"[he-forum 13151] 日本経済新聞3/20 日本経済新聞2008年3月20日付 厳正な学位審査、文科省が求める・国公私大学長に  文部科学省は19日、名古屋市立大や横浜市立大で医学部の学位審査に絡む金銭の授受があったことについて、「こうした不祥事は学位の国際的な信頼性を損ないかねず極めて重大な問題」として、全国の国公私立大の学長に対し、学位の厳正な審査体制を確立するよう求める通知を出した。審査の際の論文発表会を公開で実施したり、学外の審査委員を積極的に登用したりすることを求めている。 "[he-forum 13152] 東日新聞3/20 東日新聞2008年3月20日付 地元3大学が地域関連研究発表  愛知大学、豊橋技術科学大学、豊橋創造大学の学生・院生が卒業(修士)論文で地域について研究したことを発表する「第14回地域関連研究発表会」は、19日、豊橋市松葉町のカリオンビルで開かれた。学生、地元企業、研究機関や行政関係者などが聴講に訪れた。東三河地域研究センター(神野信郎理事長)主催。  発表者は、研究成果をテーマ、目的、調査過程、集まったデータ、得られた結果をまとめ、さまざまな提言をした。  このうち「豊川稲荷表参道商店街における景観整備に関する研究」(技科大修士1年、丹羽睦巳さん)は、豊川稲荷門前の表参道発展会などとともに、店舗の景観を整備することで訪れる人に商店街をアピールする方法を探った。  社会実験として、モデルケースに選んだ2店舗の外観デザインを「昭和初期」のイメージなどに変更し、変更前と比べ、店舗を注目した通行人の数、来店客の変化を調べた。店舗注目度は、2店のうち1店が注目度上昇、1店変わらずという結果で、来店客は2店とも増加したという。  このほか、まちづくりや農業、港湾、市町合併などをテーマにした計10の研究結果が発表され、会場から調査方法や、得られたデータに対する質問が活発に出された。 "[he-forum 13153] 神戸新聞3/20 神戸新聞2008年3月20日付 大学育ちの牛肉いかが 大丸神戸店  神戸大学農学部で飼育している但馬牛「神戸大学ビーフ」の販売が十九日、神戸市中央区の大丸神戸店で始まった。関西では初めて。四月一日までの期間限定で、牛一頭から取れる約百五十キロ分がなくなり次第終了となる。  同学部が繁殖から飼育までを一貫して手掛ける。年間の出荷は約十六頭と限られており、東京でのみ販売されていた。食の安全性をアピールしようと、大丸神戸店が三日の競りで一頭を競り落とした。  地下一階の精肉売場で、モモ焼肉用(百グラム九百八十円)やサーロインステーキ用(同二千九百四十円)など七種類を用意。一番に買い求めた同市東灘区の西口実美さん(78)は「地元の大学が作った牛。どんな味がするのか楽しみです」と話していた。(中川 恵) "[he-forum 13154] 日本経済新聞3/18 日本経済新聞2008年3月18日付 三菱東京UFJ銀、東京農工大に5億4000万円・国立大へ初の長期融資  三菱東京UFJ銀行は日本政策投資銀行と共同で、東京農工大に約5億4000万円を融資した。返済期間は10―15年。2005年の政令改正で国立大学法人の資金調達手段が拡大したのを受けたもので、民間金融機関から国立大への長期融資は全国で初めてという。  12日に行われた入札に約10の金融機関が参加。三菱東京UFJ銀と政投銀が共同で落札し、17日までに融資を実行した。 "[he-forum 13155] 山梨日日新聞3/18 山梨日日新聞2008年3月18日付 横浜国立大ブランドのキャベツワイン 盛田甲州ワイナリーが醸造 香り豊か  盛田甲州ワイナリー(甲州市勝沼町、盛田宏社長)が醸造した、横浜国立大ブランドのキャベツワインが評判を呼んでいる。キャベツは大学のある横浜・保土ケ谷区の特産で、ワインに使うという珍しさも加わって、学生が両親への土産として購入するなど売れ行きも好調という。  同大の「ブランド製品等開発プロジェクト」の一環として、同区で出荷量第1位の農産物キャベツを使った商品を企画。大学近くの酒販店・鈴木屋本店を通じ、同ワイナリーに製造を依頼した。キャベツは、キャンパス近くの生産農家が育てたものを使った。  同ワイナリーによると、キャベツの香りや甘みがワインに溶け込むよう製法を工夫したほか、ブレンドする果汁の選択でも試行錯誤したという。八巻秀樹工場長は「野菜特有の個性や香りが生きるよう、ブドウ果汁との相性やバランスに気を使い、ブレンドテストに時間をかけた」と話す。  キャベツの風味がほのかに残る、さっぱりした飲み口が特徴。商品名は、フランス語で「かわいいおまえ」を意味する「モン・プティ・シュ」で、赤と白各1300本限定で商品化した。  同大によると、昨年12月中旬の発売以来、約2カ月で予想を大きく上回る1300本が販売され、評判も良い。来年度も収穫期を待って製造する計画という。  同ワイナリーは「新たな素材に挑戦でき、視野が広がった。次の製品開発に役立てたい」としている。  キャベツワインは各1300円。鈴木屋本店や大学近くのコンビニエンスストアで販売している。 "[he-forum 13156] 科学新聞3/7 科学新聞2008年3月7日付 岐路に立つ博士課程、学生の質維持に何らかの改革必要   日本の研究競争力を支える基盤となっている大学院博士課程だが、現在、大きな方向転換を求められている。文部科学省の調査によると、理学、工学、農学、保健という自然科学系分野での博士課程の競争倍率は1倍を割っていることが分かった。また、大学の現場からは少しでも入学定員に近づけるために、「レベルの低い学生も採らざるを得ない」という声も上がっている。これまで日本では、研究力を強化するために大学院の規模を拡充してきたが、博士課程についてはその質を担保するための改革が必要になってきている。   旧・文部省の大学審議会では平成3年11月、「大学院の量的整備について」答申を出し、平成12年度時点における大学院学生数を平成3年度の2倍程度に拡大することを決めた。その後、大学院在学者は順調に伸び、3年度の9万8650人から、12年度には20万5311人と約2.1倍になり、さらに専門職学位課程が誕生したことで19年度には約2.7倍の26万2113人と大幅に増えた。   博士課程入学定員も、1万2966人(H3)から2万169人(H12)、2万3417人(H19)と順調の伸びてきた。しかし、入学定員に対する志願者の割合(競争倍率)は低迷しており、19年時点で理学分野で入学定員2070人に対して入学志願者は1419人と競争倍率は0.69倍、工学分野でも定員5503人に3560人の志願者で0.65倍、農学分野0.96倍(1086人/1126人)、保健分野0.92倍(6209人/6774人)となっている。   一方、博士の標準修業年限内での学位授与状況を見てみると、理学で46.1%、工学52.8%、農学52.9%、保健56.2%と学位取得率は概ね半分程度であり、人文7.1%、社会15.1%などと比べれば、学生にとってある程度の魅力はあるといえるだろう。   しかし、博士課程修了者の就職状況は、保健が77.3%と高く、工学59.1%、理学53.9%、農学52.5%となっている。学部や修士の就職率に比べると見劣りするため、将来的への不安感から博士課程へ進学しなくなっているようだ。   志願者が減ってきたのならば、入学定員を縮小すればいいようなものだが、ある国立大学関係者は、入学定員を減らすと、それに伴って運営費交付金が減らされ、教員定数も削られてしまうため、入学定員を減らすことはできないという。   そこで、文部科学省に確認してみたところ、国立大学法人の運営費交付金については、入学手員と連動して増減する仕組みにはなっていないという。もちろん、何の工夫もなくただ減らすだけでは財務省との協議で運営費交付金を減らされる可能性があるものの、教育研究の内容を充実させるための改革の一環として行えば、運営費交付金が減ることはないという。   例えば、大阪大学と大阪外国語大学の統合の時には、学部を180人減らし、修士を23人増やして、実質的に入学手員を157人減らしたが、退職金や特別教育研究経費を除いた基盤的な運営費交付金については、全大学一律のマイナス1%ルール以外には減額されていない。   こうした制度と各大学の認識の差が生まれるのは、国立大学時代に作られた学内ルールが厳然と存在し、まかり通っているためだ。法人化してマネージメント力の強化を求められているものの、実際の運営ルールを変えていくには時間も労力も足りないのが実情だろう。また、社会情勢の変化から次々と制度を変えていく文部科学省の制度設計にも問題がある。各大学とも定員を減らしてしまうと、今は大丈夫でも次の制度改革では不利になるのではないかと疑心暗鬼になっている。   根深い問題だが、こうしたことを解決するためには、次期中期計画期間における運営費交付金算定ルールを早期に策定し、始まる前に現場に浸透させることや新たな学内ルール作りのためのモデル作りを行う必要があるだろう。 "[he-forum 13157] 高知新聞3/19 『高知新聞』2008年3月19日朝刊 原告適格めぐり応酬 高知大学長選考訴訟  昨年の高知大学長選で相良祐輔・現学長を選んだ学長選考会議の決定無効を求  め、対立候補だった高橋正征氏=高知大大学院黒潮圏海洋科学研究科長=が高  知大を訴えた訴訟の第二回口頭弁論が18日、高知地裁であり、争点の一つであ  る原告の適格性などをめぐって双方が主張し合った。  選考会議前の意向投票は当初、高橋氏が相良氏を41票上回ったが、「相良氏の  20票が高橋氏の投票箱に混入していた」と数え直した結果、両氏の差は1票差  になっていた。  原告側はこの経緯について「票のすり替えが疑われる」と指摘し、「候補者の  高橋氏は公正な手続きで選考決定を受ける法的利益がある」「選考会議は投票  のやり直しなどせず、投票数を確定しないまま2つの投票結果を基に選考して  おり、裁量権を逸脱している」とした。  これに対し、被告の同大側は「本件で原告になり得るのは、選考会議の決定に  影響を及ぼす立場の者で、候補者の高橋氏は決定に全く関与できない」と、原  告としての適格性を否定。「選考会議の委員は、2つの投票結果を参考に学長  を選んでも判断に支障はないという共通認識だった。この判断に裁量権の逸脱  はない」と反論した。 "[he-forum 13158] 高知新聞3/19 『高知新聞』2008年3月19日朝刊 文科省も提訴へ 高知大学長選考で原告側  高知大学の相良祐輔・現学長の再任を決めた学長選考会議の決定は無効だと訴  えている高橋正征氏らは十八日、相良氏の次期学長就任を政府が正式に了承し  た時点で、文部科学省に対し、同氏の学長任命取り消しを求める訴訟を起こす  方針を明らかにした。    同省人事課によると、国立大学法人の学長は、閣議での報告・了承を経て、文  部科学大臣が任命する。高知大を含めた今春以降の学長人事について、同課は  「まだ閣議に報告していないが、月内にあと3回ある閣議のいずれかで了承を  もらう」とし、4月1日に同省で辞令交付を予定しているという。    高知大学側は2月28日付で、相良氏を次期学長に任命するよう同省に上申。こ  れに対し原告側は今月初旬、同氏の任命を認めないよう求める内容証明郵便を  文科大臣に送っている。  高知地裁で18日開かれた第2回弁論で、原告側が「(相良氏を次期学長に任命  する)発令の内示はされているか」とただしたのに対し、大学側は「学長(の  就任)に内示はない」「法律上、任命されることに間違いない」などとした。 "[he-forum 13159] 3/24しんぶん赤旗記事 2008年3月24日(月)「しんぶん赤旗」 奨学金でシンポ 1日食費315円/貯金取り崩す 返還必要ない給付制に  日本の異常な高学費で子どもや学生、家計がどのような影響を受けて いるのかを交流し、奨学金制度の拡充を考えるシンポジウムが二十三 日、東京都内で開かれました。主催はシンポジウム実行委員会。十団 体、約五十人が参加しました。深刻な実態をパネリストや参加者が報告 し、教育費の無償化と返還の必要のない奨学金をつくっていこうと確認 しました。  全学連の副委員長が東京大学で世帯年収四百万円以下の学生が全額学 費免除になったと紹介し、学内での聞き取り調査を進めてきたとのべま した。一日の食費を三百十五円に抑えている学生、大学で洗濯、シャ ワーをしているという学生などの例を紹介しました。  新婦人の米山淳子事務局長は教育費の実態アンケートの内容を紹介。 大学生を抱える家庭では家計を切り詰め、預貯金や年金、退職金を充て る、祖父母や親せきからの援助、教育ローンの借金、定年後も働いて学 費を工面しているとのべ、生活全体が教育費で脅かされていると話しま した。  日本学生支援機構労働組合の藤井和子中央執行委員長は一九九八年か らの十年間で有利子奨学金の利用者が十倍に増えていると報告。全国生 活と健康を守る会の代表は夫が失業し、大学院に入った子どもの奨学金 の返済が一千万円にのぼると予想され、将来が不安だとのべました。  日高教の代表は実態調査から「『ローンズ育英』という金貸しだ」と の告発が寄せられていると報告しました。  三輪定宣千葉大学名誉教授・「奨学金の会」会長はフィンランド、デ ンマーク、アメリカなど海外の給付制奨学金の制度を紹介。日本の教育 予算は経済先進国OECD加盟国三十カ国の最下位であり、平均並みに 引き上げることで学費補助・軽減が可能であることを示しました。  実行委員会の中心となった「奨学金の会」では、「教育の機会均等」 を保障する給付制中心の奨学金をつくることを求める署名に取り組んで います。 "[he-forum 13160] 公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.3 公正な学長選考を求める裁判を支える会 ニュースレター NO.3    2008、3,24 ○ 第二回 口頭弁論傍聴記  3月18日の10:30から高知地裁において、第二回口頭弁論が開催されま  した。双方から出された文書の確認が中心でしたが、2つの点で攻防がありま  した。    第一は、次期学長の任命に関わることです。2月28日に相良現学長名で「国  立大学法人高知大学」からの上申が受理されたことはすでにお伝えした通りで  すが、任命がすでにおこなわれているのかどうかについて、原告側弁護人から  質問がなされました。文部科学大臣によって任命がなされた場合には、ただち  に文部科学大臣を相手取って、任命の撤回を求める訴えを起こす必要がありま  すので、これは極めて重要な問題です。    大学側は、「辞令は4月1日にでるので、それ以前には任命の通知等は行われ  ない」という答えでした。更に、原告側弁護人が、事前に「内示」があるのが  普通ではないかと問うと、「内示を事前に行うことはない」との答えでした。  「つまり、まだ任命はされていないということですね」と畳み掛ける原告側弁  護人に対して、大学側は「国立大学法人の申し出にしたがって文部科学大臣が  任命すると定められており、当然任命されるはずである。もし、任命しないの  であれば当然その旨連絡があるはずだが、それはない」と、「当然任命される  はず」という立場を繰り返しました。 さあ、はたしてそううまくいくでしょうか?  二点目は、投票用紙に関することです。投票用紙の枚数が業者に注文した枚数  と合っているということが、大学側の「投票用紙のすり替えなどはなかった」  という主張の根拠になっているわけですが、別の業者に同じ仕様で注文する、  コピーして作るなどの方法を取れば偽造はそれほど難しくないというのは誰に  でも理解できるところです。原告側弁護士はこの点をついて、すり替えがなか  ったというならば、投票用紙そのものを証拠として提出するように求めました。  大学側は、監事による監査が行われており、それで十分なはずで、大学の自治  の観点からも、それ以上の証拠は出す必要はないとの回答でした。原告側弁護  人は,大学内の監査は法廷での司法に基づく検証に代わりうるものではなく、  あくまでも法廷の場に投票用紙を証拠として提出すべきと主張しました。裁判  長が「裁判の過程で必要なら提出するということでいいですね」と締めくくり  ました。  最後に,次回第三回の裁判日程を5月30日(金)11:00~と決定してこ  の日の裁判は終わりました。 ○3・13 裁判報告集会 報告  3月13日昼休み「裁判報告集会」が共通教育212教室で行われました。あい  にくの雨と学内の「人口密度」が低い時期であったということもあって、必ず  しも大入り満員というわけには行きませんでしたが、忙しい中数十人の教職員  が集まりました。  まず、「公正な学長選考を求める会」代表から、第一回口頭弁論の模様が報告  されました。内容については、すでにニュースレターNo2で報告した通りで  すが、当日は資料として原告意見陳述の全文が配布されました。    また、裁判報告と関連して、監事による3月12日付け「監査報告」の問題性  についての指摘がありました。この「監査報告」についてはフォーラムにあり  ますので、直接ご覧いただくのが一番わかりやすいと考えられますが、なによ  り重要なのは、この「監査報告」なるものがフォーラムに現れたのが、2月2  7日であり、その翌日には、前号でもお知らせした「上申」が行われており、  全く内容の矛盾する文書がほぼ同時に作られていることです。ここにも、矛盾  を矛盾と自覚しない現執行部の体質が現れているといえるでしょう。  続いて、「公正な大学運営を求める学生の会」から、選考会議外部委員に対す  る公開質問状への回答が紹介されました。この回答は昨年末に「秘書課」を通  じて来ていたもので、小さな集まりやブログ等においてはすでに内容の報告が  なされていますが、このような集会で報告されるのは初めてです。学生代表は、  外部委員一人ひとりの回答を具体的に取り上げながら、教育機関である大学を、  民間企業と同じ次元でしか語ることのできない外部委員の発想の貧しさや、事  柄の本質の無理解を指摘し、「現在中心になっている4回生が卒業しても在学  生に活動を引き継いでいきたい」と締めくくりました。  続いて、カンパの集計報告があり3月13日 現在で87名1団体から162  万1800円のカンパが集まったことが報告されました。カンパしてくださっ  た皆さんどうもありがとうございます。一応の目標額には達していますが、文  部科学省の対応如何では、長期化も予想されます。今後も募金活動は継続しま  すので、よろしくお願いします。    最後に「公正な学長選考を求める会」代表から、来年度部局長になっても  (「学長」から辞令が出ればの話ですが)、会の代表は継続すること、また当  日よんどころない用事で欠席しているが「公正な学長選考を求める裁判を支え  る会」の代表も同じ決意であるとの報告があり、拍手で確認され、この日の会  は終了しました。 ○ 私たちは「虚偽報告」に基づく「学長任命」を許さない!  これまでに報告したように、41票差の数字のみを記載した相良現学長自身に  よる「上申」が文部科学省によって受理された状態です。これに基づいて実際  に任命が行われるかどうかは、予断を許しません。少なくとも、現時点では任  命の前提となる文部科学大臣による閣議報告は行われていない模様です。「虚  偽報告」に基づく学長任命が、もし行われたならば、それは高知大学にとって  のみでなく、日本の大学にとって拭いがたい汚点となるでしょう。文部科学省、  文部科学大臣に対して「虚偽申告」を認めないよう強く要求していきましょう。 5月31日〔金〕第3回口頭弁論 11:00~ "[he-forum 13161] 時事通信3/24 時事通信2008年03月24日07時30分 政策研究大学院大学と連携=自治大学校  自治大学校(椎川忍校長)は2008年度、自治体幹部候補生を養成する期間1年の特別研修で、政策研究大学院大学(東京・六本木)と連携する新たなプログラムを試行する。研修生は自治大学校の寮に寄宿しながら修士号取得を目指す。同時に、大学校卒業に必要な履修科目も大幅に免除されるメリットがある。試行後に課題を整理した上、09年度以降に本格実施する計画だ。  特別研修は都道府県と市の係長級職員を対象に、(1)年度前半に一般研修、後半に実務経験(2)年度前半に実務経験、後半に一般研修―を行う2パターンだったが、自治体のニーズと研修内容とにずれが生じ、研修生の派遣実績が減少しつつあるため、自治大学校は履修課程の再編を検討していた。  新設する「マスターコース」は、年度前半に政策研究大学院大学の修士コース(「地域政策プログラム」「知財プログラム」「まちづくりプログラム」)を受講し、30単位(週5日、1日90分を3コマ程度)を取得。年度後半は、自治大学校の一般研修である第1部課程に在籍しつつ大学院大学の修士論文指導を受け、修士号取得を目指す。  自治大学校の履修科目については、大学院大学との重複を避けるため演習と一般的法律科目などの4分の3程度を免除。これとは別に地方行財政関係科目を受講させ、成績優秀者には自治大学校卒業証書を授与する。  マスターコースの08年度研修生に9人が内定している。自治大学校は、年度前半に実務を経験しつつ大学院大学で科目を履修し、後半に第1部課程研修を受ける「インテンシブコース」も新設したが、08年度は申し込みがなかった。大学院大学は、自治大学校の一部科目を将来的に単位認定することも検討している。 "[he-forum 13162] 毎日新聞群馬3/22 毎日新聞群馬版2008年3月22日付 群馬大:大学院研究棟が竣工 産学官協力で建設  太田市本町に産学官一体で建設を進めてきた群馬大大学院生産システム工学専攻科などの研究棟の竣工(しゅんこう)式が21日、開かれた。  05年に県商工会議所が金型学科設置を県に陳情したのを契機に、産学官による協力で建設が始まった。敷地面積は約7400平方メートル。鉄骨5階建て延べ床面積約7200平方メートル。大学院研究棟のほか、市民ロビーなどがある産学研究棟がある。  竣工式では、太田商工会議所の正田寛会頭が「ものづくり都市としての持続と発展のために優秀な頭脳が必要。同大学への期待は大きい」とあいさつした。【佐藤貢】 "[he-forum 13163] 日本経済新聞3/24 日本経済新聞2008年3月24日付 東大など、研究成果を海外企業へ売り込み・技術移転機関と提携  研究成果を海外企業に売り込むため、仲介者となる外国の技術移転機関(TLO)などと連携する国立大学が増えている。東京大学はフィンランドの大学TLOと提携、東京医科歯科大学は米国で大学のTLOや特許事務所と契約を結んだ。各大学とも国立大学法人になってから特許収入増に力を入れており、海外での産学連携を強化する。  東大が提携したのはヘルシンキ工科大学にあるTLOで、北欧で手広く産学連携を手がけている。同大TLOのネットワークを生かし、東大工学系の研究成果を海外で特許化し、ノキアやエリクソンなど大手企業やベンチャーにライセンス供与する。 "[he-forum 13164] 時事通信3/25 時事通信2008年03月25日20時54分 大学全入時代の対応検討へ=教育再生懇  政府は25日、教育再生会議の後継組織「教育再生懇談会」(座長=安西祐一郎慶応義塾長)の初会合を首相官邸で開いた。主な役割は同会議報告書の具体化の点検だが、福田康夫首相は「21世紀にふさわしい教育の在り方の議論をお願いする」として、「大学全入時代」を見据えた学力確保の方策やインターネットの有害情報対策など、同会議が積み残した課題の検討も指示した。  首相が言及したのは、(1)大学全入時代の高校教育、大学入試、大学教育(2)国際競争力向上に向けた留学生受け入れ拡大や英語教育(3)ネット社会におけるコミュニケーション能力の養成や有害情報対策(4)家庭教育や幼児教育-など。同懇談会は毎月1回の会合でこうした問題を話し合うが、報告書をまとめるかどうかは未定。  安西座長は記者会見で、家庭教育に絡み「子どもと付き合う時間が長くできる雇用形態、社会の在り方も考えないといけない」と指摘した。 "[he-forum 13165] 産経新聞3/27 産経新聞2008年3月27日付 「食の大学院」来春にも設置申請へ 大阪府立大や市立大など  大阪府立大学や大阪市立大学などが、関西の食文化産業振興のため、企業経営などに高度な知識や技術を持つ人材を養成するための「食の大学院」を設立する方針であることがわかった。早ければ来春にも、文部科学省に設置認可を申請する。近畿経済産業局の久貝卓局長が、26日の定例記者会見の中で明らかにした。  「食の大学院」構想は両大学のほか、大阪外食産業協会、日本フードサービス協会などが中心となって進めている。大学院は博士課程までを備えた5年制とする方向で調整している。「食文化」「食ビジネス」「農学・食品学」「栄養学・生理学」など食に関する学問を横断的に学べる国内では初めての大学院にするという。米国のコーネル大など欧米にはこうした大学院があり、関西の外食業界の中には、社員を派遣している会社もある。  近畿経産局は同日、「『食文化産業』の振興を通じた関西の活性化について」と題した報告書を発表し、この中で「『食の大学院』を中核として、『食の知の拠点』を産学官の連携・協力によって関西に形成することを目指すべきだ」と強調した。  関西には外食業の事業所数も多く、久貝局長は「『食の大学院』のニーズが高いことをPRするなどして、われわれとしても支援していきたい」と話した。 "[he-forum 13166] 陸奥新報3/26 陸奥新報2008年3月26日付 弘大理工学部と八高専が連携大学院の協定締結  弘前大学理工学研究科(南條宏肇研究科長)と八戸工業高等専門学校(井口泰孝校長)は25日、連携大学院の協定を結んだ。弘大理工学部長室で連携教員を設けるなど、相互に知を共有し、地域活性化を図る。  連携大学院は、大学院理工学研究科博士後期課程で県内の研究所から教員を迎えたり、学生を派遣するなどして連携を図ることによってり、教育研究を充実させ、地域に還元させる狙いを持つ。同研究科は既に県工業総合研究センターと協定を結んでいる。  調印式では、南條研究科長と井口校長が連携教員や研究指導、知的財産権の取り扱いなど12条から成る協定書に調印。南條研究科長は「本県は優秀な人材を受け入れる基盤が弱い。協力し、まずは地域を活性化させたい」井口校長は「これまで地元の国立大学である弘大とのつながりが薄かった。本県の高等教育機関でまとまって取り組むことが大事だ」と語った "[he-forum 13167] 共同通信3/25 共同通信2008年3月25日18時52分 大学淘汰「避けられない」 質向上求め中教審提言  中教審大学分科会制度・教育部会は25日、大学の学部教育の質向上を求める提言をまとめた。大学志願者数と定員が同数となる「大学全入時代」の到来を「少子化の中、学士レベルの能力を備えた人材の供給は重要」と積極評価。その一方で「質の維持・向上の努力を怠り、社会の負託に応えられない大学の淘汰は避けられない」と警告した。  2007年度に54%となった大学・短大進学率について提言は「先進諸国に比べて高いとはいえない」との見方を示し、意欲や能力がある若者を積極的に大学に受け入れることが必要とした。  その上で、質向上の方策の1つに、大学に入学する際の高校生の学力をみる手段として、高校と大学が協力して実施する「高大接続テスト」(仮称)の創設を検討することなども求めた。  中教審は、引き続き大学改革に向けての審議を進め、夏ごろをめどに答申をまとめる予定。 "[he-forum 13168] 読売新聞鳥取3/27 読売新聞鳥取版2008年3月27日付 産学連携へ鳥大が協定 中小企業診断協支部と  鳥取大は26日、中小企業診断協会県支部と産学連携協力に関する協定を締結した。同協会と大学との連携協力は、昨年9月の岡山大に続いて全国2例目。同協会は、会員の中小企業診断士が地元中小企業からくみ取った企業のニーズを鳥取大との共同研究に結びつけることなどが期待されている。  協定では共同研究の推進のほか、同協会が、実践的な経営戦略指導を行っている鳥取大MOTイノベーションスクールに講師を派遣したり、医学部で開業手続きや従業員の雇用などについて講義したりする。大学発ベンチャーに対する経営面の支援や、中小企業の経営者を対象にしたセミナーの共同開催も考えている。  調印式では、鳥取大の西田良平・産学連携推進機構長が「協定締結で、より多くの産学連携が進むことを期待している」とあいさつ。同協会の高橋務・県支部長が「大学のシーズ(研究のタネ)を中小企業に役立てる協力をしていきたい」と話した。 "[he-forum 13169] 共同通信3/27 共同通信2008年3月27日19時37分 4法科大学院を「不適合」 大学評価・学位授与機構  法科大学院の認証評価機関の一つ「大学評価・学位授与機構」は27日、2007年度に実施した9つの法科大学院に対する評価結果を発表、学生の選抜方法や成績評価に問題があるなどとして、4法科大学院を「不適合」とした。  同機構による法科大学院の評価は初。26日には、日弁連法務研究財団が愛知大法科大学院を不適合としている。  今回、不適合とされたのは北海道大、千葉大、一橋大の各法科大学院と、香川・愛媛両大の連合法科大学院。  同機構は「あからさまな司法試験対策の授業をしていた例はなかったが、幅広い法曹家を育成するという本来の趣旨を重視した」としている。各大学院は評価結果を基に改善策を講じる。  評価結果によると、北海道大は法学既修者を対象にした2年課程の受験生に、主に法学未修者を対象にした3年課程の併願を容認。2年課程が不合格となっても、同じ試験結果を3年課程の合否判定に使える制度が「適切ではない」とされた。 "[he-forum 13170] 京都新聞3/28 京都新聞2008年3月28日付 保健学科改称し人間健康科学科へ 京大医学部 病気予防へ人材育成  京都大は、4月に医学部保健学科を改称し、医学部人間健康科学科とする。病気の治療だけでなく、あらゆる世代が生涯、健康で豊かな生活を地域で送れるよう、病気の予防や高度な診断、在宅医療、心と体のケアを中心に担う人材を育て、京都から「人間健康科学」の発信を目指す。  大学院医学研究科における人間健康科学系専攻の開設(昨年4月)に引き続く改革。看護学など学科内の4つの専攻を引き継ぎ、先進医療をチームの一員として担うための専門知識を学びつつ保健や福祉、心理学、倫理学、社会学など幅広い分野の教育を展開する。  研究では、医学・薬学の領域を超えて連携。脳科学の成果を取り入れた心身の診断や治療、再生医療を受けたあとのリハビリテーションなど次世代の医療のほか、地域在宅医療の実践や理論構築に取り組む。  保健学科の教育研究棟を改修・増築し、4月から利用。研究棟をフジタカ(長岡京市)の高井保治社長から寄付を受けて開設するほか、年内に「地域医療研究センター」を建設する計画だ。人間健康科学系専攻長・保健学科長の笹田昌孝教授は「薬で数値を上げ下げするのではなく、人の真の健康をつくる人間健康科学を発信、広げていきたい」と話している。 "[he-forum 13171] 時事通信3/28 時事通信2008年03月28日11時20分 ●特集・教職大学院スタート ★教育現場のリーダー育成へ=19校で674人が合格-学校、大学の改革に期待  「力量ある教員の養成」を目指し4月から、新たな専門職大学院として教職大学院がスタートする。時事通信社の3月25日時点での調査によると、教職大学院を開校する19校では、現職教員ら延べ約900人から志願があり、計674人が合格。学校現場でリーダーとなる人材を育成すべく、「実践と理論の融合」を重視した教育が始まる。学校をめぐる環境が厳しさを増し、教員の質向上が求められる中、教職大学院に何を期待するか―。開校を控え、関係者から聞いた。 ◇実習も重視  学校教育法で、専門職大学院は「高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とする」と位置付けられる。法科大学院のほか、最近は会計やビジネス分野などでも多くの専門職大学院が設置されている。教職大学院は、2006年の7月の中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)答申で創設が提言され、07年4月、設置基準などに関する省令が施行された。  中教審答申は、(1)学部段階で教員として基礎的・基本的な資質能力を習得した者の中からより実践的な指導力・展開力を備えた新人教員の養成(2)一定の教職経験を有する現職教員を対象とした、確かな指導理論と優れた実践力・応用力を備えた「スクールリーダー(中核的中堅教員)」の養成―を教職大学院の目的、機能とした。答申の趣旨に沿って、対象は、主に学部卒業生と現役教員の2種類に分かれる。  大学院修了には、2年以上在学し、45単位以上取得することが必要で、修了者には「教職修士(専門職)」の学位が授与される。45単位のうち10単位以上は、学校で行う実習の履修で取得するため、各大学院は小中学校などから連携協力校を確保しなければならない。現職教員の場合は、実習を免除することが可能で、現職教員向けの短期履修コース(1年)のほか、長期在学の3年コースも各大学院の判断で設置することが可能だ。  実習以外では、(1)教科の実践的な指導方法、(2)生徒指導、教育相談(3)学級・学校経営―などに関する領域で授業を開設。専門職大学院は専攻分野の実務の経験がある「実務家教員」が授業を行うのが特徴だが、教職大学院に関しては専任教員の4割以上を小中学校などで教員経験がある実務家教員にするよう義務付けている。  07年11月、教職大学院の設置認可を申請した大学のうち19校について、大学設置・学校法人審議会は開校を許可するよう答申した。当初の開校数が19に上ったことについて、文科省教員養成企画室の金郁夫係長は「思ったより多い」と話す。ただ、同審議会が、認可された19校すべてに運営上の改善点を指摘する「留意事項」を付けるなど、「準備不足の部分もある」(金係長)のも実情。今後は留意事項の改善状況などについて、十分なチェック体制を整備していく考えだ。 ◇倍率2超える大学院も  08年4月に開校するのは、国立15、私立4で、国立が、北海道教育(45=定員数、以下同)▽宮城教育(32)▽群馬(16)▽東京学芸(30)▽上越教育(50)▽福井(30)▽岐阜(20)▽愛知教育(50)▽京都教育(60)▽兵庫教育(100)▽奈良教育(20)▽岡山(20)▽鳴門教育(50)▽長崎(20)▽宮崎(28)―。一方、私立は、早稲田(70)▽創価(25)▽玉川(20)▽常葉学園(20)―となっている。  総定員は706人。3月25日時点で、まだ追加試験を行っている大学院が3校あるが、志願者数は延べ計896人、合格者は計674人だった。設置認可が11月で、入試までぎりぎりの準備期間しかなかったことを考えると、出だしは順調と言える。  ただ、周知期間の短さから、定員の多い大学院には志願者集めの苦労もあった様子。一方で、東京学芸は合格者39人に対し受験者数が85人と、倍率が2倍を超えた。創価も合格者30人に対し、2回実施した試験には延べ69人が受験。担当者によると「全国から出願があった」といい、新たな大学院への関心の高さをうかがわせる。 早稲田も合格者は59人だったが、志願者は102人に上った。現職教員以外の学部生も多く、「想定外で、うれしく思っている」と担当者。また、合格者の中には、私立中高一貫校の教員もいるなど、バラエティーに富んでいる。既に現在学部3年生の40人程度から要綱などの問い合わせもあり、来年度以降にも期待が持てそうだという。 現職教職員とそれ以外の学生の割合は、大学院によってさまざまだ。例えば、宮城教育は合格者33人のうち現職は28人と現職が多いが、16人合格の群馬は現職と学部卒が半々程度の割合だ。 ◇「問題意識」が入学のきっかけ  現職教員として「自ら希望した」東京都江戸川区立春江中学校の中西孝教諭(40)は、4月から1年間の予定で、早稲田の教職大学院に入学する。中西氏は、教職に就いて3月で丸18年になるベテラン。同中学校に赴任して7年、そのうち5年間、教務主任を務めている。  「教務主任という仕事の中で、地域の小学校やPTAとの連携、地域の力を取り込むことが必要と痛感した」という中西氏は、大学院で「学校と地域の在り方について学びたい」と話す。もちろん、地域との関係は経験を通じて積み重ねることも多いが、「実践だけに頼ると、『その人がいなくなったらできなくなってしまった』ということが起こる」という問題意識がある。  実践を理論的に体系付け、多くの教員が、さまざまな場面で共有できるようなノウハウ、知識を習得することが目標だ。大学院の学費は自己負担だが、東京都教育委員会からの派遣という位置付けで、身分は同校教諭のまま。「給料を頂いて学ぶのだから、1年間で吸収しなければならないという気持ちは強い」という。  「生活指導や地域との関係で、息詰まることがある」と中西氏。「そういうときは、見通しを語れる人がいてほしい」と強調する。しかし、教員を指導する立場の指導主事は、多くの教委で十分な人数を確保できていない状況にある。中西氏は、大学院で得たものを基に、こうした現場教員の悩みにも応えていきたいと考えている。 ★教委との連携がカギ=各校でカリキュラムに独自性-現職との交流で大学の活性化も  新しく始まる教職大学院では、「理論と実践力」を軸に、各校がさまざまなカリキュラムを組んで独自性を打ち出している。スキルアップを望む教員は多く、潜在的な志願者も少なくないはずだが、希望する教員が学べる環境を整備するのは教育委員会の役目。新たな大学院の定着には、教委の理解、連携協力がカギになりそうだ。 ◇都教委と4校が連携協定  東京学芸、創価、玉川、早稲田の4国私立大学が教職大学院を開設する東京都。都教委は2006年3月から委員会を設置して活用方策の検討を進めるなど、積極的に教職大学院との連携に取り組んでいる。08年2月には、都教委と4大学院が連携協定を締結。教委と教職大学院のモデルケースとしても注目される。  協定は主に、(1)カリキュラム・指導(2)実習(3)現職教員の派遣・受け入れ(2)新人教員の養成・採用―に関する内容。都教委は、都内の公立学校の現職教員から毎年一定人数を協定校に派遣する。一方で、協定校に対しては、例えば「習熟度・課題別指導方法」など都の教員に必要とされる知識やノウハウについて、カリキュラムに盛り込んでもらい、都のニーズに対応した人材育成を図る。  新人教員養成の分野では、小中学校などでの実習が重視され、10単位以上の履修が修了の要件にもなる。各大学院は、実習のための連携学校確保が必要。都教委は、協定大学院に対し、都内の公立学校を連携学校として提供し、実習が支障なく効果的に行われるよう協力する。  この連携の枠組みで、初年度に教職大学院に派遣される現職教員は計33人。全員が他の志願者と同様、試験を受けて合格し、08年4月から4校のうちのいずれかに通うことになる。33人のうち15人は、幹部候補である「教育管理職A選考」の合格者で、学費も都が負担する。そのほかの18人は、都教委が一般に募集し応募した中から選ばれた教員。身分は教員のままで給与も支払われるが、学費は自己負担となる。  都教育庁では「都内で大学院が増えれば、同じような対応をしていく」(指導部)といい、新たに大学院が開設された場合、同内容の協定を締結し、連携をさらに広げていく考えだ。新人教員養成に関しても、連携校で学位を取得し、一定の条件を満たした場合に採用試験の一部科目を免除するなどの特例措置を検討。大学の教育と都の人材育成がより有機的に結び付くよう、取り組みを続けている。 ◇「課題解決」のカリキュラム  都の協定校でもある早大の教職大学院には初年度、58人が入学する見込みだ。同大の場合、学部新卒者と現職教員の「混成」でクラス・グループを編成。学校での実習と全学生を対象とした共通科目のほか、それぞれのニーズに合わせて、分野別選択・自由選択科目を受講することになる。  同大の特徴は、分野別・自由選択科目の種類の多さだ。「入学した学生がそれぞれ抱えている課題、ニーズに対応し、科目を選ぶことができる」と、同大大学院教職研究科開設準備室の三尾忠男教授。分野別選択科目は、「カリキュラム開発・授業力」「生徒指導・学級経営」「発達障害支援」「学校経営・地域連携」の4分野で、それぞれの分野に各4科目、計16科目が設定されている。  分野別の科目には、「学力調査・評価の方法と活用」「心理教育的アセスメントの個別教育プログラム」「学校経営に活(い)かす教育データ分析の実践研究」などが並ぶ。ニートやフリーターの増加も念頭に置いた「キャリア教育の実践研究」といった現代的な課題に対応した科目もある。自由選択も、カウンセリングや教育論関連など、幅広い内容で24講座設定されている。  一方、群馬大学の教職大学院は、実習に力を入れている。同大の入学者は全19教職大学院の中で最も少ない16人。学部新卒、現職にかかわらず全員が、2年間で計520時間の実習を受けることになる。  1年目は「課題発見実習」。同大の付属幼稚園、小中学校、高校でそれぞれ2日ずつ、見学を主とする実習で、幼児期から高校まで各発達段階への理解を深める。そして、県内の連携協力校で1人当たり3校ずつ計200時間、学校活動に参加したり、実際に指導したりする。  同大は、教職大学院の開設に際し、教委の指導主事や学校長の経験がある実務家教員2人を専任教授として採用。非常勤スタッフも3人採用し実務家教員は計5人、教育学部の研究者7人と合わせ計12人体制だ。そのうち実務家と研究者が2人1組になり、すべての授業をチームティーチングで進める。  連携協力校で行う実習も、実務家と研究者が2人1組で巡回し、理論と実践の両面から課題について分析。こうした分析などを踏まえ、2年目は、学部新卒生は引き続き連携協力校、現職教員は在籍校で、課題解決に向けた実習を行う仕組みだ。 ◇現職教員が「大学を変える」  「教授会に2人が参加するだけで、随分雰囲気も変わりますよ」―。同大教育学部長の松田直教授は、新たに同学部に加わった2人の実務家教員を高く評価する。  同学部の授業について松田氏は、「現職の先生にはあまり役に立たなかったのでは」と自嘲(じちょう)気味に話す。今後は、実際の学校現場を熟知している実務家教員、そして大学院に入学した現職教員らと、「理論と実践について考え、どうしたらいいのか話し合うこと」を大事にしたいという。そして、「児童・生徒らとじかにかかわる力を伸ばす」教育を実現すべきだとの考えだ。 一方で、現職教員側からは、「大学の中で見ていることを教えてほしい」と、目まぐるしく動く毎日の中で「理論」を渇望する声もある。4月から早大教職大学院で教える長島啓記教授は、課題を抱える教員らが大学院での授業、実習を通じ、「リフレッシュして教壇に立ってほしい」と願う。そのためにも「教員が大学院に来やすい環境をつくることが重要」と強調する。  「いずれはすべて(の教育関係の大学院)が教職大学院になるべきだと思っている」という群馬大の松田教授は、県教委との連携などにも精力的に動く。まだ知名度が高いとは言えない教職大学院が定着するには、今後も大学スタッフの努力が必要だ。  いずれにしても教職大学院を中心に、現職教員と大学との交流が進むことは確実だ。それを教育学部の活性化、教育養成の在り方全体の向上につなげるため、地域の積極的な取り組みが期待される。 "[he-forum 13172] 京都新聞3/28(2) 京都新聞2008年3月28日付 宇宙研究の新拠点 京大 人文系学問とも融合  京都大は27日、宇宙研究の拠点形成を目指す部局横断型研究組織「宇宙総合学研究ユニット」と、文化財の調査・分析・活用を担当する「文化財総合研究センター」を4月1日に開設すると発表した。  宇宙総合学研究ユニットは、理学研究科、工学研究科、基礎物理学研究所などの研究者で構成。宇宙論から宇宙工学、生命科学、文明論など人文系学問とも融合した新しい宇宙研究や開発プロジェクトを、宇宙航空研究開発機構などとも連携して進める。事務局は当面、生存圏研究所(宇治市)に置く。  文化財総合研究センターは、埋蔵文化財研究センターの機能を拡充、文化財の分析や活用など文理融合のプロジェクト研究と情報発信にも取り組む。  ユニット長に小山勝二理学研究科教授(62)、センター長に上原真人文学研究科教授(58)を選んだ。また、同時に開設する野生動物研究センター長に伊谷原一・林原類人猿研究センター所長(50)を決めた。  任期は4月1日からで、小山教授は1年間、上原教授、伊谷氏は2年間。  小山教授は京大理学部卒。宇宙科学研究所助教授、名古屋大助教授などを経て、1991年から京大理学部教授、95年から現職。専門は高エネルギー天文学。  上原教授は京大文学部卒。奈良国立文化財研究所主任研究官などを経て96年から現職。2005年から埋蔵文化財研究センター長。専門は考古学。  伊谷氏は酪農学園大卒。林原自然科学博物館人類学研究部長などを経て04年から現職。専門は動物園科学。 "[he-forum 13173] 朝日新聞3/28 朝日新聞2008年3月28日付 JR西が京大大学院に寄付講座 安全向上取り組みの一環  JR西日本は27日、京都大大学院工学研究科に4月から寄付講座を開設すると発表した。05年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故を受けた安全性向上への取り組みの一環。2013年3月までの5年間に計2億5千万円を寄付し、橋やトンネル、盛り土など線路を支える土木構造物について、施設担当者の経験則に頼ってきた維持、管理を体系化し、より効果的で安全性の高い管理手法を研究する。  同社の寄付講座は、聖トマス大学(兵庫県尼崎市)で昨年10月から始まった「『悲嘆』について学ぶ公開講座」に次ぎ2件目。「研究成果を鉄道のほか幅広い社会インフラにも活用し、社会に貢献したい」としている。 "[he-forum 13174] 共同通信3/28 共同通信2008年3月28日 18時06分 国立大教授を県職員に起用 岐阜、専門生かし課長級で  岐阜県は28日、今春新設の限界集落対策や町づくりを担当する地域振興課に、道路など社会基盤の経済評価が専門の高木朗義・岐阜大工学部教授(44)を4月1日付で起用すると発表した。  都道府県が国立大の教授を本庁職員に登用することについて、総務省は「個別の事例は把握していないが、聞いた事がない」としている。  県によると、高木教授の役職は課長級の「地域政策・都市政策監」。週2日は大学で講義やゼミを続け、残りの3日を県庁で勤務する。県と同大が進めている人事交流の一環で、専門を生かして県の都市計画の策定などに携わる。任期は1年だが、更新も可能という。  高木教授は「研究は地域に貢献して初めて意味を持つ。県庁でのこれからの経験を研究にも生かしたい」と意気込みを語っている。 "[he-forum 13175] 山陽新聞3/29 山陽新聞2008年3月29日付 学生に“夢”基金創設へ 岡山大  岡山大は教育活動や学生の生活支援に幅広く活用する「岡山大学21夢基金」を創設する。2004年の独立行政法人化で運営交付金が減るなど「自立」を求められる一方、大学が基金を柔軟に管理運用できるようになったため。10億円を目標に卒業生や地元企業などに寄付を呼び掛ける。  同大の基金は法人化以前から留学生の生活支援や研究者の海外派遣に使う国際交流基金があるが、大学が直接管理できない上、税務署への届け出時に用途も細かく定める必要があった。法人化で届け出が不要になり、運用も自由度が増したため、新たに設立を決めた。  夢基金で行う事業は、教育活動や修学支援、国際交流の推進、地域貢献、キャンパス環境の整備―など。奨学金のような運用から学生が利用する施設整備など、その都度必要に応じて使う。  募金は1口1万円。4月から呼び掛けを始め、創立60周年となる2009年度までを「創立60周年記念キャンペーン期間」として卒業生を中心に支援を求める。  寄付による基金の設立は全国の国公立大で広がり、東京大や京都大などで既に実施。広島大は4月から学力優秀で経済的理由で進学できない学生向けの基金「フェニックス奨学制度」を創設、将来は用途を広げていくという。  岡山大は「文字通り学生に夢を与えられる基金にしたいので、広く協力を呼び掛けたい」と話している。  問い合わせは岡山大学21夢基金事務局(086―251―7004)。 "[he-forum 13176] 共同通信3/29 共同通信2008年3月29日 09時51分 高松に四国初の大学博物館 弥生土器から人工衛星まで  志願者減少のストッパーになるのか。香川大(高松市幸町)に4月下旬、四国初となる大学付属の博物館がオープンする。弥生式土器から最先端の小型人工衛星の研究成果までを展示、市民や受験生に無料で開放する。  名称は「香川大学博物館」。2006年12月に設置が決まり、教育学部の建物内に約300平方メートルのスペースを確保、収蔵室や資料整理室も備えた。  売りは最先端科学。今秋にもH2Aロケットに搭載される予定の小型人工衛星「STARS」の試作品や窓ふきロボット、抗がん作用が期待される「希少糖」などを展示し、付属のパネルで説明する。  ほかにも平安時代の水田跡で見つかった足跡や、瀬戸大橋建設で海底をボーリング調査した際のサンプルといったユニークな展示も。  年数回のオープンキャンパスには、博物館見学を通じて高校生に大学の魅力をアピール、夏休みには小学生向けに体験教室を開く計画もある。  香川大の志願者数は5000人前後で推移してきたが、今春は約3700人まで減っており、館長の丹羽佑一教授(60)は「地域と活発に交流する見本市のような博物館にしたい」と話す。 "[he-forum 13177] 河北新報3/29 河北新報2008年3月29日付 教員の質向上へ大学連携 山形大など FDネットを結成  教員の能力開発を目指し、山形大が設立を呼び掛けてきた大学間の連携組織「FDネットワークつばさ」が28日、結成された。東日本地域の大学、短大、高等専門学校の計34校が参加。協力して教育方法の改善に取り組む。  FDはファカルティー・デベロップメント(教員の資質向上)の略。山形大は2004年、山形県内の他の大学、短大とともに「地域ネットワークFD樹氷」を結成、FD推進に力を入れてきた。ノウハウを生かすため、連携の輪を東日本地域に広げることにした。  参加校の内訳は、東北が秋田を除いた5県の18校、北海道が4校、関東が12校。山形大に事務局を置き、各校のFD担当者からなるFD協議会が中心になって運営する。共通フォーマットを使った学生による授業評価、他の教官が授業を見学して意見交換する公開授業などを行う予定。  山形市内のホテルで行われた結成記念式典には、約40人が出席。山形大の結城章夫学長が「FDはすべての高等教育機関共通の課題。各機関が知恵や経験を出し合って充実させていくことが大事だ」とあいさつ。文科省高等教育政策室長の鈴木敏之氏が「学士課程教育の改革とFD」と題して講演した。  東北からの参加校は次の通り。  ▽青森 県立保健大、青森公立大、青森中央短大▽岩手 一関高専▽宮城 仙台大、東北生活文化大、東北薬科大▽山形 山形大、県立保健医療大、東北芸術工科大、米沢女短大、羽陽学園短大、山形短大、鶴岡高専▽福島 会津大、会津大短大部、いわき短大、桜の聖母短大 "[he-forum 13178] 京都新聞4/1 京都新聞2008年4月1日付 京都府公立大学法人が発足 府立医科大と府立大を運営  京都府立医科大(京都市上京区)と府立大(左京区)を運営する府公立大学法人が1日発足し、法人本部が置かれた府立医大広小路キャンパスで発足式が行われた。  発足式には山田啓二府知事のほか、荒巻禎一理事長、山岸久一府立医大学長、竹葉剛府立大学長ら法人理事と大学教職員が出席した。山田知事は「学術研究、人材育成の拠点として、時代のニーズに応え、発展していただきたい」と法人の門出に期待を寄せ、荒巻理事長は「歴史ある両大学にとって大きな節目。迅速、効率的、透明性のある運営をしたい」と抱負を述べた。  法人化により、大学運営の効率化と教育研究の柔軟な展開が期待される一方、経営責任も問われることになる。 "[he-forum 13179] 時事通信3/31 時事通信2008年03月31日11時50分 ブラザー工業と産学連携協定=名古屋大  名古屋大は31日、ブラザー工業(名古屋市)と産学連携協定を締結したと発表した。広範なテーマでの研究者の交流を目指し、2008年度から共同研究や情報交換、人材交流活動を連携して進める。  特に対象とするのはナノ技術領域や環境技術領域。同社が研究テーマを提案し、同大の産学官連携推進本部が中心となって、随時技術交流会を開催する。同大は「互いの特色を生かしながら国際水準の研究・技術開発を目指したい」としている。 "[he-forum 13180] 山口新聞4/1 山口新聞2008年4月1日付 医師配置や広域連携研究 山口県が寄付講座  医師不足が深刻な問題になる中、山口県と山口大は三十一日、医師の効率的な配置や広域的な医療連携を研究する「地域医療学講座」の開設について協定を結んだ。県の寄付で山口大が設ける「寄付講座」で、研究成果は施策に反映させる。  県庁であった締結式で、二井関成知事と丸本卓哉学長が協定書に署名した。二井知事は「医師の偏在や勤務医不足など課題は多い。地域医療体制の整備を加速化させる」と述べ、丸本学長は「課題解決に貢献し、県との連携を強めたい」と応じた。  講座は二〇〇八、〇九年度の二年間で県が計五千万円を支出。医師配置▽医療機能連携▽過疎地での総合診療医の養成▽広域的な救急医療の支援―の四テーマを研究する。国立保健医療科学院疫学情報室長の福田吉治氏を教授に、北九州市の大手町病院脳神経外科部長の米田浩氏を助教に迎える。  地域医療をテーマに、地元の国立大に寄付講座を設けるのは中国地方五県では初めてとなる。(高橋清子) "[he-forum 13181] 中国新聞4/1 中国新聞2008年4月1日付 (he-forum 13180の修正)新聞名が誤まりです。訂正します。 医師配置や広域連携研究 山口県が寄付講座  医師不足が深刻な問題になる中、山口県と山口大は三十一日、医師の効率的な配置や広域的な医療連携を研究する「地域医療学講座」の開設について協定を結んだ。県の寄付で山口大が設ける「寄付講座」で、研究成果は施策に反映させる。  県庁であった締結式で、二井関成知事と丸本卓哉学長が協定書に署名した。二井知事は「医師の偏在や勤務医不足など課題は多い。地域医療体制の整備を加速化させる」と述べ、丸本学長は「課題解決に貢献し、県との連携を強めたい」と応じた。  講座は二〇〇八、〇九年度の二年間で県が計五千万円を支出。医師配置▽医療機能連携▽過疎地での総合診療医の養成▽広域的な救急医療の支援―の四テーマを研究する。国立保健医療科学院疫学情報室長の福田吉治氏を教授に、北九州市の大手町病院脳神経外科部長の米田浩氏を助教に迎える。  地域医療をテーマに、地元の国立大に寄付講座を設けるのは中国地方五県では初めてとなる。(高橋清子) "[he-forum 13182] 朝日新聞3/31 朝日新聞2008年3月31日付 上位狙いか疑問視か 海外発「世界大学ランキング」  国内の有力大学の間で、海外発「世界大学ランキング」への関心が高まっている。「順位上昇作戦」を展開したり、目標順位を掲げたりする大学もある。一方、「非英語圏は不利」「文系軽視」など、ランキングに対する疑問も根強い。「たかがランキング、されどランキング」――大学関係者がこう語るランキングとの付き合い方をみた。 ◆東大「順位は恣意的」  東京大が21日、米カリフォルニア大バークリー校、米エール大、英ケンブリッジ大という名門大学と教育力を比較する研究会を開いた。  小宮山宏総長は「ランキングの多くは恣意的(しいてき)で、順位に一喜一憂するのは本末転倒」とあいさつ。浜田純一副学長も「ランキングは教育など大学の総合力を正確に反映しているわけではない。むしろ、似ている大学と比べることで長所や短所をはっきりさせた方が有益だ」と話す。  「世界の知の頂点を目指す」(小宮山総長)東大だが、英紙タイムズの07年のランキング(以下同じ)では17位。専門家評価は百点満点だが、国際性が50点以下なのが弱点だ。最近力を入れている国際化は「順位上昇作戦」にも見えるが、浜田副学長は「総合力ではすでに世界の10位以内だと思っている。ランキングの上昇自体が目的の努力をするつもりはない」。 ◆東北大「30以内目標」  一方、ランキングに対応しているように見える大学もある。  一橋大は200位にも入らず、「順位の低さに衝撃を受けた」(加藤哲郎・研究担当役員補佐)。そこで、同じ社会科学の総合大学でありながら06年には東大よりも上位(17位)に入った英ロンドン大経済政治学院(LSE)を現地調査。論文の英訳支援も始めた。加藤補佐は「人文科学と社会科学の部門別ランキングでまず100位以内を目指す」と意気込む。  大阪大(46位)は07年に初めてトップ50入りしたが、「論文の引用回数からみると30位以内に入っていてもおかしくない。10~20位台にはいきたい」(高杉英一副学長)。タイムズ側に対し、評価にあたる専門家が欧米に偏っているのではないかとして改善を求めるなど積極的だ。  慶応大(161位)は安西祐一郎塾長が05年、日本の大学のトップとしては初めてタイムズの編集部を訪れて算出の基準などを尋ね、そのころから塾長の海外出張を約2.5倍に増やした。坂本達哉常任理事は「慶応の国際的な存在感が高まり、結果としてランキングにもプラスに働いているかもしれない。50位に近づきたい」。  東北大(102位)は昨春、井上明久総長が「井上プラン」で「10年後のトップ30入り」を宣言。北村幸久副学長は「そのためにも世界中から優れた研究者や学生を獲得したい」。新年度からは優れた教授に月給を上乗せする「抜群教授」(ディスティングイッシュトプロフェッサー)制度を始めて、優秀な「頭脳」獲得に本腰を入れる。  東京工業大(90位)は「レベルに比べて国際的な知名度が低い」(大倉一郎副学長)弱点への対策として、07年3月から世界的な科学誌「ネイチャー」に大学紹介などの広告を出している。大倉副学長は「電子メールで購読者1万人にも配信されるので、評価にあたる専門家が見る可能性もある」と期待する。 ◆「ミカンとリンゴ比べるよう」  これに対し、ランキングに懐疑的な大学もある。  京都大(25位)の木谷雅人副学長は「多種多様な大学を順位付けできるのか疑問だ。信用が置けるものとは思っていない」。早稲田大(180位)の堀口健治副総長も「ランキングは英語の論文や理系が中心で、人文・社会科学系の力を十分反映していない。順位の上がり下がりに一喜一憂するのは間違っている」と話す。  一方、国立大学協会副会長でもある九州大(136位)の梶山千里総長は「順位を上げることは重要」としながらも、「カンフル剤のような一時的なものではなく、実質の向上がともなうような努力をすべきだ」。  大学は、ランキングとどう付き合えばいいのか。  東大の小林雅之教授(高等教育論)は「大学の力には数量化できないものも多い。リンゴとミカンを比べるようなものなので、距離を置いた方がいい」と言う。一方、神戸親和女子大の間渕泰尚専任講師(同)は「歌のヒットチャートと似ていて、上位でなくても、いい曲(大学)はあるが、上位にあるのはそれなりにいい曲(大学)だ。自校の改善のために賢く使えばいい」と話している。      ◇ 主な大学ランキング  最も有名なのは、英国の日刊紙タイムズの別冊高等教育版などが04年から発表しているもの。(1)研究力(専門家による評価が40%、教員1人あたりの論文引用回数が20%)(2)卒業生の被雇用力(企業の採用担当者による評価、10%)(3)教育力(学生1人あたりの教員数、20%)(4)国際性(外国人教員比率と留学生比率、各5%)から算出している。  上海交通大学が03年から発表しているものは、ノーベル、フィールズ両賞の受賞者数や科学誌「ネイチャー」「サイエンス」の掲載論文数などを基準にしていて、「研究力ランキング」の性格が強い。  米誌ニューズウィークが06年に発表したものは、タイムズと上海交通大学のランキングなどをもとにしている。 "[he-forum 13183] 毎日新聞4/1 毎日新聞2008年4月1日付 大学入試:国立大医学部、入学定員57人増へ--09年度から  文部科学省は31日、国立大12校が09年度から医学部の入学定員を計57人増やす計画を申請したと発表した。6月に大学設置・学校法人審議会に諮問され、同月末に認可される見通し。  医師不足解消のため、07年5月に国がまとめた「緊急医師確保対策」に基づく申請。今回申請したのは、筑波大▽千葉大▽岐阜大▽島根大▽広島大▽徳島大▽香川大▽愛媛大▽大分大▽長崎大▽佐賀大▽鹿児島大の12校。増員数は佐賀大(2人)を除き5人。 "[he-forum 13184] 高知新聞3/29 『高知新聞』2008年3月29日朝刊 高知大学長に相良氏再任 文科省  文部科学省は28日、高知大学の次期学長に相良祐輔・現学長を任命することを  決めた。渡海紀三朗文科相が同日の閣議に報告し、了承を得た。相良氏は4月  1日付で就任。任期は4年。  高知大の学長選考をめぐっては、相良氏再任を決めた学長選考会議の決定無効  を求めて、対立候補の高橋正征氏=高知大大学院黒潮圏海洋科学研究科長=ら  が大学を相手取って高知地裁で係争中。これに対し、大学側は2月28日付で、  相良氏を次期学長に任命するよう文科省に上申していた。  原告側の教授らは「非常に残念。学内の混乱を知った上で、文科省が相良氏の  再任を認めたことは、監督官庁として無責任であり、法廷の場で追及したい」  と、文科省に対しても任命取り消しを求める訴訟を起こす考えをあらためて示  した。  次期学長就任の閣議了承が得られたことについて、大学側は「正式な手続きを  踏んで上申している。それ以上はコメントできない」としている。 "[he-forum 13185] 共同通信4/2 共同通信2008年4月2日20時23分 道徳教育の教材に国庫補助 教育基本計画の答申案了承  中教審特別部会(部会長・三村明夫新日鉄会長)は2日、改正教育基本法に基づき策定する教育振興基本計画の答申案を了承した。道徳教育充実のため教材作りを支援する国庫補助制度や、小中学校約1万棟の耐震化、福田康夫首相が掲げる「留学生30万人計画」などが柱。ただ焦点だった教育予算の拡充については、財務省の同意が得られず具体的な投資額の明記を見送った。  基本計画は、2008年度から5年ごとの教育政策の目標や実施体制などを定めるもので、今回初めて策定する。中教審は4月中旬をめどに開く総会で渡海紀三朗文部科学相に答申。政府は4月中にも計画を閣議決定し、実施に移す。  答申案では、今後5年間に取り組む事項として(1)公立学校の学校選択制の普及や現行の「6・3・3・4制」の弾力化(2)幼稚園と保育所の機能を一元化した「認定こども園」を2000カ所以上に拡大-なども盛り込んだ。 "[he-forum 13186] 時事通信4/2 時事通信2008年04月02日16時03分 ハーバード大、記録的な競争率=学費免除で  【シリコンバレー2日時事】今秋に始まる新年度に向けた米名門大の入学選考結果が2日までに発表され、各校の競争率が軒並み過去最高を記録した。高校を卒業するベビーブーマー(団塊世代)ジュニアの数がピークを迎えている上、各校の学費免除策が好感され、志願者が殺到した。  ハーバード大には過去最多の2万7462人が願書を出し、1948人が合格。競争率は、米最古の私大として1636年に創設されて以来最高の約14倍(昨年は11倍)に達した。スタンフォード大も競争率11倍、エール大が12倍と、いずれも各校史上で最も「狭き門」になった。  「学費高騰で富裕層の子弟しか入学できない」との批判を受け、スタンフォード大は新年度から、年収10万ドル(約1000万円)未満世帯の子弟なら、年3万5000ドル(約350万円)の授業料を全額免除すると発表。ほかの名門私大も同様に学費免除策を強化しており、中低所得層の子弟も名門大を受験しやすくなった。 "[he-forum 13187] 山形新聞4/3 山形新聞2008年4月3日付 荘内銀が山形大院生ローン 授業料や学会出席旅費に  荘内銀行は2日、山形大と協定を結び、授業料や学会出席旅費などに使える「山形大学大学院奨学ローン」の取り扱いを始めた。大学院生が研究に専念できるようにするのが狙いで、県内初の大学院生専用ローン。修了後に県内の企業などで勤務する場合はさらに金利を優遇し、地元就職も支援する。  対象は山形大が推薦する大学院生で、入学金や授業料、図書購入費、海外を含む学会参加費などに使用できる。融資額は10万円以上300万円以下で、在学中は元本の返済を据え置くことができる。金利は変動金利で年2.6%(今月2日現在)。大学院生が県内企業などに就職した場合、その段階から金利をさらに0.5%優遇する。  荘内銀行と山形大は連携協力協定を結んでおり、産学連携活動を資金的にサポートするためにも、新たに奨学ローンの制度を設けたという。 "[he-forum 13188] 長崎新聞4/3 長崎新聞2008年4月3日付 長崎大が教職カリキュラムで協定 JAXA、県内5大学と  長崎大(齋藤寛学長)はこのほど、今月開設する教員養成のための大学院教育学研究科「教職実践専攻」のカリキュラムを連携して進めるための協定を県内五つの公私立大、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と結んだ。  従来の学校教育専攻を廃止し、文部科学省の教職大学院制度を活用した専攻を新設。子ども理解・特別支援教育実践、学校運営・授業実践開発など四コースを設置。県、市町教委との連携も図り、県内の小、中学校での実習に重点を置いたカリキュラムで人材を育成する。  県立大、長崎国際大、長崎ウエスレヤン大、長崎外国語大、長崎総科大の各連携大とJAXAから各一人の講師を受け入れる。締結に際し、長崎大の福永博俊理事は「県全体を通じて、資質の高い教員の育成に努めたい」と語った。 "[he-forum 13189] 河北新報4/3 河北新報2008年4月3日付 教養教育拡充図る 東北大がプラン改訂  東北大は2日、国際的な評価を高めるために取り組むべき課題を示した「井上プラン2007(東北大アクションプラン)」の2008年度改訂版を発表した。  新たに加わったのは、教養教育の拡充を図る項目など。教養教育を担当する「総長特命教授」に06、07年度の退職教授から3人を任命したほか、本年度内に「教養教育院」を創設する。  英語教育の強化策として、08年度から国際的英語能力テスト、TOEFL(トーフル)の受験を1年生全員に義務付けることも決めた。  記者会見した井上明久総長は「教養教育を充実させ、学生の質をさらに向上させたい」と述べた。  アクションプランは大学の総合評価で10年後の世界30位以内入りを目標に、昨年3月に作成された。教育、研究、社会貢献、キャンパス環境、組織・経営の5分野で、国際競争力を高める戦略を打ち出した。 "[he-forum 13190] 毎日新聞4/3 毎日新聞2008年4月3日付 教育振興基本計画:教員増、数値盛らず 中教審部会、答申案まとまる  06年12月に成立した改正教育基本法で策定が義務づけられた「教育振興基本計画」の答申案を、中央教育審議会の特別部会が2日、まとめた。今月中旬に開く同審議会総会を経て、渡海紀三朗文部科学相に答申し、今月中にも閣議決定される見通し。焦点だった教職員定数増へ向けた予算確保の具体的な数値目標は盛り込まれず、委員からは不満の声も出た。  答申案は、▽道徳教材活用のための国庫補助制度の早期創設▽幼稚園と保育園の両機能を持つ「認定こども園」を早期に2000件以上にする▽2020年をめどに「留学生30万人計画」を実現▽生涯スポーツ環境を整備し、成人の週1回以上のスポーツ実施率を50%とする▽大地震で倒壊の危険性が高い小中学校など1万棟の耐震化を優先支援する--などを盛り込んだ。  また、答申案は今後5年間で中心的に取り組む施策の一つとして、学習指導要領の改定と着実な実施を挙げ、「新指導要領の円滑な実施を図るため、教職員定数の改善をはじめとする条件整備を着実に実施する」とした。一方、「財政は大変厳しい。歳出改革の努力を継続する必要があり、施策の選択やコスト縮減が必要」とも記している。  文科省には当初、基本計画で予算確保の数値目標を定める狙いがあったが、財務省との交渉は難航。答申案は「意気込み」を示すだけにとどまり、一部の委員からは「これで『何かが変わる』との印象を受けない」などの声も出た。【加藤隆寛】 "[he-forum 13191] 高知新聞4/3 『高知新聞』2008年4月3日付夕刊 話題(夕刊記者コラム) 闘争の意味  つい10日前の卒業式には蕾だったキャンパスの桜が、きょうは春風に舞ってい  た。高知大学の入学式。2期目を踏み出した相良祐輔学長はどんな胸中でいる  だろうか・・・と考えずにはいられなかった。  全国の国立大学法人で初めて、学長選考をめぐって刑事告発が行われ、係争の  真っただ中にある高知大。文科省は相良氏を学長に任命したが、原告側の教授  らは認めていない。今後は文科省を相手に「学長任命取り消し」を求めるとい  う彼らに「無駄な裁判をやっている場合か」といった批判が挙がるのも当然だ  ろう。当初からこの問題を追ってきたわたしも、この裁判こそが高知大に混乱  を来しているのであれば、そう思う。  だが現実に医学部と農学部以外の学部が反旗を翻している中で、相良学長は次  の4年の舵をどう切るのだろうか。高知工科大や高知女子大の公立法人化の動  きをにらみつつ、道州制時代の大学法人の再編と向き合わねばならない時期。  これまで以上の“リーダーシップ”で学内の異論は封じ込める戦略だろうか。  裁判は今、「選考会議の決定に影響を及ぼす立場の者でないと原告になり得な  い」とする被告側の主張に基づき、入り口の議論がなされているが、これでい  くと、選考会議の権限の前には、異議を訴える権利さえないことになる。原告  側が「問うているのは大学の民主主義だ」といくら熱く語ろうが、その議論に  たどりつくことさえ許されない。それはおかしくないか。  あらためて感じる「国立大学法人法」の危うさ。わが高知大の学長選考問題が、  全国の大学法人にとって意味のある闘いにつながってほしい。 "[he-forum 13192] 河北新報4/3(2) 河北新報2008年4月3日付 昇格したい人手を挙げて 東北大、自薦式導入  東北大は今春、人事制度改革の一環として、事務職員の課長・事務長への登用制度に「自薦式」を導入した。2008年度人事では、自ら名乗りを上げた課長補佐クラスから新課長らを決めた。職員のやる気を引き出して組織の活性化を促すとともに、人事考課の透明性を確保するのが狙い。  課長・事務長は全学で約70人。80人ほどの課長補佐・専門職の中から年に3、4人が昇格している。これまでは所属長の推薦などで昇格者を決めていた。  課長補佐らを対象に2月、新制度実施を伝えたところ、約20人が立候補。理事5人が面談し、業績や昇格後に取り組みたい仕事を聞き取り調査した。資料を用意し、大学への提言を積極的にアピールした職員もいたという。  大学は「結果は本人と所属長にしか告げていない」として、昇格人数を明らかにしていないが、能力や適性を考慮して判断したという。  折原守理事(人事労務・施設担当)は「手上げ式は東北の気質になじまないのではとの懸念もあったが、予想以上の立候補者があった。職員の意欲を感じた」と手応えを語る。  東北大は、卓越した業績を挙げた教授に手当を上乗せ支給する「ディスティングイッシュト(優秀な)プロフェッサー」制度も導入。競争力を高めるための人事制度改革を進めている。  折原理事は「法人化以降、人件費抑制に伴いポストや人員を減らさざるを得ない。人材を育て、教職員一人一人の力を平準化することが必要だ」と話している。 "[he-forum 13193] 毎日新聞石川4/4 毎日新聞石川版2008年4月4日付 ’08北陸アカデミー:北陸先端科学技術大学院大・片山卓也新学長 ◇地域の大学院が連携を  開学から19年目を迎える北陸先端科学技術大学院大(石川県能美市)は、情報や材料などの分野で多くの研究者を輩出する一方、近年の国立大学法人化で厳しい大学間競争にもさらされる。1日にトップに就任した片山卓也・新学長に、白山ろくに位置する大学から北陸の「学」をどう見据え、導こうとしているのかを聞いた。【野上哲】  北陸先端科学技術大学院大は、大学院専門に教育を行う先駆的な国立大学院大として90年に開学。知識科学▽情報科学▽マテリアルサイエンスの3研究科などに3月現在、教員168人を擁し、学生913人(修士639人、博士274人)が学ぶ。  片山学長が掲げるのは「トップレベルの国際的大学院の構築」だ。  教員のレベルは高く、1人当たりの共同・受託研究費は国立大1位、論文数は6位。携帯電話の通信技術、人工臓器など医療材料、植物原料プラスチックなど世界的にオリジナルな研究もある。片山学長は「東大や京大にもないようなトップレベルの研究がある。優秀な研究者をまとめ、海外からも評価されやすいような『コア』(中核)を作りたい」と話す。  一方、質の高い学生を集め、育てることも重要。技術者や研究者など、学生の進路を見据えた「新教育プラン」を今年度から導入した。学部3年から飛び級で入学させ、通常5年の修士・博士課程を4年で終える一貫課程などを整備した。  また、中国やベトナムなどアジア地域からの留学生受け入れも人材確保の柱に置く。現在、学生全体の2割を占める留学生について、奨学金の拡充で「3割には上げたい」。1割にとどまる外国出身教員を増やすことも「国際化」の条件とする。  04年の国立大法人化で、各大学は研究費獲得などで厳しい競争下に置かれている。地方の小規模な教育研究機関にとっては、地域連携がカギだ。  「安穏とはしていられない」。片山学長は強調する。「1大学では、東大など巨大な大学には負けてしまう。地域の大学院がまとまって大きな予算を取ってくるなど連携が必要だ」。金沢大や富山大、福井大などとの共同研究や人材交流などを構想しており「北陸の地で仕事をする者として、旗振り役も務めたい」と意欲的だった。 ==============  ■人物略歴  ◇かたやま・たくや  日本IBMを経て67年に東工大工学部助手、85年に教授。91年、北陸先端科学技術大学院大教授に就任。安心電子社会研究センター長を経て現職。専門はソフトウエア工学。68歳。 "[he-forum 13194] 共同通信4/4 共同通信2008年4月4日 18時28分 全国初の「食の大学院」 10年度にも関西に設立  関西の大学が経済界や国の協力を受け、「食」に関する高度で広範な知識と技術を備えた専門家を育てる全国初の大学院計画を進めている。来年春にも大阪府立大が大阪市立大や私大とともに文部科学省に設置認可を申請し、早ければ2010年度に開校の見通しだ。  栄養学から食品流通や調理、外食産業の経営ノウハウまで多彩な講座を設け、人気、信頼性ともに高い日本食に通じた人材を輩出する総合機関を目指す。食材分析などで「食の安全・安心」にも貢献したい考え。  7日には設立に向けた懇談会が大阪市内で開かれる。石毛直道国立民族学博物館名誉教授を座長に、小嶋淳司関西経済同友会代表幹事ら財界関係者や、大阪府大、大阪市大、同志社大、関西大の各学長らがメンバーだ。 "[he-forum 13195] 共同通信4/4(2) 共同通信2008年4月4日19時08分 卓越教授に脳トレの川島さんら 東北大が25人に辞令  業績の優れた教授に特別な称号と手当を与える「卓越教授」制度を4月から導入した東北大は4日、初代の25人を発表した。教授陣約800人の中から選ばれたのは「脳トレ」などで知られる川島隆太教授(48)らで、井上明久学長から辞令交付を受けた。  正式名称は「ディスティングイッシュトプロフェッサー」で最大20万円が月給に上乗せされる。任期3年で再任も可能。待遇差の設定に異論もあったが、学内での切磋琢磨を期待し導入した。  理工、医学関係の研究に定評ある大学らしく、19人が理系。女性は2人だった。ノーベル物理学賞に有力と報じられた電気通信研究所の中沢正隆教授(55)や、金属探知機とレーダーを組み合わせた地雷識別装置を開発した東北アジア研究センターの佐藤源之教授(50)も名を連ねた。 "[he-forum 13196] 福井新聞4/6 福井新聞2008年4月6日付 教職大学院開講式 教育力向上へ34人決意  教育現場の中核を担う中堅教員や実践的な指導力を備えた新人教員を養成する福井大の教職大学院が新たに開設され、5日文京キャンパスで開講式が行われた。1期生34人が教育技術の向上へ決意を新たにした。  中堅教員が対象の「スクールリーダー養成コース」に45歳前後の19人、福井大など教育関係学部からの進学者や小中高校の講師ら新人教員を受け入れる「教職専門性開発コース」には15人が入学した。  大学院と協力する「拠点校」「連携校」に県内21カ所を選定。院生が勤める学校に専任教官が出向く〝出前方式〟で、授業の進め方やカリキュラム編成について事例研究を進めていく。  履修科目は「カリキュラムと授業」「子どもの成長発達支援」「コミュニティとしての学校」の3系統。通年の実習のほか大学での授業、夏期・冬期の集中講座などのカリキュラムが組まれている。修学は原則2年だが、1年での修了もできる。  開講式では、梅澤章男教育学研究科長が「教職大学院はよりよい学校づくりに向けた教師教育の切り札。積極的に研さんを積んでほしい」とあいさつ。院生たちは履修方法やカリキュラムの説明を受けた。講義は10日から始まる。  福井大教育地域科学部から進学した長田陽佑さん(22)は「これからの時代に必要な教育技術を実践で身につけたい」と意欲を高めた様子。同市至民中の高村祐司教諭(47)は「今までの自分の取り組みを見つめ直すきっかけにしたい」と話していた。 "[he-forum 13197] 神戸新聞4/5 神戸新聞2008年4月5日付 教職大学院スタート 兵教大「授業力」向上へ  兵庫教育大学(加東市)は四日、教員の「授業力」向上などを目的とした教職大学院の開設記念式典を開いた。現職教員三十六人を含む全国最多の八十五人が入学。現場実習など実践的なカリキュラムを設け、将来の校長など現場のリーダーを養成する。(金井恒幸)  教職大学院は、政府による教員資質向上策の一つ。本年度から十九校が開設され、県内唯一となる兵教大は定員百人に百二人が受験。兵庫県出身の三十四人を含め、二十二都府県から八十五人が入学した。  内容は「学校経営」「授業実践リーダー」など四コース。二百以上の学校や教育委員会と連携したインターンシップを導入。どうやって子どもに授業への興味を持たせるかなど、課題を解決する実習に力を入れる。  教育ジャーナリストや米国のスクールカウンセラーなど教授陣も多彩。道徳や生活指導など「心の教育」も重視する。  式典で梶田叡一学長が「教職大学院は教育改革の大きなステップ。今まで以上にレベルの高い教員を養成したい」と意義を強調。入学した姫路市立朝日中学教諭の重近世都子さん(47)は「心の教育を重点的に学び、得たことを学校で子どもたちに返していきたい」と話していた。 "[he-forum 13198] 神戸新聞4/5(2) 神戸新聞2008年4月5日付 廊下で大腸菌培養 神大大学院で内規違反か  神戸大は四日、大学院医学研究科の研究室が、遺伝子組み換え実験で作った大腸菌を実験室外の装置を使って培養していた、と発表した。こうした実験は菌の外部への拡散・流出を防ぐため、事前に登録した実験室内で実施することが、学内規則で定められている。今回のケースは、学内規則に違反する疑いが強く、大学は近く内部調査の結果を公表する。  大学によると、この研究室は五十代の男性教授が指導。実験はがんの病因解明を目的に、遺伝子を組み換えた病原性のない大腸菌を使い、情報伝達などを調べていた。教授らは事前に登録した実験室内ではなく、室外の廊下に保管していた「振とう培養器」で大腸菌を増やしていた。  大腸菌の拡散や流出被害はないという。  先月十七日、文部科学省に匿名の通報があり、学内の安全委員会が関係者に事情を聴いたところ、教授が「部屋が手狭になり、(装置を)外に出していた」と認めたという。教授の研究室は現在、全実験を自粛中。  大学は、遺伝子組み換え実験をする全学部に対象を広げて内部調査している。  高井義美・医学研究科長は「不手際が二度と起きないよう対策を講じたい」としている。 "[he-forum 13199] 毎日新聞長野4/5 毎日新聞長野版2008年4月5日付 信大大学院:岡谷にサテライトキャンパス開設 専門職を養成  信州大大学院の諏訪圏サテライトキャンパスが岡谷市本町のテクノプラザおかやに開設され、開所式が3日行われた。社会人対象の工学系の修士課程「超微細加工技術者育成コース」が置かれ、専門職養成を目指す。産学官が連携するサテライトキャンパス設置は飯田、塩尻両市に続いて3カ所目。  同コースは、07年度の経済産業省・人材育成事業を引き継ぎ、諏訪地域の企業に勤める23人が入学する。精密加工などの講義や連携企業での実習もある。  開所式で、小宮山淳・信大学長は「世界に誇れる技術人になるよう養成していきたい」とあいさつ。岡谷市の今井竜五市長は「レベルアップの最高の手段になると期待している」と祝辞を述べた。【武田博仁】 "[he-forum 13200] 毎日新聞4/5東京夕刊 毎日新聞2008年4月5日付東京夕刊 工学系進学情報誌:「女子高生向け」創刊 16大学が編集協力  工学系大学への進学にターゲットを絞った女子高生向け無料情報誌が今春、創刊した。工学部の進学希望者はここ10年で半減し、特に女子学生が占める割合は他の学部に比べて低い。こうした現状に、大学側が危機感を持っていることが背景にあり、工学系学部がある東京大、東京工業大、早稲田大、中央大など16大学が編集に協力した。  情報誌は、東京都千代田区の企画会社「アネスタ」が発行する「ハッピーテクノロジー」。8万部を製作し、全国の希望する高校に配布している。  A4判72ページの創刊号では、「工学系がわかる」というテーマで、工学系学部の入試科目、研究室での生活や女性に人気のある研究テーマ、卒業後の就職状況など、高校生が気になる情報を紹介している。また、工学部で学んだり、企業の技術者として働く女性たちのインタビュー記事を積極的に掲載した。進路選択の理由や研究開発の面白さ、充実感などを実体験として語ってもらい、志望の呼び水にすることをねらっている。同社は「日本は技術立国と言われるが、先進国の中では女性エンジニアが少ない。進路選択の参考にしてほしい」と話しており、今秋に次号を発行する計画だという。  文部科学省の学校基本調査(05年度)によると、工学系学部生に占める女子学生の割合は約10%で、理学(25%)、農学(40%)に比べても少ない傾向にある。【下桐実雅子】 "[he-forum 13201] 日本経済新聞4/5 日本経済新聞2008年4月5日付 中東各国、日本の大学と交流強化  中東各国政府が日本の大学との間で交流強化に動き出した。エジプトやサウジアラビアなどの政府が先端産業育成に役立てるため、情報通信、工学、省エネ技術などの分野で研究教育を活発にするほか、日本への留学生を増やす考え。  エジプト政府は同国第二の都市アレクサンドリア近郊に建設する「日本エジプト科学技術大学」に関して、日本の大学や政府に研究設備や教員、資金面で支援を打診中。早稲田大学、九州大学などと連携を目指す。情報通信、ロボット工学、材料科学などを柱に据える。 "[he-forum 13202] 西日本新聞4/5 西日本新聞2008年4月5日付 九州大学伊都キャンパス 教育棟完成半年遅れ 図書館も 業者側が契約解除  九州大学は4日、移転整備を進めている同大伊都キャンパス(福岡市西区)で、増築する理系図書館と新築する数理学研究教育棟の利用開始が計画から半年遅れの2009年10月にずれ込む見通しを発表した。建築確認審査の遅れなどから、建設契約を締結していたロッテ建設(東京)と勝村建設(同)の共同企業体(JV)が契約解除を申し出た。同大は「別の業者を探すが、教育研究への影響はほとんどない」としている。  同大によると、工事は2階建ての図書館を4階建てに増築し、6階建ての教育棟と両建物をつなぐ渡り廊下を新築する内容だった。同大は昨年9月の入札で、同JVと約20億7000万円で契約していた。しかし、建築確認を厳格化した昨年6月の建築基準法改正の影響で、今年1月までを見込んでいた審査に遅れが生じ、九大側は直ちに着工を求めたが「JV側は打開策の協議にも応じなかった」という。  契約解除は3月下旬に要請があり、同大は4日、解除を認める文書をJV側に送った。教育棟には教員約70人が研究室を置く予定だが、完成までは移動を見合わせる。  ロッテ建設の担当者は「解除を要請したのは事実だが、具体的内容はコメントできない」としている。 "[he-forum 13203] 時事通信4/6 時事通信2008年04月06日02時34分 わいろ、遊興費に使う=文科省前部長汚職  国立大学の施設整備をめぐる汚職事件で、収賄容疑で逮捕された前文部科学省文教施設企画部長大島寛容疑者(59)が、わいろを遊興費に使っていたことが5日、警視庁捜査二課の調べで分かった。  逮捕容疑の約50万円以外にも、贈賄側から現金を受領した疑いが浮上。同課は利益供与総額が数百万円相当に上る可能性があるとみて調べている。  大島容疑者は2006年4月上旬、国立大学が発注する施設整備計画の補助金情報を教えた見返りに、五洋建設の子会社「ペンタビルダーズ」顧問倉重裕一容疑者(58)から現金約50万円を受け取ったとして逮捕された。  調べによると、大島容疑者は手渡しでわいろを受領し、遊興費に充当。倉重容疑者は五洋建設出身で、2人は10年以上前に知り合い、同容疑者は密接な関係を築こうと働き掛けたとみられる。  2人は海外旅行やゴルフをしていたほか、大島容疑者は逮捕容疑以外にも現金を受領。捜査2課は接待も含めて数百万円相当の利益供与があったとみて調べている。  大島容疑者は2000年4月に文教施設部(当時)計画課長に就任。参事官も歴任し、わいろ受領時は国立大学の施設整備の企画立案を統括する文教施設企画部長だった。  ペンタ社側は事業受注に、大島容疑者から得た情報を活用。05年度まではほとんど受注がなかったのに、06年4月以降の受注額は電気通信大学の改修工事などで、少なくとも2億円に急増させたという。 "[he-forum 13204] 北國新聞4/5 北國新聞2008年4月5日付 産学連携を本格推進 北陸の18信金  北陸地区信用金庫協会は四日、北陸の全十八信用金庫が参加するビジネス商談会「北陸ビジネス街道2008」について、十月三日に金沢市の石川県産業展示館で開催すると発表した。今年は「技と伝統のものづくり」をテーマとし、企業同士の商談に加え、教育機関と企業も事前に引き合わせ、産学連携を本格的に推進する。  北陸の五百社・団体の出展を想定し、県産業展示館の1、2、3号館を借り切る大規模な商談会となる。東海、近畿地区の信金を通じて、両地区の企業からの出展も募る。  前回好評だった個別商談会をさらに充実させ、地場の有力企業や大手企業六十社が参加し、信金の取引先などとの商談を行う。また、「医療・介護・福祉ゾーン」を新設し、環境ゾーンを拡充する。  今月十四日から、来月末まで出展企業を募集する。十八信金の本支店窓口で申し込みを受け付ける。募集数に達した時点で締め切る。問い合わせは、北陸地区信用金庫協会=076(261)2836=へ "[he-forum 13205] 毎日新聞愛媛4/5 毎日新聞愛媛版2008年4月3日付 教育費:大学学費+生活費=204万円 年収32%占め、9割「負担ずしり」  ひめぎん情報センターはこのほど、今年の「大学生の教育費に関するアンケート調査」結果の概要を発表した。教育費の金額はやや減ったが、家計に占める割合は増え、親の年収の低下傾向を反映した結果となった。  調査は今年1月、大学や専門学校などに通う子を持つ県内500世帯を対象に行われ、有効回答率は57%だった。「進学の理由」は82%が「本人の希望」を挙げたほか「専門知識を身に付けるため」21%、「希望の職業に就くため」20%などが目立った。同センターは「入学以前から就職に対する意識の高さがうかがわれる」とした。  受験にかかった総費用は50万1000円(前年比4万7000円減)、1年目の学費128万3000円(同11万1000円減)、学費に生活費などを足した総費用も204万5000円(同2万7000円減)と減ったものの、総費用の年収に占める割合は32%(同0・2ポイント増)を占め、教育費の負担感が「大きい」「どちらかといえば大きい」とした回答は91%に達した。【古谷秀綱】 "[he-forum 13206] 中国新聞4/5 中国新聞2008年4月5日付 広大病院に残業代で是正勧告  広島大が大学病院(広島市南区)の教職員の残業代を払っていないなどとして、広島中央労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが4日、分かった。大学は医師や事務職員ら計約2100人に過去2年2カ月分の自己申告表を配り、実態解明を進めている。  人事部などによると昨年12月、労基署が2度にわたり抜き打ち検査し、医師らから残業代や勤務実態を聞き取り。2月14日に是正勧告をしたという。  大学は3月、退職者を含めた2088人に自己申告表を配布。2006年1月から今年2月までの勤務時間を記入するよう求めている。越智光夫病院長は「結果がまとまり次第、不払い分を支給する」とし、早ければ6月に支払う見込みだ。  残業申告は看護師の場合、時間をパソコン入力しており、学内には「管理職がデータを改竄(かいざん)したのではないか」との指摘もある。 "[he-forum 13207] 毎日新聞4/7 毎日新聞2008年4月7日付 新教育の森:学テ巡り沸く議論 教委の独立性に波及  ◇不参加の愛知・犬山、市長と教育長対立続く  22日に実施する全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、愛知県犬山市が昨年に続いて自治体で唯一、不参加を決めた。しかし、参加派の市長と不参加派の教育長との対立が表面化。テストの意義にとどまらず、教育委員会の独立性にまで及ぶ議論が続いている。【安達一正、花井武人】  ◆委員交代で逆転狙う  「義務教育である以上、国の方針に従ったらどうか」「地域や学校で自主的に物事を考えたい。唯一の不参加は誇りとすべきだ」。今年度のテスト参加問題が議題となった2月の市教委定例会。委員が不参加派3人と参加派2人に分かれ、議論の応酬が続いた。全員一致で不参加を決めた昨年とは一転した光景を、議場の隅で田中志典(ゆきのり)市長が見つめていた。  市長は06年12月に就任。選挙中からテスト参加の方針を表明し、就任後は不参加を推進してきた瀬見井久教育長を「独裁的」などと批判、参加に向けた布石を打ってきた。  最大の「武器」が、首長の教育委員の任命権。教育委員会は政治的な中立性確保のため、首長から独立して合議制で教育事務を処理する。一方で、委員任命は首長が議会の同意を得て行う。田中市長は委員の任期満了などに合わせ07年12月、委員2人を参加派に入れ替えた。  市長は地方教育行政法の改正で今年4月から委員の定数増が可能になったのを受け、テスト実施直前の増員も模索した。評決の逆転による参加を目指したが、性急な手法には市議会内から「教委の独自性を尊重すべきだ」などの批判も出て、早期の増員を断念する形で不参加が確定した。だが、市長は「来年は参加する」と話し、4月8日の臨時議会に1人増員の人事案を提案する予定だ。  ◆授業改革に自負  一方、瀬見井教育長は「ノーコメント」と表だった市長批判を避けてきた。教育長は97年の就任以来、少人数教育などを柱とする教育改革を推進。テスト参加を拒み、市長の「攻勢」にも無関心を装う背景には、市独自の教育への自負がある。  市教委によると、市内の小中学校14校のほとんどで、1クラス30人程度の少人数学級を実現。クラス数増加などに対応するため、市は01年度から市費による講師採用を始め、07年度は常勤8人、非常勤55人を採用した。  「ゆとり教育」による学習量減少を補うためとして、02年度からは小学生向けに独自の副教本(算数、理科、国語)も作成。現場の教師が製作に携わり、子どもらの反応を見ながら毎年改訂作業を行っている。副教本を活用するには授業時間の増加も必要として、04年度からは小中学校に2学期制を導入。年間おおむね30~40時間の授業時間増に結びついているという。  授業では、子どもを数人のグループに分けて問題を一緒に解かせるなど、子ども同士や教師との活発なコミュニケーションを重視。「子ども主体の授業の中で、子どもたちが自ら学ぶ力を身につけている」と市教委は胸を張る。  ◆意見交換会でも賛否  テスト不参加を巡っては、市民の間に賛否の声がある。  不参加決定後の3月下旬、市教委は市民対象の意見交換会を計4回開催。毎回約50~80人が参加した。  会場からは「テストによる評価基準は必要で、『良い教育をしている』だけでは納得できない」「自主独立の精神で今後もやってほしいとは思うが、犬山だけが不参加にこだわる現状に違和感を覚える。テストに参加しても独自性がぶれるとは思えない」と参加を望む声が相次いだ。  一方で、「国が自治体に競争を強いるようなテストには不満。市教委の目指す教育に納得している」「教育内容に自信を持っているのなら、テストは必要ない」と市教委を擁護する声も聞かれた。  市教委は「寄せられた意見は、学テ問題に限らず、今後の犬山の教育のあり方を考える参考にしたい」と話し、意見交換会を続ける意向だ。  ◇参加望む民意、反映させたい--参加派・田中志典市長  --テスト参加を目指す理由は。  市教委は不参加を決める前に、説明会や意識調査を行うなどして、保護者らの意見を聞くべきだった。参加にこだわっているわけではないが、決定前のそうした努力がなされておらず、手続きに疑問を感じる。不参加の決定に対しては、参加を望む市民の声もある。市民の意見の反映が不十分である以上、参加の声を市教委に伝えることが、市長としての私の役割だ。  --テストの意義や目的をどう評価するか。  (学力を測る)評価の物差しとなり、やるだけの意義はある。何事にも長所と短所があるが、良い面を無視して、反対ばかりでは進歩がない。市教委は学テは駄目だと言いながら、業者テストは実施しており、なぜ学テだけこだわるのか分からない。自らの教育に胸を張ることも必要だが、独善的にならず、謙虚に物事を考えてほしい。  --教育委員の入れ替えの目的は。  瀬見井教育長を中心とする市教委の取り組み、功績は認める。しかし、誰も教育長に逆らえない雰囲気があり、組織のあり方をもっと民主的に改善すべきだ。そのためにまず2人を入れ替えた。交代により多彩な意見が教委内に出て、学テを巡る議論が活性化したと思う。  --増員を目指す手法に、教委の独立性を脅かす「政治介入」との批判もある。  公正な民意を教委に反映させたいとの思いでやっているのに、「政治介入」とは全く的外れの見方だ。委員の交代で議論が深まったが、さらに活性化させ、現在の体制を刷新していく必要がある。  ◇対抗すべき相手は国--不参加派・瀬見井久教育長  --なぜ不参加なのか。  学力テストは教育の中に競い合いの原理を持ち込み、義務教育になじまない。国は「授業改善に役立つ」と意義を主張するが、役立たない。授業改善とは、現場の教師が子どもの姿を見ながら進めるものだ。学力の状況を知りたいのであれば、抽出による実施で十分。  --決定前に市民の声を聞くべきだとの声がある。  教委の決定の重みが分かっていない意見だ。制度的に与えられた権限に基づき、5人の委員による合議制で、英知を結集して話し合っている。正当な権限を行使するに際して、あえて広く意見を聞く必要があるのだろうか。  --市長との対立が注目された。  学テ問題は国と地方との問題であり、我々のターゲットは(市長ではなく)国だ。市長の委員の入れ替えなどを静観してきたのは、これまでの我々の教育の取り組みに自信があるから。市長の対応でテストの話題が政治問題化した感じはするが、教育委員会の独立性などを考えるきっかけにもなったのでは。  --2年連続で全国唯一の不参加だが。  国と地方の義務教育における役割は本来違う。国は少人数教育のための教員増に対応した予算措置を講ずるなど、財政的な機能を果たせばよい。市町村教委は、子どもの学力を保障する責任がある。犬山はこの責任を果たしているから、テストに参加する必要はない。他に不参加がない現状は、犬山以外の教委が責任を果たしていない表れ。テストの話題ばかりが騒がれるが、こうした現状こそ、義務教育にとって憂うべき問題だ。 "[he-forum 13208] 朝日新聞4/8 朝日新聞2008年4月8日付 未来生活、世界に提案 東京大学 小宮山宏総長  少子化に伴う「大学全入時代」。国内だけでなく、海外の大学との競争も激しくなってきた。大学が教育や研究で、目に見える成果をあげるには「学長力」が不可欠だ。東京大の小宮山宏総長は「東大を世界の知の頂点に」と訴え、キャンパスの国際化や産学官連携に奮闘する。(山本晴美) ◆環境や高齢化テーマに実験  ――世界の頂点ですか。ちょっと遠い目標では?  「そんなことはない。ボクは東大を日本、さらには世界の課題解決に役立つ大学にしたいと思っている。日本が世界に先駆けて解決しなければならない環境、高齢化といった課題に対し、有効な提案をたくさんできれば、世界の知の頂点に立つのは決して夢ではない」  ――いい提案ができそうですか。  「一例を紹介しよう。千葉県の柏(かしわ)・流山地域でいま、環境や高齢化をテーマにした近未来のまちづくりをめざし、様々な実験を始めている。つくばエクスプレス・柏の葉キャンパス駅前の13平方キロで、東大や千葉大のキャンパスがあるところ」  「ウェブサイトや携帯電話で乗車時刻、場所を指定するような『オンデマンドバス』とか、人と環境にやさしい『屋根つき三輪自転車タクシー』とか、高齢者がトレーニングマシンで無理なく運動できる『十坪(とつぼ)ジム』とか……。自然を汚さず、高齢化社会を心地よく過ごすにはどうすればいいか、大勢の研究者が知恵と技術を出しあって、いろんな実験をしている」  ――千葉大とも連携しているのですか。  「もちろん。千葉大には漢方、はり、きゅうなどの研究成果が豊富にある。千葉県や柏市などの自治体、市民らが参加しているのに加え、この辺に拠点をもつ企業が支援会をつくってくれた。ここから近未来の自動車や住宅も生まれそうだ」  ――社会に開かれた大学になってきましたね。  「もはや研究室に閉じこもり、タコつぼ型に細分化された分野を追究する人たちだけでは通用しない。30年先、50年先を見据えることのできる大学こそが、ヒトとカネを集めながら地域社会といっしょになって、未来生活のモデルをつくらなければ。それを世界に提案できれば大成功だ」 ◆逸材確保狙い 海外拠点は140  ――総長に就任した05年、アクションプラン(行動計画)を発表し、改革を公約にしました。任期4年のうち3年たって、どこまでできました?  「印象としては150%できた。7分野で140項目余りあるから、もちろんできないものもある。だが予想を大きく上回ってできた項目が多い。やはり全体の目標を示し、大学の内外に繰り返し、協力をお願いして回った効果は大きい」  ――予想をはるかに上回ってできたのは?  「国際化が一例。『海外拠点130カ所』を掲げてびっくりされたが、すでに140カ所に迫る。欧米、中国、インド、ロシア……。研究所やオフィスを開き、情報収集、共同研究、留学生交換などをやりやすくする。有能な外国人研究者や留学生を迎えるための宿舎づくりも、130室とか500室とか、千葉と東京でメドをつけた」  ――勉学欲の旺盛なアジアの学生を集めるため、欧米の有力大も躍起と聞きます。  「そうなんだ。負けてはいられない。東大も奨学金を携え、採りに行かないと。企業の資金協力を得て、中国の逸材を毎年10人ほど招く仕組みをつくったが、今度はそれをインドに応用し、毎年30人ぐらい招くつもり。日本人学生の英語力を磨く講座や、英語による授業も増やしている。近未来には、学部学生の3分の1が、外国人留学生になればいいと思ってね」  ――えっ、3分の1も?  「多くの言語や文化、考え方が交じりあう多様性の中でこそ、次世代のリーダーが育つと思う。すべての東大生を1カ月ぐらいは海外に滞在させ、勉強やインターン(研修生)を経験させるのも夢なんだ。そのために今、学生を送り込める国際プログラムを集めている」 ◆資金を集める専門部署設置  ――いろんな改革に先立つものは資金でしょう。  「ほかの先進国に比べると、日本の高等教育には5兆円の財政支出があっていい。でも国の台所事情が許さず、2兆円ほどしかない。運営費交付金は東大だと、毎年12億から13億円ずつ減らされる。この減額を補い、さらに改革を進める資金を得るのに相当な苦労をしている」  ――どんなふうに?  「20人ほどで資金集め専門の渉外本部を作った。優れた教育研究拠点に国が重点配分する資金を、積極的に申請するほか、企業から寄付を募り、基金にして金融機関に運用してもらう」  「ボク自身、ずいぶん企業を回ってお願いした。なんとか08年度中に、基金500億円を達成できるんじゃないか。そのほか、すぐに使わなくていい手元資金を集め、近いうちに運用総額を2千億円にして、運用益から毎年20億円ほどの戦略資金を得られるような態勢にしたい」  ――欧米の名門大は数千億から兆円単位という、けた違いの基金をもつと言います。  「そんな巨額の資金力をもつ大学と、国際舞台で競わなければならないのが現実だ。日本でも、米国のような寄付文化を徐々に根づかせるしかないだろう。そのため政府には、企業や個人が大学に寄付をするとき、法人税、所得税、相続税のそれぞれで税額控除などの優遇を受けられるよう、制度の創設や改善を強くお願いしている」     ◇ 【近年の主な改革】 03年3月 東大憲章を制定 05年1月 経団連の協力で、東大産学連携協議会が発足 05年7月 東大史上初のアクションプランを発表 06年11月 国内外の著名人による「総長諮問会議」が発足 07年6月 大学発のベンチャー支援施設を開設     ◇ 〈プロフィール〉栃木県生まれ。化学工学や地球環境工学の専門家。東大大学院を修了後、助手、助教授から43歳で教授に。工学部長、副学長を歴任し、選挙をへて05年4月、28代目の総長に就いた。07年から国立大学協会会長も。「課題先進国 日本」など著書多数。63歳。 "[he-forum 13209] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に33号(4/12シンポ案内など)] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に33号(4/12シンポ案内など) Date: Wed, 9 Apr 2008 12:28:10 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org To: NQJ35480@nifty.com ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 33号 2008年4月9日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html G8サミットが近づき、すでに入国できなかった活動家などが出てき ています。 今後、さらに治安維持の強化が危惧されます。12日にはG8サミット と監視社会をめぐるシンポを開催します。また、23日には、盗聴法 廃止、住基ネット廃止の院内集会が連続して行われます。ぜひご参 加ください。 ────────────────────────────── 33号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  4/12 シンポジウム「G8サミットで拡大する監視社会」  4/23 盗聴法廃止法案の提出を求める院内集会  4/23 住基ネット廃止法案の提出を求める院内集会 ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆4/12 シンポジウム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  G8サミットで拡大する監視社会  ─「何」から「誰」を守るのか?─  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 4月12日(土)13時30分~16時30分 ところ 全郵政会館大会議室(東京) ○JR中央・総武線千駄ヶ谷駅下車徒歩3分 http://www.jprouso.or.jp/guide/hall/index.html#02 ◇プログラム  G8サミットの現地から    新田真澄さん(プライバシーアクション・札幌)  外国人への監視体制・US-VISIT    旗手明さん(自由人権協会)  監視カメラと顔認識    吉村英二さん(日本消費者連盟)  G8サミットとNシステム    浜島望さん(一矢の会)  G8サミットを理由とする市民運動の規制    弁護士グループから ◇参加費 1000円 ◇共 催  一矢の会/盗聴法に反対する市民連絡会/ネットワーク反監視プ  ロジェクト/反住基ネット連絡会/フォーラム平和・人権・環境  /プライバシーアクション(2008.3.7現在) ◇連絡先  日本消費者連盟 Tel.03-5155-4765  ネットワーク反監視プロジェクト Tel.070-5553-5495  プライバシーアクション Tel.090-2302-4908    ──────────────────────     2008年7月に北海道洞爺湖で行われるG8サミッ    トの警備を理由として、警察などによる市民への    監視が拡大しています。札幌では先頃、地下鉄駅    構内などへの160台にも上る監視カメラの増設を    決定。公園の使用自粛要請やサミット会場周辺へ    の立ち入り規制、上空の飛行禁止措置のほか、公    共交通機関での警備など、""過剰警備""の枠を超え、    近年進む監視社会化を加速度的に強めています。     そうした監視強化の理由として、毎度のごとく    「テロの脅威」が持ち出されますが、いったいど    のような脅威があるのか、具体的・合理的根拠が    示されたことはありません。こうした流れは9.11    事件以降のことですが、2001年の事件以来、6年    以上の間、「テロ攻撃」が日本国内で行われたこ    とは一度もありません。     その一方、サミット期間中、全国の都道府県警    から警備要員が現地に動員されるなどして、市民    生活と関わりのある犯罪対策は手薄になろうとし    ています。     いったい、日本政府は何から誰を守ろうとして    いるのでしょうか?     私たちは、このような不明瞭な「テロの脅威」    を振りかざして、私たちの自由が奪われていく状    況を、とても危惧しています。どんな監視が行わ    れ、どんな自由が奪われているのか、そして、そ    れに対抗していくためには何が必要かを話し合う    ために、上記のようにシンポジウムを開催します。    ぜひご参加下さい。 ◆4/23院内集会(その1) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━  盗聴法×共謀罪=超!監視社会  盗聴法廃止法案の提出を求める院内集会  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき  4月23日(水)12時30分~13時30分 ところ 参議院議員会館第4会議室 ○東京メトロ有楽町線南北線永田町駅・千代田線丸の内線国会議事  堂前駅 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm ◇報告  海渡雄一さん(弁護士) ◇発言  国会議員、市民団体 ◇主催  盗聴法廃止!ネットワーク  盗聴法に反対する連絡会 ◇連絡先  日本消費者連盟 Tel.03-5155-4765  東京共同法律事務所・海渡 Tel.03-3341-3133  国民救援会 Tel.03-5842-5842 ◆4/23院内集会(その2) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━  司法がダメなら立法がやる!!  ─ 住基ネット廃止法案の提出を求める院内集会 ─   行政機関の個人情報運用に「最小化原則」を   情報技術活用に「地方自治」を  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき  4月23日(水)13時30分~14時30分 ところ 参議院議員会館第4会議室 ○東京メトロ有楽町線南北線永田町駅・千代田線丸の内線国会議事  堂前駅 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm ◇講演  住基ネット最高裁判決について   右崎正博さん(獨協大学法科大学院教授) ◇報告 各地域の取り組みから ◇発言 国会議員、市民団体から ◇主催   反住基ネット連絡会 http://www.juki85.org/  盗聴法に反対する市民連絡会 ◇連絡先  日本消費者連盟 Tel.03-5155-4765 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第33号おわり・このメルマガは不定期発行です> ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます ━【まぐまぐ!からのお知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「今年こそ、夏がくる前にやせたい!」「スッピン美人になりたい!」 「ジュースやお茶のまとめ買いをしたいけど、持ち帰るのはメンドウ…」 欲しいものがきっと見つかる!ショッピングサイト http://gather.mag2.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -- *----------------------------------* Yasuhiro ISCIDA 1-4-16, Osugi, Kita-ku, Nagoya 462-0837 GIAPPONE e-mail: NQJ35480@nifty.com Tel & Fax: +81-52-931-3508 *----------------------------------* "[he-forum 13210] 共同通信4/9 共同通信2008年4月9日16時50分 101大学・法人で実施 教員免許更新の試行講習  2009年度から教員免許更新制が始まるのを前に、文部科学省は9日、国の更新講習プログラム開発委託事業として、全国101大学・法人の試行講習を採択した。講習の問題点を確認し改善を図るのが目的。  改正教員免許法の規定では免許の有効期間は10年。教員は更新の際、大学などで必修領域12時間以上、選択領域18時間以上の講習を受け、修了認定を受ける必要がある。最も早い教員は11年3月に免許の有効期限が切れるが、今回の試行講習を受講すれば、更新制実施後の講習が免除されるものもある。  試行講習は5月以降に始まるが、大半は夏休み期間の7、8月に実施。へき地や島しょ部の教員向けに、出張講習をしたり、インターネットを使ったりする講習もある。  必修領域の「教育の最新事情」を扱う講習が多いが、「博物館の活用力を高める」(国立科学博物館)、「学校などに理不尽な要求をするモンスターペアレント対策」(相模女子大)といった特色を打ち出した内容もある。 "[he-forum 13211] 読売新聞4/9 読売新聞2008年4月9日付 医学部生に研究のススメ 大学、人材確保へ体験機会  医学研究に興味を持ってもらおうと、医学部生に研究を体験させる大学が増えている。臨床重視の医学教育改革で大学院進学者が減り、将来、研究や教育を担う人材が不足するという危機感が背景にある。  東京医科歯科大は2005年から、臨床実習前の4年秋から、半年間研究に取り組む「自由選択学習」を必修化した。テーマは遺伝子の機能解析などの基礎医学から医療事故防止などの社会医学まで多彩。学生の希望で、海外の大学で研究することもある。過去3年で論文が10本、権威ある医学誌に掲載されるなど、研究成果も上がっている。  武井ゆりあさん(22)は、がんの抑制に関連する分子の調節機構について研究した。「短い期間だったが、ミクロの研究を通じて、医学全体への広い視点の必要性を学んだ」と話す。  今年2月の成果発表会では、ポスターの前で説明する学生に、同級生や先輩医師から質問が飛び、学会さながらの緊張感が漂った。07年度のアンケートでは約65%の学生が「今後も研究を続けたい」と答えた。  04年から医学部卒業後、2年間の臨床研修が必修化され、若手医師が大学に戻らなくなっている。全国医学部長病院長会議が昨年まとめた調査では、75%の大学が大学院進学者が減少するなど研究者育成に影響が出ていると回答した。  名古屋大は1992年から3年生全員に「基礎医学セミナー」として約半年間の研究を必修化して、「研究の面白さ」を伝える試みを続ける。「臨床医になる人にも研究の視点は大切。データの見方など、研究のイロハを学生で経験するメリットは大きい」と、古川鋼一教授は強調する。  同大は研究者確保を目的に07年から、学部と大学院教育を一体化して、9~10年間で医師免許と博士号を取得できる特別コースを設けた。東京大や東京医科歯科大、神戸大、徳島大なども同様のコースを設置したが、就学期間が延び、授業料や生活費の負担が大きくなるため、進学希望者は伸び悩んでいる。  東京医科歯科大の田中雄二郎教授は「医師の視点を持つ研究者不足は臨床医学の遅れを招く。奨学金の充実など国としての対策が必要」と訴える。(片山圭子) (2008年4月9日 読売新聞) "[he-forum 13212] 共同通信4/7 共同通信2008年4月7日18時52分 サントリーと東大が共同研究 水資源の保全など  サントリーと東大は7日、水に関する研究を共同で進めると発表した。サントリーが東大に4億円を寄付し、東大の教員が水資源の保全などの研究・教育に取り組む。  研究期間は4月から5年間。世界各地で深刻化している水不足や、食料生産に与える影響などの問題を体系的に整理。農学や河川工学だけでなく、芸術や歴史、政治経済などの分野も研究対象にする。  研究成果はインターネットで公開するほか、小中学生向けに本も出版し、水問題への関心を高めたい考え。  記者会見した東大の小宮山宏学長は「国際社会では地球温暖化だけでなく、水の問題が重要課題になりつつある」と研究の意義を強調した。  ウイスキーなどの原料として水を使い、森林を守る活動も手掛けるサントリーの佐治信忠社長は「研究を水源地の保全や節水などの取り組みに役立てたい」と話した。7月4日には記念シンポジウムを開く。 "[he-forum 13213] 北國新聞4/10 北國新聞2008年4月10日付 金大こつこつ省エネ エレベーター休止、日中の消灯 全学挙げ取り組み エレベーター前に張られた運転休止を告げる張り紙=金大角間キャンパスの自然科学研究科1号館  金大は四月から、全学挙げて省エネに取り組んでいる。二〇〇六(平成十八)年度以降、環境保護と経費節減の両面から目標にしている「エネルギー費用の前年度以下」を二年連続で達成できなかったため。早速エレベーター休止や日中の消灯徹底などが始まり、「ちりも積もれば山となる」の節約効果が期待されている。  金大財務企画課が二月中旬、〇七年度のエネルギー削減について「計画達成が極めて厳しい状況」と各部局に通知し、緊急経費節減対策の実施を求めた。  角間キャンパスの自然科学研究科棟では、今月一日からエレベーター九基のうち、三基を休止した。建物は七階建てで人の出入りも多いため待ち時間は延びたが、学生らも「省エネになるなら」と協力的だという。  附属図書館や病院を含めたその他の部局でもそれぞれ省エネ対策を始め、昼間の消灯徹底や冷暖房の時期、設定温度の見直しなどが進められている。教職員からも「図書館内の照明を減らしてはどうか」といった提案があったという。  金大は、運営費交付金の削減や病院再開発事業の影響で厳しい財務状況が当面続くと予想し、〇六年度計画から本格的に光熱水料、燃料費などの経費抑制を打ち出してきた。  しかし、重油価格の高騰などが影響して〇六年度の光熱水料等費は約九億三千六百万円と、〇五年度から二千九百万円余増加した。未確定の〇七年度分についても、「光熱水料等費が〇六年度を上回るのは確実な見通し」(財務企画課)という。  財務企画課は「学生へのサービスや研究に必要な経費は削れないが、まだまだ無駄がある」とし、教職員の協力を得てさらなる経費抑制案を検討する方針である。 "[he-forum 13214] 読売新聞4/8 読売新聞2008年4月8日付 東大が創立130周年を記念、総合学術誌を発売  東京大学が創立130周年を記念し、中高生などに学問の面白さを伝える総合学術誌「アカデミック・グルーヴ」(東京大学出版会、税抜き1200円)を12日発売する。少子化を迎え、早くから大学への関心を呼び覚ますのが狙いだ。 中高生などを対象 知の楽しさ紹介  帯に「東大が世に贈る『学問のおもしろさ』を伝える本。」のコピー。誌名は最先端の学問の場に漂うワクワク、ドキドキ感を表す言葉だという。  経済人の心の動きを分析する行動ゲーム理論、車・人・インターネットの交通渋滞を理学と工学の両面で研究した渋滞学といった斬新な研究を、東大教授らが写真や図表を使って紹介。「シンポジウムに行こう。」「知られざる学術誌の世界」といった特集コーナーで、知の現場の熱気を伝える。  東大は1994年、教養学部の基礎演習テキスト「知の技法」(東京大学出版会)を出版し、累計45万部のベストセラーになった。今回の「アカデミック・グルーヴ」は専門的レベルを守りつつ、親しみやすさを前面に出す。  「すべての学問は仮説である……か?」と、刺激的なタイトルで宇宙物理学の佐藤勝彦教授らの論考も載せ、「知」のあり方を世に問うている。 "[he-forum 13215] 共同通信4/12 共同通信2008年4月12日11時34分 遺伝子実験全学で停止 実験菌廃棄で神戸大  神戸大大学院医学研究科(神戸市)の久野高義教授(57)(分子薬理・薬理ゲノム学)の研究室で遺伝子を組み換えた大腸菌などをずさんに廃棄していた問題で、神戸大は12日までに、学内の全研究室で遺伝子組み換え実験の停止を命じた。  全学で科学実験を差し止めるのは異例。停止命令は学長名で、医学、理学、農学研究科など自然科学系の12部局に11日付で通知した。大学は「全学的な調査が必要と判断した」としている。  また学生を含む遺伝子実験の研究関係者全員に実験に関する調査票を配布。実験内容や廃棄の際の処理方法などについて回答を求める。安全が確認された時点で停止措置を解除する方針という。  神戸大では遺伝子組み換え実験の際、大腸菌などを使った培養液を殺菌せずに実験室の流しに捨てたほか、廊下で実験していた疑いも出ていた。 "[he-forum 13216] 毎日新聞石川4/11 毎日新聞石川版2008年4月11日付 大学法人化検討委:県立大と県立看護大「早期に法人化を」 知事に提言 ◇1法人2大学形態で  県立大(野々市町)と県立看護大(かほく市)の法人化を検討してきた県公立大学法人制度活用検討委員会(座長、近藤修司・北陸先端科学技術大学院大教授)は10日、「1法人2大学の形態で早期に法人化すべきだ」などの提言をまとめた報告書を谷本正憲知事に提出した。谷本知事は「十分参考にして、早急に具体的な対応をする」と、法人化に前向きな姿勢を示した。  検討委は、少子化による学生数の減少などで大学間の競争が激化するのに伴い、効率的な運営で両大学を魅力あるものにしようと、学識者ら15人が昨年12月から4回にわたり議論を重ねてきた。  報告書では、両大学の現状を「県の一組織のため、機動的な人材配置、予算配分などが不可能で、経営の観点から将来の戦略を企画する機能が不在」と指摘。早期に法人化に踏み切り、一元的な経営で連携強化を図るため、1法人による経営を提言した。その上で教員の活動を評価するシステムの構築を勧め、生物資源と看護の大学として県の発展に貢献することなどに配慮するよう求めた。【高橋慶浩】 "[he-forum 13217] 山形新聞4/12 山形新聞2008年4月12日付 2010年度に向け教養教育再構築 結城山形大学長が方針語る  山形大の結城章夫学長は11日、山形新聞のインタビューに答え、2010年4月の実施に向け、教養教育のカリキュラムを全面的に見直していく方針を明らかにした。また、各学部にインセンティブ経費を振り分けるため、経営協議会に組織評価の役割を重点的に担ってもらう考えも示した。以下は一問一答。  -運営交付金の減額、総人件費改革の影響など、大学運営は厳しい時代を迎えている。結城学長は昨年10月の就任以来、学生が主役となる大学創(づく)りを掲げてきた。その意図は。  「教職員の意識改革を迫る意味合いもあった。大学は学生のために存在するというのは、極めて誰でも納得できる常識論だと思う。しかし、場合によっては、大学は自分のためにあると誤解している教職員がいる可能性があると思った。その意識改革を図るための狙いもあった」  -教養教育の充実についても力を入れているようだが。  「任期中の最大の仕事は、教養教育の再構築と思い定めている。山形大学の教養教育が全く不合格というわけではないが、今のままでいいとは思わない。どの程度の規模で行うかは、これからの検討となるが、根幹から思い切って改革するつもりだ。ボトムアップで議論を積み重ねる手法では大きな改革はできず、学長として積極的に提案していく。改革の方向性は教育研究評議会で決定するが、5月の評議会に『教養教育の課題と改革の方向性』について学長提案する方針だ。提案するためのブレーンとして、来週にもワーキンググループを発足する。本年度内に学内合意を得て、09年度に準備、10年度に新しい教養教育のカリキュラムを実施する予定だ」  -大学の意思決定のスピードアップ、事務手続きの簡素化にも取り組んでいるようだが、具体的な成果は。  「大学はこれまで、学内で議論を尽くすというのが文化だった。この手法は確かに大事だが、財政が厳しくなる中で、大学経営は早期に結論を出し、行動に移さなければ成り立たなくなっている。現在は学長、役員会を中心に物事を決めることにしており、意思決定のスピードアップは図られているはずだ。事務手続きは、法人化後も国の機関だった時代のルールを引きずっており、切り替えが徹底していなかった。そこで、さまざまな規定や手続きを見直し、先月までに100以上の改正を行った。さらに、今年7月には、小白川キャンパスの事務体制を見直すことにしている。本部事務局は大学全体の事務に専念することでスリム化し、各学部などキャンパス内の事務は新たに事務センターを設け、集約する方針だ」  -主に大学の経営に関する事項を審議する経営協議会は、有馬朗人日本科学技術振興財団会長や吉本高志大学入試センター理事長ら学長経験者2人が加わるなど、新たな体制となった。どのような議論を期待しているのか。  「経営協議会は大学にとって重要な機関だが、議論が形骸(けいがい)化している印象を持っていた。予算や事業計画など、決めなければいけないことがたくさんあり、山形大学がどうあるべきかという本質的な議論が不十分だったのではないだろうか。改善策として、これまで年4回だった協議会の開催を、本年度から年6回に増やすことにした。また、学部の組織評価を重点的に担ってもらうつもりだ。どの学部が頑張っているか、組織に順位を付け、インセンティブとして5000万円の中から配分することにした。かなり難しい評価作業となるが、これができるメンバーとして人選した結果、かねて尊敬している有馬さんと、東北大学長として人物を知っていた吉本さんに就任してもらうことにした」 "[he-forum 13218] 産経新聞4/13 産経新聞2008年4月13日付 博士離れ深刻 競争倍率0.9倍割り込む  世界に伍(ご)していくための高度研究・教育を担う人材を育成する「大学院博士課程」の平均競争倍率が平成19年度、0.9倍を割り込み、過去15年間で最低を記録、関西の有名国立大の中には、定員を充足するために4月に入って追加募集を実施した大学もあるなど、“博士離れ”がより深刻になっていることが12日、分かった。博士課程修了者の就職率が6割を切るなど、博士号を取得しても国内での就職が難しいことが進学を敬遠する大きな理由になっているとみられる。  文部科学省によると、全国の博士課程の入学定員に対する志願者の平均競争倍率は、3年度に開始した「大学院重点化」計画以降、上昇を続け、8年度には1.08倍を記録。15年度まで1倍を超えていたが、その後、漸減を続け、18年度には0.9倍まで低下。そして19年度は計2万3417人の入学総定員に対し、志願者は2万773人で競争倍率は0.89倍に落ち込み、5年度以降初めて0.9倍を割り込んだ。  背景には、重点化計画に伴い、各大学は博士課程の定員を拡充し、在籍者数も増加したが、博士号取得者を希望する職種が増えていないため、取得後も研究職につけないオーバードクターやポストドクターなどいわゆる“余剰博士”の問題が年々深刻化していることがある。文科省のまとめでは、19年度の博士課程修了者の就職率は58.8%、人文社会系に限れば4割を切っている。  このような就職難を反映し、奈良女子大大学院の一部の研究科では今年度、開設後初の3次募集まで実施したが、志願者は1人も現れず、入学者数は定員を大幅に割り込んでいる。 "[he-forum 13219] 北海道新聞4/12 北海道新聞2008年4月12日付 道がん対策啓発委を設立 大学や行政、本紙が連携  がんの情報を道民に伝え、予防や早期発見の大切さをさらに広めようと、北海道がん対策啓発委員会(事務局・北海道新聞社)の設立総会が十一日、札幌市中央区の北海道新聞社で開かれた。  道、北大、札医大、旭医大、道医療大、道対がん協会、北海道新聞社が参加。七者が一体となって、四月から五年間の「北海道がん対策推進計画」の達成を広報や啓発の面から支えていく。  