化後、佐賀大の主要プロジェクトに関わってきた教授の一人は明かす。少子化による「大学全入時代」を迎え、将来的に定員割れが起きてくれば、国立大学の再編・統合は避けられない。生き残りへの方策が問われている。      **  佐賀大は昨年から「知(地)の拠点整備事業」をスタートさせた。空洞化が進む中心市街地の活性化や中山間地振興、高齢者の健康増進といった地域の課題解決に向け、自治体と連携し、学生たちが実地調査やボランティア活動などに取り組む。  私学の西九州大との共同プロジェクトという、かつてない試み。個別の大学では限定的な「持ち味」を国立、私立の枠組みを超えて持ち寄ることで「強み」に変えていく。「これからは、大学が地域再生の核にならないと」と責任者を務める五十嵐勉・全学教育機構教授。「そのためには大学が自ら変わらなければ」。大学と地域の関係がどうあるべきか、問い直しが始まっている。      ◇  佐賀大が国立大学法人化して10年。少子化や運営費の減少など取り巻く環境は年々厳しくなり、大学間競争も激化の一途をたどる。さらなる大学改革も迫られる中、模索してきた「地域に求められる大学」への歩みを見つめる。 "[he-forum 18370] 時事通信7/26","時事通信 2014年7月26日17時23分 国際アカデミー創設=スポーツ界の人材育成-筑波大  筑波大は26日、国際オリンピック委員会(IOC)と連携して、スポーツ界の国際的リーダー育成を目指す「つくば国際スポーツアカデミー」を設置すると発表した。  2020年東京五輪・パラリンピックの運営を担う人材や、国際競技団体幹部を養成することが目的。IOCが中心となって、スイスに設立したスポーツマネジメント大学院と連携し、IOC幹部による講義などを計画している。 "[he-forum 18369] 秋田魁新報社説7/27","秋田魁新報社説 2014年7月27日付 地方創生 問われる政権の本気度  安倍晋三首相が掲げる「地方創生」のため、政府は人口減対策や地域経済の活性化に取り組む「まち・ひと・しごと創生本部」の発足に向けた準備室を設置した。本県の最重要課題でもあるテーマだけに、その動向に注目したい。  ただ、安倍首相の発言は、成長戦略の地方への波及という方向に偏りがちに聞こえる。来春の統一地方選などをにらみ、既存の政策を積み重ねるだけでは実効性に疑問符が付く。東京一極集中の是正、地方の雇用創出・拡大、少子化対策などを含めて、総合的で大胆な人口減対策を打ち出せるか、安倍政権の本気度が問われる。  きっかけとなったのは、有識者でつくる日本創成会議の分科会が5月に公表した試算だ。現在のペースで地方から都市部への人口流出が続けば、2040年までに国内の約半数の自治体で、若い世代の女性人口が半数以上減り、自治体が消滅する可能性があるという。本県でも大潟村を除く24市町村が該当するという衝撃的な内容だった。  この試算が、地方の人口減問題に対する危機感が乏しかった国の認識を一変させたことは間違いない。佐賀県で先日開かれた全国知事会議でも、人口減問題を「国家の基盤を危うくする重大な岐路」とした少子化非常事態宣言をまとめた。国と地方が危機感を共有したことは一歩前進である。  9月にも発足させる創生本部は安倍首相が本部長を務め、担当相も置く予定。メンバーは全閣僚で、有識者会議も設ける。  地方戦略として、東京五輪が開催される20年までの総合戦略と、今後50年間の長期ビジョンをまとめ、全国10ブロックの協議会で地方版総合戦略をまとめる。  人口減対策のキーワードの一つは雇用だ。地方の雇用環境の悪化が大都市圏への人口流出の要因となり、大学や専門学校卒業後のUターンの足止めにもつながっている。少子化対策でも、将来の生活設計を見通せる雇用や子育て、生活といった環境を整えることが前提となる。  もちろん、取り組むべき課題は数多い。各自治体は人口規模や経済環境などがそれぞれ異なり、抱えている状況、課題は千差万別だ。各地域の実情を十分にくみ取り、地域の発想を生かす工夫が欠かせない。  本県は全国で最も速く人口減少が進む。これまでの本県の取り組みや課題を踏まえた積極的な提案、提言を政府に対して行い、効果的な政策を強く求めていかなければならない。  地方の再生というテーマは過去に何度も掲げられ、結果的に「掛け声倒れ」に終わった。政府は15年度予算編成で特別枠を設けて重点配分する方針を示す。安倍首相の指導力によって、省庁横断的に大胆な政策や予算配分をどれだけ行うことができるか。それが「地方創生」の実効性を占う鍵といえる。 "[he-forum 18368] 福島民報7/26","福島民報 2014年7月26日付 福島大が農業系教育組織を検討 風評払拭へ人材育成  福島市の福島大(中井勝己学長)は農業系の教育・研究組織の学内開設に向けた検討に入った。新組織の必要性に関する調査費約2500万円について、平成27年度予算に盛り込むよう、25日までに文部科学省に要求手続きをした。  東日本大震災、東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質や風評などで本県農業は多くの被害を受けており、東北地方で唯一、大学の農学部がない本県で、農業の将来を担う人材を大学教育として育成する必要があると判断したもようだ。  同大は学内組織のうつくしまふくしま未来支援センターで農産物への放射性物質移行研究や放射性物質測定、産地の再生、県産品の情報発信など農業復興に向けた取り組みを進めている。こうした活動で得た知見などを教育面で活用したい考え。放射性物質への対応の他に、根強い風評を払拭(ふっしょく)するためにも本県農業の一層の質向上を進める人材育成が必要とみている。  県内からは震災、原発事故からの本県農業の復興に向け、大学の農学部開設を求める声が出ている。同大は農業系の教育・研究組織の必要性を見極め、どのような形態が望ましいかを検討する。 "[he-forum 18374] 日本経済新聞7/29","日本経済新聞 2014年7月29日付 返済不要の奨学金「創設検討を」 文科省有識者会議が提言  大学生向けの奨学金制度のあり方を議論してきた文部科学省の有識者会議(主査・小林雅之東京大教授)は28日、国としては導入していない返済不要の「給付型奨学金」について、「将来的には創設に向けての検討も進めていくべきだ」とする提言をまとめた。  国の現行の奨学金は全て大学卒業後に返済する「貸与型」で、給付型を設けていないのは先進国では異例。経済的に困窮する世帯の子供の大学進学率が比較的低いことから、提言は「家庭の経済的状況が進路選択に大きな影響を与えている」と給付型の必要性を訴えた。  最大の課題は財源で、試算では対象者を成績優秀で経済的に厳しい学生(約6万3千人)に限った場合で年380億円かかる。主査の小林教授は「将来的には生活保護の受給世帯減少や労働力向上などの効果が見込める。課題は多いが議論を進めるべきだ」と話した。  一方、貸与型の奨学金を卒業後に返済できない人が約33万人いる問題を受け、より返済しやすいよう卒業後の年収に応じて毎月の返済額が変わる制度の新設も提言した。同省は2018年度からの導入を目指し、システム改修費などを15年度予算の概算要求に盛り込む。 "[he-forum 18373] 富山新聞7/29","富山新聞 2014年7月29日付 再選任期を4年に拡大 富山大学長選、意向調査の扱いも変更  富大が現在2年としている学長の再選任期を、1期目と同じ4年とすることが28日、富大への取材で分かった。どの候補が学長にふさわしいか教職員が投票する意向調査の扱いも変更するほか、非公開だった学長候補適任者の推薦人の氏名も公開する。9月1~5日に候補適任者の推薦を受け付け、11月10日に選考会議で次期学長が決まる。  富大によると、学長の任期は2期までで、従来は1期目4年、再選2年だったが、1期目も再選も4年となる。学長選考会議の学外委員から「2年と4年では学長としてできる仕事が異なり、条件に差が出るため、候補者が同じ土俵で競争できない懸念がある」との意見が出ていたという。  前回の学長選考では、教職員対象の意向調査の結果を数値化し、選考会議内で実施した投票と同等に扱って次期学長を決めたが、今回は意向調査と書類審査、公開討論会、面接を同列の判断基準として扱い、選考会議で議論する。  前々回の学長選で意向調査で最下位だった候補者が選考会議の結果、学長に選ばれ、教職員の一部から「納得できない」との声が出たことから、前回は意向調査の結果を選考会議内の投票と同等に扱った。今回は選考会議委員から「本来の国立大学法人法の趣旨に基づき、学長選考会議が責任を持って決めるべきだ」との意見が出たという。  学長候補適任者の推薦人の氏名公表は「より責任を持って推薦してほしいという趣旨」(富大)。推薦には、富大経営協議会の学外委員複数人か、富大の教授・准教授20人以上の署名が必要となる。  来年3月末の任期満了に伴う富大学長選は、10月17日に学長候補適任者による公開 討論会、同31日に教職員約1200人を対象とした意向調査を経て次期学長を決定する 。 "[he-forum 18372] 毎日新聞7/26","毎日新聞 2014年7月26日付 降圧剤問題:奨学寄付、企業名公開を…国立大病院側に要請  文部科学省大学病院支援室は25日、企業から奨学寄付金を提供されている国立大の付属病院に対し、提供元の企業名の情報公開を徹底するよう要請した。45病院が加盟する国立大病院長会議の担当者は取材に対し「要請を重く受け止め、前向きに検討する」と話した。  降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡るデータ改ざん事件では、製薬会社ノバルティスファーマが臨床試験をした5大学に計11億円超を提供。ところが論文に寄付金を受領したことや額の記載がなかったり、問題表面化後も大学側が情報をなかなか明らかにしなかったりして、社会の不信感を高めた。  この日の閣議後の記者会見で、下村博文文科相は「大学が奨学寄付金を適切に情報公開することは、社会的信頼を保持するための重要な手段」と指摘。その上で「企業との関係について社会的信頼を損なわないよう、企業名を含めた一層の情報公開が必要だ」と述べた。  国立大病院長会議は6月、企業から研究者に提供された講師謝礼や受託研究費などの資金の公表に関する指針をまとめた。しかし奨学寄付金については、公表するのは診療科ごとの件数と総額にとどめ、寄付元は企業への配慮から控えることにしていた。  奨学寄付金は、企業や個人が大学などを通じて研究者側に提供する寄付金。2012年度は製薬業界だけで計346億円に上る。【河内敏康】 "[he-forum 18371] 共同通信7/28","共同通信 2014年7月28日12時00分 新潟大学教員給与に年俸制導入  新潟大学では,学長のリーダーシップの下,新潟大学の将来発展に向けたさまざまな改革に取り組んでいます。  その改革の一環として,教員の流動性を高めることによる教育研究活動の活性化を目的に,業務形態等を踏まえつつ人事・給与システムの弾力化を進めているところであり,今年度から本学教員に対して年俸制を導入することとしました。  最初の取組として,本学歯学部教授職の給与を全て年俸とし,業績等に応じて支給額が変動する制度を導入いたします。これにより国内外の優秀な人材の登用がより容易となることから,異分野交流やグローバル化の進展を通じ,超高齢社会において活躍できる口腔保健医療人材の育成,先駆的イノベーション研究の更なる推進を狙いとしています。  この度の年俸制導入をはじめ,新潟大学は,組織・制度など各種改革について更なる検討を進め,今後も積極的に展開してまいります。 "[he-forum 18375] 佐賀新聞7/29","佐賀新聞 2014年7月29日付 =地域と結ぶ 佐賀大法人化の10年=(下)業績主義  理工学部のベテラン教授は、年度末が近づくと憂うつになる。研究室にこもって書類づくりに追われるからだ。研究内容、論文数、教育、地域貢献…。各項目で成果を自己評価しなければならず、まとめるのに1週間以上かかる。会議も立て込んで、スケジュールのやりくりに毎年頭を痛める。  かつては実験室に足しげく通い、学生に実験の内容と手順を手取り足取り説明していた。今は多忙でなかなか足を運べず、口頭での指示ばかり。理系の研究は大学院生が実験を担い、その結果を基に論文が執筆される。「正確なデータを取り、倫理性を養ううえでもしっかりした指導が不可欠なのに時間が取れない。このままだと研究力を維持できないんじゃないか」。教授は危惧する。      *  国立大の法人化は業績主義の運営ももたらした。各大学が教育研究や組織運営などで目標を立て、達成度を点検し、第三者が評価する。国はそれに基づいて運営交付金の配分にメリハリを付け、運営の効率化と成果を促す算段だ。一方、評価を受けるために膨大な量の書類作成や会議に忙殺され、「評価疲れ」がささやかれている。  しかし、国は経済界からの要請や厳しい財政などを背景に、大学にさらなる改革を求めている。地域から求められる「待ち」の姿勢ではなく、自らセールスに乗り出す「積極性」も必要とされる。  昨年1月、産学・地域連携機構の佐藤三郎副機構長は唐津市の化粧品関連企業の社長へあいさつに向かった。話が持ち上がったばかりの化粧品産業の拠点づくり「唐津コスメティック構想」の情報収集にいち早く動いた。  何度も足を運んで化粧品の原料にもなるかんきつ類の研究が有名なことなどをアピール、研究者も新たに招へいして体制を強化した。「構想への関与は、大学にとっても研究や教育の可能性の幅が広がる。唐津は地理的に九州大と競合するし、昔みたいに待っていても相手にされない」と佐藤副機構長。構想を進めるジャパン・コスメティックセンターに佐賀大は支援会員として加わった。  ほかにも産学間の連携を強め、企業との共同研究も増加傾向にある。佐藤副機構長は「企業への人材供給や知的財産の提供などを通して地域の底力を引き出していくのも地方の国立大に求められ、その期待に応えることで地域に不可欠な存在になっていく」と強調する。      * *  法人化からの10年を通して、足元の地域を見つめ直し、大学の個性や存在意義を再確認してきた。少子化や大学の「選択と集中」、道州制の議論を背景に、今後国立大の統廃合は現実味を増すだろう。そんな厳しい中でも、県内唯一の総合大学として「知の拠点」の役割や地域浮揚の一翼を担い、地域との共存に生き残りをかけている。(山本礼史が担当しました) "[he-forum 18377] 沖縄タイムス7/31","沖縄タイムス 2014年7月31日付 OIST技術で創薬・研究へ 初ベンチャー設立  沖縄科学技術大学院大学(OIST)が技術を移転した初のベンチャー企業「沖縄プロテイントモグラフィー」(亀井朗社長)が設立された。大学で構造細胞生物学を研究するウルフ・スコグランド教授が確立した技術を利用し、製薬会社などにタンパク質分子のデータを分析・提供する。OISTの研究者ら3人をスタッフに、8月1日から業務を始め、国内外の製薬会社や研究機関などに生体サンプルの受託解析サービスを売り込む。  30日発表したOISTによると、初のベンチャーは文部科学省の大学発新産業創出拠点プロジェクトで採択され、6月25日に設立。  7月23日に県内ベンチャー支援のおきなわ新産業創出投資事業有限責任組合から出資を受けた。  スコグランド教授が独自に開発した、タンパク質分子の構造や変化を立体的に可視化する技術「3次元構造解析プログラム」(COMET)などを活用する。  従来、製薬会社などはタンパク質の分子を結晶化して解析し、医薬品開発に生かしている。ただ、結晶化自体が難しく、一部の分子しか観察できないなどの課題があった。スコグランド教授の技術を使うと、結晶化する必要がないため、短期間に安価に解析ができるという。  スコグランド教授は「日本の創薬技術の向上、製薬会社にとってもメリットが大きい」と説明。  亀井社長は「最先端の技術でまず実績づくりが大事だ。認知度を高めグローバルな展開を目指したい」と抱負を述べた。  OISTのロバート・バックマン首席副学長(沖縄自立的発展担当)は「OISTは研究・開発の強い基盤がある。今後も県内の産業と連携してさまざまな技術の事業化に取り組んでいく」と述べ、企業集積の呼び水にする考えだ。 "[he-forum 18376] 琉球新報7/31","琉球新報 2014年7月31日付 沖縄科学技術大学院大学、初のベンチャー企業設立  沖縄科学技術大学院大学(OIST、恩納村)発の第1号ベンチャー企業として沖縄プロテイントモグラフィー(沖縄PT、うるま市、亀井朗社長)が設立し8月から始動する。OIST構造細胞生物学ユニット代表のウルフ・スコグランド教授が開発した、タンパク質の構造を3次元で可視化する世界で唯一という技術を独占使用する。新薬開発に必要なタンパク質の分子構造解析を製薬会社などから受託する。従来のX線解析の手法では解析できなかったタンパク質も解析できるようになる。将来的には創薬や診断ビジネスも目指す。  従来、タンパク質の構造はX線結晶構造解析の手法で分析されている。これだと対象物資を結晶化しなければならず、約8割の結晶化できないタンパク質は分析できていなかった。  スコグランド教授が開発した技術では、試料を結晶化させず、電子顕微鏡でさまざまな角度に281回回転させて撮影し、3次元構造を復元する。さらに独自開発したプログラムでパソコン上でノイズを分離して画像処理する。約1・5ナノメートル(100万分の1ミリ)まで識別できる分解能がある。  沖縄PTは6月25日設立。スコグランド教授は「世界に唯一の技術で、日本の製薬企業にもチャンス。新薬開発に寄与できる」と技術の意義を強調した。 "[he-forum 18378] 朝日新聞7/31","朝日新聞 2014年7月31日13時58分 復興予算、35%は使い切れず 13年度も改善せず 編集委員・大月規義  復興庁は31日、東日本大震災復 興のための2013年度予算(7兆円余)のうち、工事業者らへの支払いが済んだ割合が64・7%だったと発表した。前年度の64・8%から改善しておら ず、約35%が使い切れなかった。復興事業を進める中で、土地を巡る調整や事業の見直しに時間を要するケースが増えているためだという。  13年度の復興予算は、11、12年度の使い残しが繰り越された分を含め約7兆5千億円。うち契約業者に支払われたり、被災者の支援に使われたりした合計は約4兆9千億円だった。  使い切れなかったのは約2兆6千億円で、契約の見通しはあるが支払いに至らなかった「繰越額」は約2兆円、事業自体を取りやめるなどした「不用額」が約7千億円だった。どちらも翌年度の復興の財源として再び利用できる。復興庁によると、国の予算全体のうち、その年度に使い切れないのは10%前 後。復興予算の約35%は前年度から高止まりしている。  事業別では、住民の同意をさほど必要としない「産業の振興・雇用の確保」は使い残しが23%しかなかった。一方、災害公営住宅の整備や土地のかさ上げなど「まちの復旧・復興」にかかわる予算の使い残しは44%。原発事故に伴う「除染」も、汚染土砂を一時保管する「仮置き場」の設置で地元との合意形成が難航するなどし、50%が使い切れなかった。  復興庁によると、予算の支出が滞る理由のうち、建設資材や人件費の高騰で進んでいないケースは、入札方式の見直しなどにより減る傾向にあるという。(編集委員・大月規義)= "[he-forum 18381] しんぶん赤旗8/1","しんぶん赤旗 2014年8月1日付 軍学共同反対 輪大きく アピール署名 研究者呼びかけ  大学、研究機関を武器開発・軍事研究に巻きこむ軍学共同に反対する研究者らが7月31日、文部科学省内で記者会見をおこない、「軍学共同反対アピール署名」を呼びかけました。  よびかけ人代表の池内了(さとる)名古屋大学名誉教授は、防衛省と大学・研究機関との共同研究が第2次安倍政権成立後、毎年1件程度から、2013年に4件、2014年には5件と増加していることをあげて「政権の軍事化路線にのって、防衛省が公然と大学・研究機関との共同研究を進めようとしている」と指摘。「科学者が自分の研究のためといいながら、結局、軍事に応用できる技術を提供していけば、科学への国民の信頼を失う」と軍学共同を批判しました。  赤井純治新潟大学名誉教授は「大学の研究予算が増えない中で、資金不足の弱みに付け込んで、軍学共同をすすめようとすることが懸念される」と運動を強める必要性を強調しました。  浜田盛久海洋研究開発機構研究員は、署名運動を通じ、軍学共同の実態を国民に知らせ、反対の世論をつくっていきたいと決意を述べました。 "[he-forum 18380] しんぶん赤旗7/31","しんぶん赤旗 2014年7月31日付 大学入試「改革」 高2から複数回試験 生徒の負担が増す  大学入試センター試験に代わる新しい大学入試制度についての議論が中央教育審議会で大詰めを迎えています。25日の会合で示された骨子によれば、高校2年生から複数回の試験を実施するなど、生徒の負担が増す内容になっています。  新制度では、「発展レベル」と「基礎レベル」の二つの異なる種類の「達成度テスト」を導入します。  「発展レベル」を使うのは、センター試験を使ってきた大学ですが、1回限りではなく高校3年時に2回程度実施。内容も「合教科・科目型」と呼ばれる教科の枠にとらわれない問題を導入します。  各大学でも選抜テストを行いますが、「知識・技能を活用する力」「意欲・経験・多様性」をはかるとして、小論文や、国際的に認められる大学入試資格を与える外部の検定試験(国際バカロレアなど)の活用、高校在学中の学習や主体的活動の評価、学修計画などを評価して選抜するとしています。  「基礎レベル」は、高校段階の基礎学力を測るために新たに導入するもので、高校2年以降、複数回実施します。高校2年生から実質的に入試が始まるといっても過言ではなくなります。  面接や推薦で選抜している大学では「学力把握が不十分」だとして、「基礎レベル」を活用するとともに、外部資格試験の活用、高校在学中の活動を評価するなどして選抜するよう求めています。  入試改革にあたって強調されているのが、高校教育、大学教育、大学入学者選抜の「一体的改革」です。  「基礎レベル」導入もそのためで、高校教育では、「創造性やリーダーシップ、企画力などの多様な資源・能力の育成を重視」し、ボランティアなど多面的に評価するとしています。大学教育でも、「学修成果を重視し、厳格な成績評価や卒業認定」を行うとしています。  「基礎」テストは、大半の高校生が参加する可能性が高く、「受験生の負担が増え、学校行事にも多大の影響を及ぼす」との声や、大学側からも「大学の自主性を尊重して強制しないでほしい」などの声が出ています。 "[he-forum 18379] 薬事日報社説8/1","薬事日報社説 2014年8月1に千都kr 「薬学」の公益的役割は重大に  政府の2014年度「年次経済財政報告―よみがえる日本経済、広がる可能性」、いわゆる経済財政白書が発表された。経済成長と財政健全化の両立に向けた論点として、歳出面では「とりわけ増加圧力が強い医療・介護費の効率化が急務」とし、中でも医療費については、調剤医療費、入院医療費の伸びが顕著と指摘している。  「また“調剤”がやり玉」と思いきや、「調剤医療費の増加は、薬剤への需要増加および処方される薬剤の単価上昇によるところが大きい」とし、現状の薬価算定方式を図表入りで詳説しつつ、薬剤料適正化のターゲットを「薬価算定方式の見直し等」と「算定方式」に絞り込んだようだ。  白書の記載にもあるように、薬価の設定や保険収載においては、新薬については一部の効能の評価を行っているものの、既収載医薬品については効能の評価を行っておらず、医薬品の効能や特性等の実績の評価は行われない――と指摘している。  これに対し、例えば英国などでは、QOLを考慮した生存年1単位が改善するのに、いくらの費用が必要かを定量的に求める費用対効果分析を用いて薬価算定と保険適用の要否の判断をしている――と紹介。  また、医薬品の保険適用の評価に際して費用対効果の観点を導入することについては、イノベーションの評価との整合性を踏まえつつ、16年度診療報酬改定における試行的導入も視野に入れながら、引き続き検討していく必要があるとしている。要は“英国方式”の導入を求めている。  さて、白書が発表される前日、7月24日に政府・IT総合戦略本部「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」のパブリックコメントが締め切られた。  大綱では、個人情報保護法の制定から今年で10年余を経過し、情報通信技術の飛躍的進歩が多種多様かつビッグデータの収集・分析を可能にし、このことが新産業・新サービスの創出やわが国を取り巻く諸課題の解決に大きく貢献するなど、これからのわが国発のイノベーション創出に寄与するものと期待される――と制度改正の趣旨を説明している。  とはいえ、事業者による“自由”な利活用が主眼であり、「特に利用価値が高いとされるパーソナルデータ」との記述は、個人の医療情報、そのビッグデータが「特に利用価値が高い」に分類されよう。  先の白書で「費用対効果分析」の導入が求められていたが、まさに医療ビッグデータの活用が導入されるべき領域だ。例えば、薬局においてもインフルエンザの流行情報が、全国からリアルタイムに吸い上げられれば、より早い流行予測、対応も可能だ。最適な薬剤選択にもつながる可能性もある。薬剤師・薬局、大学・研究機関を含め、「薬学」が、わが国を取り巻く諸課題に果たす公益的役割は小さくない。 "[he-forum 18382] 8月3日(日)午後9時~:必見です:BS-TBSで京大の大学教育改革","8月3日(日)午後9時~10時54分 :BS-TBS 週刊BS-TBS報道部 (番組内容を転記しました) 「松本 紘京大総長に聞く”大学教育改革”」 安部政権が進める大学の教育改革に先駆け、京大の松本 紘総長は、入試や教養教育など、大胆な見直しに着手した。 しかし、個性豊かな学生が集い、自由な学風で知られる京都大学では改革をめぐり教員・学生から反対運動が勃発している。個性を生かすか、システムにゆだねるか。京大総長を招き、目指すべき大学像について考える。 番組には、高山佳奈子副委員長、国際高等教育院関係者等もビデオ出演。 松本 紘京大総長は、学校教育法及び国立大学法人法の改正法に伴う規則等を検討する「大学のガバナンス改革の推進方策に関する検討会議」の座長代理を務めているため同番組に注目しています。必見です。 京大職組 書記次長 石田 "[he-forum 18384] 長野日報8/1","長野日報 2014年8月1日付 信大農学部とアルプス信金 「産学官金」連携協定を締結  信州大学農学部(南箕輪村)とアルプス中央信用金庫(伊那市)は7月31日、「産学官金連携協定」を締結した。同学部の「農」を中心としたシーズ(種)と同信金が持つ地域企業のニーズなどの情報を共有し、マッチングを図ることで共同研究や製品化につなげていきたい考え。農産物の生産から加工、販売まで行う6次産業化を推進し、地域活性化を目指す。同学部が金融機関と協定を結ぶのは初めてという。  同日は協定の調印式が同信金本店で開かれ、同学部の中村宗一郎学部長と同信金の大澤一郎理事長が協定書を取り交わした。  中村学部長は「大学の使命は教育、研究に加え、地域貢献が重要だと考えている。それぞれの資源を有効活用し、相乗効果を上げていきたい」とあいさつ。大澤理事長は「中小企業は大学との連携で可能性を大きく広げることができる。信金はその仲介役として連携を推進し、実効ある活動に結び付けていきたい」と述べた。  同学部は昨年10月、「農」による新産業創出や地域活性化を目指し、産学官連携による「伊那谷アグリイノベーション推進機構」を設立。今回は産学官に金融機関を加える形で推進体制を強化し、具体的な事業展開につなげていきたい考えだ。  一方、地域経済を「運命共同体」と位置付ける同信金では、6次産業化を新たなビジネスチャンスと捉え、地域企業を積極的に支援していきたい考え。23店舗のネットワークを生かして企業のニーズを把握し、同学部と情報を共有しながらマッチングを図っていく方針だ。  両者は今後、定期的な情報交換などの場を設け、連携を進める予定。同信金では連携を実効ある取り組みにしていくため「営業担当者がコーディネーターとしての自覚を高め、スキルを磨いていきたい」と話した。 "[he-forum 18383] 読売新聞広島版8/2","読売新聞広島版 2014年8月2日付 広島大 教員給与、年俸制を拡大へ ◇若手や外国人 優れた人材確保狙い  広島大は10月から、一部の教員の給与に、業績を反映させる「業績年俸制」を導入する。新規採用の若手教員や外国人教員などが対象で、優れた教員の確保や育成が狙い。理・工・農・医系で先行導入し、2年後には全分野の教員の15%(約230人)に適用する計画だ。(小宮宏祐)  発表によると、同大はすでに特任教員12人に年俸制を適用しており、新たに新規採用の助教と外国人教員に原則適用することにした。55歳以上の在職教員(教授や准教授を含む)と、特任教員など教育・研究系の契約教員は選択制にする。これら以外の教員は従来の給与体系のまま。  年俸は360万~2040万円の29ランクに分け、年額の8割相当の「基本年俸」は3年ごとに業績評価を反映させて額を見直し、残り2割の「業績年俸」は1年ごとに評価を反映させる。業績評価は論文数などを参考に各部局が定める。  文部科学省によると、年俸制は他大学も検討。同省国立大学法人支援課には、86国立大のうち8割強の大学から年俸制導入の相談があり、島根大では4月から導入されているという。  同省は昨年11月、国立大学改革プランを発表。その中で、人事・教育システムの弾力化を加速するため、「大学を支援する際、年俸制の導入を条件化」などとうたっており、今年度、年俸制導入の支援費として24億円の予算をつけている。  年俸制の利点について、同課は「教員の流動性が生まれ、ポスト不足の解消につながるほか、適切な評価・処遇により、教育や研究が活性化する」とみている。広島大の浅原利正学長は記者会見で、「(単年度の)業績に応じて給与を支給することで、教員の意識改革や組織活性化につなげたい」と期待を込めた。 "[he-forum 18385] 日本経済新聞8/7","日本経済新聞 2014/8/7 10:29 公務員給与7年ぶり増額 人事院勧告、ボーナスも  人事院は7日、2014年度の一般職国家公務員給与について、月給を平均0.27%(1090円)引き上げるよう国会と内閣に勧告した。ボーナス (期末・勤勉手当)も0.15カ月分引き上げるとし、いずれも7年ぶりのプラス改定となった。同時に民間給与が低い地域での官民格差を是正するため、15 年度から基本給を平均2.0%引き下げることなどを柱とする「給与制度の総合的見直し」も求めた。 人事院(7日午前、東京・霞が関)  月給とボーナスのプラス改定は、景気回復で大手を中心に民間企業の賃金水準が回復したことを受けた。ボーナスは年間支給月数を現行の 3.95カ月から4.1カ月に引き上げ、5年ぶりに4カ月台を回復。勧告通りに実施されると平均年間給与は7万9000円増加し、財務省の試算では国庫負 担額は約820億円増える。  世代間の給与配分を見直すため、月給の引き上げ分は若手や中堅に手厚く配分する。民間企業に比べて高いと指摘される55歳以上の職員の月給は据え置くが、入省間もない新人職員は一律2000円加算する。  今年度の勧告では、給与制度の総合的見直しを15年度から3年間かけて取り組むことも求めた。   基本給は、地方勤務の国家公務員給与が地域の民間企業の水準に比べて高いとの批判を受け、15年度から平均2.0%下げる。激変緩和措置として17年度末 までの3年間は14年度末の基本給から下回った差額分を別途支給する。東京など物価の高い地域では民間より給与水準が大幅に下がるため地域手当を拡充す る。 ******************************************** 記事はここまで *******参考********************************* 人事院平成26年度勧告掲載ウェブサイト http://www.jinji.go.jp/kankoku/h26/h26_top.htm "[he-forum 18386] 福井新聞8/6","福井新聞 2014年8月6日付 福井大「ゼロ免課程」廃止に波紋 人文・社会科学の意義再考を  教員免許を取らずに卒業できる福井大教育地域科学部の地域科学課程が、2021年度末までに廃止される方針が波紋を広げている。「ゼロ免課程」などと呼ばれる同課程が設けられたのは全国で教員に余剰があったころの「臨時措置」(文部科学省)で、国が“本来の姿”に戻すよう促した形。しかし、同課程は四半世紀の間、福井県に定着、県内は人文科学・社会科学系課程が少ない事情もある。関係者から「若者が地元の歴史や文化を研究する場は必要。人文科学・社会科学系の意義を考えるべきだ」との指摘が出ている。 ■中途半端  福井県嶺北出身の宮本あゆみさん(21)は、地域科学課程の3年生。地方公務員志望で、地域の課題を学ぼうと迷わず進学先に選んだ。県内の6次産業化の可能性を探ったり、フィールドワークを通じてまちの活性化策を考えるなどの研究をしている。「地域を舞台にした学びを、入学前から希望していた。ここがなかったら県外に出ていた」と話す。  同課程は「新課程」とも呼ばれ、福井大には1988年度、情報社会文化課程の名で誕生。教員養成課程が1学年定員160人なのに対し同40人だった。現在は60人となっている。卒業生はこれまで1千人余り。最近5年間の県内出身者は90%近くで、就職先は全体の約75%が県内だ。  ところが、教員養成学部にありながら教員免許取得を目的にしない新課程は、専門家の間でも存在理由について議論があったという。少子化や財政事情を背景に大学改革を進める国は、「財源が限られる中、中途半端なものを置いておけない」(同省大学振興課)と厳しい見方だ。同省が昨年策定した国立大学改革プランは教員養成学部に関し、大学院に力を入れる一方、学生数を減らす「量的縮小」を打ち出しており、新課程は真っ先に廃止方針が決まった。 ■人材流出に懸念  新課程の廃止方針に、県内では懸念が渦巻く。福井経済同友会の清川肇副代表幹事は「卒業生は企業の中枢や公務員などとして活躍している。今後、県外に流出するなら大きな損失」と心配する。保護者や高校関係者からは県内の文系の選択肢が減ることや、定員自体が減らされないか、との不安も漏れてくる。  福井大の新課程がなくなれば、県内の国公立大で人文科学・社会科学系は福井県立大経済学部のみ。同大の下谷政弘学長は「県内の大学を見回すと“すぐ役立つ”学問が重視されている。ただ、人間社会は歴史や哲学、伝統が相まっているもの。地域に根差した大学が求められる中、これらを研究し学生に伝えることが必要」と強調する。一般に、就職に直結しづらい課程も多い、といわれる人文科学・社会科学系だが、その存在自体が地域に大切という指摘だ。 ■ハードル  文科省が「18歳人口が減り、新学部・学科設置のハードルは高い」(国立大学法人支援課)という中、福井大は「新課程を単なる廃止とせず、発展的な改組を目指す」(寺岡英男副学長)方針。同大は学部・学科の在り方の模索を始めた。  ただ、新課程抜きでも地域が求める人材は育成できるという専門家の声もある。教員養成系の改革に詳しい横須賀薫・十文字学園女子大学長(教育学)は、「教育系の学部はもともと多様な人材養成機能がある。特に福井大には、全国のモデルとなる教職大学院があるでしょう」。福井大だからこそ、学生の希望や地域の要請に応える道を示せるはず、と示唆している。 "[he-forum 18387] しんぶん赤旗8/8","しんぶん赤旗 2014年8月8日(金) 人事院勧告 7年ぶりプラス 恒久的賃下げも要請  人事院(一宮なほみ総裁)は7日、国家公務員の2014年度の給与について、月給を0・27%、期末・勤勉手当(ボーナス)を0・15カ月それぞ れ引き上げるよう、国会と内閣に勧告しました。また、平均2%の賃下げなどを内容とする「給与制度の総合的見直し」を15年度から3年かけて実施するよう 求めました。  プラス勧告はいずれも7年ぶりで、平均年間給与は7万9000円増えます。「給与特例法」による2年におよぶ平均7・8%の賃下げが強行されており、消費税増税や物価上昇を考えても不十分な内容となっています。  人事院が実施した民間給与実態調査では、今年4月の公務員給与が民間賃金を1090円下回りました。今回の公務員給与の引き上げでは、入省間もない職員の基本給を一律2000円加算する一方、55歳以上の高齢層職員は据え置かれます。  ボーナスの年金支給月数では、5年ぶりに4カ月台を回復しました。能力・実績に応じて差がつく「勤勉手当」に積み増すしくみです。また、通勤手当は改善し、寒冷地手当の支給地域は縮小しました。  引き上げの一方で、公務員の恒久的な賃下げとなる「給与制度の総合的見直し」の実施を要請。2%の賃下げをはじめ、地域間格差の拡大につながる地域手当の「見直し」、50代後半層での最大4%の賃下げをねらうもので、地域経済に深刻な影響を与えます。  全労連は同日、井上久事務局長の談話を発表し、公務・民間一体のたたかいの貴重な到達点だとのべると同時に、「給与制度の総合的見直し」の撤回を要求。政府に対し、労働者の意見を聞きいれ、慎重な検討をおこなうよう求めています。= "[he-forum 18398] msn 産経ニュース","http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140817/plc14081717070014-n1.htm 「共謀罪」法案、秋の臨時国会への提出見送り 2014.8.17 17:07  政府は16日、テロ組織が重大犯罪を実行する前の計画・準備に加担した段階 で処罰する「共謀罪」創設を柱とする組織犯罪処罰法改正案について、秋の臨時 国会への提出を見送る方針を固めた。2020年東京五輪に向けたテロ対策の一 環だが、法の拡大解釈による不法逮捕や人権侵害につながりかねないとの批判が あり、現状では国民の理解を得にくいと判断した。  改正案は過去3回国会に提出されたが、いずれも廃案や継続審議に終わってい る。政府内では「集団的自衛権の行使容認の閣議決定で支持率を下げているだけ に、秋の臨時国会で無理はできない」(政府高官)との見方が拡大。来春の統一 地方選を見据え、地方創生やカジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)の 整備推進など成長戦略関連の法案成立を優先させることとした。  米国などの諸外国では、テロを摘発するため犯罪の実行前の計画・準備段階で 罪に問える態勢を整備している。一方、日本にはこれらの共謀行為を罰する罪は ないに等しく、「テロを誘発する危険性が高い」(政府高官)とも指摘される。  国連は2000年に「国際組織犯罪防止条約」を採択し、日本も署名したが、 共謀罪がないため批准が遅れている。  また、資金洗浄(マネーロンダリング)やテロ資金供与対策の国際基準策定機 関「金融活動作業部会」(FATF)は6月、日本に迅速な法整備を求める初の 勧告を公表した。法整備が遅れれば日本は年明けにも資金洗浄対策に重大な欠陥 がある「非協力国」として国際金融取引に制限がかかる可能性もある。 "[he-forum 18397] 毎日新聞8/16","毎日新聞 2014年8月16日付 災害ロボコン:米国防総省主催…日本の大学初参加へ  米国防総省が来年6月に開くロボットコンテストに、経済産業省の呼びかけで日本の大学が初めて参加する。コンテストの目的について国防総省は「ロボット技術の災害現場への応用」としつつ、軍事転用の可能性も示唆する。戦争の記憶が風化する中、科学技術の最先端では軍事と非軍事の線引きがあいまいとなり、研究者は苦悩している。【小川祐希】 ◇技術の軍事転用懸念  このコンテストは、国防総省国防高等研究計画局(DARPA)主催の「ロボティクス・チャレンジ(DRC)」。2013年6、12月に続き次が3度目で、優勝賞金は200万ドル(約2億円)。日本の福島第1原発事故をきっかけに、ロボット技術を原発事故や災害への対応に役立てようという狙いで企画された。  経産省の呼びかけは、同省が国防総省と昨年7月に結んだ「人道支援と災害復旧に関するロボットの共同研究合意」に基づく。参加するのは、(1)東京大(2)独立行政法人「産業技術総合研究所」(3)東京大・千葉工業大・大阪大・神戸大の共同チーム−−の3団体。日本の大学の参加は初めてで、2脚2腕のヒト型ロボットの開発を進めている。  ところが、DARPAの公式ホームページ(HP)は、コンテストについて「いかなる研究結果も軍事技術の発展に使われる可能性があり、DRCも例外ではない」などと記載し、軍事転用の可能性を示唆する。12年に大阪市で開かれたヒト型ロボットに関する国際会議「ヒューマノイズ2012」でも、コンテストを統括するDARPAプログラムマネジャーのギル・プラット氏が講演。「(コンテストで)生まれた技術は将来、軍事に使われる可能性がある」と述べている。  経産省は国防総省との合意を説明する文書で、最後に「汎用(はんよう)技術(軍事用や民生用を問わず広く用いられる技術)であり、武器輸出三原則には抵触しない」と断り書きを入れている。軍事転用の可能性について、同省産業機械課は「災害対応のロボット技術を軍事に使えると言われればそれまでだが、DRCはロボット開発の素晴らしい機会であり、使わない手はない」としている。  一方、参加呼びかけの事務局である同省所管の独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の関係者は、取材に「軍事との結びつきに大学は非常にセンシティブで、賞金は受け取らない方向で検討している」と話す。  参加を決めた東京大は「本件はNEDOの事業で目的には災害対応ロボットの開発研究と明確に記載され、軍事に利用するとは一切記載されていない」としている。一方、大阪大は「コメントできない」としている。 ◇線引き、悩む研究者  科学技術は社会を豊かにするだけでなく、軍事技術を発展させ大量破壊を招く可能性も秘めている。研究の成果が民生用、軍事用の両方に使われる問題は「デュアルユース(用途の二重性)問題」とも呼ばれ、研究者を長年悩ませてきた。中でも、ロボット技術は両面で大きな可能性(危険性)を持つ分野として注目され、巨額の資金が集まり、全世界の研究者が技術や特許を競い合っている。  すでに介護・福祉などの分野で活用が広がっており、NEDOは約20年後の国内ロボット産業の市場規模を今の10倍の10兆円と予想。福島第1原発事故では高線量区域でのがれき撤去にロボットが活躍し、格納容器下部に落ちた溶融燃料の取り出しも含め、廃炉への応用も期待される。  一方、米国は遠隔操作で空爆を行う無人機を実戦に投入。さらには遠隔操作を受けずに敵兵を殺傷する「殺人ロボット兵器」の研究も進める。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)は昨年11月の締約国会議で、こうした兵器の是非を問う議論を始めた。  日本の科学界を代表する内閣府の日本学術会議は11年11月、デュアルユースへの対処を巡り、検討委員会を設けて議論。12年11月に「科学者・技術者は、自らの成果が人類の福祉、社会の安全に反する目的のために使用されていないか、常に見守り判断し行動する責務がある」とする行動規範を発表している。  同会議の大西隆会長(豊橋技術科学大学学長)は今回のコンテストについて、「災害対応や人道支援を目的とし、国防総省が行うとしても戦争目的とは言えない。だが、もし共同研究等に発展し大量破壊の目的が出てくることがあれば、研究者の行動規範に抵触する。米国との共同研究は国防総省の巨額の科学研究費に絡む可能性が高く、今後は研究内容について可否の線引きが必要だ」と指摘する。【川上晃弘、小川祐希】 ◇DARPA◇  国防高等研究計画局(DefenseAdvancedResearchProjectsAgency)の略。米国防総省の一部門で1958年創設。年間予算は約3000億円で、軍事技術を進歩させる民間の研究を発掘し、資金を提供する。研究ごとに目標達成までを統括する責任者「プログラムマネジャー」が約90人いる。これまでに開発した技術はインターネット▽全地球測位システム(GPS)▽ステルス技術−−など。 "[he-forum 18396] 読売新聞8/14","読売新聞 2014年8月14日付 「戦争と大学」名大企画展  戦時体制下の大学での研究や教育、学生生活などをテーマにした企画展「戦争と大学―1931~1945 官立名古屋医科大学・名古屋帝国大学」が、名古屋市千種区の名古屋大中央図書館で開催されている。  名古屋大は1939年に名古屋帝国大学として設立された。また、医学部の前身である名古屋医科大も31年に県立から官立となっており、草創期は満州事変から日中戦争、太平洋戦争へと入っていく時代と重なっている。  企画展では、戦争の影響を色濃く受けた開学時代の史料や、当時必要とされた科学技術の重要課題に取り組む「戦時研究員制度」について通達する文書、名古屋市の東山地区が空襲を受けた時の様子を記した理学部長の日記の原本などが展示されている。  大学文書資料室の堀田慎一郎特任助教(45)は「当時の最高学府が戦争とどのように関わっていたかを知ってもらえれば」と話している。31日まで。25日は休館。入場無料。  同大では、学徒動員の記録や資料を広く募るとともに、大学文書資料室での保管を進めている。問い合わせは同室(052・789・2048)。 "[he-forum 18395] しんぶん赤旗8/14","しんぶん赤旗 2014年8月14日付 「学長独断」の施行通知案了承 全大学で規則見直し求める  文科省は11日、「学長独断」体制をつくる学校教育法と国立大学法人法の施行通知に盛り込む内容を、有識者らでつくる検討会議に示し、了承されました。来年4月施行に向けてすべての大学で内部規則・運用の見直しを求めており、大学自治の原則をふみにじって介入・干渉を強める姿勢を示しています。  改悪法では、大学自治を担う教授会の役割を実質的に諮問機関に限定し、学長独断の大学運営を盛り込みました。  施行通知では、法律で教授会が意見を述べると定めた事項についても、「教授会の意見に拘束されるものではない」と指摘しました。一方で、学長の求めがない場合でも教授会が意見を述べることについては「差し支えない」と認めました。学長が教授会の意見を聴くことができるとする「教育研究に関する重要な事項」には、キャンパスの移転や組織再編なども含まれるとの考えを示しました。ただし、経営に関する事項は学長や理事会が決定すべきものだと強調しています。  国立大学の学長選考に関しては、選考会議が「主体的な選考を行う」としたうえで、「教職員による意向投票を行うことは禁止されるものではない」と規定。ただし、「過度に学内の意見に偏る選考方法は適切ではない」としています。  「改正の基本的な考え方」の項目では、7月末に出された原案で1番目に掲げられていた「大学自治の尊重」が4番目に後退しました。代わりに1番目に掲げた「社会的責任」では、果たすべき対象のなかに「企業」を盛り込みました。  文科省は、全大学を集めた説明会を9月2日に開催。12月には内部規則見直しの進ちょく状況を調査し、施行後の来年4月末に最終調査を行うとしており、すべての大学で「学長独裁体制」を敷くよう追い立てていく構えです。 "[he-forum 18394] 沖縄タイムス8/5","沖縄タイムス 2014年8月5日付 研究成果を市場で活用 琉銀と琉大提携  琉球銀行(金城棟啓頭取)は4日、琉球大学産学官連携推進機構(仲座栄三機構長)と連携協定を結んだ。琉大が持つ研究成果を市場で活用できるよう琉銀の取引企業に紹介するほか、琉大生のインターンシップ(就業体験)受け入れや講師派遣なども実施する。  すでに農林水産業と製造業の企業を琉大に紹介し、商品の科学分析や研究成果を生かした製品開発に着手。同日、琉銀本店であった調印式で金城頭取は「橋渡し役だけでなく、資金ニーズが生まれれば融資の相談にも応じたり、商談会の開催などで売り上げ向上なども支援し、企業の発展に貢献したい」と一貫した支援に取り組む考えを強調した。  仲座機構長は「琉球銀行と協力して、大学の研究成果をさらに発展させたい」と述べた。  企業の経営課題を解決するため、琉大の研究成果を活用する。外国人留学生の就職支援や、大学の寄付講座への行員派遣なども実施する。 "[he-forum 18393] 神戸新聞8/7(2)","神戸新聞 2014年8月7日付 産学連携の要笹井氏死去 神戸の未来像に暗雲  理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)の笹井芳樹副センター長(52)の自殺が、神戸・ポートアイランド2期で進む医療産業都市構想に影響するのではないかとの懸念が出ている。笹井氏は日本の再生医療研究のトップを走り、神戸の産学連携の要。同構想をけん引し、理研が建設中の新拠点は“笹井ビル”と呼ばれるほどだが、関係者には「先導役を失った」との見方が広がる。 (金井恒幸、高見雄樹)  ポーアイ2期を拠点に創薬事業を手掛けるカルナバイオサイエンスの吉野公一郎社長は「笹井氏との数多くの議論がとても参考になった。研究室にこもっていい論文を書き、次のステップを目指す研究者が多い中、神戸全体の発展や産学連携を見据えるまれな存在だった」と振り返る。  笹井氏は行政とのパイプ役も果たし、市医療産業都市・企業誘致推進本部の三重野雅文調査課長は「医療産業都市構想を進める上での貴重なアドバイザーだった」と惜しむ。  中でも市が笹井氏に期待していたのは、産学連携を進め、実際の医療につなげる取り組みだ。その具体化が、3月に着工され、笹井氏が発案したことから笹井ビルとも呼ばれる理研の「融合連携イノベーション推進棟」(8階建て)。理研や大学、企業が連携する約20チームの入居を想定する。事業費は約38億円で、市は土地を無償貸与して後押しする。  笹井氏自身、STAP細胞論文で不正が認定された後の5月下旬、神戸新聞社の取材に対しメールで「推進棟は再生医学のみならず、創薬などの幅広い開発に理研と産業界が連携する拠点」と強調していた。  市の三重野課長は「理研は笹井さんの遺志や精神を継いで、推進棟の事業を進めてほしい」と話す。だが、理研関係者は「笹井さんの研究や手腕がなければ、そもそも成り立たない事業」と指摘。カルナバイオの吉野社長は「神戸は理研を中心にした日本一のバイオ関連の企業集積地だ。中核に力がなくなれば神戸の危機になる」と心配している。 "[he-forum 18392] 岐阜新聞8/9","岐阜新聞 2014年8月9日付 高校生が外科手術“体験” 岐阜大病院セミナー ◆切開装置を操作  岐阜市柳戸、岐阜大学病院で外科手術体験セミナーがあり、医師を志す県内の高校生33人が手術室で喉頭鏡や、新型の切開装置などの操作を体験した。  外科系の医師不足が深刻化する中、変容する手術の現状を伝え、興味を持ってもらおうと企画し、6年目。  生徒らは手術衣に着替えて入室。麻酔科医の指導で喉頭鏡を使って人形への気管挿管に挑んだ。超音波振動による摩擦熱で出血を抑えながら切開する装置も使用。外科や産婦人科、泌尿器科の医師らの助言を受けて鶏もも肉などの一部を切除し、性能を確認した。  人形に気管挿管を試みた多治見北高校2年村井ひなさん(16)は「思ったより力が要る。気管へのチューブ挿入も簡単にはいかない」と難しさを実感した様子。大垣北高2年の宗宮大起君(16)も「手術映像で見た装置に実際に触ることができた」と目を輝かせた。  高校生は、岐阜大の岩田尚・内視鏡外科手術トレーニングセンター長から手術に関する講演を聴いたほか、内視鏡手術の訓練装置でモニターを見ながら鉗子(かんし)でビーズをつまむなどの練習も行った。 "[he-forum 18391] 毎日新聞8/12","毎日新聞 2014年8月12日付 防衛技術:共同研究が急増…大学・研究機関、抵抗薄れ  防衛技術などの発展に資する外部の研究を取り込もうと、防衛省が進める大学や研究機関との共同研究が、近年急増している。同省によると、2001年度に始まって以降、共同研究の協定はこれまでに8大学・11機関との間で計27件結ばれ、うち10件が昨年度の1年間に集中している。【平和取材班】  最初の協定は01年度に1件結ばれたが、その後10年間は年間0〜3件と低迷。だが12年度は4件、13年度には10件と急増した。テーマは爆薬検知やロボット、赤外線センサー技術など多岐にわたる。  同省技術研究本部は「省の研究費には予算の制約があり、相手の大学も同様で、互いに補い合うことが増えていくだろう」と共同研究のメリットを強調する。  政府が昨年末に決めた防衛計画の大綱も、「大学や研究機関との連携充実で、防衛にも応用可能な民生技術の積極的な活用に努める」と後押しする。  大学の共同研究受け入れの背景について、この問題に詳しい赤井純治・新潟大名誉教授(鉱物学)は「国公立大の法人化後、国からの運営費交付金が毎年減らされている。研究者は少ない研究費で研究を進めるために、防衛省が相手でも行おうとする」と分析する。  大学の場合、戦後しばらく軍事研究や防衛省への協力に抵抗感があったが、近年急速に薄れつつある。  主要国立7大学で今も軍事研究を実質的に禁止しているのは、東京大と大阪大のみ。防衛省は「反対する大学は今もあるが、研究者個人の理解は進みつつある」と期待を寄せている。 "[he-forum 18390] 北國新聞8/12","北國新聞 2014年8月12日付 奥能登合宿、人間力磨く 金大、学長が指導 講義や座禅、草刈り  金大の「学長と行く能登合宿」は10日、珠洲市三崎町小泊の金大能登学舎で始まり、学生と大学院生43人が山崎光悦学長の指導を受けながら座禅や下草刈りを通じて「人間力」を鍛えている。  4月に就任した山崎学長が企画した。10日から2泊3日の日程で、学生らは初日、輪島市門前町の曹洞(そうとう)宗(しゅう)大本山總持寺祖院で座禅を体験し、能登学舎で山崎学長の講義を受けた。  山崎学長は「人間としての己を磨き、専門人としての己を磨く、そしてグローバル人材としての己を磨く」と述べ、体力と気力、人間力の大切さを語った。  学生らは10日は能登学舎に宿泊し、11日は下草刈りを経て珠洲市と能登町の民家18軒に分かれて泊まった。各民泊先で労働や手伝いに励む。 "[he-forum 18389] 神戸新聞8/7","神戸新聞 2014年8月7日付 神戸の大学、経済効果3170億円 25校立地、市が初推計  神戸市内に立地する大学の経済波及効果が年間3170億円に上ることが、神戸市の推計で初めて分かった。短大などを含め市内の大学は25校で、政令指定都市の中では京都市に次いで多い。神戸市は「大学立地による経済効果の大きさが裏付けられた」と分析し、知の拠点の集積を都市の活性化に生かす方針だ。  研究活動への支出額や学生数などについて各大学に尋ね、回答のあった20校の結果から試算した。  それによると、教職員(約7千人)や学生(約7万1千人)の消費活動に伴う効果が1037億円で最も多かった。ほかは、教育・研究活動=617億円▽学会やオープンキャンパスの開催=383億円▽施設の新築や改修=81億円‐で、直接的な効果は計2118億円だった。  さらに、これらの需要を満たすための間接的な生産活動で1052億円の効果があり、全体で約7200人の雇用を生んでいる、ともはじき出した。  ちなみに、2007年度に同市内で開かれた国際会議や展示会などコンベンションの経済波及効果は1447億円。05年の阪神タイガース優勝は関西全体で643億円とされている。(田中陽一) "[he-forum 18388] 日本経済新聞8/9","日本経済新聞 2014年8月9日付け 東大・早慶など5大学院、ナノテク分野で連携講義  東京大、京都大、東京工業大、早稲田大、慶応大の5大学は8日、ナノテクノロジー(超微細技術)の分野で大学院の学生が各大学間で相互に単位を取得できる連携講義を始めると発表した。9月中旬から順次開始する。  大学院生に高度で多様な講義を受ける機会を与え、国際競争に勝てる人材の育成を狙う。日本トップクラスの国立大と私立大が垣根を越えて単位互換を行うのは珍しい。  今年度は東大と京大のキャンパスで無料通話ソフト「スカイプ」などを使って遠隔講義を行い、ナノテクノロジーを使った新素材や細胞の解析などの15科目でスタートする。来年度以降は他の各大学のキャンパスでも講義ができるようにし、対象の講義も増やす。国際的な人材を育てるため、講義は英語を中心に行う。  8日、記者会見した東大の北森武彦教授は「対象学生は5大学で1学年6千人を超え、総数では1万人以上になる」と話した。  東大、京大、早大、慶応大は2007年に相互研究の協定を結んでおり、今回はナノテク分野での先端研究に取り組む東工大を加えた。  京大の平尾一之教授は「日本はナノテクの先端を走っているが、他国も追い上げてきている。世界をリードする人材を育むため、トップクラスの大学が連携していくことが大切だ」と強調した。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18399] 読売新聞社説8/19","読売新聞社説 2014年8月19日付 奨学金の滞納増 所得に応じた返済で負担軽く  教育の機会均等を実現する上で、奨学金の果たす役割は大きい。使い勝手を良くして、学生の経済的支援を充実させることが肝要である。  政府が独立行政法人・日本学生支援機構を通じて貸与している奨学金について、文部科学省の有識者会議が、「所得連動返還型制度」の導入を提言した。  毎月、定額を返済する現行制度と異なり、大学卒業後の年収に応じて返済額を変えられるのが特徴だ。負担を和らげるため、低収入の人には少ない返済額を設定し、年収が上がれば額を増やす。  奨学生の経済状況に配慮した弾力的な仕組みと言えよう。  政府の奨学金の利用者は、大学の授業料の上昇などを背景に増えている。無利子と有利子を合わせて、大学生の約4割が利用している。事業規模は年間約1兆2000億円にも上る。  奨学金を借りた学生は、将来にわたって返済義務を負う。例えば、大学4年間で約260万円を無利子で借りると、月1万4400円を15年かけて返す。  しかし、近年、非正規雇用の拡大や就職難を背景に、返済金の滞納が増えている。2012年度には33万人が計925億円を滞納した。こうした状況を放置すれば、奨学金制度が揺らぎかねない。  滞納者の中には、支払いの督促を受けてから初めて返済義務を知った人もいるという。返済金が次世代の奨学金の原資になっていることを忘れてはならない。  滞納が恒常化すると、個人信用情報機関に氏名が登録され、クレジットカードなどの使用に支障が生じる。本人が返済できず、保証人の家族が機構から支払いを迫られるケースもある。  新制度の導入が、滞納の減少につながることを期待したい。文科省は、16年から運用開始となる共通番号制度により、機構が卒業後の所得を把握できるようになることを想定している。  ただ、検討すべき点も多い。新制度では、返済期間が延びるため、有利子奨学金の利用者を対象にすると、返済総額は従来より増える可能性がある。賃金が上昇しなかった場合の対処も課題だ。  奨学金を巡っては、返済する必要がない給付型奨学金の創設を求める声が根強くあるが、政府の財政状況は厳しい。  現在、特に優れた成果を残した大学院生に認められている奨学金の返済免除を学部の学生にも広げるなど、限られた財源の中で、学生を支える対策を考えたい。 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18400] 時事通信8/20","時事通信 2014年8月20日20時14分 サービス業の経営者育成=大学に補助金-経産省  経済産業省は20日、飲食や宿泊などサービス業の経営者を育成するため、専門の教育課程を開設する大学に2015年度から補助金を支給する方針を固めた。コスト管理など実践的な経営学を学ばせ、経営者として即戦力となる人材を輩出するのが狙い。地域経済の活性化にもつながると期待している。  飲食や宿泊、娯楽をはじめ、金融や情報通信、小売り、医療など幅広い業種にまたがるサービス業は、国内総生産(GDP)の約7割を占める。経産省はサービス業を経済再生の担い手と位置付け、創意工夫を生かして新たな業態への進出を目指す企業などを対象とする直接支援策を含め、計13億円を15年度予算の概算要求に盛り込む。 "[he-forum 18404] しんぶん赤旗8/24","しんぶん赤旗 2014年8月24日付 中教審 大学入試見直しでたたき台 大学側から異論  大学入試の見直しを議論している中央教育審議会高大接続特別部会は22日、安西祐一郎部会長が答申のたたき台を示しました。  高校・大学教育と大学入学者選抜の「一体的改革」を強調。入試見直しに併せて高校・大学教育についても見直しを求めましたが、大学側などから異論が出されました。  高校では、基礎学力を計る「達成度テスト(基礎レベル)」を導入。全校参加を視野に「難易度の範囲を広く取る」としました。大学では、学習レベルが一定段階に達しない学生には「他の道を勧める」とするなど、競争主義をいっそう強めていく方向です。  センター試験に代わる「達成度テスト(発展レベル)」は、誰でも参加でき、年間複数回実施▽「知識・技能の活用力」を評価し、教科ごとの問題ではなく横断的な問題▽1点刻みでなく段階評価―としています。  各大学の個別入試については「多面的な評価」とし、「達成度テスト」や高校の調査書なども判断材料に加えるとしています。  高校教育見直しの学習指導要領改訂は2017年度、達成度テストは基礎レベルが19年度、発展レベルは20年度にそれぞれ行う案が示されました。  これに対し国立大学協会は、「入学者選抜は各大学のアドミッションポリシー(選抜方針)に基づいて行うことが基本」とし、教科ごとの学力判定の維持などを求める意見書を提出。「(国立大学の)個別試験では記述・論述式を取り入れて論理的な思考力や判断力を見ている。できるだけスリム化してほしい」と求めました。  高校からも「発展レベルテストの複数回実施の意味はあるのか」(全国高等学校長協会)として負担増につながることに意見が出されました。 "[he-forum 18403] 福井新聞8/21","福井新聞 2014年8月21日付 スマホ連動、次世代のナースコール 福井大学医学部附属病院が導入  福井大医学部附属病院は9月から、ナースコールが看護師のスマートフォンにつながるシステムを導入する。入院患者の名前や部屋番号だけでなく、体の状態など細かい情報が画面に表示されるため、看護師は対処しやすく、効率的に対応できる。20日には、上川陽子総務副大臣が先進的なシステムの導入例として視察した。  同病院の看護師は現在、専用のPHSを携帯しており、ナースコールがつながるようになっている。しかし表示されるのは部屋番号だけで、担当外の患者の場合、対処に時間がかかるケースがあった。  スマホの導入により、こういった課題を解消。ナースコールのボタンが押されると、看護師のスマホ画面に、名前、部屋番号、年齢、体の状態、感染症の有無などの注意事項などが表示される。担当外の患者でも情報を把握し対処の準備をした上で部屋に向かうことができる。実証実験では、1回のナースコール当たりの看護師の移動距離が25%減った。  9月16日から利用が始まる新病棟でシステムを導入。順次、ほかの棟でも取り入れる。医師や看護師、スタッフ約1500人に専用スマホを配布する。  同病院医療情報部の山下芳範副部長は「新しいシステムにより業務の安全性向上や効率化を図っていきたい」と話していた。  同病院は情報通信技術(ICT)の積極的な活用を進めており、今後は院内930カ所にアンテナを設置し、患者の位置や、転倒などの事故をチェックできるシステムの導入なども目指している。  20日に視察に訪れた上川副大臣は「先々までのビジョンを持った最先端の取り組みであり、大いに期待している」と評価していた。 "[he-forum 18402] 西日本新聞社説8/20","西日本新聞社説 2014年8月20日付 奨学金制度 「給付型」を充実させたい  「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない」。憲法に基づき教育の基本的な在り方を示した教育基本法には、こんな規定がある。  それを具体化したのが奨学金制度だ。経済的に苦しい学生の進学を支援するには欠かせない。  文部科学省は同省所管の日本学生支援機構が運営する奨学金について、毎月の返済額を卒業後の所得に応じて減らせる制度を2018年度にも導入する方針だ。  同機構の奨学金支給額は国内の約9割を占め、影響は極めて大きい。奨学生の経済状況に配慮した措置で、一定の評価はできる。  ただ、これだけで十分とは言い難い。学生の就職状況に改善の兆しが出てきたとはいえ、終身雇用や年功型賃金が常識だった雇用慣行が激変しているからだ。時代に即した制度を考えていきたい。  同機構の奨学金は学生に貸与して、卒業後に本人が返還していく制度だ。その返済金が、次の世代の奨学金の資金として使われる。リーマン・ショック後の景気悪化や学費上昇もあって利用者は年々増加しており、13年度予算規模で貸与人数は約144万人、事業費総額で約1兆2千億円に上る。  一方、景気悪化時の就職難や非正規雇用の拡大などの影響で、返済金の滞納も増え続けている。12年度の滞納者は約33万4千人で、滞納額は約925億円に達する。  「借りたものは返す」のは当然だ。だが、返済の不安を少しでも和らげる措置も必要だろう。所得に応じた返済額の減額も一つの方法だが、給付型奨学金の導入を本格的に検討してはどうか。日本では厳しい財政事情から奨学金は貸与型が多いが、欧米など先進諸国は大半が返済不要の給付型だ。  政府が近くまとめる「子どもの貧困対策大綱」の原案には将来的な給付型奨学金の創設が明記された。まず「有利子から無利子」への流れを加速させるという。民間の企業や団体とも協力し、給付型奨学金制度を充実していきたい。 "[he-forum 18405] 世界日報 2014.8.25","http://vpoint.jp/opnion/editorial/25130.html 2014/8/25  きょうの主張  組織犯罪対策、「共謀罪」はやはり必要だ  国際ネットワーク化するテロ組織やマフィア、暴力団などの犯罪組織が凶悪な 犯行を計画している時、それを未然にどう防ぐか――。  これは国際社会のかねての課題だ。それで各国が連携して立ち向かうため共通 の処罰法を作ることになっている。ところが、わが国はその法整備を怠ってい る。治安を守る上で看過できない事態だ。  締結できない国際条約  世界ではテロ組織だけでなく、マフィアなどの麻薬シンジケートがマネーロン ダリング(資金洗浄)ばかりか、国境を越えて犯罪を引き起こしてきた。近年で は危険ドラッグが格好のターゲットにされ、青少年にも薬物汚染が広がっている。  このため国連は2000年、各国が連携して犯罪防止を図る「国際組織犯罪防 止条約」を採択した。同条約は4年以上の懲役・禁錮を科すものを重大犯罪と定 め、犯罪を計画・準備した段階で罪に問える「共謀罪」を設けることを義務付け ている。03年に発効し、現在179カ国が批准している。  わが国は00年に同条約に署名し、03年の通常国会で自民、公明、民主、共産 各党の賛成で承認された。これを受けて政府は共謀罪を盛り込んだ組織犯罪処罰 法改正案を3度にわたって国会に提出したが、野党や一部マスコミが猛反対し、 いずれも廃案に追い込まれ、条約を締結できないでいる。  未締結国は北朝鮮やイランなど国際社会と軋轢(あつれき)のある一部国家だ けで、日本の未締結は国際社会の不信を買っている。これも集団的自衛権問題と 同様の恣意(しい)的な反対論に引きずられた結果と言うほかない。  朝日新聞など左翼マスコミや共産党は「一般市民も飲み屋で相談しただけで捕 まる」「内心の自由すら認められない」「619もの罪が対象で、暗黒社会の再 来だ」などと、ありもしないことを列挙して反対論を張ったからだ。  そもそも組織犯罪処罰法は「共同の目的を有する多数人の継続的結合体であっ て、行為が組織により反復して行われるもの」を対象団体と規定しており、共謀 罪も当然、その団体が対象で一般市民とは無縁だ。619の罪が挙げられている のは、条約が定める重大犯罪を日本に適用すればその数になるだけの話で、何も 意図的に対象が広げられたわけではない。  06年の与党修正案では共謀罪の適用対象を「重大な犯罪を実行することを共同 の目的とする団体」と限定し、また共謀しただけでは罰せず、共謀した者の誰か が実行の下見などの行動をした場合のみを処罰するとした。さらに留意事項とし て条文に「思想・良心の自由を侵すことや、団体の正当な活動を制限するような ことがあってはならない」と明記するとしていた。  次期国会で成立させよ  共謀罪への反対論には何の根拠もない。いつまでも犯罪組織に甘い顔をしてい ては国民の生命が脅かされるばかりか、国際社会から一層、不信を買う。20年の 東京五輪を控え、これ以上の放置は許されない。政府は反対論を恐れず、次期国 会での成立を期すべきだ。 (8月25日付社説) "[he-forum 18406] 日経 2014.8.26","日本経済新聞  2014/08/26 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO76149410W4A820C1CR8000/ 共謀罪法案、提出見送り、政府方針、秋の臨時国会で。  政府は25日、秋の臨時国会で資金洗浄対策を強化する犯罪収益移転防止法の 改正案など3法案の成立を目指す一方、重大犯罪を計画した段階で処罰の対象と する共謀罪を盛り込んだ法案は提出を見送る方針を固めた。対象の範囲が曖昧で 捜査当局が法律を乱用しかねないとの懸念に配慮する。  共謀罪法案は過去に3回廃案になった経緯があり、野党から反対が出る可能性 が高い。秋に福島や沖縄の県知事選を控え、法案の提出は得策ではないとの読み があるとみられる。 N.B.: ウェブページの記事は途中までです。 ペーパー版は,名古屋では42ページです。 首都圏は38ページだそうです。 "[he-forum 18409] 共同通信8/26","共同通信 2014年8月26日12時44分 大学の財務基盤強化訴える 研究者雇用も、11大学提言  東京大など国立大9大学と早稲田大、慶応大の計11大学の学長らが26日、都内で記者会見し、先端研究を支えるための財務基盤の強化と、若手研究者の雇用の安定を求める提言を発表した。  提言では、日本では国立大の運営費交付金が削減され、私立大の私学助成が伸び悩み「教育、研究環境の劣化が急速に進んでいる」として、科学研究費補助金などの拡充を求めた。中国やシンガポールなどのアジア諸国では、科学技術への投資が戦略的、集中的に行われ、論文数が増え、世界大学ランキングの評価を上げていると指摘した。 "[he-forum 18408] 産経新聞8/24","産経新聞 2014年8月24日付 軍事技術開発で大学向け基金 防衛省、27年度予算概算要求へ  防衛省が、大学や民間研究機関などと連携して最新の軍事技術開発を行うための基金制度を創設する方向で調整していることが23日、分かった。平成27年度予算概算要求で約20億円を計上し、規模をさらに拡大する方針だ。同省は国際間の競争が高まる最新の軍事技術開発には、大学の研究能力を活用することが必要と判断している。  防衛省は、航空機の機体に使う新素材やレーダー技術などの研究テーマを公表し、基金から研究開発費を受けたい大学などを募集。研究成果は防衛省の装備品開発に活用される。  日本の軍事技術開発は現在、防衛省主導で進められているが、研究開発費は低減状況にある。このため、民間企業の防衛事業部門が研究開発を進め、同省側に開発成果を提案することが多い。企業側は開発費負担が増す一方、随意契約ではないため、開発しても受注が確実に見込まれず、積極的な開発が進まないという問題があった。  これに対し大学側は、東大が昭和34年、42年の評議会で「軍事研究は行わない」方針を確認したように、戦後の「軍事忌避」の観点から軍事技術開発に直接的に関与しない流れが一般的だった。  防衛省が今年5月、強度試験中に不具合が起きた航空自衛隊次期輸送機の原因究明のため東大大学院教授に協力要請したところ、大学側が東大の方針に反すると判断し、拒否したことが明らかになっている。  しかし、大学側や研究者らも研究費捻出に迫られているのが実情。研究者個人として軍事関係で研究費を供与されているケースもあり、今回の基金にも応募が相次ぐと予想されている。  防衛省が今年6月に発表した「防衛生産・技術基盤戦略」でも、産官学による技術開発研究の必要性が打ち出されていた。(近藤豊和) "[he-forum 18407] 信濃毎日新聞社説8/25","信濃毎日新聞社説 2014年8月25日付 安保をただす 防衛省の基金 軍事研究に厳しい目を  防衛省が最新の軍事技術を発掘するため、基金制度の創設を目指している。  研究資金の提供をてこに、大学や研究機関との関係を強化し、効率的に最先端の技術を取り込むことを狙っているようだ。  安倍晋三政権は今春、事実上の武器禁輸政策を撤廃し、幅広く輸出を認める新たなルールを閣議決定した。将来、こうした協力によって開発された技術が紛争国に輸出される恐れもある。  国民や国土を守る防衛力を維持するため、技術を高める必要はあるとしても、国の資金力を背景に研究者を動員することにならないか、懸念が募る。  防衛産業は政府の成長戦略の柱の一つだが、学問がその中に組み込まれていけば、「平和国家」として評価も損ないかねない。  政府のやり方に反対する大学教授や研究者のグループが署名活動を始めた。安倍政権の軍事技術開発に対する姿勢を厳しく見ていかなくてはならない。  防衛省は6月、防衛産業や関連技術の維持・育成のために大学などとの連携強化を加速する新戦略を決定した。基金はこうした取り組みの一環のようだ。来年度予算の概算要求に約20億円を計上し、3年で60億円規模にすることを考えているとされる。  大学や研究機関への関与は強まる傾向にある。同省は昨春、独立行政法人「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」と協定を結んだ。ミサイルや艦船用の高感度赤外線センサーを衛星に搭載するための研究を始めている。  5月には試験中に不具合が起きた航空自衛隊輸送機の原因究明のため、東大大学院の教授に協力を要請。大学側が「軍事研究」を禁じた方針に反するとし、拒否したことも先日発覚した。  防衛省は働き掛けを続ける構えだ。圧力が強まるようなことになれば、大学の自治や学問の自由が狭められる恐れもある。  独立行政法人化などで大学側も研究費用の獲得が厳しくなっており、研究環境の悪化が協力に傾くことにも注意が要る。  反対署名を始めたグループの代表で、名古屋大名誉教授の池内了さんは「学問は人類の平和のために使われるべきだ」と話す。先の戦争への反省から軍事研究への協力には抑制的に対応している大学や研究機関は多い。この姿勢をしっかり貫いてもらいたい。 "[he-forum 18410] 共同通信8/27","共同通信 2014年8月28日12時33分 奨学金の無利子枠3万人増 文科省、低所得世帯を支援  文部科学省は27日、低所得世帯の教育費負担を軽減するため、大学生や専門学校生向けの奨学金の無利子枠を3万人分増やす方針を固めた。国私立大学の授業料減免枠も6千人分拡大する。来年度予算の概算要求に必要経費を計上する。  大学などの高等教育は小中学校や高校と比べて学費が高いうえ、経済的に苦しい家庭への支援が手薄。学ぶ意欲のある子供が経済的な理由で進学を断念することがないように環境整備を進めるのが狙いだ。  日本学生支援機構が大学生らに貸与している奨学金は無利子枠を3万人分増やして47万1千人にする。「有利子から無利子へ」の流れを加速するため、有利子枠は1万8千人減らすが、来年度は1万2千人増の計141万人が貸与を受けられるようになる。返済不要の給付型奨学金の導入は財務省の抵抗で断念した。  大学や大学院の授業料減免枠も国立で3千人増の5万7千人、私立も3千人増の4万2千人に拡大する。減免を実施した大学には、国立大運営費交付金や私学助成金を増額する。無利子奨学金、授業料減免ともに、東日本大震災で被災した学生向けには別枠で予算を確保している。  専門学校生向けでは、低所得世帯の学生への減免を実施した専門学校に対し、減免額の半額を国から支給する制度を創設する。概算要求には4千人分の4億7千万円を計上する。  小中学生には、経済的支援だけでなく学校教育で学力を保障する仕組みも整備する。低所得世帯の子供は塾に行けないことも多く、学校できめ細かく対応するために低所得世帯が多い学校には教員を1人増員。来年度は200校分を計上し、今後10年で2千校が対象になる計画だ。  また、大学生や教員OBら地域住民が中学生に無料で学習支援をする「地域未来塾」を公立中学校2千校で始める。 "[he-forum 18411] 朝日新聞8/28","朝日新聞 2014年8月27日19時44分 医学部新設構想、東北薬科大選定へ 16年度開学目指す  東北地方に新設する大学医学部の構想を審査していた文部科学省の有識者会議は、応募のあった3団体のうち東北薬科大(仙台市)の構想を選ぶ方針を固めた。28日の審査会で正式に決める。2016年度の開学を目指しており、予定通り進めば医学部新設は琉球大以来、37年ぶりとなる。  会議は「東北地方における医学部設置構想審査会」(座長=遠藤久夫・学習院大経済学部長)。名乗りを上げた宮城県、東北薬科大、脳神経疾患研究所(福島県郡山市)の3団体のうち、どこを設置主体にするか協議してきた。  東北薬科大の構想では、新たに医学部を設置し、「東北医科薬科大」に改称。1学年の定員は100人。加えて、卒業後に東北で5年間働くことを条件にした東北出身者の「地域枠」20人分を設け、合わせて120人にする計画だ。  東北の医学部新設は昨年11月、東日本大震災からの復興に向けた被災地医療の充実のため、政府が1校に限り認めると表明。大学や自治体などから構想を募り、5月末に申請を締め切った。= "[he-forum 18415] 北海道新聞社説9/1","北海道新聞社説 2014年9月1日付 防衛予算要求 軍拡競争に陥りかねぬ  防衛省が2015年度予算の概算要求を決めた。  過去最大の5兆545億円で前年度比3・5%の伸びである。概算要求規模が5兆円を上回ったのは03年度予算以来だ。  安全保障環境の変化を訴え、防衛力強化を図ろうとする安倍晋三首相の意向を反映した要求だが、厳しい財政状況を考慮すれば首をかしげざるを得ない。本当に必要なものは何か精査し、効率的な予算運用を心掛けるべきだ。  要求項目では、尖閣諸島周辺の空海域で活動を活発化させる中国を念頭に置いた部隊創設や武器導入が目立つ。  力に力で対抗すれば、軍拡競争に陥りかねない。外交によって問題解決を図るのが基本だ。  周辺国との緊張を理由に、防衛力をなし崩し的に拡大することは認められない。  防衛予算は02年度をピークに減少傾向を続けたが、第2次安倍政権が編成した13年度予算から増加に転じた。  今回の概算要求では、対中シフトがより鮮明になった。  長崎県佐世保市に創設する水陸機動団の施設整備費や、鹿児島県奄美大島に陸上自衛隊部隊を配備するための土地取得費、沖縄県与那国町に配備計画の沿岸監視部隊の宿舎整備費を計上した。  離島防衛の部隊の輸送手段として新型輸送機MV22オスプレイを導入し、佐賀空港配備に向けた用地取得費を盛り込んだ。  オスプレイは安全性が疑問視され、配備先の佐賀県はもとより、米軍の訓練移転計画がある道内などでも根強い反対がある機種だ。拙速な判断と言わざるを得ない。  部隊を離島に上陸させる米海軍強襲揚陸艦のような新型艦艇導入に向けた調査費も要求した。備えが過剰過ぎて、逆に対立をエスカレートさせるのではないか。  武器の輸出入管理や各国との共同開発などを担当する「防衛装備庁」を、来夏以降に1800人規模で新設することも盛り込んだ。  安倍政権による武器の積極的な輸出政策を推進する体制づくりが狙いだが、輸出拡大で国際紛争の助長につながる懸念は高まる。  さらに気になるのは、大学や民間研究機関などと連携して最新の軍事技術を開発するための基金制度創設費を計上したことだ。  日本の大学の多くは太平洋戦争の反省から軍事研究と一線を画してきた。研究費捻出に苦しむ大学の弱みを突いて軍事研究に引き込もうというのなら認められない。 "[he-forum 18414] 西日本新聞社説8/29","西日本新聞社説 2014年8月29日付 理研の再生 自助努力で抜本改革せよ  STAP細胞論文の不正の舞台となった発生・再生科学総合研究センター(神戸市)は人事を刷新し、規模を小さくして名称を変えて存続させるという。  センターが取り組む研究テーマそのものは、先端医療にとって非常に重要なものばかりだ。単に不祥事があったから縮小するというのではなく、問題を起こした背景を探って研究環境を整える方策を考えるべきだろう。看板替えに終わるだけでは意味はない。  計画では、外部有識者からなる経営戦略会議を新設して意見を理事会に反映させ、不正対策を指揮する理事長直轄の研究コンプライアンス本部も設けるという。  論文の無断引用を防ぐため検索ツールを導入し、研究成果を裏付ける実験ノートなどの記録も発表後5年の保存を義務付ける。  一定の評価はできるが、このような対策を講じなければならないところに、理研が抱える問題の深刻さをあらためて感じる。  対応の遅れにも、苦言を呈したい。外部有識者による改革委員会が「研究不正行為を誘発させ、抑止できない組織の構造的な欠陥があった」として同センターの早急な解体などを求めた提言を行ったのは6月だ。8月には、再生医療研究の第一人者だった副センター長の自殺という悲劇まで招いた。  論文の不正を認定した4月の時点で、関係者の処分と体制の一新を図るべきだった。事態を悪化させた理研幹部の責任も厳しく問うべきだ。日本の科学への信用をこれだけ失墜させながら、当事者として危機感が薄いのではないか。  国の動きも気になる。続出する研究不正に対し、大学や研究機関の管理責任を明確化する構えだ。研究に多額の税金が使われている以上、当然の措置とはいえ、過度の関与は避けてほしい。  国の監視が強まれば研究活動が萎縮する恐れもある。理研は自助努力で抜本改革を図るべきだ。日本を代表する研究機関としての存在意義が今こそ問われている。 "[he-forum 18413] しんぶん赤旗8/30","しんぶん赤旗 2014年8月30日付 給付制奨学金見送り 文科省概算要求  文部科学省は29日、2015年度予算概算要求を発表し、一般会計は前年度当初比10・1%増の5兆9031億円となりました。  教職員定数は、10年間で「きめ細かな指導」などのために3万1800人増やすものの、公立小中学校の35人学級(現行法は小学校1年のみ)は都道府県任せで、少子化に伴う自然減を引くと8900人減となる計画を策定しました。15年度には2760人増員とする一方で自然減が3000人なので、差し引き240人減となります。  教育費の負担軽減に関しては、幼稚園・保育所・認定こども園の保育料を段階的に無償化するとしたものの、対象範囲は示されず予算編成時に先送りしました。  大学生や専門学校生への奨学金は、無利子枠を3万人増やし、国私立大の授業料減免枠は6千人分を拡大。返済不要の給付制奨学金は見送りました。専門学校については、減免額の半額を国から支給する制度を創設し4千人分を計上しました。  いじめや貧困対策として「スクールソーシャルワーカー」を3倍の4141人に増やします。  競争主義に拍車をかける「小中一貫教育」推進には新たに1億円を投じ、安倍「教育再生」の要と位置づける道徳教育では国定教材「私たちの道徳」の押し付けなどに15億円を掲げています。  学長独断による大学組織再編を支援する国立大学改革強化促進事業は44億円増の230億円を要求するなど、選別再編を進める姿勢です。  高速増殖炉「もんじゅ」に1億円増の200億円を計上。破綻した核燃料サイクル計画に固執しています。 "[he-forum 18412] 東京新聞9/1","東京新聞 2014年9月1日付 国立大9割に 文科省「天下り」 理事ら幹部77人出向  全国の国立大学法人八十六校のうち約九割にあたる七十六校で、計七十七人の文部科学省出身者が理事や副学長、事務局長などの幹部として在籍していることが分かった。事実上の「天下り」を通じ、国立大の運営に文科省の意向が反映されている恐れがある。   文科省が自民党の無駄撲滅プロジェクトチーム(PT)に提出した資料で明らかになった。PTでは、文科省と国立大との人事交流を若手職員に限るなどの改善を提起する方針だ。  資料は四月一日現在で、文科省から国立大への出向者をまとめた。課長級以上の管理職は国立大ほぼ全ての八十三大学で、計二百三十九人が在籍している。  二〇一三年の同省幹部の出向者は、七十五大学で七十五人。管理職は八十三大学で二百四十七人いた。一二年は幹部が七十大学で七十人、管理職は八十大学で二百三十九人だった。  六月に国会で成立し、来年四月から施行される改正学校教育法は教授会の権限を限定し、学長主導の大学改革を促す。同法の改正では、学長を補佐する副学長の職務範囲を拡大した。副学長への出向を通じ、国立大への文科省の影響力が一層強まる可能性がある。  文科省は「各学長から要望があった際、該当する人がいれば協力をする」(人事課)と要請に応じた人事交流と説明している。  文科省出身の理事二人がいる東京大は「文部科学行政全般に幅広い知識や経験を有した人材は、本学の発展に貢献いただけると期待し、総長(学長)が任命した。出向終了後は文科省に戻るので天下りではない」(広報課)としている。 "[he-forum 18418] 東京新聞8/29夕刊","東京新聞 2014年8月29日付夕刊 子の貧困対策大綱、閣議決定 数値目標盛らず 給付型奨学金は見送り  政府は二十九日午前の閣議で、今後五年間の子どもの貧困対策の基本方針となる大綱を決定した。世代を超えた貧困の連鎖を断つため、親や子への学習支援の強化を掲げる一方で、関係者が求めてきた貧困率の削減目標や経済的な支援は盛り込んでおらず、「実効性に乏しい」という指摘もある。  大綱では、教育、生活、親の就労、経済の四分野を中心に国が進める支援策を列挙。家庭問題を抱える子どもたちに対応し、学校と福祉機関を仲介するスクールソーシャルワーカーの増員、大学に進学する際の無利子奨学金の拡充、高校卒業資格の取得を目指す親が必要な費用の一部を支給する。  効果は子どもの貧困率やひとり親家庭の就業率、生活保護世帯の子どもの大学進学率など二十五の指標を使って調べる。必要に応じて五年後に大綱を見直す。  政府の有識者検討会は六月、それぞれの指標に改善目標を掲げるほか、ひとり親家庭に満額で月約四万円を支給する児童扶養手当の拡充や、返済の必要のない給付型奨学金の創設をするように提言。しかし、財源の裏付けがないなどの理由で、いずれも見送られた。 "[he-forum 18417] 沖縄タイムス8/29","沖縄タイムス社説 2014年8月29日付 [無利子奨学金拡大]給付型導入につなげよ  家庭の教育費負担の軽減を図るため、大学生や専門学校生への奨学金の無利子枠が拡大される。文部科学省が、来年度概算要求に必要経費を盛り込む。  かつて日本育英会と呼ばれていた日本学生支援機構が、大学生らに貸与している奨学金の無利子枠が3万人分増え47万1千人になる。有利子枠は1万8千人減らし93万9千人。トータルでは141万人が利用できる。  内訳は有利子が66・6%、無利子が33・4%。文科省は「有利子から無利子へ」の流れを加速させたいとする。  日本では、これら貸与型の奨学金が主流である。先輩からの返還金を後輩の奨学金に充て、将来にわたって多くの学生を支援していく仕組みを取っているからだ。  貸与型とは別に返済義務のない奨学金が給付型である。  子供の貧困問題が深刻化する中、世代を超えて貧困が連鎖するのを断ち切ろうと政府が作る「子供の貧困対策大綱」の当初案には、大学や専門学校で給付型奨学金の創設を目指すとの文言が盛り込まれていた。最終的には、財源のめどが立たないとして給付型には踏み込んでいない。  文科省も給付型奨学金の導入を、財務省の抵抗で断念している。  奨学金は、今や大学生の2人に1人が利用する、なくてはならない制度である。進学を後押しするものとして定着する一方、就職難や非正規雇用といった卒業後の収入の問題から、返済に苦しむ人も増えている。     ■    ■  日本の貸与型奨学金は、大学を卒業すると正社員になって、賃金は年々アップし、簡単には解雇されないという雇用システムを前提に成り立っている。  学生たちも借りる時は、就職したらすぐに返せると思ったに違いない。  文科省が今月公表した学校基本調査によると、この春大学を卒業した学生の就職率は69・8%(非正規雇用含む)。非正規にアルバイト、進学も就職もしていない人を合計した「安定的な雇用に就いていない人」の割合は18・6%だった。  借りたものを返すのは当たり前で、自己責任という声もある。だが社会人になった途端の三桁の「ローン」は、若い世代には重い。まして収入が不安定で低ければ生活すら維持できない。返せないうちに延滞金が膨らめば、それこそ人生を左右する。     ■    ■  安いと思われている国立大学でも、年間の授業料は約54万円、入学料の約28万円を足すと、初年度は80万円余りが必要になる。学費が高いため借りざるを得ない状況があることにも目を向けてほしい。  経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で、日本は教育への公的支出が低いと言われ何年もたつ。特に「幼稚園と大学で私費負担の割合が高い」と指摘されている。  意欲と能力にあふれる若者が返済の不安から、利用をためらうようになったのでは奨学金の意味がない。   無利子枠の拡充から、さらに一歩踏み込んで給付型の導入に結びつけるべきだ。 "[he-forum 18416] 産経新聞8/30","産経新聞 2014年8月30日付 国立大の学部、入学定員が2年連続減 15年度  文部科学省は29日、8月末現在の国立大の2015年度入学定員を発表した。学部は前年度より177人減の9万6258人で、2年連続の減少となった。  文科省によると、埼玉大や信州大は学科を改組するなどした上で、全体の入学定員を減らす。山口大と高知大は既存の学部の定員を減らし、新たな学部を設けるが、定員枠は維持する。  大学院の入学定員も63人減の5万8729人。新潟大や鹿児島大など5校が法科大学院の募集を停止することが影響した。課程別では、修士課程と博士課程は増えた一方で、専門職学位課程が151人減った。 "[he-forum 18419] 東京新聞茨城9/3","東京新聞茨城版 2014年9月3日付 地域再生の拠点に 茨城大 三村新学長が就任会見  茨城大の学長に一日に就いた三村信男氏が二日、新役員らと一緒に大学本部(水戸市)で就任会見に臨み、「地域再生、持続可能な地域づくりの拠点でありたい」と大学の方向性を示した。  三村氏は大学改革プログラムの策定、地域の知の拠点化、国際社会で活躍する学生の育成を課題に挙げた。具体的には留学や研修で海外に渡る学生を倍増し、一年間に四百人とする計画を示した。  大学本来の研究では、つくば市に集積する研究機関を活用した先端科学技術の開発、全国第二位の農業県である茨城県を後押しする農業関連の研究を重視する考えを披露。また、原発以外の原子力科学の利用を探るため、東海村との連携にも意欲をみせた。 (林容史)  学長以外の役員は次の通り(敬称略)。  伏見厚次郎(理事・副学長)▽尾崎久記(同)▽袖山禎之(理事・事務局長)▽影山俊男(理事)▽米倉達広(副学長)▽太田寛行(同) "[he-forum 18420] 東京新聞 2014.9.2.","2014.9.2 東京新聞 朝刊 p. 24 特報 国立大から文系消える? 文科省改革案を通達  教員ら反発「教養は無形の力になる」  文部科学省は先月、同省の審議会「国立大学法人評価委員会」の議論を受け、 国立大の組織改革案として「教員養成系、人文社会科学系の廃止や転換」を各大 学に通達した。文科省はあくまで「覚悟」レベルの話で、即時の廃止などは考え ていないとする。だが、現場の教員たちは激しく反発している。(沢田千秋)  同評価委は二〇〇三年十月、国立大の法人化に合わせて設置された。六年ごと に策定する各大学の中期目標の達成状況や経営状態、業績などを総合的に評価し て、今後の各大学の在り方について、文科相に意見する権限を持つ。  委員は二十人で、IT関連企業の社長、NHK解説委員、公認会計士のほか、 公立大と私立大の学長らが名を連ねている。  先月四日付の通達では、一六年度から実施される「第三期中期目標」を見据え た案を説明した。文科省国立大学戦略室の担当者は「各大学が中期目標の原案を 作る際、参考にしてもらうため、現在の評価委員の持つ課題意識をあらかじめ示 した」と解説する。  文科省は昨年「ミッションの再定義」と名付け、各大学の特色や強み、社会的 役割(ミッション)を明確化した。担当者は「今回の通達は文科系学部の廃止や 理系への転換を提案しているのではない。先に示された役割に基づいて、改革し てほしいだけだ」という。  だが、現場からはすでに通達に対する反発の声が上がっている。愛知教育大の 今村健一郎講師(哲学)は「つまりは、国立大学は職業専門学校に特化しろとい うことだ」と解釈する。  同大は第三期中期目標で、学士課程卒業者の教員就職率を現在の80%から 85%に増やすようミッションが課せられた。「うちは東海地方の学校の先生を 育てるのが国策だと。つまり、教員養成課程以外は、すべてそぎ落とせというの がミッションだ」と強調する。  今村氏自身、中央大法学部を出て保険会社に就職したが、一般教養で学んだ哲 学が忘れられず、会社を辞めて東京大で哲学を勉強した。「確かに哲学は実用的 じゃないし、就職できないし、僕なんか食うのも必死な貧乏。でも、学生には教 員になる勉強だけでなく、教養も身に付けてほしい。この問題は国立大改革に限 らず、日本の教育とは何かという本質的な問題を突きつけている」  そもそも、国立大法人化は大学の自主的な運営が掲げられていた。だが、文化 学園大の白井聡助教(政治学)は「大学の自主性なんて文科省の建前で、法人化 は彼らの天下りが目的。現場の教員は中期目標や改革プランのため、くだらない 書類を山ほど書かされ、本来的な研究や教育の時間をそがれ、サラリーマン化し ている。このままでは、人文社会科学系は改廃されていく」と懸念する。  今村講師は「税金を投じて工学部や法学部などで、人材を育てるのが国策だと いう主張は分からないではない。だが、哲学は教養という無形の力になる。英語 を学んだって、会話の中身が貧困なら意味がない。世界で会話をするなら、古典 の教養は必須。文系学問は質の高い国民を育てるための実学だ」と訴える。  かつて大学法人化の渦中でも、実学偏重の風潮に対し、「国立こそが実利とは 無縁だが、人材育成に不可欠な人文科学や基礎研究を育てられる貴重な場所」と いう反論があった。  白井助教は「(大学改革を推進する)安倍首相は直接金もうけできる方法以外 の学術は、役に立たないという認識。彼の人生ではそうだったんでしょう。言い 換えれば、学術は彼の知性を形成しなかったということでは」と皮肉った。 -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca Centrale di Ingegneria Universita' Nagoya. Furocho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8603 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-3227 FAX: +81-52-789-5160 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 18423] チューリップテレビ9/5","チューリップテレビ 2014年9月5日11時9分 理工系学部と教職大学院 富山大学に新学部開設へ  富山大学が、大学改革の一環として2016年度に理工系の新たな学部と教職大学院を設置する予定で計画を進めていることがわかりました。  富山大学によりますと、新たに設置を計画しているのは、理工系の学部と教職大学院です。  このうち理工系の学部は、現在ある理学部と工学部を再編した上で、新たに防災や土木などの分野を担う学部を検討しています。  教職大学院は、現職教員のレベルアップや即戦力となる新人教員の養成を図るもので、学校で指導的な役割を果たす専門性の高い人材の輩出を目指します。  富山大学は今後、具体的な内容を詰めた上で来年3月末までに文部科学省に新学部と教職大学院の設置を申請し、2016年度から開設したい考えです。 "[he-forum 18422] 読売新聞9/1","読売新聞 2014年9月1日付 奨学金、借りすぎご注意 滞納957億円・「借金」認識を  学費の負担増などで奨学金を借りる学生が増える一方で、卒業後に返済が滞るケースが問題化している。  奨学金は多くが貸し付け型で、有利子のものもあるなど、あくまで「借金」だ。返済のリスクを把握し、必要以上の借り入れは避けたい。 ■多くは貸し付け型  高校、短大、大学などに進学したくても、親の収入や貯蓄だけでは学費を賄えない場合、多くは国や大学の奨学金、民間の教育ローンなどに頼ることになる。奨学金では、各大学が支給する返済不要の「給付型」もあるが、多くの学生は貸し付け型を利用している。  公的な奨学金は、高校生には各都道府県が、短大生や大学生などには国の奨学金貸与事業を行う日本学生支援機構(旧日本育英会)が貸与している。無担保で借りられ、民間ローンに比べ利息も低めだ。このため、「経済的に厳しい家庭にとって借りやすい面がある」(同機構の谷江徹司奨学総務課長)という。  同機構の奨学金には、無利子の「第1種」と、有利子の「第2種」がある。それぞれ選考があり、第1種の方が成績面や親の年収に関する基準が厳しい。貸与月額は第1種(私立大学の場合)で3万円、5万4000円、6万4000円。第2種(公立と私立とも)で3万、5万、8万、10万、12万円となっており、この中から選ぶ。このほか、入学時の一時金として貸す「入学時特別増額貸与奨学金」(最大50万円、有利子)もある。  返済の際に上乗せされる利子は卒業月(貸与終了月)に決まり、今年3月卒業の場合、金利は年0・82%(固定方式の場合)だ。 ■大学生2.6人に1人  学費が上昇傾向にある一方、世帯収入は長期的に低迷していることなどから、奨学金を借りる学生の数は右肩上がりだ。2013年度の同機構の利用者(大学、短大、大学院、高等専門学校などの合計)は第1種で約43万人、第2種で約91万人。大学生に限ると、2・6人に1人が借りている計算だ。  一方、卒業しても就職先が見つからないなどの理由で、返済を滞納する人が後を絶たない。今年3月末時点の滞納者は約1割にあたる約33万人、滞納額は957億円に上っている。  仮に第2種奨学金を月5万円、4年間借りると総額は240万円。本人は卒業と同時に、これを負債として抱えることになる。年利を0・82%とし、平均的な15年返済で試算すると、毎月約1万4200円を180回払っていかねばならない。決して軽くない負担だ。  奨学金アドバイザーの久米忠史さんは「他の借り入れに比べ金利などの条件が良いだけで、奨学金も借金に変わりはない。返済に十分留意して借りる必要がある」と話す。  もし返済が滞ればどうなるか。3か月以上滞納が続いた場合、個人信用情報機関に登録され、クレジットカードの利用が制限されたり、住宅ローンが組めなくなったりする恐れもある。同機構の谷江さんは「借りる前に本当に必要な額かどうか、将来設計も見据えながらきちんと考えて」と話す。 ■減額・猶予も  同機構で奨学金を借り、今春に大学などを卒業(貸与終了)した人の多くは、10月から返済が始まる。「定職に就けなかった」「低収入で生活が苦しい」といった人には、返済の減額・猶予の制度がある。基準年収が目安(給与所得者で300万円)を下回るなど一定の条件を満たすことが必要だ。  減額は、例えば月1万円の返済が難しくても5000円なら払えるという場合、月の返済額を半分にして期間を延長する。猶予は、返済期限を最長で通算10年先延ばしする。ただし、いずれも返済総額は変わらない。(武田泰介) 大学独自の制度も 早慶、首都圏以外の学生向け  多くの大学は、独自の奨学金制度を持っている。  例えば、早稲田大学は学内奨学金が約100種類ある。その中の一つ、2009年に新設した「めざせ!都の西北奨学金」は、首都圏以外の高校出身者が入学前に申し込む「給付型」の奨学金だ。年40万円、4年で総額160万円を支給し、卒業後も返済不要だ。高校の成績や父母の収入などを基に選考し、来春入学者は約1200人の枠を予定。10~11月と1月の2回にわたって申請を受け付ける。  早大同様、各大学は返済不要の給付型をはじめ、様々な奨学金を用意している。学生支援機構のサイトでは、こうした大学独自の奨学金をまとめて紹介するページを設けている。全国の国公私立大・短大合わせて約650校の制度が一覧表になっており、それぞれ貸与額や条件、募集人数などが確認できる。  ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは「あまり知られていないが、受験生や父母にとっては貴重な情報。活用しない手はない」と話す。志望する大学に経済面のサポートがどれだけあるか、受験前に調べておくのに役立ちそうだ。 "[he-forum 18421] 室蘭民報9/6","室蘭民報 2014年9月6日付 室工大次期学長候補、空閑理事・副学長に決まる  室蘭工業大学(佐藤一彦学長)の学長選考会議が5日、同大で開かれ、空閑(くが)良壽理事・副学長(59)を次期学長候補者に決めた。2015年(平成27年)4月1日に文部科学大臣の任命を受け、第14代学長に就任する。任期は21年3月末までの6年間。  同選考会議では学外有識者5人を含む計10人で行われた。1日に実施された学内意向投票の結果などを踏まえ、全会一致で決定。空閑氏は「大変光栄です。学内意向投票、学長選考会議での選考結果を重く受けとめ、責任の大きさを痛感している。応援してくださる方々のご協力をいただきながら、本学の運営を全力で行いたい」と話している。  長崎県佐世保市出身。東京工業大学工学部化学工学科卒、同大学院理工学研究科修士課程化学工学専攻修了。理化学研究所を経て96年10月、室蘭工業大学工学部助教授。01年4月、同教授。09年4月同大学院工学研究科教授、同大副学長。11年4月国立大学法人室蘭工業大学理事・副学長となり学術担当に。同大保健管理センター所長や同大附属図書館長なども歴任した。 (成田真梨子) "[he-forum 18427] 神奈川新聞9/12","神奈川新聞 2014年9月12日付 教員養成大学と連携 横浜市教委、42校と協定へ  世代交代が急速に進み、経験の浅い教員が増える中、優秀な人材の確保と育成を目指して、横浜市教育委員会は、県内、都内の大学など42校と協定を結ぶ。大学教育の段階から実践的な力を身に付けてもらう狙い。現職教員も大学の講座を利用するなどし、技術に磨きをかけてもらう。こうした協定は全国初という。  市教委によると、教員の大量退職、大量採用が続いたことなどから、学校現場では年齢構成のバランスが崩れており、経験年数が10年未満の教員が約56%を占めるという。ベテラン教師が不足し、新人教師を育成する余裕がなくなっている。  そのため、市教委は昨年度から、教職課程を学ぶ学生の人材育成にも乗り出そうと大学を個別に訪問し、教員養成や、能力向上への課題や対応策を協議してきた。その結果、大学側にとっても学生が早い時期で現場を知り、体験する機会が増えるメリットがあるとして、協定を結ぶことになった。  具体的な取り組みとして、横浜市の市立小中高校での教員を希望する教育実習生や学生ボランティアの受け入れ充実を図る一方、大学には市教委の指導主事を講師として派遣する。  また、現職教員のスキル向上を図るため、大学のオープン講座開設、大学教授の市への講師派遣も行う。  締結は17日。市教委教職員育成課は「締結後は定期的に協議会を開催し、双方にとって有益な取り組みを進めていきたい。学生が横浜で教員を目指す一つのきっかけになれば」と期待している。今後、協定を結ぶ大学を増やしていく方針という。 "[he-forum 18426] 熊本日日新聞9/11","熊本日日新聞 2014年9月11日付 新外来棟、17日オープン 熊大病院で記念式典  熊本大病院(熊本市中央区本荘)の新たな外来診療棟が17日にオープンするのを前に、現地で11日、完成記念式典があった。移転作業に伴い、12~16日の外来は休診となる。  新外来棟は従来の外来診療棟の北側に位置し、鉄骨4階建て、延べ床面積は約1万2千平方メートル。既存の建物の老朽化に伴い、2012年7月に着工。今年3月に完成していた。総事業費は約29億6千万円。  同病院によると、昨年度の外来患者は延べ約33万5千人で増加傾向。新外来棟の診察室の数は現状の115から155に増えるため、患者受け入れの増加が見込めるという。  患者のプライバシーに配慮し、名前による呼び出しを原則として廃止。待合室ではモニター画面に受診番号を表示して診察の順を示し、チャイム音で呼び出すようにする。  新外来棟での診療開始に合わせ、紹介状を持たない患者が初診料とは別に負担する「保険外併用療養費」の改定も17日から実施。同療養費を現行の3240円から5400円に変更し、かかりつけ医の紹介を経て受診してもらうように促す。  式典には大学関係者ら約200人が出席。谷原秀信院長は「地域に愛され、世界に情報発信できる大学病院とするため、不断の努力を続けたい」とあいさつした。  同病院の再開発は1999年から始まり、02年に西病棟、06年に中央診療棟、10年に東病棟が完成していた。今後は旧外来棟を管理棟に改修する工事などを進める。(田中祥三) "[he-forum 18425] 読売新聞栃木9/11","読売新聞栃木版 2014年9月11日付 宇大に来年度、教職大学院 10月にも認可  宇都宮大が新年度、現場で働く教員の再指導や新人教員の育成を行う教職大学院を県内で初めて開設することが10日、わかった。10月中にも文部科学省が正式に認可する。初年度の募集は15人程度で、12月に願書を受け付け、来年1月に入試を行う。  同大の大学院教育学研究科に「教育実践高度化専攻(教職大学院)」を加え、地域や学校で指導的役割を果たす教員の育成を目指す。カリキュラムは、現代の教育課題などを学ぶ「共通科目」や、院生と大学教員が一つのチームとなり、学校現場と連携して課題研究を進める「教育実践プロジェクト」などで構成される。  初年度は6~20年の経験がある現職の教員10人と、学部卒で教員免許を取得しているか、取得見込みの5人を募集する。現職教員は、県教育委員会から派遣を受ける。入試は学部卒が小論文と口述で、現職教員は口述のみ。  宇都宮大教育学部は1949年、二つの師範学校が合わさり、前身の学芸学部として設立された。昨年度は、教員養成課程の卒業生のうち教員として就職する割合が71・2%で、国立44大学の中で全国で5位の高さになるなどの実績を上げている。  教職大学院の設置は今年8月に文科省に申請しており、10月末にも正式な認可が下りるという。  教職大学院については、全国で定員割れの大学が相次ぐなど、志願者の安定的な確保が課題となっている。教育学部長の藤井佐知子教授は「学校の中心となるスクールリーダーを一人でも多く育てられる専攻にしたい」と話している。 "[he-forum 18424] 西日本新聞社説9/11","西日本新聞社説 2014年9月11日付 法科大学院 法曹養成見直しの起点に  法科大学院を中心とした法曹養成制度の行き詰まりが一段と際立った。そんな印象が拭えない。  今年の司法試験の合格者は2年連続減の1810人で2千人を下回った。合格率22・6%は現行制度になった2006年以降で最低だ。九州でも九州大は合格者37人だったが、残る5校は4~1人にとどまった。一方、法科大学院を修了せず受験資格を得る予備試験通過者の合格は増えており、修了生だけの合格者数・率はさらに低迷している。  このままでは法科大学院離れが進むばかりだ。かつて最高で74校を数えた法科大学院だが、既に鹿児島大や久留米大を含む20校が募集停止を決めている。  政府は補助金カットなどで合格実績の悪い法科大学院の統廃合に取り組んでいる。やむを得ない側面はあるにしても配慮してほしいのは地域的な偏りだ。東京の有力校などに入らないと法曹になれないような制度はバランスを欠く。  いま優先して見直すべきは法科大学院の教育内容と司法試験との関係だろう。知識偏重と批判された旧試験から脱却し、幅広い視野と法的素養を持つ人材を育てる。そうした当初の理念に沿いながら、いかに試験対策と両立させるか。教育の質を向上させる余地はまだあるはずだ。  予備試験の見直しも待ったなしだ。経済的理由などで法科大学院に通えない人の例外的な道であるはずなのに、実態は法科大学院生らの「抜け道」になっている。  法曹人口拡大は司法制度改革の柱の一つで、当初計画は合格者年3千人だった。政府の見通し通りには弁護士の仕事が増えず、法科大学院の低迷も続く。結果として法曹を目指す若者が減り始めた。典型的な悪循環である。  政府は適正な法曹人口に関する調査を進めており、その結果がまとまる来年7月以降に議論を本格化させるという。だが、それでは遅すぎる。まずは急務となった法科大学院の改革を先行させ、法曹養成の全体像を練り直す起点とすべきではないか。 "[he-forum 18430] 毎日新聞社説 9/15","毎日新聞社説 2014年9月15日付 法科大学院 提携や統合で質高めよ  今年の司法試験の合格者は1810人で、2006年以来8年ぶりに2000人を割り込んだ。合格率も22.6%で、法科大学院修了者の受験が始まった同年以降最低だった。  法科大学院の苦戦が際立つ。74校のうち39校が合格者1桁で、4校がゼロだった。法律家養成の中核として発足から10年がたったが、残念ながら大きな曲がり角に直面している。合格率が振るわず、既に20校が募集停止に追い込まれている。  質の高い教育を実施し、一定の成果を上げなければ、学生が集まらないのは当然だ。政府は、成績の振るわない法科大学院への補助金削減をさらに進める方針だ。そうした法科大学院は、他校との提携や統合など一層の経営努力を迅速に進めなければ生き残れないだろう。  詰め込みの弊害も指摘された旧司法試験の反省から法科大学院は誕生した。実務も取り入れた密度の濃い教育を2〜3年受けることで、「修了者の7〜8割が司法試験に合格」という目標が掲げられた。だが、現実は厳しく、合格率は低迷し、入学者も近年減り続けている。  さらに、経済的な理由から法科大学院で学ぶことができない人のために例外的に設けられた予備試験経由の合格者が年々増加している現実がある。今では、法科大学院で学ぶことを省ける最短コースとして特に若い学生が利用している。  だが、社会人など幅広い人材を法曹の世界に送り込むためにも、実務家によるきめ細かな授業を重視する法科大学院の理念は今後も尊重してもらいたい。政府が進める予備試験の見直しは不可欠だ。  法科大学院不振の背景には、法曹界に求められる人材の需要が当初の想定を下回っていることがある。  政府は01年、18年時点での法曹人口を5万人と見込んだうえで、司法試験合格者数を10年には3000人とする目標を掲げた。経済の国際化や法的紛争の増加で法律家の活躍の場が広がると見たのだ。自治体や企業などの雇用も増えると考えた。  だが、実際には想定した需要はなく、司法試験に合格しても法律事務所に入れなかったり、十分な仕事がなかったりする若手弁護士が増えている。  そうした中で、政府は昨年、合格者3000人の目標を撤回した。さまざまな悪循環の中で、司法の道に進むことが若者にとって魅力を欠く結果になっている。  政府は、現時点での法的なニーズなど適正な法曹人口について調査する方針だ。また、海外を含め、弁護士の活動領域の拡大についても本格的に検討を進めている。政府、法曹界一丸となった取り組みで法曹の世界の活性化を図ってほしい。 "[he-forum 18429] 産経新聞主張9/17","産経新聞主張 2014年9月17日付 法科大学院 再編し多様な人材育成を  法科大学院修了者の司法試験合格率が低下し続ける一方で、同大学院を経ない予備試験組の合格が増えてきている。  設置している大学は、法曹養成機関としての法科大学院の存在意義が問われていることを認識し、統廃合など思い切った再編で、その質を高めていくことが急務だ。  法科大学院は米国のロースクールをモデルに導入された。知識偏重と批判のあった旧司法試験制度を見直し、法学部卒以外や社会人を含む幅広い人材を集めて、事例研究や対話型授業で識見ある法曹人材を育てる狙いだった。  政府は、規制緩和に伴い企業や社会で法律家が多く求められるとみて、法科大学院を司法改革の中核に置いた。だが、思ったほど法律家の需要は伸びなかった。  加えて、当初20校程度で司法試験合格率7~8割を想定した法科大学院は70校以上つくられ、平均合格率はここ数年2割台だ。今年は昨年よりまた下がり、上位の京大、東大も5割どまりである。  これに対し一発勝負の予備試験組の合格率は約67%と高い。法科大学院の不振を尻目に、本来は苦学生らの例外措置である予備試験受験者が増える傾向だ。  制度が骨抜きになりかねない状況である。まず法科大学院の乱立解消を急がなければならない。  だが、合格者ゼロが続き募集停止になるところも出ているのに、再編は進んでいない。  文部科学省も合格率の低い大学院への補助金を削減し、統廃合を促す方針を打ち出した。大学はこのままでは自らの首を絞めることになると自覚し、統廃合や複数大学の連携による運営に真剣に取り組んでほしい。カリキュラムや指導態勢の充実も欠かせない。  政府は司法試験合格者の年3千人を当初目標にしていたが、下方修正を余儀なくされている。今年の合格者は約1800人だ。  合格し法曹資格を得ても、活躍の場は広がっていないという問題も指摘される。法科大学院を目指す人たちが将来を描けるように、法曹界も取り組むべきだ。  弁護士らの地域的偏在の問題はなお解決されていない。例えば、復興途上にある東日本大震災の被災地では、長期的で組織的な法曹の支援が必要とされている。  法科大学院の低迷が法曹を志す人材の減少につながるという、悪循環だけは避けたい。 "[he-forum 18428] 北海道新聞社説9/14","北海道新聞社説 2014年9月14日付 法科大学院 抜本見直しを急ぎたい  今年の司法試験の合格者は1810人にとどまり、昨年から200人以上減った。8年ぶりの2千人割れだ。合格率は2割強で、現行試験が始まってから最も低い。  憂慮すべきは法科大学院を修了した合格者が1647人で昨年から300人近く減ったことだ。  一方、法科大学院を修了せずに受験資格を得た予備試験通過者は163人に増えた。大半は現役の法科大学院生や大学生だ。  この結果は法科大学院離れに拍車をかけよう。このままだと法科大学院を軸とした法曹養成制度自体が破綻しかねない。抜本見直しを急ぐべきだ。  制度見直しを検討してきた政府は昨年7月、合格者を年間3千人程度とする目標を撤回した。  訴訟など弁護士の仕事が当初想定ほど増えず、法曹資格を得ても就職できないケースが出ている。現実を見れば撤回はうなずける。  問題は合格者数の新たな目標を設定せず、今後の法曹人口の在り方など課題の多くについて結論を先送りしたことだ。  来年7月までにまとめるというが、悠長すぎる。早急に明確なビジョンを示すべきだ。自分の将来を描きにくいがために、司法制度を担うべき人材が他分野に流れるとしたら社会の損失である。  実際、法科大学院の志願者は減り続けている。本年度入学者は約2300人まで減った。入学定員の6割だ。年ごとに定員を減らしてもこのありさまだ。  各校が教育内容を充実させ、合格率を高めるのは当然だが、司法試験の在り方についての検証と改善も必要だろう。  気になるのは、文部科学省が合格率の低い大学院の統廃合を促していることだ。これまでに開設された大学院の3割弱が既に募集停止を決めた。地方校が目につく。  文科省は、地方の法曹志願者に不利にならないよう十分に配慮してもらいたい。  予備試験の見直しも待ったなしだ。経済的理由で大学院に通えない人たちを念頭に置く以上、受験に制限を設けるべきだ。  法曹を増やし、紛争解決など法律サービスを市民が利用しやすくする―。政府が12年前に閣議決定した司法制度改革推進計画の理念はぜひとも実現してほしい。  それには弁護士の職域拡大が不可欠だ。中央省庁や企業、自治体など潜在的需要は少なくない。地域で気軽に相談に応じる家庭医のような存在も増やしたい。法曹としての意識改革も迫られている。 "[he-forum 18431] 秋田魁新報 2014.9.17","http://www.sakigake.jp/p/akita/editorial.jsp?kc=20140917az (2014/09/17 付) 社説:共謀罪新設見送り 監視強化の懸念拭えず  国家による監視強化の懸念が依然として拭えない。殺人など重大犯罪の計画に 加わっただけで処罰対象とする包括的な「共謀罪」の新設を、政府が完全に諦め たわけではないからだ。  関連法改正案の臨時国会提出を今回、政府が見送った。過去3回、国会に提出 されたが、問題点が多いなどとして廃案や継続審議となったのが共謀罪新設だ。 それにもかかわらず、なぜ政府は共謀罪に執着するのか。  共謀罪は2人以上が犯罪を行うことを話し合い、「合意」しただけで処罰でき るのが特徴。つまり、具体的な犯罪行為がなくても、犯罪を計画したり、相談し たりする「謀議」さえ立証できれば十分ということだ。  刑法など現行法は、国の統治機構を破壊する内乱罪といった重大犯罪に限り例 外的に準備段階で処罰する。これに対し過去に提出された共謀罪関連法改正案は 殺人や強盗、窃盗など600以上の犯罪を想定している。  日弁連によると、現行法の約10倍に当たる多さだ。共謀罪適用がこの通り拡 大されれば、もはや例外規定とはいえない。  今回の共謀罪検討について政府は2020年東京五輪を控え、テロ対策強化が 必要なためとしていた。最終的に法案提出を見送った理由の一つは恣意(しい) 的運用への批判が根強いからだ。  定義も曖昧なだけに、捜査機関によって運用が拡大解釈されれば、監視社会を 招く恐れが否定できない。強い批判があるのは当然だろう。  特に懸念されるのは、犯罪行為についての話し合いや合意の有無を立証するた め、捜査機関による通信傍受、すなわち盗聴が日常的に行われることだ。  先にまとまった司法制度改革の最終案には、電話の会話やメールを傍受できる 対象犯罪の大幅拡大が盛り込まれた。傍受の際に必要だった通信事業者の立ち会 いも不要になる。  法務省は、傍受拡大に関する関連法改正案を来年の通常国会に提出する方針だ という。こうした動きが共謀罪の新設と密接に関わっているのは間違いない。国 民監視を強める動きが徐々に加速していると言わざるを得ない。  実は、年末に施行が迫る特定秘密保護法では一部で共謀罪が取り入れられてい る。国家機密漏えいなどを謀議した場合、懲役5年以下の刑が科せられる。共謀 罪の関連法改正案成立に向け、さまざまなところで地ならしが進んでいるのである。  今回の提出見送りは、秋の臨時国会で安倍政権が地方創生関連法案の成立を優 先させた結果である。さらに、来春には統一地方選が控えており、共謀罪関連法 改正案の提出によって政権批判が湧き起こり、選挙に影響が出るのを避けるためだ。  見送りは結局、一時的な党内事情によるものだろう。警戒を怠れば、知らない うちに国家による監視の目が張り巡らされることにもなりかねない。 "[he-forum 18433] 信濃毎日新聞社説9/18","信濃毎日新聞社説 2014年9月18日付 奨学金制度 給付型を導入すべきだ  学ぶ意欲や能力がある若者が、経済的な事情で大学などへの進学をあきらめることのないようにしたい。そのためにあるのが、教育基本法にも定められた奨学金制度だ。  大半を文部科学省所管の独立行政法人、日本学生支援機構が担っている。問題は、すべてが貸与である上、利子を付けて返す方式が主流になっていることだ。  低利とはいえ、借りた以上に返す仕組みが、本当に支援といえるだろうか。多額の借金を背負うことが壁になり、進学を断念する事態になっては、奨学金の意味がない。無利子枠を拡大するだけではなく、返済の必要のない給付型を段階的にでも導入すべきだ。  支援機構の前身、日本育英会の奨学金にはもともと利子がつかなかった。1984年の法改正によって、有利子が導入されたが、あくまで無利子の補完措置という位置付けだった。  しかし、支援機構に組織改編された2004年度には有利子の奨学生が無利子の奨学生を逆転。無利子枠が狭く、やむを得ず有利子に回る学生が増えたためだ。  機構によると、昨年度の貸与状況は無利子が約42万7千人なのに対し、有利子は約91万2千人と2倍以上になっている。  一方で、景気の悪化や非正規雇用の広がりで返済できない人も増えている。昨年度に滞納したのは約33万4千人、期限を過ぎた未返済額は過去最高の約957億円に上る。返せなければ延滞金がのしかかる。  卒業後に抱える負担が人生に与える影響を無視できない。結婚や出産をためらわせ、少子化を進めることにもなりかねない。  OECD(経済協力開発機構)34カ国のうち、大学授業料無償化、給付型奨学金のいずれも制度化されていないのは日本だけだ。  政府は先月末、「子供の貧困対策大綱」を閣議決定した。無利子奨学金の充実を掲げ、文科省は無利子枠を3万人分増やす方針だ。  しかし、大綱の当初案にあった給付型奨学金の創設は、見送りになった。財源のめどが立たないためという。  家庭の経済状況に左右されず、学ぶ意欲の高い学生が大学に多く入れば、他の学生の刺激にもなり、大学を活性化させるだろう。社会に支えられて学べる実感は、身に付けた知識や能力を社会に還元しようという意識にもつながる。  給付型奨学金の効果は「財源」に利子がついて戻ってくるはずだ。長い目で見てほしい。 "[he-forum 18432] 産経新聞9/17","産経新聞 2014年9月17日付 大学入試改革、見えぬ着地点 「一定の学力必要」「人物重視」 根強い反対論  大学入試改革をめぐる中央教育審議会の議論が揺れている。知識偏重の入試から、意欲や適性などを多面的に評価する入試へ-。答申の素案には抜本改革の方向性が示されたが、センター試験の後継となる「達成度テスト・発展レベル(仮称)」のあり方も含めて、大学や高校からは困惑の声が聞こえる。現在の小学6年生から対象になる予定の新入試はどう変わるのか。中教審の答申の行方に関心が高まっている。 ■多面的な評価に  8月22日に開かれた中教審の高大接続特別部会。安西祐一郎部会長は議論の取りまとめに向け、6月に出した答申素案を基に、大学入試改革の私案を示した。  私案では、高校生の基礎学力を測る「達成度テスト・基礎レベル(仮称)」について、入試にも活用できるよう難易度を幅広く設定することを提案した。  センター試験に代わる「達成度テスト・発展レベル」は、知識の活用力を測るため、教科の枠にとらわれない「合科目型」「総合型」を出題する。「両テストを一体的に運用すれば受験生の学力保証は担保できる」として、各大学は教科型試験を廃止して面接や討論など「人物重視」に転換するよう求めた。  安西部会長は「これからの時代に必要なのは、主体的に考える力や他者と協働する力。大学入試は多面的な評価に変えなければいけない」と説明する。 ■全く異なる提案  これに対し、部会に招かれた国立大学協会の里見進副会長(東北大学長)は、「入学者には一定の学力を持ってきてほしい」と、国大協独自の改革案を提示。  「達成度テスト・発展レベル」は、センター試験のような5~6教科の「教科型」を維持し、各大学の個別試験も「記述式、論述式で出題すれば思考力や表現力が測れる」と教科型の学力試験を残す案を示した。  全く異なる提案が出されたことに、部会の委員は「従来通りなら改革の意味がない」「学力試験を課すことで大学の個性が出せる」と意見が分裂。ある委員は「改革の方向性が見えない。子供たちはどうなるのか…」とつぶやいた。  「達成度テスト」をめぐっては、高校現場からも反対の声が根強い。民間の進路情報研究センターが今年2月、全国の高校(196校回答)に調査したところ、「混乱」や「負担」を理由に、7割以上が達成度テスト導入に「反対」と回答した。  さまざまな意見が出ていることを受け、高大接続特別部会は、当初7月下旬に予定していた答申を延期し、議論を継続しているが、着地点はまだ見えてこない。  大学入試改革に詳しい北星学園大学の佐々木隆生教授は「達成度テストが2つのレベルに分かれ、中身がはっきりしないため、議論が迷走している」と指摘。「新入試で『知識の活用力』『主体的に考える力』『他者と協働する力』を測るという方向性はいいが、小学校から高校までの教育の転換と評価法の確立が必要で、達成度テストや入試に唐突に導入すべきではない」と話している。 "[he-forum 18437] 神戸新聞9/20","神戸新聞 2014年9月20日付 神戸大大学院に新研究科 経営結ぶ理系人材育成  神戸大学は19日、理系の最先端研究からビジネス化までを横断的に理解する人材を育成する「イノベーション研究科」(仮称)を2016年度に大学院に設置すると発表した。技術と経営を結び、研究室レベルにとどまりがちだった研究成果を社会に還元できる理系人材を育てるという。  社会人を多く受け入れる専門職大学院でなく、基本的に学部卒業生を受け入れる一般大学院(修士2年、博士3年)としては、他大学に例がないという。定員やカリキュラムは検討中。  重点分野はバイオプロダクション(生物学的ものづくり)▽先端膜工学▽先端IT▽統合創薬科学‐の4分野。来年3月に完工する「先端膜工学拠点」などの実験施設で応用研究を進めつつ、知財管理や市場調査といったビジネス研究も学んでもらう。  また、同大学は同日、15年度から大学院理学研究科の地球惑星科学専攻を改組し、日本で初めて「惑星学専攻」を設置すると発表した。従来、地球科学と惑星科学に分けて理解していた自然や地質の現象などを「地球を含む惑星」の視点で考える「惑星学」を確立し、新たな分野を開拓する人材を育てるという。(森本尚樹) "[he-forum 18436] 東京新聞夕刊9/19","東京新聞 2014年9月19日夕刊 7校に最低評価 法科大学院、5段階分類  文部科学省は十九日、司法試験の合格状況や定員充足率などを指標に、法科大学院を五段階に分類した結果を公表した。五十二校のうち、最低評価となったのは国学院大、駒沢大、専修大、桐蔭横浜大など七校で、他校と連合して抜本的な見直しをしなければ、来年度の補助金が現行の半額になる。  補助金の大幅カットは大学経営の圧迫につながるため、さらなる募集停止や統廃合が進むことは必至だ。  文科省は来年度の補助金から新たな制度を導入。司法試験合格率や入学定員の充足率などの指標を基に点数を付けて五段階に分け、段階ごとに補助金の基礎額を設定した。最高評価の大学は現行補助額の90%で、段階が下がるごとに10%ずつ減額し、最低評価は50%。先進的な教育プログラムの開発に取り組む場合などには一定額を加算する。  最低評価の大学は他校との連合を加算の条件とし、連合しない場合、来年度は半額だが、二〇一六年度以降は全額カットとなる。最低評価だったのは他に北海学園大や京都産業大、愛知学院大。  最高評価は東大など十三校。九州大や愛知大など七校が基礎額80%、琉球大や岡山大など五校が70%、金沢大や広島大など二十校が60%となった。  文科省は有識者による審査委員会を設置し、各大学からの取り組みの申請を受け付け、年内に最終的な補助額を決める。加算が多ければ、現行の補助額を上回ることもある。来年度の募集をしない大学や、国の支援を受けていない公立の大阪市立大と首都大学東京は新制度の対象外。  <法科大学院> 多様な経歴を持つ法曹(裁判官、検察官、弁護士)の育成を目指し、実務に必要な教育を担う専門職大学院として2004年度以降に74校が開校した。司法試験の合格率が低迷する中、志願者の減少で定員割れが深刻化し、募集停止が相次いでいる。来年度に学生を募集するのは54校まで減った。 "[he-forum 18435] NHKニュース9/19","NHKニュース 2014年9月19日17時44分 法科大学院7校は補助金の大幅減も  文部科学省は、来年度から司法試験の合格率などに応じて法科大学院に補助金などを配分する新たな仕組みを導入するのを前に、来年度、生徒を募集する52校の評価をまとめ、7校は、組織の在り方を抜本的に見直さなければ補助金を大幅に減額するとしています。  文部科学省は、司法試験の合格率が低迷している法科大学院もあることを受けて、来年度から司法試験の合格率や定員の充足率などで、各大学院を5段階で評価し、それに応じて補助金などを配分する新たな仕組みを導入します。  これに関連して文部科学省は、来年度、学生を募集する国立と私立の52校の評価をまとめ、19日、法科大学院の充実策などを検討している中教審=中央教育審議会の特別委員会に報告しました。  それによりますと、一橋大学、東京大学、京都大学などの13校の法科大学院は、ほぼこれまでどおりの額が支給される最も高い評価でした。  一方、愛知学院大学、京都産業大学、國學院大学、桐蔭横浜大学、駒澤大学、北海学園大学、専修大学の7校の法科大学院は、補助金の基礎額がこれまでの50%に減額される最も低い評価でした。  このため、7校は、ほかの大学院と連合で新たな大学院を作るなど組織の抜本的な見直しを行わなければ、補助金が大幅に減額されることになります。 "[he-forum 18434] しんぶん赤旗9/20","しんぶん赤旗 2014年9月20日付 高校・大学の教育費高すぎると家族悲鳴 新婦人がアンケート  新日本婦人の会(新婦人)は19日、東京都文京区の中央本部で記者会見し、「高校・大学の教育費アンケート」の結果を公表しました。入学時には平均、高校で41万円、大学で156万円が必要で、「アルバイトを三つかけもちしている」など高すぎる教育費の負担に苦しむ保護者の実態が明らかになりました。 1世帯123万円も  アンケートは4、5月に実施したもの。高校と大学に通う子どものいる47都道府県、740人の保護者が回答しました。初年度納付金など高校、大学の入学時にかかった経費・費用、進級した子どもの授業料や通学費、仕送り、就職活動などの費用、奨学金について聞きました。  1世帯あたりの教育費の平均は年間123・1万円でした。年収300万円未満の家計の平均教育費は93・1万円など多額の負担となっています。  年収300万円未満と回答した母子家庭のなかには、年間教育費が219・7万円に上る人もいました。「自分ひとりの稼ぎで子ども2人を食べさせるのは困難。三つのパートをかけもちして何とか生活していますが、この先自分がどこまで健康に働けるか」(長野)と教育費負担が重くのしかかっています。家計収入に比例して仕送りなど年間の教育費は上がっています。  高校では、入学時にかかった費用の平均は公立が23・2万円、私立が81・9万円。学校への初年度納入金は公立で9・2万円、私立は65・8万円と大きな格差があります。  授業料のほかに受験や入学しなかった学校への納付金、教科書など学校必需品、制服や体操着などに平均14・3万円がかかります。「倍率が高くて公立に入れず、私立へ入学。公立と私立の授業料の差を縮めてほしい」(千葉)、「授業料が所得によって無料にならないので手続きが面倒。全員無料にしてほしい」(山梨)など、授業料無償化に所得制限を導入した安倍内閣に怒りの声が寄せられました。  大学では、入学時の平均費用は、国立で148万円、私立で178・8万円でした。  授業料や入学金などのほか、受験に14・7万円、入学しなかった学校への納付金に21・9万円、教科書やパソコン代に13・3万円、1人ぐらしのスタートに40・3万円が必要になっています。  大学の進級にも平均145・8万円かかり、就職活動にもスーツ代や交通費など平均10・5万円がかかっています。  「就職先が決まらず、新卒扱いしてもらうために100万円もの授業料を払って大学に籍をおいています。卒業後の進路が心配でなりません」(東京)との回答もありました。  奨学金を受けている大学生は28・2%いました。そのうち有利子が64・4%に上ります。  年収300万円未満の世帯では、大学生2人が受け取る奨学金が4年で816万円、返済額は2人で1021万円に上るという回答もありました。 トリプルワーク  奨学金、教育ローンのほかの教育費捻出の手だてについては「学資保険の積み立て」60・8%、「子どもがアルバイト」31・5%、「祖父母からの援助」23・9%、「親がダブル(トリプル)ワーク」23・6%の回答がありました。その他、事業資金、預貯金、生命保険などの解約、年金や退職金からの取り崩しなどが目立ちました。 学費軽減、給付制奨学金早く  笠井貴美代会長の話 学費軽減、給付制奨学金を一日も早くとの願いは切実です。教育予算を大幅に増額し、公立高校の授業料無償化と私学助成の増額、国公私立大学授業料の大幅引き下げ、奨学金の無利子化と給付制奨学金の早期創設などが必要です。正規雇用で人間らしい労働と収入が保障されるよう強く求め、運動していきます。 "[he-forum 18438] NHKニュース9/25","NHKニュース 2014年9月25日17時14分 大学など中退約8万人 経済的理由が最多  大学や短大などを中退した若者は1年間に7万9000人余りに上り、「経済的理由」で中退する人が最も多くなっていることが、文部科学省が5年ぶりに行った調査で分かりました。  この調査は、文部科学省が全国すべての大学や短大、それに高等専門学校、合わせて1191校を対象に5年ぶりに行ったもので、98%に当たる1163校が回答しました。  それによりますと、平成24年度1年間に中退した若者は7万9311人で、学生全体の2.65%となり、5年前の調査に比べ0.24ポイント増加しました。  中退した理由としては「経済的理由」が最も多く、20.4%と5年前より6.4ポイント増加したほか、「学業不振」も1.8ポイント増加して14.5%となりました。  また、授業料の減免制度や奨学金など経済的支援に関する学生からの相談が増加していると答えたところは7割を超えました。  文部科学省の渡辺正実学生・留学生課長は、「家庭の経済状況の厳しさだけでなく、将来の返済への不安から奨学金の利用をためらっている様子もうかがえる。無利子の奨学金や収入に応じて返済額が変わる『出世払い型』のほか、返済しなくてもよい給付型の奨学金も検討して、学生が学業を全うできるようにしたい」と話しています。 "[he-forum 18439] 毎日新聞9/26","毎日新聞 2014年09月26日 11時42分(最終更新 09月26日 13時10分) スーパーグローバル大学:世界の大学目指せ! 37校選定  文部科学省は26日、世界トップレベルの教育・研究を目指す「スーパーグローバル大学」 37校を選定し、公表した。1大学当たり毎年1億~4億円の資金を国が10年間投入して国際競争力を強化し、大学の世界ランキングでトップ100入りなど を目指す。グローバル化が進む中、世界の大学が有能な人材の争奪戦を繰り広げ、日本が取り残されかねないとの危機感が背景にある。【三木陽介】  近年、大学の世界ランキングで100位内の日本の大学は東京大、京都大など数校にとどまっており、日本への留学者数、日本人の海外留学者数はとも に減少傾向にある。選ばれた大学の学生・教員数は計約63万人で、国内全大学の2割を占める規模。同省は「グローバル化を一気に加速させていく」としてい る。  スーパーグローバル大学は 「トップ型」(A)と「グローバル化けん引型」(B)の2種類に分かれる。Aは世界の大学トップ100入り、Bは日本社会のグローバル化を推進する大学を 目指す。補助金は各大学のグローバル化事業を支援するのが狙いで、有能な研究者を招いたり、施設を充実させたりする費用に使われる見通し。  今年春に公募し、Aには16大学、Bには93大学が申請した。この中から、学生・教員の外国人比率の向上▽入試改革▽留学生と日本人学生が一緒に住める環境の整備--など41項目の観点で評価し、各大学の構想内容も踏まえて審査した。  Aには東京大や京都大、名古屋大など旧帝大7校全てが選ばれた。私立では早稲田大と慶応大の2校が入った。Bには国立10校、公立2校、私立12 校の計24大学が選ばれた。東京芸術大や京都工芸繊維大など特定分野に強みを持つ国立大のほか、福島県の会津大や秋田県の国際教養大などの地方公立大も名 を連ねる。  国際教養大は、将来目指す職業・分野が同じ日本人学生と海外留学生が衣食住を共にする「グローバルビレッジ」(国際村)に取り組む。東京芸術大 は、芸術系大学の世界ランキング創設に向けた指標づくりを目指す。京都工芸繊維大は海外大学の著名な研究者を研究室ごと誘致する「ユニット誘致」を推進す る。  同省高等教育企画課は「日本の新たなブランドとして『スーパーグローバル大学』を世界にアピールし、留学生増にもつなげたい」としている。 選定されたスーパーグローバル大学 トップ型  国立大 北海道、東北、筑波、東京医科歯科、東京工業、名古屋、京都、大阪,広島、九州 私立大 早稲田、慶応 グローバル化牽引型 国立大 千葉,東京外語、東京芸術、長岡科学技術、金沢、豊橋科学技術、京都工芸繊維、奈良先端科学技術、岡山、熊本 公立大 国際教養、会津 私立大 国際基督、芝浦工業、上智,東洋、法政,明治、立教、創価,国際、立命館,関西学院、立命館アジア太平洋 "[he-forum 18440] 日経 2014.9.26","日経 2014/09/26 真相深層 印刷対象にする国際組織が異例の名指し批判 日本「甘い」資金洗浄対策 テロ資金 抜け穴の懸念 日本経済新聞 朝刊 2ページ  マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金を規制する日本政府の対策が甘い という国際的な批判が高まりつつある。各国の対策を評価する国際組織、金融活 動作業部会(FATF)は日本の法整備が不十分と名指しする異例の声明を出し た。重大な欠陥がある国として北朝鮮やイランなどが名を連ねる「ブラックリス ト」に、日本も入ってしまうのだろうか。  日米欧など36カ国・地域でつくるFATFのパリ本部に昨秋、日本から一通 の書簡が届いた。差出人は麻生太郎財務相。「資金洗浄対策を強化する法整備を 早急に進める」という趣旨だった。  日本の金融機関がテロ資金の温床になっているわけではない。FATFは日本 の制度にツケ入る隙があることを問題視しているのだ。そのうちの一つが、日本 で銀行口座を開く際の本人確認が甘いことだ。保険証など顔写真のない身分証明 書でも口座を開けるため、他人名義の口座が不正資金の海外送金に使われるリス クがある。犯罪組織などの国内送金を差し止める法的手段がないことも指摘され ていた。 約束果たせず  政府は今年の通常国会で対策を進める手はずだった。だがテロリストへの住宅 や物品提供を禁じるテロ資金提供処罰法改正案の成立は先送り。金融機関の情報 をもとに警察庁が犯罪組織の国内資金移動を凍結できるようにする新法案は提出 すらできなかった。  国会閉会後、業を煮やしたFATFは「日本が長期にわたって多くの不備を改 めないことを懸念している」と異例の声明を出した。1カ国に絞った声明は初め てだ。  政府内にはこのままではトルコやアルゼンチンなど22カ国と同じ「グレーリ スト」、最悪の場合は北朝鮮やイランなど6カ国と同じ「ブラックリスト」に入 れられかねないとの懸念が浮上した。  FATFを主導するのはテロ対策を急ぐ米英だ。5月の日英首脳会談の共同声 明は「FATF基準の実施で(他国の)模範になるという約束を再確認する」と 明記した。  米国はテロ資金などの流れを断つべく、大手金融機関に対する制裁に動く。米 司法当局は6月末、仏銀最大手BNPパリバに資金洗浄などの疑いで89億 7000万ドル(約9300億円)の制裁金を科した。規模は小さいものの、三 菱東京UFJ銀行も12年に米制裁対象国に送金した疑いで和解金を払った。財 務省幹部は「早く国際基準に合わせなければ邦銀がテロ資金の抜け穴と疑われか ねない」と懸念する。  「臨時国会に提出するべく検討を進めている」。菅義偉官房長官は24日の記 者会見でテロ資金の国内移動を差し止める新法案を提出する方針を示した。口座 開設時に本人確認を厳しくする犯罪収益移転防止法の改正案も提出する。だが法 案審議の行方は不透明だ。  29日召集の臨時国会は安倍晋三首相の演説から始まり、「法案審議に確保で きる時間は長くて1カ月半程度」(官邸筋)にすぎない。  法案を審議する内閣委員会には公務員給与の引き上げや女性の社会進出を進め る法案などが目白押しだ。議員立法の統合型リゾート推進法案(通称・カジノ法 案)もある。政府が成長戦略関連の法案を優先すれば、資金洗浄対策の法案は後 回しになる公算が大きい。 「共謀罪」争点に  最大の不安要素は重大犯罪を計画した段階で処罰対象とする「共謀罪」の創設 が見通せない点だ。FATFは必要としているが、共謀罪法案は過去3回廃案に なった経緯がある。日弁連などは適用対象が曖昧で捜査当局の恣意的な適用につ ながると批判しており、野党の反対は確実だ。  「誤解を招きやすい共謀罪という名称自体を変更せよ」「一般国民には影響が ないと明確に言えるように理論武装せよ」。7月、首相官邸から法務省に次々と 指示が飛んだ。だが最後は「慎重な上にも慎重に検討すべきだ」との判断から、 見送りの方向が固まった。  反社会的組織の資金源を断つことはテロの危機に直面する世界各国に共通する 課題だ。主要国首脳会議(サミット)などでたびたび取り上げられ、対策強化に 合意してきた日本。できるだけ早く不備を解消する対策を迫られている。 (中村亮) "[he-forum 18442] 紀伊民報9/26","紀伊民報 2014年9月26日付 世界水準の観光学を 和大が研究機関の開設計画  和歌山大学(和歌山市栄谷)は、世界水準の観光学研究機関「国際観光学センター」開設を計画、準備を進めている。海外から「世界一線級」の研究員を招き、全学的な研究体制を整備する。観光研究の拠点として、成果を地域活性化などに生かしたいという。  文部科学省は2015年度概算要求で、和歌山大学など、改革に積極的な国立大学30大学を重点支援する予算232億円を要求している。和大は16年4月の開設を目標にしている。  設立されれば、国連世界観光機関による日本初の「観光教育・訓練・研究機関」認定を目指す。建物は既存のものを改修して使用したいという。  センターでは、観光学を通じた地域再生、観光経営、観光文化などについて先進的な研究をしていきたい考え。和大は観光学分野で世界トップ級とされる英国・サリー大学、オーストラリア・クイーンズランド大学と交流がある。これを生かし、両大学から優秀な研究者を招き、和大教授らとともに研究を進める。観光学部・研究科だけではなく、教育、経済、システム工学の学部・研究科の教授らも各分野の特色を生かしながら参加する。  和大は08年度に国立大学法人では初の観光学部を設置。その後、観光学研究科修士課程を設け、本年度からは博士課程を置いた。学部から博士まで観光学の課程がある大学は、国立大学法人では全国唯一という。  和大の大学改革推進事務室は「世界レベルの観光研究拠点を設け、県内などでの観光振興の活性化につなげたい」と話している。 "[he-forum 18441] しんぶん赤旗9/28","しんぶん赤旗 2014年9月28日付 安倍「大学再編」と対決 日本私大教連・全大教と懇談 宮本・田村両議員  日本共産党の宮本岳志衆院議員と田村智子参院議員は、26日午前に日本私立大学教職員組合連合(日本私大教連)と、同日午後に全国大学高専教職員組合(全大教)と、それぞれ懇談しました。宮本氏は、党創立92周年記念講演のパンフレットを手渡し、「安倍政権打倒の国民的大運動」を党として呼びかけたことを説明しました。  宮本、田村両氏は、学校教育法等改悪法の成立をうけて、文部科学省が各大学に発した学内規則の見直しを促す施行通知(8月29日付)について、大学を企業化させる有害な「ステークホルダー(利害関係者)」論を盛り込むなど、改悪法の内容からも逸脱していると指摘しました。  いずれの懇談でも、安倍政権がすすめる大学の反動的再編について、熱心な意見交換が行われました。  日本私大教連では、鈴木眞澄副委員長、田中直書記長らと懇談。  鈴木氏は、学校教育法改悪の狙いは、大学を財界が求める人材づくりの拠点に変えてしまうことにあると指摘。これに対抗するには、憲法が定める「学問の自由」と「大学の自治」をふまえた大学本来のあり方を明確にし、その立場から各大学が対応する必要があると述べました。  全大教では、中嶋哲彦委員長、長山泰秀書記長らと懇談。  長山氏は、国立大学法人評価委員会が、各国立大学法人に対し、第三期中期目標・計画(2016年から)に教員養成系、人文社会科学系の廃止を盛り込むことを促す通知を出していることを紹介し、財界本位の大学再編とたたかう必要があると述べました。  懇談には、党学術・文化委員会の改正充事務局長、土井誠事務局次長が同席しました。 "[he-forum 18444] 時事通信9/26","時事通信 2014年9月26日11時6分 「スーパーグローバル大学」に37校=国際化など重点支援-文科省  文部科学省は26日、大学の国際競争力強化のため、国際化や人材育成などの取り組みを財政支援する「スーパーグローバル大学創成支援事業」の対象に、東京大など37校を選んだと発表した。  世界の大学ランキングトップ100に10校以上ランクインさせるとした教育再生実行会議の提言を受けた事業で、応募104校から選んだ。  優秀な海外教員の獲得や海外一流大との連携などを進める「トップ型」に13校、国際化の先導的な役割をする「グローバル化けん引型」に24校を選定。今後10年間、トップ型には約4億2000万円、けん引型には約1億7000万円を補助する。  英教育情報誌が昨秋発表したランキングでは、100位以内の日本の大学は東京大、京都大だけで、その他のランキングでも2~5校だった。  選ばれた大学は次の通り。  ▽トップ型  北海道大、東北大、筑波大、東京大、東京医科歯科大、東京工大、名古屋大、京都大、大阪大、広島大、九州大、慶応大、早稲田大。  ▽グローバル化けん引型  千葉大、東京外大、東京芸大、長岡技術科学大、金沢大、豊橋技術科学大、京都工芸繊維大、奈良先端科学技術大学院大、岡山大、熊本大、国際教養大、会津大、国際基督教大、芝浦工大、上智大、東洋大、法政大、明治大、立教大、創価大、国際大、立命館大、関西学院大、立命館アジア太平洋大。 "[he-forum 18443] 毎日新聞9/27","毎日新聞 2014年9月27日付 スーパーグローバル大学:世界の大学目指せ! 37校選定 ◇毎年1億〜4億円を10年間投入、国際競争力を強化  文部科学省は26日、世界トップレベルの教育・研究を目指す「スーパーグローバル大学」37校を選定し、公表した。1大学当たり毎年1億〜4億円の資金を国が10年間投入して国際競争力を強化し、大学の世界ランキングでトップ100入りなどを目指す。グローバル化が進む中、世界の大学が有能な人材の争奪戦を繰り広げ、日本が取り残されかねないとの危機感が背景にある。【三木陽介】  近年、大学の世界ランキングで100位内の日本の大学は東京大、京都大など数校にとどまっており、日本への留学者数、日本人の海外留学者数はともに減少傾向にある。選ばれた大学の学生・教員数は計約63万人で、国内全大学の2割を占める規模。同省は「グローバル化を一気に加速させていく」としている。  スーパーグローバル大学は「トップ型」(A)と「グローバル化けん引型」(B)の2種類に分かれる。Aは世界の大学トップ100入り、Bは日本社会のグローバル化を推進する大学を目指す。補助金は各大学のグローバル化事業を支援するのが狙いで、有能な研究者を招いたり、施設を充実させたりする費用に使われる見通し。  今年春に公募し、Aには16大学、Bには93大学が申請した。この中から、学生・教員の外国人比率の向上▽入試改革▽留学生と日本人学生が一緒に住める環境の整備−−など41項目の観点で評価し、各大学の構想内容も踏まえて審査した。  Aには東京大や京都大、名古屋大など旧帝大7校全てが選ばれた。私立では早稲田大と慶応大の2校が入った。Bには国立10校、公立2校、私立12校の計24大学が選ばれた。東京芸術大や京都工芸繊維大など特定分野に強みを持つ国立大のほか、福島県の会津大や秋田県の国際教養大などの地方公立大も名を連ねる。  国際教養大は、将来目指す職業・分野が同じ日本人学生と海外留学生が衣食住を共にする「グローバルビレッジ」(国際村)に取り組む。東京芸術大は、芸術系大学の世界ランキング創設に向けた指標づくりを目指す。京都工芸繊維大は海外大学の著名な研究者を研究室ごと誘致する「ユニット誘致」を推進する。  同省高等教育企画課は「日本の新たなブランドとして『スーパーグローバル大学』を世界にアピールし、留学生増にもつなげたい」としている。 ◇グローバル化  国立国語研究所の「『外来語』言い換え提案」(2006年)によると「物事の規模が国家の枠組みを超え、地球全体に拡大すること」。日本語の言い換え例は「地球規模化」「地球一体化」。国が目指す「グローバル人材」は、教養▽専門性▽コミュニケーション能力▽協調性▽創造力−−などを備えた人間とされる。 "[he-forum 18447] 産経新聞関東9/30","産経新聞関東版 2014年9月30日付 認定こども園開設へ 文京区、国立大に委託 全国初 東京  文京区とお茶の水女子大学は29日、平成28年4月から区立の「お茶の水女子大学認定こども園」(仮称)を同区大塚の大学敷地内に開設すると発表した。認可保育所に幼稚園機能を備えた施設で、区は同大に業務全般を委託する。  区と大学によると、国立大学法人が自治体と連携してこども園を開設するのは全国初。同日、子育て支援推進の基本協定を結んだ。  開設するこども園は、保育園の定員が60人、幼稚園は33人の計93人。鉄筋2階建ての園舎(約450平方メートル)を南門付近に新築し、園庭などは認可保育所の設置基準に準ずる。27年11月に園児を募集する。  同大は、地域の幼児を受け入れる付属幼稚園(定員160人)と、学生や教職員向けの事業所内保育所(23人)を運営中。幼保一体化した認定こども園制度にも関心を寄せていたが、法の定めで国立大学法人は設置者にはなれなかった。  一方、区の待機児童は今年4月時点で104人で、保育サービス拡充が課題だが、土地や建物の確保が困難だった。今回、大学が用地を無償提供し、区が年1億3500万円の運営費を支出することで合意。同区初の認定こども園となる。  羽入(はにゅう)佐和子学長は「どんな就学前教育が、遊びながら学ぶ子供の主体性を伸ばすのか研究したい」。成沢広修(ひろのぶ)区長は「質の高い保育サービスを提供して待機児童解消を図るとともに、大学の教育研究活動の成果を社会に還元してほしい」と期待を語った。 "[he-forum 18446] 日本経済新聞近畿9/27","日本経済新聞近畿版 2014年9月27日付 京都市、産学連携拠点を企業誘致に活用  京都市は南部の産業集積地区「らくなん進都」について、2018年度をめどとする振興計画をまとめた。企業集積を進めるため産学連携拠点を生かした新たな誘致策や、不動産会社などと連携して進出を検討する企業に用地情報を提供するなど4分野で16の施策を盛り込んだ。09年度にまとめた中長期プランを基に新たな施策を盛り込んで集積の加速を目指す。  らくなん進都は南区、伏見区にまたがる約607ヘクタールが対象。同市では大型の土地開発が可能なのは南部に限られることから、09年にプランを策定して企業誘致などに取り組んできた。  新たな振興計画では昨年開設した産学連携拠点「京都市成長産業創造センター」を企業誘致に活用する。同センターには京都大学などが入居し、産学連携がしやすいことなどをアピールする。不動産会社や金融機関などと連携して進出可能な土地の情報把握を強化するほか、工場などを新増設する場合に固定資産税を減額するなどの支援制度もさらに充実する。  同地区では東西を結ぶ公共交通機関の整備が遅れている。市は新たな交通手段の導入を検討するとともに、同地区を通る高速道路の高架下に駐輪場を増設するなど自転車の活用にも取り組む。  市は1日から屋外広告物への規制条例を完全施行したが、工場が多い同地区では現行規制が「過剰」との意見が一部から出ている。市は新たな景観規制のあり方を住民などと協議していく考えだ。 "[he-forum 18445] 読売新聞9/29","読売新聞 2014年9月29日付 大学データベース、私大が先行公開…10月開始  受験生の大学選びのため、文部科学省が10月1日の開始を目指していた国公私立大学共通のデータベース「大学ポートレート」が、私立大学だけでスタートすることになった。  予算不足が原因で国公立大学のデータ入力が遅れた。私大関係者からは「文科省が立てた計画なのに見通しが甘い」と不満の声も上がっている。  文科省は2012年に準備委員会を設置。全国の大学の情報を網羅的に見られる国内初の公的データベースとして当初は今年4月の開始を目指した。  しかし、国公立大と並べて比較されることを私大側が懸念。特に退学率などの公表に難色を示した。  結局、退学率などは見送り、学校教育法施行規則改正で公表が義務付けられた学生数などの情報を中心に掲載することで決着し、半年遅れでの開始が決まった。 "[he-forum 18448] 日本経済新聞 9/30","日本経済新聞 2014/9/30 12:55 慰安婦報道巡り大学に脅迫文 元朝日記者の辞職要求  従軍慰安婦問題に関する記事を執筆した元朝日新聞記者の男性(67)が教授を務めていた帝塚山学院大(大阪府大阪狭山市)に「辞めさせなければ学生に痛い目に遭ってもらう。ガス爆弾を爆発させる」とする脅迫文数通が届いたことが30日、府警などへの取材で分かった。府警黒山署が威力業務妨害容疑で 捜査している。  同署によると、脅迫文は大学を運営する法人理事長や学長、教授会など宛て。いずれも今月13日に届いた。  大学によると、男性は同日付で自らの申し出で退職した。= "[he-forum 18449] 朝日新聞10/1","朝日新聞2014年10月1日03時00分 慰安婦報道めぐり脅迫文 2大学に元朝日記者の退職要求  北星学園大(札幌市厚別区)に今年5月と7月、慰安婦問題に関する記事を書いた非常勤講師の元朝日新聞記者(56)の退職を求め、応じなければ学生に危害を加えると脅す文書が届いていたことが捜査関係者への取材で分かった。大学側から相談を受けて、北海道警札幌厚別署が威力業務妨害の疑いで調べている。  捜査関係者によると、文書は学長ら宛てで、5月29日と7月28日に郵送で届いた。印刷された字で「元記者を辞めさせなければ天誅(てんちゅう) として学生を痛めつける」「釘を混ぜたガスボンベを爆発させる」などと書かれ、元記者や朝日新聞の報道を批判する内容。それぞれ数本の虫ピンが同封されて いたという。大学関係者によると、9月中旬に「爆弾を仕掛ける」との内容の電話もあったという。  元記者は91年8月、元慰安婦の証言を韓国紙などに先駆けて報じていた。  また、帝塚山学院大(大阪府大阪狭山市)にも9月13日、慰安婦報道に関わった元朝日新聞記者の人間科学部教授(67)の退職を要求する脅迫文が届いていたことがわかった。大学は被害届を提出、府警が威力業務妨害容疑で調べている。元記者は同日付で退職した。  府警や大学によると、同大狭山キャンパスに法人理事長や学長らに宛てた封書が計4通届き、それぞれA4判2枚の文書に「辞めさせなければ学生に痛い目に遭ってもらう。釘を入れたガス爆弾を爆発させる」などと記され、釘1本が同封されていたという。  元記者は韓国・済州島で女性を強制連行したと証言した吉田清治氏(故人)に関する記事を数本書いていた。朝日新聞社が8月、吉田氏に関する記事を取り消した際、吉田氏の証言を最初に取り上げた記事の筆者を匿名でこの元記者と記したが、その後、元記者でなかったことが確認された。= "[he-forum 18451] 朝日新聞10/2","朝日新聞社説 2014年10月2日(木)付 大学への脅迫―暴力は、許さない  自由にものを言う。  学びたいことを学ぶ。  それらを暴力によって押しつぶそうとする行為を、許すわけにはいかない。   かつて慰安婦報道に関わった元朝日新聞記者が教授を務める帝塚山学院大(大阪狭山市)に9月、別の元記者が非常勤講師を務める北星学園大(札幌市)には5 月と7月、それぞれの退職を要求し、応じなければ学生に危害を加えるという趣旨の脅迫文が届いた。警察が威力業務妨害の疑いで調べている。  「辞めさせなければ学生に痛い目に遭ってもらう。釘を入れたガス爆弾を爆発させる」  「元記者を辞めさせなければ天誅(てんちゅう)として学生を痛めつける」  北星学園大には、「爆弾を仕掛ける」という内容の電話もあったという。  攻撃の対象は元記者本人にとどまらない。家族までもがネット上に顔写真や実名をさらされ、「自殺するまで追い込むしかない」「日本から出て行け」などと書き込まれた。  朝日新聞は8月、過去の慰安婦報道について、女性を強制連行したと証言した吉田清治氏(故人)に関する記事を取り消した。間違った記事を掲載してしまったことに対して多くの批判が寄せられており、真摯(しんし)に受け止めている。  しかし、だからといって学生を「人質」に、気に入らない相手や、自分と異なる考えを持つ者を力ずくで排除しようとする、そんな卑劣な行いを座視するわけにはいかない。このようなことを放任していては、民主主義社会の土台が掘り崩されてしまうだろう。  「反日朝日は五十年前にかえれ」。1987年5月3日、朝日新聞阪神支局に男が押し入り散弾銃を発砲、記者1人が殺害された。犯行声明に使われた「反日」は、当時はあまり耳慣れない言葉だった。  あれから27年。ネットや雑誌には「反日」「売国奴」「国賊」などの言葉が平然と躍っている。社会はますます寛容さを失い、異なる価値観に対して攻撃的になってはいないか。  意見を述べ合い、批判し合う自由こそが社会を強く、豊かにする。戦後約70年をかけて日本が築きあげてきた、多様な言論や価値観が交錯する社会を守りたい、暴力に屈することのない社会をつくっていきたいと、改めて思う。  朝日新聞への批判から逃げるつもりはない。しかし、暴力は許さないという思いは共にしてほしい。この社会の、ひとりひとりの自由を守るために。 "[he-forum 18450] しんぶん赤旗10/2","しんぶん赤旗 2014年10月2日(木) 大学の自由侵し卑劣 「慰安婦」報道で脅迫 北星学園が声明  北星学園大学(札幌市、田村信一学長)は9月30日、元朝日新聞記者で日本軍「慰安婦」報道に関わった非常勤講師(56)を「辞めさせないと、ボンベを爆発させる」などの脅迫文が届いている問題で声明を発表し、大学としての基本的立場を明らかにしました。  声明では、(1)学問の自由・思想信条の自由は教育機関において最も守られるべきものであり、侵害されることがあってはならない。したがって、あ くまで本学のとるべき対応については、本学が主体的に判断する(2)日本軍「慰安婦」問題ならびに(非常勤講師の)記事については、本学は判断する立場に はない。また、本件に関する批判の矛先が本学に向かうことは著しく不合理である(3)本学に対するあらゆる攻撃は大学の自治を侵害する卑劣な行為であり、 毅然(きぜん)として対処する―としています。 札幌市長も批判  日本共産党の宮川潤札幌市議は30日の代表質問で、北星学園大学に脅迫状が届いた問題を取り上げ「大学の自治と自由を侵害することは許されない」 と指摘。上田文雄市長は「そのような行為は当然のことながら許されない。具体的には脅迫罪、威力業務妨害罪にあたる刑法犯だ。警察当局がしっかりとした取 り締まりをするのは当然であり、大学には、このような攻撃に屈してはならないとエールを送りたい」とのべました。 "[he-forum 18454] 神戸新聞10/3","神戸新聞 2014年10月3日付 神戸大が2学部の統合検討 17年度以降実施  神戸大(神戸市灘区)が、国際文化学部と発達科学部の統合を検討していることが2日、神戸大への取材で分かった。文部科学省と調整中で、2017年度以降の実施となるという。  神戸大によると、国際文化学部と発達科学部は、教育分野が重なる部分があるほか、統合によって、国際的に活躍できるグローバル人材の育成を重視した教育内容を打ち出したいという。  現段階では再編後、現在の11学部が10学部になる見通し。  神戸大は「構想の具体的な中身は決まっていないが、さらにグローバル化に対応できるよう大学改革を進めたい」としている。(紺野大樹) "[he-forum 18453] 毎日新聞熊本10/1","毎日新聞熊本版 2014年10月1日付 熊大:次期学長候補に副学長の原田氏 初のOB就任  熊本大学は30日、次期学長候補を原田信志・同大理事兼副学長(64)に決めたと発表した。谷口功学長(66)は来年3月末で6年間の任期を終えて退任し、文部科学相が4月1日付で原田氏を新学長に任命する予定。原田氏は熊大医学部卒業で、同大の卒業生の学長就任は1947年の新制大学移行後初めてという。  熊大で記者会見した原田氏は「どの大学も改革を求められる難しい時期だが、熊大出身というこれまでの学長にはないバックグラウンドを生かし、地域に根ざして世界に飛び立つ元気な熊大にしたい」と抱負を述べた。  原田氏は熊本市出身。75年に熊大医学部、81年に同大大学院医学研究科を修了し、京都大助教授、熊大教授、同大医学部長などを歴任。専門は感染防御学。  9月上旬に学内推薦で学長候補となり、9月29日に専任教員などを対象に実施された投票でもう一人の候補を上回った。30日の選考会議で満場一致で候補に決まった。【取違剛】 "[he-forum 18452] 共同通信10/2","共同通信 2014年10月2日13時27分 京大の山極新学長が抱負 「存在を世界に示す」  ゴリラ研究の第一人者として知られる山極寿一氏(62)が2日、京都大学長就任の記者会見を開き、「京大は世界の研究をリードしてきた。その存在を世界に示すため、努力を惜しまない」と抱負を語った。就任は1日付。  山極氏は「大変重責のある仕事に任命された。京大の根幹は教育。優秀な人材を育てることを大学の共通の理念としたい」と述べた。  一方、課題は国際化と指摘。留学生の受け入れや外国語による講義の充実が必要とした上で、「教員の持つ海外とのネットワークを活用して、相互交流を深めたい」と話した。 "[he-forum 18461] 西日本新聞社説10/6","西日本新聞社説 2014年10月6日付 大学改革 学長権限の強化だけでは  大学改革が新たな局面を迎える。来年4月施行の改正学校教育法と改正国立大学法人法により、すべての国公私立大学で学長権限が強化されるからだ。教授会などの役割を限定し、学長のリーダーシップ確立を目指している。  大学教員で構成する教授会はこれまで「重要な事項を審議する」との法的な位置付けがあり、大学運営への影響力も大きかった。その一方で学部ごとの既得権にこだわり、現状を打破する改革には消極的-などの批判も受けてきた。  来春以降、教授会は教育研究に関する重要事項を学長が決定する際に意見を述べる組織となる。国立大は外部の経済人などを入れた経営協議会が学長を支えて運営する。協議会委員の過半数は学外とし、学内教員の影響力を弱めた。  副学長についても学長の命を受ける立場であると明記した。  学長と教授会が対立し、物事が決まらない。そんな事例は大きく減るだろう。日本の大学は少子化やグローバル化への対応など懸案が山積している。学長権限の強化は迅速な意思決定や改革断行のために必要-との考え方だ。  だが、大学教職員団体や日本弁護士連合会は反対している。戦後一貫して大切にしてきた「大学の自治」や「学問の自由」が損なわれるというのだ。権限が強まる学長の暴走を防ぐ手だては十分か。大学運営への関与なしに教育研究の自立性は守れるのか。こちらの問い掛けにも説得力がある。  文部科学省や大学関係者には懸念を払拭(ふっしょく)する努力を求めたい。  そもそも政府は大学改革を経済成長戦略の一環としており、今回の狙いも大学改革を通じた産業競争力の強化にある。理科系を重視する「選択と集中」の傾向は、今後も進むとみられる。  その中で人文社会科学系の基礎研究をはじめ、地方大学が培ってきた個性や地域貢献の伝統をどう守っていくか。学長は強い権限とともに重大な責任も背負うことになるが、「人材不足」との厳しい指摘もある。見切り発車とならないよう周到な準備が必要である。 "[he-forum 18460] Livedoornews10/1","Livedoor News 2014年10月1日 8時0分 LITERA/リテラ 国立大学から文系学部が消える!安倍首相と文科省の文化破壊的“大学改革“  大学進学率が50%を超え、真理の探究にとりくむ象牙の塔という大学のイメージはすでに過去のものとなった。今や大学は、そのあたりの民間企業も真っ青な、徹底した経済の論理による支配が強まっている。  しかし、まさかここまで、と関係者を震撼させたのが、最近、文部科学省が国立大学に示した方針だ。この問題を伝えた数少ない報道である『東京新聞』9月2日付朝刊の「国立大から文系消える?文科省が改革案を通達」と題された記事ではこう紹介されている。   「文部科学省は先月、同省の審議会『国立大学法人評価委員会』の論議を受け、国立大の組織改革案として『教員養成系、人文社会科学系の廃止や転換』を各大学に通達した」   通達の文言を素直に読めば、たしかに記事タイトルどおり、文系を廃止して理系への転換を促しているとしか読めない。ところが同記事中で文科省担当者は「今 回の通達は文系学部の廃止や理系への転換を提案しているのではない。先に示された役割に基づいて、改革してほしいだけだ」と語っている。あたかも国の強制 ではなく、大学の自主性に委ねているかのようだ。しかし、担当者の言葉に登場する「先に示された役割」が曲者なのだ。  たとえば、横浜国立大学教授の室井尚氏は自身のブログに「国立大学がいま大変なことになっている」という記事を投稿(5月15日)。すでに今回の通達が先どりして実質化されている様子を生々しく報告し、一部では話題になっていた。 「昨年度6月に閣議決定された『国立大学改革プラン』に従って、呆れるほどスピーディに平成25年秋にはほとんど決定された『ミッションの再定義』によっ て各国立大学や各学部が目指すべき『ミッション』が、文科省によって一方的に各国立大学に通達された。『各大学との意見交換によって』と書かれてあるが、 実際にはそうではない。文科省からすでに文言がほとんど書き込まれ、自主的な数値目標だけが空欄になった『ミッション』が一方的に各大学に突きつけられた のである」 「この表の2,3,4には埼玉大学、千葉大学、横浜国立大学と関東一円の地方大学が並んでいるが、文科省がこれらの大学に求める『ミッ ション』は共通している。つまりは理工系か医療系に力を注げということだ。実際、文科省の担当者からは多数の私学がある神奈川県では、教育コストがかから ない文学部系は私学に任せて、理工系に集中させないと税金を投入する意義を問われると財務省から言われているとの発言があったそうで、その結果ぼくたちが 所属している『人間文化課程』は、実態は全く異なるのに単なる教員養成系の『新課程』と一緒くたにされて『廃止』と告げられてしまった(リンクの後ろの方 に書いてあります。ほんの二行だけ。これも最初っからこう書き込まれていた)。文科省が国立大学の課程・学科を直接『廃止せよ』と言ったのである。」(上 述の室井氏のブログより)  文科省の露骨な指示によって、すでに国立大学での教員養成系、文系の廃止は着実にすすめられているのだ。  福井県でも、県下でたった2つしかない人文社会科学系のひとつである福井大学地域科学課程の廃止が決定し地元に波紋を広げていると福井新聞が8月6日に伝えているところからも、事態が相当進展していることは間違いない。 「国立大学」は2004年に設置形態が変更され、国立大学法人という独立行政法人となった。文科省のHPなどには、大学の自主性を高め柔軟な教育研究をす すめるためと謳われているが、国からの運営費に頼らざるを得ない財政構造になっていることから、結局、国すなわち時の政府の方針に逆らうことができないの が実際だ。  こうした、大学に市場原理が導入されカネをうまない学問を切り捨てていく流れが、いっそう加速しているのには、もちろんあの男の登場が背景にある。  あの男、安倍首相は5月6日のOECD閣僚理事会基調演説でこう語っている。 「だからこそ、私は、教育改革を進めています。学術研究を深めるのではなく、もっと社会のニーズを見据えた、もっと実践的な、職業教育を行う。そうした新たな枠組みを、高等教育に取り込みたいと考えています。」   安倍にとって「学術研究を深める」ことなどまったく無意味で、社会のニーズにあった職業に就けるための教育こそが必要だと考えられている。ほとんど大学教 育そのもの否定である。大学の専門学校化といってもいい。象徴的にいえば、文学部の存在意義など見い出しようのない教育観、学問観である。 「人間とは何か」「社会はどうあるべきか」そしてそもそも「学問とは何か」を問い、先人の知的蓄積を継承し、未来を構想する知的活動を「教養」と呼ぶこと にしてみよう。こうした教養を欠いたままで、科学技術の発展を追求することがどういう結果を招くのか。つい最近、この社会はそれを見てしまったのではな かったのか。  吉田昌郎所長が東日本壊滅の状況を想起せざるを得なかった3.11福島原発事故の惨事こそ、短期的な経済の論理だけに追随し、人類史や文明史のなかに科学技術を位置づけることができなかった、大学の貧困、学問の貧困が将来した結末なのだ。   また、経済の論理に支配される日本の科学界の惨憺たる研究環境を露呈したのがSTAP論文騒動だ。小保方晴子氏は、学問や研究の何たるかについての見識を 深める契機も与えられずに5年任期の研究員ポジションにつき、任期内に結果が出せなければ地位を失うギリギリの状態に置かれていた。一方、笹井芳樹氏の死 亡をめぐる報道のなかで、企業の出資により総工費40億円近い「笹井城」とも呼ばれる研究施設の建設が進んでいることが伝えられた。産官で莫大な投資を行 い、短期的に回収できる成果をあげる仕組みをつくり、研究者を追い回しているのが、科学界の実状なのだ。  哲学者カントは『学部の争い』 (1798年)で大学論を展開した。大学部の学部には、神学部、法学部、医学部上級学部とその基礎をなす哲学部に分類される。上級学部は社会的有用性を持 ち国家と結びついているが、国家から自由な哲学部こそが学問の真理性を判断することができると述べている。  時の政権の意志と経済的利害だけで大学が統制され、とりわけ人文社会科学という人間や社会のあり方を考察する学問がないがしろにすることは、知的営為そのものの否定である。   「大学改革」の名の下に進行する文化破壊と知的荒廃の様をもっと多くのひとびとが知る必要があるだろう。 (村田哲志) "[he-forum 18459] 東京新聞千葉10/3","東京新聞千葉版 2014年10月3日付 グローバル人材育成 千葉大に新教養学部  千葉大は、文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」に選ばれたことを受け、二〇一六年四月を目標に文理融合型の新たな教養学部を設置予定であることを明らかにした。また早ければ来春にも、タイに初の海外キャンパスを開く。いずれも国際的に通用する、グローバル人材の育成を強化するのが狙い。 (村上一樹)  新学部(名称未定)は、千葉大のグローバル教育を先導する学部として設置。西千葉キャンパス(千葉市稲毛区)に置き、定員は百人を予定する。飛び入学も受け入れ、最終的には枠を二十五人ほどまで広げる。  一、二年生で文系と理系の垣根をなくした幅広い教養を身につけ、希望する学生は三年生から文学部や医学部など既存の九学部を自由に専攻できるようにする。海外で日本について語れるような知識・経験を提供する「国際日本学」に力を入れるとともに、地域再生などローカルな視点も学ぶ。  海外キャンパスは、すでに千葉大が事務所を置いているタイ・バンコクの上位校・国立マヒドン大学内に設置。教員は日本とタイの両方から出す。留学に消極的と言われる最近の学生に短期間海外で学ぶ機会を提供。英語でタイや東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国の文化を学んでもらう。  また千葉大の教員が現地の学生に、園芸学や薬学、国際日本学などの分野で講義する。マヒドン大理学部と千葉大園芸学部が主体となる研究拠点も設置し、亜熱帯の植生などを調査する。  将来的には約十年後を目標に、タイの認証評価を得た海外校「マヒドン-千葉大学」の設置を目指す。  徳久剛史学長は「多様性のある大学でありたい。各学部の特色を生かし、ほかの大学ができないような柔軟な融合型の教育をしていきたい」と話している。  <スーパーグローバル大学> 文科省が世界レベルの研究を行う大学や国際化を進める大学を支援するため応募104校の中から国公私立大37校を選んだ。世界ランキングトップ100を目指す「トップ型」には東京大、早稲田大など13校を認定。千葉大、金沢大など24校は、新しい取り組みに挑戦し、国際化を先導する「グローバル化牽引(けんいん)型」に選ばれた。文科省は必要経費を支援。「トップ型」は1校あたり年間4億2000万円、「牽引型」は同1億7200万円を標準額としている。 "[he-forum 18458] 毎日新聞社説10/3","毎日新聞社説 2014年10月3日付 大学への脅迫 看過できない卑劣さ  元朝日新聞記者が教授を務める帝塚山学院大学(大阪狭山市)と、別の元朝日記者が非常勤講師を務める北星学園大学(札幌市)に、それぞれの退職を要求する脅迫があった。  「学生に痛い目に遭ってもらう」 「大学を爆破する」  応じなければ学生に危害を加えるという趣旨で、帝塚山学院大の元記者は教授を辞職した。大阪府警と北海道警が威力業務妨害容疑で捜査している。  2人の元記者はかつて慰安婦報道に関わっていた。  教授は朝鮮が日本の植民地だった戦争中、済州島で「慰安婦狩り」を行ったという吉田清治氏(故人)の証言を初めて報じたとされた。朝日新聞は、8月の自社報道点検でこの「吉田証言」を虚偽と判断し、記事を取り消した。しかし9月末に、初報を執筆したのは教授ではなく別の記者だったと訂正した経緯がある。  また非常勤講師は元慰安婦の証言を初めて報道した。元慰安婦の裁判を支援する団体の幹部である韓国人の義母に便宜を図ってもらい、都合の悪い事実を隠したとの批判が寄せられていたが、報道点検は事実のねじ曲げはなかったと結論づけた。  虚偽の「吉田証言」報道を放置していたことで、朝日新聞は大きな代償を支払うことになった。木村伊量(ただかず)社長が謝罪の記者会見を行い、社外の第三者委員会が取材の経緯や影響を検証することを決めた。自ら明らかにすべき事柄は少なくない。  だがそれでも、意に沿わない報道やその筆者を社会から排除しようと無関係な団体を脅す行為は許されない。脅迫は元記者の勤め先の大学にとどまらず、ネット上では家族までプライバシーをさらされ、攻撃の的になっている。  北星学園大は、学生の父母らから非常勤講師に関する問い合わせや意見が多数寄せられ、学長名の説明文をホームページに急きょ公開した。学問の自由・思想信条の自由を重んじる大学の対応が注視される。  自由な議論を保障するためにも警察には容疑者を早く検挙してもらいたい。  「反日」「売国」「国賊」−−。今回の事件の背景には、一部の雑誌やネット上に広がる異論を認めない不寛容な空気がある。各地で深刻さを増すヘイトスピーチ(憎悪表現)にも相通じる現象だ。乱暴な言葉で相手を非難したり、民族差別をあおったりすれば、慰安婦問題の解決はますます遠くなるだろう。  短絡的なレッテル貼りは、同種の事件を生む土壌になる。私たち一人一人が力を合わせて差別的な言動を締め出し、冷静な議論ができる環境を整えなければならない。 "[he-forum 18457] 読売新聞社説10/3","読売新聞社説 2014年10月3日付 大学への脅迫文 言論封じを狙う卑劣な行為だ  脅迫で言論を封じ込めようとする行為を看過することはできない。  かつて慰安婦報道にかかわった元朝日新聞記者が教員として勤務する帝塚山学院大学(大阪府)と北星学園大学(札幌市)に、2人の退職を要求する脅迫文が送りつけられた。  「辞めさせなければ、学生に痛い目に遭ってもらう」「クギを入れたガス爆弾を爆発させる」  脅迫文には、そうした文言が書かれ、クギが同封されたものもあった。元記者を攻撃するだけでなく、学生にも危害を加えると脅す行為は、極めて卑劣だ。  警察は威力業務妨害容疑で捜査を始めた。犯人の摘発に全力を挙げてもらいたい。  帝塚山学院大教授だった元記者は、韓国で女性を強制連行したと虚偽の証言をした吉田清治氏(故人)に関する記事を書いた。  朝日新聞が8月に自社の慰安婦報道の検証記事を掲載して以降、大学側に「教授を辞めさせないのか」といった問い合わせが相次いだ。元記者は脅迫文が届いた9月13日付で辞職した。  北星学園大で非常勤講師を務める元記者は、韓国人元慰安婦の証言を他紙に先駆けて報道した。  ネット上では、元記者の家族とされる名前を挙げて、中傷する書き込みすら見られる。報道には何の関係もない家族をも攻撃の対象にしている。言語道断だ。  朝日新聞の一連の慰安婦報道は、国による強制連行があった、という誤解を世界に広めた。  日本の国益を著しく害し、韓国側の反日感情をあおった責任は重大である。  「吉田証言」については、1992年頃から、内容に疑義が呈されていた。それにもかかわらず、朝日は見直さず、今年8月にようやく記事を取り消した。  報道機関に対する信頼を大きく損ねたことは間違いない。  だが、朝日の報道が意に沿わないからといって、脅迫行為に訴えることが許されるはずもない。言論に問題があった場合は、あくまで言論で反論していくべきだ。  読売新聞は、紙面で朝日の慰安婦報道を分析し、いかに甚大な影響を及ぼしたかを示した。誤報の背景を探り、徹底検証することが、傷つけられた日本の名誉を回復し、報道機関の信頼を取り戻すためには必要だと考えるからだ。  言論の自由は、民主主義社会が成り立つための基本原則である。いかなる場合にも、この原則は堅持されなければならない。 "[he-forum 18456] 東京新聞社説10/3","東京新聞社説 2014年10月3日付 大学脅迫 言論への暴力許されぬ  二人の元朝日新聞記者が勤める二大学にそれぞれ退職を要求する脅迫文が届いた。暴力による言論の排除は民主主義の土台を壊す卑劣な行為だ。互いの違いを認め合う寛容と共生の精神を高めねば。  一人が非常勤講師を務める北星学園大(札幌市)には五月と七月に、もう一人が教授を務める帝塚山学院大(大阪府)には九月に相次いで送りつけられた。警察は威力業務妨害の疑いで調べている。  脅迫文には「辞めさせなければ学生に痛い目に遭ってもらう。釘(くぎ)を入れたガス爆弾を爆発させる」などと書かれていた。罪のない学生を人質に取る形で、元記者らを大学から追い出すよう求めていた。悪質極まりない。  二人は記者時代に慰安婦報道に携わった。朝日の報道や論調に違和感を覚えたり、腹が立ったりしたとしても、言論で伝えるのが民主主義の鉄則である。気に食わない相手を力ずくでねじ伏せるなら、暴力団のやり口と同じだ。  かつて教授は、韓国の済州島で女性を強制連行したと証言した故吉田清治氏の記事をいくつか書いていた。非常勤講師は元慰安婦の証言を先駆けて報じていた。  朝日は八月に過去の慰安婦報道の検証特集を載せ、吉田氏に関する記事を間違いだったとして取り消した。元慰安婦の記事には事実のねじ曲げはないとして捏造(ねつぞう)説を否定した。木村伊量社長が謝罪したのは九月に入ってからだった。  一連の報道の訂正や謝罪はあまりに遅きに失したと強く批判された。日韓関係をはじめ内外に重大な悪影響を与えたとの厳しい指摘も続いている。朝日は誠実に受け止め、応えねばならない。  しかし、言論による批判や抗議を超え、威迫や暴力による攻撃に及べば、人びとを萎縮させ、社会そのものが成り立たなくなる。削除が難しいネットを使っての嫌がらせも見過ごせない。  一九八七年五月、朝日の阪神支局に押し入った男が散弾銃で記者を殺害した。九三年十月、右翼活動家の野村秋介氏が朝日の東京本社を訪れ、拳銃自殺した。自分の考えや価値観を押し通すために自他を傷つけても、何ら得られるものはない。  「私は、あなたの意見には反対だ。だが、あなたがそれを主張する権利は命を懸けて守ろう」  十八世紀のフランスの啓蒙(けいもう)思想家ボルテールにまつわる名言を胸に刻みたい。相手の権利を守ってこそ、自分の権利も保障される。自由と民主主義の原理である。 "[he-forum 18455] 長崎新聞10/4","長崎新聞 2014年10月4日付 長崎大が共同大学院構想  長崎大の片峰茂学長は3日の定例会見で、放射線のリスク(危険性)を専門的に学ぶ共同大学院を福島県立医大と設置する構想を明らかにした。2016年度の開設を目指す。  片峰学長によると、放射線の人体影響などに高度な専門知識を持つ看護師、保健師、理学療法士らの専門家を育成する。原発の建設が進むアジア諸国の留学生受け入れも検討する。コースや定員など詳細は文部科学省と調整中という。  長崎大は福島県川内村に拠点を置き復興を支援している。片峰学長は「地元に密着して働く専門知識を持った医療従事者が重要と学んだ。共同大学院の学生が長崎と福島を行き来し、現場に出て学ぶのが最大の特色」と話した。 "[he-forum 18463] 朝日新聞10/5","朝日新聞 2014年10月5日05時45分 研究不正疑惑、東北大が告発不受理 外部調査見送る 小宮山亮磨  東北大の 井上明久前総長の研究不正疑惑をめぐり、複数の論文で同じ画像が使い回されている疑いを指摘した告発書を、大学側が受理せず、本格的な調査をしないと決め ていたことがわかった。大学幹部らによる調査で「不正ではない」と判断し、外部識者のいる調査委員会にゆだねるのを見送った。  告発書は東北大の斎藤文良名誉教授と矢野雅文名誉教授の2人が、昨年11月に提出していた。その中で、2001年に井上氏らが発表した論文に不正の疑いがあると指摘。金属を電子顕微鏡で撮影するなどして得たとされる画像が、1999~00年発表の別の論文と同じだったり、極めて似ていたりすると告発した。  論文に掲載された金属の作製条件は、それぞれ異なるため、同じ画像になることはあり得ないという。このほかにも、別の論文と同じものに見えるデー タがあり、告発書は「論文全体が極めて不自然。写真を取り違えたなどの単純ミスというより、新しい実験データに基づいて書かれた論文を偽装した研究不正が 強く疑われる」とした。  これに対し、大学側は9月16日付の文書で、斎藤氏らに回答した。指摘については「表示の誤りである可能性が高い」としつつも、11年に別の人物 から似た内容の告発があったときの調査で「研究不正にはあたらないと確認された」と説明。このため、「告発を受け付ける必要はないと判断した」という。  東北大は内部規定で、研究不正の告発を受けた場合には、学外の識者らでつくる調査委を設けることになっている。一方で、告発への「初期対応委員会」を理事や副学長らで設置することを、井上氏の疑惑が指摘され始めて以降の09年に決定。今回の告発の不受理は、この委員会が決めた。  「誤り」を認めつつ「不正ではない」と判断した理由について、東北大広報課は朝日新聞の取材に「秘密保持となっているため、お答えできない」としている。(小宮山亮磨) ■不正告発への「初期対応委員会」メンバー(09年6月の「理事裁定」で決定) ①研究を担当する理事又は副学長 ②コンプライアンスを担当する理事又は副学長 ③被告発者等の所属する部局の長 ④広報を担当する理事又は副学長 ⑤学外の専門的知見を有する者(研究を担当する理事又は副学長が必要と認めた場合) ⑥その他研究を担当する理事又は副学長が指名する者  〈井上前総長の研究不正疑惑〉 井上明久氏は、丈夫でさびにくいという特徴を持つとされる特殊な金属の世界的権威で、06年から12年まで東北大総長を務めた。  07年に匿名の投書で研究不正が指摘されたが、大学が立ち上げた調査委が同年末に不正を否定した。しかしその後も、同内容の論文を複数の雑誌に投稿していた「二重投稿」の疑惑などが次々と指摘された。  追及を続けた教員グループを、井上氏が10年に名誉毀損(きそん)で提訴すると、教員らも反訴。仙台地裁は昨年の一審判決で「直ちに捏造(ねつぞう)、改ざんがあるとは言い切れない」として、教員グループに110万円の賠償を命じた。裁判は仙台高裁で継続中で、8月に予定された判決が延期され、10月に弁論が再開されることになっている。 "[he-forum 18462] 朝日新聞社説 10/8"," 朝日新聞社説 2014年10月8日(水)付 ノーベル賞―地道な研究の土壌守れ  発光ダイオード(LED)の原理は知らなくても、現代の先進国でLEDの恩恵にあずかっていない人はほとんどいないだろう。  電気を直接光に変えるから省エネで長寿命、小型の照明が可能になった。この10年ほどで、交通信号やLED照明、大型ディスプレー、携帯電話などに爆発的に使われるようになった。  さらに半導体レーザーに道を開き、記憶容量の大きいブルーレイディスクが実現した。  今年のノーベル物理学賞は、LEDの中でも最も難しかった青色LEDの実現で世界に貢献した3人の日本人研究者に贈られることになった。社会に役立った研究者に賞を贈ろうというノーベルの遺志に沿うものだ。  赤崎勇・名城大教授と天野浩・名古屋大教授の師弟は、名古屋大で明るく輝くLEDに欠かせない良質な結晶を作った。世界の多くの研究者があきらめた窒化ガリウムという物質にこだわり続けた末のことである。  中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授は、徳島県の企業研究員時代に、失敗に失敗を重ねながら結晶を大きくする方法を開発し、青色LEDの製品化にこぎつけた。  赤、緑、青の光の三原色のLEDができれば、光革命が起きることは世界中の研究者がわかっていた。しかし、青色だけは困難を極め「20世紀中には不可能」とまで言われていた。  3人に共通するのは、愚直なまでに一つの道を追求し続けたことである。  その粘り強さをたたえる一方で、今の日本でもこうした地道な研究が実を結ぶだろうかと心配せずにいられない。  目先の成果を追い求める風潮が強まる一方で、企業研究者の貢献が軽視される傾向が、あちこちで見られるからだ。  大学では、研究資金の配分に競争の要素が色濃くなって、短期的な成果が求められるようになった。今でも赤崎さんや天野さんのような研究に、成功までの時間が与えられるだろうか。  中村さんは世界的発明にもかかわらず、所属企業で厚遇を得てはいなかった。  中村さんは企業を辞め、米国の大学へ転出。自らの特許権にもとづく「相当の対価」を求めて古巣を提訴し、最終的に8億4千万円の支払いで和解した。  中村さんの異議申し立てから約10年。果たして、企業は社員に十分、報いるようになっているのだろうか。  イノベーションを掲げながら芽を摘んではいないか、喜ぶだけでなく施策も点検したい。 "[he-forum 18465] しんぶん赤旗10/8","しんぶん赤旗 2014年10月8日(水) 学生が安心して使える奨学金に ――奨学金返済への不安と負担を軽減するために 2014年10月7日 日本共産党  日本共産党の小池晃副委員長(政策委員長)が7日の記者会見で発表した政策「学生が安心して使える奨学金に――奨学金返済への不安と負担を軽減するために」は次の通りです。 “奨学金という借金”が若者の未来を押しつぶす        「奨学金返済に行きづまり自己破産」「夫婦で奨学金を返済中。子どもをあきらめた」など、ほんらい若者の夢と希望を後押しすべき奨学金が、若者の人生を狂わせるという、正反対の“結果”をもたらす、かつては考えられなかった事態が起きています。  いま奨学金を借りると、平均的なケースで300万円(月5万円を4年間、入学時50万円など)、多い場合には1000万円(大学院進学の場合な ど)もの借金を背負って社会人としてのスタートを切ることになります。その一方で、非正規雇用の増大などで卒業後の雇用・収入は不安定になっており、大 学・短大などを卒業した30~50代の3分の1以上が年収300万円以下の賃金(総務省就業構造基本調査)で働いています。こうしたもとで奨学金を借りた 既卒者の8人に1人が滞納や返済猶予になっています。奨学金の返済は、期日から1日でも遅れると5%の「延滞金利息」が上乗せされ(2013年度までは 10%)、滞納が3カ月以上続けば、金融の「ブラックリスト」に載せられます。  これは学生生活にも深刻な影響を及ぼしています。「多額の借金」を恐れて奨学金を「借りたくてもがまんする」学生も増えています。「高校の時に奨 学金を借りたから、大学に入ったら奨学金は借りられない。毎日深夜までバイトする」など、さらにバイトに追われる学生生活になってしまいます。ブラック企 業のような違法・無法な働かせ方を押しつける「ブラックバイト」から学生が抜け出せない一因もここにあります。 奨学金の本来の役割にふさわしい改革を  日本の大学教育にとって奨学金の役割はますます重要になっています。奨学金は、1998年から2014年の間に、貸与額で4・9倍、貸与人員で 3・7倍に急速に拡大し、いまや学生の2人に1人が奨学金を借りています。この間、勤労者の所得は平均年収で60万円も減り、親からの仕送りも平均で月額 10万円から7万円に減りました(下宿生=大学生協連調査)。その一方で大学の学費は上がり続け、初年度納入金は、国立で83万円、私立は文系約115万 円、理系約150万円にもなり、教育費負担は重く国民生活にのしかかっています。こうして大学進学のためには奨学金に頼らざるを得ない若者が増え続けたの です。  ところが政府は、この奨学金依存度の高まり、奨学金への期待の高まりに、まともに応えず、もっぱら有利子奨学金の拡大という“奨学金の教育ローン 化”で対応してきました。1984年に「無利子奨学金の補完措置」として導入された有利子奨学金は、当初、貸与額の5%だったものが2014年には75% と、「補完」どころか「主流」になってしまいました。  文部科学省が設置した「学生の経済的支援の在り方に関する検討会」も「貸与型奨学金の返還の不安を軽減していくことが重要」「(非正規雇用の拡大 などは)卒業生の経済的状況にも影響を及ぼしており、奨学金制度もこのような変化を受け止められるように、進化していく必要がある」という報告書を出して います(2014年8月29日)。  日本共産党は、奨学金返済への不安と負担を軽減し、教育の機会均等を保障するにふさわしい奨学金制度に改革していくために、以下の提案を行います。 1 学生の有利子奨学金を無利子に  新規に貸与する奨学金を無利子にするとともに、在学中の学生の有利子奨学金を無利子奨学金へと「借り換える」制度をつくり、国が利子補給を行って全員に無利子化を実現します。これに必要な予算は年間1000億円程度です。  奨学金というなら利子はとらない、これが国の教育行政の最低限の責任ではないでしょうか。文部科学省も“奨学金は無利子が根幹”としてきました。借金返済の負担軽減の第一歩は、本来の姿に戻して負担を減らすことです。  有利子奨学金は、最大で年利3%の利子負担が生じます。その場合、貸与額300万円であれば85万円、1000万円であれば360万円もの利子負担になります。  奨学金は、金融商品である「教育ローン」であってはなりません。「教育ローン」の対象は親であり、金融機関は借入者である親の所得や資産を査定し て融資を決定します。所得も資産もない学生を何百万円もの借金を負わせて利子を取り立てる「ローン」の対象にすること自体が間違っています。無利子化は、 学生の負担と不安軽減のためにも、奨学金制度の本来の趣旨からも、緊急対策として、ただちに実施すべきです。 2 奨学金返済が若者の生活を追いつめないように返済方法を改善する  大学入学前に、将来の所得を考えて奨学金の借入と返済の計画を立てることは、今日では不可能です。卒業後の所得に対して、奨学金返済が過重とな り、若者の生活を押しつぶしてしまう、奨学金が“ローン地獄”への入り口となってしまう事態は、緊急に解決しなければなりません。 (1)既卒者の奨学金返済の減免制度をつくり、生活が困窮する場合の救済措置を講ずる      奨学金を返済中の既卒者すべてを対象にした減免制度の創設を提案します。「返済に困ったときのセーフティーネット」をつくることは、現役学生の奨学金への不安を軽減するためにも必要です。  延滞者の8割が年収300万円未満ですが、現行では10年が上限の返還猶予制度(年収300万円以下などの条件で1年ごとに申請する)があるのみ です。10年たてば年収が大幅にアップする保障はありません。「猶予期間の終了で自己破産」などという事態が続出する危険性があります。  諸外国では「25~35年間」(イギリス)、「20~25年間」(アメリカ)の返済期間を経過したり、年齢が65歳に達したら、残額を免除する制 度にしています。日本でも、10年という返済猶予期間の上限を撤廃するとともに、25年間などの返済期間や年齢を条件に、所得に応じて残額を免除する制度 にします。親の奨学金返済が終わらずに子どもが大学に行けないというような「負の連鎖」を起こさず、老後や次世代に借金を残さないようにします。 (2)延滞金、連帯保証人・保証料を廃止し、返済困難者への相談窓口を充実する  国の奨学金事業を実施している日本学生支援機構は、返済困難者を相手どって、年間6000件もの裁判を起こしています。現行の返還猶予制度さえ知 らされずに、高利の延滞金を徴収され、さらに追い詰められるケースも後を絶ちません。「滞納すれば延滞金や裁判」という脅しの対策をあらため、返済困難者 によりそった相談窓口こそ充実すべきです。  滞納者の事情をまったく考慮せずに一律に課す延滞金はただちに廃止します。奨学金借入時に連帯保証人を求める制度は、親が高齢になった時に連帯保 証人としての借金返済を迫られるということが問題になりました。その「改善」策として2004年に導入されたのが毎月の奨学金から保証料を天引きして、実 際の奨学金額を減らす制度です。例えば、月額5万円だと2141円の保証料が天引きされ、4年間で奨学金は10万円も減らされます(2014年現在)。経 済的に苦しい学生を支援するより、「借金取り立て」を優先させる姿勢をあらため、個人への連帯保証人・保証料徴収を廃止し、政府保証にします。 (3)すべての貸与奨学金を所得に応じた返済制度にする      奨学金を無理なく返済できるように、卒業後の進路さえ見当もつかない大学入学前に毎月の返済額が決まる現行のやり方を改め、年収階層別に返済額を 決めるなど、貸与奨学金を所得に応じて返済する制度にします。文部科学省の「学生の経済的支援の在り方に関する検討会」も「所得連動返還型奨学金」を提言 していますが、「年収300万円以下は返済猶予」という現行を踏まえ、少ない所得から無理に返済させることのない制度にする必要があります。同時に、特定 の学生に限るのではなく、貸与奨学金全体を対象にすべきです。 3 給付奨学金をただちに創設する  先進国(経済協力開発機構〔OECD〕加盟国)で、大学の学費があり、返済不要の給付奨学金がないのは日本だけです。アメリカでは、最高で年間約60万円、平均約40万円の給付奨学金(連邦ぺル給付奨学金)を全学生の3分の1以上が受給しています。  ところが日本では、世界でも異常な高学費でありながら、給付奨学金制度の導入が「先送り」され続けています。2012年度予算編成の過程では、文 部科学省が給付奨学金制度の導入予算146億円を概算要求に盛り込みましたが、政府予算案ではカットされました。自民党も先の総選挙で「大学における給付 型奨学金の創設にとりくみます」という公約をかかげていますが実行していません。文部科学省の「学生の経済的支援の在り方に関する検討会」でも「給付型支 援を充実していくことは、我が国の高等教育における重要な課題」としながら「将来的な検討」課題にしています。  文部科学省の調査でも、「経済的理由」で中退する学生が増えています。給付奨学金の早期導入がいよいよ重要になっています。  本来、国民の教育を受ける権利を保障するための奨学金は、若者の借金となってしまう貸与制でなく、給付制とすべきです。ただちに給付奨学金制度を 創設し、経済的な困難から大学で学ぶことを断念せざるを得ない若者をなくす支援を行いながら、奨学金の基本は給付制となるように制度を拡充していきます。 教育の機会均等を保障し、国際水準の高等教育に  日本の教育への公的支出は、先進国(OECD加盟国)の中で5年連続の最下位です。政府や財界は、「大学の競争力の強化」などと言いますが、国な どの教育への支出が「先進国最低」で、どうやって「競争力を強化」しようというのでしょうか。日本の大学教育は、家計の重い負担で支えられてきましたが、 それも限界にきています。  政府は、2012年にようやく国際人権規約の「高等教育の漸進的無償化」条項を受け入れました。高い学費を値下げする方向に踏み出すとともに、奨 学金制度を拡充することは、憲法と教育基本法が定める教育の機会均等への国の責任を果たすことであり、日本政府の国際公約でもあります。日本共産党は、学 生、高校生、教育関係者、そして国民のみなさんとともに、学費の無償化に向けた着実な前進と、安心して使える奨学金制度の実現のために、力をつくす決意で す。 ??蒐4????びたいのに」とし、郵便とメールは欄外のあて先へ、ファクスは03・3212・5177。 "[he-forum 18464] しんぶん赤旗10/8","しんぶん赤旗 2014年10月8日(水) 学生が安心できる奨学金に 共産党が政策発表 返済への不安と負担軽く 小池副委員長が記者会見  日本共産党は7日、政策「学生が安心して使える奨学金に――奨学金返済への不安と負担を軽くするために」を発表しました。国会内で小池晃副委員長 (政策委員長)が記者会見し、「学生のなかで卒業後、奨学金をどう返済するかが大きな不安と悩みになっています。文部科学省も何らかの手だてが必要だと検 討をはじめています。そこで緊急に国がなすべきことを政策にまとめました」と語りました。会見には宮本岳志衆院議員、田村智子参院議員が同席しました。 (政策全文)  政策は、卒業時に平均300万円から多い場合は1000万円もの“奨学金という借金”を背負い、既卒者が不安定な雇用と収入に苦しむもとで、借りた人の8人に1人が滞納・返済猶予になっているなど深刻な実態を指摘しています。  その上で、(1)学生の有利子奨学金を無利子にする(2)奨学金返済方法を改善する(3)給付奨学金をただちに創設する―の3点にわたって奨学金の本来の役割にふさわしい改革を求めています。  「返済方法の改善」にかかわっては、既卒者の奨学金返済の減免制度をつくり、生活が困窮する場合の救済措置を講ずる▽延滞金、連帯保証人・保証料 を廃止し、返済困難者への相談窓口を充実する▽すべての貸与奨学金を所得に応じた返済制度にする―ことを具体的に提案しています。  国の責任で教育の機会均等を保障し、高等教育を国際水準に拡充するよう強く求めています。  小池氏は、「在学中の学生の悩みに正面からこたえることを主眼に、親の世代やこれから進学する人たちの不安にもこたえる中身にまとめました。学生や国民の皆さんに呼びかけて署名運動を広げるとともに、関係団体や研究者とも懇談していきたい」と語りました。 "[he-forum 18466] 読売新聞10/8","読売新聞 2014年10月08日 11時04分 小保方氏指導の早大教授を停職…総長も手当返上  理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2011年に早稲田大に提出した博士論文に、盗用などの不正が見つかった問題で、早大は7日、「指導・審査体制に不備があった」として、小保方氏の指導教員の常田聡教授を停職1か月の懲戒処分にすると発表した。  早大によると、常田教授は、小保方氏の博士論文を審査した責 任者だったが、小保方氏の博士論文の最終確認を怠ったため、不備のある論文が受理されたと判断した。このほかに審査に関わった別の早大教授は、補助役だっ たため懲戒処分ではない訓戒とした。処分はいずれも3日付。  鎌田薫総長は役職手当の20%を5か月分、小保方氏が所属した研究科の当時の研究科長は、役職手当の20%を3か月分、それぞれ自主的に返上する。= "[he-forum 18473] しんぶん赤旗10/10","しんぶん赤旗主張 2014年10月10日付 ノーベル物理学賞 独創的成果は地道な研究から  今年のノーベル賞が次々発表され、物理学賞は、青色発光ダイオード(LED)開発に貢献した赤崎勇名城大学教授、天野浩名古屋大学教授、中村修二カリフォルニア大学教授への授与が決まりました。青色LEDは、低電力の照明、信号機やディスプレーのバックライトなど生活のなかで広く使われています。「半導体研究の革命」といわれる成果であり、受賞は多くの人が待ち望んできた朗報です。 流行にとらわれぬ姿勢で  LEDとは、電気的にプラスとマイナスの半導体を接合して電圧を加え、電子がもつエネルギーを単色光に変換するもので、その言葉通り「光る半導体」です。1962年に赤色LEDが発明され、赤、青、緑の「光の三原色」がそろうことで白色光の実現が期待されましたが、青色は困難をともない「20世紀中は実現不可能」といわれていました。  今回の受賞は、青色LEDを窒化ガリウムの単結晶の作成とその利用によって実現し、低電力で明るい白色光への実用化によって地球資源の節約に大きく貢献したことが評価されました。  赤崎さんの著書によれば、40年前に“前人未到″であった青色LEDこそ自分の仕事だと決意し、窒化ガリウムの研究が少数派だったなかでも「成否は考えず」「我ひとり荒野(あれの)を行く」との思いで、試行錯誤を重ねたと言います。半導体の材料となる窒化ガリウムの単結晶をつくりだすまで12年の歳月をへています。さらに試行錯誤を重ね、その4年後にLEDから「目に沁(し)みいるようなコバルトブルーの光」が発せられたときは、「一生忘れることはない」感動だったとのべています。  赤崎さんは、受賞の会見で「成否は考えず、やりたいことをあきらめずにやってきた」ことで道が開けたとのべました。若い研究者に対しても「はやりの研究にとらわれず、自分のやりたいこと、打ち込めることをやりなさい」とのメッセージを送りました。自らの研究人生に裏打ちされた言葉です。天野さんも「世の中の役に立つ」との一心で研究に没頭してきたと語っています。  基礎研究から独創的な発明がうまれる原動力は、こうした研究者の愚直なまでの信念、執着心にほかなりません。すぐには成果がでないとわかっていても、粘り強く試行錯誤を重ねるなかで独創的な成果がうまれ、それが実用化にもつながっていく。このことを赤崎さんらの研究は教えています。  安倍首相は、開会中の国会で「受賞を機に科学技術イノベーション政策をすすめる」とのべました。ところが、安倍政権がすすめているのは、こうした腰をすえた地道な研究への支援を強めるのではなく、目先の利益にとらわれた成果主義にたって、政府が経済成長につながるとみなした「はやりの研究」に集中投資するものです。 基礎研究の支援強化を  すぐには成果がでない基礎研究への支援を軽視し、大学や研究機関の予算を削減しつづけ、非正規の研究者をふやしています。  基礎研究が衰退すれば、イノベーションをうみだす土壌も枯れてしまい、長期的にみれば社会の大きな損失です。ノーベル賞受賞を機に、こうした流れを転換し、基礎研究支援を抜本的に強め、大学予算をふやすことが必要です。 "[he-forum 18472] 東京新聞10/8","東京新聞 2014年10月8日付 【私説・論説室から】 法科大学院の「質」とは  若手弁護士と話をする機会があった。その人は法科大学院を修了し、司法試験に合格した。「優れた研究者らに法曹のベースをつくってもらいました」-。その言葉こそ、大学院教育の核心だろうと思った。  「毎日、授業は議論をして深めていくのです。対話形式のソクラテス・メソッドですね。一問一答ではないので、思考の整理ができます。学生同士で自主ゼミもします。残った疑問点を教授のところに持っていきます」  大学在学中に予備試験ルートを使って司法試験に合格する「特急コース」に注目が集まっている。経済的に大学院に進めない人のための例外措置なのだが、早く法曹になれるので、まるで“主役”視されている現状だ。おそらく司法試験に出る科目だけを勉強し、受験対策をする。そんな勉強法に比べ、大学院での授業がもっと注目されていいと思う。  「大学院で勉強した労働法や倒産法などは弁護士になってから実務でよく使います。私の学校では、より実務的なビジネス・ローのコースもあって、著名な弁護士にM&Aや知的財産法、独占禁止法などの最先端を学べます。最短距離で勉強している人とは、基礎の『質』が違うと思います」  ただし、学校の「質」もある。充実した授業ができない法科大学院は淘汰(とうた)される運命にある。法律家を育てる専門機関がより信頼度を増すことを望む。 (桐山桂一) "[he-forum 18471] 河北新報社説10/8","河北新報社説 2014年10月8日付 法律家養成/法科大学院の理念忘れずに  ことしの司法試験の結果が先ごろ発表され、法律家養成の課題があらためて鮮明になった。  政府目標3千人の撤回を受けた総量抑制の流れで、合格者数が8年ぶりに2千人を割り込む中、養成の軸とした法科大学院の位置付けが一層揺らいでいることを裏付ける結果になり、試験制度も含めて見直しや改革を急ぐ必要性を印象づけた。  一つには、法科大学院を修了しないで受験資格を得る予備試験組の合格増加問題がある。  予備試験は、経済的事情から法科大学院に通えない人などを想定して3年前に導入された例外的な仕組みだが、もはや例外とは言えなくなっている。  ことしの予備試験受験者は初めて法科大学院の志願者を上回った。近道をねらって大学院に在籍しながら受験する人も増え、通過者の司法試験合格者は全体の9%まで達した。  最高でも5割、多くは2割以下と低迷する法科大学院組の合格率と比べ、予備試験組の合格率は約67%と高い。優秀な人材を前倒しで確保している面も否定はできないが、それは改革の趣旨から明らかに外れている。  法律以外の教養も含めて専門職としての法律家を養成するプロセスを重視し、法科大学院修了を司法試験受験資格の原則条件とした経緯がある。プロセスを問わない合格者の増大には何らかの歯止めが必要だろう。  来年7月の改革案とりまとめを目指す政府の法曹養成制度改革推進室の議論では、予備試験の制限とは別に、予備試験組には司法試験合格後に法科大学院課程の履修を義務付けてはどうか、といった案も出ている。  司法試験や予備試験の内容を改革の方向に沿って吟味し直すことと併せて、いずれ法科大学院修了の原則を形骸化させないための措置は欠かせない。  予備試験の制限以前に、法科大学院制度自体の改革が本筋であることは言うまでもない。  2004年の開設以来、最大74校あった法科大学院は20校が募集停止を決めた。乱立の結果としての淘汰(とうた)であり、今後は再編が避けられない。  並行して検討が進む法律家の適正規模と照らし合わせ、当初想定した修了者の7、8割が司法試験に合格する線を目指して、規模の調整や教育内容の改善を進める必要がある。  その場合、法律家の大都市偏在を加速させないためにも、地方で大学院教育の機会を維持することは最低条件になる。  安易な統廃合にならないように、大学院には競争ではなく相互の連携で全体の質の向上を図る努力も求められる。  法律家がより身近に活躍する社会の実現が司法制度改革の理念であり、法科大学院はそのための基盤だ。司法試験の受験機関ではなく、幅広い知識と能力を持つ人材をじっくりと育てるための養成機関であるなら、奨学金制度など学ぶ人たちへの支援も拡充しなければならない。  司法試験の合否にかかわらず修了者を広く活用する方策も、社会全体の課題になる。 "[he-forum 18470] しんぶん赤旗10/9","しんぶん赤旗 2014年10月9日付 学生が安心して使える奨学金を 署名用紙できました  日本共産党の「学生が安心して使える奨学金をもとめる署名」用紙ができました。  日本共産党は7日、政策「学生が安心して使える奨学金に――奨学金返済への不安と負担を軽減するために」を発表しました。  学生のなかで卒業後、奨学金をどう返済するかが大きな不安と悩みになっています。「返済に行きづまり自己破産」――“教育ローン”化した奨学金が若者の人生を狂わせています。  署名は、奨学金返済への不安と悩みにこたえるために、緊急に国がなすべきこととして、(1)学生の有利子奨学金を無利子にする(2)奨学金返済方法を改善する(3)給付奨学金をただちに創設するという3点を求めています。返済中の若者や親の世代、これから進学する人たちの不安にもこたえるものです。署名用紙は日本共産党のホームページからダウンロードできます。 "[he-forum 18469] 秋田魁新報社説10/9","秋田魁新報社説 2014年10月9日付 ノーベル物理学賞 地道な研究の価値に光  今年のノーベル物理学賞は3人の日本人に贈られることが決まった。「20世紀中は無理」と言われた青色の発光ダイオード(LED)を開発したことが高く評価された。2年ぶりの日本人のノーベル賞受賞という快挙を喜びたい。  3人は赤崎勇・名城大終身教授と天野浩・名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授。赤崎氏は教え子の天野氏と共に青色LEDに使う結晶を世界で初めて作り、中村氏は結晶の大量生産技術を生み出した。  LEDは電気を流すと光る半導体で省エネに優れ、寿命が長いのが特長だ。節電や地球温暖化対策につながることから、東京電力福島第1原発事故以降、国内での普及が加速した。  LEDは途上国などの生活環境の改善にも役立つ。授与理由でスウェーデンの王立科学アカデミーは「電力が乏しい地域で15億人以上の人々の生活向上が期待できる」とたたえた。  青色LEDの開発が画期的なのは従来ある赤と緑に青が加わったことで光の三原色がそろい、さまざまな色の表現を可能にしたことだ。照明やパソコン、携帯電話、信号機など身近な生活でLEDが使われるようになったのは3人のおかげである。  3人に共通するのは並外れた粘り強さと強い信念だ。「成否は考えていなかった」という赤崎氏の言葉が強く印象に残る。1970年代から研究に取り組んだ赤崎氏は成果に執着せず、ひたすら実験を繰り返して開発に成功したということだ。  そこには当然、研究を支える同僚の存在や組織の体制もあった。だからこそ、一つの研究にじっくりと取り組むことができたのだろう。  一方で、最近の大学や企業の体制はどうか。ノーベル賞に結びつくような地道な基礎研究を支える基盤が弱体化してはいないだろうか。  世界中で発表された科学技術論文の数を示す指標で、日本は急伸する中国に抜かれ、英国や独とともに低迷。研究者は任期付き雇用で身分が不安定なため、腰を落ち着けて取り組むことが難しくなっている。  科学技術関連の予算の伸びも低調で、ここでも中国の急増ぶりが目立つ。研究者からは「短期間で成果を求められ、自ら発案したテーマに挑戦できない」「管理業務の負担が大きく、研究時間を十分に確保できない」などの悲鳴も上がる。  ここで思い出すのは先のSTAP細胞論文問題である。研究者本人も所属する研究所も成果を急ぐあまり、本来の厳密な科学的手続きや丁寧な検証が軽視されるなどの問題点が浮き彫りとなったのではなかったか。  過度な競争を強いて、短期間での成果を求めるような体制では研究者の好奇心に基づいた自由な発想は失われかねない。今回の受賞を機に地道な基礎研究の大切さを再認識すべきだ。 "[he-forum 18468] 河北新報10/9","河北新報社説 2014年10月9日付 ノーベル物理学賞/科学技術立国の未来に光  地盤沈下が指摘される日本の科学技術分野の関係者はもとより、多くの国民を奮い立たせてくれる快挙をたたえたい。  今年のノーベル物理学賞を、赤崎勇・名城大終身教授、天野浩・名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の3人が受賞した。  受賞理由は省エネで長寿命の次世代照明に使われる青色の発光ダイオード(LED)を開発した功績。快適な暮らしを支える革命的な技術開発と絶賛された。地球温暖化が強く懸念される中、環境問題や貧困への国際貢献は価値を一層高めよう。  日本人の受賞は2012年の医学生理学賞の山中伸弥京都大教授に次ぐ。物理学賞は08年の南部陽一郎、小林誠、益川敏英の3氏以来で10人となり、お家芸の面目躍如である。  LEDは現代の基盤技術。青色の開発成功で用途は飛躍的に広がり、屋外の大型ディスプレーや信号機に活用され、中村氏が生み出した青色半導体レーザーはブルーレイディスクを可能にした。白色LEDは省エネ効果の高い照明器具として普及、白熱電球や蛍光灯に代わり、21世紀を明るく照らし出す。  開発は失敗の連続だったという。赤、緑、青の光の三原色のうち青は素材の結晶作りが難しく、20世紀中の開発は無理と見られていたが、3氏は独創的な発想と意思の強さで突破した。  名古屋大教授だった1986年、赤崎氏は師弟関係にある年齢の離れた天野氏と共に窒化ガリウムの結晶を作り、その後、世界で初めて青色LEDを実現。日亜化学工業(徳島県)の技術者だった中村氏は独力で量産技術を開発し、90年代に非常に明るい青色LEDを作った。  「好きなことをやってきただけ」。赤崎氏は控えめに語るが、世界中の研究者が難物の窒化ガリウムから手を引く中、批判を恐れず、着眼力と諦めない執念で夢をたぐり寄せた。  赤崎、中村両氏は以前、民間企業に席を置き、天野氏も企業に短期留学した経験をひらめきにつなげた。中村氏の開発は地方の小さな企業に勤めていた当時の成果で、本人の資質、努力はもちろんだが、逆境が異才の負けん気に火をつけ、自由な研究を許容したトップの判断も見逃すわけにはいかない。企業の在り方に教訓を与えよう。  才能に恵まれた個人の頑張りを大事にしたい。ただ、それだけでは目指す科学技術立国の実現はおぼつかない。国の関連予算は低迷し、就職難もあって博士課程に学ぶ学生も減っている。施策を総点検すべきだ。  国際競争が厳しさを増し、企業、大学問わず、短期間で成果を求める傾向が強まっている。一つのことを継続する環境への目配りや、異端者を受け入れる包容力を含めて、社会全体、問い直す契機にもしたい。  粘り強さと独創力、反骨精神、そして老壮青の連携-。社会の現状を振り返れば、そうした要素の必要性、重要性は科学の世界にとどまるまい。その意味でも意義深い受賞である。 "[he-forum 18467] 読売新聞鹿児島10/9","読売新聞鹿児島版 2014年10月9日付 鹿大と自治体の連携拠点が開設 火山や医療問題  鹿児島大は、火山や医療などに関する県内の地域課題に自治体と連携して取り組む拠点施設「かごしまCOC◎センター」を開設し、8日、看板除幕式を行った。地域の課題を研究しながら、それに対応できる人材の育成を目指す。  大学改革の推進を目指す文部科学省の事業の一つとして、鹿大が申請した「火山と島嶼とうしょを有する鹿児島の地域再生プログラム」が採択された。それを推進する施設として、1日付でセンターが開設された。  鹿大によると、センターには特任の教授や准教授らを配置。当面は県、鹿児島市、薩摩川内市、与論町と連携しながら、火山、離島の防災や医療、観光、エネルギーといった各分野で地域のニーズを把握、分析し、社会貢献につなげる。また、地域課題に対応できる学生を育てるため、独自のカリキュラムを実践する。  除幕式には、前田芳実学長、佐々木浩副知事らが出席。前田学長は「地域活性化の中核としての役割を果たしていきたい」と抱負を述べた。センター開設を記念したシンポジウムを11月にも開く予定という。 "[he-forum 18476] しんぶん赤旗10/12","しんぶん赤旗 2014年10月12日付 3段階の大学入試に 全国学力テスト 高校でも 「改革」の要点  「大学入試改革」を議論している中央教育審議会の高大接続特別部会が10日、開かれ、答申とりまとめに向けた「要点の整理」を示しました。  「要点の整理」は、「高校教育として学力が確保されていない」「大学で自ら目標を持って実現していく力を身につけない学生も多い」と指摘。大学選抜試験についても、1点刻みの評価ではなく、大学で求める力を「多面的・総合的に評価する」という本来の役割を果たせるようにすることを求め、高校、大学と大学入学者選抜を一体的に改革する必要があるとしています。そのうえで高校には高校版全国学力テストともいうべき「高等学校基礎学力テスト」を新たに導入し、高校2年以降、年複数回実施することをうちだしました。  大学入学者選抜については、「知識・技能の活用力」を測るとして、現行の入試センター試験を「大学入学希望者学力評価テスト」に看板を変えて、続けることを示しました。そのうえでさらに各大学で独自の入学者選抜を行うとしています。  「基礎学力テスト」は「希望参加」とするものの、大学入学者選抜にも活用することになっており、事実上、全員参加とする可能性が強いものです。  「評価テスト」については現行の選択方式に加えて記述式を導入するとしているだけなど具体化はすべて先送りとなっています。  基礎学力テストについて「高校側が反対しており、国として一方的にやるのでは広まらないのではないか」「受験目的化する不安がある」との意見が出されました。 解説 入試にすりかえず 抜本見直しを  中央教育審議会の部会が出した「要点の整理」は、高校の序列化と競争主義をいっそうひどくしかねない危険を抱えています。  「大学入試改革」に求められるのは、高校での教育の上に大学教育が展開されるよう高校段階で学力を身につけることです。その上で、大学ごとに入学者を選抜する仕組みとするべきです。欧米諸国では、高校での学力を把握する共通テストと大学では学力試験なしの選抜を基本としています。  日本では、高校での学力把握と入学者選抜を、高校卒業直前の1回限りの入試センター試験と、それに連動した各大学の選抜試験で一括して行ってきました。ここに根本的な問題があります。  「要点の整理」ではこの枠組みは変えないまま、高校段階に新たに「基礎学力テスト」を導入し、センター試験は「大学入学希望者評価テスト」に看板を変えて続けようとしています。序列化と競争主義に拍車をかけ、生徒や学校にいっそうの負担を強いることになりかねません。  しかも、「評価テスト」では「活用力を評価する」というだけで「基礎学力テスト」や各大学での選抜とどう違うのかも不明確なまま、具体化を先送りする無責任な内容になっています。  高校教育と大学教育をどうやってつなぐのかという「高大接続」の問題を「大学入試改革」にすりかえるのではなく、あるべき「高大接続」の原則にたって抜本的な見直しを行うべきです。(深山直人) "[he-forum 18475] NHKニュース10/11","NHKニュース 2014年10月11日5時7分 御嶽山の観測や研究を重点的に強化  御嶽山の噴火を受けて、火山研究に関する国の審議会の部会が臨時の会合を開き、御嶽山の観測や研究を重点的に強化するとともに、全国の活火山の中で、今後、観測態勢などを強化すべき火山がないか改めて検討していくことになりました。  文部科学省が設けた科学技術・学術審議会の地震火山部会は10日、臨時の会合を開き、大学の火山の研究者や気象庁の担当者など23人が集まりました。  会合では御嶽山の観測や研究をどう強化していくかが議論され、委員からは、今後、火山活動が活発化して「マグマ噴火」が起きることも視野に入れて噴火の予知を目指すことが重要だという意見や、山頂付近に観測機器を増やす必要があるといった意見が出されました。部会では、すでに名古屋大学が増設している観測機器に加え、さらに全国の大学が協力して御嶽山の観測や研究を重点的に強化していくことを確認しました。  大学などによる火山の研究は、国立大学の独立行政法人化に伴う効率的な予算運用などのため、6年前から全国16の火山に重点化されていましたが、御嶽山は重点化の対象から外れていました。部会では全国に110ある活火山の観測や研究の態勢を総点検して、態勢を強化すべき火山がないか改めて検討し、年内には今後の火山研究の方向性を取りまとめることにしています。 "[he-forum 18474] 中日新聞静岡10/12","中日新聞静岡版 2014年10月12日付 静大連携講座「浜松発!未来の社会」 伊東学長に聞く いとう・ゆきひろ 東京都出身。早稲田大大学院理工学研究科博士後期課程修了。1990年、静岡大工学部助教授。情報学部教授、情報学部長を経て2010年4月から現職。専門は情報科学。  静岡大と中日新聞東海本社の連携講座「浜松発!未来の社会」が十八日から、浜松市中区の同大浜松キャンパスで始まる。浜松から未来を変える新技術、研究者の挑戦を紹介する。伊東幸宏学長(57)に講座の狙いを聞いた。 -どんな講座になる。  本学の研究者が取り組み、十年、二十年後の近未来に活路を見いだせると期待される新技術を紹介する。テーマは宇宙開発や医療、学習など高校生にも興味を持ってもらえるように工夫した。 -えりすぐりの研究ばかりだ。  静岡大学では卓越した研究者や新しい流れを期待できる研究者を任期付きで認定し、研究環境を優遇する制度を設けている。教員約六百人の中から数%しか選ばれない。今回はその中から五人が講師を務める。世界に通用する浜松の最先端の研究が登場する。 -静岡大が目指す未来像は。  世界に通用する研究拠点として、静岡の国際的価値を高め、人が集まる地域にしたい。実現には人材育成が第一。将来が予測困難な時代に問題解決できる人が必要になる。世界のどこでも活躍できる力が大切だ。 -具体的な人材育成の取り組みは。  フィールドワークを重視したカリキュラムにしている。地域から公募で集まった課題を解決するプロジェクトもある。芸術文化やスポーツ、防災など各テーマを学部の壁を越えて扱う「学環」という学部をつくる構想もある。  海外でのインターンや留学制度も充実している。静岡の多くの企業がアジアに進出している。その拠点に学生を派遣したいと考えており、企業も積極的な姿勢をみせてくれている。 (木許はるみ) "[he-forum 18481] 琉球新報10/15","琉球新報 2014年10月15日付 全11大学が単位互換へ 県内初の共同体を設立  県内全ての国公立・私立の大学・短大と国立沖縄工業高等専門学校、沖縄科学技術大学院大学の計11校が、共同体「大学コンソーシアム沖縄」を9月に設立したことが14日までに分かった。24日に設立総会を沖縄科学技術大学院大学で開く。コンソーシアム設立で、単位互換や共同研究などを進め、世界に通用する学生の育成に力を入れるほか、教員向け研修や社会人向け講座の開設、小中学校の教育現場との連携に取り組み、大学が中核となった社会全体での人材育成環境整備を目的にしている。高等教育機関全11校が共同体を構築するのは県内初。  コンソーシアムは、二つ以上の団体が共通目標に向け作業する組織。「大学コンソーシアム沖縄」は9月26日に一般社団法人として登記された。代表を名桜大学前学長の瀬名波栄喜氏、副代表を大城肇・琉球大学長が務める。その他の各大学学長は理事となる。  共同研究や単位互換は、これまでも各大学が個別に連携協定を結ぶなどして実施してきたが、県内の高等教育機関全11校が連携することで、より多様な分野での研究・活用や、幅広い枠組みでの人材育成が可能になる。  この他、11大学の学生が集まり社会の課題などについて議論する学生サミット開催や、将来的には留学生派遣に向けた共同での奨学金創設も目指す。  事務局長として設立準備を進めてきた沖縄科学技術大学院大学・学術交流コーディネーターの日笠誠氏は「一つの大学ではできなかったことも、11大学が結束することで可能になる。各大学それぞれの強みを生かして取り組んでいきたい」と話した。日笠氏は、コンソーシアム活用の一例として、外国人研究者が多数在籍する科学技術大学院大学の特性を生かし、外国人研究者を各大学の英語の授業にアシスタントとして派遣し、学生の英語力向上を図る案などを挙げた。  大学同士の共同体の構築は全国的に既に進んでおり、県内では2年ほど前から設立に向けた作業が進められていた。(仲井間郁江) "[he-forum 18480] 琉球新聞社説10/15","琉球新聞社説 2014年10月15日付 大学へ脅迫文 卑劣な「言論テロ」許すな  これは言論や学問の自由を暴力で押しつぶす卑劣な犯罪だ。  元朝日新聞記者が教授を務める帝塚山学院大学と、別の元朝日記者が非常勤講師を務める北星学園大学などが相次いで脅迫された。  「辞めさせないと爆破する」「学生を痛めつける」と大学を脅し、教授は大学を辞職した。攻撃の対象は非常勤講師の子どもにまで及び、実名入り写真がインターネット上にさらされた。「自殺するまで追い込むしかない」などと書き込まれた。  言論の自由を暴力で屈服させる行為はテロリズムと同じであり、断じて許されない。  2人の元記者は「慰安婦」報道に関わっていた。1月末「“捏造(ねつぞう)”記者が大学教授に」と週刊誌が報じたことが発端となった。その後「反日」「捏造記者」という言葉で元記者を中傷するネット上の書き込みが相次いだ。  朝日新聞社は8月5日、自社の「慰安婦」報道を検証した特集を掲載した。非常勤講師の書いた記事中、表現の誤用を認めた上で、意図的なねじ曲げはなかったと結論付けた。強制連行したとする故吉田清治氏の証言は「虚偽」と判断し取り消した。  しかし、吉田証言が事実に反したからといって、「慰安婦」問題がなかったことにはならない。日本軍の組織的関与を示す資料は存在する。オランダなど当事国の調査結果や公文書でも明らかにされている。国連人権委員会は7月の対日審査後、意思に反した性行為を強いるのは強制的に慰安婦にするのと変わらないとの声明を出した。  しかし朝日新聞の誤報記事撤回後、「慰安婦」問題をめぐる河野談話に関し自民党の萩生田光一総裁特別補佐は「骨抜きになっていけば良い」と発言した。歴史に真摯(しんし)に向き合わない国は国際社会から受け入れられないだろう。  現在の状況は日中戦争開戦前夜に似ている。言論を封じ込めるために使われた「国賊」「売国奴」という言葉があふれている現状を危惧する。  かつて沖縄の新聞は国により1紙に統合され、戦争遂行の宣伝紙と化した。沖縄戦後に内相が「敵の砲弾下にありながら1日も休刊せず友軍の士気を鼓舞」したと語り、国の言論統制の成果を示唆した。日本中の新聞が疑心暗鬼に陥り相手を監視し、自壊したことを忘れてはならない。自由な言論の保障は戦後民主主義の原点だ。 "[he-forum 18479] 中日新聞静岡10/15","中日新聞静岡版 2014年10月15日付 静大法科大学院廃止へ 16年度から募集停止 ◆定員割れで運営難に  静岡大(静岡市駿河区)は十四日、法科大学院の学生募集を二〇一六年度から停止すると発表した。来春の入学者も含め、在校生全員が卒業した時点で法科大学院を廃止する。全国的に法曹志願者が減る中、入学者の定員割れが続き、運営継続が難しいと判断した。文部科学省によると、法科大学院の廃止や募集停止は全国二十二校目。  同日の役員会で決めた。同大で会見した伊東幸宏学長は「教育内容の改善や入試の見直しなど手を尽くしたが、今後も好転する状況にない」と説明。県内唯一の法科大学院が無くなることに、中村和夫法務研究科長は「法曹を志願する学部生も東京や名古屋の大学院に進学する状況が続いていた。募集停止は苦渋の選択だ」と話した。  同大学院は〇五年に開設され、これまで三十人が司法試験に合格。うち十四人が県内の弁護士になるなど、地域の法曹人材養成に貢献してきた。六年前から入学者の定員割れが続き、ここ三年は定員二十人の半数を割り込んでいた。司法試験の合格率も全国平均を大きく下回っている。  文科省は九月、全国五十二の法科大学院を五段階で格付けし、静岡大は下から二番目に位置付けられた。来年度から補助金が年間四千万円ほど減額される見通しで、大学院の運営継続がより困難になっていた。  同大の人文社会科学部の法学科は存続し、法律関連の教育研究拠点となる「地域法実務研究センター」(仮称)を一六年度に新設する。島根大など他大学と広域連携し、現在の法科大学院とは別の法曹養成機関の設置も検討する。 "[he-forum 18478] 朝日新聞10/14","朝日新聞2014年10月14日21時51分 大学進学率の地域差、20年で2倍 大都市集中で二極化 岡雄一郎  大都市と地方で高校生の大学進学率の差が広がっている。今春の文部科学省の調査から朝日新聞が算出すると、都道府県別で最上位と最下位の差は40ポイント。20年で2倍になった。家計状況と大学の都市集中が主因とみられる。住む場所の違いで高校生の進路が狭まりかねず、経済支援の充実などを求める意見がある。 ? 家計に負担、遠い大学 地方の生徒「本当は行きたい…」  文科省の学校基本調査(速報値)から、4年制大学に進んだ高卒生の割合を、高校がある都道府県別に算出した。今春は全国で110万1543人が高校(全日・定時・通信制と中等教育学校)を卒業。大学には浪人生を含む59万3596人が入学(帰国子女など除く)。進学率は53・9%だった。  都道府県別では東京の72・5%が最高で、次いで京都(65・4%)、神奈川(64・3%)、兵庫(61・7%)など。最低は鹿児島の32・1%で、低い順に岩手(38・4%)、青森(38・6%)など。40%未満は5県だった。  大都市圏では愛知と大阪が58・1%、福岡52・8%などだった。  進学率は20年前に比べて全都道府県で上昇し、全国平均も32・8%から21・1ポイント伸びた。一方、都道府県別の最大差は広がり、1994年の19・4ポイント(東京=40・8%と沖縄=21・4%)の約2倍になった。  拡大の一因は大都市圏での進学率の急上昇。大学の集中が進み、20年間で東京は32ポイント、京都は27ポイント、神奈川は25ポイント伸びた。今春は南関東と京阪神の全7都府県が上位1~10位に入り、2大都市圏の高い進学率が目立つ。  下位地域は伸びが鈍く、20年間で鹿児島8ポイント、岩手16ポイント、青森17ポイントだった。下位には従来、北海道・東北・九州の道県が並ぶ。上下位地域の固定化と差の拡大で、二極化が進んでいる形だ。  進学率が伸び悩む地域には、県民所得の低い地域も多い。都市部の大学を選ぶ際に、下宿代などがネックとなるケースもある。  「大学進学の機会」の著書がある小林雅之・東京大教授(教育社会学) は「選択は個人の自由だが、能力や意欲のある若者の進路が居住地の環境で限られるのは社会的損失だ。大学整備は専ら私学に依拠し、大都市集中につながっ た。その結果、私学の半数近くが定員割れで苦しむ一方、地方では多くの高校生が望んでも進学できないという矛盾も生じている。家計負担軽減には給付型奨学金の充実が急務。地方の短大や専門学校の活用も有効だ」と話す。(岡雄一郎) "[he-forum 18477] 朝日新聞10/15","朝日新聞 2014年10月15日05時33分 家計に負担、遠い大学 地方の生徒「本当は行きたい…」 岡雄一郎  地域によって広がる大学進学率の差は、能力があるのに進学できないという状況を生んでいる。大学の少ない地域から、大都市圏の大学をめざす高校生を持つ家庭には下宿代などの経済負担がのしかかる。 ? 大学進学率の地域差、20年で2倍  「本当は大学に行きたいんだけど、親から言われたんだよね」。青森県立 の高校で進路指導を担当する50代の男性教諭は今春、3年生の女子生徒が冗談めかした言葉に、切なくなった。提出された進路調査の第1志望欄には「公務 員」。国立大も狙える学力だが、重い費用負担が理由だ。大学生の兄がおり、「妹の学費まで賄えないのだろう」と推し量った。  例年、約300人の3年生全員が進学を志望するが、今年は就職希望者が約20人。同僚と「経済的な理由だろう」と話した。かつて成績上位の生徒に東北大(仙台市)を勧めたら、生徒の親から「金がかかる。余計なこと言わないで」と怒られたこともあった。  隣の秋田県。小中学生の全国学力調査で上位の常連だが、高校生の大学進学率は42%で全国平均(54%)を下回る。「経済状況もあり、単純に『学力調査=進学率』とはいかない」と県教育委員会の担当者は言う。  「進学の機運を高めて、頑張る高校生を応援しよう」と県教委は2010年、東大など難関大学の現役合格者数を数値目標に掲げた県高校総合整備計画を策定。希望する高校生向けに予備校講師による「ハイレベル講座」を開くなどの支援に取り組んでいる。  「大学進学の機会」の著書がある小林雅之・東京大教授(教育社会学)は「地域別の進学率は、家計の経済力や地元の大学数に影響されやすい」と指摘する。  高校生の大学進学率の下位10道県の1人あたりの県民所得(11年度)は、30~40位台だった。全国大学生協連合会の昨秋の調査では、下宿生の生活費(1カ月)は約12万円。自宅通学より平均約6万円多い。家賃が高い大都市での下宿はさらに経済負担が大きい。  自宅から通おうにも地方は大学が少ない。文科省の調査結果によると、大学進学率の下位10道県では今春、地元大学に入学した総数は、各道県の高校卒業生数の10~30%台。高校生に対して、大学の数が少ないことが浮き彫りになった。青森県立高校の男性教諭は「優秀な学生が多い大学に進めば人生がどう広がるか、と夢を描く子が少ない。それは社会的に損失でしょう」と話す。 ■大都市に集中する大学、国が影響  大都市圏では大学の集中が進む。文科省の調査から朝日新聞が算出すると、今春、東京都内の大学に入学した学生は、都内の高校を卒業した生徒数の1・4倍。数字上は地元の高校生が全員進学できる状態だ。京都府も同様。南関東の4都県や大阪と兵庫を含めた3府県に広げても、高校卒業生数に対する地元の大学入学者数の割合は、20年前より大幅に伸びていた。  大学が集中する背景には、大都市圏での大学増設を制限してきた国の方針転換がある。人口集中防止が目的だった「工場等制限法」が02年、規制緩和の一環で撤廃された。大都市圏では国公私立を問わず、高校側の進学熱も高い。  「少子化が進む中、若年人口が多い都市部に大学が集まるのは当然。学生は語学学習や資格取得など将来に備えた学外活動をしやすい都市の大学に目が行く。一方、競争の激化で特色の無い大学の多くが定員割れという事態も生まれている」。駿台予備学校の石原賢一・進学情報センター長はそう話す。  こうした状況の中、政府の教育再生実行会議は7月、職業教育を充実させるために新たな高等教育機関の制度化を提言した。文科省内では、教育内容の高い一部の専門学校を「大学化」し、公費助成の対象とする案も検討されている。文科省幹部は「教育機会の地域均等が望ましく、大学が少ない地域では新増設も選択肢。だが、財政難と少子化の現状で増やすのは簡単ではなく、専門学校の活用も有力な方法だ」と話す。(岡雄一郎) "[he-forum 18482] 朝日新聞社説10/15","朝日新聞社説 (社説)大学奨学金 給付型を導入しよう 朝日新聞社説 2014年10月15日05時00分  奨学金のあり方を大きく見直せないだろうか。  奨学金をもらっている大学生は2人に1人を超えた。大学の授業料が高くなり、親も年収が減って学費を負担しきれなくなっているためだ。  卒業後、未返還の人も増えている。奨学金の9割の額を占める日本学生支援機構の場合、返されていない額は昨年度、過去最高の957億円に上った。景気が低迷し、非正規労働が広がっていることが背景にある。  親が豊かでない生徒が進学の扉を閉ざされれば、貧しさは世代間で連鎖し、格差が広がる。社会全体の問題として、制度の見直しを急がねばならない。  問題なのは、機構の奨学金の主流が、利子をつけて返すタイプになっていることだ。  有利子奨学金が始まったのは30年前で、当初は無利子の補完とされた。それが今や無利子の倍以上の人数に膨らんだ。無利子の基準を満たしても借りられず、有利子に回る学生も多い。  借りた以上に返さなければならない制度が、奨学金の名に値するだろうか。  文部科学省も手を打とうとしている。来年度予算の概算要求では無利子枠を3万人増やし、有利子を1万8千人減らした。だが、それでも有利子が7割近くを占める。無利子への転換をもっと進めるべきだ。  さらに踏み込みたいのは、卒業後、返さなくてよい給付型の導入だ。  機構の奨学金はすべて貸与型、つまり借金になる。その前提は、大卒後すぐ正社員になり、賃金が年々増え、簡単には解雇されないという日本型システムだ。しかし、それはとうに崩れている。先進国で授業料がただでなく、公的な奨学金で給付型がないのは日本くらいだ。  給付型の新設は財政難の折、ハードルが高い。ならば、たとえば企業の支援を得て基金をつくってはどうか。国はグローバル人材を育てようと官民一体の留学支援制度を今年度から始めた。100近い企業や団体から寄付を募り、返済不要の奨学金などに充てている。  奨学金で多様な背景を持つ人々が学びやすくなれば、イノベーションが起きやすくなる。産業界にとっても有益だろう。  GDPに占める教育機関への公的支出の割合をみると、日本はかなり低い。先進国を中心に34カ国でつくる経済協力開発機構(OECD)のなかで、日本は5年連続で最下位だった。  若者が希望を持てない国に将来はない。未来への投資に力を入れるべきだ。 "[he-forum 18484] しんぶん赤旗10/16主張","しんぶん赤旗 2014年10月16日(木) 主張 奨学金の改革提言 学生が安心して使えるように  学生の奨学金は本来、若者の夢と希望を後押しするものです。ところが、奨学金をめぐる状況は、かつてとは大きく様変わりし、“返済”をめぐって若者の人生を狂わせる事態となっています。  日本共産党は、政策提言「学生が安心して使える奨学金に」を発表しました。「ぜひ実現させてほしい。私も現在進行形で返済が苦しいけど、自分の子どもにこんな苦労させたくない」など、反響が広がっています。 「借りたくても我慢」  現在、奨学金の1人あたりの平均貸与額は300万円で、800万円、1000万円という学生や大学院生も少なくありません。利子つきの奨学金が多数で、かつてのように教員になれば返還が免除されるといった措置もなく、そのまま“借金”となっています。  さらに、若者にとって卒業後の雇用と収入は不安定で、大学を卒業しても3分の1以上が年収300万円以下となっています。そうしたなかで奨学金という“借金”が返済できなくなる若者も生まれ、8人に1人が滞納や返済猶予となっています。  異常な高学費とともに、家計収入が伸びないなかで、奨学金に頼らざるを得ない若者は増え続け、いまや学生の約半数が奨学金を借りています。こうし たもと、多くの学生から奨学金返済への不安が出され、「借りたくても我慢する」学生が増えています。奨学金は学生生活をおびやかしている最大の不安の一つ となっているのです。  政府は奨学金ニーズの高まりに、有利子奨学金を拡大するという“教育ローン化”をすすめてきました。「無利子奨学金の補完措置」であった有利子奨学金がいまや貸与額の75%に達しています。  奨学金は金融商品である「教育ローン」であってはならず、所得や資産もない学生に借金を背負わせて利子を取り立てる「ローン」の対象にすること自体が間違っていると言わざるを得ません。  奨学金をめぐっては、文部科学省が設置した検討会も、「奨学金の返還の不安を軽減していくことが重要」「奨学金制度も…進化していく必要がある」と提言しており、改革が急がれています。  この問題に、実際に奨学金返済への不安と負担を軽減し、教育の機会均等を保障するにふさわしい制度への改革の方策を示したのが日本共産党の政策提 言です。政策提言は、(1)学生の有利子奨学金を無利子に、(2)奨学金返済が若者の生活を追い詰めないように返済方法を改善する、(3)返済の必要がな い給付奨学金をただちに創設する―という三つの柱からなっています。これらの一つ一つを実現することが、学生の現在と未来に希望を届けるものになります。 国際水準の高等教育に  もともと日本の教育への公的支出は、経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかでも最下位であり、日本の大学教育は家計の負担で支えられてきまし た。それももう限界です。政府は、2012年にようやく国際人権規約の「高等教育への漸進的無償化」条項を受け入れました。学費を値下げする方向に踏み出 し、奨学金制度を拡充することは国の責任です。  日本共産党は、学生、高校生、教育関係者や国民の方々と力を合わせ、安心して使える奨学金を実現するために奮闘する決意です。 "[he-forum 18483] JBpress10/10","JBpress 2014.10.10(金) 今年のノーベル物理学賞で最も重要なこと20年後同じように日本の基礎研究は輝いているか 伊東 乾 前回ベルリンからノーベル医学・生理学賞の業績について、思うところを静かにお送りしたのですが、翌日になって「日本人の」ノーベル物理学賞、国内は打って変わってお祭り騒ぎの様子です。化学賞まで出揃い、今年のサイエンス3賞の全貌が見えました。  日本の報道の「日本人受賞」「日本人は受賞を逸す」といった無内容な報道、正直、何とかならないかと思います。知的発展途上国と自ら宣言しているようなもので、率直に恥ずかしい代物です。  が、それで世間が反応し、受けるからとメディアもそれを続け、いつまでもそういうレベルにとどまる悪循環、そろそろ何とかしてもいいのではないかと思います。  本年度のノーベル物理学賞は、すでに周知のように赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏が受賞しました。メディアは(前日「期待」が外れた?医学生理学賞のときとは打って変わって)「日本人への受賞」とお祭り騒ぎモードに一転している様子です。  が、そもそも中村修二さんはすでに日本人ではなく「日系アメリカ人」としてノーベル委員会も名を挙げているし、国際世論もそのように、つまり今年はアメリカ人と日本人が物理学賞を分け合った、と見ている。  小さなお国自慢ではなく、ここではもう少し違う観点から本年度ノーベル物理学賞を授与された業績関連で少しお話してみたいと思います。 評価の焦点は何か?  まず第1に、ノーベル委員会が評価している「受賞理由」と、日本国内でお祭り騒ぎしているポイントとは、少しずれているような気がします。  国内の報道を見るに「青い光を点した」とか「LED(発光ダイオード)で三原色が揃い、応用に圧倒的な可能性が開かれた、圧倒的な市場シェアといった「美点」が強調されたものも見ました。 が、ノーべル委員会は決してそんなことを受賞理由に挙げていません。  委員会が評価しているのは「低消費電力の灯り」の開発による、地球全体規模での省電力への貢献です。  普通の白熱灯であれば40日程度しか持たなかったものが、蛍光灯の発明は電球の寿命を400日ほどに延ばした。それがLEDによって4000日まで伸びた。  今までたかだか1年前後の寿命であった蛍光灯の灯りが10年規模まで延長され、かつ消費電力は激減した。この低消費電力であれば、発展途上国の再生可能電力源も十分に支えることができる。  かたや日本の産業界は「原発をフル稼働させないと我が国の産業界は危うい」と言い、あまり思考能力がついているとは思えない陣笠がそれに追随した りしていますが、ノーベル委員会は同じ光量を得ながら消費電力は著しく少なくてすむ発光ダイオードの発明を、グローバルな省エネルギーの観点から高く評価 している。  こういう、品位ある「技術の見立て」を、社会全体ができるようになってこそ、成熟した先進国、国際社会をリードする見識というべきでしょう。  「世界一の製品を作った」から、ノーベル賞が出るわけではない。仮に市場の圧倒的なシェアが取れれば、すでにそれで社会経済的には十分報われているわけですから、今さらノーベル賞を与える意味も理由も動機も存在しない。  何だか分からないけど先端技術の「ものすごい賞」みたいな、情けない捉え方をメディアまでがするというのは、どうかご勘弁いただきたいというのが正直なところです。 今日のノーベル賞はバブル期の遺産  赤碕先生が青色発光ダイオードの発振に成功したのは1989年のことでした。松下電器産業の研究所から名古屋大学に移られ、1980年代に取り組 んだ窒化ガリウムの結晶化と最初のLED発光。赤崎さんはこの時点ですでに60歳、積年の仕事の総決算という意味合いもあったのではないでしょうか。  この初期から学生、助手、講師、助教授そして現在は後継者の教授として、常に若い力を奮ってこられたのが、当初は20代、現在50代の天野さんという形かと思います。  中村さんの仕事は商品化可能な高輝度青色発光の発振(1993)が喧伝されますが、単に「青が光りました」というだけでなく、赤青緑の三原色が揃 うことで白色光の発光ダイオードが商品化される経緯、また並行するレーザー発振技術の進展にも大きく貢献しておられると思います。  こうした周辺については他の解説がより細かく裏を取って報じられると思いますので、別の話を記しましょう。  1980年代、天野さんは学生、大学院生として、50代の赤崎教授指導のもと、この研究に手を染めたのだと思います。実は私もこの当時、理学部物 理学科の学生でしたので、新デバイスの動向は日常的に耳にしており、大学4年時の卒業研究では商品化されたばかりの新しいレーザーダイオードを使って仕事 をしました。  私が与えられたテーマは、素粒子実験で用いる「光電子増倍管」日本語では「フォトマル」と呼ばれていますが、これが正常に動作しているかを確認、調整する「較正システム」作りでした。  指導教官の山本祐靖教授(東京大学・上智大学名誉教授)は赤崎先生と同世代、実際に指導していただいた岸田一隆さん(現・理化学研究所)はその助手で天野さんと同世代で、等身大の開発の空気が思い浮かぶ気がします。  LEDやレーザーと、白熱灯や蛍光灯の光の最大の違いは「素性の良さ」にあります。分子レベルで波長が厳密に決まった、単色性の良い光。レーザー はさらに位相が揃った光が大出力で発振可能なので「破壊力」を持ち得、私が子供の頃はウルトラマンなどが「レーザー光線」的な兵器を駆使して活躍していま したが、現実にも「レーザーメス」などが実用化されています。  私自身が担当した仕事は、素粒子実験で検出器として用いられる「フォトマル」に、素性のよく分かったレーザーの光を入れることで、きちっと動いて いるかを確認する装置の試作と動作確認というもので、非常に地味なテーマでもありましたが、流行ものにも目を配ってのテーマ設定でもありました。  おりしも青色発光ダイオードの発光成功が報じられ、新しいデバイスがあれば、何でもフルに使い倒そうというのは物理屋の発想ですから、ある意味ミーハーに、貪欲に、新技術の動向について研究室の「お茶の時間」に雑談を交わしたものでした。  が、こうした自由闊達な仕事が可能だったのは1980~90年代前半あたりまで、バブル期ならではのことだったようにも思います。  実際「平成構造不況」などと言われるようになって以降、日本の大学がどれくらい、オーソドックスな基礎研究誕生の舞台として充実しているか、定かではありません。さらにはSTAP詐欺で露呈したように、おかしな「基礎研究利権」などもとぐろを巻くようになってしまった。  今出ているノーベル賞は多くが20~30年前の成果が評価されているもの。逆に言えば2030年、2040年代に「日本発」(あえて日本人とかつ まらないことは言いません、日本を舞台にインド人、エジプト人が仕事しても業績は業績です)の基礎業績がどれくらいあるか、未来に責任を持っているのは、 現在の私たち自身にほかなりません。 オーソドックスな問題設定  さて、この種の話題では毎回同じことを記しますが、不易流行の骨法なのでここでも再び焦点を当ててみたいと思います。「業績」というのは「ターゲット」と「方法」の2つがきちんとしているとき、初めて大きな果実を生み出します。  例えば素粒子実験でも、これが確認できれば大業績、というテ-マ、ターゲットは山のようにあります。が、それをどうすれば確実に実現できるか、という方法については、現実的技術的な問題がうずたかく積み上がっている。  これ、科学でも技術でも、いろいろ言えることですよね。  「タイムマシン」とか「不老長寿の薬」みたいなごちゃ混ぜの「ターゲット」では、そもそも原理的に実現不可能なものも多いわけですが、「電球や蛍 光灯ではなく半導体素子を用いて発光、ないしレーザー発振ができれば、様々な利点がある」という問題設定は、「真空管ではなくダイオードやトランジスタを 用いて回路を組めば、様々な利点がある」という問題設定の光量子エレクトロニクス版で、古くは1900年代初頭から、少なくとも第2次世界大戦中には十分 に現実的な開発課題になっていたものにほかなりません。  特に第2次世界大戦末期、コンピューターの実用化にめどが立つと、スイッチング素子の固体化は至上命題になってきます。  例えば航続時間8時間の爆撃機や巡航ミサイルをコンピューター制御したいのに、その電子頭脳であるコンピューターが真空管でできていて、30分に1個は球が切れる、では兵器として使い物にはなりません。  第2次世界大戦直後、AT&Tベル研究所でトランジスタが実用化される背景には軍事的必然性がありました。事実、固体素子を用い長時間安 定した電子制御が可能になって、急速に大陸間巡航ミサイル網は充実、いわゆる「冷戦」期を確実に準備した基盤技術の1つがダイオードなどの「固体スイッチ ング素子」にほかなりません。  これとほぼ同様のことを、私たちはつい最近、日本の交通信号機で経験しています。ほんの少し前まで、信号の灯りは電球が取りつけられていました。 それが現在ではLEDに改められた。ちなみにこの原稿はアムステルダムで書いていますが、欧州ではまだ電球の信号機を目にします。  最初に書いた通り、電球の寿命はLEDとは比較にならないほど短い。と言うことは、かつては信号の電気の球も、頻繁に交換していたに違いないのですが、そういう風景をあまり多く目にした記憶がありません。  ともあれ、信号燈にLEDを用いれば「灯りの交換頻度」は100分の1程度で済み、経費も安く、また交換のたびごとに交通を遮断する必要などもなくなります。単に素子の寿命という以上の大きな意味がある。  真空管コンピューターで大陸間弾道弾が制御できなかったように、部品の寿命やスペック1つでシステム全体の成否が分かれることは珍しい現象ではありません。  そういう大本の問題意識に端を発した、基礎的な研究としても「発光LED」の業績は深く斟酌すべきものと思います。 白色LEDを用いた海中集魚灯  2005年の夏、私は中村修二さんの在籍する米カリフォルニア大学サンタバーバラ校に2週間ほど滞在したことがありました。地球持続性=グローバ ル・サステナビリティに関する国際プログラムに大学の派遣で参加したものでしたが、そこで中村さんのプロジェクトの1つをつぶさに見る機会がありました。 その話を最後に記したいと思います。  知った当初は意外に思ったのですが、そのプロジェクトは「海洋技術開発」の部署が担当していました。  グローバル・サステナビリティつまり地球環境維持の問題で海洋技術開発、はよく分かるのですが、そこに中村修二氏と発光ダイオードとはなぜでしょうか。このとき中村氏は不在でお目にかかることはありませんでしたが、担当者の話を聞き、即座に納得がいきました。  彼らが開発していたのは「白色発光ダイオードを用いた海中集魚灯」の開発と、実際の漁労での試験応用などの実験だったのです。  海の中というのは過酷な状況です。そもそも周りは塩水だらけ。水圧もかかります。そういう環境化、長寿命で高品位な発光ダイオードを開発できれば、それ自体が地上での使用に当たって高スペック商品として競争力を持つ。  海中集魚灯は大規模な網を使った漁業で、毎回多数の集魚灯を使うそうですが、その電球と電池の交換頻度はそのまま人件費に跳ね返ってくる。また逆 に海中集魚灯市場は小さなものでなく、すべてがLED商品になれば大きな売り上げも立つ・・・といったビジネスライクな話とともに、UCSBの担当者は 「海中廃熱」について言及しました。  「白熱灯を用いた海中集魚灯とLEDとで、率直にいって漁獲率に違いはない。コストは大幅に安くなる。しかしそれ以上に重要なのは環境への影響 だ。白熱灯は膨大な廃熱を海中に捨てているので、それがたび重なった時、海中の生態系にどういう変化があるか、その影響を私たちはまだ知らない。がLED に置き換えれば、廃熱は無視できるほど小さくなるので、直接的な漁労以上に生態系に与える影響はミニマムに押さえられる。このエコロジーの観点こそが、私 たちが白色LED集魚灯を重視するゆえんなのです・・・」  ざっとこんな話をされ、その精緻な理論構成に感心したものでした。印象深かったのは、こうしたイノベーションの推進をUCSBつまりカリフォルニア大学サンタバーバラ校自体が率先して行っていたことです。  私は東京大学の代表者としてこれに参加していましたが、日本の大学でこうしたことがきちっと取り組まれるには、根本的な体質改善が必須不可欠と思わざるを得なかった。  それは、約10年を経た2014年の日本でも、あまり変わりがないのではないか?とも思うのです。  この話をJBpressに書くつもり、とツイッターに記したところ、徳島県がLED集魚灯について調査していると情報を寄せてくださる方がありました。ありがたく使わせていただきたく思います。  2010年の日付ですので私がサンタバーバラに行った5年後、徳島県ということから日亜化学工業の地元で中村さんと点と線でつながるように思いま すが、ここでは「省エネ」とか経費が安いとか電球の交換頻度といったことに一通り触れるとともに、サンタバーバラで最も誇らしげに語られていた、 「白熱灯で懸念される海洋環境に与える負荷:廃熱が少ない」  という点には全く触れられていません。この欠如と、今現在メディアに出ている「日本人がノーベル物理学賞」で報道される内容(で抜け落ちている 「環境への配慮」)、あつらえたように一致しているわけですが、まさにそここそが、ノーベル委員会が今回の受賞理由として明記している最大のポイントに なっていることに、気づかない人が多いことを懸念しています。  当然評価されるべき仕事がノーベル賞を得た。関係者には心からお祝いをお伝えするとともに、何が評価され、また特に若い世代の人、日本社会はここから何を学ぶべきか、については、十分考える余地があると思う次第です。 "[he-forum 18485] 朝日新聞10/16","朝日新聞 2014年10月16日11時04分 「雇用を守って」北星学園大OB有志が要請  慰安婦問題の記事を書いた元朝日新聞記者が非常勤講師を務める北星学園大に脅迫文が送りつけられるなどした事件で、同大の卒業生らの有志が15日、元記者の雇用を守ることなどを同大に要請した。  要請したのは「北星学園大学の自治と学問の自由を守ることを求める同窓生有志の会」。10月以降、卒業生らに呼びかけて集めた102人分の署名入りの要請文を手渡した。有志の会の呼びかけ人の一人の木村俊二さんは「今後も卒業生らに呼びかけて署名を集め、大学へ届けたい」と述べた。= "[he-forum 18487] 東京新聞社説10/16","東京新聞社説 2014年10月16日付 大学中退 粗悪な学びの“安全網”  意欲や能力はあるのに、お金がないばかりに大学を中退する。そんな憂き目に遭う若者が多い。教育格差は貧富の差を広げ、世代を超えて連鎖する。高等教育の無償化をもっと真剣に考えるべきだ。  青色発光ダイオードの発明でノーベル物理学賞に決まった赤崎勇名城大終身教授ら三人は、信念を貫くことの大切さを口々に説く。だが、貧しい若者はその機会さえ奪われてしまっている。  文部科学省調査では、二〇一二年度の大学や短大などの中途退学者は七万九千人。このうち20%は経済的な理由だった。転学、就職に次ぐ三番目の割合だった前回の〇七年度調査より6ポイント余り増え、最多に躍り出た。  休学者は六万七千人。経済的理由は16%で病気やけがの割合を上回り、やはり最も多くなった。  景気が芳しくなく、家計は細りがちなのに、学費は値上がる一方だ。子どもの学生生活を支え切れない家庭が増えて当然だろう。国の奨学金制度や大学の授業料減免枠の思い切った拡充が急務だ。  苦しい家計を助けようと就職を優先する。学資稼ぎのアルバイトに追われて学業不振に陥る。そうして中退や休学を余儀なくされる学生も少なくない。  労働政策研究・研修機構が三年前に東京都内の二十代を調べたら、大学中退者の二人に一人は一貫して非正規雇用の身だった。無職も一割半を占めていた。  不安定で低賃金の仕事にしか就けないのでは、結婚や出産もためらわれるに違いない。生活保護費や失業手当が膨らめば、社会にとっても大きな損失になる。  問題なのは、国の奨学金だ。貸与型のみで、返済不要の給付型がない。しかも、無利子より有利子の貸出枠の方が大きく、大学進学を諦めたり、卒業後の返済に行き詰まったりする若者が大勢いる。  収入の多寡に応じ、毎月の返還額を柔軟に変えられる仕組みも検討されてはいる。だが、借金を背負って社会に出ることに違いはなく、人生設計の足かせになる。  多くの先進国では大学授業料が無償だったり、公的な給付型奨学金が出たりする。ノルウェーやフィンランドなど北欧諸国はよく知られる。日本も家庭の財布への依存度を引き下げるべきだ。  目先の経済成長にとらわれ、次世代への投資を怠っては未来は開けない。高等教育の無償化は、教育基本法や子どもの貧困対策法の要請であるだけでなく、国際人権規約に基づく国際公約でもある。 "[he-forum 18486] 河北新報社説10/18","河北新報社説 2014年10月16日付 大学中退/経済的理由の増加に対策を  若者の歩みを支えられないほど、今の世の中はゆとりをなくしているのかもしれない。  大学や短大の中途退学者が全体の2.7%に当たる約8万人に上り、うち経済的理由による中退が20.4%で最多になったことが分かった。文部科学省が2012年度の中退者について実態を調べた結果だ。  前回07年度の調査では、転学14.9%、就職14.4%、経済的理由14.0%、学業不振12.7%の順だった。  12年度は転学15.4%、学業不振14.5%、就職13.4%で、20%を超えてトップになった経済的理由の伸びが際だつ。  中退の理由は複合的で実際には一つに絞りきれないと思われるが、回答は学生本人ではなく大学側によるものだ。結果はキャンパスの実情、大学側の実感を映していると考えていい。  「経済格差が広がり、家計から学生への支出総額が年々減っている」と文科省も分析するように、長い景気低迷を反映して学生や学生を支える家計の窮状が進んだことが背景にある。  東京地区私立大学教職員組合連合の13年度調査によると、首都圏の私立大に入学した下宿生に対する仕送り額は13年連続で減少し、過去最低を更新した。  全国大学生活協同組合連合会の調査でも、13年の下宿生への仕送り額はピークの1998年と比べて約29%も減った。  アルバイトなどで補うにも講義の出席管理が厳しくなり、昔のように思うように時間を割けない事情があるという。アルバイトに懸命になるあまり学業がおろそかになり、悪循環に陥るケースもあるようだ。  学費を含めれば年間200万円にもなる必要額を継続して手当てするために、家計も学生も四苦八苦の状況を強いられてきたのが、この間の経済状況だった。中退理由の変化が厳しさをそのまま表している。  経済的苦境を緩和する支えとして公的な奨学金制度があるものの、十分な「安心」の仕組みとは評価されていない。  受給率は今や2人に1人の高率に達しているが、貸与型で7割が有利子貸し付けという現在の奨学金制度では、卒業後の返済が重荷になっている。  低賃金の非正規雇用も増加しており、返済の手当てがつかない卒業生も少なくない。将来の暮らしへの影響も含めて、不安なまま奨学金に頼っているのが現状で、支えとしては貧弱だ。  文科省は、卒業後の所得の変化に応じて返済額を調整するなどの改善に取り組むとしているが、返済猶予や免除の拡大までは踏み込んでいない。有利子から無利子への全面転換、さらには返済不要の給付型奨学金の導入といった抜本的な見直しが欠かせなくなっている。  中退者だけでなく、経済的理由から大学進学を断念する若者も増えているに違いない。  貧困層の拡大が懸念される中で、政府は中退者の調査結果を重い指標と受け止め、奨学金制度の拡充をはじめとした支援策に早急に取り組む必要がある。 "[he-forum 18488] 信濃毎日 10月17日","http://www.shinmai.co.jp/news/20141017/KT141016ETI090010000.php 10月17日(金) 社説 共謀罪 心の動きに捜査が及ぶ  実行しなくても秘密を得ようと話し合っただけで処罰の対象になる。それが特 定秘密保護法の罰則に入り込んでいる共謀罪だ。  政府は先日、法の運用基準を閣議決定した。ただ、罰則は基準の対象外。昨 年12月の法成立時から何も変わっていない。  再来月に施行されれば、「合意」という人の心の中まで取り締まりの対象に なる。戦前の治安維持法のように思想信条の自由を侵しかねない重大な危険をは らむ。  日本の刑事法は治安維持法時代の反省から、犯罪の実行行為があって初めて 罰することを原則としている。「共謀共同正犯」として罪に問う判例があるが、 これも実行者がいて初めて、共謀者に同じ刑事責任を負わせるものだ。  秘密法の共謀罪は誰一人実行していなくても、準備さえしていなくても、合 意があった時点で成立する。暗黙の了解も合意に含まれるとされる。捜査の手は 心の動きに及ぶ。  実行されてもいないことをどうやって取り締まるのか。考えられるのは密告 と盗聴だ。  密告については、促す仕掛けが法に施されている。共謀で自首した場合、 「刑を減軽し、または免除する」との規定だ。刑の免除を条件に1人を自首させ れば、残りの者を一網打尽にできる。  盗聴については、秘密法と軌を一にして進んだ動きがある。法相の諮問機 関、法制審議会が先月、新たな捜査手法導入のための法改正要綱を答申した。  法制審の特別部会はもともと、冤罪(えんざい)防止を主目的に議論を始め た。有効な方法として取り調べの録音・録画(可視化)が提案されたが、捜査機 関側が「供述を得にくくなる」と抵抗した。  結局、全事件の3%に満たない裁判員裁判の対象事件などに限って可視化を 認める代わりに、通信傍受法の対象を拡大するなど捜査側に有利な手法を盛り込 むことになった。  通信傍受法は捜査で電話の盗聴やファクス、メールの閲覧を認める法律だ。 これまでは薬物など4類型の犯罪に限ってきたが、今回の答申では殺人や詐欺、 窃盗など9類型を追加。NTTなど通信事業者の立ち会いも不要とした。  法務省は答申を基に来年の通常国会に法改正案を提出する方針だ。秘密法が 施行されれば、共謀罪も通信傍受の対象に加えられる懸念が強まる。 "[he-forum 18490] 岩手日報10/18","岩手日報 2014年10月18日付 大学院に「地域創生専攻」を新設 岩手大が再編構想  岩手大の西谷泰昭副学長は17日、同大が2016年度実施に向け検討している教育研究組織の大規模再編の構想概要を明らかにした。統合を計画する大学院修士課程に地域課題解決を目的とした文理融合型の「地域創生専攻(仮称)」を新設。英語教育の推進や留学支援などのグローバル教育センターの新設、生命・生物系など先端研究分野のセンター化の考えも示した。  同大の機能強化の柱として▽震災復興、地域創生▽グローバル人材育成▽イノベーション創出-の3点を挙げ、再編構想に言及した。  「文部科学省と話し合いを進めている」と、構想段階であることを前置きした上で▽農学部と大学院に水産系教育研究組織を新設▽工学分野に理学系分野を追加し、理工学部並びに大学院総合科学研究科理工学専攻への改組▽6次産業化を目指した農学部の再編▽留学を促す4学期制の導入-などを提示した。 "[he-forum 18489] しんぶん赤旗10/18","しんぶん赤旗 2014年10月18日付 無利子化と給付制を 奨学金 宮本氏、政府に迫る 衆院文科委  日本共産党の宮本岳志議員は17日の衆院文部科学委員会で、党の政策提言「学生が安心して使える奨学金に――奨学金返済への不安と負担を軽減するために」を示し、有利子奨学金の無利子化と給付制奨学金の創設を政府に求めました。  宮本氏は、下村博文文科相が近著や10日の同委員会で「2020年のビジョン」として「家庭の経済状況や発達の状況などにかかわらず、意欲と能力のあるすべての子供・若者が質の高い教育を受けることができる社会の実現」に触れていることを指摘。奨学金を借りると学部平均で300万円、大学院博士課程まで進学すれば1000万円もの借金を背負って社会人のスタートを切ることになる現状について、認識をただしました。下村氏は、奨学金返済が「大きな重みになっている」と表明。「年間1000億円程度の予算で有利子奨学金の利子分を負担し、全員に無利子化が実現できる」との追及には、明確な答弁を避けました。  宮本氏は、来年度予算の概算要求に「給付制奨学金」を盛り込んでいないことを批判。文科省が導入を検討する「より柔軟な所得連動返還型奨学金」についても、「年収300万円以下は返済猶予」という現行制度を踏まえて、年収300万円以下の層から無理に返済させることがないよう求めました。 "[he-forum 18491] 沖縄タイムス10/21","沖縄タイムス 2014年10月21日付 宮古・八重山出身学生に奨学金 沖縄大  沖縄大学(仲地博学長)が宮古・八重山地区出身学生への給付型奨学金を創設したことが、20日までに分かった。離島出身者の経済的負担を減らすことが目的で、2015年度からの給付に向け準備を進めている。沖大の担当者は「離島出身者に特化した奨学金は、恐らく県内大学で初めてではないか」と話している。  宮古・八重山地区出身者のうち、経済的理由で修学が困難な学生が対象。給付額は授業料半額相当の35万円。返済の必要はない。企業や個人から寄付を募り、集まった資金で給付人数を決める。  沖縄宮古郷友会連合会、在沖八重山郷友会連合会が協力し、沖大後援会、宮古・八重山出身の卒業生が中心となって企業や個人に寄付を呼び掛けている。  仲地学長は「経済的理由などから、離島の学生は本島より大学進学率が低い傾向がある。経済的な心配をしないで進学できるようにと創設した」と説明。  竹富町出身で在沖八重山郷友会連合会の入川博明会長は「離島出身者の中には、資金面から進学を諦めたり、せっかく進学しても学資が続かなかったりする学生もいる。彼らにとって大きな支えになる」と期待した。問い合わせは同大企画総務課、電話098(832)2910。(西江千尋) "[he-forum 18492] 時事通信10/22","時事通信 2014年10月22日20時30分 3割を改革経費に=国立大交付金配分ルール見直し-財務省  財務省は22日、教育研究に必要な経費を国が国立大学法人に支給する一般運営費交付金の配分ルールを見直す方針を固めた。同交付金の約3割を「改革経費」と位置付け、新たな評価に基づき配分する。取り組みが優れた大学に交付金を重点配分するのが狙い。27日に開く予定の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)にたたき台を示す。  財務省が見直しを検討しているのは、国立大学法人運営費交付金(2014年度予算1兆1123億円)のうち教員らの人件費などに充てている一般運営費交付金(同9130億円)。現在は教員数などに応じ一律に配分されている。  改革の具体案は、国立大学を3グループに分類し、複数の指標に基づき評価。「世界最高の教育研究の拠点を目指す大学群」は、研究論文の数、招聘(しょうへい)した外国人研究者数などの指標を重視。「全国的な教育研究拠点を目指す大学群」はアジアを引っ張る技術者の養成状況などを、「地域活性化の中核的拠点を目指す大学群」は地域への人材供給などを評価指標に挙げている。  文部科学省は13年11月に発表した「国立大学改革プラン」で運営費交付金の配分に、改革への取り組みに応じ、めりはりを利かせる方針を示している。財務省案の新たな大学評価システムは、これを後押しするものだ。(2014/10/22-20:30) "[he-forum 18493] 北海道新聞10/26","北海道新聞 2014年10月26日付 密室の決定「自治脅かす」 道教大・学長選の教職員投票廃止 強まる学長色、根強い反発  北海道教育大の学長選考会議が決めた、学長を選ぶ際の教職員による「意向投票」の廃止をめぐり、同大教職員の間には「大学の自治を脅かすものだ」との反発が根強い。同会議は非公開で開かれ、教職員の傍聴も認められていない。27日に開く同会議で関連規約の変更が行われる予定だが、大学の重大事を決める議論が「密室」で行われることへの不満が強い。  関係者によると、道教大の意向投票は教員や係長以上の職員ら約500人が投票権を持つ。廃止を決めた6日の学長選考会議では開会に先立ち、教授51人が連名で制度の存続を求める要請文を提出。「大学を構成する教職員の論議の上で運営するのが『大学の自治』の本質」と、廃止反対を訴えた。しかし会議では学外委員を中心に「選考会議が主体的に選ぶべきだ」との議論が行われ、投票存続の主張は多数決で退けられた。  国立大学の学長選考は、国家権力など学外の干渉を受けずに教育・研究を行う「学問の自由」を保障するため、学内の教職員による投票で選ぶ形が続けられてきた。  ただ、道教大はこれまでも意向投票結果と異なる学長が選ばれた経緯がある。11年の学長選で選考会議は、意向投票で2位にとどまった本間謙二学長を「意向投票の結果や、立候補者との面接などを踏まえた」として再任。05年と13年には投票そのものを行わずに学長を再々任した。複数の教員が「就任に至った経緯や選考の理由の説明を受けていない」と憤りを語る。  学長選考の過程は非公開で進められ、議論の中身は教職員すら知らされていない。取材に対しても同大は「一切答えられない」と繰り返す。 "[he-forum 18494] 共同通信10/27","共同通信 2014年10月27日13時51分 国立大学交付金、成果で配分 財務省案、統廃合も  財務省は27日、財政制度等審議会の分科会を開き、国立大学に配る運営費交付金の改革案を示した。交付金の3割程度を「改革経費」とし、論文数や若手登用といった指標で成果を評価し配分する仕組みに見直す。文部科学省と協議し、2015年度の導入を目指す。  成果を上げている大学に重点配分する一方、不十分な大学は減額されるため、競争原理が働いて大学の統廃合につながる可能性がある。  運営費交付金は14年度予算で1兆1123億円を計上しているが、大部分が教員や学生数に応じて配分されるため、各大学の取り組みや改革姿勢が反映されにくい。 "[he-forum 18501] 産経新聞11/3","産経新聞 2014年11月3日付 寄付にも期待、阪大で初の「保護者の集い」…国の交付金減り“親の財布”頼み  大阪大の豊中キャンパス(大阪府豊中市)で2日、1回生の保護者向けに、大学の教育内容や財務状況を説明する「保護者の集い」が開かれた。私大では多い保護者向け説明会だが、阪大では初の試み。定員の約1・6倍の保護者が応募するほどの親の教育過熱ぶりに乗って、大学が期待するのは、“親の財布”からもたらされる寄付金だ。  「みなさま方のご子息とともに、阪大を世界トップ10に入る大学に押し上げる夢をかなえたい。ご家族も応援いただきたい」  学園祭「まちかね祭」が開催中の同キャンパス。大学会館講堂を埋めた500人の保護者に、平野俊夫総長が呼びかけた。初回となる今回は、820人の応募から先着順で約500人が選ばれた。中には、1人の学生に対し、両親に加えて祖父や兄弟などまで4~5人が駆けつけたケースもあったという。  平野総長は阪大の原点である緒方洪庵の私塾「適塾」からの歴史や、世界の大学ランキングなどの概要を説明。続いて3人の副学長がそれぞれ、教育内容、財務状況、入学後1年半で受ける教養教育などについて詳しく説明し、質疑応答も受け付けた。  なかでも強調されたのが、平成43(2031)年の創立100周年に、100億円の蓄積を目指す「未来基金」への協力だ。これまで約30億円の寄付があり、大学側は学業優秀者の顕彰や海外留学費用の援助などに使い、今後も人材育成を進めたい-と訴えた。  親をターゲットに据えるのには事情がある。学部生約1万5千人と、国内の国立大では最大規模を誇る阪大だが、16年度に国立大が法人化されて以降、国からの一般運営費交付金は19年度の約403億円を最高額に、26年度は約384億円にまで減少している。  父母からの寄付は集いを開いたねらいの中の1つ、と教育担当の東島清副学長も認める。「海外の大学の例で最も多いのがOBで、次いで父母。父母は現実的なので、子供がどのような利益を受けるかを重視する」と話しており、子供が学生生活をどう送っているか、保護者に説明することも重要なポイントになってきているという。  初の試みだが、父母の評判も上々。長女が外国語学部で学ぶ松江市の男性(49)は「娘からは学部や友人関係の話などしか聞かないので、説明会に出て、大学の全体像がよくわかった。必要なら寄付したい気持ちも出てきた」と話している。 "[he-forum 18500] 読売新聞長崎11/1","読売新聞長崎版 2014年11月1日付 長崎大大学院に新研究科 保健医療の世界的人材養成  長崎大は31日、文部科学省に設置計画を提出していた大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科(修士課程)について、29日付で設置認可を受けたと発表した。来年4月の開設、10月の学生受け入れを目指す。  同研究科は、疾病や保健医療の世界的課題を解決する人材を養成することを目的に設置。これまで独立していた熱帯医学コース(熱帯医学)と国際健康開発コース(公衆衛生学)を統合し、新たにヘルスイノベーションコース(医科学)を設ける。3コースの学生は、多くの科目を共通で履修。授業は英語で行われ、ロンドン大衛生・熱帯医学校から2人の講師を迎える。  熱帯医学コースは2年以上の臨床経験を持つ医師が対象。修業年限は1年で定員は12人程度。国際健康開発コースとヘルスイノベーションコースの受験資格は大学を卒業した学士で修業年限は2年。それぞれ募集定員は10人程度と5人程度。同大は「広い視野を持ち、社会のニーズに応えられる人材を育成したい」としている。 "[he-forum 18499] 高知新聞10/31","高知新聞 2014年10月31日付 【高知大新学部】地域の将来担う人材を  少子高齢化などを背景に、多くの地域課題を抱える高知県の地元大学としてどんな人材を育てるのか。県民が注目している。  高知大学では約40年ぶりとなる新学部「地域協働学部」の設置が文部科学省に認可された。来春から1学年60人の学生の受け入れを始める。  「地域協働」を掲げた学部設置は国立大では初めてだ。県内各地に学生が入り、地元住民らと一緒に課題の解決策を探るフィールドワークが大きな特徴となる。  学生は地域実習を通して、課題への理解力や企画立案力を伸ばしていく。そして、地域の素材を生かす起業家の卵や地域再生を担う行政リーダーの育成を目指すという。  課題例として大学は、耕作放棄地の利活用や商店街の活性化、特産品の企画・販売などを挙げている。  ただし、そうした課題は県内の自治体や地元住民が長年取り組んできた難問ばかりだ。一口に地域課題といっても、中山間地なのか人口が集まる高知市に近いエリアなのかといった条件で中身は変わる。  高知大には毎年、県外出身者が多く入学している。まずは県内出身者と一緒に地域の実情を知ってほしい。人と接して話を聞く力。問題を冷静に分析し、対応策を練る知識。地域課題の解決にはさまざまな力が必要だ。  考えたいのは、少子化による「大学全入時代」の地方大学の役割だ。  不況の影響で地元志向が強まっているとはいえ、地域に貢献しない大学では入学者は増えないだろう。国は特色のない国立大の運営費交付金を見直す検討に入っており、国民の多くも貢献を求めている。  高知大も以前から地域や地元企業との関わりを持ってきた。その上で新学部の設置を決めたのは「地域に入り、地域で考え、解決する」人材の育成の必要性を考えたからだという。新学部の基本理念、「キャンパスは地域、テキストは人」にも通じる。  県内では県立大や高知短大なども地域に学生らが入り、さまざまな研究を重ねてきた。県立大には来春、企業と行政、住民を結ぶ新機関ができる。他大学も地域貢献策を模索している。  「地域協働」は、県内の多くの研究者や住民らの知恵を結集してこそ実現する。他大学との連携を深め、将来を担う人材をしっかりと育ててほしい。 "[he-forum 18498] 共同通信10/29","共同通信 2014年10月29日15時57分 会計システムの利用不十分 24の国立大病院で  国立大病院の経営状況を正確に把握する目的で開発、導入された管理会計システム「HOMAS」の運用状況を会計検査院が調べた結果、神戸大や高知大など24の国立大病院で十分に利用されていないことが29日、分かった。24病院が導入に投じた費用は少なくとも計約1億8千万円に上っており、検査院は利用に必要な体制を整備するよう改善を求めた。  検査院によると、HOMASは、診療科や検査部門ごとの原価計算や、損益の要因分析などを可能にしたシステム。「国立大学付属病院長会議」が計約1億3千万円かけて2005年度までに開発し41大学が導入した。 "[he-forum 18497] 中日新聞10/30","中日新聞 2014年10月30日付 名古屋大学新学長に松尾氏 選考委員が承認    名古屋大(名古屋市千種区)は29日、来年3月末に任期満了となる浜口道成学長の後任を決める選考会議を開き、松尾清一・副学長(63)を次期学長に選んだ。松尾氏は20日の学内投票で過半数を得ていた。任期は来年4月からの6年間。  松尾氏は1981年に名大大学院医学研究科を修了。2007年から名大医学部付属病院長を務め、09年から現職。選考を受けて記者会見を開き、「アジアとの交流は名大が日本で圧倒的に強い分野となった。強みを伸ばすことが重要」と浜口学長の取り組みをさらに発展させる意欲を示した。ノーベル賞受賞者が相次いでいることについて「知名度が上がったので、全国から優秀な学生に集まってもらいたい」「若手研究者を支援し、花開くようにしたい」と語った。  選考会議は、外部と内部からそれぞれ10人の計20人が委員で、日本ガイシの柴田昌治相談役が議長を務める。満場一致で松尾氏を次期学長に選んだ。 "[he-forum 18496] 北海道新聞社説11/3","北海道新聞社説 2014年11月3日付 学長の選考 自治揺るがす投票廃止  「大学の自治」が空洞化しかねない。  学長を決めるに当たって、教職員投票を廃止する国立大学が出てきた。道内でも北海道教育大が初めて投票をやめる。これで全国86校中5校になる。  経済界の重鎮や学内外の有識者などで構成される学長選考会議が選考を一手に握る形になる。  法律上、問題はない。しかし、ほとんどの教職員がタッチできない密室でリーダーが決まれば、学内に閉塞(へいそく)感が募らないだろうか。  経営手腕や対外交渉力ばかりが優先されれば、すぐには成果が出せそうにない基礎研究や教員の地位保全が脇に追いやられかねない。道教大には再考を求めたい。  教職員による投票は2004年の国立大学法人化前はほとんどの大学で行われ、最多得票の候補者が学長に選ばれてきた。  法人化後は、学長を最終的に決めて文部科学相に推挙するのは学長選考会議と明確化され、教職員による投票は必ずしも行わなくてもよくなった。  だからといって、一気呵成(かせい)に廃止してよいものか。大学は自治が保障されることによって、学問と教育の自由が守られてきた。  法人化から10年を経てなお、ほとんどの大学が学内投票を行い、その結果を尊重しているのは、教職員が自ら意思を示す投票行為が自治を下支えしているからだ。  今年、大学当局が投票廃止に動いた京大で、教職員が大学の自治を掲げて反発し、廃止を阻止したことは記憶に新しい。  逆に、07年の山形大学長選考では、投票2位の文科事務次官経験者が非公開の選考会議で選ばれ、就任後に選考会議で投票廃止を決めて学内の批判を浴びた。  国立大学に国際競争力や産学協同の開発力がますます求められるようになり、学長に経営手腕や外に開かれた視野が必要とされるようになったのは確かだ。  しかし、大学は利潤や業績を優先する企業とは異なる基本理念で運営されなくてはならない。  そうでなくては、成果主義や効率一辺倒になって、基礎科学や実現に長い時間がかかる研究、社会のあり方を問う文系の学問がますます切り捨てられかねない。  学問を守り発展させるためにも、大学の学長には幅広い見識と教員や研究を大事にする内面を備えた人物が就くべきだ。  そうした学長を決める場が「密室」の選考会議だけでいいわけがない。 "[he-forum 18495] 朝日新聞(高知)10/30","朝日新聞 2014年10月30日03時00分 高知)高知大38年ぶり新学部「地域協働学部」設置認可 長田豊  高知大は29日、新学部「地域協働学部」を来年4月に開設する設置計画が文部科学省から認可を受けたと発表した。高知大としては38年ぶりの新学部設置が決まった。  新学部は定員60人。まちづくりや地域産業、防災などの専任教員の指導を受けながら、4年間継続的に県内各地で実習を続け、起業や商品開発などで地域課題を解決できる人材の育成を目指す。  センター試験も利用して来年2月に実施する一般入試(募集35人)、11月末の推薦入試(同10人)、12月のAO入試(同15人)のすべてで小論文か作文と面接を行う。一般入試の募集要項は11月中旬、ほかは10月30日から配布する。(長田豊)= "[he-forum 18509] 共同通信11/7","共同通信 2014年11月7日 国大協会長に里見東北大学長 任期は来年6月まで  国立大学協会は7日、長野県松本市で総会を開き、東北大の里見進学長を新会長に選出した。松本紘前会長が9月末で京大学長を退任したことに伴うもの。任期は松本前会長の残り任期の来年6月まで。  里見氏は記者会見で、財務省が国立大運営費交付金の3割程度を成果によって傾斜配分するよう求めていることについて、「安定的な交付金で長期展望をもって教育、研究ができる体制を維持すべきだ」と批判した。  また、副会長だった里見氏が会長になったことなどに伴い、副会長に永田恭介・筑波大学長と片峰茂・長崎大学長の2人を新たに選んだ。任期は同じく来年6月まで。 "[he-forum 18508] NHK NEWS web 2014.11.6","http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141106/k10015993751000.html ☆法相「共謀罪」新設の必要性を強調(11/6 NHK) 11月6日 15時18分  上川法務大臣はNHKなどとのインタビューで、テロなどの重大な組織犯罪の計 画の謀議に加わった場合に処罰の対象となる「共謀罪」を新設する関連法案につい て、「国際社会と協調しながら戦うことは重要な課題だ」と述べ、必要性を強調す る一方、提出時期などは慎重に検討する考えを示しました。  この中で上川法務大臣は、テロなどの重大な組織犯罪を実行していなくても、犯 行計画の謀議に加わった場合に処罰の対象となる「共謀罪」を新設する関連法案に ついて、「国際社会と協調しながら組織犯罪と戦うことは重要な課題だ。国連の国 際組織犯罪防止条約の締結に伴う法整備は進めて行く必要がある」と述べ、必要性 を強調しました。  その一方で上川大臣は「思想まで処罰されることになるとか、会社やNGOなど通 常の活動を行っている団体も対象になるといった不安や懸念も踏まえながら、慎重 に検討しているところで、いつ国会に提出するかは未定だ」と述べました。  政府は、国連の国際組織犯罪防止条約の批准に「共謀罪」の新設が必要なことか ら、平成15年以降、国会に関連法案を3回提出していますが、「共謀罪の適用範 囲があいまいだ」といった野党側の反発もあり、いずれも廃案になっています。 "[he-forum 18507] しんぶん赤旗11/7","しんぶん赤旗 2014年11月7日(金) 16時間超す夜勤 2交代病棟 5割超 勤務間隔も短く過酷な実態 看護職員調査 医労連  日本医療労働組合連合会(日本医労連)は6日、看護職員の「2014年度夜勤実態調査」結果を発表しました。「2交代」病棟では5割超の職場で16時間以上の長時間夜勤となり、勤務間隔も短いという過酷な実態が明らかとなりました。  調査結果によれば、8時間以上の長時間勤務となる「2交代」病棟の割合は、過去最高の30%でした。また、「2交代」のうち「16時間以上」の長時間夜勤を実施する病棟は5割超でした。  もっとも短い勤務間隔(勤務から次の勤務の間隔)では、「8時間未満」が54%と最多でした。 法・指針に抵触  さらに、看護師確保法・基本指針に抵触する夜勤日数「月9日以上(2交代に換算すると月4・5回以上)」の勤務実態が広くありました。「3交代」 では、23・9%の看護職員が月9日以上の夜勤があると回答。「2交代」では31%が月4・5回以上と答え、ICU(集中治療室)では過半数が「4・5回 以上」と深刻な実態が浮き彫りとなりました。  国際労働機関(ILО)夜業条約・勧告では「夜業の労働時間は、昼間の労働より短くする」「勤務間隔11時間以上」、ILО看護職員条約・勧告では、労働時間は「1日8時間以内」「時間外含めて12時間以内」「勤務間隔12時間以上」などを定めています。 300万人体制提言  日本医労連は9月、300万人の看護体制を求める提言を発表しています。東京都内で会見した三浦宜子書記長は「日本の現行法では、夜勤交代制労働 の有害性やリスクに対応した規制がありません。患者や利用者の安全性を考えても規制が必要であり、大幅な増員を求めて運動を広げたい」とのべました。  調査時期は14年6月の勤務実績で、452施設で働く看護職員11万2508人らから得た回答を集計したものです。= "[he-forum 18506] 朝日新聞11/7","朝日新聞 2014年11月6日20時02分 看護師の「2交代制」が3割 人手不足で長時間夜勤増加  看護師らの長時間夜勤につながる「2交代制」を採用している病棟が3割に達したと、日本医療労働組合連合会(医労連)が6日発表した。1999年の調査開始以来最も多い数字で、このうち半分以上の病棟で夜勤を含む勤務時間が16時間以上になっていた。  看護師の勤務は1日8時間前後が基本の3交代制が主だったが、人手不足などから2交代制が増えている。調査は医労連が夜勤実態把握のため毎年実 施。全国452施設の3159病棟の看護師ら約10万人を対象に今年6月の勤務実績を調べたところ、2交代制の病棟は30・0%で、99年(6・5%)の 約4・6倍に増えていた。  医労連は「患者の安全や看護師らの健康への影響が危惧される。人手不足解消のためにも、退職した看護師が復帰できるよう、長時間夜勤の改善が必要だ」という。(田内康介)= "[he-forum 18505] 朝日新聞11/6","朝日新聞 2014年11月5日23時54分 研究費不正が影響、東工大また最低評価 国立大評価委  文部科学省の国立大学法人評価委員会は5日、2013年度の評価結果を発表した。研究費不正が繰り返されたとして、東京工業大に対し、5段階で最も悪い「重大な改善事項がある」とした。最低評価を受けたのは04年度の評価開始以降、東工大のみで、11年度に続き2度目となる。  評価は「業務運営」「財務内容」「法令順守」「自己点検・情報公開」の4項目で行われ、毎年公表されている。  東工大は今年1月、昨年3月までの5年間に名誉教授が研究費1900万円を不正使用していたと発表した。評価委は今回、「法令順守」を最低としたうえで、「研究者倫理に関する徹底的な教育などが強く求められる」と指摘した。  東工大は11年、次期学長に内定した副学長らに「預け金」などの不正経理が発覚し、長期にわたり新学長を選出できなかったとして「業務運営」で最低評価を受けていた。= "[he-forum 18504] しんぶん赤旗11/3","しんぶん赤旗 2014年11月3日付 公務員給与下げ可決 地域格差拡大 佐々木氏が反対 衆院内閣委  「給与制度の総合的見直し」の名で一般職国家公務員の給与を平均2%引き下げる給与法改定案と関連2法案が10月31日の衆院内閣委員会で、自民、公明、民主、生活各党の賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。  採決に先立つ質疑で日本共産党の佐々木憲昭議員は、人事院が総合的見直しでも給与水準・給与総額は変わらないと説明していることを指摘。給与配分の見直しで格差が拡大するだけでなく、給与総額も200億円のマイナスになることを示し、「労働基本権制約の代償機能としての人事院の役割を果たしていない」と批判しました。  佐々木氏は、地方公務員も含めた公務員全体の給与総額は総合的見直しによって、2500億円のマイナスになることも指摘。「地域格差を拡大し、地方を疲弊させる」とただしました。  有村治子国家公務員制度担当相は「民間準拠(の給与改定)を重ねる」としか示しませんでした。 "[he-forum 18503] 京都新聞11/5","京都新聞 2014年11月5日付 私服警官、京大でつかまる 大学「通告なく立ち入り遺憾」  4日午後0時20分ごろ、京都市左京区吉田二本松町の京都大吉田南構内で、京都府警の男性警官1人が学生とみられる男性に取り押さえられる騒ぎがあった。大学関係者も加わり話し合った結果、警官は約3時間後に大学を退去した。  府警の説明では、警官は極左暴力集団などの犯罪捜査に当たる警備2課の巡査部長で別の捜査員とともに私服で勤務中だった。構内では、2日に東京都内でデモ行進していた京大生が警視庁に公務執行妨害の疑いで逮捕されたとして、抗議活動が行われていた、という。  京大の学生担当理事の杉万俊夫副学長によると、学生からの連絡で駆け付けると、警官は吉田南構内の講義室におり、20~30人の学生がいたという。杉万副学長が警官から事情を聴いたが、詳しいやりとりは「明かせない」としている。  京大は、警官が大学構内に立ち入る場合は府警から事前に通告を受け、大学職員か学生が立ち会う取り決めにしているという。杉万副学長は「事前通告なしに立ち入ることは誠に遺憾。事実関係を調査し、府警に申し入れをする可能性もある」としている。  府警は「捜査の内容や構内に立ち入った経緯は明らかにできない」とした上で、「捜査の都合上、大学への通告なしに構内に立ち入ることはある。捜査員から事情を聴いている」としている。警官が構内にいる間、京大付近に一時、数十人の機動隊員を乗せた車両が待機した。 "[he-forum 18502] 下野新聞11/5","下野新聞 2014年11月5日付 次期学長に石田氏 宇都宮大  宇都宮大の学長選考会議(飯村慎一議長)は4日、任期満了に伴う次期学長候補者に、同大理事副学長の石田朋靖氏(59)を選考した。文部科学大臣の任命で正式決定される。任期は来年4月1日から3年間。  記者会見した石田氏は「オール宇大で力を合わせ、誇りを持って学び、働ける大学、地域から愛され、信頼される大学にしたい。教職員、地域、学生との間で顔が見えるスケールメリットを生かし、行動する知性、良識を備えた地域の知の拠点として大学を展開していきたい」と抱負を述べた。  石田氏は群馬県旧鬼石町出身(現藤岡市)。東京大大学院農学系研究科博士課程単位取得退学。専門は農業環境工学、生物環境物理学。宇都宮大農学部教授などを経て、09年4月から現職。 "[he-forum 18513] 読売新聞秋田11/8","読売新聞秋田版 2014年11月8日付 秋大病院 会計に改善指導 システム活用不適切  秋田大学(秋田市)が、国立大学病院の経営状況を把握する「国立大学病院管理会計システム(HOMAS)」の活用について、会計検査院から不適切と指摘を受け、後継システムの導入に当たって改善を求められていたことがわかった。  HOMASは、診療や検査など部門別の原価から患者1人当たりの原価を算出し、病院経営の指標を分析する管理会計システム。国立大学法人化に際し、国立大学付属病院長会議が少なくとも1億3107万円をかけて各病院に導入した。  秋田大は2005年1月に運用を始めたが、09年1月以降は停止。同大医学部付属病院企画管理課によると、06年からの病院の改修工事でベッド数や手術室数に変動があり、「経営環境が一時的に変わったことやHOMASの事務作業が煩雑なため休止していた」という。  病院長会議は、改良型の「HOMAS2」の配備計画を進めており、秋田大付属病院は16年4月以降にこれを導入する方針。今後、マニュアルを整備し、データ出力のための部署間の連携図を作る計画といい、同課は「指摘を踏まえ、システムを有効活用できるようにしたい」としている。 "[he-forum 18512] 読売新聞長崎11/12","読売新聞長崎版 2014年11月12日付 長崎大の改革最高評価 国立大評価委  全国の国立大などが中期計画通りに業務を進めているかについての国立大学法人評価委員会による2013年度の評価結果が公表され、長崎大が「業務運営の改善・効率化」の項目で「特筆すべき進捗しんちょく状況」との最高評価を受けた。同項目では唯一の最高評価で、片峰茂学長は「これまで取り組んできた改革の成果が表れた。今後も大学の総合力を向上させたい」としている。  同委員会は国立大と共同利用機関計90法人の13年度の実績について、▽業務運営の改善・効率化▽財務内容の改善▽自己点検・評価と情報提供▽その他業務運営――の4項目について、5段階で評価した。このうち、長崎大が「業務運営の改善・効率化」、北海道大が「その他業務運営」の項目でそれぞれ最高評価を受けた。  長崎大は今年4月に開設した「多文化社会学部」で学部長に年俸制を導入し、経済学部、環境科学部から100人の入学定員を振り替えるなどした。同委員会はこれらの取り組みについて、片峰学長がリーダーシップを発揮した主体的な改革と評価。「特筆すべき進捗状況」と判断した。また、「財務内容の改善」「自己点検・評価と情報提供」については2番目に当たる「順調」、「その他業務運営」については3番目の「おおむね順調」とした。  片峰学長は「数年間取り組んできた改革の成果。今後も熱帯医学や放射線健康リスクなど、長崎大でなければ学べない分野を伸ばし、世界に貢献できる大学になるとともに、長崎の歴史や文化に正面から向き合う学術分野も強化していきたい」と話した。 "[he-forum 18511] 読売新聞富山11/11","読売新聞富山版 2014年11月11日付 富山大学長に遠藤氏再任 ◇選考会議で全会一致  富山大学の学長選考会議(議長=林勇二郎・金沢大名誉教授)は10日、来年3月末に任期満了となる遠藤俊郎学長(68)の再任を決定した。遠藤学長は、先月実施した教職員の投票による「意向調査」で3候補中トップとなり、この日選考会議が行った面接の結果、メンバー19人の全会一致で再任が決まった。2期目の学長任期は来年4月から4年間。  今回の学長選は今年6月に公示された。9月の学長選考会議で、同大の教授ら20~25人の推薦を集めた遠藤学長、村口篤医学部長(63)、人間発達科学部の山西潤一教授(64)の3人が候補として選ばれた。その後、10月31日に行われた「意向調査」で、遠藤学長は393票を獲得してトップとなり、村口医学部長は338票、山西教授は138票だった。  遠藤学長は再任決定後、記者会見し、「世界に発信する研究、教育成果を世に示して行きたい。富山県にある大学として地域にも貢献して行く」と抱負を語った上で、「3大学が統合して来年で10年目を迎える。課題は山積しているが、次の任期で成果として結実させたい」と大学改革に意欲を示した。  富山大学は2005年10月、旧富山大学(富山市五福)と富山医科薬科大(同市杉谷)、高岡短期大(高岡市二上町)の3大学を再編統合。8学部と和漢医薬学総合研究所、同大付属病院からなる。遠藤氏は09年から付属病院長を務め、11年4月に学長に就任した。 "[he-forum 18510] 東京新聞11/11","東京新聞 2014年11月11日 朝刊 大学、進む都心回帰 東京電機大 千葉から都内へ  東京電機大(本部・東京都足立区)が二〇一八年度をめどに、千葉ニュータウンキャンパス(千葉県印西(いんざい)市)を、施設を残して都内に全面 移転する計画を進めていることが分かった。大学が十日、市側に正式に通知した。市によると、大学は少子化に伴い、学生獲得競争が厳しくなったことなどを理 由に挙げているという。 (三輪喜人)  同キャンパスは一九九〇年に開設。東京ドーム約四個分の二十ヘクタールの敷地に、情報環境学部の大学生、先端科学技術研究科と情報環境学研究科の大学院生の計約千二百人が在籍している。  市などによると、八月上旬、東京電機大の古田勝久学長らが市を訪ね、「移転先が整備できれば」との条件付きで、一二年に開設した東京都足立区の東京千住キャンパスに移転する計画を説明した。  市は「まちにとって大学の存在感は大きく、活力が損なわれる」として再検討を求めたが、大学側は十日、方針転換は難しいとあらためて市側に伝えた。その上で、体育会など課外活動を行うためにキャンパスそのものは売却せずに残す方針を示したという。  市の担当者は取材に「非常に残念だ。単に学生がいなくなるだけではなく、目に見えない形で活気が損なわれるのではないか」と述べた。大学は移転計画について「現時点で発表できることはない」(企画広報担当)としている。  大学の都心回帰をめぐっては、東京理科大が七月、埼玉県久喜市から都内へ全面移転することを決めている。 ◆志願者増、東洋大成功きっかけ  大学の都心回帰の動きは二〇〇五年、東洋大が埼玉県の朝霞キャンパスで学んでいた文系五学部の一、二年生を東京都文京区の白山キャンパスに集約したのが始まり。志願者増に成功したのをきっかけに、各大学が後に続いた。  首都圏を対象に都市部での大規模教室の新設を規制した「工場等制限法」が制定されたのが一九五九年。その後は郊外に移転する大学が相次いだが、〇二年に小泉政権の構造改革で同法が廃止され、逆に都市部への移転を後押しする格好になった。  少子化も大きな要因だ。十八歳人口は九二年の二百五万人をピークに今年は百十八万人まで減り、四年後には減少に拍車が掛かる「二〇一八年問題」が 待ち構える。現在も大学・短大数は〇一年をピークに減少の一途で、私立の四割が定員割れに陥っているが、本格的な淘汰(とうた)の時代を迎えるとみられ る。  本年度(速報値)の学校基本調査によると、東京二十三区内の大学数の全国に占める割合は12・1%(九十五校)、学生数は18%(五十一万四千人)を占め、〇三年度のそれぞれ10・4%、15・8%から大幅に上昇した。  文部科学省の担当者は「十八歳人口の減少で、特に地方にある大学は経営が苦しい。都市部に通いたいという学生の意識や就職活動に有利な点が影響し、大学の都心回帰が進んでいる」と分析している。(沢田敦)= "[he-forum 18514] 東京新聞 2014.11.9","http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014110902000116.html 【政治】 共謀罪 検討は不安踏まえて 上川・新法相に聞く 2014年11月9日 朝刊  上川陽子法相は、本紙などのインタビューで、法務行政に取り組む姿勢や国会 答弁を担当する特定秘密保護法に対する考え方を述べた。 (西田義洋)  -特定秘密保護法の運用基準に対し、閣議決定直前の自民党総務会で、違法な 指定をした公務員に対する罰則規定を盛り込むべきだという意見が出た。  党総務会でそういう議論があったと聞いているが、政府案が(そのまま)了承 された。違法性を認識して指定の際の決裁文書を作成した者、手続きに関与した 者は、刑法の虚偽公文書作成罪に問われる可能性がある。運用基準に逐一、明記 する必要はない。  -懲役四年以上の刑罰がある犯罪は、たとえ実行しなくても、犯罪計画を話し 合うだけで罰することができる「共謀罪」の創設についてどう考えるか。  国会に三度提出され、いずれも廃案になったが、国際社会と協調しながら組織 犯罪と戦うことは重要な課題であり、法整備を進めていく必要がある。ただ、合 意が処罰対象となるため「思想まで処罰されるのではないか」「会社やNGOな ど通常の活動を行っている団体も対象とするのではないか」などの意見が国会で も出された。こうした不安や懸念を踏まえながら、慎重に検討している。法案を いつ提出するかは未定だ。  -死刑執行に対する考えは。  裁判所の判断を尊重し、法が大臣の命令で執行すると定めている重みを十分に 認識しながら慎重かつ厳正に対処していく。  -選択的夫婦別姓制度についての見解は。  国民の考え方にかなり差がある。民法改正を直ちにすることにはならない。旧 姓使用が認められないために被る不利益については、関係省庁と協議しながら前 向きに検討したい。 "[he-forum 18522] 下野新聞11/13","下野新聞 2014年11月13日付 宇都宮大に教職大学院 来年4月開設、リーダー人材養成  文部科学省は12日までに、宇都宮大の「教職大学院」設置を認可した。同大は、同大大学院教育学研究科を改組し「教育実践高度化専攻」を新設して教職大学院とする。教員を目指す学部卒業生と中堅の現職教員計15人を募り、来年4月からスタートする。学校現場での長期実習を通じ実践力を養い、リーダーとなる人材を育てる。  教職大学院は学習意欲の低下やいじめなど、複雑化する学校現場に対応するため創設された枠組み。国立の教員養成系修士課程については原則、同大学院へ段階的に移行するとされており、現在、全国の25大学に設置されている。  宇都宮大の教育実践高度化専攻は「学校改革力」「授業力」、特別支援教育の考え方を学習指導などに生かす「個への対応力」を養う。カリキュラムは、教育課程の編成・実施などに関する共通科目のほか、同大オリジナルの「教育実践プロジェクト」などを用意する。  出願受け付け、試験は来年1月に行われる。 "[he-forum 18521] しんぶん赤旗11/13","しんぶん赤旗 2014年11月13日付 奨学金の運動 広く 宮本・田村議員が会と懇談  日本共産党の宮本岳志衆院議員と田村智子参院議員は5日、民主団体や労働組合で構成する「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育を進める会」(奨学金の会)の三輪定宣会長らと国会内で懇談しました。10月7日に発表した日本共産党の奨学金政策を手渡し、奨学金制度改革として緊急に国がなすべきことを政策としてまとめたことを説明しました。  三輪氏は、「教育予算を削減しようとする政府の姿勢は世界の流れに反している」と指摘。「共産党の政策は奨学金や学費の運動に大変な追い風になる。これを契機に大きな運動を広げていきたい」と表明しました。  参加者からは、すべての奨学金を無利子にすることや、返済に困っている人の救済をすぐに行うとする政策の内容に「もろ手を挙げて賛成する」(非常勤講師組合)という声があがりました。  「高学費で進学をあきらめる中高生が多い」(全日本教職員組合)「日本育英会の時代は年に1件程度だった返済の強制執行が、今では年300件近くに増えている」(日本学生支援機構労組)「夜勤のバイトのために寝不足で研究に集中できない」(全国大学院生協議会)などの実態が紹介されました。 "[he-forum 18519] キャリアブレインニュース11/1 3","キャリアブレインニュース 2014年11月13日付 科研費予算の減少、「日本の研究力低下」- 国立大医学部長会議などが是正提言  科学研究費予算の減少傾向に歯止めをかけようと、国立大学医学部長会議などは12日、医療イノベーションを推進するための基盤的研究費の確保などを求める提言を発表した。同会議常置委員会の杉浦哲朗委員長らは記者会見で、研究費の減少や消費税の負担によって研究の着手に遅延が生じているといった現場の窮状を挙げ、「日本全体の研究力が低下する事態になる」と懸念を示した。【新井哉】  国内の医学分野の研究をめぐっては、科学研究費の減少や、消費税率の引き上げによる材料費・光熱費の上昇に加え、円安によって外国試薬・研究材料費の高騰に見舞われており、現在、2012年度に比べて実質的に10%近いマイナス予算の中で研究が行われている。同会議が10月に研究現場の現状を把握する調査を実施した際、約1週間の短期間にもかかわらず、全国33大学から減額による窮状や改善を求める声が寄せられたという。  提言は同会議と国立大学附属病院長会議がまとめたもので、実験で必要となるモデル動物の購入や、必要項目の測定キットの購入が制限されるといった具体的な事例を列挙。「このまま基礎研究に対する研究予算の減少が続けば、次世代の新たな研究成果の創出が危ぶまれる」としている。  また、国際社会における日本経済の強化を図るためにイノベーションを主体とした大型研究に対する支援が行われる一方、大型研究の基礎となる基礎研究の予算が激減していることにも言及し、不均衡な状態となっている研究費の配分についても是正を求めた。 "[he-forum 18518] 朝日新聞11/13","朝日新聞2014年11月13日05時00分 奨学金延滞、学校別公表へ 返還促進へ16年度から  日本学生支援機構(旧日本育英会)は、奨学金の返還を延滞している人の割合を学校別に公表する方針を決めた。学校にも奨学金の返還促進に力を入れてもらうことなどが狙いで、2016年度から始める。  機構は初めて、延滞率別に学校数を集計した。調査対象にしたのは、大学・大学院、短大、専修学校(専門課程)、高等専門学校のうち、08年度から12年度末までに奨学金を借り終えた人が100人以上いる2291校。  その結果、昨年度末時点で返還を3カ月以上延滞している人の割合が7%以上の学校が32校あった。7%は平均値(1・8%)の約4倍で、中には 10%を超えた学校もあるという。最多は「1~2%未満」の578校。次いで「0~1%未満」の524校だった。「0%」は148校あり、2%未満の学校 が過半数を占めた。  機構によると、卒業生の就職状況などに加え、奨学金は原則、学校を通じて申し込むため、窓口となる学校の「姿勢」も延滞率に影響を与えているという。  機構は学校に対し、説明会などで返還の重要性を指導するよう要請。機構の西明夫・総合計画課長は「奨学金担当スタッフを置くなど、学生への働きかけがしっかりしている学校は、成果が出ている」と話す。  返還を訴えるチラシを作ったり、個別指導したりすることで延滞率が改善した学校もある。また、返還猶予手続きの指導に力を入れているかも大きく影響するという。低収入などを理由に猶予が認められると、延滞者には数えられない。  奨学金の 返還を3カ月以上延滞している人は昨年度末で約18万7千人で、延滞額は約933億円となっている。対策を議論してきた機構の有識者会議は08年、延滞率 が高い学校名の公表を提言。機構は、全学校の延滞率や貸与者数などの情報を16年度から公表することを決めた。機構は「各学校へのペナルティーの趣旨はな い」としている。  一方、学校ごとの公表について、学校が推薦者を絞ったり、奨学金を続けるにふさわしいかを判断する「適格認定」を厳しくしたりすることで、奨学金が利用しにくくなるのではないか、との懸念も出ている。(大西史晃)  ■救済策が不十分、時期尚早  奨学金問題に詳しい小林雅之・東京大教授(教育社会学)の話 米国は学校別の公表に加え、基準値を超えたところは奨学金を利用できない仕組みにすることで、延滞率を劇的に改善させた。だが、これは先輩が返せないことの不利益を後輩が負う制度。延滞率が学校自体の評価につながるようになれば、学校が成績の悪い学生らを奨学金の対象から外すおそれも出てくる。学校の役割が不明確で返還できない人の救済策も十分でない現段階では、導入すべきではない。  ◆キーワード  <日本学生支援機構の奨学金>  貸与型で、無利子の第1種と利子が付く第2種がある。1種と2種を合わせて2013年度の貸与者数は約134万人。13年度の場合、大学生の約2・6人 に1人が機構の「奨学生」だった計算になる。就職状況の悪化などで返還の滞納が問題化したことから、回収策が強化される一方、年収に応じて返還額を変える 仕組みなど、救済策の検討・導入も進められている。 "[he-forum 18517] しんぶん赤旗11/13","しんぶん赤旗 2014年11月13日(木) 奨学金の運動 広く 宮本・田村議員が会と懇談  日本共産党の宮本岳志衆院議員と田村智子参院議員は5日、民主団体や労働組合で構成する「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育を進め る会」(奨学金の会)の三輪定宣会長らと国会内で懇談しました。10月7日に発表した日本共産党の奨学金政策を手渡し、奨学金制度改革として緊急に国がな すべきことを政策としてまとめたことを説明しました。  三輪氏は、「教育予算を削減しようとする政府の姿勢は世界の流れに反している」と指摘。「共産党の政策は奨学金や学費の運動に大変な追い風になる。これを契機に大きな運動を広げていきたい」と表明しました。  参加者からは、すべての奨学金を無利子にすることや、返済に困っている人の救済をすぐに行うとする政策の内容に「もろ手を挙げて賛成する」(非常勤講師組合)という声があがりました。  「高学費で進学をあきらめる中高生が多い」(全日本教職員組合)「日本育英会の時代は年に1件程度だった返済の強制執行が、今では年300件近く に増えている」(日本学生支援機構労組)「夜勤のバイトのために寝不足で研究に集中できない」(全国大学院生協議会)などの実態が紹介されました。= "[he-forum 18516] しんぶん赤旗11/13","しんぶん赤旗 2014年11月13日(木) “道理なき賃下げだ” 山下氏 公務員給与の3法成立  来年4月以降に国家公務員の給与を平均2%引き下げる法案など3法案が12日の参院本会議で賛成多数で可決、成立しました。日本共産党、みんな、維新、一部無所属議員が反対しました。  11日の参院内閣委員会での質疑で、日本共産党の山下芳生議員は、国家公務員法64条では、公務員の給与を“生計費”として規定していることを確認。「給与構造改革」や高年齢層の減給、昇給停止などにより「国家公務員の給与はどれだけ下がっているか」とただしました。  人事院の古屋浩明給与局長は、減少に転じる前(1998年)と現在(2013年)の年間給与を比較すると、地方機関勤務の係長で18・6%減少していると説明しました。  人事院は、民間給与との比較にあたって、従来の「北海道・東北ブロック」との比較を廃止し、賃金の民間の平均額が最も低い12県を比較対象にして「公務員の給与が高い」と指摘しています。  山下氏は、これまでの基準を変えてまで削減を進めるのは「“低ければ低いほうがよい”という道理なき引き下げだ」と批判。北海道での国家公務員の 賃下げ総額は約260億円で、消費支出の減少は約190億円にのぼると試算されていることを示し、「地域経済にマイナスの影響を及ぼすことは明らかだ」と 指摘しました。  有村治子国家公務員制度担当相は「ただちに日本経済に影響を及ぼすものとは考えていない」と言い張りました。= "[he-forum 18515] 産経ニュース中部11/13","産経新聞中部版 2014年11月13日付 山梨大次期学長候補に島田真路付属病院長  国立大学法人山梨大学長選考会議は、来年3月末で任期満了となる前田秀一郎学長の後任候補を同大医学部付属病院長の島田真路氏(62)とすることに全会一致で決定したと12日発表した。  学長候補として文部科学相に申し出て、任命される。  島田氏は同大医学部医学科長、副病院長などを歴任して、平成21年4月から同大医学部付属病院長。12人の委員で構成する学長選考会議は学長候補適任者推薦を公示し、推薦があった3人と面談して、「本学の個性と特色を発揮するための明確なビジョンを持つ」などの学長候補者選考基準に照らし、島田氏を適任者と決めた。 "[he-forum 18524] 北海道新聞社説11/15","北海道新聞社説 2014年11月15日付 大学入試改革 余計な混乱招かぬよう  時代の要請に応える大学入試のあり方を考えた結果だろう。  中央教育審議会(中教審)の部会が、新共通試験を創設し、教科の枠組みを超えた総合型問題の導入を求める答申案をまとめた。  思考力を試す総合型問題の導入は間違ってはいない。現行のセンター試験は暗記中心型で、考える力が身についているかどうかを確かめるには不十分だからだ。  ただ、これほどの転換を提言するなら、小中高校での教育内容や指導法の抜本見直しが要る。その議論を同時並行で進めるべきだ。  新共通試験は、一発試験が受験生の将来を左右してきたセンター試験の反省に立って、年に複数回受けられるようにする。  採用する総合型問題は国語や社会、理科といった個別教科を融合させるものだ。回答方法も現行の選択式のみから記述式も加える。  答申案はさらに将来、「国語」「数学」といった教科型試験を廃止するところまで踏み込んだ。  詰め込み色が強く、応用力の育成が弱い「日本型教育」の欠点を克服するための思い切った問題提起と受け止めたい。  その一方で、高校での学習達成度を把握する年2回程度の高校基礎学力テストの創設も提言した。  基礎テストは希望者のみの受験だが、従来のAO入試や推薦入試に準じた選抜の過程で学力を担保する参考としても使う方向だ。  AO入試は試験を課さず、面接や小論文で選ぶため、独創的な人材を発掘できる長所がある一方、学力が大学レベルに達しない進学希望者の受け皿にも使われてきた側面が否めない。  このため基礎テストが活用されれば入試が複線化するだろうが、半面、大学の二極化や順位付けを助長する危うさもはらむ。  生徒の負担増も心配だ。両方の試験を複数回受ける生徒も出てくれば、高校生活がテスト漬けになりかねない。基礎テストは必要性や目的をもっと練るべきだ。  答申案が示した大学ごとの個別試験の方向性にも疑問が残る。  点数主義からの決別と人物重視を掲げ、面接や集団討論、小論文、高校での活動実績などを組み合わせて選ぶよう提言された。  理想ではあるが、数千~数万人に及ぶ受験生の資質を一人一人吟味する能力や余力を大学に求めるのは無理があるのではないか。  人物評価が中途半端に終われば受験の公平性、客観性に疑問符が付きかねない。混乱を招かないよう十分注意を払ってほしい。 "[he-forum 18523] 読売新聞岡山11/16","読売新聞岡山版 2014年11月16日付 岡大 授業時間1.3倍 16年度から ◇学生質向上へ改革 ◇2単位取得 90分15回→60分30回  岡山大は2016年度から、単位取得に必要な授業時間を1・3倍に増やす。授業時間を90分から60分に減らす一方、履修する授業数を多くすることで学習時間を増加。国立大では初の試みで、文部科学省の「国立大学改革強化推進事業」に選ばれた。学生の質を高めることで、少子化で激化する大学間競争を勝ち抜く考えだ。(楢崎基弘)  同事業は、個性的な教育プログラムを考案した国立大に予算を重点配分する取り組みで、12年度から21事業を採用。今年度は、県内自治体などで600時間の実習を行う「地域協働学部」を設置する高知大など11事業に決まった。  岡山大は、1年を4学期に分割する「クオーター制」の導入とともに実施。授業時間を短縮する一方、2単位を取得するために必要な授業回数を15回(22時間30分)から30回(30時間)に増やす。  文部科学省の大学設置基準では、卒業には124単位以上必要で、1単位には授業と自習時間を合わせて45時間の学習などを求めている。これに対し、多くの大学が90分の授業を15回受ければ2単位を取ることができるようにしている。  この現状を踏まえて中央教育審議会は、大学教育の質を向上するよう文部科学相に答申した。これを受け、岡山大は14年度から、医学部で60分授業を導入。全学部への拡大を決めた。  同大学は「授業時間が短くなれば学生も集中して講義を聞き、学習効果も高まるはずだ。今後は大学院への導入も検討したい」としている。  国立教育政策研究所の浜中義隆・総括研究官は「大学生は授業だけでなく、自ら学ぶ姿勢も大切。同じ授業を1週間のうちに複数行うなど、学生が予習・復習に取り組める運用も必要だ」と指摘する。 "[he-forum 18527] 福島民報論説11/13","福島民報論説 2014年11月13日付 【いわき地域医療】新病院契機に道筋探る  浜通り地方の中核病院である、いわき市立総合磐城共立病院の新病院は3年後の平成29年度内の開院を目指す。清水敏男市長は11日の記者会見で、27年度に進める市の主な事業に新病院建設や休日夜間急病診療所の整備を盛り込む計画を示した。  市内の医師不足は東日本大震災前から続く。中でも民間を含む病院で働く医師の確保が難しい。市は医師や病院の代表者による地域医療協議会で解決策を話し合っている。共立病院への医師派遣を目的とした大学への寄付講座開設などの対策も強めている。ただ、市や医療機関の努力だけでは限界がある。  市民も地域医療に関わる一員として、救急車の適正な利用や、時間外診療の受け方に理解を深めることが大切だ。新病院建設を契機に、行政と医療機関の取り組みに市民や民間団体も加わり、地域医療の新たな道筋を探るべきだ。  市内の病院勤務の医師数は24年の調査で、人口10万人当たり81.5人で、県全体の七割程度、全国の半分程度にとどまる。医療関係者は「全国的に医師数が減ったのではなく、地域によって偏りがある」と分析する。背景には、医師の臨床研修制度によって、新人医師が大都市部の病院を希望する傾向が強まったり、大学の医局から各地の病院に医師を派遣する仕組みが弱まったりしている現実があると指摘されている。  このほか、同市の医療が抱える課題には(1)医師不足による二次・三次救急医療機関の受け入れ体制の確保(2)緊急度が低い軽症患者の救急車利用や時間外受診(3)夜勤が可能な看護師の確保-などが挙げられる。昨年、救急車で運ばれた人は1万2397人で、昭和42年の救急業務開始以来、最多となったが、傷病の程度は軽症が43・0%と半数近くを占めている。  いわき青年会議所は医療環境の改善をテーマに数年前から活動し、10月に行政、医療の関係者によるパネルディスカッションを開いた。今後も医療機関や民間団体が医療の実情を市民に知らせる機会を設けてほしい。医師受け入れ体制を地域全体で整えたり、市民の意識を高めたりする機運の盛り上げにつながる。  東京電力福島第一原発事故で避難した2万数千人が市内で暮らし、双葉郡の町村は郡立診療所の開設を検討している。避難者が市内の医療機関をどう利用しているかを把握し、市と郡、医療機関が連携する新たな枠組みづくりが重要となろう。被災地の医療を立て直す国や県の支援策の強化も必要だ。(安田 信二) "[he-forum 18526] 毎日新聞11/14","毎日新聞 2014年11月14日 科学の分野になぜ女性が必要なのか  女性はいまや、アメリカの労働市場の半分を占めるまでになり、大学や大学院の学位取得者数は男性を上回っている。世界経済を動かす最大の要因は女性の労働力であるという見方もある。ところが、科学の分野における性の不均等は、他の職業に比べていまだ根強く残っているというのが現状だ。特に、コンピューター科学やエンジニアリングなど、高度な数学的知識を要し、高収入をもたらす分野ではそれが顕著である。  科学(Science)、テクノロジー(Technology)、エンジニアリング(Engineering)、数学(Mathematics)を総称してSTEMと呼ばれているが、アメリカの国勢調査の統計によると、このSTEM分野で活躍する女性の割合は1970年には7%、これが1990年には23%まで伸びたが、それ以降は横ばいの状態が続いている。20年後の2011年、STEM分野で働く女性の割合は26%だった。  女性が必要とされていないわけではない。しかし、幼いうちから女の子は科学以外の職業へ興味を持つように育てられたり、職場における偏見やセクハラ、妊娠出産によってキャリアを中断せざるを得ないなど、様々な文化的要因が、今でも女性の科学分野への進出を妨げている。  では、科学の世界で女性の働き手が不足するとどのようなことが起こるのだろうか。一つには、女性が男性と比べて質の高い医療を受けることができなくなる可能性がある。  例えば、心臓疾患を抱える女性が症状を訴えて救急治療室にやってきても、間違った診断を下されて自宅に帰され、そこで心臓発作を起こして死亡するという件数がかなりの数にのぼることは、今では多くの医療関係者が認めるところだ。そこには、最近になるまで知られていなかったある事実が関係している。女性の心疾患の症状は、男性とは異なる場合があるということだ。女性はまた、コレステロールの薬から睡眠薬まで、様々な薬で男性よりも副作用に苦しむケースが多い。それというのも、薬の臨床試験が主に平均体型の男性を対象に行われ、それを基に服用の目安量が決められているためである。  このような誤算は、薬が市場に出回った後で判明することが多い。アメリカ食品医薬品局は昨年、国内で市販されている睡眠薬「アンビエン」を使用する際、女性は目安量を半分にして服用するよう注意を呼びかけた。薬の主成分が、男性と比較して女性の体内により長く残ることが分かったためである。  医学研究における見過ごしは、意識的に行われたものだろうか。多くの科学者はそうではなく、研究で性を変数として考慮しない手続き上の偏向が習慣化してしまったためだという。  長年の間生物医学において、男女を問わず全ての人間を対象とする薬や医薬製品の研究開発は、平均的な体系をした成人男性の生理機能に基づいて行われてきた。歴史的には、1850年代初版の医学教科書『グレイの解剖学』でもそれが標準モデルとされている。  実験に使用されるラットやその他の動物でさえ、オスが選ばれることが多い。研究者たちは、メスに起こるホルモンの変化が実験結果に影響を与えることを懸念し、オスだけを使用して人間の男女両方への薬の効果を予想することができるだろうと考えてきたのだ。その結果、「最大の変数である性別が、時間、体温、容量といった他の変数のように、体系的に評価されてこなかった。女性に多い病気の場合ですら同じことだ」とノースウェスタン大学、女性の健康研究所所長テレサ・K・ウッドラフ(Teresa K. Woodruff)氏は話す。  アメリカ国立衛生研究所(NIH)は現在、この手続き上の不均等の是正に取り組んでいる。5月にNIHは、政府の予算を受ける研究者たちに対し、メスの動物や女性の組織および細胞を実験に使い、実験のデザインと分析に性別を変数として取り入れることを義務付けると発表した。  また、モントリオールにあるマギル大学で今年春に行われた研究では、痛みの実験に使われるマウスやラットが、男性研究者に恐れを抱いているようであるとの報告がされた。これには男性の持つ体臭が関係している。男性研究者や、男性が着たまま寝た衣服を着けた女性研究者でさえ、マウスに大きなストレスを与え、その結果痛みに鈍感になってしまったため、研究結果は破棄されたという。そして、男性研究者が実験動物を使って行った過去の実験結果についても、精確性に疑問を投げかけている。  この場合、問題だったのはマウスの性別ではなく、それを扱う研究者の性である。この問題に気付いた者は、これまで誰もいなかった。  別の、幹細胞治療に関するマウスを使った実験で、オスのマウスが全て死亡してしまい、実験が中断されてしまったケースがある。スタンフォード大学の科学史家ロンダ・シービンガー(Londa Shiebinger)氏によると、研究者はオスとメスのマウスを正しく使ったのだが、「そうとは気付かないで」メスの幹細胞だけを使用していたという。 ◆共同研究がもたらすもの  研究の際に性別を考慮するようになれば、科学はもっと女性にとって魅力的なものとなるだろうとシービンガー氏は言う。女性にとって、研究者としてのキャリアやそこへたどり着くまでの道のりが身近なものとして捉えられるようになるためだ。  科学に限らず、歴史的に男性が多い分野に女性が進出すると、その分野の一般的知識が拡大する傾向があるという。 「歴史学、霊長類学、生物学、医学など、女性研究者の増加と知識の拡大に直接的な相関関係を見出すことができる場所はいくらでもある」。  この見方は、チームで科学研究に取り組むという近年の傾向にも当てはまる。 「いまやほとんどのSTEM研究の基礎となっているのは共同研究だ。これは極めて大きな変化だ」と語るのは、科学を学ぶ女性を支援し、組織改革を推進するアメリカ国立科学財団ADVANCEプログラムのベス・ミチネック(Beth Mitchneck)氏だ。  天才が単独で研究に取り組んで重要な発見をするという古典的イメージは、チームで取り組む共同研究に取って代わられ、そのチームも、様々な分野の専門家が集まって構成されることが多くなっている。  人間のゲノムの全塩基配列を解読し、研究することを目的としたヒトゲノム計画には、生物学、化学、遺伝学、物理学、数学、コンピューター科学など様々な専門分野の研究者たちが結集して取り組んだ。  能力のある女性だけでなく、ゲイ、アフリカ系アメリカ人、ラテン系アメリカ人、身体障がい者も研究に加わると、研究課題に豊かな想像性と深い洞察力を与え、真の革新の機会を広げることができるだろうと、ミシガン大学教授のスコット・ペイジ(Scott Page)氏は言う。ペイジ氏は、複雑な組織における多様性の研究をしている。  その意味では、ビジネス界は科学の世界よりも早いペースで変貌を見せている。  5月の「Atlantic Monthly」誌の特集記事によると、「ゴールドマン・サックスやコロンビア大学などによる多くの世界的な研究で、女性を数多く採用している企業が、利益性に関してあらゆる点で競合他社をしのいでいると報告されている」という。 「科学の問題」と考えられているものは、子供、女性、男性を含む全ての人間に影響を与える。科学が解決しようとする問題や、誰のために製品を設計するかといったことは、誰が研究を行うかということと大きく関わっている。主に男性が必要とする育毛剤の研究に力を入れるか、それとも自動車事故で妊婦と胎児の怪我や死亡を防ぐシートベルトを開発するか、どちらの方が研究対象になりやすいだろうか。  アナリストたちは、男性が気付きにくい問題を研究し、その分野で発明や発見の機会を広げるには、女性の存在が必須であると指摘する。  また、スタンフォード大学の心理学教授ジェームス・グロス(James Gross)氏によると、女性はより「社会的な」資質(地域社会を築くのに必要な人間関係を育み、誰でも入って行き易い環境を作る)を持ち、男性はより「主体的な」資質(指導的立場につき、物事を実行する)を持っていると言う。男性の資質に女性の感情的能力を合わせることによって、科学の研究は「極めて優れた」結果を生むだろうと、グロス氏は見ている。  生物科学、心理学、医学の分野(特に小児科、一次医療、精神科など、他の医学専門分野に比べて報酬が低く、患者との接触が多いとされる)では、女性が多く活躍している。イラン生まれのアメリカ人でスタンフォード大学の数学者マリアム・ミルザハニ(Maryam Mirzakhani)氏は、数学界のノーベル賞といわれるフィールズ賞を、1936年の創設以来女性として初めて受賞した。  しかし、女性が多く進出している分野でさえ、指導者的立場まで上り詰める女性は少ない。  グロス氏は、能力のある女性が増えるだけでなく、優秀な女性が研究室で低収入の職に終わってしまっている現状を改善すべきだと話す。 「その分野を牽引できる女性が数多く指導的地位に就くことが必要だ」とグロス氏は言う。 "[he-forum 18525] 産経新聞主張11/18","産経新聞主張 2014年11月18日付 大学入試改革 「ゆとり」失敗繰り返すな  大学入試改革が検討されている。中央教育審議会は、国立大学などの1次試験に当たる大学入試センター試験を廃止し、新たなテストの導入などを盛り込んだ答申案をまとめた。  知識偏重を改め、思考力や表現力重視の入試に変えようとしている。方向性は理解できるが、同様の狙いで学力低下を招いた「ゆとり教育」の二の舞いを演じないよう十分な検討が必要だ。  政府の教育再生実行会議が「一発勝負、1点刻み」の入試を見直すよう提言したのを受け、中教審が具体策を検討している。  答申案ではセンター試験に代わる新たな「学力評価テスト(仮称)」を設け、出題内容も複数教科を組み合わせた総合問題などで、知識の活用力を重視するよう提案した。各大学の2次試験も筆記試験だけでなく、高校時代の社会活動を評価するなど、選抜方法の工夫を求めている。  こうした多様な尺度で意欲ある学生を選抜しようという入試は、米国を参考にしたものだろう。しかし、米国の大学教育は、勉強しなくては授業についていけない厳しい教育内容が伴っている。  日本は、受験勉強はしても、入学後に勉強しなくてもすむ甘い大学教育が改善されていない。中教審の資料でも、授業の予習などに充てる時間が1週間当たり11時間以上の学生は米国で約6割を占めるのに、日本はわずか約15%にすぎない実態が紹介されている。  大学入試は、制度を触る度に悪くなるという批判がある。少子化で受験人口が減り大学に入りやすくなっている現状で、「学力不問」が強まり、面接でのPRばかりうまい学生が増えるような「入試改悪」になる心配はないか。  入試改革は5、6年先の実施を目指しているが、慎重に議論を進めるべきだろう。各大学も、入学後に学生をいかに勉強させ鍛えるか、指導体制や教育内容の改善を先に考えてもらいたい。  中教審は大学入試だけでなく、高校の教育を含めた「一体的改革」を求め、高校での「基礎学力テスト(仮称)」の導入を盛り込んでいる。こうした学力向上につながる施策を優先してほしい。  変化の激しい時代に国内外で活躍できる人材育成を進める上でも、高校、大学を通して、基礎学力を固め、教養を高める改革とすべきだ。 "[he-forum 18529] 産経新聞11/15","産経新聞 2014年11月15日 【日本の議論】 増える「予約型奨学金」 背景に大学の学生確保競争  少子化で大学間の受験生獲得競争が激化する中、予約型の奨学金制度を独自に導入する大学が首都圏の私立を中心に増えている。意欲ある学生の確保と同時に経済力による教育格差を解消するのが狙いだ。(村島有紀)                    ◇ ◆地方出身者に限定  予約型の奨学金は、入学手続きを終えてから申請する従来型の奨学金と異なり、受験前に申請するのが特徴。保護者の収入、高校や大学入試の成績、志望動機の作文など大学が独自に設ける審査基準をクリアすれば、入学後の給付が約束される。  大学関係者によると、先駆けは平成21年度入学生を対象に早稲田大(東京都新宿区)が始めた「めざせ!都の西北奨学金」。その後、少子化で学生獲得にしのぎを削る首都圏の私立大を中心に広がり、慶応大(港区)、立教大(豊島区)、中央大(八王子市)なども導入している。  早稲田大など首都圏の大学は、地方出身者の経済的負担を軽減するため、出身高校を首都圏(東京都、神奈川、千葉、埼玉県)以外に限定しているケースが多い。同大では父母の合計給与収入が800万円未満、高校で一定以上の成績を修めていることなどを条件に年間40万円を給付。返済義務はない。今年度入学生からは募集人員の上限を500人から1200人に大幅拡大した。 ◆バイト減らして  来年度入学生から制度を導入する大東文化大(板橋区)では、対象を地方出身者に限定せず、高校の成績も審査基準に設けない。  申請資格は一般入試などの受験予定者で、主な家計維持者の給与収入が600万円以下などが条件。1年目は授業料を全額免除し、2年目以降は半額免除する。600万円以下の収入基準は、同大に通う学生の7割の家庭をカバーする水準という。来春の一般入試などの合格者の中から成績上位の順に100人までを選ぶ。  同大入試広報部の担当者は「意欲のある学生を一定数確保できる。また、最近は金銭的に余裕のある学生とない学生に二極化する傾向がある。生活費を自分で稼ぐ学生の場合、バイトで疲れて授業に集中できていないこともある。バイトを減らして学業に専念してほしい」と話す。 ◆関西でも  24年度入学生から募集を始めた立命館大(京都市中京区)は出身高校の地域を限定せず、父母の合計給与収入が600万円以下で、高校で一定の成績を修めていることなどを条件に授業料の半額相当を給付する。  制度導入の理由について同大の入試担当者は「入試説明会で一番、質問が多いのが予約型の奨学金について。金銭的な理由で、受験時から『国公立一本』に限定せず、私立受験も選択肢に入れてほしい」と話す。  こうした動きについてファイナンシャルプランナーの柳沢美由紀さんは「合格しても入学前に教育資金を用意できず、入学を辞退するケースもある。事前に奨学金を受け取れることが分かっていれば、親としては安心して子供に受験を勧めることができる」と話している。                    ◇ 奨学金貸与人数、10年前の1.4倍  独立行政法人・日本学生支援機構の「平成24年度学生生活調査結果」によると、1年間にかかる学費の平均は、国立大が67万円なのに対し、私立大は132万円と65万円多い。また、下宿すると自宅通学よりも年間51万円多く生活費がかかる。  国による公的奨学金としては、同機構の奨学金貸与事業がある。貸与(無利子、有利子)を受ける学生は、今年度141万人(予算ベース)で、10年前の1.4倍に増加している。非正規雇用の増加など不安定な雇用情勢から、卒業後の返済が滞る人も多く、昨年度の延滞率は17.2%(957億円)に上っている。  文部科学省の調査では、24年度の大学中退者約7万9000人のうち、経済的な理由は約2割(約1万6000人)を占めた。 "[he-forum 18528] 神戸新聞11/15","神戸新聞 2014年11月15日付 奨学金返済、電話で相談を 支援団体がホットライン  若者の就労環境は依然厳しく、学生時代の奨学金返済に苦しむ人が少なくない。支援団体「奨学金問題と学費を考える兵庫の会」(神戸市中央区)が16日、電話ホットラインを設け、弁護士や司法書士が相談に応じる。  奨学金を貸し付ける日本学生支援機構によると、2013年度末の延滞者は33万4千人。同機構の12年度調査では延滞者の約6割が年収200万円未満で、生活の困窮ぶりがうかがえる。  神戸市内に住む男性(41)は大学卒業後、研究者を志し理系の大学院に進んだが、心身の調子を崩した。なんとか大学院を修了したものの、就職もできず、奨学金約200万円の返済が重くのしかかった。  滞納を続けていたため、今夏、機構から一括返済を求められた。男性は「兵庫の会」に相談し、機構と話し合った結果、返還期限の猶予が認められたという。男性は「ほっとした。治療し、働いて返済できるようになりたい」と話す。  機構は今年4月から返還に関する制度を変更。延滞金の賦課率を年10%から5%に引き下げ、返還猶予も通算5年から10年に延長した。「兵庫の会」の佐野修吉事務局長は「緩和措置を知らない人も多い。返済で悩んでいる人は相談してほしい」と呼び掛けている。  午前10時~午後5時。TEL078・361・3361(当日限り) (中部 剛) "[he-forum 18533] 毎日新聞社説10/31","毎日新聞社説 2014年10月31日付 大学入試改革 手間をかける決意こそ  よく考え、判断し、表現ができて主体性がある。これらの力をどう見いだし、評価するか。  容易ではないが、中央教育審議会がまとめている大学入試改革の答申案は、これを選抜試験の主眼とし、学校教育の質的転換もうたう。  高校の段階で「大学入学希望者学力評価テスト」と、基本を確認する「高校基礎学力テスト」の新たなテストを提案した。複数回受けられ、グローバル時代に即して英語は民間の検定試験などの活用を考える。  「学力評価テスト」は、今の大学入試センター試験が切り替えられるものだ。将来は教科・科目別の試験ではなく、枠を超えた「合教科・科目型」「総合型」試験のみにする。  その成績は受験生と志望する大学へ提供されるが、1点刻みではなく、レベル別に表示する。  各大学は、どんな学生を受け入れ育成するかの指針(アドミッションポリシー)を明確に示し、「学力評価テスト」に加えて小論文、面接、集団討論など独自に工夫した個別試験の実施を強く求められる。  大学入試改革は、試行錯誤の連続だったといっても過言ではない。  経済成長に伴う進学率向上と受験競争の過熱、ふるい落とすためだけの難問・奇問の横行などから改革機運が高まり、国公立では1979年に共通1次試験が始まった。  1次で基礎学力の共通試験、大学で個別試験だったが、共通のため偏差値序列が生まれるという弊害が出て90年、センター試験になる。  私立大も自由に参加し、受験生は志望校が指定する科目を受け、各大学は独自に個別試験をする。  しかし、これも少子化を背景に受験生獲得競争が強まると、科目を少なくする大学や、センター試験結果だけで選抜する大学が増える。  また、面接や論述などで特性をみるはずのアドミッション・オフィス(AO)や推薦入試も形骸化が指摘される。学力低下が論じられ、高校課程の復習をする大学も多い。  今回の改革案もこの危機感が底にある。新テストで学習の「動機づけ」をし、高校と大学との接続を円滑にする。専門的な制度設計はこれからだが、課題は山積している。  例えば、1点刻みの順位を当たり前としてきた「試験文化」をどう改めるか。教科・科目を超えた出題とはどのようなものか。大規模大学でどう対処できるのか。肝心の大学教育をどう変えるか……。  これまでの制度でなぜうまくいかなかったか。まず挙がるのは、手間を惜しんだことではないか。  入学者選抜には丁寧に手をかける。それが共通認識として醸成できるかどうかに成否がかかる。 "[he-forum 18532] 信濃毎日新聞社説11/4","信濃毎日新聞社説 2014年11月4日付 大学入試改革 子どもに考えさせては  大学入試が終わってしばらくしたら、詰め込んだ知識はすっかり忘れてしまった。何のために勉強したのか。そんな思いを抱く人も少なくないだろう。  大学で学ぶために必要な力を評価するものとなっていない―。中央教育審議会の特別部会がまとめた大学入試改革の答申案は、今の入試をこう批判する。一時期の知識量で1点を争う入試から、思考力や判断力、表現力、主体的に取り組む力を含めた「確かな学力」の評価への脱皮を目指すという。  大学入試が変われば高校、ひいては中学、小学校の教育も変わる。それぞれの段階で「確かな学力」を育めるようにする。そんな答申案の方向性には賛成できる。絵に描いた餅にならないよう、関係者の意見も十分聴いた上で実現への道筋をつけてほしい。  改革の柱は三つある。  まず、全高校生を対象に基礎的な学習の達成度をみる「基礎学力テスト」を導入する。2、3年で希望に応じて複数回受験できる。結果は段階別に表示し、進学時や就職時に基礎学力を証明する資料にもなる。  次に、今の一発勝負の大学入試センター試験を廃止し、大学進学希望者向けに年複数回の「学力評価テスト」を実施する。教科の枠組みを超えた出題や記述式の回答を増やし、将来は教科別の出題を完全になくす。テストの結果はやはり、段階で示すとしている。  その後の大学ごとの選抜にも注文を付けた。学力評価テストの成績に加え、小論文や面接、集団討論、プレゼンテーション(発表)などの採用を例示。資格・検定試験の成績、各種大会での活動など「これまでの努力を証明する資料」も活用するよう求めた。  多面的な評価、丁寧な選抜に異存はない。ただ、何万人もが受験するような大学で一人一人の面接やプレゼンをどう実施するのか。点数ではなく段階での評価とはどのようなものか―。多くの疑問が今後の検討に委ねられ、具体性を欠いている。  にもかかわらず、基礎学力テストは2019年度、学力評価テストとそれを活用する大学ごとの選抜は21年春の入学予定者からというスケジュールを組んでいる。改革には大学や高校の協力が欠かせない。拙速は避け、答申自体も多面的な評価を受けるべきだ。  そして何より、将来受験する子どもたちの意見だ。答申内容を学級などで議論させ、その結果を募集する仕組みをつくりたい。「確かな学力」を養うことに通じる。 "[he-forum 18531] 高知新聞社説11/4","高知新聞社説 2014年11月4日付 【大学入試改革】脱知識偏重をどう実現  現行の大学入試センター試験に代わる新たな入試制度を検討している中央教育審議会が答申案をまとめた。  全体的に、知識に重点を置いた従来の入試を改革する方向性を打ち出している。大学入試は高校や中学校の教育にも深く関係する。脱知識偏重は目指す方向として間違っていないが、具体的にどう実現させるかだ。さらに詰めた議論が必要だ。  答申案の柱の一つはセンター試験に代わって行う「学力評価テスト」だ。一発勝負の現行制度と違い、複数回受験できる。米国の入試制度にも同様の仕組みがあり、受験生の心理的負担を減らすのが狙いだ。  問題も従来の教科別に加えて「合教科・科目型」「総合型」を設ける。例えば国語や英語など複数教科を組み込むことで知識の活用力を問うという。  国際的な学力テストで、日本の子どもは知識は持っていても活用力が低いという結果が出ている。  詰め込み教育は変えていくべきだが、どんな出題なら活用力をみることができるのか。作問はそれほど簡単ではないはずだ。早く例題を示して国民から意見を聞く必要がある。  評価テスト後の各大学入試も改革対象だ。小論文や集団討論を取り入れ、人物を多面的に見て合否判断するよう求めている。学力試験を課す場合は記述式、論述式とすることも挙げた。  多様な才能を持つ若者を多く入学させるには、選抜方法は多様である方がよい。丁寧に受験生の力を判断する改革として評価できる。  しかし、現実を踏まえると実現はそれほど容易ではない。十数年前から、人物を重視するアドミッション・オフィス(AO)入試が増えてきたが、長時間かかる論文審査などがネックとなり廃止する大学が出ている。  私立大の中には受験生が10万人を超すマンモス校がある。独自評価で長年選抜してきた私立大に、特定の入試を強制するわけにはいかないだろう。  中教審は年内にも下村文部科学相に答申する方針だ。ただ答申案は、約1年前に政府の教育再生実行会議が安倍首相に提言した内容とほぼ同じだ。中教審としてどこまで改革論議ができたのか、気になるところだ。  大学入試改革は子どもの進路選択に大きく影響する。結論を急ぐのではなく、関係者から十分意見を聞いた上で改革を進めてほしい。 "[he-forum 18530] 共同通信11/17","共同通信 2014年11月17日12時57分 法科大学院の適性試験、3会場で取りやめ  日弁連法務研究財団などでつくる「適性試験管理委員会」は17日までに、法科大学院の志願者に1次試験として課す適性試験について、2015年はこれまで実施していた17会場のうち、新潟市、高松市、鹿児島市の3会場で実施を取りやめると発表した。受験者数の減少を理由としており、16年以降の実施会場については今後検討する。  15年の適性試験は5月31日と6月14日の2回。金沢市、岡山市、熊本市では5月のみ実施し、11会場はこれまで通り2回実施する。 "[he-forum 18536] 時事通信11/14","時事通信 2014年11月20日11時14分 大学「飛び入学」に高卒資格=一定の単位取得が条件-文科省  文部科学省は20日、中央教育審議会(文科相の諮問機関)の総会で、高校2年修了時に大学へ「飛び入学」する生徒について、大学で一定の単位を取得すれば高校卒業資格を認める新制度案を示した。現在は飛び入学すると高校が中退扱いとなるが、飛び入学の環境を整え、優秀な人材が安心して利用できるようにする。  文科省は年内に中教審の了承を取り付け、省令改正を経て2015年度から実施する方針。  飛び入学は、科学など特定の分野で優れた高校生が通常より早く大学進学できる制度。1997年度から始まり、これまで千葉大など国公私立7校が導入したが、入学者は計112人と普及は進んでいない。飛び入学した学生が大学を中退すると最終学歴は中卒となり、公務員試験を受験できないなど進路が狭まることが要因とみられる。  新制度案は、飛び入学した学生が大学で16単位以上取得すれば「高校卒業程度特別認定者」(仮称)の資格を文科相に申請できる。 "[he-forum 18535] 岐阜新聞11/19","岐阜新聞 2014年11月19日付 岐阜大、海外に研究室 国立大と共同開設、天然物化学の拠点  岐阜大大学院連合農学研究科は18日、インドネシアの国立大ボゴール農科大に来月、天然物化学に関する共同研究室を開設する、と発表した。薬効成分を含む熱帯植物などが新鮮な状態で手に入るメリットがあり、漢方や生薬、健康食品などに活用できる有効成分の抽出を目指す。  岐阜大によると、海外に事務所を置く大学はあるが、研究室設置は珍しい。文部科学省の支援事業に採択されており、両大学をはじめ教育や研究の協定を結んだアジア7カ国の14大学の学生や教員が使える拠点とする。  共同研究室は農科大の生薬学研究センターの一室(約80平方メートル)に置く。植物の香り成分(精油)を集める水蒸気蒸留装置や濃縮装置、抽出物の精製装置を整備した。岐阜大は大学院生の派遣を始めており、2週間~2カ月間、現地で共同研究に携わる。12月2日に開所式がある。  このほか岐阜大は来年5月ごろにインドネシアのスブラス・マレット大に環境科学分野、来年度中にバングラデシュのダッカ大に生化学分野の共同研究室を設ける。いずれもスペースは現地が提供、装置の購入費など約500万円を岐阜大が拠出する。  同研究科の光永徹教授(56)は「共同施設を持つことで一歩踏み出した実質的な共同研究が進められる」と期待した。 "[he-forum 18534] 神戸新聞11/20","神戸新聞 2014年11月20日付 医療機器開発で産学連携 神戸大、中小が社団法人化  医療機器の共同開発や人材育成に向けて神戸大医学部や中小企業などが連携する「医療イノベーション神戸連携システム」の一般社団法人化を記念した式典が19日、神戸市内で開かれた。  2011年に任意団体で発足したが、信用度を高めて事業を拡大するため、ことし9月に法人化した。  医療現場のニーズと企業の技術をつなげて医療・介護・福祉機器などの開発に取り組む。神戸市機械金属工業会の会員のほか、神戸芸術工科大や東京工業大が研究機関として参加。神戸市、近畿経済産業局など行政も支援や協力をする。  これまで、大学と企業の間で人材交流を進める一方、神戸の靴産業を支援しようと、プラズマを使って靴の大腸菌や水虫の原因菌を除菌する装置も開発。14年度中の商品化を目指す。  法人の代表理事を務める神戸大大学院医学研究科の東健教授は「共同開発1号となるプラズマ除菌装置は、将来的には医療用に展開するなど事業を広げていきたい」と話している。(金井恒幸) "[he-forum 18537] 東京新聞11/21","東京新聞 2014年11月21日 処分まで3年近く 群大でパワハラ 懲戒解雇  部下の教職員らに退職の強要や女性蔑視発言などのパワーハラスメントを繰り返したとされる群馬大大学院医学系研究科の四十代の男性教授が二十日、 懲戒解雇処分となった。大学にパワハラの情報が寄せられて二年十カ月。「対応が遅すぎる」と悔しさをにじませる被害者もいた。一方、教授は大学が指摘した ハラスメントの一部を認めたが、「強要したつもりはない」などと否認している点もあるという。 (伊藤弘喜)  本紙は昨年秋から、この教授に書面やメールで取材を申し込んでいたが、返事は寄せられなかった。  群馬大などによると、教授は二〇一二年一月に着任。その直後から一三年八月までの間、助教や講師ら男女の研究者五人に、退職や休日出勤の強要、適 正な範囲を超えた叱責(しっせき)、暴言や侮辱をしたとされる。「女性研究者は結婚したら駄目だ」との趣旨の発言もあったという。  五人のうち複数の研究者がうつ状態になって休暇を取り、二人は退職して別の研究機関へ移った。  このうちの一人は「他の大学に移ってくれ、と教授から執拗(しつよう)に迫られた」と証言する。教授が他の研究者の仕事を否定するような発言を繰り返すのも目撃したという。  大学は一二年一月、匿名の投書でハラスメントを把握。上司の和泉孝志研究科長が三回にわたり教授を指導した。しかし、研究者が退職するなどしてハラスメントが一時やむことがあっても、後任の研究者が入ると、再び始まったという。  大学は一三年四月、被害者から正式なハラスメント相談を受け、調査委員会を設置。同年七、八月、和泉研究科長が教授に被害者たちとの接触を禁じる業務命令をし、被害者を緊急避難で他の研究室に移した。  一方、大学関係者によると、この教授は「ずっと一人で研究してきた。(部下に)どう接したらいいか分からない」と指導法の悩みを周囲に漏らしていたという。群馬大は、新任の教授を対象に指導法などの研修を行っていない。  井手孝行副学長は「将来のある研究者の芽を摘むようなハラスメント。今後、防止策を周知していきたい」と述べた。ハラスメント相談から処分まで一年半かかった点については「やれることはやっていた」と話した。 "[he-forum 18540] 読売新聞11/23","読売新聞 2014年11月23日 金沢大、授業の5割を英語で…2023年度目標  金沢大学(山崎光悦学長)は、2023年度までに学士課程の授業全体で、平均5割以上を英語で行う取り組みを進める方針を示した。  大学院ではほぼ全てを英語で行い、大学の国際化を加速させる考え。  同大は今年9月、日本の大学の国際競争力を高めるために文部科学省が重点的に支援する「スーパーグローバル大学」に選ばれた。外国語での授業の実施率を引き上げるのは、取り組みの一つという。  同大によると、現在は大学・大学院ともに英語での授業の実施率は5%以下といい、山崎学長は「まずは教員のレベルアップが求められる」と話した。対策として米・タフツ大と連携し、来年3月には同大講師が金沢大教員に英語を指導するプログラムが設けられる。全学生に占める外国人留学生の割合を、現在の約5%から、10年後には約4倍の2200人に増やすことも目標とした。  国際インターンシップ(就業体験)のプログラムを充実させることも掲げ、山崎学長は「卒業生の多くが海外経験があるように取り組みを進めたい」と説明した。 "[he-forum 18539] NHKニュース11/20","火山の重点観測・研究 御嶽山など追加 NHKニュース 2014年11月20日17時09分 火山の重点観測・研究 御嶽山など追加  御嶽山の噴火を受けて、文部科学省が設けた審議会の地震火山部会が20日開かれ、現在16ある重点的に観測や研究を行う火山に、新たに御嶽山など9つの火山を加え、今後、観測態勢の整備や研究に必要な人材の確保について検討していくことになりました。  大学などによる火山の研究は、国立大学の独立行政法人化に伴う効率的な予算運用などのため、6年前から全国の16の火山に重点化され、御嶽山などは重点化の対象から外れていました。  このため、文部科学省が設けた科学技術・学術審議会の地震火山部会は、御嶽山の噴火を受けて、全国に110ある活火山の中で、今後、観測や研究の態勢を強化すべき火山について改めて検討を進めてきました。  20日の会合では、文部科学省から、重点化の対象となる火山に、御嶽山をはじめ平成21年以降に新たに火山活動が観測された9の火山を加え、全国の研究者が共同で集中的に観測や研究を行うとする案が示されました。  これに対して出席した委員の研究者からは、「新たに増える火山の中には観測態勢が十分整っていない火山もあり、人材や予算が不足するなかで、観測や研究を増やせと言われても限界がある」といった意見が相次ぎました。  このため会合では、9つの火山については重点化の対象に加えたうえで、今後必要な観測装置の整備や研究者の育成など人材の確保をどのように進めていくか、検討を進めていくことになりました。 新たに加えられる火山  御嶽山、雌阿寒岳、十和田、蔵王山、吾妻山、那須岳、弥陀ヶ原、焼岳、九重山。 "[he-forum 18538] 中日新聞静岡11/23","中日新聞静岡版 2014年11月23日付 浜松医大 開学40周年祝う ◆「高齢化に貢献」誓う  浜松医科大(浜松市東区)の開学四十周年記念式典が二十二日、同市中区の遠鉄百貨店えんてつホールで開かれ、医療や自治体の関係者約三百人が出席した。  中村達学長は「二〇〇四年の国立大学の法人化以降、将来に投資する考えで、施設や設備などの整備を進めた」と振り返り、多くの卒業生の活躍や光技術を応用した光医学の研究成果を挙げ、「今までのようにこつこつ頑張れば継続性のある発展が期待できる」と述べた。高齢化社会に適応した地域医療への貢献も誓った。  同医科大ではこれまでに、医学科三千四百六十人、一九九五年設置の看護学科千九十九人、二〇〇八年設置の助産学専攻科八十二人が卒業している。  全国公募したシンボルマークの最優秀賞の発表もあり、二百九十一点の中からデザイナーの小池友基さん(群馬県)の作品が選ばれた。学校名の頭文字「h」をもとに、曲線は遠州灘や浜名湖の水面、富士山をイメージ。水色とオレンジ色が使われ、生命や躍動などが表現されている。 "[he-forum 18543] 東京大学新聞11/18","東京大学新聞 2014年11月18日付 学部教育改革など評価される 文部科学省による東大の法人評価  文部科学省は5日、国立大学法人が2013年度に実施した業務に対する評価を発表し、東大は「濱田純一総長の下で『法人の基本的な目標』に沿って計画的に取り組んでいる」という全体評価を受けた。総合的な学部教育改革や初年次長期自主活動プログラム(FLY Program)の開始などが評価されている。一方で東大が関わる研究不正疑惑などについて、12年度評価に引き続き、再発防止に向けた課題が指摘された。 総長主導の取り組みを評価  全体評価として東大は、濱田純一総長が掲げた将来構想「FOREST2015」を基に総長主導で目標達成に向けて取り組んでいると認められた。