総会では、がんフォーラムや市民講座の開催、道新ホームページへのがん関連サイトの開設、がん予防道民大会(十月、深川)への協力、道民意識調査の実施など、初年度の事業計画を決めた。  代表理事に選出された今井浩三・札医大学長は「行政、専門家、メディアが一体化すれば力は何倍にもなる。多くの情報を道民に伝え、啓発や検診受診率の向上につなげたい」と話す。  がん対策では、道の推進計画のほかにも、四大学が連携してがん専門の医療人を育てる「がんプロフェッショナル養成プラン」が四月から本格的にスタートしている。  道内では二〇〇六年、一万六千百十三人ががんで死亡。死因の第一位。道民の三人に一人が、がんで亡くなっている。 "[he-forum 13220] 共同通信4/14 共同通信2008年4月14日11時23分 論文引用国内トップは東大 米社がランキング  米国の学術情報会社トムソンコーポレーションは14日、1997-2007年に論文が引用された回数が多い日本の研究機関のランキングを発表。トップは今回も東京大で、世界の約3800機関の中では昨年の13位から順位を1つ上げ、12位だった。  2位は京大(世界28位)、3位は大阪大(同33位)、4位は東北大(同65位)。国内順位は昨年と同じだが、世界順位はいずれも1-5位上がった。  分野別では世界の上位5位以内に、材料科学で東北大(世界3位)と産業技術総合研究所(茨城県つくば市、同4位)、化学で京大(同4位)と東大(同5位)、物理学で東大(同2位)、生物学・生化学で東大(同3位)が入った。 "[he-forum 13221] 朝日新聞4/14 朝日新聞2008年4月14日付 国立大の「努力」で交付金上下 外部の評価もとに  国立大の主な経費を支える運営費交付金について、文部科学省は個々の大学の「努力」をより反映するよう配分のルールを見直す方針を固めた。現在は、大部分が学生数などをもとに自動的に決まるが、10年度からは各大学の教育・研究や運営の改善ぶりについての外部評価の結果を反映させて配分額を決める。  文科省はこの方針を、14日午後に開かれる国立大の学長会議で説明する。  04年度に法人化された国立大は、学生が納める授業料や付属病院収入などの自己収入だけでは、必要経費の半分程度しかまかなえない。運営費交付金は、この収入不足を補うために国が出している補助金だ。主に教員の人件費や光熱費など大学の「基盤的経費」に使われており、08年度予算では約1兆1800億円を計上している。  配分額の決定にあたっては、学生数などに連動して自動的に決まる割合が大きい。各大学の努力や成果が反映される「特別教育研究経費」は徐々に増えているが、それでも08年度で全体の6.7%の790億円に過ぎない。  新ルールで配分に反映させるのは、文科省の国立大学法人評価委員会による、学部ごとの「教育や研究の水準」や大学全体の「業務運営の改善」についての評価結果。具体的な配分方法が決まるのは09年度だが、大学の努力が現在より配分額の増減につながるようになる。地方や文系単科という理由だけで不利になる配分にはしない見込みだ。  国立大は04年度から09年度までの6年間を第1期中期目標期間とし、中期計画に基づいて運営している。10年度に始まる第2期期間の交付金の配分額は、新ルールに基づき、07年度までの4年間の達成状況を判定した評価委の「暫定評価結果」をもとに決めるとしている。  運営費交付金の配分ルールについては、政府の経済財政諮問会議の民間議員が昨年2月、全面的な競争原理の導入を提案。だが、「地方や文系単科など半数の国立大が破綻(はたん)する」などとして、与党や知事会などが反対。最終的に「骨太の方針07」では、「各大学の努力と成果を踏まえたものとなるよう、07年度内をめどに新たな配分のあり方への見直しの方向性を明らかにする」とトーンが弱まった。(増谷文生) "[he-forum 13222] 共同通信4/15 共同通信2008年4月15日18時7分 大学など18校の新設を諮問 統合や短大廃止も  2009年度に予定している大学など18校の新設認可について、渡海紀三朗文部科学相は15日、大学設置・学校法人審議会に諮問した。答申は10月ごろの予定で、内訳は公立大3校、私立大9校、私立短大4校、私立大学院大1校、私立高専1校。  愛知県立大は愛知県立看護大と統合した上で、学部などを再編し、新しい大学としてスタートする。千葉県立保健医療大と新潟県立大は、いずれも短大を廃止して4年制大学に移行。  通信教育制の文化政策・まちづくり大学院大は、町の経済活性化など地域再生をテーマにする研究科を置く。自動車整備士を養成する伊勢崎自動車高専は、認可されれば私立高専として44年ぶりの開設となる。 "[he-forum 13223] 時事通信4/15 時事通信2008年04月15日06時05分 天下り100人超=施設部門から-文科省  文部科学省や国立大学の施設担当部署を経験した職員で、2001年から5年間に建設、設備工事会社に再就職したのは100人を上回っていることが15日、時事通信の集計で分かった。国立大の施設整備をめぐっては、同省の元幹部が警視庁に収賄容疑で逮捕された。集計では同省や国立大の施設部門が、天下り先として業界に依存してきた実態が浮き彫りになった。  人事院が毎年発表する「営利企業への就職の承認に関する年次報告」などを基に、文科省文教施設企画部(旧文教施設部)や地方工事事務所、国立大の施設担当部署に勤務した同省OBの再就職先をまとめた。  この結果、少なくとも建設会社に34人、空調や電気などの設備工事会社に69人が再就職したことが判明。これら103人のうち、同省文教施設企画部を最後に退職したのは8人、国立大からの退職者は95人に上った。  再就職後の肩書は「顧問」「技術部長」が目立った。設備会社で設計積算統括部の担当部長に就いた大学職員もいた。  前同省文教施設企画部長大島寛容疑者(59)が逮捕された汚職事件で、贈賄側の会社顧問倉重裕一容疑者(58)がかつて在籍した五洋建設には、大学の施設部長1人が建築部調査役として再就職していた。  103人以外には、建材会社や設計会社に入った工事事務所長、大学課長がいた。大学病院の管理課を辞め、空調会社に再就職した例もあった。 "[he-forum 13224] 時事通信4/15(2) 時事通信2008年04月15日06時07分 国立大法人化で天下りが「隠れみの」に  全国で年間20人前後が建設・設備業界に天下っていた国立大学だが、2006年以降は職員の再就職の実態を把握することが難しくなった。国立大を経て退職する文部科学省職員も多いが、「大学法人化」以後は、国立大が国の再就職公表制度の対象から外れたためだ。専門家は「国立大が文科省職員天下りの隠れみのになっているのでは」と指摘している。  国家公務員が在職中の職務と関係がある企業に就職するには、退職後2年間は人事院の承認が必要。同院は毎年、各省庁の職員の再就職先を取りまとめて公表している。  文科省に所属していた国立大も公表対象だったが、04年度からは行財政改革の一環で同省から切り離されて「国立大学法人」となった。職員の身分は公務員ではなくなり、06年からは再就職の人事院承認も要らない。  主な国立大8校に職員の再就職について問い合わせたところ、「把握していない」(東北大)、「民間に準じた扱いなので公表していない」(信州大)といい、大学側が自主的に公表している例はなかった。  一方、文科省との人事交流は従来と同様に続いている。90ある国立大(自然科学研究機構など大学共同利用機関も含む)の施設担当部の部長のうち、31人は同省文教施設企画部で勤務した経験がある。同省職員が国立大に出向したまま、退職してしまうケースも多いという。  五十嵐敬喜法政大教授(公共事業論)は「国立大学法人が文科省の隠れみのになっているのではないか」と指摘。「日本道路公団や郵政の民営化と同じで、職員の顔触れは変わらないのに情報公開が後退している」と批判している。 ********************************** 時事通信2008年04月15日06時08分 国立大施設系職員の再就職  年(総数)    主な退職者      再就職先業種(肩書)    2001(18) 東北大施設部長    建設(建築部調査役)             三重大施設部長    設備(顧問)                 広島大施設部長    建設(建築本部長補佐)   2002(20) 秋田大施設部長    建設(技術部長)               東京大機械設備課長  設備(技術顧問)               名古屋大施設部長   設備(技術総括部顧問)   2003(23) 室蘭工業大施設課長  設備(設備本部技術顧問)           岡山大施設部企画課長 建設(建築本部理事・部長)          山口大施設部長    設備(技術顧問)      2004(16) 福島大施設課長    設備(工事本部理事)             名古屋大施設部長   設備(営業本部工事部部長)          広島大施設部長    設備(支店技術顧問)    2005(18) 新潟大施設部長    建設(支店駐在技術部長)           信州大施設部企画課長 設備(工事本部技術顧問)           九州大施設部長    設備(技術顧問)  "[he-forum 13225] 十勝毎日新聞4/15 十勝毎日新聞2008年4月15日付 産学のサロン新設 専門家配置で連携強化  帯広市で策定している「帯広版リサーチ・アンド・ビジネスパーク(R&B)」構想案が固まった。産学の関係者が日常的に接触できる「サロン」を新設、産学連携の専門知識を持つコーディネーターも配置する。長期的には、帯広畜産大学を含めた試験研究機関や企業の集積地形成も探る。市は5月に細部を詰め、議会や帯広商工会議所に説明する。地場資源を生かした新産業化の試みを活発化させる上では、行政の強力な推進体制構築が問われそうだ。  構想策定は砂川敏文市長の3期目重点公約。主に「産」が「学」にシーズ(種)のヒントを提供した従来の連携にとどまらず、「学」が盛んにシーズを送り出して事業化を提案する流れも想定。昨年10月、市をはじめ関係者約20人で検討会を発足した。  構想の目玉は、産学を円滑に引き合わせる仕組みづくり。大学、試験研究機関とパイプを持たない企業には「どのような手順で相談してよいか分からない」との悩みもある。シーズ開発側にとっても、地域貢献につながる産業化の手掛かりを得る上で効果的な情報伝達は欠かせない。専門家も交えた「サロン」を設けることで、課題に対応する。  新産業創出は「農業」「食品」「バイオ」「環境」などの分野で帯広・十勝の強みを生かす。文科省の「都市エリア産学官連携促進事業」指定を受け、十勝圏振興機構などが研究を手掛ける農産物関連のシーズや産業クラスターの実績を基盤とする。  市は今年度、帯畜大などの研究成果を新産業に生かすための研究成果発表会、産学連携をさらに浸透させる講演会を開く。ただ、経済界などには、公約化以降の構想策定に2年間を費やした砂川市長の「本気度」を問う声もくすぶる。構想の実行段階では、行政による取り組みのスピードアップも求められる。市は「サロン形成やコーディネーター選定など構想推進も率先して携わる。企業誘致や人口増にも結び付けたい」(政策推進部)としている。 (岩城由彦) "[he-forum 13226] 読売新聞4/15 読売新聞2008年4月15日付 本紙寄付講座 伊熊編集委員が東大で講義  東京大学教養学部に設置された読売新聞の寄付講座「国際ジャーナリズム(読売新聞)」が9日、開講した。  国際ジャーナリズムの現場の声を聞くことで、学生のマスコミへの関心を高めるとともに、国際政治の理解を深めるのが狙い。読売新聞の東大への寄付講座は初めて。  担当するのは、読売新聞編集委員の伊熊幹雄客員教授、イスラム地域の専門家として知られる山内昌之教授と准教授1人、助教2人。9、10日はオリエンテーションが行われ、計500人近い学生が参加、学生の関心の高さをうかがわせた。  講座の説明の中で伊熊教授は「国際ジャーナリストの仕事はどういう仕事か、どんな訓練や準備が必要か話していきたい」と意気込みを語った。山内教授は「国際政治を前線で見てきた人の話は学者の国際分析と違った視点で学生の刺激になるはず」と講座の利点を強調した。  聴講者の1人、箕浦春菜さん(22)は「流れる情報をうのみにするのでなく、どう生かすかの視点を勉強したい」と期待していた。  講座は1、2年を対象とした総合科目の講義と、3、4年対象のゼミからなり、ソ連崩壊以降のロシアの歩みや、2001年の米同時テロ事件後のブッシュ米政権の外交、安全保障政策などを柱に、現代国際政治について学ぶ。  教材には、国際ニュース通信社や有力紙誌などの報道や論評・解説、ドキュメンタリーを多用し、現役外交官などとの討論の場も設ける予定だ。09年度には、夏休みの1か月間、読売新聞の海外支局での就業体験の実施も検討している。伊熊教授は「大学生の活字離れが言われて久しいが、インターネットの切り張り情報でなく、情報の宝庫である新聞の魅力も伝えたい」としている。  開講を記念し、6月14日には、谷内正太郎・前外務次官や小倉和夫・国際交流基金理事長らをパネリストに、シンポジウム「2008年の選択――世界はどこへ行くのか――」を東大駒場キャンパスで開く。(石田浩之) "[he-forum 13227] 時事通信4/15(3) 時事通信2008年04月15日16時21分 18校開設を諮問=大学設置審に  文部科学省は15日、来年度の開設を申請した公私立の大学12校、私立短大4校、私立の大学院大と高専1校ずつの計18校について、大学設置・学校法人審議会に設置認可を諮問した。大学には短大などから改組する7校が含まれている。  申請は次の通り(かっこ内は学部。短大、高専では学科、大学院では研究科)。  【公立大】千葉県立保健医療(健康科)=千葉市=▽新潟県立(国際地域、人間生活)=新潟市=▽愛知県立(外国語、日本文化、教育福祉、看護、情報科、大学院は国際文化、人間発達学、看護学、情報科学)=愛知県長久手町、名古屋市=  【私立大】弘前医療福祉(保健)=青森県弘前市=▽日本赤十字秋田看護(看護)=秋田市=▽日本医療福祉(保健医療)=埼玉県幸手市=▽東都医療(ヒューマンケア)=同深谷市=▽こども首都教育(こども教育)=東京都中野区=▽東京有明医療(保健医療、ヒューマンケア)=同江東区=▽びわこ学院(教育福祉)=滋賀県東近江市=▽大阪保健医療(保健医療)=大阪市=▽広島都市(健康科)=広島市=  【私立短大】仙台青葉学院(看護、キャリアデザイン)=仙台市=▽有明教育芸術(子ども教育、芸術教育)=東京都江東区=▽貞静学園(保育)=同文京区=▽平成医療(看護、リハビリテーション)=岐阜市=  【大学院大】文化政策・まちづくり(文化政策・まちづくり学)=京都市=  【高専】伊勢崎自動車(自動車整備)=群馬県伊勢崎市= "[he-forum 13228] 毎日新聞4/16 毎日新聞2008年4月16日付 記者の目:迫る巨大噴火、低下する防災力=山崎太郎  「40人学級」という言葉がある。義務教育の話ではない。日本列島には108もの活火山があるが、噴火予知に携わる大学の研究者は全国に計40人ほどしかいない現状を言う。近い将来には30人学級か、学級閉鎖すら起こりうる危機的状況だ。火山の脅威と、火山防災に携わる防人(さきもり)たちの苦悩に目を向けてほしいと、切に願う。  7月にサミットが開かれる北海道・洞爺湖の成り立ちをご存じだろうか。約10万年前に超巨大噴火があり、東京ドーム約12万杯分もの大火砕流が起きた。後にカルデラ地形ができて水がたまり、洞爺湖になった。  カルデラ噴火は日本では数千~1万数千年に1度起きており、前回は鹿児島県・硫黄島周辺での約7300年前。「もうすぐ満期」とも言われている。洞爺湖のほか、熊本の阿蘇や桜島のある鹿児島湾もカルデラ噴火の名残だ。  より発生頻度の高い小~中規模の噴火でも、社会に与える影響は大きい。すぐに復旧・復興に入れず、長期化するからだ。  私が住む長崎県島原市には、90年に噴火した雲仙・普賢岳がある。災害の終息宣言が出されるまでに5年7カ月もかかった。この間、繰り返される土石流などで消えた集落もある。  00年に噴火した東京・三宅島も同様だ。05年に全島避難が解除されたが、島の人口は噴火前の約3800人から1000人近く減り、火山ガスは今も続く。  そんな火山列島ニッポンで、火山の防災力は低下する一方だ。活火山の周囲に観測網を持つ国立大学と気象庁のうち、大学に「カネがない」のだ。  理由は明白。国立大学の独立法人化による運営費交付金の削減だ。交付金は人件費や研究費、施設整備費に充てられる大学の主要な収入源だが、年1%ずつ削減されている。結果、島原など各地の国立大の火山観測所は「生命線」である観測網の保守がままならず、引退した教官らの後任も埋められない。研究成果が利益に直結する医療や工学分野と違い、企業からの資金調達も難しいため深刻だ。  日本火山学会長の藤井敏嗣・東大教授によると、文部科学省が地震予知計画に対して配分する予算は年間約2億5000万円だが、噴火予知計画には約6000万円。4分の1だ。  こうした状況から大学側は今年2月、「火山監視は気象庁、大学は噴火予知研究」と役割分担を明確化する構造改革に乗り出した。必要な火山に、噴火予知のための観測網を集中させる再編案だ。  ただ、それでも「30人学級時代」への備えとしては不十分だろう。大学だけで観測網を維持することが厳しい以上、インフラの整備・保守は公共財として国が担い、大学は解析や研究などに専念する体制づくりが欠かせない。そこで私が提起したいのは「V-net」の構築だ。  95年の阪神大震災後、国は全国約800カ所に高感度の地震計網「Hi-net」を整備し、維持管理も独立行政法人が担っている。高品質なデータを研究者が自由に使えるようになったお陰で、日本の地震学は飛躍的に進歩した。「V-net」は、その火山版。volcano(火山)の「V」だ。全国の主要な活火山を取り囲むように、観測網を整備するのである。  課題は、もちろん予算。厳しい財政の壁を乗り越えるために欠かせないのは「国民の関心と理解」だ。  台風や地震など他の自然災害に比べ、確かに発生頻度は少ない。だからといって軽視できない火山災害ゆえの特質は、前述した通りだ。  それでも身近に活火山がない都市部の人たちには、ピンとこないかもしれない。が、考えてほしい。29ある国立公園の約7割は火山地帯にあり、箱根や軽井沢などの観光地を抱える。温泉も火山の恵みの一つだ。食卓に並ぶ農畜産物も、産地を調べれば火山のふもとが多い。金属資源やミネラルウオーターもそう。日本人の生活に火山は深くかかわっている。普段意識することがないだけだ。  昨年出された第7次噴火予知計画の報告書は「日本の火山監視能力を維持するのは困難。噴火予知体制の弱体化が予想される」と、強く警告している。まさかの時のためにどれだけ投資できるかが、その社会の成熟度を示しているといわれる。いつ噴火するとも知れぬ火山に、どれだけ投資できるか。世界有数の火山国・日本に住む私たちと政府の成熟度が、いま問われている。(島原支局) "[he-forum 13229] 新潟日報4/14 新潟日報2008年4月14日付 新大病院で医療用新システム  新潟市中央区の新潟大学医歯学総合病院(畠山勝義院長)はこのほど、レントゲン写真やMRI(磁気共鳴画像装置)などの医療用画像をデジタル化して一元管理するPACS(医療用画像ネットワーク管理システム)を導入した。現像作業がなくなるため、患者の待ち時間が短縮され、現像やフィルムの保管に掛かるコストが削減できるといったメリットがある。  同様のシステムは、同区の新潟市民病院や長岡市の立川総合病院など一部の病院でも導入しており、病院間の連携も容易になる。  これまでレントゲン写真などのフィルムは、現像を待って患者本人が放射線科から担当医師まで運んでいた。新システムでは、撮影と同時にデジタル情報として院内各科を結ぶネットワーク上で、患者の電子カルテと関連付けて管理する。  各科に設置された1200台の情報端末から同時に閲覧できるほか、600台ある専用モニターを使うと、患部の断面が動画や立体画像で確認することが可能になる。導入費用は4億3000万円に上るが、年間約9000万円掛かっていた現像代が節約される。  保管中の画像も順次デジタルデータ化していく。転院先の病院が希望すれば、コンパクトディスクにデータをコピーしたり、フィルムにして渡すことなども可能だ。畠山勝義院長は「このシステムを活用して、大学病院の役割である高度医療を実践していきたい」と話している。 "[he-forum 13230] 朝日新聞4/15 朝日新聞2008年4月15日付 東大にノーベル賞狙う若手塾 講演武者修行で国際人脈  東京大大学院理学系研究科化学専攻が今春、若手の国際的な人脈作りの支援に本腰を入れ始めた。業績がある割には知名度が低いという日本人研究者の「弱点」を、英語によるセミナーや海外での講演などを通じて克服。将来のノーベル賞受賞にもつなげたいという作戦だ。  研究の質の高さを示す論文の引用回数でみると、東大は化学で世界のベスト5に入るが、ノーベル化学賞受賞者はゼロ。その背景には、外国人研究者との交流や海外での講演経験の不足で、論文は有名でも、著者がどんな人かあまり知られていないという事情もあるという。  そこで、若手研究者を対象に、外国人教員らによる英語によるセミナーを始めた。初回の14日は約120人が参加。活発な質疑応答があり、終了後は懇親会もあった。  講演旅行は毎年15人程度を選抜。欧米やアジアなど数カ所で講演してもらう。批判にさらされることで自らを鍛えるとともに幅広い人間関係を築くのが目的で、米国の若手の間では広く行われているという。  コーディネーター役の山内薫教授は「国際的な賞では、業績に加えて人脈の力も大きい。世界から推されるような人材を育てたい」と話している。(杉本潔) "[he-forum 13231] 4/17しんぶん赤旗 学業断念の若者なくす 石井・小池氏が会見  日本共産党は十六日、「『世界一高い学費』を軽減し、経済的理由で 学業をあきらめる若者をなくすために」と題する政策を発表しました。 (全文は,http://www.jcp.or.jp/akahata/ aik07/2008-04-17/2008041704_01_0.html )  石井郁子副委員長・衆院議員、小池晃政策委員長・参院議員が文部科 学省記者クラブで会見しました。  石井氏は、政策を発表した理由として、「貧困と格差」の拡大の中 で、憲法と法律が禁じている「経済的地位による教育上の差別」が目の 前で起きていると指摘。千葉県の公立高校で期日までに入学金が未納だ からという理由で生徒が入学式から排除されたり、私立大学では毎年一 万人の学生が経済的理由で退学するなどの事態をあげました。  石井氏は、こうした事態を招いた自民党政府の極度に貧困な教育政策 を批判しつつ、それと対照的に無償化をすすめる欧米諸国の事例を紹 介。その根底にある「教育を受けることは基本的人権であるとともに、 社会の発展にも不可欠だ」との精神を強調しました。  小池氏は、政策の特徴について、経済的理由で学業を断念する若者を これ以上ださないためという考え方で、緊急に必要なことを押し出した と強調。高校、大学の授業料減免の拡大などの日本共産党の四つの提言 をくわしく説明しました。提言を実現するための経費は、年間約千九百 億円であり、政府がやる気になれば、ただちに実行可能だとのべました。  記者からの質問にも答えて「たとえば、米軍への思いやり予算を廃止 すれば生みだせる」と答えました。  石井、小池両氏は、「学費値下げの機運が起こっており、多くの団 体、個人によびかけて運動を広げていきたい」とのべました。 政策の骨子 一、公立高校の授業料の減免対象枠を年収五百万円まで広げる。私立高 校の場合は年収五百万円以下の世帯を授業料全額免除に年収八百万円以 下の世帯は一部減額する直接助成制度をつくる。 二、国立大学・高専の授業料の減免枠を引き上げ、世帯年収四百万円以 下は全員授業料免除に。私立大学は年収四百万円以下の世帯を減額とす る授業料直接助成の制度をつくる。 三、国の奨学金をすべて無利子に戻す。年収三百万円に達するまでは返 済猶予に。経済的困難を抱える若者への給付制奨学金制度をつくる。 四、高校と大学の段階的無償化を定めた国際人権規約を批准する。 "[he-forum 13232] 雑誌記事紹介(前衛5月号/若手研究者就職難問題シンポ関連) 前衛 2008年5月号 No.830  〈公開シンポジウム〉 若手研究者の就職難と劣悪な待遇の解決のために 榎木英介 (NPO法人サイエンス・コミュニケーション代表理 事)   岡田安正 (元産業技術総合研究所主任研究官)   坂東昌子 (日本物理学会キャリア支援センター長 愛知大 学教授)   吉田 裕 (一橋大学大学院社会学研究科教授)   石井郁子 (衆院議員 日本共産党副委員長) 詳しい紹介は,http://www.jcp.or.jp/tokusyu/daigaku/ 080202/20080202.html 他 "[he-forum 13233] 日本経団連タイムス4/17 日本経団連タイムスNo.2902 2008年4月17日付 「大学・大学院改革に向けた取り組み等に関する報告書」発表 -大学・大学院改革の動向や今後の課題などをまとめる 日本経団連の産業技術委員会産学官連携推進部会(西山徹部会長)は3月31日、「大学・大学院改革に向けた取り組み等に関する報告書」 を発表した。報告書は、この1年間の大学・大学院改革に関する主な動向、昨年3月に発表した提言「イノベーション創出を担う理工系博士の育成と活用を目指して」のフォローアップ状況、大学の取り組み状況、今後の課題をまとめたものである。同報告書の概要は次のとおり。 ■ 大学・大学院改革に関する検討状況 大学・大学院改革に関しては、この1年の間にも教育再生会議をはじめ各方面でさまざまな検討・提言がなされている。それらの検討・提言での共通の指摘事項は、「高度人材の育成のため、産業界と教育界のきめ細やかな対話、具体的な行動が重要」「激しさを増すグローバル競争をわが国が勝ち抜くため、大学・大学院の研究・教育両面での国際競争力強化が必要」の2点である。 ■ 提言「イノベーション創出を担う理工系博士の育成と活用を目指して」の日本経団連のフォローアップ状況 (1)日本経団連第6回東富士夏季フォーラム(2007年7月)での議論 高等教育に関しては「イノベーション創造型人材の育成」をテーマに、企業が求める人材像、大学・大学院への期待、政府が果たすべき役割などについて意見交換した。 (2)日本経団連「経済Trend」(07年5月号)での特集 産学の関係者による座談会では、イノベーションの推進と高度理工系人材の重要性、産学連携による大学院教育の機能強化などについて議論した。 (3)「採用選考における企業の倫理憲章」の改定 日本経団連が毎年公表している倫理憲章を改定し(07年10月)、早期採用選考活動の自粛が修士課程修了者にも適用されることを明確化した。 (4)「博士セミナー」の開催 博士課程在学生が企業・社会を実際に学ぶ機会として、日本化学会の主催(日本経団連の後援)で化学分野における「博士セミナー」を開催した。 (5)「大学・大学院生への企業の奨学金」の調査 奨学金制度を設けている企業(回答69社中25社)のうち8割(20社)が、返済不要な給付型奨学金を給付していることが判明した。 (6)「大学と企業との人事交流の促進」の検討 サバティカル制度(大学教員の留学や研究のための半年~1年の長期休暇制度)、共同研究等の活用による大学教員と企業との人事交流の促進について、大学と企業の関係者で検討した。 ■ 大学等における教育改革・産学連携への取り組み (1)東京大学 04年度から、共同研究に入る前の段階において、企業と大学の間で十分に議論をし、双方が合意できる共同研究計画を策定するプロセス(Proprius21)を推進している。 (2)東京工業大学 06年度から、修士課程と博士課程を連結させて博士学位取得の標準修学期間を3~4年とする博士一貫コースを設置している。 (3)北陸先端科学技術大学院大学 08年度に、学生のキャリア目標に応じた教育プログラムを提供する「新教育プラン」を開始した。 (4)立命館大学 産学協同で産業界に貢献できる博士課程修了者の輩出をめざす、企業との連携による新たな教育スキーム「トライアングル・フォスター・プログラム」の導入を検討中である。 ■ 今後の課題 提言「イノベーション創出を担う理工系博士の育成と活用を目指して」のフォローアップを引き続き行う。特に、優れた人材を内外から集め、大学が育成し、企業が活用していくため、留学生の“質”と“量”の両面での向上策を検討する。 【産業第二本部技術担当】 "[he-forum 13234] 毎日新聞愛知4/16 毎日新聞愛知版2008年4月16日付 愛教大:教職大学院が開講 現職教員16人含む23人入学  高度の実務専門的な教員を養成する教職大学院が刈谷市の愛知教育大(松田正久学長)に今月から新設され、15日に開講式が行われた。グローバル化や高度情報化などに対応した専門職大学院の一つで、さまざまな問題を抱える教育の水準や質を高める狙い。  教職大学院は教育改革から創設されたもので、司法制度改革に伴う法科大学院と同じ位置づけ。4年制大学の新卒者と現職教員を中心に、教員免許を持つ社会人が入学できる2年制。課程の修了者には教職修士の学位が与えられる。  4月から全国19大学に新設され、東海3県では愛教大と岐阜大だけ。愛教大には教職実践専攻の教育実践研究科を開設。定員50人に対し、県内外から新卒者7人と現職教員16人が入学した。  開講式には全院生23人や教職員をはじめ、来賓の県教委と名古屋市教委、小中学校の関係者など約90人が出席した。同研究科長を兼ねる松田学長が「教育現場が問いかけている諸問題と真摯(しんし)に向き合い、現代的な理論と考察を踏まえつつ、実践的な解決の力量を獲得していく研究と教育はきわめて重要」とあいさつした。  続いて、県教委の村良弘・教職員課主幹が、今井秀明・県教育長の祝辞「実践的な指導力を備えた新人教員の養成や現職教員を対象にしたスクールリーダーの養成に大きく期待する」を読み上げ、開講を祝った。【安間教雄】 "[he-forum 13235] しんぶん赤旗4/17 しんぶん赤旗2008年4月17日付 「世界一高い学費」を軽減し、経済的理由で学業をあきらめる若者をなくすために 2008年4月16日 日本共産党 -----------------------------------------------------------------------  日本共産党が十六日発表した提言「『世界一高い学費』を軽減し、経済的理由で学業をあきらめる若者をなくすために」の全文は次の通りです。 -----------------------------------------------------------------------  この春、多くの新入生が希望に胸をふくらませて学校の門をくぐりました。新入生のみなさんは、有意義な学園生活をおくり、自分のやりたい勉学やスポーツなどにうちこみたいと、期待に胸はずませていることでしょう。日本共産党は、そうしたみなさんの願いが実現するように全力で応援します。 「ひとしく教育を受ける権利」が侵害されている  ところが日本には、進学を手放しで喜べない事情があります。「世界一高い学費」が、高校生や学生、その家庭に重くのしかかっていることです。子育て世帯についての実態調査(国民生活金融公庫)によれば、高校入学から大学卒業までにかかる費用は一人平均千四十五万円、わが子のための教育費は年収の34%に達しています。  とりわけ見過ごせないことは、「貧困と格差」の拡大の中で、学費が高すぎるために毎日深夜までアルバイトをして体を壊したり、学校を去らざるをえない若者が増えていることです。「一年間で二クラス分くらいの人が高校をやめた」「大学に合格したが入学金が払えず、一年間バイトをしてお金をためて再受験する」など、その実態は深刻です。私立大学では毎年一万人の学生が経済的理由から退学しています。  憲法は国民に「ひとしく教育を受ける権利」(第二六条)を保障し、教育基本法は「すべて国民は……経済的地位……によって、教育上差別されない」(第四条)と明記しています。いま起きていることは、憲法と法律が禁じている「経済的地位による教育上の差別」そのものです。 「学費無償化」の方向は世界の流れ  こうした事態を招いた最大の原因は、自民党政府の極度に貧困な教育対策です。高等教育予算の水準(国内総生産にしめる割合)は、OECD(経済協力開発機構)加盟国全体の平均1・0%に対して、日本は0・5%にすぎず、加盟国中で最下位です。その一方で自民党政府は、“学費は、教育で利益を受ける学生本人が負担する”という「受益者負担」の考え方を教育にもちこみ、学費値上げをすすめてきました。一九七〇年に一万二千円だった国立大学の授業料は今では五十三万五千八百円(標準額)で、これほど高騰した公共料金はほかにありません。  国際人権規約(一九六六年に国連総会で採択)は「高校や大学の教育を段階的に無償にする」と定めており、欧米のほとんどの国では高校の学費はなく、大学も多くの国で学費を徴収していません。  教育を受けることは基本的人権の一つであり、経済的理由で妨げられるべきではありません。若い世代が高校や大学で新しい知識や技術、理想を身につけることは、社会の発展にとって不可欠ないとなみであり、それは社会全体にとっての貴重な財産となります。それだからこそ、学費をできるかぎり低額にとどめ、無償に近づけてゆくことが世界の大勢になっているのです。このことは、国民の「ひとしく教育を受ける権利」を保障した日本国憲法の精神にも合致しています。国民の生活や権利にかかわる多くの分野で、ヨーロッパなどで常識になっているルールが確立していないことは自民党政治の大きなゆがみですが、「世界一高い学費」もその一つにほかなりません。  誰もがお金の心配なしに教育を受けられる条件を整えることは、若者に安心と希望をもたらし、日本の未来を支える安定した基盤となります。困難なもとでもまじめに学ぼうとしている若者の努力に応えることこそ政治の責任です。  日本共産党は、経済的理由で学業を断念する若者をこれ以上出さないために、以下の四つの提言をおこなうとともに、「世界一高い学費」を軽減させるための国民的な運動をよびかけます。 日本共産党の提言 (1)公立高校の授業料減免を広げる。私立高校の授業料を減免する「直接助成制度」をつくる  高校は進学率が97%を超え、「準義務教育」というべき実態がある一方で、経済的理由で高校に進めない若者も増えています。平均年収二百十三万円の母子家庭からは、「高校進学の夢も見るなというのか」という悲痛な声が上がっています。また、期日までに入学金が未納だからという理由で、生徒を入学式から排除するという事態までおきています。  公立高校の授業料減免のための国の予算枠(交付税の算定基準)を増やし、国の責任で、減免対象を少なくとも年収五百万円(四人世帯の場合)にまで引き上げます。  私立高校は授業料以外の学費負担も重く、いっそう深刻な事態が広がっています。年収五百万円以下の世帯は授業料全額免除、年収八百万円以下の世帯は一部減額とするような、授業料直接助成の制度をつくることを提案します。専修学校・各種学校(高校に準じるもの)も同様とします。 (2)国公立大学の授業料減免を広げる。私立大学の授業料負担を減らす「直接助成制度」をつくる  大学の初年度納付金は国立八十万円以上、私立百三十万円以上(平均)と庶民が負担できる限界を超えており、所得に応じた負担軽減が必要です。ところが、一九八二年に学生比12・5%あった国立大学授業料の減免予算枠は5・8%に削られ、減免を受ける要件を満たしながらも予算がなくて受けられない学生は少なくありません。私立大学にいたっては国の予算枠は学生比わずか0・1%にすぎません。  国公立大学・高専については国及び地方の減免予算枠を引き上げ、東京大学ではじめたような世帯年収四百万円以下は全員授業料免除とする制度を全国でおこなえるようにすべきです。  また、私立大学の学生にたいしては、世帯年収四百万円以下の場合に一定額が減額となるような授業料直接助成の制度をつくることを提案します。 (3)国の奨学金をすべて無利子に戻し、返済猶予を拡大する。経済的困難をかかえる生徒・学生への「給付制奨学金制度」をつくる  「世界一高い学費」のもとで、奨学金は“頼みの綱”です。ところが国の奨学金(日本学生支援機構=旧育英会)は有利子が約七割を占め、この春も十万人の大学受験予定者が奨学金を受ける資格がありながら無利子奨学金から締め出されました。  国の奨学金を以前のようにすべて無利子に戻すとともに、低賃金などの事情で返済が困難な場合、イギリスのように一定の収入(年三百万円)に達するまで返済を猶予することが必要です。  欧米では、世帯収入や兄弟姉妹の人数などの条件に応じて支給される、返済なしの「給付制奨学金」が主流です。実際、親の失業や病気などの事情で、授業料減免だけでは学業が続けられない場合があります。そうした若者を一人も出さないために、日本でも経済的困難の程度に応じて必要な経済支援をおこなう「給付制奨学金制度」をスタートさせるべきです。 (4)「学費の段階的無償化」を定めた国際人権規約を批准する  国際人権規約(A規約=経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)の第一三条は、高校と大学を段階的に無償化することを定めています。  日本政府は、国際人権規約に加わりながらこの条項について「留保」したままです。無償化条項を留保している国は、条約加盟国百五十七カ国中、日本とマダガスカル、ルワンダの三カ国だけです(二〇〇八年二月現在)。二〇〇一年には、国連・社会権規約委員会から「なぜ世界第二位の経済力の日本が認めないのか」「早く留保を撤回するように」という勧告が出されています。ところが政府は、回答期限の二〇〇六年が過ぎても、勧告への回答を放置したままです。かつて政府は「解除する方向に努力をし、またそういう責任がある」(一九七九年、園田直外務大臣)と明言していました。ただちに「留保」を撤回し、「世界一高い学費」の負担軽減をすすめる姿勢を明確にすべきです。  以上の提言を実現するための経費は年間約千九百億円であり、政府がやる気にさえなれば、ただちに実行可能なものです。日本共産党はその実現のために全力をつくします。 -----------------------------------------------------------------------  国際人権規約A規約(社会権規約)  高校教育の無償化(第13条2項b)  種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること  大学教育の無償化(同条同項C)  高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること  (注)中等教育とは中学と高校などを、高等教育とは主に大学をさす用語 "[he-forum 13236] 共同通信4/18 共同通信2008年4月18日17時32分 教育基本計画の答申要旨 中教審  中教審の教育振興基本計画の答申要旨は次の通り。  【教育の現状と課題】  一、社会が成熟する中で子どもの学ぶ意欲や学力・体力が低下。改正教育基本法に基づき知・徳・体が調和した人間を育てるため、社会全体で教育の振興に取り組む。  一、基本計画は、10年先を見通し、2008年度から5年間で取り組む施策を定める。  【今後10年間で目指す教育】  一、公教育の質を高め信頼を確立する。  一、世界最高水準の教育研究拠点を作り、大学の国際化を進める。  一、欧米主要国に比べ遜色のない教育水準を確保すべく、予算を充実。  【今後5年間に取り組む施策】  一、公立学校活性化のため学校選択制を活用。  一、改定学習指導要領の円滑な実施のため、教員定数を改善する。  一、小中一貫教育などで現行の「6-3-3-4制」を弾力化。  一、全国学力テストを継続的に実施する。  一、道徳教材づくりを支援する国庫補助制度を早期に創設。  一、いじめや不登校の対策に専門家の「学校問題解決支援チーム」を活用。非行防止教室の開催など早期発見に取り組む。  一、幼稚園と保育所の機能をもつ「認定こども園」を2000カ所以上に。  一、世界的な教育研究拠点作りのため11年までに150拠点を支援。  一、20年をめどに「留学生30万人計画」を実現する。  一、大地震で倒壊する危険が高い公立小中学校約1万棟を耐震化。  一、地方自治体も計画を定めて教育振興に取り組む。  一、政府は毎年度、施策の進ちょくを点検し、国民に情報提供する。 "[he-forum 13237] 時事通信4/18 時事通信2008年4月18日11時33分 国立大職員もゴルフ、飲食=複数が贈賄側業者と-文科省  国立大学の施設整備をめぐる汚職事件に関し、国立大学法人の施設部門に所属する複数の職員が、贈賄側の建設会社「ペンタビルダーズ」顧問倉重裕一容疑者(58)とゴルフや飲食をともにしていたことが18日、文部科学省の調査で分かった。渡海紀三朗文科相が同日の閣議後会見で明らかにした。  文科省は、各国立大施設部の事務職員のうち、倉重容疑者の訪問を受けたり、面識があったりした職員から聞き取り調査。ゴルフや飲食をともにした職員が数人いたことが分かった。   ペンタ社や倉重容疑者がかつて在籍していた五洋建設は、これら職員の所属する国立大から工事を受注。大学側は「契約過程に不自然な点は確認されていない」と報告したが、同省は今後、詳細を確認するとしている。  国立大職員に関しては、筑波大施設部長が倉重容疑者と複数回にわたりゴルフをしていたことが既に判明している。また、同省文教施設企画部の職員・OBらが同様の付き合いがあったことも分かっている。  ペンタ社が過去5年間に国立大などから受注した工事は4件(計約3億6000万円分)で、うち2件は筑波大の工事。五洋建設も8件(計約30億9000万円分)を受注している。 倉重裕一(くらしげ・ゆういち)、渡海紀三朗(とかい・きさぶろう) "[he-forum 13238] 京都新聞4/18 京都新聞2008年4月18日付 iPS細胞実用化へ産学連携推進を 京大が関西企業に呼び掛け  京都大は17日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の実用化に向けて産学連携を推進しようと、「iPS細胞研究産業応用懇話会」を京都市左京区の芝蘭会館で開き、新薬の開発や疾患の原因解明の分野への産業界の参入を呼び掛けた。  初めての懇話会に、関西を中心に企業の担当者ら約200人が会場を埋めた。山中伸弥iPS細胞研究センター長は「日本では、iPS細胞を再生医療に応用する研究が多い半面、米国で積極的に進められている疾患の原因解明や薬効、副作用の評価などの研究はまだ少なく、産業界のみなさんに期待したい」と訴えた。  企業を代表して、島津製作所(京都市)の担当者が「例えばiPS細胞の安全性の評価にどんな分析機器が必要なのか教えてほしい。日本の医療機器産業の発展に力を貸してほしい」と述べた。  また、武田薬品工業(大阪市)の研究員は「薬効などを試すためには、基準となるiPS細胞を作ることが必要」と指摘。企業が患者由来のiPS細胞を用いることについて、学内の倫理委員会に研究計画を申請している中畑龍俊副センター長は「患者には企業が使うことに事前に同意してもらい、産業化に支障がないようにしたい」と答えた。  iPS細胞より先行しているES細胞(胚性幹細胞)での特許が産業化に影響を及ぼすのではないかとの質問に、大学側は「(慶応大など)国内のiPS細胞の研究拠点が連携し、特許情報を共有するなどの対策が必要だ」との見解を示した。 "[he-forum 13239] 河北新報4/17 河北新報2008年4月17日付 七十七銀が東北大に寄付講座開講  七十七銀行は寄付講座「地域経済金融論」を東北大大学院経済学研究科に開設した。産業立地、地域間格差など地域経済に関する諸問題をテーマに、理論的、実証的な教育研究に取り組む。  東北大では35番目の寄付講座。「地域経済論」「地域金融論」で構成し、後期の10月から来年3月まで各15回の授業を行う。  専任の教員は各1人。経済学研究科の准教授のほか、外部から金融に詳しい人材を登用する。  七十七銀行は4000万円を寄付した。期間は2008、09年度の2年間で、2年ごとに契約を更新する。  東北大の井上明久総長と七十七銀行の鎌田宏頭取が17日、仙台市青葉区の東北大で記者会見した。  井上総長は「産学連携によって地域経済の発展に貢献したい」とあいさつ。鎌田頭取は「新しい分野で東北の将来を担う優秀な人材が育ってほしい」と述べた。  東北大と七十七銀行は07年1月、東北の経済活性化などを目的に連携協定を結んでいる。 "[he-forum 13240] 4/21しんぶん赤旗記事 2008年4月21日(月)「しんぶん赤旗」 ゆうPress きらり理系女子 研究と家庭 両立ムリ? 国が支援 追い風吹く  “男子は理系、女子は文系”“研究と家庭生活の両立はムリ”―そん な風潮もまだまだ強いなかで、研究者を夢見て頑張る理系女子たち。国 が支援に乗り出すなど、追い風も吹き始めました。(学生は仮名)坂井  希  「高校ではクラスで紅一点。大学も、受かってびっくり、 100人中女子は4人でした」。都内の大学工学部(4年生)の古屋茜 さんが語ります。  理・数・工学系に学ぶ女子学生の多くが、こうした体験に直面しま す。「男子とも話せるので孤独感はないけど、周囲の目はプレッ シャー。『女で理系に来るからには、よほど覚悟があるんだろう』みた いな(笑い)」と古屋さん。 将来不安  研究者を目指す理系女子にとって、一番の不安は将来のこと。身近に 女性の先行モデルが少ないからです。古屋さんの研究室の教授も50代 男性。“24時間研究漬け”の姿を見るにつけ、「女性が研究者になっ たら、結婚や出産はできないんだろうな」と思うと言います。  別の大学で薬学を専攻する大橋春香さん(3年生)も、「女性は研究 者として脂が乗ってくるころと出産・育児の時期が重なる」と不安を口 にします。「授業で研究者の心得について話してくれた講師は全員が男 性。参考にならなかった」  日本の研究者に占める女性の比率は12・4%(2007年)。国際 的に見て最低レベルです。  少ない理由を女性研究者に聞くと、トップは「出産、育児、介護な ど」。「評価、昇進、処遇において女性が不利」が続きます。 粘り強く  個人の努力や家族の支えを頼みに、いばらの道を歩んできた女性研究 者たち。1975年、大阪で第1回婦人研究者問題全国シンポジウム (日本科学者会議主催)が開かれたころから、粘り強い運動が始まりま す。  2002年には、12の理工系学協会が男女共同参画学協会連絡会を 結成。賛同が広がり、参加学協会は67にまで増えました。  政府も2000年代に入り、本格的な支援を始めました。02年、文 部科学省が「女性の多様なキャリアを支援するための懇談会」を設置。 翌年の報告で、大学教員の新規採用は「30%程度は女性を」と提言し ました。06年の科学技術基本計画には「女性研究者の活躍促進」が盛 り込まれ、各種の女性研究者支援制度(表)がスタートしました。  文科省の担当者は「優秀な女性が研究を続けられなければ、日本の科 学技術の発展もない。これは政府あげての掛け声だ」と言います。男女 共同参画学協会連絡会の中村正人委員長(宇宙航空研究開発機構教授) は、「長い運動の積み重ねがあって少しずつ変わってきた。われわれの 取り組みは、悪すぎたバランスを普通に戻すという当たり前のこと」と 話します。 低すぎる若手研究者の地位  女性研究者支援の広がりの一方、男性を含む若手研究者の状態悪化が 深刻です。大学院博士課程を出ても安定した職に就けず、ポスドク(短 期契約の非常勤研究員)などで当座をしのぐ人が多数に上ります。  ある女性ポスドク(32)は「収入は低く、社会保険に入れない場合 もある。身分が不安定で自分の研究に専念できない。男女共通です」と 話します。同時に女性特有の悩みも。「将来が見通せない状況では、結 婚や出産に踏み切れない。付き合っている男性もいるし子どもも欲しい けど、年齢的にタイムリミットはそう遠くない」  日本の高等教育予算は貧しく、大学への交付金は毎年削減されていま す。国立大が法人化された03年以後、削られた人件費は479億円 (06年度)。旧国立大時代の助手の初任給1万人分です。  若手研究者の不安解消には、高等教育政策の転換が不可欠です。  男性研究者を含めた「働き方の見直し」も課題です。お茶の水女子大 は「9時―5時」体制を全学的に実施し、研究者が定時に帰れて業績も あげられる環境の達成を目指しています。  前出の古屋さんは言います。「女性は困難が多い分、研究の社会的意 味などを真剣に考えている面もあると思う。女性がもっと増えて研究の 分野で輝けるように、政府は支援を強めてほしい」 大学が子育てサポート 東京農工大  東京農工大(本部=東京都府中市)は、06年度の文部科 学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成」事業に採 択、女性キャリア支援・開発センターを設立しました。5人の専 任スタッフが女子学生や女性研究者を支援しています。  その一つが「学内研究サポートシステム」。出産・育児・介護中の女 性研究者に、研究支援員を派遣するものです。「定期的に実験の下準備 やデータ処理などを手伝います。一人でやるより早く終わり、保育園の お迎えに行けたりする。“大学が子育てをバックアップしてくれる”と いう心理面での効果も大きいようです」(同センターのコーディネー ター、秋田カオリ特任准教授)  センター長の宮浦千里教授は「女性研究者が継続して研究活動を推進 できるように支援体制を整備しています。国の予算もつき、組織をあげ て動けるようになったことは大きい。本学の優秀な卒業生に母校に戻っ ていただき、再び勉強して再起してもらえるような、本学の特色を生か した取り組みも進めています」と話します。 参考資料等全文は http://www.jcp.or.jp/akahata/ aik07/2008-04-21/2008042105_01_0.html "[he-forum 13241] 読売新聞石川4/19 読売新聞石川版2008年4月19日付 【焦点】麻酔科医 不足深刻 大学病院でも 激務「割に合わぬ」志望減  麻酔科医不足が、県内で深刻になっている。全国統計のある2006年の県内の医師数は、10万人当たり5・7人と全国平均の4・9人を上回るが、麻酔科医不在の病院も増え地域による偏りは大きい。自治体病院に麻酔科医を派遣している金沢大学病院や金沢医科大病院でも状況は進行している。麻酔科は、不規則な勤務体系などが要因で医学生にも不人気で、病院は待遇改善などに乗り出しているが、抜本的な対策は見えてこない。(小泉朋子)  金沢大学病院では3月末に2人が退職、2人が産休に入り、麻酔科医は4人減り、手術に支障がないよう診療科が協力して手術計画を立てることにした。金沢医科大も昨年度末で2人が退職。県によると輪島、珠洲、穴水、宇出津の4つの自治体病院には常勤の麻酔科医不在が続いている。  麻酔科医の不足は、手術数の増加と長時間化に密接に関係している。厚生労働省によると、全国の病院での手術件数は、02年と05年の9月を比較すると12・9%増えている。技術の進歩などで手術で改善するケースが増えたためで、増えている患者の負担を軽減する内視鏡の手術は、5~6時間に及ぶことが多い。  麻酔科医は、手術前から準備しなければならず、手術後の経過観察も重要。「合併症の有無、体重など麻酔は患者一人ひとりに合わせる必要があり、ミスは許されない。手術が立て込むと緊張で怖くなる。人手不足は勤務を過酷にし、悪循環を招いている」と打ち明ける麻酔科医もいる。  過酷な勤務を嫌って開業する麻酔科医も増え、「手術の成功は外科医の手柄。割に合わないというのが本音で、訴訟も増えている。麻酔科に魅力を感じなくなっている」と話す。後遺症が残るなどして訴訟に発展するケースも増え、過酷な労働条件と合わせ、医学生に不人気の要因になっているという。      ◇  県は対策として小児科、産科に加え、麻酔科を目指す学生への修学金制度を今年度設けた。県地域医療推進室の北川龍郎次長は、「学生に使命感を高めてもらうしかない。息の長い取り組みが必要になる」と話している。 能登病院は確保  2007年4月から常勤の麻酔医の不在が続いていた七尾市の公立能登総合病院は今春から、県外の大学病院から3人を確保した。  病院の事業管理者の川口光平さんが示した条件は、「緊急手術以外は、なるべく呼び出さない」「外科医と麻酔医は対等の関係で手術をする」。外科医に合わせて手術のスケジュールが決まることが多く、同じ医師でも外科医の助手のような扱いに不満を持つ麻酔科医は多いという。川口さんは、待遇とステータスの両方の改善を示して、難題の麻酔科医を確保した。同病院の麻酔科医は、ずれ込んではいるが5月以降には着任する見通しという。 "[he-forum 13242] 読売新聞4/19 読売新聞2008年4月19日付 企業の研究施設を大学内に誘致へ、産学連携促進で経産省  経済産業省は18日、産学連携で地域発の技術開発を強化する「地域発イノベーション加速プラン」をまとめた。地域経済再生に結びつける狙いで、大学の敷地内に企業が入居できる研究施設を設置することが柱だ。  2009年度予算で事業費を要求する。  具体的には、経産省所管の独立行政法人、中小企業基盤整備機構を通じ、大学のキャンパス内に共同研究施設を設け、格安の賃料で企業誘致する。大学と企業との「距離」を縮めて連携を強化するとの考え方だ。産学同居で研究設備を有効利用することにつなげる。 "[he-forum 13243] 毎日新聞愛知4/18 毎日新聞愛知版2008年4月18日付 愛教大:存在感ある大学目指す--松田新学長が会見 ◇モノづくりに精通した教員養成  今月1日付で愛知教育大(刈谷市)の学長に就任した松田正久氏(60)が記者会見し、6年間の任期における大学運営の基本方針や改革計画などを明らかにした。この中で松田氏は「存在感のある個性的な大学」をめざし、モノづくりが盛んな県内にふさわしい教員養成や地域に開かれた大学運営を進めることを強調した。  松田氏は冒頭「効率化のみの安易な国立大学の再編・統合には反対」と述べ、国からの運営交付金についても「大学の基盤的経費の一部であり、競争原理による配分はなじまない」と配分の見直しに強く反対した。  県の特徴を生かした地方の教育大ならではの取り組みとして、(1)モノづくり地域に対応し、科学やモノづくりに精通した教員(2)三河地方に多い外国人児童に対応し、その教育に携わる教員(3)奥三河などの独特な文化に対応し、その継承や保存の担い手--などの養成を挙げた。  また、教育改革の課題として、(1)教員の能力や質を高めるため、現在4年制の教員養成課程を教職大学院などで6年制に延ばす(2)近隣大学と共同で大学院に博士課程を新設する(3)来年度から始まる教員免許更新制度に他大学や教育委員会と連携して臨む--などの考えを示した。  さらに、地域に開かれた大学として、市民が自由に参加できる講演会や講座、イベントなどの拡充を図るという。【安間教雄】 "[he-forum 13244] 京都新聞4/21 京都新聞2008年4月21日付 京大とJAXAが連携協定 巨大宇宙望遠鏡など開発進める  世界をリードする宇宙研究、宇宙開発を展開しようと、京都大と宇宙航空研究開発機構(JAXA、東京)は21日、学術研究と事業推進に向けた連携協定を締結した。衛星の編隊飛行による巨大宇宙望遠鏡など、独創的なプロジェクトに取り組む。  同日、京大時計台記念館(京都市左京区)で、尾池和夫京大総長と立川敬二JAXA理事長が協定書を交わした。天文衛星「すざく」「ひので」の開発研究などの連携実績を踏まえ、京大の宇宙に関する研究ネットワーク組織「宇宙総合学研究ユニット」の設立にあわせて、人文社会分野を含む包括的な協力体制を作る。  「宇宙理工学の基礎研究」「宇宙生存空間の融合・学際研究」などを重点分野に、▽ミラーと観測装置をそれぞれ搭載した複数の衛星を編隊飛行させることで焦点距離が数十メートルになる巨大宇宙望遠鏡の開発▽太陽放射線予測など「宇宙天気予報」の実現▽国際宇宙ステーションからの観測による地球大気質変動の将来予測-など、さまざまなプロジェクトを進める。京大での連携講座や講演会なども開く。  尾池総長は「人類の生存圏が宇宙へ広がるなか、学問を融合し総合的にやっていくことが必要で、京大のそれぞれの分野の下地を生かしたい」と話した。 "[he-forum 13245] 朝日新聞社説4/19 朝日新聞社説2008年4月19日付 教育基本計画―中教審はどうしたのか  これでは話が違う。初めての教育振興基本計画をつくるため、文部科学相の諮問機関である中央教育審議会が出した答申のことである。  基本計画は、06年に改正された教育基本法に基づき政府が決める。「教育立国」を掲げ、10年先のあるべき姿を見据えて今後5年間に取り組むべき施策を示すものだという。  教育現場が抱える課題は多い。とくに深刻なのは学力低下問題だ。学力格差をどう縮めるか。考える力をどう育むのか。そのためには、教師の数や質の向上が欠かせない。  だから、この答申で最も注目されたのは、教員を増やすなど予算のかかる措置が具体的にどう描かれるかだった。日本の教育への公的支出の割合は、先進国のなかでも低い。教育への投資は、日本の教育を底上げするには避けて通れない課題である。  ところが驚いたことに、答申には具体的な提言が見あたらないのだ。  中教審は、授業時間と内容を増やす方針を盛り込んだ今回の学習指導要領改訂を答申する際にも、大前提として教員を増やすなどの条件整備が欠かせない、と明言していた。それを放棄したと言われても反論できまい。条件が追いつかないまま、ただがんばれと言われる現場はたまらない。  どうしてこんなことになったのか。答申には、財政措置の必要性にさらっと触れたのに続いて、こんな一文がある。「しかしながら、国の財政状況は大変厳しい状況にあり、これまでの歳出改革等の改革努力を継続する必要がある」。まるで財務省の審議会の答申かと見まがう内容である。  委員の片山善博・前鳥取県知事が「あまりに財政当局に近い内容で、省庁折衝の結果と答申が同じなら審議会はいらない」と怒ったのも当然だ。  答申づくりにあたって、文科省と財務省などとの事前折衝が行われ、財源の見通しがない具体策は盛り込まぬようタガをはめられた、ということのようだ。しかし、官僚たちの言い分を土台にして答申をつくるのでは、審議会で議論する意味がない。  教育現場にどんな環境整備が必要なのか、その設計図を描くことこそが中教審の使命ではないのか。それができないのなら、さっさと解散したらと言いたくもなる。  この答申を受けた基本計画は、来月にも閣議決定される。いま道路財源問題が政治の焦点になっている。財政状況が厳しいからこそ税金の無駄遣いをやめ、優先度の高い分野へ投入しなければならない。教育はその最たるものではないか。  教育が危うい。政府・与党にその自覚があるのなら、この答申にこだわらず、大胆な財政措置を基本計画のなかで打ち出してみてはどうか。 "[he-forum 13246] 沖縄タイムス社説4/21 沖縄タイムス社説2008年4月21日付 [教育基本計画] 後退した印象にみえる  これで将来の人材育成、学力向上が本当に計れると思っているのだろうか。文部科学相の諮問機関である中央教育審議会が答申した「教育振興基本計画」のことだ。  基本計画は二〇〇六年に改正された改正教育基本法で政府に策定が義務づけられた。  今後十年を見通した教育のグランドデザインで、その前半の五年間でやるべき計画を記したものである。  中教審が議論の中心に据えてきたのは、学力の低下に対する学校現場での対応であったはずだ。だが、答申はそうなっていない。  今年一月に中教審が告示した学習指導要領改定で打ち出した授業時間数の増加に対し、私たちは、その取り組みを可能にするにはまず教員数を増やすこと、同時に教員の技量を向上させる学校運営の必要を説いた。  学校現場の環境整備を後回しにして授業時間数だけを増やしても現場が今以上に疲弊するだけで、学力向上には結びつかないと考えるからだ。  今回の答申は、教育界が最大の優先課題としていた教育予算額が提言として盛り込まれていない。  中教審は学習指導要領を改定する際に、教員数を増やすことはその前提になるとしてきたはずなのに、必要とされる教職員の定数改善についての具体的見通しも明記しなかった。  これでは施策として不十分であり、学校現場には後退したとの印象にしか映らないのではないか。  文科省が改正教育基本法に行政目標である基本計画の策定を盛り込んだのは、教育予算を増やすことを確実にしようとの思惑があったからだという。  十八日の中教審総会では安西祐一郎慶応大塾長らが「教育立国を実現するには、教育投資の充実が最低の条件だ」と要望している。  だが、文科省と財務省との事前折衝で「教員定数の改善」に難色を示されたとみられている。  背後に学校現場があり子どもたちがいるのに、答申は現場の要望から大きく外れたものになってはいまいか。同時に、これまで積み上げてきた中教審の議論はどこに行ったのかという思いも禁じ得ない。  基本計画は五月に閣議決定される。財務省などとの調整はそのためだが、それでも抜本的な教育論議はそっちのけで、財源の問題から具体策を盛り込めなかったとしたら残念というしかない。  このままでは何のための審議会なのか、その存在自体が問われていることを忘れてはなるまい。  文科省は「教育投資の充実」や「教職員定数の改善」という文言は盛り込まれたと自賛している。  しかし、学校現場が疑問に思っているのは「歳出・歳入一体改革との整合性を取る」という言葉と横並びにされたことである。  学力低下や学力格差をどう是正していくか。そのためには子どもたちの目線に立った改革が必要なのに、なぜ財政問題でぼかしてしまうのか。人員を確保することが緊急の課題であれば、財政措置は不可欠である。文科省は、教育現場が抱いている危機感の解消に全力を傾けてもらいたい。 "[he-forum 13247] 共同通信4/22 共同通信2008年4月22日10時58分 阪大新棟でシックハウス 当面立ち入り禁止に  大阪大は22日、豊中キャンパス(大阪府豊中市)に1月末完成したばかりの「文系総合研究棟」について、学生や職員の立ち入りを25日から当面禁止することを明らかにした。  研究棟で働く職員2人がシックハウス症候群と診断され、学生も体調不良を訴えたためで、期間は「安全が確認できるまで」としている。大阪大は、原因とみられる建物内の揮発性有機化合物の濃度を下げる作業などを行う予定。  大阪大によると、3月中旬ごろ、高等司法研究科の女性職員2人が「部屋に入ると違和感がある」と体調不良を訴え、4月中旬、2人ともシックハウス症候群と診断された。4月から研究棟で授業を受け始めた学生2人も頭痛や鼻水などの症状を訴えた。  このため大阪大は17日、研究棟への立ち入り禁止を決め、学生や職員に周知を進めている。大学側は「想定外のことで困惑している」と話している。  研究棟は7階建て延べ約6500平方メートルで、高等司法研究科や法学研究科、講義室などがある。 "[he-forum 13248] 神戸新聞4/22 神戸新聞2008年4月22日付 告発情報5カ月間放置 神戸大大学院大腸菌違法廃棄  神戸大大学院医学研究科の久野高義教授の研究室が、遺伝子を組み換えた大腸菌などを違法に廃棄したとされる問題で、複数の学内関係者あてに昨年十月、違法行為を告発する匿名の電子メールが送られていたことが二十一日、分かった。文部科学省から連絡を受け、大学が調査に乗り出した今年三月までの五カ月間、情報が事実上放置されていた格好で、大学の対応の遅れに批判が出そうだ。  関係者によると、メールは医学部の教授ら複数の関係者に届いた。実験に使った大腸菌をそのまま排水口に流すなどずさんな処理実態を指摘する内容で、久野教授の指導に対する批判も書かれていたという。  神戸大は遺伝子組み換え実験に絡む大腸菌違法廃棄などの問題について、今月四日の会見で「三月十七日に文科省から『実験で適正な処理が行われていない』という匿名の通報があったと連絡があり、内部調査を始めた」と説明。しかし、その五カ月前に告発メールが届いていたことが明らかになり、文科省からの連絡以前に、問題に気づいていた可能性も考えられる。  元研究生の一人は「十月の段階で調査していれば、違法行為をもっと早く見つけられたはず。外部に被害が及んだ場合、大学の責任も問われかねない」と憤っている。  神戸大は現在、学内の「遺伝子組換え実験安全委員会」が、関係者への聞き取りや研究室周辺の下水調査などを進めている。一連の問題については「結果がまとまり次第公表する」とコメント、取材には応じていない。 "[he-forum 13249] 北海道新聞4/22 北海道新聞2008年4月22日付 「医進」事業で来月協定 道教委 北大、札医、旭医大と  道内の地域医療に携わる人材の育成を目指し、道教委は、北大と札幌医大、旭川医大の三大学と「連携協力協定」を五月下旬に締結する。医学部受験を支援する道教委の「医進類型指定校」事業に三大学が協力し、指定校の高校生らに対し、各大学の医師や現役医大生が指導をしたり、医学生体験に協力する。  道教委は本年度から函館中部や北見北斗、釧路湖陵など地方都市の道立高九校を医進類型指定校とし、教員を一-二人追加配置。英語、数学、理科の授業増や少人数指導を行っている。  さらに、医学部受験へのやる気を引き出すため《1》医療機関や医大の見学や医師による講演、出前講座《2》医学実験など医学生体験や現役医学部生による受験指導など三泊四日のメディカルキャンプ-などを計画。医学部を持つ道内三国公立大に協力を要請していた。  大学側はこれまでも単発的な医師の出前講座などは行ってきたが、「医学生にも協力を求めるなど医大側の長期、包括的な協力が必要」(道教委)なため、連携協力協定を結ぶことにした。  五月下旬に予定する調印式には、吉田洋一道教育長のほか札医大と旭医大の両学長、北大医学部長が参加する方向で調整している。 "[he-forum 13250] 山陽新聞社説4/22 山陽新聞社説2008年4月22日付 教育基本計画 財政裏付け欠き無責任だ  中央教育審議会は初の教育振興基本計画を渡海紀三朗文部科学相に答申したが、実現性を担保する肝心な数値が盛り込まれず物足りない内容となった。  基本計画は二〇〇六年の改正教育基本法で、新たに政府に策定が義務付けられた。十年先を見通し、今後五年間で進める教育の目標を定めるものだ。  答申は日本が発展していく原動力は「人づくりをおいて他にない」とし、あらためて「教育立国」を宣言して教育振興に取り組むよう求め、七十五の施策を示した。このうち重点的に取り組むべき事項には「確かな学力の保証」など九つの目標と二十二施策を挙げている。  しかし、施策の裏付けとなる教育予算の拡充については「欧米主要国と比べて遜色(そんしょく)のない教育水準を確保すべく充実を図っていくことが必要だ」との表現にとどまり、具体的な数値は示されていない。「確かな学力の保証」や、同じく重点に据える「教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり」にしても、教職員定数の改善や施設の充実などを指摘しながら、教育投資額や増員目標数は盛り込まれず迫力に乏しい。  財務省と文科省の調整が付かなかったためとされるが、省庁間の協議通りに答申したのでは審議会の意味はなかろう。授業時間や学習内容が増加する中で教育効果を高めるには、教師が子どもたちと向き合い十分に指導できる環境整備が必要だ。  裏付けもなく多様な取り組みを求められたのでは、現場は混乱するばかりで逆効果ともなりかねない。中教審は目指す教育と必要な投資をきちんと示し、実現への強いメッセージを発すべきだった。教育という将来への重要な投資をおろそかにしては、「教育立国」実現は到底おぼつかない。 "[he-forum 13251] 中日新聞社説4/19 中日新聞社説2008年4月19日付 教育基本計画 教員増と財政がカギ  中央教育審議会(中教審)が答申した教育振興基本計画は教員増など根幹部分で数値の明記を避けた。財政的裏付けがないからだ。国は財政面も含めて教育政策の明確な方針を示す時期にきている。  「『教育立国』の実現に向けて」との副題が付いた基本計画は、特に取り組むべき重点事項に「確かな学力の保証」や「教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり」などを挙げる。  その施策として「必要な教職員定数を措置する」「現場の情報通信技術(ICT)化を進める」などを並べており「教育投資の充実」を訴えているが、増やすべき定員の数や具体的な投資額には触れずじまいだ。  答申は予算額など数値目標を盛り込めるかが焦点だったが、財務省の反発があって断念したらしい。ある委員から「これでは役人の密室協議で日本の教育が決まってしまう」と批判が出たほどだ。  公財政教育支出は経済協力開発機構(OECD)諸国の平均が国内総生産(GDP)比で5%なのに日本は3・5%にとどまる。  この計画に基づき教育政策を進めるのなら、財政支出を講じ、教員増も必要だろう。現時点では計画が実行できるか疑わしい。  教員は、増やしたくてもできない理由がある。経済財政運営の指針「骨太の方針2006」は「五年間で一万人程度の純減」とし、行政改革推進法には「児童生徒の減少に見合う数を上回る数の純減」と明記されているからだ。  二〇〇八年度の予算編成では千人純増が特例的に認められたが、これは「教育再生」を重要政策に掲げた前政権の遺産といえる。  福田政権はというと、教育政策への姿勢がいまだに見えてこない。教員定数について今後はほかの公務員同様に扱うのか、それとも行革推進法を改正してまで増強方針をとるのか不明だ。答申が踏み込めなかったのは、政府の腰が定まらないことにも原因がある。  東京都は低所得世帯に受験生の塾費用を無利子で貸し出す。公教育放棄との批判もあるが、学力対策が塾任せとなっている現実を見ての政策でもある。  大阪府は公立小学校の低学年で実施中の三十五人学級を廃止する案を明らかにした。基本計画で提言する少人数指導には逆行するが、財政状況が苦しいからだ。  現場を抱える自治体は教育でも早急な対応を迫られている。一方で政府は方向を打ち出せない。これでは「教育立国」は難しい。 "[he-forum 13252] 東京新聞社説4/19 東京新聞社説2008年4月19日付 教育基本計画 教員増と財政がカギ  中央教育審議会(中教審)が答申した教育振興基本計画は教員増など根幹部分で数値の明記を避けた。財政的裏付けがないからだ。国は財政面も含めて教育政策の明確な方針を示す時期にきている。  「『教育立国』の実現に向けて」との副題が付いた基本計画は、特に取り組むべき重点事項に「確かな学力の保証」や「教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり」などを挙げる。  その施策として「必要な教職員定数を措置する」「現場の情報通信技術(ICT)化を進める」などを並べており「教育投資の充実」を訴えているが、増やすべき定員の数や具体的な投資額には触れずじまいだ。  答申は予算額など数値目標を盛り込めるかが焦点だったが、財務省の反発があって断念したらしい。ある委員から「これでは役人の密室協議で日本の教育が決まってしまう」と批判が出たほどだ。  公財政教育支出は経済協力開発機構(OECD)諸国の平均が国内総生産(GDP)比で5%なのに日本は3・5%にとどまる。  この計画に基づき教育政策を進めるのなら、財政支出を講じ、教員増も必要だろう。現時点では計画が実行できるか疑わしい。  教員は、増やしたくてもできない理由がある。経済財政運営の指針「骨太の方針2006」は「五年間で一万人程度の純減」とし、行政改革推進法には「児童生徒の減少に見合う数を上回る数の純減」と明記されているからだ。  二〇〇八年度の予算編成では千人純増が特例的に認められたが、これは「教育再生」を重要政策に掲げた前政権の遺産といえる。  福田政権はというと、教育政策への姿勢がいまだに見えてこない。教員定数について今後はほかの公務員同様に扱うのか、それとも行革推進法を改正してまで増強方針をとるのか不明だ。答申が踏み込めなかったのは、政府の腰が定まらないことにも原因がある。  東京都は低所得世帯に受験生の塾費用を無利子で貸し出す。公教育放棄との批判もあるが、学力対策が塾任せとなっている現実を見ての政策でもある。  大阪府は公立小学校の低学年で実施中の三十五人学級を廃止する案を明らかにした。基本計画で提言する少人数指導には逆行するが、財政状況が苦しいからだ。  現場を抱える自治体は教育でも早急な対応に迫られている。一方で政府は方向を打ち出せない。これでは「教育立国」は難しい。 "[he-forum 13253] 東京新聞4/22 東京新聞2008年4月22日付 原子力のリーダー養成へ 東京大・原子力機構が包括連携  東京大と日本原子力研究開発機構は、原子力分野での人材育成と研究開発強化を柱とする包括的な連携協力を進めることで合意し、協定を結んだ。人材交流や研究施設・設備の共同利用などを通じて原子力界のトップリーダーを養成する。  原子力はエネルギー安定供給や地球温暖化対策を背景に見直されている。また、国際的にも原子力産業界の再編や寡占化が進み、ウラン資源確保に向けた資源外交も活発化している。  このため、原子力分野での高度な技術者や研究者の養成が緊急課題になっているが、国内では十数年前から東大を含めて大学から「原子力」の名前がついた学科や専攻が消滅。教育や人材育成が衰退し、“原子力ルネサンス”に十分に対応できないのが現状だ。  東大は三年前に原子力国際専攻と原子力専攻専門職大学院を設置。昨年は「世界を先導する原子力教育研究イニシアティブ」が、優れた拠点づくりを目指す国のグローバルCOEに採択されるなど原子力人材育成に再び力を入れ始めた。  原子力機構とはこれまでも相互協力関係があり、茨城県東海村にある専門職大学院の講義の六割、実習の九割は原子力機構が受け持っている。ただ、「部局単位での連携で、全体としての共同研究ではなく個人レベルや専攻レベルにとどまっていた」(平尾公彦・東大副学長)。  現在、原子力は原子力発電だけでなく加速器や核融合、医療利用まで広がっている。原子力エネルギーから放射線利用、原子力社会学まで総合的に教育研究している東大と、国内最大の原子力研究者や技術者を擁する原子力機構が包括的に協力することで人材の育成や交流、研究協力、研究施設・設備の相互利用を充実、強化させる。  東大での調印式で小宮山宏・東大学長は「エネルギー資源確保と脱炭素・脱化石の実現は人類の重要な課題。非化石系資源の総動員は待ったなしの状況で、原子力の役割は欠かせない。原子力の人材育成に両組織が協力する意思を明確にしたことが重要」と話した。岡崎俊雄・原子力機構理事長も「協力関係をより広く、強力にすることで世界が必要とするリーダーを育て、優れた研究開発成果を日本から発信できる」と期待をかけた。 "[he-forum 13254] 毎日新聞福島4/22 毎日新聞福島版2008年4月22日付 福島大・福島銀:連携協定を締結 人材交流や共同研究検討  福島大(今野順夫学長)と福島銀行(紺野邦武社長)は21日、産学連携の協力協定を締結した。福島大が県内の金融機関と協定を結ぶのは東邦銀行、福島信金に続き3例目で、今後はインターンシップなどの人材交流や共同研究を検討していく。  協定は、双方が持つ研究実績や金融に関するノウハウなどを活用し、「地域の発展と産業の振興に寄与することを目的」に連携。▽新技術・新規事業に関する情報交換▽地域経済の情報交換▽人材交流やインターンシップの実施--などで協力していく。  この日開かれた締結式で、今野学長は「県内の産学を発展させるためには金融機関の協力が不可欠」と話し、紺野社長は「銀行は知識産業化の様相を強めている。大学のノウハウを積極的に取り入れ、地域社会に貢献していきたい」と意気込みを語った。【松本惇】 "[he-forum 13255] 毎日新聞青森4/23 毎日新聞青森版2008年4月23日付 森公立大:来年4月に独立法人 青森市が設置主体に  青森市の佐々木誠造市長は22日の定例会見で、青森公立大(佐々木恒男学長)の設置団体を来年4月から青森市とする地方独立行政法人にすると発表した。  市は行財政改革プログラムの中で、今年度内に独立法人化を検証し、整理するとしていたが、今年1月の同大臨時評議会での機関決定を受け、市も検討を進めていた。  同大の設置者は現在、市、平内町、今別町、外ケ浜町、蓬田村で構成する青森地域広域事務組合(管理者・佐々木誠造青森市長)で、市によると、法人化以降はこれまで構成町村が支払っていた負担金はなくなるが、授業料の優遇措置は継続するという。佐々木市長は「関係町村の首長におおむね理解は得た」としている。市は21日に組合に対し、事務負担や規約の変更を申し入れ、今後、各市町村の議決や文部科学省への設置者変更の手続き、県の認可などを経て正式に決定する。  大学に対しては自由裁量が与えられる半面、厳しい経営責任を課される独立行政法人化について、同大の佐々木学長は同日の定例会見で「事業戦略遂行のための方法の一つ。まずは教職員の意識改革を徹底的に進める。大学側の希望も設置者に伝え、望ましい法人化を目指したい」と話した。【野宮珠里】 "[he-forum 13256] 共同通信4/23 共同通信2008年4月23日11時53分 教育投資の数値目標明示を 振興基本計画で自民が決議  自民党は23日の文部科学部会・文教制度調査会合同会議で、政府が初めて定める教育振興基本計画に教育投資の具体的な数値目標を盛り込むことなどを求める決議をまとめた。近く首相官邸や財務省に提出する。  決議は「教育現場の条件整備が行われなければ教育再生は実現できない」と強調。教育投資について「欧米の教育先進国の財政支出水準を上回る具体的な数値目標を設定し、充実を図る」としたほか、教員定数も計画的に増やすよう求めている。  今後5年間の教育政策の重点項目を明示する同計画は、18日の中教審答申を踏まえて文科省を中心に策定中で、5月中旬に閣議決定する方針。  ただ答申では「欧米主要国に比べ遜色のない教育水準を確保するためメリハリを付けた投資を行う」などと厳しい財政事情に配慮した表現が目立っているため、この日の会合では「教育に力を入れるとの強い姿勢を打ち出すべきだ」として予算拡充を求める意見が相次いだ。 "[he-forum 13257] 秋田魁新報社説4/24 秋田魁新報社説2008年4月24日付 教育振興基本計画 今後に不安増すばかり  今後の教育に期待を抱かせるどころか、不安を増長させると言わざるを得ない。中央教育審議会が答申した「教育振興基本計画」のことである。  基本計画は「改正教育基本法」に基づき、今回初めて策定された。いわば今後10年を見通すグランドデザイン。問題が山積する中、どんなふうにまとめられるか注目されていた。  それにもかかわらず、肩透かしを食らったような内容にとどまった。中身が通り一遍で、一部を除けば既存の施策の寄せ集めと言っても、あながち的外れではないのである。  もちろん教育ほど地道な取り組みが求められるジャンルもない。教育に対する考え方はさまざまあるにしろ、「人づくり」という根本目標がそんなに大きくブレるはずもない。  計画が目新しさに欠けるとはいえ、教育問題をしっかり見据え、一つ一つこつこつと解決していこうという姿勢で貫かれているとするなら、評価する向きも出てこよう。  何より心配なのは計画の実現性だ。教育予算増額の数値目標や教職員定数改善の具体的な見通しという肝心な部分が盛り込まれなかったのである。  教育現場の多忙化が指摘されて久しい。「人も金も不十分なまま、どうすればいいのか」。悲鳴に近い訴えや悩みを見聞きすることも珍しくない。  これに学習指導要領の改定が追い打ちをかける。「ゆとり教育」を転換する改定は、授業時間数や学習内容の増加が柱。以前にも増して高い次元の目標達成を課しており、教育現場にすれば負担増となるのは間違いのないところなのだ。  あれもこれもと目標を掲げておきながら、人や金といった裏付けがあやふやでは、計画が「絵に描いたもち」に堕する恐れも否定できなくなる。  なぜこんなことが起こるのか。教育が「国家百年の大計」であることは疑問の余地がない。その充実を妨げることなど果たしてあり得るのだろうか。  実は今更指摘するまでもなく、「財政事情」という厚い壁が立ちはだかるのだ。具体的には財務省が予算や教職員の増加を図ろうとする文部科学省に難色を示しているのである。  財政難は今や、国や地方のありとあらゆる分野に及び、最大の懸案事項になっていると言っていい。教育が全く影響を受けないわけにはいかないことも大半の人が分かっている。  しかし、人づくり、つまり教育なくして国も地方も未来につながっていかないこともまた、紛れもない事実なのだ。財政難を言い訳に教育の充実を怠れば、それこそ国や地方の先細りを招きかねない。  今こそ、省庁の枠を超えた「教育哲学」を持つべき時だ。教育の大切さに対する共通理解が深まれば、ほかの予算を回してでも拡充を期すべきだという機運が高まるに違いない。 "[he-forum 13258] 四国新聞4/25 四国新聞2008年4月25日付 四国初の付属博物館オープン-香川大  四国初となる大学付属の博物館が香川大(香川県高松市幸町)に24日、オープンした。教育学部の建物内に約300平方メートルのスペースを確保し、2万年前の石器から最先端の小型人工衛星まで全学部の研究成果や学術資料を展示、無料で開放している。  名称は「香川大学博物館」。約100平方メートルの展示室のほか、約1万点を納める収蔵庫や実習スペースも備える。  この日、同館でオープニングセレモニーがあり、一井真比古学長が「650人の教員と6500人以上の学生の研究成果が財産としてある。社会の中で有効に生かすことが大学の使命」とあいさつ。館長を務める経済学部の丹羽佑一教授が「成功するか否かは地域とのきずなが要となる」と課題を示した。  目玉は、今秋にもH2Aロケットに搭載される小型人工衛星「STARS」の原寸大模型。このほか、窓ふきロボットや抗がん作用が期待される「希少糖」、平安時代の水田跡で見つかった足跡、心臓血管用メス「ワイヤーガイドナイフ」など約20種類の研究成果などを展示している。  展示内容は定期的に行う企画展に合わせて順次入れ替える。6月3―28日は「ウズベキスタンの現代建築と世界遺産展」。8月は昆虫展を予定している。  休館日は日、月曜、祝日、年末年始。開館時間は午前10時―午後4時。 "[he-forum 13259] 河北新報4/25 河北新報2008年4月25日付 産学官連携し人材育成 54団体参加 岩手県  岩手県の達増拓也知事らが呼び掛けてきた産学官連携組織「いわて未来づくり機構」は24日、盛岡市のホテルで設立総会を開き、正式に発足した。県内の54団体が参加。県民所得の向上などを目指す岩手の将来ビジョンをつくり、「人材育成」などに取り組むことを確認した。  総会には県内の経済団体、大学、研究機関などの関係者ら約100人が出席。達増知事、岩手経済同友会の永野勝美代表幹事、岩手大の平山健一学長が共同代表に就任した。  達増知事は1人当たり年間240万円にとどまる県民所得や医師不足などに触れ、「県民の生活、経済の発展に向け、県内の英知を結集したい」と協力を求めた。  機構の運営方法については、共同代表を含む7人によるラウンドテーブルが将来ビジョンなどを提言していくことを決定。「人材育成」「産業基盤の集積・強化」「一次産品の高機能化」「岩手ブランドの国内外展開」「医療と福祉」を検討テーマにすることにした。  具体的な調査や研究はテーマごとに設ける作業部会が担当し、会員団体などが実践に移す方針も確認した。  総会に続く初のラウンドテーブルでは検討課題をめぐって、「自動車関連などの企業誘致のためにも人材育成が重要」「県民所得向上には一次産業の発展が不可欠だ」などの意見が出された。  機構はJR盛岡駅西口のアイーナに事務局を常設し、県職員ら2人が常駐する。  機構の創設は「岩手の発展には産学官のネットワークによる大きな枠組みが必要」と発案された。 "[he-forum 13260] 日本経済新聞4/25 日本経済新聞2008年4月25日付 国立大も株取得可能に・政府方針、企業への特許供与対価  政府は国立大学による企業の株式取得を一部解禁する。研究成果を供与する対価として企業から受け取るストックオプション(株式購入権)の行使を可能にする。資金力の乏しいベンチャー企業でも先端技術を活用した事業が展開しやすくなり、国立大は株式の取得・売却で得た利益を他の研究開発に再投資できる。産学連携の動きに弾みがつきそうだ。  株式取得規制の緩和案は政府の知的財産戦略本部(本部長・福田康夫首相)がまとめた。政府は早ければ秋に予定する臨時国会に国立大学法人法改正案を提出し、来春にも実現の見通しだ。 "[he-forum 13261] 佐賀新聞4/24 佐賀新聞2008年4月24日付 佐賀大とタイの工科大が二重学位協定  佐賀大学は23日までに、タイのアジア工科大学(AIT)とデュアル・ディグリー(二重学位)プログラムの協定を締結した。留学先での修得単位を認め、卒業時に双方の学位を与える制度で、佐賀大側は大学院工学系研究科の修士課程でスタート。アジアトップレベルの人材育成へ、早期派遣を目指す。  AITはタイのバンコクにある大学院大学で、1959年に開学。最先端の工学系教育を英語で実施している研究・教育拠点で、アジアを中心とした約40カ国から2000人が学んでいる。  協定では、佐賀大から留学する場合、1年目に大学院で24単位を修得。2年目にAITで24単位を修得すれば、両大学の学位が同時に得られるよう定めた。毎年3人までとし、授業料は母校に納めれば、留学先については免除する。  両大学は、教員間の交流がきっかけで2007年、学術交流協定を締結。サイド・イランドーストAIT学長がタイで今月17日、二重学位の協定書にサイン。最終的に佐賀大で21日、長谷川照学長が署名した。  佐賀大は二重学位をめぐり、韓国・台湾の3大学と提携の覚書を交わしてきたが、具体的な協定締結には至らず、今回が初めて。長谷川学長は「二重学位は大学間交流の理想型で、学生の就職に有利」と語り、こうした仕組みが大学志願者そのものの増加につながることも期待している。  両大学は今後、専門領域のすり合わせや研究テーマの連続性を見極めながら、留学希望者を募る。軌道に乗れば、佐賀大側は経済学研究科から、経営工学分野への派遣も検討する。 "[he-forum 13262] 読売新聞秋田4/25 読売新聞秋田版2008年4月25日付 高校生 放課後は「大学生」 秋田大で無料聴講 語学に一般教養 近隣校10人が挑戦  秋田大は4月から、大学1年生が主に受講する教養科目の一部を高校生が無料で聴講できる制度をスタートさせた。大学の授業に出席して進路を決める参考にしてもらう狙いがある。希望した秋田市内の高校生計10人が学んでいる。高校生からは「分かりやすくて面白い」「もっと学びたい気持ちが強まった」との声が上がり、好評だ。  秋田大は3月に高校側にこの制度を提案し、秋田、秋田北、秋田中央、秋田南の県立4高校との間で協定を結んだ。このうち秋田高は、大学で履修した単位も高校の単位として認め、秋田南高も認める方向で検討している。  4校が選ばれたのは、授業が行われる秋田市の手形キャンパスに近く、高校の授業の後に大学の夕方の講座に出席できるためだ。  前期(4~7月)は、秋田南高を除く3校から希望した生徒10人が4月8日から受講している。後期(10~2月)は再度希望者を募るが、前期に受講しているうち3人が継続する予定。  前・後期の対象講座は、語学は、基本ドイツ語会話の2講座。一般教養では、現代日本人の生活習慣病をテーマにストレスが健康に与える影響や心身症の発生メカニズムなどを学ぶ医学部の生命と健康1Aや、教育文化学部の日本とアジアの文化2、芸術と文化1、同2、障害と共生IB、工学資源学部の地球の環境と資源4Aの6講座。  高校生には、試験は課されず、大学の単位は認定されないが、学期末に大学から高校側に出席状況と講師のコメントが送られる。  秋田大教務課の担当者は「大学の授業がどんなものか理解してもらい、進路を決める手助けにしてほしい。結果的に秋田大を受験してもらえればうれしい」と話す。  一方、秋田高校の教諭は「高校学習課程の範囲を超えて、広い視野で学問を学ぶことができ、入学後の学問のミスマッチを防ぐことにもなる」と高校生にとってのメリットを説明する。  秋田北高2年の筒井紗季子さん(16)は毎週金曜、午後3時に高校の授業を終えた後、午後4時10分から始まる日本とアジアの文化2を、秋田高2年の小白川彩さん(16)と一緒に受講している。若者言葉や方言、差別語、敬語など身近な言葉の実例からコミュニケーションについて考える授業だ。  2人は高校の制服を着て、キャンパスの講堂で、ジーパンやTシャツ姿の数十人の大学生に交ざり、約90分の講義に耳を傾ける。  筒井さんは「大学はもっと難しいことをやっているイメージだったけど、実際に受けてみると分かりやすくて面白い」と語る。小白川さんは「言語学に興味がある。講義を受けて、大学で言語学を学びたいという気持ちが強まった」と話す。 "[he-forum 13263] Re: [he-forum 11908] 徳島新聞3/2 ----- Original Message ----- From: ""news"" To: ""he-forum"" Sent: Saturday, March 03, 2007 11:35 AM Subject: [he-forum 11908] 徳島新聞3/2 > 徳島新聞2007年3月2日付 > > 鳴門教育大に「教職大学院」 教員再教育など目的、08年開校目指す > >  鳴門教育大学は一日、教員の再教育と即戦力となる新人教員の育成を目的とした「教職大学院」について、六月末までに文部科学省に設置申請することを明らかにした。同大は、二〇〇八年春の開校を目指す。 > >  鳴教大によると、現在の大学院内に、現職教員や学卒者を対象にした「高度学校教育実践専攻」を設置。▽学校・学級経営▽学校臨床実践▽授業実践・カリキュラム開発▽教員養成特別-の四コースを置く。定員は四コース合わせて五十人(現職教員四十人、学卒者十人)。教職大学院の開設に伴い、現大学院修士課程の定員を三百人から二百五十人に減らす。 > >  共通科目として<1>教育課程の編成と実施<2>教科の指導方法<3>生徒指導と教育相談-などを学ぶ。 > >  このほか、現職教員の勤務校や鳴門市内の小学校と連携を図って各校が抱える課題の解決策を考えて指導力を磨いたりする。 > >  教職大学院は、ベテラン教員よる授業方法伝達や十単位以上の学校での実習が特徴。高橋啓学長は「教育環境の変化で、教員の資質向上が求められている。実践力を蓄え、現場の課題に対応できる教員の養成を進めたい」と話している。 > "[he-forum 13264] 岡山大学で9条投票 岡山大学元教員の野田隆三郎です  昨日24日昼休み、岡山大学において9条改定の賛否を 問う学生シール投票をしました。  憲法記念日を前に、全国一斉に行われる 憲法9条 守る?変える?全国投票の一環として    http://qjyot.exblog.jp/  取り組まれたものです。  結果は     9条を  守る   203(69%)           変える  47(16%)         わからない 46(16%)  でした。  この取り組みの朝日新聞記事を上記のHPに アップしています。  また同じ学生投票をきょう25日、埼玉大学学生が 取り組みました。結果はまた報告します。 "[he-forum 13265] お詫び [he-forum 13263] はパソコン操作を誤って誤送信 したものです。申し訳ありませんでした。     野田隆三郎 "[he-forum 13266] 山陰中央新報4/26 山陰中央新報2008年4月26日付 島大など3校が図書館連携で協議会  島根大と島根県立大、松江高専の三校が二十五日、松江市西川津町の島根大で図書館連携に向けた協定書を締結し、利用者への図書サービス向上を進めるための協議会を設立した。  協議会は「島根県大学・高等専門学校図書館協議会」。島根大の付属図書館と医学分館付属図書館、県立大の松江、出雲、浜田の三キャンパスの各図書館、松江高専図書館の計六館が参加する。  手始めとして、六館間の物流システムの相互借貸を実施。従来一冊当たり往復約千円かかっていた他の図書館からの蔵書取り寄せの個人負担を、六館間では学生と教職員を対象に無料化した。  今後は六館間での蔵書貸し出し手続きの簡素化や、昨春から一般公開されている「島根県内図書館横断検索システム」を活用した蔵書情報の共有化の充実に取り組む。  調印式には三校の図書館関係者らが出席。平川正人島根大付属図書館長が「三校の図書館はそれぞれ専門や特色があり、連携には大きな意義がある」とあいさつした。 "[he-forum 13267] 読売新聞4/25 読売新聞2008年4月25日付 京都市民の54% 大学と交流ほとんどなし…市アンケート 地域活動始まった京都だが・・・ 施設利用を半数期待  京都市は24日、「大学のまち・京都」をテーマに市民を対象に行ったアンケート結果を発表した。半数が「大学と市民との交流はほとんどない」と回答し、京町家を使った授業を行う大学が増えるなど、地域をキャンパスとした活動が活発になる一方で、大学と市民の距離感が意外と縮まっていない実態が浮き彫りになった。  2月に20歳以上の市民3000人を対象に選択式アンケートを実施。1104人が回答した。  「京都のまちと大学についてどう感じているか」という設問では、54%が「交流がほとんどない」と答え、「交流が盛ん」は22・2%だった。学生や研究者とどのようなかかわりがあったかという質問に対しては、「特にない」が44・4%と最も多く、「大学祭などの催しに参加したことがある」が20・7%で続いた。  学生との交流の促進に必要な取り組みとしては、「学生ボランティアの支援」「地蔵盆などの地域行事に学生が参加できる仕組み作り」を答えにあげた市民が、それぞれ4割。大学に期待することを問う設問(複数回答)では、半数が「図書館などの施設を気軽に利用できるようにしてほしい」と答え、「大学の催しを地域にアピールしてほしい」(40・7%)、「市民向け講座を増やしてほしい」(36・3%)が続いた。  アンケート結果について、大学政策を担当する市政策推進室は「大学も地域貢献を意識し始め、地域連携の取り組みも始まっているが、大学を核としたまちづくりをより一層進めていきたい」としている。 "[he-forum 13268] 埼玉大学における9条学生投票 元岡山大学教員の野田隆三郎です。 26日埼玉大学で9条学生投票が行われました。 取り組んだ埼玉大学生 石川協子さんの 報告をご本人の了解を得て転送します。 ・・・・・以下転送 石川@埼玉大です。 遅くなりましたが、昨日の投票結果をご報告します。 「憲法9条 あなたは?」 守る     134 (65%) 変える     51 (25%) 分からない  20 (10%) 計      205 「守る」の主な理由 ・戦争はいけないから ・変える必要性がない ・平和憲法を世界平和のために役立ててほしい ・定義をしっかりさせてほしいが今は守らなければならない ・誰も死なせたくない ・世界的に珍しいから、誇れるものとすべき ・特にない 「変える」の主な理由 ・自衛隊をちゃんと明記した方がよい ・攻撃されたときに反撃できない ・日本だけ戦争しないのは良くない ・海外協力も重要 ・自衛隊を無くせるように変えるべき(護憲的?) ・記述の仕方に問題がある ・特にない 「わからない」の主な理由 ・どちらの意見もわかるから判断できない ・本当にわからない 投票は、私の所属するサークル 「社会問題研究会」のメンバーで行いました。 以前質問した、護憲的改憲についての注意が メンバー全体に行き渡っていなかったらしく 変えるに入った票が何票かあります。 こちらの不行届きでごめんなさい。 今回はメンバーの要望で、投票者に 判断の理由を聞くことに重点を置きました。 そのせいで、票数は例年の半分になってしまいましたが、 9条に対する考えを色々聞くことができて参考になりました。 個人的に嬉しかったのは、 やはりメンバーが一丸となって シール投票に取り組めたことです。 政治にもそれほど関心がなく、 人前に出るのも恥ずかしい、というような友だちが 不器用にも一生懸命取り組んでくれたことは 私に希望を与えてくれました。 小さな変化を大事にして、明日への原動力にしたいと思います。 これから取り組まれる市町村の結果も楽しみにしています。 "[he-forum 13269] 時事通信4/28 時事通信2008年04月28日15時56分 海洋研究所准教授を解雇=大学院入試問題漏えい-東大  東京大学大学院の入試問題漏えいで、同大は28日午後、漏えいにかかわったとして、海洋研究所の浦川秀敏准教授を懲戒解雇したと発表した。処分は25日付。問題漏えいがあったのは、新領域創成科学研究科環境学研究系自然環境学専攻の2007年度の入試問題。浦川准教授は、同研究科で教員を務めていた。 "[he-forum 13270] 読売新聞静岡4/27 読売新聞静岡版2008年4月27日付 静岡大に地域窓口 産学連携「協働センター」  静岡大(興直孝学長)は中長期的な運営方針を示した「ビジョン(展望)と戦略」を公表した。地域社会への貢献を強調し、自治体や外部組織、産学官連携の総合窓口となる地域連携協働センターを4月中に新設することを明示した。  主な方針では、教員養成のための教職大学院の2009年度開設を目指し、県立大、静岡産業大との経営分野での共同大学院の設置も目標に掲げた。  大学院では、海外提携先でも学位取得できる制度の拡充や留学生、日本人学生の9月入学、留学生の授業料免除など支援策も盛り込んだ。理系博士課程はすべて英語で授業を行うことも検討する。  学部教育では、卒業認定試験など達成度を把握する体制も挙げた。  研究では、地元産業の特徴に合わせ、生命・環境など学部を超えたテーマごとのプロジェクト型研究を進める。研究を支える補助金など外部資金の積極的な獲得を目指す、としている。  新設する地域連携協働センターは、県や住民組織などとの連携を進めるほか、生涯学習、防災などの学内組織をとりまとめたうえ、知的財産の活用や企業との産学連携の役割も担う。  興学長は「大学の存在意義について議論し、今後の大学運営の方向性を打ち出した。全学で共有するよう周知したい」と話した。 "[he-forum 13271] 読売新聞山梨4/28 読売新聞山梨版2008年4月28日付 教職大学院、梨大が申請へ 来年度開設向け国に  山梨大(貫井英明学長)は、教職大学院の設置を文部科学省に申請する方針を固めた。2009年度の開設を目指す。認可されれば、県内では初。県や県教委と調整中で、5月中に申請する予定だ。  内容は小中学校教育を対象とし、理科教育、いじめ問題への対応などを予定。理科教育は、「理科離れ」が指摘されていること、同大工学部の研究内容やスタッフを活用できることから選んだ。指導にあたる教授には同大の教授のほか、小中学校の教育現場経験者も入る。  定員は15人程度。学部卒業生のほか、教育現場でリーダーとなれる中堅教諭を育てるため、定員の半数程度は、現職の小中学校教諭となることを期待している。  貫井学長は取材に対し、「大学として、山梨の教員のレベルアップに貢献したい。実現、成功には(教員派遣など)県教委の協力、支援が欠かせず、連携を緊密にしたい」としている。  教職大学院は今年4月から全国で設置されているが、カリキュラムに地域性や独自性が反映されている。常葉学園大(静岡市)は、静岡県内に日系ブラジル人が多いため、「国際理解教育論」を必修化。鳴門教育大(徳島県)は、軽度発達障害児の支援を盛り込んだ。京都教育大は、府内の同志社大、京都産業大、立命館大など7私大と合同で大学院を設置し、大学間の垣根を越えて、教員養成に取り組んでいる。 教職大学院 実践的な指導力を備えた新人教員、学校現場で中核となる現職教員の養成などを目的に、今年4月に設置が始まった。標準修業期間は2年で、小学校などでの授業実習も行う。修了者には「教職修士」の学位が授与される。教授には学校長や指導主事経験者など「実務家教員」も置く。東京学芸大、早稲田大など、国立大学法人、私立計19大学でスタートしている。 "[he-forum 13272] 読売新聞4/28 読売新聞2008年4月28日付 企業から医師への資金提供 医学部7割ルールなし  医学部を持つ全国の大学のうち、医師ら教員が製薬企業などから得た研究費や講演料を届け出たり、研究の独立性が保たれるかどうかを審査、監督したりするルールを策定、実施しているのは3割に過ぎないことが、読売新聞の調査でわかった。  特に私立大では、ルールを持つのは回答した24校中1校だけで、医師と企業の資金関係を「開示できる」としたのも2校にとどまり、情報公開の遅れが浮き彫りになった。  調査は全国80大学(国公立51、私立29)に文書で行い、74校(国公立50、私立24)から回答を得た。ルールを作成しているのは23校で、実際に運用しているのは20校(27%)だった。そのうち国公立が19校で、私立は1校だけだった。  教員が企業から得た役員報酬や顧問料、特許権料、株式の保有、講演料や原稿料、研究費などのうち、大学への届け出が必要な場合の金額は「年間100万円以上」としたところが多かった。8校では届け出対象を本人のみとし、15校では家族も含めた。  ルールを持たない51校のうち、25校は「今年度内に作成、または作成を検討する」としたが、26校は「未定」だった。 [解説]私大、開示に後ろ向き…ルール化 慶大のみ  企業から医師への資金提供を巡っては、薬物療法などの目安を定めた診療指針の作成委員を務める国公立大の医師の約9割が、製薬企業から寄付金を受け取っていたことが、読売新聞の調査で既に明らかになっている。しかし、私立大の場合、指針の作成委員に名を連ねる教授らも多いものの、製薬企業との資金関係はベールに包まれているのが実情だ。  寄付金について、国公立大のほとんどは、情報公開制度に基づき、受領した教員、講座名や提供した企業名、金額を開示している。一方、私立大では、今回の本紙調査に対し、10校が寄付金の総額(平均2億9400万円)は回答したが、個別の資金関係を「開示できる」としたのは東京医大、東海大の2校だけだった。調査に「答えられない」とした私立大も数校あり、情報開示に後ろ向きな姿勢が目立った。  資金についてルールを設けている私立大は慶応大だけで、医学部教員に外部委員(弁護士)1人を含めた委員会で、企業の資金提供で行う研究について審査、勧告などを行う。  インフルエンザ治療薬「タミフル」に関する厚生労働省研究班の医師が治療薬メーカーから寄付金を得ていた問題を機に、厚労省は先月、2010年度から、大学の医師が同省研究費を申請する場合、所属大学が資金関係のルールを運用していることを条件とすることを決めた。  ルール策定と情報公開を急ぐべきだ。 "[he-forum 13273] 時事通信4/28(2) 時事通信2008年04月28日21時25分 東大准教授が問題漏えい=懲戒解雇  東京大学は28日午後、2007年度の大学院修士課程入試に先立って、問題の一部を複数の受験生に教えたとして、海洋研究所(東京都中野区)の浦川秀敏准教授(37)を懲戒解雇したと発表した。処分は25日付。内容を伝えられた受験生は全員合格したが、東大は「合否への影響はなかった」と判断し、合否の調整は行わない。  内容が漏れたのは、06年8月7、8日に実施された大学院新領域創成科学研究科の自然環境学専攻の入試。大学側の調査では、受験生からの見返りはなかった。  浦川准教授は事実関係を認め、「試験範囲が広いので、焦点を絞って勉強するために伝えた」と説明したという。   東大によると、浦川准教授は自らの研究室を志望していた複数の受験生に、連絡を取るよう電子メールを送信。応じた受験生らに、06年6月から8月の入試直前にかけ、専門科目の論述問題について「京都議定書」「水産資源の管理方法」などのテーマを伝えた。漏えいしたのは、専門科目7題のうち6題に上った。  准教授は05年4月から海洋研に所属。同専攻の講座を受け持ち、06年に入試の出題委員に就任した。英語の担当だったが、同6月に出題委員会に出席して専門科目の出題内容を知った。問題用紙の持ち出しはなかった。今年2月に、問題を教えられた学生が海洋研の別の教員に相談し、漏えいが発覚。東大は学内調査を進めてきた。不合格となった受験生には、経緯を説明した資料を発送した。  東大は併せて、同専攻長(当時)の大沢雅彦教授ら5人の監督責任を問い、減給などの処分を行った。小宮山宏学長ら3人も給与(1カ月分の10分の1)を自主返納した。 "[he-forum 13274] 西日本新聞4/29 西日本新聞2008年4月29日付 FFG、大学と連携強化 共同研究 寄付講座 融資拡大 九州大、長崎大、熊本大と協定  ふくおかフィナンシャルグループ(FG、福岡市)は28日、傘下行の地盤に拠点を置く九州大、長崎大、熊本大と産学連携協定を締結した。九大との連携強化では、福岡県内の商店街の活性化に向けた共同研究を進め、ふくおかFGの寄付講座として海外企業の合併・買収などを学べる「アジア財務戦略講座」を設けることなどが特徴。ふくおかFGは「大学、企業、行政の間に立ちながら、効果的に企業や産業育成を進めたい」としている。  ふくおかFGは昨年2月に九大と連携協定を締結。この間、傘下の福岡銀行の取引先が抱える技術開発の課題解決に向け、九大教員を仲介した事例が9件あるほか、ベンチャー企業への融資などを行ってきた。  今回は、さらに発展させた「組織対応型連携」との位置付けで、商店街再生をはじめ、キャンパス内で実証試験中のICカードの応用などでも協力し合う。九大が民間金融機関と同連携を結ぶのは初めて。寄付講座では、ノウハウのビジネス活用を教える「研究・技術経営(MOT)論講座」も本年度下期から開設するとしている。  福銀はこのほか、福岡市の六本松キャンパスの移転資金として、九大に対し、昨年10月、123億円の融資枠を設定した。  長崎大、熊本大との連携についても、傘下行を窓口に、取引先の技術・開発相談に応じたり、ベンチャー企業に融資したりするという。 "[he-forum 13275] 河北新報4/28 河北新報2008年4月28日付 東北大基金を創設 寄付の10億円原資に  東北大は28日までに、東北大研究教育振興財団から寄付を受けた10億円を原資に、東北大基金を創設した。運用益は公的資金を補う大学独自の財源として活用する。  財団は創立100周年記念事業として募金活動を展開。寄付金37億6000万円と物品9000万円分、半導体研究所の資産24億円相当の寄贈を受け、10月開館予定の「百周年記念会館(仮称)」建設資金などを除く10億円を大学に寄付した。  大学は基金を運用し、教育研究環境の整備、企業・社会との連携、国際交流促進、学生支援などに充てる。5月にも学内外のメンバー約20人による基金運営委員会を設ける。  同大の井上明久総長は運営費交付金、授業料、科学研究費補助金に次ぐ第4の財源として、独自の裁量で使える基金の創設を100周年記念事業の柱としてきた。  28日、仙台市青葉区の片平キャンパスで目録贈呈式があり、財団の西澤潤一理事長が井上総長に目録を手渡した。井上総長は「世界リーディング・ユニバーシティーを目指し、発展するための財源として活用する」とあいさつ。西澤理事長は「大いなる成果を挙げてほしい」と述べた。  井上総長は半導体研究所の寄贈に対し、名誉所長である西澤氏に感謝状を贈った。 "[he-forum 13276] 長崎新聞4/29 長崎新聞2008年4月29日付 長崎大と親和銀が産学連携の協定調印 企業と大学を橋渡し  長崎大(齋藤寛学長)と福岡、親和両銀行、ふくおかフィナンシャルグループは二十八日、産学連携を推進する協定に調印した。銀行の取引企業が求める技術と、大学の研究成果の橋渡しを図る。  企業が持つ課題やニーズを大学に取り次ぎ、解決や共同研究への展開を図ったり、大学の知的財産を企業に紹介し、事業化の促進などを目指す。大学にとっては社会貢献につながり、知的財産の活用による収入も期待できる。銀行にとっては取引先企業の資金需要が発生する可能性が生まれ、双方にメリットがあるという。  調印式は長崎市文教町の同大であり、齋藤学長と親和銀の鬼木和夫頭取が協定書に調印し、取り交わした。齋藤学長は「研究成果を社会に還元でき、地域との連携につながると確信している」、鬼木頭取は「連携は新しいビジネスチャンスを生み出し、地域貢献にもつながる」とそれぞれあいさつした。  同大は長崎銀、中小企業金融公庫長崎支店、十八銀とも同様の協定を既に結んでおり、齋藤学長は「今回の締結で、県内に広いアンテナを張ることができる」と話した。 "[he-forum 13277] 京都新聞4/29 京都新聞2008年4月29日付 京大アイセムス 桂に 開所式 健康や環境保全研究 京都大桂キャンパスの船井交流センター内に開設されたiCeMSの桂ラボ(京都市西京区)  京都大の世界トップレベル研究拠点「iCeMS(物質-細胞統合システム拠点)」の桂ラボラトリーの開所式が28日、京都市西京区の京大桂キャンパスの船井交流センターであった。化学物質を扱って人の健康や環境保全につなげる研究を行う。  桂ラボは船井交流センター内の2室計200平方メートルで、1日に開設された。主任研究者である北川進(合成・生物化学)、今堀博(分子工学)の両教授のグループが▽体内のアンモニアを化学物質を使って無毒化する▽化学物質と光によってがん細胞を死滅させる-などの研究を進める。  北川教授は「化学物質をバイオテクノロジーと融合させた新しい研究分野を創出していきたい」と話している。 "[he-forum 13278] 時事通信5/1 時事通信2008年05月01日07時30分 留学専門機関の創設案も=中教審特委  中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)大学分科会の留学生特別委員会は、福田康夫首相が掲げる「留学生30万人計画」の骨子策定に向けた基本的な考え方をまとめ、優秀な留学生獲得のための方策など具体的な議論に入った。日本への留学情報を扱う専門機関の創設などに言及している。5月末にも骨子を固め、留学生受け入れ拡大の具体策を盛り込んだアクションプランをまとめる方針だ。  現在、日本への留学生は年間13万人程度だが、「30万人」は2020年を目途に実現するのが目標。「留学生」は出入国管理法の定める在留資格を持ち大学、大学院、専修学校などに在学する外国人を指すが、「留学生予備軍」として、日本語を学ぶ「就学生」や高校留学生への配慮も視野に議論を進める。  骨子の考え方では、留学生受け入れの留意点として、大学院への留学生が増加傾向にあることから、学部レベルと博士・修士課程を区別した目標設定が必要と指摘。また、アニメ、漫画、ゲーム、ファッションといった日本のポップカルチャーへの関心が大きな留学動機になっていることも認識すべきだとしている。  その上で、留学生獲得に向けた検討課題として、(1)大学での英語による授業の増加(2)留学情報を提供し、留学生をリクルートする英国の「ブリティッシュ・カウンシル」のような機関を創設(3)奨学金制度の見直しや宿舎の整備(4)海外も含めた日本語教育拠点の整備促進―などを例示している。また、手続きが過度に煩雑となることで留学生の意欲をそがないよう、入国審査にも格段の配慮が求められると指摘している。  留学生獲得の対象エリアは、アジア、欧米、アフリカ、中東など幅広く想定。ただ、留学生の関心事項は多種多様な上、国費で来たり私費で来たりまちまちであるため、委員からは「地域ごとの対策が必要」「(経済的理由で)来たくても来られない人に着目した戦略が必要だ」との声が上がっている。 "[he-forum 13279] 朝日新聞5/2 朝日新聞2008年5月2日付 国立大が「保護者重視」 校舎案内、就活前に「面談」も  学生だけでなく保護者の皆さんも大切にします――。三重大(津市)は、入学式の日に保護者にキャンパスを案内したり、就職活動を控えた時期に「面談」したりする取り組みを、学部単位で広げている。岐阜大(岐阜市)でも指導教官と保護者が懇談する場を設けている。生き残りをかけて国立大学が競い合う時代。面倒見の良さを売りに「親重視」の流れが生まれている。  三重大人文学部は入学式があった4月8日、初めて保護者に研究室や学内の桜、伊勢湾が見渡せる屋上などを案内した。10人ほどの保護者に説明役の教員が1人付いた。「おおむね好評をいただいたと思います」と、同学部の綾野誠紀教授は話す。  入学式に同伴する保護者は以前から少なくない。同学部では今春、入学者291人に対して、保護者は約100人だった。新入生のガイダンスの間は、保護者に学部長があいさつし、学科別に教育内容の説明もした。  綾野教授は3月まで同学部の広報・地域連携委員長を務め、年間数十校の高校を回った。「高校でも保護者の姿を見かける。人文学部を卒業すればどんな職業に就けるのか、関心の中心は進路。『どの大学に入れるか』と求められる高校と、同様の情報が必要とされていると感じる」  同大の全5学部で、入学式に保護者を案内したのは生物資源学部が最初だ。5年前から、入学式に「保護者歓迎会」を開いている。9月には、3年生の保護者を対象にした指導教官との「面談」もある。昨年は167人が参加した。  同学部広報副委員長の苅田修一准教授は「主な話題はやはり進路。どんな道があるのか、大学院へ進むには、などの質問が多い」。  各学部内には「大学生は大人ではないか」と、保護者への対応強化に異論もあるという。綾野教授も「過保護といえばそうかもしれない」。それでも、「『教育熱心』な保護者が増えたことは確かです」。  大学が保護者に積極的に情報提供する姿勢は、全国の大学に広がっている。独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が05年に全国の4年制大学を対象にした実態調査(回答510大学)では、保護者を対象にした就職に関する相談会を開いている大学は43.7%。ただ、国立大学に限れば17.1%と低かった。  岐阜大応用生物科学部は4年前から、11月に学部3年生と大学院1年生の保護者を対象に就職説明会を開いている。それまでは、5月に学部4年生の保護者が対象だったが、「就職戦線」の早期化を受けて早めた。研究室の指導教官との懇談もある。「就職に関して、保護者にも知っていただき、支えてもらうことが目的」と担当者は話す。  一方、名古屋大は「面談のような活動は聞いたことがない」(広報室)。同じ国立大でも温度差はまだある。  保護者重視の背景にあるのは、04年の国立大学の法人化だ。学生獲得のため、各大学での「企業努力」が必須となった。三重大の担当者は「『面倒見のいい大学』を売りにして、保護者の評価も得る必要がある」と話している。(宮沢崇志) "[he-forum 13280] 読売新聞山梨5/2 読売新聞山梨版2008年5月2日付 山梨大が新学部構想 「環境」「福祉」テーマ、10年度目標  山梨大学(貫井英明学長)が、「環境」と「健康福祉」をキーワードとした新学部を設置する準備を始めていることが分かった。早ければ2010年度の開設を目指すという。新学部が設置されれば、04年に国立大学法人化して以降初めてとなる。同大は近く学内に専門の委員会を設置し、具体的作業に着手する。  新学部は、今後さらに注目され、必要とされる分野で活躍できる人材を養成することと、「魅力ある学部」を設置し、学生確保につなげるのが狙い。「環境」「健康福祉」の2テーマの下で、公共政策や情報、資源循環などを盛り込む構想を進めている。  新学部の教授は学内から募集。定員は100~200人程度で、工、教育人間科学の2学部の定員枠の一部を回す形をとり、新設に伴う大学全体の定員を増やす措置はとらない。現在、学内で参加教授や意見の募集をしている。  貫井学長は「10年度から始めたいが、遅れる可能性も高い。社会の要求に応えられる人材養成が大学の役目」と話している。 "[he-forum 13281] 読売新聞5/1 読売新聞2008年5月1日付 文科省と財務省が教育支出で衝突 教育支出に数値目標GDP5% 「先進国並みに」「方法は他にも」  文部科学省は、教育支出額を今後10年間で国内総生産(GDP)の5・0%まで引き上げるという数値目標を、戦後初めて国が策定する「教育振興基本計画」に盛り込む方針を決めた。  これまで国の財政事情に配慮し、数値目標には消極的だったが、先進各国に水をあけられていることへの危機感から方針転換した。しかし、財務省は支出拡大には慎重姿勢のまま。6月にまとまる「経済財政改革の基本方針」(骨太の方針)も見据え、文科省を後押ししようと、河村建夫元文科相ら自民党文教族議員が1日午前、首相官邸を訪れ、数値目標を入れるよう要請するなど政治闘争の様相も帯びている。  文科相の諮問機関「中央教育審議会」が4月18日にまとめた教育振興基本計画の答申では、「欧米主要国と比べて遜色(そんしょく)ない教育水準を確保すべく、教育投資の充実を図ることが必要」という文言を入れただけだった。  一転して、文科省が打ち出したGDP比5・0%という数値は、経済協力開発機構(OECD)諸国が教育支出にかけている公的資金の平均値。日本は現在3・5%で、日米の大学生を比較した場合、一人あたりの公財政支出(年間)は、日本の67万円に対し、アメリカは106万円と39万円の開きがある。  中教審の審議では「教育投資の充実は国力の維持・向上に最低限必要」(安西祐一郎慶応義塾長)といった意見が相次いだが、財務省との事前折衝で数値を入れることを拒まれて断念。自民党文教族からは「この答申では教育水準は上がらない」などと強い不満があがっていた。  文科省は財源として道路特定財源の一般財源化や税制改革に期待しており、実現すれば全国の教員も5年で2万1000人増やすことが可能になる。  しかし、4月30日に自民党議員約20人と面会した額賀財務相は「教育への投資も重要だが、投資より効果が上がる方法もあるのではないか」と慎重で、先行きは不透明だ。 "[he-forum 13282] 緊急署名のお願い 各位 福島県立医科大学講師で、「人体の不思議展」に疑問をもつ会の末永恵子と申します。 医療系大学とも関係の深い問題に関して、お忙しい中恐縮ですが、下記の署名に御協力をお願いいたします。 また、このメールをお知り合いに転送していただけると、幸甚です。 「人体の不思議展」青森展の中止を求める要望書への緊急署名のお願い (転送歓迎、年齢にかかわらずどなたでも署名できます) 「人体の不思議展」は、実物の人間の死体を標本として一般公開している営利的展示です。 展示会場には、人体をプレート状に水平にスライスしたものや、わざわざ弓を持たせてポーズをとらせているものもあります。 さらには人体標本に触るコーナーまでありました。 現在、同展示に対して批判・疑問の声が各地からあがってきています。 開催地のある寺院は「人体の冒涜展だ!」と門前の掲示板に大書しました。 「人体の不思議展」に疑問をもつ会では、数年前より反対活動に取り組んで参りましたが、今回全国の批判の声を大きく集めるものとして、開催予定の青森展阻止を目的に、「『人体の不思議展』青森展の中止を求める要望書」への緊急署名活動を展開することにいたしました。 できるだけ多くの署名を集め、主催者である「人体の不思議展」実行委員会(東奥日報社・青森放送)に中止を求めたいと思います。 市民の声を集結し、死体の商品化に歯止めをかけましょう。 以上の趣旨をご理解いただき、署名活動にご協力下さいますようお願い申し上げます。(この展示のさまざまな問題点につきましては、要望書の下を御覧ください) 「人体の不思議展」青森展の中止を求める要望書 「人体の不思議展」実行委員会 東奥日報社 代表取締役社長塩越隆雄 様 青森放送   代表取締役社長石田 稔 様  私たちは、本物の人間の死体を標本として展示興行する「人体の不思議展」に反対します。 死体の商品化は、人間の尊厳を冒涜する行為です。貴実行委員会が、速やかに「人体の不思議展」を中止することを、強く要望します。 E-mail:suenaga@fmu.ac.jp (←趣旨に賛同される方は、住所と氏名をメールでお知らせ下さい) [呼びかけ人および呼びかけ団体] 莇昭三(医師)・ 一戸富士雄(歴史研究者)・刈田啓史郎(東北大学元教授)・香山雪彦(福島県立医科大学教授・同大学志らぎく会会員)・川口敏郎(弁護士)・興野儀一(医師)・後藤宣代(NPO法人コモンズ理事)・佐々木泉(愛媛県議会議員 愛媛大学白菊会会員)・末永恵子(福島県立医科大学講師)・富永智津子(宮城学院女子大学教授)・藤野美都子(福島県立医科大学教授)・村口至(医師)・山形孝夫(宗教人類学者)(あいうえお順、2008年5月2日現在) 【「人体の不思議展」の問題点】  ◆死体が興味本位の見世物になっています。 すべての人は、死後遺体となっても人間としての尊厳が守られなければなりません。 遺体に対しては、最大限の丁重な扱いをするのが当然です。 しかし、この展示は興味本位の見世物になっています。 ◆インフォームド・コンセントを経た献体ではない可能性があります。 仮に献体同意書が存在するとしても、果たして上記の扱いを受けることまで納得していたのか、たいへん疑わしいです。 ◆ 展示されている標本は、すべて中国人のものです。 仮に日本の国民が医学教育用に献体の意思を示しても、このような標本化と展示商品化をなされることは、日本の現行法「死体解剖保存法」の制約によって実質的に不可能です。 ◆子どもにとって特に有害です。 大人は、子どもに対して遺体を上記のごとく扱ってはいけないことを教えるべき存在でしょう。なおかつ標本とその解説は、教育的どころか、学術的にも低劣と言わざるをえない内容です。 ◆ 死体が金儲けの道具になっています。展示は、一般市民から高額の入場料を徴収しており、第1回の東京展は、売上高8億円・利益1億円でした(『週刊東洋経済』2004年10月23日)。死体を商品化すると無償の行為としての献体が成り立たなくなってしまいます。 ◆ 主催の新聞社・テレビ会社、後援の自治体・教育委員会・医師会などは説明責任を果たしていません。「人体の不思議展」に疑問をもつ会はすべての主催・後援団体に公開質問状を送付しました。しかし、回答期限がきても1通の回答もありません。 正当性があると考えるなら、なぜきちんと説明しないのでしょうか?   以上のように問題の大きいこの展示に対して、中央の日本医師会・日本医学会・日本看護協会等は、以前行っていた後援を取り止めました。 この展示に協力することは、献体希望者の信頼を得ることと矛盾するからです。 また、「Body Worlds」と称して世界各地で開催されている同様の展示に対しても、宗教界・医学界・教育界をあげての反対活動が活溌になっています。 ドイツ病理学会は、「解剖学的標本は尊厳を以て扱わなくてはならないし、商業的なものであってはならない」と声明を出しました。 国際解剖学会も非難声明を出しています。 以上のような趣旨から、私たちは「人体の不思議展」に反対し、その開催予定地・青森での展示の中止を要望します。 どうか、「緊急署名」に御協力下さい。 詳しい情報は、「人体の不思議展」に疑問をもつ会のWebサイトを御覧下さい。 http://sky.geocities.jp/jbpsg355/ 連絡・送付先 〒960-1295 福島市光が丘1 福島県立医科大学 医学部人間科学講座(末永) E-mail:suenaga@fmu.ac.jp 第一次集約 2008年5月20日 (署名は、他県での開催も含め、「人体の不思議展」を中止するまで継続します。 したがって、いただいた署名は全国的な中止運動のために活かすことになります。) "[he-forum 13283] 信濃毎日新聞5/3 信濃毎日新聞2008年5月3日付 信大がベトナムの2大学と学術交流協定結ぶ  信大(本部・松本市)は2日、ベトナムのハノイ工科大、FPT大のそれぞれと大学間学術交流協定を結んだと発表した。博士号取得を目指す理系の大学院留学生をより多く受け入れ、大学の研究開発力強化につなげる狙い。大学院修了者の専門知識を日本企業で生かしてもらうため、現地に子会社を持つ企業と人材育成の共同研究も始める。  信大がベトナムの大学と協定を結ぶのは初めて。ハノイ工科大は、14学部を持つ国立の総合大学。FPT大は、ベトナムの大手IT企業が2006年に設立した単科大。小宮山淳学長が4月下旬に両大学を訪れ、締結した。  信大によると近年、中国人留学生が減る傾向にある一方、ベトナム人は増加。ベトナム国内の高等教育機関整備が不十分なため、博士号を持つ短大・大学教員は15%程度にとどまり、大学院進学希望者は多いという。協定で学生や教員の交流、学術協力を進め、最長1年の交換留学制度も早ければ10月に始める。  人材育成は、ハノイ市に子会社を持つソフトウエア開発のアヴァシス(上田市)などと共同で取り組む。企業から奨学金を受けた留学生が日本で就職し、将来的に現地子会社の幹部として働けるような仕組みを研究する計画だ。  信大は今後、ベトナム国家大ハノイ校とも協定を結ぶ予定。野村彰夫理事は会見で「日本に関心を持つ若者は多い。優秀な学生を確保したい」と話した。  信大が海外の大学と協定を結ぶのは学部間協定も含め66例目。 "[he-forum 13284] 読売新聞社説4/30 読売新聞社説2008年4月30日付 教育基本計画 目標を数値で示すべきだ  教育投資や学力向上などの目標を数値で示し、国民にわかりやすい内容にするべきだ。  中央教育審議会が、国の中長期的な教育施策を定める初の教育振興基本計画について答申をまとめた。  基本計画は改正教育基本法に基づくもので、今後10年間に目指す教育像と直近5年間に取り組む施策を盛り込む。だが、答申では、教育にどれだけの予算を投入し、教育の質向上につなげるかなど、具体的な展望が見えてこない。  国の計画を参考に地方自治体も計画を作るだけに、計画を閣議決定する前に、より踏み込んだ内容にしてもらいたい。  計画で最大の注目点は、諸外国に比べて低いと指摘される教育への投資である。  しかし、答申は副題に「教育立国の実現」を掲げながら、「必要な予算について財源を確保し、欧米主要国と遜色(そんしょく)ない教育水準を確保すべく教育投資の充実を図る」と抽象的な表現にとどまった。  新学習指導要領では、授業時間や学習内容が増加する。小学校では2011年度、中学校は12年度から全面実施だが、理数については移行措置として来年度から時間、内容ともに大幅に増える。  教職員の増員が不可欠だ。しかし、この点も、「定数の改善をはじめ条件整備を着実に実施する」としか記されていない。  中教審の議論でも、「これを読んで何か変わるとは、思えない。財政当局寄りの表現だ」と批判が出た。自民党の文部科学部会などは、計画に投資や増員の数値目標を入れるよう決議した。  さらに問題なのは、5年間で学力を現在よりどれぐらい引き上げるかが、不明確なことだ。  答申では、「これまで教育施策では目標を明確に設定し、成果を検証して、新たな取り組みに反映させる実践が十分ではなかった」と改善を求めている。だが、目標値がほとんどない。  海外や自治体独自の教育基本計画には、学力などの目標値が明記されているものも多い。  英国は、08年までの5年間に全国テストの英数で11歳児の85%が標準レベルに達することなどを掲げている。フランスやフィンランドなども目標値を示している。  沖縄県では、全国学力テストで国語と算数・数学の正答率の平均値を小6、中3ともに11年度には70%にする、としている。  具体的な指標があればこそ、それを達成するための努力や工夫があるのではないか。 "[he-forum 13285] しんぶん赤旗5/3 しんぶん赤旗2008年5月3日付 「宇宙軍拡」法案 提出へ 自公民、連休明けにも  宇宙開発を平和目的に限るとした一九六九年の国会決議を無力化し、宇宙の軍事利用を推進することをねらいとした宇宙基本法案の修正案が、連休明けにも、自民、公明、民主三党共同で提案される可能性がでてきました。  宇宙基本法案は昨年六月、自民、公明両党の議員提案として国会に提出されました。今国会でも継続審議中の扱いとなっていますが、最近になって、与党と民主党の間で一部修正を行うことで合意が成立。いったん与党案を取り下げたうえで、修正案を提案しようとしています。  宇宙基本法案には、「我が国の安全保障に資する宇宙開発利用を推進する」との文言が盛り込まれ、これまで軍事利用の歯止めとなってきた国会決議を無力化しようとしています。  これまで日本は、平和利用原則のもとで、宇宙科学・技術分野で世界に誇れる成果をあげてきました。宇宙の軍事利用推進をめざす宇宙基本法案にたいしては各方面から見直しを求める声があげられています。  日本国憲法の平和主義に基づく訴えや、核兵器廃絶などの呼びかけをおこなってきた「世界平和アピール七人委員会」は昨年十一月、平和目的に限定した宇宙基本法の制定をめざすべきだとして、与党によって提案された法案の再検討を求めるアピールを発表しています。 "[he-forum 13286] 毎日新聞鳥取4/26 毎日新聞鳥取版2008年4月26日付 県:医師確保へ、鳥大医学部入学者に奨学金特別枠 来年度導入へ検討 ◇指定病院で9年間勤務条件  県は鳥取大医学部の来年度入学者に対し、卒業後9年間、県の指定医療機関で勤務することを条件に奨学金を貸与する特別枠(5人)の創設を検討している。中山間地域の医師確保を狙った苦肉の策。医師の「囲い込み」は加熱する一方だ。【宇多川はるか】  県内の地域医療を支える自治体病院は近年、特に中山間地域で医師不足が深刻化している。智頭病院は常勤の医師が05年度は12人いたが、今年度は9人に減少。西伯病院(南部町)は05年度に14人いたが、定年退職などで3人辞め、11人になった。医師不足で存続が危ぶまれた大山診療所は、島根県出雲市の医師が勤務することになったが、医師の負担軽減のため入院の受け入れをやめる。  県は06年度、医師確保のため鳥取大医学部の地域枠入学者を対象に、県内の病院に一定期間勤務した場合は返還を免除する奨学金を創設した。07年度には県外大学に通う県内出身の医学部生に対しても同様の奨学金を設けた。07年度は33人がこうした奨学金の給付を受けた。  県内での勤務を希望する医師を県職員として採用し、希望する自治体病院に派遣する「ドクターバンク」も06年度に創設したが、2年間の派遣実績はたった1人。県医療政策課は「PRが足りないのだろうか……」と頭を抱えている。  今回の特別枠は、これまでの制度より縛りをきつくした。勤務地は今まで本人の希望を最優先にしていたが、今回は、県職員になって県指定の病院で9年間勤務することを条件にする予定。同課は「鳥取の地域医療を支える人材を確保したい」としている。問い合わせは県医療政策課(0857・26・7195)へ。 "[he-forum 13287] 朝日新聞5/5 朝日新聞2008年5月5日付 公立大学に変化の波 自治体が予算削減・法人化で混乱  地方自治体が設けている公立大が変わりつつある。財政難にあえぐ自治体に予算を大幅に削られたり、法人化されて学内が混乱したりする大学が相次いでいる。「大学全入時代」を迎え国立大も私立大も生き残りに躍起になる中、公立大はどこへ向かうのか。    財政悪化で大学の予算も例外なく削減する自治体が増えている。公立大最大の8学部を持つ大阪市立大では、付属病院を除く人件・物件費を、06年度から5年で20%(約33億円)カットする計画が進む。同大は教授が退職しても補充せず、特に必要な時だけは短時間教える「特任教授」を充てるなどして人件費を削減。学内には「専門科目は減るし、学生が教員に相談に行きづらくなってきた」と心配する声もある。金児曉嗣(かねこ・さとる)学長は「教育の手を抜かないように気を付けたい」と話す。  「海外の大学と協定を結ぶ際に、郵送での協定書のやりとりだけのことも多い」と嘆くのは、愛知県立大の佐々木雄太学長。県の財政悪化で、他部署と同様に大学も海外出張の予算がつかない時代が8年続いた。予算は復活したが昨年度は350万円だけで、165人の教員には全然足りない。公立大学協会長も務める佐々木学長は「大学の特性を認めず、他と同じ扱いをする自治体が大半。このままでは公立大の教育力、研究力を高めるのは困難だ」と話す。  文科省の調査によると、公立大の専任教員1人当たりの学生数は平均11人。10人の国立大には及ばないが、22人の私大よりも少人数教育が行われているのが特徴だ。しかし、小規模な市が設置した大学では、外国語などの授業を非常勤教員に任せて人件費を抑えている。その結果、高崎経済大(群馬県高崎市)は43人、下関市立大(山口県下関市)は41人、都留文科大(山梨県都留市)は36人と、私立大の平均よりずっと多い。 ◆地元に残らぬ人材  ニーズが高いのに地域に教育機関がない看護や芸術などの分野の人材を育成しようと設置された公立大が多い。それだけに各大学は地域貢献を意識し、市民向け講座の開講や地元行事への教員や学生の参加に熱心だ。  人口3万2千人の都留市が運営する都留文科大。市の試算では全国から3千人の学生が集まるだけで年36億円の経済効果があるほか、学生が市内の小中学校で授業を補助するなど地域貢献にも積極的だ。市の担当者は「卒業生が全国へ散って都留のアピールにも役だっている。市にとって大学は不可欠な存在で、運命共同体でもある」。市は06年度からの5カ年計画でも、トップ項目に大学中心の街づくりを掲げる。国からの交付金3億円に加え、08年度は115億円の一般会計当初予算から市独自で3億円を支出する。  最大の地域貢献である人材育成をめぐり、国際教養大は昨年12月、設置する秋田県の県議会で突き上げられた。「県が多額の税金を投じたのに人材が残らないのは問題だ」。県は同大に運営費として毎年約10億円を投じる。だが、今春初めて出した64人の卒業生のうち、県内に就職したのは3人だけだった。  中嶋嶺雄学長は「県内に就職するためだけの大学ではない。県自体がグローバル化に対応していないことを示している」とする。だが、一方では「公立大の使命として、もっと秋田に就職してもらいたい」とも話す。今年度は県内企業による合同説明会に力を入れるという。 ◆教員と対立の例も  公立大を法人化するかどうかは自治体の判断に任せられている。75校のうち、すでに公立大法人となったのは39校。財政難に苦しむ自治体が不採算部門の大学を切り離すことを主目的に法人化されたケースが大半だ。  法人化すれば、これまで自治体が細部まで決めていた大学予算を大学側が自由に使える範囲が増す。また従来、公立大の事務局は自治体の一部署だったため、職員は数年で異動していた。法人化すれば、長く大学の運営を支える職員を大学が独自に採用できるようにもなる。  一方で、首都大学東京や横浜市立大のように、法人化の際に任期制や年俸制の導入をめぐり教員側と自治体が対立、大勢の教員が辞職する事態も起きている。また、自治体が学長とは別に理事長を置き、就任した企業経営者や自治体の元幹部らが学内を混乱させるケースもある。  都留文科大も09年4月の法人化が決まった。学内には「教員の意見が大学運営に反映されにくくなるのではないか」と不安の声も上がる。今谷明学長は、強引な法人化に反発し04年に横浜市立大の教授を辞した経験がある。「法人化後に学科や教員の待遇などで変更が必要になれば、教員と時間をかけて話し合っていきたい」と話す。(増谷文生、岡林佐和)    ◇ 「独立性に確保を」 公立大に詳しい高橋寛人・横浜市立大教授の話  格差が広がる中、公立大は低所得層の進学先として重要性が増している。地方では優秀な学生の進学先という意義も大きい。半数以上が医療・看護・福祉系の学部を持つので今後地域での役割はさらに大きくなり、自治体のシンクタンクとしての期待も高まる。ただし、行政に貢献する一方で政策批判の研究も大切なので、自治体に対する大学の独立性の確保が重要だ。 "[he-forum 13288] 西日本新聞5/6 西日本新聞2008年5月6日付 来年度から共同授業へ 下関、北九州の4学長会議  北九州市と下関市の4大学による「関門地域大学間連携学長会議」が4月30日、北九州市小倉北区のホテルで開かれ、2009年度から一部教養科目の共同実施を目指す方針などを確認した。また、協力を地域全体に広げるため、5月中にも両市にある他の9大学向けに説明会を開くことを決めた。  出席者は下関市立(下関市)、梅光学院(同)、北九州市立(小倉北区)、西日本工業(同)の各大学の学長ら。  同日は(1)一部教養科目の共同実施(2)関門地域を軸に据えた「関門学」の共同企画‐を連携の2本柱とし、参加学生には所属校の単位を認定する方針を確認。他大学にも参加を呼び掛けた上で、具体的な内容や開催場所などの詳細を詰める。  会議は、両市の産・学・官代表者による「関門地域の未来を考える研究会」(座長=矢田俊文・北九州市立大学長)から生まれたもので、各大学の特性を生かした人材育成や地域貢献が目的。  同日は「各校の学生が共同授業を通じ刺激しあう意義は大きい」(中野新治・梅光学院大学長)「関門地域の特性について学問的な共通認識をつくりたい」(坂本紘二・下関市立大学長)などの発言があった。また、カリキュラムについて「授業の寄せ集めではなく、学生を引きつけるテーマ性が重要」(矢田学長)などの指摘があった。 "[he-forum 13289] 京都新聞5/6 京都新聞2008年5月6日付 高さデザイン規制、賛否割れる 大学建設で京都市調査  高さやデザイン規制を緩和してまで京都市内に大学を建設するかどうか、賛否はほぼ半々-。こんな市民の意向が、5日までに市が行ったアンケート調査で分かった。4月に京大病院の建て替えで規制を上回る高さが例外として認められたこともあり、今後の市内での大学整備の在り方にも影響を与えそうだ。  調査は、「大学のまち・京都」を掲げたまちづくりを進めるに当たって市民ニーズを把握するため、2月に20歳以上の市民3000人を対象に実施された。回収率は36・8%だった。  「大学の市内建設をどう思うか」を聞いたところ、「市内での建設が望ましく、高さやデザインの規制緩和などをすべき」が42・8%で、「市内での建設は望ましいが規制緩和は不要」の29%を上回った。  ただ、市外での建設を求める市民も15・5%おり、規制が強化される中での大学建設については、賛否が分かれる格好となった。  年齢別では、70歳以上は「規制緩和すべき」が48・7%で最多だったのに対し、20代では「規制緩和不要」が41・7%で最も多く、高齢になるほど大学設置に寛容な傾向を示した。  大学に期待することとしては、複数回答で「図書館や体育施設などを気軽に利用できるようにしてほしい」(51・1%)、「大学の催しを地域にアピールして」(40・7%)、「公開講座を増やして」(36・3%)と続き、多くの市民が開かれた大学を望んでいた。 "[he-forum 13290] 東京新聞5/6 東京新聞2008年5月6日付 日本の科学力は? 技術・研究を国際比較  日本の技術はいま世界でどのレベルにあるのか。これから注目される技術や新しい研究開発の動きはどうなのか。科学技術立国を目指す日本には気になるところだが、科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センターは初めて「科学技術・研究開発の国際比較調査報告書」をまとめた。製品シェアや論文引用件数など数値データは使わず、専門家たちの主観で評価した「科学力」の国際的な位置付けをみると-。 (栃尾敏)  対象にしたのは▽電子情報通信▽ナノテクノロジー・材料▽先端計測技術▽ライフサイエンス▽環境技術-の五分野。研究水準(大学・国立研究機関の研究レベル)、技術開発水準(企業の研究レベル)、産業技術力(企業の開発力・生産力)を比較した。比べる相手国・地域は米国、欧州、中国、韓国。比較調査作業にかかわった産学官の専門家は延べ三百十九人にのぼる。 米・欧・中・韓 319人が調査  ▼電子情報通信 米国の強さが際立っている。研究者層の質量、新技術創造力、産業技術力が高く、大半の分野で圧倒的優位にある。日本が強いのは半導体メモリー、ディスプレー、有機材料・デバイスなど。今は強いとされる家電製品や携帯電話などへの組み込みソフトウエア、医療や産業用ロボットなど実社会で役立つ実世界ロボティクスなどは優位性にやや陰りが出ているという。  欧州はパワーデバイス、ソフトウエアやネットワーク基礎理論、情報セキュリティーなどで強く、国際標準化の面でリーダーシップが目立つ。急発展する中国は高密度集積回路(LSI)、ディスプレー、データベース、光通信などでレベルアップが著しい。マイクロソフト、IBMなどが中国に設立した研究所や留学からの帰国組を通じて欧米研究者との連携が進んでいることが背景にある、と分析している。  ▼ナノテクノロジー・材料 日本は材料科学、物理学、化学で国際的に優位を保つ。これと圧倒的強さを持つ部素材産業が両輪となり、米国と肩を並べて世界をリードする。その代表格が航空機用カーボンファイバー(炭素繊維)だ。ただ、欧米に比べて教育・人材育成・共用施設といった長期的なインフラ構築戦略が弱く、今後の国際競争力強化に不安が残る。  ▼先端計測技術 多くの分野で高水準にあると評価。特に磁気力や近接場マイクロ波、中性子の利用技術、複合計測技術のレベルが高い。一方でイオンやレーザー利用技術、質量分析技術は技術力が下がり気味か、または世界的に低水準にあるとしている。  ▼ライフサイエンス 全体として欧米に次ぐ水準にある。特に細胞間の情報の受け渡しをする分子やその受容体の発見、およびそれらを発現する細胞の同定と機能解析のほか、モデル細胞や生物の作出、計測・イメージング技術などで優位に立つ。だが、技術のシステム化や大規模プロジェクトによる研究の長期的推進などの点で欧米に比べ遅れている。  ▼環境技術 ほとんどの技術で日本が高水準にある。特に地球温暖化抑止のためのエネルギー関連技術、二酸化炭素(CO2)の回収・貯蓄技術、環境汚染対策のための大気汚染物質や土壌・地下汚染対策技術などのレベルが高く、さらに上昇傾向にある。だが、バイオ燃料の研究では遅れがみられるという。 レベル高いが停滞・下降傾向  今回の調査結果についてJST研究開発戦略センターの有本建男副センター長や取りまとめをした専門家たちは「全体として日本の技術や研究開発水準は高いが、停滞や下降傾向にあるものがかなりあるのが気になる」と評価。「今後は強い分野をさらに強くする。弱くても国として重要なものへの配慮、分野融合の促進など科学技術政策に国の選択と集中が必須で、今回の分析を参考にしてほしい」と話す。 『環境の視点を全分野に』 相沢元東工大学長  総合科学技術会議議員の相沢益男元東京工業大学長に、国際比較調査報告書の分析と、日本の科学技術研究・政策の現状について聞いた。 (永井理)  -日本の状況は。  強い分野も断トツは少なく、新興国の追い上げが厳しい。  -長期的な政策面に遅れが見られるとの指摘があるが。  日本も戦略的に進めている。この点は正しい理解が必要だ。基礎研究は科学研究費補助金で、発展や応用の先が見えてきた研究は政策課題型研究としてJSTやNEDO技術機構などが方向づけして支援する。iPS細胞は、まさに再生医療を目標に掲げた戦略から出た芽だ。  -産学の連携は。  芽から先をどうするかは確かに課題。総合科学技術会議でも戦略を策定中だ。米国は「いいテーマ」に産学の頭脳が集まる力がある。日本にはえりすぐりの「全日本チーム」があまりない。競争環境の違いではないか。  -環境分野に日本の強みがあるというが。  分野ごとの分析では見落としが起きる。環境の視点は全分野で求められている。IT分野でも、機器の省エネ化やIT自体の省エネへの活用が必要だ。多くの技術に環境の視点を入れれば、ハイブリッド車で世界をリードしたように、日本の強みがさらに強くなる。 <記者のつぶやき> レベルは高いが「たこつぼ型」が多く、将来に不安も-というところか。中国やインドの追い上げは激しく、ライバルは欧米だけでなくなった。分野間の融合はますます重要になり、専門性の追求と同時に調整機能を高める必要がありそうだ。 (栃) "[he-forum 13291] しんぶん赤旗主張5/6 しんぶん赤旗主張2008年5月6日付 宇宙基本法案 戦争態勢を強めることになる  自衛隊の軍事衛星保有を公然と認め、宇宙軍拡競争に日本を引き込む宇宙基本法案の審議が連休明けにも始まろうとしています。  自民・公明両党が昨年国会に提出していた法案を一部修正して、自民・公明・民主三党の共同提案とすることに民主党が合意しました。宇宙基本法案のねらいは、国会決議と宇宙航空研究開発機構法が明記し、政府が確認してきた、宇宙の軍事利用を禁止するという制約をとりはらい、アメリカのように、日本が宇宙を戦争のために自由に利用できるようにすることです。憲法の平和原則に違反するのは明白です。 海外での戦争への備え  国会決議や宇宙航空研究開発機構法は、宇宙開発利用を「平和の目的に限り」と明記しています。これを基本に宇宙開発や研究を進めてきたことが、日本への国際的な高い評価につながっています。  「平和の目的に限り」とは「非軍事」(一九六九年五月八日木内四郎科学技術庁長官=当時)のことです。自衛隊は本来、軍事偵察衛星でさえ持つことが「できない」(八三年五月角田禮次郎内閣法制局長官=当時)のです。  宇宙基本法案は、「非軍事」の原則を破棄して、偵察衛星、早期警戒衛星、軍事通信衛星などの保有と宇宙の軍事利用に道を開くものです。  自公民三党案は、「平和の目的に限り」を排除しています。「日本国憲法の平和主義の理念を踏まえ」と書いても、肝心の原則である「平和の目的に限り」を捨て、軍事利用に道を開くのでは、憲法を守ることにはなりません。  「国際社会の平和及び安全の確保並びに我が国の安全保障に資する」との規定は、とりわけ重大です  宇宙基本法案を準備してきた自民党の「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」は、二〇〇六年にだした文書で、宇宙利用が必要なのは、「弾道ミサイル防衛」だけでなく、イラクやインド洋での活動のように、「自衛隊の海外活動を支える」ためとのべています。イラクなどで衛星情報をもとに無差別爆撃をくりかえしている米軍と同じことを、自衛隊にやらせる考えです。イラク派兵を憲法違反とする名古屋高裁判決が確定判決になったいま、海外派兵と結びついた宇宙の軍事利用は許されるはずはありません。  さらに問題なのは、宇宙基本法案が宇宙開発利用に秘密保全の網をかぶせようとしていることです。  宇宙基本法案は、「宇宙開発利用に関する情報の適切な管理のために必要な施策を講ずる」とうたっています。宇宙開発利用の情報を秘匿(ひとく)するため、法的な措置をとるというのは重大です。日本の宇宙科学や技術の成果が秘密のベールにつつまれるのは避けられません。法案の情報管理規定が、「自主・民主・公開」の宇宙開発利用の原則と両立しないのはあきらかです。  「平和の目的に限り」との国会決議はいまも生きています。自公民三党は自己否定につながることをやめるべきです。 国民犠牲を許さない  高額な衛星を何機もうちあげ、更新も必要になる宇宙の軍事利用は、それだけでも軍事予算を肥大化させます。軍事利用に道を開くのは軍需産業を大もうけさせるためでもあります。国民生活予算を削り、軍事予算を肥大化させるなど許せません。  日本を宇宙軍拡に引き込み、国民犠牲を強める宇宙基本法案を阻止することが重要です。 "[he-forum 13292] 毎日新聞青森5/8 毎日新聞青森版2008年5月8日付 県立保健大:教員に任期制導入、5年間で再任判断 活性化目的、今年度から  県立保健大学(青森市)は7日、今年度からの公立大学法人化に伴い、教員の任期を5年と定め、目標の達成度によって再任の可否を判断する「任期制」を導入したことを明らかにした。11年度からは、教員を評価したうえで年俸に反映する方針。公立大学協会(東京都)は「公立大に任期制を取り入れているケースは全国でもまだ少ない」と話している。  任期制を取り入れた人事評価制度は現在試行中で、10年度から本格導入。教員に教育や研究の意識を高めてもらい、大学の活性化を図るのが狙い。  教員に対してはさらに、時間外手当を原則廃止し、1日8時間勤務したものとみなす「裁量労働制」を今年度に導入した。教員は専門性の高い業務を行うため、具体的な仕事の進め方は教員それぞれの判断に委ねたほうが成果や能率のアップにつながると判断した。  この他、経済産業省の外郭団体「工業所有権情報・研修館」が取り組んでいる派遣制度を活用。大学知的財産アドバイザーを今年度から受け入れ、専門家の助言をもとに、大学が自立的に知的財産を運営できるようにする。県が所有していた特許権が今年度からは大学の所有になるための措置で、08年度は全国24の大学が活用している。県内では同大が初めて。  同大学のリボウィッツよし子理事長は「透明性と効率性を備えた経営手法を取り入れ、地域に根ざして発展していきたい」と抱負を語っている。【鈴木久美、後藤豪】 "[he-forum 13293] 陸奥新報 陸奥新報2008年5月8日付 県立保健大が事務局職員に変形労働制導入  県立保健大学(リボヴィッツよし子理事長兼学長)は事務局の繁閑に合わせて労働時間を調整する、変形労働時間制度を導入した。4月の地方独立行政法人移行に伴い、目的の一つでもある経費抑制を図るためで、職員の時間外勤務手当を独法化前に比べて約4割削減できるという。リボヴィッツ理事長は「大学としては全国初ではないか」としている。  7日、青森市の同大学内で行われた独法化後初となる記者会見で明らかにした。  それによると、入学手続きや卒業式など、事務作業が繁忙になる3月と4―7月を9時間労働とする一方、学生の夏休み期間の8月を5時間、9月は6時間にそれぞれ短縮する。  事務局の2006年度の年間時間外手当は、職員26人で計約1900万円に上ったが、変形制の導入で6割程度に抑制できると見込んでいる。  一方、教員に関しては、実際の勤務時間にかかわらず8時間労働したとみなす裁量労働制を導入。さらに教員の資質向上と魅力ある教育内容を目指して人事評価システムを導入し、5年ごとに行われる再任契約や給与改定に反映させる。  また、知的財産アドバイザーとして今年度、独立行政法人工業所有権情報・研修館(本部東京都)に在籍する丞村宏氏(55)を客員教授に招いて、同大の研究成果を適切に管理する体制を構築する。  同大は今年度から記者会見を定例化し、地域に開かれた大学を目指す運営方針に基づいて情報を公表する。 "[he-forum 13294] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に(34号)] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に(34号) Date: Thu, 8 May 2008 11:03:42 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 34号 2008年5月8日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 福田政権の評判はガタ落ちですが、法務省も与党も評判の悪い共謀 罪を断念するつもりはまったくないようです。むしろ、持久戦にもち こんで、世論の関心が薄れるのを待っているかのようです。この機会 に、私たちとしても、再度共謀罪の問題をじっくり考えること、も必要で しょう。市民連は、新しいパンフを出しました。ぜひ、この機会にお読 みください。(詳しくは本号をご覧ください) ────────────────────────────── 34号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  5/21 日弁連共謀罪に反対する院内集会 ■国会情勢  急落する福田政権支持率 自民党政権、歴史的な崩壊過程へ ■集会報告  4/23 二つの院内集会(盗聴法廃止、住基ネット廃止) ■声明賛同のお願い  G8サミット、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する  市民団体共同声明 ■パンフレット  市民連、共謀罪と盗聴法で新しいパンフレットを発行 ■ニュース ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆5/21 院内集会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  日本弁護士連合会  共謀罪に反対する院内集会  http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/080521.html  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 5月21日(水)12時~13時 ところ 参議院議員会館第5会議室 ○東京メトロ有楽町線南北線永田町駅・千代田線丸の内線国会議事  堂前駅 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm ◇報告  喜田村洋一会員(第2東京弁護士会所属、ニューヨーク州弁護士) ◇内容  第169回通常国会においても衆議院法務委員会に付託されている、  いわゆる「共謀罪」新設法案(「犯罪の国際化及び組織化並びに  情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律  案」)について、今注目されているアメリカの共謀罪の内容とそ  の運用状況も踏まえて日本弁護士連合会の主張や問題点等を御理  解いただくため、院内集会を開催いたします。  是非とも御参加ください。      (日弁連Weサイトより) ◇申し込み(参加費無料)  事前申込制。申込みをいただいてない場合は入場いただけません。  下記申込用紙(PDFファイル)を印刷し、必要事項を御記入の上、  Fax.でお申し込みください。  申し込み先:日本弁護士連合会法制部法制第二課  Fax:03-3580-9920  http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/data/080521.pdf ◇主催 日本弁護士連合会  問合せ先  日本弁護士連合会法制部法制第二課  Tel.03-3580-9854 ────────────────────────────── ■国会情勢■ ────────────────────────────── ◆急落する福田政権支持率━━━━━━━━━━━━━━━━━━  自民党政権、歴史的な崩壊過程へ  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ガソリン税を復活した福田政権の支持率が、共同通信が5月1、2 日に実施した緊急電話世論調査によれば、4月の前回調査から6.8パー セント下がり、19.8パーセントに急落しました。これは、福田政権 に対するノーにとどまらず、格差推進、社会保障削減などの弱者切 り捨て、憲法、人権軽視を進めてきた歴代の自民党政権に対するノー にほかなりません。自民党政権の危機は、首相を福田氏から麻生氏 や小泉氏にかえたところで、解決することができないほど深刻なと ころにきています。 ◇G8サミットをテコに延命をはかる福田政権  福田政権・与党は、市民の批判の高まりのなかで、7月のG8サミッ トをテコに政権の延命と浮揚をはかろうとしています。サミット議 長国、サミット成功の大宣伝で自民党政権の危機を突破しようとい うのです。そのために、G8サミットに対する疑問、批判は、いかな る形であれ規制しようという動きが強まっています。  サミット会場である北海道や関連する閣僚会合が開かれる首都圏、 関西、新潟、青森だけでなく全国すべてで監視・管理が強化されて います。  G8サミット、テロ対策を口実に、市民の言論・表現の自由を規制 する監視・管理の強化に反対しましょう。 ◇「共謀罪×盗聴法」の超監視社会を拒否しよう  今国会での共謀罪成立は絶望的になりました。いや、それどころ か共謀罪の審議入り自体、困難な状況にはいりました。  私たちは、油断せず、着実に反対運動を続ければ、共謀罪を廃案 に追い込むことができる情勢を切り開きつつあります。  市民の自主的な活動を規制し、侵害する「共謀罪×盗聴法」の超 監視社会の到来を阻止するために、共謀罪を廃案に!盗聴法を廃止 に!追い込みましょう。 ────────────────────────────── ■集会報告■ ────────────────────────────── ◆4/23 2つの院内集会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  盗聴法×共謀罪=超!監視社会  盗聴法廃止法案の提出を求める院内集会  司法がダメなら立法がやる!!  ─ 住基ネット廃止法案の提出を求める院内集会 ─  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  2008年4月23日、国会参議院議員会館にて、盗聴法と住基ネット の廃止を求めて、2つの院内集会が続けて開催されました。特に参 議院第1党の民主党は、マニフェストに何度も「盗聴法・住基ネッ トの抜本的見直し」を掲げ、両法の廃止法案提出に関わってきた経 緯もあります。 ◇盗聴法×共謀罪=超!監視社会  盗聴法をテーマにした前半の集会では、海渡雄一さん(弁護士) が基調報告を行い、「共謀罪を作らせないためにも盗聴法は廃止す るしかない」と訴えました。  具体的には、  (1) ほとんどの盗聴法の対象犯罪が共謀罪の対象犯罪に含まれて    いる  (2) 現行法でも、共謀罪が盗聴法対象犯罪と一体のものとして行    われていると判断される場合は共謀容疑に対する盗聴が可能    となる という2点から、「ほとんどの盗聴法対象犯罪の共謀は盗聴の対象 となる。共謀罪制定後に、盗聴法拡大があらためて議論されるので はなく、直ちに盗聴範囲が共謀段階まで拡大する」と指摘しました。 ◇司法がダメなら立法がやる!!  続く住基ネットの集会では、右崎正博さん(獨協大学法科大学院 教授)が、08年3月6日の住基ネット訴訟最高裁判決について、「自 己情報コントロール権を一顧だにしないこの判決は、最高裁の人権 感覚の欠如を如実に表すもので裁判官のおごりだ」と厳しく批判さ れました。  当日は両集会とも約60人の市民が参加して、国会議員も両集会で 5人の参加がありました。今後とも、民主党を中心とした野党に、 廃止法案の提出を強く求めていくことを確認して、集会を終えまし た。 ────────────────────────────── ■声明賛同のお願い■ ────────────────────────────── ◆賛同のお願い━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  G8サミット、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する  市民団体共同声明  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  市民連は、以下の共同声明の呼びかけ団体となりました。賛同を 募っています。ぜひお読みいただき、賛同をお寄せください。 ◇共同声明全文─────────────────────── G8サミット、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する 市民団体共同声明  誰にでも言論、思想、表現の自由は認められなくてはなりません。  とりわけ、少数者の言論、政府に対する批判は、言論・表現の自 由の原則であり、民主主義の基本です。しかし、G8サミットを前に、 表現の自由がかつてない危機に直面しています。  G8サミット、テロ対策の名のもと、北海道では、会場警備に自衛 隊まで動員され、監視カメラの増設や公園の使用自粛要請、サミッ ト会場周辺への立ち入り規制、上空の飛行禁止措置のほか、公共交 通機関での警備、全国から北海道への警察官の動員など、異常とも いえる監視、警戒態勢がひかれてきています。また、こうしたなか で、G8サミット、テロ対策を理由に、集会やデモなど正当な市民的 な活動のために来日しようとした外国人の活動家や知識人らがすで に入国できないケースが生じており、出入国管理の強化が現実のも のとなっています。  警備強化はこれにとどまりません。サミット会場である北海道や 関連する閣僚会合が開かれる首都圏、関西、新潟、青森だけでなく 全国すべての自治体で、警察ばかりでなく、学校や病院をはじめと する行政機関や民間をも巻き込む異常ともいえる監視、警戒体制が しかれつつあります。こうしたなかで、G8サミットに反対する意志 表示が「違法」な行為であるかのような雰囲気がつくられつつある ます。  G8サミットという発言力の大きい国々の首脳が集まる会合であれ ば、賛否があって当然のことです。しかし、サミットをめぐって、 賛成や賛美の言論やイベントなどが認められる一方で、これに反対 する言論や表現が警察力も動員して規制・抑圧されるのは、言論、 表現の自由と民主主義、人権を保障する国家のなすべきこととはい えません。  米国の9・11テロ事件以来この6年間、「テロの脅威」を理由とす れば、何をしても許されるかのように、監視・管理の体制が強めら れてきました。しかし、日本でいつ「テロ」事件がおきたのでしょ うか。一度もおきていません。その気配さえありませんでした。む しろ、正当な政治活動や市民たちの異議申し立ての活動をあたかも 「テロリスト」であるかのように宣伝し、その市民的自由を抑圧す る口実に「テロの脅威」を利用してきたのではないでしょうか。  私たちは、G8サミット、テロ対策を理由として、言論・集会など の表現の自由が規制され、監視・管理の体制が強化されようとして いることに強く抗議するとともに、政府に対して、憲法の保障する 言論、集会などの表現の自由にかかわる市民の権利を侵害しないよ う強く要求するものです。 ◇呼びかけ団体  一矢の会/盗聴法に反対する市民連絡会/ネットワーク反監視プ  ロジェクト/反住基ネット連絡会/プライバシーアクション ◇賛同の申し込み方法  以下の書式を使い郵送・Fax・電子メールでお申し込みください ◇市民団体構想声明賛同申し込み書式─────────────  G8サミット、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する  市民団体共同声明に賛同します  ◇団体名 :_______________________  ◇ご連絡先(住所・電話・Fax・メールアドレスのいずれか)       :_______________________       *電話かFAXの場合、どちらかに○をして下さい          電話  FAX  ○団体名以外は公表いたしません。いただいたご連絡先は、この   賛同についての連絡のみに使用します。  ◇賛同締め切り   第1次:2008年5月31日   第2次:2008年6月20日  ◇集約先   郵便の場合:    〒169-0051新宿区西早稲田1-9-19-207    日本消費者連盟G8監視共同声明係   Fax.の場合:    Fax. 03-5155-4767    (同上)   電子メールの場合:    info1@anti-tochoho.org    (盗聴法に反対する市民連絡会)   *上記書式以外で賛同をお送りいただく場合、必ず      声明の名称と賛同の旨    をご明記下さい。  ───────────────(賛同申し込み書式ここまで) ────────────────────────────── ■パンフレット■ ────────────────────────────── ◆新刊━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  2008年5月制作の最新パンフレット  『共謀罪×盗聴法』完成!  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  「盗聴法」に反対する市民連は、共謀罪法案と盗聴法との関わり にこれまでも強い危惧を表明してきました。このたび、この両者に あらためて焦点をあてたパンフレットを発行しました。共謀罪の廃 案と盗聴法の廃止運動にぜひお役立てください。(申込方法は末尾 にあります) ◇もくじ  共謀罪 最新Q&A:海渡雄一  コラム   ウィルス作成罪とコンピューター監視法   三浦事件と共謀罪  共謀罪攻防ドキュメント  なぜ盗聴法に反対するのか  違法に成立させられた盗聴法  年々増え続ける盗聴捜査  共謀罪がつくられ、盗聴法と連動すると  憲法も裁判所も無視する   ブッシュ政権の盗聴・監視捜査体制 小倉利丸 ◇編集・発行  フォーラム平和・人権・環境  盗聴法(組対法)に反対する市民連絡会 ◇体裁  A5判48ページ ◇頒価  200円(送料別) ◇購読申込方法  (1) まず送料をご確認ください。    1~2冊 80円     ~5冊 160円    ○6冊以上は下記の電話などでお問い合わせください。     地域によって送料が変わる場合がありますい     Tel. 03-5155-4765(日本消費者連盟)     Fax. 03-5155-4767     E-mail office.j@nishoren.org  (2) 冊数の代金と送料を郵便振込でお支払いください    郵便振替 :00130-0-22957    加入者名:日本消費者連盟    *振替用紙の通信欄に      「共謀罪×盗聴法」パンフレット  ○○冊     とお書きください。 ────────────────────────────── ■ニュース■ ────────────────────────────── ◆サンケイ新聞 2008/4/4 ━━━━━━━  治安に国民意識の差?ロス疑惑で注目の「共謀罪」  日本は反対多く http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080404/trl0804042028003-n1.htm  ロス事件を題材にして共謀罪推進を主張。「法務省幹部は共謀罪 がない状況をこう懸念する。『犯罪が国際化していることを考えた ら、いつまでも現状のままでいいのだろうか』」という言葉で締め くくる。 ◆保坂展人議員のブログから ━━━━━━━  暫定税率、与党「自滅の再議決」へつき進む 2008/4/28 http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/3513241bf8bbd279c5cf768f0be10d26  山口2区・平岡秀夫さんの勝利は歴史的金字塔 2008/4/27 http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/0c2cf475cb388e3c2e9bc979dfb4b3f3  いずれも現在の国会情勢の内幕がよくわかるレポートになってい  す。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第34号おわり・このメルマガは不定期発行です> ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます ━【まぐまぐ!からのお知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       ★直接はなかなか聞けない女性のホンネを大公開!★    「○○○は許せない!」「キュンとくる髪型はなんといっても…」 特別企画「オトコの秘密基地」 http://rd2.mag2.com/r?aid=20134&rid=10 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca d'informatica e linguistica Universita' Nagoya. Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13295] 時事通信5/9 時事通信2008年5月9日12時51分 教育計画答申に不満相次ぐ=歴代文相  森喜朗元首相ら文相・文科相経験者が東京都内のホテルで9日開いた会合で、中央教育審議会(文科相の諮問機関)が先月まとめた「教育振興基本計画」の答申に対し、不満の声が相次いだ。教職員定数や教育投資の数値目標が盛り込まれていない上、「教育の基本理念が示されていない」ことが不満の根底にある。  出席者は森氏のほか、伊吹文明、海部俊樹、河村建夫、大島理森の各氏らで、渡海紀三朗文科相や同省幹部らが説明役に回った。出席者からは「必要な予算を取るためのものになっていない」「財務省が教員を増やせないと言うのならOBの活用を」などの意見が出た。  これに対し同省は現行、年間で国内総生産(GDP)比3.5%の教育投資を5%(約24兆円)に引き上げることを計画に明記する考えを示した。しかし、具体的な教育政策、理念が不十分との厳しい注文が付き、同省は計画案の修正を検討することになった。 "[he-forum 13296] 毎日新聞5/9夕刊 毎日新聞2008年5月9日付夕刊 教育費:10年間でGDP5% 文科相が要求へ  渡海紀三朗文部科学相は9日午前、東京都内で開かれた文相・文科相経験者との会合で、教育関連予算を対国内総生産(GDP)比で現在の3・5%から、10年間で5・0%への引き上げを求めていく方針を表明した。今後5年間の政府の教育方針を示す「教育振興基本計画」に数値目標を盛り込む。  同計画は改正教育基本法で策定を義務づけられ、中央教育審議会が4月18日に答申を提出したが、渡海文科相は「もう1回書き直して、各省と折衝したい」と見直しを指示する考えを明らかにした。  会合は自民党政調の文部科学部会が主催。森喜朗元首相は「(同計画は)教育予算を取るためのものだが、そうなっていない」と批判し、数値目標の明記を求めた。渡海文科相が表明した方針は、教育支出を経済協力開発機構(OECD)諸国平均の対GDP比5・0%並みに引き上げるというもの。同計画は5月中旬に閣議決定する予定だったが、見直し指示を受けてずれこみそうだ。【仙石恭】 "[he-forum 13297] 岩手日報5/11 岩手日報2008年5月11日付 岩手大で産業研究講座 地元就職へ産学官連携  岩手大と県立大のキャリア講座「地場産業・企業論・企業研究」は10日、盛岡市上田3丁目の岩手大で始まった。初回講師は達増知事が務め岩手で働く意義を力説。学生は今後、経営者の哲学などを聞き、仕事の現場を訪問、地元定着への課題を企業とともに探る。産学官一体で取り組む講座で岩手に根差す人材育成を進め、流出に歯止めをかける。  初回は一般市民にも公開。岩手大と県立大の受講生約50人のほか、市民ら約100人が参加した。  達増知事は新渡戸稲造の就職論などをひもとき「文化的魅力と道義的信頼というソフトパワーが岩手にはある」と、本県で働く意義を説いた。外務省で働き始めたころについて「勘所をつかんだのは3年目。社会は手取り足取り教えてはくれない。3年目で辞める人が多いが、我慢することも大切」と述べた。  学生の「よりよい決断のために心掛けていることは何か」との質問に「人は全知全能ではないが『良知良能』なら可能。手持ちのトランプカードから最善を尽くすことが大切」とアドバイスした。  同講座は、岩手大、県立大が岩手経済同友会や県などと連携した取り組み。両大ともに県内就職率の向上が課題となっており、講座を通じ本県で働き、地域貢献する意義を見いだす。  7月19日まで原則土曜日、岩手大などで開かれ、講師は地場企業経営者らが務める。  岩手大の玉真之介副学長は「産学官一体となった人材定着への本格的な取り組みが始まった。実際に働く人の声も聞く講座も考えていきたい」と話す。 "[he-forum 13298] 産経新聞主張5/12 産経新聞主張2008年5月12日付 教育基本計画 メリハリつけた振興策を  今後5年間で取り組む教育の重点施策を示す国の「教育振興基本計画」の策定が遅れている。  教育予算拡充で財務省などとの調整がつかないためだ。教育投資にはメリハリをつけ公教育の再生を進めたい。  基本計画は、改正教育基本法で策定が義務づけられた。教育目標を数値などで分かりやすく示し、目標実現への施策を明示することで、計画的な教育振興が期待されていた。  しかし中央教育審議会が4月に答申した計画案は、目標と施策が明確に示されたとは、とても言い難い。  答申では表題に「『教育立国』の実現に向けて」と掲げ、「欧米主要国と比べて遜色(そんしょく)のない教育水準を確保する」とした。  施策では、道徳教育充実のため副教材への国庫補助制度のほか、「校舎耐震化1万棟」「留学生30万人計画」など一部に数値目標を挙げてはいる。  だが学力向上や生徒指導など肝心の公教育再生や、世界に通用する大学の教育・研究環境改善に向け、明確な目標や施策が示されてはいない。  審議の中では「いじめや校内暴力を半減させる」「高卒段階で英語で日常会話ができる」といった目標がいったんは提言されたが、答申には盛り込まれなかった。  渡海紀三朗文部科学相は9日の文科相経験者との会合で、現在は国内総生産(GDP)比3・5%の年間教育投資額を、経済協力開発機構加盟国の平均の「GDP比5%」とする数値目標を盛り込む考えを示した。  しかし、財務省などは難色を示している。  教育予算の大部分を占めるのは教職員の人件費だ。文科省や教育関係者からは少人数学級や習熟度別授業などを進めるため教員定数増を求める声が強い。  だが少子化の中でどのくらいの教員増が必要なのか、計画案では不明確だ。  教員の不祥事が絶えず、指導力不足の教員がきちんと把握されていない。ダメ教師をいくら増やしても教育再生は実現できない、という不信感があるのも事実だ。  理数教育で魅力ある授業を進める高校を支援する「スーパーサイエンスハイスクール」など効果をあげている事業がある。熱心な教員や学校を厚く支援する施策推進を計画で明確に示すべきだ。 "[he-forum 13299] 琉球新報社説5/9 琉球新報社説2008年5月9日付 宇宙基本法 「非軍事」の精神を忘れるな  竹取物語の時代から、人は天空に神秘を感じ、あこがれを寄せてきた。宇宙は、誰にとっても夢とロマンあふれる空間に違いない。  自衛隊による独自の偵察衛星の開発、運用など宇宙の防衛利用を容認する宇宙基本法案を、議員立法で衆院内閣委員会に提案することについて自民、公明両党と民主党が大筋合意した。  1969年に宇宙開発事業団法を成立させる際、宇宙開発や利用について、衆院では「平和目的に限り、学術の進歩、国民の生活向上および社会の福祉を図り、併せて産業技術の発展に寄与するとともに、進んで国際協力に資するため」、参院では「平和利用の目的に限りかつ自主・民主・公開・国際協力の原則のもとにこれを行う」とそれぞれ決議した「非軍事」原則がある。  わが国憲法の平和主義に沿い、「非侵略」よりも厳格なものとして規定している。  与党と民主が合意した新法案は、「安全保障に資するように行わなければならない」と明記した。平和利用原則の決議では、宇宙開発で得た技術をミサイル防衛には応用できない。今回の宇宙基本法は、この点を見直し「専守防衛」の範囲ならミサイル防衛への技術転用を可能にするものといえる。非侵略の範囲で宇宙の防衛利用を認めるものだ。  69年の非軍事原則は「平和的目的のための宇宙空間の探査および利用の進歩が全人類の共同の利益であることを認識し、宇宙空間の探査および利用がすべての人民のために」とする、67年の「宇宙条約」の基本精神を諸外国に先駆けて確認した目的、原則だったはずだ。  一方で、宇宙産業の育成を訴える声もある。文部科学省の下にある宇宙開発委員会や宇宙航空研究開発機構(JAXA)など現在の組織体系では宇宙についての研究開発に限られ「宇宙の利用」という側面での広がりは持てない。  宇宙条約の「平和的利用」の解釈には統一見解がないとされる。宇宙法の専門家は、防衛目的なら軍事利用できると判断する国が大勢だとし、非侵略の範囲で認めるのは国際標準とする。  だからといって、「民生」と「軍事」の境目をあいまいにしたまま、法制化に向け、無原則に突き進むのはどうだろうか。宇宙条約の理念に沿い、宇宙開発の平和利用の在り方をめぐる議論こそ深める必要がある。  宇宙開発戦略をめぐり、近隣諸国や国際社会に無用な誤解と不安を与えぬよう慎重でなくてはなるまい。日本は何を目指し、何を目的にしているのかという透明性の努力も欠かせない。宇宙基本法は「非軍事原則」の精神を貫きたい。 "[he-forum 13300] 愛媛新聞社説5/12 愛媛新聞社説2008年5月12日付 宇宙基本法 非軍事の誓いと夢を壊すな  はるか昔から人類は宇宙にあこがれを抱いてきた。ロマンあふれる世界を描いた小説や映画は数知れない。  衆院内閣委員会で九日可決された宇宙基本法案も基本理念に平和利用を掲げて「人類の宇宙への夢実現に資する」とうたっている。与党と民主党が共同提案した法案は今国会で成立する見通しだ。  しかし、その夢を壊しかねない文言が基本法にはある。宇宙開発の目的の一つに「わが国の安全保障」を挙げ、防衛のための軍事利用に道を開こうとしている。自衛隊による独自の偵察衛星の保有を合法化する狙いがある。  宇宙条約の加盟国の間では「非侵略」の防衛目的なら軍事利用は可能とするのが大勢だ。これに対して日本は一九六九年、国会決議で「非軍事」の原則を打ち出した。  日本の非軍事原則は、国際標準の非侵略より厳格とされる。憲法の平和主義に沿う行動を世界に示してきた。  九八年に導入した情報収集衛星も原則に基づいて内閣府が保有、運用している。ただ「解像度が民生レベルで、データの一部を防衛省が受け取る」というのは建前で、実情は軍事利用だ。  基本法は安易な現状追認にほかならない。だからといって自衛隊に衛星の直接保有を認めるのは非軍事の原則をゆがめる。国際標準というもっともらしい理由をつけた政策転換の結果、国際社会に無用な誤解や不安を与えては、研究活動を中心に積み上げた実績に傷がつくだろう。  ミサイル防衛の強化が容易となる。これまで制限してきた早期警戒衛星の導入も「専守防衛の範囲なら可能」とする解釈が成り立ってしまう。  さまざまな情報が防衛機密として公開されなくなる恐れもある。自衛隊にどこまで歯止めをかけるのかを早急に議論する必要がある。  民間事業者の積極活用も産業界の強い要望で実現した。衛星技術の国際競争力を高めるためだ。しかし、民生と軍事の境界をさらにあいまいにしてしまう危うさがあることを肝に銘じておくべきだ。  国会決議から三十九年。安全保障をめぐる情勢は大きく変わった。核ミサイルの開発を進める北朝鮮の動向を探るのが主な目的だろう。だがそれも政府が国民に十分な説明を尽くすのが前提だ。  「自衛権はどこまで行使できるのか」「軍備による抑止力とは」という議論が常にある。この終わりのない論争が国境がないはずの宇宙で起こるのは避けたい。  軍拡の色合いが濃かった宇宙開発競争に、平和思想を唱え続けた日本の役割は大きかったはずだ。宇宙基本法の運用では、やはり非軍事の精神を貫きたい。人類が描き続けた夢を壊してはならない。 "[he-forum 13301] 山陽新聞社説5/12 山陽新聞社説2008年5月12日付 宇宙基本法案 非軍事利用へ議論深めよ  自民、公明、民主三党が共同提案した「宇宙基本法案」が衆院内閣委員会で、賛成多数で可決された。内閣委員長提案の形で本会議に提出され、今国会で成立する見通しだ。  これまでの日本の宇宙開発は、平和目的に限るとした一九六九年の国会決議に基づき、「非軍事」を原則としてきた。法案は、憲法の平和主義の理念にのっとった上で「安全保障に資するよう行う」として、防衛省による偵察衛星の開発運用などを非侵略の範囲で容認、宇宙の防衛目的の利用に道を開く内容となっている。  法案は、政策の司令塔として内閣に首相を本部長とする宇宙開発戦略本部を設置し、施策の推進のために宇宙基本計画を策定するとしている。また、法施行後一年をめどに、本部機能の内閣府移行や宇宙航空研究開発機構など関係機関の組織見直しをする。  日本の情報収集衛星は一九九八年の北朝鮮のミサイル発射を契機に、これまでに四基が打ち上げられている。事実上の偵察衛星で、撮影画像は防衛省も利用可能だが、近隣諸国からの反発を招かないよう大規模災害など多目的活用を図ることとしていた。  問題は、これまでの情報収集衛星の運用実態が明らかにされていないことだ。どのように活用され、具体的に成果があがっているのか。検証作業をすることが先決だ。  法案が成立すれば、「非軍事」という宇宙開発の原則は一段と崩れ、歯止めがかからなくなる恐れがある。防衛省が独自に運用できるようになった場合、「非侵略の範囲」という条件が、守られるのか要警戒だ。なし崩し的に宇宙の軍事化が進むことがないよう、さらに議論を深めていく必要があろう。 "[he-forum 13302] 朝日新聞社説5/10 朝日新聞社説2008年5月10日付 宇宙基本法―あまりに安易な大転換  宇宙の軍事利用に積極的に道を開く宇宙基本法案が、衆院の内閣委員会で可決された。ねじれ国会の中、自民、公明の与党に民主党も加わった議員立法で、今国会で成立する見通しだ。  法案は宇宙開発の目的として「我が国の安全保障に資する」との文言を盛り込んだ。「平和の目的」に限るとした1969年の国会決議を棚上げし、宇宙政策の原則を大転換させるものである。  約40年前の国会決議のころとは宇宙をめぐる事情は様変わりした。多くの国が軍事衛星を打ち上げている。自衛隊も事実上の偵察衛星である情報収集衛星をすでに使っている。核とミサイルの開発を進める北朝鮮の動向を探るためなら、宇宙から情報を得ることに多くの国民が理解を示すだろう。  それでも、国会決議は自衛隊の衛星利用に一定の制約になってきた。政府は情報収集衛星を自衛隊に持たせず、内閣府の管轄にしてきた。情報収集衛星の解像能力も、民間で一般的な水準に抑えられてきた。  今回の基本法は、現状を追認するばかりでなく、そうした制約も取り除いてしまおうというものだ。  ところが、そうすることによる国家としての得失はどうか、自衛隊の活動にどんな歯止めをかけるのか、といった論議は抜け落ちたままだ。しかも、たった2時間の審議で可決するとは、どういうことか。あまりに安易で拙速な動きである。  基本法が成立すれば、自衛隊が直接衛星を持ち、衛星の能力を一気に高める道が開ける。それにとどまらず、将来のミサイル防衛に必要な早期警戒衛星を独自に持つことができたり、様々な軍事目的での宇宙空間の利用が可能になったりする。  だが、内閣委員会で、提案者の議員は具体的な歯止めについて「憲法の平和主義の理念にのっとり」という法案の文言を引いて、専守防衛の枠内であるという説明を繰り返しただけだ。  基本法の背景には、日本の宇宙産業を活性化したいという経済界の意向もある。衰退気味の民生部門に代わり、安定的な「官需」が欲しいのだ。  だが、宇宙の軍事利用は、日本という国のありようが問われる重大な問題である。  衛星による偵察能力の強化は抑止力の向上につながるという議論もあるだろうが、日本が新たな軍事利用に乗り出すことは周辺の国々との緊張を高めないか。巨額の開発、配備コストをどうまかなうのか。宇宙開発が機密のベールに覆われないか。そうしたことを複合的に考える必要がある。  国民の関心が乏しい中で、最大野党の民主党が法案の共同提案者になり、真剣な論議の機会が失われているのも危うい。 "[he-forum 13303] 京都新聞 2008年5月11日(日) http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008051100128&genre=C4&area=K00 「治安管理強化」サミットに反対 下京で市民団体が集会 国内の治安管理の強化をもたらすとしてサミット開催に反対する集会(京都市下 京区)  7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を前に、国内の治安管理の強 化をもたらすとしてサミットに反対している市民団体の集会が11日、京都市下 京区のひと・まち交流館京都であった。  京都市の市民団体「共謀罪に反対する京都連絡会」が、国会での成立阻止を目 指す共謀罪法案の背景に、テロ対策を通じて治安管理の強化を進めているサミッ トの存在があるとして企画し、市民ら約50人が参加した。  集会では大阪弁護士会の永嶋靖久弁護士が講師を務め、2001年の米国同時 多発テロを契機にテロ対策や治安管理が協議されるようになったサミットの歴史 を紹介した。「テロ対策と国際犯罪対策が一体化して強化され、治安管理の国際 的な平準化が進んでいる」と指摘した。 -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca d'informatica e linguistica Universita' Nagoya. Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13304] 時事通信5/12 時事通信2008年5月12日14時47分 「遊学のまち」地域の8大学と連携-長崎  長崎市は9日、多くの若者が集い、学ぶ場所として同市の魅力を高めるため、市内や隣接する地域にある8大学と連携し、「遊学のまち長崎」推進協議会(会長・田上富久長崎市長)を設立した。  会員は、長崎大学や長崎県立大学など8大学の学長。同市を「遊学のまち」とするブランド戦略などを練る。会長を務める田上市長は「(長崎は)江戸時代にさまざまな人が出会い、成果が生まれた場所」とし、「大学は街の中に知恵をもたらす重要な財産。化学反応は必ず起きる」と意気込みを語った。  子どもの数が減り続けている中、定員割れの危機感を募らせている大学と、観光客の減少に気をもむ市の利害が一致。市企画部などは「『学び』と『観光』を融合させることで、街全体を大学とするようなイメージだ」と構想を語る。  同市は、同協議会設立に絡み、「遊学のまち長崎」を推進するためのアクションプランを策定し、内閣府が2008年度に25億円の予算を組んだ「地方の元気再生事業」に応募する。 "[he-forum 13305] 毎日新聞5/13 毎日新聞2008年5月13日付 教育関連予算:教育費増額要求に反論 財務省「欧米とそん色ない」  渡海紀三朗文部科学相や自民党の文教族議員が、教育関連予算の対国内総生産(GDP)比を大幅に引き上げるよう政府に働きかけていることに対して、財務省は12日、欧米各国などの詳細なデータを盛り込んだ反論書を公表した。この中で、財務省は「少子化が進む日本とそうでない他の国のGDP比を単純に比べても意味は無い」と主張。その上で「生徒1人当たりの教育費で見ると、日本は主要先進国とそん色なく、数値目標を掲げるなら、予算の投入量ではなく、教育による成果にこそ適用すべきだ」と、「教育予算のバラまき」を強くけん制した。  教育予算の拡充は、政府が今後5~10年の方策を示す「教育振興基本計画」作りの焦点。文教族は財政再建がハードルとなり、計画に予算拡充の数値目標が盛り込まれずにいることから、4月下旬以降、巻き返しを開始。渡海文科相も9日、「現在GDP比3・5%の教育費を今後10年間で経済協力開発機構(OECD)諸国平均の5・0%へ引き上げるべきだ」とぶち上げた。  これに対し、財務省は反論書で「1人当たり教育費」を算出すれば、先進国中で米国に次いで2番目の公的教育支出国になると指摘。「欧米のように、教育でどんな子どもを育てるのか、学力向上や規範意識など成果にこそ数値目標を設けるべきだ」と訴えた。  5・0%目標に必要な財源7兆4000億円の手当ても「全く考えられていない」と批判した。【清水憲司】 "[he-forum 13306] 毎日新聞岡山5/14 毎日新聞岡山版2008年5月14日付 医療連携:岡山市、岡大と初会合 市民病院問題触れず  岡山市は13日、岡山大との医療連携に関する委員会を開き、今後の協議内容などを確認した。2月に岡大との連携や独立行政法人化で、岡山市民病院を“新病院”化する方針を打ち出した「あり方検討専門会議」の提言を受けた会合だったが、出席した同病院関係者からは「市民病院への言及がなかった」など不満も漏れた。  委員会会長を務める岡山大の千葉喬三学長は「大学は先端研究だけでなく、医療で地域貢献をしなければならない。市と連携することには意義がある」と述べ、高谷茂男市長が「少子高齢化で医療をどうするかなど、岡山大と連携してこれからの医療のあり方を考えたい」と応じた。  出席した市幹部、大学関係者が「医師教育の連携」や「最適な地域医療のあり方」などの協議事項を確認した。委員会には岡山市民病院長らも委員として出席した。同病院は老朽化による建て替えなどが問題となっているが、市民病院に直接かかわる議論はほとんどなく、関係者からは「発端は病院の建て替え問題のはず。実質的には市民病院の改革を話し合うのに、具体論がほとんどなかった」などの声も聞かれた。  また、あり方検討専門会議メンバーの医師3人が「医療現場の意見が反映されていない」として同会議がまとめた報告書から氏名を削除するよう求めていた問題で、市はホームページに3人を含む医療関係者の意見を掲載した。【石戸諭】 "[he-forum 13307] 5/15しんぶん赤旗記事 2008年5月15日(木)「しんぶん赤旗」 宇宙軍事化の法案反対 科学者ら、ネット署名  日本による宇宙の軍事利用を解禁する「宇宙基本法案」に反対するア ピールのためのインターネット署名運動が始まりました。世話人は、国 立天文台の石附澄夫助教。  同法案は、自民・公明・民主による共同提案で、十三日に衆議院本会 議で可決されました。近く参院内閣委員会で審議入りする予定です。  アピールでは、同法案によって、宇宙の際限ない軍事化を招く▽宇宙 産業が「軍需」に頼ることになる▽学問の命である「自主・民主・公 開」に触れていない―などの問題点を指摘。今回の法案に反対するとし ています。  同時に、日本の宇宙政策のあるべき方向として、宇宙のあらゆる軍事 利用の禁止、「民主・自主・公開」の原子力三原則を宇宙開発利用にも 適用すること、日本が宇宙軍縮に向けて先導となることを国として誓う ことなどを求めています。  賛同の署名、メッセージの書き込みを急ぐよう呼びかけています。  ホームページのアドレスは、http://homepage2.nifty.com/ space_for_peace/shomei/ "[he-forum 13308] 岡山日日新聞5/15 岡山日日新聞2008年5月15日付 津山工専と包括連携 岡山大 法人化から20件目  岡山大(岡山市津島中1丁目、千葉喬三学長)は14日、津山工業高等専門学校(津山市沼、稲葉英男校長)と包括連携協定を締結した。包括連携協定締結は、岡山大が20件目、津山高専が2件目。 同大で行われた締結式には関係者10人が出席。協定書に調印した後、千葉学長は「教育の人材育成、研究教育基盤の育成、地域の産業基盤育成など、あらゆることを協力して一緒にやっていきたい」とあいさつ。 稲葉校長は「(同高専は)創造的な実践技術者を育成するのが大きな使命。外に目を向ける一つの手段として、岡山大と包括連携、協力できるのは非常に心強い」と抱負を述べた。 協定では教育、研究・産学官連携、地域・国際社会の発展・活性化、学生交流など6項目で連携を推進する。 第一段として、文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に共同で応募。岡山理科大、倉敷芸術科学大も含め4校で、科学の好きな青少年を育成するプログラムの準備を進めている。 今回の協定は、予算が縮小傾向にある中、お互いの持つ資源を生かそうと、3月末まで同大副学長を務めた稲葉校長からの呼び掛けで実現した。 同大は、法人化直後となる04年8月の岡山県産業・u梛エ什眞弔箸龍・螳瞥茵・睛撒ヾ悄・覿函・銅鐫賃里畔餝舅・箸鮨篆福・海譴泙任紡膤悗了・張掘璽困抜覿箸離法璽困離泪奪船鵐亜・ζ姥Φ罎任陵住山容世覆匹如・腓④弊・未鮠紊欧討い襪箸いΑ "[he-forum 13309] 日本経済新聞東北5/15 日本経済新聞東北版2008年5月15日付 福島大と大東銀、地域振興へ協定・県全域で産学連携  福島大学と大東銀行は14日、産学連携の協定を結んだ。大学が持つ研究シーズと金融機関のノウハウや情報を組み合わせ、地域産業の育成振興を狙う。福島大は同じ福島市の福島銀行などとも同様の協定を結んでいるが、郡山市に本拠を置く大東銀との提携で、県内全域での産学連携に弾みを付ける。  福島大の新技術と県内企業のニーズのマッチングのほか、人材交流などを見込む。大東銀の能勢秀幸社長は「現時点で具体的な案件はないが、息の長い連携にしたい」と説明。福島大の今野順夫学長も「必ずしも十分でなかった福島市と郡山市の地域と産業の連携活動を発展させ、県内に広げたい」と話した。 "[he-forum 13310] 日本農業新聞5/15 日本農業新聞2008年5月15日付 東大で金融講座 今年度後期開講 役職員も教壇へ/農林中金  農林中央金庫は2008年度後期から、東京大学経済学部に寄付講座を開設する。同大学大学院経済学研究科と経済学部、農林中金が14日、発表した。講座名は「証券投資 理論と実践」。金融理論を柱に実務者の視点を加えるため、農林中金の役職員も出講する。  今回設置する講座は、金融理論に関する研究教育の充実を通じ、日本の金融市場の発展に資する人材を育成する狙い。経済学研究科と農林中金が共同で運営する。  経済学研究科の小林孝雄教授が担当し、経済学部で行う。 "[he-forum 13311] JanJanNews 08/5/13 http://www.news.janjan.jp/special/0805/0805126857/1.php 【G8洞爺湖サミット オルタナティブ】G8司法内務大臣会合での治安管理強 化と共謀罪復活に警戒 山本ケイ2008/05/13 共謀罪と治安管理のグローバル化に反対する京都集会。サミット開催が治安管理 強化につながった歴史や日本で初めて司法内務相会合が開かれるなど治安管理強 化の流れが国内では市民運動に振り向けられてしまうことへの危機感が報告された。  北海道・洞爺湖でのG8サミットや国内各地での閣僚会議を控え、各地の警察 の警備態勢が強化される中、治安管理が飛躍的に進む恐れがあるとして11日、 京都市内で「共謀罪と治安管理のグローバル化に反対する5・11京都集会」が 開かれた。弁護士の永嶋靖久さんが世界で国際犯罪やテロ組織に対する対策が急 速に進んでいることが、治安管理強化につながり、日本の共謀罪法案にも反映さ れていることを報告。主催者側もサミットで共謀罪の芽を再び復活させないよう 完全な廃案を目指すことを訴え、サミットに向けて治安管理の面から抗議の声を 上げていく方針だ。  永嶋弁護士は「東京で日本のサミットでは初めてとなる司法内務相会合が開か れます。新聞報道ではそこでは外国で浮上している、若者や移民が過激化し無差 別テロに走る傾向について議題に上るということですが、サミットで話し合われ たことが国連での条約批准や、各国の法令強化につながった歴史があり、司法内 務相会合が開かれる日本でも治安管理関係の法律が強化される恐れがあり警戒し なければなりません」など、組織犯罪や対テロ対策が関係の無い人々にまで及ぶ 危険性を訴えた。  永嶋弁護士や主催者の共謀罪に反対する京都連絡会がまとめた資料によると、 国連、米国、EU諸国、日本など先進諸国は1960年代のハイジャック対策関 連の条約や法律制定に始まり、サミットがスタートした70年代から80年代に かけ、対テロ関係の政策を強化してきた。以降、サミットが開かれる度に対テロ や組織犯罪対策が強化され、「国連で条約が批准されることで各国の関連国内法 が成立したり、規制が大幅に広がった」(同弁護士)など、サミット開催が治安 管理強化につながった歴史があったとしている。  主催者側はこうした動きが現在の日本の共謀罪法案提出につながったと指摘、 「共謀罪法案についても、鳩山法相はサミットまでに成立を、と広言しています が、国会上程以来、足かけ6年、13国会期にわたって成立を阻止し続けている ことを踏まえて今国会で廃案に追い込みたいと考えます」としており、現在、規 制強化が厳しい政府原案が衆議院法務委員会に付託されたままになっていること を報告した。  一時は議論が沸騰した共謀罪だが民主党が参議院で勢力を伸ばしたことで国会 が政府・自民党の思惑どおりに進まない中で、国民の関心も薄くなってしまって いるのが現状ではないだろうか。今回サミットが地球環境や金融危機、食糧問題 に焦点があたる中で、日本で初めて司法内務相会合が開かれることで国内での治 安管理強化が進行する懸念はある。  集会では治安管理強化の現象として「ウイルス作成に関する取り締り強化」 「ロス疑惑・三浦元社長に対する罪状の蒸し返し」「官舎へのビラ配布に対する 弾圧」などが報告され、先進諸国で広がる対テロ、組織犯罪対策強化の流れが国 内では市民運動や活動に振り向けられてしまうことへの危機感が蔓延していた。 -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca d'informatica e linguistica Universita' Nagoya. Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13312] 岩手日報5/16 岩手日報2008年5月16日付 奥州市が産学研究補助 製品、技術に上限50万円  奥州市は、地元中小企業などと研究機関が行う新製品、技術開発を支援する「市産学共同研究推進事業補助金」を創設した。大学などと地場の連携を促し足腰の強い産業を育て、知識集積を進める。同様の補助金は花巻、北上市などが導入済み。奥州市は鋳造分野で岩手大の研究施設を誘致し、技術者養成と知識の地元還元を進めてきた実績があり、一層の連携に期待がかかる。  補助金は大学や高等専門学校、研究所などの機関と、市内の中小企業や起業家とが行う共同研究を支援する。  対象は製品や技術開発全般で工業、農業、食品などの分野は問わず研究費の半額以内、50万円を上限に交付する。2008年度当初の事業費は100万円。  補助金交付要綱は4月から施行したが、実質的な申請受け付けは今月から始めた。  申請を受け付ける市鋳物技術交流センターによると、中小企業と大学などとの一般的な共同研究費用は50万―100万円。しかし価格競争や原材料高に苦しむ中小企業にとって研究費の工面は頭の痛い問題で、補助金創設は企業のニーズに応えたものだという。  同市は既に岩手大との連携拠点として、水沢区に大学院工学研究科の鋳造技術研究センターを誘致。今春、金型・鋳造工学専攻初の卒業生を輩出するなど人材、知識の交流と還元が進む。  ただ、近年は廉価な海外製品との競争が激化、各企業は価格対応に加え品質と技術で差別化を図るため、研究開発力を高める必要性が指摘されている。  同センターの及川康文主任は「市が掲げる副県都構築を進める上でも知識集積と産業力の裏付けは不可欠。これまで築いた産学連携のすそ野を一層広げていきたい」と話す。 "[he-forum 13313] 毎日新聞社説5/15 毎日新聞社説2006年5月15日付 宇宙基本法案 軍事利用に懸念は消えない  宇宙空間の軍事利用に道を開く「宇宙基本法案」が自民、公明、民主3党の賛成で衆院を通過した。3党による議員立法で、今国会で成立する見通しだ。  成立すれば、政府が認めていなかった自衛隊の衛星保有やミサイル防衛(MD)のための早期警戒衛星、高い解像度を持つ偵察衛星の開発・打ち上げが可能となる。しかし、法案が目指す方向性に懸念を表明せざるを得ない。  宇宙利用に関しては、日本も67年に批准した国連の宇宙条約がある。宇宙への大量破壊兵器(WMD)配備を禁止したが、通常兵器配備は可能とされている。  日本は69年に、国会で宇宙利用を「平和の目的に限り」とする決議を全会一致で採択し、政府は「平和目的」とは「非軍事」であると説明してきた。法案はこれを転換し、「非軍事」のハードルを「非侵略」まで引き下げ、防衛利用を認めるものである。  自民党の国防族議員は05年、宇宙分野の企業や防衛庁幹部らと「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」を発足させ、国会決議見直しを検討してきた。今回、法案の第1条に「憲法の平和主義の理念を踏まえ」と加えたことで、民主党が共同提案に同意した。  しかし、法案が将来の宇宙への兵器配備に向けた「入り口」になるのではないか、との懸念が残る。  「考える会」が06年8月に自民党に提言した「わが国の防衛宇宙ビジョン」では、防衛衛星には、情報・通信のための衛星のほかに、システム障害を引き起こす攻撃からの防御を目的とした「拒否衛星」も含まれるとした。この衛星は通常兵器とされる。  また、「防衛宇宙ビジョン」は、国会決議見直しの最終段階として、攻撃衛星のうちの通常兵器配備を指摘している。具体的には「衛星誘導の無人偵察機」を想定しているという。  宇宙への兵器配備は通常兵器であっても、憲法に基づく軍事戦略である専守防衛に反する。法案は確かに「防衛宇宙ビジョン」そのものではないし、「憲法の平和主義」の文言が盛り込まれた。しかし、法案が、これを推進した「考える会」の目指す宇宙利用に向けた第一歩になるのではないか、との疑念はぬぐえない。  一方、宇宙開発の透明性に対する懸念もある。現在の情報収集衛星についても国民に開示されている情報は少ない。「防衛宇宙ビジョン」では「秘密保全制度」の確立が強調され、法案では「情報の適切な管理」がうたわれた。軍事衛星打ち上げには巨費が投じられることになるが、軍事が宇宙利用の柱になることで透明性は一層低下する可能性が高い。  衆院での委員会審議はわずか2時間だった。知らぬ間に法案が通過したというのが国民の実感である。参院には十分な審議で懸念を解消するよう望みたい。 "[he-forum 13314] 東京新聞社説5/16 東京新聞社説2008年5月16日付 宇宙基本法案 『平和目的』こそ原点  宇宙の軍事利用が可能になる「宇宙基本法案」が衆院を通過した。従来の「平和利用」から「安全保障」への大転換だが、衆院では懸念が全く解消されていない。参院で審議を尽くすべきだ。  わが国の宇宙開発の性格を一変させる「宇宙基本法案」があっさり衆院を通過してしまった。  自民、公明、民主の三党共同提案の議員立法で、衆院の内閣委員会ではわずか二時間の質疑で可決され、参院に送付された。  わが国は一九六九年の宇宙開発事業団(現・宇宙航空研究開発機構)発足の際、衆院本会議で宇宙開発について「平和目的に限る」との決議を全会一致で採択し、政府は「平和目的」とは「非軍事」と説明してきた。  これにより「防衛目的」の衛星打ち上げは禁止され、九八年の北朝鮮の「テポドン」発射後に打ち上げられた「情報収集衛星」も、地上の物体を見極める能力は民間衛星以下に抑えられてきた。   法案は、こうした従来の制約を一挙に撤廃するもので、宇宙開発の目的として「安全保障」を明確に盛り込んだ。  その背景には、北朝鮮の核・ミサイルの脅威のほか、平和利用だけでは今後も大きな需要が期待できず、防衛分野の需要拡大で宇宙産業を振興させたいメーカーの思惑が働いているようだ。  問題は、こうした方針転換が何をもたらすかだ。法案が成立すれば、自衛隊が一気に高性能の衛星を持てるようになるほか、ミサイル発射を探知する「早期警戒衛星」の保持も可能になり、歯止めがかからない恐れがある。周辺国の警戒心を呼び起こすだろう。  宇宙開発の透明性も失われる。政府は「情報収集衛星」に関する情報提供さえ渋った。高性能の防衛目的の衛星ならなおさらだろう。法案の「情報の適切な管理」がその根拠に使われかねない。  もともと宇宙開発は多額の予算を必要とする。その中で防衛分野が優先されれば、平和利用が割を食う。両者のバランスをどう取るのかは全く不明だ。  わが国は平和利用の一環として、小惑星探査機「はやぶさ」や月周回衛星「かぐや」など優れた無人探査技術を開発し、世界から高い評価を受けてきた。こうした技術開発が先細りにならないか。  こうした疑問に全くこたえないまま、長年堅持してきた「平和目的」を簡単に放棄しては、わが国の宇宙開発の将来に禍根を残すことになるだろう。 "[he-forum 13315] 京都新聞5/17 京都新聞2008年5月17日付 iPS細胞の特許管理会社を設立へ 散逸防ぎオールジャパンで  京都大は16日、山中伸弥京大教授が世界で初めて作製に成功した「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」にかかわる特許の管理会社を証券会社や銀行などの協力を得て、6月に設立すると発表した。国内の大学や研究機関にも参加を呼びかけ、iPS細胞の研究成果について産業界への技術移転を速やかに進め、医療や新薬開発に役立てることを目指す。  京大によると、研究成果の実用化には、特許の使用許可の交渉やトラブルへの対応などにあたらなければならず、専門知識を持つ弁護士や弁理士など多数のスタッフが必要。しかし、学内では資金がないうえ機動的な対応が難しいため、大和証券グループ本社や三井住友銀行など3社が出資し特許管理会社を立ち上げることにした。  大学が会社に出資することはできないため、京大の役員や研究者が参加する有限責任中間法人が、特許管理会社に出資し同社の株式を所有する。管理会社は、特許を所有する研究者に特許使用料を支払い、再生医療、製薬会社に対し特許使用の許可業務をする。  大和証券グループ本社など3社は、中間法人や特許管理会社に計2億1000万円を出資し、12億円まで出資金を増やす。3社は中間法人や会社の運営にかかわらないという。  東京都内で会見した京大の松本紘理事(研究担当)は「特定の集団や企業が特許使用権を買い集めることを防ぎたかった。将来的には、多くの大学や研究機関が参加するオールジャパン体制でやっていきたい」と話した。 "[he-forum 13316] 毎日新聞5/18 毎日新聞2008年5月18日付 理系白書’08:第1部 イノベーションを考える/3 大学発ベンチャーに… ◇大学発ベンチャーに資金と規制の壁  米国のマイクロソフトやグーグルなど、イノベーションの創出にベンチャー企業の存在は欠かせない。新技術やビジネスモデルで新たな市場を築くことはリスクを伴い、大企業には取り組みづらい賭けだからだ。日本は2000年代に入り、国策として「大学発ベンチャー1000社計画」を進めるなど、ベンチャー育成に力を入れている。だが、数は増えてきたものの軌道に乗った会社は少ない。【河内敏康】  「収益が出るまでには時間がかかる。それは初めから説明していたのに……。資金を引き揚げられたら、やっていけるはずがない」。「夢の人工血液」を目指し02年に設立された関東地方のベンチャー企業。男性幹部(40)はこう言って肩を落とした。資金調達が厳しくなったため事業の継続を事実上断念し、他社への事業譲渡を進めている。大幅なリストラも実施したが、追いつかなかった。  大学での研究成果を基に、06年までにベンチャーキャピタル約40社から計40億円もの資金を集めた。ところが、なかなか製品化に結びつかないと見るや、一昨年以降、突然、資金を引き揚げる社が相次いだ。  ベンチャーキャピタルは、成長が見込まれる未上場会社の株を買う形で支援し、企業価値が高まった時点で株を売って利益を得る投資会社だ。彼ら自身も自分たちの生き残りをかけている。  医薬品の世界では、実用化される研究成果は極めて少ない。リスクが大きいだけに、資金はベンチャーキャピタルなどに頼ることになる。「ベンチャーキャピタルは近年、短期での収益にばかり目が向いている。これではイノベーションにつながるような技術のタネが、埋もれてしまうかもしれない。せめて初期段階までは国の助成が欲しい」と幹部はこぼす。    ◇   ◇  国の規制もバイオ部門では支障となる恐れがある。  再生医療製品メーカー「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)」(愛知県蒲郡市)。清潔に保たれた真っ白な培養室で、患者から取り出した表皮を増殖する作業が静かに進められている。切手大の表皮が2週間もすれば、たたみ1畳くらいの大きさにまでなるという。  J-TECは99年、名古屋大などの技術を基に設立された大学発ベンチャーだ。表皮や軟骨などを培養して増やし、重度のやけど患者などへの再生医療に利用することを目指している。昨年秋には自家培養した表皮の製造承認を、厚生労働省から国内で初めて取得した。海外では20年以上も前に同様の技術が商品化されているが、承認を受けるには準備期間も含め約10年かかった。  当初、国は製造承認に薬事法に基づく治験(臨床試験)は必要ないとの姿勢だった。患者自身の細胞を増やし、再び戻すだけだからだ。ところが、いざJ-TECが設立されると、安全面の懸念などから、国は治験の実施を要求してきたという。さらに設立から2年後、治験開始についても、安全性の評価を事前に確認する新たな関門が設けられた。  製造販売後に使用成績を調査し、製品を30年間保存しなければならないなど、新たなルールも作られた。  小沢洋介社長は「きちんとした産業化を進める上でも一定の規制は必要だが、海外では何をクリアしたら承認されるかというゴールが明確。越えなければならないバーが時間と共に高くなるようなことが日本で続けば、海外に流出するベンチャー企業が出てくる恐れがある」と指摘する。  ◇経営や渉外能力、人材育成も課題  大学発ベンチャーは、産官学による積極的な取り組みも加わり2000年ごろを境に急増した。06年度には1590社に達し、5年間で2.7倍に増えた。しかし、経営状況をみると、全体的に営業利益は赤字続きだ。06年度では、1社当たりの赤字額平均は4530万円。前年度に比べ、1000万円以上も増えている。  経済産業省の研究会が今年4月にまとめた報告書では、大学発ベンチャーの抱える大きな課題として、人材、資金、販路の三つを挙げている。製品化まで時間がかかるため経営面や技術面でリスクが高いことや、販路が限られ新たな開拓が難しいと分析している。  ベンチャー企業に詳しい小田切宏之・一橋大大学院教授(産業経済学)は「製品化までに時間がかかる業種のベンチャー企業にとって、銀行やベンチャーキャピタルから大きな出資を望むのは厳しい。大企業と連携することが重要になる。日本のベンチャーには、経営や渉外能力のある人材がまだ少ない。技術革新につなげるためにも、こうした人材の育成も必要だ」と話している。 "[he-forum 13317] 読売新聞5/17 読売新聞2008年5月17日付 [解説]東大大学院入試の不正 急拡大で学生争奪戦  ◆要約  ◇1990年代からの国の大学院重点化で、有力大学の大学院定員が急増した。 ◇学部を持たない研究科が増え、特に新しい研究室では学生集めに苦労している。  東京大で大学院入学試験の問題を受験生に漏らした准教授が懲戒解雇された。背景には大学院の急拡大がある。(科学部 杉森純)  東大の大学院は、現在15研究科96専攻あり、各専攻ごとに入試が行われる。複数の専攻を掛け持ち受験することもできる。  4月25日付で懲戒解雇となった浦川秀敏・元海洋研究所准教授(37)は、出題委員の1人だった2006年の新領域創成科学研究科の入試で、准教授を指導教員の第1志望にした受験生の携帯に「試験について」というメールを送り、電話してきた受験生に、「環境保護の国際的な取り決めについて勉強しておくように。京都議定書やラムサール条約のようなもの」などと、出題内容を伝えた。  試験は2日間かけて専門科目、英語、小論文、面接が行われた。受験者82人のうち56人が合格、46人が入学した。情報を聞いた複数の受験生は全員合格だった。  准教授は環境微生物が専門で、05年に東大の海洋研に赴任したばかり。指導する学生がまだおらず、「研究の発展のため、学生を採って一緒に研究したかった」と話したという。金銭の授受はなかった。  元々、大学院入試は、選抜より資質確認の要素が強かった。問題は学部の授業内容の確認に近いものも多く、合格者の大多数は内部進学者で、学部と同じ研究室に進む例が多かった。  しかし、こうした状況は、1990年代からの国の大学院重点化で大きく変化した。有力大学の大学院定員が急増し、学生を奪い合う状況さえ生まれている。  東大の場合、07年度の修士課程の入学定員は2747人で、重点化前の1990年度(1358人)の2倍以上。法曹養成などの専門職大学院の定員(445人)を合わせると、学部の入学定員(3053人)を上回る。入学者の過半数が他大学の出身者で、内輪の論理は通用しなくなった。  東大に限らず、学部を持たない独立の研究科も増えた。浦川准教授が協力講座教員となっていた新領域創成科学研究科もその一つで、新しい研究室の場合は学生集めに苦労も多い。  同研究科の教員の1人は「研究室を持った当初、2年連続で大学院生が入らなかった。学生を確保したいという気持ちは分かる」と漏らす。「問題を漏らすのは論外だが、准教授は以前の院試のイメージを持っていたのかもしれない」と指摘する教員もいる。  東大では、6年前に大学院入試で出題ミスがあったのを契機に、大学院入試でも複数の出題委員がミスをチェックし、さらに別の教員が確認する、学部入試並みの制度を導入した。皮肉なことに、こうした厳格化が入試問題を目にする教員の数を増やした。専攻ごとの教員数が少ないため、「2年に1度は、何らかの形で入試にかかわる」(東大准教授)という状態だ。  4月28日の懲戒処分発表の記者会見で、教育担当の岡村定矩(さだのり)理事は「基本は規律の問題。浦川准教授は東大に赴任して日が浅かった」と強調した。しかし、外部の目は格段に厳しくなっている。個人の問題に終わらせれば大学への信頼も揺るがしかねない。 "[he-forum 13318] 朝日新聞5/19 朝日新聞2008年5月19日付 〈学長力〉環境整え「放し飼い」 京都大学 尾池和夫総長  「西の雄」京都大の尾池和夫総長は、ひと味違うリーダーシップ論を展開する。さらに学生は「放し飼い」にするのがいいという。そのココロは何なのか。  ――「ボトムアップ型のリーダーシップ」を唱えていますが、矛盾していませんか。  「違和感はあるでしょうが、矛盾はしていません。京大の総長というのは一匹狼(おおかみ)の零細企業の団地の組合長のようなもの。こうやれ、というようなことを言えば総スカンを食う。だけど世の中はリーダーシップを求める。だからボトムアップというのを前につけたわけです」  ――具体的には。  「法人化の制度の中にはありませんが、学部長や研究所長ら数十人からなる部局長会議を非常に重視して、大事なことはすべてそこで議論する仕組みにしました。コーヒーや紅茶を飲みながら月1回、時間制限なしで徹底的に議論する。僕も自分が納得するまでは引きません」  ――それではスピードのある意思決定ができないのでは。  「研究というのはスピードが勝負ですから、京大の先生はその必要性はわかっている。一方で、あせらず、時間をかけてよく考えるのも大事です。じっくり取り組むがさぼらない、そういうスピードでなければいけないんですよ」  ――もともと国立大の法人化に反対していましたね。  「法人化自体ではなく、法人化の中で議論された、いろいろな仕組みに反対したんです。例えば競争の中で個性が輝く大学と言うから、それは矛盾すると言った。競争にはゴールがあるわけで、用意ドンを始めたとたんに個性はなくなってしまう。バットを振ったら、(一塁ではなく)三塁へ走り出すような人がいてもいい」  ――京大は「自由の学風」と言われますが、今の学生は放任するだけでは育たないのではないですか。  「だから放任ではなく、自由な放し飼いが大事なのです。10年も20年も手入れをして、自然の草がえさになるようにした場所に囲いをして鳥を放すと、健康なおいしい鳥が育つ。教育環境を整えることで、学生が持っている才能を精いっぱい引き出していきたい」  ――東大と何かと比べられますが、それぞれの強みは。  「東大には財務省がよくお金を出してくれるし、マスメディアでも何でも日本の人はみんな東大が一番だと思っている。それは有利ですよ。企業も大学に寄付するなら東大に出しておこうとなって、それらに乗っかって世界一になると言っている。うらやましいわ」  「一方、京大には世界一の先生がいっぱいいる。これはすごい財産です。例えば監督ばかりが目立っているチームもあれば、選手が目立って監督が誰かわからないチームもある。僕は後者の方が好きです。東大で今、誰が有名ですか? 京大だったら(万能細胞の)山中(伸弥)さんとかいろいろいるし、チンパンジーのアイちゃんもいる。いろんな人がいて、好きなことをやって、世界に向かってのびのびと活躍してくれる」  ――最近はそのような活力が失われつつあるのでは。  「法人化の悪影響はあるでしょう。でも、(キャンパスに)並べられた立て看板は日本の大学で一番見事。学生の活力はまだ大丈夫だと思うけどね」  ――法人化や学生気質が変わっていく中で、理想論的なやり方が通用するのでしょうか。  「通用させないといかん、という信念です。自由の学風が破れたら京大がなくなってもいいわ、ですね。実際には産学連携でも寄付でもよくやっているんです。私の方針をよしとする人が企業にもいっぱいいる」  「例えば事務局長を廃止して、役員が事務局をちゃんと掌握できるシステムにした。多くの大学ではできなかったことをリーダーシップを発揮してやりました。自然科学というのは原理を大事にする。僕は法人化の趣旨を一番実現しているのは京大だと思っているんですよ」(杉本潔)    ◇  京大理学部卒。03年12月、24代総長に。地震学者だが、句集や心筋梗塞(しんきんこうそく)の闘病記も出版。自らプロデュースした「総長カレー」は京大名物に。67歳。 "[he-forum 13319] 山陰中央新報5/20 山陰中央新報2008年5月20日付 島根大学がビビットカード導入  ボランティアやサークルなど課外活動に参加すると学生にポイントが与えられる「ビビットカード」の導入が本年度から、松江市西川津町の島根大で始まった。学生の自立心やコミュニケーション能力の育成を図るのが目的で、ポイントカードの導入は全国の大学では初めての試み。  カードは、単位の付かない課外活動に参加した学生にポイントを与え、ためたポイントを教科書や文房具などに交換できる仕組み。入学時、全学生に配り、課外活動をポイントで評価することで学生の意欲を向上させ、積極的な参加を促す。  対象は、イベントなどの街づくり活動や各種セミナーへの参加、資格取得、献血などさまざま。ポイント獲得には証明書が必要で、活動によりポイント数は異なる。  同大は、課外活動への参加が学生の視野を広げ、社会性や人間力が養われると重視していたが、積極的に取り組む学生は一部に限られていた。  コミュニケーション能力不足で就職時につまずく学生が多いこともあり、より多くの学生が参加し、積極性や主体性を身に付けてほしいと、アンケート調査などをもとにプログラムを組んだ。ユニークな取り組みとして、昨年度、文部科学省の学生支援プログラムに選定され、注目を集めている。  同大のマスコットキャラクター「ビビット」をあしらったカードにはICチップが組み込まれ、活動データを分析し、教育との相乗効果を検証する計画。担当者は、授業に取り組む姿勢も向上するのではないかと期待している。 "[he-forum 13320] 日本経済新聞5/20 法科大学院、社会人入学者3割切る・08年度 (日本経済新聞2008年5月20日付)  文部科学省は19日、2008年度の法科大学院(国公私立計74校)の入試実施状況をまとめた。入学者総数は5397人で、前年度に比べ5.5%の減少となった。このうち社会人入学者は12.3%減と二ケタのマイナスで、入学者全体に占める割合は29.8%と初めて3割を切った。  社会人入学者の減少は4年連続。多様な人材を法曹界に招き入れることを目的に創設された法科大学院だが、修了者の新司法試験の合格率が伸び悩む中で、思うように社会人を呼び込めていない現状が鮮明になった。 "[he-forum 13321] 朝日新聞5/20 朝日新聞2008年5月20日付 国立大授業料、私大並みに 財務省、5200億円捻出案  財務省は19日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、国立大学予算で授業料引き上げなどによって最大5200億円を捻出(ねんしゅつ)できるとの試案を発表した。生まれた財源を高度な研究や人材育成、奨学金の拡充に充てるべきだとの主張も盛り込んだ。国から国立大に配る運営費交付金(08年度予算で約1兆2千億円)の増額論議を牽制(けんせい)する狙いがあると見られる。  試案は、授業料を私立大並みに引き上げることで約2700億円、大学設置基準を超える教員費を削ることで約2500億円の財源を確保できるとしている。「義務教育ではないので、一般的な教育自体のコストを(税金で)補填(ほてん)することには慎重であるべきだ」とし、「高等教育の機会均等は、貸与奨学金での対応が適当」とした。  財政審の西室泰三会長は会合後の記者会見で、この提言を6月にまとめる意見書に採用することは否定したものの、教育を受ける機会を損なう恐れもあり、論議を呼びそうだ。西室氏は「国立大学の授業料は個別に決められるが、相変わらず横並びだ」と指摘し、各大学に自主判断で授業料を見直すよう求めた。  この日の財政審は、与党議員らから増額要求が強まっている教育、途上国援助(ODA)の予算について「財政状態からみて増やす状況にはない」との認識で一致。「11年度に基礎的財政収支を黒字化する政府目標の堅持が必要」との考え方を意見書に盛り込むことも決めた。 "[he-forum 13322] 信濃毎日新聞社説5/20 信濃毎日新聞社説2008年5月20日付 宇宙基本法案 政策転換に心配が募る  宇宙開発と防衛をめぐる日本の大本の政策が転換されようとしている。今の国会で成立見通しの「宇宙基本法案」によってである。  法案に対し、国民の関心は薄く、国会での論議も深まっていない。このままでは、将来に禍根を残さないか心配だ。  自民、公明、民主3党の共同で提出された。自衛隊独自の偵察衛星の開発、運用など宇宙の防衛利用を容認する内容である。  1969年に国会は、日本の宇宙開発は「平和目的に限る」とする決議を採択している。平和目的とは「非軍事」だと、解釈されてきた。  これを踏まえ、防衛目的の衛星打ち上げは禁止された。打ち上げられた情報収集衛星については、地上の物体を見極める能力が民間衛星並みとされている。  与党側は宇宙開発の範囲を「非軍事」から「非侵略」に拡大することが必要として昨年、法案を議員立法で提出した。参院選での自民党敗北から、法案の審議が進まなかった。  今回の法案では「憲法の平和主義の理念にのっとる」を加え、民主党が共同提案に同意した。  北朝鮮の核・ミサイルの脅威が高まった。産業界は防衛分野の需要拡大を目指す。そんな事情が追い風になっている。  問題点を指摘しておきたい。  第1は、基本法によって開かれる軍事面での利用が、とめどなく広がらないかという心配だ。  自衛隊が直接衛星を持ち、能力を高められる。将来のミサイル防衛に必要な早期警戒衛星を独自に持つことも可能になる。防衛には機密が付き物だ。「憲法の平和主義の理念」を掲げていても、国民に十分知らされないことが増えていきかねない。  2番目は、近隣諸国との緊張をかえって高める恐れだ。中国は昨年、自国の人工衛星破壊の実験に成功した。敵対国の軍事衛星をも攻撃する能力があることを示している。日本は軍事面の衛星開発競争で緊張を高めるよりも、平和利用の先頭に立ちたい。  3つ目には、平和利用の科学衛星との関係だ。日本は小惑星探査機や月周回衛星で成果を挙げてきた。防衛に傾斜を強めて科学探査をおろそかにすべきではない。  衆院では委員会審議はたった2時間で可決、本院も通過した。参院では論議を尽くし、国民の懸念を解消すべきだ。軍事面での利用拡大の独り歩きにどう歯止めをかけるのか、提案した3党はしっかり説明する責任がある。 "[he-forum 13323] 公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレターNO.4 公正な学長選考を求める裁判を支える会 ニュースレター NO.4    2008、5,19 ○ 任命取り消し請求へ!  すでにご存知のように、4月1日付けで相良氏が高知大学学長に任命されまし  た。文部科学省の良識に私たちがいだいていた一抹の「期待」はあっけなく裏  切られました。どうやら、日本の教育を統括する官庁は「ウソをついてはいけ  ない」という最低限の社会的ルールすらきちんと理解していないようです。  大学執行部は、これで一件落着としたいようです。しかし、ことはそれほど単  純ではありません。昨年来、無理矢理に無理を重ねてきた大学運営の終着点が  あの学長選考結果でした。そして、その重ねてきた無理の代償として,事務組  織・教員組織があらゆる部分で破綻し始めている現状となっているということ  は,誰の目にも明らかでしょう。  そうであるとすれば、相良氏の学長任命をうけて私たちのなすべきことははっ  きりしています。すなわち、この段階に至り、国を相手取っての行政訴訟は避  けて通れない課題となったということです。たしかに、行政訴訟はこれまで取  り組んできた民事訴訟や刑事告発より更に高いハードルです。しかし、現在私  たちの前で行われている不正に対し手をこまねいていて、学生に向かって真理  を説くことができるでしょうか。  それはできない!と私たちは考えます。 ○ 「上申」が何度も受け付けられなかったのは何故でしょうか?  ここで考えてみたいことがあります。今年2月28日に41票差のみを記載し  た「上申」が受け付けられましたが、それまでに実は何度も大学関係者は文部  科学省に相良氏を学長候補者として選考したという書類を持参しています。し  かし、その度に受け付けてもらえなかったということです。このことは大学側  自身が2月29日の第1回公判ですでに明らかにしています。 とすれば、なぜ、それまで受け付けてもらえなかったのでしょうか?持っていっ た書類にはどのように二つの票について記載されていたのでしょうか?あるいは、 文部科学省からは書類を受理するためにどのようなアドヴァイスがあったのでし ょうか?  そして、2月28日の上申書に添付されたとされる「業務監査実施報告書」な  る2月18日付けの文書が,2月27日に突然グループウェアのフォーラム上  に現れたのは何故なのでしょうか?これらの一連のやりとりの過程を明らかに  することが、今回の上申は虚偽記載ではないという大学側の主張と、大学から  上申があったのでそれを受理しそれに基づいて任命しただけだとする文部科学  省の主張を打ち破る手がかりになるでしょう。 ○ 雑誌JWに高知大学学長選考の記事が載っています    皆さんJW(ジュディシャル・ワールド)という雑誌(扱いは単行本のようで  す)をご存知でしょうか?実は取材依頼がくるまで私たちもよく知らなかった  のですが、「司法エンターテインメント雑誌」と銘打ったこの雑誌(発行元は  「リーダーズノート社」)の最新号(vol.3)に,高知大学の学長選考を巡る  問題が掲載されています。  タイトルは「泥沼化する国立大学 『学長選出』」(取材・文 富田充氏)で  すが、いくつもの国立大学の事例をあげているかと思いきや、取り上げられて  いるのは高知大学のみです。たしかに考えてみれば、多くの大学で学長選考を  巡って問題が起こりましたが、「泥沼化」しているのは高知大学くらいですか  ら。 そこでは、私たちの大学で起こった(起こりつつある)ことについて10ページ に渡って詳しく解説がなされています。法律雑誌ですので、国立大学法人法の孕 む問題を明らかにすることが中心ですが、法人法が規定する学長選考会議の功罪 に関し、きちんとした取材に基づいて本学の学長選考規則の問題点や実際の学長 選考でどのようなことが起こったのかなどについて、実名入りで分かり易く説明 が行われています。本会の代表や「公正な学長選考を求める会」あるいは学生の 会代表のコメントもきちんと収録されています。非常に残念なのは、大学側の最 高責任者が「係争中でもあること」を理由に相変わらず逃げの一手でなんのコメ ントも寄せていないことです。  同誌の記事の基本的な主張・スタンスは,高知大学という極めて特殊な事例の  中に法人法の問題点(選考会議の機能、「学長性善説」など)が集中的に現れ  ており、国立大学法人法の見直しの議論をきちんと行うべきではないかという  ことです。私たちもそのような議論の重要性をきちんと踏まえる必要があるで  しょう。他方、高知大学に固有の問題である、学長選考をめぐる不透明な事態  の真相究明と責任追及という当初からの目標を粘り強く追求していく必要があ  ると思います。  この号が編集されたときにはまだ、文部科学省による任命は行われておらず、  「本書が書店にならぶ4月下旬には、相良祐輔高知大学長が正式に決まってい  る可能性がある」と述べられています。結果は皆さんご存知の通りですが、続  けて、同誌は次のように述べます「しかし、学長選出手続きに違法性が疑われ  るからこそ、ことは告発や訴訟にまで発展している。それでも「任命」される  のなら、当の文科省には、高知大の係争をシロと見るだけの確信があるのだろ  う。」  その通り!私たちがこれから問わなければならないのはその「確信」には本当  に根拠があるのかということです。もし、何の根拠もなく任命行為が行われた  とすれば、その責任は重大です。そのような視点から,同誌の記事はこれまで  本学で起こったことに関する適切な解説であると同時に、今後の方向を考える  意味でも大いに参考になるものです。    これ以外の記事(「日本の知財戦略」など)も結構面白いので、定価700円  はお買い得と思います。生協などで「東国原知事」の表紙のJWを見かけたら  手に取ってみてください。(当会はもちろん一切の宣伝費はもらっていません。  ゴルフ接待もありません。念のため) 5月30日〔金〕 第3回口頭弁論 11:00~ "[he-forum 13324] 室蘭民報5/21 室蘭民報2008年5月21日付 室蘭工大が4学科に再編成、少人数教育充実めざす  室蘭工業大学(松岡健一学長)は20日、平成21年度入試から、学科を6学科から4学科に再編すると発表した。同大が組織を再編するのは18年ぶり。少人数による教育を充実させるため4学科に12コースを設ける。教員は共通性の高い分野ごとに4領域に分けることで研究の効率をアップさせる。  学科は現行の6学科を建築・社会基盤、機械・航空宇宙・材料工学、応用理化学、情報・電子工学の4学科に再編する、2年次からはコースごとの教育となる。航空宇宙システム工学コースは大学院まで継続して学ぶことができ、人材育成に役立ちそうだ。  大学院は博士前期課程は9専攻を7専攻14コース、同後期課程は4専攻を5専攻にそれぞれ再編させる。各学科ごとに所属している教員については「くらし環境」「もの創造」「しくみ情報」「ひと文化」の4領域に所属してもらう。  定員は大学が560人、大学院は前期198人、後期24人で変わらない。  松岡学長は再編の視点として、効率よい実践を目指した教育研究体制の構築、学士課程から大学院まで連続した教育体系づくり―などを挙げ、「大学の個性化と特徴化を進めるための組織改革。少子化の影響や工学離れもある」と大幅な再編の理由を説明した。 (佐藤重伸) "[he-forum 13324] 室蘭民報5/21 室蘭民報2008年5月21日付 室蘭工大が4学科に再編成、少人数教育充実めざす  室蘭工業大学(松岡健一学長)は20日、平成21年度入試から、学科を6学科から4学科に再編すると発表した。同大が組織を再編するのは18年ぶり。少人数による教育を充実させるため4学科に12コースを設ける。教員は共通性の高い分野ごとに4領域に分けることで研究の効率をアップさせる。  学科は現行の6学科を建築・社会基盤、機械・航空宇宙・材料工学、応用理化学、情報・電子工学の4学科に再編する、2年次からはコースごとの教育となる。航空宇宙システム工学コースは大学院まで継続して学ぶことができ、人材育成に役立ちそうだ。  大学院は博士前期課程は9専攻を7専攻14コース、同後期課程は4専攻を5専攻にそれぞれ再編させる。各学科ごとに所属している教員については「くらし環境」「もの創造」「しくみ情報」「ひと文化」の4領域に所属してもらう。  定員は大学が560人、大学院は前期198人、後期24人で変わらない。  松岡学長は再編の視点として、効率よい実践を目指した教育研究体制の構築、学士課程から大学院まで連続した教育体系づくり―などを挙げ、「大学の個性化と特徴化を進めるための組織改革。少子化の影響や工学離れもある」と大幅な再編の理由を説明した。 (佐藤重伸) "[he-forum 13325] 毎日新聞新潟5/21 毎日新聞山形版2008年5月21日付 山形大:未来基金、目標10億円 達成は166年後? ◇開始2カ月で集まった額は100万円程度  目標達成は166年後?--。山形大学が今年度始めた「山形大学未来基金」で、結城章夫学長は20日の会見で「(大学OBなどから募る)寄付金の目標額は10億円」との構想を掲げた。だが開始約2カ月で集まった額は「100万円を超す程度」(結城学長)。このペースなら目標達成は2000カ月=約166年後になる計算だ。  基金は山形大独自の返還不要の奨学金の財源として創設。大学OBや在校生の親、県内企業などに1口1000円以上で寄付を募っている。  しかし、3月上旬から5月下旬にかけ集まった金額は約100万円。制度発足から2カ月以上過ぎた5月20日現在も、大学ホームページのトップページには、寄付呼び掛けの文言すら載っていない。  結城学長は「10億円あれば、年間1000万円の利息だけで奨学制度を回せる。目標達成は、5年かかるか10年かかるか分からないが、広く薄く集めたい」と意欲的だが、実現には余程の営業努力が求められそうだ。  奨学金は年間720万円必要で、当面は学長予算から出す。【大久保渉】 "[he-forum 13325] 毎日新聞新潟5/21 毎日新聞山形版2008年5月21日付 山形大:未来基金、目標10億円 達成は166年後? ◇開始2カ月で集まった額は100万円程度  目標達成は166年後?--。山形大学が今年度始めた「山形大学未来基金」で、結城章夫学長は20日の会見で「(大学OBなどから募る)寄付金の目標額は10億円」との構想を掲げた。だが開始約2カ月で集まった額は「100万円を超す程度」(結城学長)。このペースなら目標達成は2000カ月=約166年後になる計算だ。  基金は山形大独自の返還不要の奨学金の財源として創設。大学OBや在校生の親、県内企業などに1口1000円以上で寄付を募っている。  しかし、3月上旬から5月下旬にかけ集まった金額は約100万円。制度発足から2カ月以上過ぎた5月20日現在も、大学ホームページのトップページには、寄付呼び掛けの文言すら載っていない。  結城学長は「10億円あれば、年間1000万円の利息だけで奨学制度を回せる。目標達成は、5年かかるか10年かかるか分からないが、広く薄く集めたい」と意欲的だが、実現には余程の営業努力が求められそうだ。  奨学金は年間720万円必要で、当面は学長予算から出す。【大久保渉】 "Stop being a loser","Burst onto the scene with your new augmented male package and win all female hearts! Enable your love tool to work real wonders in bed! Dow was losing 13 percent, the Soros Fund was up 31.2 percent.he realized that life as an investor was just not enough to satisfy him.was attracting attention. Few had any doubts that he was destined ","Charlene Worley","Charlene@gardendesignco.co.uk","SMTP","Cassandra Gorman","fmorito@zendaikyo.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 13326] 読売新聞5/21 読売新聞2008年5月21日付 充実 北大の「南極学」  未来の優れた極地研究者を養成しようと、北海道大が全国で初めて「南極学」コースを開設し、今年度で2年目を迎えた。海外の大学と連携して、国際的に活躍できる人材の育成に力を入れている。  3月上旬、サロマ湖で行われた南極学コースの「海氷実習」。参加者は10日間、オホーツク海から流れ込んだ海水が凍る湖面の上で、氷柱を掘って内部を分析したり、氷柱を薄く切る技術を学んだりした。  「南極や北極まで出向くのは大変。でも汽水湖のサロマ湖なら、『海氷に近い氷』で安全に実習できる」。指導にあたる青木茂・北大准教授(41)はこう強調する。実習には豪タスマニア大の学生2人も参加した。  今月16日からは、別の学生と教員計4人が、米アラスカ大の協力で、北極海で海氷実習を行っている。  地球温暖化の防止が世界共通の課題となり、南極や北極への関心も高まっている。極地での研究は、各国の協力が欠かせないため、2006年7月、米、英、豪など12か国の大学が国際南極大学(IAI)を設立した。日本からは、寒冷地の雪氷や生物を研究する低温科学研究所を持ち、100人近い南極越冬隊員を輩出している北大が参加した。  各大学は南極学のカリキュラムを設け、互いの学生が受講できる。北大は昨年4月、大学院にIAI認定の南極学コースを開設。通常の修士課程から独立した少人数の特別プログラムで、昨年度は3人が南極学の修了証書を受けた。今年も3、4人が修了を目指している。  昨年9月にはスイス連邦工科大の協力でアルプス・ローヌ氷河で、氷河がゆっくりと解けて、1週間に数センチほど下方に流れる動きを全地球測位システム(GPS)を使って観測した。  参加した末松耕平さん(27)は「実際のフィールドで南極観測隊に参加した先生や海外の研究者から直接指導を受けられるのは魅力」と話す。  国際感覚を身につけるため、今年2月にはスイス連邦工科大とタスマニア大の教授を北大に招き、英語による集中講義が行われた。  青木准教授は「南極と北極は地球環境の異変が最初に表れる。こうした変化を社会に正しく伝えていく若手研究者を育てたい」と話している。(瀬畠義孝) "[he-forum 13326] 読売新聞5/21 読売新聞2008年5月21日付 充実 北大の「南極学」  未来の優れた極地研究者を養成しようと、北海道大が全国で初めて「南極学」コースを開設し、今年度で2年目を迎えた。海外の大学と連携して、国際的に活躍できる人材の育成に力を入れている。  3月上旬、サロマ湖で行われた南極学コースの「海氷実習」。参加者は10日間、オホーツク海から流れ込んだ海水が凍る湖面の上で、氷柱を掘って内部を分析したり、氷柱を薄く切る技術を学んだりした。  「南極や北極まで出向くのは大変。でも汽水湖のサロマ湖なら、『海氷に近い氷』で安全に実習できる」。指導にあたる青木茂・北大准教授(41)はこう強調する。実習には豪タスマニア大の学生2人も参加した。  今月16日からは、別の学生と教員計4人が、米アラスカ大の協力で、北極海で海氷実習を行っている。  地球温暖化の防止が世界共通の課題となり、南極や北極への関心も高まっている。極地での研究は、各国の協力が欠かせないため、2006年7月、米、英、豪など12か国の大学が国際南極大学(IAI)を設立した。日本からは、寒冷地の雪氷や生物を研究する低温科学研究所を持ち、100人近い南極越冬隊員を輩出している北大が参加した。  各大学は南極学のカリキュラムを設け、互いの学生が受講できる。北大は昨年4月、大学院にIAI認定の南極学コースを開設。通常の修士課程から独立した少人数の特別プログラムで、昨年度は3人が南極学の修了証書を受けた。今年も3、4人が修了を目指している。  昨年9月にはスイス連邦工科大の協力でアルプス・ローヌ氷河で、氷河がゆっくりと解けて、1週間に数センチほど下方に流れる動きを全地球測位システム(GPS)を使って観測した。  参加した末松耕平さん(27)は「実際のフィールドで南極観測隊に参加した先生や海外の研究者から直接指導を受けられるのは魅力」と話す。  国際感覚を身につけるため、今年2月にはスイス連邦工科大とタスマニア大の教授を北大に招き、英語による集中講義が行われた。  青木准教授は「南極と北極は地球環境の異変が最初に表れる。こうした変化を社会に正しく伝えていく若手研究者を育てたい」と話している。(瀬畠義孝) "[he-forum 13327] 長崎新聞5/21 長崎新聞2008年5月21日付 ダイオキシン無害化へ 産学官連携の技術研究会発足  県内などの産学官が連携してごみ焼却灰に含まれるダイオキシンの無害化を目指す「汚染土壌等無害化技術研究会」の設立総会が二十日、佐世保市鹿子前町の九十九島観光ホテルで開かれた。同技術の実用化例はほとんどなく、成功すれば環境保全に大きく役立つとしている。  研究会は石橋康弘長崎総合科学大教授が代表幹事を務め、長崎大、熊本県立大、環境工学コンサルト会社のソイック(佐世保市)、松浦、西海、佐世保の各市などで構成。  三市を除く構成員でつくるグループがこれまで、ダイオキシンから塩素を取り除き無害化する処理剤の開発に成功。ごみ焼却灰を埋め立てている処分場で効果を実証し実用化につなげるため、処分場を持つ三市を加え研究会を発足させた。  現在、県内には自治体が運営する二十六の一般廃棄物焼却施設があり、焼却灰は二十八の最終処分場に埋め立てている。  焼却灰に含まれるダイオキシンの基準値は二〇〇二年十二月に設定されたが、研究会は「設定以前に埋められた焼却灰には基準を超えるダイオキシンが含まれている可能性があり、土壌から河川に流れ出す恐れがある」と指摘。総会では石橋代表幹事が「できるだけ無害化して地域に貢献したい」とあいさつした。  活動は来年度まで。本年度は実験用の無害化装置を作製し松浦市の最終処分場で稼働させ結果を分析する。事業費は約二千万円で、県の産炭地域活性化基金などの交付を申請している。来年度は実用装置を作り、三市のいずれかの処分場で試験をする予定。  ソイックの山内秀利社長は「高濃度のダイオキシンにも対応できるよう処理剤を改良し、相性の良い装置を開発することが課題」としている。 "[he-forum 13327] 長崎新聞5/21 長崎新聞2008年5月21日付 ダイオキシン無害化へ 産学官連携の技術研究会発足  県内などの産学官が連携してごみ焼却灰に含まれるダイオキシンの無害化を目指す「汚染土壌等無害化技術研究会」の設立総会が二十日、佐世保市鹿子前町の九十九島観光ホテルで開かれた。同技術の実用化例はほとんどなく、成功すれば環境保全に大きく役立つとしている。  研究会は石橋康弘長崎総合科学大教授が代表幹事を務め、長崎大、熊本県立大、環境工学コンサルト会社のソイック(佐世保市)、松浦、西海、佐世保の各市などで構成。  三市を除く構成員でつくるグループがこれまで、ダイオキシンから塩素を取り除き無害化する処理剤の開発に成功。ごみ焼却灰を埋め立てている処分場で効果を実証し実用化につなげるため、処分場を持つ三市を加え研究会を発足させた。  現在、県内には自治体が運営する二十六の一般廃棄物焼却施設があり、焼却灰は二十八の最終処分場に埋め立てている。  焼却灰に含まれるダイオキシンの基準値は二〇〇二年十二月に設定されたが、研究会は「設定以前に埋められた焼却灰には基準を超えるダイオキシンが含まれている可能性があり、土壌から河川に流れ出す恐れがある」と指摘。総会では石橋代表幹事が「できるだけ無害化して地域に貢献したい」とあいさつした。  活動は来年度まで。本年度は実験用の無害化装置を作製し松浦市の最終処分場で稼働させ結果を分析する。事業費は約二千万円で、県の産炭地域活性化基金などの交付を申請している。来年度は実用装置を作り、三市のいずれかの処分場で試験をする予定。  ソイックの山内秀利社長は「高濃度のダイオキシンにも対応できるよう処理剤を改良し、相性の良い装置を開発することが課題」としている。 "[he-forum 13328] 共同通信5/21 共同通信2008年5月21日01時09分 筑波大と早大が包括協定・医学と理工学兼備の人材育成  筑波大(茨城県つくば市)と早稲田大(東京都新宿区)は20日、医学と理工学両分野の専門的な知識を身に付けた人材の育成などを目的に、教育・研究活動で交流、連携を推進する包括協定を結んだ。今後、具体的な取り組みをまとめ、来年度以降に順次実施する。  協定で、筑波大の医学分野と早稲田大の理工学分野の学士課程を8年間かけて履修し、双方の学士号を取得できる制度を導入。理工学に精通した医師や、医学的知識を備えた理工学研究者の養成を目指す。  このほか、古代オリエント研究やロボット研究などでも連携。共同研究の推進や図書館の共同利用、海外拠点の相互活用なども検討する。  東京都内で記者会見した筑波大の岩崎洋一学長は「法人化した国立大にとって、大学運営について私学から学ぶことは多い」と指摘。早稲田大の白井克彦総長も「国立と私立という形態を超えた連携で、日本の高等教育の新たな挑戦になる」と話した。 "[he-forum 13329] 長崎新聞5/22 長崎新聞2008年5月22日 11社中、黒字は1社 県大学発ベンチャー事業開始5年  県が、世界に通用するベンチャー企業育成を目指して始めた「県大学等発ベンチャー創出事業」は、事業開始から五年が経過した。新設の大学発ベンチャー企業などを対象に一億円や一千万円の大型助成をする制度が高い注目を集めたが、支援企業に選ばれた十一社のうち、成果指標に掲げる黒字化を達成したのは一社だけ。株式公開企業の誕生も目指したが、まだ公開した企業はなく、ベンチャー企業育成の試行錯誤が続いている。  「大学等発ベンチャー創出事業」は、投資を含む一億円の資金支援のほか、専属の創業支援人材を配置するなどして、大学などの高度な研究成果を新しい産業創出に結び付けるのが狙い。「産業振興の起爆剤」(県産業振興財団)という触れ込みで二〇〇三年度にスタート。一億円枠の支援先に三社、一千万円枠には八社を選定。県企業振興・立地推進本部によると、〇七年度までに総事業費は約五億円に上っている。  事業の目玉で株式公開を目指す一億円枠には、半導体分野やライフサイエンス分野で長崎総合科学大や県立長崎シーボルト大(現県立大)、長崎大のベンチャー企業が選ばれた。採択当時、ベンチャー企業経営者からは「早ければ五年を目標に上場したい」との強い意欲も聞かれたが、一億円枠のベンチャー企業で株式を公開した企業はなく、黒字化を達成した企業も出ていないのが現状。中には開発商品の売上高が当初目標に大きく届かない社もある。黒字化は一千万円枠の一社が達成しただけ。  ベンチャー企業育成は「県元気ベンチャー創出事業」に名称を変え、事業を継続してきた。しかし、〇七年度の県政策評価委員会は同事業について「最終的な目標の株式公開は、社会・経済状況の変化を見ながら妥当性を考える必要がある」と成果指標の設定に疑問を投げかけた。ベンチャーをもてはやした時代の変化が、微妙な影を落とす。  県企業振興・立地推進本部は「資金調達、人材不足など課題はさまざま。ベンチャー企業は産業構造の多様化に貢献しているので、全社成功を目指し、支援を続けたい」と事業の意義を強調している。 "[he-forum 13330] 読売新聞5/22 読売新聞2008年5月22日付 法科大学院、10校で定員減を検討 授業料収入より「質」確保  2004年4月にスタートした全国74校の法科大学院のうち少なくとも10校が、定員減を検討していることが読売新聞の聞き取り調査でわかった。  福岡大は22日、全国で初めて20人の定員減を文部科学省に届け出る。法科大学院が乱立気味で定員割れが相次いでいることに加え、昨年の新司法試験の合格率が全体で4割と低迷していることが背景にある。各校が水準低下を防ぐため、授業料収入減を覚悟で少人数教育を選択せざるを得ない状況だ。  調査は先月下旬~今月上旬に実施。姫路独協大と愛知大を除く72校から回答があった。  福岡大は来年度から1学年の定員を50人から30人に変更する。同大の昨年の新司法試験合格者は6人で、定員の12%。今年度入試では、追加合格者を含めた入学者は定員より15人少ない35人だった。山下義昭院長は「少人数教育で、今より多くの法律家を輩出したい」と話す。  また、関東地区と関西地区の2校がそれぞれ調査に対し、匿名を条件に定員減を具体的に検討中と回答したほか、学習院大や神戸学院大、中京大など計7校が、具体的ではないが定員減を検討していると回答した。  複数の大学院関係者は「目先の授業料収入より、優秀な学生の確保を優先しなければ生き残れない」と話した。 "[he-forum 13331] 時事通信5/20 時事通信2008年5月20日18時01分 教育予算、GDP比5%に拡大を=再生懇が緊急提言  政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は20日、政府が近く閣議決定する予定の教育振興基本計画に関し、教育への財政支出を現状の国内総生産(GDP)比3.5%から同5%に拡大することなどを柱とする緊急提言を公表した。  提言は「わが国の教育レベルの低下が現実のものとなりつつある」と指摘。教育投資の具体的な数値目標を同計画に明記するよう求めた。同懇談会の安西座長は記者会見で、「現在日本の教育は曲がり角にあり、教育投資の充実は待ったなしだ」と強調した。 "[he-forum 13332] 時事通信5/21 時事通信2008年5月21日11時48分 宇宙基本法が成立=軍事利用を解禁  自衛権の範囲内で宇宙の軍事利用を可能にする宇宙基本法が21日午前の参院本会議で、自民、公明、民主各党などの賛成多数で可決、成立した。基本法は、宇宙開発に関する従来の原則を転換するもので、ミサイル防衛(MD)に使用する高性能の早期警戒衛星導入などに道が開かれる。公布から3カ月以内に施行される。  共産、社民両党は「宇宙の軍事利用は認められない」として、採決で反対した。  基本法は、「宇宙開発は憲法の平和主義の理念にのっとり行われる」とした上で、その目的として(1)人間の生存と生活に対する脅威の除去(2)国際社会の平和と安全の確保(3)日本の安全保障に資する宇宙開発利用の推進-の3点を明記した。 "[he-forum 13333] 中国新聞社説5/22 中国新聞社説2008年5月22日付 宇宙基本法成立 軍事利用にどう歯止め  宇宙空間の防衛利用に積極的に道を開く宇宙基本法が成立した。従来の「平和目的」から「安全保障」へとかじを切る宇宙政策の大転換である。自民、公明、民主の共同提案による議員立法だ。今後どう運用されていくのか、監視の目を光らせたい。  「平和の目的に限る」を原則としてきたのは、一九六九年の国会決議からである。宇宙の開発利用を「非軍事」に限定すると政府は説明してきた。  これに先立つ六七年に国連の宇宙条約を批准。この条約は平和利用を定めた内容だが、「非侵略」の範囲で軍事利用も認めているため、多くの国が軍事衛星を打ち上げてきた。宇宙基本法は、いわば「非軍事」のハードルを「非侵略」にまで下げ、世界の大勢に足並みをそろえようとするものだ。  従来、平和利用が何より大切という姿勢だった。新法にも「憲法の平和主義の理念にのっとる」という文言は盛り込まれている。ただ、注目しなければならないのは「日本の安全保障に資する」と位置づけたことである。  宇宙政策の原則が、時代の変化につれて変容してきたのも事実だ。