「戦略的・意欲的な計画の状況」として、部局別改革プランを策定したことや、来年度から全学部で4ターム制を実施すること、2016年度入試から推薦入試を導入することなどが挙げられている。 「機能強化に向けた取り組み状況」としては、教育改革に向けた経費・総長裁量人員の確保など学内資源配分の最適化が挙げられ、総長主導の取り組みが評価されている。東大は13年度、7億円の総長裁量経費を確保し、総長裁量人員として12人、教育研究分野に36人を新規に配分している。  その他には、国際社会での指導的人材育成を目指し本年度から本格的に始動した「グローバルリーダー育成プログラム(GLP)」や、英語で学位が取得できるコースを拡充していることなどが挙げられた。  英語で学位が取得できるコースとして東大は、12年度秋から「PEAK(教養学部英語コース)」を開始。本年度10月からは理学部で「グローバルサイエンスコース」を開始し、海外の大学で2年以上修めた学生を学部3年生に編入させる仕組みを整えた。本年度は化学科で実施し、授業は全て英語となっている。 運営や財務内容は「順調」  項目別評価で見ると、「業務運営」の部門では「順調」という評価を受けた。評価は5段階で上から「特筆すべき進捗」「順調」「おおむね順調」「やや遅れ」「重要な改善事項がある」。12年度評価では「特筆すべき進捗」とされており、1段階評価を下げた。13年度評価では、評価を受けた全90大学のうち長崎大学のみが「特筆すべき進捗」、84大学は「順調」、残り5大学が「おおむね順調」と評された。  東大はその他の項目で、12年度評価と同じ評価を受けた。「財務内容」は「順調」とされた。12年度評価では、給与・福利厚生費などの一般管理費の比率が法人化以降最も高くなったことが指摘されたが、13年度評価では改善に向けた取り組みが進んでいると評価された。  「自己点検・評価・情報公開など」についても「順調」と評価された。「財務内容」「自己点検・評価・情報公開など」は共に、全90大学が「順調」と評された。 研究不正疑惑など課題も  施設設備・安全管理・法令遵守が含まれる「その他業務」は「やや遅れ」とされ、12年度評価に引き続き数点の課題が挙げられた。 SIGN(慢性骨髄性白血病治療薬)や、アルツハイマー病に関する臨床研究「J―ADNI(ジェイ・アドニ)」の研究不正疑惑が挙げられ、事実確認や再発防止などが課題とされた。  他にも教員が学外で学生の個人情報が記録されたノートパソコンなどを紛失した事例など個人情報の不適切な管理事例が計9件あったと指摘。個人情報保護に関する危機管理の強化が求められた。  国立大学法人評価は大学の質の向上などを目的に、文部科学省の国立大学法人評価委員会が毎年行っているもの。各大学の中期目標・中期計画の進捗状況について、大学側が提出した報告書を基に評価する。評価結果は次の中期目標や中期目標期間での運営交付金の算出に反映される。 "[he-forum 18542] 東京新聞社説11/25","東京新聞社説 2014年11月25日付 大学入試改革 大切なのは入学後だ  大学入試改革について中央教育審議会がまとめた答申案は、知識の豊かさのみでなく、いわば人物の力量を重視する方向へかじを切るものだ。理念はわかるにしても、実現へのハードルは高い。  漫然と高校に入り、惰性で大学受験を目指す。合格すれば、ほとんど難なく卒業でき、有名校であるほど就職に有利になる。高度成長に伴い、日本に広く根を下ろした人生行路の一典型だろう。  だが、少子化やグローバル化が進み、先行きは見通せない。受け身で詰め込んだ知識量を一点刻みで争わせ、人生まで左右する大学入試では公正ではないし、そぐわない。答申案の問題意識はうなずけるものがある。  そこで、入試の位置づけを抜本的に見直すという。子どもが高校で夢や目標を描き、積み重ねた努力を入試で評価し、大学や社会で花開くようにする、と。  具体化はどうか。高校では、基本的な知識や技能が身についているかを確かめる「高校基礎学力テスト」を取り入れる。二、三年生向けだ。学力は担保したい。  大学入試では、一発勝負のセンター試験を「大学入学希望者学力評価テスト」に切りかえる。教科を組み合わせて出題し、基礎知識を使いこなせるかを問う。  加えて大学の個別試験では、小論文や集団討論を課したり、高校時代の活動実績を見たりする。意欲や仲間と協働する力をふくめ全体の力量を多角的に評価する。  点数化できる能力のみでの一度限りの選抜では、子どもの可能性が見落とされかねない。人物重視の仕組みへの転換には異論を差しはさみにくいが、疑問も多い。  新テストは年幾度か受けられるが、高校生活がテスト漬けにならないか。課外活動や行事にも響く。合否の決め方に納得するか。  最大の問題は大学だ。とりわけ大規模大学は、受験生一人ひとりを丁寧に評価できるか。選抜基準をはじめ、制度設計は至難に違いない。財政負担も大きい。  子どもの人口が減り、大学全入時代と呼ばれる。振るい落とすという入試の機能は働きにくい。重要になるのは、大学の出口の厳格化だ。学生の能力を引き出し、鍛え上げて社会に送り出すという役割が強く求められる。  この先、学習指導要領が改定され、小中高校の教育が変わる。知識偏重でなく、自ら考え、仲間と共に動く力を培う授業になる。大学はその受け皿だ。可能性が花開く教育のあり方を吟味すべきだ。 "[he-forum 18541] 時事通信11/20","時事通信 2014年11月20日19時42分 東京海洋大次期学長に竹内氏  東京海洋大学(東京都港区)は20日、岡本信明学長(63)の任期満了に伴い、選考会議で次期学長に同大大学院海洋科学技術研究科の竹内俊郎教授(65)を選出したと発表した。任期は2015年4月1日から3年間。 "[he-forum 18544] 読売新聞11/27","(2014年11月27日 読売新聞) 研究不正 法案策定へ…厚労省、有識者検討会報告受け  高血圧治療薬「ディオバン」の研究データ改ざん事件などを受け、厚生労働省の有識者検討会は26日、「一定の範囲の臨床研究に法規制が必要」との報告をまとめた。  これを受け、厚労省は、不正に対する行政当局の調査権や罰則規定などを盛り込んだ法案作りに着手し、早ければ来年の通常国会にも提出する。  まとめによると、法規制の対象は、未承認薬などを用いた研究や、製薬企業などの広告に用いられることが想定される研究。  研究不正が疑われた場合、行政当局が関係者に対して必要な調査を行う権限を確保すべきだとした。罰則は原則として、行政指導などで違反行為が改善されない場合に適用される。  また、研究機関には、不正に関する情報収集のための窓口を設置するよう求める。研究が適正かどうかをチェックする倫理審査委員会には、研究の開始時点だけでなく、途中でも必要な関与を行うことを求める。  薬の製造・販売承認を得るために行う治験は医薬品医療機器法で規制されているが、一般的な臨床研究には国の倫理指針があるだけで、法規制がなかった。 "[he-forum 18546] 和歌山新報11/28","和歌山新報 2014年11月28日 和大次期学長に瀧氏 工学部から初  和歌山大学の次期学長候補者に現副学長の瀧寛和(たき・ひろかず)氏(58)が決まった。任期は平成27年4月1日から4年間。初のシステム工学部出身の学長となる。  山本健慈学長の退任に伴い、今月26日の学長選考会議で選出された。山本学長の任期は来年7月末までだが、本年度末は6年間の中期計画の切れ目に当たり、大学の運営上適当と判断した。  瀧氏は大阪府出身。大阪大学大学院基礎工学研究科(博士前期課程)修了。知識情報処理、人工知能、知的システムを専攻。三菱電機の研究員などを経て、平成10年に和大システム工学部の教授に。21年に同学部長。現在は副学長の他、システム情報学センター長、工学自然科学系長などを務めている。 "[he-forum 18545] 時事通信11/27","時事通信 2014年11月27日22時2分 東大次期学長に五神氏=「成長の場整備」と抱負  東京大学は27日、浜田純一学長(64)の任期満了に伴い学長選考会議を開き、次期学長に東大大学院理学系研究科長・理学部長の五神真氏(57)を選出した。任期は来年4月から6年間。  選考会議では5人が候補となり、常勤の教授・准教授らが投票。決選投票の末、五神氏が過半数を得た。  記者会見した五神氏は「世界トップレベルの学問を提供し、知の興奮と喜びを糧に学生が成長する場として環境を整備したい」と抱負を述べた。若手研究者や女性の登用、大学院教育の充実にも意欲を示した。  五神氏は光量子物理学が専門。1980年東大理学部卒。副学長などを経て今年4月から現職。 "[he-forum 18547] しんぶん赤旗11/29","しんぶん赤旗 2014年11月29日付 奨学金借り入れた大学院生 総額300万円超が半数 全院協調査 国に拡充要請  全国大学院生協議会(全院協)は28日、大学院生の経済実態に関するアンケート調査を踏まえて、文部科学省に対し高等教育の漸進的無償化、経済的支援の抜本的拡充、国立大学運営費交付金と私学助成の拡充などを要請しました。  アンケート調査は今年6月から8月にかけて実施し、82国公私立大学の1000人から回答を得ました。回答者の約6割が奨学金を借りており、その半数は総額が300万円以上におよびます。10人に1人は700万円以上の借り入れを背負っていました。1000万円を超える院生もいます。  2012年、日本政府は高等教育の漸進的無償化を定めた「国際人権A規約第13条2項(C)」の留保を撤回しました。ところが、高等教育や学術研究に対する予算は拡充されず、大学院生への経済支援や研究環境保障は未整備のままです。  日本には公的な給付制奨学金がありません。返還免除制度もきわめて限られており、有利子が4分の3を占め、返済には大きな困難がともないます。返済に対する不安の有無では「かなりある」が43%、「多少ある」が31・7%でした。  52・6%がアルバイトをしており、その9割が「生活費・学費(研究費を含む)をまかなうため」です。研究時間が十分確保できない要因の最多は「アルバイト」(25・5%)でした。  収入不足による研究への影響では、「研究の資料・書籍を購入できない」(42・6%)、「学会・研究会にいけない」(25・4%)、「調査にいけない」(24・1%)と続きました。 "[he-forum 18548] しんぶん赤旗12/2","しんぶん赤旗 2014年12月2日(火) ブラックバイトに相談窓口 宮本氏質問 文科省、大学などに通知  「テスト期間中も休めない」「売れ残りの商品を買わされる」「皿を割ったら弁償」といった違法・無法な働かせ方を学生アルバイトに強いる「ブラッ クバイト」。この問題で文部科学省が、学生たちからの相談を各都道府県労働局が受け付けるとする文書を全国の大学や高専、専修学校、教育委員会の担当者に 送付したことが1日、わかりました。日本共産党の宮本たけし前衆院議員(近畿ブロック比例候補)が6月に行ったブラックバイト対策の国会質問にこたえたも のです。  文科省によるブラックバイト対策の事務連絡文書は11月25日付。「学生等が労働関係法令に違反した状態でアルバイトに従事させられるような事態 が生じることを防ぐため、あるいは、そのような事態が生じた場合に適切に対処するため」、各都道府県労働局で相談を受け付けることを学生たちに周知し、大 学も労働局と連携をはかるよう要請しています。  宮本氏は6月18日の質問で、相談窓口の設置などを要求。下村博文文科相は「教育上、由々しき問題だ」と答え、大学に対策を促す考えを示していました。日本民主青年同盟も各地で若者たちの声を集めて、大学や自治体に相談窓口の設置などを求めています。 政府も放置できず  宮本たけし前衆院議員の話 今回の通知はブラックバイトの深刻な状況を政府も放置できなくなったことを示しています。学生や国民の 運動と日本共産党の国会論戦が現実政治を動かした、貴重な成果です。今後とも、学生や国民のみなさんと力を合わせ、ブラックバイトやブラック企業の根絶に 全力を尽くします。= "[he-forum 18551] 毎日新聞12/2","毎日新聞 2014年12月2日付 文科省:国立大交付金を重点配分へ 機能強化・競争促す  国立大学(全国86大学)を運営するため国が毎年各大学に支給している「運営費交付金」について、文部科学省の有識者会議は1日、地域活性化など大学の教育・研究の内容によって重点配分する改革案をまとめた。運営交付金の配分にメリハリをつけ、大学間の競争を促して改革を加速化させるのが狙い。同省は2016年度予算からの適用を目指す。  現在の運営費交付金は、教員数や学生数といった大学の規模などに基づき、支給額が決まる。だが、使途は指定されておらず大学の裁量で使うことができることから「渡しきり」との指摘があった。  改革案では、運営費交付金の一部を「改革経費」として位置づける。各大学の教育研究の機能強化と学長のリーダーシップ強化の取り組み状況によって、差をつけて配分する。  機能強化の取り組みの対象は、地域活性化▽特定分野に重点を置いた研究力強化や人材育成▽世界最高水準の教育研究拠点−−の三つ。各大学にはこのうちいずれかを選んでもらい、結果を毎年評価する。高い評価が得られれば、配分額が増える。地域活性化の指標としては、地元企業への人材供給、地域行政や産業との連携状況などが想定されている。  学長のリーダーシップについては、学長裁量による組織改革や学内の予算配分がどれだけ進んでいるかを定期的に評価する。  受託研究収入など各大学が独自に外部から獲得した資金に関しては、収入が増加しても運営費交付金は減額しない方針は継続するとした。  大学改革を巡っては、文科省は13年11月、教育研究強化など、取り組むべき内容を盛り込んだ「国立大学改革プラン」を公表。今年6月には教授会の権限を制限し、学長権限を強化することを柱とした改正法が成立した。【三木陽介】 【ことば】運営費交付金  2004年度に国立大学が独立法人化されたことを受け、各大学の収入不足を補うために国が支給する補助金。人件費や光熱費に充てられている。13年度予算では総額1兆792億円で、最も多く交付されている東京大は785億円。04年度以降、年々減少傾向にあり、14年度予算では1兆1123億円(04年度は1兆2415億円)となっている。 "[he-forum 18550] 愛媛新聞11/27","愛媛新聞 2014年11月27日付 愛媛大学長に大橋氏  愛媛大は26日、柳沢康信学長の任期満了に伴う学長選考会議を行い、次期学長に副学長で理事の大橋裕一氏(64)を選んだ。任期は2015年4月1日から3年間。  松山市道後樋又の愛媛大本部で会見した大橋氏は「現執行部が打ち出した方向性に沿って、改革を進めたい。運営費交付金の配分変更など地方大学に厳しい展開が予想される。自主的財源を掘り起こし、外部資金を獲得する方策を考えていく」と抱負を語った。  愛媛大は9月、中教審大学分科会が13年末に出した審議まとめを受け、学長選考規定を改定。これまでは学部推薦を受けるなどした人から、予備投票で上位3人を選んでいたが、予備投票は行わず、学長選考会議(仁科弘重議長)が3人以内に選ぶ方法に変えた。選出後、演説会や面接、教職員による「意向調査投票」をし、結果を基に選考会議が候補者を決める。  今回は大橋氏以外の推薦がなかったため、演説や投票は行わず、26日に選考会議が面接、審議して決定した。15年4月1日付で文部科学相から任命される。 【大橋裕一氏(おおはし・ゆういち)】75年大阪大医学部卒。89年大阪大医学部講師、92年愛媛大医学部教授。医学部付属病院長などを経て06年から理事。大阪府出身。専門は眼科学。松山市祝谷6丁目。 "[he-forum 18549] 中日新聞11/29","中日新聞 2014年11月29日付 三重大学の次期学長に駒田美弘氏    三重大(津市)は28日、内田淳正学長(67)の任期満了に伴う次期学長候補に、副学長の駒田美弘氏(62)を選出したと発表した。任期は来年4月1日から6年間。  駒田氏は津市出身で専門は小児科学。1980年に三重大大学院医学研究科を修了し、医学系研究科長や医学部長などを歴任した。今年4月から副学長。  同大での会見で「大学や地域を元気にする、優秀な若い研究者や教育者を育てたい」と述べた。 "[he-forum 18552] しんぶん赤旗12/4","しんぶん赤旗 2014年12月4日付 奨学金の会が文科省要請 給付制の実現ぜひ  「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」(奨学金の会)は3日、2015年度教育予算の充実を求めて文部科学省に要請しました。  三輪定宣会長(千葉大学名誉教授)、大学院生らが参加しました。要請項目は、来年度予算で高校・大学の教育費用の負担軽減、奨学金返還困難者に対する救済、「中等・高等教育の漸進的無償化」の国際条約化の意義を積極的に広報することです。  文部科学省側は「奨学金の無利子化や、給付制奨学金の導入について、同省も同じ方向を向いています」と答えました。  奨学金の会は要請に際して「提言・未来をひらく教育保障制度をつくろう」(第一次案)を発行。「教育無償化」「給付制奨学金」を実現するため、国民的な運動を呼びかけています。 "[he-forum 18553] 読売新聞広島12/6","読売新聞広島版 2014年12月6日付 「国際化進めたい」広島大次期学長の越智氏  広島大は5日、学長選考会議を開き、2015年4月1日からの次期学長に、大学院医歯薬保健学研究院教授の越智光夫氏(62)を選んだ。越智氏は同大東広島キャンパスで記者会見し、「国際化を進めて、世界で活躍できる大学を目指したい」と抱負を述べた。  越智氏は会見で、大学が限られた資金の中で研究に取り組んでいる現状に触れ、「経営のためにも、国などの補助を得たうえで、素晴らしい研究を世界に発信すべきだ」と強調した。  同大は、文部科学省が国際競争力の強化を支援する「スーパーグローバル大学・トップ型」にも選ばれ、海外に送り出す学生や受け入れる留学生、外国語の授業の増加などを掲げる。越智氏は「学内にも日本人学生と留学生が交流できる場を設け、環境整備を進めたい」と話した。越智氏は愛媛県出身で、同大医学部卒。同大の理事・副学長などを経て2012年から現職。 "[he-forum 18554] 四国新聞12/6","四国新聞 2014年12月6日付 香川大「将来構想」県と協議し策定へ  香川県と香川大は5日、同大の第3期中期目標期間(2016~21年度)の運営指針となる「将来構想」について話し合う検討協議会を、来年1月に設置すると発表した。人口減少対策の一環で魅力ある大学づくりを提唱する香川県と、蓄積した知識や技術などを生かして地域活性化への貢献を目指す同大との考えが一致。地域のニーズを反映した特色ある大学の運営方針を、来年度中に策定する。  将来構想は、教育の質の向上や業務の効率化など、大学を運営する際の指針を盛り込んだもので、6年ごとに策定している。  香川県は本年度、進学者の8割超が県外の大学を選択した状況を踏まえ、若者の県外流出を防ぐ対策の一つとして、高校生が選びたくなる大学づくりの必要性を主張してきた。同大も昨夏、国が「国立大学改革プラン」を示したことを受け、県から地域ニーズについて詳細な情報を得て将来構想を策定しようと、協議会の設置を決めた。  会は、工代祐司政策部長ら県幹部と、大学運営で学長を補佐する理事らで構成。教育や農業、福祉など、多岐にわたる分野で話し合いを重ね、大学の機能強化に努める。 "[he-forum 18556] 山形新聞12/10","山形新聞 2014年12月10日 07:34 山形大未払い賃金訴訟、新たに33人提訴  国家公務員の賃金引き下げに合わせ、一方的に給与を削減されたのは不当だとして、教授らが山形大に対しカットされた未払い賃金の支払いを求めた訴訟で、 原告団は9日、新たに33人の教授らを原告とし、計3064万円の支払いを求める2次提訴を山形地裁に起こした。既に教職員7人が提訴しており、原告は計 40人で、請求額は合わせて3974万円となる。  今回提訴したのは、人文、地域教育文化、理、工、農の各学部の教職員ら。訴状によると、2012年2月、給与削減を定めた臨時特例法が成立し、国家公務 員の賃金が2年間、引き下げられたことに伴い、大学側は教職員の反対を押し切り、同年7月から14年1月までの賃金を1割削減。不当な措置によりカットさ れた3064万円を支払うよう求めている。 "[he-forum 18555] 産経ニュース12/9","産經新聞 2014.12.9 18:54 給与削減めぐり追加提訴 山形大の教職員33人 3千万円の支払い求める  国家公務員の賃下げに合わせて給与を削減したのは不当だとして、山形大の教授らが削減分の支払いを大学側に求めた訴訟で、新たに33人が9日、山形地裁に追加提訴した。原告は計40人になり、今後、一緒に審理される見通し。  原告団によると、追加提訴したのは、いずれも「山形大学職員組合」に加入する教授ら教員29人と技術職員4人。平成24年7月~26年1月までの削減分、計約3千万円の支払いを求めている。  同様の訴訟は12年以降、福岡教育大や富山大、京都大などの教職員が起こしている。 "[he-forum 18558] 四国新聞12/9","四国新聞 2014年12月9日付 四国5国立大、ネット出願/16年度入試から  香川大など四国の国立大5校は8日、現在の高校2年生らを対象とした2016年度入試から、共同のシステムを利用して出願をインターネットで受け付けると発表した。香川大によると、同大では一般入試で導入し、推薦入試は学内で検討中としている。国立大が連携してネット出願を導入するのは初めてという。  ネット出願を受け付けるのは、香川大のほか徳島大、鳴門教育大、愛媛大、高知大。5大学は国の補助金事業を受けて、大学間の連携を深める協定を昨年度に結んでおり、今回は受験生の利便性向上に向けて共同で取り組むことにした。  システムの導入で、受験生はホームページ上で24時間出願でき、受験料(検定料)は金融機関窓口での払い込みから、コンビニエンスストアやクレジットカードなどを利用した方法へと支払い手段が増え、手数料は無料になるという。各高校が作成する調査書など、一部書類はこれまで通り大学への郵送が必要。  5大学は17年度入試までは従来通り紙ベースの願書受け付けも行い、18年度からネット出願に完全移行する予定。 "[he-forum 18557] 東京新聞12/11","東京新聞 2014年12月11日付 <くらしを守る>高額化する教育費 節約を重ねて学費捻出  家庭の教育費が膨らんでいる。特に大学生を持つ親の負担は重い。奨学金を利用する大学生の比率は5割を上回り、奨学金の返済に苦しむ非正規雇用の若者も多い。政治はこうした現状を変えられるのだろうか。 (白井康彦、寺本康弘)  「いよいよ教育費のヤマが来たか…」  三重県の女性(54)は今年一月、家計の予算立てをしていて、教育費の跳ね上がりを実感した。家族は会社員の夫(50)と娘二人。当時、長女(21)は北陸にある国立大の文系三年生、次女(19)は高校三年生。次女は四月、九州にある私立大の理系に入学した。一年間の教育費は計六百万円に上る。  長女の授業料は五十三万円、次女の入学金と授業料は百五十六万円。毎月の生活費は、家賃を含めて各十万円でやりくりしてもらっている。それでも一年で計二百十三万円かかる。  加えて長女は就職活動があり、名古屋や東京などである会社説明会に参加するため、交通費などが半年で二十一万円かかった。次女は入学時にパソコン購入費十五万円も必要だった。  夫の手取り月収は約三十八万円。今年の収支は百八十万円を超える赤字だ。それでもこれまでの貯金でやりくりできた。子どもが小さいころに参加した家計講習会で、大学費用の大きさを学んでいたからだ。「お金は急にはためられない。小中学生のころがため時」と言われた。できるだけ外食はしない、洗剤は購入せず重曹で洗うなど、節約を重ねた。子どもの習い事は本当にやりたいというピアノだけで、塾も通わなかった。苦労はしたが「娘たちの輝く姿を見ると、本当によかった」と感じている。      ◇  教育資金は住宅、老後と並ぶ三大資金だ。東京で活動するファイナンシャルプランナー、八ツ井慶子さんは「統計的には幼稚園から大学までずっと私立だと二千二百万円。公立でも八百万円。将来の教育費を気に掛け、『もう一人子どもを持てますか』と相談に来る人もいます」と話す。  家計に余裕がなく、教育資金をためられなかった場合は奨学金がある。だが、国内に給付型の奨学金は少なく、広く利用されている日本学生支援機構の奨学金は、返済しなければならない貸与型だ。  愛知県内の男性(24)は社会人二年目。非正規の勤め人で、手取り月収は十三万円。現在、奨学金の返済残高は約三百八十万円(利息分は除く)。家庭はもともと裕福ではなく、県内の私立大に入学当初から奨学金を借りた。在学中に父親が経営する会社の業績が悪化し、自宅は他人の手に。一人暮らしを始めたため、生活は苦しくなった。  社会人となって半年後の昨年十月、月一万五千円の返済が始まった。すぐに生活は立ち行かなくなり、今年に入って返済猶予の申請をした。ただ、猶予は最大で十年。いつかは再開しなければならない。それから返済が二十年近く続く。男性は「返済が順調に進んでも、完済できるのは四十五歳ごろ。子どもがいたら、その子が大学に行くころ」と苦笑いする。男性の願いは「なんとか正規として採用されること」と切ない。 "[he-forum 18559] 信濃毎日新聞12/12","信濃毎日新聞 2014年12月12日付 新県立大の理事長・学長予定2氏 経済界に理解求める  県短大(長野市)を四年制化して2018年4月開学を目指す新県立大の理事長に就く安藤国威氏と、学長に就任する金田一真澄氏が11日、長野市と松本市で開かれた県内経済団体の会合に出席し、目指す大学像を説明して理解を求めた。  松本市で開かれた県経営者協会の理事会・常任幹事会で、安藤氏は「総花的ではなくワン・アンド・オンリー(唯一無二)の取り組みをしていく」と説明。競合する管理栄養士養成課程の設置に反対している松本大(松本市)に関しては、「両大学は目指すことが全く違う。松本大との協議でも協力してやっていこうと友好的に話が進んでいると理解している」と述べた。  参加者からは「新県立大の理念や特徴には賛同するが、管理栄養士資格を取得できる職業訓練校に近い学部が入っていることに違和感を感じる」との意見が出た。県経協の山浦愛幸会長は「独立心の強い人材を育てる特徴ある大学にしてほしい」と求めた。  長野市で県商工会連合会が開いた商工会長会議では、金田一氏が「学生への面倒見が良く、厳しい大学にする。方向性を理解する教員の選考を進めたい」と強調。連合会の矢崎昭和会長は「世界中、日本中から人が集まる大学になるよう願っている」とした。 "[he-forum 18563] 岩手日報12/16","岩手日報 2014年12月16日付 岩手大とKEK連携へ 19日締結、共同研究や交流  岩手大と高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)は19日、高エネルギー物理学や素粒子物理学などに関連した共同研究、教育の相乗効果を高めるための連携・協力に関する協定を締結する。研究者の相互交流や共同研究などを活発化。将来的には国際リニアコライダー(ILC)や放射光施設誘致に向けた活動の推進が期待される。  盛岡市上田3丁目の同大で行われる締結式で同大の西谷泰昭学長代行とKEKの鈴木厚人機構長が、協定書に調印する予定。協定書には▽共同研究の推進▽研究者の相互交流▽人材の育成―などに両者が取り組むことを盛り込む。  今回の協定締結によって、組織同士の枠組みができ、加速器関連の共同研究や技術開発などがより盛んに行われる。本県が北上山地(北上高地)に誘致を目指すILCや東北への誘致に取り組む東北放射光施設などにおいて、KEKの協力を得ることにより、同大の取り組みが活発化することも期待される。 "[he-forum 18562] 京都新聞12/17","京都新聞 2014年12月17日付 「無断良くない」と京大総長 京都府警の構内立ち入り  京都市左京区の京都大構内で京都府警の私服警察官が学生とみられる男性に取り押さえられた騒ぎで、山極寿一京大総長は16日、府警と今後の対応を話し合っていることを明かし、「(警察が)無断で調査活動をするのはよろしくない」として大学への事前連絡をあらためて求めていく考えを示した。  報道との定例懇談会で質問に答えた。山極総長は「大学のキャンパスにはある程度の自治がある。学生や教員の活動を認める場であってほしい。(府警の)連絡がなかったのは遺憾だ」と述べる一方、府警と文書などで取り決めることは否定した。  京大への警官立ち入りについて、府警警備部は「中核派系全学連の活動を視察した正当な職務」としている。 "[he-forum 18561] 岐阜新聞12/17","岐阜新聞 2014年12月17日付 岐阜大がケニア国立大と協定 工学部間で学術交流推進  岐阜大工学部は16日、ケニアの国立大ディアンキマティ工科大の工学部と学術交流協定を結んだ。学生や研究者の交流を推進し、研究や教育活動で連携を強化するのが狙い。アフリカの大学との締結は初めて。  協定は20年前から同工科大と共同研究を進める岐阜大工学部の佐々木実教授(ロボット工学)が窓口となって実現。岐阜大は一年半前から大学院で工科大教員の留学を受け入れており、今回の協定で社会基盤、機械、電気電子、化学の各工学といった幅広い分野で手を携えることにした。  岐阜大で締結式があり、鈴木文昭理事兼副学長、六郷惠哲工学部長と工科大のキヨニ学長、カニョゴロ工学部長が協定書を交わした。工科大が日本の大学と結ぶのは初めて。  キヨニ学長は「ケニアには地熱発電や太陽光発電の研究フィールドがある。エネルギー分野も含めて人材の交流や共同研究を進めたい」と話した。六郷学部長は「国際化に対応した人材を育成するため、協定によって(授業料免除など)海外で研究しやすい環境を整えていく」と語った。  岐阜大工学部はこの日、インドネシアの私立大ブラヴィジャヤ大、ミャンマーの国立大ヤダナボン大、メティラ大とも学術交流協定を結び、締結先は8カ国の計14大学となった。 "[he-forum 18560] 神戸新聞12/18","神戸新聞 2014年12月18日付 神戸大次期学長の武田氏会見 「工夫して教育と研究推進」  神戸大学(神戸市灘区)は16日、任期満了となる福田秀樹学長(67)の後任に、理事で副学長の武田廣氏(65)=高エネルギー物理学=を選んだと発表した。学長は14代目で、任期は2015年4月1日から4年。同日、神戸大で記者会見した武田氏は「大学が社会から求められているのは、教育と研究、そして社会貢献。精いっぱい頑張りたい」と抱負を語った。  武田氏は東大大学院理学系研究科単位修得退学。1989年、神戸大理学部教授になり、理学部長などを歴任。2009年、理事・副学長に就任した。理化学研究所計算科学研究機構運営諮問委員なども務める。  13年に提唱者がノーベル物理学賞を受賞したヒッグス粒子について、発見・確定の決め手となる実験を行った国際研究チーム「アトラス」の立ち上げなどにも関わった。  会見で武田氏は、国からの交付金が減少している状況に触れ、「国立大を取り巻く状況は厳しいが、工夫して教育と研究を推進していきたい」と語った。 (紺野大樹) "[he-forum 18564] 朝日新聞(耕論)12/19","朝日新聞 2014年12月19日05時00分 (耕論)STAPの教訓 郷通子さん、榎木英介さん  この1年、科学界を揺るがしたSTAP細胞の「発見」は、誰も存在を証明できない事態に暗転した。大きな教訓は、研究者をいかに育てるか。競争の激しい生命科学の分野で後進を育成してきたベテランと一線の若手は、どう考える?  ■多額研究費は逆に人材育てぬ 郷通子さん(前お茶の水女子大学学長)  今回の問題を通じて浮上した大きな課題の一つは、研究者の育成、つまり、大学院での教育はどうなっているか、ということでしょう。私は、このままでは日本の科学は危うい、と思っています。  実験ノートが話題になりましたが、そうした研究に関する基本的なことは、大学院に入って最初に教わるべきことです。  私自身が指導していたとき、学生とは必ず毎週1回、1対1で話をしていました。生データと研究ノートを持ってきてもらって、見ながら議論する。それをやっていれば、独立した研究者になっても基本的なことを知らない、などということにはならないはずです。      *  <考えさせること> 最初にどう学ぶか、は非常に重要です。私はお茶の水女子大から名古屋大の物理の大学院に進みました。ノーベル賞を受賞した益川敏英さんと同期でした。今年のノーベル賞の赤崎勇さん、天野浩さんも含め、なぜ名古屋大からの受賞が多いのかとよく聞かれます。旧帝大の中で最後にできた若い大学ということもあり、上下関係もあまりなく、自由な雰囲気があったと思います。  博士論文は、早稲田大の指導教員のもとで書きましたが、名古屋大と共通していたのは、先生は決して研究テーマを与えずに学生に考えさせることです。学生の側にも、たとえ大変でも面白い研究をやるんだ、簡単なものはやるまい、という気概がありました。  最近は、研究テーマを先生が与えることが多くなっているようです。「すぐ論文が書ける」「面白いが5年がかりになるかも」などいくつか並べると、多くの学生はすぐ論文が書けるテーマを選ぶ。  先生も学生も、早く成果を出さなければと、迫られています。  論文もそうです。一流誌に何本も論文を発表している大学院生に聞くと、先生が書いた、という。そのほうが効率がいいからでしょう。私が指導してい たとき、最初は論理構成もめちゃめちゃで、どうやって論理を組み立てるか、何のための研究か、などと議論しながら自分で書かせました。データがそろってか ら1年くらいかかります。でも、そうして自分で書かないと、本人のためにならない。自分できちんと論文が書けることは、博士の最低条件です。      *  <多様性を大切に> しかし、こうした指導スタイルは大学院でも研究機関でも、とくにこの10年ほど、変わってきたことが気がかりです。  とりわけ、多額の研究費をもらっている研究室ほど、早く成果を出し、多くの論文を発表することが求められる。お金があればできることはだれでもで きるから、いかに早くやるかが勝負になる。ボスも忙しいから若手とじっくりつきあっている時間は取りにくく、若手もさっさと論文を仕上げないと次のポスト が得られません。  研究費が重点的に支給されている大学や研究機関ほど、そうした傾向が強くなります。研究費が少なければ、工夫がいるし、何をやるか、頭も使う。多額の研究資金が投じられるほど、人が育ちにくい、という皮肉な結果です。  基盤的な研究費は減っているため、たとえば科学研究費補助金(科研費)に応募しても採択率は4分の1ほどです。小さい大学で研究をすることはますます難しくなっています。一部の大学への過度の集中は改め、幅広く支援していく必要があると思います。  ユニークな研究を育むには何より、多様性が大切だからです。  若手研究者を対象とする賞でも、はやりのテーマで一流誌に論文をたくさん発表している人が選ばれがちです。その人ならではの思い切った挑戦をもっと評価すべきです。  若い研究者に、研究とは何か、研究の本当の面白さとは何か、きちんと教えることが、指導する者の役目です。それを再確認する必要があります。  現在、大学と大学院との一貫教育が議論されていますが、これには反対です。囲い込みを強めて流動性を損ない、多様性を失う結果になります。  小保方晴子さんのように、新しい分野への挑戦は奨励されるべきです。もっと上手に育てることもできたのでは、と残念です。  (聞き手・辻篤子)      *  ごうみちこ 39年生まれ。専門は生物物理学。名古屋大、長浜バイオ大の教授、お茶の水女子大学長などを経て名古屋大名誉教授、情報・システム研究機構非常勤理事。  ■若手追い詰める競争の緩和を 榎木英介さん(近畿大学医学部病理学教室講師)  生命科学の分野で最近、研究不正が特に目立っています。重点分野としてポストや研究費が増えているため、多くの研究者が参入し激しい競争を繰り広げていることと無関係ではないと思います。  競争に勝つには、いい論文を数多く発表し、権威ある雑誌に掲載されなければなりません。そのためには捏造(ねつぞう)したデータの使用も、いとわ なくなってしまう。また、実験結果の撮影にデジタルカメラを使うと、デジタル技術で画像を鮮明にしたり、コントラストを強調したりすることが簡単にでき る。研究不正が生み出される素地が広がっているのです。      *  <ピペドと呼ばれ> このような事情から、世界的に生命科学の分野で研究不正が起きやすくなっているのですが、日本では、教授などのボスに権限が集中する、上下関係の強い研究風土の弊害が強く出ています。  特に、「ポスドク」といわれる博士号取得後も不安定な有期雇用で働く人たちや大学院生は、強いプレッシャーを受けています。微量の試薬を測るマイ クロピペットという道具を握って朝から晩まで実験を繰り返す姿は、奴隷になぞらえて「ピペド(ピペット奴隷)」と呼ばれるほどです。  大学院生は1991年から2000年にかけて倍増しました。でも教員は増えていないので、博士課程の学生はまともな教育を受けられず、単なる労働 力として酷使されています。「大学院生はタダで使える」と放言する教授さえいる。すべての若手研究者がピペドというわけではありませんが、その置かれた境 遇はひどい。監視カメラで行動を監視する研究室も存在する。女性研究者が教授から「結婚や出産をするなら、研究室から出ていけ」と言われたケースもあっ た。生命科学系のポスドクの15%が週80~100時間働いているという日本学術会議の調査結果もあります。  追い詰められた境遇から抜け出すには、いい論文を書かなければなりません。そんなとき、「ちょっとぐらい画像をいじっても誰も気が付かないよ」と悪魔がささやくのです。  研究不正に手を染めるぐらいなら、ピペドをやめればいいと思うかもしれません。でも、やめようとしても、教授が就職のための推薦状を書いてくれないとか、次の行き先がないため、やめるにやめられないということがあります。  実際、私の知人でピペドをやめてみたものの、就職先がなく、40歳近い年齢で今もアルバイト生活をしている元ポスドクがいます。      *  <研究者を減らせ> 大学院における学生への指導の欠如の問題もあります。教員も激しい研究競争に勝つため、学生の指導をしている暇がないので す。どうしているかというと、一つは大学院生を放置してしまう「放牧型」。もう一つは厳しく管理して、どんな研究を行うべきか、そのためにはどんな実験が 必要か、細かく指示してやらせる「ブロイラー型」です。そして両方の悪いところを取ってできるのが「放牧ブロイラー型」。その実態は教員がテーマを決めて しまいます。しかし、指導はなく、学生はほったらかされる一方で、早く論文を書けとせかされます。  これでは、形だけ取り繕って研究結果が出ているように装うようになっても不思議ではありません。実験がうまくいかなければ、うまくいったときの画像を使う。データの切り貼りや、文章の引き写しも平気になります。  現在の生命科学研究における競争は、明らかに不健全なレベルに達しています。これを健全なレベルまで緩和しなければならない。  そのためには、増えすぎた研究者の数を減らす必要があります。生命科学系の大学院の定数やポスドクの数を減らすのです。  一方で、若手の研究者に安定的なポストを提供することも欠かせません。ノーベル賞級 の研究は30代に行われたものが圧倒的に多いのですが、日本では30代のときに自分の裁量で研究ができる安定したポストが少ない。40代、50代になって 安定したポストに就いたときには、才能が枯渇してしまっている状況です。日本の将来のためにも、若手研究者に安定した仕事を提供することが重要です。  (聞き手・山口栄二)      *  えのきえいすけ 71年生まれ。東京大学理学部生物学科卒業、同大学院博士課程中退後、神戸大学医学部に編入学。著書に「博士漂流時代」「嘘(うそ)と絶望の生命科学」など。  ◆キーワード  <STAP細胞問題> 理化学研究所の小保方晴子氏らは1月末、記者会見を開き、弱い酸などの刺激で「STAP細胞」という全く新しい万能細胞をつくったと発表。若い女性研究者による画期的な成果と注目されたが、論文の画像に不自然な点があると指摘され、理研は不正と認定。論文は撤回された。小保方氏はSTAP細胞の存在を主張して再現実験を11月末まで行っていたが、理研関係者によると存在を確認できなかったという。教育や研究のあり方、研究不正の防止などの課題を残した。?学で??蓴・??? "[he-forum 18573] 琉球新報12/21","琉球新報 2014年12月21日付 「法科大学院で実務を」 出身者、魅力をPR  志願者が減少している法科大学院について、大学生らに魅力をアピールする説明会が20日、琉球大で開かれた。法科大学院協会が主催する「今、なぜロースクールで学ぶのか☆列島横断リレー☆法科大学院がわかる会」の九州会場で、琉球大のほかに九州大、熊本大、鹿児島大の4会場を遠隔講義システムでつないで行った。法科大学院出身の裁判官、検察官、弁護士らが魅力や利点をPRした。  福岡家地裁小倉支部の林田敏幸判事補は、法律の実務では判例が非常に重要になると指摘。「ロースクールでは判例について、どうしてこうなったのか、どこまで射程が及ぶのかなどを学ぶ」と話した。琉球大法科大学院出身の當眞正姫(まさひめ)弁護士は「社会人や理系出身者など多様な背景を持った学生や、指導してくれた先生とのつながりができたことも大きかった」と話した。行政オンブズマンや企業法務の担当者は「仮に司法試験に合格しなくても、法科大学院修了生ということで選択肢が増える」と指摘した。 "[he-forum 18572] 日本経済新聞12/20","日本経済新聞 2014年12月20日付 有利な奨学金は狭き門 大学受験、賢く資金準備  今年も残りわずか。年が明けると大学の受験シーズンは本番を迎える。受験勉強や健康管理と並んで念入りに準備しておきたいのが合格後の学費や生活費。自己負担で賄いきれないときは奨学金など支援制度や教育ローンが選択肢になる。最近の傾向と使い方のポイントをまとめた。  「卒業後の返済を考えると気が重い」。都内の私立大学に通う男子学生(23)はこぼす。普段から節約やアルバイトに励み「欲しい物も極力我慢している」。だが学費のほかサークル活動などもあり、奨学金がなければ学生生活は成り立たないという。  奨学金を利用する学生は増えている。日本学生支援機構が全国の国公私立大生を対象に実施した調査(有効回答約4万人)によると、奨学金を受給している大学生(昼間部)の割合は2012年度で52.5%と10年前に比べ21.3ポイント上昇した。その間に学生の収入は1割減り、収入に占める奨学金の割合も10.1%から20.5%に高まった。学費が高止まりする一方、親の収入は伸び悩んでいるためだ。 ■都内私大で充実  では奨学金が必要な場合、どう選べばいいのだろうか。まず返済する必要がない給付型で、受給金額が多いタイプを探そう。リクルート進学総研の小林浩所長は「大学が独自に用意する奨学金制度はこの数年で充実してきた」と指摘する。  特に目立つのが都内の私大による地方出身者を対象にした給付型の奨学金だ。早稲田大学や慶応義塾大学などが先行し、15年度からは法政大学、明治学院大学などが導入する。青山学院大学は入学者の約1割にあたる約350人を対象に始める。金額は年数十万円が多い。入学試験の前に申し込んで審査を受けるため、早い段階で自分が該当するか分かるのも特徴だ。  ただ給付型は募集人数に限りがあり、受給条件などのハードルが比較的高い。実際の利用が多いのは卒業後に返済する貸与型の奨学金だ。貸与型は日本学生支援機構の奨学金がよく知られているが、大学や自治体も独自に用意している。できれば無利子型、難しければ有利子型を使う。  学生支援機構の奨学金は14年度予算ベースで有利子型で約96万人、無利子型で約45万人が対象となった。有利子型が主流だが、無利子型は前年度から約2万人増えた。いずれも収入や成績などの条件があり、選考を経て対象を決める。無利子型は有利子型に比べ競争率が高い。  貸与型の奨学金は返済を意識して計画的に借りよう。利子の負担を少なく、貸与額を抑えることで返済の負担は大きく変わる。  例えば学生支援機構の無利子型で月5万1000円を4年間借りると、月1万3600円ずつ15年払えば完済する。一方、有利子で月5万円を借りた場合、金利1%なら月々の返済は約1万4400円。15年で約20万円を利子として払う計算になる。金利が上限の3%なら利息分は総額60万円に達する。  ファイナンシャルプランナーの豊田真弓氏は親子で大学4年間の資金計画を立て、奨学金の額を決めることを勧める。進学にかかる金額や奨学金の負担を共有し「借りすぎを防ぐ」(豊田氏)ためだ。  計画の作成ではまず、学年ごとに学費と生活費を合わせた必要額を計算する。文部科学省などの調査を参考に、国公立か私立か、自宅通学か下宿かといった条件を反映するとより正確になる。  必要額から親の貯蓄や毎年の収入で賄える額を引いた残りが子どもが負担する分。奨学金やアルバイトなどでカバーする。奨学金を借りるなら、卒業後の返済額や返済期間も試算し、無理がないようにプランを練ろう。 ■短期ならローンも  もちろん、実際は計画通りに行かないことも多い。大切なのは計画を修正すること。実家に余裕ができていれば、仕送りを多くして奨学金を抑えてもいいし、思うようにアルバイトができなければ奨学金を増額することを考える。  奨学金に限らず、使える制度は有効に使いたい。特に受験から入学直後にかけては受験料や交通費、入学金などまとまったお金が必要になる。短期的な負担をしのぐなら教育ローンを使い、子どもに借金をさせない考え方もあるだろう。「国の教育ローン」は今年度から借入額の上限を350万円に引き上げた。  大学入学前は都道府県など自治体が高校生向けに用意する公的な支援制度も選択肢になる。例えば東京都には受験料や塾代を貸与する制度がある。金額や対象者は限られるが、入学すれば返済する必要がない。 "[he-forum 18571] 日本経済新聞12/21","日本経済新聞 2014年12月21日付 乾燥地研究を全学体制で 鳥大が教育機構発足  鳥取大は20日までに、乾燥地研究・教育を全学体制で展開する「国際乾燥地研究教育機構」を、来年1月1日付で新たに発足させると発表した。国内唯一の乾燥地研究センターの施設と研究実績をベースに、全学部と国際交流センター、産学地域連携推進機構など、全学が連携。国内トップの乾燥地研究拠点を形成する。  機構長には豊島良太学長が就任し、自然・人文・社会科学全分野の教員のほか学外有識者も参画。機構内に推進室を設け、黄砂・環境修復▽農業・農村開発▽過疎地域・産業振興▽人間開発▽砂丘地保全・活用-の五つのプロジェクトを立ち上げる。  教育部門も設置し、国際的な教育・研修プログラムを実施。グローバル教育などにも力を入れる。また、いずれは大学院を改組し、国際乾燥地科学に関する高度専門教育へとつなげる構えだ。  取り組みは文部科学省の「国立大学法人運営費交付金・大学機能強化分」として、来年度から重点支援を受ける予定。  鳥大では「国内では例のないユニークな研究組織となる。世界の乾燥地に対する日本のプレゼンスを高めるとともに、情報・人的交流で地域にも貢献できる」としている。 "[he-forum 18570] 日本経済新聞12/18","日本経済新聞 2014年12月18日付 国立大3分類で特色明確に 16年度から、競争促す  文部科学省は2016年度から、全国に86ある国立大学を「世界最高水準の教育研究」「特定の分野で世界的な教育研究」「地域活性化の中核」の3グループに分類する。グループ内で高い評価を得た大学に、運営費交付金を手厚く配分する。従来は規模に応じて機械的に割り当てられていた。大学の特色を明確にし、同じグループ内での競争を促す狙いがある。  下村博文文科相が17日、政府の産業競争力会議の作業部会で明らかにした。各大学は15年中に3グループの中から1つを選ぶ必要がある。選択に当たって同省は審査などを行わず、自主性に任せる。所属グループの選択は、各大学の将来像に大きく影響しそうだ。  3分類する主な理由は、国立大の収入の柱である運営費交付金(14年度予算で1兆1123億円)の配分方法の見直しだ。大学の規模に応じてほぼ一律に割り振られていることから、産業界が「競争原理を導入すべきだ」と求めていた。  一方、同じ条件下での競争原理が導入された場合、地方の小規模大は、都市部の総合大学と比べて不利になる恐れがある。このため、同省は3グループごとに、それぞれ異なる評価手法を新たに導入することを決めた。  各大学の取り組みを毎年度評価し、グループ内で成果が高いと判断された大学に重点的に交付金を配分する。評価手法は文科省の有識者会議が今後検討するが、「世界最高水準の教育研究」を選んだ場合は、論文引用数や外国人教員数などが指標とされそうだ。  文科省国立大学法人支援課は分類について「各大学の強みをさらに伸ばしてもらうのが目的で、大学の役割を固定化するものではない」と説明。特定のグループに財源を集中することは現時点では検討していない。  文科省は昨年11月に発表した「国立大学改革プラン」で、グループ分けの方向性を示し、具体策を検討していた。大学の国際化に向けて重点的に支援する「スーパーグローバル大学」の仕組みもあるが、私立や公立を含んでおり、評価手法も異なる。 "[he-forum 18569] 中日新聞12/19","中日新聞 2014年12月19日付 富山の製薬 ミャンマーへ 研究者招き技術伝授 富大と県  富山大和漢医薬学総合研究所と富山県が、ミャンマーの製薬分野の支援に乗り出した。「越中富山の薬売り」の伝統が培った技術を生かし、2016年度までの3年間で、現地の生産技術向上や研究者の育成に協力する。  富山の薬売りは、家庭に薬箱を置き、客が使った分の料金を後から支払う仕組みと、全国を売り歩いた「売薬さん」の存在で古くから名をはせた。営業ノウハウだけでなく、漢方の製薬技術も発達。こうした技術を現代に生かそうと産学官が協力して同研究所に寄付講座を設立した。  研究所の紺野勝弘客員教授(61)によると、ミャンマーでは、西洋医学の薬品は輸入品が多く高価で、インド発祥の伝統医学「アーユルベーダ」の影響でショウガやウコンなどを使った伝統薬が浸透している。だが、自然由来のため一定の品質や効き目を保つことが難しいという。  さらに、生薬として必要な有効成分量や品質の検査方法を詳しく定めた基準集がミャンマーで昨年できたばかり。検査ができる人材も不足しており、粗悪品や偽薬が出回ることも多いという。  これまでも、紺野客員教授らは置き薬に発想を得てミャンマーの村ごとに薬箱を贈るプロジェクトに協力してきた。今回、薬の品質を安定させるためには人材育成が重要だとして、ミャンマーの生薬研究者四人を招き、薬の品質検査技術を学んでもらう予定だ。富山の製薬工場見学も計画しており「オール富山」で応援する。  紺野客員教授は「少しでもミャンマーの製薬技術発展の核になるような人が育ってほしい」と期待を込める。 "[he-forum 18568] 宮崎日日新聞社説12/23","宮崎日日新聞社説 2014年12月23日付 大学入試改革 “試験漬け”など課題は多い  中教審が大学入試制度改革を下村博文文部科学相に答申した。現行の大学入試センター試験に代わり、二つの新テストを導入し、大学ごとに行う入試(個別選別)も面接、討論などを中心にする-との内容。「1点刻み」の知識偏重の入試から、受験生を多面的に評価する入試へ抜本的に改革しようという狙いだ。 ■高2から受験可能に■  答申によると、5、6年後の実施を目指す。1990年のセンター試験導入以来の改革となる。  小中高校で学ぶ内容を定める学習指導要領について、2020~22年度以降の全面改定に向け中教審の議論が既に始まっており、大学入試改革も同時並行で進む。教育内容と入試が一体で変わり、子どもたちに及ぼす影響は大きい。  答申のポイントは三つある。第一に、高校での「高校基礎学力テスト」を新たに設ける。高校で身に付ける「知識・技能」を測るもので、高校2、3年の時に年2回程度受験できるようにする。成績は進学や就職のときに基礎学力の証明となる。  第二に、知識を問う現行のセンター試験を廃止し、知識に加え受験生の「思考力・判断力・表現力」を中心に評価する「大学入学希望者学力評価テスト」を導入する。出題内容は従来の「教科型」に加え、教科・科目の枠を超えた「合教科・科目型」「総合型」の問題を組み合わせる。選択肢の中から回答を選ぶ方式だけでなく、記述式も導入する。  受験生に挑戦の機会を与えるために年に複数回行われ、成績は1点刻みではなく段階表示で大学や受験生に提供される。  第三に、大学ごとの個別選抜では、各大学は、大学の特色、受験生に求める能力や評価の基準を「アドミッション・ポリシー」(入学者受け入れ方針)の中であらかじめ明確にする。知識を問う画一的なペーパーテストには頼らず、評価テストの成績に加え、小論文、面接、集団討論、資格・検定試験の成績などを用いて「人が人を選ぶ」入試を目指すという。 ■大学側の態勢も課題■  しかし課題は多い。まず、基礎学力テストは、希望者が高校2年から受験できるとされる。高校生活が“試験漬け”にならないか。  評価テストが重視する「思考力・判断力・表現力」の育成は、現行の学習指導要領に盛り込まれているが、学校の現場に十分浸透したとはいえない。受験勉強が前倒しされ、新たな受験スキルを求めて予備校・塾通いが増えてしまうのでは、改革の名に値しない。  出題、採点、合否判定は公平かつ公正でなければならない。多様な学力を評価するには人手がかかり、新たな手法も確立する必要がある。面接や討論の評価内容を受験生に説明する責任もある。大学側の態勢充実が喫緊の課題だ。  制度変更の影響は今の小学生や園児の世代に及ぶ。拙速は許されない。課題を広く熟議すべきだ。 "[he-forum 18567] 西日本新聞社説12/23","西日本新聞社説 2014年12月23日付 大学入試改革 教育現場の声に耳傾けよ  知識を問う学力テスト重視から脱却し、人物を多面的に判断して入学の可否を決めるべきだ-。  中央教育審議会が、こんな大学入試制度改革案を文部科学相に提出した。実現すれば、1979年の共通1次試験導入以来の大きな改革となる。学力偏重を改める基本的な方向に異論はない。問題はいかにして実行するかだ。  具体的には、どうなるのか。  センター試験を衣替えした「大学入学希望者学力評価テスト」を年に複数回行い知識の活用力を把握する。中身も従来の教科別に加え、教科の枠組みを超えた総合型の問題も出題する。高校生の学力到達度をみる「高校基礎学力テスト」も新たに導入する。英語は民間の外部試験活用も検討する。  大学が独自に課す入試は学力評価テストの成績を考慮した上で小論文や集団討論などを行う。学力試験なら記述式や論述式にする。高校時代の部活動やボランティアなど課外活動の記録も踏まえて総合的に合否を判断するという。  人物重視の選抜は多大な費用と時間を要する事情もあり、過去多くの大学が挑戦しながら撤退してきた経緯がある。多数の志願者が集まる大学では、全員の面接などは物理的にも困難だろう。  大学の入試制度は「受験地獄」の緩和などを目的に、これまでも変遷してきた。78年までは国立大学が2グループに分けられ、各大学が独自に入試を実施していた。  共通1次を経て90年に私立大も参加する大学入試センター試験となった。ただ、結果的には制度が複雑化しただけで、むしろ大学の序列化が進んだ印象は否めない。  時代の変化や社会のニーズとともに、大学の使命や役割も変わってきている。入試改革の必要性は誰もが痛感していることだろう。  30年以上も続いて定着している受験方式を根本的に変えるとなれば、教育現場に与える影響も計り知れない。受験生はもちろん、高校や大学など関係者の理解と協力が不可欠である。幅広い教育現場の声に耳を傾け、実現可能な改革案を練り上げてほしい。 "[he-forum 18566] 時事通信12/22","時事通信 2014年12月22日16時45分 20年から大学新入試=考える力重視、総合評価-複数回テストで・中教審答申  文部科学相の諮問機関、中央教育審議会(安西祐一郎会長)は22日、知識の量から応用力など「考える力」を見る大学入試に転換するよう下村博文文科相に答申した。現行の大学入試センター試験に替え、年に複数回受けられる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を2020年にも導入。2次試験では面接や論文を組み合わせ、受験生の経験や資質を総合的に評価するよう求めた。文科省は今後、制度の詳細を決める。  新たな評価テストはセンター試験より難易度に幅を持たせ、年に数回実施。国語と社会など複数教科を組み合わせて出題したり、記述回答を増やしたりして考える力を見定める。また、TOEFLなど民間の英語テストや資格試験の成績も活用する。19年には、必修科目の定着度を調べる「高校基礎学力テスト(仮称)」も開始。年に数回行い、結果を就職活動や大学受験に用いる。  一方、各大学には求める人物像や評価基準を示した基本方針を必ず定めるよう要望。2次試験はこれを基に行い、面接や討論によって経験や意欲などを多面的に評価すべきだとした。 "[he-forum 18565] 読売新聞12/22","読売新聞 2014年12月22日 16時51分 センター試験に代わる新テスト導入答申…中教審  中央教育審議会(中教審、安西祐一郎会長)は22日、知識偏重や1点刻みの大学入試を改めて思考力や判断力を問う内容に変え、高校・大学教育も抜本的に改革すべきだとの提言を、下村文部科学相に答申した。  大学入試センター試験に代わる新たな大学進学テストの導入が柱で、最も早い場合、現在の小学6年生が高校3年になる2020年~21年初頭の実施を見込む。  大学進学テストは、センター試験と異なり、記述式問題や英語の 民間試験利用、コンピューターを使った複数回実施を想定しており、成績は1点刻みではなく段階別の評価で大学側に示す。実現すればセンター試験開始 (1990年)以来の大改革となる。幼稚園から高校までの教育内容を見直す学習指導要領も入試改革を踏まえて行われる。だが新テストの内容の具体化はこれ からで、高校や大学側からは不安や反発の声もあがっている。  新たに提案されたのは、主に入試に利用する大学進学テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」と、高校教育の定着を測る「高校基礎学力テスト(仮称)」の2種類。  大学進学テストでは、従来の「教科型」に加え、数学と理科など複数の教科を合わせた「合教科型」や教科の枠を超えた「総合型」の出題も行い、年複数回の実施を想定。また、各大学が個別入試に使う成績はこれまでの1点刻みを改め段階別の表示で提供するとしている。  高校基礎学力テストは、2、3年生の時に複数回受験でき、基礎的な学習の達成度を測る。高校での指導に役立てるほか、進学や就職での生徒の学力把握の一方法としても使用できる。 "[he-forum 18575] 北海道新聞社説12/24","北海道新聞社説 2014年12月24日付 大学入試改革 小中高教育も変えねば  大学入試改革に向けた中央教育審議会(中教審)の答申が出た。  いまのセンター試験に代わる新共通試験は、教科の枠を超えた総合型や論理的思考をみる記述式の問題を設ける。大学ごとの選抜は面接や集団討論、小論文などを組み合わせ人物評価を重視する―。  6年後の実施を目指す。  「国語」「数学」といった教科型試験の将来的な廃止にまで言及した。方向性は間違っていない。大きな改革になるだけに、文部科学省にはそれだけの覚悟としっかりした制度設計を求めたい。  そのために重要なのは、高校までの授業に自分で課題を設定し、生徒同士で討論をし、その結果を発表したり、小論文にまとめたりする学習を増やすことだ。  教科ごとに内容ががっちり固められている学習指導要領のあり方を小中高校それぞれで見直す必要がある。教える知識量も絞り込むことになろう。さもなければ児童生徒の負担増を招くばかりだ。  大学ごとの選抜にも難題が立ちはだかる。  答申が打ち出した「人物重視」は理想ではあるが、うまく機能しなければ選抜の公平性、公正さに疑問符が突きつけられ、ひいては入試の根幹を揺るがしかねない。  こうした選抜は大学の教職員が授業や事務作業の合間を使って行える業務でないことは明らかで、大学の組織拡充抜きには進められない。  米国の大学の中には選抜のために養成された専門職員を一定数置いて、時間と手間をかけて人材を見いだしている実例がある。参考にしたい。  答申は、新共通試験のほかに、高校での学習が身に付いたかどうかを確認する高校基礎学力テストの創設も盛り込んだ。  希望者を対象に複数回受けられるようにする方向で、従来の推薦入試やAO入試に準じた選抜で活用することも考えられている。  しかし、高校生活が試験に追われ、生徒一人一人の長所を見つけて伸ばすゆとりを失わないか、懸念が拭えない。  欧州には大学入学資格試験の合格をもって希望大学への入学を認めている国もある。基礎テストと大学入試という2階建てにする意味が本当にあるのか、文科省はその必要性をさらに検討すべきだ。  入試改革は、自ら考え、未来を切り開いていく人材を育てるという学校教育の大局的な目標を見失わず、高校生の負担と効果のバランスを図る視点が不可欠だ。 "[he-forum 18574] しんぶん赤旗12/24","しんぶん赤旗 2014年12月24日付 どう見る 大学入試「改革」案 競争主義に拍車の危険 教育現場「負担と混乱招く」の声も 中央教育審議会が答申  中央教育審議会が22日に答申した大学入試「改革」案。競争主義的な制度を抜本的に是正するものなのか。 放置できぬ現状  日本の大学入試は、大学や学部学科ごとに選抜が行われるという世界に例のないような競争主義的な制度となっています。多くの大学が活用する「センター試験」は、短時間で多数の選択問題をこなし、その点数だけで合否が決まります。  受験科目が少なくてすむ場合は、それ以外の科目は早くから勉強しなくなるなど、高校教育をゆがめる方向に作用しています。  答申も「知識の暗記・再生に偏り、真の『学力』が十分に評価されていない」と指摘。2種類の新しいテストを打ち出しました。  センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト」は、年複数回の実施。「教科型」の設問だけでなく、複数の教科を組み合わせた「総合型」を導入します。成績は「一点刻み」から「段階別」表示とし、英語では「書く」「話す」も重視するとして「英検」「TOEFL(トーフル)」など民間試験を活用します。  さらに高校学習の到達度をはかる「高校基礎学力テスト」を新たに導入し、高校2年から年2回実施。「多肢選択」問題で、成績は「段階別」表示。推薦入試などで活用します。 高校授業に影響  これら二つのテストが年複数回実施となれば、受験時期の早期化を招き、生徒や教育現場の負担が増すのは必至です。「英検」の導入も負担増となり、授業や行事の見直しは避けられません。「3年生は1年分の教科を9カ月で修了させている。現行以上の短縮は極めて困難」(全国高等学校長協会)とされています。  成績の「段階別」表示にしても、「競争試験であることに変わりない」(大手予備校)と指摘され、私立大学連盟は「高校も大学もしれつなランキング競争にさらされ、多大な負担を強いられる」と強調しています。  大学の個別試験も課題です。答申は、面接や小論文などを加えて「多面的・総合的な評価」を求めています。  こうした手法は相当な人手と時間がかかるため、「多面的な選抜は理想であり、現在の経営状況を考えると、一朝一夕にはできない」(私立大学連盟)のが実態です。  このほか、「学力評価テスト」で「総合型」設問をどうやって作成し、難易度をどう設定するのかなど、重要課題はすべて今後設置する専門家会議に先送りされたままです。 国民的な議論を  世界の主要国を見れば、日本のような異常な競争主義的な入試制度は極めて特殊です。  ヨーロッパでもアメリカでも、大学入学資格を与える、論述式を中心とした共通テストがあるだけで、個別の学力試験はごく一部の大学をのぞいて原則としてありません。フランスでは資格取得者は無選抜で大学に入学でき、ドイツでも資格があれば原則、希望の大学に入学可能です。  大学入試のあり方は大学以下の教育を大きく規定します。「入試制度が一層複雑化し、受験生に無用の混乱と負担を強いることになる」(日本私立中学高等学校連合会)との声が上がっています。競争主義からの脱却という立場に立って、広く国民的な議論をへて抜本改革を行うことが必要になっています。  (深山直人) "[he-forum 18576] 南日本新聞社説12/24","南日本新聞社説 2014年12月24日付 [大学入試改革] 脱「暗記偏重」はいいが  大学入試が、今の小学6年生が高校3年生になる2020年度から大きく変わりそうだ。  大学入試センター試験に代わって「大学入学希望者学力評価テスト」や、「高校基礎学力テスト」を新設し、大学の個別入試も面接や討論などを重視する。  そんな内容の大学入試改革案を中央教育審議会が文部科学相に答申した。  知識の暗記に偏る「1点刻み」の制度から、受験生を多面的に評価する入試へ抜本的に改革するのが狙いだ。実現すれば、1990年のセンター試験導入以来の改革となる。  少子化の中で「全入時代」を迎えた大学は学力の低下が叫ばれて久しい。入試も含めた大学教育全体の改革が必要だ。  ただ、今回の改革案は例年50万人を超えるセンター試験受験者だけでなく、高校教育全般に大きな影響を与えるものだ。何より高校生に分かりやすい制度設計が求められる。  答申のポイントは三つある。  第一に、高校基礎学力テストは高校生の学習到達度をみるもので19年度から導入する。具体的には2、3年時の知識や技能を測るため、年2回程度行う。成績は進学のほか、就職時の基礎学力の証明にもなる。  次にセンター試験を衣替えする学力評価テストは受験生の知識に加え思考力や判断力、表現力を中心に記述式も交えて判定する。  知識を活用して課題を発見し解決する力をみるため、複数の教科を組み合わせた「総合型」などからの出題もある。年に複数回行う予定で、成績は1点刻みとせず、段階表示にして大学や受験生に知らせる。  第三に大学ごとの個別入試では各校の特色、受験生に求める能力や評価基準を明確にした上で、小論文や面接、集団討論などで判定を行う。もちろん、学力評価テストの成績も加味する。  暗記による「一発勝負」の成績評価を打破する魅力的な制度に見えるが、いくつか難点がある。  まず、主に高校時代の新たな二つのテストだ。どちらも複数回受験できるなど挑戦の機会が増えるのはいいが、高校生活がこれまで以上に“試験漬け”にならないか心配される。  大学の個別入試で予定する面接や集団討論も、受験生が多い私大などでは対応できるのか。  改革案は幼稚園から大学までの間に「生きる力」や「確かな学力」を育む施策の一環だ。それにしては入試の新制度まであまり時間がない。拙速は禁物だ。 "[he-forum 18577] 山形新聞12/25","山形新聞 2014年12月25日 10:06 山形大が「学術研究院」を新設へ 教員組織を一元化  山形大は、大学の機構改革の一環として来年度、教員組織を一元化した「学術研究院」を新設する。少子化など社会の変化に対応するためで、全教員を同院に所属させ、各学部に派遣する体制に移行して授業の充実を図る。国立大では初の試みになるという。  24日の定例記者会見で小山清人学長が説明した。同大の教員数は計約900人。現在は全員が主に学部に配置され、その中でカリキュラムの編成作業や、教 員人事などに当たっている。来年4月1日からは全員を「学術研究院」の所属に変更。同院が各学部の教育カリキュラムを見極めた上で、一つの授業に対してど の教員が担当するかを調整する。院長は小山学長が務める。  会見で小山学長は「これまでは学部の中に教員がいたが、今後(少子化などで)ある学部の学生がゼロになってしまえば、教員もいらなくなってしまうことに なる」と説明。新体制への移行によって学部同士のコミュニケーションが図りやすくなり、学生への指導にも柔軟性が備わる利点を挙げ、「一般企業と同じで、 年ごとに仕事の担当を決めるイメージ」と語った。= "[he-forum 18578] 毎日新聞 12/25","毎日新聞 2014年12月25日 07時30分 青山学院:教職員2割が提訴 「一方的に一時金減額」  学校法人「青山学院」(東京都渋谷区)の教職員285人が、一方的な一時金の規定廃止によって支給額を減額されたとして、学院を相手取り、規定と の差額にあたる総額約5000万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こしたことが分かった。原告には大学教授らも名を連ね、学院が設置する大学や高等 部、中等部などの教職員全体の2割に達するという。  訴状などによると、教職員の一時金は1953年以降、就業規則で定める規定に基づいた額が支給されていた。しかし学院側は2013年7月、「財務 状況が非常に厳しい。取り崩し可能な資金にも余裕がない」などとして、規定の削除と一時金の減額を教職員の組合に提案。その後、組合の合意を得ないまま就 業規則から規定を削除した。2014年夏の一時金は、規定より0.4カ月分低い2.5カ月分にとどまった。  学院側は教職員側に対し、少子化や学校間の競争激化を理由に挙げ、「手当の固定化は時代にそぐわない」などと主張。一方、教職員側は「経営状態の 開示は不十分で、一方的な規定削除には労働契約法上の合理的な理由がない。学院と教職員が一体となって努力する態勢が作れない」などと訴えている。  教職員側によると、14年冬の一時金支給も規定に基づいておらず、その差額も追加提訴する方針。原告の大学教授の1人は「このままでは経営側の好き放題を許すことになる。建設的な話し合いができる関係を再構築する必要があると考え、提訴した」と語った。  学院は「コメントを差し控える」としている。【山本将克】= "[he-forum 18592] 琉球新報12/27","琉球新報 2014年12月27日付 琉大に教職大学院 16年にも開設、専門性養成  琉球大学(西原町、大城肇学長)が早ければ2016年4月にも「教職大学院」の開設を目指していることが26日までに分かった。学校教育の抱える諸課題に対応できる高度な専門性を持った教員の養成や、大学院修士課程修了者(現役教員学生除く)の教員就職率を現状の倍近い80%に引き上げるなどの狙いがある。全国の国立大学で設置の動きがあり、全国的な流れとなっている。  25日に開かれた県教育委員会と琉大教育学部との定期協議会で、琉大が開設構想を県教委に提示し、今後の連携を求めた。  大学側は今後の会合で県教委への具体的な連携を提案する。現役教師らを講師として活用する人的交流や実習先の受け入れ確保などの連携が想定される。  教職大学院は学部生だけではなく現役教員も入学対象に含む。教育現場での実習を必修とするなど、実践力の育成を柱としているのが特徴だ。文部科学省は教員養成課程のある全国の国立大学に教職大学院の設置を働き掛けており、九州では宮崎大学や長崎大学などで開設されている。  県学校人事課は「全国的にも教職大学院の設置は有能な人材を確保できる利点を生む。琉大からの提案を受けて対応を検討していく」としている。 (長浜良起、安富智希) "[he-forum 18591] 茨城新聞1/3","茨城新聞 2015年1月3日付 常陸大宮市、給付型奨学金を新設 高校・大学生が対象  有為な人材育成を目指し、常陸大宮市は返還の必要がない給付型奨学金制度を新設、来年度から運用を始める。大学生(入学予定を含む)のうち、市内の高校卒業生は月額5万円、市外高校卒業生は同3万円、市内高校在学生(同)は同1万5千円を給付する。貸与型奨学金が主流の中、給付型を導入して対象を大学生にまで拡大するのは珍しく、市教委は「郷育立市を掲げており、奨学金で学業に励み将来、市の発展にも寄与してほしい」と話している。 条例によると、給付対象者は、市内在住か市出身者で、大学生が市内の大宮高と小瀬高の卒業生各1人以内、市外高校卒業生は2人以内。高校生は大宮高と小瀬高在学で各2人以内。卒業まで給付される。人物と学業に特に優れており、経済的理由で学資の支援が必要なのが条件だ。 奨学金として運用するのは「長山景樹奨学基金」。旧御前山村出身の教育者が1987年に同村に1億円を寄付し、村は貸与条例を制定して、これを運用してきた。 だが、2004年に合併して常陸大宮市が誕生すると、各町村に奨学金制度があり、市奨学資金貸与条例として一本化。同基金は、御前山出身者に限定されていたため約10年間、運用されなかった。 昨年度、貸与条例は市郷育立市奨学基金条例として改正され、輝く人づくり奨学基金と長山景樹基金に分け、人づくり基金は従来通り貸与として運用。長山景樹基金は昨年の市議会第4回定例会で、給付条例として制定した。 市は貸与も含め、奨学生の募集を2月にも開始。審査会で書類選考した後、給付型は小論文や面接を行い、決定する。 県内で給付型の奨学金は水戸や土浦、古河、龍ケ崎各市などで実施しているが、高校生などが対象。坂東市は大学生にも月額3万5千円を給付している。(蛭田稔) "[he-forum 18590] 読売新聞富山12/31","読売新聞富山版 2014年12月31日付 日医工、富大に寄付講座 ◆製剤技術など共同研究  富山大大学院医学薬学研究部(薬学)とジェネリック医薬品メーカーの日医工(富山市)は、2015年4月から、同大大学院に「製剤設計学講座」を設置すると発表した。日医工による寄付講座で、期間は5年間。  講座では、薬の服用性や使用性を向上させる製剤研究や、製剤技術の先端研究などを行う。講座の担当は、教授と助教を各1人配置。日医工からは、必要に応じて、開発担当者を研究生として出すほか、同社の設備を使って共同研究を行う。同社は人件費や研究費として、5年間で計1億5000万円を寄付する予定。  同大薬学部には、県や県内製薬企業から、製剤技術などを専門とする研究室の設置を求める要望が寄せられていた。製剤開発を進める日医工は、技術の向上に結びつき、県内製薬企業のレベルアップにもつながることから支援を決めた。 "[he-forum 18589] 信濃毎日新聞12/30","信濃毎日新聞 2014年12月30日付 動物由来感染症 信大に新講座 医学部 来年度から  信州大医学部(松本市)は2015年度、寄生虫やウイルスによる人獣共通感染症の研究や教育を行う専門組織「感染病態解析学講座」を新設する。県厚生連(長野市)が人件費などを負担する期間5年の寄付講座。野生動物やペットと人間の接点が増え、自然界の寄生虫やウイルスがいつ人間社会に侵入してもおかしくない状況や、コウモリが宿主と考えられているエボラ出血熱、デング熱のように本来は海外の感染症が国内でも広がる危険が社会問題化している情勢を受け、動物由来の感染症への対応力を高める拠点が必要と判断した。  人獣共通の感染症には、妊婦が原虫に感染すると流産したり胎児に奇形を生じたりするトキソプラズマ症や、シカ肉や豚の内臓を生で食べると危険なE型肝炎(ウイルスによる)など、さまざまな病気がある。しかし、寄生虫などによる感染症は、疑って診察しなければ見過ごしてしまい、他の病気と間違える可能性も高いという。  新講座は、寄生虫感染を中心に免疫学や病理学的な側面から解析研究や情報収集を進めるほか、信大病院の診療科と連携して医学部における人獣共通感染症の「センター機能」を担う。1月中にも講座の責任者となる特任教授1人を公募。これまで信大で感染症関連の教育や研究を兼任で担ってきた病理学や病態解析診断学などの研究者数人も協力する。  教育面でも同講座の教員が中心となり、医師を養成する医学科、看護師や技師を育てる保健学科などで人獣共通感染症関連の授業を充実させる。  県厚生連は5年間で総額6千万円を信大に提供する。内堀茂理事長は「野生動物と距離の近い農家も多く、組合員の健康や食の安全を守るのに役に立つ。重視する保健予防活動にもつながる分野だ」と説明。医学部の池田修一学部長は「長野県は人間と野生動物の接点が多く、いつ思わぬ人獣共通感染症が発生してもおかしくない。研究や人材育成を充実させて県民の安全を担保し、地域医療への貢献を進めたい」としている。 "[he-forum 18588] NHKニュース1/3","NHKニュース 2015年1月3日 16時05分 気象庁 火山監視態勢強化へ 人材育成も  去年9月の御嶽山の噴火を受けて、気象庁はことしから、全国の火山の火口周辺に観測機器を増設するなど監視態勢の強化を進めることにしています。  また、課題となっている人材の育成についても、専門家の検討会による議論を踏まえながら対策を進めていきたいとしています。  死者、行方不明者が63人に上った去年9月の御嶽山の噴火を受けて、専門家で作る火山噴火予知連絡会の検討会は、去年11月、「水蒸気噴火」の可能性がある全国の火山の火口の周辺に高性能の地震計や監視カメラの設置が必要だなどとする緊急の提言をまとめました。  これを受けて、気象庁は、ことしから観測機器の設置など監視態勢の強化を進めることにしています。具体的には、御嶽山のほか、専門家の提言を受けて、新たに24時間態勢で監視を行う予定の▽青森県の八甲田山や▽青森と秋田の県境にある十和田、それに、▽富山県の弥陀ヶ原の3つを含めた全国の火山について選定を進め、予算のめどがつきしだい、早ければことし春ごろから工事を始めたいとしています。  また、現在の噴火警戒レベル1の「平常」という表現については、専門家による検討会の緊急の提言を受けて、今後、見直しを含めた検討を進めるとともに、課題となっている、観測されたデータを適切に評価できる人材の育成についても、専門家の検討会による議論を踏まえながら対策を進めていきたいとしています。  火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は「観測装置の整備と同時に、データをきちんと解析して評価できることが重要で、そのためにも、今後、データを見て判断できる人材を気象庁に置いたり、そうした人材を大学などで早急に育成したりしていく必要がある」と話しています。 "[he-forum 18587] 日本経済新聞社説1/4","日本経済新聞社説 2015年1月4日付 イノベーション加速が成長のカギだ  日本経済が少子高齢化などの制約を乗り越えて、成長力を取り戻すためのカギがイノベーションの加速だ。技術の力で新たな市場を拓(ひら)くと同時に、農業など幅広い分野に新機軸を導入し、経済全般の生産性を引き上げたい。  「失われた20年」と言われる日本経済だが、高度な技術基盤は今も健在であり、国際的な評価も低くない。 「残念な国」を抜け出せ  昨年11月に来日した米ゼネラル・エレクトリックのジェフ・イメルト会長は「燃料電池車や超電導リニアなど世界初の技術を次々に生み出す国として、日本を再評価している」と述べた。  米西海岸に開発機能を集中させてきた米アップルは近く横浜に技術開発拠点を開設することを決めた。世界の数ある候補地の中から、横浜を選んだのは、部品や素材を含めた日本の分厚い産業集積を評価したため、といわれる。  問題は、こうした優れた個別の技術がありながら、それをビジネスや現実の問題解決に結びつける力が弱く、世界にインパクトを与えるイノベーションがなかなか登場しないことだ。  手持ちの技術や経営資源を生かしきれない「残念な状態」と呼んでいいかもしれない。この欠点を克服する道筋を探ってみよう。  1つ目は技術者や研究者の独りよがりを排して、現実のニーズから出発することだ。大学発ベンチャーのハイボット(東京・目黒)はインフラ点検用ロボットで世界的に注目され、米有名ベンチャーキャピタルからの出資も受けた。  同社の特徴はユーザーとの二人三脚だ。通電したまま超高圧送電線を点検するロボットは関西電力と共同開発した。国土交通省などと協力して、ダムや橋の劣化監視ロボの実用化にも取り組む。  「インフラ運営の担い手といっしょに作業することで、地に足のついた技術が生まれる」と同社の北野菜穂取締役はいう。  日本は今後成熟国家として、老朽インフラの管理や若年労働力の不足といった様々な構造問題に他国に先駆けて向き合う。イノベーションの力でこうした問題に「回答」を示すことができれば、世界への展開も十分に可能だ。  2つ目は、異質なものを混ぜ合わせる異種交配だ。組織や技術領域の垣根を越えて、人や知が自在に交流することで、イノベーションに欠かせない発想の広がりや多様性が生まれる。  名古屋大学は今世紀に入って青色発光ダイオードの赤崎勇名誉教授ら6人のノーベル賞受賞者を輩出しているが、「他大学の出身者でもとんがった人材がいれば積極的に登用した」(同大学の浜口道成総長)のがひとつの理由だ。  旧帝大の中で最後発の名大は、生え抜きの人材で教授陣を固めるのが難しかった。それが逆に幸いして、多様な才能を受け入れる開かれた風土ができあがった。  人だけではない。トヨタ自動車は自動車生産で培った「カイゼン」のノウハウを農業に持ち込もうとしている。愛知県の農業生産法人を通じた試験運用では、早くも資材費で25%、人件費で5%の経費節減効果が出たという。 ビジネスモデルを革新  NTTドコモもIT(情報技術)の農業への応用に熱心だ。こうした農業支援の仕組みがうまく商品化できれば、農産物そのものを上回る「輸出商品」に育つ可能性もある。  そして3つ目が、単なる技術革新にとどまらず、ビジネスモデルの革新を連動させることだ。  かつて日本の家電業界は家庭用VTRで世界を席巻したが、それに伴ってレンタルビデオ店という新たな商売が各国で登場し、米ハリウッドの大手映画会社も劇場興行依存型からビデオの売り上げ中心に収益構造が一変した。  日本発のイノベーションが、新産業を生み出し、周辺産業の姿を変えてしまった例である。最近の日本発の新製品や新ビジネスはこれに比べるとよほど小粒だ。意欲ある企業人はぜひビジネスモデルを塗り替えるような新技術、新機軸に挑戦してほしい。  安倍政権の掲げるアベノミクスついて、「第3の矢(成長戦略)」の迫力不足が指摘されて久しいが、一国の成長をけん引する主役は政府ではない。民間企業や個人の創意工夫や進取の気性こそがカギを握る。 "[he-forum 18586] 福島民報1/4","福島民報 2015年1月4日付 核燃料取り出しロボ共同研究 福島第一原発の廃炉へ向け県内3大学・高専  福島大、会津大、福島高専は東京電力福島第一原発事故の廃炉作業に当たるロボットの技術開発に向けた共同研究に着手する。高い放射線量のため人が作業できない原子炉内で、溶け落ちた水中の核燃料を取り出す遠隔水中活動機器の製作を目指す。廃炉作業の中核を担う機器開発に向け、「福島の英知」を結集する。 ■30年度までの開発目標  遠隔水中活動機器のイメージは【図】の通り。平成37年度に予定される溶融燃料の取り出しに向け、30年度までの技術開発を目指すとしている。  医療・介護分野の小型ロボットアームの第一人者である福島大共生システム理工学類の高橋隆行教授(53)、ロボットの知能開発を研究している会津大コンピュータ理工学部情報システム学部門の成瀬継太郎上級准教授(46)、機械材料の強度評価を専門とする福島高専機械工学科の鈴木茂和准教授(37)の3氏と学生が連携していく。  高橋氏は特許を取得した世界最小最軽量クラスの超小型運動変換装置を用い、高精度の関節アーム技術を構築した。細かな動作が可能で細い指のような「ハンド」を作り、原子炉内の溶け落ちた核燃料のごく微量を挟み込む技術開発を目指す。  成瀬氏はロボットに多数のカメラを取り付け、画像処理することでロボット自体とその周囲を映し出す画像の研究を進める。原子炉内は多数のがれきが散らばっているとみられ障害物を避けながらロボットを動かすために必要な技術となる。  鈴木氏は県ハイテクプラザと連携し、機器の材料研究に取り組む。高い放射線量でも材料の性質が変化せず、軽量で高強度の複合材料を開発し、機器の素材に活用する。  今後、各機関で研究を進める。長期にわたる取り組みと見込まれるため、機器の研究開発と並行し、研究室の学生を中心に人材を育成する。  高橋氏は「3機関の専門知識を生かし、福島チームで本県の最重要課題の解決に当たる」と意義を語る。成瀬氏は「原発事故の収束へ向けた事業に貢献する」、鈴木氏は「自分の研究を廃炉作業の加速につなげたい」と目標を掲げた。  プロジェクトは、文部科学省の国家課題対応型研究開発推進事業「廃止措置等基盤研究・人材育成プログラム委託費」(5年間)で進められる。文科省から事業を受託した東京大が福島大、会津大、福島高専の3機関に遠隔水中機器の開発を委託した。    ◇  ◇  日本原子力研究開発機構(JAEA)は廃炉技術を研究する「楢葉遠隔技術開発センター」(モックアップセンター)を楢葉町の工業団地に整備している。センターで福島大などの共同研究で生まれた機器の性能試験を行う予定。  県内ではこのほか、飯舘村に基幹工場を置く菊池製作所(本社・東京)が今春、南相馬市小高区に国内最先端のロボット研究開発拠点「産学官連携研究センター」を開設する。 "[he-forum 18585] 宮崎日日新聞12/29","宮崎日日新聞 2014年12月29日付 地方創生と奨学金  聞いていた通り、宮崎空港は帰省ラッシュで混雑していた。孫を抱き上げるおじいちゃん、ほおずりするおばあちゃん。ホームドラマさながらに、ほほえましい光景である。  里帰りは家族連ればかりではない。ひとり降り立った若者も多かった。小ぶりのバッグを肩から斜めに掛けたのは学生に見えた。出迎えはいないらしく、電車かバスに乗るのだろう、足早に過ぎていった。親は忙しいのか、そうだとしたら少しさびしい帰省かも。  昔はビンボー学生がそこら中にいたものだが、今も経済的事情で多くの学生が奨学金を受けているという。そんな若者に対して、地方で就職したら奨学金の返済を助けましょうと、政府が救いの手を差しのべた。地方創生の戦略である。  地方から特に大都市の大学に子どもを送り出した家庭は、その出費ときたらかなりのものだ。自宅生と比べ、その差はいかんともしがたい。そこを少しでも埋めるのが奨学金だが、卒業しても安月給だったり転職したりで、返済できない人がたくさんいるらしい。  だから国の温情はありがたい話なのだが、どうもふに落ちない。返済の減額を就職の決め手にする学生はおそらくいないだろう。かつては教職に就けば返済免除の奨学金もあったが、それを目当てに先生になった人を聞いたことがない。  若者を地方に定着させたいというのなら、まずは多様な受け皿の用意が先ではないか。狭い入り口を指さして「みなさん、ふるさとに戻りましょう」は無理がある。最近やたらと、地方創生の掛け声ばかりが政策の先を走っているようだ。 "[he-forum 18584] 日本経済新聞社説12/29","日本経済新聞社説 2014年12月29日付 正念場迎えた大学入試改革  中央教育審議会が、大学入試センター試験に代えて2020年度に新たな共通試験を導入するよう求める答申を出した。  文部科学省は今後1年をめどに具体策をまとめる。入念な制度設計で関係者の懸念を払拭し、国民的理解を得なければならない。1979年の共通1次試験導入以来の抜本改革は正念場である。  中教審の案は、センター試験に代えて導入する「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」で複数の受験機会を提供し、結果は1点刻みでなくレベル別に示すのが柱だ。知識の活用力をみる問題を出すべきだとして、教科を横断した「合教科型」などを提案した。  同時に、高校在学中の生徒にも共通の学力テストを受けてもらい、「大学全入」の流れを背景におろそかになりがちな基礎学力の定着を促す。こちらは19年度からの実施を想定している。  2種類の共通試験の設定やその方向性は、昨年の教育再生実行会議の提言にほぼ沿ったものだ。肉付けを進めていた中教審での議論は集約に手間取ったが、知識偏重を脱却し、多様な物さしで人材をみるという理念が生かされたのは評価したい。  もっとも、中教審はもう一段の具体案には踏み込めず、詳細な制度設計を文科省の専門家会議に委ねた。教育再生実行会議の提言から1年あまり、いまだに新試験の全体像が見えないのでは関係者の不安や疑念は募る一方だろう。  複数回の試験をうまく運営できるのか、1点刻みをやめるというが選考実務に支障はないか、総合型の問題をどう作るのか――。課題はあまりにも多い。答申は各大学の個別試験で面接や集団討論などを取り入れるよう求めているが、私立大のマンモンス入試などで現実に可能だろうか。  答申通りだと、新試験は現在の小学校6年生からが対象となる。極めて社会的関心の高いテーマだけに、文科省は制度づくりの進捗状況などについて積極的な情報発信を心がけねばならない。 "[he-forum 18583] 日本経済新聞12/29","日本経済新聞 2014年12月29日 全共闘世代が問いかけたもの 東大学長・浜田純一さん(64) 戦後70年 わたしたちの軌跡(1)  1968年に大きな盛り上がりを見せた「全共闘運動」。党派や思想に関係なく全国で多くの学生が参加した。大学のあり方から、高度経済成長の結果噴出した社会問題まで、当時、学生だった団塊の世代が突きつけた問いは現代にも通じる。「あの時代」は何だったのか、大学や若い世代に今、求められることは――。同年に東京大に入学し、来春、学長を退任する浜田純一さん(64)に聞いた。 ――68年はどんな時代でしたか。  高度経済成長が終わりの時期を迎えて、成長の光と影が鮮明になってきていました。若い世代には「本当に革命が起きるんじゃないか、社会が大きく変わるんじゃないか」という緊張感がありました。 ――全共闘運動にはどんな関わり方をしましたか。  僕もデモに加わりました。クラス単位で割合自然にデモに行く、そんな雰囲気です。学生たちは社会のあり方を真剣に考えていたし、社会の方もまだ可塑性があって、自分たちの手で社会を変えられると思っていました。 ■豊かさがもたらした「抽象的な正義感」 ――学生運動が大きなうねりになったのはなぜでしょうか。  抽象的な若い正義感がありました。豊かになってきたからこそ正義というものをもう1回考え直さなければいけない、そんな感覚です。当時の学生の言葉に「自己否定」というのがありますね。豊かになっていく社会の中で自己が形成され、何となく居心地がいい。そこに正義があるのかという問いかけでした。ベトナム戦争があって国内では公害や地方の衰退という問題が深刻になっていました。それを他方に置いて、それでいいのかと。 ――鋭く反応したのが大学生だったというのは1つのポイントです。  旧制高校があった時代のエリート意識とも違うんですが、一種の前衛意識というか、先頭に立ってやる責任が自分たちにはある、その資格があるのだという思いを大学生が持っていた。今は半数の人が大学に進みます。東大は学力的にトップクラスの人が入ってきて、ある種のエリート意識はあるんですが、僕らの世代が持っていたような前衛意識はない。そこが今とは違いますね。 ――大学の社会の中の位置づけは変わりましたか。  大学が社会に対してイニシアチブを取れなくなっていると感じています。かつては丸山真男のような研究者が発したメッセージが社会に変化を促すという役割を果たしました。それが今は社会の方が先に変わって行こうとして、それに大学がどう役立つのかという順番になっている。 ――もっとイニシアチブを取るべきだと。  取った方がいいと思っています。僕は秋入学という議論をしてきましたが、日本がグローバル化に向かってもがいているところで、大学がイニシアチブを取って社会のあり方を変えていかないと駄目だという思いがあったんです。大学が入学時期を秋にして済むことではなく、社会構造全体が変わらなければ実現しない。一種の社会運動でもありました。 ――今の若者が社会にアプローチする方法はどうあるべきでしょうか。  社会に関わってものごとを変えていこうとする人はたくさんいます。僕らの世代ほど夢は大きくありませんが、同時に着実になっています。ボランティアに参加して実際に役に立って、何かを実現する。偉いなと思います。僕らの時代はどちらかというと理念的で0か1。今の学生は0.1でも0.2でも自分の手で実現していく堅実さを持っていると思います。 ――社会保障や雇用の分野で若い世代は割を食っています。  自分の身に迫ってくることなので、もっと考えて声を上げていい。若い人がだらしないというのではなくて、複雑に固まった制度にがんじがらめになっている面があります。どこをどう動かせば何が変わるのか見えにくい。そこで知識や知識人が出てきて、ガイドになるようなメッセージを発してもいいと思う。思い切った視点から思い切った議論をしていく、そういうことを大人の側から投げかけることも必要です。 ■「ギリギリ考え抜く」学生に期待 ――これからの大学生に期待することは。  今あるものを当たり前だと思わずに変えようとしたらどうなるだろうかと考えて欲しいです。昔のような学生運動ができる時代ではありませんし、それでものごとが簡単に変わるわけではありません。ボランティアでもなんでも堅実にいろいろなことに関わって、変えようとすれば変えられるのだと実感すればいい。 学問にももっと批判的であってもらいたい。知的に突き詰めて考えるということがやりにくい雰囲気があるし、尊敬もされない時代になっています。でもギリギリ考え抜くというのは変化を生み出すきっかけです。そういう知的作業を学生にさせるのも大事だと思っています。 ――安田講堂の改修工事が終わります。  安田講堂で式典をやると、本当にいろいろな歴史を背負っているんだなと感じます。学生を戦地に送り出したこともあるし、学園紛争の舞台にもなりました。権威の象徴という人もいるし、知の象徴という人もいます。僕は象徴というよりは一種の「入れ物」のようなものじゃないかと思うんです。それを空虚なものにしてはいけない、そんな責任感はありますね。講堂では公開講座をやったりもするのですが、学生も含めて大学がやっていることが社会とふれあい、混じり合う場所。そこから社会が変わっていく。そういうものが東大にはあるんだと、そうなったらいいですね。 (聞き手 社会部 稲沢計典) ◇  浜田純一(はまだ・じゅんいち) 1950年生まれ。東大社会情報研究所所長などを経て2009年4月、戦後生まれとして初めて東大学長に就任した。 "[he-forum 18582] NHKニュース12/26","NHKニュース 2014年12月26日14時20分  東京大学は26日、濱田純一学長らが会見し、ホルモンの働きに関する論文など30本以上に不正が見つかり、元教授や当時学生だった研究員ら11人が不正に関わっていたとする調査結果を発表しました。  東大では、元教授らについて懲戒処分と退職金の返還を検討するほか、学長の報酬の10分の1を3か月間返納するとしています。  この問題は、東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループが発表したホルモンの働きについての論文など51本に画像の切り張りなどが見つかったものです。  東京大学の濱田純一学長らは26日会見し、問題が指摘された論文のうち33本で、ねつ造と改ざんの不正があったと認定し、すでに辞職した加藤茂明元教授のほか、当時の准教授や研究員の学生ら合わせて11人が不正に関わったとする最終的な調査結果を明らかにしました。  大学では、加藤元教授ら当時の教員に対しては、すでに辞職しているものの懲戒処分に相当する可能性があるとし、退職金の返還を検討するほか、東京大学で学位を取得した当時の学生ら6人についても、学位の取り消しを審議するということです。  会見で、東京大学の濱田純一学長は「不正行為が行われたと認定された論文が多数に上り、学術の健全な発展を大きく揺るがしたことはまことに遺憾です。研究倫理の徹底を図りたい」と述べ、みずからの報酬の10分の1を3か月間返納することを明らかにしました。 元教授「心よりおわび」  今回の調査結果について加藤茂明元教授は、「不適切な論文に関して事態の収拾のためにたくさんの人に膨大な労力をおかけしたことについて、研究室と論文の責任者として心よりおわび申し上げます。また、論文の訂正の方法について不適切な判断があったことも重ねておわび申し上げます。ただ、論文の作成過程などに研究員に対して強制的な態度や過度の要求をしたことはありませんし、そのような意図を持って発言したこともなく、『不正行為が発生する環境を作り上げた』という調査委員会の認定は承服できません」と話しました。 "[he-forum 18581] 愛媛新聞社説12/24","愛媛新聞社説 2014年12月24日付 大学入試改革 学校教育の見直しこそ重要だ  知識偏重から、思考力や主体性の評価へ―。大学入試制度が大きな転換点を迎えようとしている。  中教審は、大学入試センター試験に代えて、知識の活用力をみる「大学入学希望者学力評価テスト」を導入する大学入試改革案を、下村博文文部科学相に答申した。  現行のマークシート方式に加え、記述式を導入する。教科の枠組みを超えた総合的な問題で、知識を活用して解決する力をみるという。  暗記した知識の量を競っているだけでは、社会が直面するさまざまな課題を解決することは難しい。自ら問題を見つけ出し、深く考えて解決への道を見つける力が必要だ。その力を育てようとの目的は評価できる。理念を最大限生かす制度設計に取り組まなければならない。  しかし、実現は容易ではない。同様の議論は過去に何度も繰り返されつつ進まなかった。新テストは年に複数回実施し、何度か受験したうち成績の良かったものを採用できるようにする。成績は点数ではなく段階別に示す。一発勝負や1点刻みの選抜をなくすというが、問題作成や評価の基準はまったく白紙状態だ。  来月実施のセンター試験受験予定者は約56万人。同様の人数を、公平に、しかも迅速に評価する体制を整えなければならない。  克服すべき課題が山積しているにもかかわらず、2017年度にプレテストを実施、現在の小6が高3になる20年度には新テストに移行する予定だという。強行スケジュールの下、論議や検証を尽くさないままの変更は、受験生たちを混乱に陥れかねない。拙速な導入は許されない。  さらに答申は、各大学に、討論や面接などで多面的に選抜し、ボランティア活動や部活動などを考慮するよう注文を付けた。合否判定の基準が曖昧で、公平性の担保に疑問が残る。そもそも、わずかな時間で「人物」を評価することはできまい。  一方で、高校2~3年生が年に複数回受ける「高校基礎学力テスト」の導入も打ち出した。推薦入試などの資料に活用するが、受験の前倒しになる懸念が拭えない。テスト対策に追われ、高校教育を予備校化させては本末転倒だ。  肝心なのは入試改革そのものではない。幼稚園から大学を通してどのような人間形成を目指し、いかに教育現場を変えるのかを、いまこそ論じなければならない。  学校を選ばなければ誰もが入学できる大学全入時代。ペーパーテストのない入試が増え、学習意欲や基礎学力低下が問題になっている。知識を土台に自ら考え、希望を持って協働できる人材の育成へ、大胆な発想転換による指導や高大連携が欠かせまい。 "[he-forum 18580] 読売新聞社説12/24","読売新聞社説 2014年12月24日付 大学入試改革 山積する課題を克服できるか  大学入試の見直しをテコに、高校・大学教育を充実させる。掲げる理念はもっともだが、実現に向けて克服すべき課題はあまりに多い。  中央教育審議会が、大学入試改革に関する答申をまとめた。  現行の大学入試センター試験を廃止し、思考力や表現力を中心に評価する「大学入学希望者学力評価テスト」を導入する。各大学は、その成績に加え、面接や集団討論など多面的な手法で受験生の主体性や協調性も見極めるという。  昨秋に政府の教育再生実行会議が出した提言に沿った内容だ。  教科書を暗記するだけでは、社会の様々な問題に適切に対処するのは難しい。従来の入試が知識偏重だったことは否めない。  柔軟な発想と問題解決能力を備え、社会に貢献できる人材を育成するには、入試の在り方の大胆な転換が必要だ、という答申の指摘には理解できる面がある。  しかし、肝心の学力評価テストの具体像は見えない。どんな問題で思考力や判断力を測るのか。  答申は、複数の教科にまたがる「合教科・科目型」や、教科の枠にとらわれない「総合型」の問題も出すとしている。だが、高校は教科ごとの学習が中心だ。高校生は入試の準備に戸惑うだろう。  学力評価テストの成績は「1点刻み」ではなく、大まかなランクの段階別に表示する方向だ。点数という客観的な物差しをなくすことで、大学の選考作業に不都合は生じないか。また、社会的な理解は得られるだろうか。  各大学の個別選抜の行方も不透明だ。面接や集団討論のノウハウを持つ大学は少ない。評価基準があいまいなら、選抜の公平性が疑われる。大規模な大学が全受験生を面接するのは不可能に近い。  難関大学からは、幅広い知識や学力の習得を個別試験で確認したいという異論も出ている。  答申は、高校2、3年生を対象にした「高等学校基礎学力テスト」の導入も提言した。学力の定着度の把握が目的で、小中学校の全国学力テストの「高校版」だ。入試の参考資料にも使うという。  両方の新テストは、年に各複数回の実施を想定している。生徒が「テスト漬け」にならないか、学校行事や部活動の時間を確保できるか、高校側には懸念が強い。  答申は新たな入試の2020年度からの実施を求めているが、拙速は避けねばならない。教育現場に混乱をもたらさないよう、文部科学省は、実現性を考慮し、慎重に検討を進めるべきだ。 "[he-forum 18579] 信濃巻き日新聞12/25","信濃毎日新聞 2014年12月25日付 信大に教職大学院 16年度新設 不登校対応など学ぶ  信州大(本部・長野県松本市)は24日、大学院教育学研究科を2016年度に改組し、同研究科内に専門職大学院「教職大学院」(定員20人)を新設すると発表した。不登校や特別な支援が必要な子どもへの接し方など、多様化する学校教育の課題によりよく対応できる教員を育てる狙い。来年3月に文部科学省に申請する予定で、認められれば県内初となる。  教職大学院(高度教職実践専攻)には、学部新卒者向けの「教職実践基礎コース」と現職教員向けの「教職実践応用コース」を設ける。修了年限の2年間、学部新卒者は長野市と松本市にある信大の付属小中学校や県内の公立学校で、現職教員は主に赴任中の学校に所属しながら実習を通して教科指導法や学校運営などを幅広く学ぶ。  不登校や発達障害の子どもへの対処などは、教職大学院の教員がチームを組んで院生が実習している学校を訪ね、心理学や特別支援教育などの専門知識を伝えながら現場の教員も交えて解決法を探る。  現行の教育学研究科の「学校教育専攻」「教科教育専攻」は計40人の定員を半減し、定員20人の「学校教育専攻」にまとめる。  教育学研究科長を兼任する平野吉直・教育学部長は、24日に長野市の信大教育学部で開いた記者会見で、「学校現場で管理職となり、中心となって学校運営をしていくような人を育てたい」と述べた。教職実践基礎コースの修了者は、教員就職率100%を目指すとした。  信大が教職大学院を設置することについて、県教委義務教育課の児玉順夫課長は取材に「学力や体力の低下、不登校など現場はさまざまな課題を抱えている。現場の教員と院生が一緒になって教員の資質を高め合うことも期待できる」と話した。 "[he-forum 18593] 山形新聞1/6","山形新聞 2015年01月06日 10:16 重粒子線がん治療装置、国が70億円予算化へ 県など30億円の支援も  山形大が医学部への導入を目指す次世代型重粒子線がん治療装置について、政府が14日にも閣議決定する2015年度予算案に本体工事費約70億円が盛り込まれる見通しとなったことが5日分かった。  重粒子線がん治療装置の導入は東北で初めてで、19年10月の治療開始に向けて計画が大きく前進することになる。一方、県と山形市などは同日、計30億円を支援し、計画を後押しする意向を表明した。  閣議決定の見通しについて、山形大の嘉山孝正学長特別補佐が同日、医学部の年頭あいさつで「予算折衝が年末までもつれこんだが、概算要求した70億円弱が投入されることになる」と明言した。  山形大の計画では15年度に装置を設置する建屋の建設に着手、18年度に装置の据え付けに入り、19年度の治療開始を目指す。重粒子線によるがん治療装置が稼働しているのは国内では千葉、群馬、兵庫、佐賀の4県。東北・北海道は空白域となっている。  総事業費は約150億円で、山形大はこのうち約50億円を自治体や企業からの寄付で賄う計画。これに関し、吉村美栄子知事は同日の臨時記者会見で、県と して15億円を支援する方針を表明した。具体的な支援の時期や方法は国の予算措置の状況などを踏まえて検討するとし「高度な医療施設の整備により、県民の 医療と福祉の向上が図られる。市町村、経済界からも協力をいただきたい」と述べ、幅広い層からの支援を呼び掛けた。  山形市の市川昭男市長も同日の会見で市として5億円、さらに自身が理事長を務める公益財団法人県市町村振興協会から「市町村振興宝くじ」の収益金10億円を支援する考えを明らかにした。 = "[he-forum 18594] 河北新報1/6","河北新報 2015年01月06日火曜日 山形大重粒子線がん治療施設に県など30億円支援  山形県と県内35市町村は5日、山形大が計画する重粒子線がん治療施設整備に対し、総額30億円を支援すると表明した。 県経済界からも20億円の寄付を期待し、地元で計50億円を負担する。政府も2015年度予算案に関連費を計上するとみられ、総額150億円に上る整備費 の確保におおむねめどが立つ。  自治体の支援策は吉村美栄子知事と市川昭男山形市長が、それぞれ年頭の記者会見で明らかにした。県が15億円、35市町村が計10億円を拠出し、山形市はさらに5億円を上乗せして支出するという。  吉村知事は「重粒子線がん治療施設が山形に整備されれば、県民の医療と福祉の向上に大きく寄与する。計画通りの整備を後押しするため、拠出を決断した」と述べた。  市川市長は「他県から治療施設に来る人の宿泊などで、経済波及効果が期待できる。山形市内に立地し、市民への貢献度も高い」と説明した。  山形大は整備費のうち50億円を地元からの支援金で工面したい意向。医学部幹部らが県内を回り協力を依頼してきた。自治体拠出を除いた残り20億円の確保は、県経済界からの寄付に期待する。  吉村知事は5日、山形商工会議所などが開いた新春名刺交換会で「重粒子線施設は山形の価値を高める。県経済界からもできる限りの支援をお願いしたい」と要請した。  山形大によると、文部科学省の15年度予算の概算要求で、整備関連費4億5000万円が盛り込まれており、14日に閣議決定される予算案にも計上される見通しという。  東北、北海道で初の重粒子線施設は4年後の治療開始を目指す。山形大の嘉山孝正学長特別補佐は5日の医学部年頭あいさつで「4月から(重粒子線)治療装置の本体整備に着手できる運びになる」と期待感を示した。 [重 粒子線がん治療施設] がんの病巣にピンポイントで放射線を当てる特性に優れた治療で、痛みや副作用などの負担が少ない。肺や前立腺、肝臓、膵臓(すいぞ う)などのがんや肉腫の治療に効果がある。山形大は2004年に整備計画に着手し、19年の治療開始を目指す。国内には群馬大重粒子線医学研究センターな ど4カ所ある。= "[he-forum 18595] 山形新聞1/6","山形新聞 2015年01月06日 15:57 山大病院、入院手続きを一本化 国立大初の総合窓口開設 山形大医学部付属病院に開所した「医療コンシェルジュステーション」。入院手続きの窓口を一本化し、患者サービスの向上を図った=山形市  山形大医学部付属病院は5日、患者らが入院手続きを行う際に一元的に対応する総合窓口「医療コンシェルジュステーション」を院内に開設した。専任の看護 師が面談や書類の作成、薬の確認といった個別の対応を行い、患者の負担軽減を図る。同病院によると、国立大学の病院でこうした窓口を設置するのは初めてと いう。  従来は病棟ごとに患者や家族による入院手続きに対応していた。窓口を一本化することで業務の効率化と手続きの簡素化が図られ、患者の安心感とより質の高い医療につながると同病院は期待する。  窓口は病院1階の外来待合ホールに隣接したスペースに新設。看護師5人、事務担当者2人、薬剤師1人を配置し、8つの個室でスタッフが個別相談に応じ る。同病院の那須景子看護部長は「看護師には幅広い知識が求められるため、勤続7~8年目のベテランを中心に配置した。『おもてなし』の心で患者さんに接 し、ケアに当たりたい」と語った。  開所式が同日行われ、関係者がテープカットを行った。 "[he-forum 18596] 東京新聞1/7","東京新聞 2015年1月7日 11時30分 火山研究に30億円 14年度補正予算案  戦後最悪の火山災害となった御嶽山(長野、岐阜県)の噴火を踏まえ、政府は火山観測研究の基盤整備を本格化させるため、2014年度の補正予算案で約30億円を計上することが7日分かった。  重点的な観測研究の対象を現在の16火山から拡大し、新たに御嶽山や蔵王山(山形、宮城県)など9火山も重点化する方向で検討が進められている。補正予算計上により、こうした取り組みが加速されそうだ。  観測強化の具体策では、国の有識者会合が昨年11月に今後進めるべき方策を提示。現在の体制を強化し、全国の研究者が共同して機動的な観測体制を構築することを求めた。= "[he-forum 18597] 読売新聞1/7","読売新聞 2015年01月07日 14時51分 有給休暇取得、企業に責任…時期指定義務づけへ  政府が26日召集予定の通常国会に提出する労働基準法改正案の骨子が明らかになった。  企業に対し、従業員がいつ有給休暇を取得するか時期を指定することを義務づけ、確実に取得させることが柱だ。働き過ぎを防止し、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現を図る狙いがある。  有給休暇は、休んでも賃金が支払われる制度で、勤続6か月以上で、定められた勤務日の8割以上出勤した従業員が原則として年間10日から20日間取得できる。勤続年数に応じて日数は増える。パート従業員でも、週5日以上勤務などの要件を満たせば、取得することができる。  現行の法律でも、企業は従業員に有給休暇を取得させなければな らないと定めている。しかし、従業員が自ら、いつ休むか時期を指定して請求することが前提となっている。従業員が請求しなければ、企業は有給休暇を与えな くても違法ではなく、取得率が低迷する要因になっている。= "[he-forum 18599] 福井新聞論説1/8","福井新聞論説 2015年1月8日付 大学入試改革案 拙速せず課題を熟議せよ  中教審が答申した大学入試改革案は、知識偏重から受験生を多面評価する選考へ導く狙いがある。中教審は既に小中高校の学習指導要領について2020〜22年度以降の全面改定に向けた議論を始めており、大学入試改革も同時並行で進める。指導要領の内容と入試が一体となって変わり、子どもたちへの影響は極めて大きい。  改革案は1990年来続く現行のセンター試験をやめ二つのテストを新設。大学ごとの入試(個別選抜)は小論文や面接、討論などを軸にする。新たなテストは、まず高校での学力到達度をみる「高校基礎学力テスト」で、2、3年時に年2回程度受験できる。成績は進学や就職のときに基礎学力の証明となる。  もう一つが、知識に加えて「思考力、判断力、表現力」を中心に評価する「大学入学希望者学力評価テスト」だ。年に複数回行い受験生は複数受験ができる。教科の枠を超えた「合教科・科目型」「総合型」の問題も従来にプラスして出題される。知識を駆使して自ら課題を見つけ解決する力を試すようだ。成績は点数でなく段階表示される。英語は外部試験の活用も検討という。  大学ごとの個別試験は、欲しい学生の基準を「入学者受け入れ方針」であらかじめ明確にする。学力評価テストに加え、集団討論や資格・検定試験成績、部活動やボランティアの活動記録なども用いて判定する。  改革案は高校だけでなく学習塾にも対応を迫る転換点となる。現場の教師からは早くも実現の可能性について懐疑的な声が上がっている。「テストに対応できる進学校のことしか考えない制度」「入試対策が早まれば部活動や学校行事にしわ寄せがいく」など、基礎学力テストの登場で学校生活がさらに“試験漬け”にならないかとの懸念だ。  思考力、判断力、表現力の育成は現行の指導要領にも盛り込まれているが、受験勉強が前倒しになり、新たな受験スキルを求めて予備校、塾通いが増えてしまっては改革にならない。大手学習塾の中には、新テスト対策で塾に通った方がいいと考える親子は増えると歓迎する声もある。  出題、採点、合否には公平さと公正が欠かせない。多様な学力を評価するには人手もかかり、手法も確立しなければならない。面接や討論の評価内容を受験生に求められたらどう説明責任を果たすか。大学側の態勢整備も容易でない。  学力評価テストは今の小学6年生が高3になる20年度から実施、基礎学力テストは19年度から始まる。間もなく専門家会議が制度設計に入るが、「人が人を選ぶ」入試改革だけに決して拙速は許されない。 "[he-forum 18598] 福島民報1/5","福島民報 2015年1月9日付 福大が復興対応へ 「中井プラン」を発表  福島市の福島大は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後のさまざまな社会的課題に対応するため、農学系人材養成組織の創設、教職大学院の設置、大学院既存研究科の再編を目指す。中井勝己学長が7日までに、震災から10年に当たる平成33年度までの大学として方向性を示す「中井プラン」を発表した。  福島大は今年度、全学再編後十年の教育研究活動や管理運営の検証を進めている。検証を踏まえ、平成28年度から6年間の第三期中期目標・中期計画を策定する。中井学長は学長としての考えを計画に反映させていく方針。  原発事故後に伴う食と農業について対応するため、農学系人材養成組織の創設をプランに盛り込んだ。福島大は既に組織創設に向けた検討を進めており、文部科学省は27年度予算の概算要求に調査費として1500万円を計上している。  県内の学校教員の資質・能力の総合的な向上を目指し、教職大学院の設置も記された。教職大学院は、教職員の再教育を目的にした専門職大学院で、国立19大学と私立6大学に設置されている。  県内の地域課題を踏まえた大学院研究科の再編、現専攻の改廃、新専攻の設置も視野に入れている。 "[he-forum 18601] 読売新聞1/6","読売新聞 2015年1月6日付 女子大初の工学系大学院、お茶の水・奈良共同で  奈良女子大(奈良市)とお茶の水女子大(東京都文京区)は、女子大としては全国初の工学系修士・博士課程となる「生活工学共同専攻」(仮称)を2016年度、共同で大学院に設ける。  国立女子大のライバル同士だが、女性が少ない工学分野の人材育成を目指した初の連携。それぞれの付属中学、高校でも、数学や物理の授業を充実させるなどして、優秀な「理工系女子」を送り出す計画だ。  生活工学は、家政学と工学を融合させる。女性の視点を盛り込み、掃除ロボットのような日常生活に役立つ商品の開発を目指す。  奈良女子大は人間文化研究科に、お茶の水女子大は人間文化創成科学研究科に、それぞれ新設し、学位は両大の連名となる。定員は修士課程(2年)が14人、博士課程(3年)が4人の予定。両方の大学の教員が分担して受け持ち、講義をネット中継することで、どちらの大学でも同じように学ぶことができるという。 "[he-forum 18600] 読売新聞鳥取1/9","読売新聞鳥取版 2015年1月9日付 県と鳥大 メタンハイドレート採掘技術者養成へ  県と鳥取大学は2016年度から、次世代エネルギーと期待される天然ガスの一種「メタンハイドレート」の採掘技術者を養成する専門コースを全国で初めて大学院に開設する。寄付講座を設けて、専任の教授と助教を招請し、新エネルギーに関する即戦力技術者の輩出を目指す。(安恒勇気)  日本海には、海底から比較的浅い位置にある「表層型メタンハイドレート」が存在し、国が2013年度から資源量を調査中。国は同年に策定した海洋基本計画で、18年度をめどに商業化に向けた技術整備を目指すとしている。  県沖にもメタンハイドレートの埋蔵が想定されることから、最先端の研究集積地を目指して、採掘技術者養成専門コースの開設を企画。修士課程で、1学年の定員は5人を予定。工学や地球物理学、水産学など、海洋資源開発に必要な科目を横断的に学ぶ。  県は今年度一般会計予算でコースや講座開設の検討などの費用860万円を計上。大学が現在、カリキュラムの協議や指導教員の人選などを進めている。15年10月からは、教授も加わり、準備を本格化。県は教授と助教各1人の20年度までの人件費計8470万円を負担する。  表層型メタンハイドレートの採掘方法はまだ確立されておらず、県環境立県推進課は「理論だけでなく、現場に出て実践経験を積む場にしたい。講座やコースを定着させ、鳥取をメタンハイドレートの生産や研究の拠点にできれば」と話している。 "[he-forum 18602] 読売新聞1/9","読売新聞 2015年01月09日 15時54分 阪大と京大の研究者の論文、画像切り貼りの指摘  大阪大と京都大の研究者が1998年~2005年に発表した論文計32本の画像データに、切り貼りや使い回しの疑いがあるとインターネット上で指摘があり、阪大は論文著者への聞き取りなど事実確認を始めた。  京大も近く、同様の作業を始める。  問題の指摘は、日本分子生物学会の会員研究者が開設したサイト「日本の科学を考える」に昨年末から今月初めにかけ、匿名の人物によって投稿された。阪大では28本、京大については4本を挙げている。  大阪大医学系研究科研究支援室の担当者は「論文の主要著者で現在も大阪大に在籍している研究者に、事実の確認を行う。結果次第で、本格的な調査に移るかを検討する」と話している。  投稿は、両大学のほか東京大や名古屋大、九州大などの研究者が発表した計52本について同様の疑いがあると指摘しており、東大も情報収集を進めている。 "[he-forum 18606] 沖縄タイムス1/11","沖縄タイムス 2015年1月11日付 琉大が教職大学院 来年4月開設予定  琉球大学(大城肇学長)は、2016年4月に教職大学院を開設する方向で準備を進めている。研究者を育てることを主な目的にする従来の大学院教育とは違い、高い専門知識と指導力を備えた現場教員を養成することを目指す。  昨年12月25日に開かれた県教育庁との定期協議会で構想を説明し、今後の協力を求めた。  いじめや学力向上など複雑・多様化する教育現場の課題を背景に、教職大学院制度は08年度に創設され、現在は全国の国立・私立25大学に広がっている。  教科指導や学級経営に関する専門知識を身に付けさせるだけでなく、ベテラン教員を教官に登用したり、教育実習を徹底したりすることを通して、新人の即戦力養成や学校現場のリーダー格育成に重きを置いている。  標準的な修了年限は2年。現職教員にも門戸を広げるため、大学院によっては短期履修コースや長期在学コースを備えているところもある。  県教育庁人事課は「どんな連携ができるのかはこれからだが、現職教員の派遣や、教育実習の受け入れ先確保などが考えられる」としている。 "[he-forum 18605] 神戸新聞1/5","神戸新聞 2015年1月5日付 奨学金制度の創設準備 「給付型」目指す 明石市  明石市教委は、経済的な事情で大学への進学が難しい高校生らを支援する奨学金制度の創設に向け、準備を進めている。返済の必要がない「給付型」の制度を目指す。受給する生徒には市役所や市内企業でのインターンシップへの参加を求め、地元での就職を働き掛けることも検討している。  大学進学を希望する市内在住の高校生・高専生が対象。3月議会に提案し、2015年度中の支給開始を目指す。  市内の中学生で、生活保護や就学援助を受けている世帯の生徒は2割に達している(14年11月)。一方、現行の奨学金の多くは貸与型で、社会に出た時点で多額の借金を背負うことになるため、給付型奨学金を拡充する必要性が指摘されている。  支給額は、大学への入学金と授業料に相当する額を予定。日本学生支援機構の貸与月額(無利子の場合は3万~6万4千円)を上回る額を目安に検討する。支給人数は若干名。  学科試験で進学に必要な学力があるかどうかを測り、面接と小論文で学ぶことへの熱意や将来の社会貢献の意志を確認する。  市教委には現在、高校などの学費を貸し付ける奨学金制度があり、市内在住の国公立高校生には月1万円、私立高校生には月2万円を貸与している。卒業後20年以内(大学などの在籍中は猶予)の返済が必要で、市は給付型奨学金制度の創設を本年度の重点課題に挙げていた。(新開真理) "[he-forum 18604] 時事通信1/11","時事通信 2015年1月11日16時51分 ものづくり支援に129億円=経産省  宮沢洋一経済産業相は11日、2015年度予算案について麻生太郎財務相と協議し、中小企業のものづくり支援に129億円を計上することで合意した。大学など研究機関と連携して競争力のある事業を開発する取り組みを補助金などで後押しする。  省エネ性能の高い機器の導入を企業に促す補助金に410億円を、生産性向上に寄与する手頃な価格の産業用などのロボットの開発支援に111億円をそれぞれ計上することで一致。エネルギー権益の獲得を資金面で支援する事業に485億円を、次世代のエネルギー源として期待されるメタンハイドレートの開発促進事業に125億円を計上することも決めた。 "[he-forum 18603] 産経新聞主張1/10","産経新聞主張 2015年1月10日付 大学入試改革 知識軽視の内容にするな  本格的な受験シーズンが始まるが、現在の小学6年生が大学受験期の平成32(2020)年度から入試制度がまた変わりそうだ。  中央教育審議会が大学入試センター試験を廃止し、新たな共通テストを導入するなど改革案を答申した。今後、出題内容を含め具体化されていくが、受験生を振り回すだけの制度改悪に終わらないよう、なお慎重な検討を望みたい。  答申では、国公立大や一部私立大が1次試験として利用しているセンター試験に代わり、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を導入する。現行年1回だが、複数回受験可能にする。結果は得点幅のある段階別で示す。出題も思考力や表現力を重視し記述式を増やすなど見直す。  また各大学の個別試験では、高校時代の活動など多面的な評価を入れた選抜を促す。  18歳人口はいま横ばいだが、33年ごろからさらなる減少が見込まれ、大学教育は大きな曲がり角にあるのは確かだ。大学入試が変われば高校以下の教育も変わるといった考え方も根強い。  しかし入試改革の歴史をみると必ずしも狙い通りにはいっていない。「難問奇問」など知識偏重の入試を見直そうと、昭和54年からセンター試験の前身である共通1次試験が導入されたが、マークシート方式で思考力を削(そ)ぐといった批判が続いている。  中教審の示す方向は、ペーパーテストだけでは測れない意欲や才能を見極めようというもので、各大学の責任が問われる改革である。個別試験の手間を惜しみ、受験生獲得だけに走れば、学力不問の入試が進みかねない。  大学に多様な入り口を設け、さまざまな才能が影響し合う教育環境は重要だ。しかし「一発勝負、1点刻み」を見直すという改革が、知識軽視の誤ったメッセージとなってはならない。  また、年複数回となる新共通テストの受験勉強に縛られ、日々の読書や勉学を妨げる結果になっては元も子もない。  高校、大学は教養を身につけ磨く重要な期間だ。欧米に比べ日本の学生は授業時間外の学習量が極めて少ないと指摘されている。肝心なのは入学後、いかに学ぶことができるか、教育内容の改革だ。十分な知識、教養があってこそ、次を切り開く発想も生まれる。 "[he-forum 18609] 山形新聞1/15","山形新聞 2015年01月15日 08:00 重粒子線がん施設、装置と建屋に補助 15年度予算案閣議決定  政府は14日、2015年度予算案を閣議決定した。総額は過去最大の96兆3420億円で、1兆円の「創生枠」を地方活性化の目玉とした。だが高齢化で 膨らむ社会保障が政策経費を圧迫し、3年連続の増額と突出する防衛費以外は頭打ちとなる。財政が厳しく、税収増は借金抑制に回す。春の統一地方選をにらん だ「地方重視」の掛け声をよそに、規模が大きい割に暮らしへの恩恵を感じにくい内容となった。  山形県関係では、山形大が医学部への導入を目指す次世代型重粒子線がん治療施設の整備費用が予算化された。装置と建屋などに補助を受けることとなり、2019年10月の治療開始を目指している山形大は、東北で初となる同施設の設置事業を本格化させる。  文部科学省によると、装置については3億5千万円を計上。これまで山形大は国に対し総額で約70億円を要求しており、15年度はその一部を予算化した。 建屋に関しては、地域医療拠点を支援する「付属病院の再開発整備事業」を活用する。総額487億円が計上されており、一部が山形大に配分される見込み。  重粒子線がん治療施設関連ではほかに研究開発費として国立大学運営費交付金から3千万円が配分される。  資源エネルギー関係では、次世代資源メタンハイドレートの開発促進事業が継続される。14年度は地質サンプル調査の結果、本県と秋田県沖1カ所、上越沖2カ所で海底の地中から採取に成功している。  メタンハイドレートは天然ガスの主成分メタンと水が結合した物質で実際の埋蔵量は不明だが、日本近海で採取されたことで国産資源として将来の量産が期待されている。15年度は事業費として約125億円を計上し、調査海域の拡大などに努める。  国土交通省や農林水産省関係では、本体着工が決まった最上小国川ダム(最上町)への補助が見込まれるが、具体的な事業内容や予算額は予算成立後の実施計 画公表時に示される。09年に鶴岡市大網の七五三掛地区で発生した大規模地滑りの恒久対策事業についても実施計画公表時に詳細が明らかになる。 "[he-forum 18608] 読売新聞1/14","読売新聞 2015年01月14日 12時03分 STAP不正で組織縮減、理研交付金16億円減  政府の2015年度予算案で、理化学研究所への「運営費交付金」が、前年度比16億円(3・1%)減の515億円となったことが、文部科学省と財務省への取材でわかった。  財務省は「STAPスタップ細胞の論文不正問題で、組織を縮減したため」と説明している。  交付金は毎年、理研の予算の約6割を占めている。減少は4年連続。理研は昨年11月、不正の舞台となった発生・再生科学総合研究センター(神戸市)を「多細胞システム形成研究センター」に改組し、研究室を約半分の20に減らした。  下村文科相は臨時閣議終了後の記者会見で「不正防止のための改革を最優先し、新規の研究開発を抑制した」と話した。= "[he-forum 18607] 日本海新聞1/14","日本海新聞 2015年1月14日付 乾燥地研究を強化、学部横断で教育 鳥大に新機構発足  鳥取大は13日、乾燥地研究と教育を大学を挙げて展開する「国際乾燥地研究教育機構」の発足式を開いた。関係者ら約30人が出席し、国内トップの乾燥地研究拠点としての発展に向けて決意を新たにした。  鳥大の乾燥地研究は、鳥取砂丘における農業利用の研究を起源に進められ、大学の強みの一つ。同機構は、異分野連携による教育研究の機能強化を目指して、1日付で発足した。  発足式では、機構長に就任した鳥大の豊島良太学長が「学部の垣根を超え、オール鳥取大学で真に学際的な研究、教育に取り組んでいただきたい」とあいさつ。機構にかかわる研究者が紹介された。  同機構は、最先端の施設と研究実績で、世界の砂漠化の問題に取り組む乾燥地研究センターをベースに、全学部と国際交流センター、産学地域連携推進機構など全学の教員が参加し、学部横断的な組織運営を行う。  「黄砂・環境修復」「農業・農村開発」など五つのプロジェクトを進め、世界の乾燥地や発展途上国に貢献していくほか、国際的な教育・研修プログラムにも力を入れる。情報・人的交流などを通じ、地域にも貢献するとしている。  機構推進室長を務める恒川篤史同センター長は「鳥大の一つの旗印として、機能強化を進めていきたい」と話していた。  取り組みは、国立大学法人運営費交付金・国立大学機能強化分として、新年度から文部科学省の重点支援を受ける予定。 "[he-forum 18610] NHKニュース1/16","NHKニュース 2015年1月16日11時54分 東大大学院 軍事研究一定程度可能に  東京大学大学院の理科系の研究科が、去年12月、軍事に関わる研究を禁止するとしていたガイドラインを見直し、「軍事・平和利用の両義性を深く意識し、研究を進める」という内容に改めていたことが分かりました。  ガイドラインは研究の行き過ぎに歯止めもかけていますが、この研究科では今後、一定の程度、軍事研究を行えることになります。  東京大学は昭和34年と42年の評議会で軍事研究は一切行わないという方針を明らかにしていて、大学院の情報理工学系研究科もガイドラインで、一切の例外なく軍事研究を禁止するとしていました。  ところが去年12月、情報理工学系研究科はこのガイドラインを改め、「軍事・平和利用の両義性を深く意識し、研究を進める」という内容に変更していたことが分かりました。  ガイドラインの中では、「成果が非公開となる機密性の高い軍事研究は行わない」と、研究の行き過ぎに歯止めをかけていますが、この研究科では今後、一定の程度、軍事研究を行えるようになります。  これについて東京大学は、「大学院の研究科がガイドラインを変更したのは事実だが、大学全体として軍事研究を解禁したわけではなく、かつての評議会の考え方を踏襲する方針に変更はない」と話しています。  これについて下村文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、「東京大学が立場をより明確にするとの観点から、情報理工学系研究科のガイドラインを去年12月に改定したことは承知している。東京大学が自主的に判断されたことであり、文部科学省として尊重したい」と話しました。 “軍事研究行わず”これまで評議会では  東京大学の、軍事研究を一切行わないという方針は、学内の評議会の場でも確認されてきました。  このうち昭和34年9月の評議会では、「本学では軍事研究は一切行わない考えであり、それはまた明確な事実でもある」としたうえで、「軍事研究はもちろん、軍事研究として疑われる恐れのあるものも一切行わないということは、自主的に、かつ、良識のもとに一貫して堅持されている」としています。  また、昭和42年6月の評議会では、外国では軍関係が大学の研究に資金を出すことは、かなり広く行われているとしたうえで、「日本の特殊な理由もあるので、原則がなし崩しに侵されることは最も注意すべきであり、原則に忠実すぎるくらい潔癖な態度をとった方が望ましいと思う」としています。  そして、「学問的研究はその扱い方によって、平和利用にも軍事目的にも使用される可能性をもつものであって、最終的にはすべて研究者の学問的良心と部局の良識によって決められるべき問題である」としています。 "[he-forum 18614] 河北新報社説1/17","河北新報社説 2015年1月17日付 大学入試改革/熟議で理念生かす制度を  大学入試センター試験が17、18の両日実施される。一発勝負だけに、多くの受験生が体調管理に気を遣いながら追い込みに励んできたことだろう。  そのセンター試験を廃止し、複数回受験も可能とする新たな大学入試制度の導入に向けて、具体的な検討が始まる。実現すれば、1979年に共通1次試験が導入されて以来の大改革となる。  中教審が文部科学相に答申した改革案の主眼は、知識偏重の選抜から多面的な評価への転換だ。  これからの社会で若者に必要なのは、思考力や判断力、主体性を持って多様な人々と協働する力だ、と答申はいう。画一的で暗記に偏りがちな入試制度が続く限り、幅広い視野や論理的な思考力を身に付ける教育を高校や大学に根付かせることは困難だとも指摘する。  理解できる内容といえる。問題は、掲げた理念をいかに制度に反映させるかだ。  答申は改革の柱として、センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト」の導入を挙げる。教科や科目の枠組みを超えた出題に比重を移し、記述や論述式も取り入れる。評価は1点刻みでない段階別とする。  個々の大学には、入学者が備えるべき能力や資質(アドミッションポリシー)の明示と、それに連動する独自の選抜を求める。小論文や面接、集団討論やプレゼンテーションなどを想定する。大学は評価テストの結果と併せ、多様な尺度で合否を判断することになる。  丁寧な選抜は理想だ。だが、思考力や主体性を客観的に評価するのは難しい。合否の基準が曖昧になり、入試の根幹ともいえる厳正さと公平さが揺らげば、制度の維持は不可能となる。  労力も要る。きめ細かな選抜を実現できる大学はどれだけあるだろうか。ペーパー試験に頼らない人物重視の選抜という意味で先取り的に導入されたAO入試は、形骸化が指摘され学力低下の要因ともいわれている。その反省と新たな決意なくしては、二の舞いとなるだけだ。  答申は評価テストとは別に、高校での学習到達度を測る「基礎学力テスト」も提案した。高校での指導に役立てるほか、進学や就職の際の学力把握に使うという。  評価テスト同様、年に複数回の受験を可能にするが、高校がテスト漬けになり、学校行事や部活動などが影響を受ける心配はないだろうか。  受験スキルを手厚く指導する学校や、学習塾に通える環境の高校生に有利になるようでは、新たな教育格差を生むばかりか、多様な人材を確保するという理念からもかけ離れる。  文科省は評価テストを2020年度から導入する方針だ。入試改革は教育改革の本丸と言われ、各方面に多大な影響も及ぼすだけに拙速は禁物だ。  受験生の不安や懸念を解消し国民の理解を広げるためにも、教育現場とともに慎重に制度設計を進めることを求めたい。 "[he-forum 18613] 佐賀新聞論説1/19","佐賀新聞論説 2015年1月19日付 大学入試改革  現在の小学6年生が大学受験する2020年度から、大学入試が大きく変わることになりそうだ。中教審が昨年末、大学入試制度改革を下村博文文部科学相に答申した。今の大学入試センター試験に代わり、思考力などを重視する「大学入学希望者学力評価テスト」を導入、高校在学中に学力到達度を測る「基礎学力テスト」を新設する。各大学の試験も面接、討論などを中心にするよう促した。新制度は知識量だけでなく、思考、判断力をより重視する方向だ。  大学入試制度の改革は1990年のセンター試験導入以来。中教審は、小中高校で学ぶ内容を定める学習指導要領を全面改定する議論も始めており、教育内容と入試が一体で変わることになる。  センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト」は、現状の「教科型」に、教科や科目の枠を超えた「合教科・科目型」「総合型」の問題を加える。「思考力、判断力、表現力」を中心に評価するためで、マークシートに加え記述式も導入する。成績は1点刻みではなく段階表示する。年に複数回行うことで“一発勝負”を解消し、受験生が成績の良かったものを選べる方式を検討する。  「高校基礎学力テスト」は高校2、3年時に年2回程度、希望者を対象に行う。科目は国語などの必修科目で、知識の習得度をみる。進学や就職のときの基礎学力の証明にも使う。  大学がそれぞれ行う入試も変わる。まず各大学が大学の特色、受験生に求める能力や評価の基準を明示する。テスト内容は小論文、面接、集団討論などが中心で、資格や検定試験の成績なども考慮する。「人が人を選ぶ入試」への転換を促している。  この答申について、既に問題点も指摘されている。「基礎学力テストなど試験回数が増え、高校生活が“試験漬け”にならないか」「思考・判断・表現という新たな受験スキルを求めて塾通いが増えないか」「大学が行う面接や討論は人手も経費もかかり、手法も確立する必要がある。大学側の態勢は大丈夫か」などだ。  近年、親の経済力の差による学力格差が問題になっている。大学は少子化で運営が厳しさを増しており、金銭的、人的に負担が増す改革に難色を示す可能性もある。具体的な制度づくりはこれからだが、そうした社会情勢にも目を向けて練り上げたい。  今回の大学入試制度改革は、1979年の共通1次試験導入以来の大改革ともいわれる。第1回共通1次の受験世代として「7科目の国公立か」「3科目の私立か」の選択を迫られ、悩み、戸惑ったことを思い出す。改革は問題や課題はつきものだが、受験生への過度な負担や混乱をできるだけ避ける方式を探りたい。  答申は現状の大学入試を「知識を1点刻みで問う試験」と批判し、「これまでの教育を続けているだけでは、これからの時代に通用する力を子供たちに育むことはできない」と断じた。改革の理念は理解できるが、その考えをどこまで浸透させ、具現化できるかは未知数だ。制度変更の影響は、今の小学生や就学前の世代に及ぶ。将来を見据え、時代に合った制度にするため、現場の声を聞き、大学など当事者が積極的にかかわっていくことが大切だ。(小野靖久) "[he-forum 18612] しんぶん赤旗1/17","しんぶん赤旗 2015年1月17日付 軍事研究禁止は原則 東大学長が見解公表  東京大学の濱田純一学長は16日、「東京大学における軍事研究の禁止について」とする見解を公表しました。  見解では、学術における軍事研究の禁止は、「東京大学の教育研究のもっとも重要な基本原則の一つである」と明確に述べています。この原則は、東京大学憲章によっても裏打ちされているとし、軍事研究が「開かれた自由な知の交流の障害となることは回避されるべき」だと強調しています。  そのうえで、学問研究はその扱い方によって平和目的にも軍事目的にも利用される可能性(両義性、デュアル・ユース)があり、実際にその可能性が高まっていることを指摘しています。  こうした状況から、軍事研究の禁止の原則については、一般的に論じるだけでなく、「具体的な個々の場面での適切なデュアル・ユースのあり方を丁寧に議論し対応していくことが必要である」ことを強調しています。  軍事研究をめぐっては、一部メディアが、東大の情報理工学系研究科の「科学研究ガイドライン」が昨年12月に「軍事・平和利用の両義性を深く意識し、研究を進める」と改訂されたことを「東大、軍事研究を解禁」と報道していました。 "[he-forum 18611] 朝日新聞1/17","朝日新聞 2015年1月17日付 大学院研究科が指針を改訂 「軍事研究の解禁」 東大が打ち消し  軍事に関わる研究を禁止している東京大学で、大学院の情報理工学系研究科が昨年12月、「科学研究ガイドライン」を改訂したことが分かった。「一切の例外なく軍事研究を禁止する」という文言を削除し、「成果が非公開となる機密性の高い軍事を目的とする研究は行わない」と追加した。これについて一部の報道機関が16日に「軍事研究を解禁」などと報道。東大は同日、「報道内容が間違っている」と否定した。  東大によると、このガイドラインは同研究科の学生向けに2011年に作られた。改訂について、広報課は「誤解を招いたようだが、軍事研究禁止の方針はこれまでと変わらず、一部でも認めない」と説明した。「今後は個別の研究を確認し、軍事目的の研究と判断すれば研究を認めない」としている。  改訂を受けて、複数の報道機関が「一定程度、軍事研究を行えることになる」などと報じた。東大は、研究科に対し、「誤解のない表現を工夫するよう伝える」という。  平和目的の研究でも、扱い方によっては軍事目的に転用される「両義性」を持つ可能性がある。広報課は「軍事研究の定義があいまいで、丁寧に説明しようとしたが、一部を容認するかのような誤解を生んだ。機密性の高低に関わらず、軍事研究はすべて禁止している」と説明した。  報道を受けて、浜田純一総長は16日、「軍事研究の禁止は、東京大学の教育のもっとも重要な基本原則の一つ」とコメントを発表した。 "[he-forum 18615] 日本経済新聞1/17","日本経済新聞 2015年1月17日 法科大学院の補助金に差 文科省、実績反映し42校で削減  文部科学省は16日、2015年度に国立と私立の法科大学院52校に配分する補助金の増減比率を公表した。司法試験の合格実績や教育プログラムの内容を評価し、現行比で135~50%と差をつけて改革を促した。この結果、42校が削減され、うち7校が半額になる。補助金の削減は経営に大きな影響を与えるため、法科大学院の募集停止や統廃合が加速しそうだ。  法科大学院修了者の司法試験の合格率は20%台で低迷し、法曹志願者が減少する一因となっている。文科省は法科大学院の再編を促すため、これまでは各校の規模に応じて機械的に割り振っていた配分方法を15年度から変更した。  法科大学院への補助金は、国立大運営費交付金と私学助成を合わせて年間約50億円。15年度は現行比で100%未満となった42校の削減分を原資とし、100%以上の10校の上積み分に割り当てる。最低評価の50%とされた7校は、ほかの法科大学院と連携しない限り、16年度は補助金が全額カットされる。  国の補助金を受けていない公立の大阪市立大と首都大学東京の2校は今回の評価の対象外。全体の54校のうち、静岡大、東洋大、愛知学院大の3校は16年度からの学生の募集停止を既に明らかにしており、最大74校あった法科大学院は51校になる見通しだ。  15年度の配分比率は、佐々木毅・元東京大学長を主査とする審査委員会を経て決めた。司法試験の合格率や定員充足率を指標に算出した「基礎額」(現行の90~50%)に、各校が申請した教育プログラムの内容などの評価に応じて加算する。  例えば、基礎額が90%の早稲田大は、海外のロースクールへの派遣プログラムなどが評価されて45%が加算され、最も高い135%になった。  一橋大(基礎額90%)は法学未修者向けに課す進級試験制度などで40%加算、東大(基礎額90%)は法曹実務を英語で学ぶ授業などで35%加算、同志社大(基礎額70%)は海外大学との単位互換プログラムなどで35%加算となった。 "[he-forum 18618] NHK首都圏ニュース1/21","NHK首都圏ニュース 2015年1月21日17時58分 東大教員 軍事研究で意見交換  東京大学大学院の理科系の研究科が、一切の例外なく軍事研究を禁止するとしたガイドラインの表現を見直すといった動きがある中、東京大学の教員らが、軍事研究と大学との関わり合いについて意見を交わしました。  この意見交換は、東京大学職員組合が開いたもので、大学構内の会場には、教員や学生などおよそ50人が集まりました。  はじめに総合研究大学院大学の池内了名誉教授が「民間と軍事の双方に利用しうる研究が増える中、自らの研究が最終的にどのように使われるのかを知り、判断することは、科学者の社会的な責任だ」と述べました。  東京大学では先月、大学院の情報理工学系研究科が、一切の例外なく軍事研究を禁止するとしたガイドラインの表現を見直し「軍事・平和利用の両義性を深く意識し、研究を進める」としたうえで、「成果が非公開となる機密性の高い軍事研究は行わない」という内容に変更しました。  これについて大学は、軍事研究を行わないとする方針に変更はないとしています。  こうした動きについて、参加者からは「大学は平和目的の研究に限るべきで、軍事研究に関わるべきでない」といった意見や「個々の研究者の良識だけに委ねるのではなく、社会で議論することが必要だ」といった意見が出されていました。  東京大学職員組合は、今後も意見交換の場を設けて、軍事研究と大学との関わり合いについて議論を深めたいとしています。 "[he-forum 18617] 宮崎日日新聞社説1/21","宮崎日日新聞社説 2015年1月21日付 苦境の法科大学院 地方から法曹への道狭まる  文部科学省は、法科大学院の2015年度補助金額を決定した。全国の52校のうち現行より増額されたのは早稲田大や一橋大、東大など8校。2校は変わらず、42校が減額された。その中でも7校は半減となった。司法試験の合格状況や定員の充足率などを基に5段階の格付けが行われ、段階が下がるごとに減額幅が大きくなる仕組みだ。最低評価の7校は他校との連合でカリキュラムを共有するなどの対応を取らない限り、16年度以降は全額カットされる。 ■合格率低迷で淘汰も■  04年度から各地で74校が開校したが、司法試験の合格率が低迷する中、志願者は減り続け、これまでに23校が募集停止を表明した。多くは在校生が修了した時点で廃止になるとみられる。  司法試験の合格率が低い下位校が淘汰(とうた)されれば、全体の合格率は底上げされるとの計算ものぞく。だが上位校は都市部に集中しており、地方から法曹(裁判官、検察官、弁護士)を目指す道が細るだろう。また法科大学院離れが進むと優秀な人材が集まらなくなり、法曹界の地盤沈下につながる。  このままでは、多様な人材を集め「豊かな法曹」を育成するという司法制度改革の理念が、地方から破綻する。下位校が他校と提携し授業内容を改善するなど努力するのは言うまでもないが、国のきめ細かな施策が求められる。  修了すれば司法試験の受験資格が得られる法科大学院制度の導入に際し政府は02年、千人程度だった司法試験の合格者を10年ごろに「3千人程度」まで増やす計画を閣議決定。ところが想定ほど訴訟や法律相談などの需要は伸びずに弁護士の急増と、難関を突破しても仕事がないという「就職難」を招き、3千人計画は13年に撤廃された。法曹を目指したのにはしごを外されたと思った人は少なくないだろう。 ■予備試験が「近道」に■  さらに司法試験の合格後に義務づけられる1年間の司法修習の間に国から支給される給費制が廃止され、期間中の生活資金を無利子で貸し付ける貸与制が4年前から実施された。合格者が3千人に増えたら、給費制の維持は財政上困難というのが理由だった。  貸与制で司法修習を終えた弁護士らが「法科大学院卒業まで奨学金を340万円借り、貸与制で300万円の借金が加重された」と窮状を訴え、修習中の兼業が禁止され、対価がないのはおかしいと各地で国に損害賠償を求め提訴している。法科大学院の志願者が減るのもうなずける。  2011年に始まった司法予備試験の問題もある。これを通過すれば法科大学院を修了しなくても司法試験を受けられる。志願者は増え続け、「近道」に利用されているとの批判が出ている。  国は法科大学院に奮起を促す一方で、こうした課題に早急に取り組み、各校の努力が着実に実を結ぶ環境を整えてほしい。 "[he-forum 18616] 愛媛新聞1/22","愛媛新聞 2015年1月22日付 福島事故の避難者対象 愛媛大病院が内部被ばく検査  愛媛大学医学部付属病院(東温市志津川)は21日、東京電力福島第1原発事故後に福島県から愛媛に避難した人のうち、希望者を対象にした無料の内部被ばく検査を始めた。福島県によると、同県委託での常設の検査室設置は全国で9機関目で、四国では初めて。  病院では2014年2月に愛媛県所有の検査機器「ホールボディーカウンター」1台を放射線科に設置した。セシウム134や137など体内の放射性物質の種類と量を測定し、生涯の内部被ばく量も推定する。測定時間は2分で、説明などを合わせれば1人約30分。  福島県県民健康調査課によると、愛媛への避難者は78人(14年12月11日現在)。佐藤浩幸主任主査は「(避難者が)現在の内部被ばく量を知り、放射線の知識を深めて将来にわたる健康の維持増進につなげてもらいたい」とした。  検査は、原則として毎月第3水曜に実施する。申し込みは、専用電話=080(5743)5867、080(5743)5868。 "[he-forum 18619] 河北新報1/27","河北新報 2015年1月27日付 重粒子線がん治療施設 15年度着工  山形大は26日、東北と北海道で初となる「重粒子線がん治療施設」の建設に2015年度から着手し、19年度の治療開始を目指すと正式発表した。政府の15年度予算案に整備費が盛り込まれ、資金確保にめどが立った。地域医療の向上だけでなく、重粒子線装置に採用された国産技術の輸出、関連産業の県内集積にも期待が高まる。  山形大の嘉山孝正学長特別補佐と医学部幹部が記者会見し、今後の整備計画を明らかにした。  治療施設の建物は15年度中に設計を終え、年度終盤に着工し、18年度半ばの完成を目指す。重粒子線の装置は15年度中に製作を開始し、18年度に完了させる。治療開始は19年10月を予定する。  整備費は総額150億円。このうち110億円は国費や借入金で工面し、30億円は県と35市町村の拠出金を充てる。残り10億円は大学資金や企業からの寄付金を見込む。  政府は15年度予算案に整備費3億5000万円、研究開発費3000万円を盛り込んだ。嘉山氏は「われわれの事業が公的に認められた。非常に意義がある」と強調した。  山形大の試算によると、東北6県のがん患者約6万3000人のうち、重粒子線治療に適応する患者は約4000人で、年間600人が治療施設を受診するとみられる。施設建設、患者や家族の来県になど伴う経済効果は年間63億円に達し、年間670人の地元雇用が期待できるとしている。  吉村美栄子知事は26日の定例記者会見で15年度着工を歓迎し「重粒子線装置には優れた国産技術が使われている。将来、海外へ売り込むことも考えられ、東北のがん治療の向上とともに大きく期待している」と語った。 ◎がん病巣ピンポイントで放射線 [重粒子線がん治療施設]がんの病巣にピンポイントで放射線を当てる特性に優れた治療で、痛みや副作用などの負担が少ない。肺や前立腺、肝臓、膵臓(すいぞう)などのがんや肉腫の治療に効果がある。山形大は2004年に整備計画に着手。14年に山形市に研究棟を建設し、重粒子線装置の研究開発を進めている。国内の重粒子線がん治療施設は、建設中を含め群馬県や千葉県など計5カ所ある。 "[he-forum 18620] 山形新聞1/27","山形新聞 2015年01月27日 11:21 重粒子線がん治療装置、4月に建屋入札 山形大・来年1月に建設着手  国の2015年度予算案で山形大が医学部への導入を目指す次世代型重粒子線がん治療装置の整備費用が予算化されたことを受け、同大医学部は26日、4月 に建屋の基本設計の入札を行い、来年1月にも建設に着手すると発表した。計画通り、北海道・東北では初となる19年10月の治療開始を目指す。  嘉山孝正同大学長特別補佐らが同日、山形市の同大で会見して明らかにした。計画では15~18年度の4年間で総額約150億円の事業費が必要としており、今回の予算案で装置について3億5千万円、研究開発費として3千万円が計上された。  嘉山氏は「初年度の予算がついたということは、国から事業着手が認められたと理解している。(16年度以降も予算化される)見込みで計画を進める」と し、4月から建屋の基本設計と実施設計の入札を行い、年内に設計を完了、来年1月には施工に入る考えを示した。装置については4月から研究開発と設計を行 う。 "[he-forum 18621] 日本経済新聞1/27","日本経済新聞 2015年1月27日 大学の特許収入、初の20億円超 13年度、産学連携が進展  全国の大学や研究機関で、保有する特許を活用した収入が増えてきた。2013年度の特許収入の総額は初めて20億円を突破。大学の知的財産部門が強化され、産学連携が進んだことが背景にある。年間の出願件数は近年、横ばいが続いており、大学が特許を選別して効率的に収入を得る動きが加速している。  特許収入には売却のほか、特許の使用を認める代わりに対価を受け取る「ライセンス収入」などがある。文部科学省が大学や高等専門学校(高専)、研究機関計1073機関を対象に調べたところ、13年度の特許収入は前年度比約6.5億円増の約22億1千万円だった。  内訳では、東京大が約6億5千万円でトップ。京都大が約4億1千万円で続き、2大学で全体の5割弱を占めた。京大は「特許収入の半分以上がiPS細胞関連」(広報課)といい、1件あたりの収入は約57万円で東大(約35万円)を上回った。  上位に旧帝大が並ぶなか、日本大が約9600万円で4位に。「民間企業と共同開発した業務用機器がヒットし、収入増につながった」(担当者)という。東京都心にオフィスを設け知的財産の専門家を活用したという九州工業大(7700万円)は、前年度(850万円)から9倍に増えた。  文科省は04年度の国立大学の法人化に合わせ、研究成果を収入につなげるため、各大学で特許の出願や使用、産学連携を担当する部署の強化に乗り出した。各大学も企業と連携する動きが広がり、13年度の民間企業との共同研究は約1万7千件で、5年前と比べ2割増えている。  一方で特許の取得や維持にかかる経費が負担になっている。文科省によると、08年度の全国の大学、研究機関の特許収入は約9億8千万円だったのに対し経費は約25億円に上った。「現在も『黒字』の大学は少ない」(大学関係者)という。  文科省は「各大学は特許を絞り込み、質を重視する姿勢を強めている」としており、近年の出願件数は年間9千件程度で横ばいが続いている。 "[he-forum 18622] 熊本日日新聞1/29","熊本日日新聞 2015年1月29日付 熊本大法科大学院、募集停止へ 16年度で調整  熊本大(熊本市中央区)が、大学院法曹養成研究科(法科大学院)の学生募集を2016年度から停止する方向で調整に入ったことが28日、複数の関係者への取材で分かった。志願者減少や司法試験の合格率低迷が続き、大学院存続は難しいと判断したとみられる。  法科大学院は04年度以降、全国74校が開設。司法制度改革の目玉として、法曹人口の拡充と地方で養成する役割を期待されたが、各地で募集定員割れなどが続き、既に23校が廃止または募集停止を発表した。九州・沖縄では、開設した7校のうち、鹿児島大、久留米大が15年度から募集を停止した。  熊本大法科大学院は04年度に定員30人で開校。定員を22人に減らした10年度から定員割れが続き、16人に削減した14年度の入学は8人。15年度も定員割れの見込みとなっている。  06年に始まった法科大学院修了者を対象にした司法試験で熊本大の合格率は全国平均を下回る25%以下で、昨年の試験では過去最低の7%だった。13年度までの修了者は158人、司法試験合格者は42人。このうち約20人が県内で弁護士登録している。  地域での司法サービスの充実に一定の貢献をしてきた経緯もあり、法科大学院の教員の中には募集継続を求める意見が根強い。  文部科学省は実績の低い法科大学院への補助金削減の方針を打ち出し、司法試験の合格状況や定員充足率などから全国52校を5段階評価。熊本大は上から4段階目(20校)で、15年度の補助金が6割(約6千万円)に減らされることが決まっている。(中村勝洋) "[he-forum 18624] NHKニュース1/31","NHKニュース 2015年1月31日19時5分 入試改革 主な大学の約6割が「歓迎」  小論文や面接で総合的に評価することなど、中教審=中央教育審議会が先月答申した大学入試改革について、NHKが主な大学にアンケートを行ったところ、およそ6割が改革を「歓迎する」と答えました。  一方で、実施するには体制の整備や評価の公平性の担保が難しい、といった課題を指摘する大学も相次ぎました。  中教審の答申では、知識を覚えることに偏りがちな現在の入試から、知識の活用や思考力を評価する試験に転換させる必要があるとして、▽大学入試センター試験を廃止し、複数回受験できる新たなテストを導入することや、▽各大学の個別入試は小論文や面接などで生徒の能力を総合的に評価し、多様な学生を確保するよう求めています。  この答申を受けて、NHKは学部生が1万人以上の大学51校を対象にアンケートを行い、45校から回答を得ました。 答申が示した入試改革をどう受け止めているか尋ねたところ、「大いに歓迎する」と答えた大学が6校、「どちらかといえば歓迎する」が23校で、合わせて64%を占めました。  一方で、「どちらかと言えば歓迎しない」は13校、「全く歓迎しない」という大学も2校あり、「適切な評価を行うことのできる体制やマンパワーが必要だが、現状のままでは限界がある」という意見が寄せられました。  課題を指摘する声は、改革を「歓迎する」と答えた大学からも相次ぎました。 中でも、小論文や面接などで生徒を総合的に評価することについては、「どちらかと言えば難しい」、または「難しい」と答えた大学が合わせて19校と42%を占め、「物理的な負担が大きすぎる」、「評価の公平性をどう担保するのか」といった記述が多く見られました。  文部科学省は、平成32年度から大学入試センター試験に代わる新たなテストの実施を目指していますが、大学側は入試改革の方向性は理解しているものの、十分な内容の検討と体制の整備が必要だと考えていることが分かりました。 早稲田大学「大いに歓迎」  毎年、およそ10万人が受験する早稲田大学は今回の入試改革について、「大学が独自に進めてきた入試改革を後押しする内容で、大いに歓迎する」と答えました。  多様な学生を確保するため、学力以外の能力を評価する選抜試験をすでに実施しているということで、今年度からは50人体制の「海外リクルートチーム」を作り、世界各地から優秀な学生を集めようとしています。  海外の高校に出向いて大学の魅力をPRするほか、発展途上国の若者にも来てもらおうと学費以外に月11万円の生活費を支給することを前提とした入試を行っています。  将来的には留学生を今の2倍の1万人まで増やし、学生全体の2割に引き上げることを目指しています。  早稲田大学の沖清豪入試開発オフィス長は「社会が求める人物像が大きく変わってきている。留学生の多様な文化、価値観を早稲田の中に入れてもらって、日本人の学生にポジティブな影響を与えて欲しい」と話しています。 日本大学「現実的ではない」  「どちらかといえば歓迎する」と答えた日本大学は、いわゆる「1発勝負」の入試を改めようと、全国に25校ある付属高校からの推薦入試を見直す方針です。 これまでは高校3年生の秋に統一テストを行って、その成績を合否判定に利用していましたが、平成28年度からは2年生と3年生で合わせて3回テストを行い、学力を正確に把握することにしています。  医学部を目指している付属高校の2年生の男子生徒は、「1回のテストだと実力を発揮できなかった生徒もいると思うが、複数回であれば日々の成果が出るのでいいと思う」と話していました。  ただ、日本大学の一般入試の受験者はおよそ9万人。 「1発勝負」の受験を改めて生徒の能力を総合的に評価しようという入試改革の方向性には賛同していますが、日程も人員も限られるなか、対応できる体制を作れるのか課題は少なくないと考えています。  日本大学入学課の中村好延課長は「すべての受験生に面接や実技試験を課すのは現実的ではないと思う」と話しています。 京都大学「全く歓迎しない」  一方、京都大学は、今回の入試改革を「全く歓迎しない」と答えました。  京都大学では平成28年度の入試から「京都大学特色入試」と呼んで初めてAO入試と推薦入試を導入することにしています。  募集定員は全体の4%に当たるおよそ110人。  大学に入って何を学び卒業後にどう生かすかを書いた「学びの設計書」の提出を求めるほか、知識だけでなくプレゼンテーション能力などを見る問題を課すことにしています。  このため、「学力だけでなく能力や意欲を総合的に評価しようという入試改革の必要性は十分理解している」としています。 しかし、高校までは基礎学力をつける時期のため、総合力を測る対象は絞る必要があり、複数回受験することによる高校のカリキュラムへの影響の大きさも十分、考慮されていないと指摘しています。  京都大学の北野正雄副学長は「入試は各大学が責任を持って行うもので、試行錯誤しながら改善してきたが、答申はそれを全否定するような形となっていて、議論が尽くされないまま結論を急いだ印象がある。思い切った改革こそ慎重に準備を重ねて実施するべきで、大学や高校の現場の意見を聞いて検討してもらいたい」と話しています。 "[he-forum 18623] 共同通信1/30","共同通信 2015年1月30日 教員就職率60・4% 国立大の卒業者  全国44の国立の教員養成大学・学部を2014年春に卒業した人の教員就職率(14年9月末現在)は、前年比0・9ポイント減の60・4%だったことが30日、文部科学省の調査で分かった。  2000年前後は30%台だったが、近年は団塊世代の大量退職に伴って新規採用が増えた影響で競争が低下し、60%台が続いている。  卒業生の合計1万709人のうち、教員になったのは6465人。内訳は、正規採用が3813人、臨時採用が2652人だった。ほかは教員以外の就職1986人、大学院進学1183人、未就職915人など。 "[he-forum 18632] しんぶん赤旗2/7","しんぶん赤旗 2015年2月7日(土) ブラック企業から若者守れ 悪質企業名の公表迫る 吉良議員に厚労相「貴重な意見」 参院決算委  日本共産党の吉良よし子議員は6日の参院決算委員会で、安倍晋三首相と直接対峙(たいじ)する初のテレビ質問にのぞみ、過酷な労働を強いる「ブ ラック企業」問題について追及しました。外食チェーン「なか卯(う)」「すき家(や)」(ともにゼンショーホールディングス)など企業名をあげて労働基準 法違反が疑われる実態を告発し、「悪質な企業名は公表すべきだ」と迫りました。安倍晋三首相は「厳正に対処する」と答弁しました。  吉良氏は、新規採用の学生アルバイトに対し「なか卯」が行った出勤時の手順を問う「テスト」をパネルで提示。着替えや連絡ノート確認、会社経営理念の唱和、接客用語や月間重点目標の唱和のあとタイムカードを押すとしている手順を示し、労働時間のごまかしをただしました。  塩崎恭久厚生労働相は、「使用者から義務付けられている行為ならば、そこから労働時間としてカウントされる」「労働時間でありながら、そのあとに打刻せよというなら、おかしい。当然、指導しなければならない」と答えました。  吉良氏は、すき家がこの2年で労働基準監督署から104件62通もの是正勧告を受けている調査事実を突きつけました。安倍首相は、すき家とは言わ ず、「当該企業は、何回も勧告しているにもかかわらず、それに応じていない。相当悪質だ」と認め、「重大または悪質な違反には司法処分を含め厳正に対処し ていくことが大切だ」と答えました。  吉良氏は、是正勧告を出しながら当該企業の社名を明かさない労基署の対応をとりあげ、悪質企業の社名公表を要求。安倍首相は「さまざまな手段を検討していく必要がある」、塩崎厚労相は「貴重な意見」だと答弁。吉良氏は「貴重だというなら、検討を」と重ねて要求しました。  吉良氏は、「ブラック企業横行の背景には、非正規雇用の働かせ方がある」と指摘。労働者派遣法改悪法案について、派遣先企業から派遣労働者に対す る“直接雇用申し込み義務付け規定”を削除したことは、「夢や希望どころか、若者に絶望を押し付ける」として、再提出断念を求めました。= "[he-forum 18631] 読売新聞2/9","読売新聞 2015年02月09日 08時59分 「ブラックバイト」に学生が追い込まれる背景  アルバイトに長時間労働を強要したり、残業代を払わなかったりする「ブラックバイト」への注意を呼びかけ、若者の生活実態を調べている中京大の大内裕和教授(教育学)が7日、津市の河芸公民館で、「奨学金とブラックバイト」と題して講演した。  大内教授はまず、奨学金を借りている大学生が5割を超えている現状や奨学金制度の課題を説明。卒業後に返済できるかどうか不安に感じ、奨学金を借りずに「バイト漬け」の生活を送ることが、ブラックバイトの問題につながっていると指摘した。  その上で、「自分が違法な働かされ方をしていることに気付いていない若者が多い。専門の相談窓口もあるので、おかしいと思ったら相談して」と話した。  ブラックバイトを巡っては、大内教授や弁護士らが対策をまとめ た冊子を作り、「ブラック企業対策プロジェクト」のホームページで公開。ブラックバイトに直面した時は〈1〉会社の言うことをうのみにしない〈2〉諦めな い、自分を責めない〈3〉証拠・メモを残そう――などとアドバイスしている。  また、愛知県内では若手弁護士らが「ブラックバイト対策弁護団あいち」を作り、無料相談((電)052・211・2236)を受け付けている。 "[he-forum 18630] 神戸新聞2/7","神戸新聞 2015年2月7日付 減災・復興のネットワークを発足 県立大など国内外7大学  兵庫県立大学(本部・神戸市)など国内外の7大学が7日、減災・復興に関する教育や研究で連携するネットワーク組織を発足させる。トルコの中東工科大学、中国の四川大学など、過去に大きな震災を経験し、災害対策で先進的な研究や人材育成に取り組む大学が連携。学生の交流、共同研究を進め、毎年、各大学の研究者が集う会合を開く。(磯辺康子)  他の参加大学は宮城大学(宮城県)、カンタベリー大学(ニュージーランド)、ガジャマダ大学(インドネシア)、チリ・カトリカ大学。「減災・復興に関する教育・研究グローバル・ネットワーク(GAND)」の名称で、事務局は兵庫県立大学に置く。  研究分野は公共政策、地域レベルの防災や復興などに重点を置き、人的災害も対象とする。関連科目の共同開発に取り組み、将来は、大学間で相互に単位を交換できる仕組みを目指す。  兵庫県立大学は2017年、大学院に減災・復興政策研究科(仮称)を新設予定で、連携の成果を授業内容などにも生かす。  7日、神戸市中央区のラッセホールで開く国際シンポジウムに7大学の研究者が集い、ネットワーク発足の共同宣言を発表。発足に先立ち、6日に同市内で会合を開き、それぞれの研究や教育の取り組みを報告した。  今後、他の大学にも参加を呼び掛ける計画。来年の会合はトルコで予定している。  県立大学の高坂誠副学長は「阪神・淡路大震災から20年の蓄積を生かしながら、各国の大学とデータや知見を共有し、人材育成を進めたい」としている。 "[he-forum 18629] 福島民報2/7","福島民報 2015年2月7日付 27年度募集停止 福島大大学院東京サテライト  首都圏の社会人らが東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの本県復興について学ぶため、福島大が平成24年4月に東京都の立教大に開設した大学院「東京サテライト」は、27年度入試の募集を停止した。志願者が少ない上、教員の出張費などが負担になっているためとみられる。福島大は現在、在籍する院生が「修士(地域政策)」の学位を取得するまで講義を継続する方針。  東京サテライトは、福島大大学院地域政策科学研究科の修士課程「政策課題プログラム(災害復興)」を受講できる大学院として設けられた。「ふくしま復興学」をはじめ、「災害行政」「賠償法制」など災害復興に関わる各分野を、福島大の教員・研究員や全国の研究者が講義している。阪神大震災の復興研究に実績のある専門家も名を連ねている。  23年12月に福島大と相互協力・連携協定を締結した立教大は、池袋キャンパス内の教室を、東京サテライトの教室として福島大に無償で提供している。講義は週2~3回で、午後6時半から同9時40分まで。入学者は24年度5人、25年度4人、26年度はいなかった。これまでに3人が修了し、1人が退学、1人が本県の同大大学院で学んでいる。現在は4人が在籍しており、このうち3人は3月に修了し、もう1人は27年度も通学する予定。  開講当初は、インターネット回線などを利用した「遠隔講義」も検討された。しかし、復興に強い意欲を持つ院生に直接講義しようと講師が教室に出向いてきた。  文部科学省から福島大に予算措置される運営費交付金は減額傾向にあり、講師派遣の交通費などが負担になっているとみられる。 "[he-forum 18628] 高知新聞2/6","高知新聞 2015年2月6日付 高知大学医学部付属病院が最新治療紹介のQ&A本を発売  高知大学医学部付属病院(南国市岡豊町小蓮)で行われている最新治療を紹介した本が10日に発売される。最先端ロボットを使ったがん手術や、患者の負担を抑えた治療などをQ&A方式で平易に解説している。  大学病院が取り組む治療を解説した本は近年、広島大学や島根大学などが出版。四国では高知大が初めて。  タイトルは「高知大学医学部附属病院の最新治療がわかる本」。医師ら66人が執筆した。「先端医療」のコーナーでは内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」を使ったがん手術や、肺がんの位置を示す画像を患者の体に直接投影して把握しながら行う胸腔鏡(きょうくうきょう)手術など10項目を取り上げた。  「最新治療」では、診療科ごとに患者の多い疾患など52項目を解説。「動脈瘤(りゅう)って、どんな病気なの?」「緑内障の治療法とは?」「PET―CT検査って、どういうもの?」などの質問に、図解や写真を使って答えている。  横山彰仁病院長は「医療情報はインターネットや書籍で簡単に得られるが、玉石混交で患者を迷わせる情報も多い。正しい知識や標準治療を提供しているので、治療法の選択などに役立ててもらいたい」と話している。  バリューメディカル刊。A4判137ページ、1620円。院内の売店や県内の書店などで順次販売される。県内の医療機関や図書館などにも配布される。 "[he-forum 18627] 東京新聞茨城2/5","東京新聞茨城版 2015年2月5日付 教職大学院で連携へ協定締結 県教委が茨城大と  県教育委員会と茨城大は、二〇一六年度に茨城大に設置される計画となっている教職大学院に関し、カリキュラム作成や実習校選定で連携する協定を結んだ。  教職大学院は、教師が学校運営や授業法、生徒指導などの高度な実力を養うことを目的として、大学院の教育学研究科内に設けられる予定。研究者と現職ベテラン教師が共同で指導し、学部卒業生と県教委が派遣する現職教員が実習も交えて二年以上学ぶ。入学定員は十五人。  県庁で行われた締結式後の会見で、三村信男学長は「高い実践力、リーダーシップ、人間力をつくる」と育成する教師像を説明。小野寺俊教育長は「県の教育力向上のはずみにしていきたい」と述べた。 (妹尾聡太) "[he-forum 18626] しんぶん赤旗2/5","しんぶん赤旗 2015年2月5日付 給付制奨学金創設を 横浜 畑野議員、大学生に訴え  日本共産党の畑野君枝衆院議員と北谷まり横浜市議予定候補(保土ケ谷区、定数5)は4日、畑野氏の母校、横浜国立大学(同区)近くで宣伝し、通学する学生に「国会に学生のみなさんの声を届け、政治を動かしていきます」と訴えました。  宣伝には、党神奈川県委員会と横浜西南地区委員会、地元党支部と後援会のメンバーも参加しました。  畑野氏は、国大生から「仕送りなしで月10万円の奨学金とバイトだけで賄っている」との声を聞いたと語り「重すぎる奨学金の負担が学生の将来にのしかかっている」と指摘。共産党は、奨学金を無利子にすることや返済の免除制度の導入、給付制奨学金の創設を提案していると紹介し「お金の心配なく学べる日本をご一緒につくりましょう」と呼びかけました。  北谷予定候補は「4月のいっせい地方選挙でも、安倍政権の暴走ストップの願いを共産党に託してほしい」と訴えました。 "[he-forum 18625] 四国新聞2/5","四国新聞 2015年2月5日付 香川大新学長6月9日選出/選考日程決まる  香川大は長尾省吾学長が9月末に任期満了を迎えるのを受け、4日までに学長選考会議を開催し、次期学長選の選考日程を決めた。新学長の選出は6月9日。任期は長尾学長が再選された場合は2年間、新学長が誕生する場合は4年間。  学長選立候補者は、学内外で10人以上の推薦を得た上で3月11日までに同会議に届け出る。5月7日に適任者かどうか選定し、最大7人が最終候補者となる。  6月8日に最終候補者を対象に教職員による投票を実施。同9日に投票結果や各候補者の面接結果、所信表明の内容などを同会議が総合的に判断し、新学長を選出する。 "[he-forum 18637] 四国新聞2/11","四国新聞 2015年2月11日付 大学の魅力向上へ補助金/県、地方創生交付金で  人口減少対策の一環として、香川大など県内大学の魅力づくりを目指す県は、各大学の取り組みを支援する補助金を創設する方針を固めた。国の2014年度補正予算に盛り込まれた「地方創生」の交付金を充てる。大学の機能強化や魅力向上により、進学時の大都市圏への流出に歯止めを掛け、将来の県内就職や定住を後押しする狙いだ。  国勢調査によると、県人口は1995年の102万7006人をピークに減少。2010年から100万人を割り込んでおり、40年には約77万3千人まで減少すると予測されている。  年齢別人口構成をみると、20代の割合は全国平均10・8%に対し、県内は9・1%と1・7ポイント下回っている。県は大学進学時に県外を選択する高校生らが8割を超えていることが原因と分析。一方で、県内の大学へ進学すれば、8割以上が県内で就職するというデータもあり、人口減少対策として、大学進学希望者に選ばれる魅力ある大学づくりが急務としている。  補正予算の国交付金は「地域住民生活緊急支援交付金」。全国で総額4200億円を計上し、このうち1700億円を「地方創生分」として、自治体が取り組む人口減少・地域活性化対策の支援に充てる。残り2500億円は「消費喚起や生活支援策」として、自治体によるプレミアム付き地域商品券の発行や燃料費の助成などを後押しする。  県は交付金に連動して本年度の補正予算案を組む予定。配分される交付金を活用する補正予算案の額は、地方創生分と消費喚起分を合わせて20億円程度となる見込み。大学に対する補助金は、地方創生分の約4千万円を充てる方針だ。  地方創生分を活用したほかの補正予算事業としては、政府が16年3月までの策定を求めている人口減対策の5カ年計画「地方版総合戦略」の作成のほか、外国人観光客の利便性向上策、UJIターンの支援、産業成長戦略に定める特定分野の創業者に対する経費助成なども検討している。 "[he-forum 18636] NHKニュース2/7","NHKニュース 2015年2月7日4時18分 大学入試改革会議 座長に安西氏の方針  文部科学省は、大学入試センター試験に代わる新たなテストの導入など大学入試改革の実現に向けて、近く専門家会議を設置することにしており、会議の座長に中教審=中央教育審議会の会長を退任する安西祐一郎氏を充てる方針を固めました。  中教審=中央教育審議会は去年12月、知識を覚えることに偏りがちな大学入試を、知識の活用や思考力を評価する試験に転換させる必要があるとして、現在の大学入試センター試験を廃止して、複数の教科にまたがる問題や記述式の問題も出題する新たなテストを導入することなどを下村文部科学大臣に答申しました。  これを受けて文部科学省は、大学入試改革の具体策を検討するため、近く有識者や大学関係者などからなる専門家会議を設置する方針で、新たなテストでの出題の在り方や、記述式の問題の採点方法、それに1点刻みではない成績評価のしかたなどを検討し、ことし中をめどに報告書をまとめたいとしています。  文部科学省は、この会議の座長に日本学術振興会理事長で中教審の会長として大学入試改革の議論の取りまとめに当たり、来週、退任する安西祐一郎氏を充てる方針を固めました。  文部科学省では、安西氏を起用する理由について、「大学入試改革に精通していることに加えて、議論の継続性を重視した」としています。 "[he-forum 18635] 福井新聞2/10","福井新聞 2015年2月10日付 県立大の07年度法人化方針了承  福井県立大と設置者である県で構成する同大改革推進会議の第二回会合が十日、県庁で開かれ、二○○七年四月をめどに公立大学法人に移行する改革基本方針の原案を了承した。年度内に基本方針を策定し、四月にも準備組織を設置、法人化に向けた具体的な協議に入る。  原案では「教育研究活動の活性化、地域貢献を図るには、大学経営の視点を導入し自主的、自律的に運営を行える組織形態となる必要がある」と法人化移行の意義を明記。法人運営の責任者として理事長、教学の責任者として学長を置き、学内の最終決定機関である理事会を設置する。理事会の下には、理事長をトップとする経営審議会(仮称)、学長、学部長らで構成する教育研究審議会(同)を設ける。  運営面では、大学側が▽教育研究▽業務▽財務▽自己点検―など項目ごとに中期計画(六年間)と年度計画を定め、外部有識者らでつくる第三者機関が達成度を評価。県から法人に与える運営費交付金の算定に反映させる。役員報酬や教員給与については、年俸制の導入も検討する。  同会議は県の飯島義雄政策幹を議長に、同大の祖田修学長ら県職員や教授八人で構成され昨年九月に発足。「教育」「研究・地域貢献」「大学経営」の各ワーキンググループをつくり方針原案についての検討を重ねてきた。この日の会合では、委員から「法人化に向け、大学内部でのコンセンサスづくりが急務」「県民に魅力ある大学づくりに向け、教職員の意識改革が必要」などの意見が出された。  県文書学事課によると、全国の公立大七十七校のうち、二十八校が法人化移行を決定しており、○四年四月に新設された秋田県の国際教養大は既に公立大法人としてスタートしている。四十二校が検討中で、七校が未定という。  県は原案について住民の意見を聞く県民パブリックコメントを、二十四日まで募集。県民の意見を踏まえて年度内に基本方針を策定し、四月に法人化に向けた具体的な準備を進める「法人化準備組織」を立ち上げる。  原案の資料は県立大(松岡、小浜キャンパス)、県政情報センター(県庁一階)、各合同庁舎内の地区県政情報センター、県のホームページで入手できる。問い合わせは県文書学事課=電話0776(20)0245。 "[he-forum 18634] 信濃毎日新聞2/10","信濃毎日新聞 2015年2月10日付 信大次期学長選スタート 選考会議、推薦依頼の文書送付  信州大(本部・長野県松本市)の学長選考会議(議長・荒井寿光東京中小企業投資育成相談役)は9日までに、次期学長の候補適任者の推薦を依頼する文書を学内外に送り、学長選がスタートした。これまで2期6年(1期目4年、2期目2年)までだった学長任期は、昨年12月の学内規定改正で1期6年(再任なし)に変更。現在2期目の山沢清人学長の任期満了は今年9月末で、候補適任者の推薦は3月9日から同20日まで。  信大によると、任期変更は1期を長くすることで学長の大学運営のリーダーシップを発揮しやすくする狙いがあるという。候補適任者は学内外を問わず、推薦は学長、理事、専任の教授、准教授、講師、助教の20~25人が連名で行うか、信大経営協議会の学外委員が行う。  今後、選考会議が受け付けた候補適任者が要件を満たしているか3月27日に審査して候補者を決め、4月29日に各候補者から所信表明を聞く。5月中に学長、理事、専任の教授、准教授、講師、助教、一部職員を対象にした「意向投票」を行い、その結果を参考に5月24日の選考会議で審議し、委員の投票で次期学長を決める。  選考会議は、理事や各学部長ら学内委員と県内の企業役員や有識者ら学外委員の計17人で構成する。 "[he-forum 18633] 岩手日報2/11","岩手日報 2015年2月11日付 「地域に基盤」県立大発展願う 中村学長が退任講演  県立大を3月末で退任する中村慶久学長(74)の退任記念講演会は10日、滝沢市巣子の同大で開かれた。中村学長は「教育も研究も基盤は地域にある」とあるべき姿の心構えを説き、一層の大学の発展を願った。  中村学長は「岩手の未来を創る 県立大の使命と課題」と題し、県内を1泊2日でフィールドワークする地域創造学習プログラムの実施など、第3代学長として2009年4月からの2期6年を回顧した。  県立大を含む公立大の位置付けとして「地域から要望されて設置されており、その視点は外せない」と強調。「教育も研究もテーマは身近なところにあり、世界に通じるイノベーションもそこから生まれる。今後の県立大に大いに期待している」と締めくくった。 "[he-forum 18638] 岩手日報2/13","岩手日報 2015年2月13日付 岩手大学長に岩渕氏 3月就任予定、17年3月まで  岩手大の学長選考会議(議長・高橋真裕岩手銀行会長、9人)は12日、堺茂樹前学長の死去に伴う次期学長の最終候補者に岩渕明工学部教授(65)を決定した。文部科学省への上申を経て来月16日の就任が予定され、任期は規定により2017年3月末までの約2年間。岩渕氏は16年度から予定する学部、大学院の大規模改組について「大枠のフレームは継続していく」と継承する考えを示した。  12日の学長選考会議で、岩渕氏と西谷泰昭理事・学長代行(62)の候補者2人から岩渕氏を最終候補者に決定。今月9日の教職員対象の意向聴取投票は岩渕氏287票、西谷氏176票だった。  岩渕氏は盛岡市上田の同大で記者会見し「大学が法人化の際に掲げた『岩手の大地とひとと共に』をベースとした教育・研究、社会貢献をしていく。地域に根ざし、世界に発信する姿勢でリードしていく」と抱負を述べた。 "[he-forum 18639] 読売新聞鳥取2/13","読売新聞鳥取版 2015年2月13日付 乾燥地研究 鳥大に大学院  鳥取大学が、全国初となる乾燥地研究専門の大学院設置を検討していることがわかった。世界トップクラスの研究者を招いて、最先端の国際共同研究を行う考えで、2016年3月に文部科学省に申請し、17年4月の設置を目指す。大学関係者は「参加研究者の裾野をグローバルに広げ、世界で戦える大学にしたい」と意気込む。(高山智仁)  同大学は日本最大級の鳥取砂丘を生かし、前身の鳥取高等農業学校時代の1923年から乾燥地の緑化、農業利用などを研究。90年には、全国の研究者が共同利用できる乾燥地研究センターを開設した。これまで、効率的な緑化や砂防林の植林、砂丘の農地化、モンゴルや中国内陸部の砂漠の緑化などに貢献してきた。  大学院の設置は、2013年、文部科学省が、世界水準の教育研究活動を行う大学を手厚く補助する方針を打ち出したことを受けて検討。農学中心だった従来の研究から幅を広げるため、工学、医学、社会科学などの研究者や海外からの留学生を受け入れ、▽黄砂対策▽農村開発▽資源供給システム構築▽感染症予防▽自然エネルギー利用――などを進めることにした。  先月には、前身となる「国際乾燥地研究教育機構」を設立。同研究センターや、工、医、地域の各学部に所属する研究者が参加する形を取っており、2年後には、大学院「国際環境地域科学研究科」(仮称)を設立し、最高レベルの研究者が所属、研究する組織を目指す。  担当理事の細井由彦・副学長は「地方の国立大が生き残るには突出した特色がないと厳しい。鳥取大には、これまで積み上げた研究データがあり、これらと一流の研究者との相乗効果で、世界中に認められるような成果を出したい」と話している。 "[he-forum 18643] 朝日新聞2/14","朝日新聞 2015年2月14日付 東大研への補助金支援、延長方針 文科省拠点プログラム  世界水準の研究所を作るため始めた「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」で文部科学省は13日、特に優れた業績を残したとして東京大研究拠点への補助金支援を5年間延長する方針をまとめた。東北大、京都大など4拠点は開始10年を迎える2016年度で支援を終える。  支援が延長されるのは東京大の「カブリ数物連携宇宙研究機構」。文科省WPIプログラム委員会の評価書は、素粒子ニュートリノを観測するスーパーカミオカンデでの業績に加え、数学や宇宙論など異分野を融合させた点を高く評価。「(米国の)プリンストン高等研究所に負けない成果」と指摘している。  一方、支援を終えるのは東北大の原子分子材料科学高等研究機構、京都大の物質―細胞統合システム拠点、大阪大の免疫学フロンティア研究センター、物質・材料研究機構の国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の4拠点。「世界トップレベルという地位は確立した」と評価しつつ、予定の10年間で支援を終えると決めた。今後は各大学が独自運営していくことになる。  WPIは07年度に5拠点で始まり、現在は全国9拠点。13年度は文科省がそれぞれ4・7億~13・3億円の補助金を出している。(野瀬輝彦) "[he-forum 18642] NHKニュース2/15","NHKニュース 2015年2月15日18時51分 大手予備校 新たな大学入試へ対応始まる  複数の教科にまたがる問題を出題するなど、大学入試を知識の活用や思考力を見るものに転換しようという検討が進められていますが、大手予備校では複数の教科を組み合わせた講座やテストを導入する動きが相次いでいて、新たな入試への対応が早くも始まっています。  このうち「河合塾」では、先週から高校生を対象に複数の教科を組み合わせた講座を新たに始めたほか、知識や教養を総合的に活用して問題解決につなげる力を身に着けようという講座も開いています。15日は、自分たち若者が“さとり世代”と呼ばれることについて、根拠を示して賛否を明らかにするという授業が行われ、若者の購買意欲の低下を指摘する新聞記事や高校生を対象にした意識調査など、さまざまな資料を参考にしながらグループに分かれて議論していました。  高校2年生の女子生徒は「今後、入試でもこういう力が問われると思い参加しました。先生が黒板に書いたものをノートに写す知識だけの授業でなく、頭も使うし、考える力がつきそうです」と話していました。  一方「駿台予備学校」では、入試改革に対応するため、今月プロジェクトチームを立ち上げました。新たなテストの対象となる今の小学6年生=この春新中学生となる子どもの保護者からは、入試改革についての問い合わせがすでに相次いでいるということで、15日開かれた中学部の説明会では、複数の教科にまたがる問題を取り入れていくことを説明していました。また高校生向けに、教科横断型のテストをことしから実施することにしています。  例えば「6つの俳句の中から、(1)松尾芭蕉の句で、(2)詠まれた場所が最も北の句を選べ」といった、国語と地理の理解を合わせて問う問題などを予定しているということです。  このほかの予備校でも、「英語」については「聞く・話す・読む・書く」の4技能を測るとする入試改革の方向性に沿って、会話を重視した講座に力を入れているところがあります。  「駿台教育研究所」の坊野宏一事務長は、「予備校としては対応力を試されることになると思うので、『新たな入試ではこういう問題が作られるのではないか』と予測しながら早めに動き始めている」と話していました。 大学入試改革とは  大学入試を巡っては、中教審=中央教育審議会が去年12月、知識の量を問うことに偏りがちな今の試験から知識の活用や思考力を見るものに転換する必要があるとして、抜本的に改革するよう答申しました。  大学入試センター試験を廃止して複数回受験できる新たなテストを実施し、「国語」や「数学」といった単一の教科の試験だけでなく、複数の教科にまたがる「合教科・科目型」、「総合型」と呼ばれる問題を出題することなどを提言しています。  また、各大学の個別入試は小論文や面接、集団討論などを行って生徒の能力を総合的に評価し多様な学生を確保するよう求めています。文部科学省はこのうちセンター試験に代わる新しいテストを平成32年度から実施することを目指して検討を進めていて、対象となるのは今の小学6年生からとなる見込みです。 専門家「生き残りをかけて変革」  大学入試に詳しい「リクルート進学総研」の小林浩所長は「暗記した知識を再生するだけの入試を受け大学に入ることがゴールだった時代は終わり、知識を活用する力を身につけて入学後も能力を高めることが求められ、偏差値だけで学校選びができない時代が来る。少子化で予備校や塾の再編も進んでおり生き残りをかけてカリキュラムを変えていく動きは広がるだろうし、多面的な力をどのように育成していくか、予備校だけでなく学校教育全体が変化を求められることになる」と話しています。 "[he-forum 18641] 東京新聞栃木2/14","東京新聞栃木版 2015年2月14日付 大学進学者向け奨学金 「定住」で返還免除  宇都宮市は、市内の高校を卒業し、大学に進学する人を対象にした新たな基金を創設する。大学卒業後、市内に一定期間暮らせば、奨学金を返さなくて済む特典付き。二〇一五年度から募集を始め、一六年度からの貸し付け開始を目指す。  新設するのは「返還免除型奨学金貸付制度」で、一五年度予算案に一億円を盛った。市内の高校を卒業して大学に進学した学生に、月二万円を四年間貸し付ける。大学の所在地は県内外を問わない。  大学を卒業後、宇都宮市に戻って五年以上暮らすと「定住」と認定。その場合は奨学金の返還は求めないという。  保護者らの収入状況や面接で候補者を選考。市では「教育費の負担軽減と、宇都宮への定住を促したい」としている。 "[he-forum 18640] 秋田魁新報社説2/14","秋田魁新報社説 2015年2月14日付 大学の県外PR もっと首都圏で発信を  首都圏での情報発信に全国の地方大学が力を入れている。少子化が進む中で、大学としての存在感を高めなければ運営が厳しくなるとの危機感があるからだ。  県内の大学も取り組みを活発化させているが、果たして十分かどうか。地方大学が魅力を高め、首都圏の若者を引き込むことができれば地方活性化の一助にもなり得る。各大学は県や市町村とも連携し、さらに積極的な情報発信に努めてほしい。  首都圏での地方大学の取り組みは、都心にサテライト事務所を構えて学生の就職活動を支援したり、産学連携の推進を図る活動のほか、大学の特色をアピールするフォーラムを開催するなど手法はさまざまだ。  県内では国際教養大が先月末、開学10周年を記念した対談会を都内で開催。秋田大は10年前から活動拠点として「東京サテライト」を設けている。  国際教養大の対談会は、文部科学省のスーパーグローバル大学創生支援事業に採択されたことも記念して企画され、約50カ国・地域の大使や企業、大学関係者ら約460人が参加した。  対談会で大学側は10年後の大学像を示し、学習テーマの共通する学生が同じ寮に住む「24時間リベラルアーツ教育」など、今後の四つの取り組みをアピールした。大学側は「広く魅力を発信する機会となった」としている。  都内でのイベント開催は、一昨年秋のグローバル人材育成をテーマとしたシンポジウム以来となった。こうした機会を捉えた情報発信も、外部の評価を押し上げる要因となっているのではないか。  秋田大の東京サテライトは東京工業大キャンパス・イノベーションセンター(港区)にあり、広さ約30平方メートルで職員1人が常駐。センターには秋田大を含む20大学の事務所が入居する。  2009年度には、サテライト事務所と秋田市のキャンパスを結ぶテレビ会議システムを導入。企業の採用担当者の訪問や、会社説明会の申込件数が大幅に増えたほか、企業との共同研究の打ち合わせなど産学連携の拠点ともなっている。  本県の知的資源である大学が存在感を高めることは、秋田のイメージ向上にもつながるだけに、一層の取り組み強化を期待したい。  大学による県外PRは首都圏だけが対象ではない。各地に赴いての進学説明会や高校訪問など地道な取り組みも重要だ。県内の各大学も、受験生が多い東北を中心に、首都圏や中部、近畿圏、北海道など幅広く説明会を開いており、教員の研究成果発表や講演活動も知名度アップに一役買っている。  秋田大は昨年4月、全国唯一の国際資源学部を新設。国際教養大も英語の授業による人材育成が高く評価されている。その優位性にさらに磨きを掛けることも忘れてはならない。 "[he-forum 18652] 中日新聞富山2/21","中日新聞富山版 2015年2月21日付 「専門看護師」学びの場 富大大学院が県内で初認定  富山大大学院医学薬学教育部博士前期課程看護学専攻が二十日、高い看護技術と専門性に優れた「専門看護師」の教育課程としての認定を県内の教育機関で初めて受けた。全国の看護系大学でつくる協議会による認定で、県内から専門看護師を輩出することが可能となった。  専門看護師になるには、看護師免許所有者が認定を受けた教育課程の大学院で、単位取得と試験などをクリアする必要がある。今までは県外で教育を受けなくてはならなかった。  今回認定されたのは、妊娠した女性や新生児を看護する「母性」、がん患者やその家族らを支える「がん」の二分野。大学の担当者は「卓越した看護ケアの実践者が一層増えれば」と期待している。  四月入学の同専攻は、現在十六人を募集。三月二~四日に志願を受け付け、十日に同大杉谷キャンパスで試験がある。合格発表は同二十日。 (広田和也) "[he-forum 18651] 愛媛新聞2/17","愛媛新聞 2015年2月17日付 地元就職で奨学金返済助成 新居浜市  愛媛県新居浜市は若者の地元への就職を目的に、市内の企業に就職した会社員を対象に奨学金の返済を助成する制度を新設する。2015年度中に対象となる奨学金や職種などを検討し、16年度の運用開始を目指す。市産業振興課によると、県内では初の取り組み。  16日に発表した15年度当初予算案に、若者奨学金返済支援事業費として、仕事や住まいなどの情報を掲載する専用ホームページ「UIJターン支援サイト」制作費など計65万円を計上した。  支援の対象は、大学・高専を卒業後3年以内で、市内に居住し、地元企業で1年以上就業した若者。1人当たり年間10万円を3年間助成する制度を想定しており、初年度の対象者見込みは50人。 "[he-forum 18650] 産経新聞近畿2/19","産経新聞近畿版 2015年2月19日付 基礎医学研究医育成へ滋賀医大が奨学金創設 地元製薬会社の寄付原資  病理学や解剖学など基礎医学分野の研究者を増やそうと、滋賀医科大は基礎医学研究医を対象にした奨学金制度を創設した。滋賀県甲賀市の製薬会社「大原薬品工業」からの寄付金が、奨学金給付の原資となる。  新設された「滋賀医科大大原記念奨学金」は、基礎医学研究医養成を目的とした「PhD-MDコース」の学生が支給対象。このコースでは、基礎医学分野の学生が、医学部在籍途中で大学院に移り博士号(PhD)を取得したあと、医学部に戻って医師免許(MD)を取得する。  支給対象となった学生に対し、大学院進学後の3年間と学部復帰後の2年間の計5年間にわたり、毎月10万円、総額600万円を支給する。定員は年間1人。  同大学によると、平成16年に医学部卒業後の初期臨床研修が義務づけられたことから、基礎医学分野の学生にとっては学部と大学院の連続性が失われ、同分野への専攻を敬遠しがちになるなどの不都合が生じている。このため、同大学を含む全国の各大学で同様の養成コースを設け、基礎研究医の確保に努めている。  大原薬品工業が今回、同大学の関係者から「基礎研究を目指す学生が少ない」との現状を聞き、「地元企業として協力したい」と寄付を申し出た。  同大学で今月10日、寄付金受け入れに関する協定締結式が開かれ、奨学金制度が創設された。今後、支給対象者が選考されれば、会社側が必要額を寄付する。  大原薬品工業の大原誠司社長は「滋賀医大は医師国家試験の合格率が高いなど、優秀な学生が多い。世界で戦える基礎研究医を育ててほしい」と期待している。 "[he-forum 18649] 山口新聞2/19","山口新聞 2015年2月19日付 奨学金返還、県が補助 県内製造業、一定期間就業で  山口県は、高度な専門知識を有する産業人材を確保するため、県内就職につなげる奨学金返還補助制度を新年度に創設する。地方創生の総合戦略の一つとして、国が2016年度から導入を検討する奨学金返還補助制度に先駆けて実施する。全国でも初めての取り組みという。  県産業戦略部によると、日本学生支援機構の無利子奨学金の貸与を受けている奨学生で、県内製造業への就職を希望する学生に対し、県内製造業で一定期間働いた場合に奨学金の返還額の全額または一部を補助する。16年度以降は国の補助制度を活用して県自前の制度を維持していく。  募集対象は、県内外の大学や大学院に在籍する理系大学院生(修士課程1年)と薬学部生(5年)。定員は20人で、うち薬剤師枠は5人。大学院修了や大学卒業後、県内の製造業に8年程度勤務すると、返還する奨学金の全額を補助。4年程度勤務すると半額を補助する。  県は、高度産業人材確保事業として、2015年度当初予算案に220万円を盛り込んだ。今後、大学院や薬学部を設ける全国の大学に同制度の周知を図る。日本学生支援機構の奨学生が決まる今年夏ごろ、補助金交付候補者を選ぶ審査会を予定。候補者には相談窓口の開設や企業訪問のサポート、企業見学会や交流会などを行い、県内就職への支援を充実させる。  県産業戦略部は「山口県だけでなく全国の学生を対象に補助し、県内産業の振興に必要な高度産業人材を確保したい」としている。 "[he-forum 18648] 神戸新聞2/18","神戸新聞 2015年2月18日付 返済不要、高3生向け奨学金新設 神戸の財団  公益財団法人神戸やまぶき財団(神戸市須磨区)は、障害や病気、経済的な事情などで進学が難しい兵庫県内の高校3年生向けに、返済不要の奨学金制度を新設した。2月末まで2015年度の利用者を募集している。  対象は県内に実家があり、県内の高校や特別支援学校高等部などに通う生徒。大学や短大、高等専門学校、専修学校への進学を後押しする。  奨学金の支給額は、入学金=上限35万円▽入学支援金=自宅生10万円、自宅外生は上限30万円▽授業料など=年上限96万円▽生活援助金=自宅生に月6万円、自宅外生は月14万円-など。  年10~15人に支給する予定。申し込みに当たっては学校長や養護施設などの施設長の推薦が必要。書類や面談で採用を決める。  同財団は12年5月、医療用検査機器メーカー、シスメックス(同市中央区)の創業者の妻、中谷忠子さんが私財を提供して創設した。障害児や病気の子どもの支援施設・団体、養護施設などに助成している。  同財団理事長の和田長平・播州信用金庫理事長は「一人でも多くの若者の自立を支援したい」と話す。同財団TEL078・734・6120 (佐伯竜一) "[he-forum 18647] しんぶん赤旗2/20","しんぶん赤旗 2015年2月20日付 給付制元年へ ともに 党議員団 奨学金の会と懇談 日本共産党国会議員団は19日、「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」(「奨学金の会」)の三輪定宣会長(千葉大学名誉教授)らと懇談しました。宮本岳志、畑野君枝、大平喜信の各衆院議員、田村智子参院議員が出席しました。  三輪氏は、OECD(経済協力開発機構)の平均水準を下回る日本の教育予算の抜本的拡充と、給付制奨学金(返済不要)の導入、学費無償化、高校授業料無償化への所得制限の撤回などを要求して活動していることにふれ、「給付制奨学金元年となるように力をあわせていきたい」と語りました。  全国大学院生協議会(全院協)の代表はアンケートを実施したところ、奨学金を利用する院生の10人に1人が、700万円以上の返済義務を抱えていることが判明したと告発。「高い学費を負担し、奨学金の返済をする時期に雇用が不安定では、大学院に進んで学ぼうとする人はいなくなってしまう」「安心して研究に取り組める環境をつくってほしい」と述べました。  全日本学生自治会総連合(全学連)の加藤友志委員長は「高すぎる学費のため、大学を退学・休学する仲間も多い。生活費と学費のために朝5時までアルバイトをして、授業では寝てしまうという学生もいる。私立大学では学費引き上げが相次いでいる」と現状を紹介。学費引き下げ、国立大学への交付金や私立大学への助成拡充を求めました。また、住居費が重くのしかかるなか学生寮などの施設の改善・整備を訴えました。  大平議員は「私もアルバイトしながら大学を卒業しました。ライフワークとして、重い負担がなくなるよう、皆さんとともに力をあわせて頑張りたい」と語りました。 "[he-forum 18646] NHKニュース2/22","NHKニュース 2015年2月22日5時33分 国立大学女性教員の割合 約15%にとどまる  国立大学の教員のうち、女性が占める割合は、去年5月の時点で15%程度にとどまっていて、国立大学協会では積極的な女性の採用や、働きやすい環境の整備に向けた取り組みを進めることにしています。  全国86の国立大学と大学院で作る「国立大学協会」は、当初、平成22年までに女性教員の割合を20%にする目標を立てていましたが、達成できなかったことから、ことし5月の時点で17%にすることを新たな目標としています。  協会が、去年5月時点の状況を調査した結果、女性教員の割合は前の年より0.6ポイント増えたものの、14.7%にとどまっていることが分かりました。 また、女性の学長は86大学のうち3人だけで、部局長など大学運営の意思決定に関わる立場の女性の割合は6.5%、その立場に女性が1人もいない大学もありました。  大学別にみますと、女性教員の割合が最も高いのが、お茶の水女子大学で43.3%、次いで東京外国語大学で35.1%でした。  一方、東京大学は11.8%で70番目、京都大学は10.8%で73番目だったほか、女性教員の割合が10%を下回っているのは、いずれも工業系や科学技術系の大学でした。  国立大学協会では、女性の積極的な採用や登用、それに仕事と育児を両立できる、働きやすい環境の整備に向け、効果的な取り組みを周知していくことにしています。 "[he-forum 18645] 東京新聞2/18","東京新聞 2015年2月18日付 「産学連携、維持を」 ものづくりサミット閉幕  アジアでの製造業の将来を考える「アジアものづくりサミット」(中日新聞社など主催)が十七日、前日に引き続き、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開かれた。アジアでの日本企業の発展や、人材育成などについて経営者らが意見を交わし、閉幕した。   名古屋大の浜口道成学長が、二〇〇一年以降に六人のノーベル賞受賞者を出した同大の人材育成をテーマに講演し、「受賞者には必ず良い師匠の存在があった」と明かした。昨年のノーベル物理学賞を受賞した赤崎勇名城大終身教授らが、青色発光ダイオード(LED)の研究を三十九年間も地道に続け、それをトヨタ自動車グループの豊田合成(愛知県清須市)が支えたことを紹介。「産業界と大学の連携の理想。きちっと維持していかねばならない」と語った。  三菱航空機の江川豪雄(ひでお)会長やJR東海の白国紀行専務執行役員の講演のほか、レノボ・ジャパンの大隈健史執行役員専務、リンナイの内藤弘康社長、英国のコンサルティング会社幹部でインド出身のサンジーブ・スィンハ氏によるパネル討論もあった。会場で九百八十人が議論に耳を傾けた。 "[he-forum 18644] 福井新聞論説2/22","福井新聞論説 2015年2月22日付 6年後に新大学入試 学生に求める力が変わる  「一期校・二期校」「共通一次」「センター試験」と戦後3度にわたり、システムを変えてきた大学入試制度が6年後に再び、大きく姿を変えようとしている。昨年12月、中央教育審議会(中教審)は、「知識偏重」から、「知識の活用力」をみる大学入試への改革案を文部科学大臣に答申した。昔から「大学入試が変われば、高校から義務教育まで、教育全体が大きく変わる」と言われるが、新入試のスタートはわずか6年後だ。学校現場や子を持つ親は、どう対応したらよいのだろうか。  ■新入試に向けて激変■  答申を受けて文科省は、間髪入れず1月中旬、改革の具体的な日程を盛り込んだ「高大接続改革実行プラン」を明らかにした。県高校校長協会の船木繁樹会長(60)=羽水高校長=は「これを読むと、国の本気度がよく分かる。センター試験に代わる新テストへの備えなど、この6年間は現場は本当に大変だ」と言う。  答申や実行プランによると、改革のキーワードは「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」という“学力の三要素”で、これから大学を目指す学生には、知識を元に正解を答える能力だけではなく、答えが簡単に出ない課題に対処できる力が問われるのだという。特に各大学での個別試験は、○×式で正解を選ぶ形式ではなく、面接や集団討論、小論文などが重んじられる。  「これらのやり方で、平等公平な合格判定がなされるのか判断は難しいが、先生たちも進学指導や授業の在り方で、意識を変えざるを得ない」と船木会長。「高校基礎学力テスト」など新たに生まれる新テストもあり、高校現場は6年間、対応に追われそうだ。  ■変化の波は義務教育にも■  入試改革が日程通りなら、新たな大学進学テストを最初に受けるのは、今の小学6年生になる。県内のある中学教諭は「“できる子”の基準が変わってくるのかも。テスト成績がいいとかではなく、部活動などでリーダーであるとか、地域活動やボランティアの経験が豊富だとか、世の中の動きや情報に敏感である…こうした力を子どもにどう付けるかがカギ。家庭や地域と一緒になって考えないと」と話し、改革の波は小中学にも確実に及ぶとみる。別の教諭は「新しい学習指導要領の下、『覚える』より『考える』『発信できる』が重視されている」として、学校で子どもが学んでいることが社会のどんな場面で役に立つのか、どう知識を使えばいいのか、リアル感のある教育が今の教師に求められていると感じている。  ■全入時代の大学観とは■  戦後70年、大学入試は時代とともに姿を変えてきた。高度成長期は、大量の受験生を選抜しふるい落とす意味もあった。人口減少社会の今は「大学全入時代」となり、受験生は選びさえしなければ、大学へ入学できる。ただ、今の世の中や企業は、新社会人に即戦力を求める傾向が強く、そのための入試改革でもある。  6・3・3制もあって日本人はよく「教育は18年でひと区切り」と考え、大学に入ることを教育のひとつの目標またはゴールとする。「大学さえ入ってしまえば…」という世間の認識も、変わらなくてはいけない。  ただ入試の仕組みが大きく変わるからといって必要以上にうろたえることもない。「大学とは何のために入るのか」「自分の夢を実現するには大学進学がいいのか就職がいいのか」。子どもの夢や将来について、家庭で深く話し合うことに変わりはないのだから。 "[he-forum 18653] LiveDoorNews2/21","LIveDoorNews 2015年2月21日 10時0分 講義は中学レベル、入試は「同意」で合格 文科省がダメ出しした“仰天大学”とは?  「数学の授業は四捨五入から」「受験生と大学の『同意』で合格」「新入生が一人もいない」――。新設の大学や学部で こんな事例が相次ぎ、文部科学省が改善指導に乗り出しました。若者の減少とキャンパスの新増設で「大学全入」とも言われる時代。とりわけ知名度の低い地方 大学で、教育の質の低下が懸念されています。 全国40大学を「擬人化」。日本のキャラ文化って素晴らしい。私大編 百分率や小数が分からない大学生?   文科省は今月19日、講義内容や運営方法などに不備があるとして、改善を求める大学253校を公表しました。新設された大学や学部を昨年度から調べてお り、対象となった502校の約半数に問題が。多くは学生の定員割れや、教職員の高齢化などでしたが、大学としての“適格性”が問われそうなものも少なくあ りませんでした。  千葉科学大(千葉県銚子市)は、一部の講義で“レベルの低さ”が問題視されました。たとえば「英語1」の講義。同大の シラバス(講義計画)によると、冒頭から「be動詞」「過去形」「進行形」と、中学校レベルの内容が並びます。「基礎数学」の講義でも、割合(百分率)や 小数、四捨五入とは何か、から教え始めます。  つくば国際大(茨城県土浦市)でも、「化学」の講義が元素や周期表の説明から始まったり、「生物学」では光合成やメンデルの遺伝法則を一から学ばせたり。  こうした実態について文科省の調査は「大学教育水準とは見受けられない」と指摘しており、改善を求めています。 開設以来、学生ゼロも  一方、入試を巡って、受け入れ数や選考基準が不明確だったりするケースも調査で明らかになりました。  太成学院大(大阪府堺市)では、書類と面接で合否を決める「アグリーメント入試」を実施しており、選考基準について「学生と大学が同意に達したら入学を許可する」と説明してきました。  しかし、文科省の調査は「同意以外の判断基準が明示されておらず、どのように合否を決定しているか不明」として、見直しを求めています。  北翔大(北海道江別市)では、大学院の募集要項に「可能な限り受け入れる」との表現があり、適切な選抜が行われていない印象を与えると指摘されました。  同大総務部によると、試験には論文と面接があり、「適正に競争原理に基づいて選抜している」とのこと。ただ、受験者には社会人が多く、合格しても入学を辞退する人が多いため、できるだけ志願者を集めたかった、と説明しています。   ほかにも、「併設校からの内部推薦など募集要項に記載されていない入試区分が存在」(大阪府守口市の大阪国際大)、「留年生が多数生じており、また、在籍 学生の学年ごとの評定平均が下の学年ほど低くなっている」(兵庫県宝塚市の宝塚医療大)、「開設以来、学生が1人も入学していない」(千葉県我孫子市の川 村学園女子大・大学院人文科学研究科教育学専攻)などの例が指摘されています。 "[he-forum 18656] 信濃毎日新聞2/24","信濃毎日新聞 2015年2月24日付 こども病院と信大、連携大学院設置 17年4月開設目指す  長野県立こども病院(安曇野市)を運営する地方独立行政法人県立病院機構(長野市)と、信州大(松本市)が2017年度、こども病院の医師が診療を続けながら博士の学位を取得できる連携大学院を設置することが23日、分かった。こども病院の中堅医師らが大学院生となって臨床に即した研究を論文にまとめ、信大大学院医学系研究科が審査して学位を授与する仕組み。学位を取得できる環境を整えることで、小児高度医療の質向上とともに、小児科医の県内での定着も目指す。  こども病院の原田順和(よりかず)院長によると、信大と同機構が協定を結び、信大医学部教授とこども病院で博士号を持つ医師らを連携大学院の「教官」に位置付ける。院生は医師になって6~10年目程度の中堅層を想定。こども病院に勤務し、先天性の心疾患など先進的な医療に携わりながらテーマを決めて研究する。こども病院と信大の教官の教えを受けながら論文をまとめる。修了年限は4年とする方向だ。  原田院長は「治療に何が必要かと未知のものに向かう探究心が診療の質向上につながる。博士号が取得できることは病院に医師を定着させる魅力にもなる」とし、将来は検査技師らに対象を広げる考えだ。  信大医学部小児医学講座の小池健一教授は「全国からこども病院に集まる医師の中には、研究のために大学院に入ることに抵抗を感じる人もいた」と指摘。主な研究場所が病院となるため抵抗感が薄れると期待し、「少しでも小児科医の県内定着につながればいい」とする。  具体的な仕組みは「双方で話し合いを始める段階」(池田修一・信大医学部長)だが、17年4月開設を目指し、16年度に院生を募集したい考え。新たな施設は設けない。  県立病院機構によると、同機構こころの医療センター駒ケ根(駒ケ根市)も連携大学院の研究の場にする方向。 "[he-forum 18654] しんぶん赤旗2/24","しんぶん赤旗 2015年2月24日付 無利子奨学金 拡大急げ 宮本岳氏に首相、前向き答弁  日本共産党の宮本岳志議員は23日の衆院予算委員会で、無利子奨学金を受ける資格があるのに、利子付き奨学金しか借りられない学生が4万人も残されている事実を取り上げ、「こうした状況を一掃すべきだ」と主張しました。安倍晋三首相は「しっかり奨学金が受けられるようにスピードアップしていく」と答弁しました。  無利子奨学金の受給資格があるのに受けられない学生は「残存適格者」と呼ばれます。文科省の概算要求では、2年間で一掃する目標を立てていますが、実際の来年度予算案では半分以下の8600人分に削り込まれました。  宮本氏は消費税増税後、家計調査で教育費の抑制が際立っていると指摘し、格差拡大が教育格差を招く事態だと批判。下村博文文科相も「低所得層でそういう傾向がある」と認めました。  宮本氏は「有利子から無利子への加速というのなら、残存適格者をすぐに一掃すべき」だと主張。「残り3万人余を無利子にする予算は211億円にすぎない。戦闘機購入や政党助成金をやめればできる」と迫り、首相も前向きに答えました。 "[he-forum 18659] 紀伊民報2/28","紀伊民報 2015年2月28日付 Uターン就職促進へ奨学金の返還を支援 和歌山県  和歌山県の仁坂吉伸知事は27日、Uターン就職など県内に定住する大学生らに対し、国が検討している奨学金返還を支援する事業に取り組む意向を示した。若者の県外流出に歯止めをかけるのが目的。  国が地方創生の一環で検討している新事業。国のイメージでは「日本学生支援機構」から奨学金の貸与を受ける大学生のうち、県内の地方経済を支える基幹企業に就職するなど要件を満たした人に対し、返還する奨学金の全部か一部を負担する。各道府県が基金を設け、返還金を負担する。基金は地元産業界や一般にも協力を呼び掛ける。道府県からの支出に対して国が特別交付税措置を取る。  対象の学生や人数、基金が支援する金額の割合など詳細は決まっておらず、県によると事業化しても2015年度入学生への適応は難しそうだという。  国が検討している奨学金の活用については、この日の県議会の予算特別委員会で多田純一議員(公明)が「県内の人口は、19年連続減少している。自然減だけでなく、社会減も拡大傾向。このままでは、人手不足によって産業が衰退し、社会基盤の維持も難しくなる」などとし、若者を呼び込む施策として取り組むよう提案した。  これに対し、藤本陽司商工観光労働部長は「若者の地元和歌山へのUターン就職を促す一定の効果がある。一つの方策として考えたい」とし、仁坂知事は「積極的にやっていきたい」と答えた。  和歌山県は、大学進学者のうち県外に出た人の割合が全国1位。2014年の文部科学省による学校基本調査では、大学進学者4454人のうち、89%の3975人が県外で進学した。卒業後にUターンする若者が少なく、若者の流出が課題となっている。 "[he-forum 18658] 日本経済新聞2/27","日本経済新聞 2015年2月27日付 「間違えず」より創造性 「起業と大学教育」シンポ  新たなビジネスを創出できる人材の育成について議論する大学改革シンポジウム「起業と大学教育」(日本経済新聞社主催)が26日、東京都千代田区のイイノホールで開かれた。学生や大学・企業関係者ら約500人が参加した。  基調講演した南場智子ディー・エヌ・エー取締役・ファウンダーは「加工貿易で成功した日本は大量生産に対応した『間違えない達人』を量産する教育が得意。だが、答えは1つと教える教育では創造性のある人材は育たない」と指摘。大学では「1つのテーマをとことん追求する訓練を通じ、自ら考えられる人材を育ててほしい」と注文を付けた。  日本で起業家を目指す人が少ない理由について、「他国より失敗を恐れる人が多い。3年以内に起業したいとの答えが2.5%だった日本と、12%の米国との差は開く一方だ」とし、教育現場から意識を変える必要があるとの見方を示した。  後半は、ジャーナリストで東京工業大教授の池上彰氏をモデレーター兼パネリストにパネルディスカッションを開催。永田恭介筑波大学長と松坂浩史文部科学省文部科学広報官を交え、議論が交わされた。  永田氏は筑波大の起業家育成プログラムを紹介。「起業について大学では教えられないことがある。起業家や大学OBを招き学生に話をしてもらうことで、彼らの背中を押している」と語った。  松坂氏は短答式の空欄を穴埋めする現在の大学入試では「起業に必要な力は育成できない」と指摘。「持っている知識の切り出し方を問うような入試改革が必要だ」と述べ、思考力や理解力を重視する姿勢を示した。  池上氏も「一方的な授業ではなく、(主体的に考える)アクティブラーニングを採り入れ自発的に学ぶ力を育てれば、起業する精神や力が身につくのでは」と応じた。 "[he-forum 18657] 北海道新聞2/17","北海道新聞 2015年2月17日付 北海道教育大、5教授会統合へ 新年度、改革の迅速化狙う  北海道教育大(本間謙二学長)が新年度から、道内5校それぞれに置かれている教授会を廃止し統合する方向で検討していることが16日、分かった。少子化で教員養成のニーズが狭まりつつある中、大学改革を迅速に進めるためには組織の一本化が必要と判断した。  教授会再編案によると、各校ごとの五つの教授会を廃止し《1》「学部教授会」《2》大学院所属教員による「研究科教授会」の二つに統合・再編する。同大総務課は「18歳人口減少を踏まえ、教員養成の在り方などさまざまな取り組みを学部一体で行う必要性がある」とする。4月から実施の予定。  背景には学長のリーダーシップ強化を狙った改正学校教育法が4月から施行されるのを機に、各校教授会の発言力を抑え、運営方針の決定や実行の迅速化を図るねらいもあるとみられる。  教授会に代わり、各校には「教員会議」を新設。またこれまで5校ごとの教授会での選任に基づき決定していた「キャンパス長」(各校担当副学長)も、学長の一任となる見込みだ。改革案は19日、各校代表者らが集う「教育研究評議会」で審議され、3月中に正式決定する見通し。 "[he-forum 18660] 日本経済新聞3/4","日本経済新聞 2015年3月4日付 お茶の水・奈良女子大、理工系大学の女性増へ協定  お茶の水女子大学と奈良女子大学は3日、女性の理工系大学への進学を増やし、同分野での女性リーダーを養成するための協定に調印した。4月に「理系女性教育開発共同機構」を設け、女性の理工系への進学を阻む社会的な要因を解明する一方、中学や高校などでの理数教育法の開発や教員向け研修などを行う。  大学院には共同で「生活工学共同専攻」を2016年度にも設置する。両大学が一緒に修士課程14人、博士課程4人の学生を募集。TV会議システムを使い講義を受けるほか、夏休みなどに集中講義を受ける。 "[he-forum 18664] 日本経済新聞3/5","日本経済新聞 2015年3月5日付 大学で「職業人」育成を 教育再生実行会議が提言  政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は4日、職業に結びつく知識や技能を高める実践的なプログラムを大学に設けるとの提言を安倍晋三首相に提出した。アカデミックな教育課程に偏りがちな大学を変革し、産業界が求める「即戦力」となる人材を育てるのが狙い。社会人の学び直しを後押しするとの期待もある。  同会議の提言は6回目で、今回は生涯学習の推進を主なテーマとした。安倍首相は「誰でも学び続けることのできる社会をつくる。女性の活躍や地方創生にも極めて重要だ」と述べた。  提言は大学のあり方に関し「人生を豊かにする学びに加え、実学を重視した教育を提供することも必要」と指摘した。そのうえで資格の取得などを目指す教育プログラムを各大学が設け、国がこうしたプログラムの内容を認定する仕組みを創設するよう提案した。  プログラムの開設にあたっては、民間企業や地元自治体と連携し、産業界や地域のニーズを採り入れることを要請した。  同会議は昨年9月に分科会を設け、大学を若者だけでなく全世代の学びの場と変える方策などを議論した。委員からは「地域が求める人材と大学の教育内容にミスマッチがある」「全ての大学が『ミニ東大』のような総合大学である必要はない」などと、大学の機能分化を推進すべきだとの指摘が相次いだ。  産業界や地域の間には職業教育の強化を大学に求める声は多い。一部の大学は動き出しており、ワインの産地として知られる甲府市にある山梨大は来年度、高品質なワインの製造技術を学ぶ新たなプログラムを開設する。醸造家らを講師に招き、日本ワインの輸出増加に貢献する人材を育てる狙いという。  文部科学省は提言を受け、大学の実践的なプログラムを文科相が認定する制度の検討を始めた。専門学校には既に同様の仕組みがあり、民間企業と連携した様々なプログラムが開設されている。  提言はそのほか、子育て中の女性らが無理なく学べるよう大学の在学や休学期間の上限を弾力化することや、地域住民が学校運営に参加する「コミュニティースクール」(地域運営学校)を全校に広げることなどを盛り込んだ。 "[he-forum 18663] 読売新聞3/5","読売新聞 2015年3月5日付 富大、教員に年俸制導入 新年度から 人事流動化へ公募  富山大は2015年度から、国立大学法人に移行する前から勤務する教授や准教授らに年俸制を導入する方針を固め、4日から希望する教員の公募を始めた。優秀な実績を上げた教員に支給金額を加算し、意欲を引き出すのが狙いだ。16年末までに教員約840人のうち1割程度を年俸制に移行することを目指す。  同大が検討している年俸制では、同大の教員約840人の業績を「授業」「研究」「地域社会貢献」などの項目で評価して数値化。S(スーパー)、A、B、C、D、Eの6段階にランク分けして年俸金額に反映させる。  例えば、年収1000万円の教授の業績が最高の「S」ランクと評価された場合、翌年の年俸は、業績給(300万円)の30%を上乗せした1090万円となる。「A」なら業績給の20%を上乗せした1060万円、「B」なら1015万円。「D」評価以下の場合は減額され、最低ランクの「E」では業績給の20%が減額されて940万円となり、最大150万円の差が生じる。  同大は2004年に国立大学法人となり、教員の給与体系を独自に決定できるようになったが、国立大学時代から勤務する教員を対象に、年俸制を導入するのは初めてとなる。  国立大学時代から勤める教員は、勤続年数が長いほど退職金が加算されるため、定年まで同じ大学に残ることを望む教員が多い。年俸制に移行すると、退職金についても一定額を年俸に組み入れることができる。定年前の教員でも、私立大学や民間研究機関などへ転職しやすくなり、空いたポストに若手・外国人の常勤教員を登用するなど人事の流動化を図ることもできる。  教員以外の総務・広報などの事務系職員などについては年俸制導入の対象外とする。  文部科学省によると、国立大学時代から勤める教員に対して、年俸制を導入することを決めた国立大学法人は86法人のうち既に50以上に上っている。  富山大の担当者は「年俸制導入で人事が流動化すれば、若い教員が安定したポストに就きやすくなる。海外から優秀な研究者を獲得しやすくなるなどの効果も期待できる」と話している。 "[he-forum 18662] 中日新聞福井3/6","中日新聞福井版 2015年3月6日付 国立大交付金、増額を 福井大など6校が会見で訴え  福井、東北、山形、福島、奈良教育、和歌山の六国立大の学長らが五日、文部科学省で記者会見し、削減傾向が続く国立大の運営費交付金の増額を訴えた。「削減は教育や研究の質の低下を招き国立大が衰弱する。グローバル化に対応した人材育成や産官学連携の支障となる」と強調した。  これに先立ち、奈良教育を除く五校の学長らは自民党の二階俊博総務会長に増額を要望した。今後、他の国立大にも賛同を呼び掛ける。  二〇一五年度予算案で同交付金は一四年度比1・6%減の一兆九百四十五億円となり、削減傾向が続いている。このため六校の経営協議会の学外委員が一月以降、運営資金の調達や経営努力には限界があるとする声明を相次いで出した。  同交付金をめぐっては財務省が昨年十月、三割程度を「改革経費」として、論文数などの指標に基づく評価で配分する案を提示。これにも大学側の懸念は強い。 ◆福井大学長、教育の質低下懸念  福井大の真弓光文学長は「人口減少社会の高等教育の在り方や国立大学の役割など全体的な議論が抜け落ちている。多くの大学に地域の拠点になれと言われても、しかるべき教育・研究資金がなければ、地域のイノベーションにつながる教育・研究はできない」とコメントした。 "[he-forum 18661] NHKニュース3/5","NHKニュース 2015年3月5日付 大学入試改革 具体策の議論始まる  大学入試センター試験に代わる新たなテストを導入することや、各大学の個別入試は小論文や面接で総合的に評価することなど、抜本的な入試改革に向けて具体策を検討する会議が文部科学省で始まりました。  5日、文部科学省で開かれた専門家会議には、20人の委員が出席しました。 大学入試を巡って、文部科学省は、知識の量を問うことに偏りがちな今の試験から、知識の活用や思考力を見るものに転換する必要があるとして、抜本的な改革を目指しています。  会議では、大学入試センター試験を廃止して、複数回受験できる新たなテストを実施し、単一の教科の試験だけでなく、複数の教科にまたがる問題を出題することや、各大学の個別入試は、小論文や面接などで生徒の能力を総合的に評価することなど、改革の方向性が改めて示されました。  委員からは、「高校での学習や大学に入ってからの教育と関連づけて入試の在り方を考える必要がある」という意見や、「生徒の立場に立った議論をしなければいけない」といった意見が出されていました。  この専門家会議では、思考力や判断力を見るための出題方法、複数の教科にまたがる問題の具体的な枠組みや、成績の示し方、それに、各大学の入試で総合的な評価をどのように行うかなどを検討し、年内に最終報告書をまとめることにしています。 "[he-forum 18666] NHKニュース3/7","NHKニュース 2015年3月7日5時45分 大学の技術 軍事転用防ぐためのシンポ  大学や研究機関などの技術や機器が海外に流出し、軍事に転用されるのを防ぐためのシンポジウムが、6日、東京で開かれました。  このシンポジウムは、国内の大学教授などで作る実行委員会が開いたもので、パネルディスカッションには、研究者のほか、国の担当者や弁護士も参加しました。 この中では、武器などを作るのに利用されるおそれのある技術や情報が、軍事国家やテロリストなどに渡らないようにするために、国内の大学がどう対応すべきか議論が交わされました。  出席者からは、ミサイルや核兵器など軍事転用の事例を具体的に想定して対応を検討することや、留学生や外国人研究者など共同で研究する相手の目的やねらいをきちんと把握し、技術移転のリスクを考えることが大切だなどという意見が出ていました。大学などの技術の軍事転用の問題を巡っては、東京大学大学院の研究科が去年12月、ガイドラインから、「一切の例外なく軍事研究を禁止する」という項目を削除し、その是非について社会的な議論を呼びました。  シンポジウムを主催した九州大学国際法務室副室長の岡田昌治教授は「今、適切に対応しないと、大量破壊兵器の製造やテロなどにつながり、国際問題にも発展する。研究の相手や委託先に、どのような背景があるのか調べ、海外の事例から学んで意識を高める必要がある」と話していました。 "[he-forum 18665] 河北新報3/8","河北新報 2015年3月8日付 受験生、部屋探し難関 仙台、物件不足続く  晴れて大学合格を果たした受験生諸君を、次の戦いが待ち受けている。賃貸物件の争奪戦だ。東日本大震災後、仙台市内は物件不足が続く。ことしも9日の東北大合格発表で激烈な部屋探し競争が本格化する。  宮城教育大生協には6日の合格発表直後、アパート探しの親子連れが詰め掛けた。「東北大の発表前に決めないと…」。福島県会津高3年の岩渕美月さん(18)は、合格の喜びもそこそこに母親と勧められた部屋の内覧に向かった。  全国から学生が集まる東北大の場合、新入生約2500人の7~8割が1人暮らしだ。合格しないと入居契約は結べないが「希望の部屋を押さえようと、情報収集などの動きだしは確実に早まっている」(東北大生協)という。  被災者用借り上げ仮設住宅や復興事業関係者の入居で、市内の賃貸物件は総じて品薄の状態。単身者向け物件の入居率は「震災前から確実に1割以上アップした」(不動産会社)。  このため東北大生協が扱う賃貸物件は震災後、3分の1ほどに減り、家賃相場は平均約3000円上昇したという。不動産会社によると、入居先が決まるまでホテル住まいの学生もいる。  寄宿舎を備える東北学院大では、アパートの見つかった新入生が寄宿舎入りを辞退する例もあった。大学の担当者は「仙台の厳しい賃貸事情は広く知られており、県外から進学する学生は複数の手を打っているようだ」と嘆息する。  在仙の各大学生協と提携する不動産会社平和住宅情報センターは「条件を少し譲れば、物件は十分にある」と説明。東北大生協は「事前に予算、希望地区など具体的な条件を絞り込んでおくと手続きが早い」と賃貸物件争奪戦を勝ち抜くこつを助言する。 "[he-forum 18668] 読売新聞3/11","読売新聞 2015年3月11日付 長崎大と福島県立医大 共同大学院設置へ  放射線被曝ひばくの専門知識を持つ看護師や保健師を養成しようと、長崎大と福島県立医科大は2016年度に共同大学院「共同災害・被ばく医療科学専攻(仮称)」を設置する計画を進めている。  長崎大は原爆後障害医療研究所などで後遺症の治療や放射線の影響に関する研究に力を入れており、10年には国内初の専門看護師養成コースを設置。福島県立医科大は阪神大震災など災害医療の分野に人材を輩出してきた。  共同大学院は両大学に設置され、院生は双方を行き来して、放射線の基礎知識や住民への適切な情報提供の方法など、それぞれの大学の得意分野を学ぶ。長崎側は看護師や保健師、助産師を、福島側は消防士や警察官らの受け入れを想定している。15年度、文部科学省に設置申請を行う方針だ。 "[he-forum 18667] NHKニュース3/11","NHKニュース 2015年3月11日4時20分 厚生労働省 群馬大病院への補助金交付を見送り  群馬大学医学部附属病院で同じ医師によって腹くう鏡手術を受けた患者8人が手術後に死亡していたことなどを受けて、厚生労働省は、医療安全が十分に確保されていない可能性があるとして、今年度の病院への補助金およそ4億円の交付を見送ることを決めました。  前橋市にある群馬大学医学部附属病院では、去年6月までの4年間に、同じ40代の男性医師による腹くう鏡を使った肝臓手術を受けた、60代から80代の患者8人が手術後に相次いで死亡し、病院の調査委員会は、事前の医学的な評価や患者への説明などを検証して「すべての事例において過失があった」などとする最終報告書を今月3日に公表しました。  これを受けて厚生労働省は、医療安全が十分に確保されていない可能性があるとして、平成26年度に予定していた病院に対する補助金およそ4億円の交付を見送ることを決めました。  この補助金は、臨床研究の拠点となる10の医療機関に対して施設の整備費用などとして交付されるもので、群馬大学医学部附属病院は、昨年度からの5年間で合わせて15億円の補助金を受けることになっています。  今回見送られた補助金は、2年目に当たる今年度分で、厚生労働省は病院側の再発防止に向けた取り組みの状況などを検討したうえで、新年度以降、交付を再開するかどうか、決めることにしています。 "[he-forum 18669] 朝日新聞3/12","朝日新聞 2015年3月12日17時23分 ブラックバイト改善へ大学生が労組結成 都留文科大学 「都留文科大学学生ユニオン」結成について会見する共同代表の藤川里恵さん(右)と、首都圏青年ユニオン委員長の神部紅さん=甲府市丸の内1丁目の県庁  アルバイトで過重な働き方を強要される「ブラックバイト」の改善に向け、都留文科大(山梨県)の学生がこのほど、労働組合「都留文科大学学生ユニオン」を立ち上げた。大学単位の学生労組は全国でも珍しいという。会社側と団体交渉して適切な対応を求めるほか、ブラックバイトの悩みを抱える学生の相談にも応じていく。  ユニオンのメンバーは4人で、4年生の藤川里恵さん(22)ら2人が共同代表を務める。藤川さんは、アルバイト先の県内の小売店で、商品の買い取 りを求められたり、急用のときも休ませてもらえなかったりしたという。「おかしいと思っても、生活費をバイトに頼っていたので言い出せなかった」と振り返 る。  首都圏青年ユニオン(東京)に相談した際、都留文大で労組をつくる動きがあることを知り、活動に加わった。小売店側とは近く団体交渉を開催し、改善を求める。  11日の設立会見で藤川さんは「労組というと、ハードルが高い印象を持つ学生が多い。気軽に相談に来てもらえるよう、活動を広げていきたい」と抱負を語った。今後、4月に新入生向けの説明会、5月にはブラックバイトに関する講演会を、いずれも都留文大で予定している。  首都圏青年ユニオンの神部紅(じんぶあかい)委員長(33)によると、学生による労組は首都圏のほか関西や北海道で結成されているが、単一大学の組織は全国初だという。神部さんは「県内のほかの大学でも学生労組をつくりたいとの要望があれば支援していく」と話す。  都留文大学生ユニオンへの相談や問い合わせは、事務局(080・4442・8150)へ。= "[he-forum 18675] 神戸新聞3/13","神戸新聞 2015年3月13日付 神戸大に文理融合型の大学院 16年度の開設目指す  神戸大学(神戸市灘区)が、文理融合型の新大学院開設を目指し文部科学省に近く認可申請することが分かった。「科学技術イノベーション研究科」(仮称)。神戸大が強みとする文・理系の研究分野の連携を図り、先端科学技術の基礎研究から事業化まで連続して取り組む狙い。認可されれば、2016年度に開設する方針だ。(田中伸明)  神戸大によると、研究から事業化までを一体化させた学部卒業生向け大学院は、全国でも例がないという。  同研究科は、(1)バイオ燃料などの「バイオプロダクション」(2)CO2排出を削減する気体分離膜などの「先端膜工学」(3)スーパーコンピューター「京(けい)」を活用した「先端IT」(4)iPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使った「総合創薬科学」-を重点4分野とし、企業の参画も得ながら事業化する。  理系の学部卒業生を中心に募集し、定員は1学年40人。今回は修士課程(博士課程前期)を申請し、18年度に博士課程後期の設置も目指す。  基礎・応用研究では自然・生命系の人材や研究成果を生かし、知的財産管理や事業化に向けた評価などは社会科学系(法・経済・経営)の教員が指導する。  神戸大はこれまでも「統合研究拠点」(11年)や「社会科学系教育研究府」(12年)を設置し、分野横断型の研究環境を整備してきたが、大学院新設で特色づくりに弾みをつけたい考えだ。  福田秀樹学長は「神戸医療産業都市など、地元に集積された強みを生かして経営の分かる技術者を育て、世界トップ水準の成果を目指したい」としている。 "[he-forum 18674] 熊本日日新聞3/13","熊本日日新聞 2015年3月13日付 熊大法科大学院の募集停止 16年度から  熊本大(熊本市中央区)は13日、法科大学院(大学院法曹養成研究科)の学生募集を2016年度から停止すると発表した。在学生が修了した時点で、早ければ17年度にも廃止する。04年度に開設以降、42人が司法試験に合格したが、県内での法曹養成の役割を終えることになる。  同日、記者会見した谷口功学長は「苦渋の決断。教育体制や入試制度を見直したが、学生確保など将来を見通せず、総合的に判断した」と述べた。募集停止の理由として▽志願者の減少▽6年連続の入学定員割れ▽昨年の司法試験合格率が7%に低迷-を挙げた。九州での募集停止は鹿児島大、久留米大に次いで3例目。  熊本大法科大学院は04年度、定員30人で開設。志願者数は初年度の228人から毎年減り、15年度は33人。昨年の司法試験合格者は3人にとどまり、合格率は全国平均の21・2%を大きく下回った。谷口学長は「全国的に志願者が大幅に減っている。卒業しても法曹界の需要がないという問題もあるようだ」と話した。  大学院から合格した42人のうち、半数以上の24人が県内で弁護士登録。地域司法に果たす役割が大きかっただけに、熊本大は既存の大学院を再編し、法律を専門的に学ぶ法学コースの設置を検討している。修了生らの司法試験合格に向けた支援は今後も続ける。 (藤山裕作) "[he-forum 18673] 日本経済新聞3/14","日本経済新聞 2015年3月14日付 産業界の人材育成へ「産学官円卓会議」 文科省が設置へ  文部科学省は13日、産業界で活躍する人材の育成策などについて大学や企業のトップらが話し合う「産学官円卓会議」(仮称)を近く設置することを明らかにした。理工系人材の育成のあり方を巡り、大学と産業界の間で生じたミスマッチを解消する狙いがある。  大学では基礎研究が中心の理工系学部の人気が低調で、定員の縮小や廃止が相次ぐ一方、産業界からは基盤技術を支える人材の不足を訴える声が上がっている。こうした状況を受け、政府は2013年6月にまとめた成長戦略に円卓会議の設置を盛り込み、文科省が具体化を進めていた。  会議は、国公私大の学長や大企業のトップ、高校関係者らが参加することを想定。理工系人材の需給バランスに関する情報を共有したり、企業からの講師派遣など産学連携の推進策を話し合ったりする。 "[he-forum 18672] 毎日新聞社説3/13","毎日新聞社説 2015年3月13日付 群馬大連続死 病院全体の責任を問う  地域で高度な医療を担うべき大学病院で、あまりにもずさんな手術が繰り返されていたことに驚く。  群馬大病院第2外科で、腹腔(ふくくう)鏡による肝臓切除手術を受けた患者が5年間で計8人死亡していた。同病院は「すべての事例で過失があった」とする報告書をまとめた。  同病院は、高度医療を提供することで診療報酬が優遇される特定機能病院の承認を国から受けている。執刀した医師はもちろん、連続死を防げなかった病院全体の管理責任が問われる。厚生労働省は特定機能病院の承認取り消しを検討中だ。厳正な対処を求めたい。  腹腔鏡手術は、患者の腹部に開けた小さな穴からカメラ(腹腔鏡)や器具を入れ、医師がモニター画面を見ながら手術をする。開腹手術に比べ傷口が小さく、患者の体に対する負担は少ないが、肝臓は血管が多くて手術自体が難しいとされる。  報告書によれば、術後死が相次いだ第2外科には肝臓の担当医が2人しかおらず、40代の男性医師が全例で執刀医を務めていた。腹腔鏡による肝臓手術は2010年に始まり、最初の1年間で4人が術後死した。  本来なら、死亡例が1例でも、診療科全体で問題点を検証し、再発防止に取り組むべきであった。  しかし、症例を検討する第2外科の会議で十分な審議はされず、診療科長の教授が適切な指導をすることもなかった。死亡例はいずれも難度が高い手術で、院内の臨床試験審査委員会にかける必要があったが、申請されていなかった。術前の検査や患者への説明も不十分だった。  これで、正当な医療行為と言えるだろうか。男性医師が執刀した開腹手術でも患者10人が死亡していたことも新たに判明している。  相次ぐ死亡例について第2外科から管理部門への報告はなく、同病院の医療安全管理部が予備調査を始めたのは昨年6月だった。院内で、死亡例などの報告義務が明確には定められていなかったという。病院の管理体制の甘さは明らかだ。  報告書は、閉鎖的な診療体制も背景にあったと指摘している。同病院では第1外科と第2外科が共存し、診療分野が重複していた。手術の仕方は統一されておらず、少ない人材が分散されていたという。  こうした問題は第1外科による生体肝移植で05年、臓器提供者が下半身まひとなる医療事故が起きた際にも指摘されていた。同病院は今回、外科を統合し、診療体制を見直すことにしたが、遅すぎる。教訓が生かされていなかったことは残念だ。  遺族の弁護団は病院に調査継続を求め、業務上過失致死罪などで刑事告訴も検討している。当然だろう。 "[he-forum 18671] 読売新聞3/1","読売新聞 2015年3月1日付 証 STAP問題 【下】信頼回復へ模索始まる  STAP細胞の論文不正問題は、日本の科学界の信頼を大きく傷つけた。信頼を回復するための模索が始まっている。  文部科学省は研究不正防止の指針を強化し、4月から適用する。指針は2006年、東京大や大阪大で論文不正などが相次いだため策定された。大学や研究機関に、不正の告発窓口の開設や、不正を調査する組織の整備などを求め、不正が確定した場合の研究費返還も明記した。  だが、その後も不正は後を絶たなかった。そのため、研究者個人に委ねられていた不正防止の取り組みを、組織が責任を持って進めることを明確にした。実験データの保存も組織に徹底させる。  ただ、京都大iPS細胞研究所の八代嘉美准教授は「ルールがあれば良いのではない。まずは研究者自らが意識を高めて、不正を防ぐ環境を作っていくことが大事だ」という。  同研究所では、研究者の実験ノートを、所属する研究室とは別の部門の職員が、2か月に1回ほどチェックしている。研究者が全員参加する研究報告会は毎週開かれ、データを共有しているという。八代氏は「特別なことではないが、こうした取り組みを例外なく行うことで不正の発生が抑えられる」と話す。  STAP問題の舞台となった理化学研究所でも、多くの研究者が参加して研究内容を議論する検討会が開かれていた。だが、STAP細胞の研究内容は、著者ら一部の研究者だけの秘密にされる例外措置がとられていた。著者間でもデータの確認がおろそかになっていた。  行政と科学界を含む社会全体で解決すべき課題もある。短期間で良い成果を出さないと研究費も地位も得られない構造的な問題だ。  特に生命科学分野では研究費の獲得競争が激しい。総務省によると、生命科学分野で大学が使う研究費は、04年度の7500億円から、13年度には1兆600億円に増えている。ただし、政府は、早期の実用化が見込めるiPS細胞(人工多能性幹細胞)などの分野に予算を重点配分してきたため、ある研究者は「重点分野以外にしわ寄せが出て、研究費の獲得が厳しくなっている」という。山崎茂明・愛知淑徳大教授(科学コミュニケーション論)は「今のままでは不正の誘惑に負ける研究者が出る。この構造を変えなければ解決しない」と訴える。  こうした実態を受けて、文科省の有識者会議は1月、期限付きの不安定な雇用環境にある若手研究者に、安定したポストを増やすことなどを提言した。  研究不正に詳しい榎木英介・近畿大講師は「研究者の意識改革、指針の厳格化、雇用の改善はいずれも欠かせない。地道に取り組んでいくしかない」と強調した。(森井雄一) "[he-forum 18670] 神戸新聞3/14","神戸新聞 2015年3月14日付 神戸大、福田学長が退任会見 6年間の実績強調  神戸大学の福田秀樹学長(68)が13日、任期満了に伴い31日付で退任するのを前に記者会見した。「文理融合、分野横断型の組織づくりを進めてきた。成果が出てきている」などと6年間の取り組みを振り返った。  福田学長は京都大工学部出身。化学メーカー勤務を経て1994年、神戸大工学部教授になった。専門は生物化学工学。2009年、民間企業出身者として初めて神戸大学長に就任した。  この日の学長定例会見で、若手教員の長期海外派遣制度開始など、就任後の取り組みを紹介。16年度の開設を目指す「科学技術イノベーション研究科」(仮称)を例に挙げ、今後の神戸大について「時代に合わせて展開していく大学であってほしい」などと語った。(紺野大樹) "[he-forum 18677] NHKニュース 3/17","NHKニュース 3月17日 10時56分 「ブラック企業」 新卒求人受けない法案 政府は17日の閣議で、若者の雇用対策としていわゆる「ブラック企業」と疑われる企業の新卒の求人を、ハローワークで一定期間受け付けないことなどを定めた法案を決定しました。 若者の雇用を巡っては、長時間労働を強いたり残業代を支払わなかったりする、いわゆる「ブラック企業」の問題のほか、仕事のミスマッチで就職してすぐに仕事を辞めてしまうなどの問題が指摘されています。 17日閣議決定された法案では「ブラック企業」への対策として、残業代を支払わないといった法令違反を繰り返す企業について、ハローワークで一定の期間、新卒の求人を受け付けないとしています。 また、就職を希望する学生らの求めがあった場合、企業に対して従業員の離職率や残業時間などの情報の一部を開示することを義務づけています。 このほか若者の採用や育成に積極的な企業を認定する制度も新たに設け、離職率が平均より低い中小企業などを対象にすることにしています。 "[he-forum 18676] 読売新聞3/17","読売新聞 2015年03月17日 13時49分 群馬大病院長が学長就任辞退…患者死亡相次ぎ  肝臓手術後に患者の死亡が相次いだ群馬大学病院(前橋市)の野島美久(よしひさ)病院長(61)が、内定していた4月1日の学長就任について、辞退する意向を高田邦昭学長に伝えていたことが、17日分かった。  患者の死亡が相次いだ事態を重視し、学内の混乱を避けるためとみられる。同大は19日にも選考会議を開き、対応を協議する。  野島氏は2011年4月、病院長に就任。昨年9月に教員や学外の有識者などから次期学長候補に推薦された。教授らによる投票を経て同12月、大学の理事、学部長、学外有識者らで作る学長選考会議で、高田学長の任期満了(今月末)に伴う次期学長に内定していた。  次期学長辞退について野島氏は、17日の読売新聞の取材に対し「ノーコメント」と話した。= "[he-forum 18679] 北海道新聞3/16","北海道新聞 2015年3月16日付 返済困難、救済制度活用を 札幌で奨学金考える勉強会  大学生ら向けの奨学金制度の問題点を考える勉強会が15日、札幌市中央区のさっぽろテレビ塔で開かれた。奨学金問題対策全国会議(東京)事務局長の岩重佳治弁護士が講演し、返済が困難になった場合は救済制度を活用するよう訴えた。  市民団体「北海道学費と奨学金を考える会インクル」の主催。大学生ら約30人が参加した。  岩重弁護士はまず、国外の奨学金制度は返済する必要がない給付型が一般的だと説明した。国内で利用が多い日本学生支援機構の貸与型の奨学金制度は、就職難や病気などで「誰もが返せなくなる可能性がある」と指摘。「不十分だが」と前置きした上で、一定期間の返済猶予や、病気になった際の返済免除などの救済制度もあると紹介した。  この後、奨学金制度のあり方などについて参加者同士で意見交換した。(山田崇史) "[he-forum 18678] 毎日新聞3/16","毎日新聞 2015年3月26日付 大学改革:国補助金で促進…淘汰加速も  大学が国主導の「改革競争」の波にさらされている。文部科学省は、世界トップレベルを目指す大学には毎年数億円の資金を集中投入するなど補助金に「メリハリ」をつけて改革を促す動きを強化。大学入試改革でも国が目指す「多面的総合評価」の試験を導入する大学を財政支援する。今後、「改革競争」から脱落した大学の淘汰(とうた)が加速する可能性も指摘されている。【三木陽介】 ◇最低評価は半減  「運営費交付金が減る中、補助金を取りにいかないと経営が苦しくなる」。今年度から始まった文科省の補助事業「スーパーグローバル大学」に選ばれた国立大学の担当者はそう打ち明ける。国立大の収入不足を補うために国が出す運営費交付金は減少傾向。同事業は、世界トップレベルの大学やグローバル化を目指す大学に1大学当たり毎年4億〜1億円を10年間投入する異例の厚遇策だ。採択の競争倍率は約3倍だった。  一方、法科大学院は、司法試験の合格実績が低迷しているため、2015年度から、司法試験の合格状況や改革計画の内容によって補助金額を決める仕組みを導入。最も増額されるのは堅調な実績を誇る早稲田大で1・35倍増に。「最低評価」を受けた7校は半減されるため、募集停止や統廃合が加速するのは必至だ。  今年度から始まった「大学教育再生加速プログラム」事業では、入試改革や「課題解決型授業」促進など五つの改革テーマごとに補助金を支給する。採択されると、最長で5年間補助金が受けられる。  入試改革部門には8校から申請があり、お茶の水女子大(東京都)、岡山大、追手門学院大(大阪府)の3校が採択された。補助額は1校当たり年間約2000万円。文科省は、ペーパー試験の高得点者から順に合格者を決める「1点刻み」式から、面接や討論を活用した「多面的総合評価」式への転換を目指しており、入試改革を加速させるため補助制度創設も検討する。  大学の実情に詳しい「主体的学び研究所」フェローの倉部史記さんは「国は大学の自主的改革を促してきたが、十分とは言えなかった。『体力』が厳しくなった大学の淘汰が進む可能性がある」と話している。 "[he-forum 18686] 東京新聞社説3/22","東京新聞社説 2015年3月22日付 週のはじめに考える 大学は何のためにある  卒業生を送り、四月には新入生を迎える大学に厳しい問いが突きつけられています。「大学は何のために存在するのか」。そこに生き残りもかかります。  一八七七年、日本の近代国家建設の任務を背負わされて東京大学が設立されてから百四十年。大学は「エリート教育」から「ユニバーサル教育」と呼ばれる時代へと大きく変わりました。同年齢の大学・短大への進学率が50%を超えて、だれでもが大学へアクセスする時代という意味合いです。 ◆ユニバーサル教育の時代  日本の四年制大学は、国立八十六校、公立八十六校、私立六百三校の計七百七十五校、文部科学省の二〇一三年度の調査では四年制大学に二百八十六万九千人、短大、専門学校、高等専門学校を加えると高等教育機関の学生は三百六十五万五千にのぼりました。教員は十九万一千人です。  大学大衆化時代だからといっておざなりな教育は許されません。少子化の時代、大学に特色や魅力がなければ学生は集まらず、私立大学は倒産の危機に瀕(ひん)します。英文法be動詞活用や分数計算、化学の元素記号など中学程度の基礎的学力を身に付けさせるリメディアル教育も時には必要になります。創意工夫がなければ大学が淘汰(とうた)される時代になりました。  国立大学が法人化されたのは〇四年でした。大学自主運営の理想は遠く、着実に進められてきたのが国立大学への運営費交付金削減と文科省からの天下り。一五年度予算案の運営費交付金は一兆九百四十五億円ですが、毎年1%、十年前と比べて千三百億円もの削減となっています。  容赦ない財政削減とともに安倍政権が進めているのは大学の選別と序列化、組織の統廃合にみえます。競争原理も導入されます。 ◆進む選別と序列化  昨年九月の「スーパーグローバル大学」の選定には、百四校が応募、その結果、世界大学ランキング百位以内を目指す「トップ型」に東大、京大、名大、早慶など十三校、「グローバルけん引型」に二十四校が選ばれました。  トップ型には年最高四億二千万円の補助金が十年、けん引型には一億七千万円の支給。補助金は海外大学との連携、外国人教員の人件費、外国語授業などに充てられますが、選定にもれた他大学は放置されたままなのでしょうか。  昨年八月の文科省の通達も国立大学の文科系学部関係者を震撼(しんかん)させました。教員養成系、人文社会科学系学部に「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換」を促していたからです。  「日本には文科系学部が多すぎる」「シェークスピア研究より英会話」は産業界からの強い声でした。自前で人材を育てる余力を失ってしまった企業が大学に求めたのは仕事に役立つ実学教育や即戦力人材の養成です。文科省通達は財界の要請を受け入れたもの。「国立大学から文系学部が消えるのか」の疑心暗鬼が広がりました。  大学は何のためにあるのか。時代や社会の要請に応えるのも大切な役目の一つでしょう。大学大衆化時代にあっては学生が就職できるようにビジネス英語や簿記、会計を身に付けさせるべきかもしれません。しかし、大学はやはり「学術研究と教育の場」であるべきです。人知れずの黙々の研究がノーベル賞になったり、実生活と無縁にみえる数学や哲学、歴史研究が長い目では大いに役立つとの真理の逆説を知らせたり。学生には自ら課題をみつけ考えられるようにする。それが最重要の任務にも思えるのです。  和歌山大学で六年間学長を務めた山本健慈学長ら国立六大学の学長が文科省で記者会見して運営費交付金の増額を訴えました。和歌山大学は地方創生の核ともいえる観光学部をつくり、学生を育て直し、生涯応援することを約束して社会に宣言、タイや地域の過疎地派遣で学生が活動的に変わることを目撃しました。「そんな努力にも限界がある」が学長たちの訴えでした。  苦しくとも教育への投資が国を興します。いま、大切なのはその「米百俵」の精神。地道な努力に光を当てなければ。 ◆訓練で自己を確立せよ  学生は大学で何をすべきか。「学問のすゝめ」の福沢諭吉も「君たちはどう生きるか」の吉野源三郎も「二十一世紀に生きる君たちへ」の司馬遼太郎も、先人たちが語るのは同じにみえます。  「君たちは、いつの時代でもそうであったように、自己を確立せねばならない。-自分に厳しく、相手にはやさしく。という自己を。そして、すなおでかしこい自己を」は司馬遼太郎です。  「いたわり」「他人の痛みを感じること」「やさしさ」は訓練で身に付けよと言っています。 "[he-forum 18685] 共同通信3/18","共同通信 2015年3月18日11時11分 東大、ケンブリッジ大と戦略提携 豪国立大、北京大とも  東京大は18日までに、ケンブリッジ大(英国)、オーストラリア国立大、北京大(中国)の3校と全学規模で交流を深化させる「戦略的パートナーシップ」協定を結んだ。  東大はこれまで、プリンストン大(米国)とのみ同協定を結んでいたが、今回、米国に加えて欧州、アジア、オセアニアの有力大とも締結。教員交換や学生の相互留学、先端研究分野での共同プロジェクトなどを通じ、東大が「国際競争の中で遅れず、勝っていく」(長谷川寿一副学長)ことを目指す。  昨年10月に英教育専門誌が発表した「世界大学ランキング」で東大は23位。 "[he-forum 18684] 岐阜新聞3/21","岐阜新聞 2015年3月21日付 県と岐阜大が協定 防災センター設置・慢性腎臓病講座開設  県と岐阜大は20日、4月に同大に共同設置する「清流の国ぎふ 防災・減災センター」に関する協定を締結した。県の寄付により4月に同大に開設する「慢性腎臓病(CKD)医療連携寄付講座」に関する協定も結んだ。  同センターは工学部に設置。地域や職場の防災リーダーらの人材育成、県民向け防災講座の実施、市町村の防災計画の策定支援、企業向けの研修、土砂災害低減に関する調査研究など防災・減災のシンクタンク機能を担う。センター長は杉戸真太理事・副学長が就任、県職員1人も常駐。役員、事務局計8人の体制で運営する。2015年度は県が1900万円を負担する。  CKDは腎臓の障害や機能低下が慢性的に続く状態の総称。自覚症状のないまま進行し重症化すると人工透析治療が必要となる。  寄付講座は県内の腎臓病の専門医が42人にとどまることを踏まえ、CKDの発症や重症化の予防などを狙って大学院医学系研究科に4月から3年間設置。かかりつけ医と専門医の連携強化のための患者手帳の定着や、専門知識を持つ医師の育成確保、予防対策の調査研究や普及啓発などを担う。CKD対策を総合的に推進する寄付講座の開設は都道府県で初めて。県が総額9000万円を寄付する。  同日、岐阜大で調印式があり、古田肇知事と森脇久隆学長が協定書に調印。古田知事は「県土強靱(きょうじん)化や県民の安全安心確保のため重要な役割を果たしていただきたい」、森脇学長は「県民に安心安全とより良い健康環境を提供したい」とあいさつした。 "[he-forum 18683] 中日新聞静岡3/13","中日新聞静岡版 2015年3月18日付 学生の県内就職 土居名誉教授が経済効果試算 ◆2040年に経済効果350億円  経済統計学が専門の土居英二静岡大名誉教授(68)は17日、県の人口減少対策に関し、大学生の県内就職者を毎年200人ずつ増やすことができれば、2040年に354億円の経済効果があるとする試算を発表した。結婚相手や子どもを含めて約9300人が定住し、人口減少の緩和につながると指摘している。  家計調査や結婚出産などの統計を基に波及効果を分析した。県が新卒者の県内定住推進に毎年三億円を投じた場合でも、人口増による経済効果で県や市町の税収が増え、十年ほどで黒字になると説明。「コストを十分に回収できる」と強調した。  試算では、県が国の地方創生補助金を活用して一六年から大学生に年間五十万~百万円の奨学金を出し、学生が卒業して県内で就職すれば返済を免除するなどの施策を想定。  二〇年から毎年二百人ずつ県内就職した場合、三〇年には二千二百人に達し、結婚相手や子どもが千八百人を超えると推計した。  その恩恵で県と市町を合わせた地方税収は、二億九千万円増と予測。四〇年には就職者が四千二百人、家族が約五千百人になり、地方税収増は六億円に達すると試算した。  消費拡大で約二千八百人の雇用誘発も期待できると説明した。  土居さんは「地方衰退を食い止めるため、大きく予算を投じ、パンチ力のある対策を進めてほしい」と話している。 (今井智文) "[he-forum 18682] 共同通信3/18","共同通信 2015年3月18日11時25分 東大、ケンブリッジ大と戦略提携 豪国立大、北京大とも  東京大は18日までに、ケンブリッジ大(英国)、オーストラリア国立大、北京大(中国)の3校と全学規模で交流を深化させる「戦略的パートナーシップ」協定を結んだ。  東大はこれまで、プリンストン大(米国)とのみ同協定を結んでいたが、今回、米国に加えて欧州、アジア、オセアニアの有力大とも締結。教員交換や学生の相互留学、先端研究分野での共同プロジェクトなどを通じ、東大が「国際競争の中で遅れず、勝っていく」(長谷川寿一副学長)ことを目指す。  昨年10月に英教育専門誌が発表した「世界大学ランキング」で東大は23位。 "[he-forum 18681] しんぶん赤旗3/19","しんぶん赤旗 2015年3月19日付 奨学給付金、第1子にも年13万円を 参院予算委で田村議員要求に 文科相「望ましい」  日本共産党の田村智子議員は18日の参院予算委員会で、安倍政権の進める施策のもとでは、貧困家庭の子どもは高校で学業を続けたり大学に進学するのは困難だと指摘し、経済的困難を抱える高校生・学生の生活を支援する施策の拡充を強く主張しました。  田村氏が取り上げたのは2014年度から新設された「奨学のための給付金」。非課税世帯の高校生が対象で、授業料以外の教科書代や学用品費として支給するものです。支給額は世帯の子どもの数などで異なり、第1子は約4万円、第2子以降は約13万円(国公立高校)です。  田村氏は、あしなが育英会(奨学金貸与事業)のアンケート調査結果(別項)を示し、「奨学給付金が年額4万円足らずでは不十分だ」と主張。第1子、第2子問わず、13万円を支給することを求めました。  下村博文文部科学相は「ご指摘のように第1子と第2子の支援を同じような給付額にすることが望ましい」と述べ、増額への努力を表明しました。  田村氏は、福島県内の生活保護世帯の子どもが高校に進学して給付制の奨学金を受けることが決まったものの、自治体側が国の基準を理由に、全額を収入と認定し保護費を減額した問題を追及。奨学金を収入認定から除外すべきだと主張し、国の基準を見直すことを要求しました。  田村氏は、そもそも今の生活保護制度は、保護世帯の高校生が大学や専門学校に進学することができない仕組みになっており、児童養護施設などで社会的養護を受ける子どもの進学支援も、児童扶養手当も、遺族基礎年金も、原則18歳までで打ち切られることを指摘。「経済的困難をかかえる子どもの生活を丸ごと支援する施策の拡充が必要だ」と迫りました。  安倍晋三首相も「子どもの未来が経済状況で左右されることがあってはならない」と答弁しました。 "[he-forum 18680] 両丹日日新聞3/20","両丹日日新聞 2015年3月20日付 京都工繊大が福知山で北京都分校構想を説明  福知山市西小谷ケ丘にある旧福知山女子高校の校舎を活用し、16年度から北京都分校(仮称)設置を検討している国立大学法人京都工芸繊維大学の森迫清貴副学長が19日夜、土師のホテルロイヤルヒル福知山&スパで、市民らに設置構想の概要などを説明した。 ■若者定住促進へ「地域枠」も■  まず設置計画の経緯について、森迫副学長は「包括協定を結ぶ京丹後市を起点に、文科省の地(知)の拠点整備事業(COC)として、綾部市以北の地域活性化に取り組んできた。そのなかで、北京都をさらに発展させるため、何かできることはないかと考えるようになり、若者の定着などをめざして、分校を設置することにした」と説明した。  福知山を選んだ理由は、「早期に実現したいとの思いがあり、使われていない旧女子高の校舎があること、また隣に文系の成美大があり、公立化の話が進んでいることは非常に大きく、文理連携で相乗効果が期待できるため」とした。  このあと構想の説明に移り、産業分野で地域のリーダーとなれる人材を育てる教育プログラム「地域創生テックプログラム」を行うとし、新たな学部学科の設置はせず、現行の工芸科学部のなかに組み込み、定員約30人のプログラム枠を設定するとした。  具体的には、1回生から3回生前半までは、左京区のキャンパスで物質材料化学、電子工学、デザインなどの専門的知識を学ぶ。3回生後半からは、分校で成美大学や舞鶴工業高等専門学校と連携しながら、地域課題をテーマに研究する。またインターンシップとして、地元のものづくり企業などで、実践的な体験を行う授業も検討しているという。  森迫副学長は「プログラム枠の定員のうち、約半分を北京都などの地域枠とし、若者がいったん都会に出て、再び地元に戻ってくるという流れを作ることで、この地域の若者定住につなげたい」と話した。  この説明会は、成美大学の公立化を求める市民の会が主催した。 "[he-forum 18689] 中日新聞石川3/26","中日新聞石川版 2015年3月26日付 法科大学院と市議会連携 金大と加賀 県内初 研究、政策提案力強化へ  加賀市議会と金沢大大学院法務研究科は二十五日、連携協定を結んだ。市政運営を監視し、政策提案できる市議会を目指し、調査研究への専門的な助言を受けられるようになる。市議会事務局によると、議会と法科大学院との協定は県内初で、全国的にも珍しい。(出口有紀)  協定は、市民に市政への参加を促すため二〇一二年に施行された「市民主役条例」に助言した同研究科の河村和徳講師が提案。機能強化を図りたい市議会に、地元で法曹を養成する法科大学院が蓄える専門知識を活用してもらい、両者の存在感を高めるのが狙い。  議会の情報も研究科に提供し、教員や学生らの研究に役立ててもらう。学生の議会見学や議員研修会への講師派遣などで交流を深める。  市役所であった調印式には、全議員十八人を含む二十二人が出席。高辻伸行議長と佐藤美樹研究科長が協定書に署名した。高辻議長は「市の政策を審議し、条例を策定する際に心強いパートナーを得た」、佐藤研究科長は「学生にも市民の声を政策として取り上げ、条例化する過程を経験させ、公務員の仕事にも興味を持ってほしい。法律の専門家である教員に遠慮なく質問して」とあいさつした。  基調講演もあり、河村講師が今回の連携の意義を説明。「市長部局が不備のある条例案を出し、そのまま議決すれば議会の評価も落ちる。市長部局を暴走させないためにも、法科大学院をかかりつけの相談役にする仕組みを作り、議会のレベルアップを図る必要がある」と説いた。  "[he-forum 18688] 読売新聞宮崎3/21","読売新聞宮崎版 2015年3月21日付 宮大新学長に池ノ上氏 「地域との連携強固に」  宮崎大(宮崎市)は19日、学長選考会議を開き、9月末で任期満了となる菅沼龍夫学長(66)の後任に、池ノ上克いけのうえつよむ名誉教授(69)を候補者として選出した。文部科学相の任命で正式に決まる。任期は10月1日から3年間。2003年に旧宮崎大と旧宮崎医科大が統合して以降、3代目となる。  池ノ上氏は鹿児島大医学部卒。1991年に宮崎医科大産婦人科の教授として赴任し、医学部長や付属病院長を歴任、県内の周産期医療や救命救急医療の充実に努めた。現在は宮崎市郡医師会病院特別参与。  記者会見した池ノ上氏は「各学部と地域の産業分野との連携を強固にし、双方の活性化につながるよう、かじを取っていきたい」と語った。  学長選考には池ノ上氏のほか、宮崎大農学部長などを務める村上昇氏(62)が推薦されていた。大学関係者らを対象にした意向投票(2日)では、池ノ上氏が511票、村上氏が378票を獲得していた。常勤理事や経営協議会の学外委員ら16人の協議で決めた。 "[he-forum 18687] 中日新聞3/26","中日新聞 2015年3月26日付 名大の国際化「よくやった」 浜口学長今月末に退任  名古屋大(名古屋市千種区)の浜口道成学長(64)が今月末、六年間の任期を終えて退任する。アジアを中心とした国際化戦略で、名大のブランド力強化に腐心した在任中の取り組みとやり残した課題について聞いた。 -学長として、成功したことは何だと考えるか。  大学の国際化は胸を張って「やった」と言える。就任時に「名古屋大からナゴヤ・ユニバーシティへ」と掲げた。現在、全国の大学がそう言うようになってきている。海外留学は五年前の年間百人から、現在は六百人近くにまで増えた。 -学生の意識も変わった。  元気になった。ベトナム出張の際、アオザイを着た女性が通訳をしてくれたので、てっきり現地人と思っていたら法学部の学生だった。私は保護者に、大学への入学とは『精神的なへその緒を切ることです』と言う。大学に通う十八~二十二歳で、それまでとは違う体験をどれだけさせられるか。その体験を通じて、判断力を鍛えることができる。 -アジア戦略を進めた。  現地で学んで名大の博士号を取得できる「アジアサテライトキャンパス学院」については、文科省に「十年で五十~六十人の大臣を育成するけど、やっていいか」と持ち掛けると、二つ返事で「オッケー」と。有能な人材ほど現地機関は手放さないので、博士号を取るための留学は難しい。それを逆手に取った。二〇一四年度はカンボジアとベトナム、モンゴルに開設したが、一五年度以降、インドネシアなどにも広げる。名大卒業生の大臣がアジア各国にいる状況が、そう遠くない将来に来るはずだ。 -やり残したことは。  産業界や行政を巻き込んだ「アセアン・リサーチセンター」を確立したかったが、それは今後、立場を変えて推進する。東南アジア諸国連合(ASEAN)はもう自由貿易圏になっている。大学は産業界や行政を巻き込み、現地情報の重要な起点にならないといけない。あと、人文社会学での人材育成。残念ながら、人文社会学は文献学になってしまっている。例えば、イスラム国の問題について対応を的確に語れる人がいない。リアルな問題に対して、どうやって答えを出すのか。研究者に現地での取り組みが欠けているからだ。そういう人材の育成も急がなくてはならない。 -在任期間に点数を付けるならば。  八十点は付けることができるかなと思う。  (聞き手・今村太郎) <はまぐち・みちなり> 三重県伊勢市出身。1975年、名大医学部卒。80年に名大大学院医学研究科で博士課程を修了。助教授、教授を経て2005年に医学系研究科長に就任。文科省の科学技術・学術審議会会長を務める。4月からは学長顧問として大学運営への助言をするほか、名大大学院医学系研究科に復帰する。 "[he-forum 18690] 日本経済新聞3/21","日本経済新聞 2015年3月27日付 国立大を段階評価、予算配分に反映 16年度から文科省  国立大学への予算配分を議論している文部科学省の有識者会議は26日、各大学の取り組みを3~5段階で評価し、翌年度の予算配分に反映させる改革案をまとめた。国立大を3グループに分類し、学生の就職率や教授の論文数、外国人留学生の受け入れ実績などグループごとに設ける指標で評価する。大学間の競争を促す狙いで、同省は2016年度から導入する。  改革案では、86校ある国立大の役割を明確にするため、16年度から「世界最高水準の教育研究」「特定の分野で世界的な教育研究」「地域活性化の中核」の3グループに分類。そのうえでグループごとに指標を設け、各大学を評価する仕組みを提案した。  「世界最高水準の教育研究」をめざす大学の場合は教授らの論文の引用数や大学院生の海外派遣人数など、「地域活性化の中核」となる大学の場合は学生の就職率や地元企業との連携などを指標とする案を示した。  86大学は今年夏ごろまでに、どのグループを選ぶか自ら判断する。  文科省は16年度以降、指標にもとづいて各大学の取り組みを年度ごとに検証し、3~5段階で評価する。評価は国立大の収入の柱である運営費交付金(14年度予算で1兆1123億円)の配分額に反映させる。評価が低い大学は交付金を減額する方針だ。  現行の運営費交付金は大学の規模に応じてほぼ機械的に割り振られており、経済界などから「競争原理を導入し、配分にメリハリをつけるべきだ」とする意見が多く出ていた。文科省は昨年10月に有識者会議を設置し、配分方法の見直しを検討してきた。  改革案には、交付金のなかに学長が自由に使える予算枠を設けることも盛り込んだ。学長主導で各大学の特色のある分野に人材や研究資材を投じられるようにする目的だ。同省は16年度に創設する方針だ。 "[he-forum 18691] しんぶん赤旗主張3/27","しんぶん赤旗主張 2015年3月27日付 防衛省の研究連携 大学は一切の軍事研究拒否を  「海外で戦争する国づくり」をすすめる安倍晋三内閣のもとで、防衛省の軍事技術、兵器の開発に大学や研究機関などを協力させる“軍学共同”が強められています。憲法の平和原則にもとづき、平和と人類の福祉のために発展した日本の科学研究の存立が問われる重大な問題です。 科学研究の存立問われる  安倍内閣は、武器輸出を解禁する「武器輸出三原則撤廃」や宇宙の軍事利用を進める一方、2013年12月の「防衛計画大綱」で「新たな脅威に対応し、戦略的に重要な分野において技術的優位性を確保」するため、「大学や研究機関との連携の充実等により、防衛にも応用可能な民生技術の積極的活用に努める」としました。  防衛省と大学や独立行政法人研究機関が行う共同研究や技術交流が急増し、生物・化学兵器や爆薬の探知、レーダー、ロボット制御など幅広い分野で数十件にのぼります。「基礎的研究や技術情報の交流」とされますが、防衛省は「それをもとに最終的には兵器開発につなげる」と明言しています。  さらに防衛省は、15年度予算案に、新たな兵器開発に適用できる研究を発掘、育成するため、大学などに競争的資金を提供する「安全保障技術研究推進制度」(3億円)を盛り込んでいます。大学や独立行政法人研究機関は毎年予算が削減され、大学教員が自由に教育、研究に使えるのは多くの場合数十万円にすぎません。そうした兵糧攻めのもとで、防衛省など軍事機関からの潤沢な資金で研究者を取り込もうとしているのです。  重大なのは、大学などでの研究が軍事機関によって軍事技術に転用される危険が、ますます強まっていることです。防衛省は「オープンに技術交流している」といいますが、研究が実用化に近づくに従って軍事機密とならざるをえません。特定秘密保護法によって広範囲に秘密指定される危険も濃厚です。それは「学問の自由」を根底から脅かすことになります。  戦前、日本の大学は、「国家ノ須要ニ応スル」(帝国大学令)ために設立され、侵略戦争へ全面的に動員されました。戦後、日本学術会議は、そのことへの深い反省にたって、「戦争を目的とする科学の研究には、今後絶対に従わない」(1950年4月、第6回総会)という固い決意を表明し、大学などにおいて今日まで脈々と引き継がれてきました。東京大学では、「軍事研究の禁止」が「教育研究のもっとも重要な基本原則の一つ」として堅持されています。  安倍内閣の「戦争する国づくり」に軍事研究の面から大学や研究機関が協力するのか、それともきっぱりと拒否するのかが、今日、鋭く問われています。 憲法の平和原則に立って  憲法の平和原則と「学問の自由」を守る立場から、戦後の学界と大学がつちかってきた「軍事目的の研究はしない」という決意を、すべての研究者の自覚へと高めることが強く期待されます。そうした中で、大学の研究を軍事に利用させないため、軍事機関との関係は一切もたないことを含めて明確なルールをつくるべきです。  なによりも、安倍内閣に対して、憲法違反の戦争立法づくりとともに、防衛省と大学などとの連携―“軍学共同”の推進を中止するよう強く求めます。 "[he-forum 18693] しんぶん赤旗3/28","大阪大学162人「雇い止め」 職場に不安、労組は撤回要求 「スーパーグローバル大学」は「ブラック大学か」の声  大阪大学は、162人ものベテラン有期職員を3月末で「雇い止め」にしようとしています。大学の業務に支障をきたすと職場で不安が広がっています。 --------------------------------------------------------------------------- 教育・研究支えるベテラン有期職員 業務に支障も  「雇い止め」になる162人は、いずれも2004年の国立大学法人化以前から働いていたキャリア10年を超えるベテラン職員です。  有期職員は部局の異動がないため、3年ほどで異動する常勤職員よりも、部局の業務に精通しているのが実態です。業務内容も専門書・学術書をあつかう図書館業務や技術職員など高度です。  教員の秘書の有期職員は、研究内容にかかわる難解な英文のメールを仕分け、英語での電話対応も必要です。研究費をあつかう複雑な会計業務を担っていた有期職員が退職したら、1週間で処理されていたものが1カ月以上もかかった、ということもありました。  大阪大学教職員組合の北泊謙太郎副委員長は、「後任を補充するところ、しないところもあるが、業務が果たしてうまくまわるのか、不安を感じている教職員も少なくない」と危惧しています。 一方的に通告  大学は法人化前、契約更新上限を定めず、有期職員の再雇用をくりかえし、多くの部局は、60歳まで働けると説明していました。法人化の際は、労働契約の更新可能上限は、「当分の間」は設けないとしました。ところが、09年10月、契約更新年数に上限を設けない措置を15年3月末で廃止すると一方的に通告。勝木保雄同書記長は、「大学の4地区の労働者の過半数代表と大阪大学教職員組合をはじめ学内の組合は、契約更新の期待権が十分にあるとして、『雇い止め』の撤回を求めて署名を集め、交渉をくりかえしてきました。しかし、当局は全く耳を貸しません。法人化前から雇用していた有期職員を今、『雇い止め』する国立大学は、大阪大学だけです」と訴えています。 脱法的行為も  法人化後採用の有期職員の更新上限は6年(現在は5年)とされ、『雇い止め』が相次いでいます。後任を募集しますが、結局、他の部局で働いていた有期職員を6カ月のクーリング期間をおいて再雇用する事例が相次いでいます。これは、有期雇用が5年を超えて繰り返された場合に、無期雇用への権利が得られる労働契約法の脱法的行為です。  有期雇用を無期雇用に転換しても大学の負担は増えません。「スーパーグローバル大学」に指定され、最大で10年間、毎年4億2千万円もの投資を受けている大阪大学。国からの交付金が減るなかでも、劣悪な非正規雇用の処遇改善に努力している他の大学の労働組合から、「ブラック大学か」と批判する抗議文が寄せられています。大阪大学は、使用者としての社会的責任が問われています。 "[he-forum 18692] 読売新聞愛知3/31","読売新聞愛知版 2015年3月31日付 名大発展「具体化できた」 退任の浜口学長  31日付で退任する名古屋大学の浜口道成学長が30日、名古屋市千種区の同大で教職員ら約200人を前にあいさつを行った。  この中で、浜口学長は6年間の任期について、「私なりに大学の発展を具体化できた」と振り返った。そのうえで、自らが取り組んできたアジアへの展開や女性の地位向上などを例示しながら、「知恵を絞って名古屋大学でしかできない仕事や教育を切り開くことで、これからの厳しい時代でも強力な大学として存続してほしい」と述べた。  その後、浜口学長は大勢の教職員に拍手で見送られる中、渡された花束を手に一人ひとりと握手を交わして、感謝の言葉を伝えながらキャンパスを後にした。 "[he-forum 18694] しんぶん赤旗3/31","しんぶん赤旗 2015年3月31日(火) ブラックバイト対策 厚労省がキャンペーン実施へ 共産党が提案  厚生労働省は30日、大学生や専門学校生などの学生を対象に、「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを実施すると発表しました。  学生がアルバイトをする際、事業主の労働基準法違反などによりトラブルが起こっているとして、アルバイトを始める前に労働条件を確認できるよう労 基法などの知識を周知する広報を行います。キャンペーン期間は、アルバイトを始める学生が多い4月から夏休みに入る7月31日まで。  リーフレット『アルバイトをする前に知っておきたい7つのポイント』を作成し、大学などへ配布します。労働条件に関する情報サイト「確かめよう労働条件」や厚生労働省のツイッター(ネットの短文投稿サービス)などを利用した大学生などの学生向けの情報提供を行います。  日本共産党は昨年6月2日、政策「ブラックバイトから学生生活を守ろう」を発表。ブラックバイト問題が、学生の労働法・雇用のルールへの知識の乏 しさにつけこんだ違法・脱法行為で成り立っていると指摘し、知識の普及をはじめとした対策を提案していました。日本民主青年同盟などでつくる「全国ブラッ クバイト告発キャンペーン」は、実態調査や改善にむけた活動を広げています。= "[he-forum 18695] しんぶん赤旗3/13","しんぶん赤旗 2015年3月13日付 文化の話題 なるほど探訪  安倍政権のもと、大学や研究機関が防衛省の軍事研究に協力する軍学共同が強めら れようとしています。そのなかで、東京大学の一つの研究科の研究ガイドライン改定 が、「軍事研究の解禁か」と波紋を呼びました。何が問われているのか―。 (西沢亨子、田中佐知子) 軍事研究で狙われる大学 「軍学共同」許さぬ世論の後押しを  波紋を呼んだのは、東京大学大学院の情報理工学系研究科が昨年12月、研究上のモ ラルや論文引用ルールなどを示す「科学研究ガイドライン」を変えたことです。  これまでは、「不適切な研究」の一つとして「東京大学では、第二次世界大戦およ びそれ以前の不幸な歴史に鑑み、一切の例外なく、軍事研究を禁止」と明記。「自ら 軍事研究を行わずとも、共同研究の過程で、意図せずに軍事研究に関わってしまうお それがある」と注意を呼びかけていました。  新しいガイドラインは、「成果が非公開となる機密性の高い軍事を目的とする研究 は行わない」としたうえで、研究には「軍事利用・平和利用の両義性があり」「個々 の研究者の良識のもと、学問研究の両義性を深く意識しながら、個々の研究を進める ことを方針」とする、としています。  東大学長は即日報道否定の声明  これを「産経」が「東大、軍事研究を解禁」と報道(1月16日付)。「読売」も 「東大軍事研究に道」(同日夕刊)と続きました。東大は即日、軍事研究の禁止は 「東京大学の教育研究のもっとも重要な基本原則の一つ」と解禁を否定する浜田純一 学長声明を出しました。  声明は、研究成果が非公開にされることは「回避されるべき」としたうえで、一つ の研究が軍事・民生両方に使われる可能性が高まる中では、軍事研究禁止を「一般的 に論じるだけでなく」、個々の場面で「丁寧に議論し対応していく」といいます。  東大では戦後、評議会での学長発言(別項)にもとづいて軍事研究を禁止してきまし た。東大に限らず日本の科学者は、「科学者の代表機関」とされる日本学術会議の総 会で「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない」と決議(1950年)。67年 には、日本物理学会主催の半導体国際会議に米軍の資金援助があったことがわかり、 再度「軍事目的のための科学研究を行なわない」と決議しました。物理学会も同年 「一切の軍隊から援助、その他一切の協力関係を持たない」と総会で決議しました。  ―――――――――――――――  東大学長の評議会発言から  ●1959年・茅誠司学長   「軍事研究はもちろん、軍事研究として疑われる恐れのあるものも一切行わな い」  ●1967年・大河内一男学長   「軍事研究は一切これを行わない方針であるのみならず、外国をも含めて軍関係 から研究援助を受けないことは、本学の一貫した考え方である」  ―――――――――――――――  3億円資金提供 防衛省が予算化  これらの決議に反して、いま軍学共同が急速に進められようとしています。安倍政 権は2013年に閣議決定した国家安全保障戦略と防衛大綱で「産学官の力を結集」 して軍事技術開発に当たることを打ち出し、大学や研究機関と連携し「防衛にも応用 可能な民生技術の積極的な活用」を強調しました。  大学・研究機関と防衛省との技術交流も第2次安倍政権下で急増し、爆薬検知、無 人機開発などで協力が行われています。(グラフ)  この4月から始まる安全保障技術研究推進制度には3億円の予算が付き、軍事に転 用可能な研究に防衛省が研究資金を出します。東大職員組合の遠藤基郎委員長は、 「大学の基盤的経費が削られる中で、外部資金の獲得なしには研究できない状況だ。 防衛省の研究資金も魅力と感じてしまうのではないか」と危惧します。  軍の資金受けぬ 守る一線議論を  池内了・名古屋大学名誉教授は東大のガイドライン改定について、「非公開になる 研究はしないというが、軍事研究は本来的に秘密になっていく。だから、個人任せに せず、軍事研究はやらないと言いきるべきではないか。成果の公表が秘密漏えい罪に さえなる軍事研究は科学者にとって致命的だ」と指摘します。  池内教授は、研究の「両義性」が軍学共同の口実にされていることに警鐘を鳴らし ます。  「どんな研究も軍事・民生の両方に使いうるが、科学者としての社会的責任を自覚 し、軍事利用はしてほしくないと表明することが大事だと思う。軍事研究には絶対反 対という原則を固めた上で、軍の資金は受けない、共同研究やアイデアの交換もしな い、などの守るべき線を議論する必要がある」  さらに、「科学や技術と社会の関係や研究者の倫理を学生たちにきちんと教えるべ きだし、市民も科学者を監視・批判して欲しい」といいます。  東大職組の遠藤委員長は問題の根源に、文教予算を削る一方、軍事に前のめりな政 治があると指摘します。「大学が軍事研究一切禁止の方針を貫くように、世論が、政 治や予算のあり方も含めて考え、後押ししてほしい」 (引用終わり。グラフ・写真等は割愛。) "[he-forum 18701] 朝日新聞新潟4/2","朝日新聞新潟版 2015年4月2日付 教職大学院の設置、文科省に申請 新潟大  新潟大学は1日、高度な専門性を持つ教員養成などを目的とする専門職大学院「教職大学院」の設置を文部科学省に申請したことを明らかにした。順調に行けば8月には国の認可を受け、来年4月に設置される見通しという。県内での教職の専門職大学院設置は、上越教育大学に続き2大学目。  申請と同省の受理はともに3月31日付。正式な専攻名は教育実践開発専攻で、大学院教育学研究科内に設ける。現役教員を対象とする学校経営コースと、現役教員とともに学部を卒業者も対象とする教育実践コースを設け、定員は両コース合わせて15人。2年制で、教職修士の学位を取れる。  県教委、新潟市教委から要望を受け、大学が申請を決めたという。教委側から求められた特別支援教育の充実を目指すとともに、発達障害に関して医学部の知見を参考にするなど、総合大学の強みを生かしたカリキュラムを考えたいという。 "[he-forum 18700] 読売新聞岩手4/3","読売新聞岩手版 2014年4月3日付 岩大・教育学研究科 教員養成特化の大学院に  岩手大学は1日、大学院教育学研究科を2016年4月から教員養成に特化した教職大学院として改組すると発表した。現職教員が院生として学校経営などを学んだり、いじめや不登校などの子どもを適切に支援できる人材を育成したりするプログラムを設ける。  教育学研究科はこれまで、学校教育実践と教科教育の2専攻があったが、これを改組し、教職実践の1専攻のみとする。研究科全体の定員も半減し16人となる。すでに文科省に申請しており、8月末には、改組が正式決定する。  教職実践専攻は4プログラムに分かれる。現職の教員が学ぶ「学校マネジメント力開発プログラム」は、校長や副校長など学校経営の先頭に立つ人材の養成を行う。「子ども支援力開発プログラム」は、いじめや不登校など、子どもたちの問題に対して、適切に支援できる人材育成を目指す。  改組は、文科省が13年度に発表した、全国の国立大学の強みを生かして競争力を高める「国立大学改革プラン」を受けたもの。  岩手大は、16年度からの学部学科再編も決めている。この日は、再編の結果、入学定員が全体でこれまでより45人減り、1030人となることも発表された。17年度には全面的な大学院の組織改編も視野に入れている。  岩渕明学長は記者会見で「文科省の要請でもあり、一連の改革は喫緊。これまでにない大型の改革に取り組みたい」と話した。 "[he-forum 18699] 岩手日報4/3","岩手日報 2015年4月3日付 県立大・鈴木新学長が会見 「復興通じ国際人材育成」  県立大新学長に就任した前高エネルギー加速器研究機構長、鈴木厚人氏(68)は2日、県庁で記者会見し、「東日本大震災の復興支援活動を通してグローバル人材を育てたい」と語り、運営方針の柱の一つに位置付けた。学術、技術面でリードしてきた国際リニアコライダー(ILC)誘致について「今度は社会貢献の立場から検討したい」と意欲を示した。  1日付で就任した鈴木学長は建学の理念に基づき「岩手の新たな文化を創造する」と基本方針を説明。運営方針として復興支援のほか▽中期目標・計画の推進と実績評価の充実▽ボトムアップとトップダウンを融合した大学運営▽国際化の推進―を掲げた。  震災復興支援について、鈴木学長は全国の学生ボランティアを受け入れるなど同大の活動を高く評価。異なる価値観を乗り越えて活動することで国際社会を先導する人材が育つと指摘した。 "[he-forum 18698] 佐賀新聞4/3","佐賀新聞 2015年4月3日付 佐大病院に高度救命センター、急性薬物中毒にも対応  佐賀大学医学部附属病院(佐賀市鍋島)が6月にも県内で初めて「高度救命救急センター」を開設することが2日、分かった。24時間体制で重篤患者を受け入れる救命救急センターのうち、より高度な診療機能を持つ機関を都道府県が指定し、九州では3施設目。佐賀県は一般的な整備基準に加え、独自に危険ドラッグなど急性薬物中毒への対応を求めた。  高度救命救急センターは通常の救命救急センターで対応が難しい広範囲の大やけどや手指の切断、急性中毒など特殊疾病の治療に当たる。佐賀大病院は指定に備え、熱傷ベッドや高圧酸素治療の装置を整備した。  佐賀大病院は高度救命救急センターで対応するような重篤患者の十分な受け入れ実績があり、専用病床も一般基準より10床多い30床を保有する。県は、危険ドラッグに対しても24時間体制で精神科医や内科医の協力が得られると判断し、3月31日付で指定した。  県内の三次救急医療体制は、救命救急センターが佐賀大病院と県医療センター好生館(佐賀市嘉瀬町)、これらより小規模な地域救命救急センターが唐津赤十字病院(唐津市二タ子)と国立病院機構嬉野医療センター(嬉野市嬉野町)の計4施設だった。  佐賀大病院が「昇格」したことで、他のセンターとの連携も求められる。佐賀大病院の阪本雄一郎センター長は「佐賀大学病院が一層の地域貢献を果たすために与えられた名称だと感じている。県全体の救急医療のレベル向上、関係者の結束につなげていきたい」と話す。 "[he-forum 18697] 読売新聞4/3","読売新聞 2015年4月3日付 患者参加型、不正防止部署も計画…医療研機構  医療研究の司令塔となる国立研究開発法人「日本医療研究開発機構」は1日、成果を生み出すための今後5か年の中長期計画を公表した。患者も参加する助言組織を設け、患者の視点を研究開発の支援に反映させる。  可能性を秘めた研究テーマを積極的に支援し、医薬品や医療機器の分野で、iPS細胞(人工多能性幹細胞)に続く世界トップレベルの成果を出すことを目指す。  助言組織は、理事長の下に置かれ、患者のほか、医師や企業関係者らも参加。多様なニーズを反映させる。同機構の職員が直接、大学などの研究現場を訪れ、有望なテーマを探り出す。  画期的な成果を生み出すため、「(失敗の)リスクはあるが、飛躍的な可能性を秘めた課題」にも積極的に支援を行う一方、専門部署を設け、データの改ざんなどの研究不正を防ぐ対策を講じる。  重点的に支援する研究課題として、〈1〉高齢社会に対応したロボット技術を使った介護機器の開発〈2〉国際的な脅威が高まるインフルエンザやデング熱など感染症の流行を予測する研究――などを挙げた。日本が世界をリードする再生医療分野では、治療に使えるiPS細胞の備蓄計画の構築を進めるとした。  同機構は文部科学省、厚生労働省、経済産業省の研究予算1400億円超をまとめ、大学などの研究者に戦略的に配分する組織として1日、発足。東京・大手町の読売新聞ビルで業務を始めた。 "[he-forum 18696] 福島民報4/3","福島民報 2015年4月3日付 福島大「地域貢献は良好」 法定の認証評価受ける  福島大は2日、学校教育法で義務づけられている大学評価・学位授与機構の「大学機関別認証評価」を受けた結果を発表した。同大は機構が定める基準を満たした。  大学は7年以内ごとに機構の評価を受けるよう定められている。福島大は選択評価事項となっている地域貢献活動の状況についても良好と評価された。  中井勝己学長は「優れているとされた点をさらに充実させるなど、今後も教育研究の質の向上を進めたい」と述べた。 "[he-forum 18702] マイナビニュース4/6","マイナビニュース [2015/04/06] 「残業代ゼロ制度」、労働基準監督官の53.5%が「反対」--全労働調査 御木本千春  全労働省労働組合はこのほど、労働基準監督官を対象に実施した「緊急アンケート」の結果を発表した。それによると、専門職に就き、高収入を得ている人を労働基準法の時間規制から外すいわゆる「残業代ゼロ制度」について、過半数が「反対」と答えたことがわかった。 調査期間は2014年11月、有効回答は20~60代の労働基準監督官1,370人。 一定の年収要件を満たし、職務範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者について、時間ではなく成果で評価するというニーズに応えるため、労働時間 規制を適用除外する「新たな労働時間制度(残業代ゼロ制度)」を導入することをどう思うかと尋ねたところ、53.5%が「反対」と回答。一方、「賛成」は 13.3%、「どちらとも言えない」は33.1%だった。 新たな労働時間制度の導入に対する意見(出典:全労働省労働組合Webサイト) 同制度が導入された場合の影響については、「長時間・過重労働がいっそう深刻化する」が圧倒的に多く73.4%。反対に「長時間労働が抑制され、効率的な働き方が広がる」は4.2%にとどまり、「わからない」は22.4%となった。 新たな労働時間制度の導入による影響(出典:全労働省労働組合Webサイト) 労働時間規制について必要と考える対策を聞くと、「実労働時間の把握義務の法定化」が最も多く72.3%。以下、「労働基準監督官の増員」が 62.2%、「管理監督者や裁量労働制等にかかる規定の明確化」が60.7%、「時間外・休日労働にかかる上限規制の導入」が45.5%と続いた。 "[he-forum 18703] 朝日新聞4/9","朝日新聞 2015年4月9日20時14分 国立大に国旗掲揚・国歌斉唱要請へ 首相答弁受け文科相 高浜行人、石山英明  安倍晋三首相は9日の参院予算委員会で、国立大学の入学式や卒業式での国旗掲揚や国歌斉唱について、「正しく実施されるべきだ」と述べた。これを受け、下村博文文部科学相は「広く国民に定着し、国旗国歌法が施行されたことを踏まえ、各大学で適切な対応がとられるよう要請したい」と話した。  次世代の党の松沢成文氏の質問に答えた。松沢氏は「国立大学の入学式卒業式に国旗国歌があるのは当然」と指摘。安倍首相は感想として、「税金でまかなわれていることに鑑みれば、教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきだ」と応じた。  文科省は今後、学長が集まる会議や各大学への通知など何らかの形で国旗・国歌の意義を伝え、理解を求める方針。ただ、大学の自治があるとして、「強制や指導はできない。最終的な判断はゆだねることになるだろう」(担当者)という。  文科省によると、小中高校は学習指導要領で 「入学式や卒業式などでは国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導する」と決められているのに対し、大学にはルールがない。昨年度から今年度にかけての卒業 式や入学式での国立大86校の対応を調べたところ、国旗を掲揚していたのは七十数校、国歌を斉唱したのは十数校だった。(高浜行人、石山英明) ■「大学の自治を脅かす」  元名古屋大副総長の森英樹・名古屋大名誉教授(憲法学)の話 政府は要請をするべきではない。憲法の 保障する「学問の自由」を実現する大原則が「大学の自治」であり、学内の運営にかかわることはあまねく大学が自主的に決めるのが筋だ。要請されても自主的 な判断を貫ければ問題ないのかもしれないが、現実の大学行政を考えると、拒否したら財政誘導型の圧力があるのではないかと大学側が考えても不思議はない。 実質的に拒否できない可能性があり、要請は大学の自治を脅かすものだ。こんな答弁が平然とされる嫌な時代になってしまった。= "[he-forum 18707] 琉球新報4/10","琉球新報 2015年4月10日付 琉球大学、教職大学院設置へ 16年度開設目指す  琉球大学(西原町、大城肇学長)は、2016年4月の開設を目指して「教職大学院(高度教職実践専攻)」の設置申請を3月31日文部科学省に提出した。定員14人で、標準修業年限は2年。修了すると「教職修士(専門職)」の学位が得られる。申請を受け8日、同大で教職大学院の概要について大城学長らが会見した。文科省による審査結果は8月ごろに出る予定。  既存の修士課程が「専門性の理論の追求」を柱としているのに対し、教職大学院は「理論と実践の融合」を基本としたのが特徴。現在の学校現場が抱える課題に対応できる人材の育成を目指す。  定員14人のうち10人程度は現役教諭を想定している。2年間の課程のうち2年目は学校現場に戻り、現場での実践を通した「研究」とする。大学院の指導教員が学校現場に出向いて指導するなど、指導する側も現場を意識した仕組みにする。教育実習も必修とし、学校現場の協力が不可欠となるため、県教育庁と「教職大学院連携推進会議」を設置する。  教員免許を取得していることが入学の条件。現在の教育学部の大学院(教育学研究科)は4専攻、定員35人。教職大学院となる「高度教職実践専攻」を新設し、専攻を5に増やす。  定員総数35人は維持したまま既存の「学校教育専攻」の定員を2人減の3人、「教科教育専攻」の定員を24人から12人に減らし、その分を教職大学院の定員14人にする。既存の「特別支援教育専攻」と「臨床心理学専攻」の定員は3人のまま。既存専攻を少人数化することで、よりきめ細かな指導を実施し、修士課程の機能強化も図る。  小田切忠人・大学院教育学研究科長は「県内で長年の課題となっている学力問題と生徒指導を一体的に捉え、対応できる教諭を育成したい」と話した。大城学長は「『教育』の成果が出るのは時間がかかるが、毎年10人、大学院を修了した教師が現場に戻れば、10年で100人になる。結構成果は早く出るのではないか」と期待感を示した。 "[he-forum 18706] 福島民報論説4/9","福島民報論説 2015年4月9日付 【子どもの貧困】夢支える奨学金充実を  今春も大学や専門学校に多くの若者が入学した。一方で家計が苦しく進学を断念したり、学費確保のためアルバイトを余儀なくされたりする学生がいる。18歳未満の6人に1人が「貧困」状態にあるとされる中、就学助成は貧困脱出への大きな力となる。  政府は「子供の未来応援国民運動」の発起人集会を2日に開いた。安倍晋三首相はじめ財界や労働組合、地方自治体の代表らが参加した。経済的苦境にある子どもを支えるため、寄付を広く募っての基金創設を目指す。国民的な関心や協賛の高まりに期待したい。とはいえ、国が果たすべき役割は減じない。むしろ率先して責任を果たすべきだ。  公益財団法人みちのく未来基金から就学援助を受ける学生らの「つどい」に参加する機会が先月あった。基金は東日本大震災で親を失った遺児を援助している。受給生は「諦めかけていた進学の道がかなった。支援に応えるよう勉学に励む」「将来は古里に戻り、復興に役立ちたい」などの決意や夢を披露した。  基金は民間企業3社が平成23年に設立した。現在、55社・団体が協力している。高校卒業後、大学や専門学校に進学する際の入学金と卒業するまでの授業料を、年間300万円を上限に無償給付する。これまでに本県の23人を含む320人余に支給し、総額約3億8千万円を見込む。大学院進学者や原発事故関連死の遺児も対象にする。大黒柱の働き手を失った家庭も多く、心強い後押しになったはずだ。  同基金に限らず、企業や各種団体による、返済不要の給付型奨学金制度が震災後に相次いで創設された。喜ばしい半面、公的制度の使いにくさが背景にあるのではないか。  日本学生支援機構の育英奨学金は原則、返済義務のある「貸与型」だ。無利子枠や返還猶予期間が拡充されたとはいえ、大学4年間で数百万の借金を背負う。卒業後に十分な収入を見込めない場合、重い負担としてのし掛かり、貧困の「連鎖」を招きかねない。  「給付型」を求める声は大きく、昨夏に定めた政府の「子供の貧困対策大綱」でも当初、給付型創設を盛り込むことが検討された。しかし、財源のめどが立たず、見送られた。ある試算によると、成績優秀な学生約6万人に給付する仕組みなら、年間380億円で実現できるという。  昨年12月の衆院選の費用は約600億円。民主主義の必要経費であるには違いない。ただ、子どもたちの苦労を思えば、「無駄遣い」にも見えてくる。(鈴木 久) "[he-forum 18705] 熊本日日新聞4/9","熊本日日新聞 2015年4月9日付 新聞で国際性養う 熊本大で寄付講座開講  熊本日日新聞社の寄付講座「ジャーナリズム論1 九州グローバル化の課題」が8日、熊本市中央区黒髪の熊本大で始まった。全学部対象の教養教育で、7月末までの全15回。  外国人観光客の誘致に注力し始めた県の現状を内外の新聞報道などを基に考察し、グローバルな視野を養う。講義は熊日の井芹道一編集委員(同大客員教授)が担当する。  初回は1年生を中心に120人が受講。同委員は、昨年1年間に九州に入国した外国人が150万人を突破したことを報じる熊日の記事を引用し、「円安やビザ緩和という追い風もあり、熊本の国際化もこの数年で飛躍的に進んだ」と紹介。  生活習慣が異なる外国人との摩擦拡大が懸念されるとして、「コミュニケーションをとる努力や海外の報道にも接することで、多面的な見方を養ってほしい」などと話した。  熊日の寄付講座は2011年に同大と結んだ連携協定に基づく。昨年に引き続き「熊日新聞制作講座」もあり、9月からは「ジャーナリズム論2 地球環境と水俣病」(全15回)を開講する。(松本敦) "[he-forum 18704] 共同通信4/10","共同通信 2015年4月10日15時18分 【留学生獲得へ課題山積】東大合格者の7割が入学辞退 外国人留学生対象コース  主に外国人留学生を対象に、受験も授業も英語で行う東京大教養学部英語コース(PEAK)への合格者の入学辞退率が年々高まり、2014年度合格者(同年10月入学)の7割近くが東大を蹴って外国の有力大に進学したことが3月28日分かった。文部科学省が日本の主要大学の国際化を急ぐ中、最難関大が「滑り止め」にされる現実は、優秀な留学生獲得を目指す世界の大学間競争の厳しさを示しており、関係者は危機感を募らせている。  英語で行われている授業の選択肢が限られており、奨学金制度も欧米の有力大と比べると手薄なことが原因とみる声が学内にはある。東大は奨学金制度の拡充などを急いでいる。  PEAKは12年度開設。国際日本研究と国際環境学の2コースがあり、各コース約15人募集している。12年度は計38人が合格し、27人入学、辞退率は29・0%だった。13年度は49人合格で23人入学、同53・1%。14年度は61人合格で20人入学、同67・2%だった。  14年度はニュージーランドの高校、オークランド・インターナショナル・カレッジの生徒19人がPEAKに合格したが、うち18人は英国のオックスフォード大、ケンブリッジ大、米国のマサチューセッツ工科大(MIT)などに進学。これらの大学は、英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの世界大学ランキングで昨年23位の東大より上位にある。  東大の長谷川寿一(はせがわ・としかず)副学長は、両コース合わせて計約30人の募集人数は「目安」であり定員割れではないと説明。辞退率が上がっても「留学生の質は落ちていない」と強調する一方「今まで東大がさらされたことがない国際競争に入った」との認識を示した。 ◎留学生獲得へ課題山積 資金、英語力が不足   外国人留学生の獲得競争で苦戦している東大が世界のトップ大学として生き残るため、課題が山積している。優秀な学生が東大ではなく欧米の有力大を選ぶ背景には、東大は資金が不足し、英語で教えられる教員が少ないこともありそうだ。  米ハーバード大は「家庭の収入が6万5千ドル(約770万円)以下なら、学費を払う必要がない」とうたう。巨額の寄付が集まり、資金が潤沢な米英の有力大に東大が「気前よさ」で追いつくのは容易ではない。  東大教養学部英語コース(PEAK)合格者を毎年出しているニュージーランドの高校、オークランド・インターナショナル・カレッジは、塾などを経営する鷗州 (おうしゅう) コーポレーション(広島市)の現地子会社が設立。同社の 桑原克己(くわばら・かつみ)社長は、東大全体の英語力の弱さを指摘する。  桑原氏によると、東大ではPEAK以外の学生・教員の英語力が不十分で、意思疎通がうまくいかないことに同高校出身者は不満を抱いている。同高校は自ら問題を発見し解決する能力の育成に重点を置いているため、知識量重視で受験戦争を勝ち抜いた学生が多い東大に物足りなさを感じるという。  あるPEAK担当教授によると、PEAKは東大他学科と比べると施設が貧弱で専任教員も少なく、理系を志しても理学部や工学部に進むことが制度上難しい。同教授は早急に予算を増やすなど抜本的対策を講じなければ「東大の(国際的)評判が下がる」と述べた。 ◎東京大教養学部英語コース   東京大教養学部英語コース 文部科学省が2009年から5年間実施した大学の国際化推進事業に基づき、東大のグローバル化の柱の一つとして12年度から設けられた、英語による授業のみで学位が取れる外国人留学生向けコース。国際日本研究と国際環境学の2専攻を置く。「駒場(教養学部のある地名)での英語プログラム」の英語の頭文字を取りPEAKと呼ばれる。英語の小論文と面接で受験生を選考する東大初のアドミッション・オフィス(AO)入試を行っている。 (共同通信=小熊宏尚) "[he-forum 18712] 河北新報4/13","河北新報 2015年4月13日付 退官記念樹 移植か伐採か当局板挟み 東北大  東北大雨宮キャンパス(仙台市青葉区)の移転計画に絡み、歴代の退職教授が記念植樹した木々の「処遇」に大学当局が頭を痛めている。引っ越し予算は限られているものの、恩師の思い出をむげにもできない。移植すべきか、伐採すべきか。それが問題だ-。  退職記念に植えられた木々は3種計13本ある。入構ゲート近くにあるライラック2本は1983年、教授3人が植えた。これを皮切りに2002年には教授3人がナツツバキ1本を植樹。講堂前に並ぶ10本のハルニレは05年、教授6人が贈った。  いずれも退職教授たちがポケットマネーで費用を工面したという。  雨宮キャンパスに入居する農学部と大学院農学研究科は、16年度中に青葉山新キャンパス(青葉区)へ移転する予定だ。当局が移植費用を見積もったところ、大きな木は1本10万円掛かるなど13本で計113万円を要することが分かった。  全てを移植するには予算が足らず、さりとて全部伐採するのも気が引ける。移植先でのスペース確保も難しく、3種の樹木を1本ずつ移す折衷案が浮上している。東北大は「これから関係機関との協議があり、まだ決定ではないけれど…」。  02年にナツツバキを植えた名誉教授は「新キャンパスに場所を得て木が育ってくれれば喜ばしいが、お金が掛かるなら無理に移植しなくてもいいと思うよ」と話している。 "[he-forum 18711] 中日新聞富山4/2","中日新聞富山版 2015年4月2日付 公立大法人スタート 県立大 銘板除幕セレモニー  県立大が一日、公立大学法人としてのスタートを切った。射水市の大学本部棟正面で銘板の除幕セレモニーがあり、石井隆一知事、理事会などで就任が承認された寺井幹男理事長、石塚勝学長ら関係者約二十五人が出席した。  石井知事は「公立大学法人となるのを機に、教育環境の整備などに理事長や学長にリーダーシップを発揮してもらい、以前にも増して立派な大学になるよう県も支援する」と期待した。  法人化は少子化で激化する大学間競争に打ち勝つ魅力ある大学づくりが狙い。新たに設置する理事会、経営審議会、教育研究審議会が運営に当たる。運営の効率化や魅力ある教育研究に向けた積極的な展開、民間的な発想によるマネジメントなどを進めるとしている。   (武田寛史) "[he-forum 18710] 毎日新聞社説4/11","毎日新聞社説 2015年4月11日付 国旗国歌の要請 大学の判断に任せては  卒業式や入学式で日の丸掲揚、君が代斉唱をしない国立大学に対し、文部科学省は「適切な対応」を要請するという。  だが、要請が大学にとっては圧力と転じ、ひいては自由な教育・研究の土台である「大学の自治」に影を投じかねない。  発端は9日の参院予算委員会。次世代の党の松沢成文氏が「国立大の入学式、卒業式に国旗・国歌があるのはむしろ当然の姿」などと述べ、安倍晋三首相に感想を問うた。  首相は「今委員がおっしゃったように、税金によって賄われているということに鑑みれば、いわば新教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきではないか」と答えた。下村博文文科相は「各大学で適切な対応がとられるよう要請してまいりたい」とした。  小中高校の具体的な教育指針である学習指導要領では、掲揚・斉唱が定まっているが、大学には指導要領はなく、規定もない。  大学は教育・研究内容だけでなく、学内の運営全般にわたって「自治」が大原則であり、自主的な決定に委ねられる。それが根本的理念である「学問の自由」の支えでもある。  「税金で賄われている」から掲揚・斉唱すべきだという観点にも疑問がある。  国立大は、政府の一律的な見解や制度に服すための機関ではない。何の分野にせよ、税金が使われているのだから従うべきだという発想は、状況を息苦しいものにし、活気ある自主性を損ねかねない。  日の丸、君が代は多くの国民に親しまれている。だが、国民が押しつけを是としているわけではない。  文科相は10日の記者会見で、大学への要請について「権限によるのではなく、お願い」とし、これに応じるかどうかは、あくまで「各大学の判断」と説明した。  しかし、どの世界であれ、所管官庁の要請はしばしば圧力に転化する。例えば、厳しい財政下、文科省は国立大改革と競争力強化の一環として、積極的に取り組む大学へ運営費交付金を重点配分するなどの方針を打ち出している。  むろんそれと国旗国歌問題とは無関係のはずだが、こうした状況の中で出される要請は大学にとって、負荷になりはしないか。  国民の間にある日の丸・君が代への親しみにもそれはそぐうまい。  もし、意に沿わないながらも「要請」を受け入れた場合、次の要請も続く可能性はある。  判断や決定は大学の自主性に委ね、「要請」は見送るべきだ。  場合によっては、国立大側の腰を据えた意思表明も必要だろう。 "[he-forum 18709] 高知新聞社説4/12","高知新聞社説 2015年4月12日付 【国旗国歌要請】大学の自主性に委ねよ  下村博文文部科学相が、国立大学に対し入学式や卒業式での国旗掲揚、国歌斉唱を「要請する」考えがあることを示した。  参院予算委員会で安倍晋三首相が、「税金によって(運営が)賄われていることに鑑みれば、教育基本法の方針にのっとって、正しく実施されるべきではないか」と答弁したことに関連し記者会見で明らかにした。政治が、大学の式典の中身にまで口を挟むのは問題があると言わざるを得ない。  小中高校では学習指導要領に国旗掲揚、国歌斉唱の規定があるが、大学にはそうしたものがない。下村文科相も認め、会見で「お願いであり、する、しないは各大学の判断」と明言している。当然の考え方である。  政治権力などの干渉を受けず、全構成員の意思に基づいて教育研究や管理に当たる「大学の自治」は、憲法が保障する「学問の自由」に不可欠な制度とされている。2006年改正の教育基本法でも、それまでなかった大学の条文が設けられ、「自主性、自律性その他の大学における教育?及(およ)び研究の特性が尊重されなければならない」としている。  現に文科省によると、全国86の国立大学のうち、今春の卒業式で74大学が国旗を掲揚し、14大学が国歌を斉唱した。高知大は掲揚し、斉唱はしていない。いずれも各大学の判断であり、今後も自主性に委ねるべきである。  国が「お願い」だと主張しても、いまの国立大学は「圧力」と受け止めかねない状況にある。  04年の法人化以降、国は教育研究の基盤である運営費交付金を年々縮小し、競争原理を導入してきた。国立大学協会の集計によると、運営費交付金(予算額)は11年間で10・4%削減され、競争的資金を含めても4・7%減った。兵糧攻めへの恐怖は大きい。  影響は国立大学にとどまらないだろう。公立・私立大学もほとんどが、交付税や助成金の形で実質的に国から支援を受けている。「税金によって賄われ」、少子化に伴い経営が厳しい状況に違いはない。圧力として拡大する懸念がある。  下村文科相は会見で圧力を否定し、「強要ではない」と強調した。しかし、集団的自衛権行使容認をはじめ、安倍政権に見られる強引な政策展開からは不安は募る。注視し続ける必要がある。 "[he-forum 18708] 東京新聞夕刊4/11","東京新聞 2015年4月11日付夕刊 「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」 学長あいさつ 広がる波紋  「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」。信州大(長野県松本市)の山沢清人学長(70)が四日、入学式のあいさつで新入生に問い掛けた。スマートフォンの使用を禁じるかのような大胆な発言にさまざまな意見がインターネットに書き込まれ、他の大学学長も持論を披露。反響が広がっている。 ▽賛否両論  式典で山沢学長は、創造性を育てるには時間的、心理的なゆとりが大切だと力説。「(スマホの)スイッチを切って本を読み、友達と話し、自分で考えることを習慣づけよう」と訴えた。  ネット上には「時代錯誤」との批判から「よく言った」という賛同まで、意見があふれた。奈良県立医大(同県橿原(かしはら)市)の細井裕司学長(66)は八日の入学式で発言を引用。考え方は理解できるとした上で「スマホをやめろとは言わない。道具なので欠点を知って使いこなして」と述べた。  信州大は反響の大きさに戸惑う。広報担当者は山沢学長への取材を断り「大学のホームページで全文を読めば真意が伝わる」と説明。学長も大学も使用を制限する考えはないとする。 ▽94・9%所有  約二千人の新入生はどう感じたのか。経済学部の男子学生(19)は「高校では授業中もスマホでゲームをしてばかりの友人がいて心配だった。学長は極論を言わないと伝わらないと考えたのでは」と理解を示す。  一方、教育学部の女子学生(18)は「ツイッターでサークルの情報を知ったり自炊でレシピを調べたり。なくなると困る」と話す。スマホを持っていない人文学部の男子学生(18)も「世の流れに逆らってきたが知らないところで交流があり、置いていかれていると感じる。考え直すべきなのかな」とぽつり。  就職情報会社「マイナビ」によると、同社のアンケートに答えた来年卒業予定の大学生、大学院生のスマホ所有率は94・9%に上る。 ▽授業に活用も  スマホを積極活用している大学もある。神奈川工科大(神奈川県厚木市)は、学生証代わりになるアプリを導入。授業の出席率の確認や体組成計と連動した体調管理もでき、大半の学生がスマホに入れている。  貝瀬亘(かいせわたる)事務システム課長(50)は「スマホをどう使うかは各自が判断すべきだ」と指摘。ただ「食事中でも手放せない学生や、ゲームに夢中な自分の子どもを見ると気になる」とも言う。  群馬大(前橋市)の小谷英生准教授(34)=倫理学=は授業中、辞書にない哲学用語をスマホで調べさせることがある。「使い道は人それぞれ。スマホ自体を問題視しても仕方ない」と話した。 "[he-forum 18713] NHKニュース4/15","NHKニュース 2015年4月15日4時01分 国立大学を3分類化 交付金見直しへ  政府は、ことし夏に取りまとめる成長戦略に、全国各地にある国立大学について、卓越した教育や研究を推進する大学、地域のニーズに応える人材育成を推進する大学など3つに分類し、運営費交付金の配分方法を見直すことなどを盛り込む方向で調整に入りました。  政府は、ことし夏に新たな成長戦略を取りまとめることにしており、「日本を『世界で最もイノベーション・技術革新に適した国』にするには、全国に配置された国立大学の『知の創出機能』を最大化することが鍵だ」として、国立大学の改革を盛り込む方向で調整に入りました。  具体的には、▽世界トップの大学と肩を並べて卓越した教育や研究を推進する大学、▽分野ごとのすぐれた教育や研究の拠点となる大学、それに▽地域のニーズに応える人材育成や研究を推進する大学など、各地にある国立大学を3つに分類するとしています。  そして、規模などに応じて国立大学に配分していて、毎年度合わせておよそ1兆1000億円となっている運営費交付金について、来年度からメリハリを付けるとしています。  また各大学に自己改革を促すため、学長の裁量で決められる経費を設けることも盛り込む方針です。  政府は、15日開く産業競争力会議の課題別会合で議論し、今後、具体化に向けた検討を進めることにしています。 "[he-forum 18714] 中日新聞岐阜4/14","中日新聞岐阜版 2015年4月14日付 印工科大と共同学位 岐阜大大学院の2研究科で  岐阜大(岐阜市柳戸)は、インド北東部アッサム州にあるインド工科大グワハティ校と協力し、大学院の修士や博士課程を修了したことを示す学位を、共同で学生に与える制度を導入する。共通の履修課程をつくり、学生の留学を容易にする。二~三年後の導入を目指す。  岐阜大の大学院のうち、工学研究科と応用生物科学研究科に制度を設ける。具体的には、食品や生命工学、エネルギー工学などの分野を想定している。  インド側との間で共通履修課程を設けることで、留学した学生の修了時期が遅れることはなくなる。この過程を修了した学生に、両大学が連名で学位を与える。岐阜大の森脇久隆学長は「二〇二〇年ごろには、最初の修了生を送り出したい」と意気込む。  岐阜大とインド工科大グワハティ校はかねて、一部の研究者が共同研究するなど、交流があった。昨年四月には岐阜大工学部が、学生の相互留学など、交流を促進する協定を結んでいる。新たな制度導入で、交流は大学院レベルまで広がる。  岐阜大は今月、海外の大学との共同学位の導入など、国際戦略を進める学内組織「グローカル推進本部」を発足させている。留学生の現状は、派遣が年八十人、受け入れが三百人ほど。岐阜大はいずれも倍増させたい考えだ。 (大島康介) "[he-forum 18715] 東京新聞社説4/17","東京新聞社説 2015年4月17日付 大学と国旗国歌 自主自律の気概こそ  国立大学の卒業式や入学式で日の丸掲揚、君が代斉唱を求める安倍政権の動きは、大学の自治を脅かす圧力になりかねない。統制を強めるほど、教育研究は色あせ、学問の発展は望めなくなる。  事の発端は、安倍晋三首相の国会答弁だ。先週の参院予算委員会で、国立大での国旗掲揚や国歌斉唱について「税金で賄われていることに鑑みれば、教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきではないか」と述べた。  下村博文文部科学相はこれを受け、学長らに要請する考えを示した。もっとも、職務権限はないから「お願い」するという。法令の裏付けを欠く口出しは控えるべきだろう。  大学の自治は、憲法が定める学問の自由を守る砦(とりで)である。教育研究はもちろん、人事や予算、施設管理といった学内の運営に対する外野からの干渉は許されない。だからこそ、九年前の教育基本法の改正では、大学の自主性、自律性の尊重を義務付ける条文が盛り込まれたのではなかったか。  安倍首相の念頭には、基本法がうたう国と郷土を愛する態度を養うという目標があったのかもしれないが、国旗掲揚や国歌斉唱の形式を強いたところで、愛情が育まれるとも思われない。  法的拘束力があるとされる小中高校の学習指導要領には掲揚や斉唱を実施する決まりがあるが、それが招いた教育現場の混乱はいまだに尾を引いている。  二〇〇四年の園遊会での一幕があらためて思い出される。  東京都教育委員だった棋士の故米長邦雄氏が「日本中の学校で国旗を揚げ、国歌を斉唱させるのが、私の仕事です」と語ると、天皇陛下は「やはり強制になるということでないことが望ましいと思います」と返されたのだった。  文科省によれば、八十六の国立大のうち、今春の卒業式では七十四校が日の丸を掲揚し、十四校は君が代を斉唱した。それぞれの大学の自主的、自律的な判断の結果で、多寡は問題ではあるまい。  少子化も進み、大学の経営環境は厳しい。国立大は法人化されてからも、国からの交付金に頼らざるを得ず、国にとってはグローバル化や競争力強化といった注文を付けやすくなっている。  それよりも、大学は世界の平和と人類の福祉に貢献するという原点を忘れないでもらいたい。真理を探究し、新しい価値を創造する。日本の未来のためにも、自治の精神を貫く気概を持つべきだ。 "[he-forum 18717] 日本経済新聞4/16","日本経済新聞 2015年4月16日付 国立大改革、急げ 首相が産業競争力会議で指示  安倍晋三首相は15日、首相官邸で開いた産業競争力会議で「これまでの国立大学は特長に応じたミッション(使命)設定が不明確だった」と述べ、国立大改革を急ぐよう指示した。成果によって交付金に差が出る仕組みの導入などを検討する。  下村博文文部科学相が同日示した改革の方向性では、各大学が「地域ニーズに応える」「世界と競争する」「特定分野で強みを出す」の3つの使命から目指す姿を選ぶ。  目標の内容や成果を国が評価して交付金額を決め、自ら改革を進める大学を重点的に支援する。夏までに具体策を盛り込んだ「国立大学経営力戦略」をとりまとめる。  同日の会議ではサービス産業の生産性をIT(情報技術)などを活用して高める「サービス産業チャレンジプログラム」を承認した。 "[he-forum 18716] 信濃毎日新聞4/17","信濃毎日新聞社説 2015年4月17日付 信大の研究規範 平和目的の再確認を  信州大が軍事技術の研究の扱いについて統一見解をまとめ、行動規範に明記する方針を決めた。担当理事は「基本的には平和目的の研究に限っていく方向」と説明している。  先の大戦で日本の大学や研究機関は兵器開発に深く関わった。戦後70年。戦争に加担した反省が風化しているとの指摘もある。歴史を振り返り、研究の原点を再確認する議論を幅広く進めてほしい。  統一見解を検討する背景には、軍事強化に傾斜する安倍晋三政権の安全保障政策がある。  一昨年12月に閣議決定した新防衛大綱では防衛技術について「大学や研究機関との連携の充実」をうたっている。防衛省は本年度、最先端技術を効率的に取り込むため、軍事に応用できる技術の有望な提案をした大学などに研究開発費を配分する基金を創設した。  大学の軍事研究に反対する学者グループの調査によると、防衛省技術研究本部と大学・研究機関との間で結ばれた共同研究は5年前から増え始めた。昨年はレーザー計測や無人航空機技術など7件が確認されている。  基金創設で大学の軍事研究が加速する素地がある。一つは国立大学が2004年度に法人化されたのを機に国の交付金が削られ、研究費の確保に苦しんでいることだ。基金はこれまで軍事研究への協力に消極的だった大学への呼び水にする思惑が透ける。  もう一つは昨年12月に施行された特定秘密保護法。「防衛力の整備に関する研究」は秘密指定の対象だ。指定されれば、国民に知られず研究できる。  昨春、事実上の武器禁輸政策を撤廃し、幅広く輸出を認める新たなルールが閣議決定された。大学の協力によって開発された技術が紛争国に流出する恐れがあることも指摘される。  過ちを繰り返してはならない。終戦間もない1950年、日本を代表する科学者の機関、日本学術会議は「戦争を目的とする科学の研究には絶対に従わない」決意を表明。米軍による研究者などへの研究費援助が発覚した後の67年にも「軍事目的のための科学研究を行わない」声明を出している。  信大もこの声明を研究の基本方針としてきた。その姿勢は新たな見解でも貫いてもらいたい。  科学者は真理の探究をもって自らの使命とし、その成果が人類の福祉増進のために役立つことを強く願望する―。67年の声明にある言葉を研究者一人一人があらためてかみしめてほしい。 "[he-forum 18721] 信濃毎日新聞4/17","信濃毎日新聞 2015年4月17日付 養護施設の子どもら、奨学生募集 県が本年度新設 返済不要  県は16日、県内の児童養護施設の子どもらの大学や短大などへの進学を支援するために本年度新設した「飛び立て若者!奨学金」の奨学生募集を始めた。奨学生には返済不要の奨学金月5万円が支給される。初年度は10人程度を5月8日まで募る。児童福祉関係者や学識経験者らでつくる選考委員会が5月中旬までに奨学生を選考する。  対象は、16~18歳の時に県内の児童養護施設で暮らしたり、里親の元で育てられたりした人で、今春に大学や短大、専門学校などに進学した学生。進学して学びたいことや将来の抱負を書いた申請書類を提出する。  奨学金は、上田市で創業し、全国でビジネスホテルなどを経営する「ルートインジャパン」とルートイングループの永山勝利代表が県に原資の寄付を申し出たのをきっかけに制度化された。奨学金は全額、この寄付で賄う予定で、2025年度まで毎年度10人程度の奨学生を選ぶ。寄付総額は2億円に上る見通し。  問い合わせは県私学・高等教育課(電話026・235・7285)へ。 "[he-forum 18720] 北海道新聞社説4/16","北海道新聞社説 2015年4月16日付 国立大に日の丸 押しつけはやめるべき  大学の役割はますます国際的に開かれたものになりつつある。  海外の大学と共同研究を進め、留学生を交換し、優秀な海外研究者を教授陣に迎える。その動きが活発化している。  文部科学省が、私大も含めて37校をスーパーグローバル大学に指定したのも記憶に新しい。  その最中である。安倍晋三首相が国立大学の入学式、卒業式で日の丸掲揚や君が代斉唱を行うべきだと参院予算委員会で述べた。  キャンパスで伝統的に培われてきた自治や自立、自主性を尊重することが大学の個性を生む。それが世界からの評価につながる。  大学をナショナリズム色の強い安倍カラーに染めあげては、国際化も世界に通じる人材の育成も危うい。押しつけはやめるべきだ。  「国立大学は税金で賄われている。それに鑑みれば教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきだ」。これが安倍首相が掲げた論拠だ。  下村博文文科相も記者会見で「国立大の学長が参加する会議で要請することを検討している」と同調した。  国がカネを出しているのだから、国立大学は政府の考えに従うのが筋―。そう言いたいのだとしたら、あまりに了見が狭い。  研究や学問はそもそも国という枠にとらわれるものではない。言うまでもないが、その目的は広く世界の科学や技術、社会の発展に寄与するところに置かれている。  各国が大学の運営や研究に税金を投じるのは、そうした理念の後押しのためであって、自国への貢献のみを求めてではない。  「国家」ばかり強調すると、研究自体がゆがんでしまわないか。  小中高校では学習指導要領に日の丸君が代に関する定めがあるものの、大学には規定がない。だから下村文科相は「強要するものではない」と自主性を重んじる物言いだ。しかし、本当か。  国が運営費交付金の重点配分を通じて大学を選別する方針を打ち出している。だからこそ、額面通りには受け取れないのだ。  教育の要諦は懐の深さにある。幅広い人材を生むには鷹揚(おうよう)さが欠かせない。  なのに政府はいま、最高学府に対しても、たがをはめつつ、国内外の大学同士を徹底的に競わせようとしているようにみえる。  競争至上主義の導入といい、今回の「国旗国歌」といい、大学が持ってきた自由闊達(かったつ)な空気を失わせないか。それを危惧する。 "[he-forum 18719] 読売新聞社説4/16","読売新聞社説 2015年4月16日付 大学の国旗国歌 要請で自治が脅かされるのか  入学式や卒業式で、国旗を掲げ、国歌を斉唱する。それは、自然な振る舞いではないか。  安倍首相が先週の参院予算委員会で、国立大学での国旗掲揚や国歌斉唱について、「教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきだ」との考えを示した。  下村文部科学相も記者会見で、「適切な対応が取られるよう、国立大学の学長が参加する会議などにおいて、要請することを検討している」と述べた。  教育基本法は、国と郷土を愛する態度の涵養かんようを教育目標に掲げる。小中高校の学習指導要領では、国旗掲揚や国歌斉唱を指導するよう定めている。  大学には、指導要領のような規定はないとはいえ、国旗・国歌が国民の間で広く定着している状況を考えれば、式典で掲揚や斉唱を促すのは妥当と言えよう。  無論、憲法が保障している「学問の自由」と、それを支える「大学の自治」の原則は、尊重されなければならない。  下村文科相が「(掲揚や斉唱を)するかしないかは各大学の判断であり、強要ではない」と強調したのは、そのためだ。  文科省によると、86の国立大学のうち、先月の卒業式で国旗を掲揚したのは74校、国歌を斉唱したのは14校だったという。  疑問なのは、今回の要請方針に対し、「大学の自治を脅かしかねない」といった批判が出ていることだ。強制力のない「お願い」によって簡単に揺らぐほど、大学の自治はもろいのだろうか。  要請をきっかけにして、大学における自由な研究活動が妨げられるとも思われない。  国立大学の運営が税金で賄われていると指摘し、適切な対応を求めた首相の発言をとらえ、大学への圧力と受け止める声が上がっているのも理解に苦しむ。  「国旗を掲揚しなければ、国からの交付金が減らされるかもしれない」と大学が萎縮することを心配しているようだ。だが、予算配分は大学の規模や機能強化の取り組みに応じて決められる。国旗・国歌の扱いとは無関係である。  自国や他国の国旗・国歌に敬意を表すのは、国際社会における常識であり、当然のマナーだ。  政府がそうした教育を求めるたびに、あたかも統制強化のごとくとらえる議論が起きるのは、世界でも日本だけだろう。  国際常識を身に付けた人材を育成する観点からも、各国立大学の良識に期待したい。 "[he-forum 18718] 信濃毎日新聞社説4/16","信濃毎日新聞社説 2016年4月16日付 大学に国旗国歌 「法にのっとる」のなら  大学の自治を軽んじる動きが続いている。  教授会の話し合いを制限し、学長主導の大学運営を強化する改正学校教育法が今月施行された。今度は、国立大の入学式や卒業式での国旗掲揚と国歌斉唱の「要請」だ。大学の統制は、憲法で保障された「学問の自由」を侵害しかねない。  国立大の国旗国歌について、先日の参院予算員会で次世代の党の議員が「実施が不十分だ」と指摘した。安倍晋三首相はこれに賛同するように「税金によって(運営が)賄われていることに鑑みれば、新教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきではないか」と答えた。  その翌日には下村博文文部科学相が記者会見で「適切な対応が取られるように、学長が参加する会議で要請することを検討している」と述べている。  首相が挙げた教育基本法の方針とは、第1次政権で改正して盛り込んだ「我が国と郷土を愛する」という教育目標を指すのだろうが、国旗、国歌に関する規定があるわけではない。  小中高校では学習指導要領に定められているが、大学には指導要領がなく、法令的な根拠は何もない。それを「正しく実施」とか「適切な対応」と言うこと自体に矛盾がある。  下村氏はこう付け加えた。「お願いであり、するかしないかは各大学の判断。強要ではない」。空々しい言葉だ。  1999年に国旗国歌法が成立した時、政府は「強制するものではない」としていた。にもかかわらず文科省は小中高校の現場での指導徹底を求め、実施率も調査した。事実上の強制だ。今春の国立大卒業式でも実施状況を調査し、全86校のうち国旗掲揚は74校、国歌斉唱は14校と明らかにした。  国立大は収入の多くを国の交付金に頼っている。それを差配するのは文科省だ。「お願い」であっても大学には圧力になる。調査までされればなおさらだ。  戦前には、大学の研究内容に国家が介入した。例えば滝川事件では京都帝大教授が自由主義的との理由で文相に辞職に追い込まれた。学問の自由が妨げられた反省に立って大学自治の仕組みがつくられたことを忘れてはならない。  大学は深く真理を探究する場である。教育基本法もそううたう。続けて「大学については、自主性、自律性が尊重されなければならない」と定めている。法にのっとって、と言うなら、政権の介入こそ慎まなければならない。 "[he-forum 18722] 読売新聞4/18","読売新聞 2015年4月18日 東大、「国際卓越大学院」設置へ…新学長が方針  今月就任した東京大学の五神ごのかみ真まこと新学長が17日、記者会見し、国際的に通用する人材を育成する「国際卓越大学院」を設置する方針を示した。  国際卓越大学院は修士課程2年と博士課程3年の計5年間の一貫教育で運営する。物理や化学、生命科学など日本が強い分野を土台に、新たな学問領域を切り開いていく研究・教育の拠点とする。任期の6年間中に設置する意向だ。  会見で五神学長は「海外有力大との競争も大切だが、欧米大学のモデルを追求するだけでは不十分。日本の強みを戦略的に活用し、世界中から優秀な教員、研究者、学生を引きつけ、活躍できる大学にしていきたい」と述べた。 "[he-forum 18723] しんぶん赤旗4/21","しんぶん赤旗 2015年4月21日(火) 大学研究低迷 打破へ 田村智子氏「交付金増が必要」  日本共産党の田村智子議員は16日の参院文教科学委員会で、国立大学の学術研究が低迷している要因に運営費交付金の削減があると主張し、増額を求めました。  学術研究の成果である論文の数および論文引用度の国際比較をみると、引用トップ1%の論文数でみた日本のランクは、2002年の4位から12年は 8位に落ちています。この要因について川上伸昭科学技術・学術政策局長は「大学の研究開発費の伸びが主要国と比べて低いことも考えられる」と答えました。  田村氏は「国立大学に対する運営費交付金が10年間で1割以上も削減された。これが低迷の要因ではないか」とただしました。下村博文文科相は「削減だけが要因ではないが、学術研究環境整備は重要だ」と述べました。  田村氏は、政府が重視してきた競争的資金について、短期間の研究資金にしかならず、資金獲得のための事務が研究時間を圧迫していることや若手研究 者の不安定雇用を急増させていることを示し、「運営費交付金を削ったままでは国立大学は学術研究の低迷から抜け出すことはできない。増額すべきだ」と強調 しました。  下村氏は「競争的研究費の改革も両方進めることにより必要な予算の確保に努める」と答弁しました。= "[he-forum 18724] しんぶん赤旗4/22","しんぶん赤旗 2015年4月22日(水) “文系つぶし”強制やめよ 田村議員  「国立大再編」を批判  日本共産党の田村智子議員は21日の参院文教科学委員会で、政府が進める「国立大学の再編」は、人文系・教員養成の学部・学科を縮小・廃止するものだと追及しました。  文科省は、国立大学を世界トップ大学と伍(ご)して卓越した教育研究を行うなど3類型に再編して、運営費交付金などで重点支援を行う方針を打ち出しています。  田村氏は、下村博文文科相が産業競争力会議で、「国立大学経営戦略」策定を打ち出したことに言及。国立大学法人評価委員会がまとめた「視点」で は、教員養成・人文社会科学系について「組織廃止」も打ち出していることをあげ、「国策に沿った産業振興のために、大学や分野を国が選別し、予算を重点化 するのと一体に教員養成・人文社会科学系を縮小・廃止するものだ」と批判しました。  吉田大輔高等教育局長は、「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に取り組むべきとしている」と“文系つぶし”につながることを認めました。  田村氏は、日本学術会議の提言で「(人文科学の研究は)人間と社会のあり方を相対化し批判的に考察する」と人文系の役割を重視していることを紹 介。「豊かな教養や高度な専門知識をどれだけ国民の中につちかうのかということが日本社会の発展にとってきわめて重要だ。学部再編や廃止を政府が大学に突 きつけることはあってはならない」と求めました。  下村文科相は「人文系の今日的意義は重要」としながらも「時代のニーズに対応した自己改革について適切に判断していただきたい」と答え、「大学再編」を進めていく考えを強調しました。= "[he-forum 18726] 読売新聞","読売新聞 2015年04月17日 退職金減額で都留文大敗訴  ◆東京地裁立川支部 元教授らの主張支持  大学の運営が都留市から公立大学法人に移管されたのに、市の 条例に準じて一方的に退職金を減額されたのは不当だとして、都留文科大(都留市)の元教授ら6人が減額分計約453万円と慰謝料計330万円の支払いを求 めた訴訟で、東京地裁立川支部(中山直子裁判長)は16日、減額分の全額と、慰謝料計18万円の支払いを同大に命じる判決を言い渡した。  判決によると、6人は2013年3月31日に同大を定年や自己 都合で退職したが、大学側はその2日前の29日に退職金を減額する規定改正を施行した。中山裁判長は、同大が適用した減額の規定について、労働基準法など に基づく意見聴取などの手続きをしないまま一方的に改正されたと認定し、「法的根拠を欠き、違法である」と指摘した。  また、規定改正の施行日に関する労使の十分な協議がなかったことや、減額の通知が施行の2週間前だったことを挙げて、「意思決定の自由を侵害し、精神的苦痛を与えた」として、慰謝料の支払いも命じた。  判決後、東京都立川市内で記者会見した原告の1人、後藤道夫・同大名誉教授(67)は「私たちの主張がほぼ認められ、喜んでいる」と話した。一方、同大の担当者は「判決をまだ見ていないので詳細が分からない」とした。 2015年04月17日 Copyright ? The Yomiuri Shimbun "[he-forum 18725] NHKNews4/16","NHKNews 04月16日 19時18分 退職金訴訟 減額分支払命じる 山梨県都留市の都留文科大学に勤めていた教授らが、大学の運営が都留市から大学法人に移ったあと、 大学が市の条例を適用して退職金を減額したのは不当だとして、減額分の支払いを求めていた裁判で、東京地方裁判所立川支部は大学側に減額分を支払うよう命 じる判決を言い渡しました。 この裁判では、都留文科大学に勤めていた大学教授ら6人が、6年前に大学の運営が都留市から公立大学法人に移っていた にも関わらず、おととし、大学側が都留市の条例を適用して、退職金を減額したのは不当だとして、大学に対し減額分などおよそ770万円を支払うよう求めて いました。 16日の判決で東京地方裁判所立川支部は「すでに労働契約をしていない状態の都留市の条例を準用することは不合理で、労使の間で合意が あったとは認められない」と指摘し、大学に対して原告6人に退職金の減額分、合わせて450万円あまりを支払うよう命じる判決を言い渡しました。 これについて都留文科大学は「判決文を精査して対応を考えたい」と話しています。 "[he-forum 18727] 朝日新聞4/22","朝日新聞 2015年4月22日05時07分 学生の知識不足を悪用 ブラックバイト、対策は 平井恵美、末崎毅 編集委員・沢路毅彦 ?  幅広い業種に広がっているとされる「ブラックバイト」。正社員と同じように労働基準法などで保護されているが、学生らの知識不足に企業側がつけ込んでいる面もある。貧しくてバイト収入に頼らざるを得ず、厳しい状況を黙って受け入れる学生すらいる。 ? それブラックバイトじゃない? 長時間労働・自爆営業…  飲食チェーンで調理担当だった神奈川県の女子大学生(19)は、休憩がないまま1日10時間以上働かされたこともあったという。スケジュール帳は「正午から午後10時まで」といった勤務予定で埋まる。社員の店長は不在がちで、店はバイト任せ。「人手不足で無理やり勤務が入り、年末年始も働かされた」  疲れて授業に集中できない時もある。バイト仲間に迷惑をかけたくなくて我慢してきたが、今年2月に「労働環境が改善しない限り出勤しない」と店長に伝え、別のバイトに移った。飲食チェーン側は「バイトに長時間労働などの問題が起きないよう、社員には指導している」という。  ブラックバイトを最初に問題視したとされる中京大学の大内裕和教授(教育社会学)は、こうした例は珍しくないと指摘。バイト優先でゼミ合宿に参加できなかったり、授業や試験を休んだりする学生が多いのに気づき、2013年に調べ始めた。長時間労働、ノルマを課す「自爆営業」が横行していたという。  労働組合やNPO法人には、学生に対策を伝授する動きもある。  「(契約や面接時に)コピーやメモ、録音など記録をしっかり取ることが、身を守ることになる」  首都圏青年ユニオンなどは3月末、明治大学での説明会で呼びかけた。給料が働いた時間より少ない事例などを紹介。ブラック企業被害対策弁護団代表の佐々木亮弁護士が、労基法などに違反する可能性もあることを解説していた。  高校生に労働のルールを教えるNPOもある。「『自爆』したことがある人は?」。昨年12月、横浜市の神奈川県立 田奈高校で、若者の労働相談に取り組む「POSSE(ポッセ)」(東京)が2年生に出張授業をした。講師役の大学生がたずねると、男子は「友達がコンビニ でおでんを無理やり買わされた」。女子は「私がやった証拠がないのに、レジ打ちを間違えたからと給料から1万円引かれた」と答えた。  講師は、飲食チェーンのバイトで制服代5500円を給与から引かれたが、会社負担を求め、認められた経験を話した。「強要されても簡単に応じない。録音やメモがあれば後からでも請求できる」  同高では親の経済的な事情などから、生徒の7~8割がバイトをしている。授業を依頼した吉田美穂教諭は「生徒は弱い立場につけ込まれないよう、働く際の基本的なルールを学んで欲しい」と話す。(平井恵美、末崎毅) ■家計苦しくバイト頼み  ブラックバイトが広がる背景には、学生の経済状況の厳しさがある。  宮城県の私立大3年の女性は、衣料品チェーン店で働いていた際、試験前でも休みがとりにくく、熱が出ても上司に「インフルエンザじゃないなら出て」と言われたという。シングルマザーで保育士の母親の月収は13万円ほどで、奨学金とバイトが頼りだ。いまは別のバイトに変えた女性は「あと2年は歯を食いしばるしかない」。  大学の授業料が高くなる一方、親の収入は減り、学生が自由に使えるお金は減っている。東京地区私立大学教職員組合連合が昨年、首都圏の私立大学の新入生を調べたところ、親元を離れた下宿生の生活費は1日あたり897円。2千円超だった1990年代の半分以下だ。  このため、奨学金の利用は90年代末から増えている。2012年の日本学生支援機構(旧日本育英会)の調べでは、大学生(昼間)の52・5%に達する。  ところが、その奨学金も十分ではない。最も代表的な支援機構の奨学金は、返済なしの「給付型」ではなく、「貸与型」。しかも有利子が中心だ。毎月10万円を4年間借りたら、卒業時の返還総額が600万円を超えることもある。  大内教授は「いまの奨学金は学生向けの金融事業であり、『貧困ビジネス』。制度に不備があり、学生はバイトせざるを得ない。もっと給付型を増やすべきだ」という。(編集委員・沢路毅彦) "[he-forum 18728] しんぶん赤旗4/22","しんぶん赤旗 2015年4月22日付 “文系つぶし”強制やめよ 田村議員  「国立大再編」を批判  日本共産党の田村智子議員は21日の参院文教科学委員会で、政府が進める「国立大学の再編」は、人文系・教員養成の学部・学科を縮小・廃止するものだと追及しました。  文科省は、国立大学を世界トップ大学と伍(ご)して卓越した教育研究を行うなど3類型に再編して、運営費交付金などで重点支援を行う方針を打ち出しています。  田村氏は、下村博文文科相が産業競争力会議で、「国立大学経営戦略」策定を打ち出したことに言及。国立大学法人評価委員会がまとめた「視点」では、教員養成・人文社会科学系について「組織廃止」も打ち出していることをあげ、「国策に沿った産業振興のために、大学や分野を国が選別し、予算を重点化するのと一体に教員養成・人文社会科学系を縮小・廃止するものだ」と批判しました。  吉田大輔高等教育局長は、「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に取り組むべきとしている」と“文系つぶし”につながることを認めました。  田村氏は、日本学術会議の提言で「(人文科学の研究は)人間と社会のあり方を相対化し批判的に考察する」と人文系の役割を重視していることを紹介。「豊かな教養や高度な専門知識をどれだけ国民の中につちかうのかということが日本社会の発展にとってきわめて重要だ。学部再編や廃止を政府が大学に突きつけることはあってはならない」と求めました。  下村文科相は「人文系の今日的意義は重要」としながらも「時代のニーズに対応した自己改革について適切に判断していただきたい」と答え、「大学再編」を進めていく考えを強調しました。 "[he-forum 18729] 中日新聞静岡4/26","中日新聞静岡版 2015年4月26日付 浜医大、学長候補を初公募 ◆教員の事前投票は廃止  浜松医科大(浜松市東区)は二十七日、来年四月に就任する次期学長の候補者の公募を始める。同大で学外から候補者を募るのは初めて。教員による事前の「意向投票」は今回から廃止する。  六月十二日まで公募し、学内から推薦された候補者を含めて「優れたマネジメント能力と強いリーダーシップ」などを基準に選考。同大の経営協議会と教育研究評議会で選出された学内外の有識者十人でつくる学長選考会議で、九月に次期学長を決める。  国立大学法人法は、学長は学長選考会議で決めると定めているが、多くの国公立大では事前に教員らの投票を実施し、その結果が選考会議で一定程度尊重されてきた。  浜松医科大でも、前回の学長選考まで教授らの投票を実施していた。廃止について、同大広報室は「教授、准教授が参加する候補者への公開ヒアリングが意向投票の代わりになる」としている。 ◆教授会弱体化 懸念も  意向投票の廃止は、教授会の力を弱め学長の権限を強化する文科省の大学改革の一環で、静岡県内の国公立大で投票を実施するのは静岡大のみとなった。  四月に施行された改正国立大学法人法は、従来「重要な事項を審議する」と位置付けられていた教授会の役割を限定。「教育研究に関する事項を審議し、学長らの求めで意見を述べることができる」と諮問的な機関に“格下げ”した。  「改革の阻害要因」との指摘もある教授会の力を弱め、学長のリーダーシップで社会の変化に素早く対応する狙いだが、「大学の自治の伝統を損なう」との懸念もある。  法改正に併せ、文科省は「いわゆる意向投票が禁止されるものではないが、学内の意見に偏る学長の選考方法は適切でない」と各大学に通知。  県内では、県立大で教員らが従来非公式に実施してきた投票を四月に就任した現学長の選考では取りやめた。静岡文化芸術大は二〇〇〇年の開学以来、実施していない。浜松医科大のある教員は「批判票を含め、意見を表明する貴重な機会だった。現場の意見が吸い上げられなくなるのではないか」と不安を漏らした。 "[he-forum 18733] 朝日新聞秋田4/28","朝日新聞秋田版 2015年4月28日付 医療機器開発へ、医工連携コース 秋田大学大学院  秋田大は27日、医療現場のニーズに応じた医療機器を開発しようと、大学院に「医理工連携コース」を新設した。「医学と理工学の両方の言葉を理解できる人材を育成する」としている。  同大によると、医療機器の世界市場は高齢化や新興国の医療需要拡大で急速に拡大しているが、国内の医療機器市場は輸入超過が続く。一方、医療機器は少量生産のオーダーメイドが多く、中小企業も生産に取り組めるという特徴がある。  同大は県や県内企業と協力して新たな医療機器開発を進めており、新設コースで医療機器の研究開発や製造に携わる人材を育てる。  新入生6人は、大学院の医学系研究科か工学資源学研究科に在籍して修士号取得をめざしつつ、連携コースで医学や理工学の講座や病院での実習を通じて、双方の知識を深める。沢田賢一学長は「秋田の医療福祉産業の発展の原動力になってほしい」と呼びかけた。 "[he-forum 18732] 日本経済新聞4/29","日本経済新聞 2015年4月29日付 日本人に合うiPSを備蓄 京大、今秋から提供  京都大学iPS細胞研究所(所長・山中伸弥教授)は28日、再生医療で使う治療用のiPS細胞を備蓄し、今秋から提供を始めると発表した。日本人で拒絶反応を起こしにくいiPS細胞をつくり、病気やケガの時の移植に備える。3年以内に日本人の3~5割をカバーできるようにする。必要なときに安価なコストで提供する体制を整え、iPS医療の普及を後押しする。  京大iPS研医療応用推進室の高須直子室長は28日の記者会見で「(iPS細胞の提供開始で)臨床に弾みがつくのではないか」と期待を示した。  iPS細胞をあらかじめ神経の細胞に成長させ、事故やケガで脊髄が傷ついた患者に移植するなどの備えができる。ただちに治療に入れば、治りやすくなる。  臓器や神経の治療では、桁違いに多くの細胞が必要になるだけに、安全性を確かめたiPS細胞を備蓄しておく利点が生きる。政府は2013年度から10年間にわたり、年27億円の予算を支援する。  これまでの再生医療は患者自身の細胞からiPS細胞を育て、傷んだ体の機能を取り戻す計画が先行している。本人のiPS細胞は、拒絶反応は避けられるが、コストが高く、移植までに半年以上かかる。理化学研究所が昨秋、目の難病治療の研究にかけた培養期間は10カ月で、費用は5000万~1億円ほどだった。  iPS細胞のタイプを示す細胞の型(HLA型)は数万種類を数え、日本人だけでも1万種類以上ある。一人ひとり少しずつ違い、他人のiPS細胞で拒絶反応が起きる原因になっている。HLA型が他人と完全に一致する確率は1万~100万人に1人とされる。  京大は日本赤十字社と協力し、特別なHLA型を持つ人を見つけた。この人からつくったiPS細胞は日本人の約20%の人で拒絶反応を起こしにくいという。血液の提供を受け、治療用iPS細胞の作製に取りかかった。  さらに22年度末までに、ほかにも日本人に合うHLA型の人を探す。すでに10人程度を絞り込み、数人から血液を採取した。3年以内に5~10人を突き止め、日本人の3~5割をカバーする。140人を特定すれば、日本人の9割に対応できるという。  備蓄が軌道に乗れば、患者からオーダーメードで培養するのに比べ、安いコストと短い期間でiPS細胞を提供できる見通し。ただ、1人の提供者からiPS細胞をつくり、備蓄用に安全性を検査するだけで2000万円以上かかる。運用の効率を上げる必要もある。 "[he-forum 18731] 朝日新聞4/29","朝日新聞 2015年4月29日付 国立大への国旗掲揚・国歌斉唱要請、撤回求め教授ら声明  文部科学省が国立大学に対し、入学式や卒業式で国旗掲揚と国歌斉唱を行うよう要請する方針を示したことは「学問の自由と大学の自治を揺るがしかねない」として、国立大や私立大の教授や作家ら21人が呼びかけ人となり「学問の自由を考える会」を結成した。28日に国会内で記者会見し、文科省に要請の撤回を求める声明を発表した。  「考える会」は声明で「国立大学法人が運営費交付金に依存する以上、『要請』が圧力となることは明白」「国旗国歌の強制は知の自律性を否定し、大学の役割を損なう」と主張。代表の広田照幸・日本大教授は「式自体が教育の機会と位置づけられる中、要請は今後、具体的な教育研究の中身に政府が口を出す突破口になりかねない」と話した。今後はネット上で賛同者を集め、夏にもシンポジウムを開く予定という。(編集委員・北野隆一) "[he-forum 18730] しんぶん赤旗4/28","しんぶん赤旗 2015年4月28日(火) 国立大「日の丸」「君が代」要請 参院委で田村氏 大学自治介入と批判  日本共産党の田村智子議員は23日の参院文教科学委員会で、下村博文文科相が国立大学の入学式や卒業式での「日の丸」掲揚や「君が代」斉唱を要請する考えを示したことについて、「大学の自治への介入だ。学問の自由を侵す」と批判し、中止を要求しました。  田村氏は「戦争遂行に利用された歴史的事実をふまえ、強制をしないとした国旗国歌法制定時の議論を踏まえる必要がある。『日の丸』『君が代』の批 判的研究も行われる大学での取り扱いならば、なおさらだ」と強調。大学自治を学問の自由の制度的保障と認めた東大ポポロ事件の最高裁判決にもふれ、「『要 請』は事実上の圧力となる。やめるべきだ」と主張しました。  下村博文文科相は「今回はあくまで要請。圧力ではない」として、要請する考えを改めて示しました。  下村氏の要請発言は、次世代の党議員の国会質問が発端でした。文科省の担当者は田村氏に、国立大学の入学式・卒業式での「日の丸」「君が代」の状況調査も国会議員の要請によるものであることを明らかにしました。  田村氏は、戦前に政府が介入した京都帝国大学の滝川事件では帝国議会の議員の活動が後ろ盾になったとして「この歴史を真摯(しんし)に踏まえるべきだ」と主張しました。= "[he-forum 18744] 東京大学新聞4/30","東京大学新聞 2015年4月30日号 五神総長、就任記者会見ー大学院を抜本的に改革 連載東京大学 五神総長  五神真総長は4月17日、就任後初の記者会見に臨み、環境破壊など地球規模の問題の解決を主導する「知のプロフェッショナル」の育成が東大の最重要責務と語った。所信表明でこれまで進めてきた学部の教育改革を定着させつつ、国際的に通用する人材を育成する「国際卓越大学院」の創設など大学院の抜本的改革を進めると発言。今後の改革の目標を明確化した「東京大学ビジョン2020」を早期に発表するとした。  所信表明の冒頭で五神総長は、グローバル化が加速する中で地球規模の問題に人々が知恵を出し合い協力することが必要と主張。創設時から多様な知を生み出してきた東大での新たな知の創造と、世界で行動する人材の育成を目標とした。  その上で世界で行動する力を育てるため、学生の主体性を刺激する教育環境も整備すると発言。学生が研究の最前線で体験した知の興奮と喜びを糧に自己を成長させる主体的な学びを促すとした。本年度から導入された4ターム制、初年次ゼミナールなどの少人数教育、来年度から導入予定の推薦入試など学部の教育改革の定着を図ると述べた。  大学院に関しては「卓越性」「国際性」「文理融合」の三つがキーワードの国際卓越大学院の創設など抜本的な改革を検討。国際卓越大学院では東大が世界を主導できる学問分野などで修士課程2年・博士課程3年の一貫教育を行う。自ら考え、新しい知を生み出し人類社会のために知を利用できる「知のプロフェッショナル」を育成するとした。    また東大を世界の「知の協創」の拠点とすることを目指すと発言。文系・理系など既存の領域を越えた新しい学術の展開を推進することなどで、国境や文化といった壁を越えた人々が協働しての価値創造を促すとした。本部広報課によると「協創」には、社会と大学が協働し何かを作る思いを強めたいとの五神総長の意図が表れているという。  会見の最後には質疑応答がなされた。報道関係者の「推薦入試でどのような学生を求めるか」との質問には「既存の一般入試制度の枠に収まらない、ある学問分野に卓越した学生に受験してほしい」と回答した。 "[he-forum 18743] 朝日新聞秋田4/28","朝日新聞秋田版 2015年4月28日付 医療機器開発へ、医工連携コース 秋田大学大学院  秋田大は27日、医療現場のニーズに応じた医療機器を開発しようと、大学院に「医理工連携コース」を新設した。「医学と理工学の両方の言葉を理解できる人材を育成する」としている。  同大によると、医療機器の世界市場は高齢化や新興国の医療需要拡大で急速に拡大しているが、国内の医療機器市場は輸入超過が続く。一方、医療機器は少量生産のオーダーメイドが多く、中小企業も生産に取り組めるという特徴がある。  同大は県や県内企業と協力して新たな医療機器開発を進めており、新設コースで医療機器の研究開発や製造に携わる人材を育てる。  新入生6人は、大学院の医学系研究科か工学資源学研究科に在籍して修士号取得をめざしつつ、連携コースで医学や理工学の講座や病院での実習を通じて、双方の知識を深める。沢田賢一学長は「秋田の医療福祉産業の発展の原動力になってほしい」と呼びかけた。 "[he-forum 18742] 朝日新聞秋田5/5","朝日新聞秋田版 2015年5月5日付 秋田)秋田大が来春、教職大学院設置 秋から20人募集  秋田大は、高い指導力をもつ教員を養成する「教職大学院」の来春の設置を目指し、準備を進めている。国の認可を受ければ、今秋から入学生を募集する。教職大学院が設置されれば、県内では初めてになる。  学校現場のリーダーになれる教員を養成するため、現行の同大学院教育学研究科を再編し、定員20人の教職実践専攻を設ける。通常2年間のコースで「教職修士」の資格を取得できる。