八〇年代、政府は「社会で一般化した技術なら」という名目で、自衛隊が米国の軍事用通信衛星を利用できるようにした。九〇年代になると、北朝鮮による弾道ミサイル発射を背景に情報収集衛星を導入。それでも、解像能力は商業衛星並みに抑えてきた。  つまり「平和目的」という理由で一定の制約をかけてきたわけだ。これに対し、新法の狙いは、米国頼みの衛星情報から、より精度の高い自前の情報収集への転換にある。「安全保障」の文言を入れることで制約を取り払い、「軍事利用」に道を開いたわけだ。  これからは解像能力の高い情報収集衛星や、弾道ミサイル発射を探知する早期警戒衛星の導入などが可能になるという。だが、例えば、ほかの衛星を攻撃する衛星はどうなるのだろう。防衛利用をどこまで認めるべきか、歯止めの論議が不可欠である。  宇宙から情報を得ることの必要性について否定する国民はいないだろう。しかし、法整備を宇宙への兵器配備の入り口としてはならない。新法では宇宙政策を総合的に推進するため、首相を本部長とする「宇宙開発戦略本部」の設置などを盛り込んでいる。専守防衛としてどこまでを認めるのか、基本計画づくりの段階で国民がチェック機能を働かせたい。  宇宙産業振興も柱の一つになっている。企業化への優遇策や国際競争力の強化をうたう。確かに技術開発の推進力にはなるだろう。しかし、開発に防衛目的が絡めば透明性が失われ、産軍癒着の恐れもある。平和目的で築いてきた小惑星探査機や月周回衛星などの宇宙技術も伸ばしていくべきだ。  被爆者団体も、宇宙を際限のない「戦場」にすることには憤りと懸念を表明、防衛利用に抗議の声を上げている。宇宙の軍事化をなし崩し的に進めてはならない。 "[he-forum 13334] 朝日新聞社説5/22 朝日新聞社説2008年5月22日 宇宙基本法―軍事には明確な原則を  衆参両院合わせて、国会での実質的な審議はたった4時間。日本が宇宙を軍事利用することに堂々と道を開く宇宙基本法が成立した。  宇宙利用については、平和目的に限るとした69年の国会決議に基づき、「非軍事」が原則だった。だが、基本法は「我が国の安全保障に資する」と付け加えることで、軍事目的にも使っていく方向へ転換させた。  すでに自衛隊は、事実上の偵察衛星である多目的の情報収集衛星を利用してきた。今後は、偵察衛星を持ち、ミサイル発射を監視する早期警戒衛星の保有の道も法的には開ける。  たしかに宇宙技術は40年前とは様変わりだ。だからといって、大原則の変更なのに議論が尽くされなかったのは極めて遺憾だ。与党と民主党が政策合意を目指すのはいいが、広く国民的な議論を巻き起こす努力もせぬまま、数さえ整えば採決してしまうというのは乱暴ではないか。  基本法の運用にはいくつもの課題と懸念がある。  第1条に「憲法の平和主義の理念を踏まえて」とうたっているものの、では何をすることが日本の安全保障に資するのか否かがはっきりしない。  ならば、今後の関連法案づくりなどの機会や審議を通じて、以下のような原則を明確にせねばならない。  攻撃兵器を宇宙に配備するのは専守防衛の憲法原則に反する。衛星を攻撃したり、衛星から地上を攻撃したりといったことは論外である。さらに、国際的な緊張を高めたり、軍拡を誘発したりすることがあってはならない。  たとえば、日本を敵視し、国際ルールを無視して核兵器を開発する北朝鮮の動向を探るためなら、今の情報収集衛星より性能の高いものを持つことに国民の理解は得られるかもしれない。  だが、中国やロシアを想定した将来のミサイル防衛構想に日本の衛星が組み込まれるとなれば、話は違う。東アジアや世界の緊張を高め、軍拡競争の引き金になりかねない。こうした役割を日本が担っていいはずがない。  イランの脅威などを理由に欧州にミサイル防衛網を配備しようという米国の計画が、ロシアの激しい反発を呼んでいることにも学ぶべきだろう。  もっとも大事なのは、現実感覚を失わないことだ。高い偵察能力は抑止力だという理屈もあろうが、早期警戒衛星のような巨費を要するシステムを持つ必要があるとはとても思えない。米国との賢明な役割分担という視点からも考えるべきだ。  また、安全保障の名の下に透明性が曇っては、日本の宇宙開発全体がゆがんでしまうことにもなりかねない。  国会は、具体的な利用方法をめぐって妥当性をきちんと吟味し、原則を確立していく責任がある。 "[he-forum 13335] 京都新聞5/24 京都新聞2008年5月24日付 京大の新総長に松本氏 研究所長出身で初  京都大は23日、次期(第25代)総長に、研究・財務担当理事の松本紘(ひろし)副学長(65)を選んだ。任期は10月1日から6年間で、再選はない。教育研究における国境を越えた大学間の激しい競争や、「地盤沈下」が指摘される京都、関西の現状の中で、「自由の学風」など京大らしさを生かした大学運営が課題となる。  尾池和夫総長(67)の任期満了に伴う法人化後、初めての総長選考。学内の部局代表や学外委員などで構成する総長選考会議が、教職員による投票で過半数を得た松本副学長から、この日あらためて抱負を聞き、満場一致で次期総長に選んだ。  松本副学長は京大工学部卒。同助手などを経て1987年から超高層電波研究センター教授。センター長、生存圏研究所長などを歴任し、2005年10月から現職。専門は宇宙プラズマ物理学で宇宙太陽発電研究の第一人者として知られる。  理事として産学連携や競争的研究資金の獲得、知財の確立などを推進、昨年からはiPS細胞研究の基盤整備も担当し、iPS研究センター設立の中心となった。  学部・研究科長ではなく研究所長出身の総長は、京大111年の歴史で初めて。  選出後の会見で松本副学長は「自由の学風、自学自修など京大の伝統を守りつつ、革新と創造で元気の出せる大学にしたい」と抱負を述べた。 "[he-forum 13336] 時事通信5/25 時事通信2008年05月25日14時48分 社会人入学3割切る=法科大学院  2008年度の法科大学院入試で、国公私立全74校の社会人入学者が前年度比12.2%減の計1609人となり、入学者全体の29.8%にとどまることが、文部科学省の調査で25日までに分かった。社会人の割合の減少は4年連続で、3割を切ったのは初めて。  文科省は「法科大学院修了者が対象の新司法試験は合格率が下がっており、職を持つ人たちが入学をためらう要因になっているのでは」(専門教育課)とみている。   全入学者を出身学部別でみると、法学部以外が同5.3%減の1410人。全体に占める割合は26.1%で、過去最低だった昨年とほぼ同水準だった。  法科大学院志願者の総数は同12.5%減の3万9555人。募集人員に対する倍率は、前年度の約7.8倍から約6.8倍に下がった。  同省は、法曹界に多様な人材を受け入れるため、法科大学院に社会人や他学部出身者の入学割合が3割以上となるよう努力目標を課している。新司法試験の合格率は、初年度の06年度が48.3%、07年度が40.1%だった。 "[he-forum 13337] 静岡新聞5/24 静岡新聞2008年5月24日付 産学官連携を強化 しみず新産業開発振興機構  しみず新産業開発振興機構(理事長・杉山公一清水商工会議所会頭)は23日、静岡市清水区のマナーハウスエリザベートで本年度総会を開いた。新産業創出や新商品開発に向け、県や市をはじめ、静岡大、県立大、東海大などとの産学官連携を強力に進める方針などを決めた。  同振興機構は2001年に設立し、会員企業は同市清水区を中心に77社。総会に出席した市内の産学官の関係者ら約80人を前に、杉山理事長が「互いのきずなを深めて研究開発を行い、地域産業の発展につなげてほしい」とあいさつした。  本年度の事業計画として、昨年に引き続き組織強化と会員事業所の支援、研究会の積極運営、新プロジェクトへの協力などを推進するとともに、知財管理運営会社の設立準備を行うことを報告した。  このほか、県立静岡がんセンターの山口建総長が「県民のための産学連携を目指して」と題して記念講演した。 "[he-forum 13338] 毎日新聞5/24 毎日新聞2008年5月24日付 東大:産学連携でキャラクタービジネスを学問化 30日に公開講座も  東京大学大学院情報学環は、アニメ制作などのファンワークス(東京都渋谷区)などとキャラクタービジネスに関連した産学連携の「キャラビズ研究プロジェクト」を始める。30日にはスタートを記念して、プロジェクトの概要を説明する公開講座も開催する。  これまでにアニメや映画ビジネスの講座を開いてきた同学環の新しいプロジェクト。キャラクタービジネスの分野は、ノウハウなどがいまだ形式化されていないため、実務者に依存する部分が多くなっており、オープン化してより発展させるために学問として形式化していこうというもの。ファン社のほか、玩具メーカーのバンダイと、キャラクターライセンスビジネスに関する情報を発信する専門サイト「キャラビズドットコム」を運営するキャラクター・データバンク社が参加する。  30日には「キャラクターライセンシングビジネスの挑戦:キャラビズにイノベーションは起きるか」と題して、プロジェクトの概要を説明しながら、現在企画中のプログラムを紹介する公開講座を開く。プロジェクトの代表世話人で、同大の七丈直弘准教授らが登壇する予定。午後6時半から東京大学本郷キャンパスで。入場は無料だが、事前登録が必要。詳しくは同プロジェクトのサイトまで。【渡辺圭】 "[he-forum 13339] 毎日新聞5/26 毎日新聞2008年5月26日付 新教育の森:教育振興基本計画 予算増の数値目標、明記したい文科省  ◇財務省は反論書出し対抗  今後5~10年の教育政策の方向性を示す政府の教育振興基本計画。教育投資などの数値目標が盛り込まれるかが焦点となっており、閣議決定を前に文部科学省と財務省の攻防が激化している。【加藤隆寛】  ◆GDP比低い日本  「ずいぶん挑発的な副題じゃないか。我々の政策がウソに基づいているとでも言うのか」。文科省幹部が一通のリポートのページを繰りながら顔をしかめた。副題は「事実に基づいた教育政策のために」。財務省主計局が今月12日、「日本の教育予算は諸外国より劣る」と主張する文科省へ対抗するために公表した「反論書」だ。  文科省は基本計画に「今後10年で、教育予算の対国内総生産(GDP)比を現在の3・5%から5・0%を上回る水準に引き上げる」「5年間で教職員定数を2万5000人増やす」と記載することを目指している。  日本はGDP492兆円に対し、教育支出は17・2兆円(04年)で、GDP比3・5%。経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均は5%で遠く及ばない。渡海紀三朗文科相はGDP比の目標を掲げる理由について、「国力であるGDPを国家としてどんな政策選択に向けていくかを示す値だ」と説明する。  ◆閣議決定で優遇期待  この目標の実現には、約7兆4000億円の財源が必要になる。緊縮財政の下では、予算獲得は容易ではない。しかし、基本計画は閣議で決定される。閣議決定された数値目標には一定の重みがあり、財務省との予算折衝で文科省が優位に立つことが可能となるとの思いがある。  例えば、06年3月に閣議決定された科学技術基本計画は研究開発投資目標を「5年間で25兆円」と明記した。文科省幹部は「閣議決定された基本計画があることで、科学技術関係の予算が一部優遇されているのは事実だ」と話す。  ◆互いに主張譲らず  文科省の思惑にくぎを刺すように、財務省の反論書は自作のデータを示し、「日本も他国並みに教育に金をかけている」「金をかければ教育が改善するわけではない。教育は質が重要だ」などと主張した。基本計画について「投資目標ではなく、学力水準や規範意識をどの程度向上させるのかなどの『成果指標』を掲げるべきだ」と突き放した。  日本で国と地方が支出する予算の合計はGDP比37・2%で、OECD平均の42・1%に比べて少ない。少子化も進んでいる。反論書はこうした条件の違いを示した上で、「生徒1人当たりの教育支出を国民1人当たりのGDPで割ると、日本は20・9%で、主要先進国(21・4%)とそん色ない」と主張する。  ただ、この指摘には、からくりもありそうだ。「主要先進国」とは米国、イギリス、ドイツ、フランスに日本を加えた5カ国を指す。このうち、GDP比でみた全教育支出がOECD平均を上回るのは米仏だけ。アイスランドやデンマーク、スウェーデンなど、GDP比でみた支出が上位の国は除かれている。データ不足の4カ国を除く26カ国のOECD平均値は22・1%だ。  生徒1人当たりの教育支出を国民1人当たりのGDPで割るという計算法について、財務省は「為替レートの影響を排除するためだ。単純に全教育支出を生徒数で割った1人当たりの額で比較しても、為替レートの影響を排除できず、正確に比較できない」と説明する。これに対し、文科省の担当者は「あまり意味のある数値と思えない」と疑問を示す。  両省の議論について、渡海文科相は20日の会見で「お互いが自分の主張をしているだけで、まともにぶつかってないんじゃないかという気がする」と話した。  福田康夫首相は4月30日の会見で、道路特定財源の一般財源化後の使途の一つに「高等教育の充実」を挙げた。新たな財源の獲得を巡る各省や族議員の思惑も交錯する。今後は文科省の原案をたたき台に、財務省や総務省との折衝が本格化する。基本計画は本来なら昨年度中に閣議決定される予定だったが、決定まではまだ時間がかかりそうだ。  ◇中教審答申には記載なく 新指導要領実施迫り、焦りも  今月15日の自民党文教制度調査会合同会議。12日に財務省が公表した反論書に明確に反論できなかった文科省幹部に、議員から怒声が飛んだ。「学力だって体力だって現に落ちているじゃないか。『これだけ上げます。そのために予算が必要です』となぜ書けない」  基本計画はそもそも、中央教育審議会で1年2カ月にわたって審議された。委員からも具体的な数値目標を盛り込むことを求める意見が出されたが、答申前の折衝で、「(予算増は)行革推進法などとの整合性が取れない」とする財務省側に文科省側が押し切られ、数値目標明記を断念した。その後、文教族議員らが数値目標のない答申を批判して官邸などに要請行動。渡海文科相が文相・文科相OBとの会合で、数値目標を入れた省としての原案を作る方針を示したという経緯がある。  文科省はなぜ、「現状で不足している予算を検証・積算し、必要な金額を導く」という手法を取らなかったのか。ある文科省幹部は「例えば、『どれだけ定数を増やせば、どれだけ教師の手が空くか』などの効果を定量的に示したデータはない。中教審でも十分な議論がなされていないことを文科省として書き込むのは難しい」と事情を打ち明ける。少人数教育と学力向上の関係もきちんと実証されておらず、「投資の効果は投資してみなければ分からない」という現状から抜け出せずにいるという。  しかし、教育現場からは、「人と金」の不足に苦しむ悲鳴が上がっている。学習内容を増やす新学習指導要領の完全実施は小学校が11年度、中学校が12年度に迫った。来年度からは理数科目を中心に前倒し実施も始まる。別の文科省幹部は「指導要領をこれだけ変えておいて『定数は増やせません』なんて通らない。それでは現場は怒る」と顔に焦りの色を浮かべる。こうした危機感から、文科省原案に教職員定数の目標値も書き込んだ。  ◇財政縮減が響き、政府方針も後退  文科省が基本計画で数値目標を掲げるようになった原点は、政府の教育改革国民会議による「17の提案」(00年12月)だった。基本計画の必要性を訴え、「投資を惜しんで教育改革は実行できない。財政支出の指標の設定も考えるべきだ」と提言した。  教育基本法改正(06年12月)を巡る議論では、「改正法で基本計画策定を義務づけ数値目標を掲げる」とされた。文科省には、改正議論で注目された愛国心など保守色の上乗せだけでなく、予算面での実効性が見込める法改正との印象が強まった。  だが、財政縮減の流れで、「教育も聖域ではない」との考え方が一般化する。皮肉なことに、改正教育基本法が成立した06年、風向きが完全に変わった。骨太の方針06や行政改革推進法で文教予算の削減方針が打ち出され、教職員定数は「07年度から5年間で1万人純減させる」などと定められた。  政府の教育再生会議の報告(07年6月)では、「(予算に)メリハリをつける」「内容の充実を」などと記述が後退。文科省幹部は「『ハシゴを外された』と思った」と振り返る。 "[he-forum 13340] 毎日新聞社説5/27 毎日新聞社説2008年5月27日付 教育再生 地に足が着いていないのでは  政府の教育再生懇談会が第1次報告を福田康夫首相に提出した。子供をネットの有害情報から守ることや小学校からの英語教育強化などを掲げている。  「再生懇談会? 教育再生会議ではないの」という方もいるかもしれない。  教育再生会議は06年10月、安倍晋三内閣が教育改革政策の目玉として設け、安倍氏退陣後の今年1月に幕を閉じた。その間3次にわたる報告で「ゆとり教育」の見直しと学力の向上、徳育の充実、教員免許の更新制などを提言した。  その最終報告で、提言項目を促進するための新たな会議を設けるよう求めており、福田内閣が2月末に有識者によって構成、発足させた。それが今回の教育再生懇談会である。  一方で、教育の重要施策を審議し答申する文部科学相の諮問機関・中央教育審議会(中教審)がある。今春告示された新学習指導要領はこの答申に基づいている。これで小学校の5、6年生に英語が導入されることになった。  ところが、再生懇は報告で英語教育について「小学3年生から早期必修化を」と主張し、まず大規模にモデル校を設けるよう求める。先生や保護者は「どうなっているのか」と言いたくもなろう。  ことほどさように、学校教育の基本指針で腰が定まらないような印象を与えては、現場は戸惑う。  近く閣議決定される初の「教育振興基本計画」にもそれはいえる。文科省側と、財政再建優先の財務省側が折り合わず、計画を担保する数値目標は宙に浮いた。文科省側はあくまで新指導要領に必要という小中学校の教員2万5000人増や、10年間で国の教育支出を国内総生産(GDP)の3・5%から5%へ引き上げることを主張するが、なお確たる見通しはない。  教育に限らず、政策は立案過程と目的がわかりやすく、一連の流れが見えやすくあるべきだ。今のさまざまな教育政策はどうだろうか。どこで何が論じ合われているのかと戸惑う人は少なくないだろう。  確かに、英語教育の抜本的な見直しを論じ合うことは必要だ。子供たちを囲む有害情報の遮断策も、重要な喫緊の課題といえる。これらについて、さまざまな機関で積み重ねられてきた論議も踏まえて重複を避け、もっと整理した形で改革論議や考え方を示し、方向づけていけば、国民の理解は得やすいはずだ。  それでこそ財政上の特別措置にも納得が得られ、当局同士が角突き合わせる不一致ぶりも避けられるのではないか。  私たちは新指導要領の前倒し実施が決まった際も「とる物もとりあえず」で先を急ぐばかりでは子供の学習意欲をそこねる懸念があると指摘した。教育改革論議では常にその戒めに立ち戻らなければならない。 "[he-forum 13341] 毎日新聞5/27(2) 毎日新聞2008年5月27日付 教育再生懇:第1次報告 小3から英語、5000校 留学生30万人計画  政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は26日、小学3年生から年間35時間以上英語教育を行うモデル校を5000校程度設置することなどを盛り込んだ第1次報告を福田康夫首相に提出した。文部科学省が近くまとめる教育振興基本計画に反映させるよう働きかける。(5面に報告要旨)  ◇重点30大学指定  英語教育で小学3年生からの早期必修化を目標に掲げたほか、小中高校の英語教員の採用方法の改善、学習指導要領の早急な見直しなどを提案した。  このほか、「留学生30万人計画」に戦略的に取り組むよう明記。(1)現在は大学院30%、学部生70%の割合の大学の留学生を同数にする(2)質の高い留学生を受け入れる重点大学を30校指定する--ことも求めた。  一方、有害情報から子供を守るため小中学生の携帯電話所持に法規制をかけることを検討していたが、第1次報告は「必要のない限り持つことがないよう保護者、学校はじめ関係者が協力する」などの文言にとどめた。 "[he-forum 13342] 南日本新聞5/27 南日本新聞2008年5月27日付 鹿児島大学病院に保育園 女性職員確保へ民間委託  鹿児島市桜ケ丘8丁目の鹿児島大学桜ケ丘キャンパスで26日、教職員の子どもを預かる「さくらっ子保育園」の開園式があった。医師不足が社会問題となる中、女性職員が働きやすい環境づくりを目指す。  同大学が設置、運営は民間に委託する。対象は小学校就学までの乳幼児で、水曜日は24時間態勢をとる。総工費は5300万円。  自宅近くの保育園から長男弘祐ちゃん(3つ)を転園させるという鹿児島大学病院手術部の看護師倉ケ崎陽子さん(32)は「遅くまで見てくれるし病後児保育もあるので、働きながら子育てしている者にとって大変助かる」と話した。  定員30人に対し、7人の入園が決まっているという。  式には園長を務める高松英夫病院長ら約70人が出席。高松園長は「医療界の人材不足には女性職員の確保が重要。多くの人が利用できる保育園にしたい」とあいさつした。 "[he-forum 13343] 共同通信5/26 共同通信2008年5月26日18時57分 第1次報告の要旨 教育再生懇談会  政府の教育再生懇談会の第1次報告の要旨は次の通り。  一、必要のない限り小中学生が携帯電話を持たないよう、保護者、学校関係者が協力する。安全確保などの理由から持つ場合は、メール機能のない、通話や衛星利用測位システム(GPS)機能のみの利用を推進する。機能を限定した携帯電話の開発と普及に事業者も協力する。  一、小中学生が持つ携帯電話のフィルタリング利用の義務付けは、今後さらに検討する。  一、英語教育を抜本的に見直し、小学校から大学までの各段階で到達目標を立てる。小学3年生からの早期必修化を目指し、年35時間以上の英語教育を行うモデル校を5000校規模で設置する。  一、中国、韓国などの英語教科書の語彙(ごい)数が日本の2倍以上あることも踏まえ、英語教科書の質、語彙数、分量を抜本的に向上させる。  一、教育委員会は英語能力試験「TOEIC」「TOEFL」の得点や英語検定(英検)合格を条件に課すなど、教員の採用を見直す。  一、外国語活動の専任教員の導入、外国人講師や英語に堪能な社会人の活用などに努める。  一、若い保護者が安心して子育てできるようにする。幼児教育無償化の早期実現など、子育て世代への支援を充実。全市町村で子育て支援措置を一層強力に推進し、「子育て支援利用券」の導入を検討する。  一、認定こども園制度の幼保縦割りなどの問題点を早急に解消し、2000園の早期達成を目指す。  一、「留学生30万人計画」に国家戦略として取り組む。留学生の受け入れに積極的な30大学を選定し、重点的に支援する。留学生の5割が日本国内で就職することを目指し、支援の充実、条件整備を図る。  一、省庁の壁を越え、海外での日本留学に関する情報提供などに一体的に取り組む体制を整備する。  一、環境問題に取り組む企業、民間非営利団体(NPO)と連携するなど、実践的な環境教育を展開する。「持続可能な開発のための教育」や、学校の二酸化炭素(CO2)排出削減に取り組む。  一、公立小中学校の耐震化に市区町村が早急に取り組み、政府は支援を充実させる。 "[he-forum 13344] 北海道新聞5/26 北海道新聞2008年5月26日付 北大も親元に成績表 来年度から 「自立妨げる」批判も  北大は来年度から、学生の成績表を親元に送ることを決めた。特に成績不良の学生について家庭で尻をたたいてもらって留年を防ぎ、最近増えている心の病への早期対応にもつなげるため。今春の入学者から順次、適用学年を拡大する。「自由でバンカラ」といわれた北大生気質の変化を感じさせるできごとに、一部の教員やOBからは「北大まで親に頼る時代になったのか」と嘆く声も聞かれる。  少子化で大学間の競争が激しくなる中、成績表送付の動きは「親の要望がある」「授業料負担者への説明責任」などとして全国に広がっている。北大を除く道内十一の国公立大では、小樽商大など六大学が実施。旧七帝大では東北大が二〇〇四年度から行っている。  北大は来年から毎年五月に、前年度の成績表を授業料納付の連帯保証人に郵送する。大半の学生は親を連帯保証人にしている。個人情報のため、学生の同意が送付の条件。今春の入学者に四月に同意書を配布したところ、現時点で七割程度が同意しているという。成績表は学生本人にも従来通りに配布する。  「学生教育の質向上」(教務課)を図る北大は、必修科目を三回連続休んだ学生にクラス担任らが個別対応するなど、講義への出席指導を強化している。しかし、各年度末に単位不足で留年する学生は全体の8-10%で、横ばいの状態。最近は心の不調を訴える学生が増え、成績不良者の中にはうつ病などで講義に出られないケースも考えられるという。  北大の学生は約半数が道外出身と、多くが親元を離れて暮らしている。教務課は「成績表を見た親が、『不可』が多い場合に本人に事情を聴くなど、出席を促したり体の異変に気づくきっかけにしてほしい」と期待する。  成績表送付は昨年六月から学内で議論し決定。ただ、ベテラン教員らには疑問の声もあり、OBでもある六十代の教授は「ただでさえ今の学生は子供っぽい。親に頼れば、ますます自立できないのでは」とため息をつく。 "[he-forum 13345] 岡山日日新聞5/28 岡山日日新聞2008年5月28日付 包括連携の成果続々 岡山大 今月で20件  岡山大(千葉喬三学長)の包括連携戦略が、順調に進んでいる。04年にスタートした連携は民間企業、地公体、経済団体などへ幅を広げ、14日に締結した津山工業高等専門学校で20件に達した。既に成果も出ており、地域連携の輪は、ますます広がっていきそうだ。  同大は、包括連携契約締結で、互いの活動目標に拘束力を持たせ、より強固に連携事業を推進。同大が掲げる「社会貢献」「教育」「研究」の3要素を団体ごとにアレンジし、連携に盛り込んでいる。 初めての相手は、県産業振興財団(岡山市)内にある技術移転機関の岡山TLO(同)。同大は04年の法人化以降特許取得が可能になったが、売り込みや値付けは専門外のため、仲人役として岡山TLOと連携し、技術移転を推進してきた。 これまでの技術移転は、地場企業を中心に48件。06年度の特許料収入は、約1千万円と全大学中17位で、早稲田大より上位という。今年度も年間10数件程度の契約締結を目指す。 「官」との連携も進む。国土交通省中国地方整備局(広島市)とは、年1回意見交換会を行い、道路や港湾整備などの問題や課題を洗い出し、新技術開発を進める。w)€氈B娃掲・戮錬慣錣鮗・・掘・教咾覆匹謀瀕舛能颪・譴人扈颪④両探邵浤・・・喊綫㌧描・始・任療犒詼瓢澪泙慮擎婿・格・,覆匹鮓Φ翆罅・娃固・戮錬儀鐚・・垢觚・未掘・‘鐱楔胸厠聾Φ羈・・々修箸蓮⊃遊粗輯超Ⅰ蚕僖札鵐拭次米囘跳感戚酊・砲任慮胸厠牢愀源・箸馬・函・G・拊罎貌吋札鵐拭柴發鵬・蛎腑汽謄薀ぅ噺Φ羲爾鮴澆蔚軌・・慇犬離如璽神依・・任噌腓錣擦鮃圓┐襪茲Δ砲掘・ζ姥Φ罎眇篆覆垢襦・_・鎧圓箸蓮∧顕住・抜慙△琶餝舅・箸魴襪屐F餌臧軋或渊餞曚砲△訝單腸畔幻砲鯑瓜埀惴議・了團妊献織襯潺紂璽献▲爐如∨菁・・飽貳霧・・F永幻砲鬟灰鵐謄鵐弔箸靴娠愾阿里砲・錣ち禄个鮨泙辰討い襦・鯒・浪餞錝罅複化鬼屐烹垣蘓佑・莨譟・寛麑椶魴泙┐觝G・戮蓮■隠鰻郛綵椶粒・鼎鰺縦蠅靴討い襦・,泙拭・瓜圓箸蓮∧欸魄緡妬・遒任睿・箸靴討・蝓・・蠶侔襪・蕋嫁・好・邯紂⊇蕕力・閥┻弔・圓錣譴拭・ゞ睛撒ヾ悗瞭阿④盂菷・・娃鞠・碍遒涼羚餠箙圈焚・鎧圈砲鯣蘋擇蠅肪羮・・鵬・鎧拇后米院法△・・笋淇・儷盡法米院法▲肇泪閥箙圈米院砲板侔襦6睛撒ヾ悗離螢譟璽轡腑鵐轡奪廛丱鵐⑤鵐亜蔽楼萍・綏振睛察某篆覆琉豐弔如・睛撒ヾ愨Δ・蚣・箸離薀屮魁璽襪w)€ッた。 地元企業の経営相談に対し、連携して解決を図る取り組みがメーン。専属のマネジャーが、受けた相談の中から、対応できる技術研究に関するものを同大の研究推進産学官連携機構に報告。同機構が学内の専門教授を探し出し、企業とマッチングさせ、課題解決に当たっている。 共同研究、機能評価に至った事例は現在4件。成果を生かし、製品化されたものもある。 企業関連でも成果が出始めている。玉野市に造船所を構える三井造船(東京都)とは、船舶関連のエンジンなど3件の共同研究を実施。既に一部成果が学会発表、製品の改良点に反映されており、研究項目を増やす予定。 DOWAホールディングス(東京都)とは、環境材料分野で包括連携。06年度は環境アセスメントシステム構築に関する共同研究を実施。07年度からはナノ材料の研究開発に取り組む。現在は調査分野の絞り込みを終え、本格的調査に着手する段階に入っている。 14日、津山高専との協定後の会見で千葉学長は「独立した法人になったので、随時、企業、公的機関と(協定を)結んでいきたいと思う。幾つかの枠組みを用意しておけば、何が起こってもうまく対応できると考えているのw)€「如△海譴・蕕眩・┐討い・隼廚Α廚判劼戮討い襦 "[he-forum 13346] 中国新聞5/28 中国新聞2008年5月28日付 東広島市と4大学が連携協定  東広島市と、市内にキャンパスがある広島大、広島国際大、近畿大工学部、エリザベト音大は27日、人材交流や地域課題の共同研究などを柱にした連携協定を締結した。広島県内で自治体と、市域にある全4大学が同時に協定を結ぶのは初めて。文理、芸術など各大学の特色を生かしながら、市が掲げる「国際学術研究都市」づくりを進める。  市役所であった調印式には、蔵田義雄市長、浅原利正・広島大学長、森永規彦・広島国際大学長、椿原啓・近畿大工学部長、中村英昭・エリザベト音大学長が出席。協定書にサインし、握手した。 "[he-forum 13347] しんぶん赤旗5/26 しんぶん赤旗2008年5月26日付 教育予算の貧困 正当化 財務省、国際比較の偽り  「『日本の教育予算が少なすぎる』というのは事実と違う」―財務省がこんな“反論資料集”を作成し、教育予算の増額を求める世論を抑え込むことに躍起になっています。  教育予算をめぐっては、この間、自民党文教族や文部科学省などが「GDP(国内総生産)比で現在の3・5%から5%に引き上げるべきだ」と主張。政府が近く閣議決定する「教育振興基本計画」の素案にも、十年間で「5%を上回る水準を目指す」と書き込まれました。財務省資料は、こうした動きに対抗するためのものです。 胸を張れない  しかし、財務省の示した資料からも、教育投資を増やす必要性は逆に浮かび上がっています。  例えば、日本の教育への公的支出の対GDP比が3・5%でOECD(経済協力開発機構、三十カ国加盟)各国平均5%より少ないことは否定できません。財務省資料も「文部科学省資料」として引用しています。(図上)  財務省はこれに、「わが国はOECD諸国の中で最も生徒の数(総人口に占める在学者数の割合)が少ない」と「反論」します。少子化が進んでいるから、国の教育予算が少ないのは当然だというのです。  しかし、これは国の貧困な教育政策を合理化するものです。少ない生徒数に合わせた少額の教育支出だけを確保すればよいという発想です。家計の教育費負担の重さが少子化を進めていることへの反省もありません。  財務省資料は、「わが国の生徒一人当たり教育支出はG5(米英独仏日の主要五カ国)平均並みの水準」(図下)とも主張します。しかし、ここで際立つのは日本の教育支出に占める私費負担の割合の高さです。G5では米国が日本を上回っていますが、他の国は日本の六割程度かそれ以下です。米国政府は返還の必要のない給与制奨学金に毎年一兆円以上を支出していますが、日本にはそれもありません。「G5平均並みの水準」などと胸を張れる状況ではありません。  そもそも「日本の教育予算は少なくない」という財務省の主張には無理があります。財務省資料がもとにしているOECD「図表で見る教育2007年版」で見ても、初等中等教育(小・中・高校)での生徒一人当たりの公財政教育支出GDP比は、OECD平均3・6%に対し、日本は2・7%で三十カ国中下から三番目。高等教育(大学・短大・高等専門学校)では、平均1%に対し日本は0・5%で韓国と並んで最下位です。 地盤沈下招く  教育財政の問題に詳しい三輪定宣千葉大名誉教授は、財務省資料について「財政効率至上主義が先行し、過去の路線の正当化に終始している」と批判。「こんな考え方を続けていては、日本の教育の地盤沈下は避けられない。教育への公的支出を拡充させる国民的議論と運動がいまこそ必要になっている」と語っています。(坂井希) "[he-forum 13348] 読売新聞群馬5/30 読売新聞群馬版2008年5月30日付 専門医を資格別に養成 群馬大医学部 研修医引き留め狙う  群馬大医学部は2009年度から、2年間の初期研修後、専門性の高い研修を受ける「後期研修医」について、県外の4大学と連携した新たな養成プログラムを実施する。これまで診療科ごとだったコースを専門医の資格ごとに細分化し、何年後にどの資格を取得できるかなどを明確化した。将来設計がしやすいようにすることで、研修医を大学病院に引き留め、将来の勤務先に選んでもらう狙いもある。  研修制度をめぐっては、2004年度に初期研修が義務づけられ、研修先を自由に選択できるようになって以降、都市部などの一般病院で研修を受ける研修医が増加。そのまま研修先に就職するケースも増えたため、全国的に大学病院離れが加速した。このため、深刻な医師不足に陥った大学病院が、地域の病院に派遣していた医師を引き揚げるようになり、現在の地域の病院での医師不足の一因となったとされている。群馬大でも同様の事情を抱えており、医学部卒業生100人に対し、後期研修医は今年度は70人にとどまっている。  新プログラムには、同大の呼びかけで、信州、独協医科、日本、埼玉医科の4大学が参加。専門医の資格ごとに5大学で計195コース(定員699人)を設定(群馬大では63コース248人)するとともに、連携する他大学での研修を組み入れ、より幅広く症例や技術に触れられるようにした。  同大医学部付属病院は「大学に研修医が残れば、地域の病院への派遣機能が戻り、地域医療にもプラスになるはず」としている。 "[he-forum 13349] 四国新聞5/30 四国新聞2008年5月30日付 優秀な人材獲得へ-アジア出身留学生の就職支援  四国で学ぶアジア出身の留学生を対象に四国企業への就職を促す事業を、4県の大学や四国経済産業局が2007年度から実施している。留学生に卒業前の2年間、大学のビジネス教育やインターンシップを提供し、地元企業の特色をアピールしながら就職を指導。アジアの優秀な人材を四国で獲得するとともに、四国企業の今後のアジア展開を促進するのが目的だ。  1日に高松市で08年度開講式がある。四国の大学などには1000人を超える留学生が学び、四国でもアジアへの進出意欲のある企業を中心に留学生の採用に関心が高まっているという。  経済産業省の「アジア人財資金構想」に基づく事業で、四国地域は四国生産性本部に委託し、「四国発グローバル人財創出を目指した留学生支援プログラム」を推進。香川大と高松大のほか、徳島、高知、愛媛、松山、松山東雲女子の計7大学が参画する。  参加する留学生は初年度が20人、08年度は19人で、出身は中国、バングラデシュ、ネパール、タイなど9カ国。成績や日本語能力、奨学金の取得などの条件を満たす優秀な留学生を選抜した。  日本の企業文化への理解を深めるビジネス教育や、ビジネス日本語教育などを大学が実施。企業で就業を体験するインターンシップも行い、一期生には「受け入れ先の仕事を続けたい」という感想が多く、同局は「就職意欲はかなり強い」としている。 "[he-forum 13350] 読売新聞千葉5/29 読売新聞千葉版2008年5月29日付 千葉大園芸学部が西千葉へ移転構想 東大敷地 買収で  千葉大学が西千葉キャンパス(千葉市稲毛区)に隣接する東京大学生産技術研究所千葉実験所の敷地約9ヘクタールを購入し、そこへ園芸学部(松戸市、約15ヘクタール)の移転を検討していることが28日、分かった。千葉大は昨年夏ごろ、敷地を売却する方針を固めた東大から購入を打診され、すでに「全部または一部を取得する意思がある」と回答。千葉大としての結論を来年3月末までに東大に伝える。  現在、園芸学部が独自に移転の可否を検討しており、同学部としての結論を、6月末までに学長に回答することになっている。  千葉大によると、園芸学部の移転構想は10年ほど前にもあり、同じ東大の敷地が候補地となったが、財政上の問題や、松戸市などが強く反発したこと、国公立大の独立行政法人化を控えていたことなどもあって、東大が敷地を継続使用することで落ち着いた。  今回は東大の売却方針が固いことから、千葉大でも「西千葉キャンパスを拡大できる最後のチャンス」(千葉大財務課)として、購入する方針。園芸学部が移転する場合、現在の敷地は売却される可能性が高いという。斎藤康学長が4月、菊池真夫園芸学部長に、移転が考えられるかどうか検討を依頼した。移転しない場合は、東大からの敷地購入も小規模にとどまり、学生寮の移転や留学生の宿舎の用地などの用途が考えられるという。  千葉大園芸学部は来年100周年を迎え、卒業生などにより記念事業も検討されていたが、移転構想が持ち上がったことから、建物建設を伴う事業の検討は一時凍結されたという。  移転構想を4月下旬に知った松戸市は今月、川井敏久市長が「移転は市行政にも市民にも非常に大きな損失」として、菊池学部長と斎藤学長に園芸学部の松戸存続を要望した。 "[he-forum 13351] 毎日新聞千葉5/30 毎日新聞千葉版2008年5月30日付 千葉大:園芸学部の西千葉キャンパスへ移転構想、松戸市長が反対要望書  千葉大学の園芸学部(松戸市)が、大学本部のある西千葉キャンパス(千葉市稲毛区)に移転する構想が持ち上がり、松戸市の川井敏久市長が斎藤康学長と菊池真夫学部長に今月相次いで面会し、移転をとどまるよう求める要望書を提出した。  移転構想は、西千葉キャンパスに隣接する東京大学生産技術研究所千葉実験所が移転の計画を打ち出したことに伴い、昨年夏、東大側から実験所の敷地約9ヘクタールの購入を打診され、持ち上がった。  千葉大によると、東大側にはすでに「敷地の全部または一部を取得する意思がある」と伝えた。6月末までに園芸学部が移転についての賛否を斎藤学長に提出し、来年3月までに最終結論を東大側に返答するという。  園芸学部移転は、他学部との連携が取りやすくなる一方、敷地(現在地は約15ヘクタール)が狭くなる面もある。また、移転の場合は敷地購入資金を得るため、現在地は売却される可能性が高いという。  同学部は1909(明治42)年、県立園芸専門学校として設立。来年は100周年を迎え、記念事業も企画されている。要望書の中で川井市長は「地域に根ざした歴史と伝統のある大学の移転は非常に大きな損失」としている。  同学部の移転は10年前にも持ち上がったが、松戸市の強い反対もあって中止になった経緯がある。【長谷川力】 "[he-forum 13352] 北海道新聞5/30 北海道新聞2008年5月30日付 北大、車に入構料 1回300円 来年から CO2削減、緑化  北大(佐伯浩学長)は二十九日までに、来年一月以降、キャンパスに出入りする車両から一回三百円の入構料を徴収することを決めた。車両の出入りを抑制して二酸化炭素(CO2)の排出削減を図ると同時に、有料化によって見込まれる年間約一億円の収入を、学内の緑化に充てる考え。広大なキャンパスを持つ北大は徒歩で訪れる観光客や市民も多いため、車の通行量を減らして学内の安全性を高める狙いもある。  北大は現在、一定の条件を満たした教職員や納入業者など日常的に出入りする車両に年間通行証を、一般来訪者や営業などの出入り業者に臨時通行証をそれぞれ無料で発行している。一方、観光目的や学生の通学利用は認めていない。  有料化は段階的に実施する。まず来年一月から臨時通行証を、大学が要請した講演者などを除き、有料化する。四月以降は、年間通行証にも年三万円前後の負担を求める方向だ。車両が出入りできる門には二十四時間、人員を配置する。  宅配便や郵便、大学が要請したタクシーの入構などは無料とするほか、既に時間料金制を導入している北大病院駐車場は現行通り。また、収益金の一部を構内循環バスの増便にも充て、来訪者の利便性を高める。  北大によると、臨時通行証でキャンパスに出入りする車両は、年間約五十二万台(二〇〇七年実績)。有料化により、約三割に当たる十六万台の削減を見込んでいる。  北大は、札幌駅から徒歩十分という中心部にありながら、南北に約二キロ、東西に約一キロという広さを誇る。このため、有料化すると観光や中心部での買い物のため、駐車場として利用する人が増えることも懸念される。  現在でも、臨時通行証での出入りには、訪問先を告げて事務局に印鑑をもらって出る必要があるが、印鑑をもらわないままキャンパスを出る車両も少なくない。北大は、これら車両に対する対策も検討する。  佐伯学長は「北大は多くの市民の憩いの場でもあり、静かで安全なキャンパスにしたい」と有料化の狙いを話す。  道外の主要な国立大学法人では、東大が四月から車両入構を有料化したほか、名古屋大、大阪大が既に実施。道内の国立大学法人では、旭川医大が一時間二百円の駐車料金を徴収している。 "[he-forum 13353] 日本海新聞5/31 日本海新聞2008年5月31日付 鳥大に付属高構想 来月設置委員会発足、検討へ  付属の幼稚園、小学校、中学校を抱える鳥取大学(鳥取市湖山町南四丁目)に、付属高校を新設する構想が持ち上がっていることが三十日、明らかになった。大学の教育研究の発展と地域の教育の質の向上を目指し、年度内には実現の是非を含めて結論を出す方針。  鳥取大によると、付属高校設置については二〇〇六年七月に学内で立ち上げた付属学校の在り方検討委員会で話し合いをスタート。付属高校設立をさらに検討する方針が今年三月末に出たことから、六月上旬には大学理事や各学部の代表、付属学校の代表者、教育学の専門家など学内の約二十人で構成する委員会が発足する。  中高一貫教育や小中高一貫教育も視野に入れて設置形態など具体的な方針を検討するとともに、文科省や県、鳥取市と話し合いを進めるという。  県教委では一一年度の県立中高一貫教育校の設置を目指して検討を進めているが、中永広樹教育長はこの日の県議会代表質問で「鳥取大学の動きを見ながら、慎重に検討していく必要がある」と、見直しも含めて検討する方針を示した。  鳥取大の本名俊正理事は「少子化だからこそ、レベルの高い教育が必要とされている。理想の方向を探っていきたい」と話している "[he-forum 13354] 日本経済新聞東北5/31 日本経済新聞東北版2008年5月31日付 地域力連携拠点、山形大に開設  山形大学工学部(山形県米沢市)は30日、地域共同研究センター内に地域力連携拠点「産学金連携横町」を開設した。同様の拠点は中小企業庁の認定を受けた全国319機関がこの日ほぼ一斉に設置したが、大学が主体となるのは全国でも唯一。米沢信用金庫(同)も全面協力する。地元の大学と金融機関がそれぞれの人的資源や経験・ノウハウなどを生かし、地域経済活性化に向けて連携する試みとして注目されそうだ。  産学金連携横町は「統括応援コーディネーター」として山形大学の小野浩幸地域共同センター副センター長、米沢信金の吉野祐治審査管理部副部長ら4人を配し、地元中小企業を対象に経営力の向上や事業承継などを支援する。まず300社を訪問し、重点支援先として30社程度を選ぶ。 "[he-forum 13355] 北海道新聞5/31 北海道新聞2008年5月31日付 「世界に通用する薬を」 塩野義製薬、北大内に研究施設  製薬国内大手の塩野義製薬(大阪市、手代木功社長)が札幌市北区の北大構内に建設していた共同研究施設「シオノギ創薬イノベーションセンター」が三十日、オープンした。  五階建て延べ床面積二千七百九十平方メートル。総工費は約十五億円。同社の研究員二十人が常駐し、生命科学などを研究する北大の教員ら三十人弱が共同研究に参加する。  同日午後、オープンを記念し、シンポジウムが開かれた。手代木社長はあいさつで、「世界に通用する北海道発の薬をつくり、日本の製薬業界にインパクトを与えたい」と語った。 "[he-forum 13356] 読売新聞5/29 読売新聞2008年5月29日付 教育予算7兆増なら幼稚園無料・私大生に30万…文科省検討  「幼稚園、保育所は無償」「私立大学生200万人に30万円支給」――。政府の「教育振興基本計画」で、教育投資の総額が対国内総生産(GDP)比で、現在の3・5%から5%になった場合、文部科学省が検討している増額分1・5%(約7兆円)の使途が29日、明らかになった。  低所得者世帯の大学生の授業料免除や私立の高校・大学生などへの授業料減額などに約2・2兆円をつぎ込むなど大盤振る舞いが目立つ。財務省は反発を強めており、振興計画の閣議決定は6月中旬以降にずれ込みそうだ。  「教育振興基本計画」は、今年度から5年間の教育政策の財政目標を定めるもの。4月の中央教育審議会の答申は、国の財政事情に配慮し、投資額の目標は示さなかった。だが、自民党の文教族議員から「教育にかけるお金をきちんと書き込むべきだ」など“激励”の声があがり、文科省は計画原案で数値目標を織り込んだ。  一方、財務省は「財源や使途が不明」と反発。このため、文科省は増額分約7兆円の使途を急きょまとめた。  年収200万円未満の家庭の大学・短大生の授業料は免除、500万円未満は半額免除する。すべての学校施設の耐震化に約1兆円、3~5歳児までの幼稚園と保育所の無償化費用として計約7700億円を盛り込んだ。また、文科省は同計画に教職員定数の2万5000人増員を盛り込んでおり、この人件費を1750億円と試算している。 "[he-forum 13357] 毎日新聞5/29 毎日新聞2008年5月29日付 教育予算:「GDP5%」で攻防 文科省増額方針、財務省は反発  09年度予算編成をにらんだ財務省と文部科学省の攻防が激化している。文科省や自民党文教族は近く閣議決定する「教育振興基本計画」に国と地方の教育支出額を「国内総生産(GDP)比5%」まで引き上げる方針を盛り込み、予算の大幅増額に布石を打つ考え。これに対し、財務省は「増額を認められる財政状況ではない」と反発。予算増額を伴わない独自の教育充実策を提言するなど、対決姿勢を強めている。  教育予算のGDP比は現在3・5%だが、文科省は同計画で「教育立国実現には欧米並み5・0%の水準が不可欠」と打ち出す方針。「ゆとり教育」の転換を名目に小中学校教職員定数を5年間で2万5000人増員することも計画する。  しかし、国の教育支出を5%に上げるには7兆4000億円もの財源が必要だ。財務省は「消費税3%分もの予算を教育だけに充てることに、国民の理解が得られるとは思えない」と反発している。少子化が進む日本の教育予算は、児童・生徒1人当たりで見ると欧米先進国にそん色がない水準にあることをデータで提示。教職員増員計画に対しても、教師1人が受け持つ授業時間数が欧米に比べて短いことなどを示して、反対の論陣を張る。  さらに、文科省が注力する国立大学の研究支援でも財務省独自の改革試案を公表した。  国立大の学費を私大並みに引き上げるなど措置を講じれば、国が現在国立大に配分している運営費交付金(08年度予算で計1・2兆円)の中から最大5200億円の財源が工面でき、世界的な研究支援などに振り向けられるとするアイデアを打ち上げた。【清水憲司】 "[he-forum 13358] 時事通信5/31 時事通信2008年05月31日15時00分 教育予算めぐり対立=文科省と財務省  今後5-10年間の教育政策の目標を定める「教育振興基本計画」の閣議決定を前に、文部科学省と財務省の折衝がこう着状態に陥っている。文科省が道路特定財源の一般財源化などを当て込んで教育予算拡充に向けた数値目標を入れたいのに対し、財務省は「アリの一穴となり、歳出改革が崩壊する」として認めない方針を貫いているからだ。このため政府関係者からは、「もはや政治決着しかない」との声も上がっている。  文科省は「国の政策の優先度を教育に置くというメッセージを込めたい」(幹部)として、現在、対国内総生産(GDP)比3.5%の公的教育投資額を今後10年で5%以上に引き上げる案を財務省に示した。「5%」なら年間7.4兆円もの予算増となり、文科省は既に公立小中学校の耐震化、幼児教育の無償化、大学授業料の軽減といった使途のイメージも描いている。  数値目標は4月の中央教育審議会(文科相の諮問機関)が出した答申にはなかったが、自民党文教族から「教育予算を取るための計画ではなかったのか」との後押しがあり、文科省も強気の姿勢に転換。さらに「教職員数の純減」を掲げた行政改革推進法(2006-10年度)の期限切れを見越し、「今後5年で教職員定数2万5000人増員」との目標も付け足した。  これに対し財務省は、「歳出改革で社会保障や公共事業を削ってきたことが水の泡になる」(幹部)と反発。文科省は世界トップの学力を目指すため、教育予算でも経済協力開発機構(OECD)加盟国平均(GDP比5%)を上回る必要があるとするが、財務省は「少子化」を考慮していないとして、生徒1人当たりの公的支出で見れば主要先進国と遜色(そんしょく)ないとのデータを提示。諸外国の教育予算の多寡(たか)と生徒の学力との相関関係はないことも示した。  同計画は当初、5月中に閣議決定する予定だった。しかし、両省は互いの主張を展開する「消耗戦」を続けており、着地点を一向に見いだせない状況だ。 "[he-forum 13359] 読売新聞6/1 読売新聞2008年6月1日付 法科大学院の底上げ検討、必須科目の拡充を軸に  司法試験の合格者数増加に伴い、法曹の質の低下が懸念されている問題で、政府は法科大学院で教える最低限の内容を示す「コア・カリキュラム」策定の検討に入った。  法科大学院ごとに異なる教育内容の大部分を共通化し、教育の質を保証し向上させようとするものだ。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)で検討を進め、今後2年間で結論を出す方針だ。  法科大学院のカリキュラムは、文科省の省令などで、取得する単位数の下限や「法律基本科目」、「展開・先端科目」などについて授業を開設することが定められているが、細部は各大学院に任せられている。  司法制度改革で法科大学院の設置が決まった際、修了者の7~8割は司法試験に合格することが理想とされたが、昨年の新司法試験の合格率は全体で4割にとどまった。個別では最高の千葉大法科大学院でも約65%で、一けた台の学校も目立った。教育内容が水準を満たしていないなどとして大学などの評価を行う独立行政法人「大学評価・学位授与機構」などから「不適合」とされた大学院は5校に上り、評価を受けた24校の2割を超している。このため、日弁連など法曹関係者から、コア・カリキュラムの策定を求める声が出ていた。  これを受け、中教審が今年3月に「法科大学院の教育の質の保証に関するワーキング・グループ」を設置。法学者や弁護士、裁判官らが検討を進める。  大学の医学部と歯学部には文科省が策定したコア・カリキュラムが2001年から導入されている。ワーキング・グループでは今後、医、歯学部の状況を参考に法科大学院のコア・カリキュラムの概要やカリキュラムを新司法試験の出題範囲と連動させることなどについて検討する。医学部のコア・カリキュラムは全カリキュラムの約3分の2の分量を占めており、法科大学院の議論でもこれを参考にする。 "[he-forum 13360] 徳島新聞6/1 徳島新聞2008年6月1日付 教職大学院の未来探る 鳴教大が設置記念シンポジウム  鳴門教育大学は三十一日、徳島市内の阿波観光ホテルで、四月に開講した教職大学院の設置記念シンポジウムを開いた。約百五十人が耳を傾ける中、四国四県の教育委員会の代表ら六人のパネリストが、四国で唯一の教職大学院の将来像などについて意見交換した。  高橋啓(はじめ)学長が「各県教委と密接に連携し、地域社会の教育ニーズを踏まえた大学院にしたい」とあいさつ。パネリストからは「厳しい財政の中、現職教員を四人派遣した。修了時には管理職として活躍できることを期待している」(香川県)などの意見が出た。  二十五人を派遣している徳島県教委の担当者は「学力向上や生徒指導といった課題に対応できる専門知識を身に付けさせてほしい」と求めた。  鳴教大の教職大学院は初年度、定員五十人に対して入学者は三十六人しか集まらず、人員確保が課題になっている。 "[he-forum 13361] 日本経済新聞6/2 日本経済新聞2008年6月2日付 りそな銀と阪大、金融工学で連携 共同研究など検討  りそな銀行は金融工学の応用分野で大阪大学と連携する。第1弾として2日から、大阪大学金融・保険教育研究センターに行員を派遣。全5回の特別講義で、銀行が実務の中でどのように金融工学を応用しているかを教える。同分野で研究者らとの交流を深め、共同研究につなげる狙いがある。大学と連携してリスク管理能力を高める試みで、日本の銀行では珍しい。  りそな銀のリスク統括部に所属する3人が今月末まで大学院生らを相手に融資審査のモデル作りやリスク管理の講義をする。例えば住宅ローンの貸出金利を変えた場合、繰り上げ返済の件数がどうなるかを予測する手法などを取り上げる。 "[he-forum 13362] 6/3しんぶん赤旗 2008年6月3日(火)「しんぶん赤旗」 ローン化反対 署名2万 奨学金の会  「奨学金の会(国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育を すすめる会)」は二日、奨学金の高利子化や教育ローン化に反対し、無 償教育にむけた公的奨学金の拡充を求める請願署名提出集会を国会で開 きました。一万九千七百人分の署名が集まりました。  三輪定宣会長(帝京平成大学教授、千葉大学名誉教授)が教育予算は 教育の重要性と教職員・保護者・学生・国民の実態や要求が考慮されて 決まるものだと指摘し、「高等教育の無償化が国際的な潮流にあること からも法律や予算に反映させる世論をつくりたい」とあいさつしました。  日高教の北野庄次委員長は高校の統廃合で通学距離が長くなり、定期 を買えず、切符を買えるときしか学校に通えない生徒や定時制の学校で は家計を背負っている生徒がいることを話し、「憲法で保障されている 教育を受ける権利と機会均等の観点から教育予算を拡充すべきだ」との べました。  特殊法人労連の篠原百合子事務局次長は奨学金制度の拡充を考えるシ ンポジウムの内容をまとめた冊子が大学関係者の間で話題になっている ことをあげ、「学生の生活実態のひどさや奨学金制度が改悪されて いる状況を広げて運動を大きくしていきたい」とのべました。  紹介議員となった日本共産党の井上哲士参院議員が共産党の政策を紹 介し、「賛同し、力を合わせていきたい」とのべました。共産党の石井 郁子衆院議員、社民党の日森文尋衆院議員がメッセージを寄せました。  同会は引き続き署名に取り組み、高等教育の無償化を定めている国際 人権A規約一三条二項の批准をするよう日本政府への働きかけを求めた 国連への意見書の賛同者を集めていきます。 "[he-forum 13363] 毎日新聞広島6/3 毎日新聞広島版2008年6月3日付 シンポジウム:中国地方活性化へ産学官の連携策は 5国立大の学長ら出席  中国地方の産学官が地域の活性化のための連携策について話し合うシンポジウムが2日、南区のホテルグランヴィア広島であった。広島大や山口大など中国地方の主要大学の学長らが顔をそろえ、産業界との協力や地域貢献の在り方について意見を出し合った。5大学などの共催で、中国経済産業局の杉田定大局長がコーディネーターを務めた。  独立行政法人化以降、期待されている地域貢献について、広島大の浅原利正学長は「高いレベルの研究で貢献するには地域に介在するコーディネーターが必要だ」と指摘し、能勢隆之・鳥取大学長は「大学で特徴的なのは掘り起こしの基礎研究。地道に続け、産業に生かせられればうれしい」と抱負を語った。山口大の丸本卓哉学長は「敷居が高いという大学のイメージを払しょくしたい」と人材交流に積極姿勢を示し、本田雄一・島根大学長は「宍道湖や中海の水質保全を改善する研究にはナノテクなど企業の協力が必要」と訴えた。【井上梢】 "[he-forum 13364] 中日新聞6/3 中日新聞2008年6月3日付 老化防止の研究推進 信大に「予防医療センター」  信大病院(松本市)は2日、高齢社会に対応する予防医療の研究拠点「先端予防医療センター」を同市の県旭町庁舎3階に開設した。病院や大学院と連携し、生活習慣病の予防や遺伝子情報をもとにした老化防止の研究を進め、長寿県長野から最先端の予防医学を発信する。  センターは信大病院の各診療科、同大学院、特定非営利活動法人(NPO法人)熟年体育大学リサーチセンターなどと連携。リサーチセンターが分析したインターバル速歩訓練の約4000人のデータを参考に、職員2人が生活習慣病患者に運動指導をするほか、訓練が生活習慣病や介護予防に役立つかどうかを検証。データと遺伝子情報を解析して「何が健康に良いのか」を探り、視覚、聴覚の老化防止や認知症予防の研究も進める。  宇佐美真一センター長は「長く健康でハッピーに生きるため、研究を進めていきたい」とした。  (中津芳子) "[he-forum 13365] 高知新聞5/31 『高知新聞』2008年5月31日付朝刊 学長選考問題 高知大との訴訟取り下げへ 原告側 任命の国提訴準備  昨年の高知大学長選考で相良祐輔氏を学長に選んだ選考会議の決定無効を求め、  高知大を訴えている教授らは30日、文部科学省が高知大学長に相良氏を任命し  たことから、訴えを取り下げる方向で検討に入った。今後は行政事件訴訟法に  基づき、任命から6カ月以内に国を相手取り、相良祐輔氏の任命を取り消す訴  訟を起こす方針。    同大の学長選考をめぐっては、昨年10月に行われた学内意向投票で、2通りの  得票数が確認されたにもかかわらず、選考会議が相良氏再任を決めたことで学  内が紛糾。選考無効を訴える教授らが昨年12月、「何者かによって票が差し替  えられた」として被告人不詳のまま、高知地検に刑事告発するとともに、対立  候補だった高橋正征氏=同大名誉教授=が民事訴訟を高知地裁に起こした。  これまで2回の口頭弁論が行われ、“原告の適格性”をめぐって双方の主張が  対立。30日開かれた第3回の口頭弁論では主張を戦わせる場面はなく、相良氏  が4月1日付で再任されたことから今後の方向性を原告・被告双方と裁判長が  別室でそれぞれ協議した。  取材に対し、高橋氏は「裁判の大きな目的は、国立大学法人法下での大学の民  主主義を問うこと。その中身の議論に入るためにも、次のステップに進みたい」  と述べ、高知大に対する民事訴訟を取り下げる意向を示した。(広末智子) "[he-forum 13366] 公正な学長選考を求める裁判を支える会No5 「公正な学長選考を求める裁判を支える会」 ニュースレター NO.5 2008、6,1 ○ 裁判闘争は新しい段階―行政訴訟―へ!    構成員の皆さんの更なるご支援を訴えます!  すでにニュースNo4でお知らせしたように、私たちが提訴した学長選考への異  議申し立て裁判は新たな段階を迎えました。ここで現状を整理してみましょう。  1 これまでの裁判 ① 性格:民事訴訟 ② 内容:学長選考会議の決定の無効確認の訴え ③ 訴えの相手:国立大学法人高知大学  2 現段階での問題点  実質的な審理に入る前提として、「原告適格」及び「確認の利益」(「選考会  議の決定の無効」を確認したとして、「紛争の解決」にどのような利益がある  のか)の二つを満たしている必要があります。特に「確認の利益」に関しては  4月1日付けで相良氏が高知大学学長に任命されたことにより、決定無効の確  認そのものが無意味と見なされ「確認の利益無し」とされる危険が極めて高い  と考えられます。そうなった場合は、不透明な学長選考を質すために私たちが  求めている実質的な審理に入る前に,裁判そのものがうち切られる可能性が高  いと予想されます。  したがって、裁判という場で学長選考の問題点の中身を継続して明らかにして  いくためには、従来の民事訴訟とは別個に、「文部科学大臣による学長任命  (4月1日付け)」に対し、それに異議申し立てをする新しい訴えを起こす必  要があります。  3 新たに提起される裁判  ① 性格:行政事件訴訟法に基づく行政訴訟  ② 内容:学長任命の取り消し請求  ③ 訴えの相手:国  以上のような状況を踏まえ、私たちは、行政訴訟という新しい段階に踏み込む  ことを決意しました。たしかに、「国」を相手の訴訟というのは誰にとっても  いささかたじろがざるを得ないものです。また、原告適格の問題や民事訴訟と  の関係など解決しなければならない問題も山積しています。しかし、このまま  事態の既成事実化、居直り、風化を許してはならないと私たちは考えます。  裁判が新しい段階を迎えるにあたって、すべての高知大学構成員の皆さんに、  これまで以上の支援を心から訴えたいと思います。 ○ 第三回口頭弁論報告  5月30日(金)11:00から高知地裁において第三回口頭弁論が開かれま  した。  4月1日付け人事異動で新しい裁判長が本裁判を引き継いで担当することにな  りました。冒頭、裁判長は被告側に、学長の任命について事実確認を行い、相  良祐輔氏が高知大学長に4月1日付けで任命されたことを口頭で確認しました。  これを受けて、裁判長から今後の裁判の進め方について、原告、被告それぞれ  と別室で協議したい旨の提案があり、まず原告の高橋先生と原告側弁護団が裁  判長と一緒に別室に移りました。これは刑事訴訟法では「進行協議手続き」と  言うのだそうですが、被告側弁護団もやがて「タバコを吸いに」(被告側主任  弁護士のお言葉?!)法廷から退室したので、法廷には傍聴人のみが残ること  になりました。  裁判所書記官らしき人の説明では「このまま30分くらい協議をして、そのま  ま解散となるか、または口頭弁論の再開と言うことになるかも知れません」と  のこと。私たちは仕方なく、傍聴に来ていた人文学部のA先生(法学)の即席  のレクチャーを受けながら待つことに。  30分ほどして高橋先生と弁護団が戻って来ました。高橋先生が原告席に戻り  かけたので口頭弁論再開かと思ったのですが、これは荷物を取りに来ただけで、  口頭弁論の再開は無し。その場で弁護団から簡単な経過説明がありました。つ  まり、学長の任命という事態を受けて、裁判長から今後の裁判の進行について  提案があり、6月23日(月)の4:00から原告側被告側で協議(非公開)  するとの事でした。    この日はそれで解散でした。第1回も第2回も民事訴訟の裁判とは何をやって  いるのかよく分からないものでしたが、第3回についても,ある人曰く:「今  日の口頭弁論はあったと言うべきなのか、あるいは無かったと言うべきなのか?  」という内容でした。  一面で述べたように、学長選考会議の決定という段階から文部科学省による相  良祐輔氏の学長任命という段階への事態の推移に対応し、訴えの矛先を高知大  学から国へ向け,裁判の争点を新たな「任命取り消し請求」に転換するのが妥  当なことははっきりしています。その際,これまでの民事訴訟をどうするのか  が当面の問題です。もちろん「和解」はあり得ませんから、門前払い覚悟でこ  のまま行くのか、それとも、別の道を考えるのか。そのいずれにしても、今後  闘いの中心となる「任命取り消し請求」をより有効に進めて行くには,どのよ  うな方法が最善であるのかを慎重かつ前向きに検討する必要があるでしょう。 "[he-forum 13367] 毎日新聞岩手6/5 毎日新聞岩手版2008年6月5日付 岩手大:新学長・藤井氏が抱負 「他者思いやる人材育成を」  岩手大学の平山健一学長(66)が4日に退任し、前農学部長の藤井克己教授(55)が5日、新学長に就任する。4日開かれた会見で平山氏は「地域と大学の一体感を持てるようになった」と6年間の成果を振り返った。藤井新学長は「共生の時代のパートナーとして地域とともに歩みたい」と抱負を述べた。  平山氏は02年6月に就任。04年4月の国立大学の法人化後、初の学長として、教員組織の再編や産学官連携の基盤を整備してきた。「教員の意識が進み、県内製造業の活性化に貢献できた」と語った。  藤井新学長は「都市と地方、世代間など格差が広がる時代、他者を思いやる21世紀型の人材を育てたい」と教養教育の再構築を重点課題に挙げた。研究面では、優れた研究拠点に予算が重点配分される文部科学省の「グローバルCOE」の来年度採択を目指すと述べた。【山口圭一】 "[he-forum 13368] 北國新聞6/3 北國新聞2008年6月3日付 心筋用パッド製品化 金大、先端大が共同開発 神戸の企業、ライセンス契約  金大と北陸先端科技大学院大が共同で開発、特許出願した医療器具が、国内のベンチャー企業によって製品化されることになった。器具は心臓手術後に起きやすい不整脈「心房細動」を速やかに治療する心筋用パッドで、高い使用率が見込めるという。二日までに大学と企業がライセンス契約を結んだ。  製品化するのは、心臓病治療を中心に研究開発を行うカルディオ(神戸市)。今後臨床試験などを経て国内外で販売する。  パッドは直径四センチ、厚さ四ミリの円形。心臓手術の際、二枚を左右の心房に装着しておくと、手術後に心房細動が起きた際、弱い電気を直接流すだけで治療できる。心房細動の危険がなくなる一カ月後には、体内で自然分解される。投薬や強い電気ショックといった従来の治療法に比べ患者、医師の負担が軽減できるという。  金大大学院医学系研究科心肺総合外科の渡邊剛教授と北陸先端科技大学院大マテリアルサイエンス研究科の由井伸彦教授のグループが二〇〇五(平成十七)年から心筋用パッドの研究開発を進めていた。 "[he-forum 13369] 日本経済新聞6/4 日本経済新聞2008年6月4日付 群大など関東4国立大、2年後メド「共同大学院」  宇都宮大学、茨城大学、群馬大学、埼玉大学の4国立大学法人は2010年4月をメドに、複数の大学が対等な関係で連携する「共同大学院」の設置を目指す。それぞれの得意分野を生かし、地域に欠かせない専門知識を持った人材を育てる狙い。今年度から単位を完全に互換する連携コースを開設。IT(情報技術)専門家の育成に取り組み、将来は経済や医学分野に広げる方針だ。  3日にソフトウエアの開発設計を教える「人間創生情報学コース」を開講。4大学から計60人が受講した。来年度にはデータベースやWEBサービスなどの技術を教える「社会創生情報学コース」を開く。各大学の3、4人程度の教授が講義を担当。講座は4大学をインターネットで結び、同時中継する形で進める。遠隔授業による大学院の演習は珍しいという。  既存の連合大学院では年間で10単位しか互換できないが、今回は4大学院で同時に同じコースを用意して実況中継することで、どの大学の学生も自由に単位が認定される仕組みをつくった。システム構築などに文部科学省から合計で約3300万円の補助金を受けた。 "[he-forum 13370] 日本経済新聞6/4 日本経済新聞東北版2008年6月4日付 山形大学と地元20数社、食品開発で産学組織  山形大学と地元山形の食品関連企業など20数社は11日、高付加価値食品の開発に向けて会員制の産学協働組織を設立する。同大大学院が昨春開設した「食品創製(MOT)コース」と連携し、基盤研究、開発企画から生産、販売・宣伝まで商品づくりの全過程を支援する仕組み。同大によると、大学院の専攻コースと地元有力企業群が密接に協力し合う形で協働組織を立ち上げるのは全国でも珍しいという。  設立するのは「山形大学食品MOTファンクラブ(YMF)」。3日時点で日東ベスト、シベールのほか、高畠ワイン(山形県高畠町)、三奥屋(同)、城北麺工(山形市)、千代寿虎屋(寒河江市)、樽平酒造(川西町)など山形19社、福島路ビール(福島市)など福島3社が参加を表明。荘内銀行なども加入する。会長には日東ベストの鈴木俊幸会長が就任する見込み。 "[he-forum 13371] 河北新報6/5 河北新報2008年6月5日付 バンドン工科大と協定 エネルギー技術研究 東北大  東北大大学院環境科学研究科は4日、インドネシアのバンドン工科大と学術協定を結んだ。バンドン工科大にサテライトキャンパスを開いて教員を常駐させ、アジアのエネルギーの安全保障に関する教育に取り組む。  サテライトキャンパスには社会科学系教授と工学系准教授の計2人を置くほか、環境科学研究科の教員を1週間ずつ派遣して集中講義を行う。分野は地質、岩石力学、化学工学、流体工学など。  石油産出国と消費国の経済メカニズムや、エネルギーの安定供給技術を題材に、工学と社会科学の分野を融合して学際的な教育、研究を進める。  定員はバンドン工科大大学院の修士課程2人、博士課程1人。東北大と同じカリキュラムを編成し学位も授与する。期間は2011年9月までで、講義は工科大の一般学生にも公開する。  修士課程の学生は6カ月間、東北大で学ぶ。石油資源開発(東京)の寄付講座として開設、授業料や渡航費、生活費は奨学金を支給する。  バンドン工科大で4日、調印式があり、井上明久総長と環境科学研究科の谷口尚司研究科長、土屋範芳教授らが出席した。土屋教授は「日本の教育の輸出と位置付けている。東北大の研究第一主義を現地に根付かせたい」と話している。  バンドン工科大は1959年に開学した理工系の国立大で、1万数千人が学ぶ。前身はオランダ植民地政府が20年に設立したバンドン工業高等学校。 "[he-forum 13372] 毎日新聞6/3 毎日新聞2008年6月3日付 教育予算:「高等教育予算、やっぱり少ない」 財務省の主張に文科省が再反論  国が初めて策定する教育振興基本計画に関し、教育予算増などの数値目標明記を目指す文部科学省をけん制するため財務省が公表した反論書に対抗し、文科省は再反論書をまとめた。「生徒1人当たりの教育予算は主要先進国とそん色ない」と主張する財務省の分析を批判し、「高等教育などの1人当たり予算は、経済協力開発機構(OECD)平均を下回っている」と反論した。  財務省の主張の根拠は、生徒1人当たりの教育予算を国民1人当たりの国内総生産(GDP)で割った値で、文科省は「単純な解釈ができない」と疑問を提示。ドル換算で、日本は就学前1973ドル、高等教育5024ドルだが、OECD平均はそれぞれ3793ドルと8403ドルだとした。さらに「初等中等教育段階は先進国と同程度だが、教員の年齢上昇による人件費増などが要因」とした。  「教育予算が多ければ学力が高いわけではない」との財務省の見解には、「OECDの学習到達度調査(PISA)の結果では、1人当たり教育予算と学力に明らかな関係性がある」とのOECDの分析を紹介した。  財務省が「学力向上など教育成果こそ数値目標を」とした点は、基本計画案に「世界トップの学力水準を目指し、国際調査などで学力の高い層の割合を増やす」などの目標を盛り込んだと反論した。【加藤隆寛】 "[he-forum 13373] 口で護憲を言っても憲法原則の蹂躙に目をつぶったら偽善 佐賀大学の豊島です.もう一週間も経ちますが,大学構内での "[he-forum 13374] 四国新聞6/6 四国新聞2008年6月6日付 政策研究で連携強化-高松市と香川大が協力協定  高松市と香川大(香川県高松市幸町、一井真比古学長)は5日、連携協力に関する協定を締結した。環境や公共交通などの政策研究のほか、産業振興、危機管理など多分野で連携を強め、大学の持つ最新の情報や研究成果を市が地域づくりに積極的に活用する。香川大が市町レベルの自治体と同様の協定を結ぶのは初めて。  市は本年度スタートの新総合計画で大学との連携を重点取り組み事業に設定。両者は今後、事務レベルの連携協議会(仮称)を設置し、具体的に取り組む事案を検討する。  これまで市と香川大は、市が各種審議会などで教授陣を委員に委嘱するなど個別の連携は続けてきたが、包括的な協力協定は結んでいなかった。香川大は近年、各種機関との連携を強めており、2002年に県と同様の協力協定を締結。04年の法人化後は、各金融機関などとも連携協定を結んでいる。  この日市役所で開かれた調印式には大西市長と一井学長が出席し、協定書にそれぞれサイン。大西市長は「大学の持つ専門的な情報、知識を市政運営に生かせるのは心強い」とあいさつ。一井学長は「地域の知の拠点を目指す上で非常に有意義。大学の知的、人的財産はさまざまな場面で役立つと思う」と抱負を述べた。 "[he-forum 13375] 毎日新聞埼玉6/6 毎日新聞埼玉版2008年6月6日付 連携:埼玉大など4大学院がITで 即戦力へ技術者養成  埼玉大は茨城大、群馬大、宇都宮大の関東3大学と大学院連携プログラムを設立した。先端の情報技術(IT)では大学によって専門分野の到達度が異なるため、得意な分野の知識・技術を教え合うことで、即戦力の技術者を養成するのが目的。今月3日から各大学院で講義を始めており、文部科学省の認可が出れば来年度にも4大学共同大学院に発展させる意向だ。  開発の管理やコストなど経済科学系は埼玉大、ウェブサービスや情報セキュリティーといったエンタープライズ系は茨城大、機械の中にコンピューターを入れる組み込み型技術は宇都宮大、理論分野は群馬大など、それぞれの大学が得意分野を出し合った。履修者は2年間で30単位が取得でき、修士の学位が得られる。定員は各大学院とも4人程度。情報系の他の院生も参加できる。  大学に先端IT分野で即戦力となる技術者の養成を求める声は学生側はもとより産業界からも強かった。しかし単一の大学だけで技術の進化が早いIT系の教員を充実させることは難しく、4大学は数年前から共同プログラムの検討を続けてきた。連携プログラムへの布石として06年4月からは4大学院で単位の互換協定も締結した。  講義は実習などで拠点の大学に集まることもあるが、基本的にテレビ会議システムを使った遠隔授業になる。茨城大の田切美智雄・学長特別補佐は「大学として教育の新しいやり方のスタート。教員、学生にとってもメリットが大きい。今後は違う分野でも連携の可能性を話し合っている」と話している。【若井耕司】 "[he-forum 13376] 共同通信6/6 共同通信2008年6月6日10時49分 全国の高専ネットワーク化 中教審が振興策の答申素案  中学卒業後から技術者養成の専門教育をする高等専門学校(高専)の教育充実を審議している中教審は6日、全国の高専をネットワーク化し、各校が持つ知的財産を共有できる仕組みの整備など、文部科学省が今後5年間で集中的に実施すべき振興策をまとめた答申素案を示した。  文科省は最終的な答申を受けた上で、来年度予算の概算要求に向け、夏ごろまでに「高専教育振興施策要綱」を策定する方針。  素案は、高専が即戦力の技術者養成を担っていると位置付ける一方で、2006年度の本科(5年間)卒業生の27%が大学へ編入学している実態を踏まえ、大学との連携による編入学枠の拡大など受け入れ体制の充実を求めている。  工業系に偏っている学科編成も見直し、情報通信やバイオ、医学、環境など新分野との融合、展開が重要と指摘。入学時でなく、入学した後で学生が専攻を選べる制度の創設も提案している。 "[he-forum 13377] 毎日新聞広島・岡山6/7 毎日新聞広島・岡山版2008年6月7日付 中国地方主要5大学シンポ:岡山大副学長ら、活性化策探る--  中国地方の産学官が地域の活性化のための連携策について話し合うシンポジウムがこのほど、広島市内のホテルであった。広島大や山口大など中国地方の主要大学の学長、岡山大副学長らが顔をそろえ、産業界との協力や地域貢献の在り方について意見を出し合った。5大学などの共催で、中国経済産業局の杉田定大局長がコーディネーターを務めた。  独立行政法人化以降、期待される地域貢献について、広島大の浅原利正学長は「高いレベルの研究で貢献するには地域に介在するコーディネーターが必要だ」と指摘し、能勢隆之・鳥取大学長は「大学で特徴的なのは掘り起こしの基礎研究。地道に続け、産業に生かせられればうれしい」と語った。中国地方の大学間連携について、岡山大の曽良達生副学長は「中国地域の産業強化につながる」と話した。【井上梢】 "[he-forum 13378] 時事通信6/7 時事通信2008年06月07日05時29分 「高専」振興に5カ年計画=産学連携、新学科展開で策定へ-文科省  文部科学省は7日までに、技術者養成で期待が大きい高等専門学校の教育を充実させるため、今夏にも「教育振興施策要綱」(仮称)を策定し、来年度から5年間程度の計画で取り組むことを決めた。産業界と連携したインターンシップ(就学体験)の普及や、新分野の学科設置の促進を想定している。  高専をめぐっては、中央教育審議会が将来像や課題を審議中。同省は、7月末にもまとまる答申を要綱に反映させる。  課題の1つが産学連携。インターンシップを実施する高専は既に95%(2005年度)に上るが、3カ月以上の長期の体験を普及させるため企業に協力を促す方針だ。団塊世代の企業退職者を教員などとして登用することで、技術の伝承も図る。 "[he-forum 13379] 大学において急増する非正規雇用の教職員:実態調査と資料提供のお願い 大学において急増する非正規雇用の教職員:実態調査と資料提供のお願い 2008年6月8日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 非正規雇用者は社会全体で増え続け、全労働者のなかに占める割合は33.5%と既に3分の1を越えています(男18.7%、女54.0%、2007年総務省「労働力調査」)。この非正規雇用者の急増が生み出す深刻な諸問題については既に多くのところで指摘され、労働組合側からの反撃も開始されているところです(たとえば「格差社会にいどむユニオン」木下武男、2007年、花伝社)。 では大学はどうなのでしょうか。既に行政職の分野においては少なくない国立大学の職場において非正規雇用者数が正規雇用者数を上回っています。派遣労働者も拡がっています。教育の分野においても多数の非常勤講師という非正規雇用者によって辛うじて維持されています。加えて、近年、様々な形で雇用されている若手研究者も急増しています。現段階で正確な統計はありませんが、国立大学における非正規雇用者数は優に半数を越え、国立大学は非正規雇用者の率が異常に高い組織であると推定されます。こうした非正規雇用者の率の異常な高さは、実は、国立大学における極めて歪んだ雇用関係によってもたらされているものです。 第1に、国家公務員時代に形成された非常勤職員制度が強固に維持され、低賃金、権利上の差別、3~数年の雇用期限など、民間のパートタイマー労働者よりも悪条件での労働が強いられている場合が数多く認められます。 第2に、法人化後、雇用の原資が多様化したことと対応して、有期雇用、年俸制、裁量労働制を軸とした多様な条件による雇用が主として若手層を対象に拡がっています。しかしその現実は、「高学歴ワーキングプア」(水月昭道、2007年、光文社新書)と呼ばれる劣悪な労働環境です。そうした中で、研究室単位での研究補助要員、若手研究者ならびにその予備軍の雇用には不透明な例が数多く報告されています。人件費に回すことのできる予算を握る「ボス」が事実上の雇用者として振る舞い、労基法等の労働法制を無視したアカデミックハラスメントの温床を形成しているとの指摘もあります。 非正規雇用者をめぐる上記の状況は、正規雇用者の雇用・労働条件不安定化の動きとも密接にリンクしています。例えば、執拗に繰り返される任期制導入の圧力、現行給与表体系とは異なった年俸制体系の拡大の動きなどがそれにあたります。こうして働く人々全体の雇用を不安定化させ、互いに競争させ、人件費を極限まで切り下げる路線の推進が加速されているのです。 運営費交付金の逓減が強行され、2010年から始まる次期中期目標期間においては運営費交付金そのものの競争的配分が企図されている現在、各大学の生き残りをかけた競争の中で、非正規雇用の拡大とその労働環境の劣悪化はいっそう強まっていくとみなければなりません。このような状況に私達は真正面から対峙し、将来へ向かって安心して働くことのできる職場をつくる、そのことが大学における教育研究活動発展の重要な基盤構成要素となるという運動を対置しなければならないと思います。そのためには、各大学における非正規雇用の実態を正確に把握し、分析する作業をまず行わなければなりません。 本事務局は、非正規雇用者が劣悪な労働・雇用条件におかれていることに憤りを抱き、かつまたそのような雇用が急増していることに深い懸念をもっておられる全国の大学の方々と力をあわせて、現状分析と打開方策提示に取り組みたいと思っています。是非、各大学、研究機関ごとに以下の情報・データ等を部分的で結構ですからお寄せ下さいますようお願いいたします。 1.非正規雇用者にかかわる就業規則。雇用条件、給与条件等の諸規程 2.雇用条件等を中心にして非正規雇用者をカテゴリー分けしたものとその名称。カテゴリーごとの人数、年令構成など 3.非正規雇用者にかかわって起こっている諸問題の実例 データは本事務局まで電子情報で送っていただければ幸いです。アドレスはinfo@shutoken-net.jp(@を半角にして用いてください)です。夏には第1次の集約結果をご報告したいと思っています。本事務局も自ら、これらの情報・データ等の独自の収集・分析によりこの運動に資する所存です。 "[he-forum 13380] 6月7日しんぶん赤旗 2008年6月7日(土)「しんぶん赤旗」 学費軽減 全く同感 党「提言」 石井副委員長に教授会連合  日本共産党の石井郁子副委員長・衆院議員と足立正恒学術・文化委員 会責任者は六日、東京都内で「国庫助成に関する全国私立大学教授会連 合」の角岡賢一氏(龍谷大学教授)、垣内伸彦氏(愛知大学教授)ら代 表と、党が発表した「学費提言」や国庫助成の増額と制度の改善につい て懇談しました。  石井氏は「学費提言」がマスコミで取り上げられ、反響を呼んでいる ことを紹介。経済的理由で学業を断念する若者を生まないための最小限 の施策をまとめたものが「学費提言」だと説明しました。「提言」は大 学について、国立大学の授業料免除枠の拡大、私立大学生への授業料直 接助成制度の創設、日本学生支援機構の奨学金をすべて無利子にするこ と、国際人権規約の学費無償化を求める条項の留保撤回を提案していま す。石井氏は「国民的な運動をつくるために、共同を広げたい」とのべ ました。  国庫助成教授会連合の代表は「共産党の提言はタイムリーです。私た ちは四十年間学費軽減の運動を続けてきたのでまったく同感です。とく に、学生への直接助成制度は重要です」とのべました。懇談では地方の 私立大学の経営の困難な現状も語られました。学費軽減は国立私立を問 わず、切実になっており協力して国民的運動にしていきたいと話がはず みました。 "[he-forum 13381] 紀伊民報6/9 紀伊民報2008年6月9日付 和歌山大が記念式典 創立60年と観光学部設置祝う  和歌山県の和歌山大学は8日、和歌山市内のホテルで、創立60年と観光学部設置を記念した式典を開いた。約400人が出席して創立からの歴史を振り返るとともに、4学部体制で新たに出発した大学に、地域振興への期待を寄せた。  和大は1949年に創立。2学部体制から校舎の移転、統合などを経て、95年にシステム工学部、2008年に国立大学法人初の観光学部を設置した。  小田章学長は「地域の支援で新学部を設置できた。期待と使命の重さを感じている。4学部それぞれ人材、知的資産を育て、地域に貢献したい」とあいさつした。  来賓の仁坂吉伸知事は「大学が地域振興に力を入れることで、県民との距離が近くなり、まさにわれわれの大学になった気がする。大学から元気をもらえると期待している」とエールを送った。  和大は紀南広域市町村圏や県外では長野県飯田市などの自治体や企業と連携協定を結んでいるほか、田辺市に紀南サテライトを設置するなど、地域とのかかわりを強める取り組みをしている。 "[he-forum 13382] 読売新聞6/10 読売新聞2008年6月10日付 大学病院への製薬会社からの寄付…「避けるべき」32% 一般教員意識調査  製薬企業から大学病院の医師に提供される寄付金などの資金について、「受け取るべきではない」と考える一般の大学教員が3割以上にのぼることが、筑波大産学リエゾン共同研究センターの新谷(しんや)由紀子講師らが行った意識調査で明らかになった。  調査は昨年9月、自然科学系学部・研究科がある大学から無作為に選んだ教員1000人と国立大学法人の経営協議会委員の外部識者592人に調査票を送り、計250人から回答を得た。  臨床研究で利害関係のある製薬企業からの未公開株の取得は「避けるべきだ」が57%を占めた。企業が主催する講演会での講演料などの受け取りも「避けるべきだ」(40%)が、「条件付きで認める」(36%)を上回った。  企業からの寄付金については「条件付きで認める」(45%)がトップだったが、次いで「大学の正式な手続きを経ていても避けるべきだ」(32%)という答えが多かった。大学に届け出る寄付金の基準は、「過去に1円以上あれば、すべて報告するべきだ」との回答が最も多かった。新谷講師は「企業からの資金提供について、一般の大学教員は、より厳しい倫理基準やルールを求めている」と話している。 "[he-forum 13383] 読売新聞6/10(2) 読売新聞2008年6月10日付 大学ランク「過信ご注意」 専門家が警鐘 OECD、各国影響調査  経済協力開発機構(OECD)などが、大学ランキングについて、各国の高等教育への影響を調べている。  この調査で来日した高等教育の専門家、アイルランド・ダブリン工科大のエレン・ハゼルコーン副学長は「ランキングの過信は禁物」と警鐘を鳴らした。  最近は、英国の大衆紙がアイルランドを含むランクを発表、ポーランドやチェコでも始まるなど、ヨーロッパ諸国にも大学ランキングが広がっているという。この結果、「順位が上がると学生や資金が集まるので、どの大学も順位を気にするようになった。産業界でも、英国では、ある順位以上の大学の学生しか採用しない企業が現れた」。  また、経済同様、高等教育のグローバル化が進む中、「留学生獲得のため、大学は世界での順位を上げようとする。チェコの大学は、ドイツ語だけではなく、英語での授業プログラムも導入するようになった」。  しかし、ランキングには問題も多いという。「データの集め方が不正確だったり、総合順位で比較する傾向が強いため、一つ一つの大学の良さが評価されなかったりする。その点、日本のメディアによるランキングは、多様な基準を用いて多面的に評価しようとするところがよい」  順位の結果に、大学も政府も一喜一憂すべきでないという。「大学が自校の改善のために評価結果を用いるのはよいが、順位アップを目標にすべきではない。政府は、国民がランキングを過信しないように、大学に関する多様な情報を発信する責任がある」  国際調査は、ドイツやオーストラリアでも実施され、ハゼルコーン氏らの手で分析が進められる。(石塚公康)  大学ランキング 1980年代後半に米国の雑誌「USニューズ」が始めたのが、本格的なものでは最初。日本でも90年代から、雑誌の特集や書籍の出版がされるようになった。21世紀に入ると、タイムズ・ハイアー社(英国)や上海交通大学(中国)、「ニューズウィーク」誌(米国)が世界ランキングを発表。昨年のタイムズでは、日本では東大の17位が最高だった。 "[he-forum 13384] 北國新聞6/10 北國新聞2008年6月10日付 「石川枠」全国から5人 金大医学類 一定期間、県内勤務が条件  金大医薬保健学域は九日までに、二〇〇九年度からの医学類の入試で、卒業後の一定期間、石川県の医療に貢献する意思のある受験生を対象とした「石川枠」を設ける方針を固めた。国の緊急医師確保対策を受けて増員となる入学定員五人分を充て、医学類の定員は百人となる。全国の優秀な学生を集め、県内の医療リーダーを養成する。  石川枠の入試は、金大医学類が〇九年度入試から後期日程を廃止して導入するセンター試験を課す推薦入試と併せて行う。石川枠で不合格となった場合でも推薦入試、一般入試を受験できる。石川枠入学者は「特待生」として県から修学資金の貸与を受け、卒業後は金大附属病院で研修する。その後は専門医認定などを目標に県内医療機関で数年間勤務することが条件となる。  緊急医師確保対策で国は、医師の不足や偏在を解消するため、〇九年度から九年間に限り毎年度に各都道府県で最大五人(北海道は十五人)の医学部定員増を認めていた。  石川枠について、県は中長期的な取り組みで優れた医師を育てる「石川モデル」としたい考えで、金大の金子周一医学類長は「大学が預かる限りは立派な医師を育てたい」と話した。 "[he-forum 13385] 北國新聞6/10(2) 北國新聞2008年6月10日付 大学と企業をマッチング 金大 北國、北陸銀と包括連携協定  北國、北陸銀行は九日、金大とそれぞれ覚書を交わし、包括的に連携、協力する協定を結んだ。同大指定金融機関の北陸銀行と、地元に本店を置く北國銀行は今後、それぞれが金大と連絡協議会を設立し、包括的連携の具体案を検討していく。  連携については、金大が持つ研究成果や新技術を、両行の取引先企業の需要とマッチングさせて新産業創出を図ったり、人事交流、資金運用の支援など幅広い連携が想定されている。  連絡協議会は七月中にも設立される。金大側は、産学連携や財務、教育、病院経営などの実務者らをメンバーにする考え。銀行側は、取引先企業がどのような大学の研究成果を必要としているか、具体的な情報を持っている営業担当者らを派遣する予定だ。  調印式は、北陸銀行が午前、北國銀行が午後の順番で行われた。  両方の会見で中村信一学長は、銀行との連携について、「企業がどのような技術、研究成果を必要としているか、銀行はよく知っている。学生のインターンシップ(企業体験)、奨学金など経済的支援の面でも効果は大きい」と期待感を示した。 "[he-forum 13386] 日刊工業新聞6/10 日刊工業新聞2008年6月10日付 東大、建物の省エネへ27機関との連携プロを発足  東京大学は9日、ITを使って建物のエネルギー消費状況を把握し省エネにつなげる「グリーン東大工学部プロジェクト」の発足を発表した。通常、施設の設備制御システムは個別に運用されているが、これらの情報を統合するモデル構築で、ファシリティーの規格・設計・構築運用の企業や団体が連携する。発起人・組織として慶応義塾大学のほか東芝、山武、横河電機など27機関が参加する。  このプロジェクトは東京大学の本郷キャンパス(東京都文京区)で、05年に完成した12階建ての工学部2号館(総合研究教育棟)を対象に行う。各設備制御システムを相互接続し、投入・配送・消費エネルギーの状況を総合的に可視化する。参加するのは技術規格標準化関連団体、建設会社、建設設計事務所、ハードウエア・ソフトウエアベンダー、インテグレーター、通信事業者など。 "[he-forum 13387] 西日本新聞6/11 西日本新聞2008年6月11日付 県が医師不足解消へ新制度 医学部生に修学支援 大分大「地域枠」 授業料など貸与  県は10日、大分大学医学部が2009年度から募集する特別選抜地域枠の学生5人に対し、授業料など修学資金を貸与する制度を始めると発表した。学生は卒業後の9年間、知事が指定する県内の病院で研修・勤務すれば、資金返還が全額免除される。県出身の医師が都市部に流出するのを防ぎ、医師不足の解消を図るのが狙い。  県は17日開会の6月定例議会に県医師修学資金貸与条例改正案を提出。09年度の一般会計当初予算案に貸与額約700万円を計上する。  特別選抜地域枠は、県内の小中学校を卒業し、大学卒業から9年間は指定病院での勤務が条件。大学入学から卒業まで6年間、月額5万円の生活費や授業料(年間約53万円)が貸し出される。入学金(約28万円)も貸与対象になる。  大学卒業から5年間は指導医がいる病院で研修を受け、その後は医師不足の病院などに勤務する。  県は07年度から医学部以外の大学卒業生が大分大医学部に学士編入した場合に月額15万円の生活費や授業料などを貸与する制度を実施。卒業後の7年間、知事指定の病院に研修・勤務すると資金返還が免除される。07年度は定員3人に約20人の応募があった。  県医務課は「学士編入では予想以上の応募があった。新たな貸与制度でも、医師として出身地で働くことを目指す入学希望者が集まることを期待したい」としている。 "[he-forum 13388] 毎日新聞岩手6/11 毎日新聞岩手版2008年6月11日付 岩手大大学院工学研究科:金型・鋳造専攻が人気 県外企業の社員入学も ◇人材育成や産学パイプ作りで  岩手大大学院工学研究科の金型・鋳造工学専攻が県外企業から注目されている。日本初の専攻ということで、修了生の争奪戦が激しいだけでなく、自社の社員を入学させる企業もある。背景には学問的な面での人材育成や同大とのパイプ作り、引く手あまたの修了生を獲得したいといった狙いがあるようだ。【安田光高】  北上市の金型技術研究センターで今月3日、金型の分解実習があった。8人の修士1年生に交じって、横浜市の製造会社に勤務する石坂則夫さん(31)が参加していた。入社9年目の中堅社員で、金型の設計を担当。会社ではこれまでの経験で設計していたため、理論を学ぼうと同専攻に入学したという。「会社として金型の技術力がないと勝ち残れない」と話す。  石坂さんのように同専攻には毎年、首都圏などの企業から社会人が集まる。  金型・鋳造専攻は06年4月に日本で初めて設置。日本のものづくりを支える人材育成と、地域の地場産業と連携し、世界に通用するものづくりの拠点を目指している。定員は10人程度だが、社会人も受け入れており、1、2年生の24人中9人が社会人。そのうち5人が県外企業で金型や鋳造を扱っている。  金型コースの岩渕明教授によると、県外企業の多くが業界大手ではなく、中堅企業。少ない修了生を他企業と競争して獲得するより、自社の社員を同大で2年間勉強させ、高度な技術を身につけさせた方が人材確保の面でも効率的なためだ。「大学とのパイプを築く」(石坂さん)という目的もあるという。  岩渕教授は「県外から多くの社会人が来るとは思わなかった。社会人以外の修了生も多くの企業から誘われ、就職できた。この2年間は一定の成果が出せたのでは」と話している。 "[he-forum 13389] 日本経済新聞九州6/11 日本経済新聞九州版2008年6月11日付 九大、スターフライヤーと連携 デザインで共同研究  九州大学は10日、新興航空会社、スターフライヤー(北九州市、堀高明社長)と研究・教育分野などでの包括的な連携協定を結んだと発表した。主にデザイン関連での学術研究を進める。  九大の芸術系機関である大学院芸術工学研究院、大学院芸術工学府、芸術工学部がスターフライヤーと「組織対応型連携協力に関する覚書」を締結した。  スターフライヤーが学部・大学院生向けの講義に講師を派遣したり、九大からインターンシップ(就業体験)を受け入れたりすることを想定。空港施設などの公共デザインやブランド力の向上を目的にした戦略策定などについての共同研究にも取り組む。セミナーや講演会などの開催も予定している。 "[he-forum 13390] 産経新聞6/11 産経新聞2008年6月11日付 産学官で共同研究推進、三重大が伊賀で拠点施設の起工式  産学官の連携による「三重大学研究拠点」(仮称)の起工式が10日、伊賀市ゆめが丘1丁目の建設予定地で行われた。三重大学と民間企業がバイオテクノロジー(生物工学)などの共同研究を進める拠点施設で、来年3月に完成し4月から運用を開始する予定。  同大学にとっては、初めて学外に設ける産学官連携の研究拠点。同市は当初、平成19年度事業として建設計画を立てたが、昨年6月に施行された企業立地促進法に基づき、事業主体を財団法人・市文化都市協会に切り替えて国庫補助による事業化を申請。20年度での建設となった。  開設に向けて同市などは今後、「地域の産業おこしにつなげてもらいたい」として、共同研究の可能な企業を募ることにしている。  拠点施設は、鉄骨3階建て延べ約1400平方メートル。研究室7室と、企業が使うインキュベーション室5室を設置。別棟に栽培実験などに活用する温室などを整備する。用地は、市が予定していた高等教育施設用地を活用。総事業費約4億2500万円のうち、国から約2分の1の補助金を得て建設する。  起工式には関係者約45人が出席し、くわ入れなどをして工事の無事を祈願した。同大学の豊田長康学長は「大学として感慨深いものがある。地域と密着できる出先機関として、地域の人々とフェースツーフェースの連携をしていきたい」と語った。 "[he-forum 13391] 6/12しんぶん赤旗 2008年6月12日(木)「しんぶん赤旗」 つくば研究機関 公務員宿舎に入居 可 財務省認める ポストドクターに朗報 紙議員要求  財務省は十日、茨城県のつくば研究学園都市にある独立行政法人研究 機関で働くポストドクター二百二十二人の国家公務員宿舎への入居を認 めることを決めました。これは同宿舎制度が始まって以来はじめてです。  日本共産党の紙智子参院議員が、二〇〇六年から二度にわたる質問主 意書と国会質問で要求したことで実現したものです。つくばに独立行政 法人研究機関を持っている関係省庁が、研究機関に勤務しているポスト ドクターに入居要望をとり、財務省と協議を続けてきました。  ポストドクターは、博士課程卒業者の短期の非正規雇用制度です。不 安定雇用であることに加えて、福利厚生などの面でも放置されていま す。若手研究者自身だけでなく、日本の科学技術の将来にとっても重大 な問題をはらんでいます。  今回の公務員宿舎への入居の実現は、宿舎に空きがあれば全国で実現 可能で、国立大学で働くポストドクターの宿舎問題の解決へ道を開くも のとなります。 "[he-forum 13392] 山形新聞6/12 山形新聞2008年6月12日付 「山形大食品MOTファンクラブ」設立 産学連携、商品づくり全過程支援  山形大と地元の食品関連企業などで構成する会員制の産学連携組織「山形大学食品MOTファンクラブ(YMF)」の設立総会が11日、山形市のホテルメトロポリタン山形で開かれた。「食農の匠(たくみ)」の育成を目指す同大大学院理工学研究科の「食品MOT(技術経営)」コースと連携し、基礎研究はもちろん、販売や宣伝まで商品づくりの全過程を支援する。  食品MOTコースは、生産技術からマーケティング・経営まで、総合的にマネジメントできる人材を育成する機関を目指し、同大大学院ものづくり技術経営学専攻の社会人コースとして昨年度開設した。国内最大級の市場データベースが安価で利用できるほか、ビジネスプラン作成講座などのメニューがあり、試作品などの加工、評価、検査をサポートする態勢も整えられている。YMFでは、これらの仕組みを地域企業に開放し、ビジネスに結び付けていく。  参加したのは、日東ベストやシベール、城北麺工、県など本県と福島県の正会員28団体。賛助会員として荘内銀行が加わった。会長に選出された日東ベストの鈴木俊幸会長は「工夫と知恵が必要な時代。学、産が結び付いて、大きな成果を挙げていきたい」とあいさつした。  本年度事業として、8月をめどにホームページを開設し、バイヤーやメディアなどに情報を発信するほか、大学講師による専門のコンサルティングを実施。必要に応じ、1万人規模の消費者モニター調査も乗り出すことにした。 "[he-forum 13393] 山梨日日新聞6/11 山梨日日新聞2008年6月11日付 講座開設し外国人向けツアーを企画 大学コンソ、観光の担い手育成  山梨県内の12大学・短大でつくる「大学コンソーシアムやまなし」は26日から、外国人向け観光について学ぶ「インバウンド観光事業企画力養成講座」を開講する。峡南地域にスポットを当てたモデルツアーを手掛ける実践的な内容も盛り込み、外国人向け観光商品開発などの担い手育成を目指す。現在、受講生を募集している。  講座は、文部科学省の社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業の採択を受けた「やまなしインバウンド観光教育プログラム」の一環で、昨年度からスタート。本年度は外国人向け観光の基礎理論などを学ぶ講義に加え、外国人観光客向けのモニターツアーを企画し、実施するという新たな要素を加えた。  ツアー企画には、身延町を中心とした峡南地域の温泉や宿泊、史跡などの観光資源を活用。身延山周辺での宿坊体験などが想定されるが、地元住民らとのワークショップも交えるなど地域の魅力や課題を探りながら2泊3日程度のツアーを設計。留学生らに体験してもらい、外国人のニーズに応えられるツアーの完成を目指す。将来的にはツアーの商品化も検討していく。  講座の定員は20人。受講期間は来年2月までで、全15回の講義を予定している。講義とは別に県内外の観光地を訪れ、食文化やワインなど地域の魅力を体験する現地実習も開く。問い合わせは同コンソーシアム事務局、電話055(244)6707。 "[he-forum 13394] 福井新聞6/12 福井新聞2008年6月12日付 県内8大学、短大、高専 連携強化へ推進会議  県内8つの大学、短大、高専と県のトップ懇談会が11日、県庁で開かれた。各校が共同で取り組む地域貢献活動を支援する「大学連携リーグ」事業の強化に向け、実務者レベルの推進会議を新設することを決めた。早ければ今月中にも立ち上げる方針で、教育・研究機能の充実や経営基盤強化を目指し、新たな連携策を検討する。  2007年度に始まった同事業は、各校が連携して研究・技術レベル向上や人材育成を図ることが狙い。共同研究や小中高校での授業、県民向けの生涯学習講座などを実施している。  推進会議の設置は、少子化による大学入学者の減少など厳しい環境を踏まえ、県側が提案した。教員同士の授業参観交流や社会人対象講座での地域貢献、学生や外部資金確保に向けた合同説明会などの連携策を例に、各校の教員らが内容や課題を話し合う。  懇談会には8校の学長、理事長、校長と西川知事が出席した。学校側からは「社会人講座はニーズがなければ成り立たず、実施前に企業などの需要調査が必要」(県立大・祖田修学長)、「学生の質の変化が大問題で、レベルを上げるために高校との連携が重要になる」(福井大・福田優学長)などの意見が出た。  知事は各校に主体的な取り組みを求めた上で、「連携の議論をできるだけオープンにし、県全体で学校や学生をサポートする地域だということを分かってもらわなければならない」と話した。  また、各校が県内外の大学、研究機関などと取り組む共同研究に県が助成する「連携研究推進事業」で、本年度15件を採択したことが報告された。 "[he-forum 13395] 信濃毎日新聞6/12 信濃毎日新聞2008年6月12日付 バイオマスの活用探る 全県組織が発足へ  信大や県、県内企業などが、間伐材や食品残さ、キノコ生産で使った廃培地といったバイオマス(生物資源)の有効活用を探る全県組織「バイオマスユーティリゼーション研究会」を7月1日に発足させる。当初はバイオマスを農業で使う燃料や食品に使うシステムの構築を目指す計画。原油価格の高騰を背景に産学官、農商工の連携を強め、一部にとどまっているバイオマスの利用を拡大し、産業化にもはずみをつけたい考えだ。  信大地域共同研究センター(長野市)などが呼び掛け、信大の工、農、繊維の3学部と大学院、長野高専、県、長野市、須坂市、千曲市、県農協地域開発機構(長野市)、直富商事(同)、日本電熱(安曇野市)などが加入して活動を始める。テーマごとにプロジェクトを設け、産業化に向け具体的な研究開発に取り組む。  プロジェクトの1つとして、本年度はバイオディーゼル燃料(BDF)の循環システムの研究に着手する。遊休農地で栽培するヒマワリの種から採取した油を販売し、使用済みの廃油を回収。一方でキノコの廃培地から抽出した糖分からエタノールをつくり、回収した廃油と反応させてBDFを精製し、トラクターの燃料などに使う。  ヒマワリの油や廃培地の糖分でドレッシングなどの開発や、ヒマワリ農園で観光振興などにも取り組む。  将来的な開発計画には、廃培地や間伐材を加工した固形燃料のほか、ワインやジュースの製造過程で出るブドウなどの搾りかすを使った機能性食品や化粧品などが挙がっている。  研究会は今後も、幅広く企業や自治体に参加を呼び掛ける。事務局を務める信大地域共同研究センターの藤井国久・産学官連携コーディネーターは「さまざまなアイデアや技術を集めて実用化に結び付けたい」と話している。 "[he-forum 13396] 毎日新聞6/12 毎日新聞2008年6月12日付 大学CIOフォーラム:なくせ「縦割り」の弊害 模索する国立大  大学のIT戦略を統括するCIO(最高情報責任者)が意見交換する第5回「大学CIOフォーラム」が11日、東京都内で開かれた。東大、京都大など全国11大学のCIOが実情を報告。「縦割り」の弊害をどのように改善するか模索する国立大の姿が浮き彫りになった。  国立大が「障壁」として挙げたのは、各部局ごとに人事情報や管理システム、予算権が分散していること▽予算が年度別で長期的な計画が組めないことなど。大阪大の竹村治雄・サイバーメディアセンター長は「今はシステムごとに予算を要求する『自転車操業』状態。ばらばらに更新していると、全体の最適化はできないので、中期的な計画を立てているが、現場の教員との意思疎通が難しい」と話した。会場の大学関係者からも「ネックは予算権。獲得のポイントを教えてほしい」との声があがった。  それに対し、筑波大の腰塚武志副学長は「ようやく予算権をCIOに集約し、大学全体の機器利用を分析して、整備計画をまとめた。全体を見渡せたところで、2台あったスーパーコンピューターを減らすなど、誰でも納得するところから削減している」と説明。東北大も今年4月、学内のIT戦略を担当する情報シナジー機構を改編。各研究室ごとに負担金を算定し、学部から徴収する方法で予算を確保した。  東大の岡村定矩副学長は「ITサポートは教育、研究、事務という目的ごとに考えることを共通認識にした方がいい」と指摘。部局ごとに持っていた研究員などの人事データを、大学全体を網羅したものに切り替え、適正な人員配置を模索。部局ごとの『ローカルルール』を排除するのにも役立つという。  一方、私大の同志社大は学校の事務効率化よりも「学生へのサービス提供」をIT化の目的にする。真胴正宏・総合情報センター長は「学生を集めることが優先。優れた研究者がいても保護者は評価しない」と明言。同大では独自システムで、履修登録・取り消し、成績通知、授業アンケートなどを実施。中でも、成績評価に海外の大学で採用されているGPA(Grade Point Average)制度を導入。平均点が重視されることから、自宅から登録したものの受講してない教科の履修を取り消せば、平均点が下がらないため、利便性は高いとみている。  CIOフォーラムは05年11月にスタート。IT基盤整備について大学共通の課題を議論するために、マイクロソフト、三菱総合研究所を中心に、IT関連企業らが支援して開催している。【岡礼子】 "[he-forum 13397] 共同通信6/12 共同通信2008年06月12日17時01分 支援怠れば「教育亡国」 高等教育投資拡大求め声明  高等教育への支援を怠れば、日本は「教育亡国」の道を歩むことになる-。慶応大の安西祐一郎塾長ら中教審委員の4人が12日の会合で、教育振興基本計画の策定を進める政府に、大学や大学院など高等教育への財政支出拡大を訴える緊急声明を発表した。渡海紀三朗文部科学相にも要望書を提出した。  基本計画をめぐっては、現行の国内総生産(GDP)比3・5%の教育予算を、今後10年間で経済協力開発機構(OECD)諸国平均の同5・0%に拡大するとした文部科学省原案に対し、歳出拡大につながる数値目標の設定に財務省が反発。2007年度中を予定していた閣議決定が大幅に遅れている。  声明は「高等教育のグローバル化で人材の獲得競争が激化している」と指摘。世界最高水準の教育研究環境を整備して優秀な学生を引きつけ、教育の成果や質を向上させるためには、政府による教育投資の数値目標設定や財政支出の強化は重要と主張している。 "[he-forum 13398] 6/13しんぶん赤旗 2008年6月13日(金)「しんぶん赤旗」 将来が不安、 不払い残業告発も 若手研究者アンケート HPに切実な声次々  若手研究者の就職難と劣悪な待遇が社会的な問題となるなか、日本共 産党学術・文化委員会が党のホームページ上で募っている若手研究者ア ンケートに、当事者であるポストドクター(半年から三年の短期雇用研 究員、ポスドク)、非常勤講師、オーバードクター、大学院生から、切 実な声が多数寄せられています。  ポスドクからは、契約終了後の就職が見えず、精神的に追い詰められ ているとの声が、際だって多く寄せられています。  「契約が数年で終わるので、精神的にも経済的にも不安定。企業、研 究職、ポスドクの募集はすべて年齢制限がある。将来は研究と全く関係 のないアルバイト生活をよぎなくされるのだと暗い気持ちです」、 「『うつ』で研究を二度休みました」、「死ぬまで極貧ですか? 自殺 者も数人出ています」  「不払い残業がある」など労働基準法違反を告発する声も寄せられて います。  「契約書では平日のみ一日八時間労働で、時間外勤務はないと書きな がら、土曜、日曜の勤務を強要し、その分の賃金は払わない」、「一日 六時間、週五日、時給千六百円という契約だったのに、実際は一日十二 時間以上の労働。休日も夜遅くまで働いている。内部告発がないのは、 教授に反抗することが自分の将来を破壊することになるから」  非常勤講師からは、講師料値上げ、待遇改善を求める声が、多数寄せ られています。  「前日に飛行機で通勤し、一泊して翌朝授業していますが、移動時間 の時給はなし。準備や採点の所要時間を考慮するとコンビニのバイトの ほうがましです」  党学術・文化委員会は、アンケート結果をもとに、問題の解決にむけ て、関係団体との対話や政府への働きかけを強めることにしています。 "[he-forum 13399] 6/13山形新聞 夜間休日の“迷惑患者”に特別料金 山大病院「救急機能守るため」 2008年06月13日 10:07 緊急性がない場合は特別料金を徴収することを知らせる救急外来の掲示 =山形市・山形大医学部付属病院  夜間や休日の救急外来を訪れる患者のうち「夜の方がすいているか ら」「薬をもらいに来た」など、緊急性のない「モンスター・ペイシェ ント(理不尽な要求を突き付ける患者)」を防ぐため、山形大医学部付 属病院は今月から、緊急処置が必要ない患者に8400円の特別料金 を負担してもらう制度を導入した。救急での軽症患者の増加は全国で問 題となっており、医学部は「一刻を争う重症患者に全力を注ぐという本 来の救急機能を守るため」としている。  医学部によると、2007年度の同病院の救急患者数は9310 人。休日や平日夜間(午後5時-翌午前8時半)に集中し、 約8割は入院の必要がない軽症患者。中には「平日は仕事だか ら」「夜の方がすいている」「数日前から風邪で鼻水が止まらない」な どの理由で利用する人も少なくないという。重症者の対応に支障が出る ほか、患者増による医師の負担は大きく、勤務医不足の要因の1 つと指摘されている。  特別料金は、こうしたケースを念頭に、救急担当医が緊急性や処置の 必要がないと判断した場合に徴収する。患者には受け付け時に説明し、 12日までに「薬をもらいに来た」などの6件で適用した。  この制度に、山形市内の女性(50)は「過重労働から守らない と、医師がつぶれてしまう。緊急度も医師が判断するなら納得でき る」、同市内の男性(64)も「病院に行く必要性の低い人が減る なら良いのでは」と肯定的。一方、「罰金みたい。家族の具合が悪く なったら不安だ」(東根市内の女性)との声もある。  嘉山孝正医学部長は「軽症患者すべてを対象にするわけではなく、あ くまで、重症患者が適切な救急医療を受ける権利を守る姿勢を示すのが 狙い。医師不足の面からも医療機能の分担が必要で、高度な3次 救急を担うべき病院をコンビニのように利用するケースを抑止したい」 としている。 モンスター・ペイシェント 医師や看護師らに対し、理不尽な要求や自 己中心的な行動をする患者を「怪物」に例えた言葉。度を超えた苦情や 現代医学では不可能な要求、病院の利用に対するモラル低下などで、近 年こうした患者の増加が指摘されている。教育現場では、無理難題を求 める保護者をモンスター・ペアレント(親)と呼ぶことがある。 "[he-forum 13400] 山形新聞6/13 山形新聞2008年6月13日付 産科医に「分娩リスク手当」 山形大病院が創設  山形大病院(山形市)は12日、分娩(ぶんべん)に従事する医師に対し、一律に特別手当を支払う「分娩リスク手当」を創設したことを明らかにした。医師の仕事への意欲を高めるのが狙いで、深刻化している産科医不足の解消につなげたい考えだ。  急変などのリスクを伴い、医師の負担が大きい分娩については、東北でも夜間の出産時などに手当を上乗せする病院が出ているが、山形大病院によると、勤務時間の内外を問わず分娩業務に手当を支払うのは、大学病院としては東北で初めて、全国でも3例目という。  山形県内では他地域と同様、過酷な勤務と不十分な待遇、訴訟のリスクが高いことなどを理由に産科医が減少している。最上や置賜地方では医師一人で年間200件以上の分娩を扱う病院もある。  山形大病院の分娩件数は、過去3年間の平均で136件。件数は決して多くはないが、母親が合併症を発症したり、胎児に異状が確認されるなど、3次救急で危険性の高い分娩を扱っている。産科医や分娩に立ち会う小児科医の肉体的、精神的な負担はより大きいと判断し、手当を支給することにした。  手当は一件の分娩業務につき2万円。2人の医師が携わる場合は各1万円、3人の場合は各7000円を支給する。一人当たり年間20万円ほどの収入になる見込みという。  嘉山孝正医学部長は「金の問題ではなく、それぞれの仕事を認めることで、若い医師のやる気を引き出すことができる」と説明。倉智博久産婦人科診療科長は「県内では妊婦の受け入れ拒否の例はなく、必死に頑張っているが、それにも限界がある。産科医を確保するためにも、県内全体の病院にこうした動きが広がってほしい」と話した。  一方で同病院は、夜間や休日など時間外に診療を受ける患者のうち、緊急性がないと判断される患者から、特別料金(一人8400円)を今月1日から徴収していることも明らかにした。緊急の処置が必要ではない患者が時間外に訪れるケースが増え、急病や重症の入院患者の診療に支障が出ているためだという。 "[he-forum 13401] 毎日新聞秋田6/13 毎日新聞秋田版2008年6月13日付 かかりつけ医:育成へ、秋田大医学部に寄付講座 県が関連予算案提出へ  具合の悪い人がまず訪れる地域診療の窓口「かかりつけ医」を育成しようと、県は秋田大医学部に寄付講座を設けることになった。関連予算案を6月議会に提出する。  県医師確保対策推進チームによると、秋田大に担当教授や準教授計3人を配置して10月に講座を開設。地域医療や家庭医学を指導するほか、農村部などの診療所での実習も予定している。学生に加え、現役の医師向けのプログラムも用意する。  また、かかりつけ医と医療機関の連携のあり方についても検討を進める。  かかりつけ医の役割は、主に開業医が担う。患者の既往症などを知ったうえで症状を見極めて適切な処置をするほか、必要な場合は専門的な治療をする病院を紹介する。このため、診療科以外の幅広い知識が求められる。  県によると、かかりつけ医は地域の人たちにとって症状が悪化する前に体調について気軽に相談できる場となる。また多忙を極める総合病院の混雑緩和への期待もある。  同チームの保坂学リーダーは「高齢者が増えていくなかで、医師不足対策と地域医療の充実を進めることができる」と話している。【馬場直子】 "[he-forum 13402] 毎日新聞6/13 毎日新聞2008年6月13日付 ひと:松本紘さん 次期京大学長に決まった    独立法人化で財政的に厳しい環境に置かれる国立大。京都大でも創立以来の「自由の学風」の足元が揺らぎ始めているようにも見える。そんな懸念を意識してか、先月の就任決定後の記者会見では冒頭「自由の学風の伝統をきちんと堅持していきたい」と明言した。  05年10月から、研究や財務担当の副学長兼理事として大学運営に奔走した。山中伸弥教授が世界で初めて人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作成に成功すると、研究センター、産業応用懇話会、特許管理会社の設立など次々と支援策をリード。持ち前の「スピード感」を発揮した。そのためか、周囲からはビジネスや官僚の経験があると思われることが多いという。  「顔つきは悪いが、心は優しいと思っています」と笑う。研究でも教育でも、重んじるのは人間関係。「学問は真実を巡る人間関係である」が信念だ。任期は6年間と長丁場だが「人間が好きなので、マネジメントも楽しんでできるんじゃないか」と意欲を語る。  47歳で始めたゴルフでは、練習に熱中するあまり自宅の畳をえぐり、シャンデリアを壊した。人一倍負けず嫌い。それでいて対応能力は融通無碍(むげ)。「私は(状況に応じて変色する)カメレオン」。5年間で100人規模の若手研究者ポストを作る構想を練るなど、早くも独自色を見せ始めている。【朝日弘行】  【略歴】松本紘(まつもと・ひろし)さん 京大工学部卒。宇宙プラズマ物理学専攻。京大生存圏研究所長などを歴任。妻と2人暮らし。65歳。 "[he-forum 13403] 6/14しんぶん赤旗 2008年6月14日(土)「しんぶん赤旗」 全大教と党が懇談 学費軽減と就職難解決めぐり  日本共産党学術・文化委員会の足立正恒責任者らは十二日、東京都内 の全国大学高専教職員組合(全大教)を訪れ、森田和哉書記長、藤田進 中央執行副委員長らと、党の「学費提言」と若手研究者の就職難解決に ついて懇談しました。  足立氏は、「学費提言」について、経済的理由で学業を断念する若者 を生まないための最小限の施策をまとめ、国民的運動をよびかけたもの と説明。国立大学での授業料減免制度の拡充など、学費負担軽減の実現 に向けて協力を強めたいとのべました。若手研究者問題については、当 事者の問題にとどまらず、学術の将来にかかわる問題として、解決にむ けて共同したいとよびかけました。  全大教からは、「経済的理由で学業をあきらめる若者が増えている。 提案のとおり、免除枠の拡充を東大だけにとどめず、すべての国立大学 に広げるために国の減免予算枠を拡充すべきだ」「一橋大学十校分にも およぶ運営費交付金の削減と人件費5%削減策により、教員退職後のポ スト不補充が広がっている。このために若手教員の養成や人材確保にも 支障が生まれている。これらの解決に取り組んでいきたい」などの意見 が出されました。  懇談では、法人化による教育研究環境の悪化とこれを打開する運動に ついても、活発に意見を交わしました。 "[he-forum 13404] 6/16しんぶん赤旗 2008年6月16日(月)「しんぶん赤旗」 ゆうPress 学費ゼロ 私大でも 早稲田大学ZEROネットの挑戦 “高学費は人生を左右する問題”  全国の私立大学で毎年1万人が経済的理由で中退―。「お金の心 配なく学びたい」と、学生たちが学費負担の軽減へ立ち上がっていま す。(学生は一部仮名)染矢ゆう子  「こんにちは。早稲田大学の学費ZEROネットです」。スーツに身 を包み、首から「学費ZERO調査員」の身分証をさげたメ ンバーが、中庭や校舎で昼食を食べているグループに話しかけ、アン ケートを手渡します。  「日本の学費は世界で一番高いってご存じですか? 困っている実態 を、国会にもっていったり、当局と交渉したりして、引き下げた いんです」との訴えに、多くの人が応じます。 毎日、水風呂  「書かない」といっていた人も、「うち4人兄弟でまじやばいんだ」 という友だちの声を聞いて「書くよ」となったり。  先月、2日間で203人の声が集まりました。  ネットのメンバー、有希さん(人間科学部4年)は「私たちが 聞いたその前日に水道が止められた人もいたし、ガス代が払えず、毎日 水風呂に入っているという人もいました。みんな身なりもよくて、聞か ないとわからなかった」と話します。  雄介くん(商学部3年)も「法曹をめざしているのに学費 が払えずロースクールに行けないとか、学費を稼ぐため夜勤漬けで留年 が決まり奨学金を止められたとか、人生を左右するほど切実な問題。若 者が生きいきするには、学費を下げなければ」と力をこめます。  学費ZEROネット東京は「学費の負担軽減と大学予算の増額」を求 める個人のネットワークとして、5月30日に東京都学生自治会連合の よびかけで結成されました。 世界に遅れる  早稲田大では、結成にむけた学習会に1年生の和也くん(政経学部) が参加し、「日本の学費が世界一高いことを初めて知った。困っている 学生の実態を伝えたい」とネットに加わったことから、アンケート調査 が始まりました。  友だちの夏夫くん(法学部)も「うちも親の年収は400万円以下。 卒業するまでは親の役目だから、と父は教育ローンを組みました。受験 生の時に東大の免除制度を新聞で知って、入学したら自分も運動したい と思っていた」とネットに加わりました。  日本の学費が世界で特別に高く、多くの国が無償になっていることは あまり知られていません。学費無償化をすすめる人権規約に批准してい ないのは日本、ルワンダ、マダガスカルだけという説明に、「日本はそ んなに遅れていたの?」と、運動に共感が広がります。「署名を集めま す」「いっしょにやりたい」という人も少なくありません。6月もひき つづきアンケート調査をおこなっています。  「私大だから財政上のムダをなくしたり、学生のために工夫できるこ とはあるはず。学生の声をもっと大きくし、実際に学費を下げられるよ うな運動にしたい」と有希さん。ZEROネットの挑戦はつづきます。 高学費で困っていること、不安なことは(200人の複数回答) ●学習時間を削っている…18人 ●必要な教科書が買えない…23人 ●バイトを多めにしている…41人 ●食費を削る…49人 ●バイトで睡眠時間を削っている…17人 ●大学院進学をあきらめた…15人 ●親や兄弟に苦労をかけてつらい…90人 ●兄弟や友人に、高学費のせいで大学進学をあきらめた人がいる…18人 ●一人暮らしをあきらめ通っている…46人 東大の免除制度 全国に広げたい  東京大学教養学部学生自治会委員長の西川龍平さん(2年) 東京大 学ではことしから親の年収が400万円以下の人の学費免除が始ま りました。1年生にアンケートをとると「受験勉強に集中できた」「親 が安堵(あんど)した」と制度を歓迎する声がたくさんありました。 「去年入学して、母親が学費のためにパートで働きうつ病になった。あ と1年早く制度ができていたら」という2年生の声が忘れられません。 ほかの大学でもすぐにでも実行すべき制度です。副学部長も「本来国が やるべき免除制度だ」と話していました。学生が声をあげてできた制度 です。声をあげれば実現できます。 日本共産党 私大授業料の直接助成を求める  日本共産党は、東京大学の授業料免除制度をすべての国立大学に広げ ることや、親の年収が400万円以下の私立大学生に国が直接授業料を 助成する制度の導入などを提言しています。 "[he-forum 13405] 朝日新聞6/16 朝日新聞2008年6月16日付 国立大に広報の「プロ」 広告会社・予備校…民間から続々  国立大学で、広報担当者に学外から「プロ」を招く動きが広がっている。広告会社、民間企業の広報担当、科学ライター、予備校・受験産業など、出身はさまざま。少子化や法人化で広報の役割が高まるなか、それぞれの持ち味を生かしながら大学のPRに努めている。(杉本潔) ■報道資料改善、注目アップ  今年4月、信州大の広報・情報室長に就任した伊藤尚人さん(49)は、地元の広告会社の出身だ。「職員は通常の人事異動で配属されるので、戦略的な広報はできない」(野村彰夫理事)と「プロ」を公募したところ、大手広告会社の出身者など25人の応募があった。  さっそく取り組んでいるのが大学のホームページと広報誌の見直しだ。ホームページは学部・学科ごとにバラバラで見る人に親切ではないとして基本的な体裁の統一を提案。広報誌は対象を明確化して広告を掲載することにした。大学側は「アイデアが次々と出てきて、まさに水を得た魚のよう」(野村理事)と評価。伊藤さんは「信大というブランドを築き上げていきたい」と意気込む。  05年に北陸先端科学技術大学院大の広報室長になった松島健一さん(59)は飛島建設の広報室長から転じた。  力を注いだのが報道発表資料の改善。以前は教員が書いたものをそのまま送っていたが、教員に頼んで、やさしく書き直してもらったり、専門用語の説明をつけてもらったりするようにした。「○○を発見した」という場合には「将来何の役に立つのか」にも、ふれてもらった。  その結果、資料から新聞に掲載された件数は前年より6割以上増えた。「内容が面白ければ、書き方次第で注目度を高めることができる。自社の資料に目を留めてもらうために工夫してきた経験が役に立った」と話す。 ■TV・講演「歩く広告塔」  東京大工学部の広報室は昨年7月、家事などを科学の目で読み解いてきた科学ライター、内田麻理香さん(33)を広報専任の特任教員に招いた。同学部の博士課程まで進んだ経歴と、母親という柔らかいイメージに目をつけた。  狙い通り、内田さんはテレビ番組で料理の科学をわかりやすく説明したり、講演会で女子高校生とその母親に理系の楽しさを話したり、引っ張りだこの人気ぶりだ。無料の女子高校生向け工学系進学情報誌に掲載された同学部の広告ではモデル役も務めた。  広報室長の大久保達也教授は「工学は狭くて暗いイメージでとらえられがちで進学する女子学生の割合も低いが、内田さんを見るだけで、そのイメージを破れる。まさに歩く広告塔です」と期待する。  一方、志願者を増やして優秀な入学者を確保するための「入試広報」でも、学外出身者が活躍している。  静岡大では03年10月に全学入試センターを新設した際に専任の教授を公募。河合塾で大学コンサルタントをしていた寺下榮さん(57)と、旺文社で受験雑誌の編集長などをしていた村松毅さん(55)の2人を招いた。  山本義彦副学長は「入試業務は普通の教員にとっては片手間にならざるを得ない。少子化の中で優秀な学生を獲得する方法を、入試のプロに考えてもらおうと思った」とねらいを話す。  2人は06年度入試で、少子化対策や私立大に流れていた受験生を取り込むためにセンター試験の必要科目を減らすよう提案。6学部中3学部が取り入れ、06、07年度の志願者増につなげた。このほか月1回、土曜日にJR静岡駅前で進学相談会を始めたり、合格者のセンター試験の得点を公表して受験生が静岡大を選びやすくしたりした。  さらに受験生の立場から、学部・学科について、わかりやすい名称や、時代に合ったあり方まで提案している。山本副学長は「大学の教員はマネジメントの専門家ではないので、2人がいるメリットは大きい」と話している。 ■法人化で柔軟に  文部科学省が06年3月に実施した調査によると、国立大で広報の専門部署を置いているのは8割弱。担当者を学外から受け入れているところは9%、受け入れ予定なのは7%で、その後も増えているとみられる。  国立大ではこれまで、広報の部署も通常の人事異動の一環に位置づけられてきたため、広報の専門家はあまり育っていない。これに対し、少子化や法人化などで広報の役割が高まってきたことから、法人化による人事制度の柔軟化をいかして学外から「プロ」を招くことで、そのギャップを補おうとしているのではないかという。 "[he-forum 13406] 釧路新聞6/15 釧路新聞2008年6月15日付 北大大学院と人事交流で連携、標津町   標津町と北大大学院の農学研究院(服部昭仁院長)は、森林再生に関する地域振興を目的とした人材交流で、連携することで合意した。当面は、草地の森林再生事業を軸に進め、将来的には、町づくりの分野への取り組みを拡大させたい考えだ。9月下旬には協定書を交わすための調印式を行い、町農林水産課に連携事務局を設置する予定だ。北大農学部が関連した、道内の自治体との連携は富良野市、空知管内栗山町に続いて3例目。地域の森林づくりを軸とした大学との連携協定は、全国でも例がないという。また、調印式と同時に協定締結記念のシンポジウムも開く。 "[he-forum 13407] 毎日新聞石川6/17 毎日新聞石川版2008年6月17日付 金沢大:わが国ベスト10大学を目指す 学域学類発足式  今春から学部学科をなくし「3学域・16学類制」を採用した金沢大は16日、学域学類発足記念式を、金沢市の角間キャンパス自然科学大講義棟で開いた。  同窓生や関係者約500人が出席。中村信一学長が「社会の要請や学生のニーズに応えるもので、教育重視の研究大学実現に向けた第一歩。わが国ベスト10大学を目指したい」とあいさつ。室生犀星作詞の校歌を、金沢大合唱団員が斉唱した。  3学域は人間社会、理工、医薬保健で、各学域の中に法学類などの学類を設けている。整備が進む角間キャンパスには今後、がん研究所、学際科学実験センター、学生宿舎などを建設する。【松田秀敏】 "[he-forum 13408] 物理学会誌掲載の「ある非常勤講師の場合」を全文転載 佐賀大学の豊島です. 物理学会誌の6月号(最新号)に,元信州大学教授の勝木渥氏による 「ある非常勤講師の場合」という文章が掲載されました.非常勤講師を 専業として生計を立てている人の生々しい実態が明らかにされています. 著者と同誌編集部の許可を得て,次に転載します. http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/part-timer.html 入り口(ブログ) http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2008-06-18 最新号なので,通常は掲載一ヶ月後からしか転載の許可が出ないのです が,著者のプッシュもあり異例の早期転載を認めてもらいました.大学 教育にたずさわる者の間でこのようなひどい「格差」が放置されてよい とは到底思えません. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 13409] 時事通信6/18 時事通信2008年6月18日16時22分 今年度は29大学68件=「優れた教育研究」を採択-文科省  文部科学省は18日、大学院の優れた教育研究拠点に予算を重点配分する「グローバルCOEプログラム」の2008年度の採択結果を発表した。今回は医学系など5分野が対象で、29大学、計68件の研究が選ばれた。同省は12年度まで1件当たり年5000万~5億円程度を支給する。  130校から計315件の申請があり、実績などを基に、国立から計55件、私立から計13件が選ばれた。公立はゼロ。全体の採択率は21%だった。  学校別では、東京大が最も多く選ばれて10件で、東北大7件、京都大6件が続いた。私立では慶応大の4件が最多。 "[he-forum 13410] 河北新報6/18 河北新報2008年6月18日付 山形大大学院に新コース 世界戦略練る人材育成  山形大は17日、2009年度から大学院理工学研究科のものづくり技術経営学(MOT)専攻に、世界的な視点に立って経営や技術の戦略を立案する人材を育成する「世界戦略MOTコース」を開設する方針を明らかにした。山形県内企業の技術力を生かし、より付加価値の高い事業を展開できる人材を育て、地域の再生につなげるのが狙いだ。  新設するコースでは、世界市場を俯瞰(ふかん)しながら製品の開発から生産・販売までを総合的に調整、監督できる人材を育成する。総合大学の特色を生かし、文理融合型の実践的なカリキュラムを組むほか、アジア諸国に進出している企業へのインターンシップも計画。商社や金融機関などのネットワークを活用して最新の情報を入手し、学生に教える。  入学定員は6人。工学部などの卒業生のほか、エレクトロニクス分野の企業経営者や企業をサポートする立場の金融機関職員、行政担当者らの入学を見込んでいる。  同コースは「世界俯瞰の匠(たくみ)」育成プログラムと名付けられ、文科省の「科学技術振興調整費・地域再生人材創出拠点の形成プログラム」に採択された。本年度から5年間で2億5000万円の助成を受ける。  本年度はカリキュラムの開発に取り組むと同時に、7月から9月にかけ、企業関係者ら一般を対象にした「地域中小企業のためのグローバル戦略」と題して計5回の公開講座を開催する。  同大地域共同研究センターの小野浩幸副センター長は「これまでのビジネスモデルにとらわれず、グローバルな競争に対応できる人材を育てたい」と話している。 "[he-forum 13411] 山形新聞6/18 山形新聞2008年6月18日付 山形大大学院に新コース 09年度から「世界戦略MOT」  山形大は17日、2009年度から同大大学院理工学研究科ものづくり技術経営学専攻に「世界戦略MOT(技術経営)コース」を開設することを明らかにした。地域の中小企業が国際競争力を持つことができるように、総合的に世界市場を俯瞰(ふかん)できる人材の育成を目指す。  同コースは、文部科学省の科学技術振興調整費に採択された「『世界俯瞰の匠(たくみ)』育成プログラム」に基づき設置する。同大地域共同研究センターの小野浩幸教授は「県内の製造業は、海外との競争が激しさを増し、低価格による収益性の低下が進んでいる。世界戦略を立てられる人材の育成が急務だ」とプログラムの狙いを説明する。  同調整費には08年度、全国から247の提案があり、同大を含む62案が採択された。プログラムは5カ年で資金は各年度5000万円。具体的には新コースを設置し、グローバルマーケティングから品質管理、リスクマネジメントまで、ものづくりの全工程を世界的視野で戦略化できる人材づくりを進める。  新コースの定員は6人で、学部卒業生のほか、エレクトロニクス分野の地域企業の経営者や、金融機関職員、行政担当者などの入学を予定している。カリキュラムは、総合大学の強みを生かし、文理融合による実践的な学習を取り入れ、海外インターンシップの実施や地域の産業界との密接な関係を基盤としたプログラムを展開する。  小野教授は「人材を輩出し、地域のものづくり産業の再生を図っていきたい。成果が挙がれば、恒常的なコースにしていく」と話している。 "[he-forum 13412] 毎日新聞6/19 毎日新聞2008年6月19日付 グローバルCOEプログラム:29大学院、68件に平均2.6億円交付--文科省  文部科学省は18日、大学院の優れた研究に資金を援助する「グローバルCOE(卓越した拠点)プログラム」の今年度の選考結果を公表した。国公私立大130校から315件の申請があり、29校の68件が選ばれた。各拠点には今年度から5年間で平均約2億6000万円が交付される。  プログラムは、「21世紀COEプログラム」の後継。昨年度から始まり、採択拠点を半分に減らす代わりに1件当たりの支援金を倍増した。  昨年度の63拠点との合計131拠点に計約340億円が投じられる。主な採択例は「エイズ制圧を目指した国際教育研究拠点(熊本大)」「次世代型生命・医療倫理の教育研究拠点創成(東京大)」など。【加藤隆寛】  <08年度グローバルCOEプログラム大学別採択状況>  【国立・55件】 採択数 大学名  10 東京大   7 東北大   6 京都大   4 大阪大   3 北海道大     東工大     名古屋大   2 千葉大     一橋大     神戸大     九州大     熊本大   1 帯広畜産大     山形大     東京医科歯科大     横浜国大     山梨大     鳥取大     愛媛大     長崎大     政策研究大学院大  【私立・13件】   4 慶応大   3 早稲田大   1 玉川大     東京工芸大     東京理科大     明治大     立命館大     近畿大 "[he-forum 13413] 読売新聞6/18 読売新聞2008年6月18日付 大学が学術雑誌買えない 値上がり、予算減で 研究に影響懸念  学術雑誌の価格が高騰して、大学が購入を取りやめる事態も起きている。  「大学や独立行政法人が悲鳴を上げている。重要な情報源が維持できない」。4月10日の総合科学技術会議で、金沢一郎・日本学術会議会長は福田首相に窮状を訴えた。  山口大の図書館は昨年末、雑誌を扱う出版社シュプリンガーとの購読契約を打ち切った。千数百万円の経費削減となったが、約1300の電子雑誌が読めなくなり、研究者の個人購読に切り替えた。理系、文系を問わず、過去の成果や最新の動向を知ることは研究の第一歩。学術雑誌が読めなくなれば、その基盤が損なわれかねない。丸本卓哉学長は「買いたくても買えない。研究の根幹にかかわる」と危機感を募らせる。  他大学も、共同で複数の雑誌を割安な価格で一括購読したり、独自に蓄積した論文をホームページで無料公開したりするなどの対策を取る。しかし、研究費や論文の数が増える一方で、大学の図書館の予算は削減傾向にある。雑誌の価格は毎年5~8%のペースで値上がりを続けており、努力だけでは限界がある。  値上がりは、紙媒体と電子媒体の両方を発行することなどで出版社の製作コストが上昇しているのが原因。研究の分野が拡大して、雑誌の数も増え、現在では2000以上の出版社が2万以上の雑誌を発行する。雑誌の購入費用は膨らみ、2004年度に日本の大学の外国雑誌購入の費用は334億円に上った。  国立大学図書館協会は4月、「厳しい財政状況下、努力も限界。学術雑誌の利用環境が崩壊する」という声明を出した。国立大学協会も2月、「一大学の問題ではない。国全体で検討してほしい」と文部科学省に要望した。  一方、出版社側は「我々が勝手に雑誌を創刊しているのではなく、研究者が新分野を開拓し、論文を量産している」(大手出版社幹部)と強気だ。皮肉にも、研究者は論文を投稿して雑誌の権威と価格を支えている側面もある。  5月に東京大で、大学と出版社の双方が出席して開かれた学術雑誌のシンポジウムでは、国の予算増を求める声が相次いだが、解決は容易ではなさそうだ。(山田哲朗) "[he-forum 13414] 日本経済新聞東北6/18 日本経済新聞東北版2008年6月18日付 南東北3国立大が連携し基盤強化 山形・福島・宮城教育  山形大学(山形市、結城章夫学長)、福島大学(福島市、今野順夫学長)、宮城教育大学(仙台市、高橋孝助学長)の南東北3県の国立大学3校が連携することで合意した。第1弾として高校生らを対象とした進学説明会を3校共同で開催する。大学全入時代を迎えて学校間競争が激しくなる中、県境を越えた連携で基盤強化を図る狙い。  合同進学説明会は29日午後、JR仙台駅前の複合商業施設「アエル」内で開く。3校の担当者らが大学の特色をそれぞれアピールするほか、大学ごとに分かれたブースで個別相談にも応じる。3校は受験生獲得では競合関係にあるが、「単独で開催するよりも集客効果が高い」(山形大)と判断した。  今後はファカルティ・デベロップメント(FD、大学教職員の資質向上・能力開発)面での協力や事務職員らの人事交流なども模索する見込み。 "[he-forum 13415] 毎日新聞神奈川6/19 毎日新聞神奈川版2008年6月19日付 横浜国立大:秋季入学制度を導入 外国学校卒業者対象に  横浜国立大(横浜市保土ケ谷区)は今年度から、教育人間科学部の国際共生社会課程で秋季入学制度「横浜21世紀プレミアム入試」を導入する。海外の学校を卒業した学生を対象に若干名を募集する。  外国の学校に2年以上在学して卒業したことなどが条件。現地での成績を含む書類選考と面接で8~9月に選考し、10月に入学する。同大入試課は「国際性のある学生の受け入れを図りたい」と話している。国立大学では東北大、新潟大などが既に秋季入学制度を設けているという。  また、同課程では今年度、最短3年半で卒業できる「早期卒業制度」も設けた。秋季入学の学生が、国内での就職や進学をしやすいように配慮するとともに、4月入学の学生が卒業後に海外での就職や進学を考える際の手助けともなる。  問い合わせは同課(電話045・339・3121)へ。【五味香織】 "[he-forum 13416] 読売新聞愛媛6/19 読売新聞愛媛版2008年6月19日付 愛大 若手育て准教授増 5年で登用 10月に新機関    愛媛大は18日、若手研究者を育成する機関「上級研究員センター」を10月に新設する、と発表した。愛大は准教授などの人数が教授の人数より少ない“逆ピラミッド形”の組織になっているといい、若手育成によって准教授の数を増やし、こうした状況を解消していく。  2006年度から全国の国立大で導入が進む制度。今年度は、沿岸環境科学、地球深部ダイナミクス、無細胞生命科学工学の各研究センターから2人ずつ計6人を対象とする。5年間在籍した後、必要な審査を通過すれば准教授に登用するという。  愛大は5月1日現在で教授305人に対し、准教授272人、講師65人となっている。  小松正幸学長は「従来のように定年で空いた教授ポストを、(学外などから招いた)教授で埋めず、若手研究者を起用して活力ある組織にしたい」としている。 "[he-forum 13417] 徳島新聞6/18 徳島新聞2008年6月18日付 徳島大、授業料を免除 大地震の四川出身留学生対象に  徳島大学は十七日、大地震が起きた中国・四川省出身の留学生全員の本年度の授業料を全額免除することを決めた。対象は学部生二人、大学院生五人、研究生二人の計九人で、総額は約四百五十万円。  大学によると、地震後に留学生の一人から「実家が倒壊したため学費が支払えない」との声が上がった。そこで急きょ九人に聞き取り調査をしたところ、「父親が休職状態」「家族で親類の家に身を寄せている」などの窮状を訴える学生もいた。  このため大学は、安心して勉学を続けてもらえるよう、授業料が半額免除となる予定だった学生を全額免除にすることを決めた。本来免除の対象とならない研究生らには、学生後援会から「災害支援金」の名目で授業料相当額を援助することにした。  二十日に青野敏博学長が九人に授業料免除決定通知書を授与する。 "[he-forum 13418] 読売新聞6/20 読売新聞2008年6月20日付 学長 中四国の「学都」へ総力戦 岡山大学 千葉喬三さん 研究水準高める教育力  「知を巡る競争に勝ち残ったもののみが、国を、大学をも制する」。今年4月、2期目を迎えた就任あいさつは、全入時代に鋭く切り込んだ。めざすは、中四国の「学都」。数ある大学の頂に立つという。壮大な構想の道筋を岡山大学の千葉喬三学長に聞く。 (聞き手は本多宏・科学部長)  ――「学都」、強力なメッセージですね。  国立大の法人化は「天の時」でした。国の付属機関だった時代、地方大は何もさせてもらえなかった。法人化によって個性を出せと求められ、独自の才覚で動けるようになりました。さらに、中四国のどこからでもアクセスできる「地の利」。それに「人の和」、教育の力、学術の力です。国公私立を問わず中四国の中核になる、その意気込みを示したのです。  ――中四国全域から学生が集まるでしょうか。  何でもかんでも関東や関西に行っても、メリットはない。学部の壁を取り払った総合大学院は、岡山大が老舗。間口や受け皿が広く、幅広いことができる。若い人や社会のニーズにも見合う。運営費交付金や人員が削減される中で質を保つには、全体の力を集めるのが必然的な流れです。  ――近隣の大学に理解されないのでは。  戦略的連携と言って、法科大学院を一緒にやろうと提案したが、うまくいきませんでした。でも、好き嫌いやわがままは絶対に言えなくなる。10年後、中四国の大学がすべて残っているという見込みはないですよね。東京や大阪に行かなくても学べる受け皿が一つは必要でしょう。残るなら堂々と先頭を切る意気込みがなければつぶされます。  ――2010年度からの第2期中期目標・計画期間の6年間が勝負と位置づけている。  第2期が終わる時にはセレクションがかかるでしょう。ヒマラヤ山脈みたいに、ピークとして国際的に通用する研究が四つ、五つあり、それを支える教育力を高地のレベルに保っておく。国立大でも上から数えるのが早い高みにしておきたいのです。前提として、伸びそうな若手を研究に特化させ、一方で積み上げた実績をもとに教育で貢献する教員と、研究教育を両立する教員を分ける。中期計画には教員の機能分化を盛り込もうと思っています。  ――学部では問題を発見し、解決する能力を重視していますね。  学問のおもしろさを実感できるような教育が学部教育です。現象の奥に隠された真理を発見する感激が伝わらなければ、勉強しませんよ。それに、教育は先生と学生が共に進化することです。改訂した独自の基礎教科書には演習問題を多く取り入れ、先生も考えるようにしました。  ――独自のAO入試をやるマッチングプログラムはユニークです。  画一的な教育に抵抗を感じ、「変わったことができるなら」という学生が集まっている。陸上中距離のエース小林祐梨子さんはじめ、基礎学力もやる気もある子ばかりですが、偏差値秀才ではない。学部学科を超えた履修、担任制など個性に応じた教育で隠れた才能の発掘に成功しています。ただ、同じやり方を大学全体には広げられません。試行錯誤ですね。  ――優秀な人材を育てても岡山から出て行くのでは。  それは仕方ない。経済界の人にも話していますが、魅力ある受け皿を作ってほしい。多くの学生は、街がおもろないと言う。そこが神戸、広島との違いなんですね。それでも4割近くが残るようになった。地元出身は3割ですから、大学が地域に貢献した結果です。育てた学生をここに縛り付ける必要はなく、世界で活躍するのが一番いい姿じゃないかと思いますが。  ――今の学生をどう見ていますか。  のびのびしてますよ。屈託がなくて、そのくせ批判精神があって、言いたいことは言う。ただ、青雲の志というか、大きいことは考えなくなっている。現実がよくわかっていて、賢いのでしょうが、社会が夢を持たせない構造になったからでしょうか。すべて東京、ではなく、面白いことがあちこちに分散しているのを示さないといけませんね。 ちば・きょうぞう  京都市出身。京都大農学部林学科卒。高知大農学部助手、岡山大農学部助教授などを経て教授。同学部長、理事・副学長などを歴任し、2005年から現職。専門は生態系管理学。68歳。 "[he-forum 13419] 山形新聞6/20 山形新聞2008年6月20日付 生き残りをかけ改革協力 山形大と立命館大が包括協定  山形大と立命館大(京都)は19日、教育の質の向上などを目指した包括的協力協定を東京都内で締結した。当面は、学生や職員の交流などを深め、両大がそれぞれに持つ特性を相互に学びながら大学づくりに反映させる。  今後は、両大の学長が、相手の大学でそれぞれ講演を行うほか、数日間の期間で学生を相互に派遣。相手の大学の講義を受けたり、討論する機会を設ける。また、職員同士が交流する場も設け、大学全入時代に即した新しい大学経営の在り方などについて意見を交換。将来的には単位の互換制度の導入を検討する。  東京・丸の内の立命館東京キャンパスで行われた締結式で、山形大の結城章夫学長は、現在の大学経営の現状について「大学が学生を選抜するのではなく、学生が大学を選択する時代になった」と述べ、「大学は不断の改革努力を重ね、生き残りをかけて特色を出していく必要がある」と強調。「各大学が孤立して競争するのではなく、相互に連携することが大切」と、締結の意義を語った。  立命館大の川口清史学長は大学間の連携の重要性について「大学改革の焦点は教育。教育の質をどう高めていくか、というテーマについては個別の大学だけではできない」と述べた。  また、両学長は、国立大学法人(山形大)と私学(立命館大)、山形と京都という「異質性」を強調。「学生を主役とした大学づくりという点で一致している」と述べ、結城学長は「山形大は官の文化を引きずっている。私学の経営を学び、職員の意識改革も図りたい」、川口学長は「改革は国立大学法人の方が進んでいる。地域に根差した大学という点で、大規模私学である立命館とはきっと違い、それらも学んでいきたい」と、それぞれ語った。 "[he-forum 13420] 共同通信6/19 共同通信2008年6月19日17時25分 大学学部新設など諮問 公園整備の専門職大学院も  2009年度に新設を予定している公私立大の延べ63校の大学院や学部などの認可について、渡海紀三朗文部科学相は19日、大学設置・学校法人審議会に諮問した。国立大3校が計画する専門職大学院の設置などについても意見を求めた。答申は10月末の予定。  大学院を新設するのは熊本保健科学大など8校。兵庫県立大は公園整備などを学ぶ景観園芸の専門職大学院を全国で初めて設ける。本年度から制度がスタートした教職大学院は、山形大や帝京大など国私立の計5校が新設を予定、専門知識を持つ教員の育成を目指す。  駒沢女子大や東京成徳大は併設短大の一部学科を廃止し、4年制の学部に衣替えする。名称を「東京都市大」に変える武蔵工業大は都市生活学部など2つの学部を新設する。 "[he-forum 13421] 時事通信6/19 時事通信2008年6月19日17時17分 医学部定員57人増=来年度から国立大-大学設置審  医師不足が深刻化している問題で、大学設置・学校法人審議会は19日、国立大12校が来年度から医学部定員を計57人増やすとした計画を了承した。政府が昨年まとめた緊急医師確保対策の中で、医学部定員を全国で285人増加させるとした措置の一部。  公立大6校では既に今年度から定員を計63人拡大。文部科学省は、来年度に向けて国公私大からさらに追加申請を受け付けている。 "[he-forum 13422] 毎日新聞長崎6/21 毎日新聞長崎版2008年6月21日付 県庁舎移転!?:現庁舎跡地に統合病院を 長大、建て替え計画で提案 ◇長崎市側は難色「変更困難」  長崎大の河野茂・医学部長は20日、長崎市が同市新地町の現在地に15年度の完成を目指して建て替え計画を進めている新市民病院と、日赤長崎原爆病院(同市茂里町)の統合を検討するよう、田上富久・同市長に提案した。河野医学部長は統合病院の建設地に、県庁舎移転後の跡地を視野に入れていることも明かした。田上市長は「市民病院を良くするために取り込めるものがあれば取り込むが、あくまで現地建て替えを進めたい」と話した。  同市によると、05年に新市立病院建設地検討委員会を設け、06年7月に現在地での建て替えを決定。さらに県医師会や長崎大などでつくる外部会議の報告書を基に昨年8月、新市立病院建設の基本方針をまとめ、同10月、県から都市計画の事業認可を受けて、既に用地買収などを進めている。  大学側からの要望があったのは今年4月。同大医学部は「総務省の公立病院改革ガイドラインを踏まえ、日赤長崎原爆病院の統合などを視野に高機能病院の建設を強く求める」との要望書を市に郵送した。県も統合の必要性を唱え、大学と実現に向け協議。県庁舎跡地のほか、JR長崎駅周辺、市公会堂なども候補地に挙げている。  しかし、市側は同5月に「早期に病院建設して医療サービスを提供するのが責務」などとして、計画変更は困難との意向を伝えていた。  それでも、長崎大側は計画変更をあきらめきれず、河野医学部長の田上市長への直接提案につながったという。【下原知広】 "[he-forum 13423] 日本経済新聞6/20 日本経済新聞2008年6月20日付 教職大学院、5校が開設申請  文部科学省は19日、5大学から2009年4月の教職大学院の開設申請があったと発表した。同日の大学設置・学校法人審議会に諮り、10月末までに設置を認めるかどうかの答申が出る見通し。  教職大学院の新設を申請したのは山形大、静岡大、福岡教育大、聖徳大、帝京大。教職大学院以外では33の大学院と28の学部の設置申請があり、同審議会が可否を審議する。  筑波大や千葉大など国立大12校について、来年度の医学部定員を計57人増やすことも了承された。 "[he-forum 13424] 共同通信6/21 共同通信2008年6月21日2時3分 医学部定員、5百人超増 最多時の8千人台回復へ  政府は20日、地方などで深刻化する医師不足対策として、大学医学部の定員を過去最多だった約8300人の水準並みか、あるいはそれ以上に引き上げる方針を固めた。2007年の定員は約7600人で、07年に決めた緊急医師確保対策などで08年は約7800人に増えたが、さらに500人超上積みする。大学施設や教員の受け入れ体制を考慮しながら、今後10年程度かけて段階的に増員する。  月内に閣議決定を目指す「骨太の方針2008」に、定員を過去のピーク時並みの規模に増やすと明記。それでも対策が不十分と判断した場合は、ピーク時を上回る増員を検討する内容も盛り込む方向だ。  舛添要一厚生労働相は20日夕、福田康夫首相と首相官邸で協議し、具体的な増員の規模や時期については、政府の社会保障国民会議が今後まとめる医療費の将来予測などを踏まえて検討を進めていくことで一致した。 "[he-forum 13425] 西日本新聞6/21 西日本新聞2008年6月21日付 アジアの人材獲得へ 九大、大連で一般入試 来年度、初の海外実施  九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻(ビジネス・スクール)は20日、来年度の入学試験を中国・大連でも実施することを明らかにした。少子化による大学全入時代をにらみ、海外で一般入試を行う大学は私大を中心に増えつつあり、九大も初めて実施する。九大は「アジアの優秀な人材獲得をめぐる大学間の競争は激しくなっており、こちらから乗り込んでいく」としている。  九大ビジネス・スクールは主に社会人を対象にし、2年間の課程で経営学を履修。修了時に経営学修士(MBA)を授与する。大連での入試は書類選考による1次試験合格者を対象に11月6日、教員3人の日本語による面接(2次試験)を行う。合否は、同月8、9日に福岡市内で開く面接の受験者と同条件で判定する。  九大ビジネス・スクールは「アジアで活躍できる人材の育成」を掲げており、中国、タイの12大学と提携し、交換留学などを制度化している。在学生・修了生のうちの外国人率も14%を占めているが、現状の入試では1次試験合否判定後、面接までの期間が短く、中国の受験希望者から「ビザ取得が間に合わない」など、対応を求める声が寄せられていた。  入試会場に大連を選んだことについて九大は、中国の他地域に比べ外語大学の日本語教育体制が充実していることや、日本企業が多いことを挙げている。日系企業や提携大学を通じて、学生募集を告知していくという。 "[he-forum 13426] 共同通信6/24 共同通信2008年6月24日13時27分 健康科学分野で共同大学院 10年春、早大と東京農工大  早稲田大と東京農工大は24日、双方で研究課程を編成し、連名で学位を与える共同大学院を開設すると発表した。理、工、農学などの専門性を組み合わせた先端健康科学分野の博士課程とし、2010年4月の設置を目指す。  高齢化が進む中、健康増進や食の安心・安全の新技術面で活躍できる研究者を育成する。定員は10人程度で両大は09年6月に設置認可を文部科学省に申請する方針。  東京都内で覚書を交わした東京農工大の小畑秀文学長は「研究者に新しい視点が生まれる」とし、早大の白井克彦総長は「世界の食料問題に取り組みたい」と述べた。  複数の大学が研究課程を編成する共同大学院は、政府の教育再生会議がまとめた第2次報告を受けて、文科省が9月をめどに制度創設を目指している。 "[he-forum 13427] 北國新聞6/24 北國新聞2008年6月24日付 教員評価、10年度から試行 県立2大法人化 県が基本方針案  県立大と県立看護大の二〇一一(平成二十三)年四月の法人化に向け、県は二十三日までに法人化の基本方針案をまとめた。教育研究水準の維持向上を図るため、教員の人事制度では教育、研究、社会貢献活動の実績を適正に評価するシステムを構築し、一〇年四月から試行。報酬・給与面で、実績に応じた処遇を行うことも検討する。県によると現在、両大学では勤務評定制度は設けられていない。  基本方針案では、外部有識者を交えた検討委員会の提言を受け、法人化を具体的に進める上での骨格的な事項を定めた。  法人の形態は提言通り、一つの法人が両大学を運営する「一法人二大学」とした。法人の名称は「石川県公立大学法人」とする方向とし、法人本部はいずれかの大学に置く。  法人組織には、地方独立行政法人法に基づき、法人の経営に関する重要事項を審議する経営審議機関を設置し、役員会は役割が重複するため設けない。教育研究に関する重要事項を審議する法定の教育研究審議機関を両大に設置し、学校教育法の法定設置機関である教授会との役割分担も検討する。法定の学長選考機関も設ける。  教員の人事制度では、年俸制や任期制導入の要否も検討する。事務職員は当面は県からの派遣職員が主体となるが、経営戦略の企画立案など特に専門性の高いポストは独自採用のプロパー職員も検討するとした。定型的な業務は民間派遣会社の活用などで経費節減に努める。  目標評価制度では、地方独立行政法人法に基づき、知事は六年間に法人が達成すべき中期目標を策定し、法人は中期計画を策定する。法人の業務実績を評価する委員会も設ける。  県からの運営費交付金に関しては、法人化後の教育研究や改革意欲に支障を及ぼすことのないよう所要の交付金を交付する。原則として、法人の経営状況により、中期目標期間中は当初に定めた交付金の算定ルールを変更しないことも盛り込んでいる。 "[he-forum 13428] 朝日新聞6/23 朝日新聞2008年6月23日付 学士の質 どう保証  学部(学士課程)教育を根本から見直すよう、大学への圧力が強まっている。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は「学士力」、経済産業省は「社会人基礎力」という新たな言葉をつくり、大卒の学士が身につけるべき知識や能力の指針づくりを進める。「大学全入時代」が迫る中、学士の質保証を求める声が強まっていることなどが背景にある。 ◆国の基準提示に反発も  「学士」と言っても学部で学ぶ内容や水準は様々で、一定の質が保証されているわけではない。文科省は日本学術会議に依頼し、学部教育で目指す目安をまとめる方向。経産省も近く大学と協力して社会人として身につけるべき「基礎力」を示し、その点検表を発表する。これに対して大学からは、外からの一律的な基準だと、自律性を損なう恐れがあるとして懸念も出ている。  学部教育の在り方を議論している中教審は、3月の中間報告で「我が国の大学の大きな問題の一つは教育内容・方法、学修の評価を通じた『質』の管理が緩いこと」と指摘。学士力は、その質を保証するために必要な新たな考え方として登場した。「個別のスキルではなく、それらを総合的に使って課題を解決する能力」と担当者は言う。  具体的には「コミュニケーションスキル」「情報リテラシー」「自己管理力」など4分野13項目を参考指針として中教審は提示。今後、学術会議と協力して経済や物理といった分野別の質保証の仕組みもつくる方針で、到達目標の設定や各大学共通の「コア・カリキュラム」の策定などを想定する。  ただ、この仕組みは使い方によっては大学の自助努力を損なうことになりかねない。5月にあった大学関連団体からのヒアリングでは、指針を含む中間報告の方向性に懸念の声が相次いだ。「大学に(学習)指導要領のようなものを導入されては困る」「分野別の到達目標の設定などが他律的かつ一律的な教育の標準化につながる懸念をふっしょくできない」という声だ。  公立大学協会の佐々木雄太会長は質保証に向けた改革の必要性は認めつつ、「例えば、コア・カリキュラムが各大学のシラバス(詳細な授業計画)に入り込んできた場合、大学の独自性を失いかねず、21世紀型の教育から逆行する」と指摘する。  今月3日、文科省から審議の依頼を受けた学術会議の金沢一郎会長は「各大学が特徴を出して学生を引きつけることは大事だが、あまり勝手なことばかりやってもらっては困るというのが今回の趣旨。ただ、一つの考え方を押しつけるわけにもいかず、どこまでを『コア』とすべきか突っ込んで考えていくと非常に難しい」と話す。  中教審もこうした声には配慮を示す。今月12日に示された答申案には、「大学の個性化・特色化に伴う『教育の多様性』の確保に配慮する」という文言が新たに盛り込まれた。 ◆企業、社会人能力要求  経産省の「社会人基礎力」も基本的な発想は似ている。「課題発見力」「主体性」などの評価基準を設定し、学生がどの水準に達しているのか一目でわかる点検表「プログレスシート」をつくり、公表する。  基準をもとに学生など大学側が達成度を書き込み、企業が採用の際に役立てることを想定。すでに先行し、7大学と協力してモデル事業を進めている。  経産省によると、「社会人基礎力」は、企業の人事担当者らの話がヒントになった。大学を卒業したのに必ずしも社会人に必要な能力に達していない人が少なくない。そのため、採用する企業側も大学側も、大学での教育や達成度を客観的に評価する基準を考えたという。担当者は「社会人にとって最低限必要な基礎力をつけるよう大学教育も変わってほしいし、企業も大学で身につけたことをきちんと評価するようになって欲しい」と話す。評価基準やプログレスシートは同省のホームページで公表し、小冊子にして関係者に配布する予定だ。  大学教育の底上げや見直しについての外部からの要請と大学自身の自主性。学士力、社会人基礎力もその微妙なバランスの上に立っている。ライセンスアカデミー進路情報研究センターなどが昨年11月、全国の国公私立大を対象に行った学士力に関するアンケートでは、回答した155大学の98%が「卒業までの到達目標を明確化しなければならない」、94%が「指針は参考になる」とした。だが、4割が「国から提示されるべきことではない」とも回答している。(編集委員・山上浩二郎、大西史晃) "[he-forum 13429] 山陽新聞6/24 山陽新聞2008年6月24日付 岡山大と岡山理大が包括提携協定を締結 授業の相互補完など柱  岡山大(岡山市津島中)と岡山理科大(同市理大町)は23日、教育の充実や研究推進など幅広い分野での連携を図る包括協定を締結した。両大が国内の大学と協定を結ぶのは初めて。  協定では、大学院での単位互換制の導入▽学部・大学院生の海外研修の共同実施▽教授らの共同研究▽教職員の研修プログラムの開発―などを計画。将来的には自然科学系分野で大学院共同研究科の創設を目指すという。  両大はこれまで、大学院自然科学系研究科の教員同士が情報交換をするなど個別に交流を進めてきたが、大規模な教育プログラムや研究内容の充実には大学レベルで手を結ぶことが必要と判断。今年初めから連携の在り方を協議していた。 "[he-forum 13430] 岩手日報6/24 岩手日報2008年6月24日付 大学院中心に再編 岩手大09年度改組計画  岩手大(藤井克己学長)は23日、大学院を中心とする2009年度全学改組計画を発表した。大学院の工学研究科に「コミュニケーションデザイン工学専攻」、農学研究科は「バイオフロンティア専攻」などを新設、より広い知識と実践的な人材の育成を目指す。入学定員も見直し、連合農学研究科には社会人枠(8人)を設ける。09年度学生募集から新たな枠組みとなる予定。  改組は、学生定員の適正化や教員の学部横断的な指導を視野に07年度スタートした「学系」制度に合わせた組織体制の見直しなどが目的。  大学院の博士前期・修士課程は、教育学研究科を3専攻(定員42人)から2専攻(同32人)、工学研究科を9専攻(同129人)から7専攻(同165人)、農学研究科は2専攻(同67人)から5専攻(同)に再編する。  そのほか、工学部と工学研究科(博士後期課程)を改組し、定員は削減する。人文社会科学研究科(修士課程)と連合農学研究科(博士課程)は定員のみ拡充する方針。 "[he-forum 13431] 読売新聞山梨6/24 読売新聞山梨版2008年6月24日付 山梨大が生命科学で早大と連携  山梨大は、早稲田大と生命科学分野で連携し、研究推進を図ることを決めた。すでに両大の間で協定を締結しており、国公私立大学間の連携を推進する文部科学省の新事業「戦略的大学連携支援事業」にも申請した。今後、両大院生の共同研究や相互交流などを進め、共同大学院の2014年度開校を目指す。  山梨大の医学と、早稲田大の理工学を融合し、「脳神経科学」「精神発達学」「感染免疫学」の3分野の研究を推進するほか、医学、理工学に精通した国際的研究者を養成する。また、教職員の人事交流や共同研修も行い、教職員のスキルアップも図る。  そのほか、山梨大は医学分野で県、甲州市、山梨市などの支援を得て、研究に必要な住民の健康情報の提供を受ける。一方、早稲田大は理工学分野で企業の協力などを受け、海外大学からの講師派遣なども行う。  共同大学院の設置を目指し、10年度までに、両大の院生の単位互換制度や設備の共同利用、教員の共同研修、遠隔講義システムの運用などを実施する計画だ。同省の新事業に採択されれば、3年間、国からの支援を受けられる。採択の可否は8月中旬に発表されるという。両大は互いの強みを生かすことで新分野の開拓、医療の発展につながると判断、昨秋から具体的作業を進めてきた。山梨大の貫井英明学長は「優れた人材を育て、医療や研究の向上につなげたい」と話している。 "[he-forum 13432] 毎日新聞高知6/24 毎日新聞高知版2008年6月24日付 高知大学長選不正:行政訴訟提起へ 正式任命で民事取り下げ  昨年10月の高知大学長選考で不正があったとして同大学に対し相良祐輔学長を選んだ選考の無効確認を求める民事訴訟を高知地裁に起こしていた対立候補の高橋正征・同大学大学院教授(当時)らは23日、訴えを取り下げた。文部科学省が4月1日付で相良氏を正式に学長に任命したためで、教授らは改めて国に対して任命行為の取り消しを求める行政訴訟を同地裁に起こす方針。  原告側は「相良学長が国に任命されたことで、大学を訴えても無意味とみなされ、裁判打ち切りの可能性がある。裁判という場で今後も学長選考の過程を明らかにしていくためには、別に国に対する訴訟を起こす必要がある」と話している。  高橋教授らは昨年12月、選考の参考となる「学内意向投票」で票のすり替えなどの不正があったとして、窃盗と偽計業務妨害容疑で被疑者不詳のまま高知地検に刑事告発。同地検は窃盗容疑を公用文書毀棄容疑に変更させて受理している。【千脇康平】 "[he-forum 13433] 北海道新聞社説6/23 北海道新聞社説2008年6月23日付 医療ビジョン 定員増だけで事足りぬ  医師不足の解消に向けた「安心と希望の医療確保ビジョン」を厚生労働省がまとめた。  大学医学部の定員増が柱だ。地方を中心にした深刻な医師不足を考えると、医師数の増加対策は当然で、むしろ遅すぎたくらいだ。  ただ、医師を増やしただけでは問題は解決しない。医師を過不足なく、全国にどう行き渡らせるかという視点が必要だろう。ビジョンにはそれが欠けているようにみえる。  大学医学部の定員は、一九八〇年代前半の約八千三百人をピークに減少に転じ、二〇〇七年には七千六百人にまで減った。医師の需要予測をもとに、政府が一九八二年に医師の抑制方針を、九七年には削減方針をそれぞれ決定したためだ。  確かに、医師の数自体は、毎年三千五百人から四千人のペースで増えている。  それでも医師不足と言われるのは、医師が大都会などでの開業医に偏り、地方の中核病院などに勤務する医師が必要数を満たしていないからだ。道が最近まとめた調査結果でも、道内の病院の36%が「緊急に常勤医が必要」と答えている。  勤務医不足の背景にあるのは、宿直明けの通常勤務など、多くの医師が過酷な勤務を強いられていることだ。厳しい勤務環境から、病院を退職し、開業に転じる医師が増えている。それが、勤務医の労働条件をさらに悪化させている。  打開策として、ビジョンは「非常勤医師の活用により地域医療を支える多様な勤務形態の導入」をうたうが、そもそも、こうした出張医となる人材すら足りないのが、大都会から離れた地方の実情だ。  不足がとくに目立つ小児科や産科への目配りも薄い。たとえば、産科について、医師との連携で助産師が正常分娩(ぶんべん)を扱えるよう、院内助産所などを導入するとしている。  だが、地方には医師の辞職で産科が休診に追い込まれた病院は少なくない。連携すべき医師が不在なのだ。厚労省は地方の実態を十分に把握しているのだろうか。  医師不足に拍車をかけたのは〇四年に始まった新臨床研修制度だ。新卒医師の研修先が、都市の民間病院に集中、出身大学が医師確保のため、地方の自治体病院などに派遣していた医師の引き揚げを始めた。  この連鎖を断ち切らねばならない。ビジョンでは是正策として「医師不足が深刻な診療科や地域医療への貢献を行う臨床研修病院等を積極的に評価」「研修医の受け入れ数の適正化」を掲げる。  これをどう肉付けしていくか。地方の実態に沿った検討が急務だ。 "[he-forum 13434] 沖縄タイムス社説6/24 沖縄タイムス社説2008年6月24日付 [医師増員] 偏在解消を急ぐべきだ  地域の深刻な医師不足に対処するため政府は、医師数の「抑制」という従来の方針を改め、計画的に「増員」していく考えを打ち出した。四半世紀ぶりの路線転換である。  医師が過剰になったり、医療費が増えたりすることを懸念して政府は一九八二年、「医師数の抑制」を閣議決定した。  医師不足が社会問題化したことを受けて二〇〇六年、一部大学医学部の定員増を認めたが、その時にも「引き続き医学部定員の削減に取り組む」との一九九七年の閣議決定は変えていない。  今回、九七年の閣議決定を見直し、「抑制」から「増員」への路線転換を打ち出したことは、医師不足解消に向けて政府が本腰を入れて取り組む姿勢を示したものと受け止めたい。むしろ遅過ぎたぐらいだ。  地域医療をむしばんでいる医師不足には、さまざまな要因が複合的に絡んでいる。  若い医師は先端の技術を学びたいという意向が強く、離島や辺地には行きたがらない。過重労働を強いられる病院勤務に嫌気がさして、条件のいい開業医に変わる医師も後を絶たない。訴訟リスクを抱える産科や小児科などは、敬遠されがちだ。  二〇〇四年に新人医師の臨床研修制度が義務化され、都市部への研修希望が集中した。研修医が減った大学病院は過疎地などに派遣していた医師を引き揚げた。  問題なのは、「医師の偏在」が急速に進んだ結果、必要な医療が受けられないという深刻な現象が各地で起きていることだ。  県議会の二月定例会で仲井真弘多知事は「女性医師の再就業の支援や勤務環境の改善を図り、中長期的な医師確保につなげていきたい」と答えた。  医師不足が深刻な産科や小児科の女性医師の中には、子育てと仕事の両立に悩んでいる人が少なくないという。しばらくの間、「非常勤で、短時間働きたい」と希望する女性医師に対しては、多様な勤務形態を認めるなどの柔軟な子育て支援策が欠かせない。  琉球大学医学部の定員を増やしても、それが直ちに県内の医師不足の解消につながるわけではない。新人医師が、医師不足を訴える離島・辺地や産科・小児科などに勤務して初めて、医師不足解消に役立つのである。  医師不足で困っている地域や医師の少ない診療科目に新人医師を誘導していくためには、魅力的な施策を打ち出す必要がある。  福田康夫首相は、社会保障費の歳出抑制路線は今後も堅持するという。医師増員のための財源はどこから捻出するつもりなのだろうか。政府内の調整は進んでいないようだ。  財源問題が詰められていないため、どのくらい医師を増やしていくのかも、まだはっきりしない。  政府は社会保障費の伸びを年二千二百億円ずつ圧縮する目標を掲げ実施してきたが、抑制路線を維持するのはもはや困難だ。  医療費の削減が、結果として「医療崩壊」を招いている現実を直視しなければならない。 "[he-forum 13435] 中国新聞社説6/22 中国新聞社説2008年6月22日付 医師増員 偏在なくす対策も急務  地方を中心に深刻化する医師不足の現状を考えれば、もっと早く政策転換すべきではなかったのか。大学医学部の医師養成数を抑える政策を取り続けてきた政府が、ようやく定員増にかじを切った。現行の定員を五百人以上引き上げて、過去最多の水準にするという。  大学医学部は国公私立合わせて八十ある。入学定員は一九八一~八四年の約八千三百人をピークに減り、今年は約七千八百人。緊急医師確保対策などで昨年より二百人増えたものの、八千人を割り込んでいる。  政府が抑制策にこだわってきたのは、「医師が過剰になれば、医療費が膨らむ」との懸念が背景にあるようだ。橋本内閣の財政構造改革の一環として九七年に「大学医学部の整理・合理化も視野に、引き続き定員の削減に取り組む」と閣議決定。小泉改革にも引き継がれてきた。  医師の総数は年々増えている。しかし、人口千人当たりの数でみれば、ドイツやフランスの三・四人に対し日本は二・〇人。経済協力開発機構(OECD)に加盟する三十カ国中の二十七位にとどまる。医師過剰を招くという従来の政府の主張は、説得力に欠ける。  将来的に医師数を増やすという点で、政府の削減方針撤回は前進だろう。一方で、若手医師が大都市に集中したり、産科や小児科が敬遠されたりする「偏在」に対しては、それほどの効果を期待できまい。  とりわけ気に掛かるのが、この十年余りの間に、三十歳代男性の病院勤務医が約八千人も減っていることである。過酷な勤務にあえぐ働き盛りの医師が、たまりかねて病院を去るケースも少なくない。  広島県内では、人口十万人当たりの実働医師数が全国で唯一、減少に転じた。診療科の廃止や縮小も相次ぐなど極めて深刻だ。「医療崩壊」が始まっているともいえよう。  厚生労働省が今月まとめた「安心と希望の医療確保ビジョン」は、医師増員に加え、当面の対策も盛り込んだ。医師臨床研修制度の見直し、女性医師が出産・育児と仕事を両立できる短時間勤務の導入、過重な負担を軽減する交代勤務制…。財政措置はもとより具体的な道筋を示すべきだ。  「医師の数を増やすだけでは解決しない」との声も聞かれる。問題の根っこにある医療費の抑制政策を続けるのか。政府の姿勢が問われる。 "[he-forum 13436] 愛媛新聞社説6/24 愛媛新聞社説2008年6月24日付 医学部定員増 目先の危機にも対処を怠るな  政府がかたくなに続けてきた医師数の抑制方針から、ようやく舵(かじ)を切る。  大学医学部の定員を過去最多だった一九八一年の約八千三百人程度にすると、骨太の方針に明記する。ことしより五百人の増員で、さらに上積みする可能性もある。  政府は八二年に医師抑制を決め、九七年には閣議決定でも確認した。人口比では経済協力開発機構(OECD)加盟国で下位になり、国際水準に追いつくにはあと十三万-十四万人必要とされる。  しわ寄せはとりわけ地方の小児科や産科、救急部門で顕著だ。国民皆保険のもとで世界に誇ってきた医療制度の危機で、放置できない。  政府の方針転換に先立ち、すでに愛媛大などは緊急的に定員を増やしている。定員の一部を地域医療の担い手育成枠とする試みもしている。一方で、県立の五病院に限っても麻酔科を中心に三十人近く足りない現実がある。  こうした状況は幾重もの悪循環を招いている。過重労働で勤務医が次々やめ、残った医師をいっそう追い込む。さらに、患者が減って病院経営を悪化させている。  それでも厚生労働省は、問題は地域や診療科ごとの偏在だとして絶対数不足を認めてこなかった。医師を増やせば医療費が膨らむとの考えが根底にある。これには因果関係を否定する見方も根強い。何より現状では「民滅んで制度あり」になりかねない。  ようやくとはいえ認識を根本的に改め、増員に踏み切るのは英断といっていい。  ただし、増員の規模や財源には不透明な部分が残る。  医師数自体はいまも毎年三千五百-四千人増えている。適正規模を見きわめるよう綿密な将来推計が不可欠だ。  福田康夫首相は社会保障費の伸びを毎年二千二百億円圧縮する小泉政権以来の方針を踏襲する考えだ。だが、ひずみの噴出ぶりを見ると機械的抑制は限界と思わざるをえない。医師不足対策を担保する意味でも徹底論議したい。  医学部の定数を増やしても養成には十年ほどかかる。目先の危機への対処も手綱を緩めず進めてもらいたい。  一つには厚労省のいう偏在解消がある。地方へ医師を派遣してきた大学の医局は、研修先を自由に選べる新臨床研修制度で自ら医師不足に陥った。是正が急がれよう。  ことしの診療報酬改定では勤務医と開業医の格差解消が一部にとどまり、勤務医の待遇改善の政策的誘導としては踏み込み不足だった。出産などで退職した女性医師らを県が設けているようなドクターバンクと結びつけ、活用していく方策も有効だろう。  政府の決断を、あらゆる対策で危機に歯止めをかけるターニングポイントにしたい。 "[he-forum 13437] 6/25山形新聞 学芸員養成、履修増加へ 博物館機能強化で文科省 2008年06月25日 08:26  博物館の機能を充実させるため、文部科学省は25日までに、学芸員 資格の取得に必要な大学の養成課程の履修科目を増やすなど、教育内容 の見直しを進める方針を固めた。2010年度からの新課程導入を目指 す。  11日に成立した改正博物館法は展示を柱とした従来の役割に加え、 住民による研究発表の支援や、教育機会を提供する機能の強化を明記。 文科省は「対応するには、学芸員の質を高めることが必要」としている。  学芸員の資格を得るには原則、全国約320校の大学や短大が設置し ている養成課程で、文科省が規定する「博物館情報論」や「博物館資料 論」など8科目12単位以上の履修が必要だ。  しかし、履修内容に対し「多様化する実際の業務に役立っていない」 との問題点も指摘されている。文科省は今後、収集した資料と調査研究 の成果を活用する経営能力や、地域や学校と連携を深めるコミュニケー ション能力の育成が重要と分析。 "[he-forum 13438] 高知新聞6/25 高知新聞2008年6月25日付朝刊 相良氏の学長任命「違法」 高知大名誉教授 取り消し求め国提訴  昨年の高知大学の学長選考で、相良祐輔現学長の対立候補だった高橋正征氏= 同大名誉教授=と、相良氏の再任を決めた学長選考会議委員の1人だった根小田 渡氏=同=が24日、国に相良氏の学長任命を「違法」として、任命取り消しを求 める行政訴訟を高知地裁に起こした。    同大の学長選考をめぐっては、昨年10月の学内意向投票で二通りの得票数が確 認されたにもかかわらず、選考会議は相良氏の再任を決め、2月末には同大が文 部科学省に同氏の任命を上申。同省は4月1日付で任命した。    訴状によると、選考会議の決定を「重大な手続き違背で、違法・無効である」 と指摘。さらに高橋氏が3月3日付で渡海紀三郎文科相に一連の経緯を記した内 容証明郵便を送り、相良氏任命を求める同大の申し出を受理しないよう要請して いたことから、「被告(国)は相良氏を学長に任命することを拒否する義務を負 っていた。にもかかわらず、任命した処分は違法であり、取り消しを免れない」 などとしている。    取材に対し、同省は「訴状が届いていないのでコメントのしようがない」とし ている。(広末智子) "[he-forum 13439] 高知新聞6/24 高知新聞2008年6月24日付 高知大学長選考訴訟 原告が訴え取り下げ  昨年の高知大学長選考で相良祐輔氏を学長に選んだ選考会議の決定無効を求め、 同大を訴えていた高橋正征氏=同大名誉教授=は23日、高知地裁への訴えを取り 下げた。文部科学省が4月1日付で相良氏を同大学長に任命したのを受け、裁判所 側が「訴訟要件がなくなった」と取り下げを求めたことに応じた形。高橋氏側は 24日にも、国に任命処分の取り消しを求める行政訴訟を起こす。  同大の学長選考をめぐっては、昨年10月の学内意向投票で二通りの得票数が確 認されたにもかかわらず、選考会議が相良氏の再任を決めたことで学内が紛糾。 選考のやり直しを求める教職員や学生を代表し、対立候補だった高橋氏が同大を 相手に民事訴訟を起こしていた。    訴えの取り下げに当たっては、高知地裁が「原告(高橋氏)としては速やかに 学長選考をやり直し、高知大学の信頼を回復し、皆が教育と研究に専念できる環 境を取り戻したいと願うものである」などとする原告側の思いを裁判記録に盛り 込むことを提案。原告、被告双方がこれを了解した。    国に相良氏の学長任命の取り消しを求める行政訴訟には、高橋氏のほか、相良 氏の学長再任を決めた際の選考会議委員の1人だった根小田渡氏=同大名誉教授 =も原告として加わる。 "[he-forum 13440] 長崎新聞6/26 長崎新聞2008年6月26日付 長崎大新学長に片峰氏 史上最年少、人材育成など目標  長崎大は二十五日、齋藤寛学長の任期満了(十月十日)後の新学長に、片峰茂氏(57)=大学院医歯薬学総合研究科教授=が決まったと発表した。同大史上最年少で学長に就任する片峰氏は「国立大学法人のメリットを最大限に生かし、ワンステップもツーステップも飛躍するのが目標」と決意を述べた。  片峰氏は長崎市出身。一九七六年に長崎大医学部卒業後、東北大大学院医学研究科修了。長崎大医学部助教授、教授を歴任し、二〇〇二年四月から現職。専門はウイルス学。  選考では片峰氏を含む三人が候補者となり、教員らが学内意向投票を実施。片峰氏が有効投票の64%を獲得した。投票結果を基に学長選考会議(議長・今村定臣日本医師会常任理事)が決定した。任期は十月十一日から一一年九月三十日までの三年間。  記者会見した片峰氏は国立大学法人化で特色ある大学づくりが求められる中、「国立大学時代の重しを引きずり、まだスピードが出ていない。飛ぶ方向を明確にし、助走のスピードを格段に上げることで、就任三年目には大きく飛び立つところまで行きたい」と抱負。前向きな学生や若い研究者へのサポートによる活気づくり、世界に突出した研究成果や人材育成、総合大学として地域をリードすることを目標に掲げた。 "[he-forum 13441] 毎日新聞岩手6/26 毎日新聞岩手版2008年6月26日付 岩手大学:外部資金、前年度より1億2800万円減 法人化後、初の減 ◇共同研究件数も  岩手大学(盛岡市、藤井克己学長)が07年度に獲得した外部資金は前年度比1億2800万円減の7億5600万円で、法人化後初めて減少したことが分かった。企業や団体などとの共同研究件数も同11件減の182件にとどまり、集計を取り始めた90年以来初めて落ち込んだ。同大は「県内に地域密着して取り組んできたが、踊り場を迎えた」と話している。【山口圭一】  外部資金は、企業や自治体などとの産学官連携で共同研究や受託研究によって学外から得た研究費と寄付金を合計したもの。国立大学法人化で独立採算が求められるようになり、全国の国立大では、充実した研究を続けるために外部資金の獲得に奔走、学外からの注目度を反映するとされる。  同大研究協力課によると、01年度に3億9300万円だった外部資金獲得額は年々増加し、06年度には8億8400万円まで伸びたが、07年度は減少。金属系材料研究開発センターとの共同研究が06年度で終えたのと、複数年度にまたがる共同研究で06年度に一括で研究費を受け入れたことが響いたという。  同大では評価の高い金型・鋳造技術の研究を通じて、県内企業を中心に産学連携を進めており、04年度には地域連携推進センターを設置、強化してきた。  斎藤徳美副学長は「県内で大学と手を組める規模の企業は限られる。学内の研究者数からも、共同研究が従来通り青天井で増えることはあり得ない。基礎研究も必要だ」と説明。藤井学長は「企業が求めるレベルが次の段階になり、大学が応えきれていないのかもしれない。テコ入れが必要だ」と語る。 "[he-forum 13442] 日本経済新聞6/24 日本経済新聞2008年6月24日付 大学院生への経済支援広がる 東工大は博士課程の授業料を免除  大学院生に対し、まとまった規模の経済支援策を講じる動きが有力大を中心に相次いでいる。慶応大は今年度から、医学研究科博士課程の1、2年生全員に奨学金を出す仕組みを導入。東京工業大は博士課程全員の授業料を免除したほか、東京大も博士課程の9割が授業料半額免除以上の支援を受けられるようにした。優秀な学生の囲い込みが狙いで、学生を引きつけられる大学とそうでない大学の二極化も一段と進みそうだ。  慶大の医学研究科の奨学金は年最大60万円。博士課程の1、2年生は全員、3、4年生は優れた業績をあげた学生が対象になる。毎年200人が対象となる。 "[he-forum 13443] 中日新聞6/26 中日新聞2008年6月26日付 三重大にベンチャー支援研究室 百五銀などとタッグ  三重大(津市)は野村証券(東京)や百五銀行(津市)と手を組んで、ベンチャー企業の成長を支援する「野村証券・百五銀行・創業革新プロジェクト研究室」を7月に学内に開設することになった。同大で25日、3者が協定書に調印した。国立大学法人が民間企業と企業支援に取り組むのは全国初という。  新しいベンチャー企業ができても、なかなか軌道に乗らず業績が伸びていかない実情から、どうしたら成長できるかを共同研究し、具体化するのが狙い。将来的に上場企業になるような基盤作りを支えるという。  研究室は県内で成長が期待できるベンチャー企業を発掘し、新たな製品開発や販路拡大策などのプロジェクトを個々に設ける。野村証券や百五銀行は提携企業の紹介や経営のアドバイスをし、同大は研究開発の場やスタッフを提供する。  支援する業種は医療やバイオテクノロジーなどの分野が中心。既に県内の4社が対象に上がっていて、2社程度を先行して取り組みたいという。研究資金などは野村証券と百五銀行が年間計500万円を援助する。  研究室の事務局を務める同大医学部産学連携医学研究推進機構の西村訓弘教授は「有望な企業をじっくり育てて成功例を積み上げ、いずれは全国に波及して『三重に来れば何かできる』という企業が県内に集積するようになれば」としている。  (神田要一) "[he-forum 13444] 京都新聞6/25 京都新聞2008年6月25日付 トヨタ自の寄付講座を開設 京大が7月 先端電池で  京都大は24日、工学研究科にトヨタ自動車(愛知県)の寄付講座「先端電池基礎講座」(西尾晃治教授)を7月に開設すると発表した。期間は2011年3月までで、総額は9000万円。  地球温暖化を防ぐため、化石燃料に代わる電気自動車への利用を目指し、既存電池を高性能化する基礎技術と、革新的な反応メカニズムによる電池開発を進める。トヨタ自動車の寄付講座は、名古屋工業大に次いで2件目。 "[he-forum 13445] 時事通信6/25 時事通信2008年6月25日12時21分 骨太方針を了承=「最大限の削減」堅持-自民政調  自民党は25日午前、党本部で政調全体会議を開き、政府の経済財政改革の基本方針「骨太の方針2008」を了承した。政府は26日の同党総務会で正式に了承されれば、27日に閣議決定する方針。  会議では、歳出全般の「最大限の削減を行う」との文言について「最大限の無駄削減に書き直すべきだ」「仕事を増やしてほしいとの地方の声に応えられない」などと修正を求める意見が相次いだ。これに対し、谷垣禎一政調会長は「財政再建路線の放棄と言われるから落せない」と拒否。「機動的な財政運営を福田康夫首相と相談する」と理解を求め、一任を取り付けた。  また、公明党も25日の政調全体会議で斉藤鉄夫政調会長に一任し、正式に了承した。 "[he-forum 13446] 毎日新聞6/26 毎日新聞2008年6月26日付 国立大学病院:共通インターネット会議システムの運用開始  全国に42ある国立大学付属病院の病院長会議は25日、共通のインターネット会議システム(UMICS)の運用を始めたと発表した。複数の医療機関による合同研修や会議などを充実させるとともにコスト削減も図りたい考え。  UMICSは、ネットワークサービス「エイネット」(東京都千代田区)のシステムで、サーバーと専用ソフトウエアからなる。東京大学医学部付属病院内にサーバー1台を設置。各病院はソフトを入れ、ウエブカメラとマイクを揃えれば利用できる。ライセンス利用数を限定せず、必要に応じて大人数の会議から、1対1の情報交換まで柔軟に使えるという。  IT化が遅れている分野の一つとされる医療。病院長会議の合意形成に2年かかったという。大学病院医療情報ネットワーク研究センターの木内貴弘センター長は「ようやく」の思いをにじませ、「UMICSは汎用システムのままで、病院向けのカスタマイズはしていないが、42病院が共通のシステムを使うことで、ネット会議を普及させたい」と話す。多くの大学病院が使うようになれば、会議のために移動する必要がなくなり、導入コストはすぐに回収できる見込みという。【岡礼子】 "[he-forum 13447] 共同通信6/27 共同通信2008年6月27日23時14分 教育の数値目標は明記せず 財務省反対で 教育基本計画、1日決定へ  政府が初めて策定する教育振興基本計画最終案の大枠が27日、明らかになった。文部科学省が求めた「国内総生産(GDP)に占める教育投資の割合を5・0%超に拡充する」など焦点の数値目標の設定は、財務省などの反対で文科省が盛り込みを断念した。  計画策定を契機に教育予算の大幅増を狙った文科省の狙いは大きく後退した。政府内の調整は27日に終了、30日に与党の了承を得て7月1日の閣議決定を目指す。  最終案では、教育投資については「経済協力開発機構(OECD)諸国など諸外国の状況を参考に、必要な予算の財源を措置し、教育投資を確保する」との表現にとどめ、数値の明記は避けた。  さらに小中学校の教職員定数を約2万5000人増やすよう文科省が求めていた点についても人数は示さず、改定学習指導要領の円滑な実施に向けて「定数の在り方を検討する」との文言に修正することで合意した。  最終案について渡海紀三朗文科相は27日午後、「満足できる記述ではないが、毎年の予算要求で頑張っていこうと決断した」と記者団に説明した。  文科省は5月23日、GDPに占める教育投資の割合を現在の3・5%から「OECD諸国平均の5・0%を上回る水準」に拡充するなどの数値目標を盛り込んだ計画原案を発表した。  これに対し財務省や総務省は、政府の歳出削減や地方公務員の削減方針に反するとして反対。折衝は暗礁に乗り上げていたが、重要政策の基本方針である「骨太の方針2008」を27日に閣議決定したことから、町村信孝官房長官が渡海文科相ら関係閣僚に早期決着を指示、数値目標の取り下げで合意した。 "[he-forum 13448] 時事通信6/27 時事通信2008年6月27日17時15分 公益法人を大幅削減=「歳出削減路線」掲げる-福田政権初の骨太方針  政府は27日、経済財政諮問会議と臨時閣議を相次ぎ開き、福田政権で最初の経済財政改革の基本方針「骨太の方針」を決定した。福田康夫首相肝いりの行財政改革では、行政経費や政策の無駄を排除する一環として、行政と関係が密接な公益法人を大幅削減する方針を追加。また、歳出・歳入一体改革を進め、来年度予算で「最大限の削減を行う」との表現も堅持した。低炭素社会の構築、消費者庁創設など福田カラーも押し出した。  首相は諮問会議の席で「概算要求では一般、特別会計を根底から厳しく洗い直し、無駄ゼロや政策の棚卸しを徹底させたい」と述べ、額賀福志郎財務相に来年度予算編成作業の中で財政健全化と重点施策を両立させるよう指示した。 "[he-forum 13449] 6/29しんぶん赤旗 2008年6月29日(日)「しんぶん赤旗」 政治のいま なぜ 教育条件 世界と差 日本81万円 仏2万円―国立大学費  日本の教育予算は、世界の水準と比べてあまりに貧しいレベルに落ち 込んでいます。いまどんな状態なのか。なぜここまで差が広がったの か。考えました。(坂井希) 40人学級 「それで教育できるのか」  日本の教育予算は対GDP(国内総生産)比で3・5%です。OEC D(経済協力開発機構)各国平均は5%。日本は加盟三十カ国中、下か ら二番目という低さです。  この結果、日本の教育の実態は深刻なことになっています。  世界では少人数学級が主流です。ところが日本では国基準で一学級四 十人まで認めているため、平均学級規模は他国と比べ際立った大きさで す。  「欧州で『日本の小学校は平均二十八人学級だ』と話すと『それで教 育できるのか』と驚かれます。『教育は対話を通じた相互活動。一クラ ス二十人程度が限度』というのが、欧州では常識なのです」と、都留文 科大の佐藤隆教授(教育学)は話します。 機会均等へ努力  大学の学費はどうか。日本では初年度納付金(入学金+授業料)が国 立大で八十一万七千八百円、私大で平均百三十万八千三百二十円です。 日本学生支援機構の奨学金は返還が必要な貸与制で、そのうち有利子が 六割を占めています。  英国も欧州の中では高学費ですが、返還しなくてよい給与制奨学金が あり、家庭の年収が五百二十五万円以下の場合で約五十九万円受け取れ ます。卒業後、年収が三百十五万円以上に達してから返還すればよい貸 与制奨学金もあります。  米国では学生の七割が、私立に比べると学費が安い州立大に通ってい ます(日本は私大に七割)。給与制奨学金を44%の学生が利用。貸与 制も含めると82%の学生が財政支援を受けています。  ドイツでは、半数以上の州で授業料無償です。最高年額約六十万―八 十万円の半額給与・半額貸与奨学金を25%の学生が受けています。  フランスは授業料無償で二万一千円の学籍登録料がかかるのみです。 ほかにチェコ、デンマーク、ポーランドなど欧州の多くの国々 で、大学まで無償です。  前出の佐藤教授は「フィンランドも公・私立を問わず学費は大学まで 無料です。給食費や交通費も家庭の負担はゼロです。同国の憲法は日本 国憲法と同様、教育の機会均等を定めています。これを文字通り実現す る立場で、政治が努力しているのです」と話します。 「受益者負担」論で予算抑える  なぜ日本では、教育予算が低く抑え込まれてきたのでしょうか。  「『財政難だから』という政府の説明は違います。『教育は国民の権 利だから公費による教育を拡充する』という考え方がないからです」。 近畿大学の土屋基規教授(教育行政学)は言います。  憲法第二六条は「義務教育の無償」を定めています。ところが政府は 「これは国の努力目標を定めた条文で、個々の国民に具体的権利を与え るものではない」という解釈を続けてきました。  一九六四年二月の最高裁判決は「義務教育の費用はすべて国が持つべ きものではなく、親も応分の負担をすべきだ」との見解を示しました。 この後「無償」の範囲は公立義務教育学校授業料と教科書代に限定さ れ、「教材費や給食費などは家庭が負担して当然」という流れがつくら れました。  一九七一年の中央教育審議会(文相の諮問機関)答申は、大学学費に ついて「大学教育で利益を得るのは学生だから、費用も学生が負担すべ きだ」という「受益者負担」論を提唱。この後、学費はうなぎ上りとな り、現在は七〇年比で国立大で四十五倍、私大で九倍にもなっています。  八〇年代からは臨調「行革」の名の下に教育の民営化や規制緩和が進 行。小泉「構造改革」がこれを加速させました。「良い教育を受けたけ れば自己負担を」という「受益者負担」論は、いっそう強められていま す。  「政府は、親の教育熱心さにもつけ込み、教育の私費負担を増やして きました」。こう話す土屋教授は、「七〇年以降、国の行政費に占める 教育費の割合は、七五年の12%台をピークに、現在8―9%台まで下 がっています。中等・高等教育の漸進的無償化を明記した国際人権社会 権規約第一三条二項(b)(c)もルワンダ、マダガスカルと並んでい まだに留保している恥ずかしい状況です」と批判します。 政治動かすとき  日本共産党はこれまでも、学費値下げや少人数学級、私学助成増額な どを求めてきました。「教育投資の水準を他の先進諸国並みに」という 声は、党派を超えて広がっています。この声に、いまこそ政治はこたえ るべきです。 "[he-forum 13450] 時事通信6/30 時事通信2008年6月30日10時15分 「G8大学サミット」初開催=札幌  北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に先立ち、世界各国の大学の代表者らが地球環境問題を中心に話し合い、学術界からの国際貢献を目指す「G8大学サミット」が30日、札幌市で開幕した。  今回が世界初開催で、主要国や中国、インドなど新興国の計14カ国から米エール大、英ケンブリッジ大、北京大など35大学の学長らが参加した。   サステナビリティー(持続可能性)をテーマに、持続可能な社会の実現に向けた大学の役割や取り組みを討議。主催者のG8大学サミット運営会議の小宮山宏議長(東大総長)は冒頭で「人間の活動が社会的なシステムを壊している現実を見詰める必要がある。われわれの責務として、解決ビジョンを示すべきだ」とあいさつした。  会議は7月1日に閉会し、「札幌サステナビリティー宣言(仮称)」を採択して主要国首脳に支持を働き掛ける。 "[he-forum 13451] 秋田魁新報6/30 秋田魁新報2008年6月30日付 秋大に「総合医」講座、今秋にも開講へ 医師確保の呼び水に  秋田大医学部に、「総合医」(かかりつけ医)養成に向けた研究を行う県の寄付講座が開設される見通しとなった。医師確保総合対策の一つと位置づける県が、今秋の開設を目指し開会中の6月定例県議会に関連予算案1750万円を計上している。設置は2012年度までで、4年半で計1億5000万円余りを提供する考え。  総合医は臓器別の専門医と違い、患者の既往症や家庭環境を把握した上で、総合的な初期診療に当たり、専門的な治療が必要な場合は地域の中核的な総合病院などに紹介する役割を担う。  総合医の養成により、総合病院での軽症患者の受診抑制を図り、オーバーワーク状態にある病院勤務医の負担軽減や偏在と不足の解消、さらには医師の県内定着を目指す。高齢者が住み慣れた地域や家庭で適切な医療や介護サービスが受けられるよう、総合医を中心とした在宅ケアの基盤を整備する狙いもある。  講座名は「総合地域医療推進学講座」(仮称)。主なテーマは、▽総合医養成のためのシステム構築▽地域における保健・医療・福祉の連携▽都市と農村の医療資源の格差解消とマンパワーの適正配置に向けた調査研究—など。医学生のほか、卒後の研修医、開業医らの受講も想定している。 "[he-forum 13452] 7/1しんぶん赤旗 2008年7月1日(火)「しんぶん赤旗」 断面 博士の就職難 大企業の社会的責任を問う  博士課程修了者やポストドクター(半年から三年の短期雇用研究員、 ポスドク)の就職難が社会的な問題となっていますが、これへの大企業 の責任を問ううえで、六月四日の日本共産党の石井郁子衆院議員の国会 質問は、重要な事実を指摘しました。博士の就職難は、政府が「院生の 倍加」政策をすすめながら、大学や研究機関の研究職を増やさなかった こととあわせ、博士を増やすことを求めながら、その採用を増やそうと しない大企業の無責任が、背景にあります。  たとえば、製薬業などバイオ産業の業界団体である日本バイオ産業人 会議は、一九九九年の提言「バイオ産業技術戦略」で、バイオテクノロ ジー産業の市場規模を二〇一〇年に、二十一倍の二十五兆円にするため には、「日本の博士はアメリカの三十分の一」だから、「大学や大学院 での生物系の教育を受けた人材を拡充すべき」として、学部や大学院の 再編、ポスドクを増やすことを要求していました。  こうした提言もあって、政府は、バイオテクノロジー(BT)戦略大 綱(二〇〇二年十二月)で、「BTを支える人材供給の抜本的拡充」の ために、BT関連人材養成プログラムを充実する大学への重点的な支援 を行うとしました。このため、生命科学系の学部や研究科の新設が相次 ぎ、バイオ系ポスドクも急増。ポスドク全体の中で、最も多い四割をし めています。  ところが、民間企業による博士やポスドクの採用は冷え切ったままで す。就職支援雑誌を発行する「毎日コミュニケーションズ」の調査で も、ほぼ毎年博士課程修了者を採用している企業は2・9%、ポスドク はたった0・2%です。製薬大手は、国内研究所を相次い で閉鎖し、医薬品関係の研究者を、この五年で四割も削減しています。  大学や研究機関に対しては、研究成果(論文)を活用するために、博 士やポスドクを増やすよう求めながら、その就職に対しては自らの責任 を果たさない――こんな身勝手な話はありません。まさに若手研究者 の“使い捨て”です。企業は、企業としての研究開発のためにも、増や した博士やポスドクを雇うべきです。  石井議員が、「大企業に、博士やポスドクの採用を増やすべきだ、社 会的責任を果たせと求めるべきではないか」と迫ったところ、政府は 「機会あるごとに求めていく」と答弁しました。大企業の社会的責任 が、若手研究者の就職難をめぐっても、いま鋭く問われています。(土 井 誠) "[he-forum 13453] 時事通信7/1 時事通信2008年7月1日10時31分 ●数値目標明記せず=教育基本計画  政府は1日の閣議で、今後5~10年間の教育政策の目標を定めた教育振興基本計画を決定した。焦点だった教育投資の規模と教職員定数に関する数値目標は、歳出削減路線との整合性を考慮し明記を見送った。重点政策として、幼児教育の無償化検討や福田康夫首相が掲げる「留学生30万人計画」の推進などを盛り込んだ。  同計画は、教育の成果目標として「世界トップの学力水準を目指す」と掲げた。しかし、歳出改革の方向性に配慮し、予算の拡充につながるような表現は最小限に抑えた。  文部科学省は、投資規模の数値目標について「国内総生産(GDP)比5%を上回る水準」を、教職員定数では「2万5000人程度の改善」の明記を目指したが、財務省などが難色を示し、最終的には「諸外国の教育投資の状況を参考にする」「定数のあり方について検討」などの表現にとどめた。  今後5年間で取り組むべき政策では約80項目を列挙。このうち、重点政策には幼児教育無償化の検討のほか、(1)道徳教材に対する国庫補助制度などの方策の検討(2)世界最高水準の教育研究拠点の形成(3)小中学校施設約1万棟の耐震化-を挙げた。 "[he-forum 13454] 朝日新聞6/30 朝日新聞2008年6月30日付 授業の質 連携で高めろ  教育の質を向上させるためのファカルティー・ディベロップメント(FD)と呼ばれる取り組みが、今年度から大学で義務化された。既に8割以上の大学で実践されているが、どれだけ「実効性」のある取り組みにするかが課題とされる。そんな中、ノウハウの共有でより充実したFDを目指そうと、大学間の連携を進める動きが広がっている。(大西史晃) ◆「FD」義務化で各地に協議会  「(居合や吹き矢を)グループに分けて回転させながらやっていた。みんなが楽しめるようすごく工夫されている」「ほめるのがとても上手」  4日、山形市の山形大で、同大の教員ら6人が懇談会を開いていた。直前にあった竹田隆一教授によるスポーツ実技の「武道」の授業を参観した上で、感想を出し合う。  山形大がFDの一環として行っている公開授業の取り組み。公開する側はもちろん、参観する側の授業改善にも生かしてもらうことが目的で、「大切なのは授業中の学生の反応」といったポイントをあらかじめ参加者に伝えるなど、効果を高めるための工夫もうかがえる。  山形大は、FDに熱心に取り組んでいることで知られる。99年からワークショップを始め、その後、学生も対象にした授業改善アンケート、公開授業などの取り組みを次々と導入。さらに、近年力を入れているのが大学の枠を超えたネットワークづくりだ。  04年に、県内6大学・短大のFD担当者からなる協議会「樹氷」を設立。今年3月には対象を東日本に広げ、「つばさ」をつくった。発足時の参加校数は東北地方を中心に大学、短大、高専を合わせて35。それぞれが培ってきたFDの成果の共有などが目的だ。  つばさの設立は、今年度からFDが義務化されたこともきっかけ。議長に就任した小田隆治・山形大教授は「ネットワーク化することで互いの勉強の場が増え、バラエティーも広がる。それぞれの大学や短大に自分たちのニーズに応じた選択をしてほしい」と話す。  会員校には活動に関する情報の共有も呼びかける。竹田教授の公開授業の開催もメールで連絡。岩手県からは一関高専の清水久記教授が見学に来た。工学が専門という清水教授は「工学の授業は一方的になりがち。常に学生を見ながら、個別に指導していく竹田先生のやり方はとても参考になった」。  つばさは、合宿形式のセミナーや、個別の教員の授業改善を支援する「授業改善クリニック」なども計画している。小田教授は「保健医療、短大などの分科会をつくり、学問の専門性や学校の設置形態に合わせたFDを推進していきたい」と、将来像を語る。  こうしたネットワーク化の動きは関西でも進む。4月には、「相互研修型」のFDの推進を掲げた「関西地区FD連絡協議会」ができた。参加する大学・短大は発足時で100校を超えており、授業評価の研究なども共同で行う予定。  代表幹事校である京都大の大塚雄作・高等教育研究開発推進センター教授は「ネットワークをつくれば、自分たちだけでは気付かない点も見えてくる。協議会を、教育を活性化する場にしていきたい」と話す。 ◆中教審「成果は不十分」  FDは一般に、教員の授業内容や方法を改善するための組織的な取り組みのことを言う。99年に努力義務が課され、08年度からは設置基準の改正で、大学のほか短大や高専でも義務化された。文科省の06年度の調査では、全体の約86%の628大学が実施。内容は「講演会等の開催」が416大学と最も多い。  だが、学士課程(学部)教育の在り方について話し合っている中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の部会は今月公表した答申案で、FDが「我が国全体として教員の教育力向上という成果に十分つながっているとは言い切れない」と指摘。課題として一方向的な講義にとどまっている点や、教員相互の評価、授業参観などが十分に根付いていない点を挙げた。  文科省の担当者は「せっかく学生に授業評価させても、それをFDにフィードバックさせていないケースなどがある。FDの必要性を大学自らが自覚し、納得した上で臨んでもらわないと効果は少ない」と話す。  中教審は答申案で、FDのほか事務職員らを対象にした能力開発(スタッフ・ディベロップメント、SD)の重要性を指摘し、「大学間の協同の体制づくりに向け、関係者が主体的な努力を払うとともに、国としても適切に関与していくことが求められる」とした。  私立大学情報教育協会が加盟大学・短大の専任教員を対象に行った07年度の調査では、授業改善に向けた「一大学で解決できない課題」の回答として、大学では「FD成功事例・授業コンテンツのアーカイブ(保存記録)化」が32.2%、短大では「大学間共同による分野別FD研究の振興・普及」が33%と最多だった。 "[he-forum 13455] 時事通信7/1(2) 時事通信2008年7月1日12時41分 東大、7500万追徴課税=研究費で不正経理-国税局  東京大学が、東京国税局の税務調査を受け、2004年度に研究費などの支出に関し消費税の申告漏れを指摘され、重加算税を含む約7500万円を追徴課税されたことが1日、分かった。東大は既に修正申告した。  関係者によると、問題になったのは国などからの研究費に関する支出。研究費を04年度内に使い切ったことにするため、同大の複数の部局で、業者に備品などを発注する際、納品の日付を偽った書類を作成させ、この分の消費税を控除していた。  備品は翌年度に納入されたが、国税局は意図的に時期をずらしたなどとして控除を認めなかった。04年度に不適切と認定された支出は約30億円になるという。  東大は「国税当局の指摘を厳粛に受け止め、必要な是正措置を講じている」としている。 "[he-forum 13456] 中日新聞7/2 中日新聞2008年7月2日付 地域産業、名誉教授が先導 名古屋の研究所が全国初の活動拠点 ◆資金得て研究に没頭  研究者として現役引退した理工系の名誉教授の知識や人脈を活用し、東海地区の最先端のモノづくりを引っ張ってもらおうと、産学連携の研究を進める名古屋産業科学研究所(名古屋市中区)が、全国初となる名誉教授のための活動拠点をつくった。  名誉教授の再登板の舞台は、同研究所が一部署として4月に設立した「研究部」。現在、名古屋大工学部を中心に名古屋工業大、三重大、岐阜大などの名誉教授約20人が研究員として登録する。  これまで国公立大の名誉教授は「大学退職イコール現役引退」。私立大の教授などに再就職するものの、研究施設は与えられず講義に専念するケースが多かった。研究活動を望んでも、名誉教授の称号だけでは研究費も申請できなかった。  しかし名古屋産業科学研究所の研究員になれば、文部科学省や経済産業省に研究資金を申請できる。さらに現役世代が国立大法人化以降、研究予算を獲得するため学会受けする研究に力を入れる傾向にあるため、逆に名誉教授は基礎的な研究に狙いを定めて資金を得て、研究に没頭することもできる。  研究員の毛利佳年雄さん(67)=名大名誉教授=は、既に文科省などから4件の研究費を取った。中高年ドライバーの運転能力測定・訓練シミュレーター開発など企業、行政と連携した試みもある。1億2000万円の研究費も申請中だ。「名誉教授の自由な立場から、大学や企業に面白い共同研究を持ち掛けることもできる」と語る。  同じく名大名誉教授の服部忠さん(67)は「教授時代は学会や学生指導に追われ、再就職の私大では研究費申請も難しかった。ようやく人工知能を使った触媒の研究ができる。名誉教授が日本の科学技術発展の支えになる」と意欲を燃やす。  【名古屋産業科学研究所】 産業にかかわる学術研究などを目的に1943(昭和18)年設立された財団法人。自主研究のほか産学官連携事業の推進、特許の管理などを事業としている。企業や国の寄付金、助成金、特許の管理費などで運営。 "[he-forum 13457] 山陰中央新報7/2 山陰中央新報2008年7月2日付 島大医学部が定員5人増で推薦枠  全国の大学医学部の定員を増やす国の医師確保対策を受け、島根大医学部(出雲市塩冶町)は一日、来年度入試から医学科の入学定員を五人増の九十人とし、増員分を特別推薦枠として募集する、と発表した。同枠の設置は九年間の暫定措置。島根県の奨学金制度の利用を出願要件とし、卒業後九年間の県内勤務を条件に奨学金の返還を全額免除することで、医師の定着を図る。  県の奨学金制度は入学金のほか、授業料と月額十万円を六年間貸与する。総支給額は約一千万円。卒業後、県内で初期臨床研修やへき地勤務を含め、九年間勤務できなければ全額返還させる。  他の出願要件は、学校長の推薦や論文の提出、県担当者による面接、県内の医療機関での体験活動を通した事前の適正評価など。県内の過疎地出身者に限る同学部の地域枠推薦入試(定員十人)とは異なり、出身地は問わない。  出願の受け付けは、十一月四日から同十日まで。十二月の小論文と面接で行う選考試験を経て、センター試験の成績を加味し合格者を決める。一般入試との併願は可能。  問い合わせは同大医学部学務課入試・大学院室(電話0853・20・2087)。 "[he-forum 13458] 山形新聞7/2 山形新聞2008年7月2日付 山形大が「産学連携教授」創設 柴田孝氏が第1号に  山形大は、民間企業などで優れた業績を挙げた人材を登用して産学連携の促進を図る「産学連携教授」制度を創設し、第1号として1日、元NECパーソナルプロダクツエグゼティブアドバイザーの柴田孝氏(61)=米沢市=を採用した。  同大によると、産学連携教授制度を設けるのは全国でも珍しいという。制度は今年6月に創設しており、産学連携教授は1年契約で最長5年まで更新できる。柴田教授は、米沢地域の新たなビジネスモデルを構築する米沢ビジネスネットワークオフィス(BNO)の発足に中心的な役割を果たし、同大客員教授を務めた経験もある。  結城章夫学長は「米沢BNO設立など、多方面で活躍されている方。就任に向けて交渉を重ねてきたが、承諾を得てうれしい」と語る。柴田教授は「産業界と大学をつなぐ知的クラスターづくりに力を入れていく。大学院ものづくり技術経営学専攻(MOT)で、ものづくりを科学する領域を担当してみたい」と意欲を話している。 "[he-forum 13459] 信濃毎日新聞社説7/2 信濃毎日新聞社説2008年7月2日付 教育基本計画 実現の道筋が見えない  「教育立国」を目指すのに、肝心なことが抜け落ちている。政府が初めてつくった「教育振興基本計画」だ。  改正教育基本法に基づいて、10年先の教育のあり方を見すえて、5年間の教育政策の目標と実現への道筋を示している。「欧米主要国を上回る教育の実現」を掲げ、力を入れることとして、小中学校の新学習指導要領による学力の向上、幼児教育の無償化の検討、小中学校1万棟の耐震化の促進などを挙げた。  だが、その裏付けとなる人材と予算の手当てが、基本計画に盛り込まれていない。これでは実現はおぼつかない。  「ゆとり教育」から転換して、授業時間も教える内容も大幅に増えた新指導要領は、来年春から一部前倒しして実施される。このままでは、学校現場の負担が増す一方だ。文部科学省は教育予算を拡充するために、具体的な手だてを講じなくてはいけない。  文科省は、5月に発表した基本計画案では数値目標を掲げていた。国内総生産(GDP)に対する教育投資の割合を、5・0%を超える水準まで引き上げ、公立小中学校の教職員の数も2万5000人程度増やす、というものだ。  それを最終的に引っ込めたのは、財務省の反対を押し返せなかったからだ。歳出を抑えたい財務省は、教育目標は投資の額でなく、学力の向上など成果で示すべきだ-と主張した。  投資を増やすことで、教育をどう変えるのか。財務省を説得できるだけの具体像が、文科省側に欠けていた面は否めない。ただ、教育への投資は、短い間にその結果が現れるとは限らない。  文科省が主張した「GDP比5%」の目標は、経済協力開発機構(OECD)諸国の平均値でもある。日本は現在3・5%、下から2番目だ。経済発展の恵みを、公教育に振り向けてこなかったことは明らかだ。  少子化が進むなかで、子どもたちはより少人数の学級で、先生のきめ細かな指導を必要としている。学ぶ環境を整えていくために、厳しい財政状況であっても、教育への支出を優先すべきだ。  残念なのは、中央教育審議会の姿勢だ。4月にまとめた基本計画に向けた答申が、そもそも数値目標を示すのを避けていた。財務省の反対を考慮したためという。  省庁の言うままに答申するなら、中教審の存在価値はない。本来の役目に立ち返って、広い視野から、現場の抱える問題にこそ、目を向けてほしい。 "[he-forum 13460] 朝日新聞社説7/2 朝日新聞社説2008年7月2日付 教育基本計画―学力向上へ大胆な投資を  様々な政策が総花的に盛られているが、肝心のことが書かれていない。  教育基本法の改正を受けて、初めての政府の教育振興基本計画が決まった。しかし、焦点となっていた教員数や教育予算などの数値目標は軒並み削除された。  10年先のあるべき姿を見据えて今後5年の施策に取り組む。それが基本計画のねらいだ。  文部科学相の諮問機関である中央教育審議会の答申に、数値目標はなかった。これに対し、教育の底上げには数値目標が必要だ、との批判が教育現場だけでなく、与党からも上がった。  文科省は急きょ、数値目標を基本計画に書き足した。教育予算の対国内総生産(GDP)比を、現在の3.5%から経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の5%に引き上げる。教職員を2万5千人増やす――。  だが、何せ付け焼き刃である。なぜ、5%なのか、2万5千人なのか。この投資でどんな成果が得られるのか。説得力に乏しかった。ただでさえ、歳出削減を求められる時代に、ただ金をよこせ、人を増やせだけではさすがに通らなかった。  しかし、今回の文科省の要求の仕方が稚拙だったからといって、大胆な教育投資が必要でないわけではない。  そもそも今回の基本計画から根本的に抜け落ちているのは、日本の教育の問題点をどう総括し、そのための処方箋(せん)をどのように描いていくかである。解決方法をきちんと打ち出していけば、教育予算をどのくらい増やさなければならないかもはっきりする。  例えば、日本の教育が抱える大きな問題は学力低下だ。特に国際的な調査で深刻さが浮き彫りになっているのは、考える力の不足と、できる子とできない子の二極化である。  この解決に必要なのは、子ども一人ひとりの状況に合わせて、きめ細かな指導をすることだろう。それには子どもたちと日々向き合う教師の量を増やし、質を高めていくしかない。  今はかつてない教師受難の時代である。一部のダメ教師の存在をきっかけに、教員免許更新制が導入された。いじめや不登校に加え、学校に理不尽な要求をするモンスターペアレントも増えた。そうしたことに嫌気が差して、教師の志望者が減っている。  そんな中で、人材を集め、質の高い教師に育てるには、教師の待遇を良くし、養成方法を工夫する必要がある。  公立学校への不信が指摘されて久しい。東京都杉並区の公立中の夜間塾などの対症療法ばかりが注目されるのも、不信の裏返しである。  財政が厳しいのはいつの世も変わらない。政府は教育の重要性を言葉で語るばかりでなく、教育投資を着実に増やしていってもらいたい。 "[he-forum 13461] 日本経済新聞社説7/2 日本経済新聞社説2008年7月2日付 「教育」が見えぬ教育振興計画  「教育立国」を高らかに掲げているわりには、総花的で胸に迫るものがない。新しい教育基本法の規定に基づき、政府がきのう閣議決定した初の教育振興基本計画である。  計画には、今後10年間の大きな方向性と5年間に取り組む個別の施策を盛っている。しかし取りまとめの過程では具体的な議論は置き去りにされ、教育への財政支出について数値目標を明記するかどうかをめぐって延々と時間を費やした。  もともと中央教育審議会が4月に出した答申では数値目標は記していなかった。ところが自民党の文教族議員などから批判が高まり、文部科学省は(1)教育支出を10年間で国内総生産(GDP)比5%に引き上げる(2)教職員の定数を5年間で2万5000人増やす――などを打ち出した。  これに財務省などが強く反発し、迷走の果てに結局は数値目標盛り込みを見送ったのが今回の計画だ。  たしかに日本の教育支出はGDP比で約3.5%と、経済協力開発機構(OECD)諸国の平均である5%とは開きがある。特に、国際的な人材育成競争にさらされる高等教育段階での見劣りは憂慮すべきだ。  しかし、ひたすら数字を巡る攻防に終始したのは不毛だった。「学校をこう変える」「こんな人材を育てる」といった未来図を示し、メリハリをつけたうえで投資額を導き出すべきではなかったか。財政規律を重んじる財務省などと議論がすれ違いに終わった要因はここにある。  個々の施策をみても「社会全体の教育力を向上させる」「世界トップの学力水準を目指す」などと多彩ではあるが、突っ込んだ手立ては書き込んでいない。目立つのは「検討する」「図る」「推進する」といった役所用語だ。「教育立国」への決意は、そこからは伝わってこない。  もうひとつ気になるのは、教育の地方分権に向けた熱意が欠けていることだ。計画は地方の自主性を尊重する姿勢をにじませてはいる。しかし本気で分権に踏み出すなら、学習指導要領をはじめとして国の画一的な統制を緩める必要がある。計画にそうした発想はみられない。  10年先まで見据えたという長期計画だが、こうした内容で時代の激変に本当に耐えられるのだろうか。 "[he-forum 13462] 宮崎日日新聞社説7/2 宮崎日日新聞社説2008年7月2日付 教育振興基本計画 これでは現場の負担が重い  政府は今後10年間を通じて目指す教育の姿や、5年間に重点的に取り組む施策を盛り込んだ教育振興基本計画を閣議決定した。  改正教育基本法の目玉である同基本計画の策定を契機に教育予算の確保を目指していた文部科学省だが、財務、総務両省との激しい綱引きの末、焦点の教育投資や教職員定数改善の数値目標はいずれも見送られた。  長期計画で安定財源確保を目指した文科省の狙いは大幅に後退し、将来への展望がない。  渡海紀三朗文科相は「毎年の予算編成の中で必要な主張をしていく」というが、それでは長期計画は「名ばかり」と言われても仕方ないのではないか。 数値目標盛り込めず  焦点となっていた教育投資の数値目標について、文科省が原案に盛り込んだ「国内総生産(GDP)に占める教育投資の割合を5%超に拡充する」との表現は、「経済協力開発機構(OECD)諸国など諸外国の状況を参考に、必要な予算の財源を措置」との表現にとどまった。  最低でも「充実」のニュアンスを出したいとした文科省の思惑は見事に打ち砕かれた形だ。  小、中学校の教職員を約2万5千人増やすとの数値目標も「改善」の2文字も盛り込めず、「教職員定数の在り方などの条件整備を検討する」との抽象的な表現にとどまった。  「教育は百年の計」と言いながら10年の計についても、具体的な道筋を示すことができない日本の教育の現状を見せつけられる。  教育基本法の改正作業の過程で、安定財源確保が期待できる基本計画を盛り込むことが呼び水となったが、肝心の基本計画について文科省側は「方向性は明記できた」と言うにとどまり、今後に多くの課題を残した。 新学習要領大丈夫か  今年3月には小、中学校の教育内容を規定した新学習指導要領が告示されている。  近年の学力低下への懸念の高まりから「ゆとり教育」路線を変更、学習内容を増やし約30年ぶりに授業時間数も増加に転じた。  今回の基本計画は、この新指導要領実施に向けての条件整備になっているのだろうか。  小学校は2011年度から、中学校は12年度から全面実施されるが、授業時間数を増やし、小学校英語必修化や手間ひまがかかる「活用」重視の学習は学校現場、とりわけ教師らにこれまで以上に大きな負担がのしかかる。  文科省が要求してきた教職員2万5千人増は、現行の指導レベルを維持するための数字である。  今回の計画ではそれすら認めないのである。新指導要領下では現場はより多忙となり、教師が子どもと向き合う時間もなくなる。  教育における国の責任が強調される割には基本計画から周到な戦略が見えてこない。とりわけ文科省の責任は重い。 "[he-forum 13463] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に(35号)] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に(35号) Date: Wed, 2 Jul 2008 20:28:38 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org To: NQJ35480@nifty.com ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 35号 2008年7月2日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 前号からちょっと時間がたってしまいました。通常国会は共謀罪審 議もなく終わりましたが、8月に予定されている臨時国会の法務委 員会は要注意でしょう。廃案へむけた大切な国会になると思われま す。ぜひこのメルマガを周囲のみなさんにも勧めてください。いっ しょにがんばりましょう。 ────────────────────────────── 35号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  7/19 原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会  7/20 言論弾圧の水脈──横浜事件から立川反戦ビラ弾圧へ  7/21 緊急シンポ 非正規滞在(オーバーステイ)者  7/22 連続講座 監視と福祉のはざま:「外国人住民台帳」制度 ■国会情勢 危機深まる福田政権 ■共同声明 G8サミット市民団体共同声明 ■パンフレット 『共謀罪×盗聴法』 ■ニュース  G8司法・内務大臣会議の宣言文書  『法と民主主義』が「サミットと『テロ対策』」を特集  サミット人権監視弁護士ネットワークがグリーンピース・   ジャパン2名の逮捕で抗議声明  サミット人権監視弁護士ネットワークが入国規制で抗議声明 ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆7/19 神奈川・横須賀市 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━  原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会  http://www.peace-forum.com/army/20080719poster-chirashi.pdf ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 7月19日(土)pm1:00~ ところ 神奈川県:横須賀市ヴェルニー公園 ○JR横須賀線横須賀駅2分、京浜急行汐入駅2分 http://www.mapion.co.jp/c/here?S=all&F=mapi4714876080701025340 ◇プログラム  プレイベント:pm1:00~ 集会:pm2:00~ 集会終了後パレード ◇連絡先  原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会実行委員会  Tel.046-826-2065  フォーラム平和・人権・環境/原水禁 Tel.03-5289-8222 ◆7/20 集会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  言論弾圧の水脈  ──横浜事件から立川反戦ビラ弾圧へ──  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき:2008年7月20日(日)pm2:00~5:00 ところ:東京・後楽園:文京区民センター3A集会室 ○都営地下鉄三田線・大江戸線春日駅、東京メトロ丸の内線・南北 線後楽園駅 http://www.mapion.co.jp/c/f?el=139/45/20.374&scl=10000&pnf=1&uc=1&grp=all&nl=35/42/20.433 ◇プログラム 講演:「言論弾圧と司法の戦争責任──そして現代」   小田中聰樹さん(東北大学名誉教授) 発言:大島久明さん(横浜事件第三次再審請求弁護団)・木村まき  さん(横浜事件第三次再審請求人)・山本志都さん(立川反戦ビ  ラ弾圧弁護団)・大西一平さん(立川反戦ビラ元被告)・岡田健  一郎さん(立川反戦ビラ弾圧救援会) シンポジウム:「抵抗の言論と表現──現在と未来」  鵜飼哲さん(一橋大学教員)・岡本厚さん(『世界』編集長)・  天野恵一さん(反天皇制運動連絡会) ◇資料代:600円 ◇主催:  横浜事件の再審を実現しよう! 全国ネットワーク   Tel.03-3452-5758   http://members.at.infoseek.co.jp/yoko_hama/main.html  立川反戦ビラ弾圧救援会 Tel.042-525-9036   http://www011.upp.so-net.ne.jp/tachikawatent/ ◆7/21 緊急シンポ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  非正規滞在(オーバーステイ)者  ~排除の上に築く共生でいいのか?~  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 7月21日(月)pm.2:00~5:00 ところ 東京・水道橋:韓国YMCA ○JR中央総武線水道橋駅徒歩6分、御茶ノ水駅徒歩9分 地下鉄神保 町駅徒歩7分  http://www.ymcajapan.org/ayc/jp/map1.htm ◇通訳:英語 ◇プログラム(予定) リレートーク:当事者・元当事者のトークとビデオ パネルディスカッション:  「今すぐ合法化を! ~非正規滞在者のこれまでとこれから」 会場からの質疑討論 ◇主催:外国人人権法連絡会/移住労働者と連帯する全国ネットワ   ーク/差別ウォッチ・ネットワーク ◇連絡先:移住連 Tel.03-5802-6033 ◆7/22 連続講座 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  監視と福祉のはざま:「外国人住民台帳」制度  いま求められる住民登録とは?  http://www.juki85.org/workshop/20080722alienlist.html  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 2008年7月22日(火)pm6:30~9:00 ところ 東京・後楽園:文京区民センター 3D会議室 ○都営地下鉄三田線・大江戸線春日駅、東京メトロ丸の内線・南北 線後楽園駅 http://www.mapion.co.jp/c/f?el=139/45/20.374&scl=10000&pnf=1&uc=1&grp=all&nl=35/42/20.433 ◇プログラム 報告:  新しい「在留管理」構想の概要 西邑亨さん(情報人権WS事務局)  在留外国人問題の現場から 佐藤信行さん(在日韓国人問題研究所)  在留外国人の人権の視点から 旗手明さん(自由人権協会) 質疑討論 ◇参加費 500円 ◇主催 反住基ネット連絡会  Tel.03-5155-4765(日本消費者連盟気付) ────────────────────────────── ■国会情勢■ ────────────────────────────── ◆危機深まる福田政権━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  問責決議と信任決議  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇はじめての首相問責決議────  6月21日に会期を終えた通常国会の参議院では福田首相問責決議 案が採択されました。問責決議案は戦後初めての採択であり、法的 拘束力はないとはいえ、最も直近の民意を反映する参議院の採択で ある以上、福田首相は辞職するか、衆議院を解散し、選挙で信任・ 不信任について、民意を問うべきでした。しかし、福田政権は、今 選挙をおこなえば、野党に転落すると政権維持のためにのみ、問責 決議を拒否したのです。 ◇内閣信任決議と福田政権の危機────  それどころか、与党は福田政権維持のために、衆議院で内閣信任 決議を採決するという茶番を演じたのです。  この問責決議に対する信任決議は、いかに福田政権・与党が追い つめられ、政権を維持するのに汲々としているかを暴露するものに ほかなりません。  問責決議は福田政権の法的拘束力はないという言動とは全く逆に 政権に深い打撃を与えています。市民は福田政権にノーを突きつけ 続けているのです。 ◇臨時国会で共謀罪廃案への道を────  G8サミットで政権の浮揚をはかる福田政権の思惑は成功していま せん。8月下旬か9月に開かれる臨時国会ではインド洋派兵・給油新 法をはじめ対決法案が増え、与野党の攻防が激化することは疑いあ りません。  鳩山法務大臣ら共謀罪推進派は、福田政権の再議決、強行採決の 流れにのることで、共謀罪の成立をはかろうとしています。  民主・野党との連携を強め、共謀罪反対・廃案の運動を確実に発 展させ、臨時国会での共謀罪審議入り・成立を阻止しましょう。そ して共謀罪廃案への道を開きましょう。 ────────────────────────────── ■共同声明■ ──────────────────────────────  2008年4月12日のシンポジウム、「G8サミットで拡大する監視社 会─「何」から「誰」を守るのか?」で呼びかけられた「G8サミッ ト、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する市民団体共 同声明」に、70団体(呼びかけ団体含む)の賛同がありました。以 下に共同声明全文を再掲します。 ◆共同声明━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  G8サミット、テロ対策を理由とした監視、管理の強化に反対する  市民団体共同声明  http://www.anti-tochoho.org/ut/ss20080412.html  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  誰にでも言論、思想、表現の自由は認められなくてはなりません。  とりわけ、少数者の言論、政府に対する批判は、言論・表現の自 由の原則であり、民主主義の基本です。しかし、G8サミットを前に、 表現の自由がかつてない危機に直面しています。  G8サミット、テロ対策の名のもと、北海道では、会場警備に自衛 隊まで動員され、監視カメラの増設や公園の使用自粛要請、サミッ ト会場周辺への立ち入り規制、上空の飛行禁止措置のほか、公共交 通機関での警備、全国から北海道への警察官の動員など、異常とも いえる監視、警戒態勢がひかれてきています。また、こうしたなか で、G8サミット、テロ対策を理由に、集会やデモなど正当な市民的 な活動のために来日しようとした外国人の活動家や知識人らがすで に入国できないケースが生じており、出入国管理の強化が現実のも のとなっています。  警備強化はこれにとどまりません。サミット会場である北海道や 関連する閣僚会合が開かれる首都圏、関西、新潟、青森だけでなく 全国すべての自治体で、警察ばかりでなく、学校や病院をはじめと する行政機関や民間をも巻き込む異常ともいえる監視、警戒体制が しかれつつあります。こうしたなかで、G8サミットに反対する意志 表示が「違法」な行為であるかのような雰囲気がつくられつつある ます。  G8サミットという発言力の大きい国々の首脳が集まる会合であれ ば、賛否があって当然のことです。しかし、サミットをめぐって、 賛成や賛美の言論やイベントなどが認められる一方で、これに反対 する言論や表現が警察力も動員して規制・抑圧されるのは、言論、 表現の自由と民主主義、人権を保障する国家のなすべきこととはい えません。  米国の9・11テロ事件以来この6年間、「テロの脅威」を理由とす れば、何をしても許されるかのように、監視・管理の体制が強めら れてきました。しかし、日本でいつ「テロ」事件がおきたのでしょ うか。一度もおきていません。その気配さえありませんでした。む しろ、正当な政治活動や市民たちの異議申し立ての活動をあたかも 「テロリスト」であるかのように宣伝し、その市民的自由を抑圧す る口実に「テロの脅威」を利用してきたのではないでしょうか。  私たちは、G8サミット、テロ対策を理由として、言論・集会など の表現の自由が規制され、監視・管理の体制が強化されようとして いることに強く抗議するとともに、政府に対して、憲法の保障する 言論、集会などの表現の自由にかかわる市民の権利を侵害しないよ う強く要求するものです。 ◇呼びかけ団体  一矢の会/盗聴法に反対する市民連絡会/ネットワーク反監視プ  ロジェクト/反住基ネット連絡会/プライバシーアクション ◇賛同団体(下記をごらんください) http://www.anti-tochoho.org/ut/ss20080412.html#one ────────────────────────────── ■パンフレット■ ────────────────────────────── ◆好評発売中━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  2008年5月制作の最新パンフレット  『共謀罪×盗聴法』   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  「盗聴法」に反対する市民連は、共謀罪法案と盗聴法との関わり にこれまでも強い危惧を表明してきました。このたび、この両者に あらためて焦点をあてたパンフレットを発行しました。共謀罪の廃 案と盗聴法の廃止運動にぜひお役立てください。(申込方法は末尾 にあります) ◇もくじ  共謀罪 最新Q&A:海渡雄一  コラム   ウィルス作成罪とコンピューター監視法   三浦事件と共謀罪  共謀罪攻防ドキュメント  なぜ盗聴法に反対するのか  違法に成立させられた盗聴法  年々増え続ける盗聴捜査  共謀罪がつくられ、盗聴法と連動すると  憲法も裁判所も無視する   ブッシュ政権の盗聴・監視捜査体制 小倉利丸 ◇編集・発行  フォーラム平和・人権・環境  盗聴法(組対法)に反対する市民連絡会 ◇体裁  A5判48ページ ◇頒価  200円(送料別) ◇購読申込方法  (1) まず送料をご確認ください。    1~2冊 80円     ~5冊 160円    ○6冊以上は下記の電話などでお問い合わせください。     地域によって送料が変わる場合がありますい     Tel. 03-5155-4765(日本消費者連盟)     Fax. 03-5155-4767     E-mail office.j@nishoren.org  (2) 冊数の代金と送料を郵便振込でお支払いください    郵便振替 :00130-0-22957    加入者名:日本消費者連盟    *振替用紙の通信欄に      「共謀罪×盗聴法」パンフレット  ○○冊     とお書きください。 ────────────────────────────── ■ニュース■ ────────────────────────────── ◆G8司法・内務大臣会議━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  継続的危険と進化する性質を強調する宣言文書を発表  http://www.g8jha2008.jp/contents/documents.html  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  6月11日~13日、東京で開かれたG8司法・内務大臣会議は、「国 際テロは世界的な脅威であり続けて」おりその「継続的危険と進化 する性質を強調」するとした総括宣言と、「より効果的な法制度及 び法執行能力を整備する上で、助力を必要とする国に対するキャパ シティ・ビルディング支援」のため「宣言」を採択しました。  両文書の英文および日本語仮訳は、上記URLで公開されています。 ◆雑誌特集号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  「法と民主主義」6月号が「G8とテロ対策」を特集  http://www.jdla.jp/houmin/2008_06/  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  日本民主法律家協会発行の月刊誌「法と民主主義」が、「政府・ 警察主導の『サミット歓迎』『テロ対策』キャンペーン」の中で、 「別の視点を提供」したいとして、「サミットと『テロ対策』」を 特集しています。  主な収録記事・論文は以下のとおりです。 ◇特集もくじ  グローバリズムのなかのサミットと「テロ」問題 小倉利丸  洞爺湖サミットと昨今の政府・警察の「テロ対策」 清水雅彦  最近の「テロ対策」と刑事法 新屋達之  近時の出入国・在留管理体制の強化と国際的なデータ共有の現状   難波満  市民の自由奪う「監視」の重層的強化──北海道における「テロ  対策」の実態 安藤健  アメリカ合衆国における「テロ対策」の動向 木下智史  テロ規制と監視を強めるイギリスの動向 田島泰彦  ドイツのテロ対策法制について 武藤糾明 △同誌は、上記URLから購入できます。 ◆サミット人権監視ネット━━━━━━━━━━━━━━━━━━  グリーンピース・ジャパン2名の不当な勾留に抗議する声明  http://blog.goo.ne.jp/watch-summit/e/c40f2cd97012888b88471a9f8f9569f8  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  6月28日、サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)は、「グリーン ピース・ジャパン2名の不当な勾留に強く抗議」する声明を発表しました。   ◇声明─────  グリーンピース・ジャパン2名の不当な勾留に強く抗議します 2008年6月28日 サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)  2008年4月16日に、グリーンピース・ジャパンの活動家2名が、調 査捕鯨船が捕獲した鯨肉入りダンボール箱を青森市内の運送会社か ら持ち出し、その鯨肉を東京地方検察庁に提出した件で、青森県警 と警視庁公安部は、6月20日、この2名を窃盗及び建造物侵入容疑で 逮捕し、グリーンピースの事務所を家宅捜索しました。  今回のグリーンピース・ジャパンの2名の行為は、彼らの説明に よると、単なる窃盗及び建造物侵入などではなく、税金でおこなわ れている調査捕鯨の肉を船員が持ち帰るという「業務上横領」を告 発するためになされたものです。しかも、この2名は、すでに詳細 な事実関係を列挙した上申書を作成して東京地検に提出し、いつで も出頭に応じると公けに表明していました。しかも、彼らの行為は、 あくまでも「違法行為の告発」のために行われたとのことです。そ うであるとすれば、2名には、勾留の要件である「罪証を隠滅する と疑うに足りる相当な理由」も「逃亡すると疑うに足りる相当な理 由」〈刑事訴訟法第60条1項2号、 3号〉がないと考えられるにもか かわらず、青森県警と警視庁公安部は彼らを逮捕し、現在も勾留し ています。今回の事件における2名の行為は、あくまで「違法行為 の告発」を前提としてなされたものであり、捜査に協力しているに もかかわらず、逮捕・勾留するのは正義に反し、違法、不当なもの にほかなりません。  こうした「逮捕劇」が、7月初頭に開催されるG8サミットの直前 におこなわれたことには、各所から懸念の声があがっています。マ スコミでは「気になるのは、逮捕に関して7月に開かれる主要国首 脳会議〈洞爺湖サミット〉と絡める見方があることだ。目的のため には違法行為も辞さない、過激な市民団体への警告的な意味合いで はないかというのだ。事実だとすれば強い懸念を禁じ得ない…法律 の運用はあくまで厳正になされるべきだ。政治的な意図が込められ てはならない」〈新潟日報6月20日夕刊〉。またG8にかかわる取り 組みをすすめる活動家からも「サミット前に市民運動全体への萎縮 効果を狙っている」という声があがっています〈信濃毎日新聞6月 20日夕刊〉。  青森県警及び警視庁公安部が、このG8サミットの直前というタイ ミングで、あえて、予想される国際的な非難をも省みず過度な取り 締まりを強行したことの背景には、G8サミットにかかわるさまざま な運動の取り組みに「萎縮効果」を与えようという強い意図がうか がえます。本事件が「公安警察」によって指揮されていることも、 こうした意図を裏付けています。このように今回の事件は、ゆきす ぎた逮捕・勾留・捜索による人権侵害であることにとどまらず、日 本社会の、ひいてはG8サミットに関心をよせる国際社会の取り組み を萎縮せしめる「表現の自由」への挑戦とも言えます。このような 市民団体がおこなった告発行為を、G8サミットの警備と絡めて取り 締まることは、国際的にも全く通用しない対応であり、人道的観点 からの全世界的非難は免れ得ません。  G8サミット人権監視弁護士ネットワークは、今回の事態が今後の G8における自由な表現活動、抗議行動、告発行為への妨げになるこ とを強く懸念します。また目前に迫ったG8サミットでは日本国憲法 で保障された自由な行動、自由な空間が保障されるよう強く要請し ます。 ◆サミット人権監視ネット━━━━━━━━━━━━━━━━━━  法務省によるG8サミット関連の入国制限に抗議する声明  http://blog.goo.ne.jp/watch-summit/e/5cc6cb97cb506d99c1421beecaa1cb81  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  6月30日、サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)が、サミットに 向けて顕著になた入国制限に抗議する声明を発表しました。  声明全文は以下の通りです。 ◇声明─────  法務省入国管理局による学術関係者・メディア関係者に対する不 当な入国の制限に抗議し、自由な表現・言論活動を保障することを 要請します 2008年6月30日 サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)  現在、6月30日及び7月1日に東京を中心として開催が予定されて いる「G8対抗国際フォーラム」に参加する海外からの学術関係者に ついて、8割以上に当たる11名のパネラーが空港に留め置かれて長 時間の尋問を受け、そのうちの数名は会議と会議の間の数日間の予 定が明白ではないという理由で一旦上陸を拒否され、その後、予定 していた期限を大幅に短縮した形で特別に上陸が許可されています。  他方、メディア関係者についても、G8サミット関連のイベントを 取材するために来日する多くの海外のジャーナリストらが、同様に、 特段の理由もなく、各地の空港で留め置かれ、尋問を受ける状態が 続いています。  しかしながら、このような措置は、学術関係者・メディア関係者 に対する不当な入国の制限であると言わざるを得ません。このこと は、G8に関する多様な意見や主張の公表を制限しかねないのみなら ず、自由な調査研究活動や報道活動に対する萎縮的効果を及ぼすお それがあるものです。  当ネットワークは、法務省入国管理局に対し、直ちにこのような 表現・学問の自由を侵害することにつながる不当な審査を正常な審 査に戻し、G8サミット期間中を含めた自由な表現及び言論活動を保 障することを強く要請します。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第35号おわり・このメルマガは不定期発行です> ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます ━【まぐまぐ!からのお知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <あなたもメルマガを発行してみませんか?> 手続きは誰でもカンタン!発行申請後、最短2日でメルマガの創刊が可能です。 まずは発行者登録から⇒ http://rd2.mag2.com/r?aid=18892&rid=2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -- 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八百万円以下の世帯は一部減額となる直接助成制度を提案していると話 し、「国民的運動にしていきたい」と述べました。  私教連からは小村英一委員長らが応対し、提言について「積極的なも のだと受け止めている」と述べました。私教連の調査を示し、経済的理 由による中退・滞納の実態が深刻化していると話しました。私学助成、 学費などの公私間格差の是正について話し合われました。  日高教からは北野庄次委員長らが応対。提言について「世論にしてい ける情勢だ」と述べました。日高教の調査を示し、授業料減免や滞納し ている人が増加していることや滞納を理由にした退学処分が急増してい ることへの憂慮を表明しました。  両団体とも今後、学費問題で共同を強めていこうと確認されました。 高学費なくせ あすシンポ  全日本学生自治会総連合(全学連)は経済的な理由で学べない状況を 改め、世界でも異常な高学費で苦しむ学生をなくそうと、国会要請(四 日)と「学費・教育費シンポジウム」(五日)を行います。シンポジウ ム後は多くの人に訴えるためにアピールウオークをします。  学費・教育費シンポジウムでは、全学連の大嶋祐介委員長、「奨学金 の会」の三輪定宣会長(千葉大学名誉教授)、新日本婦人の会の米山淳 子事務局長、鈴木敏則氏(定時制高校の先生)などがパネリストとして 参加します。  シンポは5日(土)午後1時半開始、東京大学駒場キャンパス 11号館1106教室(京王井の頭線駒場東大前駅徒歩1 分)。全学連電話042(572)6011、メール  zengakuren@infoseek.jp 社会問題にしたい  兵庫県からシンポジウムに参加する学生(20)の話 奨学金とアル バイト代を生活費に充てています。バイトは週に五日ですが、昨年に比 べれば楽です。昨年は午前五時からバイトで、そのまま大学へいき、授 業が終わったらバイトへ、帰宅は午後十一時半でした。授業中に寝てし まうことが多く、勉強に集中できませんでした。  当時は自分のことで精いっぱいで「大学ってこんなもんかな」と思っ ていました。しかし、バイトが変わり余裕ができたことで学習会に参加 でき、日本以外のほとんどの先進国は学費がほぼ無料であることを知り ました。  友達も大変です。両親が病弱なため、派遣社員のお兄さんが友達の学 費を支えています。お兄さんは進学をあきらめました。経済的な理由で 学業をあきらめなければならないなんておかしいと思います。すぐにで も奨学金は無利子に戻してほしい。  「学費に苦しんでいるのは自分だけ」と感じている学生に、一人じゃ ないと知らせたい。シンポをきっかけに学費問題が社会的に大きく広 がっていくことを期待しています。 "[he-forum 13466] 読売新聞山形7/3 読売新聞山形版2008年7月3日付 山大、欧州研究機関と協定 スイスのCERN  山形大は1日、スイス・ジュネーブの欧州合同原子核研究機関(CERN)と共同研究の協定を締結したと発表した。学生派遣などを通して世界的機関のノウハウを吸収し、医療や交通など幅広い分野での活用が期待される素粒子の自転について、最先端の研究を進める狙いだ。  CERNは1954年設立の世界最大規模の素粒子物理学研究機関。ノーベル賞研究者を輩出し、巨大粒子加速器LHCを建設したことで知られる。日本はCERNでドイツやフランスなど11か国と共同で、陽子や中性子のスピン(自転)など素粒子の詳細な構造を研究しており、98年から参加している山形大理学部の岩田高広教授(48)が日本グループの中核だったため、共同研究の協定が結ばれた。岩田教授らがジュネーブを訪れ、6月20日に協定書を交わした。  スピンの性質を利用し、医療分野ではMRI(核磁気共鳴映像法)が開発されたり、交通分野ではスピンで生じる超伝導による「磁気浮上式電車」が研究されたりと、素粒子研究は幅広い分野に可能性を秘めているという。9月にはCERNの研究者を招く講演会も予定。山形大の教員2人がすでにCERNに常勤しており、今後は星の爆発などで発生する宇宙線の共同研究などにも力を入れる。  岩田教授は「最先端の研究を長期的に学べることは大きい。新たな分野への研究にもつながる」と期待する。 "[he-forum 13467] 日本経済新聞7/2 日本経済新聞2008年7月2日付 国立大運営費、学部ごと評価し交付金に差 文科省方針  文部科学省は国立大学の運営費交付金について2010年度から、教育や研究の実績を学部ごとに評価して交付金の配分額に差を付ける方針だ。交付金を一律に年1%削減する現行制度を見直し、大学ごとに削減率を変えることも検討する。配分にメリハリを付けるとともに、成果主義を採り入れて大学間の競争を促す。  運営費交付金は08年度予算で1兆1813億円。教員数や学生数で配分額がほぼ決まり、実績が反映されるのは一部にとどまっている。 "[he-forum 13468] 秋田魁新報社説7/4 秋田魁新報社説2008年7月4日付 教育振興基本計画 深みなく実効性に疑問  教育の大切さはいくら強調しても過ぎることはない。人づくりは物事の基本だからだ。社会経済が不安定感を増し、将来が不透明になっている昨今は、特に重要性が高まっている。  この観点からすれば、先ごろ閣議決定された「教育振興基本計画」は深みに欠けると指摘せざるを得ない。今後、教育をこうしていくのだという哲学が感じられないのである。  確かに字面上は、理想が高らかに語られている。「教育立国」を宣言し、「欧米主要国を上回る教育の実現を図る」という到達目標を掲げたあたりは、ほれぼれするほどだ。  問題はどう実現するかである。