約10週間の教育実習が課されるなど、これまで理論的な研究に重点が置かれがちだった大学院教育に比べ、実践を意識した内容になるという。  カリキュラム・授業開発コース、発達教育・特別支援教育コース、学校マネジメントコースの3コースがあり、大学卒業生と現役教員を受け入れる。 "[he-forum 18741] 読売新聞社説5/4","読売新聞社説 2015年5月4日付 群大と女子医大 病院の安全管理見直しが急務  高度な医療を提供するための安全管理体制が整っていなかった――。  肝臓の腹腔ふくくう鏡手術を受けた8人が死亡した群馬大病院について、社会保障審議会の医療分科会は「特定機能病院の承認取り消しが相当」との意見書をまとめた。  事故の重大性を考えれば、妥当な判断である。今後、厚生労働省が処分を正式決定する。  最先端の医療を担う特定機能病院は、全国に86施設ある。その多くが大学病院だ。診療報酬の面などで優遇されている。  群馬大病院には、安全管理部門が設置されていた。死亡事例が発生した際の報告制度もあった。だが、患者の死亡が続いても、診療科内で検証は行われず、担当部長や病院長に報告もされなかった。制度の形骸化は深刻である。  分科会では、病院が作成した事故調査報告書の不備も問題となった。外部委員は調査委員会にほとんど出席を求められず、問題を起こした執刀医の聴取内容についても、十分に伝えられなかった。  真摯しんしに原因究明に取り組み、再発防止につなげようという姿勢を著しく欠いている。  群馬大病院では、開腹手術の死亡例も相次いでいる。全容解明に向けた再調査が求められよう。地域の基幹病院として、抜本的な体質改善が急務である。  東京女子医大病院も承認取り消し相当とされた。禁止されている鎮静剤の投与により、小児が死亡する事故が起きたためだ。前例のない2度目の取り消しである。  2002年に死亡事故の隠蔽で取り消し処分を受け、07年に再承認される際、東京女子医大病院は、安全管理や職員研修の改善策を厚労省に報告したはずだ。  結果として、改善策は機能しなかった。安全軽視の根は深いと言わざるを得ない。  2病院のほかにも、千葉県がんセンターで腹腔鏡手術の連続死が明らかになるなど、先進医療の安全性が問われる事例が相次いでいる。病院のガバナンス(組織統治力)の欠如が、医師の独善を招いていないか。  厚労省は、大学病院などに集中立ち入り検査を実施することを決めた。特定機能病院の承認要件の見直しにも乗り出す。  安全管理体制が有効に機能しているのか、患者の視点に立ってチェックしてもらいたい。  高難度の手術を行う医師には、相応の技量が求められる。学会が中心になり、技量向上のための研修を充実させることも大切だ。 "[he-forum 18740] 中日新聞愛知5/6","中日新聞愛知版 2015年5月6日付 大学の学び直し講座人気 費用、時間かけずキャリア向上  社会人としてのキャリア向上や育児休業などからの復帰のために、大学で学び直す動きが県内で広がっている。半年や1年間、夜間や休日に週に1度の講義を受けて履修証明などを出す形式が多く、多くの費用や時間がかかる大学院などへの進学と比べて手軽さが魅力だ。企業や国も環境整備に力を入れ始めた。 ◆最新の知識習得  「異常なDNAメチル化を取り除く治療の有効性が…」。四月十四日の夜、名古屋市立大医学部(名古屋市瑞穂区)の講義室で、近藤豊教授が最新のがん研究を語っていた。講義を聴く二十六人の受講生は、二十代から六十代までの大人だ。  名市大は八年前から医学部で「学びなおし講座」を続けている。文部科学省のモデル事業として始まったが、三年間の事業終了後も継続。前期と後期で全十五回の計六科目を設け、がんや感染症、精神障害などテーマ別に講座を選択して受けられる仕組みだ。  一科目の受講料は一万四千八百円で、託児もある。四科目を受け試験に合格すれば、就職などで使える履修証明を出す仕組みで、毎年二百四十人ほどが受講し、八割近くが働きながら通っている。  三河地方の病院で勤める看護師の女性(48)は「患者さんから質問されるので、医学の知識を身に付けたかった。でも、大学に入り直すのは金銭的にも時間的にも大変だから」と受講動機を語る。 ◆復帰の不安解消  育児などで休業し、復帰に向けた勉強のために受講する人も多い。二人目の子どもを出産し育児休業中の保健師立木亜由美さん(35)=名古屋市千種区=は「休んでいると自信がなくなるから、そこを埋めたかった」と話す。新型インフルエンザやエボラ出血熱などの最新の知識を得ようと、感染症の講座を選んだ。  精神科の看護師だったが、自身の子どもの障害などのため、五年ほど前に病棟の事務職になった鈴木幸夫さん(47)=同市守山区=も、看護師業務への復帰を検討し昨年から講座を受けている。「医学を知ることで作業の目的を理解できる」という。 ◆半数以上が関心  文部科学省は昨年度、成長分野に重点を置き、十四の大学院で、学び直しプログラムを委託事業として始めた。「大学院は研究のイメージが強いが、今は社会で活躍する人材育成も求められている」と担当者は説明する。  県内では、名古屋大が航空産業のリーダー的人材、名古屋商科大が経営基盤強化の人材の育成プログラムを実施。日本福祉大も福祉や開発分野の人材養成の場として講座を開くなど、各大学独自の取り組みが活発化している。  内閣府のアンケートでは、二十代から四十代の社会人の半数以上が学び直しに意欲を示し、企業には私費留学への補助や休暇を認める動きも出てきた。  文科省は学び直しプログラム開発を各地の大学が共同で進める事業も進めており、担当者は「企業や厚生労働省に学べる環境をつくってもらい、私たちは学べる場づくりに取り組んでいく」と話す。 (中崎裕) "[he-forum 18739] 福井新聞論説5/5","福井新聞論説 2015年5月5日付 福井のNIE21年目へ 次代に欠かせぬ力育もう  本年度のNIE(教育に新聞を)活動がスタートした。福井にNIEが芽生えて20年。これまで多くの学校が取り組み、県内に幅広く根を張ってきた。大学入試制度改革など教育の転換期を迎えようとしている今、社会のあらゆる事象を網羅する新聞が教材としてさらに活用されることを望みたい。  NIEの取り組みは、現在70以上の国で展開している。新聞を使った授業は日本でも古くから行われてきたが、1985年に日本新聞協会が提唱し、教育界と新聞界が協力して本格的に推進している。  福井では95年、パイロット校3校でスタート。96年にできた「県NIE推進協議会」が、実践する学校をサポートし、県内での普及に努めている。2012年には全国大会が開かれ、福井のNIEを県外へ広くアピールした。  21年目となる本年度は、武生商高と県内八つの小中学校が実践校となる。このほど、小中実践校が集まり、新たに取り組む学校へのオリエンテーションが行われた。毎年のことながら新規校の戸惑いが見られたものの、実践豊かな教員でつくるNIE教育研究会のメンバーや継続校の先生が自分たちの経験を十分に伝えてくれた。新規校の不安解消に一役買ったのではないだろうか。  オリエンテーションで、多くの先生が口にしたのが「とにかく手軽に、そして続けること」。まず新聞を開くことから始め、1年続けたことで学校独自の展開が見えてきたという。実践3年目の学校からは当初、手探りでも持続できる方法を見つけ、読解力などの成果を上げた報告もあった。  20年間の取り組みで、NIEの効果を認める教育関係者も増えているが、忙しい学校現場では新しい試みを始めることに抵抗があるようだ。NIEは、大上段で捉えるのではなく教育の一手段として取り入れてみることを勧めたい。  中教審は昨年末、知識偏重からの脱却を掲げ大学入試改革案を答申した。知識の活用力や思考力、主体的に学習に取り組む姿勢を評価する流れで、こうした力を養う上で基本となる言語活動の充実が急がれる。文部科学省も学習指導要領の総則でこれを重視し、教科の指導に「新聞を作ったり活用したりする」ことなどを盛り込んでいる。  福井のNIE全国大会で掲げた「考える人になる」ことが、一層求められる。新規実践校からも「課題解決力を育成」「主体的な姿勢を培う」などの抱負が聞かれる。子どもたちが、自ら考え課題に挑む力を養い、よりよい社会を築いていくために、新聞はこれに応える努力を続けなければならない。 "[he-forum 18738] 中日新聞岐阜5/3","中日新聞岐阜版 2015年5月3日付 岐阜大、地域を学ぶ科目を必修化 今期の学部入学生から  岐阜大(岐阜市柳戸)は本年度から、地域の抱える課題の探し方や解決法を学ぶ「地域志向科目」を全五学部の学部生の必修科目にした。大学のある地域への学生の関心を高める狙いで、今期の学部入学生からが対象。岐阜大によると、全国的にも珍しい取り組みという。  地域志向科目では、岐阜大の教員が、刃物や陶磁器などの産業構造をテーマにした「岐阜の伝統産業」や、県内の活断層や河川を知る「岐阜の自然」など七十種類について教える。二〇一四年度に学内の地域協学センターが中心となって科目として整え、必修科目化により、学部生は二単位(三十時間分)を履修しなければ卒業できなくなった。  文部科学省は、岐阜大を含む全ての国立大学法人に対し、「地域活性化の中核」「特定の分野で世界的な教育研究」「世界最高水準の教育研究」の三分類の中から、各大学の方針を選ぶよう促している。森脇久隆学長は「岐阜大は地域の中核を目指す」と宣言。学部生の教育でも、積極的に地域と交わる方針を強調した。  さらに、地域課題の解決法を熟知した「ぎふ次世代地域リーダー」の育成プログラムも、本年度からスタートさせた。地域志向科目の履修に加え、実際に過疎地などに入り込んで課題解決に取り組んだ学生を「リーダー」として認める仕組み。NPOや地方自治体から求められる人材の育成と位置づける。  (大島康介) "[he-forum 18737] 日本経済新聞5/4","日本経済新聞 2015年5月4日付 大学教員「任期付き」4割 主要11大学、6年で4000人増  国内の主要な11大学で、有期雇用に当たる任期付き教員が2013年度までの6年間で4千人以上増えたことが、文部科学省の調査で分かった。特に若手研究者で増えており、特定の研究プロジェクトに対する外部資金を財源にした雇用の増加が背景にある。同省の担当者は「若手のポストが不安定になっている」と分析し、懸念を示している。  同省科学技術・学術政策研究所などが北海道、東北、筑波、東京、早稲田、慶応義塾、東京工業、名古屋、京都、大阪、九州の計11大学でつくる懇談会「RU11」の全教員を対象に調べた。  07年度に11大学に所属した65歳以下の教員は全体で計2万6559人。このうち任期付き教員は7255人だった。13年度は全2万9421人中、任期付きが1万1541人となり、6年間で4千人以上増加した。全体に占める任期付き教員の割合は27%から39%に上昇した。この間、無期雇用に当たる任期なし教員は約1400人減った。  任期付き教員の増加は特に若手に顕著で、30歳以上35歳未満の教員の場合、任期付きは07年度の1618人から13年度には2493人になった。35歳以上40歳未満は1650人から2899人に急増した。  教員の任期の有無には、雇用する財源の違いが大きく影響している。任期なし教員の財源は、ほぼ全てを国立大学法人運営費交付金といった「基盤的経費」が占める。一方、任期付き教員の財源は、特定のプロジェクトなどに支出される「競争的資金」の割合が高まっている。  大学の研究費を巡っては04年度の国立大学法人化以降、基盤的経費が年々減り、1~5年程度で成果が求められる競争的資金の割合が増加。研究力の高いRU11に競争的資金が集中し、特定のプロジェクトを推進するために若手研究者を「特任教員」として雇用するようになっている。  科学技術・学術政策研究所の担当者は「競争的資金の予算規模は年度によって変動し、特任教員の数も変わるため、不安定な雇用の要因になっている」と指摘している。 "[he-forum 18736] 福井新聞5/4","福井新聞 2015年5月4日付 福井大学真弓学長「1年英語漬け」 16年春開設の新学部を語る  福井大学は来春、新学部「国際地域学部」を開設する。廃止される教育地域科学部内の地域科学課程に代わり、福井県内で数少ない人文科学・社会科学系の受け皿として、県内産業界や高校教育関係者の期待は大きい。学部の特色や、どういった人材を育てるかについて、眞弓光文学長に聞いた。  新学部には「地域創生」「グローバル」という二つの「アプローチ」を設ける。独自のカリキュラムで明確に分けられた「コース」でなく、1年生は共通の授業を受け、選択分けする2年生以降も履修内容を固定せず柔軟に学べる「アプローチ」とした。  「人口減少により、福井をはじめ多くの地域は今後、経験したことのない課題に直面していく。地域の持続的発展のため、課題を見つけ出し、解決に導いていく力が必要だ。同時に、日本全体がグローバル化する中、地方にいても英語を中心としたコミュニケーション力、世界に向けて自分たちの存在を発信していく力も求められる。二つのアプローチを通して、地域に根ざしながら国際的視点を持った人材を養成したい。『国際』の名を付けた学部は全国でも多いが『地域創生』を加え、二つの視点から学べる学部は類がないだろう」    新学部の特色として「徹底した英語教育」「課題探求プロジェクト」「文理融合型教育」の三つを掲げている。  「入学から1年間は英語漬けで、従来は2年かけて行っていた学習を集中的に行う。『グローバルアプローチ』を選択した学生は、海外留学を卒業の必修要件とし、半年~1年間ぐらいの留学を課したい」  「学生が主体的に学ぶ課題解決型学習(PBL)は従来も注力してきたが、一つの授業、科目にとどまらず、企業や自治体と連携しながら4年間かけて系統的に取り組む。例えば企業に数カ月単位で入り、組織の一員として商品開発などの課題を探りながら、解決するためにはどうしたらいいのか考えるような実践を検討したい。日本ではまだ十分にPBLが育っていないので、先進国の米国での研修などで教員の力量アップに努めたい」  「人文・社会科学系の学生といえども実学的な素養は欠かせない。例えば企業に入って、確率や統計学の知識や損益計算書について全く分かりませんということでいいのか。医学部や工学部の教員の力も結集しながら、文理融合教育を進めていきたい」    昨年3月で、県内の高校卒業者約7500人のうち、大学・短大進学者は約4千人。このうち県内の大学・短大進学者は約1500人で38%にとどまる。若者の定着、地方創生に向けて地方大学の役割は大きい。  「若い人に福井に残ってもらうことは大事で、定員の中に『地元枠』のようなものを設けるのは一案。ただ、それだけで国立大の役割を十分に果たしたとはいえない。地域創生は地域間競争だ。他県から優れた人材を呼び込み、大学卒業後も福井に残り、住み続けてもらいたい。『よそ者』が入り、さまざまな考えが混ざり合うことで福井が活性化する」  「今春、工学部の受験で京都会場を初めて設けたところ近畿圏からの出願者が増えた。いかに良い学生を取るか、全国の他大学との競争は激しくなるが、新学部創設で福井で学びたいという学生が増えることを期待したい」 "[he-forum 18735] しんぶん赤旗(主張)5/4","2015年5月4日(月) 主張 大学と国旗・国歌 許されぬ学問と自治への介入  安倍晋三首相が、国立大学の入学式や卒業式での国旗掲揚や国歌斉唱について「正しく実施されるべきだ」と発言し、下村博文文部科学相が各大学に 「要請したい」などと言い出したことに、大学関係者が批判の声を上げるなど問題が広がっています。首相らの発言は、憲法が保障した「学問の自由」や「大学 の自治」を踏みにじるもので看過することはできません。 教育内容の自由を侵害  首相発言は先月9日の参院予算委員会での次世代の党の議員の質問にたいする答弁です。下村文科相も「各大学において適切な対応が取られるよう要請したい」と答弁し、記者会見では「学長が参加する会議で要請することを検討する」とまで表明しました。  憲法23条の「学問の自由」は、学問研究の自由、研究成果の発表の自由、教育の自由を含んでいます。国家権力によって学問の自由が侵害された過去の歴史への反省にたって明記されたものです。  それを担保するために保障されているのが「大学の自治」です。大学は、その運営も教育研究の内容も、自主性、自律性が尊重されなくてはなりません。  2006年に第1次安倍政権が改悪した教育基本法でも「大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」(第7条)としています。どんな卒業式や入学式にするかも大学の自治に委ねられるべきものです。  文科省は、国立大学86校の卒業・入学式での国旗掲揚・国歌斉唱の実施状況を調査していました。そのこと自体、大学の自治への介入に道を開くものです。小中高校への強制も「調査」から始まったことを想起すべきです。  国立大学が「税金によって賄われている」から実施させるべきだという首相の答弁は、とんでもない暴論です。国が大学に財政支出するのは、国民の教育を受ける権利を保障するためだからです。  文科省は、政府のいう「大学改革」への取り組みに応じて、交付金を重点配分する姿勢を強めています。財政上の不利益を懸念して大学が文科省の「要請」を受け入れ、事実上の強制になる危険があります。私学助成を理由に、私立大学にも国旗・国歌の強制が広がりかねません。  国旗・国歌法の施行を理由にする下村文科相の議論についていえば、1999年の法制定当時、小渕恵三首相らが「強制はしない」と繰り返し答弁していたことにてらしても通用しません。  「日の丸」はかつて侵略戦争のシンボルとされ、「君が代」は国民主権の原則と相いれない内容をもつ歌です。戦前の大学は、天皇制の専制支配と侵略 戦争のもとで、良心的な研究者が大学を追われ、前途ある学生が戦場に動員された痛苦の歴史があります。その大学に「日の丸」「君が代」を強要することは、 日本社会全体に国家への忠誠を誓わせる先取りといわなければなりません。「戦争する国」づくりと一体の危険な動きです。 安倍首相は発言取り消せ  大学関係者が、大学の研究や言論が国家権力に抑圧された戦前の歴史と重ねあわせ、首相らに抗議の声を上げているのは当然です。  安倍首相と下村文科相は大学の自治と学問の自由を顧みない自らの発言を取り消すべきです。 "[he-forum 18734] 毎日新聞社説5/1","毎日新聞社説 2015年5月1日付 大学病院処分 閉鎖的な体質の改革を  何度同じ過ちが繰り返されるのだろうか。肝臓手術で患者が相次いで死亡した群馬大医学部付属病院と、小児への投薬による医療事故を起こした東京女子医大病院が、高度な医療を提供する「特定機能病院」の承認を取り消されることが決まった。大学病院の閉鎖的な体質を今度こそ改め、患者本位の安全管理体制を構築することが急務だ。  群馬大病院は40代医師の腹腔(ふくくう)鏡による肝臓手術を受けた患者が5年間で8人死亡した。病院側は後に過失を認めたが、再発防止に必要な死亡原因の究明をしてこなかった。  東京女子医大も人工呼吸中の使用が原則禁止されている鎮静剤を投与した小児12人が死亡。薬の副作用で感染症などが悪化した疑いがある事例もみられたが、事故が相次ぐ中、薬の使用停止を病院全体で徹底しなかった。  高度な先端医療を担い、診療報酬でも優遇される特定機能病院の承認が取り消されたことは極めて深刻な事態だ。  共通するのは医療行為の前や事故が起きた後の患者側への説明が不十分で、院内の情報共有もおろそかにされてきたことだ。大学病院のこうした体質が被害を広げたと言える。  とりわけ東京女子医大は2001年、当時12歳の女児が心臓手術の事故で亡くなった際、医師が事故を隠蔽(いんぺい)するためカルテを改ざんしたとして刑事責任を問われ、特定機能病院の承認を取り消されている。病院はその後、承認を再申請し、厚生労働省は07年に「院内の事故報告制度や医療記録の整備など安全管理体制が強化された」として再承認した。だが改革にどこまで本気だったか疑われても仕方ない。  医療死亡事故をめぐっては原因究明と再発防止を目的とした「医療事故調査制度」を厚労省が10月にスタートさせる。予期せずに患者が死亡した場合、新設される第三者機関「医療事故調査・支援センター」への届け出と、院内調査の実施が医療機関に義務づけられる。遺族らにとって事故調査制度の創設は長年の悲願でもあった。  しかし、厚労省での検討会で、院内調査の結果を医療機関が遺族に説明する方法をめぐり、遺族側が書面での提供を求めたのに対し、医療側の一部反対で「努力義務」にとどまるなど両者の隔たりは埋まっていない。  東京女子医大の心臓手術で次女を亡くした平柳利明さんは「遺族に対する医療界の壁はまだ厚い」と指摘する。病院側が自ら変革に努めなければ、ようやくできる事故調査制度も生かせず、医療への患者の信頼は得られない。それは医療側にとっても望ましいことではないはずだ。 "[he-forum 18745] 賃金未払い賃金請求訴訟判決(5/7)の声明ニュース、ブログ紹介","京大職組書記次長 石田です。 京大職組は賃金未払い訴訟の不当判決について、 「政府の要請に無条件に従うことが大学の社会的責任」の見出しの原告団声明ニュースを発行・配布しています。 http://kikanshi.kyodai-union.gr.jp/kumiai_news/14/150507_gogai.pdf また、高山佳奈子弁護団長がブログで判決へのコメントを公表されましたので紹介し、拡散もお願いします。 http://kanakotakayama.blog.eonet.jp/ どれだけ資金があっても賃下げは適法 5/7に京都地裁第6民事部(堀内照美裁判長・高松みどり裁判官・渡邊毅裕裁判官)が言い渡した、京大教職員らの請求を棄却する判決は、国の資金(金額の多寡を問わない)を得ている組織は、内容のいかんを問わず、国の要請に従わなければならないとしました。 (以下 略:上記ブログを参照願います。) "[he-forum 18746] 朝日新聞高知5/9","朝日新聞高知版 2015年5月9日付 高知大、2学部を改組 ニーズにあった人材育成へ  高知大学は来年度から、人文学部を「人文社会科学部」へ、農学部を「農学海洋科学部」(いずれも仮称)へと改組する。数年前から進む組織改革の一環で、より社会のニーズに合った人材を育成する狙いがある。7日、文部科学省へ設置計画書を提出した。  人文社会科学部は現在の3学科体制から「人文社会科学科」の1学科体制にする。これまでは文化、国際、経済といった学問分野間の垣根があったが「様々な問題が複雑に結び合う現代社会の課題に対応できる人材を育成するため」という。  農学海洋科学部は現在の1学科8コース体制から「農林資源環境科学科」「農芸化学科」「海洋資源科学科」の3学科体制にする。海洋資源科学科は海底資源や海水資源の研究開発ニーズの高まりを受けて新設するもので、「他大学にはないオリジナルな学科」という。 "[he-forum 18750] 読売新聞5/11","読売新聞 2015年05月11日 21時49分 入学者1人の法科大学院も…入試9割超定員割れ  今年度の法科大学院入試で、54校のうち93%にあたる50校で定員割れだったことが、文部科学省の調査でわかった。  定員割れの学校が9割を超えたのは3年連続。  今年度入試では新たに13校が募集を停止し、54校の総入学定員は3169人。受験者数は9351人で、法科大学院が創設された2004年度以降初めて1万人を割り込んだ。受験者数を合格者数で割った実質的な「競争倍率」は1・87倍で、過去最低となった。  実際の入学者は2201人で、定員充足率は平均で69%。大学 別で定員充足率が最も低かったのは愛知学院大の5%で、定員20人に対して入学者は1人。静岡大と東洋大はともに10%で、いずれも定員20人に対し入学 者はそれぞれ2人だった。これら3校を含む計5校は、来年度からの募集停止を発表している。 2015年05月11日 21時49分   Copyright ? The Yomiuri Shimbun "[he-forum 18749] 東京新聞5/12","東京新聞 2015年5月12日 朝刊 国立大授業料値上げを 財政審 救急搬送有料化も提案  財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は十一日、文教・科学などの分野で、歳出抑制に向けた方策を議論した。財務省は、教育環境を改善するため国立大学の授業料引き上げも含めて検討するよう提案した。また、救急搬送の一部有料化検討も打ち出した。  国立大学・大学院(八十六法人)の授業料標準額は年五十三万五千八百円。自主判断で値上げ(上限二割)や値下げ(下限なし)が可能だが、値上げは二研究科(大学院)にとどまる。  同省は値上げの場合に増える各大学の収入を、「教育環境の改善や低所得家庭の学生支援に振り向けるべきだ」(幹部)と話している。値上げの対象は富裕層に限定される見込みだが反発が生じる可能性もある。  義務教育分野では、児童・生徒数減少などを踏まえると、現在の教育環境を維持しつつ二〇二四年度までに小中学校教職員を約四万二千人減らすことが可能だと指摘した。  地方財政については、地方自治体が行う救急搬送について、結果として軽症だった場合の有料化を「検討すべきではないか」と問題提起した。全国の自 治体の消防費合計額は年間約二兆円。救急出動が過去十年で二割増える中、約半数は軽症という。自治体が自由に使える「一般財源」は、リーマン・ショックに より地方税が不足。地方交付税交付金の「別枠加算」などで埋めてきた。しかし、景気が上向いていることなどを挙げ、一般財源の水準切り下げや、加算などの 廃止をあらためて求めた。  公共事業では、「全体の公共事業費は増やせないということを前提に、必要不可欠な社会資本の機能を確保していく」と提出資料に明記。今年度予算の約六兆円から増やさない姿勢を示した。 ◇財務省案のポイント  【文教・科学】 ▼国立大授業料引き上げなどを検討 ▼2024年度までに小中学校教職員約4万2000人の削減可能  【地方財政】 ▼軽症患者の救急車利用の有料化検討 ▼地方一般財源の水準の切り下げ ▼地方交付税交付金の「別枠加算」などの廃止  【公共事業】 ▼全体の公共事業費は増やせない= "[he-forum 18748] しんぶん赤旗 5/10","しんぶん赤旗 2015年5月10日(日) 安倍流「国立大改革」の暴走(上) 3類型に再編“人文系つぶし”  安倍内閣が進める「国立大学改革」で、人文・教育系学部の廃止が浮上しています。86の国立大はどうなるのでしょうか。  「この夏までに『国立大学経営力戦略』を策定し、『3類型』のミッション選択に基づく自己改革を進める」  安倍晋三首相は4月15日の産業競争力会議の課題別会合でこう表明し、そのために「運営費交付金と競争的資金の一体改革を進める」と述べました。  「3類型」とは、文科省が「国立大学改革プラン」(2013年11月)で打ち出した「国立大の機能強化の方向性」―(1)世界最高の教育研究拠点(2)全国的な教育研究拠点(3)地域活性化の中核拠点―に基づくものです。 国策に沿い選別  同会合で下村博文文科相は、「特定研究大学」「卓越大学院」などの創設を打ち出し、国策に沿う大学や分野を選別支援していく考えを強調しました。  これまで文科省は、「3類型に再編」ではなく、「機能強化の三つの方向性」と説明してきました。国立大学に対する運営費交付金の検討会でも、各大 学が選んだ機能強化の方向について重点支援を行うものだと説明。国立大学協会も中間まとめ案を受けて「大学のいわゆる『類型化』ではないことを改めて確認 いたします」としていました。  ところが、安倍首相が表明したのは、国立大学を文字通り三つに再編しようというものです。  同会合では、財界人が「研究面での新しい発見がなくなってきたり、動きが止まっているような学問領域を思い切ってやめて、新しい領域、学際分野を立ち上げるべきだ」(小林喜光三菱ケミカル会長)と発言。学部学科の統廃合を公然と求めています。  そのターゲットは人文科学や教員養成系です。国立大学法人評価委員会の「組織・業務見直しの視点」では、教員養成・人文社会科学系の「組織廃止」を打ち出しています。  日本共産党の田村智子参院議員は4月21日の委員会で、「国策に沿った産業振興のために、大学や分野を国が選別し、予算を重点化するのと一体に教員養成・人文社会科学系を縮小・廃止するものだ」と批判しました。  国立大学の基盤的経費である運営費交付金は、法人化後の10年で約1292億円も削減され、文科省の裁量で重点配分する仕組みが導入されてきました。 資金獲得競争に  今後は、各大学が「3類型」から一つを選択。文科省が、各大学の取り組みを評価して配分することが検討されています。  大学同士が類型ごとに資金獲得競争に追い立てられ、3類型に再編されていくことになり、基盤的経費の削減がいっそう拡大する危険を抱えています。  日本学術会議は提言で、「(人文科学は)人間と社会のあり方を相対化し批判的に考察する」と人文科学系の役割を強調しています。  田村氏は「豊かな教養や高度な専門知識をどれだけ国民の中に培うのかということが日本社会の発展にとってきわめて重要だ。学部再編や廃止を政府が大学に突きつけることはあってはならない」と主張しました。(つづく) "[he-forum 18747] しんぶん赤旗5/11","しんぶん赤旗 2015年5月11日(月) 「日の丸」「君が代」国立大に“圧力” 介入の歴史 踏まえ議論を 文科相に中止迫る  下村博文文部科学相が国立大学に対し、式典での「日の丸」掲揚や「君が代」斉唱を要請する意向を示したことが重大問題となっています。下村文科相は6月に開かれる国立大学の学長会議で、国会における議論の内容をふまえて要請するとしています。 学問の自由侵す  日本共産党の田村智子議員は4月23日の参院文教科学委員会で、(1)国旗・国歌法制定時の議論で政府は強制しないと答弁してきた(2)指導権限 を持つ文科相からの「要請」は事実上の圧力となる―ことをあげて「大学の自治への介入だ。学問の自由を侵す」と批判。要請をやめるよう迫りました。  この日の質問で田村氏は「国会においても、学問の自由とは何か、大学の自治とは何か、根本に立ち返って議論を」と他会派の議員に呼びかけました。 次世代質問利用  田村氏がこう提起したのは、問題の発端に次世代の党議員の動きがあったからです。  文科省は今年3月、同党の中山恭子議員事務所から国立大学の卒業式・入学式での「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱の状況について照会があり、調査に 乗り出したといいます。この調査結果をうけ同党の松沢成文議員が、4月9日の参院予算委員会で「国歌斉唱はほとんどの国立大学が実施をしていない」と苦言 を呈しました。これに対し安倍晋三首相は「正しく実施されるべきだ」と答弁しました。  次世代の党は「国立大学は国民の税金で賄われている」などという理由を持ち出し、「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱を迫っています。これに対し、安 倍首相は反論するどころか同調する姿勢を示しています。同党の質問を利用し、国立大学へ圧力をかけたいとの思惑がにじみ出ています。  田村氏は質問で、日本が侵略戦争に突き進む中で起こった、大学の自治と学問の自由が侵害された「滝川事件」(1933年)を紹介しました。同事件 は、政府が介入して京都帝国大学法学部の滝川幸辰(ゆきとき)教授を自由主義思想を理由として追放したものですが、この事件も帝国議会の議員の活動が後ろ 盾になっていました。  田村氏は、日本国憲法に学問の自由が明記されているのは、こうした歴史的経緯があると指摘し、「私たち文教科学委員会とは、この歴史を真摯(しんし)に踏まえるべきだ」と強調しました。 "[he-forum 18751] しんぶん赤旗5/12","しんぶん赤旗 2015年5月12日(火) 火山観測・研究強化を 田村参院議員 「国立の機関必要」  日本共産党の田村智子議員は11日の参院決算委員会で、箱根山の活動が活発化するなかで、強化が求められる国の火山防災対策について質問し、専門人材の不足など不十分な観測・研究体制を指摘し、国立の研究機関の必要性を強調しました。  全国に110の活火山があるにもかかわらず、国の火山防災体制は弱体化が進行しています。  火山噴火警報を出す気象庁は、東京はじめ全国4カ所の火山監視・情報センターで47火山を遠隔地から監視しています。監視に従事する人員は104人いますが、そのうち大学などで火山を専門としていた人は17人にすぎず、火山の評価体制が非常に不十分です。  田村氏は、噴火の分析などに専門的知見が必要とされながら「地質学的な評価などは大学の研究者に任せており、気象庁には火山現象のすべてをきちん と評価できる体制がない。しかも予算がないため外部の研究者は手弁当で参加せざるを得ない」と指摘。御嶽山での戦後最悪の火山災害が起きてもなお対策の強 化がされてこなかった問題をただしました。  太田昭宏国土交通相は「現時点では精いっぱいやっている」と答弁するのみ。田村氏は「国の体制がとられてこなかったことは明らかだ」と述べました。  田村氏は、火山の噴火はそれぞれに特徴があり、継続的な観測・研究が必要だと主張。火山国のイタリアやインドネシアでは火山ごとに観測所を配置し、個別の火山の専門家を育成していることを紹介しました。  火山噴火時にその評価をする噴火予知連絡会は気象庁の私的諮問機関にすぎず、法的権限も予算もありません。田村氏は、同予知連の藤井敏嗣会長がそ のことを指摘し、「日本にも国立の研究機関が必要」と提言したことにふれ、観測・調査研究・防災対策を一元的に担当する機関をつくるべきだと求めました。  山谷えり子防災担当相は「一体的体制に向けて具体的な検討をすすめる」と答えました。 "[he-forum 18752] 朝日新聞","朝日新聞 2015年5月12日14時59分 教員資格「国家免許に」 共通試験も想定 自民党が提言  自民党の教育再生実行本部(本部長・遠藤利明衆院議員)は12日、教員免許を国家による免許とする提言をまとめた。現在は大学の教員養成課程を修了すれば、大学のある都道府県の教育委員会が免許を与えている。提言は、課程修了後に全国共通の国家試験を課して、国が免許を与える仕組みを念頭に置いている。  同日昼、遠藤氏らは安倍晋三首相に提言を手渡した。実行本部幹部は「文部科学相が教員免許を出すことで、教員の社会的価値を高める」と語る。教員の質を一定に保つ目的もある。  提言では、教員免許は国が与える「国家免許」化をめざすとした。実行本部幹部によると、教員養成課程を修了後、全国共通の国家試験を受験し、合格すると1~2年程度の研修を経て国が免許を与えることを想定している。その後、それぞれの自治体で採用面接を受けるという流れだ。  しかし、研修期間を新たに設けることで、短期的に教員不足を招く懸念も出ている。  提言には、教育格差をなくすため、年収500万円以下の世帯や子どもが多い世帯の子どもが私立大学で学ぶ場合、授業料を国立大学と同等とすることなども盛り込んだ。(蔵前勝久) "[he-forum 18753] 朝日新聞5/13","朝日新聞 2015年5月13日05時14分 教育ブラックバイトに注意 塾講師、休めず残業代出ず… 杉原里美 教育ブラックバイト  塾講師や家庭教師として働く大学生の間で、休めなかったり、残業代が出なかったりする「教育ブラックバイト」の被害が目立つ。業者によっては違法な契約を結ばせているところもあるという。学生には、受験勉強でなじみの深い世界だが、注意が必要だ。  「1コマ80分1600円。ということは時給で1200円か」。神奈川県の私立大3年の男子学生(20)は昨夏、大学のホームページからリンクしているアルバイト紹介サイトで、塾講師の募集を見つけた。  50校以上を展開する個別指導塾。割高な時給の魅力に加え、大勢の生徒を相手にするより、1人のほうが気が楽だとも思った。でも、働き始めてほどなく、「思ったほど楽ではない」と気づいた。  指導時間の20分前の午後6時半には出勤しなければならず、指導の後は、学習カルテの記入など雑務に追われた。2コマ連続で指導して、午後9時半 に授業が終わるのに、塾を出るのは午後10時半になることも。冬期講習がある冬休みは直前にシフトを決められ、自分の都合で休めない。試験勉強もできな かった。  やめようと思ったものの、契約では後任が決まるまで勤務しなければ、損害賠償を請求する――などと決められていた。  ふと、高校で習った「最低賃金」という仕組みを思い出した。調べてみると、神奈川県の最低賃金は時給887円。実際の労働時間で計算すると、700円台でしかなかった。1人でも加入できる労働組合「ブラックバイトユニオン」に相談し、現在、団体交渉の準備を進めている。  都内の私立大に通う別の男子学生(20)は、家庭教師のアルバイトで怖い思いをした。昨年8月、インターネットで見つけた家庭教師派遣の会社に登録。高校3年生の指導を紹介され、時給1800円で週2回90分の指導を受け持った。  ある日、アルバイトの日に寝坊すると、数日後、会社から電話があった。「ふざけんな。お前のせいで、会社に損害が出た。被害額の60万円を支払え。訴えるぞ」と脅された。  この学生はネットで検索してたどりついた組合「首都圏青年ユニオン」に相談。この会社は、別の学生にも同じ額の損害賠償を請求していたことが分かった。会社から呼び出された際、ユニオンのスタッフに同行してもらったところ、会社は請求を撤回した。  「最初は恫喝(どうかつ)におびえたが、冷静に考えると、おかしなことが多かった。勇気を出して相談して良かった」と男子学生はいう。 ■シフト確認、労働時間記録を  大学教授や弁護士などでつくる「ブラック企業対策プロジェクト」が4月末に発表した全国調査によると、賃金未払いを経験した学生の割合は、塾や家庭教師が最多だった。経験者276人のうち、「準備や片付けの時間に賃金が払われなかった」と答えたのは約3割。約2割は「残業代が時間通り支払われなかった」と答えた。  学生アルバイトの定番ともいえる教育系のバイトがなぜ、「ブラック」化したのだろうか。  ブラックバイトユ ニオンの坂倉昇平さん(31)は、「教育業界の人手不足への対応」を挙げる。10年ほど前から、学習塾では個別指導塾が増え、多くの講師が必要になった。 個別指導塾は、集団で教える塾に比べ、指導力はあまり問われず、研修などのコストがかからないため、小さな会社も参入しやすい。「本来は時給を改善して人 を集めるべきだが、利益を確保するために既に働いている人を辞めさせないようにしている」と指摘する。  総務省の労働力調査によると、2014年3月時点の教育・学習支援業の就業者数は303万人。10年前より26万人増えた。全国学習塾協会によると、少子化で1人あたりにかける教育費が増え、個別指導のニーズが高まっているという。  ブラックバイトに詳しい佐々木亮弁護士は、被害を受けないために、契約時にシフトや勤務地を確認することと、労働時間の記録をつけることを勧める。  また、学生に損害賠償の請求をする場合は、実際の損害額でなければならない。業者が事前に損害賠償の金額を定めている場合、「無効になる可能性があるので、専門家に相談してほしい」という。  ブラックバイトは、学生に辞めさせないケースも多い。しかし、期間の定めがない場合は原則、退職届を2週間前に出せばいい。期間の定めがある場合でも、やむを得ない理由があれば、退職できる。佐々木弁護士は「ブラックバイトで働くのに慣れると、ブラック企業への就職の入り口になる。親も、変な働かせ方に気づいたら指摘してほしい」と助言する。(杉原里美) "[he-forum 18755] 西日本新聞社説5/14","西日本新聞社説 2015年5月14日付 大学病院の処分 閉鎖的体質を一掃せねば  派閥争いや医療過誤など、大学病院の闇を描いた山崎豊子さんの小説「白い巨塔」が発表されたのは、半世紀も前のことだ。  組織の形態は当時と大きく変化しても、大学病院の閉鎖的体質は相変わらずということなのか。  厚生労働省が、腹腔(ふくくう)鏡を使った肝臓手術後の患者死亡が相次いだ群馬大病院と、禁忌鎮静剤を投与された2歳男児が亡くなった東京女子医大病院の処分を決めた。  いずれも医療安全管理体制に不備があるとして、高度医療が提供できる特定機能病院の承認を取り消す。今月中に両病院への聴聞が行われ、来月にも発効する。  厚労省によると、承認を取り消されると診療報酬の優遇がなくなり、年間数億円の減収が見込まれる。ただ、医療の制限はなく、患者への直接の影響はないという。特定機能病院の取り消しは過去に2例あり、今回で計4例となる。  東京女子医大病院は心臓手術を受けた女児が死亡した事故を隠蔽(いんぺい)して、2002年にも承認を取り消されている。群馬大病院も死亡症例をきちんと検証していれば、8人も亡くなる事態は防げたはずだ。両病院とも安全軽視の姿勢を指弾されても仕方あるまい。  事態を重視した厚労省は9月末にかけて、大学病院を中心に全国に86ある特定機能病院の集中立ち入り調査を実施する。  各病院の管理運営や医療安全確保策の実態を把握し、その結果を基に承認要件の厳格化など制度の見直しを検討するという。徹底的な調査で問題の背景まで踏み込み、対策を講じてもらいたい。  10月から始まる医療事故調査制度にも今回の教訓を生かしたい。  この新制度は患者遺族が申し立てても病院が調査することを義務付けていない。群馬大病院のような問題が起きても医療機関側が動かない限り、遺族側は身動きが取れなくなる恐れがあるという。  院内調査の報告書の扱いについても、遺族側に渡すことが努力義務にとどまっている。命を託される医療側の誠実な姿勢と取り組みこそが、いま求められている。 "[he-forum 18754] しんぶん赤旗5/14","しんぶん赤旗 2015年5月14日付 私学助成 抜本的引き上げを 大平氏 “高学費に学生悲鳴”  日本共産党の大平喜信衆院議員は13日の文部科学委員会で、私立大学への助成金を抜本的に引き上げるよう求めました。  大平氏は政府が私学助成の予算を圧縮してきたと指摘し、経常費の補助割合は現在どの程度で、最高時はどれくらいあったのかと質問。文科省の藤原誠・高等教育局私学部長は、私学助成の経常費補助割合が過去最高の1980年度は29%あったのに対し、2013年度は10・3%だと答弁しました。  大平氏は75年に制定された私立学校振興助成法付帯決議で、国の補助率を速やかに2分の1とするよう求めていることを示し、現在10%にまで減った補助割合を段階的に引き上げていくことで、学費を下げていく展望も見えてくると主張しました。  下村博文文科相は「2分の1へと、なるべく近づけなければならない。どんどん補助割合が下がっていることは問題だ」とのべ、私学助成の充実を図る考えを示しました。  「家族に迷惑をかけたくないので昼ごはんを抜きにすることが多い」「週5日、夜10時半まで働いている」――大平氏は、自ら聞き取った私学に通う学生の経済的な困難に苦しむ声を紹介し、「私学助成を抜本的に引き上げることを求める」と述べました。 "[he-forum 18757] 読売新聞鳥取5/21","読売新聞鳥取版 2015年5月21日杖k 県内就職で奨学金返済助成 ◇県が基金 製造、IT、薬剤師対象  県は、大学院や大学、高専を卒業した県内就職者に対し、奨学金の返済額の一部を助成する「県未来人材育成基金(仮称)」を創設する。県外出身者の就職促進が狙いで、人材不足の薬剤師など職種に条件を付け、年間150人の募集を4年間継続。県内で就職する医師や看護師には奨学金免除などの制度はあるが、他職種では初めてという。(安恒勇気)  県によると、奨学金を借り入れた大学院などの新卒者、35歳未満の既卒者が対象。製造業とIT企業への就職者と、薬局や病院、医療機器・医薬品製造業に就職する薬剤師(公務員を除く)を条件とした。  助成率は、無利子の奨学金借入者が2分の1で、有利子なら4分の1。助成額の上限は、無利子が大学院・大学薬学部卒216万円、薬学部以外の大学卒144万円、高専卒72万円で、有利子はその半額。8年に分けて支給する。  今年度は、県薬剤師会や県内の商工団体が2000万円を寄付し、1億8000万円を県が支出して基金を創設。県は2016~18年度も同額を支出し、4年間で計600人の人材確保を目指す。  県は6月議会に、基金に積み立てる2億円を盛り込んだ補正予算案を提案予定。可決後に募集を始め、既卒者は今年度から、新卒者は来年4月から支給する。  県雇用人材総室は可決後、高校卒業生の保護者あてのダイレクトメールや企業見学会などで基金をPRする。担当者は「若者の県外流出や、県内の人材不足は深刻な課題だ。要望があれば、違う業種にも広げていきたい」と話している。   ◇人材不足、流出深刻 進路指導や企業見学でPR  県内で製造業やIT関連、薬剤師の人材不足は顕著だ。  鳥取労働局によると、今年3月時点で、「製品製造・加工処理の職業」は求人609人に対して求職383人と、226人不足している。「情報処理・通信技術者」も、求人112人に対して求職80人。特に「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師」は、求人104人に求職がわずか5人という現状だ。  一方、鳥取市に今月、自動車部品メーカー、航空機部品メーカーと「製造業」が相次いで進出。県雇用人材総室の寺谷直樹課長補佐は、「いずれも成長分野だけに、県内での就職に魅力を感じてもらえれば」と期待する。  また、県薬剤師会によると、大学の薬学部は6年制で学費も高く、進学を敬遠したり、諦めたりするケースもあるという。下田宗人・同会専務理事は「基金の創設は喜ばしいことで、高校の進路指導などで勧めてほしい。会でもPR方法を考えたい」と話している。 "[he-forum 18756] 日本経済新聞社説5/19","日本経済新聞社説 2015年5月19日付 若い世代に夢与える科学技術計画に  科学技術立国を揺るぎないものにするため、日本の研究開発をどう強めていくか。政府の総合科学技術・イノベーション会議(議長安倍晋三首相)が、来年度から始まる次期科学技術基本計画の素案をまとめた。  基本計画は5年ごとに定め、科学技術政策の指針となる。過去5年を振り返ると日本から6人のノーベル賞受賞者が出て、世界から称賛された。だが受賞業績の多くは20~30年前のもので、足元の研究開発をみると心配な点が多い。  日本発の論文数は15年前に米国に次ぎ世界2位だったが、その後中国や英独に抜かれて5位に転落した。海外の頭脳と知恵を磨く国際共同研究も他の先進国に比べて低調だ。少子高齢化で研究人口の減少も見込まれる。  次期基本計画はこうした現実をしっかり見据え、危機感をもって研究開発の立て直し策を示すべきだ。人材育成や大学改革、産学連携の強化など課題は多い。  同会議の有識者会議がまとめた素案は、新たな技術やビジネスモデルから産業を起こす「イノベーションの創出」を前面に打ち出した。日本が得意とするセンサーやロボット、超微細の加工技術などを伸ばし、産業競争力の強化につなげるとした。  同会議は昨年、総合科学技術会議が改組され、イノベーション政策づくりが新たな役割に加わった。イノベーションの種を生む研究開発を強め、成長戦略に生かすことは同会議の重要な使命のひとつである。  一方で、イノベーション政策に偏りすぎ、産業に直結しにくい基礎的な研究を軽視していないか。科学の原点は真理の探究で、そこから意図しなかったイノベーションが生まれることもある。長い目で科学研究の多様性を確保することも基本計画では重要だ。  そのためには研究人材の持続的な育成策が欠かせない。博士号を取っても非正規職員のままの「ポスドク」が1万6千人を超え、博士課程への進学をめざす学生が減っている。科学に関心をもつ高校生の割合も主要国で最低水準だ。  理科好きの中高生を増やし、職業として研究者を選ぶ若者を後押しする仕組みが要る。硬直的な大学人事を見直し、若手を大胆に登用することも必要だ。若い世代が科学技術に夢を持てるように、メッセージを発信することも基本計画の役割であるはずだ。 "[he-forum 18762] しんぶん赤旗5/19","しんぶん赤旗 2015年5月19日付 国立大3類型化を批判 大平議員質問 運営費交付金増額こそ  日本共産党の大平喜信衆院議員は15日の文部科学委員会で、運営費交付金と競争的資金の見直しは、国立大学を国策に沿う「3類型」に再編・統合するものだと追及しました。  大平氏は、安倍首相が産業競争力会議で「3類型のミッション選択に基づく自己改革を進めていく」と表明したことをあげ、国立大学を三つに分類する方針だと指摘しました。下村博文文科相は「三つの重点支援の枠組み」と釈明しました。  大平氏は、同会議で小林喜光・経済同友会代表幹事が「新しい発見がなくなってきていたり、動きが止まってしまっているような学問領域を思い切ってやめて」と述べていることを紹介し、「運営費交付金の総額を増やそうとしないままに重点支援を行えば、必然的にどこかを削る、縮小することになる」と強調。全国15の国立大学の経営協議会の学外委員が、運営費交付金の削減中止と充実を求める声明を出しており、増額こそ必要だと求めました。下村氏は「メリハリある重点配分」を繰り返し、増額を明言しませんでした。  大平氏は、経団連が運営費交付金に占める競争的資金を3割に引き上げるよう求めていると指摘。下村氏は「国立大学の教育・研究活動に重大な支障を及ぼしかねず、慎重に考える必要がある」と述べました。  大平氏は、財政制度等審議会が授業料の引き上げを求めていることについて、「国立大学の授業料は世界一高い水準となっており、言語道断だ」と批判。下村氏は「できるだけ教育費負担をかけないようにしていくことが必要」と答えました。 "[he-forum 18761] 時事通信5/21","時事通信 2015年5月21日20時26分 国立大の資産運用など緩和=経営強化へ新制度-競争力会議  政府は21日、産業競争力会議の分野別会議を開き、国立大学の経営力を強化するために「特定研究大学制度」を創設する方針を決めた。制度の対象となった大学は、資産運用や収益事業などの規制が緩和され、自由度が高まる。文部科学省に有識者会議を設置して制度の詳細を詰め、必要な法改正案の来年の通常国会への提出を目指す。  特定研究大学制度は、海外の有力大学と競争できるよう、大学の資金調達力を向上させ、国内外の優秀な人材を呼び込むことにつなげるのが狙い。対象大学は、民間企業や研究機関との共同研究も拡大できる。 "[he-forum 18760] 新潟日報5/12","新潟日報 2015年5月12日付 大学で人気「ジャーナリズム講座」  新聞ジャーナリズムに関する講座が県内外の大学で人気を集めている。毎年受講希望者が定員を超えるため、2015年度から講座数を増やした大学もある。大学関係者は「就職活動に備えて、社会情勢を新聞で知りたいという学生が増えているようだ」とみている。  新潟大の「新聞ジャーナリズムと社会」は新潟日報社の寄付講座で、全ての学生が履修できる。4月から講座数を1から2に増やしたが、2講座合わせて500人の定員に対して約1300人が履修を希望。1、2年生は抽選で受講者を決めるほどの人気だ。  工学部2年の学生(19)は「普段はスマートフォンで芸能ニュースしか見ない。新聞は読んでいないので、授業で世の中のことを知りたいと思った」と話す。  新潟国際情報大の「ジャーナリズム論」は毎年100人以上が受講。「全学年の学生を対象にした基礎科目の中では受講者数は多い方」(学務課)という。  ジャーナリズムに関する賞を記念した講座がある早稲田大(東京)では、新聞やテレビなどで活躍する著名なジャーナリストが講師を務める。例年、100人の定員に約2倍の学生が集まるという。  新大や国際情報大で非常勤講師を務める本間正一郎・新潟日報社参与(67)は「スマホだけでは本当に知るべき情報を得られないという不安を持つ学生が、新聞に関心を持つようになったのではないか」と話している。 "[he-forum 18759] 東京新聞茨城5/19","東京新聞茨城版 2015年5月19日付 土浦市地域臨床教育センター 常勤の麻酔科医など配置 5人に増員し開設  国立病院機構霞ケ浦医療センター(土浦市下高津二)内に、筑波大の五人の教員が常勤で診察や臨床研究をする「筑波大付属病院土浦市地域臨床教育センター」が開設された。三人だった常勤教員数を増強。麻酔科医と、需要の高い消化器内科医が加わることで、診療の幅を広げ、救急患者を受け入れやすくした。  二〇一二年から、霞ケ浦医療センターには、市の寄付講座として、筑波大教員の医師三人が常勤していた。今回の体制の強化で、講座で設置した施設の名称は、派遣教員五人未満の「ステーション」から、五人以上の「センター」に格上げされた。筑波大の地域医療センターは県内で五番目で、県南では初めてとなる。  十八日に開設記念式典があり、筑波大付属病院の松村明院長は「痛みの治療や在宅医療とのスムーズな連携が今後のミッション(使命、任務)」とあいさつ。関係者はくす玉を割って「センター」の看板を除幕し、開設を祝った。 (増井のぞみ) "[he-forum 18758] 沖縄タイムス5/20","沖縄タイムス 2015年5月20日付 琉大、植物情報をDB化 新たな産学連携狙う  琉球大学(大城肇学長)は沖縄県内の植物資源の情報をまとめ、インターネット上で公開する「亜熱帯植物資源データベース(仮称)」の構築を進めている。6月中に琉大の産学官連携推進機構のHPで無償公開する予定。現時点で667種類の植物の成分や機能などを登録。植物資源の活用を目指す企業との共同研究など新たな産学連携を狙う。  データベース化は、同大が経済産業省の2014年度の補助事業で2700万円の補助を受けて実施。薬草図鑑やインターネット上の植物データベース、大学の研究成果、特許情報などをまとめ、情報の共有化を目指している。  和名や方言、生物分類、性状などの基本情報に加え、これまでに研究された植物では用途分類や薬用部位、伝承、成分、薬理機能性などの情報が記載。検索ではフリーワード検索のほか、葉・芽・茎などの薬用部位、薬用・麻酔剤・中毒剤・殺虫剤・防虫剤と用途分類からも探すことができる。  公開後も、未確認の文献や新たな研究、地域の伝承などを基に登録数を増やす予定で、企業の研究成果などの提供も歓迎する。  担当者は「県内で医薬品や健康食品をつくる際のベースになる。データを1カ所にまとめ、利便性を高めた。共同研究などにつながれば大学にもメリットがある」と強調。「現在の登録は陸上の植物のみ。今後は海藻など海域の植物資源や微生物など情報も登録し、地域資源のデータベースにしていきたい」と意気込んだ。 "[he-forum 18764] 毎日新聞社説5/23","毎日新聞社説 2015年5月23日付 法曹養成 人数より将来像を示せ  現状を踏まえれば、当初目標の半減は仕方ないだろう。  政府は司法試験の合格者について、「年1500人程度」を当面、毎年維持するとの案をまとめた。  弁護士の需要の大幅な増加などを見込み、政府は2002年、司法試験合格者数について「年間3000人程度」(10年時点)との目標を閣議決定した。  だが、法科大学院出身者の合格率が伸びず、弁護士の就職難も重なった。法律家を目指す人たちが減ってしまい、司法が魅力を失っている。  政府は7月にも人数案を正式決定する見通しだ。肝心なのは法科大学院の立て直し、さらには国民にとって使い勝手のよい司法制度をどう描くかだ。  日本社会が規制緩和を進めれば競争が激化して紛争が増え、法曹需要も増すと想定された。人材確保のための法科大学院創設は司法改革の要だった。法科大学院は04年に開設されたが、74校が乱立して教育水準の格差が目立つ。文部科学省が合格率の低い学校の補助金削減に乗り出し、20校以上が募集停止を公表した。  法曹を目指す学生が質の高い教育を受けるため、一定の淘汰(とうた)は当然だ。大学院側は、他校との提携や統合を進めるなど一層の努力が必要だ。  司法修習(1年間)の給費制が廃止されたこともあり、たとえ司法試験に合格しても、法科大学院時代の授業料と合わせ、相当の借金を抱える人が増えている。こうしたことが法律家人気の低迷につながっているとすれば、それも懸念材料だ。  弁護士法1条は「基本的人権の擁護と社会正義の実現」を使命として掲げる。金持ちでなければ法曹を目指せないのでは困る。社会人など多様な経験をした人材の確保も進んでいない。修習生への支援や、社会人を多く受け入れる大学院への補助金の増額実現に向けて、政府は検討を進めてほしい。  裁判の数などが当初の想定通り増えていないのは事実だ。ただし、調停や審判など裁判外で紛争を解決する需要は近年増えている。  高齢化や貧困化に伴って、法的な支援が必要な分野は広がるとみられる。労働トラブルやストーカー事件といった今日的な課題もある。  国民へのアンケートからは、紛争はあるが、費用面などで弁護士に依頼するのは不安が残るとして、敷居の高さを挙げる人が少なくない。弁護士会は、一般市民が利用しやすい体制づくりを進める必要がある。  政府も努力が求められる。弁護士が都市部に集中するのは、地方に裁判官が常駐していないのも一因といえる。地方でも十分な司法サービスが受けられる環境整備をすべきだ。 "[he-forum 18763] しんぶん赤旗5/24","しんぶん赤旗 2015年5月24日付 競争で研究力が低下 真島議員 政府の科学政策批判  日本共産党の真島省三議員は19日の衆院科学技術・イノベーション特別委員会で、小泉内閣により競争的資金の重点配分や任期制など競争的政策が進められた以降、大学や研究機関に成果至上主義がもたらされている問題を取り上げました。  真島氏は、社会的に大きな衝撃を与えた“STAP細胞”論文不正は理化学研究所内部だけの問題にとどまらないと指摘。非正規雇用や任期制の研究者を増やした結果、短期的な結果を現場に強いる事態を招いたのではないかと主張しました。  さらに、国立大学の法人化以降、運営費交付金が大きく減らされ、一部の機関への過度な集中が日本の科学研究力の低下を招いているとして政府の姿勢をただしました。  山口俊一科学技術担当相は「運営費交付金は研究活動に必要不可欠な基礎的、基盤的経費」であり、予算獲得にむけて努力すると答えました。 "[he-forum 18765] 信濃毎日新聞5/25","信濃毎日新聞 2015年5月25日付 信大学長に浜田氏 繊維学部長 医学部長の池田氏破る  信州大(本部・松本市)の学長選考会議(議長・荒井寿光東京中小企業投資育成相談役)は24日、松本市の松本キャンパスで全17委員による投票を行い、繊維学部長の浜田州博(くにひろ)氏(56)が10票を得て、医学部長、池田修一氏(61)を3票差で破り、次期学長に決まった。第14代学長(事務取扱を除く)に10月1日付で就任する。任期は6年。  浜田氏は選考会議後に記者会見し、「教育と研究に社会貢献を加えた3本柱を大切にする。学生を中心に地域とともに歩む信州大を目指したい」と強調。産業界や自治体との連携、特色ある研究分野の強化などに取り組むとした。  2004年の国立大法人化後、09、13年に続き3回連続で複数候補による選考となった。浜田氏は5月14日に投開票された教職員による「意向投票」で507票を得て、池田氏の342票を上回っていた。  同会議は3月27日に浜田、池田両氏を候補者とすることを決定。以降、2人の所信表明や質疑応答、委員間の意見交換を実施した。教職員の意向投票も参考に、この日、投票を行った。 "[he-forum 18767] 日本経済新聞近畿5/26","日本経済新聞近畿版 2015年5月26日付 京大、キャンパスに産学連携拠点 パナソニックなど40社超入居  京都大学は京都市の吉田キャンパスに産学連携の拠点「国際科学イノベーション棟」を建設し、25日に開所式を開いた。レンタルラボ(研究・実験室)やレンタルオフィスに、パナソニックやアークレイ、堀場製作所など40社を超す企業が入居するほか、国内外の他大学も参加する。産学の「知」を結集し、省エネシステムや介護用センサー装置、先端医療技術を研究開発する。  京大本部構内の工学部施設跡1万2000平方メートルの敷地に、地上5階・地下1階の延べ床面積1万1000平方メートルのビルを建設した。総事業費40億円は、文部科学省の科学技術振興を目的とした2012年度補助金で全額をまかなった。  企業などが入居するレンタルラボは38室、レンタルオフィスは26室ある。入居者が支払う賃料は1平方メートルあたり月額2160円。入居者や来訪者が日常的に交流を図る狙いから、シンポジウム用ホールや展示スペース、ラウンジも設けた。  パナソニックはこの施設を拠点にして京大や京都工芸繊維大学と連携し、無線の電力伝送システムや要介護者の見守りセンサーなどを研究開発する。アークレイはサテライトラボを開設し、iPS細胞の培養装置など再生医療機器を開発する。  ドイツバイエルの日本法人、バイエル薬品はサテライトオフィスを設け、iPS細胞など京大が進める最先端の研究について意見交換し、創薬に生かす。このほか、堀場製作所、船井電機、NTTデータ、日立アロカメディカル、田中貴金属工業、iPSアカデミアジャパン、京都大学イノベーションキャピタル、関西ティー・エル・オー(TLO)などが入居する。  25日の開所式であいさつした京大の山極寿一学長は「産官学が一体となって、新たな産業の創出を目指していく」と抱負を述べた。 "[he-forum 18766] 読売新聞5/26","読売新聞 2015年5月26日付 群大調査、外部委員が主導…報告書見直しへ  群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、病院は25日、腹腔鏡ふくくうきょう手術や開腹手術の死亡例に対する調査委員会を院外の専門家が主導する形に刷新する方針を明らかにした。  新たな外部委員を加え、これまでの調査結果も見直す。同日記者会見した田村遵一病院長は「公表した報告書の追記や改編もありうる」と話した。  3月に公表した腹腔鏡手術の報告書では、病院側が外部委員に無断で修正する問題が発覚。開腹手術でも判明している10人以外に、手術後死亡した患者がいることがわかり、病院が調査を進めている。  また群馬大は同日、病院の管理体制を検証する改革委員会(委員長=木村孟つとむ・大学評価・学位授与機構顧問)の初会合を東京都内で開いた。同大によると、出席した委員からは、医学部や病院の体制、各診療科のリスク管理のあり方などが課題として挙がったという。  改革委員会は、病院の調査委員会とは別に、再発防止策などを検討する。今夏をめどに学長への提言をまとめる。 "[he-forum 18768] 産経新聞5/28","産経新聞 2015年5月28日付 国立大学の人文系学部・大学院、規模縮小へ転換 文科省が素案提示  文部科学省は27日、全国の国立大学に対して人文社会科学や教員養成の学部・大学院の規模縮小や統廃合などを要請する通知素案を示した。理系強化に重点を置いた政府の成長戦略に沿った学部・大学院の再編を促し、国立大の機能強化を図るのが狙いで、6月上旬に文科相名で大学側へ通知する。  素案は、同日開かれた国立大の評価手法などを審議する有識者会議で提示された。国立大は6年ごとに中期目標を文科省に提出しなければならず、各大学は通知を参考に6月末に中期目標を文科省へ提出する。  通知素案では、少子化による18歳人口の減少などを背景として、教員養成や人文社会科学などの学部・大学院について「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むように努めることとする」と明記された。  政府の試算では、平成3年に207万人だった18歳人口が42年に101万人まで半減する。文科省は少子化に伴う定員縮小の影響を指摘したほか、文系の学部・大学院の人材育成方針が明確でないなどの理由もあげた。  組織再編の動きはすでに出ている。弘前大(青森県)は来年4月から人文学部(3課程)を人文社会科学部(2課程)に再編。教育学部でも、教員免許を取得せず芸術や体育を学ぶ1課程を廃止し、2学部で定員を計150人減らす。一方、理系の理工学部と農学生命科学部の定員は90人増やす。  今後、こうした形で他の大学でも、地域性や得意分野に重点を置いた文系学部の廃止や統合を進めることになる見通しだ。  素案は、実績にばらつきがある法科大学院について、定員規模の適正化や組織の廃止も含めた検討も求めた。 "[he-forum 18771] 北海道新聞6/2","北海道新聞 2015年6月2日付 道教大次期学長に蛇穴氏 意向投票廃止後、初の選考  北海道教育大は1日、本間謙二学長(69)の任期満了に伴う学長選考会議を開き、理事で副学長の蛇穴治夫(じゃあなはるお)氏(58)を次期学長候補に選出した。任期は10月1日から4年間で、文部科学相の任命を受けて正式に就任する。教職員による「意向投票」廃止後初の選考となり、次期学長には大学間の競争を乗り切る指導力を発揮するとともに、学内の声に耳を傾けるバランス感覚も求められる。  選考には、蛇穴氏を含め学内から3人が応募。選考会議の委員16人による投票で、蛇穴氏が過半数の9票を獲得して選ばれた。選考会議は同大教員代表7人、学外委員7人、大学経営を担う理事2人で構成している。  蛇穴氏は1日の記者会見で「教育現場の声をしっかりと取り入れ、高い資質を持った教員を送り出したい」と抱負を述べた。文部科学省が進める学長の権限強化については「責任の重さを感じる」とした上で「学内の対話は大事で、身のある議論を進めたい」とした。  蛇穴氏は青森県弘前市出身。北大大学院理学研究科を経て1984年、道教大旭川分校(当時)の助手となり、助教授、教授を経て2007年から同大理事。専門は生物学。 "[he-forum 18770] 秋田魁新報6/2","秋田魁新報 2015年6月2日付 秋大大学院、2研究科を来年度設置 工学資源学は廃止  秋田大が本年度で大学院の工学資源学研究科を廃止し、新たに国際資源学研究科と理工学研究科を来年度設置することが、1日分かった。昨年度新設した国際資源学部と理工学部に対応し、大学院の専門性を高めて国際的に活躍できる人材の育成を目指す。  先月、文部科学省に新設を申請。早ければ今月下旬に認可され、7月以降に募集を始める。研究科の新設は1989年の教育学研究科以来となる。  同大学院は来年度、国際資源学、理工学、教育学、医学系の4研究科体制となる。研究科の新設は当初、新学部の最初の卒業に合わせて2018年度に予定されていたが、文科省の後押しで繰り上げることになった。 "[he-forum 18772] 信濃毎日新聞6/3","信濃毎日新聞 2015年6月3日付 長野大公立化「是とする」 上田市検討委が報告書  私立長野大(上田市下之郷)について、上田市を設立主体とする公立大学への移行の是非を協議してきた同市の検討委員会が、公立化を「是とする」との内容の報告書をまとめたことが2日、分かった。報告書は3日、検討委の白井汪芳(ひろふさ)委員長(元信州大繊維学部長)らが市役所で母袋創一市長に提出する。  同大を運営する学校法人長野学園(嶋田力夫理事長)が昨年3月、公立大学法人化を求める要望書を上田市に提出。母袋市長は「中立の立場で意見を聞きたい」として、有識者や市民代表ら13人で構成する検討委を発足し、報告を求めていた。市長は5月中に実施したパブリックコメント(意見募集)の結果なども踏まえ、最終判断する。  検討委は報告書で、地域を支える人材の育成や地域課題の解決に向けた活動など、同大がこれまで果たしてきた役割を評価。公立化によって志願者が増えれば、教育の質や市の知名度の向上などが期待できるとした。  一方、人口減少時代を見据え、地方大学の厳しい経営環境についても指摘。公立化する場合の課題として、学部編成などを含めて魅力ある大学へと改革する必要性や、収支構造の改善、授業料引き下げなどを挙げた。公立化した場合に市が拠出することになる大学の運営費交付金についても市財政の負担とならないよう、基準財政需要額(標準的な行政サービスに必要な金額)を上回らないよう求めている。  長野大は、少子化によって経営環境が厳しさを増す中、経営の安定化には公立大学法人が最適な運営形態とし、公立化を求めている。文部科学省によると、公立大学法人になると、同省からの私学助成金に代わり、法人を設置した自治体に毎年度、地方交付税交付金が配分される。長野大は、従来の私学助成金を上回る額の交付金が上田市に配分されると試算しており、「市の財政負担はなく、学費も安くできる」と主張している。  検討委は昨年11月発足し、5月下旬まで計8回の会合を重ねてきた。 "[he-forum 18777] 読売新聞石川6/5","読売新聞石川版 2015年6月5日付 法科大学院生に返済不要の支援金 金大が基金   金沢大法科大学院は今年度、法曹界を目指す大学院生に返済不要の助成を行うための基金「金沢大学ロースクールAT基金」を設立した。最大で1人約150万円が支給され、同大学院は「金銭面を理由に夢をあきらめることのないよう、意欲のある人を支援していきたい」と話している。  司法試験合格者の減少などから、法科大学院は全国的に縮小傾向にある。文部科学省によると、今年度の全国の法科大学院入学者数は2201人と、制度がスタートした2004年度(5767人)に比べ、半数以下に減少。これまでに全国で27校が募集停止や大学院の廃止をした。  金沢大法科大学院では、今年度の募集定員15人に対し、入学者は4人にとどまり、存続の危機にある。14年の司法試験合格率は13・3%で、法科大学院を経由した合格者の全国平均21・2%を大きく下回った。  基金は、同大学院入学時に、参考書代などに使える「入学補助支援金」として50万円が支給されるほか、同大学院を修了した司法試験合格者に対し、司法修習期間の13か月で最大100万円の支給を受けることができる。  今年1月、同大を卒業した海外在住の会社経営者が「このお金を使って法科大学院生に頑張ってほしい」と3000万円を寄付し、基金はこれをもとに設立された。基金への寄付や申請などに関する問い合わせは、同大学生課(076・264・5967)へ。 "[he-forum 18776] しんぶん赤旗6/5","しんぶん赤旗 2015年6月5日(金) 家庭と研究 両立切実 女性研究者 池内氏が支援要求  日本共産党の池内さおり議員は3日の衆院内閣委員会で、女性研究者の実態を紹介しながら、家庭と研究の両立にむけた支援策の改善を求めました。  池内氏は「30代は結婚・出産を迎える年代であると同時に、キャリアの入り口にたつ時期になる」と指摘。「授業1コマ90分で月2万円。生活のた めには月10コマもたなければいけない」「研究時間の確保が困難で研究と教育の両立が大変難しい」という非常勤講師の女性の声を紹介しました。  池内氏は、研究職の就職難とあわせ、「対象となるポストドクター(博士研究員)のうち、そもそも出産・育児を断念してしまっている人も多いのではないのか」と述べ、ポスドクの実態把握の必要性を強調しました。  池内氏は、若手研究者が出産・育児後に円滑に研究現場に復帰できるよう環境整備を図るために文科省が設けた支援制度の採用率が26%にとどまっていると指摘。制度の拡充を求めました。  文科省の山本朋広政務官は「2012年に博士課程を修了した人たちがその後どういうキャリアパスをされているのか調査を始めた。結果をふまえ、女性研究の活躍の場を整備していくことに引き続き取り組んでいく」と答えました。  池内氏は、長時間労働が家庭と仕事の両立を困難にしており、同法案が企業に調査と「行動計画」策定を義務付けていることから「長時間労働をなくしていくために、雇用の形態、実態に沿った労働時間の把握が求められる」と指摘しました。= "[he-forum 18775] しんぶん赤旗6/4","しんぶん赤旗 2015年6月4日付 小中学校 機械的統廃合やめよ 文科省通知で宮本議員  日本共産党の宮本岳志議員は5月26日の衆院地方創生特別委員会で、小中学校の統廃合問題で質問しました。  文部科学省は、学校統廃合についての通知を58年振りに出しました。宮本氏は、これによって統廃合が機械的に行われることのないよう主張しました。石破茂地方創生相は「統廃合だけが一つの選択肢ではない」と答弁しました。  宮本氏は、総務省が地方自治体に策定を求める公共施設総合管理計画について質問しました。  同計画は、過去に建設された公共施設等が大量に更新時期を迎える中、総務省が更新費用試算ソフトを提供し、地方自治体に人口減少に合わせた施設「適正化」を迫るもの。宮本氏は、計画にある公共施設の中には公立小中学校も含まれており、人口減少を前提とする学校統廃合は地方創生に逆行するものだと主張しました。  さらに、国立大学の基盤的経費である運営費交付金の削減が国立大学の存立さえ脅かす状況になっているとして、地方創生で「知の拠点」として位置付けられている大学の役割を否定するものだと批判し、来年度予算での運営費交付金の拡充を要求しました。  文科省の赤池誠章政務官は「運営費交付金の役割は重要」「国立大は新しい社会、産業に対応した重要な拠点」と認め「検討していく」と答えました。 "[he-forum 18774] 東京新聞6/5","東京新聞 2015年6月5日付 「即戦力」機関を創設 職業教育 社会人入学も  政府は四日、産業競争力会議の会合を開き、職業教育を行う新たな高等教育機関の創設など、経済成長に向けた人材育成策を示した。安倍晋三首相は「実社会のニーズに合わせた制度を創設し、学校間の競争を促す」と表明した。今月中にまとめる成長戦略に盛り込み、来年にも関連法を改正して二〇一九年度の開校を目指す。  高校の新卒に加え、社会人の入学も可能にし、キャリアアップに役立ててもらう。既存の四年制大学や短大、専門学校から新教育機関への移行も認める方針。  既存の大学では企業が求める実務的な教育が十分行われていないとの指摘があり、企業側も従業員の教育に充てる時間が不足しているとの問題がある。新教育機関は産業界と協力してカリキュラムを編成し、急速に進歩するIT分野など経済の変化に対応するための専門知識を教える。  ただ、技能の習得を重視することで、伝統的な教養教育や基礎的な研究が軽視されかねないとの批判が出る可能性がある。実務経験や専門知識が豊富な教員を確保できるかも課題だ。新教育機関は、既存の高等専門学校(高専)とは別の枠組みとし、卒業生には学位を認定する。修業年限は職業分野に応じて二~四年とする案が出ており、社会人はより短い期間で卒業できる仕組みも検討する。  首相は会合で「個人の意志と選択に基づき、必要な能力開発を支援する」とも話した。人材育成策には、従業員のキャリア開発を支援する企業への助成金を拡充する方針も盛り込まれた。専門知識を得るための研修を受ける人を支援する「教育訓練給付制度」の対象を来年度にも拡大する。 "[he-forum 18773] 東京新聞6/3","東京新聞 2015年6月3日付 米軍支援の大会に3大学 軍事研究禁止の東大黙認  米海軍が資金提供して開催された無人ボートの技術を競う国際大会に、東京大学など国立三大学の工学部学生チームが、資金援助を受けて参加していたことがわかった。三大学のうち、軍事研究への関与や軍事関連組織からの援助を原則禁じている東大では、米軍関与を認識しつつ参加を黙認。米海軍は理系の学生への支援は「(将来)米国や軍に利益をもたらす」としている。(望月衣塑子)  参加したのは、二〇一四年十月にシンガポールで開かれた無人ボートの国際大会「マリタイム ロボットX チャレンジ」の第一回大会。米海軍海事技術本部(ONR)などが資金を出し、米国防企業が加盟する米国際無人機協会(AUVSI)などが運営した。日本からは東大のほか東京工業大、大阪大が出場。参加した日米韓など五カ国計十五大学の学生チームは、それぞれ八百万円相当の支援を受け、無人ボートを開発、その性能を競い合った。各チームが受け取ったのは、ONRが開発した全長四メートルの船体(五百万円相当)と三百万円の資金で、主催者側の負担はこれだけで一億二千万円に上った。  関係者によると、三大学の学生らはそれぞれ、工学部の教授や准教授から大会参加を呼びかけられて、チームを結成した。  このうち工学部システム創成学科の准教授の勧誘で結成された東大チームは一四年春、大学の水槽施設を利用して、無人ボートの開発を計画。米軍関与の大会だったため、同学科では軍事研究禁止の原則との関係を教員会議で議論した。その結果、「大会は最先端技術の習得が目的」とする准教授の主張を受け入れ、施設利用を認めた。この際、大会参加の是非については議論しなかったという。  大会では、米国チームが優勝、日本では大阪大の六位が最高だった。ONRはこの大会のために一二年に一括で五百万ドル(約六億二千万円)を支出し、このうち二百四十万ドルが既に使われたとしている。  学生チームへの対応について東大広報は「軍事研究禁止の方針に変更はない」としたうえで、「米海軍機関がスポンサーに加わっているが、もの作りの力を競う大会であるため、施設利用を承認した。大会参加は学生の自主性を重んじた」とコメントしている。 ◆軍を担う学生採用視野  大会を支援したONRのボブ・フリーマン広報担当補佐官の話 われわれは、軍の将来を担う科学者やエンジニアを、投資した学生の中から採用することも視野に入れている。将来のために理系の学生には積極的に投資していく。 <東大の軍事研究禁止の原則> 大学の最高意思決定機関である教育研究評議会での学長発言を通じて引き継がれてきた東大の戦後の基本原則の一つ。1959年の評議会で、当時の茅誠司学長は「軍事研究はもちろん、軍事研究として疑われる恐れのあるものも一切行わない」と表明。67年には、大河内一男学長が「外国も含めて軍関係からは研究援助を受けない」とした。しかし昨年12月、大学院の情報理工学系研究科は、「一切の例外なく禁止」という文言をガイドラインから削除した。 "[he-forum 18778] 読売新聞5/18ー6/4","読売新聞 2015年5月16日付 教職大学院 (1)理論と実践 指導力磨く  高い専門性を持つ教員の養成にあたる教職大学院が来年度、新設ラッシュを迎える。  即戦力となる新人教員を育て、現職教員が学び直せる場として期待が高まる。一方で定員割れのケースも目立ち、学生確保には課題がある。全国で設置が進む教職大学院の現状を追う。 授業分析50回  「学校で教える自信が少しずつついてきた」。東京学芸大(東京都小金井市)の教職大学院2年、根岸陽月ようげつさん(23)は語る。  別の大学の文学部で教員免許を取得し、2年前に故郷の群馬県で受けた小学校教員採用試験は不合格だった。「自分の力を磨きたい」と、両親から2年間の学費約140万円を借り、教職大学院に進んだ。  4月下旬、大学院1年生向けの「授業づくり」の授業。根岸さんは入学したばかりの約30人の前に立った。  小学校で国語や算数の授業を見学した時に作った「授業記録」を掲げると、その詳細な内容に驚きの声が漏れた。45分の授業でB4判8枚ほどに教員の発言と児童の発言・反応が書き込まれていた。根岸さんは1年間で50回以上、この授業分析を繰り返してきた。  「子供の思考を深めた教師の発言など授業のポイントや失敗に気付く目が育ち、自分の授業の改善につなげられる」。指導にあたる元小学校長の小山田穣ゆたか特命教授(67)は説明する。  学芸大の教職大学院は1、2年生計約70人。2008年の開設以来、全国では各年度とも4~7割の教職大学院が募集定員に達しない中、同大では入学者が定員の1・3倍に上った年もある。学生は授業づくりや生徒指導といった実践的な内容を学び、取得する45単位以上のうち、10単位以上を実習にあてる。  根岸さんは大学院1年生の秋から都内の小学校に週2日通い、6年理科の授業も計3コマ担当する。当初は授業を進めるだけで精いっぱいだったが、問題につまずいた子供の表情の変化も目に留まるようになった。  「理論の学習と実習の経験がかみ合って、初めて現場で力を発揮できるようになると実感した」と根岸さん。今年夏、採用試験に再び挑戦する。 即戦力目指す  東京学芸大の教職大学院1年、伊藤里紗さん(22)は、同大の教育学部4年生だった昨年、相模原市の小学校教員採用試験に合格。教職大学院の進学者を対象に採用を2年間延期する同市の制度を利用した。  教員になると、1年目は初任者研修で授業方法や生徒指導など年300時間以上の校内研修と、年25日以上の校外研修を受けるが、「授業や校務と同時並行で指導力を磨く余裕があるかわからない。即戦力として教壇に立ちたい」と伊藤さんは話す。  文部科学省によると、14年3月時点で公立小中学校教員の約4割は50歳以上。ベテラン教員の大量退職時代を迎え、若手教員への授業技術などの継承が困難になっている事情もある。また、ICT(情報通信技術)を使った新しい学習法、いじめや不登校など深刻な問題にも対処しなければならない。成田喜一郎・東京学芸大教職大学院副院長は「教員に求められる力は複雑化、高度化する一方だ。学部教育だけでは対応が難しい面もある」と指摘する。 中堅教員を養成  教職大学院は、指導力のある新人教員と学校運営の核となる中堅教員の養成を目的に、2008年に開設が始まった。法科大学院などと同じ専門職大学院の一つだ。  現在の設置校は国立大21校、私立大6校の計27校で、15年度の入学者は各10~89人の計874人。現職教員が半数近くを占める。  国立大学改革に合わせ、文部科学省は各都道府県に教職大学院を設置する方針を打ち出し、読売新聞の調査では、国立大18校が16年度、7校が17年度に新設を計画するなど、全国に広がる見通しだ。学生を確保するうえで、現職教員の派遣などにあたる教育委員会との連携強化を求める声が強い。 ************ 読売新聞 2015年5月22日付 教職大学院 (2)院生勤務校へ教授ら出向き指導  教職大学院は、現職教員の学び直しを一つの目的に掲げる。  教員が働きながら学べるように、福井大教職大学院が取り入れたのは、大学教授らの指導チームが勤務校に出向く「学校拠点方式」だ。  4月末、福井県坂井市立春江小に、二宮秀夫教授(57)ら4人の姿があった。  同小の教務主任を務める山田俊行教諭(49)は、教職大学院スクールリーダー養成コースの2年生。研究テーマは、授業研究会を通じ、教員が学び合える学校をつくることだ。  放課後の会議室。指導チーム、山田教諭のほか、同僚の教員13人が集まり、小学2年生の道徳で「物を大切に使う心」を育てる授業案の検討が始まった。  この日は、道徳の副教材から、紙飛行機を作ろうと算数のノートを破った男児の物語が題材に選ばれた。教員からノートの「気持ち」を想像させたらどうかと意見が出ると、「粗末に扱われたノートが泣いている、と投げかけたら?」と二宮教授。別の大学教員は、即興劇を演じさせることで自由な発想を促す海外の学習法を紹介した。検討は1時間以上に及んだ。  山田教諭は、担任クラスを持たず、学校全体の授業計画をまとめ、若手教員らに助言する立場で、教職大学院の研究は校務と重なり合う。  校務と研究を兼ね、この1年で授業研究会などを9回開催。題材や進行手順を決め、研究会後に教員が行う公開授業では、議論した内容が生かされているか検証を繰り返した。指導チームからは「教員がどう授業をしたかではなく、授業を受けている子供の様子をよく見て」などと細かくアドバイスを受けた。  「仕事との両立は大変だが、学んだことをすぐに試せる充実感がある。仕事を振り返り、改善につなげる習慣がついた」と山田教諭は話す。  現職教員の学生が福井大に足を運ぶのは、月1回の「合同カンファレンス」。1、2年生約60人が研究の状況を報告し合い、教授らを交えて1日がかりで意見交換する。夏休みと冬休み計15日間の集中講座では、児童心理学や学校経営などについて討論やリポート作成が課される。  前まえ義隆・春江小校長(58)は「学校の中核を担う教員が現場を離れずに済むので助かる。学び続ける姿勢は他の教員にも刺激になる」と語り、山田教諭が修了する来春以降は、別の教員を「後任」に充てたいという。  福井大教職大学院が教授らを派遣している学校は、福井県内の30校のほか、東京都板橋区や川崎市、奈良市などにも7校ある。「学生から電話一本もらえれば駆け付ける」と二宮教授。  福井大教職大学院の学費は約28万円の入学金と年約54万円の授業料。現職教員の学生には、福井県教委が入学金の半額を補助するほか、福井市や坂井市なども学費の補助制度を設けて後押ししており、学校拠点方式は根付きつつある。 *********** 読売新聞 2015年5月23日付 教職大学院 (3)無給、自己負担の「修学休業」  教員として専門性を高めようと、長期の休みを取り、学費を自己負担して教職大学院で学ぶ人たちがいる。  研修として給与を受けながら通える教育委員会の派遣制度では、進学先や派遣人数が限られるためだ。  千葉県の公立高校で数学を担当する平野善久教諭(48)は今春までの2年間、修学休業制度を使って母校・宮城教育大の教職大学院に通った。  以前の勤務校では、授業中に下を向くなどやる気のうかがえない生徒が何人かいて、「もっと好奇心を持たせる授業」を目指したいと思ったからだ。  教職大学院では、講義のほか、仙台市内の高校で3回にわたって計6週間の実習があった。2回目の実習で見た数学の授業は、予習を前提に、生徒が5、6人グループで教え合いながら問題を解き、教諭は質問を受けた時などに説明するだけだった。「生徒がアクティブで退屈していない。講義形式ではない方法も有効だ」と実感した。  自らの授業実習ではグループ学習に挑戦。たこ糸と虫ピンを使って生徒に楕円だえんを描かせ、円との関係を考えさせようと試みた。生徒の感想には「考えるうちに楽しくなった」と書かれていた。教員の学生同士で電子黒板などを使った授業法について話す機会もあり、教員が学び続ける大切さを再確認した。  ただ、様々な困難も伴った。2年間無給の上、学費は計約140万円。妻や高校生から小学生までの子供3人と離れて単身生活を送り、生活費には貯金などをあてた。父親の介護もあり、一時は毎週末、宮城県と千葉県の自宅を車で片道5時間かけて行き来した。平野教諭は「家族の協力がなければ乗り切れなかった。学んだことを学校に還元したい」と語る。  沖縄県の吉田朝顕ともあき教諭(45)も修学休業制度で教職大学院に進んだ一人だ。  これまで勤めた小学校10校には、教員一丸で授業や行事に取り組んだ学校も、そうでない学校もあった。その差がどこで生じるのか突き止めたかった。  3年前、茨城県で開かれた学校管理職向けの研修会に参加し、浅野良一・兵庫教育大教職大学院教授から学校経営の理論を学んだ。教員の授業力や児童の協調性、保護者の協力など学校の強みと弱みを分析し、課題克服に導く手法に「学校づくりの手がかりになると直感した」と吉田教諭は言う。  妻と子供3人を沖縄に残し、今春進学した兵庫教育大教職大学院では、地域との連携を進める学校の事例を分析した。各地の学校訪問調査や校長に数日間密着して仕事の観察も行う。  沖縄県では現在、財政難で小中学校教員の教職大学院への派遣はなく、吉田教諭は休業を選択。同大が独自に設けた授業料免除制度を利用できたが、貯金を使いながらの寮生活が続く。  東京大の村上祐介准教授(教育行政学)は「教員の学び直しは学校教育の質向上に不可欠だが、個人の熱意だけに頼っていては広がらない。国や教委が教職大学院の学費負担の軽減策などを検討すべきだ」と指摘する。 ************* 読売新聞 2015年5月28日付 教職大学院 (4)実習先の課題、一緒に解決  教職大学院の学生が実習先の学校と連携し、各校の課題解決を進めるケースがある。  新潟県上越、妙高市などで上越教育大教職大学院が実施する「学校支援プロジェクト」はその一例だ。  妙高市立新井南小(児童数64人)には、幼児教育などが専門の木村吉彦教授(60)から指導を受ける大学院2年生2人が通い、課題の「保育園との連携」に教員らと取り組んでいる。  東京都内の私立大を卒業して進学した梅川広樹さん(23)と、静岡県教委から派遣された小学教諭の五十嵐崇人たかひとさん(41)だ。  新井南小は、校舎内に入る市立保育園から毎年10人前後の子が入学するのに、双方の交流はほとんどなかった。  前任の校長から協力要請を受け、2年前から木村教授や学生が4月や9~12月に訪問。小学5、6年生らによる保育園児への読み聞かせや保育園職員を対象にした1年生の教室見学などの計画や支援にあたってきた。昨年秋から参加する梅川さん、五十嵐さんは授業で教諭の補助役も務める。  4月下旬、1、2年生合同の体育の授業では、運動会のリレー練習でスタートラインに立った児童に「『よーい』の後は体を動かさないよ」などと声を掛けた。  授業中に撮影した映像記録を分析し、気になった児童の発言や様子の変化は教諭に伝える。  「よく子供を見ている。学校の一員として学生は欠かせない存在」と鹿住かずみ寿和校長(57)。  梅川さんは「子供と接し、記録を追い、先生方と話し合いを繰り返すうち、子供の気持ちが分かる教員になりたいという思いが強くなった」と語る。  プロジェクトは、教職大学院が開設された2008年にスタート。連携校は今年度、小中高校約40校にまで広がった。  各校の課題は、学力向上から学級の人間関係づくりまで様々。教授らと大学院生約100人がチームを組み、研究テーマと合致した学校に入っていく。  福島県教委から派遣された中学教諭で大学院2年生の伊藤大輔さん(37)は昨春から、上越市立中郷中(生徒数103人)で特別支援学級を支援している。  昨年は、授業中に落ち着いて座っていられなかった男子生徒に、得意な絵を描かせることで自信を持たせたいと提案。担任教諭と家庭を訪問し、父親からも励ましてほしいと依頼した。  生徒は地域の未来をイメージした絵を描き上げ、秋の文化祭では会場の入り口に貼り出された。その後、生徒が席に座って授業を受ける回数は次第に増えたという。  伊藤さんらの指導を担当し、教員や生徒の「学び合い」を研究テーマとする西川純教授(55)は「学生には学校の教員、保護者など様々な立場、世代の人と関係を築き、課題に対応する協働力をつけさせたい」と話す。 ************ 読売新聞 2015年5月29日付 教職大学院 (5)大学「連合」定員割れ防ぐ  京都と大阪では、複数の大学が協力し、連合教職大学院をつくっている。多様な学生や大学教授らを確保しやすいためだ。  4月から京都市立新町小で約2か月の実習を行っている京都連合教職大学院の2年生3人は、放課後に児童の様子などについて意見を交わしてきた。  いずれも学部卒の学生だが、西沢寛奈かんなさん(23)は京都女子大、中島悠さん(25)は佛教大、松井大貴さん(23)は京都産業大と出身大学が異なる。  西沢さんは男子学生2人の様子を間近で見て、「子供への接し方が参考になった」と話す。教室を移動する際、つい強い口調で「静かに」と注意しがちだが、中島さんが落ち着いた声で呼びかけるのを見て、「かえって指示が届きやすい」と感じた。  中島さんは、西沢さんから病院内に設けられる「院内学級」を研究した卒業論文の内容を聞き、「重い病気や障害を持つ子供の実態を知って個に応じた教育の必要性を感じた。様々な大学から学生が集まるからこそ得られた視点」と語る。  京都では2008年、国立の京都教育大を中心に、京都女子大、同志社大など私立大7校が連携し、初の連合教職大学院が開設された。  各年度の募集定員は60人。このうち30人は私大が特別推薦枠で自校の学生らを送り込み、10人程度は京都府、京都市の教育委員会などが現職教員を派遣する。残り約20人の一般選抜は2倍程度の倍率で推移し、定員割れは一度もない。  教員免許を持たない事務職員向けのカリキュラムを用意するなど、さらに学生の確保を進める方針で、浅井和行・京都教育大副学長は「定員割れのため募集停止が相次ぐ法科大学院の課題を乗り越えたい」と話す。  読売新聞の調査では今年度、全国の教職大学院27校のうち、入学者が募集定員に満たなかったのは4割超の12校。うち6校は私大の大学院だった。ある私大関係者は「学生だけでなく、専任の教授らを集める負担も大きく、経営的に苦しい」と打ち明ける。  京都では、参加大学や府、市教委が分担して教授ら計23人を教職大学院へ送る形を取るため、各私大は割り当てが1人で済み、「連合に参加するメリットは大きい」(京産大の担当者)との声が強い。  ただ、各大学の学部で学ぶ内容にはバラツキがあり、昨年から大学院1年生の前期に共通のベースとなる基礎理論の授業を課すなど対策を始めている。  4月には大阪でも、国立の大阪教育大、私立の関西大、近畿大による連合教職大学院が誕生し、定員30人を上回る37人が入学した。各私大が推薦枠を持ち、教授らの確保を分担する方式は京都と同じだ。来年度以降、新設予定の教職大学院にも連合型を模索する動きが出ており、広がる兆しも見える。 ************ 読売新聞 2015年6月4日付 教職大学院(6)苦しい学生確保…現状と課題  専門性の高い教員を養成する場として来年度以降、全国で開設ラッシュを迎える教職大学院。  日本教職大学院協会の教育委員会等連携検討委員会座長を務める篠原清昭・岐阜大教職大学院教授と、文部科学省の柳沢好治・教員養成企画室長に現状や課題について聞いた。 学費軽減など検討必要…篠原清昭・岐阜大教職大学院教授  ――現状をどう見るか。  「学部卒の学生と学校の中堅を担う現職教員の学生では、求める教育内容が異なる。一緒に学ばせるのは好ましくない。授業の編成などが難しくなる」  ――学生確保に苦しむ大学が多いようだが。  「教育委員会が教職大学院に教員を派遣し、校長、教頭候補として育てるのが理想だが、財政難で派遣人数を減らす例が増えている。学費は個人負担の場合が多く、国立では2年間で約140万円かかる。30~40歳代の教員は子育ての出費もかさみ、経済的負担が大きい。国、教委、大学側が学費負担の軽減策などを真剣に検討すべきだ」  ――修了者へのメリットが少ないとの指摘がある。  「修了者を社会的に評価する仕組みが必要だ。教員採用試験の1次試験免除などの優遇措置を広げ、現職教員が修了した場合は管理職登用試験の1次試験を免除するといった制度を整えなければならない」  ――今後、果たすべき役割は。  「全国の公立学校で昨年度、約6900人が教頭・副校長に昇進したが、教職大学院に入学した教員は340人に過ぎない。岐阜大教職大学院は、岐阜県、岐阜市の教委と連携し、教頭などの候補者を対象に養成講習を行い、その成果を管理職登用に反映させる仕組みを計画している。教職大学院は学校管理職の養成に貢献すべきだ」 学び続ける教員支援を…柳沢好治・文科省教員養成企画室長  ――教職大学院の開設が相次ぐ背景は。  「いじめや不登校から、英語、ICT(情報通信技術)教育まで教育課題は多い。社会が大きく変化する中で、学び続ける教員を支援する仕組みが欠かせない。すでにある大学院修士課程を教職大学院に再編するなどして、各都道府県に1校以上は開設されるようにしていきたい」  ――課題は何か。  「まずは教育委員会との連携だ。大学は学校や地域のニーズをくみ取った上で、教員養成のカリキュラムを作ってもらいたい。そして、教委が積極的に現職教員を学生として派遣し、経験豊富な元校長らを大学の『実務家教員』として推薦するような関係を築かなければならない。『教員養成は大学、教員研修は教委』という断絶をなくしたい」  ――定員割れについては。  「学生のアンケートなどを見ると、教育内容への評価は高い。大学側のアピールが足りない面があるのではないか。授業料の免除制度など学びやすい環境作りや、教員採用試験の一部免除など修了者への優遇策は今後、具体的な検討が進むと思う」  ――実務家教員の確保が難しいとの声もある。  「教職大学院を修了し、現場に戻った教員の中から大学院で教える実務家教員が出るようなサイクルができれば解消されると期待している」  この連載は、伊藤史彦、泉田友紀、名倉透浩、山田睦子が担当しました。  る。??蜈 ???担う政党には、データに基づき、長期的な見通しをもって教育政策を企画実行することが求められている。 "[he-forum 18779] 朝日新聞6/8","朝日新聞 2015年6月8日00時58分 大学の役割とは何か? 国立大学改革の行方 文系学部で何を教える? ?  国立大学改革が着々と進んでいます。特に文系学部が大きな転換を迫られ、大学の機能強化も求められています。オピニオン面で3月に掲載した「文系学部で何を教える」には多くのご意見が寄せられました。反響を元に、大学の役割とは何か、改めて考えました。 ■教養・実学、対立しない  愛知県の公立大学で英文学を学んだ村上明子さん(38)は、「何とぜいたくな時間だったんだろう」と学生時代を振り返ります。「他者の意見を聞き、自分の意見を言う。異国文学に触れることで世界を知る。成果主義とは無縁でいられた『貯蓄』こそが、その後のしんどい人生を下支えしてくれていると思う」  適性もわからず、目的意識もないままの入学だったそうです。2年間休学して、北海道の富良野塾で演劇を学んだり農業をかじったり。卒業後は上京してアルバイト生活を送り、10年ほど前に故郷の愛知県半田市に帰って40人近い小学生を預かる学童保育の仕事につきました。学校の教師にいい思い出がなかったので、子どもと向き合う職に出会えたことを自身でも驚いているとか。  「人生は不測の事態の連続です。でも、すべての経験はいつかピースがかみあい、どこかにつながっていく。目先の技能だけではなく、将来の選択肢、可能性が広がるように人の土台をつくっていくのが、教育の役割なのではないでしょうか」  一方、都内の私立大学で米文学を学んだ横浜市の渡辺裕香子さん(64)は、40代に入って通った翻訳者養成学校で、講師から「政治経済や科学など専門知識を持たないとダメ」と言われ、小説を読んでのんびり過ごした学生時代を悔やみました。薬学関係の知識がある友人の稼ぎは、自分の倍以上。その後、翻訳の仕事はやめて銀行のコールセンターに転職しました。  自身の後悔をふまえ、長女の英文科進学に反対し、社会科学系の学部へ行かせました。勉強が好きでなかった次女には、手に職をつけた方がいいと、専門学校を勧めました。  従来の大学の役割を教養の習得だとする意見に対しては、「甘い」と思うそうです。「右肩上がりの社会はとうに終わり、格差が深刻です。卒業後、自活しなければならない人は、しっかり実務を身につけるべきです」  大学で教える立場からの意見も寄せられました。神戸市にある私立大学准教授、鷹野正興さん(53)は「生きていくための知の技法」という問題提起に賛同します。学内には、司法書士の合格率アップに熱心な大学の方針に批判もありますが、学生に具体的目標を持たせて資格を取らせるのは学生にとっても大学にとっても有益だ、と考えます。「その部分がない大学は、速いペースで日本社会から淘汰(とうた)されていくでしょう」  ただ、ローカル大学は職業人育成だけやればいい、とする意見には強い違和感を覚えたそうです。ローカルな大学からアカデミズムの道へ進む機会を奪い、一方でグローバル大学からは専門職業人へ進む機会を奪うことにならないか。学生の視点が欠けている、と。  二者択一的な議論は避けるべきだと語るのは、東京都品川区の滝口学さん(37)。多くの命が失われた阪神大震災に衝撃を受け、大阪の国立大学で生命倫理を学びました。生命はどこから生まれるのか、といった机上の講義の多くには、学生時代、期待したほどの充実感を得られなかったと言います。  卒業後は外資系大手製薬会社に就職。営業マンとして働き、20代で既に1千万円近い年収など恵まれた境遇にありましたが、幸福感はなかったそうです。10年ほど企業で働いたあと、郷里・静岡県の国立大看護学科に入り直し、去年から都内の病院で働いています。「看護師として、患者さんの闘病や回復の過程に立ち会う日々を通して、ようやく生命倫理の本質や働く意義が意味づけられるようになりました」  でも、それまでの模索は無駄でなかった、営業の経験があったからこそ学問の意味にたどり着けた、と付け加えます。「実践と抽象的思考は対立するも のではなく、両者の行き来が大切と思う。だから時代に対応するために人文的教養を切り捨てたり、逆に旧来型の学問にしがみついて実務不要と開き直ったりす るのは、どちらもよくない。より良い方向へ、共に変わることが、大学改革になるはずです」 ■変化、対応できる人を  高知大学では今春、大学改革の一環として「地域協働学部」が発足しました。地域が抱える課題を解決する担い手を育てよう、との狙いがあります。上田健作学部長に、その背景を聞きました。      ◇  最近の学生をみていると、人間のなかで暮らすための基本的な技や姿勢が育っていないように感じるんです。家と学校と塾をぐるぐると回るだけの生活で、社会体験があまりにも少なかったせいでしょうか。  だから大学に入っても、自ら教養を身につける学びができていない。知識は実践のなかで活用され、知恵に変わってこそ教養として身につくもの。でも 教室で学んだ知識は「情報」としてしまい込まれ、日々の生活は別にある。そんな分裂した姿を見るにつけ、伝統的な教養教育では成果が期待できない時代なん だな、と感じていました。  地域協働学部では、地域という現場に入り、体験することから始めます。新入生67人は、中山間地域や限界集落な ど県内6カ所を訪ねる。草取りから祭りの手伝い、収穫作業まで、いろんな要望に応えるなかでヒアリングもし、地域を五感で感じてもらうのです。2年生にな ると、どこか1カ所と徹底的にお付き合いする。2年間で地元の資源を見つけ、活性化のために何ができるかを事業計画にまとめ、地元の人と一緒に実践する、 という計画です。  恐らく失敗の山だろうと、覚悟はしていますよ。でも、それで構わない。地域のかたにも、「地域力を学生の学びと成長に生かし、学生力を地域の再生と発展に生かす」という理念を共有していただいています。  少子高齢化が著しい高知県は、日本社会が将来抱える課題の先進県です。この田舎の「強み」を、私たちは生かしたい。厳しい現実に向き合い、地域の人々と協働するなかから活路を見いだす。そんな経験を通じて磨き、学んだ技は、どんな世界でも通用すると思うんです。結果は仮に失敗だったとしても。  地域の社長さんは「即戦力」なんか求めていませんよ。誰もが欲しいのは、激しい時代の変化にも柔軟に対応していける人材、自らの足で立って成長していける人間です。そんな人材を多く育てていきたいのです。 ■国立大学法人支援課長・豊岡宏規さん  社会も産業も大きく変わっているいま、大学も変わっていかないといけない。そんな認識が、国立大学改革の出発点としてあります。政府の産業競争力会議でも議論が進められ、全国86の国立大学の役割をはっきりさせて、今後まとめられる成長戦略の柱の一つとなる見込みです。  文部科学省としても、昨年実施した国立大学のミッションの再定義を踏まえた組織改革、特に人文・社会科学系や教員養成系の学部・大学院の「廃止」や「社会的要請の高い分野への転換」を含めた見直しを求める方針を打ち出しています。国立大学法人は6年サイクルで「中期目標」を掲げています。16年春から第3期に入るにあたり、見直しを加速していただきたい。来春からの新学部発足など組織改変を検討している大学はたくさんあります。  キーワードは「機能強化」。各大学には「地域活性化の中核的役割」「特色のある全国的教育研究の展開」「世界最高の教育研究の展開」といったなかから進むべき方向を明確にしてもらい、それぞれの強み、特色を発揮して、競争力と付加価値を生む大学にしていこうという狙いです。  国立大学の運営費交付金も、従来は主に大学の規模に応じて配分していましたが、2016年度からは改革への取り組みへの評価に応じて配分する仕組みを導入する方向です。 ■名古屋大学准教授・日比嘉高さん  産業競争力会議が大学改革を議論していることが象徴的です。大学はカネになる、日本が稼ぐためのタネがある、と考えているのでしょう。でも聞こえてくるのは、いま成功している主に理系の特定の分野に資源を集中させるような話ばかり。  イノベーションとは、予想もつかないところに芽が出るから革新的なわけでしょう。この辺で芽が出るだろうと、誰もが思いつくところばかりに水を やって、革新的な成果につながるでしょうか。理系の中にも、危機感を抱いている人はいるはずです。すぐには成果が上がらない研究もあるわけですから。  ガバナンスのあり方も気になります。学長を選ぶ権限は学外者が多く入る学長選考会議に移り、教職員の投票ではトップになった人が学長に選ばれない事態が起きています。その学長に権限を集中させている。トップダウンで改革を加速させたいのでしょう。  「グローバル化」や「地域貢献」を掲げた新しい学部が、今後各地に次々とできるでしょう。そこに運営費交付金の一部を政策的に配分するためには、何とか違いを見つけて評価し、序列化しなければなりません。機能別に分化を推し進めると、評価は必然的に大変な作業になる。膨大な雑務が生じるだけで、得をする人は誰もいないと思うんですが。      ◇  国立大学のあり方を考える争論「文系学部で何を教える」(3月4日付)では、経営コンサルタントの 冨山和彦さんが「実践力」を重視、日比嘉高さんが「考える力」に力点を置く論を展開しました。73件の反響があり、うち「実践力」派が8件、「考える力」 派が40件でした。「国立ならもっと学費を下げて」というご意見も。格差が広がる中、経済的な理由で進学をあきらめる若者を出さないような「改革」も必要 ではないでしょうか。 ◆萩一晶と藤生京子が担当しました。 "[he-forum 18782] 日本経済新聞6/9","日本経済新聞 2015年6月9日付 教員養成系など学部廃止を要請 文科相、国立大に  下村博文文部科学相は8日、全国の国立大学法人に対し、第3期中期目標・中期計画(2016~21年度)の策定にあたって教員養成系や人文社会科学系の学部・大学院の廃止や転換に取り組むことなどを求める通知を出した。  通知では、各法人の強みや特色を明確に打ち出すよう求め、組織改革に積極的に取り組む大学には予算を重点配分する枠組みも盛り込んだ。  教員養成系と人文社会科学系については、18歳人口の減少などを理由に、組織の廃止、社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう要請。司法試験合格率が低迷する法科大学院についても、廃止や他の大学院との連合など「抜本的な見直し」を求めた。  (1)地域貢献(2)世界・全国的な教育研究(3)世界的な卓越教育研究――のいずれかの枠組みを選んで機能強化を進める大学には、運営費交付金を重点配分するとした。  国立大学法人は6年ごとに中期目標・中期計画を掲げており、16年春からが3期目。各法人は通知を踏まえて目標・計画を策定し、15年度中に文科相が認可する。 "[he-forum 18781] 四国新聞6/9","四国新聞 2015年6月9日付 次期学長選の学内投票実施/香川大、きょう開票  香川大は8日、長尾省吾学長(73)の任期満了(9月30日)に伴う次期学長選で、講師以上の教員や課長以上の事務職員を対象に学内投票を行った。投票資格者は519人で、9日に開票する。  候補者は長尾学長と加野芳正教育学部教授(61)の2人。9日には学内外の委員13人でつくる「学長選考会議」を開き、投票結果や各候補者の面接結果、所信表明の内容などを同会議が総合的に判断し、学長を選出する。 "[he-forum 18780] 国大協政策研究所研究報告書(5/25)"," 国立大学協会が5月25日に下記の報告書を公開しています。      記 政策研究所 研究報告書 「運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究」  PDFファイルのURLは http://www.janu.jp/news/whatsnew/2014-seisakukenkyujo-uneihi.html です。  以上■ "[he-forum 18784] しんぶん赤旗","しんぶん赤旗 2015年6月10日(水) 大学で軍事研究反対 参院外防委で井上氏  日本共産党の井上哲士議員は9日の参院外交防衛委員会で、防衛省が今年度から始めた「安全保障技術研究推進制度」を取り上げ、「憲法9条の精神を 生かし、戦争目的の科学研究を行わないとしてきた学問研究の分野に(防衛省が)入っていくもので、戦争法案と一体のものだ。やめるべきだ」と指摘しまし た。  同制度は、防衛装備品の研究開発に活用することを目的に、大学の研究機関や企業から技術提案を募り、研究資金を配分する「競争的資金制度」です。 「大学や研究機関との連携の充実等により、防衛にも応用可能な民生技術の積極的な活用に努める」とした新防衛大綱の具体化。今年度3億円を計上していま す。  井上氏が同制度の必要性をただしたのに対し、防衛省の外園博一大臣官房技術監は「防衛省の行政目的に合致したテーマをつくり、そこに資金を提供することが必要だと考えた」と答弁しました。  井上氏は、「戦争目的のための科学研究を行わない」としてきた日本学術会議の立場に言及。「いま国立大学では経常研究費がほとんどなくなってい る。教員が背に腹は代えられないと応募してくれば、それを突破口に、徐々に軍事研究に大学を取り込んでいく。そのための独自資金だ」と批判しました。 ◇  同日の委員会で、防衛装備庁の新設などを盛り込んだ防衛省設置法改定案が自民、公明などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。= "[he-forum 18783] しんぶん赤旗6/10","しんぶん赤旗 2015年6月10日(水) 国立大人文系を統廃合 文科省が通知 交付金も重点配分  文科省は9日、国立大学に対して人文社会科学や教員養成の学部・大学院の縮小や統廃合などを求める通知を出しました。理系人材を求める財界の要求に応えて“人文系つぶし”に踏み出すものです。各大学は通知を参考に中期目標・中期計画を策定することになります。  通知は、「持続的な競争力を持ち、高い付加価値を生み出す国立大学となることが期待される」と強調。理系分野の「人材需要」などを理由に、人文社 会科学系や教員養成系の学部・大学院について「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組む」と明記しました。  国立大学への運営費交付金についても「機能強化に積極的に取り組む大学に対し重点配分する」として、(1)世界で卓越した研究(2)全国的な研究 (3)地域貢献―の三つの支援の枠組みを示しました。学長主導で学部の統廃合などを進めていくよう財政支援の強化も盛り込みました。  法科大学院についても定員見直しや、組織廃止・統合も含めた見直しを求めています。 解説 日本社会の発展にも逆行  文科省の通知(8日)は、財界・大企業の要求に応えて大学や研究分野を国が選別し、予算の重点配分と一体で教員養成・人文社会科学系を縮小・廃止しようとするものです。  財界は「研究面で新しい発見がなくなってきたり、動きが止まっているような学問領域を思い切ってやめて、新しい領域、学際分野を立ち上げるべきだ」(小林喜光経済同友会代表幹事)と主張。“国際競争力強化”のために学部学科の統廃合を公然と求めています。  これに応えて安倍内閣は、各大学に「3類型」―(1)世界最高の研究(2)全国的研究(3)地域貢献―から一つを選択するよう求めており、人文系統廃合はその一環です。安倍内閣は各大学の取り組みを評価して運営費交付金も重点配分する計画です。  すでに国立大学の基盤的経費である運営費交付金は、法人化後の10年で約1292億円も削減され、教育研究に重大な障害をつくりだしています。重 点配分によって、各大学が類型ごとに資金獲得競争に追い立てられ、大学や学部の再編・統廃合が進められる危険性を抱えています。  しかし、日本学術会議が「(人文科学は)人間と社会のあり方を相対化し批判的に考察する」(提言)と指摘するように、人文科学系の役割は極めて重要です。  多様な役割・機能を持つ大学を国が上から再編していくことは、学問・研究の発展だけでなく、日本社会の豊かな発展にも逆行するものです。  (深山直人) "[he-forum 18789] 産経新聞中国・四国6/8","産経新聞中国・四国版 2015年6月8日付 鳥取県内就職で奨学金返還助成 成長分野の人材確保へ  鳥取県は、県内で成長分野の産業に就職する大学生らに対し、奨学金の返還を一部助成する事業を今年度から始める。景気の回復基調で、県内への企業立地が進む一方、若者の県外流出などで人材不足も目立っており、人材確保を図る。  計画では、助成を受けられるのは県内の製造業、IT企業、医療機器・医薬品製造業などに就職する、大学、大学院、高等専門学校の新卒者と、35歳未満の既卒者。出身地は問わない。日本学生支援機構、鳥取県育英、その他の奨学金の借り入れが対象となる。  同機構の第1種奨学金(無利子)を借りている場合は返還額の2分の1(限度額144万円=大卒)を、第2種(有利子)の場合は4分の1(同72万円)を、8年に分けて助成。新入社員で返還負担が大きい時期に支援する形だ。  年間約150人を助成し、事業は4年間続ける計画。今年度は、国の地方創生の交付金、関係業界の出捐を含め、2億円の基金を造成し、助成の原資にする。  県は6月定例議会に関係予算案を提案している。  県の担当者は「企業の中心となる人材に県内で就職してもらい、その活躍により、次の雇用につなげる流れをつくっていきたい」と話している。 "[he-forum 18788] 週刊金曜日5/29","週刊金曜日 2015年5月29日号 年間寄付金総額3・7億円、総長選考に経営トップ関与――三菱と東大のただならぬ関係 原発メーカーであり兵器産業でもある三菱重工業を筆頭とした三菱グループから東京大学(五神真総長)に対して、2013年度1年間で約3億6700万円もの寄付がなされていたことが、情報公開請求で開示された資料で明らかになった。同大学に設置された「総長選考会議」と「経営協議会」という組織の委員には三菱重工相談役が就いている。国立大学法人・東京大学の大学運営に私企業である「三菱」が深くかかわっている実態が浮き彫りとなった。 情報公開請求で開示されたのは「寄付金一覧」と題するA4判94頁の資料で、13年度1年間に東京大学が受け入れた個人・法人からの寄付約1万2000件、92億7200万円の状況が一部墨塗り状態で記されている。それによると、企業による寄付はおよそざっと2000件、約50億円前後で、うち大学役員に経営者が名を連ねている会社として、三菱重工、東芝、新日鐵住金の3社があった。 これら3社の状況をみると、寄付額がもっとも多いのが三菱重工で、「東京大学基金」に3350万円、「生産技術研究所」に3000万円など計8010万円を寄付している。同社の元会長で相談役兼三菱商事取締役の佃和夫氏は、東京大学総長選考会議と経営協議会の委員になっている。 内規によれば、総長選考会議は総長選考の最終的な決定権を持つ。また経営協議会は総長直轄の組織で、この中から総長選考会議の委員が選ばれる。経営協議会の委員は総長が指名・任命する。総長に権限を集中させる仕組みの中枢に三菱重工が入り込んだ格好だ。 三菱グループ企業全体でみれば、注入された寄付金はさらに大きい。三菱電機、三菱商事、三菱地所、協和発酵キリン、ニコン、三菱マテリアル、三菱化学、三菱レイヨン、三菱ケミカルホールディングス、三菱樹脂インフラテック、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJニコス……田辺三菱製薬の寄付額は1億円と突出している。三菱重工を含め、総額で3億6700万円を超す。 資金注入の「功績」を総長によって買われ、三菱は東京大学の重要ポストを得た。そのように見えてくる。 続いて東芝の寄付をみてみよう。「東大基金」に770万円、公共政策学連携研究部に400万円など合わせて1430万円(関連会社を含む)。三菱重工に比べれば金額は少ないものの、大学運営へのかかわりは深い。総長選考会議と経営協議会の委員には、元会長で相談役の岡村正氏が就いている。また、元常務で現在顧問の有信睦弘氏が東京大学「監事」という地位にいる。さらに、逆に東芝側からみると、07年から12年まで、東京大学元総長の佐々木毅氏が社外取締役になっていた。 新日鐵住金は、三村明夫相談役名誉会長を、総長選考会議と経営協議会の委員に送り込んでいる。同社の寄付は、「工学系研究科・工学部」や「新領域創成科学研究科」「総合研究博物館」「水環境制御研究センター」など、計約3200万円(関連会社を含む)だ。 【学問と原発・軍事産業】 むろん、これらは一部だろう。三菱重工などからの資金流入について、東京大学広報課は「多数の企業から寄付講座などを通じた支援をいただいているが、公益性は保たれている。個別の(寄付)情報は公表していない」として、 積極的な情報開示を拒んでいる。 三菱重工、東芝、新日鐵住金は、いずれも原発に関連の深い企業であり、国内の代表的な軍事産業でもある。東京大学は、侵略戦争に協力した戦前の反省に立って軍事研究の禁止を基本原則にかかげている。しかし、最近これが揺らいでいるとの指摘がある。 大学予算が劇的に減らされる一方、産官学連携の掛け声とともに、国立学校法人となった国立大学は企業マネーを求めてやまない。日本でもっとも予算をとっている東京大学でさえも例外ではない。原発であれ、軍事であれ、カネの魅力の前に「学問の自由」と学者のモラルを売り渡すのか。 (三宅勝久・ジャーナリスト) "[he-forum 18787] X-Priority: 3",,"owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18786] 佐賀新聞6/11","佐賀新聞 2015年6月11日付 国政策に県の提案を 知事、文科相ら4大臣に要請  佐賀県の山口祥義知事は10日、下村博文文科相ら4人の大臣と相次いで面会し、国の政策に佐賀県からの提案を取り入れるよう要請した。東京五輪の開催効果を地方に波及させる取り組みや、佐賀県版地方創生、女性の活躍推進などの施策を提案した。  中央省庁と自民党本部を回り、下村文科相のほか、甘利明特命担当相、石破茂地方創生担当相、林芳正農相と面談した。  文科省では、2020年の東京五輪の効果を地方へ波及させるため、トップアスリートによる地方巡回指導や大会ボランティアへの都道府県枠の設定などを提案した。  山口知事は、東京五輪の表彰メダルに有田焼と江戸切り子を組み合わせる構想を紹介しながら「伝統工芸の発信が重要だし、地方に波及効果が出てくるようにお願いしたい」と述べた。これに対して、下村文科相は「最大のPRチャンスになる。日本らしくていいかもしれないね」と応じた。  環太平洋連携協定(TPP)を担当する甘利特命相には、農業県の立場から、大詰めを迎えたTPP交渉で、米などの農産物重要5項目を守り抜くよう求めた。石破地方創生相には、東京一極集中を分散させるために首都圏の大学の定員を削減して地方を優先するよう提案した。  県は57件の政策提案をまとめ、来年度予算への反映を目指している。 "[he-forum 18785] 四国新聞6/10","四国新聞 2015年6月10日付 香川大学長、長尾氏再選/魅力ある学部、学科設立  香川大は9日、長尾省吾学長(73)の任期満了(9月30日)に伴う「学長選考会議」を開き、長尾氏の再選を決めた。高松市幸町の同大で会見した長尾氏は「若い人たちを引きつけられる魅力ある新しい機能を持った学部、学科を設立したい」と抱負を述べた。任期は10月1日から2年間。  学長選には、長尾氏と加野芳正教育学部教授(61)が立候補した。この日は講師以上の教員と課長級以上の事務職員を対象にした学内投票(投票資格者519人)の開票もあり、投票総数443票(投票率85・4%)のうち、加野氏240票、長尾氏181票、白票14票、無効8票だった。  学内外の委員13人で構成する選考会議では、学内投票の結果や候補者の面接結果、所信表明の内容などを総合的に検討。「現学長の学内からの支持が少ない」「新体制で臨むより現体制を継続して難局を乗り越えるべき」などの意見が出されたため、委員による投票で決めることにし、9票を獲得した長尾氏が加野氏(4票)を上回り、再選した。  長尾氏は会見で「この4年間は死に物狂いで取り組み、ある程度の結果は出せている」と強調。進学で若者が県外流出している現状にも触れ、県が進める「アート県」や交流人口増に向けた取り組みなどにも着目した新たな学部、学科の設立を検討するとした。  長尾 省吾氏(ながお・せいご)1967年岡山大医学部卒。香川医科大医学部教授などを経て2003年から香川大医学部付属病院長。08年からは県厚生農業協同組合連合会理事長を務め、11年10月に医学部出身者として初めて香川大学長に就任した。専門は脳神経外科。三豊市出身。 "[he-forum 18790] 毎日新聞新潟6/11","毎日新聞新潟版 2015年6月11日付 長岡技術科学大学:新学長に東氏  長岡技術科学大は9日、学長選考会議を開き、新原〓一学長(73)の後任に東信彦副学長(60)を充てることを決めた。任期は9月16日から2019年3月31日。東副学長は北大大学院修了。長岡技科大助教授、教授を経て、13年から現職。専門は雪氷学。【金沢衛】 "[he-forum 18792] 秋田魁新報社説6/12","秋田魁新報社説 2015年6月12日付 国立大文系改組 経済優先だけでいいか  文部科学省が全国86の国立大学に、教員養成系や人文社会科学系の学部・大学院の廃止や、社会的要請の高い分野への転換を促す通知を出した。その一方で国は、理工系の拡充や実践的な職業教育を行う「特定研究大学」(仮称)の新設により、経済発展を図ろうとしている。  大学の役割は多様だ。新たな技術を開発し、産業を振興させるのも確かに大事である。しかし、社会や人間を考察・分析する文系の教養や学問も欠かせない。時代が混迷すればするほど、歴史的なものの見方や哲学的な洞察力が求められる。  長いデフレの下、日本は目標を見失っているのかもしれない。安倍政権が主張しているように、再び経済成長を目指せばいいのか。それとも別の道を模索した方がいいのか。これ一つを考察するにしても文系学問の蓄積が必要だ。  文科省は文系学部・大学院の重要性を再認識してほしい。  廃止や転換の理由を文科省は次のように考えているようだ。少子化が進めば、必要な教員数は減る。文学や法学、経済学といった人文社会科学系学部は本当に社会に役立つ人材を育てているのか。  その上で、各大学が第3期中期目標(2016〜21年度)を策定する際には、地域や社会のニーズをよく踏まえて学部・大学院の見直しをしてほしいとしている。  背景にあるのは、安倍政権が強力に推し進めている大学改革だ。「大学力は国力そのものだ。大学の強化なくしてわが国の発展はない」。安倍晋三首相は第2次内閣発足後の13年2月、衆参両院で行った施政方針演説でこう明言。以後、大学改革を成長戦略の一つと位置付け、各種施策を展開している。  この改革が求めているのは結局、社会や産業界の要請に応じて、大学が即戦力となる人材を養成することだ。  理工系学部・大学院の拡充は科学技術の発展や国際競争力の向上に役立つ。19年度に開学が見込まれる特定研究大学は、まさにすぐに役立つ人材の育成が目的だ。それに比べ文系は、教養は身に付くにしろ、即戦力にはなりにくい—そんな見方が透けて見える。  しかし、大学を単に国や社会が求める「労働力」の養成機関にしていいはずがない。  通知が組織改革に積極的に取り組む大学に予算を重点配分するとしている点も心配だ。  予算がつきにくいとなれば、大学独自というより、文科省の意向に沿う教員養成系や人文社会科学系の廃止・転換になる恐れが出てくるからだ。  かつて「物の豊かさから心の豊かさへ」といわれ、最近は、お金より「幸福度」を重視する考え方が注目されている。歴史、文学、哲学といった「文系の知」を大切にしないようでは、社会に不可欠な多様な価値観まで失われてしまうのではないか。 "[he-forum 18791] 産経新聞主張6/12","産経新聞主張 2016年6月12日付 国立大文系 「知」を再興する改革急げ  国立大学改革で文部科学省が、文系学部・大学院の積極的な再編を求める通知を出した。  文系の役割は何か、大学の名に値する教育・研究が行われているのか。改めて問い直し、改革を急ぐべきだ。  国立大は法人化に伴う改革の一環として、6年ごとに中期目標・計画を文科省に提出する。来年度からの中期目標策定にあたり、文科省は全国86の国立大への通知で、各大学の強みなどを明確に打ち出し改革を進めるよう求めた。  とくに教員養成系や人文社会科学系の学部・大学院に対しては、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう明記した。これに対し、成果の見えにくい教養教育などが軽視され、実学偏重にならないかといった懸念がでている。  しかし文科省は文系が不要だと言っているわけではない。基礎、教養教育をおろそかにしていいわけでもない。未知の分野を切り開く思考力を支え、豊かな人間性を養う教養教育の必要性がむしろ高まっていることは、大学人だけでなく、産業界も認識している。  大学には短期の成果がでない「無駄」も必要だ。だが、日本の大学は外部から評価を受けにくく、教員人事の流動性に欠けるなど、ぬるま湯すぎて劣化を招いてきたとの批判が根強い。学問、人材育成をリードすべき国立大に厳しい目が向けられていることは確かだ。  文系の学問も社会をよりよくすることにつながっているのに、狭い専門分野に閉じ籠もりがちだ。地域や産業界からの人材育成のニーズを十分受けとめてこなかった面は否めない。  文系改革の例では「国際」「情報」「福祉」といった学生を引きつける名称変更にとどまりがちだ。優秀な教員を得て、学生を厳しく鍛える教育内容の伴った改革となっていたか、今一度見直す必要がある。  18歳人口は、さらなる減少が見込まれ、生き残りをかけた改革は最後のチャンスともいえる。  少子高齢時代に、社会人の再教育など大学の役割も変わるだろう。地方の国立大には地元からの期待もある。公立、私立大との役割分担を含め連携、再編を積極的に進め、「知」の拠点にふさわしい教育・研究力を高めることが、再生につながる。 "[he-forum 18793] 高知新聞社説6/11","高知新聞社説 2015年6月11日付 【国立大改編通知】維持したい学問の多様性  大学は専門性も大事だが、幅広い教養を学べる場でありたい。特に地方の国立大は、教育の機会均等の観点からもそうあるべきだろう。  下村博文文部科学相が全国の国立大に対し、教員養成系や人文社会科学系の学部・大学院などの廃止や見直しに取り組むよう通知した。組織改革に積極的に取り組む大学には運営費交付金を重点配分するという。  各国立大は2016~21年度の次期中期目標の原案策定を控えている。策定を前に文科省が事実上、足かせをした格好だ。  文科省は以前から、各大学に特色を明確にするよう促しており、今回も少子化や人材需要の変化などを挙げ、地域のニーズを踏まえた見直しを求めている。一見、理にかなっているようだが、大学の学問の多様性を脅かしかねない。  戦後、国立大は地方も「ミニ東大」化し、それが特色のなさや地域貢献不足への不満を招いたことは否定できない。地方の産官は地元大学により積極的な貢献を期待している。  しかし、学問分野や組織の廃止、見直しを求めているわけではない。地域での教員養成を望む声は少なくなく、地域再生へ経済・経営学、歴史学など文系分野への期待も高い。  国立大は04年に法人化され、運営の自由度が高まると期待されたが、実際は国が運営費交付金を年々削減し、競争的資金を拡充することで国の影響力が増している。特に地方大学は財政基盤が弱く、資金が獲得できる分野に収れんしていけば、学問の多様性は維持できなくなる恐れがある。  高知大は今春、教育学部の一部を廃止し、地域の課題解決に当たる人材を育成する地域協働学部を創設した。県内でも期待は高く、大学の挑戦を歓迎したい。文科省が推奨する国立大の特色づくりの先行事例といえるが、これも幅広い学問の素地があったからこそ実現できたといえよう。  そもそも大学には、憲法が保障する「学問の自由」に不可欠な制度として自治が存在する。国が大学の活性化を図るのは重要だが、札束をちらつかせながら組織改編を押し付けるやり方は疑問だ。  社会は大学で学んだ人材に専門知識と同時に豊かな素養、多様な価値観も求めている。地方とて同じであり、国立大の使命は大きい。 "[he-forum 18794] NHKニュース6/11","NHKニュース 2015年6月11日17時45分 法律専門家の養成制度改革案まとまる  政府は質の高い法律の専門家を養成するため、法科大学院の組織を抜本的に見直し、大学院の修了者のおおむね7割以上が司法試験に合格することを目指すなどとした法律専門家の養成制度の改革案をまとめました。  政府は法科大学院を修了した人の司法試験の合格率の低迷などを受けて、法律の専門家を養成する制度の見直しに向けて、おととし、内閣官房に「法曹養成制度改革推進室」を設けて検討を進め、11日開かれた有識者会議で改革案を示しました。  それによりますと、今年度から平成30年度までを「法科大学院集中改革期間」と位置づけて、抜本的な組織の見直しを進め、大学院の修了者のおおむね7割以上が5年以内に司法試験に合格することを目指すとしています。  具体的には、司法試験の合格率の低迷や定員割れの継続といった課題があるうえ、必要な教育課程などを定めた法科大学院の設置基準に違反している場合、是正を求めます。その後、状況が変わらなければ改善を勧告し、さらに閉校命令などの措置も段階的に講じることができるとしています。  また改革案には、今後も毎年の司法試験で少なくとも1500人程度の合格者を確保できるよう、制度改革に取り組むとした目標も盛り込まれました。 政府は来月までに関係閣僚会議を開いて、この案を正式に決定し、実現を目指すことにしています。 "[he-forum 18796] 朝日新聞6/12","朝日新聞 2015年6月12日05時00分 教員の国家免許提言、ねらいは 自民「地位高め質向上」 文科省「なり手減る」懸念  小中高校の教員になるための資格を「国家免許」にする。そんな提言を自民党の教育再生実行本部が出した。医師のような制度にしたいという。ただ、当の文部科学省は前向きとは言えず、実現性には疑問符がつく。改革のねらいは何か。  「学校の先生が尊敬される部分が少なくなってきている。文部科学大臣として免許を出す方がふさわしい」。5月12日、自民党教育再生実行本部長の遠藤利明衆院議員は提言を発表し、そう述べた。  教員免許は現在、大学の教員養成課程で必要な単位をとって申請すれば、都道府県教育委員会から与えられる。その後、免許をとった自治体に関係なく、希望する都道府県の採用試験を受け、合格すればそこの学校に勤めることになる。  自民党の案は、このうち大学の養成課程修了と免許取得の間に国家試験を設け、パスすれば国家免許がもらえるという仕組みだ。医師のように社会的地位が高まれば、優秀な学生が教員を目指し、結果として質の向上につながる。そんな考え方がある。  約40年前、教員に優れた人材を確保するため一般の公務員より給与を高くする法律が施行されたが、現在はほとんど給与が同じになっているという現 状もある。遠藤氏は「国家管理みたいなイメージを持つ方がいるかもしれない。そうではなく、他の国家資格と同じように国が責任を持って免許を与える」と話 した。  一方の文科省。提言を受けて実際に制度改革を進める立場だが、今のところ、国家免許化を進めようとする動きはない。下村博文・文科相は会見で「今後、検討の参考にはしていきたい」と述べるにとどめた。  文科省が心配するのは、教員のなり手が逆に減ることだ。昨年の国際調査では、日本の教員は世界一、勤務時間が長いとされた。現行の養成課程修了と採用試験というハードルに、さらに国家試験を導入すれば、学生からの敬遠に拍車がかかり、結果的に優れた人材が集まらないのでは、という懸念がある。  下村文科相は5月16日、早稲田大で講演し、こう話した。「(国家免許化で)教員のステータスを上げても処遇を上げないと意味がない。負担が増えるだけということもありうる」  ■「育成指標」導入の動きも  ただ、文科省も別の改革は進めようとしている。  2020年度に本格スタートする新学習指導要領で、子ども同士が議論や発表で協力しながら学ぶ「アクティブ・ラーニング」が導入される。パソコンやタブレット端末などの情報通信機器も学校で増えていく中、教員は新しい教え方に対応していく必要がある。  特に、すでに採用されている教員がいかに効果的な研修を受けて力をつけるかが、大きなテーマだ。そのため文科省は、教員としての経験や役割に応じて段階的に身につける能力をリスト化した「育成指標」の導入を進めたい考えだ。  指標は都道府県がつくるが、国はモデルを示すなどして後押しする。指標をもとに、必要な力がついているかを教員自身や管理職が判断すれば、それぞれに合った研修を受けられる。  採用試験のうち筆記試験については、希望する都道府県と共同でつくることも検討する。国も加わることで、新学習指導要領の 趣旨に沿った能力を測ることができる。ただ、筆記試験後の面接などは自治体が独自に行うことで、地域の実情にあった人材を採用できる仕組みは保つ。自治体 にとっては筆記試験の問題作成が負担になっている実情もあり、すでに参加に前向きな問い合わせも文科省に寄せられているという。  このほか、下村文科相は大学の養成課程で学生が実際に学校で教える「教育実習」の期間を長くして、向き不向きを判断しやすくする方針も示している。  こうした具体策で、本当に教員の能力が向上するか。国家試験化につながったり、なり手が減ったりするおそれはないのか。文科相の諮問機関「中央教育審議会」で年内をめどに検討される見通しだ。  (高浜行人)  ■今後の教員政策のポイント  <養成> 自民党の提言:特になし 文科省の方針:大学の養成課程でカリキュラムを充実  <免許> 自民党の提言:全国共通の国家試験を前提に「国家免許」化 文科省の方針:自民案を「検討の参考に」  <採用> 自民党の提言:採用試験の共通化 文科省の方針:複数の自治体で試験を共同開発  <研修> 自民党の提言:採用前に1~2年の研修 文科省の方針:都道府県ごとの「育成指標」を作成 "[he-forum 18795] 朝日新聞6/12","朝日新聞 2015年6月12日05時00分 国立大に国旗国歌「適切に」 政府要請、38大学「影響」 朝日新聞社調査 要請の大学への影響は…  朝日新聞社は全86の国立大学に対し、今春の卒業式での国旗掲揚と国歌斉唱(演奏のみは含まず)の実施状況などを尋ねるアンケートを実施した。回答のあった77大学(回収率89・5%)のうち、両方しなかったのが11大学、国歌斉唱をしなかったのが55大学。このうち6割近くにあたる計38大学が、政府から要請があれば判断の変更を検討したり、すでに変更を決めたりしていると回答した。  政府が国立大に「適切な対応」を要請する方針を示したことを受け、アンケートは5月に全86の国立大学に対し、大学名を公開しない前提で実施した。  回答のあったうち、国旗掲揚と国歌斉唱の両方とも実施していたのは11大学で、いずれもしなかったのも11大学。政府の要請後に判断を変えると答えたのは5大学、変えないのは10大学だった。  要請を圧力に感じるかという質問には、「感じる」「どちらかというと感じる」が計9大学、「感じない」「どちらかというと感じない」は計38大学 だった。実施に転じると答えた5大学と、「内容次第」「検討中」などの33大学と合わせて計38大学の判断に、要請が影響する可能性がある。  4月の参議院予算委員会で、「税金が投入されている国立大学は、実施するのが当然」と指摘があった。こうした指摘に、35大学が「当てはまらない」「まったく当てはまらない」などと否定的。4大学が「指摘通り」と回答した。  下村博文・文部科学相は4月、「適切な対応を要請したい」と表明。近く、学長の集まる会議で要請する方針だ。アンケートからは、自主性を強調しながらも、要請をむげにできない大学の悩みも浮かび上がる。  「要請は無視したらどうか」「大学人の自主・自立性は譲れない」「税金が入っているのは事実。譲歩が必要では」。入学式などで国歌を斉唱していない中部地方の国立大役員は4月以降、数回議論してきた。結論は出ていない。「自主的判断と言いつつ、無視もできないから悩む。多くの大学もそうなのでは」と関係者は話す。  アンケートでは多くの大学が自主性を強調した。「真理を探究するとともに、社会の有り様を常に根源から問うことが使命。すべての権威から自由でなければならず、自治が最大限尊重されるべきだ」(北海道・東北地方)。「国が介入したり要請したりするべきではない」(中部地方)  税金投入を根拠に、国旗掲揚や国歌斉唱を 求められることには、アンケートに回答した大学の4割以上が否定的だった。「財政支出は義務的に必要で、それを理由に実施を当然視するのは不見識。乱暴な 議論」「国や国民に対して教育研究や地域貢献で貢献する責務は感じている。しかし、国旗国歌はその責務とは異なる」(いずれも近畿地方)  「留学生や海外からの教員がいる。国歌斉唱をする必要はない」「国歌斉唱は必ずしも国際慣行とはなっていない」(いずれも北海道・東北地方)という意見もあった。  要請を受け入れる大学の意見には、「実施するのが適切な対応」「前々から考えており、いいタイミングだ」(いずれも関東地方)があった。  東京、東京医科歯科、東京芸術、東京工業、政策研究大学院、横浜国立、山梨、兵庫教育、島根の各大学からは回答がなかった。  ■教員・弁護士ら216人が反対声明  大学教員や弁護士ら計216人が呼びかけ人となり、「国旗に正対しての国歌斉唱は国家への忠誠を誓わせる儀式で、大学に要請するのは言語道断」とする声明を発表し、10日、文部科学省に提出した。  ■「自主的判断」建前にすぎぬ  日本教育法学会の中嶋哲彦事務局長(名古屋大大学院教授)の話 多くが「圧力に感じない」としながら、大半が要請の中身次第と答えている点で、実際は圧力と感じているということだ。国立大学法人化以降、政府の圧力が強まり、大学は「自主的判断」の名の下、国に忠実にやってきた。今回も同じで、「自主的判断」は建前にすぎない。今回の事態ですら大学が建前を通すことで、今後あらゆることで実質的な強制が進むと危惧する。= "[he-forum 18799] 毎日新聞島根6/13","毎日新聞島根版 2015年6月13日付 県:2億7940万円補正予算案 県立大移転や観光事業  県は11日、一般会計約2億7940万円を含む6月補正予算案を発表した。県立大松江キャンパス(松江市)にある短期大学部3学科の4年制化に伴う費用を計上。松江城天守の国宝化などを受け、海外で観光PRを強化するための事業も盛り込んだ。16日開会の県議会6月定例会に提案する。  県立大関連では、健康栄養学科の出雲キャンパス(出雲市)移転に伴う新設校舎の設計費などに約1億6210万円を計上。県内観光地を撮影した約20分の高画質動画を6カ国語で制作する費用など約2400万円も予算化した。松江市とともに東京、大阪、松江で開く松江城国宝化シンポジウムでは、約1500万円を負担する。  その他は、隠岐世界ジオパークの現地で整備している遊歩道の建設費約3310万円▽今年度から国指定の「スーパーグローバルハイスクール」になった県立隠岐島前高校(海士町)での事業費約1000万円−−など。【曽根田和久】 "[he-forum 18798] 毎日新聞社説6/14","毎日新聞社説 2015年6月14日付 進まぬ廃炉作業 国はもっと前面に立て  政府は、東京電力福島第1原発の廃炉に向けた工程表を改定した。大幅な改定は2013年6月以来2年ぶりで、1〜3号機の使用済み核燃料プールからの燃料回収を従来より最大で3年程度遅らせる。除染やがれき撤去に伴う放射性物質の飛散防止対策に手間取っているからだ。  世界でも例を見ない過酷事故を起こした原発の廃炉作業が、いかに困難なものかが、現実のものとして浮き彫りになったといえる。  廃炉作業の進捗(しんちょく)状況は避難住民の帰還や地域の復興に直結する。政府や東電は情報公開を徹底し、しっかりした根拠を伴った廃炉戦略を立てていくことが求められる。  改定された工程表では、地域住民や作業員の安全確保を最優先することを原則に掲げた。工程の迅速な実施にこだわった結果、労災事故が相次ぐなどし、かえって作業が遅れる事態を招いていたことを踏まえた。いたずらにスピードを追うよりも、福島第1原発のさまざまなリスクを確実に下げていくことが大切だ。  新工程表は当面の優先順位が高い課題として、核燃料プールからの燃料回収と汚染水対策を挙げている。  だが、廃炉作業の最大の難所は、1〜3号機の原子炉格納容器内で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の回収だ。新工程表は、いずれかの号機で21年中に始めることとした。  しかし、現状では、回収に至る明確な道筋は描かれていない。  まず、燃料デブリがどこにどのような性状で存在しているのかすらはっきりしていない。  回収では当初、格納容器を水で満たして放射線を遮る冠水方式が有力視されていた。しかし、容器の損傷箇所を特定して止水することが難しいため、空気中で回収する気中工法も本格的に検討することになった。放射性物質の飛散を防止し、高い放射線環境の下でも稼働可能な取り出し装置の開発が必要となる。  こうした廃炉作業を支える技術開発は、国の支援を受けたさまざまな研究機関や大学などが取り組んでいる。その司令塔となるのが昨年8月に発足した国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」だ。基礎研究から実用に至るまでの情報を把握し、研究開発を最適化する役割を負う。  ところが、同機構の技術系スタッフは約35人しかいない。これで司令塔機能が果たせるのか疑問だ。政府は機構の機能強化を図るとしているが、具体化はしていない。廃炉完了まで30〜40年とされる全体の目標も見直しを迫られるのではないか。  安倍晋三首相は廃炉で「国が前面に立つ」と繰り返してきたが、廃炉技術の研究開発で、支援体制の一層の充実に努めるべきだ。 "[he-forum 18797] 時事通信6/12","時事通信 2015年6月12日18時40分 大阪大学長に西尾氏  大阪大は12日、平野俊夫学長(68)の任期満了に伴う選考会を行い、後任に西尾章治郎サイバーメディアセンター長(63)を選出した。任期は8月26日から6年間。  西尾氏は京都大卒。1992年に大阪大工学部教授となり、同大副学長などを経て、2013年4月からサイバーメディアセンター長を務めている。 "[he-forum 18800] NEWSポストセブン 6/14","NEWSポストセブン 2015/6/14(日)7:00  国立大学の文系縮小策「無批判な国民性生む危険あり」と識者 国立大学の文系縮小は受験生にどんな影響を及ぼすか  日本の大学から文系学部がなくなってしまう――。6月9日、文部科学省が全国の国立大学に人文社会科学や教員養成の学部、法科大学院などの縮小や廃止を求める通知を出したことで、こんな懸念が広がっている。  確かに新卒採用の現場では、理系学生の「即戦力」強化や専門職育成を掲げる企業が増えたが、果たして人文学系の学問は本当に不要なのか。安田教育研究所代表の安田理氏に聞いた。  * * * ――歴史や哲学、言語などを学ぶ人文科学系の学部は、社会に出て役立たないといわれてきた。 安 田:そもそも大学とは、すぐに役立つ実学ばかりを教育するところではありません。イタリアのボローニャ大学をはじめ歴史的に古いヨーロッパの大学では、哲 学や神学を学ぶ学部がルーツになっていて、工学部などはありません。いわば“純粋学問”をやるのが大学の本来の姿なのです。 ――日本の国立大学は2004年に法人化されて以降、学生の専門化を求める声がますます強まっている。 安 田:国の文教予算そのものが減っている中で、どう効果的に使っていくかという問題が背景にあるのでしょうが、経済界から要望の声が高いのも事実です。昔な ら「白紙の状態で入社してくれれば、あとは社内研修で育てます」といっていた企業が、その余裕がなくなったために大学に専門教育を望むようになった。 ――企業の中にもいろんな職種があり、理系ばかりが即戦力とは限らない。 安田:文系で法学部、経済学部といっても、みなが弁護士になるわけではないし、エコノミストになるわけでもありません。国際経済を学ぶより簿記でもやってくれたほうがいいという現実的な意見があるのは事実です。   でも、人間は必要なことだけをやっていたら視野が狭くなり、次第に物事を客観的に見られなくなります。その点、幅広い人文科学系の学問を身につけておけ ば、社会ですぐに役立たなくても裾野を広く持つことで、何かを具体化する際に活きてくる。「高い山ほど裾野が広い」のと同じです。 ――文系・理系の区別なく幅広い知識を得た後に専門性を深めるリベラルアーツの重要性が叫ばれている一方で、いまの文科省の方針は逆行している。 安田:企業だってバランスよく発展するためには、一部のエリートだけがリベラルアーツをやっても意味がなく、みながいろんな発想のできる豊かな裾野を持っていることが必要なんです。   もっと大きな話をすると、人文科学的な素養がないとクリティカル・シンキング(批判的思考力)が育ちません。国や政治家の恣意的な言動に対し、「本当にそ れでいいのか」と自分の頭で懐疑的な姿勢を持つことこそ人文主義の精神です。もし、人文科学をまったく勉強しなくていいということになれば、極端にいえば 権力者による政治をやりやすくさせてしまうのです。 ――日本の国民性にまで結びついてしまう由々しき事態だと。 安田:誰もが 無批判で長い物に巻かれる状況になってしまうでしょう。かつてユダヤ人の女性哲学者、ハンナ・アーレントさんが「悪の凡庸さ」が蔓延しているとして、〈飢 えや迫害、戦争で苦しむ人々への無関心〉〈メディアの情報や社会のムードに無批判でいること〉〈強い人のいうことを鵜呑みにして自分の頭で考えないこと〉 ――の3つを指摘しました。これは、いまの日本国民にも当てはまっていると思います。 ――そんな国の先行き不安は文科省にはどこ吹く風。国立大学も運営費交付金をこれ以上減らされては困ると、文系学部の廃止が行われていく流れは加速するだろう。 安田:地方のローカル大学は専門の職業人だけを育成し、地元に貢献することばかり求められていくでしょう。しかし、それぞれの地域にいろんなことをやりたい学生がいるわけで、「○○県の高校生の進路は○○と○○」と絞られたら、学生たちの視野も狭まるだけです。 ――どんなカリキュラムなのか分からない“文理融合学部”の新設が増えていくかも。 安田:文科省は「社会的要請の高い分野への転換」などといっていますが、社会的ニーズなんて時代ごとに違うわけで、その都度学部を作り替えるよりも、いろんな変化にもそれなりに対応できるベーシックな力をつけておいたほうがいいに決まっています。  そのためにも人文科学系の学部は必要で、私は「文系不要論」が高まっていくことに強い危機感を覚えます。 "[he-forum 18801] しんぶん赤旗 6/14","しんぶん赤旗 2015年6月14日(日) 「軍学共同」 研究ゆがめる 研究者シンポ「平和が学術の原点」  国内の大学・研究機関に所属する一部の研究者の間で、防衛省と共同研究をしたり、防衛省や米軍からの資金援助を受けて研究する動きが進んでいる問 題で、「急進展する軍学共同にどう対抗するか」と題したシンポジウムが13日、東京都目黒区の東京大学駒場キャンパスで開かれました。  研究者や市民ら約150人が参加し、市民社会と連携して反対運動を広げようと呼びかける集会アピールを採択しました。  主催団体の一つ、軍学共同反対アピール署名の会代表の池内了・名古屋大学名誉教授(宇宙物理学)は、防衛省と協力している研究機関が得られた技術 情報や研究成果を合意なしに公表できない問題など、軍学共同の問題点について報告。戦後日本の学術の原点である平和主義の大切さを訴えました。  藤岡惇・立命館大学教授(平和の経済学)は「軍需で経済がうまくいくというのは幻想であり、軍需に依存すると国際競争力を失う」と述べ、戦争を想定した社会の危険性を説明しました。  討論では、研究費が削られていることと軍事研究の誘惑がセットになっている現実、戦闘機づくりへの貢献をアピールする大学の研究室があること、いかに研究資金を獲得するかにきゅうきゅうとして米軍の援助を受け入れている大学の状況などが紹介されました。  一方、こうした動きに対して、軍事研究の禁止をうたう東京大学での運動やアピール署名の広がり、ドイツの大学で学則に「民生平和条項」を書き込む運動の経験などを語りあいました。  主催は、アピール署名の会のほか、大学・研究機関の職員組合、九条科学者の会、日本科学者会議など15団体。= "[he-forum 18803] 毎日新聞6/16","毎日新聞 2015年06月16日 東京夕刊 科学技術白書:研究不正特集 15年版「信頼を揺るがせている」  政府は16日、STAP細胞論文問題や降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床研究を巡る不正など、昨年相次いだ研究不正の特集を盛り込ん だ2015年版の科学技術白書を閣議決定した。14ページに及ぶ特集で「科学に対する信頼を揺るがせている」と指摘、研究不正の発生状況や再発防止策を紹 介している。白書が研究不正について特集を組むのは初めて。  文部科学省の調査によると、昨年度は全国の研究機関の調査委員会で少なくとも12件の研究不正が認定された。白書は「大多数の研究者は真摯(しん し)に真理の探究に日々力を注いでいる」としたうえで、「どのような理由であれ、研究不正行為は決して許されるものではない」と断じた。  STAP問題と降圧剤バルサルタンの臨床研究を巡る不正については、年表や図表を使って詳しく紹介。臨床研究不正には「(再発防止の)取り組みの 着実かつ迅速な実行が患者を救うとともに、日本発の医薬品の鍵を握る」と指摘した。研究不正への取り組みとして、文科省が昨年8月に策定した新しい指針に 触れ、研究機関の責任にも言及した。【斎藤広子】= "[he-forum 18802] 産經新聞ニュース6/16","産經新聞ニュース 2015.6.16 16:20更新 科技白書に研究不正特集 STAP、ノ社降圧剤  政府は16日、STAP細胞問題などを受けて研究不正防止の特集を組んだ平成27年版の科学技術白書を閣議決定した。相次ぐ不正が「科学に対する信頼を揺るがせている」と危機感を示し、研究者や研究機関に対応を強く迫る内容となった。  昨年の白書はSTAP問題が進行中に作られ、不正に関わる記述は2ページ分だったが、今年の特集では14ページを当てた。文部科学省の担当者は「白書でこれだけ大きく研究不正を扱ったのは初めて」と話している。  特集は、26年度に大学や研究機関で少なくとも12件の不正があったと認定。STAP問題のほか、製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤ディオバンに関する臨床研究不正の経過や対応を詳しく書き込んだ。  再発防止への取り組みとして文科省が策定した新指針を紹介。研究者だけでなく研究機関が責任を持つことが重要とし、防止体制に不備のある研究機関の経費を削減するとしている。= "[he-forum 18805] 朝日新聞6/17","朝日新聞 2015年6月17日03時46分 卒業・入学式での国旗国歌、86国立大に要請 文科相  下村博文・文部科学相は16日、全86の国立大学長らに、卒業式や入学式で国旗掲揚と国歌斉唱をするように要請した。東京都内であった国立大学長会議で、「取り扱いについて、適切にご判断いただけるようお願いする」と述べた。  冒頭のあいさつで下村文科相は、国旗と国歌が国民に定着してきたことと、1999年の国旗国歌法の施行が今回の要請の背景にあると説明した。ただし、学習指導要領に基づいて実施を指導してきた小中高校とは異なり、「各国立大学の自主的な判断にゆだねられている」と話した。  下村文科相は要請後、記者団の取材に応じ、「適切な判断」とは国旗を掲揚し、国歌を斉唱することかという質問に、「文科省としてそういうお願いをした」と答えた。「最終的に各大学の判断。大学の自治とか学問の自由とかに抵触するようなことは全くない。介入ではない。お願いしているだけだ」と強調した。実施状況の調査は「今のところは考えていない」という。  文科省によると、3月時点で、予定を含め、今春の卒業式で国旗掲揚した国立大は74校、国歌斉唱したのは14校だった。(石山英明、高浜行人)= "[he-forum 18807] 読売新聞6/17","読売新聞 2015年06月16日 20時43分 文科相、国立大に国旗・国歌要請…大学側反発も  下村文部科学相は16日、国立大全86校の学長らを集めた東京都内の会議で、入学式や卒業式の際には国旗掲揚や国歌斉唱を行うよう要請した。  国旗掲揚と国歌斉唱を両方とも行っている国立大は約16%にとどまっており、大学関係者からは「大学の自治や自主性は尊重されるべきだ」などと反発する声も上がっている。  会議は文科省が各国立大に大学入試改革や運営費交付金などの方針を説明するために開かれた。その際、下村文科相は国旗掲揚や国歌斉唱について、「各国立大の自主的な判断に委ねられているが、適切に判断いただけるようお願いする」と実施を求めた。  国立大での国旗掲揚などを巡っては、安倍首相が今年4月の参院予算委員会で、「税金によって賄われていることに鑑 かんが みれば、(愛国心などのかん養をうたった)教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきだ」との考えを示していた。  小中高校の場合、学習指導要領に国旗掲揚と国歌斉唱を行うよう 明記されているが、大学については明確な規定がなく、各大学の裁量に任されている。文科省の調査によると、今年の卒業式で国旗掲揚と国歌斉唱をいずれも 行った国立大は14校。国旗掲揚のみ実施したのは60校で、12校はどちらも行わなかった。国旗掲揚の方法としては、式典会場の壇上に学校の旗とともに掲 げたり、式場の外のポールに揚げたりで、国歌については「演奏だけ行っている」という大学も含まれている。 "[he-forum 18806] 毎日新聞6/16","毎日新聞 2015年06月16日 20時18分(最終更新 06月17日 05時26分) 国旗国歌要請:文科相「適切判断」迫る 国立大学長は困惑  下村博文・文部科学相は16日、東京都内で開かれた国立大学86校の学長を集めた会議で、入学式や卒業式での国旗掲揚と国歌斉唱を要請した。さら に、文科省が8日に通知した文系学部の廃止などの組織改編を進める方針についても説明し、改めて改革を促した。補助金と権限を握る文科省からの相次ぐ求め に、出席した学長らの間には困惑が広がり、一部の教員からは「大学攻撃だ」と反対の声も上がっている。  国旗・国歌については、安倍晋三首相が4月に国会で「税金で賄われているということに鑑みれば、教育基本法にのっとり正しく実施されるべきではな いか」との認識を示していた。下村文科相は16日、「各大学の自主判断」としながらも「長年の慣行により国民の間に定着していることや、(1999年8月 に)国旗・国歌法が施行されたことも踏まえ、適切な判断をお願いしたい」と要請した。  会議後の学長らは厳しい表情。琉球大の大城肇学長は「学内で問題提起しようと思うが、かなり混乱すると思う。集団的自衛権の議論や基地問題ともリ ンクして、大学改革とは違う所に話が飛んでいきそうな気がする」。50年の創立以来、慣例で国歌斉唱や国旗掲揚はしていない。「個人的には棚上げにしてお きたい」と複雑な心境をのぞかせた。  滋賀大の佐和隆光学長は「納税者には(国立大としての)責任を果たすべきだと思うが、国の要請に従う必要はない」と強調した。国旗掲揚はしているが、国歌斉唱はしておらず、その方針を継続する考えを示した。  文科省によると、今春の卒業式で国旗掲揚したのは74大学、国歌斉唱は14大学だったという。  一方で、文科省は国立大学に組織・業務の見直しを迫っている。8日の大学への通知では、人文社会科学系や教員養成系の学部の廃止や他分野への転換 を求めた。国立大は中期計画(16年度から6年間)を作り、大臣の認可を受けなければならない。下村文科相はこの日「これらの学問が重要ではないと考えて いるわけではないが、現状のままでいいのかという観点から徹底的な見直しを断行してほしい」と理解を求めた。  複数の学長は「交付金をもらえないと困る。今後、人文社会科学系の学部の定員は減らさざるを得ない」と話した。【三木陽介、高木香奈】= "[he-forum 18804] しんぶん赤旗6/17","しんぶん赤旗 2015年6月17日(水) 文科相 国立大に「日の丸」「君が代」“要請” 学長ら「国家の命令」批判  下村博文文部科学相は16日、国立大学の学長が一堂に会する会議で、大学の入学・卒業式で「日の丸」掲揚と「君が代」斉唱を行うよう要請しまし た。下村氏は「各大学の自主的判断にゆだねられている」としながらも、「国旗国歌は、長年の慣行で国民の間で広く定着し、国旗国歌法が施行されている」な どとして押し付ける姿勢を示しました。  下村氏は、小中高校では学習指導要領にもとづき「国旗掲揚、国歌斉唱を指導している」と強調。国立大学に対して「適切なご判断をお願い申し上げる」と述べました。  会議終了後、記者団に対して滋賀大学の佐和隆光学長は「(『日の丸』掲揚・『君が代』斉唱が)慣例になっているとは受け止めていない」と強調し、「(国立大学は)納税者に対して責任を果たすべきだが、国家の命令に従うべきではない」と語りました。  掲揚・斉唱をしていない京都大学の山極寿一総長も「大臣は、適切に判断をといっているので、これまでの伝統を踏まえて適切に判断する」とのべました。  「日の丸」「君が代」の強制は、思想・良心の自由、学問の自由などを定めた憲法に反するものです。1999年の国旗国歌法の制定時に政府自身、 「強制や義務化はしない」と国会で答弁していました。しかも大学には小中高等学校のような学習指導要領もなく、大学の自治・学問の自由に対する不当な介入 にあたります。= "[he-forum 18809] 北海道新聞社説6/17","北海道新聞社説 2015年6月17日付 国立大「改革」 無理ある要請だ。撤回を  下村博文文部科学相はきのう国立大の学長を集め、中期目標(2016~21年度)の策定に当たって踏まえるべき基本線を示した。  各大学は国や経済界が描く大学像に沿うように特色づくりや学部再編を進めてもらいたい―。文科相の要請には、こうした国の意思が強くにじんだ。  だが、大学を鋳型にはめ込み、研究現場から自由や自主性、多様性を奪えば、知力が先細りするのは目に見えている。文科相は要請を撤回すべきである。  要請は、すでに文科省が各大学に通知した「人材育成などで地域に貢献」「強みある分野で世界的、全国的な教育研究」「全学的に世界で卓越した教育研究」の三つの枠組みに沿った改革方針だ。  各大学はいずれかを選んで研究内容や組織を見直す。国から高い評価を得れば交付される運営費が増え、場合によっては逆もある。  1兆円を超える運営費の分配が各大学で収入の3~4割を占める以上、従わない選択肢はあるまい。今後、お眼鏡にかなう目標や計画が出せるかを競う状況が生まれることは避けられない。  特に問題なのは、教員養成系や人文社会科学系の学部・大学院に対し「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に取り組む」と促したところだ。  経済成長や技術革新を重視するあまり、実利や短期的な成果が期待できない分野を切り捨てる発想が見て取れる。  しかし、人文・社会科学の基礎を成すのは価値観や倫理、社会思想の探究であり、それは健全な批判精神や創造力につながる。  それなくして社会が進むべき方向づけや心の豊かさの実現、すべきこと、なすべきではないことの判別はままならない。  15日に開かれた国立大学協会の総会で学長らから懸念が相次ぎ、里見進会長(東北大学長)が「短期で成果を挙げようと世の中が性急になりすぎているのでは」とクギを刺したのはもっともだ。  文科省の方針の下敷きには政府の産業競争力会議からの要請がある。4月の会議で、大学の役割を明確にし交付金の配分にメリハリを付ける方向を打ち出した。そもそもそれが筋違いで無理がある。  04年に国立大学が法人化された際、各大学が独自性を発展させ、主体的に研究を切磋琢磨(せっさたくま)する将来像を多くの教員が描いたはずだ。  その期待を裏切るばかりか、反対の方向に向かうようでは大学の未来は危うい。 "[he-forum 18808] 読売新聞社説6/17","読売新聞社説 2015年6月17日付 国立大学改革 人文系を安易に切り捨てるな  「知の拠点」としての役割を果たせるよう、国立大学が自ら改革を進めることが重要だ。  文部科学省が、86の国立大学に対し、組織や業務の全般的な見直しを求める通知を出した。各大学は通知を踏まえて、来年度から6年間の運営目標と計画を作成する。  2004年度の国立大学法人化により、大学の運営や財務は自由度が高まった。にもかかわらず、依然として魅力や個性に乏しい大学があるのも否めない。  大学が、グローバルに活躍する人材や地方創生の担い手を育成する機能への期待は大きい。文科省が今回の通知で、各大学に改めて、強みや特色を明確に打ち出すよう促したのは理解できる。  昨年の学校教育法改正で、学長はリーダーシップを発揮しやすくなった。学長が人事や予算の権限を適切に行使し、戦略性を持って、教育・研究の環境整備を図ることが欠かせない。  疑問なのは、文科省通知が、文学部など人文社会科学系や教員養成系の学部・大学院について、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換を迫った点だ。  確かに人文社会系は、研究結果が新産業の創出や医療技術の進歩などに結びつく理工系や医学系に比べて、短期では成果が見えにくい側面がある。卒業生が専攻分野と直接かかわりのない会社に就職するケースも少なくない。  社内教育のゆとりが持てない企業が増える中、産業界には、仕事で役立つ実践力を大学で磨くべきだとの声が強まっている。英文学を教えるより、英語検定試験で高得点をとらせる指導をした方が有益だという極論すら聞こえる。  だが、古典や哲学、歴史などの探究を通じて、物事を多面的に見る眼めや、様々な価値観を尊重する姿勢が養われる。大学は、幅広い教養や深い洞察力を学生に身に付けさせる場でもあるはずだ。  必要なのは、人文社会系と理工系のバランスが取れた教育と研究を行うことだろう。  文科省は来年度以降、積極的に組織改革を進める大学に、運営費交付金を重点的に配分する方針だ。学生の就職実績や、大学発ベンチャーの活動、知的財産の実用化の状況といった指標を基に、評価するという。  厳しい財政事情を踏まえれば、メリハリをつけた予算配分も大切だろう。ただ、「社会的要請」を読み誤って、人文社会系の学問を切り捨てれば、大学教育が底の浅いものになりかねない。 "[he-forum 18810] 共同通信6/18","共同通信 2015年6月18日11時48分 新大学入試テストに記述式 文科省素案  文部科学省は18日、大学入試改革を議論する専門家会議を開き、大学入試センター試験に替わる「大学入学希望者学力評価テスト」について、記述式の問題を盛り込むとの素案を示した。また、高校生の学力到達度を測る「高校基礎学力テスト」の実施教科は国語、数学、英語とした。  中教審は昨年12月、二つのテスト導入を答申。評価テストは2020年度から、基礎学力テストは19年度から実施する方針で、専門家会議はこの素案をたたき台にして、本年中に制度設計について報告をまとめる。 "[he-forum 18812] 高知新聞社説6/18","高知新聞社説 2016年6月18日付 【国旗国歌要請】大学は自主的に判断せよ  下村博文文部科学相が、国立大の学長に入学式や卒業式で国旗掲揚と国歌斉唱をするよう要請した。  大学の自治は、憲法が保障する学問の自由を支える根幹だ。政府が式典の内容にまで口を挟むのは、大学に対する行き過ぎた介入ではないか。大学は自主性を貫き、判断するべきだ。  問題の発端は4月の参院予算委員会だ。安倍首相が「税金によって賄われていることに鑑みれば、新教育基本法の方針にのっとって、正しく実施されるべきではないか」と答弁した。  これを受け、下村文科相も「各大学で適切な対応が取られるよう要請していきたい」と述べた。  ここでいう方針は、「我が国と郷土を愛する態度を養う」との部分を指しているとみられる。だが、同じ基本法の中には大学の自主性や自律性の尊重をうたう条文もある。  要請の根拠として挙げる国旗国歌法についても、成立当時、政府は「各大学の自主的な判断に任せられている」としている。  小中高校の学習指導要領には国旗掲揚と国歌斉唱の規定があるが、大学には適用されない。法的根拠がない中での要請は理解に苦しむ。  下村文科相も「あくまでお願い」と強調するが、大学側には厳しい現実がある。というのも、国立大は収入の多くを国の運営費交付金に頼っているからだ。  要請の前日には、文科省の有識者会議で、国の方針に従って組織改革などを進める国立大に交付金を重点配分する仕組みの導入がまとまった。  法人化以降、交付金は削減傾向にある。経営体力の弱い大学にとっては、財布を握られている文科省からの「お願い」は圧力となる可能性もある。  今後、実施状況を調査しないとも限らない。下村文科相は否定しているが、今春の卒業式については既に調べている。大学関係者が「結果を示してプレッシャーをかけるのでは」との不安を抱くのはもっともだ。  国立大改革を国の成長戦略の一つとする安倍政権は、大学への影響力を強めようとしている。  確かに、少子化や国際競争の中で大学も変わらなくてはならない。しかし、国からの押し付けで新しい発想や活力は生まれない。政府がやるべきことは自由で多様な研究ができる環境を整えていくことだ。 "[he-forum 18811] 沖縄タイムス社説6/19","沖縄タイムス社説 2015年6月19日付 [国旗国歌の要請]大学の自治 侵害するな  大学の自治が脅かされている。そう感じざるを得ない事態だ。  下村博文文部科学相は国立大の学長らに対し、入学式や卒業式で国旗掲揚と国歌斉唱を実施するよう要請した。  発端は、4月の参院予算委員会での安倍晋三首相の答弁だった。次世代の党の議員から、国立大の国旗国歌実施率の低さを問われ、安倍首相は「税金によって賄われていることに鑑みれば、新教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきではないか」と述べた。今回の要請は、この答弁を受けたものだ。  安倍首相が指摘した「新教育基本法の方針」とは、改正教育基本法で教育目標に盛り込んだ「わが国と郷土を愛する」態度を指すとみられる。ただ、同法は、大学について別途、「自主性、自律性が尊重されなければならない」とも定めている。  文科省によると、国立大全86校のうち、ことし3月の卒業式での国旗掲揚は74校、国歌斉唱は14校だった。実施するかどうか、それぞれの大学が自主的に判断したものだろう。その自主性を無視して「正しく実施されるべき」と断じるのは矛盾してはいないか。  学習指導要領では国旗掲揚と国歌斉唱の指導が明記されているが、大学には適用されない。文科相は「慣行として国民に定着している」と説明したものの、要請に法的な根拠はない。  にもかかわらず、大学が自ら行う式典の中身に政府が口を挟むことに疑問を禁じ得ない。ただちに撤回すべきだ。     ■    ■  琉球大学は国旗掲揚、国歌斉唱とも実施していない。大城肇学長は、学内の混乱を懸念し「大学改革など先にやるべきことがある」と話す。国旗掲揚のみ実施している滋賀大学の佐和隆光学長も「納税者に対して教育、研究で貢献することが責務だ」と批判的だ。大学の役割を考えればもっともな意見である。  一方で、国立大関係者には動揺が広がっているという。文科相がいくら強要を否定しても額面通り受け取れないのは、国立大には政府に財布を握られている弱みがあるからだ。  大学法人化以降、国立大は「成果」が求められ、国から支給される運営費交付金は減少傾向が続く。さらに文科省の有識者会議は、国の方針に従って改革を進める大学に交付金を重点配分する制度の導入をまとめた。  本来は、大学改革と国旗国歌は別次元の話だ。しかし、「税金で賄われている」ことをちらつかせながら意に沿うよう求めるのは、もはや「要請」とは名ばかりの「圧力」でしかない。     ■    ■  首相発言を受け、学者らの呼び掛けで発足した「学問の自由を考える会」は、「政府の権力、権威に基づいて国旗国歌を強制することは、知の自律性を否定し、大学の役割を根底から損なうことにつながる」との声明を発表した。  大学が政府から思想弾圧された戦前の歴史を繰り返してはならない。国立大学側は毅然(きぜん)とした態度を貫き、学問の自由と大学の自治を守ってもらいたい。 "[he-forum 18813] 琉球新報社説6/19","琉球新報社説 2015年6月19日付 国旗・国歌要請 大学自治に反する行為だ  大学の自治に反する行為だ。税金で運営されている国立大でも、政府がむやみに大学の自治に干渉することがあってはならない。  下村博文文部科学相が、入学式などでの国旗掲揚と国歌斉唱実施を国立大学長に要請した。大学は国旗・国歌指導を明記した学習指導要領の適用外である。  国立大の国旗・国歌実施を議論した4月の参院予算委員会で、安倍晋三首相は「税金によって賄われていることに鑑みれば、新教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべきではないか」と答えた。下村文科相も「適切な対応が取られるよう要請する」と述べた。  下村文科相は「最終的に各大学が判断すること」と述べてはいる。しかし、運営費交付金の重点配分など国立大改革を議論する中での要請である。言葉通りに受け取ることはできない。  憲法で定められた学問の自由と、それを保障する大学の自治は最大限尊重されなければならない。それは歴史的経験に基づくものだ。  京都大学の研究者の自由主義思想を弾圧した1933年の「滝川事件」は、学問の自由と大学の自治を問う歴史的な出来事であった。戦前の思想統制の反省を踏まえ、大学は学問の自由と自治を追求している。税金による大学運営を理由に時の政権が大学自治を揺さぶることがあってはならない。  安倍首相の答弁や下村文科相の要請は憲法が保障する価値を軽視するものである。滋賀大の佐和隆光学長は「われわれは納税者に対して教育、研究で貢献することが責務だ」と述べた。大学の自治を重視した反論で、納得できる。  政府が国旗・国歌を国立大に強要することになれば、大きな混乱が起きるであろう。沖縄では1980年代、県教育委員会が国旗・国歌実施を公立学校に厳しく指導し、児童生徒を巻き込む混乱が生じた。  沖縄戦の経験から、県民は国旗・国歌に複雑な感情を抱いている。国旗国歌法案を審議する衆院内閣委員会の沖縄公聴会が99年に開かれた際、法制化に賛成する証人も「押し付けには反対」と陳述した。  国旗・国歌にどう向き合うかは、思想・信条の自由に関わる問題であり、押し付けは許されない。運営費交付金の重点配分を盾に国立大に実施を強要するなど、もっての外である。 "[he-forum 18815] 朝日新聞6/20","朝日新聞 2015年6月20日15時15分 教育実習ではなく「学校インターン」案 大学の教職課程  文部科学省は、大学の教職課程に、長期にわたる職場体験「学校インターン」を導入する案を公表した。小中高校などの教員を目指す大学生が、1年など長期にわたって学校に定期的に通い、子どもの勉強をみたり、教員の仕事を手伝ったりすることを想定している。  教員の能力向上策を話し合っている文科相の諮問機関「中央教育審議会」に案として示した。7月にも出す中間まとめに盛り込む方針。今後、インターンシップの必修化も含めて検討を進め、必要なら法令を改正する。導入は2017年度以降になる見通し。  教職課程にはこれまでも、授業や部活など数週間の「教育実習」があった。障害のある子や、不登校など個別に対応が必要なケースが増える中、日常の学校の様子をさらに深く知ってもらう必要があると判断した。大量採用された世代が退職して若手が増え、職場で比較的早く「戦力」になることを求められているという事情もある。  すでに同様の取り組みを教職課程に盛り込んでいる大学も少なくない。文科省によると、教職課程のある国公私立637大学を4月時点で調査したとこ ろ、小学校課程で142大学が選択または必修で開設(予定を含む)。週の決まった日に部活や教材の準備を手伝ったり、障害のある子と接するプログラムに参 加したりするケースがある。学生に、自分が教員に向いているかどうか考えてもらえるメリットもあるという。  課題もある。大学は受け入れ先の学校を探さなければならず、学校側も学生の評価や報告などを求められれば負担が増す。そのためこの日の会議では必修化には慎重な意見も出た。  この日の案ではほかに、現職教員が受ける「10年経験者研修」について、実施時期を柔軟化する法改正も明記。各都道府県に、教員に必要な能力を経 験年数などで分けてリスト化した「育成指標」をつくるよう促すことも求めており、指標に沿って自治体が研修計画を立てやすくする。10年よりも前に実施で きるようにする方針だ。同様に、初任者研修の運用の弾力化も検討する。(高浜行人)= "[he-forum 18816] 読売新聞 6/20","読売新聞 2015年06月20日 08時00分 定員超の私大、補助金カット…都市部集中を是正  都市部の私立大学に学生が集中する状況を改めるため、文部科学省は、入学定員を超えて学生を受け入れた私大に対し、超過した学生数などに応じて補助金(私学助成金)を減らす方針を固めた。  地方創生策の一環で、補助金を全額カットする基準を2016年度から段階的に厳格化する。今年中に交付基準の改正を大学側に通知する。  文科省によると、私立大は14年度現在、603校で、学生数は全大学生の73%にあたる約209万人を占める。このうち、入学定員を超えているのは約4万5000人で、8割が首都、近畿、中部の3大都市圏の大学に集中している。  これまでの補助金の交付基準では、大規模大(定員8000人以 上)は学部の入学定員の1・2倍以上、中規模大(同4000人以上8000人未満)、小規模大(同4000人未満)は1・3倍以上の学生を受け入れた場 合、補助金を全額カットしていた。ただ、定員を上回ってもそれに満たない場合、定員分の補助金がそのまま交付されてきた。  今回の見直しでは、全額カットの基準について、大規模大は16年度から段階的に引き下げ、18年度には1・1倍とする。中規模大も同様に18年度には1・2倍に下げる。ただ、地方に多い小規模大については、現行の1・3倍のまま据え置き、不利にならないように配慮する。= "[he-forum 18814] 朝日新聞6/19","朝日新聞 2015年6月19日18時54分 見える成果 国立大に求める  文部科学省の進める国立大学改革の主な内容が決まった。2016年度からの6年間で、重点的に取り組む教育や研究を3種類に分け、特に人文社会科学系の学部には見直しを迫る。費用対効果を高めるのが狙いだが、大学側からは反発もある。  15日、文科省の有識者会議が、国立大86校への「運営費交付金」約1・1兆円の配分を見直すことを決めた。各大学に、「人材育成や課題解決で地域に貢献」「強みのある分野で全国的、世界的な教育研究」「世界で卓越した教育研究」の三つの方向性から一つを選んでもらう。そのうえで、配り方にメリハリをつけるという。  仕組みはこうだ。まず、従来のように規模などに応じて配布された交付金を、一定の割合で減らす。その合計額を財源にして、各大学が3分類に応じて 出す改革計画を評価した上で上乗せする。大学が目指す改革の方向はこれまである程度自由に決められたが、国が用意したメニューから選ぶことになる。  どの程度の割合をいったん減額するのかは決まっていない。ただ、より積極的に改革すれば評価されて手厚く配分され、消極的と判断されれば大きく減る可能性がある。  文科省には、「ナンバーワン」だけでなく、「オンリーワン」もめざしてほしいという考えがある。異なる機能に特化して重複を減らすことで、税金を効率よく投入するためだ。  12年からは、86大学の差別化も進めてきた。例えば東京大なら「世界トップを目指す最先端の研究」。新潟大なら「イネの育種やコメの高度利用」など。それぞれの長所を生かしてもらうのが狙いだ。  また、文科省は今月8日にも大学に対して、教員養成系や人文社会系学部、大学院を、社会的ニーズの高い分野に変更することなどを求めた。税金を投じた分、目に見える成果を出してほしいからだという。  こうした改革について、文科省は「大学自身が決めること」(担当者)と自主性を強調している。(高浜行人) ■「10年先狙う研究萎縮」「上手に強み主張する」 学長受け止め  15日に東京都内であった国立大学協会の総会に参加した学長に、国立大改革について聞いた。  神戸大の武田広学長は「3分類」に否定的だ。論文執筆や外部からの研究資金の獲得などの成果が求められるようになり、「5年先、10年先(に成果を出すこと)を狙う研究分野が萎縮してしまうのでは」と心配する。  「1軍、2軍、3軍と分けられて順位付けをされるようだ」と例えたのは福井大の真弓光文学長。偏差値で順位付けされてきた大学が、今後は3分類でも順位付けされるのではないかと感じている。  一方、岐阜大の森脇久隆学長は3分類を認めた上で、「いかに上手に(交付金を)取りに行くか、だ」と話す。岐阜大の事業規模380億円のうち、運営費交付金は109億円と3割近くを占める。「強みを上手に主張し、文科省が良い点を付けたくなるようにしたい」  人文社会科学系学部などの見直し要請への意見も出た。森脇学長は「教養が身についてこそイノベーション(革新)できる人材になる。税金投入の効果を出す必要があるのは理解するが、効果の測り方が問題」と指摘する。  理工系が万能視された高度経済成長期にも文系縮小が取りざたされたが、結局は残った。当時を振り返りつつ、滋賀大の佐和隆光学長はこう訴えた。「思考力や判断力、表現力を養う人文社会系の学問は民主主義の基礎。そうした力はこれまで以上に必要になる」(佐藤恵子、片山健志)= "[he-forum 18821] 下野新聞6/23","下野新聞 2015年6月23日付 双方向の学びで力磨く 宇大教職大学院、開設3カ月  宇都宮大の「教職大学院」が今春、開設され約3カ月。複雑化、多様化する教育現場の課題に対応できる実践力を持ったリーダーの養成が目的だ。現職教員11人と学部卒3人の1期生計14人は、自らが現場で失敗した生の経験も題材に、ディスカッションなどを通じた双方向で能動的な学びに取り組んでいる。  教職大学院は文部科学省が各都道府県に設置する方針で、現在全国27大学に設置されている。  宇都宮大大学院教育学研究科教育実践高度化専攻(教職大学院)の授業、「生徒指導の実践と課題」。  学部卒の学生藤浪友美(ふじなみゆうみ)さん(22)が教育実習の体験から発表した事例は、こうだ。  問題行動のある児童Aについて「あいつはきもい。関わらない方がいい」などと発言した優等生的な児童2人に、問題解決へつながる対応ができなかった-。  「2人をきちんと叱れなかった」と反省した藤浪さん。しかし、周囲からの指摘は、本人の着眼点にとどまらない。「児童Aの行動の背景を、子どもにもう少し聞く必要がある」「優等生というのは一面で全てじゃない、という見方も必要」との意見が上がった。藤浪さんは「事例を取り上げ、突っ込んで話し合う機会は今までなかった」。  教員歴十余年、現職教員の学生、宇都宮大付属小の星義夫(ほしよしお)さん(37)は不登校児童への対応を振り返った。  自身の対応不足を顧みた星さんに対し、「チーム支援や情報共有が必要では」といった見方が示された。星さんは「自分にはない視点の意見を聞ける」と、教職大学院教育の“醍醐味(だいごみ)”を感じている。 "[he-forum 18820] 毎日新聞夕刊6/19","毎日新聞 2015年6月19日付夕刊 特集ワイド:続報真相 国立大文系が消滅? 文科省、組織改編促す  当たり前だと思っていた大学の「文系」と「理系」の分け方。しかし今、国立大学の「文系」に消滅の危機が迫っている。文部科学省が、全国の国立大に対し、人文社会科学系や教員養成系の学部・大学院について、廃止や他分野への転換を求めているからだ。最高学府に何が起きているのか。  ◇少子化で予算集中 人材育成には重要  「政府は大学を工場みたいにしたいんですかね。工場やったら設計図通りに製品ができるけど、教育機関ってそんなビジネスモデルみたいにいきません」  京都大名誉教授で、関西大東京センター長も務める竹内洋さん(教育社会学)は文科省が進める国立大学改革への疑問を隠さない。自身は京都大教育学部を卒業後、関西大や母校の文系学部の教壇に立ってきた。その「文系」が消えてしまうのか−−。  ここで問題を整理しよう。文科省は今月8日、全国にある86校の国立大に対し、文系学部の廃止などの組織改革を進めるよう通知した。同省の言い分はこうだ。「少子化で子どもの数が減少していることへの対応が必要。日本を取り巻く社会経済状況が急激に変化する中、大学は社会が必要とする人材を育てる必要がある」。財政が厳しいので、国立大に投入する税金を社会的なニーズがある分野に集中的に使いたいという狙いもある。下村博文・文科相は16日、東京都内で開かれた国立大学の学長を集めた会議で「これら(文系学部)の学問が重要ではないと考えているわけではない。だが、現状のままでいいのかという観点から徹底的な見直しを断行してほしい」と組織改編を促した。  確かに大学は深刻な少子化に直面している。高校を卒業する年齢である18歳人口は1992年度の205万人をピークに、2031年度には100万人を切り、半減する見込みだ。教員養成系の縮小などは避けられない状況ともいえる。  ただ、国立大側の反発は強い。国立大学協会会長の里見進・東北大学長は15日の記者会見で、文科省の方針に対し、「非常に短期の成果を上げる方向に性急になりすぎていないか危惧している。大学は今すぐ役に立たなくても、将来大きく展開できる人材をつくることも必要です」と文系学部の必要性を強調した。  文系の学問は、理系と違って技術革新など「国益」には直結しにくい。しかし、竹内さんは「文系の学問から学べる批判する力、洞察する力は、想像力やさまざまな開発につながる」と意義を語る。実際、国立大文系からは豊かな人材が生まれている。現東京都知事の舛添要一さんは東京大法学部、前知事の猪瀬直樹さんは信州大人文学部、元知事の石原慎太郎さんは一橋大法学部と、都政をつかさどる都知事は3代続けて国立大文系の卒業だ。芸能界でも、「Bz(’)」(ビーズ)の稲葉浩志さんが横浜国立大教育学部、女優の宮崎美子さんは熊本大法文学部の出身だ。  竹内さんは厳しい表情を崩さずにこう続けた。「大学が職業専門店みたいになって、学生が就職のことばっかり考えてたら、将来、どないなるやろ? 決して良い結果にはならないと思います。医者が『手術は成功しました』と言っても、その患者は死ぬことがある。手術が成功したっていうのは科学的に成功したことに過ぎないんです。それと同じように『改革は成功したが、大学は死ぬ』なんてことはあってはなりません」  教育問題では、この人。「尾木ママ」の愛称で知られる教育評論家で法政大教授(臨床教育学)の尾木直樹さんに意見をうかがうと、冒頭からかなりお怒りだ。「そもそも、文部官僚の発想自体がおかしいんですよ!」と勢い込んで話し始めた。  「政府の基本的な考え方は、これからの激しい国際競争に勝つには、成果を上げられるところを効率的に伸ばし、それによって日本の苦境を打開しようとするのが狙いでしょう」。官僚らの考えを押さえた上で続ける。「混迷した時代だからこそ、これまでの延長線上にはない新しい価値観を見いだしたり、洞察力を働かせたりして解決の方法を模索する。要は第三の道を探り出すことが重要なのです。そのために役立つものが哲学であり、倫理学、文学、社会学。つまり文系の学問なんです」。スピーディーに結論や成果を求めるだけが学問ではない、と尾木ママは熱弁を振るう。  ◇「産業界要請」利用? 地方の学生不利に  そもそも文科省はなぜ文系を見直そうとしているのか。「産業界が即戦力を持つ人材を育ててほしい、と求めている」(文科省関係者)ことが理由の一つとされる。安倍晋三政権は大学改革を成長戦略の一環と捉えて理工系の強化を掲げており、経団連も政権の方針を歓迎している。  産業界の本音はどこにあるのか。日本を代表する大手メーカーの首脳に聞いてみると、文系軽視には意外にも批判的なのだ。「国立大から文系をなくそうなんて愚の骨頂です。我々が学生に求めているのは論理的に問題を解決する力、人の話を理解する能力、つまり文系でこそ学べる教養です。英語は話せた方がいいに決まっていますが、人とコミュニケーションがとれなければ、何にもならないじゃないですか。スキルだけ持った学生なんて企業はいらない。必要なスキルなら、入社後に企業側が教えればいい」  産業界全般が賛成しているわけではなさそうだ。むしろ「文科省が大学改革を進めるために都合のいいように、産業界の一部の声をうまく使っている」(大学関係者)との見方さえ浮上している。  「政策を作る官僚たちの意識こそ問題の根源」と尾木さんは指摘する。「官僚たちは、幼い頃からの競争主義から離れられない。競争さえすれば誰でも伸びると信じていて、人間の多様性のおもしろさや、教育の可能性については、『感覚』として分かっていない。その弊害が今、国家を覆い尽くそうとしています」  国家に弊害が及ぶとはただ事ではない。どういうことなのか。「例えば、もし国立大から文系が消えれば、哲学を勉強したいと思う地方の子供は都心の私立大で学ばないといけない。下宿代など教育費がかさみ、地方に住む人たちの経済的な負担が重くなり、地域間格差は必ず広がります。憲法で保障された『学問の自由』なんて奪われてしまう!」  ◇大学側に革新必要 効率主義は弊害も  ただ、国立大側にも問題があるという指摘も根強い。国際医療福祉大大学院教授(臨床心理学)で精神科医の和田秀樹さんもそう主張する一人。「僕は国立大文系を廃止しろとは言わないし、受験で数学も課さない私大の文系しか残らないなら、それはマズイと思う。ただ、文科省の言い分が一つの理もないかというと、正直、そうも言い切れない」  強い調子で理由を語る。「多くの日本の大学の文系がやっていることって、イノベーティブ(革新的)ではない。教授らは古いものにくらいついている傾向が強い。例えば精神分析でいえば、米国の教授は患者を治すため、常に研究してイノベーションしているが、日本ではいまだにフロイトがどう言ったとか教えてるだけのような人が多い」  和田さんが、日本の教授たちの対極に挙げたのが、「21世紀の資本」が世界的なベストセラーになったフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏。「主張の新しさはもちろん、インターネットを使って膨大な量の資料を調査したことがすごい。日本の学者はそこまでの調査をやっていますか? 文科省に反対する前に文系は根本から変革すべきです」  竹内さんも大学内部の改革が必要と分かっている。「今回を契機に文系が現代の中でどういう具合にしたらリアリティーを持てるのか、考え直さなきゃいかんね」。けれども、ここだけは譲れないと強調するのだ。「発明や発見っていうのは効率主義の中で出てくるのではなく、遊びみたいなところから出てくることが非常に多い。無駄や隙間(すきま)を許容しないとダメです。若者の自己成長の芽を摘んでしまったらいかん。教育っていうのは、前の世代が次の世代に渡す『贈り物』みたいなもんや」  効率だけでつくった“贈り物”は、未来を豊かにするのだろうか。【宇田川恵】 "[he-forum 18819] 西日本新聞社説6/22","西日本新聞社説 2015年6月22日付 「国旗国歌」要請 「大学の自治」に委ねては  下村博文文部科学相が、国立大の学長会議で入学式や卒業式で国旗掲揚と国歌斉唱を実施するよう全86校の学長に要請した。  「あくまでもお願い」との立場だが、国立大改革が議論されているだけに国の圧力とも受け取られかねない。「大学の自治」にも関わる問題だ。各大学の判断に委ねるのが本来の姿ではないか。  安倍晋三首相は4月の参院予算委員会で国立大の国旗掲揚と国歌斉唱の実施が不十分と指摘され、「税金で賄われていることに鑑みれば、新教育基本法(2006年)の方針にのっとり正しく実施されるべきだ」と答弁していた。  「政府が金を出すからには口も出す」と言わんばかりの発言だ。こうした経緯からも、今回の学長に対する文科相の要請には安倍首相の強い意向がうかがえる。  大学は本来、最高学府として真理を探究する場である。憲法で保障されている「学問の自由」とも深く関係する。それを実現するため、自主的に学内を管理・運営するのが「大学の自治」である。  入学式などで国旗国歌の指導を明記した学習指導要領も、大学には適用されていない。ここが小中高校とは決定的に異なる。  1999年に参院特別委で行われた国旗国歌法案審議で有馬朗人文相(当時)が「各大学の自主的な判断に任せられている」と述べたのも、これを踏まえたものだ。  安倍政権は国立大改革を成長戦略の一つに位置付け、産学官の連携を深めて国際的な産業競争力の強化を図ろうとしている。  今回の要請は、文科省の有識者会議で国の方針に従って組織改革などを進める国立大に運営費交付金を重点配分する仕組みの導入がまとまった直後に行われた。予算や権限を盾に国旗国歌の浸透を図ろうとするかのような手法には、疑問を禁じ得ない。  大学の自主性、自律性は最大限尊重されなければならない。そのことは安倍首相が指摘した新たな教育基本法にも明記されている。  「大学の自治」を守るべき大学側も毅然(きぜん)と対応すべきだ。 "[he-forum 18818] 佐賀新聞6/23","佐賀新聞 2015年6月23日付 佐賀大学の新学長に宮﨑氏  任期満了に伴う佐賀大学学長選考で、学部長と外部有識者の委員でつくる選考会議は22日、次期学長に副学長で、佐大美術館長の宮﨑耕治氏(66)を選出した。任期は10月1日から4年間。  宮﨑氏は九州大学医学部卒、95年に旧佐賀医科大学教授に就任。佐賀大学への統合後の2009年から副学長。08~14年に佐賀大学附属病院長も務めた。 "[he-forum 18817] しんぶん赤旗6/23","しんぶん赤旗 2015年6月23日(火) 火山専門家抜本増を 仁比氏指摘「国の責任」  日本共産党の仁比聡平議員は19日の参院災害対策特別委員会で、2014年9月に起きた御嶽山噴火などの教訓をふまえ、現在、日本に47人程度しかいない火山専門家を国の責任で抜本的に増やし、気象庁の監視・観測体制を強化するよう求めました。  仁比氏は、御嶽山の火山監視情報センター幹部が「噴火時に大勢の登山者が御嶽山の景色を楽しんでいるとは知らなかった」と語ったことを取り上げ、 「(80年代の)『臨調行革』以来、測候所廃止など現場の体制を壊さなければ、こんなことにはならなかったのでは」、「大学の研究機関退職者やポストドク ターを気象庁ですぐにでも活用すべきだ」と主張しました。  西出則武気象庁長官は、「大学等を退職した火山研究者の活用など検討したい」と述べました。  さらに仁比氏は、藤井敏嗣火山噴火予知連絡会会長が「火山は地震と違って推進本部もなく、先行き不安や就職口の少なさから専攻する人がいなくなっ てしまう」と述べていることを紹介し、火山防災対策推進検討会議が内閣府に設置される責任は重いと強調。「長期にわたる観測や社会的評価のためにも、火山 庁などの国立の観測研究機関をつくるべきだ」と主張しました。  山谷えり子防災担当相は、「火山庁のような一元的な組織の設置など、中・長期的課題として検討する」と答えました。= "[he-forum 18824] しんぶん赤旗6/24","しんぶん赤旗 2015年6月24日付 科学・技術の軍事化に警鐘 研究者らの交流集会で発言相次ぐ  国立試験研究機関で働く人たちが23日、茨城県つくば市内で、「これでいいのか? 日本の科学技術政策」をテーマに全国交流集会を開きました。研究者ら約100人が参加し、安倍自公政権が「戦争法案」の成立を強行しようとしているなか、「本格的な軍事研究にわれわれも動員される可能性がある」「戦争をやらない国づくりを」などの発言が相次ぎました。  講演した井原聡・東北大学名誉教授は、日本の科学技術政策の流れと科学技術基本計画の問題点を解明しました。安倍政権が進める「科学技術イノベーション」が政・官・財の鉄のトライアングルによって日本の科学・技術研究を産業競争力強化につなげようとするものだと指摘。同時に、防衛省が個々の研究者をどう取り込もうとしているかを具体的に紹介し、学術研究体制の軍事化が進んでいる危険性に警鐘を鳴らしました。  国公労連の笠松鉄兵書記次長が、安倍政権の「海外で戦争する国づくり」は、研究者の生活や労働条件、研究に直結する課題だとして、阻止する取り組みの重要性を訴えました。  任期制職員の雇い止めの懸念など若手研究者の不安定雇用、運営費交付金が減り続けるもとでの現場の疲弊なども話し合いました。 ◇  集会では、つくばの24研究機関の職員を対象に行ったアンケート結果が公表されました。防衛省や米国防総省の資金提供による研究・開発の是非について、「進めるべきではない」が64%、「進めるべき」は36%でした。「進めるべき」と回答した人のなかには、研究資金が減少している現状や地雷除去技術などの必要性をあげて消極的に認めるといった意見も目立ちました。アンケート結果について井原さんは「『進めるべき』の理由をみると、十分変わる余地があります。国会会期が延長されたので、どんどん宣伝して状況を変えたい」と話しています。 "[he-forum 18823] 中日新聞福井6/25","中日新聞福井版 2015年6月25日付 福井中心部に大学連携センター 県、来春開設の方針  県は二十四日、県内五大学の講義などが受けられる「大学連携センター」(仮称)を来春、福井市中心部に開設する方針を示した。講義は県内の産業や歴史、文化などを深く学べる内容とし、就職支援にも力を入れる。地元志向の強い学生を育てながら、市中心部の活性化を狙う。  同日開会した県議会六月定例会の本会議で西川一誠知事が「若者の地元定着や県内就職拡大を一層進める」と述べた。  県大学・私学振興課によると、開設場所はJR福井駅東口のアオッサを想定。「学生が集い、学ぶ拠点」と位置付け、にぎわい創出を図る。運営は福井大、県立大、仁愛大、福井工大、敦賀市立看護大が担う。  センターで開く講義は、福井や県内企業の魅力を学ぶことを目的とする。受講対象は五大学の学生が中心で、参加すると単位取得になる予定。開講日時や講義の種類は今後、詰めるという。  県内での就職を後押しするため、大学合同企業説明会の開催も見込む。これまでも大学と短大などが協力し、共同研究したり、アオッサで共通講座を開いたりする試みはあったが、センター開設を契機に、人口減少対策を視野に入れて連携を強化していく。  「福井の企業に入ってから役立つ知識を蓄えてもらいたい」と同課の担当者。開設準備事業として、県の六月補正予算案に九百七十万円が盛り込んだ。  (山本洋児) "[he-forum 18822] 琉球新報6/25","琉球新報 2015年6月25日付 国旗・国歌要請、琉大「議論棚上げ」 学長が批判  琉球大学の大城肇学長は24日の定例記者懇談会で、下村博文文部科学相が16日に全国の国立大学長に入学式や卒業式での国旗掲揚と国歌斉唱を要請したことについて、個人的見解と断った上で「国が大学にグローバル人材の育成を求める一方で、国旗掲揚や国歌斉唱を求めるのは国粋主義的だ」と批判した。国旗・国歌の議論が学内に持ち込まれると混乱が懸念されるとして「当分は棚上げしたい」との方針を示した。  大城学長は文科相要請に「アジアからの留学生が目にしたらどう思うか。国旗国歌は強制すべきものではない」などと述べた。  琉大は1950年、米国軍政府布令で設置され、その後琉球政府立、復帰に伴い国立になった。大学によると、開学当初からの国旗・国歌への対応は記録が残っていないため確認できないが、少なくとも81年以降は卒業式や入学式で国旗掲揚・国歌斉唱をしたことはないという。  大学では毎年260~300人前後の留学生が学んでおり、出身国・地域別(2014年5月時点)では中国が最多で、以下韓国、インドネシア、台湾とアジア圏が上位を占める。  大城学長は個人的な考えとした上で「国旗を掲揚するなら留学生の母国全ての旗を掲揚したい。その方がグローバル教育を進める中で意味があるのではないか」と語った。  国会などで「税金を使っている国立大は国の要請に応えるのは当然」といった意見があることに「地域に貢献することが社会に還元することになる。国旗を掲げることが(税金投入に)応えることになるとは思わない」と述べた。 "[he-forum 18825] しんぶん赤旗主張6/26","しんぶん赤旗主張 2015年6月26日付 「国立大学改革」 文系などの切り捨てを許すな  安倍晋三政権が「成長戦略」具体化の一環として「国立大学改革」を進めています。そのなかで文部科学省が人文系などの廃止を迫っていることに、大学総長などから批判が上がっています。 議論が近視眼的で性急  文科省は、国立大学が来年4月から6年間の「中期目標」を決めるにあたって、各大学の「強み・特色」を生かすため、人文社会科学系や教員養成系の学部・大学院の「廃止や社会的要請の高い分野への転換」を求める通知を出しました(8日)。  各大学の「強み」とは、政府が打ち出した三つの類型((1)世界最高水準の教育研究(2)分野ごとの優れた教育研究(3)地域ニーズへの貢献)のいずれかの機能を選択し、その枠のなかでつくりだせというものです。これでは、3類型という国がつくった鋳型にそぐわないとして、文科系などを切り捨てざるをえなくなります。  国立大学協会の総会(15日)では、里見進会長(東北大学総長)が「人材養成の議論が近視眼的で短期の成果をあげることに性急になりすぎている」と異例の批判をする事態となっています。  古典や哲学、歴史、社会科学などの幅広い学びを通じ、豊かな人間性と深い洞察力を身につけた学生を育てることは、社会が大学に求める大事な役割です。京都大学の山極寿一総長も、文科省の通知について「幅広い教養と専門知識を備えた人材を育てるためには人文社会系を失ってはならない」と強調しています(「京都」17日付)。  日本学術会議は、政府の科学技術政策への提言(2月27日)で、「人間と社会のあり方を相対化し批判的に省察する人文・社会科学の独自の役割」を強調し、「学術の総合性という視点に立って、とりわけ人文・社会科学の振興を明確に位置づけ」ることを求めています。政府がすすめる「改革」は、こうした方向に逆行しています。  重大なのは、国立大学の日常経費を賄うために国が交付する運営費交付金を、3類型の枠内での「改革」を競争させる予算に変質させようとしていることです。  文科省は各大学の改革を評価し、類型にそって重点配分するといいます。財界や財務省は、運営費交付金の3割を、そうした重点配分に変えるよう求めています。国立大学の3類型化を財政面から誘導するとともに、大学の人件費や日常的な教育研究費などをささえている運営費交付金の基盤的部分を大幅に削減するものです。  運営費交付金は、2004年の国立大学法人化以降10年間で1300億円も削減されました。国大協の報告書(5月25日)によると、日本の学術論文数は主要国の中で唯一減少し、35カ国中で00年の17位から13年は最下位に、質を示す論文の注目度は31位に転落しました。報告書は、その主因が運営費交付金削減だと告発しています。 基盤的予算の増額が急務  17の国立大学では、経営協議会の学外委員が声明をだし、「地方国立大学の存立を危惧せざるをえない」とのべて、運営費交付金のこれ以上の削減に反対しています。  いま国立大学の発展に必要なことは、文系にも理系にも多様な基礎的学問の場を保障する基盤的予算の充実です。学問を衰退させる安倍内閣の「大学改革」は根本から見直すべきです。 "[he-forum 18826] 毎日新聞大分6/26","毎日新聞大分版 2015年6月26日付 大分大:北野学長を再任 「改革に努める」  大分大は25日の学長選考会議で、北野正剛学長(65)の再任を決めた。任期は10月1日から4年間。福祉健康科学部(仮称)設置構想などを進める北野氏は記者会見で「今後も改革に努め、地域から愛され、信頼される大学になるよう努力する」と語った。北野氏は九大医学部卒。大分大医学部教授、同学部副学部長などを歴任し、2011年10月に学長に就任していた。  学長選びは従来、教授らによる投票結果を学長選考会議が事実上追認していたが、今回から同会議が主体的に決定するよう変更。経営評議会などから推薦された北野氏ら2人が選考対象となった。同会議は面接やプレゼンテーションも経て最終的に投票で北野氏を選んだ。【池内敬芳】 "[he-forum 18828] RE: [he-forum 18827] 地方国立大学に対する予算の充実を求める声明(6/25)","兵頭 様 書記局 市成です。 お世話に成って居ります。 ご連絡有難うございました。 神戸の大学人・文化人の間からは,この様な 声明は出ないのでしょうか。寂しいですネ!! 神戸大学は25億が削減されます。 6月12日の第2回学長会見で,同じ話題が出ました。 下記の部分です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・記・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.運営費交付金等の財源の増額を、政府・文部科学省にどのように要求するのか 白鳥委員長:国立大学全体の数字だが、法人化以降10年間で13%、額にすると1,600億 円強も減額されていて、しかも第三期の中期計画中期目標の期間からは重点配分とい うか、今までとは違う予算配分をする。神戸大学としてどういう対応を考えていらっ しゃるのか。 武田学長:結果的に1.3%で、複利だから10年で大体12%ぐらいになるが、削減されて いる。神戸大学の場合だと25億ぐらい、阪大が45億とか言っていたが、その分減額さ れている。そのなかで、なおかつ国立大学は発展していきなさいという注文を付けら れている。一つは外部資金の拡充というか、増収を目指せと、確かに科学研究費は他 の財源が減るなかにあり、右肩上がりであがってきている。2,000億を超えたが、あ とはJSPのお金や、文科省関係の外部資金を取ることを、教員の方には積極的に呼び 掛けてきたつもりだ。神戸大学の伸びが他の大学に比べて突出しているわけではな く、取り合いになっている。第三期に向けて運営費交付金の構造がおそらく大きく変 わると言われている。いわゆる機能強化というか、大学の強みを生かした部分に競争 的に配分する部分と、学長のリーダーシップに関わる部分と、普通の意味での運営費 交付金、その割合がどのくらいになるかというのもまだわからない。いかに学長の リーダーシップと言っても、執行部だけでいくらあがいてもどうしようもなく、構成 員がそういう意識を共有しない限り、前へ進めないと思っている。文科省が僕らに とっては直接の窓口だが、文科省にしても財務省に行ってお金がこれだけ要ると言う 材料を大学に対して要求しているわけだ。国大協は国大協に関する議員連盟を設立し た。2~3日前に設立総会で、結構な数の議員が集まったようだ。別の言葉で言うと、 国立大学も追い込まれたということだ。本部も各部局に対しても既定経費について、 全部見直しをかけさせていただく。少ない財源の有効利用ということが、フェアな使 用という観点からは避けて通れないものだと思っている。アメリカの州立の大きな大 学は2兆円から3兆円の基金を持っている。その運用益だけで、神戸大学や他の大学の 運営費交付金の3校か4校分ぐらいは出てくる、そういうところと世界ランキングで闘 うよう言われているわけだ。なんとかと竹やりの闘いという感じがしないでもない が、放棄はしない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 神戸大学 教職員組合 書記局 市成 準一 <内線:2550/2551> -----Original Message----- From: owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp [mailto:owner-he-forum@ml.asahi-net. or.jp] On Behalf Of HASHIMOTO, Naoki Sent: Tuesday, June 30, 2015 1:58 PM To: he-forum@ml.asahi-net.or.jp Subject: [he-forum 18827] 地方国立大学に対する予算の充実を求める声明(6/25)  国立大学法人鹿児島大学経営協議会学外委員8名全員が6月25日に 連名で下記の声明を発表しています。      記 地方国立大学に対する予算の充実を求める声明  -第3期中期目標期間に向けて-  URLは https://www.kagoshima-u.ac.jp/important/2015/06/post-37.html  PDF版は https://www.kagoshima-u.ac.jp/important/150625seimeibun_keieigakugai.pdf です。  以上■ ----- このメッセージにウイルスは検出されませんでした。 AVG によってチェックされました - www.avg.com バージョン: 2015.0.6037 / ウイルスデータベース:4365/10126 - リリース日: 2015/06/29 hi-net.or.jp","SMTP","'神戸大学教職員組合'","kobe-uu@ma3.seikyou.ne.jp","SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 18827] 地方国立大学に対する予算の充実を求める声明(6/25)"," 国立大学法人鹿児島大学経営協議会学外委員8名全員が6月25日に 連名で下記の声明を発表しています。      記 地方国立大学に対する予算の充実を求める声明  -第3期中期目標期間に向けて-  URLは https://www.kagoshima-u.ac.jp/important/2015/06/post-37.html  PDF版は https://www.kagoshima-u.ac.jp/important/150625seimeibun_keieigakugai.pdf です。  以上■ "[he-forum 18829] 下野新聞7/1","下野新聞 2015年7月1日付 サイバー犯罪対処へ宇大大学院と協力 栃木県警  巧妙化するサイバー犯罪に対して最新の情報通信技術を生かそうと、県警と宇都宮大大学院工学研究科は30日、県警本部で、研究会設立に関する覚書を締結した。7月中旬から、捜査員や教職員、学生による研究会を開きたい考え。県警と大学がサイバー犯罪について、協力関係を結ぶのは初めて。  県警によると、2014年に摘発したサイバー犯罪は156件と過去最多となり、ことしも5月末現在、前年同期比15件増の58件。県警は対策を向上させようと、工学研究科に協力を要請した。  両者が情報共有する研究会では、県警サイバー犯罪対策室のほか情報通信、警備両部などの捜査員が、工学研究科の情報通信技術や情報セキュリティーの授業を受ける。一方、工学研究科の教職員や学生はサイバー犯罪の情勢について県警の研修を受ける予定。 "[he-forum 18834] 日本経済新聞7/3","日本経済新聞 2015年7月3日 世界最高水準の「卓越大学院」創設 中教審部会が素案  今後の大学院教育の在り方を議論している文部科学省の中央教育審議会(中教審)大学院部会は2日、世界最高水準の教育力と研究力を備えた「卓越大学院」(仮称)の創設などを盛り込んだ審議まとめの素案を示した。民間企業や海外の大学、研究機関などと連携し、様々な人材が共同研究できる組織を目指し、「知のプロフェッショナル」を育成するとした。  卓越大学院は、6月に政府が示した「日本再興戦略」の改訂版にも大学改革の一環として示された。人工知能やビッグデータなどを研究し、新産業の創出につなげることが期待されている。  素案では近年の日本の大学院教育について、「優秀な若者が博士課程に進学せず、国際競争力の地盤沈下につながりかねない懸念がある」と指摘。高度な専門性や倫理観をもとに新たな価値を生み出してグローバルに活躍できる人材を育成することが喫緊の課題だとした。  その上で大学院改革について、(1)体系的・組織的な教育の推進と学生の質の保証(2)産学官民の連携や社会人の学び直しの促進(3)法科大学院など専門職大学院の質の向上――といった7項目の方向性を提示した。  卓越大学院は、こうした改革の方向性を踏まえた重要施策と位置づけている。修士課程と博士課程を一貫した5年間のプログラムとし、日本が国際的に優位な領域や文理融合領域、新産業の創出につながる領域などの研究を想定。文科省は今年度中に産学官による検討会を設置して研究の対象領域や仕組みを示し、16年度以降に各大学が企業などと連携して具体的な構想作りを進められるようにする。  素案では最近の研究不正や博士号取り消し問題などを踏まえ、大学院での研究倫理教育や指導体制の改善が急務とも指摘。一定期間ごとに教員が研究倫理に関するプログラムを履修することや、論文指導には複数教員で当たったり、審査に盗用検索ソフトを活用したりすべきだとした。 "[he-forum 18833] 福島民報7/4","福島民報 2015年7月4日付 福医大と長崎大の共同大学院 来年4月開講  福島医大と長崎大は、共同大学院「災害・被ばく医療科学共同専攻(修士課程)」に医科学、保健看護学の2コースを設け、来年4月に開講する。福島医大の菊地臣一理事長兼学長、長崎大の片峰茂学長が3日、県庁で会見し、大学院の概要を説明した。  医科学コースは、原子力災害を含む、さまざまな災害発生時の医療対応のほか、防災計画に精通する人材を育てる。大学新卒者をはじめ、救急救命士や警察、消防関係者、行政職員らを対象とする。  保健看護学コースは、看護師、保健師らが対象で、緊急放射線被ばく医療などに対応できる人材を育成する。 科目は各大学で開設する。テレビ会議システムを使うため、両大学を行き来しなくても受講できる。座学形式の講義のほか、放射線量測定など複数の専門実習を行う。  今夏中に入試日程などを発表し、募集を開始する。定員は各コースともに、各大学で5人程度。それぞれの大学で試験を実施し、合格者を決める。  菊地理事長兼学長は「原発事故で放射線に関する医療、介護を担える人材が不足していることが露呈した。福島の復興を支える人材育成に力を注ぐ」と抱負を述べた。片峰学長は「長崎と福島の地から、放射線健康リスクの専門家を育て、世界に輩出していきたい」と話した。  大学院に関する問い合わせは福島医大教育研修支援課 電話024(547)1093へ。 "[he-forum 18832] 日経プラスワン6/20","日経プラスワン 2015年6月20日付 「給付型」と「貸与型」 知っておきたい奨学金  人生の3大支出の一つといわれる教育費。特に比重が大きいのが大学の費用だ。この十数年、国立・私立大学ともに授業料が高止まる一方、親の収入は伸びないままだ。家計の負担が膨らむなかで頼りになる存在が、一般的なローンより低い利子や無利子で教育費を借りられる奨学金制度。その内容や種類、使い方のポイントを紹介しよう。  奨学金の制度は大学や企業、地方自治体などが用意している。募集対象が広く、最も多くの人に利用されているのが、公的機関である日本学生支援機構(JASSO)だ。同機構の奨学金の利用者は年々増加傾向にあり、2014年度で約140万人にのぼる(グラフ)。  全国の国公私立大生を対象にJASSOが実施した調査(有効回答約4万人)によると、奨学金を受給している大学生(昼間部)の割合は、12年度で52.5%にもなる。親の収入が伸び悩むなかで学費を奨学金に頼る家計が多いことを物語る。  JASSOの奨学金の仕組みを見ていこう。  受け取った奨学金は将来返済する義務がある。返済が不要の奨学金制度(給付型、後述)と区別するため、「貸与型」といわれる。通常は在学中に毎月、一定額を受け取っていく。在学中は返済する必要はなく、卒業した後7カ月目から月賦で返すのが原則だ。  申し込みは、大学に進学する前であれば、高校が窓口となる(予約採用)。募集時期などは高校により異なる。このほか大学に進学した後でも申し込むことも可能(在学採用)。この場合、窓口は大学になる。  JASSOの奨学金は利子の有無によって2種類に分かれる(表)。まず無利子タイプの「第1種」は、条件が有利な分、申し込み基準は比較的厳しい。家計の年収が例えば会社員の4人世帯で781万円以下というのが目安になる。本人の高校の成績が5段階評価で平均3.5以上という基準もある。  貸与を受ける金額は、進学先が国公立大学か私立大学か、自宅通いか、そうでないかにより決められており、月額の最高は6万4000円。このほか、月額3万円のコースを選ぶのも可能だ。  もうひとつの有利子タイプ「第2種」は、無利子タイプに比べて条件が緩い。家計収入は、前述と同じ条件でみて1124万円以下となる。金利の水準は、民間の教育ローンなどと比べて大幅に低いのが特徴で、利用者は約100万人と、無利子タイプの倍以上いる。  有利子タイプの場合、金利水準がずっと変わらない固定方式と、変動する利率見直し方式の2タイプから選べる。固定方式の金利は年0.69%、見直し方式は年0.20%(15年5月実績)で、いずれも年3%を超えないよう決められている。  大手銀行の教育ローンの金利が現在、変動型で年2~3%台であることを考えると、かなり抑えられた水準だ。金利の支払いは在学中は必要なく、卒業してから負担する仕組みだ。貸与額は、月3万~12万円の範囲で5パターンから選ぶことができる。  奨学金を考える際に重要なのは、借り過ぎて後の返済が苦しくならないよう気を配ることだろう。例えば有利子タイプで月10万円を4年間借りると、貸与総額は480万円になる。金利が1%の場合、毎月約2万2000円ずつ20年間返済する計算になる。  社会人になって奨学金をいざ返済しようという頃には、結婚や子育ての資金を貯めなければならない、ということもよくある。東京の私立大在学中に4年間、奨学金を受けていたという埼玉県の40代の男性会社員は、「毎月の給与から2万円ずつ返済し、約200万円を9年間かけて完済した」と振り返る。返済負担が膨らまないように計画的に考えたい。  大学などが運営する奨学金制度を使う手もある。JASSOに比べると一般に門戸は狭いものの、私立大学の場合、返済する必要がない「給付型」の奨学金が充実している。ファイナンシャルプランナーの塚原哲さんは、「まずは進学を考えている大学に給付型の奨学金制度がないかを調べてほしい」と助言する。  例えば早稲田大学の「めざせ! 都の西北奨学金」は、親の年収など一定の条件を満たすと、年間で40万円を4年間にわたって受け取ることが可能。15年度は1200人を対象に利用者を募集した。  こうした給付型の奨学金をうまく使えば、「私立大学でも国立大学より学費負担を抑えられるケースも少なくない」(塚原さん)。ただし大学の奨学金は、受験する年の前年の秋くらいから募集が始まり、期間も限定されることが多い。希望者は早めに行動するのが重要だ。  大学に入学してから後の成績によって給付を判定する奨学金制度もある。東海大学の「松前重義記念基金・学部奨学金」は、成績優秀者を対象に、年間で最大50万円を給付する。春学期、秋学期それぞれ約650人を定員としており、15年度は合わせて延べ約1150人が採用された。親の年収要件などを満たさずに奨学金が使えない場合は、こうした制度に挑戦するのもいいだろう。 (ライター 福島 由恵) "[he-forum 18831] 読売新聞7/2","読売新聞 2015年7月2日付 愛媛大に「社会共創学部」…地域活性化へ4学科  愛媛大に来年4月、新学部「社会共創学部」が生まれる。  人口減少などの課題を解決し、地域の発展に貢献できる人材を育てるのを目指し、文系と理系の垣根を越えた研究やフィールドワークなどに取り組む。国立大学に社会貢献が求められる中、地方創生の担い手を送り出す拠点として存在感をアピールしたい考えだ。  学部を新設するのは、1973年に医学部を設置して以来となる。  社会共創学部は、入学定員が180人で、農山漁村や地域に伝わる文化などを活用、管理する能力を養う「地域資源マネジメント学科」や、地元産業の発展に貢献する人材を育てる「産業イノベーション学科」など4学科からなる。各学科に2~3コースを置き、水産業の分野に携わる「海洋生産科学コース」や「農山漁村マネジメントコース」などがある。  文理融合やフィールドワークを重視する点も特徴。海洋生産科学コースでは、水産業が盛んな南予地域での就業体験も行う。  文部科学省は6月、国立大学について、人文社会系などの学部に社会からの要請の高い分野への転換を求めることや、大学への運営費交付金を「地域活性化の中核となる大学」などに重点配分する方針を示した。社会共創学部は国の姿勢を先取りするもので、愛媛大の担当者は「地域とともに歩む大学が求められている。社会共創学部では新しい形の学びを目指す」と話す。  愛媛大は5月から県内の高校で説明会を開き、来春卒業予定の生徒らに社会共創学部をPRしている。6月30日は松山市持田町の松山東高であり、社会共創学部設置準備室の榊原正幸・大学院理工学研究科教授がスライドを使って説明。「学びを通して地域に役立つ人材を育てていきたい」と話した。  8月6、7日にあるオープンキャンパスでは、社会共創学部の模擬授業などを行う。問い合わせは愛媛大入試課(089・927・9173)。(蛭川真貴) "[he-forum 18830] 日本経済新聞7/1","日本経済新聞 2015年7月1日 学長、ほぼ全大学で決定権 法改正後に内部規則で担保  学長主導の大学改革やガバナンス(組織統治)強化を目的に4月に施行された改正学校教育法に関し、学長が校務の最終的な決定権を持つことを「法改正後に内部規則で担保した」大学が全体の過半数にのぼったことが1日、文部科学省の調査(速報値)で分かった。「法改正前から担保されている」を含めると、ほぼ全ての大学が内部規則で学長の権限について明確化したことになる。  同省の担当者は「学長の校務への責任と権限を一致させるという法改正の趣旨が、おおむね取り入れられている」と評価。一部の未実施校には助言や指導を行う方針。  調査は国公私立の大学・短大計1132校に今年4月1日時点の状況を聞き、99.4%に当たる1125校が回答した。  学長の最終的な決定権について、「法改正後に担保した」と答えたのは615校(54.7%)。「法改正前から担保されている」が503校(44.7%)、「担保されていない」は7校(0.6%)だった。  法改正の趣旨や内容を全学的に周知した大学は全体の99.5%を占め、学内説明会や文書で通知するなどしていた。 "[he-forum 18835] しんぶん赤旗7/6","しんぶん赤旗 2015年7月6日(月) 「日の丸」「君が代」押し付け反対 学問の自由守れとシンポ  政府が国立大学の入学式などで「日の丸」掲揚と「君が代」斉唱を要請している問題について考える公開シンポジウム「学問の自由をめぐる危機」が4日、東京大学で開かれ、約500人が参加しました。学者・研究者有志でつくる「学問の自由を考える会」が主催したもの。  石川健治東京大学教授は、文科省の要請は学問の自由を保障した憲法23条に反すると指摘。天皇が国家の一機関にすぎないとする学説を政府が弾圧した戦前の事件に触れ、学問の自由と大学の自治を守る大切さを強調しました。  橋本伸也関西学院大学教授は、政府が小中高校にとどまらず大学にまで「日の丸」「君が代」を押し付けるようになったと指摘。学者・研究者は学問の自由と大学の自治を守る責任を負っているとのべました。  山口二郎法政大学教授は、権力が大学に介入して教育や研究を方向付けることは「知の多様性を否定するもの」と批判しました。  主催者を代表して広田照幸日本大学教授は「学問の自由の社会的意義を見つめ直し、鍛え直していこう」とのべました。= "[he-forum 18837] 福井新聞論説7/5","福井新聞論説 2015年7月5日付 国立大に文系不要? 「すぐ役立つ」は息苦しい  法人化して10年たった国立大がまた転機を迎えている。文部科学省から通知があり、教員養成系や人文社会科学系の学部などについては、廃止を含めて見直すよう求められている。  国の財政事情は厳しい。限られた予算を有効活用するため、国立大は国や地域に有用な即戦力の育成に特化すべきで、費用対効果が分かりにくい人文系は私立大に任せる―。そう言ったも同然である。本当にそれでいいのだろうか。 ■目先の基準■  文科省の通知の基になっているのは、昨年8月に国立大学法人評価委員会が示した「視点」案である。盛り込まれた文言を見ると「持続的な競争力」「高い付加価値」「我が国の経済社会の発展に資する教育研究」「イノベーションの創出」など経済的な用語、概念がちりばめられている。  そのうえで教員養成系学部などは「廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むべきではないか」と続く。  こうした方針に対する大学関係者の危機感は強い。その1人で名古屋大大学院文学科の日比嘉高准教授は、近著「いま、大学で何が起こっているのか」(ひつじ書房)で「目先の基準でいらないものを切り捨てていった組織は、起こりうる変化に対応できない」と憂える。  そんな大学に変われば学生も同様の価値観に染まり、国や社会そのものが目先の利益や有用性だけに価値を置く息苦しい場になりかねない。「一見役に立たないけれども実は大切なことが、世の中にはごまんと」あり実際、大学が学問以外にも「実は大切なこと」を学ぶ場になっているとの主張は一般的にも理解しやすい。 ■貧弱な公的支出が問題■  それでも国の財政事情からすれば、教員養成系や人文系を残しておく余裕がないと文科省は言いたいのかもしれない。  しかし日本の場合、教育に対する公的支出がそもそも低い。経済協力開発機構(OECD)の2013年版調査によると、加盟国で比較可能な30カ国のうち国内総生産(GDP)に占める割合は3・6%で最下位。子ども1人当たりだと平均を上回り29カ国中12位だが、高等教育の授業料が5番目に高額で家庭の負担がかなり大きい。  これが家庭の経済的な格差が学歴格差を招き、さらに貧困家庭を生むという負の連鎖の一因ともなっている。社会不安につながりかねない問題である。  国立大の改革以前に「国家百年の大計」として、この教育への公的支出のあり方をまず見直すべきだろう。 ■福井大には人文系新学部■  本県で唯一の国立大である福井大は来春、新学部の「国際地域学部」を開設する。廃止される教育地域科学部内の地域科学課程に代わり、県内では数少ない人文系の受け皿となる。  徹底した英語教育をはじめ、企業や自治体と連携して取り組む課題探求プロジェクトなどを特色にしており、高校関係者や産業界の期待は大きい。文科省の方針を先取りした形で人文系学部を確保したのは、本県にとっては評価すべきことだろう。  ただ、大学運営の先行きは依然厳しい。同大の収入の3分の1を占める国からの運営費交付金は15年度、4億円余り減額された。  他大学の関係者の中からは、すでに「文科省の意向に沿わなければ予算を削られる。特に教員養成系や人文系の人件費は削減せざるを得なくなる」と悲観する声も。法人化して国の縛りから自由になるはずが、財布を握られてむしろ文科省の言いなり。それが実態なら真の教育には程遠い。 "[he-forum 18836] 中日新聞石川7/7","中日新聞石川版 2015年7月7日付 金大、「世界卓越型」を選択 交付金枠組み 人文系廃止は否定的  金沢大の山崎光悦学長は六日、来年度から六年間に国から各国立大学に配分される運営費交付金をめぐり、文部科学省が各大学に示していた三つの枠組みのうち、最も世界的な志向の高い枠組みを選択すると発表した。(小室亜希子)  国立大学は二〇〇四年度に法人化して以降、六年ごとに中期目標を定めて業務運営している。来年度から次期中期目標期間に入るに際し、文科省は運営費交付金の配分誘導で(1)地域貢献型(2)世界・全国型(3)世界卓越型-の枠組みを設定。各大学が一つを選択するよう求めていた。  金沢大はこのうち、卓越した成果を出している海外大学と伍(ご)して教育研究を推進する(3)の枠組みを選んだ。今後、大学は取り組み構想を提案し、評価指標を設定。この指標に基づく評価が、運営費交付金の予算配分に反映される。  また山崎学長は文科省が六月に教員養成系や人文社会科学系の学部・大学院の廃止や転換を求めたことに対し「例えば哲学や宗教、倫理学といった学問は、国立大から消えると日本から消えることになりかねない。学問の多様性は維持しなければならない」と否定的な見方を示した。  一方、社会科学系の定員を減らす方針は二年前にすでに打ち出しているとし、現在、学内で進めている学類制やコースの改編は、十八歳人口や社会的ニーズの変化を踏まえて検討していると強調した。  "[he-forum 18838] 西日本新聞社説7/4","西日本新聞社説 2015年7月4日付 国立大改革 多様な人材育成してこそ  文部科学省が、全国の国立大に対し、来年度から6年間の中期目標策定で、教員養成系と人文社会科学系の学部・大学院の廃止や見直しに取り組むよう通知した。  少子化や人材需要の変化などを理由に挙げて、社会的な要請の高い分野への転換を図るよう求めている。文科省は以前から、各国立大に対し高等教育機関としての特色を明確にするよう要請していた。今回の通知は、あらためて組織改革を大学側に迫った形だ。  積極的に取り組む国立大に対しては、運営費交付金を重点的に配分する方針という。  時代に即して大学も変わる必要がある。その点に異論はない。  気になるのは、通知が「実用性のない文系分野は必要ない」と言わんばかりの内容になっていることだ。憲法が保障している「学問の自由」や、それに付随する「大学の自治」にも関わってくる。  国立大改革や職業教育の充実を成長戦略の柱の一つに掲げる安倍晋三政権の基本方針が影響しているのだろうが、文科省の姿勢には疑問を抱かざるを得ない。  大学を取り巻く状況は大きく変わり、理系分野では「産学協同」が当然のごとく語られている。  成果主義や市場競争に重点が置かれ、研究者らは予算の獲得合戦に追われている。こうした現状が科学界で相次ぐ研究不正を誘発しているとの指摘もある。  国立大には膨大な公費が投入されており、社会的な成果が求められるのは理解できる。  しかし、その研究が「実用的か否か」だけで是非を判断するのは短絡的にすぎるのではないか。今すぐ役立つわけではなくても、長い目で見れば必要なものもある。  「大学」を辞書で調べると、学術の中心として広く知識を授け、深く専門の学芸を教授・研究するための学校と記されている。  産業振興に貢献する人材の養成だけが大学の目的ではない。学問的に真理を追究するのが大学本来の役割であるはずだ。その中から多様な人材も育ってくる。大学の存在意義はそこにある。 "[he-forum 18839] 共同通信7/6","共同通信 2015年7月6日21時45分 法科大学院の適性試験見直し提案 中教審特別委で文科省  法曹養成の在り方を検討している中教審の特別委員会の会合が6日、開かれ、文部科学省は法科大学院の1次試験として課されている適性試験の見直しを提案した。文科省は法学部卒業者など法学既修者の受験免除を検討しているが、委員からは「未修者も含めて廃止するなど抜本的な見直しが必要」「廃止は拙速」などの意見が出た。  会合で文科省側は、適性試験の受験者が減った地域で、会場がなくなったり、通常年2回の試験が1回になったりしていると紹介。法科大学院を目指す地方在住者にとって適性試験が妨げになっている可能性があると指摘した。また、法曹人口の在り方を検討している政府の会議でも、適性試験について「法学既修者が受験する必要があるような出題内容ではないのでは」といった意見が出ていることを挙げた。  委員から幅広い意見が出たことを受け、特別委は今後、適性試験について議論するワーキンググループを設ける方針だ。 "[he-forum 18841] 『河北新報』社説から2件","『河北新報』 1)2015年6月29日社説 「国立大学の行方/学び揺るがす過度の介入」  URLは http://www.kahoku.co.jp/editorial/20150629_01.html 2)2015年6月14日社説 「教員養成改革/統制の方向性を懸念する」  URLは http://www.kahoku.co.jp/editorial/20150614_01.html  以上■ "[he-forum 18840] しんぶん赤旗7/8","しんぶん赤旗 2015年7月8日(水) 看護態勢の強化可能 倉林議員 夜勤など改善迫る  日本共産党の倉林明子参院議員は6日の行政監視委員会で、看護師の夜勤回数や労働時間など労働実態を直ちに調査して看護師の労働環境を改善することを求めました。  倉林氏は、看護師の夜勤を月8日以内にすることや週40時間労働の推進を盛り込んだ看護師確保法(1992年)にもかかわらず、その中身が実現せ ず、今でも75%もの看護師が過重労働を理由に辞めたいと考え、過去にも若い看護師が過労死した深刻な実態を告発。高齢化がピークになる2025年を前 に、労働実態の具体的調査を要求し、その上で「病棟での看護態勢の弱体化を招くようなことはあってはならない」と迫りました。  塩崎恭久厚生労働相は、夜勤回数と時間外労働の実態を調査することを初めて明らかにするとともに、「看護態勢の弱体化はあってはならない」と答弁しました。  倉林氏は、自身の看護師経験にも触れ、患者と看護師を7対1の配置基準にすることが診療報酬上で高評価されたことを指摘し、「評価を明確化すれば 看護態勢の強化が可能になる」と強調。夜勤や勤務時間の間隔を最低12時間確保することなどを法律で位置づけることを求め、「現場の実態をつかみ、労働条 件の改善につなげるべきだ」と主張しました。= "[he-forum 18843] 琉球新報7/2","琉球新報 2015年7月2日付 給付型奨学金、来年度導入へ 知事表明、県外進学者を支援  県議会6月定例会は1日午前、一般質問3日目の質疑が行われた。県外大学に進学する学生を対象に生活費などを支援する給付型奨学金について翁長雄志知事は「来年から入れようと思う。現状に合わせてやっていきたい」と述べ、来年度から新たに導入する考えを示した。給付型は返済義務がない。県教育庁教育支援課は2016年度に募集を開始し、17年度の入学者から支給できるよう調整を進めている。呉屋宏氏(無所属)への答弁。  米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区(宜野湾市)の跡地に、がん治療の重粒子線治療施設を整備する構想で、謝花喜一郎企画部長は「県として施設を導入するか否か決定していない。課題を整理してことし秋ごろに導入するか決める」と述べた。赤嶺昇氏(県民ネット)に答えた。  崎山嗣幸氏(社民護憲)が、1949年までの調査で政府がまとめた「太平洋戦争における我国の被害総合報告書」に沖縄戦の被害が含まれていないと指摘したことについて、翁長知事は「(政府に)問い合わせや協議を行っていきたい」と答えた。  作家の百田尚樹氏が「普天間飛行場はもともと田んぼだった」などと発言した問題について、町田優知事公室長は「普天間飛行場の中にあった字普天間には(戦前)県庁中頭郡地方事務所や県立農事試験場など官公庁が設置され、本島中部の中心地だった。全国の皆さんに正しく理解してもらえるよう、情報発信に努めたい」と述べた。渡久地修氏(共産)への答弁。  県発注工事での県内企業の優先発注の取り組み状況について下地明和商工労働部長は「14年度の県内企業受注割合は前年度より12・9ポイント減少し80・3%となっている。減少した主な理由は、海底光ケーブルなど県内企業だけでは工事できない事業が増加した」と答えた。赤嶺氏への答弁。  このほか新垣安弘(無所属)、瑞慶覧功(県民ネット)、奥平一夫(同)、西銘純恵(共産)の各氏が登壇した。 "[he-forum 18842] 秋田魁新報7/8","秋田魁新報 2015年7月8日付 地方創生枠新設へ、県奨学金減免制度 成長見込む業種に特化  秋田県は7日、大卒者らの県内就職を進めるため検討している奨学金の返還減免制度について、県が成長を見込む業種への就職者に特化した「地方創生枠」と、その他の企業への就職者を対象にした県独自の枠を設ける方針を明らかにした。早ければ来年度から導入したい考えだ。  地方創生枠の原資は県と企業が基金を積み立て、返済額の一部または全額を補助する。国が全国の自治体に返還減免制度の導入を推進しており、県の負担分の一部は交付税措置される見込みだ。  地方創生枠は対象となる業種が限られることから、県は対象外の中小企業に就職した大卒者を対象にした返還減免制度も設ける。 "[he-forum 18844] しんぶん赤旗 6/8","『しんぶん赤旗』2015年6月8日(月曜日)6ページ、 ゆうPress 重すぎる奨学金 現状と対策2 返済1万9000円 利子4300円  学生の2人に1人が借りる奨学金。無利子貸し出しの枠は少なく、10人に7人が有 利子で借りることを余儀なくされています。文部科学省が、奨学金返還の説明の際に 使う最大利率3%では、貸与額300万円の場合は、85万円の利子が加算されます。 毎月の返済を迫られる青年の負担はどうなるでしょうか。  1人当たりの奨学金の平均貸与額、約300万円を有利子で借り、利率3%で返す 場合、卒業後6カ月目から、毎月約1万9000円を、約17年間支払い続けることに なります。このうち利子は平均月約4300円です。  大学院生になると、貸与額が700万円以上になる院生が12%います(全国大学院 生協議会「大学院生の経済実態に関するアンケート報告書」)。この場合、利子は全 体で約244万円です。月々の返済では約1万円が利子負担となります。  現在、大学卒業後の初年度の平均年収は約200万円(厚労省「賃金構造基本統計 調査」)、月収に換算すると約16万7000円です。税金や保険料、家賃や水光熱費 などの生活費の上に、利子の負担はきわめて重いものとなっています。  このもとで「奨学金は借金。怖くて利用できない」という学生も多数おり、ブラッ クバイトであっても授業料や生活費を工面するためにやめられず、授業の出席に支障 をきたしています。高校生が大学進学をあきらめる事態も起きています。  一方、日本学生支援機構に入る年間354億円(2014年)の利息収入は、銀行 や債権回収専門会社の収益となります。有利子奨学金は、教育の機会均等に寄与し、 安心して学べる環境をつくる、という奨学金の理念から逸脱し、学生に重い借金を負 わせ、利子を取り立てる「教育ローン」ともいえる実態になっています。         (つづく)  1は5月25日付に掲載。 [イラスト吹き出し]   ハッ ガーン「奨学金返済したから今月食費にこれ以上使えない…!!」 [イラストは割愛] "[he-forum 18846] 読売新聞佐賀7/10","読売新聞佐賀版 2015年7月10日付 佐賀大学長選巡り質問状、教職員組合が提出  佐賀大の教職員組合(約250人)は9日、学長選考会議が次期学長に副学長の宮崎耕治氏(66)を選出したことに対し、選考過程が不透明だとして、議事録の公開などを求める質問状を同大に提出した。組合は23日までの回答を求めている。  9月末に任期満了を迎える佛淵孝夫学長の後任を決める学長選を巡っては、宮崎氏と医学部長の藤本一眞氏(62)が立候補。学外の経済人らでつくる選考会議は、調査や面接の結果から宮崎氏を選出した。  ただ、立候補後に、大学が学内の一部の教職員を対象に実施した意向調査では、有効投票数870票のうち、藤本氏が546票、宮崎氏が304票だった。  一方、文部科学省は、学長選考会議が意向調査の結果など学内の意見を過度に反映せず、主体的に選考を進めることを求めている。  教職員組合の質問状では、意向調査の位置づけや、選考理由の具体的な説明など8項目への回答を求めた。組合委員長の宮崎卓朗・経済学部教授は記者会見し、「教職員が納得できる理由を明らかにしてほしい」と訴えた。 "[he-forum 18845] 佐賀新聞7/10","佐賀新聞 2015年7月10日 佐賀大学教職員組合、学長選考で質問状提出  佐賀大学教職員組合(委員長・宮崎卓郎経済学部教授)は9日、先月行われた次期学長選考の過程が不透明として、学長選考委員会(井田出海議長)宛てに公開質問状を提出した。選考会議の議事録公開や選考理由の詳細な説明などを求めている。回答期日は23日までとしている。  学長選考は副学長の宮崎耕治氏(66)と医学部長の藤本一眞氏(62)が立候補。教職員の意向調査では宮崎氏304票、藤本氏546票と藤本氏が上回ったが、決定権を持つ選考会議が面接などを経て行った投票は9対4で、宮崎氏が選出された。  この日は宮崎委員長ら組合幹部が選考事務局の北出猛夫総務部長に手渡した。宮崎委員長は「選考結果が必ずしも意向投票を反映しないのは理解できるが、決して無視をしていいわけではない」と批判。「選考会議の議論内容が明かされず、密室で決まった印象。納得できる理由を求める」と話した。 "[he-forum 18847] しんぶん赤旗7/9","しんぶん赤旗 2015年7月9日付 進む「軍学共同」 研究者の64%が反対 予算依存「深みにはまる」  戦争法案を推進し「海外で戦争できる国づくり」へ暴走する安倍政権。大学・研究機関の研究者たちが軍事研究にまきこまれるのではないかと危機感を強めています。研究者たちは、研究資金が減らされ軍事研究への誘惑が強められているもとで自らの社会的責任を果たすために模索しています。 (中村秀生)  「いったん手を出すと軍事関連予算依存の深みにはまるのでは」「税金で食っている研究所なので国の要請があれば従うべきだ」「軍事研究は研究所が掲げるべき目標と方向が異なる」「憲法に違反する」…。  6月の国立試験研究機関全国交流集会で発表された研究者アンケートでは、防衛省や米国防総省などの資金提供による軍事研究・開発を進めるべきかという質問に、36%が「進めるべきだ」、64%が「進めるべきでない」と回答。賛否両論さまざまな意見が出ました。  軍事研究に反対する声が、研究者の多数を占め、その中には「人殺しの道具をつくりたくない」「秘密研究は科学の発展上も望ましくない」といった意見、米国で軍事研究に関わった経験を「悩ましかった」と振り返る声がありました。  しかし、防衛省技術研究本部は今年度、大学・研究機関を対象とした3億円の研究資金を新設。技術交流も加速させています。経済産業省の開発プロジェクトでは、国内の大学など5チームが米国防総省高等研究計画局主催の災害対応ロボットのコンテストに参加する状況も生まれています。  アンケートでは、進めるべきだと答えた研究者の中にも「国防のために軍事研究は必要」といった積極意見のほか、「(防衛省や米軍の資金提供を)排除していることにより、ロボット分野などで最先端の研究ができない」といった消極的な推進意見も目立ちます。 "[he-forum 18851] しんぶん赤旗7/11","しんぶん赤旗 2015年7月11日付 東大で学生・教員緊急抗議集会 “今の政治続けば日本は闇”  「今の政治が続いたら、将来日本は“闇”になる」「立憲主義と民主主義を守るためにこのような集会が必要です」(呼びかけ人の一人、東京大学理学部1年生)―こんな思いで「安保法案 東京大学人緊急抗議集会」が10日、東京大学駒場キャンパスで開かれました。同大学の学生・大学院生と教員が参加する実行委員会が主催。  「強行採決絶対反対」書かれた赤い横断幕が掲げられた会場に300人以上が参加。学生・大学院生も多数参加し会場は満員に、戦争法案反対の熱気に包まれました。  集会は4人の学生、1人の大学院生、市野川容孝総合文化研究科教授、小森陽一教授、横山伊徳史料編纂(へんさん)所教授など学生と教員が共同で呼びかけ開催されました。  登壇した高橋哲哉教授は「私は東大に30年いるが、このような学生と教員の取り組みは初めてだ。大学人が今の状況に危機感を持っている」と発言。佐藤学名誉教授は「今回の法案は戦後最大の平和と立憲主義の危機です。今、行動しないと後の世代に禍根を残す」とよびかけました。そのほか、間宮陽介青山学院大学特任教授などが発言しました。  呼びかけ人の学生の一人、男性(法学部3年)は、「東大での取り組みを一つのきっかけに、全国の大学で反対の声を上げてほしい」と述べました。  アピールへの賛同者は、6月29日以降2週間足らずで572人(10日現在)になっています。 "[he-forum 18850] 中日新聞石川7/11","中日新聞石川版 2015年7月11日付 金大 千葉大 長崎大 来春に共同大学院 予防医学の専門家養成へ  金沢大は十日、千葉大と長崎大とともに、先進予防医学の専門家を養成する共同大学院を来年四月に設置すると発表した。三大学それぞれの強みを生かし、包括的な先進予防医学を実践できる人材を育てる。 (小室亜希子)  三大学で共同大学院を設置する構想は二〇一二年度に文部科学省の「国立大学改革強化推進事業」に採択され、今月七日に設置手続きが完了した。 ◆同一の課程  金沢大は「大学院先進予防医学研究科」を新設し「先進予防医学共同専攻」を設置。千葉大と長崎大はすでにある大学院に同専攻を設ける。  四年制の教育課程で同一のカリキュラムを組み、修了生には博士(医学)の学位を授与する。  定員は金沢大が十二人で、ほかの二大学は各十人。学生募集は秋ごろになる。  金沢大はゲノム(全遺伝情報)の解析など分子レベルの研究を得意とし、千葉大は環境評価・解析、長崎大は情報医工学にそれぞれ強みを持つ。 ◆発病前予測  このため従来の予防医学が基本とする一次から三次までの予防段階に、発病前から罹患(りかん)を予測する「0次予防」の概念を加えた方法論の確立を目指す。個人の遺伝や環境の特性を踏まえて、個別的な予防医療の提供が可能になるという。  金沢大の担当者は「三大学で協力して予防医学の新たな拠点をつくりたい」と話した。 "[he-forum 18849] 河北新報7/11","河北新報 2015年7月11日付 大学自治への政治介入「多様な価値観 尊重を」 ◎国立大学協会長 里見進・東北大総長に聞く  国立大学運営交付金の増減をちらつかせて安倍政権が、大学自治への政治介入を強めようとしている。この事態を最高学府のトップに立つ里見進国立大学協会長(東北大総長)はどう受け止めているのか、聞いた。(聞き手は報道部・野内貴史)  -政府内で議論されている運営交付金の重点配分などの国立大改革を、どう受け止めますか。 予算減に疑問  「大学は今、少子化の進展、教育にかける国家予算の減少という問題に直面している。国立大の数や規模は現状のままでいいのかどうか、厳しく問われる時代だ」  「だが、財政難を理由に教育予算を減らせば国の力は弱くなる。高等教育にかかる予算を減らしていいのだろうか」  -成果主義に傾く文部科学省は、人材育成につながらない人文社会系の学部廃止や転換を求める通知を出しました。 人が育つ要素  「人文社会系の素養がなければ国際的なリーダーにはなれない。非常に大事な学問だ。ただ、古い学問体系を縦割りで教えてきた手法の見直しを求めるというメッセージなら十分納得できる」  -先日の国立大学長会議で下村博文文部科学相が入学式や卒業式での国旗掲揚、国歌斉唱を要請し、波紋が広がっています。  「それは各大学が決めること。多様な価値観を持った人たちがたくさんいるというところに人の育つ要素がある。ときには権威に対して批判的なことを言うのも大学の役割だ。各大学の判断を尊重してほしい」  「東北大では国旗の掲揚はしているが、国歌の斉唱はない。そのまま続けようと思っている」  -本土復帰前の沖縄から国費留学生として東北大に入学した自身の思いは? 方法いろいろ  「父が事業に失敗し、大学進学など望めなかった私にとって、国費留学制度は本当にうれしかった。国にすごく感謝しているし、国を愛している。ただ、それは国歌や国旗に向ける姿勢で象徴されるものではない。国を愛する気持ちを表明する仕方はいろいろあっていい」  「私も留学生だった。お金の心配なく日本で学ばせてもらったという留学生をたくさんつくりたい。親日国を世界中につくる安上がりの戦略と言えるのではないか」 "[he-forum 18848] 東京新聞7/11","東京新聞 2015年7月11日付 「この政治続けば、闇の時代になる」 反戦へ 東大の英知  安全保障関連法案の採決強行に反対し、東京大の学生や教職員、OBらが十日夜に催した抗議集会。戦前に軍国主義の波にのまれ、学問の自由を失い、多くの学徒が戦争に動員された。日本のアカデミズムを担う自覚から「平和と民主主義の破壊を止め、痛苦の歴史を繰り返さない」と、世論や学者に耳貸さぬ安倍政権に異議を唱えた。 (辻渕智之、中山高志)  「こんな現実のため、こんな時代を迎えるために、私たちは学んできたわけじゃない」。東大で教員を二十年以上務めた佐藤学名誉教授(教育学)が声を震わせた。「この法案を支持する人は言う。憲法九条にしがみつくのは理想論だと。しかし、イラク戦争では五十万人の子どもが亡くなった。戦争で犠牲になるのはいつも若者と子どもだ。これはリアリズムだ」  駒場キャンパス(東京都目黒区)の講義室に大きな拍手が響いた。佐藤氏は、太平洋戦争では東大から少なくとも三千三百人が学徒出陣し、半数以上が命を失ったとも話した。  集会を呼びかけた一人、田中慶季(よしき)さん(19)=理科一類一年=も「今の政治が続けば僕が大人になるころ闇の時代になってしまう。首相は、なぜ法案が必要なのかという問いを抹殺している」と語った。  集会は憲法勉強会などを開いている学生有志が六月下旬、教授陣に声を掛けて実現した。市野川容孝(やすたか)教授(社会学)は「表だって反対することにしらけた社会の空気の中、学生や教職員の危機感が強かった表れ」とみる。東大生らは、国会前で抗議を続ける首都圏の大学生らのグループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」と連携する。  集会には東大OBら五百人以上から賛同メッセージが寄せられた。  文学部卒で思想家の内田樹(たつる)さんは「ここで食い止めないと、遠からず日本人はまた巨大な災厄を隣国と自分たち自身の上に及ぼす」とつづった。 ◆戦中は軍事研究に加担  東大は戦中から戦前にかけて軍需生産に必要な技術者を育て、工学部が二つ、兵器製造を研究する造兵学科まであった。戦後、安保闘争などに積極的に参加したのとは様変わりし、近年は国に異議を唱える看板はキャンパスに見当たらなかったが、教職員や学生が一体となって声を上げた。  戦後の一九五〇年五月、東大トップの南原繁学長(当時、写真)は終戦処理をめぐり、吉田茂首相(当時)から「国際問題を知らぬ曲学阿世(きょくがくあせい)(学問を曲げて世間におもねる)の徒」と非難される。米国と講和交渉を進めようとする政府に反発し、旧ソ連も含む全面講和を主張したからだった。  この日の抗議集会を呼びかけた佐藤大介さん(21)=法学部三年=は、南原発言を知っているといい、「社会の圧力に負けず信念を持つ。それが学問を志すことだ」と話した。  六〇年には、政府が日米新安保条約を国会で強行採決した。当時の政権トップは、安倍首相の祖父の岸信介首相。  それに反対した安保闘争で、東大生の樺(かんば)美智子さん=当時(22)=が国会敷地内での警官隊との衝突で死亡した。六八~六九年の東大紛争では、大学側への抗議が全国の大学に拡大。集会に参加した男子学生(20)は「東大には発信力がある。こういうときに声を上げるのは大切だ」と話した。  戦後、東大は軍事研究を一切行わない方針を引き継いできた。ある男性職員は、安倍政権下で研究予算を含む防衛費が増大していると指摘し、「軍事研究の方に流れる危険性は大きい」と懸念した。 "[he-forum 18852] しんぶん赤旗7/12","しんぶん赤旗 2013年7月12日付 東京大学人緊急抗議集会 学生・教員、活発に意見交流 大学に戦争は なじまない 立憲主義破壊 許しません 「憲法の番人」は国民です  「このように学生と共同で決起される集会は、画期的です」(佐藤学名誉教授)。10日、東京・目黒区の東京大学駒場キャンパスで開かれた「安保法案 東京大学人緊急抗議集会」。「東京大学内における行動と議論を前進させる」「あらゆる方向から政府に圧力をかける」「それぞれの立場で学び続ける」などを提起したアピールを採択した同集会では、登壇した教員が口々に、学生たちをたたえました。学生自身の発言も活発でした。  教養学部1年の男子学生は「大げさかもしれませんが、今の政治が続いたら、ぼくたちの子どもがおとなになったとき闇の時代になっているかも。いざというときに権力をしばる立憲主義が、機能しなくなっているかもしれません」と語りました。  文学部博士課程2年の男子院生は「政府は文系学部廃止を言いだしました。立憲主義・平和主義の問題を批判されたくないのでは。大学は公的営造物である前に学問共同体です。大学に戦争は、学問に立憲主義破壊はなじまない」と大学の使命を指摘。  教養学部1年の男子学生は「大学に入ってまだ3カ月のぼくらでも“政府がいうから正しい”ではなく、本や新聞を読み、意見も聞いて、自分で判断することが大事だと思う」と新入生らしい見方を語りました。  「アメリカも残虐なことをしてきた。日本が世界から尊敬される道は、そんなアメリカと手を組むのでなく憲法を守ること」(農学部4年生の男性)など発言が続きました。  集会後、会場内にいた学生も「政府が立憲主義を踏みにじっていることが、自分の研究や学問的立場から許せなかった」(文学部3年男性)との怒りや、「いま話題になっている法案にどんな問題があるのか、知りたくてきた」(教養学部1年男性)など、思いを語りました。  卒業生や教員・職員からも活発な発言が続きました。伊藤真弁護士は「いま立憲主義という、法と知性と理性で政治をコントロールする人類の英知が、根底から覆されようとしています。しかし『憲法の番人』は国民です」と訴え。呼びかけ人の市野川容孝(いちのかわやすたか)教授も「全権委任法でナチスが権力を握る前にも、ドイツでは何度か、よく似た『授権法』が成立していました。“またか”“まだ大丈夫”と思っているうちに手遅れになった。私たちも記憶すべきです」と述べました。 "[he-forum 18854] Reuters 7/14","Reuters 2015年 07月 14日 11:47 JST 国私立5大学にサイバー攻撃  愛媛大や福岡大など国私立5大学のウェブサイトがサイバー攻撃を受け、メールアドレスやコンテンツを管理するためのID、パスワードなどが流出する被害があったことが14日、各大学への取材で分かった。  愛媛大によると、メールマガジンに登録していたアドレスがリンク先としてツイッターに投稿された。山梨大は、サークル活動紹介のウェブサイトのデータベースが被害に遭った。  福岡大は、IDや暗号化されたパスワードがネット上に流出。摂南大は、アカウントの一覧が抜き出され、ツイッターに掲載された。文化学園大は「過去のニュースなどを管理するサーバーが攻撃を受けた」と説明。 "[he-forum 18853] J-CAST news 7/12","J-Cast News 2015/7/12 17:30 国立大学から文系がなくなる? 文科省の揺さぶりに地方大学が浮足立っている 文部科学省が全国86の国立大学に対し、人文社会科学系の学部と大学院について廃止や他分野への転換など大規模な組織改編を行うよう求めていることが波紋を広げている。 将来的には国立大から文系学部が消えてしまう可能性さえ指摘され、国立大側の文科省方針への反発は強い。ただ、一部の大学は既に文科省の意向に沿う形で文系学部の定員を減らす計画を打ち出すなどの動きもあり、国立大の文系学部の行方は混とんとしている。 文科省が交付金配分権を握る 文科省は2015年6月初旬、国立大に対し、「社会が必要としている人材の育成や地域への貢献を進めてほしい」として、文学部や法学部などの 文系学部のほか、教員養成系学部などについて徹底的に見直すよう通知した。少子化が急速に進み、国際競争が激しくなる中、文系学部は理系学部のように「技 術革新」に直結せず、将来に向けた目に見える成果がすぐには期待しにくい。さらに、国の財政難から税金を効率的に使いたいという政府側の狙いがあるとみら れている。 これに対し、国立大側から反発の声が沸き起こった。国立大学協会の里見進会長(東北大学長)は6月中旬に東京都内で開いた記者会見で、「非常 に短期の成果を上げる方向に性急になりすぎていないか。大学は今すぐ役に立たなくても、将来大きく展開できる人材をつくることも必要」と述べ、文系学部の 必要性を訴えた。実際のところ、大企業の経営者や官僚の多くは法学部や経済学部の出身者だし、ネット業界では文系の起業家も少なくない。 京都大の山極寿一総長も、「幅広い教養と専門知識を備えた人材を育てるためには人文社会系を失ってはならない。(下村博文文科相が要請した) 国旗掲揚と国歌斉唱なども含め、大学の自治と学問の自由を守ることを前提に考える」(6月16日の会見)と、強く批判している。 ただし、「大学の自治」と言っても、文科省は国立大向けの交付金について、取り組みや実績で評価が高い大学に対して重点的に配分する方針を示 している。交付金配分で「制裁」や「与奪」の権を握る文科省に、真っ向から対抗するには容易ではない。特に、ブランド力に乏しい地方の大学は厳しいところ だ。 「学際」に光を当てて生き残り図る 実際、既に文科省の求めに応じる形で具体的な対応に乗り出すところも出始めている。弘前大は2016年4月から、理系学部で定員を90人増や す一方、文系の人文学部と教育学部で計150人減らすことを決めた。同大はこうした再編に踏み切る理由として、「国際化」と「地域政策課題の対応」を強調 している。宇都宮大や徳島大なども2016年4月に向け、再編を始める計画を明らかにしている。「交付金をもらえないと困るから、文系学部の定員は今後、 減らさざるを得ない」と話す国立大は複数に上る。 文科省の顔色を見つつも、したたかな対応を模索する大学もある。滋賀大は、文科省通知にある「社会的要請の高い分野」として、「ビッグデータ 時代の人材養成」を目指すデータサイエンス学部の創設(2017年度予定)を打ち出しているが、これは「未来志向と文理融合」という理念に沿って、大半は 広義の社会データであるビッグデータの分析のため、人文社会系の学識とデータ解析能力を融合した人材を養成するというもの。「学際」に光を当てることで、 文系、理系という枠組みを超越しようという試みといえようか。 こうした対応がどこまでできるか、国立大も総合力を試されるところだが、交付金ほしさに文科省の方針通りに対応すれば、いずれ全国の国立大か ら文系学部が一切なくなってしまいかねないとの懸念は残る。特に、金儲けと縁遠い文学部や社会学部は狙い撃ちにされる可能性も指摘される。 旗振り役の下村文科相は安倍晋三首相に近いということもあり、大学関係者からは「文系学部をなくしてしまえば、批判する力も社会から奪われてしまう。現政権の深い狙いがそこに隠れているようにさえうかがえる」との恨み節も漏れてくる。= "[he-forum 18855] しんぶん赤旗7/15","しんぶん赤旗 2015年7月15日(水) 大学人「連帯を」 戦争法案 廃案しかない 京大でシンポ  「安全保障関連法案に反対する学者の会」と、関西の学生でつくる「SEALDs KANSAI」(シールズ関西)は14日、京都大学(京都市左京 区)で、戦争法案の廃案を求める「7・14緊急シンポジウム♯本当に止める」を開き、会場は立ち見が出る600人が参加しました。  シンポ発案者の西牟田祐二京都大学教授が開会あいさつし、安倍政権の強行採決の動きに触れ「ぎりぎりまで来ている。世代を超えた連帯を実現し、結集すれば、私たちは歴史の主体として登場できる。まだ間に合う」と強調しました。  山室信一京大教授は、法案の欠陥を詳しく報告。大学卒業後に内閣法制局で法案を作成していたとし「この法律を100時間の審議でこなすことは無理だ。私は『国会は憲法に違反することだけはできない』と言われてきた。法が沈黙するとき独裁が始まる」と述べました。  永田和宏京都産業大学教授(歌人)は自民党の言論抑圧発言を批判し、「民主主義を支える根源は言葉だ。その言葉が音を立てて崩れようとしている」と強調。「専門を超えて市民が声を上げることが大事だ」と話しました。  君島東彦立命館大学教授が司会を務めました。  シールズ関西の塩田潤さん(24)=神戸大学大学院2年=は、デモの動画などを交えながら活動を紹介。「安倍政権の行いは、立憲主義など私たちが得てきた戦後の民主的価値観を否定するものだ」と訴えました。= "[he-forum 18856] 朝日新聞 7/16","朝日新聞 2015年7月16日12時05分 東大、最大で3万6千件の情報流出 PCがウイルス感染  東京大学は16日、学生、教職員らの名前や学生証番号、パソコン利用IDなどの個人情報が外部に流出したと発表した。最大で約3万6300件の情報が流出した可能性があるという。情報が悪用されるなどの二次被害は報告されていないという。  東大によると、職員が6月23日、学内の業務用パソコンでメールの添付ファイルを開いた結果、ウイルスに感染したとみられる。流出した恐れがあるのは、2012年度以降に在籍した学生や職員などの情報という。30日に異常に気づき対策をとり、調査していた。= "[he-forum 18861] 朝日新聞7/21","朝日新聞 2015年7月20日21時09分 安保法案に抗議声明 益川氏ら学者150人が会見 編集委員・北野隆一  「安全保障関連法案に反対する学者の会」に賛同する大学教授ら約150人が20日、東京都内で記者会見し、安保法案に対し「世論調査で反対多数の状況での強行採決は、国民の意思を踏みにじる立憲主義と民主主義の破壊」とする抗議声明を発表した。20日までに会の賛同者は学者1万1218人、市民2万2779人に上ったといい、31日夕には学生らと共同で、集会や国会前での抗議行動をする予定。  発起人でノーベル物理学賞受賞者の益川敏英・京都大名誉教授は「安倍首相が有事と思えば戦争ができるようになる。立憲主義に真っ向から敵対している」と批判。上野千鶴子・東京大名誉教授は「新国立競技場は市民の声で白紙に戻った。言えば通る。もっと深刻な安保法案も廃案に追い込める」と呼びかけた。  池内了・名古屋大名誉教授は「科学者の軍事研究への動員が始まっている。安保法案を打ち破り、軍事研究をしない運動を広げたい」と述べた。高山佳 奈子・京都大教授は「憲法を無視していいという国際世論はない。憲法に反する安保政策で、ジャーナリストやボランティアら外国にいる日本人への危険は増 す」と説いた。(編集委員・北野隆一)     ◇ 「安全保障関連法案に反対する学者の会」が20日に発表した、「安全保障関連法案の衆議院特別委員会と本会議での強行採決に対する抗議声明」の全文は以下の通り。  7月15日衆議院特別委員会、翌16日本会議で、集団的自衛権の行使を容認することを中心とした違憲性のある安全保障関連法案が強行採決されたことに、私たちは強い怒りをこめて抗議します。  各種世論調査では、戦争法制としての本質をもつ安全保障関連法案に反対が多数となり、8割を超える大多数が今国会での成立は不必要としていた状況の中での強行採決は、主権者としての国民の意思を踏みにじる立憲主義と民主主義の破壊です。  首相自身が、法案に対する「国民の理解が進んでいない」ことを認めた直後の委員会採決強行は、現政権が国民世論を無視した独裁政治であることを明確に示しています。  衆議院憲法審査会で3人の憲法学者全員が安全保障関連法案は「違憲」だとし、全国のほとんどの憲法学者が同じ見解を表明しているにもかかわらず、今回の強行採決が行われたことは、現政権が学問と理性、そして知的な思考そのものを無視していることのあらわれです。  戦後の日本は憲法9条の 下で、対外侵略に対して直接的な関与はしてきませんでした。政府は「安全保障環境の変化」を口実に、武力行使ができる立法を強行しようとしていますが、戦 後日本が一貫してきた隣国との対話による外交に基づく信頼関係こそが、脅威を取り除いてきたという事実を見失ってならないと思います。  私たちが6月15日に表明した見解は、多くの学者、大学人に共有され、いくつもの大学で、学生と教職員が一体となった取り組みが行われました。私たちは参議院での審議を注意深く見定めながら、立憲主義と民主主義を守り、この法案を廃案にするために、国民とともに可能なあらゆる行動を実行します。  2015年7月20日= "[he-forum 18860] NHKニュース7/19","NHKニュース 2015年7月19日18時40分 人文社会科学系学部がある国立大 8割が再編検討  文学部や経済学部など人文社会科学系の学部や大学院がある国立大学のうち8割が、学部の再編や定員の削減などを検討していることがNHKの調査で分かりました。  国立大学を巡っては文部科学省が先月、教員養成系や人文社会科学系の学部や大学院について、廃止や社会的要請が高い分野への転換に努めるなど、組織と業務全般を見直すよう通知を出しました。  この方針について、NHKは対象となる学部がある国立大学64校にアンケートを行い、89%に当たる57校から回答を得ました。  人文社会科学系の見直しを求める通知については、関連の学部がある大学42校のうち、25校が「趣旨は理解できる」と答えて6割を占め、「不本意だが受け入れざるをえない」が2校、「全く受け入れられない」が2校でした。「趣旨は理解できる」と答えた大学からは、人文社会科学系は大学教育の根幹だとしたうえで、少子化や社会のニーズに対応するには教育内容や組織の改革は必要だなどという意見が自由記述で寄せられました。  また、先月いっぱいで文部科学省に提出することになっていた来年度から6年間の中期目標の素案に、人文社会科学系の見直しをどのように盛り込んだか尋ねたところ、学部などの「廃止」を検討している大学はありませんでしたが、「再編して新たな学部などを設ける」が11校、「具体的な内容は未定だが、再編を検討する」が8校、「定員を減らす学部などがある」が6校、「教育目標を明確にした」が3校、それに「国の方針を踏まえたものではないが、再編を盛り込んだ」が7校と、何らかの見直しを予定している大学が83%に上ることが分かりました。  このほか、すでに検討を終え来年度から新たな学部を設けるという大学もあり、国立大学の人文社会科学系が大きく変わろうとしていることが浮き彫りとなりました。 人文社会科学系の学部とは  人文社会科学系には、文学部や教養学部、それに法学部や経済学部なども含まれます。文部科学省によりますと、86の国立大学のうち48校に人文社会科学系の学部があり、ことしの入学定員は合わせて2万5000人余りと、全定員の26%となっています。 人文社会科学系学部の再編の背景は  人文社会科学系の見直しを求める文部科学省の通知について、「趣旨は理解できる」と回答した和歌山大学では、19日高校生を対象にしたオープンキャンパスが行われました。  和歌山大学では、来年度から経済学部の3つの学科を統合したうえで、定員を現在の330人から30人減らす方針です。カリキュラムも変更し、金融機関に就職するためのコースや税理士を目指すコースなど6つのコースを設け、卒業後の進路を見据えて選択できるようにするということで、オープンキャンパスでは高校生たちがコースの内容について説明を受けていました。  こうした再編の目的の一つは就職率の向上です。7年前に設置した観光学部の昨年度の就職率は99%。これに対して経済学部は87%で、10ポイント以上低くなっています。和歌山大学経済学部の足立基浩学部長は「人文社会科学系の教育は地方の人材を育成するのになくてはならないが、就職を意識して大学を選ぶ若者が増え、大学ごとの特色が求められるようになるなか、学生のニーズや社会の要請に応えるために変わっていかざるをえない」と話しています。オープンキャンパスに訪れていた経済学部志望の高校生からは、「進路を意識した取り組みはいいと思うが、定員が減って自分が入学できるか心配です」といった声が聞かれました。  岩手大学も、昭和24年の開学以来初めて大幅な再編に乗り出しています。来年度、人文社会学部と教育学部の定員を合わせて100人余り減らしたうえで、理系の学部の定員を増やすことにしています。農学部には「水産システム学コース」を新たに設けて、東日本大震災で大きな被害を受けた水産業の復興を支える人材を育成する方針です。岩手大学の岩渕明学長は「大学がみんな似たような教育をするのではなく、それぞれの地域が抱える課題に取り組んでいくことが、地方の国立大学の存在価値になっていく」と指摘しています。  この再編について、釜石市で水産加工業を営む男性は「大学と一緒に研究開発をしたり、若い視点を取り入れて販路の拡大につなげたりできるのを期待しています」と話していました。  文部科学省の通知を「不本意だが受け入れざるをえない」と答えた大学もあります。経済学部と教育学部の二つの学部から成る滋賀大学はアンケートの自由記述で「大学教育の目的は実学的な職業人の養成ではなく、思考力、判断力、表現力を持つ人材の養成であることを強調したい」と書き、通知を批判しました。ただ、文部科学省の方針を受けて、文系と理系を融合させた「データサイエンス学部」を2年後に開設する方向で検討しています。ビッグデータの集計や分析、活用方法を学ぶ学部で、経済学部と教育学部の学生定員や教員の人件費を削減し、再配分する予定です。  滋賀大学の佐和隆光学長によりますと、背景には大学の運営費がひっ迫している実情があるといいます。滋賀大学は収入のおよそ半分に当たる31億円を国からの運営費交付金に頼っていますが、交付金は年々減少傾向にあり、この10年で1割ほど減りました。来年度からは、取り組みや実績が高く評価された大学に交付金が重点的に配分されることになっています。  佐和学長は「人文社会科学系の存在意義を認めないような通知は受け入れられないが、大学が貧乏所帯にならないためには新しいことをやらなければならない。これまでの人文社会科学系の教育や研究に課題があったことは事実で、通知をきっかけに改革の意欲が高まった」と話しています。 "[he-forum 18859] 朝日新聞7/16","朝日新聞 2015年7月16日05時00分 大学の職業教育、あるべき姿は? シンポジウム「今問いなおす、高等教育システム」  高等教育シンポジウム「今問いなおす、高等教育システム 職業教育と大学、求められる人材像」(朝日新聞社主催、文部科学省後援)が3日、東京都内であった。大学での職業教育はどうあるべきか。既存の大学では社会の変化に対応できないのかなどを議論した。  ■制度改革めぐり賛否  実践的な職業教育をする高等教育機関が新たにつくられる。今の大学や専門学校では産業界の求める人材を育てられないとして文科省の有識者会議がまとめた案を踏まえ、中央教育審議会で具体策を詰めている。  シンポでは、文科省の大谷圭介・生涯学習政策局参事官が、有識者会議での議論を説明。その後、2人が基調講演した。  企業再生会社「経営共創基盤」の冨山和彦CEOは、大学を学問の分野で世界で戦うグローバル型(G型)と、地域社会や経済に実践的に役立つ人材育成をする大多数のローカル型(L型)に分けるべきだと主張。金子元久・筑波大特命教授は、現行の大学システムの大改革に慎重になるべきだと話した。  次いで、高等教育機関での職業教育の実例紹介があった。島田晴雄・千葉商科大学長は、2009年開設の「サービス創造学部」やアクティブラーニングへの取り組みを説明。東京工科大と専門学校・日本工学院を運営する片柳学園の千葉茂副理事長は、職業教育を担う専門学校への国の支援が乏しいことを訴えた。  パネルディスカッションでは、島田氏が「(職業教育をする大学が)できても邪魔にならない。マーケットが相手にしなければ滅びるだけだ」と指摘。千葉氏も「いまの大学制度ではフレキシビリティー(柔軟性)が足りない。新しい学校種は非常に重要な点だ」などと話した。  冨山氏が「一番変革しにくい組織の最たるものが大学だ。一回ぐちゃぐちゃにした方がいい。その中から何かが生まれる」と述べると、金子氏は「現行でできないことはない。変えるためには正当な方向からショックを与えていく。逆向きから与えても意味がない」と反論した。  (石山英明、片山健志)    【基調講演】  ■人文社会系で実学を 経営共創基盤CEO・冨山和彦さん  私のG型、L型の主張は、インターネット上で炎上した。大学教員が批判、反発するのは、実学を指導できる人が少ないからだ。教員の仕事を守るために日本の未来をつぶされては困る。  多くの学生は、大学に高い学費と時間を費やし、(大学で稼ぐ力、実学を学べないので)さらにダブルスクールに高い授業料を払う。大学関係者は恥を 知るべきだ。大半の人文社会系で実学を教えるべきだ。博士号をもつ教員にやらせるのはアカデミズムへの冒涜(ぼうとく)だと言う人もいるが、選民思想もは なはだしい。  実学的な基礎技能こそ教養中の教養。大学教員の言う「教養教育」も結構だが、やれるものならやってみろと思う。高い思考力、洞察力のある文系教員が一体何人いるのか。建前の学術教養ごっこではだめだ。      *  とやま・かずひこ 東大法卒。コンサルティング会社勤務を経て、03年から産業再生機構専務。機構解散後、経営共創基盤を設立。  ■教養・実務型、分けるな 筑波大特命教授・金子元久さん  1960年代の高度成長期に日本の大学は大衆化した。企業の拡大(成長)に大学が対応したことが特徴だ。企業には生涯雇用などの人材育成メカニズムがあり、職場単位で知識・技能が伝達された。何を勉強してきたかは関係がなく、組織を支える資質を備えた有名大学卒が好まれた。  90年以降、大学進学率は急速に伸びた。高校卒が就く職種の多くは、IT(情報技術)に取って代わられるなどで激減し、進学せざるを得なくなった。  意欲や能力、専門知識は重層的なもので、どれかだけでは機能しない。補完し合うことが必要だ。職業自体が多様化する中、多様なアプローチでこれらの力を統合させるのが大学のあり方だ。大学を教養型、実務型と分けてしまうと、多様な試みを制約することになる。      *  かねこ・もとひさ 東大教育卒。東大教育学部長、国立大学財務・経営センター研究部長などを経て現職。前日本高等教育学会長。= "[he-forum 18858] 共同通信7/16","共同通信 2015年7月16日11時25分 北海道教育大、労使協定結ばず 労基署が是正勧告  札幌市北区の北海道教育大が、付属札幌小中学校の教員と労使協定を結ばず、札幌中央労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが16日、分かった。労基署は過去半年の時間外労働を調べ、未払いの割増賃金を支払うよう指導しており、大学が調査している。  大学によると、是正勧告は5月。2004年度に国立大学法人化した際、労使協定を結ぶことが義務付けられたのに締結せず、時間外労働の割増賃金が払われていなかった。法人化後も、国公立校の教職員の残業代に相当する「教職調整額」が支払われていた。  北海道教育大は幼稚園や特別支援学校を含めて11ある付属校全てで労使協定を結んでおらず、「認識不足だった」と説明。今月7日に協定を締結したという。 "[he-forum 18857] 産経新聞7/15","産経新聞 2015年7月15日 針路を聞く お茶の水女子大学・室伏きみ子学長 ■創立140周年 社会貢献強化へ新機構 ■女性の夢を実現する場、着々と  お茶の水女子大学の室伏きみ子学長は4月の就任から「寝る時間も削る忙しさ」という。今年、創立140周年という節目に、国立大学法人として3期目の中期目標・計画づくりが重なった。このほど産学連携や社会貢献を強化する研究機構創設の構想をまとめ、「外部宣伝が得意ではなかった部分を改めたい」という室伏学長に聞いた。(平山一城)                    ◇ --まず新機構について  「来年度から6年間の中期目標・計画の素案に盛り込み、文部科学省に提出しました。国の予算措置を待つことになります。本学は特色のあるさまざまな研究開発で成果を挙げてきました。加えて、医薬品の開発に向けた研究も進んでいますし、化粧品、菓子類は共同研究企業から既に市販されています。でも、社会的に知ってもらう点では十分ではない。新機構を窓口として発信力を高め、積極的に企業などとの提携も進めたいと考えています。具体的には機構内に2つの研究所を設けます。1つは、国民が生活習慣を整え、身体を鍛えて、健やかな生涯を過ごせるような環境構築を目指す研究。もう1つは伝統ある保育・児童学や心理学をテコに少子化やいじめ、格差などを見据えた政策提言のできる研究を推進します」 --昨年の学長選挙で述べた抱負につながりますね  「人々が豊かな夢を育める社会をつくるために貢献できる大学。そう述べてきました。本学は、わが国初の女性のための国立高等教育機関として1875(明治8)年に設立され、女性たちの社会進出が困難な時代から数多くの優れた卒業生を送り出しています。国の内外で活躍する学者・研究者も少なくありません。2004(平成16)年の大学法人化の際には、『学ぶ意欲のある全ての女性にとって、真摯(しんし)な夢の実現の場として存在する』との標語を掲げました。当時の本田和子学長は本学出身の初の学長であり、今秋の140周年の記念式典では基調講演をお願いします。本田学長から私まで4代続いて本学出身の学長となり、女性の教職員も、私が教員になったころとは見違えるほど増えています。まさに女性が『真摯な夢』を実現する場が、女性たちの手で整いつつあるのです」 --学内も、女性がリードする態勢になって…  「内閣府の男女共同参画政策のお手伝いをしましたが、女性と男性の社会的立場には、まだ開きがあります。両者が助け合って平和に生きられる社会、その理想を日本からグローバルに広げたい。世界の異なる価値観や考え方を持った人々と理解しあい、切磋琢磨(せっさたくま)しながら、自らを成長させていくことのできる学園です。学びたくても学ぶことのできない開発途上国の女性たちを積極的に受け入れています。もちろん、本学には『教養と専門性を備えた女性リーダーの育成』が期待されており、現在でも大学のミッションとして受け継がれています。今後も、若い女性たちが社会に貢献できる人材となるために自己を磨き、社会の中で自らが何をすべきかを知る『学びの場』を提供します。伝統を引き継ぎ、附属小中高校や幼稚園・保育所、地域や同窓会の方々と協力し、全ての構成員が未来への希望を紡ぐことのできる学園環境を整備し、社会をリードする女性たちの育成に努めて参ります」                    ◇ 【プロフィル】室伏きみ子  むろふし・きみこ 1970(昭和45)年、お茶の水女子大理学部生物学科卒。東京大学大学院博士課程修了(医学博士)。96年、お茶の水女子大理学部教授。理学部長、理事・副学長を経て学長に就任。政府関係やNHK経営委員など公職多数を歴任。 "[he-forum 18863] しんぶん赤旗 7/21","しんぶん赤旗 2015年7月21日(火) 戦争法案反対 学者の会見 軍事研究に協力しない誇り 憲法9条は生き続けている 政府の世界情勢認識にズレ  戦争法案の廃案を求めて20日、東京都内で開かれた「安全保障関連法案に反対する学者の会」の「学者100人記者会見」。呼びかけ人や賛同者の発言(要旨)を紹介します。  池内了さん(名古屋大学名誉教授)  「日本の科学者が戦後、軍事研究に協力してこなかったのは世界に誇るべきこと。それが今崩され、研究費削減で軍事研究に手を出す状況が生まれつつある。自分の研究は人々の幸福のためだけに使ってほしいと宣言する運動を広げたい」  小沢隆一さん(東京慈恵会医科大学教授)  「安保法制で送り出される自衛隊員は軍隊ではないとして捕虜の扱いも受けず、民間人としても扱われず、テロリスト並みの扱いを受けかねない。危険に目をつむって自衛隊を送り出すことは許されない」  益川敏英さん(京都大学名誉教授)  「日本の憲法9条はずっと生き続けている。安保法制は、9条をなし崩しにしようというもの。これは立憲主義に真っ向から反する。私が情勢は明るい と思うのは、鋭い反対世論が立ち上がっていること。これを拡大して、安倍政権に鉄ついを下さないといけない。安倍さんに辞めてもらうまでたたかい続ける」  吉岡斉さん(九州大学教授)  「日本は『普通の国』(軍事大国)になろうとしてきたが、その仕上げが憲法9条の改憲。その中間ステップとして安保法制が出て来た。次は必ず改憲が狙われる。それを阻止するため、安保法制に反対しなければならない」  千葉眞さん(国際基督教大学特任教授)  「怒りと憤りを禁じえません。日本が築き上げてきた立憲主義を破壊する行為です。日本が追求してきた非戦型安全保障、アジアと日本の犠牲を経て生まれたコンセンサスを葬り去るものです」  高山佳奈子さん(京都大学教授)  「私たちは国際刑法学会の人たちからの要請にこたえ、法案反対アピール賛同署名の英語版をつくりました。アメリカ、ブラジル、フランス、スペインなどからも署名が集まっています。さまざまな意見はありますが、憲法を無視してよいという国際世論は存在していません」  酒井啓子さん(千葉大学教授)  「(政府の)世界の情勢認識は大きくズレています。これまで自衛隊は『悪いことはしなかった』ことが『評価』されてきましたが、今後、米国と行動をともにすれば、攻撃対象になります。とても危惧しています」= "[he-forum 18862] しんぶん赤旗 7/21","しんぶん赤旗 2015年7月21日(火) 戦争法案廃案 学者150人会見 民主主義破壊に抗議 アピール賛同1万1218人  幅広い分野の学者・研究者でつくる「安全保障関連法案に反対する学者の会」が20日、東京都千代田区の学士会館で記者会見しました。150人を超 える学者・研究者が参加し、呼びかけ人や賛同者が意見を述べ、衆院での強行採決に抗議し、廃案に向け、さらに国会を包囲していきたいと決意を語りました。 (関連記事)  発起人・事務局代表の佐藤学氏(学習院大学教授)が、アピールに学者・研究者1万1218人、市民2万2779人の3万4千人近い賛同が寄せら れ、急速に運動が盛り上がっていることを報告。呼びかけ人の広渡清吾氏(専修大学教授、日本学術会議前会長)が「立憲主義と民主主義の破壊」とする「抗議 声明」を読み上げ、確認しました。  ノーベル賞受賞者で京都大学名誉教授の益川敏英氏は、戦後の日本の歴史と国民のたたかいに触れつつ、「その中にあっても憲法9条は歴然として生き続けてきた。しかし安倍首相はそれをなし崩しにしようとしている」と訴えました。  国際基督教大学教授の川本隆史さんは、「憲法はピンチかもしれないが、ピンチは逆にチャンスであると自分を奮い立たせて動いていきたい」と表明。 東京大学名誉教授の上野千鶴子さんは、「いま学者と学生が世代を超え、ともにたたかっています。手遅れにならないうちに行動しなければならない」と語りま した。  31日に「学者の会」と共同行動を計画しているSEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)の奥田愛基(あき)さん=大学4年生=が「学者・学生が力を合わせ、保守・革新がともに声を上げていきたい」と発言しました。  最後に、広渡氏は「憲法9条を守るたたかいは、国際的責務。世界に約束したことを守ることを世界に示していこう」と呼びかけ、全員で「廃案まで頑張るぞ」と唱和しました。= "[he-forum 18864] 朝日新聞7/22","朝日新聞 2015年7月22日05時45分 防衛省が大学に研究費 軍事応用も視野、公募開始 嘉幡久敬  国の安全保障に役立つ技術を開発するとして、防衛省は 大学などの研究者を対象に研究費の支給先の公募を始めた。研究者に直接お金を出すのは初めてで、最大で1件あたり年3千万円と一般の研究費に比べて高額 だ。軍事応用が可能な研究分野の広がりが背景にあり、戦後、軍事研究と一線を画してきた日本の学界にも課題を突きつけている。 ? 「軍事研究」、大学に慎重論 防衛省が公募  公募対象は大学、独立行政法人、大学発ベンチャーや企業。今年度の予算は3億円で、8日に募集を始め、8月12日に締め切って10件程度を選ぶ。成果は「将来装備に向けた研究開発」で活用するとし、実用化の場として「我が国の防衛」「災害派遣」「国際平和協力活動」を挙げた。  支給額は文部科学省の科学研究費補助金の1件あたり年平均約200万~300万円より高い。基礎研究に限定し、成果は原則公開、研究者は論文発表や商品への応用ができる。防衛省の担当者は「安全保障への活用の遠いゴールを示しつつ、広く応募してもらえるよう工夫した」と話す。  公募は、レベルの高い国内の技術から将来使えそうなものを広く探す狙いがある。近年、軍事にも使える民生技術は増えている。実際、募集テーマも様々で、マッハ5以上の速度を出す航空機エンジンの技術、ロボットや無人車両の画像認識技術、木くずなどからエネルギーを取り出す技術など28分野を列挙した。  防衛省は長らく、研究開発では防衛産業としか縁がなかったが、3年前から大学や研究機関との技術交流を本格化。データ交換や施設の共同使用を進めてきた。安倍内閣は昨年4月、武器輸出を原則禁じた武器輸出三原則を撤廃。新たに防衛装備移転三原則を定め、豪州など海外との武器の共同開発や武器輸出に本腰を入れる。研究開発から購入までを一括管理する防衛装備庁も近く発足する。今回の公募はこうした流れの延長線上にある。  日本では、軍事研究と関わらないよう求めている大学もある。東京大は1969年、職員組合と「軍事研究は行わない、軍からの研究援助は受けない」とする確認書を交わしている。京都大は海外への軍事に関連する技術の提供は避けるよう要請しているという。  ただ、研究者が応募することは可能で、具体的な審査規定を持つ大学も少ない。日本学術会議の大西隆会長は「憲法で 認められた自衛のために必要な研究を大学や国立研究機関の研究者がすることはありうるが、最近の安保法制の議論も含め、自衛の範囲は必ずしも明確ではな い。どこまでの自衛なら許されるか、学術界での議論が必要だ。また、許される範囲の研究であっても、国民の理解は欠かせず、研究者には説明責任がある」と話す。(嘉幡久敬) "[he-forum 18866] 朝日新聞7/23","朝日新聞 2015年7月23日19時06分 私大生、地方に分散進む? 文科省が「超過」に罰則強化 佐藤恵子、石山英明、岡雄一郎 私立大学への助成金カットの基準を厳しくする  大都市圏に集中する私大生を地方に分散させようと、文部科学省が「定員超過」へのペナルティーを強化する。2016年度から順次始める予定だ。定員割れに悩む地方私大は歓迎する一方で、効果を疑問視する声も強い。  「県内から多くが受験する(隣県の)愛知の大学が定員を守ったら助かる」。今春の経済学部の入学定員充足率が60・8%だった岐阜経済大(岐阜県)の竹内治彦副学長は国の方針を喜ぶ。工学部の充足率が84・6%だった東北工業大(仙台市)の佐藤亨・大学事務局長も「本当に学生が来てくれるか分からないが、今は私学の存続の危機。大都市圏の定員抑制策は歓迎したい」。少子化で志願者増は見込みづらいという。  一方、充足率が100%を超す学生約2万7千人の法政大(東京都) の佐藤良一・常務理事は「合格通知後に他大学へ行ってしまう受験生数は、他大学の合格者数など我々がどうしようもない要素で増減し、正確に読めない。絞り 込みすぎると、定員割れになりかねない」と対応の難しさを明かす。全国約400の私大が加盟する日本私立大学協会の小出秀文・常務理事・事務局長は「国立 大の定員規模や全体像には触れず、私大の議論だけ進めるのはおかしい」と指摘する。  大手予備校「河合塾」の近藤治・教育情報部長は「全く見当違いの施策だ」と否定的だ。志望校選びは将来の就職活動も見据えているといい、「地方の就職先が増えなければ、受験生の志望校が同じ大都市圏で難易度の低い大学に変わるだけ」と話す。  都内の有名私大を志望している福島県立高校3年生(18)は「自分の志望学部が地元にない。門戸が多少狭くなっても、志望校を変えるのは考えられない」と言い切る。考えている併願校も全て関東の私大だ。「大都市で広い世界を経験したい」(佐藤恵子、石山英明、岡雄一郎)      ◇  〈私大定員の是正強化〉 文部科学省が7月に通知。国からの助成金カット基準を、現行の「入学定員120%以上」から「110%以上」に下げる(学生8千人以上の大規模私大の場合)。3大都市圏で定員以上の学生を入れる大規模私大が目立つ半面、地方私大では定員割れが常態化している。= "[he-forum 18865] しんぶん赤旗7/24","しんぶん赤旗 2015年7月24日(金) 人文系学部など廃止・縮小方針 学術会議が批判声明  日本の学者・科学者を内外に代表する機関である日本学術会議は23日、大西隆会長らが会見し、文部科学相が6月に国立大学に求めた人文・社会科学系学部・大学院の廃止・縮小の通知を批判する幹事会声明を発表しました。  声明は、社会的な課題に応えるには、自然科学と人文・社会科学が連携し総合的な知を形成する必要があると指摘。▽大学が社会の要請に応える上で、 具体的な成果をはかりやすい要請もあれば、長期的な視野で創造性の基盤を養うという役割への要請もある▽「グローバル人材」とは単に国際的競争力をもつと いうだけでなく、文化的多様性を尊重し世界の人々とまじわり貢献できる人材でなければならない▽文化・歴史の理解に基づいた判断力、批判的思考力の重要性 ―などを強調。  人文・社会科学の軽視は、社会の知的豊かさを支える大学の役割を失わせかねず、大学教育全体を底の浅いものにしかねないと批判しています。 "[he-forum 18867] 毎日新聞7/22 記者の目","『毎日新聞』 2015年07月22日 東京朝刊 記者の目:戦後70年夏 反知性主義を考える=鈴木英生(東京学芸部) (小見出し)  ◇文系学部廃止の裏で  ◇役に立たぬ教養、切り捨てる大学 など  URLは http://mainichi.jp/shimen/news/20150722ddm005070009000c.html  以上■ "[he-forum 18868] 日刊ゲンダイ 2015.7.29","http://news.nifty.com/cs/topics/detail/150729977430/1.htm 日大が新設「危機管理学部」 教授陣に名を連ねる大物官僚たち 2015年7月29日(水)9時26分配信 日刊ゲンダイ  約6万6000人の学生を抱える日本最大のマンモス大学「日大」が来春、新 学部を開設する。その名もズバリ「危機管理学部」だ。新学部なのにはやりの 「カタカナ」名を付けないところが“バンカラ校風”の日大らしいが、「危機管理 学部」と言われて講義内容がパッと思い浮かぶ人はまずいないだろう。一体、ど んな学部なのか。  日大の新学部設置は88年の薬学部以来。世田谷区の「三軒茶屋」に新校舎を 置き、入学定員は300人を予定。大学のホームページには〈時代に求められて いる危機管理のエキスパートをいち早く養成し、社会に送り出します〉とあり、 地震や津波などの自然災害時の避難や救出活動を学ぶ「災害マネジメント」、戦 争やテロ、環境問題などについて学ぶ「グローバルセキュリティー」など4つの 研究分野を予定している。卒業後の進路は公務員や企業のコンプライアンス担当 が想定されているようだ。  カリキュラムを見る限り、既存の「法学部」や「国際関係学部」でも対応でき そうだが、他学部にない大きな特徴があった。教授陣に警察や公安関係のOBが 目立つことだ。それも、教員紹介のプロフィルをみると、山梨、栃木、埼玉の各 県警本部長を歴任した金山泰介氏、元埼玉県警本部長の茂田忠良氏、元内閣情報 調査室内閣参事官の吉富望氏、元公安調査庁調査第二部第二課長や東北公安調査 局長を務めた安部川元伸氏……など大物ばかり。  そのスジの関係者はキャンパスに近寄りがたいだろう。まさか教授に逆らった 学生に尾行が付き、友人関係や私生活が洗いざらい調べられる――なんてコトはな いだろうが、想像するだけでもシャレにならない。  日大に開設目的や警察OBが多い理由などを電話で問うと、「いつ記事にする のか」「(取材は)どういう趣旨なのか」と記者に逆質問し、最後は「質問内容 をメールしてください。ただし、今日は担当者が不在です」(広報課)と回答。 さすが、しっかりした危機管理の対応というのか……。  まっ、いずれにしても、この新学部では、学内に潜入した私服警官と学生が 「大学の自治」をめぐって衝突した「東大ポポロ事件」のような騒ぎが起きる可 能性はまず、ない。 "[he-forum 18869] 時事通信7/30","時事通信 7月30日(木)17時54分 就活「オワハラ」232件=7割の大学で被害相談―文科省調査  文部科学省は30日、今年の就職活動(就活)で、企業から内定を盾に就活を終わるよう圧力をかけられるなどした学生が、7月1日時点で232人いたとす る調査結果を公表した。5月の前回調査より157人増え、学生から相談を受けたとする大学・短大は7割近くに上った。同省は「8月から大手企業の採用が本 格化する。不利益を受ける学生がないよう注視する」としている。  政府の要請で、経団連加盟企業などは今年から採用時期を約4カ月繰り下げた。中小や外資など従来通りの企業が内定者を不当に囲い込む事案の増加が懸念されており、「就活終われハラスメント」(オワハラ)と呼ばれ、今年の就活のキーワードとなっている。   調査は全国の大学・短大82校と、そこに通う就職希望の学生約4000人を抽出して実施。232人が▽内々定と引き換えに就活終了を強要された▽就活支援 サイトの退会を迫られた▽行事に何度も呼び出され他社の選考を受けられなくされた―などの被害を受けたと回答した。未回答者を除くと被害を受けた割合は 7.8%で、5月より5.7ポイント増加した。  "[he-forum 18870] しんぶん赤旗 7/31","しんぶん赤旗 2015年7月31日(金) 全国の大学 50以上に 戦争法案反対の声明・運動  大学教職員と学生を中心とした戦争法案に反対する声明発表や運動が、全国の50以上の大学に広がっています(30日現在)。教員たちの呼びかけが“発火点”となり、短期間で急速に賛同が広がり、学生たちとの共同がすすんでいるのが特徴です。 ◇  取り組みを始めている大学のうち約8割は、政府・与党が戦争法案を衆院特別委員会で強行した15日以降に声明を発表しています。川島堅二学長も名 を連ねた恵泉女学園大学(東京)の声明に「時の政権が解釈のみで憲法を空洞化することは、立憲主義への明白な挑戦であり、戦後民主主義をも根底から破壊す るもの」とあるように大学人のあらたな怒りを呼び起こした形です。  早稲田大学では「安全保障関連法案の廃案を求める早稲田大学有志の会」が、5人の教員を発起人として20日に声明を発表。65人の教員・元教員が呼びかけ人となり、在学生からOBまで2226人(20~29日)の賛同者になりました。  呼びかけ人の一人、大日方(おびなた)純夫教授(日本近代史)は「急激に広がったのは、法案に反対の人が潜在的にいたからだと思います。教員からの声明が一つのきっかけになってそれが顕在化し意思表示になったのでしょう」といいます。  京都大学でも、「自由と平和のための京大有志の会」の「声明文」に1948人(9~28日)が賛同しています。 学生が軸の運動が大学人に力与える  学生を軸に学内集会を開いたことが大学人の“民主主義を守れ”のパワーをさらに広げています。「安保法案を考える獨協大学有志の会」は28日、大 学内(埼玉県)で学生有志と共催で「安全保障法案を考える集い」を開きました。約120人の参加者のうち70人以上が学生でした。  集いでは、SEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)に参加する学生も含めて4人の学生が登壇。その一人、「半年前までほと んど新聞を読んでいなかった」という女子学生(4年生)は、「運動に参加するきっかけは、大学の授業で先生から社会問題の質問を受けたとき、何も答えられ なかったこと。もう一つは、シールズの人たちと話す機会を得たことです」と言います。  声明の呼びかけ人の一人で外国語学部准教授(美術史)の青山愛香さんは、「学生たちがシールズに関心を持ち、デモにも参加している。私自身がこの 大学で何かしないといけないと教えられました」と語ります。そして、集いを開くことになったのは「学内で今回の法案について、学生同士が話題にしにくいの ではないかと思いました。教員の考えを知ってもらい、悩んでいる学生をはげましたい」と語ります。 (若林明) "[he-forum 18872] 愛媛新聞社説7/26","愛媛新聞社説 2015年7月26日付 大学改革 目先の利益より長期的な展望を  すぐに成果が見えない学問を切り捨てる国に、豊かな未来はない―。文部科学省が先月、国立大に人文社会科学系や教員養成系の学部廃止・見直しを求めた通知に対し、国立大関係者だけでなく、国内外の研究者らからも批判が強まっている。  「知の拠点」を揺るがす事態に日本学術会議は懸念を示す声明を発表した。世界には、ただ一つの正解などない問題があふれている。「学際的な視点で考え、多様な見解を持つ他者との対話を通して、自身の考えを深めていく力が学生たちに求められている今、人文社会科学の軽視は大学教育全体を底の浅いものにしかねない」との指摘はもっともであり、傾聴に値する。  政府は税金を「社会的要請」のある学問分野に集中投入するという。だが、政府がいう社会的要請とは産業界の求めであり成長戦略を進めるための人材育成や技術開発にほかならない。安倍政権の掲げる「稼げる」日本づくりを軸に大学教育を変えることに、危機感を感じる。  大学は成熟した社会を築き支える市民の育成を担っているということを忘れてはならない。未知の課題に向けて立ち向かう力や創造性を培い、文化的に豊かな社会を次代に引き継ぐことは重要な社会的要請だ。自然科学も人文社会科学も多様な人材が連携してはじめて、よりよい社会が生まれる。目先の利益や有用性に惑わされず、長期的展望をもった教育を求めたい。  先月末に閣議決定した成長戦略は、即戦力養成のための職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化も盛り込んだ。2019年度開学を目指して中教審で制度設計の議論がスタート。大学からの移行も見込む。  専門性も大事だが、目の前のニーズに適応する学生を育てることだけに目を奪われると、社会が激しく移り変わる現代、対応ができない。一時的に利用し社会のニーズが変われば次々ほかの人材に替える「使い捨ての人材教育」にしてはならない。  大学自体が、競争や効率を重んじる政府の経営思想に振り回されている点を危惧する。  国立大は、独立行政法人化しても補助金と認可権限を持つ国に縛られている。学長の裁量権と外部委員の発言力を強める制度改革により、運営はトップダウンで決定。来年度からはさらに、大学の規模に応じて配分されていた運営費交付金が、組織・財務改革を進めれば重点配分される仕組みに変わる。  これでは、数十年先の成果を狙う地道な研究や成果が見えづらい分野が切り捨てられかねない。大学の機能や魅力を失うだけでなく、学生の学問選択の自由をも奪うことは許されない。  政府の大学への管理強化や人文社会科学系学部の廃止・見直し要請は、学生から思考力を奪おうとしているのかと疑いたくもなる。いつの間にか大学教育の根幹が失われることがないよう、国民も改革から目を離さずにいたい。 "[he-forum 18871] 日本経済新聞社説7/29","日本経済新聞社説 2015年7月29日付 大学を衰弱させる「文系廃止」通知の非  文部科学省が全国の国立大学に対し、人文社会科学系の学部・大学院のあり方を見直すよう求めた通知に反発が強まっている。ことさらに「組織の廃止」に言及するなど問題の多い内容であり、批判が高まるのは当然だろう。  時代の変化のなかで大学がその役割を自らに問い、改革を続ける必要があるのは言うまでもない。しかしこんどの要請は「すぐに役に立たない分野は廃止を」と解釈できる不用意なものだ。文科省は大学界を混乱させている通知を撤回すべきである。  この通知は、国立大の第3期中期目標・中期計画の期間(6年間)が来年度から始まるのに合わせて出された。各大学は新たな中期目標・中期計画を、これに沿ってつくるよう求められている。  通知のなかで文科省は「各大学の強み、特色、社会的役割を踏まえた速やかな組織改革を」と注文をつけ、特に教員養成系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院について「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努める」とした。  かねて文科省は国立大に、旧態依然たる横並びから脱し、グローバル化や大学ごとの特色を出すための取り組みを求めてきた。その方向性自体は理解できる。  しかし今回、人文社会科学だけを取り上げて「廃止」にまで踏み込んだのは明らかに行き過ぎである。文科省は「廃止」に力点は置いていないと釈明するが、大学側への強い威圧と受け止められても仕方があるまい。  また、通知にある「社会的要請」とはそもそも何か。実学的なスキル育成だけでなく、歴史や文化を理解する力、ものごとを批判的に思考する力を持つ人材を育てるのも大学の役割ではないか。そうした機能を失った大学は知的な衰弱を深めるに違いない。  さきの国立大学協会の総会では、文科省の姿勢に多くの懸念が示されている。日本学術会議も今月23日に「教育における人文社会科学の軽視は、大学教育全体を底の浅いものにしかねない」と強い調子で批判する声明を出した。  文科省は、国立大の運営費交付金の配分権を握っている。この権限をバックに大学に画一的な「改革」を押しつけても真の成果は期待できまい。11年前の国立大法人化のとき、文科省は大学の自主性を高めると説明していた。その約束はほごになったのだろうか。 "[he-forum 18873] 日本経済新聞7/25","日本経済新聞 2015年7月25日 神戸大が新学部 国際文化学部と発達科学部を再編統合  神戸大学は24日、国際文化学部と発達科学部を再編統合し、2017年4月から「国際人間科学部」(仮称)を新設する方針を発表した。文系と理系の境界を越えた基礎教育やフィールドワーク重視の専門教育などを通じて、国際社会の課題解決に貢献できる人材の育成を目指す。  武田広学長は同日の記者会見で「環境問題や貧困問題などを解決できる実践型グローバル人材の養成を目指す」と強調した。新学部には「グローバル文化学科」「発達コミュニティ学科」「環境共生学科」「子ども教育学科」(いずれも仮称)の4学科を設置する予定だ。  文部科学省の「14年度国立大学改革強化推進事業」に盛り込んでいた同大学の機能強化策の一つ。国際社会で発生する課題の解決に関心を持つ高校生の受け皿となることを目指す。 "[he-forum 18876] X-Priority: 3",,"owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18875] 福井新聞論説","福井新聞論説 2015年7月31日付 科学技術政策の低迷 基礎研究、人材育成見直せ  科学技術基本法ができて20年。80兆円余を投じて大学や企業の研究者は増え、最先端の研究施設もそろった。ところが肝心の研究力は低迷、新たな産業を生み出す力も伸びない。このままでは「科学技術創造立国」の存立が危うい。  今年の科学技術白書は20年間の成果を「国の科学技術の基盤が強化された」と総括した。具体的には研究者の総数が約68万人から16万人増えたことを指す。確かに博士も大学院生も増えたが、数の問題ではない。現実は若手研究者の多くが不安定な職業に甘んじている。研究機関の運営を支える国の交付金が減り、安定した職が少なくなった。  交付金減少が及ぼす影響は甚大だ。国立大の研究者はかつて交付金からの研究費と外部資金の2つに支えられ、特に交付金の比重は大きかった。現在、交付金は期待できず、外部資金がなければ研究は進まない。  資金調達に振り回されていては研究力が低下する。「21世紀に入り研究力の目安となる論文の質、量はともに下がり先進国の中で水をあけられている」(国立大協会政策研究所報告書)。  大企業の研究力も1990年代のバブル崩壊を境に傾き始めた。即効性を求める「選択と集中」が流行し、エレクトロニクスや医薬品分野で研究体制の縮小が進んだ。2000年以降に日本でノーベル賞の栄誉が続いたのは、バブル崩壊以前の遠い過去に、大学で時間を掛け研究に取り組めた環境と、企業も地道に基礎研究を重ねてきた分厚い土台があったからこそ。今はその両方とも失われた。  もちろん技術開発・革新を通じた社会・経済貢献は重要だが、そもそも科学技術研究は未知の世界や不可能への挑戦である。不確実なものゆえ、ときにリスクを伴い多大な試行錯誤や気が遠くなるほどの時間が必要になる。貢献ばかりをしかも短期間で期待するあまり、腰を据えた基礎研究、人材育成がおろそかになっては若者たちが研究者を目指さなくなり、深刻な人材不足が目に見えてくる。  「日本が新しいものを作り出していくには基礎科学がどうしても必要だ」―福井市名誉市民のノーベル賞物理学者で先ごろ亡くなった南部陽一郎氏に名言がある。基礎・基本の大切さ、研究の原点となる好奇心と探究心を訴え続けた南部博士の思いが伝わる。  大学の財政基盤を強化しなければならない。豊かな交付金で欧米をうらやましがらせた研究環境を取り戻すべきだ。中小企業支援を立て直すために優秀な研究者を後押ししてイノベーションの原動力に育てたい。  この20年の誤った政策の転換は官庁任せではできない。政治も社会も科学の現場も協力し、複雑・高度化する科学技術政策の在り方を熟考する好機であろう。人口減で研究の担い手は減るばかり。根本的な改革が必要である。 "[he-forum 18874] 福井新聞7/30","福井新聞 2015年7月30日付 福井大の就職率、8年連続トップ 96・1%、複数学部国立大で  福井大学は2015年春の卒業生の就職率が96・1%に上り、複数学部を持つ国立大学の中で8年連続のトップとなった。  教育情報を扱う東京の民間会社が公立、私立を含む全国721大学を調査。556大学から回答があり、ランキングを週刊誌「サンデー毎日」(7月26日号)で発表した。  就職率は、卒業者数から大学院に進んだ人を差し引いた人数に対する就職者の割合で、全国平均は84・5%。福井大の15年春の卒業生は1203人、このうち大学院進学者286人、就職者は881人だった。就職率は前年より0・6ポイント下がったものの、高率は維持した。  複数学部を持つ国立大の2位は群馬大94・0%、3位は九州工大(福岡)93・9%。福井大は、卒業生1千人以上の国公私立大の中では金沢工大(石川)に次ぎ2位となった。  福井大就職支援室によると、医学、工学、教育地域科学の3学部構成が社会生活に役立つ実学系であり、まじめな学生が多いという土壌があると説明。学内での企業説明会のほか、大学教員が学生の就職活動状況の把握に努めて個別指導をしており、大橋祐之室長は「粘り強く支援やマッチングを続け、就職活動に真剣に取り組む風土が根づいている」と高い就職率が続く理由を分析した。  県内のほかの大学は、卒業生100人以上1千人未満の区分で福井県立大が95・8%の22位、福井工大94・9%の36位、仁愛大93・5%の57位だった。 "[he-forum 18877] 愛媛新聞7/29","愛媛新聞 2015年7月29日付 愛媛大、教職大学院を2016年度新設  愛媛大大学院教育学研究科(松山市文京町)は2016年4月、現職教員の学校経営力を高め、即戦力となる新人教員を養成する教職大学院(定員15人)の新設を進めていることが28日、分かった。学校管理職の候補者を対象としたリーダーシップ開発(5人)と、若手教員や学部卒業生らが対象の教育実践開発(10人)の2コースを設ける予定。  同研究科によると、現行の学校教育専攻(5人)を廃止し、教科教育専攻(30人)を10人減らして、教職大学院の定員に充てる。研究科の全体の定員は55人を維持する。  両コースとも2年課程で、教職修士(専門職)の学位が授与される。リーダーシップ開発では、16年4月に新設予定の松山市教育センター(仮)と連携し、学校の組織力向上と信頼構築に貢献できる管理職の育成を目指す。  入試は11月21日に書類審査や面接などで実施予定。7月30日午後2時半から、愛媛大教育学部1号館で、教職大学院の第1回入試説明会が開催される。 "[he-forum 18878] 教育関係者の社会的責任","首都圏ネット 御中 ML会員の皆様 いつも教育に関する様々な情報をお届け頂き、有難うございます。 私などは万年下働き職員で、組織の方針に何らの発言力も持ちません。 自分の所属する組織についての情報すら殆ど与えられない状況です。 ですが、いくら「はしくれ」であっても、 教育の現状と行方を考え続けること、そのための情報を得ることは、 教育機関で働く者の責任だと考えています。 その意味でも、このML情報は貴重です。 ただ残念なのは、ML設立当初期待されていた意見交換や議論もなく、、 具体的な行動呼びかけもなく、 新聞等の情報が、ほぼ一方向的に伝えられるだけ、という現状です。 勿論、SNS上では、様々な意見交換や議論が行われてはいます。 ですが、社会情勢も教育も、戦後最大の危機(これまで何回もあったけど!) に立たされている今こそ、 高等教育に焦点が絞られているこのMLがもっと有効に活用されることを希望します。 -- ******************************** 溝口 和子 Kazuko Mizoguchi 和歌山大学教育学部  生物学教室付教務職員 〒640-8510 和歌山市栄谷930  Tel:073-457-7378 kazukomz@center.wakayama-u.ac.jp ******************************** ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","news;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","news@shutoken-net.jp;he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18880] 読売新聞栃木8/5","読売新聞栃木版 2015年8月5日付 国際的科学者育てる 高校生向け宇大が開講 初日の講座を受ける高校生たち(4日、宇都宮大で) ◆休日活用し専門科目授業  高校生を対象にした、国際的に活躍する科学者や起業家を育てるための授業「iP―U」が4日、宇都宮大で始まった。参加者は夏休みや休日を使って専門科目を学び、一部は大学院レベルの研究を行う。  iP―Uは、科学技術振興機構の「グローバルサイエンスキャンパス」事業として、北海道大、東北大、慶大など全国13の大学が実施している人材育成プログラム。受講生が将来、iPS細胞やiPhone(アイフォーン)のような革新的な発明をする期待を込めた名前になっている。  この日、峰キャンパスで開講式が行われ、茅野甚治郎副学長が「みなさんの興味、行動力の全てを発揮して、せっかくの学ぶ機会に先生たちにどんどん質問してほしい」と激励した。栃木高1年の臼居峻平さん(15)は「科学者になるという夢に向かってiP―Uで学べることは心躍る気持ちだ。同じ志を持つ新しい仲間との交流も大事にしたい」と決意を述べた。  iP―Uは2年制で、1年目は「基盤プラン」として、物理や化学、地学、農業などの専門科目などを学ぶ。1年目修了後の評価を基に選抜された約10人は、大学の研究室に所属して大学院レベルの研究を進める。  宇都宮大の定員は60人程度で、6月末に第1回選考を行い、県内外81人の応募の中から1年生31人、2年生10人、3年生3人の計44人が合格した。  8月31日まで第2回選考分の受講希望者を募集している。問い合わせは事務局(028・649・5411)へ。 "[he-forum 18879] 朝日新聞佐賀8/4","朝日新聞佐賀版 2015年8月4日付 学長選考委員に質問状 佐賀大教職員組合  佐賀大の次期学長選考をめぐり、佐賀大学教職員組合は3日、学長選考会議の委員13人に、選考理由や会議の信頼性についての見解を問う質問状を送った。  組合は、選考会議が2人の候補者のうち、事前にあった教職員の意向投票で1位ではなかった人を選出した理由を明らかにしようと、7月、会議に公開質問状を出して説明を求めていた。会議は7月末、「選考は学長選考規則などに基づいて行った」という趣旨の見解を口頭で伝えた。  組合は、公表された選考会議の議事要旨の内容を確認したうえで、「投票前に委員が候補者について意見交換した形跡がなく、実質的な審議がなされないまま投票により決めたのではないか」とみている。(松川希実) "[he-forum 18881] しんぶん赤旗8/7","しんぶん赤旗 2015年8月7日(金) 戦争法案阻止 教職員・学生ら 京都の大学人集い 自由・法治主義 政権党から取り戻そう  戦争法案に反対の声を上げる京都の各大学教職員らが初めて集う会合が5日夜、京都市南区の龍谷大学・響都ホールで行われ、230人が参加しました。  山室信一・京都大学教授が基調報告。自民党議員の数々の暴言を批判し「政権党から自由と民主主義、法治主義を取り戻すことが一番の課題になった」 と強調。戦争法案は日本が自らの意思で戦争に参加するものだとし「日本が一発でも銃弾を放てば、日本全土が戦場に変わる。在外邦人は命をねらわれる」と指 摘しました。「反対するなら対案を」という声に対し「憲法9条こそが21世紀の世界に提起できるもっとも有効な対案だ」と力を込めました。  京都大、立命館大、同志社大、龍谷大、京都学園大、佛教大、京都教育大、京都工芸繊維大の8大学の教員・元教員、「SEALDs KANSAI」(シールズ関西)の学生が訴えました。  教育大の神代(くましろ)健彦氏は、同日に同大教職員有志の会を立ち上げたことに触れ「学生が教師となり、子どもを戦場に送り出す手伝いをさせたくない」と述べました。  佛教大の岡崎祐司教授は「正義をもって運動する若者に不当な圧力をかける安倍政治を退場させなければいけない」と強調しました。  参加した立命館大学3回生の女性(20)は「国民にまともに説明できない法案を世界に向けて説明できるのか。大学が動きだす、かつてない局面だ。廃案にさせたい」と話していました。= "[he-forum 18884] 日本経済新聞8/8","日本経済新聞 2015年8月8日 国立大に個人寄付しやすく 4割を税額控除、政府検討  政府は個人が国立大学法人に寄付しやすくなる税額控除制度を導入する検討に入った。寄付額の約4割を個人が支払う所得税から差し引く仕組み。年収700万円の世帯では、現行制度と比べて控除額が4倍超に増える。日本の国立大は米国の大学に比べ寄付などの民間資金の活用が遅れていた。安倍晋三首相が意欲を示す国立大改革の柱に据え競争力を高める。  文部科学省が税制改正を要望、年末に自民党の税制調査会が最終判断する。来年度の税制改正大綱に反映される見通しだ。  国立大への寄付制度として現在、寄付額を課税所得から差し引く所得控除制度がある。年収700万円の世帯の個人が5万円寄付した場合、軽減される所得税額は4200円程度にとどまる。  新制度では現在の所得控除に加え、税額控除も新たに選択できるようにする。税額控除は個人の所得にかかわらず、寄付額の約4割を所得税から差し引く仕組みで、年収700万円の世帯が5万円寄付した場合、控除される所得税額は1万9200円程度に増える。  国立大の2012年度の寄付収入は846億円。このうち個人からの寄付は143億円にとどまる。個人の寄付者の税負担を軽くすることで、特に5万円以下の小口の寄付などを幅広く集めやすくなるとみている。税額控除を先行導入した私立大は、13年度の寄付収入が231億円と導入前の09年度比で倍増した。奨学金制度や留学生への奨学金などに活用している。  国立大は政府の交付金への依存度が高い。最近、交付金を減らされて、経営難に苦しむ大学が増えている。米国ではハーバード大などが総収入の3割程度を寄付金収入や基金の運用でまかなうなど、民間資金の活用が進んでおり、高い競争力を維持する一因となっている。 "[he-forum 18883] 神戸新聞8/8","神戸新聞 2015年8月8日付 国旗掲揚、国歌斉唱の要請 大学自治に影響じわり 対応見直しの動きも  下村博文文部科学相が6月、全86校の国立大の学長らに対し、入学式や卒業式で国旗掲揚と国歌斉唱を実施するよう要請したことを受け、関西の国立大で対応を見直す動きが出てきた。神戸大(神戸市灘区)が、これまで屋外に置いていた国旗を学位授与する壇上に変更するほか、他大学も今後の対応を検討中。下村氏は「(各大学の)自主的な判断に委ねられている」とし、強要ではないとの姿勢だが、要請は大学の自治にじわりと影響しつつある。(上田勇紀)  「文科相の要請にはそれなりに意味があると受け止めている」  神戸大の武田廣学長は7月24日、定例会見で、要請について問われて答えた。  同大は入学、卒業式を神戸・ポートアイランドのワールド記念ホールで実施。国旗は屋外に掲揚してきた。  だが、6月16日の国立大学長会議での要請を受け、学内の意思決定機関で協議。今後は、国旗を学生の目につきやすい屋内の壇上へ移すことを決めた。一方、国歌は海外からの留学生が多いことを配慮し、これまで通り、斉唱はしないという。  国歌を歌っていない大阪大(大阪府吹田市)は「まだ十分な議論ができていない」。国旗掲揚、国歌斉唱のいずれも実施していない京都大(京都市)をはじめ、取材に対し多くは「検討中」と答えたが、ある大学は「要請を受けて、国歌を歌う方向で検討している」と明かす。  文科省によると86校中、今年3月の卒業式での国旗掲揚は74校、国歌斉唱は14校。  学習指導要領に規定がある小中高校とは違い、大学での実施に法令的根拠はない。憲法上の「学問の自由」に基づく「大学の自治」の侵害につながるのではないか-との批判もある。  ■上脇博之・神戸学院大教授(憲法学)の話 私立大もそうだが、国立大は特に文部科学省に予算を握られている。少子化の流れの中で交付金が削減され、改革を迫られる中での国旗国歌の要請。「言うとおりにしなければ、交付金が減らされるかもしれない」という考えが働き、大学も要請を突っぱねることができない。事実上の強制と言える。本来、各大学の自治に委ねられるべきだ。安倍政権になり、教育の中身や大学運営などについて、国の介入が激しくなっている。 【国旗国歌の要請】4月の参院予算委員会で、安倍晋三首相が「税金によって(運営が)賄われていることに鑑みれば、教育基本法の方針にのっとって、正しく実施されるべきではないか」と述べた。下村博文文部科学相は6月、東京都内で開かれた国立大学長会議で「国旗と国歌の取り扱いについて、適切にご判断いただきたい」と口頭で要請した。 "[he-forum 18882] 東奥日報8/11","東奥日報コラム天地人 2015年8月11日付  「日本経済の憂鬱(ゆううつ)」の著者でもある滋賀大学学長の佐和隆光さんは、文部科学省が進める国立大学改革に異を唱える急先鋒(せんぽう)の一人だ。小欄で以前触れた文系切り捨てへの反発がある。  佐和さんは理工系ブームの1960年代、東大に進学し経済学を専攻した。自著「経済学への道」によると、早熟な読書体験が社会科学への関心の扉を開いた。「人文知と融合させた技術こそが心を高鳴らせる新製品を生みだす」。共感を覚えた金言として、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏の言葉を引く。  文科省は人文社会科学系と教員養成系学部の廃止、社会的要請の高い分野への転換を迫る。背景には大学運営交付金の減少もある。国立大が法人化された2004年度の1兆2400億円から10年間で1割以上も減額された。  安倍政権下で頻繁に顔を出す「選択と集中」を大学教育にも当てはめようとする。限られた予算を産業や経済の成長に直結する理工系分野に集中配分し、無益な既存の文系学部は不要だという。  ジョブズ氏の言葉を借りるまでもなく、技術力だけでは画期的な商品は生まれない。意外なところにヒントが潜み、その芽を出すことでイノベーションは誕生する。柔軟な思考や創造力を育むのは幅広い教養だ。学問を成果主義だけで測るのであれば、佐和さんが怒るのも無理はない。 "[he-forum 18885] 朝日新聞8/19","朝日新聞 2015年8月19日09時30分 博士課程の学費、全員「タダ」 東京理科大が来年度から 大学院の博士課程に入った学生が支払う授業料などについて、全額を実質無料にする方針を決めた。来年度から始め、在学生も対象となる。無条件で全学生を「タダ」で受け入れるのは極めて珍しいという。  大学によると、博士課程では、初年度の入学金30万円のほか、施設設備費18万円と授業料約80万円が毎年必要で、3年間で計約320万円かかる。来年度からは入学金と施設設備費を免除し、授業料相当額を返済不要の奨学金として給付する予定だ。  同時に、学生への経済援助も充実させる。  博士課程の学生のうち3割程度を「リサーチアシスタント」として大学が雇い、年105万円を払う。また、「テニュアトラック制度」を設けて、若手 研究者を年3人程度試しに雇い、初年度に1千万円の研究資金を提供する。一定の研究成果を残せば准教授などの正職員に採用する。  こうした支援をすることについて、森口泰孝副学長は「優秀な人材が集まり、理科大の研究力、世界的な名声が高まる。結果的に学部への志願者も増える」と説明する。優れた研究成果を生めば、企業と連携して収益につなげることも期待できる。  「世界の理科大」を標榜(ひょうぼう)する東京理科大は、授業料収入に依存しすぎない、米国のマサチューセッツ工科大(MIT)のような経営を目 指している。研究成果をビジネス化することにたけ、企業との共同プロジェクトの多いMITの依存度が9%なのに対し、東京理科大は70%だという。  現在約280人の博士課程の学生を、将来的に500人程度まで増やしたい考えだ。5年で約40億円の支出増を見込む。  文部科学省や日本学生支援機構の大学院や奨学金の担当者は「全員無条件で実質無料の大学院は、聞いたことがない」と話している。(石山英明)= "[he-forum 18889] 読売新聞8/24","読売新聞 2015年08月24日 03時00分 国立大に文系再編の波、26校が学部の改廃計画  文系学部のある全国の国立大60校のうち、半数近い26校が2016年度以降、文系学部の改廃を計画していることが、各国立大学長を対象にした読売新聞のアンケート調査でわかった。  教員養成系学部を中心に計1300人以上の募集が停止され、定員の一部を新設学部に振り分けるなどの改革が行われる。国立大の文系に再編の波が押し寄せている実態が浮かび上がった。  文部科学省は今年6月、大学改革を狙いに、法学部や経済学部な どの人文社会科学系と教員養成系の学部・大学院の廃止や他分野への転換を求める通知を出した。アンケートはこれを受け、全国立大86校の学長に7月末現在 の学部の改廃計画や通知への受け止めなどを尋ね、81校から回答を得た。= "[he-forum 18888] しんぶん赤旗","しんぶん赤旗 2015年8月24日(月) 「戦争法案反対」声明 100大学に広がる  「戦争法案反対」の声が大学関係者に広がり、有志で声明を発表する大学が100を数えました(23日現在)。「安全保障関連法案に反対する学者の 会」が6月に発表したアピールを受け、北海道から九州まで全国の大学に急速に広がっています。「学者の会」は26日に、声明の発表や集会を開催した100 大学の有志による合同記者会見を東京都内で開きます。  国立や私立のみならず、熊本県立大学、大阪府立大学、下関市立大学、横浜市立大学など県立や市立の大学も声明を発表。賛同者は早稲田大学2690人、京都大学2194人と、数千人規模を集める大学も出てきています。  「非志願学生の除名処分まで行い、積極的に約3000人の学生を戦地に送り出しました」(立命館大学)など、多くの声明はかつて戦争に協力した大 学の過去に触れ、法案に反対。「『権利、自由、独立、自治』を建学の精神とする」(明治大学)など、建学の精神に立って法案の廃案を求める声明が多いのも 特徴です。  キリスト教系の上智大学、フェリス女学院大学、恵泉女学園大学なども、宗教者の立場と相いれないものとして法案に反対。「聴く耳を持たない姿勢は(略)反知性的」(東京学芸大学)など、学問や知性を軽視する安倍政権への批判も多く盛り込まれています。= "[he-forum 18887] 共同通信8/21","共同通信 2015年8月21日 20時49分 長崎大にレベル4病原体扱う施設 文科省、予算要求へ  文部科学省は21日までに、エボラ出血熱などの危険な病原体を扱うバイオセーフティーレベル(BSL)4の施設を長崎大(長崎市)に設置するための必要経費を、2016年度予算の概算要求に盛り込む方針を固めた。数年かけて大学内での建物新設や実験装置の配備をすすめ、事業は100億円規模になる見通し。  レベル4の施設では、有効な治療薬がなく感染すると致死率が高い危険な病原体を扱う。このため住民から反対の声も挙がっており、稼働には地元との調整が必要となる。  長崎大が認められると国内2カ所目となる。 "[he-forum 18886] 西日本新聞社説8/23","西日本新聞社説 2015年8月23日付 大学と軍事研究 原則情報公開で歯止めを  防衛省が本年度から、国の安全保障に役立つ技術開発を目的に、大学などの研究を直接支援する制度を導入した。  将来有望な先端技術の基礎研究を外部に委託して、最新技術の早期実用化を目指すという。  同省は警戒監視用のレーザー技術や航空機の機体に使う新素材などの研究テーマを設定し、今月12日まで一般公募した。10件程度を選考し、最長3年間で1件当たり最大年間3千万円を支給する。  国の防衛や災害派遣、国際平和協力活動など自衛隊が担う業務への応用だけでなく、民生分野での活用も念頭に置いているという。  日本の科学界は、先の戦争で軍事研究に深く関わった苦い経験を持つ。日本学術会議は発足時の1949年、軍事に協力してきたことを深く反省する声明を出した。67年には、軍事目的の研究はしないことも宣言している。  このため軍事研究と距離を置く大学や研究機関が多く、従来は防衛省独自で技術を開発してきた。ただ、軍事研究は採算性を度外視する傾向があり、無駄も多い。効率的に最先端の技術を取り入れるための支援制度だとしている。  一方、研究者らは成果主義や市場競争の中で予算確保に躍起となっている。新たな資金を求めて軍事研究との距離が無原則に縮まる可能性はないのだろうか。  確かにインターネットのように軍事目的で開発されて一般に広まった技術は少なくない。  その一方で、科学とは本来、世界平和や真理探究、人類の幸福のために存在することを忘れてはならない。平和憲法の下で、軍事技術への応用を大前提にした民生技術の開発に違和感を抱く人も少なくないはずだ。  軍事技術は機密性が高く、秘密保持のため不正を生みやすい。学問の自由との兼ね合いも十分に踏まえる必要がある。防衛省は「(支援制度は)成果が公開可能であることを原則」としている。  無制限に広がりはしないか-。そんな疑念を招かないよう、積極的な情報公開に努めるべきだ。 "[he-forum 18894] 東京新聞社説8/25","東京新聞社説 2015年8月25日付 奨学金と保護費 教育の機会は平等に  貧しい家庭の子どもにも等しく教育の機会は与えられるべきだ。厚生労働省が生活保護世帯の子どもの教育費に関する運用を見直した。「貧困の連鎖」解消に向け一歩前進だが、十分とはいえない。  厚労省は六日付で、生活保護を受給している福島市の母子家庭の訴えに応じ、同市による保護費の減額処分を取り消すとともに、全国の自治体にある通知を出した。  母親はうつ病を患い、数年前から生活保護を受けていた。長女は経済的な理由で高校に進学できるか不安に思っていたが、中学生のときに奨学金制度があることを知った。長女は努力を重ね、優秀な成績をおさめた。高校進学後、市や民間団体から返済不要の奨学金が年計十七万円支給されることが決まった。修学旅行費や塾代などに充てる予定だった。  しかし、市は昨年四月と五月に支給された奨学金九万円を「収入」と認定し、保護費から同額を差し引いた。母親らは福島県に収入認定取り消しを求め、審査請求したが棄却。国に再審査を請求し、福島地裁に提訴していた。  厚労省は処分取り消しを決定。加えて、学習塾代などに充てる場合は奨学金でも収入とみなしていた運用ルールを改め、収入から除外するよう各自治体に通知した。新ルールは高校生のアルバイト収入にも適用される。  ただ、大学の受験料や入学金などは引き続き収入とされる。子どもの成長を後押しするため、奨学金は全額、収入から除外するべきではないか。  子どもの貧困対策推進法は「子どもの将来が生まれ育った環境に左右されることのないよう教育の機会均等を図る」ことをうたう。  低所得の世帯に生まれた子どもが十分な教育を受けられずに、低賃金の職業を選択せざるを得ないという「貧困の連鎖」を食い止めるのは、国家的な重要課題だ。  大卒者と高卒者の賃金格差は小さくない。一九九〇年代初めには百七十万人近くあった新規高卒者への求人も近年は二十万~三十万人と激減している。  二〇一三年三月卒業生で、生活保護世帯の高校生の大学進学率は19%で、全体の五割超と比べ低い。  生活保護受給者数は二百十六万人に上るが、うち一割超は十七歳以下の子どもといわれる。  貧困からの脱出の鍵は教育にある。親が亡くなる、病気で働けなくなるなどし、生活保護を受給している家庭に育つ子どもたちにこそ機会は必要だ。 "[he-forum 18893] NHKニュース8/26","NHKニュース 2015年8月26日6時39分 人工知能などの研究開発拠点を整備へ  文部科学省は最先端のITの開発と実用化を進め、新たなサービスや市場の創出につなげようと人工知能やビッグデータなどを扱う国内最大級の研究開発拠点を整備する方針を固め、必要な費用を来年度・平成28年度予算案の概算要求に盛り込むことになりました。  政府がことし6月に決定した新たな成長戦略では最新のITを活用して、新しいサービスや市場を創出することなどが盛り込まれ、人工知能やビッグデータの分野の国際競争力を強化することが日本経済の成長力強化の柱の1つに位置づけられています。  こうしたなか、文部科学省は人工知能やビッグデータなどを扱う国内最大級の研究開発拠点を理化学研究所に整備する方針を固めました。  具体的には国内外から研究員やエンジニアなど、およそ150人を集めて最先端のITの開発を進め、医療や防災、エネルギーなどさまざまな分野での実用化を目指すほか、大学などと連携して人材の育成にも取り組む計画です。  文部科学省は必要な費用として、来年度・平成28年度予算案の概算要求におよそ100億円を盛り込むことにしています。 "[he-forum 18892] 北海道新聞8/22","北海道新聞 2015年8月22日付 安保法案反対 室工大教員有志がネットで声明 【室蘭】室蘭工業大の教員有志が21日、参院で審議中の安全保障関連法案について「憲法の平和主義の理念を否定するもの」として即時廃案を求める声明を、インターネットの交流サイト、フェイスブックで発表した。  声明では「安倍政権が盛り上がる世論の反対の声に耳を傾けることなく、違憲法案を数の論理で押し通したことに強い怒りを感じる」と批判。工業系の学生を教える立場として「学生が将来、技術者として徴用され、戦場に送られることを懸念する」と訴えている。  同大大学院の清末愛砂准教授(憲法学)ら教員4人が18日、同大の教職員らに賛同を呼びかけ、3日間で42人が応じた。  清末准教授は「今回の法案は日本を戦争に向かわせるもの。なんとかして食い止めなければならない」と話している。  道内では、北大や北海学園大などの有志も安保関連法案の廃案や撤回を求める声明を出している。 "[he-forum 18891] 東京新聞群馬8/22","東京新聞群馬版 2015年8月22日付 群馬大教職員有志 安保法案 反対声明を公表  群馬大の教職員有志二十六人は、国会で審議中の安全保障関連法案に反対する声明を公表した。  声明を出したのは憲法、社会、歴史、行政、倫理、教育、経済、物理、生物などを担当する教授や准教授たち。  声明では、「解釈改憲による集団的自衛権行使を明白な憲法違反と断じ、絶対に容認しない」と主張。「各地の空襲、沖縄での地上戦、広島と長崎への原爆投下、こうして迎えた敗戦。このような日本であればこそ、武力によらない平和外交によって世界平和の実現に尽くすべきである」との見解を示している。  声明の発起人の一人、藤井正希准教授(憲法学)は「学内でさらに有志を募り、県内外の大学と連携し、今後は声明文を安倍晋三首相らに送付することも考えたい」と話している。  法案をめぐっては、県内では今月上旬、高崎経済大の教員有志が反対する声明を発表している。 (菅原洋) "[he-forum 18890] 東京新聞8/23","東京新聞 2015年8月23日付 安保法案反対の会」90大学に 教員・学生ら活動拡大  全国の九十大学で、安全保障関連法案に反対する教員や学生らによる有志の会が発足したことが二十二日、ノーベル賞受賞者の益川敏英氏らがつくる「安全保障関連法案に反対する学者の会」のまとめで分かった。  九十大学のほか、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の三県では大学有志が共同で会をつくり、愛媛、高知両県など県単位で設立するケースも。大学関係者の間で法案反対の動きが広がりをみせている。  有志の会は、衆院で法案の採決が強行された七月中旬ごろから急増した。九十校は国公私立大全七百七十九校の一割超。各大学ではホームページを開設して反対声明への賛同者を募ったり、シンポジウムを開いて法案の問題点を議論したりしている。  慶応大有志は声明で「安全保障政策についての現実的な議論は重要だが、法の支配を捨て、憲法の空文化をもたらすなら事実上の独裁と呼ばざるをえない。法案が間違いなくもたらす立憲主義と学問の自由の危機を憂慮する」と批判。早稲田大有志は「安倍政権による憲法無視・国民無視の暴走に抗議する」とした。  九州大有志は、「法案は民主主義、人権尊重、平和主義に戦後最大の『変更』を迫ろうとしている」と危機感を表明している。  「学者の会」は八月二十六日、各大学の有志を集めて東京都内で記者会見し、あらためて廃案を訴える予定。同会に寄せられた研究者の賛同署名は、二十一日現在で一万三千人を超えている。 "[he-forum 18898] 時事通信8/27","時事通信 2015 年 8 月 27 日 20:30 JST 更新 長文記述解答は24年度から=大学入試改革で中間案―文科省会議  大学入試改革を議論する文部科学省の有識者会議は27日、大学入試センター試験に替わる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の方式などにつ いての中間報告案をまとめた。2020年度開始予定の新テストは思考力を測るため記述式解答を導入するが、採点負担を考慮し、当初は短文記述で始め、長文 記述は新学習指導要領で学んだ生徒が受験する24年度以降とした。年内にも最終報告をまとめる。  中間案は、難関大学の入試にも新テストを活用できるよう難易度に幅を持たせ、複数正解がある問題や、判断の途中過程を確かめる選択肢などを導入。複数の文章の内容を分析しないと答えが選べない問題などで深い思考力を測るとした。  新指導要領に応じて科目を見直し、思考力の判定機能も強化するとし、これに伴いより文字数の多い記述解答を導入する。パソコンなどで答える方式の本格実施も24年度以降とした。  基礎学力の定着を見る「高校基礎学力テスト(同)」は19年度に始めるが、22年度までの4年は試行実施期と設定。この間は、結果は授業改善などに用い、就職や大学入試には利用しないとした。国数英の3科目で始め、23年度から新指導要領に合わせた必修科目を追加する。  受験者の成績は10段階以上の評価で通知し、順位は示さない。年2回受験できる方式で始め、回数増や学校単位での受験などを可能にする方向で検討する。  [時事通信社]= "[he-forum 18897] 読売新聞8/27","読売新聞 2015年08月27日 22時29分 新大学入試、20年度に短文式…複数回結論出ず  文部科学省の有識者会議は27日、大学入試センター試験に代わる新テストを2020年度から実施し、記述式や思考力を問う問題を取り入れることを盛り込んだ中間報告をまとめた。  コンピューターによる出題・解答方式などは24年度以降の導入を目指す。焦点だったテストの年複数回実施や成績の段階別評価の導入などについては、今回は結論が出ず、引き続き検討するとされた。  中間報告によると、今回の改革は、思考力や判断力、表現力を身につけ、多様な人と主体的に関われる人材の育成を目的とし、知識や暗記中心の入試からの脱却を掲げている。  センター試験は19年度に廃止し、現在の中1が高3になる20 年度からは新テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を実施。当初は現行のマークシート方式に短文の記述式を加え、複数の文章を読み比べるなどの 思考力を測る問題を導入する。英語については、スピーキングの実施も検討する。= "[he-forum 18896] 朝日新聞8/28","朝日新聞 8/28 消費増税、国立大病院が赤字84億円 2014年度、43病院合算  全国43の国立大学付属病院の2014年度決算が合算で84億円の赤字となった。赤字は04年度の国立大学法人移行後、初めて。消費税率が8%に上がり、病院が仕入れる物品や設備にかかる税負担が増えたことが主な理由だという。  国立大学付属病院長会議が集計した。43病院の交付金も含めた総収入は1兆1千億円で、支出が1兆1084億円だった。消費税負担が重荷になる設 備・備品の購入額は前年度より計87億円、34%減らしており、会議の委員長の山本修一・千葉大病院長は「最先端医療という大学病院の役割に重大な影響を 及ぼす」と話している。  公的保険による医療・介護サービスは非課税扱いだが、病院が仕入れる物品などには消費税がかかる。政府は、増税時に診療報酬や介護報酬を引き上げ て穴埋めする措置をとってきた。だが、受診時にかかる初診料や再診料を中心に引き上げたため、物品調達が多い大病院ほど負担増の穴を埋めきれていない。= "[he-forum 18895] 朝日新聞8/28","朝日新聞 2015年8月27日23時55分 高校新テスト、4年間は大学入試に使わず 中間まとめ案  大学入試改革について話し合う文部科学省の有識者会議は27日、中間まとめ案を了承した。2019年度から導入する「高校基礎学力テスト」(仮称)の成績を、当面は大学入試に使わないことを盛り込んだ。高校2年から受けられるため、受験勉強が過熱するのを避けたという。  「基礎学力テスト」を受けるのは高校2、3年の希望者で、現在の中1以下が対象。主に中学から高校1年程度の内容が出題される。国語、数学、英語の3教科で始め、その後、地理歴史や理科などを追加する。コンピューター上での試験も導入予定だ。  主な目的は生徒が苦手分野を把握したり、教員の指導に生かしたりすること。一方で、文科省は大学入試で合否の判断材料の一つとしても使えると説明してきた。一部大学の推薦入試やAO入試が事実上「学力不問」になっており、学力を示せる共通テストの役割を持たせようと考えていた。  だが、基礎学力テストのための勉強が必要と受け止める生徒が増える可能性があり、高校生活への悪影響が心配された。このため、導入から4年間は大学入試などに利用せず、適切な利用方法を探ることにした。文科省はこの期間は入試に使わないように周知するという。  有識者会議では今後、20年度から始まる大学入試センター試験の後継テストの出題内容や、問題例などを検討。国立大の2次試験や私立大の個別試験が高校時代の部活動といった実績や内申点などを組み合わせた「総合評価」に変わるのに合わせ、高校の内申書も見直す。年内をめどに結論を出したい考えだ。(高浜行人) "[he-forum 18908] 毎日新聞京都8/26","毎日新聞京都版 2015年8月26日付 安保法案:学生の街、反対の動き拡大 府内10大学で組織的運動  安全保障関連法案の廃案を求める動きが、大学関係者の間でも広がっている。関西の学生有志でつくる「シールズ関西」が6月に京都市で大規模なデモ行動をして以降、各大学では廃案を求める声明を提出するなどした。現在少なくとも10大学で組織的に運動。「大学の街京都」の特性を生かし、大学数に占める組織の比率は全国で一番高い。【川瀬慎一朗】  取り組んでいるのは18日現在、京都▽京都教育▽京都工芸繊維▽同志社▽立命館▽龍谷▽佛教▽京都橘▽京都府立▽花園−−の10大学。8月5日には、京都市南区で安保法案反対に取り組む京都の大学が一堂に会する集会が開かれた。代表者がそれぞれの取り組みや考えを述べ「各大学の運動をつなげよう」などと訴えた。  いち早く声明文を出したのが龍谷大。6月24日に作成し首相官邸にも送付している。同志社大では7月13日に村田晃嗣学長(政治学)が国会で法案に肯定的な発言をしたことから、教職員有志など複数の関係団体が声明を発表。勉強会も開いた。京都大の「自由と平和のための京大有志の会」は声明への賛同者を大学に限らず集め、2000人以上に達した。8月にも京都教育大や京都工芸繊維大の教職員有志らが会を結成し、公私立問わず運動が広がっている。  全国的な学者有志の組織「安全保障関連法案に反対する学者の会」によると、反対運動に取り組む全国の大学は90校以上。都道府県別では東京(全大学139校)の28校が最多で、次いで京都(同34校)の10校。大学数あたりでは京都が最も多い。  京大有志の会の発起人の一人で、京都大の藤原辰史准教授(農業史)は「大学と暮らしが接近している京都だからこそここまで広がる。大学間も近く、情報を交換しやすい」と分析。また「会に関係なく反対運動をしている人はおり、実際はもっと多く活動している」と話す。  学生と教職員が一緒に活動する場面も多い。シールズ関西は、毎週金曜日に関西各地の街頭でスピーチ活動をし、毎回学者をゲストスピーカーとして迎えている。14日には立命館大の君島東彦教授(平和学)が「シールズは誰かに言われてやっているのではない。彼らは自分の頭で考え、自分の言葉で話している。それが一番重要なことだ」と強調した。  シールズ関西の塩田潤さん(24)=神戸大大学院2年=は「反対のためにはただ叫ぶだけでなく知識が必要。学者の皆さんと連携し、知識を共有しながら行動することですごく力をもらえる。相乗効果を生んでいる」と話す。こうした動きに藤原准教授は「学生が教員をつるし上げていた時代の頃から隔世の感がある。一緒に行動しなければならないほど、危機的な状況という表れだ」と指摘する。  一方、これまで90以上の大学で反対声明が出ているが、学長名義のものはほとんど無い。立命館大の野沢啓准教授(数学)は「大学の持つ社会的使命から大学として活動することが望ましい」と語る。14日に開かれた学者の会とシールズ関西との意見交換会で「各大学で連携して学長に(活動に参加するよう)アプローチすべきだ」と提案した。立命館大では、吉田美喜夫学長が公的な場で「法案を巡る状況はきわめて深刻な問題を我々に問いかけている。幸いに全国の大学人、若者が問題提起しており大きく励まされる」と発言しているが、公式に反対表明はしていない。  シールズ関西は、全国若者一斉行動が行われた23日に呼び掛け、約1800人(主催者発表)が東山区の円山公園から市中心街まで約1・5キロをデモ行動した。9月1日午後6時からは、京大有志の会が京都大西部講堂(左京区)で大規模集会を予定している。  藤原准教授は「京大だけでなく多くの大学関係者が集まる。京都には国会も官邸もないが学問、文化の中心地で声を上げる事は大きな意味を持つ」と話している。 "[he-forum 18907] 毎日新聞8/27","毎日新聞 2015年8月27日付 反安保法案:100大学が連帯  参院審議中の安全保障関連法案を巡り、廃案を求める声明を発表するなどした全国の大学の有志が26日、東京都内で合同記者会見を開き、「安倍政権にくさびを打ち込むために連帯を止めてはならない」などと訴えた。  「安全保障関連法案に反対する学者の会」によると、教職員や学生ら有志が法案反対の意思を表明した大学は同日現在で100以上の大学に上り、うち約80大学の約250人が会見に出席した。  広島大の河西英通教授(比較日本文化学)は「これだけの大学人の連帯があれば、最終的な勝利を勝ち取ることができると確信している」と話し、早稲田大の後藤雄介教授(西洋史)は「この運動をさらに広げていく。『戦争法案』廃案まで頑張っていきたい」と力を込めた。  呼びかけ人の一人、学習院大の佐藤学教授(教育学)は「衆院の強行採決で運動が沈静化すると思われたが逆だった。危機感を抱いている人が多いことの表れ」と語った。会見後、教職員らは声明文を持って参院議員会館を回り廃案を要請した。  「学者の会」によると、同会に賛同する研究者は26日現在、計1万3507人に上る。【川畑さおり、樋岡徹也】 "[he-forum 18906] 埼玉新聞9/4","埼玉新聞 2015年9月4日付 <安保法案>SEALDsが声…埼玉大で学者らも集会 曖昧さ指摘  憲法学から安保法制を考えようと、「安全保障関連法案の廃案を求める埼玉・大学人の会」は3日、さいたま市桜区の埼玉大学で緊急学習会を開いた。憲法学者らは法案の違憲性について「法案を通す場合は、前段階として憲法の改正が必要」などと述べた。  憲法学者で聖学院大学政治経済学部の石川裕一郎教授は集団的自衛権の行使容認について、「自衛権そのものが拡散し、憲法9条の意味がなくなっていくことが危惧される」と危機感を示した。法定要件の曖昧さも指摘し、「時の政権によって解釈が変わり、法律の役目を果たしていない」と話した。  埼玉大学教育学部の中川律准教授は、安保法案により自衛隊の活動範囲が著しく拡大すると強調。「後方支援では、これまでの外国軍と一体化しないための理屈が崩れようとしている」と話した。  同会は7月下旬に、埼玉大学や聖学院大学などの教授14人が呼び掛け人となり発足した。8月30日には安保関連法案の廃案を求める声明文を発表。現在、賛同者には埼玉にゆかりのある大学教授ら有志78人が集まっている。  呼び掛け人の一人で埼玉大学教育学部の七木田文彦准教授は「立憲主義を守らない政府に対して危機感がある。SEALDs(シールズ)をはじめ、学生たちが声を上げる中、教員や研究者が何もしないのは信頼性を欠くと感じた。専門領域を超えて連携し、社会活動のネットワークが広がってほしい」と話している。 "[he-forum 18905] 西日本新聞9/2","西日本新聞 2015年9月2日付 安保法案「性急すぎる」 3大学教授ら一丸で [熊本県]  熊本大、県立大、熊本学園大の学者で、自衛隊の活動を拡大する新たな安全保障関連法案に反対する有志8人が1日、県庁で共同記者会見を開いた。全国の大学研究者でつくる「学者の会」にそれぞれ参加し、8月に大学ごとに廃案などを求める声明を発表している。この日は、こうした活動を広く知ってもらうために合同で会見し、法案の問題点などを挙げた。  熊本大法学部の鈴木桂樹副学部長は「集団的自衛権の行使は、根拠づける『存立危機』がどのような事態なのか定義があいまいで、誤解や思い込みが軍事行動を誘発しかねない。今国会で法案を通すのはあまりにも性急すぎる」と訴えた。  県立大文学部の難波美和子准教授は「教員として、学生が戦争に参加したり戦争に巻き込まれたりすることは避けたい。世界のさまざまな文化を相互に理解し、平和をつくり上げていくことが大切」と強調した。  熊本学園大商学部の坂本正教授は「今の憲法は戦後生まれの精神構造そのもの。今の価値観を変える法案を多数決で強制的に決められたとしても、それを受け入れる覚悟が国民はできているのか」と指摘した。  3大学の有志の各声明には、1日現在で熊本大28人▽県立大17人▽熊本学園大35人-の教員らが賛同しているという。 "[he-forum 18904] 読売新聞広島9/2","読売新聞広島版 2015年9月2日付 地域産業担い手育成…県立広島大に経営大学院  広島県立広島大は8月31日、経営学修士(MBA)を取得できる社会人向けの経営大学院を来年4月に新設すると発表した。  農業や中小企業など地域産業の担い手となる人材育成を目指す。同大によると、中国地方での経営大学院開設は初めて。  31日付で文部科学相が設置を認可した。中小企業が多いものづくり分野を、世界に通用する産業へと成長させるには、「広島ならでは」のリーダー育成が必要として、3月に文部科学省に開設を申請していた。  大学院は広島キャンパス(広島市南区)に設置。「事業承継」「人材育成」「ソーシャルビジネス」などのテーマごとに地域の課題を解決する方策を学ぶ。フィールドワークも取り入れ、より実践力を高める。  研究科長には、県出身で東大エグゼクティブ・マネジメント・プログラム特任教授の横山禎徳氏が就任。起業経験者らが講師を務める。MBA設置準備室は「地域を元気にし、全国、世界で活躍できる人材を育てたい」としている。  定員25人。受験できるのは企業、官公庁などで2年以上の実務経験があり、大卒または同等以上の学力がある人など。小論文、面接、志望理由書などで選考する。募集要項は9月中旬から配布予定。第1次募集の出願期間は11月4~11日で、試験日は同28日。問い合わせは設置準備室(082・251・9726)。 "[he-forum 18903] 東京新聞千葉9/4","東京新聞千葉版 2015年9月4日付 千葉大 新学部を正式認可 国立大初の「国際教養」  千葉大は二日、文理混合型の新学部「国際教養学部」の来年四月開設が正式に認められたと発表した。同大の新学部設置は四十一年ぶり。国立大学で「国際教養学部」との名称の学部は初となる。  新学部は、西千葉キャンパス(千葉市稲毛区)に置かれ、学生定員九十人に対し、専任教員は四十六人の少人数教育を実施。文系と理系が一体となったプログラムで、留学や海外でのインターンシップ(就業体験)、ボランティア活動を重視し一、二年次で数週間の短期留学、三、四年次で、数カ月から一年間の留学を促す。  入試は「通常型入試」で八十人、「特色型入試」で十人を募集。通常型入試では文系の科目でも、理系の科目でも受験できる。「特色型入試」では、小論文とネーティブの教員を中心とした英語面接が実施される。  また通常型入試では、千葉大では初めて外国語検定試験を活用。TOEFLiBTやTOEIC、英検などの結果を、入試の「外国語」の得点に加点、または満点換算する。例えば英検の場合、凖一級以上で満点換算となる。  徳久剛史学長は「新学部が中心となり、全学の国際教養教育を先導していく」と話した。 (村上一樹) "[he-forum 18902] 読売新聞鹿児島9/5","読売新聞鹿児島版 2015年9月5日付 新奨学金制度に7億2000万円 県補正予算案  県は4日、大学進学者に対する新たな奨学金制度を創設する方針を明らかにした。計900人に対し、入学時にそれぞれ80万円を無利子で貸与、または給付する。2015年度一般会計補正予算案に7億2000万円を計上した。  県教委総務福利課によると、900人のうち、県内に就職を希望する「地方創生枠」が300人。大学を卒業後、県内にとどまるか、半年以内に県内に戻るかした上で、3年間継続して勤務すれば、80万円の返還が免除される。  このほか、特に学業成績が優れた「明治維新150周年記念特別枠」は100人で、無条件で返還免除となる。経済的理由から大学進学が困難な「一般枠」は500人。無利子で貸与され、卒業後に返還する。  県議会の同意を得られれば、県は10月中旬から県内の高校を通じて、希望者の募集を始める。来年1月に奨学生を決定する方針。 "[he-forum 18901] 下野新聞9/4","下野新聞 2015年9月4日付 那須塩原市、2016年度に給付型奨学金新設 【那須塩原】市は、貸与のみだった奨学金制度を見直し、2016年度から給付型を新設するほか、従来の貸与型も貸与月額の増額や対象者拡大などの充実を図る。  貸与者が減少傾向にあるためで、対象者の要件に「経済的理由により修学が困難な者」を明文化したり、海外留学生にも給付・貸与したりする制度にすることなどで、より多くの市民が利用しやすいようにするのが狙いだ。  市は、4日開会の定例市議会に、給付型奨学金制定の条例案や新設に伴う予算措置を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案などを提出する予定。  過去10年間の貸与者数をみると、2007年度の30人をピークに20人台で推移していたが、13年度は11人、14年度は7人、15年度は6人と減少している。市教育部は「貸与金額が少ないため」などと理由を分析。給付型導入を含め奨学金制度を充実することにした。  給付型は、国内の大学・短大へ入学する経済的理由で修学が困難な学生(日本学生支援機構第1種に準じる所得制限あり)、または学位の取得を目的に海外の大学・短大に留学する25歳以下の学生(所得制限なし、英検準1級以上取得)が対象。1人1回限り20万円を給付する。国内と海外を合わせ5人募集する。 "[he-forum 18900] 両丹日日新聞9/4","両丹日日新聞 2015年9月4日付 国立京都工芸繊維大が福知山キャンパス概要発表  京都工芸繊維大学 国立大学法人京都工芸繊維大学(京都市左京区)は、福知山市西小谷ケ丘に設置する「福知山キャンパス」を活用した新学部プログラムの開設に向け、具体的な準備を進めている。来年4月に開設する予定で、プログラムの概要や学生の募集要項を発表した。  新学部プログラムは、「地域創生TechProgram(テック・プログラム)」と命名。開設については、すでに文科省の了解を得ているという。  プログラムには、バイオ・材料化学▽メカトロニクス設計▽デザイン・建築の3コースがあり、いずれも1回生から3回生の前期までは、左京区の松ケ崎キャンパスで、一般教養や専門基礎力を身に着ける。  3回生の後期からは、旧福知山女子高校の校舎を活用した福知山キャンパスに拠点を移し、地域課題をテーマにした学習のほか、地元企業でのインターンシップなどを行い、実践的な体験を積む。  また市が来年4月に開学を目指す福知山公立大学との連携も視野に入れており、両大学の文理系でのワークショップなどに共同で取り組んでいく。  これらにより、産業の活性化や地域課題の解決に向け、協働できる技術者やリーダーになれる人材などを育成する。さらには、若者の地元定着、府北部の活性化にもつなげていきたいという。 ■AO入試に地域枠■  入学者選抜の定員は、AO入試20人と一般入試10人で、合わせて30人。AO入試では、一般と社会人のほか、府北部5市2町の高校生らを対象とした12人の地域枠も設ける。  京都工芸繊維大の森迫清貴副学長は「府北部の若者がいったん京都に出て、専門知識をしっかり身に着けた上で、地元に戻ってくる-という流れを作り、地域活性化に貢献できる人材を育成したい。今後は、地域枠を増やすことも検討していきたい」と話している。 "[he-forum 18899] 十勝毎日新聞9/2","十勝毎日新聞 2015年9月2日付 新学長候補に奥田氏 帯広畜産大学長選考会議  帯広畜産大学は1日、任期満了に伴う学長選考で選考会議を行い、次期学長候補に同大OBで岡山大学大学院環境生命科学研究科教授の奥田潔氏(63)を選出した。現職の長澤秀行学長(60)は12月31日に満了となり、奥田氏の任期は来年1月1日から2020年3月31日までの4年間。  候補には奥田氏のみが届け出た。8月31日の意向聴取投票では投票した教職員148人のうち、133人の得票を獲得した。  同氏は所信として北海道大学との連携による教育プログラムの充実に努め、2020年度の欧州獣医学教育認証の取得や、獣医・農畜産分野における世界トップレベルの大学、企業との連携強化を掲げている。  同氏は「地域と日本を理解しグローバルに活躍する卒業生を輩出し、個性ある帯畜大をさらに発展させるようまい進する」とする。  同氏は1952年盛岡市生まれ。帯広畜産大学畜産学部獣医学科を卒業、ミュンヘン大学獣医学部大学院博士課程修了。京都大学で農学博士の学位を取得。98年に岡山大学の教授となり、農学部長などを経て2012年から現職。専門は獣医臨床繁殖学、生殖内分泌学。 "[he-forum 18909] しんぶん赤旗 9/9","しんぶん赤旗 2015年9月9日(水) 戦争法案廃案 声上げねば 東大人緊急シンポ 学生の行動に勇気・息長くたたかう  戦争法案を廃案に追い込もうと東京大学関係者が8日、「東京大学人緊急シンポジウム」を同大学で開き、350人が参加しました。  広渡清吾前日本学術会議会長は「国民より米国の意思を優先する政府はわれわれの政府とは言えない。学生の運動は国民に勇気を与えている」と語りま した。石川健治教授は「9月18日は満州事変勃発の日。その日の強行採決は安全保障へ脅威をもたらす」と指摘。栗田禎子前日本中東学会会長は「憲法の平和 主義は日本外交の最大の資産。米軍との協力は日本を加害者にする」と発言。石田憲千葉大学教授は「立憲主義の破壊は将来にわたり深刻な状況をもたらす」と のべました。  学生が発言しました。集会では、一人ひとりが声をあげれば法案を廃案にできると呼びかけるアピールを採択しました。  元自民党政調会長の亀井静香衆院議員が卒業生として「日本はがけっぷちにいる。息の長いたたかいを」と激励。同じく卒業生で日本共産党の宮本徹衆院議員が国会論戦を報告し、廃案への決意をのべました。  6月末に同実行委員会が呼びかけたアピールへの賛同者は901人(8日現在)になっています。= "[he-forum 18924] 内田 樹 論説「国立大学改革亡国論…」","内田 樹(構成=田端広英、撮影=森本真哉)「国立大学改革亡国 論「文系学部廃止」は天下の愚策」 『プレジデントFamily』2015年春号、2015年5月30日(土) 「国立大学から文系学部がなくなろうとしている。大学の存在意義とは。 国立大学が担うべき役割とは。