具体的な道筋が描けないようではほとんど意味をなさない。ああしたい、こうしたいという希望を並べるだけでは「計画」にはなり得ない。  実際、計画の策定・調整過程で教育の在り方をめぐる本質論議は希薄だったようだ。逆に見れば、根本議論の不足が道筋を描くための裏付け、つまり予算面にも大きく影響した。  計画の焦点は教育予算と教職員定数を大幅に増やす数値目標が明記されるかどうかにあった。せんじ詰めれば、文部科学省が狙う約7兆円の予算上乗せが認められるかどうかである。  財政再建が至上命題の財務省がすんなり通すはずもない。すんなりどころか、「教育だけを聖域にはできない」として、ことごとく退けたのだ。  財務省の言い分も分からないではない。半面、文科省側が財務省を納得させるほどの教育理念や根拠を持っていたかどうかも甚だ疑問だ。本質論議の不足を背景に、予算増で教育がどう変わるのかという具体像を最後まで示せなかったのだ。  国の将来を左右しかねない教育予算論議が事実上、省庁間の争いに委ねられていることもおかしい。教育の在り方について政府内でコンセンサスが得られていない証左であり、早急に議論を重ね、少なくとも一定の方向性は共有する必要がある。  仮に文字通り「国家100年の大計」との共通認識に達し、優先順位が上がれば、その分、予算が拡充されることになる。  ツケが回っていきそうな教育現場のことも心配でならない。学習指導要領が改定され、授業時間数の増加や小学校の英語必修化などで今後、ますます余裕がなくなりそうなのだ。  これに対し、計画は予算や教職員の増加を認めないと言っているに等しい。仕事を増やしておきながら、それをこなすための裏付けが与えられないとすれば、たまったものではない。  計画は教育基本法の改正に伴い、今回初めて策定された。計画名に付いた「振興」とは裏腹に、このままでは教育現場の負担が増すだけになりかねない。最悪の場合、混乱が起きる恐れも否定し切れず、一体何のための計画かとの疑問が生じる場面も出てこよう。 "[he-forum 13469] 山陽新聞社説7/4 山陽新聞社説2008年7月4日付 教育基本計画 本当に投資拡充できるか  政府は、今後十年間を通じて目指す教育のあるべき姿や、五年間に重点的に取り組む施策を盛り込んだ初の教育振興基本計画を閣議決定した。  国の発展の原動力となる人づくりのため「教育立国」を宣言し、「欧米主要国を上回る教育の実現を図る」との到達目標を掲げたが、具体的な道筋は不透明と言わざるを得ない。  基本計画は、二〇〇六年の改正教育基本法で策定が義務付けられた教育政策の柱となるものだ。しかし、その裏付けとなる教育予算や教員定数に対する数値目標は盛り込まれなかった。計画の実効性が担保されるのか疑問である。  教育投資について、文部科学省は「国内総生産(GDP)に占める教育投資の割合を現在の3・5%から経済協力開発機構(OECD)諸国平均の5・0%超に拡充する」と数値目標の明記を主張していた。目標実現には約七兆円が必要となる。このため歳出削減を求める財務省が強く反対し、「諸外国の支出を参考に必要な予算について財源を措置し、教育投資を確保する」と示すにとどまった。  授業時間数を大幅に増やす改定学習指導要領の導入に伴い、小中学校の教職員定数を約二万五千人増やすとの数値目標も見送られた。「教職員定数の在り方などを検討」といった抽象的な表記に変更された。新指導要領の全面実施は小学校で一一年度、中学校で一二年度に迫っている。予算や教員増の裏付けがなければ、しわ寄せを受けるのは教育現場であることは間違いあるまい。  五年間で重点的に取り組む事項では、道徳教育の充実のため独自の教材づくりを国が支援する必要性が指摘された。いじめ、不登校などへの取り組みでは、外部の専門家からなる「学校問題解決支援チーム」などを活用するとした。さらに、大地震で倒壊する危険性が高い小中学校施設約一万棟の耐震化の促進なども盛り込まれた。  教育再生は政府の重要課題である。基本計画をめぐる調整過程で数値目標の明確な論拠、数値では測りにくい教育という将来への投資をどう考えるのかといった本質的な理念が十分議論されたのかどうか疑問が残る。  結果的に数値目標が盛り込まれなかったことで、文科省は毎年の予算確保に苦心することになろう。緊縮財政の下では、予算獲得は容易ではあるまい。教育現場の実態を踏まえた上で主張の根拠を強め、説得力ある議論を深めることが必要ではないか。「教育立国」宣言をお題目で終わらせてはなるまい。 "[he-forum 13470] 毎日新聞社説7/3 毎日新聞社説2008年7月3日付 教育振興計画 骨太の像なく総花のむなしさ  この1カ月余、数値目標を入れる入れない、で文部科学省と財務省などが対立し、結局は文科省が完敗した。そして教育振興基本計画がようやく定まった。そんな政府内の争いが、国民の前から教育論議を遠ざけた。これがそもそもの間違いだ。いくら官僚や文教族議員が熱くなっても、国民が冷めていては不毛なコップの中の嵐にすぎない。  そもそも教育振興基本計画というしかつめらしい名の政策は何か。06年に改正された教育基本法が政府に策定を義務づけた。10年先のあるべき状況を見据え、5年間でなすべき施策を定めるという。  教育基本法の改正前、改正は無用とした反対派に対し推進側が「改正基本法による振興基本計画で長期に安定した財源を確保し、条件整備が着実に進められる」と利点を強調し、説得材料にした経緯もある。  だが、一方で政府は支出抑制を基本とする行財政改革を進める。さらに「教育再生」を最重要政策に掲げた安倍晋三政権が突然倒れたことも逆風になった。  不可解な展開もあった。  基本計画案は文科相の諮問機関・中央教育審議会が4月に答申したが、財政引き締めの状況を踏まえ数値目標はほとんどなかった。これには自民党文教族などから強い不満が出、その意を受けて文科省は(1)教職員定数を5年で2万5000人増やす(2)10年で教育投資額の国内総生産(GDP)比を今の3・5%から経済協力開発機構(OECD)諸国平均5%へ--などと数値を入れた案を作成、財務省との折衝に臨んだ。  授業時間が大幅に増え、小学校に英語も導入する新学習指導要領を円滑に実施するにはこれだけ先生が必要。教育にかける金を先進国並みにしないと高等教育などで太刀打ちできなくなる--などという主張だ。だが財務省は納得せず、投資の根拠や成果の見通しを求めかみ合わなかった。  もちろん基本計画はただ数値獲得を主眼としているのではない。子供の自立、学力と体力、世界最高水準の大学、留学生受け入れ拡充、校舎耐震化などあらゆる課題が「あれもこれも」とばかり盛り込まれた。  すべて重要だ。しかし、大半は既に個別施策としてやったり、進めることができるもので、新たに引きつける理念、訴えかけてくる意思に乏しい。10年後の社会に向け、どのような人格、人材を教育が目指し、そのため5年間に何を最重点にどのように学校、社会、家庭の教育のかたちをつくり出すか。  何をさておいても、の目標が国際学力コンテストの順位を上げることでは寂しい。高々とした理念と、一人一人の子供や学生に思いを致せる想像力に満ちた教育目標と手法こそが、今求められている。  それが国民世論を引きつけ、財務当局を説得する。 "[he-forum 13471] 京都新聞7/4 京都新聞2008年7月4日付 iPS知財管理会社を設立 京大、新薬開発目指す  京都大は3日、山中伸弥教授が世界で初めて作製に成功したiPS細胞(人工多能性幹細胞)にかかわる知的財産を管理する株式会社「iPSアカデミアジャパン」(京都市上京区)を設立した、と発表した。京大だけでなく、他大学や研究機関のiPSに関する知財も管理する予定で、「オールジャパン体制」で研究成果を社会に還元し、新薬の開発や医療への応用を目指す。  知財管理会社は、京大の役員らが参加して5月に設けた有限責任中間法人が全額出資して設立した。資本金は1億円。代表取締役には前奈良県立医科大学長の吉田修・京大名誉教授が就任した。  京大などから管理を任されたiPS細胞の特許について、大学などの非営利で研究を行う機関には無償で、製薬企業などの営利目的の機関には「適切な対価」を求め、それぞれライセンス契約を結んで使用を認める。  当初は京大が出願している特許だけを管理するが、慶応大や東京大などのiPS細胞の研究拠点にも参加を呼びかけ、企業などが特許を使用しやすいよう、関連特許を一元化して取り扱う「パテントプール」の形成を目指す。  管理会社では、大学などの特許出願に関する支援も行う。会見した松本紘理事(研究担当)は「京大のためだけでなく、日本全体でiPS細胞の研究に取り組むための会社にしたい」と話した。 "[he-forum 13473] 京都新聞7/5 京都新聞2008年7月5日付 特任助教ポスト創設へ 京大理学研、博士号取得者を支援  最高学位である博士号を取得しながらも安定した職に就けていない多くの研究者を支援しようと、京都大(京都市左京区)の理学研究科は、任期終了後の教員への採用を想定した助教ポストの創設を目指している。  同研究科の過去10年博士号取得者を対象にした調査では、約3人に1人が任期付きの不安定な立場で研究を続けており、「将来に希望が持てないため、若手研究者を覆っている閉塞(へいそく)した状況を打破したい」としている。  創設を目指しているのは、3年から5年の任期の後、研究成果に応じて、任期のない助教など安定した職への登用が約束される特任助教ポスト約20人分。同研究科では、約20年前には140人いた助教が大学の教員削減の方針の下、現在は80人まで減っており、「理学研究科の教育や研究を維持するためにも、ポスト創設は欠かせない」という。  理学研究科が過去10年に博士号を取得した約1329人を対象にした調査では、33%が国内外で任期付きの研究員を続けている。一方、准教授や助教など任期のない大学教員は28%にとどまった。任期付きの研究員の多くは、数年の任期が切れるごとに職を転々とする状態だという。  加藤重樹・理学研究科長は「博士号取得者の安定した職の不足は限界に達している。高校など大学以外の教員にも採用されるよう、教育委員会への働きかけも強めたい」としている。 "[he-forum 13472] 中日新聞7/5 中日新聞2008年7月5日付 静大発ベンチャー好調 市場調査など支援奏功  学生や研究者らが起業する大学発ベンチャーで、静岡大が順調に企業数を伸ばしている。設立後の支援が充実しており、登録企業のうち廃業したのは1社だけ。イノベーション共同研究センターベンチャー支援ネットワーク室(浜松市中区)の林正浩准教授(46)が「地域や社会に貢献するのが目的」として永続的な存続を目指そうという取り組みが功を奏しているようだ。  6月末までに22社が設立されており、経済産業省大学連携推進課によると「国立大としては多い方」という。  元経営コンサルタントの経験を生かす林准教授は、安易な起業は勧めない。起業までには民間シンクタンクや特許関連の調査会社と連携し、徹底的な市場調査や技術評価を行う。このため起業まで3年ほどかかった例もある。  大学の技術を使って企業と連携しようとする場合、従来は企業の研究開発や技術分野の人たちと接するケースが多く、経営的な視点より技術に重点が置かれがち。しかし、同室は大手企業の製品企画部門などとの交渉を推進しており、業務提携について打診しやすいという利点がある。  こうした点もベンチャー企業の経営安定につなげている要因の一つになっているという。というのも、製品の製造や販売といったベンチャー企業では難しい課題もクリアしやすくなるからだ。  市場環境の変化により経営が厳しくなったベンチャー企業に対しては、マーケティングの再調査やさまざまな展示会への出展協力を惜しまない。マーケティング調査では国内に限らず海外にも目を向け、販路などを探す手伝いをする。  林准教授は「市場の動きを注視しながら起業に結び付けたい。大学が持つさまざまな技術の組み合わせを考えれば、既存の製品を上回る製品ができるのではないか」としている。 静大発ベンチャー企業 (順不同)   企業名        事業内容            所在地 カラビナシステムズ  システムソリューション 富士市 静岡アカデミック・リサーチ サービス業    静岡市 池田電子工学研究所  製造業(電子機器・装置・システム)  浜松市 ワイピーシステム販売 機械装置・消火器具販売  東京都東村山市 SPD研究所     製造業  浜松市 SAW&SPR-Tech 製造業  浜松市 デジタルセンセーション センシング応用機器システム開発  浜松市 電子システムデザイン 電子システムの開発・設計・販売  浜松市 ブルックマン・ラボ  集積回路の設計  浜松市 セサミテクノロジー  電子機器の設計・製作・販売  浜松市 プレサイスゲージ   光計測機器及び光部品の設計製造販売  浜松市 スペースクリエイション 精密機械設計製造業  浜松市 サイエンテックス   各種計測機器の製造販売  浜松市 アローセブン     ソフトウエア・ハードウエア開発・設計・製作  浜松市 デザインルール    情報処理システム・ソフトウエア開発  浜松市 ITSC       情報処理システム・ソフトウエア開発  浜松市 MDルミナス     光学機器・電子機器等の製造販売  浜松市 スプレーアートEXIN アートデザイン  浜松市 GFD        総合食料供給業  浜松市 マイクロプラズマ   大気環境制御機器製造  浜松市 サウンド・コンシェルジュ 建築の音響設計・研究開発  浜松市 ウォーキングDAY  健康器具開発・製造販売  横浜市 "[he-forum 13474] 読売新聞愛知7/5 読売新聞愛知版2008年7月5日付 名大、JAXAが協定 宇宙研究で連携進める  名古屋大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA、立川敬二理事長)は4日、宇宙研究に関する連携協力協定を結んだ。同機構が協定を結んだのは東大などに続き4校目。  名古屋大はJAXAが2003年に発足する以前の1965年から、共同研究や人材交流を行ってきた。  今後、軽くて強い次世代の材料に関する研究など幅広い分野での共同研究を進め、新たに大学院連携講座を開設して、JAXA職員が同大教員として院生らを指導するなど、人材交流も活発化させる。同大とJAXA関係者で構成する「連絡協議会」も設置する。  同大でこの日開かれた締結式で、平野眞一学長は「全学レベルで協力し、航空宇宙産業の発展に寄与していきたい」と抱負を語った。今年4月には、東海地方の航空宇宙産業の競争力強化のため、同大なども参加した産官学連携組織「航空宇宙産業フォーラム」も設立されている。 "[he-forum 13475] 朝日新聞7/8夕刊 朝日新聞2008年7月8日付夕刊 志願倍率に目標値設定 一部の国立大、学部予算に反映  一部の国立大学が学部ごとに志願者数などの目標値を設定し、その達成状況に応じて、各学部に配分する予算を増減させていることがわかった。「アメとムチ」で各学部の努力を促し、優秀な学生と、受験生が納める検定料収入の確保を狙う。少子化や法人化で厳しい競争にさらされる国立大に、受験生側の事情に左右されやすい志願倍率まで一定の「結果」が求められるようになった。  新潟大は年度当初に、次年度入試での志願者数の目標値を各学部に通知する。目標値は、過去3年の平均値から算定。目標を上回った学部には検定料と同額の1人当たり1万7千円を、上回った人数分追加配分し、下回った学部からは人数分没収する。  法人化の翌年の05年度予算から導入。少子化で「全入時代」が叫ばれる中、志願者数を増やすことで「質の高い学生の確保を目指した」(財務企画課)。国立大への運営費交付金が減らされる中、新潟大も経営努力を求められており、検定料で自己収入を確保する狙いもある。  だが、少子化などの影響で地方の大学の志願者数は伸び悩み気味。新潟大も08年度入試では、9学部のうち人文など2学部以外は目標に達せず、残り7学部で計約900万円が没収されることになった。  同大は、努力の成果に応じて差をつけるインセンティブ経費のうち、1千万円を各学部の志願倍率に応じて配分する仕組みも導入。国立大の同じ学部の平均値(前年度分)を上回った学部に1千万円を均等配分するようにし、07年度入試では3学部が対象となった。  香川大は06年度から、学生数に応じて配分する教育経費の5%(07年度は約1300万円)をいったん留保するようにした。学部の志願倍率か卒業生の進路確定率が目標に達すれば2.5%、定員充足率が90%以上になれば残り2.5%を再配分する仕組み。基準に達しない学部は没収される。  志願倍率の目標値は、過去4年間の平均値から算定。07年度入試では経済、農両学部、医学部看護学科が下回ったが、進路確定率が目標値に達したため、実際に没収したケースはないという。  06年度は4.4倍だった香川大全体の志願倍率は翌年度には4倍に。阿部文雄・副学長は志願倍率の目標設定を「意欲と能力のある学生の確保が目的」と話す。留保額を設けることで、教員にオープンキャンパスなどに協力してもらえる環境づくりも目指している。一方、堀江克則事務局長は「結果として収入増につながればありがたい」。  国立大学財務・経営センターの山本清教授は「学部の人気は変わりやすく、数年間の結果を見て判断するべきではないか。入試科目を減らして集めるようなやり方につながらないよう注意する必要がある」と指摘する。(大西史晃) "[he-forum 13476] 読売新聞高知7/8 読売新聞高知版2008年7月8日付 工科大と連携視野 県立女子大改革  7月定例県議会が7日開会し、尾?知事は提案説明で、県立高知女子大の改革について、高知工科大との連携を視野に入れることなど五つの「視点」から進めることを明らかにした。女子大の永国寺と池、工科大の香美市の3キャンパスは併存の必要があるとの認識を示したものの、工科大の公立大学法人化と県立大改革の関連については、「これまで以上に連携を強める」と述べるにとどめた。  県立大改革を進める五つの視点として、▽女子大に限定した改革ではなく、工科大との連携を視野に入れた見直しが必要▽県外への若者の流出を防ぐため、社会・人文科学系学部の整備が必要▽社会人教育の場の充実▽コンパクトシティー構想など高知市の市街地活性化との連携▽大学改革に伴う財政負担を徹底して軽減する――を挙げた。  3キャンパスの役割については、池キャンパスを「健康長寿の拠点」、永国寺キャンパスを「社会貢献をする知の拠点」、香美市キャンパスを「工学、産業振興の拠点」とした。  工科大の公立大学法人化では、県が大学の中期目標を定め、それに基づいて大学が中期計画を策定するなどの準備を進め、2009年4月の法人化を目指すとしている。  このほか尾?知事は、7日開幕した北海道洞爺湖サミットに触れ、県の「排出量取引地域モデル事業」が国のモデル事業に選ばれたことを挙げて、「低炭素社会のトップ・プランナーとして全国に発信したい」とアピール。高速インターネット環境の整備に取り組む市町村に、国庫補助対象事業費の5%以内を支援する1億9560万円の債務負担行為を盛り込んだ約5億2800万円の一般会計補正予算案や、ふるさと納税を活用するための「県こうちふるさと寄付金基金」を設置する条例案など21件を提案した。 "[he-forum 13477] 毎日新聞7/9 毎日新聞2008年7月9日付 学士力:国が指針 大学教育の質保証へ--中教審が答申案  中央教育審議会の大学分科会は8日、大学教育の質を保証する対策として、面接などを重視して合否を決めるアドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試の際も学力を把握したり、学部で身につけるべき能力「学士力」を指針として示すことを求める答申案をまとめた。中教審は近く渡海紀三朗文部科学相に答申する予定で、文科省は大学の指導改善を促す働きかけを強めることにしている。  答申案は、日本が大学全入時代を迎え、「学位が国際的な通用性を失う懸念が強まっている」「『出口管理』の緩さに対して産業界の不信感がある」と危機感を表明。「質の維持・向上の努力を怠る大学の淘汰(とうた)は不可避」として、体制に不備のある大学には「財政面で厳格に対応すること」を求め、補助金などのカットも示唆した。  具体策としては、多文化理解やコミュニケーションスキルなどの項目で測る「学士力」を国が指針として示し、各学部共通で身につけるべき能力の基準にすることを要求。「高大接続テスト」(仮称)を新設することについての研究促進も求めた。【加藤隆寛】 "[he-forum 13478] 朝日新聞7/7 朝日新聞2008年7月7日付 〈学長力〉国際時代の指導力は? 国内外4大学のトップに聞く  グローバル化の波が押し寄せる大学で、学長のリーダーシップはどうあるべきか。そして、日本政府が掲げる「留学生30万人計画」の成否は――。環太平洋諸国の37大学が加盟する環太平洋大学協会の学長会議が日本(慶応大)で開かれたのを機に、シンガポール国立大、豪シドニー大、ロシア極東国立総合大の学長と、協会の新会長に選ばれた慶応大の安西塾長の4人に話し合ってもらった。(司会は編集委員・山上浩二郎)  ――大学の特徴は。  ウラジーミル・イワノビッチ・クリロフ(ロシア極東国立総合大学長) 1899年に設立されたロシア極東部で初めての高等教育機関だ。学生数は4万1千人以上、教員は5千人ほどいる。ロシアでは政府が06年から優秀な17大学を選んで発展させる政策をとっていて、その4位に選ばれた。教育の国際化にも力を入れていて、とくに日本関係のプログラムはロシア最大で、北海道函館市には分校もある。  シー・チョーン・フォン(シンガポール国立大学長) 小国家シンガポールの若者たちを、刻々と変わる世界情勢に対応できる人材に育てようとしている。そのためにはまず、何かに卓越させることだ。さらに世界中のいろいろな大学と交換留学プログラムを持っていて、少なくとも学生の50%は1カ月以上参加している。  ギャビン・ブラウン(豪シドニー大学長) 1850年創立のオーストラリアで最初の大学で、学生数は4万7千人だ。研究、教育環境、学生の体験・経験が三本柱。とくに三つ目を重視していて、討論、スポーツ、演劇などに取り組むのを積極的に勧めている。  ――英紙タイムズの別冊高等教育版などが発表している「大学ランキング」をどうみていますか。  シー ランキングはいろいろある物差しの一つにすぎない。目で見える、さわることのできる要素だけで測っているが、教育はもっと長期的な視野で見なければならない。ランキングを気にしすぎて、本来の教育の目標を見誤ったり、使命を変えたりしてはいけない。  ブラウン ただ、ランキングには有効な時もある。まず政府などの補助金を獲得する際に意味を持つ。さらに世界の研究機関や大学と協力を進める際の一つの指標になり得る。私たちは7年前、「国内で1位、アジアで5位、世界で40位以内」という目標を掲げた。  安西祐一郎(慶応大塾長) 「たかがランキング、されどランキング」だ。慶大への評価を徹底的に分析してみた結果、留学生や外国人教員を増やすなど、もっと国際化する努力が必要だということがわかってきた。短期的にはいい目標ができた。  クリロフ タイムズと上海交通大学のランキングが異なるように、どんなランキングも決して完全ではない。ただ、教育や研究の質について、どこを伸ばしたらいいかを考える一つの参考にはなる。  ――大学の意思決定が重要になる中で、学長のリーダーシップはどうあるべきでしょうか。  ブラウン どの学長もボトムアップの意思決定が大事、と言うでしょうが、おそらくウソをついていますよ(笑い)。冗談はさておき、大学の伝統を尊重するなら、いろいろな人の意見を聞いて、決して意思決定を急ぐべきではないのだろう。だが、いまや大学は巨大なビジネス組織になりつつある。例えば、私の大学なら14億豪ドル(約1500億円)の予算規模をもち、6千人近いスタッフを抱える。学長は最高経営責任者(CEO)のように、強力にリードする必要性も出てきている。  シー 賛成だ。今の大学は企業的な色合いが濃くなっている。私たちの大学も予算規模は12億シンガポールドル(約1000億円)で、何十億シンガポールドル規模の建設計画もある。研究でも商業化できるものはしていくという動きが強まっている。以前は学長といえば学者だったが、いまや学長は「学者プラスCEO」になっている。もう少し進むと「CEOプラス学者」になり、もっと進むと「社長」になるかもしれない。  クリロフ 私は学長を18年やっているが、5年ごとに教授や学生らからなる会議の選挙で選ばれている。学長には5年先、10年先を見据えて、大学を発展させる戦略的なアイデアを考える責務があるだろう。  ――日本政府は最近、「留学生30万人計画」を掲げた。留学生を受け入れるメリットは。  クリロフ 大学の存在意義の一つは国際化で、私たちも教授陣50人を英国、中国、日本などから招いている。留学生は800人で、日本人が3割、韓国人が3割、中国人が25%。北朝鮮からの学生もいる。最初は互いに警戒していた彼らも数カ月で友人になる。最も重要なのはこういった効果だ。  シー 私たちの大学も学生の3割が留学生で、出身地は90カ国。地元出身の学生と寮で一緒に暮らすことで互いに異文化体験をし、教育体験を豊かにしている。また、留学生のかなりの割合が、卒業後も残ってシンガポールの経済を支えている。  ブラウン 私の大学では、約4千人の中国人を含め、留学生が全体の15%を占める。日本について言うと、今年初めて、東北大から25人を5週間のプログラムで迎え入れ、前半の2週間は英語を、後半の3週間はそれぞれの専攻を学んでもらった。このような体験をすれば、大学院に進学するとき、シドニー大を選ぶ人がいるかもしれない。だから文化的な交流は大事だ。  安西 日本の大学の国際化を迅速にするのに留学生を増やすというのは有効だ。日本はシンガポールやオーストラリアなどに比べて人種や言語の多様性が圧倒的に少なくて均質だ。でも今後は日本人もグローバル化した社会で生きていかなければならないのだから、若い人たちには早い段階から留学生と交流し、多様なモノの見方や考え方を身につけてもらいたい。  ――学生を送り込む側から見て、日本は魅力的ですか。  クリロフ 私たちの大学からは函館校や金沢、東海、創価といった日本の大学にロシア人学生を送り込み、日本語や日本文化だけでなく、海洋生物学なども学ばせてもらっている。修士や博士まで取る学生もいて、まったく問題はない。  シー 日本への留学では、日本語が非常に大きな障害になって立ちはだかる。さらに日本の文化やコミュニケーションには微妙なところがある。オーストラリアや米国に留学する場合とは違うので、トップレベルだけでなく普通のレベルの学生も受け入れようというなら、さらなる工夫が必要だろう。  ブラウン 日本の科学技術は優れているので、研究レベルの学生を日本に送るのはちゅうちょしない。ただ、日本の学生がこちらに来ると非常におとなしいと感じる。だから、遠慮がなく、マナーがなっていない若い学生を日本に送るのはちゅうちょします(笑い)。  安西 日本は豊かな文化を持ち、グローバル化も進んでいて、若い人を引きつける魅力もある。言語の障壁はあるが、慶大には英語だけで学べる講義も300くらいあるし、昨年は環太平洋大学協会の博士課程院生を招いた会議も開いた。今後もさらに努力を続けていく。    ◇  構成は杉本潔、石川智也、葉山梢、山本晴美が担当しました。 "[he-forum 13479] 毎日新聞7/8 毎日新聞2008年7月8日付 新教育の森:教育振興基本計画 文科省案大幅後退、好転へ期待感薄く ◇財政の論理に反論できず  政府が1日に閣議決定した教育振興基本計画は「10年で世界トップの学力水準を目指す」などの理想を提示したが、教育予算や教職員定数増の数値目標は盛り込まれなかった。財政の論理を最優先にした基本計画で本当に日本の教育は立て直せるのか、教育現場には不安も広がる。【加藤隆寛】  ◆数値目標記載なし  文部科学省は数値目標について「教育予算増の足がかりに」と意気込んでいた。しかし、財務省、総務省、与党の行政改革推進派議員らの強い反対に屈した。むしろ、「国は教育に金をかけるつもりがない」とのメッセージを国民に伝える結果に終わった。  当初の文科省案から大幅な修正・削除を余儀なくされたのは、注目を集めた「教育予算をGDP(国内総生産)比5%超に」「教職員定数2万5000人増」という二つの数値目標だけではない。  例えば、文科省案にあった「幼児教育の無償化に向けて検討する」は「無償化について検討しつつ、幼児教育の振興を図る」と、「向けて」を削ることでニュアンスが弱められた。「道徳教材の国庫補助制度を早期に創設する」は「補助制度などの方策を検討する」に、「学生などへの経済的支援を拡充する」は「経済的支援を行う」に変わるなど、表現を弱めた個所が相当数に上った。  このため、多様な施策は並んでいても変化への期待感を抱かせない。予算の裏付けも乏しい。財務省などの意向で「国の財政は大変厳しく、新施策を講じるには既存施策の廃止・見直しを徹底すべきだ」と、予算削減を進めるかのような表現まで追加された。  文科省の銭谷真美事務次官は会見で、「(交渉に)反省すべき点がある。もっとエビデンス・ベースド(証拠に基づく)というか……。諸外国との比較、分析に改善の余地があった」と唇をかんだ。  ◆現場に不満と危機感  指導内容や授業時間数の増える新学習指導要領の先行実施を来年度に控え、教育現場はどう受け止めているのか。東京都内の公立中学校の校長は「教育があまり必要とされていないのかと思ってしまう」と話す。「現場は余裕がないが、国からは『与えられた物と人で何とかしろ』と言われている気がますますしてくる。実際には、2万5000人の増員でも足りないくらいだ」と不満を語り、「子どもが国の宝だと思うなら条件整備してほしい。教員希望者がどんどん減ってしまう」と危機感を示した。 ==============  ◇教育振興計画要旨  ■教育をめぐる現状と課題  子どもの学ぶ意欲や学力・体力の低下などが課題。少子高齢化が急速に進む。改正教育基本法の理念の実現に向け、改めて「教育立国」を宣言し、教育の振興に向け社会全体で取り組む必要がある。  ■今後10年間を通じて目指すべき教育の姿 (1)義務教育修了までに、すべての子どもに自立して社会で生きていく基礎を育てる ▽公教育の質を高め、信頼を確立する。世界トップの学力水準を目指す。 ▽社会全体で子どもを育てる。家庭の教育力を高める。 (2)社会を支え発展させるとともに、国際社会をリードする人材を育てる ▽高校や大学における教育の質を保証する。 ▽世界最高水準の教育研究拠点を重点的に形成し、大学などの国際化を推進する。  ■今後10年の教育投資の方向  教育への公財政支出が未来への投資であることを踏まえ、欧米主要国を上回る教育の内容の実現を図る必要がある。諸外国における教育投資の状況を参考の一つとしつつ、必要な予算について財源を措置し、教育投資を確保していくことが必要。  ■今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策  <基本的方向> (1)社会全体で教育向上に取り組む (2)個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人、社会の一員として生きる基盤を育てる (3)教養と専門性を備えた知性豊かな人間を養成し、社会の発展を支える (4)子どもたちの安全・安心を確保するとともに、質の高い教育環境を整備する  <特に重点的に取り組むべき事項>  ■確かな学力の保証 ▽新学習指導要領の円滑実施を図るため、教職員定数の在り方など教育を支える条件整備について検討する。 ▽児童生徒の学力状況を把握するため全国学力・学習状況調査を継続的に実施。  ■豊かな心と健やかな体の育成 ▽道徳教材が十分活用されるよう、国庫補助制度などの有効な方策を検討。伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うため、伝統・文化を継承・発展させる教育を推進する。 ▽子どもの体力の85年ごろの水準への回復を目指す。 ▽いじめ、不登校、自殺などへの対応の推進を図る。 ▽認定子ども園の認定件数2000件以上を目指し、制度改革に取り組む。  ■教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり ▽メリハリある教員給与体系の推進、教員養成課程や採用方法の改善、厳格な人事管理や研修の充実の促進、免許更新制の円滑実施のための取り組みを行う。 ▽教職員配置の適正化を行うとともに、退職教員など外部人材の積極的活用、地域住民による学校支援などを支援。  ■手厚い支援が必要な子どもの教育の推進 ▽障害のある児童生徒の「個別の指導計画」作成を促す。 ▽不登校の児童生徒への学校内外における相談体制整備を進める。  ■地域全体で子どもたちをはぐくむ仕組みづくり ▽全国の中学校区で学校支援地域本部などの取り組みを促す。 ▽全国の小学校区で、放課後子どもプランなどを通じ、学習や体験活動の場づくりが実施されるよう促す。  ■キャリア教育・職業教育の推進と生涯を通じた学び直しの機会の提供推進 ▽職場体験活動などキャリア教育の推進。すべての専門高校において職業教育の活性化を促す。 ▽大学などにおける実践的な職業教育を促す。 ▽生涯学習ニーズに対応し、大学・短大、専修学校などに社会人受け入れに必要な環境の整備を促す。  ■大学などの教育力の強化と質保証 ▽学士課程で身に着ける学習成果(学士力)の達成を目指し、各大学などで教育内容・方法の改善を進めるとともに、厳格な成績評価システムの導入や、教員の教育力向上のための取り組みを支援。 ▽大学間連携の取り組みが充実するよう支援。学部・研究科を共同設置できる仕組みを08年度中に創設。  ■卓越した教育研究拠点の形成と大学などの国際化推進 ▽11年度までに、世界最高水準の卓越した教育研究拠点の形成を目指し150拠点程度を重点的に支援。 ▽20年の実現をめどとした「留学生30万人計画」を関係府省が連携して計画的に推進。  ■安全・安心な教育環境の実現と教育機会の保障 ▽大規模地震で倒壊危険性が高い小中学校施設約1万棟について、優先的に耐震化を支援する。 ▽私学助成、学校法人への経営指導などにより私立学校の教育研究の振興を図る。 ▽幼児教育無償化の歳入改革にあわせた総合的検討や就学援助、奨学金などを通じ教育機会の保障を図る。 "[he-forum 13480] 愛媛新聞社説7/7 愛媛新聞社説2008年7月7日付 教育振興計画 財源がなければ画餅に終わる  「教育立国」を宣言、「欧米主要国を上回る教育の実現を図る」とうたう割には予算の裏付けがなく、実効性に疑問を抱かざるを得ない。政府が先ごろ閣議決定した教育振興基本計画のことだ。  計画はまず、五年間に重点的に取り組む施策として「小中学校教職員の定数の在り方を検討する」としている。具体的な数値目標はないが、増員を意図する。  ほかにも「道徳教育の教材作りの国庫補助制度」「幼児教育の無償化」「小中学校施設約一万棟の耐震化促進」などを掲げている。すべて財源が必要な施策だ。  にもかかわらず、その財源は「経済協力開発機構(OECD)諸国など諸外国を参考に、必要な予算について財源を措置し、教育投資を確保する」としているだけだ。  文部科学省は「毎年の概算要求を通じて予算を確保したい」というが、それではあまりにも心もとない。基本計画で示したはずの「今後十年間を通じて目指す教育の姿」が、毎年の予算折衝次第でぶれかねない。  四月の中央教育審議会答申を受け、政府内で行われた調整では、教育予算や教員の大幅増をもくろむ文科省と、歳出削減を進めたい財務省の間で激しい対立があった。  例えば文科省は、国内総生産(GDP)に占める教育投資の割合を現行の3・5%からOECD諸国平均の5・0%に拡充するなどの数値目標を掲げ、約七兆円の予算上乗せが必要だと主張した。  しかし、その七兆円をどのように使うのか、投資の増額で教育の姿はどう変わるのかといった具体像を、最後まで示せなかった。財務省や総務省を説得できなかったのも無理はない。  結果的に、議論は数値目標を明記するかどうかに終始。少子化が進む日本の教育をどうするかなど、本質的な議論は置き去りにされた。  計画に盛り込まれた「一般行政職に比べて高い教員給与の優遇措置縮減」も疑問だろう。教員には質が求められる。人材の確保には、ある程度の優遇は必要だ。ましてや今は教師受難の時代だ。  授業時間数を大幅に増やす改定学習指導要領の全面実施は、小学校で二〇一一年度、中学校で一二年度に迫っている。予算や教員増の裏付けがなければ、現場の負担だけが増すことになる。  教育は「国家百年の大計」だ。改正教育基本法の目玉として初めて策定された振興計画には、それだけの内容がなく、文科省の気概も感じ取れなかった。  このままでは画餅(がべい)に終わる可能性が高い。単なる数字合わせではなく、現場の実情を踏まえた具体的な議論をもう一度やり直すべきだ。 "[he-forum 13481] 毎日新聞高知7/9 毎日新聞高知版2008年7月9日付 県立高知女子大:「工科大連携」知事は説明責任を 教授らの懇話会が提言書 ◇「拙速」と提言書  県立高知女子大の再編・統合問題で、女子大の教授らでつくる「高知女子大学・高知短期大学の未来を考える懇話会」のメンバーが8日、大学の方向性などについて、十分な説明責任を果たすよう求める尾崎正直知事あての提言書を県に提出した。  尾崎知事が7日の県議会で「女子大と、公立大学法人化を目指す高知工科大との連携を視野に入れる」と述べたことに対し、提言書では「定員割れを起こしている工科大の運営の総括がされないまま、1法人2大学化が先にありきで議論を進めようとしていると考えられ、拙速だ」と主張。加えて「大学・短大全体のトータルデザインが不明確で、学生や県民の意見反映が不十分だ」と訴えている。  同会の代表世話人を務める女子大の田中きよむ教授は会見し、「県庁内にはプロジェクトチームがあるが、大学関係者は入っておらず、政策決定過程はブラックボックス。よりよい大学のためにオープンな議論を求めたい」と話していた。【服部陽】 "[he-forum 13482] 共同通信7/10 共同通信2008年7月10日17時19分 若手医師半数大学に戻らず 低水準続き、地域差拡大  大学医学部、医科大を卒業後、今春2年間の臨床研修を終えた若手医師のうち、大学病院に戻った医師が55・9%にとどまったことが10日、全国医学部長病院長会議(会長・小川彰岩手医科大学長)の調査で分かった。  52・0%だった2007年からはやや上昇したものの、7割を超えていた臨床研修制度導入前の02年と比較すると大きく低迷したまま。  地域別では、02年を上回ったのは大都市を多く抱える関東地方82・3%(02年71・6%)だけ。東北地方32・7%(同63・0%)、中国地方39・7%(73・3%)、四国28・7%(74・0%)と、02年の半分程度の地方も目立ち、地域格差が広がった形だ。  臨床研修を通じて勤務条件がいい民間病院を選ぶ医師が増えているとされており、小川会長は「大学病院は地域医療を支えてきた。大学所属の医師の減少は地域医療のさらなる危機を招く」と話し、臨床研修制度の早期見直しを求める考えをあらためて示した。 "[he-forum 13483] 読売新聞7/10 読売新聞2008年7月10日付 「大学の実力」初調査…一覧で見る学習支援策、退学率 読売新聞朝刊に掲載…20日・東日本編、21日・西日本編  全入時代を迎え、大学の真の実力が問われている。社会が期待する人材を育てているか。単なる偏差値やブランドイメージではなく、教育力が注目されている。  読売新聞社は国内の全4年制大学を対象に教育力に関する初の調査を行い、個別データを7月20日、21日の朝刊に特集記事として掲載する。長期連載「教育ルネサンス」との連動企画。  調査は「大学の実力―教育力向上の取り組み」と題し、725の国公私立大学に約50項目の設問からなるアンケートを発送、499大学から回答を得た。その内容を、清成忠男・元法政大総長、岡村甫(はじめ)・前高知工科大学長、井下理(おさむ)・慶応大教授、沢田進・大学基準協会参与ら、大学教育や経営の現状に強い問題意識を持つ有識者13人による「大学の実力検討委員会」に評価してもらった。  特集記事は、20日が東日本編、21日が西日本編。一覧表にして各大学の回答を掲載する。  最大の注目点は、これまで“門外不出”だった退学率。大学の人材を養成する力や取り組みを表す大きなバロメーターとなる。最近は「入りにくく、出やすい」と言われた日本の大学の体質も変わりつつある。成績評価を厳しくし、卒業を難しくしてでも力を付けさせようという動きが進んでいる。今回の調査から、その傾向はうかがえるのか。  大学の教育の熱心度を計る物差しとなる出席状況の把握や補講の実施状況、習熟度別授業のデータとなるプレースメントテストの実施状況、授業評価アンケートの活用方法など、授業にかかわる具体的な情報が満載。7月下旬から本格化するオープン・キャンパス(学校見学会)の参考となるはずだ。  教育力を組織的に高める取り組みを意味するFD(faculty development)が今年4月、大学に義務づけられた。調査からは多くのユニークな試みが始まっていることも分かった。それらは「教育ルネサンス」で随時紹介していく。 "[he-forum 13484] 伊那毎日新聞7/10 伊那毎日新聞2008年7月10日付 信州大学農学部で「観光立県長野」の再興に向けた学官連携推進会議  県と信州大学農学部は10日、「観光立県長野」の再興に向け、大学と県との連携を図るため、学官連携推進会議を同学部内食と緑の科学資料館「ゆりの木」で開いた。「学」として信州大学のほか、長野大学、松本大学、諏訪東京理科大学、信州豊南短期大学の観光や教育を専門とする教授らが、「官」として環境省、県、伊那市の職員ら約20人が出席。意見を交わしあった。  県では、観光客や観光消費額の減少などに対応するため、08年度から5年間に取り組む主な観光施策や達成目標を盛り込んだ「観光立県長野」再興計画を策定しており、今年2月には同計画を具体化していくためのフリーディスカッションを開催。話し合いの場を広げ情報発信を図るため、県内の大学でもちまわりでテーマを変え会議を開くこととなった。  第1回目の信州大学農学部では「ニューツーリズム その可能性と学官の関わり」をテーマに意見交換を行なった。  事例発表として信州大学農学部森林科学科講師の中堀謙二さんが同学部でのヴァンデルンク(森林散策会)の取り組みについて、伊那市長谷総合支所産業振興課の池上直彦課長が「子ども農村留学」への取り組みについてそれぞれ発表。  意見交換では「従来型の観光教育じゃあ駄目だということがわかってきている。福祉や環境などいろんな形のカリキュラムを盛り込んでいかなくては」「農村が特別なイベントを行わなくても観光が成り立つというところにどうやって落としていくか」など活発な意見が交わされた。 "[he-forum 13485] 7/11しんぶん赤旗 2008年7月11日(金)「しんぶん赤旗」 授業料無料1.7倍 東大 年収400万円以下対象の制度 半額免除は4.7倍 学生の運動 背景に  年収(給与)四百万円以下家庭の学部学生の授業料(年五十三万五千 八百円)無料制度が今年度から始まった東京大学で、全額免除者が前年 に比べ一・七倍に増えていることがわかりました。日本共産党は、「学 費提言」(四月)で東大の制度を全国の大学で実施できるよう予算増額 を国に求めています。  東大の授業料免除制度は、家族構成、家計、学力(成績)などを総合 的に判断する「従来の制度」(半額、全額の免除)に加え、今年度から 年収が四百万円以下の家庭は全額免除とする「新制度」が導入されまし た。  同大学奨学厚生グループがまとめた二〇〇八年度前期分授業料免除実 施状況は、従来の制度と新制度をあわせたものです。  授業料の全額免除を受けたのは、年収四百万円以下の家庭の学生五百 七十六人を含む六百三十四人。全学部学生一万三千八百七十人の4・ 6%にあたります。前年同期の三百六十五人と比べ、一・七倍に増えて います。半額免除も同三十八人から百七十八人(全学生の1・3%)へ と四・七倍に急増しています。  千々岩高美奨学厚生グループ長は、「授業料免除を申請する人も大幅 に増えました。(四百万円以下という)基準が明確になって、申請しや すくなったと考えられます」と話しています。 国は全国に広げて  全日本学生自治会総連合の西川治副委員長の話 全額免除だけでなく 半額免除も大幅に増えており、たいへん重要な変化です。東大の制度も 改善してほしい点はあります。学生の取り組みが東大の制度の背景にあ りました。政府の責任で負担軽減策を全大学に広げるとりくみが重要で す。 "[he-forum 13486] 読売新聞高知7/11 読売新聞高知版2008年7月11日付 県立女子大 移転整備費9億円圧縮  尾?知事は10日の県議会一般質問で、県立高知女子大の移転整備費用について、永国寺キャンパスの存続と池キャンパスの整備費を合わせた概算費用が、2007年9月議会での説明時より約9億円圧縮したことを明らかにした。県の財政負担については、「県全体の償還額が今後、年々減少するので、財政に及ぼす影響は大きくない」との考えを示した。  県の概算によると、池キャンパスについては、永国寺キャンパスにある文化学部を移転させないため、同学部などが入る「C棟」を建設しないことなどで約20億円を圧縮。一方、永国寺キャンパスで耐震改修を行い、新学部棟や体育館の新築をすることなどで約11億円増え、最終的な整備費は約80億円となった。  また、県が10年度はじめの時点で、池キャンパスに看護、社会福祉、健康栄養の3学部、永国寺に文化学部と高知短大の社会科学科を置き、高知工科大のサテライト教室などで社会科学系教育を展開するなどの案を大学側に伝えたことを明らかにした。将来的に永国寺で工科大の社会科学系と連携した新たな学部を設置する試案も盛り込まれている。尾?知事は「学長は大学改革についての方向性は県と同じで、県の方針を前向きに受け止めて対応したいと言っている」と踏み込んだ。  また、工科大の公立大学法人化のメリットについて、これまで説明してきた授業料軽減のほかに、「公立大学法人化で、議会行政が関与して、健全経営が確保できる」とした。 "[he-forum 13487] 毎日新聞東京7/11 毎日新聞東京版2008年7月11日付 産学連携:東京農工大と国民生活金融公庫が覚書  東京農工大産官学連携・知的財産センター(小金井市)と国民生活金融公庫の東京支店(中央区)、三鷹支店は10日、産学連携の協力に関する覚書を締結した。連携を深め、地元の中小企業への支援を充実させるのが目的。公庫は全国の21大学と覚書を締結しているが、都内の大学とこうした覚書を結ぶのは初めてという。  東京農工大では、03年に小金井キャンパスに起業家支援施設を開き、現在は14社が施設内で起業している。いずれも、大学の研究成果である生物科学や環境分野での技術をビジネスにつなげた。  今回の連携で公庫は、こうした起業家や地元の中小企業を対象に融資や事業のアドバイスを始めるほか、大学の研究者を企業に紹介していく。これまで、公庫には取引先の中小企業から技術的な相談先を紹介してほしいとの要望が寄せられていた。覚書の締結式で、千葉一裕・産官学連携・知的財産センター長は「地元に密着した企業を支援し、研究の社会的還元をしたい」と話していた。【山本太一】 "[he-forum 13488] 共同通信7/11 共同通信2008年7月11日22時38分 不払い残業代は2億円 広島大病院、全額支給へ  広島大が大学病院(広島市南区)職員の残業代を払っていなかったとして是正勧告を受けた問題で、不払い分は今年3月までの2年3カ月間で約1億9000万円に上ることが11日、大学側の調査で分かった。  広島大は退職者を含む271人に全額支給する(一部は支給済み)と発表。同日、広島中央労働基準監督署に報告書を提出した。  広島大によると、2月の労基署の勧告後、医師や看護師、薬剤師ら約2000人の2006年以降の勤務実態を調査。271人から約8万9000時間分が不払いだったと申告があった。  改善策として、時間外労働分の書類への記録を徹底。これまで事務職員が行っていた医師の労働時間管理を、実態が把握しやすい診療科長が担当する。  越智光夫病院長は「調査結果を真摯に受け止め、今後は法令を順守し、適正な労働時間管理を図っていきたい」とコメントした。 "[he-forum 13489] 毎日新聞福岡7/12 毎日新聞福岡版2008年7月12日付 九大病院:ヘリポート完成 九州・中国・四国一帯、救急患者受け入れ  九州大学病院(福岡市東区馬出)で10日、救急患者搬送用のヘリポート完成式典があった。15日から、九州・中国・四国一帯の救急患者らを直接、ヘリコプターで受け入れられるようになる。  事故や災害による重症者や緊急手術が必要な患者、離島の急患らを消防のヘリなどで直接、受け入れる。これまでは福岡空港に着陸させて、救急車で運んでいた。今後は県内各地から飛行時間20分以内、長崎市や熊本市からは同約30分で搬送が可能になり、救命率の向上が期待できる。  久保千春病院長は「九大病院は臓器移植など高度先進医療の体制が整っており、西日本での役割は重要。ヘリポート活用でさらに貢献したい」と述べた。  県内では、専任医師が同乗する「ドクターヘリ」を持つ久留米大病院(久留米市)のほか、福岡大病院(福岡市城南区)や済生会福岡総合病院(同市中央区)などにヘリポートがある。【柳原美砂子】 "[he-forum 13490] 毎日新聞社説7/11 毎日新聞社説2008年7月11日付 看護基礎教育 4年制大学化に向け動き出せ  厚生労働省の「看護基礎教育のあり方に関する懇談会」が、これまで専門学校を中心に行ってきた看護師の養成を将来、4年制大学に移行する方向性を打ち出した。医療の高度化などに対応するために、看護職員の資質の向上が求められており、4年制大学での看護師養成は当然の流れである。  日本の大学化の取り組みは遅いと言わざるを得ない。欧州や東南アジアの各国では、すでに大学での養成が行われている。懇談会では「20年先の中長期のあり方」として、大学化を提言したが、悠長なことを言っている時間はない。  大学で看護師養成を行うには、教員の養成や現在ある3年制の専門学校など看護師養成所と大学との統合など、事前の準備に相当な時間がかかる。大学化となれば、厚労省だけではできないので、文部科学省などとの調整も必要だ。  高齢化によって「多病・多死の時代」がすでに始まっている。20年先などと言わず、看護基礎教育の大学化は待ったなしで、準備に取りかかるべきだ。  世界で最も早く進む高齢化の下、看護師の役割は今後ますます重要になる。医療機関だけでなく、広がる在宅医療を現場で支える看護師の仕事は専門性や判断力が求められるようになっている。  現在、専門学校などで8割、大学で2割の看護師が養成されているが、3年制の専門学校では詰め込み教育にならざるを得ない。看護の基礎教育をみると、老年看護学、精神看護学など新しい科目が増えた結果、専門学校では1科目当たりの授業時間や実習時間が減っている。日本看護協会が新卒看護師にアンケート調査したところ「専門知識・技術が不足している」(77%)「医療事故を起こさないか不安」(69%)という答えが返ってきた。こうした点が、就職して1年以内に看護師の1割弱が離職する背景になっている。  医療を支える貴重な人材が、仕事への不安や疲弊によって職場を去っていくことを何とか防ぐことができないものか。欧米では短時間勤務の正職員制度がある。こうした制度を導入して結婚や出産による看護師の離職を減らすための手を打つべきだ。  医師不足への対応策として、看護師により高いレベルの仕事を役割分担してもらうことも今後の課題となっている。また医師と看護師らによるチーム医療を円滑に行うためにも、看護教育の一層の充実を図ることを国民は望んでいる。  大学化を進めると同時にやるべきことがある。看護師の労働条件改善や社会的評価をもっと上げていくことだ。厳しい勤務に耐え献身的に医療を支えている看護師の賃金など処遇を改善し、働きがいのある職場環境を作り上げていく必要がある。 "[he-forum 13491] 西日本新聞7/12 西日本新聞2008年7月12日付 九大 次期学長に有川氏  任期満了に伴う九州大学の学長選は11日、選考会議(議長・重渕雅敏TOTO会長)を開き、次期学長に理事で副学長の有川節夫氏(67)を選出した。任期は10月1日から6年間。  有川氏は同大大学院理学研究科修了。京都大助手などを経て1985年に九大教授。専門は情報科学。2004年から現職で、キャンパス移転などを担当している。  選考会議では、大学院歯学研究院長の赤峰昭文氏(58)、理事で副学長の柴田洋三郎氏(62)を含めた3人から将来構想や教育・研究などの考え方を聴取。合議ではまとまらず、16人の委員による投票を実施。過半数を得た有川氏に決定した。  一方、6月に実施された学内意向投票では、赤峰氏655票、有川氏599票、柴田氏580票。意向投票と選考会議がねじれた結果となった。 "[he-forum 13492] 河北新報7/12 河北新報2008年7月12日付 地域発展へ連携協定 秋田市と秋田大が締結  秋田市と秋田大は11日、幅広い分野で相互に協力し、地域発展につなげようと包括的連携協定を締結した。同大が市町村を対象に協定を結ぶのは初めて。  協定は(1)まちづくりの推進(2)地域産業の活性化(3)教育や文化、芸術の振興―など各種課題への取り組みで協力するとした。事業の企画立案や進行については、連絡調整する部署をそれぞれ定め、協議を行う。  協定の有効期間は3年間。これまでも同大の教員が市の審議会委員として施策にかかわるなどしてきたが、今後は組織的に人的、知的資源を有効活用し、情報交換を進めていく。  協定締結について、秋田市の佐竹敬久市長は「地域振興に関する事業構築を行っていきたい。学生の元気やパワー、柔軟な発想を活力あるまちづくりにつなげる工夫をしたい」とコメントした。 "[he-forum 13493] 共同通信7/10 共同通信2008年7月10日18時48分 医師確保の作業委設置へ 国立大医学部400人増を  舛添要一厚生労働相は10日、栃木県下野市の自治医大などを視察し、地方で深刻化する医師不足対策として、大学医学部の定員増など医師養成の具体策を検討する作業委員会を来週にも設置する意向を示した。  作業委は同大の高久史麿学長ら約10人の医療関係者で構成。舛添氏は記者団に「年末の予算編成に反映させたい」と述べた。  また、医学部定員増に関し「(07年の緊急医師確保対策などで認めた)400人規模で医師数を拡大する構えでいきたい」として、国立大の大幅定員増に向け文部科学省と調整を進める考えを表明。私立大については「定員の約1割増なら(受け入れる)教授や教室もそれほど無理はないだろう」との認識を示した。  政府は重要政策運営の基本指針「骨太の方針2008」で、現在約7800人の医学部定員を過去最多の約8300人まで早急に増員する方針を盛り込んだ。 "[he-forum 13494] 静岡新聞7/13 静岡新聞2008年7月13日付 クイッと“静大日本酒” OBが手掛けた酵母使用  静岡大が「静岡酵母」を使ったオリジナルの日本酒造りに乗り出した。評判の良い静岡の地酒を大学ブランドで開発し、地場産品と大学双方のPRを狙う。全国各地で「大学ブランド商品」の開発が活発化する中、静岡大も参戦した格好だ。  ブランド商品は来年の大学創立60周年を記念して取り組む。静岡の地酒の評価を飛躍的に高めた「静岡酵母」の生みの親で、同大農学部OBの河村伝兵衛さん=昭和40年卒=の功績に着眼し、開発第1弾に日本酒を選んだ。  仕込みは、農学部が藤枝市仮宿の実習水田で栽培した酒米を使う。農薬や化学肥料は使わず、数年前から研究してきた有機水稲栽培技術を活用する。河村さんの紹介で、醸造は島田市の大村屋酒造場の協力を得た。精白度40―50%の純米大吟醸800本の製造を目指す。商品名とラベルデザインは一般市民や学生、教員、OBから公募する。  農学部の学生と教員が6月上旬、30アールの実習水田に酒造好適米「山田錦」の田植えを行った。同学部の鈴木春夫事務長は「大学ならではのこだわりを持って、おいしいお酒を造りたい」と話す。  大学ブランド商品は2004年の国立大学の独立行政法人化以降、大学名と研究成果をアピールする手だてとして公私立を含めた全国の大学で広がりつつある。  米、野菜、精肉、食品加工品、サプリメントなど多種多様な商品がある中、酒類は特に扱う大学が多い。酒所にある神戸大や新潟大などは日本酒を商品化し、鹿児島大は焼酎、東京大は泡盛、京都大はビール、同志社大はワインを手掛けている。  静岡大ブランド日本酒の商品名募集は8月18日まで。ラベルデザインは9月に公募する。問い合わせは同大[電054(238)5179]へ。 "[he-forum 13495] 山梨新聞7/16 山梨新聞2008年7月16日付 工学・医学が連携し人間システム工学 山梨大大学院、検査機器など開発へ  山梨大は15日、来年度に大学院の医学工学総合教育部の修士課程に工学と医学を融合した「人間システム工学専攻」を設置すると発表した。工学部と医学部の教員による複数指導教員制をとり、患者に負担が少ない検査機器の開発などを進める。  同大によると、従来の「自然機能開発専攻」を発展的に改組。定員はほかの専攻から3人を補充して18人。(1)人為的災害に対するリスクマネジメント(2)脳波・心電・生体音響などの多次元信号処理(3)機器の設計・加工(4)音波やレーザー・紫外線などを用いた計測方法-などを組み合わせて学ぶ。  インターンシップを共通科目に組み込み、研究内容に沿った同大の共同研究企業や同大医学部で研修する。研修先では学生に企画発案をさせ、技術の社会還元を図る。  修了者は医学工学融合分野の博士課程への進学も可能。工学技術に医学知識を融合させた教育によって、介護機器や医療・診断機器、救急医療などの分野で活躍する人材育成も目指している。  同専攻の設置は工学、医学部の連携を進めてきた同大の強みを打ち出した格好で、博士課程を中心とした大学院への進学者の減少、学生の工学部離れに歯止めをかける狙いがある。他大学からの進学者確保にもつなげたい考え。 "[he-forum 13496] 日本経済新聞7/16 日本経済新聞2008年7月16日付 社会保障費、自然増8500億円超に 09年度、1000億円拡大  2009年度の社会保障費は、現行制度のままでは今年度より8500億円を超す伸びになる見通しとなった。高齢化で「自然増」は今年度を約1000億円上回る。福田康夫首相は15日、09年度予算の大枠となる概算要求基準(シーリング)について、社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針を了承したが、歳出膨張圧力が一段と高まる。  福田首相は首相官邸で、各省庁の予算要求の上限を定める概算要求基準の基本方針を巡り額賀福志郎財務相と協議。首相は財務省の方針を了承し、「財政再建と予算重点化の両立」を指示した。今年度の予算編成と同様に、社会保障費の伸びを2200億円抑制するほか公共事業関係費を3%、防衛関係費と国立大学運営費交付金・私学助成費をそれぞれ1%ずつ削減する。 "[he-forum 13497] 河北新報7/17 河北新報2008年7月17日付 宮城大教員に年俸・任期制 研究や地域貢献評価  来年度に独立行政法人化する宮城大について県は16日、教員に「年俸制」「任期制」を導入し、研究実績や地域貢献活動を外部評価によって判定する制度を取り入れる方針を固めた。全国の公立大学では、首都大学東京、国際教養大(秋田市)に次ぐ年俸制・任期制の導入になる。  能力主義を徹底することで研究・教育レベルの向上を図り、大学の独自性を高めるのが狙い。法人化後、6年以内に導入する。  年俸制は、教員の研究、教育、地域貢献などの実績をランク付けし、年俸として反映させる仕組み。任期制は、既に食産業学部の講師と助教に導入しているが、教授や他学部にも拡大する。任期は最長5年程度だが、実績に応じて更新もある。  いずれも外部委員を入れた評価機関を設けて判定する。教員の新規採用も外部評価機関の判断に基づいて行う。  村井嘉浩知事は「法人化を機に教職員は、常に緊張感を持って前向きに教育研究に取り組んでもらいたい」と話している。  年俸・任期制の具体案は今後、大学運営の中期目標・計画(2009―14年度)を審議する「公立大学法人宮城大学評価委員会」(委員長・中嶋嶺雄国際教養大学長)で議論する。 "[he-forum 13498] 読売新聞山形7/18 読売新聞山形版2008年7月18日付 産学連携教授、柴田さん第1号  山形大は、地元産業界と連携し、地域活性化に貢献する「産学連携教授」の第1号として、元NECパーソナルプロダクツエグゼクティブアドバイザーで、米沢市在住の柴田孝さん(61)を採用した。  柴田さんは、ノート型パソコンの開発などに携わり、下請けだった企業を開発型企業へ成長させた実績があり、地元企業を発展させるノウハウが期待されている。  同教授制度は、6月に創設。民間企業や行政など幅広い分野で優れた功績を持つ人材を起用し、地域連携を通して大学の研究成果などを地域発展に生かしていくのが狙い。米沢市に置く大学院ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)に所属する。こうした目的で教員を採用するのは全国的に珍しいという。  柴田さんは米沢地域に情報や医療などの分野で新しいビジネスモデルを構築する産学官連携組織の「米沢ビジネスネットワークオフィス」の設立にも尽力した。 "[he-forum 13499] 読売新聞7/18 読売新聞2008年7月18日付 iPS再生医療…京大が広報体制を強化 過剰期待や誤解解消  「新型万能細胞(iPS細胞)を使った再生医療はずいぶん先」――京都大は山中伸弥教授が世界に先駆けて開発したiPS細胞の研究について、患者らの過剰な期待や誤解を解消するため、専属の広報スタッフを配置することを決めた。  昨年11月、人のiPS細胞作製成功の発表以来、患者や家族からの問い合わせが山中教授のもとに数百件寄せられている。iPS細胞を利用した再生医療がすぐにでも受けられると誤解している人も少なくない。だが、iPS細胞は研究途上で、安全性などの観点から、医療応用の見通しは立っていない。  京大では「国費を使った研究で、社会への説明責任がある」として、iPS細胞研究の広報戦略を練るスタッフを全国から1人公募。今年10月以降、広報誌を年4回作製したり、患者向けのシンポジウムを定期的に開いたりして、研究成果を正しく普及させる。  2004年の国立大法人化以降、広報機能を強化する国立大が増えているが、特定の研究分野に限った体制整備は極めて珍しい。 "[he-forum 13500] 西日本新聞7/20 西日本新聞2008年7月20日付 専門医育成45コース創設 長崎大、佐賀大が連携 来春から 医師流出に歯止め  長崎大は19日、佐賀大と連携し、臨床研修医の専門医資格取得を支援する45の専門医育成コースを、来春創設することを発表した。8月にも、両大学にキャリア支援センターを設置し、研修先の紹介や育成コースの開発などに取り組む。県外への医師流出が問題となる中、連携して高度な専門医療を学べる環境をつくることで医師の定着を図る。  長崎大によると、専門医資格は各学会が認定する制度。育成コースは糖尿病、心臓疾患、眼科など臓器や疾患ごとに分かれており、両大学が得意分野を相互補完する形で開設する。  2年間の臨床研修を終えた後期臨床研修医を対象に、定員は計約180人。研修医は支援センターのアドバイスなどを参考に必要な育成コースを選んで学ぶことができ、効率的に資格取得のための実習経験や知識を身に付けることができるという。支援センターのスタッフは長崎大が4、5人、佐賀大が2人の予定。  長崎大の斎藤寛学長は「西九州の連携で全国どこでも通用する専門医を育てられる環境ができた」と話している。 "[he-forum 13501] 日本経済新聞北陸7/19 日本経済新聞北陸版2008年7月19日付 富山大など23大学病院、専門医養成へ連携 地元定着狙う  富山大は福井大、高知大、長崎大など県外の22の大学病院と組み、高度医療に携わる専門医の育成に乗り出す。各大学病院が強みとする診療科で培った最先端の知識や技術を持ち寄って研修プログラムを構築。地方大学単独では育成が追いつかない高度医療の専門医を確保し、地域に定着させるのが狙い。  文部科学省が今年度、新規に取り組む「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」として18日、初認定を受けた。  内科、産科、小児科など、提携先の大学病院で特色ある診療を実施している医師とのネットワークを生かし、工夫された113の専門医養成コースを設ける。医師はそれぞれ、追求したいテーマに沿って診療研究を深めつつ、専門医としての活動領域を広げられる。  コースの中に大学院での臨床研修も取り込み、研修医の確保や地元での開業にもつなげる考え。富山大としては、その特色である和漢薬診療をはじめ「東西医学の統合」を、他県の提携病院に発信する好機とみている。 "[he-forum 13502] 読売新聞社説7/22 読売新聞社説2008年7月22日付 医師不足対策 増員だけでは10年かかる  医師不足を解決するには、相当に思い切った対策が必要だろう。  厚生労働省がまとめた「安心と希望の医療確保ビジョン」を具体化するための有識者会議が発足した。  厚労省は新ビジョンで、医師の養成数をこれまでの「抑制」から「増員」へと方針転換した。  医学部の入学定員を現在の約7800人から、どこまで増やしていくのか。有識者会議はまず、これを明示する必要がある。  医師数の抑制方針がとられる以前は、最大で年間8300人の医師を養成していた。ピーク時の水準までは早急に回復させるべきだろう。その上でさらに増員するのか、展望も示さねばなるまい。  だが、医学部の入学者が一人前の医師になるまでには、10年程度かかる。増員計画と同時に、即効性のある対策も不可欠である。  喫緊の課題は、新人医師の臨床研修制度の改善だ。  かつて新人医師の大半は、大学病院の医局で研修していた。しかし、専門分野に偏った医師が育つ弊害が目立ったために、一般病院でも研修できるようになった。  若い医師に幅広い臨床能力を身につけさせるという、制度の目的は理にかなっている。  ところが、研修医が予想以上に減って人手不足となった大学病院が、自治体病院などに派遣していた中堅医師を引き揚げた。  これが急激な医師不足現象の大きな要因である。研修医の多くは都市部の病院を研修先に選び、医師偏在に拍車もかけつつある。  これを改めるには、研修先の選択方法に工夫が求められる。各都道府県に満遍なく研修医が配属されるような定員調整が必要だ。  また、これまで大学の医局に医師派遣を頼ってきた自治体病院に対し、必要な医師を配置する仕組みや組織作りも重要である。  有識者会議は、診療報酬の在り方にも踏み込んでもらいたい。  今日の医師不足は、言い換えれば「勤務医不足」だ。  総じて勤務医は、開業医より収入が低く、長時間勤務で医療に従事している。産科や小児科、救急など、昼夜を問わず診察を求められる部門は過酷だ。耐えかねた医師が開業医に転身している。  現状に歯止めをかけるには、勤務医向けの診療報酬を大胆に手厚くする必要があろう。開業医が交代で病院の夜間診療を応援する、といった取り組みにも、大いに報いるべきだ。  本当に必要な医療に、財源を集中することが重要である。 "[he-forum 13503] 産経新聞山梨7/23 産経新聞山梨版2008年7月23日付 山梨大「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」に採択  山梨大は22日、文部科学省が今年度から募集を始めた「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」に、申請したプログラムが採択されたと発表した。同大学は浜松医科(静岡県)、北里、聖マリアンナ医科(神奈川県)、昭和(東京都と山梨県)の4大学と連携し、若手医師や教員を相互に派遣。高度に専門性を持った人材を育成したいとしている。  申請28件のうち採択された19件に文科省から補助が出る。山梨大などは診療科別や高度技術取得型、女性医師キャリア形成型など5つの専門医養成コースを設置。山梨大は肝臓疾患、北里大は総合的なガン治療法などそれぞれ得意領域があり、若手医師が連携した他大学も訪れ、自由に学んで専門性を高めることを狙いとしている。また医師不足のなか、山梨大は他大学からより多くの医師が派遣される効果も期待している。 "[he-forum 13504] 時事通信7/24 時事通信2008年07月24日15時44分 奨学金の回収努力、不十分=財務省  財務省は24日、独立行政法人日本学生支援機構が大学生などに貸与する奨学金について、回収努力が不十分として運用改善を求めた。同省の調査によると、返済が滞った場合に保証機関が債務を肩代わりする制度を利用しないことによって、延滞となっている債権が今年2月時点で797件、10億2100万円に上っていた。  同機構の奨学金には、将来返済が困難になった場合に備え、債務者が一定の保証料を支払うことを条件に、財団法人日本国際教育支援協会の代位弁済制度がある。実際に返済が滞った場合は、機構が協会に債務の肩代わりを請求して、協会が奨学金の残額を返済。その後、改めて協会が奨学生に返済を求める。  財務省によると、2006年度の同制度の利用はわずか11件(700万円)にとどまる一方、機構が協会に肩代わりを請求していない事例が多く判明した。機構は債務者と連絡が取れなくなったことなどを理由に挙げているが、財務省は「債務者の監督が不十分」と結論付けた。 "[he-forum 13505] 共同通信7/23 共同通信2008年7月23日21時06分 計画の見直し必要ない 中教審特別委が談話  司法試験合格者を2010年ごろに年3000人まで増やす政府計画について、法科大学院の質に問題があるなどとして見直しを求める意見が出ていることに、中教審・法科大学院特別委員会は23日、「計画の見直しを必要とするほどの重大な問題は存在しない」とする談話を、座長の関西学院大大学院・田中成明教授名で出した。  政府計画をめぐっては日弁連が一部の法科大学院で厳格な成績評価、修了認定がされていないなどとして計画のペースダウンを提言。談話は「一部大学院では改善が必要な問題があり、真摯に取り組むべきだ」としたが「総体としては、多くの大学院で司法制度改革で期待されている役割を十分に果たしている」と反論した。  同委員会は、法科大学院の教育の質向上を検討するため作業部会で、年度内に一定の結論を出す予定にしている。 "[he-forum 13506] 毎日新聞7/24 毎日新聞2008年7月24日付 09年度予算:交付金の削減幅の拡大、国立大が反対アピール  国立大学協会(会長・小宮山宏東京大学長)は23日、政府が09年度予算の概算要求基準(シーリング)で「重点化促進枠」を3000億円に拡大するため、国立大の運営費交付金の削減幅を3%に拡大する方針を固めたことに「教育の質を保つことは難しくなり、一部国立大学の経営が破綻(はたん)する」と反対する声明文を発表した。  同協会は「緊急アピール」として、削減幅拡大で▽地域の医師などの人材育成機能が低下する▽基礎研究の芽をつぶし、これまで積み上げてきた国の高等教育施策の成果を根底から崩壊させる--などと訴えている。 "[he-forum 13507] 平和教育に役立つ本 ""Faslane 365"" 佐賀大学の豊島です.平和教育に役立つと思われる本の紹介です. 社会運動に関することなので,平和教育だけでなく,分野は違います が,大学問題での組合や団体,個人の取り組みにも示唆を与えることが あると思います.8月1日に発売されます.アマゾンで予約 可能です. http://www.amazon.co.jp/Faslane-365-Angie-Zelter/dp/190630761X/ref% 3Dsr_1_2?ie=UTF8&s=english-books&qid=1216801483&sr=1-2 Faslane 365 - a year of anti-nuclear blockades 編者 Angie Zelter(アンジー・ゼルター) 出版社 Luath Press Ltd ISBN-10: 190630761X ISBN-13: 978-1906307615 イギリスの核を廃絶するための「ファスレーン365」と名付けら れた野心的なキャンペーンが一2006年10月から1年間にわたっ て,スコットランドのファスレーン基地前で繰り広げられました.これ は,イギリスの核兵器を更新するかどうかの決定が行われる機会を生か して,核兵器基地の入り口に1年間,各国の市 民 が交替で座り込み,非暴力の抗議をすることで基地の機 能を麻痺させ,核兵器が国際法に違反することを際立たせ,更新 反対の世論を高め,更新の中止=英国の非核化を実現しよう というものです.日本からも筆者を含め12名が,ちょうど1年前の今 日,ゲート前に座り込みました. この1年間にわたる参加各チームの行動を集大成したのがこの本です. 編者であるアンジーさんの総論には,(まだ全部読んでいませんが)こ の計画を思い立った経緯とその初期段階での苦労など,非常に興味深い ことが書かれており.ここには,どこの国の運動にも当てはまるような 知恵が含まれているようです. ご多分にもれず,イギリスでも平和運動や反核運動が低調な中で,1年 365日,毎日100人も動員するような ""mad plan"" がどうし て実現できたのか*,なぜやらなければならなかったかなど,社 会の必要性と運動団体,個人の創造性とに関する重要な数々の示唆が含 まれているように思います. 日本関係では,私の1ページ半の文章(105-106ページ)の他, そのすぐ後に,ピースボートの安原さんによる,若者たちが世界周遊の 船上で,そして現地でどう変わっていったかについての,興味深いレ ポートがあります. このキャンペーン期間の真っ最中にスコットランド議会の選挙が行わ れ,非核化を掲げるスコットランド国民党が勝利しました.スコットラ ンド人はまさに「非核の政府」を勝ち取ったのです.これにファスレー ン365が少なからず寄与したことは間違いありません. 本当に社会的な変化を実現するには何をしなければならないかという, わが国の運動が学ぶべき多くのことが詰まっていると思います.反核運 動や平和運動に限らない,普遍的なアイデアが多く含まれていると思い ます.是非お読みいただくようお願いします. 次のブログ記事等もご覧下さい.関連書籍へのリンクもあります. ブログ http://faslane365.blog86.fc2.com/blog-entry-54.html ウェブ http://www003.upp.so-net.ne.jp/maytime/F365/book-f365.html ------------------  * 実際には189日で,動員も100名に達することは まれでしたが,  それでも空前の規模と言えます. なお,このキャンペーン関連で,筆者は8月3日と5 日に広島でイギリスの非核化についてプレゼンをします. 原水協,原水禁,そして地元の市民グループによる小さな集会と,計3 回プレゼンをします.ご参加いただければ幸いです. http://faslane365.blog86.fc2.com/blog-entry-53.html 8月3日 原水爆禁止2008年世界大会(原水協)国際会議 第一分 科会      厚生年金会館 14:00~18:00 8月5日 被爆63周年原水禁世界大会(原水禁)特別分科会(原 水禁運動交流)      自治労会館3F 14:00~16:30  〃   8.6ヒロシマ平和へのつどい2008 第2部 記 念講演と討論      市民交流プラザ北棟研修室 18:00~19:30 最後の集会ではファスレーン365の中心メンバーでアクロニム研 究所所長のレベッカ・ジョンソンさんが記念講演をします.詳しくは次 のサイトをご覧下さい. http://www.d6.dion.ne.jp/~knaruaki/tudoi/2008/2008page1.html 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 13508] 読売新聞7/25 読売新聞2008年7月25日付 大学売り出す「研究成果」  研究で得られた成果を商品化して積極的に売り出そうという活動が国内の大学で盛んになっている。“大学ブランド”の商品を広報媒体として活用しながら、研究そのものをPRする狙いもある。  国立大学協会によると、全国の国立大が、研究を生かした商品開発や販売に積極的に取り組むようになったのは2004年4月の大学法人化以降。同協会が今年2月の時点でまとめたところ、55の国立大で商品の販売を始めたり、製品化に成功したりしていた。  この中には“大学ブランド”として認知されつつある商品もある。  筑波大の山海(さんかい)嘉之教授が1990年代から基礎研究していたロボットスーツ「HAL」は、腕や脚に装着し、人間の意思に従って体の動きを補助する器具で、高齢化社会が進む中、福祉施設などから問い合わせが増え始めた。そこで山海教授は04年6月、自らが社長となってベンチャー企業「サイバーダイン」(茨城県つくば市)を設立。今年4月からは、つくば市内に研究開発センターの建設を始め、10月からは段階的に年400~500台を生産できるようになる。  小学館の情報誌「DIME」も06年4月~07年12月にかけ、国公私立37大学の農学系39の研究室から誕生した商品を紹介した。  その一つ、佐賀大の野瀬昭博教授が砂漠化防止用に研究している南アフリカ原産の植物「アイスプラント」は、食用野菜「バラフ」として同誌に掲載されて注目を集め、関東や関西のデパートで販売されるようになった。野瀬教授は「野菜が売れれば、多くの学生が私の研究にも関心を持ってくれるはず」と期待を寄せる。  DIMEで、この特集を企画した松元浩一・前編集長は「少子化の中、優秀な学生を集めるには研究成果のPRが必要な時代になっている」と話している。(渡辺光彦) "[he-forum 13509] 中国新聞4/26 中国新聞2008年4月26日付 4大学が研修医育成へ連携  島根大と鳥取大、神戸大、兵庫医科大の4大学は10月から、研修医の育成・確保に向け連携を始める。研修医が各大学病院の得意分野の臨床研究を学べる研修メニューを組む。研修医を大学病院で確保して優秀な専門医や研究者を育て、将来的には地方の医師不足の解消も狙う。  「山陰と阪神を結ぶ医療人養成プログラム」を名付けた。医学部卒業後3年目以降の後期研修医が対象となる。これまでは1つの病院で研修をしていたが、4大学の付属病院や関連病院を1、2年ごとに移りながら研修できる。神経内科や皮膚科など175コースを用意する。  島根大の木下芳一医学部長が神戸大医学部卒であることなどから4大学が組んだ。4年前の新研修制度の導入で、島根大の場合、医学部の卒業生のうち、付属病院に残る研修医は約5割から約2割に減っている。新プログラムで後期研修医を確保するとともに、医療技術の向上を図る。 "[he-forum 13510] 読売新聞7/26 読売新聞2008年7月26日付 国の機関と出資法人、談合損害125億円を回収できず  府省庁など国の機関や国の出資を受けた国立大学法人などが昨年11月までの約5年半の間に結んだ民間企業との工事などの契約で、談合による損害が340億円を超え、そのうち125億円を回収できていないことが25日、会計検査院の調べでわかった。  契約に「違約金条項」を盛り込んでいなかったため、契約相手方が請求に応じないことが主な理由だ。検査院は「税金を使う各機関は積極的に条項を盛り込むべきだ」と指摘している。  調査対象は、39の国の機関と、独立行政法人や国立大学法人など国が2分の1以上を出資する207の法人。2002年4月から07年11月の間、工事、設計、物品購入、役務に関して結んだ契約で、談合発覚後に違約金を請求できる条項の有無と、損害の回復状況を調べた。  その結果、外務省、経済産業省、参議院など10機関と、造幣局や商工組合中央金庫など28法人が条項を盛り込んでいなかった。法務省や環境省など19機関や日本中央競馬会や大阪大学など70法人でも、契約の一部に条項がなかった。  調査対象期間中に発覚した談合事件は、官公庁などが発注した航空写真測量業務の発注を巡る談合など23事件。これらの契約に関して、違約金条項がない発注者が請求した損害総額は計111億円であるのに対し、回収できたのはわずか6億円。一方、条項を盛り込んでいた発注者は損害金232億円のうち212億円を回収でき、条項の有無が、損害回収の明暗を分けた。  1990年代後半から、談合による損害金は、自治体住民が落札業者に対して住民訴訟を起こして返還を求めていた。しかし、訴訟では返還までに時間がかかるなどの理由で、国土交通省が2003年、他省庁に先駆けて違約金制度を導入。これが「標準モデル」となり、全国の公的機関や民間企業が導入を進めていた。 "[he-forum 13511] 福井新聞7/25 福井新聞2008年7月25日付 交付金削減で、見直し求め緊急声明 福井大学長  財務省が2009年度予算の概算要求基準(シーリング)で、国立大に対する運営費交付金の削減幅拡大を検討していることについて、福井大の福田優学長は24日、「教育研究機能に重大な支障をきたす」などとして見直しを求める緊急声明を発表した。  国が配分する運営費交付金は「骨太の方針2006」に基づき、毎年1%ずつ削減されているが、財務省は09年度シーリングから3%に拡大する方針を示している。同大に本年度配分された運営費交付金は約98億円で、3%削減されれば、約3億円の影響があるという。  声明では、3%削減で大学全体の教育研究の基盤経費に相当する資金が失われると指摘。さらに大学の教育研究機能の低下だけでなく、地域の経済成長の可能性を損ねると訴えている。  福井県庁で記者会見した福田学長は「教職員手当の一部凍結などで独自に予算を工面して進めている、原子力研究所の整備や教職大学院の運営、医師確保対策などが非常に困難になる」と強調した。  福田学長は同日、西川知事と面談。声明文を手渡し、財務省や文部科学省への働き掛けを要請した。知事は「大学は地方にとって学術、文化の拠点。国の考え方も聞かなければならないが、地元大学の意向は伝える」と話した。同大は今後、県選出国会議員にも協力を求める方針。 "[he-forum 13512] 日本経済新聞北陸7/25 日本経済新聞北陸版2008年7月25日付 富山大、産学連携拡充へ新組織 地域密着深める  富山大は地域に根差した産学連携や生涯学習などを強化しようと、新たな学内組織「地域連携推進機構」を設置した。従来、関係する各部門がバラバラに機能していたが、同機構の下に統合。情報交換を密にし、迅速な意思決定をめざす。国立大は最近、法人化や少子化の影響で厳しい経営環境に置かれており、産学連携の拡充などを通じて存在感を高め、生き残りを図る考え。  地域連携推進機構には▽産学連携▽生涯学習▽地域づくり・文化支援▽地域医療・保健支援――の4部門を設けた。この4部門を統括する組織として「運営企画会議」を置き、意思決定を一体的に進める。機構長には鏡森定信副学長が就いた。40人程度が所属する。  中核となる「産学連携部門」は、企業との共同研究などに取り組む「地域共同研究センター」、起業家を育てる「ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)」、「知的財産本部」の3組織を統合して設置した。それぞれの組織の壁を取り払い、企業からの窓口を一本化することで、よりスピーディーに連携を進められるとみている。 "[he-forum 13513] 河北新報7/26 河北新報2008年7月26日付 東北大、三井住友銀と協定 中小企業を支援  東北大は25日、三井住友銀行(東京)と産学連携に関する協力協定を締結したと発表した。東北大の工学的技術を三井住友銀行を通じて取引先に提供し、全国の中小企業を支援するネットワーク構築を目指す。  同大がメガバンクと産学連携で提携するのは初めて。半導体や材料、電子関連分野の研究と知的財産を活用。中小製造業を中心とした三井住友銀行の取引先企業が抱える技術的課題について解決策を図る。  三井住友銀行の営業拠点が接する取引先企業の経営課題や技術相談について、銀行本部の専門部署が集約する。企業のニーズに合った東北大の研究室や教授を探しだし、研究者への引き合わせまで支援する。  ほかに、実用化が見込める東北大の知的財産を三井住友銀行の顧客に紹介する。  東北大の産学連携推進本部は「東北大の技術を中小企業に橋渡しできれば」としている。 ◎実験動物研とも協力協定を締結  東北大と実験動物を扱う財団法人・実験動物中央研究所(川崎市)は25日、生命科学、材料科学など異分野融合の共同研究や人材育成を目指し、協力協定を結んだ。  東北大と実中研はこれまで、大学院医学系研究科、加齢医学研究所などで個別の研究協力を進めてきたが、協定により包括的な連携を強める。  研究施設を相互に利用し、既に実績のあるライフサイエンス分野のほか免疫不全症の薬剤開発、社会科学関連の分野で共同研究を推進。研究者の交流を深めるとともに、共同で研究教育の場を設置し、若手研究者、技術者らを育成する。  仙台市青葉区の東北大であった調印式で、井上明久総長は「実中研の技術、品質、信頼と大学の研究を融合し、健康問題解決に貢献したい」とあいさつ。実中研の玉置憲一理事は「東北大の工学的テクノロジーと実中研のノウハウを生かし、新しい生命科学を世界に発信したい」と話した。 "[he-forum 13514] メディア・リテラシー教育に関する本 佐賀大学の豊島です.もう一件,別の本の紹介です.(末尾に別件で予 算削減問題) 「カナダのメディア・リテラシー教育」という本が今年2月に出ていま す.これは小中高を対象とした教育に関することですが,大学のメディ ア・リテラシー教育にとっても,大いに役立つどころか重要な示唆を多 く含んでいると思います. カナダのメディア・リテラシー教育 上杉 嘉見 (著) ,明石書店 (2008/02), 6,510円 ISBN-10: 4750327174 ISBN-13: 978-4750327174 一読して,カナダのこの「先進的な」事例に大いに啓発されると同時 に,考えてみれば至極あたりまえのことを,なぜ日本の教育者が,また 各国の教育者がやっていないのか,ということが強く後悔されます.自 動車が増えれば「交通安全教育」が必要になるように,メディアの影響 力が強まればそのプロパガンダから自己を防衛するための教育も重要に なっていたのです. このような教育の必要性は以前から言われていたことですが,系統的, 組織的な取り組みがされなかったのは大変な失敗というべきででしょ う.もし日本で同じようなレベルのメディア・リテラシー教育が行われ ていたとしたら,世の中は全然違ったと思われます.若者たちは「自己 責任」というコピーに代表される資本主義過激派のプロパガンダに騙さ れず,社会や政治への関心を保ち,少しはまともな政府が選べたでしょ う. 小泉が首相になることもなかったでしょうし,「ワーキング・プア」が 大量に出て,その結果として「蟹工船」がブームになることもなかった でしょう. 驚くことに,この本は大学院の博士論文に加筆したものとのことです. さわりは最終章ですが,その中でも白眉は,カナダのメディア・リテラ シー教育の教科書が教材として扱う「カルチャー・ジャム」に関する部 分です.この先端的な部分を紹介すれば,他の「穏健な」部分のレベル がどの程度かも想像できるでしょう. そこで,この本の,そして最終章の主要な内容である,放送や新聞に関 する部分をとばして,「メディアとしての都市空間」の部分から紹介し ます.「カルチャー・ジャム」とは,「広告のメッセージをドラス ティックに変える目的でそれをパロディー化したり乗っ取る行為」だそ うです.この運動の推進者は,その名も「アドバスターズ」という雑誌 も出しています.(「アド」は広告,「バスターズ」は「ゴーストバス ターズ」でおなじみ.)活動は雑誌にとどまらず,街頭実践,フィール ドワークも行っています. この活動家たちは,「マスメディア,あるいは都市というメディアを介 して発せられる宣伝のメッセージに対抗し,公共の空間において黙殺さ れ続けている不平等なコミュニケーションのあり方を告発する」ため に,パロディー広告や街の壁への落書き,さらにはコンピュータへの ハッキングまでもやるそうです.この活動を取り上げるメディア教育の 教科書は,「誰が都市景観を所有しているのか? 広告主か,あるいは その地域の住民か? 人々が目にするものを,誰が決めるべきなの か?」という問いを生徒に投げかけています. すなわちこの問いかけは,落書きまでする「カルチャー・ジャム」の活 動家について,少なくともその問題意識に関しては基本的に支持する姿 勢だとこの本の著者は見ています. 以上は特に先鋭的に目立つ部分で,もちろん内容の大半は,オーソドッ クスな,テレビや新聞を扱かったものです. 大学としてやれることは,急ごしらえでも教養教育のカリキュラムに 「メディア・リテラシー」の科目を入れて,「リメディアル」教育を実 施することだと思います. ----------------- 別件です.政府は,国立大学への交付金削減について,1%どころか, 3%などという数字を出してきています. http://university.main.jp/blog6/archives/2008/07/post_365.html 1%削減問題しても,全大教はこれに抵抗し撤回させるべく圧力をかけ る運動をして来たのでしょうか?全く見えません.機関紙「全大教」に 関する限り,いわゆる“対話と圧力”の,「対話」のシーンしか見受け られません.先日,所属の組合の定期総会が開かれましたが,執行部の 方針案は,1%削減を避けられない前提とした「骨細」なもので,これ を撤回させるための全国的運動など影も形もありませんでした.ちなみ に,このような定率の機械的予算削減などということは,独法化の際の 国会の付帯決議に明らかに違反すると思うのですが・・・. 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 ","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","owner-he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP","k高等教育フォーラム k高等教育フォーラム","he-forum@ml.asahi-net.or.jp","SMTP",,,,,,,,,"標準" "[he-forum 13515] 運営費交付金削減幅3%拡大の閣議決定を許さないためにただちに行動を! 運営費交付金削減幅3%拡大の閣議決定を許さないためにただちに行動を! 2008年7月27日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 国立大学協会は23日、政府が09年度予算の概算要求基準(シーリング)で「重点化促進枠」を3000億円に拡大するため、国立大の運営費交付金の削減幅を3%に拡大する方針を固めたことに「教育の質を保つことは難しくなり、一部国立大学の経営が破綻(はたん)する」と反対するとの小宮山会長名による緊急アピール(末尾資料1)を発表した。これに呼応し、各大学では削減幅3%拡大反対の声が急速に拡がっている。例えば福井大学では福田学長が反対の意思を表明し、西川福井県知事へ交付金確保のために協力要請を行ったことが報道されている(末尾資料2)。文科省も22日に行われた全大教(全国大学高専教職員組合)からの緊急の申し入れに対して「3%のシーリング枠、運営費交付金のこれ以上の削減には反対の立場で取り組む」と表明している。 こうした強い抗議のなかで政府は、「国立大学運営費(交付金)・私学助成費のそれぞれ同1%削減などを続ける」との方針を表明しているとの報道もある(7月26日『毎日』)。しかし、29日(火)の閣議決定で運営費交付金削減枠3%拡大の危険は依然として去っていない。既に1%の削減によって瀕死の状態にある多数の大学は、3%への拡大によって第二期中期目標期間の前に崩壊に至るであろう。すべての大学教職員に対して、そして大学内の各機関に対して29日に予定されている閣議において絶対に削減幅3%拡大を決定させないために、それぞれの方法によって緊急の行動を起こされることを訴える。 【資料1】 平成20年7月23日 概算要求基準における国立大学法人運営費交付金の削減幅を3%とする方向の検討について(緊急アピール) 社団法人 国立大学協会 会長 小 宮 山 宏 国立大学は、これまで、我が国における知の創造拠点として高度人材育成の中核機能を果たすとともに、高度な学術研究や科学技術の振興を担い、国力の源泉としての役割を担ってきました。 しかしながら、国立大学法人の財政的基盤である運営費交付金は、骨太方針2006 に基づき、毎年△1%の適用を受け、削減され続けており、各法人では各々が懸命の経営努力により対応しているものの、その努力も限界に近づきつつあります。 それにもかかわらず、最近、政府部内において、来年度概算要求基準における運営費交付金や私学助成費の削減幅を3%とする方向で検討が行われていると仄聞しています。 そのような運営費交付金等の大幅かつ唐突な削減が行われれば、教育の質を保つことは難しくなり、さらには一部国立大学の経営が破綻することとなります。また、地域における医師等の人材育成機能が低下するだけでなく、学問分野を問わず、基礎研究や萌芽的な研究の芽を潰すなど、これまで積み上げてきた国の高等教育施策とその成果を根底から崩壊させることとなります。こうした結果を招来するならば、「教育振興基本計画」や「留学生30万人計画」等の実施に支障が生ずることも明らかです。 つきましては、国立大学運営費交付金の大幅削減に強く反対するとともに、その確保・充実を求めます。 【資料2】 09年度予算:シーリング 知事に交付金の確保で協力要請--福井大学長 /福井  政府が09年度予算の概算要求基準(シーリング)で、国立大の運営費交付金の削減幅を1%から3%に拡大する方針を固めたことを受け、福井大の福田優学長は24日、西川一誠知事を訪問し、削減反対と交付金確保に向けた協力を要請した。福田学長は、「3%削減は教育研究機能に重大な支障をきたす」などとする声明文を手渡し、「交付金が削減されれば、高等教育がだめになってしまう。知事からも関係省庁に交付金確保を要請してほしい」と訴えた。これに対し、西川知事も「地方の大学の危機的な意識を伝えたい」と同調した。(毎日新聞 2008年7月25日 地方版) net.or.jp","SMTP","首都圏ネット事務局","info@shutoken-net.jp","SMTP",,,,,,"標準" "[he-forum 13516] 読売新聞7/26(2) 読売新聞2008年7月26日付 さまよう「博士」、修了者の25%が「浪人」 大学には残れず 就職も厳しく  大学院の博士課程を修了した若者たちの就職難が止まらない。特に苦労しているのが文系の人たちだ。大学教員は狭き門。民間の受け入れ先も少ない。そんな中、面接のコツを教えたり、就職先を紹介したりする企業も登場している。(社会部 竹井陽平)  文部科学省の調査によると、昨年3月の博士課程修了者1万6801人のうち行き場のない人は4146人。実に25%が「浪人」を余儀なくされたのだ。しかも、この数字にアルバイトなどは含まれていない。  「この先どうなるんだろう」。早稲田大学大学院博士課程に在籍中の牛山美穂さん(28)は不安になる。文化人類学専攻。論文が完成したら複数の大学に送り、助教など研究職を探すつもりだ。が、周囲には博士号を取っても給料の安い非常勤講師をかけもちしなければ生活できない人が多く、牛山さんは「どこでもいいから正規の仕事を」と焦りを隠さない。  「高学歴ワーキングプア」(光文社新書)を著した水月(みづき)昭道さん(41)は「博士号を取っても、大学教員になれるのは数十人に一人」と語る。自身も博士。今は立命館大学の研究機関の研究員だが、2011年3月には任期が切れるため、また就職活動をしなければならない。「コンビニで働いている人もいる。今や大学院はフリーター生産工場だ」  民間企業も採用には消極的。博士課程の修了は最速27歳だが、留学などで30歳を過ぎ、企業の募集年齢を超えてしまう人も多いからだ。さらに企業側には「専門知識で頭はこちこち」「社会常識や協調性に欠ける」といった偏見が広がっているという。  大学院生専門の就職支援会社「D・F・S」(東京・渋谷)の林信長社長(33)は真っ向から反論する。「院生は優秀です。なにせ一つの研究をやり遂げた人たちだから。何もしなかった学生より能力は磨かれている」。同社は一昨年から受け入れ先の企業を開拓。大学院生の就職指導も手がけている。  院生自身が自分の能力に気づいていないケースもある。順天堂大学大学院の博士課程でスポーツ社会学を専攻した市川朋香さん(28)は当初、就職試験に落ちまくった。Jリーグが研究テーマだったため、サッカーチームの運営会社やマスコミを受験。面接では決まって研究成果を“発表”したが、採用担当者の反応は今ひとつだった。  市川さんは、林さんの会社でアドバイスを受けて目覚めたという。「研究を通して、自分には分析力、論理力、発表力が身についているのではないか」と。自己の適性に気づき、IT関連のデータ解析会社を受けた市川さんは、すんなり合格。この春から新入社員として元気に働いている。  バブル時代の教育政策で膨れあがった高学歴な人々が、迷路に入り込み、扉が開くのを待っている。  大学院生倍増計画 大学院生が増えた背景には、大学院生の数を倍にすべきとした1991年の大学審議会の答申がある。大学院を新設する大学への補助金が増額され、大学院が作られた。91年時点で320だった大学院の数は、昨年5月には598に。院生も約10万人から約26万人に増加した。 "[he-forum 13517] 東日新聞7/28 東日新聞2008年7月28日付 技科大と静大が県境超え連携  豊橋技術科学大学(榊佳之学長)と静岡大学(興直孝学長)は連携して推進する文部科学省・産学官連携戦略展開事業「戦略展開プログラム(特色ある優れた産学官連携活動の推進)」に採択され、8月1日に浜松市のオークラアクトシティホテル浜松でプログラム発会式を行う。  同事業は、愛知県から静岡県に至る県境をまたぐ共通の産学連携体コンソーシアムを構築し、地域の各機関がもつ特性を十二分に生かすことにより、地域の産業発展をめざす。  戦略展開プログラム発会式は午後3時30分に開始、興静大学長、榊豊橋技科大学長がそれぞれあいさつする。  続いて文科省研究振興局研究環境・産業連携課技術移転推進室の吉田秀保室長補佐が戦略展開プログラム事業の内容について説明。静大のイノベーション共同研究センター、木村雅和センター長、豊橋技科大の産学連携推進本部、田中三郎本部長補佐がそれぞれ取り組みについて説明する。  日本弁理士会会長、太陽国際特許事務所長で弁理士、中島淳氏が「知財人材の育成~ 大学と地方自治体への期待」と題し、特別記念講演する。  閉会後、情報交換会もある(会費3000円)。 "[he-forum 13518] 7/29しんぶん赤旗 2008年7月29日(火)「しんぶん赤旗」 立命館大学はいま 教学優先へ大学人の取り組み  立命館大学では七月十五日に京都市内で、「立命館の危機を克服し、 新たな学園創造をめざす大集会」が開かれました。約五百人の学生をは じめ、教職員、卒業生、市民など七百五十二人が参加し、活発な意見交 換が行われました。  この間、「拡大路線のひずみ噴出」(「読売」六月二十一日付)、 「改革再生へ正念場」(「毎日」同二十九日付)、「『学生軽視』背景 に」(「京都」同二十一日付)など、立命館大学で生起した諸問題がい ま社会的に大きな注目を集めています。  この直接のきっかけは、「特別転籍」問題です。  学校法人立命館は、入学手続者が定員の一・四倍を超えた生命科学部 で、新入生に他学部への「特別転籍」を募りました。これについて、文 部科学省から、「教育上の合理的な理由があったと判断できず」と指摘 され、私立大学等経常費補助金を25%(約十五億円)減額される重い 処分を受けました。 学生軽視に批判  この問題をめぐり、文学部、産業社会学部、国際関係学部、映像学部 の各学生自治会が、学生大会などで「特別決議」を採択し、「学生を軽 視し経営主義の判断をしたことは立命館学園の社会的信頼を失墜させ た」(文学部自治会)、「経営優先の運営をしてきた理事会は大きく方 向転換を」(国際関係学部自治会)と指摘し、学園指導部の「退陣」を 要求するに至っています。また、多くの学部教授会で同趣旨の「教員団 決議・声明」が採択されています。  同時に、大学が学友会費の「代理徴収」の廃止を突然提案したことへ の怒りも、「大集会」に五百人の学生が参加する背景となっています。 集会では、多くの学生がこの問題で次々に発言。とくに「代理徴収」を 廃止し、大学の予算枠で学生の自主活動を支援する新たな制度を設ける との提案に対し、「学生は大学の顧客ではない。自治の担い手」「自治 への介入は許されない」などの訴えが相次ぎ、学園の自治と自主活動を めぐる学生のエネルギーの大きさが示されました。  さらに、今回の「特別転籍」のほかにも、全教職員に対する突然の一 時金一カ月カット(〇五年)、総長選挙規定の改定(〇六年)、学生に は耐え難い高学費を押しつけておいて前理事長・前総長には「退任慰労 金」の倍増による総額一億六千万円の支給(〇七年)をするという、一 連の問題があります。  「学生や教学を軽視して、経営主義と拡張路線をすすむやり方でいい のか」「これ以上立命館の民主主義を掘り崩してもいいのか」「学園指 導部の『専断』的なやり方はもう限界。民主的な学園創造と運営の新し い体制を」との声が公然とあがり、学園運営の抜本改善を求める学内世 論が広がっています。  こうした声と学内世論を受けて、十五日の「大集会」の「宣言」は、 「〇五年以来の専断的ガバナンスと学園指導部の運営能力の欠如」「退 任慰労金などで明らかになったモラル・ハザード」などと指摘。立命館 大学の「危機」を克服し、新たな学園創造に向かうには、「学部長理事 を中心とした教学重視の立場に立つ常任理事会を再構築していく以外に 道はない」と呼びかけました。 大学自治の意義  立命館大学は、戦後いち早く「学内理事会制」を確立し、学部長を全 員理事として、大学の運営に関しては「学内理事会」にまかせることを 理事会の合意(一九五一年二月)としました。また、大学運営の基本問 題については理事会だけで決めるのではなく、大学の自治の担い手とし て教職員や学生を認め、おのおのの階層の代表として学生自治会、教職 員組合が参加する「全学協議会」体制を確立しました。(一九四八年九 月)  「立命館憲章」では、学園の運営にあたり、立命館は「自主、民主、 公正、公開、非暴力の原則をつらぬき、教職員と学生の参加、校友と父 母の協力のもとに、社会的連帯を強め、学園の発展に努める」とうたっ ています。  自民党政治によって「大学の構造改革」がすすめられ、し烈な大学間 競争が展開されるなかで、立命館大学が教学を優先し、学生と教職員が 生き生きと発言し、学園運営に誇りを持って参加することができる、自 治と民主主義の今日的あり方をどう守り発展させるかが、改めて注目さ れています。 "[he-forum 13519] 7/29しんぶん赤旗2 2008年7月29日(火)「しんぶん赤旗」 交付金削減に反対決議 全大教が定期大会開く  全国大学高専教職員組合(全大教)は、二十六、二十七の両日、東京 都内で第四十回定期大会を開催しました。一年間で千二百人余の組合員 を拡大し組合員数が純増しています。高等教育の危機打開・充実、組合 員拡大、職場要求実現などをテーマに活発な討論が行われました。  大会では、国立大学の運営費交付金について、〇四年の法人化以降、 毎年1%(病院は2%)の削減によりこの四年間で総額六百二億円も削 減されているにもかかわらず、政府が来年度概算要求基準で前年度予算 比3%削減方針を打ち出したことに断固反対し、運動をよびかける特別 決議を採択しました。  決議は、運営費交付金が大幅に削減されれば「単科大学をはじめ地方 大学、高専の存立自体を危うくする」と強調しています。  あわせて運営費交付金を含む概算要求3%削減を決定しようとする二 十九日の閣議に向け、首相、財務省に運営費交付金大幅削減反対の要求 打電行動を各単組が一斉に取り組むことを確認しました。 "[he-forum 13520] 読売新聞7/29 読売新聞2008年7月29日付 [解説]全入時代の大学評価 「学生の面倒見」基準に情報公開の姿勢重要  読売新聞社が実施した「大学の実力 教育力向上への取り組み」調査からは、大学の情報公開に対する姿勢も読み取れる。(編集委員 中西 茂)  【要 約】  ◇全入時代を迎え、「面倒見の良さ」が大学評価の基準として重要になる。  ◇大学側も積極的な情報公開が求められており、事務職員の重要性が増している。  日本の大学は事実上、全入時代を迎えている。定員割れしている大学も多い。そうした中、全国の725大学の7割近い499校が回答した今回の調査(20、21日朝刊掲載)では、400校を超える大学が、退学率や、標準修業年限(4年制大学なら4年)での卒業率を回答した。定員を下回る学生数を答えた大学も100以上あった。  経営的に答えにくい質問にも大学が回答した点に大きな意味があり、まず、その点に敬意を表したい。  調査結果からは、地方の大学に定員割れが目立つことがわかる。東京の私大はさほどでもない。大学の努力だけではどうしようもない面もある。退学率や卒業率は、大学が入学させた学生に厳しく対応している結果とみることも出来るし、留学という要素も加わる。  数字だけでは良しあしは単純には判断できない。後は、この数字を見た側が個々の大学について、読み解いてもらうしかない。  いまや大学は大きく様変わりしている。  20年前、30年前の大学生で、入学時にリポートの書き方を教わった人はどれだけいるだろうか。大規模な大学で、授業に出席するよう働きかけられた経験を持つ人も限られるはずだ。  しかし、今回の調査ではすでにほとんどの大学で、何らかの「大学での学び方教育」を実施していた。出席を促す大学も、回答大学全体の6割以上あった。  教育力向上への取り組みは総じて、小回りのきく大学の方が進んでいて、大規模大学に不十分な点が目立つ傾向もある。知名度が高いからといって取り組みが必要ないわけではない。学力が十分で、特別な配慮や施策は不要と答えた大学は、わずか34校にすぎなかったからだ。  全入状態で、どこまでが合格圏かという偏差値が示せない大学も少なくない。今回の調査は今年4月から、国が大学に組織的な教育力向上の取り組み(FD)を義務化したことが直接のきっかけだ。これからは、入学してからどれだけ学生を伸ばせるかという点が、偏差値に代わる指標として重要になる。調査はそういう問題提起でもある。  回答結果は、あくまで自己評価だ。読者の現役学生からは「評価が甘すぎる」という声も届いた。夏休みに入った大学はいま、オープンキャンパス(大学見学会)が花盛りだ。見学を夏休みの宿題にする高校も珍しくない。大学関係者に質問をぶつけ、教育の中身を吟味してほしい。  また、情報公開は職員の力量がカギを握る。  情報公開に積極的な聖学院大学(埼玉県)では、受験生に渡すデータブックに、卒業生アンケートの満足度、志願者数や受験倍率、専任教職員数、クラス規模、奨学金利用者数までわかるようにしている。聖徳大学(千葉県)では、個々の教員の名前入りで、学生による授業評価と改善点までを記し、冊子にして公表している。  こうした情報を示すには、教職員の協力が欠かせない。産学連携などでも重視されている職員の力を、この際、大学は見直すべきだと思う。  一方で、大学に対する社会の評価も、変わってほしい。面倒見の良い大学が、もっと高く評価されるように、受験生や保護者、さらに社会全体が、大学を評価する上で別の視点を持ってほしい。 "[he-forum 13521] 沖縄タイムス7/29夕刊 沖縄タイムス2008年7月29日付夕刊 国の財政支援法制化/大学院大 運営委審議 より自由な経営探る  沖縄科学技術大学院大学の開学準備を進める沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST、シドニー・ブレンナー理事長)の第六回運営委員会が二十九日午前、恩納村のOISTシーサイドハウスで始まった。新大学院大学の国からの財政支援確保と、私立大学並みの経営の自由度を持たせることを目的とした新法の制定に向けた原案を審議した。新キャンパスの整備や研究事業の進ちょく状況なども報告された。  沖縄での開催は二〇〇七年七月の第四回会合以来、二回目。議論内容は三十日に有馬朗人共同議長らが都内で記者会見して説明する。  新法の必要性については今年一月、自民党沖縄振興委員会の大学院大学に関する小委員会が、OIST運営委員会委員と意見交換し、一年以内に法案を作成する方向性を確認していた。  仲井真弘多知事は冒頭あいさつで、大学院大の研究者子弟らを受け入れるインターナショナルスクールを、うるま市に二〇一一年四月をめどに開校することで旺文社などと基本合意したことを報告。「周辺整備をはじめ、設置推進に向けた取り組みを県民挙げて強化したい」と述べた。 "[he-forum 13522] 毎日新聞愛知7/29 毎日新聞愛知版2008年7月29日付 09年度予算:交付金削減撤回求め緊急声明--愛教大  政府が09年度予算の概算要求基準(シーリング)で、国立大学法人の運営費交付金の削減幅を1%から3%に拡大する方針を固めたことに対し、愛知教育大の松田正久学長は28日、方針撤回を求める緊急声明を発表した。  国立大学協会も23日に同様の緊急声明を出しているが、重ねて訴えたという。  声明によると、同大運営交付金の3%は約1・5億円にあたり、全教員約270人の年間研究費の総額もしくは高熱水費・通信費などの基幹的共通経費に匹敵する。  「人(教職員)がすべて」の教育系単科大学は、すでに総人件費改革による人件費削減でも06年度から5年間に5%削減を求められている。今回の3%拡大で経営が一段と厳しくなり、教員養成への悪影響は必然と訴えている。【安間教雄】 "[he-forum 13523] 毎日新聞福島7/29 毎日新聞福島版2008年7月29日付 09年度予算:国立大運営交付金削減、福大が反対声明「教育の機会均等失う」  福島大は28日、09年度の国の概算要求基準で国立大の運営費交付金の削減幅が3%に拡大される方針に対し、緊急の反対声明を発表した。  国立大の運営費交付金は07、08年度に1%ずつ削減され、同大では各年度約3200万円が削減されたという。定年退職の教員を補充せず非常勤講師を充て、研究費を約4~5割抑えるなどで対応してきたが、3%削減になると常勤教員の補充が難しく教材費など学生の自己負担が増える恐れがあるという。  声明文は「地域の人材育成機能が低下し、国の高等教育の成果を根底から崩壊させる」と批判している。会見した今野順夫学長は「地方では非常勤講師の確保が難しい。授業料を払えず大学をやめる学生がいる中で、負担増加により教育の機会均等が失われる」と語った。国立大学協会も既に、反対の声明を出している。【今井美津子】 "[he-forum 13524] 毎日新聞7/29 毎日新聞2008年7月29日付 大学人件費:600億削減 05年度比6.8%減、目標超えるペース  国立大学法人と四つの大学共同利用機関法人の常勤職員の07年度人件費は9361億8000万円で、05年度人件費の予算額(9967億9000万円)を6・8%(606億1000万円)下回ったことが、文部科学省のまとめでわかった。国立大学法人などの人件費は行政改革推進法で「06年度から5年間で5%(05年度予算を基準)」の削減目標が定められているが、既に目標を超えるペースで削減が進んでいる。  人件費は退職金などを除いた給与や賞与の合計額。06年度比では1・3%減だった。非常勤職員などの人件費は2145億60000万円で、06年度比16・8%(308億9000万円)の大幅増。文科省は「寄付金や競争的資金を利用し、プロジェクトごとに短期で非常勤職員を雇うなど工夫している」と分析している。  また、政府は09年度予算で国立大運営費交付金の削減幅を年3%に拡大しようとしているが、文科省は「削減目標を超過しているから『もっと削ってよい』とみるのは妥当でない」としている。  一方、法人の長(学長など)の07年度報酬額が最も高かったのは京都大の2466万8000円で、▽東京大2380万7000円▽大阪大2374万4000円▽九州大2301万2000円--が続いた。【加藤隆寛】 "[he-forum 13525] BS 討論「大学改革」放送のご案内 高等教育フォーラム登録のみなさまへ NHK番組「新BSディベート」 「日本の大学は生き残れるか~激化するグローバル競争~」の紹介です。 番組の内容は下記をご覧下さい。 なお、この番組の制作担当者から全大教にオーディエンスとして 地方大学の教育研究を担う現場の教員の紹介依頼がありました。 番組の趣旨には、全面的に賛同できるものではありませんが、 現在の国立大学の実態をアピールするため紹介することとしました。 また、この収録日は全大教定期大会と重なったこともあり、 全大教前副委員長の浅野一郎氏(宇都宮大教授)にお願いをしました。 是非ご覧くださるようご紹介します。   放送は、8月3日(日)午後8時~10時、NHK衛星第一放送です。 内容は次の通りです。 全大教 森田和哉 ------------------------------------------------------------- 「新BSディベート」 【テーマ】「日本の大学は生き残れるか ~激化するグローバル競争~」 【収録日】2008年7月27日(日) 【放送日】2008年8月3日(日)衛星第一 第1部 20:10~21:00/第2部 21:10~22:00  【出演者】 ディベーター(論者) 天野郁夫(東京大学名誉教授) 有信睦弘(東芝顧問 中央教育審議会委員)  結城章夫(山形大学学長 前文部科学省事務次官) 高橋洋一(東洋大学教授) 【進行】 司会・進行 山口 勝 解説コーナー 川手飛鳥 【海外ディベーター】ジョン・マクドナルド(ベルギー:EU委員会 教育担当)           于軍(中国:北京海淀区副区長) (内容 予定) 第1部 国際化の中でどう留学生を呼び込むか 論点1  どうする留学生 論点1-1 留学生30万人計画―骨太の方針どう評価する 論点1-2 海外の取り組みをどう評価する 論点2 どう生き残る日本の大学 論点2-1 日本は留学生をどう呼び込むか」 留学生「Q:日本の大学で学ぶ上での課題は?」 海外中継(ベルギー/中国) 「Q:留学生の就職について」 第2部 大学の国際競争力をどう高めるか   オープニング「大学の財政が厳しい中、どのように競争力を高めるか」 論点3  どう見る日本の高等教育 論点3-1 どう見る日本の公的資金    「Q:地方大学の疲弊状況は?」   「アメリカ流の大学経営」 論点3-2 大学運営での寄付や運用は有効か    「米国の大学における寄付金の役割」 論点3-3 「競争原理は有効か」    「米国での大学間の競争は?」 「日米大学の違い」 「企業との接点をどう模索する/ポスドクの苦悩」 "[he-forum 13526] 岩手日報8/1 岩手日報2008年8月1日付 交付金削減に反対 北東北国立3大学会議声明  岩手大、弘前大、秋田大で構成する北東北国立3大学連携推進会議は31日、閣議決定された2009年度予算における国立大運営費交付金の3%削減に反対する声明を発表した。  岩手大の藤井克己学長、弘前大の藁科勝之理事・副学長、秋田大の吉村昇学長が盛岡市上田3丁目の岩手大で記者会見した。声明は、教育・研究関連経費への影響や人材育成機能の低下、地域の「知的創造サイクル」の崩壊などを訴え、大幅削減に反対している。  国立大は04年度の法人化後、毎年運営費交付金が1%削減されている。さらに06年度から5年で5%という人件費削減も進んでおり、各大学は厳しい財政運営を強いられている。  3%削減により、岩手大では運営費交付金約1億9000万円の削減が見込まれ、教授約20人分の人件費に相当する。藤井学長は「非常に深刻な問題。3%の削減になれば人件費の縮減を考えざるを得ない。国への働きかけや対策については今後検討する」と危機感を募らせる。  国立大学協会(会長・小宮山宏東京大学長)も同様の声明を出した。 "[he-forum 13527] 沖縄タイムス7/31 沖縄タイムス2008年7月31日付 新法づくり困難か/大学院大の「特別法人化」  沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)は三十日の第六回運営委員会で、二〇一二年開学予定の沖縄科学技術大学院大学の将来構想をまとめた。国の財政支援を受けつつ、私学のような自主性を兼ねた「特別な学校法人」という運営形態が示され、「懸案だった制度設計が決まり、教育・研究、施設建設とともに出発点に立った」(内閣府)。しかし「世界最高水準」という目標までには、新法制定など「前例のない課題」(岸田文雄沖縄相)が待ち構えている。  国内で「特別な学校法人」として運営されている例として放送大学がある。政府が全額出資する特殊法人だったが、〇二年に改正放送大学学園法がつくられ、新組織となった。しかし今回は「全く何もないところから大学の法制度に組み込むという試み」(政府関係者)で、新法づくりには困難も予想される。  運営委は、世界から優秀な研究者を引きつけるために必要な柔軟性と自由度を担保するために新法制定を要望。同時に、研究に打ち込める環境整備を図るため国の財政支援も求めた。  内閣府は「激しい世界との競争に太刀打ちするには、優れた研究者が余計な心配をせずに優れた講座をすることが大切」と財政面での後押しを約束する。一方で「永遠に国が支援することも考えていない。国際的な評価を得たら、企業からの寄付や共同研究など自力で資金を稼げるようになる」と、あくまで軌道に乗るまでの措置だと強調する。  さらに「石ころに水をやるわけにはいかない。いつかは種になってくれないと」(政府関係者)とくぎを刺すように、研究成果の評価も重視、五年ごとに将来性を判断していくという。  開学までの手続きにも時間的な余裕はない。法人設立準備や大学設置審査などに二―二年半はかかる見通しで、新法の法案は遅くとも来年の通常国会に提出しないと間に合わない。  計画では今年六月末で十九人いる主任研究者を開学までに五十人に増やし、長期的に三百人を目指す。トーステン・ビーゼル共同議長は米・ボストンを例に「良い大学の周辺に新産業が誕生し、雇用も生まれている。ぜひ沖縄で実現したい」と語るが、実現までに乗り越えるべき課題は多い。(東京支社・西江昭吾) "[he-forum 13528] 琉球新報7/31 琉球新報2008年7月31日付 特別法人化を沖縄相に要請 大学院大学で運営委  【東京】沖縄科学技術研究基盤整備機構(シドニー・ブレナー理事長)の第6回運営委員会が30日、東京都内のホテルオークラ東京で行われ、2012年度の開学を目指す沖縄科学技術大学院大学(OIST)の設置形態について、国立や私立ではなく、ボード(理事会)が最高意思決定機関としての役割を担う「特別な学校法人」とすることなどを決めた。  運営委員会は29日に恩納村のOISTシーサイドハウスでもあり、2日間の議論を経て、10年9月から学生の実質的な受け入れを行い、同村のキャンパスで本格的な研究を始めることも確認した。  運営委員会の有馬朗人、トーステン・ヴィーゼル両共同議長が30日、岸田文雄沖縄担当相に「特別な学校法人」化に向けた法制度確立と財政支援を文書で要請した。  構想によると、理事長や学長の選任・解任など重要事項の決定はボードで行う。さらに「長期にわたる政府による財政支援が不可欠」とし、特別な財政支援の仕組みの検討を求めている。 "[he-forum 13529] 中日新聞8/1 中日新聞2008年8月1日付 《経済》 静岡大と愛知・豊橋技科大が 知財活用、共有へ連携強化 きょう、東海iNET発足  静岡大と豊橋技術科学大が中心となり、両大学が蓄積してきた知的財産のマネジメントや地元企業との連携を強化する「東海イノベーションネットワーク(東海iNET)」をつくる。1日に浜松市中区のアクトシティ浜松で発足式を開き、活動を本格化させる。  組織づくりは、文部科学省の産学官連携戦略展開事業に採択されたのを受けた取り組み。両大学は静岡県と愛知県東部の産業発展のために、地域の国公私立大や研究機関、自治体との密接な関係をつくり、各参加機関が持つ知的財産の活用と共有化を目指す。  事業には浜松医科大、静岡理工科大、静岡県立大、愛知大、豊橋創造大、愛知工科大も参加。産学官の連携のための情報を共有するほか地域の企業との連携も深め、大学での研究の事業化も進める。  静岡大では、企業と大学の間を取り持つコーディネーターの育成が重要だとしてトレーナー3人を採用した。豊橋技科大は農工商連携や医工連携といった異分野連合をさらに進め、事業化を図る役割を担う。  発足式には関係者約100人が参加。文科省が産学官連携戦略展開事業の概要を説明し、静岡大イノベーション研究開発センターの木村雅和センター長が構想を話す。  日本弁理士会の中島淳会長の「知財ビジネス支援人材を考える」と題した特別講演もある。 "[he-forum 13530] 毎日新聞岡山8/1 毎日新聞岡山版2008年8月1日付 県立大:トマト銀など金融機関と協定  県立大は、中国銀行、トマト銀行、おかやま信金の3金融機関と相互連携する包括協定を締結した。同大はこれまで総社市と提携を結んでいるが、“産学”での包括協定は初めて。  同大によると、協定の主な内容は、金融機関の仲介で、企業のニーズと大学の技術を合わせた共同研究を推進▽インターンシップなどによる人材育成▽県立大発ベンチャー企業への資金面の支援--など。大学、金融機関双方と地域の発展に貢献することを目的としている。  同大総務課は「金融機関の取引先の地元企業とも協力し、商品開発などができれば」としている。【石川勝義】 "[he-forum 13531] 信濃毎日新聞7/31 信濃毎日新聞2008年7月31日付 県内の産学官連携窓口 来月、信大に一元化  信大(本部・松本市)は30日、県内18の大学や短大、高専とともに産学官連携のノウハウを共有し、企業や自治体との窓口も一元化する「信州産学官連携機構」を8月に設立すると発表した。「ナノテク・材料、IT」「ライフサイエンス」「地域ブランド」の3分野を重点に各教育機関の連携を強める。  機構は信大産学官連携推進本部(松本市)が事務局となり、3分野ごとに大学・高専間や企業との調整、企画を担う連携コーディネーター3人を同本部職員として採用する。小宮山淳・信大学長が機構長に就く。  信大は2003年度から学内の知的財産活用のルールづくりを進めており、こうした手法や情報を機構内で共有しながら、産業界や行政との窓口を一つにして、産官との連携も効率化する。  機構設立は文部科学省の産学官連携戦略展開事業(戦略展開プログラム)に採択されており、同省からの事業費を経費に充てる。同プログラムは5年事業で、本年度は3800万円の支援を見込む。  この日は信大松本キャンパスで白井汪(ひろ)芳(ふさ)理事らが記者会見。民間企業と進める薬品や医療機器の開発で複数の大学が協力して治験(臨床試験)を行う-といった連携例も示した。8月7日には長野市内のホテルで設立記念シンポジウムを開く。 "[he-forum 13532] 日本学術会議提言(8/1) 各位  8/1/2008 日本学術会議の提言「我が国の未来を創る基礎研究の支援充実を目指し て」が、日本学術会議のウェブサイトに公開されています。 提言ファイルのアドレスは、以下の通りです。 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-t60-3.pdf "[he-forum 13533] 時事通信8/3 時事通信2008年8月3日20時13分 国立大、人件費606億円圧縮  国立大学法人と大学共同利用機関法人の計90法人が2007年度に支払った人件費の合計は、05年度予算額より606億円(6.0%)少ない9362億円だったことが3日、文部科学省のまとめで分かった。行政改革推進法は10年度までの5年間で5%以上の削減を定めているが、これを上回るペースとなった。  国立大をめぐっては、政府は人件費などに充てる運営費交付金を毎年度1%ずつ減らしており、来年度には削減幅を3%まで拡大する方針。文科省は「各大学は既にぎりぎりの努力をしており、削減幅を拡大すれば教育研究に支障が出る」(高等教育局)として、予算確保に巻き返しを図る。  同省によると、人件費は常勤役職員の報酬、給与、賞与などの合計。給与水準を引き下げたり、退職者の後任補充を抑制したりして、前年度比では1.3%減となった。  ただし、研究プロジェクトごとに寄付金や受託研究費で雇う臨時職員らへ給与は、前年度比16.8%増の309億円増。団塊世代の大量退職に伴って退職金支払いも6.3%増の65億円増で、広義の人件費は1.5%増の218億円増となった。 "[he-forum 13534] 読売新聞社説8/4 読売新聞社説2008年8月4日付 私大定員割れ 合併・再編も視野に入れよ  こんなに多くの大学が必要なのか。そう思わせるような結果である。  日本私立学校振興・共済事業団が発表した今年度の私立大学入学者の動向で、全国の私大の47%が定員割れを起こしたことが判明した。  募集停止などを除く565校のうち266校にも上る。定員の50%未満だった私大も29校ある。  延べ受験者数はわずかながら増えている。大手私大を中心に、1回の入試で複数の学部を受験できる制度や地方会場での入試を増やしたためだ。