教育とは何か。憂国論者、内田先生が怒っ ています。」(以下、割愛)  続きのURLは、 1)「もう無理!」東大を去る教員が続出している http://president.jp/articles/-/15406 2)株式会社化する大学に教育も研究もない http://president.jp/articles/-/15406?page=2 3)学校教育の受益者は個人ではなく共同体なんだ http://president.jp/articles/-/15406?page=3 4)最終的に残るのは“コンビニ”大学   実学ばかり重視する国に明日はない! http://president.jp/articles/-/15406?page=4 5)超富裕層の子がエリート、残り99%は「使い捨て」   超富裕層の子がエリートになりその他99%は労働者になる http://president.jp/articles/-/15406?page=5 6)子供たちの潜在的資質を支援するために   危機感から創設された「私塾」への期待 http://president.jp/articles/-/15406?page=6  すでにどなたか紹介済の場合は、深謝。  以上■ "[he-forum 18923] 日本経済新聞9/13","日本経済新聞 電子版 2015/9/13 2:00 医学部の定員削減、政府検討 医療費膨張防ぐ   政府は2020年度から医学部の定員を減らす検討に入った。将来の医師数が都市部などで過剰になると見込み、03年度以来17年ぶりに医学部生の削減にか じを切る。全体の定員は減らす一方で、地方の医療機関に就職する学生の枠を広げて医師不足に対応する。人口減少と病院ベッド数の削減を見据えて医師の数も 抑える。医療費の膨張を防ぐ狙いだ。  厚生労働省が来月をめどに検討会を立ち上げ、中長期の医師の需要と供給の推計作りに着手する。16年をめどに全国と都道府県別の数字をまとめる。文部科学省が推計値をもとに20年度以降の定員数の方針を定める。   政府は国公立大と私大の医学部の入学定員を通じて医師数を管理する。高度成長期には福祉の充実を目的に増員を重ねた。1973年に全都道府県に医学部を置 く「1県1医大構想」を閣議決定し医学部の数も急増した。80年代には医師余りと医療費膨張への懸念が強まり、一転して入学者数の抑制方針を閣議決定し た。定員は84年度の8280人をピークに03年度まで減らし続けた。  しかし妊婦のたらい回しが社会問題となり、「医療崩壊」との批判を受けて08年度に再び増員に転換。15年度は9134人と最高になった。政府は19年度まで増員を続ける方針を決めている。  医師の総数は12年時点で30.3万人と、10年前に比べ4.1万人増えた。医師として専門を持つには医学部6年と研修医2年の計8年かかる。27年度までは定員が増えた医学部生が現場に出るため、医師数の増加ペースに拍車がかかりそうだ。  一方で、医療サービスを多く受ける65歳以上の人口は42年をピークに急速に減る。政府は25年までに全国の病院ベッドを最大20万床減らして安易な入院を抑える方針で、全体としては医師の過剰感が強まる見通しだ。  ただ地方では医師不足に悩む医療機関が多い。人口10万人あたりの医師の数は東京都では314人いる一方で、茨城県(176人)、新潟県(195人)、青森県(196人)などは少ない。   そのため医学部定員の総数を削減しながらも、「地域枠」を広げることを検討する。地域枠は卒業後にその地域の医療機関に就職したい学生を優遇する仕組み で、15年度は1500人強とみられる。例えば地域で9年ほど医師として働けば、都道府県から受け取った計1200万円ほどの奨学金の返済が免除される。   地域枠を導入した一部の大学を文科省が調べたところ、卒業生の89%が地元の医療機関で働いていた。一般枠の54%より高く、地方の医師不足の解消に一定 の効果が見込める。地方の医師不足の解消に向けては17年度以降に地方の医療機関への補助金の拡大や、医療サービスの公定価格(診療報酬)の引き上げも検 討する。= "[he-forum 18921] 東京大学新聞9/10","東京大学新聞 2015年9月10日 安保法案東京大学人緊急シンポジウム開催 「東大は70年前の戦争に加担した」 8日、東京大学本郷キャンパスで「安保法案東京大学人緊急シンポジウム」が開かれた。安保法案東京大学人緊急抗議集会・アピール実行委員会が主催した。東京大学で学んだ議員や学者、そして現役の職員や学生が、それぞれの立場から安保法案に対する反対の声を挙げた。雨の中集まった350人が、経済学部棟地下1階の会場を埋めた。 まず、史料編纂所教授で呼びかけ人の横山伊徳さんが「会場の皆さんとの充実した議論を通じて、良心の府とされる参議院で与党を追い詰め、廃案を実現するよう、大学人として力を注いでいこう」と訴えた。 続いて、アピールの賛同者として、経済学部を卒業した亀井静香衆議院議員が壇上に上がった。亀井議員は「私は、東大に裏から入って裏から出たような男ですが」と笑いを誘った後で、「学問の府、象牙の塔は、社会を動かすため、よくするためにあるものだと思う」と述べた。 そのうえで「皆さん方が立ち上がって、象牙の塔が動いたということは、それなりにインパクトを与えるんです。ぜひ自信を持って、今日こうしておやりになったこと自体が、日本の歴史に必ず前向きな足跡を残していく」と話した。 次に、教育学部を卒業した共産党の宮本徹議員が登壇し、「今や、政府がこの法案が合憲だと言ってきた論拠が、ことごとく崩れてきている。こんな状況で、どこでも通用しない屁理屈をこねくり回してこの法案を強行するなど、知的頽廃の極みじゃありませんか」と政府を強く批判した。 その後、学者として活躍する「東京大学人」が、それぞれの専門分野の視点から、安保法案に対する疑問を呈した。軍事研究を禁止する東京大学憲章の策定にも関わった、専修大学大学院法学研究科の広渡清吾教授は、「私たちが安保法案に反対するのは、新生日本建国の理念の柱を擁護する戦いである」と話した。 また、東京大学法学部で憲法を教える石川健治教授は、「学者とは本来、活動的な生活とは切り離されて物事を深く考える、非政治の領域で卓越性を競い合う人種だ。とりわけ憲法学は、政治と境を接しているだけに、安易に政治領域を立ち入ってはならない。気質としても、私は非政治的な人間だと思う。しかし自分のような者でも、ここは引き下がるわけにはいかないだろう」と、危機感を示した。 その後も学者によるスピーチと討論が続いた後、学生と職員がマイクの前に立った。このうち、理科一類の1年生、水口敦喜さんは次のようにスピーチし、大きな喝采を受けた。 「政治的なことをすると、すぐ勉強不足だとか芸能人やネットで馬鹿にされる。『あなたはどうなのか』と言い返したくなるのですが、確かに知識が足りないのは、僕も承知しています。では、知識をつけるまで黙っていようか、と考えました。 労働組合や学生自治会を中心として行われていた60年代の安保闘争は、ある意味で完成された思想、イデオロギーを持っていました。しかし、だから失敗に終わってしまった。インテリによる、インテリのための暴力にしかなりえなかった、と考えます。 今は違います。不完全、だけどそれぞれに全く異なる価値観を持った人たちが、今の日本を守りたいという、その一心だけで集まっています。僕はむしろ、それを強みにできると思います。若いうちは、まずは行動することが大事。これは、僕の恩師のおっしゃった言葉であり、かつ僕自身の実感です。知性の放棄や軽視を意味している訳ではありません。行動しながら、思考をどこまでも保ち続ける。それが大事なのではないでしょうか」 閉会後、「東大生に向けてメッセージなどあれば」という記者の質問に対し、水口さんは「賛成でも反対でもいいので、自分の言葉で意見を交わしてほしい。それが民主主義の第一歩だと思う」と話した。 また、生産技術研究所特任研究員でシンポジウム主催者の男性は、シンポジウムの狙いについて、次のように話した。 「東大の中でいま、安全保障や戦争の問題が、特に問われているという感覚がある。私たちの実行委員会は、学部生・院生も含めていろいろなメンバーがいるが、東大は70年前の戦争に加担したということもあって、二度と戦場に送られたくない。個人的にも、私は被爆三世で、原爆の被害はものすごく深刻だという意識がある。 その中で、持続可能な社会や平和な社会をどう作るか東大が研究しているにも関わらず、それが真っ向から戦争に持って行かれるような状況に、声を上げたかった。東大の中でも、個々の先生など、いろいろなところで実際に軍学共同に声がかかってくる状況がある。その中で、学内で軍事的なものに加担しないという原点を、幅広くこの東大からアピールしていきたい」 シンポジウムは、最後に「私たちは、この東京大学の力を、学問の力を、正しく生かすべく、社会に対し責任を果たさなければならない」とする集会アピールを採択し、盛況のうちに幕を閉じた。次回の緊急抗議集会は、9月16日に駒場キャンパスで開催される。 (文責:井手佑翼) "[he-forum 18920] NHKニュース9/8","NHKニュース 2015年9月8日22時32分 東大の教員などが安保法案反対訴える集会  安全保障関連法案に反対する東京大学の教員や学生、卒業生などの集会が開かれ、「主権者の声に耳を傾けることが政治家の責任だ」などと訴えて廃案にするよう求めました。  東京大学で8日夜、開かれた集会にはおよそ350人が参加しました。廣渡清吾元副学長が、「法案を推進している人たちは、まるで国民は投票のときだけ主権者だという考え方だが、国会や内閣に白紙で委任しているわけではない。主権者の声に耳を傾けることが政治家の責任だ」と述べました。また、東京大学の卒業生で中東現代史が専門の栗田禎子千葉大学教授は、「戦争は一切しないと約束した憲法9条は戦後日本の外交上の土台で、最大の資産だ。平和憲法を投げ捨てて戦争の世界に入っていくことは危険で、今こそ憲法を守るべきだ」と述べました。  安全保障関連法案を巡っては全国で100を超える大学の教員や学生が法案に反対するグループを作っていて、東京大学でもおよそ900人が賛同しているということです。集会では、「戦前、学問の自由を守りきれず多くの学生を戦場に送った過ちを繰り返さないことが未来の世代への責任だ」などとするアピールを採択し、引き続き反対の声を挙げていくことを確認しました。 "[he-forum 18919] 沖縄タイムス9/13","沖縄タイムス 2015年9月13日付 琉大に来春「教職大学院」設置 実践力を育成  学校教育の課題が複雑化・多様化する中、高度な専門性と実践的な指導力を持つ教員を育成しようと、来年4月から琉球大学に「教職大学院」が設置される。文部科学省から正式に認可されたのを受け、大城肇学長が10日に会見し、「県全体のために貢献できる人材を育てたい」と意欲を示した。  教職大学院は、研究を主眼にしていた従来の大学院に対し、「理論と実践の融合」を掲げ、学校現場の教科教育や生徒指導、学級経営などに優れた教員を育成するのが目的。法科大学院などと同じ専門職大学院の一種で、今年8月時点で全国27大学(国立21校、私立6校)に設置されている。沖縄では琉大が初となる。  琉大は、大学院の教育学研究科(修士課程)を改組し、修士課程の定員を一部振り分ける形で、「専門職学位課程高度教職実践専攻(教職大学院)」として開設する。  修業年限は2年で、入学定員は14人。うち10人程度は小中学校や高校の現職の教員、4人程度は教員免許を持つ大学の卒業生を想定している。修了すると教職修士(専門職)の学位が与えられる。  48単位以上修得することが求められ、うち10単位の教育実習が必修。専任教員にも教員経験者らが多数含まれ、実践力養成に重きを置いている。  2年間の授業料で最長4年間の就学が認められる長期履修制度など、さまざまな授業料減免制度もある。  県教育委員会は、教職大学院に進学した学卒院生が県の教員候補者選考試験に合格した場合は、教職大学院を修了するまで名簿登載を延長する。また、琉大との人事交流を通して教職大学院の運営にも関わる。  琉大は10月中旬から募集要項の配布を始め、12月10日から出願を受け付ける。試験日は来年1月30日。  問い合わせは教職大学院担当、電話098(895)8313。 "[he-forum 18918] 読売新聞富山9/11","読売新聞富山版 2015年9月11日付 富山大 文系定員100人規模削減も  富山大は、文系学部の定員を100人規模で削減する方向で検討に入った。文系学部で削減した定員を、新設する理系学部に充てることで、地域創生を担える人材の育成を目指す狙いがある。文部科学省は今年6月、文系学部の廃止・転換を求める通知を出しており、同大幹部は「文系の定員削減規模がさらに拡大する可能性もある」と話している。  同大などによると、定員の削減が検討されているのは、富山市の五福キャンパスにある人文、人間発達科学、経済の3学部と、高岡市の高岡キャンパスにある芸術文化の計4学部。定員の削減数は、人文が15人、人間発達科学が10人、経済が昼間と夜間で計60~70人、芸術文化が5人。現在、最多の定員(405)を抱える経済学部の削減数が特に多くなっている。  同大は、文系学部で削減した定員を、2017年度の新設を目指している理工系の「システムデザイン学部(仮称)」(定員150)に充てる方針だ。当初は16年度に理工系学部を再編して新設する計画だったが、文科省との調整が難航したため、文系学部の定員削減と連動する形で、新学部の17年度開設を目指す。  現在、同大の理系学部は、理(定員230)、医(同185)、薬(同105)、工(同405)の4学部。現状でも、理系4学部の定員合計925人は、文系4学部の同875人を上回っているが、文系学部の定員削減が実行されると、その差は最大250人に広がり、より「理系色」が強い大学となる。  文科省は今年6月、全国の国立大学法人に対し、「人文社会科学系学部については、18歳人口の減少や人材需要などをふまえて、廃止や社会的要請の高い分野への転換に取り組む」ことを求める通知を出した。富山大が文系学部の定員削減を検討しているのも、この方針に沿った動きだ。  ただ、定員の削減対象とされている文系学部の教員からは「目先のことだけを考えて、文科省が理系を重視するのは拙速だ。文系学部が輩出してきた人材も社会を支えてきたではないか」と憤る声も出ている。  同大は今夏、文科省に国立大学法人運営費交付金を要求した際、「人材育成や地域課題を解決する取り組みなどを通じて地域に貢献すると同時に、強みや特色のある分野で世界ないし全国的な教育研究を推進する」という枠組みを選択。「富山の知の拠点」として、これまで以上に最先端の研究や地域創生に重点を置く方針を掲げている。 "[he-forum 18917] 東京新聞社説9/13","東京新聞社説 2015年9月13日付 週のはじめに考える “文系不要論”の愚かさ  国立大学改革に伴って持ち上がった“文系不要論”の衝撃は大きかった。文部科学省は「誤解」と否定していますが、それでも疑念は拭えないのです。  文科省が去る六月に全国の国立大あてに出した通知が発端でした。教員養成系や人文社会科学系のリストラを求めたのです。  確かに、社会の変化はすさまじい。子どもの人口は先細りですし、地方は過疎化が進み、都市との格差は広がる一途です。人間活動は情報化、グローバル化し、国際競争はし烈を極めています。 ◆成長戦略下の大学  大学はレジャーランドでは許されない。それなりの教育研究の成果を社会に還元しなくては、存在意義さえ問われます。時代の情勢に見合った組織への脱皮は急務という文科省の理屈は分かります。  では、そのような改革がどうして“文系不要論”と映るのか。  それは政府の成長戦略と連動しているからでしょう。産業界の利益追求や社会的有用性に奉仕する学問を優遇し、成果を競わせるという発想が読み取れるのです。  科学技術振興やイノベーションの土台となる理系人材の育成はいうに及ばず、文系人材の育成でも職業能力の開発や実践力の向上に主眼が置かれているといえます。いわば、稼ぐ力の強化という視点のみからの改革というほかない。  とすると、実利実益との結びつきが見えにくい人文社会科学は切り捨てられるという懸念が強まるのも当然です。これは学問の自由にかかわる問題でもあるのです。  幕末の開国以来、激動期の為政者は国家の命運を科学技術に託してきた面があります。  「高等生徒を訓導するには、之(これ)を科学に進むべくして、政談に誘うべからず」。明治の元勲伊藤博文の言葉です。西欧列強に対抗して近代化を急いだ時代でした。 ◆文系の「有害無益」論  大戦中には、文系の高等教育機関は理系への転換を強いられ、科学技術の即時戦力化が推進されました。学徒出陣で戦地に送られたのは、主に文系の学生でした。  「文系の学問は国にとって有害無益なのでしょう」と手厳しいのは、滋賀大学長で経済学者の佐和隆光さん。「社会にどう役立つかで学術的価値をはかる、あしき慣行が国にはある」というのです。  高度成長期の一九六〇年、岸信介内閣の松田竹千代文部相は、国立大は理系を担い、文系は私立大に任せたいとの意向を示したという。多くの国立大文系の学生が安保闘争に参加していたという背景があった、と指摘しています。  「文系の学識とは批判精神です。それで自由や民主主義も守られてきた」と説くのです。  とすれば、昨今の異論排除の風潮と文系軽視の風潮とは、必ずしも無縁ではないのかもしれません。国家が知的資源を一元管理して成長戦略に投入する姿は、開発独裁体制すら想像させます。  科学技術はまた独り歩きする面もあります。その日進月歩ぶりを目の当たりにして、夏目漱石は大正期に著した小説「行人」で登場人物にこう語らせている。  「人間の不安は科学の発展から来る。進んで止(とど)まる事を知らない科学は、かつて我々に止まる事を許してくれた事がない。(中略)どこまで伴(つ)れて行かれるか分(わか)らない。実に恐ろしい」  現代にも通じるような話です。ITやロボット、人工知能、遺伝子工学…。利便性や効率性ばかりを追求した果てに、どういう社会が待ち受けるのか。全ては科学技術の赴くままにという実情です。  最近では、このような将来予測も公表されています。  ・二〇一一年度に米国の小学校に入った子どもたちの65%は、大学卒業時にいまは存在しない職業に就く(米ニューヨーク市立大学のキャシー・デビッドソン氏)。  ・今後十~二十年程度で、米国の雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い(英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン氏)。  しかし、科学技術文明には公害や環境破壊、地球温暖化、大量破壊兵器といった負の遺産を生み出してきた歴史がある。その功罪を含めて人間の生存や社会の発展、継承のための「知」を探究するのは人文社会科学の使命なのです。 ◆学問を市民の手に  名古屋市で先週、市民手づくりの哲学カフェが開かれました。教育をテーマに、見知らぬ人同士十人余りが意見を交わした。結論を出すのではない。互いの違いを認め合い、思索を深めるのです。  今やこうした「対話の場」は全国に広がる。稼ぐ力ではなく、本物の「知」に飢えているのではないでしょうか。本来、学問は国家のものではなく、市民のもの。無論、理系と文系を隔てる垣根など最初から存在しないのです。 "[he-forum 18916] 毎日新聞9/12","毎日新聞 2015年9月12日付 国立大・文系廃止通知:下村文科相「見直し求めた」と釈明  国立大学に文系学部の改組や廃止を求めた文部科学省の通知で、下村博文文科相は11日、閣議後の記者会見で、人文社会科学系については廃止ではなく見直しを求めたものだったとして「誤解を与える表現だった」と釈明した。通知に対し学術界から「文系軽視か」と批判が出るなど波紋が広がる中、文科省は火消しに躍起だが、通知の見直しや撤回は予定していない。  通知は文科相名で6月に出された。各大学が作成する2016年度から6年間の業務運営計画の基になるもので「特に教員養成系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院については(中略)組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組む」ことを求めた。  これに対し、日本学術会議は7月、「人文・社会科学の軽視は大学教育全体を底の浅いものにしかねない」と批判する声明を出した。大学改革が政府の成長戦略に位置づけられたこともあり、有識者らから「実学重視」の流れを警戒する声が強まると、経団連は今月9日、文科省の通知について「即戦力を求める産業界の意向を受けたものであるとの見方があるが、産業界の求める人材像はその対極にある」との文書を出した。  下村文科相は11日の会見で「人文社会科学系は廃止ではなく、見直しが必要ではないかというのが通知の本来の趣旨だった」と述べ、「廃止」対象は教員養成系だと説明。特に教員免許取得を卒業条件としない「新課程」(いわゆるゼロ免課程)について、少子化に伴い教員数が減っているため「廃止は当然のこと」と強調した。  通知の文章について下村文科相は「一字一句私が全部チェックしているわけではない」と弁明した。【三木陽介】 "[he-forum 18915] 時事通信9/2","時事通信 2015年9月2日17時39分 東大、京大も推薦導入=文系再編で8学部新設-国公立大入試  文部科学省は2日、来春の2016年度国公立大入試の概要を発表した。東京大と京都大が初めて推薦入試を導入し、推薦入試を行うのは159大学448学部で過去最多。文系学部の見直しなどに伴い、国立の8大学が新学部を設置した。  受験生の意欲や適性を書類や面接で評価するアドミッション・オフィス(AO)入試も、新たに始める京大など75大学190学部が実施し、最多となる。 "[he-forum 18914] 毎日新聞徳島9/12","毎日新聞徳島版 2015年9月12日付 徳島大学病院:開院記念式典 外来16診療科、1棟に集約 24日から一般診療  徳島大学病院(徳島市蔵本町2)は11日、現在は2棟に分かれている医科と歯科の計16診療科を1カ所に集約する新しい外来診療棟の開院記念式典を開いた。飯泉嘉門知事や香川征学長ら約260人が出席し、最新の手術設備や施設案内端末が披露された。一般の利用は24日から。  式典では、安井夏生病院長が「地域医療や社会貢献に一層努め、徳島県民が安心できる医療の場を提供していく」とあいさつ。飯泉知事は「患者の皆さんが入退院の手続きをしやすく、患者に対する最先端の気配りがなされている」と述べた。  新外来診療棟には、入退院や在宅医療について患者の相談に応じる専門職員が常駐する「患者支援センター」を新設。診察の待ち時間やバスの時刻表などを案内する端末を各階に置き、利便性も高めた。手術室には、医師がモニター画面に拡大表示された患部を見ながら、ハンドルを操作して手術をする最新機器も新たに設けた。【数野智史】 "[he-forum 18913] 共同通信9/10","共同通信 2015年9月10日11時24分 島根大と静岡大、連合法科大学院設置を見送り 志望者減で  島根大と静岡大が協議している広域連合法科大学院の設置について、法曹志望者が減っていることなどを理由に、両大学が見送ることが10日までに分かった。  朝田良作・島根大大学院法務研究科長は「構想はまだ捨てていない。山陰で法曹を養成する教育の形を模索している」と話し、今後も他大学との連携を進め、インターネットを用いた遠隔授業などの導入を検討するとしている。  中村和夫・静岡大大学院法務研究科長は「予算が削減されているため、地方の法科大学院が次々に募集を停止している。縮小する地方の法曹養成機能を残していかなければいけない」と話した。  島根大は2015年度の入学者募集の停止を決定した13年から、15年度の広域連合法科大学院設置を目指し、静岡大と協議。しかし14年には連携の仕組み作りに難航しているとして、16年度に延期すると発表した。  両大学は新潟、信州、香川・愛媛連合、熊本、鹿児島、琉球の6法科にも拡大を検討していた。  静岡大は16年度から入学者募集を停止する。 "[he-forum 18912] 産経新聞9/10","産経新聞2015年9月10日 経団連 国立大学改革で提言 人材育成に向け機能分化を  経団連は9日、人材育成に向け、それぞれの強みや特色を生かし、機能を分化する形での国立大学改革を求める提言を発表した。  大学教育が画一的で知識詰め込み型の教育が多く、産業界の求めるグローバルな視点でのさまざまな課題を、分野横断型の発想で解決できる人材が育っていない中で、大学側への改革加速を求めた。  提言では、理系、文系を問わず、幅広い教養、課題発見・解決力、外国語でのコミュニケーション能力などを身につけた上で、専門分野の知識を習得し、留学などのさまざまな体験を通じ、文化や社会の多様性を理解できる人材育成が必要としている。  理系でも人文社会科学を、文系でも先端技術に関心を持った上で理数系の基礎的知識を身につけることが不可欠という。  そのためには学長がリーダーシップを発揮し、各大学が画一的でない魅力ある大学づくりや、ガバナンス改革による経営刷新を図るべきとしている。  また、経団連としては企業人講師の派遣や海外留学のための奨学金制度などで協力し、産学連携を強化する方針だ。  国立大学改革では、今年6月に出された文部科学大臣通達で「教員養成系、人文社会科学系の学部や大学院についての組織見直し」を盛り込み、再編を強く求めた。一部では「文系切り捨て」といった声も出ている。そのなかで、企業が即戦力を求め過ぎることが背景にあるという経済界への批判もあり、経団連としてはそういった懸念を払拭する狙いもあり、今回の提言をまとめた。 "[he-forum 18911] 中日新聞社説9/13","中日新聞社説 2015年9月13日付 “文系不要論”の愚かさ 週のはじめに考える  国立大学改革に伴って持ち上がった“文系不要論”の衝撃は大きかった。文部科学省は「誤解」と否定していますが、それでも疑念は拭えないのです。  文科省が去る六月に全国の国立大あてに出した通知が発端でした。教員養成系や人文社会科学系のリストラを求めたのです。  確かに、社会の変化はすさまじい。子どもの人口は先細りですし、地方は過疎化が進み、都市との格差は広がる一途です。人間活動は情報化、グローバル化し、国際競争はし烈を極めています。 成長戦略下の大学  大学はレジャーランドでは許されない。それなりの教育研究の成果を社会に還元しなくては、存在意義さえ問われます。時代の情勢に見合った組織への脱皮は急務という文科省の理屈は分かります。  では、そのような改革がどうして“文系不要論”と映るのか。  それは政府の成長戦略と連動しているからでしょう。産業界の利益追求や社会的有用性に奉仕する学問を優遇し、成果を競わせるという発想が読み取れるのです。  科学技術振興やイノベーションの土台となる理系人材の育成はいうに及ばず、文系人材の育成でも職業能力の開発や実践力の向上に主眼が置かれているといえます。いわば、稼ぐ力の強化という視点のみからの改革というほかない。  とすると、実利実益との結びつきが見えにくい人文社会科学は切り捨てられるという懸念が強まるのも当然です。これは学問の自由にかかわる問題でもあるのです。  幕末の開国以来、激動期の為政者は国家の命運を科学技術に託してきた面があります。  「高等生徒を訓導するには、之(これ)を科学に進むべくして、政談に誘うべからず」。明治の元勲伊藤博文の言葉です。西欧列強に対抗して近代化を急いだ時代でした。 文系の「有害無益」論  大戦中には、文系の高等教育機関は理系への転換を強いられ、科学技術の即時戦力化が推進されました。学徒出陣で戦地に送られたのは、主に文系の学生でした。  「文系の学問は国にとって有害無益なのでしょう」と手厳しいのは、滋賀大学長で経済学者の佐和隆光さん。「社会にどう役立つかで学術的価値をはかる、あしき慣行が国にはある」というのです。  高度成長期の一九六〇年、岸信介内閣の松田竹千代文部相は、国立大は理系を担い、文系は私立大に任せたいとの意向を示したという。多くの国立大文系の学生が安保闘争に参加していたという背景があった、と指摘しています。  「文系の学識とは批判精神です。それで自由や民主主義も守られてきた」と説くのです。  とすれば、昨今の異論排除の風潮と文系軽視の風潮とは、必ずしも無縁ではないのかもしれません。国家が知的資源を一元管理して成長戦略に投入する姿は、開発独裁体制すら想像させます。  科学技術はまた独り歩きする面もあります。その日進月歩ぶりを目の当たりにして、夏目漱石は大正期に著した小説「行人」で登場人物にこう語らせている。  「人間の不安は科学の発展から来る。進んで止(とど)まる事を知らない科学は、かつて我々に止まる事を許してくれた事がない。(中略)どこまで伴(つ)れて行かれるか分(わか)らない。実に恐ろしい」  現代にも通じるような話です。ITやロボット、人工知能、遺伝子工学…。利便性や効率性ばかりを追求した果てに、どういう社会が待ち受けるのか。全ては科学技術の赴くままにという実情です。  最近では、このような将来予測も公表されています。  ・二〇一一年度に米国の小学校に入った子どもたちの65%は、大学卒業時にいまは存在しない職業に就く(米ニューヨーク市立大学のキャシー・デビッドソン氏)。  ・今後十~二十年程度で、米国の雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い(英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン氏)。  しかし、科学技術文明には公害や環境破壊、地球温暖化、大量破壊兵器といった負の遺産を生み出してきた歴史がある。その功罪を含めて人間の生存や社会の発展、継承のための「知」を探究するのは人文社会科学の使命なのです。 学問を市民の手に  名古屋市で先週、市民手づくりの哲学カフェが開かれました。教育をテーマに、見知らぬ人同士十人余りが意見を交わした。結論を出すのではない。互いの違いを認め合い、思索を深めるのです。  今やこうした「対話の場」は全国に広がる。稼ぐ力ではなく、本物の「知」に飢えているのではないでしょうか。本来、学問は国家のものではなく、市民のもの。無論、理系と文系を隔てる垣根など最初から存在しないのです。 "[he-forum 18910] 新潟日報9/11","新潟日報 2015年9月11日付 国立大3類型、県内3校は地域型 運営費交付金、評価に応じ配分  文部科学省は10日までに、国立大の改革推進策として、重点的に取り組む教育や研究の内容によって全86校を三つのグループに分ける枠組みをまとめた。卓越した教育研究で外国大学と競うグループに東大、京大など16校、地域ニーズに応える人材育成・研究を行うグループに新潟大など55校、特色ある教育研究を進めるグループに東京芸術大など15校が入った。長岡技術科学大、上越教育大も地域ニーズのグループに入った。  文科省は2016年度から運営費交付金の一部を、各グループに分かれた国立大の取り組み内容に応じて傾斜配分するが、現場からは「枠組みに縛られ、多面性を失いかねない」との懸念も出ている。  文科省は国立大の機能強化を図り、改革を促すためとして、各大学に三つのうちいずれかを選ぶよう要請。また、教員養成系や人文社会科学系の学部の廃止や改組を進めるよう通知していた。 ■国立大運営費交付金  2004年度に国立大が法人化され、人件費や施設・設備費など大学運営のための基盤的経費は、運営費交付金として国から支出されることになった。主に学生や教員の人数に基づき金額が決まり、2015年度予算では1兆945億円だった。減額傾向にある中、文部科学省は改革の取り組み内容によって傾斜配分する仕組みの導入を進めている。 "[he-forum 18935] 日本経済新聞(共同記事)9/22","日本経済新聞 2015/9/22 21:33 AO・推薦入試、30%に拡大 国立大協が改革プラン  国立大学協会は22日までに、書類や面接などで選考するアドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試、海外の大学の入学資格「国際バカロレア(IB)」取得者対象の入試の合格者を入学定員の30%に拡大することなどを盛り込んだ改革プランをまとめた。   来春の2016年度入試では、東大が推薦入試を導入、京大もセンター試験や面接による「特色入試」をするなど、AO・推薦入試を実施する国立大は増加して いるが、募集定員は全体の約15%にとどまる。国立大の規模や環境はさまざまで、全ての大学が改革を推進するためには体制整備など課題は多そうだ。  国立大学協会は各国が高等教育への投資に力を入れている海外の状況のほか、少子化や厳しい財政状況といった国内の事情を挙げ、抜本的な改革の必要があると指摘。改革プランへの取り組みを16~21年度に開始し、実行するとした。  プランでほかに掲げた目標は(1)留学生の受け入れ数や日本人学生の海外派遣数の倍増(2)理工系などを中心とした女子学生と女性教員の受け入れ環境整備――など。  各大学は地域色を生かした教育・研究を開発し他大学との連携や共同での教育も推進する。財政面では寄付金の獲得など多様な財源確保に努め、授業料については「奨学金などの支援方策と併せて検討する」とした。〔共同〕 "[he-forum 18934] 朝日新聞9/22","朝日新聞 2015年9月22日14時58分 国立大、「文系改革」に揺れる 文科省通知「廃止」言及 石山英明、河原田慎一 高浜行人 東京芸大とパリの国立高等美術学校の学生が共同でパフォーマンスを制作し、発表した=8月6日、新潟県の「大地の芸術祭」、東京芸大提供  全86校の国立大に対し文部科学省が6月に出した通知が波紋を呼んでいる。「廃止」という言葉を使って人文社会系学部の見直しを迫り、それに対応する大学も出始めた。一方で強い批判もあり、文科省は火消しに追われている。  「とうとうきたか……。戦時中の文系学生の学徒動員や高度成長期の理系偏重をほうふつとさせる」。文科省の通知に、滋賀大の佐和隆光学長はそう思った。  通知は「特に教員養成系、人文社会科学系学部・大学院については、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組む」と統廃合にも言及していた。経済と教育の2学部体制の滋賀大への影響は大きいという。  佐和学長は、産業競争力会議や文科省の有識者会議で「社会の要請に応えていない」「職業訓練大学に変えろ」と指摘されるたびに危機感を抱いてきた。「このままでは運営費交付金を削減され、極貧大学になる」。対策として滋賀大は2017年度、文理融合のデータサイエンス学部を新設。統計学と情報工学などを使ってビッグデータを解析し、新たな価値を創造する人材を育てる。経済・教育両学部の定員を減らして新学部に回すという。  人文社会系学部の見直しを検討する国立大は多い。  弘前大は16年度、教育学部の定員を70人減とし、人文学部を人文社会科学部に変えて80人減らす。一方で理工学部は学科の新設などで60人増やす。「大学の役割の再定義を踏まえた結果」(広報)という。  千葉大が 16年度に新設する「国際教養学部」は人文社会科学、自然科学、生命科学の学問分野にまたがる。定員の90人は、教育学、文学、理学、工学、園芸学部を減 らして捻出する。小沢弘明副学長は「ここ十数年、すぐ役立つ人材を育てるとか、企業がそれを要望するとかの流れがある。正しく大学の自治があれば、通知に どう対応するかは大学の考え方、見識しだいだ」と話す。  国立で唯一「芸術大学」を名乗る東京芸術大学も、文系学部の危機を前に「明治時代の開学以来」という改革に取り組む。「このままでは生き残れない。不退転の覚悟で世界最高峰を目指す」と宮田亮平学長。この7、8年で芸術系離れが進み、同大の受験者数は美術学部で約33%、音楽学部で約25%減ったという。  改革の中心はグローバル化だ。 昨年、芸術系大学で唯一、国のスーパーグローバル大学に認定された。最大3億円の支援を受け、美術学部は海外の4校と連携を進める。同学部の学生たちは7 月から、パリの国立高等美術学校の学生と2人1組で「私と自然」がテーマのパフォーマンスを制作。英語で話し合い、竹や布などの素材を集め、所作を考え た。  フランスの学生からは「原発事故」から「軽トラック」まで社会問題や文化と結びつけたキーワードが飛び出した。  作品は8月に国内外の芸術家が参加して新潟県で開かれた「大地の芸術祭」で発表された。「危険なものとの歩み寄り」を表現した彫刻専攻の大学院生角田里紗さん(23)は「今までは1人で黙々と素材を触っていた。フランスの学生のアイデアは刺激的で、社会への発信力が身についた」。  保科豊巳美術学部長は「学生には国際的な芸術祭で公開できるレベルを求めた。グローバルに考えた問題意識を社会に出せないと、世界で活躍する芸術家になれない」と考える。沢和樹音楽学部長は「今は例えば、芸術家を世界平和にどう役立たせるのか、自分の存在感をどう打ち出すのかが問われている」と話す。(石山英明、河原田慎一) ■文科省、批判対策に苦慮  大学が自主的に再編を続ける一方、通知を出した文科省は文系軽視との批判を受け、火消しに追われる。  18日、2千人以上の科学者でつくる日本学術会議の幹事会。文科省の常盤豊・高等教育局長は、文系を廃止して自然科学系に転換すべきだという意味ではない、と明確に否定した。7月に学術会議から「人文社会科学の軽視は大学教育を底の浅いものにしかねない」と批判されたためだ。  経団連も9日、安易な文系見直しに反対する声明を出した。下村博文文 科相は11日の記者会見で「非常に誤解を与える文章だった」と通知の不備を認め、「廃止」の対象は少子化で需要が減る教員養成系で、人文社会系には改善を 求めるというのが真意だったと説明。「経済界が即戦力を求めているからこうしたなんて一言も書いてないし、思っていない」と話した。  文科省によると、専門分野が細分化されて人文社会系の教育が「たこつぼ化」していることや、どんな人材を社会に送りたいかの説明が足りないことなどの課題があるという。幹部は「人文社会系はむしろ重要で、積極的に対応してほしいとのメッセージ」と説明する。  国立大の収入の4割を占める運営費交付金は年間約1・1兆円。なるべく特長のある分野に投資しようと、文科省は12~14年、各大学に強みとなる教育や研究の洗い出しを求めた。その結果、人文社会系の課題が大きかったという。  文科省の通知案を了承した「国立大学法人評 価委員会」委員の河田悌一・日本私立学校振興・共済事業団理事長は、国立大人文社会系には、ほとんど勉強しなくても単位が得られる科目があるなどの課題を 指摘する。「多額の交付金に守られ、社会でどんな役割を果たすのか説明してこなかった」。少子化の中、改革しなければつぶれる。そんな私立大なら当然の意 識も乏しかったという。(高浜行人) ■研究・教育のバランスを  〈本田由紀・東京大大学院教授(教育社会学)〉 国立大の人文社会系学部は、学生や社会の側に立って授業の魅力を十分説明できていない面もある。また、分野によって専門知識の習得や社会問題への関心の喚 起が乏しいなどそれぞれ課題があり、カリキュラムの偏りを正す工夫の余地がある。財政事情が苦しい中、投資に見合った人材育成を求める国の考えにもそれな りの背景はある。ただ、教員が減るなどして結果的に人文社会系分野の研究が衰退するとすれば問題だ。これ以上国に改革の口実を与えないよう、大学院などで 研究機能を維持しつつ、教育では組織や内容を工夫するなどバランスの取れた改革が必要だ。 "[he-forum 18933] 産経新聞9/21(2)","産経新聞 2015年9月21日 生き残りかけ独自色新学部、九州の国立大続々設置へ  九州の国立大学3校が来春、地域ニーズに応じた人材輩出を目指し、新学部を設置する。宮崎大は農業の「6次産業化」などで新ビジネスを生み出す人材、佐賀大は窯業振興を図る技術者、大分大は医療知識を備えた介護専門家を育てる。18歳人口の減少で国立大にも“再編の波”が押し寄せる中、各大学は生き残りをかけて手を打つ。(九州総局 奥原慎平)                    ◇  「農業の専門知識だけではなく、地域に出て農家や企業の抱える課題を吸い上げ、解決するリーダーを育成していきたい」  宮崎大に平成28年4月に新設される「地域資源創成学部」の講師、近藤友大氏(33)はこう語る。  近藤氏は国内での南国果実研究の第一人者だ。日照時間が長く、年平均気温も17度と温暖な宮崎県は南国原産の果実の生産が盛ん。マンゴーの生産量は沖縄県に次ぐ国内2位を占める。  一方で、宮崎からは地域経済の担い手となる若年層の県外流出が続いている。  そこで、新学部では植物栽培や畜産などの知識の習得だけで終わらせず、地域経済を建て直す担い手の養成を看板にした。  農家や企業からの聞き取りをふまえ、学生が特産品の生産・加工・流通まで担う「6次産業化」を図る「まちおこしプロジェクト」の企画はその1つだ。  新学部開設前までに、大学側は100近い県内の中小企業から「プロジェクトに協力する」との同意を取り付ける。講師陣はマーケティングやメディア広告の企業経験者などと多彩だ。  宮崎大副学長の原田宏氏は「農業県の特色を生かし、地元の期待に応えるプロジェクトを学生の視点で提案したい。(交通の便も悪く)辺地と呼ばれる宮崎から、『地方創生』のロールモデルを作る」と意気込んでいる。  一方、佐賀大では来年度、県立有田窯業大学校(有田町)を統合し、「芸術地域デザイン学部」を新設する。4年制の課程では有田焼の製作技術や歴史に加え、販路開拓に役立つ経済知識を学べるのが特徴だ。佐賀大企画評価課長の寺町孝章氏は「窯業技術に限らず、有田焼の産業振興に貢献できる人材を養成したい」と強調した。  大分大福祉健康科学部では高齢者介護の需要増に応じ、医学の高度な知識を身に付けた社会福祉士や理学療法士らを育てる。  介護の仕事は一般に、医師や自治体職員ら異なる職種と関わる機会が多い。それだけに、新学部では医学部生や看護学科の学生らを交えた「介護シミュレーション」をカリキュラムに加え、職種を横断した連携を図れるように工夫した。  3大学の担当者は「他の大学・学部には珍しく、地域の特色に応じた地域に貢献できる学部になるはずだ」と異口同音に語った。                  × × ×  こうした動きは地方創生の一翼を担う学究機関を新たに創る以外に、実はもう1つの側面がある。  文部科学省が原則廃止を求めている、教員免許の取得を義務付けない教育系学科、いわゆる「ゼロ免課程」の募集停止に伴う学部再編という側面だ。  文科省と各国立大が平成24~25年度にかけ、共同で取り組んだ大学改革の論点整理には18歳人口の減少を背景に「ゼロ免課程」の廃止が盛り込まれた。宮崎、佐賀、大分の3大学には同課程で計375人分の定員がある。その募集廃止に伴う「穴埋め」をするための新学部創設という意味合いだ。  文科省は18歳人口が平成26年の118万人から43年には99万人にまで減少すると予測した。国立大学の危機感は募るばかりだ。  大学の収入の柱となる国からの「運営費交付金」も年々減少し、25年11月に文科省が策定した「国立大学改革プラン」では、交付金の配分額は大学の「成果」に応じ、割り当てられるとの方針が示された。今年6月には教員養成系学部の組織再編を迫る「通知」も出され、大学側は自己改革を迫られた。  国立大学の関係者には「文部科学省は国立大の再編を狙っているのでは」との懸念が広がった。中国地方のある大学副学長は「近隣大学との統合をいかに防ぐべきか。そのために独自色を出すほかない」とぼやいた。  それでも、大分大企画課長、平山浩次氏は「大学がぼけっとしている時代は過ぎた。田舎の中規模大学ほどリソース(財源・人的資源)は限られ、学生集めも厳しいが、大学は地域社会が求める人材を出すべきだ。今後の大学再編の方針は不透明だが、柔軟に地域の要請に応えていきたい」と、「生き残り」への決意を新たにしていた。                    ◇  6月の文科省「通知」 文科省は今年6月8日付で、教員養成系学部・大学院について「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組む」よう、全国の国立大学86校の学長らに要請する通知を下村博文・文部科学相名で出した。  大学側は来年度からの大学運営計画(6年間)を6月末までに作成する必要があり、「通知」の趣旨に沿う必要があった。  通知には教員養成系の学部や大学院に加え、人文社会科学系の学部や大学院も対象となっており、「文系軽視」だと日本学術会議(東京)が批判声明を出すなど波紋を広げた。下村氏は「人文社会科学系は『廃止』ではなく『見直し』を求める趣旨だった。表現が誤解を与えた」と火消しに追われた。 "[he-forum 18932] 産経新聞9/21","産経新聞 2015年9月21日付 国立大学の企業出資解禁へ 産学連携をさらに強化  政府が国立大学の出資規制を緩和し、企業への出資を解禁する方針を固めたことが20日、分かった。今秋の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)で提案する。現在認めているベンチャー育成の投資ファンド(ベンチャーキャピタル=VC)への出資に加え、企業への直接出資も認めることで産学の連携を強め、大学の経営基盤の強化や企業の競争力向上につなげる。  出資規制の見直しは、政府が掲げる「国立大学経営力戦略」の一環。大学の研究成果をもとに事業化を目指す企業への直接出資のほか、大学施設への企業誘致なども認める方針。共同研究相手以外の企業にも施設利用の門戸を広げる。  政府は、平成26年の産業競争力強化法施行で国立大のVCへの出資を解禁。大学がVC子会社を設置し、保有する特許を活用した事業の立ち上げや、大学発ベンチャーを育成する取り組みを後押しできるようにした。これに続く企業への直接出資の解禁で、大学はより多くの事業に出資したり、経営陣に参画するなどで、企業との関係を一段と強化できる可能性がある。  一方、大学側では今後、出資先の企業を選定する際の透明性の確保などが課題となりそうだ。 "[he-forum 18931] 読売新聞9/22","読売新聞 2015年9月22日付 国立大AO・推薦枠倍増、3割に…18年度目標  国立大学全86校が加盟する「国立大学協会」(会長=里見進・東北大学長)は、AO・推薦入試などの合格者を2018年度までに、現在の2倍にあたる入学定員の30%に引き上げることを盛り込んだ改革プランをまとめた。  外国人留学生の受け入れも21年度までに倍増させる。財政面では安定的な大学運営のため、今後、授業料の値上げも検討するとした。  国立大の改革は、これまで国主導で進められてきたが、一部の大学では教授会の反発などで十分に進んでこなかった経緯がある。しかし、今回は18歳人口の減少や国の財政難を受け、国立大側が自らの役割や組織の抜本的な見直しを掲げており、改革が加速するきっかけになりそうだ。  プランでは、国際的な大学間競争が激化しており、各大学は自己変革に取り組む必要があると指摘。優れた資質、能力の学生を確保するため、来春の16年度入試では入学定員(計9万5760人)の15・6%にとどまるAO・推薦入試と、世界各国の大学入学資格が得られる「国際バカロレア」を活用した入試の合格者の総数を、18年度までに定員の30%に拡大することを目指す。 "[he-forum 18930] 中日新聞9/22","中日新聞 2015年9月22日付 名大産学連携、一つ屋根の下で 未来社会創造機構  加速する超高齢社会を見据えた近未来の自動車などの技術開発が、名古屋大(名古屋市千種区)を舞台に進められている。特徴は大学の研究者と企業の技術者がともに名大に昨年できた未来社会創造機構に籍を置き、一つ屋根の下で研究する新しい連携体制。日本を引っ張ってきた「ものづくり」の地・愛知から、新たな価値を生み出す挑戦が始まっている。  八月末、東京で開かれた科学技術振興機構(JST)の展示会。「今日は少し集中力が低いようです。注意して歩きましょう」。一人掛けの椅子に取り付けられた機械から電子音声が流れると、立ちやすいように椅子が斜め前に傾いた。  名大とパナソニックが開発を進める「スマートチェア」の試作品。「さりげなく支え、常に見守る」がコンセプトだ。背もたれや肘掛けに超高感度のセンサーが内蔵され、脳波や脈、呼吸を計測している。指先の血流変化を検出して血中の酸素濃度を測って疲労度などもはじき出すという「賢さ」だ。名大が開発したセンサーを活用し、パナソニックが実装化を目指す。  「十年後のスマートハウスは、住んでいて元気になる空間ではないかとの考えから出発している」。パナソニックから名大に出向中の大野鋭二特任教授はそう話す。  機構のある名大の産学官連携拠点「ナショナル・イノベーション・コンプレックス(NIC)」には、パナソニックのほかトヨタ自動車や東芝なども研究室を構える。国とJSTのプログラムに採択され、大学の知恵や技術を製品化に結び付けるだけでなく、十年先の社会のあり方から必要な技術を生み出すのが目標だ。  高速道路走行などで既に実用段階にある自動運転の技術を改良し、一般道で危険を予測して運転に介入する仕組みの研究もその一つ。超高齢社会において「運転によるお年寄りの移動をどう維持し増やしていくか」をテーマに設定する。  周辺の歩行者の位置から危険を予測することは技術的に可能だが、急にハンドルやブレーキが作動すれば混乱しかねない。「どういう形でロボットが支援するか」を検証するため、高齢ドライバーの行動特性をデータベース化する研究なども進めている。  トヨタから参加する江崎研司客員教授は「エンジン性能の向上などと違い、こうした研究は社会システムとセットで考える必要があり、一企業ではなかなか難しい」とタッグを組んだ理由を語る。  未来社会創造機構長の財満鎮明教授は「これまでの産学連携は研究者個人と一企業という“糸電話方式”だったが、ここは組織と組織で動いている」と説明。商品化を強く視野に入れた研究だけに、名大は特許などの知的財産や事務を担う約百人のスタッフを機構に移す力の入れようだ。  大学にとっては自動車関係の研究拠点という印象や設備、ノウハウが残るのも利点。松尾清一学長は「世界をリードする拠点に」と意気込む。 (中崎裕) "[he-forum 18929] 日本経済新聞9/18","日本経済新聞 2015年9月18日 法科大学院、補助金基礎額ゼロ4校 文科省が5段階評価  文部科学省は17日、法科大学院への2016年度の補助金算定に向けた5段階評価を公表した。司法試験合格率などから国立・私立大計43校のうち13校を最高評価とする一方、私立大4校は補助金基礎額がゼロになる最低ランクとなった。  文科省は一部の法科大学院で司法試験合格率が低迷していることを受け、15年度から補助金の傾斜配分を始めた。合格率や入学定員充足率などを点数化し、教員給与として支給する基礎額を90~0%の5段階に分類。先進的な教育プログラムなどを導入した法科大学院には一定額を加算する。  最低評価だったのは北海学園大、駒沢大、近畿大、西南学院大の4校。最高ランクは東京大や京都大など13校だった。国の補助金を受けていない公立の首都大学東京と大阪市立大、来年度の募集をしない法科大学院は対象外。  17日に省内で開かれた有識者会議で示された。会議冒頭、明治大法科大学院教授による司法試験問題漏洩について法務省担当者らが報告。井上正仁座長(早稲田大教授)は「学生や大多数の教職員の取り組みを踏みにじり、愚弄するもので強い憤りを禁じ得ない。法科大学院として見直すべき点があれば速やかに対応する」と述べた。 "[he-forum 18928] 毎日新聞社説9/22","毎日新聞社説 2015年9月22日付 新共通テスト 大学個別入試の充実に  現行の大学入試センター試験に代わる新たな共通テスト「大学入学希望者学力評価テスト」が2020年度に導入される。大学入試改革論議を進めてきた文部科学省の専門家会議が、中間報告の柱に挙げた。  このテストは、問題をめぐる思考過程や判断力などを重視する。試行を経て24年度には、コンピューターによる出題・解答方式(CBT)や記述式問題の本格導入を検討する。  実際どのような形の試験になるのか、条件整備はどう進めるのかなど、これから詰めていくべき課題は山積している。  そして肝心なのは、各大学がこのテストで受験生の学力評価をするのにとどまらず、適性や討論の力、高校での活動など多面的な評価で独自の個別選抜を工夫することだ。  分断している高校と大学教育の連続的なつながり(高大接続)を構築し、1点刻みでふるいにかけるような知識中心の入試を改める−−。それが今の改革論議の出発点だった。  目玉ともいえる新共通テストはセンター試験と同様、50万人を超すマンモス試験になる。CBTは音声や動画なども活用でき、多様さ、効率性で、従来のペーパーテストではできない出題が可能だという。  一方、受験生の端末機器をどう整えるか。予算的な見通しも判然としない。機器のトラブル対応やバックアップに不備があっては、試験の公平性、信頼性は大きく揺らぐ。  公平という意味では、受験生のコンピューターを扱う習熟度に大きな「格差」がないようにすることも要件ではないか。  1979年からの共通1次試験、90年からのセンター試験など、大学入試制度は「猫の目」にたとえられるほど変転し、しばしば目的と現実の隔たりを生じた。  多様な組み合わせを期待したセンター試験だが、大学によっては受験生確保のため受験指定科目を少なくし、あるいは、センター試験だけで判定して個別の2次試験をしない大学もある。学力低下の背景でもある。今回の改革を大学個別の選抜のあり方を見直す機会としたい。  具体的イメージを欠く理念はしばしば空転する。  その意味で中間報告は具体像が足らず、理解が得られないのではないか。例えば、思考力や判断力などを試す出題。教科・科目を融合した問題。まだつかみどころがない。  重要なのは、他の教育政策と同様、社会に開かれた議論と共通認識の形成だろう。  小中高校教育にも波及するような今回の改革は、とりわけ教育界にとどまらず、社会に広く理解されることが大切だ。 "[he-forum 18927] 新潟日報9/17","新潟日報 2015年9月17日付 県立看護大、評価は「順調」 県評価委員会 14年度の国家試験合格率高く  県公立大学法人評価委員会の看護大学部会は16日、県立看護大(上越市)の2014年度業務実績に対する評価をまとめ、全体評価を5段階で上から2番目の「順調」と判断した。志願倍率が伸び、国家試験合格率も3職種全てで100%となるなど、教育に関する評価が高かった。     ◇    ◇  法人化されて2回目の評価で、13~18年度の中期計画の進捗(しんちょく)度をみた。  全体評価は前年度より1ランク上がって「順調」とした。七つの柱のうち教育と地域貢献は「順調」と評価した。看護師、保健師、助産師の国家試験合格率はそれぞれ100%。志願倍率は5・93倍と目標の4倍を超え、新卒者の県内就職率も70%と目標を8ポイント上回った。  一方、研究は前年度に続き「おおむね順調」だったものの、査読付き論文数が48件と目標を9件下回った。大学運営に関する4項目は「おおむね順調」だった。  この日は部会長の伊藤正一県医師会参与が県庁を訪れ、泉田裕彦知事に評価書を提出した。伊藤氏は全体を評価した上で「研究はもう一歩頑張ってほしい」と話した。泉田知事は「大学の運営が円滑にいくようにしていきたい」と述べた。 "[he-forum 18926] 毎日新聞新潟9/19","毎日新聞新潟版 2015年9月19日付 長岡技科大:「企業をグローバル化」 東・新学長が抱負  長岡技術科学大(長岡市)の新学長に就任した東信彦氏(60)が18日、同大で記者会見し、「20、30年後の日本産業界が発展するため、グローバルな活躍ができる企業が育つよう大学として支援したい」と抱負を述べた。また、世界レベルの研究機関の開設や、企業などと連携した「仮称・長岡技学グローバルセンター」を設置する考えを明らかにし、「長岡を、グローバル化を目指す日本の中小企業のメッカにしたい」と述べた。  東学長は大阪府出身で、北大大学院修了。1990年から長岡技科大。専門は雪氷学で、各国の南極観測にもたびたび参加している。任期は2019年3月まで。【金沢衛】 "[he-forum 18925] 佐賀新聞9/16","佐賀新聞 2015年9月16日付 佐賀大・佛淵学長、退任会見で総括 「全国で最も経営考えた学長」  今月末に任期満了で退任する佐賀大学の佛淵孝夫学長が15日、会見を開き、新学部設置や美術館建設などに取り組んだ6年間を「時代が後に評価することだが、現時点ではベストの選択だった」と振り返った。  佛淵学長は2009年10月就任。研究・教育に関する成果をデータとして集めて分析し、予算配分などに生かす経営戦略を立案する「IR室」を全国の国立大学に先駆けて導入。「これまで大学経営は根拠に基づいてこなかった。全国で最も経営を考えた学長と自負している」と胸を張った。  国の大学改革とも連動する形で、自治体や企業との協働で地域活性化に貢献する「COC構想」など、急進的に改革を進めたことについて「明確なビジョンを示すという点で足りなかった部分がある」としつつも、「狭い“たこつぼ”の中で学生を育てても意味がない」と、教職員のさらなる意識改革を求めた。  退任後については「今はまっさらな気持ち。要請があれば、自身の原点である医療現場に戻りたい」と話した。 "[he-forum 18936] 共同通信9/24","共同通信 2015/09/24 20:40 軍事可能研究に16大学応募 東工大や岡山大 防衛省が費用支給  小型無人機やサイバー攻撃対策など軍事技術への応用が可能な基礎研究に研究費を支給する防衛省 の初の公募に、東京工業大や岡山大など少なくとも16大学が応募したことが22日、分かった。共同通信が理工学、医学部門を持つほぼ全ての国立大と主な公 立、私立大、計93大学を対象にアンケートした。  国内の大学は太平洋戦争に協力した反省から、長らく軍事研究から距離を置いてきたが、公募は民生用にも使える基礎研究に限定し、成果の公開を原則とした ことから一定数の応募があったとみられる。一方で専門家からは「軍学共同研究」が歯止めなく広がり、学問の自由が脅かされる懸念を指摘する声も出ている。  防衛省は7~8月に「小型飛行体実現に役立つ基礎技術」「サイバー攻撃対処」など28項目の研究課題について研究者を公募。予算総額は3億円。採択されると最大で年3千万円の研究費が支給される。防衛省は近く採択結果を発表する。  アンケートに「応募あり」と答えたのは静岡大、愛知工業大、香川大、鹿児島大など。大阪市立大と東京都市大は複数応募したという。また、17大学が軍事利用可能な研究への対応について明確なルールを持っていた。  応募した大学のうち、千葉工業大は「兵器・軍事技術に関する研究を行わない」との基本理念があるが「自衛隊の救助活動、災害対応技術で、兵器・軍事への 利用可能性は皆無」などと説明。関西大も「軍事目的の研究は禁止」との倫理基準を持つが、応募に当たって「直接的な軍事利用を目的としていないとの文書の 提出を研究代表者に求めた」とした。  東京大、慶応大、金沢大、名古屋大、大阪府立大、鳥取大など9大学は回答できないとした。東京大は、今年1月に軍事研究の禁止に関する声明を出しており、これを踏まえて研究者や部局で判断して対応するとした。  東京大、名古屋大を除く京都大など旧帝大5大学は「応募なし」としたのに対し、地方の国立大の応募が7件と比較的多いのが目立った。  ▼直接「軍事」以外は許容 深入り危険と専門家  日本の大学は、戦後長い間、軍事に関連する研究に消極的だったが、アンケートでは、直接的な軍事研究でなければ応募は許容されるとの見解が目立った。科 学者と軍事研究の関係に詳しい 池内了 (いけうち・さとる) 名古屋大名誉教授(宇宙物理学)は「軍事目的につながるのは明らか。深入りすれば秘密研究に巻き込まれて、研究者人生を損なうことになりかねない」と警告 する。安全保障関連法の成立と時期が重なるだけに波紋を呼ぶ可能性がある。  科学者らで組織する日本学術会議は1950年と67年に戦争を目的とした研究は行わないとの声明を発表しており、多くの大学は、この方針に従ってきた。  だが近年は、インターネットや衛星利用測位システム(GPS)など軍事技術が市民の暮らしに還元される例が出てきた一方で、通信や情報技術、ロボットなどの分野で軍事にも利用できる大学の研究成果が増えていて、軍事と民生技術の線引きが難しくなっている。  「積極的平和主義」を掲げて防衛力強化を進める安倍政権は、民生技術を積極活用する方針を打ち出し、防衛省が公募を開始。大学側の対応が注目された。  アンケートでは、今回は応募しなかった大学でも、「直接軍事につながるような研究は行わない。民生利用目的は応募を妨げない」(熊本大)などと将来の応募の可能性を排除しない大学が多かった。  池内さんは、今回のアンケート結果について「(研究費の)台所事情の苦しい地方大学や単科大学で手を挙げたケースが目立つ」と分析。今回は様子見で、次 回以降にという大学が多いとみており、「軍事研究とは関わらないのが最善の選択。研究成果の公開が担保されるかなど、監視が必要だ」と訴えている。  ▼真剣に考えておくべきだ  近著『科学者は戦争で何をしたか』で科学者と軍事の関係を取り上げた、 益川敏英 (ますかわ・としひで) ・名古屋大特別教授(ノーベル物理学賞受賞者)の話 アンケートでは応募した大学は少数派で、今のところはまだ歯止めがきいていると感じた。今後、背に腹 は代えられないと応募する例が増えるかもしれないが、平和な今のうちに、研究の軍事利用について真剣に考えておくべきだ。防衛省の公募は始まったばかりで 軍事利用の色合いは薄いが、そのうちだんだん濃くなっていくだろう。研究者は心の中に警戒心を持っていないといけない。  ■防衛省の研究公募 防衛省が本年度から始めた「安全保障技術研究推進制度」。本年度は28項目の基礎的な研 究テーマを提示し、大学や独立行政法人、民間企業の研究者からの提案を公募した。防衛省側で応募内容を審査し、その評価に基づいて委託研究費を配分する。 研究成果は、国の防衛や災害派遣、国際平和協力活動などで用いる装備品の開発につなげるほか、民生分野でも活用される。防衛省は研究成果の公開を原則とし ている。  (共同通信) 2015/09/24 20:40 "[he-forum 18937] LivedoorNews9/24","Livedoor News 2015年9月24日 18時0分 増える高学歴プア、博士号を取ってもフリーターのワケ 理系の博士号をもつ28歳男性の手取り額が20万円弱? 「中卒月収40万円VS院卒20万円」とい うショッキングな見出しのネット記事が注目されています。理系の博士号をもつ28歳男性の手取り額が20万円弱という内容で、一部の極端な事例を紹介した ものですが、現代日本の教育・研究と就労という重要な部分について、一面の事実を明らかにしていると思えます。 内閣府の統計資料によれば、昭和60年に大学院博士課程に在籍していた人の数は2万1541人。それが平成23年にはおよそ2.6倍の7万4779人となっています。20年ほどで2.6倍に増加した博士課程の修了者たちは、その後どのような進路をたどるのでしょうか? 文 科省の科学技術政策研究所がまとめた「平成20年度大学院活動状況調査」によれば、この年に大学院の博士課程を修了した人が全国で約1万6000人。この 中で、大学教員になった人が2400人。その他の公務員や医者になった人が2800人。民間企業や公的研究機関に就職した人が4000人とあります。残り 6800人ほどの内、約2200人がポストドクターとして研究室に残っていますが、その他は「一時的な職に就いた者等2900人」と「進路不明1600 人」とあります。 博士課程に進んでも大学の教員職に就くのは狭き門 ところで博士課程に進学を決めた人々は、その 時点で修了後の進路をどのように考えていたのでしょうか?前出の研究所が2012年に発表した、博士課程修了者の経済状況に関する調査結果があります。そ の中で、「博士課程進学時に修了後の進路として意識していた職種区分」という項目があり、それによれば2000人の回答者中1699人が「研究・開発職」 と回答しています。「非研究職」は300人です。 博士課程を志す人は、いつまでも自分の好きな研究をしていたいということでしょう。しかし 上記の通り大学の教員職に就くのはかなりの狭き門で、いつになるか分かりません。民間の研究室に就職するにも、求められる専門分野と能力が、自分にマッチ していなければ難しいでしょう。そうすると博士課程を修了し、もしかすると博士号も取っている人が、研究職に就くことができないまま、フリーターのような 形で必要最低限の収入を得つつ、自分の進路をどうすれば良いのか途方に暮れている姿が目に浮かびます。 社会に求められる仕事を「探し出す・創りだす」意欲が必要 博 士課程に限らず大学院に進学を考えるときは、そのすぐ向こうにある「職探し」の現実をもっと真剣に考えるべきです。「いくら何でも博士号をとってフリー ターにはならないだろう」、そんな考えではこの20年で様変わりした社会についていけないでしょう。学歴や資格さえあれば仕事が「もらえる」と期待する人 よりも、社会や会社に求められる仕事を「自分から探し出す・創りだす」という意欲が、今は評価され必要とされているのです。 研究者の道を選ぶ人は、自分のやりたいことをする喜びを第一として、生活面での苦しさは覚悟する必要があります。そこまでの覚悟ができない人は、進路選択の際に少し先に見えるはずの「就職」というハードルをどうやって飛び越えるか、しっかりと考えましょう。 【安藤 ゆかり:研修講師・キャリアコンサルタント】= "[he-forum 18944] 南日本新聞社説9/24","南日本新聞社説 2015年9月24日付 [防衛省研究公募] 軍事偏重に歯止め必要  軍事技術に応用が可能な基礎研究を助成する防衛省の新たな制度に、全国の国公立大や私大などから少なくとも16大学が応募した。  制度は防衛省が研究テーマを提示し公募する方式で、最大で年3000万円の研究費を支給する仕組みだ。  研究テーマには「昆虫や小鳥サイズの小型飛行体実現に役立つ基礎技術」「サイバー攻撃への対処」といった項目が並ぶ。鹿児島大学は「高周波回路の性能向上」について応募した。  防衛力強化を進める安倍政権は、民生技術を積極活用する方針を打ち出している。  軍学共同研究の動きは今後ますます加速しそうである。なし崩しに軍事偏重とならないよう、しっかりした歯止めが必要だ。  日本の大学は戦後、軍事研究から距離を置いてきた。太平洋戦争に協力した反省を踏まえてのことだった。  科学者らでつくる日本学術会議は1950年と67年に、戦争目的の研究は行わないとの声明を発表している。  ただ、近年は軍事と民生技術の線引きが難しくなっているのも確かだ。  軍事技術として開発されたインターネットや衛星利用測位システム(GPS)は今や社会に欠かせない。通信、情報技術やロボットなどの分野で軍事利用できる研究成果も増えている。  とはいえ、大学が軍事研究に取り込まれては本末転倒だ。日本の科学・技術が掲げてきた平和主義は守らなければならない。  気になるのは、大学の基礎研究が資金難にあえいでいるとされる現状だ。  科学者と軍事研究の関係に詳しい池内了名古屋大名誉教授は、研究資金を支給する防衛省の動きに「ぴたっとはまってしまいかねない状況がある」と警鐘を鳴らしている。  防衛省は今回の公募に当たり、民生用にも使える基礎研究に限定し、成果の公開を原則とした。最低限の縛りとして当然だ。  折しも安全保障関連法が成立したばかりだ。秘密のベールに覆われてしまわないよう積極的な情報公開が欠かせない。  ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英氏は「研究の軍事利用について真剣に考えておくべきだ。研究者は心の中に警戒心を持っていないといけない」と述べた。  研究者一人一人の自覚が大切だという戒めだろう。自らの研究が社会でどう使われるかにも責任がある。その良心を見失ってはならない。 "[he-forum 18943] 琉球新報社説9/25","琉球新報社説 2015年9月25日付 防衛省研究公募 「軍学共同」の構築許すな  大学の研究を軍事活動に直結させてはならない。学術が戦争に加担した反省や大学の自治に照らしても、軍事目的の研究は拒否するという姿勢を堅持すべきだ。  軍事技術への応用が可能な基礎研究に研究費を支給する防衛省の初の公募に対し、国内16大学が応募していた。本紙の調べによると県内大学の応募はなかった。  防衛省の研究公募は本年度に始まった「安全保障技術研究推進制度」に基づくものだ。公募した主な研究テーマは「小型飛行体実現に役立つ基礎技術」「サイバー攻撃対処」などである。研究成果は装備品の開発につなげるほか、民生分野でも活用されるという。  直接的な軍事研究でなければ応募は許容されるという見解が大学側にはあるようだが、危機感が薄いのではないか。学者が軍事研究にのみ込まれる可能性がある。大学の自治と学問の自由が侵される恐れもある。大学は慎重に対処すべきだ。財政難を理由とした安易な応募があってはならない。  県内大学は「教育機関である大学が軍事研究に協力すべきではない」(沖縄国際大学)などの認識を示した。見識に敬意を表する。  「積極的平和主義」を掲げる安倍政権は、民生技術の積極活用を打ち出している。2013年12月に閣議決定された防衛計画大綱も「防衛にも応用可能な民生技術の積極的な活用」をうたった。  これらの経緯からして、公募の主目的は大学を取り込んだ軍事研究にあり、「軍学共同」の構築を意図したものというべきだ。そのようなことを許してはならない。  日本の大学は戦後、軍事研究に距離を置いてきた。戦争に加担した責任を痛感してのことだ。   科学者でつくる日本学術会議は1949年の発足に当たり、科学は「文化国家ないし平和国家の基礎である」と定義付け、憲法が定める学問、言論の自由を確保すると誓った。50年には「科学者としての節操を守るためにも、戦争を目的とする科学の研究には、今後絶対に従わない」という決意を表明した。  いずれも科学者が国策に追随し、戦争遂行に加担した反省を踏まえたものである。その意義は今日も減じてはいない。日本の大学はこの理念に立ち返るべきだ。  防衛省の公募制度は敗戦から得た教訓を無にしかねない。その危険性を直視すべきである。 "[he-forum 18942] 沖縄タイムス9/24","沖縄タイムス社説 2015年9月24日付 [大学の軍事研究]加担の過ち繰り返すな  戦争に協力した反省から、軍事研究とは一線を画してきた大学の研究者のあり方が変わるのではないか。そんな懸念が消えない。  防衛省は軍事技術として応用可能な基礎研究に研究費を支給する公募をしていたが、少なくとも16大学が応募していたことが共同通信のアンケートで分かった。  公募は最初から軍事技術への応用が可能な基礎研究とうたっている点が特徴だ。「安全保障技術研究推進制度」というのが正式名称で、防衛省が本年度から導入した。7月に募集を開始。28項目の研究課題について公募していた。  「昆虫あるいは小鳥サイズの小型飛行体の実現」「微生物や化学物質を数十メートルの距離から検知識別」などが研究テーマである。  軍事研究に大学を取り込む方針は、2013年12月に閣議決定された防衛計画大綱がすでに示している。「大学や研究機関との連携の充実等により、防衛にも応用可能な民生技術(デュアルユース技術)の積極的な活用に努めるとともに、民生分野への防衛技術の展開を図る」  デュアルユースとは、生活を豊かにする民生と軍事のどちらにも利用できるという意味だ。主な研究テーマからも想定できるように、「もろ刃の剣」である。  国立大学は法人化に伴い交付金が減少している。そこに防衛省からの公募である。本年度、約3億円が計上されており、1件当たり年間最大3千万円支給され、文部科学省の科学研究費補助金などと比べると破格である。研究者の気持ちは揺らぐに違いない。     ■    ■  軍事技術に応用可能な研究をうたった公募に安易に乗るのは、学問の自由を捨てるのに等しいのではないか。  各分野の最高水準の専門家が集う日本学術会議は戦後の1949年の発足総会で、科学者が戦争に協力してきたことを強く反省し、わが国の平和的復興と人類の福祉増進のために貢献する趣旨の決意表明をした。  50年には「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明」、67年には「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を繰り返し出している。  先の大戦に深く関わった反省を踏まえ、科学者の「社会的な責務」を表明したものであろう。  安倍政権は昨年4月、武器輸出三原則を撤廃し、防衛装備移転三原則を定めた。武器輸出の条件を緩和し、共同開発に道を開くものである。  10月には研究開発を所管する防衛省の外局として防衛装備庁が新設される。  今回の公募はこれらの動きに連なるものである。     ■    ■  英国の科学誌が「日本の学術界、軍事の侵入を懸念」と題して報じている。  防衛省は研究成果の公開を原則としているという。だが、特定秘密保護法が施行されている。十分に情報公開されるかどうか、額面通りに受け取るわけにはいかない。  研究は「学問の自由」の下でなされ「国策」に取り込まれることではあるまい。研究者のモラルも問われている。 "[he-forum 18941] 共同通信9/25","共同通信 2015年9月25日15時30分 【国立大文系学部の改革通知】文科省、火消しに躍起 「誤解」強調、見直し否定  文部科学省が6月に国立大に出した通知が波紋を広げている。教員養成系、人文社会科学系学部の廃止などを求めた内容に「文系軽視だ」と学者らが猛反発。ニュースは海外にも伝わり、文科省は「誤解がある」と火消しに躍起だ。ただ、通知の見直しは否定しており、理解を得られるかどうかは不透明だ。 ▽釈明  「社会のニーズにも対応できるけど、さらにその先のニーズをつくり出していけるくらいの人を育成しないといけない。それがこの通知から読めないのが問題だ」  18日に東京都内で開かれた日本学術会議の幹事会。副会長を務める宇宙飛行士の 向井千秋 さんが切り出した。  幹事会には文科省の幹部も出席。7月に「人文社会科学の軽視は、大学教育全体を底の浅いものにしかねない」と通知を批判する声明を発表した日本学術会議に対し、釈明する場となった。  文科省は文書を配布し「特定の分野を軽視したり、すぐに役立つ実学のみを重視したりはしない」と強調。 常盤豊高等教育局長は「理解してもらえるよう、努力を重ねたい」と説明した。 ▽本音  問題となった通知は6月8日付。国立大に組織改革を促す中で、教員養成系、人文社会科学系学部を名指しし「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする」と明記していた。  意味するところは何か―。文科省は日本学術会議などへの説明で、廃止を念頭に置いているのは、教員養成系学部のうち教員免許取得を卒業要件にしない、いわゆる「ゼロ免課程」だと主張。  廃止分を「生涯にわたって社会で活躍するために必要な能力を身に付ける教育組織の設置」に充てることを想定しているとした。  ただ、通知からそこまで読み取るのは難しい。イノベーション創出に重点を置いた国立大改革が安倍政権の成長戦略に盛り込まれており、国立大を理系中心の即戦力養成機関に変えたいとの本音が出たとの見方が一気に広がった。 ▽転換  通知に対し、大学関係者や有識者らは「教養教育の軽視だ」などと批判を展開。報道も相次ぎ、国内のみならず、英教育誌のウェブサイトの記事にも「日本の人文社会科学系学部が『閉鎖へ』」との見出しが躍った。  当初「議論が出るのはいいことだ」(幹部)と余裕の構えを見せていた文科省も方針転換する。  下村博文文科相が記者会見で「誤解を招く文章だったことは否定できない」と認め、下村氏や幹部らが、マスコミの取材や大学関係者が集まる会議での説明に積極的に応じている。ただ、通知の撤回や見直しには否定的だ。  今月18日の日本学術会議の幹事会終了後、 大西隆会長は「文科省の説明は理解した」としながらも付け加えた。「本当は通知を取り換えるのが一番いい」 "[he-forum 18940] 長野日報9/26","長野日報 2015年9月26日付 産学連携あり方探る 伊那で異業種交流シンポジウム  伊那商工会議所の伊那異業種交流研究会は25日、シンポジウムを伊那市のいなっせで開いた。約70人が参加。信州大学の研究者2人を招き、最先端の技術を研究する同大学の取り組みに触れて、地元産業界と同大学との連携のあり方を探った。  製造から建設、流通と幅広い業種の35社で構成する同会。産学共同の新たな接点を築こうと、今回初めてシンポジウムを企画した。  同大学環境・エネルギー材料科学研究所の手嶋勝弥所長、同国際ファイバー工学研究所の高寺政行所長が講演し、それぞれの研究内容を紹介。あらゆる可能性を広げる次世代電池開発の取り組みなど、舞台裏で進む最先端の研究について、参加者は興味深げに耳を傾けた。  「最先端領域の活用と異業種交流の可能性」と題したパネルディスカッションでは、手嶋さん、高寺さんに加えて、同会からNCCの原田学さん、ニシザワの小池和広さん、文正堂の北澤利文さんが登壇。産直新聞社の毛賀澤明宏さんがコーディネートした。  同大学と地元企業との接点が話題となり、手嶋さんは「信大は地域貢献に力を入れている。ハードルを低く持ってもらい、大学を気軽に相談できるパートナーと考えてもらえれば」と説明。具体的には同大学の各研究室が対外的に研究内容を発表する「信大見本市」が、つながりを持つ機会になるとも語った。  同会の副会長を務める原田さんは「これを機会に信大と相互の情報交換を定期的に行っていきたい。接点の持ち方も分かったので、情報収集もしていければ」と話した。 "[he-forum 18939] 読売新聞9/26","読売新聞 2015年9月26日付 医学部「地域枠」地元医師育てる、本格運用10年  地方の深刻な医師不足を解消しようと、自治体と大学が連携し、医学部の定員の一部を地元出身者らに割り当てる「地域枠」の本格運用開始から10年が経過した。文部科学省によると、九州・山口・沖縄では10大学が導入し、卒業生の地元定着に一定の効果が見えてきている。関係者は更なる医師確保に向け、制度の拡充を目指している。 ◆奨学金優遇も  卒業生の地元定着率が低かった宮崎大医学部。文部科学省によると、2002年度の卒業生のうち、県内勤務を選んだのは約20%で、全国の医学部で最下位だった。地元出身の学生の割合が10~15%程度と低かったことが一因という。  宮崎県は過疎地などでの深刻な医師不足に悩んでいた。県からの要請を受け、宮崎大は06年度、当時の定員100人のうち10人を県内の高校出身者に限定する地域枠を設けた。すると地元出身の入学者は32人に増加。09年度には、県が指定する病院に12年間勤務すれば、月10万円の奨学金の返済が免除される特別枠も導入。11年度の地元出身者は45人まで増えた。県は今年度も特別枠関連で約1億円を予算計上している。  いずれの枠も推薦扱いで、1次選抜は県が高校からの書類や面接で審査。2次選抜は大学が面接やセンター試験結果などから判断する。  地域枠で入学し、これまでに卒業年次を迎えた46人のうち、留年などを除く39人が国家試験に合格。うち約70%の29人が初期研修で県内に残った。県医療薬務課は「効果は出ている」と手応えを感じている。 "[he-forum 18938] 東京新聞9/25","東京新聞 2015年9月25日付 防衛省、軍事可能研究9件採択 東工大、理研など  軍事技術に応用できる基礎研究に防衛省が研究費を支給する初の公募で、東京工業大など四大学と理化学研究所、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、パナソニックなどの計九件が採択されたことが、防衛省への取材で分かった。同省は二十五日に結果を公表する。  応募総数は百九件で、うち大学などが五十八件と過半数を占めた。小型無人機に活用できる技術や、実績のある研究機関が採択されるケースが目立った。  共同通信が今月実施したアンケートでは、東工大など少なくとも十六大学が「応募した」と回答していた。  国内の大学は過去の戦争協力への反省から軍事研究に消極的だったが、研究予算不足を背景に防衛省研究への関心が高まっている。一方で科学者からは「深く関与すれば学問の自由が脅かされる」と懸念する声も出ている。  小型無人機関連で防衛省は、東京電機大が提案した、レーダーを搭載した二機の無人飛行機を協調制御することで、移動する目標を検出する機能を高める研究を採択。  海中で離れた対象に電力を送る研究(パナソニック)や、海中で光通信を確立するための研究(海洋研究開発機構)も選ばれた。水中無人機の開発に役立つとみられる。  このほか、野外でエネルギーを確保するための「超小型バイオマスガス化発電システム」(東京工業大)や防護マスクへの活用が想定される「化学吸着が可能なナノファイバー」(豊橋技術科学大)などが採用された。  応募が九件と最多だった「電波・光波の反射低減および制御」というテーマでは、理化学研究所を採択。表面で光を完全に吸収する特殊な構造をもった素材の実現を目指し、「見えない航空機」などの開発につながる可能性がある。  防衛省は七~八月に二十八項目の研究課題について研究者を公募。予算総額は三億円で、採択されると最大で年三千万円の研究費が支給される。 "[he-forum 18945] 毎日新聞9/26","毎日新聞 2015年09月26日 20時39分(最終更新 09月26日 23時46分)  国立大学の人文社会科学系学部の改組や廃止を求めた通知が波紋を呼び、文部科学省が「火消し」に躍起になっている。6月8日付 の文科相名の通知に学術界やマスコミから「文系軽視だ」と批判が上がったため、役所の担当者が「誤解です」とあちらこちらに説明に奔走している。だが通知 は英訳され海外にまで広がっており、通知の出し直しを求める声も上がっている。  「人文社会科学系の廃止を心配していたが、説明を聞いて、そうではないと分かってほっとしている」。今月18日、「科学者の国 会」と称される「日本学術会議」の大西隆会長(豊橋技術科学大学学長)は安堵(あんど)の表情を浮かべた。学術会議は7月に「人文・社会科学の軽視は大学 教育全体を底の浅いものにしかねない」と声明を出していた。  この日開かれた学術会議の幹事会で、文科省の担当局トップ、常盤豊・高等教育局長が30分間にわたって通知の「真意」を説明した。その趣旨はこうだ。  「大学は、将来の予想が困難な時代を生きる力を育成しなければならない。そのためには今の組織のままでいいのか。子どもは減少 しており、特に教員養成系は教員免許取得を卒業条件としない一部の課程を廃止せざるをえない。人文社会科学系は、専門分野が過度に細分化されて、たこつぼ 化している。養成する人材像が不明確で再編成が必要だ」  局長からの説明を受けた大西会長は報道陣に「改革の必要性はその通り」と話し、理解を示しつつもこう付け加えた。「通知を何度読み返してもそうは理解できない」  通知の経緯は、文科省が大学側と協議しながら2012年度から進めてきた「ミッションの再定義」と呼ぶ作業にさかのぼる。各大 学・学部の強みや役割を整理する狙いだった。そして文科省が昨年7月にまとめた文書は、教員養成大学・学部の一部の課程について「廃止を推進」と明記し た。人文社会科学系には「組織のあり方の見直しを積極的に推進」としていて、「廃止」の文字はなかった。  ところが、今年6月に大学向けに出した通知は、人文社会科学系を「廃止」の対象に含めてしまい、大きな反発を招いた。文科省幹 部は「通知を作った役人の文章力が足りなかった」とミスを認め、自身の名で出した下村博文文科相は今月11日の記者会見で「廃止は人文社会科学系が対象で ない。誤解を与える文章だったが、(通知の)一字一句まで見ていない」と釈明した。  日本学術会議の大西会長は「通知を取り換えた方がいい」と話すが、文科省は撤回して再通知する予定はないという。ある文科省幹部は「組織を『見直す』場合も、手続き上はいったん『廃止』してから『新設』する。通知は間違いと言いきれない」と強弁する。【三木陽介】  ◇責任うやむやに  元文部科学官僚で京都造形芸術大学の寺脇研教授は「結局今回の騒動の責任がだれにあるのかうやむやで終わらせようとしている。そもそも今回の大学の組織見直しの問題も国立大だけではなく私立も含めた大学全体の問題としてとらえるべきで拙速感は否めない」と話している。  ◇通知「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」(今年6月8日)※抜粋  「ミッションの再定義」で明らかにされた各大学の強み・特色・社会的役割を踏まえた速やかな組織改革に努めることとする。  特に教員養成系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院については、18歳人口の減少や人材需要、教育研究水準の確保、国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする。= "[he-forum 18952] 四国新聞10/1","四国新聞 2015年10月1日付 香川大副学長2人増/改革に向け新役員体制  香川大は30日、長尾省吾学長(73)の10月1日付の再任に伴う新役員体制を発表した。大学改革に向けた体制強化として、理事を兼務しない副学長を2人増の4人体制に変更。理事兼副学長は現行の4人体制を維持するため、副学長は計8人となる。任期はいずれも2017年9月30日までの2年間。  新任の理事兼副学長は、研究・評価担当の筧善行氏(61)と四電エナジーサービスから新たに迎える総務・労務担当の真鍋光輝氏(60)の2人。教育担当の藤井宏史氏(61)と財務・施設・地域連携・特命担当の川池秀文氏(60)は再任する。  理事を兼務しない副学長は4人中3人が新任。新設する学生支援・男女共同参画担当には柴田潤子氏(48)、情報・学術担当は吉田秀典氏(49)、国際戦略・特命担当は徳田雅明氏(62)が就く。医療担当の横見瀬裕保氏(58)は再任。 "[he-forum 18951] X-Priority: 3",,"owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 18950] X-Priority: 3"," "[he-forum 18949] 佐賀新聞10/3(2)","佐賀新聞 2015年10月3日付 佐賀大学、宮崎学長一問一答 海洋エネなど重点支援  -国は国立大を3類型に分け、改革を促す方針だが、地域ニーズに応える人材育成や研究に取り組む選択をした佐賀大では今後、(他の2類型に当たる)世界最先端の研究や特色ある研究はどう進めていくのか。  地域貢献を選んだとしても国立大学である以上、世界や日本国内で突出できるイノベーションに挑戦することは責務だ。ただ、全ての領域においてとなると資産やマンパワーの面で及ばない。海洋エネルギー分野など、いくつかの柱を立てて世界の中で競争できるものを重点支援をしていくことで可能となる。  -学長選考の教職員意向調査で相手候補を大きく下回るなど、学内では“しこり”を懸念する声もある。  意向調査についてコメントは控えるが、学内融和は大事。執行部だけで物事を進めてもうまくいかないのは分かる。現場の声を反映できる会議のあり方など工夫をしたい。  -前職は美術館館長。今後の美術館運営は。  美術館を維持していくのは大変なこと。今はきれいだが、補修や管理の費用を佐賀大学が払い続けることができるのかは不安だ。入館料をいただく収益事業には国立ゆえのさまざまなハードルはあるが、学長としてぜひ取り組みたい。  -趣味、座右の銘は。  美術館・博物館めぐりは学長になってもぜひ続けていきたい。座右の銘は「胆大心小」。細心の注意を払いながら決断は大胆にいきたい。  -佐賀大で県出身者の学長は初めてだが。  「佐賀は何もなか」が一番いや。学長としても折に触れて佐賀県のトップセールスに努めたい。 "[he-forum 18948] 佐賀新聞10/3","佐賀新聞 2015年10月3日付 学部改組、「教教分離」を促進 佐賀大学、宮崎学長が就任会見 地域貢献へ人材育成・研究  佐賀大学の宮崎耕治新学長(66)は2日の就任会見で、国が進める大学改革に呼応した理系人材の育成強化に向け、理工学部や農学部の理系学部改組をはじめ、教員組織と教育組織を分離することで学部の枠を超えて柔軟な研究・教育プログラムを可能にする「教教分離」などに取り組む考えを示した。  文部科学省は国立大学の機能強化と改革促進策として、重点的に取り組む教育や研究内容によって大学を3類型に分類する方針。宮崎学長はそれを念頭に「佐賀大学は地域のニーズに応えて地域貢献や課題解決に取り組む方向性で運営する」と強調。学部改組や教教分離はその具体策で「学生に佐賀で学んだことに誇りを持ち、大きく変容していく社会に対応できる人材を育成していく」と意気込みを示した。  来年4月に新設する芸術地域デザイン学部については「総合大学としての強みを生かし、芸術家育成だけでなく、デザインのセンスを持つ、デジタルアートを手がけることができる企業人を育てて学生の就職率アップにもつなげたい」とした。大学運営全体の方針としても「芸術的感性豊かな、多様性に富む、グローバルな視点を持った知の拠点を目指す」と抱負を語った。  宮崎学長は佐賀市生まれ。九州大学医学部卒業後、95年に旧佐賀医科大学教授に就任。2008~14年に同大学附属病院長。09年から先月末まで副学長も務めた。 "[he-forum 18947] 読売新聞10/3","読売新聞 2015年10月3日 「宮崎大らしさ打ち出す」…池ノ上新学長が抱負  宮崎大(宮崎市)の池ノ上克いけのうえつよむ・新学長(69)は2日、就任の記者会見を行い、「大学の機能分化や個性化が求められている。“宮崎大学らしさ”を打ち出していきたい」と抱負を語った。就任は1日付で、任期は3年。  宮崎大のスローガンは「世界を視野に地域から始めよう」。池ノ上氏は「各学部の色んな分野が融合した研究を展開しているのが大学の強み」とした上で、「広報に力を入れ、研究成果を積極的に発信していきたい」と述べた。  大学間競争が激しさを増し、全国でも地域を担う人材を育てる学部の新設などが相次いでいる。宮崎大が来年4月に新設する地域資源創成学部について、「宮崎はお互いの顔が見えやすく、協力しやすい。地域から求められるものを深めていきたい」と話した。  池ノ上氏は鹿児島大医学部卒。1991年に宮崎医科大産婦人科の教授として着任、県内の周産期医療や救命救急医療の充実に取り組み、付属病院長なども務めた。2003年に旧宮崎大と旧宮崎医科大が統合して以降、3代目の学長となる。 "[he-forum 18946] 信濃毎日新聞10/3","信濃毎日新聞 2015年10月3日付 「最も学んでみたい大学に」 信大の浜田新学長が抱負  信州大の新学長に1日付で就任した浜田州博(くにひろ)氏(56)は2日、本部がある松本市の松本キャンパスで記者会見した。国が全国の国立大に改革を求めていることを背景に、前学長の山沢清人氏からの改革路線を引き継ぐ方針を表明。「かなり厳しい時期ではあるが(任期の)6年間を通して信大をより良くしていきたい。最も学んでみたい大学を目指す」と抱負を語った。  来年度に経済学部(松本市)を改組して「経法学部」を新設するなど学部改革が進むことを挙げて「新しい組織にどう魂を入れていくか、継続して取り組む」と強調。今後の人文学部(同)の改革については、国が人文社会科学系学部の見直しを通達していることを踏まえ、「優秀な人材を育成するにはさまざまな教養が必要であり、人文系の学問は非常に重要。教育の中身を重視しながら、現状に合った形を検討したい」とした。  文部科学省は来年度から国立大を三つに分類し、テーマに沿った各大学の取り組みに対して運営費交付金の配分を反映させる仕組みを採る。信大は「地域貢献と特色分野での教育研究」の分類を選択しており、浜田学長は「特色ある部分を伸ばしつつ、多様性のある教育を展開していきたい」と説明。自力で歩くことが難しい人の歩行を介助する装置開発を、本年度から繊維学部や医学部、工学部などが県内企業と協力して始めたことを例に「産学官連携が進んでいる特色があるので、今後も継続していく」と述べた。  浜田学長は東京工業大大学院理工学研究科博士課程修了。信大繊維学部教授、同学部長を経て、5月の学長選考会議で新学長に選ばれた。 "[he-forum 18956] 時事通信10/1","時事通信 2015年10時1分21時32分 東大、アジア首位から転落=英誌の世界大学番付 【ロンドン時事】英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は1日までに、2015~16年の世界大学ランキングを発表した。前回(14~15年)ランキングで23位とアジアのトップだった東京大は、今回は43位と順位を大幅に落とした。  アジアの首位は26位のシンガポール国立大で、北京大学も42位に入った。全体のトップは米カリフォルニア工科大で、英オックスフォード大、米スタンフォード大、英ケンブリッジ大などがこれに続いた。  アジアでは、中国勢の37校が上位800校入りし、うち2校は同50位以内と「安定した水準を維持」(同誌)している。  一方の日本勢は、上位200校に入った数が前回5校から2校(東大と88位の京都大)に減少。同誌は、日本の高等教育分野が「困難な時期」に直面していると分析した。 "[he-forum 18955] 毎日新聞10/1","毎日新聞長野版 2015年10月1日付 信州大医学部:「新生児学講座」を開設 エキスパート養成へ  信州大医学部(松本市)は30日、生まれたばかりの子供たちの命を守るエキスパートを育成する「新生児学講座」を1日に開設すると発表した。新生児と先天性疾患の診断治療の研究、学生や研修医、助産師らの教育などに取り組む。  丸の内病院(同市)と諏訪マタニティークリニック(下諏訪町)が2年間で3400万円を提供する寄付講座で、小児医学教室の小池健一教授と専任教員2人、協力教員5人などが担当する。  授業科目は蘇生法や呼吸管理、代表的な病気や先天性疾患など。県立こども病院(安曇野市)と連携した臨床・研究や県内の産科を支援する搬送体制づくりを進める。さらに情報通信技術を活用した遠隔診断システム開発、海外の大学・医療機関との交流も計画している。  同大によると、県内で同大付属病院(松本市)と県立こども病院以外に常勤の新生児専門医がいるのは、長野赤十字病院(長野市)▽諏訪赤十字病院(諏訪市)▽佐久医療センター(佐久市)−−だけ。他の産科は、非常勤の医師やこども病院がドクターカーで派遣する医師がハイリスク・異常出産に対応している。  一方で学内に新生児診療の指導教官が配置されず、研究や人材育成が不十分だった。  小池教授は「講座開設により、研究に裏打ちされた医師のレベルアップを図ることができる。新生児や先天性疾患の医療の充実は、県内の少子化対策にもつながる」と説明した。【古川修司】 "[he-forum 18954] 読売新聞石川9/30","読売新聞石川版 2015年9月30日付 金大が産学官連携事業 ◆地元就職率 10ポイント上昇狙う  金沢大は県内7大学や12自治体などと連携し、学生に県内の地域資源に関心を持ってもらい、地元企業や団体への就職を促す事業を始める。2015年度の文部科学省「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」に採択され、若者が定着する活力ある地域づくりに貢献したい考えだ。  参加大学は、同大のほか、県立大、県立看護大、金沢工業大、金沢学院大、金沢星稜大、金城大、北陸大で、自治体は県や金沢市、七尾市、小松市など。企業では小松製作所、北国銀行、PFUなどが参加する。事業費として金沢大は文科省に6800万円の予算を申請した。  事業では、学生の関心を県内に向けてもらうため、石川の地域資源などを紹介する科目「地域創生概論」(仮称)を同大に新設し、各大学でオンライン受講して単位互換できるようにする。県内では金沢は国際文化都市、加賀はものづくり、能登は里山里海と、各地域に特徴があることから、学生が興味のある地域でインターンシップできるよう金沢大などが仲介する。同大は「受講すれば、県内の文化、資源、ものづくりなどを深く理解できる事業にしたい」と意気込む。  地方では大都市に比べて大学の枠を超えた学生のネットワークが作りにくい実情があるが、事業を通して若者のネットワークが広がり、地域に新たな活力が生まれることも期待される。事業では、若者のための起業環境を自治体と連携して創出する取り組みも進める方針。  同大の調査では、県内の大学新卒者のうち地元企業に就職した割合は、14年度で36・5%にとどまる。同大は事業を今年度から5年間実施し、19年度までに10ポイント上昇させ、新卒者の約半数を地元企業へ送り出したい考えだ。 "[he-forum 18953] 毎日新聞福岡10/2","毎日新聞福岡版 2015年10月2日付 新教育の森:大学改革/1 まちなかESD 地域を担う人材育成へ 北九州市内10校が連携、センター設置し活動  北九州市内の国公私立10大学が連携し、国連が推進する「持続可能な開発のための教育」(ESD)の理念に基づいた教育プログラムに取り組んでいる。3年前から共同で活動拠点「まちなかESDセンター」(愛称・北九州まなびとESDステーション)を同市小倉北区魚町の空きビルに設置。大学間の垣根を超え、身近なことから行動を起こし、地域を担う人材の育成を図っている。【長谷川容子】  「今日は3チームに分かれて掃除します。活動を楽しくするため、ゲーム要素を取り入れ、ごみを一番集めたチームに特典を与えます」。9月15日、小倉北区魚町周辺の繁華街であった、清掃プロジェクト「green bird」。センターを拠点に毎週火曜と第1土曜に実施しており、この日は地元企業の社員や学生ら約30人が集まった。リーダーの大学生の説明の後、火ばさみやビニール袋を手に約1時間、たばこの吸い殻や空き缶などのごみを拾い歩いた。北九州市立大1年、枝光比菜乃さん(19)は「活動を通じて出会いがあるのが魅力」。同大への入学を目指す小倉東高3年、山崎七海さん(18)は「先輩たちに入試や大学生活の話を聞きたくて参加するようになりました」と話す。  センターは複合商業ビルの地下1階にあり、広さは約560平方メートル。開館は水曜と祝日を除く午前11時〜午後7時45分で、事務員1人が常駐。専属の特任教員3人も配置している。  北九州市立大などは2012年5月、文部科学省の補助事業に「センターを核とした実践的人材育成」を申請し、同年9月に認可を受けた。他に参加するのは▽九州共立大▽九州国際大▽九州歯科大▽九州女子大▽産業医大▽西南女学院大▽西日本工大▽九州工大▽九州栄養福祉大。16年度まで毎年約5000万円の助成を受け、今年度は高校生が未来を考えるきっかけを提供する「カタリ場」やカンボジア教育支援「ANAKOT」など25のプロジェクトを展開している。  特任教員の岩永真一さん(33)によると、連携のきっかけは、市立大が09年度に設置した新学部「地域創生学群」と、北方キャンパスに開設した地域連携施設「地域共生教育センター」の活動成果が関係しているという。「地域創生学群の学生は積極的に地域活動に参加するため、コミュニケーション能力が高い。人脈やネットワークを広げる中で地域への愛着が生まれ、市内での就職割合も他学部に比べて高い」と岩永さん。企業や地域の評判も良く、市立大が「この仕組みを広げないのはもったいない」と呼びかけた。  現在は10大学中6大学が単位互換協定を締結。センターでは4大学の教員の各専門分野を学ぶ「まなびと講座」が開かれ、今年度の前期講座は80人が履修した。14年度のセンターの会員登録者数は大学生614人、一般451人の計1065人。利用者数は2万649人で、年々少しずつ増えている。  ESDを推進する市環境学習課は「高齢化や人口減少など市の課題を受け止め、市民一人一人に持続可能な未来を見据えたまちづくりに関心を持ってほしい。学生がその先頭に立ち、地域や企業を巻き込んで活動してくれることで効果はある」と期待する。     ◇  社会の変容に合わせて変わる大学の新しい動きを追った。 ==============  ■ことば  ◇ESD  Education for Sustainable Developmentの略。地球の資源や環境を維持していくために、開発を抑制し、持続可能な社会を保持していくための人材育成を目的とする教育のこと。人権や貧困撲滅、異文化理解などの分野を含め、課題に対し身近なところから行動する人材を育てる。 "[he-forum 18957] 共同通信10/2","共同通信 2015年10月2日17時58分 奨学金返還にマイナンバー 年収に連動、文科省検討  日本学生支援機構による奨学金制度をめぐり、文部科学省は2日までに、マイナンバーを使って年収を把握し、返還額を柔軟に変える「所得連動返還型奨学金」の導入に向けた検討を始めた。有識者会議で年度内に報告を取りまとめ、2017年度の大学進学者から導入を目指すが、プライバシー確保などが課題だ。  12年度に始まった現行制度では、年収300万円以下だと返還を猶予。総務省の07年度調査で、大学などを卒業した30~50代の約3割が300万円を下回っていたことから、返還が進まず、債権管理コストがかさむ懸念が指摘されている "[he-forum 18958] 県内10大学長が連名で中止要請 琉球新報10/5","米軍機の飛行状況「悪化」  県内10大学長が連名で中止要請 2015年10月5日 13:11  県内の大学や短大、工業高等専門学校など10校の学長が学校周辺上空での 米軍機の飛行中止を求める要請を連名でまとめ、首相や外相、防衛相らに宛て 9月末に送付した。米政府にも英文の要請書を送る。  県庁内で5日に記者会見した琉球大の大城肇学長は「高等教育機関の代表と して学生や教職員の教育研究環境を安全、平穏に維持する義務がある」と述べ、 早期の対応を求めた。  要請は3年連続。要請書ではことし8月の米軍ヘリうるま沖墜落事故などを 挙げ「米軍機の騒音など日常的に支障を来している。状況は、オスプレイ配備 などにより墜落事故の危険性も加わり、一層悪化しつつある」と懸念を示した。 【琉球新報電子版】 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-250006-storytopic-1.html "[he-forum 18959] 読売新聞10/7","読売新聞 2015年10月07日 10時45分 国立大文系軽視は「誤解」…文科省が火消し奔走  国立大に文系学部の再編を求めた6月の通知が「誤解を与える内容だった」として、文部科学省が火消しに奔走している。  大学などから「文系軽視だ」と批判を浴びたためで、文科省幹部は関係団体の会議に足を運び、釈明を重ねている。  「人文社会科学系の学問は不要だと文科省が考えているかのような受け止めがあるが、明確に否定したい」  9月中旬、研究者らでつくる日本学術会議の幹事会で、文科省の 常盤豊・高等教育局長はそう強調した。同会議は7月下旬、「人文社会系の軽視は、大学教育を底の浅いものにしかねない」と通知を批判する声明を発表した。 幹事会では役員から「海外でも日本が人文社会系を『クローズする』と報じられた」「通知は今の説明通りには読めない」などの声が相次いだ。= "[he-forum 18960] 日本という国家が発狂した 『学士会報』No.914(2015-V)","狩野博幸「〝人文学無用論〟について」 『學士會報』No.914(2015-V), pp.54-57 の途中から引用。 「今年二〇一五年、日本という国家が発狂したことについて語りたい。  文部科学省(以下「文科省」)は、このほど、すべての国立大学に対し、人文学・ 社会学系の学部を縮小する方向で検討するように〝通達〟を出した。(一部、割愛) 来日した英国の友人にこのことを話さずにはいられなかった。  友人は、絶句した。そして、何かまがまがしいことを聞いたかのように、大きく眉 をひそめたものである。  経団連に代表される実業家・経済界のリーダーたちにとっては、即戦力として使え ない学生などは無駄であり、彼らにつまらぬ時間をとらせてしまう学問なんぞは愚の 骨頂というのらしい。人文社会学系の知識は高校までのそれで充分ではないか、と。  それに反して、小学生から会話中心の英語を学ばせればグローバルな人材が育つそ うである。いまや実践されている。幼時から英語が喋れるに越したことはないとは思 うが、では何を語るというのだろうか。これまで、吹けば飛ぶよな僕でも欧米のパー ティに出て来たが、そういった場で自分の国の文化について自分なりの語りも出来な い人士は、にこやかな笑顔の蔭で蔑まれていることに気づかなければならない。  ずいぶん昔のことであるが、ヨーロッパにおいて日本の経済人(実は首相も含まれ ていた)、ひいては日本人が「エコノミック・アニマル」と貶められたことがあっ た。パーティでは金や貿易の話が出ることは当然ではあるが、それ以外の話題が少し も語られなかったために、そうした不名誉な称号が与えられたのは疑いようもないだ ろう。店で物を買ったりするのではないそうした場面では、その人がもつ教養は常に シビアに計測されていることくらいは知っておいた方がよい。  文科省は人文社会学系の縮小というが、国立大学の運営費交付金を握っているのだ から、縮小から廃滅に至るのは既定路線だろう。私立大学にしたところで補助金なく して成り立たない大学がほとんどであるから、いずれはその方向にゆくのは必定であ る。」 (以下、割愛) "[he-forum 18962] 朝日新聞10/8","朝日新聞 2015年10月8日00時08分 秋田大、不適切な会計処理 赤字15億円を8億円に圧縮  秋田大学(澤田賢一学長)は7日、2014年度決算で約7億2千万円の不適切な会計処理をし、赤字額を圧縮していたと発表した。主導した財務担当の理事(59)は「赤字を減らさないと、将来の大学運営に支障をきたすと考えた」と説明しているという。  秋田大や文部科学省によると、不適切に処理されたのは個人や団体からの寄付金。約7億2千万円分を、すでに購入した付属病院の備品購入費に充てたようにみせかけたという。  理事らは寄付金を使うと収益に振り替えられる国立大学法人の会計の仕組みを悪用し、帳簿上で赤字の一部を帳消ししたように見せかけた。この不適切処理により、14年度決算では過去最多の15億円超になるはずだった赤字が、約8億円に圧縮されていた。  不適切処理を主導した理事は澤田学長らに対し、「処理しないと今後、職員給与の支払いが滞る可能性がある」などと説明していたという。監査法人による外部監査も不正を見抜けず、文科省も承認した。秋田大は帳簿を修正するという。  文科省の指摘を受け、秋田大の調査委員会が調べていた。調査委によると、利益を追求しない国立大学法人が損失を圧縮する意味はなく、給与の遅配などが起きる可能性もなかったという。  澤田学長は「大学の信用を失墜させた」と謝罪。男性理事を学長付理事に異動させる処分をしたほか、自身の役員報酬(10分の1)を3カ月間、返納するとした。= "[he-forum 18961] 産経ニュース10/8","産経ニュース 2015.10.7 20:58更新 秋田大で不正会計 26年度決算、赤字額を大幅圧縮  秋田大(沢田賢一学長)の平成26年度決算で、赤字額を大幅に圧縮する不正な会計処理が行われたことが分かり、大学は7日、この処理を主導した財務担当の渡部良和理事(59)を学長付理事に更迭した。   秋田大は9月に調査委員会(委員長・田中伸一弁護士)を設置していた。記者会見した沢田学長や調査委メンバーによると、渡部理事は国立大学法人会計基準に 反し、医学部に対する寄付金7億2243万円を収益に振り替えて赤字を少なく見せかけるよう提案し、沢田学長らが承認。2人の監事や外部監査法人も見逃し ていた。金銭的な実害はなかった。  渡部理事は大阪教育大財務部長や上越教育大理事などを歴任した大学事務のベテランで、沢田学長らに「このままでは職員給与の遅配などが起こる」と不正確な説明をしたという。  沢田学長は「赤字が多いからといって、直ちに大学の評価低下や財務担当理事の責任につながるわけではなく、動機は分からない」と語った。  秋田大は同日、沢田学長の報酬の10分の1、3カ月返上や関係部長、課長の懲戒戒告処分などを決めた。= "[he-forum 18963] 秋田大学不正会計処理についてのお詫び(秋田大学ホームページ10/7より)","平成26年度決算に係る不適切な会計処理について(お詫び)  本学では、平成26年度の決算を確定し、財務諸表を平成27年6月24日に文部科学省に提出しました。その後、文部科学省とのやり取りの中で改めて財務諸表を確認したところ、奨学寄附金の収益化手続に関する疑問点が判明し、本学では奨学寄附金に関わる処理について検証した結果、不適切な処理が発見されるに至りました。学長として本件を重く受け止め、深く責任を感じており、地域の皆様、学生及び教職員に対して深くお詫び申し上げます。  本学では、不適切な処理に至る経緯も含めて解明するため、平成27年9月10日に調査委員会の設置を決定し、調査を依頼しました。その調査委員会の調査結果は次のとおりです。 【調査結果】 1.判明した事実    秋田大学では、平成26年度決算に際し、寄附金債務として計上されていた19億5035万円の内、7億2,243万円を手続きを経ることなく寄附金収益へ振替えるという処理が行われ、経常損失並びに当期総損失を同振替額だけ少なく表示し、同時に寄附金債務を同額だけ少なく表示する不適切な会計処理が行われた。 2.事案発生の原因分析    不適切な会計処理の発案者は、財務担当理事であった。財務担当理事は、財務部門のトップであり会計に関する最高責任者の立場にあったため、職員レベルでの牽制が及ばなかった。一方、他の役員は、会計に関する専門的知識がないことから、その処理の判断を財務担当理事に任せていた。また、理事の業務遂行に関し、チェックする立場である監事についても、必ずしも情報の共有が十分ではなく、問題の存在の認識も十分ではなかったと推測され、監査機能が十分発揮できていなかったと思われる。    今回の問題は、財務担当理事が誤解を招きやすい表現によって学長等に説明をし、その誤解の上に機関決定がなされていたことにあるが、一方、説明を受けた学長、理事、部局長等も、正しく理解せずに承認したことは決裁権者として問題があった。大学の財務、経理に携わる役職員であれば、今回の会計処理がどのような影響を及ぼすこととなるかを理解できたであろうが、他の役員、教員及び職員に正確に理解してもらうためには、相当噛み砕いた説明が無ければ正しく理解することができなかったと思われる。    国立大学法人会計基準を十分認識して、説明者は説明する相手が意図を正しく理解できる様に丁寧に説明する必要がある。  本学では、この調査結果を踏まえ、今後会計の誤りについて是正を行なうとともに、再発防止策を次のとおり実施して参ります。 【今後の対応と再発防止策】 1.今後の会計処理の対応    平成26年度における寄附金債務の収益化に係る会計処理の中に一部、国立大学法人会計基準違反となるものが含まれていたため、平成26年度で行った寄附金債務の収益化の内、不適切部分7億2,243万円について誤りを修正すべく作業を進めます。 2.再発防止策  1)役員会の機能強化     役員会では財務に関わる議論をより深めます。     適切な会計処理が確実に行われる環境を作り出すために、公認会計士等の専門家を監事とします。     少なくとも過年度修正の手続きが行われている期間は、公認会計士を顧問に迎えて助言を受けます。  2)内部監査の強化と監事との連携強化     内部監査チームを強化し、監査結果の役員会への報告義務を課すとともに、指摘事項のフォローアップを行います。  3)奨学寄附金の規定の見直し     手続きに遺漏がないように改めます。  4)部局・職域の壁に捉われない情報の共有     役職員の転勤(または退職)に伴う引き継ぎを、個人対個人としないようにルール化し、業務内容の認識と進行状況を組織として共有します。  この度の不適切な会計処理の状況を踏まえ、学長としてその責任を重く受け止め、管理責任として役員報酬10分の1・3ヶ月を返納いたします。また、財務担当理事は10月7日付けで学長付理事とし、医学系研究科長と附属病院長はその管理監督責任を問い、訓告といたしました。財務に関わる部長職2名、課長職2名を戒告の懲戒処分、関係職員3名を文書による厳重注意としました。また、関係理事2名について役員報酬10分の1・1ヶ月を返納するこ ととしました。なお、常勤監事は辞意を表明しております。  このような不適切な会計処理は、健全な大学活動を支える財政基盤に対する信用を失墜するだけでなく、今後の諸活動の円滑な実施にも影響を与えるおそれがあります。地域の皆様、学生及び教職員の本学に対する期待を大きく裏切るものであり、心からお詫び申し上げます。   今後、秋田大学は、地域の皆様、学生及び教職員のため、早急に大学としての信頼を回復するよう努めて参ります。誠に申し訳ございませんでした。                         平成27年10月7日                          国立大学法人秋田大学長 澤田賢一= "[he-forum 18968] 共同通信10/7","共同通信 2015年10月7日17時2分 【ノーベル賞】相次ぐ地方大卒の受賞 「自由な研究」追い風か  2015年のノーベル物理学賞の受賞が決まった 梶田隆章 (かじた・たかあき) さんは埼玉大、医学生理学賞に決まった 大村智 (おおむら・さとし) さんは山梨大の卒業といずれも地方の国立大出身だ。14年の物理学賞も徳島大出身の 中村修二 (なかむら・しゅうじ) ・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授に贈られた。  相次ぐ地方国立大出身者の栄誉に、文部科学省幹部は「地方大は東京大や京都大と違って成果を求めるプレッシャーが少なく、自由に研究に打ち込める雰囲気がよかったのではないか」と話す。  しかし、3人の学生時代とは異なり、今の日本の大学を取り巻く研究環境は厳しい。国立大の運営費交付金は、法人化後の10年で約1300億円削減された。若手研究者のポストは終身雇用ではない任期付きが増えており、主要国が研究者数を伸ばすなか、日本は若手が参入せず、横ばいとなっている。特に地方大は入学者数の減少傾向に歯止めがかからず課題は多い。  英教育誌が今月発表した世界大学ランキングでは、東京大と京都大が順位を大きく落とした。日本学術会議の 大西隆 (おおにし・たかし) 会長は「全体のお金が減ると研究にもしわ寄せが出る。ノーベル賞受賞者の数にも影響が出るかもしれない」と懸念を示した。 "[he-forum 18967] 日本経済新聞10/7","日本経済新聞 2015年10月7日 中部の国立5大学、VBファンドでタッグ 名古屋大や三重大  名古屋大学など中部地方の5つの国立大学法人と日本ベンチャーキャピタル(東京・千代田)は6日、共同でベンチャーファンドを創設すると発表した。5大学が連携して研究成果を育成し、大学発ベンチャー企業の立ち上げをめざす。複数の大学が関わるベンチャーファンドは珍しい。  参加するのは名古屋大、名古屋工業大、豊橋技術科学大、岐阜大、三重大。ファンドは日本ベンチャーキャピタルが来年3月末までに設立し、運営する。投資規模は総額20億円以上で、中部の企業や金融機関から出資を募るという。  投資先は、5大学の研究成果に基づくベンチャーや5大学出身者が創設したベンチャーが対象になる。中部が得意とする製造業に関わる技術を中心に医療やバイオなど幅広い分野から選ぶ。  5大学はファンドには出資しないが、研究成果の開示などで協力する。起業家を育成する講座も開設する。同日記者会見した名古屋大の松尾清一学長は「既存の枠組みとは異なり、5大学が組織的に取り組むことで成果を上げたい」と述べた。 "[he-forum 18966] 農業協同組合新聞10/10","農業協同組合新聞 2015年10月10日付 【TPP】大学教員の会が緊急抗議声明  「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」は10月9日、TPP協定の「妥結」に抗議する緊急声明を公表した。  緊急声明は以下のとおり。 ○環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の「妥結」に抗議する緊急声明  米国・アトランタで開催されたTPP交渉会合は、10月5日午前(日本時間5日夕刻)から開催された閣僚全体会議をへて「妥結に達した」と発表しました。私たちはまず、交渉参加のための事前交渉開始以来、日本政府が徹頭徹尾、首尾一貫して秘密裏に進めることで、民意を反映する機会をほとんど全く与えないまま「妥結」に至らしめたことに強く抗議します。  さらに今回の「妥結」の内容について、この秘密主義ゆえに詳細が明らかにされていないものの、非民主主義的な秘密主義以外にも、既に次のような重大な問題をはらんでいることが明白です。  第一に、日本政府も日本の大手マスメディアもそろって「大筋合意」と喧伝していますが、果たしてどこまで具体的に「合意」した上での「妥結」なのか極めて不透明だということです。例えば12ヵ国『閣僚声明』自体が、「合意の結果を公式化するには完成版協定テキストを準備するための技術的作業を継続しなければならない」としており、協定本体すらできあがっていないことを公言しています。また同じく12ヵ国による『協定の概要』では、全体がほとんど具体性を欠くだけでなく、投資の市場開放、サービス貿易の市場開放、政府調達、国有企業規律といった、日本をはじめ各国の市民生活や国家主権にもとづく政策・規制実行にかかわる重大な事項に関する例外のリストや適用範囲が、いずれも「附属書に記される」とされたままで、明らかにされていません。  「合意」というならこれらについてはっきりと示すべきであり、それをしない、できないということであれば、今回の「妥結」なるものが、主要交渉国の政治日程(米国大統領選挙、カナダ総選挙、トルコでの主要20ヵ国閣僚会合、日本政府内閣改造など)への帳尻合わせと、「この機会を逃せば妥結まで年単位の時間がかかる」「その間に交渉各国での反対の世論や運動が高まってしまう」という危機感から、「妥結」という形式を既成事実化してしまうための「演出」なのではないかという疑念さえ否定できません。  第二に、日本政府は他の交渉各国と比べても異例といえるほど周到に準備された説明文書、すなわち『環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要』と『TPP交渉参加国との交換文書一覧』(内閣官房TPP政府対策本部)を即日公表しました。その詳細はあらためて精査される必要がありますが、農業者を含む市民生活への悪影響とそれへの懸念や、国会衆参両院農林水産委員会決議(2013年4月18日・19日)や自民党外交経済連携調査会決議(2013年2月27日。2012年12月総選挙公約の再確認・具体化)との関係で重大なのは、以下の諸点です。  【1】「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目を、(関税交渉の)除外又は再議の対象とする」としながら、これまで再三報道されてきたように、あるいはそれ以上の市場開放で譲歩し、国会決議・自民党決議に違反していることです。  例えば(1)米はミニマムアクセスの他に米国とオーストラリア向けに当初5.6万トンから13年目以降は7.84万トンの追加輸入枠を供与し(SBS売買同時入札方式)、ミニマムアクセス枠の内部でも6万トンを実際上米国向けとなる中粒種・加工用限定枠(SBS)とし、さらに調整品・加工品は関税撤廃ないし削減、(2)麦もWTOで約束したカレントアクセスの他に、米国、オーストラリア、カナダ向けに小麦で当初19.2万トンから7年目以降25.3万トン、大麦で当初2.5万トンから9年目以降6.5万トンの輸入枠(SBS方式)を供与し、さらにこれら国家貿易分全体に対する関税にあたるマークアップを9年間で45%削減する、(3)牛肉は自民党自身が「これ以上は譲れないレッドライン」と公言していた日豪EPAでの最終関税19.5~23.5%を大幅に下回る9%まで削減とし、かつ実質的に20年目以降はセーフガードさえ廃止に道を開く、(4)豚肉も従価税4.3%を10年間で廃止するとともに、もっとも重要な、安価品の国境措置となっw)€「討④申暑u棊ハ税482円/kgを当初125円とした上で10年間で50円まで引き下げ、さらにセーフガードも12年目には廃止というもので、牛肉・豚肉では限りなく関税撤廃でセーフガードもないという、丸裸にまで市場開放する内容です。さらに乳製品でも特別輸入枠を設定して拡大するというように、国会決議・自民党決議への「違反」オンパレードの市場開放になっています。さらに「重要品目」以外でも、輸入の伸びている林産物(合板・製材)を16年間で関税撤廃、あじ、さば、さけ・ます、ぶり、するめいか等の水産物でも11~16年で関税撤廃というように、農林水産物分野でとめどない譲歩を差し出しています。  【2】「物品以外の市場アクセス」やルール分野(全30章)における「衛生植物検疫措置」「投資」「国境を越えるサービスの貿易」「金融サービス」「国有企業及び指定独占企業」「知的財産」「透明性及び腐敗行為の防止」などにおいて、基本的に日本からの多国籍企業・多国籍金融機関による対外投資、進出、在外事業活動にとって有利な条件と機会を与えるという観点から成果を「誇示」する論調になっています。しかしそもそも多国籍企業が対外投資と在外事業活動で利益をあげても、国内の圧倒的多数の勤労者・市民にとっての利益にはほとんど結びつきません。  経産省『2013年度海外事業活動基本調査』によれば、多国籍企業が現地法人から受け取った対外投資収益5兆円のうち96%をわずか3千社余りの資本金10億円以上の大企業が獲得し、その大企業が対外投資配当の「使途(3~5年後)」として「雇用関係支出」をあげたのはわずか7%、「株主配当」が17%、「分からない」が52%となっています。使途が「分からない」利益は貯め込むしかないが、財務省『法人企業統計年報』によれば大企業の内部留保は2003~2013年度の10年間にリーマンショック・世界不況中も増え続けて204兆円から285兆円、同年度GDPの6割規模にまで肥大化する異常事態になっています。つまり「トリクルダウン」など生じないのです。  他方で、市民生活への懸念材料であり国会や自民党の決議にも盛られていた、「食の安全・安心の基準が損なわれない」「自動車等の安全基準、環境基準、軽自動車優遇税制などを損なわない」「国民皆保険、公的薬価制度の仕組みを改悪しない」「濫訴防止策等を含まない、国の主権を損なうようなISDS(投資家国家間紛争。今次政府説明文書の表現に従ったがISDと同義)条項は合意しない」「政府調達及びかんぽ、ゆうちょ、共済等の金融サービス等のあり方についてはわが国の特性を踏まえること」といった事項について、政府資料はそれぞれ一般的・抽象的に「日本は制度変更を迫られない」「安全が脅かされるようなことはない」等と、国民に「懸念無用」というための説明を付していますが、そこには大まかに見ても以下の二つの重大問題があります。  (1)協定本文や附属書、ネガティブリストや非適用措置リスト、附属書簡、二国間交換文書などによってそれらがどこまでどのように担保されているのか、全く明らかにされていません。ほんの少数の例を挙げても、「衛生植物検疫措置」では「WTO・SPS協定を踏まえた規定となって」いるので「日本の食品の安全が脅かされるようなことはない」と説明されていますが、その直前ではTPP協定の当該章が「WTO・SPS協定の内容を上回る規定」になっていると説明しています。  またISDSの「濫訴抑制」を誇示するために、「仲裁廷は、まず外国投資家による訴えそのものが仲裁廷の権限の範囲外であるとの非申立国による異議について決定を行う」「全事案の判断内容等を原則公開とする」「外国投資家による申立期間を制限する」という規定が入っていることを強調していますが、これらが「濫訴抑制」、まして「濫訴防止」の歯止めになる保証は何ら担保されていません。例えば一番目の規定はこれまでのISDSという制度のそもそもの出発となった「国家と他の国家の国民との間の投資紛争の解決に関する条約」第25条で「両紛争当事者が仲裁廷に付託することに同意した場合に管轄となる」旨が定められていたものですし、二番目の規定も国連貿易開発会議UNTADのサイト等で一定の情報が公開されていますが、だからといってISDS濫訴が「抑制」「防止」されたという話にはなっていません。さらにISDS仲裁廷についてより根本的な問題として、(ア)リーク文書によれば2012年時点では「ISDS訴訟を起こす前に、投資先国内での法的措置を追究しなければならない」という一部の国からの提案があku梺C燭里法w)€それが跡形もなく消されています。(イ)仲裁廷では、多国籍企業のコンサルタントや顧問弁護士を日常業務とする、世界中でごく少数の国際経済法や通商協定を専門にする有力法律事務所・法律家が、投資家、国家、及び「第3者」の仲裁人を入れ替わり立ち替わりつとめている実態があり、そこには謂わば「ISDSビジネス」が成立しているので、多くの仲裁人が「利益相反」の立場にあることが問題視されているのです。  「政府調達」に関しては、他の交渉参加国の政府調達市場が日本企業に開放される、開放基準額が下げられるなどのメリットばかり説明されていますが、日本の政府調達がどうなるのか、その開放基準額がどうなるのか、中央政府だけでなく地方政府(都道府県や市町村)にまで及ぶのかどうかといった、国民の最大の懸念事項に何ら答えていません。「国有企業及び指定独占企業」も同様に相手国のそれらについて規律をかけるメリットが強調される一方、日本は国別附属書で「地方政府の所有・支配する国有企業・指定独占企業を留保している」としています。これでは農畜産振興機構(独立行政法人)、日本政策金融公庫(全株国有株式会社)、住宅金融支援機構(独立行政法人)などの中央政府国有企業等が純粋なビジネスベースでしか業務を行なえなくなり、政府からの支援も受けられず、結果的に国民生活への支持・安定機能を喪失させられることになってしまいかねません。  最後の例として、政府文書は「サービス貿易」や「金融サービス」の市場開放に対して、「社会事業サービス(保健、社会保障、社会保険等)」や「社会保障に係る法律上の制度の一部を形成する活動・サービス(公的医療保険を含む)」などを除外している(非適用措置)として、「国民皆保険、公的薬価制度の仕組みの改悪」への懸念は無用と強調していますが、これについても次に見る日米間の「医薬品及び医療機器に関する手続きの透明性・公正性に関する附属書」で、公的保険への医薬品・医療機器収載やその場合の公定価格について、審議会等での外国企業の意見反映機会の保証やそれへの配慮、決定事項へ異議申立制度の設立が米国から提案されている模様です(リーク文書より)。これが現実のものとなれば、TPP協定本体で何を言っていようと、実質的に公的薬価制度の仕組みの「改悪」に道が開かれ、それはやがて国民皆保険制度の弱体化に結びつかざるを得ません。  (2)『TPP交渉参加国との交換文書一覧』には、「医薬品及び医療機器に関する手続きの透明性・公正性に関する附属書」「自動車の非関税措置」「自動車の基準」、そして日本がTPP交渉に参加するための米国との事前協議合意(2013年4月12日)によって義務づけられた日米2国間「非関税措置」並行交渉に関わる「保険」(日本郵政の販売網での米国保険商品取扱やかんぽ生命の事業活動規制など)、「透明性」(各種審議会への外国投資家の参加や意見提出等)、「投資」 (規制改革について外国投資家から意見を求め、それを規制改革会議に付託する等)、「衛生植物検疫」(収穫前及び収穫後に使用される防かび剤、食品添加物、牛由来ゼラチン及びコラーゲンに関する取組)など、TPP協定本体とは一応別ではあるが私たちの市民生活に重大な影響を及ぼしうる日米間協議事項が多数あげられながら、「(※全て関係国と調整中)」として「合意」されていないか、あるいは「合意」されているのに概要すら公表されていないものが山積しています。このような、国会決議や自民党決議にもあるような重要事項についての、w)€サ殿腓雰誾u梍Oが「全て調整中」などとしたままの「妥結」などあり得るでしょうか。ここにも、私たちが今回の「大筋合意」と言われるものが、本当に「合意」「妥結」なのかそのものについても、深い疑義を持たざるを得ない根拠があります。  第三に、この「妥結」が「大筋合意」だと既成事実化されてその後のプロセスが米日両政府などの思惑どおりに進められるなら、そこでは国民、そしてその代表として協定「承認」の是非を議論すべき国会(国会議員)に対して、協定(協定本体、譲許表、附属書、附属書簡、交換文書などを合わせると数千ページになるとされている)をまともに知り、理解し、精査し、議論し、そして判断する機会を奪う、つまり国民の知る権利、国民主権、国権の最高機関たる国会権限をいずれも蹂躙するという重大問題です。  米国政府が仮に米国時間10月6日に議会に「TPP協定締結意思の通知」を行なったとすると、2015年貿易促進権限(TPA)法の定めに従って90日後、すなわち最速で2016年1月4日に12ヵ国による正式締結(署名)が可能になります。このTPA法では締結の60日前までに協定正文を公開することとされていますので、米国民にとっては11月5日に協定が一応公開されることになります。しかし日本ではこうした法的規定は何もありませんので、このようなタイミングですら政府が責任を持って邦訳した協定の全貌を知ることはできません。  そして日本政府は2016年1月招集の通常国会にTPP協定承認案を上程して審議・可決し、すかさず「TPP対策予算」を組んで重大な被害が及ぶ農業等の分野に対する何らかの「手当」を済ませた上で、7月の参議院選挙に臨もうとしているとされています。そうでなければ参議院選挙で与党に対して猛烈な逆風が吹くであろうことは、確かでしょう。しかしこのような党利党略的スケジュールでは、日本の国民も国会議員も、2016年1月招集の通常国会に上程されるまで、TPP協定について公式の情報を知ることができなくなってしまいます。通常国会の会期は150日でその最大にして最も時間を要する審議事項は予算案です。さらに2016年は7月参議院選挙が決まっていますから、基本的に延長もないでしょう。150日の間の、さらに限られた期間内に、国民が、そして国会議員が膨大なTPP協定の全貌について、認知し、理解し、精査し、その上で是非を判断することなど事実上不可能と言わざるを得ません。つまり政府・与党が政権延命のために「大筋合意」~「署名」~「承認案通常国会上程・審議・可決」とku桙「Ε好吋w)€カュールを描いているとすれば、それは国民の知る権利、国民主権、議会制民主主義の蹂躙にならざるを得ないのです。  以上、さし当たり指摘可能な重大問題からしても、私たち「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」は10月5日の閣僚会談における日本政府のTPP協定への「大筋合意」に厳重な抗議をすると同時に、日本政府がただちに以下のことがらを実行するよう求めます。 一.ただちに「妥結」「大筋合意」の全内容を、附属書(譲許表、ネガティブリスト、非適用措置その他)、附属書簡、「調整中」の交換文書などを含めて、公開すること。 二.政府自身が衆参両院の農林水産委員会決議に違反していないことを明白に証明し、かつそれを両委員会が精査の上承認しない限り、今次「合意」の撤回を日本政府として他の交渉参加国に呼びかけること。それが受け入れられない場合、今後の「署名」に至るプロセスには加わらず、TPP交渉から脱退すること。 三.上の二の過程では、いわゆる業界団体に限らず、希望する最大限の一般市民・国民に「合意」の全内容を誠実かつ正確に伝達し、それら関係者、市民、国民からの意見聴取を行なう機会を、全国各地で設けること。昀・??? ????教授  ――現状をどう見るか。  「学部卒の学生と学校の中堅を担う現職教員の学生では、求める教育内容が異なる。一緒に学ばせるのは好ましくない。授業の編成などが難しくなる」  ――学生確保に苦しむ大学が多いようだが。  「教育委員会が教職大学院に教員を派遣し、校長、教頭候補として育てるのが理想だが、財政難で派遣人数を減らす例が増えている。学費は個人負担の場合が多く、国立では2年間で約140万円かかる。30~40歳代の教員は子育ての出費もかさみ、経済的負担が大きい。国、教委、大学側が学費負担の軽減策などを真剣に検討すべきだ」  ――修了者へのメリットが少ないとの指摘がある。  「修了者を社会的に評価する仕組みが必要だ。教員採用試験の1次試験免除などの優遇措置を広げ、現職教員が修了した場合は管理職登用試験の1次試験を免除するといった制度を整えなければならない」  ――今後、果たすべき役割は。  「全国の公立学校で昨年度、約6900人が教頭・副校長に昇進したが、教職大学院に入学した教員は340人に過ぎない。岐阜大教職大学院は、岐阜県、岐阜市の教委と連携し、教頭などの候補者を対象に養成講習を行い、その成果を管理職登用に反映させる仕組みを計画している。教職大学院は学校管理職の養成に貢献すべきだ」 学び続ける教員支援を…柳沢好治・文科省教員養成企画室長  ――教職大学院の開設が相次ぐ背景は。  「いじめや不登校から、英語、ICT(情報通信技術)教育まで教育課題は多い。社会が大きく変化する中で、学び続ける教員を支援する仕組みが欠かせない。すでにある大学院修士課程を教職大学院に再編するなどして、各都道府県に1校以上は開設されるようにしていきたい」  ――課題は何か。  「まずは教育委員会との連携だ。大学は学校や地域のニーズをくみ取った上で、教員養成のカリキュラムを作ってもらいたい。そして、教委が積極的に現職教員を学生として派遣し、経験豊富な元校長らを大学の『実務家教員』として推薦するような関係を築かなければならない。『教員養成は大学、教員研修は教委』という断絶をなくしたい」  ――定員割れについては。  「学生のアンケートなどを見ると、教育内容への評価は高い。大学側のアピールが足りない面があるのではないか。授業料の免除制度など学びやすい環境作りや、教員採用試験の一部免除など修了者への優遇策は今後、具体的な検討が進むと思う」  ――実務家教員の確保が難しいとの声もある。  「教職大学院を修了し、現場に戻った教員の中から大学院で教える実務家教員が出るようなサイクルができれば解消されると期待している」  この連載は、伊藤史彦、泉田友紀、名倉透浩、山田睦子が担当しました。  る。?蜈 ???担う政党には、データに基づき、長期的な見通しをもって教育政策を企画実行することが求められている。 "[he-forum 18965] 毎日新聞福岡10/9","毎日新聞福岡版 2015年10月9日付 新教育の森:大学改革/2 国際総合科学部 幅広い視野持つ人材育成 山口大が今春新設 留学、研修制度を充実  山口大(山口市)は前身の学校の開設から200周年を迎えた今春、国際総合科学部(定員100人)を新設した。1年生の夏に1カ月間フィリピンで語学学校に通い、2、3年生で留学できる制度が特色だ。語学力や広い視野を身につけ、4年生で県内の企業や自治体で研修する。地域の課題を解決し、魅力を海外に伝えることができるような人材の育成を目指している。【田中理知】  「フィリピンに行く前は、漠然と『将来は世界に出て働きたい』と思っていた」。同学部1年の倉増(くらまし)里緒さん(18)は、8、9月にフィリピン・セブ島の語学学校に通い、帰国後の心境をこう語る。  現地で貧困層の子どもたちを支援するNPOを訪ねて、子どもと遊んだ。「テレビの中で見たことはあったが、実際に接するとにおいなど目を覆いたくなる部分もあった。この子たちを助ける活動がしたいと思い始めた」と、真剣な表情で振り返った。  山口大が新学部設置を構想し始めたのは約10年前。学部や学科の枠を超えて、幅広い教養を身につけた人材育成が必要との考えからだった。文部科学省と話し合いを重ねた結果、語学力の習得に加え、文系や理系の垣根を越えて幅広く学び、課題解決力を身につけ、世界でも地域でも活躍できる人材育成を目指す学部として認可された。  さらに、同学部は山口大で初めて「学部運営評議会」を導入。山口市や山口県周防大島町などの自治体と、企業3社、高校2校が学部運営について話し合う場を設けた。これまでのところ、学生の積極性が評価されている。  今月3日に開かれた新学部設置記念式典で、倉増さんを含むフィリピンから帰国したばかりの1年生5人が、壇上から英語で自らの考えを発表した。  米国など海外で11年間過ごした福場(ふくば)数与さん(18)は流ちょうな英語で自己紹介をした。「私はTOEICの点数は高いし、海外で暮らした経験もあります。そのためグローバルな人と思われることもありますが、本当は違う。もっと積極的で楽しめる人がグローバルな人」と強調。「フィリピンで、やる気を見せること、柔軟であること、自ら始めることが必要と学んだ。グローバルな人になるためにもっと積極的になりたい」と、今後の大学生活を見据えた。  学部新設の狙いについて、糸長(いとなが)雅弘・同学部長は「グローバル人材として国際社会に進出するだけでなく、グローバルな視点で地域の課題解決に取り組むことができる人材となって、山口で就職し、山口の企業や自治体の魅力を世界に発信できるようになってほしい」と、地域貢献の役割を強調する。  同学部は6、7月に教員らが九州と関西、関東地区の約130の高校などを回り、模擬授業を実施するなどPRに努めた。8月にあったオープンキャンパスでの学部説明会には500人近くが詰めかけたという。 ============== ■ことば ◇山口大国際総合科学部  経済、教育、理学、医学部などに続く同大九つ目の学部として設置された。2、3年時の留学先は、欧州や北米、アジアの75校の大学などから選べる。3、4年時の講義は約8割が英語で行われる。留学先によってはインターンシップで海外の企業で働くこともできる。卒業にはTOEICで730点の取得が必要。卒業論文の代わりに、4年生の1年間で地元自治体や企業と共に地域の課題解決に取り組む。 "[he-forum 18964] 信濃毎日新聞10/8","信濃毎日新聞 2016年10月8日付 県に大学運営参加要請へ 諏訪東京理科大公立化めぐり6市町村長  学校法人東京理科大(東京)が諏訪東京理科大(茅野市)の公立大学法人化に向けた協議を地元の茅野市などに求めている問題で、諏訪地方6市町村長は7日、県に大学運営への参加を求める方針を確認した。大学の公立化をめぐる協議は11月にも始まる見通しで、地元自治体側は公立化後の経営安定をにらみ、県を含む運営主体の枠組みを模索していく構えだ。  同日、諏訪市内で諏訪、茅野、岡谷各市と諏訪郡下諏訪町、富士見町、原村の6市町村長が出席して非公開の会合を開き、この場で茅野市の柳平千代一市長が提案した。柳平市長は会合後の信濃毎日新聞の取材に「諏訪6市町村長の連名で、県に経営参加を要望する方針を確認した」と説明。諏訪広域連合長の金子ゆかり・諏訪市長らとともに19日、阿部守一知事を訪ねて要望書を提出する方針だ。  東京理科大側は9月28日、学生確保の厳しさなどを背景に、諏訪東京理科大の公立化と学科改編に向けた協議を茅野市に要望。金子連合長にも同様の要望を提出し、両者とも「地域に必要な大学」として検討を進める姿勢を示している。協議には県も加わる意向を示している。  同大は、2002年に前身の東京理科大諏訪短大を四年制化して開学。県は四年制に移行する協定の「立会人」を務め、総事業費85億円のうち35億円を負担した。こうした経緯を踏まえ、柳平市長は「大学を公立で運営することになれば、開学に深く関わっている県の参加は不可欠。県内高等教育の振興という目的にも合致するはずだ」としている。  県県民文化部の青木弘部長は取材に対し、「要望があるとは聞いているが、詳しい内容は承知していない」としている。 "[he-forum 18974] 産経新聞主張10/7","産経新聞主張 2015年10月7日付 ノーベル賞 快挙を未来につなげたい  連日の朗報についていこうと、脳みそがうれしい悲鳴を上げている。  北里大特別栄誉教授の大村智氏のノーベル医学・生理学賞に続き、東大宇宙線研究所教授、梶田隆章氏の物理学賞受賞が決まった。  大村氏は、寄生虫などに起因する感染症に有効な有機物を土壌から見つけ出し、治療法や薬剤の開発につなげたことが高く評価された。  大村氏の発見をもとに開発された寄生虫駆逐剤「イベルメクチン」は、熱帯地域の風土病「オンコセルカ症」の特効薬として延べ10億人以上に無償提供され、多くの人を失明の危機から救った。  梶田氏は、2002年に物理学賞を受けた小柴昌俊氏のもとで、素粒子「ニュートリノ」の観測、研究に取り組み、ニュートリノに質量があることを示す「振動現象」を発見した。  その業績は、半世紀にわたって続いたニュートリノの質量をめぐる議論に終止符を打ち、宇宙や物質の根源を探究する素粒子物理学の進展に大きく貢献した。  大村氏が発見した数々の有機物も、知の先端を切り開いた梶田氏の成果も、人類にとってかけがえのない共通の財産だ。2人の受賞を心からたたえたい。  自然科学3分野(医学・生理学、物理学、化学)での日本の受賞者は米国籍の故南部陽一郎氏と中村修二氏を含めると21人になった。特に、2000年以降は16年間で16人と「1年に1人」のペースで受賞者を輩出している。  日本人が人類の幸福に幅広く貢献していることの証しとして、大いに誇っていい。  大切なのは、大村氏や梶田氏の傑出した研究を支えた日本の科学、基礎研究の土壌を肥やし、将来に生かしてゆくことだ。  大学や研究機関では、短期的な成果を求めるあまり、研究の「独創性」「多様性」が損なわれる副作用が指摘されている。  英国の教育専門誌による大学世界ランキングでは、東大、京大は大幅にランクを下げ、小中学生の「理科離れ」の傾向も顕著になっている。  快挙が続く今こそ、日本の科学研究と教育の足もとを見つめ直すべきときだ。  2人の受賞を、研究と教育の両面で、科学に「真っすぐに向き合う」契機とし、快挙を次世代に継承したい。 "[he-forum 18973] しんぶん赤旗主張10/9","しんぶん赤旗主張 2015年10月9日付 科学のノーベル賞 地道な探求が人類に貢献した  今年のノーベル賞が次々発表され、医学生理学賞は北里大特別栄誉教授の大村智氏に、物理学賞は東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章氏に、それぞれ受賞が決まりました。人類への計り知れない貢献をもたらした、日本人研究者の偉業に心から敬意を表します。 基礎研究の重要さを示す  大村氏は、米ドルー大学のウィリアム・キャンベル氏とともに、中南米やアフリカで流行する寄生虫病・オンコセルカ症(河川盲目症)などの特効薬イベルメクチンを開発した功績で受賞しました。  寄生虫による感染症の対策は、寄生虫を殺す効果が人体に副作用をもたらすために薬の開発が難しく、国際的な緊急課題となっていました。イベルメクチンは、多くの寄生虫に共通する神経の働きを妨害するため、同じ仕組みを持たない人体には、副作用がほとんどなく、しかも微量で効く特性があります。失明の原因となる線虫症の予防も、年1回の服用で達成できます。共同で開発したメルク社は世界保健機関(WHO)の求めに応じて、大村氏の同意を得て、人への特効薬をアフリカの途上国に無償提供しました。のべ11億人が服用し、寄生虫病の撲滅の見通しも出てきています。  イベルメクチンの奇跡的な発見は、微生物が作り出す天然物から有用物を探索する地道な研究の積み重ねによるものです。1グラムの土には、10億もの微生物が生息しています。大村氏らは、半世紀近く各地の土壌を集め、毎年6000種に及ぶ分析を重ねて500種の新しい化学物質を抽出、そこから医薬品や農薬の元となる26種の「人に役に立つ」物質を発見しています。  梶田氏は、素粒子の中でも、多くの謎が残るニュートリノに質量があることを突きとめた功績で、カナダ・クイーンズ大学のアーサー・マクドナルド名誉教授とともに受賞しました。  ニュートリノの大きさは、原子核の陽子と比べても、地球に対する米粒ほどの大きさもありません。電気を帯びていないために、観測するのが難しく、1956年の発見以来、謎に包まれた素粒子です。宇宙における数は陽子などの素粒子の1億倍以上もあり、ニュートリノの解明は、宇宙の根本的な成り立ちを解く鍵となっています。  現在の素粒子物理学の「標準理論」では、ニュートリノの質量はゼロとされてきました。梶田氏らの発見はこの定説を覆し、新たな研究局面を開く、まさに「知の地平線を拡大する」ものです。  今回の2人の受賞は、長期にわたる根気強い探求と独創性のある基礎研究が、人類に大きな貢献をもたらすことを教えています。 長期的展望での支援必要  今年6月に内閣府が発表した「第5期科学技術基本計画に向けた中間取りまとめ」は、今世紀のノーベル賞受賞が自然科学分野で日本は世界第2位だと強調する一方、ここ10年の研究開発資金の伸びが停滞するなかで、「若手を始めとした研究現場の疲弊、基礎研究力の低迷」など、深刻な事態にあることを指摘しています。  梶田氏は「基礎研究を重視してほしい」と政府に注文しています。高い水準にある日本の基礎研究を若手研究者に引き継ぎ発展させるには、長期的展望にたって支援を抜本的に強めることが急務です。 "[he-forum 18972] 東京新聞社説10/11","東京新聞社説 2015年10月11日付 ノーベル賞と科学 アジアの世紀が到来  今年のノーベル賞に日本人研究者二人が決まった。医学生理学賞は中国の女性科学者も一緒だ。欧米中心だった科学の世界に新しい時代が到来しそうだ。  アルフレド・ノーベルの遺言で生まれたノーベル賞。第一回授賞式は一九〇一年だった。当時としては珍しい国境を越えた賞だったが、第二次世界大戦までは、受賞者の多くは欧州出身だった。戦後、米国人が急増。特に自然科学部門の医学生理学、物理学、化学の三賞では米国が圧倒的多数だ。  北里柴三郎氏が第一回の候補者に選ばれてはいたが、日本だけでなく、アジアの自然科学三賞の受賞者は少なかった。 ◆東アジア初だった湯川氏  第一号は四九年の湯川秀樹氏(物理学賞)で、東アジア初だった。日本からは朝永振一郎氏(物理学賞)江崎玲於奈氏(物理学賞)福井謙一氏(化学賞)利根川進氏(医学生理学賞)と、おおよそ十年に一人のペースで続いた。  二〇〇〇年に白川英樹氏が化学賞を受賞してから多くなった。二十一世紀に入ると、野依良治氏(化学賞)から今年の大村智氏(医学生理学賞)梶田隆章氏(物理学賞)まで十五年間で計十三人に。米国籍の南部陽一郎氏と中村修二氏も受賞した。  大村氏が多くの人の心をとらえたのは、何億人ものアフリカや中南米の人たちを失明などの病気から守ったことだ。ノーベルは賞について「人類のために最大の貢献をした人々に」と遺言したが、まさにその通りの業績だ。  一方、梶田さんはニュートリノ研究の意義について「知の地平線の拡大」と説明した。これも人類にとって重要な貢献だ。  この勢いは続くだろうか。  米情報会社トムソン・ロイターは〇二年から毎年、自然科学三賞と経済学の予想を発表している。主に学術論文に引用された回数に基づき、選んだ研究者に引用栄誉賞を贈っている。 ◆有力候補はまだいる  これまでに引用栄誉賞に選ばれた日本人(出身者を含む)は二十一人で、中村、山中伸弥の両氏は的中した。梶田氏の先輩、戸塚洋二氏(故人)の名前もあった。これからも期待できそうだ。  目立つのは民間企業出身者だ。江崎氏(東京通信工業、現在のソニー)田中耕一氏(島津製作所)中村氏(日亜化学)と、研究開発の現場から生まれている。  昨年、青色発光ダイオード(LED)が物理学賞を受賞した理由は「優れた省エネ照明」だった。「役に立つ」ことが評価されるのは、もの作りが得意な日本には有利だ。  東アジアに目を転じると、一九五七年に米国で研究生活を送っていた李政道氏と楊振寧氏の二人が物理学賞を受賞した。共に国籍は中華民国(当時)だった。その後は今回、中国の屠〓〓(とゆうゆう)氏が医学生理学賞を受賞するまで、受賞者は日本と台湾に限られていた。  屠氏はベトナム戦争当時、毛沢東の指示で漢方によるマラリア治療を目指し、試行錯誤の末、薬草から治療薬を開発した。この受賞で、欧米でも中国医学が広く認められるようになるだろう。  大村氏は受賞決定後の記者会見で「一回、失敗してダメだと思ったら、ダメですね。失敗したからよかった。これは必ず、役に立つんだと思いながら研究を続けることが大事」と語った。  観測装置カミオカンデは、陽子崩壊の観測が主目的だった。装置名のカミオカンデは「神岡核子崩壊実験」から付けられたほどだ。しかし、小柴昌俊氏は陽子の寿命が予想よりも長い場合を想定し、ニュートリノ検出装置としても利用することを考えた。それが超新星爆発で発生したニュートリノをとらえ、〇二年、物理学賞を受賞した。  最近、科学技術の研究現場にも成果主義的な発想が持ち込まれる。それが研究不正の一因という声もある。しかし、こうした受賞者の声を聞くと、研究者が失敗を恐れず、研究に集中できる環境を整えることが大事だ。 ◆もっと研究予算を  受賞者の中で高額の研究費を使ったのがニュートリノ研究だ。カミオカンデは四億六千万円、スーパーカミオカンデは百億円。それでも、政府は一機約百億円の垂直離着陸輸送機「オスプレイ」を計十七機も購入する計画であることを考えれば、科学技術予算を増やしてもよさそうだ。  もちろん、ノーベル賞偏重になってはいけない。たとえば、数学のように三賞に含まれない分野もある。  十二月十日、医学生理学賞の授賞式では、大村氏と屠氏が並んでメダルを受け取る。日中両国を中心にアジアが欧州・米国に次ぐ科学技術の中心に育っていけば「人類のために最大の貢献」となる。 ※〓は、口へんに幼 "[he-forum 18971] 秋田魁新報社説10/11","秋田魁新報社説 2015年10月11日付 ノーベル賞 高い研究水準の証しだ  ことしのノーベル医学生理学賞に大村智(さとし)・北里大特別栄誉教授(80)、物理学賞に梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)の受賞がそれぞれ決まった。  大村さんは微生物の研究を熱帯病の特効薬の開発に結び付け、アフリカを中心に何億人もの人命を救った。梶田さんはニュートリノと呼ばれる素粒子に重さがあることを見つけ、宇宙の成り立ちの解明につながる成果を挙げた。  日本人のノーベル賞受賞は2年連続で計24人となった。同じ年の複数分野の受賞は、2002年と08年の2回(ともに物理学賞と化学賞)ある。今回の医学生理学賞と物理学賞の同年受賞はそれに続くものだ。日本の科学研究レベルの高さがあらためて証明されたといえる。  大村さんは日本中の土壌の中から、役に立つ物質を作る微生物を探すことに没頭した。1970年代初め、静岡県のゴルフ場の土中で見つけた微生物の作り出す物質を基に、米製薬会社と共同で「イベルメクチン」を開発。これが熱帯特有の失明を招く眼病や皮膚が硬くなる象皮症の特効薬となった。  大村さんの研究の特徴は「人の役に立つ」「まねをしない」ことにある。この特効薬は今でも、大村さんが静岡県で発見した微生物でしか作れない。  一方、梶田さんの研究は、日本のお家芸である「素粒子物理学」の流れの中にある。2002年、ニュートリノの観測でノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊・東京大特別栄誉教授の弟子として、研究を発展させた。  道のりは険しかった。1980年代半ば、ニュートリノに重さがある可能性に気付いてから、膨大な回数の実験を重ね、98年に発見の論文を発表するまで10年余りを要した。  大村さんは山梨大、梶田さんは埼玉大とともに地方の国立大出身だ。昨年、青色発光ダイオードの開発により物理学賞を受賞した中村修二・米カリフォルニア大教授も徳島大卒だ。科学研究は出身大学ではなく、本人の熱意や創意工夫がいかに大切かをよく表している。  受賞対象の多くが20世紀の研究業績で、今後もノーベル賞の候補になるような高水準の研究が維持されるのか、不安視する専門家もいる。日本では昨今、国の財政悪化により、国立大の運営費交付金をはじめ、教育・研究費が減少しているほか、早期に研究成果を求める風潮も強まっているからだ。  しかし、優れた業績を残すには多くの人材や長い時間に加え、資金が欠かせない。すぐには役立たなくても長い目で研究を支える施策を展開しないと、革新的な業績は生まれにくい。  科学研究は資源が乏しい日本が技術立国として生きていくのに不可欠だ。高い山を築くには広い裾野が必要なように、研究の裾野を広げることで、ノーベル賞という頂を極める研究者をこれからも輩出させたい。 "[he-forum 18970] しんぶん赤旗10/12","しんぶん赤旗 2015年10月12日付 「文系廃止」通知 破綻に直面 問われる大学の「類型化」路線 産業界の要求“丸のみ”  文部科学省が6月に出した人文社会科学系や教員養成系の学部廃止を求める通知が「文系軽視」と批判を浴び、同省が「誤解」だといって釈明に追われています。  「文部科学省は、人文社会科学系などの特定の学問分野を軽視したり、すぐに役立つ実学のみを重視していたりしてはいない」  9月中旬に開かれた「日本学術会議」の幹事会で、文科省の常盤豊高等教育局長は、こういって通知の「真意」を説明しました。 大学側は批判声明  同会議は7月、「人文社会系の軽視は、大学教育を底の浅いものにしかねない」と批判する声明を発表。幹事会でも「通知は説明通りには読めない」などの声が出されました。  通知は、「国立大の教員養成系と人文社会科学系の学部・大学院」を名指しして、「組織の廃止や転換」を求めました。「理系重視」「即戦力」を求める産業界の意向に応えたものでした。  財界は「研究面で新しい発見がなくなってきたり、動きが止まっているような学問領域を思い切ってやめて、新しい領域、学際分野を立ち上げるべきだ」(小林喜光経済同友会代表幹事、経済財政諮問会議)と主張。「国際競争力強化」のために、学部学科の統廃合を求めてきました。  通知に対して「目先のことしか考えない暴論だ」と批判が噴出。下村文科相(当時)は9月中旬の記者会見で「非常に誤解を与える文章」とのべ、廃止は教員養成学部のうち教員免許取得を卒業要件にしない課程のこと▽人文社会科学系も質の転換が求められているという意味―と釈明に追い込まれました。  経団連も「即戦力を有する人材を求める産業界の意向を受けたものであるとの見方があるが、産業界の求める人材増は、その対極にある」といわざるをえなくなりました。  ところが、馳浩文科相は9日、「本来の趣旨は説明済みなので撤回しない」とのべるなど固執しています。  しかし、通知は「廃止」と明記しており、「誤解」というのなら、きっぱり撤回するしかないものです。  問題は通知だけにとどまりません。背景には文科省が2012年度から進めてきた「ミッションの再定義」と呼ぶ大学・学部の再編統合計画があります。 理系重視再編狙う  「理系重視」など政府の方針を念頭に、各大学に対し「3類型」―(1)世界最高の研究(2)全国的研究(3)地域貢献―から一つを選んで取り組むよう求めるもので、「文系廃止」通知はその一環です。  各大学の取り組みを評価して、国立大学の基盤的経費である「運営費交付金」を重点配分する計画です。  運営費交付金は、法人化後10年で1292億円も削減され、教育研究に重大な障害が生じています。代わりに競争的研究費への依存が強まっています。  運営費交付金の重点配分で、各大学が類型ごとに資金獲得競争に追い立てられ、大学や学部の再編・統合が進められる危険性を抱えています。すでに「教育学部と人文学部の再編で定員を減らし、理工学部を増やす」(弘前大学)などの計画が打ち出されています。  通知を撤回し、大学の「類型化」路線、運営費交付金の重点配分を見直すかどうかが問われています。  (深山直人) "[he-forum 18969] 産經新聞10/12","産經新聞 2015.10.12 06:30 ノーベル賞「地方大学発」、トレンドの理由は…今後の候補も「ズバリ」教えます ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授(宮崎瑞穂撮影)  今年のノーベル賞の医学・生理学賞と物理学賞の受賞が決まった大村智氏と梶田隆章氏をはじめ、近年の日本人受賞者に地方国立大出身者が目立ってい る。今年を含む過去5年間で見ると、受賞6人のうち旧帝国大を除く地方国立大出身者は4人を占める。大学関係者からは「(有力国立大より)重圧が少なく、 のびのびと学べる雰囲気があるのでは」との声も上がる。地元の強みを生かした取り組みを始めた大学もあり、人材の供給源としても注目を集めている。  ■人材、広い裾野  これまで自然科学系の医学・生理学、物理学、化学の各賞を受賞した日本人は21人。うち15人が東京大や京都大をはじめとする旧帝大出身者だ。  近年では、平成24年に神戸大出身の山中伸弥京大教授(医学・生理学賞)、昨年は徳島大出身の中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(物理学賞)が受賞している。 最先端の研究設備が整っている旧帝大には、優秀な教授や学生が集まる傾向が強いが、日本学術会議の大西隆会長は「受験勉強の優秀さと研究者としての 素質は違う。志のある人を全国の大学で受け止め、しっかりとした教育を受けさせたということ」と指摘する。日本の大学における人材の“裾野の広さ”が実を 結んだとの見方だ。  ■ワインのプロ育成  ただ、現在の国立大を取り巻く状況は甘くない。少子化に加え、国からの運営交付金は国立大法人化後の10年で約1300億円が削減された。文部科学省も今年6月に人文社会科学系の学部の改組を求める通知を出すなど、絶えず環境変化の波にさらされている。  そうした中で、強みを生かした取り組みで活路を見いだす大学もある。   山梨大はブドウの名産地にある利点を生かし、「ワイン科学研究センター」を設立。ワイン産業で世界的に活躍できる人材の育成を目指し、ブドウ栽培やワイン 醸造などの研究を行っている。センター長の奥田徹教授は「ブドウ農家は『地元の国立大』ということで協力的」と、地元からの信頼の厚さを利点に挙げる。  一方、かつて周辺地域で地下資源が豊富だったことから、資源研究が活発な秋田大では、昨年度から「国際資源学部」が始動。資源の探査、採掘から販売までの全ての流れを学べるという触れ込みだ。  ■電気通信大、信州大にも   地方国立大などが出身校のノーベル賞候補としては、物理学賞でカーボンナノチューブを発見、作成した飯島澄男名城大大学院終身教授(電気通信大出身)と遠 藤守信・信州大特別特任教授(信州大出身)、化学賞では酸化チタンの光触媒作用を発見した藤嶋昭東京理科大学長(横浜国立大出身)ら、多くの研究者の名前 が挙げられている。  大西会長は、「18歳の春で一生が決まるわけではない。現代の諸課題や要請に適合させたカリキュラムによって、まず学生に関心を持ってもらうことが大切だ。その後の研究の中で『深いサイエンス』に出合うこともある」と話している。= "[he-forum 18975] 人文社会科学系「廃止」問題に対し17大学人文系学部長会議が共同声明、・日本学術会議幹事会が提言を発表","文部科学省のいわゆる「人文社会科学系学部等の廃止・転換」方針に対し、10月9日に「国立大学法人17大学人文系学部長会議」が共同声明を発表し、また10月15日に日本学術会議幹事会が提言を発表しました。 日本学術会議の提言はホームページから見ることができます。 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-kanji-2.pdf 国立大学法人17大学人文系学部長会議の共同声明は以下のとおりです。      国立大学法人17大学人文系学部長会議共同声明 文部科学大臣 殿                         平成27年10月9日  文部科学省は,去る6月8日,各国立大学法人に対して「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」の通知を発出し,「特に教員養成系学部・大学院,人文社会科学系学部・大学院については,18歳人口の減少や人材需要,教育研究水準の確保,国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し,組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする」とした。  この通知をめぐっては,日本学術会議幹事会声明「これからの大学のあり方―特に教員養成・人文社会科学系のあり方―に関する議論に寄せて」(7月23日),日本経済新聞朝刊記事「大学を衰弱させる「文系廃止」通知の非」(7月29日),日本経済団体連合会「国立大学改革に関する考え方」(9月9日)等,各方面から反発や批判の声が高まっている。  こうした中,9月18日には,日本学術会議幹事会における文部科学省説明資料として,「新時代を見据えた国立大学改革」という,先の通知を若干修正する内容の文章が高等教育局から出され,文部科学省のHPに掲載された。しかしながら「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換」という方針についての変更はない。  人文社会科学系学部・大学院のみをことさら対象にし,「ミッションの再定義」に応えようとしている国立大学法人に対して「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換」を迫ることには大きな疑問を抱かざるを得ない。人文社会科学の学問は社会の基盤形成に寄与するものであり,教育研究における人文社会科学の軽視は,わが国における人的基盤を根底から揺るがしかねない。また,全国的な高等教育の機会均等の観点からも,地方国立大学の存在意義は大きい。この文部科学省の見解に対しては,国立大学法人17大学人文系学部長会議として強く抗議する。  国立大学法人が,その強み・特色・社会的役割を踏まえながら,これからの時代の新たなニーズと真摯に向き合い,それぞれの大学の個性や特色にあった機能強化を進めていかなければならないことは当然である。文部科学省は,人文社会科学の存在意義を踏まえ,一律に人文社会科学系学部・大学院の改革を迫るのではなく,それぞれの大学の特性に応じて柔軟に支援していくことを強く要望する。           国立大学法人17大学人文系学部長会議           弘前大学人文学部長     今 井 正 浩           岩手大学人文社会科学部長  横 山 英 信           山形大学人文学部長     北 川 忠 明           福島大学行政政策学類長   久 我 和 巳           茨城大学人文学部長     佐 川 泰 弘           埼玉大学教養学部長     高 木 英 至           富山大学人文学部長     大工原 ちなみ           信州大学人文学部長     吉 田 正 明           静岡大学人文社会科学部長  今 野 喜和人           三重大学人文学部長     後 藤   基           島根大学法文学部長     吹 野   卓           山口大学人文学部長     根ヶ山   徹           徳島大学総合科学部長    平 井 松 午           愛媛大学法文学部長     西 村 勝 志           高知大学人文学部長     吉 尾   寛           鹿児島大学法文学部長    平 井 一 臣           琉球大学法文学部長     浜 崎 盛 康 "[he-forum 18976] 毎日新聞10/20","毎日新聞 2015年10月20日 08時20分 文科省:科学研究補助を見直し 細目再編し分野融合  文部科学省は、公費で研究活動を支援する「科学研究費補助金(科研費)」の仕組みを、2018年度に抜本改革する。400以上 に分かれていた研究区分を大きくし、審査に異分野の専門家も加わることで、複数の分野が融合した研究や新しい視点の研究に資金を回しやすくする。1968 年に現行制度ができて以来、初の大幅見直しという。  科研費は年間2000億円以上が充てられるが、今年度は約10万7000件の新規応募に対し採択されたのが約3万件で、研究者 にとって資金獲得は狭き門だ。厳しい競争の中、近年の日本の科学論文数は中国などに抜かれ大きく水をあけられており、基礎研究を支える科研費の配分は浮上 の重要な鍵を握っている。  これまで科研費は「系→分野→分科→細目」という4段階の区分のうち、一部を除いて細目単位で公募・審査をしていた。例えば、 ゲノム(全遺伝情報)関係では「ゲノム生物学」「ゲノム医科学」「システムゲノム科学」に分かれている。細目は5年ごとの見直しの度に増え、現在は最大約 430に上る。  こうした細分化は、専門性の高い審査ができる半面、分野によって競争率に差がある▽異分野融合の妨げになる--などの弊害が指摘されていた。  今回の改革では、細目を再編して3割程度減らし、さらに、より大きな区分での応募も可能とする。代表的な費目の「基盤研究A」(期間3~5年、 2000万~5000万円)と「若手研究A」(期間2~4年、500万~3000万円)は、区分が70程度になる見通しだ。これにより、審査に異分野の専 門家も加わりやすくなる。また、書面と合議の審査を別々の委員が担当していた従来方式を改め、同じ委員が統合審査をして質を高める。  同省の鈴木敏之・学術研究助成課長は「ノーベル賞級の成果を生み出しているのは研究者個人の自由な発想や独創性。多種多様な挑戦を支える役割を強めたい」と話す。【須田桃子】  【ことば】科学研究費補助金  学術研究に必要な資金を研究者個人に助成する仕組みの一つで、人文学、社会科学、自然科学の全分野が対象。研究者の応募した研究計画を審査して採択を決める。今年度は約10万7000件の新規応募のうち約3万件が採択された。継続分を合わせた配分総額は約2154億円。= "[he-forum 18977] 毎日新聞10/20","毎日新聞 10月20日(火)9時10分配信 <放送大学>政権批判の問題文削除 単位認定試験「不適切」  今年7月に出された放送大学の単位認定試験問題を巡り、大学側が「現政権への批判が書かれていて不適切」として、試験後に学内サイトで問題を公開する 際、該当部分を削除していたことが分かった。この部分は安全保障関連法案を念頭に置いたもので、当時は国会審議中だった。一般的に担当教員の裁量があると される単位認定試験に対し、今回の大学側の対応は論議を呼びそうだ。【日下部聡】  ◇学生の苦情に反応  この問題は、客員教授の佐藤康宏・東京大教授(60)=美術史=が、7月26日に670人が受けた「日本美術史」の1学期単位認定試験に出題した。画家が戦前・戦中に弾圧されたり、逆に戦争に協力したりした歴史を解説した文章から、画家名の誤りを見つける問題だった。  問題視されたのは問題文の導入部5行。「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的というが、ほとんど の戦争はそういう口実で起きる。1931年の満州事変に始まる戦争もそうだった」「表現の自由を抑圧し情報をコントロールすることは、国民から批判する力 を奪う有効な手段だった」などとあった。  放送大は単位認定試験の過去問題と解答を学生ら関係者だけがアクセスできるサイトに公開している。佐藤氏によると、7月28日に大学の事務担当者から「学生から疑義があった」として、学内サイト公開前に問題の削除や修正を求められた。  担当者から来たメールに添付された「学生からの疑義」には「現在審議が続いている事案に対して、このようなことをするのは問題」「思想誘導と取られかねない愚かな行為」などと書かれていた。  大学側は、試験に対する質問を受け付ける学内のオンラインシステムに試験当日、1人の学生から苦情が寄せられたとしている。問題は事前に複数の専任教員による校正を受けたが、特に指摘はなかったという。  佐藤氏が大学側の求めを拒むと、該当部分の削除を通告する文書が8月上旬、宮本みち子副学長名で届いた。削除理由として「現政権への批判が書かれている が、設問とは関係なく、試験問題として不適切」「現在審議が続いているテーマに自説を述べることは、単位認定試験のあり方として認められない」と記されて いた。  これに対し佐藤氏は納得せず、昨年度から2019年度まで6年間の契約だった客員教授を今年度限りで辞めると大学側に伝えた。佐藤氏は「学生に美術史を 自分のこととしてリアルに考えてほしかったので、この文を入れた」と説明した。その上で「大学は面倒を恐れて先回りした。そういう自主規制が一番怖い」と 話す。  放送大の来生新(きすぎ・しん)副学長は「学問や表現の自由には十分配慮しなければいけないが、放送大学は一般の大学と違い、放送法を順守する義務がある。試験問題も放送授業と一体のものと考えており、今回は放送法に照らし公平さを欠くと判断して削除した」と話した。  放送法4条は放送局に対し「政治的に公平である」「意見が対立している問題は、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」ことを求めている。  ◇異常な反応だ  服部孝章・立教大名誉教授(メディア法)の話 政権批判がダメならば慰安婦などいろいろな問題が出題できなくなってしまう。削除する必要は全くない。表 現の自由以前に学問の自由をどう考えているのか。放送大学の試験問題の出題が政治的中立性を保たなければならないのならば、講義そのものが成り立たなくな り、多くの授業で放送大学の存在意義が問われる。学問における中立性が何なのかが問われる異常な反応だ。  ◇「検閲」に無自覚  大石泰彦・青山学院大教授(メディア倫理)の話 放送大学が放送法との関係で微妙な立ち位置にあるのは確かだが、大学である以上、学問の自由や自治はあ る。また、放送法が定める公平性は、一つの番組ではなく、放送局の番組全体を見て担保されていればいいというのが定着した政府見解で、個々の試験問題まで 公平性は要求されていないはずだ。社会問題を扱う科目では、教員のスタンスを切り離して考えることはできない。異議を唱える人もいるだろう。だが、問題文 の特定の部分が不適切かどうかは、大学ではなく教員自身が考えるのが原則だ。大学側は、検閲的な行為をすることの危険性に無自覚なのではないか。  【ことば】放送大学  文部科学、総務両省所管の特別な学校法人が運営する通信制大学で、1983年に設立された。授業は主にテレビ、ラジオ、インターネットの番組で行われるが、単位認定試験は全国各地の大学施設で行われる。今年度の学生数は大学・大学院合わせて約8万9000人。= "[he-forum 18978] 大学が[AO入試]で狂っている!日刊SPA 5/10","AO入試枠の拡大で、貧しい家庭の子供は東大に合格しづらくなる!? 2015.05.10 雑学 URL http://nikkan-spa.jp/835052 (少し古い記事の紹介で恐縮です。以下、引用) 「“受験戦争”という言葉は過去のもの。高校生の学力低下が問題になり、さらに少 子化で各大学が学生の確保に躍起になっている。そんななかで、新たな受験方式であ る「AO入試」の増加で大混乱している大学の入学事情。精神科医で受験アドバイザー もある和田秀樹氏に話を伺った。 ◆AO入試枠の拡大で、学生の貧富の格差がさらに広がる<和田秀樹氏>  AOの導入で学力低下ばかりか貧富の差が拡大してしまう。これこそが安倍政権の狙 いでしょう。中教審が答申した20年からの新入試制度では、AOを含む推薦を拡大、制 度を取り入れた大学に補助金を増やし、導入しなければ逆に減らすという。当然、右 へ倣えで各大学は方針に従うでしょう。  すでに今でも、東大合格者の生徒で年収400万円未満の家庭は約14%しかいない。 新入試制度の運用次第では、その14%が限りなくゼロに近づく可能性もあります。  昔は地方の公立高校出身の東大卒がたくさんいたし、エリートになって貧しい人へ 配慮する人も多かった。今の東大生は、裕福な家庭に育ち、子供の頃から塾に行き中 高一貫校に進む。だから貧乏人の暮らしをまったく知らない。新制度では、こういう 傾向がさらに助長されるかもしれないのです。  難関校のAOでは、予備校の指導が効いてきます。結局は、新たな“AO受験テクニッ ク”を習得できる者が勝ってしまう。合格するのは、高額なAO受験予備校に通う財力 と、高2までに高3の勉強を終えて、高3時に受験に集中できる時間のある中高一貫の 進学校の生徒ばかりになる。面接でも小論文でも、親の職業のステータスが高くて裕 福だと有利な傾向がありますね。  それこそ小泉進次郎議員や安倍首相のように子供の頃から偉い人に会っていれば、 面接でも物おじしない。安倍さんには子供はいないけれど、例えば「安倍首相の息子 です」と面接で言えば、落とす度胸のある人はいないと思います。AOはやめて、初 等・中等教育の充実で学力を取り戻し、大学教育の改革に専念すべきです。 【和田秀樹氏】 灘高校を経て東京大学医学部卒。精神科医として活躍するとともに、受験アドバイ ザーとして多くの受験生を東大に合格させた実績をもつ。受験本など著書多数 取材・文/林克明 斎藤清八 横田一 ― 大学が[AO入試]で狂っている! ―    」 "[he-forum 18979] ダイヤモンドオンライン10/20","ダイヤモンドオンライン 2015年10月20日 「大学文系不要論」炎上に見る文科省の悪しきビジネスモラル 山口 博 「大学文系不要論」の騒動が止まらない。文部科学省が発信した「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて(通知)」の「教員養成系学 部・大学院、人文社会科学系学部・大学院については、18歳人口の減少や人材需要、教育研究水準の確保、国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画 を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むように努めることとする」という記述が発端だ。 「文系が必要か否か」はさておき、騒動そものものの経緯を考えてみると、日本社会全体にはびこっている深刻な病理が垣間見える この記述に対して、「文系は必要である」、「議論が尽くされていない」、「通知を撤回せよ」という意味の反論が、経団連、日本学術会議、大学関係者、内外メディアから発信されている。 ?この騒動の中で触れられてない、しかし、極めて深刻な根本問題があるように思えてならない。 **************************************************** 収束しない「大学文系不要論」の騒動 過ちを認めず、不誠実に屁理屈を並べる文科省 **************************************************** ?報道によれば、この通知が6月8日発信された途端、国内メディアがこぞって大学文系の要否を問う観点で取り上げる中、文科省は「文系廃止の意図はない」と火消しに躍起になった。 ?経団連は9月9日に安易な見直しに反対する声明を出し、11日には当時の文部科学大臣が記者会見で、次の意味の説明をした。 ○教員養成系を廃止対象としており、人文科学系を廃止対象としているわけではなく、見直しを求めただけだ ○通知の表現が、誤解を与える表現だった ○通知の文章は、一字一句全部チェックしているわけではない ?9月18日には日本学術会議でも議論された。ここで出た「通知を取り換えた方がいい」という意見に対して、文部科学省は「組織を見直す場合も、手続き上はいったん廃止してから新設するので、通知は間違いとは言い切れず、通知を撤回しない」というスタンスを示した。 ?そして、新たに着任した元国語教師の文部科学大臣が、通知の国語力の問題であり、国語教員なら32点しかつけられないとして、通知の表現の問題であることを強調して幕引きを図ろうとしたが、依然、騒動は収束しないままだ。 ?この騒動の経緯と内容をふまえると、私には、幾つもの極めて深刻な問題があるように思える。第一に、メディアで異論が唱えられ、その火力が強まってから、あわてて火消しに躍起になるという、お粗末な事後対応だ。 ?その際も正面から議論せず、表現の問題であるとして、すり抜けようとする安易性と、一字一句チェックしているわけではないという、通知の発信人・ 発信組織の無責任性が垣間見える。そして、通知の撤回を求められても、屁理屈としか思えない抗弁に終始し、「誠実性の欠如」が甚だしい。 **************************************************** 文科省役人のモラルは低いが 民間企業だって笑えない **************************************************** ?表現の誤りに気づいたのであれば、お詫びして訂正し、説明すれば良い。異論に接しても、主張する考えが正しいと考えるのであれば、異論をいただいたことに感謝して、今後、議論を煮詰めたり、あらためて議論をしたりしていけばよい。 ?通知の発信人であり発信者の組織の長が見ていなかったとは、「私は部下に責任を押し付けています」ということと同義だ。見直す場合は、廃止して新 設するので間違いではなく撤回しないという役所の論理は、役所外には通用しないし、「私はごまかしています」ということを言っているようなものだ。 ?ほとんど全ての国民が、言うまでもなく文部科学省が管轄する教育行政の中で、間違いに気づいたらお詫びして訂正しましょう、合意が得られないので あれば議論を尽くしましょう、それぞれの役割と責任を全うし、他人のせいにしないようにしましょう、社会常識に則って生活しましょうということを、義務教 育の時代から教えられてきたにもかかわらず、これらとは正反対のことが生じている。 ?この問題が収束しないのは、大学文系の要否の問題以上に、この問題が示している、事後対応の悪さ、安易性、無責任、誠実性の欠如に、ほとんどの国 民が強い懸念を感じているからではないだろうか。そして、これにより、国や行政に対する信頼性が損なわれたり、さらに低下することが、根本的な問題なので はないだろうか。 ?さらに悪い事に、多くの日本人にとって、政治家や行政が言い訳に終始したり、勝手に決めたり、他人に責任を押し付けたり、詭弁を弄することは、日常茶飯事で慣れっこになってしまっているように見える。 ?実はこうした状況は、企業においても、特に労働行政に近い人事部門において、よく見られる光景である。 ?人事部門から全社員への通知文書に間違いがあっても、訂正通知をしない。指摘されたら、指摘してきた人だけに説明する。異論に接すると、議論を尽 くさず、その場しのぎの対応をする。労基署や社長や他の部の指示なので、そうしてくださいと他人に責任転嫁をする。社会の常識とは乖離している人事の世界 だけの理屈を説明する――これらは、ほとんどのビジネスパーソンが思い当たる場面なのではないだろうか。 ?繰り返すが、誰しも間違うことがあるのだから、間違ったらお詫びして訂正すればよい。異論に接したら、議論を尽くしたり、議論を再開したりすれば よい。他人の責任にしないで、自身の責任で説明すれば良い。屁理屈をこねないでありのままの説明をすれば良い。策を弄せず、素直に表現していくことを積み 重ねていけば、問題ははるかに小さい。 ?それをしないで、策を弄して、虚言と詭弁の上塗りをしたあげく、自ら周囲からの信頼を損なうことが、政治や行政においても、企業においても散見される状況である。 **************************************************** 「責任の所在を曖昧にすべき」と新人を指導! こうして無責任人事が作られていく **************************************************** ?日本の政治家も行政職員も、そして、企業のビジネスパーソンも、いつから素直な表現ができなくなったのだろうか。私は、行政や民間企業において、 リスクや責任をできるだけ回避するために言い繕うことが、社会人として成熟した証だという、全く間違った教育が蔓延しているためではないかと思わざるを得 ない。 ?私自身、大手保険会社に勤務していた時代に、「当部の責任になるような表現をするな」、「責任の所在を明確にするな」、「ストレートな表現にせず に、さまざまな解釈ができるように表現せよ」という考え方を学び、そのように行動していた。つまり、自身の保身、所属組織の防衛の意識に昂じて、義務教育 時代に学んだ、基本的な言動のあり方を忘れていたのだった。 ?その後、社員200人の外資系IT企業に着任し、初めて企業の人事責任者となった後、上司の社長から、事あるごとに、こっぴどく、社員に対してコミュニケーションする際の表現を修正された時期がある。 ?例えば、明らかに間違った内容を含む通知を発信してしまい、「内容に誤りがありましたので、○○のとおり修正させていただきます」と修正通知を出 した。これに対して、社長から、「なぜ、おわびの言葉がないのですか。間違ったらまず謝る、そして修正するのが、あたりまえではないですか」と指導を受け た。 ?あるいは、別の機会に、問い合わせが多数あった通知に対して、「誤解を与えてしまったとすれば申し訳ありませんでした。○○のように追加説明させ ていただきます」という追加の通知を出した。これに対して、社長から、「誤解を与えてしまったとすればと書かれていますが、社員から問い合わせが多数あっ たということは、事実、誤解を与えたのではないですか。誤解を与えた間違った表現で申し訳ありませんでしたと書くべきです」と指導を受けた。 ?私には、責任逃れする気持ちも、間違いをごまかす意図も、全くなかったつもりなのであるが、考えようによっては、無意識的にそうした表現になってしまったとすれば、なお深刻な問題であると自覚した。 ?口うるさい社長と自分との相性の問題で片付けようとする自分もいたが、「一挙手一投足に、社員を大事にしているという会社の方針を、体現してくだ さい!」と言い続け、それを自ら実践している社長の姿に、少しずつではあったが私自身も変わっていくことができた。そして、次の職場以降は、自身が他のメ ンバーへ、こうしたメッセージを伝える役回りを担っているつもりである。 ?無意識に、責任逃れをする言動が出てしまうようになっては手遅れである。義務教育の教えに立ち返り、間違えに気づいたら正す、議論を尽くす、責任転嫁しない、屁理屈をこねないという基本行動のおさらいが不可欠である。 "[he-forum 18980] 毎日新聞10/20","毎日新聞 2015年10月20日 12時02分(最終更新 10月20日 13時16分) 国立大学:33校で文系見直し 9大学で教員養成廃止  ◇16年度以降6年間の中期計画  国立大学で2016年度以降、人文社会科学系の学部・大学院の組織見直しを計画しているのは33大学で、人文社会科学系がある 60大学の半数超に上ることが20日分かった。各大学の16年度以降の6年間の中期目標・計画の素案が同日開かれた文部科学省の専門分科会で示された。一 方、組織の廃止を予定しているのは横浜国立大など9大学で、いずれも対象は教員養成系学部だった。文科省が6月の通知で求めていた国立大の文系学部の組織 改編が一気に進むことになる。年度内に文科相が各目標を決定し、計画を認可する。  中期目標・計画は86の各国立大が6年間で達成を目指す事項を盛り込んだもので、国立大学法人評価委員会が達成度を評価し、各大学の運営費交付金の額に反映される。04年度の国立大学法人化で義務づけられ、今回は3期目になる。  人文社会科学系の組織見直しを計画している33大学のうち、宇都宮大は国際学部、工学部などを改組して16年度に「地域デザイン科学部」を新設する。愛媛大は同年度に法文学部の改組と「社会共創学部」の設置を盛り込んだ。  組織の廃止や募集停止を打ち出した9大学は、対象がいずれも教員免許の取得を卒業条件にしない「新課程」(ゼロ免課程)。横浜国立大は17年度に新課程の「教育人間科学部人間文化課程」を廃止し、学校教育課程のみの教育学部(仮称)に組織改編する。  中期目標・計画素案で示された数値目標は全大学で計約1400件に上り、第2期(10年度からの6年間)の8倍。内容は、外国人留学生の受け入れ数・比率▽女性教員数・比率▽外部資金獲得額・採択数--など。  中期目標・計画を巡っては、文科省が6月にその作成の基になる通知を出した。各大学・学部の強みや役割を整理するため、専門分野が細分化している 人文社会科学系の改組や教員養成系の新課程の廃止を求める意図だったが、人文社会科学系にも廃止を求めるように読める文面だったことから、学術界などから 「文系軽視だ」と反発が起き、文科省は「文書ミスだった」と認めている。【三木陽介】 ◇国立大の中期目標・計画素案に盛り込まれた人文社会科学系の組織見直し例◇ 大学    中期計画の内容 宇都宮大  国際学部の改組 横浜国立大 経済学部2学科体制、経営学部4学科体制をそれぞれ1学科体制にする 滋賀大   新たにデータサイエンス学部・研究科(仮称)を設置 愛媛大   16年度に法文学部の改組および社会共創学部を設置 熊本大   17年度までに人文社会科学系および自然科学系学部の学部定員を見直し再編統合する= "[he-forum 18981] 朝日新聞10/21","朝日新聞2015年10月21日05時42分 「文系」学部、26大学が見直しへ 国立大中期計画素案 高浜行人  文部科学省は20日、全86の国立大が運営や改革方針をまとめた「中期目標・計画」の素案を公表した。文科省が廃止などを通知した人文社会科学系について、33大学・大学院が見直しを盛り込んだ。学部の新設や統合が目立ち、廃止はなかった。  研究機関の要素が強い大学院を除くと、人文社会系学部がある約50大学のうち、26大学が見直す。横浜国立大は経済学部2学科、経営学部4学科をそれぞれ1学科に再編し、神戸大は2017年度に国際文化、発達科学の両学部を統合して新学部をつくる。茨城大は「人文学部」を「人文社会科学部」(仮称)に改めて入学定員を削減する。「人文社会芸術系の組織の見直しを行う」(富山大)など抽象的な表現も多かった。  文科省は6月、国立大に対し「教員養成系、人文社会科学系学部・大学院は、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に努める」と通知した。大学は「文系軽視」と反発、文科省は「廃止対象は教員養成系のうち教員免許を取得しなくても卒業できる(ゼロ免)課程だけ」と文章の不備を認めた。  人文社会系の見直しを求めたのは、教育内容が専門分野に偏り「たこつぼ化」していることや、地元の就職先を踏まえていないといった課題があるからだという。今回出された計画では、文科省はこうした意図が正しく伝わったとみる。  一方、教員養成系では新潟大や三重大、熊本大など9大学が課程の廃止を計画。いずれもゼロ免課程を廃止する。  組織見直し以外では、数値目標を盛り込む大学が多かった。例えば、海外への留学生数・比率が66大学、女性教員数・比率が65大学。外部資金獲得額も59大学に上った。  国立大は04年度の法人化以降、6年ごとに中期目標・計画を国に提出しなければならない。16年度からが第3期に当たり、今年度中に文科相が認可する。文科省は12年度から、国立大ごとに役割の差別化を進めている。このため、人文社会や自然科学など分野ごとに具体的な見直し計画をつくる大学が増えた。(高浜行人) ■人文社会系学部の見直しを計画している大学 山形、茨城、宇都宮、群馬、千葉、東京外国語、横浜国立、新潟、富山、福井、三重、滋賀、神戸、和歌山、鳥取、島根、岡山、山口、徳島、愛媛、九州、熊本、大分、宮崎、鹿児島、琉球= "[he-forum 18982] しんぶん赤旗10/21","しんぶん赤旗 2015年10月21日(水) 国立33大学 文系再編・縮小 中期目標・計画素案 9大学教員養成廃止  全国86の国立大学で2016年度以降、学部組織の見直しを計画しているのは43校で、人文社会科学系学部・大学院の見直しを計画しているのが 33校にのぼることが20日分かりました。文部科学省の国立大学法人評価委員会で同日、各大学の新たな中期目標・計画(6年間)の素案が示されました。組 織の廃止を打ち出したのは横浜国大など9校で、いずれも対象は教員養成系学部でした。  人文社会科学系と教員養成系は、文科省が6月の通知で「廃止や転換」を求めていました。“文系つぶし”の押し付けが広がっていることを示しています。  学部の再編や縮小を計画しているのは、山形大や横浜国大、神戸大、鳥取大、宮崎大など43校。このうち人文社会科学系学部の再編は26校(大学院を含めると33校)あり、学科の統合や定員削減とセットになっています。  神戸大は「国際文化学部」と「発達科学部」を統合して新学部を設置。愛媛大が「社会共創学部」、宮崎大が「地域資源創成学部」などの新学部を創設します。  組織の廃止を明記しているのは新潟大や三重大、熊本大など9校で、いずれも教員免許取得を義務付けない「ゼロ免課程」を廃止・募集停止します。  これまで文科省は「ミッションの再定義」の名で各大学を類型化し、「グローバル化」や「イノベーション(画期的技術)創出」に重点を置いた組織再編を求めてきました。  中期計画は、その取り組み状況が運営費交付金の配分にも反映されるため、組織再編のテコとなっています。 学部・学科見直しを 計画する43大学  室蘭工業▽北見工業▽山形(人)▽茨城(人)(教)▽筑波技術▽宇都宮(人)▽群馬(人)▽埼玉▽千葉(人)▽東京外国語(人)▽東京工業▽東京 海洋▽横浜国立(人)(教)▽新潟(人)(教)▽上越教育▽富山(人)▽福井(人)▽山梨(教)▽信州▽静岡(教)▽三重(人)(教)▽滋賀(人)▽滋賀 医科▽大阪教育▽兵庫教育▽神戸(人)▽和歌山(人)▽鳥取(人)▽島根(人)▽岡山(人)▽山口(人)▽徳島(人)▽香川▽愛媛(人)▽福岡教育▽九州 (人)▽九州工業▽長崎▽熊本(人)(教)▽大分(人)(教)▽宮崎(人)▽鹿児島(人)(教)▽琉球(人)  ※(人)は人文社会科学系学部を見直す26大学、(教)は教員養成系学部の「ゼロ免課程」を廃止する9大学 "[he-forum 18983] 朝日新聞10/21","朝日新聞 2015年10月21日07時23分 放送大学、政権批判の問題文削除 作問者「過剰な規制」 伊藤あずさ  単位認定試験の問題に安倍政権を批判した文章が含まれたのは不適切だったとして、放送大学が学内サイトに掲載する際に該当部分を削除していた。大学側は「放送法により、政治的に公平でなければならない」と説明する。だが、総務省は「法に触れない」との立場で、作問した教授も「過剰な規制」と指摘する。  削除されたのは、7月にあった「日本美術史」の問題。戦前・戦中に風刺画を描いて弾圧された画家らについて書かれ、内容と一致しない画家名を答えるよう求めた。  放送大は冒頭5行を削除した。「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的というが、ほとんどの戦争はそういう口実で起きる」「表現の自由を 抑圧し情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった」などと書かれた部分だ。作問した放送大客員教授の佐藤康宏・東大教授 (60)は「戦前・戦中期の美術史について、学生に自分たちの身近な問題に引きつけて考えてもらうために必要」と説明した。  放送大によると、受験した670人のうち1人から「現政権の批判ともとれる文章がありました。多くの受験者の目に触れる試験で、審議が続いている事案に対して、このような事をするのは問題」という内容のメールが大学に届いた。来生(きすぎ)新・副学長は「放送法の規制を受け、一般大学より政治的中立性を配慮しなければならない。試験問題も放送授業と一体。問題文は公平さを欠くと判断した」と削除理由を説明した。  放送法第4条は、放送事業者に政治的に公平である▽意見が対立している問題については、できるだけ多角度から論点を明らかにすることなどを求めている。ただ、総務省放送政策課の担当者は「今回のケースは法に触れず、試験まで規制対象としたのは無理がある」と指摘。紙媒体は放送されなければ第4条の規制対象にならないという。「テストが偏っていると授業内容も疑われるのを心配したのでは」とも話した。  佐藤教授は「学問の自由が認められず残念だ」と話した。大学からの削除要請も「思想的な誘導はなく問題に不備はない」と拒んだ。2019年度まで契約期間は残っているが、今年度末で客員教授を辞任するという。(伊藤あずさ) "[he-forum 18985] 読売新聞10/21","読売新聞 2015年10月21日 04時00分 地方創生や技術革新…国立大の5割が学部再編へ  文部科学省は20日、全国の国立大学86校が同省に提出した来年度から6年間の中期目標・計画の素案を公表した。  5割の43校が地方創生や技術革新を目指して学部の組織再編に取り組み、このうち26校は人文社会科学系の見直しを掲げた。大学の国際化に向け、外国人留学生の受け入れ数や日本人学生の海外留学者数の数値目標を設定した大学も約8割に上った。  2004年度に法人化された国立大学は、6年ごとの中期目標と中期計画の策定が義務付けられ、各校は今年6月末、来期の計画・目標案を提出した。文科省は省内の審議会で内容を精査し、年度内に認可する。  文科省の集計によると、今回の目標・計画案で来年度以降の学部 再編を掲げたのは山形大や鳥取大、宮崎大など43校。このうち26校は人文社会科学系で、教員養成系学部のうち教員免許取得を義務付けない「ゼロ免課程」 を廃止・募集停止する大学は新潟大や三重大、熊本大など9校に上った。  文科省によると、来年度の学部再編については、「既定路線」として目標・計画案に記載しなかった大学もあり、実際に学部再編に取り組む大学数は今回の集計よりさらに多いとみられる。  教員養成系と人文社会科学系学部などについては、文科省が、「廃止や社会的要請の高い分野への転換」を求める通知を出している。  一方、外国人留学生の受け入れ数・比率については、京都大が毎 年3300人とするなど、67校が数値目標を掲げた。日本人学生の海外留学者数・比率についても、お茶の水女子大など66校が数値目標を設定。女性研究者 の増員を目指す大学も多く、女性教員数・比率は北海道大など65校が数値目標を設けた。今回設定された数値目標の総数は約1400件で、今期の約8倍に増 えた。= "[he-forum 18984] 朝日新聞(鳥取)10/21","朝日新聞 2015年10月22日03時00分 鳥取)地域学部など改組、大学院3科を統合 鳥取大 古源盛一  文部科学省が 20日に公表した全国立大学の「中期目標・計画」の素案で、鳥取大が人文社会系学部の見直しの一環として、地域学部と農学部の改組や大学院の研究科の統合 を盛り込んだことがわかった。素案は文科省の修正意見を踏まえ、来年1月に「中期目標・計画」案として再提出され、3月に認可される見通し。  鳥取大の素案では、大学の「特色・強み」として、乾燥地科学、菌類きのこ資源科学、染色体工学を挙げ、これらを向上させるため、2017年度までに地域学部と農学部の改組を実施する、とした。  大学院では「既存の研究科を抜本的に見直す」として、17年度までに医学系研究科を除く地域学、工学、農学の3研究科を「持続社会創生学研究科(仮称)」に統合する、とした。  鳥取大は今春、豊島良太学長を議長とする「大学改革推進会議」を設け、議論を重ねてきた。総務企画部の担当者は「具体的な改組の内容は検討中。文科省と協議しながら、推進会議で詰める」と話している。  鳥取大には、地域、農、工、医の4学部があり、入学定員は1140人。このうち、地域学部は190人、農学部は235人。(古源盛一)= "[he-forum 18989] 岩手日報10/22","岩手日報 2015年10月22日付 若者定住へ奨学金返還減免 県が検討、地元就職条件  県議会9月定例会は21日、決算特別委員会を開き、2014年度決算の総括質疑を行った。県は、大学生ら若者の定住に向けて、地元就職を条件に奨学金の返還を減免する制度の導入を検討していることを明らかにした。国が支援する地方創生の一環で、今月中に策定する総合戦略に盛り込む方針。来年度以降の導入となる見通しで、本年度からスタートした他県を参考に具体化を進める。  県が検討するのは、日本学生支援機構から奨学金を借りた学生が県内企業に就職した場合、返還を支援する仕組み。県が地元産業界と連携して基金を設置すれば、基金総額の4分の1(上限1億円)を国が特別交付税で措置する。  基金には関係する企業、団体といった産業界からの拠出も必要になる。県は商工関係団体などと協議してニーズを把握した上で、導入時期や基金の規模、対象業種、免除額といった制度設計を進める方針だ。 "[he-forum 18988] 西日本新聞社説10/25","西日本新聞社説 2015年10月23日付 国立大改革 「実用の学」偏重に陥るな  社会や時代の変化に合わせ、国立大も当然、変わる必要がある。  だが、これでいいのだろうか。  文部科学省が、来年度から始まる国立大第3期中期目標・中期計画(6年間)の素案を公表した。  全国に86ある国立大のうち、九州の6大学を含む33大学が人文社会科学系の学部・大学院の在り方を見直すという。  人文社会科学系の見直しは、文科相が6月に各大学へ通知していた。異例のことである。  見直し案には、自然科学との統合・再編、「地域」「国際」「社会」の名称を冠した新たな学部の創設が並んでいる。  それぞれの大学が自己点検を重ね、時代の要請や地域の特性に沿って案を練った結果だろう。  言うまでもなく、国立大は地域の「知の拠点」である。地域とのつながりを深める改革は歓迎するところだ。  気になるのは、この改革が国主導で進んでいることだ。人文社会科学系のある大学の半数以上が、国の通知に従うことになる。社会的要請が高い分野への貢献も国が強く求めているものだ。  今回の再編が、哲学や倫理学、歴史学など、一見「実用」とは無縁に思われる学問の軽視につながることは避けねばならない。  いくら時代が変わっても、人間と社会、歴史に対する深い教養や知識が不要となることはないからだ。それはグローバル社会で経済界が求める人材の条件でもある。  海外留学生数、産学官の共同研究件数、外部資金の獲得額…。中期目標では、多くの国立大がそんな数値指標を明示している。  2004年の改革で、国立大はそれぞれ独立した法人となった。しかし、運営費交付金の重点配分や成果主義の重視などを通じて「国立大に対する国の関与はより深まった」という声が大学教員から聞こえてくる。  大学の自治と自主性の尊重は「学問の自由」の前提である。国は国立大の運営にどこまで関わるべきか。「実用の学」に偏重してはいないか。幅広い議論が必要だ。 "[he-forum 18987] しんぶん赤旗10/25","しんぶん赤旗 2015年10月25日付 16年度の国立大入学定員 教員養成系983人・文系129人減 文科省の理系偏重明瞭  文科省が求める「組織の見直し」により、国立大学の学部・大学院の2016年度入学定員は、前年度比で教員養成系が983人減、文系が129人減となる一方、理系が527人増で、総計が224人減になることが文部科学省の資料から分かりました。定員総数の削減とともに、文系から理系へのシフトが明瞭となりました。  人文科学系、社会科学系の学部・大学院の合計で1189人減、理学、工学、農水の合計で120人減となる一方、「その他」が2129人増となっています。「その他」とは、人文社会学部や理工学部のほか、人文、社会、工などの学部・研究科を新領域・分野融合型に改組したものです。文科省の説明によるとその内訳は文系が1060人、理系が647人となっています。  新領域・分野融合型への改組が広がっているのは、「高い付加価値を生み出す国立大学への転換」を誘導する文科省の重点支援によるものです。  学部定員は全体で306人削減。とくに地方大学の文系学部の削減がめだちます。弘前大学では、人文学部の改組で文系が80人減、全体でも60人の削減です。愛媛大学では、法文学部の改組で文系定員が70人減、全体でも20人の削減です。  教員養成系学部の定員削減は、15大学が教員養成を目的としないいわゆる「ゼロ免課程」を廃止・募集停止することによるものです。 "[he-forum 18986] 産経新聞主張10/25","産経新聞主張 2015年10月25日付 国立大再編 「知」を担う使命忘れるな  国立大学の5割が学部の再編を計画していることが文部科学省のまとめで分かった。  時流に乗った学部名変更にとどまれば看板倒れに終わる。教育・研究の内容が伴った改革を進めてもらいたい。  国立大は法人化に伴う改革の一環で、6年ごとに中期目標・計画を策定することが義務付けられている。文科省によると、来年度以降、国立大86校のうち半数の43校が学部再編を予定している。  たとえば宇都宮大が世界で活躍できる人材育成を目指して国際学部を改組するほか、福井大が国際地域学部をつくる。滋賀大が情報分野で「データサイエンス学部」の新設を計画している。  今回の中期計画は文科省が教員養成系、人文社会科学系の学部に対し、社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう通知して注目された。時代のニーズを意識した人材養成を目指す再編例が目立つ。  教育、研究をリードすべき国立大が「象牙の塔」に閉じこもり地域などからの要望を無視していいわけはない。18歳人口の急減期を前に、生き残りをかけた大学改革が必要なときだ。 文科省の通知に対し「文系軽視」との強い批判がでたことは教訓とすべきだ。文科省は「誤解」と否定したが、成果の見えにくい教養教育がおろそかにされるのではないかといった心配は拭えていない。大学教育に実用的な知識・技能の習得を求める風潮があるのも確かだ。  国際舞台で活躍するにしても、自国の伝統文化を知らなければ信用も尊敬もされない。古典を深く学んだうえで創造に結びつけた例は少なくない。地域創生を担うにも歴史や文化の探究が重要だろう。新たな分野を切り開く思考力を育むには豊かな知識、教養の支えが欠かせない。  中期計画では外国人留学生数など数値目標を掲げた大学も目立つが、魅力ある教育、研究環境があってこそ、留学生を含めた優秀な学生、研究者が集まる。短期の成果ばかりに目を奪われず、地道な研究に専念できる環境を整備することが極めて重要だ。  学生は寝食を忘れ学んでいるかという点でも、欧米の大学に比べ日本は「ぬるま湯」だ。  「知」の拠点としての大学の使命は何かを忘れないでほしい。 "[he-forum 18991] しんぶん赤旗10/26","しんぶん赤旗 2015年10月26日(月) 国立大学文系の再編・縮小 安倍政権の不当な介入(下) 交付金テコに組織再編競争  文系縮小を狙う安倍政権による第二の介入は、国が国立大学に配分する運営費交付金制度の改悪です。  国立大学の運営費交付金は、2004年の法人化の際に「従来以上に…所要額を確保する」(参院付帯決議)とされたにもかかわらず、1470億円 (11・8%)も削減されました。その一方で、2012年度予算からは、「機能強化」のための組織改編を促す予算を運営費交付金のなかに導入し、2015 年度は156億円が盛り込まれました。  さらに、来年度からの第3期中期目標・計画期間では、運営費交付金の中に三つの重点配分((1)世界最高水準の教育研究、(2)分野ごとの優れた 教育研究、(3)地域ニーズへの貢献)という予算枠を新設し、各大学にいずれかを選択させます。来年度概算要求では重点配分に404億円を計上していま す。各大学は、交付金を多く獲得するために組織再編を競うことになります。 法人法にも反し  第三は、中期目標・計画の策定過程での介入です。  国立大学法人法は、文科大臣が中期目標を定めるとしていますが、「教育研究の特性に配慮」して実際上の作成主体は大学とされ、大学が策定した原案 を国は最大限尊重しなければなりません。文科大臣による中期目標策定においても、「教育研究業務自体は業務の縮減の対象とし得ない」(『国立大学法人法コ ンメンタール』)と解釈されています。  ところが、6月8日の文科大臣通知は、人文・社会科学系や教員養成系の学部・大学院の「廃止」「転換」を求めました。明らかに「教育研究の特性に配慮する」とした法人法の趣旨に反する通知です。  内閣改造(7日)で就任した馳浩文科大臣は、通知について「32点しかつけられない」(10月9日)と言いながら、通知の撤回は拒否しています。通知は法的拘束力があり、人文・社会科学系に対して「廃止」の圧力がかかっています。  このように安倍政権は、大学の自主性・自律性を高めるとした法人法の趣旨に反する不当な介入によって文系の縮小を進めています。 「通知」は撤回を  「人文社会科学系を軽視していない」という言明に責任をもつのなら、(1)「ミッションの再定義」を口実に、文系の定員削減を迫ることはやめる (2)基盤的な教育研究経費は安定的な運営費交付金で保障し、少なくともこれ以上は削減しない(3)文科大臣通知(6月8日)を撤回することが不可欠で す。 (土井誠・党学術・文化委員会事務局次長) (おわり)= "[he-forum 18990] しんぶん赤旗10/25","しんぶん赤旗 2015年10月25日(日) 16年度の国立大入学定員 教員養成系983人・文系129人減 文科省の理系偏重明瞭  文科省が求める「組織の見直し」により、国立大学の学部・大学院の2016年度入学定員は、前年度比で教員養成系が983人減、文系が129人減 となる一方、理系が527人増で、総計が224人減になることが文部科学省の資料から分かりました。定員総数の削減とともに、文系から理系へのシフトが明 瞭となりました。(表参照)  人文科学系、社会科学系の学部・大学院の合計で1189人減、理学、工学、農水の合計で120人減となる一方、「その他」が2129人増となって います。「その他」とは、人文社会学部や理工学部のほか、人文、社会、工などの学部・研究科を新領域・分野融合型に改組したものです。文科省の説明による とその内訳は文系が1060人、理系が647人となっています。  新領域・分野融合型への改組が広がっているのは、「高い付加価値を生み出す国立大学への転換」を誘導する文科省の重点支援によるものです。  学部定員は全体で306人削減。とくに地方大学の文系学部の削減がめだちます。弘前大学では、人文学部の改組で文系が80人減、全体でも60人の削減です。愛媛大学では、法文学部の改組で文系定員が70人減、全体でも20人の削減です。  教員養成系学部の定員削減は、15大学が教員養成を目的としないいわゆる「ゼロ免課程」を廃止・募集停止することによるものです。= "[he-forum 18992] 安倍政権の不当な介入(上)しんぶん赤旗10/25"," [he-forum 18987] しんぶん赤旗10/25と[he-forum 18991] しんぶん赤旗10/26の ご紹介、どうもありがとうございます。  今、サイトに跳んで見てみましたが、[he-forum 18990] しんぶん赤旗10/25は [he-forum 18987] しんぶん赤旗10/25と重複してますので、ひょっとして下記貼付の 記事を送信するお積りだったのではないでしょうか。    記 URL http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-25/2015102502_05_0.html  以下、引用。 「2015年10月25日(日) 国立大学文系の再編・縮小  安倍政権の不当な介入(上) 「ミッション再定義」で押し付け  人文・社会科学系や教員養成系の学部・大学院の「廃止や社会的要請の高い分野へ の転換」を求める文部科学大臣通知(6月8日)に対して、日本学術会議が「大きな 疑問」との声明を発表するなど、学術界から異論が噴出し、マスメディアも批判を強 めています。文科省は「人文社会科学系などの特定の学問分野を軽視したりしない」 (高等教育局長、9月18日)と釈明していますが、現実には、人文・社会科学系の 縮小が進行しています。 地方で定員削減  国立大学の学部の来年度入学定員は、12大学で306人が削減されます。その削 減のターゲットは地方大学です。(表参照)  教員養成系のいわゆる「ゼロ免課程」は、設置から四半世紀がたち、ユニークな教 養教育が学べる課程として充実しています。入試倍率が高いにもかかわらず、来年度 1112人もの定員が募集停止となります。  全86の国立大学の来年度からの中期目標・計画(6年間)の素案が20日発表さ れ、33の学部・大学院が、人文・社会科学系を見直すとし、定員削減を明記する大 学もありました。9大学が「ゼロ免課程」を廃止します。  こうした再編・縮小が進むのは、安倍政権による大学への不当な介入があるからで す。  第一は「ミッションの再定義」による介入です。  「ミッションの再定義」とは、「国立大学の機能強化」のために、各大学の専門分 野ごとに「強みや社会的役割」などを明確にするとして文科省が各大学に作らせたも のです。人文・社会科学系だけに「全学的な機能強化を図る観点から、18歳人口の 動態や社会ニーズを踏まえつつ…規模等の見直しに取り組む」と規模を縮小する文言 が一律に入っています。 予算削減の脅し  文科省は、大学と合同で作ったと説明しますが、実際は原案を文科省が作り、予算 削減の脅しで大学に押し付けたものです。2012年10月11日、ミッションの再 定義の説明会で文科省は、1兆円を上回る国立大学運営費交付金は「霞が関予算全体 の中でかなり目立っている」とし、「予算削減を少しでも食い止める」ためには、「ミッ ションの再定義」で「大学の機能強化」をはかるしかないのだと脅していました。  来年度の入学定員の決定をめぐっては、ある地方大学で「ゼロ免課程」の定員を文 系学部にまわして定員を増やそうとしたところ、文科省が「ミッションの再定義にお いて、18歳人口の減少による規模の縮小を明らかにしている」との口実で、文系の 定員削減をおしつけました。  2003年に成立した国立大学法人法は、国立大学の自主性・自律性を高めるため に、国の関与は中期目標・計画の策定時と期間終了時の業績評価の際に限定していま す。  ところが「ミッションの再定義」が押し付けられたのは、中期目標期間の途中で す。法人法の趣旨に反する脱法的な介入といわざるを得ません。(土井誠・党学術・ 文化委員会事務局次長、下に続く)」            以上、引用終わり。「学部定員が減る12大学」の表は割愛。 "[he-forum 18994] 産經新聞ニュース10/27","産經新聞ニュース 2015.10.27 08:36更新 文系軽視は「国揺るがす」 国立大17人学部長が文科省に抗議文  文部科学省が今年6月の通知で国立大の人文社会科学系学部などの廃止や組織見直しを求めた問題をめぐり、信州大など国立大17校の人文系学部長会 議は26日、「人文社会科学の軽視は国の人的基盤を根底から揺るがしかねない」などと通知に抗議する共同声明文を文科省に提出した。  声明文では、今回の通知について「大きな疑問を抱かざるを得ない」と批判。それぞれの大学の特性に応じて柔軟な対応を求めた。  声明文を提出した信州大人文学部の吉田正明学部長は「文科省は通知で誤解を招いたと陳謝したが、受験生や高校の進路指導の教員にも真意が伝わるよう配慮してほしい」と話した。= "[he-forum 18993] 信濃毎日新聞10/27","信濃毎日新聞  10月27日(火) 信大など文科省に抗議 大学人文社会科学系見直し  信州大(本部・松本市)など地方17国立大の人文社会科学系の学部長でつくる「国立大学法人17大学人文系学部長会議」は26日、国が6月に全国 の国立大に対して人文社会科学系学部の見直しなどを求めた通知に抗議する共同声明文を文部科学省に提出した。大学による通知に対する声明文提出は初めて。 文科省は、廃止対象としたのは教員免許取得を卒業条件としない教員養成系の「新課程(ゼロ免課程)」と説明する文書を配り、「誤解を招く文章だった」と釈 明した。  信大人文学部(松本市)の吉田正明学部長らが文科省を訪れ、国立大学戦略室の春山浩康室長に手渡した。  声明は、通知について「大きな疑問を抱かざるを得ない」とし、「一律に人文社会科学系学部の改革を迫るのではなく、それぞれの大学の特性に応じて柔軟に 支援することを強く要望する」などとしている。吉田学部長は「(通知は)誰が読んでも誤解を与える。あまりにも軽はずみだ」と述べ、人文社会科学系学部の 存在意義を長期的な視野で評価するよう求めた。  通知は、教員養成系と人文社会科学系学部の廃止や社会的要請の高い分野への転換を求める内容だった。学会などからも「文系軽視だ」との批判が出ていた。 春山室長は「『廃止』は『新設』に向けたプロセスとしての意味」などとし、「誤解を招くことになったことはお詫びしたい」と述べた。= "[he-forum 18996] しんぶん赤旗10/27","しんぶん赤旗 2015年10月27日付 国立大文系廃止に抗議 17大学学部長 「人的基盤ゆるがす」  信州大学など地方の17国立大学でつくる人文系学部長会議は26日、人文社会科学系や教員養成系学部・大学院の廃止を求める文部科学省通知に対して「強く抗議する」とする共同声明を馳浩文科相あてに提出しました。文系廃止問題で国立大が抗議するのは初めて。  同省は6月、人材需要などを理由に、人文社会科学・教員養成系の学部・大学院について「廃止や社会的要請の高い分野への転換」を求める通知を出しました。  共同声明は「人文社会科学の学問は社会の基盤形成に寄与するものであり、教育研究における人文社会科学の軽視は、人的基盤を根底からゆるがしかねない」と指摘。「全国的な高等教育の機会均等の観点からも、地方国立大学の存在意義は大きい」とのべ、「一律に人文社会科学系学部・大学院の改革を迫るのではなく、それぞれの大学の特性に応じて柔軟に支援していくことを強く要望する」と求めています。  同省国立大学戦略室に申し入れ後記者会見した信州大学の吉田正明人文学部長は「通知は誰が読んでも人文社会科学系学部・大学院の廃止ととれる文書であり、強く抗議する。学問は目先ではなく、長い目で見て生かされるものだ」と述べました。  三重大学の後藤基人文学部長は「人文学部は32年前に企業や自治体の要請を受けて設立され、地域を活性化させ、若者を地域に定着させる役割を果たしている。通知は、大学の教育や研究はどうあるべきかという視点が欠如している」と強調。高知大学の吉尾寛人文学部長も「海外からも人文学部が危ないといわれ、高校生や進路担当の先生にも不安を与えている。十分配慮した発表をしてもらいたい」とのべました。  17大学は次のとおりです。  弘前大、岩手大、山形大、福島大、茨城大、埼玉大、富山大、信州大、静岡大、三重大、島根大、山口大、徳島大、愛媛大、高知大、鹿児島大、琉球大 "[he-forum 18995] 日本経済新聞10/28","日本経済新聞 2015年10月28日 「優れた人材輩出できなくなる」 国大協、交付金削減案批判  財務省が国立大への運営費交付金を今後15年間、1%ずつ削減する方針を示したことに対し、国立大学協会(会長・里見進東北大学長)は27日、「優れた人材を社会に送り出すという国立大の役割を十分に果たせなくなる」と抗議する声明を発表した。  運営費交付金は大学の規模に応じて文部科学省が配分する基盤的な経費。04年度の国立大の法人化以降、毎年1%ずつ削減され、研究内容などに応じて配分される補助金の割合が増えている。  財務省は26日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、国立大は授業料引き上げなどで自己収入を年1.6%増やし、運営費交付金は今後も年1%ずつ減らすべきだとの方針を示した。  国大協は声明で「授業料引き上げと運営費交付金の減額は、経済格差による教育格差の拡大につながる」と批判した。  馳浩文科相も27日の閣議後の記者会見で「ノーベル賞受賞が続いたが、教育や研究、科学技術には継続性が重要だ」と反論した。 "[he-forum 18997] 東京新聞千葉10/26","東京新聞千葉版 2015年10月26日付 千葉大、文学部で学科統合 国立大文系学部の再編  国立大の人文社会系学部の組織見直しが進む中、千葉大は来年度から六年間の運営指針となる「第三期中期目標・中期計画」に、文学部の学科統合や教職大学院の新設などを盛り込んだ。文学部の入学定員は十人減らすが、来年四月に設置する文理融合の「国際教養学部」で相殺する予定で、同大は「人文社会系の教育は学問の基盤」と強調する。  文学部の学科統合は、学生の履修科目の選択肢を広げることが狙い。現行は行動科学、史学、日本文化学、国際言語文化学の四学科。学生は入試の段階で希望学科を決めていた。来年四月の入学者からは、文学部人文学科で一括して入試を行い、入学時に行動科学、歴史学、日本・ユーラシア文化、国際言語文化学の四コースから選択。二年次に変更することも可能になる。  来年度に新設する教職大学院は、子どもの心のケアやいじめの問題など、専門性の高いカリキュラムが特徴。外国人の児童や生徒の増加を見据え、効果的な指導方法なども学べる。  少子化が進む中で、個性のあるカリキュラムで学生をひきつけられるか。今後は入試改革も控える。  中谷晴昭副学長は「人文社会系のそれぞれの分野で強みのある教員を抱えている。理系だけで学問は成り立たず、言語や史学など専門性の高い学生を育てたい」と話した。  文部科学省のまとめによると、人文社会学系の組織見直しを計画している大学は、千葉大を含め三十三大学。再編をめぐっては、人文社会学系や教育養成系の学部、大学院の廃止を含む再編を求めた文科省の通知に対し、学会などから「文系軽視」と指摘する声も上がっていた。 (柚木まり) "[he-forum 18998] しんぶん赤旗10/28","しんぶん赤旗 2015年10月28日(水) 国立大授業料 40万円値上げ 財務省方針 小中教職員3.7万人削減も  財務省は26日、国立大学に対する運営費交付金を削減し、授業料の大幅値上げを求める方針を打ち出しました。減額分を授業料でまかなうと、現在53万円の授業料が16年後に93万円にもなり、憲法26条が求める「教育を受ける権利保障」を投げ捨てる暴挙です。  小中学校の教職員数を9年間で約3万7000人も減らすことを提起し、国民が求める少人数学級の実現に背を向けています。  財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会に提案し了承を得ました。国立大学について運営費交付金と補助金が約7割を占め、私立大学では1割 程度だと指摘。交付金を年1%減らす一方、授業料など自己収入を1・6%増やし、15年間で両者を同じ割合にすべきだとしました。  2004年の法人化後、交付金を1470億円(12%)も減らしながら、さらに大幅削減を押し付けるもので、「自己収入の確保」や「規模の適正化」を求めています。  小中学校の教職員については、10クラスあたりの先生の数を今と同じ18人にしても、少子化の影響で24年度の教職員は3万7000人減らせると 指摘。文科省が、いじめや不登校問題などに対処するため教職員を増やし、全体で約5000人減にとどめる計画を示していることと対照的な内容となっていま す。財務省は「教員が増えても、いじめや不登校も解決せず、学力も向上せず、教員の多忙も解消されない」と少人数学級を全否定しています。 解説 値上げの連鎖復活も  財務省の提言の長期試算通りに国立大学の学費を値上げすれば、最悪の場合、16年後に約40万円もの値上げになります。  財務省は、16年後の2031年度に国立大学の自己収入を7370億円(2013年度)から2437億円増やして9807億円にすることを要求。自己収入の内訳は、授業料、寄付金、産学連携の研究費収入などです。  地方大学や文系中心の大学は、産学連携による収入増を見込むことは難しいのが現実です。仮に授業料値上げだけで自己収入増をはかろうとすると、授 業料を毎年2万5000円程度値上げして、16年後に現在の約53万円から40万円増の93万円程度にしなければなりません。(学生数を現在の61万人と 仮定)  国立大学が連続値上げに踏み出せば、18歳人口の減少で経営が苦しい私立大学も値上げに踏み切り、1970年代以降から2005年まで続いた国公私立大学全体の「値上げスパイラル」が復活する危険があります。  家庭や学生の厳しい経済状況のなかで、アルバイトで学業に専念できない学生や、経済的理由で進学をあきらめる高校生が増えています。こうした若者 からも大学教育を奪う学費値上げは絶対に許されません。財務省の提言は、憲法26条が求める「教育を受ける権利の保障」を投げ捨てる暴挙です。  (土井誠・党学術・文化委員会事務局次長)= "[he-forum 19001] 日本経済新聞電子版10/23","2015/10/23 2:00 日本経済新聞 電子版 国立大の自己収入、年1.6%増要求へ 財務省  財務省は26日、財政制度等審議会を開いて、国立大学に授業料や寄付金といった自己収入を年間で1.6%ずつ増やすように提言する。2030年代初めまでに国が配る運営費交付金と同額程度になるように求め、授業料の引き上げなどを事実上求める。   国立大学の自己収入は13年度に7370億円と収入全体の32.5%にとどまる。財務省は「(教育の)高い質を確保しながら持続的な経営を続けるには自ら の収益で経営する力を強化する必要がある」と指摘。自己収入を31年度までに9807億円に増やすように求める。運営費交付金は年1%ずつ減らすとした。  公立小中学校の改革では事務職員などの専門職のスタッフを増やすように提言する。雑務などをスタッフに任せて、教員が授業に専念できる環境を整えるべきだと促す。= "[he-forum 19000] NHKNewsWeb10/27","NHKNewsWeb 10月27日 22時18分 国立大学協会が財務省案に批判声明  国立大学への運営費交付金を毎年1%ずつ減らし、授業料の引き上げなどで自己収入の増加を促すという財務省の案について、全国の国立大学で作る「国立大学協会」は「経済格差による教育格差の拡大につながる」として批判声明を発表しました。  財務省は、26日開かれた財政制度等審議会で国立大学への運営費交付金を今後15年間、毎年1%ずつ減らす一方、授業料を引き上げたり、民間からの研究資金を増やしたりして自己収入の増加を促す案を示しました。  これに対し、全国86の国立大学で作る「国立大学協会」は27日、この案を批判する声明を発表しました。  声明では、「家庭や学生の経済状況が厳しくなっているなかで、授業料の引き上げと合わせて交付金を減額することは、経済格差による教育格差の拡大につながる」と指摘し、「優れた人材を社会に送り出すという国立大学の役割を十分に果たすことができなくなる」としています。  また、運営費交付金はこの12年間ですでに大幅に減額されているとして、国立大学の運営基盤は急激にぜい弱になっており改革を実行するためには交付金などの充実が不可欠だと訴えています。= "[he-forum 18999] NHKNewsWeb10/26","NHKNewsWeb 10月26日 20時31分 授業料などで大学の自己収入増を 財務省が改革案  厳しい財政状況のなか、財務省は国立大学への交付金を今後15年間、毎年1%ずつ減らす一方、大学の授業料を引き上げたり、民間からの研究資金を増やしたりして自己収入を増やすよう促す改革案を示しました。  この改革案は26日に開かれた財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会で財務省が示しました。  それによりますと、厳しい財政状況や少子化のなかでも、国立大学が安定した経営を続けるためには、国からの交付金への依存を減らす一方、授業料などの自己収入の割合を高める必要があるとしています。  具体的には、今年度予算で1兆円余りに上る国立大学への運営費交付金を、今後15年間で毎年1%ずつ減らすとしています。  一方で、授業料の引き上げや寄付金や民間からの研究資金の増加などで、大学の自己収入を毎年1.6%ずつ増やすよう促しています。  出席した委員からは、授業料の引き上げについて、学生の同意を得るには時間をかける必要があるという考えや、高所得者からは高めの授業料を徴収するなど、親の収入に連動した仕組みも検討するべきだなどの意見が出ました。 "[he-forum 19002] しんぶん赤旗10/30","しんぶん赤旗 2015年10月30日(金) 放送大学当局 試験に政権批判は「不適切」?! 設問、学内サイト削除 出題教授 「学問の自由に逆行」  通信制大学の放送大学が、単位認定試験で出された問題文に安倍政権批判があるのは「不適切」として試験後、学内用ホームページに公表する際に、当該部分を削除していたことに批判の声があがっています。問題を出題した大学教授は「学問の自由に逆行する」と指摘しています。  削除されたのは、7月に実施された「日本美術史」の問題文の冒頭です。戦時中、弾圧を受けたり、戦争に協力させられた日本の画家をとりあげました。  問題文は「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的というが、ほとんどの戦争はそういう口実で 起きる。1931年の満州事変に始まる戦争もそうだった。それ以前から政府が言論や報道に対する統制を強めていた事実も想起して、昨今の風潮には警戒しな ければならない。表現の自由を抑圧し情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった」と記述されていました。  受験した学生1人から「審議が続いているものを、多くの受験生の目に触れる試験で取り上げるのはどうかと思う。残念だ」という趣旨のメールが試験直後、大学に届いたため学内で検討し、文章の冒頭部分を削除しました。  本紙の取材にたいして同大学の総務部長は「(文部科学省などの)機関から指導があったというわけではなく、大学の判断で削除した」と説明しました。  放送大は10月23日、公式ホームページで学長声明を発表。放送法に基づき、政治的に公平であるべきなどを挙げ「多様な意見が存在する事柄について、担当の客員教授の考えのみが述べられており、このことについて本学としては、不適切と考えた」としています。  問題を作成した佐藤康宏・東京大学教授は、「大学の裁量で規制をどんどん広げることができてしまう。学問の自由とは逆行する」と批判。「現代おきている問題に寄せて作成した導入部分を、『設問の趣旨とは関係ない』と判断されたのは作者として意に反する」と語りました。  佐藤教授は、放送大の客員教授を今年度で辞任する考えです。  元NHKプロデューサーの永田浩三・武蔵大学教授は「大学と放送という両面から見ても、おろかな行為」だといいます。  永田氏は、放送法第1章1条にある放送の目的、「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」が、重要だと指摘し、こう厳しく批判します。  「放送法は、戦前・戦中に放送が国家の道具にされた反省をもとに作られました。放送を使って国民が恩恵を受けられるよう、憲法の精神を具現化した ものであり、放送法を盾に弾圧するのは笑止千万です。政権におもねり、一部の批判の声におびえて問題文を削除するなんて、教育者としてもあるまじきことで す」  放送大学 1983年に設立された通信制大学。放送法の適用を受ける放送事業者でもある放送大学学園が設置。授業はラジオ、テレビ、インターネットの番組で受講します。単位認定試験は、各地にある学習センターで行われます。約9万人が学んでいます。= "[he-forum 19003] 大学の軍事研究反対ネット署名運動の案内","岡山の野田隆三郎(岡山大学元教員)と申します。 久しぶりに投稿します。 標記の運動を立ち上げましたので案内させていただきます。 詳細は以下のサイトをご覧ください。 http://dgunk.exblog.jp/ 大学関係でも多くの方に賛同署名をしていただいています。 ご協力いただければ幸甚です。 "[he-forum 19015] 教育新聞11/29","教育新聞 2015年10月29日付 教職大学院の増設 教委との連携強化が充実のカギ  より高度な専門性を備えた力量のある教員の育成を目指し、平成20年度に創設され19校だった教職大学院は、今年度、公立21校、私立6校の合わせて27校(21年度5校増、22年度1校増、27年度2校増)だが、25年の国立大学改革プランを契機に、その増設が検討され、28年度には18校、29年度には7校が新設されるという(本紙9月28日号既報)。  教職大学院は、18年、中教審答申「今後の教員養成・免許制度の在り方について」で、「教職課程の質的水準の向上」「教員免許更新制の導入」とともに、教員の質的向上を目指して打ち出された具体的対応策の1つである。そこでは、学部からの進学者と現職教員を対象に、前者は学部段階で得た教員としての基礎的・基本的な資質能力をさらに深め、より実践的な指導力・展開力を備えた学校の有力な一員となり得る新人教員、後者は一定の教職経験を基盤に、地域や学校における指導的役割を果たし得る教員、確かな指導理論と優れた実践力・応用力を備えたスクールリーダーの養成を目指している。何よりも「理論と実践の往還」を基本に、修了要件45単位の内、10単位を学校等での実習を義務化しているところに特徴がある。  こうした実践的指導力向上に重きを置く教育・研究の場としての教職大学院はこれまで、学校現場に有為な人材を送り出してきたが、当初から定員充足が大きな課題だった。ここ数年の定員未充足大学数、大学定員充足率は、24年度25大学中13大学、96・0%、25年度25大学中11大学、98・5%、26年度25大学中17大学、92・7%、27年度27大学中12大学、98・4%。とりわけ私立大学6校の定員未充足が目立つ。  文科省は、平成20年度教職大学院設置計画履行状況調査および21年度教職大学院入学者選抜状況で明らかになった定員未充足の要因を、次の6点にまとめている。  (1)学部生と現職教員の中で、教職大学院の目的・機能、既存修士課程との相違(教育内容、指導体制、実習の実施等)が明確に理解されていない(2)教職大学院を修了した際の、現職教員・学部新卒学生への処遇等への反映が不明確(3)厳しい財政状況にある教委において、現職教員の教職大学院への派遣を増やすのは非常に困難(4)現職教員学生にとって入学金・授業料の経済負担が大きく、学修意欲はあるものの教職大学院進学上で障害となっている(5)大学院修学休学制度や14条特例を活用し、教職大学院に自主的に入学を希望する者に対する学校現場の理解が十分とはいえない(6)大都市で近年、教員採用数が増えており、大学院等へは進学せず、教員への採用を希望する学部新卒学生が多い。  これらに対する改善策は、採用一次試験免除や名簿登載期間の延長など、徐々によくなりつつあるようだが、抜本的な改善策には至ってはいない。そうした中での教職大学院の増設で、果たして学生確保が持続してできるのかどうか。設置はしたものの学生確保に頭を悩ますという大学が出ないことを願うが、そうならないためにも、あらためて大学が、教員を受け入れる側の教委や学校現場のニーズを受け止め、連携を重視する教職大学院の基本理念に立ち戻ることが重要ではなかろうか。カリキュラムや教育方法等について教委等の要望意見を反映しつつ、より質の高い教員を送り出す仕組みを構築することが、遠回りでも学生確保につながるものと考える。  そのためにも、大学、教委の一層の連携強化を強く望みたい。 "[he-forum 19014] しんぶん赤旗11/3","しんぶん赤旗 2015年11月3日(火) 交付金削減は暴論 国大協総会 財務省を批判  全国86の国立大学などでつくる国立大学協会(里見進会長=東北大学学長)は2日、盛岡市で総会を開き、財務省が求める運営費交付金の削減に反対し、拡充を求める決議を採択しました。  総会で里見会長は「財務省の提案はむちゃくちゃでまったくの暴論だ。総額に枠をはめ1%ずつ減額していけば、基盤的経費2~3%減額と同じだ。財務省提案を何としても阻止しなければならない」と述べました。  決議は「運営費交付金削減とともに授業料等の自己収入の増加を求める提案は、国立大学が取り組んでいる改革の実現を危うくし、経済状況による教育格差の拡大につながる」と述べ、運営費交付金の拡充など十分な予算確保を求めています。  各大学長は「国立大学を将来どうしようというのか財務省案は全く理解できない」(福島大学・中井勝己学長)、「基盤的な経費で支えられなければ文 化や産業の発展はない。財務省に自分の首を絞めることをするなと言ってほしい」(総合研究大学院大学の岡田泰伸学長)、「財務省は赤字を解消していくとし て弱いところを狙っている。きっちり反論していくべきだ」(京都大学の山極壽一学長)と述べました。  記者会見で里見会長は、国立大文系・教員養成系廃止の文科省通知について「人文社会系の学問は、いろいろなことを考えるうえで基本となり、幅広い人間をつくるという意味で大事な学問だ。今後も国立大学のなかで重要な役割をしめる」と反論しました。 "[he-forum 19013] しんぶん赤旗主張11/2","しんぶん赤旗 2015年11月2日(月) 主張 財務省の予算提案 国立大学交付金削減を許すな  財務省が大学予算削減のために、国立大学の授業料引き上げと運営費交付金の大幅削減の方針をまとめ、文部科学省に提案しました。国立大学協会(国大協)や中央教育審議会(文科相の諮問機関)が抗議声明を出すなど、危ぐの声が広がっています。 授業料40万円増の危険が  財務省提案は10月26日の財政制度等審議会に示され、了承されました。同提案は、国立大学に対して運営費交付金に頼るなと脅し、今後15年間、 交付金を毎年1%削減することで、授業料引き上げや産学連携などによる毎年1・6%の自己収入増と、少子化に対応した大学の「規模の適正化」を迫るもので す。高等教育にたいする国の責任放棄といわざるをえません。  第一の問題は、産学連携による収入増には限界があり、交付金削減は授業料の大幅引き上げを招きかねないことです。仮に、授業料引き上げだけで自己 収入を増やすとなれば、毎年2万5千円程度値上げし、16年後の授業料は40万円増の93万円になります。経営難の私立大学も値上げに踏み切り、1970 年代から2005年まで続いた大学全体の「値上げの連鎖」が復活します。  現在、大学4年間で必要な費用は約670万円です(日本政策金融公庫調査)。アルバイト漬けの学生や、経済的不安を抱えながら進学にむけて勉学に 励む高校生に、さらなる経済的負担を強いることはあってはなりません。財務省提案は、憲法26条が求める「教育を受ける権利」の保障を投げ捨てる暴挙で す。  第二の問題は、運営費交付金の削減により、少子化に対応した「規模の適正化」を図るとする提案は、大学の再編・縮小を招くことです。運営費交付金 は04年に国立大学法人化された後、1470億円(11・8%)も削減されました。経常収支における交付金の割合は、48%から34%に低下し、教育研究 費が枯渇する大学もあります。  国大協は声明で「運営基盤は急激に脆(ぜい)弱(じゃく)化しており、諸経費の高騰も相まって危機的な状況にある」と訴えています。財務省提案ど おり毎年1%削減を続ければ、交付金は16年後に1948億円の削減です。中小規模の国立大学約40校分に匹敵します。大学が授業料を据え置くなら、教育 研究組織の大幅縮小しかありません。ノーベル賞の連続受賞に象徴される国際的に高い水準にある基礎研究の基盤を失いかねません。  18歳人口が減少するから規模を縮小するという議論は、あまりにも短絡的です。他の先進諸国と比べて日本は、大学進学率が低く、社会人学生も留学 生も極めて少ないのが現状です。年齢や出身を問わず、誰もが大学で学ぶことができる環境の整備こそが求められています。社会の知的基盤である大学が「学問 の府」にふさわしいやり方で改革することは、日本社会の発展のためにも欠かせません。 財政支援の充実こそ必要  いま必要なことは、政府主導の再編・縮小ではなく、大学の自主的な改革の努力であり、そのためには、国公私立をこえて、大学自らが大学のあり方を議論する場をつくることと、私立大学も含めた財政支援の充実です。  国立大学交付金の「毎年1%削減」は亡国の道であり、財務省提案は撤回すべきです。= "[he-forum 19012] 信濃毎日新聞社説10/30","信濃毎日新聞社説 2015年10月30日付 国立大改革 自治守る声を高めよう  大学の教育内容は大学自身が決める。  憲法が学問の自由を保障し、教育基本法が大学の自主性や自律性を尊重するよう求めている現代では、当然守られるべきルールだ。  ところが今の政権はこのルールを軽んじ、特に国立大学の教育内容に口を挟んだり、交付金をちらつかせて誘導したりしている。  文部科学省が国立大に対し、人文社会科学系などの学部の廃止や転換を求める通知を出したのも、その一つだ。  これに対し、信州大など地方の17国立大の人文系学部長が先日、「人文社会科学の軽視」と抗議する共同声明文を文科省に出した。一律に人文系の改革を迫るのでなく、大学の特性に応じて柔軟に支援するよう求めている。  大学から初めて公式に出された意見を政府は重く受け止めるべきだ。大学側も自治を守る声をさらに高めてほしい。  通知が出されたのは6月のことだ。人文社会科学系や教員養成系の学部・大学院について「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする」と迫った。  背景にあるのは政府の成長戦略だ。教育分野では、即戦力養成のための新たな高等教育機関の設置や競争力を高める大学改革に重点を置く。改革を進める国立大には運営費交付金を重点配分する。通知にある「社会的要請」とは産業界の要請と読める。  ところが、当の経団連を含め各方面から人文系の安易な見直しに反対する声が上がった。当時の下村博文文科相は「誤解を招いた」と認めた。にもかかわらず、通知を撤回したり出し直したりしないまま今日まで引きずっている。あまりに無責任な対応だ。  国立大への政権の介入はこれにとどまらない。文科省は6月、入学式や卒業式での国旗掲揚と国歌斉唱を要請した。大学は小中高校と違い、学習指導要領がなく法的な根拠のない要請だ。それ以前から各大学の実施状況を調べ、無言の圧力をかけていた。  防衛省は、軍事に応用できる技術の有望な提案をした大学に研究開発費を配る基金を創設し、呼び水にしている。  国立大は2004年度に法人化されたのを機に国の交付金が削られ、研究費などの確保に苦しむ。だからといって時の政権の意向に沿う教育をしていたらどうなるか。戦前の歴史が教える。  それを学ぶのも人文社会科学の領域だ。 "[he-forum 19011] 河北新報社説10/29","河北新報社説 2015年10月29日付 文系軽視の波紋/国立大の抗議を支持する  大学の根幹に関わる問題であることを踏まえれば、当然の反応であり、むしろ遅すぎるぐらいではなかったか。  人文社会科学や教員養成系学部の廃止や組織見直しを求めた6月の文部科学相通知について、当事者である全国の国立大17校の人文系学部長でつくる会議が26日、「強く抗議する」と批判する声明を発表し、文科省に提出した。  東北からは弘前、岩手、福島、山形の4大学の学部長が名を連ねている。おそらく初めてという異例の共同での抗議声明は「事態を重く受け止めた結果」だという。  予算や人事権を握る文科省に対する抗議は、あるいは覚悟が必要だったかもしれないが、「人文社会科学の軽視は、わが国における人的基盤を根底から揺るがしかねない」とする主張はもっともだ。  「一律に改革を迫るのではなく、大学の特性に応じて柔軟に支援することを強く要望する」との要請も当然の内容であり、抗議を支持する。  抗議を機に引き続き、社会全体で大学の存在意義を見つめ直し、国主導の改革の在り方を検証する方向へと議論を広げなければならない。  文科省は通知の趣旨について、廃止を念頭に置くのは教員免許取得を卒業要件にしない教員養成課程「ゼロ免課程」だった、などと説明している。前文科相も「誤解を招く文章だった」と釈明したが、通知自体を撤回したり、見直したりする動きはない。  安倍政権の成長戦略に合わせた大学改革は、即戦力となるグローバルな職業的人材の育成、経済発展につながる技術革新的な研究成果を重視する方向性が鮮明だ。すぐに具体的な成果が見えない学問や教育分野の肩身が狭くなる傾向は既に強まっている。  文科省は「特定の分野を軽視したり、すぐに役立つ実学のみを重視したりはしない」とその後の配布文書で強調してみせたが、通知文からはそれは読み取れない。通知を撤回しないのであれば、本意はやはり廃止や切り捨てにあると受け取るしかあるまい。  日本学術会議は「国公私立を問わず大学の在り方全般に影響を及ぼす」「大学教育全体を底の浅いものにしかねない」と声明で批判した。  経団連は「社会的要請」の背景に即戦力を求める産業界の意向があると受け止められたことを受け、9月に「求める人材像は対極にある」と反論し、安易な見直しを懸念する内容の提言を発表した。  分野横断型の発想が重要であり、幅広い分野を学び、文化や社会の多様性を理解する人材こそ必要、と経団連の提言は見解を示す。基盤を支える文系の学問と教育機能の役割について、文科省はむしろ再認識を迫られている。  工夫なく漫然と従来の枠を継承するだけであれば、大学側の姿勢も厳しく問われるのは当然のことだ。運営に税金が使われている以上、時代に即した改革は必須になる。  しかし、予算配分をちらつかせ、上から一律に改革を急がせるやり方では、大学の自治や学問の自由を尊重しない押しつけになる。このまま国による大学管理が一層強化されるのは好ましくない。 "[he-forum 19010] 毎日新聞山形11/1","毎日新聞山形版 2015年11月1日付 この人に聞く:「『戦争法』の廃止を求める 山形大学農学部有志」の呼び掛け人・高橋孝悦さん ◇市民にも裾野広げ 高橋孝悦さん(62)  集団的自衛権の行使容認を含む「安全保障関連法」が成立して1カ月が経過した。山形大農学部教授の高橋孝悦さん(62)=鶴岡市=は、「『戦争法』の廃止を求める山形大学農学部有志」の呼び掛け人の一人。「明らかな憲法違反であり、強行採決で民主主義を踏みにじった」などと抗議し、同僚らとともに法案廃止を呼び掛ける活動に携わる。大学や学生に及ぶ懸念などについて聞いた。【長南里香】 −−与野党の激しい攻防と多くの国民の反対の中、同法が成立しました。  集団的自衛権の行使容認は、政府の勝手な解釈だけで憲法9条を骨抜きにしてしまう。従来と180度転換した政府の考え方はおかしい。戦争が起こりうる危機感を抱いている。多くの憲法学者が憲法違反だと指摘したにもかかわらず、その判断を重く受け止めないのも間違いだ。 −−抗議の声を上げた理由は。  経団連が法成立直前の9月15日に「防衛産業政策の実行に向けた提言」を発表した。その中で「具体的な取り組み」として研究開発の重要性を説明し、「基礎研究の中核となる大学との連携を強化すべきである」と主張している。戦争がビジネスにされ、大学が軍事研究に利用される懸念がある。何よりも自由に物が言えない雰囲気になるのは、研究者として最大の障害になる。今後、軍事関連予算の増大に伴い、それ以外の研究費が削られる恐れや、学生に不利益が及ぶ懸念もある。 −−抗議の呼び掛けはいつからですか。  集団的自衛権行使を容認する昨年の閣議決定を受け、同7月16日に出した声明が最初。大学内の憲法九条の会が中心になって呼び掛けたところ、教職員を中心に約40人が集まった。当初は半分も集まるだろうかと考えていたが、予想外に声が大きく、賛同者は教職員の3分の2に相当する。平和への関心や研究機関に及ぶ影響などを懸念する意識の高まりが感じられた。法成立を受け、今年9月30日に廃止を求める声明を発表した。 −−具体的な活動は。  我々は有志の集まり。賛同する人たちが個人的に、周囲にそれぞれ署名をお願いするなどしている。学内から始め、市民にも地道に裾野を広げている。 −−今後はどのように展開していきますか。  違憲立法をしていながら反省のない政府の問題性を強く感じている。与党議員が憲法違反の法律と分かって通したことも重大だ。まだ、今の日本の社会では声を上げることができる。選挙で議員を選んだからそれで終わりだと考えたり、諦めたりするのではなく、直接的に政治に参加していくという姿勢で個人個人が足元からの活動をしていき、自分たちで問題を解決していくという声が高まっている。心ある人は賛同してくれる。 ============== ■人物略歴 ◇たかはし・こうえつ  山形市出身。「『戦争法』の廃止を求める山形大学農学部有志」の呼び掛け人の一人。1981年に山形大農学部助手となり、85年に同大助教授、2005年から現職。 "[he-forum 19009] 日本経済新聞10/27","日本経済新聞 2015年10月27日 国立大に自己収入増求める 財制審、予算議論に着手  財務省は26日、2016年度予算の編成作業に着手した。国立大学に授業料や寄付金などの自己収入を年間で1.6%増やし、小中学校の教職員数は今後9年間で約3万7千人減らすことを求めた。在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)については減額が必要とした。各省との折衝を本格化させ、年末に予算案をまとめる。  同日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)では文教・科学技術、防衛、社会資本整備の3分野を議論した。  文教では国立大学の収入のうち、国が配る運営費交付金が5割超を占める現状を問題視。自己収入を年1.6%増やす一方で交付金を年1%減らし、15年間で交付金と自己収入を同額程度にすべきだとした。文科省や大学は反発しそうだ。  自己収入を増やすには授業料引き上げが有力な手段。保護者の所得が低い学生の負担が重くなりすぎないように、審議会では複数の委員が「奨学金制度の整備も必要だ」と述べた。小中学校の教職員数には減らしても現在の教育環境を維持できるとした。文科省の要求ベースとは約3万2千人の開きがある。  防衛では「在日米軍の駐留などにかかる経費の負担は急増している」として「負担を見直して減額が必要」と指摘。韓国やドイツなど他の米軍駐留国が負担していない光熱水費の廃止や駐留軍で働く調理師などへの給料といった労務費の廃止・縮小を挙げた。 "[he-forum 19008] 西日本新聞11/1","西日本新聞 2015年11月1日付 文系いらない?大学嘆き 文科省学部廃止、再編促す通知  「国立大から文系の学部はなくなるの?」-文部科学省が6月に全国86の国立大文系学部の再編を求めた通知をめぐり、国立大学が揺れている。「文系軽視」との反発を受け、文科省は火消しに努めているが、鹿児島大、山口大、琉球大など地方国立大17大学の人文系学部長が文科相に抗議声明を提出し、若者の間にも不安が広がる。一方で、学部新設や定員削減など大学では少子化の中、生き残りを模索する動きが活発化している。  「釈明ではなく通知を撤回すべきだ。人文社会科学系(人社系)は若者が地元に定着する受け皿の一つ。その教育、研究は地方大の役割でもある」。10月26日に出した抗議声明に名を連ねた鹿児島大の平井一臣法文学部長は力を込める。  文科省の通知は6月8日付。国立大の教員養成系と人社系の学部・大学院に「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換」を求めた。だが、科学者でつくる日本学術会議や経済団体から批判され、当時の文科相が9月に「誤解を与える文章だった」と記者会見で述べ、同省も各会合などで釈明に追われた。  全国の国立大には約44万人が通う。そのうち5割程度とされる文系の学生たちは戸惑う。8月の九州大オープンキャンパスでは、参加した高校生から「九大から文系がなくなるのか」との声が上がったという。九大で文理問わず幅広く学ぶ「21世紀プログラム」の3年上田利瑳子さん(21)は「通知は『文系はいらない』と言われているようだった」と話す。  通知の背景には少子化に伴い、国は国立大に改革を迫り、限られた予算を技術革新につながる理系を中心とした教育研究に集中したい思惑があるとされる。  2004年度の国立大法人化後の12年間で、大学への運営費交付金は1470億円も減った。予算が削られ、教員が欠員のままの分野もある。大学教員からは「残念ながら国の言いなり」との嘆きが漏れる。  10月20日に明らかになった各大学の中期目標・計画(16~21年度)の素案では、熊本大が「人社系の再編」、鹿児島大は「文理融合」をキーワードに学部の見直しを計画。弘前大や静岡大は文系の定員を減らし、理系の定員を増やす。  九州大も17年度までに教育、文学、芸術工学部など複数の学部にまたがる心理学を統合し、新学部設置も視野に入れているという。  こうした国立大の再編の動きについて、九州大大学院の八尾坂修教授(教育経営学)は「文系は社会の中で知的財産として継承していくもので、課題探求力として必要。国立大も社会のニーズを踏まえ、特色、個性を出していかなければ生き残っていけない」と指摘している。 "[he-forum 19007] 毎日新聞福岡10/30","毎日新聞福岡版 2015年10月30日付 新教育の森:大学改革/5 有田焼400年 佐賀大、地元に根ざす新学部 県立窯業大学校と連携し来春に開設 ◇陶磁器担う人材育成  「有田焼」が来年創業400年となるのに合わせ、佐賀大(佐賀市)は来年度、芸術地域デザイン学部を開設する。佐賀県立有田窯業大学校と連携し、同校の4年制課程を新学部に移行して有田セラミック分野(課程)を設け、陶芸家や陶磁器デザイナーを目指す学生を指導する。創業400年を契機に、地元に根ざし、次世代の陶磁器産業を支える役割を担っていく。【石井尚】  焼き物の町、佐賀県有田町。古い町並みには磁器を扱う店が並び、趣がある。国道沿いには創業400年をPRする看板が掲げられ、節目の年へムードも高まりつつある。ただ、平日の人通りはまばら。窯業も縮小傾向で、磁器メーカーの求人も少なくなってきているという。  有田町周辺には、波佐見焼(長崎県波佐見町)や唐津焼(佐賀県唐津市)など陶磁器の産地がある。町内には県立九州陶磁文化館や県窯業技術センターもあり、陶磁器を学ぶには好環境だ。  こうした環境の中で、人材養成を担ってきたのが有田窯業大学校だ。窯業界の後継者や技術者の育成を目的に1985年に設立され、卒業生は約2000人。地元の窯業界や商工会議所などから4年制大学化の要望があり、2009年には4年制課程を新設した。ただ、専修学校のため学士は習得できず、取得できるのは高度専門士だけだった。  一方、大学改革を模索していた佐賀大は、文化教育学部の改組に取り組んでいた。教員養成の強化とともに特色を伸ばすため、有田窯業大学校に着目。教育学部と芸術地域デザイン学部に分け、同学部に窯業大学校の4年制課程を移行することが決まった。県の側にも窯業大学校の4年制大学化の構想があり、利害が一致した。  これまで窯業の職人養成を担ってきた1、2年制課程は県で窯業人材育成事業(仮称)として引き継ぐ。県有田焼創業400年事業推進グループの森俊大副課長は「創業400年を契機として、次の時代の基盤強化になる。佐賀大の新学部が有田町を中心にハブ機能を持って、有田を中心とした陶磁器の国際発信などにも期待したい」と話す。  新設される学部には有田セラミック分野のほか、フィールドデザイン分野、地域コンテンツ分野などがある。フィールドデザイン分野では、学生たちが有田町を研究対象に選び、地方創生や地域活性化の糸口を見つける研究もでき、有田町の活性化につながる可能性もある。  今月あった記者会見で、佐賀大の宮崎耕治学長は「キャッチコピーにすると『芸術的感性豊かな多様性に富んだグローバルな視野を持つ知の拠点』」と大学が目指す方向性を説明。有田窯業大学校の一部移行について「大学の強みは若い世代を輩出できること。セラミック研究と統合することで、新たな陶磁器、セラミックの利用や開発も当然考えられる。有田町とも共同してやっていく」と話した。  独自色を強く出した佐賀大が有田焼などの窯業界に新風を吹き込むことができるか、注目される。=この項おわり ============== ■ことば ◇佐賀大芸術地域デザイン学部  今年8月に文部科学省が認可し、来年4月に開講する。入学定員は110人。芸術表現コースと地域デザインコースに分かれる。有田セラミック分野は、芸術表現コースの中の専門課程の一つで、現在の有田窯業大学校(有田町)の敷地にキャンパスを設置する。 "[he-forum 19006] 毎日新聞福岡10/23","毎日新聞福岡版 2015年10月23日付 新教育の森:大学改革/4 変わる入試 英語外部試験、徐々に浸透 推薦やAO入試で先行  大学入試で英語の外部試験活用が九州地区の大学でも広がり始めている。「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能の評価が目的で、関東地区の大学などで導入が進んだが、九州では推薦入試やAO選抜などに限って利用する例が先行しており、一般入試への導入では大学ごとに手探りの状態が続いている。【馬原浩】  英語の外部試験の活用は、政府の教育再生実行会議が2013年5月に提唱した。当初は米国の英語能力試験TOEFL(トーフル)が想定されたが、大学入試のレベルに合わないとの指摘があった。このため、日本英語検定協会が開発したTEAP(ティープ)とベネッセコーポレーションのGTEC(ジーテック)の活用が進んでいる。  いずれも大学入試前に試験を受け、点数を大学側に提出する。4技能のうち「話す」について、TEAPは面接官とのやりとりで、GTECはパソコンに接続したヘッドホンとマイクでテストする形式だ。  九州では西南学院大(福岡市)が来春入学の公募制推薦入試とAO選抜で初めて取り入れた。対象は文学部英文学科や外国語学科英語専攻など3学部5学科でTEAPやGTECなどの点数を出願条件に入れている。ただ、対象の募集人員は5学科で20人程度。同大入試課は「一般入試での導入は検討段階。西南学院大の英語入試問題は良問という評価を得ており、すべて外部に任せることは難しい。一般入試の募集定員の一部だけ外部試験を使うなどの工夫が必要かもしれない」としている。  九州大(福岡市)では法学部AO入試(募集定員10人)の書類審査段階でTOEFLなどと共にGTECの点数も総合評価の対象とした。ただし、一般入試への外部試験の導入は現時点では検討していない。九大広報室は「今後、新たな入学者選抜方法を検討していく中で、外部試験のスコアを活用することを検討する可能性はある」としている。  TEAPを運営する日本英語検定協会によると、TEAP連絡協議会に加盟する大学は今年2月現在、全国で56大学。うち、九州・山口は5校で立命館アジア太平洋大(大分県別府市)は一般入試でTEAPを導入しているという。  英検協会は各大学が入試に組み込む際の参考になるように、大学入試センター試験とTEAPの点数を比較した係数などを積極的に紹介している。英検協会広報部は「英語を学ぶ人が受験や留学、就職など段階に沿った共通尺度にもなるようにTEAPだけでなく英検なども含め、語学能力のレベルを示す国際基準規格CEFRと比較可能なスコア尺度(CSE)を開発した。大学入試では、受験費用や受験地の面で格差が出ないよう配慮しつつ、TEAP以外の試験も含めた4技能評価の動きが進むよう各大学や関係機関と連携していきたい」としている。  大学入試を巡っては文部科学省がセンター試験に代わる新制度づくりを進めている。その中で、どう英語の外部試験を位置づけ、組み込んでいくのか大学関係者の模索が続いている。 ============== ■ことば ◇大学入試改革  文部科学省は新たな大学入試制度づくりを進めている。同省の専門家会議が今年8月にまとめた中間報告によると、現行の大学入試センター試験に代わって2020年度に導入する新共通テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」ではコンピューターを用いて音声や動画を使った多様な出題形式の導入を進める。一方、入試を主目的とせず高校生の基礎学力の定着度をみる「高校基礎学力テスト(仮称)」では、作問から運営まで民間の試験業者との連携が検討されており、英語を含む入試の在り方が大きく変わることが想定される。 "[he-forum 19005] 毎日新聞福岡10/16","毎日新聞福岡版 2015年10月16日付 新教育の森:大学改革/3 振興担う新学部 地域社会の即戦力に 宮崎大、実務家含む多彩な講師  宮崎大(宮崎市)は2016年度、地域振興に特化した人材を育成する新学部「地域資源創成学部」を新設する。地方創生に関連した学部は、高知大の地域協働学部(15年度設立)に次ぎ全国2番目。行政、ビジネスの最前線で活躍してきた「実務家教員」や農・工系教員を起用し、地元企業などともスクラムを組み、地域社会で即戦力となる人材を育てる。【尾形有菜】  新学部で「地域経営」を担当する予定の教育文化学部の根岸裕孝教授(49)が7日にゼミを開いた。「新学部先取り」の模擬講義。根岸教授が宮崎県五ケ瀬町特産のワインのボトルを学生に示した。  「五ケ瀬ワインは年間7万本売れている。10万本売れるにはどうすればいいかな」  「ラベルをもっと可愛くしてみては」「色遣いなど大切だと思う」とアイデアを出す学生に、根岸教授は「消費者には商品だけでなく、地域の良さも分かってもらいたいよね」とさらに提案を促した。  宮崎は国内有数の出荷額を誇る農畜産物、豊かな自然や観光資源に恵まれる一方、高卒者の県内就職率が全国最低(15年、54・0%)で、若年層の県外流出に悩まされている。新学部は、恵まれた資源の活用と、地域志向型の人材育成を有機的に連動させようという試みだ。  そのため、カリキュラムも徹底的に「地域」にこだわる。学生は1年時から県内各地のフィールドワークに入り、地域の課題、実情を知ることから始める。調査・分析を通じて地域資源の活用や地域づくり、ブランド化を自ら企画・実践していく。地元の魅力、長所を見いだし、活用に向けたマネジメントを経験することが実社会での武器になる、という実学思想だ。新学部設立準備を進める吉田雅彦教授(54)=地域産業創出概論=は「学生時代の一貫した研究が、社会に出てから着実に力をつける基礎になる」と話す。  学びをリードする計24人の講師陣も独特の構成だ。経営、経済学を核に農学、工学系教員を加える他、中央省庁や銀行、広告代理店、IT企業出身者ら8人を実務家教員として採用した。  「例えば畜産業への就業を考えていても経営学だけではダメ。やはり実際に牛、豚を知らないといけない」と吉田教授。多彩な講師陣は異分野を融合させたカリキュラムを実現し、学生が地域の課題、潜在的な価値を複眼的な視点から捉えられるようリードする役割を担う。  新学部で「交流マネジメント」を担当する出口近士教授(62)は「地域振興を自ら学び、考えて実践できる力を身につけさせたい」と意欲をみせる。1日付で就任した池ノ上克(つよむ)学長は「学内だけでなく地域との連携の中にも新しい大学のあり方が求められる。連携を深めつつ新たな地域の価値を創造し、地域らしさの中で独自の役割が果たせる学部に育てたい」と意気込む。 ==============  ■ことば ◇地域資源創成学部  教育文化、医学、農学、工学部に続く宮崎大五つ目の学部として、2016年4月に開設予定。定員90人。2年時の後期に、地域産業創出▽地域創造▽企業マネジメント−−の3コースを選択する。各コースで専攻するテーマなどに応じ、3年時には観光・農畜産関連の地元企業や金融機関、自治体など、大学が連携協定を結んだ約100の企業・団体への1カ月のインターンシップがある。 "[he-forum 19004] RE: [he-forum 19003] 大学の軍事研究反対ネット署名運動の案内","転送しています From: owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp [mailto:owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp] On Behalf Of Ryuzaburo Noda Sent: Friday, October 30, 2015 10:47 AM To: he-forum@ml.asahi-net.or.jp Subject: [he-forum 19003] 大学の軍事研究反対ネット署名運動の案内 岡山の野田隆三郎(岡山大学元教員)と申します。 久しぶりに投稿します。 標記の運動を立ち上げましたので案内させていただきます。 詳細は以下のサイトをご覧ください。 http://dgunk.exblog.jp/ 大学関係でも多くの方に賛同署名をしていただいています。 ご協力いただければ幸甚です。 "[he-forum 19016] 朝日新聞11/4","朝日新聞 2015年11月4日03時52分 センター後継テスト、国立大の68%「複数回は厳しい」 片山健志  今の中学1年生が受験する2020年度に、大学入試センター試験が大きく変わる。複数回実施することと、考える力を問うことが改革の大きな柱だ。だが、国立大学の7割近くが「複数回は厳しい」と考えていることが、朝日新聞と河合塾の共同調査でわかった。 ? 大学入試改革、対応競う受験業界 中1向け模試も開発  「ひらく日本の大学」調査は6~8月、国公私立大746校(短大、通信制、大学院大学を除く)を対象に実施。大学入試改革などについて尋ね、641校(全体の86%)から回答があった。  センター試験の後継テスト「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)は、実力を測る機会を増やそうと、複数回実施を予定。その実現可能性につい て、国立大の計68%が「厳しい」「かなり厳しい」と回答。「可能だ」「高い」は計25%だった。必要性については、「あまり必要でない」「全く必要でな い」が計53%で、「大いに必要」「必要」の計41%を上回った。  一方、私、公立大を含めた全体でみると、複数回の実施が「かなり厳しい」「厳しい」は計51%、「可能だ」「高い」は計40%となった。必要性は「大いに必要」「必要」が計56%。「あまり必要でない」「全く必要でない」は計37%だった。  センター試験は、参加大学が原則、都道府県ごとに話し合って試験場を決める。大学入試センターによると、国立大はセンター試験に参加していない4 校を除く82校中81校、公立大は84校中72校が今年の試験場だった。私立大は試験場になっていないところが多い。試験場になると、問題の管理や答案の 輸送、試験監督の配置も必要だ。約500人いる試験問題の作成委員の半分が国立大教員で、国立大には負担感が大きいという。  複数回だと、1回目は現在の1月より早い時期に実施される可能性がある。10月28日にあった文部科学省の有識者会議では、高校関係者から「1月以前なら学習指導要領で定められた内容を学ばせようと思っても間に合わない」と指摘があった。逆に繰り下げられると、国立大の2次や私立大の試験が控えており、採点の日程が厳しくなる点も消極的になる理由だという。(片山健志) "[he-forum 19017] しんぶん赤旗11/5","しんぶん赤旗 2015年11月5日(木) 小中の教職員 国立大交付金 削減やめ拡充こそ 畑野・大平・田村智子氏 財務省に要求  日本共産党の畑野君枝、大平喜信の両衆院議員と田村智子参院議員は4日、財務省が小中学校の教職員3・7万人削減と、国立大授業料の大幅値上げを招く運営費交付金の削減を求めている問題で、同省主計局担当者から説明を聞きました。  畑野氏らは、「現場から大きな批判の声が上がっています。教育は国の未来をつくるものであり、数字だけでは計れません。抜本的な拡充こそ必要です」と求めました。  財務省側は、「教職員を増やしても、いじめ・不登校の解決や学力向上、教員の多忙解消につながる根拠が不明確だ。ボランティアや教員以外のスタッ フを増やせばいい」と主張。国立大運営費交付金についても「毎年削減すべきだ。他の独立行政法人では行っている」とのべました。  これに対して党側は「少人数学級の効果は明らかだ。安倍首相が早期実施を約束したものであり、教職員を増やして中学3年まで早くやるべきだ」と主張。「スタッフといっても非正規雇用を充てる計画では、ワーキングプアを増やすだけだ」と指摘しました。  運営費交付金削減についても「法人化後10%以上減らされ、論文数の減少など世界的にも日本の落ち込みは深刻だ」「今でも学費が高くて奨学金返済 に追われているのが現状だ。これ以上、授業料が上がると教育格差がいっそうひどくなり、限られた人しか行けなくなる」と批判しました。= "[he-forum 19018] 朝日新聞11/6","朝日新聞 2015年11月6日10時53分 福岡教育大教授が論文盗用 学生の卒論も「自分に権利」  福岡教育大学(福岡県宗像市)は5日、教育学部の50代男性教授が執筆したスポーツに関する五つの論文に盗用があった、と発表した。処分は検討中という。  大学側によると、告発を受けた日本学術振興会から昨年5月に連絡を受けて調査し、指摘された3論文で盗用を認定。さらに2論文で盗用を認定した。教授は参考にした論文や文献を挙げていたが、引用と自分の論考を区別せず、記述が似ていることなどから盗用と認定。このうち三つの盗用は悪質性が高いとした。  指導した学生2人の卒業論文からの盗用も認定されたが、教授は、資料やアイデアを示したので権利は自分にある、などと説明。五つの論文について 「盗用したつもりはない」と話しているという。記者会見で桜井孝俊副学長は「倫理観の欠如に尽きる。慚愧(ざんき)に堪えない」と語った。  大学側は、教授による大学院生らへの研究指導を停止しており、担当授業についても近く判断する。= "[he-forum 19023] 朝日新聞","朝日新聞 2015年11月6日19時04分 群馬・旭川医科・秋田の3大学に最低評価 文部科学省 高浜行人  文部科学省の国立大学法人評価委員会は6日、2014年度の評価結果を発表した。群馬、旭川医科(北海道)、秋田の3大学について、業務運営や財務内容などが5段階で最低の「重大な改善事項がある」に分類した。  評価は国立大が法人化された04年度から始まり、全86の国立大と4の大学共同利用機関の計90法人が対象。毎年公表され、国立大の収入の3~4割を占める運営費交付金の額に影響する可能性がある。これまで最低評価は11年度と13年度の東工大だけで、複数が同時に最低とされたのは初めて。  群馬大は、腹腔(ふくくう)鏡手術で患者が相次いで死亡した大学病院に、適切な原因分析や病院長への報告がないなど「医療安全管理体制に重大な欠 陥」があるとされた。旭川医科大は、赤字を解消する計画が実行できなかった上、収入見込みが不適切で現金が不足し、短期借り入れを3回実施した。秋田大は寄付金を使うと赤字が減る会計の仕組みを悪用し、帳簿上赤字を圧縮したように見せかける不正をしたことが問題視された。  一方、最も高い「特筆すべき進捗(しんちょく)状況にある」とされたのは帯広畜産(北海道)、福島、岡山、山口、高知の5大学。岡山大は16年度から全学部で60分授業や4学期制をスタートし、帯広畜産大は14年度に教員の8割に年俸制を導入したことが評価された。(高浜行人) "[he-forum 19022] 産經新聞11/6","産經新聞 2015.11.6 19:27更新 群馬大、旭川医科大、秋田大に「最低評価」  国立大評価委、医療事故や財務内容悪化で  国立大学法人評価委員会は6日、平成26年度の国立大など計90法人の業務実施状況に関する評価結果を取りまとめた。87法人はおおむね順調と認 められたが、複数回にわたる医療事故を起した群馬大のほか、旭川医科大、秋田大の3校には最低評価にあたる「重大な改善事項」を指摘した。   評価は業務運営▽財務内容▽自己点検・情報公開▽法令順守などを対象に実施。パリで東北の魅力を発信する「東北復幸祭」を開催し、原発事故による風評被害 の軽減に向け積極的な情報発信を展開した福島大や、地域課題の解消に向け地元自治体などと共同で解決策を検討する教育組織を設置した高知大など5校が特筆 すべき取り組みとして認められた。  一方、重大な改善事項は3校で指摘された。複数回の医療事故が判明した群馬大については医療安全管理体制の重大な欠陥が認められ、「地域医療を担う中核として医療福祉を向上させる」という中期目標に十分に取り組んでいるとは認められないと判断。  旭川医科大については財務マネジメント上の課題による財務内容の悪化が認められるとし、秋田大では寄付金の使途変更の手続きで寄付者の同意を取らないなど重大なミスがあったとした。= "[he-forum 19019] 福島民報11/7","福島民報 2015年11月7日付 福大の復興事業が最高評価 パリでのOECDスクール  文部科学省の国立大法人評価委員会は6日、全国の国立大など90法人に対する平成26年度業務実績評価を公表した。県内の復興状況を海外で発信した福島大が最高評価を受けた。  福島大は昨年8月、東北の魅力を世界に発信する「OECD東北スクール東北復幸祭『環WA』in PARIS」をフランス・パリで開催した。教員、職員、学生による全学態勢のチームを結成し、ステージイベントなどを通じて東京電力福島第一原発事故の風評払拭(ふっしょく)に努めた。東北復幸祭には福島民報社が委嘱するふくしま復興大使も参加した。  再生可能エネルギー関連産業の人材養成、プログラム開発を推進するなど復興に向けた取り組みを大学一丸となって進めている点も認められた。  福島大の他に最高評価を受けたのは高知大などの4法人。 "[he-forum 19021] 琉球新報11/6","琉球新報 2015年11月6日付 再生医療、基盤構築へ 県、産学連携で細胞製造  県は再生医療産業の基盤構築を目指し、本年度から沖縄高専、澁谷工業(石川県)、再生医療ベンチャーのサイフューズ(東京)、佐賀大学と連携した先端医療産業開発拠点形成事業を始めた。将来的に細胞を作る「ヒト臨床用の細胞塊製造装置(バイオ3Dプリンター)」を開発し、県内外に装置や臓器・細胞塊を販売することで、新産業の創出や人材育成、雇用につなげる考え。  5日、県庁で会見したプロジェクトリーダーの池松真也博士(沖縄高専副校長)は「次世代の装置を技術開発し、沖縄ならではの再生医療を実施していく」と決意を述べた。  うるま市に金属加工や組み立て工場を有する澁谷工業が、バイオ3Dプリンターを開発・製造する。中俊明専務は「装置は来年中の完成を目指す。製造が始まれば県内の雇用も増える」と意気込む。  プロジェクトチームは、17年度をめどに、動物実験などで脊髄移植再生治療を実施し、製品化に取り組む考え。同時に、高専を臨床培養士の育成拠点として位置付ける。県の担当者は「県のオリジナル技術として健康医療産業を活性化させていきたい」と話した。  一括交付金を活用した事業で、15年度は3億円を計上している。 "[he-forum 19020] NHKニュース11/6","NHKニュース 2015年11月6日19時58分 国立大評価委 群馬大など3大学を最低評価に  腹くう鏡の手術の医療事故が相次いで起きた群馬大学など3つの国立大学について、有識者などで作る「国立大学法人評価委員会」は、5段階ある評価の中で最も低い評価とし、業務運営や法令順守での改善を求めました。  国立大学は毎年、有識者などで作る「国立大学法人評価委員会」から業務運営や法令順守など5つの項目について評価を受けていて、6日、文部科学省で昨年度の評価結果が公表されました。  それによりますと、群馬大学と秋田大学、それに旭川医科大学の3つの大学が「重大な改善事項」があるとされ、5段階の評価で最も低い評価を受けました。  このうち、群馬大学は、群馬大学医学部附属病院で腹くう鏡などの手術を受けた患者が相次いで死亡したことについて、「医療安全管理の体制の重大な欠陥が認められる」などとして業務運営に関して最も低い評価を受けました。  また、秋田大学は本来は研究に使うべき寄付金7億円余りを赤字額を圧縮するために使っていたとして法令順守の改善を求められているほか、旭川医科大学は財政が悪化しているにもかかわらず、支出の見直しなど適切な対策を取らず、さらなる悪化を招いたとして、財務内容の改善が求められています。  文部科学省によりますと、「重大な改善事項」があるとされたのが3校になったのは、国立大学が法人化された平成16年以降では、最も多いということです。 このほか、徳島大学や熊本大学など9大学で論文の実験結果や画像にねつ造や改ざんなどの不正行為があったとして、「法令順守の取り組みに課題がある」と指摘し、改善を求めています。  「国立大学法人評価委員会」の稲永忍委員長代理は「組織や運営を早急に見直して、二度と起こさないよう対応してほしい」と話しています。 "[he-forum 19024] Re: 大学の軍事研究反対ネット署名運動の案内","岡山の野田隆三郎です。 重複お許しください。 先日、標記の署名運動を紹介させていただきました。        http://dgunk.exblog.jp/ お蔭で、多くの方にご賛同いただき、ありがとうございました。 さらに浸透を図るためにchange orgでも同じ署名運動を始める             http://urx.red/p4OK ことにしましたので、拡散にご協力いただければ大変ありがたく 存じます。どうぞよろしくお願いいたします。 From: Ryuzaburo Noda Sent: Friday, October 30, 2015 10:46 AM To: he-forum@ml.asahi-net.or.jp Subject: 大学の軍事研究反対ネット署名運動の案内 岡山の野田隆三郎(岡山大学元教員)と申します。 久しぶりに投稿します。 標記の運動を立ち上げましたので案内させていただきます。 詳細は以下のサイトをご覧ください。 http://dgunk.exblog.jp/ 大学関係でも多くの方に賛同署名をしていただいています。 ご協力いただければ幸甚です。 "[he-forum 19026] 安倍政権“横暴改革”で大学崩壊 週刊朝日 11/13","「安倍政権“横暴改革”で大学崩壊 人件費削減、研究者は非正規雇用に」 『週刊朝日』2015年11月13日号より抜粋  「政府は、産業力強化に向けた大学改革を進め、昨年12月、産業競争力会議(議 長・安倍首相)は、国立大学を3分類し、「稼ぐ大学」にするための改革案を発表。 同会議には経済再生相などの閣僚のほか、産業界の重鎮がずらりと並んだ。  こうした、産業力を重視する安倍政権の大学改革には、批判も多い。……」(以 下、略) URL: http://dot.asahi.com/wa/2015110400080.html (更新 2015/11/ 6 07:00)                   以上 "[he-forum 19025] 「グローバル化と大学」 NHKラジオ第1 10/16"," 下記の放送がありました。11月13日までは聴けるようです。 URL http://www.nhk.or.jp/r-asa/doga2/5bus_5.html NHKラジオ第1「マイあさラジオ」<社会の見方・私の視点> 10月16日(金)放送 村田晃嗣(国際政治・米国外交/同志社大学学長) 「グローバル化と大学」                以上 "[he-forum 19027] 読売新聞11/12","読売新聞 2015年11月12日付 大学生の奨学金 必要か検討を 本人の「借金」  国が無利子奨学金の貸与者数を増やすなど、大学生ら向けの奨学金制度が拡充されている。  ただ、奨学金は将来、返済する必要があり、利用には注意がいる。一部の大学では、返済不要の給付型奨学金を受験前に予約できる制度を設けており、これらが利用できるかも検討したい。  国の奨学金は、独立行政法人日本学生支援機構を通じて貸与するもので、無担保で借りられ、最も利用者が多い。無利子の「第1種」と、有利子の「第2種」がある=表=。第1種の方が返済負担が少ないが、成績面や保護者の所得の基準は第2種より厳しい。第2種の利率は、卒業などで貸与が終了した月に決まる。  文部科学省によると、国の奨学金の利用者数は、2001年度の約64万人から、14年度は約132万人に増えた=グラフ=。同省担当者は「経済状況が厳しく、保護者の収入や貯蓄だけで学費を賄うのが難しい家庭が多くなった」と話す。同省は15年度、第1種の貸与者数を約8600人分増やした。16年度はさらに約3万人分増やす方針だ。  返済に苦しむ人も多い。同省によると、14年度末時点の滞納者は約33万人。3か月以上滞納が続けば、個人信用情報機関に登録され、クレジットカードの利用が制限されたり、住宅ローンが組めなくなったりする恐れもある。  低収入などで生活が苦しい場合は、月々の返済の減額や、返済期限の先延ばし(最長10年)といった制度がある。同省ではさらに、所得に応じた返済月額にし、少額でも返し続けられるような仕組みを検討中だ。とはいえ、返済総額が変わるわけではない。  ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは、「奨学金は学生本人の借金。借りる際は本当に必要な額か、親子でしっかり話し合って」と注意を促す。 ◇  奨学金を検討する際、「大学独自の制度にも目を向けてほしい」と助言するのは、奨学金アドバイザーの久米忠史さんだ。一つの大学に複数の奨学金制度が用意されているケースも多い。中には返済不要の「給付型」もある。  ここ数年、早稲田大、青山学院大、関西大など、入学前に進学後の奨学金の給付を約束する「予約型」の独自制度を設ける動きが広がっている。例えば早稲田大の「めざせ!都の西北奨学金」は、首都圏以外の出身で、親の年収が800万円未満であれば、入学前に申請できる。採用候補者に選ばれて入学した場合は年40万円が4年間給付され、返済はいらない。  同機構のホームページ(http://www.jasso.go.jp/)では、全国の大学や短大の奨学金制度が一覧できる。受験を考えている大学などの制度を事前に調べておくといい。 "[he-forum 19028] 毎日新聞 2015.11.15","http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20151115ddlk26040308000c.html 毎日新聞 2015年11月15日 地方版 講演会:共謀罪の問題点指摘 中京・弁護士会館 /京都  政府の進めようとする共謀罪について考える講演会「あなたの想(おも)いが 閉じ込められる」(京都弁護士会主催)が14日、京都市中京区の京都弁護士会 館あった。ジャーナリストの青木理さんと日弁連共謀罪法案対策本部副本部長の 海渡雄一弁護士が共謀罪の問題点を指摘。青木さんは「こうした集会もできなく なるかもしれない」などと訴えた。弁護士らによる寸劇クイズもあり市民ら約 170人が聞き入った。  青木さんは特定秘密保護法や安全保障関連法が成立し、政府が電話やメールを 傍受できる通信傍受法の適用範囲拡大を目指していることに触れ「国家の暴力的 な機能が拡大しており、その先に共謀罪がある」と指摘。共謀罪の成立により 「警察活動の幅が非常に広がる根本的転換。尾行や監視などにお墨付きを与え る」と懸念した。  海渡弁護士は「今は新たな戦前だ。その兆候を見つけカナリアのように鳴かな ければならない」と話した。【川瀬慎一朗】 "[he-forum 19029] しんぶん赤旗 11/13","『しんぶん赤旗』2015年11月14日(土曜日)付、7ページ 「「ローン帳消しを」 全米各地で大学生ら集会」  以下、記事本文の引用。 「【ワシントン=島田峰隆】米国各地の大学で12日、大学生らが高額な学生ローンに 抗議し、ローンの帳消しと公立大学の学費無償化を求めて一斉に集会を開きました。 「100万人大学生行進」と銘打って、各地の大学生らが連絡を取り合って組織しま した。  マサチューセッツ州ボストンにある私立大学、ノースイースタン大学には、同大学 や周辺の公立2年制大学(コミュニティー・カレッジ)に通う大学生らが集まりまし た。  ノースイースタン大学に通うキーリー・ミュレンさんは、米メディアに「政府は将 来の世代に教育を保障する責任を放棄しています」「異常に高い学費、卒業後に学生 が抱える借金など、教育制度が内部から壊れていくことを放置できません」と語りま した。  集会はテキサス、イリノイ、カリフォルニアなどの州でも開かれました。大学生ら は、キャンパスで働く職員の最低賃金を時給15ドル(約1840円)に引き上げるこ とも要求に掲げました。  米国では学生の多くが高い学費を払うためにローンを利用します。米NPO法人に よると、2014年の米国内の公立大学や非営利民間大学の卒業生のうち、学生ロー ンの返済者の割合は69%に達しました。1人当たりの平均債務額は2万8950ドル (約355万円)で、04年比で56%も増えています。」以上、引用終わり。 "[he-forum 19033] 産経ニュース 2015.11.19","http://www.sankei.com/politics/news/151118/plt1511180024-n1.html 産経ニュース 2015.11.19 07:30 共謀罪新設は「論外」 民主・枝野幹事長  民主党の枝野幸男幹事長は18日の記者会見で、パリ同時多発テロを受けて自 民党内で浮上した共謀罪新設のための法整備に関し、「過去3度廃案になった政 府案は、組織犯罪と全く関係ないものを対象としておりとんでもない。論外だ」 と批判した。同時に「テロ対策で、どうしても必要な部分があるならば説明して ほしい。話に応じる用意はある」と述べた。 "[he-forum 19032] 産経ニュース 2015.11.19","http://www.sankei.com/politics/news/151118/plt1511180024-n1.html 産経ニュース 2015.11.19 07:30 共謀罪新設は「論外」 民主・枝野幹事長  民主党の枝野幸男幹事長は18日の記者会見で、パリ同時多発テロを受けて自 民党内で浮上した共謀罪新設のための法整備に関し、「過去3度廃案になった政 府案は、組織犯罪と全く関係ないものを対象としておりとんでもない。論外だ」 と批判した。同時に「テロ対策で、どうしても必要な部分があるならば説明して ほしい。話に応じる用意はある」と述べた。 "[he-forum 19031] 産経ニュース 2015.11.18","http://www.sankei.com/politics/news/151118/plt1511180006-n1.html 産経ニュース 2015.11.18 08:15 【パリ同時多発テロ】 政府・与党 共謀罪新設を再検討 米英から諜報ノウハウ導入へ 来年2月専門 家会合  政府・与党は17日、パリの同時多発テロを受けた国内テロ対策として、重大 犯罪の謀議に加わっただけで処罰対象となる共謀罪の新設に向け、組織犯罪処罰 法改正案の国会再提出について検討に着手した。政府は主要国首脳会議「伊勢志 摩サミット」などを見据え、テロ対処能力向上のため諜報組織を持つ米英から最 新ノウハウを導入し、来年2月には国際テロ・国際組織犯罪の専門家会合を都内 で開く。  自民党の谷垣禎一幹事長は17日の記者会見で、共謀罪を新設して国際社会と 連携する必要があるとの認識を示し「来年は日本でサミットを行う。情報がない と十分な対応はしにくい」と述べた。高村正彦副総裁も党役員連絡会で「法整備 をしっかりやらなければいけない」と意欲を示した。  共謀罪をめぐっては、国連が2000年に「国際組織犯罪防止条約」を採択。 同条約に署名した政府は共謀罪を新設する組織犯罪処罰法改正案を国会に3回提 出したが、いずれも廃案となっている。  菅義偉(すが・よしひで)官房長官は17日の記者会見で「条約締結に伴う法 整備は進めていく必要がある。慎重に検討している」と述べた。  また政府は20年の東京五輪・パラリンピックも控え、対テロの重点方針とし て(1)テロ組織への資金供給の途絶(2)外国人戦闘員の増加防止(3)暴力 的過激主義への対応-の3つを決定した。  外国人戦闘員の入国阻止や、インターネットを通じ海外でテロ戦闘員となる邦 人の国内での活動に対処するには、米中央情報局(CIA)や英秘密情報局 (MI6)など日本政府が持たない諜報組織の知見も必要となる。新たなテロ手 法への対処方針などと合わせて米英に協力を呼びかける。  テロ組織の外国人戦闘員は急増中で、外務省筋は「半年前は世界で約1万5千 人と推測されていたが、現在は2万人超との見方がある」と指摘する。  政府は平成27年度補正予算にテロ対策強化費も計上し、来年4月の「国際テ ロ情報収集ユニット」発足の前倒しも検討する。同年2月末に国際テロ・国際組 織犯罪の専門家による約4日間の集中協議を開き、情報共有を進めて先進国での 連携強化を打ち出す。  安倍晋三首相は17日、パリ同時多発テロを受け、国家安全保障会議 (NSC)を官邸で開催し「国際社会と連携してテロの未然防止に全力を挙げ、 国内外で日本人の安全確保に万全を期すように」と指示した。 "[he-forum 19030] 日刊ゲンダイ 2015.11.18","http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/169861 テロに便乗して「共謀罪」言い出す 自民党はまるで火事場泥棒 日刊ゲンダイ 2015年11月18日  この男は本当に法曹資格を持っているのか。パリの同時多発テロ事件を受け、 自民党の谷垣禎一幹事長が17日、テロ撲滅のためには「共謀罪」の創設が必要 との認識を示した。  この日の党役員連絡会で、高村正彦副総裁がテロを防ぐための国際条約、国 連国際組織犯罪防止条約に言及したのがきっかけだ。高村副総裁は「国際条約が できているのに日本は(共謀罪などの)国内法が整備されていないためにこの条 約を批准できていない」と発言したことに対応したのだが、この論理の飛躍には ビックリだ。現行法でも、組織犯罪を取り締まる法律は十分、整備されているか らだ。 「殺人予備罪に強盗予備罪などもある。テロ行為の取り締まりには凶器準備集 合罪も適用できる。化学兵器や自動小銃などを準備しているとの情報があれば、 銃砲刀剣類所持等取締法もあります。航空機テロだって『航空機の強取等の処罰 に関する法律』というのがある。わざわざ共謀罪を作る必要はないのです」(司 法ジャーナリスト)  谷垣幹事長が言う「共謀罪」の創設は、過去3回にわたって国会に上程された ものの、日弁連などの反対で廃案に追い込まれている。大体、自民党が想定して いる共謀罪は、犯罪の実行着手や準備行為がなくても成立する――という乱暴な内 容で、従来の共謀共同正犯とは全くレベルが異なる。極端な話、何も犯罪行為を していないのに「思想」に疑念を抱かれればパクられてしまう可能性もある。 「行為を処罰する」という刑事司法の原則を揺るがしかねない「現代の治安維持 法」のような法律なのだ。それをこのタイミングで言いだすなんて、まさに火事 場泥棒の類いだ。  タダでさえ憲法を平気で踏みにじる安倍政権が「新たな武器」を持てば、ト ンデモない住民弾圧が始まることになる。 "[he-forum 19038] 国大協、文科相・財務相に「大学の基盤的経費拡充に関する要望書」を提出 11/18"," 馳浩文部科学大臣及び麻生太郎財務大臣に対して、国公私立大学連名による「国家 予算における国公私立大学の基盤的経費拡充に関する要望書」を提出(11/18)  「11月18日(水)、里見会長(国立大学協会)、清原会長(公立大学協会)及 び清家会長(日本私立大学団体連合会)は、馳浩文部科学大臣に対して、国公私立大 学連名による「国家予算における国公私立大学の基盤的経費拡充に関する要望書」を 提出し、活発な意見交換を行いました。  その後、河村建夫衆議院議員、塩谷立衆議院議員、渡海紀三朗衆議院議員を交え て、麻生太郎財務大臣に対して同様の要望書を提出し、基盤的経費の安定的確保につ いて強く要請しました。」  以上の記事のURLは、 http://www.janu.jp/news/teigen/20151118-wnew-youbou.html 馳浩文部科学大臣宛「国家予算における国公私立大学の基盤的経費拡充に関する要 望」のURLは、 http://www.janu.jp/news/files/20151118-wnew-youbou1.pdf 麻生太郎財務大臣宛「国家予算における国公私立大学の基盤的経費拡充に関する要望 望」のURLは、 http://www.janu.jp/news/files/20151118-wnew-youbou2.pdf                  以上 "[he-forum 19037] 日本共産党声明(?)11/20","安倍政権による学費の連続値上げは許さない   ――大学予算削減を学費値上げでまかなう方針を撤回させるために、力をあわせよう                      2015年11月20日  日本共産党 【国の大学交付金を大削減し、大幅学費値上げで「穴埋め」する――安倍政権がとんでもない道に踏み出そうとしている】  安倍政権は、国立大学の学費を今後15年間にわたって上げ続けるという、とんでもない道に踏み出そうとしています。10月26日、財務省は、政府の財政 制度等審議会財政制度分科会に、「(国からの)運営費交付金に依存する割合と自己収入割合を同じ割合とする」として、国立大学への国の支出を大幅に削減 し、残りは大学が「自己収入」を増やしてまかなう、という財政方針を提案し、了承を得ました。今後15年間で国からの支出を1948億円削減する一方で、 大学の「自己収入」を2437億円増やせ、というのです。  “15年連続値上げで40万円引き上げる”ことにも  大学の「自己収入」の主力は、学生から集める学費です。この計画を仮に授業料値上げだけで「穴埋め」しようとすると、毎年2万5000円程度、15年後 には現在の約53万円から40万円増の93万円程度になります。これは、現行の私立大学授業料平均額(約86万円 2013年)を上回りますから、私立大 学にも波及し、国立・公立・私立の学費値上げの連鎖がひきおこされます。  すでに日本の大学は、世界有数の異常な高学費になっており、教育費負担が国民に重くのしかかっています。政府も、この10年間は、国立大学学費の値上げを見送ってきました。しかし安倍政権は、それを破り、学費大幅値上げの道に突き進もうとしているのです。  大学と科学を発展させる意思も展望もない方針  安倍政権の連続値上げ方針は、国立大学への運営費交付金を減らすためのものですから、学費を大幅に上げても大学の教育や研究の充実にまわるお金は1円も 増えません。安倍政権には、大幅な学費値上げで学生・国民に負担を強いながら、大学の教育研究条件を向上させる意思はまったくないのです。  しかも、“国が半分、学費などの「自己収入」で半分”という安倍政権のやり方は、大学が教育や研究を充実させようとすれば学生に学費値上げを強い、学生 に思いを寄せて学費を抑制しようとすれば教育・研究予算を削り、これまで以上に大学を劣化させる道を選ばなければならない――まさに大学に「悪魔の選択」 を迫るシステムを作ることになります。  いま、安倍政権は「世界ランキングをあげろ」「スーパーグローバル大学」などと大学の“国際競争力”を言う一方で、大学予算は削減し続け、国立大学への 運営費交付金は、この12年間で12%も削減しました。やせ細らせてきた大学の基礎的な運営費をもっと大規模に削減するには、学費値上げで「穴埋め」する しかない、というのが今回の方針です。  戦後自民党政治の中でも異常な学費値上げ  これまでの自民党政治でも学費の値上げが繰り返されました。しかし、私学との格差是正、受益者負担などを「理由」にしましたが、“大学への予算を削るた め”などという、国の大学教育への責任放棄をあからさまに“宣言”した学費値上げは前代未聞です。1970年代には自民党も賛成して「私立大学への国庫助 成を経常費の2分の1に引き上げる」という目標を国会決議で定めました。まがりなりにも国が大学教育に責任を持つという「目標」は持っていました。  国立大学の運営費交付金削減とセットの学費大幅値上げは、戦後の自民党政治の中でも異常と言わざるを得ません。 【学生にも、国民にも多大な負担を押しつけ、若者から希望を奪う政治は許せない】  借金とアルバイトに追い立てられる学生生活をさらに強いる  いま、学生は奨学金という名の「借金」に苦しめられています。奨学金を借りる学生は、90年代後半までは2割程度でしたが、現在は53%と急増し、過半 数の学生は借金なしでは大学に通えない状態になっています。その奨学金の多数は有利子で、卒業時には平均的なケースで300万円、多い場合には1000万 円もの借金を背負わされるという、かつてでは考えられない事態になっています。  高い学費と劣悪な奨学金制度のもとで、多くの学生がアルバイトに追い立てられています。バイトが途切れたら学生生活を続けられない、という学生も少なく ありません。「ブラックバイト」が横行し、学生が簡単に抜け出せないのも、「生活のため」のバイトに追われているからです。  文部科学省の調査でも、大学・短大・高専の中退の理由のうち、「経済的な困難」が増え続け、今や最大の理由になってしまいました。  このうえに、学費を大幅に値上げするということは、学生にさらなる借金とアルバイトを強い、そして、「経済的な困難」――“これ以上の学費負担、借金は ムリ”と大学をあきらめざるを得ない若者を、国の政策で作り出すことになります。こんな学費値上げの道は絶対に許すことはできません。  若者と子どもたちから夢と希望を奪い、教育費負担をさらに重くする  安倍政権による学費の連続値上は、現在の学生だけに負担を強いるものではありません。いまでも貧困と格差の拡大が子どもたちに重くのしかかっています。 そのうえに15年もの連続値上げになれば、大学進学を希望する高校生、さらに中学生、子どもたちからも進学の夢を奪うことになりかねません。家庭の経済状 況を感じ取り、進学や進路の夢をあきらめざるを得なくなり、勉学への意欲も失ってしまう……こんなことになれば、本当に悲しいことです。  子育て世代にも重い負担を強い、教育への不安をつのらせることになります。現在でも自宅外通学の場合、高校入学から大学卒業まで約1485万円(日本政 策金融公庫)もかかるとされ、学生をもつ家庭にとって教育費負担は限界に来ています。「0歳児から学資保険をかける」というぐらい、ママ・パパは将来の教 育費負担に備え汲々としています。これ以上の負担を加速することになれば、子育ては成り立たなくなります。 【憲法を踏みにじり、教育への「投資」を削減する亡国の政治】  憲法上の義務(教育の機会均等の保障)を投げ捨てる  憲法は、国民に「ひとしく教育を受ける権利」(第26条)を定めています。教育の機会均等を保障し、経済的な理由で教育を受ける権利が奪われる国民をつくらないために努力するのが本来の政治の務めのはずです。  今でも高学費に多くの学生、父母があえいでいるのに、さらなる大幅値上げを打ち出すことは、政府が憲法上の要請を頭から無視し、憲法が定める国民の権利を平然と蹂躙するものと言わざるを得ません。  国際的にも異常な安倍政権の学費大幅値上げ  国際人権規約では、大学の学費を段階的に無償化することがうたわれています。日本政府は、2012年にやっとこの条項を批准しました。歴代自民党政府は 国際人権条約の「段階的学費無償化」条項を「留保」し続け、国連加盟国でこの条項を批准しないのは、日本とルワンダだけという事態になり、国内外から強い 批判を受けたためです。本来であれば、国際公約の立場で、学費の値下げと奨学金制度の充実に向かって前進することが日本政府の務めであるはずなのに、安倍 政権は、それと真逆の道に進もうとしているのです。 こ れまで繰り返された学費の値上げと有利子制の導入など奨学金制度の改悪によって、高い学費でありながら給付奨学金制度がないのは、先進国(OECD加盟国)の中で日本だけという恥ずべき事態になっています。  世界では大学への進学率があがるなかでも学費無償を維持したり、たとえ学費を徴収したとしても奨学金とセットで学生を支援するというのが、政治の姿勢と して当たり前となっています。ドイツではいったん学費の徴収を始めたものの学生らの反対で再び無償に戻しました。高い学費のアメリカやイギリスでも、かな りの規模の学生が給付奨学金や、経済的事由による学費免除制度の適用を受けています。  日本の高等教育へのGDP(国内総生産)比での公的支出は先進国で最低クラスです。日本には、もっと大学予算を増やし、大学の教育・研究への支援や給付奨学金創設など奨学金制度の充実、学費の抑制をはかる経済力はあります。政治の姿勢こそが問われているのです。  力をあわせ、学費値上げをやめさせよう  国立大学予算の削減と学費大幅値上げの方針に対して、学生から怒りと悲鳴の声が上がるとともに、国立大学の学長をはじめ大学人にも反対の声が広がってい ます。国立大学協会は、「授業料の引き上げと併せて運営費交付金の減額を行うことは、経済格差による教育格差の拡大につながる」「意欲と能力のある若者を 受け入れて優れた人材を社会に送り出すという国立大学の役割を十分に果たすことができなくなる」という「大きな疑念や危惧」を表明する声明を発表し、千葉 大、新潟大、金沢大、岡山大、長崎大、熊本大の6学長も連名で反対声明を出しています。  若者と教育、そして日本の未来のためにも、学費の大幅値上げを許すわけにはいきません。憲法を踏みにじり、教育にたいする責任を投げ捨て、国民に負担を 押しつけ、若者から未来を奪う――こんな亡国の政治を許すことはできません。国の大学予算削減をまかなうために学費を値上げするという安倍政権の方針を撤 回させる――この一点で世論と運動を広げようではありませんか。 日本共産党は、現在と未来の学生、子育て世代、大学関係者、そして国民のみなさんと力をつくす決意です。 "[he-forum 19036] 超一流の二流芸術国 東京新聞 10/4","「超一流の二流芸術国」 【ドナルド・キーンの東京下町日記】毎月一回東京新聞朝刊に掲載。 『東京新聞』2015年10月4日付から。  以下、末尾の部分のみ引用。  「しかし最近、気になっているのが人文社会学系学問への冷淡な風潮である。特 に、中国や韓国の経済的な台頭で、東アジアにおける日本の存在感が絶対的でなく なってから、そんな傾向を感じる。拝金主義に拍車がかかり、新自由主義の影響か、 効率化や短期的利益ばかりが求められているようだ。だが、忘れてはいないだろう か。日本の経済発展は豊かな文化という土壌に支えられていることを。  太平洋戦争が終結した七十年前、日本は全てが荒廃していた。それから驚異的な復 興を果たした背景には、日本人の教育水準の高さと同時に教養の高さもある。私は日 本を「超一流の二流芸術国」と評している。もちろん一流芸術もあるが、特筆すべき は誰もが俳句や短歌、生け花や書道といった芸術を気軽に楽しんでいること。これほ ど教養レベルの高い国は他にない。芸術には批判精神も必要で、健全な社会の証しで もある。  人文社会学系の学問は、そうした文化や教養を育むためには必修。それを抜きに経 済発展を追求しても社会は空洞化して、崩壊する。日本の歴史を振り返っても、それ は明らかだ。軍国主義時代のように、権力者が多様な価値観を否定すれば社会はゆが む。 (日本文学研究者)」  以上、引用終わり。  ドナルド・キーン氏は、2008年の文化勲章受章者(念のため)。  なお、全文のURLは、 http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/shitamachi_nikki/list/CK2015100402 000194.html               以上 "[he-forum 19035] 戦後70年 法政大<学徒出陣>関係イベント3点のご紹介(11/21&11/23)","http://hucc.hosei.ac.jp/news/2682.html (1) <法政大学学徒出陣資料展> ■日時 2015年11月16日(月)~11月21日(土)9:00~17:00(初日は12:00から) ■会場 法政大学 多摩キャンパス エッグドーム 2階ロビー(東京都町田市相原 町4342) (2) <戦争と平和を共に考える集い--「平和記念碑」が伝えること--> ■日時 2015年11月21日(土)10:30~19:30 ※一部のみの参加も可能 ■会場 法政大学 多摩キャンパス(東京都町田市相原町4342) ■内容 10:30~11:30 第1部 平和記念碑前での集い :平和記念碑前 11:30~13:00 第2部 法政大学学徒出陣資料展を見る :エッグドーム 2階ロビー 13:00~17:00 第3部 戦争と平和を共に考える--記念講演会 :エッグドーム 5 階ホール *講演 「法政大学生の学徒出陣」髙栁俊男教授/「戦後世代からの問題提起」嶋  崇(同窓会員) ほか 17:30~19:30 第4部 交流会 :エッグドーム 2階スローワールドカフェ  *交流会は会費5000円(予約が必要です。事務局までFAXまたはメールで。支払いは 当日)/学生は無料、予約も不要です。 ■問い合わせ先  事務局 法政大学経済学部研究棟4階420号室 TEL・FAX 042-783-2550 メール jimukyoku@hoseikeiyukai.jp (3) 「戦後70年 法政大学と出陣学徒ー記憶と記録」の開催について http://daigakushi.ws.hosei.ac.jp/gakuto2015oshirase.html 日時: 2015年11月23日 13:30~17:30 (開場13:00) 場所:法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナード・タワー26階 スカイホール <第一部> 法政大学における学徒出陣調査中間報告    内容   法政大学史における<学徒出陣>のこれまで         調査概要の説明         学徒出陣の統計調査について         本学校友への聞き取り調査について <第二部> 学徒出陣の記憶と記録―各大学の取り組み    内容   基調講演         パネルディスカッション         質疑応答 ポスター http://daigakushi.ws.hosei.ac.jp/gakuto2015poster.pdf チラシ http://daigakushi.ws.hosei.ac.jp/gakuto2015chirashi.pdf 以上 "[he-forum 19034] 財務省提案に反対する国立6大学の声明 11/13","「財政制度等審議会における財務省提案に関する声明について」(国立六大学連携コ ンソーシアム)(11/13)  「国立六大学連携コンソーシアム(千葉大学、新潟大学、金沢大学、岡山大学、長 崎大学、熊本大学)では、先般の財政制度等審議会における財務省提案に対して、国 立大学法人の基盤的経費である運営費交付金の継続的な削減方針への反対について、 声明を発表しました。」  以上の記事のURLは、 http://www.janu.jp/news/teigen/20151113-wnew-teigen.html  声明のPDFファイルのURLは、 http://www.janu.jp/news/files/20151113-wnew-teigen.pdf  以上、終わり。 "[he-forum 19043] 中日新聞石川11/17","中日新聞石川版 2015年11月17日付 共同大学院創設へ協定 金大と北陸先端大、18年予定  金沢大と北陸先端科学技術大学院大(石川県能美市)は十六日、金沢市内で、共同大学院の創設に向けた連携協定を結んだ。二〇一八年四月に創設する構想で、教育課程などの詳細を決める検討協議会の第一回会合も開いた。  協定書には金沢大の山崎光悦学長と北陸先端科学技術大学院大の浅野哲夫学長が署名し、握手を交わした。  構想によると、共同大学院には「先進融合学術共同専攻」(仮称)を設置。学生には専門分野以外の授業も受講させ、幅広い知識を持つ人材の育成や新しい研究領域の創出を目指す。修士が取得できる二年制の前期課程で三十人、博士を取れる三年制の後期課程で十五人の学生を募集する。  山崎学長は「金沢大の総合性と先端大の専門性、特殊性を最大限に活用する。複数の学問分野を融合させて学ぶことのできる大学院として日本の先駆けになる」と強調。浅野学長は「幅広い知識を持たないと変化の激しい今の世の中には通用しない」と意義を語った。   (福岡範行) "[he-forum 19042] 新潟日報11/20","新潟日報 2015年11月20日付 新大学長「削減受け入れられぬ」 財務省の国立大交付金削減案を批判  新潟大の高橋姿学長は19日、新潟市西区で会見し、財務省が10月に示した国立大の運営費交付金を削減する改革案について「教育や研究の基盤を揺るがすもので受け入れられない」と批判した。  財務省の改革案は、16年度から運営費交付金を毎年度1%ずつ削減し、大学側には授業料収入などの自己収入を1・6%ずつ増やすことを促す内容。  高橋学長によると、国から新大への運営費交付金は法人化された2004年度の145億円から、15年度に134億円に減少した。高橋学長は「これ以上減らされると将来的には授業料を上げざるを得ない。常勤の若手教員を多く抱えることも難しくなる」と指摘。「大学の世界的な競争力の強化が求められる流れと矛盾している」と強調した。 "[he-forum 19041] 東海日日新聞11/18","東海日日新聞 2015年11月18日付 運営費交付金 削減に反対 豊橋技科大 大西学長が声明/授業料転嫁の場合 「学生の負担大きく」  財務省の諮問機関が国立大学法人運営費交付金を毎年1%ずつ削減していく案をまとめたことに対し、豊橋技術科学大学(豊橋市天伯町)の大西隆学長は、17日学内で開いた定例の記者会見で「大学の安定的経営に支障をきたす恐れがある」と述べ、削減案に反対する声明を発表した。  運営費交付金は国立大学の人件費や基礎的教育研究費などに使われ、大学の規模などに応じて国から配分される。先月、財政制度等審議会分科会が示した案では、今後15年間で交付金を毎年1%ずつ削減し、各大学に対しては自己収入を同1・6%ずつ増やすことを求めている。  大西学長によると、同大学では2004年の国立大学法人化以降、12年間で3・9億円(約11%)の交付金が減額されており、「若手の育成への影響や研究時間の減少、論文増加率の伸び悩みなどの弊害が生じている」。  また「厳しい経済状況の中、自己収入の増加は難しい」とし、授業料にすべて転嫁した場合、現在の年間約53万円が約77万円となる試算を示して、「学生には大きな負担となる」と述べた。 "[he-forum 19040] 読売新聞11/20","読売新聞 2015年11月20日付 グローバル人材育成…大学入試改革と一貫校戦略  大学入試センター試験に代わる新テストが2020年度から導入されることになり、いまの中学1年生が、導入初年度の受験生になる。この入試改革に、最も敏感に反応しているのが、私立の中高一貫校だ。  とくに目立つのが、グローバル化への対応。「これからの時代、少なくとも日本語以外に英語くらい使いこなせなくては」という保護者の希望にもマッチする。私立校ならではのグローバル化への取り組みとは、どのようなものだろうか。 本格的な少子化社会へ…教育の大きな転換点  「学校はこんなにも変わっているのか。自分たちのころとは大違いだ」。NPO学校支援協議会が主催した教育シンポジウム「いまなぜ高校が変わるのか~大学入試改革の真のねらいを問う~」(8月30日)で、小学3年生のお子さんを持つ父親が思わずこう漏らした。  今、文部科学省が推進する「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革」によって、日本の教育は大きな転換点を迎えようとしている。改革を進める背景には、本格的な少子高齢化社会の到来、グローバル化、経済・労働環境の変化がある。  シンポジウムでは、三島良直・東京工業大学学長、鎌田薫・早稲田大学総長といった国立・私立双方の大学トップを始め、開成中学校・高等学校の柳沢幸雄校長、廣田康人・三菱商事代表取締役常務執行役員、さらに保護者代表がパネリストとして登壇し、高校・大学の変化や大学入試制度改革について意見を交わした。  この中で参加者の最も大きな反響を呼んだのが、一体的改革の柱となる“グローバル化に対応した教育”を進める私立中学高校と学校法人の先進事例だった。  冒頭の父親が漏らした言葉は、この事例報告を聞いた際のものだ。各私学のグローバル化に対する手厚い取り組みに、ある公立校関係者は、「資金面、人的資源面でも恵まれた私立ならではの取り組み」とお手上げだった。 ロンドン大学の留学準備コースに指定校推薦枠…大妻中学高等学校  女子教育の先駆者といわれる、1908年創立の伝統校・大妻中学高等学校(東京都千代田区)。大妻女子大学の教授(専門はヨーロッパ語系文学)でもある井上美沙子校長が2011年に就任して以来、グローバル人材育成に力を入れてきた。  その一環として、オックスフォード大学のインターンシップ生の受け入れや、ロンドン大学での交流イベントへの生徒の参加など、イギリスのパブリックスクールや大学との交流が活発に行われている。  シンポジウムでは、この夏に行われたオックスフォード大の学生によるジャズアカペラグループ「ガーゴイルズ」との交流の様子が紹介された。ガーゴイルズのメンバーは同校での中学生の英語の授業で指導に加わったほか、カフェテリアでコンサートを開き、高校生も交え交流の場を持った。  参加した生徒は「英語だけでなく、日本の文化をもっと勉強して話題を広げたい」と感想を話していた。  井上校長は、「たくさんの経験をしたということが、いろいろな知識をどう組み立て、自分の主張を外へと発信できるかということに繋つながっていくのではないか。」と話す。同校では、今年、ロンドン大学のファウンデーションコース(=留学生のための大学進学準備コース)に5人の指定校推薦枠を獲得、生徒の海外大学進学への道も開こうとしている。 2万5000冊の英語本で多聴多読…明星中学高等学校  歴史、科学、数学など、様々な分野の英語の本を読むことで、学力の基盤となる教養を身に付ける。こうした取り組みを実践しているのが明星中学高等学校(東京都府中市)だ。ここではOxford Reading Treeのテキストを中心とした、2万5000冊の幅広い分野の英語の本を用いた多聴多読の学習が行われている。  教材に添付されているCDでネイティブの発音を聞きながら英語の文章を読み、自分自身でも発音し、お手本との違いを聞きとることも行っている。これに使われているのは、雨どいを利用した特製のスピーカーフォン。より効果的に行うために、道具まで工夫されている。  教材となる本は1冊ごとに教員が単語数をカウントして表示。その中には人気シリーズ「ハリーポッター」のように、18万を超える単語数のものもある。生徒の興味関心、レベルに応じて、教員が生徒一人ひとりに対して教材選択をサポートしている。  使用される教材の多くは、教員が海外の出版社に直接電話で問い合わせ、様々なレベルの生徒が英語の本が読めるように集めたものだ。この授業を受けた生徒は「電車の中での英語のアナウンスを聞き取れるようになった」と実感していた。  中学3年生からは職業について書かれたものも読むため、「英語の教材を通して幅広く社会について学ぶ機会となり、本当の意味での総合学習になっている」と、担当の鬼丸晴美先生は話す。  今回の一体的改革では、「英語を使って何ができるようになるか」という観点から、英語の4技能、すなわち「読む」「聞く」「書く」「話す」力を総合的に育成することを目指している。新たな大学入試においても、この4技能を総合的に評価するとしている。  大妻中学高等学校や明星中学高等学校の取り組みは、単に技能として英語力を高めるだけでなく、英語を用いて幅広い教養を身に付けることで自らの考えをしっかりと持って発信する基盤を作ることや、海外の人々と交流し、自国や異文化への興味・理解を広げることによって、「真のグローバル人材」を育てることに繋げている。 直接海外大学へ進学するための力を育む…武蔵学園  シンポジウムで紹介されたもう1つのケースは、学校法人根津育英会武蔵学園(東京都練馬区)がテンプル大学日本校と提携して実施している武蔵REDプログラムだ。英語で科学を学び、「Reseach」「Essay Writing」「Debate」(この三つの頭文字を合わせてRED)の三つの力をつけることに取り組んでいる。このプログラムを学ぶことによって、高校から直接海外大学へ進学するための力を身に付けようというのだ。  昨今、高校生の進学事情に変化が起きている。それは、トップ進学校などを中心に、海外大学に直接進学する生徒が増えてきていることだ。そのための専門の進学塾も登場し、徐々に実績を上げている。地方自治体でもこうした動きを支援する取り組みが行われ始めている。   海外大学進学が注目される中、2014年に本格スタートしたのが同プログラムだ。根津育英会武蔵学園は、武蔵大学と“男子御三家”武蔵高等学校中学校を運営する学校法人だが、同プログラムは、広く学園外の生徒にも門戸を開き、受講生の中には女子中学生・高校生も含まれている。  授業は夕方から週3回×2時間(シニアコース)、首都圏を中心に、面接と作文で選ばれた中高生が参加している。このプログラムの説明会には、高い関心を持って地方から参加するケースもある。  参加費は、最も料金がかさむシニアのレギュラーコースで約100万円。参加費がほぼ半分ですむ特待生制度があり、外部からの利用者はほとんどがこの適用を受けている。  このプログラムでは、英語圏の大学に進んだ日から、自由に相手の話を聞きとり、自ら思うところを伝えられるようにすることを目指している。  また、シンポジウムの事例紹介において、プログラムを進める植村泰佳理事は、「国境や言語の壁を越えて、多くの人とコミュニケーションし、それによって真実を追求する力をつけてほしい」と話している。  海外大学進学のサポートプログラムが様々なかたちで進められることで、高校生の進学の選択肢が海外まで広がっている。これによって、東大を頂点とする大学受験ピラミッドが姿を変えつつある。  こうした動きによって国内の大学は新たなグローバル化の局面を迎え、変革を迫られている。シンポジウムのパネリストの一人、東京工業大学の三島良直学長も「世界のトップクラスの大学と同じ質の教育にするために相当大きな変革が必要」と強調している。 人材育成の“設計思想”に注目  今回の三つのケースに共通しているのは、単に英語のスキルを高めるということだけではない、グローバル人材育成の「設計思想」だ。それは、多様な社会や文化の中でいろいろな人々と共に生きていく力、共に何かを創り上げ、自分自身の人生も創り上げていく力を育むということである。  私立の中学高校では、いずれも英語指導に力を入れているため、それだけでは「学校の差別化(セールス)ポイントにならなくなっている」と言う校長もいる。このため、スーパーグローバルハイスクールの指定、国際交流、海外研修など、各校ともよりいっそう様々な活動に取り組んでいることも背景にある。  「グローバル人材育成に力を入れている私学に、わが子を通わせたい」。そう考える保護者はけっこう多いと思われる。志望校選択にあたっては、グローバル人材育成のために何をしているかだけではなく、そこに込められた「育成の設計思想」にも注目してみてはどうだろうか。  (アジルコンサルティング主宰、森上教育研究所アソシエイト 高橋真実) "[he-forum 19039] 読売新聞島根11/19","読売新聞島根版 2015年11月19日付 島大、超高齢化へ新学部 17年春計画 ◇福祉・心理・医学融合「地域支える人材を」  島根大は18日、2017年4月から、新たに「総合人間学部(仮称)」を新設する計画を発表した。県が直面する超高齢化や過疎化などに対応できる人材を育成するため、法文学部の福祉、教育学部の臨床心理、医学部の精神医学などを融合し、文系、理系の壁を越えた学部とし、16年3月、文部科学省に設置を申請する。認められれば、04年の法人化以降、同大で新学部の開設は初めてとなる。(坂根薫)  新学部は1学科に「心理学」「福祉社会」「健康科学」の3コースを設け、定員80人を予定している。  心理学コースは、教育学部で学んでいる臨床心理と、法文学部の実験心理を充実させ、公認心理師などの資格取得を目指す。  福祉社会コースは、現在、法文学部で行われている社会福祉学に焦点を当て、社会福祉士に加え、精神保健福祉士養成のカリキュラムを増設するほか、医学部の精神医学分野も学べるようにする。  健康科学コースは、医学部の病理学や、生活習慣と健康について研究し、住民が健康で長生きできる社会作りに貢献できる人材を育成する。  新学部開設時には、教育学部と法文学部の定員を減らすが、大学全体では現在の5402人(5月1日現在)程度の規模を維持するとしている。教員についても、教育学部など既存の3学部からの移籍を中心に対応する予定。  同大では、服部泰直学長が就任した4月以降、大学の役割の再検討や、各学部の教育内容の見直しを進めてきた。服部学長はこの日の記者会見で、「島根大に求められているのは地域貢献とグローバルな人材の育成。新学部設置で、住民に寄り添って人として支え合える人材育成に力を入れたい」と述べた。 "[he-forum 19044] しんぶん赤旗11/26","しんぶん赤旗 2015年11月26日(木) 早大 5年雇い止め撤回 非常勤講師組合が和解 3000人 無期雇用へ道  首都圏大学非常勤講師組合(東京公務公共一般労働組合加盟)と同組合早稲田ユニオンは25日、厚生労働省内で会見し、早稲田大学が非常勤講師を5 年上限で雇い止めにする方針を撤回することで、和解協定を結んだと発表しました。早大で働く約3000人の非常勤講師たちが、5年以上勤務して無期雇用に 転換する展望をひらいたことになり、全国の大学に影響を与えるとみられます。  同組合の組合員などは、早大が2013年3月に就業規則で5年上限雇い止めを定めたことに対し、手続きに労働基準法違反があるとして、刑事告訴・告発などを行っていました。  和解協定は18日、東京都労働委員会の立ち会いのもとに締結。14年3月31日以前から勤務している非常勤講師は、5年上限が撤回され、5年勤務 すれば改正労働契約法によって、無期雇用契約へ転換を申し込む権利が発生します。大学側は1人あたりの担当授業を4コマまでに制限しようとしていました が、8コマまで増やすことになりました。  14年4月1日以降に勤めはじめた非常勤講師について、大学側は雇用期間を10年上限、付属の高校や専門学校については5年上限にすると提案して いるため、組合側は上限廃止を求めて協議を継続するとしています。非常勤講師の種類による賃金格差などについても是正に取り組みます。  大野英士早稲田ユニオン代表は、「非常勤講師の多くは大学院までの奨学金の返済を抱え、低賃金だ。非正規雇用全体の問題としてとらえ、運動にしていく」と強調しました。 ◇  日本共産党の田村智子参院議員は13年6月の国会質問で、早大の非常勤講師問題を取り上げ、谷川弥一文科副大臣(当時)から「学校法人においても労働関係法に従うもの」と答弁を引き出しました。= "[he-forum 19045] 読売新聞11/27","読売新聞 2015年11月27日 07時55分 准教授、講義中にデモ参加呼びかけ…停職3か月  福岡教育大(福岡県宗像市)は26日、教員として不適切な行為があったとして、教育学部の40歳代准教授を停職3か月、30歳代准教授を同2か月の懲戒処分にしたと発表した。  処分はいずれも25日付。  同大によると、40歳代准教授は7月21、22日、学生数十人 が受講した講義中、福岡県内で開催される安全保障関連法案(安保法案)の抗議デモへの参加を呼びかけた。21日には「法案絶対反対」「安倍は辞めろ」など の発言を復唱するよう求めるなどした。講義での発言がインターネット上に掲載されて発覚した。  30歳代准教授は2013~14年度、学生1人に「君がいたら空気が悪くなるのでこれからは来るな」と発言したほか、別の1人に対して卒業論文の添削指導を一切しなかった。学生2人が3月、そろって大学側に訴えた。いずれも卒業している。 "[he-forum 19046] しんぶん赤旗主張11/27","しんぶん赤旗 2015年11月27日(金) 主張 「教育支出」最下位 世界でも異常な現状の打開を  経済協力開発機構(OECD)の調査で、国内総生産(GDP)に対して国や地方自治体による教育機関への公的支出の占める割合が、日本は6年連続 で比較可能な32カ国中最下位となりました。教育への公的支出が少ないことによって、日本では世界でも異常な高学費や劣悪な教育・研究条件を生んでいま す。子どもと若者の希望を閉ざし、日本の将来にもかかわる深刻な事態をこれ以上、放置することは許されません。 私費負担は2倍以上  OECDが24日に公表した調査結果によると日本は、2012年の小学校から大学までの教育機関への公的支出がGDP比で3・5%にとどまり、 OECD加盟国平均の4・7%より1・2ポイントも少なくなっています。公的支出が少ないため、大学など高等教育の私費負担はOECD平均の2倍以上にの ぼっています。  OECD加盟国では半数の国で大学の学費が無償で、ほとんどの国が返済しなくていい給付制の奨学金制度を設けています。高い学費でありながら給付 制奨学金がないのは日本だけです。そのため、学生の過半数が「借金」である貸与制の奨学金を借りざるを得えなくなっています。貸与制奨学金の多くは有利子 で、卒業と同時に平均的なケースで300万円、多い場合には1000万円もの借金を負わされることになります。多くの学生がアルバイトに頼らざるを得ず、 違法・無法な働き方を強いる「ブラックバイト」から抜け出せない学生も少なくありません。  高校の授業料無償制度も昨年から廃止されてしまいました。不況により収入が減る中で、家庭の負担は限界に達しています。憲法が保障する教育の機会均等への責任を政府が放棄するものです。  日本の持つ経済力に比べて教育条件の劣悪さは明らかです。  欧米では小中学校が1クラス20~30人になって久しいという時代に、日本では35人学級さえいまだに完全実施していません。教員は多忙のうえ長 時間労働をしいられ、子どもたちと向き合う時間を奪われています。国立大学の運営費交付金もこの12年間で12%も削減され、研究環境の劣化に拍車をかけ ています。  重大なのは安倍晋三政権が教育予算をいっそう削ろうとしていることです。財務省の審議会では、国立大学の学費を15年連続で40万円引き上げることにつながるような案まで示されました。小中学校の教職員も9年間で3万7000人削減しようとしています。  これには中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)や国立大学協会、学長など大学関係者、校長やPTAなど学校関係者からも反対や危惧の声が上がっ ています。教育への公的支出の比率をさらに低下させ、教育研究条件の悪化を深刻にし、学生や子どもをはじめとする国民を一段と追い詰める逆行は絶対にやめ るべきです。 国民の共同の力で  教育への公的支出をOECD平均並みにすれば国と地方で約6兆円の増額になります。計画的に引き上げることで、私費負担を大幅に減らし、ゆきとどいた教育を実現できます。  日本の将来のため、国民の共同の運動で世界的にも異常な現状を打開し、教育予算を国際水準並みにするよう力をつくしましょう。 "[he-forum 19049] 神戸新聞11/27","神戸新聞 2015年11月27日付 神戸に健康増進の研究開発拠点 補助金計35億円  神戸市は26日、産官学による研究開発や事業化を促進する国立研究開発法人・科学技術振興機構の事業「世界に誇る地域発研究開発・実証拠点推進プログラム」に採択された、と発表した。理化学研究所を中核機関に企業や大学と共同で市民の健康情報を集め、医療分野での活用や関連産業の拡大を目指す。  同プログラムは、異分野が連携し、複合的な研究や事業展開、人材育成を行う計画に資金支援する。同市は理研や兵庫県、神戸大、京都大に加え、阪急阪神ホールディングスなど計11者で事業提案していた。採択が決定し、2020年3月までの5年間、毎年7億円の補助を受ける。  提案では、健康で寿命を全うできることを目指し、医療費の抑制や労働人口の確保につなげる狙い。医療機関などから得た市民の健康情報をプライバシーに配慮してデータベース化し、健康の維持や増進に必要な情報を本人に提供したり、企業が新サービスや製品を開発したりするのに生かす。  合計12の大学・研究機関、31社の医療関連企業や金融機関が参画する。関西での展開を見据え、今後も参画希望者を募る。  記者会見した神戸市の久元喜造市長は「最先端の医療のみならず、健康に関する科学的知見や人材を関西全体から総結集する。企業の事業化への機運も高めることで、医療産業都市は新しい段階に入る」と期待を込めた。(黒田耕司) "[he-forum 19048] 神戸新聞11/28","神戸新聞 2015年11月28日付 国立大交付金削減は「無謀」 神戸大が反対声明  神戸大学の武田廣学長は27日、定例会見を開き、10月に財務省が示した国立大学運営費交付金の削減案について、「大胆で無謀な案」と批判した。外部有識者でつくり、大学に助言する組織「神戸大学アドバイザリーボード」に呼び掛け、削減案に反対する声明を出した。  財務省は10月26日、財政制度等審議会の分科会で、国立大に配る交付金を2016年度から毎年度1%ずつ削減する改革案を示し、大学の自助努力を促した。  武田学長は会見で声明文を紹介。「法人化以降、既に交付金は削減されている。教育投資をおろそかにすることは国の将来に大きな悔恨を残す」などと反対の姿勢を強調した。  声明は近く、国立大学協会に送り、財務省と文部科学省に提出される予定。(上田勇紀) "[he-forum 19047] 徳島新聞11/27","徳島新聞 2015年11月27日付 徳島大学の次期学長に選ばれた野地澄晴(のじすみはれ)さん  変革期を迎えた徳島大のかじ取り役を任された。学長任期が始まるのは、初の農学系学部となる生物資源産業学部が発足する2016年4月。このとき工学部も理工学部に衣替えすることから、「学部再編を機に、世界をリードする研究や地域貢献を進めたい」と意気込む。  12年に理事・副学長に就任し、再編に向けた学内意見の取りまとめや国との折衝を主導してきた。その仕事ぶりは周囲から「高度成長期の猛烈サラリーマン」と形容されるほど。実際、仕事はたびたび深夜に及んだが「研究者時代から慣れていた」と笑う。  専門は、生物から有用な物質やエネルギーをつくり出す生物工学。学部時代は物理学を専攻していたが、「生物の寿命も物理法則で理解できる」と記した理論物理学者・シュレーディンガーの著書に触発され、大学院からは生物工学の世界に足を踏み入れた。1992年に徳島大工学部教授に就任。以来、コオロギの発生や進化のメカニズムなどを研究してきた。  研究を成功に導くのに必要なのは「チーム力」だと考える。「野球チームのように個々人の得意分野を生かし、組織全体が一つの目標を達成するために動いていくのが理想」。今後の大学運営でも、この思いを反映させるつもりだ。  趣味の読書は、ドキュメンタリー作品がお気に入り。「自分の世界が広がるから」と、忙しい合間を縫って活字を追う。2人の息子は独立し、徳島市北矢三町4で妻と2人暮らし。67 "[he-forum 19051] 岩手日報11/28","岩手日報 2015年11月28日付 岩手大、授業料値上げも 交付金削減案受け試算  岩手大(岩渕明学長)は27日、運営費交付金を毎年度1%削減する財務省案が導入された場合、授業料の28%値上げや教職員削減を迫られるとの試算を明らかにした。外部資金の獲得で減収を補うのは困難な状況で、教育格差の拡大や研究の質の低下を招く恐れがあるとして、同大など全国の国立大は削減に強く反発している。県内の国立以外の大学の授業料にも影響する可能性もあり、国の動向が注目される。  岩手大が同日公表した資料によると、本年度の運営費交付金(一般分)は56億7300万円。これに対し15年間1%ずつ削減する財務省案が導入されれば、2031年度には8億4300万円減の48億3千万円となる。  削減分を授業料(年間53万5800円)で補うためには単純試算で15万1700円(28%)増の68万7500円への値上げが必要。人件費のみの試算では、現在の教職員750人は90人(12%)減の660人としなければならない。  財務省案では31年度に交付金と自己収入を同じ割合にすることが目標だが、同大の14年度の自己収入は34億3200万円で、交付金に頼る割合が大きい。既に過去10年間で10%削減されており、産学間連携の推進などこれ以上の自己収入を確保するのも困難という。 "[he-forum 19050] 日本経済新聞11/27","日本経済新聞 2015年11月27日 産学連携や若手研究者育成、国が数値目標 科学技術政策  内閣府は26日、国の科学技術政策の方針を示す第5期科学技術基本計画の答申案をまとめた。産学連携の強化や若手研究者の育成、女性の活躍促進、中小・ベンチャー企業の創出強化など、政策を評価するための8つの目標数値を同計画に初めて盛り込んだ。目標値は政策の質を高めるための指標で、次期計画などに生かす。  第5期科学技術基本計画の答申案を26日開いた総合科学技術・イノベーション会議の専門調査会で示した。  2016年から20年までの今後5年間の国の科学技術政策をまとめた「第5期科学技術基本計画」は安倍政権の成長戦略を受け、イノベーションを前面に打ち出した。これまで政府の研究開発投資目標だけを示し、成果目標が盛り込まれていないとの一部批判に応えるため、政策の「健康診断」をするための数値目標を盛り込んだ。  イノベーションを進める原動力となる若手研究者は任期付き研究者が多く、長期的な研究に取り込みにくくなっているため、40歳未満の大学教授や准教授などの教員の数を1割増加させ、将来的に全体の大学教員に占める割合が3割以上となることを目指すとした。40歳未満の大学教員数は2013年度で約4万4000人で今後5年で4400人増やす。優秀な若手研究者を増やすため、テニュアトラック制や卓越研究員制度の活用をあげている。  女性研究者の採用割合は第4期科学技術基本計画で自然科学系で30%との数値目標が掲げられていたが、現在も25%程度にとどまっている。このため、この目標を速やかに達成すべきだとした。  世界大学ランキングに論文の引用回数は大きく影響するため、質の高い論文の割合を大幅に高める必要がある。論文の質の向上を目指し、日本の総論文数に占める被引用回数がトップ10%に入る論文数の割合を10%にすることを掲げるとともに、被引用回数がトップ10%の論文数の2割増やすことも盛り込んだ。  大学と企業の産学共同研究を活発化するため、企業から大学への共同研究受け入れ額の目標値を2013年度(約390億円)実績の5割増とした。産学官が一体となったオープンイノベーションを促進できるように、企業、大学、公的研究機関の間の研究者の移動数を2割増やし、特に移動数が少ない大学から企業や公的研究機関への研究者の移動数が2倍になることを目指す。大学や研究開発法人などの研究成果を事業につなげることを推進するため、研究開発型ベンチャー企業の新規上場数を2014年度の30件の2倍とすることを掲げた。  また、イノベーションの創出で意思決定のスピード感に優れる中小企業は重要な役割を果たすことから、特許出願件数に占める中小企業の割合を2014年度の13%から15%に引き上げる目標を盛り込んだ。さらに大学などが持つ特許を活用したイノベーション創出を進めることを目指し、大学などの特許実施許諾件数を2013年度(約1万件)に比べて5割増やすとした。  内閣府は「これらの数値目標はあくまで政策を評価するもので、研究者個人の評価に連動することを主眼にしているわけではない」としている。  今回の答申案では政府の研究費の数値目標は盛り込まれていない。12月までに国内総生産(GDP)比1%で調整し、なんらかの数値を盛り込んだ最終答申案をとりまとめる。 "[he-forum 19057] 産経ニュース 2015.12.1","http://www.sankei.com/politics/news/151130/plt1511300024-n1.html 産経ニュース 2015.12.1 07:56 共謀罪の新設は必要 河野国家公安委員長「五輪安全開催はホスト国の責任」  河野太郎国家公安委員長は30日夜のBS日テレ番組で、政府・与党が国内テ ロ対策として検討している共謀罪について「(2020年)東京五輪・パラリン ピックを安全に開催するのはホスト国の責任であり、慎重に検討していく必要が ある」と述べ、創設が必要だとの認識を改めて示した。  河野氏はイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」がサイバー攻撃の能力を 高めつつあると指摘。「サイバー攻撃がコスト的に一番安い。それだけの技術を イスラム国が持ち始めている。対策は二歩、三歩先を行くことが大事だ」と述 べ、サイバーテロ対策を急ぐ重要性を強調した。 "[he-forum 19056] THE PAGE 2015年11月25日","http://blogos.com/article/146421/ THE PAGE 2015年11月25日 11:00 自民党内で検討進む「共謀罪」って何?フランステロで再浮上  フランスで130人以上の犠牲者を出した同時テロの発生を受けて、自民党内か ら「共謀罪」を創設する国内法の整備を求める発言が相次いだ。過去3回国会に 提出され、いずれも反対が多く廃案になった「共謀罪」。テロ撲滅とどう関係が あり、反対派はなぜ反対しているのだろうか。  自民党の谷垣禎一幹事長は、17日の役員連絡会後の記者会見で来年5月に開催 される主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)にむけた国内のテロ対策の一環とし て、「共謀罪」の創設を含む法改正が必要だという考えを述べた。谷垣氏は会見 で、高村正彦副総裁も創設が必要だと考えていると明かした。 15年前の国連条約が発端  「共謀罪」とは、「重大な組織犯罪」について、その犯罪について話し合って 合意したことをもって処罰対象となる罪のことだ。  事の発端は、2000年に国連総会で採択された「国際組織犯罪防止条約」にさ かのぼる。深刻化するマフィアやテロなどの国際的な組織犯罪を防止し、適切に 対処するために作られた。日本もこの条約に署名したが、この条約を批准するた めの国内法を制定していない。外務省によれば、条約は日本を残して2003年に発 効し、2015年7月時点で、日本を除く全てのG8を含む185の国と地域で締結されて いる。  なぜ日本はこの条約に加盟していないのか。国際組織犯罪防止条約第5条は、 「共謀罪」を犯罪とするよう国内法を整備するように定めている。政府の説明に よれば、日本は国内で「共謀罪」の法整備が済んでいないので、15年もの間この 条約に加盟できないでいる。この条約に加盟していないことで、この条約を補足 する「人身取引議定書」「密入国議定書」「銃器議定書」にも日本は加盟してい ない。 政府は「国民の生活が脅かされることはない」と説明  賛成派は、テロ組織の資金源を断つなどのテロ対策を進めるためにこの条約の 批准が必要で、そのためには国内法で「共謀罪」を新設する必要があると主張し ている。  法務省は、「共謀罪」が成立するためには次の3つの要件が定められていて、 国民の生活上の行為が犯罪になることはないとしている。  1つ目は、その犯罪が「死刑、無期又は長期4年以上の懲役又は禁固に当たる重 大な犯罪」であること。2つ目は、その共謀が「団体の活動として」組織で犯罪 を行われるものであること、または「団体の不正権益」の目的の場合に限るこ と、3つ目は「特定の犯罪が実行される危険性のある合意が成立した場合のみ処 罰する」ということだ。  法務省は「共謀罪」には厳格な要件が付され、暴力団による組織的な殺傷事 件や振り込め詐欺などの組織的詐欺、暴力団の縄張り争いなどに限定されるとし て「国民の一般的な社会生活上の行為が本罪に当たることはあり得ません」とし ている。個人的に同僚や友人と犯罪の実行を合意したり、居酒屋で意気投合した だけでは「共謀罪」は成立しないと説明する。 「日本の刑事法体系と根底から矛盾する」との批判  一方で「共謀罪」創設に対しては、日本弁護士連合会や野党が強く反発し、こ れまで3度国会に提出されたものの、いずれも廃案になっている。その主張のひ とつは、対象の犯罪が広すぎるという指摘だ。  日弁連の発表した反対意見によれば、政府の定義では「重大な犯罪」は600種 類を超えていて、釣銭詐欺やキセル乗車も含まれてしまう。政府の説明では共謀 罪の適用が暴力団などの組織犯罪に限定されるとしているが、何が「団体」にあ たるのかあいまいで、労働組合、会社組織なども含まれてしまう可能性も否定で きない。さらに「共謀」は、目配せや相談の場に同席するだけで成立するとさ れ、適用範囲がとても広くなる可能性がある。  日弁連が何より問題視するのは、「共謀罪」という考え方が、日本の刑法の 考え方と根本的に矛盾する点だ。日本の刑法は、犯罪が実行されて結果が生じた 「既遂」を取り締まることが原則だ。例外として法律で特に定められた場合、実 行の着手段階である「未遂」も処罰される。さらに例外的に、殺人などの重大犯 罪のみ、準備段階も取り締まる「予備罪」が設けられている。「共謀罪」は現行 の刑法上にも存在するが、内乱罪などさらに特異な状況に限って適用される。新 設される「共謀罪」がすべての「重大犯罪」に適用されるとすれば、非常に特異 な場合に限られていた「共謀罪」の範囲が大きくなり、法体系が崩れてしまうと の主張だ。 「共謀罪」創設は、条約加盟に必須か  では、日本は「国際組織犯罪防止条約」に加盟できないのだろうか。政府は、 国際組織犯罪防止条約5条は、締結国に、長期4年以上の重大な犯罪に対して共謀 罪を設けることを明確に義務付けており、国内法で「共謀罪」創設することなし に、条約に加盟できないとしている。  一方、日弁連は、日本の法体系には、重大な犯罪に対して、すでに陰謀罪が8 種類、共謀罪が15種類、予備罪が40種類、準備罪が9種類存在しており、一定の 要件を満たした場合には、「共謀共同正犯」として犯罪に共謀したものを処罰す ることも判例上認められていると主張。アメリカをはじめとする各国は、それぞ れの国の国内法の原則に合わせた立法を行って批准しており、日本でも「共謀 罪」の創設なしに条約に加盟することができるとしている。  安倍晋三首相は、22日の記者会見で、共謀罪について「政府としては、重要 な課題と認識しているが、これまでの国会審議等において不安や懸念などが示さ れていることを踏まえ、その在り方を慎重に検討しているところであります」と 述べ、慎重な姿勢を見せている。 (中野宏一/THE EAST TIMES) "[he-forum 19055] しんぶん赤旗 2015.11.30","http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-11-30/2015113001_06_0.html しんぶん赤旗 2015.11.30 きょうの潮流  「懸念が示されていることを踏まえ、慎重に検討している」(安倍首相)―。 パリの同時多発テロを口実に政府・与党が共謀罪を、またぞろ持ち出そうとして います。国民の非難を浴びて、3度も廃案になったにもかかわらず、恐るべき執 念です▼今回、安倍首相をはじめ政府・与党幹部が口をそろえて強調するキー ワードが「慎重に」。あくまで「テロ対策」であって、国民が懸念する乱用は、 あり得ないかのように印象付けたいのでしょう▼共謀罪では、犯罪を実行してな くても、相談したというだけで罪に問われます。内心の自由を踏みにじる、危険 きわまりない弾圧法です。いくら羊の皮を着ても狼(おおかみ)であることは隠 せません▼仮に共謀罪ができたら、これを使って取り締まる中心部隊は公安警察 です。この組織が決して順法・公正でないことは、1986年に発覚した日本共 産党の緒方靖夫国際部長(現副委員長)宅への電話盗聴事件など、幾多の事例が あります▼9・11テロの翌年、警視庁公安部に「国際テロ対策」を目的とした外 事3課が新設されました。その仕事は、イスラム教徒を監視し、情報を収集する こと。あげくにはインターネットに収集情報を漏洩(ろうえい)し、多くの人の プライバシーを傷つけたのです▼すでにできた秘密保護法、マイナンバー。成立 をめざす盗聴法、共謀罪…。安倍政権が狙う“1億総監視社会”の怖さは、公安警 察の実態からも一目瞭然です。「テロ対策」に便乗した巧妙な手口。絶対に阻止 しなければ。 "[he-forum 19054] 産経ニュース 2015.12.1","http://www.sankei.com/premium/news/151201/prm1512010003-n1.html 産経ニュース 2015.12.1 01:00 【政界徒然草】 「共謀罪」ってそれほど危険なのか? 組織犯罪防止条約の非加盟国はもはや日 本、北朝鮮、南スーダンなどわずか…  パリ同時多発テロを受けた国内テロ対策の一環として「共謀罪」の新設が焦点 となっている。重大犯罪の謀議に加わっただけで処罰対象とする内容だが、これ まで3回も廃案となっている。自民党内ではテロの攻撃対象になりかねない来年 の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)や2020年東京五輪・パラリンピック を見据え、法整備の検討を促す声が強まっている。一方の首相官邸側は次期通常 国会への法案提出を見送る方針を示唆しているが、この消極的な姿勢の背景には 何があるのか。  「政府として重要な課題と認識しているが、これまでの国会審議で不安や懸念 が示されたことを踏まえ、慎重に検討している」  安倍晋三首相は11月22日、訪問先のマレーシアの首都クアラルンプールで 行った記者会見で、共謀罪創設の必要性を認めたものの、慎重な姿勢を崩さな かった。萩生田光一官房副長官も同日、次期通常国会への法案提出について「考 えていない」と明言。その上で「国民の理解を得ていないわけだから、どういう ことが政府の思いとミスマッチだったのか、さまざまな検証を加えてからでいい のでは」と強調した。  だが、共謀罪がないことによって、日本政府は「テロとの戦い」に挑む国際社 会の潮流に乗り遅れているのが現状だ。  国連は2000年にテロリズムや国際的な犯罪を未然に防ぐことを目的とする 「国際組織犯罪防止条約」を採択した。日本も署名したが、締結のために必要と される共謀罪がないため、今も批准できていない。同条約は現在186の国・地 域が締結しており、国連加盟国で入っていないのは日本、イラン、北朝鮮、ソロ モン諸島、コンゴ共和国、ツバル、パプアニューギニア、パラオ、南スーダン、 ソマリアの10カ国と極めて少数だ。  テロ組織を含む国際組織犯罪と戦うサークルに加われず、地球規模で拡散する 国際テロ動向に関する情報も得にくい状態が続くことになる。パリ同時多発テロ 事件後、自民党内からは共謀罪創設の法整備を求める声が上がるのは、このためだ。  谷垣禎一幹事長は11月17日の記者会見で、共謀罪を創設して国際社会と連 携する必要があるとの認識を示し、「来年は日本でサミットを行う。情報がない と十分な対応はしにくい」と指摘。高村正彦副総裁も「法整備をしっかりやらな ければならない」と同調し、党幹部の認識は一致している。  一方、野党からは自民党の動きに反発する声が相次いでいる。民主党の枝野幸 男幹事長は「過去3度廃案になった共謀罪はとんでもない話で論外だ」と批判。 共産党の小池晃政策委員長も「テロに便乗し、刑法の大原則を大きくゆがめ、内 心の自由にまで踏み込むことが許されるのか」と語気を強めた。公明党ですら山 口那津男代表が「懸念を示す声もあり、慎重な取り組みが必要だ」と述べている。  「安倍政権はただでさえ安全保障関連法の時に『悪魔みたいだ』といわれてい たのに、その次にすぐに反発が大きい共謀罪をやるのは難しい」  政府関係者はこう指摘する。安全保障関連法の成立で内閣支持率が下落した後 だけに、来年7月の参院選を前に、政府内には政権の体力を再び奪うことは避け たい思惑がある。  別の政府筋は「タイトな国会日程を考えると、次期通常国会で共謀罪まで手を 広げる余裕はない。紆余曲折もある話なので複雑な議論を巻き起こす。これに精 力を注ぐよりも、今できるテロ対策に集中すべきだ。仮に法案ができてもサミッ トには間に合わない」と指摘する。  ただ、資金洗浄(マネーロンダリング)やテロ資金供与対策の国際基準策定機 関「金融活動作業部会」(FATF)は昨年6月、日本に迅速な法整備を求める 初の勧告を公表した。こうした事態に、外務省筋は「テロ対策で日本が抜け道と なれば、全ての国の協力の意味が薄れてしまう」と危機感を強める。法整備を避 け続けることによって、国際社会で孤立する可能性もあるという。  これまでの共謀罪をめぐる議論では、法の拡大解釈による不当逮捕や人権侵害 につながりかねないと誇張された批判が巻き起こった。  法務省内では4度目の提出に向けた法整備の検討が進んでいる。関係者による と、改正案では(1)適用対象団体としてテロリストや暴力団などの「組織的な 犯罪集団」に限定(2)共謀だけでは処罰対象とはせず、犯罪実行に必要な資金 や物品の準備などがあって初めて法令を適用(3)共謀罪の名称も誤解を招くと して「組織犯罪準備罪」や「組織犯罪遂行罪」などの呼称の検討-などだ。  ただ、官邸内も共謀罪創設の必要性では一致している。官邸関係者は「条約の 批准がないと、各国の諜報機関とテロ情報を共有するのが難しい」と認めつつも 「安保関連法と比べれば共謀罪を成立させるハードルは高くないが、時期は今で はない」と説明する。  テロ対策で国際連携を強めようとする安倍政権だが、官邸関係者は「日本は特 異な国だよ。この部分ではすごくね」と自嘲気味に語った。 (政治部 太田明広) "[he-forum 19053] 信濃毎日 2015.11.27","http://www.shinmai.co.jp/news/20151127/KT151126ETI090009000.php 信濃毎日 2015.11.27 社説 共謀罪 苦い教訓を忘れたのか  犯罪を実行せず、準備もしていない。話し合っただけで処罰の対象にする。  それが共謀罪だ。  政府は2003年以降、多くの犯罪に共謀罪をつくるため組織犯罪処罰法改正 案を3回、国会に提出した。拡大解釈され国民のプライバシーが侵される恐れが あると、野党のほか日弁連や市民団体が強く反対し、いずれも廃案になった。  それでもまた、共謀罪の新設を求める声が政府・自民党内から出てきた。今月 起きたパリの同時多発テロがきっかけだ。  来年5月に伊勢志摩で主要国首脳会議(サミット)が開かれる。自民党の谷垣 禎一幹事長は記者会見で、国内のテロ対策の一環として共謀罪の法整備の必要性 を訴えた。高村正彦副総裁も同様の発言をした。これに岩城光英法相ら閣僚が同 調している。  安倍晋三首相は、来年1月4日召集の通常国会への改正案提出は見送る考えを 示した。だが「重要な課題と認識している」と将来に含みを残した。  戦前、思想の弾圧に使われた治安維持法は、共謀罪に相当する「協議罪」が多 用された。特定の組織をつくることや加入を話し合ったというだけで多くの人が 逮捕されている。  人の心の動きを処罰した苦い教訓だ。このため戦後日本の刑事法は、ごく一部 の例外を除き、犯罪の実行行為があって初めて罰するのを原則としてきた。「共 謀共同正犯」という考え方がある。これも実行者がいて初めて、共謀した者に同 じ刑事責任を負わせる。誰も実行していないのに処罰する共謀罪とは根本的に異 なる。  共謀罪を織り込んだ法律は既にある。強行採決で成立し、昨年12月に施行さ れた特定秘密保護法だ。過去の教訓を顧みることなく規定された。秘密を取得し ようと話し合っただけで処罰の対象になる恐れがある。  共謀罪の摘発をしやすくする捜査手法が先行して準備されようともしている。  電話の盗聴やメールの閲覧を認める通信傍受法。現在は薬物犯罪などに限定 し、傍受時に通信事業者が立ち会う制約がある。対象犯罪を大幅に広げ、立会人 も不要にする改正法案が先の国会に提出された。安全保障関連法の成立優先で継 続審議になったが、与党は次の国会での成立を目指す。  テロを未然に防ぐことに異論はない。だが、憲法が保障する内心の自由を侵し かねない手法には厳しい目を向けなければならない。 "[he-forum 19052] 産経ニュース 2015.11.26","http://www.sankei.com/affairs/news/151126/afr1511260021-n1.html 産経ニュース 2015.11.26 16:16 【パリ同時多発テロ】 石破地方創生相「共謀罪なしでは日本がテロ活動の抜け道に」  石破茂地方創生担当相は26日の石破派会合で、パリ同時多発テロを受け、共 謀罪を含む国内テロ対策に向けた法整備に関して「不十分なままだと日本がテロ 活動の抜け道、抜け穴になりかねない」と指摘した。  国連が2000年に採択した「国際組織犯罪防止条約」を日本が批准していな いことにも言及し、「批准していないのは北朝鮮とイラク、あと何カ国だけだ。 日本さえ良ければいいということにはならない」と述べ、共謀罪を創設し、条約 を早期に批准することが必要との考えを示した。 "[he-forum 19062] 中日新聞岐阜12/1","中日新聞岐阜版 2015年12月1日付 滞納累積、1億円を超す 県奨学金返済「モラル低下も一因」  国公立の学校に通う高校生と大学生に無利子で貸与する県の奨学金制度で、累積した返済滞納金が二〇一四年度、一億三百九十三万円に達した。滞納者の増加に、県は「利用者のモラル低下も一因」と分析。返済金は、新たに給付する奨学金の原資となるため、滞納しないよう呼び掛ける。  県の奨学金は一九八三年に設立された。経済的に苦しい生徒・学生に月一万四千~三万五千円を貸す。利用者は減少傾向だが、昨年は六百五十六人に貸与した。  原則として、卒業後に年二回、十年間かけて返済する。例えば、県立高に自宅から通学する生徒には三年間で百八万円の奨学金が貸与される。卒業後、社会人になってから毎年六月と十二月の二回、五万四千円ずつ返済する。一カ月あたりの返済額は九千円になる。  県によると、ほとんどの利用者は、六月と十二月に返済する。各回とも期日通りに返済されるのは、この約三年、94%弱で推移。約6%は期日通りに返済されていない。一度滞納してしまうと、返済しない状況が続く傾向にあるという。滞納額が積み重なって、総額は一億円を突破した。  同様に滞納に悩む愛知県は、返還を求める民事訴訟に踏み切っている。だが、岐阜県は訴訟の予定はなく、自宅訪問もしていない。職員が少なく、裁判費用や出張費を考えると、効果的ではないためという。  一方、「生活が苦しい」などと電話で訴えられた場合、一回あたりの返済を少額にしたり、延期したりするなどの対応もしている。担当者は「強制的なことはしたくない。繰り返し呼び掛けて、滞納額を減らしていきたい」と話している。 (水越直哉) "[he-forum 19061] 毎日新聞山形12/2","毎日新聞山形版 2015年12月2日付 山形大:授業料増か教員減に 交付金削減で試算  財務省の諮問機関、財政制度等審議会が先月24日にまとめた2016年度予算編成に向けた建議(意見書)で、国立大学法人への運営費交付金の削減を求めたことを受け、山形大は1日、影響額の独自試算を公表した。2031年までに年間の授業料を約30万円増の約80万円に引き上げるか、教員を約27%減らす必要があるとした。  同大によると、建議では減額する数値に触れなかったが、10月26日開催の分科会の資料には31年までに運営費交付金と自己収入の割合を同水準にすべきだとの考えが示されたという。13年の国立大学法人収入(付属病院収入は除く)の割合は、運営費交付金51・9%、自己収入32・5%だが、31年にともに42%台にすべきだとしていた。  これを受け、同大が試算した結果、収入増で補填(ほてん)する場合は、年53万5800円の授業料を17年から毎年平均2・7%増の引き上げが必要とした。人件費削減で賄う場合は、現在803人の教員を224人減らす必要があるとした。  記者会見した小山清人学長は「教育の機会均等を使命とする国立大学として是認できるものではない」と非難した。さらに、「人口減少が進む中、生産性の高い人材の育成は、特に地方大学において重要だ」と述べ、国に見直しを求める考えを示した。【山中宏之】 "[he-forum 19060] しんぶん赤旗12/2(2)","しんぶん赤旗 2015年12月2日付 運営費交付金拡充で一致 党国会議員団 国立大学協会と懇談  日本共産党国会議員団は1日、全国86の国立大学などでつくる国立大学協会と懇談しました。財務省が、国立大への運営費交付金を削減する代わりに授業料の大幅値上げを求めていることに反対し、拡充を求めていくことで一致しました。  国大協からは山本健慈専務理事(和歌山大学顧問)、木谷雅人常務理事(事務局長)らが出席。山本氏は「高等教育が崩壊する初年度とならないかの危惧がある。国立大学の全学長が危機感を持っており、あらゆる手段を尽くして阻止したい」と表明しました。木谷氏は、国立大学法人化以来運営費交付金が1470億円削減され、若手研究者の割合が減少するなど教育研究に支障をきたす事態が起きていると指摘。「経済・教育格差の拡大に直結する。国を支える力を損なう恐れがある。経済界もこれからの日本を支えるのは高等教育だとして基盤的経費の拡充を求めている」と強調しました。  日本共産党の畑野君枝衆院議員(党国会議員団文部科学部会長)は、日本共産党が財務省方針に反対するアピール「安倍政権による学費の連続値上げは許さない―大学予算削減を学費値上げでまかなう方針を撤回させるために、力をあわせよう」を発表(11月20日)したことを紹介。財務省方針は「国の予算を削るため、学生に耐え難い負担を強いるものだ。教育の無償化を求める国際人権規約、教育の機会均等を定める憲法にも反する」と述べ、「党派を超え、全国で運動を起こしていきたい」と述べました。  大平喜信衆院議員は「財務省方針は学生に値上げを押し付け、交付金は1円も増えないものだ。力を合わせていきたい」と表明。田村智子参院議員は「これ以上の学費値上げは許されない」と指摘しました。  懇談には、この他に穀田恵二、高橋千鶴子、宮本岳志、本村伸子の各衆院議員、井上哲士参院議員、党本部の学術・文化委、青年・学生委の各担当者が出席しました。 "[he-forum 19059] しんぶn赤旗12/2","しんぶん赤旗 2015年12月2日付 国立大授業料40万円値上げに 文科省認める 畑野氏「撤回を」 衆院閉会中審査  国会は1日、衆院文部科学委員会を開き、閉会中審査を行いました。日本共産党の畑野君枝議員は、財務省が国立大学運営費交付金の削減を求めている問題を取り上げ、「国の予算を削るため学生に大幅な授業料の値上げを強いることは許されない」とただしました。  馳浩文科相は「考え方は同じだ。財務省の考え方は本末転倒だ。経済的理由で断念せず、安心して学べる環境を整備していく必要がある。運営費交付金の確保に取り組んでいきたい」と答えました。  畑野氏は、財務省が求める自己収入増2437億円をすべて授業料で賄えばどうなるのかと質問。常盤豊高等教育局長は「授業料は93万円となり、40万円の増加になる」と答えました。  畑野氏は、奨学金で平均300万円、多いと1000万円もの借金を背負う実態をあげ、「高等教育の段階的な無償化を求める国際人権規約や、憲法が定める教育機会の均等に反する」と指摘しました。  交付金は法人化後1470億円も削減され、国立大学協会が「経済格差による教育格差の拡大につながる」「消費税や電気料金値上げで努力も限界」と訴えています。畑野氏はこのことを紹介し、「切実な声に応えるべきだ」と求めると、馳氏は「一律削減ありきの考え方に反対だ。物価動向や教育研究上の必要性を勘案し、交付金の確保に努めていく」と答えました。  畑野氏は、学費の連続的な値上げを許さない共同を呼びかけた日本共産党のアピールを紹介し、「国の大学予算削減をまかなうために学費を値上げするという方針を撤回させる。その一点で党派を超えて力を合わせたい」と述べました。 "[he-forum 19058] 徳島新聞12/2","徳島新聞 2015年12月2日付 鳴門教育大の次期学長に選ばれた山下一夫(やましたかずお)さん  人と対するときは、しっかりと目を合わせ、思いを受け止める。心理カウンセラーとして培った対話力で、学長就任後も「教授や事務職員らと徹底的に話し合い、大学をより良い方向に導きたい」と抱負を語る。  カウンセラーを目指したきっかけは、京都大の学生だった時代にさかのぼる。恩師の河合隼雄名誉教授が、不登校やいじめに苦しむ子どもたちを救おうと心理学を役立てる姿を見て、「これだ」と思った。大学院進学後、早速中高生らのカウンセリングに取り組むが、うまく意思疎通ができずに面談を打ち切られたことも。「まだまだ頭でっかちだった」と振り返る。  転機は不登校の男子高校生との出会い。なかなか心を開こうとしない少年の特技が将棋だと知り、ひたすら将棋を指し続けた。1年がたったころ、少年はぽつりぽつりと心の内を明かし始める。信頼関係を築く難しさと素晴らしさを実感した。  相手の話にじっくりと耳を傾ける姿勢は学内でも評価され、周囲は「難題に自ら飛び込み、解決を目指す行動力を持つ」とみる。今年は鳴教大など全国四つの教育大が連携し、いじめを防ぐ教員教育プロジェクトの立ち上げを主導した。  いじめ防止教育のほか、海外の教員研修、教員再教育の拠点としても存在感を発揮していきたい考えで、「鳴教大ならではの誇れる特徴がいくつも育ってきている。丁寧にその芽を育みたい」と意気込む。  大阪市出身。月1回ほど京都府宇治市に住む娘夫婦の元を訪れ、孫に会うのが何よりの楽しみ。鳴門市撫養町斎田。62歳。 "[he-forum 19063] しんぶん赤旗12/2","しんぶん赤旗 2015年12月2日(水) 運営費交付金拡充で一致 党国会議員団 国立大学協会と懇談  日本共産党国会議員団は1日、全国86の国立大学などでつくる国立大学協会と懇談しました。財務省が、国立大への運営費交付金を削減する代わりに授業料の大幅値上げを求めていることに反対し、拡充を求めていくことで一致しました。  国大協からは山本健慈専務理事(和歌山大学顧問)、木谷雅人常務理事(事務局長)らが出席。山本氏は「高等教育が崩壊する初年度とならないかの危 惧がある。国立大学の全学長が危機感を持っており、あらゆる手段を尽くして阻止したい」と表明しました。木谷氏は、国立大学法人化以来運営費交付金が 1470億円削減され、若手研究者の割合が減少するなど教育研究に支障をきたす事態が起きていると指摘。「経済・教育格差の拡大に直結する。国を支える力 を損なう恐れがある。経済界もこれからの日本を支えるのは高等教育だとして基盤的経費の拡充を求めている」と強調しました。  日本共産党の畑野君枝衆院議員(党国会議員団文部科学部会長)は、日本共産党が財務省方針に反対するアピール「安倍政権による学費の連続値上げは 許さない―大学予算削減を学費値上げでまかなう方針を撤回させるために、力をあわせよう」を発表(11月20日)したことを紹介。財務省方針は「国の予算 を削るため、学生に耐え難い負担を強いるものだ。教育の無償化を求める国際人権規約、教育の機会均等を定める憲法にも反する」と述べ、「党派を超え、全国 で運動を起こしていきたい」と述べました。  大平喜信衆院議員は「財務省方針は学生に値上げを押し付け、交付金は1円も増えないものだ。力を合わせていきたい」と表明。田村智子参院議員は「これ以上の学費値上げは許されない」と指摘しました。  懇談には、この他に穀田恵二、高橋千鶴子、宮本岳志、本村伸子の各衆院議員、井上哲士参院議員、党本部の学術・文化委、青年・学生委の各担当者が出席しました。 "[he-forum 19064] 「奨学金の返済に苦しむ若者増加 その実態は」NHKラジオ第1 12/2","NHKラジオ第1『先読み!夕方ニュース』 2015年12月2日(水)放送分 「奨学金の返済に苦しむ若者増加 その実態は」 大内 裕和さん(中京大学教授・奨学金問題対策全国会議共同代表) URLは、 https://www.nhk.or.jp/hitokoto/sound15120202.html 以上 "[he-forum 19065] 日本経済新聞12/4","日本経済新聞 2015/12/4 10:44 公務員給与、人事院勧告の完全実施決定 フレックスタイムも  政府は4日の給与関係閣僚会議と閣議で、2015年度の一般職国家公務員の月給とボーナスを引き上げることを求めた人事院勧告の完全実施を決め た。勤務時間を柔軟に設定できるフレックスタイム制も来年4月から導入する。秋の臨時国会が開かれなかったため、勧告内容を盛り込んだ関連法案は来年1月 召集の通常国会に提出する。  一般職の月給を平均0.36%の1469円引き上げ、ボーナス(期末・勤勉手当)を0.10カ月分増やして年間4.20カ月分とする。法案が成立したら、今年4月分まで遡って支給する。職員の年間給与は平均で5万9000円増え、666万5000円となる。  人事院があわせて勧告したフレックスタイム制の一般職全員への拡大も完全実施する。5時間のコアタイムを含む1日の最短勤務時間を6時間とし、個人のライフスタイルに合わせて柔軟に勤務できる制度を整える。= "[he-forum 19066] 鹿児島大学経営協議会「財政審における「国立大運営費交付金に関する財務省提案」に対する声明」 11/26","国立大学法人鹿児島大学経営協議会学外委員 「財政制度等審議会における「国立大学運営費交付金に関する財務省提案」に対する 声明」 (平成27年11月26日) URLは、 https://www.kagoshima-u.ac.jp/important/2015/11/post-41.html PDF版URLは、 https://www.kagoshima-u.ac.jp/important/151126keieikyougikai_seimei.pdf 以上 "[he-forum 19073] 東京新聞12/7","東京新聞 2015年12月7日 朝刊 日本の研究者に米軍資金 12大学・機関に2億円超  米軍が二〇〇〇年以降、少なくとも日本国内の十二の大学と機関の研究者に二億円を超える研究資金を提供していたことが分かった。米国政府が公表し ている情報を基に共同通信が取材した。政府の集団的自衛権の行使容認で、今後は一層増加する可能性もあり、軍事と研究の在り方をめぐる議論に影響を与えそ うだ。  米政府は、十二を含む日本国内二十六の大学などの研究者に計百五十万ドル(現在のレートで約一億八千万円)超を提供したとしている。このうち十二 の大学、機関が、公表されていなかった資金を含めて受け入れを認め、総額は二億二千六百四十六万円となった。残り十四は「文書の保管期限が切れており確認 できない」「該当はない」などと回答した。  在日米軍司令部は取材に対し「日本の大学や研究機関に数十年にわたって資金提供している。提供は主に陸軍や空軍など米軍の各組織の科学的な優先順位に基づいている」とコメントした。  日本の学術界は先の大戦の反省から軍事研究と距離を置いてきたが、最近は研究費不足や、軍事技術と民間用技術の境目があいまいになっている傾向から抵抗感は小さくなっており、統一ルール作りが必要との声も出ている。  東京工業大は〇五年以降、炭素繊維複合材などに関連する十一件の研究計八十七万ドル(同一億六百八十万円)の提供を受けることで米軍と合意してい る。学内で定めた要領に基づいて審議し「研究ポリシーにかなうと判断された」という。理化学研究所も〇〇~一〇年に二件で計四千七百九十八万円の提供を受 けた。  複数の大学や研究者は「研究費の不足を補うためだった」と説明。資金は研究に使う薬品の購入などに充て、米軍には「簡単な報告書を書いて送っただけ」としている。 (米軍から資金提供を受けていると回答した大学や研究機関の一覧は,次のweb site ) http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015120702000125.html "[he-forum 19072] 教育新聞社説10/29","教育新聞社説 2015年10月29日付 教職大学院の増設 教委との連携強化が充実のカギ  より高度な専門性を備えた力量のある教員の育成を目指し、平成20年度に創設され19校だった教職大学院は、今年度、公立21校、私立6校の合わせて27校(21年度5校増、22年度1校増、27年度2校増)だが、25年の国立大学改革プランを契機に、その増設が検討され、28年度には18校、29年度には7校が新設されるという(本紙9月28日号既報)。  教職大学院は、18年、中教審答申「今後の教員養成・免許制度の在り方について」で、「教職課程の質的水準の向上」「教員免許更新制の導入」とともに、教員の質的向上を目指して打ち出された具体的対応策の1つである。そこでは、学部からの進学者と現職教員を対象に、前者は学部段階で得た教員としての基礎的・基本的な資質能力をさらに深め、より実践的な指導力・展開力を備えた学校の有力な一員となり得る新人教員、後者は一定の教職経験を基盤に、地域や学校における指導的役割を果たし得る教員、確かな指導理論と優れた実践力・応用力を備えたスクールリーダーの養成を目指している。何よりも「理論と実践の往還」を基本に、修了要件45単位の内、10単位を学校等での実習を義務化しているところに特徴がある。  こうした実践的指導力向上に重きを置く教育・研究の場としての教職大学院はこれまで、学校現場に有為な人材を送り出してきたが、当初から定員充足が大きな課題だった。ここ数年の定員未充足大学数、大学定員充足率は、24年度25大学中13大学、96・0%、25年度25大学中11大学、98・5%、26年度25大学中17大学、92・7%、27年度27大学中12大学、98・4%。とりわけ私立大学6校の定員未充足が目立つ。  文科省は、平成20年度教職大学院設置計画履行状況調査および21年度教職大学院入学者選抜状況で明らかになった定員未充足の要因を、次の6点にまとめている。  (1)学部生と現職教員の中で、教職大学院の目的・機能、既存修士課程との相違(教育内容、指導体制、実習の実施等)が明確に理解されていない(2)教職大学院を修了した際の、現職教員・学部新卒学生への処遇等への反映が不明確(3)厳しい財政状況にある教委において、現職教員の教職大学院への派遣を増やすのは非常に困難(4)現職教員学生にとって入学金・授業料の経済負担が大きく、学修意欲はあるものの教職大学院進学上で障害となっている(5)大学院修学休学制度や14条特例を活用し、教職大学院に自主的に入学を希望する者に対する学校現場の理解が十分とはいえない(6)大都市で近年、教員採用数が増えており、大学院等へは進学せず、教員への採用を希望する学部新卒学生が多い。  これらに対する改善策は、採用一次試験免除や名簿登載期間の延長など、徐々によくなりつつあるようだが、抜本的な改善策には至ってはいない。そうした中での教職大学院の増設で、果たして学生確保が持続してできるのかどうか。設置はしたものの学生確保に頭を悩ますという大学が出ないことを願うが、そうならないためにも、あらためて大学が、教員を受け入れる側の教委や学校現場のニーズを受け止め、連携を重視する教職大学院の基本理念に立ち戻ることが重要ではなかろうか。カリキュラムや教育方法等について教委等の要望意見を反映しつつ、より質の高い教員を送り出す仕組みを構築することが、遠回りでも学生確保につながるものと考える。  そのためにも、大学、教委の一層の連携強化を強く望みたい。 "[he-forum 19071] 西日本新聞12/4","西日本新聞 2015年12月4日付 【見解】国立大の「文系見直し」どう考える  文部科学省が、人文社会科学系と教員養成系学部の廃止や社会的要請の高い分野への転換を国立大学に求めた大臣通知が、学会などから「文系軽視」と批判を集めた。広がる波紋に文科省は「誤解がある」と釈明に追われたが、通知はそもそも来年度から6年間の国立大の中期計画づくりに当たり、大学側に組織改革を迫る内容だった。真意はどこにあるのか。大学側はどう受け止めているのか。文科省国立大学戦略室の春山浩康室長と、鹿児島大の平井一臣法文学部長に意見を聞いた。 ●主体的改革 求めるため 文部科学省国立大学戦略室長 春山浩康氏 -なぜ、国立大の「文系見直し」なのか。  「通知は、国立大学がどういう教育を行い、学生をどう鍛えるのか、そのための組織は今のままでいいのかということを、各大学に自ら考えてもらいたいという趣旨。文科省は人文社会科学系を軽視したことは一度もなく、すぐに役立つ実学だけを重視しようとしているわけではない」 -人文系の組織見直しは以前から課題だった。  「学術審議会などの報告でも、専門で細分化されている人文系の閉鎖性の問題に重ねて言及があった。研究者でつくる日本学術会議からは、今回の通知に対し『人文社会科学の軽視は大学教育を底の浅いものにしかねない』と懸念が示されたが、同会議の分科会は2010年、閉鎖性などの課題を踏まえ『俯瞰(ふかん)的、国際的な視点に立った学術研究、さらに文理統合型先端研究の推進が必要』として自己革新を強く求めていた。12年8月の中央教育審議会の答申では、大学教育の質的転換により、人材の質の確保が重要であることが強調された。そうした経緯も踏まえた通知だった」 -「文系はなくなるのか?」と不安が広がった。  「通知の文章が誤解を与えるものだったということは下村博文前文科相も(退任前に)言っているし、今の馳浩文科相は『(文章が分かりにくく)32点ぐらいしか付けられない』と記者会見で述べた。大学の組織改組では、いったん既存組織を廃止して別の組織を新設するというプロセスを経るが、『廃止』が『人文系学部がなくなる』と受け止められた。さまざまな機会で丁寧に説明していきたい。通知を撤回、修正する考えはない」 -86国立大のそれぞれの教育・研究と運営の方針「第3期中期目標・中期計画」(16~21年度)の策定を前に通知が出た。  「中期目標・中期計画は04年度の国立大法人化で義務付けられ、16年度から3回目のサイクルに入る。6年間での達成度は各大学の運営費交付金の配分に反映される仕組みだ」  「グローバル化や少子高齢化の進展という社会経済状況の変化で、国立大の役割が問われている。文科省は第3期に向けた改革を進めるため、国立大改革プランをとりまとめ、各大学に『強み、特色の重点化』『人材養成機能の強化』などを促した。大学での教育研究は未知の世界を切り拓(ひら)く、社会的要請の高い分野をリードするようなものが求められている。プラン策定と並行し、『ミッションの再定義』を行ったが、通知はそこで整理した内容が前提だ」 -人文系はどう再定義されたのか。  「人間の行動やさまざまな社会の動きを深く考える上で重要な役割を担うという認識をまず示している。通知が本来の趣旨とは異なるとらえ方をされてしまった。ただ、変化する社会の中で生涯を通じて活躍する人材の育成が不可欠という点は強調しておきたい」 -10月公表の中期計画素案では、九州の8大学を含む43校が学部再編を計画し、特に人文社会科学系の学部・大学院は、33大学が見直し方針を打ち出した。  「強みを見つめ直し、社会に対して何をしていくかという内容を明示した大学もみられた。そうしたところでは、学部の再編や、特色ある教育研究の質を高める方向性が示されている。第3期がスタートする16年度には数多くの大学で学部・大学院の組織再編が予定されている。すべての国立大学が主体的、戦略的な改革を進めてほしい。文科省はそれを積極的に支援していくし、大学側とは丁寧な議論を重ねていきたい」  (聞き手は竹森太一)  はるやま・ひろやす 1999年に文部省(現文部科学省)入省。大学改革推進室係長、国立大学法人支援課専門官、高等教育企画課課長補佐など歴任。2015年7月から現職。東京都出身。40歳。     ◇      ◇ ●生きる土台 学んでこそ 鹿児島大法文学部長 平井一臣氏 -鹿児島大を含む17国立大は10月、文科省の通知に対し抗議声明を出した。狙いは?  「日本学術会議や日本経済団体連合会が批判的な声明を出したが、一番の当事者である大学が意思表示をしていなかった。もともと、17大の人文系学部長は同じ地方に拠点を置く大学として一つのグループだったので、通知後にわれわれも意思表示をすべきとの声が上がり、今回の声明につながった。声明では『人文社会科学の軽視は、我(わ)が国における人的基盤を根底から揺るがしかねない』と訴えた。地域の重要な人材育成を担う地方大こそ、人社系を守る使命があると考える」 -文科省の通知をどう受け止めたか。  「国立大は2004年度の法人化後、さまざまな改革の波にさらされ、社会の要請に合わせ、どう変わるのか、問われてきた。その直後に出された今回の通知は、人社系の分野そのものが社会の要請に合わないとされており、厳しい内容だ」  「確かに(各大学学部の人材育成の目標)『ミッションの再定義』で、国立大は横並びではなく、それぞれの強み・特色・社会的役割を踏まえた組織改革を求められた。好意的に解釈すれば『金太郎あめではダメだ』とも、とらえることができる。だが、今回の通知は『縮小と廃止』を求め、誰が読んでも人社系の教育研究を著しく軽視していると読める。各大学はミッションに沿った改革をしようとしているところであり、なぜこのタイミングだったのか、とも思った」 -既に九州の大学でも国の要請に呼応する動きは始まっている。  「18歳人口が減り、大学の定員もこのままでいいのか、見直しは避けて通れない時代だ。一方、法人化後、予算獲得に向けた大学間の競争は激しくなっている。各教員は競争的資金獲得のための作業に追われ、ますます多忙になっている。改革が進んでいるところには重点的に予算が配分され、限られたパイ(予算)を奪い合う構造にある」  「『地域』『国際』といった冠が付いた学部新設が多いのは経営の戦略としてはありうるだろうが、教育研究がどこまでうまくいくのか、ふたを開けてみないと分からない。これまでも『福祉』など社会の変化やニーズに対応してできた組織も多い。だが、法学、経済学、文学など人社系の学問には社会の変化に振り回されない汎用(はんよう)性や普遍性がある。社会の要請を意識しすぎていいのだろうか」 -では国立大の文系は何を学び、どうあるべきか。  「人社系は人間に対する理解力、判断力を養う場だ。歴史、哲学など幅広い学問を学ぶ中で、人間の中で一種の化学反応が起きて一つの力になる。そうした化学反応こそが重要になる。人と人を取り巻く社会、人がつくる社会とは何なのか。アプローチの仕方はそれぞれだが、人と社会を理解する手がかりや見通しをつかむことが、人社系の学問を学ぶ意義だと思う」  「人生は人それぞれで、大学で学んだことがどの局面で、どのように役に立つかは人によって違う。例えば人生に行き詰まったとき、仕事の中で想定外の判断を迫られたとき、役になった、力になったと思えるものがあるはずだ。その知識、経験は人の生きる“土台”となる。それこそが、人社系で学ぶものではないだろうか。長期的に役に立つから価値があるのだ。すぐに成果が出そうなところに『選択と集中』方式で投資すれば、ノーベル賞が生まれるわけではない。学問の世界では膨大な失敗があってこそ、ごく限られた成功が生まれるのだ」  (聞き手は古川幸太郎)  ひらい・かずおみ 九州大大学院法学研究科の博士課程単位取得退学。九大助手をへて鹿児島大教授に。2012年から法文学部長に就任。鹿児島県地方自治研究所理事長を務める。専門は政治学。宮崎県都城市出身。57歳。     ×      × 【ワードBOX】文科省の通知  今年6月8日付けで、全86校の国立大に対し、人文社会科学系と教員養成系の学部・大学院について、「国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換」を求めた。通知後は「文系切り捨て」との批判が各方面から噴出したが、文科省は通知は撤回していない。 【ワードBOX】ミッションの再定義  文科省が国立大学と意見交換し、研究水準、教育成果などの客観的データに基づいて各大学の強み、特色、社会的役割(ミッション)を整理したもの。教育や研究の質を高めるため自主的な改善、発展を促した「改革プラン」のとりまとめ(2013年)に際して、公表した。九州大は「心理学系コースの組織再編の検討」などを明示した。 "[he-forum 19070] 読売新聞社説12/4","読売新聞社説 2015年12月4日付 火山研究者育成 異分野の人材を活用しよう  火山被害を防ぐ要となるのは、観測や研究活動の充実と、それを支える専門家の育成である。  その観点で注目されるのが、文部科学省と気象庁が来年度予算案に計上している火山研究の新手法だ。  火山研究は、火口の監視や地震の観測などを柱としてきた。  しかし、これらだけでは噴火のリスクを的確に評価できない。火山のメカニズム解明に向けた幅広いアプローチが不可欠である。  新手法の柱は、宇宙から飛来する素粒子を用いた火山内部の透視や、人工衛星による山体の形状の詳細な把握など、異分野の技術を積極的に活用することだ。マグマの様子や地下水の流れといった幅広いデータを収集するという。  火山には個性があり、噴火へと至る仕組みは、それぞれ異なる。使える技術を総動員し、各火山の活動状況を詳細に把握できるようになることを期待したい。  火山研究のすそ野を広げる新たな手法の導入は、研究者の育成にも役立つだろう。  文科省は、新手法による研究を10年計画で進め、毎年10億円程度を投入する。現在は約80人しかいない火山研究者を、160人にまで増やす計画だ。  物理や化学、コンピューターなどに詳しい研究者が増えれば、国際的に遅れている日本の火山研究が活性化するのではないか。  火山研究は、噴火しないと論文が書けない分野として敬遠され、専攻する学生が減り続けている。大学の予算も縮小傾向にある。研究と人材育成の拠点として、大学研究室の拡充も検討すべきだ。  日本は世界有数の火山国だ。東日本大震災以降、活動が活発化し始めた火山が目立つ。  110火山のうち、噴火の恐れがある47火山については、気象庁が常時観測している。年度内に、対象を50火山に拡大する。気象庁は、火山分野の職員を80人以上増やし、現在の1・5倍の体制にするよう求めている。  住民の生活圏に近く、防災対策の充実が必要な32火山では、周辺自治体と協議のうえで、5段階で噴火の危険性を示す「噴火警戒レベル」も導入している。  対策の強化は進んでいるが、噴火の予兆を防災に反映させられない火山は、依然として多い。  昨年9月の御嶽山噴火では、気象庁が、地震などの異変を事前に捉えていたにもかかわらず、噴火のリスクを判断できなかった。死者・行方不明者が63人に上った惨事を教訓とせねばならない。 "[he-forum 19069] しんぶん赤旗12/5","しんぶん赤旗 2015年12月5日付 高等教育無償化・就職状況の改善 全院協が要請行動 国会各政党や財務省などに  全国大学院生協議会(全院協)は4日、大学院生の研究や生活諸条件の向上などを求め、国会の各政党、財務省、文部科学省に要請行動をしました。  行動には合計31人が参加。(1)日本政府も批准している国際人権規約A規約第13条2項(C)にもとづく高等教育の無償化(2)研究生活の基盤となる経済的支援の抜本的拡充(3)大学院生と博士課程修了者の就職状況の改善(4)若手研究者の育児支援の拡充(5)国立大学運営交付金と私学助成の拡充を求めました。  全院協のメンバーは「利子付きの奨学金は負担が重く、利用したくないという院生が多い。研究時間を削ってでもアルバイトをして学費や生活費をまかなっている」「大学で奨学金返済の義務があると強くいわれ、『死ぬしかないのかな』ともらす院生もいる」と語りました。国立大学運営交付金の減額で大学間の競争をあおったり、軍事の研究協力に誘導する問題なども訴えました。  日本共産党は畑野君枝衆院議員と田村智子参院議員が応対。畑野氏は「日本は、経済力に比べ高等教育予算が少なすぎます。国際人権規約を守らせるように、国会で追及していきます」とのべました。 "[he-forum 19068] 全院協声明 10/31","全国大学院生協議会 〈声明〉「学問の自由と大学の自治の破壊に反対し、高等教育政策の抜本的転換を求 める」 (2015年10月31日) URLは、 http://zeninkyo.blog.shinobi.jp/zendai/ PDFは、 https://drive.google.com/file/d/0B7P8esvs2Z_VLXBaaVdTVmFPZEE/view?pli=1              以上 "[he-forum 19067] 立憲主義を考えるシンポジウム 12/11(金)","各位 12/11(金)夕方に、「立憲主義を考えるシンポジウム」が京大時計台記念館で開催されますので紹介します。京大職組 書記次長 石田茂光 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高山佳奈子(京大職組委員長)のブログ *委員長の任期は2013年6月で終了しました。 http://kanakotakayama.blog.eonet.jp/ 合憲論や改憲論についても聞きたいですよね! 12/11晩に京大での「立憲主義を考えるシンポジウム――日本国憲法70周年に向けて――」を個人で企画いたしました。 このシンポジウムは「学者の会」や「有志の会」の集会ではありません。 現行憲法上、一定の条件を満たせば集団的自衛権の行使が認められるという意見や、改憲論、中国との関係なども紹介・検討していただきます。 また、国会からは、11/14にSEALDs TOKAI名古屋街頭宣伝に参加された志位氏が、今回、京都にも来ることになりました。 多くの方のご来場をお待ちします。 日時: 2015年12月11日(金) 18:30-20:30(開場18:00) 場所: 京大時計台記念館1F百周年記念ホール (入場無料、事前申込み不要) スピーカー 志位 和夫 氏(衆議院議員) 君島 東彦 氏(立命館大学教授) 曽我部 真裕 氏(京都大学教授) 岡野 八代 氏(同志社大学教授) 趣旨 1946 年11 月3 日に日本国憲法が公布されてから70 年目を迎えました。今ほど、この憲法への関心が内外で高まりを見せているときはありません。本シンポジウムでは、平和主義や民主主義について、立場を異にする専門家の方々に各自の視角をお話しいただき、意見を交わしていただきます。日本国憲法のこれまでの歴史を振り返りつつ、これからのあるべき姿を共に考える機会になれば幸いです。 12.11時計台プログラム.pdfをダウンロード "[he-forum 19074] しんぶん赤旗12/6","しんぶん赤旗 2015年12月6日(日) 地方財界人・首長・著名人 国立大交付金 削減に反対 25大学で声明発表  国立大学の運営費交付金の15年連続削減を打ち出した財務省に対し、大学経営協議会の学外委員を務める地方財界人や首長、著名人らが、「存立を危うくする」として強く反対する声明を相次いで出しています。学長声明も含め4日時点で25大学に広がっています。  北海道経済連合会会長ら13人の北海道大学経営協議会学外委員は「科学技術イノベーション推進など政策目標が達成できなくなる。学術研究の発展と 高等教育の未来の投資として、基盤的サポート体制の構築が不可欠」と強調。京都府知事、京都市長ら13人が名を連ねる京都大学も「国立大学の将来、我が国 を支える科学技術と高等教育の未来に大きな禍根を残す」、佐賀銀行頭取、佐賀県知事ら佐賀大学委員も「地方創生を担う責務を果たすための財政支援が不可 欠」とのべています。  新日鉄住金、塩野義製薬、小松製作所など大企業の社長ら大阪大学の委員は「わが国を支える高等教育と科学技術の未来に大きな禍根を残す」と批判。滋賀大学も「国立大学が壊滅的な機能不全に陥り、将来に計り知れない大きな損失を与える」と訴えています。  財務省は交付金を15年間連続削減する方針で、不足分を授業料で補えば93万円まで40万円も値上がりします。  「授業料の増額は、学生たちが大学で学び、未来を切り開いていく機会を国の政策によって奪うことを意味する」と批判するのは、県医師会会長、県看 護協会会長らが加わる秋田大学。県医師会会長や自動車販売会社社長ら三重大学の委員は「教育の質や研究の水準すら難しくする。教育格差の拡大や負担増でさ らなる少子化の進展にもつながる」と主張しています。 経営協議会学外委員などが反対声明を出した大学(12月4日現在、共同声明を含む)  北海道大学  岩手大学  秋田大学  お茶の水女子大学  横浜国立大学  千葉大学  新潟大学  金沢大学  富山大学  福井大学  北陸先端科学技術大学院大学  三重大学  滋賀大学  滋賀医科大学  京都大学  大阪大学  奈良教育大学  和歌山大学  神戸大学  岡山大学  徳島大学  長崎大学  佐賀大学  熊本大学  鹿児島大学= "[he-forum 19075] 神戸新聞社説12/7","神戸新聞社説 2015年12月7日付 人文学系学部見直し、国立大交付金削減‥国からの圧力強まるばかり ■国立大交付金 削減は将来に禍根を残す   財務省が国立大学に配分される運営費交付金の削減案を示したのに対し大学側が強く反発している。  財務省は財政難を理由に自助努力を促すが、運営費交付金は大学運営の基盤で、削減は高等教育の将来を危うくしかねない。授業料の大幅な引き上げを招く可能性も高く、経済的な理由による教育格差を拡大する恐れがある。到底容認できない。  神戸大学の武田廣学長は会見で財務省の削減案を「大胆で無謀な案」と批判し、外部有識者でつくる「神戸大学アドバイザリーボード」による反対声明を公表した。  国立大全体の運営費交付金は2004年の法人化以降、12年間で1470億円(12%)削減され、しわ寄せは若手教員の採用減や設備投資の先送りにつながっていると指摘。「教育投資をおろそかにすることは、国の将来に大きな悔恨を残す」と強く反対している。  京都大、滋賀大、和歌山大なども同様に外部委員による反対声明を発表している。  付属病院を除く13年度の国立大86校の収入は約2兆2700億円。うち授業料や寄付金、民間企業からの受託研究資金で構成される自己収入が32・5%なのに対し、運営費交付金は51・9%を占めている。  財務省案は、交付金の1%削減と自己収入の1・6%増額を毎年続けると、31年度には交付金と自己収入がほぼ同規模になると試算し、この水準を目指すよう促している。少子化に対応し、大学を「適正規模」に誘導する狙いもあるようだ。  だが、大学は既に改革に取り組んでおり、産学連携などによる自己収入の増加には限界がある。財務省が求める自己収入増をすべて授業料で賄った場合、31年度の授業料は現在より約40万円増の93万円になると文部科学省は試算する。大幅値上げを避けるには教員数の大幅削減しかない、と大学からは悲鳴が上がる。 "[he-forum 19076] しんぶん赤旗12/9","しんぶん赤旗 2015年12月9日(水) 地域の国立大 役割大 交付金削減問題 共産党議員懇談 京都工芸繊維大学長 「経費拡充を」  日本共産党国会議員団は8日、京都工芸繊維大学の古山正雄学長と懇談し、国立大学への運営費交付金を削減する代わりに授業料の大幅値上げを求める財務省方針に反対し、力を合わせていくことを話し合いました。  古山氏は、同大学では運営費交付金が12年で毎年5000万円ずつ削られ、常勤教員の人件費がひっ迫し、優秀な人材確保に支障が生じていることを 強調。「国立大学は非常に窮地に陥っている。基盤的経費の拡充をお願いしたい」と述べ、ここ数年で学生の家計収入は500万円以下の世帯が増えており、 「授業料値上げをいま敢行するのは非常に苦しい」と話しました。  畑野君枝衆院議員は、12月1日の国会質問で、馳浩文科相から「財務省の考えは本末転倒だ。運営費交付金の確保に取り組みたい」との答弁を引き出したことを紹介し、「引き続き頑張ります」と話しました。  穀田恵二衆院議員は「交付金を減らして学費値上げとはあまりにひどい。大学のみなさんと思いは同じです」、井上哲士参院議員は「若手研究者の有期雇用が増えており、若手支援を強める必要がある」と述べました。  古山氏は、来年度、京都府北部の入学者の地域枠を設けて地元の人材育成をはかる取り組みを紹介。地域に根ざして先端研究を進めていきたいと語りました。  大平喜信衆院議員は「地域の大学が果たす役割は非常に大きい」と述べました。= "[he-forum 19077] 日本経済新聞12/9","日本経済新聞 2015/12/9 12:17 ノーベル賞受賞者5人、首相に提言書 科学技術予算で  日本のノーベル賞受賞者5人が9日午前、首相官邸を訪れ、安倍晋三首相に科学技術予算などに関する提言書を手渡した。国際的競争が激しくなる中 で、研究開発関連の予算を政府として十分に確保する必要があるなどと訴えた。安倍首相は、提言をしっかり受け止めると応じたという。  訪れたのは野依良治、利根川進、田中耕一、赤崎勇、天野浩の各氏。提言書には山中伸弥氏や今年のノーベル賞を受賞する梶田隆章、大村智両氏らも名を連ねた。  政府は来年度から5年間の科学技術政策の基本指針となる「第5期科学技術基本計画」をとりまとめる作業をしている。研究開発への政府投資を、国内総生産(GDP)比1%とする数値目標を設定できるかが焦点になっている。= "[he-forum 19079] 深刻化する子どもの貧困 NHK 12/9","深刻化する子どもの貧困 経済的支援を  以下、ニュース本文の一部引用。 「 子どもの貧困が深刻化するなか、ひとり親家庭を支援する団体などが加藤一億総 活躍担当大臣に要望書を提出し、児童扶養手当の拡充など経済的な支援を訴えまし た。(中略)  18歳まで児童擁護施設で暮らしていたという大学3年生の男子学生は「自分はな んとか大学に通うことができたが、経済的な問題から進学を諦めてしまう人も少なく ない」と訴えました。(以下、略)」  以上、引用、終わり。  なお、全文のURLは、 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151209/k10010335131000.html    以上 "[he-forum 19078] しんぶん赤旗 12/8","コラム「経済アングル」 (見出し)「軍事的対応を超えて」  以下、記事本文の引用。 「 軍学共同の動きが急速に進んでいます。  「防衛技術、軍事技術というと大学は手が出しにくいが、同じ技術でも安心・安全 とか対テロという看板をつけると対応が全然違う。守る技術というとポジティブにな るが、軍事とつくとネガティブになる。アプローチの仕方だ」  11月末の日本防衛学会研究大会で報告者の一人は、軍事研究を拒んでいる大学を引 き込むには、言葉の言い換えが有効だと助言しました。  軍学共同の動きの背景には、軍事技術の高度化・高額化があります。世界的な緊縮 財政のなかで予算を確保するには、他国との共同開発による負担の分担や、民生研究 予算の軍事研究への振り向けが必要になります。  軍学共同の流れに乗じて大学支配を強めようとする大企業の思惑も透けます。高度 化・高額化しているのは民生技術も同じ。大学を下請け化すれば、巨額の開発予算を 税金に肩代わりさせることができます。  政権、防衛省、経済界などの思惑が絡み合いながら軍産学複合体のレールが敷かれ ようとしています。  大前提には、国際的な緊張を軍事対応でしか解決できないという固定観念がありま す。行き着く先は際限のない軍拡競争です。  ノーベル物理学賞受賞者の湯川秀樹は生前、もし核大国が人類の未来を握っている という固定観念に陥るなら、人類の未来には光明が見えないとし、次のように語りま した。「もしも人が絶望から逃れようとしたならば、未来とは、過去の単なる延長で はなく、過去と現在の中には、まだ顕在化していない全く新しい可能性が実現される 場であるという信念を再び取り戻さねばならない」  平和憲法にこそ、その可能性があります。      (佐久間亮)」 『しんぶん赤旗』2015年12月8日付、8ページ。  以上、引用、終わり。 "[he-forum 19081] 朝日新聞12/10","朝日新聞 2015年12月10日20時33分 京大入試、時計の使用禁止 スマートウォッチ販売も影響  京都大は10日、来年2月の一般入試から、受験生が持ち込んだ時計の使用を禁止すると発表した。米アップルが今春、腕時計型端末「アップルウォッチ」を発売。インターネット接続でカンニングが起きる可能性があり、監督者が見抜くのも困難と判断した。  京大では2011年2月、受験者が携帯電話からネット掲示板「ヤフー知恵袋」に入試問題を投稿し、答案を得るカンニング事件が起きた。北野正雄副学長は「今後様々な時計が出てくることを考え、一律に禁止することにした。全ての受験生が同じ土俵で受験できる環境を作るのが我々の使命だ」と述べた。  京大によると試験中、腕時計などをカバンにしまわせる。1千万円以上かけて試験場の教室に計約200台の電波時計を設置する。また、来年秋の特色入試や再来年2月の一般入試から出願をすべてネットで受け付けるとも発表した。ネット出願は全国に広がりつつあるが、紙の出願を廃止したのは近畿大などごく一部にとどまる。  時計の持ち込みをめぐっては、大阪大や神戸大、同志社大や立命館大は来春の入試でも、辞書や計算機の機能があるものなどを除いて認めるという。慶応義塾大は今年7月から、総合政策、環境情報の2学部の学部内試験で時計の利用を禁止している。(佐藤剛志)= "[he-forum 19080] 産經新聞ニュース12/11","産經新聞ニュース 2015.12.11 05:00更新 大学から付属病院切り離し 政府検討、岡山大病院など別法人化  大学から付属病院を切り離し、別法人化することを認める規制緩和を政府が検討していることが10日、分かった。第1号として、岡山大病院など岡山 市内の6医療機関が統合し、持ち株会社型の新医療法人を全国で初めて発足させる方針。政府の産業競争力会議が11日に開く点検会合で公表する。  会合で岡山大などは、9月成立の改正医療法で創設された、複数の医療機関を一体運営する「地域医療連携推進法人」への参画と、付属病院の別法人化を目指す方針を報告する。  地域医療連携推進法人は、良質で適切な医療の提供を目指して連携する法人を、都道府県知事が認定する仕組み。病床の過不足を調整したり、資金の足りない施設に融通したりする。各医療機関でカルテを共有するため、患者側も重複診療を避けられるなどのメリットがある。   ただ、地域医療連携推進法人は「非営利法人」が参画要件となっている。国の大学設置基準で大学からの分離を禁じられている付属病院は、現行制度での参画が 困難だった。早ければ平成28年度にも、医学部に付属病院の設置を義務付けた文部科学省令を改正し、新医療法人への再編を可能にする。  安倍晋三政権は医療分野の効率化を成長戦略の柱の一つと位置づける。政府は、岡山をモデルに有力な大学病院を抱える全国の他の地域にも広げる構想だ。= "[he-forum 19086] 山形新聞12/16","山形新聞 2015年12月16日 09:14 「給与減額必要性なし」原告が最終準備書面 山形地裁で山形大職員請求訴訟  国家公務員の賃金削減に合わせて給与を削られたのは不当だとして、山形大職員組合所属の教授ら40人が大学に計約3900万円の支払いを求めた訴訟の弁 論が15日、山形地裁であり、原告側が「給与を減額する必要性はなかった」とする最終準備書面を出した。判決は来年3月22日の予定。  最終準備書面で原告側は争点について、最大約1割に上る給与減額が「労働契約法に違反するものか否か」だと強調。給与を削らなければ大学の財政運営に支障が出たかどうかで結論を導くべきだと求めた。  その上で2012、13年度の賃借対照表から、現金化できる資産は「国からの運営費交付金の削減分を補っても余りあった」と指摘。利益剰余金も「従前の賃金を支払っても十分な残高があった」とし、経営に支障はなかったと訴えた。  利益剰余金について大学側は、大部分が会計処理上の「形式的・観念的な利益」で、現金の裏付けがないことを主張している。原告側は、大学がその利益を取り崩して実際に損失を処理しているなどと反論した。  訴状によると、山形大は運営費交付金が削減されたことなどを理由に教職員の給与を最大で約1割削減。職員組合は反対したが、12年7月から実施されたと訴えている。= "[he-forum 19085] 読売オンライン12/14","読売新聞 2015年12月14日 13時48分 大学生に親がそこまで…スマホで出席状況確認  保護者向けのサービスを充実させる大学が増えている。  子供の出席状況をスマートフォンで確認できるようにしたり、キャンパス周辺の名所を巡るツアーを企画したり。わが子の学生生活をもっと知りたいとの声が多く、大学側は「要望に応えることで信頼関係が生まれ、協力して学生を支えられる」としている。  ◆サボるとバレる!   近畿大(大阪府東大阪市)は今秋、学生の出席状況をインターネットで確認できる保護者専用のサイトを開設した。学生が教室の端末に学生証をかざすと、内蔵 されたICチップの情報を読み取って、サイトに表示する。遅刻や早退、履修科目の時間割に加え、出席率や成績も分かる仕組みだ。  「ちゃん と講義に出ているか知りたい」という保護者の声を受けて導入、開設から2週間で約1400件の利用があった。保護者懇談会で体験した母親(52)は「私が 家を出る時はまだ寝ていて、大学に行っているか心配。出席状況が分かるのは助かる」と評価する。学生側も「うるさく尋ねられるより、勝手に見てくれる方が いい」と話す。同大学広報部は「長期欠席などの情報を共有し、連携して対応できる」とメリットを挙げる。同様の取り組みは神奈川工科大(神奈川県厚木市) も行っている。 = "[he-forum 19084] 朝日新聞12/12","朝日新聞 2015年12月12日05時00分 交付金減、国立大の苦悩 授業料年54万円→16年後は93万円 文科省試算 運営費交付金の削減イメージ/国立大の収入についての主な主張  「年間約54万円の国立大の授業料が、16年後は約93万円に」。文部科学省が今月1日に示した試算は、大学数が現状のままで、国からの交付金が減らされた場合を想定している。大学は危機感を示し、専門家は統廃合が進む可能性を指摘する。  ■値上げなら「格差拡大」、危機感  財務省は10月、全86国立大の収入の3~4割を占める運営費交付金(約1兆1千億円)を2031年度に約9800億円まで減らし、代わりに授業料などの自己収入を増やすよう提案した。試算された16年後の授業料は、交付金の減額分をすべて授業料で賄った場合の額だ。  1日の衆院文部科学委員会閉会中審査でも取り上げられた財務省案に、反発する国立大は少なくない。  学部生が2千人ほどの奈良女子大(奈良市)の今岡春樹学長は「値上げを検討せざるを得ない」と話す。財務省の方針通り交付金削減が続けば、今後5年ほどで赤字になるという。  国立大が法人化した04年度以降、交付金の総額は毎年のように削減されてきた。これに合わせ、同大でも教員の人件費を削らざるを得なかった。これ以上は減らせない。国の研究費補助金や企業からの寄付といった収入が劇的に増える見込みは薄い。  授業料の値上げについては、「奨学金返済に苦しむ学生は多く、本来は値上げはやってはいけない」との立場だ。だが、今岡学長は「つぶれるか値上げかとなれば、生き残るためにやむを得ないと判断しなければならない時がくるかもしれない」とも話す。  千葉、新潟、金沢、岡山、長崎、熊本の各大学は11月に連名で、「授業料の大幅な引き上げにつながりかねず、教育格差のさらなる拡大につながる」と財務省案に反対する声明を出した。国立大学協会も10月の声明で、同じように「疑念や危惧」を表明した。  (高浜行人)  ■奨学金返済やバイト、悪循環  「値上げで学生が困りますという単純な話じゃない。これからの社会を担う若者の、社会貢献の意識がますます低下する」。国立の大学院博士課程を休学中の男性(28)はそう話す。  欧州に留学したことがある。向こうの学生は、社会のために役立とうという意識が強いと感じた。「日本では、奨学金を借り、苦労して学んだのだから、自分のために研究しようという発想になるのが自然」  自身、奨学金を借りて学費を払ってきた。立ちゆかなくなり、アルバイトで金をためて復学する予定という。いま、貯金は30円だ。  もともと院生を取り巻く環境は厳しい。院生の自治会などの連合会「全国大学院生協議会」が今年6~9月、全国の院生1千人以上に実施した調査によると、院生の半数が返済の必要な奨学金を借り、その半数は300万円以上借りている。3割近い院生はアルバイトのせいで研究時間を確保できないと答えている。  国立の大学院博士課程で学ぶ男性(24)は、学部の4年間は月5万円の貸与型奨学金を借りて学んだ。「もう少し学費が高かったら大学院に進めなかった。値上げで進学を選択肢からはずさざるをえない学生が増えたら、日本のためにもならないのに」と話す。  大学院では、研究予算が切り詰められ、交通費や資料代など自腹を切ることもしばしば。さらに運営費交付金が減らされたら、持ち出しが余計に増える可能性が高い。「この問題は学費値上げだけにとどまらない。後輩にとっては、ダブルパンチ、トリプルパンチになる」と予想する。  (石山英明)  ■統廃合が進む可能性も  日本高等教育学会前会長の金子元久・筑波大特命教授 説明責任が 求められる大学にとって、値上げは相当ハードルが高い。とはいえ、別の収入を増やす努力はすでに限界に来ている。これ以上交付金を減らせば大きく授業料を 増やすケースは十分ありうる。少子化で需要が減りつつある教員養成系などを中心に、国立大の統廃合が進む可能性もある。国立大の存在意義なども含めた全体 的な議論が必要だ。 "[he-forum 19083] しんぶん赤旗12/13","しんぶん赤旗 2015年12月13日(日) 学費値上げ反対で懇談 安定的資金確保を お茶の水大学長と党議員団  日本共産党国会議員団は11日、お茶の水女子大学の室伏きみ子学長と国立大学の運営費交付金削減問題で懇談しました。  室伏学長は、財務省方針どおりに運営費交付金を削減した場合の大学独自の試算も紹介し、「自己収入の獲得は難しい。交付金のような安定的資金が大事である」と強調しました。  田村智子参院議員は、自己収入の変動が大きい実態について尋ね、室伏氏は「競争的資金や寄付金は先行きが不透明だ」と述べました。  宮本徹衆院議員が、運営費交付金削減の教職員への影響について質問。室伏氏は、常勤の教員が減少し、非常勤や任期付きが増えている現状を紹介し、教育研究のためにも安定的な雇用が必要だと指摘しました。  室伏氏は「大学教員が楽しく教育研究できるようにしたい」と述べ、畑野君枝衆院議員は「大学の学長のみなさんにも声をあげていただき心強い。運営費交付金の増額のために引き続きがんばりたい」と応じました。  懇談には吉良よし子参院議員秘書、大平喜信衆院議員秘書が出席しました。= "[he-forum 19082] しんぶん赤旗12/12","しんぶん赤旗 2015年12月12日(土) 大学交付金確保 一緒に 党国会議員団 山形大学長と懇談  日本共産党国会議員団は11日、山形大学の小山清人学長と国立大学の運営費交付金削減問題で懇談しました。  小山氏は「自己収入を増やせという財務省要求は、結局、授業料を上げろということになる。財務省方針どおりに運営費交付金を削減すると、220人 の教員を減らさないといけない。国立大学の存立にかかわる事態だ」と話しました。山形大では交付金が、12年間で12億円以上減り、100億円あった予算 が87億円になったと述べ「確実に教員が減っている。水光熱費が高く、とりわけ電気代の負担が大きい」と話しました。  畑野君枝衆院議員は、1日の国会質問で、「国の予算を削るため学生に大幅な授業料の値上げを強いることは許されない」と馳浩文部科学相にただしたことを紹介し、党派を超えて力を合わせていきたいと述べました。  畑野氏は「OECD(経済協力開発機構)諸国でも、日本の高等教育費への公的支出は最低。引き上げていくべきです」と強調。小山氏は「数字を明確にして予算を確保していただきたい」と応じました。  穀田恵二衆院議員は「ご一緒に力を合わせて頑張りましょう」と呼びかけました。  懇談には、宮本徹衆院議員、紙智子参院議員のほか、高橋千鶴子、大平喜信両衆院議員の秘書が参加しました。= "[he-forum 19089] 毎日新聞12/15","毎日新聞2015年12月15日 08時00分(最終更新 12月15日 08時00分) 国立大補助金 16年度、減額せず 財務・文科省合意  政府は2016年度当初予算編成で、国立大学の収入不足を補う補助金「国立大学法人運営費交付金」を15年度予算(1兆945億円)とほぼ同額にする方 針を固めた。財務省は歳出抑制の観点から1%減を主張していたが、文部科学省などが「授業料の大幅な引き上げにつながりかねない」と猛反発。16年度は削 減を見送る代わりに17年度から、大学ごとの改革努力に応じて補助金額に差を付ける新制度に移行することで折り合った。  運営費交付金は過去10年、減額傾向が続いており、15年度は1.6%減だった。17年度からは年0.5%程度ずつ減らした上で浮いたお金の一部で新た な補助金を創設。新補助金は民間との共同研究や組織のスリム化などを進める大学に重点配分し、各大学の改革努力を促す。運営費交付金の配分方法についても 16年度から、民間から資金を獲得しやすい東大、京大などは減らす一方、地方大は手厚くする方向で改める。  運営費交付金は、国立大学法人の収入(付属病院収入を除く)の5割超を占める。他の補助金も加えると国立大は収入の7割近くを国費に依存している。一方、私立大は主な収入源が授業料で、収入に占める国費の割合は1割程度に過ぎない。  財務省は、国立大も寄付金や民間研究資金の確保を増やすべきだとして、運営費交付金の毎年1%削減を主張。これに対し、文科省は反発し、国立大や自民党からも「教育・研究水準が低下する」との懸念が出ていた。  文教関連の予算では、私学助成(15年度4265億円)も16年度は同水準を維持する方向だ。【宮島寛】= "[he-forum 19088] 日本経済新聞12/16","日本経済新聞 2015/12/15 23:58 国立大交付金、16年度は据え置き 配分方法は変更  政府・与党は2016年度予算で、国立大学向けの運営費交付金を15年度の約1兆1000億円と同水準に維持する方針だ。財政難を背景に1%減を 訴えていた財務省と、国立大の機能強化のため増額を求めていた文部科学省が痛み分けした。一方で、17年度からは交付金を毎年約0.5%減らした上で、そ の減額分の一部を財源として新たな補助金をつくる。  国立大の主な収入源である運営費交付金は、大学の規模に応じてほぼ一律に割り振っているため、産業界などから競争原理を導入すべきだとの声が上がる。16年度は総額を据えおくが、配分方法は変える。各大学の特色を生かし、成果に応じて多くの交付金を得られるようにする。  運営費交付金の総額を年約0.5%ペースで減らすが、減額分の一部を新補助金にあてる。人口減少に対応した組織再編などに取り組む大学に優先配分する。  国立大の運営をめぐっては国の厳しい財政事情を考慮し、政府・与党が16年度から個人の寄付に所得税の税額控除を導入することを決めた。10万円以下の小口の寄付を幅広く集めやすくなるようにした。  このほか、私学助成についても16年度は15年度の約4300億円と同水準を維持する方針だ= "[he-forum 19087] 朝日新聞12/16","朝日新聞 2015年12月16日05時00分 国立大へ成果配分強化 交付金で競争促す 政府方針  政府は2016年度から、国立大学の収入の3~4割を占める運営費交付金の一部を各大学の研究成果や組織改革への努力に応じて重点配分する方針を固めた。大学の競争や改革を促す狙いがある。さらに、17年度以降は交付金を削減し、一部を補助金として再配分する制度も導入する。  新たな配分方法は、運営費交付金のうち人件費や研究費に充てる「基幹運営費」を削減。そこで浮いたお金を「機能強化促進分」と位置づけ、大学の取り組みに応じて重点配分する。  取り組みを評価する基準は「人材育成や課題解決で地域に貢献」「強みのある分野で全国的、世界的な教育研究」「世界で卓越した教育研究」の三つから、各大学が一つを選ぶ方向だ。  交付金の総額は、今年度予算の1兆945億円とほぼ同額とする。ただ、17年度からは削減し、浮いた財源は一部を新たな補助金として配分することにする。  国立大の運営費交付金をめぐっては、財務省が今年10月、16年後まで毎年1%ずつ減らし、大学自身が民間からの寄付金などを得るよう求めた。しかし、文部科学省は国立大が法人化した04年度と比べると、1割超も交付金が減っていると主張。財務省の要求通りに削減した分をすべて授業料で賄うと、現在の約54万円の授業料が、31年度には約93万円になるとの試算を国会で示すなどして猛反発していた。  そこで、交付金の削減は17年度以降に先送りする代わりに新たな配分方式を導入し、大学側にも改革努力を促すことで財務、文科両省が折り合った。  運営費交付金はこれまで毎年一定額を確保することができ、教員給与など必要な経費の多くを賄ってきた。それが、今後は一部が評価に応じて配分される資金や補助金に衣替えされる。補助金は応募して競争に勝たないともらえないケースもあり、東京大や京都大といったトップ校に有利になりやすい。  実際、国立大全体の補助金等収入は、10年前の約1500億円から13年度には約3500億円に増えた。それでも、運営費交付金が減ったことで、地方の中小規模の大学は教員数の削減を迫られている。  運営費交付金が減れば、地方大学などがやむを得ず授業料の値上げに追い込まれる可能性もある。  値上げするほど学生が集まりにくくなる悪循環に陥れば、その後は廃校や別の大学との統合なども現実味を帯びてきそうだ。(小野甲太郎、高浜行人) "[he-forum 19090] しんぶん赤旗12/17","しんぶん赤旗 2015年12月17日(木) 私大へ国の支援強化を 党国会議員団 私大教連と懇談  日本共産党国会議員団は15日、国会内で日本私立大学教職員組合連合(日本私大教連)と懇談し、私立大学の高学費問題などについて意見を交わしました。  野中郁江委員長は、私大教連が今春発表した東京の私大生の家計負担調査結果を紹介。「仕送り額も過去最低で、生活費月10万を学生自身が稼がないといけない。1日5時間働くことになる」と指摘しました。  経常費に占める私立大学経常費補助の割合が、1980年度の29・5%から2013年度には10・3%に削減されたことが、高い学費の原因となっており、政府が当初目標とした「2分の1助成」と逆行すると批判し、予算増額を求めました。  畑野君枝衆院議員は「私大に通う学生、働く教職員の数をみても日本社会に果たしている私大の役割は大きく、国の支援を強めるべきです」と強調。大 平喜信衆院議員は、入学定員を超過すると補助金を削減することについて、「私大への懲罰的な減額は許されません」と話しました。  野中氏は、政府が打ち出した「実践的職業教育を行う新たな大学」の制度化について「学術研究の役割を軽視し、財界が求める安上がりの人材育成をすすめるものだ」と述べました。  戦争法阻止のたたかいについても、「各大学で教職員と学生が共同して運動をすすめていることが国民を勇気づけている」と話し合いました。  田村智子参院議員秘書、党学術・文化委員会の土井誠事務局次長が出席しました。= "[he-forum 19091] 朝日新聞12/18","朝日新聞 2015年12月18日13時37分 難関すぎる京大新入試 出願要件・超難問…志願ゼロも  京都大が特筆すべき能力を持つ学生を求めて導入した初の「特色入試」が、一般入試に先駆け始まっている。だが「国際オリンピック出場者」などの厳 しい出願要件に、高校や予備校からは「ハードルが高すぎる」との苦言も。志願者ゼロの学科もあり、京大は次年度に向けて改善に取り組む。 ? 【特集】大学入試センター試験  「難しかった」「大学入試レベルをはるかに超えている」。受験生は一様に口をそろえた。  11月28日にあった理学部の特色入試の試験科目は、複数の一般入試と異なり数学のみ。条件を満たす数列の有無を証明する問題など、超難問の大問四つを4時間かけて解く。  特色入試は全10学部で合わせて約110人を募集。来年1月以降に出願する法学部をのぞく9学部で約90人の募集があり、292人が出願した。11月半ばの医学部人間健康科学科を皮切りに、今月下旬から他学部でも試験が本格化する。  公式やテクニックだけを覚えて受験し、入学後に燃え尽きる学生が散見されたことが、入試改革のきっかけだった。山極寿一(やまぎわじゅいち)総長 は「他の人にできないようなことをめざす多様な学生」を求め、多くの学部・学科は「大学合格がゴールではないというメッセージ」として「大学で何を学びた いか」「学んだことをどのように活(い)かしたいか」を書かせる「学びの設計書」を1次選考に使う。  特にハードルが高いといわれるのが出願要件だ。  たとえば工学部地球工学科(募集3人)は「国際数学オリンピックなど国際科学競技会の出場者」など、工業化学科(同若干名)は「化学、数学、物理、生物学の国際オリンピックのいずれかで銅メダル以上の者」などを学校推薦の要件とし、いずれも志願者ゼロ。医学部医学科(同5人)は英語力をみるTOEFL―iBTのスコア(120点満点)で大学留学レベルの83点以上を推薦要件とし、競争倍率は1倍と低迷した。  一方で数学一本で勝負できる理学部は全学部で最高の11・8倍。北野正雄副学長は「数学の腕に覚えあり、という学生にある程度集まってもらえた」と手応えを語りつつ、全体の出願状況に「デコボコがあった」と認める。  受験生を送り出す高校や予備校は、どう受け止めているのか。  毎年多くの京大生を輩出する京都市の私立洛南高校の教諭は「ハードルの高さに、自分は対象ではないと感じる生徒が多かった」と明かす。駿台予備学校の石原賢一進学情報センター長は「スーパー高校生を集めようとしている印象が広まったが、それに見合う生徒がいなかったというのが実情では」と言う。  一方で、京都市立堀川高の教諭は「当校が伸ばそうとしてきた自ら考える力を見てもらえる」と肯定的だ。論文作成やプレゼンテーションを通して自ら課題を立て、考える「探究」を重視してきた教育方針と、特色入試の理念が合致したとみる。  山極総長は「理念については評価するという声が多かったが、募集人員が少なく、生徒の背中を押しづらかったとも聞く」と言い、次年度以降、早い段階で制度を修正したいとしている。(久保智祥) "[he-forum 19095] 日本経済新聞12/11","日本経済新聞 2015年12月11日 独法や国立大の8割、特許収支「赤字」 維持費かさむ  独立行政法人や国立大学法人が保有する特許の収支状況を会計検査院が調べたところ、研究開発などで得た特許権の収入を出願料や維持費用が上回る法人が8割を超え、2013年度は全体で計約22億円の赤字だったことが10日分かった。検査院は事業化が見込めない特許を放棄するなど管理を見直すよう求めた。  検査院は2009~13年度の独法(55法人)と国立大(83法人)の特許の状況を調べた。5年間の平均収支は独法が毎年度10億~15億円、国立大が6億~13億円の赤字。13年度に特許収入が黒字だったのは計22法人にとどまった。  13年度末時点で、独法と国立大が保有する特許は計約4万8300件。このうち10年以上利用されていない特許が計約1万2800件あり、全体の26%を占めた。法人化前に国が登録した特許は維持費が免除されるが、独法に組織再編されるまで民間だった機関が登録したり、近年登録したりした特許は免除されず、維持費がかさんでいた。 "[he-forum 19094] 信濃毎日新聞12/18","信濃毎日新聞 2015年12月18日付 信大 分娩担う助産師育成 来夏にも講座開設  信州大医学部(松本市)は来年度、県内の慢性的な産科医の不足に対応するため、医師の立ち会いがなくてもリスクの低い正常分娩(ぶんべん)を担当できる助産師の育成に乗り出す。助産師が担う分娩を増やして産科医の負担を和らげ、地域でお産ができる環境の維持につなげる狙い。来夏をめどに寄付講座を開設し、県内病院に勤務する中堅の助産師らに信大病院(同)で半年から1年間の実習経験を積んでもらう。  現在は、ほとんどの妊婦が病院で出産している。県内には諏訪赤十字病院(諏訪市)など、助産師が正常分娩を担い、緊急時には医師が対応する「院内助産」ができる病院もあるが、多くの病院では助産師が医師の補助的な役割を担っている。信大は、助産師のレベルアップを図ることで院内助産に対応する病院を増やしたい考えだ。  信大によると、講座は医学部産科婦人科学教室所属の医師と、ベテランの助産師が講師を務める。受講者の定員は3人程度を想定し、信大病院で実習を主体に座学も受ける。日本看護協会(東京)などが今年8月に始めた助産師の習熟度を評価する「助産実践能力習熟段階認証制度」を利用。受講者には、より質の高い助産ができる同制度の「アドバンス助産師」を目指してもらう。  信大医学部は講座の開設期間を5年間と想定。「能力の高い助産師20人以上を育てたい」(産科婦人科学教室)とする。事業費には県内病院から広く募る寄付金を充てるほか、県も来年度当初予算要求に関連経費1300万円を計上した。信大医学部によると、こうした寄付講座は「全国の大学では聞いたことがない」という。  講座の開設に向け、信大などは来年1月中旬に産科や婦人科のある県内病院による連絡会の初会合を開く予定。池田修一医学部長(特命戦略・地域医療・地域貢献担当副学長)は「産科医療の崩壊をこれ以上放置してはいけない」と指摘。お産環境の維持・向上は里帰り出産の増加にもつながることなどから「大学として大きな地域貢献になると認識し、事業に力を入れていく」としている。 "[he-forum 19093] しんぶん赤旗12/19","しんぶん赤旗 2015年12月19日付 35人学級実現へ法改正を 党国会議員団 文科相に申し入れ  日本共産党国会議員団は18日、馳浩文部科学相に対して、教職員定数の削減をやめて35人学級実現のために法改正すること、国立大学運営費交付金の削減をやめて国立大学予算と私学助成の増額を要請しました。文部科学部会長の畑野君枝衆院議員が馳氏と会って申し入れました。  畑野氏は、衆院文部科学委員会と参院文教科学委員会が6月、教職員定数削減に反対する「教育現場の実態に即した教職員定数の充実に関する決議」を全会一致であげ、安倍晋三首相も「35人学級の実現に向けて鋭意努力していきたい」と答弁したことを紹介しました。  その上で、現在35人学級を制度化しているのは小学校1年生だけであり、16億円の国庫負担があれば、小2も実施できると指摘。「小学校2年生以上も学級編制の標準を35人学級にするために法改正をしていただきたい」と求めました。  畑野氏はさらに、国立大学運営費交付金の削減はやめて、国立大学運営費交付金と私学助成の増額を図るよう求めました。  馳氏は「要請の趣旨を踏まえて、(教育)現場に負担を押し付けないように取り組みたい」と答えました。 "[he-forum 19092] 毎日新聞滋賀版12/10","毎日新聞滋賀版 2015年12月10日付 滋賀大 学長選 最下位得票者が学長に 教職員組合、選考会議の公表要求  滋賀大(彦根市)の学長選考会議(議長・塩田浩平滋賀医科大学長)で新学長に選出された位田隆一氏(67)=同志社大大学院特別客員教授=が、事前の教職員による投票では候補者3人中、最下位で1位の半数以下の得票だったことが大学関係者への取材で分かった。滋賀大で投票結果が覆されたのは初めて。大学の学長選考規定が今年変更され、投票結果が「尊重」から「参考」に改められたことが影響した形だが、学内からは「民主主義をないがしろにする暴挙」と批判が続出。教職員組合は、会議の審議内容を明らかにするよう求める公開質問状を提出した。【西村浩一】  学長選考会議は滋賀大の教授4人と、学外の有識者4人の計8人で構成する。関係者によると、今回の学長選で選考会議は、滋賀大で監事を務めている位田氏のほか、杉江徹・教育学部教授と北村裕明・経済学部教授の3人を学長候補者として推薦。他に応募がなかったため3人が11月に立会演説会に臨み、学内の専任講師以上の教員や係長級以上の職員計256人を対象として12月3日に意向投票が実施された。184人が投票し、結果は、杉江氏83票▽北村氏65票▽位田氏35票▽無効1票−−だった。  しかし、同じ日の学長選考会議では、新学長に位田氏を決定。理由について会議側は「求められる学長像にふさわしい人物を選んだ」としたが、教職員らに経緯の説明はなかったという。  国立大学の学長選考を巡っては昨年、文科省が「意向投票の結果をそのまま反映させるなどの選考方法は、学長等選考会議の主体的な選考という観点から適切でない」と各大学に通知。このため滋賀大は今年4月、選考規定を改正していた。  滋賀大教職員組合で委員長を務める市川智史・環境総合研究センター教授は「得票がわずかな差ならまだしも、これだけの差があるのに3位を選ぶ理由が分からない。大学の自治、民主主義が無視された」と批判。これに対し、選考会議の塩田議長は取材に「議長としては、審議内容は公表すべきではないと判断している」と、滋賀医大の広報担当を通じてコメントを出した。  大学の学内ガバナンス(統治)に詳しい吉武博通・筑波大教授は「制度上問題はなくても、今回は得票に大差がある。選考会議が理由を丁寧に説明しなければ、『意向投票は何だったのか』との不信感を解消できないのではないか」と話している。 "[he-forum 19096] 日本財団「子どもの貧困の社会的損失推計」レポート 12/21","日本財団 12/21 「子どもの貧困の社会的損失推計」レポート  以下、紹介HPの一部引用。 「本推計は、深刻化する子どもの貧困を経済的視点から捉えるため、子どもの貧困の 放置による経済的影響の推計を行ったものです。推計の結果、現在15歳の子ども1学 年だけでも、社会が被る経済的損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増 加することが明らかになりました。」  以上、引用、終わり。 上記紹介全文のURLは、 http://www.nippon-foundation.or.jp/news/articles/2015/71.html レポート全文(PDF)のURLは、 http://www.nippon-foundation.or.jp/news/articles/2015/img/71/1.pdf  例えば、23ページ(PDF26ページ)の「図表20 進学率・就職率の整理・推計」 等、大変興味深いものです。    以上 "[he-forum 19097] 琉球新報<社説>生活保護と進学 12/22","『琉球新報』<社説>生活保護と進学 政府が貧困脱出を阻むの愚 2015年12月22日 06:01  以下、記事の一部引用。  「実は生活保護を受けながら大学や専門学校には通えない。そんな時代遅れの原則 を政府が持っていることが、今秋の参院内閣委員会で明らかになった。  親の貧しさが子の貧しさを招いてしまう「貧困の世代間連鎖」を断ち切るどころの 話ではない。貧困から脱出する道に政府が立ちはだかってどうするのか。  政府は速やかに運用を改善すべきだ。進学容認にとどまらず、奨学金を全面支給す るなど、むしろ進学を奨励する方向へ抜本的に改めるべきだ。 (中略)  政府は15年度補正予算で「親の経済的事情が子の将来を左右しないように」と、 高校・大学の学費貸与に25億円を支出する。だがこの額では支援先は限られる。貧 困の連鎖を断ち切るなら、むしろ生活保護世帯の子こそ進学させるべきではないか。  予算配分の抜本的見直しが必要だ。例えば自衛隊のオスプレイ購入に3600億円 を投じる予定だが、これを取りやめて振り分ければどれほどの子が進学できるか。  教育への支出は財政の投じ方として費用対効果がすこぶる高いというのは常識だ。 将来への投資としてもっと大胆な配分をしていい。」  以上、引用、終わり。  記事全文のURLは、 http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-192541.html      以上 "[he-forum 19098] Web Ronza12/24","WEB RONZA 2015年12月24日 「素人による素人のためのサイエンス」を憂う 今年を振り返って見えてきた日本の根源的病巣 佐藤匠徳  今年も日本のサイエンス分野では様々なことが起こった。筆者の今年最後の論考では、代表的な出来事を振り返り、それらが浮き彫りにした日本社会に潜む根源的病巣を論ずる。 【小保方晴子氏の博士号取り消し】  それは、2014年1月に始まった。これまで数多くの科学の歴史を塗り変える研究論文を掲載している国際科学誌・ネイチャー(Nature)誌 に、ノーベル賞受賞の山中伸弥氏が発明したiPS細胞を超える夢のような大発見が2報の論文として発表された。しかも、それらの論文の筆頭責任著者は、ア イドルタレント顔負けの、若い女性研究者・小保方晴子氏だった。  国内メジャー新聞紙はこぞって一面で取り上げ、各種メディアも大騒ぎ、本人もその所属機関である理化学研究所もここぞとばかりにテレビのバラエティーショー顔負けの演出を披露した。それをいいことに、メディアや研究関係者は「リケジョ」の金字塔のように利用した。  しかし、それから1年以内に、その大発見は「夢のような」ではなく、小保方氏の「夢想」であったことが発覚した。そして今年10月には、小保方氏の博士号を、その授与機関である早稲田大学が取り消すことが決定され、発表された。  嵐のように到来した大騒ぎも、2年以内というスピード解決で、一瞬のうちに過ぎ去り、「正常」に戻った。しかし、それはもっと大きな嵐の前兆であることを誰も知らない、あるいは気づかないふりをしているだけかもしれない(高橋真理子氏の2015年11月25日付「小保方事件は繰り返される」参照)。 【理化学研究所の新体制スタート】  上述の小保方事件の責任を取り、理化学研究所は組織再編を行い、当時の理事長であった野依良治氏もその座を退いた(正式発表では、引責辞任ではな く、年齢や任期満了による退任とされている)。そして、元京都大学総長の松本紘氏が理事長に就任し、理化学研究所は今年4月から新体制でスタートした。  しかし、この組織再編も、上面だけで、その根源に潜む病巣はそのままだ(筆者の2015年2月20日付「理化学研究所の絶妙のパフォーマンス」参照)。 【日本版NIH正式始動】  日本の医学分野の基礎研究から臨床研究までシームレスに効率よくサポートし、医療革命を目指すという政府の目標を実現すべく、「日本版NIH」 (正式名称は、国立研究開発法人・日本医療研究開発機構)が今年4月に正式スタートした。しかし、新しいのはその名だけで、その体制、体質は、何も新しく なく、日本に昔からある国立の行政機関そのものだ(筆者の2015年7月27日「日本の学術界をむしばむ肩書き依存症」参照)。  また、実際に研究プロジェクトの提案募集が始まってみると、そのファンディング戦略、対象研究分野、研究提案申請書の様式など、ほとんどすべて が、これまでの厚生労働省と国立研究開発法人・科学技術振興機構(JST)のものを無理やり組み合わせたものに過ぎず、メリットよりデメリットが顕著に なってしまっている(筆者の2015年3月25日付「一体どうなる日本のライフサイエンス」参照)。 【ノーベル賞】 ストックホルムでの記者会見で笑顔を見せる大村智さん(右)と梶田隆章さん=12月8日、竹花徹朗撮影  今年も日本人2名(大村智氏と梶田隆章氏)がノーベル賞を受賞した。受賞決定当時も、また12月上旬に行われた授賞式のときも、受賞者の個人的でタブロ イド紙的な内容が、うんざりするほど多く報道された。おそらく、そういった報道内容の方が一般の人たちには分かりやすいし、受けやすいという理由からであ ろうが、なんともセンスの悪いものだ(筆者の2015年10月15日付「ノーベル賞報道に異議あり!」参照)。  これらの出来事に共通するのは、「素人による素人のためのサイエンス(と組織運営)」だ。下条信輔氏の2015年11月16日付「近視眼化する現代社会」 でも論ぜられたように、現代社会、特に日本では、「素人が玄人に勝る」ことがより一層顕著になりつつある。今の日本では、素人(つまり科学の基礎知識がな い者)にも「分かりやすい」ように科学を伝え、科学に親しんでもらう、ということが過度に強調されるため、研究成果の一般市民への発信内容も、過度な誇 張、きらびやかな文言が蔓延している。  そればかりか、玄人であるべき者(つまり科学の基礎知識を持ち、博士号などを持っているサイエンティスト)が集う場(例えば研究発表会や学会、シ ンポジウムなど)や、玄人同士のやりとり(例えば研究プロジェクトの提案申請書やその審査会など)でも、学芸会やサーカス公演顔負けのパフォーマンスが行 われ、中身よりも見栄えの良さで、玄人同士が評価しあっている。  組織運営に関しても同様だ。理化学研究所の再編や日本版NIHが、その最たる例だ。大きな組織を運営していくには、組織運営のプロ(つまり玄人) が、その組織のトップになり、運営を牽引していく必要がある。しかし、日本の多くの大学や研究機関では、組織運営能力よりは、研究者としての知名度や肩書 き、あるいは年齢が重視されて人事が行われる。よって、組織運営という観点からは「素人」が組織のトップとして運営に携わることとなる。  現代社会では、素人が玄人ばりの研究を行うことが可能になっている。筆者の専門分野のライフサイエンスでも、ゲノム編集のようなゲノムを自在に編集できる技術が、特に科学の基礎知識や訓練を受けていない人でも手軽にできるようになってきた(「ネイチャー」2015年8月15日号のニュース記事)。  このような時代に、「素人による素人のためのサイエンス」がさらに加速化すると、倫理観のない(低い)行いによって大変なことになる。素人でも、 自分の遺伝子を好き勝手に編集でき、また、原子爆弾を作製し、ミサイルやロケットを作って飛ばせる時代を想像すれば、その危険性は容易にわかるだろう。  このような危険を回避するためには、「玄人」が「玄人たるべき役割」を担い、一方で素人も必要最低限の基礎知識や最低限のモラルを身につけることが必須だ。  つまり、玄人は、もっと玄人たるべきスタンスを行使すべき(出来るべき)であるし、そして素人でも物事の本質を見極められ判断できる者を一人でも 増やせる教育に国や地方自治体が力を注ぐべきであろう。とくに再考すべきは、学位授与システムだ。素人でも学位を得られる現状を今すぐに変えないと、小保 方氏のような素人サイエンティストが加速度的増殖の一途をたどることとなる。  古来、「和を以って貴し」の日本社会では、玄人も素人も皆が「素人らしく」ふるまうことが求められる(もちろん、過去にはプロ意識を持って、貫い た方々もいたが、近年では、玄人と素人の全体的な差が小さくなっている)。そういう社会では、上に述べた課題の解決は、非常に困難かもしれない。  しかし、その危険性は明らかなので、その早急な解決を筆者は切望する。= "[he-forum 19099] 朝日新聞12/25","朝日新聞 2015年12月25日13時31分 教授が研究費1.5億円を不正処理か 大阪大大学院  大阪大学(大阪府吹田市)の大学院情報科学研究科の50代の男性教授が、少なくとも1億5千万円の研究費を不正に処理していた疑いのあることが25日、大学への取材でわかった。一部を私的に流用していた可能性もあり、阪大は教授の処分や刑事告訴を検討している。  阪大関係者によると、男性教授は取引がある業者に架空の物品を発注し、その代金を「預け金」としてプールさせる手法などで、研究費を目的外に使用していたとみられる。不正処理は長年にわたり、総額1億5千万円以上にのぼるという。  男性教授の不正経理に関する情報が寄せられたため、阪大は昨年から調査委員会を設置。男性教授のほか、阪大に関わる複数の研究者が関係していたとみて調べている。25日午後、記者会見を開き詳細を説明するという。  阪大では9月にも、NPO研究の第一人者として知られる大学院国際公共政策研究科の教授が、約900万円の公的研究費を不正使用したとして停職3カ月の処分を受けている。11月には学内の宿泊施設の利用者から徴収した宿泊料約2300万円を着服したとして、大学本部事務機構の職員を懲戒解雇した。= "[he-forum 19101] 河北新報 社説 教育への公的支出/投資の視点で拡充の議論を 12/25","『河北新報』2015年12月25日 社説「教育への公的支出/投資の視点で拡充の議論を」  全文URLは、 http://www.kahoku.co.jp/editorial/20151223_01.html  以下、引用。 「過分なコストであれば切り込みは当然だが、不可欠の投資ならば拡充が必須にな る。  見極めの要点は、未来の基盤につながるかどうか。とりわけ教育分野への支出につ いては、コストと投資の分別を間違えてはなるまい。  来年度予算編成をめぐり財務省と文部科学省との間で繰り広げられた攻防は、「教 育立国」を掲げるこの国の姿勢が定まらないままであることを印象づけるものだっ た。  財務省は、少子化による児童生徒の減少を根拠に公立小中学校の教職員定数を約 5%削減できると主張した。さらに、国立大に対する補助金の運営交付金を毎年1% ずつ削減する方針を示した。  文科省はじめ教育界は一斉に反発し、学校を取り巻く問題が複雑化し、教職員の疲 弊が深刻化する中ではいじめ問題などへの対応で政策的に配置する「加配定数」はむ しろ増やすべきだ、と主張。  国立大の交付金についても、既に過去10年にわたり減額が続き、これ以上の削減 は教育水準と研究水準の低下につながると、強く反対した。  とりあえず来年度は教職員定数を全体で削減しつつ加配定数を増やし、交付金は維 持する方向で折り合ったが、両省ともに目前の数字の調整に精いっぱいだった感があ る。根底に据えて議論すべき投資の視点が脇に置かれたままだったことは残念でなら ない。  経済協力開発機構(OECD)の最新まとめで、国内総生産(GDP)に占める教 育機関への公的支出の割合が日本は3.5%にとどまり、加盟国平均の4.7%を下 回った(2012年)。これで6年連続の最下位。国情の違いなどを考慮しても、誇 れる水準にないことは明らかだ。  特に幼児教育と大学など高等教育への支出水準が低く、高等教育での私費負担はO ECD平均の2倍以上に上っている。国として十分な支出を怠っている証しだろう。  ほかならぬ政府の教育再生実行会議が、世界的には公的支出を増額する流れにある ことを強調しながら、「教育支出をコストと考えず、未来への先行投資と位置付けて 充実を図るべきだ」とする提言を7月にまとめている。  大学生への公的支出は、所得向上による税収増などにより2.4倍の社会的便益を もたらす、という国立教育政策研究所の試算がある。  日本財団が先月発表した推計も興味深い。国などが貧困対策を放置し、高校進学率 と中退率を改善して大学進学率を上げる支援をしなかった場合、15歳の子ども1学 年分だけで社会が被る経済的損失は2兆9千億円に上り、政府には1兆1千億円の財 政負担が生じる、という内容だ。  格差社会の是正や犯罪抑止などの観点からも、投資としての教育支出の重みはかね て指摘されてきたところであり、あらためて整理、統合した議論が求められている。  教育再生実行会議も提言で触れたように、教育投資を安定的に拡充するのであれば 税と連動した財源論議も必要になる。財務、文科両省間で予算時の攻防を繰り返して いるだけでは済まない問題であることを確認しておきたい。」以上、引用終わり。 "[he-forum 19100] 河北新報 社説 子ども貧困基金/振るわぬ寄付責任は政府に 12/24","『河北新報』2015年12月24日 社説「子ども貧困基金/振るわぬ寄付責任は政府に」  全文URLは、 http://www.kahoku.co.jp/editorial/20151224_01.html  以下、引用。 「旗振り役の安倍晋三首相が言葉を超えた実績を示さない限り、「国民運動」も掛け 声倒れになりかねない。経済界の反応の鈍さは、大胆な予算措置を伴う抜本的な対策 に及び腰な政権の姿勢をそのまま反映していると言っていい。  子どもの貧困対策に向け、安倍首相らが発起人となって10月に創設した民間基金 「子供の未来応援基金」への寄付金総額が、11月末時点で約300万円にとどまっ たことが明らかになった。  期待されていた経済界からの大口寄付が全くなかったためで、基金を原資として2 016年度に始める予定だった事業の実施が、早くも危ぶまれる事態になっている。  そもそも18歳未満の子どもの6人に1人が貧困状態にある中、行政との役割分担 も不明確なまま民間を頼った対策に安易さはなかったか、厳しく問われるべきだろ う。  基金創設は、4月に提起された「子供の未来応援国民運動」の一環。個人や企業、 大学から募った寄付金を活用し、学習支援や食事の提供、放課後の居場所づくりなど に取り組むNPOなどを支援することで、間接的に子どもたちの生活をサポートす る。  寄付が振るわない原因について、政府内には「周知不足」を指摘する声もあるが、 これまで安倍首相は、自ら経済界へのPRや働き掛けを繰り返してきている。  「国民運動」のスタートに当たっては、経済界幹部と発起人集会を開き、10月に は連名で寄付を呼び掛けた。首相が掲げる「1億総活躍社会」の対策に基金の活用を 明記し、政権の看板事業に位置付けもした。ここまでして「周知不足」もあるまい。  基金は大手企業による千万円単位の大口寄付を中心に、少なくとも年間1億円から 2億円の寄付金が集まると想定し、1団体当たりの助成額を500万円程度と見込ん でいたとされる。  円安を背景に過去最高益を記録し、与党への政治献金を大幅に増やした大企業が少 なくなかったことを考えれば、経済界に余裕がなかったとは思えない。大口寄付が皆 無だった事実は、経済界の「善意」に期待した制度設計が間違っていたことを示して いる。  政府の子どもの貧困対策のベースとなっている「子供の貧困対策大綱」は昨年8月 に閣議決定された。だが、関係者の要望が特に強かった児童扶養手当や給付型奨学金 の拡充は財源をめぐる問題から盛り込まれず、貧困率の改善など具体的な数値目標の 導入も見送られた。  国が子どもの貧困の解消に責任を持つという当然の前提さえ打ち出していないこと が、現行の対策のちぐはぐさにつながっていると言わざるを得ない。  官民挙げての「国民運動」と言いながら、実は民間の財布をあてにしているだけで はないか。今回の基金の不振は残念ながら、国民にそんな疑念を生じさせた。  この機会に、約5年ごととしている大綱の見直しを前倒ししてでも、国の責任で子 どもの貧困を解消する決意を明示し、行政と民間の役割分担を明確化する必要があろ う。」以上、引用終わり。 "[he-forum 19110] 室蘭民報12/27","室蘭民報 2015年12月27日付 室蘭工大の第2女子寮建設進む─大学院生の入居可能に  室蘭工業大学(空閑良壽(くがよしかず)学長)は、来年4月供用開始を目指して建設を進める女子寮の第2棟「明凛(めいりん)館」について、今年まで対象外だった大学院生が入居できることになった。経済的な面で進学しやすい環境を整える狙い。  入居対象者拡大は、同大が行った大学院進学の意識調査で、家賃や生活費など経済面から進学を断念する学生が少なくないことが理由。大学院に在籍する女子学生は10月1日現在、博士前期課程が440人中41人で約10%。博士後期課程は68人中12人、約15%。新棟では大学院生に10人程度の枠を設ける。男子寮の場合は、院生が学部生から利用している場合に限り継続して居住できることになっている。  また、女子寮は新規で進学し、入寮を希望する学生にも門戸を広げる。初年度に限り在学生も入居申請可能。来年1月に募集を始め、状況により来年度入学生向けの割り当てを決める。  同大学生室ユニットリーダーの津川貴裕さんは「大学院生にも引き続き研究に集中できる環境を整備したい」と話している。  第2棟は今年7月、第1棟に増築する形で工事に着手した。鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ床面積583平方メートル。居室は22室、全て個室でベッドやガスストーブ、トイレ、洗面台、机、インターネット回線などを完備。1階部分を全長約10メートルの渡り廊下でつなぐ。  (池田勇人) "[he-forum 19109] 読売新聞神奈川12/25","読売新聞神奈川版 2015年12月25日付 横浜国大に都市科学部 17年度新設へ  横浜国立大(長谷部勇一学長)が2017年度に、文系・理系双方の分野を学ぶ「都市科学部」(仮称)の新設を予定している。文理の垣根を越えた総合的な教育を通し、地域の問題解決に貢献できる人材の育成を目指す。  新学部の構成は、都市社会共生、建築、都市基盤、環境リスク共生の4学科を予定。例えば建築学科では、建築工学などの専門技術を研究しつつ、地域で育まれた文化や歴史も並行して学ぶ。多角的な視点から、都市や地域の実情にあった企画・提案ができる人材を育てる。県内でのフィールドワークにも力を入れ、地域の災害対策など具体的な課題に取り組んでいく。  今年度末までに文部科学省に設置を申請。来年夏頃の正式決定を目指すという。  同大には現在、教育人間科学部、理工学部、経済学部、経営学部の四つの学部がある。都市科学部が決まれば、1967年の経営学部の設置以来、50年ぶりの新学部となる。  学部改編も同時に行う計画で、現在は理工学部にある建築都市・環境系学科を新学部に移行し、教育人間科学部内の人間文化課程は廃止する。改編後も全体の入学定員(約1600人)に大きな変更はないとしている。 "[he-forum 19108] 福島民報12/23","福島民報 2015年12月23日付 福大に再生エネ講座 ふくしま未来研究会など寄付  福島大は来年4月、再生可能エネルギーに関する寄付講座を設ける。ふくしま未来研究会と県建設業協会県北支部の有志が関連予算を寄付した。  設置期間は5年間の予定。寄付総額は5年間で約2億5000万円。研究費や人件費などに充てられる。太陽光、風力、地中熱、バイオマスを専門とする特任教員4人を採用する。特任教員は共生システム研究科博士前期課程や1、2年生向けの共通領域総合科目で再生可能エネルギー関連の授業を担当する。  福島大は文部科学省の支援で再生可能エネルギー分野の研究開発や人材育成などを進めてきたが、支援は平成28年度で終了する。寄付講座で研究成果を引き継ぎ、さらなる成果を目指す。  寄付講座の贈呈式が22日、福島市の福島大で行われた。佐藤勝三ふくしま未来研究会代表理事と佐久間政文県建設業協会県北支部長が中井勝己学長に目録を贈った。中井学長は「地元企業などの支援はありがたい」と謝辞を述べた。橋渡しをした県産業振興センター地域イノベーション事務局の服部靖弘さんらが同席した。  ふくしま未来研究会は25年に県北地方の建設業関係者らが中心となり創設した。復興を担う人材育成や若手経営者の起業を後押ししている。 "[he-forum 19107] 日本経済新聞12/26","日本経済新聞 2015年12月26日 法科大学院、4校が補助金ゼロに 16年度配分33校減額  文部科学省は25日、法科大学院43校に対し2016年度に配分する補助金の増減比率を公表した。各校が提案した教育プログラムの内容を評価した結果、10校が増額、33校が減額され、4校は初めて補助金がゼロとなった。同省は大学経営に直結する補助金の配分にメリハリをつけることで司法試験の合格率や教育内容の改善を求め、一段の統廃合を促している。  法科大学院への補助金額は14年度まで規模に応じて機械的に決まっていたが、一部で司法試験合格率の低迷が続くことを受け15年度から実績に基づく傾斜配分を始めた。  評価は2回に分けて行われ、まず今年9月、司法試験合格率や定員充足率などを点数化し、法科大学院ごとに補助金の基礎額を5段階(90~0%)で設定した。最高評価なら、15年度に教員数に応じて配られた補助金の90%を受けとれる。  その上で各校が申請した独自の教育プログラムの評価に応じて一定額を加算し、最終的な配分比率を決めた。1校複数の応募を含む計189件が申請され、北海道大や東京大、同志社大など7校の各1件が最高評価の「卓越した優れた取り組み」に選ばれた。公立の首都大学東京と大阪市立大、来年度の募集をしない法科大学院は対象外。  配分率が最も高かったのは早稲田大の145%。基礎額は90%で、海外大教授を招いた英語による講義や交換留学制度などの「国際化対応プログラム」が高く評価され、55%加算された。  修了者を海外の法律事務所に派遣する東京大(基礎額90%)が45%加算の135%、法学未履修者に独自の進級試験を課して復習の機会を確保するなどの取り組みが評価された一橋大(同90%)は40%加算の130%だった。  合格率の低迷や定員割れで基礎額がゼロとなった北海学園大、駒沢大、近畿大、西南学院大の4校を含む11校は加算率が0%。明治大(同60%)は15年度に5%が加算されていたが、元教授による司法試験問題の漏洩事件を受け、16年度の教育プログラムの申請を取り下げていた。  文科省は17年度の評価から新たに大学院入試の競争倍率を指標に加え、さらに統廃合を加速させる方針だ。 "[he-forum 19106] しんぶん赤旗12/26","「高学費は日本の大問題」 畑野・宮本岳志両議員 和歌山大学長と懇談 しんぶん赤旗 2015年12月26日付  安倍政権が国立大学運営費交付金の大幅削減と授業料引き上げを狙う問題で、日本共産党の畑野君枝、宮本岳志両衆院議員は25日、和歌山大学の瀧寛和(たき・ひろかず)学長らと懇談し、意見交換しました。  畑野議員は、来年度予算案について「国立大学協会や学長らの運動で、運営費交付金の総額は前年度と同額になっているが、財務省は再来年以降、人件費などにあてる運営費交付金を削ろうとしています。運動をさらに広げたい」とのべました。  瀧学長は「来年度は据え置かれたが、運営費交付金がさらに削られるとすれば困ります。教職員を減らさなければなりません」と話しました。  畑野議員が交付金削減と学費値上げに反対する党のアピールを説明すると、瀧学長は「高い学費は、日本社会の大問題。私学関係者とも力合わせて解決していきたい」とのべました。  宮本衆院議員は「政府は『地方創生』と言うが、地方大学はその地方にとってなくてはならない存在。交付金を充実させるべきだ」と語りました。  懇談には、松坂ひでき県議、下角力党県委員長、土井誠党学術・文化委員会事務局次長が同席しました。 "[he-forum 19105] 日本経済新聞社説12/27","日本経済新聞社説 2015年12月27日付 文科省は国立大をどこに持っていくのか  相次ぐ指示への対応に追われ、教育・研究にじっくり取り組む環境が損なわれる一方だ――。  文部科学省の大学行政をめぐって、国立大の間にこんな不安が広がっている。たしかにこの1年、同省が矢継ぎ早に示した方針には疑念が少なくない。文科省は国立大をどこに持っていくのか。  大学関係者からの批判がとりわけ強いのは、全国の国立大にあてた6月の通知だ。文科省は教員養成系学部や人文社会科学系学部について「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組む」よう求めた。  不用意に「廃止」にまで言及した通知に、「文系つぶし」だという反発が巻き起こったのは当然だろう。経団連も「産業界はそうしたことを求めてはいない」と突き放している。  文科省は「誤解を招く内容だった」と釈明しているが、通知自体は撤回していない。10月に就任した馳浩文科相は、この文書を「32点くらい」と評した。そこまで問題の多い通知を、なぜいまだに撤回しないのか。それとも「文系つぶし」が本音なのだろうか。  同省は来年度から国立大を「世界トップ水準を目指す」「特定の分野で拠点となる」「人材育成や研究で地域に貢献する」――の3つの類型に分け、その枠ごとに取り組みを評価して補助金を傾斜配分する仕組みも導入する。これについても効果より弊害が大きくならないか、疑問が残る。  もちろん、国立大にも一定の役割分担はあろう。税金を使うからには資金配分にメリハリも大切だ。とはいえ、すべての国立大を単純に類型化するのでは大学の持つさまざまな可能性を摘み、序列化を強めかねない。地方での地道な研究からもノーベル賞学者が生まれることを考えてほしい。  収入の大半を占める運営費交付金の減額も、国立大の大きな悩みだ。来年度予算ではとりあえず据え置きとなったが、2017年度からは毎年約0.5%ずつ減らすという。将来は授業料などにはね返る心配がある。  国立大にも自助努力は必要だが、おのずと限界はある。高齢者向けに偏った歳出を見直し、若年層向けの予算へのシフトを図るなかで大学予算の充実を検討したいものだ。文科省は教育・研究の中身に口を出して大学を萎縮させるのは慎み、もっと金を出せる仕組みづくりに注力すべきである。 "[he-forum 19104] 大阪日日新聞12/25","大阪日日新聞 2015年12月25日付 澪標 ―みおつくし― 「文系廃止」と「想定外」 森井 マスミ 愛知淑徳大学教員  根っからの文系人間である。今年6月、「国立大学の文系学部・大学院の廃止」が騒動になったが、哲学者や小説家に世間の風当たりが強いのは今に始まったことではない。卒業したのは哲学科だが、就職活動の時、面接官の態度は冷ややかだった。哲学に興味を持つような人間は「変人」ということになる。だが、むしろそうした線引きをしながらも、哲学、文学、演劇、音楽、映画など、社会の役に立ちそうもない事に4年間没頭させてくれた、かつての社会は豊かで健全であった。  結局、今回の騒動では、方々から「文系軽視」との批判の声が上がり、「廃止」は「誤解」であり「通知を作った役人の文章力が足りなかった」と、文部科学省は釈明に回った。だが「大学教育」と「企業活動」の一体化が既定路線であることは、安倍首相がすでに表明している。  昨年5月に行われたOECD閣僚理事会での基調演説で、自らが進める「教育改革」について、「学術研究を深めるのではなく、もっと社会のニーズを見据えた、もっと実践的な、職業教育を行う」と安倍首相は述べている。大学の「専門学校化」「職業訓練校化」である。  これについて学生に尋ねてみると、意外と歓迎する声も少なくない。その点で「文系廃止」は、案外社会の「ニーズ」に合致しているのかもしれない。しかし果たしてそれでいいのか。  大学進学率は50%を越え、18歳人口が減り続ける中で、大学そのものが変更を迫られている。社会がどんどん流動化していく中で、先人の知識や価値を継承するといった、文系的な方法に有効性が見いだしづらくなっている。年長者も教師も尊敬されない世の中だ。  「批評理論入門」という授業の最初に、いつも話をすることがある。「批評」とは何か。答えはとても簡単で、「みんなが当たり前だと思っていることをもう一度問い直して、自分の頭で考えて見ること」。それが「批評」である。  そしてこんな話もする。書店にはたくさんの「ハウツー」本が並んでいる。だがすぐに結果が出ることや、すぐに答えが見つかるものだけを求めていると、自分の世界が狭くなってしまう。取扱説明書があればすぐに使える便利なものはたくさんある。しかし、それが壊れてしまったときどうすればいいのか。それを考えることができる人にぜひなってほしい。だから大学ではすぐに結果の出ないことや、すぐに答えが見つからないものを、むしろ大切にしてほしい。  ものは必ず壊れる。福島第一原発事故然(しか)り。あの時「想定外」という言葉は、おそろしく空虚であった。もう何が起きても不思議ではない。そんな3・11以降の世界をわれわれは生きている。  11月13日パリで同時多発テロ。23日フランスが「イスラム国」への空爆を本格化。戦後70年を迎え日本も世界も大きな岐路に立っている。最近、歌集を出版した。タイトルは『まるで世界の終りみたいな』である。そこより一首。  「戦後」といふこと  ばはるけし タワー  マンション並びゐ  る卒塔婆のごとく  に     マスミ (大阪市北区) "[he-forum 19103] 毎日新聞大阪12/21","毎日新聞大阪版夕刊 2015年12月21日付 大阪府立大・市大 大学統合、準備案可決 「形」議論本格化 府議会委員会  大阪府議会の教育常任委員会は21日、府立大と大阪市立大の統合準備を進める議案を大阪維新の会や自民、公明の賛成多数で可決した。22日の本会議で成立し、市議会でも年明けに可決される見通し。今後は具体的な統合形態を巡る議論が本格化するが、統合実現には改めて府市両議会の議決が必要になる。【小山由宇】  議案は、両大学の中期目標に「統合による新大学実現に向け、準備を進める」との文言を盛り込むもの。二重行政解消を掲げる大阪維新の会の重要政策だが、自公には慎重論が根強く、今回と同じ議案は2013年に市議会で否決された。  しかし、11月の知事・大阪市長のダブル選での大阪維新完勝を受け、自民を中心に「統合議論の入り口には立つべきだ」と賛成論が強まった。委員会では「結論ありきで検討を急ぐのではなく、関係者の意見を柔軟に取り入れる」などとする付帯決議も可決した。  実際の統合には定款変更など府市両議会での可決が求められ、府市や両大は約2年をかけて具体像を詰める方針だ。 1法人2大学案も 自民  大阪維新の会が訴えていた大学統合が新たな局面に入ったのは、ダブル選を受けて自民党が方針転換したからだ。ただ統合形態は、大阪維新が新大学を府市で共同設置する「1法人1大学」、自民は大学を残す「1法人2大学」をそれぞれ主張して意見が対立しており、実現に向け紆余(うよ)曲折も予想される。  両大は現在、府市それぞれの地方独立行政法人が設置する。府私学・大学課によると、通常想定できる統合形態は(1)1法人1大学(2)1法人2大学(3)市立大への吸収(4)府立大への吸収−−などがある。  府市はこれまで大阪維新の両首長の意向を受け、二重行政解消を協議する府市統合本部(6月に廃止)などで、1法人1大学を前提に学部や学域の再編構想を温めてきた。1大学になれば学生数は1万6000人と国立の神戸大と同規模、公立大学では首都大学東京を抜き、全国トップになる。「世界と戦える大学にするには1大学がベスト」と主張してきた橋下徹前市長は8日の記者会見で「府立の獣医学系や両大の工学系が合わされば、バイオ領域で相当強みが発揮できる」と強調。府市いずれかへの吸収合併は「大学の運営費を市(府)だけで持つのは困難」(松井一郎知事)との立場だ。  自民党の杉本太平府議団幹事長は14日の府議会で「1法人1大学は、規模拡大によるシナジー(相乗)効果があるとしか説明されていない」と指摘。さらに自民市議団には「市立大への吸収」論も根強く、大阪維新案とは隔たりがある。いずれの案もメリット、デメリットについて具体的な検証はされておらず、今後の焦点になりそうだ。 "[he-forum 19102] 毎日新聞東京夕刊12/24","毎日新聞東京版夕刊 2015年12月24日付 特集ワイド 増える軍学共同研究 揺らぐ科学の平和利用  戦争を目的とする科学の研究には絶対に従わない−−。第二次世界大戦の反省による科学者たちのこの決意が揺らいでいる。安倍晋三政権が進める「積極的平和主義」の下で、大学や研究機関が防衛省と組む「軍学共同研究」が増えているのだ。学術界で今何が起きているのか。【石塚孝志】 合言葉は「デュアルユース」/東大の指針変更に衝撃/米軍の資金提供も  「アルフレッド・ノーベルに乾杯!」。日本時間の今月11日、スウェーデンのストックホルムで開かれたノーベル賞の晩さん会には、日本から医学生理学賞の大村智・北里大特別栄誉教授と、物理学賞の梶田隆章・東京大宇宙線研究所長が出席した。この日の祝宴は、科学者にとって最高の晴れ舞台になった。  この賞を創設したノーベルは、ダイナマイトを発明して巨額の富を得た一方、ダイナマイトが戦争にも使われたことから「死の商人」と呼ばれたことはよく知られた話。また、ノーベルは科学の平和利用と軍事利用の間で苦悩したと伝えられる。それを忘れたかのように、日本政府は今、科学の軍事利用を進める。  「九条科学者の会」事務局員の浜田盛久さん(海洋研究開発機構研究員)は、その証拠の一つとして2013年12月に閣議決定された「防衛計画の大綱」を挙げた。大綱には「大学や研究機関との連携の充実等により、防衛にも応用可能な民生技術(デュアルユース技術)の積極的な活用に努める」と盛り込まれた。  浜田さんは「デュアルユース」という言葉に注目する。「政府と経済界は武器を安く開発し、国際競争力を高めて世界市場に参入したい意向があります。ただ、軍事技術の高度化を進めるために国内の防衛産業内部で新技術の研究開発を始めようとしてもコストが高い。そのため大学・研究機関の先進的な研究結果を活用する政策を政府は打ち出したのです」と説明する。  一方、大学・研究機関の側にとっては、研究費が削減されているという厳しい懐事情がある。今年度の国立大学への交付金は計1兆945億円で、法人化した04年度から約1500億円も減った。浜田さんは「科学者は研究を続けるためには大学外部の資金を獲得する必要に迫られている。防衛省から研究費を獲得し、研究成果が自衛隊に採用されれば、その後の研究に弾みがつく。また、防衛省のやり方も巧妙。『軍事研究』と言わずに『民生品にも使えるデュアルユース』と参加への敷居を低くしている」と話す。  デュアルユースへの参加を見据えたような動きが今年1月に東京大で発覚し、学術界に衝撃が走った。東大大学院情報理工学系研究科が昨年12月にガイドラインを変更し、「一切の例外なく軍事研究を禁止」とした文言を「軍事・平和利用の両義性を深く意識しながら個々の研究を進める」と改めたことを、産経新聞が「東大、軍事研究を解禁」と報じたからだ。  これに対し、浜田純一学長(当時)が「軍事研究禁止の方針自体に変更はない」とする一方、「個々の場面でのデュアルユースのあり方を丁寧に議論し対応していくことが必要」との声明を出した。軍事利用の可能性があるとの理由で、全ての研究を禁止できない現状を認めたような形だ。  東大だけが特別ではなく、大学・研究機関と防衛省の関係は年々強まっている。  防衛省の旧技術研究本部と結んだ共同研究協定は、06〜12年の7年間で計7件だったが、13年は4件、14年は11件と急増した。そして今年、防衛省は大学・研究機関などに1件当たり最大で年3000万円を提供して技術開発を支援し、防衛装備品への活用を検討する「安全保障技術研究推進制度」を始めた。初年度は109件(うち大学など58件)の応募があり、9件(同4件)が採択された。  同制度に採択された神奈川工科大の永尾陽典教授(機械工学)に話を聞いた。研究テーマは、飛行機などの機体に使われる炭素繊維強化プラスチックにカーボンナノチューブを使って強度や信頼性の向上を目指す−−という内容だ。機体が軽量化されれば燃費が向上するメリットがある。  「大学からの予算は年100万円ですが、材料の強度を測る力学試験は1体7万円程度かかる。研究成果を出すにはデータの積み重ねが必要だが、現実は厳しく、学会への出張費もままならない」  同制度で2年半に約3400万円で研究を委託されるが、研究の軍事利用との批判もありそうだ。ただ、永尾さんは「軍の研究というイメージはない。基礎研究なので、成果の適用先は国民的な評価を受ければいい」と冷静だ。制度には「研究費を頂いたうえに成果も原則公開できる。ありがたいというのが研究者の本音。たぶん来年は応募が殺到するだろう」と話す。  実は防衛省だけが軍学共同研究を進めているのではない。米軍が日本の大学・研究機関に研究資金を提供している。また、内閣府が昨年度から「革新的研究開発推進プログラム」(ImPACT)の公募を始めた。浜田盛久さんは「デュアルユースを視野に入れたテーマも設定できる。ロボット技術など軍事利用が可能になりそうな研究も支援している」と指摘する。  最新技術の軍事利用を進める動きには批判の声が上がる。「軍学共同反対アピール署名」の呼びかけ人の一人、池内了(さとる)・名古屋大名誉教授は「科学者は結果責任まで考える必要がある。それがどう使われるかまで想像し、こういう使い方をしてほしくないと明言することは科学者の社会的責任です」と主張する。さらに科学者の良心にはこう訴えかける。「競争的資金を得るため、仮に軍事に絡む研究にテーマを変える科学者が現れるようになれば、科学者の国家への隷属です。倫理を失った科学者を信頼できますか」  そもそも最新技術が軍事利用される危険性を認識してきたからこそ、科学者の代表機関・日本学術会議は1950年に「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明」、67年に「軍事目的のための科学研究を行わない声明」をそれぞれ発表した。  声明の趣旨は揺らいでいるのか。大西隆会長は「二つの声明は共に堅持している。戦争目的の軍事研究は認められない。だが、自衛まで否定されているとは思わない」と語る。  前出の池内さんは「自衛のためなら何でも認めると言い出すと、いくらでも後退してしまう。大西会長の曖昧な態度は不満です。『国費を使うのだから国に貢献しろ』という声もあるが、科学の研究は国のためではなく世界のため、人類のためにやるものです」。  08年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英・京都大名誉教授は今夏、「科学者は戦争で何をしたか」と題する本を出版した。そこで胸に刻んだ恩師の言葉を紹介した。  <科学者である前に人間たれ>  集団的自衛権の行使が容認され、平和国家が揺らいでいる今、科学者は原点に立ち返るべきではないか。 "[he-forum 19112] しんぶん赤旗1/9","しんぶん赤旗 2016年1月9日付 大学改革を問う 日本学術会議がフォーラム  日本学術会議は7日、「少子化・国際化の中の大学改革」をテーマにした緊急フォーラムを東京都内で開き、約200人が参加しました。大学やメディア、産業界の関係者が意見を交わしました。  国立大学協会会長の里見進東北大学総長は、運営費交付金の減額が続けば大学の人件費すらまかなえなくなると指摘。すでに若手の常勤教員が減少し、大学全体の研究力も落ちていると警鐘を鳴らしました。  日本私立大学団体連合会会長の清家篤慶応義塾長は、「即戦力」を求める産業界の要請について「それだけでは大学は教育機関ではなくなる。精神的な豊かさを追い求めることが重要」と述べ、リベラルアーツ(教養教育)を強調しました。  柳澤秀夫NHK解説主幹は、「大学は就職予備校ではない。多様性のある人間を育ててほしい」と述べるとともに、国防総省の資金でロボット研究をしているアメリカの大学を取材して、「これでいいのかと懸念した」と語りました。  パネルディスカッションでは、運営費交付金を削り各大学で競わせて配分する競争的資金の比重を高めるという経団連からの提案に対し、里見氏は「大学本来の姿が変わる」と批判。日本私立大学団体連合会副会長の黒田壽二金沢工業大学学園長・総長は、私学の経常費に対し1割まで下がった私学助成がこれ以上削られたら地方の私立大学はつぶれると語りました。 "[he-forum 19111] 毎日新聞1/8","毎日新聞 2016年1月8日付 国立大寄付 税額控除 小口で効果、増加に期待 来年度導入へ  国立大学への個人の寄付を促すため、政府は2016年度から税制を改正し、現行の所得控除に加え、税額控除制度を新たに導入する。10万円以下の小口寄付では税額控除の方が減税効果が大きくなるため、国立大側は「OBや住民からの寄付の増加が期待できる」と受け止めている。集まった寄付金は貧困対策の一環で奨学金や授業料減免に充てられる。  所得控除は、寄付金額から2000円を引いた額を所得から控除した後に所得税率をかける仕組みで、税率が高い高所得者ほど減税効果が大きい。  一方、税額控除は、寄付金額から2000円を引いた額の40%を所得税額から控除する。税額から直接差し引かれるため、小口寄付では控除額が所得控除制度に比べて大きくなる上、低所得者の減税効果も大きくなる。  例えば、夫婦と子ども2人(大学生と高校生)で年収500万円の給与所得世帯で、5万円を寄付する場合の控除額は、所得控除では2400円だが、税額控除なら1万4875円。  新制度では、寄付する人が所得控除と税額控除のいずれかを選べるようになる。各大学が寄付金を受け付ける基金を作る。寄付金の使途は、経済的理由で修学が困難な学生への(1)授業料減免(2)奨学金(3)留学金(4)教授のアシスタント料の支給−−の四つに限定する。  文科省によると、14年度の国立大への個人寄付は計約7万件で95億円。ここ数年は100億円前後で推移。私立大は11年度から一部で税額控除が適用され、対象となる313大学への寄付額は09年度(123億円)から13年度(231億円)で倍増した。今回の税制改正について、神戸大の担当者は「自己収入確保の努力をする中で非常に良いこと」と歓迎し、国立大学協会の担当者は「各大学が自己収入を増やす流れは加速するだろう」と期待を寄せている。【三木陽介】 自己収入、確保図る 削減傾向の運営費交付金  新制度の導入で寄付金が増えれば、大学側は、返済が不要な給付型奨学金や無利子奨学金を新設したり、既存の奨学金の枠を拡充したりできるため、受験生にPRしやすい。それまで奨学金に充てていた資金を研究・教育費に回すこともできる。  寄付者にも減税効果に加え、将来的には「ふるさと納税」のように、大学から特別講座の受講など大学ならではのサービス還元の導入も考えられる。  さらに期待されるのは国立大学の自己収入を増やす道筋になることだ。2004年度に国立大学が法人化されて以降、人件費などに充てる運営費交付金は毎年のように削減されてきた。一方、国立大の収入のうち寄付金は約4%にとどまる。  16年度予算案の編成を巡っては、財務省が16年度以降、交付金を毎年1%ずつ減らすと同時に自己収入を1・6%ずつ増やす計画を求めたのに対し、文科省は「教育・研究水準が低下する」と反発。最終的には、運営費交付金は前年度と同額を維持する代わりに、大学ごとの改革の進捗(しんちょく)度を翌年度の配分額に反映させる仕組みを導入することで決着したが、国の財政事情が厳しい中、国立大が自ら資金を集める努力は不可欠だ。  今回の改正の対象は貧困対策への寄付に限られるが、複数の国立大の担当者は「対象の幅を広げてほしい」と要望している。 "[he-forum 19113] しんぶん赤旗1/12","しんぶん赤旗 2016年1月12日(火) 国立大学の運営費交付金 17年度以降は毎年削減  政府は2016年度予算案で国立大学の運営費交付金を15年度と同額の1兆945億円とし、17年度以降は毎年削減する算定ルールを決めました。  文科省の説明によると、16年度から始まる第3期中期目標期間(6年間)は、毎年、人件費など最も基盤的な経費にあてる基幹運営費交付金をいった ん約1%にあたる約100億円を削減して財源をつくり、その半分の50億円程度を教育研究活動の「機能強化」のための改革に取り組む大学に再配分する、三 つの重点支援区分(別項)を新設します。民間資金の獲得割合を上昇させた大学に対し、より多く重点支援するとしています。  残りの財源を使って大学の組織改革に必要な設備などにあてる補助金を17年度に新設するとしています。  私立大学への経常費補助も15年度と同額の3153億円に維持し、国立大学と同様に「経営力の強化」にむけた改革を進める大学に重点的に支援するとしています。 【三つの重点支援区分で異なる削減率】 ・重点区分(1)(弘前大学など55大学)=地域のニーズに応える教育研究(削減率0・8%) ・重点区分(2)(東京芸術大学など15大学)=分野ごとの優れた教育研究(削減率1・0%) ・重点区分(3)(東京大学など16大学)=卓越した教育研究(削減率1・6%) 解説 穴埋めに学費値上げも 2016年度の国立大学運営費交付金が前年度と同額となり、04年の国立大学法人化以降に続いてきた交付金の連続削減には歯止めがかかることになりました。国立大学協会をはじめ大学関係者がかつてなく声を上げたことによるものです。  その一方で、人件費や光熱水費など教育研究を実施するうえで必要とされる最も基盤的な経費に充てる基幹運営費交付金を毎年約1%、100億円を削減するルールを導入したことは重大です。削減額は、学生1人当たり毎年約1万6千400円になります。  各国立大学は、16年度から6年間の中期目標・計画を作成中ですが、17年度以降の5年間で5百億円、学生1人当たり8万2千円の削減となります。  毎年削減される100億円の半分を「機能強化経費」に再配分するとし、残りの財源で設備整備むけの補助金を新設するとしていますが、これらは人件 費などの基盤的な経費に充てることはできません。ある地方大学の学長は、「これでは教職員数を削減するしかない」と語っています。  交付金削減の穴埋めのために、民間企業からの研究費獲得に血道を上げざるをえません。しかし、これは容易ではなく、できない大学は学費値上げに踏み切らざるをえなくなります。  「15年間で学費40万円値上げ」問題の発端となった昨年10月26日の財政制度等審議会で財務省主計官は、「まず先に運営費交付金について1% 減額といったような目安を置くことにより」大学に自己収入増のインセンティブ(動機)をあたえるべきだと語っていました。今回決まった算定ルールは、財務 省の狙いどおりのものです。  引き続き「大学予算削減反対、学費値上げ許すな」の世論と運動を広げる必要があります。  (土井誠・党学術・文化委員会事務局次長)= "[he-forum 19114] 毎日新聞1/12","毎日新聞2016年1月12日 11時42分(最終更新 1月12日 12時27分) 学術論文 「再現性」の記述「ほぼすべてに欠陥」 米スタンフォード大などの研究チーム発表  世界で発表された過去15年間の生物医学系の学術論文を抽出して調べたところ、同じ方法で実験すれば同じ結果が得られる「再現性」を確認するための手法 が十分に書かれていないなど、ほぼすべてに欠陥があったとする分析結果を、米スタンフォード大などの研究チームがオンライン科学誌プロス・バイオロジーに 発表した。資金の提供元などに関する情報がない論文も多く、論文のデータ改ざんや捏造(ねつぞう)の背景になっているとの指摘もある。  研究チームは、2000~14年に発表された生物医学系論文から441本を無作為に抽出。そのうち実験データを伴う268本を精査したところ、再現実験に必要な全ての手順や条件を公表している論文は1本だけだった。  論文の図表類の基になる実験の生データを紹介している論文もゼロで、生データの取り寄せ方法を示した論文も1本しかなかった。また、論文441本のうち 51.7%で研究資金の出所の記載がなく、69.2%は企業などとの利害関係を示す「利益相反」の有無を明示していなかった。研究チームは、各論文の研究 結果の真偽については検証していない。  論文の再現性をめぐっては、研究不正が発覚したSTAP問題などをきっかけに、透明性や説明責任が強く求められているが、詳細な実験情報を公開すれば後 追いする研究が増えるため、研究者は公開に積極的ではない背景がある。研究チームは「論文の透明性や再現性に対する科学界の関心は増しており、それらの欠 如は研究の価値を下げる」と指摘する。【須田桃子】  研究不正問題に詳しい榎木英介・近畿大講師(病理学)の話 実験手順の記述が不適切だと、再現実験を試みる人の時間や研究資金が無駄になる。研究者側だけでなく、出版社側も不備のある論文を掲載しないなどの強い態度で改善に取り組むべきだ。 "[he-forum 19115] 産経ニュース1/13","産経ニュース 2016.1.13 16:23更新 北海道大で不正アクセスか 学生ら11万人情報流出も  北海道大は13日、学内のサーバーが外部から不正アクセスを受けた疑いがあると発表した。サーバーには、在学生と卒業生計約11万2600人の名前、生年月日、住所を含んだ個人情報や、就職活動用の約1600社の企業情報が保管されており、流出した可能性があるという。   大学によると、不正アクセスを受けた疑いがあるのは、学生の就職を支援するキャリアセンターのサーバー。昨年12月27日にサーバーから学外に向けて大量 のスパムメールが送信される事態が発生し、通信記録を調査すると、国内外の不特定多数の外部サーバーと不審な通信をしていたことが今月4日に分かった。  大学は8日に調査委員会を設置し、情報流出の有無を調べるとともに、サーバーのセキュリティー対策や、個人情報の管理が適切だったのか検証している。= "[he-forum 19119] WebRonza 1/18","WebRonza 2016年01月18日 博士号取得者の初の追跡調査まとまる 修了時に半数以上が平均440万円の借金という衝撃 高橋真理子  博士号を得た人たちの初の追跡調査を文部科学省の科学技術・学術政策研究所がまとめた。 職に就いた人の中で大学や公的研究機関などの「アカデミア」に入ったのは約6割、民間企業など非アカデミアが4割で、アカデミアの8割以上が任期制雇用 だったのに対し、民間企業では正社員がほとんどで、所得も比較的高い。だが、処遇に満足しているかどうかは、収入とあまりリンクしていないという興味深い 結果だった。一方、留学生や社会人学生を除いた学生(課程学生)は、博士修了時に半数以上が平均440万円程度の借金を抱えていることも明らかになった。 博士課程進学は経済的に見合うのか、という観点からの結論は、「ビミョー」としか言いようがない。 博士課程修了時の借り入れの有無=「博士人材追跡調査」第1次報告書から  調査は12年度中に日本の大学院の博士課程を修了した全員が対象で、約5000人が回答(回収率38.1%)した。かつて02年~06年度の博士 課程修了者について大学を通じて全数調査をしたときは、進路先不明者が30%を超え、大学を通じた調査の限界があらわになった。今回は、本人がWEBを通 じて直接回答する方式をとったが、回収率は4割に届かなかった。しかし、調査を実施した第一調査研究グループは「90年代から博士の追跡調査をやっている 英国も回答率は4割程度。英国と同程度と受け止めている」と話す。 博士課程入学者数と属性=「博士人材追跡調査」第1次報告書から  日本で博士号取得者が急増したのは、90年代に入ってからだ。日本学術振興会が85年度に特別研究員制度を創り、学生に研究奨励金を出すように し、当時の科学技術庁系の組織も追いかけるように同様の制度を作ったことが効いている。さらに第1期科学技術基本計画(1996年度~2000年度)で 「ポスドク1万人計画」が打ち出され、博士号を取得したあとの研究職「ポストドクター」を大学や研究機関が積極的に雇うようになった。そのための資金を文 科省が出したわけである。ポスドクが研究を担っている米国のやり方にならった、つまりは真似したのだった。  しかし、博士課程への入学者数は2003年をピークに下降し始める。第2次ベビーブーマー(71年~74年生まれ)が博士課程入学適齢期を迎えた のが90年代後半から2000年代初めのころで、ある意味、減るのは当然だった。ところが、大学側は「博士課程に優秀な学生が来ない」と危機感を募らせ た。一方で、ポスドクにはなったけれど、任期が切れた後の職がないという問題が表面化してきた。『高学歴ワーキングプア』(水口昭道、光文社新書、 2007年)、『博士漂流時代』(榎木英介、DISCVOERサイエンス、2010年)といった著書も現れた。 ①年間の税込み労働所得と処遇満足度(分野別)=「博士人材追跡調査」第1次報告書から  日本の博士課程が入り口でも出口でも行き詰まり感を見せている中で、ようやく信頼できる実態調査が実施されたわけである。分野ごとの年収データ (右図)は、医師の多い保健系に800万円以上の高所得者が多く、人文系では300万円未満が6割を超すことを示す。ところが、赤の折れ線グラフで描かれ た「処遇の満足度」は保健系でも人文系でも大差ない。工学系が比較的高い満足度を示している。  米国の州立大学で博士号を取得した3000人の調査結果(『サイエンス』2015年12月10日)によると、約6割がアカデミア、4割弱が民間企 業と、日本とほぼ同じだ。公務員が4.1%いるのが日本(推定1.7%)との目立った違いである。所得は工学系、数学・コンピュータ―サイエンス系の順で 多く、これらの平均は6万5000ドル(約780万円)。この後に物理、社会科学、化学、保健系と続く。一番低いのは人文系で、これも日本と同じだ。  もっとも、米国の場合、マサチューセッツ工科大学(MIT)やハーバード大など名門の多くは私立大学で、こうした大学で博士号を取った人たちを調査したら平均所得も違ってくるかもしれない。  2015年12月9日の『サイエンス』記事によると、米国で15年も前から懸念されているのが、ポスドクのなり手がいなくなるという問題だ。ポス ドクの数に比べて大学教授のポストは少なく、苦労しても報いられない可能性が大きいと考えられるようになってきたからだという。そして、昨年10月の『米 合衆国実験生物学誌』に、確かにポスドクが減っているというデータが発表された。10年と13年を比べると、5.5%も減ったという。とくに「米国人男 性」に限ると10.4%も減っている。アカデミアの仕事をもっと魅力的にするように手を打たないと米国の学術が弱体化するという危機感も高まっている。  永野博・科学技術振興機構研究開発戦略センター特任フェローは、「米国ではポスドクの減少、日本では博士課程入学者の減少ということで、ワンス テージずれて同じ現象が起きている。米国では、アカデミアの全体構造から見た課題提起がなされているが、日本ではそうした問題意識が薄い」と指摘する。  奨学金の返済額が相当な額となって新社会人にのしかかることは、すでに問題になっている。しかし、今回の博士追跡調査で、課程学生の半数以上が平 均440万円の借金を負って大学院を終えるという、全体の規模感が明らかになった。これは、博士課程に進むのをためらわせるのに十分なデータだろう。 1年間の税込み労働所得(教育別)=「博士人材追跡調査」第1次報告書から  卒業後の収入はどうか。総務省の就業構造基本調査では、「大学院卒」とひとくくりにして、修士と博士を区別していない。ただし大半は修士なので、 この調査と今回の博士追跡調査の結果を比べると、博士に進むのは、いわばバクチであることが明らかになった。年収500万円以上の高所得者は増えるのだ が、一方で300万円以下の低所得者も多くなる。つまり、両極端に分かれる、ということだ。高学歴ワーキングプアの存在はすでに知られるようになっている が、それがデータで示されたということだ。  こうしたデータは、奨学金制度の改革などに大いに生かしてほしい。同時に、学部学生にも広く知らしめ、それぞれの人生設計に生かしてほしいと思う。 "[he-forum 19118] 日本学術会議に軍事研究を行わないよう求めるネット署名運動のご案内","元岡山大学の野田隆三郎です。 先日ご案内させていただいた大学の軍事研究に反対する署名運動           http://dgunk.exblog.jp/ と一体の標記の署名運動を案内させていただきます。          https://goo.gl/mvq6Qe  日本学術会議は1950年と1967年の二度に わたって、軍事研究との断絶を誓う声明を採択しました。 ところが昨年驚くべきことが起こりました。 昨年7月、日本学術会議会長の大西隆氏が学長を務める豊橋 技術科学大学が、防衛省の軍事研究の公募に応募し採用された のです。 このことに抗議し、日本学術会議に2度にわたって誓った軍事研究断絶 声明を遵守するよう求める申し入れ書を、学者・市民の賛同を添えて、 届けたいと思います。申し入れ文(案)等は上記サイトに掲載しています。 ご賛同いただければ有難く存じます。どうぞよろしくお願いいたします。 "[he-forum 19117] 神戸新聞1/15","神戸新聞 2016年1月15日付 兵庫県立大 大学院認可申請へ 減災復興の研究科  阪神・淡路大震災を教訓に大学院「減災復興政策研究科(仮称)」の開設を目指す兵庫県立大学(本部・神戸市西区)は研究内容や定員などの計画概要をまとめ、3月にも大学院設置を文科省に認可申請する方針を固めた。減災、復興のソフト対策に重点を置いた研究を中心に据え、社会人にも門戸を広げる。(永田憲亮)  認可申請するのは、修士課程(2年)の独立研究科で、学部を持たない大学院。同大が防災教育研究センターを置くHAT神戸の「人と防災未来センター」(神戸市中央区脇浜海岸通1)東館内に、2017年春の開設を予定する。  震災後20年に及ぶ復興の教訓や東日本大震災の課題を踏まえ、減災や復興に貢献する人材育成を狙う。  研究内容は、災害時の公共政策や防災教育などを検討。県立大が減災復興に関する研究で連携するトルコの中東工科大学など、海外の大学・研究機関との連携も図る。  定員は各学年12人、計24人とする方向で認可申請を準備し、学部卒業生と社会人を受け入れる。  社会人研究生は、1年目はHAT神戸での講義を中心にフィールドワークも行う。2年目は派遣元の職場に復帰し、集中講義や修士論文の作成に当たる。  既に教員約10人の人選を終え、研究科長には神戸大名誉教授で県立大防災教育研究センター長の室崎益輝(よしてる)氏の就任を予定している。 "[he-forum 19116] 毎日新聞山口1/14","毎日新聞山口版 2016年1月14日付 山口大 16年度から給付型奨学金を創設 返済は不要、学生を支援 OBの七村さん寄付金活用  山口大は、経済的に恵まれない家庭の学生への支援として、2016年度から返還の必要のない給付型奨学金を創設する。岡正朗学長が13日の記者会見で発表した。同大経済学部の卒業生で、インターネット広告会社などを創業した七村(ななむら)守さん(60)の寄付金を基金とする。  「七村奨学金」と名付けた。今春以降に入学か編入し授業料免除を受ける学生が対象で10人程度を想定している。月額7万円で長期休暇がある3、8、9月を除く9カ月分の63万円が1年間に支給される。家庭の経済状況や学生の成績で1年ごとに支給の可否を判断する。  同大の古賀和利総務企画担当理事は「学生が一銭も負担することなく、大学を卒業できるようになることが目標」と話している。 "[he-forum 19120] 富山新聞 1/11 「国立大学の意向投票批判 馳文科相「交付金、厳しく」」","「富山新聞」2016年1月11日付け朝刊 国立大学の意向投票批判 馳文科相「交付金、厳しく」 本社で考え  馳浩文部科学相は10日、新年あいさつで富山新聞金沢本社を訪れ、飛田秀一会長と 懇談した。国立大学法人に対する運営費交付金に関し、馳氏は「学長や学部長、病院 長などを決める際、組織内で意向投票をしている大学はガバナンス(統治)の観点か ら改革の意思があるのか疑問だ。配分に関しては厳しく評価する」と述べ、国立大の 多くで導入されている「意向投票」に批判的な考えを示した。  馳氏は、学校教育法などが改正されたのは学長主導の大学改革を促すためだと指摘 し、「民間企業で社長を決めるのに、社員で意向投票をするのか。ルール上は否定し ていないが、そんなことをやっている大学を高く評価することはできない」と強調した。  さらに、大学の収入確保に関する「財源獲得のため、学長が、教授全員に科学研究 費補助金(科研費)の申請を出させるぐらいのことはあってしかるべきだ」と述べ、 学長に強いリーダーシップを持つよう求めた。 -- "[he-forum 19121] 神奈川新聞 1/18 「横国大生、黒服で行進 文系学部見直し反対」","『神奈川新聞』 1/18付け 横国大生、黒服で行進 文系学部見直し反対  政府による国立大の人文社会科学系学部の組織見直しに反対するデモ行進が17日、 横浜・みなとみらい21(MM21)地区で行われた。人間文化課程が廃止される横浜 国立大学の学生ら約70人が喪服をイメージした黒い服装で抗議の意思を示し、「『社 会の役に立たない』と見直しを求めることは勝手な理想の押し付け」と政府の姿勢を批判。 「個」を大切にし、多様な価値観を尊重するよう訴えた。  文部科学省は昨年6月、教育養成系と人文社会科学系学部の廃止や組織見直しを求め る大臣通知を出した。横浜国大は2017年度に学部改編し、教育人間科学部の人間文 化課程を廃止する。  デモは昨年12月、当事者の意見を言う機会がないことに疑問を持った同課程の学生 が発案。周囲に呼び掛け、有志で実現にこぎ着けた。  横国大をはじめ、全国的な人文社会科学系学部の廃止や縮小などの流れに「哀悼の意」 を示すとして、参加者の多くは黒服姿。花束を持ち、黙とうしながら、トランペットを 吹いたり、太鼓を打ち鳴らしたりして練り歩いた。  主催した同課程4年の本村宗一朗さん(23)は「政府は実際に勉強している学生の 存在を無視している。『社会が必要とする人材を育てる』という一方的な考えにも違和 感を持つ」と指摘。大学では「各自が社会の枠組みにとらわれずに研究し、多様な価値 を広げていく大切さを学んだ」と強調し、人文社会科学系学部の重要性を訴えた。 -- "[he-forum 19125] 長崎新聞1/22","長崎新聞 01月22日のニュース(科学・環境) 女性、若手研究者を増加 第5期科学技術基本計画(01/22 10:28)  政府は22日、女性研究者の採用を増やし、若手研究者の雇用を安定させるための数値目標を掲げた第5期科学技術基本計画を閣議決定した。2020年度までに、新規採用に占める女性研究者の比率を30%に高め、若手の大学教員を10%増やすことを目指す。  計画は、日本が持続的な経済成長と地域社会の活性化を実現するために、科学技術分野でイノベーションを起こす力を持ち続けることが前提になると指摘。 16~20年度の5年間で人材育成のための環境整備を進め、科学技術の基盤的な力の底上げを目指す。 "[he-forum 19124] 日本経済新聞1/22","日本経済新聞 2016/1/22 11:04 科学技術研究に5年で26兆円投資 政府基本計画を閣議決定  政府は22日の閣議で、2016年度から5年間の国の科学技術政策の指針となる第5期科学技術基本計画を決定した。IT(情報技術)を活用したイ ノベーションを進め、人工知能やビッグデータ解析、ロボットなどを戦略的に開発する。政府の研究開発投資として国内総生産(GDP)の1%、5年間で計 26兆円を投じるとの目標を盛り込んだ。  島尻安伊子科学技術相は、閣議後の会見で「科学技術は経済をけん引するエンジン。国を挙げて振興したい」と話した。 "[he-forum 19123] しんぶん赤旗1/22","しんぶん赤旗 2016年1月22日(金) 論戦ハイライト 異常な高学費 自助努力は限界 参院決算委 田村智子議員の質問 実態を示し給付奨学金迫る  日本共産党の田村智子議員は21日の参院決算委員会で、日本の高学費・奨学金制度の実態を告発し、学費値下げと給付制奨学金の創設を迫りました。  安倍晋三首相は「子どもたちの未来が家庭の経済事情によって左右されることがあってはならない」と繰り返しますが、児童のいる世帯の平均所得は 1996年と比べて2013年には約100万円も減少。大学の初年度納付金は10万円も増えています。所得は大幅に下がっているのに学費だけ値上がりが続 いています。  田村 総理、この学費はあまりに高い。多くの家庭で自助努力の限界を超えている。  首相 家庭の経済状況によって大学等進学率に差があると各種調査で示されていることは認識している。  首相は来年度予算でも対策をとっていると強弁しました。  経済協力開発機構(OECD)は高等教育の授業料水準と公的補助水準の高低を四つのモデルに分類し、日本、韓国、チリは「高授業料・低補助」に該 当します。韓国は2008年から生活保護受給者から低所得層、中所得層へと給付制奨学金制度を拡大。チリは昨年、低所得層の授業料を国立・私立とも無償化 することを決定。日本はOECD諸国の中でも高学費であり、公的な給付制奨学金制度もありません。  田村 総理がいう地球儀を俯瞰(ふかん)した時、日本の「高学費・低補助」はあまりに際立つ。  馳(はせ)浩文科相 奨学金を含む教育費の負担軽減策は、国によってさまざまな制度があり一概に比較できない。奨学金や授業料減免の充実をはかる。  田村氏は、授業料免除などを受けても1日8時間ものアルバイトや奨学金の借り入れをせざるを得ない学生の実態をつきつけました。  首相は「学生の負担減免に努めている」と弁明。田村氏は「結局学生への国の支援は奨学金の貸し付けしかない」と批判しました。  奨学金貸し付けで多額の借金を抱える若者が増えています。  日本学生支援機構の奨学金借り入れ総額が500万円以上の貸与者は、10年度の7431人(4・4%)から14年度2万2341人(8・7%)へと急増。田村氏は「ギャンブルをしたわけでも浪費をしたわけでもない。大学や大学院で学ぶための借金だ」と強調しました。  ドイツの貸与制奨学金制度は半額給付・半額貸与が原則で、総額140万円を超える分は返済免除されます。  田村 返済総額を減らす支援があって初めて奨学制度といえるのではないか。  文科相 給付型奨学金の導入は今後の課題として検討する。  財務省は国立大学の授業料値上げの議論が必要だという立場です。  参院予算委員会の審議で文科相は「給付制奨学金は必要だ」との答弁をくり返し、首相も「馳大臣が言われた通りだ」とのべてきました。  田村 総理が「若者の未来が家庭の経済状況に左右されることがあってはならない」と叫んでも、それはカラ文句でしかない。この場で、給付制奨学金に向かう、検討を開始すると約束せよ。  首相 給付型奨学金について、われわれは政策の選択肢としてとらないといっているわけではない。= "[he-forum 19122] しんぶん赤旗1/22","しんぶん赤旗 2016年1月22日(金) 参院決算委 田村氏 高学費・低補助を告発 給付制奨学金の創設 早急に  日本共産党の田村智子議員は21日の参院決算委員会で、日本の大学の異常に高い学費負担の実態を告発し、給付制奨学金の創設にただちに踏み出すよう求めました。  日本は経済協力開発機構(OECD)の分類でも「高授業料・低補助」の国となっています。同分類のチリでは昨年、低所得層の授業料を国立・私立とも無償化していくことを決定しました。日本は高学費に加え、国としての給付制奨学金制度もありません。  田村氏は、こうした「高授業料・低補助」の結果、低所得層は大学進学からはじき出され、大学進学してもアルバイトと奨学金の返済に苦しめられてい る若者の実例を告発。貸与型の奨学金によって多額の借金を抱える学生が年々、増加している実態も示し、「もう給付制奨学金に踏み出すしかない」と迫りまし た。  安倍晋三首相は「財源の確保、対象者の選定など導入するにはさらに検討が必要だ」と表明。「政策の選択肢としてとらないといっているわけではない」と答えました。= "[he-forum 19126] 毎日新聞1/24","毎日新聞2016年1月24日 07時30分(最終更新 1月24日 11時48分) 国立大45病院 資金提供元8割示さず 計525億円分 民間から国立大学病院への資金提供  全国の国立大学病院が昨年初めて公表した民間企業などからの資金提供の状況(2014年度分)を毎日新聞が集計したところ、総額は約692億円に上り、 このうち提供元が明示されているのは24%にとどまることが分かった。提供元が分かるのは主要な製薬企業だけで、医療機器メーカーや研究資金を助成してい る財団法人などは全て「その他」の扱いで名前が伏せられている。そうした企業や団体の中には、自主的に支出先と金額を公開しているケースもあり、大学病院 側の情報開示に対する消極姿勢が目立つ。 <国立大病院、資金開示>不透明感なお強く 機器メーカーなど対象外 民間から提供された資金の内訳  開示したのは医学部を持つ国立42大学の45病院。降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑を巡って研究者と企業との不透明な資金関係が 問題になったことなどを受け、国立大病院長会議が14年6月に定めたガイドラインに沿って、ホームページなどで公表した。公立大や私立大の病院は対象外。  受領した資金は、契約に基づく受託研究などの研究開発費▽研究振興などを目的とした奨学寄付金▽研究者個人に支払う講師謝金や原稿執筆料、コンサルティ ング料▽接遇費--などに分類され、総額は692億7700万円。このうち76%の525億5000万円は、提供元の名前が出ていなかった。  大学病院側が名前を開示したのは、業界団体「日本製薬工業協会(製薬協)」の加盟社からの提供分のみ。製薬協は病院側より早い12年度分から、奨学寄付 金や原稿料などを渡した研究室や個人名を公表するガイドラインを設けており、受け取る側もそれに対応した形だ。一方、製薬協非加盟の製薬企業や医療機器 メーカーの一部も同水準の情報開示を始めているが、病院側は公開していない。  医療や生命科学の研究では近年、公正さを担保するために、利害関係のある企業との金銭面などの関連の有無を透明化する動きが強まっている。バルサルタン 問題が出てからはさらに加速し、政府は資金提供の情報開示を製薬企業に義務付ける新法の今国会提出を検討している。  国立大病院長会議代表の山本修一・千葉大病院長は「資金提供に関する情報開示は社会の要請だと認識している。今は公表に同意した製薬企業に限っているが、将来的には開示の範囲を広げられるよう検討したい」と話す。【河内敏康】 解説 率先し情報開示を  国立大病院が民間から受け取った資金のうち、主要な製薬企業以外の提供元を非開示としたのは「提供先を公開していない企業・団体から開示の同意を一つずつ取り付けるのは、手間を考えると現状では難しい」(山本修一・千葉大病院長)からだという。  だが、医療機器メーカーの業界団体「日本医療機器産業連合会」は製薬企業の団体と同様のルールを作り、全てではないものの、2014年度には約250社 が公開を始めている。公募で選んだ研究者への助成額を公表している財団もある。「同意取り付けが困難」との主張は説得力を欠く。  バルサルタン事件などを受け、研究者と企業との関係に厳しい目が向けられている現状を考えれば、そもそも病院側が率先して開示すべきだが、それでも「提 供元の同意が必要」というなら、全ての資金提供を目的が明確な契約の形にしたり、公開を前提としなければ受けないという条件にしたりすれば透明性は高ま る。信頼回復に向け、公立・私立大病院も含めた意識改革が望まれる。【河内敏康】  【ことば】バルサルタン臨床試験疑惑  ノバルティスファーマの主力商品だった降圧剤バルサルタンに脳卒中予防などの効果があるかを確かめるため5大学が実施した臨床試験に、ノ社の社員が関わ り、ノ社が奨学寄付金を出していたことが発覚。京都府立医大などでは試験データが操作されていたことも判明し、医学界と製薬業界を揺るがすスキャンダルに 発展した。データを操作したとされた元社員は14年7月、薬事法違反(虚偽広告)で起訴され、法人としてのノ社とともに東京地裁で公判中。 "[he-forum 19128] 読売新聞島根1/23","読売新聞島根版 2016年1月23日付 医師不足 依然続く ◇県調査、県内の充足率は76・5%  県は、2015年の勤務医師の実態調査結果を発表した。県内の医療機関が必要とする医師数1222・3人(前年比8・8人増)に対して935・4人(同15・4人減)、充足率は76・5%(同1・9ポイント減)で、依然として医師不足の状況が続いている。(土屋吾朗)  島根大医学部付属病院を除く51病院と40診療所について、今年4月の医師の必要数と、昨年10月1日現在の医師数を調べた。  県内を7地域に分けた2次医療圏別の充足率は、82・7%(同0・7ポイント増)の松江、80・1%(同4・3ポイント増)の益田以外、すべて低下。最も低いのは雲南の62・5%(同1・1ポイント減)で、次いで浜田63・8%(同8・1ポイント減)、大田68・7%(同1・6ポイント減)だった。  医師数は、浜田と出雲の減少が目立ち、浜田は11・7人減の112・8人、出雲は10・1人減の215・5人だった。  充足率を診療科別で見ると、救急(53・2%)、リハビリテーション科(58・5%)、耳鼻咽喉科(61・5%)、皮膚科(66・7%)、眼科(67・4%)、泌尿器科(67・8%)が70%を下回った。  県はこれまでも、県内の医療機関勤務に興味のある人を登録する「赤ひげバンク」を設置。積極的に県外の医師と面談するなどして、医師を呼び込もうと努め、13年度は9人、14年度は10人を招くことにつながった。  医師を育てる取り組みも続けている。県内の医療機関で一定期間勤務すれば奨学金の返還が免除される医学生向けの制度や、地域医療の魅力を伝える島根大での寄付講座、「しまね地域医療支援センター」で若手医師の研修やキャリア形成を支援するなどの対策を実施している。  しかし、医師の充足率は過去10年間、07年の80・2%を最高に、77%前後が続いており、医師不足の状況に大きな変化は見られない。  県医療政策課は、医師不足が続く要因として、医療の専門性が高まっていることに伴い、医師の必要数が増えていることを挙げる。同課は「学生や研修医が医師として育つには一定の年数が必要。これまでの取り組みを地道に続けていきたい」としている。 ◇看護職員低下 目立つ隠岐  県は、県内51病院を対象にした昨年の看護職員の実態調査結果も発表した。今年4月の必要数6383.0人(前年比43.7人増)に対し、昨年10月1日現在の人数は6107.5人(同13.5人増)で、充足率は95.7%(同0.4ポイント減)だった。  充足率を圏域別に見ると、隠岐の低下が目立ち、6.7ポイント減の92.4%だった。最も低いのは雲南の91.7%(同2.2ポイント増)、最も高いのは出雲の96.5%(同0.9ポイント増)だった。  必要数は、33.5人増の出雲など5圏域で増えた。県医療政策課は、夜勤態勢の充実や産休・育休取得者の増加、病床利用率拡大への対応が要因とみている。 "[he-forum 19127] 読売新聞富山1/22","読売新聞富山版 2016年1月22日付 医師不足、確保へ奔走  医師不足に悩む県内の病院が、医師の確保に懸命だ。郊外の病院が常勤医を呼び込む戦略に知恵を絞る一方で、都市部の病院は実習生の受け入れ態勢を手厚くするなど、地域の事情に合わせた手法で医師獲得に奔走している。富山市周辺を除くと、県内は人口10万人当たりの医師数が、全国平均を大幅に下回る状態が続いている。  朝日町が運営する「あさひ総合病院」(朝日町泊)では、2006年度に17人いた常勤医が、今年1月には11人に減った。高齢者が多く受診する整形外科は1人だけの常勤医が診察するため、患者の待ち時間が長くなった。婦人科の常勤医はゼロ。199床あるベッドも、08年から5階病棟(49床)を閉鎖した。  14年度からは医師の手当を拡充したが、常勤医は増えていない。病院の担当者は「実績や専門性を求める若い医師は、地方の病院には行きたがらない」と嘆く。  こうした中、朝日町は1月、富山大大学院に寄付講座を開設した。18年3月末まで、町が4500万円を寄付する代わりに、講師を務める医師2人に定期的にあさひ総合病院での診療や地域医療の調査・研究に取り組んでもらう。17年度中には、一戸建ての医師公舎3棟の建設も検討している。  同病院の道用慎一事務部長は「当面の医師を確保しながら、富山大との関係を強化して、将来は常勤医を招き入れたい」と期待する。             ◎  一方、都市部の病院も若手医師らのつなぎ留めに懸命だ。3年連続で研修医がゼロとなっていた富山赤十字病院(富山市牛島本町)は今年度、実習にきた医学生に新たに「世話役」の職員を配置し、学生の悩みや要望を丁寧に聞き取った。  また、救急救命の専門医がいないことが、これまで医学部卒業生の研修先として敬遠されてきた一因となっていると分析し、東京・武蔵野赤十字病院での救急医療を臨床研修プログラムに追加した。  こうしたきめ細かな対応の結果、今春は研修医の定員5人を満たすことができた。研修を担当する同病院の黒川敏郎血液内科部長は「学生の目線になって話を聞いてあげることが大切だ」と語る。                 ◎  県医務課によると、14年末現在、県内の医療施設に従事する医師数は2513人。富山市周辺の富山医療圏では、人口10万人当たりの医師数が279・4人と全国平均の233・6人を上回ったものの、他の地域では砺波202人、高岡192・6人、新川195・2人と3医療圏で全国平均を下回る。富山市周辺など都市部の病院に医師が集中する一方で、朝日町など周辺地域では医療過疎の状態が恒常化している。  県医務課の担当者は「まずは県内全体の医師の数を増やし、その後に地域差の解消を図りたい」と話している。 "[he-forum 19131] 岩手日報1/23","岩手日報 2016年1月23日付 「人材塾」設置で協力協定 盛岡市と東北大大学院  盛岡市で2016年度、ビジネスリーダーを育成する「地域イノベーションプロデューサー塾」など2塾を開講する東北大大学院経済学研究科地域イノベーション研究センター(仙台市青葉区)と盛岡市の連携協力協定の調印式は22日、盛岡市役所で行われた。  同研究センターは、同市大通3丁目の市産業支援センターに同プロデューサー塾の盛岡サテライトを開設。金融機関職員や商工会議所経営指導員を対象に、高度な支援力を養成する「地域イノベーションアドバイザー塾」も開く。  両塾とも5月から3カ月間、隔週火曜と隔週土曜に実施。本校にも通うがテレビ会議方式での受講がメーンとなる。  16年度受講生は2月15日から3月4日まで募集。問い合わせは同研究センター(022・217・6265)へ。 "[he-forum 19130] 東京新聞夕刊1/23","東京新聞 2016年1月23日付夕刊 最低返還額 月2000~3000円 奨学金「所得連動型」骨子固まる  大学、専門学生らの約四割が利用する日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金貸与事業で、卒業後の所得に応じて柔軟に月々の返還額を決める「所得連動返還型奨学金制度」の導入に向けた文部科学省の有識者会議が二十二日、東京都内で開かれ、制度の骨格が固まった。月々の最低返還額は二千~三千円となる見通し。新規で無利子の「第一種奨学金」を二〇一七年度から借りる学生が対象になる。 (栗田晃)  現行では、所得にかかわらず、一律の返還額(最高月額一万四千四百円)が設定され、返還困難者から「負担が重い」との声もあった。  新制度は、マイナンバーを利用して個別の所得を把握し、その9%程度を年間の返還額として算出。ただ、年収がゼロでも、月額二千~三千円の返還を求める。また現行の返還方法も残し、貸与者自身で選択する。現在、年収三百万円以下の場合に最長十年間認められている返還猶予は、維持する方針。  会議の主査を務める東京大大学総合教育研究センターの小林雅之教授は「返還者の多数を占める年収三百万~四百万円の層に、負担軽減となる制度にしたい」と話した。  一七年度の新規貸与者を受け付ける一六年度の早い段階までに、具体的な数字を詰める。新制度は有利子の「第二種貸与者」、また現在の貸与者、返還者には適用されない。 <奨学金の返還> 日本学生支援機構の奨学金事業では近年、利用者からの返還が滞るケースが増加している。利用者や親などに一括返還を求める訴訟は、機構が発足した2004年度の58件から、12年度は100倍超の6193件に激増。就職難や非正規労働の増加で、所得が低下していることが背景にある。返還困難者の支援団体は、返還の必要がない「給付型」の早期導入を求めている。機構の15年度予算では、奨学金の貸与者は約134万人、貸与額は1兆1000億円。このうち、無利子の「第一種」は46万7000人が利用している。 "[he-forum 19129] 沖縄タイムス社説1/22","沖縄タイムス社説 2016年1月22日付 [県の給付型奨学金]人材の先行投資に期待  沖縄県が、全国でも珍しい教育支援に乗り出す。  県外大学進学者への「給付型奨学金」の創設だ。来年度から募集を始め、2017年度から支給開始予定。1人月額7万円程度を4年間、初年度の募集枠は1学年25人を想定しているという。本土と海を隔てる島嶼(とうしょ)県のハンディ克服や子どもの貧困問題解決策として評価できる。  翁長雄志知事の選挙公約の一つで「県子どもの貧困対策に関する検討会」も創設を提言していた。社会に渇望された制度であり、着実な実施に期待したい。  日本は、諸外国に比べ大学の授業料が高いと指摘されている。比較的安い国立大学でも初年度は入学金を合わせ約80万円。私大文系で120万円、同医学系では470万円とのデータもある。沖縄から本土への進学は、さらに渡航費や住居・生活費が加わる。  重い負担を背景に奨学金利用者は急増している。文部科学省が12年公表した資料によると、18歳人口は毎年120万人と横ばいだが「日本学生支援機構」の奨学金利用者数は増加。14年度予算ベースで年141万人に達した。  ほかの制度も合わせると大学生の約半数が何らかの奨学金を利用しており、奨学金が無ければそもそも進学は厳しいとの実態も見える。  県内ではこうした傾向に近年、利用者の低年齢化が顕著だ。県国際交流財団が05年度から始めた高校生の奨学金応募は、12年度に過去最多を更新した。貧困家庭の増加が懸念される近年だが、さまざまな数値からは、そうでなくとも教育費の負担に多くの家庭が堪えきれていない現状が浮かぶ。 ■    ■  利用者の増加に伴い増えているのが「返済苦」だ。日本では奨学金の9割が「貸与型」のため、利用する学生の中には、卒業時に数百万円の「借金」を抱えることも珍しくない。しかし、非正規など不安定雇用の増加を理由に、返済できない人が増えているという。  返済が必要ない「給付型」は全体の8%と圧倒的に少ない。アメリカ34%、イギリス62%に比べても際立ち、日本の奨学金制度の構造的な課題が浮かび上がる。  朝日新聞と河合塾が昨年実施した調査によると、全国の大学の74・8%が給付型を備えるが、募集人員は学生全体の6・5%にとどまる。そんな背景を基に、大学側からも給付型奨学金創設の必要性の声があがる。 ■    ■  先の大戦で荒廃を極めた沖縄ではかつて、国が本土の大学への進学を支援する「国費留学生」制度があった。1980年まで実施され、そうして進学した学生の中には、得た知識を沖縄に持ち帰ることで復興に貢献した人も少なくない。  給付型奨学金は人材への先行投資であり、教育への投資が、将来の豊かな社会へつながることは実証済みだ。であれば創設を第一歩として、今後は県内大学や短大など対象の拡充が求められる。  ニーズが一地域に限らないとすれば、国レベルの創設も急ぐべきである。 "[he-forum 19132] 朝日新聞1/24","朝日新聞 2016年1月24日13時51分 学術論文、ネットで原則公開へ 公的資金使った研究対象 阿部彰芳  公的資金を使った研究について、政府は学術論文やデータをネット上で原則公開させる方針を決めた。国内の科学技術関連予算は年間約4兆円に上るが、論文の多くは有料の商業誌に掲載され、自由に閲覧できない。成果を社会で広く共有し、研究の発展を促す狙い。  国内の大学や研究機関が関わる科学技術の論文数は年間7万本を超える。米国や英国で公的資金を使った研究論文の公開義務化が広がっており、日本でも進める。22日に閣議決定した第5期科学技術基本計画(2016~20年度)の期間中に実施を目指す。  国の研究費を配分する科学技術振興機構や日本学術振興会が大学などに研究資金を出す際、論文の公開を条件にする方法などを検討している。研究者は、論文を無料で読める電子雑誌に投稿するか、有料の雑誌に出す場合は大学などが設ける専用サイトで、ほぼ同様の内容を無料で読めるようにする。  STAP細胞などの研究不正が相次いだことなども受け、論文の根拠となったデータも公開の対象とする。知的財産などに問題のない範囲が対象で、データを管理、検索できる基盤作りを国立情報学研究所が中心になって進める。多くの人が論文やデータを目にしやすくなれば、成果の活用が進み、研究の透明性も高まると期待されている。  ただ、無料公開の電子雑誌に掲載するには、著者が数万~数十万円の費用を出版社に払う必要がある。大学などの専用サイトに載せる場合、出版社側から公開の猶予を求められ、公開の時期が遅れる可能性もある。  京都大と筑波大はこの方針を先取りし、雑誌に載った論文などを学内の専用サイトに登録、公開する方針を今年度に打ち出した。  文部科学省で公開について検討する委員会の委員を務める西尾章治郎・大阪大総長は「公開が進めば、異分野のデータが組み合わさって新たな研究領域をひらきやすくなる」と話している。(阿部彰芳) "[he-forum 19133] 朝日新聞(山形)1/27","朝日新聞山形版 2016年1月27日10時22分 山形大、経済効果は665億円  ◆ 民間調査、雇用8293人  山形大学が県内に及ぼす経済波及効果は665億円、雇用効果は8293人。同大の委託を受けて調査した民間シンクタンク・フィデア総合研究所(本社・山形市)がそんな数字をはじき出し、26日、大学の会見で発表した。  調査は昨年5月現在の学生数8873人、教職員数2248人をもとに、大学が提供した決算資料や学生の居住実態、大学生協による学生生活実態アンケートの結果などを参考にして、小白川、飯田、鶴岡、米沢の4キャンパスそれぞれの経済活動を分析した。  経済波及効果665億円の内訳は(1)図書や研究資材の購入などの教育・研究活動が212億円、(2)学生や教職員の食費や家賃など消費活動が266億円、(3)校舎など施設の整備に109億円、(4)医学部付属病院を訪れる患者らの消費など、その他の部門が77億円。  市町村別では、小白川・飯田の2キャンパスがある山形市が121億円と最も多く、米沢市13億円、鶴岡市2億円。キャンパスのないその他の市町村が529億円となっている。  665億円は、鶴岡市の今年度の一般会計当初予算よりも大きく、この額にもとづく雇用効果は8293人分に相当する。  フィデア総研の斎藤信也主任研究員は「山形大はキャンパスが分散しており、地域に広く経済効果が行き渡っているのが特徴」と分析する。  同大の小山清人学長は「大学が県内で重要なポジションを占めていることを近隣の方々にも理解していただきたい」と大学の地域貢献を強調した。(米沢信義) "[he-forum 19135] NHKニュース1/29","NHKニュース 2016年1月29日14時46分 大学入試新テスト 年複数回実施見送りへ  今の大学入試センター試験を廃止して平成32年度から実施する予定の新たなテストについて、文部科学省は記述式の問題の採点などに最長で60日程度かかるという試算を示し、このテストを年に複数回実施することは見送る方向で検討していくことになりました。  大学入試の改革に向けて文部科学省は今の大学入試センター試験を廃止して、記述式の問題を盛り込んだ新たなテストを平成32年度から実施する方針です。  このテストについては当初、年に複数回受験できるようにすることが検討されていました。29日開かれた有識者会議で文部科学省は記述式の採点や事前の準備などにかかる時間を試算した結果を示し、問題の難易度や解答の文字数によって、20日から60日程度かかることを明らかにしました。  また、「テストを複数回行う目的は学力を多面的、総合的に評価することだが、記述式を導入することでそのねらいは相当程度、実現する」という考えを示しました。  テストの複数回実施については、これまでも高校の授業日程への影響や、試験会場となる大学側の負担、それに問題の難易度を平準化できるのかなど課題が指摘されており、ことし3月の最終報告に向けて複数回実施を見送る方向で検討していくことになりました。 "[he-forum 19134] 神戸新聞1/30","神戸新聞 2016年1月30日付 神戸大が株式会社設立 研究を事業化、利益還元目指す  神戸大は29日、教員らが出資し、株式会社「科学技術アントレプレナーシップ」を設立したと発表した。今後、教員らの研究成果を事業化するため、同社が出資してベンチャー企業を立ち上げ、同大に利益が還元される仕組みを目指す。  同大が主体となる株式会社設立は初めて。今後、新たに設けた基金(一般社団法人)からも出資する予定。  さまざまな分野の教員から研究の事業化希望を募り、同社が可能性を見極める。その上で、事業を手掛けるベンチャー企業を立ち上げる▽民間会社からの出資を得て事業拡大▽基金を通じて大学に利益還元-という仕組みを構築する。  同大大学院経営学研究科の忽那(くつな)憲治教授はこの日の会見で「事業が軌道に乗れば、新たな研究費用を生み出せる。まずはバイオの分野などで成果を上げたい」と抱負を語った。(上田勇紀) "[he-forum 19136] 河北新報1/29","河北新報 2016年1月29日付 弘前大大学院にスポーツ枠新設 新年度から  弘前大(青森県弘前市)は新年度、大学院医学研究科医科学専攻(博士課程)に「スポーツ医科学・社会医学推進枠」を新設する。スポーツ医科学を通じた社会貢献のほか、地域の健康増進に取り組む人材の育成、輩出を目指す。  同研究科学務グループによると、有名スポーツ選手・指導者などを対象に若干名を募集する。願書の受け付けは2月4~12日必着。試験は同19日に実施する。  試験は生命科学の基礎問題、科学・社会一般に関する小論文(800字以内)のほか、口頭試問を行う。  スポーツ枠新設に伴い、新年度の大学院定員を10人増員し60人に変更した。 "[he-forum 19137] しんぶん赤旗2/4","しんぶん赤旗 2016年2月4日(木) 国立大学費値上げ問題 経過と焦点 畑野衆院議員に聞く  財務省が求めている国立大学の学費値上げ問題の経過と焦点について日本共産党の畑野君枝衆院議員に聞きました。  いま、大学生の学費・奨学金に若者を中心に大きな関心が寄せられています。多額な教育費負担に苦しみ、奨学金の返済に困っている多くの若者がいます。まさに、学費負担の軽減、奨学金の無利子化、給付制奨学金の創設など待ったなしの課題です。 危惧・不安の声  財務省は、昨年10月、財政制度等審議会の場で国立大学が「今後15年間に、(国からの)運営費交付金に依存する割合と自己収入割合を同じ割合と する」とし、「運営費交付金を毎年1%減少させ、自己収入を毎年1・6%増加させることが必要」との提案を行いました。11月の財政審の「建議」では具体 的な数値は明記されていませんが、国立大学については「国費に頼らず自らの収益で経営を強化していくことが必要」とされました。  財務省の提案には国立大学協会が「授業料の引上げと併せて運営費交付金の減額を行うことは、経済格差による教育格差の拡大につながる」「国立大学 の役割を十分に果たすことができなくなることを危惧する」(10月27日会長声明)と述べるなど、多くのみなさんから危惧、不安、懸念の声が出されまし た。  私は、昨年12月1日に衆院文部科学委員会でこの問題を取り上げました。  国立大学の自己収入は寄付金、産学連携の研究費、学費・授業料の三つがあります。私は、寄付金、産学連携の研究費について今後の増額することが可 能なのかとただしました。文部科学省は寄付金については「現在頭打ちの状況にある」、産学連携の研究費については「今後も継続的に増加するということは必 ずしも見込めない状況にある」と答えました。  寄付金、産学連携の研究費の増額が見込めなければ、自己収入の増額を図るためには、学費・授業料を上げざるをえなくなります。 「値上げ必要」と  私が、財務省の提案通りに自己収入を増額させるために必要な授業料はいくらになるのかをただすと、文部科学省は「授業料は約93万円」となり、「現在と比べて約40万円の増加が必要」「年間約2万5千円の値上げが必要」と答えました。  来年度予算案では、国立大学の運営費交付金は法人化以降、はじめて前年同額となり、授業料の値上げも行われていません。これは、大学予算を確保せよという多くの学生、大学関係者などの運動の成果です。  しかし、同時に基幹運営費交付金を毎年1%、約100億円も削減する新たなルールが導入されました。これでは学費値上げに追い込まれる大学も出てきます。引き続き世論と運動を広げ、学費負担の軽減・値下げ、奨学金の拡充などに取り組んでいきましょう。= "[he-forum 19138] 全大教声明2/4","2016/02/04 (声明) 法と事実を枉(ま)げる高裁、地裁の不当判決に抗議し、徹底審理と 公正な判断、また国立大学法人等労働者の労使自治確立を改めて強く求める 全国大学高専教職員組合中央執行委員会 2016年2月4日  2012 年途中から約2年間にわたって、国立大学、高専、大学共同利用機関で働く教職員の賃金の一方的な減額が行われた。この賃下げが政府の国立大学法人制度、独 立行政法人制度の枠を超えた法的根拠なき要請と無法な運営費交付金の減額、これらに安易に追従する法人側の対応によって引き起こされた不当な措置であった こと、もともと例外的に認められるにすぎない就業規則変更による労働条件不利益変更の要件を充たさない違法無効な措置であったこと、震災復興財源捻出を賃 下げ実施及び運営費交付金減額の理由としながら、賃下げ実施後の各法人及び政府の財政運営はその説明を裏切るものであったことは、これまでに発表した声明 等(*1)でも明らかにしてきたし、全大教が全国闘争として取り組んでいる全国11の未払い賃金請求訴訟(*2)のたたかいの中で、ますます現実に明らかになってきている。   ところがこの間、裁判所は国立大学法人等に求められる自主的・自律的な経営や労使自治による労働条件決定の原則を事実上骨抜きにするかのような誤った法解 釈と事実認定を通じて、違法無効な賃下げを行った法人側、ひいてはそのような措置を行わせた政府を救済する判断を下してきた。  昨年後半に出された二つの第一審判決(高エネルギー加速器研究機構事件2015年7月17日水戸地裁土浦支部判決、富山大学事件2015年12月24日富山地裁判決)の うち、前者では法人財政に占める運営費交付金の割合が高いことを理由に政府の要請に反する措置は困難であったとして、また逆に法人財政に占める運営費交付 金の割合が相対的に低い後者では、中期目標・中期計画に基づく施設整備の必要性や剰余金の使途の拘束性などを著しく過大に見積もることを通じて、賃金の不 利益変更を行う「高度の必要性」を肯定した。いずれの判決も、それ以前に出された3判決(国立高専機構事件2015年1月21日東京地裁判決、福岡教育大学事件2015年1月28日福岡地裁判決、京都大学事件2015年5月7日京都地裁判決)と 同じく、単に労働者の生活と権利を軽く扱うだけでなく、各法人が自主的な経営努力と健全な労使自治に基づいてその設置目的を果たすことを求めた国立大学法 人等の制度趣旨を否定しかねない点でも不当な判決である。また、高エネ研事件の判決については、労働協約の拘束力の軽視、賃下げに並行して行われた退職金 減額の不利益の甚大さや退職給与の持つ賃金の後払い的性質の軽視という点でも看過しえない不当性をもつ。  我々は、先行する訴訟の判断や国立大学法人等と政府との関係への通俗的な理解に寄りかかったこれらの地裁判決に抗議するとともに、なお続行する第一審訴訟で各地の地方裁判所が裁判官の独立と良心にかけて、公正な判断をすることを強く求めるものである。     上に挙げた5つの第一審での不当判決に対しては、いずれも原告団がこれを不服として控訴し、審理は高等裁判所に移された。そのうち2つの事件について、原 告側からの証人申請の却下、新たな主張立証のための弁論続行の申入れの却下、さらに弁論再開申立の却下など一方的かつ強権的な訴訟指揮がされる中で、控訴 審判決が出されている(福岡教育大学事件2015年11月30日福岡高裁判決、国立高専機構事件2016年1月13日東京高裁判決)。   これら判決の内容は、上に述べたような審理を尽くそうとしない訴訟指揮のあり方が判断にそのまま現われたものであった。第一審判決をほぼ丸ごと肯定し、原 告側の控訴審での追加的な主張・立証――原判決での法人の中期計画に関する事実認定の誤り、法人財務諸表等に基づけば賃下げ回避は可能であったとの専門家 の意見、原判決は労働法令の従来の解釈を逸脱するものであるとの専門家の意見など――を原判決と同様な論理立てで切り捨てるのみで、良くも悪くも控訴審独 自の判断はほとんど見当たらない。つまり、それぞれの事件の第一審判決の不当性がそのまま維持されたものであった。   我々は、裁判を受ける権利を十分保障せず、控訴審の審理を一方的に打ち切って第一審の不当な判断を擁護したこれら高裁判決に抗議するとともに、現在続行中 の京都大、高エネ研の各控訴審訴訟、これから開始される富山大の控訴審訴訟で、裁判所が徹底して審理を尽くし、第一審の不当な判断を覆すことを強く求める ものである。   我々が給与臨時減額措置に対する未払い賃金請求訴訟を全国闘争として取り組む目的の根本は、さきの声明でも述べた非公務員化、法人化された国立大学法人等 の運営と労使関係を支える次のような当然の基本的原理を確認し、かつ大学・高等教育の現場、労使関係の現場においてこれらを現実のものにすることにある。 「国 立大学法人等は、高等教育を行い学術研究を推進するというその設置の目的を果たすべく、国の中期目標・中期計画を通じた関与や事業実施に必要な財政措置を 受けながらもみずから自律的な経営判断を行う当事者能力をそなえた、独立した経営体である。そこで働く労働者の権利は、労働基準法、労働契約法等の一般労 働法制のもとで適切な保護を受けるものであり、その中での労働条件の決定は労使間の自治によって行われなければならない。国立大学法人等のこうした自主 性・自律性、そのもとでの労使自治、また高等教育機関に保障されるべき自治の精神に基づいて、独立行政法人通則法など関係法令の規定が解釈され、そのもと での政府の措置が規律されなければならない。」  全大教は、これらの基本的原理の確認の上に立って国立大学、高専、大学共同利用機関ではたらくすべての労働者の生活と権利を擁護するために、法廷の中でも、またそれぞれの職場や地域社会など法廷の外でも、たたかいを継続する決意を表明する。 以上 "[he-forum 19139] 全大教声明2(2/4)","全大教 声明 2016/02/04 (声明)大学教員の処分手続きおよび内容の適正化を求めます ~ 大学教員の身分保障は学生の教育権を保障し学問の自由を守るために必要なものです ~  最近、国立大学において、教員が長期間の停職など重い懲戒処分を受け、なかには解雇されるという事件が立て続けに発生しています。これらの事件の中には、処分手続きが不十分、あるいは処分内容が恣意的と疑われる事案が含まれています。 たしかに、大学教員による研究不正や、学内外における犯罪行為・社会通念上許されない行為が発生する場合もあり、そうした事案に対しては、身内をかばうということでなく、厳正な審査の上で公正な処分が行われなければならないのは当然です。 し かしながら、不十分あるいは恣意的な手続が疑われる事案が発生する背景には、学校教育法の「改正」(註1)によって、相当数の大学において、教員の不利益 処分や懲戒を含む教員人事事項が教授会の審議事項から外され、さらに大学によっては、教員の処分に学長・役員会の意向が直接反映されやすくなるよう人事委 員会(あるいは懲戒委員会)等の構成等が変更されている、などのことがあります。学長・役員会が、社会からの非難を恐れ、あるいは学内の政治的思惑から、 厳正・公正な調査と審査を経ずして処分権を発動しているのではないか、また、処分の量定において過度の厳罰主義に陥っているのではないか、と疑われる事例 もみられます。 私たちは、こうした傾向に危惧を覚えます。 恣 意的、不公正な審査によって教員が不当な処分を受けるといった事態は、それが教員本人の身分・労働条件についての重大な問題であるとともに、教育を受ける 学生の教育権の問題でもあります。現に教育を受けている教員の突如の変更や、かつて教育をうけた教員に対する理不尽な処分による名誉の毀損は学生にも及 び、学生の人生にとっても非常に大きな不利益となります。 軽々に教員の身分が不利益に変更されることがまかり通ることは、学問の自由に触れる問題です。それは、教育、研究内容を萎縮させ、そのことは学術全体の歪みにつながっていきます。 私 たちは、国立大学においては教育公務員特例法の対象外となった現在でも(註2)、教員の身分に関わる審査は、教員代表が構成する教育研究評議会において慎 重な審査が行われることが必要であり、学長・役員会はその審査を最大限尊重すべきと考えています。その審査は、必要かつ十分な事実調査の上になされなけれ ばならず、それは厳正であり専門的見地からなされるよう、公正な構成をもつ調査委員会においてなされていなければならないと考えています。 国 立大学法人においては、現在でも学校教育法によって、教授会において教員人事について審議することが求められており、国立大学法人法により教育研究評議会 の審議事項であることを確認されなければなりません(註1及び註3)。こうした厳正・公正な手続きが、慎重に進められたうえで、適正な処分が行われるよう に求めます。 大学自身が、自ら社会に対して責任をもって説明をすることができる十分な自浄機能を持ち発揮し続けることが、社会からの付託にこたえることであり、学術を守り育てる責任を果たすことであると確信しています。 学長・役員会には、こうした考えを共有し、ともに大学・学術を守っていくことを求めます。 2016年2月4日 全国大学高専教職員組合中央執行委員会 -- 註 1)2015 年の学校教育法の「改正」によって教授会の審議事項に関する定めがなされた。その中でも、同法第93条第2項第3号の「教育研究に関する重要な事項で、教 授会の意見を聞くことが必要なものとして学長が定めるもの」の一として、同法の施行通知(文部科学省)で「学校教育法第93条第2項第3号の「教育研究に 関する重要な事項」には,教育課程の編成,教員の教育研究業績の審査等が含まれて」いると明示されている。 2) 教員の身分に関わる決定については、かつて、国立大学が法人化される以前は、教育公務員特例法によって、「転任・降任・免職」については、「評議会の審査 の結果によるのでなければ、意に反して転任・降任・免職されない」、「懲戒」については、「評議会の審査の結果によるのでなければ懲戒処分を受けない」、 と、いずれも評議会の審査が要件であった。 法人化によって、国立大学教員の身分が非公務員となった。このことにより自動的に、教育公務員特例法の適用の対象外となった。 しかし、公務員法制の適用から外れたことで、ただちに教員に対するこれらの不利益処分を教員代表機関の審査に付す必要性がなくなったわけではない。 教 育公務員特例法によって、教育に携わる公務員である国立大学教員の身分が「特例」とされていたのは、公務員一般の身分と同等に任命権者の意思によって処分 を受けることは大学の自治を侵害し学問の自由を危うくすることにつながりかねないので、それを排除するために、人事権を大学に、しかも専門的見地から十分 に審査するために、教員組織である(教育研究)評議会に置いたものである。この法の趣旨は現在でも非常に重要であり、大学においてはそれぞれの自治の判断 で、組織的に十分な審査を進めることを旨とし、教育研究評議会における審議を実質的に十分に行うことを定めて、実施していくことは必要である。 3) 国立大学法人法では、教育研究評議会についてその審議事項の一として、第11条第4項第4号に「教員人事に関する事項」をあげている。この「教員人事に関 する事項」には当然ながら懲戒に関することも含まれている。にもかかわらず、実際の運用でそのようになっていない大学があり、このことは重大な問題である と考える。さらには、教育研究評議会の構成が、専断的大学運営を行う学長の意向に沿う形で、教育研究に関する重要事項を審議するに相応しい公正な構成とは いえない状況にさえなっている国立大学法人も見受けられる事態は、大きな問題である。 "[he-forum 19143] 琉球新報社説2/6","琉球新報社説 2016年2月6日付 子の教育費 低所得者向け支援拡充を  低所得層の教育費負担を軽減させる取り組みが急がれる。  沖縄振興開発金融公庫が2014年度の教育資金利用者の調査報告をまとめた。大学や専修学校などへの進学資金を借り入れた世帯で年収に占める入学費用の割合は59・9%に上った。離島では実に70・9%だ。教育費が家計を大きく圧迫している実態がうかがえる。  低所得世帯はかなり厳しい。年収200万円未満世帯では教育費の割合が110・3%と、年収を上回る。離島に限ると129・3%にもなる。極めて深刻な状況と言えよう。  資金利用者の平均年収は379万円余で、国の教育ローンを利用した全国調査の平均631万円余の6割にとどまる。沖縄は県民所得が全国最下位である半面、子どもの割合は全国で最も高い。所得格差が教育費の過重負担に直結していることは明らかだ。  低所得者向けの教育資金支援を各方面で進める必要があろう。金融機関は金利優遇などを拡充させてほしい。家計管理支援などの取り組みも有効だが、何より求めたいのは返済義務のない公的な給付型奨学金制度の創設・拡充だ。  少子化を背景に大学などの学費が高騰し続ける一方で、長引くデフレや非正規雇用の拡大などの影響で収入は伸び悩んでいる。学生の2人に1人が奨学金を利用していると言われるが、そのほとんどが貸与型だ。卒業と同時に、学生が数百万円の借金を背負うことが問題化している。  教育支援施策について県は、高校のない離島から本島への高校進学者向けの寄宿舎を1月に開所した。新年度には県外大学進学者向けに給付型奨学金を創設する。  こうした施策は評価できるが、まだ不十分だと言わざるを得ない。県内進学者向けの給付型奨学金をはじめ、困窮世帯への支援策などをもっと大胆に拡充すべきだ。  今回の沖縄公庫調査では、所得が低くても子どもを大学などに進学させたいという人たちが沖縄は全国に比べても多いという傾向も表れた。ただ経済的な理由から進学を諦める人たちも相当数いるに違いない。  沖縄と全国の大学進学率の格差は復帰した1972年に3ポイント弱だったが、2013年時点で15ポイントにまで広がっている。  経済格差が教育格差につながるような状況を、一刻も早く是正しなければならない。 "[he-forum 19142] 日本経済新聞2/5","日本経済新聞 2016年2月5日 奨学金の返還額下限、月2000~3000円 所得連動制度で骨子案  奨学金の月々の返還額を卒業後の所得に連動させる新制度を巡り、文部科学省の有識者会議は5日、返還額の下限を月2千~3千円とする骨子案をまとめた。年間の返還額は所得の9%か10%とする方針で、今後どちらかに決める。年収300万円以下であれば申請によって返還を最長10年間猶予できるとした。  文科省は週明けからパブリックコメント(意見公募)を行い、3月末までに報告書をまとめる。  新制度の「所得連動返還型奨学金」は、2017年春に大学・短大などに入学する学生から対象となる。日本学生支援機構の無利子奨学金の利用者から先行して導入し、希望者は今年4月から在籍する学校を通じて申し込む。卒業後の年収はマイナンバーを使って把握する。  骨子案のシミュレーションでは、返還額を所得の9%に設定した場合、一人世帯で年収200万円なら月4300円、年収300万円なら月8500円と試算している。  現行制度の返還月額は借りた額に応じて固定されており、無利子奨学金を借りた大学生の場合、9230~1万4400円。年収が300万円以下なら返還が猶予されるが、安定的な収入を得られない非正規雇用の若者が増えるなか、負担が重いとの指摘が出ていた。 "[he-forum 19141] 新潟日報2/4","新潟日報 2016年2月4日付 新潟大が教員人事を凍結 今春から2年間 交付金減で人件費抑制  新潟大が教員の昇任や退職者の補充など人事の大部分を凍結することが3日、分かった。国からの運営費交付金の減少に対応するため人件費を抑制する異例の措置で、今春採用(昇任)分からおおむね2年間凍結する。ただ、決定が1月になったため、ことし3月の定年退職者の補充は行う。学生への教育への影響が懸念されるが、高橋姿学長は「教員の給料や教育、研究の質を下げないための苦渋の判断だ」としている。  学部長らが重要事項を審議する1月28日の教育研究評議会で合意を得て高橋学長が決定した。原則として教員の昇任や退職者の補充をしない一方で、(1)三つの教員組織(人文社会・教育科学系、自然科学系、医歯学系)ごとに空きポストが五つ出た場合(2)病院診療の担当教員に欠員が出た場合(3)配置数が国の設置基準を下回る場合-などは例外として新たな配置を認める。支障がある場合は非常勤講師などで補う。3カ月ごとに教員の配置や財政状況を確認し、必要に応じて見直す。  新大によると、国から新大への一般運営費交付金は法人化された2004年度の145億円から、15年度は134億円に減少し、今後も厳しい状況が予想されるとしている。新大教員の定年退職者は毎年20~30人で、人件費の削減効果は年数千万円から億単位になるとしている。  高橋学長は「あくまで短期的な対応」と強調した上で、2年の間に第3期中期計画(16~21年度)期間の配置の見通しなどをつくりたいとしている。  文部科学省国立大学法人支援課は「個別大学の人事方針については把握していない」としている。  凍結方針は、昨年に学内で本格的に検討が進められ、職員組合は「教員の士気低下につながる」と反発。慎重な審議を求めるため組合役員らでつくる有志が教員らから約300人分の署名を集め、1月27日に高橋学長に提出した。  新潟大職員組合の岡野勉中央執行委員長は「教育や研究などへの影響は避けられない。昇任できず不利益を被ることになる教員への対応を大学にただしていきたい」としている。 "[he-forum 19140] 毎日新聞東京夕刊2/4","毎日新聞東京版 2016年2月4日付夕刊 特集ワイド お金ないから大学行けない 国立でも授業料年54万円、40年前比15倍  「国立大の授業料は安い」というのは、もはや昔の話だ。2015年度の授業料は年間約54万円で、40年前よりも15倍に値上がりし、私立との差も縮まった。授業料の高騰は、大学生2人に1人が奨学金を借り、卒業時に数百万円の借金を背負う状況も招いている。このままでは、大学に行ける層と行けない層が所得で明確になる階級社会が生まれてしまうのではないか。【石塚孝志】  「ある学生の話ですが、母親から奨学金をもらっている人と付き合ってはだめと言われたと。もし結婚したら、相手の借金返済で家計が苦しくなるからというのが理由です」と驚くのは、著書「希望格差社会」のある中央大文学部の山田昌弘教授(社会学)。「日本は、親があまり裕福でなかったら大学へ行くなという階級社会に確実に向かっています。さらに大学に行っても奨学金受給の有無が学生間に結婚格差までも作り出している」と指摘する。  経済的な理由で大学進学が困難になっている状況は、幾つかの調査で裏付けられる。まず、国立社会保障・人口問題研究所が11年に発表した「結婚と出産に関する全国調査」。その中で「理想の子ども数を持たない理由」の1位は「子育てや教育にお金がかかりすぎる」で、約6割が挙げた。日本政策金融公庫が昨年2月に発表した教育費負担の実態調査では、高校入学から大学卒業までに1人当たり平均880万円が必要と試算した。その一方で民間の平均年収は減少。国税庁によると、14年が415万円で、04年から約24万円も減った。山田さんは「教育費の工面は厳しく、大学に行かせたい親は子どもの数を絞る傾向がある。これでは、より少子化を招いてしまいます」と話す。  文部科学省によると、40年前の1975年度の大学授業料は、国立は3万6000円、私立の平均は約5倍の18万2677円だった。その後、国私間の差は徐々に縮まり、14年度は国立が53万5800円、私立が86万4384円で約1・6倍になった。  この授業料の格差是正について、旺文社教育情報センターの大塚憲一センター長は「政府は本来なら私立の補助金を引き上げて授業料を抑えるべきなのに、国立の授業料の値上げで格差を縮めてきた」と指摘する。将来的にはさらなる授業料値上げの懸念もありそうだ。  そもそも日本の大学授業料の国際的な水準はどうなのか。経済協力開発機構(OECD)が昨年11月に発表した教育に関する調査では、日本は13〜14年ベースで「授業料が高額で、学生支援体制が比較的未整備の国々」に分類された。また、大学など高等教育に対する国の財政支出を国内総生産(GDP)比で見ると、12年ベースで日本は0・8%。OECD加盟34カ国の平均1・3%を大幅に下回り、高等教育に冷たい国の姿勢が際立っている。  この背景について、教育ジャーナリストの渡辺敦司さんは「自民党や財務省には、教育は個人の利益だから利益を受ける人が払えという『受益者負担』の考えが強くある」と説明する。対照的な国として挙げたのが北欧諸国。「授業料が無料か低額で、支援制度が手厚く、教育は社会で支えるという理念がある。日本は、家族が無理してでも進学させたいという国民性に国が頼っているだけなのです」 給付型奨学金なし、借金重荷に  では、OECDに「比較的未整備」と認定された、この国の学生支援体制はどうなっているのか。奨学金問題対策全国会議事務局長の岩重佳治弁護士は「世界で奨学金といえば、返済義務のない給付のこと。先進国で公的な給付型奨学金制度がほとんどないのは日本だけ」と、お寒い現状を説明する。  奨学金制度の詳細を知ろうと、独立行政法人「日本学生支援機構」の12年度の「学生生活調査結果」を見ると、大学生の厳しい懐事情が浮かび上がる。昼間部の学生の過半数52・5%が奨学金を受給。そのうち9割の学生が受給している同機構の奨学金の内容は次の通りだ。国公立で自宅通学の学生は無利子で月最大4万5000円、有利子なら同12万円を借りることができる。返済額は人によって違うが、無利子で4万5000円を4年間借りた場合、卒業後は216万円の借金を背負う。  岩重さんは「学費が上がり家計が苦しい中で、奨学金を利用せざるを得ない学生が増えている。将来の仕事や収入が分からずに借りるため、もともと延滞が起きやすい。しかも非正規雇用ならば収入が安定せず、一生借金漬けになる恐れがある」と警告する。  政府は16年度には無利子奨学金貸与者や授業料免除者の増員などを予定するが、岩重さんは「規模も小さく、根本的な解決になりません。政府は貸与ではなく、給付型奨学金や、より柔軟な返済制度を整備すべきです」と訴える。実は、文科省が給付型制度の創設を要求しても、財務省は財源不足などを理由に認めてこなかった。先月21日の参院決算委員会でも麻生太郎財務相は「単なる財政支出になる。将来世代からの借金と同じ」と述べている。  財務省に根強い受益者負担論を崩す一つの解決策として、東京大の小林雅之教授(教育社会学)は「教育にお金を掛けることは個人だけでなく、社会的、経済的効果があることを示す必要がある」と話し、三菱総合研究所が10年に発表した調査内容を挙げる。概略は、大学生1人当たり約230万円の公的な教育支出により、卒業後に税収の増加、失業給付金や犯罪関連費の抑制などで約2倍の便益がある−−というものだ。  小林さんも参加する文科省の教育再生実行会議が昨年7月に発表した第8次提言では、7000億円の予算で、大学生の奨学金完全無利子化や、大学・専門学校の授業料の公立高校並みへの引き下げができるとした。要は、日本の将来を託す若者にお金を掛ける意思があるのかという話だ。 若者よ、声上げよ!  大学進学時の所得階層差が拡大していると見る小林さんはこう訴える。「所得の高い層が私立に比べて学費の安い国公立に流れ、所得の低い層がはじき出される傾向が出ている。大学進学のために必死でお金を工面してきた所得の低い層の無理がそろそろ限界に来ている」。さらに中学・高校生にも現実を教える必要性を説く。「この時期から借金を背負うリスクを教えなければいけない。貧乏だから大学に行けないと言う子には『そんなことはない』と伝える一方で、奨学金に頼る危険性も説明すべきです」。このような現実を見据えて、小林さんは「教育費の負担軽減は待ったなし」と力説するのだ。  岩重さんが重要視するのは、若者が声を上げることだ。「大きな声にまとまれば、国も無視できないはず」と指摘する。  今夏の参院選では初めて18歳からの選挙権が認められる。若い人にはぜひ、自分たちの問題として考えてほしい。 ■OECDによる授業料と公的補助水準の高低による4モデル (1)低授業料・高補助  北欧諸国 (2)高授業料・高補助  米国、英国、オーストラリア、カナダ、オランダ、ニュージーランド (3)高授業料・低補助  日本、韓国、チリ (4)低授業料・低補助  オーストリア、ベルギー、フランス、イタリア、スイス、スペイン、チェコ、ポーランド、ポルトガルなど ※OECDインディケータ(指標)2015年版 "[he-forum 19145] しんぶん赤旗2/8","しんぶん赤旗 2016年2月8日(月) 国立大学の学費 値上げの危険ここに 交付金削減へ新方式導入  安倍晋三首相らは、国立大学の学費値上げの危険性について「デマ」だと国会で繰り返しています。しかし、値上げの危険性はデマどころか、現実にあることは隠せません。  安倍政権による国立大学の学費値上げ計画は、昨年10月、政府の財政制度等審議会で「(国からの)運営費交付金に依存する割合と自己収入割合を同じ割合とする」という財務省の方針が了承されたのが発端です。 方針は撤回せず  財務省方針は、今後15年間、交付金を毎年1%削減して1948億円も削減する一方、大学の自己収入を2437億円も増やせというもので、同省は現在もこの方針を撤回していません。  同審議会がとりまとめた昨年11月の「建議」は、国立大学に対し、数値目標は示さなかったものの「運営費交付金の削減を通じた財政への貢献」を求め、「授業料の値上げについても議論が必要」「国費に頼らずに自らの収益で経営を強化していくことが必要」と打ち出しました。  自己収入増を授業料だけで賄えばどうなるのか―。日本共産党の畑野君枝衆院議員が昨年12月に国会でただすと、文科省は「授業料は40万円増えて93万円になる」と答えました。  若者が奨学金で多額の借金を背負う実態を無視した暴論であり、高等教育の段階的な無償化を求める国際人権規約や、憲法が定める教育機会の均等にも反するものです。馳浩文科相も「一律削減ありきの考え方に反対だ」と答えざるをえませんでした。  運営費交付金の削減に対しては大学関係者や学生、保護者からも反対の声が広がり、来年度予算案では交付金は前年度と同額になりました。しかし、交付金と一体に配分されていた補助金が半減され、各大学に配分される予算は88億円減となっています。  さらに重大なのは、最も基盤的な経費である基幹運営費交付金は毎年1%、100億円も削減する新たなルールが導入されました。  文科省は、この100億円を使って各大学の「機能強化」を支援するとしていますが、これはそのままでは「人・物・施設」には使えません。  国立大学協会の里見進会長も「機能強化促進分は使途が限定されているので、教育研究活動に必要な基盤的予算(基盤経費)はこれまで以上に減らさざ るをえません」「高等教育局の予算もかなり減額されたので、補助金として大学に配分される予算も少なくなる」と指摘しています。 値上げの悪循環  結局、民間企業からの資金獲得が困難な大学は、学費値上げに踏み切らざるをえなくなります。国立大学への予算削減による学費値上げの危険が現実にあることは明らかです。  公明党も前出の「建議」について、昨年12月11日の参院文教科学委員会で「授業料の値上げによって教育の格差が拡大してしまう」(新妻秀規議員)と批判し、「わが党として到底容認できません」と明言していました。  国立大の学費値上げは私大にも波及し、学費値上げの悪循環を招くことは必至です。日本共産党は「国の大学予算削減のために学費を値上げする方針を撤回させるという一点で、引き続き世論と運動を広げよう」と呼びかけています。  (深山直人) "[he-forum 19154] 東京新聞2/3","東京新聞 2016年2月3日付 軍事転用技術の研究容認 海洋機構が平和目的を逸脱  海洋観測や資源探査などを行う国立研究開発法人「海洋研究開発機構(海洋機構)」が、軍事利用の可能性のある技術研究の公募に、研究員が応募することを容認していたことが分かった。一九七一年の設立時は国会答弁で「防衛に関する活動は一切しない」としていたが、応募した研究は昨年九月に防衛省に採用された。機構は設立目的として法律に書かれた「平和と福祉の理念に基づく業務」の解釈を、非軍事から「国民の安全確保に資する活動」へと事実上変更した。(望月衣塑子)  公募は防衛省が昨年初めて実施。研究成果は軍事・民間両面での活用を見込み、採用されると年間三千万円の研究費が三年間提供される。全国の大学・研究機関から百九件の応募があり、九件が採用された。機構の研究員が応募したのは、水中での光通信を高速化、安定化する研究だ。  機構は二〇一四年に、防衛省技術研究本部と研究協力協定を結び、水中音響通信や無人探査機のシステム化について、試験の成果などを共有している。  機構によると、協定締結時に「平和と福祉の理念」に反しないか関係部署で議論。元大学教授や文部科学省出身者の理事ら十六人による理事会審議を経て「『平和』を『国民の安全確保に資する活動』と捉えれば、機構法に違反しない」と結論づけた。  所管省庁の文科省にも報告し、了承を得たという。公募への申し込みも同じ判断で認められた。  機構は文部省(当時)の認可法人「海洋科学技術センター」として発足した際、目的や業務内容が法律で決められ、「平和と福祉の理念に基づき、海洋に関する…(中略)…学術研究の発展に資することを目的とする」とされた。この文章は、〇四年に海洋機構に名称変更後も海洋機構法に引き継がれた。  「平和と福祉の理念に基づき」の文言は、当初はなかった。七一年当時、設立目的をめぐって衆参両院で議論があり、西田信一科学技術庁長官(当時)は「軍事目的のための研究開発というようなことは全く考えていません」と答弁し、防衛庁(同)との共同研究も否定。非軍事の研究機関と明確にするため、加筆修正された経緯がある。  九条科学者の会呼び掛け人の池内了(さとる)名古屋大名誉教授は「七一年の議論は、『平和』は『非軍事』を指し、防衛に関する研究は一切しないということだった。しかし政府は『安全安心のための防衛は平和であり、そのための軍事研究は問題とならない』と主張するようになった」と指摘。機構の解釈変更を「言葉のごまかしであり、平和主義の理念から逸脱している」と批判している。  <海洋研究開発機構> 文部科学省所管の国立研究開発法人で、本部は神奈川県横須賀市。日本最初の深海潜水艇をはじめ、海洋観測の調査船や研究船などを開発、運用。無人探査機でメタンハイドレートや石油・天然ガスなどの資源探査も行う。福島第一原発事故後には、放射性セシウムの濃度測定も行った。現在の役員6人のうち1人は文科省出身。1月16日には静岡県沖で、地球深部探査船「ちきゅう」の海底掘削用ドリルパイプ(8000万円相当)が海底に落下する事故を起こした。 "[he-forum 19153] 西日本新聞2/5","西日本新聞 2016年2月5日付 【見解】「普通の国」は正しい道なのか 編集委員・中島邦之 ◆安保関連法 3月施行   新年早々の1月6日、安全保障関連法に反対してきた大学関係者が福岡大(福岡市城南区)で開いた講演討論会をのぞいた。演題は「軍と学の接近と学問の自由~その歴史と今」。寒い冬の夜の堅いテーマの催しにもかかわらず、会場には学内外から100人ほどの聴衆が集まっていた。  「国家戦略として、政府は産学軍の共同体を作ろうとしている。大学としてどんなスタンスで臨むのか議論の必要ありと感じている」と、主催した福岡大理学部の林政彦教授。昨秋、武器や弾薬など防衛装備品の開発や調達などを一元管理する防衛装備庁から、防衛技術シンポジウムの参加案内が初めて学部長宛てに届いたことで危機感が強まったという。  確かに、2013年末に閣議決定された防衛計画大綱には、軍事用と民生用のどちらにも利用可能な「デュアルユース技術」の積極活用や、産学官の力の結集が明記されている。衛星利用測位システム(GPS)や、液晶ディプレイなど、軍民両用に利用可能な技術開発は国際的な広がりを見せている。  その問題点を、講師である名古屋大の池内了名誉教授が「成果が非公開にされる軍事研究に手を出せば、大学が関係者さえ近づけない秘密研究の場になる」「研究者としての良心を保てなくなる」と警告したが、参加者からは「その分野の研究補助金を拒めば、研究自体が今後制約されることになるのでは」との不安も聞かれた。研究費の困窮につけ込み、軍事研究に誘い込む「研究者版の経済的徴兵制」のリスクが高まっていると、池内氏は訴えていた。  安保関連法は3月末までに施行される。集団的自衛権行使を限定容認し、米軍などへの後方支援が随時可能になる。安保分野での産学官連携も、軍事組織の海外派兵も、国際社会では普通のことだろう。だが、海外の紛争地から距離を置いてきた戦後日本の平和主義に別れを告げ、「普通の国」になることが本当に正しい道なのか。  本紙の長期連載「戦後70年 安全保障を考える」が近く「安保法制の正体」(明石書店)のタイトルで出版される。取材班が国内外を歩いて書いた、安倍政権の防衛政策の危うさや、安保法制の問題点は色あせていないと思う。 "[he-forum 19152] 読売新聞富山2/13","読売新聞富山版 2016年2月13日付 県と企業で奨学金助成へ  県は12日、県外の理工系大学院を修了し、県内企業に就職する学生などに対し、在籍した2年間に受け取った奨学金の返還分を全額助成する制度を創設すると発表した。2017年4月に就職する学生を対象に開始する。  県外の理工系大学院と大学の薬学部に通う学生で、県外在住者が対象。出身地は問わない。県に登録した企業に就職することが条件で、日本学生支援機構の無利子(第1種)奨学金もしくは県奨学金の返還分を毎年度、助成する。  助成の原資には、県と登録企業が資金を出してつくる基金を充てる。10年間勤務した人には、残額を基金が返還する。10年未満で自己都合などで退職した場合、助成は打ち切られる。  県は年30人程度の申請を想定しており、今月15日から3月18日まで学生と登録する企業を募集する。1人あたり最大210万円程度の助成を見込んでいる。  県によると、山口、香川、鳥取、徳島の4県で同様の制度があるという。  県は総合戦略で、若者対策として15~34歳の県外流出者を年間で約1500人減らし、現在の転出超過から転出入均衡の状態にすることを目標としており、県内のものづくり産業を支える若者の県内流入を促進する目的で今回の制度を新設する。 "[he-forum 19151] しんぶん赤旗2/11","しんぶん赤旗 2016年2月11日付 学費値上げの危険浮き彫り 畑野議員追及 財務相 交付金削減方針認める  日本共産党の畑野君枝議員は10日の衆院予算委員会で、国立大学の運営費交付金を削減してきた政府の責任を追及し、削減方針の撤回を求めました。麻生太郎財務相は「運営費交付金の適正化を行う」と述べ、交付金削減による学費値上げの危険性が浮き彫りとなりました。  畑野氏は、運営費交付金の増額は安倍首相の地元の山口大学をはじめ大学関係者や経済界など地域ぐるみの切実な声になっていると強調。昨年11月の財政制度等審議会の「建議」が「運営費交付金の削減を通じた財政への貢献」「授業料引き上げも一定の議論が必要」と明記したことをあげ、「自己収入増のためには授業料引き上げも行えということになる」とただしました。  麻生氏は「国立大学を聖域化せず、運営費交付金の適正化を行うことが重要」と述べ、削減方針を認めました。  畑野氏は、来年度から運営費交付金を削減する新たな仕組みが導入されることを指摘。寄付金などの増加は見込めないと文科相も認めていたことにふれ、財務省方針に基づいて自己収入増をすべて授業料で賄えば「15年間で40万円の増、約93万円の授業料になるという試算は文科省が示したものだ」とただすと、馳浩文部科学相は「そのように答弁したことは事実だ」と認めました。  畑野氏が、「機能不全に陥る」という大学側の声を紹介し、「削減してきた交付金を元に戻すべきだ」と求めたのに対し、安倍首相は「自己収入を増やしていただくよう交付金の改革を進めていきたい」と述べ、削減方針を撤回しませんでした。  畑野氏は「結局、運営費交付金を減らさないともいわない。教育予算を抜本的に増やすよう国民とさらに運動を進めていく」と表明しました。 "[he-forum 19150] 東京新聞2/13夕刊","サイバー攻撃非公表半数 国立大など被害25組織 (東京新聞 2016年2月13日付夕刊)  文部科学省が所管する国立大学などの百二十組織のうち、二〇一三年度にサイバー攻撃による被害が二十五組織で出ていたのに、半数近い十二組織が公表していなかったことが分かった。公的機関がサイバー攻撃を受けても公表や報告の義務はないが、被害の拡大防止や注意喚起のためには、事態を速やかに明らかにする必要がある。文科省は「重大な支障を及ぼす場合には、国民への説明責任を果たすことが望まれる」としている。  一三年十一月、複数の大学の複合機が、情報を外部から読み取ることができる状態になっていた問題が明らかになり、文科省は百二十組織を対象とした調査を実施。共同通信の情報公開請求を受けた同省が結果を明らかにした。調査はこの一回だけで、その後は実施されていない。  調査結果によると、被害は二十五組織で計三十件確認されていた。組織名や、被害内容のほとんどは黒塗りだった。被害を公表している十三組織の一部については、サイバー攻撃に関する政府資料で特定した。  被害のうち、不正なサイトに誘導するようホームページ(HP)を改ざんする攻撃が最も多く十件。大量のデータを送り付けてHPの閲覧ができないようにする「DDoS攻撃」が九件。  個人情報や機密性が高い情報が漏えいするなどした被害は七件。組織名は非公表だが、被害直後に個別に公表された情報と突き合わせると、被害に遭ったのは東京大、東京外国語大、東京海洋大、信州大、琉球大、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とみられる。  また「セキュリティー対策が十分か」という設問では、ほとんどの組織が「不足している」と答えた。各大学からは「技能向上のためのトレーニングが足りない」「専門職員、マネジメント能力を有する人材が不足」などの意見が寄せられ、対策の不十分さが浮き彫りになった。 <DDoS攻撃> サイバー攻撃の手口の一つ。対象のコンピューターに対し、短時間に大量のデータを送り付けることで過大な負荷をかけ、HPを閲覧できなくさせたり、サーバーをダウンさせたりする。複数のコンピューターから海外にあるサーバーを経由して行われるケースが多く、攻撃を仕掛けている人物の特定は難しい。昨年9月ごろからは日本の政府機関や企業への攻撃が相次ぎ、国際的ハッカー集団「アノニマス」が、攻撃したことをツイッターで表明している。 ◆大学は格好の標的に <神戸大の森井昌克教授(情報工学)の話> 大学には研究成果として得られた重要な情報や知的財産が多くあり、サイバー攻撃の格好の標的になりやすい。しかし教員、職員、学生、留学生など多くの人が関わっており、企業のようにセキュリティーを一元管理するのは難しいのが現状だ。サイバー攻撃への対策とともに、大学内にいる人たちに対するセキュリティー教育が求められる。 "[he-forum 19149] しんぶん赤旗2/12","しんぶん赤旗 2016年2月12日付 論戦ハイライト 国立大学の交付金削減 学費値上げにつながる 衆院予算委 畑野議員が追及 経済団体も「地域の衰退に直結」  10日の衆院予算委員会で、国立大学の運営費交付金削減問題をとりあげた日本共産党の畑野君枝議員。国立大学の学費値上げにつながる交付金削減を推進していく政府の姿勢が明らかになりました。 悲鳴が相次ぐ  国立大学の収入の中心を占める運営費交付金は、国立大学の法人化以降、12年間で12%、1470億円も大幅削減されています。さらに財務省が昨年10月の財政制度等審議会(財政審)で、「運営費交付金を毎年1%減少させ、自己収入を毎年1・6%増加させることが必要」との提案を行ったことに対して、全国36の国立大学の学長や経営協議会学外委員から声明が発表され、「壊滅的な機能不全に陥る」と批判の声があがっています。  安倍晋三首相の地元山口県では、経済同友会、中小企業団体中央会など県内経済団体が「運営費交付金の削減による地域の基幹大学の衰退は、地域経済の衰退に直結する重大事」と予算の拡充を求める声明を出しました。  畑野氏は、全国の大学関係者や地域をあげた反対の声で、16年度の運営費交付金の総額は予算案では前年度と同額に据え置きになったと指摘。「問題なのは今後、どうしようとしているかだ」とただしました。  畑野 17年度以降の運営費交付金の削減を検討しているということか。  麻生太郎財務相 運営費交付金を適正化して再配分するルールの導入とあわせて、自主財源の目標を設定して、経営力の強化と自立性の確保を向上させる。  畑野 運営費交付金を削減するという話を認めた。重大な答弁だ。  答弁で、運営費交付金を削減する新たな仕組みが導入されることが明らかになりました。  新潟大学では運営費交付金の減少に対応するため、教員の昇任や退職者の補充の凍結などで人件費を抑制する措置を決定。学長は「教員の給料や教育、研究の質を下げないための苦渋の判断だ」としています。  昨年10月の財政審での財務省提案に基づいて自己収入増をすべて授業料で賄うとしたら、「15年間で約40万円の増、約93万円の授業料になるという試算は文科省が示したものだ」とただすと、馳浩文部科学相は同省がそのように答弁したことは事実だと認めました。 抜本的増額を  昨年11月の財政審「建議」は「自己収入構造を考える際、授業料引き上げについても一定の議論が必要である」と書いています。  畑野 自己収入増のためには授業料引き上げも行えということになる。  財務相 国立大学も聖域化せず、運営費交付金の適正化を行うことが重要。運営費交付金への依存を減らし、多様な収入源の確保によって経営していく力を強化していくことが必要だ。  畑野 運営費交付金を削って自己収入で賄えという方針だ。結局、授業料引き上げにつながる。  畑野氏は、子どもの大学、高校受験のため一生懸命働く親を心配する学生の声を紹介し迫りました。  畑野 国立大学運営費交付金の削減方針をやめ、削減してきた交付金を元に戻すべきだ。  首相 収入を増やす努力を後押しする意味も含め、交付金の改革を進めていきたい。  結局、運営交付金を将来にわたって削減しないとは言わなかった首相に対し畑野氏は、「学費が高いうえに、給付型奨学金もないのはOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも日本だけだ。経済格差が教育格差につながる状況は放置できない」とのべ、教育予算抜本的増額へ政治の転換を求めました。 "[he-forum 19148] 読売新聞2/13","読売新聞 2016年2月13日 奨学金返済、全額肩代わり…県内3年就職が条件  鹿児島県は、日本学生支援機構の奨学金を無利子で借りている県出身者が大学卒業後に県の基幹産業で最低3年間就職することを条件に、奨学金の返済を全額肩代わりする制度を設ける。  毎年100人を募集する計画で、今春の就職者から対象とする。新年度一般会計当初予算案に関連費2億円を計上した。  発表によると、教育の機会均等と、農林水産、IT、観光といった県の基幹産業を担う人材の確保が目的。都道府県レベルで同様の制度を設ける動きが始まっているが、県教委は、全額を肩代わりするのは珍しいとしている。  県教委によると、制度は基金を設けて運用し、毎年4億円ずつを積み立てていく。市町村、経済団体にも協力を求めており、毎年、県が2億円、市町村と経済団体が計2億円を出資していくことを想定している。  申し込みの機会は高校3年生時と、大学3年生時の2回設け、県、市町村、経済団体でつくる選考委員会で審査する。選考されても実際に条件となる産業に就職しないと対象外となる。2016年度に限っては、大学4年生も申し込める。  日本学生支援機構の奨学金を無利子で借りるには家庭の経済的事情に加え、成績が優秀であることなどが条件。4年間の貸与金額は最高で計300万円を超える人もいる。  今回の制度で就業条件を最低3年間としたのは、3年間働いた場合、離職率が低いからだという。  伊藤知事は12日の記者会見で、「社会的な公正や貧富の差の是正を図るには教育の機会を確保することが大切。財政的な制約によって大学へ進めないことがないような社会をつくりたい」と述べた。 "[he-forum 19147] 東京新聞社説2/12","東京新聞社説 2016年2月12日付 大学入試改革 疲労困憊する制度では  受験のチャンスを増やすという眼目はどこへ消えたのか。大学入試センター試験に代わる新しい共通テストの制度づくりが気にかかる。受験生が疲労困憊(こんぱい)して勉強する意欲を失っては本末転倒だ。  文部科学省が二〇二〇年度からの実施を目指す「大学入学希望者学力評価テスト」の青写真である。いまの中学一年が初代受験生になるスケジュールだ。有識者会議で三月に最終報告をまとめる。  ただ、議論の流れを見ると、教育現場の実情が度外視され、改革そのものが目的化してしまったようにも見える。  懸念されるのは、マークシート式に加え、記述式の問題を採用することへの執着である。当面は国語と数学にとどめる構えだが、検討が尽くされたとは言い難い。  与えられた問題の正解を素早く見つけ出す力ではなく、自ら問いを立て、考えをまとめ、表現する力を測るのに優れているというわけだ。高校での能動的な学びを促す効果も期待できるという。  そうした目的にはうなずけるが、実現させるには、技術や費用などの面で多大な課題が生じる。  五十万人の答案を適切、迅速に採点できるか。教育業界の手を借りる方向も示されたが、公平、公正に評価できるか。コンピューターの導入を含め、作問から判定までの費用見込みはどうか。個々の具体論は事実上の先送りだ。  殊に看過できないのは、採点に手間暇を要するからとマークシート式の日程と切り離し、前年の秋辺りに前倒しで実施する案が持ち上がっていることだ。  大学の個別試験までの受験期間は大幅に延びてしまう。高校の授業や行事の段取り、部活動に甚大な影響も及ぶ。受験生の負担も格段に重くなるのは間違いない。  しかも、一発勝負方式の弊を断ち切り、受験機会を増やすという新共通テストの狙いは、記述式を採り入れることによって、もはや雲散霧消の様相を呈している。  確かに、マークシート式のみでも、年二回以上行えば、高校教育に支障を来すという批判はかねて出ていた。しかし、だからこそ、有識者会議の知恵に委ねられたのではなかったか。  十八歳人口も減り、年一回きりの一点刻みの選抜方式でふるい落とすような時代ではない。社会人や外国人も含めて学び手の伸び代を見極め、高等教育の門戸を開放する。そうした発想が大切だ。  大学の個別試験と併せ考え、地に足の着いた改革を望みたい。 "[he-forum 19146] 毎日新聞東京2/9","毎日新聞東京版 2016年2月9日付 大学 地方私大、相次ぎ公立化 定員割れで経営難 地元自治体が「救済」  若者の流出を食い止めようと、定員割れで経営難に陥った地方の私立大学を、地元の自治体が公立大学法人化する動きが各地で起きている。私大より学費は下がり、志願者は大幅に増えるという。しかし「大学間の公正な競争を妨げる」と懸念する声もある。今年4月から公立大学法人をスタートさせる2自治体の例から、自治体と大学のあり方を考える。 ●国の交付金で学費半減  山口県山陽小野田市の「山口東京理科大」は工学部の単科大学。地元自治体の協力で学校法人東京理科大(東京)が1987年に設立した短大が前身だ。95年に4年制大学となった。近年は定員割れが慢性化し、累積赤字は約90億円に上っていた。  市成長戦略室によると、2014年7月に理科大側が「市の公立大学法人にできないか。駄目な場合は廃校も視野に入れている」と申し入れてきた。公立大学法人になると国から学生数に応じた交付金を受けられる。市の試算では、一番厳しく見積もっても公立化後の9年間は赤字にならないとの結果が出た。  県内には国立の山口大に工学部があることもあり、市は単科大学のままでは公立化する必要性が弱いと判断し、県内初の薬学部新設を打ち出した。白井博文市長は「公立大学法人への選択こそ『地方創生』に役立つ。学費が半減し、県内唯一の薬学部が誕生すれば、進路の選択肢を増やし、市の産業力強化や定住促進につながる」(昨年1月の市民向けメッセージ)と強調。直後の昨年の入試(15年度入学者選抜)は受験生が定員200人の7倍を超えたという。市の担当者は「今年(16年度入学者選抜)は市長が高校を回り、テレビCMでもPRし、昨年以上の志願者が集まっている。卒業生の6割に県内に就職してもらうことを目指す」と話す。 ●若者人口確保するため  京都府福知山市の成美大学も今年4月から公立化され、「福知山公立大学」に改称する。  成美大は学校法人成美学園が2000年に設置した京都創成大学が前身。福知山市も設置時から27億円を負担して支援し、経営情報学部のみの単独学部で運営してきた。  開学当時は定員195人に106人が入学したが、近年は入学者が50人を下回るように。赤字決算が続き、複数の重大な問題があるとして、文部科学省の認証機関「大学基準協会」から「不適合」の判定を受けていた。学園や市民団体などの要望を受け、市が有識者会議を設置。その報告書は市内での4年制大学の存在意義を認めて公立化も一つの選択肢と判断したが、「抜本的な改革をしなければ公立化しても成功しないのではないか」との懸念も示した。  公立化を決めた市は、市民説明会で「大学は若者人口を確保する最も効果的な装置で、地方公立大学だからこそ学生が集まる」と理解を呼び掛けた。  新大学は「1学部、定員50人」を踏襲し、4月から学部名を「地域経営学部」に改称する。市大学政策課の担当者は「一年でも早く定員を200人に増やしたい」と話す。今年の入試では推薦入試の志願者が約6倍になるなど、定員を上回る志願者が集まっているという。 ●補助金の国公立偏在に批判も  文科省によると、これまでに計5私大が公立法人化された。このほか、新潟産業大(新潟県柏崎市)、長野大(長野県上田市)、旭川大(北海道旭川市)、諏訪東京理科大(長野県茅野市)などが自治体に公立化を要望している。  こうした動きに批判的な声もある。約410大学が加盟する「日本私立大学協会」の小出秀文常務理事は「公立化して志願者が増えるのは学費が安くなるから。安易に公立大学を増やせば、努力している周辺の私立大の経営を圧迫する。国の補助が国公立大に偏っている現状や、公立大の存在意義を問う時にきている」と指摘する。【高木香奈】 私立から公立大学法人になった大学 大学名    所在地       開学年  公立化年 高知工科   高知県香美市など  1997 2009 静岡文化芸術 浜松市       2000 2010 名桜     沖縄県名護市    1994 2010 公立鳥取環境 鳥取市       2001 2012 長岡造形   新潟県長岡市    1994 2014 山口東京理科 山口県山陽小野田市 1995 2016(予定) 福知山公立  京都府福知山市   2000 2016(予定) "[he-forum 19162] 日本経済新聞2/20","日本経済新聞 2016/2/20 1:19 退職金減額「事前説明が必要」 信組訴訟で最高裁初判断  山梨県民信用組合(甲府市)と合併した信組出身の元職員12人が退職金を大幅に減らされたのは不当として、合併前の基準での支払いを求めた訴訟の 上告審判決で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は19日、「賃金や退職金を不利益変更する場合は、事前に内容を具体的に説明して同意を得る必要があ る」との初判断を示した。  その上で元職員側の請求を退けた二審・東京高裁判決を破棄し、信組側の説明が十分だったかどうかを審理させるため、同高裁に差し戻した。   判決によると、元職員らは2003年に山梨県民信用組合と合併した旧峡南信用組合の出身。合併後に退職金がゼロにされたとして、従来の基準の総額8千万円 の支払いを求めて提訴した。一審・甲府地裁と二審・東京高裁は、退職金を大幅に減らす内規変更の同意書に署名押印があるとして請求を棄却。元職員側が上告 していた。  同小法廷は判決理由で、賃金や退職金の不利益変更に関する同意について、「立場の弱い労働者側が同意していたとしても、それだけで判断せず、事前の情報提供や説明内容などを考慮して判断すべきだ」と指摘した。= "[he-forum 19161] 毎日新聞2/19","毎日新聞2016年2月19日 20時30分(最終更新 2月19日 20時30分) 退職金減額 「賃金の不利益、事前説明を」最高裁差し戻し  勤務先の合併による労働条件の変更で退職金を大幅に減額されたとして、信用組合の元職員らが合併先に減額分の支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁 第2小法廷(千葉勝美裁判長)は19日、「賃金や退職金の不利益変更に対する労働者の同意は、事前に具体的に内容を説明し、労働者の自由な意思を得る必要 がある」との初判断を示した。  その上で元職員側を敗訴とした2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。元職員側が逆転勝訴する可能性がある。経営者側が賃金や退職金をカットする場合、より丁寧な情報提供を求めたと言えそうだ。  訴訟を起こしたのは合併で解散した信組の元職員ら。合併で退職金の規定が変更され、著しく減額されたとして合併先の山梨県民信用組合(甲府市)に支払いを求めた。元職員らは規定変更の同意書に署名押印しており、同意があったと言えるかどうかが争われた。  小法廷は「労働者は同意の基礎となる情報を収集する能力に限界がある。署名押印があったとしても、労働者への事前の情報提供の内容などに照らして判断す べきだ」と指摘。「自己都合退職の場合には支給額が0円となる可能性が高くなることなど、具体的な不利益の程度を説明する必要があった」などとして、審理 が尽くされていないと判断した。【山本将克】= "[he-forum 19160] しんぶん赤旗2/22","しんぶん赤旗 2016年2月22日(月) 奨学金“全額返せ”変えず 文科省の素案 月々の返済額減るだけ  文部科学省は、年収に応じて月々の返済額を決める「所得連動返還型奨学金」の素案をまとめ、23日まで意見公募にかけています。2017年4月から新制度を導入する予定です。  現在は、年収300万円以下の場合、最大10年間の返済猶予がありますが、それ以外は定額返済(月額9230~1万4400円、最長20年)で、低所得の人ほど負担が重く、延滞者の増加が問題となっています。  新制度では、年収が150万円程度より少ない人は月2000円か3000円を最低返済額と設定。マイナンバー制度によって所得を把握し、課税所得の9~10%を返済額とし、収入に比例して増額します。定額制も残し、申込時に選択し、卒業までは変更可能としました。  シミュレーションでは、1人世帯で年収300万円なら9%で年10万2000円(月8500円)、10%で11万4000円(月9500円)です。  ただし、最低返済月額が想定される人は、専業主婦(夫)、ニート、フリーター、パート労働者、定年退職者(65歳以上)としており限定的です。期 間は、(1)35年(2)65歳の年金受給開始まで(3)現行どおり―の3案を示し、長期間の返済期間を設定します。新制度で月々の返済額は軽減されて も、全額返済を迫る方針は従来と変わりません。  返済する人が被扶養者となった場合は、家族が支払う仕組みを導入します。 "[he-forum 19159] 朝日新聞2/22","朝日新聞 2016年2月22日05時00分 馳大臣「恥ずかしい」と発言 岐阜大学長の国歌斉唱しない方針  馳浩文部科学相は21日、金沢市で記者団に、岐阜大学の森脇久隆学長が卒業式などで国歌「君が代」を斉唱しない方針を示したことについて、「国立大として運営費交付金が投入されている中であえてそういう表現をすることは、私の感覚からするとちょっと恥ずかしい」と述べた。  卒業式や入学式での国歌斉唱は昨年6月、当時の下村博文・文科相が国立大学長らに要請していた。岐阜大は前身の旧制学校の校歌を式で斉唱しており、森脇学長は今月17日の定例会見の質疑で、これまで通りの方針で臨む考えを示していた。馳氏は金沢市内での講演で「岐阜大学の学長が国歌を斉唱しないと記者会見した」と指摘。その後、記者団に「学長が(斉唱しないことに)言及することはちょっと恥ずかしい」と語った。= "[he-forum 19158] 岐阜新聞2/18","岐阜新聞 2016年2月18日付 岐阜大大学院 自然科学技術研究科を新設  岐阜大は17日、2017年4月に大学院修士課程の工学研究科と応用生物科学研究科、医学系研究科再生医科学専攻を再編し、新たに自然科学技術研究科を設置する方針を明らかにした。5月に文部科学省に申請する。同大の強みである生命科学、環境科学、ものづくりを集中的に教育する体制を整え、地域産業の活性化を担う理工系人材の輩出を目指す。  計画では現在の3研究科13専攻を1研究科6専攻に改組。工学と応用生物科学の研究科に分かれていた生命工学、応用生命科学の両専攻を新研究科で生命科学・化学専攻に一本化するほか、生物生産環境科学、環境社会基盤工学、物質・ものづくり工学、知能理工学、エネルギー工学の各専攻を設ける。定員は現行と同じ計375人。  新研究科では地域の産業リーダーとなる資質を培うため「デザイン思考教育」を採用。少人数グループでの討論を通じて洞察やマネジメント、コミュニケーションなどの能力を磨き、チームで目標を達成する過程を学ぶ。  希望者が英語による特別教育プログラムを受けられるコースも新設。日本人と留学生が混在する環境下で英語で専門的な教育を行い、国際社会で活躍できる人材の育成を狙う。  英語で論文を読む能力に加え、話したり聞いたりする力のある学生を優先して入学させるため、TOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)を大学院入試に取り入れ、一定水準以上を受験資格とする。 "[he-forum 19157] 日本経済新聞北海道2/18","日本経済新聞北海道版 2016年2月18日付 北海道大学、新たに2国際大学院 高分子化合物・ビッグデータ  北海道大学は同大内外の異分野の研究者が協力して学生を育てる国際大学院を2つ新設する。高分子化合物とビッグデータに関する大学院となる見通し。海外の大学と進める最先端の研究成果なども取り入れ、国際的に活躍する人材を育成する。研究者の所属に縛られずに自由に教育内容を決められる同大の強みを生かして、国際的な競争力を高める。  17日、山口佳三総長らが明らかにした。北大はゲルなど高分子化合物の分野で国内トップクラスの研究者を抱える。ビッグデータではサイバーセキュリティーの専門家を育てる。設立時期や規模などは示していないが、既存の大学院の中に別組織として立ち上げる可能性もあるという。  北大は2004年の法人化以降、教育と研究の切り離しに力を入れてきた。北大内外の研究者を集め、複数分野を横断する新たな教育プログラムを機動的に作るためだ。海外の大学との共同研究では14年に総長直轄組織の国際連携研究教育局(GI―CoRE)を設立、放射線治療などの分野で成果を上げている。  17年4月にはこれらの取り組みを反映させて同大初の国際大学院「医理工学院」「国際感染症学院」「国際食資源学院」を発足させる。 "[he-forum 19156] 読売新聞山梨2/19","読売新聞山梨版 2016年2月19日付 山梨大「大村基金」奨学金 15人に30万  ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授(80)の母校・山梨大は18日、大村さんに続く人材育成を図ろうと、昨年創設した「山梨大学大村智記念基金」を活用した奨学金の詳細を発表した。  発表によると、2016年度の奨学金は、今年4月に入学する新入生を中心に計15人を対象に1人30万円を支給。一般入試(前期)の成績などをもとに選ぶという。  同大は基金への寄付を呼びかけ、奨学金のほか、セミナーなどが開催できる教育研究拠点となるホールの建設を目指している。同大は、集まった金額は非公表としている。 "[he-forum 19155] 信濃毎日新聞2/19","信濃毎日新聞 2016年2月19日付 長野大「2学部4学科」案 改革検討委、初会合で示す  私立長野大(上田市下之郷)は18日、市に求めている公立大学法人化に向け、公立化後の大学像を検討する「長野大学改革検討委員会」の初会合を同大で開いた。大学側は2017年4月の公立化を目標に、19年4月に現在の3学部3学科を2学部4学科に改編し、定員を300人から380人に増員する案を示した。  検討委は同大の教職員5人と、市や地元産業界、福祉関係者、県内高校長、大学名誉教授ら学識者6人の計11人で構成。委員長に中村英三・同大学長が就いた。  公立化後の大学像について大学側は従来の説明と同様、地域の若者を地元に定着させる「地域人材循環システム」と、地域住民や企業の課題を解決する「地域課題解決システム」を柱にすると説明。司令塔と位置付ける「地域づくり総合センター」をできるだけ早期に同大に設置するとした。  組織改編案は、現在の「環境ツーリズム」「企業情報」の2学部を「総合政策学部」に統合。文・理系の融合を図り、「地域創造」と「ビジネスデザイン」の2学科を置く=図。社会福祉学部の社会福祉学科は残し、同学部に心身の発達や心の問題、健康づくりなどを学ぶ「人間科学科」(いずれも仮称)を新設。それぞれの学科には3〜4の専門コースを設置するとした。  大学側は市とともに作成した財政シミュレーションも提示。公立化の効果と定員増によって収入が増え、「定員を満たせば、単年度で黒字を確保できる」とし、施設改修などを目的に毎年度約1億3千万円を積み立てるとする。市からの運営費交付金は、私学助成金より手厚い地方交付税交付金の配分を見込み、17年度は約2億8千万円と試算。11年後の28年度には約6千万円減の約2億2千万円まで運営費交付金は減額できるとした。  検討委は今後、月1回程度のペースで開催する。 "[he-forum 19163] 朝日新聞2/23","朝日新聞 2016年2月23日11時57分 馳氏、岐阜大を改めて批判 「国立大として恥ずかしい」  馳浩文部科学相は23日の閣議後会見で、国立大の卒業式や入学式での国旗掲揚や国歌斉唱について、「君が代を斉唱することは、私は望ましいと思っている」と述べた。岐阜大学の森脇久隆学長が国歌斉唱しない方針を示したことは「一つの自主的な判断」としながらも、「日本人として、特に国立大学としてちょっと恥ずかしい」と改めて批判した。  馳文科相は、国歌斉唱などが望ましい理由について、「国費も投入されている。日本社会のすべての方々に感謝の気持ちを表現する場合に、儀礼的な側面を重要視する必要がある」と説明。一方、実際にやるかやらないかは「自主的に、また適切にご判断をいただければいい」とした。  国旗・国歌をめぐっては昨年6月、下村博文前文科相が国立大学長に「適切な判断」を要請。岐阜大学は今月17日、これまで国歌ではなく大学の愛唱歌を歌ってきたとして、今春の卒業式や入学式でも同様にする方針を示した。これに対し馳文科相は21日、「恥ずかしい」と述べていた。= "[he-forum 19167] 朝日新聞青森2/29","朝日新聞青森版 2016年2月28日付 返還免除型奨学金を新設へ 1人最大100万円  経済的事情で進学を諦める子どもをなくそうと、県は2016年度から返還免除型の奨学金制度を新設する。大学進学の際、最大で1人当たり100万円を無利子で貸与する。大学卒業後、1年以内に県内に居住・就業し、3年間経過すると返還を免除する。  家庭福祉対策教育支援貸し付け事業費補助として1億1569万円を新年度予算案に計上した。貸し付けの対象は、生活保護世帯か市町村民税非課税世帯で、翌年に大学(短大、専門学校を除く)に進学を予定している現役の高等専門学校生か高校生。既卒者は含まれない。また、学校の成績が5段階評定で平均4・0以上(ひとり親、生活困窮者対象学習講習会参加者、児童養護施設入所者の場合は平均3・5以上)という条件もある。  100人以内を予定し、応募者が多数の場合は、貸し付けの必要性を考慮して決める。貸与額は10万円単位で最大100万円、無利子。返還は、在学中は猶予され、卒業後2年目から最長8年間で分割する。返還免除については、公務員は除外。転勤したり勤めている会社が倒産したりするなど免除条件を満たせなくなった場合には、個別に対応するとしている。他の奨学金制度との併用も可能。窓口は県育英奨学会が担う予定だ。県こどもみらい課によると、返還免除型の奨学金で100万円を貸与するのは全国初という。  県は今年度中に「県子どもの貧困対策推進計画」を策定する予定で、奨学金制度創設もその一環。県内の生活保護世帯の大学等進学率は19・5%(13年3月)で、全国の32・9%(同)を大幅に下回っている。 "[he-forum 19166] 毎日新聞山口2/22","毎日新聞山口版 2016年2月22日付 山口大が給付型奨学金創設 学び続けられるように 経済的困窮学生を支援  山口大は4月から、企業や卒業生から集めた約4億7000万円で「山口大学基金」の運用を始める。給付型奨学金や留学費用の支援などに充てる。経済的な問題を抱える学生が学びの機会を失わないように支援する試みだ。【田中理知】  「多くの学生が学費免除を受ける。それでも続けられず休学した人も出ている」。同大の岡正朗学長は1月の定例記者会見で、深刻さをこう語った。  同大によると、2014年5月現在、1万366人いる学生のうち約47%にあたる延べ4848人が奨学金を受けていた。奨学金は自治体や日本学生支援機構の他、同大医、経済学部が独自に支給する貸与型や、工学部の給付型がある。  経済的な理由で授業料を免除された学生は11年度の1844人から、15年度は約35%(641人)増の2485人となった。さらに同年度は17人が学費未納で除籍となった。  同大が運用を始める基金は、経済的な理由で学ぶことが困難な学生を対象とする。毎年度、月7万円を10人程度に支給する。返済義務はない。さらに詳細は未定だが、海外留学費用や外国人留学生への支援も検討中だ。    ◆ ◇ ◆  「返済の不安がないといえばうそになる。でも働いて返す」。教員を目指す理学部2年の中野敬太さん(20)は話す。北海道出身で祖母(78)と母(52)の3人家族。日本学生支援機構から有利子の奨学金を受ける。仕送りは受け取っておらず、授業料を全額免除されている。「奨学金も授業料免除もなくてはならない。制度がなければ大学に来られなかった」  教育学部3年の岡上桂さん(21)も同機構の奨学金と授業料全額免除の適用を受ける。岡上さんは宮崎県に母と難病を抱える兄がいる。母は兄の看護で仕事を辞めざるを得ない時もあるという。「制度がなければ教師になる夢はかなわない。卒業後は何とか返さないと」と話す。  同大は14年度に269人が退学したが、うち約1割が「経済的な理由」と答えた。  同大学生支援課の担当者は「アルバイトを始めた学生が勉強の時間が取れなくなったり意欲が低下したりして学力不振に陥る」と分析する。  同大学はアルバイトせざるを得ない学生に時給800円程で学内のトレーニングジム▽図書館▽広報担当▽教授のアシスタント−−などを推奨している。担当者は「無理なく働けて深夜勤務などの抑制にもつながる」とメリットを指摘する。    ◇ ◆ ◇  有利子と無利子2種類の貸与型奨学金のある日本学生支援機構は毎年度約130万人に貸し出している。13年度に返済を3カ月以上延滞した人は18万7000人。うち約51%は「低所得」が延滞の理由だった。  同機構は今年度、全ての学校へ返済の注意喚起の文書を送った。学生に転送してもらい、猶予・減額制度や相談先などを紹介する。  岡学長は「困窮学生に対する就学支援をできる限り取り組んでいきたい」と話す。  ■ことば 給付型奨学金  貸与型と異なり、返済義務のない奨学金。日本学生支援機構によると、地方公共団体、学校、公益法人、個人などによる奨学金は、貸与型が2660、給付型が5929ある。制度数は給付型の方が多いが、地方公共団体が運営する奨学金に限れば、1002ある貸与型に対し、給付型は301。その事業費も給付型は貸与型の10分の1にすぎない。 "[he-forum 19165] 琉球新報2/26","琉球新報 2016年2月26日付 入学支度金に30万円 県給付型奨学金、9月までに募集  県教育委員会は、2016年度から実施を予定する県外大学へ進学する生徒を対象とした給付型奨学金制度に、月額7万円の給付に加え、受験料と入学金も支給を決めた。30万円が上限。諸見里明教育長が25日、県議会2月定例会の代表質問で明らかにした。金城勉(公明県民)、西銘純恵(共産)の両氏への答弁。  県教委は難関大学への進学推進や大学進学率の向上を目的に給付型奨学金を創設する。担当者は「9月までには募集を始めたい」と早期募集を目指す。 "[he-forum 19164] 河北新報2/23","河北新報 2016年2月23日付 <震災>臨床宗教師定着目指す 全国組織設立へ ◎東北大に事務局/信頼向上へ共通資格認定  東日本大震災を契機に生まれた「臨床宗教師」を普及させるため、東北大などで養成講座を受けた臨床宗教師らが28日、全国組織「日本臨床宗教師会」を設ける。各大学に養成の動きが広がる中、会が共通の資格を認定することで信頼性を向上させ、社会への定着を図るのが狙い。  臨床宗教師の養成に当たっている東北大、龍谷大(京都市)、高野山大(和歌山県高野町)、ともに2016年度に養成を始める種智院大(京都市)と武蔵野大(東京)などの修了者らで構成する。  事務局は東北大大学院文学研究科宗教学研究室に置き、28日に龍谷大で発会式を開く。  計画では各大学で研修を終えた臨床宗教師らを対象に、フォローアップ研修を実施する。研修後に資格「認定臨床宗教師」(仮称)を与える。  一方、布教の疑いのある行為などを禁じる倫理綱領を定め、会が違反者を処分できる仕組みをつくる。  臨床宗教師は宗教者が布教を目的とせず、宗教や宗派の枠を超えて震災の被災者や終末期患者らの苦悩と向き合う。  震災後の12年度に東北大の実践宗教学寄付講座が全国に先駆けて研修を始め、これまで延べ126人が修了した。被災者との交流の場や医療、福祉施設などで活動している。  会に参加する北海道東北臨床宗教師会の高橋悦堂代表(36)=栗原市=は「関西や九州など各地に臨床宗教師会が生まれ、活動を始めている。より連携を深めて活動を広く知ってもらい、ともに研さんに励みたい」と話す。  東北大の寄付講座主任を務める鈴木岩弓教授(宗教民俗学)は「各大学で養成される臨床宗教師の理念が統一できることは喜ばしい。これまで以上に社会で活躍できることを願う」と期待する。 "[he-forum 19169] しんぶん赤旗2/29","しんぶん赤旗 2016年2月29日(月) 奨学金新案に問題点 宮本岳志議員 返済猶予拡充迫る  日本共産党の宮本岳志議員は25日の衆院予算委員会分科会で、文部科学省が2017年度からの導入を計画している「所得連動返還型奨学金制度」と、有利子奨学金の無利子転換について質問しました。  宮本氏は、すでに12年度から導入されている「所得連動返還型無利子奨学金制度」は、親の年収が一定額以下でなければ利用できないものの、本人の 年収が300万円を超えない限り奨学金の返済を無期限で猶予する制度だと指摘しました。その上で、現在文科省の有識者会議で検討されている新たな「所得連 動返還型奨学金制度」は、本人の年収が0円でも月額2000円から3000円程度返還させるものになっていて、返還猶予制度はあるものの10年または15 年という期間制限を設けようとしていると指摘。「所得連動返還型無利子奨学金制度」と同様に、本人の収入が年収300万円に達するまで無期限で返済を猶予 すべきだと迫りました。  宮本氏はまた、無利子奨学金を受ける資格があるのに予算が足りず有利子で借りざるを得ない「残存適格者」が2万4000人も残されている実態を暴露。161億円あれば「残存適格者」を一掃できることを示して、予算の増額を求めました。= "[he-forum 19168] しんぶん赤旗2/29","しんぶん赤旗 2016年2月29日(月) 「指定国立大学」を創設 法案閣議決定 自己収入増へ規制緩和  安倍内閣は26日、「指定国立大学法人制度」を創設するための国立大学法人法改定案を閣議決定し、国会に提出しました。  改定案は、その趣旨を「大学における教育研究水準の著しい向上とイノベーション創出を図るため、文部科学大臣が指定する国立大学法人については、 世界最高水準の教育研究活動が展開されるよう、高い次元の目標設定に基づき、大学運営を行うこと」と説明。大学の財政基盤の強化を図るための規制緩和を盛 り込んでいます。  申請のあった国立大学のうち、文科大臣が「世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる」とする大学を「指定国立大学」に指定。指定国 立大学の中期目標の設定については、「世界最高水準の教育研究活動を行う外国の大学の業務運営の状況を踏まえなければならない」とし、指定国立大学だけに 出資対象範囲の拡大などの特例を設けます。  一方、全ての国立大学を対象に、土地などの第三者への貸付、寄付金などの運用範囲を収益性の高い金融商品に拡大することなど、資産活用のための措置を盛りこんでいます。 解説 交付金削減のけん引役  安倍政権は、「大学改革」をアベノミクスの「成長戦略の要」と位置づけています。「指定国立大学」構想は、安倍政権の経済政策の司令塔である「産 業競争力会議」が、2014年に「今後10年間でグローバルランキングトップ100に10校以上入れる」ことを達成するツール(道具)として提起したもの です。  これまでの「スーパーグローバル大学創生支援」事業のように特定の大学に資金を援助するのではなく、産学連携収入や寄付金収入の促進、出資事業展 開の「規制緩和」によって自己収入を増やして、国費(渡し切りの運営費交付金)に頼らずに自らの収益で経営する力を強化していくために構想されたもので す。  しかし、自己収入増といっても困難であり、リスクを伴います。「収益性の高い金融商品」など、日銀のマイナス金利の下でどこにあるのでしょう。  諸外国では、大学予算を大幅に増やしています。経済協力開発機構(OECD)加盟国の過去10年間の高等教育に対する公財政支出の伸び率の平均が 34%であるのに対し、日本は5%にとどまっています。運営費交付金を減らしていては、国際的な評価を上げることなど到底できません。  16年度からの運営費交付金の新しい算定ルールでは、学部などの再編・統合を含む「機能強化」に取り組む大学に重点支援することになりました。民 間資金の獲得割合を上昇させた大学により多く配分されます。「指定国立大学」は、安倍政権が求める「大学改革」のけん引役を担わされることになります。  国立大学側からすれば、「指定国立大学」に名乗りを上げても、交付金が増える保証はなく、むしろ高い目標を持たされ、ランキングの上昇などの成果が求められます。「こんな下品な制度には乗りたくない」―これが国立大学関係者の本音ではないでしょうか。  (土井誠 党学術・文化委員会事務局次長) "[he-forum 19170] 朝日新聞2/28","朝日新聞 2016年2月27日21時30分 英語教員の教職課程に統一指針 英検準一級目標に 高浜行人  小中高校生の英語力を高めるため、文部科学省は英語教員の育て方の改革に乗り出す。特に中学と高校の教員には英検準1級程度の力を持たせることをめざす。27日、大学の教職課程で身につけるべき能力やそのための授業内容などについての指針(コアカリキュラム)案を公表した。  このコアカリキュラムは、英語で授業ができることを目標に、「聞く・読む・話す・書く」の4技能をバランス良く習得することを重視する。英語を使った討論や論述のほか、英語で生徒とやりとりする模擬授業などを経験させることを想定。指導力アップにもつながるという。  英語の教職課程はこれまで統一的な指針がなく、大学によってまちまち。4技能のうち、取得単位が英米文学など「読む」に偏っている学生もいるという。2014年度の文科省の調査では、英検準1級程度以上の現職教員は、公立中で28・8%、公立高は55・4%。17年度に中学で50%、高校で75%にするという国の目標を大きく下回っているのが現状だ。  文科省によると、中高生は「書く・話す」を苦手とする傾向がある。一部教員の英語力や指導力に課題があり、英語でやりとりするなどの経験が不足し ていることが原因とみられている。文科省は18年度にも教職課程全体を見直したい考えで、再認定の際にはコアカリキュラムに沿った課程編成をしているかが 考慮される可能性がある。  教科化に合わせて必修になる小学英語と、中高の教職課程の両方について作成し、17年度から各大学が参考にできるようにするという。  現職教員の英語力向上のため、研修向けのモデルプログラムもあわせて作った。文科省の委託を受けて作成に携わった高山芳樹・東京学芸大教授(英語教育学)は、「4技能のバランスがとれた英語力をもつ教員を育てるための案ができた」と話した。(高浜行人)= "[he-forum 19171] 朝日新聞3/1","朝日新聞 2016年3月1日05時07分 奨学金返済「結婚や家購入の足かせ」 若者の約3割回答 高浜行人  大学時代などに奨学金を借りた若い世代の4割が、返済を「苦しい」と感じていることが、労働者福祉中央協議会が29日に公表した調査でわかった。また、2~3割は、返済が結婚や出産、家を買うときのあしかせと感じているという。  昨年7~8月、奨学金返済の実態を把握するために労働組合員ら1万7981人を対象にアンケートした。74・2%にあたる1万3342人が回答。このうち3割が奨学金を借りていた。  不況などのために奨学金を借りる人が多かった34歳以下(2061人)に絞って返済の負担感を聞くと、「少し」「かなり」を合わせて「苦しい」との回答が39・0%だった。非正規労働者に限ると、56・0%に上った。  卒業後の生活設計へ の影響では、結婚について「影響している」と答えたのは、「大いに」「やや」を合わせて31・6%。持ち家取得に対しては27・1%、仕事や就職先の選択 は25・2%、子育ては23・9%、出産が21・0%だった。いずれも悪影響とみられ、借金があることで「結婚など考えられない」という記述もあったとい う。  借入総額が500万円以上の正規労働者と、200万円以上の非正規労働者のうち、それぞれ約5割が結婚に「影響した」と回答した。  29日に記者会見した同協議会の花井圭子事務局長は「(国は)公教育への支出を増やし、大学授業料を安くするべきだ」と話した。  134万人(2015年度)が利用する日本学生支援機構の奨学金は、返済者の約半数が年収300万円以下。14年度末時点の未返済者は全体で32万8千人に上った。(高浜行人) "[he-forum 19175] しんぶん赤旗3/10","しんぶん赤旗 2016年3月10日(木) 国立大交付金44校減額 文科省が傾斜配分 教育大や地方大などでカット  文部科学省は9日、各国立大学が策定した中期計画に応じて、運営費交付金に差をつける制度の審査結果を発表しました。全国86大学のうち44校が 減額され、42校が増額となりました。文科省は、2016年度の運営費交付金は今年度と同額を確保したと説明し、学費値上げにつながるようなことはないと 説明していましたが、実際には半数以上の大学で削減されることが明らかとなりました。  交付金の傾斜配分は、「運営費交付金の適正化」の名で導入するもので、各大学が目指す方向性を(1)世界水準で卓越した教育研究(2)特色や強みを持つ分野での世界・全国的な教育研究(3)人材育成や課題解決での地域貢献―の3類型から選ぶことになっています。  文科省は、これに基づき各大学が作成した計画を審査。本来受け取れる交付金額の1・6%~0・8%(約101億円)を拠出させた上で、機能強化経費として評価に応じて増減し、再配分しました。  審査結果では、京都教育大や金沢大など43校は24・5%~3%の減額とされました。教育大や地方大学の減額が目立っています。旭川医科大は来年度事業を申請せず、全額カットになりました。  一方、九州大など43校は18・6~0・2%の増額となりました。  交付金の傾斜配分は来年度以降、達成度も加味していっそう強化する計画です。 "[he-forum 19174] 西日本新聞3/10","西日本新聞 2016年03月10日 01時44分 熊本大、大分大など運営費交付金増  文部科学省は9日、国立大学の改革戦略に対する評価結果を初公表した。5段階評価で、2016年度の運営費交付金の一部に差をつけて配分 する。九州大や熊本大、大分大、宮崎大など42大学が評価前よりも増額(最高約7000万円)、鹿児島大など43大学が減額(最高約5000万円)となっ た。  運営費交付金は学部構成や教員数などを基に算出される。文科省は各大学の中期計画(6カ年)が始まる16年度から、運営費交付金の一定割合を拠出(総額約94億円)してもらい、改革の評価に従って「再配分」する制度を導入した。  各大学は「人材育成などで地域貢献」「特色ある分野での教育研究」「世界水準の卓越した教育研究」の3類型から改革の方向性を選び、具体的な戦略を文科省に提出していた。  「地域貢献」では熊本、大分、宮崎を含む24大学の配分額が拠出額を上回り、分配率が100%を超えた。福岡教育、佐賀、長崎など30大学は100%に満たなかった。  「特色分野」(15大学)は九州工業、鹿屋体育など7大学が100%未満。「世界水準」(16大学)は九州、東京、京都など10大学が増額になった。  分配率が九州で最も低い86.2%だった鹿児島大の永井義美理事は「法文学部再編などの取り組みが17年度にスタートする予定で、今回の評価はやむを得ない。17年度以降は評価されると思う」と話した。 =2016/03/10付 西日本新聞朝刊== "[he-forum 19173] 毎日新聞3/10","毎日新聞2016年3月10日 東京朝刊 国立大 予算増は半数 改革策評価、交付金で明暗 文科省発表  文部科学省は9日、全国86の国立大が機能強化へ向けてそれぞれ打ち出した改革策の評価結果を発表した。評価結果は2016年度の運営費交付金の予算額 に反映される。反映率が100%を超えて予算額が増えたのは42大学。今回新しく導入された制度で、17年度以降は各大学の改革の成果に応じ予算が配分さ れることになっており、大学間の予算獲得競争が激化しそうだ。【三木陽介】  国立大は16年度から6年間の「第3期中期目標・計画」に入る。少子化やグローバル化が進む中、文科省は大学の特色や強みを打ち出すよう求めている。各 大学は、地域貢献▽全国的な教育研究▽世界で卓越した教育研究--の三つの枠組みから一つを選び、実現するための戦略を文科省に提出していた。  これを有識者による検討会が、適切な評価指標が設定されているかどうか、取り組みの具体性など8観点から評価した。その上で、運営費交付金のうち機能強化促進のために確保された計約100億円の配分に反映させた。大学側は人件費や設備費などに使う。  「地域貢献」を選んだ54大学のうち交付金予算額への反映率が最も高かったのは、地域デザイン科学部を新設した宇都宮大や小樽商科大など9大学で118・6%。9校ある教育大は兵庫教育大、奈良教育大以外が100%未満だった。  「世界で卓越した教育研究」の16大学では京都大、神戸大、九州大の3大学が110・3%で最高。「全国的な教育研究」を選んだ15大学の中では、海外 の芸術大との連携強化を打ち出した東京芸術大(113・2%)が最高だった。旭川医科大は唯一、戦略を提出しなかった。 2016年度運営費交付金の反映率  ▽地域貢献(54大) 118.6%(最高)=小樽商科大、帯広畜産大、岩手大、宇都宮大、長岡技術科学大、三重大、京都工芸繊維大、奈良教育大、和歌山大  75.5%(最低)=京都教育大  ▽全国的な教育研究(15大) 113.2%(最高)=東京芸術大  82.3%(最低)=筑波技術大  ▽世界で卓越した教育研究(16大) 110.3%(最高)=京都大、神戸大、九州大  80.2%(最低)=金沢大  ※旭川医科大は戦略を提出せず評価なし  ■ことば 運営費交付金  2004年度に国立大学が独立法人化されたことを受け、各大学の収入不足を補うために国が支給する補助金。人件費や光熱費に充てられている。15年度予 算は総額1兆945億円で、最も多く交付されている東京大は約800億円。04年度以降は年々減少傾向にあったが、16年度予算案は前年度と同額。 "[he-forum 19172] 日本経済新聞3/9","日本経済新聞 2016/3/9 22:01 国立大交付金、42校増額 改革評価で傾斜配分  文部科学省は9日、国立大学が目指す教育研究改革の方向性や戦略に応じ、運営費交付金に差をつける重点支援制度の審査結果を発表した。全国86の 国立大のうち、京都大や神戸大など42大学が増額評価となった。43大学は減額となる。増額幅は最大約7千万円、減額幅は同約5千万円だった。   運営費交付金はこれまで学生や教員の数などに基づき算出してきた。文科省は国立大に特色を打ち出すよう求めており、2016年度から交付金の一部を拠出さ せ、改革の中身を評価した上で再配分する仕組みを導入。各国立大は「世界で卓越した教育研究」「強み・特色のある分野の教育研究」「地域貢献」から目指す 方向性を1つ選び、戦略を提案していた。  文科省の有識者検討会(座長=稲永忍ものつくり大学長)の審査を踏まえ、各国立大の拠出金計101億円(運営交付金総額の約1%)を再配分した結果、42大学が100%を超えて増額となった。43大学はマイナス評価。旭川医科大は申請せず評価対象外だった。   「世界で卓越」を選んだ16大学のうち、最高評価は京都大、神戸大、九州大の3大学で、再配分率はいずれも110.3%。九州大は世界トップレベルの大学 との共同研究、アジア圏の大学とのネットワーク形成の推進が高く評価された。金沢大は「戦略の達成状況を判断する評価指標の設定が不十分」とされ、 80.2%にとどまった。  「地域貢献」分野で拠出分より再配分額が多かったのは24大学。地域創生を先導する人材養成に向け、学士課程の 改組を打ち出した岩手大は再配分率が118.6%に上った。京都教育大(75.5%)など30大学は再配分率が100%に満たなかった。京都教育大の担当 者は「数値目標がうまく表現できず、厳しい査定につながったと受け止めている。戦略をより具体化し、交付金増額につなげたい」としている。= "[he-forum 19179] 日刊工業新聞社説3/2","日刊工業新聞社説 2016年3月2日付 国立大交付金に競争制度ー分かりやすい形で改革を進めよ 政府の2016年度予算案では国立大学の運営費交付金を15年度と同額にした。同時に新年度からは各大学の改革に応じて支給額を増減する新制度が始まる。文部科学省は制度を分かりやすい形で運用しつつ、さらなる改革を推し進めてもらいたい。 近年の財政難の中で国立大の運営費交付金は毎年1%ずつ減額されてきた。ただ文科省の常盤豊高等教育局長は今後「こうした形をとらない」と明言する。 減額を求める財務省を説得できた大きな要因は、競争的な改革の導入だ。各大学は昨夏、新たな改革の枠組みである「世界」「特色」「地域」の3類型のうち、どれに沿った改革に取り組むかを選択した。国は交付金1兆1000億円のうち308億円を、この改革の程度に応じて配分する。交付金という基盤的経費に競争を取り入れたことは国立大の歴史の中でも大きなエポックだ。 交付金の大部分は大学の規模や教職員の退職金で決まる。16年度はこのうち平均1%、約100億円を留保し、競争による配分の308億円の一部に充当する。交付金を留保する比率を定めた「機能強化促進係数」は類型ごとに異なり、「世界」が一律1・6%なのに対して「地域」は0・8―1・2%だ。つまり「世界」を選んだ大学の方が大きな額を留保され、より競争的な環境となる。 この制度設計は、大学ごとの実情に配慮しつつ変化を促すものだと感じられる。ただ仕組みとして複雑な上に、必ずしも万能ではない。例えば大学の総収入に占める交付金比率は教育大学が7割程度なのに対し、病院収入のある医科大学では2割程度。交付金の1%を留保することで改革を促したとしても、大学によって意識の差は大きいだろう。 文科省は17年度から、留保する100億円のうち半分を、思い切った改革プランを策定した大学を後押しする新設の補助金に振り向ける計画という。大学関係者の納得を得ながら改革を加速するには、きめ細かく分かりやすい制度運用と同時に、こうした継続的な取り組みが必要だ。 "[he-forum 19178] 新潟日報3/5","新潟日報 2016年3月5日付 新大がサポーター倶楽部設立  企業からの寄付募る  新潟大は4日、新大の教育活動を財政面から継続的に支援する組織「新潟大学サポーター倶楽部(くらぶ)」を設立した。厳しい財政状況を受けた外部資金獲得策の一環。県内企業を中心に会員を募り、年会費収入を施設整備や学生のインターンシップ活動などに充てる。  新大は、主な会員として県内企業を想定。年会費は法人1口5万円、個人1口1万円で、年会費収入は新大の基金に寄付される。会員数の目標は設けていない。  サポーター倶楽部は会員同士の交流会や学生の活動報告会を定期的に開催するほか、新大の研究内容も会員企業に提供する。幹事に亀田製菓や第四銀行など11社が入り、会長に高橋姿学長が就任した。  新大によると、国から新大への一般運営費交付金は法人化された2004年度の145億円から15年度は134億円に減少し、今後も厳しい状況が予想されるとしている。  新潟市中央区の新大駅南キャンパスときめいとで設立発表の会見をした高橋学長は「これまで寄付については待ちの姿勢が強かった。教育活動を維持するために継続的にサポートしてもらい、産学連携にもつなげたい」と話した。 "[he-forum 19177] 毎日新聞3/3","毎日新聞 2016年3月3日付 東京芸大 次期学長候補に澤氏  東京芸術大(東京)は2日、次期学長候補に音楽学部長の澤和樹教授(61)を選出したと発表した。昨年12月、現在の宮田亮平学長(70)の再任を決めていたが、今年2月、宮田氏が4月から文化庁長官に就任することが決定。宮田氏から次期学長辞退の申し出があり、1日に開いた学長選考会議で選び直した。澤氏は和歌山県出身で、専門はバイオリン。任期は4月1日から2022年3月31日まで。 "[he-forum 19176] 秋田魁新報3/9","秋田魁新報 2016年3月9日付 秋大学長候補に山本氏 前任者辞任、24日選考へ  秋田大は8日、山本文雄理事兼副学長(67)を次期学長選考の対象者として公示した。学内外の有識者でつくる学長選考会議(議長・銭谷眞美東京国立博物館長、12人)が同日、立候補に必要な要件を満たしていると認めた。今後、教職員らによる意向聴取投票や公開質疑などを経て、正式な選考が行われる。  澤田賢一前学長の辞任を受け、2月26日〜3月3日に立候補を受け付けた。次期学長の任期は4月1日から4年間。3月24日の学長選考会議で次期学長候補者を決め、文部科学大臣の任命により就任する。  山本理事は鳥取大大学院医学系研究科博士課程修了。同大医学部助手などを経て1998年に秋田大医学部教授。2013年から副学長。14年から理事。 "[he-forum 19185] 朝日新聞3/18","朝日新聞 2016年3月18日13時40分 九大元教授、研究費で「退任記念の夕べ」 返還応じず  九州大学は18日、元教授の男性(69)が2010年3月の退任前に開いた退任祝賀パーティーに大学の教育研究費約600万円を充てていたと発表した。大学は私的な費用だとして返還を求め、法的措置も検討しているという。  大学の聴取に対し、元教授は支出基準で認められている「シンポジウムに伴う懇談会」と主張し、返還に応じていないという。  大学によると、元教授は同年3月、福岡市内 のホテルでパーティー「退任記念の夕べ」を主催。同僚や教え子ら約280人が出席し、約80人は会費計約120万円を負担した。その収入で不足する会場代 や飲食代、交通費計約600万円について、元教授は企業が教育研究のため大学に寄せる奨学寄付金から支出するよう事務職員に指示。事務職員がホテルなどに 支払う手続きをした。  大学は14年10月に教員の通報で調査を始め、「私的な催事に限りなく近い」と認定。関与した事務職員3人を厳重注意とし、元教授に今年2月、約600万円の返還を求めたという。 "[he-forum 19184] 朝日新聞(群馬)3/18","朝日新聞 2016年3月18日03時00分 群馬)群馬大、国歌斉唱せず 卒業・入学式、従来通り  下村博文・文部科学相(当時)が昨年6月、全国の国立大学長らに卒業式や入学式での国旗掲揚と国歌斉唱を要請していたことについて、群馬大学は、今春の式では従来通り、国歌斉唱を行わない方針を決めた。国旗はこれまで通り掲揚し、来春以降については今後検討する。  大学によると、1月の役員会で従来の式運営を継続することを決めた。「議論の過程については答えられない」としている。卒業式は今月23日、入学式は4月5日、全学部の学生を対象に前橋市内で行われる。群馬大学学生歌「ああ建学の」は歌うという。  国立大学の国歌斉唱をめぐっては、岐阜大学学長が卒業式などで国歌斉唱をしない方針を示したことに対し、馳浩・文科相は2月、「日本人として、特に国立大学としてちょっと恥ずかしい」と発言している。  1月の役員会に先立ち、大学は各学部に意見を求めた。関係者によると、教育学部教授会では、今春の式で国歌斉唱は必要はないとの意見でまとまったが、出席者の多くが賛否を明言しなかったという。  教授会では一部の教員が「世間で反対意見もあるなか、今回あえて(国歌斉唱を)する必要はないのでは」と発言。異論を挟む声は上がらなかったという。  ただ、賛成だったという教授は「面倒なことを言う人間というレッテルを貼られたくなかったので発言しなかった」と語った。関係者の1人は「(国歌斉唱などに)反対している大学のようにとらえられているが、明確な反対ではない。単に積極的に導入はしないという判断だ」と話す。 "[he-forum 19183] 朝日新聞3/18","朝日新聞 2016年3月18日10時16分 奨学金の未返済率、大学別に公表へ 日本学生支援機構 貞国聖子  奨学金の貸与をしている独立行政法人・日本学生支援機構は新年度から、奨学金の返済が滞っている人の率(未返済率)を、大学や専修学校など学校別に公表すると決めた。学校側の協力も得て未返済者を減らす狙いだが、「大学のランク付けにつながる恐れがある」など反対する声も出ている。  機構によると、昨年度末時点の未返済者は約32万8千人(未返済率9%)で、滞納額は計898億円。未返済者は年収が低い傾向があるという。学校別の公表は初めてで、大学や短大、専修学校が対象。新設校など一部は対象外とする可能性がある。担当者は「学校に現状を理解してもらい、返済の周知により力を入れてほしい」と説明する。  一方、ある国立大の学長は「なぜ大学別に公表するのか理解できない。無用な順位付けにつながりかねない」。別の大学関係者も「率の悪い大学名を公にするのは見せしめのようなものだ」と批判する。奨学金問題に詳しい岩重佳治弁護士は「未返済率が大学を選ぶ材料になったり、誤ったイメージを抱かれたりする恐れもある」と指摘する。(貞国聖子)= "[he-forum 19182] しんぶん赤旗3/18","しんぶん赤旗 2016年3月18日(金) 学費・奨学金の抜本改革、最低賃金の抜本引き上げを 日本共産党 志位和夫委員長の記者会見  日本共産党の志位和夫委員長が17日の記者会見で発表した「学費・奨学金の抜本改革、最低賃金の抜本引き上げを」と題した提案は次の通りです。 1、学費・奨学金の抜本的な改革提案  高すぎる学費の値下げと奨学金制度の抜本改革を提案します。  日本は、世界的にも高い学費でありながら、給費制奨学金制度もない、という特異な国になっています。そのために、学生が奨学金という名の借金を負 わされ、卒業時に平均でも300万円にもなります。大学院に進学すれば1000万円もの借金を背負ってしまうというケースもあります。遊ぶためでも、高額 の買い物をするためでもない、大学で学ぶために人生の門出を大きな借金を背負ってスタートしなければならないというのは、まったく異常なことです。  憲法が保障する教育の機会均等が侵されています。貧困の連鎖を断ち切るどころか、高い学費と奨学金という借金が新たな貧困を生みだすということが起きています。この異常な事態を是正することは、日本社会の現在と将来にとって急務です。 (1)学費値下げ計画の提案――国立も、私学も、10年間で学費(授業料)を半減する  高すぎる学費の引き下げに踏み出すことを提案します。  具体的には、国立大学では、国の運営費交付金を毎年160億円程度(2016年度運営費交付金1兆945億円の1・5%程度)ずつ増やし、その 分、学費を値下げしていけば毎年2万6000円程度を値下げすることができます。10年後には26万円の値下げとなり、現在の約53万円の半分に引き下げ ることができます。  私立大学については、国の私学助成の中に、学費値下げ緊急助成枠をつくります。国立大学と同じように、10年後に半減化するためには、私学助成を 毎年900億円程度引き上げていくことになります(2016年度予算案で私学助成は3153億円)。これで私学助成は経常費補助の40%程度に引き上げる ことになりますが、70年代には、政府も、私学助成を経常費の2分の1をめざしていました。  公立大学については、国から授業料を引き下げる公立大学に補助する制度を創設します(毎年40億円程度)。  予算規模は、国公私立全体で、毎年1100億円程度、10年後には1兆1000億円の規模となります。  この漸進的に学費を値下げしていく計画は、日本政府が批准した国際人権規約の「高等教育への漸進的無償教育導入」とも合致し、日本政府の国際公約を果たすことになります。 (2)奨学金制度の根本からの改革――“学生ローン”でなく、まともな奨学金にする――月額3万円(年間36万円)の給費奨学金を70万人に  現在、学生の2人に1人が奨学金を借り、貸与人員は1998年から2015年までの間に、3・5倍になっています。いまや奨学金なしでは、日本の 大学教育(高等教育)は成り立たなくなっています。ところが、日本の奨学金制度は、名前は「奨学金」ですが、実態は、学生に借金をさせる「学生ローン」と なっています。「学生ローン」から、ほんとうの意味での奨学金へと根本からの転換が必要です。  これまで日本共産党は、三つの改革を提案してきました(2014年10月、政策「学生が安心して使える奨学金に」を発表)。  (1)給付奨学金の創設  (2)すべての奨学金を無利子化  (3)既卒者の奨学金返済の減免制度をつくり、生活が困窮する場合の救済措置を講ずる  今回、これをさらに具体化し、月額3万円(年間36万円)の給費奨学金を70万人(現行の奨学金受給者140万人の半分、学生総数の4人に1人)の学生に支給する制度をまず創設し、規模を拡大していくことを提案します。支給対象は、経済的必要性を基準にします。  これは規模では年間2500億円程度であり、すぐにでも実現できる、という規模です。月額3万円は、現在の奨学金貸与額の月額6万円程度(無利子 5・9万円、有利子7・3万円)の半分くらいに相当します。4年間では144万円となり、平均「借金額」の300万円の半分程度となります。  ※アメリカの給付奨学金である連邦ペル奨学金は、平均年間2649ドル(30万円程度)、最高額4713ドル(2008年)であり、支給額は同程 度になります。ペル奨学金は、「完全なニードベース(経済的必要性)の受給基準」とされ、奨学生数は540万人(学生総数1730万人中)です。 2、最低賃金の抜本引き上げ――いますぐ、どこでも時給1000円にして、1500円をめざす  最低賃金については、この間、「時給1000円以上」を党の政策としてきましたが、若者の運動が「時給1500円以上」を掲げ、抜本引き上げの要 求には強いものがあります。時給1000円だと、年間1800時間の労働時間で年収180万円、1500円でも年収270万円にすぎません。時給1500 円をめざすということは、最低限の生活を保障するという点で当然の要求です。  いま、貧困と格差が広がり、働いても貧困から抜け出せないという状況が広がっていますが、その根本に低すぎる最低賃金があります。最低賃金の引き 上げは、地域での消費と需要拡大に直結します。中小企業への直接支援を本格的に行い、最低賃金を引き上げることは、地域経済の活性化につながります。  2015年度で、最低賃金は、全国加重平均で798円、693円(高知、宮崎、沖縄)~907円(東京)となっています。  最低賃金は、「いますぐ、どこでも1000円に、1500円をめざす」ということを、新たに提案するものです。 "[he-forum 19181] しんぶん赤旗3/18","しんぶん赤旗 2016年3月18日(金) 給費奨学金提案5野党思い一緒 民主代表代行  民主党の蓮舫代表代行は17日の記者会見で、日本共産党が同日、学費値下げや給費奨学金創設などを提案したことについて問われ、「5野党(共産、 民主、維新、生活、社民)の中でも『学生さんたちに借金を背負わせるのはおかしい』という思いは一緒だから、どういう部分で同じ行動がとれるか考えてい く」と述べました。  蓮舫氏は、野党の共同について「基本的には(学費問題以外の)他の法律でも現実的には対応が同じものもある」と指摘。給費奨学金創設に関して「民 主党の中でも財源も含めて議論している。夏(の参院選)に向けて現実的なものは訴えたい」と語り、参院選で訴えていく考えを示しました。= "[he-forum 19180] しんぶん赤旗3/18","しんぶん赤旗 2016年3月18日(金) 大学学費10年で半減 奨学金・最賃も抜本改革 志位委員長が会見し提案  日本は世界的にも高い学費でありながら、給費制奨学金制度もない特異な国になっていることをどうするか、貧困と格差の根源となっている低すぎる最 低賃金をどうするか――。日本共産党の志位和夫委員長は17日、国会内で記者会見し、これらの問題について「学費・奨学金の抜本改革、最低賃金の抜本引き 上げを」と題する提案を発表しました。  (提案全文)  志位氏は、学費と奨学金の異常な実態を示し、「憲法が保障する教育の機会均等が侵され、新たな貧困を生み出しています。この異常な事態を是正することは、日本社会の現在と将来にとって急務です」と力説し、二つの改革を提起しました。  第一は、学費を値下げして、国立も私学も10年間で授業料を半減することです。  国立大では国の運営費交付金を毎年増やし、10年後には現在の約53万円の半分となる26万円へ引き下げる▽私立大では、学費値下げ緊急助成枠を つくって私学助成を引き上げる▽公立大には、授業料を引き下げる大学に補助する制度を創設し、それぞれ10年間で半減させるというものです。  第二は、“学生ローン”ではなく、まともな奨学金に改革し、給費奨学金として月額3万円(年間36万円)を70万人に給付することです。  志位氏は「日本の奨学金制度は、名前は『奨学金』ですが、実態は学生に借金をさせる『学生ローン』です」と述べ、「本当の意味で根本からの転換が 必要です」と強調。月額3万円は、現在の貸与額の半分くらいに相当し、70万人は受給者140万人の半分、学生の4人に1人に支給できると述べました。  最低賃金について志位氏は、「いますぐどこでも、1000円にして、1500円をめざす」と述べました。  「若者の運動が『時給1500円以上』を掲げ、抜本引き上げの要求は強いものがあります。時給1500円は、最低限の生活を保障するという点で当 然の要求です」と指摘するとともに、「中小企業への直接支援を本格的に行い、最低賃金を引き上げることは、地域経済の活性化にもつながります」と力説しま した。  志位氏は「戦争法(安保法制)廃止などとあわせて、一緒に運動を起こして実現をはかろうと呼びかけていきたい」と表明しました。 提案の骨子 〇国立も、私学も、10年間で学費(授業料)を半減する 〇月額3万円(年間36万円)の給費奨学金を70万人に支給 〇いますぐ、どこでも時給1000円にして、1500円をめざす "[he-forum 19186] 大学の軍事研究に反対する署名運動 その後の経過"," 大学の軍事研究に反対する署名運動事務局の野田隆三郎です。   (転送歓迎。重複ご容赦) 署名は2月20日で終わりました。署名総数は9016筆でした。 多くの方にご協力いただきありがとうございました。    http://dgunk.exblog.jp/ 現在、昨年、防衛省公募に応募した18の大学に署名者名簿を添えて 今後、応募しないよう申し入れる取り組みを行っています。     http://gunjikenkyu-no.jimdo.com/ 日本学術会議会長が学長を務める豊橋技術科学大学への申し入れ(3月15日) では中日、朝日、毎日が記事を書いてくれました。 それに反論するために 大西隆学長が3月23日記者会見を開きましたが、 朝日新聞以外は記事にしませんでした。大西氏にとってはショックだったのでは ないでしょうか。面目丸つぶれ、恥の上塗り。 名古屋テレビは以下のように報道しました。 「軍事研究」の反対署名を受け 豊橋技術科学大学が会見 防衛省から研究費を受け取ったことについて、「軍事研究」にあたるとして、約9000 人の反対署名が集まったことを受け、豊橋技術科学大学が会見しました。 豊橋技術科学大学は、防衛省が自衛隊の装備などへの応用が期待される研究に対し研 究費を支給する制度で、有毒ガスなどを効果的に吸着する繊維の研究が採用され、年 間約470万円を受け取っています。これが「軍事研究になる」として、約9000人の反 対署名が提出されたことを受けて会見した大西隆学長は、「研究は多目的に使われ る。それ自体は攻撃的な兵器ではないという観点で、応募することを承認した」と述 べました。 更新時間:2016年3月23日 18:59 http://www.nagoyatv.com/news/?id=131265 "[he-forum 19187] しんぶん赤旗4/7","しんぶん赤旗 2016年4月7日(木) 私大生 仕送り最低に 東京私大教連調査 生活費1日850円  首都圏の私立大学に2015年春に入学した新入生の仕送り額が月平均8万6700円で、2001年度以降15年連続で減少し、過去最低を更新したことが6日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査で明らかになりました。  調査は昨年5~7月、東京や神奈川など5都県にある16大学・短大の新入生の保護者を対象に実施。4568件から回答を得ました。  調査によると、入学直後の出費が落ち着く6月以降の月平均仕送り額が、前年から1800円減少し、過去最低に。  仕送り額から家賃を引いて30日で割った1日の生活費は850円で、調査開始以降最低。初めて900円台をきった前年度(897円)に続き減少しています。  学費など入学に必要な費用を借り入れた家庭は17・9%。借入額の平均は前年よりも2万3000円増の183万円で過去最高です。  下宿生など自宅外通学者の「入学の年にかかる費用」は295万円で世帯収入の32・8%を占め、9割の家庭が費用負担を「重い」と回答しています。  東京私大教連は「各家庭の学費等の負担は限界に来ている」と指摘。食費の切り詰めや遠距離通学の増加、アルバイトで学業に支障が出ている実態を紹介。学費負担軽減のため、私大への補助金増額や給付制奨学金などの拡充を政府に求めていくとしています。 "[he-forum 19188] 産經新聞4/12","産經新聞ニュース 2016.4.12 09:15更新 「国・公・私」超え大学再編 文科省、秋にも中教審諮問  文部科学省が、国公私立の枠組みを超えての統合を視野に入れた大学再編を検討していることが11日、同省関係者への取材で分かった。秋にも再編の 在り方を中教審に諮問する。大学進学率が頭打ちの中、今後18歳人口の急速な減少が見込まれ、主に地方で定員割れが続く私立大の経営は一層厳しくなる見通 し。一方で地方創生を担う人材育成も求められており、文科省は、私立だけでなく国公立も巻き込んだ再編で、地方大学の教育力や財務基盤を強化したい考え だ。  主に教員養成系の国立大と地方の私立大の扱いが焦点になるとみられる。厳しい国の財政事情で、国立大の運営費交付金や私立大への補助金は減少傾向にあり、再編で大学を減らして支出を抑え、傾斜配分を進める狙いもありそうだ。  これまで国立同士、私立同士といった統合や、私立大が公立大に変わったケースはあるが、国公私立の枠組みを超えた統合はない。  文科省は諮問後、論点や法的な課題の整理のため、中教審に大学や地方自治体の関係者らでつくる特別部会を置く方向で検討する。  文科省によると、四年制大学への進学率は約50%。ここ数年120万人前後だった18歳人口は、平成30年度以降減少し、43年度には100万人を下回ると予測されている。= "[he-forum 19189] しんぶん赤旗5/16","しんぶん赤旗 2016年5月16日(月) 研究者の雇用を守れ 山下氏 産総研の雇い止め追及  理化学研究所など国立研究所を指定して報酬の特例などを設ける特定国立研究開発法人法案が11日、参院本会議で可決しました。日本共産党は、財界本位の研究開発に資金・人材を重点化させていくものだとして反対しました。  日本共産党の山下芳生議員は10日の参院内閣委員会で、同法案で指定される産業技術総合研究所のテクニカルスタッフ(研究助手・技術者)の雇用問題をただしました。  産総研の1573のテクニカルスタッフ全てが最長1年~10年・毎年更新制の有期契約職員。昨年度から契約期限がきた人に「再雇用禁止」ルールを 設けました。労働契約法等では、有期契約が更新され通算5年(研究職種は10年)を超えたときは、労働者の申し出で無期労働契約に転換できるルールがつく られています。産総研では、「クーリング」と呼ばれる6カ月の未雇用期間があれば通算雇用期間がリセットされる仕組みを悪用し、テクニカルスタッフに「無 期転換権」が生じないよう雇止めにしています。  山下氏は、ノーベル賞級の研究成果も「優れた研究支援者の存在があってこそ」、「研究支援者の経験が蓄積されず、研究活動にも支障が生じている」 などの研究者の声も示し、「たたちにやめさせるべき」と迫りました。星野剛士・経産大臣政務官は「産総研としっかり意見交換したい」と述べました。 "[he-forum 19190] 高等教育フォーラムMLの配信不具合(4/30~5/13)発生のご報告とお詫び","「高等教育フォーラム」メーリングリストをご利用の皆様 全大教書記次長の岩崎です。 皆様にご利用いただいている「高等教育フォーラム」メーリングリストにつきまして、 プロバイダー(アサヒネット)側の手違いにより、本年4月末から5月13日にかけて メールの配信ができない状態となっておりました。 5月11日に利用者の方から「MLのメールが届かない」との問合せをいただき、 確認を行った結果不具合が判明したもので、現在は復旧しております。 もし、上記の期間中に高等教育フォーラムメーリングリストに投稿された方が おられましたら、お手数ですが再度の投稿をお願いいたします。 このたびは、MLの不具合でご不便をおかけしたことをお詫びいたします。 今後とも、メーリングリストを活用した大学・高等教育に関する情報交換、 意見交流をよろしくお願いいたします。 ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) 全国大学高専教職員組合 iwasaki@zendaikyo.or.jp 東京都台東区東上野6-1-7 MSKビル7階 tel.03-3844-1671 fax.03-3844-1672 ---------------------------------- "[he-forum 19193] 山形新聞5/18","山形新聞 2016年05月18日 09:24 山形大学長「早期解決したい」 雇い止め問題で見解  山形大大学院理工学研究科(米沢市)の元男性教授らが、不当な雇い止めを受けたとして雇用継続を求めている件に関し、小山清人学長は17日の定例会見で早期に解決したいとの考えを示した。  雇用継続を求めているのは、3月まで教授を務めていた原富次郎氏ら計8人。大学に団体交渉を申し入れ、今月9日に1回目の交渉を終えている。原氏らは大 手企業の寄付を活用した講座のプロジェクト教員として、1年の雇用契約を更新しながらポリ塩化ビフェニール(PCB)の微生物による無害化研究に従事して いたが、寄付打ち切りに伴い新年度の更新はならなかった。  小山学長は「従来、プロジェクトが終わると雇用契約も終わる形式で、全国の国立大もそうなっている」と説明。一方で企業の寄付打ち切りによる雇い止めの 通告が遅れたことは反省事項だとし「2カ月間の雇用契約延長を提案させていただいている。本人の今後などを考えれば、なるべく早く解決したい」と話した。= "[he-forum 19192] 東京新聞 5/18朝刊","軍学研究助成「100億円に」 自民提言 当初の30倍以上 自民党は十七日の国防部会で、武器技術の研究開発強化に関する提言をまとめた。 軍事に応用可能な大学や独立行政法人、民間企業の基礎研究に助成する防衛省の 「安全保障技術研究推進制度」の総額を、当初の三十倍以上にあたる百億円規模 に大幅に引き上げることなどを求めた。同制度には「学術界が戦争に利用された 戦前に回帰する動きだ」と研究者の団体が批判、反対している。 制度は昨年度に新設され助成金総額三億円だったが、一六年度は六億円に拡大した。 批判に対し自民党の大塚拓国防部会長は「民生用にも使える技術研究への助成だ。 研究開発費にけた違いの予算を注ぐ各国に取り残されないため大幅増が必要」と 説明している。 提言では、武器技術の中長期的な戦略の策定や関係省庁との調整などを進める新た な会議を設置することや、防衛装備庁の人員増も求めた。武器の国際共同開発や 輸出を見据えた開発促進、優れた技術を持つ中小企業の発掘なども盛り込んだ。 近く政府に提言する。 (金杉貴雄) "[he-forum 19191] NHKおはよう日本 5/18","おはよう日本 特集ダイジェスト 2016年5月18日(水) 国立大学改革 “評価”で明暗 この春、全国の国立大学で新たな学部の発足が相次ぎました。 「改革」をかけ声に、変わる国立大学。 その背景は? 阿部 「優れた教育や研究など、魅力的な国立大学を実現するとして、文部科学省が 推し進めてきた大学改革。 今年度から、新たな取り組みをスタートさせました。 各大学が、どのような改革に取り組んでいるのかを評価して、予算の配分にも 反映させようというものです。」 和久田 「それぞれの大学は『世界トップ水準の研究』や『地域貢献』など、目標を選 択し、それを実現するための構想や戦略を提出します。 文部科学省は、それを『A』から『E』までの5段階で評価。 今年(2016年)3月の結果はこちらです。 まず、一番高い『A』評価は、帯広畜産大学や東京藝術大学、そして、和歌山 大学など、13大学。 『B』評価は、北海道大学や東京大学、宮崎大学など、29大学。 そして、『C』『D』『E』は、ご覧の通りとなりました。」 阿部 「その評価に応じて、交付金の一部も決まるために、どのような評価を受ける のか、大学にとっては一大事です。 新たな学部を作るなどして、『A』や『B』など、高い評価を得ている大学が ある一方で、努力が認められず、不本意な評価を受けた大学もあります。 何が明暗を分けたのでしょうか。」 “改革”で変わる大学 “評価”で明暗… リポート:岡本綾(社会部) 上から2番目の「B」評価を受けた、宮崎大学です。 地域貢献を目標に掲げるこの大学では、この春、学部を再編し「地域資源創成 学部」を新たに立ち上げました。 1期生96人が受講する講義。 教壇に立ったのは…。 バス会社の取締役 「ただいまご紹介にあずかりました。 宮崎交通の上村と申します。」 企業や自治体など、県内のさまざまな分野で活躍する人を招き、宮崎で働く魅 力を知ってもらう特別講義です。 新たな学部では、宮崎の産業や文化を学ぶ授業を通じて、地域に役立つ即戦力 を育てたいとしています。 宮崎大学 池ノ上克学長 「宮崎を元気にしていく、地域、社会のニーズに応えられる、新しいタイプの 社会人を生み出したい。」 宮崎大学では、新しい学部を中心に、特色ある取り組みを打ち出しています。 その1つが教員です。 個性的で、実務経験が豊富な8人を採用しました。 デザインマーケティング 宮木健二准教授 「去年(2015年)10月まで、デザインプロデューサーという仕事をして いました。」 国際協力 井上果子講師 「ベトナムで農家さんと一緒にお米を作っていました。」 さらに授業も。 就業体験や地域でのフィールドワークなど、実践的な教育を多く取り入れてい ます。 今回の「B」評価は、こうした努力が認められた結果だと、大学では考えてい ます。 宮崎大学 池ノ上克学長 「自分たちが努力をしていることを認めてもらいながら、運営費交付金をいた だく。 改革の方向は、“地域の役に立つ”。 地域のみなさん、宮崎県のみなさんが『宮崎大学いらないよ、あんなもの』と 言われるようじゃ、だめ。」 一方、厳しい評価に直面している大学もあります。 徳島県にある、鳴門教育大学。 教育学部のみの大学です。 少人数による、きめ細かい指導で、教員就職率は全国の大学の中で、6年連続 トップクラス。 教育現場で中核を担う、優秀な人材を育てることを目標にしています。 さらに、現役の教員が学ぶことができる「教職大学院」を、全国でもいち早く 作るなど、大学改革に前向きに取り組んできました。 しかし評価は、下から2番目の「D」。 教育大学として努力を重ねてきましたが、目をひく改革として認められなかっ たことが原因とみています。 鳴門教育大学 山下一夫学長 「大きな組織改革がないところは、厳しく(評価を)つけられたのではない か。」 運営費交付金が、予算の8割近くを占める鳴門教育大学。 交付金は、およそ10年間で3億円以上削減されました。 人件費削減のため、一昨年(2014年)から、定年退職した教員の補充を基 本的には行わない方針を決め、教員は、この10年で30人減りました。 IT機器を教育に活用する研究をしている、藤村裕一准教授です。 定年退職した教員の分の講義や、事務仕事を代わりに請け負うことになり、業 務量は年々増えています。 大学の広報も担当している藤村さんは、授業の合間を縫って各地をまわるなど、 多忙なスケジュールをこなしています。 鳴門教育大学 藤村裕一准教授 「教育にしわ寄せだけは絶対にできないので、時間を削るというのは、研究の 部分にならざるを得ない。 でもそれは、研究者としては本末転倒な話なので、つらい。」 どんな取り組みを打ち出せば、高い評価につながるのか。 大学では今、次の一手を模索しています。 鳴門教育大学 藤村裕一准教授 「きょう、そっち天気どうですか? 地震とかは大丈夫ですか?」 「はい、宮崎市内は揺れないです。 天気はくもりです。」 改革の軸にしたいと検討しているのが、現役の教員を対象にした「遠隔教育プ ログラム」です。 忙しくて時間の取れない教員でも、インターネットを使って、どこからでも授 業を受けることができる仕組みです。 大学院としての機能を充実し、改革をアピールしたいと考えていますが、教員 の補充が行えない中、人出が足りません。 地道で、時間のかかる教員の養成。 一方で求められている、目に見える改革の成果。 達成すべき2つの使命を前に、大学の苦悩が続いてます。 鳴門教育大学 山下一夫学長 「改革の基本的理念には賛成だが、慌てて、早く結果を出せ出せとすることに よって、大学が、本来の機能を果たせなくなったら、これは怖い。 “大学はこういう改革を一生懸命に取り組んでいるんですね”、“なかなか数 値には表れないけど、いい取り組みですね”とか、実際に(大学の現場に)入 っていって、評価をしてもらいたい。」 国立大学改革はいま なぜ評価に明暗? 阿部 「社会部の岡本記者に聞きます。 改革を進めていたとしても、国からの評価に差が出ているというのは、なぜな んでしょうか?」 岡本綾記者(社会部) 「取材した大学の関係者などは、新しい学部を作るなど、組織的な改革案を示 した大学が、高い評価を得る傾向にあるのではないかと話していました。 しかし、組織的な取り組みには、新たな資金や人出が必要になるので、財政的 に苦しい今の国立大学の中には、なかなか踏み出せないところも多いと思われ ます。 専門家は、国が求めている改革の必要性は認めていますが、その進め方につい ては、課題も指摘しています。」 筑波大学 金子元久特命教授 「資源(予算)を絞って“変えろ”と言っているので、変えること自体、現実 的には非常に難しい。 国立大学の今の現状は、日本の大学全体、私立を含めた全体の問題を表してい る。」 少子化・予算削減… 大学生き残りの道は 和久田 「今度、どのように改革を進めていくのか、大学にとっては難しい問題です ね。」 岡本綾記者(社会部) 「各地の国立大学は、全国、場所を問わず、一定の水準を満たした教育を提供 してきました。 しかし、少子化や厳しい財政状況の中で、これまでのやり方を全体として維持 していくのは難しくなっています。 生き残りをかけた改革競争を迫られている状況ですが、改革のための改革にな らないよう、将来を見据えたビジョンや、学生や地域にとって魅力のある大学 作りを忘れてほしくないと思います。」 "[he-forum 19194] 西日本新聞5/27","西日本新聞 2016年05月27日 11時47分 政府、給付型奨学金を創設へ 1億総活躍プランで検討明記  政府は27日、近く閣議決定する「1億総活躍プラン」で、返済不要の給付型奨学金について「創設に向けて検討」と明記する方針を固めた。 2017年度の実施を目指す。これまでは財源確保や公平性の点で課題があるとして導入判断を先送りしていたが、教育費負担の軽減策を強化するよう自民、公 明両党が政府に働きかけていた。  現在の公的な奨学金事業には、有利子か無利子で学生に貸し付け、将来返済を求める貸与型のみ。児童養護施設の出身者らに対しては給付型の支援策があるが、幅広く対象にする給付型奨学金を創設することにより、家計の状況による教育機会の格差の解消を図る。= "[he-forum 19195] しんぶん赤旗5/30","しんぶん赤旗 2016年5月30日(月) 平和のための学問広げる 「軍学共同」反対シンポ 京都大で学者の会  「安全保障関連法に反対する学者の会」は29日、京都大学(京都市左京区)で、安倍政権がすすめる「軍学共同」を考える、「『軍学共同』反対シンポジウム―平和のための学術を求めて」を開き、150人が参加しました。  広渡清吾東京大学名誉教授・日本学術会議前会長と、井野瀬久美恵甲南大学教授・日本学術会議副会長が開会あいさつ。広渡氏は「安保関連法などに反 対する政治運動とともに、学問、科学者の在り方、いかに平和のための学問を広げるかが問われている。社会的議論を広げる契機にしたい」と述べました。  井野瀬氏は、学術会議が20日に「安全保障と学術に関する検討会」を設置したことについて、軍事研究否定の方針を転換するかのように報道されてい るが、軍事研究を否定した学術会議の二つの「声明」は検討対象に入っておらず、それを見直すためのものではないと強調しました。  「学者の会」呼びかけ人の池内了名古屋大学名誉教授が、「軍学共同の現在と学術の将来」について基調講演。「『軍学共同』とは、いかにも対等の立 場に聞こえるが、学者、研究機関が防衛省の下請けになること」と述べた池内氏は、軍学共同がすすめられてきた経過を説明。軍からの研究費が大学をゆがめる 「これはまさに研究者版の『経済的徴兵制』です」と告発しました。  第2部、第3部では「防衛省安全保障技術研究推進制度」「大学の財政問題の現状と課題」などについて、大学教授、研究者から報告がおこなわれました。  ノーベル賞受賞の物理学者、益川敏英氏からのメッセージが紹介されました。 戦争と平和の分水嶺 ノーベル賞 益川さんメッセージ  「『軍学共同』反対シンポジウム」で紹介された、ノーベル賞受賞の物理学者・益川敏英氏のメッセージは以下の通りです。 ◇  今迄も歴代内閣は、平和憲法の精神を徐々に逸脱し変質させてきた。しかし、其れでも憲法は明確に生きていた。五年ほど前に東支那海に百屯ほどの不審船を発見した自衛艦は20ミリ機関砲を警告発報は出来ても、実射ができなかった。  安倍内閣は先に発砲できる交戦権が欲しいのである。是は明確に現行憲法九条が禁止している。是を乗り越えるには憲法無視しかない、と安倍内閣は判断している。  是と歩を合せたものが本日の露骨な軍事共同の推進で、今迄の陰でこっそりと、とは分けが違う。我々も本腰を入れて対決しなければならない。日本を戦争の出来る国にするのか、平和な日本を守るのか、の分水嶺に来ている。  このシンポジウムの成功を足場に平和な日本を守りましょう。 名古屋大学KMI研究機構 益川 敏英 "[he-forum 19196] しんぶん赤旗6/3","しんぶん赤旗 2016年6月3日(金) 軍事研究推進に100億円 札束で学術界切り崩し 自民が首相に提言  自民党国防部会は2日、安倍晋三首相を訪ね、大学や民間企業を軍事研究に動員するための防衛省の資金提供制度を、「100億円規模へと大幅に拡 充」することを求める武器政策提言を手渡しました。戦前への反省から、軍事研究に従わない方針をとってきた日本学術会議をはじめとする科学研究者らに対 し、札束攻勢で切り崩しを狙う重大な動きです。  安倍政権は戦争法や武器輸出解禁の動きと一体に、“軍産学”で武器開発を進める国家体制への大転換を狙っています。首相は「しっかり政府で動くように指示していきたい」と応じました。  軍事研究への“呼び水”とされている防衛省の「安全保障技術研究推進制度」の予算規模は、2015年度の創設時で3億円です。提言は、これを一気に30倍以上へ増額を求める異例の内容です。  さらに提言は、国の科学技術政策の司令塔的な役割を担う総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍首相)の構成員に、防衛相を追加することも 提起しています。また、国家安全保障会議(日本版NSC)と総合科学技術・イノベーション会議の両者に武器開発の司令塔機能を整備し、軍事技術開発の今後 の方向性を定める国家戦略文書の必要性も指摘しました。 自民党提言の主な内容 ○「防衛技術戦略」の策定 ○有識者による国防科学委員会(日本版DSB)設立 ○防衛装備庁の人員拡充 ○武器研究開発予算の大幅拡充 ○軍需企業の海外展開支援 ○軍需産業組織の再編促進= "[he-forum 19198] しんぶん赤旗6/6","しんぶん赤旗 主張 2016年6月6日(月) 防衛省の研究助成 大学を軍事の下請けにするな  安倍晋三政権が、大学を軍事研究の下請けにする動きを急速に強めています。平和憲法のもとで軍事研究を拒否し、学問の自由を守ってきた日本の大学の存立にかかわる重大問題です。 学術の本質を損なう危険  防衛省は、大学などに研究を委託し資金を提供する「安全保障技術研究推進制度」を2015年度から導入し、16年度予算で6億円に倍増しました。 装備品(兵器)に適用できる「独創的な研究を発掘する」ためとしています。自民党は、自衛隊の「技術的優越」がなければ「勝利を収めることはできない」と して、同制度を100億円に拡充することや、内閣府が14年から導入した「革新的研究開発推進プログラム」(基金額550億円)を、「安全保障にも資する 研究」にさらに投入することなどを首相に提言しました。  大学は、基盤的経費が最近10年間で大幅に削減され、研究者が自由に使える研究費が底をつくような危機的事態に追い込まれています。軍事研究のために研究者のほおを札束でたたくようなやり方に、「研究者版経済的徴兵制」という批判もでています。  見過ごせないのは、日本の科学者を代表する機関である日本学術会議の大西隆会長が「私見」として「個別的自衛権のための基礎研究なら許容される」 と発言したことです。これにたいし会員から「学術の本質が損なわれかねない」との批判など、さまざまな意見がだされ、学術会議内に「安全保障と学術に関す る検討委員会」が設置されました。  日本学術会議は、科学者が侵略戦争に協力した戦前への反省の上に、1950年と67年の2度にわたり「戦争を目的とする研究には従わない」声明を 採択しました。この声明こそ、多くの大学が軍事研究を拒否する土台となっています。最近も広島大や新潟大、琉球大などが、「学問は平和のため」として防衛 省の研究助成に応募しないことを確認しています。学術会議が大西会長の私見を追認し、これまでの声明の立場を事実上骨抜きにするようなことになれば、科学 者を戦争国家の“しもべ”へと誘導することになり、学術界の自殺行為と言わなければなりません。  防衛省は、デュアルユース(民生にも軍事にも利用可能な)技術だから民生分野でも活用されることを強調しています。しかし、スポンサーとして研究 成果を活用するのは防衛省であり、その目的が軍事であることは明瞭です。実際、防衛省が研究助成で公募する20のテーマは、いずれも兵器開発に直結する研 究です。例えば、「水中移動の抵抗軽減」や「音響・可視光以外の手法による水中通信」は、潜水艦の性能を高度化することに使われるものです。  「自衛のためだから」と軍事研究を容認すれば、核兵器の保有も憲法上問題ないとする安倍政権のもとで、核兵器研究まで許されることになりかねません。 国民の良識でストップを  科学は平和と人類福祉に貢献することを使命とし、そのために「学問の自由」が保障されるべきだというのが、戦後の学術界の原点であり、日本国憲法の精神です。  大学を軍事研究の下請けに変質させ、「学問の自由」を踏みにじる安倍政権の暴走に、国民の良識でストップをかけるときです。= "[he-forum 19197] J-CAST NEWS 6/1","J-CASTNEWS 2016/6/ 1 19:40 東北大、非正規教員3200人「雇い止め」? 非常勤講師労組がブログで告発 東北大学が実に3000人を超える非正規教職員を2年後に「雇い止め」しようとしている――。非常勤講師らで作る労働組合「首都圏大学非常勤講師組合」(本部:東京都豊島区)のそんな告発が、話題を集めている。 背景にあるのは、2013年4月に施行された改正労働契約法の「無期転換ルール」だ。最初の有期雇用契約から満5年経過後は、任期の定めのな い無期雇用への転換を望んだ労働者は無期雇用としなければならないことを定めている。これが有期雇用の非正規雇用を大量に抱える大学法人にとって深刻な問 題となり、非常勤講師などの働ける期間を最長5年に定める大学が相次いでいた。 ? 東北大でも「非正規の乱」起こるか 大学当局「現在検討中です」 首都圏大学非常勤講師組合の「告発」は、2016年5月31日のブログに掲載された。それによると、東北大学は2018年以降、その時点で6 年以上勤務する非正規教職員を、順次雇い止めする方針を固めたのだという。予想される対象人数は、およそ3200人。J-CASTニュースが取材した首都 圏大学非常勤講師組合の関係者によると、無期雇用への転換となるのは04年の独立行政法人化のときから働いている教職員などで、各教職員にはすでに自身の 雇い止め期日を知らせる文書も配られているらしい。 関係者によると、対象の非正規教職員は16年4月の学内説明会で2年後の雇い止めを通告された。ただ、説明会で配布された文書には「無期転換 候補」となれる「選考基準」も示されており、それには正規職員と「同等、あるいは同等以上の成果を出すと見込まれるものであること」と記されているとい う。改正労働契約法の「無期転換ルール」とは異なる基準とみられる。組合関係者は 「正規と同じ仕事をして欲しいなら、正規職員を雇えばいいじゃないですか。大学側は雇い止めの理由を『無期雇用を活用するため』と言っていますが、おかしな話ですよ」 と批判する。 ちなみに、東北大学にコトの真偽を問い合わせたが、「本学における無期転換制度については、現在検討中です」としか答は返ってこなかった。 大学教職員の「雇い止め」問題は「無期転換ルール」との兼ね合いで、以前から話題となっている。日本の大学は非常勤講師やTA(ティーチング アシスタント)といった非正規の教職員を多く抱えている。彼らのほとんどは大学と有期雇用契約を結び、1年ごとに契約を更新する。契約期間を過ぎれば契約 を解除されてしまう不安定なポストだ。 そんな非正規教職員の数はここ数年右肩上がりだ。文部科学省が15年3月31日に発表した資料「大学教員の雇用状況に関する調査」によると、 07年度から13年度の間に任期付きの教員が4000人も増えている。教員数全体に占める任期付き教員の割合は27%から39%に上昇。逆に、無期雇用の 教員は約1400人減った。 "[he-forum 19200] Re: [he-forum 19199] 試験送信です","受信しました 福岡教育大学教職員組合 あやべ -----Original Message----- From: IWASAKI Makoto Sent: Wednesday, August 17, 2016 2:21 PM To: 全大教 高等教育フォーラム Subject: [he-forum 19199] 試験送信です -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19199] 試験送信です"," -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19212] 南日本新聞 2016.8.28","http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201608&storyid=78298 南日本新聞 ( 8/28 付 ) [「共謀罪」提出へ] 監視社会への不安拭え  「目配せや相づちも共謀になるのか」「酒席で『上司を殺そう』と盛り上がれ ば適用されるのか」  そんな懸念が消えず、過去3回廃案になった「共謀罪」法案が組織犯罪処罰法 改正案として、9月の臨時国会に提出される方向だ。  評判の悪い罪名は「テロ等組織犯罪準備罪」に変えた。  捜査機関の拡大解釈と乱用への批判をかわすため、適用対象をこれまでの単な る「団体」から「組織的犯罪集団」に限定した。犯罪の構成要件も共謀だけでな く「準備行為」を加えた。  それでも識者は「犯罪集団や準備行為の定義が曖昧で、捜査当局の恣意(し い)的な判断の余地がある。『監視社会』になってしまう危うい構造は変わって いない」と警鐘を鳴らす。  政府はこうした危惧を真摯(しんし)に受け止め、国家による市民監視強化へ の不安を払拭(ふっしょく)すべきである。  政府が法整備を急ぐのは、昨秋のパリ同時多発テロなど、世界各地でイスラム 過激派らによるテロが続発しているからだ。  2020年の東京五輪を控え、テロの未然防止に取り組む必要もある。さらに 政府は国際社会からの要請も挙げる。  日本政府は2000年に国際組織犯罪防止条約に署名したが、条約を締結する には共謀罪など法整備が必要との立場だ。  2年前のテロ資金根絶を目指す国際会合では、日本を名指しして国内法の不備 を非難する声明が出されたこともある。  国際テロの防止や、資金源を断つための政策は当然進めなければならない。  だからと言って、市民団体や労働組合などの健全な活動を萎縮させかねない法 整備は最大限慎重を期すべきである。  法案が国会に提出されたら徹底した審議を求めたい。  これまで日弁連内からは「現行法でも予備罪や陰謀罪など、未遂以前の段階で 処罰できる仕組みがある」との指摘があった。  実際、14年に施行された特定秘密保護法も共謀を処罰する規定を盛り込ん だ。今年5月には刑事司法改革関連法が成立し、捜査で電話やメールを傍受でき る対象犯罪が大幅に増えた。  捜査機関にとって共謀罪はさらなる権限拡大につながる「悲願」とされる。だ が危うさもはらむ。  改正案に直接関係はないが野党の支援団体が入る建物敷地に、無断で隠しカメ ラを設置したとして大分県警の署員らが建造物侵入の疑いで書類送検された。  改正案の「乱用の危険はない」と言う検察内の声はうつろに響く。 "[he-forum 19211] 毎日新聞 2016.8.30","http://mainichi.jp/articles/20160830/ddm/005/070/071000c 毎日新聞2016年8月30日 東京朝刊 社説 テロ準備罪 本当に必要性はあるか  「テロ等組織犯罪準備罪」の新設を政府が検討している。国会で3度廃案に なった「共謀罪」の内容を、成立要件を絞って盛り込むものだ。9月召集の臨時 国会で、組織犯罪処罰法改正案を提出予定という。  共謀罪は、具体的な犯罪について2人以上が話し合って合意するだけで成立す る犯罪だ。小泉政権時代の2003年から3年連続で関連法案が提出されたが、 「一般市民が漠然と犯罪の実行を相談しただけで処罰されるのでは」との懸念が 強く、いずれも廃案に追い込まれた。  20年の東京五輪・パラリンピックを前に、政府はテロ対策の一環と位置づけ るが、立法の必要性について国会での徹底的な議論が必要だ。  テロをめぐる国際状況は、確かに小泉政権時代と一変した。過激派組織「イス ラム国」によるテロが世界で頻発している。7月のバングラデシュでの人質テロ 事件では日本人7人が犠牲になった。国内でのこうしたテロ防止は政府の最重要 課題だ。  政府は昨年末に「国際テロ情報収集ユニット」を発足させ、テロ対策に取り組 んでいる。共謀罪が、テロの芽をいち早く摘む重要手段になると考えたのだろ う。とはいえ、10年以上再提出の動きがなかった法案である。リオデジャネイ ロ五輪の盛り上がりに便乗し、にわかに持ちだしてきたような唐突感は否めない。  00年に国連総会は、国際組織犯罪防止条約を採択した。条約は、国境を越え る組織犯罪へ対処するため、重大な犯罪について共謀罪などを設けることを各国 に求めた。ただし、共謀罪がその国の法体系になじまない場合があることが条約 の起草段階で検討され、「各国が国内法の基本原則に従って(条約を)実施す る」と明文化された。  日本も条約に署名し、03年に国会が承認した。しかし政府は、条約締結には 共謀罪の新設が必要だとの立場で、いまだ締結に至っていない。  一方、日本の刑法では、一定の重大犯罪について、予備罪や準備罪などで、未 遂より前の段階で処罰ができる規定が既にある。法律家の中には、テロに絡む犯 罪でも既存の法の枠内で摘発ができ、条約締結は可能だとの意見がある。共謀罪 の必要性は、改めて議論する際の重要な論点だ。  政府は今回、適用対象を絞り込む方針だ。また、合議に加え、犯罪の準備行為 が行われることも要件に加えるとみられる。  だが、定義の仕方によっては、幅広い解釈が可能になる。廃案になった法案と 同様、対象罪種は600を超えるとみられる。既遂の処罰を原則とする刑法の原 則は大きく変わる。テロをめぐる環境変化を踏まえても副作用は大きい。 "[he-forum 19210] 琉球新報 2016.8.29","http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-346152.html 琉球新報 2016年8月29日 06:01 <社説>「共謀罪」提出へ 民主主義崩す「悪法」だ  罪名を変えたところで、市民活動を抑え込み、思想・信条の自由を侵す危うさ は消えない。「共謀罪」の新設は必要ない。  安倍政権は、国会で3度も廃案を重ねてきた「共謀罪」をつくろうとしてい る。罪名を「テロ等組織犯罪準備罪」に変える組織犯罪処罰法の改正案を、9月 の臨時国会に提出する見通しだ。  2020年の東京五輪に向けたテロ対策を前面に押し出す構えだ。  昨年11月のパリ同時多発テロ後、自民党内からテロの不安に便乗し、 「共謀罪」創設を求める声が出たが、首相官邸は火消しに走った。  なぜか。国民生活を縛る「悪法」との印象が根強く、今年夏の参院選へ の悪影響を懸念したからだ。  7月の参院選で大勝した後、政府は「共謀罪」創設に走りだした。国民 受けの悪い施策を封印し、選挙後になって推し進める。安倍政権お決まりのやり 方である。  「共謀罪」とは何か。具体的な犯罪行為がなくとも、2人以上が話し合 い、犯罪の合意があるだけで処罰対象となる。  これまで「団体」としていた適用対象が「組織的犯罪集団」に変わっ た。市民団体や労働組合を標的にした乱用の恐れがあるとの批判をかわしたつも りだろう。一方、謀議だけでなく、犯罪実行の「準備行為」も罪の構成要件に加 えた。  犯罪集団や準備行為の定義はあいまいで、捜査当局が組織的犯罪集団か 否かを判断する構図は変わらない。恣意(しい)的な判断による立件の恐れがあ る。謀議や準備行為を巡り、盗聴や密告奨励など監視社会が強まる危険性は拭え ない。  治安維持法の下で言論や思想が弾圧された戦前、戦中の反省を踏まえ、 日本の刑法は犯罪が実行された「既遂」を罰する原則がある。  政府は「共謀罪」をテロなどに対処する国連の「国際組織犯罪防止条 約」への加入条件とするが、現行刑法でも予備罪や陰謀罪など、未遂以前の段階 で処罰する仕組みはある。  特定秘密保護法、集団的自衛権行使に道筋を開く安全保障関連法の成立 など、安倍政権は立憲主義を軽んじてきた。名護市辺野古や東村高江では、新基 地にあらがう市民を力ずくで排除している。  政権への批判に対し、度を越えた反発を示して威圧する狭量が色濃い。 この政権が「共謀罪」を手中にする危うさも考えたい。民主主義を掘り崩す制度 は要らない。 "[he-forum 19209] しんぶん赤旗  2016.8.27","http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-27/2016082701_01_1.html しんぶん赤旗 2016年8月27日(土) 共謀罪 名称変え提出検討 テロを口実 法案策定 対象・要件 解釈次第で拡大  実際の犯罪行為がなくても相談し合意しただけで犯罪とされる共謀罪につい て、政府は、名前を変えた新たな法改定案を策定したことが26日までに分かり ました。2020年の東京五輪や「テロ対策」を口実としたもので、9月召集の 臨時国会への提出を検討しているとみられます。国民の強い反対で過去に3回も 廃案になった最悪の国民弾圧法を執拗(しつよう)に狙う姿勢に強い批判と懸念 の声があがっています。  今回まとめられた政府案は、組織犯罪処罰法を改訂し、そのなかに盛り込まれ た共謀罪の罪名に「テロ」を冠して「テロ等組織犯罪準備罪」と名前を変更。 「テロ対策」が目的であることを強調しています。  過去に廃案となった法案では、適用対象を「団体」としており、労働組合や市 民団体に適用される恐れがあると批判されました。それを意識して今回は「組織 的犯罪集団」が対象と変更しています。  また、「相づちを打っただけで犯罪になる」といった懸念を打ち消すため、犯 罪の計画に資金の提供などの具体的な「準備行為」を行うことを犯罪の構成要件 に加えました。  しかし、「組織的犯罪集団」や「準備行為」といった言葉の定義は極めてあい まいです。捜査当局の解釈次第でいくらでも拡大され、市民への弾圧に悪用され る恐れが十分にあります。  共謀罪が適用される罪は過去に廃案となった法案と同様で「法定刑が4年以上 の懲役・禁錮の罪」です。その範囲は、道路交通法や公職選挙法なども含まれ 600を超えるとみられます。  そもそも共謀罪は、犯罪の行為ではなく合意するだけで処罰するというもの で、犯罪行為があって初めて罰する現行の刑法原則から大きく逸脱しています。  共謀罪の捜査も日常的な会話やメールの内容から「合意」を判断することにな ります。そのため改悪され対象が広げられた盗聴法を根拠に通信傍受などの市民 監視もさらに強まります。 "[he-forum 19208] 信濃毎日 2016.8.27","http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160827/KT160826ETI090012000.php 信濃毎日 2016.8.27 共謀罪 乱用の懸念は消えない  国会でこれまで3回にわたって廃案となった「共謀罪」を新設する動きが再び 具体化した。適用対象を限定し、構成要件も厳しくするというが、捜査当局によ る乱用の懸念は消えない。  犯罪を実行していなくても、話し合い(謀議)に加わっただけで処罰の対 象にするのが共謀罪だ。市民活動の抑圧や内心の自由の侵害につながりかねない 危険性をはらむ。厳しい目を向けていかなくてはならない。  政府が、組織犯罪処罰法の改正案を来月の臨時国会に提出する方向で調整 している。2020年の東京五輪に向けたテロ対策を強調し、罪名も共謀罪では なく「テロ等組織犯罪準備罪」とした。  従来の法案では単に「団体」としていた適用対象を「組織的犯罪集団」に 変更している。市民団体や労働組合の活動が処罰の対象になりかねない、といっ た批判をかわすためだろう。  ただ、組織的犯罪集団かどうかを捜査当局が判断することに変わりはな い。解釈によって対象が広がる余地は依然としてある。  また今回の法案は、謀議だけでなく、犯罪を実行するための「準備行為」 を行うことを構成要件に加えた。条文は、資金や物品の取得を例示している。  とはいえ、ほかに何が準備行為にあたるのかは不明確だ。判断は捜査当局 に委ねられ、恣意的な運用につながる恐れがある。  政府は、2000年に国連で採択された「国際組織犯罪防止条約」を日本 が締結するには、共謀罪の新設が必要だとしている。昨秋、パリで起きた同時テ ロ事件を機に、自民党内で早期の法整備を求める声が再び強まっていた。  この時期の法案提出には、東京五輪が近づき、テロ防止を大義名分とする 法改正に理解が得やすくなったとの判断が見て取れる。先月の参院選を経て、自 民党が衆参両院で単独過半数を占めたことも背景にある。  テロ防止に力を入れることは大事だ。けれども、その掛け声に共謀罪の危 うさが覆い隠され、強引に導入が図られるのは避けなければならない。  盗聴や密告による監視社会化が強まる懸念も大きい。それは市民の生活や 社会を脅かし、民主主義の土台を崩す。  日本の刑事法は、戦前の治安維持法下で言論や思想が弾圧された反省か ら、ごく一部の犯罪を除き、実行行為を罰することを原則としてきた。歴史の教 訓も踏まえた議論が欠かせない。 "[he-forum 19207] 日刊ゲンダイ 2016.8.27","http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188698 日刊ゲンダイ 2016.8.27 暴走止まらぬ安倍政権 “共謀罪”圧倒多数で強行成立の恐怖  予想通り、7月の参院選で大勝した安倍政権が暴走を始めている。過去、3回 廃案になった「共謀罪」を、秋の臨時国会で強行成立させるつもりなのだ。 「サラリーマンが居酒屋で『上司を殺してやろう』と同僚と意気投合した だけで罰せられる」――と批判された「共謀罪」は、実際に犯罪を犯していなくて も相談をしただけで罰することができるシロモノ。2003、04、05年と関 連法案が国会に提出されたが、さすがに廃案になっている。  国民の批判をかわすために、臨時国会に提出する法案では適用対象を単 なる「団体」から「組織的犯罪集団」に限定するなど、一見ソフト化している が、「組織的犯罪集団」は定義が曖昧で警察がいくらでも拡大解釈できるように なっている。安倍政権の誕生後、大分県警が隠しカメラで市民を盗撮するなど、 ただでさえ警察組織は違法行為に手を染めているだけに「共謀罪」が成立した ら、気に入らない組織を片っ端から摘発する危険がある。対象になる犯罪は、法 定刑が4年以上の懲役・禁錮の罪としている。その数は600を超え、道交法違 反にも適用される。  もし、臨時国会に提出されたら国会が大モメになるのは間違いない。それで も、安倍政権はなにがなんでも成立させるつもりらしい。 「安倍首相は来年、もう一度、衆院を“解散”するつもりではないか、とみ られています。解散総選挙となったら、自民党は議席を減らす可能性が高い。だ から、圧倒的多数を握っている間に評判の悪い“共謀罪”を成立させるつもりなの でしょう。衆参とも3分の2を確保し、改憲の発議が可能なのだから解散するは ずがないという声もありますが、安倍首相は改憲する時は、野党第1党の賛成を 得る必要があると腹を固めたフシがある。与党単独での3分の2を失っても仕方 ないと思っているのでしょう。もうひとつ、支持層である右翼を喜ばす狙いもあ ると思う。共謀罪は、右翼が嫌いな“市民”や“左翼”を取り締まる武器になるから です」(政界関係者)  安倍首相にどんな思惑があるにせよ、「共謀罪」は成立してしまえば、 政権や警察が市民の監視や思想の取り締まりに都合よく運用するのは目に見てい る。絶対に成立を阻止しないとダメだ。 "[he-forum 19206] 毎日新聞 2016.8.27","http://mainichi.jp/articles/20160827/ddp/012/010/022000c 毎日新聞2016年8月27日 西部朝刊 テロ準備罪 新設検討 政府、法案提出へ 「共謀罪」要件絞り  テロ組織やマフィアなどの犯罪集団による国際的な組織犯罪に対応するため、 政府は、過去に廃案となった「共謀罪」の成立要件を絞り込んで「テロ等組織犯 罪準備罪」を新設することを柱にした組織犯罪処罰法改正案をまとめた。9月に 召集される臨時国会での提出を検討している。  共謀罪を巡っては、小泉政権時代の2003、04、05年の計3回、関連法 案が提出されたが、「一般市民が漠然と犯罪の実行を相談しただけで処罰される のではないか」といった懸念や批判の声が少なくなかった。当時の民主党など野 党側も反発し、いずれも廃案に追い込まれた。  今回の政府案は、組織犯罪処罰法を改正し「テロ等組織犯罪準備罪」を新設す る。共謀罪を盛り込んだ過去の法案では「団体」としていた適用対象を「組織的 犯罪集団」と明記し、「4年以上の懲役・禁錮の罪を実行することを目的とする 団体」と限定した。「組織的犯罪集団」はテロ組織や暴力団、振り込め詐欺集団 などを念頭に置いているとみられる。政府案は(1)組織的犯罪集団としての活 動(2)2人以上の具体的な計画(3)犯罪実行の準備行為--などを犯罪の構 成要件として検討。一般に共謀は「2人以上の人が特定の犯罪を行おうとする合 意」を指すと解されるが、今回の「テロ等組織犯罪準備罪」は成立する要件がよ り厳しくなっている。  一方で、対象となる犯罪は「4年以上の懲役・禁錮に当たる犯罪」で、廃案と なった過去の法案と変更はない。600程度の罪種が対象で、道路交通法や公職 選挙法も含まれることから、範囲が今後の議論になりそうだ。罰則は、対象犯罪 が「死刑、無期、10年を超える懲役・禁錮に当たる刑」は5年以下、「4年以 上10年以下の懲役・禁錮に当たる刑」は2年以下の懲役・禁錮を科すとしている。  共謀罪が長く議論されてきた背景には、国際的な組織犯罪への対応強化があ る。各国共通の処罰法の整備を目的とした「国際組織犯罪防止条約」が00年に 国連総会で採択され、03年に発効した。日本は同年に国会で承認したが、条約 の締結には共謀罪を含む国内法の整備が必要とされ、今も締結できていない。  菅義偉官房長官は26日午前の記者会見で、犯罪集団による国際的な組織犯罪 に対応する法整備について、「これまでの国会審議などで不安や懸念が示されて いるので、慎重に検討している」と語った。【鈴木一生】 "[he-forum 19205] 産経新聞 2016.8.26","http://www.sankei.com/affairs/news/160826/afr1608260026-n1.html 産経新聞 2016.8.26 13:23更新 共謀罪、「テロ準備罪」に名称変え臨時国会に提出検討 政府、東京五輪にらみ  政府は26日までに、国会に過去3回にわたり提出され廃案となっている「共 謀罪」について、その構成要件を一部変更し、適用対象を絞った組織犯罪処罰法 の改正案をまとめた。重大犯罪を計画した段階で罰するもので、4年後に迫った 2020年東京五輪に向けたテロ対策の要の法案となる。罪名は「テロ等組織犯 罪準備罪」に変更する。9月に召集される臨時国会への提出を検討している。  テロや国際的な組織的犯罪に対処するため、2000(平成12)年に国連総 会で採択された犯罪防止条約は、昨年11月現在で約180カ国・地域が締結。 主要7カ国(G7)で未締結は日本だけだが、これの締結には共謀罪の整備が不 可欠だった。  共謀罪の創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案は、平成15年3月と16年 2月、17年10月に国会に提出されたが、民主党などの慎重論でいずれも廃案 になっていた。「居酒屋で話しただけで罪に問われる」といった極端な例が出さ れたり、「労働組合や企業も対象の団体に含まれる」といった声が強かったこと が原因だった。  菅義偉官房長官は26日の記者会見で「国民の安全、安心を確保することは政 府の重要な責務だ」と述べると同時に、「条約の締結に伴う法整備についてはこ れを進めていく必要がある」とし、法整備が必要との認識を示した。  関係者によると、過去の法案で「団体」としていた適用対象を「組織的犯罪集 団」に変え、単に共謀するだけでなく、資金集めなど犯罪実行のための「準備行 為」も構成要件に加える。窃盗や詐欺など600を超える対象犯罪は変更されない。  昨年秋のパリ同時多発テロ以降、自民党内で早期の法整備を求める声が上がっ たが、安倍晋三首相は慎重に検討する意向を表明。金田勝年法相も今月の就任記 者会見で「これまでの国会審議の場で示された不安や懸念を踏まえながら、慎重 に検討していく必要がある」と話していた。 "[he-forum 19204] 北海道新聞 2016.8.26","http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0309101.html 北海道新聞 2016.8.26 共謀罪、要件変更し改正案 「テロ等準備罪」 国会提出を検討  政府は、2003年以降3回国会に提出し、廃案になった「共謀罪」につい て、適用の対象を絞るなど構成要件を変更した組織犯罪処罰法の改正案をまとめ た。罪名を「テロ等組織犯罪準備罪」に変え、20年の東京五輪を見据えてテロ 対策強化を前面に打ち出すことで理解を得たい考え。9月に召集予定の臨時国会 への提出を検討しており、今後、大きな議論を呼ぶ可能性がある。  菅義偉官房長官は26日午前の記者会見で「(テロ対策などの)法整備を進め る必要があると考えている。法案のあり方を慎重に検討している」と話した。国 会への提出時期については「何も決まっていない」と述べるにとどめた。  共謀罪は、テロ組織などによる組織犯罪の未然防止が目的で、具体的な犯罪行 為がなくても2人以上が話し合い、犯罪の実行について合意があれば処罰対象に なる。過去に3度提出されたものの、「国家による監視社会につながる」との批 判が強く、廃案になった。  今回まとめた改正案は、適用対象を従来の「団体」から「組織的犯罪集団」に 限定。単に共謀するだけでなく、懲役・禁錮4年以上の犯罪を実行するための資 金集めや物品取得など「準備行為」も構成要件に加える。窃盗や詐欺など600 を超える対象犯罪は変更されない。政府高官は過去の批判を念頭に「(共謀罪よ り)要件は絞った」と話す。  しかし、共謀罪は憲法が保障する集会・結社の自由などが脅かされる危険が指 摘されてきた。「組織的犯罪集団」に限定してもそうした懸念は残るとみられ、 国会で激しい議論になるのは避けられない。 "[he-forum 19203] 東京新聞 2016.8.27","http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016082702000130.html 東京新聞 2016年8月27日 朝刊 【社会】 「共謀罪」新設案 市民監視 4度目の不安  計画を実行しなくても、犯罪を行うことを話し合い合意しただけで処罰される 「共謀罪」。「テロ等組織犯罪準備罪」と名称を変え、組織犯罪処罰法に趣旨を 盛り込む形の政府案が来月、国会に提出される可能性が出てきた。共謀罪の導入 を目指す関連法案は過去にも三度提出されたが、批判や不安が噴出して廃案に なった。「四度目」への動きが判明した二十六日も、市民団体などは「活動を監 視する恐怖政治」「テロ対策や東京五輪を口実にして姑息(こそく)」と強く反 発した。 (大平樹、北川成史、辻渕智之)  「私たちの日々の抗議行動が対象になりうると怖さを感じる」。沖縄平和運動 センターの岸本喬(たかし)事務局次長(53)は恐怖感を語る。  沖縄県では米軍の新基地やヘリコプター離着陸帯の建設に反対し、資材搬入車 両を止めようと県民らが座り込みのデモも辞さない。「今でも道路交通法違反だ からと強制排除される。(組織的)威力業務妨害罪の恐れがあると警察から言わ れたこともある。計画しただけで、すぐに適用されかねない」  今回の政府案は適用対象を「組織的犯罪集団」と定め、「準備行為」を犯罪の 構成要件に追加。罪名も対テロを前面に出す。岸本さんは「たとえば(米軍の) 武器についてネットで調べただけで、武器調達の準備行為と認定されることだっ てありうる」と危ぶむ。「テロ対策や東京五輪に名を借り、安倍政権が姑息な方 法で物言わぬ民をつくろうとしているようだ」とため息をつく。  二〇〇五年に三度目の法案が提出された際、反対の署名運動で市民団体の呼び 掛け人になった山脇晢子(せいこ)弁護士は「『組織的犯罪集団』も『準備行 為』も『テロ』も定義があいまいで、捜査機関の解釈次第。一般の人が『われわ れは大丈夫』と感じるように見せ掛けているだけ」と批判する。  経済産業省前から二十一日に撤去された「脱原発テント」運営メンバーの木村 雅英(まさひで)さん(68)=東京都八王子市=によると、今後の活動内容を 話し合っている際、冗談で「これって共謀罪に当たるよね」と話題になったこと もある。「共謀」の立証には、監視や盗聴の強化が欠かせない。「安倍政権は原 発や安保法制など、多くの国民が疑問に思っていることを強引に進めている。反 発する人たちを共謀罪で押さえ付けるなら恐怖政治だ」と訴える。  米軍横田基地(東京都福生市など)に反対する「横田基地問題を考える会」代 表世話人の島田清作(せいさく)さん(78)は「最近の市民運動は、自分の意 志を示そうと穏やかに考える人たちの集まり。刑事罰があるというだけで、参加 を思いとどまらせ、運動を萎縮させるのでは」と懸念する。 ◆徹夜の団交決定、抗議の座り込みでも…?  過去三回廃案になった関連法案に盛り込まれた共謀罪について、政府による三 回目の国会提出直後の二〇〇六年、日弁連は共謀罪が導入されると具体的にどの ような行為に適用される可能性があるのか、事例を挙げて問題点を指摘した。  それによると、倒産情報のある会社の労働組合の執行委員会が、退職金の保証 を求めて社長と長時間に及ぶ徹夜団交も辞さないと決定した場合は「組織的監禁 罪の共謀罪」、マンション建設に反対する住民団体が、資材搬入を止めるため現 場に座り込むことを決定した場合は「組織的威力業務妨害罪の共謀罪」、会社の 経理課職員が決算時、利益を隠すため経費を水増しし、売り上げを過少計上する ことなどに合意した場合は「法人税法違反の共謀罪」がそれぞれ適用される恐れ があった。 "[he-forum 19202] 東京新聞 2016.8.26","http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201608/CK2016082602000249.html 東京新聞 2016年8月26日 夕刊 【政治】 「共謀罪」名称変え国会提出へ 対象絞り「テロ準備罪」に  政府は、重大犯罪の計画を実行しなくても計画を話し合うだけで処罰対象とす る「共謀罪」を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を、九月召集の臨時国会に提出 する方向で検討を始めた。複数の政府高官が二十六日、明らかにした。過去に提 出した法案とは異なり、対象となる集団を絞り込んで要件も変更、「共謀罪」も テロ対策を前面に出した罪名に変える。共謀罪の導入を巡っては、小泉政権当時 に関連法案が三回にわたって国会提出され、いずれも廃案になっている。  これまでの法案では対象となる集団を単に「団体」としていたが、今回の改正 案では、テロ行為などの重大犯罪を行うことを目的とした「組織的犯罪集団」に 変更。犯罪の実行を集団で話し合うだけでなく、資金の確保といった犯罪の準備 行為も要件に加える。罪名は「テロ等組織犯罪準備罪」としている。  罪名の変更について、政府高官は「共謀罪では国民が身構える。東京五輪を控 え『テロ対策』という目的を明確にした方が理解が得やすい」と述べている。  共謀罪が適用される罪はこれまでの法案と変わらず「法定刑が四年以上の懲 役・禁錮の罪」で、道路交通法や公職選挙法などを含め六百超と範囲が広い。  政府は、改正案を秋の臨時国会に提出することを目指すが、前の通常国会で継 続審議となった環太平洋連携協定(TPP)の関連法案などの成立を優先させる 考えで、改正案成立は来年の通常国会以降を想定。  共謀罪を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案は、二〇〇三、〇四、〇五年に国会 提出されたが、野党などは「労働組合も対象になりかねない」「居酒屋の会話で も逮捕される」と反発。日本弁護士連合会の反対もあり、政府側が成立を断念し てきた。 ◆現行法で対応可能  <神戸学院大の内田博文教授(刑事法)の話> 犯罪の準備段階の行為を処罰 することは現行法でも対応が可能で、共謀罪は不要だ。殺人予備罪など、刑法に は複数の予備罪が規定されており、準備行為を処罰することができる。現行法で 対応できないというのであれば、具体的な立法事実を示して議論する必要があ る。過去の治安維持法と同様に、運用の拡大で市民運動も標的となる恐れがある。 ◆乱用、恐れ消えず  <ジャーナリストの斎藤貴男さんの話> 犯罪捜査が目的なのは分かるが、一 度法律ができてしまえば、政権や捜査機関が監視や思想の取り締まりなどのため に都合よく運用するのが目に見えている。海外でテロが頻発し、自民党が選挙で 圧勝していることを口実にしても、乱用の恐れは消えない。今は「東京五輪のた め」と言えば何でも許されるような風潮があるが、こうした法改正は、安倍政権 が憲法改正を目指す際に、表現の自由を制限したり、緊急事態条項を新設したり するための地ならしになり得る。 "[he-forum 19201] 朝日新聞 2016.8.26","http://www.asahi.com/articles/ASJ8V3W69J8VUTFK001.html 2016年8月26日13時16分 共謀罪「法整備進める必要ある」 菅官房長官  安倍政権が、過去に3回廃案となっている「共謀罪」の要件を変えて法案の国 会提出を目指していることに関連し、菅義偉官房長官は26日の記者会見で「国 際組織犯罪防止条約の締結に伴う法整備は進めていく必要がある」と述べた。同 条約の締結には共謀罪を含む国内法の整備が必要で、政権として法整備を検討す る考えを明らかにした。 共謀罪、要件変え新設案 「テロ等準備罪」で提案検討  共謀罪は、重大な犯罪を実際に実行に移す前に相談しただけで処罰するもの。 安倍政権は共謀罪について適用範囲を絞るなどした新たな法改正案をまとめ、罪 名を「テロ等組織犯罪準備罪」に変えて、9月に召集される臨時国会にも法案の 提出を検討している。  菅氏は記者会見で「国際社会と協調し、組織犯罪と戦うことは極めて重要だ」 と語り、2020年の東京五輪を控え、テロ対策などを強化する必要性を強調。 一方、法案提出の時期などについては「国会審議の場などにおいて(法整備に) 不安や懸念が示されている。現段階で結論を得ているということではない」と述 べるにとどめた。 "[he-forum 19213] しんぶん赤旗9/7","しんぶん赤旗 2016年9月7日(水) 軍事研究助成 上限撤廃 防衛省回答 1件数十億規模も可能  防衛省が2017年度概算要求で今年度比18倍にあたる110億円への大幅増額を求めている「安全保障技術研究推進制度」で、大学や民間企業の軍 事研究に対して助成される金額の上限が事実上撤廃される方針であることがわかりました。日本共産党の井上哲士参院議員の聞き取りに対し、同省が6日までに 明らかにしました。  最先端の科学技術を軍事転用するための国家的な買収行為です。  現行の助成制度では、対象研究は1件あたり3年以内で、▽9000万円が上限▽3000万円が上限―の2種類の応募条件を設定。あわせて10件程度を採択する仕組みです。  17年度は現行の2種類の条件に加え、研究期間を5年間に延長する新条件を設定。110億円のうち100億円を新条件にあて、「数十億円以下の規模の研究を複数件、採択する方針」です。  同省担当者は、新条件では明確な上限額や採択件数を定めず、「1件で数十億円規模の採択もありうる」と説明。井上氏は、新条件での助成額が現行の数倍から数十倍にまで膨らむ可能性にふれ、「全く別の制度になる」と指摘しました。  同省担当者は、試作や実験に多大な経費がかかる研究や、複数の研究者・機関が参加した共同研究を推進する必要性をあげ、一つの制度の枠内で対応すると強調。今後の予算編成過程で応募条件を微調整する可能性にも言及しました。  同制度をめぐっては、科学者らの軍学共同反対運動の広がりを受け、16年度の応募件数は15年度の4割程度に急減しています。助成規模の拡大と柔軟な資金制度にすることで、採択を確実にして研究者を取り込む狙いとみられます。 "[he-forum 19214] RE: [he-forum 19213] しんぶん赤旗9/7","2010年のネイチャーに“Enlisting investigators”(研究者を兵籍に入れる)という記事が載りましたが, http://www.nature.com/naturejobs/science/articles/10.1038/nj7306-656a 国立大学の最近の研究費削減(運営交付金削減,学長留め置きなど)は,まさに経済徴兵制の研究者版ですね. アメリカの軍産学共同体の後を追わないためにはどうしたらいいか,本格的に,組織的に取り組まなければならないと思います. (関連弊ブログ記事) http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2016-04-12 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html ________________________________________ 差出人: owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp が he-forum-news の代理で送信 送信日時: 2016年9月7日 12:06:32 宛先: 全大教 高等教育フォーラム 件名: [he-forum 19213] しんぶん赤旗9/7 しんぶん赤旗 2016年9月7日(水) 軍事研究助成 上限撤廃 防衛省回答 1件数十億規模も可能  防衛省が2017年度概算要求で今年度比18倍にあたる110億円への大幅増額を求めている「安全保障技術研究推進制度」で、大学や民間企業の軍 事研究に対して助成される金額の上限が事実上撤廃される方針であることがわかりました。日本共産党の井上哲士参院議員の聞き取りに対し、同省が6日までに 明らかにしました。  最先端の科学技術を軍事転用するための国家的な買収行為です。  現行の助成制度では、対象研究は1件あたり3年以内で、▽9000万円が上限▽3000万円が上限―の2種類の応募条件を設定。あわせて10件程度を採択する仕組みです。  17年度は現行の2種類の条件に加え、研究期間を5年間に延長する新条件を設定。110億円のうち100億円を新条件にあて、「数十億円以下の規模の研究を複数件、採択する方針」です。  同省担当者は、新条件では明確な上限額や採択件数を定めず、「1件で数十億円規模の採択もありうる」と説明。井上氏は、新条件での助成額が現行の数倍から数十倍にまで膨らむ可能性にふれ、「全く別の制度になる」と指摘しました。  同省担当者は、試作や実験に多大な経費がかかる研究や、複数の研究者・機関が参加した共同研究を推進する必要性をあげ、一つの制度の枠内で対応すると強調。今後の予算編成過程で応募条件を微調整する可能性にも言及しました。  同制度をめぐっては、科学者らの軍学共同反対運動の広がりを受け、16年度の応募件数は15年度の4割程度に急減しています。助成規模の拡大と柔軟な資金制度にすることで、採択を確実にして研究者を取り込む狙いとみられます。 "[he-forum 19218] 東京新聞 中日新聞 2016.9.7","http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/CK2016090702000233.html 東京新聞 2016年9月7日 夕刊 http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016090702000246.html 中日新聞 2016年9月7日 夕刊 公明、「共謀罪」提出に難色 与党幹部会談「内容の検討必要」  自民、公明両党の幹事長、国会対策委員長が七日、都内で会談し、重大犯罪の 計画を話し合うだけで罪に問えるようにする「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織 犯罪処罰法改正案を巡り、公明党は九月二十六日召集の臨時国会への提出に難色 を示した。  公明党の大口善徳国対委員長は、臨時国会で審議する法案はたくさんあると指 摘し「(組織犯罪処罰法改正案が)提出されたとしても、成立する見込みはな い。提出するだけで良いのかどうか、与党内でしっかり議論すべきではないか」 と求めた。共謀罪を巡っては、政府の拡大解釈による人権侵害が指摘されている だけに、公明党は自民党に慎重な対応を求めたといえる。  大口氏は法案の内容についても「公明党としてもテロ対策の必要性はあると思 うが、法案がどういう犯罪を対象にするのかや、組織犯罪の定義をどうするかな どについて、与党内でもいろいろな議論がある」として、適用要件を厳格にする ために与党内で十分に議論する必要があると伝えた。  共謀罪は複数の人が犯罪を行うことを話し合って合意(共謀)しただけで罪に 問えるようにする犯罪。政府は「共謀罪」の名称を「テロ等組織犯罪準備罪」に 変え、対象となる集団を絞り込むなど適用要件を厳しくした上で、臨時国会への 提出を検討している。  菅義偉(すがよしひで)官房長官は、自公両党の幹部会談後の記者会見で「国 際社会と協調して組織犯罪と戦うことは重要だ」として法整備の必要性を強調。 その上で「国会審議で(法案への)不安や懸念が示されていることも事実。内 容、提出時期も含めて慎重に検討中。提出する際には与党で中身をしっかりと詰 める」と述べた。 "[he-forum 19217] 河北新報 2016.9.7","http://www.kahoku.co.jp/editorial/20160906_01.html 河北新報 2016.9.7 「共謀罪」再提出へ/監視社会につながる悪法だ  少々手直ししようが、悪法は悪法であることに変わりはない。これまでに3度 も廃案になった「共謀罪」は、まさにその典型的なケース。  政府は今月26日召集の臨時国会に、「テロ等組織犯罪準備罪」と名称を変え た組織犯罪処罰法改正案を提出する方向で調整しているという。  名前を変えたところで、本質的な危うさは同じ。国境を越えるテロの未然防止 が大きな目的だとしても、いったん成立してしまえばどう運用されるのか強い不 安が残る。  実行行為が何もないまま、「共謀」や「準備」だけで膨大な数の犯罪を摘発で きるようになってしまう。その行き着く先は、人権やプライバシーを顧みない暗 い監視社会ではないのか。  共謀罪はこれまで、国会で議論されるたびに重大な問題点を指摘されてきた。 さまざまな論点を抱えているが、例えば「居酒屋で同僚と『あの上司を殺そう か』と話しただけで罪になるのか」と批判されたいきさつもある。  そうなったらたまったものでないが、共謀の事実が認められれば犯罪行為とみ なされて不思議はない。理屈の上ではそうなる。「ただの冗談。実行するはずが ない」と言い訳したところで、犯罪成立には何ら影響を及ぼさないことになりか ねない。  提出が検討されている法案では、イメージの悪い共謀罪をやめてテロ等組織犯 罪準備罪と名前を変え、対象も「団体」から「組織的犯罪集団」に変更するとみ られる。  以前の法案に比べるとテロ対策に特化したようにも見えるが、共謀罪の対象に なる犯罪は600以上もあり、テロ行為に限っていない。  組織的犯罪集団が一体何を指すのかもはっきりしない。複数の人間が犯罪を企 てただけで、そうみなされる可能性はないのだろうか。  また、構成要件に「実行の準備行為」を加えるという。共謀だけでは摘発でき ないことになるとはいえ、実行行為のかなり手前の段階で罪に問われることに変 わりはない。  捜査手法も問題になる。共謀を突き止めるには、通信傍受や監視カメラが必要 になるはず。通信傍受法の改正で今年12月から、詐欺や盗みまで傍受が認めら れるようになるが、その動きはさらに拡大されるのではないか。  監視カメラを巡っては、大分県警の別府署員が今年6月の参院選の公示前、野 党を支援する団体が入る建物の敷地内に無断で設置したことが発覚した。こんな 行為がはびこるようになったら、特定の組織や個人を狙い撃ちすることも簡単に なってしまう。  4年後の東京五輪を考えれば、国際的なテロ行為への対策は必要だろう。それ は理解できるにしても、いったん歯止めがきかなくなったら取り返しがつかない ような法律は問題が大きすぎる。  日本は国際的な組織犯罪に対して無防備というわけではない。条約に合わせた 国内法を備えていることは、以前から法律の専門家らが指摘している。共謀罪の 創設は断念した上、大方の国民が賛成できる範囲内で国際テロ対策を進めていく べきだろう。 "[he-forum 19216] 朝日新聞 2016.9.5","http://www.asahi.com/articles/ASJ955PY9J95UTFK00X.html 朝日新聞 2016.9.5 共謀罪法案、公明容認へ 山口代表、提出時期は明言せず  犯罪の計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を変更する形で安倍政権がま とめた「テロ等組織犯罪準備罪」法案について、公明党の山口那津男代表は4日 (日本時間5日)、「テロなどが起きないように法的根拠を整えておくことは重 要だ」と述べ、基本的に容認する考えを示した。  訪問先のキューバ・ハバナ市内で記者団に語った。  山口氏は「(2019年に)ラグビーW杯やプレ五輪を控える状況」として、 早期の法整備が必要と強調。「出す以上は成立させることが大きな課題だ」と明 言した。  また、捜査当局の拡大解釈に対する世論の懸念を念頭に、「どういう行為が処 罰の対象になるのか、テロ防止に効果を発揮できるのかを詰めたうえで国民に説 明する必要がある」としたうえで、法案の提出時期については「見通せる状況で はない」と明言を避けた。  「共謀罪」法案は03年以降、小泉政権が国会に3回提出。06年には公明党 は自民党とともに修正案を出したが、与野党協議がととのわず廃案になった。公 明党幹部は「改めて党内議論が必要だ」と語り、法案の国会提出前に、自公間で も協議に入りたい考えだ。(ハバナ=南彰) "[he-forum 19215] 福島民報 2016.9.4","https://www.minpo.jp/news/detail/2016090434299 福島民報 2016.9.4 あぶくま抄・論説 日曜論壇 自然災害より恐いもの(9月4日)  岩手県岩泉町が受けた台風10号による浸水被害のニュースに、私は胸の動悸 [どうき]が鎮まらない。この30年ずっとこの町の「南部牛追唄全国大会」の お手伝いをしてきて、親しくなった方々がおられるからだ。  もともとこの町は自然災害に対しては熱心に対応してきた。小本地区などは東 日本大震災直前の3月1日にも津波に対する避難訓練をしていたおかげで、出張 者など2名以外は全員無事に逃げることができたという。今回はいわば背後から 襲われた災害だったのだろう。電話がまだ通じないので、心配が募るばかりである。  このところ続発する自然災害に加えて、凶悪な犯罪や子どもの自殺なども増え ている。人の命を大切にしない空気が日本にも世界にも広まっていて、殺伐とし た風がいつの間にか強くなっている。  国際的なテロにはもっと強力な対策をとるべきと安倍晋三首相は世界に向かっ ても強調しているが、それだけでは治まらない。国際テロは名目は宗教対立に見 えるが、実は貧富の差こそ真の根本的な問題だ。  アフリカを今のように貧しい地域にしたのは、先進国の植民地化である。アフ リカの人々は自らの土地で食糧をまかなえたのに、それをやめさせ、自分たちの 利益になる作物を作らせ、地下の鉱物資源を横取りして莫大[ばくだい]な収益 をあげた人々がいる。しかも今、「援助」と称してさらに利益をわが物にしてい る人々もいるのである。  アフリカに早々と進出した中国に負けじと、日本政府はTICAD(アフリカ 開発会議)を組織して、今回は安倍首相自身がケニアに乗り込んで議長を務め た。「雇用創出や技術・ノウハウ移転などにより、経済構造改革を促進する」な ど甘い言葉が並んだ「ナイロビ宣言」だ。しかし日本の資本家たちにとっては 「最後の巨大市場」でしかないようだが、かつての宗主国の資本家たちとは違っ た姿勢を望みたい。  こういう動きの陰で、というより実は陰でつながって、政府は南スーダンにこ の秋派遣する自衛隊に「駆け付け警護」の訓練を始めるという。昨年、あれほど 多くの国民が反対した安保関連法がいよいよ実際の姿を現し始めたのである。参 議院選挙前にそういう話はほとんど出てこなかったのだが。  しかも政府は「テロ等組織犯罪準備罪」という名目で、これまで3回も廃案に なった「共謀罪法」を国会に提出しようとしているという。これは最初はいかに もテロ対策らしい限定付きで出されるだろうが、次第にその範囲を広げるという のがこれまでのやり方だ。  戦前の治安維持法にその模範がある。この共謀罪法を通すと、後々大変なこと になるだろう。これはもう自然災害より恐ろしい人権じゅうりんになる可能性が ある。警戒が必要だ。  (小島美子、国立歴史民俗博物館名誉教授、福島市出身) ( 2016/09/04 08:45 カテゴリー:日曜論壇 ) "[he-forum 19223] 静岡新聞 2016.9.11","http://www.at-s.com/news/article/column/daijizai/280632.html 静岡新聞 (2016/9/11 07:15) 2016年9月11日【大自在】  ▼イタリア・シチリア島の州都パレルモの国際空港はファルコーネ・ボルセ リーノ空港という。20世紀末、この地でマフィアの犯罪摘発に心血を注いだ2 人の捜査関係者の名に由来する  ▼2人は相前後してマフィアの仕掛けた爆弾で命を落とした。共に50代の若 さ、家族や護衛の警官も巻き添えとなった。黒幕に政府要人の名もうわさされた 連続暗殺事件は国民の反マフィア感情を盛り上げ、組織的犯罪の撲滅機運を国際 的にも高める契機となった  ▼2000年に国連で採択された国際組織犯罪防止条約は、機運高まりを受け た成果の一つ。犯罪組織による資金洗浄の防止策などを盛り込んだ。条約の署名 会議はシチリア島で開かれ、別名パレルモ条約という  ▼その経緯から明らかなように、条約はマフィアや麻薬密売組織といった「金 銭など物質的利益」を目的とした犯罪集団が主な対象だ。ところが日本政府は 「テロ対策」のために条約締結が必要だと盛んに言う  ▼政府が締結の前提とする「共謀罪」を国内で法制化するのに向け、国民の理 解が得られやすいとの思惑かららしい。廃案となった過去3回の法案審議で指摘 された共謀罪の問題点はそのままに、罪名だけを「テロ等組織犯罪準備罪」に変 えた法案を国会に提出するという  ▼日本人も犠牲となった米中枢同時テロからきょうで15年。残忍で卑劣なテ ロは今も世界各地でやまない。国際協調でテロに立ち向かう必要性は言うまでも ない。ただ、この15年、「テロとの戦い」の掛け声の下で“暴走”した国があっ たことも忘れてはなるまい。 "[he-forum 19222] 日経 2016.9.14","http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS13H4D_T10C16A9PP8000/ 2016/9/14 0:30日本経済新聞 電子版 「共謀罪」法案に政府苦慮 与党に慎重論  政府が犯罪を謀議しただけで処罰できる「共謀罪」創設法案の取り扱いに苦慮 している。2020年の東京五輪に向け、テロ対策の取り組みをアピールするため、 共謀罪を早期に創設したい考えだが、与党に慎重論がある。野党は対決法案とし て安全保障関連法審議の再現を狙う向きがある。  「国際組織犯罪防止条約に主要7カ国(G7)で唯一、未締結だ。法整備を進 めていく必要がある」。金田勝年法相は13日の記者会見で法案の早期に創設した い考えだが、与党に慎重論がある。野党は対決法案として安全保障関連法審議の 再現を狙う向きがある。  「国際組織犯罪防止条約に主要7カ国(G7)で唯一、未締結だ。法整備を進 めていく必要がある」。金田勝年法相は13日の記者会見で法案の早期成立を訴 えた。同条約の締結には共謀罪の創設が必要とされる。政府内には来年の主要国 首脳会議で東京五輪でのテロ対策をアピールするため「何とか来年の通常国会ま でに成立させたい」(政府高官)との声がある。  ただ与党には慎重論が多い。自民党の二階俊博幹事長は「直ちに今国会で決め なければならないかといえば、まだまだ時間がある。東京五輪が近づけばおのず とクローズアップされる」と成立を急がない姿勢をにじませる。  公明党の山口那津男代表は共謀罪への根強い懸念を踏まえ「どういう行為が処 罰の対象になるか、慎重に検討する必要がある」と強調した。臨時国会での対応 も「提出しても成立する見込みはない」(公明党の大口善徳国会対策委員長)と の声が出ている。  野党には対決法案に位置づけ、市民団体と連携して反対機運を盛り上げた昨年 の安全保障関連法審議の再現をねらう声がある。共産党の志位和夫委員長は「選 挙で語らなかった。だまし討ち的なやり方だ」と批判する。  民進党は前身の民主党が06年に対案を提出するなどテロ対策には理解を示 す。ただ「対象を絞り込んだものになるかが重要だ」(岡田克也代表)と法案の 中身を見極める構えを見せている。  審議日程も窮屈だ。法案を取り扱う衆参両院の法務委員会は、臨時国会で外国 人技能実習適正実施法案と、約120年ぶりの大改正の民法改正案などの処理が 控える。来年の通常国会も、成人年齢を「18歳以上」に引き下げる法案や性犯 罪の起訴に告訴を不要とする刑法改正案が審議の対象になる可能性があり、優先 順位をどうつけるか、難しい判断になる。  ▼共謀罪 テロ集団が殺人などの重大な犯罪を企てた時点で処罰できる罪。 2003年以降、三たび国会に提出し、いずれも廃案になった。テロ組織などに 属さない一般の市民が漠然と犯罪の相談をしただけで罰せられるのではとの懸念 が根強い。政府は対象を「犯罪組織」に限定し、資金の準備などを要件に加えて 理解を求める。 【表】新案はテロ対策が前面に    過去の提出法案  検討中の新案  団 体 処罰の対象 組織的犯罪集団  共謀罪 罪 名 テロ等組織犯罪準備罪  犯罪を「共謀」する 構成要件 実行の準備行為を行うことを追加 【表】共謀罪法案の経緯   2000年 国連が国際組織犯罪防止条約を採択。共謀罪が条約加盟の条件に  02 共謀罪新設を法相が法制審に諮問  03 政府が組織犯罪処罰法改正案を通常国会に提出するも廃案に  04 通常国会に2度目の提出  05 2度目の廃案。特別国会に3度目の提出  06 自民、公明両党が修正案。民主党が対案を出し与党は受け入れる方針を示 したが、民主が採決を拒否。継続審議に  09 3度目の廃案。民主党政権は提出せず  16 政府が罪名や要件を変えた新案を作成 "[he-forum 19221] 北海道新聞 2016.9.11","http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/season/2-0082431-s.html 欲可動新聞 09/11 10:30 卓上四季 9・11と共謀罪 犠牲者数が約3千人に上った米中枢同時テロが起きたのは、15年前のきょう、 2001年9月11日朝である。米ニューヨークの世界貿易センタービル「ツイ ンタワー」にハイジャックされた旅客機2機が相次いで突入し、ビルは崩壊した ▼日本は夜。テレビニュースのオープニングは、日本で初めて牛海綿状脳症 (BSE)感染の疑いがある乳牛が見つかったことについて、記者団の質問攻め に遭う武部勤農水相のアップだった。それが突然切り替わって、中央部から煙を 上げる高層ビルが映し出される。飛行機が衝突? 戸惑ううちにもう1機がビル に近づいてくる…▼報復に踏み出した米政権を日本は即座に支持。米軍支援の特措 法を次々と成立させ、イラクのサマワには自衛隊を派遣した。安倍政権はさらに 集団的自衛権の行使容認や安全保障関連法制定に踏み出し、米国との共同歩調を 強める姿勢だ▼ところが、テロは減るどころか世界各地に広がっている。「テロ との闘い」と勇んでみても出口は見えてこない▼「だからこそ必要」という理屈 か。日本でまたも「共謀罪」が頭をもたげている。「テロ等組織犯罪準備罪」に 改め、犯罪の共謀だけでは罪とせず、適用対象も「団体」から「組織的犯罪集 団」に狭めるというが、市民生活に踏み込む懸念が拭えない▼安全は確かに大切 だが、国民を「守る」名目で監視を強める社会は息苦しい。2016・9・11 "[he-forum 19220] 朝日新聞 2016.9.9","http://www.asahi.com/articles/ASJ996JJLJ99UTFK01F.html 朝日新聞 2016年9月9日20時26分 「共謀罪」新法案、「合意形成に努める」 公明・山口氏 ■山口那津男・公明党代表 共謀罪法案、公明容認へ 山口代表、提出時期は明言せず  (「共謀罪」を変更した「テロ等組織犯罪準備罪」法案について)ラグビー ワールドカップ、五輪と2020年までに国際的な行事を主催する中、テロを未 然に防がないといけない。日本だけ国内法が未整備なことに対する国際社会の不 安、情報の連携の不足が、まずい結果に結びついてはならない、と強く懸念して いる。  一方で、以前から共謀罪に対して、様々な意見や議論があった。合意ができる ような立法化を図ろうと政府が取り組もうとしている姿勢は歓迎したうえで、慎 重に、どういう具体案になるか共に検討し、合意形成に努めたい。 "[he-forum 19219] 神戸新聞 2019.9.8","https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201609/0009467909.shtml 2016/9/8 11:44神戸新聞NEXT 監視社会を考える 兵庫県弁護士会が11日シンポ  犯罪を未然に防ぐ方法として議論されてきた共謀罪を巡り、兵庫県弁護士会は 11日、同弁護士会館(神戸市中央区橘通1)で、社会の監視と安全安心の関係 について考えるシンポジウムを開く。  共謀罪は犯罪の計画を話し合うだけで処罰対象になる。過去3回、法案が提出 されては廃案になってきた。しかし、政府は4年後の東京五輪に向け、従来の構 成要件を変更するなどした上で、テロ対策を強調する「テロ等組織犯罪準備罪」 と罪名を変え、9月の臨時国会にも提出する見込みだ。  同弁護士会は「共謀罪がある国でもテロは発生している。犯罪の対象範囲が広 ければ、市民社会の監視が強まる恐れがある」としている。  シンポジウムでは、共謀罪に詳しいジャーナリスト斎藤貴男さんが講演し、共 謀罪について取材してきた毎日放送の元取材ディレクター坪井兵輔さんらが加 わったパネル討議もある。  午後2~5時。申し込み不要。無料。150席。兵庫県弁護士会 TEL078・341・7061 (有島弘記) "[he-forum 19228] 毎日新聞2016年9月21日 東京夕刊","http://mainichi.jp/articles/20160921/dde/012/010/002000c 毎日新聞2016年9月21日 東京夕刊 特集ワイド 組織犯罪処罰法改正案 臨時国会提出は見送ったが… 政府が諦めない「共謀罪」  不気味な感じが拭えない。特定秘密保護法の施行、捜査機関による通信傍受の 強化に続き、政府が「テロ等組織犯罪準備罪」の新設を検討しているからだ。こ の罪は表紙を変えた「共謀罪」。犯罪の実行行為がなくても話し合っただけで逮 捕される恐れがある。政府は、同罪新設を柱とする組織犯罪処罰法改正案につい て、臨時国会への提出を見送ったが、成立を諦めたわけではない。監視社会は近 づいているのか。【庄司哲也】 成立すれば密告奨励の監視社会に? 罪名変えても要件解釈に幅 周防監督「権 力は都合良く法律使う」  <政府が導入を目指す、ある法案に反対する団体が街頭デモを計画した。「整 然とやろう」と計画がまとまりかけたところ、突然、新入りのメンバーが「警備 側と多少はもめてけが人がでても構わない」と過激なことを言い始めた。それを きっかけにメンバーの発言がエスカレート。そして、デモ当日。団体は警察当局 ともめ、逮捕者も出た。起訴状の罪名には「傷害の共謀罪」も含まれ、公判の法 廷に証人として現れたのは、なんとデモに参加せずに姿を消していたあの新入り のメンバーだった……>  こんな例え話を使って「共謀罪」が導入された後の社会を説明するのは、日本 弁護士連合会の共謀罪法案対策本部副本部長を務める海渡雄一弁護士だ。「この 刑罰は一言で言うなら人の心を縛るもの。成立すれば、密告が奨励され、市民が 互いに監視し合い、疑心暗鬼に陥る社会になりかねません」と警告する。  共謀罪は、殺人、強盗など犯罪の実行に合意しただけで処罰を可能とする。処 罰の対象は4年以上の懲役、または禁錮に当たる罪で、600以上の罪が該当す る。そして、たとえ実行を思いとどまったとしても罪に問われる。 "[he-forum 19227] 大阪日日新聞 2016年9月22日","http://www.nnn.co.jp/dainichi/rensai/lookingforward/160922/20160922075.html 大阪日日新聞 2016年9月22日 浅野秀弥の未来創案 【共謀罪の正体】 何でもアリの安倍政権  先日の日刊ゲンダイ紙に「暴走止まらぬ安倍政権“共謀罪”圧倒多数で強行成立 の恐怖」という記事が出ていた。共謀罪というと、テロリストが悪事を働くため に密議を凝らしていて、それが発覚し摘発されるイメージ。しかし、記事をよく 読んでみると、国民の自由な意見交換を禁止し、酒の上で口が滑っただけで警察 が検挙することができる。すなわち、自由な言論を保証した民主主義の崩壊を意 味し、安倍政権の場合は自己の政権に反対する者全てを、「危険なテロリスト」 あるいは「敵対国支援者」として封鎖弾圧することができるようになる。  ちょうど、お隣の北朝鮮によるミサイル発射から核実験へと国連決議を無視し た一連の挑発行動が起こり、安倍総理にとっては「外敵討つべし」との国論を燃 え盛らせるにはもってこいの情勢だ。  総理は、国会での支持勢力が3分の2を超えれば、同法の成立を一気に狙って くる。北朝鮮だけでなく南シナ海を巡る中国の傍若無人な態度も結果的には総理 の追い風となる。大マスコミは、官邸ベッタリで何も言わない。今や国民へスト レートに言論規制の手を伸ばしてきた。  過去に3度も廃案になった「共謀罪」成立は安倍政権の悲願でもある。何かと いえば、「自国を自分で守れることができる普通の国に進化させよう」という発 想の総理は、説明責任や戦後長く守られてきた自衛隊に対する文民統制も実質骨 抜きにしようとしている。  共謀罪はその対象を、単なる「団体」から暴力団やテロリストらの「組織的犯 罪集団」に限定するようだが、これとて警察のさじ加減でどうにでもなる。中朝 の暴走で、極東アジアは必然的に日韓両国が米国の後ろ盾で対抗していかないと 立ち行かない。その状況を利用し、一気にアベノミクスの失敗や共謀罪成立を覆 い隠そうとするのが安倍政権だ。  安倍総理は地方の自民党をどう喝して従わせ、日本維新の会などの“一見改革 政党、実は政権寄生政党”の連中をも巧みに利用してくるだろう。この政権を、 国民はこれ以上許してはいけない。 "[he-forum 19226] 産経 2016.9.20","http://www.sankei.com/politics/news/160920/plt1609200004-n1.html 産経 2016.9.20 テロ準備罪見送り 政府与党の危機感を問う  政府与党には失望を禁じ得ない。政府は「共謀罪」の名称と構成要件を変えた 組織犯罪処罰法の改正案について、26日召集の臨時国会に提出しない方針を固 めた。  自民、公明両党も同調している。改正案の成立は、2020年東京五輪を控 え、テロと戦う国際社会と連携するために喫緊の課題だったはずだろう。  共謀罪は過去に3回廃案となっており、その後も提出は見送られてきた。世界 各地で大規模テロ事件が頻発している中、またも政府の問題先送りが繰り返され る。国を守る危機感が希薄すぎる。  国連は00年に「国際組織犯罪防止条約」を採択し、各国に共謀罪を設けるこ とを求めて批准の条件とした。すでに世界180カ国以上が締結しているが、先 進7カ国(G7)では日本だけが締結に至っていない。共謀罪を持たないため だ。日本は、テロと戦う国際連携の「弱い環(わ)」となっている。 このため法務省は罪名を「テロ等組織犯罪準備罪」に変更し、従来の法案で「団 体」としていた適用対象は「組織的犯罪集団」に限定していた。構成要件には犯 罪の合意だけではなく、資金集めや道具を用意するなど犯罪実行のための「準備 行為」を加えた。  「居酒屋で上司を殴ると相談しただけで処罰されるのか」といった懸念や、市 民運動の弾圧に適用されないかなど、過去の反対論に対応するためだ。法案提出 の準備は十分に整っていた。  15日にはケネディ駐日米大使が金田勝年法相と会談し、法案提出の動きにつ いて「大変勇気づけられた。米国としても協力する」と期待を語っていた。  金田法相も「法案の提出は未定」としながら、「米国の知見や情報の共有をお 願いしたい」と応じていた。なんと間抜けな問答であったことだろう。  法案提出の見送りは、平成28年度第2次補正予算案や、環太平洋戦略的経済 連携協定(TPP)の関連審議を優先させるためとされる。いずれも重要であろ うが、テロと対峙(たいじ)するための法案と両立しないとの判断はおかしい。  来年の通常国会には提出し、成立を目指すとされるが、どうにも信用がならな い。その間もテロの準備は進められているかもしれない。本当に五輪に間に合わ せるつもりはあるのか。テロは国会の都合を待ってはくれない。 "[he-forum 19225] 読売 2016年09月17日","http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160916-OYT1T50139.html 読売 2016年09月17日 「共謀罪」、通常国会提出へ調整…政府・与党  政府は16日の衆院議院運営委員会理事会で、創設を目指していた「共謀 罪」の適用範囲を縮小する組織犯罪処罰法改正案について、26日召集の臨時国 会への提出を見送ることを与野党に伝えた。  世論の理解を重視する公明党が慎重な対応を求めたためだ。政府・与党は来年 の通常国会への提出に向け、調整を続ける。  「共謀罪」は、重大犯罪を計画した団体を処罰対象とするもので、政府は創設 を盛り込んだ改正案を2003年、04年、05年の3回にわたって国会に提出 した。だが、いずれも野党の反発にあって廃案になった。  政府が新たにまとめた改正案は、テロ対策を強調するため、罪名を「テロ等組 織犯罪準備罪」に改め、適用範囲を絞り込んだ。適用対象を「組織的犯罪集団」 だけにしたうえで、犯罪が成立する条件として、重大犯罪の計画だけでなく、犯 罪実行の「準備行為」が伴うことを追加した。だが、公明党は「処罰対象が曖昧 で国民に不安を与える」(幹部)などとして、慎重姿勢を崩さなかった。公明党 は今後、条文の明確化を求める方針だ。  また、改正案は、計画や準備が禁じられる「重大犯罪」について、法定刑が懲 役・禁錮4年以上の犯罪としている。この場合、対象犯罪は600以上になると みられ、与党内では「もっと重い犯罪に絞り込むべきだ。国民の懸念を払拭でき ないと、認められない」との声が出ている。 "[he-forum 19224] 朝日新聞 2016年9月16日","http://www.asahi.com/articles/ASJ9J36DNJ9JUTFK004.html 朝日新聞 2016年9月16日 「共謀罪」新法案、臨時国会への提出見送り 政府・与党  政府・与党は、「共謀罪」の要件を変えて「テロ等組織犯罪準備罪」を新設す る法案を26日召集の臨時国会に提出しない方針を決めた。菅義偉官房長官は 16日午前の閣議後の記者会見で、「予定法案の中には入っていない」と述べ た。来年の通常国会に提出し、成立を目指す方針だ。  政府・与党は同法案を臨時国会に提出して継続審議とし、通常国会で成立させ る案を検討していた。臨時国会では環太平洋経済連携協定(TPP)承認案・関 連法案など他の優先案件があるため、野党や世論の反発が予想される「共謀罪」 新法案の提出は見送ることにした。  自民、公明両党の幹事長と国会対策委員長は16日午前、東京都内のホテルで 会談し、こうした方針を確認。自民党の竹下亘国対委員長は記者団に「(臨時国 会には)出さない方向」と語った。16日午前の衆院議院運営委員会理事会で は、政府側が提出検討中の法案リストからも外していることを明らかにした。  犯罪の計画段階で処罰する「共謀罪」は、過去3回廃案になっている。このた め、「2国会をまたぐことで丁寧にやっていることを示す」(政権幹部)狙いも あり、臨時国会提出案が検討されていた。一方で、他の重要法案への影響を避け るため、先送りすべきだとの意見も根強かった。  こうした状況を踏まえ、首相官邸や所管する法務省、自民党の間で調整。その 結果、通常国会に先送りすることで決着した。別の政権幹部は「通常国会には確 実に提出し、同国会で成立させる」としている。 "[he-forum 19229] 国立国会図書館の「レファレンス」に「共謀罪をめぐる議論」が載っています","国立国会図書館の「レファレンス」788号(2016.9)のp.53-65に 「共謀罪をめぐる議論」が載っています。 国会図書館のサイトのPDFで全文読めます。 http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/refer/ "[he-forum 19230] しんぶん赤旗主張 10/7","しんぶん赤旗主張 2016年10月7日(金) ノーベル賞に大隅氏 基礎研究重視への転換が急務  ノーベル賞が次々発表され、医学生理学賞は、東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏に決まりました。細胞が自分のタンパク質を分解してリサイクルする「オートファジー(自食作用)」と呼ばれる仕組みを解明した功績に対してです。心からの敬意を表します。 地道な探究が希望を開く  私たち生物はタンパク質でできています。人間の体内では、1日に約300~400グラムのタンパク質が合成されます。食事で補給するタンパク質は 1日80~90グラムで、残りは、不要になったり、壊れたりしたタンパク質を分解してリサイクルしています。この役割を担うのがオートファジーです。50 年前に知られていましたが、その仕組みは未解明のままでした。  謎を解いたのが「人がやらないことを手掛けることが信条」という大隅氏でした。当時は細胞の「ゴミため」と思われ、誰も見向きもしなかった細胞内 の液胞に着目。液胞の上澄み液が時々、キラキラと光るのに興味を持ち、「液胞で何か起きているのではないか」と酵母内の液胞を顕微鏡で観測し続けました。 1988年、たくさんの小さな粒がピチピチ踊るように跳びはねる現象を発見し、世界で初めてオートファジー現象を肉眼でとらえることに成功しました。さら に、人工的に遺伝子変異を起こした何千種類もの酵母を調べ、93年にはこの働きに不可欠な遺伝子14種類を特定しました。  この発見を機に、世界で年間十数件だった関連論文は、今では約5千件に増加しました。オートファジーは、あらゆる生物に共通する機能であり、がんやアルツハイマー病、糖尿病などの病気との関連が明らかになりました。さまざまな病気の治療につながると期待されています。  地道に真理を探究する基礎研究が、思わぬ展開で有用性をもたらし、人類に希望をひらくことを示しています。大隅氏も「研究を始めたときに、オートファジーが病気や寿命にかかわると確信していたわけではない」と述べています。  自然科学での日本人受賞は3年連続となり、2000年以降の受賞者は米国に次ぐ17人です。日本の基礎研究の水準の高さを示すものですが、その研究成果の発表のほとんどは1970~90年代です。むしろ、今は論文の国際的地位が質量ともに低下しています。  それは、政府が「役に立つものしか、予算をつけない」と「選択と集中」をはかり、大学の基盤的予算をこの12年間で1580億円も削減する一方 で、競争的資金を増やして研究者間の過当な競争を強要してきたからです。成果主義が強まり、自由な研究、長期的視点の研究が弱められています。  大隅氏も「大学や研究所の経常的な活動のための資金が極端に乏しくなってしまった」「新しい道の課題に挑戦することが難しい」と憂慮しています。この指摘を政府は重く受け止めるべきです。 過当競争の強要でなく  安倍晋三政権は「成長戦略」の一環として、国立大学の3類型化など「選択と集中」を強め、基盤的な予算の削減を続けています。  こうした政策を見直し、基礎研究を抜本的に振興する方向への転換をはかることは急務です。そうしてこそ、21世紀の日本を支える知的基盤を築き、人類社会の発展に貢献することができます。 "[he-forum 19231] 軍学共同問題で話をしました","元佐賀大学の豊島です.自分の宣伝で恐縮ですが,7日に九大箱崎キャンパスでの集会で軍学共同問題で話をしました.その内容(項目と,詳細へのリンク)を紹介します.参考にしていただければ有り難いです. 話の内容は「日本の科学者」7月号に発表した論文とほとんど重なります.(全文転載:http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2016-08-02 ) 集会の様子はNHK福岡のニュースで放送されました. “軍事研究”に反対する集会 http://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20161008/3238381.html レジュメ,スライド,録音へのリンクはブログにあります. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2016-10-08 以下,2ページの簡単なレジュメの内容です. ---------- 「科学の軍事利用と科学者の抵抗」 レジュメ    豊島耕一(元佐賀大学・理工・物理)    九大文系キャンパス,2016年10月7日 1.防衛省からの大学への資金枠の拡大.  「軍事研究助成18倍 概算要求6億→110億円 防衛省、産学応募増狙う」(東京新聞 2016年9月1日)  「基礎研究」ならいいのか? 「デュアルユース」  葉隠,聞書第一:「又学問者は,才智・弁口にて本体の臆病・欲心などを仕隠すもの也。人の見誤る所也。」 2.アメリカのトップ2大学の例  Leslieの“The Cold War and American Science”はMITとスタンフォードの軍学共同の歴史を詳述 3.アイゼンハワーの2つの警告  軍産複合体の支配と,科学技術エリートの支配 4.戦後の日本の学界の姿勢  戦後の学術会議の声明(1949年,1950年),物理学会の「決議三」(1967年) 5.科学者,科学界による核兵器批判,抵抗(70年代まで)  戦中:マイトナー,ロートブラット  戦後:ラッセル?アインシュタイン宣言,パグウオッシュ,科学者京都会議 6.科学者,専門家による新しい抵抗の形態  判事,検事らによる基地封鎖(ムートランゲン),ファスレーン365でのAcademic Blockade 7.NVDA(Non-violent Direct Action)  ファスレーン365日本チームの経験など 「 行為によるプロパガンダ」と「道徳的柔術」 8.アメリカの道をたどらないためにはどうするか  8-1 「客観的」条件  「貧困化」への抵抗,「経常費」の維持/個人の良心を発動させるための規範,制度/抵抗組織,ネットワーク  8-2 思想的条件  組織の意志と個人の良心/「基礎研究なら問題ない」という態度への批判/公開ならいいのか  「軍組織に人間関係資本の蓄積を許さない」  学術会議会長私見項目2への批判  「個別的自衛権」の公認化の傾向への批判.自衛戦争,自衛隊肯定論と関わらざるを得ない.つまり,武力によらない国家防衛の問題 9 さしあたって  学術会議4月総会での「科学界における九条改憲」の阻止 会員への働きかけ,署名,会議場前での行動 10 軍事研究禁止のグローバル化  軍事転用される技術を予測し,事前に禁止する国際機構 (R.E.Spier ほか,Science and Technology Ethics, 2002年, p.211-212.  筆者ブログ:「ペガサス・ブログ」 http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp  筆者ツイッター:https://twitter.com/yamamoto2007 ----------- 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html "[he-forum 19232] 山陰中央新報論説10/11「軍学共同/科学者は積極的に発言を」","山陰中央新報論説10/11「軍学共同/科学者は積極的に発言を」 http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=561669033  1918年のノーベル化学賞は空気中の窒素からアンモニアを合成する方法を見つけたドイツの科学者、フリッツ・ハーバーに授与された。化学肥料に使われ、食料生産に貢献したとの理由だ。  ハーバーは、毒ガスを開発した人でもある。第1次世界大戦で使われ、それを苦に妻は、夫の軍用銃で自殺した。それでも、自分の発明が戦争を早く終わらせるのだ、と悔いることはなかった。  戦後も研究所で開発を続け、そこで生まれた殺虫剤が強制収容所での虐殺に使われることになる。ハーバーは同じユダヤ人の部下を解雇するよう圧力を受けて所長を辞め、スイスで亡くなった。  毒ガス、地雷、核爆弾…。科学が軍事利用され、おびただしい数の死を人類にもたらしてきた。その責任は科学者だけでなく、社会にもある。  安倍政権が進める「軍学共同」の動きが科学界を揺さぶっている。2013年に閣議決定した国家安全保障戦略で軍事技術の強化に「産学官の力を結集」させる方針を打ち出し、防衛省が昨年度、研究を公募する制度を始めたのが発端だ。  日本の科学者を代表する機関である日本学術会議は戦後2度にわたり「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わない」とする声明を出した。大学や研究所の科学者は基本的に軍事研究に関わらずに過ごしてきた。  しかし昨年、同会議の大西隆会長が「自衛隊に対する国民意識の変化、科学研究成果が自衛装備に既に深く関わっている現実」を踏まえ議論すべきだと提起し、検討委員会で声明の見直しを含め議論が進められている。  同会議内では声明を堅持すべきだとする意見が多い。ただ自衛のための研究は容認されるとの声もある。防衛省の制度は予算が潤沢で基礎研究が対象。大学は研究費不足。応募する人が出たのも不思議ではない。昨年度は109件、本年度は44件の応募があった。  だが、こうした研究にはさまざまな問題がある。研究は成果が公開されてこそ発展する。防衛省の制度は成果の公開を原則としているが、公開が禁じられる可能性は否定できない。規制によって学問の自由が損なわれる事態は、科学者だけでなく社会にとっても避けなければならない。  防衛省の制度が肥大化することにも注意が必要だ。予算は初年度で3億円、本年度が6億円、来年度の概算要求には110億円が計上されている。その分、「平和的」な研究にしわ寄せが来る可能性があるだろう。  自衛の技術と軍事技術は区別できない。安倍政権は武器輸出や他国との武器の共同開発に前のめりになっているが、それでいいのだろうか。  学術会議は委員会の審議を公開しており、シンポジウムを開くなどして一般からの意見も聞く方針だ。科学者にはこの問題について積極的に発言してもらいたい。  昨年、新潟大は行動指針を改定し軍事研究拒否を明記した。信州大も行動規範に平和への貢献を盛り込んだ。他の大学や研究所でも議論を進めるべきだ。研究を支えているのは時に移ろう政治ではない。普通の倫理観に基づく社会の信頼であることを科学者は忘れないでほしい。 -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19233] 時事ドットコムニュース10/21","時事ドットコムニュース  大学生らを対象にした返済不要の給付型奨学金創設に関し、政 府・自民党は21日までに、月3万円を軸に給付する方向で検討を始めた。高校の成績が5段階評定で平均4以上など対象者の基準を設けるが、家庭事情の影響 などで満たせなかった高校生らを救済するため、学校推薦制度の併用も検討している。  給付型奨学金創設は低所得世帯の支援が目的で、生活保護世帯 や児童養護施設の入所者らを対象として想定している。政府は2017年度予算編成過程を通じて制度内容の結論を出すとしており、文部科学省幹部と有識者で 構成する検討チームと自民党のプロジェクトチーム(PT)がそれぞれ議論を進めている。  自民党PTはこれまでに、経済的理由で進学を諦めずに済む最低の給付額として、月3万円は必要との認識で一致。文科省の検討チームも同様の考え方で議論を進めている。(2016/10/21-11:24)= "[he-forum 19234] しんぶん赤旗10/21","しんぶん赤旗 2016年10月21日(金) 奨学金改革を提案 衆院文科委で大平氏  日本共産党の大平喜信議員は19日の衆院文部科学委員会で、来年度導入予定の給付型奨学金について抜本的な拡充を求めました。松野博一文科相は、給付対象者を「できるだけ多く」との考えを示しました。  給付対象者について文科省は生活保護世帯の子どもなど約16万人を検討中です。大平氏は進学率7割で試算すると、対象者は全学生の約12%にとどまるとして、「希望する誰もが進学できるようにする制度が、この規模でいいのか」とただしました。  松野文科相は「1人当たり給付額の問題を含め、総合的に検討する作業が必要」としつつ、「できるだけ多くの方にという思いは同じ」と答弁しました。  大平氏は、「月3万円、70万人(現在の奨学金利用者の半数)」給付から始める「日本共産党の奨学金制度改革の提案」を示し、給付型奨学金の導入を「“教育ローン”から本当の意味での奨学金へ転換していく出発点にしよう」と強調しました。= "[he-forum 19243] 東洋経済オンライン10/23 「なぜ東大は「世界大学ランキング」が低いのか」","なぜ東大は「世界大学ランキング」が低いのか 人文系学部「廃止騒動」は世界に逆行している http://toyokeizai.net/articles/-/141598 「今後10年間で世界大学ランキングトップ100に、わが国の大学が10校以上入ることを目指す」――。2013年に閣議決定された政府の成長戦略の中で、この目標が掲げられてから3年が経過した。ただ、今年も目標達成にはほど遠い状況だ。 主要な世界大学ランキングはいくつかあるが、最も著名なのが英タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(以下THE)社によるランキングだ。THEは英国の有名な日刊紙『Times』が発行している教育の専門誌。特に毎年秋に発表している「世界大学ランキング」の影響力は大きく、日本政府も指標の一つとしている。 日本の大学が抱える課題 日本ではベネッセコーポレーションが同社と提携するパートナー企業だ。今回、THE社は日本に特化した大学ランキングを2017年3月にも公表すると発表。そのためにマネージングディレクターであるトレバー・バラット氏、および編集長のフィル・ベイティ氏が来日。会見後、日本の大学が抱える課題を聞いた。 同社によれば総合ランキングは、①教育力(アンケートによる評判、教員あたりの博士学位授与数など)、②研究力(アンケートによる評判、研究者1人あたりの研究費収入・論文数)、③研究の影響力(論文の引用数)、④国際性(海外留学生や外国籍教員数の割合、国際共著論文の数)、⑤産業界からの収入(研究者1人あたりの産業界からの研究費収入)の5領域・13項目で算出される。 先月、発表した2016年版の世界大学ランキングでは、首位は英オックスフォード大学。2位は米カリフォルニア工科大学、3位は米スタンフォード大学と、9位のスイス連邦工科大学を除き、英米の大学が上位に名を連ねる。アジアでトップは24位のシンガポール国立大学。アジアで2位は29位の中国北京大学、3位は35位の中国清華大学となり、日本の東京大学はアジア4位(世界39位)だった。 東大には何が足りないのか。編集長のベイティ氏は「アジアの上位3大学に共通するのは、潤沢な資金力。国が大学への投資を増やしていることだ」と指摘する。 国土が狭いシンガポールは、人的資源としての大学への投資を重視してきた。中国も1990年代以降、大学への大規模な投資を何度も行ってきた。ベイティ氏によれば「その総額は約130億米ドル。米国などで研鑽を積んだ中国の研究者を呼び戻し、研究の環境を整えたほか、国際的なパートナーシップ作りにも力を入れた」という。 一方の東大はアンケートによる評判、教員と学生の比率など、教育力は他大学よりもはるかに高かったものの「国際性のスコアがきわめて低かった」(マネージングディレクターのバラット氏)。その他、日本勢では京都大学が94位に入ったぐらい。あとは軒並み200位以下となっている。 日本の大学の厳しい現状 日本の大学が置かれている状況は厳しい。18歳人口は2018年から徐々に減少し、2020年以降は減少ペースに拍車がかかる。 一方、日本の大学数は国公立・私立あわせて775校(2016年4月1日時点)にのぼる。日本私立学校振興・共済事業団によれば、2016年度は私立大学の44.5%が定員割れの状況だった。 ベネッセを含めこれまでの日本の大学ランキングは、入試の難易度や就職率に基づくものが一般的だった。大学が“就職予備校”となっているのではないかとの指摘も根強い。 大学のランキング化については、慎重な声が上がるのも事実だ。東京大学や京都大学など11大学で構成される「学術研究懇親会」は今年7月、「本来多種多様な価値が集積する大学をランキングという1つの順位指標で評価すること自体がそもそも無理なことであるといわざるをえない」との見解を公表している。 たとえば論文の引用数については、「身近な研究者集団の中では互いの研究成果の情報交換も速やかに行われ、その結果、被引用数が増加しやすいのは当然である。(中略)日本の研究者は欧米の研究者に比べると地理的/言語的にハンディを背負っている」という。 こうした背景も踏まえ、THE社は提携するベネッセコーポレーションとともに、日本版の大学ランキングを策定中だ。ベイティ氏は、「われわれが目指すのは、従来のランキングでは見えてこなかった、すばらしい教育を行っている大学を見つけ出すこと」という。 ただ、「研究力や教育力が弱く、学生に十分な成果を提供できない大学は、私立大学ならば合理化や淘汰の対象になるかもしれない。その場合もデータは(合併や閉鎖などの)判断の根拠になる」と話す。 2015年6月には、文部科学省の国立大学向け通知に端を発する「文系廃止」騒動が注目を集めたが、ベイティ氏は「個人的な見解として、人文科学系学部の縮小や廃止は間違いだ」と断言する。 「世界的には、伝統的なリベラルアーツ(文系理系を区別しない幅広い教養)への回帰が見られる。英国でも、たとえば医学教育における人文科学(arts and humanities)が重視されている。骨折を治療できても、コミュニケーションや共感力が欠けていれば、よい医者とはいえないからだ」(同) ランキングにくすぶる不満 「米マサチューセッツ工科大学やスタンフォード大学といった理工系に強い大学でも、人文・社会科学系の学部は優れた成績を収めている。たとえば気候変動のような問題に対処するには、科学だけでなく人間の行動に関する心理学なども重要な役割を担う。理系の学生も人文科学を学び、文系の学生も自然科学を学ぶべきだ。これが将来の不確実性に対処する強靱さを身につけることにつながる」(ベイティ氏) THE社と業務提携するベネッセは「すべての大学について同じルールでランキングがされるので、有利不利という概念はない。ただ、日本の大学にとって英語という言語の壁はあり、そこをどう克服していくかが問われているのは事実」としている。 ランキング至上主義に陥ることは好ましくないとしても、THE社のランキングは海外から見た日本の大学の一側面を示しているとも言える。日本の18歳人口が減少する中、世界の留学生を呼び込むための努力は、ますます重要になるだろう。はたして、THE社が2017年3月にも公表する日本版大学ランキングはどの程度の影響をもたらすだろうか。 -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19242] 日経10/25Web版「岐路に立つ国立大学(下)JST・浜口理事長に聞く 「国立大の現状は危機的」 」","「岐路に立つ国立大学(下)JST・浜口理事長に聞く 「国立大の現状は危機的」 」 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08622960R21C16A0I00000/  イノベーションの創出に取り組む科学技術振興機構(JST)の浜口道成理事長(前名古屋大学長)は、国立大への運営費交付金の削減が研究力や人員確保に深刻な影響を及ぼしていると指摘。予算が限られる中、ドイツなど海外事例も参考に大学や企業、研究機関の機能的な連携や大学の国際化を進めるべきだとする。 (聞き手は社会部、鱸 正人)  ――運営費交付金は2004年度の法人化以降、毎年ほぼ1%ずつ減らされて計1500億円削減されました。現状をどう見ていますか。  「まさに危機的な状況だ。大学の研究力を上げるといった段階ではなく、国立大という構造を維持できるかの限界点に来ている。大半の国立大は教職員の人件費が交付金による収入を上回っている。任期付き教職員の増加も影響しているが、ギリギリの経営の中、人件費をカットして対応せざるを得なくなっている」  「先日、新潟大が人件費を抑制するため、退職者の補充に充てる教員の新規募集などを控えると発表した。こうした動きは各地で出てくるだろう。また、最近はどの大学も国際連携や法務、知財、リスク管理、産学連携など、法人化前にはほとんどいなかった分野の職員を多く雇用している。海外や産業界との提携がますます不可欠になる中、こうした専門職をカットするわけにもいかない。政府、社会はこうした現実をもっと直視してほしい。教員養成系大学は科学研究費補助金などの獲得も難しい」■大学の収益構造、海外との違い大きく  ――海外大学と比べて収益構造の違いも大きいと言われています。  「例えば米ハーバード大は数兆円もの基金を運用し、タイのチュラロンコン大は広大なキャンパスの一部をデパートやホテルに貸して収益を上げている。対して日本の国立大は単年度会計で管理されて(財政の)柔軟性に欠け、付属病院くらいしか収入を生む仕組みがない。その病院ですら消費増税の影響などで経営が悪化し、医療機器の新規購入を控えるなどしている。ほかにも電子ジャーナル(学術誌)の値上げといった負担増が潜在的に進んでおり、いつ表面化するか分からない状態だ」  ――国内外の研究力の調査からどんな傾向や特徴が見られますか。  「JSTで世界中の研究者に引用される『トップ10%論文』のシェアを日本、米国、英国、ドイツ、フランス、中国の6カ国で比較したところ、全27分野で日本の低下がみられた。2000年前後の5年間と、最近の5年間の日中の状態を比べると、今や完全に中国が日本を逆転している。多くの国民はいまだに日本は経済大国で科学技術大国だと考えているかもしれないが、現実を見て戦略的に研究の活性化を図らなければ科学技術で生きていくことがますます難しくなる」  「日本の研究が低迷する理由は明確だ。トップ10%論文の件数の推移と、国内の科学技術関係予算は完全な平行関係にあった。つまり、トップレベルの研究をしている国立大は、予算が投下されれば研究力も高まるということだ。最近は理化学研究所などの研究機関が伸びている一方、企業の研究所の落ち込みが激しい。未来への投資が今こそ必要なのに、企業は研究投資へのマインドが弱っているのではないか」 ■注目すべきはドイツの取り組み  ――最近成果をあげている国はありますか。  「ドイツに注目すべきだと考えている。人口は日本より少なく、1人当たりの研究費も日本とほとんど変わらないが、論文シェアは高い。原動力の1つは国際性だろう。国際共著論文も増え続けており、国を越えて良質な研究に取り組むというレベルの交流が欠かせない。もちろん地理的な要因は大きいが、日本の留学の範囲は東アジアに集中しているので、もう少し幅広くしたい」  「ドイツのもう一つの特徴は、政府などからの公的資金と企業からの研究費で運営するフラウンホーファー研究機構の存在だ。ドイツ国内に約70の研究所があり、大学と並んだリサーチパークのように立地している。中心となるスタッフは大学の教授が兼任し、ピュアサイエンスや教育と応用研究が同じ場所でできる環境がある。日本でいきなり大学の仕組みを変えるのは簡単ではないだろうから、企業側に投資効果があると認められるような仕組みを作り、国全体で研究の活力を高めていくしかない」  ――旧帝大と呼ばれる研究大学が最近、日本を代表する企業との包括提携を相次いで発表し、産学連携の潮目が変わりつつあるようにも見えます。  「必然的な流れだ。このままではいけないとの危機感を社会全体が共有し始めている。大学が本当に市場性のある現場で競争力を保てるよう、JSTも応用研究や実用化を見据えた支援を進めていきたい」  「18歳人口が減り続け、あと20年もすれば社会を支える中核人材が半分程度に減ってしまう。人口減の時代に高度専門人材をいかに確保するかはますます重要になってくる。企業にとっても喫緊の課題だろう。例えば国立大が積極的に海外展開を行って優秀な留学生を日本に招き、卒業後は企業で働いてもらって中核人材に育てていくという貢献もできる」  ――一方で地方大学は厳しい環境に置かれています。資金が限られるなら配分先を減らした方がよいという考えにはなりませんか。  「大学を統廃合して学生や教員を減らすことはデフレスパイラルだ。活力を生み出す方向にはいかない。日本ではトップ層の大学に資金が相当集中している実態があり、米国などと比べても選択と集中は進んでいる」  「国立大の特徴は全都道府県に最低1つあること。経済効果を分析したことがあるが、中規模クラスの大学で約700億円と算出された。限界集落になる可能性のある地域にも18歳の若者が一定数とどまる。その地域で適切な質と量の仕事が提供されれば過疎化はかなり防げるはずだ。むしろ東京一極集中こそ改めないといけない」  ――浜口理事長も委員として出席している文部科学省の「私立大学等の振興に関する検討会議」では、私立大関係者から国立と私立への公費支出の差を見直すべきだといった意見が出ています。  「国立にばかり資金が投入されていると言うが、例えば国立大は入学者のいない研究所を抱えているし、病院も持っている。私立大の学部の多くは、それほどコストがかからない人文社会系だ。少子化が進む中でも大学は増えているが、その大半は私立が占めている。国立大は3類型に分けて競争力を強化し、生き延びることを考えつつある。それは私立も同じこと。私立を十把ひとからげにして補助金で支援できるほど日本の財政に余裕はない。現実的な道を考えてほしい」  はまぐち・みちなり 1975年名古屋大医学部卒。80年同大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。米ロックフェラー大研究員などを経て93年名古屋大医学部教授、2005年医学部長。09年から15年まで名大学長を務め、同年10月から現職。専門は腫瘍生物学。 -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19241] 日経10/18付「国立大施設の老朽化深刻」","国立大施設の老朽化深刻 築25年以上でも3割未改修 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG14H2H_Y6A011C1CR0000/  東京大学をはじめとした全国の国立大学で、施設の老朽化が深刻な問題になっている。文部科学省によると、築25年以上で改修が必要な施設が延べ床面積で全体の3割に達した。配管の水漏れなど最先端の研究にも影響が出始めた。文科省は今後5年の施設整備計画で老朽化対策を優先したい考えだが、予算が限られるなかですべての要望に応えるのは厳しい状況だ。  2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞する東京工業大学の大隅良典栄誉教授が「大学の研究環境が劣化している」と受賞決定後の会見や懇談などで指摘し、注目が集まっている。  国立大学の施設は全国で延べ床面積にして2760万平方メートルあるが、築25年以上で改修が必要なのは846万平方メートルを占める。すべて改修するには1兆円以上かかるが、16年度で充てる予算は600億円ほどと圧倒的に足りない。各大学の基盤経費となる運営費交付金も減っており、自主財源を捻出するのも難しい。  最先端研究を支える土台は心もとない。東京大学本郷キャンパス(東京・文京)にある理学部2号館。生物学科の研究室では、天井に張り巡らされた配管に青色のバケツがぶら下がる。配管から水が漏れているためで、教授や大学院生が使うパソコンに滴り落ちれば実験データを失いかねない。  京都大学のウイルス・再生医科学研究所では、マウスを飼育する部屋の空調装置のパイプは穴が開いたまま。1~2度の誤差で求められる温度管理が大変だという。古い電線がショートして数時間にわたって停電したケースも京大内であったという。 -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19240] 日経10/19付「寄付金集め、国立大も力 」","国からの交付金減額 寄付金集め、国立大も力 九大、会員特典で優待 筑波大、収穫品で「返礼」 http://www.nikkei.com/article/DGKKZO08501420Y6A011C1TCN000/ 国立大学が寄付集めに本腰を入れ始めた。民間出身者をファンドレイザー(資金調達担当者)に採用したり、「ふるさと納税」のように返礼品で魅力を高めたりと工夫を凝らす。国からの交付金が減る中、自力で獲得した寄付は特色を打ち出すための原資としても貴重。安定した収入源に育てるには、教職員の意識改革や専門人材の育成がこれからの課題になる。  「ぜひ、いいお付き合いをさせてください」。8月下旬、九州大の総務部同窓生・基金課で寄付集めを担当する松尾正人さん(57)は、大学から約30キロ離れた福岡県粕屋町の眼科医院を訪れた。  同窓会で知り合った医学部OBの男性医師が開業したと聞き、花束を持参。和やかに話しながら、年1千円以上の寄付をするとホテル割引などの特典がある「九大会員」の制度について説明した。医師は後日「母校のためになれば」と寄付を申し出たという。 専任の雇用進む  松尾さんは長年、外資系や日本の生保などで営業管理を担当し昨年12月、ファンドレイザーに採用された。大学周辺の事業所、福岡の大手企業、同窓生などと相手先を絞って訪問を重ね、これまでに約60社から寄付を獲得してきた。  九大は2011年の創立100周年に合わせて集めた寄付を基に基金を創設。学生の海外留学や職員研修などの支援に生かしてきた。17年度からは経済的に厳しい学生約30人を対象に給付型奨学金も始める。「九大への地元企業の関心は高い。意義や使い道を丁寧に伝えて寄付につなげ、学生の応援策を増やしていきたい」と松尾さん。  京都大で13年から基金室長を務める鈴木卓馬さん(53)も民間出身だ。銀行などの営業現場で様々な企業や人と関わった経験から「同じ卒業生でも年齢や職業などライフサイクルに合ったアプローチが大切」と語る。  主にシニアの卒業生向けとして、京大出身の弁護士や税理士が相続などの相談に応じるセミナーを今年初めて企画。今月には、現役学生の両親や祖父母を招いた学校見学会も行った。  私立大と違って寄付募集に積極的とはいえなかった国立大の姿勢が変わった背景には、国からの運営費交付金の減額がある。文部科学省も国立大40校を選び、ファンドレイザー雇用のために1校当たり930万円を助成し背中を押している。  ふるさと納税の大学版を導入したのは筑波大だ。年間3万円以上の個人寄付者らに対し、校内の農場で収穫したコメやサツマイモ、ワインを贈る取り組みを昨秋から始めた。現在約300人の対象者の倍増を目指す。  学長と地元の企業経営者との懇談会も開催。五輪選手を輩出した運動部の顧問を話し手に招くなど、大学を身近に感じてもらう工夫をしている。今春には懇談会の参加企業から約1億5千万円分の援助を受け、校内のサッカー場の人工芝整備につながったという。 「営業慣れ」課題  文科省のまとめでは、国立大全86校への15年度の寄付金総額は約761億円(個人・法人。現物寄付除く)。11年度の約788億円から横ばいだ。日本私立学校振興・共済事業団によると、私大を持つ約500の学校法人への寄付総額も毎年1千億円程度(現物寄付除く)で推移している。  これに対し、寄付文化が根付いているとされる米国の大学で首位のスタンフォード大は年16億3千万ドル(約1700億円)と桁違い。数百億円を集める大学も多く、寄付金の運用収益で教育研究の充実を図っている。  米ハーバード大は約500人のファンドレイザーを抱えているという。片や日本の国立大は、寄付募集の専門人材は数人という大学が大半だ。営業活動に不慣れな教職員も多く、ある大学職員は「経営幹部と企業訪問に行ったら世間話もせずに寄付の依頼を始め、全く相手にされなかった」と失敗体験を明かす。  大学への寄付の助言を手がける一般社団法人ジャパントレジャーサミット(東京)の吉田房代さんは「遺贈などの大型案件の相談を受けるには、長期にわたる信頼関係が大切」と指摘。数年で人事異動がある国立大の現状では人材が育ちにくいとして、質と量両面での改善を求めている。 -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19239] 日経10/24Web版「岐路に立つ国立大学(中)高知大・脇口学長に聞く 地域に根ざす国立大の使命 」","「岐路に立つ国立大学(中)高知大・脇口学長に聞く 地域に根ざす国立大の使命 」 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08331690T11C16A0I00000/  全国の国立大で「地域」をテーマにした学部・学科の設置が相次いでいる。文部科学省は昨年、国立大86校に(1)地域貢献(2)特色ある分野の教育研究(3)世界で卓越した教育研究――の3類型を示して自校の特色を選ぶよう求め、55校が「地域貢献」を選んだ。2015年度にいち早く地域協働学部を新設した高知大の脇口宏学長は、厳しい経営環境に危機感を示しつつ「大学の力を最大限生かし、地域復活に貢献したい」と話す。 (聞き手は社会部、鱸 正人)  ――地域協働学部を設置した経緯や狙いを教えて下さい。  「2004年に国立大が法人化した時から、地域の大学としてどう生きるかは高知大にとって重要なテーマだった。当時は一部の教員や学生が、パイロットスタディーとして地域住民と関わりを持っていて、私が所属していた医学部もずっと地域医療の発展に取り組んできた。新学部の構想を知ったのは、学長就任直後の12年5月頃。今の地域協働学部の学部長の説明によれば、学生が地域の現場と大学教育とを往還し、困難に直面しても繰り返しチャレンジでき、現実と折り合いをつけた解決策の提案につなげられる人材を育てよう、というのがコンセプトだった。これこそが現在の大学を含む学校教育に欠けているもので、学長として新学部設置を即決した」  「卒業して社会に出れば、企業からは成果を求められる。学生のうちに知識だけではない多様な経験、いわば社会人基礎力を身につけさせることは重要だ。卒業生への社会の評価を示す大きな指標は就職率と、早期退職率の低さだろう。高知大では就職する学生の約25%が高知県内の企業や自治体に採用されている。挫折にくじけない、実行力と継続力のある学生を育てていかないと、高知大も高知県も未来は暗い」  ――高知県は少子高齢化が全国平均より早いペースで進み、若者の流出も深刻です。高校を卒業した18歳の地元定着率を見ると、高知県は全国でも下位です。  「優秀な生徒が高校卒業段階で県外に進学してしまうのは、ある程度仕方ないし、むしろ好ましいとも言える。16年4月に高知大に入学した1095人のうち、県内出身者は272人、約25%だった。国立大である以上、入学者が県内出身者に大きく偏るのは問題かもしれないが、4割程度は県内から来てほしい。地域協働学部の県内出身者は15年度は25%、16年度は42%だった。3年間で600時間の地域での実習というこの学部のカリキュラムを通じ、県外出身者も含めて高知に愛着を感じてもらい、卒業後も県内に残ってくれる学生が増えてほしい。地域を支える人材を輩出し続けることは、高知県に立地する高知大の使命だ」 ■地方国立大、高まる消滅への危機感  ――地方国立大はこれまで、黙っていても学生が集まる存在でした。改革を続けないと消滅してしまうとの危機感はありますか。  「国立大だからいつまでも安心だとは全く考えていない。国からの運営費交付金にいたっては、『効率化係数』などによる影響額(減少額)の累計は法人化以降の12年間で約9.6億円に上っている。大規模校以上に影響は大きく、教職員の人件費の支払いに苦労していて、そろそろ限界に近い。これに加え、地方にある国立大はどこも似た状況だと思うが、特に高知県は人口減少の進み具合が早いなど、全国の中でも課題が先行的に表れている。平均レベルの教育をしていては、国立大の中で最初に消滅してもおかしくないと認識している」  「法人化直後、付属病院は黒字にしないといけないという強いプレッシャーのもとで病院経営に人材を投入した時期がある。必然的に大学での研究は二の次になり、社会的インパクトのある成果は出がたくなった。国立大は教育、研究、地域貢献にバランスよく取り組むべきで、地域貢献ばかりを重視するように見られることは望ましくないと考える。県内には4年制大学が3校しかなく、蓄積された研究力や人材の量、行動力を考えれば、何としても高知大が頑張らないといけない」  「統廃合については、仮に隣県の国立大と統合されても規模と機能が縮小されるだけで、メリットはないと考えている。交付金を減らされて厳しい環境に追い込まれた末、自助努力が足りないから統廃合の対象にするというやり方では納得がいかない」  ――16年度には多くの大学で地域系の学部・学科が誕生しました。  「高知大の地域協働学部は1学年の定員60人に対して教員24人という手厚い体制だ。現在は教育内容のハードな点も含めて地域系学部の中でも最も特色を有しているとの自負はあり、そう簡単には追いつかれないと思っている。だが、他大学も様々な工夫で成果をあげようと努力しており、次の手を打たないといけない。他校の教育の質が上がれば、他の条件が悪い高知大は非常に不利だということは教職員にも繰り返し説明している」  「他学部で同程度の教員配置をするのは難しいが、アクティブ・ラーニング(能動的な学習)や課題解決学習(PBL)を充実させ、主体的な学びを促そうとしている。知識を社会と関連づけた、より実践的な教育を他大学より3年早く導入できれば高知大が生き残る可能性も高まってくる。22年度からの第4期中期計画の段階では一層厳しい環境になっている。教職員、学生の意識を早急に変えないといけない」  「最近危惧しているのは旧帝大と呼ばれる大規模大ですら、地域貢献を意識した取り組みを進めていることだ。地方大向けと思われる競争的資金にも手を伸ばし、我々が採択を逃すケースもある。国とぶつかってでも最先端の研究や独自の教育改革に取り組み、教育研究の王道を進むのが旧帝大の責務だと思うが、地方創生などの国の政策に敏感に反応しているようだ」 ■医学科AO入試、筆記最低レベルでも合格例あり  ――人材育成には入試改革も欠かせません。文科省は20年度から大学入試センター試験に替わる新テストを導入し、多面的な評価を重視する方針です。  「高知大では以前から基礎学力に加え、書類審査やグループワーク・面接などで判定するアドミッション・オフィス(AO)入試を積極的に活用している。特に医学部医学科では定員110人のうち30人がAO入試だ。筆記試験で定員の2倍程度に絞った学生を2日かけてグループワークと面接を行い、面接者は6人で受験生1人当たり30分かけている。とても手間がかかるが、AO入試で入った学生はその後の成績が良いので続けたい。地域協働学部も60人の定員のうち15人はAO入試だ」  「入試は大学の人材育成目標に合致した学生を受け入れるために行うものだ。国立大は、将来の日本に貢献できる人材を育てて社会に還元していくことが使命なのだから、明確な選抜基準と説明責任が果たせれば選抜時に多少主観が入っても問題ないだろう。医学部医学科のAO入試では、筆記試験の点数が受験者の中で最低レベルでも合格するケースがあるが、こうした逆転は十分あり得る。筆記試験が1点でも高い受験生を評価する教員はいまだにいるが、私は決してそうではないと思っている」  「新テストは、5教科7科目の合計点が一定以上なら(2次試験の)受験資格を与える仕組みになればいい。地域で生きるにせよ、グローバルに活躍するにせよ、文系・理系を問わず様々な分野を幅広く学んでおくことは不可欠だからだ。高知大でそんな試験をすれば受験生から敬遠されて定員割れする学部が出るかもしれないが、将来のことを考えて教育研究に取り組むことこそ、国立大の果たすべき役割だろう」  わきぐち・ひろし 1971年岡山大医学部卒。同大学付属病院などで勤務し、79年高知医科大(現高知大)医学部助手。89年助教授、2001年教授、08年医学部長。10年に学長就任。専門は小児科学。70歳 -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19238] 日経10/23Web版「岐路に立つ国立大学(上)東京大・五神学長に聞く 「産学協創」と日本の競争力」","「岐路に立つ国立大学(上)東京大・五神学長に聞く 「産学協創」と日本の競争力」 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08177610Y6A001C1I00000/ 東京大は今夏、日立製作所やNECとの間で新しい形の連携に踏み切った。研究室単位で特定のテーマの研究をする従来型の産学連携と異なり、互いに組織を挙げて連携し、幅広い社会課題の解決に協力して取り組む。こうした活動を「産学協創」と呼ぶ五神真学長に、狙いや今後の国立大のあり方を聞いた。 (聞き手は社会部、鱸 正人)  ――産官学の関係をどう見ていますか。  「昨年4月に学長に就任したが、最近も政府の複数の会議で大学改革が議論されており、産官から大学への期待の大きさを強く感じている。かつて、日本企業は社員を職場内訓練で育てて戦力にしてきたが、資本のグローバル化のスピードが速く、同時に産業構造も変わる中で、長期的視点に立った人材育成や基礎研究が難しい企業が増えている」  「産業界からは自社の得意分野を超えたいという悩みを聞く。その点、大学は多様な人材が集まり、国際的な共同研究も盛んだ。東大発のベンチャー企業は200社以上あって時価総額が1兆円を超えるが、文系と理系の人材が協力して成功している例も多い。総合大学の強みを生かし、大学をプラットフォームとして良質な知を提供していきたい」  ――こうした取り組みを強化していくなら、東大が国立大である意味は薄れていきませんか。  「それは違う。日立製作所やNECと東大は社会課題そのものを考えようというコンセプトを共有しており、企業の個別の注文に大学が受け身で応じるものではない。大企業も多くの従業員を抱え、生産物が社会生活を支えるという点では公的な存在であり、公共性を追求する大学との協働に矛盾はない。大学の持つストックを最大限活用し、社会に還元していくことは、長年国立大を支えている国民への恩返しにもなる」  「様々な分野の中から世界で勝負できる強みを見つけ、企業と一緒に新たな価値を創造することが重要だ。必要に応じて社会システムの変革にも取り組む。東大が目指すのは、こうした産官学民の同時改革を進め、新たな経済社会の駆動モデルを提示する大学だ。結果的に企業収益につながる部分もあるだろう。グローバル化の中で日本の競争力を高めたい」 ■知的財産や情報の管理体制を強化  ――学内では具体的にどんな取り組みをしていますか。  「これまで産学連携本部と呼んでいた組織を改組し『産学協創推進本部』を設置した。企業との共同研究に不可欠な知的財産の扱いや、情報管理の体制を強化するためだ。専門家を増やして法務部門も強化した。組織的な利益相反への対応などの体制を全学的に整えた。学内の研究者も産業界も、安心して参加してもらいたい」  「今年5月には『スポーツ先端科学研究拠点』も立ち上げた。2020年の東京五輪・パラリンピック大会を見据えたもので、身体の機能をきちんと理解し、医療、健康長寿やそれらを支える社会システムづくりに反映させることで貢献したい。科学の力を借りて競技力を高めたり、けがを防いだりしたいと考えるアスリートからも大いに歓迎されている。学内でも短期間で多くの部局が賛同してくれた」  ――国立大は04年度に法人化されて以降、国からの運営費交付金がほぼ毎年約1%ずつ減らされています。  「4月に英オックスフォード大で世界の研究大学の学長が集まる会議に参加した。あるデンマークの大学長の話では、政権交代の結果、厳しい財政事情の中で新政権は社会保障・医療の予算が教育以上に重要と判断し、高等教育予算も大幅に減らされた。その結果、約500人の教職員の雇用を削減し、言語研究などの歴史ある多くの講座も閉鎖に追い込まれたという。状況は深刻だと痛感した。米国の大学でも州からの予算が減るなど、世界中で公共財としての大学をいかに支えるかが問われている」  「日本も厳しい財政状況を考えれば、税金のみに依存し続ける大学経営は難しい。東大への運営費交付金も12年間で約120億円減った。財源構造の見直しは必要だが、国立大の自己収入は交付金を除けば、授業料と病院収入くらいしかないのが現実だ」  「国民から長い間投資を受けてきた国立大は、そのストックをより一層効果的に活用して、人類社会を安定的に発展させることに貢献していかなければならない。それを原則として、ただ単に産業界と資金提供を目的に提携するのではなく、公共性を共有する中で産業界との取り組みを増やしていけば、結果として大学の教育研究基盤を支える新たな資金循環のチャネルができる」 ■ランキングでアジア首位陥落、「伸び悩み否定できない」  ――タイムズ・ハイヤー・エデュケーションが発表する世界大学ランキングで東大はアジア首位から陥落しました。  「この種のランキングはどうしても何らかの意図が入るので、順位だけを競うことは危険かもしれないが、東大の研究活動が相対的に伸び悩んでいることは否定できない。ランキングの指標となる研究力は、大学から産み出される論文の成果などを直近の5年間の平均で見ており、5年前と今を比べれば明らかに横ばいか右肩下がりだ。他国では国などから集中投資を受けて右肩上がりの大学もあり、このトレンドはすぐには変わらない」  ――理由をどうみていますか。  「運営費交付金の減額はボディーブローとして効いている。教員らの人件費を減らさざるを得ず、東大では法人化以降、大学運営費で雇用する任期のない常勤教員は約500人減った。一方、特定のプロジェクトに参加するなどの任期付き教員は約1500人増えた。経営判断としては、この分を常勤教員の雇用に振り分けるべきだ。しかし、国全体として大学への財源投資の考え方がまだ十分整理されていないように感じる」  ――文部科学省は「指定国立大」制度の新設などの法改正をしました。ガバナンス強化や海外大との提携などを求める一方で、土地の貸し付けや金融商品への投資を解禁するといった優遇策を設けて世界最高水準の教育研究を目指すといいます。数校程度の指定を想定しているようですが、どう考えますか。  「グローバル化の中で大学のミッションを再定義する必要があるという、国からのメッセージだと受け止めている。相対的に日本の教育力や研究力が落ちこんでしまった中、発想転換が必要だ。だが、単に米国の有力大学をベンチマークにするのでは良い結果は得られない。大学を取り巻く社会環境、寄付文化などが全く異なるからだ。仮にごく限られた数の国立大が認定されるのなら、そうした大学は自校のみでなく、オールジャパンとしてプラスになる提案をすべきだろう」  ――東大は名乗りを上げると考えてよいですか。  「学内で議論を煮詰め、合意形成ができれば、手を上げると思う。ただ公募要領の策定は11月ごろとされ、それを見られない中では判断は難しい。私たちが考える人類社会全体への知の公共性や、その中で日本の存在感が強くなるような方策に合った公募要領になっているかどうかを注視したい」  ごのかみ・まこと 1980年東京大理学部卒。理学部助手、工学部助教授などを経て98年工学系研究科教授、2010年理学系研究科教授。総長特任補佐や副学長を歴任し15年4月から学長。専門は光量子物理学。59歳 -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19237] 日経10/24朝刊「地域創生は我が校で (岐路に立つ国立大学(中)) 」","地域創生は我が校で (岐路に立つ国立大学) 生き残りへ特色競う http://www.nikkei.com/article/DGXLZO08704700U6A021C1MM8000/  四国山地の奥深くにある高知県大豊町。高齢化率55%超の限界集落で7月、地域おこしのアイデア発表会が開かれた。  棚田を使ったコンサート、花畑アート……。アイデアを披露したのは高知大地域協働学部の2年生たち。都築拓也さん(20)は「音楽を使い、高齢者の認知症予防に役立ちたい」と意気込む。  地域協働学部は「地域を変える新しい人材の育成」を掲げ、2015年度に誕生した。学生は地域に入り、3年間600時間の実習が必修。「大学の人材と研究力で地域を復活させる」と脇口宏学長の期待は大きい。  安倍晋三政権の「地方創生」も追い風となり、国立大で地域を扱う学部・学科の新設が続く。16年度だけで岩手、宇都宮、福井、愛媛、佐賀、宮崎の6校で生まれた。  戦後生まれの地方国立大は、東京大など旧帝国大学に比べて財政基盤が弱く、産学連携など外部資金獲得も厳しい。国の運営費交付金が人件費で消える大学や、予算不足で退職教員の補充ができない大学もあり、教育研究の新規投資もままならない。交付金削減の痛手は旧帝大以上に深刻で「このままでは生き残れない」と悲鳴が渦巻く。  活路を見いだそうと取り組んだのが地域密着路線。「苦しくとも教員を手厚くし、地域に合った特色を出せないと真っ先に潰される」と脇口高知大学長。“親方日の丸”は過去のものになった。  文部科学省も特色化を促してきた。同省は昨年、大学の特色について(1)地域貢献(2)特色ある分野の教育研究(3)世界で卓越した教育研究――の3類型を示し、86校に選択を求めた。国立大を3つに分類する“踏み絵”と受け止められている。  研究大学を自任する旧帝大は全校が「世界で卓越」を選んだが、多くの大学は「特色分野」か「地域貢献」の選択を迫られた。特に工業系12校は対応が3つに分かれた。  東京農工大は教員約400人の小規模校だが、旧帝大や東京工業大と肩を並べて世界で闘う道を選んだ。「若手幹部の意見を尊重した。全学に厳しい競争環境が定着すれば業績も上がる」と松永是学長はいう。  電気通信大の結論は特色分野。福田喬学長は「光科学や情報通信分野など国際評価が高い分野をさらに伸ばす。『世界』を選んだら、競争力が弱い分野は切り捨てざるを得なくなる」と語る。  同じ東京・多摩に立地し、かつては統合も噂された似た者同士の両校。割れた選択が横並び時代の終わりを象徴する。  「教員養成系学部や人文社会系学部・大学院は、組織の廃止や社会的要請の高い分野に転換」。昨年の文科省通知に大学界は激震し、反発が広がったが、その意図を受けて執行部が再編に乗り出す大学が相次いだ。16年度以降に教員養成系や人文社会系学部などを再編する国立大は、地方を中心に26校に上る。  文科省は、今年9月には教員養成系の在り方を検討する有識者会議を設置、さらなる改革を迫る。旧師範学校を源流に持つ教員養成系は、多くの地方国立大の基幹学部。議論に注目が集まる。  文科省の常盤豊高等教育局長は「国立大の全都道府県配置は原則」としながらも、「生産年齢人口が減る中、各大学は教育研究や社会、学問の変化に対応した改革で国民の理解を得ていく必要がある」と強調する。地方国立大はどこへ行くのか、答えは見えない。 -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19236] 日経10/24朝刊「財政に「国私格差」 (岐路に立つ国立大学(下)) 」","岐路に立つ国立大学(下)財政に「国私格差」 共存へ、すみ分け課題 http://www.nikkei.com/article/DGKKZO08752450V21C16A0MM8000/  「経営悪化など私立大が抱える問題は、国私間格差に起因する。少子化でそれが顕在化した」 私立大学等の振興に関する検討会議では国私格差を巡り議論の応酬があった(東京都港区) 画像の拡大 私立大学等の振興に関する検討会議では国私格差を巡り議論の応酬があった(東京都港区)  8月末、文部科学省の「私立大学等の振興に関する検討会議」。水戸英則・二松学舎理事長が国立大と私立大の公費支出格差に言及すると、即座に浜口道成・前名古屋大学長(科学技術振興機構理事長)が切り返した。  「少子化は20年前から進んでいたのに、大学は逆行して800校に増えた。これを無視した今の議論は納得できない」  7月の会議でも浜口氏は、国私間格差の是正を訴えた小出秀文・日本私立大学協会常勤常務理事に給与水準などの情報公開を求め、「私立を十把一からげで議論するのはおかしい」と猛反論、場を凍り付かせた。 「我慢の限界」  激しいさや当ての背景には、18歳人口減少による地方中小私大の経営悪化と、厳しい財政下での大学予算削減がある。  もともと、私立には国私間格差に対する不満が強かったが、ここへ来て「もう我慢の限界」(鎌田薫・日本私立大学団体連合会長)という声が一段と高まる。私立大の4割以上が定員割れに陥り、3割以上で単年度収支が赤字という状態が恒常化しているからだ。  実際、国立と私立では国の支援内容は大きく違う。学生数(大学院などを含む)で私立は74%を占めて国立(21%)を圧倒するが、国の公費支出は国立が1兆945億円(運営費交付金)で、私立は3153億円(私学助成)。学生1人当たりでは国立179万円に対し私立は15万円だ。  格差を顕著に反映するのが授業料だ。「私立は国立のダンピング学費と競争している」と鎌田会長は嘆く。文科省の検討会の座長を務める黒田寿二・金沢工業大学園長は「私大が苦しいのは教育内容が劣るからではない。国公立に比べ学費が割高だからだ」と言い切る。 増える公立化  主張を裏付けるかのように、経営不振の私立大が公立化で息を吹き返す事例が相次ぐ。この春、発足した福知山公立大(京都府福知山市)は前身の私立大が開校した2000年以降定員割れが続いたが、公立化して学費を引き下げた途端、定員50人に志願者1600人が殺到した。「公立ブランドと国立並みの安い学費のおかげ」と井口和起学長。強力な公立効果に私立の不満は募る。  そこで私学団体は国立中心の大学政策に異議申し立てを強める。私大団体連は今年3月の提言に「私立大を基幹に据える高等教育の構造的大転換の実現」と盛り込んだ。「分厚い中間層を輩出する私立が弱体化すれば国力が低下する」と水戸理事長は警鐘を鳴らす。  研究でも私立は力を付けてきた。16年度の科研費新規採択件数は国立が全体の54.8%で私立が26.4%。10年間で差は9ポイント縮小した。私立に課題が多いのは確かだが、国立だけを特別扱いする根拠は崩れつつある。  日本私立学校振興・共済事業団の河田悌一理事長は「国公私立の役割分担や規模、資金投入の在り方について国はグランドデザインを作るべきだ」と指摘する。文科省も近く中央教育審議会で検討を始める構えだ。  議論の行方が国立の未来を左右するのは間違いない。国が設置する大学としての責任を果たしながら、公立、私立とどうすみ分けていくべきか。ここでも国立大は大きな岐路に立っている。  横山晋一郎、鱸正人が担当しました。 -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19235] 日経10/23朝刊「交付金減り「産」へ走る」 (岐路に立つ国立大学(上))","岐路に立つ国立大学(上)国頼みではいられぬ 交付金減り「産」へ走る http://www.nikkei.com/article/DGKKZO08691520T21C16A0MM8000/  「これを日本の経済発展の突破口にしたい」  8月、東京大本郷キャンパスで開いた「日立東大ラボ」のお披露目会見で、五神真学長は日立製作所の中西宏明会長と固い握手を交わした。日本有数の研究力を誇る両者が組み、「社会課題の解決」という壮大なテーマに組織を挙げて挑む。  1カ月後。次の握手の相手に選んだのは新野隆NEC社長。人工知能(AI)分野での包括提携を大々的に発表した。テーマごとに研究室単位で結ぶ従来型産学連携とは一線を画す取り組みだ。 産官と思惑一致  グローバル企業と有力国立大の“縁組”が相次ぐ。京都大、北海道大も日立とラボを設け、東北大はNTTグループ、名古屋大はトヨタ自動車と協力。大阪大は中外製薬と免疫などの基礎研究で総括的な提携を結んだ。  「長年国民に支えられたストックを最大限活用し、公共性を追求するのは東大の伝統。産業界との新たな価値の創造は社会への恩返しとなり、大学の使命と合致する」と五神学長。そこには長い間、産学連携を忌避してきた大学の姿はない。  企業も変わった。「10年前なら自前で全部研究したが、今はロードマップがない時代。大学の研究力と人脈は魅力だ」。日立の山田真治・基礎研究センタ長は語る。  政権も後押しする。4月に首相官邸で開いた民間投資を促す官民対話。榊原定征・経団連会長が「企業の大学投資を3倍に」と表明すると、安倍晋三首相も「来年度に産学の戦略研究拠点を5カ所つくる。大学は生まれ変わる」と発破をかけた。  背景には、日本の研究力が世界の先頭集団から脱落しつつある現実がある。研究力を示す優良論文の引用数で日本の大学は10年以上横ばいで、企業は3分の1に減った。  特に国の運営費交付金を12年間で1500億円も減らされた国立大は深刻。京大、東北大、阪大の3校分が消えた計算だ。英誌の世界ランキングの責任者は「日本が中国などに後れを取るのは予算減が一因。大学への投資をどうするかは社会全体の問題だ」と話す。  ノーベル賞に決まった大隅良典・東京工業大栄誉教授も「受賞は数十年前の成果。息の長い研究が難しい今の日本で新たな受賞は難しい」と現状に危機感を漏らす。  中外製薬との連携により、10年で100億円の資金提供を受ける阪大の西尾章治郎学長は「交付金減額が続けば学術研究の苗床は枯れ、国立大は立ち行かなくなる。公的支援の充実はもちろんだが、民間にも頼らざるを得ない」と言い切る。有力大でも悩みは深い。 柔軟な組織必要  だが、研究力低下は予算だけの問題だろうか。前京都大学長の松本紘・理化学研究所理事長は「柔軟な運営と迅速な決断ができる組織でないと世界と戦えない」と指摘する。教授会の壁、人事制度の硬直化……。伝統校ほどしがらみが多い。  文科省は法改正で改革を促す。国立大に土地の貸し付けや金融商品への投資を解禁して収入増の道を開き、世界最高水準の教育研究を行う大学を「指定国立大」として子会社設立などを認めた。東大や阪大などが申請を検討している。  ある中央教育審議会委員は「従来と異なる論理で大学が語られ始めた」と「産」への傾倒を危ぶむが、今の流れはそうした声をかき消す勢いだ。 ◇  国立大が岐路に立っている。将来を懸けた改革の動きや波紋を追った。 -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19244] (差し替え)日経10/25朝刊「財政に「国私格差」 (岐路に立つ国立大学(下)) 」","(記事の引用と日付に一部間違いがあったので差し替えます) 岐路に立つ国立大学(下)財政に「国私格差」 共存へ、すみ分け課題 http://www.nikkei.com/article/DGKKZO08752450V21C16A0MM8000/  「経営悪化など私立大が抱える問題は、国私間格差に起因する。少子化でそれが顕在化した」  8月末、文部科学省の「私立大学等の振興に関する検討会議」。水戸英則・二松学舎理事長が国立大と私立大の公費支出格差に言及すると、即座に浜口道成・前名古屋大学長(科学技術振興機構理事長)が切り返した。  「少子化は20年前から進んでいたのに、大学は逆行して800校に増えた。これを無視した今の議論は納得できない」  7月の会議でも浜口氏は、国私間格差の是正を訴えた小出秀文・日本私立大学協会常勤常務理事に給与水準などの情報公開を求め、「私立を十把一からげで議論するのはおかしい」と猛反論、場を凍り付かせた。 「我慢の限界」  激しいさや当ての背景には、18歳人口減少による地方中小私大の経営悪化と、厳しい財政下での大学予算削減がある。  もともと、私立には国私間格差に対する不満が強かったが、ここへ来て「もう我慢の限界」(鎌田薫・日本私立大学団体連合会長)という声が一段と高まる。私立大の4割以上が定員割れに陥り、3割以上で単年度収支が赤字という状態が恒常化しているからだ。  実際、国立と私立では国の支援内容は大きく違う。学生数(大学院などを含む)で私立は74%を占めて国立(21%)を圧倒するが、国の公費支出は国立が1兆945億円(運営費交付金)で、私立は3153億円(私学助成)。学生1人当たりでは国立179万円に対し私立は15万円だ。  格差を顕著に反映するのが授業料だ。「私立は国立のダンピング学費と競争している」と鎌田会長は嘆く。文科省の検討会の座長を務める黒田寿二・金沢工業大学園長は「私大が苦しいのは教育内容が劣るからではない。国公立に比べ学費が割高だからだ」と言い切る。 増える公立化  主張を裏付けるかのように、経営不振の私立大が公立化で息を吹き返す事例が相次ぐ。この春、発足した福知山公立大(京都府福知山市)は前身の私立大が開校した2000年以降定員割れが続いたが、公立化して学費を引き下げた途端、定員50人に志願者1600人が殺到した。「公立ブランドと国立並みの安い学費のおかげ」と井口和起学長。強力な公立効果に私立の不満は募る。  そこで私学団体は国立中心の大学政策に異議申し立てを強める。私大団体連は今年3月の提言に「私立大を基幹に据える高等教育の構造的大転換の実現」と盛り込んだ。「分厚い中間層を輩出する私立が弱体化すれば国力が低下する」と水戸理事長は警鐘を鳴らす。  研究でも私立は力を付けてきた。16年度の科研費新規採択件数は国立が全体の54.8%で私立が26.4%。10年間で差は9ポイント縮小した。私立に課題が多いのは確かだが、国立だけを特別扱いする根拠は崩れつつある。  日本私立学校振興・共済事業団の河田悌一理事長は「国公私立の役割分担や規模、資金投入の在り方について国はグランドデザインを作るべきだ」と指摘する。文科省も近く中央教育審議会で検討を始める構えだ。  議論の行方が国立の未来を左右するのは間違いない。国が設置する大学としての責任を果たしながら、公立、私立とどうすみ分けていくべきか。ここでも国立大は大きな岐路に立っている。  横山晋一郎、鱸正人が担当しました。 -- ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) "[he-forum 19246] 日本経済新聞11/1","日本経済新聞 2016/10/31 21:30 基礎研究への支援訴え 国立大理学部長が声明  東京大など全国の国立大学の理学部長らで構成する「国立大学法人理学部長会議」は31日、基礎研究への支援を訴える声明を発表した。「役に立つ」 ことを前提とした応用研究や短期的なテーマに研究資金が偏っていると指摘。基礎科学を推進するため、国立大の主な収入である運営費交付金の削減をやめるよ う求めた。  基礎研究の重要性は今年のノーベル生理学・医学賞に決まった大隅良典東京工業大学栄誉教授も訴えている。都内で記者会見した岡田哲男・東工大理学院長は「運営費交付金の削減が続けば研究者が減り続け、大学の学問分野を維持できなくなる」と訴えた。= "[he-forum 19245] 毎日新聞10/31","毎日新聞2016年10月31日 19時35分(最終更新 10月31日 19時35分) 国立大理学部長会議 基礎研究推進に「資金と教員を」声明  全国34大学で構成する国立大理学部長会議は31日、基礎研究の推進と、それを支えるため国から提供される運営費交付金の金額維持を求める声明を公表し た。記者会見した東京大の福田裕穂(ひろお)理学部長は「基礎研究なしに独創的な技術は生まれない。それにお金を出すのは将来の日本への投資だ」と強調し た。  現在は実用に直結する応用研究が重視される傾向にある。一方、基礎研究は、将来どう役立つか分からない面があり、声明は「(研究者が申請する)競争的資 金で支援されず、まして産業界の支援はあり得ない。大学は運営費交付金が毎年1%ずつ削減され、教員数も大きく減少した。大学の知の継承と革新を損なう」 と窮状を訴えている。  また、今年のノーベル医学生理学賞に大隅良典・東京工業大栄誉教授、昨年の同物理学賞に梶田隆章・東京大教授が選ばれたのは「基礎研究の成果」とし、 「このままでは基礎研究の体力が奪われ、10年、20年後に日本からノーベル賞が出なくなる」と指摘している。【渡辺諒】= "[he-forum 19249] しんぶん赤旗主張11/15","しんぶん赤旗 主張 2016年11月15日(火) 給付制奨学金 借金に苦しまぬ制度へ今こそ  大学生などの教育費負担を軽減するため、返済不要の給付制奨学金を求める世論が高まっています。この制度創設に消極的な姿勢を貫いてきた政府も、 国民の声に押され、「給付型奨学金を来年度予算編成で実現」(安倍晋三首相)と述べました。これまで卒業後の借金となる貸与制奨学金しかなかった日本で、 給付制が創設されれば、前進への一歩となります。問題は、スタートにふさわしく、どのような規模の制度にするかです。 創設にふさわしい規模で  日本は、世界的に見て大学が高学費でありながら、給付制奨学金がない特異な国となっています。学生の2人に1人が卒業時に奨学金返済のため平均300万円もの借金を背負い、社会人として出発しなければならない事態です。  「無利子と有利子あわせて月17万円もの奨学金を借りていて、返済額は800万円になる」「莫大(ばくだい)な返済を考えると不安」「学費が高す ぎる。お金の心配なく学びたい」など多くの学生が高学費に苦しみ、奨学金の返済に不安を募らせています。卒業後、返済困難に陥ったり、返済のために結婚や 出産をためらったりする若者もいます。  返済への不安から奨学金の利用を控え、学生の3人に1人は「アルバイトなしには学生生活が送れない」という厳しい状況です。  給付制奨学金の創設に向けた具体的内容は、現在、文部科学省内の「給付型奨学金制度検討チーム」で議論されていますが、詳細は明らかにされていま せん。「給付規模は7万5千人程度」という報道もありますが、事実であれば、きわめて限定的です。全学生の2%強の規模にしかならず、ほとんどの学生は対 象外となります。  日本共産党は、少なくとも「月3万円を70万人」への給付制奨学金を創設し、さらに拡充することを提案しています。70万人は、全学生の約25% にあたり、奨学金を利用する学生の約半数をカバーできます。まず、そのくらいの規模で創設し、充実をはかっていくことこそ、学生の願いにこたえる道です。  経済協力開発機構(OECD)諸国では、アメリカで35%、学費無償のドイツで27%、フランスで35%の学生が給付制奨学金をうけています。日 本と同様に高学費の韓国では、世論が高まるなか、2011年に給付制が創設され、現在、学生の36%にあたる約130万人にまで広がっています。  日本でもいま、「本物の奨学金を」と給付制の創設と拡充を求めて、学生、保護者、市民が声を上げています。大学の高学費を引き下げることとあわせ て、給付制奨学金を創設し、国民の期待にこたえた規模と内容をもった制度として、スタートできるよう、ご一緒に力をあわせましょう。 返済の負担軽減も急務  来年度に導入予定の「所得連動型無利子奨学金」は、返済月額が一律の現在の制度と比べて、一定の改善もありますが、「収入ゼロでも月2千円返還」「有利子奨学金は対象外」「高齢まで返還が続く恐れがある」など多くの課題が残されており、抜本的な改善が必要です。  卒業し奨学金を返済している若者の負担軽減も急務です。返済が遅れるほど膨れ上がる延滞金の廃止、返還猶予期限の撤廃など、奨学金の返済が困難な若者を追いつめないためのセーフティーネットを拡充することが求められます。 "[he-forum 19248] exciteニュース 2016.11.11 9.50","http://buzzap.jp/news/20161111-library-mynumber/ 嫌な予感しかしない、全国の図書館をマイナンバー個人番号カード1枚で利用可 能にする方針が決定 2016年11月11日09:50 マイナンバーに図書館貸し出し履歴までもが紐付けられるという悪夢のような構 想が進んでいます。詳細は以下から。 総務省がまたもやマイナンバー普及に向けて危険な企みを始めています。絶対 他人に知られてはいけないはずのマイナンバーの記載された個人番号カードを全 国の地方自治体が運営する図書館の利用カードとして利用できるようにする仕組 みを来年夏に向けてつくる方針を固めました。 事前に専用のポータルサイトでIDを作成し、図書館側は利用カードの番号をポー タルサイトに登録します。これによって、マイナンバーの個人番号カード1枚で 全国の図書館で本やメディアを借りることができるようになるとしています。 具体的には自宅近くの図書館と職場の近くの図書館で同じカードを使って借りら れるようになるということ。正直なところ財布がカード1枚分薄くなるに過ぎま せん。なお、悪名高いTSUTAYA図書館がここに入るかについては現時点では不明。 この方針が恐ろしいのは、ただでさえ絶対他人に知られてはいけないはずのマイ ナンバーを記載した個人番号カードを常時携帯する必要が生じることの他に、図 書館での貸し出し履歴までもがマイナンバーの個人情報に紐付けられてしまうと いうこと。 図書館には「図書館の自由に関する宣言」があり、その第3には「図書館は利用 者の秘密を守る」とあります。 1. 読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり、図書館は、 利用者の読書事実を外部に漏らさない。ただし、憲法第35条にもとづく令状を確 認した場合は例外とする。 2. 図書館は、読書記録以外の図書館の利用事実に関しても、利用者のプライバ シーを侵さない。 3. 利用者の読書事実、利用事実は、図書館が業務上知り得た秘密であって、図 書館活動に従事するすべての人びとは、この秘密を守らなければならない。 (図書館の自由に関する宣言より引用) このように、図書館で誰が何を読むかについてはプライバシーに属することであ り、外部に漏らしてはならない秘密であるとされています。 この貸し出し履歴がマイナンバーに紐付けられ、その他の情報と共に集約されて しまうということは極めて危険。図書館の外部のマイナンバー管理者側が閲覧、 利用する可能性も十分考えられますし、セキュリティを破られてマイナンバーの 個人情報が流出した場合には、貸し出し履歴も同時に流出することになります。 これまでの経緯を見ても、マイナンバー関連のセキュリティの甘さや手続きの不 手際さは目に余るものがありました。今後マイナンバー関連の流出事件が発生す る可能性は十分にあり得ると考えておいた方がいいことは間違いありません。 また、この方針は図書館側にも負担増となりますし、逆に図書館がマイナンバー の個人情報の流出の現場になる危険も発生するということ。取り扱う機関が増え れば増えるほど、セキュリティホールが増えるのは言うまでもありません。 総務省はこの他にも民間のクレジットカードなどのポイントを個人カードに集約 し、商店街での買い物にも使えるようにするなど、なんとか個人番号カードを普 及させたい考えです。 既に最初の「絶対知られてはいけないマイナンバー」という前提は完全に崩壊し ており、ここに個人情報を集約させてゆくのは情報化時代において自殺行為とし か言いようのない状態になっています。 マイナンバー制度の廃止が強く求められます。 "[he-forum 19247] 時事ドットコム 2016.11.10","http://www.jiji.com/jc/article?k=2016111000552&g=soc 全国の図書館、カード1枚で=マイナンバーで来夏にも-総務省  総務省は10日、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度で使う個人番 号カードについて、来夏にも全国の地方自治体が運営する図書館の利用カードと しても使える仕組みをつくる方針を固めた。個人カード1枚でさまざまな図書館 の本を借りられるようにして利便性を高め、普及につなげる。  総務省によると、図書館を設けている自治体は1350団体で、多くの自治体 に参加を促す。  新たな仕組みは、個人カード裏面のICチップに内蔵され、本人確認などに使 う「マイキー」と呼ばれる部分を活用する。希望者はマイキーを使ったサービス のポータルサイトで事前に自分のIDを作成し、図書館側は利用カードの番号を ポータルサイトに登録。例えば、自宅近くの図書館と別の自治体にある勤務先周 辺の図書館を利用している場合、どちらの本も借りられるようになる。  また、図書館の利用カードとして使えるようになると、本を借りるたびに本人 確認を行える。このため総務省は、住民が利用カード更新のためにわざわざ図書 館を訪れる必要がなくなるメリットもあるとみている。  総務省は、個人カードの普及策を推進。民間のクレジットカードなどのポイン トを個人カードに集約し、商店街での買い物にも使えるようにする考えだ。 (2016/11/10-14:49) "[he-forum 19250] しんぶん赤旗11/16","しんぶん赤旗 2016年11月16日(水) 教育で借金負わすな 給付奨学金へ世論を 中央労福協が市民集会 各党代表が参加 共産党から田村副委員長  奨学金の給付型創設や無利子化、学費引き下げを求めて活動する奨学金問題対策全国会議と労働者福祉中央協議会(中央労福協)は14日夜、東京・星陵会館で、奨学金制度の拡充を求める市民集会を行い、教育関係者、労働組合関係者など幅広い340人が集まりました。  開会あいさつで神津里季生中央労福協会長(連合会長)は、「参院選では与野党ともに給付型奨学金創設を提案した。しかし、政府案では限定的で小規模な制度になる懸念がある。期待にこたえられる制度にするためには、大きな世論が不可欠だ」と強調しました。  給付型奨学金の創設等を求めるアピール呼びかけ人6人が発言。奨学金問題対策全国会議共同代表の大内裕和中京大学教授は「学生の2人に1人が奨学金を借り、雇用悪化で返せない、結婚や子育てもできない。解決は緊急課題だ」と訴えました。  学生、奨学金を返済できず自己破産した当事者、教員、弁護士、労働組合から実態告発がありました。  各党あいさつで、日本共産党の田村智子副委員長は、「若者が社会に出るとき、奨学金を借金として背負わなければならない状況を変えましょう」と呼びかけました。畑野君枝、大平喜信の両衆院議員が出席しました。  民進党の蓮舫代表、自由党の木戸口英司参院議員、公明党の富田茂之衆院議員、社民党の吉川元衆院議員があいさつしました。= "[he-forum 19251] しんぶん赤旗11/17","しんぶん赤旗 2016年11月17日(木) 非常勤 3年使い捨て 田村氏「国家公務員正規化を」 参院内閣委  日本共産党の田村智子議員は15日の参院内閣委員会で、「国家公務員の非常勤職員を正規化すべきだ」と追及しました。  非常勤国家公務員である期間業務職員は、任期は1年以内、更新は2回、3年目は公募による採用に努めるとされています。田村氏は、3年を上限とし て雇い止めが発生し、雇用が安定しない制度だと指摘。政府は公募後に採用される可能性があると説明しますが、田村氏の調査では公募で採用されたケースは 1~2割。内閣府、総務省、国土交通省はゼロでした。田村氏は「この実態をどう見るのか」とただしました。山本幸三行政改革相は「国家公務員には採用試験 がある。手続きを経ずに常勤になるのは困難」と非常勤職員の救済に背を向けました。  田村氏は、5年を超える有期労働者については「雇用の安定化」を図るとして労働契約法を改定して無期転換ルールを定め、全員無期化を目指すとして いる一方、国家公務員では3年ごとに雇用が脅かされる仕組みとなっていると指摘。「公募制度が使い捨てになっていないか。期間業務職員の意見や要望を直接 聞くべきだ」と強調しました。 "[he-forum 19252] 佐賀新聞 2016年11月15日","http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/376777 佐賀新聞 2016年11月15日 来夏にも、マイナンバーで図書館利用 1枚に集約も可  総務省は来夏にも、マイナンバー制度の個人番号カードを、全国の自治体図書 館の利用者カードとして使えるようにする。構築中のシステムに自治体が参加す ることが条件だが、自宅所在地や勤務地など異なる自治体で利用している複数の 図書館のカードを集約できる。総務省が14日、明らかにした。  個人番号カードの普及と利活用促進の一環で、図書館のある47都道府県(計 59館)と1303市区町村(計3208館)に参加を呼び掛ける。  複数の利用者カードを持っている場合、それらの図書館を抱える自治体がシス テムに参加すれば、番号カード1枚でいずれの図書館も利用できることになる。 初回は各図書館に行って登録する必要がある。  ただ一部自治体では、既にJR東日本の「Suica(スイカ)」などのIC カードを貸出券として使えるようになっている。図書館に番号カードの情報を読 み取る機械を導入する必要もあり、利用カードとしての活用が進むかどうかは未 知数だ。  個人番号カードは9日時点で1182万枚の申請があり、909万枚が交付済 み。【共同】 "[he-forum 19253] しんぶん赤旗11/19","しんぶん赤旗 2016年11月19日(土) 「学生ローン」じゃない 本物の奨学金こそ 国会前で学生訴え  学生ローンではない、本物の奨学金制度を求めて18日夜、国会前で学生たちが緊急アクションを行いました。約200人が参加。奨学金を借りている 学生らがスピーチし、「多くの学生が奨学金という借金に苦しんでいる」「誰もが安心して学べる制度にしてほしい」と訴えました。 緊急アクション  参加者は、「学費を下げろ」「NO DEBT(借金)」などと書かれたプラカードでアピールし、「僕らは自由に学びたいんだ」「返還いらない奨学金を」とコールしました。  スピーチした、貸与制奨学金を借りている大学3年の男性(20)は、「利子がついた返済額は、およそ300万円です。僕以上に借りている学生もいる。返せるか不安で利用しなかった友人もいる。日本の奨学金制度は、若者が自由に学ぶ権利を奪っている」と語りました。  行動では、「奨学金の会」会長の三輪定宣さん(千葉大学名誉教授)、ママの会@埼玉のメンバーも発言しました。  日本共産党から、小池晃書記局長、大平喜信、畑野君枝両衆院議員、吉良よし子参院議員が参加。あいさつした小池氏は、「受給者の半数に給付制奨学金を支給し、さらに拡充させる」という党の政策を紹介。「野党が力を合わせて、本物の奨学金を実現させたい」とのべました。  社民党の福島瑞穂参院議員のメッセージが紹介されました。  行動を呼びかけたのは、「Rights to Study」です。メンバーは、首都圏の大学生が中心。学生の実態にあった、給付制奨学金の実現などを求めています。今回が初めての行動です。= "[he-forum 19254] NHK NEWS WEB 2016.11.19","http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161119/k10010775181000.html NHK NEWS WEB 11月19日 13時15分 マイナンバーカード 図書館の貸し出しにも利用へ  総務省は、マイナンバーカードの利便性を高めようと、今後、さまざまな公共 施設の利用カードなどとしても利用できるようにする計画で、来年夏からは、図 書館の貸し出しカードとして使うための実証実験を始めることにしています。  マイナンバーカードは、ことし1月から希望者に交付が始まっていて、社会保 障や税などの行政手続きや本人確認の際の公的な証明書として活用されています。  総務省は、マイナンバーカードの利便性を高め、普及をさらに進めようと、今 後、自治体の図書館やスポーツ施設といった公共施設の利用カードや、公立病院 の診察券などとしても利用できるようにする計画で、現在、システムの開発を進 めています。そして、来年夏からは、マイナンバーカードを、図書館の貸し出し カードとして使うための実証実験を、全国の自治体に呼びかけて始めることにし ています。  総務省は、将来的には、マイナンバーカードを、民間企業が発行するポイント カードや社員証などとしても幅広く活用できるようにしたい考えで、今後の実証 実験などを通じて、課題を探ることにしています。 "[he-forum 19256] 朝日新聞11/24","朝日新聞 2016年11月24日05時03分 「優秀な人材が逃げる…」地方国立大、人件費削減に悲鳴 松本理恵子、杉原里美、水沢健一  国立大学で教員の人件費を削減する動きが加速している。40歳未満の若手教員のうち、5年程度の「任期つき」教員が6割を超えたことも明らかになった。国からの運営費交付金が減る中、教員の雇用や昇任も脅かされつつあり、特に、地方の大学からは悲鳴が上がる。  9月、ツイッター上で、あるブログを引用したつぶやきが拡散された。北海道大学教職員組合執行委員会が「激震! 教授205名分の人件費削減を提案」と伝えたブログだ。8月下旬の学内の会議で、大学側が教授205人分に当たる人件費削減案を示した内容だという。  北大は「案を示したのは事実だが、検討段階なので答えられない」とする。だが、学内資料や複数の教員によると、当初の削減案では2017年度から5年間で人件費を14・4%、総額55億円削減するとされ、削減幅は17年度が最大の9・9%。  北大は各部局に配分された「人件費ポイント」に基づき、教授(1・0ポイント)や准教授(0・8ポイント)などの教員を雇用する。当初の削減案で は、大学は「205・5ポイント」を削減予定で、本来は雇えるのに雇用していない未使用分を除くと、教授120人分以上に相当する削減が必要になる。11 月には「186・2ポイント」に縮小する修正案を示した。  人件費にあてることができる、国から北大への一般運営費交付金は04年度の346億7千万円から15年度は311億円に減少。共済年金から厚生年金への移行に伴う制度改革もあり、財政が悪化した。  農学部の教授は「人件費に手をつけるのが一番楽なのだろうが、もっと早く収支改善の手を打つべきだった。経営陣は何をやっていたのか」と憤る。文 学部教授は、削減案を受けて「教授への昇進を含めて人事を凍結した」と打ち明ける。当初案に対し、大学の25部局は「最大限の収支改善策を検討した跡がな い」「負担に不公平感がある」などとする意見を表明。組合は撤回を求めている。  大学側は退職者を補充せず、「任期つき」教員の任期を延長しないことなどで達成すると説明。だが修正案にしても大学の根幹である教員への影響は大きい。  同じように財政難に苦しむ高知大も16、17年度の2年間、採用や昇任などの人事を凍結する。教授が定年退職しても准教授の昇任はなく、新規採用はしない。教員がいなくなる講座では、退職後の教授がシニアとして教え続けたり、他の教員が兼任したり、カリキュラムを見直したりする予定だ。それでも財務状況が改善する見通しはなく、さらに教授25人分の人員削減が必要という。高知大教職員組合の原崎道彦教授は「昇任もなければ、若手の士気も下がる」と心配する。  高知大で は、15年度以降、学部を大幅に改組。29人を新規採用した。そのための補助金で、14年度はいったん財政が改善したが、その補助金も5年目でゼロにな る。現在、教員1人あたりの自由な研究費も年額11万3千円にとどまっているが、箱田規雄理事は「保護者の所得を考えると学費の値上げもできない」。今で も授業料を払えずに休学する学生が年間で数十人いるからだ。「地方では寄付も集まりにくい。落ち着いた研究や教育のためにも、これ以上の交付金の削減を止 めてほしい」と話す。来年度からは、教職員が大学内に駐車する際、駐車料金を取って収入増をめざす。事務職員も減らす。  86の国立大でつくる国立大学協会が15年秋に行った調査では、「定年退職者の補充をしない」など、人件費の削減策を「すでに実施」「今後実施」という大学は33にのぼった。  大学教員をめざす若手も心配する。全国大学院生協議会が6~9月に行った調査では、回答した563人のうち61・7%が「就職状況」を懸念していた。議長の博士後期課程2年土肥有理さん(28)は来年以降、就職口が見つかるかどうか不安がある。「高校の非常勤講師などで食いつなぎ、大学教員や研究者への就職をあきらめる人も多い。国は大学の予算を抜本的に増やして欲しい」と話す。 ■改革求める国、耐える現場  だが、国立大を見る目は厳しい。今月11日、税金の使い方を検証する政府の行政事業レビューでは、国立大をめぐる厳しい言葉が飛び交った。  事業を検証する有識者「追加で補助金をもらえなければ、若手のポストを確保できないというのは説明がつかない。何をやってきたのか」  文部科学省「組織改革は大幅に進んでいる」  山本幸三・行政改革相「学長は教授をクビにできるのか。企業経営的な運営ができていない」  国の財政難の中で運営費交付金が削られる半面、文科省は「改革に積極的に取り組む大学を強力に支援することによって、大学教育の充実を図っていく」として、改革を進める大学には別の補助金を出し、メリハリをつけようとしている。千葉大の徳久剛史学長は「交付金の減額に耐えられるかどうか、各国立大は試されている」とみる。  千葉大は 07年度から海外拠点作りを進め、今年4月には国際教養学部を新設するなどの改革を行う一方、11年度からは退職者が出ても1年間補充せず、民間などの外 部資金を確保し、5年ほどの「任期つき」で若手を雇ってきた。任期つき教員は04年度のゼロから16年度は242人(全体の18・1%)に増えた。40歳 未満の「任期なし」教員は16年度は168人となり、この6年で71人減った。  今年度からは教員採用の仕組みを変えた。退職者のポストを原則3年間、補充せず、各学部は学長をトップとする教員人事調整委員会に申請し、「機能 強化に意味がある」と判断されれば雇用できる。徳久学長は「今後、淘汰(とうた)される大学も出るかもしれない。交付金削減を逆手に取って変わっていきた い」と話す。(松本理恵子、杉原里美、水沢健一)      ◇  《東京大名誉教授で東京理科大学長の藤嶋昭さんの話》 日本の高等教育への公費負担はOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも最低水準で、国の経済規模に比べて著しく低い。国の財政が厳しいのはわかるが、この状況を改善しない限り、日本の科学技術の進歩や発展は望めないと思う。近年、定年退職者の再雇用や任期延長が増え、若手の雇用を奪っている面もある。大学が若手教員を雇い、研究や教育に専念できる環境も整えるべきだ。 "[he-forum 19255] 朝日新聞11/22","朝日新聞 2016年11月22日05時02分 国立大の若手教員、任期つき雇用が急増 今年度は63% 水沢健一、川口敦子 国立大学40歳未満の「任期つき」「任期なし」教員数の推移  全国86の国立大学の40歳未満の若手教員のうち、5年程度の「任期つき」の雇用が急増し、2016年度は63%に達したことが文部科学省への取材でわかった。こうした傾向は04年度の国立大の法人化後に強まっている。主に教員給与にあてる国の運営費交付金が減り、特定の研究ごとに若手を雇う例が増えたためだ。長い時間がかかる基礎研究への影響を懸念する声も出ている。  こうした現状について、文科省は「人件費を抑えるため、身分が不安定な任期つき雇用を増やさざるを得ない国立大が増えている」とみる。理系だけでなく人文社会系でも、若手が長期的な研究テーマに取り組みにくく、短期的に成果が出る研究に偏る可能性もある。  文科省によると40歳未満の若手教員は、データを取り始めた07年度には約1万8千人おり、うち「任期つき」は約6900人で39%だった。その後、任期つきの若手は増え続け、16年度は約1万7千人のうち約1万1千人で若手全体の63%を占めた。  さらに、東京大など7旧帝国大と筑波大、東京工業大の計9大学について文科省が調べたところ、傾向は同じで、07年度の40歳未満の若手教員約7400人中、任期つきは約2800人(38%)。それが16年度は約7200人の若手のうち、65%に当たる約4700人が任期つきだった。  国立大の全教員では、任期つき教員は07年度の約1万5千人から16年度は約2万4千人に増加。全体に占める割合は25%から37%に上がった。この間、任期なしの教員は5千人減って約4万1千人となった。  国立大は、任期なしの教員の人件費は国からの運営費交付金に頼っている。だが、国立大の法人化後、厳しい財政状況を背景に運営費交付金は約1500億円削減され、多くの国立大が任期なしの若手教員の新規雇用を抑制。代わりに、特定研究ごとに支給される科学研究費補助金(科研費)などで任期つき教員を雇う傾向が強まっている。  任期つきの場合の待遇は大学によってさまざまだ。また、任期が切れた場合、実績がかわれて任期なしの職を得るケースもあるが、実際には少なく、任期つきの職場を転々としたり、一般企業に就職したりするケースもあるという。(水沢健一、川口敦子)      ◇  岡田哲男・東京工業大理学院長の話 3~5年といった任期では、そのプロジェクトに合わせた論文や技術などの業績は上げられるが、自分のテーマをじっくり研究できないという問題がある。ノーベル賞受賞者が出ている素粒子や天文学など基礎研究の分野では、産業界からの支援も見込みにくい。基礎研究は、10年以上かけないと成果が出ないこともある。真の研究者を育てるためには、国の財政支援など落ち着いて研究できる環境づくりが大切だ。 "[he-forum 19257] しんぶん赤旗11/25","しんぶん赤旗 2016年11月25日(金) 国立大学 運営費交付金増を 参院委 授業料下げ求める 吉良氏が要求  日本共産党の吉良よし子議員は22日の参院文教科学委員会で、国立大学法人運営費交付金の削減による弊害をただし、交付金増額とともに授業料引き下げを求めました。  吉良氏は、国立大法人化以降、交付金が実質1000億円以上も削減されたことによる弊害を質問しました。文科省の常盤豊高等教育局長は、人件費が圧迫され、特に若手教員の安定的な雇用が減少していると答弁。吉良氏は運営費交付金の確保を要望しました。  吉良氏はまた、文科省が今年度から国立大を3類型に分け、0・8~1・6%の「係数」をかけて運営費交付金を再配分する仕組みにしたことを問題視。「運営費交付金を確保できても、(大学によっては)基幹経費が減ってしまいかねない。『係数』はやめよ」と迫りました。  松野博一文科相は「過去の実績を基幹経費に組み込めるよう検討している」と述べましたが、吉良氏は基礎研究の充実が必要だとして「係数」の見直しを重ねて求めました。  吉良氏は、高すぎる学費値下げのために、運営費交付金、私学助成の抜本的増額を求める共産党の政策を紹介。「学生たちは学費値下げを求めている。 赤字の基盤的経費を計画的に拡充し、学生たちを支援することが、日本の未来にとって必要だ」と強調しました。松野文科相は「基盤的経費の確保に努めたい」 と述べました。 "[he-forum 19258] しんぶん赤旗11/27","しんぶん赤旗 2016年11月27日(日) 国立大の交付金増額を 島津議員 基礎研究拡充に不可欠 衆院科学技術特委  日本共産党の島津幸広議員は24日の衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会で、大学の基礎研究保障のため運営費交付金の増額を求めました。  島津氏は、今年のノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典東京工業大学栄誉教授はじめ、多くのノーベル賞受賞者が基礎研究の充実を求めていると して、大臣の認識を問いました。鶴保庸介科学技術担当相は「知の資産を創出し、世界共通の課題を克服する鍵だ」と、その重要性を語りました。  島津氏は、基礎研究の充実には人件費など基盤的経費の拡充が不可欠だと主張。この10年間で国立大学の運営費交付金が約1500億円減額され、個人研究費が年50万円未満の研究者が6割に上り、40歳未満の教員の6割が任期付き雇用という実態を示しました。  文部科学省の義本博司審議官は、交付金減額により人件費が圧迫され若い教員の安定ポストが減少し、「国立大学の教育・研究基盤の弱体化が懸念される」と認めました。  鶴保担当相は「交付金の確保・充実に努力しないといけない」と述べ、「充実」には「増額」も含まれると答弁。島津氏は、大学教員の安定・継続した研究を保障するため交付金を増額に力を尽くすよう強く求めました。= "[he-forum 19259] 朝日新聞11/29","朝日新聞 2016年11月29日23時08分 正社員と非正規の待遇差、許容できる基準を政府が例示へ 千葉卓朗、高橋健次郎  非正社員の待遇改善を図るための「同一労働同一賃金」の実現に向け、政府が年内にまとめるガイドライン(指針)案を巡る議論が29日、本格的に始 まった。指針案では、基本給や賞与、各種手当について、正社員と差をつけてよい例と悪い例を具体的に示す。待遇差が合理的かどうかの基準をはっきりさせる ことで、企業に非正社員の待遇改善を促す狙いがある。  この日開かれた働き方改革実現会議(議長・安倍晋三首相)で、労使の代表や有識者が指針案の内容について話し合った。政府は年内に指針案をまとめた後、指針に実効性を持たせるために関連法を改正する方針。改正法の内容は年度内にまとめる予定だ。  指針案では、経験・能力、職務の内容、勤続年数などに応じて基本給の額が決まるケースを想定。そのうえで、たとえば「通算の勤続年数を評価して額を決める」のは差を付けてよい例、「有期雇用社員の直近の雇用契約期間だけを評価して額を決める」のは悪い例――などと示す方向だ。  賞与については、会社の業績に対する社員の貢献度に応じて払うケースを想定したうえで、差をつけてよい例と悪い例を示す方向だ。とくに「正社員にだけ賞与を支給し、有期社員やパート社員には賞与を支給しない」ケースは悪い例として示す見通しだ。  各種手当のうち、通勤手当や食事手当、精皆勤手当などは、雇用形態の違いにかかわらず同じ額を払うべきだと明記するとみられる。一つの企業で長く働く社員に支払うことが前提の退職金や企業年金、住宅手当、家族手当などについては、よい例・悪い例をはっきり示さない方針だ。  安倍首相はこの日の会議で、「賃金はもちろんだが、福利厚生や 教育など、処遇全般について目を向けていく必要もある」と発言。指針案では、健康診断や病気休職などに差をつけることは「悪い例」として示す方向だ。教育 機会についても、同じ仕事を担う社員なら、その仕事の能力を高める教育・訓練の機会は雇用形態によらず同じにすることを「よい例」とする見通しだ。  政府は指針の効力を高めるため、待遇差をつける根拠を労働側に説明する企業の責任について何らかの記述を盛り込みたい考えだ。企業が労働側に説明を尽くすことで、労使双方が納得する「合理的な待遇差」だけが残る企業を増やすのが狙いだが、重い説明責任を負うことに企業側は難色を示しており、調整が続いている。(千葉卓朗、高橋健次郎) "[he-forum 19261] しんぶん赤旗12/3","しんぶん赤旗 2016年12月3日(土) 交付金削減許さず増額を 国大協と党国会議員が懇談  日本共産党国会議員団は1日、全国86の国立大学などでつくる国立大学協会の山本健慈専務理事らと国会内で懇談しました。国立大の基盤的財源である運営費交付金が来年度予算案で削減される危機に直面しているもとで、逆に増額を求めていくべきだとの認識で一致しました。  山本専務理事は、財務省が財政制度等審議会(11月17日)で行った建議で、運営費交付金について「メリハリある配分を継続して行う」と表明した ことに言及し、「われわれの要望に沿わない形で進行するのではないかと心配している」と懸念を表明。国立大学の法人化後に運営費交付金が1470億円削減 されたことで、不安定な職しかなくなり、若手研究者が減少し、老朽化した施設・設備が増えているなどの大学の現状からも、同交付金の削減は限界に達してい ると述べました。  日本共産党の畑野君枝衆院議員(党国会議員団文部科学部会長)は、日本共産党がこの間、国会で運営費交付金の削減にともなう基礎研究の厳しい現状 を取り上げ、抜本的増額を求めてきたと紹介。安倍首相も同交付金の確保を国会答弁で表明していることを示し、増額の必要性を大いに知らせ実現を迫っていこ うと述べました。  懇談ではまた、大学付属病院の現状や、地方大学の役割の重要性などについても話し合われました。  懇談には、畑野氏のほか大平喜信、宮本岳志、宮本徹の各衆院議員と党中央委員会の学術・文化、青年・学生両委員会の担当者が出席しました。 "[he-forum 19260] しんぶん赤旗12/5","しんぶん赤旗 2016年12月5日(月) 「返済いらない奨学金を」 埼玉で青年デモ  埼玉県の学生・若者でつくる「Rights to Study@埼玉~本物の奨学金のための緊急行動」は4日、さいたま市の大宮駅周辺で、給付制奨学金の実現を求めるデモをおこないました。  音楽に乗せて「ローンにならない奨学金を、返済いらない奨学金を!」「教育は権利だ」「学ぶ権利に利子をつけるな」と軽快にコール。  デモ出発前のスピーチで、私立大学生は、奨学金を借りている学友の「留学をあきらめた」「アルバイトと節約に明け暮れる毎日」などの実態を語り、 「お金の心配をせずに学べる環境は平等に与えられるべきです。可能性を持つ若者を借金同然の奨学金制度で苦しめてはなりません」と訴えました。  日本共産党の柳下(やぎした)礼子県議や伊藤岳(がく)県民運動委員長、若手の地方議員も参加し、自由党の小沢一郎代表と社民党の佐藤征治郎県連代表がメッセージを寄せました。 "[he-forum 19262] 国公労連「公務員賃下げ違憲訴訟」闘争ニュース12/5","【とりくみ:公務員賃下げ違憲訴訟】2016-12-05 「公務員賃下げ違憲訴訟」闘争ニュース 東京高裁でも不当判決  国公労連と組合員359人が2014年11月13日に東京高等裁判所に控訴した「公務員賃下げ違憲訴訟」の判決言い渡しが本日12月5日15時から東京 高裁101号法廷で行われました。原告席、傍聴席とも埋め尽くされる中、川神裕裁判長は「1 本件控訴をいずれも棄却する。2 控訴費用は控訴人らの負担 とする」と主文を読み上げるのみで、東京地裁に引き続いて被告・国の暴挙を「合憲」と判示する不当判決を言い渡しました。(判決要旨は別添)  国公労連「公務員賃下げ違憲訴訟」闘争本部および同弁護団はこの不当判決に対し、ただちに以下の通り声明を発表しました。なお、本日の行動などについては別途お知らせします。 「公務員賃下げ違憲訴訟」の不当判決を弾劾する(声明)  本日、東京高裁第17民事部(川神裕裁判長)は、国家公務員の労働基本権制約の代償措置たる人事院勧告をも無視した給与減額について、憲法28条には違 反しないとして合憲と判示し、国公労連との誠実交渉義務違反も認定せず、原告らの請求を全て棄却した東京地裁判決を支持して、控訴を棄却する不当判決を言 い渡した。我々は、この不当判決を満身の怒りを込めて弾劾する。  「給与改定・臨時特例法」に基づき、2012年4月分の給与から、歴史上初めて、人事院勧告によらない国家公務員給与の平均7.8%(一時金は一律9.77%)もの減額が実施された。2年間の給与減額は一人平均100万円程度にも上る。  これに対し、2012年5月25日以降、日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)と組合員370名が、差額賃金の支払いと損害賠償を求めて東京地裁に 提訴した。東京地裁は、2014年10月30日、原告らの請求を全面的に棄却する不当判決を言い渡したため、原告らは逆転勝訴をめざして東京高裁に控訴し た。  国家公務員は、労働基本権を制約され、争議権と労働協約締結権が剥奪されている。そのことが、全ての勤労者に労働基本権を保障した憲法28条に違反しな いためには、代償措置がなければならない、と最高裁は全農林警職法事件で判示している。その代償措置が、給与などの労働条件については人事院勧告制度で あった。  判決は、この最高裁が示した枠さえ無視し、「人事院勧告には拘束力がない。他方で、勤務条件法定主義、財政民主主義に基づき立法裁量がある」との国の主 張を受け入れ、「我が国の厳しい財政事情」と「東日本大震災に対処する必要性」があるとの立法理由を鵜呑みにして、合憲判断をなした点で重大な誤りを犯し たものである。  さらに、ILOが本件に強い関心を示しているにもかかわらず、判決は、本件給与減額が、ILO87号条約(結社の自由及び団結権保護条約)、98号条約(団結権及び団体交渉権条約)に違反することについては、全く無視した。  また、判決は、就業規則による労働条件の不利益変更法理について、公務員であるとの理由だけで、その適用あるいは準用を一切否定した。  そのうえ、判決は、人事院勧告を経ない給与減額について、労働組合との交渉の義務を否定した。そればかりか、政府と国公労連との不誠実な交渉の内容に立ち入らず、交渉の回数のみを取り上げて交渉が尽くされたとし、原告らの主張をことごとく退けた。  判決は、憲法・法律の解釈と事実認定を誤り、国家公務員労働者を事実上無権利状態におくことを容認するものであって、絶対に容認できない。  賃下げ違憲訴訟を提起した結果、賃下げ措置は延長されることなく2年間で終結した。しかし、国家公務員給与の「総合的見直し」など、賃金の実質的切り下げを企図している。  国公労連は、この間支援いただいた多くの労働者・国民の皆さんに心より感謝の意を表する。同時に、全ての労働者の権利擁護、賃上げと安定した雇用の確保など、憲法にもとづく基本的人権の保障をめざし、いっそう奮闘する決意を表明するものである。 2016年12月5日 国公労連「公務員賃下げ違憲訴訟」闘争本部 同弁護団 以上 "[he-forum 19263] 首都圏非常勤講師組合facebook","東北非正規教職員組合 12月7日 16:33 ? 【拡散希望】東京芸術大学が偽装請負・団交拒否 ※上記の趣旨で首都圏大学非常勤講師組合が本日(12月8日)10:30から厚生労働記者会で記者会見を行う予定です。  この件について首都圏大学非常勤講師組合は12月6日に不当労働行為の救済を東京都労働委員会に申し立てました。詳細は以下をご覧ください(首都圏大学非常勤講師組合の記者会見資料から抜粋)。 ---------------------------------------------------------------------------- 会見概要:「最後の秘境」東京芸術大学の偽装請負・団交拒否  平成16年4月1日に、国立大学が法人化された際に、従来一般職の非正規公務員として「任用」されていた非常勤講師はいわゆる「パートタイム労働法」の 「適用をうける」(平成16年3月15日文部科学省通知「法人化後における非常勤講師の給与について」)短時間労働者になりました。  しかし、東京芸術大学は、就業規則の制定を怠り、平成18年3月23日に制定された「東京藝術大学非常勤講師等の業務の委嘱等に関する取扱要項」には非常勤講師に労働基準法や労働契約法の適用が認められていません。  東京芸術大学の非常勤講師は、使用者の指揮監督のもとで、勤務の時間や場所を決めて働かされ、時間単位で賃金をはらわれ、賃金から税金の源泉徴収をされ ている等々の事実に示されているように実態が「事業に使用されるもので、賃金を支払われるもの」という労基法第9条の労働者の定義に完全に一致していま す。にもかかわらず、東京芸大は、「業務請負」と称して、労働者と認めず、労働基準法・労働契約法及び労働組合法上の権利をすべて奪い、労災保険の適用さ え否定しています。  非常勤講師Kさんは、申告人は2002年度より東京藝術大学でドイツ語授業を計2コマ担当し、2010年度からは計3コマ担当させられてきたが、 2015年度から正当な理由も告げられないまま配置転換とコマ数2への削減を命じられ、さらに2017年度からは「若い人と入れ替えたい」とコマ数1への 削減を命じられました。  これに対しKさんは同意せず、首都圏大学非常勤講師組合の組合員として、団交を要求しました。  しかし、東京芸術大学は、団交の事前の話し合いに応じましたが、コマ数削減を撤回せず、団体交渉を拒否しました。そのため組合は、12月6日に不当労働行為の救済を東京都労働委員会に申し立てました。 情報提供者:首都圏大学非常勤講師組合…首都圏近県の大学非常勤講師を中心とした組合 "[he-forum 19264] 東北非正規教職員組合ブログ12/14","東北非正規教職員組合ブログ 2016年 12月 14日 【拡散希望】「山形大学にお話ししたい」と山形県当局 山形県(吉村美栄子知事)への要請に応えて 山形大学は「雇用の5年上限」撤廃に向けての決断を! --------------------------------------------  山形県労働組合総連合(山形県労連)は12月14日、山形県(吉村美栄子知事)に対し、「人間らしい働き方を求める要請」と題した要請書を手渡し、安定雇用の拡大等について要請、懇談しました。  吉村知事は正社員化の推進などに力を入れたい旨などを回答しました。 --------------------------------------------   この要請に同行した東北非正規教職員組合の佐藤事務局員は、県側(富樫雇用対策課長ら)に対し、山形大学の定時勤務職員、短時間勤務職員の「雇用の5年上 限」による雇い止め問題を紹介し、上限撤廃などの正しい選択に向けて山形大学の「背中を押す」よう県からも働きかけてほしいと要請。県側は「山形大学にお 話ししたい」と応じました。 "[he-forum 19265] 北海道新聞社説(2016.12.02)国立大交付金 野放図な減額は疑問だ","国立大交付金 野放図な減額は疑問だ 12/02 北大が人件費の大幅削減を検討している。削減額は2017年度から5年間で55億円に上る。 教授に換算すると186人分だ。 主に人件費や研究費に充てられる、文部科学省の運営費交付金の減額が続いているためである。 北大だけではない。交付金減額は各国立大の大きな懸案だ。 一方で国は近年、すぐに成果が見込める研究に「競争的資金」を重点配分している。これでは 短期的研究に偏り、腰を据えた研究にしわ寄せが出かねない。 財政状況を考えれば、運営費交付金も聖域ではありえまい。 しかし、研究者が資金集めに忙殺されては、研究や教育に落ち着いて取り組めない。大学の質の 低下を来さないためにも、交付金の削減には慎重であるべきだ。 北大の15年度の運営費交付金は311億円で、04年度の346億円から10%以上も減少した。 本州では、教員の昇任見送りや新規採用を抑制する大学もある。人件費を抑えるため、任期付きの 教員を雇う大学も多い。 こんな状況が続けば、教員一人あたりの負担増加にとどまらず、意欲の低下を招く恐れもある。 北大学長選も、交付金削減への対応が争点の一つになっている。 研究費確保も厳しい。国の競争的資金や企業、自治体からの外部資金に頼る研究者も少なくない。 しかも、競争的資金や外部資金を得るには、目に見える成果を期間内に上げる必要がある。 任期付き教員も成果を出せなければ、次の職を得ることが難しくなる。 時間をかけた基礎研究などに取り組む研究者はますます減るだろう。 実用化や応用ばかりが重視され、人文社会系の研究は理系以上に先細りが懸念される。 資金が欲しい一部の研究者が、軍事技術に応用可能な研究に資金を出す防衛省の制度に注目するのも、 こうした背景があるからだ。 運営費交付金は、04年度の国立大学の独立行政法人化を機に削減が始まった。 そもそも法人化は、個性豊かな大学をつくることが目的だったはずだ。 なのにこんなことでは逆に大学の多様性が失われかねない。大学自治を脅かす恐れすらある。 「『役に立つ』という言葉が社会をだめにしている。長い視点で科学を支える社会の余裕がなければ、 日本の研究は貧しくなる」 今年のノーベル医学生理学賞に選ばれた大隅良典・東工大栄誉教授の言葉だ。 国は重く受け止める必要があろう。 "[he-forum 19268] 大学ジャーナルオンライン(2016.12.19)東京での大学新増設抑制、政府が2017年夏に方針","東京での大学新増設抑制、政府が2017年夏に方針  政府の「まち・ひと・しごと創生会議」が首相官邸で開かれ、安倍晋三首相は2017年夏を めどに地方大学振興に向けた基本方針をまとめ、東京での大学新増設抑制や地方への移転促進 策について検討する考えを示した。全国知事会が11月、大学の東京一極集中是正を求める 緊急決議をしたのを受け、政府が本格的に是正へ乗り出す。  創生会議の会合で安倍首相は、「地域を担う人材の育成拠点となる地方大学の重要性を強調 するとともに、東京に集中しがちな若い世代が地方に向かう流れを作るため、東京の大学の 新増設を抑制する」と述べた。  全国知事会によると、緊急決議は地方創生に資する人材育成・確保を求めるのが狙いで、 政府が人口減少対策もあり、地方創生に取り組む中、首都圏だけが若者を中心に転入超過を 続けている実態を提示、東京一極集中が逆に加速していると指摘した。  そのうえで、若者が東京へ集中するきっかけが大学進学だとして、東京23区内での大学の 新増設を抑制し、東京23区から地方への移転の促進を図るため、特別の財政措置を講じる よう求めている。  さらに、地方大学の振興に向け、地方大学向けの財政措置を講じる一方、地方大学の新増設 に対し、大学設置基準の弾力的な運用を認める特例措置を要望。地方の国立大学向けの運営費 交付金を増額し、教職員定数の充実など振興策を図るよう訴えている。これらを実施する ための具体的な立法措置も求めた。 参考:【首相官邸】まち・ひと・しごと創生会議 http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201612/14machi_hito_shigoto.html "[he-forum 19267] 日経新聞Web版(12.14)北大新総長に名和氏 人件費削減幅の縮小訴え","北大新総長に名和氏 人件費削減幅の縮小訴え 2016/12/14 7:01 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB13HC0_T11C16A2L41000/  任期満了に伴う北海道大学総長選考で13日、名和豊春・大学院工学研究院長(62)が 現職の山口佳三総長(65)を破り、次期総長に決まった。総長選考会議委員13人のうち 7人の票を得た(白票1票)。任期は2017年4月から6年。  山口氏が打ち出した人件費削減案の是非が争点となったが、削減幅の縮小を訴えた 名和氏が支持を集めた。だが教職員の雇用を支える資金と、研究の多様性をどのように 確保するか。北大が抱える課題は多い。  「総長のガバナンスとしては、予算ありきではなく教職員を大切にしたい」。 山口氏が打ち出した5年間で約55億円、教授換算で186人分の人件費削減案について、 名和氏は13日の記者会見でこう話した。  山口氏の案は、交付金が減らされ大学経営の基盤が揺らぐ中での判断だったが、学内の 大きな反発を招いた。工学部のある准教授は「非常にショックだった。研究室が10あれば、 そのうち1つを潰せと言っているに等しい」と困惑する胸のうちを語った。  北大の決算報告書などによると、15年度の国からの運営費交付金は382億円。国立大学 の独立行政法人化直後の04年度の448億円と比べると、15%減っている。 今後も毎年4億円以上が減額される見通しだ。  15年度の北大の収入は1010億円。うち運営費交付金は前年度からの繰越金なども含め 407億円と4割を賄っている。一方、支出は989億円で、うち教職員給与など人件費は 449億円と約半分を占める。  名和氏は人件費削減幅を5年間で教授換算100人分に抑える意向を示した。交付金減額 の対処法としては、産業界との連携をさらに深めて多様な外部資金を獲得する方針だ。 さらに17年度からの国の新制度である、利益活動による研究資金の調達をできるようにする 「指定国立大学」の指定をめざすという。  運営費交付金の削減は北大だけの問題ではない。東京大学の15年度の交付金交付額は 815億円で、04年度比12%減った。京都大学でも545億円と同15%目減りした。  東大は常勤教員を減らして人件費を圧縮するとともに、16年に入り日立製作所やNEC と相次ぎ提携した。日立は6月、京大や北大とも共同ラボを設置した。国立大の研究力を 技術開発に生かしたい産業界と、交付金に代わる資金源を得たい国立大との思惑が合致、 産学が急接近している。  生き残りをかけて外部資金の獲得をめざす国立大。一方、ノーベル賞を受賞した日本人 研究者の多くは「カネになる研究」だけが重視されがちな現状への懸念を発信している。 外部資金を経営の柱としつつ、企業活動とは結びつきにくい基礎研究にどう研究費を配分 するか。難題に対する北大の答えはまだ霧の中だ。 "[he-forum 19266] 中日新聞・東京新聞社説(2016.12.19)大学と軍事研究 科学者は人類を愛せ","【社説】大学と軍事研究 科学者は人類を愛せ 2016年12月19日  戦争の反省から日本学術会議は二度も「軍事研究には協力しない」という決議をした。 だが今、防衛省の豊富な予算を前に、方針が揺らいでいる。  戦後、大学は学術研究に専念し、軍事研究は防衛省や防衛産業などで行われてきた。 戦争中、核兵器開発などに多くの学者が関わった反省からだった。学術会議は一九五〇年 と六七年に「軍事研究はしない」と決議している。  その方針を見直すかどうかの検討が学術会議で続いている。十六日夕に開かれた「安全 保障と学術に関する検討委員会」で議論は一段落し、年明けには中間取りまとめに入る。 ◆50年ぶりの議論  きっかけは、防衛省が防衛装備品開発のために「安全保障技術研究推進制度」を昨年、 発足させて大学などに直接、研究費を助成するようになったことだ。狙いは防衛装備品に 利用できる新技術の開発。原則として研究成果の公開を認める。新技術は民生用の利用も 期待するので、デュアルユース技術だと説明している。  初年度は三億円の予算で、百九件の応募があった。このうち四大学を含む九つの研究機関 の提案が採用された。  従来の学術会議の方針に反することから、同制度への対応が研究者や大学によって分か れた。学術会議会長の大西隆・豊橋技術科学大学長が提案者となって検討委員会を設置し、 約五十年ぶりの議論が始まった。  設置時には「自衛のための軍事研究は許されるのか」とか「民生と軍事両用のデュアル ユース技術をどう規制するのか」といったことが課題と考えられた。議論が深まるにつれて、 別の課題が明らかになった。研究成果の公開と、大学の研究・教育への影響だ。 ◆米国とは違う仕組み  大学の研究者は主に文部科学省の研究予算を使う。経済産業省や厚生労働省、企業などの 助成を受けることもある。研究者がすべてを公開できるとは限らないが、成果は公開できる。  防衛省は「採択するのは基礎研究で、成果は原則として発表できる」としている。 学術会議が調べると、お手本にしたはずの米国防総省のDARPA(国防高等研究計画局) の仕組みは違っていた。  米国では研究を公募する段階で「基礎研究」か「公開制限付き研究」かが示されている。 基礎研究は契約に公開の自由が入る。一方、制限付き研究では機密保護が求められる。 マサチューセッツ工科大(MIT)などは、機密性の高い研究をするために大学から離れた 場所に研究所を置いている。  検討委員会に出席した防衛省の担当者は「原則、公開が可能」と答えたが、制度的な保障 はない。「特定秘密」についても「指定されることはない」と口頭で述べただけである。  なぜ、契約書に入れないのか。不信と不安を呼んでいる。  特定秘密の指定は、研究者個人だけでなく、大学への影響も大きい。 将来、指定される可能性を考えれば、留学生は同制度の研究には近づけないという対応も 必要になる。サイバー(電脳)セキュリティーを含めて、大学構内の態勢強化が求められる。  教育機関としても問題がありそうだ。米国では制限付き研究を受託した研究室の卒業生は、 軍需産業への就職が多かった。企業側も共同研究などを通じて優秀な学生を見いだしやすい。 日本でも人材供給につながるだろう。  今年のノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典・東京工業大学栄誉教授は「基礎研究が 大事だ」と繰り返し話す。大隅さんの言う基礎研究は、そこから別の基礎研究や応用研究が 広がっていく大樹のイメージだ。  一方、防衛省のいう基礎研究は、要素技術の開発だ。新装備に不可欠な多くの基礎研究を 集めて防衛装備品の完成を目指す。広がりは期待されていない。  安全保障研究の領域は、陸海空から宇宙、サイバー空間へと拡大している。 防衛省だけでは対応が難しい。このため、消極的な研究者に対して「国立大学が政府の方針 に従わないのか」とか「学者には愛国心はないのか」との批判も出ている。 ◆坂田昌一の言葉  そうした批判にひるむことはない。それぞれが、何のために研究をするのかを考えることだ。  ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英・名古屋大特別教授の研究室に、恩師で物理学者の 坂田昌一・元名古屋大教授の書がある。  「科学者は科学者として学問を愛するより以前に、まず人間として人類を愛さなければならない」  坂田さんは第一回学術会議総会の感想として「学問の政治に対する幇間(ほうかん)性を ぬぐいさり」という言葉も残している。 "[he-forum 19269] 大学ジャーナルオンライン(2016.12.5)国立大学運営費交付金削減で文科省が財政審に反論","国立大学運営費交付金削減で文科省が財政審に反論  11月の財政制度等審議会の議論などから国立大学運営費交付金の抑制が懸念される状況 となっている問題で、文部科学省高等教育局は財政審の資料に反論する見解をまとめ、 中央教育審議会大学分科会に提出した。運営費交付金の減少が国立大学の教員確保や研究 推進の障害になっているとして、このままでは国立大学の脆弱化が懸念されるとしている。  文科省によると、財政審資料で国立大学法人化以降の運営費交付金の減少について付属病院 の赤字解消や退職手当の減少が大半を占め、実質382億円程度としているのに対し、見解では 法定福利費の増加や消費税改定などが考慮されず、実質1,000億円以上の減額と指摘した。  その結果、常勤教職員の人件費が圧迫され、教職員雇用の不安定化が懸念されるとした。 さらに、教員の個人研究費が減少して年間50万円未満の教員が全体の6割を占めることを挙げ、 教育研究基盤が弱体化しつつあると訴えている。  若手教員の間ではこの10年間で任期付きポストが任期のない雇用を上回り、博士課程入学者 が減少している。短期の外部プロジェクトに依存して研究者の発想に基づく長期の研究が困難 な状態にも陥りつつあるとした。  このため、文科省は外部資金で研究費を措置できても、教育研究を支える教員の確保は 運営費交付金でないと難しいと指摘している。 参考:【文部科学省】資料1 財政制度等審議会(平成28年11月17日開催)平成29年度 予算の編成等に関する建議 (国立大学法人運営費交付金関係)についての文部科学省の見解(PDF) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/12/01/1379805_01.pdf "[he-forum 19270] しんぶん赤旗12/22","しんぶん赤旗 2016年12月22日(木) 問題多い政府の給付奨学金 極めて不十分な規模 低所得者対策削り成績で返還も 大平議員に聞く  政府が制度導入を決めた、住民税非課税世帯や児童養護施設から進学した大学生らを対象にした「給付型奨学金」について、日本共産党の大平喜信衆院議員に聞きました。 (写真)大平衆院議員  「給付型奨学金」が来年度から日本でも実現されることになりました。しかし、私も10月19日の衆院文部科学委員会でとりあげて一つひとつただしましたが、今度の政府案の内容は、多くの不十分さや問題点を含んでいることをよく見ておかなければなりません。  第1に支給対象の規模の問題です。  1学年2万人という規模は、安倍政権が言う「本当に厳しい状況にある子供たちへの給付型支援」(「ニッポン一億総活躍プラン」、2016年6月2 日、閣議決定)としても、きわめて不十分です。現在の高校2年生のうち、生活保護世帯や年収250万円程度の住民税非課税世帯だけでも約15万人おり、い わゆる「貧困対策」にすらなっていません。  いまの学生生活の実態や、憲法が定める教育を受ける権利の保障という本来の趣旨から見れば、共産党が提案している、月3万円を全学生数の約2割強 となる70万人に支給するというのが最低限の規模であり、だからこそ世界各国も学生の2割から3割という規模で支給しているのです。  第2に財源の問題です。  政府試算では、本格実施が始まる18年度には約72億円が必要となり、4年制大学全体にいきわたる21年度には約220億円が必要となります。そ の財源として検討されているのは、私も学生時代に利用した母子寡婦福祉資金など、厚労省管轄の低所得世帯への貸付金制度の削減や、貸与奨学金の額の引き下 げなど、現行貸与制度の見直しなどによってまかなうと言われています。現在の乏しい教育費負担軽減策をさらに削って「給付型奨学金」の財源に充てるという もので、本末転倒であり、大問題だといわなければなりません。  現在の教育予算の枠内でのやりくりではなく、先進国で最低クラスの教育予算そのものを抜本的に拡充してまかなうことが必要です。  第3に給付のあり方の問題です。  いったん給付をされても毎年学業状況の確認がおこなわれ、成績によっては給付の廃止や返還が求められるしくみとなっています。これでは現行の貸与 奨学金にも存在する返還免除制度と本質的には変わらないものです。経済的な不安を抱える学生や保護者のみなさんが安心して利用できるものとは言えない制度 となっています。  これまで政府は、経済的事情によって進学をあきらめざるをえなかったり、人生を狂わされるほどの巨額の奨学金返済に苦しむ若者たちが後をたたないなかでも、そうした実態から目を背け、給付奨学金の実現を拒み続けてきました。  そんな政府の姿勢を一歩ではありますが変えさせることができたのは、他でもない学生や若者、保護者、市民のみなさんの声と行動の力でした。文字通りの本物の奨学金制度を実現させるため、さらに世論を広げて政府にせまっていこうではありませんか。= "[he-forum 19278] 佐賀新聞 2017.1.6","http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/392819 佐賀新聞 2017.1.6 「共謀罪」通常国会提出 首相、東京五輪対策へ 捜査機関の乱用で人権侵害も不安視  安倍晋三首相は5日、テロ対策強化に向けて「共謀罪」を新設する組織犯罪処 罰法改正案を、今月20日召集の通常国会に提出する方針を固めた。2020年 の東京五輪・パラリンピックを見据え、国際的なテロに備えるためにも法整備が 必要だと判断した。官邸は自民党幹部に提出方針を伝達。共謀罪を巡っては、捜 査機関の職権乱用による人権侵害を不安視する声があり、日弁連などが反対して いる。  共謀罪は国会で過去に3度、廃案になった経緯がある。当初は重大犯罪の謀議 に加わると罪に問われる内容だった。政府は昨年秋の臨時国会提出を見送り、罪 の名称や構成要件の見直しを進めていた。罪名は「テロ等組織犯罪準備罪」に変 更した上で、対象を「組織的犯罪集団」に限定し、単なる共謀だけでなく「準備 行為」も要件に加える案で調整している。  菅義偉官房長官は5日の記者会見で、東京五輪が3年後となることに触れ、国 際組織犯罪防止条約に基づいて各国と連携するため、法整備が不可欠と訴えた。 「テロを含む組織犯罪を未然に防ぐため、万全の体制を整えることが必要だ」と 述べた。  民進党や共産党は反対するとみられ、国会審議で議論となりそうだ。  首相は政府与党連絡会議で、通常国会での重要法案成立に向けて万全を期すよ う与党側に要請した。自民党の二階俊博幹事長は会見で改正案について「政府は 名称も変更し、極端な誤解を生まないよう配慮している」と指摘し、成立へ努力 する考えを示した。【共同】 =ズーム 国際組織犯罪防止条約=  国際組織犯罪防止条約 複数の国にまたがる組織犯罪を防ぐため、各国が協調 して法の網を国際的に広げるための条約。重大犯罪の共謀や、犯罪で得た資金の 洗浄(マネーロンダリング)の取り締まりを義務付けている。国連総会で 2000年11月に採択。12月にイタリア・パレルモで条約署名会議が開か れ、日本も署名した。政府は「共謀罪」の法整備が条約締結の要件だとして組織 犯罪処罰法改正を目指すが、成立に至っていない。世界180以上の締結国全て が法整備したわけではないとの指摘もある。 "[he-forum 19277] しんぶん赤旗 2017.1.6","http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-01-06/2017010603_01_1.html しんぶん赤旗 2017.1.6 「共謀罪」法案提出へ 通常国会へ政府方針  政府は5日、犯罪の計画段階で処罰可能とする、いわゆる「共謀罪」を創設す るための組織犯罪処罰法改正案を20日召集予定の通常国会に提出する方針を固 めました。東京五輪開催を理由として、「テロ対策」を前面に出すため、名称を 「テロ等準備罪」とし、資金調達などの具体的準備行為を処罰要件に加えます。  安倍晋三首相は5日の自民党役員会で「テロ準備罪という形の法案を出す」と 明言。菅義偉官房長官も記者会見で「国際社会と協調して組織犯罪と戦うため条 約締結が不可欠だ。法整備はしっかり進める必要がある」と強調しました。  政府は小泉政権当時に共謀罪法案を3度提出しましたが、「犯罪の話しをした だけで罰せられるのでは」などと懸念が強まり、市民と野党の反対でいずれも廃 案となりました。  新たな法案では、名称を「テロ等準備罪」とし、「準備行為」などの処罰要件 を設けました。ただ、テロ以外にも恣意(しい)的に適用される可能性があると の指摘も野党などから出ています。 "[he-forum 19276] 毎日新聞 2017.1.5","http://mainichi.jp/articles/20170106/k00/00m/010/116000c 毎日新聞 2017.1.5 安倍首相 「共謀罪」に意欲 通常国会で提出か 公明党の対応が焦点  安倍晋三首相は5日の自民党役員会で、「共謀罪」の成立要件を従来より絞り 込んだ「テロ等組織犯罪準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案に関し、20 日召集の通常国会での提出・成立を目指す意欲を示した。ただ、公明党は国民の 理解不足を懸念しこれまで慎重な姿勢を示してきた。法案提出の場合、公明党が 重視する今夏の都議選前に審議入りする可能性が高く、同党の対応が焦点となる。  犯罪の準備段階でも罪に問える共謀罪は、日本が2000年に署名した「国際 組織犯罪防止条約」批准に必要とされ、政府は20年の東京五輪・パラリンピッ クを念頭に成立を目指している。過去に3回、国会に関連法案が提出されたが、 野党の猛反発のほか、国民の理解も得られず廃案となった。今回の法案では適用 対象を「組織的犯罪集団」に限定するなど要件を厳しくし、理解を得たい考えだ。  菅義偉官房長官は5日の記者会見で、法案提出について「国会でさまざまな意 見があったので、そうしたものを踏まえながら最終検討している」と述べた。  政府は昨秋の臨時国会でも提出を検討したが、公明の慎重意見などで見送っ た。首相は5日の党役員会では法案名に触れたが、その後の政府与党連絡会議で は公明幹部を前に「大きな法案もある」と抑制した。同党の大口善徳国対委員長 は記者団に「これから説明を受ける。態度はまだ決まっていない」と述べるにと どめた。【田中裕之】 "[he-forum 19275] 産経 2017.1.6","http://www.sankei.com/politics/news/170106/plt1701060008-n1.html 産経ニュース 2017.1.6 「共謀罪」法案名変更で通常国会提出へ テロ対策を主眼に  政府は5日、テロ対策として「共謀罪」の構成要件を一部変更する組織犯罪処 罰法改正案を、20日召集の通常国会に提出する方針を固めた。法案名も 2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、テロ対策が主眼であることが明 白となるよう変更する見通しだ。  菅義偉官房長官は5日の記者会見で「テロ対策のための法律を政府として考え ている。3年後に迫った東京五輪開催に向け、万全の体制を整えていくことが必 要だ」と述べた。「テロを含む組織犯罪を未然に防ぐことを国民の皆さんも望ん でいる」とも指摘した。  共謀罪を盛り込んだ法案はこれまで3回廃案となっており、その後も提出は見 送られてきた。法案はテロ組織や暴力団などによる組織犯罪を未然に防止するこ とが目的だが、捜査機関の拡大解釈による不法逮捕や人権侵害につながるとの懸 念を理由に、野党が強く抵抗してきたためだ。  政府・与党内には「共謀罪という法案名が誤解を招いている」との声が根強 い。このため、昨年の臨時国会では罪名を「テロ等組織犯罪準備罪」に変更する ことなどで対応したが、法案提出は見送った。  国連は2000年に「国際組織犯罪防止条約」を採択し、すでに180カ国以 上が締結しているが、日本は批准条件となっている共謀罪が存在しないため締結 に至っていない。このまま法整備が進まなければ、国際社会から「テロ対策に消 極的」との批判を浴びかねない状況だ。 "[he-forum 19274] 東京新聞 2017.1.6","http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201701/CK2017010602000119.html?ref=rank 東京新聞 2017.1.6 【政治】「共謀罪」通常国会提出へ 野党・日弁連は反対  安倍晋三首相は五日、犯罪計画を話し合うだけで処罰対象とする「共謀罪」の 趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を二十日召集の通常国会に提出する方針 を固めた。共謀罪に関しては、国民の思想や内心の自由を侵す恐れがあるとの批 判が根強い。捜査機関の職権乱用などによって人権が侵害されるとして、日弁連 や共産党は反対している。民進党内でも反対論が強く、提出されれば国会で激し い議論になる。  首相は五日の自民党役員会で、「共謀罪」法案の早期成立を目指す考えを示し た。首相はこの後の政府与党連絡会議でも、通常国会に関して「大きな法案の提 出も予定されている」と指摘した。  与党の公明党内には、組織犯罪処罰法や通信傍受法が既に存在していることを 踏まえ、「共謀罪」創設は不要との意見がある。公明党が重視する都議選が今夏 に控えていることもあり、調整が必要となる。  菅義偉(すがよしひで)官房長官は五日の記者会見で、「共謀罪」法案の通常 国会への提出に関して、二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向けテロ対策 の強化が必要だと主張し「テロを含む組織犯罪を防ぐことは、国民も望んでい る。これまでの国会審議の意見を踏まえ、最終検討している」と述べた。  自民党の二階俊博幹事長は五日の記者会見で「政府の方針に従って党も協力し ていきたい」と述べた。  政府は、国連が〇〇年に採択した国際組織犯罪防止条約の批准に向けて、小泉 政権下の〇三年に初めて同法案を国会に提出した。しかし、野党や世論の反発で 廃案になった。その後、小泉政権は二回提出したが、いずれも廃案となった。第 二次安倍政権の発足後も提出が検討されたが、提出に至らなかった。  <国際組織犯罪防止条約> 複数の国にまたがる組織犯罪を防ぐため、各国が 協調して法の網を国際的に広げるための条約。重大犯罪の共謀や、犯罪で得た資 金の洗浄(マネーロンダリング)の取り締まりを義務付けている。国連総会で 2000年11月に採択。12月にイタリア・パレルモで条約署名会議が開か れ、日本も署名した。政府は「共謀罪」の法整備が条約締結の要件だとして組織 犯罪処罰法改正を目指すが、成立に至っていない。世界180以上の締結国全て が法整備したわけではないとの指摘もある。 "[he-forum 19273] REUTERS 2017.1.5","http://jp.reuters.com/article/idJP2017010501000772 REUTERS 2017.1.5 「共謀罪」通常国会に提出へ  安倍晋三首相は5日昼に官邸で開いた政府与党連絡会議で、テロ対策強化策と して「共謀罪」の新設を柱とする組織犯罪処罰法改正案を、今月20日召集の通 常国会に提出する方針を与党幹部に伝えた。出席者が明らかにした。菅義偉官房 長官も記者会見で「テロ対策のための法律を政府として考えている」と表明し た。2020年の東京五輪・パラリンピックに備えるため、成立を急ぐ必要があ ると判断した。  首相は改正案の今国会成立をにらみ、対応に万全を期すよう与党側に要請した。  菅氏は会見で、東京五輪に関し「テロを含む組織犯罪を未然に防ぐため、万全 の体制を整えることが必要だ」と強調した。 "[he-forum 19272] 東京新聞 2017.1.5 夕刊","http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201701/CK2017010502000235.html 東京新聞 2017.1.5 夕刊 【政治】「共謀罪」法案を通常国会に提出 官房長官が検討明言  菅義偉(すがよしひで)官房長官は五日の記者会見で、テロ対策強化策として 「共謀罪」の新設を柱とする組織犯罪処罰法改正案を、今月二十日召集の通常国 会に提出する方向で検討していると明らかにした。「テロ対策のための法律を政 府として考えている」と述べた。二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに備え るのが狙いとしている。  東京五輪に関し「三年後に迫った。テロを含む組織犯罪を未然に防ぐため、万 全の体制を整えることが必要だ」と強調。各国との連携強化へ国際組織犯罪防止 条約の締結が不可欠と訴えた。条約は国連が〇〇年に採択し、百八十カ国以上が 締結している。日本は法整備がなく未締結のままだ。  共謀罪を盛り込んだ法案は、捜査機関の拡大解釈による人権侵害が懸念されて おり、国会で過去三回廃案になった。政府は罪名や構成要件を見直した上で提出 する見通しだ。菅氏は「これまで国会で審議された意見を踏まえ、最終検討して いる」と説明した。 "[he-forum 19271] 東京新聞 2017.1.5 & 中日新聞 2017.1.5","http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201701/CK2017010502000126.html?ref=rank 東京新聞 2017.1.5 中日新聞 2017.1.5 【政治】「共謀罪」法案リストに 通常国会で提出検討  犯罪計画を話し合うだけで処罰対象とする「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織 犯罪処罰法改正案について、政府が二十日召集予定の通常国会に提出を検討して いる法案のリストに盛り込まれることが四日、分かった。政府高官や与党幹部が 明らかにした。「共謀罪」創設の同法改正案は、小泉政権時に三度提出された が、いずれも廃案になった。第二次安倍政権発足後も提出は検討されてきたが、 初めてのリスト掲載で提出の可能性がより高まった。  政府はリストを五日に国会に示す。  「共謀罪」は国民の思想や内心の自由を侵すとの批判が強いが、政府は国連が 二〇〇〇年に採択した国連国際組織犯罪防止条約を批准するために、国内法整備 が必要としている。昨年九月召集の臨時国会への提出も検討したが、公明党が慎 重だったほか、環太平洋連携協定(TPP)と関連法の審議を優先させるために 見送った。  今回は二〇年の東京五輪・パラリンピックを前に、テロ犯罪抑止に不可欠だと して、世論の理解を得たい考え。政府高官は四日、「そろそろ法案を提出しない といけない」と語った。  提出を検討している法案は、これまでの内容を一部修正し、対象集団を「団 体」から「組織的犯罪集団」に変更。処罰要件にも、犯罪の実行を集団で話し合 うだけでなく、資金の確保といった犯罪の準備行為を加える。罪名も「共謀」を 使わず「テロ等組織犯罪準備罪」としている。  ただ、適用される罪は、これまでと変わらず「法定刑が四年以上の懲役・禁錮 の罪」で、六百以上が処罰対象となる見込み。犯罪の準備をしていると認定され れば処罰され、権力側による恣意(しい)的な適用を招く恐れがある。  今夏は東京都議選が行われるため、都議選を重視する公明党が再び提出に慎重 姿勢を示す可能性はある。 "[he-forum 19279] しんぶん赤旗1/12","しんぶん赤旗 2017年1月12日(木) 国立大非常勤職員の雇い止め 文科省「法の趣旨に反する」 各大学に事務連絡 田村議員に報告  文部科学省が昨年12月、有期労働者が5年の継続雇用で無期雇用に転換できるルールについて、無期転換を避けるために雇い止めをすることは労働契 約法の趣旨に反するとの事務連絡を国立大学に出していたことが、11日までに分かりました。大学非常勤職員の雇い止め問題を取り上げてきた日本共産党の田 村智子参院議員に同省が明らかにしました。  2013年4月改正の労働契約法で、有期雇用が5年継続すると希望者は無期雇用に転換できることになりました。しかし、東北大学では更新上限を5年以内に変更し、約3200人が雇い止めの危機にあるなど各大学で問題となっています。  事務連絡では、「無期転換を避けるための雇い止めは労働契約法の趣旨に反する」「雇い止めをした場合は労働局が啓発指導に取り組む」とした厚労省の国会答弁を紹介し、「5年到来前の雇い止めには説明責任が生じるので適切に対応いただきたい」と求めています。  さらに、5年目の契約更新を迎える今年4月には「対応方針を示す必要がある」として、(1)無期転換ルールへの対応方針を決めたか(2)就業規則をどう変更したか(3)対応方針について労働組合に説明したか―などについて報告を求めています。  東北大学では同大職員組合と東北非正規教職員組合が、雇い止めは労契法の趣旨にも反するとして「希望する人全員を無期雇用に」と求めています。  田村氏は「今回の事務連絡は、非常勤職員の雇い止め撤回を求める東北大学教職員をはじめとする全国のたたかいに押されたもので、東北大学はもちろん他の大学でも対応が問われています。希望者全員を無期転換するよう求めていきたい」と話しています。 "[he-forum 19280] しんぶん赤旗1/12","しんぶん赤旗 2017年1月12日(木) 共謀罪 思想・良心の自由侵害 盗聴が常態化 弁護士会の反対広がる  安倍内閣が20日召集の通常国会への法案提出を狙う、新「共謀罪」法案(組織犯罪処罰法改定案)にたいして、全国34の単位弁護士会の会長が反対声明を発表していることが11日、日本弁護士連合会(日弁連)の集計でわかりました。反対の世論が急速に広がっています。 34単位弁護士会が声明  単位弁護士会は全国に52あります。15年1月から11日までに34の単位弁護士会と日弁連、東北6県の弁護士会でつくる東北弁護士会連合会が反対の会長声明を発表しました。  とくに、昨年8月に安倍内閣による新「共謀罪」法案の国会提出計画が報じられたことを受け、声明が次々とあがっています。  日弁連広報課は「過去の共謀罪法案についても、全てかほとんど全ての単位弁護士会が反対声明を出しており、共謀罪について弁護士会が数度にわたって反対声明を出したことになる」と話します。  声明では「広範な括(くく)りでテロ行為とはおよそ無縁な罪種についても『共謀罪』の対象としており、テロ対策目的との関連は見いだせない」(千 葉県)、「内心を処罰対象とする点で思想・良心の自由を侵害するものであり、その捜査のため市民の私生活を監視することになる」(愛媛)、「電話による通 話内容が犯罪を構成することになるため、これを察知するための盗聴が常態化する」(秋田)などと、問題点を指摘して批判しています。  現時点で反対声明を出していない弁護士会でも、「緊急県民シンポジウム」(静岡県弁護士会)が企画されるなど、共謀罪に反対する行動に取り組んでいます。= "[he-forum 19281] しんぶん赤旗1/13","しんぶん赤旗 2017年1月13日(金) 大学新入生 貸与奨学金を敬遠 将来の負債避ける保護者 大学生協連調査  大学新入生の保護者が奨学金の利用を避ける傾向にあることが、全国大学生活協同組合連合会の調査で明らかになりました。10日に公表された 「2016年度保護者に聞く新入生調査概要報告」によるものです。調査は全国大学生協の約7万1000人を対象に実施、122大学生協の2万906人から 回答を得ました。  受験から入学までにかかった費用の準備についてたずねた項目では「奨学金を申請した」は11~16年の5年間で4・0ポイントの減少。「学資保険に入っていた」は53・9%と最も多いものの、最も高かった13年度から3年間で8・0ポイント減少しました。  一方で「貯金を切り崩した」が34・9%で、11年の29・0%から5・9ポイントの増加。奨学金や学資保険を避ける一方で、受験・入学費用のために貯金を取り崩す家庭が増える傾向がみられます。  大学生協連はこの傾向について「多くの保護者が、現在の奨学金はほぼ貸与だという印象を持っている。子どもに将来の負債を負わせたくないとの思いから奨学金を敬遠する傾向にある」と分析しています。  また大学を選ぶ際の関心事では、「設置者(国公立・私立)」が58・5%と最も高く、国公立では78・4%を占めます。次いで高かったのは「大学 の所在地」で、53・1%。同団体は「大学生活を送るための費用への影響が高いことに関心が多く寄せられている」と述べています。  大学生活を送る際の保護者の心配では、「授業や単位のこと」が40・2%と最も高く、08年度に比べて10・7ポイントの増加。「友達付き合いや 人間関係のこと」も、この9年間増加が続いています。「将来や就職」を心配する回答は、ここ数年減少傾向にあるといいますが、16年は前年に比べ増加して います。  受験から入学までにかかる費用の平均は、国公立で167万5600円、私立で174万800円でした。  同調査は07年度から毎年4~5月に行われています。 "[he-forum 19282] しんぶん赤旗1/18","しんぶん赤旗 2017年1月18日(水) 防衛省委託 「研究に政府介入大」 学術会議検討委 中間まとめ案  軍事研究に関して議論している日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」は16日、都内で8回目の会合を開き、審議の中間とりまとめ案を議論しました。  2月4日開催の公開フォーラムで中間まとめを示すため、委員長の杉田敦法政大学教授が素案を提示しました。学術会議が1950年と67年に軍事研 究を行わない声明を出した背景に、科学者コミュニティーの戦争協力への反省と、政府からの独立性の確立の誓いがあったことを確認したうえで、防衛省の委託 研究制度は「政府による研究への介入の度合いが大きい」と指摘。軍事研究は秘密保持が要求されがちで「研究が萎縮するおそれ」があるとして、学術の健全な 発展に及ぼす影響に懸念を示し、慎重な判断が必要だとしました。  井野瀬久美恵学術会議副会長は「学術・教育に関わる者が(戦争に)手を貸してはいけない」と強調。佐藤岩夫東京大学教授は防衛省の制度の「廃止・ 縮小を求めるべきだ」と述べ、山極寿一京都大学学長は「公開できない公募研究は認めるべきではないとはっきり宣言してほしい」と主張しました。  大西隆学術会議会長は、大学などでの自衛のための装備開発につながる基礎研究を認めるべきだという修正を主張。議論を踏まえた中間とりまとめは、今月中に学術会議のホームページで公表されます。  同日、学術会議前で「軍学共同反対連絡会」と賛同団体の「軍学共同反対市民の会」が軍事研究に反対する宣伝行動を行いました。= "[he-forum 19283] jiji.com1/18","jiji.com (2017/01/18-12:17) 文科省、元幹部の天下りあっせんか=再就職監視委、初の勧告も  文部科学省が幹部の再就職を組織的にあっせんしていた疑いがあ るとして、政府の再就職等監視委員会が調査していることが18日分かった。国家公務員法は天下りを防ぐため、省庁によるあっせん行為を禁じている。監視委 は文科省の行為が同法違反に当たるとして、処分を求める勧告を行うことも視野に検討に入った。勧告が行われれば初めてとなる。  文科省が再就職をあっせんした疑いがあるのは、2015年8月に退官し、同年10月に早稲田大学教授に就任した同省の元高等教育局長。  政府関係者によると、文科省は元局長を再就職させるため、履歴書を早大に送るなど組織的に関与していた。監視委の調べに対し、同省と早大はともに事実関係をおおむね認めているという。  監視委は昨秋にはこうした経緯を把握し、調査を進めてきた。政府関係者は、他省庁にも組織的な天下りあっせんの疑いがあるとしており、慎重に調べを進める。  これに関し、菅義偉官房長官は18日の記者会見で「調査結果を待ちたいが、実際に行われていたとすれば極めて遺憾だ。国民に疑念を生じさせないよう、しっかり対応する」と述べた。文科省は近く関係者の処分を行う。= "[he-forum 19284] 朝日新聞1/19","朝日新聞 2017年1月19日05時00分 人事課、早大に履歴書 文科省、天下りあっせんか 監視委が調査  文部科学省が国家公務員法に違反して、同省前局長の大学への「天下り」をあっせんした疑いがあるとして、内閣府の再就職等監視委員会が調査していることが明らかになった。同省の人事課や現職の幹部らが組織的に関わり、前局長も大学側と不適切なやりとりをした疑いがあるという。  同法は、出身府省の職員による再就職のあっせんや、利害関係のある企業・団体への在職中の求職活動などを禁じている。監視委は19日にも調査結果をまとめ、是正勧告も検討中だ。文科省は調査結果を踏まえ、幹部らの処分を公表するとみられる。  関係者によると、あっせんを受けたとされるのは、大学を担当する同省高等教育局の前局長。2015年8月に退職し、同10月に早稲田大教 授に就いた。監視委が経緯を調べたところ、同省人事課が前局長の履歴書を早大に送るなどしたことがわかり、組織的な関与があった疑いが浮上。また、前局長 も在職中、再就職につながるやりとりなどを大学側としていた疑いがあり、事務次官経験者を含む幹部らから事情を聴いているという。  このほか、監視委が前局長に関する調査を進める過程で、他にも再就職のあっせんが疑われるケースが複数見つかったという。文科省幹部は「法の認識が不足していた。徹底させる必要がある」と話した。  菅義偉官房長官は18日の記者会見で「実際に(あっせんが)行われていたとすれば極めて遺憾。再就職に関する国民の疑念の払拭(ふっしょく)に努めていきたい」と述べた。  ■勧告なら初  国家公務員の再就職をめぐっては、2008年施行の改正国家公務員法で、在職中の求職やあっせんを禁止し、退職後も出身省庁への働きかけを離職後2年間禁止するなどの「天下り」規制が盛り込まれた。内閣府に再就職等監視委員会が設置され、12年3月に始動した。これまでに、消費者庁の元職員が同庁の取り締まり対象企業に天下りを要求したケースなど7件を規制違反と認定。対象となる府省庁への是正勧告は出していない。  また、総務省では昨年9月、利害関係のある企業から誘いを受けて再就職の約束をしたとして、出先機関の課長級の男性職員(60)を減給3カ月の懲戒処分とした。 "[he-forum 19285] 「国立大は文科省の植民地か」:東京新聞1/27、毎日新聞1/26・27","「国立大は文科省の植民地」 83校に241人出向 東京新聞 2017年1月27日 朝刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201701/CK2017012702000128.html 【表 文科省から現役出向が多い大学】  文部科学省の天下りあっせん問題を巡り、自民党の河野太郎前行革担当相は二十六日の 衆院予算委員会で、今月一日現在で同省の官僚計二百四十一人が、全国の国立大学法人の 幹部職員として出向していることを明らかにした。「文科省の植民地になっている」と指 摘し、出向をやめるよう求めたのに対し、松野博一文科相は「実態を調査したい」と答弁 した。 (清水俊介)  官僚が退職して再就職するのと異なり、国立大学法人を含む独立行政法人(独法)など への出向は「現役出向」と呼ばれる。政府は天下りとは区別しているが、天下りと同様に、 補助金や許認可を巡る出身省庁との癒着や、受け入れ側の運営に省庁の意向が過剰に反映 される懸念を指摘する声がある。  文科省が河野氏に提出した資料によると、同省から出向を受け入れているのは北海道か ら沖縄まで八十三大学。一大学当たり平均二・九人で、最多は千葉大と東京大の十人だっ た。計七十人以上が大学の運営に携わる理事を務め、副学長や事務局長など影響力の大き いポストも目立つ。  予算委で河野氏は、特に事務局長について「出向者が占めている」と指摘。「さまざま な補助金などで文科省が各大学に(影響力を)持っている中、これだけ大量に出向してい る。国立大学は独法になったのに独立していない」などと批判した。  松野氏は「出向は学長の要請に基づいて行う。行政で得た知見を大学改革に役立てる一 方、(出向者が)現場感覚を養うメリットも考えている」と理解を求めたが、河野氏は 「既得権を残すための方便だ」と指摘した。 <国立大学法人> 国立大学設置を目的に、国立大学法人法に基づいて設置。大学の自主 性に配慮し、国立大学ごとに法人化して、自主的な運営を行わせることで、教育研究水準 の向上を図るとの狙いがある。2003年成立の同法人法に基づいて、04年に法人化さ れた。 「大学は文科省の植民地か」自民・河野氏追及 毎日新聞2017年1月26日 12時47分 http://mainichi.jp/articles/20170126/k00/00e/010/271000c  自民党の河野太郎前行革担当相は26日午前の衆院予算委員会で、文部科学省の官僚が 国立大学法人に幹部として出向する「現役出向」が241人に上り、そのうち理事が76 人を占めるというデータを示し、「大学は文科省の植民地になっているのではないか」と 追及した。今月1日現在の数字だという。  河野氏は「文科省は大学の運営交付金や補助金のさじ加減を握っている」と指摘。今回 の天下りあっせん問題を踏まえ、現役出向をやめるよう求めた。松野博一文科相は「出向 は国立大学法人の学長からの要請に基づき行われている。現場感覚を養い、行政に反映で きるメリットもある」と答弁した。  また、山本幸三国家公務員制度担当相は、天下り問題に関する全府省庁対象の調査につ いて「外部の目がしっかり入る形でやっていきたい」と表明。松野氏も文科省の調査に 「有識者や弁護士に関与してもらう」と述べた。【光田宗義】 衆院予算委 与党も天下り追及…政府の本気度疑問視 毎日新聞2017年1月26日 21時14分 http://mainichi.jp/articles/20170127/k00/00m/010/089000c  26日の衆院予算委員会で、自民党の河野太郎前行革担当相が文部科学省による天下り あっせん問題を厳しく追及した。政府は全府省庁を対象にした調査を実施し再発防止に努 める方針だが、野党だけでなく与党からも本気度を疑問視された格好で、早期に幕引きと はいきそうにない。  河野氏は政府に遠慮なく切り込んだ。安倍晋三首相は「現行制度による厳格な監視が機 能したから事案が明らかになった」と繰り返しているが、河野氏は再就職等監視委員会の 委員4人が非常勤だと指摘し、体制充実を求めた。  山本幸三国家公務員制度担当相が「どこまでできるか検討したい」と答弁すると、「へ っぴり腰では困る」と一喝。野党委員から拍手を浴びた。  もともと歯に衣(きぬ)着せない発言が持ち味の河野氏。文科省による内部調査を「泥 棒に泥棒の見張りをさせても意味がない」と批判し、松野博一文科相が「有識者、弁護士 に関与してもらう」と答えても「関与では弱い」と納得しなかった。  さらに、文科省の官僚が国立大学法人に幹部として出向する「現役出向」が241人に 上るというデータを披露。「国立大学法人は文科省の植民地になっているのではないか。 出向をやめるべきだ」と天下り以外でも同省の姿勢をただした。(以下略) "[he-forum 19287] しんぶん赤旗(主張)1/30","しんぶん赤旗 2017年1月30日(月) 主張 奨学金・学費の改革 政治の姿勢変えれば打開可能  経済的理由で大学に進学できない、学業を続けられない―。格差と貧困の広がりの中で、学ぶ機会が奪われる若者が増えていることは日本社会の大問題 です。安倍晋三政権はようやく返済不要な給付型奨学金の導入を決めましたが、あまりに規模が小さく、関係者に失望を広げています。高すぎる学費の問題を抜 本的に解決する意思もまったくみせません。若者が「お金がなくて学べない」状態を本格的に打開するために、政治の姿勢を変えることが、いまこそ求められま す。 生活費は1日850円  日本の大学の授業料は国立の標準額が約54万円、私立は平均で約86万円です。入学金などを含めると大学進学1年目に収める額は国立で約82万 円、私立は平均約131万円にもなります。経済協力開発機構(OECD)加盟国の半数で大学の学費が無償になっていることから見て異常な高さです。国民の 所得が低下している中で、大学授業料は90年に比べて国立で約20万円、私立は平均で約25万円も上がり、経済的にはますます“狭き門”になっています。  東京地区私立大学教職員組合連合が毎年行っている調査によると、首都圏の私立大学生への平均仕送り額は2001年度以降、15年連続で減少しています。仕送り額から家賃を引いた自宅外生の1日の生活費は平均でわずか850円(15年度)にしかなりません。  学費や生活費を払えず進学をあきらめざるをえない。せっかく進学しても深夜までアルバイトで全然勉強ができない。さらには中退に追い込まれる。そんな若者たちを放置したままの国に未来はありません。  世論と運動の広がりによって安倍政権は17年度から給付型奨学金の一部導入を決めました。しかし給付を受けられるのは、本格実施される18年度か らでも1学年わずか2万人で、全学生に対する受給率は世界各国と比べ桁違いの低さです。こんな「すずめの涙」では経済的に苦しい広範な若者を支えることは できません。  衆院予算委員会で給付型奨学金の抜本的拡充を求めた日本共産党の宮本徹議員の追及に、安倍首相らは財源を理由に後ろ向きの姿勢しか示しませんでした。  今ある奨学金制度を改悪してやり繰りしようという安倍政権の発想では打開できません。財源がないのではなく、確保しようという本気の構えが政府にないのです。  在日米軍の駐留経費負担などの無駄づかい、大企業を中心とする法人税減税の大盤振る舞いの見直しなどで財源は十分生まれます。政治の姿勢を変えれば、奨学金制度の大幅な拡充と改善、高すぎる学費の引き下げは実現できます。 高等教育予算の増額こそ  日本共産党は(1)大学の授業料を国立も私学も段階的に引き下げ10年間で半減する(2)月額3万円(年間36万円)の給付型奨学金を70万人(学生総数の4人に1人)に支給する制度をまず創設し、規模を拡大する―を提案しています。  日本は大学など高等教育への公的支出の割合がOECD諸国で下から2番目に低くなっています。税金の集め方や使い方を変え、高等教育予算をOEDC平均並みにすることが必要です。憲法が掲げる教育の機会均等の実現へ向け国民の運動をさらに進めましょう。 "[he-forum 19286] しんぶん赤旗1/30","しんぶん赤旗 2017年1月30日(月) 給付型奨学金の問題点 受給できない 他の支援削減  世論と運動に押されて導入される返済不要の「給付型奨学金」。2017年度は私立の自宅外生など2800人から先行実施し、18年度から2万人規模とします。安倍晋三首相がいうように、経済的理由で大学に行けない人を救済することになるのか見てみると―。 ■対象者―全学生のわずか2.5%  支給枠の1学年2万人は、全学生のわずか2・5%弱です。各国の給付型奨学金の受給率をみると、アメリカ47%、イギリス48%、ドイツ25%などとなっており、日本とはケタ違いです。  収入基準も住民税非課税世帯と対象を狭くし、高校生の子どもが1人いる世帯では年収221万円以下となります。この基準を満たす学生は1学年15万9千人、うち大学進学者は6万1000人と推計されていますが、それでも3分の1以下の支給枠です。  文科省は全国5千の高校に1人以上を割り振り、高校側は(1)高い学習成績(2)部活など教科以外の活動成績―をもとに選定します。  こんな規模では、受給できる基準を満たしても給付型奨学金をもらえない人が出てくることが予想されます。成績が悪いと判断されれば打ち切られ、途中で返還を求められることにもなりかねません。 ■給付額―国公立自宅生 給付なし  給付額は国公立大の自宅が月額2万円、同自宅外と私大の自宅生が3万円、私立自宅外が4万円となっています。  ところが、国公立大で授業料免除の対象者となる自宅生には支給せず、自宅外は1万円減の2万円とする計画です。国立大の授業料減免には税金を投入しているため、私学とのバランスを取るという理由ですが、国立大の自宅生で受給できる人はゼロとなります。 ■財源―別の奨学金を削減してねん出  政府試算では給付型奨学金の本格実施となる18年度は約72億円、4年生まで行き渡る21年度には約220億円が必要です。  その財源は、生活福祉貸付金の縮小などとともに、奨学金制度の見直しでねん出します。大学院生の奨学金返還免除の縮小や、無利子奨学金の借り入れ金額を制限します。  大学院生の4人に1人は奨学金500万円以上を借りていますが、返還免除制度が縮小されれば、ますます大学院に行くのが困難になります。  無利子奨学金では足りず、有利子奨学金を借りている人は約11万2千人にのぼります。無利子の借入金額が減らされれば、有利子奨学金を増やすことになります。  日本共産党は、せめて諸外国並みに全学生数の2割強となる70万人に月3万円を支給すると提案。同時に、学費の半減に踏み出すように求めています。  安倍晋三首相は28日の衆院予算委員会で「限られた予算のなかで給付型奨学金を始めていきたい。財源を確保するなかで増やしていきたい」と表明。 日本共産党の宮本徹衆院議員は、4兆円の法人税減税や5兆円突破の軍事費など見直せば財源はいくらでもあると指摘し、抜本拡充を強く求めました。 "[he-forum 19288] 「軍事研究、大学はどう向き合うか 学術会議が4月結論」朝日新聞1/30","軍事研究、大学はどう向き合うか 学術会議が4月結論  朝日新聞1/30  大学などの学術界は、軍事研究とどう向き合うべきか――。日本学術会議の「安全保障 と学術に関する検討委員会」が昨年6月から計16時間以上議論し、今月16日に中間と りまとめを公表した。今後、2月4日の公開討論会を経て4月の総会で結論を出すが、こ れまでどんな議論が行われてきたのか。 ■「学問の自由」が焦点  議論の焦点の一つは、憲法23条が保障する「学問の自由」についてだ。研究成果の公 開(公開性)と、研究者の創意に基づく自由な研究(自律性)の二つを巡り、意見が交わ された。  学術は、研究者が論文や学会で成果を公開し、自らの意思で独創的な研究を行うことで 「公開性」と「自律性」を車の両輪として発展してきた。だが、議論の背景には学問の自 由を巡る懸念がある。  具体的には、防衛装備庁が大学などを対象に2015年度に始めた「安全保障技術研究 推進制度」での成果の「公開性」だ。防衛装備庁は「原則公開」とするが、山極寿一委員 (京都大学長)は「防衛に関わる研究が常に公開できるとは正直思えない」と指摘。現在 の制度では、防衛装備庁が研究の管理をする点を踏まえ、「公開するかどうかは基本的に 研究者が判断すべきだ」と主張した。  佐藤岩夫委員(東京大教授)は成果が法の特定秘密に指定される懸念を示し、「もとも と特定秘密保護法の本質は罰則による情報の秘匿にあり、学術との緊張関係は大きい」と 述べた。  「自律性」への指摘も多かった。政府は自由な研究に使える運営費交付金を減らし続け ている。検討委で意見を述べた名古屋大の池内了名誉教授は「多くの研究者は研究が困難 になっている。たとえ防衛省の資金でも、研究を維持したいと望む研究者が生み出されて くる」と指摘した。  これに対して、小松利光委員(九州大名誉教授)は、国の安全保障への貢献は社会の負 託だとし、「国の自衛のための研究は国民としての義務。そこに積極的に貢献したい研究 者を否定するのは、学問の自由の束縛だ」と反論した。  杉田敦委員長(法政大教授)は、中間取りまとめを発表した際、「学問の自由」と「社 会貢献」との対比で議論を整理し、「学問の自由は、仮に独善的と言われても守らなけれ ばすぐに崩れてしまう。学術会議にとって学問の自由、科学者の自由を守ることは一番重 要な課題だ」と述べた。 ■民生技術との線引き困難  もう一つは、軍事技術につながる研究と、私たちの生活で利用する民生技術の研究は区 別できるか、という点だ。  軍事技術と民生技術の両面を持つ研究の代表例にインターネットがある。ほかにも、京 都大の福島雅典名誉教授が委員会に提出した要望書によると、リハビリのために開発され たパワーアシストスーツを健康な人が紛争地で装着したり、胎児心電図の技術を使って潜 水艦やミサイルのシグナルをとらえたりできるような研究もある。  検討委では「軍事研究と民生技術研究は線引きできない」という意見が目立った。検討 委で意見を述べた情報セキュリティ大学院大学の林紘一郎教授は、大規模なサイバー攻撃 は「武力の行使」になりうるとして、「セキュリティー技術の善用と悪用の区別は困難 だ」と指摘。長崎大核兵器廃絶研究センター長の鈴木達治郎氏も委員会の場で「すべての 科学技術は軍事転用できる」として、研究成果が軍事転用・悪用されない仕組みが必要だ と訴えた。  自衛のための研究と攻撃の技術を切り分けることの検討もされた。大西隆会長(豊橋技 術科学大学長)は昨年10月の総会で、学長として承認した毒ガスのフィルターの研究は 「攻撃的な兵器を作ろうということではない」と説明。これに対し、「防衛的なことが攻 撃的の裏返しだということもある」という意見も出た。中間とりまとめでは「こうした政 治的事項について学術会議として意思決定することは適切ではない」などとして争点化を 避けた。 ■問われる 科学者の良心  日本学術会議は、軍事研究に対し、これまで2回の声明を出している。米ソ冷戦や朝鮮 戦争直前の状況を反映した1950年の声明では「科学者としての節操を守るため、戦争 を目的とする科学の研究には、今後絶対に従わない」と決議。ベトナム戦争を背景にした 67年にも、「戦争目的の科学研究を行わない」とした。  今回、検討委員会が置かれたのは軍民両用で利用可能な技術が数多く生まれ、「時代の 変化を受けてあらためて検討が必要だ」(大西会長)との問題意識からだ。ただ、現状は 過去2回と変わっていない、との主張もある。井野瀬久美恵委員(甲南大教授)らによる と、過去2回も「反省」一色ではなかったという。  50年声明の際には、医学や工学系の科学者から「戦争になったら科学者が国家に協力 するのは当然」とする意見が寄せられたという。科学や技術がいわば両刃の剣であること も指摘されていた。井野瀬教授は、過去2回の声明は、そうした対立を乗り越えたものだ ととらえている。「今回の議論の本質は、科学者として守るべき良心と矜恃(きょうじ) を明確に示すことだ」と話す。(嘉幡久敬、杉原里美、竹石涼子)      ◇ ■中間とりまとめの骨子 ・学問の自由は政府によって制約されたり政府に動員されたりしがちであるという歴史的 経験をふまえ、学術研究の自主性・自律性を担保する必要がある。 ・安全保障と学術との関係を検討する際の焦点は、軍事研究の拡大・浸透が、学術の健全 な発展に及ぼす影響である。 ・安全保障技術研究推進制度は、将来の装備開発につなげる明確な目的があり、防衛装備 庁の職員が研究の進捗(しんちょく)管理を行うなど、政府による研究への介入の度合い が大きい。 ・自衛権についてどう考えるかの問題と、大学等における軍事研究についてどう考えるか の問題とは直結するものではない。 ・大学等の各研究機関は、軍事研究と見なされる可能性のある研究は、その適切性を技術 的・倫理的に審査する制度を設けることが望まれる。      ◇ ■戦後の科学技術と軍事をめぐる動き 1945年8月 終戦      9月 GHQが原子力研究を禁止。その後、航空、レーダー、テレビなどの研 究も禁止 1949年1月 日本学術会議が発足 1950年4月 日本学術会議が声明「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決 意の表明」を発表 1950年6月 朝鮮戦争が始まる 1952年3月 GHQが兵器製造許可を日本政府に指令      4月 サンフランシスコ講和条約が発効 1954年4月 日本学術会議が核兵器研究の拒否と「公開・民主・自主」の原子力研究 3原則を声明 1957年8月 日本原子力研究所の研究炉が臨界。日本初の「原子の火」がともる 1967年10月 日本学術会議が「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を発表 2008年8月 防衛目的の宇宙利用に道を開く宇宙基本法施行 2014年4月 武器の「原則禁輸」を撤廃する防衛装備移転三原則が閣議決定 2015年7月 安全保障に役立つ技術開発を進めるための、研究費を支給する「安全保 障技術研究推進制度」の公募を防衛省が開始 2016年5月 日本学術会議が軍事と学術の関係を議論する検討委員会を設置 2017年1月 同検討委が中間とりまとめを公表      4月 結論を出す予定      ◇ ■安全保障と学術に関する検討委員会委員 委員長 杉田敦・法政大教授(政治学) 副委員長 大政謙次・東京大名誉教授(農学、環境学) 幹事 佐藤岩夫・東京大教授(法学) 幹事 小松利光・九州大名誉教授(土木工学・建築学) 委員 井野瀬久美恵・甲南大教授(史学)    向井千秋・東京理科大特任副学長(総合工学、臨床医学)    森正樹・大阪大教授(臨床医学)    山極寿一・京都大総長(統合生物学、地域研究)    大西隆・豊橋技術科学大学長(土木工学・建築学)    岡真・東京工業大教授(物理学)    土井美和子・情報通信研究機構監事(情報学、電気電子工学)    花木啓祐・東京大教授(環境学、土木工学・建築学)    安浦寛人・九州大理事・副学長(情報学、電気電子工学)    小林傳司・大阪大理事・副学長(哲学)    小森田秋夫・神奈川大教授(法学、地域研究) "[he-forum 19290] しんぶん赤旗2/1","しんぶん赤旗 2017年2月1日(水) 軍事研究推進制廃止を 大学教授ら署名呼びかけ  大学などが行う軍事技術の研究に防衛省が資金を提供する「安全保障技術研究推進制度」の廃止を求め緊急署名を呼びかける記者会見が31日、参院議員会館で開かれ、大学教授や教員ら7人の呼びかけ人が訴えました。  緊急署名は、安倍政権が同制度の予算を2017年度110億円計上したことに危惧を表明。「軍事研究を行わない」とした戦後の学術の原点に立ち返って、防衛省には制度の廃止を、各大学・研究機関には応募しないことなどを求めています。  会見では池内了(名古屋大学名誉教授)、井野博満(東京大学名誉教授)、鵜飼哲(一橋大学教員)、香山リカ、西谷修(ともに立教大学教授)、川嶋 みどり(日本赤十字看護大学名誉教授)、西山勝夫(滋賀医科大学名誉教授)の各氏が決意表明。池内氏は、軍事研究への急激な予算の増額には、軍学共同路線 を強めたい政府の意図があると指摘し、「研究の自由や大学の自治が担保されるか危惧を抱いており、反対の動きを強める」と話しました。  日本学術会議が軍事研究について議論している検討委員会の中間とりまとめに対して、日本科学者会議の井原聰事務局長が発言。委員会の議論では「兵 器など直接の軍事研究でなければ許容するという声も出ている」と述べ、学術会議が過去に発表した声明での「軍事研究は行わない」立場を堅持するよう求めま した。= "[he-forum 19289] しんぶん赤旗2/1","しんぶん赤旗 2017年2月1日(水) 文科省 大学天下り133人 09年から 支配の実態 浮き彫り  第1次安倍政権下の国家公務員法改悪(2007年)による官僚の天下り(再就職)原則自由化を受け、文部科学省から大学に天下りした官僚の総数 が、のべ133人に上ることが31日までに分かりました。同改悪法施行(08年12月)直後の09年1月から16年9月末までの総計で、日本共産党の宮本 岳志衆院議員の要求に応じて同省が資料を提出しました。  内訳は国公立大19人、私立大114人で、天下り先は計102大学に上ります。天下り後の役職は、学長と副学長が8人、事務局長などが42人、理 事、参与、顧問などが24人、教授、特任教授、講師などが42人でした。大学への補助金などを配分する権限を持つ同省からは、現役の官僚が241人も国公 立大に出向しており、要職への天下りも含め、人的にも同省が大学を半ば支配する実態が浮き彫りになりました。  あっせんが疑われる離職後2カ月以内の再就職者は89人です。うち40人は離職翌日に再就職しており、離職当日の再就職も1人います。今回、違法 な天下りが発覚して早稲田大を辞職した吉田大輔元高等教育局長は、同局長在職中の15年8月、文科省の人事課を通じて自身の履歴書を同大に送り、離職2日 後に面接を受け、2カ月後に天下りしました。  宮本岳志議員の話 天下り官僚は副学長や事務局長など重要ポストを占めている。天下りは再就職先の確保とともに、文科省いいなりの大学づくりを狙 うものだ。文科省はグローバル競争に打ち勝つ人材育成を掲げて、大学の機能強化の名で国策に沿う大学づくりを進めてきた。その方針を大学に持ち込んでいる のが天下り官僚であり、実態の徹底究明が必要だ。= "[he-forum 19292] 大学無償化へ「教育国債」…自民が検討方針:読売新聞2/3","大学無償化へ「教育国債」…自民が検討方針 高等教育無償化は憲法改正項目としても浮上 読売新聞 2017年02月03日 自民党は、大学などの高等教育の授業料を無償化した場合の財源として、使い道を教育政 策に限定する「教育国債」発行の検討に着手する方針を決めた。 近く、総裁直属の「教育再生実行本部」(桜田義孝本部長)にプロジェクトチーム(PT) を設置する。政府の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)への明記を目指し、 5月頃までに中間報告をまとめる方針だが、党内には異論もある。 高等教育の無償化は、安倍首相が検討に前向きな姿勢を示している。1月20日の施政方針 演説では「憲法が普通教育の無償化を定め、義務教育制度がスタートした。高等教育も全 ての国民に真に開かれたものでなければならない」と述べた。 高等教育の無償化は、憲法改正項目としても浮上している。日本維新の会が幼児教育から 高等教育までの無償化を憲法に明記する改憲を主張しており、自民党としては、財源の検 討に着手することで、改憲論議を加速させる狙いもある。 文部科学省などによると、全国の大学・短大が学生から徴収している年間授業料は約3兆1 000億円に上る。自民党のPTでは、高校や幼児教育にかかる費用の無償化も検討する方針 だが、それらも含めて国が負担すると、総額で約5兆円が必要との見方がある。 党内では、国債で調達した資金の使途を教育に限定することで、「将来の日本を支える人 材を育てる投資だという意義を前面に掲げられる」(文科相経験者)との声がある。「教 育国債」導入には法整備が必要となる。 しかし、財政規律を重視する議員からは、教育費の負担を将来世代に負わせることになる として、国債発行に疑問の声が出ている。党税制調査会幹部は2日、「教育国債」につい て「新しいのは名前だけだ。中身が借金である赤字国債であることは変わらない」と語っ た。 また、大学の無償化に対しても、「高卒で働いている人もいるのに公平性が問われる」 (閣僚経験者)などと慎重論がある。 "[he-forum 19291] <総合科技会議>軍民両用研究を推進 政府、月内に検討会:毎日新聞2/3","総合科技会議 軍民両用研究を推進 政府、月内に検討会 毎日新聞2017年2月3日 東京朝刊  政府の総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍晋三首相)が、軍事にも民生に も使える軍民両用技術の研究推進に向け、本格的議論を始める方針を固めた。国家安全保 障と科学技術に関する検討会を月内にも設ける。「科学技術政策の司令塔」とされ、予算 配分方針を決める同会議が安全保障を主題とするのは初めて。重点施策で防衛分野の比重 が増し、大学や公的研究機関で軍事的研究が加速する可能性がある。  昨年閣議決定された今年度からの「第5期科学技術基本計画」は、安全保障に関する項 目を初めて設け、「国家安全保障上の諸課題に対し、必要な技術の研究開発を推進する」 と明記した。検討会は実現に向けた方策や体制を議論する。  具体的には海洋、宇宙、サイバーなどを重視する。防衛省のニーズと文部科学省などが 持つ研究の情報を合わせ、研究開発の進展を図る体制作りも検討する。  検討会の有識者には、安全保障の専門家や防衛装備品メーカー幹部らが内定。防災やテ ロ対策から検討を始め、防衛分野を議論し、来年度にまとめる科学技術政策全体の総合戦 略や2018年度予算案に内容を反映させる見通し。  日本の科学技術政策は戦後、防衛分野とは一線を引いてきた。だが、昨年9月の同会議 に稲田朋美防衛相が臨時議員として加入。安倍首相は「国家安全保障に貢献する技術につ いては、本会議と防衛省などが連携して強化に取り組んでほしい」と言及し、内閣府など が具体化を進めてきた。  政府関係者は「日本の安全保障環境は厳しさを増しており、科学技術力の活用が不可欠 だ。民間の目を入れ、科学技術の発展に資する観点から既存の防衛関連研究も審査するの で透明性が高まる」と意義を語る。  軍事研究を巡っては、科学者が戦争協力した反省から、科学者の代表機関・日本学術会 議が1950年と67年に戦争と軍事目的の研究を否定する声明を決議している。だが、 学術会議は昨年5月以降、再検討する議論を続けており、春にも見解を示す方針だ。【千 葉紀和】  ◇総合科学技術・イノベーション会議  日本の「科学技術政策の司令塔」とされ、経済財政諮問会議などと並ぶ国の重要政策会 議の一つ。内閣府に設置され、首相を議長に官房長官、科学技術政策担当、総務、財務、 文部科学、経済産業の各閣僚と、大学教授や企業経営者ら有識者の計15人で構成。5年 ごとの科学技術基本計画を策定するほか、重点分野や予算配分方針などを決める。195 9年に首相の諮問機関として設置された科学技術会議が元になり、2001年に総合科学 技術会議に。さらに技術革新を重視して14年に現在の組織に改組された。略称はCST I(システィ)。  ◇平和的発展の「科学技術政策」根幹が変質する恐れ  総合科学技術・イノベーション会議が安全保障の議論を本格化する背景には、日本の防 衛戦略には民生技術の取り込みが不可欠という認識と共に、軍事面も含めて幅広く科学技 術の振興を図る米国を理想とする発想が垣間見える。だが、科学技術政策の本丸で「軍 民」の区別があいまいになれば、戦後日本で平和的に発展してきた科学技術政策の根幹が 変質する恐れがある。  米国では大学などの基礎研究費が国防総省からも配分され、軍民両用の研究開発が技術 革新を生む原動力の一つとされている。自民党内や経済界には「米国をモデルに国家と国 民を守る技術開発を進め、結果的に民間転用されて経済成長につながればよい」との期待 が大きい。財源が限られる中、こうした言葉は研究者たちにも魅力的な響きを持つかもし れない。  だが、世界一の軍事大国で軍産複合体が力を持つ米国モデルを安易にまねても日本で成 立するとは限らない。さらに、科学技術予算としてさまざまな省庁から予算が配分されれ ば、軍事研究に相当するものかどうかが資金の出所からは見えにくくなる問題もある。  日本が目標とする「科学技術創造立国」と平和憲法を両立するために科学技術と防衛政 策との一線はどうあるべきか、慎重な議論が求められる。【千葉紀和】 "[he-forum 19293] 「「教育」が政局占うカギに 首相、財政再建先送り?」:日経新聞2/3","「教育」が政局占うカギに 首相、財政再建先送り? 維新を改憲の糸口に 民進は対決しにくく 2017/2/3付日本経済新聞 朝刊  1月に始まった通常国会では、安倍晋三首相が教育重視を前面に打ち出す姿勢が目立つ。 主な論点は大学など高等教育の無償化だ。  兆円単位の財源が必要となるにもかかわらず首相が理解を示す発言を繰り返すのはなぜ かと頭を巡らすと、憲法改正や今年秋以降の衆院解散・総選挙をにらんだ戦略が浮かぶ。 どうやら教育問題は今後の政局を占うカギとなりそうだ。  首相は成長戦略の一環として教育分野への投資拡充を掲げる。人材高度化で労働生産性 を高め、家庭の教育負担軽減で少子化対策にもつなげる考えだ。1月20日の施政方針演説 でも7項目のうち1項目を「教育再生」に割いたが、これまでとずいぶん趣が異なった。  「本年は憲法施行から70年の節目だ。経済も社会も大きく変化した。高等教育もまた、 すべての国民に真に開かれたものでなければならない」。第2次政権発足以降、すべての 演説で何らかの形で教育再生に触れたが、道徳教育の拡充や貧困家庭への教育支援などが 中心。改憲の可能性にまで踏み込んだのは今回が初めてだ。意識したのは、高等教育の無 償化を改憲の柱に掲げる日本維新の会だ。政局的な思惑がにじむ。 ○「自公維」芽残す  現在、憲法26条は小中学校など義務教育を無償とし、大学など高等教育は無償化の対象 外だ。維新は、前身のおおさか維新の会時代にまとめた改憲原案で(1)経済的理由で教育 機会を奪われない(2)幼児期教育から高等教育までを無償とする、とした。  首相は演説で「誰もが希望すれば進学できる環境を整えねばならない」と維新案に歩み 寄った。維新から与党寄りの姿勢を引き出し、教育を切り口に改憲に向けた議論にも取り 込む狙いだ。  維新は1月に成立した2016年度第3次補正予算に賛成した。首相は「自維連携」をちら つかせ、改憲論議に慎重な公明党や民進党に議論を促す呼び水にしたい考えだ。秋以降に 想定される衆院選では改憲発議に必要な3分の2を失う可能性もある。維新をつなぎ留め 「自公維」の芽を残す側面もある。  民進党は対応に苦慮する。もともと教育無償化は旧民主党時代から掲げてきたテーマ。 旧民主党政権時には高校無償化法も成立させた。昨年12月にまとめた次期衆院選に向けた 経済政策の公約でも就学前教育と高校、大学の無償化を明記した。  だが首相まで教育無償化を強調し始めると、民進党にとって政権と対峙する目玉政策が かすむ。民進党の野田佳彦幹事長が無償化は「改憲しなくてもできる」と対決姿勢を示す が、若手議員からは「選挙を考えると対決姿勢は取りづらい」との声が漏れる。  首相が同一労働同一賃金や教育無償化など、民進党が得意としてきた分配政策に意欲を 示すほど、次期解散・総選挙に向けて民進党の支持基盤が切りくずされていく。 ○失敗批判かわす  首相にはさらに秘めた思惑があるのではないか――。そう語るのはある自民党長老議員 だ。「首相は高等教育の無償化を口実に、財政健全化目標の達成を先送りするつもりでは ないか」とみる。  教育無償化で新たに生じる国の財政負担額を、民進党は約5兆円、維新は約4.3兆円と 試算する。現在、各家庭で負担している義務教育以外の教育費が総額でこの規模という。 一方で、首相は20年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒 字化を達成する目標を掲げる。所得制限を設けて無償化の対象を限定しても、財政健全化 との両立は難しい。  そもそも現状でも、内閣府が1月公表した試算では20年度のPBが8.3兆円の赤字と目 標達成からほど遠い。達成できなければアベノミクスは失敗だと批判される。批判を免れ るにはどうするか――。そこで前出の長老議員の見方がにわかに説得力を増すわけだ。  首相の真意が何にせよ、国会で教育問題を巡る議論が活発になってきたことだけは間違 いない。海外に目を移すと、昨年の米大統領選挙では中流~貧困層の支持を集めてトラン プ氏が当選。教育機会の拡大など格差是正の取り組みは世界共通の課題だ。日本でも教育 問題は政策、政局両面で台風の目となりそうだ。 (島田学) "[he-forum 19296] 毎日新聞2/8","毎日新聞2017年2月8日 07時00分(最終更新 2月8日 07時58分) 米空軍 大学研究者に8億円超 日本の延べ128人  10~15年度 軍事応用の恐れ  米空軍が2010年度以降の6年間に、日本の大学研究者ら少なくとも延べ128人に総額8億円超の研究資金などを提供していたことが、毎日新聞の調査で 分かった。また、10~16年度に京都大と大阪大の教授ら11人が米空軍と海軍から計約2億円の研究費を受けたことも、両大学への情報公開請求で判明し た。 <日本学術会議>軍事研究に慎重姿勢 検討委が中間案  米軍からの資金受領に法的問題はないが、科学者の代表機関・日本学術会議は1967年、研究者や学会が米軍から資金提供を受けていたことをきっかけに、 軍事研究を禁じる声明を出した。今回、資金受領が判明した教授らは「研究は平和目的で軍事研究には当たらない」と説明しているが、研究成果を米軍が軍事応 用する可能性がある。 米空軍から日本の研究者への資金提供推移  米空軍が毎日新聞に開示した資料によると、10~15年度(米会計年度)に日本国内の研究者延べ128人に研究費として約7億5000万円を提供してい た。さらに国際会議の費用と研究者の米国出張旅費でも計125件、計5000万円以上を支援した。研究者や大学名、個別の研究内容は明らかにしなかった。 提供理由について、米空軍のダリル・メイヤー報道官は「米国だけでは手に入らない貴重な知見が得られるため」としている。  一方、資金受領が判明したのは、京大情報学研究科の男性教授、阪大工学研究科の男性教授ら京大2人、阪大9人(現在は他大学に移った人も含む)。それぞ れ米空軍のアジア宇宙航空研究開発事務所(AOARD)、米海軍の海軍研究局(ONR)の出先機関を通じて研究テーマを申請し、1人約150万~4500 万円を受け取った。  教授らの研究分野は人工知能(AI)やレーザー技術など。米国防総省は14年に発表した技術戦略で、AIを搭載した無人兵器につながる自律型システムの 重視を挙げた。また、レーザーは砲弾やミサイルに代わる新兵器につながるなど、米軍が将来兵器の技術として重視する分野と重なる。  京大と阪大はともに「適切な学内手続きを経て、受け入れを了承した」としている。【千葉紀和】 軍備増強に加担するな  山崎正勝・東京工業大名誉教授(科学史)の話 日本学術会議の声明に反するのは明らかで、日本の研究者が米軍の軍備増強に加担すべきではない。研究費は 資金源と共にどういう文脈で出ているかが問われる。米軍資金による研究成果は民生利用できるとしても軍が使うことが前提であり、軍事研究そのものだ。これ だけ多くの研究者が受け取っているのは問題で、学術界や国民的な議論が必要だ。 "[he-forum 19295] 朝日新聞2/6","朝日新聞 2017年2月6日13時31分 天下り仲介OBへの費用支援、文科省側が提案か  文部科学省が同省人事課OBを仲介役にして組織的に「天下り」 をあっせんしていた問題で、文科省が同省系の一般財団法人に対し、この人事課OBのあっせん活動を支援するため、事務所の家賃や秘書給与の肩代わりを提案 していた可能性が高いことがわかった。複数の事務次官ら同省官僚トップが、あっせんの枠組みを知っていたことも明らかになった。  同省が6日、こうした内容を含む調査報告を発表した。  この人事課OBは2009年7月に文科省を退職後、天下りのあっせんに関与する傍ら、14年1月に東京都内 に「文教フォーラム」という団体を設立。文科省系の公益財団法人「文教協会」(東京)が14~16年の3年間、計約900万円の家賃を負担していたことが 明らかになっている。また、文科省系の一般財団法人「教職員生涯福祉財団」が協会に職員を出向させ、給与を負担。職員はOBの秘書業務を担っていたことも わかっている。  6日に公表され、松野博一文 科相が「文科省が作成した可能性が高い」とした「再就職支援業務について」(13年9月11日付)という文書によると、文科省側がこの人事課OBによる再 就職支援活動に「一定の資金が必要になる」ため、「秘書給与及び執務室賃料等については、教職員生涯福祉財団等に負担していただけないか」と提案していた という。  生涯福祉財団は、執務室の賃料負担は「難しい」としたうえで「再就職支援業務が財団から切り離されるのであれば、秘書給与(現状400万円程度) や執務室賃料(現状月10万円程度)を文教協会を経由して業務委託費という形で支援できる」との見解を示したことになっている。  実際は、家賃は公益財団法人の「文教協会」が、秘書給与は生涯福祉財団が、それぞれ負担している。  この人事課OBは朝日新聞の取材に対し、「国から言われてやったわけではない」と答えていたが、省ぐるみで天下りのあっせんを続けていた構図が強まった。  また、文科省の調査によると、人事課OBによる再就職のあっせんは、2009年にこの人事課OBが退職してから始まった。当時は「ボランティアと いう認識」だったという。その後、あっせんは徐々に拡大し、人事課の関与も増え13年ごろまでには組織的に人事課OBと共同して再就職のあっせん体制が構 築されていった。  14年にはこの人事課OBが「文教フォーラム」を設立。人事課との情報提供の関与はさらに大きくなっていき、ここ数年は、人事課OBの求人情報に 応じる形で人事課が提案を行い、OBが調整していたことも確認したという。人事課長や事務次官、文部科学審議官もこうした人事課OBによる再就職のあっせ んを認識していた。 "[he-forum 19294] しんぶん赤旗2/6","しんぶん赤旗 2017年2月6日(月) 文科省天下り問題の焦点 行政のゆがみ究明を  文部科学省からの組織的な天下り(再就職)あっせん問題が連日国会で追及されています。これまでに浮かび上がった実態や問題点は―。(和田肇)  安倍政権は2007年の国家公務員法改定で天下りを原則自由化する一方、省庁によるあっせん行為や、在職中の求職活動などに限って禁止しました。 違法なあっせん  退任後2カ月で早稲田大学に天下りした吉田大輔元高等教育局長は在職中、早稲田大に再就職するため文科省人事課を通じて履歴書を早稲田大に提出し ました。国家公務員法に明白に違反するケースです。松野博一文科相は「再就職の規制の理解が不十分で関連法令の順守の意識が不足していた」と弁明しまし た。しかし、内閣府再就職等監視委員会の調査に対し、文科省は早稲田大と口裏を合わせてごまかそうとしていました。違法と認識していたことの表れです。文 科省は違法と知りながらなぜあっせんしていたのか、早稲田大もなぜ受け入れたのか―などの解明はこれからです。  これとは別に、文科省人事課OBが天下りの仲介役を務める「OBルート」が作られていました。大学からの求人情報を文科省人事課がOBに流し、OBが大学に人物を紹介するという流れです。国家公務員法は天下りへのOBの仲介を規制していませんでした。  このOBは、一般社団法人「文教フォーラム」の理事長の肩書を持っています。同フォーラムは、文科省の天下り先となっている公益財団法人「文教協会」の分室的な位置付けで、事務所賃料(年間約300万円)は文教協会が負担していました。  文科省は、文教協会に対し「全国大学一覧」など書籍の購入費や補助金交付などで09年度以降約1億5000万円を支出。仲介役OBは同協会の参与でもありました。  文科省の前川喜平前事務次官=依願退職=は、組織的天下りの仕組みを認識した上で、仲介役のOBと協力。文教協会には、次の天下りのため代表理事のポストが空くか確認していました。  脱法的なOBルートを現職官僚と天下り官僚が支えている形です。どうやってOBルートが作られたのか、天下り団体の実態は―など真相究明が必要です。  日本共産党の宮本岳志衆院議員の調査で、文科省から大学への天下りは09年以降、のべ133人に上ることが判明。退任後2カ月以内の再就職は90人近くいて、省庁のあっせんの有無などの究明が求められます。 安倍政権の責任  文科省は、国立大への運営費交付金や私立大への経常費補助などを出す側の立場です。それが天下って補助金を受け取る側にいて何をしていたのか。こ れまでに分かっただけでも、07年に天下りを自由化した安倍政権の責任は免れません。政官業の癒着につながる天下りそのものを禁止する、抜本的な見直しに 踏み込めるかが焦点になっています。 "[he-forum 19298] しんぶん赤旗2/8","しんぶん赤旗 2017年2月8日(水) 論戦ハイライト 天下り背景に政財官癒着 衆院予算委 宮本議員の質疑 “財界が求める人材育成だ” ゆがんだ大学政策中止を  7日の衆院予算委員会での天下り問題に関する集中審議では、日本共産党から宮本岳志、塩川鉄也の両議員が質疑に立ち、問題の核心にある政財官癒着や安倍政権の責任を追及し、あるべき規制策を明らかにしました。  宮本議員は、文部科学省の組織的な天下りの背景には、文科官僚と大学との癒着だけでなく、財界が求める大学政策にいいなりになる政財官の癒着問題があると告発しました。  宮本氏は、大学の認可権限や補助金の交付決定の権限を持つ文科省の吉田大輔・元高等教育局長が、退職後わずか2カ月で早稲田大学教授に再就職した ことについてただしました。早稲田大学では、2014年度から「教育事業関係補助金」により、「世界レベルの研究を行う大学」に対して重点支援を行うとし た「スーパーグローバル大学創成支援事業」の補助金等が増えていると指摘しました。  宮本 この事業は何年何月に公募が始まり、いつ採択されたか。その時の高等教育局長はだれか。  常盤豊高等教育局長 2014年4月に公募開始、同9月26日に採択された。高等教育局長は吉田大輔氏。  宮本 事業を立ち上げたときの高等教育局長こそまさに吉田氏だ。  同支援事業で、早稲田大学は10年間で100億円の事業を構想。「世界大学ランキングトップ100」を目指せる大学を対象とした「タイプA・トップ型」に選ばれたことで、年間上限5億円の補助金を受け取れます。  宮本氏は「上限5億円で10年間といえば50億円。(構想100億円は)上限いっぱいまで受け取ろうと言う極めて野心的な構想だ」と指摘しました。  同事業は、第2次安倍内閣が2013年6月に閣議決定した「日本再興戦略」で示されていること、その前提となる「教育再生実行会議」の提言「これからの大学教育の在り方について」に書かれていることを指摘しました。  宮本 この会議には総理も出席し、首相官邸で開かれていた。この教育再生実行会議の座長はだれか。  文科相 鎌田薫早稲田大学総長。  宮本 驚いた。鎌田薫総長は自ら「教育再生実行会議」の座長として「スーパーグローバル大学」構想をまとめた。  同構想を文科省で進めた教育局長本人が、早稲田大学の「大学総合研究センター」に天下っていることを明らかにし、「これはどこからどう見ても癒着以外のなにものでもない」とただしました。  さらに宮本氏は、背景には政財官の癒着があることを批判し、「この『スーパーグローバル大学事業』の震源地はまぎれもなく財界だ」と述べました。  財界との癒着とは――。安倍内閣が設置した「産業競争力会議」に民間議員として経済同友会の長谷川閑史代表幹事、榊原定征経団連会長らが参加して います。2013年3月に長谷川氏が示したペーパーに基づいて「世界大学ランキングトップ100に10年で10校」という数値目標が示され、「教育再生実 行会議」を経て6月に閣議決定・政府方針とされました。  宮本 これは財界の言うままに、財界の要求する人材づくり、「グローバル人材の育成」とそのための「大学改革」を政治の力と補助金の誘導で大学に上からおしつけたということではないか。  安倍晋三首相 経済界の要請も踏まえて、日本再興戦略で人材教育システムのグローバル化による世界トップレベルの大学の形成を柱の一つと掲げた。  宮本氏は「文科省の天下りあっせん事件の背後には、文科官僚との癒着がある。しかしその背景には財界の求める『グローバル人材の育成』と、そのた めの大学改革という、ゆがんだ大学政策が横たわっている」と指摘。運営費交付金や私学助成など基盤的な経費を削り、競争的資金に切り替えて、大学を際限の ない競争に追い立て、天下りを受け入れざるを得ないようなところに大学を追いやっていることに触れ、「そんなゆがんだ大学政策はただちに中止すべきだ」と 求めました。 "[he-forum 19297] しんぶん赤旗2/8","しんぶん赤旗 2017年2月8日(水) 補助金獲得に元局長関与 文科省天下り 宮本岳議員が追及 衆院予算委  日本共産党の宮本岳志議員は7日、衆院予算委員会での天下り問題に関する集中審議で、文科省の組織的天下りの背景にある政財官の癒着を浮き彫りにしました。(論戦ハイライト)  宮本氏は、私学助成が減るもとで大学は助成金の獲得競争にさらされ、「資金獲得に有利になるように文科省OBを受け入れる構図ができている」と指摘し、文科省の天下り先となった早稲田大学との関係をただしました。  早稲田大学は「スーパーグローバル大学創成支援事業」(2014年4月公募開始)の対象に採択され、限度額いっぱいの年間5億円の補助金を10年 間にわたって受けようと、100億円規模の構想を提出しています。宮本氏は、同事業を立ち上げたときの文科省高等教育局長こそ、早大に天下りした吉田大輔 氏だったと告発しました。  背景には「スーパーグローバル大学」創設を掲げた「日本再興戦略」の閣議決定(13年6月)があると指摘。閣議決定に先立ち、「スーパーグローバ ル大学を重点的に支援する」と提言していたのが「教育再生実行会議」(13年5月)で、同会議の座長が鎌田薫早大総長だと明らかにし、政府と文科省、大学 のなれ合いを浮き彫りにしました。  さらに宮本氏は、財界幹部が「世界大学ランキングトップ100に10年で10校」という数値目標を産業競争力会議に示した(13年3月)のが始ま りだったと指摘。「一番の問題は政財官の癒着にある。基盤経費を削り、天下りを受け入れさせるゆがんだ大学政策はただちに中止せよ」と訴えました。安倍晋 三首相は、天下りのあっせんは禁止するといいながら「経験や知識を生かしていただくことは問題ない」と述べ、天下り禁止に背を向けました。= "[he-forum 19300] しんぶん赤旗2/11","しんぶん赤旗 2017年2月11日(土) 解説 「スーパーグローバル大学」 授業料値上げを誘導  「スーパーグローバル大学創成支援事業」(SGU)に採択された私立大学の授業料の値上げ幅が他大学より大きいのは、SGUが授業料の値上げを誘 導する仕組みを持っているからです。SGUは、外国人教員や英語の授業を増やすなどの国際化に必要な経費の半分を国が10年間にわたり補助し、残りは各大 学が負担する事業です。採択された私立大学のほとんどは、増額した経費を授業料の値上げによって賄っています。  早稲田大学は、文科省に提出したSGUの構想調書で事業規模を10年間で100億円と構想し、そのうち約50億円、毎年5億円を大学負担としています。授業料の値上げにより毎年約13億円の増収を見込んでおり、大学負担分を大きく上回ります。  2017年度はSGUの中間評価があり、各大学は、財政支援期間終了後の事業展開に向けた資金計画を文科省に提出しなければなりません。早稲田大 学は、SGUの財政支援が終了する23年度以降に授業料をさらに値上げすることを、17年度に検討するとしています。SGUに採択された他の大学も学費値 上げ計画を検討する可能性があります。  (党学術・文化委員会事務局次長 土井誠) "[he-forum 19299] しんぶん赤旗2/11","しんぶん赤旗 2017年2月11日(土) 14私大中12で授業料値上げ 「スーパーグローバル大学」 国際大で26万円も  文部科学省の違法な天下りで注目を集めた「スーパーグローバル大学創成支援事業」(SGU)で、採択された14の私立大学のうち12の大学が授業料を値上げしていることが、日本共産党の宮本岳志衆院議員に文科省が提出した資料で明らかとなりました。  同事業は、安倍晋三内閣の私的諮問機関である「教育再生実行会議」(座長・鎌田薫早稲田大学総長)が発案し、早稲田大学に天下りした吉田大輔・文科省元高等教育局長が現職のときに立ち上げたものです。  SGUに採択される直前の2013年度の各大学の授業料の平均額と16年度の平均額を比べてみると、採択された14の私立大学の平均で2万2947円(2・6%)も値上げしていました。  最も値上げしているのは大学院大学の国際大学で26万8466円(12・7%)、次いで明治大学の4万7467円(5・8%)でした。早稲田大学も2万729円(2・3%)の値上げをしていました。  同時期の全国の私立大学の授業料の平均額はまだ公表されていませんが、最新の13年度の私立大学授業料の平均額は86万4384円で、3年前と比 較すると6621円(0・77%)の値上げにとどまっています。ここ最近の私立大学の授業料は、高止まりしていました。しかし、SGUに採択された私立大 学は、全国の私立大学の傾向と明らかに違います。  スーパーグローバル大学(SGU) 高等教育の国際競争力の向上やグローバル人材の育成のため、人事・教務制度の改革など国際化を徹底して進めると文部科学省が認定した大学。事業計画にかかる費用の半額を助成します。= "[he-forum 19301] 日本経済新聞2/13","日本経済新聞 2017/2/13 13:24 文科省元幹部、慶大にも違法天下りか OB仲介  文部科学省による組織的な再就職あっせん問題で、昨年3月に同省を退職した元幹部が慶応大に再就職していたことが13日、同省への取材で分かった。同省人事課OBが仲介しており、同省は国家公務員法の再就職規制に違反した天下りの疑いがあるとみて調べている。  文科省によると、元幹部は私立大学への助成金などを所管する私学助成課長などを歴任し、昨年3月に退職。その際、同省人事課OBの嶋貫和男氏(67)が元幹部の人事情報を慶大側に提供し、慶大は昨年6月、元幹部を参事として採用したという。  慶大広報室は「所定の手続きを経て採用したので、問題はないという認識だった。文科省からのヒアリング調査には協力する」としている。  一連の問題は再就職等監視委員会による調査で発覚。1月20日、元高等教育局長の早稲田大教授としての再就職を含め10件を違法と指摘した。今回の慶大への再就職はこれには含まれていない。  同省には人事課OBの嶋貫氏を介して、組織的に天下りをあっせんする仕組みがあり、歴代人事課長や事務次官にも報告されていた。前川喜平事務次官(当時)が同日付で辞職した。  同省は違法な天下り問題で弁護士や学者らによる省内調査班を設置。2月下旬に中間まとめを、3月末には最終報告を公表する予定。 "[he-forum 19302] しんぶん赤旗2/17","しんぶん赤旗 2017年2月17日(金) 米兵器開発に大学動員 宮本徹議員指摘 日米会談で危険増す 衆院財金委  日本共産党の宮本徹議員は15日の衆院財務金融委員会で、トランプ米大統領と安倍晋三首相による日米共同声明(10日)に「防衛イノベーションに 関する二国間の技術協力を強化する」と明記された問題を取り上げ、大学研究が日米の武器共同開発に動員される危険を告発しました。  宮本氏は、防衛省の「防衛白書」にある米国の「国防イノベーション構想」のなかで、同国が軍事作戦上、技術上の優位性を維持拡大するために民生技 術の活用と民間部門との緊密な連携を打ち出していることを指摘。「防衛省が始めている、大学の研究者を軍事研究に巻き込む『安全保障技術研究推進制度』の 研究成果が、日米の武器共同開発に利用されることになるのでは」と追及しました。  若宮健嗣防衛副大臣は、「研究成果を活用するかどうかは、今後の研究成果やいかなる日米共同開発を行うべきかを踏まえて検討する」と述べ、利用の可能性を認めました。  宮本氏は、学術会議の議論の中でも、軍事研究に対し多数の研究者から否定的な意見が上がっているとして、「世界で違法な無人機攻撃などを繰り返す米国の兵器開発に、日本の大学研究を巻き込むことは許されない」と述べました。= "[he-forum 19303] 朝日新聞2/27","朝日新聞 2017年2月27日13時49分 京都府立医大学長、解任へ 虚偽診断書事件で評議会勧告  暴力団組長をめぐる虚偽診断書の作成容疑事件で、家宅捜索を受けた京都府立医科大の吉川敏一学長(69)が解任される方向となった。吉川学長は 27日午前、大学幹部らで構成する教育研究評議会からの辞任勧告に対し、拒否する意向を伝達。しかし評議会は学長を選ぶ学内の学長選考会議に解任を求める 発議を出す構えで、選考会議も解任を求める意見が大勢を占めており、辞任は不可避の情勢となった。  学長選考会議は6人の委員で構成し、解任は4人以上の出席で決めることができる。朝日新聞の取材では、同会議は28日にも吉川学長から弁明を聴く方針だが、過半数が解任を支持する見通しだ。  吉川学長は、大学付属病院で腎移植手術を受けた暴力団組長の高山義友希受刑者(60)との交際が問題視されている。手術を執刀した病院長と担当医は「刑務所への収容は困難」とする虚偽内容の意見書を大阪高検に提出し、同受刑者の刑の執行停止に影響を与えた疑いが持たれている。  捜査関係者によると、京都府警は、2014年に京都・先斗町のお茶屋で吉川学長と高山受刑者が会食していた情報を把握。家宅捜索後、吉川学長は大学法人の理事会で、飲食店で高山受刑者と2度にわたり会った事実を認めている。  これを受けて評議会は24日、27日正午を回答期限に自発的な辞任を求める勧告書を送っていた。 "[he-forum 19304] しんぶん赤旗3/2","しんぶん赤旗 2017年3月2日(木) 給付型奨学金の拡充を 学生、教育関係者、弁護士ら集う  奨学金問題対策全国会議と労働者福祉中央協議会(中央労福協)は2月28日夜、衆院第1議員会館で給付型、無利子奨学金のさらなる拡充や教育費の 負担軽減を求める集会を開きました。教育関係者、学生、弁護士、労働組合関係者など350人以上が集まりました。与野党各党と無所属の国会議員が出席しま した。 田村氏あいさつ  開会あいさつで、神津里季生中央労福協会長(連合会長)は、「給付型ができたのは大きな前進であるが、対象者は限定的でまだスタートライン。将来 に向けて拡充していかなければならない」と発言。奨学金問題対策全国会議の大内裕和共同代表(中京大学教授)が「大学生の半数以上は奨学金利用者。給付型 の対象人数と金額の増加、貸与型からの転換が必要です。奨学金制度改善のキーワードは『有利子から無利子へ、貸与から給付へ』です」と発言しました。  日本共産党の田村智子副委員長(参院議員)が「奨学金、減免制度、アルバイト、それでも学費が払えず中退して、借金という負を背負って社会に出る 学生がいる。抜本的な教育予算の増額、給付制奨学金の拡充を求めてご一緒に頑張りましょう」とあいさつ。池内さおり、大平喜信、島津幸広、畑野君枝、畠山 和也の各衆院議員、岩渕友、吉良よし子、山添拓の各参院議員が出席しました。= "[he-forum 19309] しんぶん赤旗3/8","しんぶん赤旗 2017年3月8日(水) 「軍事研究禁止」を継承 学術会議検討委が新声明案 民生分野の資金充実求める  防衛省が大学などに研究資金を提供する制度を創設・拡大したことをきっかけに、軍事研究への対応を議論してきた日本学術会議の「安全保障と学術に 関する検討委員会」は7日、議論をまとめる会議を東京都内で開き、学術会議が過去に出した「軍事目的のための科学研究は行わない」とする声明を継承する新 たな声明案を大筋確認しました。  声明案は、学術会議が1950年と67年に出した声明には、科学者コミュニティーの戦争協力への反省と再び同様の事態が生じることへの懸念があっ たと指摘。「軍事的安全保障研究」は学問の自由や学術の健全な発展と緊張関係にあるとして、過去の「2つの声明を継承する」と明記しました。  2015年度に防衛省が創設した安全保障技術研究推進制度は、装備(兵器)開発につなげるという「明確な目的」をもつもので、政府による「介入が 著しく、問題が多い」と指摘。研究の入り口で研究資金の出所などの慎重な判断が求められるとし、大学などの研究機関に審査制度を設け、学会などにもガイド ラインの整備を求めています。  研究の適切性をめぐっては、今後も率先して検討を進めていくとしています。学術の健全な発展には、民生分野の研究資金の充実が必要だと求めました。  同検討委は昨年6月以来、この問題について議論してきました。24日に開かれる幹事会に対し、検討委の声明案を尊重し、日本学術会議の案として4月の総会に提案するよう求めることを確認しました。 軍事的安全保障研究に関する声明(案) 日本学術会議検討委(要旨)  日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」が7日発表した「軍事的安全保障研究に関する声明(案)」(要旨)は次のとおりです。  日本学術会議が、1950年「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わない」旨の声明、67年「軍事目的のための科学研究を行なわない声明」を発 した背景には、戦争協力への反省と再び同様の事態が生じることへの懸念があった。われわれは大学等の研究機関における軍事的安全保障研究が学問の自由、学 術の健全な発展と緊張関係にあることを確認し、上記二つの声明を継承する。  学術研究が政府に制約、動員された歴史的経験を踏まえ、研究の自主性・自律性・公開性が担保されねばならない。軍事的安全保障研究では、研究の方向性や秘密性の保持をめぐり政府の介入が強まる懸念がある。  防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」は、将来の装備開発につなげるという明確な目的に沿って公募・審査が行われ、(防衛省)職員が研究の進 捗(しんちょく)管理を行うなど政府の介入が著しく、問題が多い。学術の健全な発展から必要なのは民生分野の研究資金の充実である。  研究成果は科学者の意図を離れて軍事目的に転用され、攻撃的目的にも使用されうるため、研究の入り口で資金の出所等に関する慎重な判断が求められ る。大学等の研究機関は、軍事的安全保障研究とみなされる可能性のある研究について、技術的・倫理的審査制度を設けるべきだ。学協会等にもガイドラインの 設定が求められる。  研究の適切性をめぐり科学者コミュニティーで一定の共通認識形成の必要があり、科学界全体が考え続ける必要がある。日本学術会議は率先して検討を進めていく。= "[he-forum 19308] 毎日新聞3/8","毎日新聞2017年3月7日 21時16分(最終更新 3月8日 00時58分) 学術会議 軍事研究、大学に審査制度を 半世紀ぶり声明案 軍事研究を巡る日本学術会議の声明  戦後否定した軍事研究を巡る声明を半世紀ぶりに再検討してきた科学者の代表機関・日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」は7日、新たな声 明案をまとめた。政府の介入で「学問の自由」が妨げられる恐れから軍事研究に懸念を表明し、利用のされ方も含め研究の適切さを審査する制度を各大学などに 設けるよう求め、歯止めを狙った。声明に拘束力はないが、大学などの対応の指針となる。全会員が出席する4月の総会で決議される見通し。  学術会議は1950年と67年に戦争目的と軍事目的の研究を拒否する声明を決議している。だが、自衛目的の研究は容認されると考える研究者もいるなど、 解釈に幅があった。防衛省が公募して防衛装備品に応用できる先端研究を大学などに委託する「安全保障技術研究推進制度」を始めたのを機に、昨年6月から計 11回の議論を続けてきた。  新声明案は、過去2回の声明を「継承する」と明記。自衛目的や成果が軍事利用される可能性のある研究を含む「軍事的安全保障研究」という独自の用語を用 い、「学問の自由及び学術の健全な発展と緊張関係にある」と指摘した。理由として、学術研究が政府によって制約や動員された歴史的経験を挙げ「政府による 研究者の活動への介入が強まる懸念がある」とした。  検討の契機となった防衛省の制度に対しても「学術の健全な発展という見地から問題が多い」と強調し、慎重な対応を求めた。ただ、軍事研究自体の是非や防衛省の制度への応募の可否は明記せず、幅広く解釈できる余地も残った。  その上で、軍事的安全保障研究とみなされる可能性のある研究について、技術面や倫理面から適切かどうかを審査する制度を大学などの研究機関に設けるよう提言。各学会にもガイドラインを設けるよう求めた。  検討委員長の杉田敦・法政大教授(政治学)は記者会見し、「防衛省の制度に対する表現は強い批判であり、否定的メッセージが強いと受け止めてほしい。今後は声明に実効性を持たせることが重要だ」と規制を強めたと強調した。【千葉紀和、阿部周一】 "[he-forum 19307] 産經新聞3/8","産經新聞 2017.3.7 19:36更新 軍事研究の禁止を継承 日本学術会議、新声明案 記者会見する日本学術会議の安全保障と学術に関する検討委員会の杉田敦委員長=7日午後、東京都港区  科学者は軍事的な研究を行わないとする過去の声明の見直しについて議論してきた日本学術会議の検討委員会は7日、声明の基本方針を「継承する」とした新たな声明案をまとめた。4月の同会議総会で正式決定される見通し。  新声明案は、防衛と民生の両方に応用可能な技術を研究する大学などの研究機関に、防衛省が研究費を公募助成する制度について、同省が研究の進捗(しんちょく)を管理することで政府の介入が強まる懸念があり、問題が多いと指摘した。  その上で学術の健全な発展という見地からは、科学者の自主性や自律性、研究の公開性が尊重される民生分野の研究資金をむしろ充実させるべきだとした。  また、応募が適切かどうか技術的、倫理的に審査する制度を大学などに設けて慎重に対応することを求め、具体的な判断は学界や大学側に委ねた。  検討委の杉田敦委員長は会見で「声明案は防衛省の制度に対する相当強い批判だ。(大学などは)そのメッセージを受け止めてほしい」と話した。   同会議は、日本の科学者が第2次世界大戦に関与した反省から「戦争目的の研究は行わない」とする声明を昭和25年と42年に発表。だが政府が平成25年、 両用技術の研究を推進する防衛大綱を閣議決定し、助成制度への応募の可否について大学などで混乱が生じたため、声明の見直しが必要か検討していた。 "[he-forum 19306] 朝日新聞3/8","朝日新聞 2017年3月8日09時19分 「学問の自由」に論点絞り成果 軍事研究禁止の新声明案 嘉幡久敬  学術会議の検討委員会がまとめた声明に対し、一部の専門家からは既に、軍事研究の禁止を打ち出した過去2回の声明より後退した、との指摘がある。 だが文面を見る限り、学術界を束ねる公的団体が使いうる限りの表現で軍事研究への事実上の禁止方針を打ち出したと読むべきだろう。  議論の中で、軍事研究解禁派の委員は「自衛隊の存在が国民の間で広く認められている以上、自衛隊が使う装備につながる研究は認められる」といった主張を展開した。  だが、検討委の杉田敦委員長は、そうした議論は「国の自衛」の定義や範囲に踏み込まざるを得ず、国論を二分した安全保障法制の二の舞いになると判断。憲法9条の論争を避けた。  そこで論点を憲法23条の「学問の自由」に絞った。学術会議はもともと、学術が戦争に動員された反省をもとに設立された団体だ。学問を脅かす政府の介入に関する議論なら、科学者集団の共通理解に到達できると考えたからだ。  今回、成案を得た意味は大きい。日本の学術界は軍事研究を禁じる声明の精神の具体化に、初めて一歩を踏み出すことになる。  過去2度の声明は、その後の議論が深まらず、軍事研究は水面下に潜って放任状態になった。今回は大学側に軍事と見なされる可能性のある研究の審査 などの具体的な対応を求めた。大学には、軍事研究への対応を内外に説明する責任が生じる。半世紀ぶりの声明には軍事研究へのハードルとしての効果が期待さ れる。(嘉幡久敬)= "[he-forum 19305] 朝日新聞3/8","朝日新聞 2017年3月8日09時15分 軍事研究禁止を継承 学術会議検討委、新声明案を了承 竹石涼子  日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」(委員長・杉田敦法政大教 授)は7日、大学などの研究機関の軍事研究に否定的な新声明案を了承した。科学者を代表する同会議にとって、軍事研究をめぐる半世紀ぶりの声明で、軍事研 究を禁じた過去2回の声明を「継承」した。軍事と民生の研究の区別が難しくなる現実を認めつつ、大学や学術研究への政府の介入の度合いを強める懸念がある 軍事研究に疑問を呈する内容だ。  検討委の議論が始まったのは昨年6月。2015年に始まった防衛装備庁の委託研究制度をめぐる議論がきっかけだった。同制度の予算が16年度の6 億円から17年度は110億円に急増し、政府が軍民両用技術研究推進の検討を始めるなど、軍事と研究の距離が近づいている状況がある。67年の声明では日 本物理学会に米軍資金が提供されたことが問題になったが、大学への米軍からの助成は続き、ここ9年で8・8億円であることが報道された。  新声明案では、学術研究が過去の戦争で政府に制約、動員された歴史的経緯をふまえ、学問の自由を重視。防衛装備庁の委託研究制度は研究の進捗(し んちょく)管理など政府の介入の度合いが強く「問題が多い」とした。「相当強い批判」(杉田委員長)という。直接的に禁止という文言は使わなかったが、大 学や学会にも倫理審査や指針整備など、慎重な対応を求めた。  検討委では、通信や土木などの工学系研究者を中心に軍民両用技術を扱う研究に理解を示す意見も出た。一方、他分野の研究者からは、過去の声明で示した姿勢を変更することに警戒感を表す意見が多く出た。  学術会議は4月の総会で会員による多数決で、正式な声明とする方針。合わせてこれまでの議論をまとめた最終報告案も提示される。  杉田委員長は委員会終了後、「本来は民生研究を充実させるべきだ。これは終わりではなく始まり。これを機に議論が深まることを期待したい」と話した。(竹石涼子) ■日本学術会議検討委員会がまとめた声明案の内容 ・軍事的安全保障研究は学問の自由および学術の健全な発展と緊張関係にあることを確認し、軍事研究を禁じた1950年、67年の二つの声明を継承する ・軍事的安全保障研究では、研究の方向性や秘密性の保持をめぐって政府による介入が強まる懸念がある ・防衛装備庁の委託研究の目的は、将来の装備開発。学術の健全な発展という見地から問題が多い ・科学者の自主性、自律性、公開性が尊重される民生分野の研究資金の一層の充実こそが必要 ・研究成果は軍事目的に転用されうるため、慎重な判断が求められる。大学や学会には審査やガイドラインなどの設定が求められる ・研究の適切性をめぐっては、大学や学会などで継続的な議論が不可欠。日本学術会議も率先して検討を進める= "[he-forum 19310] 学術会議の報告案について","豊島です.学術会議の報告案についてです.文字ファイルが学術会議のサイトにあります. http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/anzenhosyo/pdf23/anzenhosyo-siryo11-1.pdf http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/anzenhosyo/pdf23/anzenhosyo-siryo11-2.pdf (これらがリンクされている「安全保障と学術に関する検討委員会」ページ) http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/anzenhosyo/anzenhosyo.html 内容ですが,「今度の総会で解禁だろう」という見方もあっただけに,ぎりぎり踏みとどまったという感じですね.多くの方々の努力のおかげだと思います.ただ,問題点もいくつか感じます. まず表題の「軍事的安全保障研究」という言葉が問題です.ここでなぜ新語を作る必要があったのでしょうか?英語には何と訳すのでしょうか, 「軍事研究」が包括的であるのに対して,「軍事的安全保障研究」では対象となる範囲が非常に(意図的に?)限定されます. 例えば,軍事研究の最右翼である兵器研究や軍事技術研究は,商品としての武器の生産,そして公式,非公式ルートでの流通へとつながります.これは(国家の,つまり自国の?)(軍事的)「安全保障研究」の視野の外になります. つまりこの新語は,「軍事研究」が「安全保障研究」の一部であるという思い込みを醸成し,前者への心理的抵抗を弱める作用があります.「デュアル・ユース」というカタカナ英語と同じ役割です. また,この文書は「軍事的安全保障研究」を明確に否定していません.これは九条の暗黙の「解釈改憲」です. またこの報告案は,軍事研究にコミットしない,ないし慎重であるべき,という,言わば消極的否定論にとどまっていることも問題です.5のマル3で述べているように,「科学者の研究成果は、時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用され、場合によっては 攻撃的な目的のためにも使用されうる」のです.いや,現に使用されているのです.これに対して,ただ「自分たちはそれにコミットしない」というだけで,つまり「いま使用されていることについては知りません」ということで倫理的,道徳的に十分な態度と言えるでしょうか.もちろんそんなはずはありません.これに対して,これをやめさせる「行動」を取ることも含まれるべきだと思います. ぎりぎり踏みとどまったのだから,せいぜいこれより後退しないようにすることが精々で,それ以上は無理だろう,などと「忖度」することこそが,むしろ後退を許してしまうことにつながるでしょう.また科学技術の軍事利用が大手を振ってまかり通る現状に見合う,九条原理主義からの(左翼にも見られる解釈改憲論からではなく),50年声明,67年声明の発展,強化の方向を主張すべきだと思います. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 19311] しんぶん赤旗3/8","しんぶん赤旗 2017年3月8日(水) 共謀罪つくらせない 国会内 百人委員会結成集会  「テロ等準備罪」を阻止しようと、共謀罪創設反対百人委員会結成集会が7日、国会内で開かれ、約200人が参加しました。東京弁護士会の山下幸夫 弁護士ら書籍『「共謀罪」なんていらない?!』の著者たちが中心になって、研究者、ジャーナリスト、弁護士をはじめ幅広い個人に参加を呼びかけたもの。  集会では、呼びかけ人の一人、足立昌勝関東学院大学名誉教授が百人委員会結成の経過と法案の問題点を説明。「犯罪行為ではなく考えていることを処罰の対象にしようというもの。何としても成立阻止を」と訴えました。  「一般市民が相互に監視しあう社会になってしまう」など参加者がそれぞれの立場から共謀罪の問題点をのべ、閣議決定を阻止するとともに、法案が国会に上程された場合にも全力で成立を阻もうと決意を固めあいました。  当面の行動提起と「共謀罪=現代の治安維持法。さまざまな立場から共謀罪の危険性を広く市民に訴え、反対する世論を大きく広げて、その成立阻止に全力を挙げます」とする声明を採択しました。  野党各会派の国会議員が参加。日本共産党から山添拓参院議員がかけつけ、「国家権力によっていつでもどこでも誰でも監視の対象になる。法案提出させずに断念させましょう」とあいさつしました。= "[he-forum 19312] しんぶん赤旗3/8","しんぶん赤旗 2017年3月8日(水) 夜勤改善・大幅増員を 日本医労連など国会要請  日本医療労働組合連合会(日本医労連)、日本自治体労働組合総連合(自治労連)、全国大学高専教職員組合(全大教)は7日、医師や看護師、介護職 らの夜勤改善と大幅増員、安倍政権がねらう社会保障の改悪の阻止を掲げて、国会議員への要請行動を実施しました。全国から参加した280人が労働条件の改 善を訴えました。  衆院第1議員会館で開かれた意思統一集会で日本医労連の中野千香子委員長が主催者あいさつし、看護・介護労働者の実態をまとめた「黒書」リーフの 活用をよびかけました。国会提出がねらわれる「共謀罪」法案について、市民運動を萎縮させるとして国会提出を断念させようと訴えました。  日本医労連の三浦宜子書記長が情勢報告し、質の高い医療は人間らしい働き方でこそ実現できると強調。「国際労働基準にのっとった働くルールをつ くっていきたい」と語りました。秋田、茨城、長野、徳島の4県で、過半数を超える自治体が大幅増員・夜勤改善を求める意見書を採択したと報告しました。  川人博弁護士が「医療労働者の健康を守るために」と題して講演しました。  日本共産党の高橋千鶴子、堀内照文、畑野君枝の各衆院議員、民進党の升田世喜男衆院議員、自由党の木戸口英司参院議員があいさつしました。= "[he-forum 19313] しんぶん赤旗3/9","しんぶん赤旗 2017年3月9日(木) 天下り 大学人事に介入例も 畑野議員 徹底調査を要求 衆院文科委  日本共産党の畑野君枝議員は8日の衆院文部科学委員会で、文科省の組織的天下りについてただし、真相の徹底解明を求めました。  文部科学省の天下りあっせんに関する調査の中間報告(2月21日)では、37の個別事案について調査結果を公表。このうち、大学などに天下りした文科省OBが同省に人物紹介を求めた事例が12事案あると認めました。  天下りあっせんの仲介役だった文科省OBの嶋貫和男氏(文教フォーラム理事長)は、畑野氏の追及に、「(天下り先から)『引き続き(官僚)経験者 を』という話があったとき、私が(候補者を紹介して)引き継いだケースがいくつかあった」と述べ、天下りあっせんが構造化していた事実を認めました。  畑野氏は、「天下りが天下りを呼んで、拡大再生産されている」と指摘。松野博一文科相は「調査を進めているところだが、厳正な処分をして再発防止に努める」と答えました。  さらに畑野氏は、あっせん事案には、大学の人事に介入しているケース、大学設置に関する情報漏えいなどもあると指摘。東京私大教連の声明で、政 府・文科省が政策誘導的な資金配分を通じて大学自治への介入を強めている点も批判されているとして、「徹底的に調査し、文科省の改革をすべきだ」とただし ました。  松野文科相は「私立大学の自治を尊重しながら、対応を進めていく」と答えました。 "[he-forum 19314] 朝日新聞3/9","朝日新聞 2017年3月9日05時00分 自らの研究、鳥瞰できるか 学術会議の声明案「軍事研究の禁止を継承」 声明案をまとめた日本学術会議の検討委員会=7日、東京・六本木  日本学術会議が、70年近く掲げてきた軍事研究を禁じる声明の見直しを進めている。学術会議の検討委員会が7日にまとめた新声明案では「(過去の)声明を継承する」とうたうが、異論もある。声明の形骸化が指摘される中で、科学者は自らの研究とどう向きあっていくべきなのか。  「研究機関に命令する権限はないが、戦争協力への反省とともに発足した歴史的な経緯もあり、声明案は重みを持って受け止めてもらえると思う」。新声明案をまとめた、安全保障と学術に関する検討委員会の杉田敦委員長(法政大教授、政治理論)はその実効性を問われ、限界もにじませた。  議論のきっかけは、防衛装備庁が2015年度に設けた新たな研究助成制度。今年度予算の6億円から新年度予算案では110億円と一挙に増額された。  杉田委員長は会見で「学問の自由とは、科学者個人と同時に、科学者コミュニティー全体も政府から独立していることだ。国からの軍事資金が拡大していけば、(軍事用途に限られた)ひも付き資金を受け取る以外なくなってしまう」と警戒感も口にした。  ただ、GPSやインターネットなどは軍事技術からの転用だ。通信や医療などの軍事研究は民生用と重なる部分も多く、助成制度に肯定的な意見もある。  大学によっても対応は割れる。法政大や広島大、長崎大などは装備庁の助成制度に応募しないか当面控える方針。一方、豊橋技術科学大や東京工業大、東京理科大などは同制度に応募、採択された。  声明は、戦争に協力した過去への反省が原点だ。終戦直前に起きた、「九大生体解剖事件」の現場を目撃した福岡市の医師、東野利夫さん(91)は「軍に『反対』と言うことなど許されなかった」と振り返る。より多くの研究費を得るためには軍への協力が不可欠で、医学部の研究者は軍の嘱託とされていた。そんな中、軍の依頼で米軍捕虜8人の解剖実験が九州帝大で行われ、全員死亡した。  「いかなる時も命を救うはずの医師が犯してしまった。絶対にあったらいかん」と語る。  戦後、声明は1950年と67年に採択され、一定の歯止めとなりつつ、民間の研究者の増加とともに軍事産業は成長した。杉山滋郎・北海道大名誉教授(科学史)は「声明が形骸化してきた現実を直視しなくてはならない」と言う。  51年3月と10月、学術会議は50年と同趣旨の声明の採択を総会にかけたが否決。多くの科学者の念頭にあったのが、隣国で勃発した朝鮮戦争だ。ところが、ベトナム戦争による厭戦(えんせん)気分が広がると、67年には2度目の声明採択に至る。  杉山名誉教授は「世論が割れる問題が起きたとき、科学者は、意思決定の土台となる選択肢を国民に提示していく必要がある。多くの人が議論に関わることで、広い意味でのシビリアンコントロールの強化にもつながる」と話す。  ■「政府との距離、難しくなっている」  大学は独立行政法人化によって、数値化できる成果が求められる。神里達博・千葉大教授(科学技術社会論)は「政府との距離を保つのは難しくなっている」と指摘する。「学術目的」のはずが、いつの間にか国防、ひいては軍事目的の研究に行き着いてしまう可能性があるというのだ。  そこで神里教授が訴えるのは、科学者が自身の研究を相対化できる幅広い知を持つことの重要性だ。「自分が研究する専門の知を鳥瞰(ちょうかん)することで、その研究が社会に与える影響や責任を考えられるようになる」  新声明案では、研究の是非の判断を科学者個人の責任にとどめず、大学や学会が審査制度やガイドラインを設けるよう求めている。杉田委員長は「今 後、各大学などでは審査の過程でいろんな悩みが出てくるだろう。学術会議も半世紀、メッセージを発信してこなかった責任があるが、まずは議論を積み重ねて いくことが必要だ」と説明する。(塩原賢、赤田康和)= "[he-forum 19315] しんぶん赤旗3/10","しんぶん赤旗 2017年3月10日(金) 名ばかり奨学金批判 大平議員 教育の無償化求める  日本共産党の大平喜信議員は9日、衆院本会議で、政府の提案する給付型奨学金法案のさまざまな問題点に触れ、「まさに『給付』とは名ばかりで、何重にも看板に偽りありだ」と批判し、規模も内容も拡充した本物の給付奨学金の創設と教育費の無償化を進めるよう求めました。  大平氏は、同法案の支給対象が住民税非課税世帯のみで、しかも実際の支給規模は2万人で、15万9千人と試算されている非課税世帯の1割程度にす ぎないと指摘。自宅から国立大学に通う場合は、授業料免除を受けるため、給付型奨学金は支給されず、学業成績次第で返還まで求めるとしていると批判し、 「給付と言うなら、文字通りの渡し切りにするべきだ」と主張しました。  大平氏は、無利子奨学金の減額などを財源に充てることも問題だと指摘。「誰もが希望すれば進学できる環境」のためには、「すべて国民は、その能力 に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と定めた憲法26条を、文字通り実践すべきだと訴え、高すぎる学費の引き下げと、有利子奨学金の無利子化こ そ行うべきだと主張しました。  松野博一文科相は、給付型奨学金は、「支給するにふさわしい学生を対象とする」などと述べ、消極的姿勢に終始しました。= "[he-forum 19317] 佐大の退職金裁判判決,軍学共同問題","元佐賀大学の豊島です. 先週金曜に佐大の退職金裁判の判決がありました.原告敗訴. 判決文の「さわり」の部分をブログに掲載しています. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2017-03-25 控訴するつもりです.今後もご支援をよろしくお願いします. 別件,軍学共同問題で昨日大分で話をしました. タイトル: 「科学の軍事利用と科学者の抵抗」 ? 軍事研究拒否だけでいいのか? ? 学術会議の報告案についても触れています. レジュメ,スライド,録音などを次からリンクしています. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 hi-net.or.jp","SMTP","toyosima@ta2.so-net.ne.jp","toyosima@ta2.so-net.ne.jp","SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 19316] 北教大函館校、単位不正認定で停職6月(HBC3/24、NHK北海道3/24、函館新聞電子版3/25)","道教育大 50代男性准教授を懲戒処分 http://news.hbc.co.jp/03241202.html 北海道教育大学は24日、函館校の男性准教授が授業を受けていない学生に不正に単位を 与えたとして、停職6か月の懲戒処分を発表しました。 停職6か月の懲戒処分となったのは北海道教育大学教育学部の函館校に勤務する50代の 男性准教授です。この男性准教授は2013年度と今年度、学生2人に対しそれぞれ2科目 ずつ一度も授業を行わないまま単位を与えました。 去年7月ごろ単位の不正取得に不安に感じた学生が学校に相談し問題が発覚しました。 男性准教授は「ほかの授業での学生の努力を評価してあげたくて単位を認定した」と話 しているということです。学生の卒業や教員免許取得には影響はないということです。 HBC昼ニュースで放送 3月24日(金)12時00分 道教大函館 単位不正認定で処分 http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20170324/4969401.html 03月24日 12時24分 北海道教育大学の50代の男性准教授が、1度も授業を受けていない2人の学生に不正に 単位を認めていたことがわかり、大学は准教授を停職6か月の懲戒処分にしました。 懲戒処分を受けたのは、北海道教育大学函館校の50代の男性准教授です。 大学によりますと、准教授は自分の授業を受けていた男女2人の学生に「自分が受け持っ ている別の授業を履修登録すれば、単位を認定する」などと促し、平成25年度と今年度、 1度も授業に出席していない2人にそれぞれ2科目4単位を不正に認定していたということです。 去年7月、学生の1人が不審に思って大学に相談し不正が発覚したということで、大学の 調査に対し、准教授は不正を認めたうえで「2人の授業態度がよく熱心な学生だったので、 努力を評価してあげたかった」と話しているということです。 大学によりますと、准教授は学生から金品などを受け取ったりした事実はないということです。 北海道教育大学は24日、札幌市内で会見を開き、阿部修教育担当理事が「単位認定は 大学教育の根幹に関わり、不正は許されず申し訳ない。再発防止と信頼回復に努めたい」 と謝罪しました。 https://digital.hakoshin.jp/news/national/18654 函教大、単位不正で准教授を停職処分 2017年3月25日 3時00分  道教育大は24日、函館校の50代男性准教授が学生2人に対し、単位を不正に認定 していたと発表した。准教授は今月23日付で停職6カ月の懲戒処分を受けた。  同大によると、准教授は2013年度と16年度にそれぞれ2科目、授業を行わずに 単位を認定したとする。大学の調査で男子学生1人の不正認定が発覚し、その後、もう 1人の女子学生も調査で判明した。2人の卒業に影響はないという。  准教授は大学に対し「学生の努力を評価したかった」と不正を認める一方、函館新聞 の取材に対しては科目名と異なる授業内容で指導したとし、「シラバス(学習計画) 通りではないが、学生が納得した上で授業を行った。授業を行っていないのに単位を ばらまいたわけではない。停職6カ月は退職勧告に近い」と話し、処分取り消しを求め て労働審判手続に入る考えを示した。  同大の蛇穴治夫学長は「本学教員がこのような行為を行ったことは極めて遺憾で、 社会をお騒がせしたことを深くおわび申し上げる。厳粛に受け止め、再発防止に取り組 み、信頼の回復に努めていく」とコメントしている。 "[he-forum 19318] 読売新聞3/31","読売新聞 2017年03月31日 09時58分 定年後勤務、教授らの賃下げ「無効」…札幌地裁  札幌大学(札幌市)で定年後の勤務延長制度を利用して勤務して いた教授ら14人が、不当に賃金を引き下げられたとして、減額分など約1億2660万円の支払いを求めた訴訟で、札幌地裁(湯川浩昭裁判長)は30日、同 大に総額約1億410万円の支払いを命じる判決を言い渡した。  判決によると、同大は労使協定に基づき、2007年4月から 定年を70歳から65歳に引き下げ、勤務延長制度を導入した。これに合わせて、65歳の頃には約1200万円だった教授の年俸について、同制度の適用を受 けた66~68歳は800万円、69~70歳は516万円に引き下げた。  同大はさらに、経営再建に向けて人件費削減を図るとして、12年11月、教職員組合の合意を得ずに就業規則を改定。13年4月から66歳以上の教授の賃金を一律480万円に引き下げた。  判決は12年の就業規則改定について、大幅で急激な賃金の減額に対して緩和措置がなかったことや、組合側に引き下げの具体的根拠の説明がなかったことなどから無効と判断した。  原告側弁護士は札幌市内で記者会見し「定年後に勤務延長制度を利用している教員をねらい撃ちにし、一方的に負担を負わせるのはおかしい」と述べた。札幌大学は「今後の対応を含め、現時点でコメントできることはない」とした。  この問題では、北海道労働委員会が14年、組合の申し立てに基づき、札幌大学に不当労働行為であることを認め、今後繰り返さないことを表明した文書の掲示を命じる救済命令を出していた。 "[he-forum 19319] 時事ニュース3/31","時事ニュース (2017/03/31-12:31) 給付型奨学金を創設=改正学生支援機構法が成立  低所得世帯の大学生らを対象にした返済不要の「給付型奨学金」を創設するための改正日本学生支援機構法が31日の参院本会議で、全会一致で可決、成立した。4月1日に施行する。  改正法は、これまで「学資の貸与」としていた機構の業務と目的に「支給」を追加。機構が支給業務のための基金を設けることも盛り込んだ。  給付型の対象は住民税非課税世帯で、2018年度から本格実施する。給付月額は国公立に通う自宅生が2万円、国公立の下宿生と私立の自宅生が3万円、私立の下宿生は4万円。児童養護施設出身者らには入学金相当の24万円を追加給付する。  17年度は、特に経済的に厳しい私立の下宿生と児童養護施設出身者らに先行実施する。= "[he-forum 19320] 全大協声明について","元佐賀大学の豊島です. 昨日31日付けで「日本学術会議『軍事的安全保障研究に関する声明』を支持し各大学等における議論を呼びかける」という全大協の声明が発表されました. http://zendaikyo.or.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=journal_view_main_detail&post_id=2914&comment_flag=1&block_id=544#_544 たしかに1950年と1967年の学術会議声明を維持した点は評価できますが,全面的に賛同・支持できるようなものではありません.私は3/8の投稿「[he-forum 19310] 学術会議の報告案について」で,「軍事的安全保障研究」という造語の使用,軍事研究にコミットしないという消極的否定論にとどまっていることの2つの問題点を指摘しました.また,せいぜいこれより後退しないようにすることが精々で,それ以上は無理だろう,などと「忖度」することこそが,むしろ後退を許してしまうとも述べました. また,一般紙(毎日)も,「軍事研究自体の是非や防衛省の制度への応募の可否は明記せす?、幅広く解釈て?きる余地も残った」と問題点を指摘しています. http://mainichi.jp/articles/20170308/k00/00m/040/114000c これらの点について,全大協は,そしてML皆さんはどうお考えでしょうか. この問題について,3/26に大分で話をする機会を頂きました.その時のレジュメやスライド,録音に次からリンクしています.参考にして頂ければ幸いです. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 19321] しんぶん赤旗4/4","しんぶん赤旗 2017年4月4日(火) 無期契約への転換こそ 田村智氏 国立大雇い止めただす 参院委  日本共産党の田村智子議員は3日の参院決算委員会で国立大学などでの若手研究者らの雇い止め問題を取り上げ、「無期契約へ転換を促していくべきだ」と是正を求めました。  田村氏は、日本の科学研究発表の減少が国際的に指摘される背景には、国立大学などへの運営費交付金の削減があると指摘。「基礎的研究費どころか人件費も足りず多くの国立大学が窮地に追い込まれている」と述べました。  また、退職でポストが空いても補充できず305人の教授職削減を発表した北海道大学の例や、大学や独立法人の若手研究者が急減している実態を紹介。「危機的だ。研究に大きな穴があきかねない」と若手研究者の常勤ポスト増への転換を求めました。  鶴保庸介科学技術担当相は、「ご指摘のような話はたくさん聞いてきた」と述べましたが、運営費交付金の抜本的拡充には背を向けました。  田村氏は、有期契約が5年を超えると無期契約に転換が迫られる改正労働契約法の施行から5年となる2018年を前に、東北大学では教職員3000 人を今年度で雇い止めにする宣言が出されていることを示し、「多くの研究機関で職員が今年中に首切りされる危険性がある」と指摘。厚労省に対し、無期契約 への転換を避けるために事後的に雇用期間に上限を設けることは「労働契約法違反ではないか」とただしました。同省の山越敬一労働基準局長は、「紛争解決に 援助を求められれば、必要な助言・指導に努める」と答えました。 "[he-forum 19322] 朝日新聞4/4","朝日新聞 2017年4月4日15時05分 役立たない研究、しようよ ノーベル賞・大隅さんの憂い 天野彩 大隅さんは基礎研究をめぐる国や社会の雰囲気が着実に変わってきたと感じている。「ムードを形にするのが、私の仕事かな」=横浜市緑区長津田町の東工大 ?  昨年のノーベル医学生理学賞を受けた大隅良典・東京工業大栄誉教授(72)が、長期的な基礎研究を社会が支える仕組み作りについて、積極的な発言を続けている。背景にあるのは、短期的な成果を求める研究にばかりお金が流れ、「このままでは日本の基礎科学が立ちゆかなくなる」という危機感だ。神奈川県大磯町に暮らす大隅さんに、横浜市緑区のすずかけ台キャンパスで思いを聞いた。  「役に立たない研究をしよう」。ここ10年、大隅さんがそう話すと、「それでいいんですか」と首をかしげる学生が増えたという。細胞内の新陳代謝の仕組みを探るオートファジーの研究でノーベル賞を受けた大隅さん自身、研究の成果が役に立つかは意識してこなかった。「科学は金もうけのためのものではなく、社会を支えるもの。すぐに役に立つことばかり求めていたら基礎科学はできない」と話す。  国から国立大学に支給され、自由に研究に分配できる運営費交付金は、国立大が法人化した2004年度から16年度までに、1割強にあたる約1470億円も減少。私立大に対する補助も15年度、44年ぶりに運営費全体の1割を切った。一方、研究者から研究計画を募り、審査を経て交付する文部科学省の「競争的資金」は増加傾向。16年度は約3445億円で、04年度から約920億円増えた。国の財政が厳しい中、文科省が戦略的に予算を振り分ける傾向が強まっている。  「運営費交付金を毎年1%ずつ削られて、大学は本当に貧困になっている」。競争的資金を獲得するために研究者が目先の成果を得やすい研究に流れ、長期的な研究が難しくなると大隅さんは憂慮する。  資金を確保するために企業との共同研究を求められることも多い。大学と企業の役割があいまいになり、大学が空洞化してしまうことも懸念する。  大隅さんは1月、1億円を出して東工大に「大隅良典記念基金」を設立。基金には約60人から約9千万円の寄付も集まった。入学生を経済的に支援し、将来は研究も支えたい考えだ。  さらに全国的な規模で基礎科学の振興を図る基金を立ち上げる構想も練っている。国に頼らず、社会が支える形で大学が収入を得られる道を開かなけれ ばならないと考えているからだ。「科学は文化。全く見返りを求めない寄付がもう少し日本にあっていい。大企業の海外への投資や広告費の0・1%でも基礎科 学に向けられたら大学が変わる」  昨年10月のノーベル賞受賞から半年。電車の中でもサインを求められる熱狂を、少しでも研究を支えることにつなげていきたいと考えている。      ◇  昨年8月まで行政改革担当大臣を務めた河野太郎衆 院議員(神奈川15区)が自身のブログで研究費について問題提起し、話題を呼んでいる。研究者が資金を獲得したり、経費を精算したりするための事務手続き に無数の「ローカルルール」が存在し、研究に割くべきお金や時間を奪っているという。河野議員は背景に「大学に出向した役人の存在がある」と指摘する。  大臣時代、ある研究者から1通のメールが届いた。日本学術振興会が配分する科学研究費の申請書にある線が邪魔だという。文字を入力すると外枠の線がずれ、いちいち修正が必要だった。文部科学省に働きかけて廃止すると、「線がなくなった!」と予想以上の反響があった。セルに1文字ずつ入力させるなど、見栄えを優先し、再利用しにくい「神エクセル(紙への出力しか考えていないエクセルファイル)」も廃止すると、研究者から続々と連絡が来た。  出張に出たら駅員と交渉して特急券を持ち帰らなくてはいけない、学会に出たら隣の人と写真を撮らなくてはいけない――。文科省にこれらのローカルルールを守る必要がないことを確認し、無駄を一掃するよう働きかけた。  河野さんは「大学に出向した役人はどうやったら研究者が研究をしやすいかではなく、不正を防ぐためにルールを厳しくすることばかり考える」と指摘。財政難から科学技術振興予算が今後増えることはないとして、「効率を考えなくてはいけない」と話す。(天野彩) "[he-forum 19323] 国会質疑youtube4/6","日本共産党 田村智子議員 決算委員会質疑 「若手研究者ら無期契約へ転換を」 https://www.youtube.com/watch?v=MEgRh2EZkXE "[he-forum 19324] しんぶん赤旗4/11","しんぶん赤旗 2017年4月11日(火) “軍事研究禁止”発信を 学者の会が大学人シンポ  安保関連法に反対する学者の会は9日、東京都内で「軍学共同反対、共謀罪を考える大学人シンポジウム」を開き、大学関係者や市民ら約350人が参加しました。  シンポに先立ち、小森田秋夫・神奈川大教授が日本学術会議の新声明に至る審議経過を報告。池内了・名古屋大名誉教授が大学に研究資金を提供する防 衛省の戦略について報告し「軍民両用の技術を活用することで、文科省や経産省との『軍産学官連携』をめざしている」と批判しました。  シンポでは、各大学の有志の会代表が発言しました。今年1月、防衛省の制度への応募を「当分の間認めない」という指針を決めた法政大の田中義教氏は「軍事研究に反対する姿勢をはっきり発信すれば、支持する人は増える」と訴えました。  科学者と市民でつくる「軍学共同反対連絡会」の香山リカ・立教大教授は、軍事研究を禁止する過去の声明を「継承する」とした日本学術会議の新声明 と報告を会として積極的に評価すると発言。「今後は各大学がガイドラインを制定する取り組みが重要だ。よい規定ができるよう連絡会も提案していきたい」と 述べました。  「安倍政権を糺(ただ)す」と題した第2部では、高山佳奈子・京都大教授が共謀罪立法の危険性を報告しました。「共謀罪では、銀行でお金を下ろす ことなどが準備行為とされて捜査の対象になる。日常行為、研究活動、表現活動の準備など無限定に対象にされる」と乱用の危険性を述べ、広範な人権抑圧を招 くと批判しました。  佐藤学・学習院大教授は森友学園問題について報告しました。同学園と日本会議の関係にふれ「安倍政権の国家、政府、官僚の私物化、道義的腐敗、超 右翼的イデオロギーが集中的に表れた」と指摘。徹底的な真相究明を通して安倍政権を倒し、憲法から外れた教育から子どもを守るたたかいにしていこうと呼び かけました。= "[he-forum 19326] 学問の自由への懸念、前面 軍事研究めぐる学術会議声明(朝日新聞4/13)","学問の自由への懸念、前面 軍事研究めぐる学術会議声明 2017年4月13日  日本学術会議は13日から開かれる総会で、ほぼ1年間の議論を踏まえて決定した学術 界での軍事研究のあり方の「声明」について、全会員が参加して議論する。  ■審査は大学に求める  学術会議は1950年と67年にも軍事研究をめぐる声明を出した。どちらも憲法9条 を念頭に、科学が平和に貢献するとする理念を掲げ、「戦争を目的とする研究は行わな い」などと、明確な表現で社会にメッセージを送った。  今回の声明は、軍事研究が機密性などの面で学問の健全な発展を阻害するという、学問 の自由(憲法23条)に関する懸念を前面に打ち出した。防衛省の大学に対する「安全保 障技術研究推進制度」も、この観点で「問題が多い」とした。  一方、9条に関する記述では「平和」という言葉を使わなかった。自衛や戦争の定義に ついての議論は見送り、成果が軍事目的に転用される懸念から「資金の出所等に関する慎 重な判断を求める」といった表現にとどめた。  ただ、軍事的とみなされうる研究の審査など、具体的な対応を大学に求めたのは、過去 の声明にはない大きな特徴といえる。  声明の決定とほぼ同時期の3月下旬、豊橋技術科学大学は安全保障関連の研究費につい て、「成果が公開される」「基礎研究に限る」など10項目の審査項目を定めた規定を作 った。「テーマが戦争を目的とした研究ではないこと」などが特に重要な項目という。大 西隆学長(学術会議会長)は「自衛のための軍事研究は認められる」が持論で、同大は過 去に防衛省の研究費を受け入れている。  日本の大学の多くは軍事研究に慎重で、法政大や関西大など、「禁止」の方針を掲げた 大学もある。一方で、防衛省などの研究費を受け入れてきた大学の今後の対応は未知数だ。 防衛省が5月末に締め切る今年度の研究費への応募数の増減が、声明の効果を示す一つの 目安になりそうだ。(嘉幡久敬)  ■軍事的安全保障研究に関する声明(全文)  日本学術会議が1949年に創設され、1950年に「戦争を目的とする科学の研究は 絶対にこれを行わない」旨の声明を、また1967年には同じ文言を含む「軍事目的のた めの科学研究を行わない声明」を発した背景には、科学者コミュニティの戦争協力への反 省と、再び同様の事態が生じることへの懸念があった。近年、再び学術と軍事が接近しつ つある中、われわれは、大学等の研究機関における軍事的安全保障研究、すなわち、軍事 的な手段による国家の安全保障にかかわる研究が、学問の自由及び学術の健全な発展と緊 張関係にあることをここに確認し、上記2つの声明を継承する。  科学者コミュニティが追求すべきは、何よりも学術の健全な発展であり、それを通じて 社会からの負託に応えることである。学術研究がとりわけ政治権力によって制約されたり 動員されたりすることがあるという歴史的な経験をふまえて、研究の自主性・自律性、そ して特に研究成果の公開性が担保されなければならない。しかるに、軍事的安全保障研究 では、研究の期間内及び期間後に、研究の方向性や秘密性の保持をめぐって、政府による 研究者の活動への介入が強まる懸念がある。  防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」(2015年度発足)では、将来の装備開 発につなげるという明確な目的に沿って公募・審査が行われ、外部の専門家でなく同庁内 部の職員が研究中の進捗管理を行うなど、政府による研究への介入が著しく、問題が多い。 学術の健全な発展という見地から、むしろ必要なのは、科学者の研究の自主性・自律性、 研究成果の公開性が尊重される民生分野の研究資金の一層の充実である。  研究成果は、時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用され、攻撃的な目的のためにも 使用されうるため、まずは研究の入り口で研究資金の出所等に関する慎重な判断が求めら れる。大学等の各研究機関は、施設・情報・知的財産等の管理責任を有し、国内外に開か れた自由な研究・教育環境を維持する責任を負うことから、軍事的安全保障研究と見なさ れる可能性のある研究について、その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術 的・倫理的に審査する制度を設けるべきである。学協会等において、それぞれの学術分野 の性格に応じて、ガイドライン等を設定することも求められる。  研究の適切性をめぐっては、学術的な蓄積にもとづいて、科学者コミュニティにおいて 一定の共通認識が形成される必要があり、個々の科学者はもとより、各研究機関、各分野 の学協会、そして科学者コミュニティが社会と共に真摯な議論を続けて行かなければなら ない。科学者を代表する機関としての日本学術会議は、そうした議論に資する視点と知見 を提供すべく、今後も率先して検討を進めて行く。  ■声明比較(主な内容)  <1950年(約220字)> 「世界平和の使として(中略)戦争を目的とする科学 の研究には、今後絶対に従わない」  <1967年(約470字)> 「科学研究の成果が又平和のために奉仕すべきことを 念頭におき、戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」  <今回(約1100字)> 「国家の安全保障にかかわる研究が、学問の自由及び学術 の健全な発展と緊張関係にあることをここに確認し、上記2つの声明を継承」 「軍事目的に転用され、攻撃的な目的のためにも使用されうるため、まずは研究の入り口 で研究資金の出所等に関する慎重な判断が求められる」 "[he-forum 19325] 学術と軍事研究 日本学術会議検討委委員長・杉田敦さん(朝日新聞4/13)","(インタビュー)学術と軍事研究 日本学術会議検討委委員長・杉田敦さん 2017年4月13日  日本学術会議が半世紀ぶりに、大学などの軍事研究に否定的な声明を発表した。13日 からの総会で報告される。学術を取り巻く環境が変化するなかで出された新しい声明をど う受け止めたら良いのか。議論をまとめた「安全保障と学術に関する検討委員会」の杉田 敦委員長(法政大学教授)に聞いた。  ――今回の声明は、大学側のあり方まで踏み込みました。  「大学などの研究機関での軍事的手段による国家の安全保障に関わる研究が、学問の自 由や学術の健全な発展と緊張関係にあることを示し、大学や学会に対応を求めた点が大き なポイントです」  「重大な問題であるにもかかわらず、軍事研究は行わないとした1950年と67年の 声明から半世紀。日本学術会議は、議論を継続せず、考え方を示してこなかったという反 省があります。今回の声明は、過去の声明を『継承』しました」  ――過去の声明を「堅持」するとすべきだとの声もありました。  「堅持とは、そのままにするということ。でも、過去の声明のもとで事態はかなり進行 しています。2015年度に防衛装備庁が大学などに研究を委託する『安全保障技術研究 推進制度』を始めたことが、今回の議論のきっかけになりました。いま、米軍からの大学 や学会などへの資金援助は8億円を超えている状況です」  「今回の声明は、学術と軍事の間の緊張関係や大学が負う責任を明確にして、大学や学 会などに対応を求めることまで踏み込みました。過去の声明を発展的に継承すると考え、 継承という言葉を使いました」  ――学術と軍事の緊張関係とはなんでしょうか。  「何よりも学問の自由が脅かされます。学問の発展にとって、自主性、自律性、そして 研究成果の公開性が大事です。一般に軍事研究では、それらが保障されません。委員会で も学問の自由が学術の健全な発展につながることに異論はありませんでした」  「日本の場合には特に軍部が台頭した1930年代を中心に、憲法学などの学問が弾圧 される一方で、戦争遂行のために科学者が動員され、核兵器につながる研究さえしていた わけです。その反省が日本学術会議の原点です」  ――「学問の自由」は、なぜ大切なのですか。  「学問の自由は、研究者が個人的な判断だけで何でもやっていいことと誤解されがちで すが、それは憲法学などの知見から言っても間違いです。学問が政府などから過度に介入 されてはならないという意味であり、国内外に開かれた教育・研究環境を維持する責任が 大学にはあります」  「大学を聖域化するな、との意見もありますが、大学の研究者は自分で研究テーマを決 められる点で、企業などとは立場が違います。いかに民主的な政治権力であっても、社会 のすべてをコントロールすることは、長期的にみて社会のためになりません。大学という 自律性を持った空間は残しておくべきです」     ■     ■  ――明確な軍事研究は認めないが、自衛のための研究なら許されるとの意見もあります ね。  「この声明はそうした立場をとっていません。1928年の不戦条約で戦争が違法化さ れて以来、国際法上ほとんどの戦争が、『自衛権の行使』などとされ、戦争と呼ばれなく なりました。自衛という概念が非常に拡張され、戦争という概念が縮小している中で、自 衛目的ならいいとか、狭い意味での戦争目的でなければいい、とかいう安易な基準では、 軍事研究の全面解禁につながります」  ――憲法9条に照らした議論に踏み込みませんでしたね。  「たとえば集団的自衛権が認められるか認められないかという問題も、国論を二分し、 個々人でも判断が分かれています。9条があって自衛隊があって日米安保がある、という ことの帰結で、日本学術会議が学術的に特定の結論を出すことはできません」  ――声明では、防衛装備庁の制度について「問題がある」と明記しました。なぜでしょ うか。  「防衛装備庁の制度の目的は、防衛技術の開発につながる基礎研究と明示されています。 研究成果は公開できるし、介入はしないと言っていますが、防衛装備庁の職員が研究の進 捗(しんちょく)管理をし、助言をするのはかなり強い関与になる。学問の自由から見て 著しく問題があります。軍事的な目的が主眼でなければ、明確な軍事的な研究ではないと いう意見もありますが、この声明の考え方とは異なります」  ――軍事研究には、ほかに、どんな問題がありますか。  「国防や国民の安全に関わるような問題である、と言われると、断るとか、途中から協 力をやめるのが難しい。企業に対して、自分の研究をそういう用途に使ってもらっては困 る、と言えても、防衛問題となると、断ることは事実上、非常に難しいでしょう」  「また、軍事研究は秘密と結びつきやすく、緊急かつ絶対的なものとされがちで、他の 研究分野とは違います。軍事や防衛は予算がつきやすく、ブレーキをかけられなくなり、 他の研究予算を圧迫することにもなります。これも学術の健全な発展を妨げかねません」     ■     ■  ――そこまで、問題があると指摘したのに、なぜ声明で明確に禁じなかったのですか。  「学問の自由を制度的に保障する、大学の自治との関係です。学術会議は大学に命令す る立場にはない。大学は自律的な機関なので、学術会議は助言はできても、強制はできま せん。強く禁止したほうが良いという議論がありますが、そうではないと思います。むし ろ、そこまで大学の自律的な判断に介入してくるのか、という反発が出てくるかも知れま せん」  ――学術会議の限界ですか。  「そうも言えるかもしれません。しかし、軍事と学術との関係は、本来、学術会議だけ が考えることではなくて、さまざまな研究機関、そして個々の科学者が、科学者の社会的 責任に関する歴史的な議論もふまえて考えていくべきことです。さまざまな論点を審議し、 声明や報告の形で考える材料を提供したつもりです。学術会議が可否を全部決めるのでは、 研究者や大学が思考停止になりかねません」  ――声明をガラス細工のように精緻(せいち)な表現だ、と評価する声もあれば、玉虫 色との声もあります。自治の名のもとに、軍事研究に踏み切る大学も出てくるかもしれま せん。  「声明をよく読めば、できないと受け取るのが自然ではないでしょうか。防衛装備庁の 制度は、政府による介入が著しく、問題が多い、としているわけです。極めて問題が多い と指摘された制度を利用するなら、なぜ可能なのか、開かれた研究や教育環境を維持でき ると判断した根拠は何か。利用する大学や研究機関が説明責任を負います。そもそも、大 学の自治は、政府との緊張関係のうえに成り立つことを大学は意識すべきです」  ――防衛装備庁の問題ですか。  「違います。防衛装備庁の問題に限られません。研究者の意図を離れて攻撃的な目的に 使われる懸念も指摘し、研究に入る前に資金の出どころについて、まずは慎重な判断も求 めています。問題が多い機関の資金をもらっていいのかどうか。米軍はだめと明示的には 書いていなくても、米軍の性格を考えれば、攻撃的に転用される懸念は、自衛隊以上に大 きいとも考えられる。さまざまな資金について、こうした観点から各大学が判断すること になります」  「今回の声明は、研究目的なども厳しく審査するよう求めています。資金の出どころだ けでは割り切れないことは委員会の審議でも明らかになりました。軍事的な機関以外を経 由する形で事実上の軍事研究が進むこともありえます。だからこそ、声明は個別の機関や 制度の是非よりも、審査制度の整備を求めているのです。自分たちの研究がどのように使 われるか、大学や学会で継続的に議論することが大事です」     ■     ■  ――技術の使われ方の議論には想像力も必要ですね。  「その通りです。若い人は抵抗感が薄いという報道もあり、危惧しています。研究の適 切性は、これまで研究不正や研究費の不正使用ばかりが注目されてきましたが、科学技術 と倫理との関係といった問題について、対話を広げていく必要があるでしょう」  ――軍事と学術の関係は、どれだけ危機的な状況でしょうか。  「研究費不足、ポスト不足などの厳しい状況の中で、研究を続けるために研究資金を選 べないという声があります。防衛など、特定の目的に役に立つとされる研究だけに資金投 入が続くと、学術全体の健全な発展に悪影響が及び、ゆがみが生じます。そういう危険性 が見えてきた。研究者の自主性を生かす民生資金が非常に大事なのです」  「極端な例とはいえ、米国のように研究費全体の半分ぐらいが軍事的色彩を持つように なると、軍事的な研究資金をあてにしないと研究ができなくなり、研究全体に関する軍の 発言力が強まります。それでいいのか。今が分かれ道なのです」  (聞き手・竹石涼子)     *  すぎたあつし 1959年生まれ。法政大学教授。専門は政治学、政治理論。著書に 「権力論」「境界線の政治学」など。 "[he-forum 19327] しんぶん赤旗4/13","しんぶん赤旗 2017年4月13日(木) 大学自治侵すと批判 文科省天下り 根本的禁止へ制度化必要 吉良議員  日本共産党の吉良よし子議員は11日の参院文教科学委員会で、文部科学省の組織的天下りを追及しました。  吉良氏は、発端となった吉田大輔・元同省高等教育局長が「スーパーグローバル大学」の創設にかかわり、天下り先の早稲田大がそのトップ型に指定さ れていたとして「天下りは政府の『大学改革』を推進させるためではないか」と指摘。新潟科学技術学園では、天下り職員が「大学ガバナンス改革」に沿って学 長選考での教職員の信任投票を廃止したとして、天下りが「大学の人事に介入し、自治を侵した」と批判しました。  松野博一文科相は、指摘された事例に触れずに「再就職の有無が予算額や設置認可に影響を与えるものではない」と強弁しました。  吉良氏は、依頼していないのに天下り職員が理事になった新潟大の例も示し「押し付け的な天下りをなくすべきだ」と強調。同大職員組合による天下り 経過の公表などの再発防止策を紹介し、「大学の自治を守る制度的保証が必要だ。教育予算の増額と、天下りの根本的禁止を」と主張しました。松野文科相は 「疑念を抱かれないよう透明性を確立させたい」と答えました。= "[he-forum 19328] 大学、23区で定員増認めず 政府有識者会議案 ,新増設に法規制(日経4/24夕刊)","大学、23区で定員増認めず  政府有識者会議案 新増設に法規制 2017/4/24 日本経済新聞(夕刊)  人口の東京一極集中の是正と地方大学の振興に関する政府の有識者会議が5月にまとめ る報告書原案が明らかになった。東京23区での大学の定員増を認めるべきでないと指摘す るとともに、都内での大学の新増設抑制に向けた法整備を含めた抜本策を講じるべきだと 主張した。首都圏の大学の一部機能の地方移転を優先的に検討することも求めている。  原案をまとめたのは「地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議」(座長・坂 根正弘コマツ相談役)。5月中旬に山本幸三地方創生相に答申する。政府は6月にまとめ る経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に反映したうえで、具体的な対応策を検討する 方針だ。  報告書の原案は若者らの東京圏への転入超過が続いていることや、都内の大学の入学定 員が都内の高校を卒業して大学に進学する人の約2倍に上ることを問題視。「市場原理に 委ねると、地方の大学の経営悪化や撤退などを招きかねない」と訴えた。  具体策として23区内で学部や学科を新設する際は、23区内にある既存の学部を廃止する など、全体の定員を増やさないようにするよう提案。23区を含めた東京都内全域の大学の 新増設抑制については「国の責任で、法的な枠組みを含めて抜本的な対策を講じるべき だ」として法的な規制を設けるべきだとした。  地方大学の振興策として、各大学への補助金を地域活性化につながる取り組みに重点配 分する見直し策も明記。東京と地方の大学が単位互換で連携し、最初の3年間は東京で学 び、4年次に地方に戻る仕組みの検討も促している。  大学の都内での新増設の抑制などは全国知事会が要望しているが、日本私立大学団体連 合会は「大学の多様性や経営の自由を阻害する」などと反対している。有識者会議は「市 場原理から生ずる失敗には行政が介入する余地がある」と必要性を訴える。  地方大学の経営環境は若者の都市部流出などで悪化している。政府は定員割れが深刻化 する地方の私立大学については国立大学法人を受け皿に集約を進めて経営安定を図る案を 検討する方向。少子高齢化をにらんだ大学改革を巡る議論が活発になっている。 "[he-forum 19329] 東京新聞4/27","東京新聞 2017年4月27日 12時11分 研究者ら「政府答弁正当性欠く」 教育勅語で声明発表  教育勅語の学校での取り扱いについて「憲法や教育基本法に反しないような形で教材として用いることまでは否定されない」とした政府の答弁書に対 し、教育研究者の有志が27日、「容認の度合いを根拠なく強めるもので、正当性を欠く」と訴え、批判的な認識を持たせる指導なしで使わないよう求める声明 を発表した。  声明は「国民主権に反する教育思想を復活させることは、いかなる面から見ても弊害が大きい」と指摘。記者会見した東大の本田 由紀教授は「政府の復古的な姿勢の一環として、教育勅語の容認がある。憲法や教育基本法に反するものだという指導のみがぎりぎり許される」と述べた。 (共同)= "[he-forum 19330] 天下り問題考える ,新潟大学職員組合がシンポ(新潟日報5/13)","天下り問題考える 新潟大学職員組合がシンポ 2017/05/13  文部科学省の組織的天下り問題を受け、国民から信頼される大学について考えるシンポ ジウムが12日、新潟市中央区の新潟ユニゾンプラザで開かれた。新潟大職員組合が主催 し、市民ら約80人が参加した。  文科省の最終報告書では、新大理事の採用過程における文科省側の対応が違法認定され た。  シンポでは、職員組合の小西博巳中央執行委員長が、問題発覚後の経緯を説明した。真 相解明を求めて大学側に出した2度の質問状とそれに対する回答に触れ「大学は法令違反 がないと正当性を主張するが、天下り問題は社会的良識に反する」と指摘。「大学が安易 に文科省の天下りや出向者を受け入れる構造がなぜ生じるのか、皆さんと一緒に考えた い」と訴えた。  全国大学高専教職員組合の長山泰秀書記長は、天下りのほか、文科省の現役職員による 出向が常態化しているとし、「大学の正統性や地域社会からの負託の原点は、高い道徳性 や倫理性。天下りは大学の存在意義が問われる問題だ」と提起した。  会場からは「大学の状況が一般に伝わっていない。もっと情報を出してほしい」などの 意見が出た。 組合に学長側が再回答 新潟大天下り問題 2017/04/15  文部科学省の組織的天下り問題で、新潟大の男性理事の採用過程で文科省側の対応が 違法認定されたことを受け、高橋姿学長は14日までに、新大職員組合(小西博巳中央 執行委員長)に対し、「(あっせんを)依頼した事実もなく、本学の法令違反はない」 などと、あらためて回答した。  回答は13日付。真相解明や高橋学長の引責辞任を求める組合側が再度提出した 要求書に答えた。  組合側は14日、「(学長が)事実の全容を明らかにし、自らの襟を社会に見える 形で正すことを要求する」などとするコメントを発表した。 "[he-forum 19331] 毎日新聞(山形)5/17","毎日新聞2017年5月17日 地方版 重粒子線がん治療事業 赤字48億円か 27年度まで累積試算 山大医学部 /山形  山形大が推進する「重粒子線がん治療事業」(2019年度診療開始予定)について、27年度までに単独の累積赤字が最大計48億8200万円に達すると の試算があることが16日、同大関係者への取材で分かった。同施設を運営する同大医学部付属病院の収支全体も赤字に転落する見込み。同事業は国、県が支援 する先端事業だが、見直しを迫られる可能性がある。  毎日新聞が入手した試算資料などによると、同施設の収支は19年度の診療開始後、継続的に赤字を計上。23年度にフル稼働するが、27年度までの各単年度で3億8200万~5億8900万円の赤字となる。  27年度の同施設の収支を除いた同付属病院の累積収支は7億100万円の黒字。同施設の累積赤字は48億8200万円となり、全体では41億9100万円の赤字となる。同付属病院の収支を同施設が圧迫する構図となっている。  試算は群馬県の施設を先行事例とし、算出した。同県ではフル稼働の13年度に患者496人が治療を受けているとし、都道府県別のがんの罹患(りかん)者数などを勘案し、山大ではフル稼働の23年度の患者数を271人と算出したという。  この数字は山大がこれまでに想定していた「600人」に比べると半分以下となる。治療による収入が想定以下となる可能性が高いうえ、装置・建物保守維持費に年間6億4300万円が必要となるなどし、収支を圧迫するとみられる。  山大は佐賀県の先行事例でも、試算を実施。想定されるフル稼働時の患者数は440人に増加するが、27年度までの同施設単独の累積赤字は計8億9300 万円で、黒字化は厳しいとみられる。広報担当者は毎日新聞の取材に「議論の最中であり、コメントできない」としている。  重粒子線がん治療は放射線治療の一種。特殊な装置が必要で、16年9月現在、国内では計5カ所で稼働中という。山大は15年度に治療装置の開発に着手し た。建物・装置の整備に必要な事業費は15~18年度約150億円とされる。【野間口陽、二村祐士朗、深尾昭寛】 "[he-forum 19333] 山形新聞5/19","山形新聞 2017年05月19日 08:22 山形大が毎日新聞に抗議 重粒子線治療施設の報道めぐり  山形大が導入を計画している次世代型重粒子線がん治療施設をめぐり、診療開始後に赤字運営になる試算があると報じた毎日新聞の記事について、小山清人学長は18日の定例会見で「確定していない情報が報道され遺憾」などと述べ、同社に抗議文を送ったことを明らかにした。  施設は2019年度の稼働予定。毎日新聞の記事では、診療開始後の27年度までに単独の累積赤字が最大48億8200万円に達するなどの試算があるとし た。これに対し、小山学長は「大学内で、議論中であり(試算数値は)その資料の一部。まだ確定もしていない状態で、27年度に赤字が出るという部分を取り 上げ、事実かのような形で書かれるのは遺憾。抗議と訂正のお願いを書いた」と述べた。  山形大学医学部は18日、同学部付属病院のホームページで、今回の報道を遺憾とする内容の意見を公表した。  一方、毎日新聞社社長室広報担当は山形新聞の取材に「記事は適切な取材に基づいており、訂正の必要はないと考える」とのコメントを出した。= "[he-forum 19332] 毎日新聞(山形版)5/18","毎日新聞2017年5月18日 地方版 山形大重粒子線がん事業 多額の税金投入 /山形  山形大の進める「重粒子線がん治療事業」について、同大は医学部付属病院の先端技術の発展には欠かせない施設と位置付けている。総事業費は150億円に上り、国は既に補助金14億円を投入。県なども支援を決定しており、多額の税金が投入される。  同事業の詳細な計画は2012年1月、正式発表された。重粒子線がん治療施設は関東、西日本にはあるが、東北では初めて。重粒子線がん治療は放射線治療の一つで、がん細胞を狙い撃ちでき、破壊力が強く、他の細胞への影響や副作用は少ないとされる。  同大はがん治療に有効だとして、多方面に支援を要請。文部科学省は17、18年度も各26億円を、県は17年度から、3年間で計15億円を補助する予定。県内35市町村は公益財団法人「県市町村振興協会」を通すなどし、最終的に計15億5000万円を支出する。  国や自治体のほか、企業・団体・個人にも寄付を呼び掛けている。JAグループ山形、山形銀行、荘内銀行、富士通、県医師会などが支援を決めている。  同大によると、15年度以降に建屋設計と施工工事、装置研究開発、装置製作などに着手。19年度までには関係官庁への許可申請を終え、同年から、診療を開始する計画を立てているという。  医用原子力技術研究振興財団(東京都中央区)によると、稼働中の重粒子線がん施設は現在、国内計5カ所。山形大のほか、大阪でも計画が進んでいる。山梨 県では後藤斎知事が導入を公約に掲げたが、事実上の断念に至った。医師などの有識者による検討委で▽費用が巨額なこと▽近隣に競合医療機関があること-- などが指摘されていたという。【野間口陽、深尾昭寛】 「課題散見、リスク大」 臨時監査、事業再精査求める  山形大の進める「重粒子線がん治療事業」(2019年度診療開始予定)について、同大が16年度臨時監査で、事業を再精査するように求められていたことが17日、同大関係者への取材で分かった。収支、資金、体制面について、課題が見つかったためという。  関係者によると、臨時監査は16年12月1~22日に実施。同がん治療施設建設計画の精査▽他の同様の施設における患者数、収支状況の調査--などを行った。  その結果、同事業には「課題が散見され、現段階ではリスクが大きい」と判断し、開業には全学を挙げた取り組みが必要とした。  さらに県、他の自治体、関係団体への支援要請などが必要と指摘。同大側に事業を再精査し、報告するように求めたという。  同大はこれまで、27年度までに事業単独の累積赤字は最大48億8200万円となる可能性がある、などの試算を得ている。【二村祐士朗】 "[he-forum 19334] しんぶん赤旗5/22","しんぶん赤旗 2017年5月22日(月) 職業教育のあり方問う 「専門職大学」で参考人質疑 吉良議員  実践的な職業教育を行う新しい高等教育機関「専門職大学」の創設などを盛り込んだ学校教育法改定案について18日、参院文教科学委員会で参考人質疑が行われました。日本共産党の吉良よし子議員が質問しました。  全国専修学校各種学校総連合会の小林光俊会長は、専修学校の地位向上のために賛成の立場です。吉良氏は、地位向上は必要だとしつつ、専門職大学に 転換できる専門学校がどれくらいあるのかと尋ねました。小林氏は「設置基準が厳しく大変難しい。設置基準の緩和を求めたい」と述べました。  法案にはさまざまな懸念があると主張した法政大学の児美川孝一郎教授に対し、吉良氏は法案が産業界との連携を求めている問題を質問。児美川氏は 「応答責任を果たす必要はある」としつつ、産業界との一体化ではなく「大学の自主性・自律性」が必要との考えを示しました。吉良氏は「若者をとりまく雇用 が複雑化する中で、あるべき職業教育とは」と質問。児美川氏は、職業・専門教育的な内容を保障することと同時に労働法など「対抗的なキャリア教育も重要」 だと答えました。  連合の平川則男総合政策局長は「既存の教育機関との違いが明確でない」と指摘。学費の低減など「まだまだ議論が必要だ」と述べました。 "[he-forum 19335] JIJI.com5/24","JIJI.COM (2017/05/24-10:27) 「専門職大」創設へ=改正学校教育法が成立  実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関「専門職大学」「専門職短期大学」を創設する改正学校教育法が24日の参院本会議で、与党などの賛成 多数で可決、成立した。2019年4月からの開学を予定。大学制度で新たな教育機関が設けられるのは、1964年の短大制度化以来55年ぶりとなる。  専門職大・短大は、ITや観光などの分野で質の高い専門職人材を養成。修了者には学士や短期大学士の学位を授与する。文部科学省は省令で、必要とされる専任教員のおおむね4割以上を実務家とし、卒業単位の3~4割以上を企業での実習などとすることを義務付ける方針。   社会人が学びやすくするため、一定の実務経験を持つ入学者は、学位取得に必要な4年間(専門職短大は2~3年間)の修業年数を短縮できる。4年制は2~3 年の前期と1~2年の後期に区分でき、前期を終えていったん働いた社会人が後期に再入学しやすい仕組みも規定した。 "[he-forum 19336] nippon.com5/25","nippon.com [2017.05.25] 日本の科学研究?地盤沈下は止められるのか 仲野 徹【Profile】 「日本の科学研究は過去10年で失速」と報じた英科学誌「ネイチャー」の3月の特集は、若手研究者たちの厳しい現状を浮き彫りにした。先端科学研究に携わる筆者が、大学の研究体制の構造的問題を指摘する。 減少をたどる日本発科学論文 日本の科学にとって憂うべきレポートが、最近、英科学誌「ネイチャー」(3月23日号) に掲載された。過去10年間に日本の科学は失速し、他国に遅れをとっている、という内容である。わが国のニュースではそろって「衝撃的」と報道されていた が、当事者、特に大学で研究に従事している人たちにとっては、日頃からの懸念が裏付けされたにすぎない。 「Nature Index 2017 Japan」と題されたそのレポートの骨子は、複数のデータベースに基づいて日本からの論文発表の経年変化を他国と比較したものだ。また、なぜそのような 状況に至ってしまったのかについて考察している。その内容を簡単に紹介しながら、国立大学法人において生命科学を研究する一人として、現場における経験と 実感からの解説を加えてみたい。 主として用いられているデータベースは、「Web of Science(WOS)」「Scopus」、および「Nature Index」だ。WOS、Scopusは世界の数万におよぶ科学雑誌に掲載された論文、Nature Indexが自然科学各分野でトップジャーナルとして選定された68誌に掲載された論文についての動向を示す。 まず前者を見ると、2005年~15年までの10年間で、日本からの論文はほぼすべての分野において横ばいから減少の傾向だということが分かる。横 ばいならそれほど悪くないのではと思うかもしれないが、それは違う。この期間に世界全体では論文数が80%増加したのに対して、日本からの論文は14%に とどまっている。一方のNature Indexでは、12年から16年までの4年間に日本の論文数が8.3%低下しているのに対し、英国は17.3%、中国に至っては50%近い増加を見せて いる。世界的に論文数が増加する中で、日本の相対的な地位は着実に低下している。 「ポスドク」苦境で博士課程進学者が減少 日本において、論文業績に関わる最大の組織は国立大学法人である。その「基盤的経費」である運営費交付金は、2004年に一斉に実施された独立法人 化以降、ほぼ毎年1%ずつ引き下げられている。科学技術予算に関しては01年からほぼ横ばいであるが、これも他国はどこも増額しているのだから、相対的に は減っていると見なすべきだ。 このような予算の減額が、日本の科学レベル低下の最大要因ではないかと指摘されている。運営費交付金の減額が続けば、どの大学も常勤ポストを減らさざるを得ない。大学によっては教員数の25%削減を掲げているところもある。 90年代に、国は民間への優秀な人材の供給を目的とする「ポストドクター等1万人支援計画」を推進したが、企業での受け入れは思うように進まなかっ た。意図に反して、多くの人材がアカデミアへの残留を希望したのだ。しかし、常勤ポストが減少しているのだから当然、不安定な非常勤職にとどまらざるを得 ない。こういった状況を間近に見てのことであろう、大学院博士課程への進学者数が03年から減少し続けている。 研究は自転車走行のようなところがある。このままでは、どの国立大学も走るために必要な「エネルギー」が減っていくだろう。いったん失速すると、元 のスピードに戻すのに相当な労力を要する。やがては「ハンガーノック」状態?エネルギーが枯渇して動くこともできない状態?に陥ってしまう。 そうなる前に、根本的な対策を講じなければならない。いや、ひょっとすると日本の科学はすでにハンガーノック寸前なのに、疲弊による思考停止が進 み、そのことに気付くことすらできていないのかもしれない。最悪の状況になってようやくまた走り出しても、他国に追いつくためには相当なエネルギーを補給 しなければならない。それどころか、キャッチアップすることができない可能性もある。 研究の芽を摘む偏った資金投下 政府は「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI:World Premier International Center Initiative)」や、iPS細胞研究をはじめとする再生医学など特定の分野には重点的に資金投下を行っている。しかし、研究費の総額がほとんど増 えていないのだから、特定分野のみに多額の資金を投入すれば、他へしわ寄せがいかざるを得ない。そのせいで遂行できなくなった研究が数多くあるはずだ。将 来重要性を増す研究の芽がつぶされた可能性もある。 2016年ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典先生の例を挙げるまでもなく、研究とはどのように発展するのか予見不能性をはらんでいる。イノ ベーションの雄であるグーグルやアップルは、大企業からのスピンアウトではなく、住宅の「ガレージ」での研究・開発から起業したのだ。これらのことを考え ると、現時点において最先端である分野、すでに相当額の研究費が投下済みの分野、あるいは特定の有名研究者への偏った投資が果たして正しいものなのか。過 度にも思える選択と集中について、データに基づいた費用対効果の厳密な検証が必要である。 ネイチャー誌の記事ではもう一点、日本の若手研究者は研究室主催者(PI: principal investigator)になる意欲が低いことが問題点として指摘されている。若手研究者が自立して自由な発想で活躍することがイノベーティブな研究に は重要なのだから、これも深刻な問題だ。 大先生が率いる研究室に所属して、研究費のことや運営を気にせずに研究に専念できたら苦労は少ない。「寄らば大樹の陰」という日本人的なメンタリ ティーがあるのかもしれない。しかし、おそらくそれだけではない。若い間に独立しても、かなり厳しい現実が待ち受けている。それが大きな抑止力になってい るのではないだろうか。 死活問題は研究費である。欧米では通常、独立時にかなりのスタートアップ資金が用意される。残念ながら今の国立大学法人の体力では、一部を除いて十 分なスタートアップ資金を準備することができない。また、「基盤的経費」(研究開発に関わる基本的な活動を支える運営交付金など)だけでは研究できないの で、「競争的資金」(研究機関や研究者から研究課題を公募し、第三者による審査を経て優れた課題に配分される研究資金)の獲得が必須だ。しかし、ジュニア レベルのPIが自由な発想でのびやかに研究できるような研究費の制度はほとんど存在しない。 文科省支援の任期付き採用制度も不振 若手研究者の独立をサポートする制度のひとつとして「テニュアトラック制度」がある。任期付きの雇用形態で自立した研究者として経験を積ませ、順調 にいけば、任期終了後に終身雇用へと移行させる制度だ。米国などでは広く取り入れられている。わが国でも広く導入すべきだと文部科学省が推奨しているのだ が、あまり進んでいない。 筆者が勤める大阪大学では文科省の支援を受けて、2008年度からテニュアトラック制度「大阪大学生命科学研究独立アプレンティスプログラム (Osaka University Life Science Young Independent Researcher Support Program)」を5年間にわたって運営した。その責任者を務めた経験から言うと、正直なところ、現状ではテニュアトラック制度を大々的に導入するのは 難しいと思わざるを得なかった。若手を積極的に登用するための制度設計、テニュア審査の難しさ、テニュア枠ではない大多数の教員の意識改革、スタートアッ プを含む十分な資金投下など、解決すべき問題が山積しているからだ。 ネイチャー誌の記事が出て1カ月後の4月、科学技術政策に関する司令塔機能を担う「総合科学技術・イノベーション会議」(内閣府)が、科学技術分野 の年度当初予算について3年間で9千億円の増額を目指す方針を発表した。ただし「既存の補助金が交付されている農業や建築など他分野でも、新しい情報技術 と組み合わせれば『実証実験になる』として、科学技術関連の予算に算入することにした」(朝日新聞) と報道されているので、科学研究費本体がどの程度増えるのかは不透明だ。 研究費だけではない高い壁 生命科学の分野では特に著しいのだが、各分野での研究手法は急速に進歩している。例えば、「次世代シークエンサー」(DNA の塩基配列を超高速で読み取る装置)を用いた網羅的な解析や、高度な光学機器を用いた分析などが必要になり、これらの研究を行うために要する研究費が顕著 に増大している。そうした高度な研究から、日本の多くの研究室は取り残されつつある。 だが、危機的状況に陥っている日本の科学を立て直すために、研究費の増額は必要条件ではあっても、決して十分条件ではない。大学のシステムを、そして大学教員の意識を大改革することなしに、上昇基調へと転じるのは困難だ。 文科省はいくつものプログラムを立ち上げ、大学にさまざまな制度改革を促そうとしている。大学側はそうしたプログラムに応募して資金を得るものの、 言葉は悪いが、“食い逃げ” のような状況も見受けられる。前述のテニュアトラック制度一つを取ってもわかるように、抜本的な制度改革の壁は相当に高い。 具体的には、縦割りの講座システムや教育・研究・事務業務の非効率的な配分に見られる硬直化した運営システムなど、大学組織にはいくつもの根深い問 題がある。その背景には、社会全体の人事流動性や労働生産性の低さなどの根底にある日本人のメンタリティーが複雑に絡み合っていると思われる。このままで は、大学での研究が機能しなくなるほど事態は深刻だ。それが杞憂(きゆう)かどうかは、10年も待たずに分かる時が来るだろう。 (2017年5月22日 記) う???4??笈?強化」しようというのでしょうか。日本の大学教育は、家計の重い負担で支えられてきましたが、 それも限界にきています。  政府は、2012年にようやく国際人権規約の「高等教育の漸進的無償化」条項を受け入れました。高い学費を値下げする方向に踏み出すとともに、奨 学金制度を拡充することは、憲法と教育基本法が定める教育の機会均等への国の責任を果たすことであり、日本政府の国際公約でもあります。日本共産党は、学 生、高校生、教育関係者、そして国民のみなさんとともに、学費の無償化に向けた着実な前進と、安心して使える奨学金制度の実現のために、力をつくす決意で す。 ;?蒐4????びたいのに」とし、郵便とメールは欄外のあて先へ、ファクスは03・3212・5177。 "[he-forum 19337] 朝日新聞6/8","朝日新聞 2017年6月8日05時00分 (私の視点)文科省天下り 教授職、博士号ゼロは異常 大西好宣  文部科学省元職員らによる大学への天下り問題には、これまでに報じられた違法性の問題以外にも、教育行政上の重要な論点がある。学位の価値という問題はその一つ。それに気づかせてくれたのは、3月の参議院予算委員会のやりとりだった。  質問した野党議員が、大学の教授職に就いた文科省の元職員は最近3年半で15人おり、全員が博士号を持っていないという事実を指摘した。続いて国土交通省の事例も明らかになったが、大学教授になった26人のうち少なくとも23人が博士号保持者で、この点で我が国の高等教育行政をつかさどる文科省との差が際立った。この問題はマスコミにほとんど顧みられなかったが、問題を三つに分けて整理してみたい。  第一に、平成に入って以降文科省が推進してきた大学院重点化政策を文科省自らが否定している。この政策は、大学教員全体の博士号保有率を引き上げる意図が含まれていたはずだ。博士号を持たない文科省の元職員15人が大学教授となったのはそれと相反する行為ではないのか。  第二に、大人が抜け駆けしたという情けない事実である。大学院重点化政策は一面で成功を収め、大量の若い博士を誕生させた。けれども、若い博士の雇用創出に政府は無頓着だったため、結果として博士号を持っていても働き口がない、やっと見つけた就職先は期限付きばかりという、いわゆる高学歴ワーキングプアという負の側面を生じさせている。  最後の問題は、大学教授の資格を規定した大学設置基準第14条が、大学や文科省によって恣意(しい)的に運用されている疑いがあることである。  条文には大学教授の資格として、博士号及び研究業績を有することという原則に続き、いわば補助的・例外的な「準ずる」規定がある。博士号がなくて も、何か特別な能力を持っていたり、博士号取得者に準ずるような専門知識や研究業績があったりする場合には、それらを同等に扱おうという規定である。  かつて我が国の大学には、文系を中心として極端なまでに博士号授与を制限するという慣習や文化があったため、「準ずる」規定には歴史的な役割が あった。けれども、大学院重点化が進み、多くの博士号取得者が生まれた今、この規定の持つ肯定的な意義は薄れている。逆に縁故などで規定が恣意的に運用さ れ、本来は教授としてふさわしくない人物を採用してしまうリスクが高まっているのではないか。  国交省の場合、技術系の博士号取得者が多いという事情があるにせよ、文科省の博士号ゼロという実態は明らかに異常であり、今こそ冷静な議論が必要である。  (おおにしよしのぶ 千葉大学高等教育研究機構教授)= "[he-forum 19338] 大学ジャーナル6/9","大学ジャーナルオンライン 2017年6月9日 国立大学の2010~2015年度業務実績を評価、公表 大学ジャーナルオンライン編集部  文部科学省の国立大学法人評価委員会は、全国の国立大学などの第2期中期目標期間(2010~2015年度)の業務の実績に関する評価を行い、結果を公表した。  「国立大学法人等の中期目標期間評価」とは、国立大学法人評価委員会が、国立大学86法人、大学共同利用機関4法人を対象に、毎年度の業務実績評 価とは別に、中期目標期間全体の業務運営の実績について調査・分析し、各大学等の中期目標の達成状況を評価するもの。第2期中期目標期間は 2010~2015年度の6年間を対象としている。 評価方法は、各大学等の中期目標の達成状況を「中期目標の達成度が非常に優れている」から「中期目標の達成のためには重大な改善事項がある」までの5段階で評定する。  「研究に関する目標」の評定において、「中期目標の達成度が非常に優れている」と評価されたのは、東京外国語大学、東京工業大学、大阪大学、九州大学、奈良先端科学技術大学院大学の5校。 その中の1校、「言語文化基礎資料等の情報資源化」に取り組む東京外国語大学では、2011年度のアジア・アフリカ言語文化研究所主催の国際シンポジウム や、2015年度の総合国際学研究院主催の国際シンポジウム等、計1,130件の研究集会を開催したことなどが評価のポイントとなった。  また、「社会貢献・国際化等に関する目標」の評価において、「中期目標の達成度が非常に優れている」と評価されたのは、「早期教育プロジェクト」に取り組む東京藝術大学。 東京藝術大学では、毎年度、企業との共同主催事業「藝大アーツイン丸の内」を開催したほか、音楽分野では日本全国の小中学生を対象に地元でのレッスンを実 施したり、2013年度には選抜した学生らをジュネーヴ音楽大学(スイス)に派遣し現地で演奏を行うなど、企業、自治体、海外の関係機関等との連携によ り、213件の受託事業、10件の早期教育プロジェクトを行ったことなどが評価ポイントとなった。  この他、国立大学法人・大学共同利用機関法人の第2期中期目標期間の業務の実績に関する評価結果の詳細は、文部科学省のHPに掲載されている。 参考:【文部科学省】国立大学法人・大学共同利用機関法人の第2期中期目標期間の業務の実績に関する評価結果 "[he-forum 19339] しんぶん赤旗6/26","しんぶん赤旗 2017年6月26日(月) 研究の軍事利用拒否しよう 日本科学者会議がシンポ  「科学の平和的、民主的発展のため学術研究の軍事利用を拒否しよう」と、学術と学術体制のあり方を問うシンポジウムが25日、東京都千代田区で開かれました。日本科学者会議(JSA)の主催で、約160人の研究者、大学関係者や市民が参加しました。  前日本学術会議会長で東京大学名誉教授の広渡清吾氏が「科学コミュニティーと軍事研究」と題し講演しました。科学者が軍事研究に貢献することは科 学研究の普遍性に矛盾するとして、歴史の過ちを繰り返さないことを社会的責任とする科学者コミュニティーの立場を強調。安倍政権のもと防衛省が研究機関に 軍事研究の協力を求める問題に対し、科学者と市民が連携して反対運動を進める重要性を説きました。  ノーベル物理学賞受賞者でJSA代表幹事の益川敏英氏と精神科医・立教大学教授の香山リカ氏が対談。「研究成果を軍事研究に利用されるかもしれな いとき、科学者は何をすべきか」という香山氏の問いに、益川氏は「研究者は研究だけに没頭するのではなく、原発反対などの社会的な運動に積極的に関わるべ きだ」とのべました。  「軍学共同」の反対運動を進める各団体の代表ら12人がリレートーク。「軍事研究を行わない立場を堅持した日本学術会議の新声明を、各大学でも議論をと呼びかけている」(全大教)などの取り組みが紹介されました。 "[he-forum 19340] 退職金裁判,控訴理由書","元佐賀大学の豊島です. 控訴審裁判の前日になってしまいましたが,退職金裁判の控訴理由書を以下に公開します. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2017-06-27 長いので要約を作るつもりです. 控訴審は明日(6/28)午前11時,福岡高裁です.終了後近くで報告集会の予定です. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 19341] しんぶん赤旗7/10","しんぶん赤旗 2017年7月10日(月) 自由脅かす政権打倒を 学者の会 大学人と市民のつどい  「安全保障関連法に反対する学者の会」は9日、東京都新宿区で「自由が危ない 表現・思想・学問の自由」と題した大学人と市民のつどいを開きました。約650人が参加し、暴走する安倍自公政権の打倒を訴えました。  同会発起人の広渡清吾・東京大学名誉教授が開会あいさつ。「民意を無視して行政を私物化し、共謀罪などで市民の自由を脅かす安倍政権を取り換えよう」と述べました。  中野晃一上智大学教授、高山佳奈子京都大学教授ら大学関係者やジャーナリスト、市民団体の代表がリレー発言。  「未来のための公共」の馬場ゆきの氏は「自由を守ろう、政治を変えようと声を上げる、その権利を行使しよう」、最低賃金1500円の実現を掲げる 「エキタス」の永田爽真氏は「自由を取り戻すため、お金と時間に余裕を持てる社会にしよう」、「安保関連法に反対するママの会」の長尾詩子氏は「女性や子 どもの権利を守るために、平和・憲法を守ると発信し続けたい」とそれぞれ訴えました。  早稲田大学有志の会の小原隆治氏は「共謀罪法廃止へ、護憲野党と市民の共闘をさらに推し進めよう」と呼びかけました。最後にまとめの発言にたった 佐藤学・学習院大学教授は「森友・加計問題で安倍政権への市民の怒りが広がり、都議選で自民党は惨敗した。今が攻めどきだ。学者と市民が手を取り、共謀罪 法を廃止へ追い込もう」と訴えました。  つどい参加者の多数は、同日夕に新宿区内開かれた街頭宣伝デモに合流しました。 安倍暴走政権 学者・作家が告発 中野晃一氏・吉岡忍氏らトーク (写真)学者や市民の発言を聞く参加者=9日、東京都新宿区  9日に早稲田大学で開かれた「大学人と市民のつどい」のリレートークでは、学者や作家、ジャーナリストがそれぞれの専門分野や言論・表現活動の視点から、安倍政権の暴走の危険を告発しました。  中野晃一上智大学教授は、日本人は絶対的価値である「自由」や「規範」より、「社会的平等」や「まともな政治」を重視する傾向があり、「秘密保護 法や安保法より森友・加計疑惑など“政治とカネ”の方が一気に火がつく」と指摘。「自由」や「権利」は当然の価値観だと繰り返し訴える必要性を語りまし た。  岡野八代同志社大学教授は、フランス人は他人の意見ではなく自分の良心に従って生きることが自由だととらえており、それを保障するのが公共性だと強調しました。  高山佳奈子京都大学教授は、参院の委員会採決をせず「中間報告」という手法で強行された「共謀罪」法は国会法に照らして「有効に成立していない」 と批判。犯罪の実行前に「頭の中」を処罰する点や、テロが対象になっていないことなど法律の諸矛盾を指摘し「真実を多くの人に伝えていくべきだ」と訴えま した。  青井未帆学習院大学教授は、改憲をめぐり安倍首相らの「自衛隊を書き込むだけ」という説明を批判。9条に書き込めば、これまで政府が内閣の「一般 行政事務」(73条)の一つと説明してきた自衛隊とは異なる存在となり、軍法会議の可否などさまざまな軍事的な問題が発生すると指摘しました。  作家の吉岡忍日本ペンクラブ会長は、島崎藤村、石川達三、川端康成の作家としての軌跡を紹介。「近代の日本文学は『時代の光景』を描きだそうと苦闘し一人ひとりの想像力を狭くしてはならないと訴えてきた」と語りました。  ジャーナリストの金平茂紀氏は、マスメディアは安倍政権の言論介入の被害者とばかりいえず「共犯者」ともなっていると指摘。都議選最終盤、安倍首相の秋葉原での街頭演説で起きた「安倍やめろ」コールが夜の放送で消されたことなどを挙げ報道の自由の危機を警告しました。= "[he-forum 19342] 山形新聞7/25","山形新聞 2017年07月25日 08:01 山形大の学生が自殺、遺族が提訴 アカハラで処分、助教の研究室所属  アカデミックハラスメントを理由に停職処分を受けた山形大助教の研究室に所属していた学生が、助教に対する処分前に自殺していたことが24日、山形新聞の取材で分かった。学生の遺族は大学側に損害賠償を求めて山形地裁に提訴している。  関係者によると、この助教は工学部に在籍。大学は昨年10月31日、40代の男性助教が相手の意思に反する要求などアカハラに当たる行為をしたとして、停職1カ月の懲戒処分とした。  発表によると、この助教は研究室に所属する学生複数人に対し、以前から長時間の説教、口を利かないなどの言動を繰り返し、自らが望む行動を強要した。助教は処分を受け入れたという。  大学は処分発表の際、学生の自殺には触れていなかった。助教のアカハラが発覚した詳細な経緯も明らかにしていない。  同大は山形新聞の取材に対し、「現時点でコメントはできない。大学の主張は裁判で明らかにする」としている。 "[he-forum 19343] 山形新聞7/26","山形新聞2017年07月26日 07:10 山形大生アカハラ自殺訴訟、大学側が答弁書 山形地裁 で第1回口頭弁論  アカデミックハラスメントで停職処分を受けた山形大工学部助教の研究室生が自殺し、遺族が同大に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、山形地 裁で開かれた。大学側は訴状に対する答弁書を提出したが、内容を明らかにしていない。訴訟では、処分を受けた助教も被告になっている。  原告、被告の代理人弁護士はいずれも取材に応じなかった。大学も「ノーコメント」としている。  大学は昨年10月31日、40代の男性助教が相手の意思に反する要求などアカハラに当たる行為をしたとして、停職1カ月の懲戒処分とした。発表による と、研究室に所属する学生複数人に対し、以前から長時間の説教、口を利かないなどの言動を繰り返し、自らが望む行動を強要した。助教は処分を受け入れた。  学生は助教が処分される前に自殺したが、大学は処分発表の際、自殺には触れていなかった。助教のアカハラが発覚した詳細な経緯も明らかにしていない。= "[he-forum 19346] 人事院、4年連続プラス勧告へ(共同通信・西日本新聞・北海道新聞等 8/2付け)","人事院、4年連続プラス勧告へ 国家公務員月給 2017/8/2  人事院は1日、2017年度の国家公務員給与改定で、一般職の月給を引き上げるよう 国会と内閣に勧告する方針を固めた。月給のプラス勧告は4年連続。引き上げ額は、民間 企業の賃金アップの動きがわずかに弱まっているため、16年度の平均708円(前年度 比0・17%増)を下回る見通し。来週にも勧告する。  人事院勧告は官民の給与格差を埋めるのが目的。基礎資料となる給与実態調査の結果、 月給は民間の水準が国家公務員を上回り、差を埋める必要があると判断した。  ボーナスは最終的な調整を進めているが、16年度の年間支給月数(4・3カ月分) からわずかに増やすか、据え置く方向だ。 "[he-forum 19345] 朝日新聞8/2投書","朝日新聞 2017年8月2日05時00分 (声)教職課程審査、強まる行政関与         大学教員 佐藤史浩(宮城県 65)  7月13日付の「私の視点」は、大学の教職課程への「行政関与」を指摘している。教職課程を新たに設ける際の教員の審査でもそれは著しい。  教職課程を設けるにあたっては、法令に従い科目を設定し、担当教員の履歴書、研究業績書などを文部科学省に提出。担当教員としての適性を審査される。その科目が扱う領域に関する研究業績が判断基準となるが、具体的な領域は文科省が決める。  私の経験だが、大学の学部改組をした際、「教育制度」科目の担当として審査されたことがある。私の「教員養成制度」の研究は学問的に見れば含まれ ると思ったが、「含まれない」とされた。授業担当者としての能力を総合的に判断するとされているが、あいまいで恣意(しい)的な判断が入りやすいものと感 じる。  教員の差し替えを指摘された際も、反問は許されず、当初は、差し替え理由も示されなかった。  理不尽さを感じながらも認可のため、教員たちは担当科目について、文科省の意に沿う幅広い業績づくりに励まざるを得ない。こんな状況は、学問を究める大学としても学生にとっても不幸と思う。= "[he-forum 19344] 山形新聞8/2","山形新聞 2017年08月02日 08:21 自殺前、大学に親が相談 山形大生アカハラ訴訟、原告主張「適切な対応せず」  山形大工学部の学生が自殺し、両親が大学とアカデミックハラスメントで処分された助教に損害賠償を求めた訴訟で、原告の両親は学生が自殺する前、助教の 指導で子どもが悩んでいると大学に相談したものの、大学が適切に対応しなかったと主張していることが1日、山形新聞の取材で分かった。また学生が自殺する 前日、助教を「憎んでいる」とのメモをスマートフォンに残していたことも判明した。  原告の訴えによると、工学部4年の学生は2015年11月、米沢市内で自殺した。助教から人格や研究する権利を侵害されるような言動を受けていたとし、「指導の名を借りた違法行為」としている。  助教からは、進学に関わる必須科目の授業よりも研究室の研修旅行への参加を強要されたほか、卒業研究の発表について他の学生の前で数十分間も叱責(しっせき)されたと主張。助教は指導を放棄することもあったとしている。  人格を否定されるような指導について学生から聞いていた両親は、学生が自殺する前、工学部後援会の会合や保護者会などの場で大学側に相談していたとしている。  15年5月、助教と研究で連携していた教員に「息子が助教のことで悩んでいる」などと相談したほか、翌月には工学部長に「研究室からの帰りが遅い。管理 はどうなっているのか」と思いを伝えたという。10月には「息子をつぶそうとしているのか」などと別の教員にも訴えたとしている。  大学には事態を把握する機会があり、適切な対応をしていれば自死という最悪の事態は防げたとし、大学と助教に計約1億2千万円の損害賠償を求めている。  大学は「現時点で大学に責任があるとは言えない」などと争う構え。大学、助教ともに請求棄却を求めている。= "[he-forum 19347] 日刊ゲンダイ8/1 及び 岡本嘉六「獣医学小史」","日刊ゲンダイ 2017年08月01日 「専門家が加計問題に喝…学部新設より獣医師の待遇改善を」 URLは、 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210538/1 記事中で言及されている 岡本嘉六「獣医学小史」のURLは、 http://www.vet.kagoshima-u.ac.jp/kadai/V-PUB/okamaoto/vetpub/Dr_Okamoto/Moro moro/VetEdu.htm 以上 "[he-forum 19348] 山形新聞8/3","山形新聞2017年08月03日 07:42 学生自殺と助教に因果関係 山形大生アカハラ訴訟で調査委が報告書  山形大工学部の学生が自殺し、両親が大学とアカデミックハラスメントで処分された助教に損害賠償を求めている問題で、学外メンバーによる「工学部キャン パス・ハラスメント防止対策委員会調査委員会」が、学生の自殺と助教のアカハラとの因果関係を認める報告書を作成していたことが2日、山形新聞の取材で分 かった。報告書は、両親の事前相談に対する大学の対応が機能しなかったとも指摘。原告側は訴訟で報告書を証拠として提出している。  報告書によると、2015年11月に学生が自殺した後、遺族が大学に真相解明を求め、第三者委員会の設置を要望。その後、4人の外部委員から成る同調査委員会が立ち上がった。両親、助教、他の教員、学生に聞き取りを行い、16年6月に調査結果をまとめた。  報告書は「助教がアカハラに抵触する言動を行っていたと認められる。この言動が学生の自死に関わっていた可能性が高い」と指摘。「学生には研究室以外のストレス要因はなく、自死と助教の因果関係が認められる」と述べている。  両親の相談に対する大学側の対応にも言及し、「保護者が複数回、学生の苦悩を教員らに伝えていたにも関わらず、学科として情報を共有せず、自殺を防ぐセーフティーネットが機能しなかった」との見解を示している。  訴訟で大学側は報告書の存在を認める一方、「これがそのまま大学の判断となるものではない」などと反論。調査の過程で関係者への聞き取りが不足しているとし、報告書にある事実関係や自殺と助教の因果関係を認めていない。  訴えによると、学生は15年11月、助教を恨んでいるとのメモを残して自殺。人格や研究の権利を侵害される言動を受けていたと主張している。学生が自殺 する前、両親が学生が悩んでいることを大学に相談したが、適切に対応しなかったとも訴え、大学と助教に計約1億2千万円の損害賠償を求めている。  大学は「現時点で大学に責任があるとは言えない」などと争う構え。大学、助教ともに請求棄却を求めている。 "[he-forum 19359] 河北新報8/8","河北新報 8/8 <山形大アカハラ自殺>第三者委報告 両親の相談共有されず  山形大工学部(米沢市)の男子学生が指導教員の助教によるアカデミックハラスメント(アカハラ)を苦に自殺した問題で、 学生の自殺前に両親からメールや工学部後援会、保護者会でそれぞれ相談を受けた教員3人が、いずれも相談内容を学部の担当者に伝えていなかったことが7 日、大学が設置した第三者調査委員会の報告書で分かった。両親の再三の訴えが無視された形で、調査委は対応の不備を指摘している。  報告書などによると、父親は2015年5月、学生が助教から人格を否定するような発言を浴びせられ、悩んでいることを大学側にメールで相談。対応した教員は、学生が研究室に入ってまだ1カ月程度だったため「様子を見ましょう」という趣旨の返答をした。  両親は翌6月、工学部後援会総会の懇親会で「息子の帰宅時間が遅い。研究室の管理はどうなっているのか」と尋ねたが、話を聞いた教員は「大学はそんなもの」と応じた。  10月の保護者会でも「息子をつぶそうとしているのではないか」と相談したが、対応した教員は、学生が毎日登校し、単位も順調に取得していたことから問題ないと判断したという。  調査委は報告書で「どの教員も個人で判断と処理を行い、情報を共有した対応が試みられず、自殺を防ぐセーフティーネットが機能しなかった」と指摘した。  報告書によると、学生は助教からの報復を恐れ、学内の相談窓口を利用しなかったとみられる。両親の訴えが届かなかったことで、大学側は学生の自殺前に助教によるアカハラを組織として把握する機会を失った可能性もある。  両親は大学と助教に損害賠償を求める訴えを起こし、山形地裁で係争中。大学側は自殺とアカハラの因果関係を否定している。= "[he-forum 19358] 山形新聞8/9","山形新聞 2017年08月09日 08:45 山形大、会見要請に応じず アカハラ自殺問題、記者クラブに通知  山形大生のアカデミックハラスメント自殺訴訟問題で、山形新聞を含む山形県警記者クラブ(加盟全15社)は大学側に対し、同問題に関する小山清人学長の記者会見を求めたが大学側は8日、「現時点では控えたい」とし、応じない考えを文書で通知した。  県警記者クラブは加盟15社の総意として、▽外部メンバーの「工学部キャンパス・ハラスメント防止対策委員会調査委員会」による調査の経緯、結果の公表 ▽裁判での大学側の主張▽アカハラをしたとされる助教を停職1カ月とした懲戒処分の経緯▽1人の学生が命を絶った事実関係を、助教の懲戒処分時に発表しな かった理由と、その判断に問題はないと考えるか―の4点について大学側に記者会見での説明を求めていた。要請は4日付。  記者クラブの要請に対し、大学側は記者会見しない理由について「裁判外での発言が報道されることにより、誤解を招く恐れがある」と説明。さらに「ご遺族を含めた関係者のプライバシーを侵害する恐れもある」としている。  小山学長は今月3日に開かれた同大の定例会見で、この問題に対する記者の質問に「裁判で明らかにする」「ノーコメント」と事実関係について一切説明しなかった。 "[he-forum 19357] 公務員の定年延長検討 国と地方、段階的に65歳案(7/18共同、6/24時事)","公務員の定年延長検討 国と地方、段階的に65歳案 人件費抑制など課題も 2017年7月18日 (火)配信共同通信社  政府は、国と地方の公務員の定年を同時期に引き上げる方向で検討に入った。現在の定 年は原則60歳で、複数年かけて段階的に65歳まで引き上げる案を軸に調整する。複数 の政府関係者が16日明らかにした。早ければ2018年の通常国会への法案提出を目指 すが、総人件費の抑制策や、職場の高齢化を防ぐため新人の確保も含めた定員面での工夫 など課題は多く、曲折も予想される。  働き方改革の一環で、高年層の活躍を促すとともに、民間企業への波及や「生涯現役社 会」への環境整備が狙い。実現には国家公務員法の改正、地方公務員の場合は各自治体で 定年を記した条例の改正が必要となる。  内閣官房を中心に総務、財務、厚生労働、防衛の各省担当者らでつくる検討会が既に議 論に着手。人事院も参加し、定年を引き上げるスケジュールや総人件費の抑制策について 論点整理を進めている。  人件費を巡っては、高年層の給与や退職手当の在り方が課題となる。地方公務員の定年 は国家公務員に連動している。  公務員の公的年金は、受給開始年齢を60歳から65歳まで段階的に引き上げている最 中で、現行では定年後に年金を受け取れない期間がある。このため給与は下がるものの、 定年後の再任用制度を利用する人が近年、増加。地方では新規の再任用職員が13年度の 約2万人から、16年度には約3万5千人に増えた。  自民党の1億総活躍推進本部(本部長・川崎二郎元厚労相)は5月、高年層の公務員の 能力活用を先導することによって民間にも広がることを目指し、定年延長を提言。政府が 6月に決めた経済財政運営の指針「骨太方針」でも定年引き上げ検討の必要性が明記され た。 ※官民の定年年齢  国家公務員と地方公務員の定年年齢は、事務などの一般職員では原則60歳。自衛官は 階級によって53~62歳、検察官は63~65歳などとなっている。厚生労働省が20 16年に、従業員31人以上の約15万3千社を対象に行った調査によると、民間企業の 81・3%は定年を65歳未満に設定し、定年後は希望者を継続雇用する。このうちの多 くが60歳定年。定年を65歳以上としているのは16・0%、定年制を廃止しているの は2・7%となっている。 ---------------------------------------------------- 公務員定年延長へ議論=来秋にも法改正案-政府  政府は、公務員の定年延長に向け、近く関係府省で議論する場を立ち上げる方針を固め た。定年を現行の60歳から延ばした場合の職員定数の調整方法や、人件費の在り方を話 し合う。早ければ来年秋の臨時国会に国家公務員法など関連法改正案を提出する見通しだ。 公務員退職給付、引き下げを=民間を78万円上回る-人事院  定年延長に関する政府方針は、国に準じて制度が決まる地方公務員にも影響を及ぼす可 能性がある。  年金の支給開始年齢が2013年度以降、60歳から段階的に65歳に引き上げられて いるため、定年後の公務員に無収入の期間が発生することが課題となっている。  政府は当面、希望者を再任用する対応を取っているが、自民党の1億総活躍推進本部が 今年5月に公務員の定年延長を提言。6月に閣議決定された経済財政運営の基本指針「骨 太の方針」にも具体的な検討を進めることが盛り込まれた。  関係府省による議論では、公務員全体の定数を調整しながら定年を引き上げる方法を探 る。公務員は定数の上限が法律で決まっており、単純に定年を引き上げると、適切な新規 採用ができなくなるためだ。  公務員の人件費が増えることに世論の批判も考えられることから、慎重に検討する。給 与を60歳以降大幅に下げる形とするか、中高年層の水準を現行より低く抑えて全体的に 緩やかな変動とするかといったことが論点となる。(2017/06/24-14:54 時事) "[he-forum 19356] 非常勤の国家公務員に勤勉手当を 人事院、全省庁に通知(7/13共同、時事)","非常勤の国家公務員に勤勉手当を 人事院、全省庁に通知 2017年7月13日 17:52 共同  人事院は、任期が一定期間を超える非常勤の国家公務員(一般職)のボーナスについて、 期末手当だけでなく、勤勉手当も支給するよう全省庁に通知した。民間企業の「同一労働 同一賃金」を目指す政府方針を踏まえ、常勤職員との格差解消を図る。対象の任期は「6 カ月以上」と想定しており、各省庁が2018年度予算の概算要求に必要経費を盛り込む 見通しだ。通知は12日付。  08年の通知で、固定額に当たる期末手当を非常勤職員にも支給するよう求めたが、勤 務成績に応じた勤勉手当の扱いは明示せず、省庁ごとに対応が分かれていた。 ------------------------------------------------------------------------- 非常勤のボーナス増額=国家公務員、18年度から  非常勤の国家公務員に支給するボーナスについて、政府は12日、2018年度から増 額する方針を固めた。「同一労働同一賃金」を掲げ、民間に正規・非正規社員の格差是正 を要請していることを踏まえ、人事院が期末手当に相当する分だけでなく、勤勉手当分も 支給するよう指針を改正。これを受け、各府省が18年度予算概算要求に必要額を計上す る。  期末・勤勉手当は常勤の国家公務員に年2回、6月と12月に支給される。民間のボー ナスに当たり、期末手当は役職などに、勤勉手当は勤務成績に応じて支給額が決まる。  16年度は標準的な一般行政職に対し、年間で月給の計4.3カ月分を支給した。内訳 は期末手当が2.6カ月分、勤勉手当が1.7カ月分。  一方、給与法は非常勤職員の給与に関し、常勤との均衡を考慮して支給すると規定。し かし、具体的な対応は各府省に委ねられているため、常勤と比べて待遇が悪いケースもあ った。  そこで人事院は08年、各府省に「相当長期にわたって勤務する非常勤職員に対しては、 期末手当に相当する給与を支給するよう努める」ことを要請。今回はさらに踏み込み、勤 勉手当に関しても対応を求めた。  人事院は併せて、月給についても常勤により近づけるよう要請した。非常勤の国家公務 員は、16年7月時点で約14万5000人いる。(2017/07/12-16:12 時事) "[he-forum 19355] ボーナス0.05~0.1カ月増=月給上げ幅600円台か-公務員給与8日勧告へ(8/3 時事通信)","ボーナス0.05~0.1カ月増=月給上げ幅600円台か-公務員給与8日勧告へ  人事院は2日、2017年の国家公務員給与改定勧告で、ボーナス(期末・勤勉手当) の支給月数を0.05~0.1カ月程度引き上げ、年4.35~4.4カ月程度とする方 針を固めた。勧告の基礎資料となる民間給与実態調査(民調)で、公務員ボーナスが民間 をわずかに下回る見通し。月給も民間並みに引き上げる方針で、上げ幅は600円台で最 終調整している。  月給、ボーナスともに引き上げを求めるのは14年勧告以来、4年連続。勧告日は8日 を軸に調整している。  人事院は毎年、民調で企業のボーナス支給状況を調べており、官民で差が生じていれば、 公務員のボーナスを民間並みとするよう0.05カ月単位で上げ下げを勧告する。今回の 勧告では、企業の16年冬分と17年夏分が反映される。16年度の公務員支給実績は4. 3カ月だった。引き上げ分は、一律に支給する期末手当ではなく、仕事の成績に応じて額 が決まる勤勉手当に積み増すよう求めるとみられる。  月給に関しても、民調で公務員が民間を下回る見込み。民間との差は、16年の708 円よりやや縮小する見通しだ。(2017/08/02-22:50) "[he-forum 19354] 非常勤、忌引取りやすく=国家公務員、常勤と同等に-人事院(8/3 時事通信)","非常勤、忌引取りやすく=国家公務員、常勤と同等に-人事院  人事院は3日、国家公務員の非常勤職員の忌引休暇について、取得要件を緩和する方向 で検討に入った。現在は、任期が6カ月以上あるか、既に6カ月以上継続勤務している職 員が対象だが、この規定を廃止する考え。政府が推進している「同一労働同一賃金」の取 り組みを踏まえ、常勤職員との待遇に差がないようにする。  8日前後に予定している、2017年の国家公務員の給与改定勧告と併せ国会と内閣に 提出する報告に、要件緩和の検討を盛り込む方向だ。  政府は、民間企業の正社員と非正規社員の待遇差の是正に向け、賃金や各種手当、休暇 などの面で非正規の雇用環境の改善を目指している。昨年末にまとめた同一労働同一賃金 の指針案で、慶弔休暇を正社員と同様に与えると明記している。  こうした民間への対応を踏まえ、人事院も、非常勤と常勤で待遇に差が生じないよう制 度の見直しに着手した。人事院規則は、非常勤の親族が死亡した場合、各府省が葬儀出席 などのための有給休暇を与えると規定。ただ、規則の運用により、任期が6カ月以上ある か、既に6カ月以上継続勤務している職員に対象が限定されている。  常勤については、忌引休暇に関して勤続期間などを根拠とした制限はない。このため人 事院は、非常勤のみを対象とした規定の廃止を検討する。(2017/08/03-04:44) "[he-forum 19353] 山形新聞8/4","山形新聞 2017年08月04日 08:31 山形大生アカハラ自殺訴訟「裁判で明らかに」 定例会見で学長、事実関係説明拒む 自殺した山形大生の遺族が大学を提訴している問題について、「ノーコメント」と繰り返す小山清人学長=山形市・山形大小白川キャンパス  山形大生のアカデミックハラスメント自殺訴訟問題で、小山清人学長は3日、同大の定例会見で報道陣の質問に対し、「裁判で明らかにする」「ノーコメン ト」と事実関係について一切説明しなかった。調査委員会が学生の自殺と助教のアカハラに因果関係を認めた報告書は、既に原告の証拠書類で存在が明らかに なっている。それでも大学側からの説明はなく、在学生そしてキャンパスに疑念と不信感が広がっている。  大学はこれまで、学生が自殺した事実すら認めていない。会見で小山学長は学生が自殺したことを前提とせず、「学生が亡くなられたのは非常に残念。裁判の 中で大学の立場を説明し、理解を得ていきたい」と述べた。しかし、その後の質問には「裁判で」「ノーコメント」「個人情報の保護」との言葉を重ねた。  昨年6月、工学部の調査委員会がアカハラと自殺との因果関係を認めた調査結果をまとめているが、大学はその経緯や内容を公表していない。大学側はこの調査結果について、訴訟で「そのまま大学の判断とはならない」と反論している。  会見で小山学長は大学側の正式な見解は答弁書に記載している内容と認めた。答弁書では調査の過程で関係者への聞き取りが不足しているとし、報告書にある事実関係や自殺と助教の因果関係を認めていない。  報道陣から報告書についての質問も相次いだが、小山学長はここでも「裁判で」を繰り返し、自らの大学が行った調査にも口を閉ざした。学生に対する説明責任については「裁判の結果次第で、必要であれば説明する」と述べた。 学生たち「大学は守ってくれない、怖い」  学生が自殺した経緯に関し、在学生を含め一切の説明を拒む大学側の姿勢に、学生たちは複雑な反応を示した。  工学部4年の女子学生(21)は「アカハラを受けて相談しても大学は守ってくれないと思うと怖い。連絡用メールなどでアカハラの事実を教えてほしかっ た」と強調。処分発表の際、自殺の事実を伏せたことに関しては「大学の評判を落としたくなかったからではないか。誠実に説明していれば、むしろ評価された と思う」と首をかしげた。  同学部2年の男子学生(19)は「(亡くなった学生は助教が)『憎い』という言葉をどんな気持ちでスマートフォンに残したのか、やり切れない。このまま では、死を選んだ学生が救われない。大学は学生が亡くなる前、何が起こっていたのかちゃんと調べ、学生に伝えるべきだ。悲劇を繰り返さないために」。処分 発表時の対応に関しては「逃げているように感じる」とした。  「マスコミに報じられても発表しないという対応はとても不誠実だと思う。不信感を通り越して、あきらめの気持ちが強い」と語るのは人文学部4年の男子学 生(21)。不祥事が起きた場合の対応について「全てにおいて『事なかれ主義』だと思う」と批判し、「在学生にきちんと説明し、誠実に対応してほしい」と 求めた。 小山学長一問一答  定例会見で、報道陣と小山清人学長との主な質疑応答は次の通り。  ―調査委員会が作成した報告書についてどう、受け止めているか。  「裁判の中で明らかになるんだろうと思う」  ―報告書の存在は知っているか。  「それも裁判の中で話す内容と思う。ノーコメント」  ―報告書の中で助教のアカハラと学生の自殺は因果関係があると指摘している。この点をどう、思うか。  「裁判の中で明らかになっていくと思う」  ―報告書を発表する考えはあるか。  「裁判の結果次第」 ◆山形大生アカハラ自殺訴訟 2015年11月、工学部4年生が助教を憎んでいるとのメモを残して自殺。外部メンバーによる「工学部キャンパス・ハラスメ ント防止対策委員会調査委員会」は16年6月、助教のアカハラと自殺との因果関係を認める調査結果をまとめた。大学は同年10月、学生の自殺には触れずに 助教の停職処分を発表。学生の両親は大学と助教に計約1億2千万円の損害賠償を求めて提訴した。大学、助教ともに請求棄却を求め、争っている。 "[he-forum 19352] he-forum 19351 河北新報8/4関連記事","[he-forum 19351] 河北新報8/4の関連記事。 「河北新報」2017年08月04日金曜日 <山形大アカハラ自殺>非公表は「時代錯誤」学生ら、大学の姿勢疑問視 http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201708/20170804_53008.html 「河北新報」2017年08月04日金曜日 <山形大アカハラ自殺>学長「一般論としては申し訳ない」 http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201708/20170804_53007.html "[he-forum 19351] 河北新報8/4","河北新報 2017年08月04日金曜日 山形大生アカハラで自殺 1年半以上公表せず 遺族は大学側を提訴  山形大工学部(米沢市)の男子学生が2015年11月、指導教員の40代の男性助教のアカデミックハラスメント(アカハ ラ)を苦に自殺していたことが3日、分かった。大学が設置した第三者調査委員会は自殺とアカハラの因果関係を認定。大学は約1年後に助教を停職の懲戒処分 としたが、学生の自殺は公表しなかった。  学生の両親は助教と大学に計約1億1900万円の損害賠償を求め、山形地裁に提訴。先月25日 の第1回口頭弁論で、第三者委の調査報告書を証拠として提出した。助教と大学はともに答弁書で争う姿勢を示し、大学側は「(報告書の内容は)そのまま大学 の判断となるものではない」などと反論した。  両親の訴えによると、当時4年の学生は自殺の直前、スマートフォンに「助教を恨んでいる」という趣旨のメモを残していた。両親は自殺前、工学部の後援会や保護者会などで学生が悩んでいる様子を学部長ら複数の教員に相談したが、大学側から適切な対応はなかったとしている。   大学は両親の求めで、外部委員4人による「工学部キャンパス・ハラスメント防止対策委員会調査委員会」を設置。調査委は16年6月、(1)助教によるアカ ハラがあった(2)自殺とアカハラには因果関係がある(3)大学は学生の自殺前、両親の相談に対処しなかった-との報告書を作成した。  大学は16年10月、助教が研究室の複数の学生に長時間、説教をしたり、不機嫌な態度を示したりする行為を日常的に繰り返したとして停職1カ月の懲戒処分とした。処分の発表時、学生が自殺したことやアカハラ発覚の経緯は伏せられた。  小山清人学長は「自殺に関しては個人情報保護の観点から非公表とした」と説明。報告書の指摘や大学側の責任の有無については「ノーコメント」とした。 "[he-forum 19350] 産經新聞8/4","産經新聞 2017.8.4 07:13更新 山形大生の自殺「アカハラが原因」 両親が提訴 男性助教から人格否定  山形大工学部の男子学生が助教によるアカデミック・ハラスメントが原因で自殺したとして、両親が大学と助教に計約1億2千万円の損害賠償を求める 訴訟を山形地裁に起こしていたことが3日、分かった。大学側は請求棄却を求め争っており、小山清人学長は3日の定例記者会見で「大学の立場は裁判の中で明 らかにしていく」と話した。  原告代理人によると、学生は平成27年11月、山形県米沢市内で自殺。男性助教から人格を否定されるような言動を浴びせられ、助教を恨んでいるという趣旨のメモを残していたという。  学生の自殺後、大学は学外の有識者による調査委員会を設置。聞き取りなどから28年6月、助教がアカハラに該当する言動をしており、学生の自死と因果関係があるとの報告書をまとめた。原告側はこの報告書を証拠として提出している。  大学は昨年10月、アカハラを理由に助教を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表。学生の自殺については触れなかった。= "[he-forum 19349] 朝日新聞8/4","朝日新聞 2017年8月4日05時00分 資金難の国立大、クラウドファンディング頼み クラウドファンディングで購入した本を並べた棚。入門書などをそろえた=茨城県つくば市の筑波大  国立大学が、特定のプロジェクトに共感した人から、インターネット上で資金を集める「クラウドファンディング」(CF)に乗り出している。国からの運営費交付金が減る中、備品を買ったり、研究費にあてたりする動きもある。大学側は「プロジェクトを応援した経験が、大学そのものへの寄付につながれば」と期待する。  ■「本買えぬ」目標300万円  資料費減少で危機。大学図書館に本を購入し、若者に十分な学ぶ場を――。  今年1月、クラウドファンディング会社「READYFOR」(レディーフォー)のサイトに、こんなプロジェクトが掲載された。呼びかけたのは筑波大(茨城県つくば市)だ。国から国立大への運営費交付金が減り、雑誌の購読を取りやめたり、紙の本が買えなくなったりしている窮状を訴えた。目標額は300万円。一口3千円から10万円の寄付を募った。  「そんなに厳しいことになっていたとは知らなかった」「日本の学問の先行きが見えた気分だ」……。驚いた人たちがSNSで拡散し、3月末までに目標額の300万円を大きく上回る約512万円が集まった。  筑波大に よると、1990年代の後半から、本が買えないことが問題化し始めた。国内外のさまざまな分野の論文などを収録した「電子ジャーナル」の価格が高騰を続け る一方、国立大が法人化された2004年度以降は、大学全体の資料費も増えなくなってきた。図書館司書も養成している同大の付属図書館には、約260万冊 の蔵書がある。だが15年度は、15年前に比べて新規に購入する図書の冊数は半減したという。  さらに、研究者が自分の研究費で購入して図書館に置く本も減少している。運営費交付金の削減で、研究費も減っているからだ。  そこで、大学の財務部は、同大が19年まで契約しているCFを使うことにした。その結果、本428冊を購入し、雑誌59タイトルの購読を継続でき た。これまで購入を見送っていた芸術系の本や、低学年向けの入門書などをそろえることができたという。6月と7月の2回、一定額以上を寄付した人を図書館 の見学ツアーに招待したところ、好評だった。担当者は「寄付の目的がはっきりしていて満足感も高かった」と話す。  東京芸術大(東京都台東区)もレディーフォーと契約し、11件のプロジェクトのうち10件が成立した。先行的に500万円を目標額に設定していたSPレコード約2万枚の整理には719万円が集まり、アフガニスタンのバーミヤン大仏の壁画復元には約463万円が集まった。  ■交付金減、研究費も募る  自前でCFサイトを立ち上げた大学もある。  徳島大は16年秋、一般社団法人「大学支援機構」を立ち上げ、CFサイト「Otsucle」(おつくる)を開設。国立大を中心に他大学にも利用を呼びかけている。  「おつくる」の特徴は研究費への支援を目的にしていることだ。国立大への運営費交付金が 減り、研究者への自由な研究費の配分が少なくなる一方、研究者は外部からの資金獲得を強く求められている。国の科学研究費助成事業には審査があり、すべて 採択されるわけでもない。そこで、CFを利用して研究費への寄付を募ることにしたという。同大は、8月1日現在で10件のプロジェクトを掲載し、9件で目 標額(合計約1300万円)を達成した。  CFは、運営費交付金に代わる国立大の資金源になりうるのだろうか。  筑波大では、CFでの収入は寄付金全体の約1・4%に過ぎない。「有力な財源ではないが、今まで寄付をしたことのない人に興味を持ってもらえた。大学として寄付文化を醸成していきたい」(財務部)。CFも含め、国立大への寄付は税制上の優遇を受けられる。東京芸大の沢和樹学長も、「寄付の意味を明確に打ち出せるメリットがあり、有効だとわかった。東京芸大の美術や音楽の専門分野も知ってもらえる」と期待するが、「芸術教育には人件費などコストがかかる。国が運営費交付金を充実させることが必要だ」とも強調している。  (杉原里美) "[he-forum 19363] 東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕(8/17「現代ビジネス」)","東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕 最大10万人に影響が及ぶ可能性も 田中 圭太郎  日本の大学の雄である東京大学が、約8000人の非常勤教職員の雇用形態に多大な影響を 与える新たな方針を、去る8月7日に開かれた組合との団体交渉で明確にした。このままで は、大半の非常勤教職員は2018年4月以降雇い止めされることになる可能性があるという。  大学側の一方的な決定を受け入れることはできない、と組合は反発。東京労働局への指 導の申し入れを検討、さらには刑事告発に発展する可能性が出てきた。  日本で最も権威のある大学による意思表明は、他大学の方針にも影響を与えるとみられ ている。全国に10万人いるという非正規雇用の教職員が注目する、東京大学の「労働争 議」の現状をリポートする。  ●「東大ルール」  ここに、「改正労働契約法と東京大学における有期雇用教職員の取り扱いについて」と 題した文書がある。東京大学が「改正労働契約法」にどう対応するのかが書かれた、内部 文書だ。この文書の中に、「無期転換ルールと東大ルールの違い」という項目がある。ま ずはこれを見ていただきたい。  文書の表の左側にある「無期転換ルール」とは、一般的な改正労働契約法のことを指し ている。これは2013年4月1日に施行された法律で、ごく簡潔に言えば「5年以上同じ非正 規労働者を同じ職場で雇う場合、本人が希望すれば無期労働契約にしなさい」とするもの。 一般的には非正規職員の正規雇用、あるいは契約期限のない無期雇用を促す法律といわれ ている。  近年、大手企業が契約社員の無期雇用を決めるケースが相次いでいるが、これも、改正 労働契約法の影響によるものだ。多くの企業が対応を迫られる中、大学とて例外ではなく、 非正規職員の雇用をどうするかが、各校で議論されてきた。  そのなかで東京大学が掲げたのが、上記の表の右側にある「東大ルール」。今回問題視 されているのが、このルールだ。いったい何が問題なのか。  まずは、東京大学の非常勤教職員の雇用形態を見てみよう。  東京大学の非常勤教職員は、基本的に単年度契約で、契約は最長5年まで更新できる。 その上で2種類の契約に分かれている。  ひとつは「特定有期雇用教職員」と呼ばれるフルタイムの教職員。特任教授をはじめ、 特任の准教授・講師・助教・研究員や、有期雇用の看護師・薬剤師・医療技術職員などを 指す。その人数は公式ホームページによると2694人となっている(2015年5月1日現在)。  もうひとつは、「短時間勤務有期雇用教職員」。いわゆるパートタイムワーカーで、大 学の事務や技術、教務、医療技術、看護技術などの補佐員として働いている人たちのこと だ。補佐といっても、各学部の事務や、大学病院での看護スタッフなど、実際に行ってい る業務はフルタイムの教職員とさほど変わらない。  違いは、特任の教員ではないことと、勤務時間が週35時間以内に限定されていることだ。 人数は2017年1月時点で5300人と多く、全体の8割を女性が占めている。  2職種あわせて約8000人にのぼる非常勤教職員は、このまま働いていれば、2018年以降 には自然に、改正労働契約法によって無期雇用職員への転換を申し込む権利が発生したは ずだった。  しかしながら、無期雇用者が増大すれば、人件費がかさみ財政が苦しくなることを恐れ たのだろうか、東京大学は、独自に「東大ルール」なるものを設定し、これに対応するこ とにしたのだ。  ●5年でリセット…?  「東大ルール」では、この2職種の人たちを、原則最長5年で「雇い止め」をすることを 明記している。フルタイムの教職員の一部と、国立大学の法人化前から東京大学に勤務し ているパート教職員480人は2018年に無期雇用に転換されるようだが、それ以外のほとん どの人は雇い止めされることになる可能性が高いのだ。  さらに、「東大ルール」には「6か月のクーリング期間の適用」が記載されている。5年 働いたパート教職員は、6か月の休業期間を経た後なら、再び上限5年で雇用することを可 能、としている。  が、改正労働契約法では、一度6か月もの休業期間を経ると、「雇用継続の期待権」が リセットされてしまい、無期転換の機会を失ってしまうことが定められている。5年働い ても、その後半年間の休みをとれば、勤務期間がまた「ゼロ」からとなり、いつまでも無 期雇用には至らなくなってしまう。  文書では、これがさも合理的であるかのように記載されているが、無期転換(正規雇用 化)を阻止するためにクーリングすることは違法、または脱法行為にあたるとさえいわれ ている。  また、このクーリング期間は、以前から設けられていたものだったが、それまでは「3 か月」であったものを、東大は改正労働契約法施行後、これを6か月に変更した。3か月の 休業期間では雇用期間が「リセット」されないため、急遽これを伸ばした可能性がある。 これは「労働条件の不利益変更」にあたる、と指摘されるものだ。  東大側は、このような「雇用制度改革」を2013年ごろから掲げて周知していた。当然な がら組合は反発、2016年から東大側の理事・弁護士と交渉の場をもち、見直しを訴えてき た。  筆者は前回の記事で、早稲田大学がほぼ同様の「改革」を掲げ組合と衝突、話し合いの 結果、大学がその改革案を撤回するまでの過程を報じた。(<早稲田大学で起こった「非 常勤講師雇い止め紛争」その内幕→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52333>この 流れの中で、東大もおそらくは撤回、あるいは組合側に妥協するものだろうと、「東大労 働争議」の推移を見ていた。  そのようななかで、去る8月7日午後に開かれたのが、東京大学と、東京大学教職員組合、 そして首都圏大学非常勤講師組合による団体交渉である。組合側は、希望するすべての教 職員に対して、5年以上働いた場合は無期雇用に転換するよう、再度求めた。  ところが、東京大学は方針変更を認めなかったのだ。これによって、「東大ルール」が 実施されることがほぼ確実となり、2018年4月に大量の「雇い止め」が行われる可能性が 高まったのだ。  ●全面対立の可能性  組合側を驚かせたのは、それだけではなかったという。団交の場で、大学側は2018年4 月から「職域限定雇用職員」という、フルタイムで定年まで働ける、新たな非正規教職員 制度を作ると説明した。契約期間が満了しても引き続き働きたい人は、フルタイムの人も パートの人も、毎年秋に実施される試験を受け、それに合格すれば、非常勤ながら定年ま で働くことが可能になる制度だという。  しかし、この「職域限定雇用職員」とは、専門的かつ高度な仕事をする教職員であり、 予算の裏付けがある部署に限っての募集となる。現時点では対象の部署は明らかにされず、 予算の裏付けがないとされた職場で働く人は、そもそも対象外となる可能性が高そうだ。  また受験には部局の推薦が必要とされている。さらに、これは公募なので、現在東京大 学で働いていない人も受験可能だという。パート教職員にいたっては、そもそも勤務時間 をフルタイムに変える必要があり、試験を受けることを躊躇する人が多いのではないだろ うか。  大学側は「この試験に合格すれば無期雇用になるので、試験を受けてほしい」と、誰で も受けられることを強調するが、組合側が「試験に受からなかった人はどうなるのか」と 質すと、大学側は「試験に落ちた人を保障する必要はない」と回答。つまり、試験で落と してしまえば、その職員を再度雇う必要はない、ということのようだ。  試験に受からない場合は「その人の責任」で、不合格によって雇用が途切れるのは大学 側の責任ではない、という理屈をつくるための制度だ、と組合側は受け取っているという。  組合側は、そもそもこの「東大ルール」は、改正労働契約法の趣旨に反していると指摘 している。改正法は「雇用の安定を図るという趣旨で設けた」という政府解釈が国会でも 示されており(2012年7月25日衆議院厚生労働委員会)、いま働いている人を雇い止めに することは、法律の目指すところとは全く逆の行為になる、ということだ。  ところが大学側は、団交の場で「この提案は決して法律の趣旨には矛盾していない」と 言い張り、「東京大学の業務の特性上致し方ない。部局ごとの事情もあり統一した対応は 困難」と主張した。  これでは話にならないと、大学と組合の交渉は決裂してしまったという。  交渉が決裂したことをうけ、組合側は、東京労働局に東京大学への指導を申告する方針 を固めた。また、首都圏大学非常勤講師組合は、事実上の就業規則変更が届け出されてい ないことを問題視し、大学を労働基準法違反で刑事告発することも検討しているという。 東京大学と組合側は、すりよりの見られないまま、全面的に対立することになりそうだ。  ●非常勤教職員約10万人に影響?  東京大学の非常勤教職員への対応には、就業規則の件以外にも多くの懸念が残る。組合 側は、無期転換を認めない姿勢はそもそもの法律の趣旨に反していると主張したが、女性 が8割を占める短期間有期雇用労働者を雇い止めしようとしている点は、女性に対する雇 用差別、とも受け取れるという。  さらに注目すべきは、国立大学の雄である東京大学でこのような方針が決定・推進され れば、全国の国立大学の非常勤教職員の雇用問題にも影響が出てしまう可能性があること だ。  文部科学省は2016年度に、国立大学法人86法人を対象に「無期転換ルールへの対応状況 に関する調査」を実施した。その結果、非常勤教職員を「原則無期転換する」と答えたの は秋田大学、浜松医科大学、愛知教育大学、三重大学、京都教育大学、奈良教育大学の6 法人だけだった。  ほとんどの大学は「職種によって異なる対応を行う」ことを検討していると回答し、事 実上態度を保留している。他大学は、東京大学の様子を見ているとさえ考えられる。  現在、86ある国立大学法人全体で、少なくとも10万人以上の非常勤教職員が働いている。 東京大学の対応が正当化されると、多くの大学が追随し、数万単位の雇用に影響が及ぶ可 能性があることを指摘しておきたい。  東京大学は本来、法改正の理念を汲みとり、最も模範を示すべき存在ではないだろうか。 筆者は東京大学に「東大ルールにより非正規教職員を雇い止めすることは、改正労働契約 法の趣旨に反しているとの指摘があるが、大学としての考えを聞きたい」と8月10日に取 材を申し入れた。  この申し入れに対し、東京大学広報課は、非常勤教職員の多くを雇い止めして、新たな 「職域限定雇用職員」を公募する方針は認めた。一方大学の見解については、「本部が長 期の休みに入るので、8月21日以降に改めて連絡します」と答えるに留まった。  この問題は、少子化や大学改革などとも密接に関係しているはずだ。大学側も苦しい事 情を抱えているのだろうことは推察できる。筆者は東京大学側への取材も含めて、今後も この問題を追っていくつもりだ。   "[he-forum 19362] 大学をどう変える(下) 強みを伸ばし自ら将来像描こう (8/21日経社説)","大学をどう変える(下) 強みを伸ばし自ら将来像描こう 2017/8/21付  日本の大学は国際化やIT(情報技術)時代を担う人材の教育で後れを取り、世界を リードしてきた科学研究でも陰りが見え始めている。この状況を変えるには何が必要なの か。  大学が自ら強みを見つけ、それを伸ばす将来像を描くことが欠かせない。国頼みの姿勢 や横並び体質から脱する必要もある。特色ある戦略を打ち出すため、ガバナンス(統治) 改革が第一歩になる。 横並びから脱する  理工系大学では日本を代表する東京工業大。2012年に就任した三島良直学長が「第2の 建学」とも呼べる改革を進めている。昨春には学部と大学院の区分けを廃し「学院」に一 本化した。専攻を超えた研究チームもつくり、新分野に果敢に挑んでいる。  成果も表れてきた。英科学誌が今春公表した日本の大学・研究機関ランキングでは、東 工大は国内6位ながらも論文の増加率でトップクラスだった。大隅良典栄誉教授がノーベ ル賞を受賞し、入学志願者も増加。三島学長は「30年には世界の研究大学の10指に名を連 ねる」と高い目標を掲げる。  大阪大は医薬関連企業が多い地元の利を生かし、産学連携を強めている。免疫学の研究 所では中外製薬から10年間で総額100億円の資金を受けて共同研究を始め、海外での知名 度も増してきた。  ただ、700校以上ある国公私立大のうち、改革に積極的に取り組んでいるのはまだ少数 だ。  有力教育誌や専門機関が発表する世界の大学ランキングによれば、日本から上位100校 に入るのは東大、京大など数校だけ。中国やシンガポールの大学が急伸しているのに比べ、 日本の大学は外国人教員や留学生が少ないなど国際化の遅れが目立つ。  教育で進む技術革新にも乗り遅れている。米国の主要大は「ムーク」と呼ばれるオンラ イン講義を活用し、世界で3千万人以上に授業を配信している。だが日本で活用している 大学はごく一部。将来の人工知能(AI)社会を担う人材の育成にも懸念が広がる。  安倍政権は13年の成長戦略に「今後10年以内に世界の大学ランキング上位100校に日本 から10校以上を入れる」と盛り、文部科学省は国際化の重点校を選んだ。だが官の支援頼 みでは実効性に疑問が残る。大学が自ら将来像を描き実践していく必要がある。  ここ数年、受験生や企業の評価が高いのが国際教養大(秋田県)や立命館アジア太平洋 大(大分県)など、世界に通じる人材育成をめざす大学だ。授業を英語で行うなど、小規 模大学の利点を生かして独自色を打ち出してきた。  地方大でも地元の強みに注目する大学が出始めている。  静岡大は2年前、アジアから毎年約80人の留学生を招く「アジアブリッジ計画」を始め た。地元にはスズキやヤマハなど海外展開する企業が多く、これらの企業が学生の研修な どで協力する。  今秋修了する大学院1期生のなかには、地元企業に就職が内定した留学生もいる。鈴木 滋彦副学長は「日本で学びたい留学生と、現地法人の幹部候補生を育てたい企業の希望を ともに満たし、大学にとっても活路となる」と話す。 教育と経営の分離を  茨城大も今春、地域貢献をめざして人文社会科学部を新設した。学生に複数の専攻を持 たせ、視野の広い人材を育てる。文科省は少子化に対応して人文系学部の縮小を求めてい るが、先手を打って大学自身が改革に乗り出した。  これらの大学に共通するのは、学長や副学長が強いリーダーシップを発揮していること だ。  日本の大学では教授会の権限が強く、学部間の利害調整や迅速な意思決定を阻んできた。 この反省から2年前に学校教育法などが改正され、「教授会は意見を述べるが、最終決定 は学長が下す」と統治の改革へ踏み出した。  だが改革はまだ不十分だ。欧米では学長とは別に、戦略づくりや財務を専門に担当する 副学長格のポストを設け、民間を含め学外から人材を招く大学が多い。経営と教育・研究 とで、役割分担と責任を明確にするためだ。  もう一段の統治改革に向け、制度を設計するのは文科省の役割だろう。ただし、個々の 大学の戦略づくりに国が口をはさむのではなく、大学の自主性を最大限引き出せるような 改革にすべきだ。 "[he-forum 19361] 大学をどう変える(上)「公共財」としての価値を高めよ (8/20日経社説)","大学をどう変える(上)「公共財」としての価値を高めよ 2017/8/20付 日経社説  政府は高等教育の無償化の検討を始めた。だが、私立大学の約40%が定員割れし、大半 の大学が学力による学生の選抜機能を失っている。現状のまま無償化で門戸を広げれば、 大学の一層の質の低下は避けられない。  必要なのは、量的拡大よりも国際競争力の強化だ。人材育成や研究の中核を担う「公共 財」としての価値をいかに高めるのか。長期的な視野に立ち、抜本的な大学改革に乗り出 す時だ。 規模適正化が課題に  まず、検討すべきは大学の規模の適正化だ。  バブル経済崩壊後の低成長、少子化時代に、大学はその数、入学定員を増やし続けた。 その結果、志願者の90%超が進学する「全入」に近づいた。水ぶくれした大学が限られた 予算を奪い合い、国全体としての教育・研究の投資効率を低下させてはいないか。  18歳人口のピークは1992年度の205万人。直近は120万人で、2040年には88万人と予測さ れる。現在の大学数は780。92年に比べ18歳人口は約40%減ったが、大学数は約50%、入 学定員も約25%それぞれ増加した。  今の大学進学率、入学定員が維持されると仮定すると、20年後には十数万人規模の供給 過剰になる。入学定員1000人の大学が100校以上不要となる計算だ。  1980年代に18歳人口が減少した米国では、大学が入学者数を抑制し、選抜機能を維持し た。新入生の減少で大学は授業料を引き上げたが、連邦政府は貸与奨学金と寄付制度の拡 充という支援策を講じた。少子化が進む韓国では現在、大学を5段階にランク分けし、評 価下位大学に定員削減を求める荒療治を始めた。  日本でもようやく規模適正化の議論が始まった。少子化による教員採用減が確実な国立 大の教員養成大学・学部に対し、文部科学省の有識者会議は定員削減や他大学との機能集 約・統合を求める報告書案を示した。妥当な判断だ。  20年後には日本の労働人口の約49%が人工知能やロボットなどにより代替可能という民 間調査がある。産業別就業者の推計なども参考に今後は、国公私立の設置形態の別を問わ ず、入学定員の総枠の削減を視野に、時代に適合した学部の重点化を図るべきだ。  政府は東京23区内の私立大の定員増を今後認めない方針を決めた。若者の東京一極集中 を是正する目的だが「木を見て森を見ず」の感が否めない。問題はむしろ学生の選抜機能 を失い教育の質の低下が懸念される地方の小規模大学だ。大学間の単位互換や校地の共有 化など、地域教育の中核となるような統合・再編が望まれる。  大学の数や入学定員が急増したのは、「事前規制から事後チェックへ」という政府の規 制緩和策が大学設置基準にも及び、一定の要件を満たせば新規開設が認められるようにな ったからだ。  規制緩和の本質は、新規参入を促す一方、質の低いサービスは市場から淘汰される仕組 みにある。しかし、大学の経営や教育水準をチェックするため2004年度に文科省が導入し た「認証評価制度」がうまく機能していない。 評価に応じ傾斜配分を  大学基準協会などの機関が評価結果を公表しているが、社会的にほとんど認知されてい ない。財務省の財政制度等審議会は、主に規模や定員の充足率に応じ交付する私立大の補 助金を評価結果に連動させ傾斜配分すべきだと提言。学術論文の数や学生の就職実績など も勘案すべきだと指摘する。  どんな評価指標が妥当かは議論の余地があるが、公費の使途や効果の「見える化」は国 民的な要請だ。評価機能の拡充も課題だ。  その点、気になる動きがある。評価機関によって経営や教育が「不適格」とされた地方 の私立大が公立大に衣替えするなど、定員割れの私大を地方交付税で救済する事例が相次 いでいる。納税者の観点からは、違和感がある。  日本の大学の国際的評価が総じて低調なのは、密度の低い教育を量的に拡大してきたか らだ。高等教育無償化の前提は、各大学が入学金や授業料が公費で充当されるにふさわし い公的価値を持つことを、社会に証明することにある。  国はまず、定員を戦略的に削減し教育の質を高める大学を支援するなど規模適正化と、 外部評価に応じた資金配分に着手すべきだ。 "[he-forum 19360] 高等教育無償化、2案に絞り検討 数兆円規模の財源課題(8/18付「朝日」)","高等教育無償化、2案に絞り検討 数兆円規模の財源課題 2017/8/18 朝日新聞  安倍政権が掲げる大学などの無償化について、政府は、有力な2案に絞って検討を進め る方針を固めた。全国民を対象に在学中は授業料を取らず、卒業後に所得に応じて拠出金 の形で納付する案と、一定の所得制限をした上で給付型奨学金を拡張する案の二つ。ただ いずれの案でも、数兆円規模で必要ともされる財源の確保策には現時点では踏み込んでお らず、検討が難航する可能性も残る。  意欲があれば大学や専修学校に進学できるようにし、高等教育への機会均等の確保を図 るのがねらい。政権の目玉政策「人づくり革命」を具体化するため、9月に初会合を予定 する「人生100年時代構想会議」で大学改革と合わせて議論を開始。関係法案をまとめ、 2020年4月からの新制度の施行を目指す。  第1案は、オーストラリアの高等教育拠出金制度「HECS(ヘックス)」を参考にす る。在学中の授業料などを全額、公費で負担する代わりに、卒業してから所得に応じて拠 出金を納めてもらう。  「高等教育費は保護者が負担する」という原則を「社会が共同で支える」考え方に転換 するものだ。拠出金は、卒業者がその時点の所得に応じて社会に貢献してもらうという位 置づけだが、拠出金のあり方や額などによっては、奨学金の貸与を受けて返済するのと変 わらなくなる可能性もあり、慎重な制度設計が不可欠になる。  第2案の「給付型奨学金の拡張」は今年度、先行実施された給付型奨学金制度がもとに なる。この制度では最終的に、年6万人程度が返済不要の奨学金を受ける見込み。日本学 生支援機構が貸与し、返済義務がある奨学生(15年度で約132万人)に比べてまだま だ少ないため、拡張を検討する。しかし、所得制限をかけることで、高等教育をすべての 国民に等しく開かれたものにするという考え方からは離れることになる。  財源をどうするかも課題だ。新たな借金(国債)で賄うことになれば、将来世代に負担 を先送りすることになりかねず、構想会議や政府部内でも激しい議論を招きそうだ。(松 浦祐子) "[he-forum 19364] ニューススイッチ(日刊工業新聞)8/15","ニューススイッチ(日刊工業新聞)2017年08月15日 東大、若手研究者300人 「任期なし教員」に転換  東京大学は2021年度までに、任期付き雇用の若手研究者300人を任期なし雇用の教員に転換する。外部資金獲得による間接経費などを使い、国の運営費 交付金に頼らない雇用とする。16年度の東大の40歳未満の任期なし教員数は383人。若手の雇用安定を財源多様化で実現することで、大学の研究開発力を 一層強化する。  若手研究者には「任期なしの教員」「任期付きの教員」「任期付きの研究員」がある。このうち「任期付き」の2種類で優秀な若手が、任期なし雇用の教員に転換する。  任期なし雇用への転換の財源として、理系を中心とした部局は外部資金獲得に伴う間接経費収入や運営費を活用する。本部は産学連携に関わる収入、規制緩和による土地・資金運用などで確保する。  東大は16年度に任期なし雇用への転換を部局財源で行う場合に年間300万円を3年間、本部が支援する制度を始めた。さらに独自の「東京大学卓越研究員 制度」で部局が「任期なしかそれに準ずる扱いにする」と決めた中から対象者を選定。本部が1人当たり同300万円を2年間、支援する。この結果、17年度 の任期なし雇用は前年度比約90人増えた。  国立大学の任期なし雇用の教員は通常、運営費交付金で人数が決まる。交付金削減で定年退職教員の後を補充しにくく、任期なし教員が減る傾向にある。  同時に競争的資金のプロジェクトが増え、任期付き雇用が研究型大学で増加。東大の教員のうち任期付き雇用が占める割合は06年度が4割強だったが、12 年度は6割超だった。 任期付き雇用は競争意識を持たせる利点がある。一方でイノベーションの創出やノーベル賞級の研究につながる基礎的研究は生まれにく い面もあった。          日刊工業新聞2017年8月15日 山本 佳世子 08月15日 この記事のファシリテーター 若手研究者の不安定な雇用の問題をどう解決するか。その答えの一つを東大が提示した。 国立大自らの努力による財源捻出は、国は規制緩和で可能になりつつある。東大と同様に研究型の大規模大学なら、また国立大学の3類型で「世界」を選んだ大学なら、今回のような仕組みは大いに検討の価値があるだろう。 ノーベル賞受賞の大隅良典東工大栄誉教授の研究の端緒は、東大で生まれ年月をかけて大きく育った。 当時は華々しい業績を上げていなくても、職を失う不安がない形での雇用だったから、じっくり基礎の研究に取り組むことができたのは間違いない。 「基礎研究が大事だ」とだれもがいう。だが、国の財政が厳しい中で、国民の理解を得て、基礎研究の予算や人件費を、あらゆる国立大学につぎ込むことは難しい。 すべきこと、したいことは、自分たちで手立てを考える。その意識を国立大大学にも求められる時代に、なってきているといえるだろう。 "[he-forum 19365] ニューススイッチ(日刊工業新聞)8/14","ニューススイッチ(日刊工業新聞)2017年08月14日 資金と人材集まれ!京大が「指定国立大」の強み生かし新会社 研究成果の事業化を推進。持ち株会社が統括、全学的な取り組みに 京大公式ホームページより  京都大学は研究成果の事業化推進に向け、新会社を設立する。産学連携のコンサルティング会社を新設した上で、既存子会社のベンチャーキャピタル(VC) と技術移転機関(TLO)を含めた3社を統括する持ち株会社を設置する。世界トップレベルを目指す大学として文部科学省が指定した「指定国立大」でのみ可 能な規制緩和を生かす。全大学の共通課題である外部資金導入増の新方策で、先鞭(せんべん)を付ける。  京大は6月に文科省の「指定国立大学法人」制度で東京大学、東北大学とともに指定を受けた。国立大の出資は一般にVCとTLOに限定される。  一方、指定を受けると「研究成果活用の企業への出資」が可能になる。指定国立大学法人化に向けた計画で、京大だけがこの制度を生かした提案をしていた。社名は「京大オリジナル」を検討する。  新会社は学内で手がけてきた技術相談業務を切り出して設立する。コンサルティングとシンクタンクの機能を持ち、文系学部の教員も参加する。外部からの各種相談から共同研究につなげ、企業からの資金調達を増やす重要な窓口と位置付ける。  吉田キャンパス(京都市左京区)にある産官学連携本部と、同じ建物に入る全額出資子会社のVC「京都大学イノベーションキャピタル」、出資比率68%の TLO「関西ティー・エル・オー」と、新会社が連携して活動する。これらを持ち株会社が統括し、全学的な取り組みとする。  京大は7月に東京・丸の内に産学連携活動の拠点を開設した。在京の大企業や大使館との接触を高め、連携先を開拓している。技術相談は各大学の産学連携部局が手がけるが、収入は小規模にとどまる。  担当者は任期付き雇用のため、企画や営業にたけた人材を集め、ノウハウを蓄積するのが難しいのが収入増のハードルとなっている。産学連携業務の会社を設 立すれば、産業界から大型資金を引き出せる人材を高給で任期なしに採用できる。このため民間資金獲得が進むと期待しているという。 日刊工業新聞2017年8月14日 明 豊 08月14日 この記事のファシリテーター  指定国立大は助成金もたいしたことはなく、「指定を受けるメリットがはっきりしない」 といわれていた。その中でもっとも明確なもの、法改正をして初めて可能になる魅力というのが「研究成果を活用する企業への出資」だった。京大以外の二つ、 東大と東北大からはこの切り口での計画は出なかった。が、例えば東大は「東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム」という企業役員候補ら向け に、半年週2回で570万円という受講料の研修を動かしている。会社化の検討を進めているのでは、と想像される。  指定国立大の申請7大学のうち、今回は指定されなかった4大学は、計画ねり直しのチャンスが与えられている。阪大、名古屋大、東京工業大に加え、コンサ ルティングやシンクタンクでの活動となれば文系の一橋大学も気になるところ。ここから会社設立プランが出てくるか注目される。= "[he-forum 19366] 河北新報8/16","河北新報 2017年08月16日水曜日 <非正規雇用>無期転換可能で雇い止め続発警戒 新制度理解へ労組などPR 有期労働者の無期転換ルールの周知を目指し、街頭活動を行う宮城県労連職員ら=7月11日、仙台市青葉区  労働契約法の改正に伴い、有期契約の労働者が同じ職場で5年を越えて働き続ける場合、2018年4月以降は無期雇用への 転換を申し出ることが可能になる。雇用の安定を目的に導入された制度だが、権利発生を前に「雇い止め」が相次ぐとの懸念が労働組合などに広がる。新制度の 周知も課題で、法にのっとった運用ができるかどうか先行きは不透明だ。  「多くの企業で非正規労働者が雇い止めに遭いかねない。皆さん、声を上げていきましょう」  仙台市中心部で7月11日、宮城県労連の職員らが横断幕を手に通行人に訴え掛けた。鎌内秀穂事務局長は「新制度はあまりに知られていない。全国では中小企業を中心に多くの問題が起きている」と危機感を募らせる。  総務省の12年の調査によると、宮城県内の有期契約労働者は25万2400人。県内全労働者の25.9%に当たり、全国平均22.6%をやや上回る。改正法は13年4月に施行され、5年が経過する18年度から無期転換への申請が本格化する見通しだ。  有期労働者は長年、企業から「雇用の調整弁」として扱われてきた。無期転換への阻止が目的とみられる雇い止めが紛争に発展した例が仙台地裁であり、全国各地でも労使間のトラブルが憂慮されている。  県労連や宮城労働局には16年末以降、既に十数件の相談が寄せられた。「『来年度の再契約はしない』と約束させられた」「雇用継続には正社員転換の試験に合格する必要があると言われた」といった内容だという。  人材サービス会社アイデム(東京)が3月に実施したインターネット調査(有効回答1233人)によると、無期転換を申請できる新制度について、非正規労働者の85.7%が「知らない」「内容がよく分からない」と回答。企業側も28.4%が理解不足との結果が出た。  連合宮城の大黒雅弘事務局長は「法の内容を全く把握していない経営者が多く、周知が課題」と指摘。雇用主が有期労働者に新制度を知らせる義務はなく、権利を知らないまま退職してしまうケースが続出するとの懸念も出ている。  宮城労働局は今秋から来年2月にかけ、県内約4800社を対象に講習会を開き、新制度の周知徹底を図る方針。渡辺安子雇用環境・均等室長は「本年度に相談が集中すると予測している。顕在化していないだけでトラブルは起きているとみられ、周知に力を入れたい」と語った。 "[he-forum 19368] 朝日新聞8/23","朝日新聞 2017年8月23日07時05分 奨学金返済、人生の重荷 子ども少なく結婚も遅れがち 山田史比古  学生時代に借りた奨学金の返済を抱える人たちは子どもが少なく、結婚や持ち家の取得も遅れがちであることが、大分大学の川田菜穂子准教授(住宅政策)らの調査でわかった。主な奨学金の返済期間は最長20年だが、返済の期間が長くなる人ほど、人生設計に大きく影響しているという。  文部科学省の助成を受け、昨年末、全国の25~44歳の1600人にインターネットで生活状況を尋ねた。回答者の平均世帯年収は約650万円で、大卒・大学院卒は56%。奨学金を借りたことがある人は、全体の2割ほどいた。  回答者の世代を二つにわけて分析すると、子どもの数や結婚しているかどうかの差は、奨学金を借りていない人や返済をすでに終えた人との間で比べると、35~44歳の層で目立った。平均の子どもの数では、返済がある人の0・55人に対し、返済がない人は0・98人。未婚率の差は35~44歳のなかでも男性で目立ち、返済がある人は57・1%、返済がない人は42・7%で、15ポイント近い差があった。  持ち家の取得では、35~44歳では差がなかったものの、25~34歳では返済のない人の方が持ち家が多い。親や祖父母との同居世帯をのぞき、奨学金返済がある人の住宅ローンや家賃などの住居費負担は、持ち家の人の35%、借家の人の52%で、可処分所得の3割を超えていた。  川田准教授は「40歳前後の人より、近年は奨学金の利用者も借入額も増えており、さらに返済が長期化する恐れがある。授業料の減免など早急に対策をとらないと、少子化や消費などに大きな影響が出かねない」と指摘している。(山田史比古) "[he-forum 19367] 朝日新聞8/24","朝日新聞 2017年8月24日05時00分 東大「5年で雇い止め」、組合反発 有期から無期へ「ルール」発動控え 労働契約法の「5年ルール」  東京大学が、「有期契約」の教職員約4800人を最長5年で雇い止めにする規則を定めていたことが分かった。有期で5年を超えて働くと、「無期契約」への転換を求めることができる労働契約法の「5年ルール」の発動を来年4月に控え、無期転換を阻止する動きだと組合側は猛反発している。無期転換を進める民間企業が増えるなか、5年ルールの「副作用」も出てきた形だ。  東京大学教職員組合などが23日、記者会見して明らかにした。組合によると、東大には1年契約のパートタイム労働者が今年1月時点で約5300人いる。主に学部や研究科の事務や医療・看護分野の補佐業務などを担っている。東大はこうした教職員の雇用期間の上限を就業規則で5年と定めている。  東大は長期間勤務している約500人は無期契約に転換するが、残りの約4800人の雇用期間は最長5年で変えないとしている。5年を迎えた教職員は順次雇い止めになる。組合は4月、5年の上限が「無期転換を促す労働契約法の趣旨に反する」として撤廃を求め、東大に団体交渉を申し入れた。組合によると、今月7日に開かれた団交で、東大は撤回しない考えを示したという。組合は「合理的な理由の説明はなかった」として、今後も団交を続ける。  東大広報課は朝日新聞の取材に「無期転換申し込み権の発生した有期雇用職員から申し込みがあった場合には、無期雇用とすると就業規則で規定してい る」と回答。ただ、パートの有期雇用職員は「契約期間終了後は引き続き採用しないと規定している」とも答えており、事実上、5年で雇い止めにすることを認めている。  東大は来年4月以降、職場や業務を限定した無期契約の新しい雇用形態を作り、そこで現在の有期雇用の職員を雇用できるとしているが、公募選考で選 ばれないと採用されない仕組みだ。組合は「雇用の継続が保証されない。そもそも、無期転換と別の話になっている」と反発している。  ■無期転換回避に懸念  「5年ルール」の導入が議論されていた当時から、副作用の危険は指摘されていた。無期転換を嫌う企業が強引に更新回数の上限をもうけたり、5年になる前に雇い止めにしたりする可能性があったからだ。  人手不足感が強まる中、今のところ民間企業でこうした副作用は増えていない。労働政策研究・研修機構が 昨年10~11月に従業員10人以上の企業を対象に実施した調査では、回答した9639社のうち、申し出があった場合に無期転換するとした企業がフルタイ ム労働者で35・2%、パートタイム労働者で4割あった。5年より前に無期転換する企業も合わせると、無期化に前向きな企業はフルタイム、パートとも約6 割。  ただ、大学では無期化を避けるための対応をするケースが目立っている。まだ対応を決めていない企業もあり、強引な雇い止めが起きていないか来年4月まで注意していく必要がある。(千葉卓朗、編集委員・沢路毅彦)  ◆キーワード  <労働契約法の「5年ルール」> 有期雇用の労働者の契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合、無期契約に転換できる権利を与えるルール。「雇い止め」の不安を解消するため、2013年4月に施行された改正労働契約法で定められた。1年契約の労働者なら5回目の更新後に権利が発生し、転換を申し込めば無期契約になる。雇う側が申し込みを断ることはできない。18年4月から順次、無期契約になれる。 "[he-forum 19369] しんぶん赤旗9/1","しんぶん赤旗 2017年9月1日(金) 軍事研究、多くの大学慎重 日本学術会議がリポート  軍事研究に関して日本学術会議が3月に決定した声明の社会的な影響について、同会議の検討委員会は8月31日、リポートを発表しました。防衛省の2017年度の研究委託制度への応募において、声明が少なからぬ大学に対応を促したと評価しています。  声明は、防衛省の制度を「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」として、大学などに応募の審査制度を設けるよう求めています。  今回のリポートは、大学からの防衛省制度への応募が、今年度は前年度から1減の22件だったことについて、「(制度の予算の)規模の拡大にもかか わらず、大学からの応募が伸び悩み、声明を受けて多くの大学が慎重な対応をとりつつあることを窺(うかが)わせる」と指摘しました。  報道資料をもとに、各大学の対応を紹介。声明の趣旨に沿って、学長声明の発表、方針の策定などの対応をとったのは、法政、関西、滋賀県立、広島市 立、中央、静岡県立などの各大学。高知工科大学は軍事研究は行わないとして審査委員会を設置する方針で、新潟、信州、広島、長崎、琉球の各大学も、制度に 応募しない方針を打ち出したとしています。  今年度は応募しないとしたのは、帯広畜産、北見工業、室蘭工業の各大学で、防衛省制度に採用実績のある東京工業、神奈川工科、山口東京理科の各大学も、今年度の応募は見送ったとしています。  学術会議としては、科学者コミュニティーの議論に資する視点と知見を今後も提供していくとしています。 "[he-forum 19370] Yahoo!news9/5","YAHOO!News 9/5(火) 11:07配信 東京大学が非常勤職員8000人大半の雇い止めを強行か(週間金曜日記事)  東京大学で働く約8000人の非常勤教職員の大半が、来年4月以降雇い止めされる可能性が高くなった。8月7日に開かれた東京大学教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合との団体交渉で、大学側が明確にした。  東大の非常勤の雇用形態は2種類ある。「特定有期雇用教職員」は特任教員や看護師・医療技術職員など約2700人。「短時間勤務有期雇用教職員」は、パートタイムワーカーで約5300人もいる。  2013年4月に施行された改正労働契約法は、5年以上同じ職場で働く非正規労働者が希望した場合、無期雇用に転換することを定めている。組合側は、 2018年4月以降、希望者全員の無期雇用転換を求めているが、大学は契約期間の更新を上限5年とする「東大ルール」を法律よりも優先。法人化前から働く 480人など一部を除いて雇い止めする方針だ。  また大学は、短時間勤務の教職員は6カ月のクーリング期間をおけば上限5年での再雇用が可能としている。しかし、無期転換を避けるためのクーリングは違 法または脱法行為とされる。しかも以前は3カ月だったクーリング期間を、改正法の成立後、雇用期間が「リセット」される6カ月に変更した。これは労働条件 の不利益変更だが、労基署に届け出ていない疑いがあり、非常勤講師組合は労働基準法違反で刑事告発を検討している。  団交で大学は、無期雇用できる「職域限定雇用職員」制度を来年4月に作るので、法に矛盾しないと主張。試験を行なうというが採用人数は明らかにしていない。  全国86の国立大学法人で働く非常勤教職員は約10万人。文部科学省によると、法改正を受けて無期転換を決めたのは6法人だけで、東大の対応が正当化さ れると、追随する大学が出てくる可能性がある。最も模範になるべき存在の東大がこのまま雇い止めに突き進むのか、今後の対応を注視したい。 (田中圭太郎・ジャーナリスト、8月25日号) "[he-forum 19371] 弁護士ドットコムニュース8/23","弁護士ドットコムニュース 2017年08月23日 19時08分 「東大が無期転換を阻害している」労組、非正規教職員8000人の雇用危機訴える 東京大学が来年4月から始まる有期雇用者の大規模な無期転換(5年ルール)への対応を拒んでいるとして、東京大学職員組合と首都圏大学非常勤講師組合が8月23日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで合同記者会見を開いた。 「このままでは非正規の8000人が雇い止めされてしまう」「ほかの大学に波及する恐れがある」と主張している。 ●労働契約法よりも「東大ルール」が優先する? 2012年に改正された労働契約法では、2013年4月(法律の施行日)を起点として、同じ職場で5年働いた有期雇用者が希望すれば、無期雇用に転換しなければならない。無期雇用を阻害するための不合理なルールをつくっても無効になるとされている。 東大は大学法人化した2004年に、有期雇用の契約上限を5年とするなど、有期雇用にかかわる「東大ルール」を設定した。上限をつけたのは無期雇用との差をつけるためだ。 労組によると、東大は労契法改正前からの上限のため、雇い止めしても有効だとしているという。対する労組は「雇用の安定という法律の趣旨に反している点では変わらない」として、ルールは無効だと主張している。 労組が問題視しているのはそれだけではない。東大は労契法改正後の2012年11月、この東大ルールを変更した。この際、パートタイムの教職員の再雇用について、クーリング(空白)期間を3カ月から6カ月に変更している。 クーリングとは、再雇用までの期間のこと。改正労契法では6カ月あけて雇用すれば、それまでの雇用年月をリセットできるとされている。労組は、これ までの規定だと無期転換しなければならなかったため、東大が無期転換させずに長期間雇える体制を整えるため、ルールを改正したと考えている。 実際、東大の会議資料では、変更の理由について「労働契約法の改正に伴い」との記載がある。しかし、労働者に不利益な変更だったのにもかかわらず、労使合意はなかったという。 労組によると、東大は無期転換の手段として、試験に受かればフルタイムの職員として雇うことを提案しているという。しかし、労組は労契法の趣旨に反することや、パートタイムで働かざるを得ない職員に対する配慮のなさを指摘している。 ●対象範囲は1万人前後になる可能性も 労組によると、東大にはフルタイムの非正規職員が約2700人、パートタイムの非正規職員が約5300人いる。さらに、この8000人とは別に、東 大には少なくとも1200人以上の非常勤講師がいると見られる。東大はこれまで非常勤講師を業務委託として扱ってきたが、今春の団交で、労働者性を認めた という。今後は彼らの無期転換も問題になりそうだ。 団交により、2004年の法人化前から勤務する480人は無期転換される予定だが、5年の上限やクーリング規定により、合計1万人ほどが不安定な立場に置かれているという。 ●民間企業ではむしろ前倒し感もある無期転換…労組「大学が一番阻害している」 有期雇用者の無期転換は、人手不足を背景に民間企業ではむしろ前倒しで進められているところもある。これに対し、労組は「大学が雇用の安定化を一番妨害している」と訴える。 文科省が公開している国立大学の無期転換ルールへの対応方針についての調査結果(2017年3月31日時点)によると、契約更新に上限を設けないと回答したのは、90法人中わずか6法人しかない。 文科省の担当者によると、調査は今年7月にも実施し、現在取りまとめをしている。来年4月のタイムリミットまで状況を注視し、必要があれば指導等を行うという。 労組側は「東大はいわば大学の総本山。東大が無期転換を阻害するようであれば、ほかの大学も追随しかねない」として危機感を強めている。 東大は弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「東京大学においては、労働契約法及び関係法令を遵守し、適切な雇用管理を行っている」と回答した。 (弁護士ドットコムニュース)= "[he-forum 19373] 河北新報9/8","河北新報 2017年09月08日金曜日 <山大アカハラ自殺>「裁判に影響」学長説明拒む  山形大工学部(米沢市)の男子学生が2015年11月、指導教員の助教によるアカデミックハラスメント(アカハラ)を苦 に自殺した問題で、小山清人学長は7日の定例記者会見で「(学生の遺族が起こしている)裁判に影響する」として、改めて事実関係や訴訟での大学側の主張に 関する説明を拒んだ。  山形県警記者クラブ(河北新報社など15社加盟)は同日までに、加盟社の総意として(1)第三者委による学生の自殺の調査 結果の公表(2)遺族が起こした裁判での大学側の主張(3)アカハラをしたとされる助教を停職1カ月の懲戒処分とした経緯(4)助教の処分発表時に学生の 自殺を伏せた理由-などについて、記者会見での説明を文書で求めていた。 "[he-forum 19372] YAHOO!news 9/7 現代ビジネスより"," YAHOO!NEWS 9/7(木) 16:00配信 東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕 写真:現代ビジネス  日本の大学の雄である東京大学が、約8000人の非常勤教職員の雇用形態に多大な影響を与える新たな方針を、去る8月7日に開かれた組合との団体交渉で明確にした。このままでは、大半の非常勤教職員は2018年4月以降雇い止めされることになる可能性があるという。  大学側の一方的な決定を受け入れることはできない、と組合は反発。東京労働局への指導の申し入れを検討、さらには刑事告発に発展する可能性が出てきた。  日本で最も権威のある大学による意思表明は、他大学の方針にも影響を与えるとみられている。全国に10万人いるという非正規雇用の教職員が注目する、東京大学の「労働争議」の現状をリポートする。 「東大ルール」  ここに、「改正労働契約法と東京大学における有期雇用教職員の取り扱いについて」と題した文書がある。東京大学が「改正労働契約法」にどう対応するのか が書かれた、内部文書だ。この文書の中に、「無期転換ルールと東大ルールの違い」という項目がある。まずはこれを見ていただきたい。  文書の表の左側にある「無期転換ルール」とは、一般的な改正労働契約法のことを指している。これは2013年4月1日に施行された法律で、ごく簡潔に言 えば「5年以上同じ非正規労働者を同じ職場で雇う場合、本人が希望すれば無期労働契約にしなさい」とするもの。一般的には非正規職員の正規雇用、あるいは 契約期限のない無期雇用を促す法律といわれている。  近年、大手企業が契約社員の無期雇用を決めるケースが相次いでいるが、これも、改正労働契約法の影響によるものだ。多くの企業が対応を迫られる中、大学とて例外ではなく、非正規職員の雇用をどうするかが、各校で議論されてきた。  そのなかで東京大学が掲げたのが、上記の表の右側にある「東大ルール」。今回問題視されているのが、このルールだ。いったい何が問題なのか。  まずは、東京大学の非常勤教職員の雇用形態を見てみよう。  東京大学の非常勤教職員は、基本的に単年度契約で、契約は最長5年まで更新できる。その上で2種類の契約に分かれている。  ひとつは「特定有期雇用教職員」と呼ばれるフルタイムの教職員。特任教授をはじめ、特任の准教授・講師・助教・研究員や、有期雇用の看護師・薬剤師・医療技術職員などを指す。その人数は公式ホームページによると2694人となっている(2015年5月1日現在)。  もうひとつは、「短時間勤務有期雇用教職員」。いわゆるパートタイムワーカーで、大学の事務や技術、教務、医療技術、看護技術などの補佐員として働いて いる人たちのことだ。補佐といっても、各学部の事務や、大学病院での看護スタッフなど、実際に行っている業務はフルタイムの教職員とさほど変わらない。  違いは、特任の教員ではないことと、勤務時間が週35時間以内に限定されていることだ。人数は2017年1月時点で5300人と多く、全体の8割を女性が占めている。  2職種あわせて約8000人にのぼる非常勤教職員は、このまま働いていれば、2018年以降には自然に、改正労働契約法によって無期雇用職員への転換を申し込む権利が発生したはずだった。  しかしながら、無期雇用者が増大すれば、人件費がかさみ財政が苦しくなることを恐れたのだろうか、東京大学は、独自に「東大ルール」なるものを設定し、これに対応することにしたのだ。 5年でリセット…?  「東大ルール」では、この2職種の人たちを、原則最長5年で「雇い止め」をすることを明記している。フルタイムの教職員の一部と、国立大学の法人化前か ら東京大学に勤務しているパート教職員480人は2018年に無期雇用に転換されるようだが、それ以外のほとんどの人は雇い止めされることになる可能性が 高いのだ。  さらに、「東大ルール」には「6か月のクーリング期間の適用」が記載されている。5年働いたパート教職員は、6か月の休業期間を経た後なら、再び上限5年で雇用することを可能、としている。  が、改正労働契約法では、一度6か月もの休業期間を経ると、「雇用継続の期待権」がリセットされてしまい、無期転換の機会を失ってしまうことが定められ ている。5年働いても、その後半年間の休みをとれば、勤務期間がまた「ゼロ」からとなり、いつまでも無期雇用には至らなくなってしまう。  文書では、これがさも合理的であるかのように記載されているが、無期転換(正規雇用化)を阻止するためにクーリングすることは違法、または脱法行為にあたるとさえいわれている。  また、このクーリング期間は、以前から設けられていたものだったが、それまでは「3か月」であったものを、東大は改正労働契約法施行後、これを6か月に 変更した。3か月の休業期間では雇用期間が「リセット」されないため、急遽これを伸ばした可能性がある。これは「労働条件の不利益変更」にあたる、と指摘 されるものだ。  東大側は、このような「雇用制度改革」を2013年ごろから掲げて周知していた。当然ながら組合は反発、2016年から東大側の理事・弁護士と交渉の場をもち、見直しを訴えてきた。  筆者は前回の記事で、早稲田大学がほぼ同様の「改革」を掲げ組合と衝突、話し合いの結果、大学がその改革案を撤回するまでの過程を報じた。(<早稲田大 学で起こった「非常勤講師雇い止め紛争」その内幕→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52333>この流れの中 で、東大もおそらくは撤回、あるいは組合側に妥協するものだろうと、「東大労働争議」の推移を見ていた。  そのようななかで、去る8月7日午後に開かれたのが、東京大学と、東京大学教職員組合、そして首都圏大学非常勤講師組合による団体交渉である。組合側は、希望するすべての教職員に対して、5年以上働いた場合は無期雇用に転換するよう、再度求めた。  ところが、東京大学は方針変更を認めなかったのだ。これによって、「東大ルール」が実施されることがほぼ確実となり、2018年4月に大量の「雇い止め」が行われる可能性が高まったのだ。 全面対立の可能性  組合側を驚かせたのは、それだけではなかったという。団交の場で、大学側は2018年4月から「職域限定雇用職員」という、フルタイムで定年まで働け る、新たな非正規教職員制度を作ると説明した。契約期間が満了しても引き続き働きたい人は、フルタイムの人もパートの人も、毎年秋に実施される試験を受 け、それに合格すれば、非常勤ながら定年まで働くことが可能になる制度だという。  しかし、この「職域限定雇用職員」とは、専門的かつ高度な仕事をする教職員であり、予算の裏付けがある部署に限っての募集となる。現時点では対象の部署は明らかにされず、予算の裏付けがないとされた職場で働く人は、そもそも対象外となる可能性が高そうだ。  また受験には部局の推薦が必要とされている。さらに、これは公募なので、現在東京大学で働いていない人も受験可能だという。パート教職員にいたっては、そもそも勤務時間をフルタイムに変える必要があり、試験を受けることを躊躇する人が多いのではないだろうか。  大学側は「この試験に合格すれば無期雇用になるので、試験を受けてほしい」と、誰でも受けられることを強調するが、組合側が「試験に受からなかった人は どうなるのか」と質すと、大学側は「試験に落ちた人を保障する必要はない」と回答。つまり、試験で落としてしまえば、その職員を再度雇う必要はない、とい うことのようだ。  試験に受からない場合は「その人の責任」で、不合格によって雇用が途切れるのは大学側の責任ではない、という理屈をつくるための制度だ、と組合側は受け取っているという。  組合側は、そもそもこの「東大ルール」は、改正労働契約法の趣旨に反していると指摘している。改正法は「雇用の安定を図るという趣旨で設けた」という政 府解釈が国会でも示されており(2012年7月25日衆議院厚生労働委員会)、いま働いている人を雇い止めにすることは、法律の目指すところとは全く逆の 行為になる、ということだ。  ところが大学側は、団交の場で「この提案は決して法律の趣旨には矛盾していない」と言い張り、「東京大学の業務の特性上致し方ない。部局ごとの事情もあり統一した対応は困難」と主張した。  これでは話にならないと、大学と組合の交渉は平行線のまま終わってしまった。  東京大学教職員組合は、「ゼロ回答は受け入れられない」と通告。首都圏大学非常勤講師組合とともに、東京労働局に東京大学への指導を申し入れる方向で検討を始めた。  また、首都圏大学非常勤講師組合は、事実上の就業規則変更が届け出されていないことを問題視し、大学を労働基準法違反で刑事告発することも検討しているという。 非常勤教職員約10万人に影響?  東京大学の非常勤教職員への対応には、就業規則の件以外にも多くの懸念が残る。組合側は、無期転換を認めない姿勢はそもそもの法律の趣旨に反していると 主張したが、女性が8割を占める短期間有期雇用労働者を雇い止めしようとしている点は、女性に対する雇用差別、とも受け取れるという。  さらに注目すべきは、国立大学の雄である東京大学でこのような方針が決定・推進されれば、全国の国立大学の非常勤教職員の雇用問題にも影響が出てしまう可能性があることだ。  文部科学省は2016年度に、国立大学法人86法人を対象に「無期転換ルールへの対応状況に関する調査」を実施した。その結果、非常勤教職員を「原則無 期転換する」と答えたのは秋田大学、浜松医科大学、愛知教育大学、三重大学、京都教育大学、奈良教育大学の6法人だけだった。  ほとんどの大学は「職種によって異なる対応を行う」ことを検討していると回答し、事実上態度を保留している。他大学は、東京大学の様子を見ているとさえ考えられる。  現在、86ある国立大学法人全体で、少なくとも10万人以上の非常勤教職員が働いている。東京大学の対応が正当化されると、多くの大学が追随し、数万単位の雇用に影響が及ぶ可能性があることを指摘しておきたい。  東京大学は本来、法改正の理念を汲みとり、最も模範を示すべき存在ではないだろうか。筆者は東京大学に「東大ルールにより非正規教職員を雇い止めするこ とは、改正労働契約法の趣旨に反しているとの指摘があるが、大学としての考えを聞きたい」と8月10日に取材を申し入れた。  この申し入れに対し、東京大学広報課は、非常勤教職員の多くを雇い止めして、新たな「職域限定雇用職員」を公募する方針は認めた。一方大学の見解については、「本部が長期の休みに入るので、8月21日以降に改めて連絡します」と答えるに留まった。  この問題は、少子化や大学改革などとも密接に関係しているはずだ。大学側も苦しい事情を抱えているのだろうことは推察できる。筆者は東京大学側への取材も含めて、今後もこの問題を追っていくつもりだ。                             田中 圭太郎= "[he-forum 19374] しんぶん赤旗9/8","しんぶん赤旗 2017年9月8日(金) 東大のパート雇い止め問題 雇用の安定に反する 宮本徹議員が東職と懇談  東京大学がパート勤務の非常勤職員5300人について契約5年を上限に雇い止めしようとしている問題で、日本共産党の宮本徹衆院議員(東大教育学部卒)は6日夜、東大本郷キャンパス(東京都文京区)の東大教職員組合(東職)を訪問し、懇談しました。  改正労働契約法では、有期契約の労働者でも契約更新を5年続けると、雇い止めの心配がない無期契約に転換できる制度がつくられ、来年4月から適用開始になります。  東大はパート勤務の非常勤職員を5年でいったん雇い止めにして、次の契約開始までに6カ月のクーリング(空白)期間を設け、無期転換できないようにしています。  佐々木彈(だん)東職委員長は「東大のやっていることは、雇用の安定という法の趣旨に反しています。非正規雇用を人扱いしなくていいという誤ったメッセージを流すことになってしまう」と強調しました。  宮本議員は「東大は日本の中心大学として、本来、もっとも良識を発揮しなければいけませんね」と応じました。  高橋登書記長は、非常勤職員などから相談が相次いでいることを紹介しました。  宮本議員は「雇用問題は政治の焦点になっています。国立大学法人化で、人件費など基盤的な経費を減らしてきた国の責任も大きい。私たちもしっかり取り組みます」と強調しました。 "[he-forum 19375] しんぶん赤旗9/14","しんぶん赤旗 2017年9月14日(木) 非常勤を無期契約転換へ 名古屋大が雇用安定化施策 組合奮闘で筆記選抜中止  日本有数の国立大学のひとつ、名古屋大学が来年4月から有期契約の非常勤職員を雇用継続5年で無期契約に転換する学内ルールをつくったことが13 日、本紙の調べで分かりました。5年以上働きながら今年度途中で雇用期限を迎える非常勤職員についても、無期転換をすすめる経過措置が取られます。東京大 学や東北大学が3000~5000人の非常勤職員を契約5年以内で雇い止めとする制度をつくるなか、名大が雇用を安定させる施策をとったことが注目されま す。  (田代正則)  名大は国立大学のなかで学生数13位、運営費交付金配分額8位、科学研究費助成事業配分額5位(いずれも2016年度)と、有数の規模を誇ります。  13年に施行された改正労働契約法では、有期契約の労働者でも契約更新を5年続けると、雇い止めの心配がない無期契約に転換できる「無期転換ルール」がつくられました。適用開始は来年4月からです。  名大職員組合によると、04年の国立大学法人化後に採用された有期雇用の契約・パート職員1848人が来年3月末までの期限で雇用されていました。  同組合は、希望者を無期転換するよう求める署名を2回1000人以上から集め、大学当局へ提出しました。  今年2月に大学当局が示した当初提案は、無期転換する職員は筆記試験で選抜し、不合格者は雇い止めにするというものでした。  組合側は、雇用の安定という労契法の趣旨に反すると主張。7月、学長や理事、部局長らで重要事項を審議する教育研究評議会で、無期化ルールが改善され、筆記試験は行わないことになりました。これまで通勤手当を支給していなかった「年俸制職員」へ支給するよう改めます。  無期転換されたポストについている職員が退職してその後任を補充する場合は、原則、無期転換ポストになります。  これらの施策によって大学当局は2億4000万円の支出増額を想定。本紙取材に名大の担当者は、「大学の財政は厳しいが、法の趣旨と働く方々の意向も踏まえた」と答えました。  国立大学は法人化後、人件費など基盤的経費の国立大学運営交付金の削減が続き、非常勤職員増加の一因となっています。  名大は現在、非常勤職員を全学共通業務や部局・プロジェクト業務などに整理し、無期転換ポスト数を集計中。組合側は、恣意(しい)的なポスト削減などが行われることがなく、無期化ルールが適正に運用されるよう注視するとしています。 "[he-forum 19377] メールアドレス変更のお願い>Re: [he-forum 19376] 佐大退職金裁判,高裁の法廷文書","ML管理者さま、寺尾と申します。 私は私のメールアドレスを teraoter@mint.ocn.ne.jp から terao1935@kind.ocn.ne.jp に変えましたので、以後、 新しいアドレスへお送りくださいますよう、お願い致します。 On 2017/09/17 10:24, 豊島 耕一 wrote: > 元佐賀大学の豊島です. "[he-forum 19376] 佐大退職金裁判,高裁の法廷文書","元佐賀大学の豊島です. 退職金裁判はこの20日に高裁で2回目の公判が開かれます.控訴審のこれまでの原告・被告の法廷文書をネットに公開しました. 控訴理由書(既報) http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2017-06-27 準備書面1 http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2017-09-15 準備書面2 http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16 どれだけ多くの人に注目してもらえるかは裁判官の判断に影響すると思いますので,ご支援(?注視)をよろしくお願いします. 提訴の目的は,原審での私の意見陳述*で述べたように,不当な減額の損失回復だけでなく,国立大学の「独立」法人という名目と正反対の,いわば政府「忖度」法人の面が余りにも明白で,これを告発するという意図もあります. * 豊島の意見陳述:http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2014-01-11 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 "[he-forum 19379] しんぶん赤旗記事9/29その2","しんぶん赤旗 2017年9月29日(金) 東北大の脱法も告発 職員組合が公開質問状  東北大学(仙台市)が、3000人を超える非正規職員を雇い止めしようとしている問題で、東北大学職員組合は27日、里見進総長に対し、公開質問状を提出しました。  質問状は、本学の人事制度案が改正労働契約法の精神に反し、法の抜け道を探す「法の潜脱」であること、実施されれば現場に混乱が起きること、すでに人材の流出と不足が起きていることなどを指摘しています。  最も重要な問題は労働者の権利侵害であることを強調し、「10年働いたのに、突然なぜ辞めなくてはいけないのか」「高校生の子どもとの2人の生活 をどうしていけばいいのか、不安でいっぱいだ」などの職員の声を紹介。(1)学問の府として「法の潜脱」をするような行為をしていいのか(2)現場で起 こっている混乱をどう考えるのか(3)現方針が、有能な人が集まることを阻害していると危惧するがどう考えるかの3点を質問しています。登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19378] しんぶん赤旗記事9/29","しんぶん赤旗 2017年9月29日(金) 東大雇い止め許せない 吉良議員、非常勤職員と懇談 (写真)職員らの話を聞く吉良よし子参院議員(左)=27日、東京都文京区  東京大学が、パート勤務の非常勤職員を5年で雇い止めしようとしている問題で、27日、日本共産党の吉良よし子参院議員が同大学内(東京都文京区)で職員らの話を聞きました。  東大は、2013年に改正された労働契約法の「無期転換ルール」から逃れるために、非常勤職員に対し、5年以上の契約更新をせず雇い止めにした り、6カ月の空白をおいて新たに有期契約をするなど、違法・脱法行為を行っています。東大教職員組合(東職)、首都圏大学非常勤講師組合の両組合は、東京 大学に対し、契約を更新し、希望者全員を無期転換するよう求めています。  吉良議員と懇談した非常勤職員の女性(48)は「契約更新を4年続けてきたが、次の更新を最後にすると言われている」と語り、「仕事内容は、正規 職員と同じ。新しく入ってきた正規職員に仕事を教えることもある。非常勤だからと雇い止めにされるのは納得がいかない」と訴えました。  別の非常勤職員の女性(57)は「優秀な人材が抜けるのは職場にとって損失。大学側は“東大”の名前を出せば人はいくらでも集まると思いあがっている」と批判しました。  吉良議員は「改正労働契約法の目的は、非正規労働者の無期転換を促すことだと厚生労働省も言っている。みなさんとともに、たたかいを広げたい」と話しました。登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19380] 河北新報9/30","河北新報2017.9.30 <東北大雇い止め>対象1140人 9割が雇用期間5年超 違法の恐れ指摘も  東北大が雇用契約の更新を繰り返してきた非正規職員を来年3月末に雇い止めにする問題で、対象者は約1140人となるこ とが29日、同大への取材で分かった。このうち法律で有期契約から無期への雇用転換が認められる通算5年を超えて働く人は、9割以上の約1050人に上 る。  2013年4月施行の改正労働契約法で、同じ職場で通算5年を超えて働く有期雇用者は、来年4月から雇用主に無期転換を申し込めるようになる。  東北大には約1万人の教職員が勤め、このうち非正規は約3700人。同大は無期転換権が生じる直前の来年3月末で、契約期間が満5年を迎える非正規を雇い止めにする方針だ。  ただ、東北大では内規で契約更新が最長5年までと定められている一方で、実際には5年超の雇用が常態化していた。同大は04年の国立大学法人化以前から働く非正規職員ら約200人は無期転換するが、それ以外の5年超の有期雇用者は雇い止めにする構えを見せている。  東北大の担当者は根拠として「5年超の人も14年度以降は『13年度から最長5年で雇い止めにする』との合意文書を交わして契約更新してきた」と説明する。  同じ国立大学法人の名古屋大は、来年4月に5年超の有期雇用者約750人を無期転換の対象とする方針。同大関係者は「5年超の人には雇用継続の『期待権』が発生し、雇い止めは違法だ。拒否できない状況で交わされた合意文書も無効ではないか」と指摘する。  東北大は雇い止めにする職員らを対象に来年度、職務などを制限した「限定正職員」を導入する。8月に募集を始め、試験を経て11月に合否を決めるが、採用数は明らかにしていない。  国の調査で、全国86の国立大のうち来年4月に非正規を無期転換させるのは六つ。全国大学高専教職員組合は1万人規模の雇い止めが起きると試算する。 [労 働契約法] 労働契約の原則を定め、雇用の安定を図る目的の法律。改正法の13年4月施行で、有期雇用者の無期転換が5年後の18年4月に始まる。人員削 減をしづらくなるため、雇用主が事前に雇い止めをするケースが相次ぐと懸念されていた。改正法には契約更新が繰り返されるなど、労働者が雇用継続を期待す る合理性がある場合は雇い止めを認めないルールも新設された。登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19381] しんぶん赤旗10/2 "[he-forum 19382] しんぶん赤旗10/3","しんぶん赤旗 2017年10月3日(火) 軍事研究「声明変えず」 学術会議 新会長に山極氏選出  科学者を代表する機関の日本学術会議は2日、総会を開き、新たな会長に京都大学の山極寿一学長(65)を選出しました。任期は3年。山極氏はゴリラの研究で知られ、軍事研究を否定する過去の声明を継承した3月の新声明の検討委員会メンバーを務めていました。  山極氏は報道陣に対し、「声明はころころ変えるものではない」と述べ、軍事と学術の在り方を検討する常設の委員会を立ち上げ、議論を続ける方針も明らかにしました。  また「一番重要なのは、自律して学問を展開すること」と説明。大学や学会などと連携し、学問の自由の確保に注力するといいます。  学術会議が3月に決定した新声明は、1950年と67年に出した軍事研究を行わない声明を「継承する」と明記。防衛省が武器開発を目指して研究者に資金を提供する「安全保障技術研究推進制度」について、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」と指摘しました。◆◆登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓◆◆ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19383] 読売新聞10/4","読売新聞 2017年 10月04日 11時27分 東工大次期学長、教職員らの投票で2位の益氏に 東京工業大学(東京都目黒区)は4日、学長選考会議の結果、同大科学技術創成研究院長の益一哉氏(62)を次期学長に選出したと発表した。  任期は2018年4月1日から4年間。同大の教職員らによる投票で益氏は2位だったが、学内外の委員11人で構成する学長選考会議が面接などを行った結果、益氏を選考した。◆◆登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓◆◆ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19385] 河北新報10/5 "[he-forum 19384] 河北新報10/5","河北新報 2017年10月05日木曜日 <山形大パワハラ>書き置きに「役立たず」激高、はさみ投げ付ける  山形大が誇る高性能・高容量電池の開発拠点で、陰湿なパワハラが繰り返されていた疑いが浮上した。一方的に罵倒の言葉を浴びせられたり、はさみを投げ付けられたりした職員が組合に相談を寄せていた。  組合関係者によると、雇い止めを受けた男性職員は机の上に「役立たず」「ボケが!」などと書き置きされたり、文字のサイズを大きくした暴言のメールを送られたりした。体調を崩し、不整脈などで通院するようになった。  突然激怒したセンター長からはさみを投げ付けられたり、退職で生じるセンターの損失を穴埋めするよう、高額な寄付を迫られたりした職員もいたという。  組合関係者は「今は落ち着いているようだが、センター長の顔色を気にして、おびえながら働いている職員は少なくない」と話している。  同大では、工学部4年の学生が指導教員によるアカデミックハラスメントを苦に自殺していたことが8月に明らかになったばかり。事実関係に関して説明を拒み続ける大学側の姿勢が批判を浴びている。 ◆◆登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓◆◆ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19387] NHK山形ニュース10/5","NHK山形 ニュース 10/05 20:10 山大の研究センターでパワハラか  飯豊町にある山形大学の研究センターで、職員が上司から侮蔑的なメールを何度も送られるなどのパワハラがあったなどとして組合が大学に事実確認を求めていることがわかりました。  山形大学職員組合によりますと、飯豊町にあるリチウムイオン電池の開発を行う山形大学の研究センターに勤めていた男性職員から、「上司からパワハラを受けたため去年9月に大学が設置しているパワハラ防止対策委員会に訴えたが回答がない」と相談を受けました。 男性職員は上司から「無能なお馬鹿さんへ」などという侮蔑的な文言のメールを何度も送られていたということです。 この男性職員は雇用契約が更新されずにことし3月で退職したということです。  また、この上司が女性職員に対してハサミを投げたのを目撃したという男性職員もいて、この職員は職場の雰囲気が悪いとして自主退職したということです。 組合は「研究センターでなんらかの深刻なパワハラが常態化していたことは疑いの余地がない」として、大学に対し、ことし5月と7月に2回にわたって事実関係の確認を文書で求めていて、回答が不十分だとして、引き続き事実関係の確認を求めていくことにしています。 一方、山形大学の広報担当はNHKの取材に対し、「個別のハラスメント案件については守秘義務があるため話すことはできない。パワハラがあったかどうかも、その事実関係を大学が確認しているかどうかも、コメントできない」としています。 ◆◆登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓◆◆ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19388] 山形新聞10/6","山形新聞 2017年10月06日 08:29 パワハラ理由、山形大施設で3人退職 飯豊・センター長「あり得ない」  飯豊町萩生のリチウムイオン電池研究開発拠点施設「山形大xEV飯豊研究センター」で今年5月までに、センター長の同大男性教授のパワーハラスメントを 理由に、少なくとも3人の職員が退職していたことが5日、同大職員組合などへの取材で分かった。組合は大学側に実態の把握などについて質問書を提出した が、同大はパワハラの有無を含め回答していない。  同組合関係者によると、退職者はセンター長から人前やメール、文書で屈辱的な言葉を浴びせられた。3人の中にはそうした職場環境にストレスを感じて辞めた職員もいるという。  同組合が小山清人学長に宛てた質問書では、突然激怒したセンター長がはさみを投げ付けたり、退職により生じる損失を補填(ほてん)するよう高額な寄付を強要したりしたこともあるといい、「深刻なパワハラが常態化していたことは疑いの余地がない」と指摘している。  元職員の男性は昨年9月に学内の相談窓口に対策を求めたが、その後、急に今年3月末での雇用打ち切りを通告されたという。男性は山形新聞の取材に対し、 メールで「能なしのおバカ」と暴言を送られたり無視されたりしたとし、「環境を改善してほしい、という思いで相談したが、大学には対応してもらえなかっ た」と話した。  同組合には、ほかにもパワハラを受けたとする複数の訴えが寄せられている。今後について「もう一度事実関係を確認し、何らかの形で(被害)職員の方と話し合う機会を持ちたい。問題があればただしていきたい」としている。  小山学長は5日の定例記者会見で「ハラスメントのことなので具体的な説明は避けたい」と述べ、詳細を明らかにしなかった。センター長は本紙の取材に応 じ、組合の質問書について「(職員の)一方的な話で間違いが多い」とし、はさみを投げ付けたり、寄付を強要したりしたとの訴えに関し「あり得ない。常識の 範囲で考えてほしい。はさみは床に落としたことはあるが、人に向かって投げたことはない」と述べた。◆◆登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓◆◆ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19389] 読売新聞10/5","読売新聞 2017年10月05日 07時15分 教師の働き方改革が進まない学校の「世論知らず」 名古屋大准教授 内田良  教員の長時間労働の解消に向けた対策を検討している中央教育審議会の特別 部会が8月、タイムカードを使った勤務時間の管理や、事務作業を代行する専門スタッフの配置などを盛り込んだ緊急提言をまとめた。多忙化が問題となる学校 現場で、なぜ教師の「働き方改革」は一向に進まないのか。名古屋大の内田良准教授に解説してもらった。 「消える化」するブラック部活動  部活動改革を含む教員の働き方改革をめぐっては、そのニュースを見聞きしない日がないほどに世間の関心が高まっている。もはやこれは、教育問題を超えた社会問題、国民的関心事になっていると言えよう。  こうした世論の高まりに反して、肝心の職員室は「無風状態」のままだ。それどころか、相変わらず、夜遅くまで働き続ける教員を賛美する声や、「部活動をもっと充実させよう」という声も聞こえてくる。  教員研修の場では、部活動の話題になると、「苦しい」「つらい」と本音を打ち明ける教員もいる。しかし、一方で、そうした声を打ち消そうと、「部活動のネガティブな面ばかりが強調されている」と反対意見や不満が噴出する。  「部活指導なら、生徒たちがついてくる」  「教科指導では得られない生徒との深い絆ができる」  こうした部活動の意義が次々と語られる。  サービス残業であり、かつ、それが実質強制されていることが問題となっている「ブラック部活動」に世間の目が向けられるようになり、その実態が「見える化」しつつあるにもかかわらず、すぐにその場で「消える化」していくのだ。 危機感のない学校現場  私はこうした学校現場の現状を、重大な危機感を持って受け止めている。  というのも、これまで学校教育の問題が報じられるとき、それは必ずと言っていいほど、教員批判の文脈においてなされるからだ。  学校で事故や事件が表沙汰になると、教員の資質や学校の監督責任が問われるのが定番だ。  それがここ数年は、教員はむしろ批判されるどころか、救い出される存在となった。奇跡的で有り難い事態である。  たとえるなら、かつては本丸の学校に対して、その外堀を埋めるべく世論が戦車で攻め込んでいた。それが今日では、世論は救急車を寄せて、外堀を埋め、教員を助け出そうとしているのだ。  この千載一遇のチャンスに、学校がもし「世論知らず」の調子で、部活動改革を含む働き方改革に消極的な態度を続けるならば、世間の関心はすぐに失われてしまうだろう。  そして、そこに待っているのは、教員批判一色の再来である。いまこの機を逃せば、これから数十年、学校現場はもっとブラックになっていく。そのときに「助けて」と叫んでも、もう誰も見向きもしない懸念すらある。 中学校の教員6割が「過労死ライン」超え  2016年度に10年ぶりに実施された文部科学省の教員勤務実態調査は、改めて全国の学校現場の過酷な勤務状況を明らかにした。  これによると、国が示す「過労死ライン」に達する週20時間(月80時間)以上の「残業」をした教諭は、小学校で33.5%、中学校では57.7%に達した。多くの教員がいわゆる「過労死ライン」を超えている。  ここで懸念すべきは、教員の残業時間が「過労死ライン超え」ということだけではない。その時間外勤務の扱いに留意しなければならない。  平日に部活動などの各種業務でどれだけ遅くまで残ったとしても、教員に残業代はいっさい支払われない。  土日については、部活動を指導したところで、割増賃金が支払われるどころか、最低賃金以下で働いている。部活動に関係のない雑務の場合には、「ただ働き」となることがほとんどだ。  これが、自由な選択であるならまだしも、部活動指導は多くの教員に半ば強制されている。部活以外の業務や雑務の多くは、やむなく時間外のただ働きを強いられている状況がある。 労務管理の欠落  こうした調査を通して、教員の時間外勤務の状況は、全国規模ではようやく「見える化」してきたと言える。しかし、問題は、それぞれの学校、個々の教員単位になると、明確な形では「見える化」していないということである。  長時間労働が問題視され、民間企業で「働き方改革」が進められている世間の常識からすると、学校現場の危機感の低さを反映しているように私には感じられる。  連合総研が2016年12月に発表した、公立校を対象にした全国調査の報告書(『とりもどせ!教職員の「生活時間」』)に、各校の出退勤の記録方法に関する回答結果が示されている(図)。  これによると、小学校と中学校ともに最も多かったのは、「出勤 簿への捺印により行っている」(小学校29.9%、中学校30.8%)だった。次いで、「把握しているかどうかわからない」、3番目に「出・退勤時刻の把 握は行っていない」が続いた。これに対し、「タイムカードやPC等の機器により行っている」は1割(小学校10.0%、中学校11.0%)にとどまってい る。  出退勤の時刻を、客観的方法で記録し、確認できるようにしようという空気の希薄さが、よく伝わってくる調査結果である。  個々の学校現場には、そもそも勤務時間をしっかりと管理する文化が存在しない。  外界から隔離された学校のこの独特の文化は、無制限の時間外勤務を容易に許す土壌を形成している。 勤務時間の上限規制に向けて  文部科学省の中央教育審議会が8月、「学校における働き方改革に係る緊急提言」を発表した。  その提言の要は、「労務管理」の徹底である。提言によると、「ICT(情報通信技術)やタイムカードなどで勤務時間を客観的に把握し、集計するシステムが直ちに構築されるよう努めること」が打ち出されている。  今年5月、私は「教職員の働き方改革推進プロジェクト」の一人として、「教職員の時間外労働にも上限規制を設けて下さい!」という署名活動に着手した。  ここでいう「上限規制」には、単に上限を設けること以上の重要な意図を込めている。  上限規制を設けるということは、まず、教員の勤務時間を把握するということを学校現場に求めている。すなわち、上限規制とは「労務管理」の言い換えである。  「1か月の勤務時間を初めて数えました。過労死ライン超えています」  先日、ある教員がツイッターで、こんなことをつぶやいていた。  教員の働き方改革は、決して難解なものではない。まず、勤務時間を数え上げるところから、その第一歩が始まる。 ◆◆登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓◆◆ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19391] 毎日新聞 山形","毎日新聞2017年10月6日 地方版 山形大 職員2人が「教授パワハラ」 組合に相談 /山形  山形大職員組合は5日、同大xEV飯豊研究センター(飯豊町)の男性職員2人から、男性教授によるパワーハラスメント(パワハラ)の相談を受けていたことを明らかにした。2人は5月末までに退職している。  同組合によると、1人は「教授から、机の上に中傷的な内容の書き置きを残された」などと相談。1人は「職場にいることが怖い」などと訴えている。  さらに「女性職員1人がパワハラにあった」との説明もあった。同組合からの質問状に大学側は一部回答したが、パワハラの有無などについては明確にしなかったという。【二村祐士朗】◆◆登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓◆◆ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19390] 河北新報10/6","河北新報 2017年10月06日金曜日 <山形大パワハラ疑惑>関係者証言「知っているだけで10人辞めた」「怒鳴り声にビクビク」  山形大xEV飯豊研究センターで、センター長の男性教授からパワハラを受けたとして職員3人が退職した問題で、センター長が所管する研究施設の複数の関係者が5日までに、河北新報社の取材にパワハラの実態を証言した。  米沢市の研究施設で2年ほど前、男性教授の下で働いていた男性は「知っているだけで10人ぐらいが辞めた。理由はほとんど先生のパワハラだ」と言い、こう振り返る。  「とにかくわずかなミスでも許さない。同僚たちの前で大きな声でしかる。当時は数日置きに怒鳴り声が職場に響き渡り、みんなビクビクして顔色をうかがいながら仕事をしていた」  別の男性は「メールで執拗(しつよう)に責められた。機械を誤って故障させた時、損害賠償みたいな脅し文句まで言われた。あまりのしつこさにうつ病になった同僚もいた」と語った。  単年度契約の職員も多く、「契約を打ち切られるのが怖いので、ひたすら耐えるしかない」という人も。パワハラの訴えに向き合おうとしない大学の対応には「私たちスタッフはただの駒。使えなくなったら切り捨てればいいという考えのようで悲しい」と話した。 ◆◆登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓◆◆ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19392] しんぶん赤旗10/17","しんぶん赤旗 2017年10月17日(火) 非常勤の講師3000人 東大が直接雇用に  東京大学(東京都文京区)が、非常勤講師を労働者と認めず業務請負契約にしていたことを是正し、過去にさかのぼって雇用契約に切り替えるとしてい ることが、16日までに分かりました。首都圏大学非常勤講師組合と東京大学教職員組合(東職)に同大学が回答したもの。これにより約3000人の雇用契約 が改善されることになります。  大学が学校教育法を順守して、授業に責任を持つためには、非常勤講師を直接雇用し、指揮命令権を確保する必要があります。  東大はこれまで非常勤講師に対して、外部の有識者が学内で講演したときなどに支払う「謝金」を毎回渡すという扱いで、雇用条件通知書などは作成していませんでした。非常勤講師は、労災の適用が受けられない、東大で教えている証明ができないなどの不利益を受けていました。  東大当局が10日に組合側に示した文書では、「非常勤講師の労働者性に配慮し、非常勤講師を従来の業務請負契約から雇用に切り替え」、賃金などの 規定を整備するとしました。2016年度の非常勤講師は約3000人、そのうち他大学でも正規職についていない講師が約300人でした。この問題は、非常 勤講師組合と東職が共同して団体交渉で是正を求め、9月21日、東大当局が改善を約束していました。 共産党国会議員 労組に聞き取り 国に指導求める  日本共産党の宮本徹前衆院議員(東京比例、20区候補)と吉良よし子参院議員が労働組合から聞き取り調査を行い、宮本氏と、はたの君枝前衆院議員(南関東比例、神奈川10区候補)が文部科学省と厚生労働省に東大への指導を求めていました。◆◆登録、退会、メールアドレス変更等の方法については、こちらから↓◆◆ http://zendaikyo.or.jp/index.php?key=qxa7wby-218#_218 "[he-forum 19393] 東洋経済オンライン10/17 "[he-forum 19394] 河北新報 山形版 10/28 "[he-forum 19400] NHK山形 11/9","NHK山形 11/09 18:58 山形大職員組合パワハラ証拠公開 飯豊町にある山形大学の研究センターで、パワーハラスメントがあったとされる問題で、職員組合は9日、具体的な証拠だとして元職員が持っていた写真を公開しました。 この問題は、飯豊町にあるリチウムイオン電池の開発を行う山形大学の研究センターに勤めていた職員2人が、上司によるパワハラを受けたと主張しているものです。 これについて、山形大学職員組合は9日、記者会見を開き、元職員が持っていた写真を公開しました。 公開された4枚の写真には、「マジックぐらい買っとけ!!《役立たず》」「誰が選んだこのコピーボケが!!遅くて使えん」などと、激しく叱責するメモが写されています。 組合によりますと、元職員はメモは上司が書いたとしていて、このほかにも「人前で上司に偏差値40と連呼された」などと話しているということです。 組合はパワハラが常態化していたことは疑いないとして、大学に対し、これまで3回にわたって事実関係の確認を求める文書を送っていますが、大学側は「個別の事案については個人情報の観点からお答えしかねる」などと回答するにとどまっているということです。 組合は、回答は不誠実だとして、年内にも行う団体交渉の中で事実確認を求めていくことにしています。 山形大学職員組合の品川敦紀・執行委員長は「大学の対応には誠実さが感じられないので写真を公開しました。ハラスメントを根絶するためにも誠実に取り組んで頂きたい」と話していました。 一方、山形大学はNHKの取材に対し、「去年、職員から職場環境についての相談があった。大学では去年の冬に研究センターの責任者に対し理事が口頭で適正な職場環境を確保するよう注意喚起を行った。センターでハラスメントの問題があったという認識はない」としています。 "[he-forum 19399] 朝日新聞11/10","朝日新聞 2017年11月10日05時46分 役立たず・ボケが…「パワハラ」画像、山形大組合が公開  山形大学のリチウムイオン電池研究施設xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)で、職員が「パワーハラスメント(パワハラ)」を受けたとされる問題で、山形大学職員組合が9日、昨年秋に職員の机に残されていたという書き置きの画像を明らかにした。「役立たず」「ボケが」などと記されており、組合は同センター長が書いたとみている。  組合はこれまでに3回、パワハラの実態把握や対策などを問う質問書を小山清人学長宛てに提出したが、大学側は全職員に注意喚起したとした上で「個別の事案には個人情報保護の観点から答えられない」などと回答している。  記者会見した品川敦紀執行委員長=理学部教授=は「大学側の回答はいずれも通り一遍。対策内容も明らかでなく、引き続き真剣な対応を求めていく」と話した。 "[he-forum 19398] 日テレNews24 11/9","日テレNews24 2017年11月9日木曜日 山形大学の研究施設で、センター長からのパワーハラスメントによって職員が相次いで退職したとされる問題で、パワハラの実態が明らかにされた。  センター長が書いたとみられる書き置きには「役立たず」などと書かれ、筆記用具がそろっていなかったことに腹を立てたとみられている。  山形大学職員組合によると、この問題は、山形・飯豊町にあるリチウムイオン電池の研究施設「山形大学xEV飯豊研究センター」で、センター長の男性教授からパワハラを受けたとして、職員2人が今年5月ごろまでに相次いで退職したもの。  職員は、「バカ」などと書かれたメールを一日に複数回送りつけられたり、大学にパワハラについて相談したことを理由に雇用の打ち切りにあったりしたなどとしている。  職員組合は9日、記者会見を開き、センター長が職員の1人に宛てて書き置きしたとみられる4枚の写真を公表した。「役立たず」のほか、「ボケ」などと書かれているものもある。  また、職員の1人は「ほかの会社の人がいる前で偏差値40と連呼された」と訴えている。  山形大学職員組合・仁科辰夫執行副委員長「『ボケ』『役立たず』は上司として言ってはいけない。それが誰の目にもわかるように大きくマジックで書かれている」  組合では、この写真をパワハラの証拠として公表し、大学に対して実態の調査や改善などを求めていくことにしている。  「パワハラ」との指摘について、山形大学の小山清人学長は、先月5日の記者会見で「パワハラとしては把握していない」と話している。  職員組合ではこのほか、大学が来年3月末で雇用契約期間の上限を迎える職員の一部を雇い止めにしようとしていることや、山形大学附属小学校で違法残業が行われていると指摘した。 "[he-forum 19397] 河北新報 山形 11/9","河北新報 山形 2017年11月09日木曜日 <山形大生自殺>工学部長「原因知らない」 本部調査の経緯「全く把握していない」  山形大の飯塚博工学部長は8日の定例記者会見で、今年2月に同学部(米沢市)の男子学生(当時3年)が自殺したことについて「亡くなった事実は聞いているが、原因や理由など内容は知らない」と述べた。  飯塚学部長によると、男子学生の自殺に関しては大学本部(山形市)が調査し、悩みを抱える学生への適切な対応を求める学長名の業務命令文書が10月6日に届いたという。  飯塚学部長は、本部の調査となった経緯も「全く把握していない」と話した。  山形大では山形市の小白川キャンパスで10月4日と24日、それぞれ20代の男子学生が自殺しており、今年だけで学生3人の自殺が明らかになっている。 "[he-forum 19396] 河北新報 山形版11/10","河北新報 山形版 2017年11月10日金曜日 <山形大パワハラ>職員組合が暴言や複数の書き置き公表  山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)の職員3人が今年3~5月、センター長の男性教授からパワーハラスメント (パワハラ)を受けたとして相次いで退職した問題で、同大職員組合は9日、センター長が職員に残したとされる侮辱的な書き置き類4枚の画像を公表する一 方、職員に浴びせていた暴言の内容を明らかにした。職員は組合を通じ、大学の公式な謝罪を求めているという。  組合によると、4枚は昨年9月ごろ、職員の机の上に置かれるなどしていた。いずれもセンター長の筆跡とみられ、このうち一つはコピー機選定について「誰が選んだ」「ボケが!!」「遅くて使えん」と書き殴られていた。  さらに、筆記具がそろっていないとして職員を「役立たず」と罵倒する書き置きや張り紙の位置が悪いと叱責(しっせき)する書き込みもあった。  職員はこのほか、センター長から繰り返し人前で「偏差値40 偏差値40」と言われ、傷ついたと組合に相談していた。職員は、苦痛を感じたセンター長の発言を可能な限りメモしていたという。  職員は昨年9月、学内のハラスメント防止規程で定められた窓口に相談した後、雇い止めに遭っており、組合はセンター長による「報復の可能性」を指摘。職員は「大学が何の謝罪もしていないのは許せない」と話しているという。  飯豊研究センターでは、はさみを投げ付けられたとする訴えや、退職で生じるセンターの損失を穴埋めするよう多額の寄付を迫られたという声が、退職した職員たちから上がっている。  山形県庁で記者会見した職員組合の品川敦紀執行委員長は「書き置きの画像や『偏差値40』という暴言はパワハラの一端を示す証拠の一部。名誉棄損(きそん)であることは明確だ」と批判した。  センターでパワハラ被害の訴えが続出していることについて、小山清人学長は10月5日の定例記者会見で「パワハラがあれば処分している。処分はしておらず、パワハラは把握していない」と述べていた。 [山 形大xEV飯豊研究センター]山形大と山形県飯豊町が整備した国内最先端のリチウムイオン電池研究開発拠点。「xEV」は電動輸送機器の総称で、自動車な どに使われる電池の試作工場の機能も持つ。開所は2016年5月。自動車、ロボット関連企業など約50社が研究開発に加わっている。 "[he-forum 19395] 河北新報 山形 11/9","河北新報 山形 2017年11月09日木曜日 <山形大パワハラ>職員の机に「役立たず」書き置き センター長筆跡か 職員の机に残された書き置き。センター長の手書きとみられる文字で「役立たず」などと記されていた 拡大写真  山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)の職員3人が今年3~5月、センター長の男性教授からパワーハラスメント (パワハラ)を受けたとして相次いで退職した問題で、河北新報社は8日、センター長が職員1人の机に残したとされる書き置きの画像を入手した。職員は学内 のハラスメント防止規程で定められた窓口に相談した後、雇い止めに遭った。  関係者によると、書き置きがあったのは昨年秋。筆記具がそろっていないことに腹を立てたとみられ、「役立たず」などと書き殴られていた。文字はセンター長の筆跡とみられる。  学内ではこのほか、センター長にはさみを投げ付けられたとの訴えや、退職で生じるセンターの損失を穴埋めするよう多額の寄付を迫られたという声が、退職した職員たちから上がっている。   同大職員組合は今年5月、飯豊研究センターでパワハラの訴えが相次いだ実態を把握しているかどうかを問う質問書を小山清人学長宛てに提出。「深刻なパワハ ラが常態化していたことは疑いの余地がない」と強調した上で、雇い止めに遭った職員についてはセンター長による「報復の可能性」も指摘していた。  大学側は組合に「個別の案件については存否を含めて回答しかねる」とする文書を返しただけで、その後の組合の質問にも具体的な説明を拒否し続けている。  河北新報社は10月末からセンター長に取材を申し込んでいるが、8日までに応答はない。 "[he-forum 19401] 佐賀大学退職金裁判,高裁判決(敗訴)","もと佐賀大学の豊島です.本日,退職金裁判の高裁判決がありました.敗訴となりました. とりあえず,判決文を,画像データですが次のアドレスで公開します. http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/appeal/kousaihanketsu-msk.pdf 出来るだけ早くテキスト化し,さらにリンク付きハイパーテキストにして,利用しやすくしたいと思います.その際,マスクされている個人名はA氏,B氏など,区別可能にします. 上告についてはこれから検討します. 内容については後ほどコメントしたいと思いますが,裁判所の意見は,以下の,4ページ+1/3ページ、つまり5ページにも満たない量です.ざっと読んだ内容も,結論ありきで,まともに仕事をしているとは思えません. 裁判所の意見の部分: 23ページ 第3 「当裁判所の判断」、 「1 事実認定」 34ページの 「2 争点①について」 38ページの 「3 争点②について」 同ページ、「4 その他」 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 "[he-forum 19411] しんぶん赤旗11/16","しんぶん赤旗 2017年11月16日(木) 罵倒の張り紙に批判 山形大でパワハラ 調査委設置 職組が写真で告発  国立山形大学で、パワハラ、非常勤教職員雇い止め、違法残業などの労働問題を解決しようと労働組合が奮闘しています。  職員へのパワハラ事件について、小山清人学長は15日、山形市のキャンパス内で会見しました。山形大職員組合の告発を受けて、事件を調査するキャ ンパスハラスメント特別対策委員会を設置したと発表しました。それまで同大学は、パワハラ事件の存在自体を認めていませんでしたが、組合の取り組みが是正 へ一歩動かしました。  パワハラが横行していたのは、リチウムイオン電池研究施設xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)。相談を受けた山大職組によれば、教授が女性職員にハサミを投げつける、退職する職員に対して退職の損失分を高額な寄付金で支払うよう強要する、などの事例がありました。  パワハラについて大学窓口に相談した非常勤職員は、今年3月末で雇い止めになりました。パワハラに耐えかねた2人が今年退職しています。  山大職組は3度にわたって大学当局にパワハラ問題を質問しましたが、大学側は「個別の案件については、その存否を含めて回答いたしかねます」と、 事件の存在を認めませんでした。職組は9日、研究センター長が職員を罵倒したとみられる「役立たず」「ボケが!!」などと書き殴られた貼り紙の写真4枚を 公表し、市民の批判が集まりました。  15日の会見で、小山学長は、「相談者はパワハラとはいわず、職場環境の改善をしてほしいということだった。改善されたと報告を受けていたので、組合の写真を見て、私自身、驚いている」などと説明しました。  14日付での特別対策委員会の設置を発表したものの、メンバーが何人で誰なのかは非公開。結果報告の公表についても難色を示しました。  山大職組が学内のハラスメント防止制度が機能していないと指摘していることについて、小山学長は「参考にしながら、変えるところは変えていく」と答えました。  山大職組の品川敦紀委員長(理学部教授)は、「職員の訴えは、一般的な職場環境問題ではなく、パワハラ問題です。きちんと是正させるため、調査結果についても組合に教えるよう求めていきます」と話しています。  非常勤職員に適用されている1年更新の有期契約は、パワハラ告発者に対する雇い止めに悪用されました。山大職組と、東北非正規教職員組合、首都圏大学非常勤講師組合は、有期契約を5年継続した希望者全員を無期契約に転換するよう大学に要求しています。 = "[he-forum 19410] 山形新聞11/16","山形新聞 2017年11月16日 09:21 山形大、特別対策委を設置 飯豊の研究施設パワハラ問題巡り  飯豊町のリチウムイオン電池研究開発拠点施設「山形大xEV飯豊研究センター」で、パワーハラスメントを受けたとする職員が相次いで退職した問題を巡 り、山形大の小山清人学長は15日の定例会見で、事実関係を調べるキャンパスハラスメント特別対策委員会を設置したことを明らかにした。小山学長は、設置 までに時間を要したことについて陳謝した。  設置は14日付で2カ月以内をめどに結果をまとめる考え。今回の問題で、同大職員組合は今月9日に会見を開き、センター長が職員に向けて書いたとみられる複数枚のメモを公開。「役立たず」などの暴言が記されていた。  組合はこれらのメモを大学側には示しておらず、小山学長はこの日の会見で「組合が出した(メモの)写真に驚いた。確認する必要がある」と、委員会の設置 理由を述べた。昨年、大学の窓口に施設職員から相談が寄せられていたことも説明し、「職場環境を良くしてほしい」という趣旨の内容だったため、パワハラに 関するものとは捉えていなかったという。委員会の設置がこのタイミングになったことについて「誠に申し訳なく反省するところだ」とした。  委員の構成については、第三者の考えを取り入れるとしながら「個人の特定につながるので差し控えたい」と詳細は語らなかった。調査結果を踏まえ、処分や再発防止策を取る考えで、結果の公表は委員の意向を確認して決めるとした。= "[he-forum 19409] NHK山形","NHK山形 2017年11月15日 18時51分 山形大 パワハラ問題の調査開始 山形大学の研究センターでパワーハラスメントがあったとされる問題で、小山学長は特別の委員会を設置して事実関係の調査を始めたことを明らかにしました。 山形大学の職員組合は、飯豊町にあるリチウムイオン電池の研究センターで元職員2人が上司からパワハラを受けていたとして、大学側に確認を求めていて、先週には証拠として、「役立たず」などと上司が元職員にあてて書いたとするメモの画像を公開しました。 この問題について山形大学の小山清人学長は15日の定例会見で、特別の委員会を14日付けで設置して事実関係の調査を始めたことを明らかにしました。 これまで大学は、「パワハラがあったという認識はない」と繰り返し説明してきましたが、小山学長は、「風評にすぎないと認識していたが、画像が公開された以上、パワハラを疑わざるを得ない」と述べました。 大学の委員会では今後、元職員や上司に聞き取りをした上で、2か月以内をめどに調査結果をまとめる方針で、公表するかどうかは学長が改めて判断するとしています。= "[he-forum 19408] さくらんぼテレビ11/15","さくらんぼテレビ 2017/11/15 山大パワハラ問題・調査委員会を設置 山形大学の研究施設でパワーハラスメントがあったとされる問題で、小山清人学長は15日、学内に問題を調査する委員会を設置したと明らかにした。 この問題は飯豊町にある山形大学の研究施設「xEV飯豊研究センター」で、センター長の男性教授からパワハラを受けたとして、職員2人が今年5月ごろまで に相次いで退職したもの。山形大学職員組合は今月、センター長が職員の1人に宛てた書き置きと見られる写真4枚を公表した。書き置きには「役立たず」や 「ボケ」などと書かれていて、職員組合はこの写真を証拠として大学に実態の調査や改善などを求めるとしていた。 山形大学は14日付で問題の真相を調査する特別対策委員会を学内に設置した。小山学長によると、委員会はセンター長や退職した職員から聞き取りをするなど して2ヶ月以内に結論をまとめる予定。小山学長は職員組合が公表した写真を「驚きを持って受け止めた」とし委員会設置を決めたとしている。 (小山清人学長) 「今回ハラスメントの証拠とされる画像が出てきたので正確性を確認するために調査する必要があると判断した。4枚の写真を初めて見て驚いた。今まで聞いていたことと違うなという判断。写真の他にどういうものがあるのか全体をきちんと正確に調査して欲しい」 一方、委員会のメンバーは調査の公正さを保つためとして明らかにされず、また調査結果はパワハラの事実を認定し懲戒処分をした場合に限り公表するとした。 この点について職員組合の品川敦紀執行委員長は取材に対し「パワハラ防止に取り組んでいくためいかなる調査結果でも組合への情報開示を求めていく。調査に は協力していく」と話している。= "[he-forum 19407] 河北新報11/16(2)","河北新報2017年11月16日木曜日 <山形大パワハラ>大学側、調査へ特別委設置 来年1月にも結果  山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)の職員3人が今年3~5月、センター長の男性教授からパワーハラスメント (パワハラ)を受けたとして相次いで退職した問題で、小山清人学長は15日の定例記者会見で「パワハラの可能性があり、確認が必要」と述べ、大学として調 査する考えを示した。  学内の規程に基づく特別対策委員会を14日付で設置。関係者の聞き取りを進め、2018年1月にも調査結果をまとめる。  小山学長は、センター長が職員に残したとされる侮辱的な書き置きといった画像を「報道で初めて見て驚いた。センター長の筆跡なら大変なこと」と語った。  退職した職員の1人が昨年9月に規程で定められた窓口に相談していたことについては、センター長の具体的な言動を問題にする内容ではなかったため「職場環境の改善を求める要望との認識だった」と説明。ハラスメントの相談として処理していなかったことを明らかにした。  飯豊研究センターのパワハラ問題では、職員組合が今年5~10月、3度にわたり、実態を把握しているかどうかを問う質問書を学長宛てに提出。大学側は「(パワハラの)存否を含め個別の事案については答えられない」などと具体的な回答を拒んでいた。  調査が遅れたことについて、小山学長は「反省事項だ。申し訳ないと思っている」と話した。 "[he-forum 19406] 河北新報11/16","河北新報 2017年11月16日木曜日 <山形大パワハラ>情報公開 消極姿勢目立つ  「役立たず」「ボケが!」-。山形大xEV飯豊研究センターでのパワハラ疑惑は、職員への侮辱的な書き置きなどの画像が 公開されたことで、大学側が発覚から1カ月余りを経て、ようやく調査に乗り出す。職員組合は、調査を担う委員会に外部有識者を加えるよう求めているが、実 現するかは不透明。大学は調査結果の公表にも消極的で、引き続き情報公開への姿勢が問われそうだ。  調査結果について、小山清人学長は15日の会見で「公表を前提にすると調査する委員に影響を与える」と述べ、公表する考えがないことを明らかにした。調査に当たる委員の構成に関する質問には「公明正大な調査をするため」として一切答えなかった。  調査はセンター長や職員、元職員らへの聞き取りが中心で、2カ月後をめどに大学側に結果が報告される見通し。小山学長は「ハラスメントが認定されて処分することになれば、公表基準に従って公表する」と説明している。   同大職員組合は10月24日、現在のハラスメント対応が身内に甘い設計になっているとして、改善を求める文書を大学側に提出している。品川敦紀執行委員長 は「調査結果が出た時点で開示すべきだ。現行規程によるハラスメント対応では、大学執行部の恣意(しい)的な判断が入る余地があり、被害者の救済につなが らない」と訴えている。 "[he-forum 19405] 産經新聞11/16","産經新聞 2017.11.16 07:03更新 山形大でパワハラ退職? 特別委設置、2カ月後めどに報告書  リチウムイオン電池の最先端研究施設「山形大学xEV飯豊研究センター」(飯豊町)で複数の職員が退職した背景にパワーハラスメント(パワハラ) があった可能性が高いとして、山形大学は15日、「キャンパスハラスメント特別対策委員会」を設置、2カ月後をめどに調査報告書を作成すると発表した。  特別委の委員は、センターが同大工学部に属していることから工学部の教員が1人入るが、全体のメンバーは非公表としている。小山清人学長は「正確を期す上で委員は非公表にした」とし、調査報告書についても公表するかどうかは未定という。   センターでは、センター長を務める同大教授が研究を支援する職員の机上に「役立たず」「ボケが!!」などの書き置きを残し、「おまえは偏差値40」などと 職員を罵倒した疑いがある。同大では昨年10月ごろ、ハラスメントの相談窓口に「職場環境を改善してほしい」という相談があり、確認したが、同大は「問題 はない」との結論を下していた。  しかし、今月9日、同大職員組合が会見し、職員が提出したとする書き置きを公開。パワハラとみられる内容があり、小山学長は「写真を見て驚いた。私が聞いていたこと(結論)とは違っていた」として、14日付で特別委を設置したという。  小山学長は「事実のあぶり出しをし、それがはっきりした時点で山形大学として何らかの手を打っていきたい」と述べた。= "[he-forum 19404] 産經新聞11/15","産經新聞 2017.11.15 17:14更新 山形大がパワハラ調査 職員側「証拠写真」公表  山形大は15日、リチウム電池研究開発施設「xEV飯豊研究センター」(山形県飯豊町)で、センター長からのパワーハラスメントを理由に職員が相次いで退職した問題を調査するため、14日付で「キャンパスハラスメント特別対策委員会」を設置したと発表した。  小山清人学長は10月5日の定例記者会見で「パワハラとして把握していない」と発言。職員組合が「役立たず」などと書き置きされたメモの写真を公表し、対応を求めていた。   この日の会見で小山学長は「写真を見て非常に驚き、調査の必要があると考えた」と説明。パワハラが判明した場合、関係者の処分や再発防止策を取る考えを示 した。昨年9月に職員から相談があったのに調査しなかったことについて「パワハラの可能性も考えるべきだった」と述べた。  職員組合などによると、同研究センターでは今年3~5月、センター長からのパワハラを大学側に訴えた男性職員が雇い止めに遭うなど、少なくとも3人がパワハラを理由に退職した。 "[he-forum 19403] 佐賀大学退職金裁判,高裁判決をハイパーテキスト化","元佐賀大学の豊島です. 高裁判決をhtmlにして公開しました.こちらです. http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/appeal/fhcj.htm 原告1名,証人2名の氏名を伏せ字(A,B,C)に,またプライバシーに関わるなど公開に不適切な箇所も伏せています. ブログから,関連文書も含めリンクしています. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2017-11-15 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 "[he-forum 19402] 佐賀大学退職金裁判高裁判決をハイパーテキスト化","元佐賀大学の豊島です. 佐賀大学退職金裁判の高裁判決をハイパーテキスト化,公開しました. http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/appeal/fhcj.htm ブログからリンクしています. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2017-11-15 判決文の画像データも,すでにお知らせしましたが,次に公開しています. http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/appeal/kousaihanketsu-msk.pdf 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 "[he-forum 19412] 「研究室の母」が雇い止めに…?「大混乱」と現場反発(朝日新聞 11/17)","「研究室の母」が雇い止めに…?「大混乱」と現場反発  2017年11月17日 朝日  東北大学で働く非正規職員が、雇い止めの不安に直面している。来年4月に改正労働契 約法によるルール変更が具体化するのを前に、大学側が5年を超えて雇用契約を更新でき ないよう、就業規則を変えたためだ。職員組合は「教育や研究が大混乱する」と反発して いる。  来年4月以降も仕事を続けられるだろうか――。大学の研究所で有期雇用の教授秘書と して働く後藤洋子さん(54)は、不安を感じる一人だ。  1年契約を更新し続け、勤続12年になる。週5日勤務し、いまの時給は1210円。 成人した長女や次女の奨学金返済などを手助けするのに欠かせない。  秘書は、教授のスケジュール管理や出張旅費、試薬購入費の伝票処理など、研究室の幅 広い業務を担う。そのほか、就職活動で悩む学生の相談に乗ったり、資料提出の締め切り に気付かせてあげたり。学生らの芋煮会の準備を手伝うこともある。後藤さんは「タイか らの留学生は『おかあさん』と呼んでくれる」と言い、「研究室の母」を自負。誰でも同 じようにできる仕事とは思っていない。  こうした中、後藤さんらに雇い止めの懸念が浮上している。大学側は2014年に就業 規則を変更。有期雇用の契約期間の上限を「原則5年まで」とした。改正労働契約法施行 時の13年4月時点にさかのぼって適用されるため、18年4月から雇い止めになる職員 が出始めることになる。  労働契約法では「5年ルール」が定められ、通算5年を超えて働く有期雇用の労働者は、 希望すれば無期雇用に転換される。だが、規則変更をした東北大では5年を超えて働けな いため、無期転換されない。  東北大によると、大学には17年4月時点で約1万人の教職員が在籍。うち3759人 が非正規という。雇い止めの対象は秘書や事務職員、技術職員、医療職員などで、医師や 講師は対象外。来年3月末に5年に達するこれらの有期職員は1138人いる。職員組合 は「雇用安定を目指す法の趣旨を無視した、いわば大量不当解雇だ」と反発。大学側と交 渉を重ねてきた。  その結果、大学側はいったん「雇い止めの方針を見直す」と組合に伝えたが、今年1月 に一転、新たな方針を提示した。雇い止めの対象となる有期職員らを対象に「優秀な人材 の確保の観点から」として、無期雇用の「限定正職員」を募集し、新たに採用する。  だが、組合には「正職員に応募しようとしたが推薦しないと告げられた。結局雇い止め と同じ」「時間雇用は組織の部品だ。ちょうど良い機会なので一斉にお払い箱にしようと している」などの声が寄せられている。組合は、正職員への不採用を口実に多くを雇い止 めしようとしているとみているが、いまも採用数など詳細について大学側から回答はない という。  東北大の成田邦彦人事企画部長は16日、取材に、就業規則の改定については「1年ご との契約更新時に労働条件通知書で『5年が上限』と明記し、それぞれの労働者と合意し た形になっている。もし不満ならその間に次の働き口を探してもいいし、辞める自由もあ る。手続きは適正だ」と主張。改正労働契約法の趣旨が雇用の安定である点については、 「無期転換そのものより、処遇を改善する方が大切だ」として、希望する人に限定正職員 の募集をしていることを強調したが、採用規模は今月末の合格発表まで回答できないとし た。 国立の他大学でも懸念  雇い止めの懸念は、東北大だけの問題ではない。文部科学省が今年3月末時点で調査し たところ、全国86の国立大のうち「原則、無期転換する」と答えたのは、秋田大や浜松 医科大、愛知教育大など6大学だけだった。  「更新に5年以内の上限を設ける」としたのは福島大や千葉大など18大学あり、この うち「別途の無期転換制度がすでにある」としたのは東北大を含めて3大学あった。東北 大は新たに設ける限定正職員制度を「別途の無期転換制度」と位置づけているが、登用試 験への不安が根強い。  5年上限を設ける大学のうち、ほかの15大学は「一定の要件を満たした場合に5年を 超える更新を認める」としている。東大はその要件に「(5年を超す長期の)プロジェク トなどの存続期間で役員会の承認を得た人」を挙げる。全国大学高専教職員組合(東京) によると、雇い止めの原則廃止を求める組合側との交渉が続いている。  最も多かったのは「職種によって異なる対応」とした56大学。同組合によると、その 一つである名古屋大は7月、職員組合との協議を経て原則的に無期転換する方針を決めた。 ほかにも、複数の大学が雇い止めを防ぐ方針を決めているという。(井上充昌)      ◇  〈労働契約法の「5年ルール」〉 有期雇用の人の契約が繰り返し更新されて通算5年 を超えると、無期雇用への転換を求めることができるルール。いつ「雇い止め」になるか 分からない非正社員の不安定さが問題になり、民主党政権下の2012年8月に成立、1 3年4月に施行された改正労働契約法で定められた。1年契約の労働者だと5回目の更新 後に転換を申し込めば無期契約になる。雇う側は断れない。18年4月から順次、転換で きる。 "[he-forum 19414] 日本共産党高橋議員質問(東北大学の脱法行為を許すな)youtube","https://www.youtube.com/watch?v=1gHFjUfMs50 "[he-forum 19413] しんぶん赤旗11/25","しんぶん赤旗 2017年11月25日(土) 脱法行為を許すな 「無期転換ルール」確実に適用を 衆院委で高橋議員 (写真)質問する高橋千鶴子議員=24日、衆院厚労委  東北大学が、契約更新を5年以上続けた有期雇用労働者から求めがあれば無期雇用へ転換しなければならない「無期転換ルール」を回避するため、独自 制度(限定正職員制度)を代替措置にしようとしている問題で、厚生労働省は24日、一般論としながらも、独自制度は代替にならないとの見解を示しました。  衆院厚生労働委員会での、日本共産党の高橋千鶴子議員への答弁。無期転換ルールは、2013年の改正労働契約法によるもの。来年4月の適用を前に、国立大学法人や自動車大手などで適用を避ける脱法的手法が問題になっています。  東北大学は、14年4月に契約更新の上限を5年・例外なしへと就業規則を変更。無期転換ルールに抵触しないよう、対象とする契約年を1年遡及(そ きゅう)して13年4月からに変更しました。文科省の調査に対しては、更新の上限を5年と定めるが「別途の無期転換制度がある」と回答しています。  高橋氏は、独自制度に応募できなかった非常勤職員がすでに出ていることから、採用が一部に限られる危険性が高く、「無期転換ルール」の代わりには ならないと追及。厚労省の山越敬一労働基準局長は、独自制度をつくるかどうかと「労働契約法の無期転換ルールは別途のものだ」と、代替措置にはならないと の見解を事実上、示しました。  自動車大手による、空白期間を設けて契約が5年に達するのを防ぎ、無期転換ルールの適用を避ける行為についても、加藤勝信厚労相が「明らかに脱法 的にすることには非常な問題がある」と初答弁。無期転換ルールの目的については「有期契約で働く方の雇用の安定を図るためだ」と答えました。  高橋氏は、改正法の審議当時から抜け穴を指摘してきたとして、脱法行為への厳しい対処と改正法の趣旨に基づく指導を求めました。= "[he-forum 19415] Yahoo ニュース 特集 Wdge11/28","Yahooニュース! 11/28(火) 12:20配信 土台から崩れゆく日本の科学、疲弊する若手研究者たち (12か月/AFLO)  国内の大学の最高峰、東京大学。その将来有望な若手研究者が働く研究室─―そこは、そのイメージとはほど遠い苦境に陥っていた。  東大で物理学を研究する高山あかり助教は、研究室の現状をこう語る。  「プリンターのトナーや紙、そういった必需品の購入にも気を遣います。研究室の机と椅子も、他のところで不要になったものを譲ってもらいました。研究のための本は自腹で買うことも多いですね」  こうした物品の購入など研究を行うための経費は、基本的に各研究者に配られる「国立大学運営費交付金」から支払われる。これは文部科学省から各国立大学 の財布に入り、そこから各研究者に配分される補助金だ。国立大学の研究者にとって運営費交付金は何にでも使える「真水」であり、研究の基盤となる資金だ。  昨今ノーベル賞を受賞した研究も、こうした自由に使える基盤的経費が充実していた恩恵が大きいことは、2015年にノーベル物理学賞を受賞した東大教授 の梶田隆章氏も指摘している(Wedge本誌12月号17頁にインタビュー掲載)。また、東大名誉教授の安井至氏は「ノーベル賞学者たちが助教の頃は、研 究室ごとに現在の価値で1000万円ぐらいは基盤経費が入っていただろう。私が東大から退いた03年でも光熱費・水道代は大学が支払った上で、別途で 200万円ぐらいは支給されていた」と語る。  しかし1990年代の行財政改革の機運の中、国立大学にも効率化が求められるようになった。2004年に国立大学が法人化されると、基盤的経費は「運営 費交付金」として再定義され、国の財政難を背景に前年比で1%ずつ削減されることになった。運営費交付金は法人化から13年間で12%(1445億円)が 削減された。  現在、ある工学系の東大准教授の研究室に支給される運営費交付金は200万円にはとても届かない額だという。さらに研究室の光熱費・水道代、場合によっ ては大学内の実験施設の賃借料も引かれるようになったため、削減幅は額面以上に大きい。ある理学系の東大研究者は「運営交付金は大学によって金額が異なる が、100万円交付されればかなり高いほうで、多くの研究者はギリギリでやりくりしている」と語る。東大ですら運営費交付金だけでは十分な研究などできな いのが現状だ。 不安定になる若手のポスト  一方で、研究者への研究資金として重視されるようになったのが、科学研究費助成事業(以下、科研費)を代表とする競争的資金だ。科研費は自動的に下りて くる運営費交付金とは違い、文科省に研究テーマを申請し、同じ分野の研究者による審査を経て交付の可否が決定する。17年度で2284億円の予算がつき、 04年度から454億増加している。  だがこの競争的資金への偏重が問題であると、日本より良い研究環境を求めて香港科学技術大学に移籍した川口康平助教授は、次の通り指摘する。  「科研費は将来にわたって確保できるかどうか予測ができない。使途や期間も限られており、研究者やスタッフを長期間雇用するための人件費に使えない」  加えて科研費では「真水」である運営費交付金とは違い、申請した研究テーマに使う実験器具などにしか使えないのだ。  また運営費交付金の減少は、研究資金面以外でも若手研究者たちに死活問題をもたらしている。ポストの不安定化だ。  東京工業大学の西田亮介准教授は「労働法制上、既存のポストは手をつけにくいので、新規雇用の際に人件費のコントロールが容易な任期つき教員への置き換えが進められている」と指摘する。  文科省の調査によれば、07年度に39%だった40歳以下の任期つき教員の割合は、17年度には64%に増加している。「3年の期限のある競争的資金で 雇われた研究者は、1年目はその分野を学び、2年目に研究して論文を書き、3年目にはその成果をもって次のポストを探すことになるだろう。腰を据えて研究 する時間は短い」(梶田教授)  加えて目減りした運営費交付金の影響で、若手研究者は研究時間も奪われている。スタッフを雇ったり外注化したりできず、研究室の雑務も若手研究者が行わ ざるを得ないためだ。高山助教も、自身で経理や総務的な仕事までこなしているという。科研費申請の書類作成も2週間近く要する。もちろん、大学教員として 研究室の学生への指導も行っている。  文科省の科学技術・学術政策研究所の調査によると、国立大学の教員の勤務時間中、研究に充てられている時間は02年の50・7%から13年には42・ 5%に減少している。若手はさらにひどいようで、高山助教は「体感で1割程度しか研究に充てられない」という。また工学系のある東大准教授は「准教授以上 はまず科研費などの研究費をとってくることが仕事になる。そのため研究は実質的にできていない。若手が厳しいのはもちろん、教授でも時間のない実態は変わ らない」と語る。 「ノーベル賞受賞者は生まれなくなる」  こうした運営費交付金の減少は、日本の科学技術に対し重大な悪影響をおよぼす。  まず科研費に依存した研究体制は“国がどの分野を重視しているか”という政策的な動向によって、研究内容が左右されてしまう。たとえば「理学系での最近 の科研費は『情報分野』に重点が置かれている」(東大の若手研究者)という。重視すべき分野に集中投資されることは研究費の選択と集中を促すという面でメ リットもあるが、多様性が失われたり、短期的に成果が見えにくい基礎研究分野が軽視されたりする懸念がある。  また、研究成果である論文数も減少する。自然科学分野の15年の論文数は、米、英、独、仏、中、韓の主要国が04年比でその総数を大きく伸ばしている一 方で、日本のみ減っている。イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education」の「THE世界大学ランキング」04年版では東大は12位、京大は29位、東工大、大阪大学、東北大学、名古屋大学が200位以内に ランクインしていたが、最新の18年版では東大は46位、京大は74位に後退し、他の大学は200位以内から転落している。  日本は00年以降、自然科学分野で15人のノーベル賞受賞者を輩出し、科学技術大国とされてきた。しかしそれらの受賞の多くは研究者が20代後半から 40代前半の若手のころにに行われた研究が後年になって評価されたものだ。次世代のノーベル賞を生む土壌は既に崩壊し始めている。梶田教授は「このままで は日本からノーベル賞受賞者は生まれなくなる」と危機感を隠さない。  ではどうするべきか。安井名誉教授は「すぐに成果が出る研究は民間がやる。先進国として、あくまで科学技術立国を目指すのならば、運営費交付金を増やす べきだ」と語る。梶田教授や16年にノーベル医学・生理学賞を受賞した東工大教授の大隅良典氏など、運営費交付金増額を求める声は大きい。  しかし財政難の時代に運営費交付金を増額することは現実的に考えて難しい。川口教授は現状のジレンマをこう分析する。  「運営費交付金を戻すのはセカンドベスト(次善の策)だ。いったん戻すべきだという危機意識は正しいが、財政難という時代の中で誰にもファーストベスト(最善の策)がわからない。そうこうしているうちにこのままでは大学が崩壊するというところまで来てしまった」  国の財源なき中で、有望な若手研究者にいかに資金を回し、科学技術立国の基盤である国立大学を再興させればいいのか。国立大学への処方箋を検証した。(以下、特集ラインナップ) 木寅雄斗 (Wedge編集部) "[he-forum 19419] 「本学における准職員・時間雇用職員の雇用制度について」(11/28 東北大学人事企画部)","本学における准職員・時間雇用職員の雇用制度について http://www.bureau.tohoku.ac.jp/jinji/open/gentei_seisyokuinn/2.(sanko1)_koyouseido.pdf 【1.非正規職員の有期雇用】  大学の運営は、国からの運営費交付金によるところが大きく、その額は年々減少しております。 本学の運営費交付金は法人化となった平成16年度と比較して平成29年度は約81.5億円の減と なっております。  非正規職員の雇用財源の5割は不安定要素のある外部資金に依存しており、今後も運営費交付 金の減少が予想される中で、希望する非正規職員全員の無期転換を行い、その人員を維持するこ とは、大学の経営上困難です。このような財源上の問題や業務の状況を勘案して、非正規職員の 雇用年数に上限を設けて運用しており、今後も同様の運用は避けられないものと考えております。  非正規職員の有期雇用については、従来から就業規則に雇用年数の上限を3年以内とする規定 があり、平成26年4月1日を施行日(平成25年4月1日以後の日を初日とする有期雇用契約から 起算)として、雇用年数の上限を 5 年以内に延長する改定を行いました。以降、有期雇用契約の 締結・更新に際し、更新の上限を具体的に労働条件通知書(兼同意書)に記載し、准職員・時間 雇用職員の同意を得ているところです。 【2.非正規職員の登用・採用制度】  有期雇用契約の締結後、雇用年数の上限に達した場合、有期雇用契約は終了となりますが、本学 は下記の登用・採用制度を設けております(別紙を併せて参照願います)。 ⅱの限定正職員は、意欲が高く、優れた人材を採用する制度です。身分が不安定な非正規職員から、 任期の定めのない「限定正職員」として採用するもので、国が求める多様な正社員の導入促進に 合致するものです。この制度が定着して、准職員・時間雇用職員のキャリアパスが明確となること、 職員に係る適切な評価制度の運用等をはじめとした様々な人事制度改革を着実に実行していくこと で、本学に有能な人材が集まるという効果が期待できるものと考えております。 ⅰ 正規職員への登用 准職員・時間雇用職員を対象に登用試験を実施し、事務系業務に従事する正規職員に登用するもの。 ⅱ 限定正職員への採用 本学に3年以上在職する准職員・時間雇用職員を対象に採用試験を実施し、限定正職員に採用するもの。 ⅲ 労働契約法第 18 条に基づく無期転換 就業規則等により従来から更新上限の適用がないと整理されている准職員・時間雇用職員について、 労働契約法第 18 条に基づく無期転換を行うもの。 ⅳ 無期の非正規職員への採用 障害者雇用促進法等法令に基づき雇用が求められる人材について採用試験を実施し、無期の非正規職員 として採用するもの。 限定正職員、無期准職員・無期時間雇用職員の受験状況等 http://www.bureau.tohoku.ac.jp/jinji/open/gentei_seisyokuinn/gentei_seisyokuin.htm http://www.bureau.tohoku.ac.jp/jinji/open/gentei_seisyokuinn/1.juken_joukyou.pdf Ⅰ.採用試験等概要 1.限定正職員 (1)業務限定職員(一般)    【申請期間】  平成29年8月1日(火)~8月4日(金)    【採用試験】  適性検査  平成29年9月9日(土)~9月11日(月)              面接     平成29年9月23日(土)~9月24日(日)    【選考方法】  申請書による書類審査、部局による評価、適性検査、面接の総合評価 (2)業務限定職員(特殊)    【申請期間】  平成29年8月1日(火)~8月14日(月)    【採用試験】  小論文 平成29年9月30日(土)~10月2日(月)    【選考方法】  申請書による書類審査、評価に基づく部局推薦、小論文の総合評価 (3)目的限定職員    【申請期間】  平成29年8月1日(火)~8月31日(木)    【採用試験】  書類選考    【選考方法】  申請書による書類審査、評価に基づく部局推薦の総合評価 2.無期准職員・無期時間雇用職員    【申請期間】  平成29年8月1日(火)~8月31日(木)    【採用試験】  書類選考    【選考方法】  申請書による書類審査、評価に基づく部局推薦の総合評価 Ⅱ.受験者数及び合格者数 限定正職員 業務限定職員(一般) 業務限定職員(特殊) 目的限定職員 合計 受験者数 214 189 397 800 合格者数 83 189 397 669 無期准職員・無期時間雇用職員 受験者数 21 合格者数 21 "[he-forum 19418] 「東北大雇い止め阻止ネットワークみやぎ結成」「選別試験半数を排除『限定正職員』に批判」(11/30赤旗)","11/30 しんぶん赤旗 東北大雇い止め阻止 ネットワークみやぎ結成  東北大学による3000人以上の非常勤職員に対する雇い止めをストップさせようと、 東北大学職員組合、宮城県労連、自由法曹団宮城県支部は28日夜、仙台市で集会を開き ました。あらゆる職場で5年以上の雇用継続を実現させて無期転換をすすめようと「スト ップ雇い止め!ネットワークみやぎ」を結成しました。  労働契約法では、有期契約の更新を5年続けると、無期契約に転換できます。しかし、 東北大は非常勤職員の契約更新を上限5年と定め、同大独自の「限定正職員」に採用され 無い限り、雇い止めしようとしています。  集会であいさつした高橋正行宮城県労連議長は、「東北大の雇い止めをストップさせる ため、大学内だけでなく、市民、県民に訴えて状況を打破していこう」と呼びかけました。  片山知史東北大職組委員長(農学部教授)は、大学の姿勢について「人を入れ替えるこ とに罪悪感がなく、非正規雇用の人たちの怒りを知ろうとしない」と批判しました。  講演した川村雅則北海学園大教授は、「そもそも期限のない仕事に、有期で人を雇用す ることに問題がある」と指摘。「来年3月末に大量雇い止めが起こるか、無期転換で安定 雇用社会に踏み出すか労働組合運動の正念場だ」と強調しました。  名古屋大学職員組合の佐々木康俊書記次長が、名大では無試験で原則無期転換される学 内ルールを実現したことを紹介しました。 選別試験 半数を排除 東北大「限定正職員」に批判  東北大学は28日、非常勤職員を無期契約にするかを選別するために実施した「限定正職 員制度」の試験結果を発表しました。  受験者800人のうち、合格者669人。障碍者雇用促進法に基づく非常勤職員は、21 人が無期職員に受験し全員合格でした。  しかし、東北大職員組合は、雇用期限が迫る職員の半数は受験から排除されたと批判し ました。  東北大は、非常勤職員を契約上限5年で雇い止めにしようとしています。同制度は契約 3年目から受験可能。職組は、5年目の非常勤職員は現在1140人いると指摘しています。  合格者の内訳をみると、教員の影響力の強い研究室系職員や技術系職員は、受験した5 86人全員が合格しました。  しかし、事務系職員は214人中83人と合格率は38.8%にとどまりました。  東北大職組には非常勤職員から、「限定職員に応募しようとしましたが、推薦しないと 告げられました」「子どもの教育費をどうやってねん出すればいいのか、絶望しかありま せん」などの声が寄せられています。  片山知史東北大職組委員長は同日、仙台市の集会で「世論を意識してか、当初の予想よ り合格者が多くなった。しかし、採用枠を今回で使い果たして、来年以降はさらにごく わずかしか採用しない危険性もある」と指摘。労契法の契約更新に基づく無期転換を求め ていく考えを表明しました。  大学は「希望する非正規職員全員の無期転換を行い、その人員を維持することは、大学 の経営上困難です」などとホームページで説明。本紙の問い合わせに、「雇い止めの後、 人を入れ替えることもある」と答えました。  東北大のような独自制度については、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員の24日の国会 質問に厚労省の山越敬一労働基準局長が、「労契法の無期転換ルールとは別途のものだ」 として代替措置にはならないと認めています。 "[he-forum 19417] 東北大、無期雇用採用試験で131人不合格 雇い止めか(朝日地方版11/29)","朝日新聞(宮城)11/29 東北大、無期雇用採用試験で131人不合格 雇い止めか  東北大が非正規職員の有期雇用契約を5年を超えて更新できないよう規則を 改めた問題で、大学は28日、非正規職員を対象にした無期雇用の正職員への 採用試験の結果を公表した。応募した821人のうち合格は690人。職員組 合によると、不合格となった131人は雇い止めになる可能性が高いという。  東北大の有期雇用の非正規職員は3759人(今年4月時点)。このうち講 師や医師らを除き、約1千人が来年3月末に雇用期間が5年に達する。  改正労働契約法では来年4月から、通算5年を超えて契約更新を繰り返すと、 労働者が無期雇用化を求めることができる。このため東北大は5年を超える契約 更新ができないように規則を変更。現在の非正規職員を対象に、業務などを限定 した無期雇用の正職員を募集していた。  大学ホームページによると、試験では9、10月に書類選考や小論文、面接な どを実施。職員組合によると、合格者は教授秘書や医療職などが多く、不合格者 には事務職が多い。不合格者は来年3月末かそれ以降に雇い止めになる可能性が 高いという。  職員組合は「応募したくても(教授らの)推薦が得られずに断念した人もおり、 実際に雇い止めになる人はもっと多い。雇用の安定という法の趣旨に背を向ける 脱法行為だ」として改善を求める。  東北大は「希望する非正規職員全員の無期転換を行うことは大学の経営上困難」 などとする見解をホームページに掲載した。(井上充昌) "[he-forum 19416] <東北大雇い止め>「限定正職員」推薦ない職種は6割落ちる 職員組合など集会「脱法行為の先陣」と非難(河北新報11/29)","<東北大雇い止め>「限定正職員」合格669人 推薦ない職種は6割落ちる  東北大が3000人規模の非正規職員を2018年3月末以降、順次雇い止めに する問題で、同大で同年4月に導入される「限定正職員」採用試験の合格者が66 9人だったことが28日、分かった。所属部局の推薦が受験の条件となる職種で全 員が合格した一方で、推薦のない職種の合格率は38.8%にとどまった。  東北大は同日、受験者に合否を通知した。試験は事務職の一般業務限定職員、技 術職の特殊業務限定、教員付き秘書らの目的限定の3職種であり、所属部局の推薦 がない一般では受験者214人中、合格は83人。特殊は189人、目的は397 人で全員が受かった。  労働契約法によると18年4月以降、同じ職場で通算5年を超えて働く有期雇用 者は雇用主に無期転換を申し込める。東北大には5年超の非正規職員が約1050 人在職しているが、同大は受験者らの在職年数を公表していない。  里見進総長は28日、「新制度は法の趣旨を外れている」と指摘する東北大職員 組合からの2回目の公開質問状に、「以前答えた内容と変わらない」と回答。1回 目は「(新制度で)むしろ本学に有能な人材が集まるという効果が期待できる」と の認識を示していた。  東北大は職務などを制限した限定正職員制度の導入を今年1月に発表。8月に募 集を始め、一般は適性検査と面接、特殊は小論文、目的限定は書類などでそれぞれ 選考した。 <東北大雇い止め>職員組合など集会「脱法行為の先陣」と非難  東北大が「限定正職員」採用試験の結果を公表した28日、同大職員組合などは 仙台市内で集会を開いた。同大の非正規職員ら約150人が参加し、「東北大は労 働契約法の脱法行為の先陣を切った」などと大学当局を口々に非難した。  東北大職組の片山知史執行委員長(農学研究科教授)は「そもそも推薦をもらえ ず、受験できなかった人も多く、既に雇い止めを宣告されている。職員の暮らしが 懸かった切実な思いを当局は知ろうとしない」と訴えた。  2018年4月に非正規職員約750人を無期転換の対象にする名古屋大の職組 の担当者から大学との交渉経過の報告があった。  東北大職組や宮城県労連は28日、「ストップ雇い止め!ネットワークみやぎ」 を結成。この集会で「東北大は学問の府として社会的責任を放棄した。問題を広く 訴えていこう」と宣言した。 "[he-forum 19422] NHK山形ニュース12/5","NHK山形ニュース 12月05日 10時43分 山形大 パワハラ調査に外部委員 山形大学は、飯豊町の研究センターでパワーハラスメントがあったかどうか調査している委員会の構成メンバーに外部の委員を複数加えることを明らかにしました。 飯豊町にある山形大学のリチウムイオン電池の研究センターをめぐっては、元職員2人が上司からパワハラを受けていたとして職員組合が先月、上司が元職員にあてて書いたとする「役立たず」などのメモの画像を公開しています。 これを受けて大学は、事実関係を調査するための特別の委員会を先月14日付で設置しました。 大学は、委員会のメンバーの所属や名前は調査に支障が出るとして明らかにせず、外部のメンバーが入るかどうかも非公表としていましたが、職員組合によりますと、組合の要望に対し、大学から、委員会には外部の専門家を複数加えるという回答があったということです。 大学の委員会は元職員や上司に聞き取りをしたうえで、2か月以内をめどに調査結果をまとめ、結果を公表するかどうかは学長が改めて判断する方針で、職員組合では今後も進捗状況などについて大学側に確認していくことにしています。= "[he-forum 19421] 河北新報12/4","河北新報 2017年12月04日月曜日 <ニュース深掘り>山形大パワハラ疑惑 情報開示軽視変わらず  山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のパワハラ疑惑で、同大が11月、ようやく調査に乗り出す方針を表明し た。疑惑発覚から1カ月余り。センター長の男性教授が職員の机に残したとされる侮辱的な書き置きの画像が公開され、重い腰を上げた。真相究明と情報開示に 消極的な大学の姿勢は、アカデミックハラスメント(アカハラ)を受け、工学部生が自殺した問題でも批判を浴びた。真摯(しんし)な調査ができるのか、大学 の自浄能力が問われている。  「報道で初めて見て驚いた。センター長の筆跡なら大変なことだ」  小山清人学長は11月15日の定例記者会見で、同大職員組合が公表した書き置きなどの画像について、こう述べた上で、学内規程に基づき特別対策委員会を設置したことを明らかにした。  職員組合が公表した画像は4枚。いずれもセンター長によるパワハラを訴えて退職した職員の机に残されていたとされ、それぞれ「役立たず」「ボケが!!」などと書き殴られていた。  疑惑が報じられた直後の10月初旬、小山学長は定例記者会見で「パワハラがあれば処分している。処分はしておらず、パワハラとしては把握していない」と曖昧な説明をして、記者たちの質問をかわしていた。  今回表明した調査の方針も、決定的な「証拠写真」を突き付けられ、追い詰められた末の苦し紛れとの疑念が付きまとう。  センターを退職した職員らから相談を受けた職員組合は、既に5月には小山学長宛ての質問書で「一方的な非難や侮辱的な言動が執拗(しつよう)に行われている」として「深刻なパワハラが常態化していたことは疑いの余地がない」と指摘していた。  この段階で組合の訴えを正面から受け止めて事実確認をしていれば、これほど教職員や学生、地域社会の不信を招かずに済んだはずだ。  外部の声に対する感度の鈍さと情報開示を軽視する体質は、工学部の男子学生が2015年11月、指導教員の助教によるアカハラを苦に自殺した問題でもあらわになったばかりだ。  大学が設置した第三者調査委員会は16年6月、アカハラと自殺の因果関係を認める報告書を作成。助教は16年10月に研究室内でのアカハラを理由に停職1カ月の処分を受けた。  ところが、大学は助教に対する懲戒処分の発表時に男子学生の自殺を公表していなかった。問題が表面化したのは、学生の遺族が損害賠償訴訟を起こした後のこと。調査委の報告書も現在に至るまで明らかにしていない。  今回のパワハラ疑惑調査で、特別対策委は18年1月をめどに大学側に結果を報告する。大学はこれまで委員の構成について説明を拒んできたが、調査の透明性の確保などを文書で求めてきた職員組合の意向を酌み、複数の学外専門家を委員に加える考えを示した。  疑惑の現場となった飯豊研究センターは、国内最先端のリチウムイオン電池の研究開発拠点として産業界から注目されている。それだけに、信頼回復につながる誠実な調査を期待したい。(山形総局・吉川ルノ) [山 形大パワハラ疑惑]リチウムイオン電池の研究開発拠点「山形大xEV飯豊研究センター」(山形県飯豊町)の職員3人が今年3~5月、センター長の男性教授 からパワハラを受けたとして相次いで退職した。複数の職員から被害相談を受けた同大職員組合は5月以降、3回にわたり、学長宛てに実態を把握しているかど うかを問う質問書を提出した。センターは16年5月に開所。自動車、ロボット関連企業など約50社が研究開発に加わっている。 "[he-forum 19420] しんぶん赤旗12/5","しんぶん赤旗 2017年12月5日(火) 国立大学 非常勤雇い止めストップへ 組合が院内集会  東京大学、東北大学などが非常勤職員を契約5年以内で雇い止めにしようとしていることに対して、参院議員会館で緊急院内集会「ストップ! 国立大 学有期雇用職員雇い止め」が4日、開かれました。東京大学教職員組合(東職)、首都圏大学非常勤講師組合、全国大学高専教職員組合(全大教)が主催。  改正労働契約法では、有期契約の労働者が5年以上雇用を継続すると無期契約に転換できるルールが導入され、来年4月に適用開始になります。集会では、「無期転換ルール」を適正実施させようと呼びかけました。  開会あいさつで全大教の水谷孝男副委員長は、「現場の教職員から『働き続けたい』『まともな職場にしたい』と声があがっている。毎年大量雇い止めが行われる職場になるか、無期転換ルールが守られるまともな職場になるかの分かれめだ」と強調しました。  パート職員の雇用継続をリセットする契約の空白(クーリング)期間を撤廃させた東職の佐々木彈委員長は、「非常勤職員の雇い止めは誰も得をしない」と訴えました。  「限定正職員」採用試験に合格しなければ雇い止めにされる東北大で同職員組合の高橋京(みやこ)書記長は「大学当局は、宮城労働局から何度も啓発指導を受けているのにまじめに受け止めていない」と批判しました。  名古屋大学で原則無期転換できるよう筆記選抜を中止させたことや早稲田大学で非常勤講師の5年雇い止めを撤回させた経験を紹介されました。  日本共産党の高橋千鶴子、畑野君枝、宮本徹各衆院議員、田村智子、吉良よし子両参院議員、自由党の木戸口英司参院議員があいさつしました。= "[he-forum 19423] 河北新報12/10","河北新報 12/10(日) 8:30配信 <ニュース深掘り>山形大パワハラ疑惑 情報開示軽視変わらず  山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のパワハラ疑惑で、同大が11月、ようやく調査に乗り出す方針を表明した。疑惑発覚から1カ月余り。セン ター長の男性教授が職員の机に残したとされる侮辱的な書き置きの画像が公開され、重い腰を上げた。真相究明と情報開示に消極的な大学の姿勢は、アカデミッ クハラスメント(アカハラ)を受け、工学部生が自殺した問題でも批判を浴びた。真摯(しんし)な調査ができるのか、大学の自浄能力が問われている。  「報道で初めて見て驚いた。センター長の筆跡なら大変なことだ」  小山清人学長は11月15日の定例記者会見で、同大職員組合が公表した書き置きなどの画像について、こう述べた上で、学内規程に基づき特別対策委員会を設置したことを明らかにした。  職員組合が公表した画像は4枚。いずれもセンター長によるパワハラを訴えて退職した職員の机に残されていたとされ、それぞれ「役立たず」「ボケが!!」などと書き殴られていた。  疑惑が報じられた直後の10月初旬、小山学長は定例記者会見で「パワハラがあれば処分している。処分はしておらず、パワハラとしては把握していない」と曖昧な説明をして、記者たちの質問をかわしていた。  今回表明した調査の方針も、決定的な「証拠写真」を突き付けられ、追い詰められた末の苦し紛れとの疑念が付きまとう。  センターを退職した職員らから相談を受けた職員組合は、既に5月には小山学長宛ての質問書で「一方的な非難や侮辱的な言動が執拗(しつよう)に行われている」として「深刻なパワハラが常態化していたことは疑いの余地がない」と指摘していた。  この段階で組合の訴えを正面から受け止めて事実確認をしていれば、これほど教職員や学生、地域社会の不信を招かずに済んだはずだ。  外部の声に対する感度の鈍さと情報開示を軽視する体質は、工学部の男子学生が2015年11月、指導教員の助教によるアカハラを苦に自殺した問題でもあらわになったばかりだ。  大学が設置した第三者調査委員会は16年6月、アカハラと自殺の因果関係を認める報告書を作成。助教は16年10月に研究室内でのアカハラを理由に停職1カ月の処分を受けた。  ところが、大学は助教に対する懲戒処分の発表時に男子学生の自殺を公表していなかった。問題が表面化したのは、学生の遺族が損害賠償訴訟を起こした後のこと。調査委の報告書も現在に至るまで明らかにしていない。  今回のパワハラ疑惑調査で、特別対策委は18年1月をめどに大学側に結果を報告する。大学はこれまで委員の構成について説明を拒んできたが、調査の透明性の確保などを文書で求めてきた職員組合の意向を酌み、複数の学外専門家を委員に加える考えを示した。  疑惑の現場となった飯豊研究センターは、国内最先端のリチウムイオン電池の研究開発拠点として産業界から注目されている。それだけに、信頼回復につながる誠実な調査を期待したい。(山形総局・吉川ルノ) [山形大パワハラ疑惑]リチウムイオン電池の研究開発拠点「山形大xEV飯豊研究センター」(山形県飯豊町)の職員3人が今年3~5月、センター長の男性 教授からパワハラを受けたとして相次いで退職した。複数の職員から被害相談を受けた同大職員組合は5月以降、3回にわたり、学長宛てに実態を把握している かどうかを問う質問書を提出した。センターは16年5月に開所。自動車、ロボット関連企業など約50社が研究開発に加わっている。 "[he-forum 19424] 田村智子議員(共産)の有期雇用職員の無期転換に係る質問12/7youtube","田村智子議員(共産)の有期雇用職員の無期転換に係る質問12/7youtube https://www.youtube.com/watch?v=E7FG1yuOnOk "[he-forum 19427] 河北新報12/13","河北新報 2017年12月13日水曜日 山形大が300人雇い止め 有期教職員を来年以降、組合側は批判  有期雇用契約の更新を重ねて2018年4月以降に通算5年を超えた場合、労働者の希望に応じて無期雇用に転換する労働契 約法の改正を受け、山形大が来年3月末以降、賃金に民間研究費などの外部資金を充てている有期契約教職員約300人について、雇用契約を更新しない方針を 固めたことが12日、関係者への取材で分かった。  有機ELやリチウムイオン電池など先端分野の研究に評価が高まる中、同大の外部資金受け入れ額 は急増している。職員組合は「大学は無期転換を可能な限り限定しようとしている。表面上、継続的な人件費確保の難しさを雇い止めの理由にしようとしている だけだ」と批判している。  同大人事課によると、有期契約の教職員計約900人の雇用経費のうち、約3分の1は行政機関や民間企業などが特定のプロジェクトに対して支出する各種助成金や共同研究費などが充てられている。  ほとんどが期間限定の収入のため、大学側は将来にわたって雇用経費を確保する見通しがつかないとしている。人事課の担当者は「誠実な話し合いを通じて理解を得ていきたい」と話している。  同大が公表している決算報告書によると、16年度の外部資金収入は11年度に比べ約50%増の45億3900万円で、工学系を中心に近年、増加傾向にある。 "[he-forum 19426] 日本経済新聞12/12","日本経済新聞 2017/12/12 11:18 府市立大の法人統合、議案を継続審議へ 大阪市議会  大阪市議会の都市経済委員会は12日、大阪府立大と大阪市立大の運営法人を統合するための関連議案について賛否を採決せず、継続審議とすることを決めた。同日午後の本会議に報告する。   市は2022年4月の両大学統合を目指し、まず19年4月に両法人を統合して「公立大学法人大阪」を設立するための議案を9月定例会に提出。経営の一元化 により経費節減につなげる狙いだが、自民、公明などの各会派から「新大学の将来ビジョンや府市の財政支援の先行きが明確ではない」などと慎重論が上がって いた。  府議会にも関連議案は提出され、17年11月に大阪維新の会、自民、公明などの賛成多数で可決している。= "[he-forum 19425] 産経新聞12/13","産経WEST 産経WEST 2017.12.13 08:55更新 大阪市立大と府立大の大学法人統合は継続審査に 大阪市議会が閉会  大阪市議会は12日の本会議で、大阪市立大(同市住吉区)と大阪府立大(堺市中区)の運営法人を平成31年4月に統合する関連議案4件について、継続審査とすることを決めた。  府議会では同様の議案が賛成多数で可決されているが、市議会では大学統合まで見据えた財政支援策や学部・キャンパスの再編などの具体像が不明確と自民、公明両党が指摘。廃案となることを避けるため、市議会与党の大阪維新の会も継続審査に同意した。  本会議ではほかに、学校法人森友学園(大阪市淀川区)の民事再生計画案に同意する議案や、70歳以上の市民を対象とした市営地下鉄・バスの「敬老パス(敬老優待乗車証)」の年間負担金3千円を来年7月から廃止する議案など18件を可決し、閉会した。= "[he-forum 19428] しんぶん赤旗12/14","しんぶん赤旗 2017年12月14日(木) 東大「5年契約上限」削除 無期雇用実現へ 組合の要求実る 8000人に“朗報”  東京大学が、非常勤職員の契約を5年上限として雇い止めにする規定を削除する方針案を出したことが、13日までに分かりました。東大の非常勤職員 はパート勤務5300人、フルタイム2700人の計8000人。改正労働契約法に基づき、雇用継続が5年を超えれば、来年4月から無期契約に転換すること ができます。  東大で無期転換ルールの実施に踏み出したことは、全国の国立大学などにも影響を与えるとみられます。  東大は、12日の科所長会議で「働き方改革への対応のための関係規則の改正方針(案)」と題する文書を提示。「部局における事情や優秀人材の確保を考慮し、更新回数4回、通算契約期間5年を上限とする一律の規定を削除」する方針を示しました。  これまで東大は、無期転換ルールを回避するため、パート職員を5年ごとに雇い止めし、6カ月の空白(クーリング)期間を設けて雇用継続をリセットしようとしていました。フルタイム職員については、「職域限定職員」に採用された人に限り、無期転換するとしていました。  東大教職員組合(東職)と首都圏大学非常勤講師組合は、希望者全員の無期転換を要求。空白期間については9月21日の団体交渉で先行して廃止させました。  日本共産党の畑野君枝衆院議員は1日の衆院文部科学委員会で無期転換逃れは許されないと追及し、文科省の中川健朗総括審議官は、「各国立大学法人 が適切に対応するようお願いしています」と答弁。宮本徹衆院議員、吉良よし子参院議員も東職などから聞き取り調査を行っていました。= "[he-forum 19431] (検証・2兆円パッケージ)大学に「体質改善」迫る(12/15朝日新聞朝刊)","『朝日新聞』12月15日付け朝刊 (検証・2兆円パッケージ) 大学に「体質改善」迫る 高等教育無償化8000億円、学生は支援  新たな政策パッケージでは、低所得世帯の子どもが大学などに進学するため、授 業料減免や返す必要のない奨学金の大幅拡充の方針が決まった。ただ、学生への支 援と引き換えに、大学は外部人材の受け入れなどの改革を迫られることになる。 背景には「大学は社会のニーズに応えていない」という政府側の不満がある。  京都市の花園大に通う荒田航平さん(22)は、母子家庭で育った。「大学でや りたいことを探したい」と考え、母に頼らず進学。月12万円の奨学金で生活し、 年約100万円の授業料は信用金庫から借りた。  来春に卒業して社会福祉法人に就職するが、約1千万円の借金を背負って社会人 として出発することになる。「自分で決めたわけですし」と話すが、「子どもの世 代には給付型奨学金が広がり、卒業時の不安が和らげられれば」と願う。  安倍政権は政策パッケージで、その給付型奨学金と授業料減免の大幅な拡充を打 ち出した。想定される支出は年間計約8千億円で、予算規模は現在の十数倍に膨ら むことになる。「真に必要な子どもに限り、高等教育の無償化を実現する」という 方針に沿った内容で、「格差の固定化を解消することが少子化対策になる」との狙 いも記された。  ただ、支援の範囲や金額といった具体的な制度設計は来年夏までに先送りされた。 授業料と奨学金を合わせると、支援規模は1人あたり年100万円を超える可能性 もある。対象にならない学生を含め、幅広く社会が納得できる制度を作るには困難 も予想される。  もう一つの課題は、税金が投入される形となる大学や専門学校の絞り込みだ。  パッケージは対象となる学校に対し、「産業界のニーズも踏まえ、学問追究と実 践的教育のバランスが取れている」ことを求める。要件として「実務経験のある教 員」「外部人材の理事への任命が一定割合を超える」などを挙げた。林芳正文部科 学相は8日、記者団に「(どの大学でも)何でもいいということではない」と語った。  政府関係者は「多額のお金をかける以上、大学の質の向上や体質改善につなげな ければいけない」と解説する。今も私大の4割は定員割れしており、18歳人口が さらに減るなか、大学の再編や淘汰(とうた)が進むのは避けられない。  しかし、支援と引き換えに政府が「体質改善」を迫る手法には、反発も出ている。 日本私立大学協会の小出秀文事務局長は「改革していない、ガバナンスが利かない と言われるが、多様な価値が追求されている私学の全体像をどこまでわかっている のか」と話す。  東京大・大学総合教育研究センターの小林雅之教授は、政府が高等教育へのアク セスを支援することは評価しつつ「実務家教員の配置などが教育の質向上につなが るか、根拠を示さないまま、お金で大学を誘導することになる。支援される学生の 選択の幅も狭める」と話す。  小林教授は「2兆円の計画を誰がどう決めたか、全くわからない」と政策決定の 不透明さも指摘する。文科省幹部も「今後の過程はなるべくオープンに示していか ないと、納得を得られない」と認める。(根岸拓朗、増谷文生) ---------------------------------- 岩崎 誠(IWASAKI Makoto) 全国大学高専教職員組合 中央執行委員 ---------------------------------- "[he-forum 19430] 朝日新聞12/15","朝日新聞 2017年12月15日04時24分 東大、有期教職員に安定雇用の道 5年で雇い止め撤廃へ  有期契約の教職員を最長5年で雇い止めにする規則を定めている東京大学が、この規則を撤廃する方針を固めた。有期で5年を超えて働くと無期契約への転換を求められる労働契約法の「5年ルール」の適用を阻む規則だとして、労働組合が撤廃を強く求めていた。東大で有期で働く8千人近くに無期転換の道が開かれることになり、同様の規則を定めている大学や研究機関にも影響を与えそうだ。  東大や東大教職員組合に よると、1年契約のパートタイムの教職員(約5300人)は雇用期間の上限を通算5年にすると就業規則などで定められており、契約を4回までしか更新でき ない。東大は、長期間勤務している約500人は無期契約に転換する一方、残りの約4800人の雇用期間は最長5年で変えない方針を示していた。有期のフル タイムの教職員(約2700人)にも同様の規則がある。ともに来年4月に発動する「5年ルール」が適用されないため、組合は「無期転換を促す法の趣旨に反 する」と批判していた。  東大は来年4月1日付でこの規則を撤廃する方針だ。「安心してより高いパフォーマンスを発揮してもらうため、有期、無期を問わず全ての教職員の働き方や雇用環境を改善することを最重要と捉えた」(広報課)と方針転換の理由を説明している。  ただ、すべての有期雇用の教職員が無期契約になれるわけではない。新しい規則では、プロジェクト単位の仕事など終了時期が明らかな業務には、更新回数や契約期間の上限を設けられる。無期雇用になっても、契約の対象業務がなくなれば雇用契約は切れる。組合幹部は「有期の教職員の多くが安定雇用を望んでいるが、全員が無期転換されるわけではない。強引な雇い止めが起きないか注視する」と話す。  「5年ルール」を巡るトラブルは東北大や大阪大など他大学でも起きている。この問題に取り組む首都圏大学非常勤講師組合の志田昇書記長は「東大の方針転換は大きな成果。他大学にも影響を与えるだろう」と期待する。(米谷陽一、編集委員・沢路毅彦)      ◇  〈労働契約法の「5年ルール」〉 有期雇用で働く人たちの「雇い止め」の不安を解消する狙いで設けられるルール。有期の雇用契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合、無期契約に転換できる権利を与える。雇う側は転換の申し込みを拒否できない。2013年4月に施行された改正労働契約法に盛り込まれ、18年4月から順次、無期契約になる人が出てくる。 "[he-forum 19433] 現代ビジネス12/14","現代ビジネス 2017/12/14 東京大学がついに「雇い止め撤回」を決めた、二つの事情 ルール制定の違法性を指摘され…      田中 圭太郎/ジャーナリスト 独自のルールを定めようとした東大 東京大学で約8000人いる非常勤教職員の大半が雇い止めの危機にあるーー全国の国立大学法人で働く約10万人の非常勤教職員の雇用にも影響を及ぼす可能性があるこの「大学労働問題」を、筆者はこれまでも取り上げてきた。(東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52605) 2013年4月1日に施行された改正労働契約法によって、同じ職場で5年を超えて働く非正規労働者は、2018年4月以降、「無期雇用」に転換を申 し込む権利が得られるようになった。ところが、東京大学は法の趣旨に反して「東大ルール」と呼ばれる独自の雇用契約を設定し、非常勤教職員を5年上限で 「雇い止め」しようとしていたのだ。 これに対して東京大学教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合は、「東大ルール」が違法なものであることを指摘。法的措置をとる構えを見せていた。 この姿勢に対して、東大側がどのような決定を下すのか、大学関係者の間で注目を集めていたが、ついに12月12日、東大は「東大ルール」の廃止と非常勤教職員の雇い止めの撤回を決めたのだ。 雇い止めをめぐる問題は、東大だけでなく全国の国立大学法人で起きている。今後の大学運営にも大きな影響を及ぼすであろう、東京大学の雇い止め争議の顛末を報告する。 そもそもの発端 前述のとおり、そもそもの発端は2013年4月に施行された改正労働契約法だった。雇用のルールを大きく変えるこの改正法によって、2013年4月 以降、非正規労働者を5年以上同じ職場で雇う場合、本人が希望すれば、原則「無期雇用」にしなければならないことが定められた。 一般企業はこの改正を受けて、5年以上働く労働者の「無期雇用化」や「正規雇用化」を進める動きを見せた。が、少なからぬ大学が、なぜかこの流れに逆らうかのように「独自のルール」を定めて、この「無期雇用」を回避しようとしていた。そのひとつが東京大学だった。 東京大学の場合、非常勤教職員には2種類の契約がある。フルタイムで勤務する「特定有期雇用教職員」が約2700人、パート教職員の「短時間勤務有 期雇用教職員」が約5300人おり、改正労働契約法によって、あわせて約8000人の非常勤教職員に、2018年4月以降「無期雇用転換権」が発生するこ とになるはずだった。 ところが人件費の高騰をきらってか、東大は原則5年を上限として、教職員を雇い止めする就業規則、通称「東大ルール」を整備。国が定めた改正労働契 約法よりも「東大ルール」の方が優先されるとして、非常勤教職員には「無期雇用転換権」が発生しない、という趣旨のことを主張したのだ。このため、非常勤 教職員の大半が5年で雇い止めされる危機に陥っていた(詳しくは上記過去記事を参照されたい)。 これを受けて、東京大学教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合は、改正労働契約法の趣旨に沿って、5年以上働く職員を無期雇用に転換するよう大学側に求めてきた。 にもかかわらず、大学は2017年8月に雇い止めの方針を改めて明確にして、強行する姿勢を見せたのだ。 「東大ルール」は違法だった ところが、次第に大学の定めたルールの「違法性」が明らかになっていく。「東大ルール」作成や変更の際に、労働基準法にのっとった手続きがなされていないことがはっきりしたのだ。 労働基準法の第90条第1項は、次のように定めている。 「使用者は、就業規則の作成又は変更において、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表するものの意見を聞かなければならない」 だが、東大は就業規則の作成や変更をする際に、この法律に基づかずに進めて、「東大ルール」を作ったのだという。 ごく簡潔にいえば、東京大学の教職員組合は、労働者の過半数で組織されていない。そのため、新たなルールを大学側が制定するには、まず「代表者選挙 を実施して、労働者の過半数から代表者を選出」し、その代表者らと話をしなければならないはずだった。しかし、東大ルールを制定する際に、この手続きがと られたことはなかったという。教職員側はこれをもって、「ルール制定は明らかに違法であり、有効ではない」と主張をしてきた。 実は、東京大学と同じ労働基準法違反の疑いによって、労働基準監督署から是正勧告と指導を受けた国立大学法人がある。一橋大学だ。 一橋大学も、法人化以降、独自のルールを作る際、過半数代表者を「過半数に満たない常勤の教職員」からしか選んでいなかったという。 これを問題視した中央労働基準監督署と立川労働基準監督署は、2013年3月、一橋大学に対して労働基準法違反の疑いで「臨検監督」といわれる調査 を実施。法人化後の労働協定の締結や就業規則の決め方が違法だったことを認め、是正勧告と指導をした。その結果、2012年に一方的に実施された賃金の引 き下げや、休日時間外労働協定の36(サブロク)協定が無効になった。 東京大学も、一橋大学のケースとほぼ同様に「東大ルール」を作ったため、そのプロセス自体が労働基準法違反である疑いが濃厚であった。この違法性が 認められれば、これまでに改正・締結してきた就業規則や36協定が無効になってしまう。教職員側が労基署にこれを訴えれば、一橋大学と同じく、東大も調査 を受ける可能性があったという。 女性差別とみなされる可能性もあった 東京大学の雇い止めには、他にも問題があった。それは「女性への差別」だ。 東大のパート教職員のうち、8割が女性で占められており、彼女たちの「無期雇用への転換」を認めない場合、女性の雇用を軽視している、と国際社会から非難を受ける可能性が指摘されていた。 近年、東京大学は世界の大学格付けランキングにおける順位が低下している。イギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」が発表した2017年の世界大学ランキングでは、東京大学は前年の39位から順位を下げて、過去最低の46位となった。 東京大学の格付けが低下傾向にある理由として、海外の大学に比べて女性の教員が少ないことなどが指摘されているという。ただでさえ女性差別が指摘さ れている中で、女性が8割を占めるパート教職員を雇い止めにすれば、さらに評価を下げることは間違いないだろう、と言われていた。 実際、11月9日に開かれた団体交渉で、組合側は女性差別の疑いがあると強く主張し、労務担当の理事に「東大を貶めて、あなたは責任がとれるのか」と迫った。これを受けた理事は黙り込んでしまったという。 組合側は、大学がこのまま方針を変えなければ、労働委員会に不当労働行為救済の申し立てを行うとともに、労働基準法違反で労働基準監督署に刑事告訴と刑事告発をする考えを伝えていた。 他大学にも影響を与えるのか 「労働基準法違反」と「女性軽視」。この二つの指摘が決定打となり、ついに大学側が折れた。東京大学は12月までに、雇い止めの撤回などを含む方針転換を決め、同月12日、「働き方改革への対応のための関係規則の改正方針」を正式決定したのだった。 この改正方針によって、非常勤教職員の契約期間を上限5年とする「東大ルール」は、就業規則から削除されることになった。あわせて、パート教職員の契約期間を5年上限から3年上限に改悪される案も撤回された。 改正方針には「プロジェクトや業務の性質により、通算契約期間の上限を設けることが可能」とする一文が入ってはいるが、この新方針によって、ほとん どの非常勤教職員が5年を超えて契約延長できることになったのだ。結果、東京大学では非常勤教職員8000人と非常勤講師3000人のあわせて1万 1000人に、無期雇用への転換の道がひらけた。非常勤教職員雇い止め争議は、これで一応の決着となる。 さて、今後注目すべきは、今回の東京大学の決定が他の大学法人に及ぼす影響だ。 改正労働契約法の趣旨に反して、非常勤教職員の大量雇い止めを強行しようとしている国立大学法人は、東北大学を筆頭に、依然として存在している。改正労働契約法の趣旨を守って、無期転換を認めるかどうかを明確にしていない国立大学法人も多い。 しかし、日本で最も権威ある東京大学が、雇い止めの違法性を認めて撤回したことで、他の国立大学法人も今後、改正労働契約法に沿った対応をせざるを得なくなるのではないか。 問題が起きている他大学でどのような決定が下されるのか。引き続き注視していきたい。 "[he-forum 19432] しんぶん赤旗12/15","しんぶん赤旗 2017年12月15日(金) 日大雇い止め撤回 非常勤講師立つ 労組に入り実名ネット発信  日本大学(本部・東京都千代田区)が非常勤講師の大量雇い止めを強行しようとしている問題で、非常勤講師が首都圏大学非常勤講師組合に加入し、雇い止め撤回のたたかいに立ち上がっています。(田代正則)  東京都世田谷区の日本大学三軒茶屋キャンパスに、2016年4月に新設されたばかりのスポーツ科学部と危機管理学部で、英語担当の非常勤講師16 人全員が来年3月での雇い止めを通告されています。講師への説明会で、「英語教育課程を再構築する」などと言われましたが具体的な内容は分かりません。学 部当局は「教育効果があがっていない」「授業評価がよくない」など、講師に問題があるかのような発言をしています。 認可の不履行  「非常に心外です」と憤るのは雇い止めを通告された井上悦男さん(52)です。日大のなかで実績を重ね、危機管理学部で週4コマの講義を受け持つ ほか、他学部とあわせ週19コマを担当しています。「1コマごとの契約という不安定雇用、低賃金の非常勤講師にとって、学生の成長を支えていることが最後 のプライドなんです」  新設学部は最初に卒業生を出す「完成年度」までの4年間の計画で文科省から認可されています。  非常勤講師組合の今井拓副委員長(日大非常勤講師)は「加計学園の認可が問題になっていますが、日大で学部新設から2年もたたないうちに文科省認可の不履行を許せば、無責任な認可と履行チェックになりかねません」と指摘します。  井上さんは、日大から講師就任の要請を受けたとき、最低4年は続けるよう求められました。ほかの仕事を断って引き受けただけに、経済的にも大打撃です。  選択科目が多い大学で、必修の英語の担当は、担任のような気持ちで学生を見守ります。「入学した学生たちは、新設学部の雰囲気を自分たちでつくろ うと活発でした」と井上さん。講師陣も、どんな学生が集まっているのか手探りで特徴をつかみ、使える英語力が身につくよう、教え方を工夫しました。「学生 たちは、私が廊下を歩いていると、声をかけてくれただけに、雇い止めはくやしい」  井上さんの友人に非常勤講師組合の組合員がいました。早稲田大学で非常勤講師の5年上限雇い止め制度の撤回を勝ち取ったことを聞いていました。友人に連絡を取り、すぐに組合に加入を決意しました。  11月28日の団体交渉で、大学本部は「事実関係を確認する」と回答。12月8日、学部から聞いた内容の中間報告を出しましたが、文科省認可に関わるカリキュラムと教員配置の変更について、大学本部が把握していない実態が明確になりました。  日本共産党の畑野君枝衆院議員は、1日の衆院文部科学委員会で、新設学部の認可後、完成年度以前の人員変更は問題だとして、日大を調査、指導するよう追及しました。  文科省の義本博司高等教育局長は、雇い止めについては当事者間で解決すべきだとしつつ、「(認可の)履行状況調査のなかで、仮に合理的な理由がなければ必要な指導をする」と答えました。 声あげないと  井上さんは「大学人として不合理なことには声をあげないと大学がおかしくなってしまう」と、ネットのミニブログ「ツイッター」に実名を公表して、雇い止め撤回を訴えはじめました。  日大ではほかにも、改正労働契約法によって雇用継続5年を超える有期契約労働者が無期契約に転換できるようになる来年4月を前に、非常勤講師の契約上限を5年に変えて、無期転換逃れを図っています。雇い止め通告を受けた講師も複数学部に広がっています。  井上さんは「立場の弱い人たちでも、支えあえると思います。私の情報発信で労働組合を知ってほしい」と言います。非常勤講師組合は、雇い止め撤回を実現するため、日大で4000人いると推計される非常勤講師に組合加入を呼びかけています。= "[he-forum 19434] 東大「雇い止め」、文科省が対応要請 急遽方針転換、規則改正へ(産経 12/15)","東大「雇い止め」、文科省が対応要請 急遽方針転換、規則改正へ 2017.12.15 07:04 産経ニュース  東京大学が有期雇用職員を最長5年で雇い止めにするルールを設けていることに対し、 文部科学省が調査の上、労働契約法の趣旨にそぐわないとして「慎重な対応」を要請して いたことが14日、分かった。東大が急遽「引き続き採用しない」というルールを変え、 継続雇用に転換する方針を決めたことも判明。改正労働契約法で来年4月以降、労働者側 が無期雇用への転換を申し込める権利が得られるため、厚生労働省は雇い止めが他に横行 していないか調べている。  東大関係者によると、東大には事務補佐員など有期職員が約5千人いる。平成16年に 法人化した際、就業規則で雇用に「5年上限」を導入。5年勤務した後は、3カ月間空け なければならない「クーリング」(雇用中断)も運用していたが、25年の労働契約法改 正の際にクーリングを「最低6カ月」と定めた。  改正法では6カ月以上クーリングを置くと、それまでの雇用期間が通算契約期間に参入 されない仕組み。東大では5年以上働き、有期で再採用される際に改めて公募などの競争 選抜を勝ち抜かなければならず、不安定な雇用形態になっていた。  厚労省によると、改正法の趣旨は「雇用の安定化にある」と説明。無期転換への申込権 が発生する直前の期間制限は「雇い止め」と解釈されうるとされる。文科省は11月、東 大へ聞き取り調査し実態把握した上で、対応を求めた。東大側は「誤解を与えないように 対応する」と回答したという。  関係者によると、東大は今月12日、文科省の要請や労働組合との協議を踏まえ就業規 則を改正する方針を決定。東大広報課は「政府の働き方改革の動向を踏まえ、教職員の雇 用環境を改善することを最重要と捉え、継続雇用が可能となるよう、『引き続き採用しな い』との規定を削除する方針」とコメントした。  東大では約3千人いる非常勤講師についても、これまで「業務請負」扱いして労働契約 が締結されず、賃金ではなく「謝金」を払ってきた。東大の非常勤講師は「労働者として の保護がなく、非常に不当な扱いをされてきた」と強調。東大広報課は取材に対し、「必 要な就業規則を整備する」として、講師についても規則の改正を目指すという。  東大の非常勤職員は「東大だけでなく他の大学にも雇い止めがある。東大が範を示せば、 他に波及する」と話した。 ◇  改正労働契約法 有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときには、労働 者の申し込みで期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるように改正され た。雇用側は拒否できず、「雇い止め」が認められないルール。施行から5年を迎える平 成30年4月以降、多くの有期雇用労働者の無期転換申込権の発生が見込まれている。厚 生労働省によると、有期雇用労働者は約1500万人に上る。 "[he-forum 19435] 東北大人事企画部長成田邦彦の発言に人事部課長らが「爆笑」(2017.10.9付け『文教ニュース』「とらのもん往来」欄)","「とらのもん往来」(2017年10月9日付け『文教ニュース』) ○…成田東北大学人事企画部長 人事制度説明会後の情報交換会で乾杯の発声を行った。 「部長を務めて丸5年。管理職だなあと思うことがしばしばあり、今日の会議で出た 同一労働同一賃金となると仰天の数字が待って沈鬱な思いがしております(爆笑)。 無期転換制度について本学は『3千人を雇い止めする東北大』とマスコミに書かれ、 国会でも取り上げられ、関係各位には大変ご迷惑をおかけしております。8月に地元 紙の取材があり、5年が上限というルールはすでにあって、毎年労働条件文書を渡し て更新し、毎年合意書までとっていると…」 "[he-forum 19436] (ニッポンの宿題)労働組合、機能してる? 龍井葉二さん、金井郁さん(12/16 朝日新聞)","(ニッポンの宿題)労働組合、機能してる? 龍井葉二さん、金井郁さん (朝日新聞 2017年12月16日) http://digital.asahi.com/articles/DA3S13275729.html  労働組合は、「労働者を守る」役割を果たしているでしょうか。どこか縁遠くはないで しょうか。非正規など雇用のかたちが様々にあり、働いても生活が苦しい人々は多くいて、 課題やトラブルは増えているようにも見えます。いま、するべきことは。  ■《なぜ》非正規が急増、底上げ進まず 龍井葉二さん(元連合非正規労働センター 長)  有給休暇を取れないとか、賃金の未払い、解雇など、働く上でのトラブルがあったとき、 個人では言えないことを経営者に申し立てて交渉する組織が労働組合です。  戦後の民主化のなかで組織化が進み、正社員中心の企業別組合が主流になりました。1 989年には、ナショナルセンターとして連合が誕生します。基本的に組合員のための組 織ですが、高度成長期には春闘による賃上げや労働条件の改善が、組合のない中小企業労 働者やパートタイマーにも波及する形で、組合員以外にも一定の役割を果たしてきました。  ところが、90年代末に環境が激変します。経営者は長期的ではなく短期的な視点を重 視して株主を重んじ、従業員を育成するというより、使い捨てへと変質していきました。 政府も、労働者派遣法の改正などを通じて、この動きをバックアップします。高度専門職 に限定されていた派遣が認められる職種も、小泉政権では製造業まで緩和されました。  この結果、企業の正社員が減り、2003年には非正規で働く人の割合が労働者全体の 3割を超えました。会社の中核の仕事を担い、家計の主な生計を担う非正規が増えたので す。この時代、公共事業が削られ、地域が疲弊したしわ寄せが非正規の増加につながった 面もありました。      *  この流れは、08年のリーマン・ショック後の「雇い止め」の混乱を受けて変わるかと 思いましたが、変わりませんでした。いま安倍政権が進める「働き方改革」も、時間管理 をやめて支払いを出来高払いにし、労働法の適用除外をつくるなど、労働者を19世紀の 状況に戻す政策だと思います。  本来は、経済界と政府のこうした転換に対抗すべきが労働組合です。第1次安倍政権で パート労働法を改正させ、民主党への政権交代を最低賃金引き上げなどにつなげましたが、 大きなうねりを止めることはできていません。企業の生産性向上に協力して配分を求める 組織も多く、正社員を非正規に置き換えることへの対応が抜け落ちてしまうのです。  連合は03年春闘で「引き上げから底上げへ」と方針を転換させ、パート共闘などを掲 げました。しかし非正規の数はさらに増え、待遇改善もなかなか進まない。深刻な社会問 題にまで発展しました。この危機感から連合が07年に立ち上げたのが、非正規労働セン ターです。労働者福祉協議会(労福協)などと、各地で雇い止めにあった人の相談や宿所 の確保にあたりました。  一方で、流通など現場の中心的な役割を非正規の人たちが担う業界では、同じ仕事をし ながら条件に格差がある職場が増えました。働く者同士のコミュニケーションを円滑にす るためにも、また従業員代表としての立場を維持するためにも、パート労働者を労働組合 に加入させる動きが進みました。      *  それでも全体から見ればごく一部にとどまっています。地域の個人加盟も含め、労働組 合をつくろうとしている人たちを支援する世話役が足りません。若者、シングルマザー、 外国人、精神面で悩む人たちなど、声をあげたくてもあげられない働き手が大勢います。 職場での仲間づくりが出発点ですが、すべての労働者の視点に立った「労働運動」へと、 さらに広げていかなければなりません。  非正規問題の解決は正社員化だけにとどめず、自営業や農業との兼業なども含めて考え る必要があります。地域のNPOや労福協とともに緩やかな協議体を地域ごとにつくり、 地域社会の立て直しを当事者として担っていくのがいい。労働組合は社会形成の担い手と して、期待されていると思います。(聞き手・磯貝秀俊)      ◇  たついようじ 1949年生まれ。連合に入り、総合労働局長、初代非正規労働セン ター長、連合総研副所長などを歴任した。  ■《解く》働き方慣行を改め、参加促せ 金井郁さん(埼玉大学准教授)  これだけ非正規労働者が増えたのは、厳しく言えば、労働組合が推し進めてきた面もあ ります。  労働組合にはこれまで、男性正社員中心の考え方が根強くありました。たとえば、ある 運輸大手が長時間労働をただそうと、早朝や夕方に2時間だけ働くパートを労使で話しあ って制度として始めました。組合員である正社員の労働環境を守ることにはなったでしょ う。でも、「この仕事も非正規に」ということが続けば、正社員と非正規の線引きを強め、 正社員に求められる基準を高めることにもなります。  非正規をメンバーにする企業別組合も出てきましたが、メンバー外の人がおかれた環境 をあまり考えずに行動してきたことを、まずは反省しないといけません。  働く側から考えてみましょう。現在、多くの非正規の人たちにとって、労働組合は縁遠 い存在でしょう。そもそも、何なのかを知らない人も少なくありません。  労働条件をめぐって裁判を起こしたり、新たに労働組合をつくったりした人たちに話を 聞くと、困って連合などの相談窓口にまず電話した人は多くいます。日々の生活に追われ るなか、差し迫った状況にならないと何とかしようと思わないのも現実ですから、窓口が あることは重要です。そこで初めて、役割を認識した人もいます。      *  人事や賃金の制度は企業が勝手に決められるものではなく、労働組合には、働き方の ルールを会社側と話し合って決める役割もあります。どんな労働形態でも、1人からつく る方法もあり、話し合う余地があります。1人で集められる法律や企業の情報には限界が あり、団結する意味は本当は大きい。連合は日ごろから労働組合の役割をしっかり伝え、 理解してもらうことが再生への第一歩です。  かつての製造業のように、同じ場所で同じ時間に働き、仕事のあり方も話し合えた職場 と、シフト制や派遣などばらばらに働くいまの非正規の環境は大きく違います。それでも、 連合が非正規労働センターをつくって10年もたつのですから、どうやって働く人の意見 を集め、組織運営への参加を促すのか、ノウハウの蓄積はあるはず。経験を共有しつつ、 悩みながら進めていくしかありません。  相談を受ける各地のコミュニティ・ユニオンの存在も心強いでしょう。個々のユニオン は小さくて財政的にも弱く、労働規制につなげるだけの社会的な影響力も大きくありませ ん。連合が、すべての人の労働環境を守ることをめざすなら、財政支援を考えてもいいの ではないでしょうか。      *  日本は、正社員か非正規かという雇用形態に基づき、賃金に差があってもいいという考 え方できました。転勤や配置転換、夜間など企業が働いてほしいときに対応する「男性正 社員モデル」の働き方をして、ようやく生活が保障されるだけの処遇が得られる。労働組 合にも非正規で働く人たち本人にも、こうした考えを当然のことと受け入れている印象が あります。  しかし、法律で決まっていることではなく、社会がつくった慣行にすぎません。海外に は、仕事の内容で賃金に差をつける国、学歴で差をつける国もあります。非正規で働く人 たちがこれだけ増えたいま、何を基準に公正な処遇とするのかを問い直すべきです。  政府も「働き方改革」を言っています。労働者の側も当事者として、新しい働き方のモ デル、ベースとなる公正性の基準を真剣に考える必要があるのではないでしょうか。私た ちがどう考えるかによって、徐々にかもしれませんが、慣行を変えていくことはできます。 もちろん、労働組合も何を打ち出すのかが問われています。  (聞き手・山田史比古)      ◇  かないかおる 1977年生まれ。専門は労働経済論、ジェンダー論。共著に「希望学 あしたの向こうに」「現場力の再構築へ」。 "[he-forum 19438] しんぶん赤旗12/19","しんぶん赤旗 2017年12月19日(火) 理研が無期転換逃れ 5年雇い止め 組合、都労委に申し立て  数々のノーベル賞受賞者を輩出した理化学研究所(本部・埼玉県和光市)が、有期契約の非常勤職員を無期契約に転換することを逃れるため契約5年上 限の雇い止めを狙い、労働組合と誠実に話し合わないとして、理化学研究所労働組合(理研労)と上部団体の科学技術産業労働組合協議会(科労協)は18日、 東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てました。 (写真)会見する理研労と弁護団の人たち=18日、厚労省内  申立書などによると、理研では16年4月、就業規則を変更し、契約に5年の上限をもうけました。6カ月の空白(クーリング)期間が経過しないと再雇用しないことも規定されました。労働者過半数代表と労働組合は反対意見を労働基準監督署に提出しています。  組合側は団体交渉で撤回を申し入れましたが、当局側は撤回を拒否し、雇い止めの理由や必要性を具体的に明らかにしないため、不当労働行為の救済を申し立てたものです。  日本共産党の田村智子参院議員の内閣委員会の質問で、理研には非常勤職員が4209人、契約上限に達する人が496人いると明らかになりました。   理研は「無期雇用アシスタント」試験の合格者だけを無期雇用にするとしていますが、合格者は16年74人、17年47人だけです。  同日、厚労省で会見した金井保之理研労委員長は、「職員は研究がスムーズにいくよう支えている。ベテランがいなくなれば研究現場は混乱し、まわらなくなる」と警鐘を鳴らしました。  雇い止めの危機にある非常勤職員6人が実態を訴えました。  経理などを担当する60代の男性は、「引き継ぎの職員は、すぐには理解できず、私に聞きにくる。こんな無駄な雇い止めをなぜするのか」と強調しました。  40代の女性は、「競争している研究成果の緊急発表の支援など、規定を理解した職員がいないとできない」と指摘。「私の部署では、6カ月クーリングが行われたが、割り当てられたメールアドレスを残してある」と脱法行為を告発しました。= "[he-forum 19437] しんぶん赤旗12/19","しんぶん赤旗 2017年12月19日(火) 主張 無期雇用への転換 政治の力で“抜け道”ふさげ  改定労働契約法に基づき来年4月から、雇用期間の定めのある労働者がそれまで同じ会社で通算5年以上働いた場合、本人が申し込めば無期雇用に転換 できるルールが開始されます。ところが、5年になる前に雇い止めにしたり、「空白期間」を置いて再び雇用したりするなど“無期雇用逃れ”の違法・脱法行為 が自動車大手や大学などで問題になっています。このままでは大量の雇い止めが生まれ、不安定雇用が再生産される危険性があります。安倍晋三政権は是正を求 めるとともに“抜け道”をふさぐ法改正に踏み出すべきです。 400万人以上が対象に  リーマン・ショックといわれた2008年の世界経済危機のさいに、日本で期間工や派遣労働者など有期雇用労働者が“生産の調整弁”として大量に解 雇・雇い止めにされ大きな社会問題になりました。これを機に制度見直しの世論が高まり、12年の労働契約法改定で無期雇用への転換ルールが盛り込まれまし た。現在、有期雇用労働者は約1500万人に上ります。厚生労働省によればその3割が5年以上同じ使用者の下で働いており、無期転換ルールがきちんと適用 されれば400万人以上が無期雇用になることができます。  一方で、法律には財界の要求で“抜け道”がつくられました。通算5年の間に雇用契約のない「空白期間」、いわゆる「クーリング期間」が6カ月以上 あると、それまで働いた期間がリセットされ、「通算契約期間に算入しない」(第18条2項)という規定です。日本共産党は当時、この規定が「無期雇用への 転換を回避する手法を使用者側に与えるものだ」と厳しく指摘し、修正案を提出し改正を求めました。危惧したことが現実になっていることは重大です。  いま民間の大企業や大学などで、この6カ月以上の雇用「空白期間」を設定し「5年ルール」を回避したり、有期労働者を5年で雇い止めにして「限定正社員」など別の形を装って雇用するなど、安定雇用の確保という法の趣旨に反する動きが広がっています。  日本共産党の小池晃書記局長が特別国会の質問で告発したように、自動車メーカー各社はそれまで1カ月だった契約の空白期間を6カ月に変更して、5 年たっても無期雇用に転換させない脱法行為をやっています。トヨタのある労働者は、空白期間を「次の採用まで6カ月空けてほしい」といわれ、寮も出るよう にいわれました。仕事があるのに、安上がりの有期雇用をコマ切れで使い続ける姿勢が問われます。無期転換ルールを絵に描いた餅にしてはなりません。  東京大学では、教職員組合の要求と運動で「空白期間」を廃止させ、続いて5年上限で雇い止めにする規定の削除を決めました。非常勤職員約8000人が無期雇用に転換できる重要な成果です。 労働者保護の趣旨徹底し  安倍政権は「働く方の雇用の安定に向けて対応したい」といいますが、それならただちに対策に動くべきです。政府は労働者を保護する現行法の趣旨に 反する実態をきちんとつかみ、是正させることが必要です。同時に、法律にある“抜け道”をふさぐことは政治の責任です。「クーリング期間」規定の削除や、 契約の通算期間が1年を超えれば無期契約とみなすなど、法改正を決断すべきです。= "[he-forum 19440] 東京大 5年雇い止め撤廃(12/16朝刊「毎日新聞」)","東京大 5年雇い止め撤廃 来年4月、無期転換可能に 毎日新聞2017年12月16日 東京朝刊  東京大は、有期契約の教職員の雇用を最長でも5年とする規則を今年度で撤廃する方針 を決めた。改正労働契約法に基づき、有期契約の労働者が5年を超えて働くと無期契約へ の切り替えを求められる「無期転換ルール」の運用が来年4月に本格的に始まるのを前に、 労働組合が撤廃を求めていた。  東大や首都圏大学非常勤講師組合などによると、1年契約のパートタイムの教職員(約 5300人)は雇用期間の上限を通算5年とし、契約も4回しか更新できない。有期契約 のフルタイムの教職員(約2700人)にも同様の規則があり、無期契約への転換を求め られない恐れがあった。  同様の問題は他の国立大でも起きているといい、労組関係者は「他大学の交渉に影響を 与えるのではないか」としている。【古関俊樹】 "[he-forum 19439] 東大が「5年上限」撤廃へ/有期教職員の無期転換可能に(12/19付け「連合通信」)","東大が「5年上限」撤廃へ/有期教職員の無期転換可能に (12/19付け「連合通信」)  東京大学が有期契約の非常勤教職員を最長5年で雇い止めにする規則を削除する方針を 決めたことが12月13日、分かった。これにより、フルタイム・パート教職員ら約8千人は 希望すれば来年4月以降の無期転換が可能になる見通しだ。 ●法と矛盾する東大ルール  改正労働契約法により来年4月以降、5年を超える有期契約労働者の無期転換が可能に なる。東大はこれまで上限5年ルールと3カ月間のクーリング期間を適用。改正法で3カ 月のクーリング期間が認められなくなると期間を6カ月に延長するなど、無期転換逃れの 規則を定めてきた。  東大側は「法の無期転換ルールと東大ルールは考え方が異なる」と、法違反を自覚して いることを明らかにしていた。  そんな中、10月には非常勤講師3千人について、業務委託から雇用契約に切り替えた上 で、雇用上限撤廃と無期転換の権利を確認した。残りの約8千人に関しても12月12日、 「更新回数4回、通算契約期間5年を上限とする一律の規定を削除」する方針を学内の文 書で示した。上限撤廃は、在職者と来年度からの新規職員の両方に適応されるという。  団体交渉に参加してきた首都圏大学非常勤講師組合の志田昇書記長は「今後の無期転換 ルールをめぐる国立大学の対応で、東大の影響は絶大。違法な雇い止めを進めている東北 大学なども、東大並みの対応を迫られるだろう」と指摘している。 "[he-forum 19441] 東京大学「無期転換ルール」適用へ…ただし全員じゃない(12/15「弁護士ドットコムニュース」)","東京大学「無期転換ルール」適用へ 有期の雇用上限撤廃…ただし全員じゃない 2017年12月15日 19時49分 東京大学が、一律5年と決めていた有期雇用の上限を撤廃する方針を固めた。来年4月から、 「無期転換ルール」の適用が始まりそうだ。12月12日、大学が東京大学教職員組合に方針 を示した。 雇用の安定を目的とする改正労働契約法では、2013年4月を起点に、同じ職場で5年を超え て働く有期雇用労働者について、本人が望めば、無期雇用に転換しなければならないとし ている(5年ルール)。 一方、東大では大学法人化した2004年以降、有期の契約上限は5年とされており、労契法 改正後も改められなかった。むしろ、クーリング期間(有期で再雇用するための空白期 間)の規定が変更されるなど、事実上、無期転換できない方針をとっており、組合側が上 限撤廃などを求め交渉を重ねていた。 東大は、変更の理由を「すべての教職員が安心してより高いパフォーマンスを発揮しても らうため」と説明。ただし、終わる時期が明確なプロジェクトなどについては、個別に更 新回数や通算契約期間の上限を設けられるようにするという。 組合側は、「年度末にかけて(プロジェクトの終了で)大量の雇い止めが発生する可能性 がある。大学側の回答を精査して、今後の対応を決める」(12月14日段階)としている。 (弁護士ドットコムニュース) "[he-forum 19444] 「5年雇い止め」規則撤回へ 東大、無期転換に道(日本経済新聞Web版 12/19)","「5年雇い止め」規則撤回へ 東大、無期転換に道 日本経済新聞 2017/12/19 19:44  東京大は有期契約の教職員の雇用を最長5年とする規則を来年4月に撤廃する方針を19 日までに固めた。同月から有期契約の労働者が5年を超えて働くと、無期契約に転換でき る改正労働契約法の「無期転換ルール」が始まることに対応する。対象者は約8千人で、 他大学の制度変更にも影響を与えそうだ。  東大教職員組合によると、東大には有期契約でパートタイムの職員約5300人、フルタイ ムの教職員約2700人がいる。現在の就業規則では1年契約で4回までしか更新できない。 無期転換ルールが適用されないため、組合が「法改正の趣旨に反する」などと撤回を求め ていた。  19日に記者会見した全国大学高専教職員組合の岩崎誠書記次長は、「雇い止めにつなが るルールが残っている大学は多い。他の大学でも制度改善を促したい」と述べた。  文科省によると、全国86の国立大のうち、3月末時点で有期契約の教職員に関して契約 年数の上限がない大学は6大学のみ。職種によっては無期転換の仕組みがない大学も多く、 文科省が適切な対応を求めていた。 "[he-forum 19443] 東大 パート職員などの雇用期間の上限撤廃(12/19 NHK18時のニュース)","東大 パート職員などの雇用期間の上限撤廃 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171219/k10011264331000.html 非正規労働者が同じ企業で5年を超えて働いた場合、希望すれば期限のない雇用契約に切 り替えられる制度が来年4月から始まるのを前に、東京大学の教職員で作る労働組合が1 9日会見し、東大で働くパート職員などおよそ8000人について、大学側が雇用期間の 上限の撤廃を決めたと発表しました。 労働契約法の改正で、非正規労働者が同じ企業で5年を超えて働いた場合、労働者が希望 すれば、期限のない雇用契約に切り替えられる制度が来年4月から始まります。 東京大学の教職員で作る労働組合などは19日、厚生労働省で記者会見し、東大で働く パート職員などおよそ8000人について、今月12日、大学側が雇用期間の上限を撤廃 すると説明したと発表しました。 組合側は、パート職員などが雇い止めを受けるおそれがあるとして、大学側と団体交渉を 続けてきたということです。撤廃の理由について大学側は「労働契約法の趣旨を尊重し安 定雇用を図る」と説明しているということです。 東京大学教職員組合の佐々木彈執行委員長は「雇用期間の上限が定められた状態のままの 大学も少なくない。今回のケースがそうした大学の参考になればいいと思っている」と話 していました。 "[he-forum 19442] 東大の非正規教職員「5年上限ルール」撤廃へ 教職員組合「金が無ければ無期雇用に出来ないというのは都市伝説」(12/19 キャリコネニュース)","東大の非正規教職員「5年上限ルール」撤廃へ 教職員組合「金が無ければ無期雇用に出来ないというのは都市伝説」 2017.12.19 キャリコネ編集部 https://news.careerconnection.jp/?p=46772 東京大学は、非正規職員の雇用上限年数「5年ルール」を撤廃する。12月12日の学内部局 会議で決まった。約4800人のパートタイム職員と、フルタイムの有期職員約2700人、非常 勤講師約2800人の合計約1万人が影響を受ける。 2013年4月に施行された改正労働契約法では、2013年4月以降に契約を結んだ場合、労働者 が通算5年継続して雇用され、かつ希望があれば、原則全員を無期雇用に転換しなければ ならないと定めている。 しかし東大は、2004年の大学法人化を機に有期雇用労働者の雇用年数上限を5年と設定し た上、労働契約法改正後には、有期雇用者を再雇用するために空ける空白期間(クーリン グ期間)を3か月から6か月に延長するなどのルールを設けており、実質的に「雇い止め」 となっていた。 「他大学は、『うちではできない』という言い訳できなくなった」 東大教職員組合ら3団体は12月19日、厚労省で会見を行い、「8月の会見以降、世論が盛り 上がってくれた。世論が大学を包囲した」と喜びを語った。 東大側はこれまで、名古屋大や金沢大のような無期雇用転換は「規模の大きな東大で無期 転換は出来ない」との態度を取っていた。それが今回、雇用年数上限の規定を削除し、無 期雇用への道を開く方針に転換したことは、他大学にも影響すると見られる。東大教職員 組合の佐々木彈執行委員長は 「他大学は、『うちではできない』という言い訳は通用しなくなった。(大学側は使用者 から)あれだけのマンモス組織でも出来るのだからうちでも出来るのでは、と言われるよ うになるのでは」 と、他大学への波及を期待していた。 東大側は、5年上限の撤廃は来年度から適用するとしている。年度内の1月や2月に契約満 了を迎える労働者の処遇に関する発表はまだない。全大教の担当者は「まさかこのタイミ ングで雇い止めはないと思うが、この人たちの扱いがどうなるか注視したい」と言う。 文科省が昨年度実施した調査では、86の国立大学法人のうち、有期職員に契約更新の上限 を設けていないのは、浜松医科大や秋田大など6校。約6割にあたる56校は無期転換につい て「職種によって異なる対応を行う」と事実上の様子見状態だった。中には、無期転換の 申し込み権が発生する来年4月を前に、選抜試験を行い、既に事実上の雇止めを決めた大 学もある。 東大教職員組合の佐々木彈執行委員長によれば、有期雇用者を無期雇用に転換する際、大 学側が、資金不足でできないと言い訳する場合があるという。しかし、「無期雇用化に昇 給や待遇改善は必要ない。現職を雇い止めしたところで、業務が続くなら後任を雇わなけ ればならない。金が無ければ無期雇用に出来ないというのは都市伝説。合理性はない」と 批判した。 なお、東大広報課はキャリコネニュースの取材に、今回の方針転換の理由を「政府で進め られている働き方改革の動向を踏まえ、本学の全ての教職員が安心してより高いパフォー マンスを発揮してもらうため」と述べている。 "[he-forum 19445] しんぶん赤旗12/20","しんぶん赤旗12/20 2017年12月20日(水) 東大雇い止め 撤回は共闘の勝利 東職、全大教が共同会見  東京大学教職員組合(東職)と全国大学高専教職員組合(全大教)、首都圏大学非常勤講師組合は19日、厚生労働省で会見し、東大で非常勤職員を契 約上限5年で雇い止めにする制度を廃止させたことを報告しました。非常勤職員は、雇用継続5年を超えると、改正労働契約法に基づき、来年4月から無期契約 に転換できることになります。  東職の佐々木彈委員長は、東大の内外で連帯・共闘を広げ、世論に訴え、あらゆる差別を許さずたたかった重要性を強調。「東大が脱法のお墨付きを与えてはならないと訴えたが、望ましい方向をメッセージとして発信することができた」と述べました。  全大教の岩崎誠書記次長は、「世論で包囲した勝利だ。大規模大学ほど非正規雇用の依存度が高く、無期転換に難色を示していたが、東大で無期転換できて他大学でできない理由はなくなった」と指摘しました。  非常勤講師組合の松村比奈子委員長は、「東職と共同し、情報共有したことが力になった。全国で共同を広げたい」と強調しました。東大では非常勤講師の契約も業務委託から直接雇用へ是正を実現しています。  東職は来年4月までに契約期限を迎える人やすでに後任を採用してしまった場合の処遇を大学当局に解決を求め、不当な対応がないようチェックするとしています。= "[he-forum 19446] しんぶん赤旗12/21","しんぶん赤旗 2017年12月21日(木) 国立大交付金増やして 国大協、共産党と懇談  日本共産党国会議員団は20日、全国86の国立大学などでつくる国立大学協会(会長・山極寿一京都大総長)と国会内で懇談しました。国大協は、減らされ続けてきた運営費交付金や老朽化が進む施設の整備費の拡充が必要だと要望しました。  基盤的経費である運営費交付金は、2004年の法人化以降、1450億円も減額されています。築50年近くなる国立大の施設整備は年1700億円 必要ですが、17年度は410億円だけで、国大協の木谷雅人常務理事は「古いものをだましだまし使っている」と窮状を訴えました。畑野君枝衆院議員は「運 営費交付金の拡充に力を尽くす」と約束しました。  政府は「新しい経済政策パッケージ」で「人づくり革命」として、対象者を限定した大学などの授業料減免や給付型奨学金の拡充などを打ち出しまし た。支援対象は外部理事の登用など四つの要件を満たした大学の学生のみです。これについて国大協の山本健慈専務理事は「総体が見えない。個別のアイデアが 個別に政策化され、中央教育審議会の議論と関係なく横から入ってくる」と現場の困惑を語りました。  吉良よし子参院議員が「行きたい大学に行けない学生が出てくる」と指摘すると、山本専務理事は「われわれも同じ危惧を持っている」と応じました。  懇談には日本共産党から畑野、吉良両氏のほか笠井亮政策委員長、宮本徹衆院議員、倉林明子参院議員秘書らが出席しました。= "[he-forum 19448] 無期転換 室蘭工大でも 非正規職員ら実施求め宣伝(12/21付け『赤旗』)","無期転換 室蘭工大でも 非正規職員ら実施求め宣伝  しんぶん赤旗 12月21日付け  来年4月の非正規職員の無期雇用転換を室蘭工業大学でも実施させようと、 北海道室蘭市の同大学職員組合は18日から、正門前などで毎日、昼休み宣伝 をくり広げています。執行委員や非正規職員らが「事務補佐員も非正規雇用 に」と書いた横断幕を掲げ、ビラを配布しました。  2013年に施行された労働契約法の一部改正で、5年以上雇用を継続した 非正規労働者は、無期雇用契約を申し込む権利ができ、期間の定めのない 無期雇用になります。  室工大では10月、百数十人いる非正規職員のうち、「学長の認める場合、 5年を超えて継続する」として、特任教員や非常勤講師、障害者らを対象に 無期雇用に転換することが可能となる規則改定を行いました。しかし多数の 事務補佐員や技術補佐員(6時間のパート労働者)には、結論がでていませ ん。  職員組合では、室工大が事務補佐員を継続させ、大学の教育・研究にいっ そう能力を発揮してもらうためにも早く無期転換を認めるよう求めています。 "[he-forum 19447] 室蘭工大 無期に転換(12/22付け『赤旗』)","室蘭工大 無期に転換  職員組合に方針を説明  しんぶん赤旗 12月22日付け  北海道室蘭市の室蘭工業大学は20日、同大学職員組合に対し、非常勤職員(事務補佐 員など)について無期雇用に転換する方針を説明しました。  恒常的な補助業務に従事する事務補佐員や技術補佐員について、「雇用期間が5年を超 える有期雇用を可能とするとともに、本人からの申し込みで無期雇用に転換する」として います。  東京大学に続き道内では最初の無期雇用転換となります。ある非常勤職員の女性は「こ こまで頑張ってきて、ようやく実ってとてもうれしいです」と話しています。  職員組合は、熟練の事務補佐員の無期転換でこそ大学の教育・研究に能力が発揮できる と主張。道労連と室蘭地区労連が主催する無期転換「むろらん市民講座」にも非常勤職員 が参加し、世論を広げてきました。18、19両日には、正門前や生協前で無期雇用を求 める宣伝を行いました。  「室蘭工業大学は、最大6年雇用を5年に切り下げて改正労働契約法の無期雇用転換に 背を向けてきました」と話すのは、職員組合の高木稔書記長。「無期転換への方針転換は、 全労連・道労連のたたかい、日本共産党議員らの国会での追及で変えさせたものだと思い ます。来年3月前に結果が出て、胸をなでおろしています」と語っています。 "[he-forum 19450] 金大「5年雇い止め」を転換 非常勤職員720人対象(12/19『北國新聞』)","金大「5年雇い止め」を転換 来年度、原則無期雇用に 非常勤職員720人対象  12/19付け『北國新聞』  金大は来年度、非常勤職員の原則最長5年としていた方針を転換し、5年を超え た場合は原則として無期契約にする。2013年4月以降に採用された非常勤職員 約720人が対象となる。  改正労働契約法で来年4月以降、5年を超えて働けば無期契約への転換を申請で きる「無期転換ルール」が始まるが、金大では規定で5年を超えることができず、 「雇い止め」になる可能性があるとして、教職員組合が改善を求めていた。  金大は13年4月、「無期転換ルール」を盛り込んだ改正労働契約法が施行された ことに伴い、有期契約の非常勤職員の雇用を原則として最長5年と定め、無期契約 を抑制する方針をとった。  教職員組合は今年3月、「非常勤職員の5年雇い止め」について学内アンケート を実施したところ、8割が5年雇い止めに否定的で、職場に問題が生じると回答し たことから、無期転換の実現を大学側に求めていた。大学側はアンケートの結果を 尊重し、5年雇い止めを撤廃することにした。  金大教職員組合は「労働契約法の趣旨に沿って無期転換を原則とした運用がなさ れるのか、引き続き注視したい」としている。 "[he-forum 19449] 非正規職員が無期雇用に! 室蘭工業大学職組が大奮闘(「道労連ニュース」12/21付け)","非正規職員が無期雇用に! 室蘭工業大学職組が大奮闘 2017/12/21 ず~っと祈ってた。 ずっと頑張り続けてきた。 とてつもなくうれしい!  室蘭工業大学職員組合(クラウゼ小野マルギット執行委員長/以下「室工大職組」で記 述)は12月21日、昼休みに緊急集会を開催して非正規職員約70名(事務補佐委員、技術補 佐員)を無期雇用化するという回答を大学側から引き出したことを報告。  高木稔書記長は、「室蘭工業大学はそれまでの最大6年雇用を5年に切り下げて改正労 働法による無期雇用転換に背を向けました。今回これを改め、無期転換を認める方針に方 向転換したことは、全国の大学組合の闘いや、全労連・道労連の闘い、それに呼応した共 産党議員など国会での追及が厚労省や文科省の意向となって結果的に大学の方針を余儀な くさせたものと思います。来年3月前に結果を得られて本当にあきらめないで仲間と一緒 に闘って良かったと思います」と報告すると、参加者から大きな拍手と歓喜の声が沸き起 こりました。  室工大職組はこの間、大学側に対して非常勤講師や有期雇用の事務職員を無期雇用化す るよう求めて団体交渉を行ってきました。大学側は、特任教師や非常勤講師、障碍者雇用 については、規則を改定して無期雇用にするとしていましたが、事務補佐員や技術補佐員 については回答が留保されてきました。室工大職組は、労働局への要請に加え、今週18日 からは連日、大学門前で宣伝(写真:下段)を実施するなど、無期雇用転換を求めてきま した。昨日、大学側から非常勤職員について無期雇用にするとの回答を受け、本日の報告 集会となりました。 心が折れそうになって..組合に入ってよかった!  「来年で5年になります。来年の9月いっぱいでおしまいだったんです。ず~っと祈っ てた。ずっと頑張り続けてきた。とてつもなくうれしい!何回も、何回も、心が折れそう になって。これで安心です。組合に入ってよっかた!女性が輝く職場にしたいし、これで なります!」  「研究室付きで、再来年で5年になります。今年3年目です。本当に安心しました。こ れで働き続けられます。うれしいです!」など、嬉しさや喜びの感想が次々に出されまし た。  室工大職組執行委員の清末愛砂准教授は、「なんとしても無期転換を勝ち取るために、 早く動いたし、要請行動もし、外堀を埋めてから18日、19日と最後の行動で大学前で宣伝 行動をおこないました。通りすがりに『がんばって!』と声をかけてくれた人もいた。教 員と事務補佐員さんとの連携がとてもよかった。双方、必要な存在だし、教員が前に立っ て叫ばないとダメ!なにがなんでも勝利するという気持ちで闘った。本当にうれしいで す」と今回の取り組みについて振り返りました。  「労働組合の力」で勝ち取った室工大での無期転換の大きな成果を、道内の他大学や他 職場にも広げながら、「労働組合で無期転換を」の社会的な呼びかけ・とりくみをいっそ う強めましょう。 "[he-forum 19458] 軍事助成 岡山大など 分担研究の4大学判明(12/23付け「毎日新聞」朝刊)","岡山大など助成4大学判明 防衛装備庁、明らかに 毎日新聞2017年12月23日 07時00分(最終更新 12月23日 11時23分)  自衛隊の防衛装備品に応用できる最先端研究を公募して研究資金を助成する防衛省の 「安全保障技術研究推進制度」を巡り、岡山大、東海大、東京工科大、東京農工大の4 大学が今年度分の助成を受けたと、制度を運営する防衛装備庁が22日、明らかにした。  同制度は「軍事研究に当たる」との批判が強く、科学者の代表機関・日本学術会議が 今年3月、大学などの応募に否定的な声明を出している。防衛装備庁は8月、今年度分 の配分先14件を代表機関の企業や公的研究機関名と共に発表したが、分担研究する4 大学名は公表していなかった。  同庁は「分担研究機関との研究委託契約は装備庁とではなく代表研究機関と結ぶため、 了承なく公表できない」と説明していた。4大学の研究者名や研究内容は明らかにでき ないとしている。  同制度は3年目の今年度から予算額が110億円と昨年度の6億円から18倍に急増。 それに伴い新設された高額研究枠は、最大5年間で総額20億円が提供され、4大学は この枠で研究費を受け取る。東京農工大は小規模研究枠でも採択された。  今年度の応募総数は104件と昨年度の44件(配分先は10件)から急増していた。 【千葉紀和】 "[he-forum 19457] 理研が非常勤職員を「大量雇い止め」で上がる現場の悲鳴(「現代ビジネス」12/25付け)","理研が非常勤職員を「大量雇い止め」で上がる現場の悲鳴 波紋はどこまで広がるか 現代ビジネス 2017.12.25 田中 圭太郎 国内最大の研究機関「国立研究開発法人 理化学研究所(以下、理研)」の非常勤職員が、 2018年の3月末以降、大量に雇い止めされることになった。最先端の研究発表や研究事務 を長年支えてきた職員たちが、一方的に導入された就業規則によって、職場を去らなけれ ばならないのだ。 理研は物理学、工学、化学、数理・情報科学、計算科学、生物学、医科学など幅広い分野 で研究を進める、日本唯一の自然科学の総合研究所。1917年に財団法人として創設され、 株式会社、特殊法人を経て、2003年に文部科学省所管の独立行政法人として再発足。2015 年に国立研究開発法人理化学研究所となった、100年の歴史がある日本を代表する研究機 関だ。 その理研が、非常勤職員の契約期間を5年上限とするルールを導入したのは、2016年3月の ことだ。非常勤職員たちは戸惑い、労働組合とともに反対の声をあげたが、さらに彼らを 混乱させたのが、理研が交渉の中で、雇い止めをする明確な理由や、人数を明らかにしな かったことだ。 雇い止めの期限が来年3月末に迫るなか、交渉にまともに応じようとしない理研の態度に 労働組合は憤り、今月18日、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。 理研の雇い止めは、「改正労働契約法」の趣旨に反する恐れがあると同時に、研究者の将 来や、他の独立行政法人にも大きな影響を及ぼす可能性がある。問題点をリポートする。 12月18日、来年3月末で理研を雇い止めされる非常勤職員6人が、労働組合とともに厚生労 働省で記者会見を開いた。内訳は、60代の男性1人と、30代から50代の女性5人。全員が6 年以上勤務している。「雇い止めに納得できない」と涙を流しながら訴えたのは、40代の 女性だった。 「雇い止めを禁止するような法律がこの国にはある。にもかかわらず、どうして理研が決 めたルールで雇い止めになるのか、理解できません」 この女性が指摘している法律とは、2013年4月に施行された改正労働契約法のことだ。簡 潔に言うと、非正規の労働者を5年以上同じ職場で雇う場合、本人が希望すれば、原則 「無期雇用」にしなければならないことを定めている。この法律に基づけば、会見した6 人は、2018年4月以降、「無期雇用」を申し込む権利が発生するはずだった。 ところが理研は、独自に決めたルールによって、それを阻止しようとしているという。 理研の研究の下支えをしている非常勤職員には「アシスタント」「パートタイマー」「事 務業務員」といった職種があり、職員のほとんどが女性だ。もともと契約期間に上限がな く、1年契約を毎年更新し、10年以上働き続けてきた職員も多い。過去に半年以上の休業 期間をおいて、再雇用されているケースも少なくない。 こうした実態があるにもかかわらず、理研は2016年3月、労働組合や労働者代表の反対を 押し切って、契約期間の上限を5年と定めた。それも、「2013年4月の契約」に遡って適用 し、「2018年3月で雇い止め」と決めたのだ。 労働者の無期雇用申込権を阻止するために、契約期間の上限を5年とすることは改正労働 契約法の趣旨に反すると、筆者は過去の記事でも指摘してきた。 たとえば東京大学でも同じ問題が起きていたが、結局東大は労働組合との話し合いの末、 雇い止めを撤回。5年以上働く非常勤職員らを「原則、無期雇用に転換する」方針を決め た。(詳しくは『東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕』) 理研も「すべての対象者を雇い止め」にするわけではなく、無期雇用の職種「無期雇用ア シスタント」を作り、この試験に合格した職員は「無期雇用にする」として、2016年から 試験を開始。2016年は74人、2017年は47人が合格。2017年は少なくとも100人ほどが不合 格になったとみられる。 このように「無期雇用に転ずる制度を作ったのだから、これで問題ないだろう」という姿 勢なのかもしれない。しかし理研は、そもそも不合格だった人が何人いたのかを明らかに していない。不合格になった職員は点数も明かされず、なんの説明も受けていないという。 さらに職員が不審に思っているのは、試験を受けた職員のなかでも、特に、長年勤務して きたベテランの職員が「不合格」になっている傾向がみられることだ。 「私も受けましたが落ちました。長く勤務されて、仕事を十分に理解している方も不合格 になりました。なぜ雇用してもらえないのか、理解できません」(40代・女性) 理研は、雇い止めする人数も組合や職員に説明していなかったが、その数字は12月になっ て、意外なところで明らかにされた。この問題が国会でも議論されたためだ。参議院内閣 委員会に提出された資料では、理研には非常勤職員が4209人在籍し、そのうち496人が201 8年3月に契約期間が終了すると記されていたのだ。 理研の労働組合と、上部団体の科学技術産業労働組合は、団体交渉で雇い止めの人数や、 理由などを明らかにしないのは「不誠実団交」だとして、12月18日、東京都労働委員会に 不当労働行為の救済を申し立てた。 組合は、理研が行う雇い止めから非常勤職員を守るために申し立てを行なったが、他にも 危惧していることがある。 その1つは、多くのベテラン職員が大量に雇い止めされることで、研究業務が滞ってしま うことだ。実際に、各研究室からもベテラン職員がいなくなることで研究に支障がでる、 と困惑の声があがっているという。団体交渉の場で組合が「研究に支障がでるはずだ。そ こは大丈夫だと考えているのか」と質すと、理研から返ってきた言葉は「自信がない」だ ったという。 もう1つの危惧は、この雇い止めが非常勤職員にとどまらず、将来的に研究者にも及ぶ可 能性がある点だ。改正労働契約法は、2014年4月に特例が設けられている。その内容は、 「大学等及び研究開発法人の研究者、教員等については、無期転換申込権発生までの期間 を原則5年ではなく、10年」としているものだ。 組合によると、理研で無期雇用されている職員・研究員は600人で、無期雇用の研究者の 募集は長い間行なっていない。その一方で、有期雇用、つまり非常勤の研究員は約2000人 もいるという。 今回の職員の雇い止めがまかり通れば、労働契約法の改正から10年を迎える2023年4月ま でに、今度は2000人の非常勤研究員の多くを雇い止めするルールが導入される可能性が否 めないのだ。 「非常勤職員の大量雇い止めにより、理研全体のパフォーマンスが低下し、研究レベルは 下がらざるをえません。いまの経営陣は研究の現場を知らないのです。さらに今後、研究 員の雇い止めが起きてしまったら、日本の自然科学研究の未来はないでしょう」(組合関 係者) 筆者は理研に対し、雇い止めは労働契約法の趣旨に反するのではないかと質問した。その 回答は雇い止めを正当化するものだった。以下回答を掲載する。 「理研においては、多くの職員が時限プロジェクトに従事しており、この時限の到来によ り改廃され得るプロジェクトを遂行するため、その財源で雇用される職員については有期 雇用が基本と考えている。 さらに、有期雇用を適切かつ効果的に活用し、研究系人材の流動化を促進するという社会 的な使命を果たしていく観点から、適切かつ効果的に、また労働法制の下で有期雇用の運 用を図ることは重要であり、そのため、任期制職員の雇用期間に関し関係する規定におい て雇用上限の明確化を明示したものである」(原文のまま) 理研は「研究系人材の流動化を促進する」ことは「社会的な使命」だと回答し、「雇い止 め」を正当化している。しかし、「労働法制の下で有期雇用の運用を図ることは重要」と あるが、労働法制の下で、と言いながら契約期間を5年上限とすることは、無期雇用化を 促す改正労働契約法の趣旨と矛盾するのではないか。 組合側の弁護団は、理研が契約期間の上限を導入したことは、「改正労働契約法の脱法行 為」であると同時に、必要性と合理性がない不利益変更であり、違法と指摘している。 「無期雇用アシスタント」の試験が、実態として長く働いた人を落とすための試験になっ ているのではないかということも、違法性が疑われると話している。 さて、東京都労働委員会の審査は年明けから始まる。しかし、雇い止めが起きる2018年3 月末までに理研の態度が変わらなければ、組合側は新たな法的措置も検討しているという。 理研の雇い止め問題の行方は、理研だけで終わる問題ではない。独立行政法人全体に影響 を及ぼす可能性があることを指摘しておく。 先述した参議院内閣委員会で示された資料では、各省庁が所管する独立行政法人の非常勤 職員が、2018年3月にどれだけ雇い止めされるのかが初めて明らかにされた。その人数は、 理研も含めて少なくとも4700人。上限付きの契約となっている非常勤職員は3万人もいる。 このままでは多くの人が異を唱えることができないまま、無期雇用申込権を得られなくな ってしまう可能性があるのだ。 日本の研究基盤を揺るがす問題が起こっていることに、注視しなければならないだろう。 "[he-forum 19456] 「雇い止め」退職迫られた職員たち(仙台放送 12/25)","「雇い止め」退職迫られた職員たち 2017年12月25日 仙台放送NEWS 「雇い止め」の問題。 2018年4月以降、東北大学や宮城大学などが、非正規職員を雇い止めするとしている。 これは、2013年4月に施行した「改正労働契約法」への対応。 改正労働契約法とは、有期契約の労働者で、5年以上雇用を継続すると、無期契約に転換 できるというもので、2018年4月に適用開始となる。 いわゆる「無期転換ルール」。 この労働契約法の施行翌年に、東北大学では、非正規職員の就業規則を改定している。 内容は、それまで最長「3年」以内だった通常契約の雇用期間を、最長「5年」とし、 さらに2013年4月にさかのぼって適用するというもの。 規則の改定により、2018年3月末に、最長5年とする雇用期間に到達。 労働契約法の適用開始の4月直前に、雇い止めするという。 東北大学の非正規職員の雇い止めは、3,000人規模とみられている。 退職が迫られる職員は、現場の声を聞いてほしいと訴えている。 25日午前、東北大学と組合による、団体交渉が行われた。 交渉は、非公開。 東北大学職員組合によると、2018年3月末以降、東北大学で勤務する非正規職員が、 順次、雇い止めになる可能性があり、対象者は3,000人規模だという。 団体交渉では、組合が希望者全員の雇用継続を求めたのに対し、大学側は「応じられない」 と回答した。 雇い止めの対象となる職員たちは、不安を抱いている。 東北大 非正規職員は 「とにかく、現場の声っていうものを、ちゃんと聞いていただきたい。ちゃんと 目を開いて見ていただきたい」、 「不安はあります。生きていかないといけないので。何かしら、その時に(仕事を) 見つけるしかない」 などと話した。 2人は、1年契約の非正規として働いている。 東北大 非正規職員は「世界に誇れるもの (研究)を、支えきれなくなってしまうのでは」と話した。 大学側は、2018年4月以降、雇用期間に定めがない「限定正職員」制度の導入を掲げている。 しかし、組合側は、この制度の活用には条件があり、全員が希望する雇用形態が維持 できないと主張する。 労働問題にくわしい弁護士は、「無期転換ルール」の周知徹底が進んでいないと指摘する。 太田伸二弁護士は「今、正規非正規の格差をなくそうという流れで、働き方改革の1つとして 行われている」、「当事者の方でも知らない、非常に問題」などと話した。 "[he-forum 19455] 非正規職員の“雇い止め” 東北大が見直し拒否(東日本放送 12/25)","非正規職員の“雇い止め” 東北大が見直し拒否 2017年12月25日18時31分 KHBニュース 全国の大学などで問題となっている非正規職員の「雇い止め」についてです。 2013年に改正された改正労働契約法では来年4月から、5年以上勤務した非正規職員を 雇用側が勝手に契約解除することが出来なくなり、職員は、希望すれば無期限で働き 続けることができるようになります。 しかし、大学などは自分たちの裁量で職員を雇用することが出来なくなるとして、法律 が適用される来年4月を前に勤務が5年を超える非正規職員の契約を打ち切ろうとする 動きが広がっています。 これが「雇い止め」です。 25日、東北大学の労働組合は大学側と団体交渉を行い「雇い止め」を見直すよう求め ましたが大学側は拒否しました。 東北大学では、来年4月に5年以上の勤務となる非正規職員がおよそ1150人いて、大学は、 一部を除き3月末時点で契約を打ち切る方針です。 25日に東北大の職員や非正規職員で構成する「東北大学職員組合」が団体交渉を行い、 非正規職員を「無期限」で契約することなどを求めましたが、大学側は「無期限」での 雇用は認められないと答えたということです。 東北大学職員組合の片山知史執行委員長は「東北大学当局は残念ながら方針を変えず、 3月末日をもって大量の千人規模の雇い止めをするという方針を改めて示されまして非常 に残念です」と話しました。 40代の事務系男性職員は「まじめに働いて5年を迎えて、『雇い止めになりますよ』とい う話なんですけれども、やっぱり、がっかりですよね。生きていくしかないので強く生き ていこうかなと思っていますけど。どんな形でも」と話しました。東北大学は今回の団体 交渉について「交渉中のためコメントは差し控える」としています。 "[he-forum 19454] <東北大雇い止め>職組と団体交渉 職員の無期転換「財政的に困難」と大学側(河北新報 12/26)","<東北大雇い止め>職組と団体交渉 職員の無期転換「財政的に困難」と大学側 河北新報 12/26  東北大が3000人規模の非正規職員を2018年3月末以降、順次雇い止めにする 問題で、同大は25日、東京大や名古屋大が同様の職員を無期転換する方針に転じたこ とについて「東北大では財政的に困難だ。他大学と比較するつもりはない」との見解を 示した。  東北大職員組合によると、25日あった職組との団体交渉で答えた。職組は16年2 月に大学と交わした「部局は能力や意欲のある非正規職員を無期転換するよう本部に求 めることができる」との確認書の実行も要求。同大は「部局は無期転換を求めることは できるが、詳細は弁護士と相談する」と回答したという。  労働契約法によると、18年4月以降、同じ職場で通算5年を超えて働く有期雇用者 は雇用主に無期転換を申し込める。東北大には5年超の非正規職員が約1050人在職 している。  同大は18年4月に職務などを制限した「限定正職員」制度を導入する予定で、既に 実施した採用試験で669人が合格している。 "[he-forum 19453] 「金大 職員安定雇用へ 富大 最長4年へ延長」(北陸中日新聞 12/25付け)","金大 職員安定雇用へ 富大 「最長4年」へ延長  契約「最長5年」⇒無期転換を容認 法改正後 割れる対応 12/25付け 北陸中日新聞  金沢大は2018年度から、有期契約職員の雇用は原則「最長5年」というルール を変更し、試験に合格した場合などに契約を継続し、「無期契約」への転換を容 認することを決めた。一方、富山大は有期の雇用期間を従来の「最長3年」から 「最長4年」への1年延長にとどめることになった。(横井武昭)  金沢大は労働契約法が改正された2013年4月、「最長5年」ルールを定めた。 勤続が5年を超えた職員は無期契約への転換を要求できる。  だが、5年ちょうどで契約を打ち切られると、その権利は発生しないため、金沢 大教職員組合は、「雇用の安定を目指す改正法の趣旨に反し、雇い止めにつなが る」とルールの撤廃を求めてきた。  大学側は学長が特に必要と認めた場合、プロジェクト単位で雇用されている職員 らを、5年度超えて雇用を継続することを決めた。それ以外の事務の職員も筆記試 験や面接をし、合格した場合、無期転換を認めることが決まった。  金沢大人事課の担当者は「経験のある職員がやめると支障が出ると言う現場の意 見もあった」と話した。金沢大教職員組合の村井淳志特別執行委員は「大学の対応 は当然の結果だが、よかった」と受け止めた。  一方、富山大はもともと、有期雇用の期間を原則、「最長3年」と定めていたが、 来年4月以降の採用では「最長4年」に延長する。勤続4年では、無期契約への転換 を要求できない。  富山大教職員組合の中沢敦夫中央執行委員長は「富山大の対応は見劣りしており、 雇用期間の延長や改善を求めていく」と話している。  改正労働契約法の志向から5年を迎える来年4月以降、金属が5年を超えた人は 雇用主に、無期契約への転換を要求できるようになる。雇用主は要求を拒めない。 逆に、勤続5年ちょうどで雇用契約を打ち切れば、無期契約への転換を求められる ことはない。 「雇用の安定」が、改正労働契約法の狙いだ、だが、5年までしか雇用契約を結ば なくても違法ではない。そのため、5年で雇い止めにするケースが横行するのでは、 と懸念されていた。  注目されていたのが、有期契約の職員が多い国立大学の対応だ。文部科学省の 調査では3月の時点で、「5年」などと有期契約の期間を限定しないのは、86大学 のうち6大学にとどまっていた。  東京大では、教職員組合との協議が続き、大学側が今月、「最長5年」ルールを 撤廃する方針を決めた、東北大は非正規の職員を対象に、無期契約の正職員の採用 試験を行ったが、組合は「試験に応募できない人がいた」と批判している。  労働法制が専門の和田肇・名古屋大大学院法学研究科教授は、企業と違って利益 を出せない大学は財源を心配し、無期契約の職員を多くしたがらないと説明する。 「その中で、どこまで雇用を保障できるか。法律の趣旨に沿って各大学が工夫して いくしかない」   "[he-forum 19452] しんぶん赤旗12/26","しんぶん赤旗 2017年12月26日(火) NTT雇い止め無効 岐阜地裁 無期転換逃れに歯止め  NTT子会社が契約社員を大量雇い止めにしたのは不当だとして、6人が撤回を求めた裁判は25日、岐阜地裁で判決が出されました。眞鍋美穂子裁判 長は、6人全員の雇い止めを無効だと判断。65歳定年前の4人について労働契約上の地位を確認し、全員について雇い止め以降の賃金を支払うよう会社に命じ ました。  裁判は、有期契約労働者であっても合理的理由のない雇い止めはできないとした労働契約法19条違反が争点となりました。原告や弁護団は、来年4月にはじまる無期雇用への転換を逃れるための合理性のない雇い止めにも歯止めをかけるものだ、と声明で指摘しています。  事件は、NTTがインターネット光回線を「光コラボ」などの名称で下請け事業者に営業販売させることを理由として、営業を担当していたNTTマーケティングアクト岐阜営業部の契約社員をいっせいに雇い止めにしたものです。  会社は「雇用終了同意書」にサインしなければ再就職を斡旋しないと脅しましたが、6人が通信労組(現JMITU通信産業本部)岐阜支部に加入し、サインを拒否。2015年9月で雇い止めになりました。  裁判所は、原告たちを労契法19条2号の契約更新の期待権をもっていると認定し、正社員に対する整理解雇と同等の判断基準で雇い止めの違法性を チェック。「雇い止め対象者の人数等に見合うほど人員削減の必要性があったか疑義があり、雇い止め回避努力としては不十分」として、「雇い止めは客観的に 合理性を欠き、社会通念上相当なものであると認められない」と認定しました。= "[he-forum 19451] しんぶん赤旗12/24","しんぶん赤旗 2017年12月24日(日) 日大雇い止めに指導を 文科省要請 畑野氏・非常勤講師組合  日本共産党の畑野君枝衆院議員、首都圏大学非常勤講師組合の松村比奈子委員長らは22日、衆院第2議員会館で、日本大学が新設学部の認可に反して 英語非常勤講師を雇い止めしようとしている問題で文部科学省の対応をただすとともに、大学設置基準にもとづいて適切に指導するよう求めました。  日大は2016年度に新設したスポーツ学部と危機管理学部の英語非常勤講師16人(うち3人が外国人)に今年11月、雇い止めを通告。しかし、新 設学部は最初に卒業生を出す完成年度までの4年間の計画で文科省の認可を受けており、合理的な理由がない限りカリキュラムの変更などは認められていませ ん。  文科省の担当者は、今月中旬に日大から聞き取りを行い、「カリキュラム変更ではなく、授業の実施方法の変更である」との説明を受けたと語りました。  非常勤講師組合の大野英士副委員長は、「なぜ同じ教員ではダメなのか。雇い止めや授業の実施方法の変更については、専任教員らにも伝えられていな い」と指摘。松村委員長は、「現時点で、カリキュラムや授業の実施方法が決まっていないこと自体が問題だ。被害を受けるのは学生だ」と語りました。  畑野氏は「16人の雇い止めなど、あまりにひどい。文科省として指導すべきだ」と求めました。= "[he-forum 19459] 「地域と大学教育」誰が学ぶ立場なのか(長崎新聞 11/23付け)","2017/11/23付け 長崎新聞 ながさき時評 「地域と大学教育」 誰が学ぶ立場なのか 川口 幹子氏  地方創生の推進が叫ばれるようになり、各地の大学で「地域」や「社会」を冠 する学部、学科の創設が相次いだ。文部科学省でも「地(知)の拠点」事業として、地域 を牽引する人材の育成を目的とした教育カリキュラムの改革を支援している。  そうした大学は、地域でのフィールドワークをカリキュラムに加えているケースが多い。 実際に離島や中山間地域に赴き、地域が抱える課題を把握したうえで、課題解決のための アイデアを提案するといったプログラムである。先日ある大学の先生から、フィールド ワークをきっかけに地方での就職を希望する学生が出てきたという話を聞いた。地域教育 が成果を挙げている証しであろう。  一方で、こうした大学教育が、地域の負担になっていないのかも考えてみてほしい。典 型的な例が「ヒアリング疲れ」である。入れ代わり学生が訪ねてきては同じ質問を繰り返 され、イベントへの参加を求められて行けば、毎回同じような提案を聞かされる。  「学生ならではの視点で地域が気付かない活性化のアイデアを」というのが謳(うた) い文句だが、アイデアだけで地方が良くなるのではない。実際は、アイデアは既にあって、 ないのは実行する担い手なのだ。実現するには、学生が想像だにしない幾多のプロセスが ある。そのプロセスを理解し、地域を牽引する人材となるには、強い意志、そして時間が 必要だ。  農漁村にはそれ自体に教育力がある。まずはじっくりと農林漁業体験や職業体験、祭へ の参加などの文化体験を行うべきだ。都会で育った学生にとっては、そうした体験自体が あまりに衝撃であり、魅力や課題の発見は自然になされる。  その中で、強い問題意識を抱いたり、ぜひとも実現したいアイデアが生まれたりした場 合は、学生だけでなく、教員や地域を含めたプロジェクトチームを作り、実行できる体制 を整えるまで、ある程度長い期間腰を据えて関わる。そうした2段階のプロセスが必要で はないかと思う。  歴史や文化、自然景観、産業、そしてそこに携わる人々。それらは地域の価値ある資源 であり、教材である。それらが教育という名の下に搾取されてはいないだろうか。一方的 に大学が地域を教育できるという妄想を捨て、地域の教育力を大学が利用しているという 意識を持つべきだ。もっと地域の教育力を信じ、頼ればよいのだ。いわば教育のアウト ソーシングである。大学や文科省は、そのための予算をしっかりと確保する必要があるだ ろう。 "[he-forum 19461] 河北新報1/12","河北新報2018年01月12日金曜日 <東北大雇い止め>非常勤講師ら大学側を告発「就業規則変更は無効」  東北大が3000人規模の非正規職員を3月末以降、順次雇い止めにする問題で、非正規の雇用期間を最長5年と変更するな どした2014年や16年の就業規則改正は違法だとして、首都圏大学非常勤講師組合のメンバー3人が11日、労働基準法(就業規則変更の手続き)違反の疑 いで、東北大と里見進総長、理事7人を告発する書面を仙台労働基準監督署に提出した。  労基法は、就業規則を変更する際に労働者の過半数を代表する人から意見を聞くよう使用者に義務付けている。告発状によると、東北大は14年や16年の変更を前に、13年3月や15年3月に実施した代表選出の手続きに非常勤講師らを参加させなかったという。  メンバーは「非常勤講師らを参加させない過半数代表の選出は13年、一橋大が労基署から違法と指導されている。東北大でも違法に変更された就業規則は無効だ」と主張する。  東北大は「告発の内容を承知しておらず、現時点でのコメントは差し控える」との談話を出した。 "[he-forum 19460] 朝日新聞デジタル1/11","朝日新聞2018年1月11日20時25分 「就業規則変更に不備」東北大を告発 職員組合関係者 井上充昌 東北大学の就業規則変更に不備があるとして、東京大学教職員組合の佐々木弾委員長ら東京の大学職員組合関係者3人が11日、労働基準法違反の疑いで、東北大と里見進総長ら幹部8人に対する告発状を仙台労働基準監督署に提出した。  告発状によると、東北大は2015~17年に就業規則を4回変更した際、「労働者の過半数を代表する者」から意見聴取した。代表者を選ぶ選挙に非常勤講師やアシスタントらを含めない不備があったという。  東北大は14年、有期雇用契約を5年を超えて更新できず「雇い止め」になるよう就業規則を変更した。改正労働契約法の「5年ルール」で認められた、有期雇用の労働者の無期転換ができない「脱法行為だ」として、同大職員組合などが反発している。別の組合関係者は「14年の規則変更も同じ不備がある」と話す。  東北大は取材に「コメントは差し控える」としている。(井上充昌) "[he-forum 19462] しんぶん赤旗1/12","しんぶん赤旗 2018年1月12日(金) 独立行政法人 5年働いても 無期転換9400人ない恐れ 田村議員調査  有期雇用で5年働いた労働者に無期雇用に転換できるルールが4月から始まるのを前に、独立行政法人(独法)の多くが無期転換にむけた方針を持って おらず、約9400人が無期転換されない恐れがあることが、日本共産党の田村智子副委員長・参院議員の調査で10日までに明らかになりました。田村氏の求 めに応じて各府省が提出した資料によるものです。  契約更新に上限を定める有期雇用職員を雇用する独法のうち、5年以上の職員を雇用するのは41法人、10年以上が32法人、独法創設前からが23法人(重複あり)にのぼります。  このうち無条件に無期雇用へ転換すると回答したのは、5年以上の有期雇用職員のいる法人で10法人、10年以上で9法人、独法創設前からは7法人です。  人数で見ると、雇用期間に上限を設けられている有期雇用職員は3万589人。これに対して、5年以上勤務している職員は1万962人で、このうち10年以上が3372人、独法創設前からが1177人です。  このうち無条件に無期転換されるのは5年以上で1574人、10年以上で786人、独法創設前は198人にとどまっています。  理化学研究所(理研)では5~10年と長期にわたって契約更新を繰り返し、最長で26年も更新してきた非正規職員がいます。しかし理研は昨年、突 然、無期転換ルールを逃れるために、非正規職員に対して今年度での雇い止めを通告。労組が不当労働行為の申し立てをするなど、たたかいが続いています。  独立行政法人 各府省の事務・事業のうち、国民生活の安定などを目的に確実に実施する必要があり、民間に委ねた場合、実施されないおそれがある事務・事業を担っています。2001年4月から創設され、日本学生支援機構や国立病院機構など計87法人(17年4月現在)あります。 政府責任問われる  田村副委員長の話 各府省の資料から、長期にわたって契約更新を繰り返し、無期雇用と同視できる職員の雇い止めが、多くの独法で共通する問題になっていることが浮き彫りになりました。  安倍政権は、不本意ながら非正規雇用で働く労働者の正規雇用への転換を掲げています。にもかかわらず、政府が運営に責任を負う独法で非正規職員の無期雇用をすすめる目途がないのは大問題です。  厚生労働省が国会答弁やパンフレットなどで示しているように、恒常的な業務は無期雇用の労働者が担うようにすることが、政府の責任として求められています。 "[he-forum 19464] しんぶん赤旗1/16","しんぶん赤旗 2018年1月16日(火) 日大 新設学部の英語非常勤講師雇い止め 授業丸投げも計画 業務委託化、文科省の原則に抵触  日本大学が危機管理学部とスポーツ科学部で、英語担当の非常勤講師16人全員に雇い止めを通告した問題で、学部当局側に、授業を外部業者に丸投げする計画があったことが分かりました。文科省が認めていない外部委託化で雇い止め通告した姿勢が問われます。  授業丸投げ計画は、学部当局が雇い止めを通告した昨年11月の説明会で明らかにしたもので、非常勤講師が録音をとっていました。  学部側は雇い止め理由について、「英語の教育課程を再構築する」と説明。非常勤講師が新しい教育課程を自分が受け持てないのかと質問すると、「プ ログラムを運営するところと、先生方との契約関係が発生した場合、我々が何か申し上げることはございません」「まだ、どういう業者であるとかお知らせでき ません」として、「業者」に運営を任せる考えを示しました。  非常勤講師が「われわれがその業者に雇われれば、また来年度、ここで教鞭(きょうべん)を取ることができるかもしれない」と確認すると、「可能性という点では、あるかもしれません」と答えました。 直接雇用の責任  2006年1月の文科省大学振興課の見解「大振―八」は、「学校が責任をもって教育を実施するには、実際に教育にあたる教員について、人事権、懲 戒・分限権、指揮・監督権を学校が有することが必要」だと、直接雇用の原則を指摘。「請負契約による講師は、学長の権限と責任の下において、自ら授業を行 うことが困難」だとして、業務委託・請負契約に歯止めをかけています。  授業を業者丸投げにする業務委託化はこの原則に抵触し、教育の質の低下も懸念されます。業務委託化された授業の講師に、大学側が指揮命令すれば、今度は派遣法、職業安定法に違反する「偽装請負」になります。  そのため、たとえば東京大学では非常勤講師の業務委託契約を改め、労働契約に切り替えています。  日大の両学部は、2016年4月に新設されたばかりであり、文科省の学部新設認可は、最初の卒業生を出す20年3月の完成年度までの計画で受けて います。首都圏大学非常勤講師組合は、認可不履行の雇い止め、偽装請負化だと批判して、文科省に指導を要請。文科省は昨年12月13日、日大からの聞き取 り調査を実施しています。  昨年12月27日の非常勤講師組合による団体交渉で、大学側は、「英語の授業を5人の両学部専任教員と、他学部の専任教員で担当する」と答えたものの、まだ誰にも授業担当の依頼をしていない白紙状態でした。「外部委託の可能性も考えている」とも述べました。 組合が撤回要求  組合側が雇い止め撤回を要求すると、大学側は「非常勤講師が担当する可能性も考えている」「16人全員の交渉はどうなのか。個々の組合員について協議したい」として、組合に加入すれば雇い止め撤回を含めた協議をする考えを示しました。  英語の担当は決まったのかなど、日大に9日、問い合わせましたが、15日までに回答はありませんでした。  非常勤講師組合は、日大の教育の質を守るため、「偽装請負」や専任教員の負担増による穴埋めに反対し、雇い止めを撤回しようと組合加入を呼びかけています。 "[he-forum 19463] RE: [he-forum 19461] 河北新報1/12","高等教育フォーラム各位  東北大学で,法人化時に過半数代表制の設計に携わった一人として,本件について見解 を述べました。 Google+ (どなたでもご覧いただけます) https://plus.google.com/u/0/111914211653276243730/posts/9SxJZiQZFju Facebook (アカウントをお持ちの方がご覧いただけます) https://www.facebook.com/nozomu.kawabata.5/posts/852279161604714?pnref=story 東北大学大学院経済学研究科 川端望 -----Original Message----- From: owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp [mailto:owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp] On Behalf Of he-forum-news Sent: Friday, January 12, 2018 7:54 AM To: 全大教 高等教育フォーラム Subject: [he-forum 19461] 河北新報1/12 河北新報2018年01月12日金曜日 <東北大雇い止め>非常勤講師ら大学側を告発「就業規則変更は無効」  東北大が3000人規模の非正規職員を3月末以降、順次雇い止めにする問題で、非正規の雇用期間を最長5年と変更するな どした2014年 や16年の就業規則改正は違法だとして、首都圏大学非常勤講師組合のメンバー3人が11日、労働基準法(就業規則変更の手続き)違反の疑 い で、東北大と里見進総長、理事7人を告発する書面を仙台労働基準監督署に提出した。  労基法は、就業規則を変更する際に労働者の過半数を代表する人から意見を聞くよう使用者に義務付けている。告発状によると、東北大は14年 や16年の変更を前に、13年3月や15年3月に実施した代表選出の手続きに非常勤講師らを参加させなかったという。  メンバーは「非常勤講師らを参加させない過半数代表の選出は13年、一橋大が労基署から違法と指導されている。東北大でも違法に変更された 就業規則は無効だ」と主張する。  東北大は「告発の内容を承知しておらず、現時点でのコメントは差し控える」との談話を出した。 "[he-forum 19465] しんぶん赤旗1/17","しんぶん赤旗 2018年1月17日(水) 日航グループJGS 5年雇い止め撤廃 131人無期転換 労組の要求実る  日本航空グループでグランドハンドリング(空港の地上業務)を担う「JALグランドサービス(JGS)」で、契約社員を上限5年で雇い止めにする制度を撤廃し、4月から希望者全員が改正労働契約法に基づき無期契約に転換できることが、16日までに分かりました。  航空労組連絡会(航空連)加盟のJGS札幌、東京、大阪、九州の各労働組合でつくるグラハン労連の取り組みが実ったもの。契約社員の大部分が働く羽田、成田両空港では、400人のうち4月時点で雇用5年以上となる131人に無期転換権が発生します。  グラハンの役割は、荷物の積み下ろし、航空機の誘導、機内清掃、体の不自由な乗客の搭乗サポートなど多岐にわたります。安全でスムーズな離発着を支えます。長く働き続けることで培われる経験と連携が重要な仕事です。  ところが、会社側は2013年4月、契約社員の就業規則に「通算契約期間は5年を限度とする」と5年雇い止めを書き入れました。その理由は「労働契約法改正に伴う対応」となっており、5年無期転換ルールを逃れるためでした。  JGS東京労組は、安定した雇用を確保してこそ空の安全を支えることができると主張。5年雇い止め撤回、無期転換実現を要求に掲げ、13年夏から 団体交渉にのぞみました。無期転換問題を訴えるビラで社内世論をつくりました。15年からは、グラハン労連の統一要求にして会社に迫りました。  昨年の春闘で会社は、無期転換について検討中として「具体的な内容を提示したい」と約束。年末の団体交渉でJGSグループ各社から「通算契約期間5年限度は撤廃する。希望者は無期転換する」という回答を引き出しました。  JGS東京労組書記長(グラハン労連事務局長)の安藤雄二さんは、「大企業が法の趣旨に外れる無期転換逃れの脱法行為をしているとニュースにな り、社内の有期雇用の労働者から不安の声が出されていました。JGSで無期転換できる仕組みを勝ち取り、雇用を守った意義は大きい」と強調。「無期転換後 の労働条件改善や正社員化にも取り組んでいきます」と話しました。 "[he-forum 19467] 河北新報1/27","河北新報 2018年01月27日土曜日 <東北大雇い止め>地位確認求め労働審判申し立てへ  東北大が3000人規模の非正規職員を3月末から順次雇い止めにする問題で、雇用継続が見込めない見通しの非正規職員らの一部が2月初旬にも、同大に地位確認を求める労働審判を仙台地裁に申し立てる方針を固めたことが26日、分かった。  同大には、通算勤務期間が5年超の非正規職員が約1050人在職。同大は4月、業務や勤務時間を制限した上で無期雇用に転換する「限定正職員」制度を導入する予定だが、既に実施した採用試験では669人しか合格していない。  申し立て予定の非正規職員側は「当然、雇用継続を期待した。新制度の導入は無期転換をできるだけ発生させないためにほかならず、雇い止めに合理的な理由はない」と主張している。  弁護団によると、申し立ては数人で始め、随時追加を受け付ける。  2013年4月施行の改正労働契約法は、18年4月以降に非正規労働者の有期契約が更新を重ねて通算5年を超えた場合、労働者の希望に応じて無期雇用に転換できると定める。  同様の雇い止めを巡り、宮城大や山形大でも大学側と職員組合の団体交渉が続いている。 "[he-forum 19466] 退職金・賃金減額裁判の上告文書と,京都大学の上告文書・棄却決定文書","元佐賀大学の豊島です. 佐賀大学の退職金裁判は,高裁判決を不服として,1月19日付で上告の文書(上告理由書,上告受理申立理由書)を最高裁に提出しました.目次付き(各節へのリンク)のHTML文書で公開します.(長いので,いずれ簡潔に要点をまとめたものも用意したいと思います.) また,国立大学職員の給与・退職金減額に対する一連の訴訟で最高裁まで行った京大訴訟についても,京大職組の了解を得て,同様の文書を公開します.(これは昨年6月に「上告棄却」の決定が出されています.) 上告理由書(佐賀大学) http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/appeal/jokokuriyusho-saga.htm 上告受理申立て理由書(佐賀大学) http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/appeal/jokokujurimousitate-saga.htm 上告理由書(京都大学) http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/appeal/kyodai/jokokuriyu-kyodai.htm 上告受理申立て理由書(京都大学) http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/appeal/kyodai/jokokumousitateriyu-kyodai.htm これに対する,最高裁の「調書」(棄却の通知) http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/appeal/kyodai/jokokukikyaku-kyodai.htm 同,書類イメージ http://ad9.org/pegasus/UniversityIssues/taishokukinsaiban/appeal/kyodai/kikyaku-kyodai.pdf 以下,公表の目的などについて少し述べます. 綿密かつ説得力ある京大原告らの上告文(上告理由書・上告受理申立て理由書)に対する最高裁の上記決定文は,単に上告理由に当たらないと述べるわずか数行のもに過ぎず,これでは最高裁が原告の文書を真面目に読んだかどうかさえ分かりません. 裁判所と言うものが「説明責任」を問われない存在である以上,決定文では少なくとも「仕事はした」かどうか判別できる情報を出す義務があると言うべきでしょう.この決定文はこれに反し,恐ろしく権威主義的で傲慢な態度と言うほかはありません. このようなことがまかり通る原因の一つは,この種の裁判が,一般からだけでなくメディアからも全く注目されていないと言うことにあるでしょう.当事者以外は「誰も見ていない」,つまり裁判官らの羞恥心を刺激する要因がほとんどないのです. そこで,少しでも広くこれらの裁判について知ってもらうためには,関係文書をネット上に,しかも裁判所が提供する紙のイメージではなく,検索かつリンク可能なハイパーテキストで公開することが有用だと考えました.そこで手間をかけてこのような文書を作っています. ブログからもこれらの文書にリンクしています. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2018-01-28 豊島耕一 ペガサス・ブログ http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ (記事数 1,428, アクセス累計583万 ? 2018年1月14日現在) http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 "[he-forum 19470] リセマムBIZ 1/29","リセマムBIZ 2018.1.29 Mon 18:45 「各都道府県に国立大学」学部は規模縮小を検討…国立大学協会  国立大学協会は2018年1月26日、「高等教育における国立大学の将来像(最終まとめ)」を公表した。教育や研究、経営形態などの方向性や検討すべきモデルを提言し、その中で「全国各都道府県に国立大学を置く」という原則を堅持する考えを示した。  「高等教育における国立大学の将来像(最終まとめ)」では、高等教育の歴史と現状、高等教育を取り巻く社会構造の変化、世界の高等教育・学術研究動向の変化などとともに、将来の状況変化を踏まえた高等教育全体の在り方を考察し、国立大学の将来像について提言。   国立大学の今後の使命とその実現のステップとして、今後少なくとも10数年後以降の将来(2030年ごろ)の日本と世界が直面する状況を把握したうえで、 それまでに「国立大学の機能の最大化」と「将来に向けての準備」を進める必要性があるという。「国立大学の機能の最大化」とは、先進的な研究の高度化とイ ノベーション創出を牽引できる人材を育む教育の充実のこと。「将来に向けての準備」とは、留学生や社会人を含む多様な入学者の受入れ拡大、国立大学総体と しての連携・協働、経営力の強化、国・地域・産業界などからの戦略的な投資の呼び込みなどを指している。  国立大学の将来像については、 「教育」「研究」「産学連携・地域連携」「国際展開」「規模および経営形態」「マネジメント」という6つの方向性を提示。たとえば「教育」では、教員養成 課程において初等中等教育の教員養成の高度化に対応するため、広域エリア内での国公私を越えた連携・統合も含めて検討を行い、機能の強化・充実、教職大学 院の拠点としての役割・機能の明確化を図ることを掲げている。  「規模および経営形態」では、全都道府県に少なくとも1つの国立大学を設置するという、戦後の国立大学発足時の基本原則を堅持すると明記した。学部の規模については縮小を検討するが、進学率が低く、進学者の国立大学の占める割合が高い地域にあたっては、さらに進学率が低下しないよう配慮すべきと指摘している。   1大学あたりの規模を拡大して経営基盤を強化するため、複数の大学を統合させるのではなく、全都道府県に国立大学(キャンパス)を維持しつつも、複数の地 域にまたがって国立大学(キャンパス)間の資源配分・ 役割分担などを調整・決定する経営体導入を提案。機能的に重複して保有する資産については、整理・有効活用のほか、再配置を検討。広域的な視点から国立大 学(キャンパス)の機能強化につなげる考え。  多くの大学が有する附属病院や附属研究所に関しては、経営の独自性・自立性を高める観点か ら、国立大学法人から切り離して分社化するなど、独立した事業部門としての位置付けを明確化する方策を検討する。また、「マネジメント」でも、学長をはじ めとする国立大学の将来の経営層を育成するシステムや研修プログラムを、国立大学共同で構築することを提案している。  国立大学協会では、今後さらに改革の在り方などを検討し、具体的な方策案を含めたまとめを提言したいとコメントしている。「高等教育における国立大学の将来像(最終まとめ)」は、国立大学協会Webサイトにて公開されている。 《黄金崎綾乃》= "[he-forum 19469] しんぶん赤旗1/30","しんぶん赤旗 2018年1月30日(火) 条件付き「高等教育無償化」 「大学自治への介入」 いかがなものか 国大協・山極寿一会長が批判  国立大学協会の山極寿一会長(京都大学長)は26日の総会で、安倍政権が昨年12月に閣議決定した「政策パッケージ」で示した高等教育無償化をめぐる条件を「大学の自治への介入だ」と厳しく批判しました。  安倍政権の「政策パッケージ」は、無償化の対象になる大学について、理事の2割以上を産業界などから任命することや、実務経験のある教員を必須単 位の1割以上に配置することなどが盛り込まれています。子どもたちにとっては、進学した大学が要件を満たしていなければ授業料は無償化されません。  高校や大学の関係者らから、子どもたちの進学を“人質”にして財界による大学支配を強めるものだとの批判の声が上がっています。  山極会長は総会後の記者会見で、安倍政権が決定した高等教育無償化をめぐる方針に関し、「大学に条件を付けるのはおかしい」と主張。個人の意見と しながら、「困窮状態にある学生の進学の希望をかなえるのが重要なら、学生が行きたい大学に条件を付けるのはいかがなものか」と述べました。= "[he-forum 19468] 大学ジャーナルオンライン1/30","大学ジャーナルオンライン 2018年1月30日 政府の高等教育無償化の支援方法に異議 日本私立大学連盟 大学ジャーナルオンライン編集部 予算国立大学私立大学  日本私立大学連盟は政府が打ち出した高等教育の無償化について、支援方法で国立大学と私立大学間の差が大きく、国私間格差の固定化を促しかねないとする意見を発表した。政府には大学の設置形態によらず、学生1人ひとりの能力と経済状況に応じた対応をするよう求めている。  日本私立大学連盟によると、政府は2017年12月に「新しい経済政策パッケージ」を閣議決定し、高等教育の無償化で約8,000億円を予算措置 した。しかし、国立大学に進学する学生は授業料がすべて免除されるのに対し、私立大学へ進学する学生は「国立大学の授業料に加え、私立大学の平均授業料の 水準を勘案した一定額を加算した額まで」との案が示されている。 日本私立大学連盟はこれでは国立大学と私立大学の格差固定化を促しかねないと反発し、日本私立大学団体連合会を通じて政府に改善を要望した。  日本私立大学団体連合会は2017年12月、政府に対して高等教育の機会均等を求める要望をしている。その中で学部学生1人当たりの公財政支出が国立大学と私立大学で約13倍の差を生じていることに触れ、現状の格差は不合理で抜本的是正が急務だと主張している。 参考:【日本私立大学連盟】「新しい経済政策パッケージ」(平成29年12月8日閣議決定)への対応について "[he-forum 19471] しんぶん赤旗2/2","しんぶん赤旗 2018年2月2日(金) 独立行政法人 無期転換逃れただせ 田村氏 人件費増へ予算を  日本共産党の田村智子議員は1日、参院予算委員会の補正予算締めくくり総括質疑で、独立行政法人の無期転換逃れの雇い止めをやめさせるよう追及し ました。理化学研究所では、無期転換権が発生する506人のうち、権利行使できるのがわずか13人であることが明らかになりました。  理研の非常勤職員1764人のうち、次回契約更新で無期転換権が発生するのが506人。ところが、148人は選別採用される別の「無期雇用職」となり、引き続き雇用予定は13人で、雇い止めは345人にのぼることがわかりました。  田村氏は「無期転換は、労働者が申し込めば無条件で無期契約になるというものだ。(無期雇用職への)選抜・選考とはまったく違う」と批判しました。  理研の板倉周一郎理事は「すべての非常勤職員を無期雇用化することは困難だ。雇用期間に上限のある有期雇用にならざるを得ない」と言い訳しました。  田村氏は「理研は労働組合に対して、無期転換権が発生するから切ると説明している。ベテランの責任感ある職員を使い捨てにして研究に悪影響は避け られない」と強調。林芳正文科相は「無期雇用化の取り組み全体について、職員と相互理解が進むようつとめることが重要だ。労働関係法令にもとづき適切に対 応がなされるよう理研に伝えたい」と答えました。  田村氏は「独立行政法人が無期転換逃れに懸命になるのは予算確保の問題がある。人件費と別枠になっている非常勤職員を無期転換すれば、人件費増額を認めるべきだ」と提起しました。  安倍首相は、「無期転換を意図的に避ける目的の雇い止めは望ましくない。無期転換への対応が円滑に行われるよう適切に対応してまいりたい」と答えました。= "[he-forum 19473] 東京新聞2/1","東京新聞 2018年2月1日 17時40分 東北大の雇い止め違法と労働審判 非正規職員6人申し立て、全国初  東北大に勤める40~60代の非正規職員6人が1日、自分たちを含む大量の非正規職員を3月から雇い止めにするのは違法として、雇用継続を求める労働審判を仙台地裁に申し立てた。弁護団によると、大学の雇い止めを巡る労働審判の申し立ては全国で初めて。  申立書によると、6人は東北大に5年以上勤務。2013年4月施行の改正労働契約法では、雇用契約が5年を超えた場合、非正規職員の希望に応じて無期雇用に転換できると規定しており、既に名古屋大や山形大などがこの「無期転換ルール」を導入している。  一方、東北大は約3千人規模の非正規職員を雇い止めにする方針を発表した。 (共同) "[he-forum 19472] 河北新報2/1","河北新報 2018年02月01日木曜日 <東北大雇い止め>非正規職員ら労働審判申し立て   東北大が3000人規模の非正規職員を3月末から順次雇い止めにする問題で、雇用継続が見込めない見通しの非正規職員ら 40~60代の男女6人が1日、同大に地位確認を求める労働審判を仙台地裁に申し立てた。弁護団によると、大学の雇い止めを巡る労働審判の申し立ては全国 で初めて。  申立書などによると、6人は単年度更新の有期契約で、全員が既に通算勤務期間5年を超えている。同大は4月、業務を制限した上で無期 転換する「限定正職員」制度を導入するが、5年超の勤務実績がある非正規職員約1050人のうち、同制度の採用試験の合格者は669人にとどまる。  仙台市内で記者会見した東北大職員組合の片山知史執行委員長(農学研究科教授)は「希望者は全員無期転換してほしいと交渉を続けたが、大学側はかたくなに拒否してきた。新制度は違法、無効であることを明らかにし、撤回を求めていく」と述べた。  2013年4月施行の改正労働契約法は、18年4月以降に非正規労働者の有期契約が更新を重ねて通算5年を超えた場合、労働者の希望に応じて無期雇用に転換できると定める。 "[he-forum 19474] しんぶん赤旗2/2","しんぶん赤旗 2018年2月2日(金) JETROの無期転換逃れ 雇い止め文書を撤回 田村議員に経産相表明  日本共産党の田村智子参院議員は1日の参院予算委員会で、日本貿易振興機構(JETRO、経済産業省所管)が、有期雇用労働者の無期雇用転換から逃れるために雇い止めを行うと内部文書で言明していると追及し、雇い止め撤回と無期雇用への転換を指導するよう求めました。  世耕弘成経済産業相は「文書を撤回し、労働契約法の趣旨を周知徹底し直すように指示した」と答弁。雇い止め通告を受けた有期雇用の嘱託職員に無期転換の道が開かれることになりました。  嘱託職員からは「とてもうれしい。撤回させるなんてすごい。無期転換を必ず実施してほしい」との声が上がっています。  JETROは、2017年3月に総務部長名で「取扱注意」とした内部文書を課長・所長らに出し、嘱託職員に雇い止めがあると説明するよう指示しま した。同文書では「無期転換の対象者は相当限定せざるをえません。18年度の契約が締結されない場合は17年度で雇用は終了します」として、無期転換逃れ のために雇い止めを行うと明言していました。  JETROの嘱託職員は373人、雇用継続で無期転換できる職員は140人もいます。職場では指示に基づいて説明が行われ、昨年末から雇い止めを通告。「無期転換できると期待していたのにひどい」と批判の声が上がっていました。  日本共産党の田村智子議員は1日の参院予算委員会でこの内部文書を示して、「無期転換を逃れるための雇い止めは許されない」と追及しました。(関連記事)= "[he-forum 19475] 週刊東洋経済オンライン2/5","週刊東洋経済オンライン 2018年02月05日 没落する地方国立大の何とも悲惨な台所事情 個人研究費年50万円未満の教員が6割 西澤 佑介 : 東洋経済 記者 日本の大学が危機に瀕している(イラスト:門川 洋子、デザイン:新藤真実) 岡山大学で免疫細胞を研究する田中智之教授の研究室には、計15人の学生が所属する。 「僕らぐらいの陣容の研究室だったら最低限の実験機材、試薬代などで年間500万円はないと回らへん」(田中教授)。だが、大学から定期支給される 研究費(運営費交付金に基づく講座費)はたかだか年50万円しかない。日本学術振興会の競争的資金制度である科学研究費(科研費)助成事業に応募したり、 民間の科学研究助成財団からかき集めたりするが、十分な資金を安定的に確保するのはなかなか難しい。 地域の人材輩出機関としての権威からほど遠い 地方国立大学は「地域の雄」である。通う学生の多くは、地元でもよりすぐりの進学校から入学し、卒業後は地域のエリートとして地方の産業や行政を支える。しかし、今の地方国立大学を取り巻く現状はそんな地域の人材輩出機関としての権威からはほど遠いものだ。 2月5日発売の『週刊東洋経済』は、「大学が壊れる」を特集。資金不足で疲弊する国立大学や、18歳人口の減少でいよいよ淘汰の時期を迎えた私立大学の実情を特集している。 文部科学省が2016年7月に行ったアンケートで、国立大学教員の窮状が明るみになった。所属機関から研究者に支給される個人研究費は、「50万円 未満」と答えた教員が6割にのぼったのだ。「年の終わりになる11月~12月頃になると、研究資金が底をついて開店休業状態になるラボが続出する」と、取 材に答えたある地方国立大学理系学部の教授は話す。 研究に要する金額が大きい理系学部において、これは深刻な事態を生む。「研究室配属になった学生は、教員たちと一緒に研究をすることが教育にもなる。したがって開店休業状況では学生の教育すらできなくなる」(同教授)。 どうしてこうなったのか。 多くの国立大教員は2004年の国立大学の独立行政法人化が転機になったと話す。国は、国立大学へ定期配分する基盤的予算(運営費交付金)を年々削 減し、研究資金は公募・審査を通じた競争的資金で取ってくる形に変わった。しかも、その競争的資金の配分は、しばしば最新機器があって人数の多い大規模研 究室や、学会の有力者がいる研究室に有利となるバイアスがある。結果として、研究資金は東大・京大など一握りのトップ大学に過度に集中する形となった。 他方で地方国立大学は、運営費交付金削減の影響をもろに被って、教員の新規採用凍結(定年などで退職した教員のポストの不補充)や、個人研究費の削 減を余儀なくされた。教員は減っても、授業は既存の教員が受け持たなければならないので、教育負担は増えて研究時間は減った。このように資金面でも時間面 でも研究しにくい環境になった。 カネに窮する国立大学は、そして何のために行うのかわからないような「大学改革」に乗り出す。たとえばカリキュラム変更や、グローバル化対応を目的とした頻繁な改組、新学部の開設などである。 名目としては、世の中の変化に対応して大学の社会的存在感を高めるためであるが、文科省から改革に関する補助金を得られるからという事情も大きい。 それがまた、改革を本質的でないものとし、教員達は関連する学内事務に膨大な時間を割かれることになり、疲弊ぶりを深めてしまう逆効果になっているのであ る。 国立大学の科学研究論文は10年前から2620本減 日本の研究力の低下が叫ばれている。科学論文数の世界シェアの順位は主要先進国の中で日本だけが顕著に落ちている。文部科学省 科学技術・学術政策研究所「科学研究のベンチマーキング2017」によれば、2013~2015年における国立大学の科学研究論文は3万1850本と10 年前から2620本減、8%減となっている。 ドイツが代表例だが、欧米では比較的層の厚い中堅上位校が論文生産量と研究の多様性を担保している。日本の改革は、中堅層の大学を没落させる結果となった。 競争原理による集中は、マクロで見ても研究力を強くはしなかった。週刊東洋経済が2月5日発売号の特集で国立大学における研究費と論文の生産性を独自に調べてみたところ、一握りの上位大学だけに資金を過度に集中させても論文の生産性は結局上がらないこともわかった。 日本国内で産み出される論文の半分は、国立大学に所属する教員たちによるもの。研究力の低下を突きつめれば、科学研究の担い手である国立大学の疲弊が表面化したものであるといえる。 "[he-forum 19476] 東洋経済オンライン2/6","東洋経済オンライン 2018年02月06日 完全飽和の私大600校を襲う大淘汰の幕開け 18歳人口の減少が2018年から再び加速 山田 徹也 : 東洋経済 記者 全国に600校余りある私立大学に、「2018年問題」という大波が押し寄せようとしている。 大学の「主要顧客」である18歳人口は、ピーク時の1992年に200万人を超えていたが、その後減少に転じ、2017年のそれは120万人へ4割 減少した。2000年代後半に減少ペースはいったん鈍ったが、2031年には100万人を切る。「2018年問題」とは、18歳人口の減少スピードが 2018年に再び加速することにより、私立大学の経営を大きく直撃するという問題を指す。 2月5日発売の『週刊東洋経済』は、「大学が壊れる」を特集。 資金不足で疲弊する国立大学や、18歳人口の減少でいよいよ淘汰の時期を迎えた私立大学の実情を追っている。子どもの数は減り続けているのに、大学数は右 肩上がり。1980年に446校だった大学は2016年には約1.7倍の777校へ増加、学部の新増設は毎年のように続く。大学と学生の需給バランスがこ れほど悪化しているのに、経営破綻した大学数は意外と少ないといえるが、「予備軍」は着々と増えている。 「レッドゾーンは21法人、イエローゾーンは91法人」 『週刊東洋経済』2月5日発売号(2月10日号)の特集は「大学が壊れる」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします 2017年末、こんな衝撃的な見出しが新聞紙上に踊った。私立大学の経営を指導している日本私立学校振興・共済事業団が、私立の大学・短期大学を経 営する全国660の学校法人の2016年度までのデータを調べたところ、自力再生が極めて困難な「レッドゾーン」、経営困難状態である「イエローゾーン」 の法人合計で全体の2割弱に上ることがわかった。 同事業団の野田文克・私学情報室長は「過大な設備投資をした年は運用資産が減るため、経営状態が一気に悪化する。(上記のシミュレーションは)あくまで大ざっぱなもので、赤字だから即破綻ということではない」と指摘する。 ただ、私立大の本業である教育研究活動のキャッシュフローでみると、過去2期赤字の私立大は週刊東洋経済2月5日号で編集部が試算した限りでも約 50法人に及ぶ。地方の下位大学ばかりではない。国際基督教大学のような都内の有名私大も含まれている。企業と異なって巨額の有利子負債を抱える法人は少 ないが、教育研究活動の収入に対するキャッシュフロー赤字の割合が数十%に上る法人もいくつか存在する。 私立大学の典型的な収支構造は、半分強の学生等納付金、1割程度の補助金、残り大半が事業収入という収入構成に対し、人件費が5割、教育研究経費が3割強、管理経費は1割を占めている。 収入のうち、財政難の国からの補助金は、これ以上の増額が見込めない。収入の柱である学納金を増やすには、学生数が減るなら単価である授業料を値上 げするしかない。ただ、「米国の大学と比べて日本の私大の学費は安いが、デフレ下の日本で学費値上げを本当に打ち出せるのか」(大手私大幹部)と、難色を 示す私大が多い。一方、費用の5割を占める教職員人件費を削るのは企業のリストラほど簡単にはいかない。「入」も「出」も、にっちもさっちもいかない状態 にあるのが今の私立大学の財務状況だ。 文部科学省の私大担当者の頭をよぎるのは、数年前の苦い記憶だ。群馬県高崎市で創造学園大を経営していた堀越学園が、理事長のワンマン経営による拡 大路線の末に経営破綻。2013年に文部科学省が異例の解散命令を出す事態に至った。在学中の学生そっちのけの混乱が繰り広げられ、私立大の経営破綻時の 処理が真剣に検討される、1つのきっかけとなった。 文科省は2016年から2017年にかけて、有識者を集めて「私立大学等の振興に関する検討会議」を開催。経営困難に陥る私立大が続出することを想 定し、大学間の相互扶助や学生の転学支援を検討する必要がある、と提言した。その後、中央教育審議会の将来構想部会において、国公私立大の枠を超えた、さ まざまな大学間連携・統合のあり方も議論されている。 大学の淘汰時代の幕開け 「早慶GMARCH」のように、在学する学生数が8000人を超える大規模私立大(58校)と、4000人以下の小規模私立大(456校)との経営、体力格差はますます広がっている(学校数は私学事業団、2016年度)。 「『東京大学が滑り止め』という優秀な(日本人の)高校生が登場し、アジアで欧米大学との獲得競争も起きている」(法政大の田中優子総長)とし、大 学経営の視点をグローバルに広げようとしている上位私大と、国内でいかに生き残りを図るか、四苦八苦している下位私大を同じ枠組みで議論するのはなかなか 難しい。 私大の再編や譲渡で企業と異なる点は、学生という特殊なステークホルダーの存在だ。私大同士の合併も、カリキュラムや学生の質が異なることが多く簡単ではない。 経営の苦しくなった地方の私大を自治体が引き取って公立大学化する動きも出ている。長野県の諏訪東京理科大学のほか、新潟県柏崎市の新潟産業大学が 公立大学法人化を検討している。私大より授業料が安いため、公立化した大学は学生の人気を集めているが、赤字を税金で付け替えているともいえ、一時しのぎ にすぎない。 定員割れ大学が私大全体の4割を占めるようになって久しい。完全に飽和した状態で教育無償化に関する詳細な制度設計の議論がスタートする中、この2018年はもう避けられない大淘汰時代の幕開けとなる。= "[he-forum 19477] しんぶん赤旗主張2/6","しんぶん赤旗 2018年2月6日(火) 主張 無期雇用転換逃れ 雇い止め許さぬ対処を急げ  改定労働契約法にもとづき有期雇用労働者が通算5年以上同じ会社で働いた場合、本人が申し込めば無期雇用に転換できるルールが4月から開始するの を前に、「無期雇用逃れ」をはかる違法・脱法行為が、自動車大手や大学、独立行政法人などで相次ぎ明らかになり、大問題になっています。労働組合のたたか いや日本共産党の国会論戦などで雇い止めを撤回するケースも生まれていますが、安倍晋三政権の対応はまだ立ち遅れており、このままでは大量の雇い止めが生 まれかねません。政府・厚生労働省は抜本的な緊急対策を強化すべきです。 脱法行為の深刻な広がり  厚労省によると、有期契約の労働者は約1500万人に上り、その3割、400万人以上が5年以上同一企業で働いており、ルールが適用されれば無期雇用への転換に道が開かれます。  ところが、日本共産党の小池晃書記局長が昨年の国会質問で追及したように、多くの企業が違法な雇い止めをしたり、脱法行為で無期転換逃れをはかろ うとしていることが判明、深刻な実態が次々表面化しています。指摘を受けた厚労省が昨年末に自動車メーカー大手10社を調査したところ、5社が、改定法施 行(2013年)後に再雇用までの「空白期間」(クーリング)を6カ月に変更していました。同法第18条2項で6カ月の空白期間があるときはその前に契約 して働いた分を「通算契約期間に算入しない」という、法の“抜け穴”を悪用した脱法行為です。これが広がれば無期転換権を行使できる有期雇用の労働者はい なくなります。  電機メーカーでも無期転換ルール開始を前に、不合理な雇い止めがなされる懸念があることが労働組合の調査でわかりました。  重大なのは、政府が所管する独立行政法人でも「雇い止め」になるケースが発覚していることです。経済産業省所管の独立行政法人である日本貿易振興 機構(ジェトロ)が140人の嘱託職員の「雇い止め」をすすめるよう内部文書で指示していたことがあきらかになり、日本共産党の田村智子参院議員の追及に よって、世耕弘成経産相が「文書の撤回」を指示したことは、問題の根深さを示すものです。政府の足元の所管法人で「安定雇用の確保」という法の趣旨に反す る事態がまん延していることは、安倍晋三政権の姿勢が問われる問題です。  各地で労働組合が無期転換の実施を求めて奮闘し、労働者が組合に加入して立ち上がっていることは重要です。東大教職員組合は「5年雇い止めは法の 精神に反する」と世論にも訴えて大学側を追い詰め、すべての有期雇用の「5年上限」と6カ月のクーリングを完全に撤廃させました。有期雇用職員は8000 人にのぼります。 事態は切迫、緊急対策を  日本共産党は、厚労省に、労働者に無期転換権を周知徹底する、事業主に法の趣旨を徹底する、自動車や電機メーカーの実態調査などを緊急に申し入れ ました。安倍首相は施政方針演説で「非正規という言葉を一掃する」と表明しましたが、それならば言葉だけにせず雇い止めを許さない厳格な指導を行い、法改 正にも踏み出すべきです。4月まで時間が限られており事態は切迫しています。政治は今こそ責任を果たすべきです。= "[he-forum 19479] 日本経済新聞2/6","日本経済新聞 2018/2/6 10:27 ノーベル賞の梶田氏ら会見「日本の研究力低下懸念」  ノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章・東京大学宇宙線研究所長らは6日、研究予算の削減が深刻だとして東京都内で記者会見を開いた。全国の国立大学 が共同利用などにあてる研究所の研究予算が2018年度に平均6.6%削減される見通しだとし、文部科学省に改善を求めたことを明らかにした。梶田所長は 「日本の研究力をさらに落としかねない状況」と危機感をあらわにした。  会見には、東大地震研究所や北海道大学遺伝子病制御研究所などの所長らが出席した。全国の国立大には、共同利用などの拠点となる研究所が70程度ある。  文科省への要望では、18年度の研究予算が平均6.6%減となるうち、各大学の研究所が手がけるプロジェクト分については20%減を強いられるとして見直しを求めた。  会見では、研究成果を測る指標になる学術論文数の伸びは日本全体が10~15年で2%増に対し、共同利用の研究所を活用した論文数は52%も増えたと指摘。こうした研究所が衰退すれば、日本全体の研究力が低下すると強調した。  東大地震研の小原一成所長は「地震や火山の観測研究をしているが、予算減によって防災への影響が出かねない」と訴えた。 "[he-forum 19478] 朝日新聞2/6","朝日新聞 2018年2月6日15時09分 研究費8億円減、梶田所長が抗議「基盤揺らぎかねない」 杉本崇  国立大学の研究所代表でつくる「国立大学付置研究所・センター長会議」の梶田隆章会長(東京大宇宙線研究所長)は6日、政府の新年度予算案で研究プロジェクト費が8億円削減される見通しになったことに対し、「研究の基盤が揺らぎかねない」と述べた。海底に設置した地震計が回収できなくなったり、火山の観測データに欠損が出たりする恐れがあるという。  国立大学には約80カ所の研究所があり、大型プロジェクトなどを担う共同研究の拠点になっている。梶田さんは記者会見で、「研究所を活用した学術 論文の数はここ5年間で52%増えた」と実績を挙げた上で、予算削減で研究計画が滞るなどの影響が出る可能性があると説明した。  文科省によると、新年度予算案では、全国の国立大学研究所の研究プロジェクト費は2割減る方針。交付される予算は、今年度の61億円から新年度は53億円にとどまる見込み。研究所の運営経費は維持される。  一方、新年度予算では、新しい政策として、海外から来た研究者の滞在費や旅費の支援に3億6千万円が盛り込まれた。これに対し、梶田さんは「研究費を補うものにはならないだろう」と話した。(杉本崇)= "[he-forum 19480] しんぶん赤旗2/8","しんぶん赤旗 2018年2月8日(木) 独立行政法人・国立大法人・私大など 「無期転換」徹底を 文科省に党国会議員団申し入れ  日本共産党国会議員団は7日、文部科学省が所管する独立行政法人や国立大学法人、私立大学などで有期雇用労働者が無期雇用に転換されるのを逃れるための雇い止めが起きないよう、労働者に対して権利について周知徹底をおこなうなどの緊急対策を実施するよう申し入れました。  申し入れたのは(1)各法人などの労働者に対し無期転換権について、あらゆる手段で周知徹底を行う(2)無期転換ルールを避ける目的で、合理的な 理由のない雇い止めや、6カ月のクーリング(空白)期間の悪用などの脱法行為が起こらないよう、法の趣旨を徹底する(3)各法人などに実態調査を実施する (4)人件費を確保できるよう必要な予算措置を行う―です。  田村智子副委員長が丹羽秀樹文科副大臣に申し入れ書を手渡しました。高橋千鶴子衆院議員は、「4月を前に、大変な規模の雇い止めが懸念される。所管官庁からの指導が必要だ。転換権は申し入れれば発生するが、知らない人もいる」と強調しました。  田村氏は、理化学研究所の雇い止めについて、「人件費に組み入れることを嫌がっている。文科省の責任で予算確保を」と要求しました。  吉良よし子参院議員は「私立高校でも有期雇用教員204人の雇い止めが起きている」と指摘し、畑野君枝衆院議員は「文科省からも私学に法の趣旨を示してほしい」と語りました。塩川鉄也衆院議員は、大学側への周知徹底をするよう求めました。  丹羽副大臣は、「引き続き周知できるようにがんばりたい」と話しました。 "[he-forum 19482] 河北新報2/9","河北新報 2018年02月09日金曜日 <非正規雇用>宮教大、無期に転換 5年超の有期職員30~40人が対象  2013年4月施行の改正労働契約法に基づき通算5年を超えて同じ職場で働く有期雇用者が、無期雇用に転換できるルール が今年4月に始まるのを前に、宮城教育大は原則として5年超となる有期職員の雇用を継続し、無期転換する方針を決めたことが8日、同大への取材で分かっ た。  宮教大によると、無期転換の対象者は30~40人。全員が13年4月以前から雇用されていた有期職員で、今年4月から大学に無期転換を申し 込めるようになる。業務や労働時間が正職員よりも制限される新制度「限定職員」の採用試験を昨年末に受験し、不採用になった人も含まれるという。  宮教大の教職員数は約330人。うち有期は約90人で、雇用は原則として最長3年までと定めているが、例外的に延長も認めている。限定職員試験は16人が受験し、8人が合格した。  担当者は「優秀な有期職員には無期転換と限定職員制度という二つの選択肢を設けた。無期雇用によって財政負担の増加は考えざるを得ないが、適正規模で適正業務を実施する大学運営を目指していく」と話す。  有期職員を巡っては、東北大など一部の国立大がルール開始直前の3月末で、5年超の職員を雇い止めにする方針を示している。 "[he-forum 19481] しんぶん赤旗2/9","しんぶん赤旗 2018年2月9日(金) 雇い止め防止徹底を 宮城 高橋議員が労働局聞き取り  日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は8日、宮城県内の雇用情勢や労働環境改善の取り組みなどについて、宮城労働局でヒアリングしました。天下みゆき、中嶋廉両宮城県議と舩山由美県常任委員らが同行しました。  雇用環境・均等室の渡辺安子室長が、4月から始まる改正労働契約法の「無期転換ルール」周知や、特別相談体制の取り組み状況を報告しました。  高橋議員は、宮城大学や東北大学の雇い止め問題を例に「労働者が把握していない就業規則の変更・悪用などさまざまな問題がある。個別の問題だか ら、では済まさず、厳しく対応すべきだ」と述べ、無期雇用への転換を避けるための雇い止めなどが起きないよう徹底することを求めました。  県内の雇用失業情勢について職業安定部職業安定課の斉藤久仁浩課長が、有効求人倍率などは高水準にあることを説明しました。  高橋議員は、雇用状況の好転ではなく人手不足が深刻となっている実態を指摘。担当者は、介護、福祉、建設など各分野で人材が不足していると認め、引き続き対策に取り組んでいくと説明しました。  労働基準部監督課の斉藤俊一課長が、事業所への監督指導など、長時間労働是正に向けた取り組み状況を説明。330事業所に監督指導を行い、162事業所(49・1%)で違法な時間外労働を確認し是正指導を行ったと報告しました。  ヒアリングのあと、高橋議員らは宮城県労働組合総連合を訪れ、ヒアリング内容を報告し懇談しました。= "[he-forum 19483] しんぶん赤旗2/10","しんぶん赤旗 2018年2月10日(土) 火山観測・研究者足りぬ 衆院予算委で塩川氏 高齢化が深刻  12人の死傷者を出した草津白根山の本白根山をはじめ、日本には111の活火山があるのに、火山の観測・研究に従事する「火山の主治医」が足りな い―。日本共産党の塩川鉄也議員は9日の衆院予算委員会で、火山の主治医の高齢化と若手研究者が不足している実態を告発しました。  火山観測は、気象庁とともに大学の観測所が大きな役割を担っています。1月23日の噴火の第一報を入れたのは、東京工業大学の野上健治教授でし た。塩川氏は、野上教授ら火山の主治医が何人いるか、うち40歳未満は何人かと質問。文部科学省は、2016年時点で45人、うち40歳以下は7人だと説 明しました。  塩川氏が「111の活火山があるのに、大学における火山の主治医が数十人。しかも後継者の若手がいない。火山の観測・研究体制が掘り崩されている大問題だ」とただすと、林芳正文科相は「次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト」で人材育成をしていると答えました。  塩川氏は「火山の研究にかかわる就職口はあるのか。火山研究を志そうとしてもどうにもできないのが実態だ」と追及。林文科相は「なるべくできる範囲で」と答えました。  塩川氏は、有珠山噴火の際に北海道大学有珠火山観測所が大きな役割を果たし、死傷者ゼロだった事例を紹介。一方、国立大学の法人化後、東大と北海道大の火山観測所の常駐・常勤の人員がゼロになっている実態を明らかにしました。  小此木八郎防災担当相は「主治医・専門家の育成は一つの課題。今後協議・研究する」と答えました。  塩川氏は「予算で示せ。そもそも国立大学法人化後の運営費交付金の削減が、人件費削減につながり、民間資金獲得が困難な基礎研究である火山研究体制にしわ寄せとなっている」と厳しく追及しました。 "[he-forum 19484] 受信メールアドレスの変更を希望します","高等教育フォーラムからメール配信を受けているものです。 配信していただくメールアドレスを変更したいと思いますが、どのようにすればよいかお知らせください。 "[he-forum 19485] 高知新聞2/9","高知新聞 2018.02.09 08:20 雇い止め問題 高知大学は8割無期転換 県大は全国初の訴訟に  パートや契約社員ら雇用期間が定まっている非正規労働者が同じ職場に5年を超えて勤務すれば定年まで働けるようになる「無期転換ルール」が4月に始まるのを受け、東京大学や徳島大学など全国の大学で無期雇用とする動きが出ている。高知県内でも高知大学が有期契約職員の大半を無期雇用に転換する方針だが、全員が対象ではないため「雇い止めだ」と反発も起きている。高知県立大学では訴訟に発展している。  高知大学によると、高知大学の就業規則は非常勤職員の雇用期間を原則3年、例外措置として5年としている。現在は看護師や窓口業務の職員らが約1200人いるという。  無期転換ルールを定めた改正労働契約法が2013年4月に施行されたのを受け、高知大学は2012年度以前に採用した職員を無期契約の対象にした。8割に当たる約千人が対象で、希望すれば無期雇用される見通しだ。  2013年度以降に採用した職員については、従来通り有期雇用とする方針。このため、高知大学の教職員組合は、最長5年で契約を打ち切られるいわゆる「雇い止め」になるとして「恒常的な業務に携わっている職員は多い。希望者全てに無期転換ルールを」と反発している。  大学人事課は「2013年度以降に採用した人には有期契約であることを明示しており、法に基づいた措置をしている」との認識を示しており、組合側との交渉を続けている。  高知県立大学(現在の非正規職員10人)は雇用期間を「3年」と定める就業規則を変更する予定はないという。  これに対し、2016年3月で契約が切れた元契約職員2人が「3年での打ち切りは合理的理由がない」として同年5月、雇用主の高知県立大学法人と大学後援会を相手に雇い止めの無効を求める訴訟を高知地裁に起こした。大学側は「就業規則に雇用期間を明記している」などと反論している。  高知県立大学の教職員組合によると、職員が「無期転換逃れ」として訴訟を起こしたのは全国の大学で初だという。判決は3月6日の予定。  高知工科大学(現在の非正規職員30人)も雇用期間の上限が5年の有期契約。大学総務課は「無期転換に関する相談は現場から出ていない」としている。 "[he-forum 19486] しんぶん赤旗2/22","しんぶん赤旗 2018年2月22日(木) 海洋研 雇い止め見直し 無期転換逃れは「不適切」 田村議員に回答  国立研究開発法人の海洋研究開発機構(平朝彦理事長、文部科学省所管)が、有期雇用労働者に無期雇用転換できる権利を発生させないことを方針に掲 げ、雇い止めを通告している問題で、方針を撤回し、雇い止めを見直すことが21日までに分かりました。本紙が報じたのを受けて日本共産党国会議員団が文科 省に対応をただしたのに対し、同機構が田村智子参院議員事務所に回答してきたものです。  同機構は人事部の内部文書で「法律上の転換権を発生させない範囲で有期雇用を運用することとし、雇用を制限する」と明記。無期転換権が発生する雇 用期間が10年とされる研究・技術職は10年、5年とされる職種は5年を超えてそれぞれ「雇用しない」とし、無期雇用職の選抜試験に合格した一部の職員を 除いて雇い止めを通告し、代わりの職員募集を行っていました。  同機構の小西基彦人事部長は、方針文書について「無期転換権を発生させないという表現は不適切」と認め、「改正もしくは廃棄したい」と表明。雇い 止めについて「見直していきたい」と述べ、具体的な対応は検討中だと説明しました。無期転換対象者は、常勤職員79人、非常勤職員24人の103人。選抜 試験合格者は常勤43人、非常勤1人だけでした。= "[he-forum 19491] しんぶん赤旗2/24","しんぶん赤旗 2018年2月24日(土) 無期転換ルール徹底を 井上・本村氏が労働局要請 愛知  日本共産党の井上さとし参院議員、本村伸子衆院議員は23日、4月から運用が始まる改正労働契約法の無期転換ルールの労働者への周知徹底など求め、愛知労働局長に申し入れました。すやま初美参院愛知選挙区予定候補、島津幸広前衆院議員も参加しました。  事前に申し入れ文書を提出し、回答を受けて懇談しました。四方智美雇用環境・均等部長らが応対しました。  改定労働契約法により、有期雇用労働者が同じ会社で通算5年以上働いた場合に、本人が認めれば無期雇用契約に転換するルールが始まります。しか し、5年になる前に「雇い止め」や「6カ月のクーリング期間」をおいて権利を無効にする「無期転換逃れ」の違法・脱法行為が、自動車大手、大学、独立行政 法人で横行。対策を緊急に講じることが求められています。  井上議員は「『無期転換逃れ』が全国で社会的問題に発展している。ルールを知らない労働者も多く、雇い止めのような脱法行為が増えるのを防ぐため にルールを周知徹底してほしい」。本村議員は「労働組合とも連携し、労働者に直接、情報が届くようにしてほしい」と訴えました。  四方部長は「周知は第一。事業主を対象にしたセミナーや、スーパーなどに啓発ポスターを掲示している。意図的な転換逃れには指導していきたい」と話しました。= "[he-forum 19490] 河北新報2/24","河北新報 2018年02月24日土曜日 <山形大雇い止め>大学側、クーリング利用か 無期回避へ指示文書  有期雇用期間が通算5年を超える教職員約300人を順次雇い止めする方針を示している山形大が2013年、雇い止めから 6カ月以上経過すれば以前の有期雇用期間がゼロに戻る改正労働契約法の規定(クーリング)を利用し、無期雇用への転換を避けるよう指示する文書を各学部な どに送っていたことが23日、東北非正規教職員組合(山形市)の調査で分かった。  改正労働契約法は、有期雇用契約の更新を重ねて通算5年を超えた場合、労働者の希望に応じて無期雇用に転換するよう定めている。組合は「事務方に向け、改正法の抜け穴を具体的に指示しており、悪質な運用だ」と主張している。   文書は同法施行前の13年2月、同大総務部長名で各学部事務長などに宛てた通知。「クーリング期間を利用するなど、通算して5年を超えないように雇用する 必要がある」などと記されている。厚生労働省によると、過去の有期雇用期間をゼロに戻し、無期転換を回避するような運用は想定していないという。  東北非正規教職員組合の主張に対し、大学側は「クーリングを無期転換回避に利用する意図はなかった」(矢作清総務部長)と説明している。  組合は23日に山形県庁で記者会見し、教職員の有期雇用期間を最長5年と変更するなどした就業規則改正の際、意見を聞く労働者代表の選定手続きに労働基準法違反があったとして、小山清人学長ら大学幹部2人を山形労基署に告発したことも明らかにした。 "[he-forum 19489] さくらんぼテレビ2/23","さくらんぼテレビ 2/23 ""就業規則に違法""山形大学長らを告発 2/23 東北地方の教職員で作る組合は23日、山形大学が就業規則を改正した際に法律に違反する部分があったとして、学長などを告発する文書を労働基準監督署に提出した。 東北非正規教職員組合によると、山形大学は2013年に就業規則を改正した際、法律で定められた職員からの意見の聞き取りを正しく行っていなかったとい う。このため就業規則は無効だとして23日、労働基準法違反の疑いで小山清人学長と総務担当理事の男性を告発する文書を山形労働基準監督署に提出した。ま た組合によると、この就業規則には、非常勤講師や事務補佐員など非正規の職員の雇用を実質、5年で雇い止めにする規定があるという。労働契約法では雇い止 めを防ぐために雇用期間が5年を超えた契約職員は今年の4月以降、本人の意思で期間に定めのない雇用に変えられると定めている。しかし組合は大学のいまの 就業規則のもと違法な雇い止めが続き、対象となる職員は去年10月の時点で312人に上るとしている。今回の告発を受け大学側は「内容を見ていないのでコ メントは差し控えたい」としている。 = "[he-forum 19488] 産経新聞2/24","産経新聞 2018.2.24 10:37更新 「山形大が雇い止め目的で就労規則を不当改正」 東北非正規教職員組合らが告発状  山形大が雇い止めを目的に非正規職員の雇用契約に関する就労規則を不当に改正し、更新上限を5年間に制限したとして、東北6県の大学などの非正規 教職員らでつくる「東北非正規教職員組合」の佐藤完治事務局長ら2人が23日、労働基準法違反の疑いで、小山清人学長らに対する告発状を山形労働基準監督 署に提出した。  告発状などによると、労働基準法は国立大学法人が就労規則を改正する際、労働者の過半数の代表者に意見を聞くよう定めているのに、山形大は非常勤講師やアルバイトの授業補助者を除外して、平成25年と今年の2回、規則を変更したとしている。  佐藤事務局長は会見で、「山形大は考えを改め、非正規職員の利益と大学の名誉の回復を図ってほしい」と話した。同組合は山形大の労働組合とともに、非正規の雇い止め中止を大学に要求している。= "[he-forum 19487] NHKニュース(山形)2/23","NHKニュース(山形)02月23日 18時16分 山形大学を労基法違反で告発 山形大学が就業規則を変更する際に一部の非正規職員を参加させずに職員の代表者と手続きを進めたのは労働基準法に違反しているとして労働組合の関係者が23日、山形労働基準監督署に告発しました。 告発したのは東北地方の大学などの非正規の教職員でつくる労働組合の関係者です。 労働基準法では就業規則を変更する際に労働者の過半数の代表者から意見を聴くよう定めていますが、告発状によりますと、山形大学では一部の非正規職員を参加させずに代表者が選ばれ、就業規則を変更したとして、労働基準法に違反していると主張しています。 このため組合では、一部の非正規職員が5年を超えて契約することはできないと定められている就業規則も無効だとして、大学に対してこれらの非正規職員の雇い止めをやめるよう求めています。 今回の告発について、山形大学の矢作清総務部長は、「内容を承知していないのでコメントすることはない」とした上で、「就業規則の変更について、労働者の 代表を選ぶ際に、非常勤講師などが含まれていなかったのは事実で、今後、選び方の見直しも含めて検討したい」としています。= "[he-forum 19493] しんぶん赤旗2/27","しんぶん赤旗 2018年2月27日(火) 日大の「雇い止め」 労基法違反で申告 労組が会見 非常勤講師の2人  日本大学(本部・東京都千代田区)が非常勤講師を契約上限5年で雇い止めとする就業規則などをつくる際、正当な労働者過半数代表の意見聴取を行わ なかったとして、日大に勤める非常勤講師2人は26日、渋谷労働基準監督署に労働基準法違反を申告しました。同日、厚生労働省内で会見しました。  申告した井上悦男、眞砂(まなご)久晃両氏=首都圏大学非常勤講師組合組合員=は、日大三軒茶屋キャンパス(世田谷区)などで英語を教えています。  日大では、労働者代表を選出するにあたって、複数人の立候補者がいる場合は、あらかじめ1人にしぼったうえで、通常の信任投票ではなく、不信任投票を行っています。組合側は、民主的な手続きではないと批判しています。  首都圏大学非常勤講師組合の松村比奈子委員長は、「日大は労働契約法の無期転換ルールを逃れるため、大量の雇い止め通告を行っており、認めるわけにはいかない」と強調しました。  井上氏は、「日大は、三軒茶屋キャンパスの新設学部で最低4年は授業を担当するよう義務づけながら、2年で英語担当の非常勤講師全員に雇い止めを通告している。契約違反だ」と訴えました。  日大の労働者代表不正については、松村委員長ら非常勤講師組合有志3人が14日に刑事告発も行っています。= "[he-forum 19492] しんぶん赤旗2/27","しんぶん赤旗 2018年2月27日(火) 理研 3月末雇い止め撤回 345人に無期転換権 労組「制度撤廃まで交渉」  国立研究開発法人理化学研究所(理研、本部・埼玉県和光市)は26日、職員説明会を行い、3月末に予定していた非常勤職員の大量雇い止めを撤回し ました。雇い止め通告を受けていた345人が契約更新されれば、雇用継続5年を超え、労働契約法に基づく無期雇用転換の権利を得ます。労働者と労働組合、 日本共産党国会議員団の追及による画期的な成果です。  理研労働組合(理研労)は同日、厚労省内で会見し、雇い止め回避を歓迎し、脱法的制度運用にならないようチェックし、5年雇い止め制度の完全撤廃まで引き続き交渉するとしています。  理研は、2016年3月以前から雇用されている非常勤のフルタイム職員、16年7月以前から雇用されているパート職員の5年雇い止めを撤回。業務が存続するならば雇用継続し、無期転換の申し出があれば新設の「限定無期雇用職」にするというものです。  理研は、16年4月、非常勤職員の契約上限を5年にする就業規則をつくり、無期転換ルールの起算が開始された13年にさかのぼって適用していました。労働者過半数代表も理研労も反対し、東京都労働委員会に不当労働行為を申し立て、当局を追い詰めていました。  日本共産党の田村智子参院議員は2月1日の予算委員会で追及。林芳正文科相から「適切に対応するよう理研に伝える」と答弁を引き出し、党国会議員団は2月16日、独立行政法人の無期転換逃れを調査し、担当省庁に指導要請しました。  理研理事側は19日の団体交渉で年度末雇い止めを撤回する方針を表明。26日の職員説明会では「国会で議論があった」と説明しています。= "[he-forum 19501] 東京医科歯科大 裁量労働80人に未払い(3/22付け『毎日』『日経』等)","東京医科歯科大 裁量労働80人に未払い  毎日新聞2018年3月22日(日経、産経、各地地方紙にも同文) 夜間や休日割り増し分 非裁量職員も、計3000万円  東京医科歯科大(東京都文京区)が、裁量労働制で勤務する教員80人に、夜間や休日 の割増賃金を一部支払っていなかったことが21日、同大学への取材で分かった。裁量労 働ではない事務職員の残業代にも支給漏れがあった。中央労働基準監督署は2016年2 月に是正勧告し、同大学は教員と事務職員の15年9~11月分の未払い賃金計約300 0万円を支給した。  東京医科歯科大が勧告を受け支払った給与は、教員80人に約590万円、事務職員3 57人に約2430万円。  裁量労働制では事前に決められた残業時間を超えても残業代の支払いは不要だが、午後 10時以降の深夜や休日の労働には25%以上の割増賃金を払う。医科歯科大では、助教 を含む約730人の教員全員が裁量労働制で勤務する。  東京医科歯科大は、教員の深夜や休日の勤務を一律「自己研さん」として、労働時間扱 いにしていないが、自己研さんに区分できない職務命令により実施した診療や出張もあっ たことが判明。これらが今回の支給対象になった。事務職員の残業代は、こうした制度と 関係なく、大学が支払いを怠っていた。  医科歯科大は16年度から深夜や休日の労働を許可制に変更した。「是正勧告を真摯 (しんし)に受け止め、改革につなげている。大学全体に労働基準法への理解が浸透して きている」と説明している。(共同) "[he-forum 19500] 長崎県立大、労働局指摘で「雇い止め」を撤回(3/10付け『産経』)","2018.3.10 07:03 長崎県立大、労働局指摘で「雇い止め」を撤回  有期雇用契約を繰り返して働く非正規職員のシステムエンジニア(SE)の男性2人を 「雇い止め」とした長崎県立大(同県佐世保市)が、長崎労働局から「無期転換ルールを 避ける目的での運用は厳に慎むよう求める」と指摘され、撤回していたことが、大学への 取材で分かった。  改正労働契約法で4月以降、通算5年を超えて働けば無期契約への転換を申請できる 「無期転換ルール」が始まる。2人は契約が更新されれば適用対象だった。  2人は平成16年と25年から契約更新を繰り返しながら働いていたが、大学は昨年1 1月、「通算雇用期間が5年を超えない」との条件で後任を想定したSEを募集。2人は 契約の継続を希望していたが、更新できずに事実上の雇い止めとなる見込みだった。同労 働局は「雇い止めは合理的理由を欠き、社会通念上相当と認められない」と文書で大学側 に指摘した。  大学は「無期転換ルールを逃れる意図はなく、人材の流動性を保つための目安として5 年とした」としている。既に2人に謝罪し、4月以降も雇用するという。 "[he-forum 19499] 雇い止め、大学の元有期職員ら敗訴 高知、無期転換逃れ争点(3/6 Web版産経WEST)","2018.3.6 13:43 雇い止め、大学の元有期職員ら敗訴 高知、無期転換逃れ争点  高知県立大(高知市)や大学後援会の有期雇用職員だった女性2人が平成27年度末で 雇い止めとなったのは、契約満了後の再雇用への期待に反した大学側の解雇権の乱用だと して、雇用関係が継続していることの確認を求めた訴訟の判決で、高知地裁(西村修裁判 長)は6日、請求を棄却した。  2人は同じ企業などでの勤務期間が5年超となった有期契約職員が無期雇用に転換でき る「無期転換ルール」を規定した改正労働契約法18条が施行された25年4月以降に契 約し、大学側の雇い止めに無期転換を阻む意図があったかが争点だった。  原告側代理人や労働法の識者らによると、改正労契法18条を巡る司法判断の前例はな いとみられる。施行5年の今年4月から無期転換ルールの本格的な適用開始を控え、判断 が注目されていた。  訴状などによると、2人は雇用期間を「3年を超えない範囲」とした就業規則に基づき 25年4月と7月から勤務し、事務や学生の進路指導を担当。年度末ごとに契約を2度更 新し、28年3月に雇い止めとなった。  大学側に対し、従来は有期雇用の職員が優先的な再雇用の対象だったと指摘。同様の条 件で再雇用され、1年ごとに契約を更新すれば今年4月と7月以降、改正法で無期転換の 申し込み権が生じたため「雇い止めは法改正を意識した方針転換で、ルール逃れの意図が あった」と主張していた。  大学側は、採用時に雇用期間の上限を丁寧に説明したとして「自動的に再雇用する状況 ではない」と反論していた。 "[he-forum 19498] 長崎労働局 長崎県立大の無期転換逃れ、認めず(3/8付け『毎日』)","長崎労働局 長崎県立大の無期転換逃れ、認めず  毎日新聞2018年3月8日 08時00分  繰り返し有期契約を更新して働く非正規職員2人を今春で雇い止めする方針を示した長 崎県立大が、長崎労働局から「社会通念上認められない」との指摘を受け、雇い止めを撤 回したことが大学や労組への取材で分かった。2人は、契約が更新されれば、契約期間が 通算5年を超えた非正規労働者が期間の定めのない無期契約に替われる「無期転換ルー ル」の適用対象だった。  今年4月から無期転換の申し込みが本格化するのを前に、大学に限らず多くの職場で転 換目前の労働者を雇い止めする動きがあり、問題化している。だが労働局の指摘が明らか になったケースはほとんどなく、専門家は「労働局が『無期転換逃れの脱法行為を許さな い』との姿勢を明示した意義は大きい」と話す。  長崎県立大や全国一般長崎地方労働組合などによると、2人は学内のサーバー管理など をする、いずれもシステムエンジニア(SE)の男性。うち1人は2004年4月から1 ~3年ごと、もう1人も13年4月から1年ごとの契約更新などで働いてきた。ともに今 年4月に契約が更新されれば、無期契約への転換を大学に申し込めるはずだった。  しかし大学側は昨年10月、2人に雇い止めの方針を伝える一方「県立大での通算雇用 期間が5年を超えない」との条件で新たなSEを募集。2人は「無期転換逃れだ」として 大学に雇い止めの撤回を求め、労働局に大学への指導を求めた。  労働局が昨年12月に大学に示した文書によると、労働局は2人が繰り返し契約更新さ れてきた上、大学が新規募集で「通算雇用期間が5年を超えない」との条件を付けた点な どを踏まえ「雇い止めは客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当と認められない」と 判断。「無期転換ルールを避ける目的での運用は厳に慎むよう求める」と指摘した。  大学側は取材に「指摘を厳粛に受け止め、適切に対応する」と回答。大学は2人を4月 以降も雇用し、他の非正規の事務職員らについても通算5年としていた契約期間の上限を 事実上撤廃する。  非正規労働者の問題に詳しい日本労働弁護団常任幹事の中川拓弁護士(長崎県弁護士 会)は「これまでは雇い止めにされた非正規労働者を法的に救済するのは難しかった。労 働局が何度も契約が更新されている実態を重視し、強い姿勢を示した意義は大きい」と指 摘する。【樋口岳大】 無期転換ルール  有期労働契約を繰り返す非正規労働者の雇用安定のため、2013年4月施行の改正労 働契約法で定められた。13年4月以降に結んだ有期契約が通算5年を超え、労働者が使 用者に申し込めば期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる。今年4月か ら無期転換の申し込みが本格化する。 5年雇い止め続発  2013年4月施行の改正労働契約法で「無期転換ルール」が設けられた後、多くの大 学が就業規則を変更し、有期契約の更新を繰り返す非正規教職員の通算契約期間を、無期 転換の申し込み権が発生しない「上限5年」とした。このため、労働者側から「脱法的な 無期転換逃れだ」との反発が相次いでいる。  早稲田大では、非常勤講師の労組が東京都労働委員会に救済を申し立て、大学側が5年 の上限を撤回。東京大や長崎大なども有期雇用職員について5年の上限を撤廃する方針を 示した。一方、上限がある東北大では、非正規職員が労働審判などを申し立て、立命館大 でも不当な手続きで上限が設けられたとして非常勤講師らが学長らを刑事告発する事態に なっている。  非正規労働者の雇用問題に詳しい脇田滋・龍谷大名誉教授(労働法)は「長崎労働局は 合理的な理由がない雇い止めは許されないという当然の判断を示した。模範的な雇用者で あるべき大学が無期転換逃れをすることは許されず、長崎労働局の指摘は他大学にも影響 するだろう」と話した。  同様の問題は大学に限ったことではなく、日本労働弁護団が今月3日に実施した無期転 換問題に関する全国一斉ホットラインには約100件の相談が寄せられた。弁護団には医 師や航空関連社員、研究機関など幅広い職種から相談があり、厚生労働省も無期転換に関 する緊急相談ダイヤル(0570・069276)を開設するなどしている。【樋口岳大】 "[he-forum 19497] 高知県立大学の雇い止め訴訟 元職員側が控訴(3/21『高知新聞』)","2018.03.21 08:15 高知県立大学の雇い止め訴訟 元職員側が控訴  パートなどの有期労働者が同じ職場に5年を超えて勤務すれば定年まで働ける「無期転 換ルール」(4月から運用開始)を巡り、高知県立大学と関連団体の元契約職員の女性2人 が、県大側の雇い止めの無効を求めていた訴訟で、原告側の訴えを棄却した一審・高知地 裁判決を不服として女性2人が20日、高松高裁に控訴した。  訴訟では、2013年4月と7月にそれぞれ雇用された女性2人が16年3月に雇い止めにされた のは「無期転換逃れだ」として県大側を訴えていた。  地裁判決は、県大側が就業規則で雇用期間を「3年を超えない範囲」と定めていたこと や、非正規雇用から正規雇用を主体とする職員構成に転換していたことを重視し、県大側 の判断は「法を逸脱するものであったとは言い難い」として訴えを棄却していた。 "[he-forum 19496] 県立大雇い止め訴訟 元契約職員の請求棄却 地裁判決/高知(3/7付け 『毎日』)","県立大雇い止め訴訟 元契約職員の請求棄却 地裁判決/高知 毎日新聞2018年3月7日 地方版  県立大(高知市)で勤務していた元契約職員2人が、雇い止めは不当として大学を運営 する県公立大学法人と、県立大学後援会をそれぞれ相手取り、雇用継続と給与支払いを求 めた訴訟の判決が6日、高知地裁であった。西村修裁判長は「更新の上限が3年以内と明 確にされており、原告の採用後に一方的に就業規則が変更されたという事情もない」など として2人の請求を棄却した。【松原由佳】  判決などによると、原告の女性2人は2013年からそれぞれ県公立大学法人と大学後 援会に勤務。年度ごとに契約を更新していたが、就業規則に規定された3年の雇用期間を 理由に、15年度末で雇い止めになった。  原告側は、3年の雇用期間が満了しても、従来は公募を通じて事実上優先的に再雇用さ れてきたと指摘。そのうえで、16年度から急に雇い止めされるようになったとし、解雇 権の乱用に当たると主張した。また13年に施行された労働契約法の改正で、今年4月以 降、同じ職場で通算5年以上働く有期雇用者は、無期労働契約に転換できるようになる。 このため、その対象になる原告2人について大学側が雇い止めにしたと訴えた。一方、大 学側は、契約職員就業規則で通算雇用期間の上限を3年と明記しているなどと反論してい た。  西村裁判長は、大学側が団体交渉の場で、改正法の存在を強調するような答弁をしてい たことに言及した。しかし、大学側が契約期間の上限を明記していたことや、契約職員か ら準職員になる制度を当時設けるなど、正規雇用主体の職員構成に転換を進めていた点を 重視。「16年度に公募をしなかった判断が直ちに(無期労働契約への転換について定め た)労働契約法18条に反するものであったとは言い難い」として、原告の訴えを退けた。    ◇ ◇  閉廷後、原告女性2人と支援者らが高知市の高知弁護士会館で報告会を開いた。  原告女性の1人は「誰かが声を上げないと何も変わらない。私たちの裁判を通じて同じ ように苦しむ全国のみなさんの心の支えになることを切に願う」と話した。また今回の争 点の背景になった労働契約法の改正について「働き手を守るための法律が、逆に私たちを 追い詰めることになっている」と訴えた。2人を支援してきた県立大教職員組合の田中き よむ委員長は、「無期雇用への転換を阻む脱法行為。労働契約法を改正した意味があるの か」と語気を強めた。 "[he-forum 19495] 高知県立大雇い止めで元職員敗訴 高知地裁「無期転換逃れ」認めず(高知新聞 3/7)","2018.03.07 08:29 高知県立大雇い止めで元職員敗訴 高知地裁「無期転換逃れ」認めず  パートなどの有期労働者が同じ職場に5年を超えて勤務すれば定年まで働ける「無期転 換ルール」を巡り、高知県立大学と関連団体に契約職員として勤務していた女性2人が、2 016年3月に雇用契約を打ち切られたのは「無期転換逃れだ」として、雇い止めの無効を求 めていた訴訟の判決が6日、高知地裁であり、西村修裁判長は請求を棄却した。  「無期転換ルール」は、13年4月に施行された改正労働契約法で規定され、今年4月から ルールの運用が始まる。県大教職員組合によると、「無期転換逃れ」が争われた訴訟で司 法判断が下されたのは全国の大学で初めてだという。  判決によると、女性2人は13年4月と同年7月に雇用され、事務や学生支援の業務に携わ っていた。大学側は就業規則で雇用期間を「3年を超えない範囲」と定めて説明しており、 3年を超えて雇用契約が更新されると期待することについて合理的な理由があったとはい えない―としている。  西村裁判長は、雇い止めは「無期転換逃れ」だったとする原告側の主張について、県大 側が雇い止めを巡る労使交渉で「無期転換ルール」の存在があるように答弁したことは 「否定できない」と認める一方、県大側が非正規雇用から正規雇用を主体とする職員構成 に転換していたことを重視。  女性2人も雇用期間の定めがない準職員の採用試験を受けていたことなどから「準職員 として採用される道を開いていた」と指摘し、県大側の判断は「法を逸脱するものであっ たとは言い難い」とした。 "[he-forum 19494] 「無期転換逃れ」どう判断 高知県立大での“雇い止め”、6日に地裁判決(3/4 Web版産経WEST)","2018.3.4 16:29 「無期転換逃れ」どう判断 高知県立大での“雇い止め”、6日に地裁判決  2013年4月に施行された改正労働契約法に基づき、同じ企業などで5年を超えて働 いた有期契約の職員が無期雇用に転換できると定めた「無期転換ルール」を逃れる目的の 雇い止めだったかどうかを争点に、高知県立大(高知市)や大学後援会の有期雇用職員だ った女性2人が雇い止めの無効を求めた訴訟の判決が、6日に高知地裁で言い渡される。  改正法の施行から5年となる今年4月からは無期転換ルールの適用が本格的に開始。該 当する労働者には雇用主側が拒否できない無期転換への申し込み権が生じる中、雇い止め の是非に関する判断が注目を集めそうだ。  訴状などによると、2人は事務や学生の進路指導などを担当。雇用期間が「3年を超え ない範囲」との就業規則で13年4月と同年7月から勤務して年度末ごとに契約を2度更 新し、16年3月で雇い止めになった。勤務が続いていれば今年4月と7月から勤務期間 が5年を超え、改正法による無期転換の申し込み権が生じたため、大学側に「無期転換 ルール逃れの意図があった」としている。  さらに大学側が従来、有期雇用の職員を優先的に再雇用していたと指摘。労使交渉では 雇い止めの背景に無期転換ルールがあるとの発言があったとして「契約満了後も雇用が続 くと期待させながら契約を打ち切ったのは解雇権の乱用に当たり、法改正を強く意識した 方針転換だ」と批判する。  一方の大学側は無期転換ルール逃れの意図を否定して全面対立の構図。「採用時に雇用 期間の上限を丁寧に説明した。自動的に再雇用する状況にない」と反論している。  南山大の緒方桂子教授(労働法)は「無期転換へのちゅうちょから、5年を超える前に 雇い止めする企業も少なくない。雇用の安定を目指す法の趣旨に照らし、大学側の発言な どを地裁がどのように評価するか注目される」と話す。  厚生労働省はホームページなどで、ルール逃れを目的にした無期転換申し込み権発生前 の雇い止めを「労働契約法の趣旨から望ましくない」としている。 "[he-forum 19505] 岩手大 雇い止めで18人退職へ (3/5 NHKニュースWEB)","岩手大 雇い止めで18人退職へ 03月05日 17時23分 NHKニュースWEB 非正規労働者が同じ企業で5年を超えて働いた場合、希望すれば期限のない雇用契約に切 り替えられる制度が来月から始まりますが、岩手大学では、最長で5年で雇い止めとする 就業規則に基づいて、18人の非正規の教職員が今年度末で退職となる見込みで、教職員 組合は規則の撤廃を求めています。 岩手大学の教職員組合によりますと、学内では、国からの運営交付金や外部資金で雇用さ れた非正規の教職員のうち18人が、雇用期間を最長で5年と定めた大学の就業規則に基 づき、今年度で退職することになります。 しかし、労働契約法の改正によって、同じ企業で5年を超えて働いた非正規労働者が希望 すれば期限のない雇用契約に切り替えられる制度が来月から始まるため、教職員組合は、 就業規則を撤廃したうえで改正労働契約法に基づき期限のない雇用契約を結ぶよう求めて います。 これに対し、岩手大学は「今回退職になる18人は、雇用期限を伝えたうえで採用されて いる。法律の趣旨に則って規則を運用しているため、変更する予定はない」としています。 大学で働く非正規の教職員をめぐっては、東京大学は雇用期間の上限を撤廃することを決 めるなど、大学によって対応が分かれています。 "[he-forum 19504] 雇い止め撤回求める 弘前大職組が団体交渉(3/10『赤旗』)","雇い止め撤回求める 弘前大職組が団体交渉  3/10付け「しんぶん赤旗」地域面  青森県弘前市の弘前大学が今年3月末で契約満了の非常勤職員を5年上限で 雇い止めにしようとしている問題で、大学職員組合(宮永崇史委員長)と 県労連は9日、雇い止め撤回、希望者全員の雇用継続と無期契約への転換を 求めて、大学側と団体交渉をしました。  弘前大学は、有期契約の非常勤職員が無期契約に転換を求めることができ る改正労働契約法が開始されるのを前に、非正規職員57人を3月末で雇い止 めするとしています。昨年10月に実施された学長裁定を基に、有資格者ら 35人は「特例有期雇用」対象者として延長を認めています。  団交後の記者会見で、宮永委員長は「無期転換逃れで、改正労働契約法の 趣旨に反する脱法行為だ」と大学側を批判。県労連の奥村榮議長は、雇い止 めを撤回する大学が全国で相次いでいると強調し、「『他大学は他の大学』 と木で鼻をくくった弘大側の態度は許されない」と訴えました。  職組は現在、9人が無期転換を希望し、10年目を迎える人もいると報告。 労働局に指導を求める要請行動を含め、労働審判などを申し立てた際は支援 すると表明しました。  弘大で働く非常勤職員は827人。今後も雇い止めの対象者が予想されるこ とから、職組と県労連は、無期転換のルールを知らせる労働者への周知、 雇用継続を希望する労働者の相談に応じ、組合加入をすすめ、希望者全員の 無期転換へ取り組むことにしています。 "[he-forum 19503] 雇い止め 弘前大、57人 「無期転換」来月運用 団交は平行線(3/11『毎日』)","雇い止め 弘前大、57人 「無期転換」来月運用 団交は平行線 /青森 毎日新聞2018年3月11日 地方版  非正規労働者が5年を超えて勤務した場合、希望すれば無期契約ができる「無期転換 ルール」の運用が4月から始まるのを前に、弘前大で働く非正規職員57人が今月末で雇 い止めとなる。職員組合は「法の趣旨に反する」として9日、大学側と団体交渉を行った が、話し合いは平行線に終わった。  団交後に記者会見した組合の宮永崇史執行委員長は、「雇用期間の無期転換を求め、就 業規則の見直しなどを引き続き交渉していく」と決意を語り、「雇い止めとなる職員の支 援も行う」と述べた。  一方、同大人事課のの庄司聡課長は取材に対し、「青森労働局から法的問題はないと言 われた。指導があった場合は対応を検討する」と説明。「限られた予算では(雇用継続 は)困難」と話した。  弘前大の職員就業規則は、非正規職員の雇用期間を最大5年と定めている。しかし昨年 10月の「学長裁定」で資格や高度な技術を持つ職員の無期雇用契約が認められた。  同課によると、勤務期間が5年となる非正規職員は現在92人。大学側はこのうち、看 護助手や臨床工学技士など35人は「学長裁定」の対象として雇用を続ける一方、残る5 7人は今月末で契約を終了する方針。【藤田晴雄】 "[he-forum 19502] 弘大 一部職員の雇用上限撤廃へ(2/27付け NHK青森)","弘大 一部職員の雇用上限撤廃へ 02/27 19:31 非正規労働者が、5年を超えて働いた場合、希望すれば期限のない雇用契約に切り替えられる制度が ことし4月から始まるのを前に、弘前大学は看護助手などの一部の非正規雇用の職員を対象に 雇用期間の上限を撤廃することを決めました。 弘前大学によりますと、雇用期間の上限が撤廃される対象となるのは、 大学に勤める看護助手や臨床工学技士といった資格や高度な技術などを持つ、非正規雇用の職員です。 法律の改正によって、非正規労働者が5年を超えて働いた場合に希望に応じて 期限のない雇用に切り替えられる「無期転換ルール」の適用が4月から始まることを受けたもので、 大学によりますと、新年度は30人あまりが対象となる見込みだということです。 一方、その倍近くにあたるおよそ60人の非正規雇用の職員が来月で雇い止めとなり、 中には引き続きの雇用を求めている人もいることから、教職員などでつくる労働組合は、 希望するすべての非正規雇用の職員について雇用期間の上限を撤廃するよう求めています。 弘前大学の労働組合は、 「対象者を限定することは、非正規労働者の雇用環境を改善しているとはいえない」 として、大学側との交渉を続けていく方針です。 全国の一部の企業や大学では、ことし4月の制度開始を控えて労働者が 雇い止めを通告される事例が相次いでいるとの指摘もあり、 雇用の継続を求めた訴訟に発展するケースも出ています。 "[he-forum 19514] 国公私立大をグループ運営 経営効率化で文科省方針(3/25付け『共同』)","国公私立大をグループ運営 経営効率化で文科省方針 2018/3/25 18:38  文部科学省が、少子化で学生の減少が予想される中、各地の国公私立大の連携を進める ため、地域ごとに新法人を設立しグループ運営を可能とする新制度の導入を検討している ことが25日、政府関係者への取材で分かった。各大学の持ち味を生かしながら、重複を整 理するなど、グループでの経営効率化を促し、各大学の役割分担を明確にさせるのが狙い。  大学などの将来構想を議論する中教審の有識者会議で近く提案。来年以降に関係法令の 整備を目指す。  関係者によると、新制度では、近隣地域や強みのある研究分野などを単位に、各大学が 加盟する一般社団法人の設立を文科相が認定する。 "[he-forum 19513] 阪大の指定国立大学法人申請、今年度は見送り 入試ミス問題への対応優先で(3/2付け『産経WEST』)","2018.3.2 21:26 阪大の指定国立大学法人申請、今年度は見送り 入試ミス問題への対応優先で  大阪大は2日、昨年の入試であった出題ミスを受け、文部科学省が最高水準の 国立大を指定し、規制緩和などの措置を取る「指定国立大学法人」への申請を 平成29年度は見送ると明らかにした。入試ミスの対応を優先し、30年度以降 に再審査を受けるという。  阪大は昨年の申請で指定されなかったが、一部の条件を満たせば指定される見 込みで、候補になっていた。29年度中に資料を再提出し、審査を受ける予定だ ったが、12月に入試ミスが発覚。対応を優先するため、申請の見送りを決めた。 "[he-forum 19512] 第3期中期目標期間における指定国立大学法人に2法人を追加指定(3/23付け『eduon』)","第3期中期目標期間における指定国立大学法人に2法人を追加指定 文部科学省 03月23日08時49分 文部科学省は20日、第3期中期目標期間における指定国立大学法人について2法人を追 加指定したと発表した。 発表によると、平成29年6月30日付けで3法人が指定された際に、条件が整った場合 に指定を行う「指定候補」となっていた4法人のうち「国立大学法人東京工業大学」「国 立大学法人名古屋大学」の2法人が追加で指定となったという。 残りの指定候補である「国立大学法人一橋大学」「国立大学法人大阪大学」については引 き続き構想の充実・高度化を求めており、条件が整った場合には再度の審査を予定してい るという。 "[he-forum 19511] 名大・岐阜大が法人統合協議 大学の本格再編促す 40年度、定員10万人過剰(3/23付け『日経』)","名大・岐阜大が法人統合協議 大学の本格再編促す 40年度、定員10万人過剰 2018/3/23付  国立大学が再編へ一歩を踏み出した。名古屋大と岐阜大は近く、設置主体である国立大 学法人(総合2面きょうのことば)の統合に向けた協議に入る。政府が検討中の新しい仕 組みを使い、両大学が1つの法人の傘下に入る形を想定。実現すれば初のケースとなる。 国内の大学全体では2040年度に学生約10万人分の入学定員が過剰になるとの試算もあり、 政府は法整備などを進めて本格的な大学再編を促す。  名大、岐阜大は4月下旬をめどに法人統合に向けて協議会を設ける。利用する仕組みは 「アンブレラ方式」と呼ばれ、同一法人の下に複数の国立大がぶら下がる。名大の構想で は新法人「東海国立大学機構(仮称)」を設立し、傘下に両大学が入る。大学名や学部、 学科に変更はなく、管理部門を統合する。  新法人の学生数は単純計算で計約2万3千人。現在の名大の約1万5千人から大幅に増 え、京都大を抜き東京大、大阪大に次ぐ規模となり存在感は高まる。  名大は統合により経営を効率化。競争が激しい分野の研究などに手厚く投資できるとみ ている。渡辺芳人副学長は「国際競争を勝ち抜きたい。今後統合のメリット・デメリット を検証し色々なことを試したい」と語る。  規模のメリットを生かすための大学統合は国も後押ししている。17年4月の経済財政諮 問会議で民間議員が「経営統合や再編が可能な枠組みを作るため、国立大の1大学1法人 制の見直しを考えるべきだ」と提言したのをきっかけに議論がスタート。文部科学省の中 央教育審議会がアンブレラ方式の具体化を検討している。18年秋に予定される答申を受け、 同省は国立大学法人法の改正作業に着手する見通しだ。  名大・岐阜大の法人統合が実現し国立大の再編が進めば、大学定員の8割を占める私立 大が大きな焦点になる。少子化にもかかわらず統合や募集停止などによる大学の減少は、 この10年間で十数校どまり。一方で新設は続き、大学数は24校増え780校となった。「進 学率が予想以上に上昇し、延命されてきたのが実態」と私学団体幹部。  だが経営は厳しい。私大の4割弱は定員割れで、16年度の最終的な収支が赤字の大学が 4割を占める。「18歳人口が急減期に入る『2018年問題』が顕在化すれば今度こそ淘汰が 進む」(同幹部)との見方は多い。  文科省は2月、将来の大学進学状況を初めて詳細に試算。今後進学率が上がっても、40 年度の大学進学者は17年度に比べ2割減の51万人。入学定員が現状のままだと充足率は84 %まで落ち、約10万人分、全大学の平均定員で換算すると120校超が過剰となる。  このため同省には再編へ国立大の背中を押すことで、私大の追随を促す思惑もある。 「まず国立大が(再編例を)示さないと私大がついてこない」(ある文科官僚)。中教審 では、国公私立という設置者の違いを超えた再編・統合を可能にする手立ても検討中だ。  国立大は00年代前半に地方の医科系の単科大学と総合大学の統合などが進んだが、総合 大学同士の統合は近年例がない。名大、岐阜大の統合実現は04年の法人化以来の大きな変 革となる。  統合に向けては教授会や地域社会の理解を得られるかといった課題も大きく、協議の行 方には不透明さも残る。過去には群馬大と埼玉大の教育学部の統合など、頓挫したケース も複数ある。しかし、少子化による高等教育教育市場の縮小は不可避だ。多くの大学経営 者が今後、生き残りに向けた決断を迫られることは間違いない。 "[he-forum 19510] 名古屋大・岐阜大が運営法人統合へ 4月に議論開始(3/22付け『日経』)","名古屋大・岐阜大が運営法人統合へ 4月に議論開始 2018/3/22 10:57  国立大学の名古屋大学と岐阜大学が、運営法人の統合に向けて4月下旬に協議に入るこ とが22日、分かった。文部科学省幹部は同日、両大学が統合の協議に入ることを認めた。 少子化で学生数が減少する中、経営効率化につなげ、研究体制を強化し国際的な大学間競 争の勝ち抜きを目指す。  現在は国立大学は1つの法人が1つしか大学を運営できない。文科省の中央教育審議会 が、1つの法人が複数の国立大を運営できる「アンブレラ方式」導入を目指して法改正を 議論しており、2018年秋に答申を出す予定。統合の実現は早くても19年度以降で、アンブ レラ方式による法人統合が実現すれば、全国初のケースとなる。  名古屋大の構想では「東海国立大学機構(仮称)」を設立。総務や財務、法務などの管 理運営部門を共通化する。合理化で生まれた職員や資金を各大学の強みとなる研究支援や 競争力を高める分野に重点的に回す。大学名や学部、学科などはそのまま残す。  名古屋大は、国際競争力強化をめざす国立大を支援する文科省の「指定国立大学法人」 に20日、指定された。そのなかで複数の大学が協力する「マルチ・キャンパスシステム」 構想を盛り込んだ。これに岐阜大が参加する方向だ。名古屋大は、名古屋工業大学や三重 大学など中部地方の他の国立大にも参加を求め、4月下旬にも協議会を設置して統合に向 けた議論を始める。  大学に進学する18歳人口が18年から再び減少期に入った。文科省の推計によると、入学 定員の充足率は17年度の104%から40年度には84%に落ち込む見通し。人口減に伴う経営 環境の悪化で、大学は自主財源の確保やコスト削減など経営面での改革を急いでおり、今 回の国立大同士の経営統合が実現すれば、私立大も含めた他大学との連携・統合の議論が 加速しそうだ。  国立大学協会も1月に公表した将来像に関する最終まとめで「複数地域にまたがり、戦 略的に資源配分や役割分担を決める経営体の導入を検討する」と提言。文科省幹部は「国 立大にとっては大きな一歩。(統合は)中教審の議論とも同じ方向だし、やりたいところ があるのは歓迎」としている。 "[he-forum 19509] 国公私大、一体運営する新法人…破綻時の受け皿(3/25付け『読売』)","国公私大、一体運営する新法人…破綻時の受け皿 2018年03月25日 14時59分  文部科学省は地域の国公私立大学をグループ化し、新法人を設立して一体的に運営する 新しい大学再編制度の導入を決めた。  経営基盤を強化し、グループの強みや特色を打ち出す一方、大学の破綻時には学生や教 職員の受け皿の機能も果たす。文科省は月内にも中央教育審議会の部会に案を示す方針で、 来年の通常国会に新法案を提出し、2020年度の運用開始を目指す。  文科省の構想によると、新しく設立されるのは一般社団法人「大学等連携推進法人(仮 称)」。文科相が新法に基づいて認定する。国公私立大を運営する国立大学法人、公立大 学法人、学校法人はそれぞれ運営費を拠出し、理事や職員を派遣。理事は各大学の学長や 副学長を想定しており、理事会を中心にグループ全体の運営方針を決める。 "[he-forum 19508] 名大・岐阜大、生き残りへ規模追求 運営統合を協議 (3/22付け『日経』)","名大・岐阜大、生き残りへ規模追求 運営統合を協議 2018/3/22 21:23  名古屋大学が岐阜大学と運営法人の統合の協議を始めるのは、補助金が目減りする中で 「競争力が低下しかねない」という危機感が背景だ。規模を高め、合理化で生じた資金や 職員を研究分野などに重点的に振り向ける狙いだ。東海地区は自動車、航空機産業が集積 する屈指のものづくり地域。地元国立大の実力が高まれば、産学連携にも追い風になりそ うだ。  「旧帝国大学の中で規模が小さいのが欠点」。数年前、国立大学の関係者が集まる集会 で名大の理事はこう漏らした。  東京大や京都大などは学生数が2万人を超すが、名大は1万5800人。学生数や教職員数 などに応じ配分される運営費交付金は2016年度で317億円と、東大(812億円)や京大(54 8億円)に引き離されている。交付金自体、09年からは減少傾向にある。  名大では1年以上前から、東海地区での統合に向けた議論をしていた。理系のある教授 は「松尾清一学長が3年前に就任したときからの肝煎りのプランだった」と話す。  実現すれば単純計算で学生数は国立大で3位に、運営費交付金も東北大や大阪大に肩を 並べる。合理化で研究や教育に資金・職員を配分できれば、魅力が高まって関東などへの 学生流出を防げるほか、優秀な留学生確保にもつながりそうだ。  名大は1939年、最後の帝大として設立された。理工学部が理学部と工学部に分離独立さ れるなど、学部を増やしながら総合大学として整備。産業に必要な技術や人材育成を支え てきた。  現在もトヨタ自動車や住友電工などと省エネ技術の研究をリードし、企業の資金提供を 受けて20以上の研究講座などを開いている。ノーベル賞受賞者も6人輩出、産学連携を進 めてきた。  渡辺芳人副学長は岐阜大とは「これから議論を始める段階」とするが、「教養教育が共 通化され、例えば情報技術(IT)を使った教育コンテンツを一緒に作るなどすれば新た な収益源になりうる」と話す。岐阜大の関係者も「少子化の流れもあり、業務の効率化は 避けられない」としており、同大学が強みとする生命科学分野などで共同研究の促進も期 待される。  内部に慎重な見方も。「事務共通化にとどまり、高度な研究への環境づくりにつながら なければ意味がない」(名大の文系教授)。今後、他大学にも統合に向けた協議会への参 加を呼び掛けるが、三重大の尾西康充副学長は「研究・教育ポリシーに口出しはしないと いっても、ゆくゆくは方針が変わることもあるのでは」と指摘。「地域創生をうたう大学 として統合は検討しない」と話す。  ▼名古屋大 1939(昭和14)年に「名古屋帝国大学」として、医学部と理工学部(現在 の理学部と工学部)の2学部で設立。現在はこのほかに文、教育、法、経済、情報、農の 各学部があり計9学部。学生数は約1万5800人。  ▼岐阜大 1949(昭和24)年に学芸学部(現教育学部)と、農学部(現応用生物科学 部)の2学部で設立。他に医、工、地域科学部があり計5学部。学生数は約7300人。 "[he-forum 19507] 名大、法人統合を検討 東海地方の国立大と(3/23付け『読売』)","名大、法人統合を検討 東海地方の国立大と 2018年03月23日  名古屋大学が、岐阜大学など東海地方の他の国立大学との運営統合を検討していること が22日、分かった。少子化で学生数の減少が見込まれる中、運営を効率化し、教育・研 究分野に財源や人員を重点配分する狙い。4月下旬にも大学間の協議会を設置する方針で、 各大学に参加を呼びかけている。  国立大学は現在、国立大学法人法で、1法人の経営が1大学に限られている。文部科学 省は経営効率化のため、1法人が複数の大学を運営できる「アンブレラ(傘)方式」の導 入を目指して法改正を検討していて、名大はこの方式の採用を想定しており、統合が実現 すれば全国初となる。  名大などによると、「東海国立大学機構(仮称)」を設立、各大学の総務や財務など管 理部門を共通化する。キャンパスや大学名、学部名などは残すという。名大の担当者は 「スケールメリットで各大学の強みを伸ばし、国際競争力を高めたい」と述べた。  岐阜大の森脇久隆学長は、「メリット・デメリットについて検討するための協議の場を 設けるところであり、現時点ではこれ以上のコメントはありません」とコメント。一方、 読売新聞の取材に三重大学は「参加を検討していない」、名古屋工業大学は「対応は特に 決まっていない」とした。 "[he-forum 19506] 名大と岐大、法人統合へ協議開始(3/22付け『中日』『東京』)","名大と岐大、法人統合へ協議開始 2018年3月22日 朝刊  名古屋大(名古屋市)と岐阜大(岐阜市)が、大学の運営法人の統合に向けた協議を始 めたことが分かった。実現すれば、東京大、京都大に次ぐ規模の運営法人が誕生すること になる。経営の効率化とスケールメリットで、世界レベルでの大学間競争に勝ち抜きたい 考えだ。  国立大学を運営するのは「国立大学法人」で、現行制度では一法人が一大学しか運営で きない。しかし、少子化が進む中、文部科学省は国立大の経営合理化のため、一法人が複 数の大学を運営することを認める「アンブレラ(傘)方式」の導入を目指して法改正を検 討している。名古屋大、岐阜大の法人統合は、実現すれば全国初のケースとして新制度の 先駆けとなる。  関係者によると、構想では、両大学法人を統合して「東海国立大学機構(仮称)」を設 立。総務、企画、法務、財務といった大学の管理運営部門を共通化する。合理化で生まれ た人員や予算を、研究支援など大学の競争力を高める分野に重点配置する。  現在の両大学のキャンパスや大学名、学部、学科はそのまま残す。授業や学生への指導、 教員らによる研究活動も原則として個別に担う。一方、語学やコンピューター関連の情報 教育といった教養課程については、ITを活用した遠隔授業などを含め共通化を図る。将 来的には大型研究拠点の共同運営や、研究プロジェクトの共同実施も考えている。  名古屋大の運営費交付金(二〇一六年度)は三百十七億円で、国立大の中では八番目。 岐阜大の交付金を単純に合算すると四百三十三億円となり、東大、京大に次ぎ、東北大や 大阪大とほぼ同規模となる。  名古屋大は、これまでにノーベル賞受賞者六人を輩出するなど国内トップ級の研究力を 誇る。岐阜大は、環境科学や生命科学など特定分野で世界的な研究成果を上げており、地 域に根差した人材育成にも定評がある。法人統合で両大学の特色を残しつつ、研究力や人 材育成力の向上を目指す。  両大学は今後、具体的な統合手法について協議する。将来的には三重大(津市)や名古 屋工業大(名古屋市)など東海地区の他の国立大にも、新機構への参加を呼び掛けていく。 ◆国立大再編、全国波及も  <解説> 名古屋大と岐阜大の法人統合は、戦後一貫して続いてきた「各県に一つの総 合国立大学」という枠組みを塗り替え、全国的な大学再編を促す可能性がある。  日本の科学技術や人材育成を担ってきた国立大学。戦後、各都道府県に最低一つの総合 大学が設置され、地域の核となってきた。だが、少子化や財政難を背景に国の交付金は減 少を続け、地方大学の中には将来、単独での経営存続が懸念される大学もでてきた。  両大学が検討しているアンブレラ方式による法人統合は、「持ち株会社」のように共通 の運営法人をつくり、その下に複数大学がぶら下がる方式だ。地域の核となる大学自体は 残す一方で、合理化で生まれた人的資源や財源を、研究力や教育力の強化に振り向ける。  今回の名古屋大と岐阜大の構想案では、現在の学部はそのまま残す方針だ。だが、アン ブレラ方式は制度上、学部再編も可能になるとみられる。例えばある大学に理工系学部を、 別大学に文系学部を集約し、国際競争力の高い大学を目指すことも可能だ。  アジアの新興国など海外の有力大学が存在感を増す中、日本の国立大学を取り巻く状況 は厳しさを増している。全国の国立大でつくる「国立大学協会」は今年一月、各県に一つ の国立大学を維持しつつも、法人再編の検討の必要性を盛り込んだ提言案をまとめた。今 回の統合案が実現すれば、東北や九州など他地域にも、同様の動きが波及することが想定 される。  (社会部・坪井千隼)  <名古屋大学> 1939(昭和14)年、最後の帝国大学として設立された。文学、 教育学、法学、経済学、理学、工学、医学、農学、情報学の9学部。学生数1万6400 人。  <岐阜大学> 1949(昭和24)年設立。教育学、地域科学、医学、工学、応用生 物科学の5学部。学生数7300人。 "[he-forum 19517] 【非正規職員の大量解雇】東北の国立大学で、今何が起こっているのか(3/19付け『政治プレス新聞』)","【非正規職員の大量解雇】東北の国立大学で、今何が起こっているのか (3/19付け『政治プレス新聞社』) <突然の解雇 地方の国立大学の現場では悲鳴が。 > 「卒業入学シーズンを迎えるのに、これでは業務が回らない」 いま、地方の国立大学の現場で悲鳴が上がっている。今年2月、いつものように大学に出 勤した職員は、上司から突然の解雇を告げられ、唖然とした。雇用期間が通算で5年を迎 える非正規職員(有期職員)たちだ。 大学職員の仕事は、会計や総務、教務やシステム関係などに分類されるが、実際、その多 くは経験豊富な有期職員によって支えられてきた。学生との直接のやり取りが多い教務係 では、奨学金や学費免除の申請、留学関係、サークル活動、はては卒業後の就職の手続き など多岐にわたり、一度はお世話になった方も多いのではないか。 今回、ある大学で解雇された職員の中には、親身な対応から多くの学生が信頼を寄せる職 員も含まれていた。 大学の「繁忙期」に入っている今、地方の国立大学でなにが起こっているのか。 <無期転換の「5年ルール」をめぐる労使の攻防 > 非正規労働者の「雇用の安定」を図ることを目的に、2013年4月1日に施行された改正労働 契約法。 主なポイントは、非正規職員が同じ会社で通算5年を超えて働いた場合、本人が希望すれ ば有期雇用を無期雇用に転換できるという、いわゆる「5年ルール」の導入。そして、通 算の契約期間をリセットする「クーリング期間」(6か月)を設けた点だ。 この「5年ルール」が最短で適用されるのが今年の4月1日、該当者には順次「無期転換申 込権」が発生する。 4月1日を前に、無期雇用への転換を望む有期職員とそれを回避したい大学側との間で、労 働基準監督署など公的機関をも巻き込んだ混乱が広がっているのだ。 <雇い止め方針を掲げる国立大学 運営の実態とは。> 東北の国立大学法人のうち、原則として無期転換を認める方針の秋田大学、宮城教育大学 以外の5大学はすべて、全面的にせよ部分的にせよ「5年ルール」の適用を認めず、有期 職員の雇い止めを強行する方針だ。 このうち、東北大学は約5700人いる有期職員のうちの3000人超、山形大学では1000人弱の 有期職員のうち人件費を外部資金で賄う約300人がその対象となっている。 <これら地方の国立大学の運営実態はどうなっているのか。> 上記2大学で大学側との団体交渉にあたる「東北非正規教職員組合」の佐藤完治氏によれ ば、地方の国立大学では職員の人手不足が常態化している。 有期職員は2004年の国立大学法人化によって急増したが、その採用にあたっては語学など の専門性を求める一方、例えば山形大学では時給800円台で働く有期職員もおり、そもそ も職員の人材確保が難しいという現状がある。 「東北非正規教職員組合」と「山形大学職員組合」が、大学の管理職(教員を含む)を対 象に行ったアンケート (http://yuunion.lomo.jp/h291011gogai(kanrisyoku%20saisyu).html) によると、代替職員の有無を問わず、業務停滞への懸念から熟練職員の雇用継続を求める 意見が多かった。 一律に5年を迎える有期職員を雇い止めすることは、新たな募集・採用活動、そしてゼロ からの人材育成が必要となることから、経営上大きな損失となる可能性も孕んでいる。 <大学側が雇い止めする理由は何なのか。> 改正労契法が定めたのは、不安定な有期雇用から無期雇用へと転換する非正規労働者の権 利であって、「無期転換」=「終身雇用」ではないことは自明の理である。 つまり、無期転換後の整理解雇は、企業・法人の自由裁量だ。 では、大学側はどのような理由で有期職員を雇い止めしようとしているのか。 前出の佐藤氏は、 「東北大学、山形大学との団体交渉を総合すると、雇い止めの理由について大学側は「将 来の雇用経費が確保できるか分からないから」と説明している。 しかし、これは他の民間企業でも同じこと。この理屈が通るのであれば、非正規労働者の 「雇用の安定」を謳った改正労働契約法は、完全に有名無実化する」 と危機感を露わにする。 <東京大学では雇い止め方針を撤回> 約8000人の非正規職員が雇い止めの対象となっていた東京大学では、昨年12月、雇用上限 を5年とした規則を撤回。 「5年ルール」による無期転換を認める方向に舵を切った。 その後、室蘭工業大学、長崎大学、宮城教育大学が追随するなど、全国で同様の動きが広 がっている。 一方で、労働基準監督署への刑事告発・告訴、裁判所への労働審判などが申し立てられて いる東北・山形の両大学。 今のところ大学側の方針が転換される気配はないが、有期職員の解雇によって、既に業務 のしわ寄せが残った職員にのしかかっている。 懸念されるのは、4月に入学する新入生を含めて、学生の教育環境に影響を与えかねない ことだ。 卒業、入学と華やかな雰囲気に包まれるキャンパスの裏側で、労使による緊迫した交渉が 続けられている。 "[he-forum 19516] 「雇い止め」に相次ぎ訴え 各地で大学と教職員が対立 4月から無期転換ルール適用で(3/26付け『産経』)","大学VS教職員、先鋭化 雇い止め訴え各地で 「無期転換」適用を来月に控え 3/26(月) 7:55配信 産経新聞  通算5年を超えて働く有期契約の労働者が、期間の定めのない無期雇用に転換できる ルールが4月から適用されることに伴い、「雇い止め」を告げられた教職員らが大学相手 に労働審判を起こしたり、労働基準監督署に告発したりするなど各地で訴えが相次いでい ることが25日、分かった。資金繰りに窮する大学側が無期転換を避けようとしている ケースが多いとみられ、雇用継続を求める有期の教職員との対立が先鋭化している。  東北大は4月以降、3千人規模の有期職員を順次雇い止めにする方針を決めた。これに 対し、契約が5年を超える職員6人が2月1日、雇用継続を求める労働審判を仙台地裁に 申し立てた。大学の雇い止めをめぐる労働審判の申し立ては全国で初めて。東北大は「申 し立ての内容を承知していないので、コメントを差し控える」としている。  静岡県立大でも、有期職員39人のうち、3月末で雇用期間が5年を超える4人の雇い 止めを決定。40代の女性職員は「雇い止めは違法だ」として今月8日、静岡県労働委員 会へ雇用継続などを求める斡旋(あっせん)を申請した。県立大の担当者は「コメントは 控える。有期職員には契約期間を5年までと説明している」と話した。  約3600人の非常勤講師を抱える日大は契約に一律5年の雇い止め規定を導入。首都 圏大学非常勤講師組合は2月14日、雇い止めを規定した就業規則改正の際、意見を聴く 労働者代表の選定手続きに違反があったとして、労働基準法違反罪で中央労基署(東京) に告発した。日大の担当者は「現在、労使交渉中だ」とコメント。昨年11月に雇い止め を通告されたという日大の非常勤講師は「このままでは生活がやっていけなくなる」と嘆 く。  就業規則を改正した山形大に対しても、東北非正規教職員組合が2月23日、日大と同 様の労基法違反罪で、山形労基署に告発した。同大の広報担当者は「組合とは食い違いが ある」と話した。  一方で、東京大、岡山大、信州大、長崎大などは契約上、「5年上限」の規定を撤廃し、 継続雇用へ転換する方針を決めている。 ■厳しい経営「予算に限り」  「予算が限られており、有期職員の雇用継続は難しい。これから入学者が全体的に下が り始め、収入も減っていく」。有期職員に対する5年雇い止めの制度を導入したある大学 の関係者はこう打ち明ける。  大学の経営は厳しい。ここ10年ほどは120万人程度で横ばいだった18歳の人口が 今年から急激に減る、いわゆる「2018年問題」が経営を直撃する。私立大の場合は、 運営費の9割を授業料で賄っている所が多く、一層深刻だ。  国立大も状況は変わらない。国からの運営費交付金は平成16年の法人化後、毎年約1 %ずつ縮小している。10年間で総額は約1兆2400億円から約1兆1100億円へと 約1300億円も減額した。名古屋大と岐阜大が設置主体である国立大学法人の統合に向 けた協議に入ることが明るみに出るなど、経営の効率化は急務となっている。  特に国立大で雇い止めが問題になっているのは、法人化後、人件費抑制のため職員の雇 用を有期に切り替えてきたことが背景にある。全国大学高専教職員組合の試算によると、 国立大の有期職員は法人化後、約1・5倍の約7万人に上るという。  雇い止めを宣告された東京都内の50代の非常勤講師は「私たちが辞めたら、代わりに 常勤の教員が授業科目を担当することになっており、しわ寄せがいく。教員の研究がおろ そかになり日本全体の研究レベルが下がらないか恐れている」と話した。      ◇  無期雇用転換ルール 有期契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合、労働者が 希望すれば使用者は無期雇用に転換しなければならない。リーマン・ショックで雇い止め が問題化したのを機に、雇用の安定を図るため労働契約法が改正。平成30年4月から適 用される。6カ月以上雇用関係がない「空白期間」があると、勤続年数の通算はゼロに戻 る。契約社員、パート、派遣など雇用形態を問わない。対象者は約450万人と推計され る。 "[he-forum 19515] 通算5年目前の有期職員 国公立大雇い止め相次ぐ 静岡大・県立大 原則無期転換に難色(3/18付け『朝日』静岡版)","通算5年目前の有期職員 国公立大雇い止め相次ぐ  静岡大・県立大 原則無期転換に難色 あっせん申し立て・組合反発  3/18付け『朝日』静岡県版  労働契約法の改正で新年度から、通算5年を超えて働く有期職員は無期雇用への転換 を要求できるようになる。その節目を前に、静岡大や県立大で職員の雇い止めが起きて いる。大学当局と労働組合が団体交渉を続けている。  国立大は2004年、県立大は07年の独立行政法人化後、人件費を抑制するため、非常 勤職員や有期雇用職員への切り替えを進めてきた。常勤職員と同等の仕事を担う人も多 く、無期雇用への転換や待遇改善は全国的に課題となっている。  県立大短期大学部では40代の女性職員が8日、継続雇用を求めて県労働委員会にあっ せんを申し立てた。13年4月、非常勤職員になり、3年勤務ののち契約を更新して1年 延長。さらに17年4月にフルタイムの有期雇用職員になった。  有期雇用職員は大学が独立行政法人化した後にできたポストで、契約は1年ごとの更 新。女性は今年3月末を期限とする辞令を受け取ったが、国際交流や学部長補佐などの 仕事を担っており、「無期転換を見越して働いてきた」という。  昨年10月、「スキルアップし、継続して働きたい」と大学側に契約更新の意思を伝 えた。だが、なしのつぶて。県公立大教職員組合が今年1月、大学と団体交渉の場を持 ったところ「契約書に書いてある通り」と更新を断られたという。  大学側は根拠として「就業規則」ではなく、11年施行、13年改定の「有期雇用職員 の契約期間の更新等に関する要綱」を挙げた。要綱は労働契約の期間を「最初の採用 の日から起算して5年間」と定めており、女性はこれにあたるという。労組側は「要綱 は組合の意見を聞かずに作られた。労働組合法違反で無効」「脱法的な無期転換逃れ」 と反発している。  県立大によると現在、有期雇用39人、非常勤45人が働き、そのうち有期4人、非常 勤7人が3月末で契約満了を迎える。継続雇用の申し入れは女性1人だけという。人事 部は「産休代替や周年記念事業担当など、非常勤は不可欠だ。無期転換は原則にはな らない」と話す。法改正を受け、13年度から非常勤や有期職員に採用試験を受けて常 勤に転換するよう促してきたという。だが、対象は「36歳未満」に限られ、ベテラン ほど転換は困難だ。  女性は「常勤職員と同じ内容の仕事をしていても有期職員には雇い止めの不安がつ きまとう。大学は雇用の安定を目指す改正労働契約法の趣旨にのっとった対応をして ほしい」と話す。      ◇  静岡大学教職員組合は2月、非常勤職員の継続雇用に関し、同大に啓発指導してほし いと静岡労働局に申し入れた。  組合によると、3月末で契約満了を迎える非常勤職員は17人。そのうち4人は学部長 が大学に継続雇用を申請し、認められた。一方で申請の仕組みすら知らされていない 職員もいる。  学部事務室で働く50代女性は「大学から契約更新の希望を聞かれず、何の通知もなか った。学長通知も組合報で初めて知った」。  同大は非常勤職員の就業規則を14年3月末に改正。業務の特殊性▽職員の専門性▽ 本人の希望▽部局長の推薦などの条件をすべて満たし、かつ学長が「例外」と認めた ものについて5年を超える雇用継続を認めるとした。17年11月には学長通知で、継続 雇用を希望する非常勤職員の専門的資格について「調理師免許、キャリアカウンセラー、 社労士、司書、簿記検定、秘書検定、英語検定(TOEIC等)」と例示した。  組合側は「常勤職員にさえ要求していない専門的資格を非常勤に要求する合理的根拠 がない」「申請手続きが非常勤職員に周知されていない」と批判する。  同大は朝日新聞の取材に「非常勤職員や無期転換者の数は、公表する必要性を感じ ない」としつつ、資格など高いハードルを課した理由を「就業規則上は5年が上限。例 外的に長く働いてもらう人はそれなりの理由が必要だ。無期転換を原則とすると、かえ って人事の公平性を損なう」と説明した。制度の周知については「人事課は各学部の担 当者を集めて説明会を開いた。あとは担当者の問題」とした。  (阿久沢悦子) 法改正を踏まえ格差是正を  労働問題に詳しい早田由布子弁護士の話  労働契約法の改正は、有期労働者の雇用の不安定さの改善が目的。「5年上限」を課す 大学の就業規則は改正趣旨に反する。1年ごとに更新して5年勤務したのなら、能力に問 題はないはず。大学は産休代替など一時的な業務に限らず、常時必要な業務も有期職員 に担わせている。その実態を踏まえ、無期転換を原則とすべきだ。  改正法は労働条件の不合理な差別を無くし、無期と有期の格差是正も定めている。人 事の公平性は職員全体の中で担保すべきで、無期転換に際し常勤労働者に課していない 資格や能力を求めることは妥当でない。   "[he-forum 19524] 北大の契約職員 雇い止め撤回を 弁護士らアピール文(3/17付け『北海道新聞』)","北大の契約職員 雇い止め撤回を 弁護士らアピール文 03/17 05:00  労働契約法の改正で4月から非正規労働者の無期転換が本格的に始まるのを前に、 転換に消極的な北大に対し、道内外の弁護士や大学教授ら157人でつくる「北大 の雇い止め撤回を求める有識者の会」は16日、5年雇い止めルールの撤廃と、無 期転換を求めるアピール文を北大に提出した。  同会は、日本労働弁護団北海道ブロック代表の伊藤誠一弁護士ら7人が呼び掛け 人となり3月8日に発足。北大が無期転換の対象となる、5年を超える契約更新を 原則認めず、3月末で雇用期間が終わり雇い止めとなる有期契約職員がいることか ら、「就業規則を見直さないのは改正労働契約法の趣旨に反する」とのアピール文 をまとめた。  同会によると北大の非正規職員は約1700人おり、少なくとも約150人が 3月末で契約を満了する。 "[he-forum 19523] 非正規の雇用継続ルール、4月スタート 「無期転換」適用外の職場も(3/15付け『北海道新聞』)","非正規の雇用継続ルール、4月スタート 「無期転換」適用外の職場も 03/15 18:36 更新  4月から非正規労働者の無期転換が本格的に始まるのを前に、勤務先の都合で転換でき ず雇い止めされる労働者の間から雇用の継続を求める声が上がっている。原則転換を認め ていない北大で、北大教職員組合(北大職組)が調査したところ非正規職員の8割超が転 換を望んだ。札幌市の児童会館(ミニを含む)の指定管理者・さっぽろ青少年女性活動協 会も無期転換制度を導入したが、年齢などの制限があり、対象から外れた非正規職員たち 約80人が3月末に雇用を切られる。  「無期転換」とは、改正労働契約法によって通算5年を超えて同じ企業で働く人が無期 雇用への転換を申し込めば、企業は拒めない「無期転換ルール」のこと。4月から本格的 に適用が始まる。北大は財政難などを理由に5年を超える契約更新を原則認めていないた め、無期転換できない。  北大の研究機関で働く非正規職員(60代女性)は3月末で5年間の雇用が終わる。法 律上、5年を超えないと無期転換できない。「シンポジウムの準備、報告書の編集などの 仕事をした。私にとっても興味深いテーマを研究する教員もおり、4月以降も勤務したか った」と漏らす。  この職員は夫の収入があるため経済的には困らないという。それでも「北大以外も含め 非正規で30年働いている。『いつ雇用を切られるか』という不安は常にある」と打ち明 けた。  北大によると非正規職員は約1700人おり、このうち約150人が3月末で契約を満 了する(病院除く)。  北大職組が非正規職員を対象に勤務実態をアンケート調査したところ約360人が回答 (2月23日時点)した。非正規で働く理由を尋ねると、「常勤の仕事がないから」が6 1%と最も多く、「勤務時間が短いから」(27%)、「配置転換がないから」(13 %)などと続いた(複数回答)。無期転換を「希望する」が83%と圧倒的で「希望しな い」は13%。回答者から「5年間で使い捨てられる感覚が常にどこかにあるので信頼関 係を築きにくく、モチベーションが上がらない」などの意見が寄せられた。  北大職組の駒川智子書記次長(教育学研究院准教授)は「常勤の仕事が見つからなかっ たり、生活に見合う勤務を選んだりして北大で非正規で働く職員の大半が、安定した就労 である無期雇用を望んでいる。転換を認めないことで職員の労働意欲をそぐのは大学にも 不利益だ」と指摘する。 ◇  無期転換制度を導入後、制度から漏れた労働者が不満を募らせるケースもある。さっぽ ろ青少年女性活動協会は昨年4月、この制度を取り入れた。ただし転換できる職員の年齢 上限を設けたほか臨時職員などを対象から外し、今年3月末、約80人が雇い止めとなる。  3月末で更新上限(3年)になり契約満了を通告された女性職員(68)は「最初の契 約では70歳まで働けると言われた。実際、70歳をすぎて3年以上勤める人もいた。だ が、私は年齢制限で転換できない。勤務の途中で制度が変わって働けなくなるのは納得で きない」。計6年半働いた別の女性職員(69)も3月末で雇用が切れる。「子どもが好 きなので、あと1年続けたかった」と残念がる。  全日本建設交運一般労働組合札幌学童保育支部と札幌ローカルユニオン結(ゆい)は 「協会が無期転換を導入したことは評価するが、年齢上限などで不利益を被る労働者が出 ないよう、希望する非正規全員を無期雇用すべきだ」と主張する。協会は「来年度以降、 臨時職員の処遇などを検討したい」と話している。(編集委員 中村康利) "[he-forum 19522] 地方大を追い込むな 宮本氏 最先端研究競争を批判(3/26付け『赤旗』)","地方大を追い込むな 宮本氏 最先端研究競争を批判 衆院地方創生特 2018年3月26日(月)  日本共産党の宮本岳志議員は20日の衆院地方創生特別委員会で、地方大学振興・若者 雇用促進法案について、地方大学の振興には基盤的財政の抜本的拡充が欠かせないと主張 しました。  同案は東京一極集中是正を理由に、自治体が地方大学振興と若者の雇用機会創出の計画 を策定し、計画が国の認定を受けた自治体に交付金を交付するものです。  認定の基本指針は国が定め、先導的研究基盤・技術を活用した最先端研究には補助率を 引き上げます。宮本氏は「政府の成長戦略に沿った最先端技術の開発を競わせるものだ」 と批判しました。  梶山弘志地方創生相は「あくまで大学が自主的に判断するもの」と答弁。宮本氏は「大 学は競争的資金獲得に追われる。実態はやらざるを得ない状況に追い込まれている。これ を放置していいのか」と迫りました。  宮本氏は地方国立大学の危機的貧困の実態を示し、同法案は地方大学の財政的危機を解 決するものではなく、地方大学を地方創生に貢献させるものだと指摘。梶山氏は大学への 予算削減には触れず、「有識者会議で、地方大学は総花主義で特色がないと指摘を受けた。 危機を脱するために、魅力ある大学にするため改革を進めていただく」と述べました。 "[he-forum 19521] 無期転換逃れは明白,高橋氏 内部文書で東北大告発 衆院厚労委(3/24付け『赤旗』)","無期転換逃れは明白 高橋氏 内部文書で東北大告発 衆院厚労委 2018年3月24日(土)  日本共産党の高橋千鶴子議員は23日の衆院厚生労働委員会で、東北大学が3月末に非 常勤職員の大量雇い止めを強行しようとしている問題について、労働契約法の無期雇用転 換ルール逃れを画策した内部文書を示して告発し、政府が解決に乗り出すべきだと訴えま した。  全国90の国立大学法人の事務系の有期雇用職員は9万8667人、契約更新に上限が あるのは5万9673人で、3月末で契約期限となるのが7919人です。  東北大で契約期限となる非常勤職員1140人は全員がいったん雇い止めとなり、「限 定正職員」試験に合格して採用し直されるのが690人。そのうち418人は「プロジェ クト型」などの口実で1年で雇い止めの恐れがあると、高橋氏は指摘しました。  高橋氏は、東北大が5年を超える契約更新をせず、6カ月のクーリング(空白)期間で 雇用をリセットするとした内部文書を読み上げ、厚労、文科両省の対応をただしました。  牧原秀樹厚労副大臣は、「雇用の安定を図る労契法に基づく対応が望ましい」、丹羽秀 樹文科副大臣は、「各法人に労契法の趣旨を踏まえ対応をお願いしている」と答えました。  高橋氏は、「人事をやっているのは文科省天下りの理事だ。財政を口実に無期転換はで きないというが、所管官庁として心配はないとちゃんと言うべきだ。東京大学をはじめ分 かっているだけで17大学で無期転換になった」と強調。丹羽副大臣は、「東北大に対し ても職員側と適切に対話し、労働関係法令に基づき対応するよう伝えたい」と答弁しまし た。。 "[he-forum 19520] 里見進・東北大学総長最終講義 世界から尊敬される三十傑大学の基盤づくりに尽力(3/9付け『m3』)","里見進・東北大学総長、最終講義「創造と変革を先導する大学」 世界から尊敬される三十傑大学の基盤づくりに尽力 2018年3月9日 m3.com https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/587887/  東北大学総長の里見進氏は同大医学部開設百周年記念ホールで2月16日、「創造と変革 を先導する大学~世界から尊敬される三十傑大学を目指して~」と題して最終講義を行い、 「東日本大震災後、混乱していた大学が何とか落ち着き、学生も教員も、教育や研究に真 摯に取り組める環境になったと感じている」と振り返った。総長を務めたのは、2期6年。 自らが指揮を執ってきた大学改革の現状を紹介。今後、確実な成果を挙げ、真のワールド クラスの大学、世界三十傑大学に飛躍するよう、次世代への期待を込めて最終講義を進め た。  里見総長は1974年3月東北大学医学部医学科卒業。専門は移植外科で、移植医療の研究、 臨床に取り組み、1991年に生体肝移植を実施。1999年にはわが国初の脳死臓器移植のうち 腎移植を担当するなど、その後は日本の脳死移植の新局面を切り拓いてきた。1995年10月 に東北大学医学部第二外科(現外科病態学先進外科学分野)教授に就任。2011年3月の東 日本大震災時は、東北大学病院長として震災対応、復興の指揮を執り、2012年4月に総長 に就任。大学改革に挑み、2017年には東京大学、京都大学と並んで、指定国立大学法人の 3大学の一つに指定された。  「本学の現状と今後進んでいく方向性を示すことで、大学の将来を若い皆さんに託した いという思いを込めてお話しさせていただく」と語り、最終講義を始めた里見総長。その 内容は、「東北大学の歴史と特色」「東日本大震災と総長就任」「本学の課題と課題の取 り組み」という3本柱だ。  東北大学は1907年に、東京大学、京都大学に次ぐ国内3番目の帝国大学として創設され た。「研究第一主義」の伝統と「実学尊重」の精神を兼ね備える。「門戸開放」の理念も 特徴で、1913年にわが国初の女子学生が誕生、専門学校・師範学校の学生の「傍系入学」、 留学生の受け入れにも早くから取り組んできた。「実力のある者は、そのバックグラウン ドにかかわらず受け入れる精神は、今も受け継がれている。実学尊重では、胃癌の集団検 診、ノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏の質量分析技術など、社会のありようを変える いくつもの成果を生み出した」。  「本学の111年の歴史の中で、2011年3月の東日本大震災は忘れられない出来事。本学の 学生3人も被害に遭い、施設設備等、生物系の研究試料も失われ、帰国する留学生も相次 ぐなど、一時的に大学の研究機能が大きく損なわれた」。大学の被害額は建物約300億円、 研究設備約269億円に上った。  震災の1年後に総長に就任した里見氏は、「震災からの復興と新生の先導」と「ワール ドクラスへの飛躍」から成る「総長ビジョン」を策定。教育、研究、震災復興、産学連携、 社会連携、キャンパス環境、大学経営という7つの分野のビジョンを掲げ、実行に移した。 いずれにおいても、医療は重要な柱だ。  その象徴と言える東北メディカル・メガバンクでは、東北の医療の単なる復旧ではなく、 創造的復興を目指した。8万人の地域住民コホートと、7万人の3世代コホートで、遺伝子 情報と医療情報を集積し、両者を組み合わせることで、個別化医療・予防の実践を目指し ている。「3世代コホートでは、宮城県の妊婦さんの2人に1人が協力してくれた。究極の 個人情報とも言えるデータを短時間でこれだけ集積できたのは、世界的にも類がない」。 2017年には、1000人分の全ゲノム解析を終え、全世界に発信するなど、わが国のゲノム医 療の発展に貢献している(『ゲノム医療のプラットフォーム、「dbTMM」開発』などを参 照)。  「本学の課題と課題の取り組み」の最初で、里見総長が「一喜一憂すべきものではない が、やはり気になる」と語り示したのが、世界大学ランキング。「本学は国内的には3な いし4の評価を受けているが、世界的な評価は厳しいと分析している」。  2017年、指定国立大学法人として名乗りを上げた東北大学は、「人材育成」「研究力強 化」「社会との連携」「大学経営革新」の4つを掲げ、多分野にわたる数々の取り組みを 紹介した。「ライフサイエンス分野も、本学の強みであるナノテク・材料分野に匹敵する ほどに近年急激に成長している」。そのほか、課外活動における成果なども披露。6年間 の総長在任期間のうち、全国七大学総合体育大会では、史上初の3連覇を含む4回の優勝を 経験したという。  約1時間にわたった最終講義の中で、自身の個人的なエピソードに触れたのは最後の数 分間。里見氏は、鹿児島市出身だが、高校3年生まで両親の故郷である沖縄県那覇市で過 ごした。「当時の沖縄はまだ本土復帰前。国費留学生として、昭和42年(1967年)に東北 大学医学部に入学した。パスポートを持っての入学だった。これが、当時の米軍の琉球列 島高等弁務官が発行したパスポート」。  「入学時は、卒業後、すぐに沖縄に戻って医療に従事するつもりだったが、研修医時代 やボストンへの留学時代を除いて、大半を東北大学で過ごした。この間、教授、病院長、 総長として、自分の実力以上の役割を務めさせていただいた」。里見総長はこう語り、友 人、先輩、後輩、恩師など多くの関係者への感謝の言葉を述べ、最終講義を締めくくった。  最終講義の中で里見総長は、総長の立場として全学の現状や将来ビジョンを語ったが、 そのうち医療に関係する主なトピックスを紹介する。 ◆「人材育成」:高等大学院、国際共同大学院プログラム  全ての大学院教育プログラムを学位プログラムへ進化させ、学位プログラム全体を管轄 する組織として「東北大学高等大学院」を創設。さらに「国際共同大学院プログラム」を 設置、海外の有力大学と連携し、共同教育を実施する。参加学生の奨学金と海外渡航費を 支援する国際共同学位取得制度なども設ける。対象の計7分野の一つが生命科学。 ◆「研究力強化」:世界トップレベル研究拠点  「世界トップレベル研究拠点」として、材料科学、スピントロニクス、災害科学と並ん で、未来型医療の4領域を位置付ける。各拠点の中核メンバーとして20~30人程度を選出 し、拠点ごとに10~15人程度の若手研究者を国際公募により採用。海外有力大学から卓越 した研究実績を持つ優秀な研究者を戦略的に招聘、拠点長は総長が使命し、実績に応じた 給与体系を導入する。  「未来型医療」ではバイオバンクに加え、ゲノム医療、基礎生命科学、情報科学などの 研究力を結集。データ科学、人工知能を活用した分野融合研究を加速。約80万人の臨床 データを保有する東北大学病院とも密接に連携し、個別化医療・予防への転換を図る。 ◆「社会との連携」:東北大学病院臨床研究推進センター(CRIETO)、アカデミック・サ イエンス・ユニット(ASU)  「社会的にインパクトのある研究拠点」として、30のプロジェクトを実施。医療関係で は、「個別化医療」「認知症ゼロ」「口から健康」「人の医薬品」「感染症超克」が並ぶ。 2012年4月に、ライフサイエンス系研究開発の基礎から橋渡し研究を行うことを目的とし て、CRIETOを設置した。ASUでは、医療の現場で、医療者と開発者が共同で、ニーズの掘 り起こしからその解決法、製品化までを共同で行う。現在、30社以上、約800人の研究者 が医療の現場に出入りしている。  ジャパン・バイオデザインプログラムも立ち上げ、人材育成を通して医療機関における イノベーションの活性化につなげる。2015年には大阪大学、東京大学、東北大学が、米国 スタンフォード大学とバイオデザインプログラムに関する提携契約に調印。本プログラム 修了者からベンチャーを立ち上げる人材養成を期待。  さらに個別化医療の実現に向け、東北大学個別化医療センターを設置。東北メディカ ル・メガバンク、ビッグデータメディカルセンター等と連携し、「難治性疾患の個別化医 療プロジェクト」などに取り組む。 ◆大学経営革新:キャンパス整備  医学部のある星陵キャンパス等の整備。2015年には医学部開設100周年を記念して、 「星陵オーディトーリアム」(100周年記念ホール)が完成。  その他、(1)医療教育用シミュレーターなどで実習が可能な「東北大学クリニカル・ スキルラボ」(2016年度の利用実績は1万7604人で、半数は学外)、(2)大型実験動物を 用いて先端医療技術のトレーニングができる「先端医療技術トレーニングセンター」、 (3)研修医専用宿舎――などを設置、運用している。  この3月には「先進医療棟」をオープン。地下1階、地上4階建てで、高度救命救急セン ター、手術室、ICU、ハイブリッド手術室、ロボット手術室などを備える。 ◆大学経営革新:学生・若手研究者への継続的支援、戦略的人事制度の構築・活用  学生・若手研究者への継続的支援として、総長のリーダーシップに基づき、学際高等研 究教育院の支援経費、学際科学フロンティア研究所の支援経費、学生の海外留学も支援、 学生の課外活動等の支援、卓越した大学院拠点形成に向けた博士課程学生への支援、イノ ベーション創発博士人財育成プログラム、震災復興支援基金による被災学生支援などを実 施。戦略的人事制度として、リサーチプロフェッサー制度等を実施。 【里見進・東北大学総長へのメッセージ募集中!】  里見先生の教えを受けた方、一緒に仕事をされた方など、縁のある皆様、最終講義を終 えた先生にメッセージを贈りませんか。ぜひこちらから、ご投稿ください(匿名でも、実 名でも可です)  ※お寄せいただいたメッセージの一部は、m3.com上に掲載することを予定しております ので、あらかじめご了承くだい。 ????4????いる。東京大学の対応が正当化されると、多くの大学が追随し、数万単位の雇用に影響が及ぶ可能性があることを指摘しておきたい。  東京大学は本来、法改正の理念を汲みとり、最も模範を示すべき存在ではないだろうか。筆者は東京大学に「東大ルールにより非正規教職員を雇い止めするこ とは、改正労働契約法の趣旨に反しているとの指摘があるが、大学としての考えを聞きたい」と8月10日に取材を申し入れた。  この申し入れに対し、東京大学広報課は、非常勤教職員の多くを雇い止めして、新たな「職域限定雇用職員」を公募する方針は認めた。一方大学の見解については、「本部が長期の休みに入るので、8月21日以降に改めて連絡します」と答えるに留まった。  この問題は、少子化や大学改革などとも密接に関係しているはずだ。大学側も苦しい事情を抱えているのだろうことは推察できる。筆者は東京大学側への取材も含めて、今後もこの問題を追っていくつもりだ。                             田中 圭太郎= "[he-forum 19519] 雇い止め撤回へ 立民に指導要望 東北大職員組合(3/21付け『河北新報』)","雇い止め撤回へ 立民に指導要望 東北大職員組合 (3/21付け『河北新報』)  東北大が3000人規模の非正規職員を3月末から順次雇い止めにするのは 不当な脱法行為だとして、東北大職員組合は20日、雇い止め撤回と無期雇 用への転換を厚生労働、文部科学両省から大学側に指導するよう、立憲民 主党の長妻昭代表代行に要望した。  2013年4月施行の改正労働契約法は、18年4月以降に非正規労働者の有 期契約が更新を重ねて通算5年を超えた場合、労働者の申し込みにより、 無期雇用に転換できると定める。  これを受け、大学側は4月、業務を制限した上で無期転換する「限定正職 員」制度を導入する。5年超の勤務実績がある非正規職員は約1050人だが、 制度の採用試験合格者は669人にとどまる。  元厚労相の長妻氏は大学側がまとめた改正法の対応方針案を問題視し、 脱法的な制度だと国に認めさせるかどうかがポイント」と指摘。両省への 聞き取り、内閣への質問主意書などでただす考えを示した。  組合は同日、希望の党と共産党にも要望した。 "[he-forum 19518] 東北大職員組合「雇い止め」反対デモ(3/22付け『東北放送ニュース』)","東北大職員組合「雇い止め」反対デモ 3/22(木) 19:18配信 TBC東北放送  東北大学による非正規職員の雇い止めを撤回させようと職員組合や県労連の メンバーなどが仙台でデモ行進を行いました。  労働契約法の改正で、4月から同じ職場で5年を超えて働く有期雇用の職員 は、無期雇用に転換できるルールが本格的に適用されます。東北大学では、こ れを前に400人以上の非正規職員を3月末で「雇い止め」にする方針で、非 正規職員が起こした労働審判の弁護団は「脱法行為」だと主張します。  参加者は東北大学片平キャンパスの周りを行進し、無期雇用への転換を求め シュプレヒコールをあげました。  東北大学では2020年にかけて非正規職員の雇い止めを順次行い、その人 数は3200人に達する見込みで「これまで誠実に対応してきたところであり、 今後も同様に対応していく」とコメントしています。 (動画(1:41~)) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180322-00000009-tbcv-l04 "[he-forum 19525] 4月から有期契約労働者の無期雇用転換 企業な,ど対応異なる(2/16付け『北海道新聞』)","4月から有期契約労働者の無期雇用転換 条件変わらず/認めない/検討や準備 企業な ど対応異なる 02/16 05:00  改正労働契約法により、4月から有期契約労働者の無期雇用への転換が本格的に始まる。 道内企業などにどう取り組むかを尋ねたところ、法律の規定を上回る、より労働者に有利 な雇用条件で無期転換を行う事業所がある一方、転換を認めないケースもあり、対応が分 かれている。  改正労契法では、契約社員、パート、準社員などの有期契約労働者の契約が通算5年を 超えると無期雇用に転換できる権利を得る。例えば同法が施行された2013年4月から 1年更新の契約を続けた場合、5年を超える今年4月の更新で転換権が発生する。本人が 勤務先に申し込むと次の契約から無期雇用になる。  道内百貨店大手の札幌丸井三越は従業員の長期勤続や定着を図るため、4月から約85 0人の契約社員を契約の通算年数に関係なく、全員無期雇用にする。新たに採用する契約 社員は最初から無期契約となる。正社員と同じ定年(60歳)まで働けるほか、傷病休職、 育児介護休職制度などを正社員と同じ内容で利用できる。賃金体系や仕事内容、勤務地は 変わらない。  道内スーパー大手、コープさっぽろは、1年以上働いた契約職員を対象に無期転換でき る制度を4月に導入。関連会社を含め約1万3千人いる契約職員のうち約1万人が無期転 換する。転換後の労働条件は変わらない。コープさっぽろは「無期転換を積極的に取り入 れて、職場の定着や人材確保を図る。職員の意欲が向上することも期待している」(人事 部)と話す。  北洋銀行も通算3年で無期転換できる制度を取り入れ、現在約1700人の契約社員の うち約840人が4月に無期雇用になる。  家具・インテリア製造小売り最大手ニトリホールディングスは、法律の規定通り通算5 年を超える契約で無期転換できる。道内外の店舗などで働く2万5千人が対象で、18年 度中に8千人が転換する。  一方、北電は約250人の契約社員がいるが、5年を超える更新を認めておらず、4月 での無期転換はいない。無期転換とは別に、正社員への登用制度を設けており、毎年、一 部の契約社員が正社員になっているという。  北大も契約職員、短時間勤務職員に5年を超える契約更新を原則認めていないため、無 期転換できない。16年5月現在、北大病院を含めた契約職員と短時間勤務職員は計59 66人。北大教職員組合は5年での雇い止めをやめるよう求めている。  このほか、道内スーパー大手のアークスは無期雇用転換への対応を「検討している」、 JR北海道は「準備している」と回答した。  北海学園大の川村雅則教授(労働経済学)は「労使で法律を上回る規定を設けたケース は評価でき、基本給や諸手当など処遇面の改善が今後の課題になる。5年以内で雇い止め にするのは合理的な理由が見当たらず、法の趣旨にも反しており、撤回すべきだ。多くの 有期労働者が無期雇用の転換権を得る4月が迫る中、検討中の企業も含め、順法精神にの っとって速やかに対応する必要がある」と話している。(編集委員 中村康利) "[he-forum 19530] 東北大雇い止め 方針転換求め学長に要請書(3/23付け『朝日』宮城版)","東北大雇い止め 方針転換求め学長に要請書 (3/23付け『朝日新聞』宮城版)  東北大学の雇い止め問題で、同大学職員組合(片山知史執行委員長)は22日、 有期職員を3月末に雇い止めにする同大の方針の転換を求める要請書を里見進総長 に提出した。  労働契約法では、通算5年を超えて継続雇用される有期労働者は無期雇用への 転換を求めることができる。この「5年ルール」が4月から始まるのを前に、同大 は有期契約が5年を超えないよう就業規則を改定。要請書では、こうした方針を 「全国でも得意」と断じ、「社会的に容認されえない方針を転換し、雇用安定化 にかじを切るべき。里見総長の決断を強く要請する」とした。  この日は仙台市青葉区の同大片平キャンパス周辺で雇い止め撤回を訴えるデモ 行進も行い、組合によると約100人が参加した。 "[he-forum 19529] 北海道大学の5年雇い止めルールの撤廃と、非正規職員の無期雇用転換を求める,有識者アピール(3/8~)","北海道大学の5年雇い止めルールの撤廃と、非正規職員の無期雇用転換を求める 有識者アピール (アピール文)http://www.econ.hokkai-s-u.ac.jp/~masanori/18.03appeal (賛同者一覧)http://www.econ.hokkai-s-u.ac.jp/~masanori/18.03.15appeal 賛同の送り先 masanoriアットecon.hokkai-s-u.ac.jp アットを@に変えてください。  雇用が更新されるかいつも不安。雇い止めに怯えることなく安心して働き続けたい―― ――非正規雇用者のこうしたささやかな願いをかなえるために2012年に労働契約法は改正 されました。同一の使用者の下で通算5年を超えて有期雇用で働き続ける労働者は、自ら 希望することで、無期雇用に転換することができるようになりました。遅きに失したとは いえ、また、不十分な制度改正であるとはいえ、有期雇用の濫用を規制し、雇用安定社会 を実現する第一歩として大きな期待が寄せられました。  ところが北海道大学は有期雇用職員の最長雇用期間を5年としており、無期雇用転換が 本格的に開始される2018年4月1日を前にしても就業規則を見直そうとはしていません。17 00人もの非正規雇用者の雇い主であるにもかかわらず、北海道大学は通算の労働契約期間 が5年を超える前に雇い止めを図ろうとしているのです。言うまでもなく、無期転換ルー ルを避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇い止めすることは、法の 趣旨に背くものです。この点は首相の国会答弁でも明確に述べられており、文部科学省が 国立大学に出した通知でも確認されています。本来大学という組織は、市民社会における 模範となるべき存在であって、このような脱法行為と言われても仕方が無い方針の採用は、 自らの社会的な評価を著しく損ねるものであると言わざるを得ません。  非正規雇用問題は、社会の持続可能性を著しく低下させ、まさに今、解決が求められて いる焦眉の課題です。大学における教育活動も研究活動も、非正規雇用者の支えなくして は成り立ちません。非正規・有期という形態で雇われていることこそが本来おかしいので す。実際に、東京大学や名古屋大学、道内では室蘭工業大学や小樽商科大学など、全国各 地の大学で5年雇い止めルールを撤廃する動きが進んでいます。  北海道大学は、北海道はもちろんのこと、全国における教育と研究をリードしていくこ とが期待されている大学です。私たちは、北海道大学が良識にもとづき、非正規職員の無 期雇用転換の実現を図ることを強く求めるものです。 2018年3月8日 呼びかけ人(五十音順) 伊藤誠一 (弁護士、日本労働弁護団北海道ブロック代表) 上田絵理 (弁護士、日本労働弁護団北海道ブロック事務局長) 川村雅則 (北海学園大学教授) 駒川智子 (北海道大学准教授) 羽部朝男 (北海道大学教授) 松本伊智朗(北海道大学教授) 松本ますみ(室蘭工業大学教授) アピール賛同者一覧(2018年3月15日第一次集約分) (ア行) 1. 浅妻裕(北海学園大学経済学部教授) 2. 安達潤(北海道大学大学院教授) 3. 阿知良洋平(室蘭工業大学・講師) 4. 安部由起子(北海道大学教授) 5. 姉崎洋一(北海道大学名誉教授) 6. 天笠道裕(北海学園大学教授) 7. 有村とく子(弁護士・大阪弁護士会) 8. 池田賢太(弁護士・札幌弁護士会) 9. 石川元也(弁護士・大阪弁護士会) 10. 石倉康次(立命館大学教授) 11. 今井順(北海道大学大学院文学研究科・准教授) 12. 岩佐卓也(神戸大学准教授) 13. 上山浩次郎(北海道大学助教) 14. 内田和浩(北海学園大学教授) 15. 内山仁志(国際医療福祉大学准教授) 16. 浦野真理子(北星学園大学教授) 17. 江見清次郎(元北海道大学教員) 18. 遠藤礼子(元非常勤講師、立命館大学他) 19. 大賀浩一(弁護士・札幌弁護士会) 20. 大竹政美(北海道大学教員) 21. 太田幸雄(北海道大学名誉教授 工学研究院) 22. 大谷和大(北海道大学教員) 23. 大野栄三(北海道大学教授) 24. 大森一輝(北海学園大学教授) 25. 大屋定晴(北海学園大学教授) 26. 大和田敢太(元滋賀大学教員) 27. 岡崎敦男(北海学園大学工学部教授) 28. 岡田智(北海道大学教育学研究院准教授) 29. 岡田俊明(青山学院大学大学院法学研究科非常勤講師・税理士) 30. 荻原克男(北海学園大学教員) 31. 小田博志(北海道大学文学研究科教員) 32. 小尾晴美(名寄市立大学教員) (カ行) 33. 垣内国光(明星大学教授) 34. 河西哲子(北海道大学大学院教育学研究院 准教授) 35. 堅田香緒里(法政大学教員) 36. 片野淳彦(非常勤講師) 37. 片山一義(札幌学院大学教授) 38. 加藤丈晴(弁護士・札幌弁護士会) 39. 加藤弘通(北海道大学教員) 40. 門松昌彦(北海道大学特任准教授) 41. 亀田成春(弁護士・札幌弁護士会) 42. 川田学(北海道大学准教授) 43. 川原茂雄(札幌学院大学教員) 44. 岸本由起子(弁護士・大阪弁護士会) 45. 木下武徳(立教大学教授) 46. 木村保茂(元北海道大学教授) 47. 清末愛砂(室蘭工業大学准教授) 48. 熊沢誠(甲南大学名誉教授、研究会「職場の人権」顧問) 49. クラウゼ小野(室蘭工業大学教授) 50. 桑山敬己(北海道大学文学部教授) 51. 小出達夫(北海道大学名誉教授) 52. 河野和枝(北星学園大教員) 53. 小坂直人(北海学園大学教授) 54. 児玉和人(静岡英和学院大学短期大学部准教授) 55. 小田清(元北海学園大学教員) 56. 小西祐馬(長崎大学教育学部准教授) 57. 小柳敦史(北海学園大学人文学部准教授) (サ行) 58. 齋藤耕(弁護士・札幌弁護士会) 59. 斉藤美香(札幌学院大学准教授) 60. 佐々木彈(東京大学教授) 61. 佐々木宏(広島大学・大学院総合科学研究科・准教授) 62. 佐藤博文(弁護士・札幌弁護士会) 63. 澤柿教伸(法政大学准教授) 64. 塩見卓也(弁護士・京都弁護士会) 65. 篠田奈保子(弁護士・釧路弁護士会) 66. 志村和紀(北海道大学工学研究院教員) 67. 白樫久(北見工業大学・岐阜大学名誉教授) 68. 白水浩信(北海道大学教員) 69. 杉田真衣(首都大学東京准教授) 70. 須田力(元北海道大学教育学部教員) 71. 関あゆみ(北海道大学准教授) 72. 瀬名波栄潤(北海道大学教授) (タ行) 73. 田岡昌大(大阪青山大学教員) 74. 高崎暢(弁護士・札幌弁護士会) 75. 高島拓哉(大分大学准教授) 76. 田中綾(北海学園大学教員) 77. 田中健太郎(弁護士・札幌弁護士会) 78. 田中康雄(北海道大学名誉教授) 79. 谷中久和(鳥取大学講師) 80. 辻智子(北海道大学教員) 81. 鶴田廣巳(関西大学名誉教授) 82. 寺田龍男(北海道大学教員) 83. 土岐邦彦(岐阜大学地域科学部教授) 84. 冨田真平(弁護士・大阪弁護士会) 85. 戸室健作(山形大学准教授) (ナ行) 86. 中澤祐一(北海道大学教員) 87. 中島哲(弁護士・札幌弁護士会) 88. 中嶋哲彦(名古屋大学大学院教授) 89. 中囿桐代(北海学園大学教授) 90. 中西基(弁護士・大阪弁護士会) 91. 長野督(北海道大学教員) 92. 中原准一(元酪農学園大教員) 93. 中村和雄(弁護士・大阪弁護士会) 94. 長屋昭義(兵庫県立大学名誉教授) 95. 永山利和(元日本大学教授) 96. 新國三千代(札幌学院大学教授) 97. 西田千鶴子(北海道大学教員) 98. 西村武彦(弁護士・札幌弁護士会、北海道障害者人権センター事務局長) (ハ行) 99. 萩尾健太(弁護士・第二東京弁護士会) 100. 畑地雅之(弁護士・旭川弁護士会) 101. 晴山一穂(専修大学教授) 102. 早尻正宏(北海学園大学准教授) 103. 秀嶋ゆかり(弁護士・札幌弁護士会) 104. 平井敏幸(北海学園大学非常勤講師) 105. 平野研(北海学園大学教授) 106. 広木克行(神戸大学名誉教授) 107. 深澤達也(北海道大学工学研究院教員) 108. 福澤加里部(北海道大学教員) 109. 福地保馬(北海道大学名誉教授) 110. 藤野友紀(札幌学院大学教員) 111. 藤原千沙(法政大学教員) 112. 本田宏(北海学園大学教授) (マ行) 113. 前田輪音(北海道教育大学教員) 114. 正木浩司(非常勤講師、北海道地方自治研究所) 115. 桝井妙子(弁護士・札幌弁護士会) 116. 増子捷二(元北海道大学教員) 117. 松田康子(北海道大学教授) 118. 松本広幸(北海学園大学教授) 119. 間宮正幸(北海道大学名誉教授) 120. 水野邦彦(北海学園大学教授) 121. 水野谷武志(北海学園大学教員) 122. 三井登(名寄市立大学教員) 123. 見附陽介(北海商科大学講師) 124. 光本滋(北海道大学准教授) 125. 皆川洋美(弁護士・札幌弁護士会) 126. 峯本耕治(弁護士・大阪弁護士会) 127. 宮内泰介(北海道大学教授) 128. 宮入隆(北海学園大学教授) 129. 三輪隆(埼玉大学名誉教授) 130. 村尾直人(北海道大学工学研究院教員) 131. 村上呂里(琉球大学教授) 132. 持田誠(北海道教育大学非常勤講師、北海道大学総合博物館資料部研究員) 133. 森岡孝二(関西大学名誉教授) 134. 森啓(元北海道大学教授、北海学園大学法科大学院講師) 135. 森下宏美(北海学園大学教授) 136. 森博俊(都留文科大学名誉教授) 137. 守屋淳(北海道大学大学院教育学研究院教授) (ヤ行) 138. 安原邦博(弁護士・大阪弁護士会) 139. 山内太郎(札幌国際大学短期大学部准教授) 140. 山形定(北海道大学教員) 141. 山田誠治(北海学園大学教授) 142. 山野良一(名寄市立大学教員) 143. 山本完自(弁護士・札幌弁護士会) 144. 雪田樹理(弁護士・大阪弁護士会) 145. 湯本誠(札幌学院大学教員) (ワ行) 146. 渡辺達生(弁護士・札幌弁護士会) (非公開希望) 147. ○○○○(北海道大学教員) 148. ○○○○(札幌学院大学教授) 149. ○○○○(九州大学教員) 150. ○○○○(○○○○大学教員) は推察?′?4????京大学側への取材も含めて、今後もこの問題を追っていくつもりだ。                             田中 圭太郎= "[he-forum 19528] 無期雇用 大学も続々 室工、帯畜、樽商など上限撤廃/北大は難色(2/12付け『北海道新聞』)","無期雇用 大学も続々 室工、帯畜、樽商など上限撤廃/北大は難色  事務職員や非常勤講師 待遇改善へ前進  2/12付け 北海道新聞  労働契約法の改正で4月以降、有期労働者が通算5年を超えて働けば無期契約への転換が 認められる「無期転換5年ルール」が始まる。非正規である有期労働者の雇用の安定が目 的で、道内の大学では、これまで最長5年と定めてきた事務職員や非常勤講師などの有期 契約職員の雇用期間を見直し、無期雇用に転換できるようにする動きが広がっている。一 方で、転換に消極的な大学もある。(報道センター 大脇聡) 「正規職員も賛同」  室蘭工業大は従来、有期契約職員の雇用期間の上限を5年としていたが、昨年10月の役 員会で、まず非常勤講師について、5年を超えることを認めることを決めた。同12月には 事務職や技術職の有期契約職員も5年を超える雇用を認めると発表。無期雇用に大きくか じを切った。  無期雇用を訴えてきた室工大職員組合は「正規職員や大学教員も賛同した」(清末愛砂 執行委員=准教授)と振り返る。組合は2016年3月から有期契約職員の雇用の安定に向け、 団体交渉に入り、街頭宣伝活動や、教授会への働きかけを展開。「有期契約職員の待遇改 善への理解に加え、(新しい人を雇うよりも)スキルや経験のある職員を残した方が業務 に集中できるという理解も広がった」という。  帯畜大も昨年12月、期間が定まった研究プロジェクトでの雇用を除き、原則5年と定め ていた有期契約職員の雇用期間の上限を撤廃することを決めた。大学側は「安心して働け るようにという法の趣旨を踏まえた」と説明する。  また小樽商科大は昨年目月、有期契約職員のうち、非常勤講師の無期転換を就業規則に 明記。道教育大も本年度内に規則を改正して、有期契約職員の5年を超えた契約更新を認 める方向だ。旭川医科大は「医療や看護など専門性の高い分野は人材確保が難しい」とし て、既に通算5年を超えた雇用を行っているという。  私立大でも無期転換ルールへの対応が進む。道私立大学教職員組合連合などによると、 年明け以降、複数の札幌圏の私大で、臨時職員や非常勤講師の雇用期間の上限撤廃の動き が加速。1年更新の雇用契約について「書類を出せば原則、無条件で更新できるルールを 策定中」とする私大もある。 「別の人雇う意味は」  一方、無期雇用への転換に消極的なのが北大だ。北大教職員組合が1月下旬に開いた 「無期転換緊急相談会」で、組合の松本伊智朗執行委員長(教授)は訴えた。「安定雇用 の確保が法改正の趣旨なのに北大は『5年雇い止め』のままという。仕事があるのに人を 切り、また別の人を雇うことに、どんな意味があるのか」  2日間に4回開かれた相談会には計77人が集まった。「今のままでは春に辞めなくてはな らない」。事務勝因の50代女性は肩を落とした。3月末で丸5年。このままでは月8万円の 収入を失う。「せっかく慣れた仕事なので何とか続けたい」。進学を前にした子どもがお り、教育費は増える一方という。  北大は、有期契約職員の雇用について「労働契約の期間は原則1年以内」、更新は「大 学が特に必要と認める場合を除き5年を超えない」と定めている。組合は5年での雇い止め をやめるよう求めているが、大学側は正規職員への登用試験があることなどを理由に、応 じていない。非常勤講師や特任教員、資格が必要な職種の職員など一部の非正規職員では 5年を超えた雇用も認めているが、事務職員は含まれない。北大の有期契約職員は現在6千 人以上おり、事務職は約900人。このうち約130人が3月末に丸5年を迎える。 非正規 守る流れに  非正規雇用の問題に詳しい北海学園大の川村雅則教授(労働経済学)は「新規採用は募 集や面接、指導など多くのコストがかかる。雇う側としては有期契約によって雇用の柔軟 性を維持したいのだろうが、教育や研究のため仕事に精通した人に長く働いてもらった方 が大学にとっても合理的だ」と指摘する。  ただし無期雇用に転換しても原則として待遇は同じ。非正規雇用が正規になるわけでは ない。また有期契約の空白期闘が6カ月以上(契約期間が1年以上の場合)になると、それ 以前に働いた年数は通算されず、再び5年を超えないと無期雇用転換が認められないとい う「落とし穴」もある。  無期転換への相談に応じている道労連の黒沢幸一議長は「無期雇用への転換は低賃金が 固定化されるという面もあるが、雇い止めの心配がなくなると、待遇改善を主しやすくな る。無期転換ルールを契機に非正規の雇用や待遇を守る流れになれば」と話す。相談は道 労連0120-378-060へ。 "[he-forum 19527] 「根拠なし」明白に 財政難口実も試算すらせず(2/28付け『道労連NEWS』)","「根拠なし」明白に 財政難口実も試算すらせず 2018/02/28 北大「無期転換問題」回答書報告集会  北海道大学教職員組合は2月27日、同大学内で「北大『無期雇用転換』問題 回答書報 告集会」を開催しました。2部制で行われた集会には、非常勤職員など、のべ62名が参加 しました。  冒頭、松本伊智朗北大職組委員長から「つい1時間前に回答が出された。回答書の内容 については、まったく納得のいくものではない。執行委員会として検討し、WEBに全文を 公開し、組合としての見解とあわせて明らかにする。組合は、無期転換を求めていく」と 語気を強めました。  労働契約法に関するレクチャーを行った桝井妙子弁護士(北海道合同法律事務所/写 真・下)は、法の趣旨について説明し、北大の有期雇用における現行制度と労働契約法と の対比をしながら、「大学にとって、新しい職員を雇い入れるたびに育成のコストがかか る。職員のスキルが大学に還元されない」など、職員にとっても大学にとっても「5年上 限」は何のメリットもないことを強調。「記憶せよ、抗議せよ、そして、生き延びよ」と いう井上ひさし氏の言葉を紹介し、「あきらめず、労働組合に入って無期転換を実現させ ることが重要です」と述べました。 いまの大学側の論理は論破できる 一緒にたたかっていきたい  引き続き、佐藤博文弁護士(北海道合同法律事務所)から、大学における有期雇用・雇 い止め問題について解説。「1990年代から雇用の流動化と不安定化が大学職場で波及し浸 透するもとで、営利企業と同様の政策が行われてきた。学問の自由と大学の自治=大学の 魂、存在意義そのもの、それが『営利主義』のもとで並行して潰されてきた。教育研究機 関としての、知的・社会的財産の場で、組合、権利意識の発揚が問われる問題だ。研究者 のサポートから学生のケアまで、多様。経験をつむほどスキルが高まる。その人たちを切 り捨てるのは、『安く、低く』使い捨てにするという経済的理由しかない。この間の他大 学のたたかいでは、厳しい大学の労働環境の中でも勝ちとっているし、『財政難』は必ず 打ち破ることができる。具体的な試算せず財政難を口実にするなど、まったく抽象的なこ と。厳しさをどう打開するのかは経営者の能力の問題。生活基盤としての賃金・労働であ ること、それが企業の社会的責任であることを、有期雇用推進者はまったく分離し、無視 している。北大は当所、3年の上限だった。弁護士も労組と一緒に各地で3年働けば『期 待権』が生じるものと、雇用を認めさせるたたかいをしてきた。5年で「満了」は従来か らの決まりではない。現在でも、『期待権』はいきている。雇用の在り方を問う大きな局 面にある。いまの大学側の論理は論破できる。私たち弁士も一緒にたたかっていく」と述 べました。 様々な手法、色々なレベル、あらゆる手段で 無期転換獲得めざす  北大職組としてのとりくみについて駒川智子書記次長(写真・左側)から報告。「あき らめません。戦い続けます。アンケートでは『無期転換を希望する方が8割』もいる。こ れが大学に対する根拠であり力です。獲得交渉を強めます。団体交渉、大学当局、各部局 単位、事務レベルなど、あらゆる方法、色々なレベルで攻めます。学内外の世論形成が必 要です。非常勤講師については、無期転換を認めているとの情報があります。学内に周知 させます。職場班を中心に、3月末で期間満了となる人の雇用を延長させるとりくみも始 まっています。『どうしても辞めてほしくない』の声が多数あり、教員による署名運動を 行っています。複数の学部にひろがっています。組合からの情報はWEBを中心に随時公表 していますが、全員には行きわたっていないのが実情です。ぜひ、みなさんの手で周りの 方に拡散してほしい。経営協議会の学外委員にも集会のご案内とともに情報提供のために 様々な文書を送付した。組合は、東日本大震災の際、25億円削減するという大学側の提 案を13億円以上圧縮させ、賃金カット提案について非正規雇用で働く方の賃下げを阻止 するなど、これまでにも少しずつだが成果を勝ち取っている。みなさんに、ぜひ組合に入 ってほしい。力を貸してください。」と呼びかけました。  集会の最後に松本委員長から、「組合としては、社会的にあたりまえの要求しているだ け。あらゆるチャンネルで交渉していく。そのためにも学内世論がカギです。組合員はま だ少ない。組合員がいない職場もある。みなさんからも声をかけて、情報の拡散と組合へ の加入を広げてほしい」と呼びかけました。  引き続き、北大に「5年上限」を撤廃させて、無期雇用転換を実現するために学内外の 世論を大きく広げましょう。 "[he-forum 19526] 大学は雇い止めやめよ 共産党に協力を要請 東北大職組(3/21『赤旗』)","大学は雇い止めやめよ 共産党に協力を要請  東北大職組 田村、高橋氏が応対  3/21付け しんぶん赤旗  東北大学職員組合の代表や非常勤職員たちは20日、国会で日本共産党の 田村智子副委員長、高橋千鶴子衆院議員を訪問し、東北大による違法・脱法 の雇い止め計画撤回のため協力を要請しました。  東北大は、労働契約法の有期雇用労働者を5年で無期雇用に転換するルー ルを逃れるため、非常勤職員を一律5年で雇い止めし、「限定正職員」試験 の合格者だけ無期雇用で雇い直すとしています。  東北大職組の千葉裕輝書記次長は、「3月末での雇い止め対象者1140人 のうち、限定正職員採用は690人ですが、すぐに雇い止め予定の人もいて、 実際に安定した無期雇用になるのは270人だけです」と実態を訴えました。  雇い止め撤回を求めている女性組合員は、「資料室の書籍管理を5年4 ヶ月しています。無期転換を不合格にされたが、上司は『6ヶ月後に戻っ てきてほしい』と言っている。私は無期で働きたい」と、クーリング(空 白)期間を使った脱法行為が広がる職場の状況を告発しました。  別の女性組合員は、「大学病院で13年働いている。いままでの働きが すべて無効にされてしまうなんて許せない」と述べました。  同席した東京大学教職員組合の佐々木弾委員長は、「文科省から出向して いる東北大理事が、東大の無期転換実現を『先を見ていない』などと中傷 している」と批判しました。  高橋議員は、「東北大は、雇用の安定という労契法の趣旨に反していま す」、田村議員は、「東北大の対応をただすため頑張りましょう」と答え ました。 "[he-forum 19533] 河北新報4/2","河北新報 2018年04月02日月曜日 山形大の情報不開示は「違法」アカハラ自殺など3件 国の審査会が山形大に出した答申書。全面不開示の決定3件について「違法」と判断し、「取り消すべきだ」と答申した  教員からアカデミックハラスメント(アカハラ)を受け、山形大工学部(米沢市)の男子学生が自殺した問題で、実態を調査 した第三者委員会の資料など2件の文書開示請求に対する同大の全面不開示決定を、総務省の情報公開・個人情報保護審査会が2017年12月、「違法で取り 消すべきだ」と答申していたことが1日、分かった。  同大は17年9月、職員組合が行った労働問題関連文書の開示請求にも全面不開示を決定。組合側の審査請求に、審査会は同じく12月に「違法で取り消すべきだ」と答申していた。  国の審査会が同一機関の不開示決定3件を相次いで「違法」と判断するのは極めて異例。同大の情報公開に対する消極的な姿勢が改めて浮き彫りになった。  関係者によると、「違法」と指摘されたのは(1)男子学生の自殺に関する第三者委調査報告書など(2)工学部で過去5年間にあったアカハラ事案関連文書(3)職員組合が開示請求した労基署による是正勧告書など-の全面不開示決定。  決定は17年8月22日~9月13日付で、通知書には開示請求に該当した文書名の記載がなかった上、不開示とした具体的な理由も記していなかった。   審査会は同年12月8~19日、3件の不開示決定について「(不開示理由の提示を定めた)行政手続法に照らして違法」と指摘。決定を「取り消すべきであ る」と大学に答申した。大学は(1)該当文書の名称(2)開示しない部分(3)その理由-を列挙した別紙を添付した上で部分開示した。  審査会事務局によると、16年度に出された全答申1198件のうち、76.1%に当たる912件は決定を「妥当」と判断。山形大への答申のように「妥当でない」に分類されたのは75件(6.3%)だった。  答申1件当たりの審査期間についても、全答申の平均が249.5日だった一方で、同大に出された3件は平均60.3日。異例の早さで「違法」と結論付けられていた。  山形大総務課の担当者は「審議期間2カ月は最短だと、答申を受ける際に説明を受けた。現在は指導に沿って適切に情報公開している」と話した。 [山 形大生アカハラ自殺問題]工学部の4年生だった男子学生が2015年11月に自殺した。16年6月、第三者調査委員会は指導教員の助教によるアカハラと自 殺の因果関係を認める報告書を作成した。報告書によると、自殺の2日前も、卒業研究の発表練習会で助教から内容の不備について厳しい言葉で指導されてい た。両親から相談を受けた複数の教員は、いずれも相談内容をハラスメント担当者に伝えていなかった。両親は大学と助教に計約1億1900万円の損害賠償を 求める訴えを起こし、山形地裁で係争中。 [国の情報公開・個人情報保護審査会答申までの流れ]省庁や国立大などの独立行政法人が情報開示 請求に対し不開示や部分開示とした決定に異議がある場合、行政不服審査法に基づいて審査請求することができる。請求を受けた行政機関は原則、学識経験者ら でつくる総務省の情報公開・個人情報保護審査会に諮問。審査会は決定の適否を答申する。答申に法的な拘束力はないが、各行政機関は答申を踏まえて対応する のが通例となっている。 "[he-forum 19532] 山形新聞3/27","山形新聞 2018年03月27日 07:45 山形大付属小中、教員の残業代不十分 国の規定適用外、労基署が是正勧告  山形大付属小中学校の教員に一律に支払われている残業代相当の「教職調整額」が不十分だとして、同大が山形労働基準監督署から是正勧告を受けていたこと が26日、大学への取材で分かった。公立学校の教員と同じレベルの給与になるように独自の規則を設けて支払ってきたが、“民間”の国立大学法人には認めら れないとし、実態に応じた支払いを指導された。近く改善報告書を提出する。  教員の仕事は授業の準備や教材研究をはじめ、学校行事や部活動など多岐にわたる。勤務時間が一定ではないことから、公立学校の教員に関しては、特別措置 法に基づき本給の4%が教職調整額として給与に上乗せされ、残業代は支払われない制度になっている。山形大は県教育委員会との交流人事で配置している教員 が、公立学校勤務時と同等の給与体系となるよう2004年の法人化以前から、「教職調整額」を適用していた。  17年7月に付属小中学校に山形労働基準監督署の調査が入り、同10月に是正勧告を受けた。大学によると、「公務員ではないため国の規定の取り扱いは当 てはまらない」と指摘されたという。このため過去半年分について、付属小中学校の教員計約60人の超過勤務実態を調査。同大では時間外労働の上限を「1日 6時間」などとする労使協定を結んでおり、昨年4月にさかのぼって不足分の支払いを決めた。金額に関しては精査中としている。  全国の付属学校でも過去に「教職調整額」の扱いが不十分と指摘されたケースがあり、山形大は「対応を協議している最中だった」と説明。「これまでの超過 勤務分を見分ける難しさがあるが、(労基署の)指導を受けながら対応したい」とし、残業代に充てる予算の確保や、公立学校と付属学校で異なってしまう給与 体系のバランスを今後の課題に挙げる。 "[he-forum 19534] 大学ジャーナルオンライン4/2","大学ジャーナルオンライン 2018年4月2日 国立大学の運営費交付金、39校増額、46校減額に 大学ジャーナルオンライン編集部  文部科学省が2018年度国立大学法人重点支援の評価結果をまとめたところ、全国86校のうち、各校の拠出額に対して東北大学、京 都工芸繊維大学、大阪教育大学、熊本大学など39校が増額、旭川医科大学、政策研究大学院大学、神戸大学、東京海洋大学など46校が減額、鹿屋体育大学が 同額となることが分かった。  文科省は国立大学を地域貢献、専門分野での優れた教育研究、世界トップ水準の教育研究の3部門に分け、運営費交付金の一部を各校から拠出させたうえ、改革の進展度合いに応じて再配分している。再配分率は拠出額の77~112%で、審査は有識者会議で進めた。  それによると、再配分率が最も高かったのは、福島大学、浜松医科大学、京都工芸繊維大学、愛媛大学、熊本大学の112.2%。帯広畜産大学、信州大学、東京芸術大学が110%以上の高い評価を受けた。  特筆すべき取り組みとして評価された各校の事業は、一橋大学の司法試験累積合格率全国1位を誇るプロフェッショナルスクールの構築、2016年度 で海外留学やインターンシップ参加者281人を数えた京都工芸繊維大学のグローバル化人材育成事業、2016年度に学内受講者が2,600人に上った愛媛 大学の地域人材育成事業など。  逆に、上越教育大学、和歌山大学、政策研究大学院大学は配分率が80%を下回っている。 参考:【文部科学省】平成30年度国立大学法人運営費交付金の重点支援の評価結果について "[he-forum 19535] しんぶん赤旗4/2","しんぶん赤旗 2018年4月2日(月) 4月運用開始 無期転換のルール守れ 雇い止めに抗し運動広がる  パートや契約社員など有期雇用で働く人が無期雇用に転換できるルールの運用が4月から始まりました。解雇の不安を解消するはずが、無期になる前に雇い止めされるケースが横行しており、“無期転換逃れ”を放置する安倍内閣の姿勢が厳しく問われています。  「無期転換ルール」は2008年のリーマン・ショックを受けて、13年施行の改正労働契約法で「雇用の安定」を目的に導入されました。  同じ企業で通算5年以上働くと、本人が求めれば無期雇用に転換できます。有期雇用のうち400万人以上が無期転換できる可能性があるとみられます。 抜け穴利用  しかし、無期転換を進める企業がある一方で、雇い止めなどをして無期転換を逃れようとする動きが各地で目立っています。  東北大学は3月末、非常勤職員を一律5年で雇い止めし、「限定正職員」試験合格者を除く400人以上の雇用を奪いました。労契法にも学問研究の発展という大学の使命にも逆行する行為です。  トヨタなど自動車メーカー7社は、契約終了から6カ月たてば再雇用しても無期転換が適用されないという法律の“抜け穴”を利用して、同じ人を有期 雇用で長期間使える仕組みを導入しています。リーマン・ショック時の「非正規切り」に反省なく、不安定雇用を続けようとしています。  全労連が3月に行った労働相談でも「13年からコールセンターで契約社員として働いているが、3月31日で満了となり更新しないといわれた」(北海道)などの訴えが相次ぎました。しかし、厚労省は実態調査もせず、抜本的な是正にも乗り出していません。 撤回させる  これに対し、労働者・労働組合がたたかい、日本共産党国会議員団の追及と相まって雇い止めを撤回、無期転換を実現させるケースも生まれています。  東京大学や早稲田大学では労組が5年上限の雇い止めを撤回させ、理化学研究所でも労組が非常勤職員345人の3月末の雇い止めを撤回させ、無期転換への道を切り開きました。  北海道労連が各地で開く「市民講座」で権利を知った労働者が、組合に入って無期転換を実現させています。  政府系法人の日本貿易振興機構や海洋研究開発機構による雇い止めでは、本紙が計画文書を入手し告発。党議員団と力を合わせて雇い止め撤回・無期転 換への道を実現しました。労働者からは「使い捨てるのが当然のように扱われていた私たちの味方になってくれてありがとう」との声が寄せられています。= "[he-forum 19536] しんぶん赤旗4/19","しんぶん赤旗 2018年4月19日(木) 大学の基幹経費増を 畑野氏「過度な資金競争改めて」  日本共産党の畑野君枝議員は12日の衆院科学技術特別委員会で、日本の科学技術力の低下の原因は「選択と集中」で大学に過度の資金獲得競争をさせているためだとして、大学の裁量で使途を決められる基幹経費の増額を求めました。  畑野氏は、日本の科学論文数が10年前に比べ3870本減り、うち国立大学は2620本減ったとして、低下の主体は国立大だと指摘。「基盤的な力 の弱体化は『選択と集中』による資金獲得競争が原因ではないか」とただしました。松山政司科学技術担当相は「公募型研究資金等による『選択と集中』で競争 が過度にならないよう適切に配慮する」と述べました。  畑野氏は「過度な資金獲得競争を緩和するためには、国立大の運営費交付金、とりわけ基幹経費の増額が必要だ」と求めました。松山担当相が「前年度比同額程度が確保されている」と答えたのに対し、「確保では不十分。増額すべきだ」と重ねて求めました。  畑野氏は、内閣府で設置した「イノベーション戦略調整会議」に小野寺五典防衛相が参加していると指摘。戦争に科学者を動員させない戦後の歴史に背くものであり「科学技術の軍事利用への総動員体制に道を開くことは断じて許されない」と批判しました。 youtube https://www.youtube.com/watch?v=IkZek5Rvkck= "[he-forum 19537] 朝日新聞4/23","朝日新聞 2018年4月23日08時33分 「博士」の末は…就職難 かつては名誉、変わりゆく境遇 佐藤剛志 博士に関する日本の歴史  かつて「末は博士か大臣か」と言われ、今も少なくない子供たちが憧れる「博士」。日本で近代的な学位としての博士が制度化されてから130年が過ぎた。この間、博士号やその取得者を取り巻く状況はどう変化してきたのだろうか。  第一生命が小学6年生までの子供たちに「大人になったらなりたいもの」を尋ねたアンケート結果で今年、「学者・博士」が男の子の1位となった。この「博士」という言葉自体は古くからあり、律令制の官職では大学寮や陰陽寮などに属した教官を指した。有名な陰陽師・安倍晴明は「天文学博士」だった。  1887(明治20)年に公布された「学位令」で、法学・医学・工学・文学・理学の5種類の博士が設けられ、翌年25人に初めて授与された。この時、「博士」の読みは「はくし」とされた。「大博士」の規定もあったが授与されず廃止されている。  博士の学位は、大学院に入り試験に合格した人に対して、帝国大学評議会の議を経て文部大臣が授与するとされたが、「これと同等以上の学力がある者」も対象とされ、実際はこちらの規定を元に博士になる人が多かった。天野郁夫・東京大学名誉教授(教育社会学)は、「授与された学位の大半はこの『推薦博士』と言うべきもの。大学院を出ることは学位取得の主要ルートにならなかった」と語る。  98年に改正された学位令では推薦の幅が広がる。1911年に文部省が授与した文学博士号を夏目漱石が「辞退」して騒動となるのは、このうち博士 で構成する「博士会」の推薦によるものだ。その後、20年の改正で推薦制度はなくなり、論文提出が必須に。あわせて博士号を授与する主体が文部大臣から各大学に変わった。「20年までの帝国大学教授にとって、博士学位は学問の研鑽(けんさん)を積んだ証しに得るというより、教授になるともらえる『名誉の称号』の意味合いが強かった」と天野さん。  戦後の教育改革を経て、博士に加えて「修士」の学位が設けられるなど、現在につながる様々な制度変更がなされた。5種類でスタートした博士学位は 19種類まで増えたが、91年の制度変更で廃止された。現在は「博士(文学)」などと専攻分野をカッコ内に表記し、その数は優に100を超える。 積極的に与える大学院も  時代が下って、4年の学部卒業者に与えられる「学士」も学位となり、現在の学位は博士・修士と学士の3種類。博士になるには一般に、学部卒業後に大学院で2年間の修士課程を経て、3年間の博士課程(博士後期課程)を終え、研究成果をまとめた博士論文が審査をクリアする必要がある。  日本の大学院では、人文社会科学系で博士課程に進んでも標準修業年限で学位を取得しにくいことが問題となってきた。博士号を得られないまま「単位 取得退学」となるケースも多い。文学博士などは、その道の第一人者が学者の集大成として得るべきものだと受け止められる風潮もあった。そもそも学位授与の 要件があいまいな場合も少なくなかった。  18歳人口が増加を続け、大学教員などの研究職ポストも増えていくなかでは、博士号の有無は採用にあたってそれほど重視されなかった。学生を指導する教員の側も、自分が持たない博士号を簡単に授与することには心理的な抵抗があったとされる。  現在では、博士号は「研究者としてのスタートラインに立つためのライセンス」と捉えられるようになった。就職時に博士号がないと苦労するため、近年では、入学時から博士号取得までの教育プログラムを整備し、積極的に授与する方針を打ち出している大学院もある。 「足の裏の米粒」にも例えられ  今も昔も、博士が打ち込む研究について一般の人が理解するのは難しいが、そこには漠然とした敬意や憧れがある。大きく変わったのは、彼らの境遇だ。  欧米先進国と比べた博士人材の少なさなどを理由に、90年代からの「大学院重点化」政策で博士課程進学者は急増。だが修了者に見合うだけの大学教員などの研究職ポストはなく、当初想定された企業での採用もそれほど増えなかった。非常勤講師や任期が数年の博士研究員(ポスドク)を続けながら常勤職を目指す人も多い。彼らの「高齢化」も問題になっている。2009年には、文部科学省が各国立大学に博士課程の定員削減を要請した。修了後の進路が不透明で、優秀な人材が博士課程に進学しなくなっていると話す大学教員も少なくない。  持っているのが名誉だった博士号は「足の裏の米粒」にも例えられる。「(博士号は)取らないと気持ち悪いが、取っても食べられない」という意味だ。  少子化傾向のなか、今後も教員ポストの増加は望みにくい。活路となり得る企業での博士採用が進まないのはなぜなのか。  桜美林大学の山本真一教授(高等教育シ ステム論)は「日本企業では採用した人材を自前で育成するため、学部卒業生の持つ『汎用(はんよう)性』を重視した。博士が有する高度な専門性はさほど評 価されなかった」という。「だが、世界的には主導的な立場で活躍する人の多くは博士号取得者で、彼らが企業で大事に扱われることでさらに人材の質を上げる 循環が生まれればいい。かつて学部卒が一般的だった工学系で修士課程修了者の採用が増えていった例もあり、そこから学ぶべき点もある」と話す。  狭い専門分野だけでない幅広い視点を持ったリーダー人材を育成しようと、文部科学省は2011年に「博士課程教育リーディングプログラム」事業を開始。新しいコンセプトの大学院が各校につくられた。京都大学の5年一貫制大学院・総合生存学館(思修館〈ししゅうかん〉)では、3月に5人の博士が誕生した。こうした大学院を巣立った人材が今後どう評価されるか注目される。(佐藤剛志) 労働経済学者(京都女子大学客員教授)橘木俊詔さんの話  私自身は米国のジョンズ・ホプキンス大学でPh.D.(博士号)を取得し、優秀な学生には米国留学を勧めてきました。経済学がもともと「輸入学 問」であることや、英語での研究発表や論文執筆に早くから慣れてほしいとの思いもありますが、一番の理由は大学院教育のレベルが高いことです。  米国の博士課程では、最初の2年ほどで経済学の基礎をしっかりたたき込まれ、厳しい試験を通った人だけが博士論文を書く資格を得ます。途中で脱落する人も少なくないですが、それだけ博士号への信頼も高いのです。  日本では長らく、博士課程で1人の指導教員について徒弟制度のような形で研究するのが一般的でしたが、学生が教員の意向を気にして独自性を発揮し づらい面もありました。米国のように複数の教員から集団で指導を受ける方が、学生も各教員のいいところ、悪いところから学ぶ機会が増えるでしょう。  実際、そうした人材は企業でも応用がきき、日本の労働市場での博士人材に対する評価が変わってくるのではないかと思います。 読む  戦前の学位制度については、天野郁夫さんの「高等教育の時代(下)」(中央公論新社)に詳しい。京都大学と関西大学の名誉教授、竹内洋さんの「大学の下流化」(NTT出版)では、戦後の博士人材の就職事情の変遷について、自身の体験も交えて記述している。= "[he-forum 19538] 長崎大 約束破り雇い止め 複数職員「無期転換」させず(4/27付「毎日」)","長崎大 約束破り雇い止め 複数職員「無期転換」させず  「業務見直しが理由」大学側反論 毎日新聞 2018年4月27日付け  通算5年を越えて有期契約を更新して働く非正規労働者を無期契約に転換す る改正労働契約法の「無期転換ルール」をめぐり、長崎大(長崎市)が「法の 趣旨にのっとり原則無期転換する」との方針を示しながら、実際には複数の有 期職員が、無期転換の申込権を得る直前の3月末で雇い止めになっていたこと が、労働組合や大学への取材でわかった。【樋口岳大】  長崎大は昨年12月、「無期転換ルールに適切に対応するため」として、従来 5年だった有期契約期間上限を撤廃する方針を決定し、労組とも確認。全国の 大学がルールへの対応を迫られる中、東京大などとともに上限撤廃方針をいち 早く決め注目されていた。労組は「労働者を欺いた無期転換逃れだ」と反発し ている。  医学部や長崎大病院などの教職員で作る長崎大学医学系教職員組合によると、 複数の有期職員が3月末で契約を打ち切られた。このうち5年以上働いてきた フルタイム雇用の職員は、4月の契約更新されれば無期転換できるはずだった が、「予算がない」「業務を見直す」などの理由で更新されず、待遇が低い パートでの契約を求められた。  3月末で通算雇用期間が5年になった別の部署の男性(60)は「定年」を理由 に雇い止めになった。だが同じ職場では60歳を超えて働いている人もおり、職 員や労組は雇用継続を求めたが、大学は応じなかった。  同労組は「いずれの職場でも大学は職員を雇い止めにする一方で新たに非正 規職員を募集しており、仕事がなくなったわけではない。無期転換逃れが目的 だ」と批判。長崎大人事課は取材に「業務見直しや定年が理由で、無期転換逃 れが目的ではない」と答えた。  長崎大には、非常勤職員約1400人と非常勤講師約500人がいる。大学によると、 3月に契約期間が5年となった非常勤職員は59人で、うち12人と契約更新しな かった。  大学は「5年を迎えた人の中では(労組に相談した)2人以外からは雇用継 続を求められていない」としている。  ---  雇用継続すべき  脇田滋・龍谷大名誉教授(労働法)の話  労働契約法は、有期労働者に契約更新への合理的な期待を抱かせていた場合 の雇い止めを厳しく制限している。長崎大が上限撤廃方針を労組と確認してい たことはこれに当てはまり、よほどの理由がない限り雇い止めできないはずだ。 無期転換を逃れるための雇い止めは許されず、大学は仕事があるなら雇用を継 続すべきだ。 "[he-forum 19540] 立て看強制撤去「活動の不当な抑制」 京大職員組合、学長に抗議文(毎日新聞京都版 5/15)","立て看強制撤去 「活動の不当な抑制」 京大職員組合、学長に抗議文 /京都 毎日新聞2018年5月15日 地方版  京都大が本部のある吉田キャンパス(京都市左京区)周辺で今月始めた立て看板の規制で、 京大職員組合の立て看板も6枚が13日に強制撤去され、組合側が「組合活動の不当な抑制 に当たる」として14日に山極寿一学長に抗議文を出した。「組合の立て看板は労働活動の 一環で(大学の規制)規定の対象外だ。数十年間、労使慣行で容認されていた」と訴えてお り、立て看板を巡る騒動が労使問題に発展する可能性も出てきた。【菅沼舞】  組合によると、撤去された6枚はいずれも縦約180センチ、横90センチの大きさで、 「京都大職員組合」と大書きし、組合ニュースなどを掲示してきた。吉田キャンパスの本部 敷地の北西側の東大路通り沿いと今出川通沿いの石垣に3カ所、北部構内に2カ所、医学部 構内の1カ所に設置していた。  大学による規制のきっかけとなった京都市の「屋外広告物等に関する条例」では、労働組 合活動のための屋外広告物は条例が定める基準(定める面積以下、色彩、景観に悪影響を及 ぼさないことなど)に適合していれば「市長の許可が不要」としている。  大学側は取材に対し「構内の指定場所以外での設置を禁じる規定に基づいて撤去した」と 説明。職員組合は「条例に適合するよう面積も基準内で色彩も抑制していた。大学の規定は そもそも労働組合になじまない」などと訴え、規制自体についても「表現の自由や京都大の 表現文化としての立て看板の従来のあり方を尊重すべきだ」と求めている。 新たに抗議の立て看4枚 「条例理由の規制おかしい」  京都大の吉田キャンパス(京都市左京区)周囲では、13日早朝の大学による立て看板の 強制撤去に対抗し、同日午後から14日にかけて少なくとも4枚の立て看板が新たに設置さ れた。  本部敷地で時計台が見える正門前には「タテカンカエシテ」と書いた立て看板。南西角に は、京都市と京大当局の双方を「弾劾する」との立て看板が設置された。  北側では「IT TAKES A NATION OF MILLIONS TO  HOLD US BACK(俺たちを黙らせたいなら何百万人という人間を連れてこい)」 との挑発と、「こざっぱりとしてはる。」との皮肉が見られた。  この横では午前8時前、理学部2年の男子学生(20)が抗議文書を貼り出し、「条例を 理由に立て看を規制するのは明らかにおかしい」と話した。「今はインターネットメディア が台頭し、立て看板が自然に廃れるのは仕方がない。けれど、上からの圧力でなくなるのは おかしい」と首をかしげる。  京大は撤去した立て看板の保管期限は30日間で、「設置責任者から返還の求めがない場 合は廃棄する」としている。【菅沼舞、南陽子】 "[he-forum 19539] 毎日新聞5/17","毎日新聞 5/17(木) 4:00配信 <高等教育無償化>政府の要件7割反対 国立大「筋通らず」 政府の無償化の要件への賛否  政府が高等教育無償化の要件として、外部からの理事や実務経験のある教員の登用を増やすよう大学に求めていることについて、国立大の7割超が「反対」と 考えていることが毎日新聞のアンケートで分かった。賛成は1割にとどまった。国立大は2004年度に法人化しているが、教育の機会均等をたてにした政府の 干渉に反発が広がっていることが浮き彫りになった。  高等教育無償化は、政府が昨年12月に閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」の一環で、住民税非課税世帯の子の大学や専門学校などの授業料や入学金 を政府が負担する。20年度実施予定。産業界のニーズを踏まえ、対象を「学問追究と実践的教育のバランスが取れている」大学などとし「外部人材の理事」や 「実務経験のある教員による科目」を一定割合以上にするよう要件を設けた。  アンケートは3~4月、国立大全86校に書面で実施し、72校が回答(回答率83.7%)した。東京大など14校は回答しなかった。  政府の掲げた要件に「反対」と答えたのは52校。「外部人材が必要なことは自覚しているが、無償化の要件とするのは筋が通らない」(弘前大)、「教育の 機会均等と大学改革は別の課題」(千葉大)、「支離滅裂で議論に値しない」(電気通信大)など、無償化と外部人材登用との関連を疑問視する理由が目立っ た。  また、「実務経験があり、大学教員として十分な業績を有する人材は非常に限られる」(岩手大)など、地方大を中心に人材確保を懸念する声が上がった。無 償化の対象を限定することに対し、「入学者に対し非常に不公平」(和歌山大)、「結果的に学生が不利益を受ける可能性がある」(長崎大)との懸念も出た。  一方、賛成したのは7校で、「基礎力と実践力は車の両輪」(岐阜大)などの意見があった。13校は賛否を明らかにしなかった。  国立大学協会の山極寿一会長(京都大学長)は「大学の無償化と外部理事の登用とは無関係で、政府の意図が分からない。(京大では)既に経営協議会に外部 人材を入れ、学外の意見を反映させている」と話した。無償化の具体的な要件は、文部科学省の専門家会議が6月までにまとめる予定。【伊藤奈々恵、阿部周 一】  ◇無償化の要件に対する主な意見【反対】 「理論的関連性が乏しい。同一に議論すること自体、ナンセンス」(筑波技術大) 「本末転倒。理事として活躍できる外部人材がどれほどいるかも疑問」(広島大) 「全ての大学に一律で求める方法は各大学の強み・特色を損なう」(山形大) 「実務教員の人数が増えることは、基盤的研究力の低下を加速する」(熊本大) 【賛成】 「閉塞(へいそく)した環境を打破するためには有効な手段の一つ」(室蘭工業大) 「幅広い知見が得られ、教育・研究両面で活性化が図られる」(京都工芸繊維大) "[he-forum 19541] 朝日新聞5/20","朝日新聞 2018年5月20日11時45分 大学教員、半数は非常勤 常勤も4分の1が「期限付き」 片山健志、増谷文生 大学の教員数の推移  全国の大学の教員のうち約半数は非常勤で、常勤の専任教員も約4分の1が「特任」「特命」などの形で任期付き雇用となっていることが、朝日新聞と河合塾の共同調査「ひらく 日本の大学」で分かった。一般企業と同様、非正規や有期雇用が増えている形で、教育や研究の安定とともに、こうした教員の処遇が今後の課題となりそうだ。 ? 4大学で非常勤、授業「自転車操業」しても年収300万  調査は昨年、国公私立大751校を対象に実施した。この質問に回答した659校の教員をみると、本務者(専任教員)は16万9458人、兼務者 (非常勤教員)は延べ16万9164人でほぼ同数。ただ、非常勤教員は複数の大学をかけ持ちしている例もあり、延べ人数となる。また、専任教員のうち、任 期付きは4万4401人だった。任期なしの専任教員は12万5057人で、全体に占める割合は約36・9%だった。  非常勤教員の割合を国公私立別にみると、国立が34・1%、公立50・7%、私立56・8%で、私立大で特に高い。地域別にも東北36・7%、北海道40・4%、中国・四国40・9%に対し、関東甲信越56・1%と差がある。一方、任期付き専任教員は国立30・4%、公立27・4%、私立23・3%で、逆に国立が高い。競争的研究資金の支給期間に合わせ、任期を定めて雇用されるケースが国立大で特に多いためとみられる。  文部科学省も学校基本調査で専任教員と非常勤教員の人数を調べている。その結果によると、非常勤(延べ人数)が全体に占める割合は1987年には41・2%だったが、2005年に初めて専任教員を上回り、昨年は51・5%だった。文科省の担当者は「少人数授業の導入や実務家教員の登用が進んだほか、専任からの差し替えなど様々な理由がある」とみる。任期付き教員の数は学校基本調査の項目に含まれていない。(片山健志、増谷文生) "[he-forum 19542] 朝日新聞5/22","朝日新聞 2018年5月22日06時59分 私大「志願者数」競争待った 実数との開き、5倍以上も 峯俊一平 2018年度入試の志願者の延べ数と実数  入試の志願者を「延べ人数」だけでなく、「実数」として公表する私立大学が増えている。2018年度入試では延べ志願者の上位10大学(大学通信 調べ)が全て、実数も公表した。これまで各大学は延べ志願者数を元に「過去最高」などとアピールしてきたが、1回の試験で複数の学部や学科を併願できる入 試が増えたこともあり、「実態を反映していない」と批判が出ていた。  18年度の一般入試で延べ志願者数が最も多かった10大学に朝日新聞が確認したところ、近畿、法政、日本、中央、千葉工業の5大学は今年度から実数を公表するようになった。明治、早稲田両大も昨年度から実数を明らかにしている。5年ほど前から公開する東洋大の加藤建二入試部長は「志願者の延べ数と実数は実態が少し違い、以前から実数を公開すべきだとの声があった」と話す。  実際、延べ人数と実数には開きがある。各校の状況を見ると、延べ人数の実数に対する割合が最も小さいのは明治の1・96倍。7大学は2倍から3倍 の間で、近畿、千葉工業は5倍以上だった。近畿大は「受験生の要望を受け、1回の試験で複数の学部を併願できる制度を整えてきた」、千葉工業大は「総合大 学と違って、理系の関連した学科ばかりなので、そもそも併願しやすい」とする。  これほどの開きがある理由は、入試制度の変化にある。かつては学部・学科ごとに受験をしなければならなかったが、この20年ほどで一つの試験を受 ければ複数の学部・学科を志願できる入試が広まっている。例えば、千葉工業大の場合は1回の試験で最大17学科を併願できる。また、複数学部を併願すれば 受験料を割り引く大学もあり、併願をする受験生が増えているとみられる。  受験の状況に詳しい大学通信の安田賢治常務は「延べ志願者の増加は宣伝効果が大きく、各大学が競い合っている」と指摘する。「実数も分かれば、受験生は冷静に志望校を分析できるのではないか」と話す。  ただ、各大学が積極的に実数を公表しているとは限らない。朝日新聞が確認した10大学のうち6大学は「聞かれれば答える」対応で、ホームページな どに載せているのは延べ人数だけだ。大学関係者によると、公表の判断にあたっては他の大学の状況を確認し、足並みをそろえた大学もあり、神経をとがらせて いる様子がうかがえる。(峯俊一平)= "[he-forum 19543] しんぶん赤旗5/28","しんぶん赤旗 2018年5月28日(月) 学問研究への圧力指摘 田村智子氏 国は毅然とした態度を  日本共産党の田村智子議員は22日の参院内閣・文教連合審査会で、科学研究費助成事業(科研費)をめぐって特定の研究や研究者を攻撃する与党議員の質問がインターネット上で拡散している問題を取り上げ、学問研究の自由への介入につながりかねないと指摘しました。  自民党の杉田水脈議員は2月26日の衆院予算委員会分科会で、個別の研究者の名前をあげ、その研究や講演活動に「反日」と非難し、科研費が支払われることを問題視する質問を行いました。  田村氏は、特定の思想信条を物差しに、学問研究への介入を求める杉田氏の質問の問題点を指摘。「天皇機関説事件」など戦前の学問研究への弾圧の教訓から、日本国憲法には学問の自由や基本的人権が明記されていることをあげ、政府の見解をただしました。  林芳正文科相は「科研費の審査は、専門分野の近い十分な評価能力を有する複数名の研究者で構成される審査組織が、個々の研究の学術的価値を厳正に 評価し、選定している」と政府の立場を説明。田村氏は「学問研究への圧力・介入には毅然(きぜん)とした態度を文科省にとってもらいたい」と強調しまし た。= "[he-forum 19545] 日本経済新聞5/29","日本経済新聞 北海道・東北 2018/5/29 16:52 北海道内3大学、22年に法人統合目指す  北海道内の国立大学である小樽商科大(小樽市)、帯広畜産大(帯広市)、北見工業大(北見市)の3大学は29日、札幌市内で合意書締結式を開き、 2022年4月の法人統合を目指すことで合意した。新たな国立大学法人「北海道連合大学機構(仮称)」を帯広市内に創設し、同法人が3大学を運営する。少 子化で経営が難しくなるなか、統合で生き残りを図る。 画像の拡大 経営改革の推進に関する合意書に調印した(左から)小樽商科大の和田健夫学長、帯広畜産大の奥田潔学長、北見工業大の鈴木聡一郎学長(29日、札幌市)  各大学のブランドや教授陣など研究教育の独立性は維持する一方、法人統合で管理部門の役職員を減らしたり、業務システムを一本化したりして 運営費を削減する。帯広畜産大の奥田潔学長は同日の会見で「北海道の他の国立大学も参加できる開かれた仕組みにする」と話し、3大学以外との連携も視野に 入れる。  経営資源は教育研究に集中させ、新しい取り組みを進める。遠隔講義システムを活用して教養教育を共通化する。3大学の強みを生かし、文理を融合した教育プログラムを共同展開する。農商工連携を進め、農業や食品分野の研究を高度化する。   少子化が進み学生獲得競争が激化していることに加え、国から国立大に支給される運営費交付金が年々減額され、全国の大学は厳しい経営環境に置かれている。 そうしたなか、政府は国立大学の再編を後押しするため、1法人が複数大学を運営できるようになる制度の導入を検討している。  全国では名古屋大(名古屋市)と岐阜大(岐阜市)が法人統合の検討に入っている。= "[he-forum 19544] 読売新聞5/30","読売新聞 2018年05月30日 09時07分 3国立大学、経営統合へ…小樽・帯広・北見  小樽商科大学(小樽市)と帯広畜産大学(帯広市)、北見工業大学(北見市)は29日、3大学を運営する国立大学法人「北海道連合大学機構」(仮称)を2022年4月に創設すると発表した。  少子化で大学の経営環境が厳しさを増す中、3大学法人を統合し、効率化を進める狙い。大学の名称に変更はないという。  和田健夫・小樽商大学長、奥田潔・帯畜大学長、鈴木聡一郎・北 見工大学長が同日、札幌市内で経営改革の推進に関する合意書を締結した。合意書では、少子化が進む中、北海道経済・産業の課題解決と発展に貢献するため、 商、農、工の「実学」を担う3大学の経営改革を推進するとしている。= "[he-forum 19546] しんぶん赤旗5/30","しんぶん赤旗 2018年5月30日(水) 「働き方」法案で研究開発業務 際限ない長時間労働に 高プロ対象・上限規制は除外  研究開発業務の労働者は、「働き方改革」一括法案によってどの制度が適用されても際限ない長時間労働から逃げられません。労働者の健康も守れず、企業の「競争力」も確保できません。  政府は国会答弁で、研究開発業務が高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)の対象にあげており、1日24時間、休みもなく48日間連続で働かせても合法です。  現行の専門業務型裁量労働制になっても、「みなし労働時間」だけしか働いたことにならないため、“定額働かせ放題”です。  法案では単月100時間、平均80時間の過労死ライン容認の「上限規制」をつくりますが、研究開発業務は適用除外とされ、青天井で働かせ続けられる抜け穴をつくりました。  どの制度になっても長時間労働を強いられるのは必至です。  研究開発業務の残業は、労働時間データの再集計で大臣告示(月45時間、年360時間)を超える事業所が、3割から5割に増えました。日本共産党 の高橋千鶴子衆院議員は「長時間労働の業務を、残業代がない、時間規制がない高プロに入れていいのか」(25日)と批判しました。 大企業で健康破壊続発 残業月100時間超も  大企業の研究開発業務では、長時間労働で過労死やその寸前まで健康を破壊される労働者が相次いでいます。  【東芝】  東芝で2001年、埼玉県内の工場でプロジェクトリーダーとなった女性が、長時間過重労働で休職。04年に休職期間満了を理由に解雇されました。  女性には一般の労働時間規制が適用され、月100時間以上の残業が5カ月継続。プロジェクトの人員が削減され、同時期に同僚2人が自殺しています。  女性は11年2月の東京高裁判決で解雇無効が確定。16年9月の東京高裁判決で会社に損害賠償など6000万円以上の支払いが命じられました。 (写真)「働き方」法案採決許すなと、声をあげる人たち=22日、東京・日比谷野外音楽堂  【ソニー】  ソニー仙台テクノロジーセンターで専門業務型裁量労働制の男性労働者の残業が14年、7カ月で平均月65時間、最長94時間となり体調を壊しました。  作業スケジュールは研究開発の進行で決まり、「裁量」の余地はなし。業務量削減を求めましたが、「仕事をほうり投げた」などとして成果主義の評価を下げられました。  ソニー労働組合仙台支部(電機連合加盟)が裁量労働制の運用に問題があると告発し、仙台労働基準監督署が会社に指導しました。  【三菱電機】  三菱電機の情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)で、研究職の30代男性が14年、月100時間を超える残業をさせられ、うつ病となり、16年6月に解雇されました。  藤沢労働基準監督署は16年11月、労災認定し、17年1月、三六協定の上限を超える残業をさせた疑いで、同社を書類送検しました。男性は、上司から残業時間を過少申告するよう指示され、パワハラも受けていました。 "[he-forum 19547] 佐賀大退職金裁判,最高裁が不受理","元佐賀大学の豊島です. 佐賀大退職金裁判,最高裁から5/24付けで不受理の決定通知が送られてきました.以下のような,極めて簡単なものです.(京大へのものとほとんど同一) 昨日,佐賀中央法律事務所で東島弁護士と一緒に記者会見し,次の記事からリンクした文書を配布しました. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2018-06-05 そのうちの,私の「最高裁決定について」を,最高裁文書の下に転載します. この裁判に物心両面で多大なご支援を頂いた全大教と佐賀大学教職員組合に改めて厚く御礼申し上げます. ??? 最高裁からの文書の本文 (別紙) 第1 主文 1 本件上告を棄却する。 2 本件を上告審として受理しない。 3 上告費用及び申立費用は上告人兼申立人らの負担とする。 第2 理由 1 上告について 民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ,本件上告の理由は,違憲及び理由の食違いをいうが,その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって,明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。 2 上告受理申立てについて 本件申立ての理由によれば,本件は,民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。 ???? 最高裁決定について      原告 豊島耕一,2018年6月4日 佐賀大学の退職金裁判に関する最高裁決定について,簡単に4点述べます. 1.最高裁が上告文書を真面目に読んだかどうかを検証できない. 我々の上告に対して最高裁から5月24日付けで棄却の決定通知が届けられた.本文は,棄却の理由として単に民訴法312条と318条を挙げるのみで,わずか257文字にすぎない.我々の上告文がなぜこれらの条項を満たさないかについての議論は一言もない.従ってこの判断が妥当かどうかを,我々だけでなく第三者も検証できない.さらにいえば,最高裁が原告の文書を真面目に読んだのかどうか,つまり真面目に仕事をしたかどうかさえ分からない. 裁判所は,判決文以外では「説明責任」を問われる機会がないので,このような態度は,「最高裁なのだから正しい」と言うに等しい傲慢なものと言わざるを得ない. 2.原判決の「事実誤認」「法令違反」に関して最高裁は判断せず. 通知本文は「本件上告の理由は,違憲及び理由の食違いをいうが,その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって,明らかに上記各項(民訴法312条1項又は2項)に規定する事由に該当しない」と言う.つまり,原判決の「事実誤認」や「法令違反」に関して最高裁は判断していないのである. そもそも,上告の条件をこのように制限し,「事実誤認や法令違反には吾(最高裁)関せず」とする民訴法三百十二条自体が「三審制」を否定するものではないだろうか. 3.最高裁の根拠を示さない決定にもかかわらず,上告は民訴法の要件を備えていた. 我々の上告文書では,高裁判決が民訴法312条(違憲,法令違反等),318条(判例違反)にある上告の条件を備えていることを詳細に述べている.これに対する最高裁からの具体的な反論は,上に述べたように全くない. 4.この裁判の意味など 裁判の内容自体については最高裁からはなんらの言及もないので,これについての私の意見は高裁判決に対する批判と同じであり,別紙にまとめている. 裁判は敗訴の結果に終わり,被告の行動の正当化を裁判所が確定させることになった.これは大きなデメリットである.しかし同時に,労働法制と現実の乖離,国立大学の政府への異常な従属ぶりなどを多くの人に明らかにすることが出来たと思う.このことは「泣き寝入り」ではほとんど出来なかっただろう.また,裁判所の実態が「三権分立」の原則からいかに乖離しているかということも,残念ながら明らかになった. また,労働者の権利を本当に守るためには,組合などが,ストなどの強力な手段をも用いて職場で直接活動することが重要であることもより明らかになったと思う. 今回の裁判の原因は大学当局の労働契約法無視にあるが,その背景にある,政府から大学に圧力が加えられやすいという状況は,国立大学法人制度の弊害の一端を示したと思う.筆者は当時法人化に反対したが(例えば「週刊金曜日」2002年4月19日号.注1),今日この制度の設立に加担した国立大学協会の現在の会長が「法人化は失敗だ」と発言するに至っている(注2).この制度の見直しの議論が起きることを期待する. - - - - - - - - - - - - 注1)政府が実施を急ぐ独立法人化 大学の“独立”は逆に失われる恐れ http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1 注2)異見交論40「国立大学法人化は失敗だ」山極寿一氏(京都大学学長),読売教育ネットワーク,2018年3月9日. http://kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/jitsuryoku/iken/contents/40-2.php 本裁判の上告文書をはじめ,法廷文書は次のブログ記事からたどることが出来ます. http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2018-01-28 または「ペガサス・ブログ版 退職金」で検索. ???? 豊島耕一 ペガサス・ブログ http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ (記事数 1,446, アクセス累計590万 ? 2018年3月20日現在) http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 "[he-forum 19548] しんぶん赤旗6/18","しんぶん赤旗 2018年6月18日(月) 学問の自由侵さないで 吉良氏 科研費問題ただす  雑誌やインターネットなどの「反日学者には科研費(科学研究費)を与えるな」と攻撃するキャンペーンについて林芳正文部科学相は12日、参院文教 科学委員会で「(文科省所管の)科研費は学術的価値を厳正に評価し、それ以外の要素に影響されることはない」との見解を示しました。日本共産党の吉良よし 子議員への答弁。  吉良氏は憲法23条の「学問の自由」は科研費を使った研究でも保障されるかと質問。林文科相は「当然含まれる」と認めました。  吉良氏は「反日学者」キャンペーンに対し、法政大の田中優子総長が全国の研究者、大学人の言論が萎縮する可能性を憂慮し「自由で闊達(かったつ) な言論・表現空間を創造します」との声明を出し、明治大が支持を表明するなど、「学問の自由への介入は許さないとの声が広がっている」と指摘しました。  科研費の審査はピア・レビュー(同業者・研究者による審査)で行われています。その理由について文科省の磯谷桂介研究振興局長は「政治介入は科学 研究をゆがめる」「科学研究の健全な発展にとって科学者コミュニティーの自立は不可欠」との日本学術振興会の見解を紹介しました。  吉良氏は、事実に基づかずに科研費を不正使用したなどと悪意の告発をした者への対処を質問。林文科相は「告発者の氏名の公表、懲戒処分、刑事告発がありうる」と述べ、吉良氏は「学問の自由を侵すことはあってはならない」と批判しました。 "[he-forum 19551] NHK山形6/21","NHK山形放送局  2018年6月21日 山形大 職員へのパワハラを認定 山形大学の研究センターの元職員が、上司からパワーハラスメントを受けたと訴えていた問題で、大学は、少なくとも3人の職員に対して「小学生以下」と侮辱するなどのパワハラがあったと認定しました。 飯豊町にある山形大学のリチウムイオン電池の研究センターでは、元職員2人が、「上司からパワハラを受けた」と職員組合を通じて訴え、大学の委員会が調査を進めてきました。 山形大学は、21日、調査結果を公表し、責任者を務める50代の男性教授が、少なくとも3人の職員に対してパワハラを行っていたと認定したことを明らかにしました。 具体的には、「ボケ」や「役立たず」などと書いたメモを残したり、人前で「小学生以下」や「ばか」などと侮辱したりしたということです。 一方、「職員にはさみを投げつけた」と指摘されていたことについては関係者からの聞き取りで確認できなかったとしています。 調査委員会は、この教授について、「責任者の地位を背景に精神的苦痛を与えており、懲戒処分が相当」としていて、大学は、今後、処分を検討するということです。 この問題を巡っては、おととし9月に、職員から大学に対して相談が寄せられていましたが、大学は、去年11月に職員組合から指摘されるまで「パワハラがあったという認識はない」として踏み込んだ調査をしていませんでした。 小山清人学長は、21日の定例会見で「もう少し早い時期に現状を把握すべきだった。社会人として認められない不適切な行為で責任者として深くおわびします」と陳謝しました。 山形大学職員組合の品川敦紀・執行委員長は「より迅速な調査が可能だったのではないかという不満は残るが、告発した事実をおおむね認定した点については高 く評価する。大学は委員会の結論を重く受け止め、被害者への謝罪や補償を行うとともに、2度とこのような事案が起こらないよう、抜本的改善に早急に取り組 むよう強く求める」などとコメントしました。 "[he-forum 19550] 河北新報山形6/22","河北新報 2018年06月22日金曜日 <山形大パワハラ>センター長の侮辱行為など認定 学長「早く把握するべきだったと反省」  山形県飯豊町の山形大xEV飯豊研究センターの職員が、センター長を務める50代男性教授からパワーハラスメントを受け たとして相次いで退職した問題で21日、同大特別対策委員会がセンター長の行為をパワハラと認定していたことが分かった。小山清人学長が同日の定例記者会 見で明らかにした。大学は7月末をめどにセンター長を処分する方針。  特別対策委が認定したパワハラは(1)「ボケが!!」「役立たず」 などと記した書き置きを机に残した(2)外部の人の前で「偏差値40」「小学生以下」などと侮辱した(3)事務連絡メールで「無能で非常識なお馬鹿(ば か)さんへ」と記して送信した-など少なくとも7件の行為。  職員3人以上が対象となったとして、「責任者の地位を背景に職員に精神的苦痛を与え、職場環境を悪化させた」と結論付けた。  特別対策委は「懲戒処分が相当」との意見を付け、20日までに小山学長に調査報告書を提出した。  大学は行為があった時期を明らかにしていないが、センター職員の相談に応じてきた同大職員組合などによると、2016年9月ごろとみられる。   センター長によるパワハラ疑惑は、河北新報が昨年10月5日に報じて発覚した。小山学長は同日の記者会見で「パワハラがあれば処分している。パワハラとし ては把握していない」と否定。その後、職員組合が書き置きなどの画像を公表したのを受け、大学は同11月、複数の学外の専門家を含む特別対策委を設置、関 係者への聞き取り調査を進めていた。  小山学長は「関係職員の皆さまに深くおわび申し上げる。大学の信用を失墜させたことは誠に遺憾」と謝罪。「もっと早く把握するべきだったと反省している」と対応の遅れを認めた。  一方、職員が退職した原因については「自己都合だと認識している」として、パワハラとの因果関係を否定した。 [山 形大xEV飯豊研究センター]山形大と山形県飯豊町が整備したリチウムイオン電池の研究開発拠点。「xEV」は電動輸送機器の総称で、自動車などに使われ る電池の試作工場の機能も持つ。開所は2016年5月。自動車、ロボット関連企業など約50社が研究開発に加わっている。 河北新報 2018年06月22日金曜日 <山形大パワハラ>遅れた調査、明かされぬ調査委構成…後手に回った大学側の対応に批判  山形大xEV飯豊研究センターを舞台にしたパワハラ行為が、表面化から半年以上かかって認定された。職員組合や教員OBからは、終始後手に回った大学の対応を批判する声が上がった。  職員組合は「組合が問題視した行為はほぼ全てパワハラと認定された」との見解を表明。昨年5月と7月の2度、大学側に実態を把握しているか否かを問う質問書を提出していることから、「より迅速な調査が可能だった」との不満も示した。  特別対策委の設置以降、小山清人学長は「公明正大な調査」を理由に、委員の構成や調査の進め方を一切明らかにしなかった。当初は「1月中旬」としていた調査終了時期も大幅に過ぎていた。  元同大工学部教授の高橋幸司鶴岡高専校長は「大学は中間報告ぐらいすべきだった。時間がかかればかかるほど大学の評判は悪くなり、事案の風化につながる」と指摘。「当事者の処分だけで終わらせることなく、組織体質の見直しが必要だ」と注文した。  パワハラの現場となった飯豊研究センターは、山形大が誇る最先端のリチウムイオン電池研究拠点。大学、企業などから膨大な資金が投入されている。  広島大ハラスメント相談室の横山美栄子教授(社会学)は「ハラスメントが生じやすい『ブラックラボ』は研究不正を招く傾向にある。質の高い研究には、責任者のマネジメント能力が不可欠」と話した。 "[he-forum 19549] 山形新聞6/22","山形新聞 2018年06月22日 08:51 山形大がパワハラを認定 飯豊研究施設・センター長を処分へ  山形大xEV飯豊研究センター(飯豊町)でパワーハラスメント(パワハラ)を理由に職員が相次いで退職した問題で、山大は21日、学内の特別対策委員会 による調査結果を公表し、同センター長の50代男性教授によるパワハラを認定したことを明らかにした。7月中をめどに教授の処分を決める方針。  小山清人学長が同日の定例会見で説明した。特別対策委は、男性教授が職員に対し「偏差値40」「小学生以下」と人前で侮辱したことや、「ボケが」「役立 たず」と貼り紙をしたことなどをパワハラと認定。責任者の地位を背景に精神的苦痛を与えたとし、調査報告書に「懲戒処分が相当」との意見を付した。  調査結果について、小山学長は「社会人として到底認められない不適切な行為と言わざるを得ない。関係職員に深くおわび申し上げる」と陳謝した。男性教授については「調査の中で本人も(パワハラを)認めていると、私は理解している」と述べた。  同センターはリチウムイオン電池研究開発拠点施設として2016年1月に完成した。問題を巡っては、16年9月に男性職員が大学の相談窓口に対策を求め、17年5月には職員組合がパワハラを告発。大学が特別対策委を設けて調査を始めたのは同年11月だった。  職員組合などによると、パワハラを理由に少なくとも3人の職員が退職している。職員の退職について、小山学長は「ハラスメントとの関係は調査対象になっ ていない」とする一方「(影響があった)可能性は否定できない」とし、補償などについて「話し合っていきたい」と述べた。  職員組合の品川敦紀執行委員長はパワハラが認定された点を評価し「二度とこのような事案が起こらないよう、ハラスメント対策制度の抜本的改善を強く求める」とのコメントを出した。  特別対策委は学内外の8人で構成し、当事者や関係者への聞き取りなどを踏まえて調査結果をまとめた。 【特別対策委が認定したパワハラ行為】  ▽取引先の前で職員Aを「ジジイ」、職員Bを「偏差値40」、他職員を「おばさん」「ばか」「小学生以下」と呼び、職員の名誉を毀損(きそん)または侮辱  ▽職員Aを2017年2月ごろ以前から殊更無視  ▽職員Aに「無能で非常識なお馬鹿(ばか)さんへ 着いたのか着いてないのか?そういう報告をしないのは、背任です」とメールで過度に叱責(しっせき) "[he-forum 19553] 朝日新聞7/12","朝日新聞 2018年7月12日05時00分 (国公立大学のいま:下)国立大、財政強化へ寄付金集め 東工大に建設される国際交流施設の模型を前に記者会見する手前から隈研吾氏、滝久雄会長、三島良直学長(当時)=2月、東京都目黒区 ?  少子化の流れや国の厳しい財政を受け、国公立大を取り巻く環境も動いています。特集の2日目は、大学への寄付の動きや大学間の連携・統合の議論、2020年度から始まる大学入学共通テストへの対応状況について伝えます。  ■東工大、ぐるなび創業者から30億円  国からの運営費交付金の減少傾向が続くなか、国立大が力を入れているのが、寄付金集めだ。収益源の多角化を促す文部科学省も、各大学が寄付集めの戦略を定めるよう、要請している。経営者らが数億円規模の寄付をする例が出るなど、効果が表れる一方、寄付集めの「格差拡大」を指摘する声もある。  東京工業大の大岡山キャンパス(東京都目黒区)の正門を入ってすぐの場所でこの冬、大規模施設の工事が始まる予定だ。2020年10月のオープンを目指すのは、日本の学生と留学生らが交流する、地上2階地下2階建ての施設。約30億円を見込む建設資金は、卒業生で飲食店検索サイト「ぐるなび」創業者の滝久雄会長(78)が寄付した。  施設名は、滝氏夫妻の名前から「Hisao&Hiroko Taki Plaza」。設計は建築家の隈研吾氏が担う。交流やグループ学習に使う場所を設け、留学生を支援するスタッフが常駐するという。  国立大は教員の人件費や資材購入費などとして、国から運営費交付金を受け取っているが、04年の法人化以降、一貫して減少傾向だ。東工大への17年度の配分額は約217億円。そこへ30億円もの寄付を受け、3月まで学長を務めた三島良直氏は「国にこうした施設を要望してもなかなか認められない。滝氏の寄付に感謝したい」と語った。  計画発表の記者会見で「日本はもっと留学生を大切にすべきだ。この施設で、学生と留学生が積極的に交流してほしい」と述べた滝氏は、経営協議会の 外部委員を務める東京芸術大と、学長特別顧問を務めるお茶の水女子大にも10億円ずつを寄付した。お茶の水大は同窓会からの寄付も活用し、5月から「国際 交流留学生プラザ」の建設を始める。芸大も近く、国際交流拠点の建設に着手する予定だ。  多額の寄付の例は他にもある。5月には福岡市の男性が「学生の支援に役立ててほしい」と、九州大に約5億円を寄付。京都ではモーター大手の日本電産の創業者、永守重信会長(73)が数十億円単位の寄付を複数の大学にしているほか、京セラの稲盛和夫名誉会長(86)も大学への寄付で知られている。  文科省が15年6月に出した「国立大学経営力戦略」も、財政基盤を強化するために「寄付金収入の拡大」をあげ、各大学に獲得のための戦略を策定するよう求めた。寄付を集める基金を設けたり、広く寄付を募るためにクラウドファンディングを取り入れたりする大学も出ている。  ■有名校に偏る傾向、懸念も  ただ、米国などと比べて日本の大学への寄付額はまだ小さく、有名大学に偏る傾向が強い。文科省によると、2015年度の国立大への寄付金額は計761億7千万円で、最多の東京大が93億3千万円。京都大が66億7千万円で続き、両大学を含む旧七帝大が全体の43%を占めた。  大学経営に詳しい三菱総合研究所の高谷徹・主席研究員は「まだまだ寄付を集める余地はある」としたうえで、「寄付集めは一つの事業と考えるべきで、誰にどんな寄付をしてもらうかを練り、学内の体制づくりにも投資する必要がある。それができる大学と、できない大学では差が広がる」と指摘。「『宝くじ』にあたったような寄付では、安定は得られない」と話す。  (土居新平、増谷文生)  ■法人の連携・統合、国が後押し 規模拡大・再編・業務一元化…狙いそれぞれ  中央教育審議会では現在、「2040年の大学のあり方」について議論が進められている。担当の部会は6月の中間まとめで、大学が連携・統合するための3パターンの案を盛り込んだ。少子化が進むなか、大学が事務の効率化を進める一方、それぞれの「強み」を伸ばしてもらうためだ。  3案のうち、国立大に最も関係するのは、複数の国立大が法人を統合し、各大学がその下にぶらさがる「アンブレラ方式」の大学運営を認めること。既に(1)名古屋大と岐阜大(2)静岡大と浜松医科大(3)帯広畜産大、北見工業大、小樽商科大――の3計画が明らかになっている。ただ、各大学の事情は少しずつ異なる。  名古屋大は東海地方で抜きんでた存在だが、運営費交付金は他の旧帝国大より少ない。岐阜大のほかにも東海地方の大学に協議への参加を呼びかけており、「東海国立大学機構」を目指すことで規模拡大をはかる狙いがある。一方、岐阜大では「学生数が2倍以上の名大に吸収されないか」と心配する声が出ている。  静岡大と浜松医科大は法人統合と同時に大学再編にも踏み込み、21年度には新法人が、静岡市と浜松市で一つずつの新大学を運営する計画を立てる。ただ、静岡大では「総合大学の看板を捨て、中規模大を二つ作ることは、デメリットの方が大きい」との意見がある。両市は約80キロ離れており、どちらに法人本部を置くかといった課題も残る。  北海道の3大学は全て単科大で、教員数はいずれも百数十人と、全国的に見ても小規模だ。法人統合で経営に関する業務を一元化して経費を減らし、その分を各大学の教育研究に回すことを狙う。  文部科学省も以前から、国立大の連携・統合を検討しており、12年にはアンブレラ方式も提案した。当時は立ち消えとなったが、具体的な動きが出て、中教審の部会でも了承されたことを受け、国立大学法人法を改正する方針だ。中教審の部会では、国公私立の枠を超えて複数の大学が一般社団法人を作り、単位互換などを進めやすくする仕組みも提案された。こちらも、文科省が具体的な検討を進めている。  (増谷文生)  ■共通テスト、英語試験への対応は 国大協、民間試験の成績の扱い方に三つの選択肢  国公立大学を志願する受験生の大半が受ける大学入試センター試験に代わり、2020年度には大学入学共通テストが始まる。最大の特徴は、英語の「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測るため、英検やTOEFLといった民間試験が導入される点だ。  急激な変化を心配する高校などに配慮し、入試センターは20~23年度、センター試験と同じ「読む・聞く」の2技能を測る試験を続けることになっ た。国立大学協会はこの試験と民間試験の双方を受験生に課すことを決定し、民間試験の成績は(1)出願資格にする(2)センターの英語試験の得点に加点す る(3)両方を組み合わせて使う――のどれかを選ぶよう、大学に求めた。  また、出願資格とする際の目安は、6段階ある国際標準規格「CEFR(セファール)」の上から5番目の「A2」以上にすると決めた。最高の「C2」から4番目の「B1」までの成績の場合は段階ごとに点数化し、加点をする際の配点割合は英語全体の「2割以上」とした。  実際に加点する点数や配点割合などは今後、各大学・学部が決める。多くの大学は、7月中に大まかな方針を公表する予定だ。  一方、公立大学協会は昨年12月、英語民間試験とセンターが作る試験の成績の活用法についての「考え方」を発表。各大学が独自に判断することを基 本としつつ、「併用が望ましい」とした。同協会の中田晃事務局長は「公立大の受験生は国立大との併願が多い。なるべく混乱を小さくするように、国立大の対 応に合わせた」と説明する。  (増谷文生)    ■2015年度に寄付金額が多かった国立大  1 東京大  93億3900万円  2 京都大  66億7500万円  3 大阪大  53億 300万円  4 東北大  35億2700万円  5 九州大  28億9900万円  6 名古屋大 28億8400万円  7 北海道大 22億4700万円  8 筑波大  21億1200万円  9 神戸大  20億1700万円 10 岡山大  17億9700万円  ※文部科学省の資料から "[he-forum 19552] 朝日新聞7/12","朝日新聞 2018年7月12日05時00分 研究支援者、止まらぬ雇い止め 「日本の科学力低下の一因」と指摘も 大学などの教員が研究に割く時間の割合は?/研究時間を増やす有効な手段は?/研究パフォーマンスを上げる有効な手段は?  日本の研究力の低下を招く一因として、研究支援者の「雇い止め」が指摘されている。実験機器の操作や保守をする技術職、研究費を管理する事務職など、研究を支援する人の有期雇用の問題だ。有期雇用者の無期転換ルールを定めた改正労働契約法の施行から5年を経たが、いまだ課題は解決していない。  ■給与財源安定せず/必要な人、解雇  2013年に施行された改正労働契約法には、有期の雇用契約を更新して通算5年を超えると無期契約への転換を求めることができる「5年ルール」が盛り込まれた。だが、文部科学省が今年、国立大学を調査したところ、無期契約に転換する制度を導入し、雇用期間に上限を設けないのは東京大学など8大学にとどまることが分かった。  文科省によると、全国の国立大学には約10万人の有期雇用者がいる。研究者たちの仕事を支える「研究支援者」が、その大半を占めるとみられる。  研究支援者の業務は、実験装置の保守や資材の調達から特許事務、研究費の管理まで多岐にわたる。こうした人々が雇い止めの対象になると、研究現場には大きな影響が出る。  文科省科学技術・学術政策研究所は、大学などの教員に対するアンケートをもとに、研究力低下の原因として「研究者が研究に割ける時間の減少」を指摘。その一因として、研究支援者の確保の問題を挙げた。  全国最多の5457人の有期雇用職員を抱える京都大学。このうち3316人が、事務系や技術系の研究支援に関わるが、70人以上が今年3月末に雇い止めの対象になったとみられる。大学側は「契約期間満了に伴う対応」(人事課)とするが、京大教職員組合は「法の趣旨を踏まえず研究教育の現場への影響は深刻」(川島隆委員長代行)と反発する。  雇い止められた40代の教授秘書の女性は、研究費の管理や会議の日程調整などのほか、語学力を生かして欧米の研究者の問い合わせに応じ、留学生の世話もこなしてきた。  女性は「専門性を生かしつつ、研究室の学生を子どもたちだと思ってかわいがってきた。一律に人を切る大学の考え方には納得がいかない」と話す。  研究室の教授は「研究室の雰囲気作りに欠かせない母親のような存在。研究の国際化を進める上でも大切な人材だった」とした上で、「給与を払い続けられる保証がなく、解雇を認めざるを得なかった」と打ち明ける。  給与は大学の運営費交付金のほか、研究者が応募し国の審査を経て支給される競争的資金でまかなわれていた。国は運営費交付金を減らし、競争的資金を増やしてきた。期限付きの資金なので安定雇用の財源には向かないが、その依存度は増すばかり。3月末に473人を雇い止めした東北大学は「非正規雇用の財源の5割がこうした資金に依存し、雇用上限の設定は今後も避けられない」と説明する。  ■別学部に異動、解決へ試み  多くの学者が研究支援者の重要性を訴えている。京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長も12年のノーベル賞授賞当時、米国での研究支援者の充実ぶりや社会的地位の高さなどを引き合いに「育成のため長期間雇用する必要がある」と指摘。不安定な人件費を補うため、自身が設立した基金への寄付金をあてている。  大学の研究環境に詳しい近畿大学医学部の榎木英介講師は「本来は必要なキャリアパスを用意して育成すべき専門職だが、生活が不安定なため優秀な人材が集まりにくく、日本の科学力を低下させる一因になっている」と指摘する。  一方、解決へ向けた独自の試みもある。名古屋大学は、競争的資金が切れて業務を離れざるを得ない有期雇用者を、欠員が出た別の学部に異動することで解雇を防ぐ仕組みを導入した。  全国大学高専教職員組合の長山泰秀書記長は「学部や研究室単位での縦割りを超え、雇い止め問題を大学全体で解決する姿勢が必要」と指摘している。(嘉幡久敬)  ■雇用期間に上限を設けない国立大学  (文部科学省調べ、2018年3月1日現在) 秋田大学、埼玉大学、東京大学、浜松医科大学、愛知教育大学、三重大学、京都教育大学、長崎大学 "[he-forum 19555] 河北新報7/25","河北新報 2018年07月25日水曜日 <山形大パワハラ>減給1万円 学生 保護者「軽すぎ」「前例になる」懸念の声  山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のパワーハラスメント問題で、同大が加害側のセンター長の50代男性教授 を1日分給与半減(減給額約1万円)とした処分について24日、学生、保護者から「軽すぎる」「再発防止にならない」と批判が相次ぎ、専門家には「久しぶ りに聞いた」と驚きが広がった。パワハラでの懲戒処分は同大初となるだけに「前例となっていいのか」と疑問視する声もあった。  「処分が 軽く、同じことが繰り返されかねない」と心配するのは、人文社会科学部1年の男子学生(20)。工学部2年の女子学生(19)は「ハラスメント事案全般 で、大学は極力隠そうとしている印象がある。父からも被害に遭ったら黙っていないで相談するよう言われている」と話した。  センターは、成長分野のリチウムイオン電池の研究開発拠点。工学部1年男子学生の50代の父親は「大学は、研究をリードしてきたセンター長を手放したくないのでは」と推測した。  「1日分給与半減の処分は最近、聞いたことがない」。広島大ハラスメント相談室の横山美栄子教授(社会学)は首をかしげ、「被害者が退職や心身の不調を訴えるまでになった場合はもっと重い処分となるのが普通。大学が踏み込んだ事実認定を行っていない印象だ」と話した。  教職員間のパワハラによる懲戒処分は、教員から学生、大学院生へのアカデミックハラスメント(アカハラ)やセクシュアルハラスメント(セクハラ)に比べかなり少ない。  同大では一昨年までの過去10年間で女子学生に肩をもませたり、性的な発言をしたりしたセクハラ行為などを理由に男性教員計5人を減給10分の1(3カ月)~停職6カ月としている。  複数のパワハラ訴訟を受任した経験がある長沼拓弁護士(仙台弁護士会)は「人格権の侵害という点でパワハラはセクハラと同じ類型」と説明。「今回の処分が前例になる影響も国立大学として考慮すべきだ」と指摘した。 "[he-forum 19554] 河北新報7/24","河北新報 2018年07月24日火曜日 <山形大パワハラ>センター長、減給1万円の処分 「あり得ない軽さだ」職員組合質問書提出へ 職員の机に残されたとされる書き置きなど。センター長の手書きとみられる文字で「ボケが!!」などと記されていた 拡大写真  山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のセンター長による職員へのパワハラ問題で、同大は23日、センター長の 50代男性教授を1日分給与半減の懲戒処分にしたと発表した。これまでの減給処分では最も軽く、減給額は約1万円とみられる。同大職員組合は「あり得ない 軽さだ」と処分決定の根拠を疑問視し、近く質問書を提出する。  同大総務部によると、処分の理由は2016年4月~17年2月、職員4人 に対して(1)「ボケが!!」「役立たず」などと記した書き置きを机に残した(2)外部の人の前で「偏差値40」「小学生以下」などと侮辱した(3)事務 連絡メールで「無能で非常識なお馬鹿(ばか)さんへ」と記した-など7件のパワハラ行為。処分の重さは、過去の事例も参考に役員会で決めたという。  処分事由は「教員として品格と適格性を欠くハラスメント行為とそれらの行為により本学の名誉と信用を傷つけたため」とされ、職員の名誉と人格を傷つけたことは明記されなかった。  職員組合の仁科辰夫執行委員長は「あり得ないほど軽い処分で到底、受け入れられない。処分決定の根拠について質問書を早期に出す」と強調した。  同大の矢作清総務部長は「減給幅は労働基準法が定める上限。法律と学内規程に基づき、適正に処分した」と説明した。  しかし、労基法は減給について、1日分給与からの減額は2分の1までと定める一方で、月額給与からの減額上限は10分の1と規定。同大は月額給与からの減給を選択しなかった理由を説明していない。  同大は過去のハラスメント事案で、学生に肩をもませたり、性的な発言をしたりした男性教員計5人を減給10分の1(3カ月)から停職6カ月の処分としている。 "[he-forum 19556] しんぶん赤旗8/1","しんぶん赤旗 2018年8月1日(水) 日通 雇い止め撤回を 5年無期転換逃れ 労働者が提訴 横浜地裁川崎支部  大手運送業者の日本通運で、契約5年に達する直前に雇い止めになった男性(38)が31日、労働契約法の5年無期契約転換ルールを逃れる不当な雇 い止めを撤回するよう求め、横浜地裁川崎支部に提訴しました。同日、男性が所属する全川崎地域労働組合とともに厚生労働省で会見しました。  男性は2012年9月から派遣労働者として日通の神奈川県川崎支店内の事業所で働き、13年7月、直接雇用の契約社員になりましたが、今年6月30日に雇い止めされました。  契約書には「18年7月を超える更新はしない」と記されていたものの、事業所所長は「赤字で事業所がなくなる可能性があるので不更新条項が入っているが、経営状態によっては5年以上就労可能だ」と説明しました。  事業所は黒字に転換し、所長も男性の雇用継続を希望しましたが、会社が拒否。男性が組合に加入して団体交渉したところ、会社は全国一律の方針で、 13年4月1日時点で契約3年未満の契約社員は、契約5年に達する前に雇い止めにする社内ルールをつくっていたことが分かりました。  会見で、原告の男性は、「労働者の雇用を安定させるための法律に反して、雇用を不安定にするのはおかしい」と訴えました。川岸卓哉弁護士は、「この雇い止めは、無期転換ルールを真正面から否定しており無効だ」と強調しました。  日本共産党の畑野君枝衆院議員は6月22日、原告の男性とともに、日通に無期転換ルールを守らせるよう厚労省に要請しています。= "[he-forum 19557] yahoo news 8/2","yahoo news 2018年8月2日 組織の不正を知って内部告発者になったら、左遷や解雇、パワハラといった不利益を被るのではないか ――。そんな懸念があちこちで現実になっている。内部告発者を守るはずの公益通報者保護法に罰則規定がなく、「ザル法」になっているからだという。違反企 業への刑事罰の導入などに向け、同法改正の議論が続くなか、「公益のため、不利益を被ることなく内部告発できる」という社会は果たして到来するのか。 (文・撮影:フリー記者・本間誠也/Yahoo!ニュース 特集編集部) 内部告発の後、嫌がらせ続く 金沢大学医学部は、日本三名園の一つ「兼六園」から徒歩で十数分の場所にある。その一室で、薬理学研究室主任の准教授・小川和宏さん(55)は「私も正念場です」と切り出した。 金沢大学医学部の小川和宏准教授 「私を何とか追い出そうと、大学側は躍起になっています。ですが、私は正しいことをやってきました。あきらめません」 小川さんと大学側との緊張関係は、2度の内部告発に起因する。最初は2006年1月。東北大の助手から金沢大の助教授(当時)に転じた数カ月後だった。 研究室の上司にあたる教授から「薬品業 者との架空取引で研究室の裏金をつくっている」と聞かされた。「半ば慣行のようなもの」「捕まらないから大丈夫」とも言われた。だが、小川さんは東北大時 代、研究室の経理を適正化するための講習や指導を受けており、不正を容認する考えはなかった。 不正について教授に直言しても聞き入れられる状況ではなかった。そのため、小川さんは大学本部に通報し、求めに応じて証拠となる書類も提出したという。 裏金をめぐる資料などを小川さんはきちんと保管している 「通報には相当の勇気が必要でした。でも、黙っていたら不正の片棒を担ぐことになる。ところが(その直後)、大学側は通報者が私であることや、証拠書類が学長にまで上がっていることを当の教授にすべて漏らしたんです」 大学側は通報の2カ月後、調査の結果、不正はなかったという結論を出す。そして、このころから教授らによる嫌がらせ、パワハラが本格化したという。 締め出し 授業もさせず 小川さんによると、こんな実態だった。 まず、共同研究・実験室から締め出され た。唯一出入りを許された自分の研究室には、研究に必要な実験機器がない。いわば座敷牢だ。学生のアンケート結果で高い評価を得ていた授業も42コマから 3コマに減らされ、学生に対する教育の機会が奪われた。大学側もこれらを容認していたのだという。 金沢大学医学部 「まさに四面楚歌。大学に向かう足は毎日重かったし、孤立感も募って。ストレスは相当でした」 そうした状況はまもなく地元メディアの知るところとなり、発端となった裏金疑惑について大学側は再調査に追い込まれた。結局、約525万円の不正経理が認定され、教授は出勤停止2カ月の懲戒処分。大学側も会見で「非常に重大なこと。再発防止に努めたい」と謝罪した。 これですべては終わるはずだった。 医療過誤も内部告発したが…… その後も小川さんの授業数は回復されず、孤立状況は改善されなかったという。そうしたさなかの2013年秋、小川さんは第2の内部告発に踏み切る。 金沢大学附属病院の前に立つ小川さん。「負けませんよ」と笑顔も 2010年3月、金沢大学付属病院で骨 肉腫だった16歳の少女が死亡する事故があった。少女には先進医療とされる「カフェイン併用化学療法」が過度に施されており、これが原因で死に至った可能 性があった。主治医だった整形外科教授ら3人は、業務上過失致死で遺族から刑事告訴されていることも知った。 しかも大学側はこの時点で同じ療法を続けていたという。 小川さんは「見て見ぬふりをしていたら、第2、第3の死亡事故が発生する。医療ミスの隠蔽は見過ごせない」と思い、厚生労働省に電話連絡した。同省に調査を促し、再発防止を図るためである。 ところが、電話の相手だった同省の先進医療専門官はその翌日、少女の主治医だった教授に対し、「内部告発者は小川さん」とメールで漏らしたのである。 厚生労働省側による内部通報者の情報漏えいはメールだった。写真は小川さんが保管しているコピー 内部告発者が誰であるかを当事者に漏えいする――。そんな行為が2度も小川さんの面前で起きたのだ。 事態はさらに動く。 厚労省に不信感を抱いた小川さんは、少 女の死に関する一連の出来事を報道機関に伝えた。その後、2014年1月になると、石川県警は少女の主治医ら3人を業務上過失致死の疑いで書類送検。のち に嫌疑不十分で不起訴になったが、問題の治療法を中止する注意義務を怠ったという理由だった。 大学側も主治医らの治療には倫理指針違反の疑いがあったと発表。厚労省は、問題の療法について先進医療の認定を取り消した。さらに同省の専門官も「内部告発者の情報を漏えいした」として、守秘義務違反で戒告処分を受けた。 医療ミスによる書類送検を報じる新聞記事。小川さんの研究室の廊下側に張り出してある 小川さんは振り返る。 「結果を見れば、間違いは証明されまし た。とはいえ、大学側はきちんと医療ミスに向き合おうとしなかった。厚労省は調査に及び腰で情報を漏らしたし、同省への通報後、私の授業数はゼロにされ た。その守秘義務違反の被害を訴えても、捜査機関はのらりくらり……。公益通報者保護法はザル法です。それを思い知らされました」 パワハラや嫌がらせが続く日々 実はこの間、小川さんは大学側などを相 手取り、研究室からの締め出しや教育機会の減少は不当であるなどとして、損害賠償訴訟を起こしている。2017年3月の金沢地裁判決では、大学側は上司で ある教授によるパワハラを認識していたとしたうえで、「職場環境の改善に向け、具体的な対応をしていたとは言えない」と賠償金約220万円の支払いを命 じ、翌月確定した。 これまでの出来事を振り返る小川さん それでも、ことは終わっていない。 「医学類履修・学生生活の手引き」の2018年度版に「准教授・小川和宏」の名は出てこない。さらに小川さんによると、大学側はいま、医学部生の定期試験の点数を提出しなかったことを理由として懲戒審査にかけようとしているという。 取材に対し、金沢大学広報室は「現時点では取材に答えられない」としたが、小川さんはこう言う。 「前年度、テストの点数が正しく成績に 反映されなかったことから、(印刷物などではなく)大学側が提案したコンピュータ入力で点数を提出しようとしました。ところが、大学側がなぜか入力に必要 なID番号やパスワードを教えない。大学側にすれば、どんな理由でも構わない。とにかく、私を追い詰めたいんでしょう。早ければ8月にも懲戒処分に向けた 最終手続きを始めようかという構えです」 金沢大に来てからの小川さんは、科学研 究費助成事業(科研費)の審査委員として日本学術振興会から2度の表彰を受けている。これは科研費の審査に際して模範的な意見を付した審査委員を表彰する 制度で、有能な研究者として認められた証しでもある。2度の表彰は金沢大ではただ一人。最初の表彰は准教授としては同大で初だった。小川さんはまた、特許 でも「心臓保護薬」など3件の登録を成し遂げた。 「研究者としても実績を上げてきた」という誇りは人一倍強い。 金沢大学附属病院の外観 最初の内部告発から既に12年余りが経過した。小川さんは言う。 「研究者として、もったいなかった、時間のロスだったと思う気持ちはあります。でも、闘い続けたい。私があきらめたら、告発を迷っている人、今も闘っている人に良い影響を与えません。公益通報者保護法の改正議論も良い方向にはいかない。そう考えています」 告発者への「報復」に罰則なし 公益通報者保護法とは「公益のために通報を行った労働者に対する解雇等の不利益な取扱いを禁止する法律」(消費者庁)である。ところが、2006年の施行当時から「ザル法だ」「通報者を保護できないだろう」と懸念されていた。 2015年に始まった法改正の議論は、 まさにこの点が焦点になっている。改正法案の提出目標は来年の通常国会で、これを検討する内閣府消費者委員会での議論も大詰めだ。これまでの議論では、主 に「通報者が不利益な扱いを受けた場合、行政措置や刑事罰を導入するか」「通報者の範囲を『労働者のみ』から退職者や役員・取引業者に拡大するか」をめ ぐって意見が交わされてきた。 内閣府消費者委員会・公益通報者保護専門調査会の様子=2018年7月 千葉県弁護士会会長で通報者保護法に詳しい拝師徳彦(はいし・のりひこ)さんは「現行法の最大の欠陥は、企業・組織側がやろうと思えば、内部告発者に徹底して嫌がらせができることです」と話す。 「現行法は当事者任せの『民事ルー ル』。内部告発は当事者の正義感に頼っている状況です。内部告発者が不利益を受けたら、それをくつがえすには、リスクを背負い込んだうえで組織を相手に訴 訟せねばなりません。制度の実効性を高めるためにも、通報者が不利益を受けた場合、その組織には刑事罰を適用すべきです」 近年、日本では製造業の不正経理や検査 不正などが相次いで発覚した。内部通報制度がきちんと機能せず、社長や役員による不正の黙認や隠蔽(いんぺい)が続いていた実例もあった。内部通報の段階 で適切に対応していれば、組織を揺るがす不祥事に発展しなかったケースも少なくない。 弁護士の拝師徳彦さん 「刑事罰の導入について、経済界などは以前ほど強硬に反対していません。『チクリ』『恥ずかしい』という内部通報のイメージも改善されてきた。企業側も『内部通報は組織の役に立つんだ』という意識を徹底してほしいと思います」 「報復解雇だ」 和歌山県でのケース いまだに「チクリ」とも称される内部告発。それへの「報復」がなくなる日は来るのだろうか。 和歌山県に住む40代の男性は、2015年末まで同県美浜町の老人保健施設で理学療法士として働いていた。「報復解雇」と彼が訴える事例も紹介しよう。 「事件」は15 年の10月だった。 施設を運営する医療法人理事長が、入所 者に悪口を言われたことに腹を立て、この入所者に暴行を加えた。入所者の視力に問題が生じたという。同年12月に警察の捜査が始まり、現場に居合わせた複 数の職員が事情を聴かれた。しかし、理事長の仕返しを恐れ、職員たちは本当のことを話せなかったという。 それに疑問を抱いたのがこの男性である。 老人保健施設で働いていた男性。名前と顔を出さない条件で取材に応じてくれた 事情聴取から数日後の昼休み。男性は職員に集まってもらい、「この施設を良くするため、私はこれから警察に行って知っていることを話してきます。賛同してくれる人は一緒に行きましょう」と呼び掛けた。7人の職員が同行してくれたという。 それを知った理事長は翌日、この男性に対し、解雇をほのめかしながら退職を迫った。別の日には「あすから来なくていい。解雇通知は郵送した」と言ってきた。 男性は弁護士と相談し、職場復帰を含む 地位確認などの民事訴訟を和歌山地裁に起こした。加えて、一審判決までの賃金の仮払いなどを求める仮処分申請も行う。仮処分は短期間に結論が出ることが多 い。このケースでは、「解雇理由に客観性や合理性はない」として、裁判官は一審判決まで男性の生活費として妥当な金額を仮払いすることなどを施設側に命じ た。 男性は和歌山地裁に提訴した 男性は言う。 「他の内部通報者と比べ、私は恵まれていると思います。以前から内部通報に詳しい弁護士に相談しており、解雇通知の時も『来るべきものが来た』と冷静に受け止めました。それに私一人だったら仮処分申請など思い付かない。訴訟もせず、泣き寝入りしていたかもしれません」 「何かがおかしい」と弁護士に相談 では、なぜ、男性は「以前から」弁護士に相談していたのか。何を相談していたのか。 「この施設は何かおかしい」と感じるようになったのは、2013年の3月だったという。理学療法士の資格試験に合格する直前。非常勤の介護職員として働いていたころだ。 男性によると、理事長に「理学療法士と して明日から入所者のリハビリを担当しろ」と言われた。「資格を取ったら入所者へのリハビリはやったという記録を残すだけでいい。訪問リハビリで稼いでこ い」とも言われた。事務長に違法性を訴えると、「理事長が黒と言ったら黒。白と言ったら白」と言われた。 男性に送られてきた「解雇通知」の一部 その後、資格を得て常勤職員になると、介護職員の大幅な不足や低水準のサービスなど、ワンマン運営による数々の弊害に直面したという。就業規則は職員に知らせず、サービス残業も常態化。入所者への身体拘束も日常的に行われていたという。 ほかにもあった、と男性は言う。 「管理栄養士はいないのに、県への提出書類では『常勤』と記され、介護スタッフも実際より大幅に水増し。栄養管理が行われないから、低栄養状態となっている入所者もいました。いつ事故が起きてもおかしくない状態でした」 そのころ、東京弁護士会の公益通報相談窓口の存在を知り、担当弁護士に不正をどうしたらいいのかを尋ねた。アドバイスに従い、男性は14年8月、不正請求や入所者への虐待について和歌山県に内部通報した。証拠となる書類も添えた。 「地元で長く勤めたいと思っていましたから。だから、県の指導で施設が健全になれば、と思って」 和歌山県庁 「世間は狭い、告発は怖い」 ならば黙るか? 内部通報によって、県の抜き打ち監査が行われ、17年2月には新規入所者受け入れ停止などの行政処分が下された。監査結果によると、介護職員の水増しなどにより、施設側は5年間で3億円以上の介護報酬を不正請求したことが判明している。 入所者への虐待行為も認定された。ベッ ド柵にカギ付きのチェーンを付けてベッドから下りられなくするなどの「身体的虐待」の被害者は26人。入所者がナースコールを使えないようにするなどの 「介護放棄の虐待」の被害者は35人を数えた。間違いなく、内部告発の成果はあった。 「地方という狭い世間の中での内部通報です。怖さはありました。でも、あのまま放置できません。いずれ、知り合いがここに入所するかもしれない。わずかであっても施設運営が改善された。その点は良かったです」 男性は関係資料をきっちりと保管している 公益通報者になって見えたものもある。 「不正請求の証拠となる書類などを提出 しても、県は最初、『抜き打ち監査の前例がない』と及び腰でした。事態が動いたのは人事異動で担当者が代わってからです。警察も同じようなもの。詐欺に当 たる不正請求の証拠書類を示しても『県が告発しないと動けない』と。こちらは半ば人生を賭けて通報しているのに。失望の連続でした」 「罰則はないけど、内部通報者に報復して不利益を与えるのは、今でも法律違反なんですよ。それなのに、解雇されたことや提訴したことを全国紙の県内支局に伝えても振り向いてもらえませんでした」 復職などを求めた裁判はこの7月に結審した。医療法人側は「男性は当法人との信頼関係を破壊した」などとして、男性の訴えを棄却するよう求めている。判決は10月の予定だ。 本間誠也(ほんま・せいや)   北海道新聞記者を経てフリー記者。退??? ????を明白に証明し、かつそれを両委員会が精査の上承認しない限り、今次「合意」の撤回を日本政府として他の交渉参加国に呼びかけること。それが受け入れられない場合、今後の「署名」に至るプロセスには加わらず、TPP交渉から脱退すること。 三.上の二の過程では、いわゆる業界団体に限らず、希望する最大限の一般市民・国民に「合意」の全内容を誠実かつ正確に伝達し、それら関係者、市民、国民からの意見聴取を行なう機会を、全国各地で設けること。昀・??? ????教授  ――現状をどう見るか。  「学部卒の学生と学校の中堅を担う現職教員の学生では、求める教育内容が異なる。一緒に学ばせるのは好ましくない。授業の編成などが難しくなる」  ――学生確保に苦しむ大学が多いようだが。  「教育委員会が教職大学院に教員を派遣し、校長、教頭候補として育てるのが理想だが、財政難で派遣人数を減らす例が増えている。学費は個人負担の場合が多く、国立では2年間で約140万円かかる。30~40歳代の教員は子育ての出費もかさみ、経済的負担が大きい。国、教委、大学側が学費負担の軽減策などを真剣に検討すべきだ」  ――修了者へのメリットが少ないとの指摘がある。  「修了者を社会的に評価する仕組みが必要だ。教員採用試験の1次試験免除などの優遇措置を広げ、現職教員が修了した場合は管理職登用試験の1次試験を免除するといった制度を整えなければならない」  ――今後、果たすべき役割は。  「全国の公立学校で昨年度、約6900人が教頭・副校長に昇進したが、教職大学院に入学した教員は340人に過ぎない。岐阜大教職大学院は、岐阜県、岐阜市の教委と連携し、教頭などの候補者を対象に養成講習を行い、その成果を管理職登用に反映させる仕組みを計画している。教職大学院は学校管理職の養成に貢献すべきだ」 学び続ける教員支援を…柳沢好治・文科省教員養成企画室長  ――教職大学院の開設が相次ぐ背景は。  「いじめや不登校から、英語、ICT(情報通信技術)教育まで教育課題は多い。社会が大きく変化する中で、学び続ける教員を支援する仕組みが欠かせない。すでにある大学院修士課程を教職大学院に再編するなどして、各都道府県に1校以上は開設されるようにしていきたい」  ――課題は何か。  「まずは教育委員会との連携だ。大学は学校や地域のニーズをくみ取った上で、教員養成のカリキュラムを作ってもらいたい。そして、教委が積極的に現職教員を学生として派遣し、経験豊富な元校長らを大学の『実務家教員』として推薦するような関係を築かなければならない。『教員養成は大学、教員研修は教委』という断絶をなくしたい」  ――定員割れについては。  「学生のアンケートなどを見ると、教育内容への評価は高い。大学側のアピールが足りない面があるのではないか。授業料の免除制度など学びやすい環境作りや、教員採用試験の一部免除など修了者への優遇策は今後、具体的な検討が進むと思う」  ――実務家教員の確保が難しいとの声もある。  「教職大学院を修了し、現場に戻った教員の中から大学院で教える実務家教員が出るようなサイクルができれば解消されると期待している」  この連載は、伊藤史彦、泉田友紀、名倉透浩、山田睦子が担当しました。  る。?蜈 ???担う政党には、データに基づき、長期的な見通しをもって教育政策を企画実行することが求められている。 "[he-forum 19558] 佐賀大学退職・現職教員有志で佐賀県にオスプレイ受け入れ撤回を要請","豊島です。佐賀県知事の突然のオスプレイ受け入れ表明に対し、あす朝9時半に、佐賀県に、佐賀大学退職・現職教員有志一同で以下の、オスプレイ配備受諾撤回の要望書を提出します。メディアには告知済みです。 ブログにも掲載:https://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2018-09-04 ---------- 佐賀県知事 山口祥義様 知事はオスプレイ配備受諾を撤回してください 山口知事は、8月24日の防衛大臣との協議のあと、佐賀空港へのオスプレイ配備受諾を表明しました。知事はかねてから「意見を聞くプロセスを大事にする」と言ってきましたが、この受諾表明はそのようなプロセスも踏まないあまりにも性急な行為です。 沖縄での2016年12月のオスプレイ墜落事故はまだ記憶に新しく、この危険な飛行機の配備は私たちの生命への直接の危険です。しかし危険は墜落の恐れだけではありません。 防衛省のパンフレット「陸上自衛隊の佐賀空港利用について」(2016年7月)によれば、配備の目的は、「南西諸島に約 7,400 人の隊員が配置されている現在の防衛体制を大幅に強化」 し、「イージス艦や潜水艦など新型艦艇の整備」,「各地の防空レーダーを改修」、「ステルス戦闘機を導入」し、「島嶼防衛や奪回を目的に専門的な訓練を受けた『水陸機動団』を新設」するとし(すでに今年3月に設置)、この水陸機動団を「島嶼部に迅速に投入する」ためにオスプレイを使用するとしています。 つまり、隣国との軍事衝突つまり戦争を想定したものであり、島嶼部など地域の軍事緊張を高め、ひいては戦争の危険を招くものです。このような行為は、いうまでもなく「国際紛争を解決する手段として」の「武力による威嚇又は武力の行使」を禁じる憲法に違反するものです。 また、今回の知事発表は、県が有明海漁協と結んだ、佐賀空港の自衛隊との共用を禁じる「公害防止協定」を無視するものです。これは漁協との協定とは言え、空港建設の条件として公開された約束であり、当該漁協以外の地域住民には関わりがない、とは言えないでしょう。県が結んだ約束の重みに思いを致すべきです。 立ち止まって、丁寧な合意形成に立ち返るべきです。オスプレイ受け入れ承諾を撤回して、知事は県民と意見を交換し、熟議を尽くすことをもとめます。 2018年9月5日   佐賀大学退職教員・現職教員有志一同   (現職3名、元職9名のリスト) ------------------- 豊島耕一 ペガサス・ブログ http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ (記事数 1,483, アクセス累計602万 ? 2018年7月27日現在) http://twitter.com/yamamoto2007 http://www.facebook.com/kouichi.toyoshima http://ad9.org/pegasus/Default.html phone/fax: 0942-43-6184 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;abolition-japan@freeml.com","he-forum@ml.asahi-net.or.jp;abolition-japan@freeml.com","SMTP;SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 19561] 産經新聞9/13","産經新聞  2018.9.13 11:18 東工大、授業料10万値上げ 標準額超す額、国立大学部で初 2019年度入学から  東京工業大の益一哉学長は13日、同大で記者会見し、2019年度以降に入学する学部生と大学院生の授業料を、文部科学省が定める標準額から約 10万円引き上げ、63万5400円にすると発表した。同省は「国立大の学部授業料で、標準額を上回る額が設定されるのは初ではないか」としている。  東工大は増収分について、(1)学士・修士・博士一貫教育の推進(2)各界を代表する研究者を招いた最先端科学技術の講義充実(3)オンライン教材の整備-などに充当すると説明した。  国立大の授業料は、経済情勢などを勘案して国が標準額を設定しており現在は53万5800円。各大学は最大で標準額の2割増までの範囲で個別に金額を決められる。 "[he-forum 19560] 読売新聞9/13","読売新聞 2018年09月13日 12時33分 国立で初、東工大が授業料値上げ…標準額上回る  東京工業大は13日、来春以降に入学する学部生と大学院生を対 象に、年間授業料を9万9600円値上げして63万5400円にすると発表した。国立大の授業料は文部科学省が示す標準額(53万5800円)を参考に独 自に決められるが、学部ではすべての国立大が標準額としている。学部の値上げは東工大が初めてで、記者会見した益 ます 一哉学長は「他大と一線を画した教育改革を進め、教育内容や環境を充実させる」と述べた。  発表によると、学部生(定員計約1100人)は来春から、大学院の修士課程(同1500人)、博士課程(同500人)は来年9月入学者以降、値上げを適用する。現在、在籍中の学生には適用されない。  東工大では、値上げで得た資金により▽世界的な研究者の招聘しょうへい▽日本人学生の海外留学支援の拡充▽早い段階で高度な研究内容に触れさせる機会の創出――などの教育改革を行うとしている。 "[he-forum 19559] 共同通信9/13","共同通信社 2018/9/13 13:49 東工大、授業料10万円値上げ 19年度「教育環境充実」目的に 記者会見する東工大の益一哉学長=13日午前、東京都目黒区   東京工業大の益一哉学長は13日、同大で記者会見し、教育環境の充実を目的に、2019年度以降に入学する学部生と大学院生の授業料を約10万円引き上 げ、年額63万5400円にすると発表した。現在の授業料は文部科学省が省令で定める標準額の53万5800円で、同省は「国立大の学部授業料で標準額を 上回る額が設定されるのは初ではないか」としている。  対象は学部が19年4月以降、大学院は同9月以降の入学者となる。東工大は最終的に全学で値上げが適用されれば7億9千万円の増収となると試算している。= "[he-forum 19568] 朝日新聞9/29","朝日新聞 2018年9月29日05時00分 (教えて!日本の「科学力」:4)研究費増えたイノベーション、現状は?  宇宙誕生のナゾや、細胞分裂のしくみの解明といった基礎研究を支えてきた大学の現場でいま、研究費の枯渇に伴う環境の悪化が問題となっている。  その一方で、国の科学技術予算全体は増えている。予算が増えた分野の代表格が、「イノベーション」関連の研究費だ。  イノベーションとは、経済成長や社会の課題解決に役立つ技術や新たな知識、しくみを意味する。政権は「アベノミクスの成長戦略の柱」として力を入れる。  個々の研究者が自由にテーマを設定するのが基礎研究なら、政権のイノベーション研究は、国が政策課題を設定し、解決に貢献しそうなテーマを募集・選抜して研究を委託する。近い将来に役立つ研究という色彩が強い。  国がお手本にするのは、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)だ。  責任者にお金と人事の全権を任せ、トップダウンで研究を展開する。DARPAはインターネットやGPS(全地球測位システム)などの技術開発を主導した実績で知られる。軍事応用をテコに開発した技術を民生に応用し、米国社会に富をもたらしてきた。  DARPAによる研究推進のしくみに倣おうと、内閣府は2013年度、革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)という事業を始めた。「脳内の情報の見える化」「スパコンをも上回る量子コンピューターの開発」など16課題に、5年で550億円という破格の予算をつけた。  今春、最終年度に入ったが、成否は見えない。5年分の予算を一括計上し、各課題の評価も最終年度に行われるためだ。そうした手法に批判もある。  国の財政制度等審議会が今春まとめた建議では、「初年度に多額を交付してしまい、評価が芳しくない課題を中途で減額できない」「予算の投入量を目標とせず研究の中身や質を目標とすべきだ」などの指摘が盛り込まれた。  具体的な社会課題の解決や経済活性化への貢献度も不透明だ。企業と大学の共同研究の金額や大学発ベンチャーの数は増えているが、大学などの特許出願数は横ばい。収益に結びつかない未利用の特許が大半を占める構図も変わらない。  内閣府では早くも、来年度に始めるImPACTの後継事業の準備が始まっている。  「社会の関心を集める野心的なプロジェクト」(内閣府ImPACT 室)といい、重症者を人工冬眠させる技術、台風の進路を変える技術、死者をサイバー空間によみがえらせて会話する技術など「夢」ともみえる目標を例示。人 類を月に送ったアポロ計画にちなんで「ムーンショット」と命名し、DARPA方式を強化して複数の研究チームを競わせるという。  日本は今後、基礎研究と応用研究のバランスをどう取るべきなのか。  研究費制度に詳しい近畿大学の榎木英介講師は「近年の国の政策は、学問への貢献を重視する先進国型から、経済成長を重視する途上国型へシフトしたといえる。お金がない以上、選択肢としては理解できるが、ノーベル賞はもう望めない」と話す。(嘉幡久敬)  ■国による主なイノベーション研究プロジェクト  <SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)>=2014~18年度  「自動運転」「サイバーセキュリティー」など11課題に5年で1580億円。18年度から第2期開始。  <ImPACT(革新的研究開発推進プログラム)>=13~18年度  脳内情報の可視化、量子コンピューター開発など16課題に5年間で550億円。  <PRISM(官民研究開発投資拡大プログラム)>=18年度~  産業界からの研究資金が期待できる産学連携プロジェクトの支援。18年度は約100億円。  <ムーンショット(仮称)>19年度~  ImPACTの後継プロジェクト。高齢化社会への対応、防災・減災など。19年度要求額約100億円の見込み。  "[he-forum 19567] 朝日新聞9/28","朝日新聞 2018年9月28日05時00分 (教えて!日本の「科学力」:3)科研費、獲得しにくくなっているの?  「科学を文化として楽しむ機会が実現してほしい。それが人類の未来を託す唯一の道だ」  都内で20日に開かれたセミナー。2016年にノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典・東京工業大栄誉教授は、「基礎研究」の重要性を訴えた。  基礎研究とは、科学の新原理の発見を目的とした研究をさす。純粋な好奇心に基づいて研究し、研究中は何に役立つかわからないことも珍しくない。  ただ、基礎研究で得られた成果は、その研究分野を発展させるだけでなく、結果として、社会に根本的な変革をもたらすことがある。20世紀初頭に欧州で確立された物理学の新原理「量子論」が、現代のコンピューター社会の基礎を築いたのは、その一例だ。  しかし、日本の基礎研究を支えてきた運営費交付金が削減され、科学研究費助成事業(科研費)も年々取りにくくなっている。  ノーベル賞の対象となった大隅さんの研究業績を支えたのも、科研費だった。大隅さんは「科研費の絶対額が足りない。増額することが日本の基礎研究にとってたいへん大事だ」と訴える。  研究者の好奇心、そして、自由な発想に基づく研究を保障するには、自由に使える研究費が必要だ。その役割は従来、国の運営費交付金が果たしてきた。  運営費交付金は大学や研究機関に配られ、研究や事務の正規職員の給与などを差し引いた残りが、研究者に分配される。学術書やパソコンの購入から研究設備の維持まで、自由に使える。  そこで出た研究成果の「芽」のうち、発展が期待できそうなものを国が選んで支給するのが科研費。応募したテーマ以外の目的には使えないが、自由な研究費の延長といえる。  運営費交付金と科研費という2段階のしくみが、日本の基礎研究を支えてきた。そして、芽が出てから10~30年を経て花開いた「大輪」に、ノーベル賞が授与されてきた。  ところが、04年の国立大学法人化を機に、国は大学の運営の効率化を進めるため運営費交付金を年に1%ずつ、計1400億円以上減らした。その間の科研費の増額は約450億円にとどまる。科研費の応募件数は6年で約14%増加、昨年度は採択率が約25%に落ち込むなど、獲得するのが年々難しくなっている。  文部科学省とともに科研費の事業を担う日本学術振興会は「交付金削減の影響で、科研費がないと研究を続けられない研究者が増えたことが関係している」(研究助成企画課)とみる。  科学技術政策の司令塔である国の総合科学技術・イノベーション会議の上山隆大議員(元政策研究大学院大学教授)は「科研費は苗床であり、研究者に向けて薄く広く配分するのが本来のあり方。そのための改革は必要だ」と話すが、運営費交付金の増額には否定的だ。「研究のために必要なお金を競争で取ってくるのは当然。何もしなくても研究費がもらえるという環境の方が不自然だ」  (小宮山亮磨、嘉幡久敬) "[he-forum 19566] 産經新聞9/27","産經新聞 2018.9.27 11:33更新 英語の検定必須としない理由説明 東大が会見  東大は27日に記者会見を開き、2020年度に始まる大学入学共通テストで導入される英語の民間検定試験について、入試で受験生からの成績提出を 必須としないとする初年度の基本方針を説明した。福田裕穂副学長は民間試験を巡る懸念は残っているとした上で「問題はあるが、一つの手段として使うことは できると考えた」と述べた。  福田氏は民間試験について、トラブルや不正があった場合の受験生の保護や、居住地域や家庭の経済力により受験 機会が左右されることを大きな問題として挙げた。その上で、国が受験生保護に責任を持ち、他の懸念事項についても大学などと協議の場を持つとしたことから 「解決する道ができた」と話した。  東大は一定の英語力を出願要件とし、その証明には、民間試験の成績だけでなく、高校の調査書でも認めることを盛り込んだ基本方針を決定。しかし、国立大学協会は全ての受験生に民間試験を課すとしており、東大の方針はこれに沿わない。= "[he-forum 19565] しんぶん赤旗9/27","しんぶん赤旗 2018年9月27日(木) すばる 視界に“暗雲” 経費年々削減  宇宙の成り立ちや進化の謎の解明に挑み、1999年の観測開始以来、世界に誇る数々の成果をあげてきた国立天文台の「すばる望遠鏡」(米ハワイ島、口径8・2メートル)。天文学における重要性にもかかわらず、運転経費は年々削減され、視界に“暗雲”が立ち込めています。  すばるに搭載された装置「ハイパー・シュプリーム・カム」(HSC)は、高さ3メートル、重さ3トン、8・7億画素の巨大なデジタルカメラ。満月 9個分の超広視野を生かし、ハッブル宇宙望遠鏡なら1000年以上かかる観測を6年で完遂し、全天の約30分の1の領域の暗黒物質の立体地図をつくる計画 です。  計画を主導する東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構の村山斉機構長は、2020年代に始動予定の30メートル望遠鏡などと連携した新たな天文学への夢を語りつつ、「今後20年間は、すばるがなければ進まない」と指摘します。  ところが、当初は年間30億円以上あった運転経費は、約10億円にまで年々削減され、観測の継続が危ぶまれる状況です。このままでは「宇宙の運命が決まる前に、すばるの運命が決まる」と村山さんは心配します。  安倍晋三政権は、こうした基礎科学には冷たい一方で、陸上配備型ミサイル迎撃システム(総額6000億円超)や武器などに応用可能な技術研究への 資金制度(100億円)を推進しています。戦争につながる研究開発ではなく、知の探究や生活向上のための科学政策への転換が求められています。(中村秀 生)= "[he-forum 19564] 朝日新聞9/26","朝日新聞 2018年9月26日05時00分 (教えて!日本の「科学力」:1)雑務に追われ、論文減少  今年も10月にノーベル賞の 発表が行われます。このところ日本の科学者による受賞が相次いでいて、期待が高まります。その半面、現在の日本の科学研究の実力は「著しく低下している」 という認識が、国内外に広がっているのも事実です。国は6月、科学技術白書で正面から危機感を表明しました。論文の数、人材や研究費の状況、政策のあり方 など、日本の「科学力」の現状と課題を全8回で紹介します。  「影響力の大きい重要な論文の数が減っているのは、深刻な問題だ」  ノーベル物理学賞を2015年に受賞した梶田隆章・東京大宇宙線研究所長は、日本の「研究力」の現状について、そう語る。  他の論文に引用された回数が各分野で上位10%に入る、影響力のある論文を03~05年の平均でみると、自然科学や人文科学を含めて日本はその数が約4600本にのぼり、世界4位だった。  ところが、10年後の13~15年は平均で約4200本へと減少。豪州やカナダにも抜かれ、9位に後退した。  論文数の全体も、日本は03~05年の平均約6万8千本から15年の約6万2千本へと減っている。一方、同じ期間に中国の論文数は5倍に。米国も2割増えており、主要国で減少したのは日本だけという状況だ。  何が日本の研究力の低下を招いたのか。梶田さんはその原因として、三つの要素を挙げる。「研究者の数」、「研究時間」、そして「研究費」だ。  まず研究者の数。特に研究の主力を担う若手研究者は、助教などの正規ポストが減り、非正規のポストで働く人が増えた。若手を競わせる国の政策の結果だが、任期に縛られ、自分の判断で自由に研究できる人が減ったことを意味する。  博士課程に入学する学生は03年度の約1万8千人から、17年度は約1万5千人に減少。若手研究者の不安定な生活を見て、学生らが研究者としての将来に不安を抱いた結果とみられる。  研究環境も悪化している。大学の研究者が研究に割ける時間は02年は年に1300時間だったが、13年には900時間に減った。職務時間に占める 研究時間の割合は47%から35%に低下。代わりに、授業や実験指導などの教育や、学外での講演などの社会貢献活動が大幅に増えた。  文部科学省の意識調査でも「人が減り、大学運営に関する1人当たりの業務の負担が増えた」といった回答が寄せられた。雑務に追われ、研究のための時間を捻出できない。そんな研究者像が浮かぶ。  ■大学への交付金減も痛手  研究費はどうか。  1995年に科学技術基本法が施行されて以来、国は日本の将来を科学技術に託す「科学技術創造立国」を掲げている。そして、5年ごとに科学技術基本計画を作り、「5年で26兆円」といった数値目標も立てて手厚く予算をつけてきた。  しかし、他国の科学技術への投資額の伸びは、日本を上回る。中国の予算は16年間で13倍以上に急増し、米国や韓国の上昇ペースも日本を上回る。  国の主な予算の配分先である大学部門の科学技術予算でみると、日本はかつて米国に次ぐ2位だったが、近年は中国とドイツに抜かれて4位に後退した。  日本の研究力の今後を大きく左右するのは、論文数の4分の3を生み出している大学部門。中でも、国は国立大学の改革を本丸ととらえている。  大学の規模に応じて分配され、人件費や自由な研究に使われる運営費交付金を、国は減らし続けてきた。この数年、削減は止まったが、大学改革の進み具合に応じて配分額を増減させる方式を導入し、来年度以降、大学間の競争をさらに強める。  英科学誌ネイチャーは昨年、日本の科学研究の実力について特集を組み、低迷の原因について、運営費交付金が削減されて人件費が減り、若手研究者は任期なしの安定した職を得る機会が少ないことなどを挙げた。ノーベル賞を受賞した業績の多くは若手時代のものだけに、受賞の先細りを予想させる。  梶田さんもいう。「運営費交付金の削減はもともと、大学の『贅肉(ぜいにく)』をそぎ落とす目的だったが、いまは筋肉をそぎ落とす段階に来ている」(嘉幡久敬) "[he-forum 19563] 朝日新聞9/27","朝日新聞 2018年9月27日05時00分 (教えて!日本の「科学力」:2)博士課程への進学、若者が敬遠している?  「文系による支配が強い日本の企業文化のもとでは、理系の博士は『視野が狭い』『コミュニケーションが下手』といった先入観をもって見られやすい」  クリーク・アンド・リバー社(本社・東京)の倉本秀治部長は、そう語る。  同社は、博士号を取得したものの、大学の正規ポストにつけない「ポスドク」(博士研究員)たちの就職支援事業を手がけている。しかし、企業側の「食わず嫌い」を肌で感じるという。  国立大は2004年の法人化後、国からの運営費交付金の削減を受けて、正規ポストを減らしてきた。代わりに、研究者や大学、研究機関が応募して獲得する「競争的資金」と呼ばれる研究費で給料を賄う非正規ポストを増やした。  競争的資金の支給期間は3~10年程度と限られている。このため、雇用も任期付きとなる。  国立大の40歳未満の教員の63%は任期付きのポストにいる(16年度)。その割合は9年間で24ポイント増えた。ポスドクは高齢化し、15年度では平均36・3歳。正規のポストは大学によっては倍率が10倍以上にもなる。  倉本さんもポスドク経験者だ。30代で企業に転じた。  大学で一緒にポスドクとして過ごした仲間の中には、45歳まで任期付きポストを渡り歩いたすえ、家族を養うため地方企業に就職した人もいる。その 年収は300万円ほどと聞いた。「大学に残るかぎは実力ではなく運とタイミング。そんなナンセンスな社会はない」と倉本さんは訴える。  「ポスドク問題」の始まりは、バブルが崩壊した1990年代にさかのぼる。国力の回復を目指した大学院重点化の一環で、国は博士課程の定員を急増させた。だが、国立大は法人化後、財源難のため正規ポストを減らし続けた。  近年は、正規ポストにつけないポスドクの不安定な生活ぶりを見た修士課程の学生らが、博士課程への進学を敬遠し始めた。入学者は2003年度の約1万8千人をピークに昨年度は約1万5千人へと減少した。  人口当たりの博士の数を日米中韓仏英独の7カ国で比べると、08年時点と比べて日本だけが減少。政府が掲げる「科学技術創造立国」に影を落とす。  また、ポスドクには、資金を獲得した上司の研究者の意向に沿った研究が求められる傾向もある。次のポストを得るために成果を迫られ、重要なテーマにじっくり取り組むより、すぐに論文が書ける研究を手がけざるを得ないケースも多い。  若手研究者の処遇をめぐっては、今夏に閣議決定された「統合イノベーション戦略」が、若手向けの競争的資金の充実や、若手向けの大学のポストの充実を課題として挙げている。  「20年度までに40歳未満の大学の常勤教員数を13年度から1割増」などの数値目標も掲げた。だが、大学にとって、人件費の確保は大きな課題だ。(嘉幡久敬) "[he-forum 19562] 朝日新聞9/27","朝日新聞 2018年9月27日05時00分 大学設置基準見直し 教員定数や校地面積 中教審了承  文部科学省は、大学にとって最低限必要な教員定数や施設などの水準を定める、大学設置基準の抜本的な見直しに乗り出す。2040年の高等教育のあり方について議論している中央教育審議会の将来構想部会が26日、文科省に設置基準の見直しなどを求める答申案を了承した。現行の基準は1956年に設けられてから修正が続けられてきたが、大学の多様化が進み、根幹部分も見直す必要があると文科省も判断した。  設置基準は細部を中心に修正が繰り返され、「つぎはぎだらけ」などと指摘されてきた。一方、大学や学生の多様化は進んでおり、文科省は 大学の質の担保のためには抜本的な見直しが必要だと判断した。具体的には、学生が議論しながら学ぶアクティブラーニングやオンライン学習が一般化すること を想定しながら、学部・学科の教員定数や、学生1人当たり10平方メートルと定められている校地面積などの基準を見直すための議論を始める。  設置基準を改善すると、大学を定期的にチェックする認証評価の基準も変わるため、既存の大学にも影響する。文科省は、来年2月にメンバーが入れ替わる新しい中教審で設置基準について議論を進め、認証評価結果で法令違反などが見つかった場合、国が行政指導する仕組みについても検討してもらう予定だ。  文科省は制度改正に先立ち、質保証のために大学が意識すべき点などをまとめた「教学マネジメントについての指針」も示す方針だ。  答申案は今後パブリックコメントなどを経て、11月に林芳正文科相に答申する予定だ。(増谷文生)= "[he-forum 19569] 毎日新聞10/2","毎日新聞 10/2(火) 18:58配信 <ノーベル賞>本庶氏、基金設立へ 賞金で若手研究者支援  がん免疫療法につながるたんぱく質「PD-1」の発見で今年のノーベル医学生理学賞に選ばれた京都大高等研究院の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授 (76)は2日、毎日新聞の取材に応じ、賞金を活用して基金を設立し、生命科学分野の若手研究者を支援する考えを明らかにした。時期は未定だが、PD-1 を利用して開発された薬の特許使用料も加え、将来的に1000億円規模を目指すという。   賞金900万スウェーデンクローナ(約1億1500万円)は共同受賞者のジェームズ・アリソン米テキサス大教授(70)と等分し、本庶氏は約5750万円 を受け取る。これを原資に京大内に基金を設立する構想で、本庶氏は「PD-1は京大で生まれたので、京大への寄付が望ましい」と説明した。  また、本庶氏は、小野薬品工業(大阪市)が開発した抗がん剤「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)の特許を共同保有しているため、同社から入る予定の特許使用料も基金に加えて規模を拡大するという。  若い研究者を取り巻く研究環境は資金面などで悪化している現状があり、基金の対象は、生命科学分野で基礎研究に取り組む若手研究者とする。本庶氏は 「1000億円規模が実現すれば、年利を4%とすると年間40人(1人当たり1億円)を支援できる計算だ。国の予算からすればわずかだが、一石を投じた い」と話した。  本庶氏は国の科学研究予算について、国主導で大型プロジェクトを決め、多額を投じる「選択と集中」型の現状に疑問を呈している。1日の受賞決定後の記者 会見でも「多額の研究費を1人(に集中するの)ではなく、10くらいの可能性を追求した方が生命科学は期待できる。若い人にチャンスを与えるべきだ」と指 摘していた。【渡辺諒、菅沼舞、鳥井真平】 "[he-forum 19572] 朝日新聞10/5","朝日新聞 2018年10月5日05時00分 (教えて!日本の「科学力」:7)企業の論文数、なぜ大きく減ったの?  日本の論文数の減少は大学や国の研究機関だけで起きている現象ではない。企業の論文も大きく減った。  文部科学省の科学技術・学術政策研究所によると、日本企業が独自に発表した論文数は1996年の6300本をピークに、2015年には約2600本と約6割減った。その一因について、京都大の前川佳一・特定准教授は「企業のいわゆる『中央研究所』の撤退にある」と指摘する。  NECや日立、東芝といった日本の主なメーカーは自社で基礎研究から製品開発までを手がける方式を取ってきた。しかし、90年代のバブル崩壊に伴い、基礎研究を担ってきた中央研究所は閉鎖・縮小を余儀なくされた。「私がいた三洋電機でも、80年代にはナメクジの脳について研究していた。コンピューターの開発が名目だったが、やがて撤退した」と前川さんは話す。  NTTの研究者だった京都大の山口栄一教授によると、中央研究所の衰退はオイルショック後、長引く不況に苦しんだ米国でも起きた。ノーベル賞も生んだIBMやAT&Tなどの有力企業の研究所も衰退、多くの研究者が会社を離れた。だが、国が80年代に作った若い研究者らに起業を促す制度により、ベンチャーの力で経済再生に成功した。  一方、日本は米国と違って「就社」意識が強く、中央研究所にいられなくなった研究者は会社を辞めずに工場や営業などの他部門に異動するケースが多かった。その結果、日本にとっての「頭脳」が生かされなかったという。  米企業は研究開発への投資に熱心だ。米コンサルティング企業「Strategy&」の17年の調査によると、投資額の世界ランクは1位が米アマゾンで161億ドル(1兆8千億円)、2位はグーグルの親会社アルファベットで139億ドル。近年急成長した情報技術や電機関連の企業がトップ10のうち6社を占める。  日本企業は11位のトヨタが最高で93億ドル。ホンダ、日産、ソニー、パナソニックなど老舗メーカーが後に続く。05年には、上位1千社に日本から276社が入っていたが、17年には171社に減った。  日本政府は高度に情報化した社会「Society5・0」の実現などの目標を掲げ、人工知能やビッグデータなどの分野で企業の研究支援に力を入れるが、アップルやグーグルが次々と新サービスを打ち出す米国などと比べて後れを取る。  超高速の計算が可能な「量子コンピューター」の研究では、理論面では東京工業大の研究者が一部で先行したが、成果をもとに実用化にこぎ着けたのはカナダのベンチャーだった。  山口さんによると、基礎研究の成果が実用化されるまでの時間は短くなってきており、中央研究所の衰退は日本にとって痛手だ。ただ、技術革新を大企業に頼る仕組みを作り直す時間の余裕はもうないと見る。「科学者からイノベーターを発掘して起業につなげる米国のようなシステムを民間主導で構築することが、急務だ」  (小宮山亮磨) "[he-forum 19571] 朝日新聞10/4"," 朝日新聞 2018年10月4日05時00分 (教えて!日本の「科学力」:6)重視する研究テーマ、政治主導で決まるの?  「ひどい出来レースだ」 産学官の連携で研究開発をする内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」が5月、研究者らの批判にさらされた。  高機能材料やサイバーセキュリティーなどの研究課題に5年で約1500億円を投じる政権の目玉事業。2019年度から始まる予定だった第2期事業 で各課題1人ずつ、計12人の研究責任者を「公募」したとされたが、うち10人は国側が公募前に事実上の選定をすませた研究者だったことが毎日新聞の報道で発覚した。  国が進めてきた研究者や研究機関を競わせる政策。その前提となる「公正な審査体制」について、疑義が投げかけられた。  こうした出来事の背景として指摘されているのが、政治主導の意思決定だ。2期目の開始の前倒しが昨年12月の閣議で急に決まり、研究責任者を選ぶ時間的余裕がなくなったという。  近年の科学技術政策の特徴は「選択と集中」だ。国がテーマを決め、選抜した少数の研究者に多額の資金を投入する。効率的な投資によって大きな成果を引き出そうとする競争政策を可能にしたのが、政治主導の司令塔である内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)を頂点とするトップダウンの意思決定の仕組みだ。  CSTIは、経済財政諮問会議などと並ぶ五つの重要政策会議の一つで、01年に設置された総合科学技術会議(CSTP)を前身とする。首相を議長に、「各省より一段高い立場」から政策をとりまとめる司令塔として、5年ごとに科学技術基本計画を策定。スーパーコンピューターや高速増殖炉を国の基幹技術に指定して重点投資したり、研究開発に「5年間で26兆円」といった投資目標を立てたりしたのも政治主導の表れだ。  内閣府に予算権限を与えてSIPなどの大型プロジェクトを展開し、防災や高齢化社会への対応などの政策課題をテーマに少数の研究者に投資した。  今夏にはCSTIや健康・医療戦略推進本部、宇宙開発戦略本部などを束ねた「統合イノベーション戦略推進会議」が発足し、司令塔機能はさらに強化された。  だが、巨額の研究費がトップダウンで決まる内閣府の事業ではSIP以外にも、成果を急ぐあまり粉飾や勇み足ともとられかねない研究発表も相次いだ。  大手菓子メーカーとの共同研究では、科学的な裏付けがないまま「カカオ成分の多いチョコレートを食べると脳が若返る可能性がある」との発表が行われた。また、従来技術に依存する成果が、次世代の「量子コンピューター」と発表され、批判を浴びた。  科学技術と公共政策に詳しい東京大の城山英明教授は「一部の研究に資金を集中させることの是非は、そもそも議論が分かれる」と指摘。「トップダウンで投資先を決めるのなら、研究テーマや責任者の選び方が適切かどうか、議論の過程を透明化することが必要だろう」と話す。(小宮山亮磨)= "[he-forum 19570] 朝日新聞10/3","朝日新聞 2018年10月3日05時00分 (教えて!日本の「科学力」:5)研究不正、なぜ起きるの?  「研究不正はなぜなくならないのだろうか」  滋賀県立大の原田英美子准教授が、学生たちに問いかける。  研究倫理をテーマにした授業。大学院生らを対象に、今年も10月1日から講義が始まった。  「研究不正の背景に、個人の倫理観や道徳だけでは解決できない、構造的な問題があるからだ」。原田さんはそう説く。  研究不正とは、論文データの捏造(ねつぞう)や改ざん、盗用などのこと。日本では組織ぐるみで行われる不正が特に問題になっている。  不正に巻き込まれないためには、どうすれば良いのか。学生たちは半年間の講義で、研究不正をめぐる裁判記録を読み解いたり、不正を見抜くソフトの使い方を学んだりして、怪しい研究室に近づかず不正から身を守る術を学ぶ。  講義は今年で2年目。「不正がなくならない以上、人は不正を犯すものという考えに立つことが必要だ」と原田さんは言う。  日本は「研究不正大国」だ。世界の学術論文の撤回を監視するウェブサイト「リトラクションウォッチ」によると、撤回論文の多い研究者のワースト10の半分を日本人が占める。2014年のSTAP細胞問題の後も、東大や京大で論文の不正が相次いだ。日本の科学力の危機は論文の数だけでなく「質の低下」にも表れている。  米科学誌サイエンスは8月、日本の研究不正を特集した。「世界の論文シェアがわずか5%の日本で、これほど多くの不正が起きるのはなぜか」と問題提起。「日本人は基本的に人を信じてきたから」という日本の研究者の性善説を紹介した。  不正を生む「構造」とは何か。  今年1月、京大iPS細胞研究所の30代の研究者による論文データの改ざんが発覚した。会見で不正の背景を問われた山中伸弥所長は、競争環境の中で若手研究者が受ける心理的なプレッシャーを挙げた。  国の競争政策によって、多くの若手研究者は任期付きポストを渡り歩く。次のポストを得るにはたくさん論文を書かねばならない。京大のケースは単独 の不正とされたが、組織ぐるみの不正では、研究チームのトップに人事と研究費を握られたポスドクなどの若手研究者が、不正の指示にあらがうのは難しい。 トップ研究者自身、チームの維持のための研究費獲得競争にさらされ、不正に手を染める一因と指摘されている。  不正を防ぐため、文部科学省は国の研究費を受ける研究者に、ビデオ教材などを利用した研究倫理の受講を義務づけ、不正が発覚したら長期間研究費の応募資格を停止する罰則も設けているが、効果は不明だ。  長崎大の河合孝尚准教授(教育工学)らの研究グループは今年度、医学・生命科学系の研究組織の研究者を主な対象に、研究不正に関する意識調査を行い、心理的要因と不正の関係を検証する。  河合さんは「現状の政策的な取り組みが不正防止に直接寄与しているかは疑問だ。心理的な要因を分析し、不正の動機を減らすことが重要だろう」と話す。(嘉幡久敬)= "[he-forum 19574] 朝日新聞10/8","朝日新聞 2018年10月7日19時50分 共通テスト 大学は不安と不満 増谷文生  2020年度から始まる大学入学共通テストについて、多くの大学が不安を抱いていることが、朝日新聞と河合塾の共同調査「ひらく 日本の大学」でわかった。寄せられた各大学の入試担当者の声には、英語の民間試験の活用方法などの問題が解決されないまま、実施へ突き進む文部科学省サイドへの不満も寄せられた。(増谷文生)  共通テストの英語は、「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測るため、英検やTOEFLといった民間試験の成績が活用される。ただ、急激な変化に見舞われる高校に配慮して23年度までは、大学入試センターが「読む・聞く」の2技能を測る試験も継続する。調査では、24年度以降の英語の4技能試験についての考えを聞いた。  選択肢の中で最も多くの大学が支持をしたのは「入試センターが4技能試験を 作成」。共通テストでは元々、「話す」の試験を一斉に実施することが難しいため、センターが実施するのではなく民間試験活用を決めた経緯がある。だが、大 学側はまだセンターに期待している傾向が浮かんだ。一方、「民間試験のみにする」は20%、「民間試験を一つに絞る」は10%。18%の大学が「民間試験 の活用をやめるべきだ」とした。  入試センターが試験を作成することに賛同する大学には、「民間試験とは異なる入試問題が、多様な力を測るために必要と思う」(東海大)といった意 見が多かった。ある国立大は「民間試験ありきで話が始まったことがまず問題だ。(民間試験は)すでに対策本があり、高校までの授業に悪影響を及ぼしかねな い」と指摘した。 記述式 82%が問題視 「採点に時間かかる」  共通テストについて、82%の大学が問題視した点がある。記述式問題が導入されることに伴い、「採点に時間がかかり、大学への成績提供が遅くなる」点だ。  文部科学省は「思考力、判断力、 表現力」を評価するため、共通テストに記述式問題を入れることを決め、まず国語と数学で実施する。だが、機械が高速で採点できるマークシート式問題と異な り、解答に微妙な表現がありうる記述式問題は採点に手間と時間がかかる。このため、入試センターは、大学への成績提供が現在のセンター試験より1週間ほど 遅れるとしている。  各大学の入試担当者に聞いたところ、「合否判定業務に支障が出る」(兵庫教育大)、「入試全体のスケジュールに影響が出ると思われる」(椙山女学園大)などと不安を述べる大学が多かった。独協大は「私立大学の入試日程の多くに影響を及ぼす。思考力・判断力・表現力を測定する試験は、本当に記述式でなければならないのか」とコメントした。 公平・公正さ 確保が不可欠  「ひらく 日本の大学」アドバイザリーメンバーで、全国高校長協会長を務める東京都立三田高校の笹のぶえ校長に、英語民間試験に関する調査結果などについて聞いた。      ◇  調査では、24年度以降の英語4技能試験について、半数以上の大学が「大学入試センターが作るべきだ」と答えた。センター試験はリスニングテストの導入時にトラブルが起きたものの、その後は改善する努力を続け、成果を出してきた。そうした実績もあり、国が主導して時間と費用を投入すれば、入試センターが実施できると考える大学が多いのだろう。  私も、大学入試の一環として民間試験を公平公正に実施できるのか、不安を感じている。スピーキングで音声を吹き込むタブレットや、パソコンを設置 した試験センターの数は足りるのか。会場が満員で受けられなかったり、遠くにある別の会場に移動したりする生徒が出るおそれがある。また、民間試験がい つ、どこで実施されるのかは、学校行事や部活動の大会など、高校生活に大きな影響を与える。以前から指摘されている、地域や経済による格差の課題も未解決 だ。  会場を確保するためには、高校の校舎に頼るしかない地方もあるだろう。現在も大学入試センター試験で一部の高校が使われているが、設備の点検は入念に行い、センター側の人的な支援も手厚い。民間試験で使う場合、センター試験と同じレベルで施設や問題を管理し、トラブルが起きたときに対応できるのか。  東京大は9月、20年度の入試について民間試験の成績提出を必須としない方針を示した。民間試験活用の流れを否定せず、課題が残ることを指摘した内容だ。今後、民間試験の実施や活用などの課題について、文科省主導で高校や大学、実施団体が話し合う場が設置されるという。この場で問題点を十分に検討し、必要な改善をしてほしい。= "[he-forum 19573] 朝日新聞10/7","朝日新聞 2018年10月7日08時59分 「毒まんじゅう」で研究現場に広がる疲弊、下がる研究力 嘉幡久敬、小宮山亮磨  京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授のノーベル賞受 賞が決まり、日本の科学史に新たなページが加わった。しかし、明るい話題の一方で、学術論文を生み出す日本の「研究力」は近年、著しく低下しつつあるとの 指摘が消えない。研究者や大学を競わせる「選択と集中」と呼ばれる国の政策は、うまく機能しているのだろうか。(嘉幡久敬、小宮山亮磨)  静岡大農学部の一室。遺伝子組み換え植物を栽培する装置が6台並んでいる。使うのは本橋令子教授(51)だ。  装置の上には、電力メーターがある。消費電力をチェックするためという。「電気代の支払いだけで年間100万円から200万円。大学からのお金だけではまかなえない」と本橋さん。  大学からは、各教員に「運営費交付金」が配られている。研究室の維持や学生の教育に使うお金だ。本橋さんの場合、年に約27万円。段階的に減らされている。研究室には大学院生と学部生が計8人いる。  不足分は、応募と審査を経て獲得する研究費である「競争的資金」でまかなうしかない。  月に1本のペースで応募書類を書く。作業は週末。徹夜はざらだ。毎年秋は、頼みにしている文部科学省の「科学研究費助成事業」(科研費)の応募時期。「絶対に取らないと、研究を続けられない。プレッシャーに押しつぶされそうになる」  ただし、運営費交付金以外のお金は、電気代には充てられないなど使途に制限があるものが多い。パソコンやプリンターは自腹で買った。本橋さんは運営費交付金を「研究室の命綱」といい、少なさを嘆く。  14年前、国は国立大学を法人化し、運営費交付金の削減を始めた。競争政策の影響で、静岡大だけでなく、多くの地方大が資金不足にあえいでいる。  一方で、「トップクラス」の大学もまた、苦しんでいる。  例えば大阪大。理工系学部の教授(59)の運営費交付金は年間に約百数十万円と、静岡大よりも潤沢だ。しかし、研究室としての所帯も大きいため、「博士課程の学生にとって必要な国際学会での発表ができるぎりぎりの額」という。  大阪大の場合、競争的資金の獲得額は多い。競争的資金は大阪大を含む旧帝大などに集中的に投下されている。  いま教授が痛感するのは、研究時間の不足だ。競争的資金への応募を大学本部から促され、支給が決まればヒアリング、研究場所の確保、外国人研究者の雇用、評価報告書の作成と、山のような作業に追われる。「予算を取るほど雑務に追われる。研究者はものすごく疲弊している」と話す。  応募型の資金には大学同士を競わせるものも多い。大阪大の別の理工系学部の60代の元教授は2年前、大学が応募し、補助金をもらえる「指定国立大学法人制度」の資料作りを担当した。「様々な書式の資料を作るよう求められ、多くの教員がかかりきりになった」と振り返る。大阪大は結局、選にもれた。  教授は最近退職し、学内に「居候」する形で研究を始めた。研究費は減ったが、雑務から解放された。  「やっと海外の大学の友人と同じレベルの研究時間が確保できるようになった」  文科省の調査では、大学の研究者の研究時間は2002年の年1300時間から、13年には900時間にまで減った。 論文の「生産性」ドイツの半分  大阪大は、教員数や自然科学系の論文数が東大などに次ぐレベル。一方、静岡大はいずれも30位台だ。  ただ、1本の論文を生み出すのに必要な研究費でみると、大阪大が958万円なのに対し、静岡大は3分の2の約651万円。お金を多くかけても、それに応じて論文が増えるわけではない。論文の「生産性」という観点では、静岡大が上回る。  研究開発に投じる資金を大幅に増やすのが難しい中、国立大学の運営の効率化を要請してきた財務省が求めるのが、この生産性の向上だ。  同省の資料によると、日本の大学など「高等教育部門」は、研究開発に年間約200億ドル(約2兆3千億円)を投資し、影響力が大きく他の論文に引用される回数が「トップ10%」に入る論文を約3千本生む。一方、ドイツではほぼ同額の投資で約6千本。日本の生産性はドイツの半分で、米国と比べると3分の1に過ぎない。トップ10%に入らない論文全体で見ても、日本の生産性の低さは主要国の中で際立つ。  朝日新聞は、同じような学部構成を持つ国立38大学について、財務諸表などから論文生産性を分析した。教員数が多い大学ほど、教員1人あたりが使う研究費が増える一方、生産性は低くなる傾向が見られた。  たとえば教員1人が500万円使う大学では、1人が書く論文の数は年間で0・7本前後。一方、1人あたり1500万円の大学は1・5本前後にとどまる。計算上、使える研究費が3倍になると、生産性は3割減る。  政府は国全体の研究力向上のためとして、公募などを通じて選ばれた一部の大学に資金を集める「選択と集中」を進めている。  たとえば13年度に始まった「国立大学改革プラン」では、各大学に強みや特色を整理させ、それぞれに応じた「機能強化」に取り組む大学に交付金を重点配分する。指定国立大学法人制度も17年度に始まり、東大など5大学が選ばれた。  日本の大学では、04年以降の10年間で研究開発費は13%増えたが、応用研究が重視される傾向があるとの指摘があり、主に基礎研究の実力の指標となる論文数は4%減った。運営費交付金の削減に伴い、競争によって研究資金の偏在化がさらに進めば、研究力は全体として今後も下がり続ける可能性がある。  政府の総合科学技術・イノベーション会議の上山隆大議員は、「研究資金はネームバリューの高い大学に行きがちだが、そこが本当に生産性が高いかと言えば疑問だ」と認める。 選択と集中は「間違い」  「1億円を1人にあげるのでなく、10人にあげて10の可能性を追求した方が、生命科学は(成果が)期待できる」  ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった本庶佑さんは1日の会見で、研究費を広く薄く分配する大切さを訴えた。「若い人にチャンスを与えるべきだ」  国立大学協会長を務める山極寿一・京都大総長は、「選択と集中」を目指す政策が研究力低下を招いたとして、「明らかに間違いだ」と批判する。  山極さん自身、京大に「国際的に卓越した研究教育拠点」を作る事業の担当者を務めた。京大は「指定国立大学法人」にも選ばれた。  研究者から時間を奪う「毒まんじゅう」とはわかっているが、外部から「格下」に見られたり「意欲がない」と評価されたりするのを避けるため、公募には応じざるを得ないのが現実だという。  「国立大学法人化以来、国は競争政策を続けてきたが事態は改善していない。ならば失敗だったということだ。これ以上競争を強いたら大学はつぶれる」。運営費交付金と競争的資金の比率を、以前と同じにすべきだと主張する。  財務省は否定的だ。  大学改革を長く担当してきた主計局の神田真人次長は、努力する研究者に資金を重点配分するのは「モラルハザード」を防ぐ上で当然だとし、競争が研究資金の偏在化を招くとは限らないと強調する。  国際的な大学ランキングでの「トップ100位以内」との目標に届いていないのに、「達成状況はおおむね良好」と自己評価して報告する大学もあるという。競争で研究者が疲弊しているのは、「手間ばかりかかってメリハリにつながらない、形式的で無意味な『評価』をやらされているからだ」と批判する。  海外で激しい競争が続いている以上、日本も変化を受け入れる必要があると指摘。「(改革がなければ)もっとひどくなっていた。目を閉じて塹壕(ざんごう)に閉じこもりながら、旧態依然のまま死に至っていた可能性が高い」と語る。= "[he-forum 19577] 河北新報10/8","河北新報 2018年10月08日月曜日 <山形大の迷走>検証・学内ハラスメント(下)矛盾 責任回避へ調査否定  否認、矮小(わいしょう)化、そして説明拒否。学内ハラスメントに対する山形大の姿勢だ。同大xEV飯豊研究センターの パワハラ問題は疑惑発覚から1年後、加害側のセンター長を前代未聞の減給1万円として幕引きを図った。アカデミックハラスメント(アカハラ)を受けた工学 部生の自殺問題では責任を認めず、遺族との訴訟が続く。迷走を繰り返す山形大のハラスメント対応を検証する。(山形総局・吉川ルノ) <因果関係認めず>  「第三者調査委員会の調査結果は、そのまま大学の判断となるわけではない」。答弁書での大学側の主張は自ら依頼した調査の結果を認めない矛盾をさらけ出してでも、賠償責任を逃れようとする内容だった。   指導教員の男性助教からアカデミックハラスメント(アカハラ)を受け、2015年11月に自殺した工学部(米沢市)の男子学生の遺族が、助教と大学に損害 賠償を求めた訴訟。遺族側は自殺とアカハラの因果関係を認定した調査委の報告書を証拠提出したが、大学側は報告書から「因果関係を認定することまではでき ない」と反論した。  訴訟で不利になる恐れがあれば、調査結果の信用性を真っ向から否定する。これでは一体、何のための調査だったのか分からない。  大学は16年10月、学生に長時間説教をしたり、不機嫌な態度を示したりする行為を日常的に繰り返したとして、助教を停職1カ月の懲戒処分とした。この時、研究室に所属していた男子学生の自殺は公表しなかった。  第1回口頭弁論の後、初めて行われた昨年8月の定例記者会見で、小山清人学長は自殺した学生の両親への思いを問われ「一般論としては申し訳ない。裁判の話とは別個に申し訳ないと思っている」と述べた。  大学は現在も係争中だとして、助教によるアカハラ発覚の経緯や、懲戒処分の発表時に男子学生の自殺を伏せた理由について一切答えていない。 <最も軽微な処分>  「大学のハラスメント対応は、被害者救済という点では全くと言っていいほど機能していない」  工学部生のアカハラ自殺やxEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)でのパワハラ問題を受け、同大職員組合は昨年10月、これまでの対応を抜本的に見直すよう求める書面を提出した。   品川敦紀執行委員長(当時)は「加害者が所属する部局の関係者が被害相談や事案調査に携わり、大学執行部の恣意(しい)的な判断が入り込む余地がある」と 分析。「透明性や信頼性が確保できていないため被害者は申告しにくく、学外からの信用も得にくい」と問題点を指摘した。  飯豊研究センターのパワハラ問題で、組合は証拠となるセンター長による暴言の書き置き画像などを公表。大学も学内調査を実施せざるを得なくなった。  大学はパワハラ調査に当たる特別対策委員会のメンバーに外部の専門家を加えるなど、組合の要求を一部取り入れたものの、調査結果では心身に不調を来した被害者がいた事実が認定されないなど、踏み込み不足も指摘された。  辛うじてパワハラの事実は認定したが、センター長の懲戒処分が最も軽微な減給1万円となったことを考え合わせれば、一連の対応は再び大学の信頼回復を遅らせる結果となった。 [山 形大生アカハラ自殺]工学部4年の男子学生が2015年11月に自殺し、第三者調査委員会は16年6月、指導教員の助教によるアカハラと自殺の因果関係を 認める報告書を作成した。報告書によると、自殺の2日前も、卒業研究の発表練習会で助教から内容の不備を厳しい言葉で叱責(しっせき)された。両親から相 談を受けた複数の教員は、いずれも学内のハラスメント対応担当者にその内容を伝えていなかった。両親は17年5月、大学と助教に計約1億1900万円の損 害賠償を求める訴えを山形地裁に起こした。 関連ページ: 山形 社会 "[he-forum 19576] 河北新報10/7","河北新報 2018年10月07日日曜日 <山形大の迷走>検証・学内ハラスメント(中)打算 最先端研究守りたい <センター長擁護>  「蓄電分野は山形大の有望株。大学はセンター長に気を使っている」  山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)のパワハラ問題で7月、加害側となったセンター長に対する約1万円の減給処分が発表されると、学生や保護者の間で冷ややかな受け止めが広がった。「重い処分で出て行かれたら困るのだろう」  センター長は、民間企業でリチウムイオン電池の主要部材となる電解液に添加剤を混ぜて性能を高める「機能性電解液」の事業化に成功した。その実績が評価され、2011年に山形大に招かれた経緯がある。  大学は09年、外部から優れた人材と研究開発資金を積極的に獲得する姿勢を明確に打ち出した。基礎研究から事業化までの一体的な推進が目標だ。国内最先端のリチウムイオン電池研究開発拠点となる飯豊研究センターは、その柱の一つに位置付けられた。  大学は飯豊町内で50年以上操業していた照明器具工場が13年に撤退したのを受け、跡地へのセンター建設を町に提案。町は15年度からセンターを核に蓄電関連企業の集積で地域活性化を目指す「飯豊電池バレー構想」を推進している。  町が施設に寄せる期待は大きかった。町の広報誌(16年1月号)は、センター長と後藤幸平町長の「新春対談」を特集。「町人口の1%を博士にしたい」。センター長は壮大な夢を語っていた。  研究センターの建設費15億円は山形大が8億円、町が7億円をそれぞれ負担した。大手メーカーをはじめ既に約50社が共同研究に加わっている。  電気化学分野の研究者は「飯豊研究センターは、その成り立ちからセンター長ありきの施設」と指摘。「パワハラ行為があっても大学は擁護せざるを得なかったのだろう」と解説する。 <組合の告発無視>  センターでは、パワハラ被害を訴えた職員3人が相次いで退職している。事態を重く見た同大職員組合は昨年5月以降、センター長の行為を把握しているかどうかを問う小山清人学長宛ての質問書を2度提出している。   質問書は当事者からの相談を基に「パワハラが常態化していたことは疑いの余地がない」と強調したが、大学の反応は冷淡だった。「ハラスメントについては大 学の懲戒規程に基づき適正に対応している。個別の案件については(パワハラの)存否を含め回答しかねる」。足元からの告発は事実上、無視され続けた。  最終的に大学が学内調査に乗り出したのは昨年11月。組合が職員への暴言を記した書き置きや張り紙の画像を証拠として公表し、社会的な批判が強まった後のことだった。 [山 形大xEV飯豊研究センター]山形大と山形県飯豊町が2016年1月に整備した。「xEV」は電動輸送機器の総称。同7月には、研究成果を一部事業化する 大学発ベンチャー企業「飯豊電池研究所」がセンター内に発足。センター長が全額出資し、社長には山形銀行山形成長戦略推進室の長谷川貴一氏が就いた。 関連ページ: 山形 社会 "[he-forum 19575] 河北新報10/6","河北新報 2018年10月06日土曜日 <山形大の迷走>検証・学内ハラスメント(上)ずれ 学長の説明、論理倒錯  否認、矮小(わいしょう)化、そして説明拒否。学内ハラスメントに対する山形大の姿勢だ。同大xEV飯豊研究センターの パワハラ問題は疑惑発覚から1年後、加害側のセンター長を前代未聞の減給1万円として幕引きを図った。アカデミックハラスメント(アカハラ)を受けた工学 部生の自殺問題では責任を認めず、遺族との訴訟が続く。迷走を繰り返す山形大のハラスメント対応を検証する。(山形総局・吉川ルノ) <懸念の声相次ぐ>  問題のすり替えと意味不明な説明の繰り返し。小山清人学長は毎月1、2回開かれる定例会見で、記者たちが思わず首をかしげるような回答を連発した。  典型的だったのは、センター長を最も軽い減給1万円の処分とした根拠を問われた8月2日の会見だ。  山形大の懲戒規程にパワハラの規定はなく、セクハラの条項を準用する定めになっている。   懲戒処分の標準例は(ア)上下関係に基づく影響力を用いたセクハラは停職以上(イ)相手の意に反し、繰り返し行われたセクハラは停職、出勤停止または減給 -と規定。セクハラをパワハラに読み替えれば、センター長の行為は(ア)に当たるはずだが、大学はなぜか(イ)を適用した。  小山学長は「パワハラの言葉自体に上下関係が含まれるため」と説明。記者からは「それなら(ア)が適用されてしかるべきではないか」との質問も相次いだが、その後は「うまく説明できない」とかわした。  処分の軽重について「処分は厳正性が必要。世の中がどうというより、規則に照らして処分した」と強弁したものの、世間との認識のずれは否めない。事実、山形大の学生や専門家からは「軽すぎる」「パワハラ処分の前例になってしまうのでは」との驚き、懸念の声が相次いだ。  9月の会見で再び処分の根拠を問われると、今度は「役員会の審議内容を総合した結果。公表は控えたい」と回答を拒否した。  ハラスメント行為の加害者に対する処分は、その組織がいかにハラスメントと向き合い、撲滅を図っていくのかという対外的なメッセージでもある。一連の学長発言には、そうした社会的影響への配慮は感じられなかった。 <証拠を報告せず>  山形大のパワハラ問題を巡っては、飯塚博工学部長が証拠資料を職員組合から受け取っていながら、学長らに報告していなかった点も問題視された。  資料はセンター長が記した書き置き、張り紙の画像。「ボケが!!」「役立たず」など、日常的に職員が被害にさらされている状況をうかがわせる内容だった。  学内で適切な対応が取られていれば、早期に実効的な救済を図ることもできたはずだった。だが、学長は工学部長の対応を「適切だった」と評価。対応の改善策を探る動きさえ見せなかった。   「パワハラがあれば処分している。処分はしておらず、パワハラは把握していない」。河北新報社が初めてパワハラ疑惑を報じた直後の昨年10月の学長会見の 発言だ。「処分がないから事実はない」。そんな倒錯した論理を持ち出してまで不都合な事実を覆い隠そうとする姿勢は、最後まで変わることはなかった。 [山 形大パワハラ問題]山形大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)の職員3人が昨年3~5月、センター長の50代男性教授からパワハラを受けたとして相次 いで退職したことが発覚。大学の特別対策委員会が約7カ月間、関係者の聞き取りなどを行い、(1)「ボケが!!」「役立たず」などと記した書き置きなどを 職員の机に残した(2)外部の人の前で「偏差値40」「小学生以下」などと侮辱した(3)事務連絡メールで「無能で非常識なお馬鹿(ばか)さんへ」と記し た-など7件の行為をパワハラと認定した。 関連ページ: 山形 社会 "[he-forum 19578] 現代ビジネス10/9"," 本庶佑さんのノーベル賞受賞が日本に突きつけた「重い課題」 安倍政権は応えられるのか 町田 徹 経済ジャーナリスト ノーベル財団は先週月曜日(10月1日)、京都大学の本庶佑特別教授ら2人に2018年のノーベル生理学・医学賞を授与すると発表し た。評価されたのは、抗がん剤、外科手術、放射線治療の3種類だったがん治療の世界に、ヒトのカラダに備わる免疫の仕組みを利用してがんを叩く「第4の治 療法」の道筋をつけたこと。 その仕組みを応用した治療薬の第1号は、小野薬品工業がアメリカの製薬大手ブリストル・マイヤーズスクイブと共同で開発し、2014年に世界に先駆けて日本で発売した「オプジーボ」だ。 当時は皮膚がんの薬として発売されたが、その後、肺や胃など7種類のがんの治療にも効果があることがわかり、すでに60カ国以上で承認されているという。ただ、こうした新しいタイプの薬は、従来と異なり薬価が桁違いに高く、医療保険制度の存続を脅かしている。 また、2000年代に入って日本は日本人のノーベル賞受賞ラッシュに沸いてきたが、実はその裏で、将来、ノーベル賞の受賞候補になるような基礎研究が先細っているという。 本庶さんのような世界に誇れる研究者を絶やさず、その成果を社会として享受していくには何が必要か。今週は、その処方箋を考えたい。 福音と悲鳴 本庶さんの授賞理由は、「免疫抑制の阻害によるがん治療法の発見」だ。本庶氏はまず1992年に、免疫細胞の表面に「PD―1」というたんぱく質が存在することを発見、その後、そのPD-1ががん細胞をたたく免疫機能を抑える現象を発見した。 この研究を画期的な新薬オプジーボの開発に繋げたのが、関西を地盤とする中堅製薬会社の小野薬品工業だ。 ただ、発売時のオプジーボの価格は100ミリグラム当たり73万円。仮に1年間使用した場合、約3500万円も必要な計算だった。このため、 2015年末になって、オプジーボの保険適用範囲が肺がんにも広がった際には、「患者5万人が使うと年1兆7500億円かかる」との試算が明らかにされ、 健康保険組合などから「保険料の引き上げが避けられなくなる」と悲鳴があがる騒ぎになったという。 そこで、厚生労働省は特例で、定期改定を待たずに2017年に薬価を半額に引き下げる措置をとった。今年11月にはおよそ17万円と発売時の4分の1に引き下げられるが、それでも患者1人に年間800万円程度が必要と、依然として高価なことに変わりがない。 日本では薬として承認されれば、保険適用になるのが原則だ。このため、超高額の薬価は、医療保険の財政をストレートに圧迫する。例えば、現役世代の 薬代を含む医療費の自己負担はかかった医療費の3割だが、高価な薬や診療には所得に応じた手厚い高額療養費制度もある。現行制度では、医療費が高くなるほ ど、医療保険の出費も大きくなる仕組みになっている。 注目すべきは、今後、オプジーボに限らず、白血病の「キムリア」、リンパ腫の「イエスカルタ」、網膜疾患の「ラクスターナ」など、画期的な新薬が 続々と日本でも使える可能性があることだ。こうした高価な新薬は、患者にとって福音である一方、医療保険の持続性を危うくすることも明らかである。 本末転倒を避けるためにも そこで、医療保険制度を維持するための対策として浮上してくるのが、保険適用そのものをやめるか、それとも高価な新薬の値決め方法を変えて薬価を一定の水準に抑えるか、といった議論だ。 前者は、せっかくの新薬なのに患者の多くが高額の自己負担のために使えないという事態を招くだろう。仮に、患者が私費で使いたいと考えても、保険適 用外の薬と保険診療の併用を禁じた混合診療の禁止ルールがあるため、入院費なども全額自己負担となってしまうことから、負担できる人はなかなかいないだろ う。 また、後者の新薬の値決め方法の変更は一見、手続きが簡単で即効性がありそうだが、高騰する新薬の開発コストを製薬会社が回収することが難しくな り、日本で新薬を開発・販売する製薬会社がなくなってしまうリスクがある。薬の特許期間を伸ばして、時間はかかるが回収は確実にできる仕組みを構築する施 策などを併用しないと本末転倒の結果を招きかねない。 ここは遠回りに見えても、医療全体の無駄を省いたり、広範に予防医療を徹底したりして、医療費をとことん節約しつつ、高価な新薬を可能な限り保険適用していくことが重要だろう。 ようやく改善努力が始まったとはいえ、ジェネリック医薬品の薬価の高止まりや、回復の見込みのない無い患者への延命治療の抑制なども含めて、医療制度全体の再構築が待ったなしになっている。 その際、オプジーボでさえ、全体の2、3割の患者にしか効かないとされていることも踏まえて、画期的とされる薬を投与する前に患者個人への効能を探る技術の開発も重要だ。 バブルとノーベル賞 話を日本の基礎研究に移そう。本庶さんの受賞決定で、受賞時に外国籍を取得していた3名(南部陽一郎氏、中村修二氏、カズオ・イシグロ氏)を含める と、日本人のノーベル受賞者はこれで27名になった。第1号は、1949年の湯川秀樹氏で、2000年までの52年間の受賞者が9名だったのに対し、 2001年以降は18人と近年は毎年ひとりのペースで受賞者を出す受賞ラッシュに沸いて来た。 しかし、受賞ラッシュの原動力は、バブル経済が華やかだった1980年代に、潤沢な資金に後押しされて、画期的な基礎研究を成し遂げた日本人研究者 が多かったことにある。研究に対する評価が世界的に定着するまでに長いタイムラグがあり、2000年以降にノーベル賞受賞者が急増していることは見逃せな い。 この見方に従うと、受賞ラッシュは、あと数年ぐらいは続くかもしれないが長続きは望めないというのだ。 抜本的な改革が必要だ ちなみに、潜在的な候補者をみても、「物理学賞」では小柴昌俊氏と梶田隆章氏の2人の受賞者を輩出した素粒子物理学、「生理学・医学賞」では、大村 智氏が受賞した微生物・寄生虫と、山中伸弥氏が受賞した万能細胞iPS細胞の関連分野、「化学賞」では、ここ数年にわたって大本命といわれながら受賞を逃 してきたリチウムイオン電池や人工光合成という分野が有望視されているが、その後が続かないというのだ。 実際のところ、日本は失われた20年を経験し、相対的な経済力が低下、研究支援資金も潤沢でなくなった。しかも、おカネ儲けに直結する応用研究がも てはやされ、ノーベル賞に繋がるような基礎研究に取り組む研究者は減っている。その上、日本の研究者の論文発表数が減少する傾向も顕著になって来た。 加えて、公的な研究機関や大学の研究者のポストが、終身雇用や長期雇用でなくなり、数年単位に雇用期間を区切ったポストが増えている問題もある。短期間で大きな成果をあげることが、研究者の生き残りの条件になり、時間をかけて独自の道を追及する余裕がなくなっているのだ。 研究者の能力や業績に対する厳格な評価は必要だが、あまり拙速に結果を求めると、研究者の将来の芽を摘むリスクがある。国費・公費を投入する研究所を中心に、必要な時間をかけて基礎研究に取り組む環境を確保するなど、抜本策を講じるべき時期を迎えている。 折しも、安倍総理は先週火曜日(10月2日)夜、第4次安倍改造内閣を発足させ、初閣議で、復興・国土強靱化、頑張った人が報われる経済成長、全ての世代が安心できる社会保障制度の改革など5項目を盛りこんだ内閣の基本方針を決定した。 ところが、その中身は、社会保障改革を見ても、教育の無償化、希望出生率1.8、介護離職ゼロ、生涯現役社会を実現など、耳触りのよい方針ばかりが ずらりと並ぶ一方で、国家予算(一般会計の歳出)の3割を超えてなお膨張を続け、財政の持続性に影を落としている社会保障費の削減策には、ひと言も触れて いない。 背景には、来年に迫った参議院選挙への配慮があると言うが、これでは長年の地道な研究を積み重ねてノーベル賞を受賞できるような人材が枯渇するだけでなく、日本の社会がその成果を享受できなくなるだろう。 安倍総理には、政権運営の総仕上げとして、延命最優先、問題先送りにピリオドを打つことを期待したい。 "[he-forum 19579] YAHOOニュース10/10","Yahooニュース 10/10(水) 12:15 格差とノーベル賞「本庶氏が1000億円基金設立へ」をどう読むか 科学と大学は誰のもの?    木村正人 | 在英国際ジャーナリスト 2018年ノーベル医学・生理学賞 本庶佑氏らが受賞(写真:ロイター/アフロ) 今世紀、日本の自然科学系3分野受賞者数は世界2位 [ロンドン発]ノーベル医学・生理学賞に輝いた京都大 学の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授(76)が10月5日、自分の研究を基に実用化されたがん免疫治療薬「オプジーボ」の特許料やノーベル賞の賞金で 若手研究者を支援する基金を京大に設け、企業の協力も得て1000億円の規模を目指す考えを明らかにしました。 ノーベル賞の賞金は900万スウェーデンクローナで日本円にして1億円余り。これを本庶氏は共同受賞者と2人で分けるので、設立資金の大半は特許料や企業からの資金で賄(まかな)われるようです。 首相官邸のホームページによると、21世紀以降における自然科学系3分野の受賞者数は本庶氏を含め17人で、米国に次いで世界2位。しかし、本庶氏が基金設立を発表したことからもうかがえるように、日本の研究力の未来は決して楽観できるものではありません。 「研究力」はタレント(質の高い研究者)、研究資金、研究時間の総量で決まります。コツコツ1人で研究を続ける昔気質の学者もいれば、国際チームで分業して研究成果を上げる大学も増え、国際協力と競争はますます激化しています。 先に発表された英タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)「2019年世界大学ランキング・トップ1000」で本庶氏の所属する京都大学は9つランクアップして65位。東京大学は順位を4つ上げて42位でした。 留学先を選ぶ一つの目安として使われているこのランキングは「教育力」「研究力」「被引用論文数」「産業界からの収入」「国際性」の5項目から評価されます。 「研究力」では東大19位、京大32位 トップ500校の中で見た「研究力」では東京大学19位、京都大学32位と、総合点で評価される世界大学ランキングに比べて、国際競争力を何とか維持しています。 シンガポール国立大学を抜いて初のアジア首位に立った清華大学は「研究力」で世界6位。これはプリンストン大学、イェール大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)を上回る順位です。「研究力」ではシンガポール国立大学16位、北京大学27位、香港大学31位です。 データ活用に詳しい知人が最近「人工知能(AI)に関する論文の45%近くが中国。欧米を合わせても30数%。日本はわずか2.4%という のが現状。AIが生活・産業・行政・防衛に欠くことのできないものになっていくとすれば、プライバシーや個人データ保護におかまいなしの中国がこのように 躍進しているのは脅威です」という危機感を伝えてきました。 AIは応用・開発研究。大学の国際競争が激化する中、日本発の論文数は基礎研究でも減り始めています。 文部科学省の「日本の研究力低下の主な経緯・構造的要因案」参考データ集を見ると、日本の学術論文数は国立大学が法人化された2004年度以降、顕著に減少に転じたことが分かります。 元スポーツ選手が大学の未来を審議していた 03年当時、衆院文部科学委員会の3分の1程度をプロ野球やプロレス出身の有名元スポーツ選手が占めていたそうです(「国立大学法人化の功罪を問う」佐和隆光・前滋賀大学学長より)。もちろん、その後ろにいたのは国立大学法人化を主導した文部官僚です。 日本の大学の国際競争力を復活させるためには、ノーベル賞受賞者が特許料や賞金で基金を設立するより先に、研究者の声を国会に反映させる必要がありそうです。 日本の大学はこの14年間で4.6%(885億円)も予算が削られました(国立大学法人運営交付金等だけで見ると1445億円も減らされている)。教育が重視され、研究に充てられる時間も激減しました。 一方、近視眼的な成果主義が導入され、大学や研究機関の足腰が弱ってきています。さらに人口減少で研究者や学生の減少は避けられません。 ノーベル賞は評価の定まった研究成果に与えられるため、高齢者の受賞者が目立ちます。自然科学系3分野のノーベル賞受賞者が相次いでいるのは、「失われた20年」に突入する前の日本経済の遺産でしかないのです。 【ノーベル賞自然科学系3分野受賞者数】 米国273人 英国90人 ドイツ69人 フランス32人 日本23人(米国籍の南部陽一郎、中村修二両氏を含む) 合意なきEU離脱は「壊滅的だ」 一方、人口1億人当たりの受賞数で見た場合は英国が断トツだそうです。英名門オックスフォード大学とケンブリッジ大学はTHE世界大学ランキングでそれぞれ1位と2位にランクインし、世界に存在感を示しています。 人口では世界全体の1%未満に過ぎない英国ですが、最も引用数の多い学術論文の15%を占めています。 しかし英国の欧州連合(EU)離脱でEU加盟国からの研究資金や人材の流れが途絶え、頭脳が米国や中国に流出してしまう恐れがあります。危機感を強める英王立協会の歴代3会長が9月17日に記者会見して、次のように訴えました。 「悪条件の離脱合意や合意がないまま離脱するのは英国にとってもEUにとっても破滅的な結果をもたらす。合意なき離脱なら、英国は年間に10億ポンド(1490億円)の資金へのアクセスを失うだろう」 「1973年に欧州経済共同体(EEC)に加盟する前の英国には人材も研究資金も集まらず、研究現場がどれだけ悲惨だったか、思い出さなければならない」 「現在、英国の高等教育機関で働く6人に1人はEUからの人材だ。科学をEU離脱交渉の犠牲にするのではなく、最優先課題にすべきだ」 エリートへのノン・エリートたちの不信 筆者はかなり無礼な質問を意識的にしてみました。 筆者「あなたたちエリートが国際競争力を維持するために研究資金や人材が必要なのは理解できる。しかし、EU離脱の背景に は、やたら高い学長の報酬や大学授業料、研究者によるハゲタカジャーナル(質が十分に保証されていないインターネット専用学術雑誌)の乱用など、エリート に対するノン・エリートの不信感が横たわっている。それに対してどう答えるのか」 しかし、ノーベル化学賞を受賞した構造生物学者のヴェンカトラマン・ラマクリシュナン現会長(上の写真中央)に「質問の意味が理解できない」と一蹴されてしまいました。 研究成果を上げるには、人材と研究資金を集める土俵を広げて、サッカーの英イングランド・プレミアリーグのように競争を激化させる必要があります。しかし、超一流の監督や人気選手をかき集める代償として試合の入場料や有料TVの視聴料が跳ね上がってしまいます。 大学も同じで世界ランキング上位校の授業料が高騰し、学生の大きな負担になっています。 経 済協力開発機構(OECD)の「図表でみる教育2017年版」によると、国公立大学と私立大学の年間平均授業料(15年度)は、米国の私立大学が断トツで 高く2万1189ドル(240万円)、英イングランド地方は1万1951ドル(135万円)、日本は8428ドル(95万円)。国公立大学では米国 8202ドル(93万円)、日本5229ドル(59万円)。 英国の学生ローン625万円 日本の奨学生が卒業時点で抱える負債額は平均343万円(有利子)、同237万円(無利子)。米エール大学のホームページ(昨年5月時点)から各国の学生ローン(米ドル換算)と比較してみると――。 英国、5万5000ドル(625万円) 米国、3万7000ドル(420万円) スウェーデン、2万ドル(227万円) ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスではサポートスタッフの報酬は事実上、引き下げられたのに、ディレクターは04年から15年にかけ 19万4000ポンド(2892万円)から31万5000ポンド(4697万円)に昇給。10万ポンド(1490万円)以上稼ぐスタッフの報酬も同じ期間 に平均で890%も増えています。 片や、英紙ガーディアンをはじめ世界中のメディアが協力してハゲタカジャーナル問題を調査した結果、学術論文を計17万5000本出版した インドやトルコなどの5大ハゲタカ出版社が査読や編集委員会など伝統的なチェックをおざなりに済ましていた実態があぶり出されています。 「エリートにはノン・エリートの疑問に答える義務があるのではないか」と食い下がると、ラマクリシュナン会長はようやく科学の進歩が人類にもたらした恩恵について強調しました。 体外受精スクープ秘話 筆者は、世界で初めて体外受精による新生児を誕生させ、不妊治療を大きく進展させた功績でノーベル医学・生理学賞を受賞した英ケンブリッジ大学の生理学者ロバート・エドワーズ名誉教授のことを思い出しました。 1978年7月25日、世界初の体外受精による新生児ルイーズ・ブラウンさんが誕生。英大衆紙デーリー・メールは「医学の歴史が母親の夢をかなえた」とスクープしました。 特ダネは「不妊に苦しんでいる夫婦を助けたい」と情熱を燃やすエドワーズ氏と共同研究者の産婦人科医パトリック・ステプトー氏(故人)の研究資金集めへの協力が交換条件だったそうです。 母親から卵子を取り出して体外で父親の精子と受精させる医療技術は「神の領域を侵している」とローマカトリック教会の総本山であるバチカンが厳しく批判。英学術振興団体や国民医療サービス(NHS)は研究資金や医療費の援助を認めていませんでした。 エドワーズ氏は研究室に閉じこもることなく、患者夫婦と交流し、診療所内に倫理委員会を設置して公に体外受精の意義を議論します。受精を生命の始まりと厳格にとらえるバチカンと異なり、幅を持たせる英国国教会は次第にエドワーズ氏の研究に理解を示すようになります。 「受賞よりうれしいのは、患者の感謝の一言」という本庶氏の発言からもエドワーズ氏と同じように患者への強い思いが感じられます。 研究資金の確保は科学の発展に欠かせません。しかし格差が開いた今の時代、エリートがノン・エリートに寄り添う気持ちを示すことこそが一番大切なのではないのでしょうか。 (おわり)????4?┯??138. 安原邦博(弁護士・大阪弁護士会) 139. 山内太郎(札幌国際大学短期大学部准教授) 140. 山形定(北海道大学教員) 141. 山田誠治(北海学園大学教授) 142. 山野良一(名寄市立大学教員) 143. 山本完自(弁護士・札幌弁護士会) 144. 雪田樹理(弁護士・大阪弁護士会) 145. 湯本誠(札幌学院大学教員) (ワ行) 146. 渡辺達生(弁護士・札幌弁護士会) (非公開希望) 147. ○○○○(北海道大学教員) 148. ○○○○(札幌学院大学教授) 149. ○○○○(九州大学教員) 150. ○○○○(○○○○大学教員) は推察??4????京大学側への取材も含めて、今後もこの問題を追っていくつもりだ。                             田中 圭太郎= "[he-forum 19580] 朝日新聞10/15","朝日新聞(社説)科学研究 「負の連鎖」を断つには 2018年10月15日05時00分  ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大学特別教授の本庶佑(ほんじょたすく)さんが、賞金をもとに若手研究者を支援する基金を設ける考えを明らかにした。  2年前に同賞を受けた大隅良典さんも、基礎生物学の研究を支援する財団をつくった。「すぐには役に立つと思えない研究に光を当てたい」と話す。  共通するのは、科学の原理の探究を目的とする基礎研究の現状、そして研究者を取りまく環境に対する深い憂慮だ。  近年、自然科学分野で日本からの受賞が相次ぐが、そのほとんどは、1960年代から90年代にかけての業績が評価されたものだ。ひるがえって「今」に目を転じると、様々な指標が警告を発している。  海外から注目される論文は数、シェアともに低下し、国立大学では若手を中心に任期付きポストの割合が増えている。学内外の用事に追われて研究に割ける時間が減り、独創的なテーマにじっくり取り組める状況にないとの声がもっぱらだ。  人件費や自由な研究費に使える国立大学への運営費交付金は、この15年間で10%以上減った。基礎研究を支えてきた科学研究費助成事業(科研費)の総額も年2300億円弱でほとんど変わらず、応募しても採択されるのは2割台にとどまる。  こうした状況を見て、学生が研究者の道を避ける「負の連鎖」が起き始めている。  政府も手をこまぬいているわけではない。6月に閣議決定した統合イノベーション戦略は、「若手の活躍機会創出」や「研究生産性の向上」を明記し、数値目標も掲げた。  とはいえ対症療法の域を出ていない。たとえば、同戦略には若手に科研費を重点的に配分することが盛りこまれた。悪い話ではないが、恩恵に浴するのは一部にとどまる。不安定な雇用形態をはじめとする構造問題にメスを入れない限り、全体の底上げを望むのは難しい。  政府はこの十数年、産業力の向上をうたい、研究者を競わせて配分する資金を増やしたり、政府自身が課題を設定し、そこに巨額の金を投じたりする「選択と集中」を進めてきた。結果として、現場の疲弊や基礎研究の衰退を招いてはいないか。  がん治療に新たな選択肢をもたらした本庶さんの研究も、もともとはそれを意図したものではなかった。どんな研究が次の時代を切り開くのか、予測するのは難しい。その認識をもち、目先の利益の追求にばかり走らず、幅広い分野に地道に種をまき続ける姿勢こそが大切だ。= "[he-forum 19581] 経団連による就活ルールの廃止以後の改革について","高等教育フォーラム各位  東北大学の川端です。しばらく管理職だったので組合活動に参加しておりませんでしたが,今年度は任務解除されたのでいくらか活動しております。 経団連による就活ルール廃止後の改革の基本方向について記しましたので,ご紹介します。 https://riversidehope.blogspot.com/2018/10/blog-post_66.html  なお,東北大所属なので,本学の雇止め問題についても見解を述べねばなりませんが,私の基本的観点は以下の通りです。 雇用期間通算5年を超える時点での非正規労働者の雇止め問題を判断する基準について(2018/6/14) https://plus.google.com/u/0/111914211653276243730/posts/ETU746vUoew  それ以前の雇止め確定までの見解はこちらのページで「東北大学」と言うワードで検索いただくと4本の投稿がございます。 http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/arekore.htm --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp (旧アドレスからの転送は間もなく停止します) Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19582] 朝日新聞10/18","朝日新聞 2018年10月18日05時00分 研究費、「選択と集中」のいま 山極寿一さん、神田真人さん  研究費の「選択と集中」が進む現状を、どうみるべきか。研究者や組織同士を競わせる「競争政策」の功罪は――。日本の研究力の低下をめぐって、国立大学協会会長で京都大総長の山極寿一さんと、国の予算をあずかる財務省主計局次長の神田真人さんに、考えを聞いた。(聞き手 嘉幡久敬、小宮山亮磨)  ■道諦める若手、競争政策は失敗 国立大学協会会長・山極寿一さん  国立大の法人化は失敗だ。大学経営のあり方を変えようという狙いはわかるが、財源である「運営費交付金」を削減したのは矛盾している。  韓国や中国など、運営費交付金を増やしている国は、研究力も上がっている。日本は運営費交付金を減らす代わりに競争的資金を増やした。この「選択と集中」政策で、研究力が低下した。  博士課程への進学者数も、先進国で日本だけ減った。博士号を取っても企業に就職できない、ポストがなくて大学に残れないという絶望感が、背景にある。  運営費交付金は、研究者としての普通の生活を担保するものだ。それが減れば、研究を通して若い人たちに知識を伝えられない。  欧州などのように、国は財源を保障して大学を大事に育てるべきだ。それがかなわないなら、運営費交付金と競争的資金の比率を法人化開始の時点に戻してほしい。  国は大学を競わせるため大型の補助金を集中投下したが、小口に配った科学研究費助成事業と比べて成果が少ないことは統計上明白だ。  私自身も大型の補助金による教育研究事業を担当したことがあるが、雑務が大変だった。国際シンポジウムの回数や外国人研究者の招請数といった年間目標が定められ、達成度によって補助金が増減するから、必死にクリアしようとして、雑務が増える。  「毒まんじゅう」とわかっていても、大学は補助金を取らなければ格付けが下にみられるし、将来計画も立てられない。産学連携にも影響する。死活問題だ。  国による「競争政策」は事態を改善しなかったのだから、失敗だったということだ。これ以上競争を強いたら大学はつぶれる。  財務省は「お金は出せない、あとは現場の努力」と言って放り出し、文科省は有効な対策を打てず大学に丸投げしている。大学は、その場しのぎの補助金に飛びつく。負のスパイラルを作ったのは、過度な競争環境と運営費交付金の削減だ。  カネ、カネというと批判されるが、カネは燃料。燃料がないと動きが止まるだけだ。お金は産業界から取ってこいと財務省は言うが、税額控除のしくみを作るなどして背中を押すのは官だ。財務省や内閣府が積極的に動かないと産は動けない。      *  やまぎわ・じゅいち 1952年生まれ。京都大総長、国立大学協会会長、日本学術会議会長、内閣府総合科学技術・イノベーション会議議員を兼務する。専門は霊長類学(ゴリラ研究)。  ■生産性低いまま、後退ありえぬ 財務省主計局次長・神田真人さん  国立大の法人化で、運営面の自由度を高めた。少なからず改革が実施された。ただ既得権を当然視し、自分の城壁に閉じこもる方も少なくない。新陳代謝、開放化、国際化が進まない。その結果、「トップ10%の論文」を1本出すのに、研究費がドイツの2倍かかる。つまり「生産性」が低い。硬直的でタコツボ化した封建構造だと、国際的、学際的な研究が生まれにくい。  「研究費が減った」という話があるが、事実ではない。たとえば「科学研究費助成事業(科研費)」は、法人化した時は1830億円だったが、今は2284億円で、2割強増えた。国立大学の財務諸表に計上される「研究経費」と「受託研究等」の総額だけをみても、1千億円以上増えている。  運営費交付金が「法人化以降で1400億円減っている」と言われるが、付属病院の赤字解消や退職手当の減少といった特殊要因を除けば、408億円しか減っていない。問題は金額の多寡ではなく配分にある。  私の母校である英国立のオックスフォード大や米国の私立大を含めて、世界トップクラスの大学では、運営費交付金に大きく依存するところはない。つまり、競争的資金が研究力低下を招くという事実はない。  現場の教員が疲弊しているのは、手間ばかりかかってメリハリにつながらない、形式的で無意味な「評価」をやらされていることも一因だ。国際的な大学ランキングで「トップ100を目指す」としたある大学は、実際は500位以下だったのに、自己評価は「達成状況がおおむね良好」だった。  「選択と集中」についても、だれも東大や京大といった特定の大学を選んで資源を集中させることは考えていない。科研費のうち旧7帝大が受け入れた割合は04年度は60%だったが、16年度は56%に減った。  競争することが研究テーマや視座、方法論などの多様化にもつながる。頑張っている研究者には強力に支援する。そうでない人は、研究分野の主流にいても支援しない。競争的資金の導入によって、初めてそれが実現した面がある。  改革がなければ、世界の動きに目を閉じて塹壕(ざんごう)に閉じこもり、旧態依然のままに死に至る可能性が高かった。改革前に戻すことなどあり得ない。      *  かんだ・まさと 1965年生まれ。財務省主計局次長。主計官として、文部科学のほか経済産業、環境などの予算を担当。世界銀行理事代理などを経て現職。英オックスフォード大経済学修士。  ■減る論文数・世界シェア 法人化の影響には異論も  日本の研究力が低下している。2003年~05年と13年~15年のそれぞれ3年間の平均を比べると、日本発の論文数は減り、世界シェアは2位から4位に。影響力が大きい、他の論文への引用数がトップ10%の論文のシェアも、4位から9位に後退した。  過去の日本人ノーベル賞受賞者を始め、多くの研究者が原因として指摘するのが、04年の国立大法人化とともに始まった国の「競争政策」による影響だ。  国は教員の人件費や研究室の維持などに使われる基盤的経費である「運営費交付金」を年に1%ずつ削減し、代わりに、研究者が応募・審査を経て獲得する「競争的資金」を増やした。大学間の競争を促すさまざまな補助金も導入した。選ばれた少数の研究者や大学に多額の資金を投入し、効率良く成果を引き出そうとする「選択と集中」と呼ばれる政策だ。  その一方、例えば論文数の減少は法人化より前から始まっていたというデータもあり、統計上、因果関係は必ずしも明らかではないという指摘もある。  日本におけるトップ10%論文の「生産性」は先進国の中で低いとされる。財務省は影響力のある論文について、投入した研究費に対する生産性の向上を求めている。  ただ、国立大は研究活動とともに教育活動を担っている。産業界などとの連携、学術の交流を通じた世界貢献といった公的な役割もあり、その価値を「コストパフォーマンス」ではかることには批判の声もある。 "[he-forum 19583] 日本の大学を卒業した留学生の就職条件緩和について","高等教育フォーラム各位  日本の大学を卒業した留学生の就職条件緩和について,ブログに記しました。ビザ発給については運用の実態がつかみづらいところがあり,十分に実態を踏まえた意見になっていないかもしれません。どうぞご批評ください。基本的な主張は「ホワイトカラー業務の範囲では緩和賛成。ブルーカラー業務への就労を認めるのは反対」です。工学部の学生がマーケティング・リサーチの会社に就職するのは構いませんし,保育士などはいまより就職しやすくすべきでしょう。けれど,学生がコンビニのバイトをしていてそのままコンビニ店員に就職するのは不可とすべきと考えています。そして,そもそもこんな心配をしなければならないのは,日本の大学がある問題を抱えているからだとしています。 https://riversidehope.blogspot.com/2018/10/blog-post_22.html  なお雇止め問題についての私見はこちらです。Google+のサービス終了予告を受けて置き場所を変えました。 https://riversidehopearchive.blogspot.com/2018/10/5-2018614.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp (旧アドレスからの転送は間もなく停止します) Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19584] 教育業界ニュース10/22","教育業界ニュース 文部科学省 2018.10.22 Mon 14:15 国立大学の機能最大化、改革推進補助金に東大など7件が選定  文部科学省は2018年10月19日、2018年度国立大学改革強化推進補助金の選定結果を発表した。選定されたのは、東京大学など7件の事業。今年度から、学長のリーダーシップによる明確な経営構想に基づくスピード感ある取り組みに対して、集中的・重点的支援を行う。  文部科学省は2018年10月19日、2018年度国立大学改革強化推進補助金の選定結果を発表した。選定されたのは、東京大学など7件の事業。今年度から、学長のリーダーシップによる明確な経営構想に基づくスピード感ある取り組みに対して、集中的・重点的支援を行う。  国立大学経営改革促進事業は、国立大学の経営改革の実装を実現・加速し、国立大学のモデルとなり得る意欲的で先進的な取組みに対する支援を 行うもの。学長のリーダーシップによるガバナンスを強化し、学長裁量経費とマッチングすることで、外部人材登用などによる経営力の強化、教育研究の質の向 上、イノベーション創出など、エビデンスに基づくスピード感ある改革を実行する大学の取組みを支援する。2018年度新規事業として予算40億円を計上しており、ガバナンス改革を通じて国立大学の機能の最大化を目指す。   2018年6月14日から7月27日までに各国立大学法人から申請を受け付けたところ、「地域イノベーションの創出等に取り組む国立大学法人」に6件、 「世界最高水準の教育研究の展開が見込まれる国立大学法人」に14件の事業の申請があった。「国立大学改革強化推進補助金に関する検討会」における審査を 踏まえ、7件の事業が選定された。  「地域イノベーションの創出等に取り組む国立大学法人」の採択事業は、小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学による「北海道内国立大学法人の経営改革の推進」、名古屋大学(岐阜大学)による「マルチ・キャンパスシステムなど新たな国立大学モデルの構築」の2件。   「世界最高水準の教育研究の展開が見込まれる国立大学法人」の採択事業は、東北大学による「創造と変革を先導する大学~世界から尊敬される三十傑大学を目 指して~」、東京大学による「社会変革の駆動を実現するための安定的かつ自立的な経営基盤の獲得」など6件。うち1件は、「地域イノベーションの創出等に 取り組む国立大学法人」に採択された名古屋大学(岐阜大学)の事業が重複して選ばれている。  文部科学省Webサイトでは、各事業の概要と計画調書を公開。たとえば東京大学は、「国立大学発産官学民同時改革を駆動する仕組みの構築」に取り組む。データ活用による社会課題解決型研究の推進、海外著名研究者招聘による研究活性化、地域の特長を生かしたデータ活用型産業の創出など、「国立大学経営改革促進事業」を活用し、東京大学が先導して実施するという。  そのほか、Webサイトにて、国立大学改革強化推進補助金に関する検討会による申請に対する所見(採択事業分・不採択事業分)なども公開している。 《黄金崎綾乃》 "[he-forum 19589] 国家公務員の給与増額へ,政府、臨時国会に法案(共同 10/24)","国家公務員の給与増額へ 政府、臨時国会に法案 共同通信 2018/10/24 17:36  政府は、2018年度の国家公務員給与を増額するよう求めた8月の人事院勧告 を受け入れる方針を決めた。24日に開かれた自民党の会合で引き上げに必要な 給与法改正案を示し、了承を得た。近く閣議決定し、臨時国会に提出する。成 立すれば月給、ボーナスとも5年連続の増。  一般的な職員で月給を前年度より平均655円(0.16%)引き上げ、4月にさか のぼって差額を支給。ボーナスは夏、冬を合わせ月給の4.45カ月分(0.05カ月 増)とする。平均年収は3万1千円プラスの678万3千円になる。 "[he-forum 19588] 国立大の運営費交付金 10%は評価で配分を(産経新聞 10/25)","国立大の運営費交付金 10%は評価で配分を 2018.10.24 23:30  財政審の分科会では、国立大学に支出している運営費交付金のうち、10% 程度は教育や研究の質を評価した上で配分することも提案された。就職率や論 文の引用数が増えれば交付金も増加する仕組みを導入し、大学の質の向上を図 る。  運営費交付金は平成16年の国立大学法人化に伴い、人件費や研究費などを 補うために創設された補助金。30年度は1兆971億円が計上されている。 使途は決められておらず、各大学には教員数をもとに前年とほぼ同額が配分さ れている。  現状でも一部は質の評価に応じて配分しているが、30年度は285億円と 全体の2・6%にとどまる。しかも評価は各校が独自に設定した指標で行い、 多くが最高の「A評価」になるなどしており、評価自体が形骸化しているとい う。  財務省は「各大学共通の指標を作成し、第三者による相対評価をおこなう必 要がある」と提言。若い研究者への予算配分の少なさや、研究領域の55%が 伝統分野で、人工知能や自動音声認識など先進的分野は8・4%にとどまるこ とも問題視し、指標作成時には若手職員の比率や国際的に引用される質の高い 論文数なども考慮するよう求めた。 "[he-forum 19587] 国立大病院の約6割、勤務間インターバルなど未設定-病院長会議の調査(CBニュース 10/5)","国立大病院の約6割、勤務間インターバルなど未設定-病院長会議の調査  医師の勤務終了から次の勤務の開始まで一定の休息時間を確保する「勤務間 インターバル」や完全休日について、国立大学病院の約6割が設けていないこ とが5日、国立大学附属病院長会議の調査結果で分かった。当直明けの医師の 勤務負担の緩和に関しては、実施と未実施の病院が同じ割合だった。【松村秀 士】  国立大学附属病院長会議は9月下旬から10月上旬にかけて、会員の国立大学 病院を対象に医師の働き方改革に関する調査を実施。39病院から回答を得た。  勤務間インターバルや完全休日について聞いたところ、23病院(59.0%)が 「未実施」と回答。一方、11病院(28.2%)が「検討中」、5病院(12.8%) が「実施」と答えた。  また、当直明けの医師の勤務負担の緩和に関する回答では、「実施」と「未 実施」が共に16病院(41.0%)、「検討中」は7病院(17.9%)だった。さら に、患者への説明や相談についても尋ねたところ、19病院(48.7%)が「診療 時間内に行っている」、13病院(33.3%)が「検討中」、7病院(17.9%)が 「診療時間内に行っていない」と答えた。  5日に開かれた国立大学附属病院長会議常置委員会の記者会見で、山本修一 常置委員長は、勤務間インターバルや完全休日の設定、当直明けの勤務負担の 緩和の取り組みについて、「医師の手厚い配置が必要になるので、医師をどこ から確保するのか、確保した場合の人件費をどうするのかの問題がある」と指 摘。勤務間インターバルの設置などの重要性を強調しながらも、現状では難し いとの考えを示した。  厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」が2月にまとめた「医師 の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」では、▽医師の勤務間インターバルや 完全休日の設定▽当直明けの勤務負担の緩和▽勤務時間外に緊急でない患者の 病状説明等の対応を行わないこと▽複数主治医制の導入―などについて、各医 療機関が自院や診療科などの特性を踏まえて努めることとされている。 ■敷地内薬局の「設置・予定なし」は6割弱、「設置あり」は約1割  国立大学附属病院長会議は、調査で敷地内薬局についても聞いたところ、回 答した38病院のうち、22病院(57.9%)が「設置はない・予定なし」と答えた。 「準備中」と「検討中」が共に6病院(15.8%)、「ある」は4病院(10.5%) だった。 "[he-forum 19586] 勤務間インターバル、実施1割 国立大病院への調査(朝日新聞デジタル 10/22)","勤務間インターバル、実施1割 国立大病院への調査  医師の勤務時間の削減をはかるため、国が示した緊急対策について、多くの 国立大学付属病院で導入されていないことが、国立大学付属病院長会議の調査 でわかった。勤務終了から次の勤務開始までに一定の休憩時間を設ける「勤務 間インターバル」の実施は、約1割にとどまっていた。  厚生労働省は医師の働き方改革を進めるため、今年2月に「医師の労働時間 短縮に向けた緊急的な取組」を公表。勤務間インターバルや完全休日の設定、 当直明けの勤務負担緩和の積極的な検討、導入に努めるよう医療機関に求めて いた。  同会議は9月、取り組み状況を45の国立大学病院にメールで尋ね、39病 院が答えた。「勤務間インターバルや完全休日」の実施は13%の5病院。未 実施23病院、検討中11病院だった。「当直明けの勤務負担の緩和」は41 %の16病院が実施。「勤務時間外に緊急ではない患者の病状説明などの対応 をしない」は49%の19病院で実施していた。  同会議・常置委員長の山本修一・千葉大学病院長は「医師の健康管理は大前 提だが、インターバル勤務を可能にするには、医師の手厚い配置が必要になる。 どのように医師を確保し、人件費をどうするかが課題だ」と述べた。(黒田壮 吉) "[he-forum 19585] 大阪大、指定国立大学法人に(日経、読売、日刊工業、リセマム 10/23~24)","大阪大、指定国立大学法人に 文科省 日本経済新聞(社会) 2018/10/23 17:58 文部科学省は23日、同省の「指定国立大学法人」に大阪大を指定したと発表し た。指定国立大学法人は、世界最高水準の教育研究活動の展開が見込まれる国 立大を支援するもので、これで計6大学となった。 大阪大は「免疫学」「生命医科学融合」など4領域で世界的研究拠点を形成す る計画。指定理由として学長のリーダーシップが十分に発揮できる制度の導入 や、財務基盤の強化について明確な目標設定がされている点も挙げられた。 指定国立大学法人には2017年6月に東北大や東京大、京都大の3大学が指定され、 18年3月に東京工業大、名古屋大を追加。一橋大は指定候補となっており、同 省は引き続き構想の充実・高度化を求めている。 阪大、産業界などと連携推進 指定国立大学法人に指定 日本経済新聞(関西 科学&新技術欄) 2018/10/23 18:41 大阪大学は23日、世界最高水準の研究や教育に取り組む「指定国立大学法人」 の指定を文部科学相から受けた。関西では京都大学に次いで2例目となる。阪 大は「共創機構」を司令塔に産業界や地域社会、海外の研究機関と連携して 「世界屈指のイノベーティブな大学を目指す」(西尾章治郎総長)。 指定国立大学法人制度は大学の国際競争力を向上させる施策の一つ。指定され ると優秀な研究者を確保するため高額な報酬を支払ったり、子会社をつくった りできるようになる。 阪大は免疫学や生命医科学など4分野で、世界的な研究拠点をつくる。組織間 の連携を促すことで、2031年度の共同研究収入を現在の約1.7倍の125億円まで 増やす方針だ。技術革新を創出できる博士人材の育成にも取り組む。 京大は指定を受け、6月に産学連携を促進する子会社を設立した。大学と企業 の共同研究の窓口機能を持ち、コンサルティング事業なども担う。阪大も子会 社の設立を検討しているが、具体化はこれからだ。 阪大は17年3月に指定を申請したものの、将来の構想などで改善点を指摘され て漏れた。さらに入学試験の出題ミスが発覚したため、再申請の提出を見送っ た経緯がある。 国からの交付金の減額で国立大学の経営環境は厳しい。阪大が「世界屈指」の 大学となるには、共創を実現できるかどうかにかかっている。 指定国立大学法人に阪大を追加 読売新聞 2018年10月24日  文部科学省は23日、世界最高水準の教育研究活動が見込まれる「指定国立 大学法人」に大阪大を追加指定したと発表した。指定はこれで6大学目。阪大 は1月に発覚した入試ミスで30人を追加合格とした問題を受け、手続きを延 期していた。国際競争力を高めようと、文科省が2016年度に公募。大学が 教育研究活動の将来構想を示し、認められると、資産運用などの規制が緩和さ れる。 国大改革を推進、指定国立大学法人に大阪大学追加で6法人に 教育業界ニュース 文部科学省 2018.10.24 Wed 13:45  文部科学省は2018年10月23日付で、第3期中期目標期間における指定国立大 学法人として、大阪大学を追加指定した。すでに指定を受けている東京大学や 京都大学らとともに、国立大学改革の推進役となることが期待される。  指定国立大学法人制度は、日本の大学における教育研究水準の向上とイノ ベーション創出を図るため、世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見 込まれる国立大学法人を指定国立大学法人として指定する制度。指定を受けた 国立大学法人は、その研究成果を活用する事業者への出資などが認められる。  指定国立大学法人には、国内の競争環境の枠組みから出て、国際的な競争環 境の中で、世界の有力大学と伍していくことが求められる。また、社会や経済 の発展に貢献する具体的成果を積極的に発信し、国立大学改革の推進役として の役割を果たすことが期待されている。  第3期中期目標期間の指定に関する公募は、2016年11月30日から2017年3月31 日に実施。申請を行った7法人のうち、2017年6月30日付で東北大学、東京大学、 京都大学の3法人が指定国立大学法人に指定された。東京工業大学、一橋大学、 名古屋大学、大阪大学の4法人については、条件が整った場合に指定を行う 「指定候補」とされ、その後、東京工業大学と名古屋大学が構想の充実・高度 化に関する資料を提出。指定国立大学法人部会の意見などを踏まえた構想の充 実・高度化が図られていることを確認し、2018年3月20日付で指定国立大学法 人となった。  このほど、大阪大学から構想の充実・高度化に関する資料が提出され、再度 の審査を実施。構想の充実・高度化が図られていることを確認し、2018年10月 23日付けで指定国立大学法人に追加指定。研究力強化のための具体的な戦略が 策定されている点などが評価された。  大阪大学の構想の概要によると、目指す大学像は「社会変革に貢献する世界 屈指のイノベーティブな大学」。免疫学など4領域で世界的研究拠点の形成を 推進するほか、2018年1月に設置された共創機構による組織間連携の推進から、 「知」「人材」「資金」の好循環を実現させる。そのほか、学部から大学院ま での一貫整備、新たな学位プログラムの展開(大学院)、女性や若手、外国人 研究者などへの支援を強化するなど、共創に向けた人材育成・獲得を掲げてい る。  なお、第3期中期目標期間中の指定候補である一橋大学については、引き続 き構想の充実・高度化を求めており、条件が整った場合には、再度の審査を行 う予定だという。 《黄金崎綾乃》 阪大がとうとう「指定国立大」に。その理由は? 企業との協働、31年度125億円へ 日刊工業新聞2018年10月24日  文部科学省から世界最高水準の研究や教育を目指す「指定国立大学法人」と して指定追加された大阪大学。阪大は研究課題の探索段階から大学と企業が協 働する「共創」を掲げる。1月に設置した共創機構が企業との大規模な組織間 連携を推進する。2017年度に72億円だった共同研究収入を21年度に90億円、31 年度は125億円を見込む。  研究では免疫学や共生知能システムなど4領域で世界的研究拠点の形成を図 る。社会問題を意識した異分野融合研究やビッグデータ(大量データ)解析に も力を入れる。海外教育機関との連携も強化する。従来の産学連携研究の実績 を生かすと同時に、基礎研究や人材育成、社会貢献などでも学外との連携を進 め、知財と人材、資金の好循環を図る。  指定国立大には17年6月に東北大学と東京大学、京都大学、18年3月に東京工 業大学と名古屋大学が指定を受けた。今回、阪大は計画を練り直して再申請が 認められた。 "[he-forum 19590] しんぶん赤旗10/30","しんぶん赤旗2018年10月30日(火) 大学自治侵害許さぬ 改定法案 私大教連と共産党懇談  来年の通常国会で提出が見込まれる私立学校法改定案について日本共産党の畑野君枝衆院議員と吉良よし子参院議員は29日、日本私立大学教職員組合連合(丹羽徹委員長)と東京地区私立大学教職員組合連合(野中郁江委員長)の役員らと国会内で懇談しました。  文部科学省の大学設置・学校法人審議会の専門小委員会が8月にまとめた「学校法人制度の改善方策について(案)」(「改善方策」)にもとづいて、法改定案が策定されると見られています。  懇談で私大教連は、「改善方策」が外部理事を理事会に入れることをルール化するなど産業界の関与を促進し、大学の自主性・自律性を侵害する内容となっていると指摘。教職員の権利にも重大な影響を与えるとして、国が教職員の意見を聴取するように訴えました。  私大教連はまた、2014年に学校教育法が教授会の権限を縮小するなどの改定が行われた際に文科省が出した「施行通知」が、同法の内容を超えて学長選挙の廃止などを求めていることを批判。「施行通知」の撤回を政府に求めてほしいと要請しました。  畑野議員は「論戦で『施行通知』のひどさを暴露し、撤回のためにみなさんと力を合わせていきたい」と発言。吉良議員は「大学の自治、学問の自由が保障される制度となるよう国会で論戦していきたい」と話しました。= "[he-forum 19591] 続・日本の大学を卒業した留学生の就職条件緩和について","高等教育フォーラム各位  10月22日にブログに投稿した「日本の大学を卒業した留学生の就職条件緩和について」の続編を書きましたので,お知らせします。入管法改正案について考えているうちに,技能労働者の受け入れに総枠が設けられることが重要であること,設けられるか設けれらないかによって話が少し違ってくることに気がつきました。 https://riversidehope.blogspot.com/2018/10/blog-post_22.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp (旧アドレスからの転送は間もなく停止します) Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19592] しんぶん赤旗11/6","しんぶん赤旗 2018年11月6日(火) ノーベル賞の受賞者も指摘 基礎研究の現場悲鳴 お金なく 若手減り 継承できない  京都大学の本庶佑特別教授のノーベル医学・生理学賞受賞が決まり、基礎研究の重要性に改めて注目が集まっています。一方で、多くのノーベル賞受賞者が、現状では十年、二十年後は受賞者が出ないかもしれないと語っています。今、基礎研究の現場はどうなっているのでしょうか。 (土井誠 党学術・文化委員会事務局次長)  新潟大学理学部の小西博己教授は、アメリカに渡り、鉱物に別の鉱物がナノメートル単位で入っている「鉱物の欠陥」を電子顕微鏡で分析し、鉱物の歴史を古文書のように読み解く方法について研究していました。 研究費年43万円  アメリカでは最新の電子顕微鏡が使えましたが、新潟大学には古いものしかなく、研究テーマを変えざるを得ませんでした。現在は主にバクテリアが関与して生成される鉱物について研究しています。  小西教授の研究室に配分される研究費は年間約43万円です。電子顕微鏡に使うフィルムと検出器を冷却する液体窒素などの消耗品で使い切ってしまいます。電子顕微鏡のメーカーは、デジタル化でフィルムの生産を2020年で打ち切る予定です。 「カメラのデジタル化だけで1千万円かかる。フィルムを買い貯めるしかない」という小西教授。「中国や韓国は研究費が潤沢で、最新の装置が使われている。日本は置いてきぼり」と語ります。  光合成を研究している岡山大学の高橋裕一郎教授は、植物が吸収した光を変換して有機物を作る反応を担うたんぱく質の構造を解析しています。遺伝子を組換えて光合成への影響を観察する実験を何度も繰り返しています。人手と時間がかかり、その試薬や人件費は、大学からの資金(約50万円)ではまったく足りません。2004年の国立大学法人化後に半分以下になったからです。科学研究補助金などの競争的資金を獲得して、必要な経費を賄っていますが、科研費の採択率は2割台です。採択されるためには、基礎研究だけでなく、応用に役に立つと書かなければならないことがあります。高橋教授は「競争的資金がもらえないと研究できないので、結果が出やすい課題を選んでしまう」「欧米の大学は設備が充実し、スペースも広い。中国、韓国、台湾の大学の整備も進んでいる。日本はガーンと突き放された。このままでは地方国立大学では研究できなくなる。研究者のすそ野が広くないと頂は高くならないのに」と危機感をあらわにしました。 人いない観測所  東京大学地震研究所の武尾実教授は、主に浅間山や霧島山の火山活動を研究しています。  武尾教授は、観測網(地震計、GPS、傾斜計など)を活用して、マグマ溜りの位置を特定したり、火山周辺の膨張と収縮を観測して、噴火の前兆をとらえたりすることに成功しています。しかし、噴火がどのような形態をとるのか、いつまで続くのかを予測するには「やるべきことは山ほどある」と言います。 地震研は浅間山と霧島山に火山観測所を設置しています。しかし、霧島山の観測所に職員を配置できていません。「運営費交付金が減らされているので、職員が退職したからと言ってすぐに補充できない」と武尾教授は嘆きます。  政府は、今年度予算で個々の大学の枠を超えて大型の研究施設やデータなどを共同で利用する「共同利用・共同研究拠点」のプロジェクト研究予算を平均20%も削減しました。このプロジェクトには地震研を含め様々な分野で2万7千人の研究者が参加しています。武尾教授は「災害の被害を少なくするための研究が遅れてしまう」と危惧しています。  人間が分かっていることはごくわずか。研究者らは、人類の知見を広げ深めるためにコツコツと観測や実験を繰り返しています。この営みは、次の世代へと受け継がれてこそ意味があります。  ところがこれが困難になってきています。  東京大学では35歳以下の教員の割合は2006年に18・5%でしたが、17年には13・2%に減少しています。任期付きなど不安定な雇用におかれる若手研究者が多数です。博士課程に進学する学生が減少するなど、研究者を志す若者が減っています。 新潟大学は2021年末までに教員を60人削減する計画で、退職者が出ても基本的には補充しない方針です。小西教授は「自分が退職する時に、後を継ぐ研究者がいないかもしれない」と不安を抱えています。岡山大学も同じように教員を削減する方針です。  日本では、学問の継承そのものが危機的な状況に陥っています。 「法人化は失敗」  大学から教員に配分される資金が減っているのは、国立大学法人化など政府による「大学の構造改革」によるものです。大学の基盤的経費である国立大学運営費交付金は04年の1兆2415億円から18年の1兆971億円へと削減し、私学助成も削減する一方で、競争的資金を増加させる「選択と集中」によって、資金獲得競争が激化しています。成果主義が蔓延し、落ち着いて基礎研究に専念する環境がなくなっています。  2016年以降、交付金の総額は減っていませんが、安倍晋三政権は交付金の中に「機能強化」を競い合う重点支援枠を導入したため、最も基盤的な経費に使う基幹経費が毎年約百億円削減されています。そのため教員数の削減が続いているのです。これでは論文数の減少、研究力の低下に歯止めはかかりません。  こうしたなかで国立大学協会会長の山極寿一京都大学総長が「国立大の法人化は失敗だ」(「朝日」10月18日付)と発言するなど「大学の構造改革」路線への批判が強まっています。  基盤的経費を増額し、基礎研究を支援する政策に転換することが求められています。 政府白書も認めた 日本の研究力低下  政府は、今年6月の科学技術白書で、日本の科学論文数が十年前の2位から4位に、質の高い論文数は4位から9位に転落していることから「研究力に関する国際的地位の低下傾向が伺える」と認めました。  論文数(表)では、日本以外の上位10カ国はこの10年で平均36264(84・4%)伸ばしているのに対し、日本は3875(5・7%)減らしています。引用回数の多い論文数(上位10%補正論文数)でも、日本以外の上位10カ国は平均4056(106%)伸ばしているのに対し、日本は359(7・8%)減少しています。量質ともに低下しているのは日本だけです。 "[he-forum 19594] 当然かのように寄付募る文科省 国立大は今も一家の一員(朝日新聞デジタル 11/7)","当然かのように寄付募る文科省 国立大は今も一家の一員 (朝日新聞デジタル 2018年11月7日08時05分)  文部科学省の局長らが、出向中に病死した職員の家族向けの寄付金集めを全 国の国立大に依頼していた。背景には、旧文部省出身の官僚の国立大に対する 支配意識や、「現役出向」という文科省と国立大をつなぐ独特の交流人事制度 の課題が見え隠れする。  「法人化から15年近く経つのに『文科省一家』はまだこんなことをやって いるのか」――。取材に応じた複数の国立大関係者は、寄付金のとりまとめを 求める趣意書を読んで、こんな感想を口にした。  文科省を「一家」と例えるのは、大学行政に関わってきた文科省幹部が「今 後のご苦労は察してあまりある」など人情に訴えつつ、「(寄付について)貴 機関内に周知いただくとともに、おとりまとめされる際は機関用申込書をご記 入の上、送付願います」と、半ば当然かのように寄付金集めを求めていたから だ。  かつて文科省と一体だった国立大は2004年に法人化されて独立したが、 交流人事制度は、実態として、さほど変わらないまま残った。政策や交付金な どの情報を早く得るために文科省のインサイダーを抱えることは国立大側にメ リットがある。  一方、自民党行革推進本部長だった河野太郎氏(現外相)は昨年、月刊誌 「文芸春秋」への寄稿で「(国立大学法人が)文科省にお伺いを立てなければ ならないようなシステム」だと問題視した。国立大の幹部職を担う「現役出 向」の文科官僚の数は、86の国立大のうち「83大学」の「241人」に及 び、それは「文科省職員の1割以上にあたります」と指摘した。  今回の寄付金集めでは、奨学金を取り扱う日本学生支援機構(旧日本育英 会)の理事長代理も発起人に名を連ねている。国立大の教員は「子どもを残し て若くして亡くなった方の遺族のために奨学金制度はあるべきなのに、その大 本に近いところで国民の感覚とは異なる行動をしている。国立大学を配下扱い にするような感覚はそろそろ変えていただきたい」と訴えた。(小宮山亮磨、 松尾一郎) "[he-forum 19593] 文科局長、全国立大に寄付依頼 病死した職員の遺族向け(11/7朝日 朝刊)","文科局長、全国立大に寄付依頼 病死した職員の遺族向け (11/7付け『朝日』東京版朝刊)  文部科学省の高等教育局長らが今年8月、外部に出向中に病死した職員の遺 族向けの寄付金をとりまとめるよう、全86カ所の国立大学に文書で依頼して いたことが6日、朝日新聞の取材でわかった。同省は交付金などに影響力があ り、国立大側からは「あってはならない」との声が上がっている。  寄付を依頼したのは、大学教育を所管する高等教育局の義本博司局長や、常 盤豊・生涯学習政策局長(当時)、大学生向けの奨学金を取り扱う日本学生支 援機構の理事長代理ら上級幹部やOBら20人。  過去に複数の国立大に出向後、放送大学学園に出向中の今春、病気で死去し た50代の男性職員の子どもの「教育資金」として、1口千円で募っていた。 文書は「各国立大学法人総務担当課長殿」宛てで、「貴機関内に周知いただく とともに、お取りまとめをされる際は機関用申込書を御記入の上、送付願いま す」と求めていた。事務局を務めた同学園担当者によると、国立大のほか、男 性が過去に在籍した複数の独立行政法人にも送った。これまでに200万円以 上が集まったという。  申込書は「個人用」と「機関用」があり、個人用には振り込み用のゆうちょ 銀行口座や現金書留の送り先が記され、機関用には所属と氏名、口数、とりま とめた合計金額を記入する欄がある。  官公庁や教育界では、在職中に死亡した同僚の遺児向けに「育英資金」を内 輪で集める慣習が100年ほど前からあるとみられる。だが今回は、学部設置 の認可や交付金などを握る部署の上級幹部らが、連名で外部組織に依頼してい た。  ある国立大の教員は「監督者からのこうした依頼は問題だ」と指摘。国立大 学協会会長を務める山極寿一・京都大総長は「文科省から公的なルートで(寄 付を)依頼されれば、何かしらの権力関係が反映していると考えるのが普通。 あってはならない」と批判している。  義本局長は取材に、「高等教育局長という立場だから、大学に関係するので (寄付の依頼を)『手伝ってほしい』という話があった」とし、詳細は「全然 知らない」と話した。  国立大は2004年の法人化で文科省から「独立」したが、人事交流の制度 は残っている。政策や交付金などの情報を得るため、文科省の職員を受け入れ ることは大学側にメリットがある一方、「文科省にお伺いを立てる仕組みを生 んだ」との指摘もある。  全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡弁護士は、今回の依頼につ いて「直ちに違法とは言えないと思うが、(政府がするべき職務にのみ従事す る)職務専念義務や職務に対する国民の信頼という点では疑問がある。『監督 者』と『被監督者』という関係を意識すれば、公務の適法さに対する誤解を招 く行為ではないか」と話している。(松尾一郎、小宮山亮磨) "[he-forum 19595] 面識ない職員向けに募金 文科省の寄付金集め、組織的か(11/7 朝日新聞デジタル)","面識ない職員向けに募金 文科省の寄付金集め、組織的か 朝日新聞デジタル 2018年11月7日15時57分  文部科学省の局長らが、出向中に病死した職員の家族向けの寄付金集めを、 全国の国立大に依頼していた問題で、事務を担った文科省から出向中の職員は 「故人と面識はなかった」と話した。文科省が組織として寄付集めを進めた実 態の一端が浮かび上がった。  「国立大学法人総務担当課長殿」宛てに、一口千円の寄付のとりまとめを依 頼する文書は、文科省と総務省が管轄する放送大学学園から8月20日付で送 られた。同学園は文科省のキャリア(現初等中等教育局長)が理事を務めてい たほか、今回の依頼文書の「差出人」となった総務課長なども文科省からの出 向者が担っている。  文科省からの出向職員の一人は、寄付集めの事務に関わった背景について、 「私も総務課長も4月に着任したので、(それ以前に亡くなった故人は)直接 存じ上げている方ではない。ただ、文科省の所属ということは同じ」と説明し た。全国立大に依頼の文書を送った理由については、「故人の知り合いがどこ にいるか分からない」ためだったとし、上司らの了承で最終的に決まったとい う。  一方、文書を受け取った国立大の中には、寄付の申込用紙を一斉メールで教 職員に送っているところもあったこともわかった。  今回の寄付依頼は、大学教育を所管する高等教育局の義本博司局長や、常盤 豊・生涯学習政策局長(当時)、放送大学学園理事に出向していた現初等中等 教育局長、大学生向けの奨学金を取り扱う日本学生支援機構の理事長代理ら上 級幹部やOBら20人が発起人となって、全86国立大学に対して文書の形で 送付していた。(小宮山亮磨、松尾一郎) "[he-forum 19596] 名古屋大学が学生窓口の命名権を売却へ(11/8 NHK東海ニュース)","大学が学生窓口の命名権を売却へ 11月08日 12時44分 東海 NEWS WEB 名古屋大学は、事務手続きなどで多くの学生が訪れる窓口に愛称をつける権利 「ネーミングライツ」を売り出していて、得られた収入を学生へのサービス向 上に役立てることにしています。 愛称を募集しているのは、千種区の東山キャンパスにある文系総合館の1階部 分、約90平方メートルの学生窓口で、企業や団体が対象です。 締め切りは12月17日で、契約期間は来年2月から4年以上、金額は応募す る企業や団体が独自に決めるということです。 この窓口は、文系の学生約4100人から履修の登録やレポートの提出を受け 付けていますが、利用できるのは窓口が開いている時間に限られ、大学では、 命名権による収入でこれらの手続きのIT化を進めるなど、学生サービスの向 上に役立てることにしています。 「ネーミングライツ」を販売して球団や公共施設に名前をつける動きは各地で 広がっていますが大学での取り組みは珍しいということです。 名古屋大学文系教務課の鎌澤かおり課長は「社会人の学生も多く、手続きのた びに窓口に出向かなくてもいいよう利便性を高めたい」と話しています。 "[he-forum 19597] 「事務職になりたい」と「転勤がないように働きたい」について","高等教育フォーラム各位  雑誌記事を手掛かりに,学生,とくに女子学生の「事務職になりたい」と「転勤がないように働きたい」というマインドについて考えました。 「事務職になりたい」は過去へのあこがれだが「転勤がないように働きたい」は未来への要求だ https://riversidehope.blogspot.com/2018/11/blog-post_6.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp (旧アドレスからの転送は間もなく停止します) Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19600] 「世界平和女性連合」は「世界平和統一家庭連合」(統一協会より改称)を母体としていることについて","高等教育フォーラム各位  「世界平和女性連合」という団体が,「女子留学生日本語弁論大会」 などの学生を対象としたイベントを各地で行っています。宮城県でも 開催され,東北大の学生が参加した例もあります。ところが,この団体 は霊感商法などの反社会的行動で有名な統一協会(現在は世界平和 統一家庭連合に改称)を母体としています。その証拠と問題点,大学 教員としてのスタンスについて,後で備忘として使えるようにまとめ ました。ご利用ください。 https://riversidehope.blogspot.com/2018/11/blog-post_12.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog http://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19599] あと1年かけて,「技能実習」を「特定技能」に転換する計画を作るべきだ","高等教育フォーラム各位  入管法改正についての意見です。外国人労働者は既に存在して いて,彼/彼女らなしには日本の産業は動きません。しかし, 現在は技能実習や留学生の労働という不正常な就労の仕方が続いて おり,そこから労働問題も起こっています。技能労働者受け入れを, 拙速を排すとともに,技能実習の問題を解決することとセットで進 めるべきという意見を述べました。 https://riversidehope.blogspot.com/2018/11/1.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog http://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19598] 外国人労働者の海外居住家族に対する健康保険適用問題","高等教育フォーラム各位  外国人労働者の海外居住家族への健康保険適用問題についての 意見を書きました。本件は,私の周囲にも外国人の大学教員や卒 業生などで当事者となるケースがあり,日本人には見えにくいで すが,身近な問題と思います。 外国人労働者の海外居住家族への健康保険適用問題は,データに 基づく議論と加入者を差別しない対応を https://riversidehope.blogspot.com/2018/11/blog-post_8.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog http://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19601] 産經新聞11/26","産經新聞 2018.11.26 18:03ライフ教育 大学の統合促進、学部譲渡も可能に 中教審答申   文部科学相の諮問機関である中央教育審議会は26日、大学の連携や統合を促す制度の導入などを盛り込んだ提言「2040年に向けた高等教育のグラ ンドデザイン」をまとめ、柴山昌彦文科相に答申した。私立大の学部譲渡の円滑化や国公私立の枠を超えた単位互換などにより、全国的な大学再編を目指す。文 科省では答申を受け、来年に関連法を改正する方針だ。  提言は、今年生まれた子供たちが大学を卒業するタイミングとなる2040年の高等教育のあり方を探るもので、同年の大学進学者数を平成29年現在より約12万人少ない約51万人と推計。各大学は現在の規模を確保できないとし、連携や統合の促進を求めている。= "[he-forum 19602] しんぶん赤旗12/4","しんぶん赤旗 2018年12月4日(火) 国立大学運営交付金の削減 日本の研究力 危機 畑野議員 抜本増への転換迫る  日本の研究力が危機にひんしています。特に運営費交付金を減らされ続けてきた国立大学では研究の継承さえ危ぶまれています。ところが財務省はさら なる改悪を提案。日本共産党の畑野君枝衆院議員は11月28日の文部科学委員会、29日の科学技術特別委員会でこの問題を連続追及し、運営費交付金の抜本 増への転換を政府に迫りました。 基幹運営費707億円減る  「研究力に関する国際的地位の低下の傾向が伺える」  毎年のように日本人のノーベル賞受賞がニュースをにぎわす一方、日本の研究力は2018年度版『科学技術白書』がこう指摘せざるをえないほど深刻 です。国・地域別論文数で日本は2000年代初頭の2位から直近は4位に。優れた研究成果として国内外で引用された回数が各分野の上位10%に入った補正 論文数も4位から9位に転落しました。  畑野氏は科技特委で、日本の研究力低下の背景に04年の独立行政法人化後に運営費交付金が減らされたことがあると指摘。その額は1400億円以上 に上ります。なかでも人件費に充てられる基幹運営費交付金が707億円も減らされた結果、86の国立大学のうち63大学で教員採用を抑制し、10年間で 40歳未満の若手教員が1426人、安定的な承継教員が4443人減ったことを文科省に明らかにさせました。  平井卓也科学技術担当相は、15年度以降は交付金額を維持していると答弁。畑野氏は、基幹運営費交付金は減らされ続けてきた事実を突き付け「長期的視点で研究できる若手教員ポストの減少が研究力低下の原因。学術の継承を困難にしている」と指摘しました。 「再配分」で半数超減額  国立大学にさらなる困難を持ちこんでいるのが運営費交付金の「再配分」(競争的資金化)です。政府は法人化の際「交付金は渡し切り」としていたの に、16年度から各大学にいったん渡した交付金から一定額を拠出させ、それを学部などの再編・統合といった「機能強化」の達成度合いで再配分する仕組みを 導入。半数以上の大学が減額になっています。  文科省は、再配分額を現在の100億円から来年度は400億円にするとしています。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は再配分の評価指標を就 職率や外部資金獲得額などの成果を計るものに変え、再配分額を交付金の10%(約1000億円)に大幅に増やすよう求めています。  畑野氏は文科委で、国立大学協会が短期的評価に基づく再配分の仕組みが中長期的な視点に立った改革を阻害していると指摘し、財政審の案を「財政基 盤の弱い大学の存在自体を危うくし、ひいては我が国の高等教育及び科学技術・学術研究の体制全体の衰弱化さらには崩壊をもたらしかねない」と厳しく批判し ていることを紹介。「安定的に将来を見通せるように措置するのが本来の交付金の在り方だ」と訴えました。  柴山昌彦文科相は財政審の案について「懸念は受け止める」と答弁。畑野氏は「懸念を払しょくするためにどう頑張るのか」と繰り返し迫り、柴山氏も「全力で頑張る」と答えました。 学費値上げ年10万円も  運営費交付金が削減されるもと学費値上げに踏み切る国立大学が出てきています。来年度から東京工業大学と東京芸術大学が現在年間53万5800円の授業料を約10万円引き上げます。  畑野氏は「学費と生活費のため1日8時間、週5日バイト」など学生の深刻な実態や、高校生から寄せられた学費への不安の声を紹介。東京芸大の学生 が値上げ撤回へインターネット署名に取り組んでいることも示し「経済的理由から進学を断念することがないよう、運営費交付金を増額すべきだ」と強調しまし た。= "[he-forum 19605] RE: [he-forum 19603] 「ゴボウ抜かれ体験可」 科学者会議 辺野古視察で表記(12/9 琉球新報)","豊島です.「ゴボウ抜かれ体験も可能」の表現に関して,亀山さんの対応を支持します. 「現地視察」の案内文にあった『ゴボウ抜かれ体験も可能』の表現が批判されているとのことですが,私は,この批判は,表現の幅を狭める,極論すれば言葉狩りに近いものではないかと思います.亀山さんの発言を支持します. この集会に参加するような人が「基地闘争をちゃかす」ような気持ちの人はいないと思います.むしろ,非暴力直接行動を過度に重大視し,敬遠する態度に挑む,良い表現だと思います. 1昨年の12月,那覇で同じ科学者会議の「九州沖縄シンポジウム」に参加した際,私も高江で「ゴボウ抜かれ体験」をしました.この時シンポの参加者は多数高江の座り込みに参加すると思っていたのですが,現地に行ったのは県外では2人,座り込みまで参加したのは私だけでした.その時のことをブログに書いています. 「基地被害防止ボランティア」シリーズ4件.次はその内の2つです. https://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17-1 https://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17 今回は企画だけで実施されなかったのは残念です. なお私は,12年前に英原潜基地の封鎖行動を組織しましたが,その際にも,参加者募集で,同様に「体験できます」の言葉を使いました.この時は「留置場が体験できます」という表現です. https://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2006-12-29-1 部分引用:「これを読めば,安心して(?),いやリスクの程度を熟知して,スコットランドの留置場が体験できます.」 ________________________________________ 差出人: owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp が IWASAKI Makoto の代理で送信 送信日時: 2018年12月10日 13:21:49 宛先: 全大教 高等教育フォーラム 件名: [he-forum 19603] 「ゴボウ抜かれ体験可」 科学者会議 辺野古視察で表記(12/9 琉球新報) 「ゴボウ抜かれ体験可」 科学者会議 辺野古視察で表記 2018年12月9日 10:39 琉球新報  7日に琉球大学で始まった日本科学者会議の第22回総合学術研究集会の一環 で、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前などを訪ねる「エクス カーション」(現地視察)の案内文に「ゴボウ抜かれ体験も可能」との表現が あった。これに対し、会員の松島泰勝・龍谷大教授が「真剣に闘っている人々 を愚弄(ぐろう)するもの」と批判する。辺野古で座り込む市民からも「現場 のことを理解していない表現で悲しい」などと疑問視する声が上がっている。  研究集会は9日までで、10、11日にエクスカーションを行う。実行委員会 (屋富祖建樹委員長)は当初、辺野古や東村高江を訪れるコースを設定。希望 者少数で実施しないことが決まったが、コース名を「辺野古(ゴボウ抜かれ体 験も可能)・高江」と表現し、参加者を募っていた。  松島教授は8日の分科会で「学知の植民地主義批判」と題し報告した。その 中で「ゴボウ抜かれ体験」との文言を問題視し、「基地闘争をちゃかしている との印象を与える」と指摘。辺野古で座り込みに参加している市民からも「好 きでごぼう抜きされているのではない」との声があったとし、「(市民の)思 いを真摯(しんし)に聞くことが学者としての最低限のモラルではないか」と 強調した。会場から異論や批判はなかった。  会場にいた実行委事務局長の亀山統一(のりかず)・琉大助教は3日の取材 で「『ごぼう抜き』と言われる排除は非人道的不法行為。それを実体験して研 究活動、社会活動に生かしていくという趣旨だ」とし、「ゴボウ抜かれ体験可 能」との文言は「問題ない」との認識を示した。8日の分科会会場でも本紙取 材に対し、「この前話した通り」と答えた。 "[he-forum 19604] OISTで教職員労組が結成(11/30 沖縄タイムス)","OISTで教職員労組が結成 「倫理面でも世界クラスに」 沖縄タイムス 2018年11月30日 08:08  沖縄科学技術大学院大学(OIST)教職員労組が結成され29日、大学側に通知した。 労組は声明で「数々の問題が未解決のままになっており、対応の必要がある。倫理面でも 世界クラスの大学にしたい」と述べた。  米国人で博士のスティーブン・エアド委員長、日本人職員の佐藤リサ書記長がマチ・ディ ルワース副学長(男女共同参画・人事担当)に面会し、28日に結成したことを通知する 書類を提出した。加盟する連合おきなわユニオンの松田原昌輝委員長も立ち会った。  労組は「人材こそがOIST最大の財産。教職員の福祉に貢献し、法令順守を確保する。 問題解決のため、当局とも協力したい」としている。  松田原委員長は「より良い職場環境をつくるため労使協議を支援していく」と語った。  ディルワース副学長は沖縄タイムス社の取材に対し、「労組結成は承知しており、真摯に 向き合っていく」とのコメントを出した。 "[he-forum 19603] 「ゴボウ抜かれ体験可」 科学者会議 辺野古視察で表記(12/9 琉球新報)","「ゴボウ抜かれ体験可」 科学者会議 辺野古視察で表記 2018年12月9日 10:39 琉球新報  7日に琉球大学で始まった日本科学者会議の第22回総合学術研究集会の一環 で、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前などを訪ねる「エクス カーション」(現地視察)の案内文に「ゴボウ抜かれ体験も可能」との表現が あった。これに対し、会員の松島泰勝・龍谷大教授が「真剣に闘っている人々 を愚弄(ぐろう)するもの」と批判する。辺野古で座り込む市民からも「現場 のことを理解していない表現で悲しい」などと疑問視する声が上がっている。  研究集会は9日までで、10、11日にエクスカーションを行う。実行委員会 (屋富祖建樹委員長)は当初、辺野古や東村高江を訪れるコースを設定。希望 者少数で実施しないことが決まったが、コース名を「辺野古(ゴボウ抜かれ体 験も可能)・高江」と表現し、参加者を募っていた。  松島教授は8日の分科会で「学知の植民地主義批判」と題し報告した。その 中で「ゴボウ抜かれ体験」との文言を問題視し、「基地闘争をちゃかしている との印象を与える」と指摘。辺野古で座り込みに参加している市民からも「好 きでごぼう抜きされているのではない」との声があったとし、「(市民の)思 いを真摯(しんし)に聞くことが学者としての最低限のモラルではないか」と 強調した。会場から異論や批判はなかった。  会場にいた実行委事務局長の亀山統一(のりかず)・琉大助教は3日の取材 で「『ごぼう抜き』と言われる排除は非人道的不法行為。それを実体験して研 究活動、社会活動に生かしていくという趣旨だ」とし、「ゴボウ抜かれ体験可 能」との文言は「問題ない」との認識を示した。8日の分科会会場でも本紙取 材に対し、「この前話した通り」と答えた。 "[he-forum 19606] 共同通信12/13","共同通信 12/13(木) 20:39配信 科研費が100億円増  政府、与党が、研究活動の資金となる科学研究費助成事業(科研費)の予算について、2018~19年度にかけ100億円超の増額を決めたことが13日分 かった。科研費の増額が100億円を超えるのは、制度が変更された11年度を除けば02年度以来となる。19年度の予算総額は2372億円となる。  科研費の増額は、今年のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑・京都大特別教授も繰り返し政府に要望。過去の受賞者も基礎研究の重要性を訴えており、こうした一連の働きかけが大きく後押ししたとみられる。 "[he-forum 19609] 朝日新聞12/19","朝日新聞 2018年12月19日05時00分 進路見込めぬ専攻、縮小提言へ 大学院改革で中教審 博士課程修了者の就職率/博士課程の入学定員充足率  2040年を見据えた大学院教育の改善策について、中央教育審議会の部会での議論がほぼまとまった。大学に対し、学生の進路の確保が見込めない専攻について、定員減や社会ニーズの高い分野への振り替えなどを求めている。  11月の中教審答申で要点が示されたが、重点的な対応が必要な点について、大学院部会が来年1月、具体的な内容を提言する予定で議論を続けてきた。  まず、欧米の主要国に比べて、大学院で学位を取る人の割合が修士が3分の1、博士が半分程度にとどまり、かつ長年定員割れが続く専攻も多い現状を 指摘。原因として、各専攻が養成する人材像を示せておらず、特に博士課程のカリキュラムは社会や企業の期待とギャップがあると分析。このため学生がキャリ アパスに不安を抱き、大学院へ進むことをためらわせていると指摘した。  状況を改善するため、大学に対し、人材養成の目的を明確にして教育・研究組織を柔軟に見直すよう求める。特に学生の進路に対する大学の責任を重 視。修了者の実態を把握し、進路が確保できそうにない専攻などは、定員を減らすことや、社会的ニーズが高い専攻への定員の振り替えなどを進めることまで求 めた。  特に小規模な専攻が多い人文・社会科学系については、体系的・組織的な教育に取り組む専攻が少ない点や、企業などとの共同研究が少なく教育内容が社会のニーズと乖離(かいり)しやすい点を厳しく指摘した。  一方で、博士人材の価値を理解する企業が少ないといった問題点も指摘。国に対し、海外での博士人材の活用状況や処遇の情報を、産業界に積極的に発信することなどを求めた。  また、社会の変化が加速し、今後、社会人のリカレント教育(学び直し)のニーズは高まると予測。多忙な社会人が学びやすいように、通常より短期間で学べるようにしたり、学ぶ量に応じて授業料を設定したりするほか、産業界などの意見を踏まえて教育プログラムを作ることなどを大学に求めた。文科省の担当者は「大学院で学び直したい社会人は、大学名より中身を重視する。地方や中小規模の大学でもチャンスはあり、大学院がリカレント教育の主戦場となるだろう」と話した。(増谷文生) "[he-forum 19608] 朝日新聞12/19","朝日新聞 2018年12月19日05時00分 (ひらく 日本の大学)無償化対象に要件、反発 朝日新聞・河合塾共同調査 支援策の対象となる大学などの要件/要件に対する、大学種別ごとの考え  消費税の増税分を使って行われる、低所得者世帯の子どもの「高等教育の 無償化」をめぐり、国と地方の費用負担の基本的な考え方がこのほどまとまった。来年の通常国会で法令改正などが行われ、制度は2020年度から導入される 見込みだ。ただ、大学側からは、制度の対象に含まれるには、「実務経験のある教員の割合」など4要件を満たす必要があるため不満が出ている。朝日新聞と河合塾の共同調査「ひらく 日本の大学」では、要件を問題視する声が目立った。(増谷文生)  ■16.1%「おかしい」、26.9%「不適切な要件」  政府は「無償化」を実現するため、低所得世帯の子どもは授業料を減免したり、給付型奨学金を拡大させたりする方針だ。支出が増えるため大学などの「質保証」が必要だとして、(1)実務経験のある教員が卒業に必要な単位数の1割以上の授業を担当(2)理事に外部人材を複数任命(3)適正な成績管理(4)財務・経営情報の開示――という4要件を課す。文科省や都道府県は4要件を満たす大学や専門学校などを調べ、来年夏には公表する方針だ。  この4要件をどう考えるのか、今年6、7月に全国の国公私立の755大を対象に実施し、691大が回答した共同調査で学長に質問した。16・1%の大学が「要件をつけることはおかしい」と答え、26・9%が「要件の中に不適切なものがある」とするなど、不満が目立った。  国立大は特に反発が強く、「おかしい」が23・5%、「不適切なものがある」が34・6%だった。大阪大は「大学には職業人を養成するだけでな く、研究者を養成するという大事な使命もある。大学の実情を考慮せずに、産業界からの要望をそのまま制度に取り入れるのはあまりに安易ではないか」と指 摘。静岡大は「教育の質保証、財務の健全性指標以外の要件は求めるべきではない」とした。  入学定員が3千人以上の大規模大も不満を持つ大学が多く、16・0%が「おかしい」、40・0%が「不適切なものがある」と答えた。明治大は、高等教育が無償化されること自体は賛成しつつ、「支援措置のために要件を定めることは、大学生への支援のための趣旨とは異なっているように感じる」とコメントした。  要件が付いた理由を警戒する大学もあった。東京未来大は「無償化を通じて政府が高等教育の現場に直接介入することのないよう求める」、北海道科学大は「結果として、大学の選別機能を果たしてしまうことを危惧する」と答えた。  4要件の中身で最も不満や不安が寄せられたのは、「実務家教員」だった。「実務的な要素の少ない学問分野(の大学)で学ぶ学生が、不当に差別されることになる」(相模女子大)、「高等教育の 無償化とどのようにつながっているのか、根拠を示してほしい」(西日本の私立大)、「教員の研究者としてのキャリアが軽視されることにもなりかねず、大学 全体の研究力低下が懸念される」(東京の私立大)といった声が届いた。地方の私立大からは「実務家教員の確保は簡単ではない」との指摘もあった。  「外部理事」に不安を持つ大学も。横浜国立大は「外部人材の理事を複数置くことなど、大学の経営方針に関わる内容が含まれていることについては慎重に判断すべきだ」と書いた。 "[he-forum 19607] 文科省、謝礼肩代わり依頼 ベネッセ側に416万円 米識者招請(12/19 朝日)","文科省、謝礼肩代わり依頼 ベネッセ側に416万円 米識者招請 2018年12月19日 朝日新聞  文部科学省が昨年、大学の評価のために米国から2人の委員を招いた際、1日あたり約5 0万円の謝礼を求められたものの、国の基準の約2万円しか支出できず、差額分をベネッセ ホールディングスの関連法人が負担していたことが関係者の話で分かった。文科省の担当者 からはベネッセ側に対し、渡航費の一部も含めて計約416ログイン前の続き万円の支出を 求めるメールが送られていた。文科省は内部監査の結果、「強要も便宜供与もなく問題なか った」と結論づけたが、識者は「癒着を生む恐れがある構図」と指摘する。  ベネッセは教育関連の大手で、文科省が小中学生を対象に行っている全国学力調査の採点 や集計をグループ会社が請け負っている。2020年度から始まる「大学入学共通テスト」 の英語民間試験にも参入するなど、文科省と様々な場面で関係を結んでいる。  文科省によると、教育研究で世界レベルを目指す「指定国立大学」を選定するため、昨年 5月から6月にかけて指定国立大学法人部会を開催。海外の有識者の意見も反映させようと、 カリフォルニア大バークリー校名誉学長とエール大名誉学長を、内閣府総合科学技術・イノ ベーション会議の上山隆大議員の紹介で招いた。  国の規定では、こうした委員に対して支払える手当は1日1万7700円。文科省やベネ ッセの説明によると、両氏は出席を内諾したが、「その金額では行けない」として1日50 万円を提示。上山氏の提案で文科省がベネッセ側に協力を依頼し、ベネッセ側も「助言をも らう目的」で支払いを決めたという。  ベネッセは実際に支出した額を明らかにしていないが、朝日新聞が入手した、文科省の係 長が昨年5月25日にベネッセ側に送ったメールの添付ファイルでは1日当たりの「謝金」 が50万円とされていた。さらに、文科省が支払う額を引いた「滞在費不足分」は約31万 円、「航空券不足分」は約35万円と記載され、計約416万円を「ベネッセ様からお支払 いいただきたい額」と示していた。  文科省は弁護士なども参加した監査の結果、ベネッセ側と支出を分担したことは問題ない としたものの、メールの表現は「強要と誤解されるおそれがある」と判断。また、ベネッセ 側がいくら支払ったのか、文科省に書類が残っていない点も問題だとして、民間企業などと 費用を分担する際は書類を残すよう求める、会計課長名の通知を18日、省内に出した。  ベネッセホールディングス広報・IR部は「著名な教授から教育改革に関するグローバル な知見を得られることは非常に有益だと考えた」とし、謝金などのために支出したことは認 めた。  (峯俊一平、増谷文生)  ■癒着生じる恐れ、記録の公開必要  新海聡・全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の話 文部科学省がルール上、支払えな い多額の謝礼の支払いを特定の民間企業が手伝えば、その企業は文科省に「恩を売る」とい うことになりかねず、結びつきも強まる。水面下でのやり取りでは癒着や利権が生まれる恐 れがあり、決裁文書や議事録などを公開し、こうしたプロセスを国民がチェックできる仕組 みが必要だ。 "[he-forum 19610] しんぶん赤旗12/20","しんぶん赤旗 2018年12月20日(木) 交付金拡充へ力合わせ 党国会議員団 国立大学協会と懇談  日本共産党国会議員団は19日、国立大学協会と国会内で懇談しました。国大協の山本健慈専務理事(和歌山大学前学長)は、国立大学運営費交付金の 減額などによって大学の研究力が維持できなくなっているとし「いまが臨界点。ここで崩壊したら取り戻せないところにきている」と訴えました。  山本氏らは、2004年以降、運営費交付金が1400億円以上削られたうえ、16年度からは交付金の一定額を各大学に拠出させて「再配分」する仕 組みが導入され困難に拍車をかけていると指摘。千葉大学では拠出額の7~8割しか再配分されず、戻ってきても使い道が決まっているため人件費には回せず、 研究者の採用抑制につながっていると主張。火山地帯に立地する大学で退官する火山研究者の後任が補充できないなどの事態が各地で起きていることが紹介され ました。  財務省側から再配分額を現在の1%から10%(約1000億円)とする案が出ていることについて、山本氏は「直下型地震だ」と批判。畑野君枝衆院議員の国会での追及に謝意を示しました。  畑野氏は「運営費交付金拡充に力を合わせたい」と表明。穀田恵二国対委員長が「大学の危機が国民にどういう意味を持つか、大きな視点で考える場が必要ではないか」と語ると、山本氏も「全く同感だ」と応じました。  懇談にはそのほか笠井亮政策委員長、宮本岳志、宮本徹各衆院議員、井上哲士、吉良よし子の各参院議員、倉林明子参院議員秘書が出席しました。 "[he-forum 19611] しんぶん赤旗1/9","しんぶん赤旗 2019年1月9日(水) 非常勤345人守った 理研労のたたかい 雇い止めルール全廃へ決意新た  国立研究開発法人・理化学研究所(理研、本部・埼玉県和光市)では昨年、理研労働組合のたたかいで非常勤職員345人の雇い止めを撤回させ、無期 雇用転換へ道を開きました。新しい年を迎え、引き続き事務系職員の5年雇い止めと研究系職員の10年雇い止めルールを撤廃するまで頑張ろうと決意を新たに しています。(田代正則) 「続けたい」当事者の声が  理研は100年の歴史を持つ国内唯一の自然科学系総合研究所であり、ノーベル賞を受賞した湯川秀樹、朝永振一郎らが集い、「科学者の楽園」と呼ばれました。  その理研で2016年4月、研究を支えてきた非常勤職員を5年の契約上限で雇い止めにするルールが一方的につくられました。  改正労働契約法によって有期雇用が5年を超えて継続すると無期雇用に転換できるルールが18年4月から適用される前に、就業規則を変え、無期雇用試験で選別する仕組みを導入したのです。「雇用の安定」という法の趣旨に反するものです。  18年3月末で、契約上限に達するのは約500人。無期試験合格者は16年74人、17年47人とごく少数で、大量雇い止めが予定されていました。  理研労は雇い止めをやめるよう求めました。当局が誠実に話し合わないため、17年12月、科学技術産業労働組合協議会(科労協)とともに東京都労働委員会に不当労働行為救済を申し立てました。  金井保之理研労委員長は「撤回させたのは、当事者が働き続けたいと声をあげたことが大きかった」と振り返ります。  研究チームのアシスタントをしている40代の女性は、「営利企業ではない理研で働いていることに、愛着と誇りを持っています」と話します。研究員のスケジュールや研究費の管理、出張手続き、研究装置の発注などを担う業務です。  「年度替わりが、いちばん忙しい。私たちが雇い止めになれば、研究がストップします」と強調。絶対に撤回させると決意し、仕事を続けました。  組合が開いた非常勤職員の相談会では、雇い止めを強行されたら、裁判を起こして職場に戻ろうとの決意が相次ぎました。  全国大学高専教職員組合(全大教)、東京大学教職員組合、首都圏大学非常勤講師組合などと院内集会を開き、共同を広げました。  日本共産党の田村智子参院議員は18年2月1日の参院予算委員会で追及。林芳正文部科学相(当時)から「適切に対応するよう理研に伝える」との答弁を引き出しました。  理研当局側は2月19日の団体交渉で年度末の雇い止めを撤回する方針を表明。26日の職員説明会では「国会で議論があった」と説明しました。  就業規則そのものを改めさせ、研究系職員の10年雇い止めも撤回させるまで、たたかいは続きます。 論文数減 頭脳流出も  和光市駅から理研本部までの約1キロは、同所で発見された113番目の元素にちなんで「ニホニウム通り」と名付けられました。かつて米軍基地が返還されて理研本部になったことは地元の誇りとされています。  こうした大がかりな科学研究は、専門知識を持つ研究系職員がデータ解析や実験機器の設計・操作などで支えています。  ところが安倍政権は、財界大企業の要望を受け、2013年12月、任期付きの研究者は10年雇用継続するまで無期転換権の発生を先延ばしする法改悪を行いました。  理研では研究系職員に10年先延ばしを適用し、さらに2023年にはじまる無期転換を逃れるため、10年上限で雇い止めにするルールがつくられま した。田村議員の調査で、対象となる研究系職員は2122人(18年4月時点)にのぼり、毎年、大量雇い止めになれば研究が成り立ちません。  40代の男性は大学院を出て、当初、「研究員」に応募しました。希望の研究に任期付きのポストしかなく、「テクニカルスタッフ(職員)なら長く働 ける」とすすめられて、研究系職員になりました。「研究テーマが変わっても職員としてサポートを続けてきたのに、突然、10年で雇い止めだと言われても納 得できない」と訴えます。  男性は「国の政策で、人件費に充てる基盤的予算(運営費交付金)が少ないため、私たちは“物件費”の扱いです。研究予算の増減で、賃金カットや雇い止めが起こっています」と話します。  科学誌『ネイチャー』が17年8月に、理研のある研究の予算が43%カットされ、スタッフへの報酬と実験用マウスの維持費用が困難になっていると紹介。理研の予算が削減されていると警鐘を鳴らしました。  日本の科学論文発表数は03~05年の2位から、13~15年は4位に順位を下げました。質が高いとされる引用回数の多い論文数も4位から9位へ落ち込みました。  研究系職員のなかには、雇い止めになるのなら、AI(人工知能)開発などのIT企業に転職しようとする人も現れており、頭脳流出が起こっています。  男性は昨年11月21日、共産党の田村議員事務所と党和光市委員会が理研労を招いて開いたシンポジウムに参加しました。「理研関係者だけでなく、地域の人たちがたくさん参加してくれ、驚きました」と話します。  金井保之理研労委員長は、「日本の科学研究の発展のためにも、不当な雇い止めルール撤廃までたたかいます」と話しています。 "[he-forum 19612] 東京新聞社説 1/15","東京新聞 2019年1月15日 【社説】 国立大交付金 学問は「長い目」で見よ  国立大学を競争させることで「改革」を促す動きが今春、さらに加速する。評価に応じて国からの交付金を増減する枠が拡大されるのだ。「長い目」で学問を育む姿勢が薄れることを懸念する。  運営費交付金は、授業料などとともに大学の定期収入で、人件費や公共料金、備品代などに充てられ、研究や教育の土台を支えている。配分方法によっ て、大学のありようは大きく変わる。あらたな方針が本当に学生や研究者、地域社会などのためになるのか、注視していく必要がある。  教員数や学生数などに応じて配分されるが二〇〇四年の法人化以降減少傾向が続き、名古屋大と岐阜大が法人統合に向けて動きだすなど、スリム化の動 きも顕在化している。新年度の政府予算案では、一兆円余の交付金のうち、評価によって上乗せされたり減額されたりする傾斜配分の枠を現行の3%から10% に拡大。評価指標には外部からの研究資金や寄付金の獲得実績や、引用回数の多い論文数などが使われる。  評価による配分は今後も拡大していく方向で、安倍晋三首相は二二年度以降「交付金全体の配分方法の見直しを実現する」とも話している。  国立大学側は「毒まんじゅうの毒が身体に回って死んでしまう」(国立大学協会会長の山極寿一・京大学長)と猛反発してきた。評価によって増減する お金は人件費には使えない、というのが言い分だ。すでに若手研究者が正規採用されにくくなっており、不安定な研究環境に、梶田隆章・東大宇宙線研究所所長 らノーベル賞受賞者も懸念の声を上げている。  評価指標には若手研究者の比率や、外国人教員や女性教員など多様性の確保に努めているかなども含まれ、改革に資する部分もあるだろう。  ただ企業などからの外部資金の獲得実績となれば文系学部が苦戦することは目に見えている。少子化も踏まえて、教育学部の廃止などの検討に入っている大学もあり、卒業生を教員として受け入れている地方自治体側は神経をとがらせている。  人工知能(AI)が、人間の仕事を代替していく時代もいずれくるならば、人間とは何かが今より強く問われる局面も訪れるかもしれない。人文科学が答えを探すヒントを与えてくれることもあるだろう。性急に「役に立つ」学問ばかりを求めず、長期的な視点も大事にしたい。 "[he-forum 19613] しんぶん赤旗1/24","しんぶん赤旗 2019年1月24日 国立大の基盤崩す 国大協会長 19年度予算案批判  国立大学協会の山極壽一会長(京都大学総長)は23日、2019年度予算案についてコメントを発表しました。大学の規模や学部の種類で配分される 国立大学法人運営費交付金(1兆971億円)のうち1000億円を、政府の評価基準などで傾斜配分しようとしていることについて「国立大学法人の財政基盤 を不安定にするものであり、極めて残念」と批判しています。  同交付金をめぐって安倍政権は、各大学に配分した交付金から一定額を拠出させ、学部などの再編・統合といった「機能強化」の達成度合いで再配分す る仕組みを16年度に導入。短期的評価による不安定な財源措置によって大学運営に困難をもたらし、研究力低下の原因になっているとの批判があがっていま す。  財務省の財政制度等審議会は昨年10月、傾斜配分する額を交付金の10%に拡大するよう提言。国大協は「高等教育及び科学技術・学術研究の体制全体の崩壊をもたらしかねない」と反対する会長声明を発表したものの、安倍晋三首相の指示で押し切られる形になっていました。  23日に開かれた国大協の総会では「(政府の評価基準には)教育に関する評価の観点が全くない」(徳久剛史・千葉大学長)、「交付金を切り崩していくという思考が政府の根底にある。これが一番の問題だ」(島田眞路・山梨大学長)との意見が相次ぎました。 交付額内示遅れ 計画に支障  例年年明け前にされる国立大学法人運営費交付金の各大学への交付額内示が大幅に遅れています。同交付金は人件費などに充てられる国立大学の基盤的経費。国立大学関係者からは「来年度の計画が立たない」との声があがります。  文部科学省は内示の遅れについて、来年度から実施しようとしている交付金の「評価対象経費」の配分方法が決まらないことを理由にあげます。  評価対象経費は、交付金のうち700億円を外部資金獲得実績や若手研究者比率といった評価基準に基づいて傾斜配分するもの。本来、大学の規模や学部の種類で配分すべき交付金を、大学間で奪い合う「競争的資金」にいっそう変質させるものです。  国大協はじめ大学関係者が強く反対したものの、19年度予算案の閣議決定直前の昨年12月20日に開かれた「総合科学技術・イノベーション会議」 で、安倍晋三首相は19年度から交付金の1割を「経営改革」に取り組む大学に傾斜配分すると明言。官邸主導で予算案に盛り込みました。傾斜配分の総額は 16年度から実施している「機能強化経費」の300億円とあわせて1000億円に上ります。  ただ、大学側からの批判を受け、文科省は来年度については各大学の交付額が大きく変動しないようにすると説明してきました。内示の遅れの背景に、傾斜配分を主張する財務省の影響があるとの指摘もあります。  ある大学関係者は「前年度から交付額が大きく変われば人事採用や研究計画にも影響が出てくる」と懸念。別の大学関係者は「国が示す評価基準は教育 研究とは関係ないことばかり。40歳以下の若手研究者の比率を上げろというが、そのために、30代を任期付きで雇い40歳を超えたら雇い止めということも 起きかねない」と批判します。 "[he-forum 19614] 毎月勤労統計調査の不正に関する監察委員会報告書を読む1-4","高等教育フォーラム各位  毎月勤労統計調査の不正は,日本の労働経済についての情勢判断 を誤らせるもので,教職員労働組合にも重大な問題です。現在, 特別監察委員会の調査の中立性が問題になっておりますが,報告書 の内容から読み取れる限り,この不正の問題について分析いたし ましたのでご紹介します。 毎月勤労統計調査の不正に関する監察委員会報告書を読む (1)不作為の問題 https://riversidehope.blogspot.com/2019/01/blog-post_26.html (2)中立性の問題 https://riversidehope.blogspot.com/2019/01/blog-post_27.html (3)誰が不正を指示したのか https://riversidehope.blogspot.com/2019/01/blog-post_28.html (4)未復元の事実,復元を開始した事実を隠蔽したのではないか https://riversidehope.blogspot.com/2019/01/blog-post_29.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19615] しんぶん赤旗2/14","しんぶん赤旗 2019年2月14日(木) 大学の危機 市民と乗り越えたい ノーベル賞受賞者らフォーラム設立  ノーベル賞受賞者の梶田隆章、白川英樹両氏をはじめ51人の大学人の呼びかけで「大学の危機をのりこえ、明日を拓(ひら)くフォーラム」が設立され、13日、呼びかけ人らが文部科学省内で記者会見しました。  日本学術会議元会長の広渡清吾東京大学名誉教授は、基盤的経費の削減と大学の自主・自律性を奪う絶え間ない「改革」によって、大学全体が疲弊して いると危機感を示し、「国公私立の別を超え、市民と一緒に大学の現状や使命を考える場をつくり、政府の政策を変更させるような力を社会の中に形成していき たい」と設立の趣旨を述べました。  白川英樹筑波大学名誉教授は、「安易な成果を求める圧力があり、受験者を増やすための宣伝に時間を取られ、本分がおろそかになるという研究者の声 を各地で聞く。基礎研究に集中できない今のような大学では、私のノーベル賞はなかった」とのべ、「個人での活動には限界がある」とフォーラムに加わった理 由を語りました。  同フォーラムは、梶田隆章東京大学宇宙線研究所所長ら4人が講演する第1回シンポジウムを3月31日に東京・明治大学で開催する予定。シンポジウムのほか小規模の研究会なども行い、インターネットも活用して、政策を転換するために行動していくとしています。= "[he-forum 19618] 「大学の危機をのりこえ、明日を拓くフォーラム」呼びかけ文","「大学の危機をのりこえ、明日を拓くフォーラム」を社会へのよびかけ  1.いま、大学はさまざまな危機に直面しています    大 学の使命は、高等教育をつうじて学生に豊かな学びと人生の選択の機会を保障し、落ちついた自由な環境のもとで多様で独創的な研究成果を生み出すという知の 創造と継承によって、明日の社会づくりに貢献することにあります。しかし、大学はいま、これらの使命を果たすことを危うくするような、深刻な危機に直面し ています。    基盤的経費の削減による教育研究の土台の弱体化 第一の危機は、学術研究や高等教育の基盤を支える教育研究費が年々削減され、教育・研究をこれまでの水準で続けることさえ困難になっていることです。 国立大学の基盤的な経費である運営費交付金は、法人化が行われた2004年度以降系統的に削減され、2018年度には当初の約88.2%にまで落ち込んでいます。  私立大学に対する助 成も、「経常費の2分の1補助の速やかな達成を目指す」とした国会決議(1975年)にもかかわらず、1980年度の29.5%をピークに低下の一途をた どり、今では10%を割るに至っています。その結果、研究費が大幅に削減されたり、教育・研究に不可欠な定期刊行物の購読打ち切りを余儀なくされたりする などの状況が広く生まれています。人件費に充てることのできる安定的な経費が減っているために、教員が退職しても後任の採用ができず、その分野の研究者が 不在となることが少なくありません。若手研究者のポストも、任期のついた不安定なものが大半となりました。少なくない大学で、これまでには見られなかった ような教職員の一方的な雇い止めや解雇さえ横行しています。これらのことは、学部・大学院の教育や研究に打撃を与えるとともに、研究者をめざす人びとを減 少させ、大学のもっとも重要な役割のひとつである多様な学問の継承を危うくするという結果をもたらしています。 このような中で、研 究資金の配分のあり方をつうじて研究の方向性が歪められ、結果として研究の質と量の低下すらもたらされています。政府は、大学を競争的環境に置くことこそ が大学を活性化させる鍵だとして、運営費交付金を削減する一方、競争的な研究資金や寄付金などを「自ら稼ぐことのできる大学」になることを求めてきまし た。そのさい、大学を日本経済再生のための「科学技術イノベーション」の拠点にするという観点から、「選択と集中」という考え方にもとづいて研究資金を重 点的に配分する方向を強めてきました。  その結果、(1)人文・社会科学系よりも自然科学系、(2)基礎研究よりも応用研究、(3)長期にわたる研究が必要なテーマより短期的に結論が出そうなテーマ、が重んじられる傾向にあります。各大学における教育研究費の配分にも、このような傾向が反映しています。   このような政策の端的な帰結が、科学論文の量も質も低下し、国際的な順位を大きく落としていることに表現される「研究力」の低下、 とくに基礎研究の基盤の弱まりです。科学者自身だけではなく、社会の各方面から危機感をもって受け止められているこの問題の背景には、任期つきという不安 定なポストが増え、研究費が減少するなかで競争的な研究資金の獲得に追われ、研究内容もすぐに成果の出やすいものに傾きがちになっているなどの事情がある ことについても、大方の認識は一致しています。   不断の「改革」の押しつけによる大学の疲弊 第二の危機は、不断に「改革」を求めるかけ声のもとで、「大学ガバナンス」改革と称して大学にはふさわしくないトップダウン型大学運営が強化され、結果として大学全体が疲弊するに至っていることです。 国立大学では、大学 の自主性を高めるはずのものだった国立大学法人制度のもとで、上記のように基盤的経費である運営費交付金を漸減させて競争的資金などへの依存度を高めなが ら、政府が組織のあり方や人事制度についての「改革」の方向づけを与え、その方向づけに沿って「改革」を実行しているかどうかを評価し、評価にもとづいて 資金配分に差をつけるといくというやり方が、年々緻密化されてきました。大学内部では、そのような評価と資金配分のやり方に迅速に対応するために、学長を 中心とする大学執行部に権限を集中することが推奨され、学内における熟議と合意がおろそかにされています。 その結果もたらされ ているのは、目に見える数値化された目標の短期的な達成に慌ただしく追われる大学の姿です。このような企業的な「大学ガバナンス」のあり方は、多様な役割 をもち、成果がすぐには目に見えにくい大学における教育研究の性格、教育・研究の専門家集団としての教員が、一生涯にわたる学びの一過程にある学生や職員 とともに作り上げる大学のあり方にふさわしいものではなく、むしろ大学全体を疲弊させるものとなっています。 短期的な評価にもと づいて財源措置を不安定化させるこのような方向性をいっそう強化することに対して、国立大学協会は2018年11月、「国立大学法人制度の本旨に則った運 営費交付金の措置を!」と題する声明を出し、「高等教育及び科学技術・学術研究の体制全体の衰弱化さらには崩壊をもたらしかねないものであって、国立大学 協会としては強く反対せざるを得ない」と明確に主張しています。 しかも、財政誘導による「改革」の加速化とトップダウン型大学運営という手法は、それが適切なものだったか否かについての検証もなされないままに、国立大学から私立大学へと広げられようとしています。  2.明日に向かって問われるべきことは何でしょうか?   それでは、基盤的な教育研究費を確保し、研究資金配分の歪みをただし、大学全体の叡智を結集した大学運営のあり方を回復することをつうじて大学の危機を克服しつつ、明日に向かって問われるべきことは何でしょうか?  大学が大学である以上は備えるべきものは何かを踏まえながら、それぞれの大学が歩む道を自主的に定める 第1に、以上のよう な「改革」が推し進められている背景には、まがりなりにも中長期的な広い視野から大学政策を立案する役割を担ってきた文部科学省と中央教育審議会の地位が 低下し、首相官邸に政策形成に中心が移っているという事情があります。そのため、「科学技術イノベーション」の拠点、あるいは「地方創生」の拠点として大 学を位置づけるというように、経済政策的視点に傾斜した大学政策が次々に打ち出されてきました。その結果、大学間格差が広がり、広がった格差は国立大学で も私立大学でも大学の事実上の「類型化」として固定化されようとしています。それぞれの大学が自らの判断で特色を打ち出すことは必要です。しかし、政策に よって鋳型にはめようとすることは、大学のもつべき多様な役割、それぞれの個性を軽視することにつながりかねません。  2018年9月、日本私立大学連盟は「高等教育政策に対する私大連の見解」を発表し、「私立大学の『特性』と『自主性』を損なうこ とになりかねない高等教育政策が相次ぎ提示されている」と警告を発しています。重要なのは、大学が「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専 門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」(学校教育法)ことを改めて想起し、多様性を超えて、「大学が大学であ る以上は備えるべきものは何か」、ということを改めて考えることではないでしょうか。   大学における学びの場を量的にも質的にも確保し、学費負担の軽減によって機会均等を保障する  第2に、大学進学率はすでに十分なほど高くなったというわけではありません。短大を含む大学進学率は57.9%(2018年)に達 していますが、地域差が大きく、4年制の進学率では女子の方がかなり低いのも日本の特徴です。充たされていない進学への希望が少なからず残されているので す。社会人の学びなおしの要求もあります。したがって、18歳人口の減少という見とおしを安易に大学の淘汰に結びつけるのでなく、学びの場を量的に確保し てゆくことがなお必要です。量を確保すると同時に、大学進学率50%以上といういわゆるユニバーサル段階に入った大学教育はどのような質をもったものであ るべきか、それをどう確保するかについて、これからの社会のあり方と知のあり方をグローバルな視野で見とおしつつ、真剣に検討することも不可欠です。その さい、学生と家族が重い学費負担を強いられていることを直視しなければなりません。親からの仕送りは減り、アルバイトへの依存度が高まっています。有利子 のものを中心とした奨学金受給者の割合が上昇する一方、雇用形態が不安定になる中で、返済に苦しむ人びとも増加しています。  大学進学をあきらめた理由のひとつとして挙げられているのが経済的負担の大きさであることに見られるように、学費負担の軽減は、高等教育への機会均等という観点からも喫緊の課題です。   高等教育の費用は誰が負担すべきかを根本的に考え、公的支出の水準を引き上げる 第3に、「改革」を 論じるさいに、財政的制約が当然のように前提とされることが少なくありません。しかし、財政は未来に向けて何を重視するのかという選択の問題です。しか も、日本は高等教育に対する公的支出が国際的に見ても低いままにとどまり、個人負担の大きな国に属しています。充実した教育、そして研究には、費用がかか ります。公的支出の水準を引き上げ、そのための財源について、真剣に議論されなければなりません。   これらのことを、社会の変化とその方向を見とおしつつ、大学のはたすべき役割の根本に立ち返って問うことが求められています。  3.国公私の別を超えて、社会とともに大学の今と明日を考え、行動するための「フォーラム」を   大 学をめぐる課題は多岐にわたり、いずれも深い省察を求めるものです。しかし、個々の大学は、「競争的環境」の中で大学政策の求める要請に応じることに日々 追われています。大学政策に疑問があっても、それを形に表わし行動することが困難になっています。国立大学のあいだでも、置かれた条件の違いが拡大し、共 通の主張をまとめることは容易ではなくなっています。そのことは、私立大学ではいっそう強く当てはまります。だからこそ、国公私を超えて、大学の直面する 危機と課題にどのように立ち向かうかを議論する場が必要です。  一方、大学はどのような問題を抱えているのかについて、大学人の認識と社会の認識とのあいだにはズレがあることも否定できません。  大学人は大学の現状を社会に向かって伝えるとともに、これまでの自らのあり方についても真摯に反省し、社会は大学に対する疑問や期待を率直に語り、相互理解をめざすことが不可欠です。  このような状況に立ち向かうために、私たちは、大学の今と明日を考えるための議論を持続的に行なうための場として、「大学の危機を のりこえ、明日を拓くフォーラム」を設けたいと考えています。この「フォーラム」は、大学の現実を率直に見つめるとともに、明日に向かって確実に歩むため の道をじっくりと探り、社会に発信していきます。個別大学を超え、国公私立という設置形態を超えて共通の関心を育て、立場や意見の違いにもかかわらず一致 できる要求を明らかにすること、大学関係者だけでなく、受験生や大学生をもつ親の皆さん、中等教育関係者や、大学と広く市民社会とをつなぐメディア関係者 などともいっしょに考え、政策を転換するために行動することをめざします。 「大学の危機をのりこえ、明日を拓くフォーラム」発起人(五十音順) 井原 聰(東北大学名誉教授/日本科学者会議事務局長) 小沢 弘明(千葉大学副学長) 梶田 隆章(東京大学宇宙研究所長) 黒田 兼一(明治大学教授/前明治大学教職員組合執行委員長) 小森田秋夫(神奈川大学教授/元日本学術会議第一部長) 中嶋 哲彦(名古屋大学教授/前全国大学高専教職員組合中央執行委員長) 丹羽 徹(龍谷大学教授/前日本私立大学教職員組合連合中央執行委員長) 広渡 清吾(東京大学名誉教授/元日本学術会議会長) 増田 正人(法政大学常務理事・副学長) 【連絡先: E-mail:univforum7@gmail.com】 "[he-forum 19617] 毎日新聞2/14","毎日新聞 2019年2月13日 18時28分(最終更新 2月13日 18時29分) 「大学の危機を考えるフォーラム」発足 政府「改革」策の問題指摘  国内のノーベル賞受賞者らが、基盤的経費の削減などの大学が抱える問題を国公私大の枠を超えて考える組織「大学の危機をのりこえ、明日を拓(ひら)くフォーラム」が13日、発足した。3月31日に東京都千代田区の明治大でシンポジウムを開く。  東京都内で開かれた記者会見で、広渡清吾・元日本学術会議会長は、基盤的経費の削減で教育研究が弱体化し、国立大法人化などの政府による「改革」の押し 付けで、「大学が悲鳴を上げつつある」と指摘。大学に対する公的支出を増やし、学生の学費負担を軽減するなど「大学が直面する危機と課題を、大学人と市民 が広く話し合いたい」としている。  また、呼びかけ人の一人で2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹・筑波大名誉教授は、「私は大学では基礎に限った研究をやってきたが、ノーベル賞につながるような研究は今のような環境では無理だ」と窮状を訴えた。【酒造唯】= "[he-forum 19616] 時事.com2/14","時事.com 2019年02月13日19時51分 大学危機訴えるフォーラム=ノーベル賞学者ら設立  ノーベル化学賞を受賞した白川英樹筑波大名誉教授や日本学術会議元会長の広渡清吾東京大名誉教授らが13日、文部科学省で記者会見し、「大学の危機をの りこえ、明日を拓(ひら)くフォーラム」を設立したと発表した。大学の予算削減が続き、教育研究の土台が弱体化しているとして、政府の政策転換を目指す。  フォーラムは国公私立大の研究者や名誉教授ら約50人が呼び掛け人となった。3月31日に東京都千代田区の明治大で無料シンポジウムを開き、呼び掛け人 の一人の梶田隆章東大宇宙線研究所長(ノーベル物理学賞受賞者)が基礎科学の持続的発展を、山本健慈和歌山大前学長が地方国立大の現状を訴える。  白川氏は「小中高校生向けの講演や実験教室に取り組んできたが、高等教育、高度な研究が衰退を始めたという懸念を拭い切れない」と話し、ノーベル賞につ ながる研究を現在の大学の環境でできたかとの質問には「無理です」と答えた。(2019/02/13-19:51)= "[he-forum 19619] 現代ビジネス2/13","現代ビジネス2/13 いま理系の大学で増えている「ブラック研究室」という大問題 文系の人間が知らない「闇」 中屋敷 均 M君のこと 大学に職を得てから25年あまりになり、その間に多くの学生を社会に送り出したが、時に忘れられない印象を残す学生がいる。その一人が、M君だ。彼 が研究室に入ってきたのは、20年以上は前のことだろうか。背が高く、少しボーっとした印象を人に与えるM君が、ある日、〝事件〟を起こした。 理系の大学の研究室なら、大体どこでも「雑誌会」というゼミの時間がある。自分の研究に関連する英語の論文を抄録して、研究室のメンバーに紹介して 発表するというものだ。今はパワーポイントなどPCを使って発表するのが普通だが、M君がいた当時はB4の紙のレジメを配るスタイルが一般的だった。 M君はその日、雑誌会の抄録担当だったのだが、ゼミの教室に行くと彼のレジメだけない。どうしたのかな、と思っていたが、他の担当者の発表が終わ り、彼の番になると、彼は普通に前に出て教壇に立った。レジメなしで発表を始めるのかと思いきや、なんと彼は「論文を読んでいたのですが、間に合わず、で きませんでした!」と言って、頭を下げた。 私の教員生活はおろか、小学校以来の経験を顧みても、こんな〝発表〟は、後にも先にも、これ1回きりである。こういったケースは、通常、担当者が急 に「お腹が痛く」なったり「熱が出た」りして、1週間後に発表が延びるのが〝普通〟である。ちゃんとゼミに参加して、みんなの前に出てきて「できませんで した!」と謝るような学生は、空前絶後だ。 まじめな学生は「なんで、そんなことになるの?」という困惑の表情を浮かべ、当時、研究室にいた百戦錬磨のさぼりの常連たちの間にも「えっー、そんな手があんの???」と、その斬新さに衝撃が走ったという。 大学が持つ「2つの顔」 当たり前だが、大学にはいろんな学生がいる。優秀な研究者になりそうな学生もいれば、指示通りに丁寧に仕事はするが、自分で考えるのはちょっと苦手 という学生もいたり、また研究にはあまり興味がなく、最低限の労力で単位だけとって卒業すればいいという、さぼりの常連たちもいる。いろんなことをスルス ルとすり抜けてゆく優秀な学生がいる一方、M君のようにそういう〝優秀さ〟とは縁遠い学生もいる。 私は、M君のような不器用な真っ直ぐさが、嫌いではない。しかし、そんなやり方が社会に出て通用するはずもない。叱咤すべきなのか? 普通の大人 は、そういった時は「急におなかが痛くなるものだよ」と教えてあげるべきなのか? 悩んでしまう。大学の本来の役割は、研究機関というより、やはり教育機 関なのであろうと、思う。 この大学の二面性、つまり研究機関であり教育機関である、という属性は、時にコンフリクトを起こす。そして、教 員や大学の評価が厳しくなればなるほど、その軋轢が強くなっていくことが、少なくとも実験系の研究室では、今、起きている。一般にはあまり知られていない ようにも思うが、潜在的には深刻な問題であり、現場からの声として、この場で提起したい。 大学の研究室における「教育」の構図 大学における研究というのは、もちろん教員が主導しているが、実験系の場合、実際に手を動かしているのは、主に大学院生を中心とした学生である。外部資金を多くとっているラボだとポスドクと呼ばれる、給料をもらいながら実験する研究員がいる場合もあるが、全体とすれば数は決して多くない。 教員が実際に実験をすることも、若い助教を除けば、ごく少数の例であろう。私も一応まだ自分で実験をしているが、まとまった時間を取るのはなかなか難しいのが現実だ。大学の実験系研究室における、研究の主力は学生なのである。 このラボにおける〝主な労働力が学生〟という状況は、実に微妙なバランスで成り立っている構図である。学生は学費を払って大学に来ており、給料をもらっているわけではないので、基本的には何かを教わる立場であり、ラボの「労働力」として扱われるのは、本質的には筋違いだ。 つまり教員の主導する研究に従事することで、実験のスキルであったり、科学的なものの考え方であったり、物事の進め方であったりしたことを学んでいく、という理屈なのである。これが前提であることを、まずご理解いただきたい。 「子どもの貧困」問題 ここに、成果主義、「選択と集中」のようなことが導入されると、何が起こるか?  ひとつめの大きな問題は、「子ども(=学生)の貧困」問題である。「研究ができない」と烙印を押された教員は、研究費が得られなくなる。研究室で 「教育」を受けるために、学生に配分される実験経費は極めて少なく、筆者の属する機関であれば、年間、学部学生一人あたり7000円、修士学生一人あたり 2万円という額である。現在の生命科学分野における研究の常識からすれば、2万円では酵素1本買ったらおしまい、抗体なら買えない。事実上、何もできないということである。 つまり外部資金が豊富なラボに行った学生は、年間一人100万円くらい使って実験をしているような例も決して珍しくないが、貧乏なラボに行くと、で きることが極めて限られてしまう。「格差社会」が、「子どもの暮らし」に反映され、同じ学費を払っていても、「教育」の機会均等性が担保されないというこ とが生じる。 「外部資金を稼ぐ」ということ 「子どもの貧困」問題を解決するには、〝親〟が頑張るしかない。外部資金の獲得である。外部資金も科学研究費補助金のように、ある程度、研究者に 〝理解のある〟ものであれば良いが、企業との共同研究による委託研究費や研究助成金のような形になると、当然、期限までにきちんとした成果を出すことが求 められる。相手は営利団体であり、慈善団体ではないのだから、当然である。「できませんでした!」では、残念ながら済まない。 その成果は誰が出すのか? 教員は実際には実験をしていないのだから、もちろん学生になる。学生が研究するための、外部資金を稼いでいるのだから、 学生がやるのが当然だ、という考え方もあろうが、そんな研究ならしたくない学生もいるだろうし、なんだかマッチポンプというか、何のために学生が研究をしているのか訳が分からない状況である。 たとえ企業のための研究であれ、その中から学生が学べることもあるというのは理屈であり、あながち否定もできないが、それが大学における「教育」のあるべき姿なのか、議論の余地は大いにあろうかと思う。 「ブラック研究室」問題 このような状況の中で生まれてくる問題の一つが、「ブラック研究室」である。企業からの委託に限らず、外部資金は教員が外部に向けて何かを「やりま す!」と宣言して獲得してくるものであり、評価が厳しい外部資金であれば、年に何回も成果発表会がある。予算を獲得した教員には、社会的な責務が生じ、計 画通りに研究が進んでいるのか発表しなければならない。 本来、そうして請け負った課題の成果を出す責任は、学費を払って「教育」を受けている学生にはないのだろうが、実際に実験をしているのが学生なのだから、教員を介して、当然プレッシャーをかけられることになる。そして、そのプレッシャーは、教員の人柄によっては、強迫的なものや陰湿なものとなり、いわゆる、ブラック研究室化が起こってしまうのだ。 より正確に言えば、これは外部資金の成果報告だけに限らない。教員の業績は論文などのアウトプットによって評価されるが、評価のプレッシャーが強くなれば、「もっとデータを出せ」という圧力は、必然的に学生に向かうことになる。 学生を無償の労働力として、長時間研究することを強いたり、各種の評価、単位や卒業要件などの教員の権限を使って、学生の行動を厳しく管理するようなことになる。学生は〝放っておけば怠ける〟のが常であり、教育的指導は実際ある程度、必要なだけに、この問題は悩ましい。 しかし、教育的指導は、結果がどうあれ、学生が努力していれば、それを認めてしかるべきだが、教員が本当に欲しいのは、成果、つまり望ましいデータということになると、話が違ってくる。 失敗して成果がでない場合はもちろん、結果が出ても、教員の思うようなデータでないと、学生を叱咤し、その結果を認めないようなことが起きてくることも、しばしば耳にする。 この「ブラック研究室」化は、一見アクティビティーの高い「優秀な」教員のラボで、むしろ起こりやすいのが特徴である。 教員には、「教育」の名の下に、ある意味、学生を「支配」する権限が与えられている。それを本当に学生のために使えば、教育なのであろうが、自分のために使うようになれば、「ブラック研究室」である。 ただ、口で言うのは簡単だが、現実にはその二つの要素が個々の事項によって微妙なグラデーションで絡み合っており、線引きはかなり難しい。教育と研究、利他と利己のはざまで、悩み、揺れ動いているのが現実の大学教員である。その背中を少し押せば、転がり落ちることは容易に起こってしまう。 「デ・リクルート」問題 これがさらに発展してくると、研究室に入ってくる学生を、教員が選り好みするようなことが起こってくる。 現実の学生は個性も様々で、大学に入ってくる目的も違っている。研究に情熱を持ってくれる学生が研究室に来てくれれば、教員は皆ハッピーだが、中に はたとえ愛すべきキャラクターであっても「できませんでした!」と言ってくる学生もいる。もちろん百戦錬磨のさぼり学生も、学年に必ず数人はいる。 こういった〝手のかかる〟学生は、研究という面からみれば、実際扱いが大変である。えてして、データを出してくるのが遅い上に、その質も低いので、 結局、信頼できる学生や自分でやり直さないと公表できるものにならないのが常である。時間だけとられて「何も成果が出ない」ということは、私もこれまでに 多く経験している。 学生は「教育」を受けるために、研究室で研究に従事しているはずなのに、教員は「被教育者」ではなく、「戦力」が欲しいのだ。特に短兵急に「成果」が求められれば、そうなっていく。 「研究に興味のない学生は、うちの研究室には来ないで欲しい」 「厳しさに耐えられない学生は来てもらわなくて結構」 そういった有形無形の圧力を、教員が学生に伝えるようなことが起きてくる。リクルート、いやむしろデ・リクルートとでも呼ぶべき所業である。 また、研究室に分属後も、研究内容に対する学生の興味の問題ではなく、「厳しさに耐えられない」「教員とうまくやっていけない」といったことで、学 生がドロップアウトする例も少なくない。そういった学生を受け入れる〝駆け込み寺〟のようなラボも、現実には出てきている。うまく言えないが、いろんな学生がいるように、教員にもいろんな教員がいて、大学は成り立っている。皆が目を吊り上げて「成果」を目指すようになれば、居場所をなくす学生が現実には出てくるだろう。 教育機関としての大学 こういった趨勢が、教育機関としての大学にとって望ましいことかどうかは、論を俟たないであろう。正確に言えば、こういった問題の多くが、成果主義の導入以前から、大学には潜在的に存在していたようには思う。しかし、拙著『科学と非科学――その正体を探る』(講談社現代新書)でも触れたように、昨今、こういった問題がより深刻化していることは間違いのないことである。 〝お金を取ってくる〟ことが至上の価値のような成果主義が横行し、大学の教員が皆、その方向を向くようになれば、もともと微妙なバランスの上になりたっていた研究機関としてのわが国の大学の仕組みは、根本から崩壊することになりかねない。 大学は研究機関であると同時に教育機関であり、教員への厳しい成果主義の適用は、学生へのプレッシャーにすぐに転嫁される。しかし、本来学生にはそんなプレッシャーを背負う責任はないのだ。なんと危うい構図であろうか。 具体的な方策を提言させてもらえるなら、少なくとも実験系の学部では、学生の実験に必要な実習経費を実態に合わせて増額することである。バラマキ的 に教員研究費を増やすというのではなく、指導している学生の数に応じて、卒業論文や修士論文の研究に使う経費をある程度、リーゾナブルな金額で配分するこ とは、教育機関として実際に必要なことである。 先端の研究をするには、とても足りない額ではあろうが、そのことで「悪くとも研究を続けられる」という心の余裕が、教員に与えられる。その余裕が、教育には本当に必要なのだ。 エール 今でも、時々、M君のことを懐かしく思い出す。僕は彼を、そして彼が起こした「事件」を一生忘れることはないだろう。あの時、虚をつかれた僕は、唖然としたまま、実際は何も言えなかった。 自分はどうするべきだったのか? 「彼の未来のために、きちんと叱ってやるべきだった」――そんな反省もある。しかし、彼の不器用な愚直さを、僕は どこかで認めてあげたいと思っているのだと思う。そのままで良いとは言えないが、何か違う形で、大切にしろ、とどこかでエールを送りたい。大学という場所 は、成果を求めるだけでなく、そんな所であって良いような気がするのだ。 それができなくなったら、大学は死んだも同然だ。 "[he-forum 19621] 国立大理事へ出向半減 文科相、行政の透明性確保(2/15 日経電子版)","国立大理事へ出向半減 文科相、行政の透明性確保 2019/2/15 18:49 日経電子版 柴山昌彦文部科学相は15日の閣議後記者会見で、文科省から国立大学の理事への出向を減 らす案を公表した。2004年の国立大学法人化から15年がたち、各大学の自律性を高めるの が狙いとしている。出向者が就いているが4月に交代となる理事ポストのうち、新たな出 向者を出すのは半数程度にとどめる。大学関係者らの意見も踏まえ3月中に正式に決める。 同省が決めている運営費交付金の国立大各校への配分の透明性、公正性を高めることも狙 いに挙げた。柴山氏は「出向は現場を熟知し、培った現場感を生かす意義はあるが、行政 の透明性について疑義をもたれかねない面もある」と述べた。 同省職員は現在、国立大全86校のうち76校に76人が理事として出向している。30人前後が 定年などで4月に交代する見込みで、新たに出向させるのはこのうち半数程度にする。残 りの大学が、学内に適任者がいないなどの理由で希望した場合は事務局長、副学長などで の出向を検討する。 課長・部長級の幹部職員としての出向も段階的に縮小する。それ以外のポストでは若手・ 中堅を中心に人事交流を続ける。 幹部職員が汚職事件で相次ぎ逮捕・起訴された事件を踏まえ、省内の人事改革案も公表し た。管理職を対象に、上司だけでなく部下からも評価を受ける「360度評価」を本格導入 し、総合職・一般職といった採用区分や入省年次にとらわれない人事を進める。 "[he-forum 19620] 文科相、国立大への出向を削減する私案(2/15 朝日新聞Web版)","文科相、国立大への出向を削減する私案 相次ぐ不祥事で 2019年2月15日13時22分 朝日新聞Web版  柴山昌彦文部科学相は15日の会見で、国立大へ理事や幹部職員として出向する文科省 職員の人数を大幅に減らす私案を発表した。今年4月に交代する理事の出向は半減を目指 し、課長級以上の職員も段階的に縮小する内容。柴山氏は「国立大との人事交流は行政の 透明性に疑義を持たれかねない」と述べ、相次ぐ不祥事で失墜した文科省の信頼回復のた めにも必要だと説明した。  文科省によると、昨年4月現在で国立大に理事として76人が、課長級以上の幹部職員 として約200人が出向している。柴山氏は「出向で培った現場感覚を文科行政に反映さ せる意義はある」としつつ、大学の自律性や国立大学と国の関係も考慮すると、見直すべ きだと述べた。今後、有識者会議の意見も聞きながら人事を進めるという。  国立大は2004年に法人化されるまで、教職員が国家公務員として文科省の人事で異 動していた。その後は独自採用を増やしてきたものの、文科省との人事交流を続けてきた。 ただ、関係性が問題視されることもあり、昨年には文科省幹部が全国の国立大学に、病死 した同省職員の遺族への寄付金を募っていたことなども明らかになった。(増谷文生) "[he-forum 19622] 経団連の「就活ルール」廃止と「提案」をどう受け止めるか","高等教育フォーラム各位  『全大教新聞』第356号,2019年2月10日に寄稿した 「経団連の「就活ルール」廃止と「提案」をどう受け止めるか」 のテキストを公開いたしました。 https://riversidehope.blogspot.com/2019/02/blog-post_22.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19623] 大学職員に同一労働同一賃金はあり得るのか。そして正社員に年功賃金のある企業では","高等教育フォーラム各位  「大学職員に「同一労働同一賃金」はありえるのか?」というネット記事についてのノートを書いていたのですが,これが大学だけの問題ではなく,正社員に年功賃金の慣行があるすべての企業に起こる問題だと思い至りました。私見では原理的に解決困難な問題であり,来年の4月の「働き方改革」関連法(非正規労働者の均等・均衡処遇部分)施行に向けて,大学でも企業でもよく検討しておかないと混乱に陥ると思うのですが,いかがでしょう。 https://riversidehope.blogspot.com/2019/03/blog-post.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19624] しんぶん赤旗4/5","しんぶん赤旗 2019年4月5日(金) 大学 疲弊させる「改革」 畑野氏、政府の方針を批判 衆院委  日本共産党の畑野君枝議員は3日の衆院文部科学委員会で、柴山昌彦文科相が2月に発表した「柴山イニシアティブ」について質問。大臣は、成果に応 じた「手厚い支援」と「厳格な評価」で大学の教育、研究、ガバナンス改革を促進するために修学支援法案と学校教育法等改正案を提出したと述べました。  畑野氏は、「柴山イニシアティブ」が、「世界をけん引するトップ大学群」と「地域や専門分野をリードする大学群」の二つの類型にまとめようとする ことについて、「財界が求めている大学像と、うり二つだ」と指摘。ノーベル賞受賞者の梶田隆章東大宇宙研究所所長や白川英樹筑波大学名誉教授らが参加する 団体が、企業的なガバナンスを大学に持ち込む政府の「大学改革」は、大学の教育・研究の性格にふさわしくなく、大学を疲弊させるものと述べていることを紹 介し、「柴山イニシアティブ」を批判しました。  畑野氏は、学校教育法を改正し、大学の自主的取り組みである認証評価に大臣の関与を認め、評価結果を大学の運営費交付金の算定に影響する法人評価 に反映させるようにすることは「認証評価の趣旨に反する」と批判。文科省の伯井美徳高等教育局長は「これまでの制度の趣旨を変えるものではなく、資源配分 に結びつくものではない」と述べました。  また畑野氏は、私立学校法の改正に関連し理事長・理事会の権限強化の根拠とされてきた2014年の施行通知の撤回を求めました。 "[he-forum 19625] 「破壊的イノベーション」の意味を取り違えている内閣府総合科学技術・イノベーション会議の「ムーンショット型研究開発制度」","高等教育フォーラム各位  現在,内閣府総合科学技術・イノベーション会議が「ムーンショット型研究開発制度」なるものを推進していますが,そこで「破壊的イノベーション」の概念が全く取り違えられています。この会議は,現在の社会で求められているイノベーションのあり方や,そのプロセスについて,著しく偏った理解を持っていると言わざるを得ません。こうした偏った理解で何を大学に求めてくるかは非常に心配なので,拙文をご紹介します。 「破壊的イノベーション」の意味を取り違えている内閣府総合科学技術・イノベーション会議の「ムーンショット型研究開発制度」 https://riversidehope.blogspot.com/2019/04/blog-post_6.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19626] 東京新聞 2019.4.9","東京新聞 TOKYO Web https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201904/CK2019040902000157.html 【経済】 <働き方改革の死角>正社員なのに低賃金層拡大 何年勤めても給料上がらない 2019年4月9日 朝刊  正社員なのに何年勤めても給料が上がらない-。定期昇給制度のない業種が増えている。従来常識では正社員なら年齢や経験とともに賃金が上がる。だが、介護関係や、販売店員などサービス業では正社員で長期間勤めてもわずかしか昇給しない状況が厚生労働省が三月末に公表した賃金構造基本統計調査(二〇一八年)で鮮明になった。政府は「同一労働同一賃金」を掲げ、非正規社員の待遇を正社員に近づけると言うが、実際には正社員「低賃金層」が急拡大している。 (渥美龍太)  「この業界では、寿退社の意味が普通と違います」。さいたま市の介護事業所で正社員のケアマネジャーとして働く女性(54)は言う。通常は結婚を機に、女性が育児に専念するなどで退社する意味。だが、介護業界では、結婚や出産でお金がかかるようになると、男性も女性も収入増を求め転職していく。「それほど給料は低く、ずっと上がりません」  女性が五年間の給与明細を取り出した。四年前の月額二十三万円が今は二十万円にむしろ減っている。  人を支える仕事がしたいと、資格を取って働いてきた。介護士ら約二十人を束ねる責任者として午前九時から午後九時まで毎日十二時間働く。十四年目になるが、定期昇給制度はなく、技能向上も反映されない。やりがい重視で低賃金に耐えてきたが、「これほど上がらないとは」。周りの人は次々辞めていく。「やりがいだけでは限界がある」  ◇   高齢化に伴い介護福祉業界で、働く人は急増しており、労働力調査によると二〇一八年時点で四百二十二万人。〇三年から二・二倍以上に。にもかかわらず、正社員でずっと勤めても賃金は横ばいだ。  ほとんど昇給しないのは介護だけではない。賃金構造基本統計によると、販売店員の男性は二十代前半から四十代のピークまで約十万円しか上がらない。保育士はほぼ横ばいだ。  昇給制度がある自動車組立工場で働く男性は右肩上がりで昇給するが、自動車など製造業で働く人は〇二年の千百万人が一八年の一千万人まで百万人減少、雇用の場として縮小する。  昇給がなく、一つの会社に勤め続けるメリットが薄れる中、転職に活路を見いだそうとする人も。東京都国分寺市の自動販売機設置会社の正社員の男性(33)は、正社員として就職した料理人を振り出しに派遣の工場労働者、太陽光パネル販売など六つの職を経験してきた。だが、正規、非正規にかかわらず全て時給換算で千~千二百円。「子供が大きくなった時、お金が足りるか」。不安がよぎる。  都留文科大の後藤道夫名誉教授の試算では、一七年時点で正社員でも一割の人が最低賃金の三割増し未満の低賃金で働く。同名誉教授は「非正規だけでなく正社員にも低所得者が急増していることに目を向けるべきだ」と警鐘を鳴らす。 ===========================================- N.B.: この記事は中日新聞2019.4.9 p. 30に掲載 "[he-forum 19627] 過度なトップダウンの弊害としての東京福祉大学問題","高等教育フォーラム各位  東京福祉大学において研究生としての留学生を大量入学させ,所在不明者を生み出した問題について。この問題の一つの重要な側面は,過度なトップダウンの弊害ではないかと思い,以下を書きました。ここで触れている事実は,みな公表されている資料からわかることです。 「東京福祉大学問題から見える,歯止めなきトップダウンのダメさ加減」Ka-Bataブログ,2019年4月13日。 https://riversidehope.blogspot.com/2019/04/blog-post_13.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19628] しんぶん赤旗4/16","しんぶん赤旗 2019年4月16日(火) 学術研究予算の「選択と集中」 研究力低下は明らか 田村氏追及  日本共産党の田村智子議員は15日の参院決算委員会で、学術研究予算の「選択と集中」が大学など研究機関を疲弊させ、研究力を低下させていることを示し、「政策の方向性が間違っている」とただしました。  安倍政権は、特定の研究分野への集中的な予算配分や国立大学等への運営費交付金の傾斜配分で学術研究予算の選択と集中を一層加速させてきました。 ところが、論文数の国際比較では、主要国で日本だけが停滞・減少、とりわけ国が直接予算措置をしている国立大学の論文数が減少しています。日本の主要大学 は2004年からすべて世界大学ランキングで順位を落とし、17年にはトップ100に2大学入っただけです。田村氏は「国際的にみた研究力の低下は明らか だ」と追及。内閣府の平井卓也担当相は「日本の研究力が相対的に低下していることに危機感をもっている」と認めました。  さらに、田村氏は、選択と集中によって地方国立大学の資金が落ち込み、教育・研究を維持する限界点を超えていると指摘。国策にかなう研究プロジェ クトに予算を集中投下することが若手研究者の自由な研究を阻害していると指摘されていることも示し、「基盤的経費である運営交付金が増えなければ、安定的 なポストは増えない」と強調しました。  柴山昌彦文科相は「運営費交付金が減ってきたことで特に地方の国立大学が経営の危機にひんしている。指摘も踏まえ、財務当局に運営費交付金のさらなる確保を働きかけたい」と述べました。 "[he-forum 19629] 研究活動の停滞は大学院教育を停滞させる","高等教育フォーラム各位  東北大学の川端です。文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査に対して,国立大学関係者の多数が「研究活動の停滞が教育活動も停滞させる」旨を回答していることが報じられています。当方は大学院生が指導下に多数おりますので,大学院の実情に即して考えてみました。なお,文科系で,数理的でなく,主としてインタビューによる実態調査に基づく研究をすることが多い分野ですので,そこに特有の事情がございますことをご承知おきください。 「研究活動の停滞は大学院教育の停滞も招く」 https://riversidehope.blogspot.com/2019/04/blog-post.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19630] 「特定技能」外国人労働者を受け入れる際の日本語の基準について","高等教育フォーラム各位  「日本語能力試験N4を基準に「特定技能」外国人労働者を受け入れるのは無茶だ」という記事を書きました。直接に大学問題ではないのですが,皆様であれば留学生と日々接していて,日本語能力から来る諸問題に直面していると思いましたので,ご紹介します。改正入管法成立以来,他の問題に追われて政策の具体的なところを追いかけられなくなってしまったので,的外れなことを言っているかもしれません。外国人労働問題や日本語教育に直接携わっている方から,ご意見を賜れると幸いです。 https://riversidehope.blogspot.com/2019/04/blog-post_19.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog http://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19631] 福井新聞社説論説4/22","福井新聞HOME 論説 成果相次ぐ天文研究 基礎重視の機運つくろう  【論説】日本を含む国際チームがブラックホールを画像化することに成功した。天文学や宇宙探査では近年、大きな成果が続いている。太陽系外の多数の惑星発見、重力波望遠鏡によるブラックホール合体の観測、探査機「はやぶさ2」の小惑星探査などである。  これらは、そのときには大きな話題となるが、若い研究者が置かれた境遇は、決して恵まれたものではない。「何の役に立つか」が重視されすぎ、とも すると基礎研究が軽んじられる日本の科学行政の弱点といえる。天文学に限らず、科学の将来を創出する長期的視点を政府は持つべきだ。  M87銀河の中心にあるブラックホールを捉えた今回の観測は、技術面で歴史的な成果をもたらした。世界6カ所の電波望遠鏡による観測データを合成し、口径約1万キロもの電波望遠鏡に匹敵する高精度画像を生み出したのである。  では科学的にはどんな成果があっただろう。基礎研究の一つであり「ロマンあふれる話」だが「役に立たない」と言う向きもある。それは正しいだろうか。  ブラックホールの研究によって物理学は飛躍的な発展を遂げる可能性がある。一例が、ブラックホール内部に存在が想定される「ワームホール」という 構造を制御することでタイムトンネルをつくったり、ブラックホールからの粒子放出を利用しエネルギーを取り出したりする研究だ。必要な技術が開発されるの は遠い将来かもしれないが、いずれも理論上は可能とされている。  過去には宇宙観測が社会貢献を果たした実例もある。宇宙物理学者の柴田一成氏は、太陽の観測データから磁気嵐発生を予測し、電力会社の大規模なリスク回避につなげた。基礎研究は将来のために必要であるし、また、「役に立たない」ものでもない。  ところが、日本の国立大は大学院重点化で大学院生は増えたものの、将来を担うべき若手研究者が分野にかかわらず安定した職に就けない状況が続いて いる。博士となっても30代、40代は任期に限りがあるポストしか得られないことが多く、企業に就職したり、海外の研究機関に転出したりしている。  改善の近道は、国の運営費交付金の増加だ。しかし、政府はこれに否定的である。交付金の在り方に財務省の意向が強く働いていることが一因だろう。 国は、教育研究評価によって配分する枠を増やしているが、成果が見えやすいものに偏りがちとの見方がつきまとう。科学の未来を考えれば、この状態を放置し ていいはずがない。日本の多くのノーベル賞受賞者が同様の指摘をしている。政府は耳を傾けるべきだ。= "[he-forum 19632] 「ジョブ型」通年採用は「仕事に即した処遇」と「年齢不問」を意味することは認識されているか","高等教育フォーラム各位  経団連と,就職問題懇談会座長,国大協会長や私大連会長などがつくる「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が中間とりまとめと共同提言を発表しました。予想以上に踏み込んだ論点もあってこれから検討したいのですが,現時点でどのメディアもふれていない,「もしかして忘れてない?大丈夫?」という点を二つだけ大急ぎでブログに書きました。 1.「ジョブ型採用」したらジョブ対応の処遇にしなければならないことはわかっているのだろうか? 2.「ジョブ型採用」だと「年齢不問」で学生たちと転職・中途採用希望者がガチンコ競争することになるのはわかっているのだろうか? の2点です。とくに大学人は2をうっかり見落としがちです。ご検討いただけると幸いです。 https://riversidehope.blogspot.com/2019/04/blog-post_23.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog http://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- "[he-forum 19633] しんぶん赤旗4/26","しんぶん赤旗 2019年4月26日(金) 企業の研究を肩代わり 畑野氏 「大学改革」の見直しを  日本共産党の畑野君枝衆院議員は11日の衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会で、官邸主導で科学技術の研究・開発を推進する「統合イノ ベーション戦略」による「大学改革」は、時間と資金が必要な基礎研究をせずに、大学の研究成果を活用しようという経団連の要望に基づくもので、「企業の基 礎研究を大学に肩代わりさせるものだ」と批判しました。  畑野氏は、研究力の指標であるTOP10%補正論文数(他の論文から引用される回数の多い論文数)の日本のシェアの減少は、企業論文数の低下が要 因だと指摘。平井卓也科学技術政策担当大臣も、「企業は成果の出やすい研究に注力し、基礎研究に力を割けなくなっている」と認めました。  畑野氏は、国立大学の運営費交付金のうち、「大学改革」の進捗(しんちょく)に応じて傾斜配分される評価対象経費を3%から10%に引き上げたこ とを批判。畑野氏は、玉上晃文科省大臣官房審議官が、新たな評価指標の「若手教員比率」に任期付き教員が含まれると答弁したことに、「不安定な研究環境を 拡大して、基礎研究をがんばれるわけがない。基礎研究の場を大学から奪うような大学改革は見直すべきだ」と主張しました。= "[he-forum 19634] 朝日新聞5/15","朝日新聞 2019年5月15日05時00分 40代、貧困ポスドクの悲哀 時給バイト以下、突然クビ  編集委員・真鍋弘樹 ロスジェネはいま  《大きな研究成果を上げ、将来を期待されていたにもかかわらず、多くの大学に就職を断られて追い詰められた女性が、43歳で自ら命を絶った。そん な記事が4月、朝日新聞に掲載され、大きな反響を呼んだ。自らも教育学で博士号を取得している舞田敏彦さん(42)は、その気持ちを「痛いほど分かる」と 語る。大学院で学び、研究職に就くことを望みながらも、安定した職と生活が得られない。ロスジェネ世代の博士たちもまた、不安定雇用の壁に苦しんでいる》 ? 「家族と安定がほしい」心を病み、女性研究者は力尽きた  たいへんショックを受けました。私自身、大学院で博士号を取った後、5校ほどで非常勤講師を務めながら、40校以上の大学教員の職に応募しました。しかし、30代も後半になるとなかなか難しい。  「貴意に沿えず」という返事を何度も受けていると、精神的に追い詰められます。方向転換するよう親に諭されましたが、諦められませんでした。  1990年代の大学院重点化政策で博士が急増したのに、大学での働き口が絞られている。今、大学で教える人の3人に1人は非常勤講師と言われています。大学は人件費削減のために常勤の教員を減らしたわけで、その意味では非正規雇用に苦しむロスジェネと重なるかもしれません。  非常勤講師の採用面接では、給与について怖くて聞けないんです。「もし給与について知りたいなら、他の人に頼みます」と言われたことすらある。  現実は、週1コマの授業を月に4回担当して、月収3万円です。授業の準備をし、学生の質問に応じる時間を合わせると、学生アルバイトの時給以下で、ボランティアや名誉職に近い。 就職氷河期に社会に出た世代に、「ロストジェネレーション」と名付けたのは、朝日新聞です。40歳前後となったロスジェネは今も不安定雇用や孤立に向き合っています。生き方を模索する姿を伝え、ともに未来を考えます。 ? 【特集ページ】ロスジェネはいま  それも数年前、40歳になった年に契約を切られました。若い人に代わって欲しいという理由で、複数の大学から同じことを言われた。日本ではすぐに年を聞かれますが、人間の価値は年齢で決まるんでしょうか。ロスジェネが就職しにくい理由はそこにある。  今は高度フリーランスという働き方を目指し、文筆で独り身を養っています。博士課程の時に受けていた奨学金は、今も月に3万円ずつ返しています。  《研究職を志して努力を重ね、博士号まで取得した学究をまるで使い捨てにするような日本社会。ロスジェネ世代の少なくない人々が、非正規雇用によって十全に能力を発揮できていない姿と、二重写しになる》  博士号を持っている人が、学問とは関係のない小売りや警備のアルバイトをしているという話をよく聞きます。講師をする大学の教え子がアルバイト先のコンビニに買いに来たなんていう悲哀もあるそうです。  うちの近くのスーパーが人手不足で募集をしており、履歴書を無料で配布している。もし、履歴書を提出する必要がなかったら、僕も応募したいぐらいです(笑)。さすがに博士号を持っていてスーパーのパートに応募したら、店側も身構えるでしょうが。  一人暮らしを18歳から続けて、25年になります。婚活をする気にはなれず、賃貸住宅なのでペットも飼えない。人と面と向かって話すことすら、この取材が久しぶりです。人間関係上、孤立していることもまた、ロスジェネの大きな問題だと思う。東大教授の玄田有史さんが提唱する「スネップ」(SNEP:Solitary Non-Employed Persons=孤立無業者)という言葉を連想します。  日本年金機構が公的年金加入者に送付する「ねんきん特別便」で、自分がもらう予定の受給額を見てみると、笑ってしまうほど少ない。家賃にもなりません。これでは、老後もフリーでずっと働き続けなければいけないと思っています。この世代を虐げている国には、重い責任がある。 「レールに戻す」がいいのか  《40歳前後、アラフォーとなったロスジェネたちは、今も不安定な雇用や低賃金に苦しむ。国はたびたび、再チャレンジや再設計などと対策を打ち上げるが、この世代を救うために必要な視点とは何か。舞田さんの考えを聞いた》  今はインターネットで様々な統計データが手に入るため、大学にいなくても調査や研究ができる時代です。ロスジェネについても自分でも調べてみましたが、賃金構造基本統計で2017年と10年とを比べると、40代だけが賃金が下がっていました。貯蓄率も低い。生まれた年、大学を出たタイミングでこうも差が出るのかと思います。  郷里の鹿児島で同窓会に出た時には、同級生がみんな愚痴っていました。地元の国立大学を出ても正社員になれず、後から挽回(ばんかい)もできずにずっと非正規を続けているという人がいます。どん底の世代です。  安倍政権の経済財政諮問会議による新しい命名は、「人生再設計第1世代」ですか。再設計で正社員というレールに戻そうというのでしょうか。  非正規や無業が続き、20年間も社会の片隅に置かれて、精神的に病んでいる人もいます。フルタイムで働くことが当然だとされていますが、もっと緩い働き方を認めてもいいのではないか。日本ではパート労働が一人前の働き方とは認められない傾向があります。当のロスジェネ世代の中には、正社員にこだわるわけではなく、人並みの給与と社会保障を望んでいるだけという人もいると思います。  果たして、この世代を、「レールに戻す」のがいいのでしょうか。既存のレールに戻すのではなく、社会のレール自体を変える必要があるのだと思います。  まずは、正規、非正規という区分を変えなければいけない。ぼろぼろになった「昭和のレール」を平成で変えられず、そのツケを回されているのだと思う。昭和的なものを無理に存続させようとして、その犠牲になっている可視的な存在が、ロスジェネなのではないでしょうか。      ◇  舞田敏彦(まいた・としひこ) 教育社会学者。1976年生まれ。東京学芸大学大学院博士課程修了。博士(教育学)。専攻は教育社会学。著書に「データで読む 教育の論点」(晶文社)など。(編集委員・真鍋弘樹) " [he-forum 19634] 朝日新聞5/15 朝日新聞 2019年5月15日05時00分 40代、貧困ポスドクの悲哀 時給バイト以下、突然クビ  編集委員・真鍋弘樹 ロスジェネはいま  《大きな研究成果を上げ、将来を期待されていたにもかかわらず、多くの大学に就職を断られて追い詰められた女性が、43歳で自ら命を絶った。そん な記事が4月、朝日新聞に掲載され、大きな反響を呼んだ。自らも教育学で博士号を取得している舞田敏彦さん(42)は、その気持ちを「痛いほど分かる」と 語る。大学院で学び、研究職に就くことを望みながらも、安定した職と生活が得られない。ロスジェネ世代の博士たちもまた、不安定雇用の壁に苦しんでいる》 • 「家族と安定がほしい」心を病み、女性研究者は力尽きた  たいへんショックを受けました。私自身、大学院で博士号を取った後、5校ほどで非常勤講師を務めながら、40校以上の大学教員の職に応募しました。しかし、30代も後半になるとなかなか難しい。  「貴意に沿えず」という返事を何度も受けていると、精神的に追い詰められます。方向転換するよう親に諭されましたが、諦められませんでした。  1990年代の大学院重点化政策で博士が急増したのに、大学での働き口が絞られている。今、大学で教える人の3人に1人は非常勤講師と言われています。大学は人件費削減のために常勤の教員を減らしたわけで、その意味では非正規雇用に苦しむロスジェネと重なるかもしれません。  非常勤講師の採用面接では、給与について怖くて聞けないんです。「もし給与について知りたいなら、他の人に頼みます」と言われたことすらある。  現実は、週1コマの授業を月に4回担当して、月収3万円です。授業の準備をし、学生の質問に応じる時間を合わせると、学生アルバイトの時給以下で、ボランティアや名誉職に近い。 就職氷河期に社会に出た世代に、「ロストジェネレーション」と名付けたのは、朝日新聞です。40歳前後となったロスジェネは今も不安定雇用や孤立に向き合っています。生き方を模索する姿を伝え、ともに未来を考えます。 • 【特集ページ】ロスジェネはいま  それも数年前、40歳になった年に契約を切られました。若い人に代わって欲しいという理由で、複数の大学から同じことを言われた。日本ではすぐに年を聞かれますが、人間の価値は年齢で決まるんでしょうか。ロスジェネが就職しにくい理由はそこにある。  今は高度フリーランスという働き方を目指し、文筆で独り身を養っています。博士課程の時に受けていた奨学金は、今も月に3万円ずつ返しています。  《研究職を志して努力を重ね、博士号まで取得した学究をまるで使い捨てにするような日本社会。ロスジェネ世代の少なくない人々が、非正規雇用によって十全に能力を発揮できていない姿と、二重写しになる》  博士号を持っている人が、学問とは関係のない小売りや警備のアルバイトをしているという話をよく聞きます。講師をする大学の教え子がアルバイト先のコンビニに買いに来たなんていう悲哀もあるそうです。  うちの近くのスーパーが人手不足で募集をしており、履歴書を無料で配布している。もし、履歴書を提出する必要がなかったら、僕も応募したいぐらいです(笑)。さすがに博士号を持っていてスーパーのパートに応募したら、店側も身構えるでしょうが。  一人暮らしを18歳から続けて、25年になります。婚活をする気にはなれず、賃貸住宅なのでペットも飼えない。人と面と向かって話すことすら、この取材が久しぶりです。人間関係上、孤立していることもまた、ロスジェネの大きな問題だと思う。東大教授の玄田有史さんが提唱する「スネップ」(SNEP:Solitary Non-Employed Persons=孤立無業者)という言葉を連想します。  日本年金機構が公的年金加入者に送付する「ねんきん特別便」で、自分がもらう予定の受給額を見てみると、笑ってしまうほど少ない。家賃にもなりません。これでは、老後もフリーでずっと働き続けなければいけないと思っています。この世代を虐げている国には、重い責任がある。 「レールに戻す」がいいのか  《40歳前後、アラフォーとなったロスジェネたちは、今も不安定な雇用や低賃金に苦しむ。国はたびたび、再チャレンジや再設計などと対策を打ち上げるが、この世代を救うために必要な視点とは何か。舞田さんの考えを聞いた》  今はインターネットで様々な統計データが手に入るため、大学にいなくても調査や研究ができる時代です。ロスジェネについても自分でも調べてみましたが、賃金構造基本統計で2017年と10年とを比べると、40代だけが賃金が下がっていました。貯蓄率も低い。生まれた年、大学を出たタイミングでこうも差が出るのかと思います。  郷里の鹿児島で同窓会に出た時には、同級生がみんな愚痴っていました。地元の国立大学を出ても正社員になれず、後から挽回(ばんかい)もできずにずっと非正規を続けているという人がいます。どん底の世代です。  安倍政権の経済財政諮問会議による新しい命名は、「人生再設計第1世代」ですか。再設計で正社員というレールに戻そうというのでしょうか。  非正規や無業が続き、20年間も社会の片隅に置かれて、精神的に病んでいる人もいます。フルタイムで働くことが当然だとされていますが、もっと緩い働き方を認めてもいいのではないか。日本ではパート労働が一人前の働き方とは認められない傾向があります。当のロスジェネ世代の中には、正社員にこだわるわけではなく、人並みの給与と社会保障を望んでいるだけという人もいると思います。  果たして、この世代を、「レールに戻す」のがいいのでしょうか。既存のレールに戻すのではなく、社会のレール自体を変える必要があるのだと思います。  まずは、正規、非正規という区分を変えなければいけない。ぼろぼろになった「昭和のレール」を平成で変えられず、そのツケを回されているのだと思う。昭和的なものを無理に存続させようとして、その犠牲になっている可視的な存在が、ロスジェネなのではないでしょうか。      ◇  舞田敏彦(まいた・としひこ) 教育社会学者。1976年生まれ。東京学芸大学大学院博士課程修了。博士(教育学)。専攻は教育社会学。著書に「データで読む 教育の論点」(晶文社)など。(編集委員・真鍋弘樹) " [he-forum 19637] リンク集:年俸制適用拡大をはじめとする国立大学法人等人事給与マネジメント改革について 高等教育フォーラム各位  組合のセミナーに備え,「リンク集:年俸制適用拡大をはじめとする国立大学法人 等人事給与マネジメント改革について」を作成しました。なお,リンクに含まれてい る北海道大学教職員組合執行委員会ブログ「エルムの森」の記事,および文科省の Q&Aファイルの掲載は,たいへん参考になりました。御礼申し上げます。  政策動向と事実経過に関するものだけであり,評価についてはほとんど含んでいま せん。ただ留意点として,年俸制にしただけで,支払う厚生年金掛け金と受け取れる 年金額が変わってくる件について2件のリンクを貼りました。 https://riversidehope.blogspot.com/2019/05/blog-post_53.html --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ --------------------------- " [he-forum 19635] [he-forum 19636]【重要なお知らせ】he-forum 運用終了のお知らせ he-forum を購読されているすべてのみなさん 全大教です。 みなさんが現在購読、利用されている he-forum は、全大教(全国大学高専教職員組合)が、高等教育関連の情報交流のために、ASAHIネットのメーリングリストサービスを活用して設置し運営してるものです。 このたび、ASAHIネットがメーリングリストサービスを終了することとしたため、he-forum の運用を、5月末をもって終了いたします。 みなさんには、長年に渡り、サービスを活用し、貴重な情報と意見の交流を行っていただいたことに感謝を申し上げます。 長年のご投稿のうち、2008年3月20日の投稿(he-forum 13151)以降のもののアーカイブを、運用停止後に、以下の場所に保存し公開します。全体が一つのテキストファイルになっていますので、ダウンロードの上、中を検索していただく等でご活用ください。 https://zendaikyo.or.jp/?page_id=35 全大教としては、これまで he-forum で行っていただいた情報交流、意見交流については、以下の方法等によりぜひ活発にお願いしたいと考えています。 1. 全大教の組織内での議論 = 全大教ホームページの単組交流広場での発信   全大教の加盟組合からの申請により、全大教の書記局においてメールアドレスを登録するシステムです。全大教に加盟されている組合の組合員の方は、組合にお問い合わせください。 2. 一般のSNSの活用   たとえば、Twitter 等での発信をご検討ください。全大教は、公式アカウント(@zendaikyo01)発信をしています。現在、運営費交付金の評価配分枠拡大に反対する発信にはハッシュタグ、 #大学を壊すな をつけるなど、活用に取り組んでいるところです。みなさんの投稿をリツイートするなど、全大教の Twitterアカウントが情報のハブとして機能するよう取り組みます。 ************************************* 全国大学高専教職員組合 総務部 〒110-0012 東京都台東区竜泉2-20-15 都築ビル2階 TEL 03-6802-4250 FAX 03-6802-4251 携帯 080-1232-6329 somu@zendaikyo.or.jp http://zendaikyo.or.jp ************************************ " [he-forum 19637] リンク集:年俸制適用拡大をはじめとする国立大学法人等人事給与マネジメント改革について 高等教育フォーラム各位  組合のセミナーに備え,「リンク集:年俸制適用拡大をはじめとする国立大学法人 等人事給与マネジメント改革について」を作成しました。なお,リンクに含まれてい る北海道大学教職員組合執行委員会ブログ「エルムの森」の記事,および文科省の Q&Aファイルの掲載は,たいへん参考になりました。御礼申し上げます。  政策動向と事実経過に関するものだけであり,評価についてはほとんど含んでいま せん。ただ留意点として,年俸制にしただけで,支払う厚生年金掛け金と受け取れる 年金額が変わってくる件について2件のリンクを貼りました。 https://riversidehope.blogspot.com/2019/05/blog-post_53.html " [he-forum 19638] 続々:留学生が日本の大学を卒業して就職する際の条件緩和について 高等教育フォーラム各位  法務省が,日本の大学を卒業した留学生が就職できる範囲を広げ,日本語能力がN1に達しているのであれば,接客業や小売業でも認める告示を出すという報道がありました。法務省のサイトにも確かに書かれています。  以前に書きこみましたが,私はホワイトカラー業務や専門職への就職制限を緩和することには賛成する一方,ブルーカラー業務への就職制限を緩和することには反対です。それを法改正もせずに告示で行うことも反対です。その理由の一つは,東京福祉大学事件のようなことを引き起こしかねないからです。以下で詳しく書きましたのでご覧いただけると幸いです。 「続々:留学生が日本の大学を卒業して就職する際の条件緩和について」Ka-Bataブログ,2019年5月29日。 https://riversidehope.blogspot.com/2019/05/blog-post_29.html 「専門外の接客業OKに 法務省、留学生の就職先を拡大」朝日新聞デジタル,2019年5月28日。 https://www.asahi.com/articles/ASM5X3TKYM5XUTIL026.html 出入国在留管理庁「留学生の就職支援のための法務省告示の改正について」2019年5月28日。 http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00210.htm  なお,前回投稿した裁量労働制関連リンクのうち一つが不完全で切れていました。修正いたしましたので現在はお使いいただけます。  高等教育フォーラムは今月で終了とのことで,寂しく思います。国立大学法人化の直前直後は,組合側の仕事をしていたので,就業規則制定について山のように書きこみました。 --------------------------- 川端 望 東北大学大学院経済学研究科 教授 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 Tel&Fax 022-795-6279 Email nozomu.kawabata.b1@tohoku.ac.jp Website http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm Academia.edu https://tohoku.academia.edu/NozomuKawabata Blog https://riversidehope.blogspot.com/ ---------------------------