定員3000人以上の大規模校は全体の4%しかないが、受験者数の半分を集めた。  人気が集中する都市部の大規模校と地方の小規模校の「二極化」が、一段と鮮明になった。  国公立大志向が強まっていることもあろう。しかし、大きな要因は少子化にもかかわらず、規制緩和で大学設置基準が弾力化され、大学が増えている点にある。  18歳人口は10年前の約160万人より40万人近く減ったのに、大学は国公立も含め約600校だったのが750校以上になった。多様な大学、学部が登場する一方、「大学」の名に値するのか疑わしいところもある。  規制緩和は、新しい大学の参入によって競争を促し、教育の質を高めるのが狙いだったはずだ。だが、AO(アドミッション・オフィス)入試などで安易な入学者確保に走るところも少なくない。  中央教育審議会は7月にまとめた答申案で、「社会の負託に応えられない大学は、淘汰(とうた)を避けられない」との認識を示した。  設置を認めるかどうか審査する大学設置・学校法人審議会は、事前チェックを厳格化すべきだ。文部科学省も、私大の破綻(はたん)に備え、学生の受け皿など処理策を練っておく必要がある。  私大は学部ごとの定員割れの割合に応じて私学補助金を減額され、定員の50%以下ならゼロになる。定員を満たせないと、経営は一層苦しくなる。  破綻すれば影響を受けるのは在学生だ。私学には建学理念や経営方針があるが、早めに思い切った対策を打ち出さねばならない。  人気の低い学部は廃止し、特色のある学部に特化する。地域が求める人材の育成・輩出に絞った学部などに改組する。こうした措置が考えられよう。  国立大学は法人化を前に再編が進み、私大でも一部に合併の動きが見られる。合併・再編も一つの手だ。破綻に追い込まれる前に、大胆な経営判断が必要である。 "[he-forum 13535] 日刊工業新聞8/4 日刊工業新聞2008年8月4日付 新日石、東大農学研究科と連携-バイオマス研究加速  新日本石油と東京大学大学院農学生命科学研究科は、バイオマス利用エネルギーの開発で組織的に連携する。従来から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの受託研究などで共同研究に取り組むなど協力関係にあったが、今回の連携では関連分野などへ一段と研究領域を広げるのが目的。セルロース系バイオエタノールの実用化加速を目指す。  新日石から約10人、農学生命科学研究科からは約20人の研究スタッフが参加。あえて特定の研究テーマに絞らず、研究スタッフ間の交流の中からテーマを創出する。  このほか新日石側が大学院教育のプログラムに支援する。契約期間は3年間。その間の活動費を4500万円とするが、共同研究がスタートした段階でさらに別枠の予算を組むという。 "[he-forum 13536] 中日新聞8/3 中日新聞2008年8月3日付 育て環境リーダー 名大大学院に新講座  名古屋大は、日本を含むアジア、アフリカ地域の学生を環境問題解決に向けた国際的リーダーに育成する特別コースを来年度、大学院修士課程に設置する。企業や自治体での研修などを通じて具体的な知識や技術、実践能力を身に付けてもらい、世界に送り出す。  特別コースは「国際環境人材育成プログラム」。文部科学省が年間1億円の事業予算を本年度を含めて5年間、配分する。名大は月内にも「国際環境人材育成センター」を設立し、専任教員やスタッフを配置する。  名大は2001年に工学、社会科学、理学系にまたがる環境学研究科を大学院に設置。今回、同研究科を中心に、世界的なリーダーとなる人材を育てることにした。  対象の学生は今月と来年2月に行われる環境学、工学両研究科の試験を通じ、アジア、アフリカの留学生計10人と日本人学生5人を選抜する。  特別コースの学生は(1)地球温暖化対策(2)水・廃棄物対策(3)生物多様性保全-の3分野から1つを選択。環境学、工学、生命農学、国際開発の計4研究科の既存科目と新規開設の科目を受講する。講義はすべて英語になる。  1年目は途上国が直面する問題に取り組む能力を身に付け、2年目は中部地方の企業などでインターンシップ(就業体験)を行い修士論文を作成する。インターンシップの費用は大学側が負担し、留学生の入学金と授業料は免除する。  林良嗣・名大環境学研究科長は「2010年にCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が開かれる名古屋で、国際的に通用する環境分野のリーダーを育てたい」と話している。 "[he-forum 13537] 毎日新聞8/3 毎日新聞2008年8月3日付 低レベル放射性廃棄物処分場:大学、病院の排出分を整備--文科省  大学や病院などの低レベル放射性廃棄物について、文部科学省が地中に埋設する処分場を整備することになった。各施設での保管が限界に近づいているためで、10年後の操業開始を目指す。今秋にも立地条件や処分方法の基本方針を決める。  低レベル放射性廃棄物は、原子力施設で使用した衣服や手袋、注射器、建材など。原子力発電所から出た分は、電力各社が出資して作った企業が青森県六ケ所村の埋設施設で処分しているが、それ以外は廃棄物を出した施設が保管している。  文科省によると、全国約2500カ所で保管されている廃棄物の総量は200リットルのドラム缶約51万本分にもなる。一部施設では保管庫が満杯に近づいており、「このままでは研究などに支障が出る」(文科省放射性廃棄物企画室)ため処分場整備を決めた。  低レベル廃棄物全体の7割を保有する日本原子力研究開発機構を実施機関とする法改正案が5月に国会で可決された。同機構は国の基本方針に基づき、場所を選定して処分場を建設。各施設から有料で廃棄物を引き取る。  廃棄物は焼却して体積を減らし、セメントやアスファルトで固化しドラム缶に詰める。処分場は100ヘクタール程度の敷地を確保し、40年後までの処分量と想定するドラム缶50万本を放射能レベルに応じて地下数メートル~十数メートルに埋設。そのまま300年間管理するという。  管理まで含めた総事業費を約2000億円と見込んでおり、文科省は今年度予算案に43億円を計上している。【西川拓】 "[he-forum 13538] 日本経済新聞東北8/2 日本経済新聞東北版2008年8月2日付 秋田大学、資源開発の人材育成 北大など4大学と共同で  秋田大学は鉱物資源に関する学科がある北海道大、早稲田大、東京大、九州大の4大学と共同で資源開発の人材育成に取り組む。関連企業・団体とも連携して来年3月、5大学の3年生以上の学生約20人に集中講義を実施する。資源価格高騰などで高まる人材養成のニーズに関係大学が連携して対応する。  秋田大が1日、4大学とともに申請していたプログラムが文部科学省の補助対象事業に採択されたと発表した。実施期間は2008―09年度の2年間で、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)など6団体と連携する。予算は年間2400万円で調整中。  集中講義は秋田大で実施。地質から探査、採鉱、リサイクル、資源経済まで取り上げ、大学教員が基礎や理論、精錬会社や商社の企業技術者などが実践例を教える。来春の集中講義は5日間とし、09年度は夏季に長い期間で行う。5大学間の出前講義や海外の鉱山のインターンシップ(就業体験)も実施する。 "[he-forum 13539] 四国新聞7/30 四国新聞2008年7月30日付 産学連携支援で香川大など選定/文科省  文部科学省は29日、産業界などと連携して教育活動の充実や人材育成に取り組む専門職大学院と大学を支援する事業に、香川大など延べ72大学の26件を選定したと発表した。  国際競争力の向上を目指す内容が18件、大学と企業が化学や機械などの分野で人材を養成するのが8件。  香川大と関西学院大は地方公務員らを対象に地域金融の専門家を育成するプログラムを開発する。  教職大学院がある奈良教育大と宮崎大は両県教育委員会と一緒に協力して学業不振や問題行動などの子どもへの対処法を研究する。首都大学東京と横浜国立大は熟練技術者を講師に招き、ものづくりのノウハウを教えるプログラムを開発する。 "[he-forum 13540] 全大教教研集会のご案内 全大教 高等教育フォーラム登録の皆様に 全大教は、第20回教研集会を9月13日から15日に 電気通信大学を会場に開催します。 プログラムを全大教ホームページに掲載しましたので 是非ご覧下さい。 http://zendaikyo.or.jp/kousin/katudou/20-kyouken-annai.pdf 不明な点がありましたら全大教までお問い合わせ下さい。 ************************************* 全国大学高専教職員組合  TEL 03-3262-1671 FAX 03-3262-1638 総務部 somu@zendaikyo.or.jp http://www.zendaikyo.or.jp ************************************* "[he-forum 13541] 読売新聞8/5 読売新聞2008年8月5日付 「大学の実力」調査反響 「自己評価」の甘さ 批判  先月20、21日に掲載した「大学の実力 教育力向上への取り組み」調査に対する反響が続いている。大学の自己評価に対して厳しい意見が多い。  調査結果について「大学のことを考えるいい機会になった」と志望校選びに悩む高校3年生からメールが届いた。  総合自己評価で「A」を付けた大学の学生は「正直に言って驚いている」。「大学からのテストの日程や補講の連絡が不足し、迷惑を被っている」という実態を知らせるとともに、「出席確認をすませば、すぐに教室を出てしまうような、モラルのない一部学生のため集中できない授業がほとんどだ」と訴えた。  別の大学の学生は、「予備校と比べて授業の質が低い」とこぼす。「講義に対する教員の意欲が低い。教科書を棒読みし続ける教授もいる。難関大学と呼ばれる大学が、中身で勝負する日が来ることを望む」  「大学名や偏差値だけの進路指導で大学を選ばせたことを大変後悔している」という保護者は「大学の在り方、若者の在り方で、これからの日本社会も生きるか死ぬかになると思う」と大学の自覚を求め、学生への指導に注文を付けた。  当事者の大学からは、教育を見直す上で「刺激になった」とする声も多かった。非回答校を列挙すべきだと提案する私大の教員もいた。一方で、大学内の関係者から「誰が回答したか不明なので教えて」「これから回答できないか」といった、理解に苦しむ問い合わせも相次いだ。(松本美奈、中西茂)  「大学の実力」調査の数値修正 「大学の実力 教育力向上への取り組み」調査で、個々の大学から数値の訂正がありました。この結果、平均2・6%とした昨年度1年間の退学率(先月20日朝刊1面掲載)は2・5%となります。訂正は以下の通り。  ▽千葉工業大=退学率〈1〉27%→13・1%、退学率〈2〉11%→3・3%▽神戸松蔭女子学院大=退学率〈2〉10・16%→3・4%▽目白大=退学率〈2〉11・5%→5%▽神戸薬科大=退学率〈1〉8%→5・7%、退学率〈2〉3・5%→2・8%▽早稲田大=専任教員法定数290→791▽甲南大=定員数6820→7060  ※退学率〈1〉=2004年4月入学者のうち卒業時までの退学・除籍者 退学率〈2〉=07年4月入学者のうち今年5月1日までの退学・除籍者 "[he-forum 13542] 沖縄タイムス8/5 沖縄タイムス2008年8月5日付 専門医 県内で育成/琉大附属病院  質の高い専門医の養成を目指し、琉球大学医学部・附属病院は臨床研修者向けの研修プログラム「多極連携型専門医・臨床研究医育成事業」を二〇〇九年度からスタートする。文部科学省が支援する「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」の一環。  医学部卒業後、初期研修を終えた医師が同大の附属病院に所属し、他大学や病院などで一―二年間専門医療を学ぶ。  琉大附属病院など県内の病院は、全国から年間約百五十人の臨床研修医を受け入れており、人口比では全国で最も高い。  ただ、約二年間の初期研修後、四割は県外で専門医研修を受けるため、県内での専門医養成が課題だった。  同プログラムは他大学との連携強化など百二十七項目の取り組みを展開し、専門医研修を充実するほか、医療のレベルアップとともに、地域医療に貢献する人材を育成する。  五年間で総予算約四億五千万円をかけ、(1)インターネット会議・カンファレンスシステムの構築(2)臨床研究医育成のシンポジウム(3)女性医師の復帰支援や出産、育児のキャリア継続を支援するセンター設立―などを目指す。  同大医学部の大屋祐輔准教授は「他大学や地域病院の得意分野を学ぶことで、レベルの高い専門医養成ができる」と強調。  佐藤良也医学部長は「離島医療を担う医者を養成するセクションをつくるなど、医学部の教育を包括的に進めるよう努めたい」と語った。 "[he-forum 13545] 琉球新報8/5 琉球新報2008年8月5日付 琉大 専門医育成で新制度  琉球大学(岩政輝男学長)は2009年4月から、全国28大学や県内外の約50の医療機関と連携して、より高度な技術や知識を持つ専門医と臨床研究医を養成する研修プログラム「多極連携型専門医・臨床研究医育成事業」を始める。須加原一博琉大医学部付属病院院長は、魅力ある研修プログラムを構築することで、初期臨床研修医の県外流出を食い止め、将来的には「離島など地域医療への貢献につなげたい」と期待を込めた。  研修プログラムは、文部科学省の「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」として選定された。5年間の継続事業で総予算は約4億6000万円。4日に同大で岩政学長らが記者発表した。  県内では従来、全国的に人気が高く、年間約150人の人材が集まる初期臨床研修を終えた後、専門医の取得を目指す優秀な人材が県外に流出することが課題の一つだった。  プログラムでは、医師が琉球大学に所属しながら、希望する医療機関でより高度で専門的な医療を習得することができる。同大では「研修医の大学病院離れ」も食い止めたい考えだ。  10月にも大学付属病院内に後期研修センターを設置。さらに既存の臨床研究支援センターを拡充し、プログラムを円滑に進めるための体制づくりを行う。地域への専門医派遣を支援する地域医療支援センターや、女性医師の復帰支援などを行うセンターの設立も予定されている。 "[he-forum 13543] 河北新報8/5 河北新報2008年8月5日付 若手研究者に経済支援 東北大大学院医学研究科  東北大大学院医学系研究科は来年度、医学部在学中から大学院で研究できる特別進学制度「MD―PhDコース」を拡充し、経済支援を導入する。研究に専念できる環境を整え、優秀な人材を早期に確保するのが狙い。  同コースは医学の基礎研究に携わる若手研究者を養成しようと、01年度に設けた。全国17の大学に同様のコースがあるが、経済的な支援制度を盛り込むのは初めて。  医学部の4年または5年を終えた時点で大学院に進学。3年以上の大学院教育を受けて医学博士の学位を取得し、医学部に復学する。希望によっては復学せずに研究を続けることも可能。  具体的な支援策として、大学院の受験料(3万円)と入学金(28万円)の同額を本人に還元するほか、大学院在学中と医学部復学後に最低月額5万円を支給する。  医学生には04年度から、卒業後2年間の初期臨床研修が義務付けられ、大学院進学者の平均年齢が上昇した。医学系研究科は「大学院進学の遅れは医学研究の土台を揺るがしかねない」と問題視している。  山本雅之医学系研究科長は「柔軟性のある若いうちに研究生活を始める意義は大きい。年5人程度を目標に、東北大の屋台骨となる人材を育てたい」と話している。 "[he-forum 13544] 中国新聞8/5 中国新聞2008年8月5日付 立命館大と協定締結 広島大  広島大と立命館大(京都市)は4日、包括的連携協定を締結した。両大学が建学精神や教学理念に掲げる平和について共同で教育や研究を進め、将来的には国際貢献などにも協定分野を広げる。広島大が他大学と協定を結ぶのは初めてで、立命館大は京都大などに次いで6件目。  広島市中区の広島国際会議場で、広島大の浅原利正、立命館大の川口清史両学長が協定書にサインした。協定は、両大学が先進的に取り組む平和教育をきっかけに、海外の大学とも多方面で連携を深めるのが狙いだ。  具体的には、本年度中に両大学が加盟する国際大学ネットワーク(INU)を活用し、最短1年間で母校と海外の大学からそれぞれ修士学位を取得できる制度を創設する。2009年度からは、平和や国際問題を研究する両大学の大学院で単位互換制度を始める。 "[he-forum 13546] 日本経済新聞東北8/6 日本経済新聞東北版2008年8月6日付 東海理化と山形大、包括協力協定 自動車部品開発目指す  山形大学(結城章夫学長)と自動車用スイッチ大手、東海理化は6日、包括協力協定を締結する。同大理工学研究科の若手研究者を対象に具体的な研究案件を募り、東海理化が研究費を助成する仕組み。特定案件の下での産学連携は数多いが、一私企業が1つの研究科にターゲットを絞った公募型の産学連携は全国的にも珍しいという。  協定のテーマは「自動車部品開発および新規事業領域」。通常の共同研究と異なり、大学の研究者側から中長期的な視点で戦略的研究テーマを募る。協定調印に先立ち、初年度の公募は既に実施。10人の研究者が応募し、審査の上、5件の研究テーマが決まった。  「企業秘密にかかわる」(山形大)として具体的なテーマは明かしていないが、車間距離を検知して事故を未然に防ぐ自動車用センサー、軽くて強いだけでなく環境にも優しい新材料、高齢者も安心して運転できる新機能などが想定される。 "[he-forum 13547] 毎日新聞8/6 毎日新聞2008年8月6日付 医師不足:医学部定員増条件、地域貢献計画を 文科省、大学側に  政府の「骨太の方針08」で大学医学部の定員を早急に過去最大規模(8280人)に増員する方針が盛り込まれたことを受け、文部科学省は5日、国公私立大に対し、09年度の増員希望がある場合は地域医療に貢献する取り組みの計画を提出するよう求めるとともに、定員変更の申請期限を10月末(通常は6月末)まで延長することを伝えた。  09年度の入学定員を08年度(7793人)より487人増やすのが目標。増員に伴う人件費や設備費などの財政支援を09年度予算概算要求に盛り込む。対象は医学部のある国立大42校、公立大8校、私立大29校--の計79校。  「医師不足が深刻な地域や診療科の医療を担う医師の養成プログラム」など取り組みの計画を9月22日までに提出することが増員の条件。【加藤隆寛】 "[he-forum 13548] 共同通信8/7 共同通信2008年8月7日21時43分 法科大学院の統廃合表明 法相「低実績校は整理」  保岡興治法相は7日、修了者が新司法試験の受験資格を得ることができる法科大学院について、合格実績の低いものは統廃合すべきだとの考えを表明した。法科大学院の設置認可を行う文部科学省と近く協議を始める方針も示した。  法科大学院制度は2004年に、法曹人口をめぐる将来の需要増大に対し「質の高い多様な法曹を育てる」との理念の下で設立された。しかし新司法試験の合格率は4割程度にとどまって当初目標の7、8割には遠く及ばず、学生が試験対策への傾斜を強めるなど問題点が指摘されていた。  保岡氏は共同通信などのインタビューに対し「教育能力のない学校は学生に配慮した上で合併かやめるかし、あるべき法科大学院の姿を目指して整理すべきだ」と述べ、今後も改善が見られない場合は統廃合を検討すべきだと強調した。  現在、全国に74校ある法科大学院の現状については「学生にできるだけ広くチャンスを与え、特に地方に配慮して法科大学院の設置を認めてきたが、内容が伴わない学校もあるし、ばらつきがある」と指摘。 "[he-forum 13549] 朝日新聞8/8 朝日新聞2008年8月8日付 「大学全入」遠のく、進学率予想以上の伸び 08年調査  08年4月の大学・短大の志願者数が74万4千人に対し、入学者が68万4千人だったことが文部科学省の学校基本調査で分かった。志願者数と入学者数が同じになる「全入時代」が07年春にも到来すると試算されていたが、文科省は「近い将来に、志願者数と入学者数が同じになる見込みではない」としている。  旧文部省は「09年に全入となる」と97年に試算。その後、進学率が横ばいで推移していたこともあり、中央教育審議会(文科相の諮問機関)は05年の答申で、実現の予想を07年春に前倒しした。しかし、景気回復の傾向が続いていたことや、就職で有利になるとの判断などが影響し、高校卒業後に大学進学を希望する割合はこの数年で上昇。今年は高校卒業生の60.1%が大学・短大への入学を志願。浪人と合わせた志願者は中教審答申の試算より10万人以上多く、入学者は志願者数の約92%にとどまった。  一方、入学者が定員を割った私大はこの春、全体の47%になり、人気が集まる大学とそうでない大学の二極化は進んでいる。 "[he-forum 13550] 信濃毎日新聞8/10 信濃毎日新聞2008年8月10日付 大学院生の20・4%は社会人 信大は横ばい28・9%  大学院に通う学生数26万2700人のうち、社会人は前年度より2600人増え5万3700人と全体の20・4%を占めたことが、文部科学省の2008年度学校基本調査で分かった。信大(本部・松本市)は前年度より0・2ポイント下がったものの、28・9%だった。  社会人は2000年度から8年連続で増え、03年度の約3万5400人から5年間で約1・5倍となった。同省は「知識や技術を仕事に生かしたいというニーズが高まり、大学院側も社会人向けの入試やプログラムを増やしていることが要因」とみている。  定年退職者や主婦らを含む社会人の院生の内訳は修士課程が2万人、博士課程が2万4600人。専門職大学院は9100人で、うち法科大学院が半数近い4400人。  信大の大学院学生数は5月1日現在、2227人。うち社会人は643人で昨年度より25人少なく、内訳は修士・博士前期課程が309人、博士・博士後期課程が300人。専門職大学院(法科大学院のみ)は34人だった。  信大学務課によると、社会人学生は増加傾向。社会人を対象にした「経済・社会政策科学研究科」は週末などに授業をしているほか、工学系研究科情報工学専攻は、インターネットを利用した「イー・ラーニング」システムで自宅でも学べるようにしている。 "[he-forum 13551] 岩手日報8/13 岩手日報2008年8月13日付 共通キャンパス設立へ 県内5大学  岩手大、県立大、岩手医大、富士大、盛岡大の県内5大学は2011年度をめどに、全13学部が連携した「イーハトーブキャンパス」を設立する。地域の中核を担う人材育成が目的で、他大学との単位互換などを通じて幅広い教養を身に付けることができる仕組みを整える。学生のほか県民にも門戸を開放。単位互換を促進する遠隔講義システムの構築や岩手学講座の共同開講、生涯学習の場提供など、「地域に開かれたキャンパス」を目指す。  5大学によるイーハトーブキャンパスは、盛岡市のいわて県民情報交流センター(アイーナ)を共通キャンパスとし、学生らが幅広い教育分野を自由に学べる環境を整備する。  同キャンパスの目的は▽教職員の教育力、受講生の地域還元力向上▽教育研究環境の基盤整備▽知の拠点形成▽高校への教育を通じた大学進学率向上▽地域の活性化―など。  具体的な取り組みとして▽各大学、高校へ授業配信できる遠隔講義(テレビ会議)システムの構築▽教職員の能力開発研修の共同実施▽岩手学講座の開設▽平泉や宮沢賢治など地域文化研究の推進▽生涯学習の場の提供―など20事業を計画。単位互換の対象科目については今後、検討する。  14年度からは、同キャンパスで計8科目16単位程度を4年間で取得した場合、卒業証書を授与することも検討。地域リーダーを目指す学生、県民の励みとする。  5大学はこれまで、2000年に「いわて5大学学長会議」を設立し、一部科目での単位互換や図書館の相互利用、高大連携事業などを進めてきた。  共同事業は連携強化が目的で組織統合は計画していない。5大学は事業推進に当たり、文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に申請。3カ年事業で、採択されれば毎年約1億円ずつ助成される。  岩手大の斎藤徳美理事・副学長は「5大学が連携した教育研究機能の強化は『岩手づくり』に重要だ。目指す方向が共有されたことの意義は大きい」と意欲を示す。 "[he-forum 13552] 読売新聞8/13 読売新聞2008年8月13日付 育児に悩む女性研究者 「理想は2人」でも「両立困難」  結婚している女性研究者の44%に単身赴任の経験があり、65%は夫が同業者。理想の子供の数は2人だが、実現には悲観的――。理工系の学会で作る男女共同参画学協会連絡会による調査から、研究者のこんな家庭像が浮き彫りになった。  調査は昨年8月から11月まで、64学会を対象に実施。大学や企業で研究職、技術職として働く女性3761人、男性1万349人がアンケートに回答した。  男性は半数以上に子供がいたが、女性の65%は子供がおらず、1人が16%、2人が12%。  「子供は2人が理想」という答えが最も多かったが、その実現性については女性の61%が否定的で、理由として74%が「育児とキャリア形成の両立」を挙げた。  実際、未就学児がいる女性は、育児などに割く時間が多いため、子供のいない女性に比べ、在職場時間が週平均12・3時間短かった。  未就学児のいる女性の育児休業を調べたところ、企業で働く場合は67%が希望通りに取得できた一方、大学では46%が取得せず、26%が取得したが希望通りではなかった。その理由は「仕事を中断したくなかった」「希望通りになる職場環境ではなかった」「任期付きなので、育児休業分の任期延長が認められなかった」の順で多かった。  調査では大学などで任期付きで働く博士研究員(ポスドク)の生活実態も分析。回答した1369人のポスドクの平均年収は30~34歳の男性で417万円、女性で378万円。企業の研究者との差は年齢とともに広がり、35~39歳の男性では214万円少なかった。ポスドクの43%は契約上の勤務時間が週40時間未満だが、実際に職場で働いている平均時間は男性が60時間、女性が55時間と長かった。  同連絡会の大坪久子・東京大学講師(日本分子生物学会)は、「30代の若い研究者たちは、出産・育児の時期でもあるが、研究との両立に悩み、将来にも不安を抱いている。特に、女性研究者や、大学などで働くポスドクたちへの支援が不十分」と分析。育児中の研究者を支援する大学・研究機関のモデル事業や、若手の研究者を経済的に支援する日本学術振興会の特別研究員制度の拡充を求めている。(滝田恭子) "[he-forum 13553] 読売新聞8/15 読売新聞2008年8月15日付 大学発ベンチャー苦戦、平均赤字5100万円…経産省調査  大学の研究成果を基に起業したベンチャー企業の多くが、経営を軌道に乗せるのに苦しんでいる実態が、経済産業省の調査で14日明らかになった。  2007年度の営業利益は平均5100万円の赤字で、06年度に比べ赤字幅が400万円も広がった。  大学発のベンチャー企業の3割を占める情報技術(IT)ソフト系などは赤字額が減少した反面、全体の4割を占めて最も多いバイオ系の赤字額が増加した。経産省は課題として、企業経営に携わった経験に乏しい研究者が経営者になるケースが多いことを踏まえ、「人材確保」「資金調達」「販路開拓」の3点を指摘している。  一方、07年度末時点の大学発ベンチャー数は、06年度に比べ94社多い1773社となった。少子化の影響で入学者数が減少する中で、ベンチャーを設立することで特色をアピールする狙いがあるようだ。 "[he-forum 13554] 読売新聞8/14 読売新聞2008年8月14日付 キャンパス探訪 (3)獣医・畜産の現場公開  約47万頭の乳牛や肉牛が飼育される北海道の十勝平野。その中心都市・帯広市に、全国唯一の畜産学部を持つ帯広畜産大学がある。広大なキャンパスには牧草地や農地が広がり、牛や馬などの飼育動物のほか、モモンガやエゾリスも顔を出す。  8月2日に開かれたオープンキャンパスの中で、人気が高いのが、獣医学課程の志望者が同大家畜病院の診療の一端を見る「産業動物見学コース」だ。同院には、道内の畜産農家から、病気になった牛や馬などの大型動物が毎日のように送られ、診療を受けている。  「馬もストレスや食べ物で胃かいようになります」。佐々木直樹准教授(41)(大動物外科学)は馬を使い、胃かいようを診断する内視鏡検査を実演した。鼻から直径8ミリ、長さ3メートルの内視鏡を入れ、モニターで胃の映像を映す。「この馬の胃は健康ですね。大学の5、6年生になると、内視鏡が使えるようになります」と説明すると、約20人の参加者は感心したようにうなずいた。  佐々木教授は「大学の獣医学教室はペットなど小動物向けが人気になり、牛や馬を診療できる大学は少なくなった。ここでは産業動物で、豊富な実践を通じた勉強ができる」とアピールする。  同大では昨年度の入学者252人の約7割が、北海道以外の高校出身だ。今年のオープンキャンパスも、受験予定者190人と家族ら160人が参加、受験予定者のうち約100人が道外。長沢秀行学長(53)は「大学の環境や研究内容、北海道の生活などを、家族を含めて知ってもらう絶好の機会」と位置づける。 ◎  講義棟では、獣医学や生命科学といった研究科目ごとに、パネルや標本、実験器具などが展示された。食品科学のブースでは、学内の加工工場で作った豚の腸詰めソーセージが振る舞われた。  島田謙一郎准教授(40)が「1年生で必修の農畜産実習では、豚の世話を1~2か月した後で解体し、ソーセージを作ります」と説明すると、舌鼓を打っていた女子高校生は少し驚いた表情。「畜産大で学ぶ学生は、動物の貴重な生命から食品ができることを実感してほしい」と島田准教授が強調する。  親元を離れる新入生の多くは、獣医学や畜産、食品や環境の研究への意欲が高い。一方で、広大な自然を持つ北海道での生活や獣医、農業への漠然としたあこがれで大学を選んでしまい、畜産業や獣医学の現場を見て、興味を失う入学者もいる。  「学力だけで選ぶのではなく、帯広畜産大で何をやりたいかの目的意識を、できるだけ明確に持って入学してほしい。情報提供の努力は惜しまない」と長沢学長。  遠方からの参加者も多いオープンキャンパスは、学生の抱く理想と現実のミスマッチを防ぐ貴重な機会になっている。(宮崎敦、写真も)  大学の畜産研究 牛や馬など産業動物を扱う研究は、飼育や繁殖、治療など動物に直接かかわるものだけでなく、飼料作物の栽培、食品の加工や製造、流通、農業経営、環境など多岐にわたる。帯広畜産大は獣医学(6年制)と畜産科学(4年制)の2課程がある。他大学では農学部や獣医学部が多いが、酪農学園大学(北海道江別市)は、全国唯一の酪農学部を置く。 "[he-forum 13555] 読売新聞秋田8/14 読売新聞秋田版2008年8月14日付 資源系教育復権へ 秋田大プログラム 連携全国4大学と、教員育成も  秋田大学(吉村昇学長)は今年度から、北海道大、早稲田大、東京大、九州大と連携して、鉱物資源開発や金属リサイクルなど「資源系」の教育を行い、併せて資源系の若手教員の育成に乗り出すことになった。秋田鉱山専門学校からの流れをくむ秋田大が幹事校となり、同大で集中授業などを行う。  5大学による取り組み名称は「資源開発人材育成プログラム」。資源・素材学会、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、石炭エネルギーセンター、日本鉱業協会、国際資源大学校、石灰石鉱業協会が協力する。秋田大によると、国内の大学で鉱山系の学部、学科、コースのある大学は5大学以外にないという。  プログラムでは、「大学連携資源塾」と題して、資源分野を学ぶ各大学の3年生以上の学生を対象に計20人以上を秋田大に集め、来年3月に5日間、資源開発や金属リサイクル、資源経済など鉱物資源全般の集中講義を行う。  また、資源開発・鉱山の現場を知るため、海外就業実習として毎年、複数の学生をオーストラリアやチリ、インドネシアなど海外の巨大鉱山に派遣する。資源学を専門とする30歳代の若手教員を育成するため、若手教員も研究調査として海外に派遣する。  秋田大工学資源学部の柴山敦准教授(リサイクル工学)によると、資源系の学部や学科は、国内鉱山の閉山が相次いだことなどから社会的なニーズを失い、学科再編などで工学部などに様変わりし、資源系の教員も少なくなり、一つの大学で教育することが難しくなっているのだという。30歳代の若手教員も、5大学にそれぞれ1~2人程度しかいないのが実態で、5大学が連携して資源分野の魅力を学生にアピールすることで、若手研究者を増やすことも、プログラムの狙いの一つでもある。  また、「最近(金属リサイクルやレアメタルなど)資源は大事だと資源系が注目されるようになった」(吉村学長)ことから、資源に詳しい人材育成を求める社会的な機運の高まりも背景にある。吉村学長は「秋田大は、鉱山系の人材開発で日本の中核となる大きな役割を持った」と話している。 "[he-forum 13556] 日本経済新聞関東8/15 日本経済新聞関東版2008年8月15日付 群馬大、ミツバと連携協定 全学で交流、共同研究など推進  群馬大学は産学連携の推進に向けて、自動車部品大手のミツバと連携協力協定を結んだ。多くの卒業生を送り出している同社とはこれまでも、製造技術分野での共同研究や研究者の交流を進めてきたが、工学部など一部の学部に限られていた。協定により全学的な取り組みに発展させることで組織間のパイプを太くし、連携活動をさらに推進させる考えだ。  群大は三洋電機やサンデン、太陽誘電などと学部間協定を結んでいるほか、2005年には太田市に工場を持つ富士重工業と全学の協定を結んでいる。全学での協定はミツバで2社目となる。  自動車部品大手のミツバは桐生市に本社を構え、米国のほか、イタリア、フランスなどの欧州、中国、タイなど海外に幅広く事業を展開している。08年3月期の連結売上高は2254億円。経常利益は38億円。 "[he-forum 13557] 北海道新聞8/16 北海道新聞2008年8月16日付 原子炉専門家を育成 室工大大学院 2010年度に専門コース 【室蘭】室蘭工大(松岡健一学長)は十五日までに、原子力発電施設の製造、保全のスペシャリストを育成する、道内初の専門コースを二〇一〇年度に大学院に開設する方針を決めた。原発用部品で世界有数のシェアを持つ日本製鋼所室蘭製作所と提携し、即戦力の技術者を養成する。  低炭素エネルギーとして世界的に原発需要が高まる中で、原子炉などを手がける同製作所にも中国などから注文が相次いでいる。一方、相次ぐ原発事故などが影響し、国内で原子力を学ぶ大学生・大学院生は、ピークの一九九四年度の二千三百十二人から、〇五年度には七百三十五人に七割弱減少。政府も将来の人材不足を見越して専門家育成に乗り出している。  室工大大学院に開設するのは「エネルギー材料工学コース」(仮称)。  その準備として、今月から経済産業省の原子力人材育成プログラムの一環として、プレスクールを十二月まで開講する。当初の定員は七人で、室工大大学院生六人と日鋼室蘭製作所社員一人が参加。炉の腐食や破損の原因や予防法を講義と実験で学ぶほか、同製作所が製造する原子炉圧力容器を十分の一大で実際と同じ工程で製造し、溶接技術も習得する。  講師は同大建設システム工学科の岸徳光教授(衝撃工学)や同製作所の現場指導者ら。大学院ではプレスクールでの課程を発展させて講義内容を構成する考えで、修了生は原発メーカーや電力会社への就職が想定される。  道内では北大大学院に原発の運転・制御システムなどの講座があるが、室工大は製造過程に特化して、即戦力の技術者養成を目指す。  プレスクールのプロジェクトマネジャーを務める室工大の幸野豊教授は「現場で実技を学べる室蘭は国内でもまれな好環境」と専門コース開設の意義を語っている。 "[he-forum 13558] 読売新聞群馬8/17 読売新聞群馬版2008年8月17日付 中小企業役立つ 博士群大工学部が育成事業文科省支援  群馬大工学部(桐生市天神町)は、中小企業の技術者の人材育成を目的とした新たなプログラム(博士、修士課程)が文部科学省の支援事業に採択されたと発表した。  「一社一博士創出プロジェクト」と銘打ったプログラムで、前橋工科大(前橋市)、足利工業大(栃木県足利市)と共同で10月に始める。化学、機械など幅広いものづくり分野が対象だ。  具体的には、群馬大大学院工学研究科内に「共同研究活用型ものづくりリーダー育成コース」を新設し、夜間も開講する。企業側が課題を持ち込んでの共同研究や、群馬大の提携する海外の大学などへの留学などを計画しており、「企業の役に立つ博士」の育成を目指す。  同大はまた、中国・大連市の大連理工大学と提携し、同大に「環境エネルギー新技術R&Dセンター」を設置したことも発表した。バイオマス(生物に由来する再生可能な資源)や環境保護の技術に強みを持つ群馬大と、省エネ分野で高い技術を誇る大連理工大との共同研究で、環境、エネルギー分野での新技術開発が目標だ。日中の各企業との産学連携も視野に入れている。  群馬大の宝田恭之工学部長は、「国際的な産学連携と研究を進め、優秀な人材の育成を図りたい」としている。 "[he-forum 13559] 河北新報社説8/17 河北新報社説2008年8月17日付 ものづくり立国/たゆまぬ人材育成が肝要だ  ものづくりは、ひとづくりと言われる。製造業のウエートが飛躍的に高まることが確実で、産業構造の変革期を迎える東北。各県で、その担い手を育てる取り組みが活発化している。  揺るぎない「ものづくり立国」を実現するため、産学官が手を携え、幅広く息の長い人材育成戦略を推し進めていきたい。  2010年、自動車、電子機器両産業の集積が進む。宮城、福島にトヨタ自動車グループ各社の拠点工場が相次いで進出。宮城県大和町で半導体製造装置大手・東京エレクトロンの工場も操業し、東芝は北上市に記憶用半導体・フラッシュメモリーの工場を新設する。  すそ野が広い自動車と電子機器にかかわる産業に加え、双方が融合したカーエレクトロニクス産業の振興に対しても、地元の期待は高まる。  ここで忘れてならないのは、各社がこぞって東北を進出先に選んだ理由だ。決め手の一つとなったのは「優秀な人材、労働力を確保しやすい」ことだ。裏を返せば、労働力の受け皿が脆(ぜい)弱(じゃく)な東北の産業構造がもたらした工場進出ラッシュといえる。  だが、単なる労働力の供給に終わらせてはならない。進出企業を地元にしっかりと根付かせ、同時に、それら企業との取引を目指す地元中小企業の開発力・技術力をアップさせるためにも人材の育成が肝要だ。人材確保に危機感を募らせる既存進出企業の不安も和らげよう。  もっとも、東北各県が取り組むのは、主に「10年」を念頭に置いた即戦力の養成だ。  宮城はエンジンやトランスミッション(変速機)といった高機能部品の構造に関する技術を習得する研修などを実施。自動車産業参入を目指す地元企業技術者の能力向上に取り組む。  岩手と秋田で相次いだのは自動車や家電に組み込まれ、部品の働きを制御する「組み込みソフトウエア」の技術者養成を目指す産学官連携組織の設立だ。車の電子化に欠かせず、新しい部品・システムの開発に結び付く技術。人材不足が深刻で、どこの企業も欲しい技術者だ。  長い目で見れば、製造業を取り巻く環境は厳しさを増すだろう。原油や資源の高騰に、中国やインドなど新興国との国際競争も激化する。一層のコスト削減、環境対応も求められる。企業が必要とする人材の質は高くならざるを得ない。  今は多くが東北域外に流出する国立大理工系の学生や高専生らの地元定着は図られよう。肝心なのは「卵たち」の育成だ。  少子化の中で各県の高校再編が進む。その再編効果を生かし工業高校に金型や加工に加え高度なIT技術も学べる環境を整備したい。企業との連携を深め技術者らによる「生きた授業」や生徒が実習するインターンシップも手厚く展開できないか。  現場の大変さや面白さに触れる機会が増えれば理解は深まる。小中学生にも、そうした場を提供したい。子どもたちが「なぜ」をはくぐめるよう、理数科の授業にも工夫が要る。  10年後、20年後を見据えたひとづくりも望みたい。 "[he-forum 13560] 室蘭民報8/19 室蘭民報2008年8月19日付 室工大大学院が原子力コース開設、専門家を育成  室蘭工業大学(松岡健一学長)は平成22年度から、原子力発電の専門家を育成する専門コースを大学院に開設する。原子力など発電プラント部材で世界有数のシェアを持つ日鋼室蘭製作所と連携し、原子力分野の人材育成拠点としての地位確立を狙う。大学の生き残り策として特色の1つに育てる。  改組予定の大学院博士前期課程機械システム・材料工学系専攻内に「エネルギー材料工学コース(仮称)」を設置、独自の専門教育課程として自立させる計画。定員は最大で10人程度を予定。コース開設に先立ちプレスクールを今月18日から12月22日まで開く。  プレスクールは、経産省の原子力人材育成プログラム事業(原子力教育支援プログラム)の採択を受けて事業化した。講師は室工大教員はじめ日鋼室蘭製作所や室工大と学術交流協定を結ぶ武蔵工大(東京)から招へいする。  講義は2群計8科目で構成。集中講義や実験、実習形式で進める。大学院博士前期課程材料物性工学専攻1年の6人と日鋼室蘭の社会人1人の計7人が学ぶ。  岸徳光理事(研究・社会連携担当)は18日に開いた同スクールの開講式で「人材輩出という点で地域貢献したい」と力を込めた。日鋼室蘭の村井悦夫副所長は「第一線の技術者として活躍できる人材育成を期待している」などと語った。 (野村英史) "[he-forum 13561] 朝日新聞8/19 朝日新聞2008年8月19日付 大学発ベンチャー、地方で健闘 岡山大、最多8社誕生  研究成果を使って起業する大学発ベンチャーの設立が地方大学で目立つ。経済産業省の調査によると、07年度は岡山大から全国最多のベンチャー8社が誕生。東大や京大を上回った。経産省は「研究成果の実用化に、地方の大学は生き残りをかけて取り組んでいるため」と分析している。  調査によると、全国の大学発ベンチャーの数は、07年度末で06年度末より94社増の1773社。大学の立地を地方と都市部で比較すると、01年度に261社だった地方のベンチャー企業は、07年度に約3.5倍の909社に拡大。有力大が多い東京都や大阪府、京都府など都市圏の伸び(2.6倍)を上回った。  地方の健闘が目立つ背景には、大学側の様々なベンチャー支援策があるようだ。岡山大はビジネスコンテストを実施し、最優秀賞に賞金200万円を拠出している。  ただ、事業化にこぎ着けても多くは赤字体質から抜け出せない。販路の拡大や資金面での継続的な支援が課題となっている。(久保智) "[he-forum 13562] 日刊工業新聞8/15 日刊工業新聞2008年8月15日付 文科・経産省、産学官連携の支援策を融合  文部科学省と経済産業省は09年度から、産学官連携の重点支援拠点を選定する「産学官連携拠点の形成支援」を始める。両省の産学連携に関する4局がタッグを組み、“拠点化”をキーワードに、縦割りが目立つ各種支援策を実質的に融合する。産学官の研究機関が集積するサイエンスパークや、新事業創出を目指して活動するクラスターから、地域の中核となる20カ所超と世界レベルの10カ所を選ぶ。これに向け、文科省は自治体向けの「知的クラスター創成事業」で32億円、大学向けの「産学官連携戦略展開事業」で10億円などの新規枠を設定。両省は産学官連携の関連予算で08年度比倍増の約230億円を概算要求する。 "[he-forum 13563] 西日本新聞8/20 西日本新聞2008年8月20日付 北九州市立大 「大学運営は順調」 市独法評価委が報告書 研究資金目標を達成  北九州市地方独立行政法人評価委員会(委員長=石田重森福岡大名誉学長)は19日、「大学運営は全体として順調」とする北九州市立大の2007年度の業務評価報告書を北橋健治市長に提出した。  同大の地方独立行政法人化に伴い年に一度審査している。今回は同大が定めた中期計画(05‐10年度)に基づき、5分野152項目について年度別の目標達成状況を調査。「改革の枠組みはほぼ整えられた」と指摘した。  分野別では「教育研究の質の向上」や「業務運営の改善及び効率化」など全分野で5段階評価のうち2番目に高い「計画通り進行している」と評価。特筆すべき点として、学生の悩み相談や就職支援などに取り組む「学生プラザ」や、「ビジネススクール(専門職大学院マネジメント研究科)」の開設を挙げた。  外部からの研究資金獲得額が前年度比11%増となり、10年度の目標額の5億円を超えた点も評価。一方、特許出願件数が2年連続で減少して12件にとどまったことを懸念材料とした。 "[he-forum 13564] 毎日新聞兵庫8/20 毎日新聞兵庫版2008年8月20日付 神戸市外国語大学:市と大学、業務目標順調に  神戸市公立大学法人評価委員会は19日、昨年度から地方独立行政法人となった市外国語大学の業務実績に関する評価結果をまとめ、矢田立郎市長に報告した。市が設定した中期目標と、目標達成のために大学が作った中期計画の取り組みについて、ほぼ順調に推移していると評価した。  中期目標の達成状況は4段階評価で、5項目すべてが「順調に進ちょくしている」という2番目の「A」評価だった。中期計画については57の評価項目のうち、最高の「S」評価が5項目、「A」評価が38項目、「B」評価が14項目だった。【内田幸一】 "[he-forum 13565] 四国新聞8/20 四国新聞2008年8月20日付 徳島文理、香川、県立保健医療/共同大学院設置へ  文部科学省が2008年度からスタートした「戦略的大学連携支援事業」に、19日、香川大など香川県内の医療系学部を持つ3大学が連携し、高度な技術や知識を身に付けた医療人材を養成する構想が採択された。共同大学院などを設置し、地域のニーズに応えられる医療教育システムの構築を目指す。また、香川大など四国3県の7大学が、統一の一般教養科目として四国の歴史や伝統・文化などをテーマとした「四国学」を設ける取り組みも選ばれた。  文科省の同事業の期間は10年度までの3年間。全国で54件が採択され、1件あたり毎年1億円を上限に助成される。  医療人材の養成構想は、代表校の徳島文理大香川薬学部・工学部(香川県さぬき市)と香川大医学部(香川県木田郡三木町)、県立保健医療大(香川県高松市)が連携。近年、医師や看護師、薬剤師らがチームを組んで高度な医療を行うことが求められる中、それぞれを目指す学生が他の医療専門分野を学習し、医療人としての幅を広げる。  共同大学院は、2年間の修士課程で、医療全般を学ぶ新しい研究科の創設を想定。早ければ11年度の設置を目指しているが、08年度中にも文科省が示す具体的な方針を踏まえて詳しい検討に入る。  他の取り組みでは、▽各大学の教員派遣や遠隔講義システムによる共同授業▽社会人教育▽医療情報の共有化システムの構築―などを進める計画で、共同授業は早ければ9月にも始めるという。  徳島文理大の桐野豊学長は「全国でも初の試み。医療人材の優れた養成教育拠点ができれば、県民に手厚いケアができることも示したい」としている。  一方、香川大のほか、高知、徳島両県の大学で行う「四国学」は郷土愛や地域に根ざした人づくりが主な狙い。このほか、各大学で地域のニーズに応じた研究教育を新たな専門科目として設ける。講義はあらかじめ収録したビデオや遠隔講義システムなどを利用し、将来的には生涯学習や社会人教育にも活用する方針。 "[he-forum 13566] 毎日新聞京都8/20 毎日新聞京都版2008年8月20日付 共同大学院:府立医大・府立大・京都工繊大・京都薬大、健康科学分野で開設へ ◇11年度にも  府立医大、府立大、京都工芸繊維大、京都薬科大の4大学は19日、健康科学分野の共同大学院を11年度にも開設する方針を発表した。それぞれに既設の大学院に増設する方向で定員などを検討する。  共同大学院と総合的連携計画が同日、文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に採択された。4大学が連名で6月に申請していた。同事業は国公私立大の連携による地域の教育・研究の拠点づくりが目的で、申請94件に対し採択は計54件だった。  府立医大、府立大、京都工繊大は05年度から連携しており、生命科学教育などで実績がある。健康科学には薬学分野強化も必要なことから、共同大学院構想に京都薬大が加わった。  共同大学院では医学、薬学、工学、生命科学、公共政策などの融合的なカリキュラムを設ける。今後、4大学の幹部らで協議会を作り、共同大学院の名称や組織などを検討する。  また、教養教育の共同化、共同研究や地域貢献、留学生受け入れなども進める。【朝日弘行】 "[he-forum 13567] 読売新聞8/20 読売新聞2008年8月20日付 カーエレクトロニクス人材育成、北九州に3大学院新設へ  北九州市立大(北九州市小倉南区)と九州工業大(同市戸畑区)、早稲田大(東京)は19日、同市若松区の「北九州学術研究都市」に開設しているそれぞれの大学院に、カーエレクトロニクス分野専門の修士課程(3年間)を来年4月に新設すると発表した。3大学院が連携し、どの大学院でも単位を取れるのが特徴となっている。  発表によると、各大学院の教授に加え、自動車、半導体メーカーの技術者らを外部から講師として招き、自動車の制御に用いる電子工学や大規模集積回路、コンピューターのソフトウエアに関する知識や技術などを教える。定員は3大学院で計約20人。カーエレクトロニクス専門の大学院は全国的に珍しいという。  この3大学院構想は同日、大学間の連携を促して施設や教員陣を有効活用する文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に選ばれ、1億円の助成を受けることが決まった。助成金は講師の人件費などに充てられる見通し。  北部九州にはトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)や日産自動車九州工場(同県苅田町)などの自動車産業が集積している。北九州市産業経済局の片山憲一局長は「今後、需要が高まる自動車産業の人材育成に貢献し、地元経済の活性化につながる」と期待している。 "[he-forum 13568] 新潟日報8/20 新潟日報2008年8月20日付 文科省の支援事業に県内10大学  文科省が本年度から始めた「戦略的大学連携支援事業」に、新潟青陵大学を代表校とする県内10の教育機関が人材確保や育成に取り組む事業が採択された。看護師や医療関係者の育成、教職員の資質向上などを核に、県内の教育の充実を目指す。全国では本県の取り組みも含め、計54件が選ばれた。  新潟青陵大などの取り組みには、年間最高1億円が補助される。他の参加校は新潟大、県立看護大、敬和学園大、長岡大、新潟医療福祉大、新潟薬科大、新潟リハビリテーション大学院大、新潟青陵短大、明倫短大で、期間は3年。  事業では、看護学生同士の交流や研究発表会、教員の資質向上、中高生への出前講義などに共同して取り組む。新潟青陵大の大谷一男・常務理事は「大学同士の連携で、新潟県全体の魅力向上につなげたい」と意気込んでいる。  「戦略的大学連携支援事業」は、大学が学生確保で苦戦する中、地域の大学同士が教育研究資源を有効に活用し合い、魅力ある教育環境を整えることが目的。  近隣の大学間が連携する「地元型」に15件、都道府県内の大学間での「広域型」に22件、複数の大学が共同大学院の設置を目指す「教育研究高度化型」に17件が選ばれた。新潟青陵大などの事業は「広域型」。 "[he-forum 13569] 長野日報8/20 長野日報2008年8月20日付 県内8大学ネットワーク講義整備 文科省の連携支援事業に  信州大学(本部・松本市)、諏訪東京理科大学(茅野市)、県看護大学(駒ケ根市)など県内8つの4年制大学が連携する教育プログラムが19日、文部科学省の2008年度戦略的大学連携支援事業に採択された。大学間で授業を共有するICTネットワーク講義システムの整備、学生同士のグループ学習を取り組みの柱とし、実質的かつバラエティー豊かな学びの環境づくりを目指す。  各大学は05年度に単位互換制度を導入したが、通学が難しい県内の広域事情があり、利用者は初年度から19人、16人と低調に推移。より有用性の高い連携策が求められる中で、ICT活用などによる新たな教育プログラムを準備してきた。  構想によると、ネットワーク講義システムは遠隔授業を配信し共有化。映像、音声とも双方向性で教員と学生が質疑応答でき、パソコンデータなどの同時利用も可能になる。他大学の授業を取り込むことで学生の選択肢が増え、基礎学力の補てんも期待されるという。09年度後期から試験的に運用を開始する。  グループ学習は、学生の中から育成する「ピアメンター(学習の推進役)」を中心にグループ内での課題探求を行い、主体的に学習するための意欲を養う。ネットワーク講義システムを生かし、大学を超えたグループ学習や交流も視野に入れて進める。  プログラムでは信大が代表校を務め、08年度内に統括組織「高等教育コンソーシアム信州」を設立。ネットワーク講義の対象授業の集約、単位認定の可能性などについて検討するほか、ピアメンター育成事業を共同実施していく。国支援事業は10年度まで3年期間で、補助金は計3億円。  会見で信大の小坂共栄教学担当理事は「各大学の個性を引き出し、県内高等教育の可能性を広げる取り組みにしたい」と話した。 "[he-forum 13570] 信濃毎日新聞8/20 信濃毎日新聞2008年8月20日付 県内の8大学、基礎教育強化で共同組織設立へ  信大(本部・松本市)など県内の8大学は本年度、学生の基礎教育や人材育成などに共同で取り組む「高等教育コンソーシアム(共同運営組織)信州」を設立する。「大学全入時代」を迎え、学生にどう基礎的な知識や思考力を身に付けさせるかは各大学の悩みの種。共通課題での連携を深めることで、各大学が専門分野などで、より個性的な大学づくりに力を注げるようにする狙いがある。  大学間連携を支援する文部科学省の事業に採択されたことを受けて19日、申請代表校の信大などが記者会見した。  コンソーシアムは、各大学をインターネット回線で結び、理数系の基礎科目や、コミュニケーション能力を高めるための日本語の授業などを相互に配信する。8大学共通の副専攻として「環境」をテーマにした授業を配信する案も挙がっている。  人材育成では、自主性を引き出すグループ学習の推進役を育てるため、希望する学生らによる「育成キャンプ」を開く。各大学の教員が共同で英語などの教育法の研究にも取り組む考えだ。  文科省の支援事業は本年度から3年間で、補助額は年間最高1億円。8大学はコンソーシアムを設立後、各大学を結ぶ基盤整備を進め、来年度には試験的に授業の配信を始めたいとしている。  信大松本キャンパスで会見した同大の小坂共栄副学長は「(2010年度末までの)2年半で連携の土台をつくりたい」と説明。同席した松本歯科大(塩尻市)の森本俊文学長は「教養教育の幅も広げられる」と期待を示した。  また松本大(松本市)の住吉広行学長代行は「高等教育の質を高め、若者が県内の大学で学び、地域のリーダーとなれるようにしたい」と強調した。  文科省の支援事業は、大学運営基盤の強化や教育プログラムの共同開発などが対象。全国から94件の応募があり、一橋大と慶応大による共同大学院設置構想など計54件が選ばれた。 "[he-forum 13571] 河北新報8/20 河北新報2008年8月20日付 岩手の5大学 共通キャンパス10年開始目指す  連携拡大を検討してきた岩手大(盛岡市)など岩手県内5大学は19日、共通キャンパスの設置などに取り組む「いわて高等教育コンソーシアム」を10月までに設立すると発表した。「地域をリードする人材の育成」「大学進学率の向上」「地域社会への貢献」を柱に、岩手の知の拠点づくりを進める。  ほかに岩手医大(盛岡市)、岩手県立大、盛岡大(ともに滝沢村)、富士大(花巻市)が参加する。  共通キャンパスはJR盛岡駅西口の公共施設にある県立大アイーナキャンパスを使い、2010年度スタートを目指す。各大学に遠隔講義システムも設け、既に始めている単位互換の枠を広げる。  共通キャンパスでは高校生らを対象にした公開授業の実施も検討し、大学進学率の向上につなげる。各大学の特色を生かした生涯学習講座も行い、地域や県民の活力アップも図る。  将来的には連携をさらに発展させ、仮想の「イーハトーブ大学」をつくる構想もある。  学生たちが岩手の文化や歴史など「岩手学」を学び、地域リーダーを育てるプログラムで、14年度からのスタートを見込む。  コンソーシアム設立は19日、文部科学省の戦略的大学連携支援事業に採択されて決まった。岩手大の藤井克己学長は同大で開いた記者会見で「5大学で13学部あるが、同じ名前の学部は一つもない。教員と学生の学習の場が広がるとともに、研究面でもつながりができる」と期待した。 "[he-forum 13572] 岩手日報8/20 岩手日報2008年8月20日付 文科省事業に採択 県内5大学共通キャンパス  岩手大、県立大、岩手医大、富士大、盛岡大の県内5大学は19日、全13学部が連携し「イーハトーブキャンパス」の設立を目指す事業が、文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に採択されたと発表した。「岩手学講座」の共同開講や単位互換の促進などを通じて、地域の中核を担う人材を育成する。事業は本年度から3年間で、年間1億円を上限に補助される見通し。  盛岡市上田3丁目の岩手大で開かれた共同会見には5大学の学長らが出席。岩手大の藤井克己学長は「5大学の特徴を生かしつつ、これまでも取り組んできた単位互換などの連携をさらに進めたい」と抱負を述べた。  「イーハトーブキャンパス」は、盛岡市のいわて県民情報交流センター(アイーナ)内に共通キャンパスを設置。各大学・高校へ授業配信できる遠隔講義システムの構築や市民への生涯学習の場提供など20事業を計画する。本年度から基盤整備を進め、2011年度始動を目指す。  文科省が本年度創設した「戦略的大学連携支援事業」には、全国から94件の申請があり、「イーハトーブキャンパス」を含む54件が採択された。 "[he-forum 13573] 共同通信8/22 共同通信8月22日16時59分 群馬大で残業代不払い 4カ月分、2500万円  群馬大が、同大病院を含む職員の残業代を払っていないなどと前橋労働基準監督署から是正勧告を受け、不払い分約2500万円を昨年12月に支払っていたことが22日、分かった。  国立大の残業代不払いは、7月に広島大の2年3カ月、約1億9000万円が判明するなど各地で問題となっている。  群馬大によると、手当が不払いだった残業時間は昨年6-9月の4カ月で計1万1688時間。対象の職員は約920人で、大半が同大病院職員だという。  前橋労基署が昨年9月に立ち入り検査した後、同年6-8月について勤務実態の詳しい調査を要求。大学側は9月を含めた4カ月分を調べ報告し、前橋労基署から11月に是正勧告を受けた。  国立大で残業代不払いが相次いで発覚している背景としては、国立大学法人化し労働基準法の対象になったため表面化したという事情があるとみられる。また同法人化後の事務作業の増加に伴う残業時間増を指摘する声もある。 "[he-forum 13574] 産経新聞8/22 産経新聞2008年8月22日付 東大、阪大生、末は博士か「職員」か 就職は母校の大学が人気  景気減速の影響で新卒者の就職悪化が懸念されるなか、就職先として「大学」の人気が高まっている。特に長年にわたって官界、産業界に“エリート”を輩出してきた東京大学や大阪大学などで母校事務職員を希望する傾向が強く、東大では職員採用の独自試験を導入以降の3年間で計27人が、3月に赤門を巣立ち、翌4月に再び赤門を就職先としてくぐった。法人化後の大学を、安定志向とチャレンジ精神の両方を満たす職場と学生がとらえているようで、母校人気は他大学にも広がる可能性もある。  国立大学の職員採用は、平成16年度の大学法人化に伴い、国家公務員試験から全国を7つのブロックに分けて統一試験を行う方式に変更。さらに、それぞれの大学が独自試験を行うことも可能になった。  この結果、求人情報サービスのエン・ジャパンが、来年卒業する学生を対象に調査した人気企業ランキング調査でも、国立大学法人グループは前年の303位から82位に急浮上した。  東京大学では、これまで以上に企画運営能力の高いスタッフを育成する目的で、17年度に大学独自の採用試験を導入。この結果、大学院修了者も含めて17年度4人▽18年度15人▽19年度5人の東大出身者が、職員として採用された。特に18年度は独自試験による採用者33人の半分近くを東大出身者が占めた。  統一試験組を合わせれば、3年間だけで27人が母校に就職。現在働いている職員のうち、平成15年度以前の母校出身者計3人に比べて急増している。  辰野裕一・東大理事は「法人化された国公立大学は、民間企業と公的機関のちょうど間に位置する。法人化により自由度が増した大学の前には、大きなビジネスチャンスが広がっている。公務員の安定性をもちながら、変化に富む職場として、新卒者にとって魅力が増しているのだろう」と分析。「研究をはじめ、大学の実情を把握しているので、アカデミックスタッフとして活躍してくれるだろう」と期待をかける。  大学職員人気は、独自採用を行っていない他大学にも徐々に広がっている。大阪大学の人事担当者は「統計をとっていないが、感触として阪大卒業者の阪大就職は確実に増えている」と話す。九州大学でも、平成20年度に採用した職員に占める母校出身者の割合は30%に達した。  国立大学の採用試験をサポートする社団法人・国立大学協会では「大学が専門性の高い職員を求めるようになり、今後はさらに独自採用と母校就職が拡大していく可能性もある」と指摘している。 "[he-forum 13575] 山形新聞8/22 山形新聞2008年8月22日付 東北がんネットワーク設立へ 医療向上へ24日に総会  東北地方のがん医療のレベル向上を目指し、東北6県の医療関係者が「東北がんネットワーク」を設立する。県や大学、病院間の垣根を越えて、治療法の情報共有や業務の効率化などを進め、「誰でもどこでも質の高いがん医療を受けられる」ための体制を整える。24日に仙台市内で設立総会を開く。  山形大医学部によると、がん医療の3本柱のうち、外科手術以外の放射線治療と化学療法(抗がん剤治療)は米国に比べて遅れており、特に東北地方では、専門医や治療施設の不足が目立つ。また、がん患者のうち放射線治療を受けたのは2005年、宮城の26.9%に対し、本県は19.4%、最も低い福島は17.4%と、東北6県でも取り組みに違いがあり、患者が受ける医療に差が生まれることも指摘されている。  ネットワークは、こうした課題を受け、県や病院単位ではなく、広い枠組みでがん対策を進めるために設立。▽がん登録▽患者情報を複数の医療機関が共有する「地域連携パス」▽がん患者相談室▽緩和医療▽化学療法▽放射線治療-の6つの専門委員会の活動が中心となる。例えば、放射線治療専門医では、共通の治療法の検討や合同症例検討会などを計画している。約30の医療機関が参加する見通しという。  がん医療の連携については、これまでに東北6大学の意見交換会を開いたり、山形大が「東北がん診療連携ネットワーク協議会」設立を提案するなどの動きがあった。各県の医療関係者が昨年8月、東北がんネットワーク設立準備委員会を結成し、本格的な準備を進めてきた。 "[he-forum 13576] 読売新聞秋田8/22 読売新聞秋田版2008年8月22日付 秋田大と県立大で大学院 共同設置へ 8大学・高専は連携事業  秋田大の吉村昇学長は21日、記者会見し、県立大とともに共同大学院の設置に向けて交渉を始めたことを明らかにした。3年後の2011年度の開設を目指す。共同大学院が実現すれば県内では初めて。また、秋田市内の秋田大など国公私立7大学と秋田工業高専が、「秋田学」といった共同講座の設置や共同研究などで連携を図る事業が、新たに文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に採択されたと発表した。県内の大学が連携を進め、研究の充実や学生の確保を強化する取り組みが本格化してきた。  共同大学院の研究内容や設置方法は、今後、両大学で協議して検討する。  県の担当者は、「工学資源の分野に強い秋田大と、システム科学の分野の研究を進める県立大なら得意分野を補完できる」と話し、両大で研究内容の充実が図れるとしている。  共同大学院は、東京農工大と早稲田大が10年度、京都府立医科大、京都府立大、京都工芸繊維大、京都薬科大の4大学が11年度の開設を目指すなど、全国で地域や分野ごとの連携が進んでいる。  一方、戦略的大学連携支援事業が採択されたのは、秋田大、県立大、国際教養大、ノースアジア大、公立美術工芸短大、日赤短大、聖園学園短大、秋田工業高専。事業は3年計画で、文科省から年間5000万円の補助金が助成される。  8大学・高専は、少子高齢化や自殺予防などをテーマに、「秋田学」「秋田戦略学」といった共同講座を開設し、8大学・高専の学生が単位を互換できるようにする。さらに県内の高校生も受講できるようにして、単位を取得すれば、大学入学後に大学の単位として認める方針。今年10月ごろの開講を目指す。  また、8大学・高専で連携してオープンキャンパスや入試説明会などを開き、学生確保につなげるほか、教職員の合同研修会を行い、質向上を図るなど人材養成機能も強化する考えだ。  吉村学長は「大学間の連携を強化することで、秋田の発展、地域活性化に役立つ研究をしていきたい」と話した。 "[he-forum 13577] 産経新聞山梨8/21 産経新聞山梨版2008年8月21日付 山梨大と早大の大学院連携、文部省の支援事業に選定  山梨大は20日、同大大学院(医学)と早稲田大大学院(生命科学)が申請した連携事業が、今年度から文部科学省が開始した「戦略的大学連携支援事業」に選定されたと発表した。医学と理工学の両方に精通した人材を育成し、6年後には共同で大学院の新設を予定するほか、将来的に認知症やアレルギー疾患などの研究成果を社会に還元したいとしている。  山梨大によると、国内の生命科学研究は医療現場に生かされず、発見しても海外で応用されてしまうケースも多かった。このため研究者間で交流のあった早大と連携し、自治体と一緒に進めてきた山梨大の医学臨床研究と、早大が得意とする生命科学研究を融合させることにしたという。連携は脳神経科学▽精神発達学▽感染免疫学-の3分野で、2年後から大学院生の相互受け入れを予定する。  支援事業には申請94件中54件が選定。甲信越地方では人材育成などを進める新潟青陵大など新潟県内の連携、信州大など長野県内の連携なども選ばれた。 "[he-forum 13578] 読売新聞8/22 読売新聞2008年8月22日付 和歌山大観光学部、中心市街地進出を断念し学部棟構内に建設 費用や立地面で  和歌山大の小田章学長は21日、観光学部の和歌山市中心市街地への進出を断念し、同市栄谷の現在のキャンパス内に学部棟を建設すると発表した。断念の理由について、小田学長は「経済的な面もあるし、我々の期待が高すぎたこともある」と説明した。  同大は、衰退が進む中心市街地の活性化につながるとして、観光学部の拠点を設置する構想を進めてきた。しかし、当初入居を予定していたビルは、共益費などの面で折り合いが付かず、今春の学部開設に間に合わなかった。  同大は、中心市街地に近い市立伏虎中学校(和歌山市七番丁)の校舎を借りられないかを市に打診。市からは市発明館(同市寄合町)などの活用が提案され、民間からのビル利用の話もあった。しかし、費用や立地と活性化の効果を考えた結果、進出を断念。市や県などにはすでに説明をして、理解を得られたという。  一方で、同大は今年6月、同市本町2の商業複合施設「フォルテ・ワジマ」内にサテライトを開設しており、観光学部の授業も実施する予定。小田学長は「中心市街地と縁を切ることはない」としながらも、「(進出について)食い違いがあった。今のキャンパスに学部の拠点が出来てしまったら、出て行くことは無理」と述べ、将来的な進出にも否定的な考えを示した。  新たに建設する学部棟は、紀州材を利用した木造の建物を検討し、2010年4月からの供用開始を目指したいとしている。  中心市街地への進出断念について、大橋建一市長は「このような結果になり、残念。今後、観光学部との連携会議の設置や学生主体のイベントなどを通じ、活性化に向けて連携を深めていきたい」とコメントした。 "[he-forum 13579] 時事通信8/21 時事通信2008年8月21日16時55分 医学部定員増を了承=来年度から国私立26校-大学設置審  医師不足が深刻化している問題で、大学設置・学校法人審議会は21日、国立大22校が来年度から医学部定員を計137人増やすとした計画を了承した。私立大4校が計15人増員する学則変更についても、認可するよう鈴木恒夫文部科学相に答申した。  大学医学部をめぐっては、政府が昨年まとめた緊急医師確保対策で定員を拡大させるとしており、別の国立大12校による来年度からの計57人増員も既に了承されている。 "[he-forum 13580] 毎日新聞高知8/21 毎日新聞高知版2008年8月21日付 高知工科大:県内出身学生確保へ優遇制度を検討  高知工科大(香美市)の佐久間健人学長はこのほど開かれた県議会企画建設委員会で、来年4月の公立化に伴い県内出身学生確保のため、学費を免除した上、返済義務のない奨学金を給付する優遇制度の導入を検討する考えを明らかにした。  工科大は県内産業を担う人材育成などを目的に開学。しかし、06年度入学生から定員割れが続き、県出身者も半数程度にとどまるため、公立大学法人化で学生に根強い国公立大志向に応え、学費も半額程度に抑えて学生確保につなげる考え。  佐久間学長は「公設民営大学としては全国初となるが、後に続く大学の手本となりたい」と決意を表明。公立化に向けた大学づくりとして、県出身学生を対象に「学費免除の上、返済義務のない奨学金制度の導入を検討したい」と述べた。【服部陽】 "[he-forum 13581] 日本経済新聞8/25 日本経済新聞2008年8月25日付 医学部定員1.5倍 10年後、地域偏在を解消  厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン具体化に関する検討会」(座長・高久史麿自治医科大学学長)は24日、大学医学部の定員を10年後に現在の1.5倍の1万2000人程度にすべきだとの中間報告書骨子案をまとめた。提言は2009年度から定員を年間400―500人ずつ増やす内容。病院に勤務する医師が不足し、地域医療が崩壊の危機にひんしていると判断、医師数を抑制してきた政策を転換する。  中間報告書は27日に開く会合で正式にまとめる。厚労省は医師養成数を今年度の約7800人から、来年度は過去最多の8300人程度にする方針を決めていたが、「中長期ビジョン」として継続的に増やす内容を盛り込む。医学部の定員を管理している文部科学省と連携し、来年度の予算で100億円程度を要求する。 "[he-forum 13582] 日本経済新聞8/23 日本経済新聞2008年8月23日付 茨城大など首都圏北部4大学、共同で知財活用推進 運営協設置  茨城大学、宇都宮大学、群馬大学、埼玉大学は共同で、各大学が持つ知的財産の活用をめざす「首都圏北部4大学連合(4u)連携事業」に取り組む。22日、水戸市内で事業のスタートとなる「キックオフ会議」を開催した。今年度から5年間、地域の企業などに対する技術の指導や移転、共同研究を進め、知的財産の活用を推進。首都圏北部地域の活性化につなげる。  4大学は同日、連携事業の運営協議会を設置した。4つの分科会を立ち上げ、4県の産業支援機関や地元の企業関係者などで構成する有識者会議の助言を受けながら、事業を進めていく。文部科学省の「産学官連携戦略展開事業」の採択を受けた。  分科会のテーマは「地域ブランド創出」「知的人材の啓発・教育」「技術移転」「研究シーズの創出」の4つ。分科会ごとに企業に対する技術指導や相談会、特許相談、セミナー、新技術の説明会などの活動を行い、具体的な成果につなげる。 "[he-forum 13583] 読売新聞北海道8/23 読売新聞北海道版2008年8月23日付 「大学発ベンチャー」道内75社に  北海道経済産業局は22日、大学で生まれた研究成果やノウハウを生かして創業したベンチャー企業「大学発ベンチャー」が、今年3月末時点で道内75社になったと発表した。前年同期比で7社増で、内訳としてはバイオ分野が52%、環境分野が19%を占めている。  「大学発ベンチャー」の数を都道府県別で見ると、北海道は6番目で、愛知県を抜いて前年より順位を一つあげた。大学別では北海道大が43社で全国10位にランクされている。道内ではこのほか、千歳科学技術大が7社、東海大(北海道キャンパス)が6社、小樽商科大が5社で続いている。  道経産局は読売新聞などと「全国大学発ベンチャー北海道フォーラム」を催し、ベンチャー企業の支援体制を敷いている。「今回の結果は、まずまずといえるが、大学発ベンチャーをさらに活性化させるためには、人材育成や資金調達、販路開拓面の支援が欠かせない」(新規事業課)としている。 "[he-forum 13584] 朝日新聞8/25 教員にも通信簿 朝日新聞2008年8月25日付  各教員の業績を段階や数値ではじき出す個人評価制度を導入する動きが、大学で広がっている。日本では「客観性に疑問」「順位付けにつながる」と根強い反対があったが、少子化やグローバル化を受け、学生サービス改善や教員資質の向上といった時代の要請に一斉に応え始めた格好だ。給与や人事査定に直結させる大学も出始める一方で、過度の「市場原理」の浸透を懸念する声も漏れる。(石川智也) ◆自己評価 上司が加減点  「1年分記入するだけで一日仕事。印刷すると100ページ以上だよ……」  岡山大(岡山市)のある研究室。パソコンに向かう40代男性教授の口調は愚痴めいている。  同大が04年度から本格実施した個人評価制度は、教授から助手までの全専任教員約1300人が対象だ。教育、研究、社会貢献、管理・運営の4領域ごとに、学部長や研究所長が前年度や過去数年の活動を3段階評価。4段階の総合評価も行う。基になる自己評価の提出期限が9月末のため、夏季休暇中の今が記入の追い込み期。項目は膨大だ。  教育方法や達成度、論文や著作の内容のほか、研究資金の獲得、審議会への参加、などを400字以内で埋めていく。それら「業績」の配点は細かく決まっていて、授業は1コマ1点、論文指導は修士1人が1点、博士1.5点。さらに、学会発表1点、公開講座2点……。学生の評価や医学部付属病院での診療活動も点数化される。  それぞれを学部長が加点・減点し、各教員ごとの最終的な総合点が積み上げられる。学部長の手元には全員の「順位」が入ることになるが、本人に通知されるのは段階評価だけ。「1」の「改善を要する・問題あり」と評価された教員は改善計画書の提出を求められる。  岡山大がこの制度の試行に踏み切ったのは02年。長崎大などとともに国立大では最も早かった。米国の大学を参考に当時副学長だった千葉喬三学長が音頭を取ったが、教員有志は度々「公平な評価は困難」「大学の自由や多様性を失わせる」などと懸念を表明した。  当時は一助教授だった神崎浩・農学部長は「研究面はともかく、教育が数値化されることへの根強い反感があった」と話す。「ただ、大学教員に必要なのは特定の領域に偏らないバランス。明らかに改善が必要な人もおり、底上げの効果はあると今は理解されている」  昨年度からは新たに、最終的な総合点を昇給や勤勉手当の差に反映させる制度も導入した。個人評価は絶対評価のため上位2段階で教員全体の95%を占めたが、給与査定は必然的に相対評価になる。  千葉学長は「主目的は待遇査定ではなく、あくまで説明責任と自己改善」と説明する。「個人評価は店の領収書と同じ。クライアントである学生の授業料と税金で成り立っている以上、活動を目に見える形で示す義務がある。プロ意識を高め、国際的な競争の中で大学全体が信用を得るためにも、必須だ」  各教員が記入した自己評価はホームページで公開しているが、いずれは段階評価や総合点の公表も検討するという。 ◆年棒に格差 250万円も  年俸制などと直結した、より厳格な成果主義の導入も進む。  高知工科大(高知県香美市)の今年度の専任教員の給与は、最大250万円の開きがあった。03年度に始めた教員評価はやはり、1点単位の細かい制度。昨年度は約50人の教授の間で700~2500点と大きな差が出た。この3年分の「成績」で4年目の年俸が決まる。  年俸制適用は希望者のみで、当初は2割ほどが反対していたが、現在は152人の教員のほとんどが適用を受けている。  首都大学東京(東京都八王子市)も昨年度から、評価制に基づく任期制、年俸制を本格実施している。「特に優れた水準」Sから「相当の改善を要する」Cまでの4段階で評価し、上位1割の教員には業績給に標準額の15%を加算。Cの教員は逆に15%減らす。任期は基本的に5年で、C評価が続き改善努力が見られなければ再任しない。  「評価・任期・年俸が三位一体であることに特徴と意義がある」(人事課)という。 ◆国立は9割導入 法人化後に加速  個人評価制度の全国状況を調べている大川一毅・岩手大准教授によると、国立大での導入がより進んでいる。国立大は法人化後、中期計画の達成度を検証されることになったが、多くの大学が計画に個人評価の検討を盛り込んだためだ。積極的に導入している大学が法人評価委員会から高評価を得ているという背景もある。  大川准教授と奥居正樹・広島大准教授による今年1月の調査では、全国国立大の87%が個人評価を実施しており、06年の48%から急増した。  ただ、実施した評価が反映される分野については、41%の大学が「検討中」とし、評価を活用しきれていない実情も浮かぶ。  制度導入にあたり障害・課題となった点については、46%の大学が「昇給・昇進への反映」を挙げ、「労力・コストの増加」(51%)に次いで多かった。評価結果が人事・給与査定に利用されることへの危惧(きぐ)が、教員の間で依然として高いことを物語る。  大川准教授は「導入自体が目標だった段階は終わった。ただ、米国のように、結果を個人に帰(き)し、解雇も引き抜きも当たり前という世界がよいとは思えない。各大学は、評価結果を大学の責任でとらえ、組織改善にいかす態勢を整えるべきだ」と指摘する。 "[he-forum 13585] 毎日新聞群馬8/26 毎日新聞群馬版2008年8月26日付 残業代不払い:病院職員らに 群大に是正勧告--前橋労基署  群馬大が同大付属病院の職員らに残業代を支払っていないとして、昨年11月に前橋労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。不払い分は事務職員ら270人に対し約2500万円で、群大は勧告を受け同年12月に支払った。  群大人事労務課によると、同労基署が昨年9月に立ち入り検査し、勤務実態の調査を要求。群大が同年6~9月に4カ月分を調べたところ、教員を除く職員1080人中、920人が残業しており、うち270人に不払いがあった。1人当たり月平均の残業時間は10・8時間だった。  同課は「サービス残業を人件費に計上しない国立大時代の習慣が残っていた」と説明。再発防止策として管理職に勤務実態を徹底して把握するよう指示したという。【伊澤拓也】 "[he-forum 13586] 朝日新聞群馬版8月26日 朝日新聞群馬版2008年8月26日 群馬大、残業代不払い  群馬大学(前橋市)が昨年6~9月、職員約270人分の残業代計約2490万円分を支給しなかったとして、前橋労働基準監督署の是正勧告を受け、12月に一括して払ったことがわかった。群大に限らず、旧国立大学は04年、一斉に国立大学法人に改組し、職員は国家公務員でなくなった。各地の国立大学法人で残業代の不払いが発覚する背景には、労働基準法が適用されるようになったにもかかわらず、採算や経営が重視される中で、人件費の抑制にはしりがちな事情もある。  群大人事労務課によると、実際は計5万7223時間を数えた残業時間のうち、4万5535時間分しか支払っていなかった。11月に前橋労基署の勧告を受け、12月、約270人(うち病院職員101人)に対して、計1万1688時間分にあたる約2490万円の残業代を支払った。額は、多い人では数十万円にのぼった。  残業をする場合、職員は上司に「時間外勤務申請書」を出すことになっているが、法人化前から、申告してもその通りには支払われない状況が続いていたため、職員自身、短い時間を申告するようになっていたという。同課は「人件費の予算配分が抑制されてきた中で、各部局の管理職側も、1人あたりの残業代は最高でも年間360時間、月間45時間以内に抑えないといけないものだという認識を持っていた」と説明する。  勧告以降、文書や口頭で、各部署の管理職に対して「残業代を抑えたり削ったりしないように」と注意を喚起。あわせて、労働時間の管理についてのマニュアルも作った。 ◆法人化で業務増加 交付金と職員は減  国立大学時代、職員は国家公務員で労働基準法が適用されなかった。人件費の抑制が問題視されにくかった法人化前の感覚を引きずったまま、労基署から残業代不払いを指摘される事例がここ数年、全国で相次いでいる。  法人化後も国は、国立大学法人に対して人件費や光熱費にあてる運営費交付金を出しているが、毎年1%ずつ(09年度以降は3%の方針)削減されるなど、先細りの傾向にある。一方で、法人化に伴い業務は増えて複雑になる半面、職員数は減っている。  こうしたなか、大学は財源の確保や、業務そのものの見直しや効率化を迫られている。競争が激化するなかでは、学生や病院の利用者に対するサービスの維持・向上も至上命令だ。  人事労務課の担当者は「これまで具体化しにくかった業務の見直しを、今回の労基署の勧告を機に徹底したい」と話す。財務課も「本当に残業が必要なのか検証してもらっている」。  事務棟では室温が32度を超えないと冷房を使わないなど光熱費を節約したり、業者に数百万円で依頼していたキャンパスの芝刈りを職員が行ったり。仕事の効率の低下や仕事の増加にもつながりかねないが、「これでかなり節約できている」という。 "[he-forum 13587] 時事通信8/27 時事通信2008年08月27日20時06分 12・8%増の5兆9000億円を概算要求  文部科学省の2009年度予算概算要求の概要が27日、分かった。一般会計の要求総額は前年度比12・8%増の5兆9472億円。「ゆとり教育」からの転換を図るため、小中学校の学習内容を増やす新学習指導要領の円滑実施に必要な経費に重点を置いた。   09年度から移行措置が始まる新指導要領への具体的な対応として、▽非常勤講師1万1500人配置▽道徳教材購入に対する国庫補助制度創設など(47億円)▽算数・数学、理科の補助教材の作成・配布(25億円)-を盛り込んだ。  また、08年度予算で1000人増が認められた教職員定数に関しては、主幹教諭を中心に1500人増を要求。その一方、校長などの管理職手当を改善するとともに、特別支援教育の教員などの調整額を縮減し、「メリハリある教員給与体系」を推進する。  このほか主要施策として、学校耐震化の推進、医師不足対策人材養成推進プラン、「留学生30万人計画」実現に向けた大学の国際化推進などに関する経費を計上した。 "[he-forum 13588] 毎日新聞8/28 毎日新聞2008年8月28日付 国立大学医学部長会議:定員増などを要望  「国立大学医学部長会議」は27日、医師不足による「医療崩壊」を解消するため、国立大医学部の定員増などを求める要望書を政府に提出した。要望書は、国立大医学部の定員増のほか、定員増1人当たり1000万円の運営費を大学に交付することや、医師以外の看護師や薬剤師も確保できるよう医療費の増額なども求めている。 "[he-forum 13589] 読売新聞岐阜8/29 読売新聞岐阜版2008年8月29日付 外部移管も視野 岐阜市が行財政改革検討  岐阜市は28日、市立の岐阜薬科大、岐阜女子短大、岐阜市民病院、中央卸売市場、食肉地方卸売市場などの外部移管も視野に入れた行財政改革の検討を始めたことを明らかにした。今年度中に各部署から意見を取りまとめ、来年度中に具体的な方針を決定する。  2007年度の市の実質収支は63億円の黒字を確保したが、06年度と比べ黒字額が約26億円(約30%)減少。今後も歯止めがかからないことが予想され、細江茂光市長は「聖域なき改革を断行する」と述べた。  市によると、今年度は補正予算計上を予定している道路整備事業費などを一律30%カットするほか、新行財政改革大綱の策定に着手する。来年度予算の編成も大幅な歳出削減を図る方針だ。  市立大学、病院、市場の運営は、独立採算がとれず、運営費の一部を市が一般会計から繰り出している。これらの施設は公共性が高いが、市民以外の利用者も多く、市が単独で維持、運営することの是非について議論がある。  大学については、他大学との提携により、経費の圧縮を図る方法のほか、独立行政法人化や他法人への移管が検討される。病院については、独立行政法人化のほか、経営のみを民間の医療法人に任せる公設民営化や施設を手放す完全民営化も視野に入れている。  市場は県内一円の需要があることから、一部事務組合を設置し、他自治体との共同経営化や民間からの資本参加を模索する。市は、27日に設置した成原嘉彦副市長を委員長とする重要課題検討委員会で具体化する。 "[he-forum 13590] 朝日新聞9/1 朝日新聞2008年9月1日付 高専専攻科に熱視線  高等専門学校(高専)の専攻科が人気だ。専攻科は2年間かけて高度な技術者教育をする。高専の本科を出て専攻科に進む学生は年々増え、07年度は過去最多になった。「中堅技術者」を養成するために発足した高専だが、技術の進歩を受けて学生がより高度な教育を求めるようになったことなどが背景にある。進学や就職で実績を上げていることも人気の秘密のようだ。 ■進学者、5年で1.5倍に  専攻科は、5年(一部は5年半)の課程を終えた本科の卒業生が継続して研究できるようにすることなどを目的に、学校教育法の改正で92年から設置されるようになった。高専教育の改善策について話し合っていた大学審議会(当時)が、高専の研究機能の強化などを求める答申を91年に出したことがきっかけだ。  文科省の調べでは、07年度時点で国公私立の60校が専攻科を設置しており、在学生は3119人。本科を卒業して07年度に専攻科に進学した学生は1535人に上り、ここ5年間で約1.5倍に伸びた。専攻科を設置する高専自体が増えていることに加え、人気も高まっていることが背景にある。 ■進学・就職で実績  千葉県木更津市の木更津工業高専は01年に専攻科を設置。「機械・電子システム工学」など三つの専攻があり、今年度は38人が入学した。志願者は47人で、ここ数年は増加傾向。橘川五郎・専攻科長は「最初は学生集めに苦労したが、就職や大学院の受け入れ先が増えてきており、それが学生に魅力的に映っているのだろう」と話す。  07年度まで3年間の状況を見ると、東京工業大や筑波大の大学院への進学実績があり、就職先も大企業が目立つ。07年度は修了者34人のうち15人が進学、19人が就職した。  2年生の川崎直輝さんは「環境をそれほど変えずに、人間の脳をモデル化する自分の研究を続けられると思ったし、就職や大学院への進学で先輩が実績を残していたから、専攻科に進むことにした」と話す。同学年の中山隼さんは「ロボットの歩行制御の研究をそのまま続けたかったし、国立大に比べても授業料が安いことも決め手」。  同校は専攻科で「実践的技術者」の育成を掲げ、専門性に加えて国際化などに対応できる能力を身につけさせることも目指す。「半導体デバイス」「電磁波工学」といった専門的な授業が目立つ一方、英語にも力を入れ、TOEICなどの受験も奨励している。  また、専攻科では大学評価・学位授与機構の審査に合格すれば、大学の学部卒業生と同等の「学士」の学位を取得することが可能で、同校ではほぼ100%が取得。こうした実績が学生を後押ししているという。  02年度に専攻科を設置した和歌山県御坊市の和歌山工業高専では今年度、16人の定員の3倍近い44人が受験、25人が入学した。志願者は増加傾向にあり、山口利幸・専攻科長は「本科の卒業研究を続けられるし、うちは大学が近くにないため、地元で学んで学士になれる点も魅力のようだ。もっと専門的に勉強したいという学生が増えていることも背景にある」と話す。  同高専は、国立大などと協定を結び、推薦で大学院に入学できるようにするなど、進路の開拓も進めているという。 ■企業も評価  東京工業高専は今年、全国の高専の協力を得て専攻科修了者を採用している企業にアンケートを実施。317社が回答し、専攻科修了者のここ数年の採用状況について、「採用数を増やした」が13.5%、「今後増やしたい」が48.5%に上った。「技術力がある」「専門性の高い教育で即戦力となる」などが理由で、企業の採用意欲が高まっていることがうかがえる。  また、採用後5年以内の専攻科修了者と大学の技術系卒業者を専門知識や行動力など15項目で比べてもらったところ、英語力以外はすべて専攻科修了者の方が評価が高かった。  国立高専の設置・運営を担う国立高等専門学校機構(東京)によると、専攻科は30倍を超える求人倍率がある。機構の企画課は「専攻科は長期のインターンシップを行うなど、より実践的な教育を行っており、社会に出て活躍できる人材が育っているから」と分析する。  ただ、専攻科への進学者が増える一方、専攻科の入学定員は本科の1割程度しかなく、規模の拡大を求める声もある。機構は、高専がある地域の実情を踏まえ、ニーズが高い所については定員を増やすことも検討していくという。 ■中教審「高専」の充実求める答申  中央教育審議会(文科相の諮問機関)の大学分科会は7月、高専教育の充実を求める答申案をまとめた。「実践的・創造的技術者」の養成のため、今後5年程度をかけて取り組む施策をまとめた「高等専門学校教育振興施策要綱(仮称)」の策定などを提言。近く総会に諮り、文科相に答申する。中教審が高専教育を本格的に検討するのは、91年の答申以来。  具体的な施策としては、卒業生の約4分の1(06年度)が大学3年次などに編入学している実態を踏まえ、大学に「高専教育との連続性に十分配慮したカリキュラムの編成」を求めた。基盤整備の面では、設置以来更新していない老朽化した設備があると指摘、計画的な整備の必要性に触れた。専攻科については、学生と企業のニーズがともに高いとし、「地域や各高専の実情に応じ、入学定員の拡充を含め、整備・充実を図っていくことが適当」としている。(大西史晃)    ◇  〈高等専門学校〉 産業界の要望に応える形で、実践的技術者を養成する機関として1962年に創設された。中学校卒業程度の学生を受け入れ、本科の修業年限は5年(商船に関する学科は5年半)。07年度時点で国立55、公立6、私立3の計64校が設置され、本科の学生は約5万6千人。卒業生には準学士の称号が与えられる。分野別学科数は、電気・電子系が78と全体の3割を占め、機械系54、情報系44と続く。 "[he-forum 13591] 毎日新聞9/1 毎日新聞2008年9月1日付夕刊 特集ワイド:大学教員残酷物語 「高校詣で」も仕事!? ◇私立大定員割れ47% 激しい学生争奪戦 ◇訪問マニュアル手に奔走、まるで企業の新人研修みたい  今春の大学入試では、私立大(4年制)の半数近い47%が定員割れをした。教授や准教授の大学教員は夏から秋にかけて、受験生を確保するための高校訪問や大学を開放するオープンキャンパスなどで大忙しだ。「高校訪問の地方出張が多すぎる」「教員本来の仕事ではない」などの嘆きも聞こえる。受験生確保に奔走する大学教員の姿を伝える。【中山裕司】  18歳人口が減少する中、私大が生き残るには三つの要素が必要だという。有名大学などが持つ「ブランド」、都会など交通に利便性のある「立地」、理系と文系に複数の学科がある「総合大学」。もちろん例外はある。  大学による受験生確保の方法の一つは、推薦入試で一般入試より前に入学者を決めてしまうことだ。私大の推薦入学者の割合は年々増え続け、今春は45・9%と過去最高を記録した(日本私立学校振興・共済事業団調べ)。そんな数字も大学間の「学生争奪」の激しさを物語る。  ■  佐藤功さん(仮名)は30歳代の私大准教授。勤務する大学は首都圏にある、いわゆる「中堅大学」。定員割れはないが、大学の立地は悪い。路線バスを利用すると最寄り駅から30分はゆうにかかる。私大生き残りの3要素に当てはまるのは、「総合大学」ということだけだ。  佐藤さんはこの夏、20校以上の高校を訪問した。首都圏はもちろん、首都圏以外の関東や甲信越、東海地方へも足を運んだ。主に訪ねるのは大学関係者が「固定客」と呼ぶ指定校推薦の高校だ。  佐藤さんは高校訪問の際、かばんに「訪問マニュアル」を入れている。大学がコンサルタント会社に依頼して数百万円かけて作成した。A4判数ページのマニュアルには「予約の入れ方」「事前準備」「訪問時の注意」などの項目が時系列に並ぶ。「訪問時の注意」には「服装を清潔に保ちましょう」「笑顔で訪問しましょう」など基本的なことが記されている。また「高校の進路指導室に直接出向く前に、受付であいさつすると人脈が広がります」との記載もある。「企業の新人研修みたいですが、大学教員は関係者以外と接する機会が少ないのでマニュアルが必要です」。佐藤さんはこう説明した。  マニュアルには「予想される質問」の項目もあった。高校の担当者から「最寄り駅からは遠いですね」と大学の弱みを突かれた時はこう答える。「自然に囲まれた落ち着いた空間ですので、学生は勉学に集中でき、伸び伸びと学生生活を送っています」。さらに、他のどの大学が訪問したかを探るため、高校の窓口にある訪問者名簿には目を通す。高校の進路指導室では、他の大学より目立つように大学のポスターを張るよう試みる。いずれも目標が達成できれば、大学への報告書に誇らしげに書くのだという。  ■  ただ、佐藤さんの大学のように首都圏は、他の地域に比べまだ恵まれている。  東京は全国13地域別のうち大学の入学定員充足率は116%で1位(私学事業団調べ)。南関東(埼玉・千葉・神奈川)は充足率109%で2位(京都・大阪と同率)だ。  では、他地域はどうなっているのか。充足率102%で実数で東北地方に次ぐ全国6位の東海地方を訪ねた。  浜本健太郎さん(仮名)は40歳代の私大准教授。この大学も定員割れはしていない。浜本さんが勤める大学は7月下旬、オープンキャンパスを2日間行った。他の学部には高校生ら約50人が集まったものの、浜本さんの学部のコーナーを訪ねたのはわずか4人だった。1日平均2人。「うちの学部は毎年この程度しか集まりませんよ」。浜本さんは無力感を漂わせた。ここ数年は毎年のことだが、あまりの人の少なさに、模擬講義などを手伝ってくれた現役大学生に申し訳なく思う。  浜本さんも、もちろん高校訪問をする。予約を入れ、片道2時間かけて自家用車で向かった。ところが、高校の担当者からは「パンフレットを置くだけでいいですよ」と冷たく言われた。滞在時間はわずか10分。追い打ちをかけるように、自家用車のガソリン代も実費精算ではなく、この原油高騰のおり1リットル100円で精算させられている。  首都圏の佐藤さんは、高校訪問には懸命だった。しかし、東海地方の浜本さんの大学では、近隣の大学も似たような高校訪問をするのでほとんど効果がない。浜本さんの大学を受験する高校生らは、推薦入学で早めに進路を決めるのではなく、一般入試まで「ブランド」「立地」などを満たす大学を目指し続ける傾向にある。受験生を多く集める大学と、少ない大学との「二極化」が進むが、少ない大学では推薦入試でも学生の確保が難しくなってきている。  大学教授や准教授自らがなぜ高校を訪問するのか。かつては大学職員がその役割を担っていた。浜本さんはこう背景を説明した。「18歳人口の減少によって学生が減るとともに大学の収入も少なくなる。私の大学では経費節減のため、半分以上の職員を派遣社員にした。だから、本来は大学職員の仕事だった高校訪問が大学教員にも課せられるようになったのです」  ■  受験生確保は、来春の入試で大きな山場を迎える。大手予備校「駿台予備学校」(東京都千代田区)によると、18歳人口は09年度に2・5万人減少し121万人となり、その後の約10年間は約120万人で推移する。各大学は来春の入試で多くの受験生を確保しようと設備改修などを進めており、今後の経営安定につなげたい考えだという。  教授や准教授の仕事のうち「受験生集め」が大きな比重を占めることに批判もある。「大学崩壊!」などの著書がある法政大学理工学部の川成洋教授は強い言葉で語った。「受験生集めは大学教員の本来の仕事ではない。そんなことでは、研究者の誇りもプライドもなくなる。大学はもともと知を発信する場所だったはず。学生を指導する教育や国際競争力をつける研究などにもっと力を注いでほしい」。耳の痛いことばではある。 "[he-forum 13592] 北海道新聞社説9/2 北海道新聞社説2008年9月2日付 医師の増員 不足の実態にどう対応  大学医学部の定員を、将来は現在の一・五倍に当たる一万二千人程度にまで増やすべきだ-。厚生労働省の検討会が提言した。  地域医療の崩壊が叫ばれるなか、医師の増員は当然だろう。  文部科学省と連携をとりながら、目標年次を定めるなどして、できるだけ早く、提言を実現するよう、厚労省に求めたい。  日本の医師不足は深刻だ。  二〇〇六年の人口千人当たりの医師数は二・一人にすぎない。米国の二・四人、ドイツの三・五人など他の先進国と比べて、少なさが目立っている。  提言は、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の三・一人まで引き上げる必要があるとした。  医師は単に偏在しているだけだ、と厚労省は従来、医学部の定員を抑制してきた。しかし、各地から医師不足を指摘する声が続出し、六月に方針の転換を打ち出した。  これを受け、文科省も来年度の大学医学部の総定員を、本年度より七百七十人増やし、過去最多の八千五百六十人とする方針を決めた。  それでも提言より三千人以上少ない。今後の具体的な増員計画を、早急にまとめる必要があろう。学生増に伴い、質の高い教育を確保するため、教員の増加や教育施設の充実も欠かせないはずだ。  もちろん、医師の全体数を増やしただけでは、地域医療の改善につながらない。大都会への医師の集中、診療科によって大きく異なる医師の充足度の双方を解消しなければならない。  地方での医師不足を加速させたのは、〇四年に始まった新人医師の臨床研修制度だ。  自由に研修先を選べるようになった結果、都市の民間病院に新人医師が集中した。その玉突きで、医師不足に陥った大学病院が、地方の病院に派遣していた医師の引き揚げを続けている。  研修制度の見直しを急ぎたい。厚労省は近く、制度の見直しに向けた検討会を、文科省と合同で発足させる。新人医師の意思を尊重しながらも、各地に満遍なく配置できる仕組みを作ってほしい。  診療科では産科、外科、救急などで医師の不足が顕著だ。高度な技術習得が必要なうえ、時間外診療が多いためで、勤務医を辞めて、開業に転じる医師が後を絶たない。それがさらに、勤務医の労働を過酷なものにさせている。  離島などへき地の勤務医も含め、これらの医師への支援制度が必要だろう。もはや、地域の安心医療を「医師の使命」だけに頼る状況ではないのだ。 "[he-forum 13593] 琉球新報社説9/1 琉球新報社説2008年9月1日付 医学部定員増 根本的な課題克服が優先  医師不足が叫ばれて久しい。助かるべき命が、救急医療機関で受け入れを拒まれ死亡した事例は遠い過去の話ではない。すべての国民が、等しく医療サービスを享受できる体制をいかに構築するかが問われている。  文部科学省は、深刻化する医師不足に対応するため、2009年度の大学医学部の総定員数を本年度より約770人多い8560人程度とする方針を決めた。過去最多だった1982年度の8280人程度より280人の増だ。  文科省は8月中旬までに各大学から意向を聴取した結果、大学側も8560人規模の受け入れが可能と判断した。  琉球大学医学部医学科は、来年度入学者選抜で新たに「地域枠」2人を導入する。これにより従来の定員95人が97人となるが、今回の文科省の意向聴取でさらに5人増を求めた、という。  医学部の定員を増やすことで、医療現場の抱える課題を克服できるのだろうか。  厚生労働省の統計によると、06年の県内医療施設従事医師数は2849人(男性2391人、女性458人)で1998年より551人も増えている。なぜ医師不足が生じるのか、疑問も残る。  「医師は一線から退いても統計数字に入るため、実態把握が難しい」(県福祉保健部)という。  医療訴訟に加え“24時間勤務”の産婦人科医や外科医が敬遠され、整形外科や皮膚科などへの偏在化も指摘される。  日進月歩の医療の世界にあって女性医師は、育児休業で1年間も空白が生じることへの恐れを抱いているとの声も耳にする。  「医療経済実態調査」によると病院勤務医の所得は開業医の半分で、病院勤務の20代男性医師の勤務時間は週57・4時間、同年代の開業医は38・1時間だ。  このような医師を取り巻く労働環境と、格差是正の改善が優先されなければならないだろう。 "[he-forum 13594] 読売新聞長野9/2 読売新聞長野版2008年9月2日付 信大病院に「胸痛センター」 夜間、土日も対応  心筋梗塞(こうそく)など胸の痛みを訴える患者に迅速に対応する「胸痛センター」が1日、信州大病院(松本市)の高度救命救急センター内に開設された。胸痛に特化した施設は、国立大学病院では初めて。  血管が詰まる心筋梗塞は、発症後速やかに詰まりを解消する治療を行わなければ、死亡したり、後遺症が残ったりする。  痛みの大きさと病気の重篤さとが必ずしも比例しないため、「夜中に胸が痛くなっても朝まで我慢する人も多い。気軽に来てもらう施設が必要だった」と池田宇一・胸痛センター長は話す。  松本市や塩尻市などの松本広域医療圏に、心筋梗塞に対応できる病院は4施設あるが、信大病院も含め、夜間や土日も常時、専門医が対応する施設はなかったという。  同センターは、日中は3人、夜間は1~2人の循環器系の医師が待機し、24時間対応する。神経痛など心臓疾患以外の胸の痛みの患者も受け入れ、その後の処置を判断する。 "[he-forum 13595] 十勝毎日新聞9/5 十勝毎日新聞2008年9月5日付 老朽化の帯畜大「碧雲寮」 改修計画が再始動 10年前、学生の反発で頓挫 大学「意見尊重し慎重に」  帯広畜産大学(長澤秀行学長)は老朽化が著しい男子学生寮「碧雲(へきうん)寮」の耐震補強と改修について、再び計画を本格化させている。国内外で大規模地震が相次ぎ、耐震性の低い同寮の安全対策は急務で、凍結状態だった学生側との話し合いを進めている。長年の懸案解決に向け、学生の意見を尊重しながら、早ければ来年度にも着手したい考えだ。  同寮はRC(鉄筋コンクリート)構造5階建て延べ5366平方メートルで、1968年に完成した。定員は380人で全室2人部屋。大学は老朽化に伴う改修を98年に提案したが、完全個室化や寄宿料(月額700円)の大幅値上げなどの問題で学生が反発し、協議は進展していない。  その間も老朽化は進み、「すぐに倒壊することはないが、耐震性は低い」(施設課)と対応を検討。中国・四川大地震や教育施設の耐震化を求める文部科学省の方針もあり、補強の優先度は高まっている。さらに、国の基準に縛られた国立大学時代とは異なり、独立行政法人化後は個室や2人部屋など居住空間は柔軟に設定できることから、大学関係者は課題の1つはクリアできるとみている。  耐震補強は国の補助を活用するため、文科省への来年度概算要求に盛り込んだ。補強と同時に改修も行う計画で、女子寮の「萠宥(ほうゆう)寮」(定員24人)、別科男子寮の「黎明(れいめい)寮」(定員28人)などを一体化させる方針。背景には、碧雲寮の入居率約5割に対し、女子学生が増えた影響で萠宥寮の入居希望者が殺到していることがある。  大学は寮の代表者と話し合い、慎重に計画を進める考え。長澤学長は「四川大地震などもあり、耐震補強・改修の緊急度は高まっている。幅広く学生の意見・要望を聞き、快適な住環境を提供したい」と話している。学生側は「(改修の有無などさまざまな可能性を含め)大学と話し合って決めていきたい」としている。 (池谷智仁) "[he-forum 13596] 十勝毎日新聞9/3 十勝毎日新聞2008年9月3日付 老朽化の帯畜大「碧雲寮」 改修計画が再始動 10年前、学生の反発で頓挫 大学「意見尊重し慎重に」  帯広畜産大学(長澤秀行学長)は老朽化が著しい男子学生寮「碧雲(へきうん)寮」の耐震補強と改修について、再び計画を本格化させている。国内外で大規模地震が相次ぎ、耐震性の低い同寮の安全対策は急務で、凍結状態だった学生側との話し合いを進めている。長年の懸案解決に向け、学生の意見を尊重しながら、早ければ来年度にも着手したい考えだ。  同寮はRC(鉄筋コンクリート)構造5階建て延べ5366平方メートルで、1968年に完成した。定員は380人で全室2人部屋。大学は老朽化に伴う改修を98年に提案したが、完全個室化や寄宿料(月額700円)の大幅値上げなどの問題で学生が反発し、協議は進展していない。  その間も老朽化は進み、「すぐに倒壊することはないが、耐震性は低い」(施設課)と対応を検討。中国・四川大地震や教育施設の耐震化を求める文部科学省の方針もあり、補強の優先度は高まっている。さらに、国の基準に縛られた国立大学時代とは異なり、独立行政法人化後は個室や2人部屋など居住空間は柔軟に設定できることから、大学関係者は課題の1つはクリアできるとみている。  耐震補強は国の補助を活用するため、文科省への来年度概算要求に盛り込んだ。補強と同時に改修も行う計画で、女子寮の「萠宥(ほうゆう)寮」(定員24人)、別科男子寮の「黎明(れいめい)寮」(定員28人)などを一体化させる方針。背景には、碧雲寮の入居率約5割に対し、女子学生が増えた影響で萠宥寮の入居希望者が殺到していることがある。  大学は寮の代表者と話し合い、慎重に計画を進める考え。長澤学長は「四川大地震などもあり、耐震補強・改修の緊急度は高まっている。幅広く学生の意見・要望を聞き、快適な住環境を提供したい」と話している。学生側は「(改修の有無などさまざまな可能性を含め)大学と話し合って決めていきたい」としている。 (池谷智仁) "[he-forum 13597] 読売新聞神奈川9/3 読売新聞神奈川版2008年9月3日付 横浜市大法人評価委 謝礼問題で「運営基盤に大きな課題」  横浜市立大医学部の学位取得を巡る謝礼授受問題について、外部の専門家でつくる同大法人評価委員会は2日公表した昨年度の業務実績に対する評価結果で、「法人運営の基盤そのものに大きな課題を内包していた」と指摘した。  評価委員会は、同大が2005年度に公立大学法人になったのに伴い、地方独立行政法人法に基づき設置された市長の付属機関で、同大の年度ごとの業務実績などを評価している。  昨年度の評価結果では、謝礼問題について「市民の信頼を大きく損なう極めて遺憾なこと」とし、謝礼が慣例化していたことから、大学の体質そのものに問題があったと判断した。内部監査機能の充実やコンプライアンス(法令順守)推進などの取り組みについても「的確に実施したと認められない」と断じた。  また、弁護士らでつくる学位審査対策委員会の最終報告に盛り込まれた教職員の意識改革や職員倫理規定の制定、医局運営の透明性の確保などに全力を挙げるよう求めた。  同大は「評価結果を真摯(しんし)に受け止め信頼回復に全力で取り組む」としている。 元教授人事で抗議書 謝礼問題に絡み、26万円を受け取っていたと認定された元横浜市立大医学部教授の山本勇夫氏(65)が横浜市立脳血管医療センター長に就任したことに対し、患者らでつくる「脳卒中から助かる会」は2日、中田宏市長あてに、不適切な人事でセンターの信用を傷つけるものとする抗議書を提出した。 "[he-forum 13598] 北国新聞9/3 北國新聞2008年9月3日付 教員養成に特化 金大大学院教育学研究科 全国初、来年度改組の見通し  金大大学院教育学研究科が来年度、高度な教員養成に特化した組織に改組される見通しとなった。入学は教員免許取得者に限定し、講義と実習でさらに深い知識を身に付けた教員を地域に輩出する。研究者養成が目的とされる一般的な大学院が「教職大学院」のように教員育成に特化するのは全国初で、関係者の注目を集めている。  国語や理科、障害児教育などに細分化されている現在の十二の専攻を廃止し、「教育実践高度化専攻」(修士課程)に一本化する。  新たな専攻には三コースが設けられるほか、選択外のコースの授業も受講できる。例えば「障害児の体育教育」など、現在は複数の専攻にまたがって十分に学べない分野の学習も容易になるという。地域の学校に出向いての教育実習も導入する。  学級崩壊や学力低下など学校教育を巡る問題が山積し、教員の質向上が求められる中、今年四月には専門職大学院「教職大学院」が全国十九校でスタートした。  ただ、既設の教職大学院は将来の学校管理職候補を養成する意味合いが強いとされる。「教科指導や学級経営、生活指導など学校現場の教育課題に対応できる優れた教員を地域に送り出す」(大久保英哲大学院教育学研究科長)という金大の理念と異なる点もあったため、金大は数年前から文部科学省と協議し、教職大学院ではない新たな大学院のあり方を模索してきた。  大久保研究科長によると、これまでの同研究科修了生のうち教員になったのは約六割。新専攻では修了生の全員を教員とする考えで、「地域の教育を支える先生に大切な姿勢や能力を、新しい教員養成のモデルケースとなる金大で身に付けてほしい」としている。 "[he-forum 13599] 西日本新聞9/2 西日本新聞2008年9月2日付 歯学と工学が全国初の融合 連携大学院を来春開設 九州歯大 九州工大 分野を越え新創造を  九州歯科大学(福田仁一学長、北九州市小倉北区)と九州工業大学(下村輝夫学長、同市戸畑区など)は1日、互いの専門分野を融合させ、新たな研究開発に役立てようと、「連携大学院」開設の締結を結んだ。歯学と工学の連携大学院設置は国内初。バイオテクノロジー関連の分野を重点に協力を図るという。  連携大学院の講義が始まるのは来年4月から。両大学に「歯工学連携教育研究センター」を設け、それぞれ10人ほどの学生を受け入れる。修士、博士の両過程を設置しており、「感染症学概論」など11科目の講義を行う。講師は両大学の教員が務める。  研究では、歯学と工学が連携することで、歯周病菌数を調べて歯周病の進行状況などを判定する器具の開発や、インプラント(人工歯根)よりも実物に近い歯の再生治療などを推進させる方針。  両大学は1998年に学術交流協定を結び、99年には大学院の単位互換協定も締結した。  締結式では、福田学長が「時代の最先端を担う研究を」と強調。下村学長は「分野を越えた新しい創造をして、グローバルスタンダードにつなげたい」と述べた。 "[he-forum 13600] 神戸新聞8/29 神戸新聞2008年8月29日付 神大大学院に寄付講座 神戸のパルモア病院    パルモア病院(神戸市中央区)が、神戸大大学院医学研究科に寄付講座「こども発育学講座」を開講した。病院を子どもの発育に関する研究拠点と位置づけて、健康の総合的な解析を目指すもので、九月から新生児を対象に先天性の難病を早期発見するための血液検査(スクリーニング)が始まる。民間病院が大学に寄付講座を設けるのは全国でも珍しく、近く胎児期から思春期までの継続調査にも乗り出す。  周産期医療を手掛けるパルモア病院での年間出生数は約千二百人と神戸市全体の一割を占める。治療や診察を通じて子どもの発育や健康を科学的に解明したい大学と、小児医療の発展に貢献したい病院の考えが一致した。  講座の設置期間は今年四月から五年間。スクリーニングは熊本大とも連携し、生後四-五日の新生児から採取した微量の血液を使い、細胞内の酵素が欠損するなどして成人で腎不全になる「ファブリー病」など先天代謝異常の有無を調べる。  また健康調査では、母体をはじめ、胎児期から思春期までの健康状態を継続的に詳しく調べ、アレルギー疾患や自閉症などの発症要因の解明などにも取り組む予定。  講座を担当する神戸大大学院の飯島一誠特命教授(52)は「先天代謝異常には、新生児の段階で対処すれば病気の進行を止められる疾患もある。早期の発見、治療につなげたい」と話している。(今泉欣也) "[he-forum 13601] 日本経済新聞北陸9/3 日本経済新聞北陸版2008年9月3日付 大学発VB、新たに4社 北陸3県の昨年度、医療関連目立つ  北陸3県で大学発ベンチャーの増加が続いている。経済産業省のまとめでは2007年度に福井、北陸先端科学技術大学院、富山の3大学で計4社が新たに設立、合計で44社に達した。先行組では他社との提携にこぎ着け事業化に動き出す例もある。ただ、設立から実際に収益を生み出すには課題も抱える。  07年度の設立で目立つのは医療関連企業。福井大発のファルマーコム(福井市)は新薬開発のスクリーニングに使う細胞などの生物材料を製薬会社に提供する。富山大発のパソロジー研究所(富山市)は病気を分類し、病気の原理を調べる病理検査機器の開発を目指す。  ジャイロテック(福井市)は福井大の遠赤外領域開発研究センターで開発した高出力光源が中核技術。工業技術専門商社の轟産業(同)と組み、核融合を起こす高周波の電磁波を発する装置を開発する。北陸先端大発のグリーンサイエンス・マテリアル(熊本市)は、吸水性の高い物質を使った応用製品の製造販売を目指す。九州の一部でしか見つからないラン藻で採れる物質をベースにする。 "[he-forum 13602] 中国新聞9/5 中国新聞2008年9月5日付 島根大医学部で残業代不払い '08/9/5  島根大医学部(出雲市)が今年3月までの2年間にわたり、教職員198人に計約4400万円の残業代を支払っていなかったことが4日、分かった。労働基準法違反に当たるとして、出雲労働基準監督署から是正勧告を受けた。同大は今月の給与で差額を支払うとしている。  同大によると、今年4月、帰宅途中の職員が交通事故で死亡し、時刻が午前6時だったことを不審に思った労基署が立ち入り検査。労使協定に違反する時間外労働が認められたことから労基署が同大に実態調査を求めた。  同大が医学部の497人を対象に2006年4月から2年間を調査したところ、計198人に時間外労働手当を支払っていなかったことが判明したという。  同大は医学部に職員を増やすなどの改善策をとるとともに「労働時間に対する意識改革を図る」としている。 "[he-forum 13603] 山梨日日新聞9/3 山梨日日新聞2008年9月3日付 産学官連携、研究84テーマ紹介 県と山梨大が最新の成果を公開  山梨県と山梨大は2日、ベルクラシック甲府で、新たな産学官連携事業を生み出そうと企業関係者に最新の研究成果を公開するイベントを開いた。  約300人が来場。工業技術センターや富士工業技術センターなど県の研究機関と、山梨大が取り組むさまざまな分野の研究84テーマを、パネル展示や研究者による講演で紹介した。  会場には、企業側が産学官連携や技術開発、知的所有権などについて相談できるブースが設置され、やまなし産業支援機構や科学技術振興機構などの担当者が応じた。経済産業省の「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれた企業など県内13社が研究事例を発表する講演もあった。  県工業振興課は「企業が個別の技術だけで新製品を開発するのは難しくなってきている。今後も製品開発につながる産学官連携の実現を支援していきたい」としている。 "[he-forum 13604] 河北新報社説9/7 河北新報社説2008年9月7日付 医学部定員増/偏在なくす道筋もつけたい  医師不足対策として、大学医学部の定員を大幅に増やそうという動きが本格化してきた。厚生労働省の検討会が現在の1.5倍増を「将来の目標」に掲げ、文部科学省は来年度の定員を過去最多とする方針を決めた。  いずれも、政府が6月に医師数を抑制する従来の方針を転換したことを受けたものだ。  地域医療の崩壊が言われる中で、当然のことであろう。両省が連携して、目標年次とそれに至る手順を決め、しっかりと軌道に乗せてほしい。  同時に、地域間、さらには診療科間にある「二重の医師の偏在」を是正する取り組みが必要だ。そうしなければ、地域医療の再生は到底おぼつかない。大学も地方も知恵を絞り、住民が安心して医療を受けられる態勢を整えていきたい。  厚労省の「安心と希望の医療確保ビジョン具体化検討会」は先ごろ、医学部の総定員を将来的に現在(約7800人)の1.5倍となる約1万2000人に増やすべきだ、と提言した。  目安となったのは経済協力開発機構(OECD)加盟国の人口1000人当たりの医師数(2006年)だ。平均で3.1人。日本の医師数は2.1人だから約1.5倍。ほかの先進国並みの水準を目標とした。なにはともあれ、具体的な数値を掲げたことは評価したい。  これを受ける形で、文科省が発表した来年度の医学部総定員は8560人に上った。本年度より一挙に1割も増え、過去最多だった1982年度の定員をも220人上回る。  質の高い教育を維持するためには、定員増に見合う教員の増加や学習施設・設備の充実が欠かせない。そのための財源確保が当面の焦点となろう。  もちろん、医師数を増やせば、地域医療に光が差すというわけではない。  大都市に集中するといった医師の地域的な偏在に加え、診療科にも偏りがある。救急や産科、小児科は医師が足りない。そのしわ寄せもあり公立病院の勤務医らが過重な労働を強いられ疲弊している。救急患者の「たらい回し」が後を絶たず、妊婦が「出産難民」と呼ばれるほど危機的な状況にある。  大学には、こうした医療の現状を改善するための定員増であることを認識し、地域医療に貢献することを教育の軸に据えて、実効ある医師養成を目指してもらいたい。  地方自治体も医師の地元定着を図る取り組みを強化したい。医学生への奨学金制度や待遇改善策に加えて、大学と連携し学生に地域医療の必要性を訴え、同時に地域の魅力を知ってもらう機会を設けるのも一つだ。  もっとも、医師偏在の解消を図るには国による制度の充実・見直しが不可欠だ。厚労省の検討会は、救急・産科・へき地で勤務する医師に対する各種手当の支給や、地方の拠点である公立病院の医師不足につながっているとされる現行臨床研修制度の見直しなども求めている。  現状を変えるためには、できるものから早急に手をつけていかなければならない。 "[he-forum 13605] 共同通信9/5 共同通信2008年9月5日19時50分 法科大学院の定員縮小を提言へ 中教審  法科大学院の質向上策を検討している中教審大学分科会・法科大学院特別委員会は5日の会合で、入学志願倍率が低かったり、定員の規模に対して教員数を確保するのが難しい法科大学院については、縮小など定員の見直しや統廃合の促進を検討するよう求める改革案を示した。近く、中間報告として正式に取りまとめる。  中教審はこれまで、各法科大学院の改革については、各校の自主的な取り組みに委ねる姿勢だった。しかし、相次ぐ定員割れや、新司法試験合格率の低迷などを受け、改革の方向性を示す必要があると判断した。  特別委ではこのほか、法科大学院を受験する際に受ける適性試験に最低基準を設けることも提言。さらに大学院を修了するのに必要な共通水準を設定するよう求めている。  法科大学院をめぐっては、保岡興治法相が、司法試験の合格実績が低いものは統廃合すべきだとの考えを表明している。 "[he-forum 13606] 読売新聞和歌山9/7 読売新聞和歌山版2008年9月7日付 外部に「理念」伝わったか 進まぬ和大・博物館改革  大学と博物館。和歌山の文化や学術を代表する機関の改革が、思惑通りに進んでいない。背景には、計画を進める側の「理念」が、必ずしも周囲に伝わっていない現実がある。  県立の博物館(和歌山市)、近代美術館(同)、紀伊風土記の丘(同)、自然博物館(海南市)の4博物館施設について、県教委は今春の人事異動で、現職の館長を副館長に降格した。「活性化を図りたい」として、大学教授など、専門家を館長に迎え入れる計画だが、半年近くたっても、就任を受け入れる適材は1人も見つかっていない。  県教委の方針については、内部からも「館長は名誉な職だから、簡単に決まると考えたのだろうが、そんなに甘くはない」との声が聞かれる。確かに、突然、「館長になってくれませんか」と頼んでも、同意は得られないだろう。  一方、「和歌山市の中心市街地に拠点を置き、活性化に一役買う」としていた和歌山大の観光学部も、入居先の候補となった施設と費用などの条件が折り合わず、先月、正式に進出を断念した。  大学側は一時、「地元の協力が見えない」と和歌山市を非難したことがあった。が、実際にどの建物に入居し、費用はいくらかといった議論をどの程度積み上げ、相手に伝えてきたのか、疑問だ。  博物館施設の館長選びと大学の市街地進出。共通しているのは、ともに相手があり、自分の都合だけで進められる計画ではないということだ。  館長不在の事態に、県教委の担当者は「見通しが甘かった」と認める。和歌山大の小田章学長は、記者会見で「我々の期待が高すぎた面もある」と話した。  県教委や和歌山大が目指したもの自体が間違いだとは思わない。だが、実現するには常識的な感覚が必要だ。そのためには、準備段階から、外部との意思疎通を活発にするべきだったのではないだろうか。(上村真也) "[he-forum 13607] 9/8しんぶん赤旗記事 2008年9月8日(月)「しんぶん赤旗」 ゆうPRESS 全学連が「学費・雇用黒書2008」 高学費に(T_T)  日本の大学の学費の高さは異常です。全日本学生自治会総連合(全学 連)は、学費軽減を求める運動の一環として、学生生活に与えている高 学費の影響をアンケート調査し、冊子「学費・雇用黒書2008」に まとめました。(伊藤悠希) 東京都内の私立大学に通う学生は… 通学は片道3時間/週末バイトで疲れて  今年から東京都内の私立大学に通う俊和さん(18)=仮名=は、千 葉県の自宅から片道3時間かけて通っています。1時限の授業に間に合 うためには午前5時半に家を出ます。家に着くのは午後9時ごろです。 「電車で座れることはあまりないです。家に帰ると、疲れてしまい、気 づいたら寝ていることもあります」  実家は専業農家。俊和さんは将来農業を継ぐことを考え大学では品種 改良を学んでいます。灌(かん)水作業に当たると集合は午 前7時半。始発に乗っても間に合いません。遅れて参加します。  3人きょうだいで、3人とも大学に通っています。年間300万円の 学費が家計を圧迫します。俊和さんは学費を考え、国立大学を希望しま したが、不合格。4年制大学をあきらめ、短期大学を選びました。  俊和さんは自宅近くのガソリンスタンドでアルバイトをしています。 授業のない日と土日にバイトを入れていますが、通学時間の関係で思っ たように働けませんでした。「1万円以上は家に入れたい」と話しま す。8月は大学の研修があり、バイト代は3万円ほどでした。「定期代 に2万円。携帯電話代に約7千円。あと、食費を考えると、家に入れる ことができないですよ」  俊和さんは全学連が呼びかけたアンケートを研究室の仲間に協力して もらい、幼なじみや高校時代の友達の話を聞いてきました。親が借金を して入学した人、弟が進学できなくなった人、大学に合格したのに奨学 金が借りられずに進学をあきらめた同級生―。「進学できなかった友達 に『大学、楽しい?』と聞かれても、楽しいとは言えない」と話します。  「お金のことを考えなければ四年制大学に編入したいし、大学院にも 行きたい」と話す俊和さん。親からは編入のことも言われていますが、 その気遣いがつらいと言います。「就職したいという気持ちが強い」 減免制度を国の責任で 全学連書記長 平野 義尚さん  学費負担軽減を求める署名集めや国会要請を行い、親や教職員などの 団体と奨学金制度の拡充を求める「奨学金の会」を結成、シ ンポジウムを開いてきました。高学費による深刻な実態の認識が深ま り、連帯が広がっています。  署名の紹介議員は今回初めて野党4党に広がりました。学生の深刻な 実態を正面から受け止めてくれるようになりました。繰り返し要請して きた結果だと感じています。  東京大学では今年度から世帯年収400万円以下の学生の授業料が全 額免除になりました。「黒書」にはこの制度のおかげで進学できたとい う声が寄せられました。経済的理由で進学を悩んでいる人をはげまして います。  東大のような制度を国の責任で全国に広げ、経済的困窮者の負担軽減 制度の充実を求めたい。 学費「高い」「やや高い」 85%  全学連が呼びかけ、全国各地で学生自身が取り組んだアンケートには 50学園1万人以上から声が寄せられました。「学費・雇用黒書 2008」には、9千人分の声がまとめられています。学費 が「高い」「やや高い」と答えた学生は85%を占め、 親やきょうだいに迷惑をかけているという声が目立ちます。 国立80万円 私立130万円  大学の初年度納付金(入学料・授業料など)は、国立で80万円、私 立で平均130万円です。  そのため、アルバイトに追われ、生活費をきりつめる学生は少なくあ りません。  こうした事態を招いた最大の原因は、政府の貧困な教育対策です。高 等教育予算の水準(国内総生産に占める割合)は、OECD(経済協力 開発機構)加盟国全体の平均1.0%に対して、日本は0.5% にすぎず、加盟国中で最下位です。  一方で政府は、“学費は、教育で利益を受ける学生本人が負担 する”との考え方で、どんどん値上げしてきました。  日本共産党は、4月に「『世界一高い学費』を軽減し、経済的理由で 学業をあきらめる若者をなくすために」と題する政策を出し、政府に授 業料減免や奨学金制度の改善などを求めています。 "[he-forum 13608] 北海道新聞9/7 北海道新聞2008年9月7日付 室蘭工大学長選 現職の松岡氏と名誉教授の佐藤氏、一騎打ちの様相  松岡健一学長(68)の任期満了に伴う室蘭工大の学長選は、候補五人から当選者一人を選ぶ意向投票が八日に行われる。二〇〇九年度の学科再編を主導してきた現職と、「議論が十分にされないまま再編が決定した」と主張する元副学長の佐藤一彦名誉教授(65)の一騎打ちの様相。再編議論を火種に、選挙戦が熱を帯びてきた。  二氏以外の候補は、伊藤秀範教授(56)、岸徳光理事(58)、杉山弘教授(64)。伊藤氏はいち早く佐藤氏支持を表明。岸氏は土木の研究分野で松岡氏と師弟関係にあり、学科再編をともに進めてきた仲。最終的には松岡氏支持に回ると見られる。杉山氏への支持は松岡、佐藤両氏に比べ少ないとみられる。  争点となっている学科再編は、従来の六学科を四学科にするもの。これに対し「情報電子工学系学科」として統合された情報、電気電子の教職員の間には不満がくすぶっている。また、二つの学科に分類された材料物性からも反発が出ている。  ただ、これらの学科の中にも「再編は決定済み。主導してきた松岡氏に今後も任せるのが筋だ」との主張があり、再編への不満がそのまま佐藤氏支持に流れるかは未知数だ。残る三学科のうち建設システムは松岡氏、機械システムは杉山氏の基盤。応用化学、共通講座の動向は不透明だ。  意向投票では、投票総数の過半数を得た候補が当選し、十二日の学長選考会の最終選考を経て正式に決定する。任期は二〇〇九年四月一日から六年。 ," 佐賀大学の豊島です. 「評価」をめぐる現在の大学の状況について,評価 システムの問題点を中心に,少し調べて考察して "[he-forum 13610] ミラーサイトのアドレス ただいまの投稿文の末尾の註にあるサーバーが現在ダウンしています. ミラーサイトをご利用下さい. http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/UniversityIssues/ chukimokuhyo.html >註 >[1] 拙稿「『意見』の根幹は項目設定(アジェンダ・セッティ ング)にある」参照. >http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/ chukimokuhyo.html 豊島耕一 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/ http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/Default.html http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/ 佐賀大学理工学部物理科学科 840-8507 佐賀市本庄町1 phone/fax: +81 952-28-8845 "[he-forum 13611] 読売新聞東京多摩9/11 読売新聞東京多摩版2008年9月11日付 家畜病院が新装 農工大 隣接地に新設  東京農工大農学部(府中市幸町)の家畜病院が、動物医療センター(岩崎利郎センター長)として生まれ変わった。旧病院の隣接地に新設され、高度医療を担当している。多摩地区だけでなく、周辺のペット愛好家からも頼りにされている存在だ。今月18日、開院記念式典が予定されている。  家畜病院は1949年、臨床獣医学の教育・研究の場として設置された。一般の動物病院で対処できない高度な医療を必要とするペットが対象となる。  CT(コンピューター断層撮影法)スキャンやMRI(磁気共鳴画像装置)など、高性能の診断機器を活用している。さらに例えば、心臓病のペットには心臓カテーテル治療や心臓の弁置換手術、がんには外科手術と併用して放射線治療や化学治療を施している。犬や猫を中心にした手術件数は年間延べ約7500件に上るという。  山根義久教授は「ペットの高度医療は飼い主の意識の変化を背景に、ここ10年で進歩した」と説明する。  新しい建物は鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約1500平方メートル。待合室は従来の2倍となった。7月からすでにセンターは稼働しているが、旧家畜病院を事務・研究室棟として使用するための改修が終了したことから、記念式典を開くことにした。  総事業費は約5億7000万円で、うち5億4000万円を日本政策投資銀行と三菱東京UFJ銀行から借り入れ、最長15年かけて診療収入で返済する。2005年に国立大学法人法施行令が改正されて以降、民間金融機関などからの借入金による施設整備は初めて。独立行政法人化された国立大学の財源確保のモデルケースとされている。  岩崎センター長は「犬・猫などペット類を中心にした地域の二次診療機関としての機能を充実させた。病気のペットを回復させ、動物病院に返す役目を果たしていく」と話している。 "[he-forum 13612] 毎日新聞9/10夕刊 毎日新聞2008年9月10日付夕刊 解説:法科大学院に危機感 教育能力に見合う改革必要--毎日新聞アンケート  法科大学院の4割が総定員数(約5800人)削減の必要性を回答した毎日新聞のアンケートは、一定水準の合格率という「実績」を維持できない各大学院の危機感を浮かび上がらせた。だが、実際に定員を見直す法科大学院は一部にとどまる。法科大学院を巡っては「質」も問題視されており、教育能力に見合った改革が求められる。  法科大学院の総定員数は導入時「15~20校で4000人程度」だった。背景には、司法試験合格者を年3000人に増やす政府の方針と、「合格率7~8割」の目安があった。だが、「大学の法学部に優秀な学生を集めたい」とする経営戦略も絡んで74校に増え、「司法制度改革の理念と乖離(かいり)する」(改革に携わった自民党国会議員)との批判も出始めた。法務省幹部は「多くの大学院が質の低い学生しか送り出せない現実が問題だ」と指摘する。  また、法科大学院では学部との兼任教員が依然多く、修了認定も甘いなど養成機能が問題視されている。一方「外車1台分」とも言われる学費が優秀な学生を除外する要因となり、奨学金制度の充実を求める声も上がる。  優秀な法曹志望者を獲得する趣旨を考えれば、一定の定員維持は必要だ。だが、大量の司法試験不合格者を生み出している現状は、法科大学院が養成機関としての機能を十分に果たしておらず、多くの志望者を不幸にしていると言わざるを得ない。【石川淳一】 "[he-forum 13613] 共同通信9/10 共同通信2008年9月10日17時53分 早期の採用活動やめて 東大大学院教授らが要望  企業の採用活動の早期化が化学・薬学・工学系大学生らの学業に悪影響を及ぼしているとして、東京大大学院の教授らが10日、企業に採用の早期化を止めるよう要望する宣言を発表した。国立8大学・大学院の教授に呼び掛け、32の学科専攻から賛同を得た。  発起人の西郷和彦東大大学院教授らによると、理系学生は早ければ卒業前年度の秋から就職活動が始まるため、学生の研究時間が奪われ、就職が決まった後は学業に身が入らないなどの弊害が出ているという。  特に修士課程の学生は入学半年で就職活動が始まるため問題は深刻で、西郷教授は「学生の能力向上を大きく阻害している。技術立国である日本にとって大きな問題だ」と訴えている。  同教授らは企業に対し、会社説明会やインターネットによる情報発信などすべての就職活動の開始時期を卒業年度の4月にするよう要請。応じない場合は「毅然とした態度で臨み、企業名の公表も検討している」としている。 "[he-forum 13614] 読売新聞石川9/11 読売新聞石川版2008年9月11日付 金大院 12専攻を統合 教育学研究科 学校現場重視へ転換   金沢大学は来年度、大学院教育学研究科の12専攻を一本化し、「教育実践高度化専攻」を設置し、教科などの専門分野の研究から、学校現場で実際に課題を解決できる“現場重視”の研究に転換する。対象を現職教員や教員免許取得者らに絞り、優れた実践力・応用力を備えた「スクールリーダー」となる現職教員と即戦力を持つ新人教員を養成するのが狙いだ。  現在は、国語や数学、学校教育などの12専攻に分かれている。このため、例えば、源氏物語を追究し、学校現場に触れなくても、教員免許を取得できる仕組みになっている。  一方、学校では不登校やいじめ、地域や保護者との関係など複合的な問題が噴出している。同大学院では、こうした課題に対応できる教員養成を担おうと、2005年から研究科の改組を検討してきた。  新専攻の特徴は、徹底して学校現場で学ぶカリキュラムにある。修了に必要な32~36単位のうち、12単位は学校に出向き、優れた授業を観察したり、教科や生徒指導の課題を学校側と一緒に解決したりする。障害児教育と国語教育など、複数にまたがった領域も学ぶことができる。  全国では、教員養成に特化した専門職大学院「教職大学院」が今年度から始まり、注目を集めている。ただ、教育学一般や学校経営などの科目が多く、管理職養成の傾向が強い。同研究科は既存の修士課程の枠組みを生かし、「地域のニーズが高い教科指導にも重点を置いた」という。大久保英哲・同研究科長は「即戦力として役立つ人材を送り出したい」と話している。  定員35人。出願期間は22~26日。問い合わせは同研究科((電)076・264・5600)。 "[he-forum 13615] 新潟日報9/10 新潟日報2008年9月10日付 県と新潟大が連携協定を締結  県と新潟大学は9日、人口減少や地域医療などの課題に協力して対処するため、「包括連携協定」を締結した。従来の個別分野ごとの連携にとどまらず、県の部局や大学の学部といった組織の枠を超えた柔軟な課題解決を可能にする狙い。両者は年に数回、「連携協議会」を開き、研究テーマの設定や連携方法を検討する。  同大と県はこれまで、災害復興や農業の活性化といった分野で協力して研究を行っているほか、同大教授らが県の審議会委員となるなど交流が進んでいる。  同大は、協定締結によって両者の接点となる窓口を県文書私学課と同大産学連携課に1本化し、最適な研究者の推薦などを効率的に行うことができるとしている。  同日県庁で行われた締結式では、泉田裕彦知事が「第3者の目で県に施策提案いただくことで、行政の進め方を新しいものにしたい。学長とも定期的に会談したい」と強調。下篠文武学長は「地域医療や人材育成、産学連携などで県と連携を密にし、魅力ある大学にしたい」と話した。  同大は新潟市、刈羽村とそれぞれ包括連携協定を締結済みで、佐渡市とも近く締結する予定。 "[he-forum 13616] 河北日報9/11 河北日報2008年9月11日 資源開発分野の人材育成 5大学が連携  秋田大など5大学が共同で、鉱物など資源開発の人材育成に着手する。資源価格が高騰し、資源分野に精通した技術者や研究者のニーズが高まっているのが理由。専門家による集中講義や鉱物資源が豊かな海外での研修などを行う。  秋田大が中心となり、北海道大、早大、東大、九州大が参加。3年生以上の学生や大学院生、若手教員を育成の主な対象に、2008―09年度に実施する。09年3月に5日間、秋田大で行う集中講義では、各大学の学生約20人が集まり、資源開発やリサイクルなど資源学の基礎を学ぶ。講師は専門教員のほか、民間から鉱山系企業の技術者や産業資源の市場に詳しい商社社員らを招き、実践例を教える。  海外研修は1回当たり約2週間の予定で、今年10月以降に実施する。アジアや南米、オーストラリアの鉱山で、現地の技術動向などを視察する。若手教員を鍛えようと、5大学間の出前講義も計画している。  秋田大の吉村昇学長は「日本の資源系の人材育成において、重要な役割を担っていきたい」と話している。文部科学省の人材養成プログラムに採択された事業で、年間予算は約2400万円。 "[he-forum 13617] 日本海新聞9/11 日本海新聞2008年9月11日付 能勢、岩崎氏が立候補 鳥大学長選公示  鳥取大学(本部・鳥取市湖山町南四丁目)は十日、任期満了(二〇〇九年三月末)に伴う次期学長選考のための意向調査(投票)を公示した。候補者は現職の能勢隆之(66)=医学部、一期=、同大研究・国際交流担当理事で副学長の岩崎正美(65)=農学部=の両氏。二十九日に投票を行い、翌日の学長選考会議で選ぶ。  両氏は所属学部などから推薦を受けて立候補した。十九日に大学運営などについて所信を公表する。投票は助教(旧助手)以上の教員と事務技術役職者ら約八百人が行う。  能勢氏は「交付金減少や全国大学統廃合の波にうまく体制を整えながら、引き続き健全な大学経営を図りたい」と再選に意欲を見せる。  岩崎氏は「持続性ある生存環境社会の構築に向けて、全学挙げて取り組む。そのためには相互信頼とゆとりある職場環境づくりが必要」と話している。 "[he-forum 13618] 日本経済新聞2008年9月11日付 NTTと東工大、情報通信の研究で連携協定  NTTと東京工業大学は10日、情報通信分野を中心とする先端技術の開発・研究を進めるため、連携協力協定を結んだと発表した。両者で「連携協議会」を設け、光通信関連、環境エネルギーなどの分野で技術や人材の交流、設備の活用を進める。独創的な技術を持続的に開発できる体制の構築を目指すという。  具体的にはまず、次世代通信のための省エネ型半導体レーザーの開発、通信にかかわる電力需要の予測や家庭でのエネルギー管理などの研究で協力する。研究者同士の交流会やインターンシップなどを通じた大学院生や博士号取得者(ポストドクター)などの育成にも努める。年に数回協議会を開き、連携の効果や方向性を確認する予定だ。 "[he-forum 13619] 読売新聞三重9/11 読売新聞三重版2008年9月11日付 「厳しい状況、運営全力で」 三重大次期学長が抱負  三重大(津市)の次期学長に選ばれた付属病院長の内田淳正氏(61)は、10日の選考会議後に記者会見を開き、「光栄だが、大学運営は厳しい状況にあり、身の引き締まる思い。今後の運営に全力を挙げる」と抱負を語った。  三重大への国の運営費交付金が年々削減されていることから、内田氏は「教育研究を通して優秀な人材を養成するには、経営基盤の確立が重要。今後は、地域からの資金獲得の努力も求められる」と強調した。  地方大学としての役割については、「地域との共同研究は、トップレベルにある。その貢献度を広くアピールしていきたい」と述べた。また、県内の医師不足問題にも触れ、「現在の医師数で、どの病院にも同じ機能を求めるのは難しい。ある程度は医療を集約させることが必要になる」との考えを示した。  徳島県三好市出身。家族は妻と長男。趣味は、読書とゴルフという。 "[he-forum 13620] 毎日新聞愛媛9/10 毎日新聞愛媛版2008年9月10日付 県:9月補正予算案、一般会計総額100億4383万円 /愛媛 ◇原油高騰、地域医療対策、柱に  加戸守行知事は9日、県の9月補正予算案を発表した。一般会計は総額100億4383万円で、原油価格高騰対策▽地域医療を担う医師確保▽三浦工業創始者、故三浦保さんの遺志で県に贈られた株を元にした「三浦保」愛基金を活用し、福祉や環境分野などで県直営事業を展開▽情報・交通基盤整備--が柱となる。特別会計、企業会計を合わせると159億2479万円で、9月補正予算としては昨年度(56億6640万円)を大きく上回ったが、加戸知事は「原油高騰対策などを除けば、引き続き緊縮型予算」と説明した。16日開会の9月定例県議会に提案する。  一般会計のうち原油価格高騰対策は、中小企業振興資金貸付金のうち、原油価格高騰等・経済変動対策資金に54億円を上乗せする。  その他主な新規事業では、地域医療の医師確保に向け愛媛大に寄付講座を設けるため863万円を計上。「三浦保」愛基金からも「愛媛の救急医療を守る県民運動」推進事業費として250万円を支出し、救急受け入れ患者実態調査や救急医療講習会開催費などに充てる。同基金からは、少子化対策として年内に新設する「えひめ結婚支援センター」(仮称)運営事業費499万円などにも支出する。また情報・交通基盤の整備では、地上デジタル放送難視聴地域解消支援事業費に3850万円を計上した。  特別会計では、県中小企業振興資金特別会計の補正として、えひめ中小企業応援ファンド追加造成事業費に51億円を新規計上し、販路開拓や技術開発の支援などに充てる。【古谷秀綱】  ◇プルサーマル計画考慮、核燃料税率13%へ引き上げ 増収22億円見込む--議会提案へ  9月定例議会には、県核燃料税条例案や県地域医療医師確保奨学金貸与条例案など計28議案が提案される。  核燃料税は原発立地に伴い四国電力から納められる法定外普通税で、79年に新設され5年ごとに延長されてきた。今回は他県に先駆けてプルサーマル計画が実施されることも考慮し、現行税率10%を13%に引き上げる。全国では税率12%が中心で、可決されれば課税方式の違う福島県(税率換算で14%相当)に次ぐ高い税率となる。来年1月15日の施行から向こう5年間の税収は94億円となる見通し。税率据え置きの場合に比べ22億円の増収が見込まれる。  これまでは県事業に使われてきたが、税率アップを機に原発の地元市町(八幡浜市、伊方町)に対する交付金、または補助金としての活用も検討する。使途は放射線監視強化や緊急避難路確保・地域振興のための道路整備などを想定している。【古谷秀綱】 "[he-forum 13621] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に37号] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に37号 Date: Thu, 11 Sep 2008 21:08:44 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org To: NQJ35480@nifty.com ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 37号 2008年9月11日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 臨時国会直前に福田首相が辞任しました。支持率低迷の果ての辞任 だから、政権を投げ出したというよりも投げ出さざるをえなかった、 というべきでしょう。世論が福田政権を追い出したといってもいい のではないかと思います。共謀罪廃案までもう一歩です。 ────────────────────────────── 37号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  9/20 Peace Day Tokyo 2008  9/30 共謀罪反対院内集会 ■国会情勢  福田辞任と茶番の自民党総裁選劇 ■ニュースほか  共謀罪特集記事(東京新聞)  アメリカでの「三浦事件」  「自民党一党劇場」の悪夢を終わらせるために(どこどこ日記) ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆9/20 東京・イベント ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  Peace Day Tokyo 2008  武力で平和はつくれない ともに生きられる世界へ  http://www.worldpeacenow.jp/  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき:9月20日(土)12:00~15:00    パレード出発15:30/ブース出店時間11:00~15:30 ところ:東京・港区 芝公園4号地 ○JR浜松町駅徒歩12分、都営地下鉄三田線御成門駅徒歩2分、大江 戸線赤羽橋駅徒歩2分 http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/map001.html ◇主催:WORLD PEACE NOW http://www.worldpeacenow.jp/ ◇連絡先  許すな!憲法改悪・市民連絡会 Tel.03-3221-4668/アジア太平  洋平和フォーラム(APPF) Tel.03-3252-7651/日本消費者連盟   Tel.03-5155-4765/ピースボート Tel.03-3363-8047/平和をつ  くり出す宗教者ネット Tel.03-3461-9363  ▼詳しいことはこちらから  http://www.worldpeacenow.jp/080920.html ◆9/30 東京・院内集会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  9・30 共謀罪に反対する市民と議員の院内集会  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 9月30日(火)12時30分~14時 ところ 衆議院第2議員会館第4会議室 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm ◇発言  国会議員、法律家、市民団体 など  │いま、安倍首相に続く福田首相の辞任と日本の政治は大き  │な転機を迎えています。私たちは、こうした時代だからこ  │そ市民が大きな声をはりあげていかなくてはならないと考  │えています。  │自由な言論は、市民にとって必要不可欠なものです。共謀  │罪は自由な言論を否定する悪法です。今度の臨時国会で共  │謀罪の審議入り・成立を許さず、廃案への道を開きましょ  │う。 ◇共催  共謀罪法案反対NGO・NPO共同アピール  共謀罪に反対するネットワーク ◇連絡先  日本消費者連盟 Tel.03-5155-4765  アムネスティ・インターナショナル日本 Tel.03-3518-6777  反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC) Tel.03-3568-7709 ────────────────────────────── ■国会情勢■ ────────────────────────────── ◆自民党の惨状━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  福田辞任と茶番の自民党総裁選劇  ─ 次の衆議院選挙で政権交代を実現しよう ─  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇どん詰まりの自民党政権  福田首相が辞任しました。昨年の安倍辞任に続く今回の辞任劇は もはや自民党が、政権担当能力を喪失しているという、どん詰まり の危機にあることを示しました。  福田辞任後の自民党総裁選劇は、いまや自民党が多数の立候補者 による小手先の演出で世論の関心をひく以外ないという惨状をつき だしています。  確かに総裁選劇で自民党は一定の支持率の上昇をえることができ るでしょう。しかし、今回の自民党総裁選が、安倍、福田という二 人の政権投げ出しというかつてない危機に規定されたものである以 上、福田・自民党の思惑の破綻は必至です。 ◇市民を愚弄する自民党  今日の日本の構造的な矛楯は、歴代の自民党政権によってつくら れてきたものです。上げ潮派も財政出動派もいままでの自民党政治 の枠内のものにすぎず、なんら現状の危機を突破する方向を打ち出 せるはずもありません。  安倍、福田の辞任は、歴代の自民党政権がつくりあげてきた構造 的矛楯の激化に対応できない自民党の現状をしめすものです。  目先の総裁選劇を華々しく演出することで、衆議院選をのりきり、 政権を維持しようとする自民党の策動は市民を愚弄するものであり、 厳しく批判さんれなくてはなりません。 ◇今こそ、自民党政権にノーを! 共謀罪廃案へ!  福田辞任によって早まる衆議院選挙で、今こそ自民党政権にノー を突きつけましょう。  市民は、自民党政治にかわる、平和、人権、環境、生活を重視す る政治、政党を求めています。衆議院選挙で市民が大挙主権者とし て登場していくことが歴史の転換を実現していく道です。  次の選挙で与野党交代を実現しましょう。そして、共謀罪廃案へ の道をひらきましょう。 _____________  解説:臨時国会と共謀罪  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   衆議院が解散し、臨時国会が閉会になれば、共謀罪新設法案を  はじめ、衆議院に提出されている全法案が廃案になります。たと  え、共謀罪新設法案が衆議院で成立し、参議院に送られ審議され  ていても、衆議院が解散になれば、政権がかわることになるわけ  ですから、継続審議とはならず廃案になります。   したがって、臨時国会で共謀罪成立を阻止できれば、共謀罪は  3度目の廃案ということになります。1つの法案が3度も廃案にな  るということはその法案が問題法案であることを示すもので、共  謀罪の最後的な廃案の可能性がみえてきます。   しかし、自民党・法務省は、なんとか共謀罪を成立させられな  いかと悪あがきをするでしょう。廃案を確実にするのためにも、  私たち市民が国会にむけて共謀罪反対を繰り返しアピールする必  要があります。 ────────────────────────────── ■ニュース■ ────────────────────────────── ◆共謀罪特集──────  8/17付の東京新聞特報部のコーナーで「帰ってくる?共謀罪 前 法相がG8で約束 秋の臨時国会狙う?」を特集。  衆議院総選挙後では共謀罪の成立は困難なので、政府・与党が臨 時国会で勝負に出る可能性があるとし、最近の与党の動向、サイバー の分離案、警察学論集に掲載された共謀罪立法化に賛成する論文な ども紹介。 ◇東京新聞特報部(詳細は有料) http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2008081702000114.html ◆アメリカでの「三浦裁判」──────  マスコミ各社は現地時間9月5日にロス郡地裁で結審し、判決では 一事不再理と逮捕容疑に含まれる米国の共謀罪での訴追の是非が焦 点になっていると報じている。 ◇東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008090602000257.html ◇朝日新聞 http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY200809060043.html ────────────────────────────── ■政党のウエッブサイトから■ ────────────────────────────── ◆社民党────────────────── ◇保坂展人議員ブログ「どこどこ日記」  「自民党一党劇場」の悪夢を終わらせるために(2008.9.6) http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/12c56ee8d2bf6b52924323bcd771c86e 「『結局、何が改革なのか、何が政策なのか、ワイワイ言いすぎて 違いが判らなかった。まあ、自民党だから一緒と言えば無理もない けど』というクールな視線を生んでいくような気がする。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第37号おわり・このメルマガは不定期発行です> ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます ━【まぐまぐ!からのお知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         ★男の髪型に関する女性のホンネが満載!★ 「男のクセに○○○は許せない!」「○○○には、色気が漂ってます」 そのほかの意見はこちら⇒ http://rd2.mag2.com/r?aid=19993&rid=18 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -- *-------------------------------------------------------* Yasuhiro ISCIDA c/o Biblioteca d'informatica e linguistica Universita' Nagoya. Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13622] 時事通信9/12 時事通信2008年9月12日5時12分 iPS細胞の特許成立=京都大学  京都大は11日、山中伸弥教授が世界で初めて作った人工多能性幹(iPS)細胞の特許が国内で成立したと発表した。特許は山中教授が特定した4つの遺伝子を体細胞に導入してiPS細胞を作成する方法。特許の文言には「体細胞」としか書かれておらず、京大は「ヒトも含まれる」とみている。  世界では3つの遺伝子や化合物で作成する方法の開発が進められている。今回の特許で権利を主張できる範囲について、記者会見した松本紘次期総長らは「判断するのは裁判所」としつつも、「他の権利も確保されていくようにする」と述べた。  京大は2006年12月に特許を国際出願し、今年5月に日本で一部を分割して出願。今回、この分割した特許が認められた。他に約20の国と地域にも出願。国際出願に先立ち、05年12月に国内で出願しており、特許はこの時期にさかのぼって優先されるという。   今後は京大と金融3社が作った特許管理会社が営利企業にライセンスを提供する。非営利機関は無料。会見で京大産官学連携センターの寺西豊教授は「経済的な価値がどう認められるかは分かりかねるが、(スタンフォード大学に多額の利益をもたらした)遺伝子組み換え特許のように成長してもらいたい」と話した。 "[he-forum 13623] 河北新報9/12 河北新報2008年9月12日付 東北大42億円で4位 07年度国立大利益  文部科学省が11日公表した、法人化している国立大86校と自然科学研究機構など4つの大学共同利用機関の2007年度決算状況によると、利益総額は前年度より約130億円増の計約903億円だった。  政府方針で運営費交付金が削減されたが、受託研究の収益などが伸びたのが要因。一方で、教員の人件費は2年連続減の約6540億円で、文科省は「減少が続けば、中長期的に教育研究機能の低下につながる」としている。  大学別の総利益は、京都大の約63億円が最高。約57億円の大阪大、約55億円の北海道大、約42億円の東北大が続いた。  07年度は、国による出資など実質的に税金で負担した経費を示す「業務実施コスト」が約1兆4084億円となり、国立大などが法人化した04年度より13%減少。財務体質の改善が進んでいることがうかがえた。  研究施設などの減価償却費約3432億円は法人化後の最低で、耐用年数が過ぎた施設の使用を続けていることが要因とみられる。 "[he-forum 13624] 福井新聞9/12 福井新聞2008年9月12日付 法人化元年8800万黒字 県立大07年度決算  県立大と福井大は11日、2007年度の決算を発表した。公立大学法人化して初の決算となる県立大は、外部研究資金の獲得や経費節減に積極的に取り組んだ結果、当期総利益は約8800万円と初年度から黒字となった。福井大も法人化以降、4年連続の黒字だった。  県立大の経常収益(収入)は、県からの運営費交付金26億3100万円を柱に37億8300万円。国からの受託研究や企業との共同研究など外部研究資金は約8400万円で、前年度に比べて約1900万円増えた。経常費用(支出)は36億9600万円で、教員人件費17億5200万円、研究経費4億4100万円などだった。  法人化1年目の決算が黒字となったことについて、県立大側は「外部研究資金の獲得に力を入れ、学部別予算制度で光熱費などの経費節減に努めた表れ」としている。  同日、県が発表した県立大の07年度業務実績評価書によると、同大評価委員会が中期計画の「重点項目」26項目を審査した結果、「特筆すべき進行状況(S)」が2項目、「計画通り進んでいる(A)」が23項目、「やや遅れている(B)」が1項目だった。  法人化4年目となった福井大の決算は、当期総利益が約12億8000万円。医学部附属病院関係の償還金などを除いた実質的な利益は、前年度比約2000万円減の約2億6000万円だった。  経常収益は約259億3000万円で、約5億8000万円増。附属病院の収益が入院・外来患者の増加などで約14億4000万円増の117億1000万円だった。経常費用は約3000万円減の約246億8000万円。  同大財務課は、国からの運営費交付金が削減される中で、病院の収入アップに努め、経費節減を図ったことが前年並みの利益確保につながったとみている。 "[he-forum 13625] 共同通信9/11 共同通信2008年9月11日15時50分 中教審に大学教育を諮問 制度再構成や質確保で  中教審(山崎正和会長)の総会が11日、都内で開かれ、鈴木恒夫文部科学相は「18歳人口の減少や国際化の中で、中長期的な大学教育全体の在り方を見直さなければならない」として、大学教育制度の再構成や質保証の仕組み、国際競争力向上策などを諮問した。  審議を求めた主な事項は(1)社会や学生からの多様なニーズに対応する教育(2)学士や修士など学位の質を保証する仕組み(3)国際的に通用する競争力や大学評価-など。今後、大学分科会で議論していく。  大学は、志願者数と入学者数が一致する「全入時代」の到来を受け、教育の質低下が懸念されている。中教審は2005年1月に「学部学科や研究科といった組織本位の発想を改め、学位を与えるのにふさわしい体系的な教育課程をつくる必要がある」とする答申をしたほか、今年3月には卒業認定厳格化などを求める提言をまとめている。 "[he-forum 13626] 静岡新聞9/12 静岡新聞2008年9月12日付 生命と環境テーマに大学院交流 静大、県大、東海大  静岡大、県立大、東海大の県内国公私立3大学は30日、「単位互換・学術交流に関する協定」を締結する。「生命と環境」をキーワードに大学院交流を促進し、教育、研究、地域連携の各方面で活性化を図る。  協定により他大の大学院で修得した単位を、所属する大学院の単位として認定する。将来的には教員、学生相互の共同研究や試料収集、機器・施設の利用を進め、地域ニーズに応える研究を展開したい考え。  「生命と環境」をキーワードとしたのは、各大学院ともこれらの学問分野で専門的な教育、研究を進めてきた上、県中・東部地域が全国有数の食品、化学、薬品などバイオ関連産業の集積地であるため。協定に先立ち、3大学は4月、「静岡3大学生命・環境コンソーシアム推進協議会」を設立し、連携や交流の方策を練ってきた。 "[he-forum 13627] 東京新聞茨城9/12 東京新聞茨城版2008年9月12日付 地場産業で教員資質 茨大大学院養成プログラムが採択  人材養成を目的とした大学院の取り組みを支援する文部科学省の二〇〇八年度大学院教育改革支援プログラム事業で、地場産業を素材に授業の方法論や教員に必要な資質を養う茨城大大学院教育学研究科のプログラムが採択された。同大が十一日、発表した。  同大大学院のプログラムは教職大学院と同程度に高度な教育を通常の大学院で実現する試み。素材には県内で盛んな養豚を想定。生産から消費までの過程で、学生が各専門の観点から課題を掘り起こし、教材を作成したり授業で活用したりする。実地調査や模擬授業などの実践を重視する。  例えば、流通や食育の観点のほか、物語で豚がどう扱われているかという国語的視点、殺生の倫理的視点などが考えられるという。  教員を目指す大卒者や現役教員ら同研究科修士一年約五十人を対象に、〇九年度から導入する。将来的には、農畜産業を中心に他の素材も扱う。 (高橋淳) "[he-forum 13628] 毎日新聞9/12 毎日新聞2008年9月12日付 鈴木文科相:「大学縮小」議論を 中教審に諮問、再編で「質」確保  鈴木恒夫文部科学相は11日、人口減少時代などに対応した大学のあり方の審議を、中央教育審議会に諮問した。文科省は全国に86校ある国立大学の再編も視野に、公立や私立も含め大学の規模縮小を検討しており、国の高等教育政策の大転換点となる可能性がある。審議の行方次第では大学の再編・淘汰(とうた)が一気に加速しそうだ。  「大学全入時代」で定員充足率の低い大学が増え、教育の質低下が懸念されていることから、鈴木文科相は「転換と革新の議論が必要」と説明。委員からは「補助金の出し方をしっかり議論すべきだ」などの意見が出た。  審議では、大学新設の抑制など設置基準の見直しも検討する見通し。得意分野に取り組みを集中させる「機能別分化」と大学間連携の促進策や、学部学科の枠にとらわれない「学位プログラム」の導入も審議する。文科省幹部は「国立大同士の統合や公立への移管も議論対象になる」としている。【加藤隆寛】 "[he-forum 13629] 朝日新聞9/11 朝日新聞2008年9月11日付 世界の大学ランキング 東大19位、京大23位     中国の上海交通大学高等教育研究所が、「08年世界の大学学術ランキング」を発表した。東京大はアジアで1位、京都大は2位に入ったものの、世界レベルでは米国の大学に圧倒され、それぞれ19位、23位にとどまった。  研究所が03年から始めたもので、英タイムズ紙別冊高等教育版のランキングとともに世界的に有名なランキングの一つ。ノーベル賞、フィールズ賞を受賞した卒業生や教員数、各分野で引用回数が多い教員数、科学誌「ネイチャー」「サイエンス」への発表論文数などを得点化してランクづけしている。  それによると、1位は米ハーバード大、2位は米スタンフォード大、3位は米カリフォルニア大バークリー校で、18位までのうち、16校が米国の大学。昨年20位の東大は順位を一つ上げたが、22位の京大は一つ落とした。  日本でベスト100入りしたのは東大、京大のほか、大阪大(68位)と東北大(79位)の2校。200位までには、九州大、名古屋大、東京工業大、北海道大、筑波大も加わり、計9校が名を連ねた。(杉本潔) "[he-forum 13630] 日本経済新聞北陸9/12 日本経済新聞北陸版2008年9月12日付 金沢大、黒字に転換 07年度決算 富山・北陸先端大は減益  北陸3県の国立大学は11日、2007年度決算を発表した。付属病院の収益改善が寄与し、金沢大学は純損益が2年ぶりに黒字を確保。福井大学は人件費削減が奏功し純利益が倍増した。半面、教育・研究費を増やした富山大学と北陸先端科学技術大学院大学は純利益が減った。少子化や運営費交付金の減少など大学経営を取り巻く環境は依然厳しく、各大学は一段の経費削減と外部資金の取り込みを急ぐ。  金沢大は付属病院で看護師を増やして人件費が拡大した一方、手術件数や外来患者の増加により病院の収益が改善し、黒字転換した。福井大も運営費交付金が7億円減る一方、給与体系の見直しなど人件費削減に加え、付属病院の入院・外来患者の増加も寄与し、大幅増益になった。  富山大は増収減益。産官学地域連携による受託研究、受託事業が約4000万円ずつ増えるなど外部資金の導入が進んだが、教育・研究経費がかさんだことが減益につながった。北陸先端大も光熱費など一般管理費の経費削減などに努めたが、教育・研究費が7000万円増え、減益になった。 "[he-forum 13631] 9/15しんぶん赤旗 2008年9月15日(月)「しんぶん赤旗」 全大教が教研集会  全国大学高専教職員組合(全大教、高木正見委員長)の第二十回教職 員研究集会が十三日、電気通信大学(東京都調布市)で開かれ、全国か ら約百四十人の教職員が参加しました。  基調報告では、国立大学法人に移行して四年間の運営費交付金の減額 に加え、閣議決定で概算要求枠をマイナス3%に決めたことを批判、こ うした状況が続けば「地方大学をはじめ国公立大学の衰退、高等教育総 体の衰退をもたらす」と、政府に高等教育費増額の方向に政策のかじを きることを要求。現状を打開するために「組合の役割は大きく、過半数 組合づくりの運動を精力的にすすめよう」とよびかけました。  集会では、電気通信大学の梶谷誠学長が来賓あいさつし、「高等教育 への政府の施策はきわめて貧困。わが国の基盤である人材力が弱体化す る」とのべました。また、「大学法人化の現状・課題・展望」と題して 金子元久・東京大学大学院教授が記念講演。国立大学の役割をめぐる議 論が必要であり、教育研究の質的中核、高等教育の機会均等など国立大 学の役割についてのべ、その質的改善には「下からの運動が大事だ」と 語りました。  影山任佐・東京工業大学教授が「キャンパスから過重労働とストレス 性障害をなくすために」と題して特別講演しました。 "[he-forum 13632] 毎日新聞高知9/13 毎日新聞高知版2008年9月13日付 高知大学長選不正:行政訴訟 国の裁判所移送申し立てを却下--地裁  高知大学長選考に不正があったとして、高橋正征・同大名誉教授らが国に学長任命行為の取り消しを求めている行政訴訟で、高知地裁は12日までに国側が求めていた東京地裁または高松地裁への移送申し立てを却下した。  行政事件訴訟法では、行政庁を被告とする取消訴訟はその行政庁の所在地の裁判所で行うとする一方、事案処理にあたった「下級行政機関」の所在地の裁判所でも行うことができると定めている。  国側は、高知大は行政組織法上、文部科学省の「下級行政機関」に該当しないと主張。これに対し高知地裁は、高知大は学長選考会議や学内意向投票などを行って学長候補者を選び、文部科学相に推薦したことなどを指摘。高知大が「学長任命処分について事案の処理そのものに実質的に関与したと評価できる」と判断した。  決定に対しては即時抗告ができるが、国側の高松法務局担当官は「今後の対応は関係各省と検討中。1週間内に判断する」としている。【千脇康平】 "[he-forum 13633] 朝日新聞9/16 朝日新聞2008年9月16日付 存在意義 探る女子大  女子大が急速に減っている。この10年で2割近くが共学化するなどして姿を消した。大学間競争が激化するなか、男子にも門戸を開いて志願者増を狙おうという動きだが、そもそも背景には受験生の女子大離れがある。不要論も再燃している。女子大の存在意義はどこに――。(石川智也) ◆「リーダーシップを育つ」  「女性のエンパワーメント(力を与える)に力を注いでいるのは女子大だけ」「男女共同参画社会の実現に不可欠です」  7月中旬。「21世紀に生きる女子大学」と題されたシンポジウムで、お茶の水女子、奈良女子、津田塾、東京女子、日本女子という日本の女子高等教育を牽引(けんいん)してきた大学の学長が東京都内の国際会議場で一堂に会した。5学長は口々に女子大の存在意義をアピールした。  特に強調されたのは「リーダーシップが育つ」という点。米国では、女子大は共学より女性リーダー輩出率が高い、という複数の研究がある。「男性の役割を女性が果たさなければならず、意思決定に携わる機会が多い」と津田塾大の飯野正子学長。東京女子大の湊晶子学長も「18~22歳の時に男性が近くにいると、どうしても頼ってしまう。女性しかいない環境なら自然に決断力が身につく」。  日本の女性管理職の女性比率は10%(07年男女共同参画白書)。ドイツ37%、米国43%との差はまだ大きい。「女子大の役割は終わっていないどころか増している」。主催したお茶の水の郷通子学長は「これまであまり(PRを)やってこなかった。発信が大切」とまとめた。 ◆社会進出進み不要論が浮上  シンポには約200人が参加。パネリストから、「貧困や格差は男支配のなれの果て。女子大の役割は男性の再教育」という発言も飛び出し、盛り上がった。だが、使命の再確認を迫られるほど女子大への逆風は強くなっているともいえる。  女子大は戦後の民主社会にふさわしい女性を育てるという積極的意義を持ちながらも、共学を原則とする新学制の下では、「女性の教育機会を増やすための過渡的な補助手段という政策的な側面もあった」と指摘するのは、湯川次義・早稲田大教授(女子高等教育史)だ。男子系大学側の受け入れ態勢の遅れや共学に対する保護者側のためらいも残っていたためという。  しかし、女性の社会進出も進み、不要論や懐疑論が浮上。良妻賢母教育のイメージから脱却しようと、多くの大学が80~90年代、学部や学科から「家政」の看板を降ろした。  70年に6.5%だった女子の大学進学率は07年は40.6%。日本私立学校振興・共済事業団によると、全国の私立女子大75校の今年度の志願倍率は4.8倍、定員充足率は103.9%で、全私立大の6.8倍、106.5%を大きく下回った。予備校のデータでは、老舗(しにせ)の「名門女子大」の入試難易度も、20年前と比べて軒並み下がっている。  国立の女子大は、お茶の水、奈良女子の二つ。その奈良女子大も「女子大という理由で入学した学生は9%」。高知県は県立高知女子大について、10年度からの共学化を目指す。県は「女子のみの高等教育機関を税金で運営することへの疑問が高まった。法の下の平等からもおかしいとの声もあった」と説明する。4年制大学は増え続ける一方で、女子大はピーク時の98年の99校から、82校に減った。 ◆実学志向、共同で大学院も  女子大有用論者の神戸女学院大の内田樹教授は「市場化、規格化する社会への対抗文化としても女子大は存在意義がある。同じ基準で比べられない大学が多数あるのが健全で、女子大は共学大の模倣や社会ニーズの後追いはやめるべきだ」と話す。  一方で、学生が集まらなければ経営が成り立たないという現実が重くのしかかる。女子大として残る道を選んだ大学では、積極的な巻き返し策を図る。  甲南女子大(神戸市)は06年度に保育士や幼稚園教諭の資格を取れる「総合子ども学科」を設け、昨年度も「看護リハビリテーション学部」を新設。介護や子育てのプロ養成という社会ニーズに合った実学を導入した。  大妻女子、実践女子、昭和女子など都内5大学は、共同の教職大学院を10年に開校する。女子学生に人気が高い教員養成分野の競争力を高めるためだ。経営環境が厳しくなるなか、ライバル校同士の連合は女子大の生き残り策として注目を集める。  7月のシンポに参加した5大学は、国内だけでなく、男女差別の残る途上国での女子教育支援という新たな使命も掲げている。02年から連合をつくり、アフガニスタンの女性指導者を研修に招いている。湯川教授は「共学大が関心を払わない分野に取り組むなどして魅力ある大学になることが必要。それを満たした大学は存続していくのでは」と話している。 「キャンパスきれい」「変な虫つかない」 受験控えた高校生親子に聞く  夏休み中の女子大のオープンキャンパスに出かけ、受験を控える高校生に聞いてみた。  東京女子大に群馬県から来た鈴木璃子さん(17)は「英語教育がしっかりしている大学を選ぼうと思った。特に女子大へのこだわりはない。第1希望は共学だし」。ただ、母親の啓子さん(49)は「私たちの世代にはブランドの大学。入学してほしいという思いもあるけど……」。  埼玉県の佐藤由弥子さん(18)は「5、6校まわったけど、やっぱり女子大の方がキャンパスがきれい。女子大への不安はあるけど少人数で就職の面倒見もいいと聞き、今は心が傾いている」。  日本女子大も親子連れが目立った。長野市の佐藤優さん(17)は「中高と女子校だったので、大学は共学がいい。女子だけだと世界が狭くなりそう」。でも、父親(42)は「一人暮らしになるので女子大の方が安心。変な虫もつかなそうだ」。親の方が積極的というケースも多く、津田塾大でも、都内の高校生(18)は「女子大か共学かにこだわりはないけど、母親が卒業生なので、勧められて来た」と話した。 "[he-forum 13634] 読売新聞9/15 読売新聞2008年9月15日付 島大・鳥大・神大・兵庫医科大…若手医師確保へ相互交流 10月にも開始  島根大医学部と鳥取、神戸両大医学部、兵庫医科大の研修医が互いの大学病院で研修できる「山陰と阪神を結ぶ医療人養成プログラム」が10月にもスタートする。若手医師確保のため、各大学の得意分野を学べる魅力ある研修プログラムでアピールしようと各大学が協力して企画し、文部科学省の選定を受けた。  2004年度の医療制度改革以降、地方の大学病院から研修医が流出している問題を受け、文科省は今年度から複数の大学病院が連携し、それぞれの得意分野を生かして研修できる「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」をスタート。全国から28件の応募があり、4大学のものなど19件が選定された。  心臓外科に強い神戸大、脳卒中など神経内科が得意な島根大など、それぞれに得意分野がある。大学の壁を超えることで、より高度な専門医や研究者を育てるのが狙いで、他大学では1か月から1年程度の研修を受ける。例えば内分泌内科(糖尿病重点)専門医コースは、島根大病院で1年間研修した研修医が、県内の糖尿病症例の多い病院で研修した後、兵庫の糖尿病診療の拠点である神戸大病院に半年間勤め、島根大病院に戻る。  島根大医学部は毎年95人が卒業するが、卒業後も同大で研修を続ける人は2割以下という。小林祥泰・同大病院長は「この事業で大学に魅力を感じてもらい、卒業生の半数以上に残ってもらえれば」と期待している。 "[he-forum 13635] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレターNo.7 ニュースレター NO.7  2008、9、1 公正な学長選考を求める裁判を支える会   事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内   (TEL/FAX 088-844-1489) ○ 行政裁判 第一回口頭弁論へ     いよいよ行政裁判の第一回口頭弁論が9月19日にせまりました。    民事裁判の取り下げ(6月23日)から3ケ月が経ち、私たちはいま満を持し て行政訴訟に向かおうとしています。  裁判での主張のポイントは以下の3点です:  1 権限のない職員が開票済み投票用紙の入った金庫を開けるなどの不正行為 があったにもかかわらず、選考が行われたこと。  2 41票差と1票差の二つの投票結果が確定されないまま選考が行われたこ と。  3 高知大学から文部科学省への上申において、学長選考会議での議論と異な って、41票差の投票結果のみが報告されたこと。  これらの重大な手続き違背の違法があることから、係る学長選考会議による学 長選考は無効となり、それゆえに文部科学大臣は学長任命を拒否する義務を負う ものと考えられます。それにもかかわらず、文部科学大臣が学長を任命したこと は、この義務に違反する違法なものであるということを根拠とし、今回の行政訴 訟では、文部科学大臣による「学長任命処分取り消し」を求めているのです。    私たちは、この行政訴訟で、今回の学長選考過程及びそれに続く任命処分に至 る数々の問題点を白日の下に晒し、口頭弁論と審理を通じて、公正で透明な大学 を取り戻したいと考えています。そして、この目標に達するために、まず「原告 適格」の問題を乗り越え、我々が求めている真相究明に迫らなければなりません。 今回の行政訴訟では、民事訴訟の原告であった高橋正征名誉教授(前黒潮圏海洋 科学研究科長、学長候補者)に、根小田渡名誉教授(前人文学部長、学長選考会 議委員)が加わり,原告は2名となっています。    ニュースレター第6号において、「実質上、構成員全員が原告になったつもり で裁判に臨みたい」と書きましたが、私たちは二人の原告をしっかり支え、さら に,真相究明と公正で透明な大学運営を求める運動を広範に展開していくことが 重要です。今回、裁判の相手が「国」に変わったことで、「お上に逆らうのはよ くないのではないか」というためらいを感じている人もあるかもしれません。し かし,高知大学を再生させるために、私たちがあきらめずにこの局面を乗り越え る連帯の意識をもつことは、在学生と卒業生そしてこれから高知大学に入学する 学生諸君が持つ高知大学に対する誇りに応えることにつながります。  9月19日の第一回口頭弁論に向けて、人々の大きな輪を作り出しましょう!  大学関係者のみではなく、全国に向けてこの裁判の意義を訴え、それを支持す る広範な「世論」を作り出しましょう! ○ 雑誌JWの残部がありますので「特価」にてお分けします  『裁判を支える会ニュース』第四号でご紹介した、『JW(ジュディシャル・ ワールド)』(リーダーズノート社)vol.3の残部が10部程度本会にあります。 定価は700円ですが若干回覧に使ったものなので(しかし、ほぼ新品)500 円で希望する方にお分けします。  生協など高知大学周辺では、この種の本(司法誌)としてはかなり売れ行きが よかったようです。関係者の関心の高さが伺われます。うっかり買いそびれた方、 グループで回覧用にほしい方、この機会に買ってみてはいかがでしょうか。グル ープで学長選考に関して勉強する場合などにも使えると思います。購入ご希望の 方は事務局までご一報下さい。    再度内容をご紹介しておくと、本学の学長選考に関する記事のタイトルは「泥 沼化する国立大学 『学長選出』」(取材・文 富田充氏)です。そこでは、私 たちの大学で起こったことについて10ページに渡って詳しく解説がなされてい ます。きちんとした取材に基づいて本学の学長選考規則の問題点や実際の学長選 考でどのようなことが起こったのかなどについて、図入りで分かり易く説明が行 われています。本会の代表や「公正な学長選考を求める会」あるいは学生の会代 表のコメントもきちんと収録されています。(大学側は相変わらずコメント拒否 ですが)  今後の裁判の展開を考えると、本記事で記載されている「本書が書店にならぶ 4月下旬には、相良祐輔高知大学長が正式に決まっている可能性がある」「しか し、学長選出手続きに違法性が疑われるからこそ、ことは告発や訴訟にまで発展 している。それでも「任命」されるのなら、当の文科省には、高知大の係争をシ ロと見るだけの確信があるのだろう。」という結びはいささか予言的でもありま す。  いずれにしても、『JW』はこれまで本学で起こったことに関する適切な解説 であると同時に、今後の方向を考える意味でも大いに参考になるものです。 「学長任命処分取消請求事件」第一回口頭弁論 9月19日〔金〕  11:00~ 於 高知地裁 "[he-forum 13636] (高知大)公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.8 ニュースレター NO.8   2008、9,15 公正な学長選考を求める裁判を支える会      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内         (TEL/FAX 088-844-1489) ○ 刑事告発の不起訴処分に対して「検察審査会」に不服申し立てへ!  すでに新聞等で報道されているように、昨年12月に私たちが行った「公用文 書毀棄」及び「偽計業務妨害」の刑事告発について、高知地検は嫌疑不十分で不 起訴処分とする決定をくだしました。「嫌疑不十分」とは「全く嫌疑がないわけ ではないが、立件するに足る物的証拠などが足りない」ということのようです。 私たちはこの不起訴処分という決定を不服として検察審査会に申し立てる方針を 固めました。    検察側の不起訴の論拠は以下の2点です。  1 数えまちがえた可能性が高い。  2 投票用紙を偽造するのは難しいので票のすり替えがあった可能性は低い。  これらの判断の根拠となったのは、関係者への「事情聴取」及び任意提出され た投票用紙ですが、いずれも十分に調査・検討されたとは言えません。 まず、検察は告発した私たちへの事情聴取すら一切行いませんでした。実は、私 たちの許には開票に関わった教職員等から「ミスの可能性はほとんどない。もし 必要なら証人として自分の名前を挙げてもらって構わない」という勇気ある申し 出が多数寄せられていました。しかし、私たちはこれらの申し出を検察に伝える 機会をまったく持てなかったのです。  弁護団を通じて確認したところでは、大学関係者からの事情聴取は「数え間違 いを発見した」職員1名(転勤したもう1名の職員からは聞いて聴取していない ようです)に対して行ったとのことです。新聞は「開票作業が杜撰であった」と いう検察の判断を報じていましたが、その記事を読んだほとんどの人は違和感を 持ったのではないでしょうか。つまり、その判断は係る問題に最も近い人物だけ の証言?に基づいて行われた可能性が高いからです。    また、唯一の「物的証拠」である投票用紙に関しても「第三者が容易に偽造で きる物ではない」(『高知新聞』)という状況認識のみで、第三者または当事者 が「精巧に」偽造した可能性や印刷業者がなんらかの形で不正行為に関わってい る可能性については十分検討・捜査が行われていないようです。    以上のように、今回の不起訴処分については、その捜査のやり方があまりにも 皮相的であるので,導かれた結論は到底納得できるものではありません。検察審 査会への申し立てをすることは、この問題を注視している国民と社会に対し, 「不起訴処分がただちに不正がなかったことを意味するものではない=不正の可 能性は払拭できないされていない」ことをと発信していくという意義があります。 検察審査会の議決には拘束力がない(「検察審査会とは」参照)という問題はあ りますが、世論を背景に、検察がもっと綿密に捜査を尽くすよう,検察審査会へ 申し立てを行うことにし、弁護団にその準備を依頼しました。  特に開票作業について関係者へのきちんとした事情聴取が行われないまま、 「開票が杜撰であった」という大学側の一方的な主張があたかも事実であるかの ように扱われるとすれば、今後の裁判の行方のみならず、高知大学の名誉にとっ ても極めて重大な問題であると考えます。開票作業に関わった全ての教職員の名 誉のためにもここで引き下がるわけにはいきません。 ○ 緊急報告!地裁 国側の「移送の申し立て」を却下! 日程は変更の可能性  行政訴訟について緊急の報告があります。9月19日に高知地裁で第一回口頭 弁論を行うということで、これまで準備をしてきになっていましたが、国側から、 東京又は高松の地裁で行うべきであるとの「移送」の申し立てがなされました。 この国側の申し立てはに対し、高知地裁には却下の判断を下しました(9月12 日)されました。しかし,この地裁の決定に対して国側が抗告する可能性が強い あるため、19日に口頭弁論をが行われるかどうかは流動的な情勢となりました。  行政事件訴訟法によれば、裁判は「高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所」 (特定管轄裁判所)で行うのが原則ですが(第12条 4)、「当該処分又は裁 決に関し事案の処理にあたった下級行政機関の所在地の裁判所にも提起できる」 (第12条 3)とも規定されています。私たちはそれその12条3項を根拠と して、高知地裁に提訴したわけですが、ました。今回,国からの「特定管轄裁判 所でやるべき」という申し立てが却下されたことは、これからの行政訴訟のあり 方にも大きな影響を与える画期的なことであると言えます。  口頭弁論が19日に行われるかどうかは国側の対応により微妙です。日程につ いての情報は入り次第お知らせいたします。 ■検察審査会とは?  今回のケースのように「告発」を行う権限は一般市民にもありますが、それを 受けて裁判所に公訴を提起するかどうかの判断は検察にゆだねられています。不 起訴、ないし起訴猶予となった場合、その検察の判断を不服とする者(つまり我 々)の申し立て(不服申し立て)を受けて、検察の判断の適否を審査する機関で す。    11名の委員(一般市民)から構成され任期は6ケ月で、3ケ月ごとに半数が 改選されます。全国に201の審査会が置かれていますが、高知県では、高知、 須崎、中村の3つの審査会があります。  審査会の判断は、「不起訴相当」、「不起訴不当」「起訴相当」の3つがあり ます。「不起訴不当」「起訴相当」の場合には検察は再捜査を行い起訴するかど うかを判断しなければなりません。しかし、最終的な判断は検察が行うため、審 査会で「不起訴不当」「起訴相当」とされ再捜査した事件であっても最終的に不 起訴となる場合も多いようです。 "[he-forum 13637] 朝日新聞9/18 朝日新聞2008年9月18日付 不動産証券化の寄付講座を東京大学公共政策大学院に開設 三井不動産  三井不動産はこのほど、東京大学公共政策大学院に不動産証券化を研究内容とする寄付講座を開設すると発表した。  同講座は、将来の政策課題に対応して、産学官が連携し、有効に政策展開するのに必要な研究を実証的に行うと共に、それに必要な人材を広く国内外から求め、育成していくことを目的としている。  開設期間は、09年4月から12年3月までの3年間。講座名称は、「不動産証券化の明日を拓く」の予定。 "[he-forum 13638] 読売新聞愛媛9/20 読売新聞愛媛版2008年9月20日付 紙産業担い手大学院で育成 愛媛大に全国初 修士コース  愛媛大学は、全国屈指の紙産業集積地である四国の紙産業の担い手を養成する全国初の紙産業大学院修士コースを2010年4月に開設する。経済産業省の「産学連携人材育成事業」の採択を受け、地元の製紙企業や、松山、香川、高知の3大学などから講師を迎え、業界で中核的な人材となり得る若手育成を目指す。  平地の少ない四国では、江戸時代から紙の原料となるコウゾ、ミツマタの栽培が盛んで、和紙の産地として知られた。明治以降、瀬戸内を中心に近代的な製紙業が発展した。  2006年工業統計によると、四国にはパルプ製造業や伝統的和紙製造業など紙関係の435社があり、製造品出荷額は8402億円。そのうち、四国中央市は4810億円を占め、全国一の紙産業集積地となっている。  業界では、大量退職する団塊世代からの技術継承や海外需要に対応した新製品開発が可能な人材確保が課題で、同市や四国中央商工会議所は愛媛大に対し、紙産業に特化した教育課程の設置を要望。同大は、事業委託料として3年間で数千万円を受け取ることができる経産省の制度を活用し、大学院に専門コースを設けることにした。  新設するコースは、愛媛大が管理法人となり、四国中央商工会議所のほか、松山、香川、高知の各大学とで共同事業体を設立。企業や4大学の研究者から13人の講師を募る。  08、09年度中にカリキュラム策定や教材開発などを進め、10年度から年間6人の院生を募集する。1年目は紙産業原論や、紙産業技術史論などの座学を中心とし、2年目に企業や研究施設での現地実習を行って、即戦力となる人材を育てる。  愛媛大農学部の森賀盾雄客員教授は「紙産業の経営から技術論まで総合的な専門知識を学べる場は国内で初めて。紙産業の人材育成拠点を目指したい」としている。 "[he-forum 13639] 北海道新聞9/18 北海道新聞2008年9月18日付 道内5大学が共同大学院 地域医療の担い手育成  札医大と室工大、樽商大、道医療大、千歳科技大の五大学が二〇一二年度に、幅広い専門知識を持った地域医療の担い手を育てる大学院を共同設置することになり、十七日、札医大で連携協定の調印式が行われた。病院経営や医療機器の開発に役立つよう、医学や工学、経営学など多分野の科目を履修できるのが特徴だ。複数の大学による共同大学院は道内初。  共同大学院では、五大学それぞれの教育、研究実績を活用。計画では、医療系大学以外の卒業生は基礎的な医学を必修とし、その上で病院の会計や経営戦略、電子データ活用技術、医療工学などの選択科目を設ける。  一学年二十人程度の修士課程のみで、授業の大半は札幌市中央区に新設予定のサテライトキャンパスで行う。大学院の名称などは未定。  地域医療の充実が求められる一方、特に地方で自治体病院の赤字などが問題になっていることを受け、札医大が設置を呼びかけた。修了者は、経営ノウハウを持った医師や医療にも詳しい自治体職員として、道内各地で活躍することを想定している。  大学院設置への準備期間として、早ければ〇九年度から、五大学それぞれの大学院で地域医療にかかわる共通科目を設け、単位を取得できるようにする。  この日の調印式には、五大学の代表が出席。札医大の今井浩三学長は「新しいタイプの人材を育成することで地域に貢献したい」と決意を述べた。 "[he-forum 13640] 日本経済新聞東北9/20 日本経済新聞東北版2008年9月20日付 東北大と日立、若手交流で新技術 環境・エネルギーテーマに  東北大学と日立製作所は今秋から、若手の人材交流を本格化する。環境とエネルギーを主テーマに、30―40歳の研究者が3カ月ごとに会合を開く。次世代の太陽電池の開発や温室効果ガス削減策などで共同研究を進め、新技術を生み出す狙いだ。  東北大と日立製作所が2006年1月に結んだ連携協定に基づく活動の一環。これまで通信や素材分野などで約100件の共同研究に着手している。  今回始める若手に特化した人材交流では環境やエネルギー、またはこの2分野を組み合わせた新たな研究テーマを発掘していく考え。東北大から工学研究科や環境科学研究科の准教授クラス、日立からは基礎研究所などの研究者が参加する見通しだ。  東北大学は「現場にいる若手の研究者から斬新な切り口の研究テーマを発案してほしい」(産学官連携推進本部)と期待している。 "[he-forum 13641] 山形新聞 山形新聞 本県は年間85億円の流出超過 学生への仕送り額 2008年09月21日 11:44  本県から県外の大学や短大に進学した学生への仕送り額は年間約 159億円で、他県から県内の在学者への仕送り額を差し引くと、年間約 85億円の流出超過になることが20日までに、山形銀行の「やまぎ ん情報開発研究所」の調査で分かった。  進学者への仕送りは家計への負担が重いことから、同研究所は「親世 帯の消費マインドに大きなマイナスの影響を与えるほか、老後の生活資 金など、将来の消費をも圧迫しかねない」と分析している。  県外で学生生活を送る県内出身者は約1万6000人と推計 される。学費を除いた平均的な年間の仕送り額約97万2700 円を掛けると、県外への仕送りの流出は約159億円に上る。一 方、他県から本県へ進学した人は約7600人で、年間約74億 円が流入しているとみられる。  県内高校生の進学状況をみると、昨年度の卒業生1万 2831人のうち、大学や短大に進学した人は前年比2.6%増の 6078人。県外へ進学した人が75%程度を占め、県内の入学者数は 2年連続でマイナスとなった。  全国大学生協連などの調査によると、学生が1カ月に使う生活 費の平均額約12万円のうち、7割近くが仕送りとなってい る。近年、学生がアルバイトなどで得た収入は増加傾向にあるものの、 依然として生活費の多くは親からの援助に依存している。  経済が低成長を続ける中、現役世代の所得が伸びず、親世代を援助す ることは困難になってきている。こうした状況から、学生本人が奨学 金、学資ローン、アルバイトなどを利用して、教育費や生活費を負担す る傾向が強まっているという。同研究所は「親世代の資産減少を抑制 し、老後資金を確保するための有効な対処法として、県内の消費にも好 影響を及ぼすものとみられる」としている。 "[he-forum 13642] 大阪日日新聞9/20 大阪日日新聞2008年9月20日付 公立大として第一級 大阪市立大外部評価  公立大学法人化後2年を経過した大阪市立大について、外部の識者らでつくる評価委員会(委員長・金森順次郎国際高等研究所所長)は19日、2年目の業務実績を「順調に進捗(ちょく)している」とする報告書を平松邦夫市長に提出した。  報告書によると、教育研究の質の向上に向けた取り組みでは「現代的教育ニーズ取組支援」「地域医療等社会ニーズに対応した質の高い医療人要請推進」など、5つの教育プログラムで文部科学省が助成を採択、世界最高水準の人材育成を目指す「グローバルCOEプログラム助成事業」を中心とする先端的都市研究について評価した。  財務内容の改善、効率化については、外部資金獲得のための組織整備を評価する一方で、医学部付属病院において医療サービスの低下を招くことのない経営改善が必要とした。  金森委員長は報告書を提出し、平松市長に対して「公立大学としては第一級の大学。市としても英知を市政に活用していただきたい」と述べた。 "[he-forum 13643] 中国新聞9/22 中国新聞2008年9月22日付 広島市立大が独法化を答申  広島市立大(安佐南区)の法人化を検討していた大学の運営協議会は21日、会合を開き、2010年度の公立大学法人移行に向けた答申案をまとめた。近く浅田尚紀学長に提出する。  答申案は、産学連携を含む教育研究活動を進めるには、市の単年度予算では制約が多いなどの課題を指摘。法人化による運営体制改善を求めている。  具体的な方向性として、積極的な自主財源確保▽多様な雇用・勤務形態の採用など柔軟な人事システム確立―を列挙。「速やかに法人へ移行するのが望ましい」と結論づけた。移行スケジュールは10年度とした。  会合には、6人が出席。協議会の法人化検討専門委員会が8月にまとめた案を基に意見交換し、答申案をまとめた。 "[he-forum 13644] 読売新聞9/21 読売新聞2008年9月21日付 子どもの心 専門家養成、連合大学院新設 来年度、阪大など3大学  学習障害や注意欠陥・多動性障害といった発達障害や、子どもに増えているうつ病、摂食障害などに対処できる人材を育てるため、大阪大と金沢大、浜松医科大は2009年度、連合大学院「小児発達学研究科」を新設する。全国初の試みで、医学や心理学、教育学など文理融合による「子どもの心の専門家」養成に乗り出す。 ・・・  文部科学省は09年度予算の概算要求に同大学院の設置運営費約1億2180万円を盛り込んだ。  3年制の博士課程で入学定員は10人。心理、教育系などの修士課程修了者のほか、医師や教師、看護師ら社会人を対象に、学校カウンセラーや発達障害者支援センターの責任者、児童精神科医などを養成する。  教育研究は、阪大が小児発達神経学、金沢大が脳機能学、浜松医大が疫学統計学など、各大学が得意分野を担当。医学や生命科学、心理学などの基礎教育には遠隔講義システムやインターネットを使ったeラーニングを導入する。  阪大と浜松医大は06年度、発達障害などを解明する「子どものこころの発達研究センター」を連携して設置。金沢大も昨年から参加しており、センター長で、大学院の基幹校となる阪大の遠山正彌(まさや)教授は「子どもの心の課題に多角的な視点で取り組める人材が必要」と話している。  文科省の推計では、発達障害のある小中学生は全体の6%に上る。また、北海道大の研究グループは昨年、うつ病と診断される小中学生の割合は1・5%で、中学1年では4・1%と大人並みの割合になるという調査結果を発表した。 "[he-forum 13645] 読売新聞9/21 読売新聞2008年9月21日付 大学院に「観光MBA」経産省と一橋大が連携  経済産業省は、一橋大と連携し、2009年度に同大大学院商学研究科に観光に特化したMBA(経営学修士)コースを開設する。  旅行会社やホテルなどの経営幹部や、各地の自治体や観光協会などで地域おこしのリーダーとなる人材を育成する狙いがある。  すでに北海道大や和歌山大、立命館大などが学部や大学院に観光コースを設置しているが、MBAは一橋大が初めてとなる。 "[he-forum 13646] 時事通信9/22 時事通信2008年9月22日21時15分 教育の負担軽減策を議論へ=教育再生懇  政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は22日、首相官邸で会合を開き、大学教育改革に関する議論を行い、低所得層の保護者の下で育った子どもでも希望通りの大学で学べるよう、教育費の軽減策などについて年内にも提言をまとめる方針を決めた。  懇談会では今後、奨学金や授業料免除など、私費負担を軽減するための仕組みについて検討。会合後、教育再生担当の渡海紀三朗首相補佐官は「能力のある子どもが家庭の経済状況で格差が生じる事態について考えていかなければいけない」と話した。  また、推薦入試や書類・面接で受験者を評価するAO(アドミッション・オフィス)入試で入学した学生の学力不足が指摘されていることから、センター試験とは別に高卒者の学力を測る高大(高校・大学)接続テストの導入を検討する案も示された。 "[he-forum 13647] 共同通信9/22 共同通信2008年9月22日18時45分 教職大学院の評価機関設立 日本教育大協会が方針  教員養成課程を持つ大学などでつくる日本教育大学協会(会長・鷲山恭彦東京学芸大学長)は22日までに、今春19校でスタートした教職大学院の第3者評価を手掛ける認証評価機関を設立する方針を固めた。協会が中心となって、本年度中にも母体となる組織を発足させる。  教育の質を確保するため、専門性の高い専門職大学院は専攻分野ごとに、文部科学相の認証を受けた評価機関から、5年に1度の評価を受けることが義務付けられている。法科大学院は、大学基準協会などが評価しているが、教職大学院を担当する認証評価機関はなかった。  今後は、教職大学院各校が行う自己評価などを通じて評価基準のマニュアル作成などを進め、2011年度から第3者評価を実施したい考え。  教職大学院は(1)実践的な指導力を備える新人教員の養成(2)現職教員を対象に、指導的役割を果たすリーダーの養成-の2つを主な目的として発足。来年度はさらに5校が開設される予定。 "[he-forum 13648] 産経新聞9/24 産経新聞2008年9月24日付 大学の高校補習に補助金 来年度から文科省 学力低下に対応  希望すれば誰でも大学に進学できる「全入時代」に事実上突入するなか、文部科学省は来年度から、新入生に高校時代の授業内容を復習させる補習授業などの取り組みに補助金を交付する方針を決めた。大学生の学力不足が指摘されるなか、各校が学生の学力向上に取り組むよう促す狙いだ。  文科省の調査によると、高校時代の補習授業を導入している国公私立大は平成18年度時点で33%(234校)。国立では、香川大工学部が18年度から新入生を対象に、数学と物理の補習授業を始めている。  少子化の一方で大学数が増え続けて進学が容易になり、「全入時代」に事実上突入し、学生数を確保するために推薦・AO入試で一般入試を経ない大学生も増えている。このため、大学関係者からは「高校の授業内容の理解が乏しいため、大学の専門教育についていけない学生が増えてきた」との指摘が上がっている。  このため、文科省は、大学生らに高校の授業内容を復習させる機会を広げる必要があると判断した。  来年度から行われる取り組みは、大学、短大、高等専門学校から公募。同省設置の有識者委員会の審査で合格すれば、年間2000万円以内の補助金を1~3年間交付する。  大学生の学力向上策として、高校の授業内容の復習のほか、文科省は、安直な単位認定を厳しくし単位を実質化させるための学習支援策▽成績評価の厳格化-など学生の学力向上を支援する取り組みも各校に促す。  大学生の学力低下に詳しい和田秀樹国際医療福祉大教授は「中学レベルの学生を受け入れてきた大学側にも問題がある。補習授業などへの補助金交付を否定はしないが、大学入学段階で一定の学力を保証する『高大接続テスト』を導入し、入学時点で厳しくすることが先決ではないか」と話している。 "[he-forum 13649] 朝日新聞9/23 朝日新聞2008年9月23日付 NRIと東工大、サービス研究で連携  野村総合研究所(NRI)と東京工業大学は22日、サービス分野に関して連携協定を結んだと発表した。寄附研究部門の設置や共同研究への取り組みなど多面的に連携。08年10月から3年間にわたり、サービス分野でのビジネスチャンスおよび学問・研究体系の創出に向けた研究・教育を進めていく。  両者はサービスでのコンセプト構築、データ分析とシミュレーション、ビジネスプロセスイノベーションの3項目について連携する。寄附研究部門を10月に設置し、サービス分野に関するシミュレーション技法の研究開発に取り組むほか、全学修士課程の学生を対象にサービス設計論など2科目の講座を09年4月に開く。  研究交流会「イノベーションブリッジ」も開催。東工大の教員からの研究成果とNRIからのニーズの発表により、共同研究テーマの創出や研究成果の実用化を目指す。両者は現在、共同研究テーマとしてITインフラの活用や資産運用会社の組織設計、年金制度設計などについて検討している。 "[he-forum 13650] 読売新聞山梨9/26 読売新聞山梨版2008年9月26日付 山学大法学部が難関法科大学合格目標コース  山梨学院大学は25日、来年4月から法学部に法科大学院進学に特化した「特進コース」を開設すると発表した。学生は学部授業とは別に特別プログラムを学習し、さらに学費も全額免除。東大や一橋、慶応などの難関法科大学院を目指す学生を養成する。  新司法試験を経て法曹人を輩出し、将来的には学部全体のレベルアップを図りたい考えだ。  講義は司法試験の有名講師を招き、少人数で行う。1、2年次で法科大学院入試に必要な法律知識の習得を終え、3、4年次で過去問演習や試験対策に取り組むという。  募集は法学部法学科7人、政治行政学科3人の計10人。上条醇(あつし)・法学部長は「法曹界の人材育成とともに、(学費全額免除で)経済的に苦しい学生の法曹への夢をサポートしたい」と話した。  同大は県内唯一の法科大学院を設置している。 "[he-forum 13651] 新潟日報9/26 新潟日報2008年9月26日付 県内3国立大の利益は21億円  文部科学省は26日までに、国立86大学と4つの大学共同利用機関の2007年度決算を発表した。利益総額は前年度より約130億円増の計約903億円。県内3大学は新潟大が約15億6000万円(前年度比約5億4000万円増)、長岡技術科学大は約2億2000万円(同約7000万円減)、上越教育大は約2億9000万円(同約5000万円増)の利益があった。  新大は04年度の法人化以降で最高益。医歯学総合病院で手厚い看護体制を導入し、診療報酬が増えたことなどが要因だった。  2年ぶりに利益が減少した長岡技大は優秀な学生向けに授業料免除制度を新設したことなどが響いた。上教大は4年連続の増益で、大学院生増で授業料収入が増えたことや、人件費削減が奏功した。  全国でみると、総利益のトップは京都大の約63億円が最高。約57億円の大阪大、約55億円の北海道大、約42億円の東北大が続いた。  国による出資など実質的に税金で負担した経費を示す「業務実施コスト」は約1兆4084億円となり、法人化初年度の04年度より13%減少。財務体質の改善が進んでいることがうかがえた。  研究施設などの減価償却費約3432億円は法人化後の最低で、耐用年数が過ぎた施設の使用を続けていることが要因とみられる。  42ある付属病院は外来患者の増加などで全体は増益となっているが、看護師の人件費や設備投資などがかさみ、昨年度と同じ16病院が実質的な赤字状態だった。新大医歯学総合病院は黒字だった。 "[he-forum 13652] 朝日新聞9/29 朝日新聞 2008年9月29日 「非実学」冷遇いいの?文学・歴史学・物理学・天文学…  「学問」と言っても、最近、つらい立場の学問もある。文学、歴史 学、物理学、天文学などなど。成果が比較的分かりやすい工学や医学な どに比べて、効果が見えにくい「非実学」の学問だ。「役に立たない」 と言われ、研究費も減らされる傾向にある。ただ、こうした学問を愛し てやまない研究者はたくさんいる。(原田朱美) ■「即効」なく研究費減  「外部の研究費は、『役に立たない研究だから』と、もらいにく い」。山形大学理学部の玉手英利教授は言う。  玉手教授の研究テーマは「生態遺伝学」だ。「たとえば、エゾシカと 日光のシカは同じ、という研究です」。大きさや見た目が違うシカが、 果たして同じ仲間なのか、違うのか、といったことを遺伝的に調べてい る。「それだけじゃ(他のことに)応用はききませんけどね」  理学部は、他に数学や物理学など生活に直接結びつきにくい学問が多 い。  山形大学のホームページに、6学部の受託研究の件数が出ている。受 託研究とは、国や企業から研究費をもらい、研究をすること。つまり、 国や企業にとって「役に立つ」研究だ。  98~07年度の件数を見ると、工学部が飛び抜けて多く、医、農学 部は微増。理学部は、ほぼ横ばい傾向だ。  「比べられると、困るなあ」。玉手教授は苦笑する。玉手教授はいく つかの外部資金をもらっているが、同じ学部には、全く資金を受け取っ ていない同僚もいるという。  シカの研究は、多くの研究者が様々な生き物について同じように研究 を重ねると、地域全体の生き物の多様性が見えてくる。それは生態系の 保全にもつながる。「成果が出るのに、長い時間がかりますね。実学と 同じ尺度で比べられると困ります」 ■基礎研究「発展のもと」  大学改革に詳しい千葉大学文学部の小沢弘明教授は、学問に企業経営 の論理が入り込み、「大学に求められる役割が変化してきた」と指摘す る。経済のグローバル化が進み、企業は世界競争を強いられている。自 前の技術研究や人材育成に余裕を持てなくなり、その役割を、大学に求 めるようになった。商品化に結びつきにくい非実学は徐々に外に追いや られていった。  一方で、大学側も、こうした分野を守りきれない。国立大学は、04 年度の法人化後、国から支給される運営交付金の削減が続く。  小沢教授の本来の研究テーマは「東欧の国民国家の形成と展開」だ。 「利益が上がるという意味では、役に立ちません」と話す。今年、文学 部から支給された研究費は年間6万円。「コピーのトナーとか買った ら、消えてしまいますよ」。法人化前は、数十万円もらっていた。  最近、研究費削減にとどまらず、ポストも少なくなった。研究者に競 争的資金を獲得するよう求め、獲得ノルマを課す大学もあるという。小 沢教授は「学問は本来、万人に開かれたものなのに、それがなくなって いる」と憤る。  実学重視の流れに、声を上げる人たちも出始めた。日本学術会議は昨 春、「基礎科学の大型計画のあり方と推進について」と題した提言を発 表。基礎科学の研究には、ニュートリノの観測装置「スーパーカミオカ ンデ」や大型望遠鏡「すばる」など、大型の設備が欠かせない。しか し、新たに作ることが難しくなっているという。  提言では、科学技術基本計画の「重点推進分野」など、国がトップダ ウンで進める研究以外でも、研究者個人の問題意識で進められる研究の 支援も求めている。委員の一人、東京大学の永原裕子教授(地球惑星科 学)は「産業と結びついていなくても、必要なものがある。基礎科学は (実学の)発展のもと。若い世代に『役に立たない研究は嫌』という雰 囲気が見えているのが怖い」と憂う。  文系では昨年4月、文科省の科学技術・学術審議会に、人文学と社会 科学の振興策を話し合う委員会ができた。実学と同じ尺度で評価をする のではなく、人文・社会科学としての評価のあり方などを議論している。 ■突然、脚光浴びる例も  山形大理学部の原慶明教授のもとに今春、商社マンが次々訪れた。専 門は植物系統分類学。あるプランクトンがどの仲間と近いのか、という ことなどを調べている。  商社マンの質問は多岐にわたった。「温度が低いところで活性化する プランクトンはいますか」「塩に強い生き物はいますか」。原教授は研 究の過程で、生物がCO2をどれだけ吸い、どんな条件で生きていたの かを調べている。商社は、そこからCO2削減など新たなエコ技術が生 まれないかと期待してきたらしい。  原教授にとって、生き物の分類を調べるための「手段」だった知識 が、思わぬ形で実学に結びついた。「商社は役に立つものを集めるコー ディネート力がある。これからの大学にはそれが必要じゃないか」と思 うようになった。 ■国、産業化に力点―迫られる競争  非実学が冷遇され始めた背景に、国が進める「選択と集中」がある。 研究費を支給する分野を選び、効率化を図るというもの。たとえば、国 の科学技術基本計画は「重点推進4分野」としてライフサイエンス、情 報通信、環境、ナノテクノロジー・材料を挙げ、「優先的に資源配分」 するとしている。ここに選ばれた分野に、非実学分野はあまり含まれて いない。  また、文科省は現在、国立大学に基礎的な運営費として支給する「運 営交付金」を、毎年1%ずつ減らしている。その代わり、大学や研究者 が求めるのが、国の「競争的資金」。研究者がコンペ方式で研究プラン を出し、選ばれると研究費がもらえる。今年度は、文科省や経産省など 7省1府が計約4800億円計上している。毎年度金額は増えている。 しかし、資金の目的を読むと、「新規事業のシーズを生み出す」「研究 成果の実用化」「実用化に向けた技術開発」など、産業化を意識した文 言が目につく。 "[he-forum 13653] 共同通信9/30 共同通信2008年9月30日12時43分 公立大学法人化へ検討指示=広島市長  秋葉忠利広島市長は30日の定例記者会見で、広島市立大の公立大学法人化を進めるため、具体的な検討に入るよう大学側に指示したことを明らかにした。市長は「法人化で行政から少し距離が離れる。地域に根を持つ大学としてゼロベースから大学のあり方を考えてほしい」と述べた。2010年の法人設立を目指す。  公立法人化へ向け大学側が設置した協議会の答申を踏まえた。答申には、大学改革のための実効性を担保する財源、組織、評価が連動しておらず、柔軟な人事制度の導入が困難といった現状、課題が示されている。( "[he-forum 13654] 共同通信9/29 共同通信2008年9月29日13時43分 苦闘する教職員の悲鳴が聞こえる 「大学『法人化』以後」 中井浩一著  「こっちの方がよほどいいです」。某国立大学から移ってきた同僚が、言った。  私大教員にまで戦々恐々の目で見られる国立大の現状。いわゆる遠山プランで、国立大の統廃合・法人化、結果として数の削減がもくろまれ、文科省の試算でも「最悪…八七大学中四七大学がつぶれる」と言われる改革が進行中だ。  国立大はどうなっているのか。現状をじっくり取材し、「独立行政法人化」真っ盛りの大学改革の今を縦横にえぐったのが本書。再編・統合やむなしの声もある中、苦闘する教職員の悲鳴が聞こえる。  しかし、文科省主導の改革は、本当に大学また国民のためになるのか。教員不足、医師不足…が叫ばれるなか地域と携えその要望を吸い上げていくには、やはりパブリックセクターが必要。だからこそ間尺に合った産学連携し「知的財産」の組織的な管理運用を目ざす国立大の姿もある。  置かれた地域に根ざすのが大学の役割。それを知るからこそ苦闘する大学の「今」が見える。  (中公新書ラクレ 1000円+税)=安岡真・筆 "[he-forum 13655] 共同通信9/30 共同通信2008年9月30日13時18分 第1希望「工学」で報告 OECDの大学版学習評価  中教審のワーキンググループは30日、大学などを対象に経済協力開発機構(OECD)が計画している「高等教育の学習成果評価」(AHELO)の試行調査に、日本からは「工学」を参加分野の優先希望第1位として報告することを決めた。  2位以下の分野は、批判的思考力や問題解決能力などを含む「一般的技能」、「経済学」、卒業生が企業でどの程度の成果を出しているかなどを測る「背景情報」の順。  OECDは本格実施に向け、各国の希望を調整し、2010年までに試行調査をする考え。各分野には4カ国前後から、大学など10機関程度の参加を想定している。  文部科学省は日本の参加分野が決定した後、各大学などに参加を募る方針。 "[he-forum 13656] 時事通信9/30 時事通信2008年9月30日12時3分 法科大学院「定員縮小を」=司法試験不振校  法科大学院での教育向上を検討している中央教育審議会の法科大学院特別委員会は30日、司法試験の合格状況が低迷する大学院などに入学定員見直しの検討を求める改善対策案を審議し、大筋で了承した。対策案は他校との統合も促し、「全体の定員が縮小され、修了者が相当の割合で法曹資格を取得できるようになれば、優秀な志望者の入学促進につながる」としている。  74校ある法科大学院では定員割れが相次いでいる。また、修了者が対象の新司法試験の合格率は、制度設計当初は7-8割を想定していたが、今年度実績は33%まで低下。合格者ゼロも3校あった。今後、再編圧力が強まりそうだ。  改善対策案は、定員見直しを検討すべき大学院として、修了者の多くが司法試験に合格しない状況が続く▽教員数を確保できない▽志願倍率が低い-を例示。特に地方校、小規模校には、教育水準に懸念が生じている場合には他校との統合などを模索するよう求めている。  入試の1次試験に当たる「適性試験」を2機関が実施している現状については、一本化を図る必要があると指摘。点数の低い志願者を入学させないよう、統一的な最低基準の設定も検討課題に挙げた。  一方、学部教員との兼任者を大学院の専任教員として数えることを認めた2013年度までの「ダブルカウント措置」は、延長しないよう提言。約8割の大学院が「基本科目の専任教員の確保が困難」と考えているが、4月に計312人いたダブルカウント教員は「早めに解消することが望まれる」とした。 "[he-forum 13657] 毎日新聞秋田9/30 毎日新聞秋田版2008年9月30日付 協定締結:県と秋田大が「地域医療推進」寄付講座で  地域医療の充実と総合医の養成のため29日、秋田大の吉村昇学長と寺田典城知事が協定書を取り交わした。県としては初の寄付講座を同大に置く。  寄付講座は「総合地域医療推進学講座」という名称。秋田大医学部に教授ら3人の専任スタッフを置き、医師不足が深刻化する地域医療について講義、研究をする。将来的には幅広い医療知識で総合的な診療ができる総合医の養成や、県内の基幹病院と連携して医師を循環させるシステムの開発を目指す。県の寄付金額は、今年度は1750万円で、09年度から12年度は年間3500万円。秋田大の本橋豊医学部長は「地域医療は十分に機能していないのが現状。県と大学が一体となり、数々の課題克服に向け努力していく」と抱負を語った。また谷田部知一健康福祉部長は「研究の成果を県の施策に反映させたい」と話した。【百武信幸】 "[he-forum 13658] 山形新聞9/30 山形新聞 2008年09月30日 20:19 企業との共同研究の拠点に 山形大学総合研究所の開所式  山形大学総合研究所の開所式が30日、上山市金瓶の現地で行わ れた。同大が昨年、配電盤メーカーのかわでん(南陽市)の旧中央研究 所を購入し、改修した。民間企業との共同研究などの拠点施設として活 用していく。  研究所は、鉄骨造り6階建てで、建築面積は662平方メー トル。4階から6階までは約300平方メートルのオー プンフロアで、利用者が研究内容に合わせて机などを自由にレイアウト できるようにした。3階は秘匿性の高い研究にも対応できるよう に、独立した6つの個室を整備。2階は倉庫室のほか、打ち 合わせ室や応接室などを設けた。  オープンは10月1日。全体的な施設管理は同大施設部で 行うが、各室の管理は利用者に任せる。現在、民間企業など3団 体から共同研究での利用希望があるという。総事業費は、施設と土地 (1336平方メートル)の購入費、外壁塗装や防水などの改修費を 合わせ約1億円。  開所式では、結城章夫学長が「先進的で独創性のある研究が行われ、 産・学・官・金の連携が進むことを期待している」とあいさつ。テープ カットをして、研究所の完成を祝った。 "[he-forum 13659] 産経新聞10/1 産経新聞2008年10月1日付 【教育】国立大などの利益増 受託研究収益の伸びなど要因  文部科学省が公表した、法人化している86国立大学と自然科学研究機構など4つの大学共同利用機関の平成19年度決算状況によると、利益総額は前年度より約130億円増の計約903億円だった。  政府方針で運営費交付金が削減されたが、受託研究の収益などが伸びたのが要因。一方で、教員の人件費は2年連続減の約6540億円で、文科省は「減少が続けば、中長期的に教育研究機能の低下につながる」としている。  大学別の総利益は、京都大の約63億円が最高。約55億円の北海道大、約42億円の東北大が続いた。  19年度は、国による出資など実質的に税金で負担した経費を示す「業務実施コスト」が約1兆4084億円となり、国立大などが法人化した16年度より13%減少。財務体質の改善が進んでいることがうかがえた。  研究施設などの減価償却費約3432億円は法人化後の最低で、耐用年数が過ぎた施設の使用を続けていることが要因とみられる。  42ある付属病院は外来患者の増加などで全体は増益となっているが、看護師の人件費や設備投資などがかさみ、昨年度と同じ16病院が実質的な赤字状態だった。 "[he-forum 13660] 山陰中央新報10/1 山陰中央新報2008年10月1日付 島根県立大が高評価  島根県公立大学法人評価委員会(委員長・本田雄一島根大学長、五人)は三十日、公立学校法人化した島根県立大の二〇〇七年度の業務実績に関する評価結果を県議会総務委員会に報告した。同年度卒業生の就職率が99・5%と国内の公立大でトップクラスとなるなど高い実績を上げ、数値で評価した四分野での評価はいずれも、五段階で最高ランクのAAに次ぐA評価だった。  同大の組織運営や財務の状況、情報公開の推進など数値化した四分野に、中期計画(〇七-一二年度)の達成状況、研究内容や取り組みなど約百八十項目で評価した。  「自主的、自立的な組織・運営体制の確立」の項目では、大学の志願率が10・2倍と公立大で全国トップとなり、就職率と合わせて高く評価。経費節減や外部研究費の獲得で、県の交付金以外の収入が増加。運営費に占める自己財源の割合が、〇六年度の38・0%から43・9%に上昇した。  一方、課題として大学院の定員割れ対策、自治体や県の中山間地域研究センターなどと結んだ研究協力の協定を具体的化するよう求めた。  同評価は、独立行政法人法に基づき、公立大学法人が毎年度評価を受け、設置自治体の議会に報告する。〇七年四月に法人化した同大は初実施。 "[he-forum 13661] 河北新報10/2 河北新報2008年10月2日付 産科医支援で連携 東北大医学部と八戸市民病院  青森県南地方の深刻な産科医不足を解消するため、八戸市民病院など地元の3自治体病院は1日、東北大医学部と連携して医師派遣や「ハイリスク分娩(ぶんべん)」の対応策を検討する「県南地域参加医療体制強化推進事業」をスタートさせた。  八戸市民病院と東北大が同事業の業務委託契約を結び、東北大が派遣した男性産科医1人が市民病院の周産期医療センター所長として1日に赴任した。これで市民病院の産科医は常勤医5人、研修医3人の計8人体制となった。  周産期医療センターを拠点に、市民病院から三沢市立三沢病院と国民健康保険五戸総合病院(五戸町)への医師派遣のほか、両病院からの妊婦の受け入れ態勢を検討する。若手産科医の育成にも力を入れるという。  青森県南地方では2005年以降、大学の産科医引き揚げなどによる公立病院の産科休診が相次ぎ、三沢病院は1日から産科医の常勤医が2人から1人に減ったほか、五戸総合病院も1人体制が続いている。八戸市民病院を中心とした自治体病院間の産科医療の連携強化が急務になっていた。  八戸市民病院は「東北大医学部のノウハウを生かし、妊婦が安心できる産科医療システムを整備したい」と話している。 "[he-forum 13662] 10/3しんぶん赤旗 2008年10月3日(金)「しんぶん赤旗」 博士問題で学術会議が提言 文教予算を増額し若手研究者育成を  日本学術会議がこのほど、提言「新しい理工系大学院博士後期課程の 構築に向けて」を発表しました。  同会議第三部(理学・工学)の若手・人材育成問題検討分科会がまと めたものです。わが国の大学院博士課程をめぐっては、博士課程への進 学者の減少や短期雇用のポスドク研究者の就職難など、危機的といえる 状況があるなかで、大学院のあり方と必要な政策に焦点をあて、大学は じめ政府や産業界などに提言しています。  「提言」によれば理工系での博士号取得者数は年間約五千人で、大学 や研究機関の教育・研究職への就職は約千五百人にすぎません。任期つ きの非常勤を転々として高齢化するポスドクが増加し、理工系のポスド クは約九千五百人といいます。  また、大学や研究所での定員削減で助教などの若手教員ポストが減少 しているなか、短期的に業績をあげることが求められるプロジェクト型 研究の資金で採用されるポスドク研究者の割合が増加していることは 「独創的な研究を展開することを妨げる恐れがある」こと、そうした競 争的資金の獲得において大学間格差が広がっており、私立大学や地方大 学での若手の人材育成は困難になっていると指摘しています。国内総生 産(GDP)比で高等教育への公的支出が経済協力開発機構(OEC D)加盟国中最低にある日本の文教予算を増額し、長期的な視野に立っ た若手研究者の育成を進めるべきだ、とのべています。  大学や政府や産業界にたいする提言では、大学院教育を見直す、大学 院の学生定員制度を柔軟化する、国際比較でみれば少ない博士人材を長 期的な展望で確保する、大学院生の生活基盤を保証する財政支援や研究 費の支給などの整備、民間や行政など多様な分野へ進むための博士号取 得者への社会的処遇の改善、大学院の実態と若手人材の動きについて情 報提供の強化などを挙げています。 "[he-forum 13663] 学術会議提言ファイル 日本学術会議提言「新しい理工系大学院博士後期課程の構築に向けて」 (2008年8月28日)のPDFファイルは、下記サイトに有る ようです。 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-t62-11.pdf "[he-forum 13664] 毎日新聞京都10/1 毎日新聞京都版2008年10月1日付 尾池・京大学長:退任会見 「激動の5年間だった」  京都大の尾池和夫学長(68)は30日、任期満了を迎えて退任会見を開いた。独立法人化などの経験を振り返り「激動の5年間だった」と述べた。10月1日に国際高等研究所(木津川市)のフェロー(非常勤)となり、専門の地震学研究を続ける。フェローの任期は09年3月末まで。  03年12月16日に学長に就任し、04年4月の法人化も経て5年近く務めた。取り組んだ仕事として、後期入試の廃止▽学内施設の耐震強化▽朝鮮学校出身者の受験資格認定▽一般市民への広報強化--などを挙げた。  法人化については「悪い方向に行かないことが大事だった。大学をつぶさずにすんだ」と語る一方、国の対応について「いきなり授業料値上げを打ち出した。もうちょっと賢い政府であってほしかった」と苦言を呈した。  学生に対しては「先生や友達との対話を根幹としながら、自学自習の伝統を生かしてよく学びなさい」とメッセージ。今後の京大に期待することを問われると「何もない。大学にいる人が考えながらやってほしい。何も心配していない」と答え、「自由の学風」を感じさせた。【朝日弘行】 "[he-forum 13665] 毎日新聞京都10/3 毎日新聞京都版2008年10月3日付 京大:松本新学長が抱負 「大きな飛躍遂げたい」  1日付で就任した京都大の松本紘学長(65)は2日、会見を開いた。教員と職員の対等な協力関係を築くことなどを課題に挙げ、「魅力、活力、実力ある大学として大きな飛躍を遂げたい」と抱負を語った。  国立大の独立法人化を迎えた現在を「激動の変革期にある」として、「いかに乗り越えて大学を発展させていくかが重要課題だ」と述べた。教員と職員の関係については「両者間のギャップをいかに埋めていくかが大きな課題」との認識を示したうえで、「教員が大学の置かれた立場を理解するのに、職員の目線や考え方は大変有効。職員も自分たちが大きな柱の一つだという意識で仕事をしてほしい」と語った。  教養教育を拡大する考えも強調。「10年先を見て全学を挙げて教育の改善に取り組みたい。幅広い教養を持った専門家になってほしい」と話した。【朝日弘行】 "[he-forum 13666] 西日本新聞10/4 西日本新聞2008年10月4日付 長崎大 残業代不払い 労基署が是正勧告 2年間7300万円 付属校教諭らへ  長崎大学が、付属小中学校や特別支援学校の教諭、付属病院の医師と看護師らに残業代の不払いがあったとして、長崎労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが3日分かった。同大は過去2年間にさかのぼり計約7300万円を10月分の給与に上乗せして支払う方針。今月末に改善策を同労基署に報告する。  長崎大によると、今年5、6月に同労基署の立ち入り検査があり、7月に是正勧告を受け、2年間さかのぼり不足分の残業代を支払うよう指導された。額は付属学校教諭74人に計約3900万円、付属病院職員に計約2900万円、学部教員に計約470万円。  原因は、付属学校の場合、残業時間にかかわらず給料に定率を上乗せする仕組みだったため。付属病院は勤務時間外の手術などが残業時間に計上されていなかったためで、学部教員の場合は計算ミスだという。同大の中山守雄副学長は「いつから不払いがあったかは調査中。今後は制度を見直したい」と話した。 "[he-forum 13667] 毎日新聞富山10/2 毎日新聞富山版2008年10月2日付 富山大:複数領域の専門医養成 付属病院に支援センター開設  複数の専門領域を持つ「統合型専門医」を養成しようと、富山大は1日、付属病院(富山市杉谷)内に専門医養成支援センターを開設した。地域医療の担い手として、1人で多分野をカバーして診察できる医師を将来的に30~40人育成することを目指す。予算は5年間で約1億円。  文部科学省の「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」に採択された「地域発信・統合型専門医養成プログラム」の一環。全国28大学の申請の中から、富山大のものを含む19件が採択された。  専門医は、診療科や臓器、治療法など特定の分野で非常に高度な知識や技量、経験を持つ医師のこと。国家試験とは別に、各医学系学会が、必要な資格を備え、試験に合格した医師を認定している。現在、その種類は100を超える。  富山大のプログラムでは、6年間の学部教育後、3年間の臨床研修を経て、さらに同センターで約7年間の専門教育を受ける。これにより、複数の専門医資格を取得した統合型専門医を育成する。  特に、富山ならではの和漢医学や創薬を目指す臨床研究などに力を入れる。地域に密着した医師を養成するなど、特徴的なプログラムを実践する県外の複数の他大学と連携し、得意分野の相互補完も図る。  この日、同大杉谷キャンパス管理棟で、関係者が出席して開所式があった。小林正院長は「医師としてのキャリアを磨き、着実に成果を上げたい」とあいさつし、看板を除幕した。【青山郁子】 "[he-forum 13668] 読売新聞福井10/3 読売新聞福井版2008年10月3日付 設備充実で新人医師確保 福井大病院研修センターきょう着工  「医者の卵」である臨床研修医の教育環境を充実させようと、福井大病院(永平寺町松岡下合月)は、研修医が手技や診察の練習を24時間行える施設「スキルラボ」などを備えた「臨床教育研修センター」を建設する。人材育成拠点として、県内外の新人医師を呼び込むのが狙いだ。3日に本格着工し、来年度から運用を始める。  医師臨床研修制度により、研修医には2004年度から2年間の病院研修が義務付けられた。ただし、研修先は自由に選択できるため、設備やスタッフが整い、症例数も多い都市部の病院に集中する傾向が強く、一方で、地方の医師不足を招いたとされる。  福井大病院では、研修医は毎年35~40人が新しく勤務していたが、04年度以降は激減し、05年度に同病院を選んだのは11人だけ。救急患者の初期診療後、入院などが必要な場合は各診療科へ割り振るという「北米型救急外来」のシステムを取り入れている点など、病院の特徴を積極的にアピールした結果、08年度は31人に増えたというが、制度改正前の人数を確保するには至ってない。  建設される研修センターは、2階建て鉄筋コンクリート造り、延べ床面積1100平方メートル。スキルラボには、気管挿管や注射を練習できるコンピューター内蔵の人体模型など、医療実習用の器具や装置約70種類をそろえたほか、研修医専用の部屋を設け、個人用の机も置く。地域住民向けの健康講座などを開くためのホールも整備する。  総工費は約3億円。建設費の一部は関係者からの寄付を充てる予定で、同大学医学部や旧福井医科大の卒業生、関連病院などに寄付を呼びかけている。山口明夫・福井大病院長は「新人医師がうちの病院で勤務したいと望む呼び水の一つになればと考えている。地域の医師不足解消にもつなげたい」としている。 "[he-forum 13669] 中国新聞10/4 中国新聞2008年10月4日付 県が博士号取得者の就職支援  大学院で理工系の博士号を取得しながら定職がない若手研究者の就職をサポートしようと、広島県は14―23日の計6回、広島大(東広島市)で研究者と県内企業との交流会を開く。国の大学院強化で全国的に博士号取得者が増え、大学内の研究職が飽和状態となる中、中国地方の5県では初めて民間企業への就職支援に乗り出す。  広島大の博士課程後期修了者は文化系を含めて毎年約250人。このうち大学の教職員などへの就職は約1割にとどまる。大学院の理工系の4研究科には博士号の取得後、定職に就いていない無給の研究員「オーバードクター」が101人、有給の研究員だが任期が約3年と不安定な「ポストドクター」も46人いる。  交流会には県内に事業所を置く化学、電子、自動車部品製造など22社が名乗りを上げており、1回につき3―4社が参加する。 "[he-forum 13670] 読売新聞北海道10/4 読売新聞北海道版2008年10月4日付 宇宙の面白さ伝える。北大と陸別町が協定締結  陸別町と北海道大は3日、宇宙科学に関して協力協定を結んだ。北大の大学院生らが同町の「銀河の森天文台」で研究しながら、子供たちに宇宙の面白さを伝えることが主な内容だ。  北大は2000年度から、同天文台で木星オーロラの観測や、陸別中学校への出前授業を行ってきた。今年度、惑星科学の国際研究教育拠点を作ろうと、北大は文部科学省の事業に名乗りを上げ、認められたため、同町と連携を強める狙いで協定を結ぶことにした。  北大は、国から助成される研究費(5年間で計10億円)を使い、大学と同天文台を高速インターネット回線で結ぶ。同町は、同天文台に大学院生らを受け入れて研究を支援し、天文台職員の技能向上を図る考えだ。  協定書に調印した、同町の金沢紘一町長は「日本の科学技術に貢献できれば」と述べた。 "[he-forum 13671] 読売新聞10/2 読売新聞2008年10月2日付 広島市教委 広島大大学院と連携…教員養成、学習指導など  広島大大学院教育学研究科(坂越正樹科長)と広島市教委(岡本茂信教育長)は、教育現場の諸問題や教員養成などについて組織的に連携し、研究協力するとした覚書に調印した。  覚書では▽教員の資質向上▽学習指導の充実▽生徒指導上の諸問題への対応▽生涯学習の推進――など8項目で連携し研究するとした。大学教員が児童生徒を対象に不登校などをテーマに調査分析し、アドバイスすることや、理科の実験授業などへの教員派遣、学生が小中学校で担任のサポート役を体験するなどの連携の推進などが考えられるという。  専門家の意見を現場で生かそうと市教委が要請。大学側も学生が現場体験できるなどメリットは大きいことから同意した。 "[he-forum 13672] 静岡新聞10/1 静岡新聞2008年10月1日付 静大、県大、東海大が協定 大学院で単位互換など  静岡市内にキャンパスを持つ静岡大、県立大、東海大の国公私立3大学が30日、大学院での単位互換と学術交流に取り組む協定を締結した。生命・環境分野をテーマに静岡発のユニークな大学院教育の展開を目指す。将来的には「富士山」「駿河湾」など、静岡ならではの地域特性を生かした包括的な共同研究も手掛けたいという。  生命・環境分野をテーマとしたのは、各大学がそれぞれ専門教育、研究を進めてきた領域である上、県中・東部が全国有数の食品、化学、薬品など関連産業の集積があるため。協定により各大学院生は関連分野の大学院研究科の授業を自由に履修できる。研究施設や機器の相互利用、試料収集などの学術交流も進める。  3大学の学長は同市内のホテルで行った調印式で、連携強化の抱負を語った。静大の興直孝学長は「静岡に拠点を置きながらの国公私立のプログラム展開は、東京でも十分売りになる」、県立大の西垣克学長は「静岡でないとできない学術研究を進め、ローカルからグローバルに発信していきたい」、東海大の松前達郎総長兼学長は「海洋学部に代表される、われわれ独特の力を生かした交流を今後、提案していく」とそれぞれ述べた。 "[he-forum 13673] 琉球新報10/3 琉球新報2008年10月3日付 沖縄研究の国際拠点に 琉大に「国際沖縄研究所」創設  琉球大学(岩政輝男学長)が同大内に「国際沖縄研究所(仮称)」を創設することが2日、分かった。同大に既存のアメリカ研究センター、移民研究センター、アジア太平洋島しょ研究センターの3センターを統合・拡充する形で、琉球・沖縄研究の国際的拠点の構築を目指す考えだ。本格始動は2009年4月となる見通しで、14日に、連携する米ハワイ大学のデビッド・マクレン学長らが来沖し、設置式などを行う予定だ。ハワイ大は今年7月、同大内に沖縄研究センターを開設している。  国際沖縄研究所の設置は、既存3センターの研究成果や特色を生かしつつ、組織を強化し、窓口を一本化することで、国内外の大学や研究機関との連携を円滑に進めるのが狙い。  具体的な研究内容等は今後決定するが、アジア、太平洋、南北アメリカなど、沖縄と歴史的、文化的につながりが深い地域とのかかわりを視野に、同地域の大学や研究者と連携し、歴史や文学、言語、環境、経済など総合的に研究を進める考え。  また、県内外の大学や学芸員など、外部の専門家らによる「研究者コミュニティー」を設置する予定。設置準備を進めている大城肇副学長は「第三者の意見も取り入れながら、開かれた形で琉球・沖縄研究を充実させたい」と強調した。 (佐藤ひろこ) "[he-forum 13674] 毎日新聞福岡10/3 毎日新聞福岡版2008年10月3日付 イチおし@大学:九大ブランドの「九州大吟醸」 地域の環境保全に一役  04年の国立大学の法人化を機に、大学の個性や研究成果のアピール手段として、全国で「大学ブランド商品」開発が盛んになっている。九州大(本部・福岡市東区)は05年度から純米大吟醸酒「九州大吟醸」を扱う。学生が製造から販売までかかわり、売り上げの一部を環境保全活動に充てるのが特徴だ。「飲めば飲むほど、緑が増える酒」と関係者はアピールする。【長谷川容子】  フルーティーな味の「九州大吟醸」は、香りが強い食前酒タイプの「しずく搾り」と、九州の濃い味付けの料理に合う「手づくり」の2種。粋なデザインのボトルは500ミリリットル入りと1800ミリリットル入りがあり、値段は1200~5000円。  05、06年度に製造した計2万本は完売。07年度は1万2200本が売れた。08年度は1万本をやや下回りそうだが、「卒業生や退官する教授への贈答品、教官の出張時のおみやげ用に喜ばれています」。企画した同大大学院農学研究院助教、佐藤剛史さん(34)は話す。佐藤さんの知人を通じて米国のスシバーに置く話も持ち込まれ、手続きを進めている。  酒造りのきっかけは、02年に九州大の学生と教員がNPO法人「環境創造舎」を作ったことだった。当時大学院生の佐藤さんは設立の中心メンバー。福岡都心部からの移転が進む伊都キャンパス(同市西区)周辺の森の環境を守ろうと活動するうち、地元の酒造メーカー「浜地酒造」の常務、浜地浩充さん(42)と知り合った。  環境保全に役立つ酒の製造、販売に共同で取り組むことにし、同NPOが伊都キャンパス近くに水田を借りた。周囲は酒米の産地。農家の協力で学生が酒米を育てる。収穫後は、同社が昔ながらの製法で酒を仕込み、学生はこうじ作り、ろ過などの作業を手伝う。  「既製品に九州大のラベルを張るのではなく、付加価値を付けたかった」と佐藤さん。農学部3年、長瀬拓也さん(20)は「ものができるまでには、いろんな人がかかわっていることを実感します」と話す。  商品は学内生協のほか、福岡市の百貨店、JR博多駅や福岡空港など酒造会社のネットワークを通じて販売。売り上げの5%は同NPOの活動費とし、伊都キャンパスと周辺の竹林伐採後の空きスペースにヤマツツジの株を植えるなどの費用に充てている。この夏には、03年に植えたヤマツツジが赤い花を咲かせ、学生たちを喜ばせた。  佐藤さんは「酒造りを通じて、大学と地域が一緒に環境を守ろうとすることに意義がある。『九州大吟醸』は、両者をつなぐ架け橋的な存在」と息の長い活動を念頭に置く。  5年目を迎えて物珍しさも一段落した中、今後のPR方法が課題だ。来年4月には1、2年生が六本松キャンパス(同市中央区)から伊都キャンパスへ移り、学生の間で認知度が高まると関係者は期待する。汚染米転売問題などで最近、食の問題への関心がますます高まっていることも追い風という。  浜地さんは「うちの日本酒の場合、『原料がはっきりしていて安心感がある』と最近は需要が高まっている。『九州大吟醸』は、学生が製造から販売までかかわり、トレーサビリティー(追跡可能性)も確かだ」と話す。  みんなで仕込み作業を打ち合わせる11月、売り込みのアイデアを出し合うことにしている。 ==============  ■ことば  ◇大学ブランド商品  食品加工品や野菜、米、肉など種類はさまざまで、酒類を扱う大学もある。神戸大や新潟大は日本酒、鹿児島大や島根大は焼酎、東京大は泡盛、京都大と早稲田大は共同開発でビール、同志社大はワインを手がけている。九州大は昨春、大学ブランド商品を販売する大学を集め、全国初のシンポジウムを開いた。 "[he-forum 13675] 共同通信9/30(2) 共同通信2008年9月30日21時12分 私立大下宿生は214万円 入学費用、国立自宅の2倍  今春の大学、短大の新入生が出願から入学までにかかった受験費用や学費、住居費などの総額の平均は、国公立大の自宅生の109万円に対し、私立大下宿生は214万円と約2倍の差があることが30日、全国大学生活協同組合連合会の調査で分かった。  調査は4-5月、52大学、短大に通う学生約4万5000人の保護者を対象に受験料や交通費、入学納付金、住居費などを聞き、28%が回答した。連合会は「4割ぐらいの保護者が予算より多くかかったと感じていた」としている。  調査によると、最も安かったのは国公立理系の自宅生で106万円。最高は私立医歯薬系の下宿生318万円で、差は3倍に及んだ。次いで私立理系の下宿生238万円、私立医歯薬系の自宅生212万円など。  自宅・下宿別でみると、国公立大は自宅生109万円に対し、下宿生190万円。私立大は自宅生130万円、下宿生214万円だった。 "[he-forum 13676] 下野新聞10/3 下野新聞2008年10月3日付 補助金削減に大学機関が反対 声明を発表  県内の大学、短大など十九教育機関で構成する大学コンソーシアムとちぎ(理事長・菅野長右ェ門宇都宮大学長)は二日、二〇〇九年度の国の概算要求基準で国立大の運営費交付金と私学助成費などの削減幅が3%に拡大される方針に対し、反対声明を発表した。  大学の財政的基盤である交付金と助成費は、「骨太方針2006」に基づき、〇七、〇八年度に1%ずつ削減。〇九年度は削減幅が3%に拡大される方針という。  声明文は「大幅な削減が行われれば、教育の質を保つことは難しくなり、地域の人材育成機能低下と知的基盤の芽をつぶす」と批判。削減に強く反対するとともに、交付金と助成金の確保と充実を求めている。  会見した菅野学長によると、宇都宮大では〇七、〇八の各年度でそれぞれ約五千万円が削減された。同大は経費削減を進める一方で、〇九年度までの四年間に計二十一人の教員削減を進めるなど教育現場へのしわ寄せが出ている。菅野学長は「このままでは産学連携や地域連携への影響もある」と不安視した。 "[he-forum 13677] 読売新聞10/5 読売新聞2008年10月5日付 重点観測火山を34から15に、財政難や人手不足で…文科省  全国の国立大学が重点観測する火山を、文部科学省が来年度から、従来の半分以下の15か所に絞り込む方針を決めた。  大学の財政難や人不足で、観測網の維持が難しく「選択と集中」が必要と判断した。対象から外れた火山では、監視の目が手薄になる可能性もある。  観測を強化するのは、桜島や伊豆大島など従来、噴火活動が活発な火山。強化する火山では順次、地震計や傾斜計を増設していく。大きな変化が見られない火山が対象から外れる。  全国34か所の火山を観測する国立大学は法人化後、老朽化した観測機器を財政難で更新できず、年に数千万円の維持費を確保するのがやっと。地味な観測では学問的な成果につながりにくく、研究者も減少した。文科省では、対象の火山を絞り込み、噴火予知など防災につながる研究に専念できるようにする。  対象外の火山の観測を文科省は気象庁に移譲したい考えだが、同庁は「機器をそのまま引き受けるのは困難」としている。移譲が進まないと、上がってくるマグマの位置など詳しい噴火活動をつかめなくなる恐れがある。  火山観測には噴火警戒と学術研究の両面があり、気象庁が監視する火山も34か所ある。うち25か所は大学と共同で機器観測している。 "[he-forum 13678] 読売新聞社説10/6 読売新聞社説2008年10月6日付 留学生政策 30万人受け入れへ議論深めよ  国境を越えた人材の移動が増える中で、欧米諸国の大学は、優秀な留学生の獲得競争にしのぎを削っている。  とりわけ、米国の大学は、中国などアジア諸国の優秀な学生に最も人気のある留学先になっている。日本の大学が後れを取り戻すためには、留学生政策の抜本的な見直しが必要だろう。  政府は、大学などで学ぶ留学生を、現在の12万人から2020年をめどに30万人にまで増やすことをめざす「留学生30万人計画」の骨子を策定した。  政府が留学生受け入れ政策を打ち出すのは、1983年に「留学生受け入れ10万人計画」を掲げて以来、25年ぶりのことだ。  大学や大学院の国際化が進み、研究が活性化すれば、科学技術の振興や産業の国際競争力向上にも役立つ。  日本と諸外国との懸け橋となる優秀な人材を育てることは、国際社会で日本が発言力を増す上でも重要なことだ。  欧米諸国の受け入れ状況は、米国が58万人、非英語圏の仏独でも25万人前後で、日本の12万人を大きく上回っている。  受け入れ人数は、大学の魅力を示すバロメーターだろう。  留学生30万人計画には、国際化の拠点として30の大学を選定し、原則英語のみで学位が取得できるコースを設けたり、外国人教員の採用を増やしたりして教育水準を高めることなどを盛り込んだ。  英紙ザ・タイムズが昨年公表した世界大学ランキングでは、東大が17位、京大が25位だった。教員や学生のうち、外国人が占める比率も評価の指標に入っている。改善が進めば、日本の大学の評価も全体に向上するはずだ。  外国人を採用する日本企業が少ないため、卒業後の就職が難しいことも“障壁”の一つだ。  政府は昨年から、アジア人財資金構想に基づく教育プログラムをスタートさせた。  大学と協力企業で「ビジネス日本語」や「企業実習」など企業側のニーズに合った専門教育プログラムを用意し、これを受講した留学生は、企業が原則採用するという仕組みだ。  こうした産学連携を一層強化していくことも必要だろう。  海外での日本語教育の推進や、日本留学希望者のための海外の窓口一元化なども、30万人計画の重要な柱だ。  こうしたプランの早急な具体化に向けて、さらに議論を深めていかなければならない。 "[he-forum 13679] 北海道新聞10/5 北海道新聞2008年10月4日付 宇宙教育協定に調印 陸別町と北大大学院  【陸別】町と北大大学院理学研究院(山口佳三研究院長)は三日、宇宙科学に関する教育研究のための協定を締結した。今後、町銀河の森天文台の活用や、陸別の子供たちへの「出前授業」などで、協力し合う。  町役場で開かれた調印式では、金沢紘一町長と山口研究院長が協定書に調印。金沢町長は「多くの研究者や学生が来町することで、町民や子供たちが刺激を受け、科学に興味を持って生活できるホットな町になる」とあいさつした。  同研究院は今後、銀河の森天文台にデータ転送などの機材を設置し、来年四月から学生や研究者を派遣する。渡部重十(しげと)・同研究院宇宙観測基礎データセンター長は「陸別は天体観測に加え教育、研究者育成の拠点になる」と期待していた。(佐藤紀章) "[he-forum 13680] 毎日新聞10/6 毎日新聞2008年10月6日付 名古屋大学:次期学長に浜口道成氏  名古屋大学は5日、次期学長に浜口道成・同大大学院医学系研究科長(57)を選んだ。平野真一学長の任期満了に伴うもので、任期は来年4月1日から6年間。  浜口氏は記者会見で「環境や政治が時々刻々と変化する中、日本の資源である人材の育成は大学の使命。海外の一流大学との交流など学生へ多くの教育機会を提供し、インターナショナルな人材を育てていきたい」などと抱負を語った。  浜口氏は三重県伊勢市出身。80年に名大大学院を修了、85年から米ロックフェラー大分子腫瘍(しゅよう)学講座研究員。93年名古屋大付属病院教授、05年から同大医学部長。腫瘍生物学専攻、全国医学部長病院長会議理事。【中村かさね】 "[he-forum 13681] 河北新報10/7 河北新報2008年10月7日付 仙台圏17大学・短大が連携強化 経営効率狙う  仙台市とその周辺にある13大学、4短期大学が国公私立の枠を超え、単位互換の拡充や危機管理体制を整備する共同事業に着手した。独立行政法人化や少子化により、大学・短大経営の先行きに不安材料がある中、効率的に事業を展開するのが狙い。仙台圏の大学、短大の協力はこれまで、産学官の枠組みが主軸だったが、経営に直結する実務面での連携強化が不可欠と判断した。  単位互換は、インターネットで遠隔授業を行う「eラーニングシステム」を導入。複数の大学、短大で同時に受講できるようにする。年度内に機器を設け、2010年度の本格実施を見込む。  危機管理面では、近い将来の発生が予想される宮城県沖地震に備え、各校の責任者による防災ネットワーク事業部会を設立する。災害ボランティアの共同養成や、防災マニュアルの一部共有化に取り組む。  昨年春、はしかの大規模流行で一部の大学が休講に追い込まれたことを教訓に、トラブルに迅速に対応できる体制づくりも協議する。  共同事業は、既存の産学官連携組織「学都仙台コンソーシアム」のネットワークを生かして進める。コンソーシアムのホームページを通じて各校の教員免許更新講習、オープンキャンパスなどの情報を発信する。  市民対象の公開講座は、質の高い学習機会の提供を目指す。教員らの能力向上に努め、受けることができるサービスの均質化も図る。  事業は、本年度始まった文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に採択され、3年間の補助を受ける。  代表校・東北学院大の井上義比古学務部長は「ネットワークを充実させ、知的資源が集中する学都仙台のメリットを生かしたい」と話している。  参加校は以下の通り。  東北大、宮教大、宮城大、仙台白百合女子大、東北学院大、東北工大、東北生活文化大、東北福祉大、東北文化学園大、東北薬科大、宮城学院女子大(以上仙台市)、尚絅学院大(名取市)、仙台大(宮城県柴田町)、尚絅学院大女子短大部、聖和学園短大、東北生活文化大短大部(以上仙台市)、宮城誠真短大(大崎市) "[he-forum 13682] 毎日新聞広島10/7 毎日新聞広島版2008年10月7日付 広島市立大:10年4月めどに法人化 秋葉市長、検討を指示  広島市の秋葉忠利市長はこのほど、同市立大学の運営を公立大学法人に移行する検討を始めるように指示をした。10年4月をめどにしている。  04年4月に国立大学が国立大学法人に移行し、公立大は08年4月までに75大学中39大学が移行、09年度にも6大学が法人化を予定している。  秋葉市長は「大学の在り方、将来性をゼロベースから考える時。地域に根ざした市立大のアイデンティティをいかしてほしい」と話した。移行に伴う運営費負担の増加については、独自財源を充てる予定。【井上梢】 "[he-forum 13683] 読売新聞愛媛10/8 読売新聞愛媛版2008年10月8日付 愛大院に船舶工学コース新設 造船技術者を養成…愛媛  愛媛大学は7日、県内の有力地場産業である造船業の技術者を養成する「船舶工学特別コース」を来年4月から、大学院の生産環境工学専攻内に新設すると発表した。今治市の造船会社「今治造船」の寄付で設け、船舶工学関連の専門教育コースの設置は四国で初めて。  愛媛大や同社によると、経済発展の進む中国への鉄鋼などの資材輸送の増加などで造船業界は好況に沸いているが、国内で船舶工学関連の専門教育コースを設置する大学、大学院は東大や阪大など8大学にとどまる。優れた人材の確保が課題で、グループ全体で国内の船舶建造量トップの今治造船が5年分の教員の給与などを寄付し、コースが新設されることになった。  2年間の修士課程コースで、若い人材の育成のほか、地元企業で実務に就いている技術者の再教育も行う。新規採用する実務経験のある教員2人による講義のほか、実践能力を高めるため、地元企業で約3か月間に及ぶ長期インターンシップも予定している。  募集人員は5人で、そのうち3人程度が社会人特別選抜となる予定。入学願書受け付けは来年1月19~23日。  この日、松山市内の大学本部で、今治造船の檜垣幸人社長から小松正幸学長に寄付目録が手渡された。小松学長は「優れた造船技術者を養成し、地域の発展に貢献したい」と話し、檜垣社長は「韓国や中国との競争、将来起きるであろう技術革新に備え、人材確保が最重要の課題だ」と言葉に力を込めた。 "[he-forum 13684] 産経新聞主張10/5 産経新聞主張2008年10月5日付 法科大学院 法曹の質向上へ再編急げ  中央教育審議会の特別委員会が法科大学院の定員削減や統廃合を促す中間報告をまとめた。レベルの低い大学院が淘汰(とうた)されるのは当然として、本来の設立趣旨を生かせる再編が急務だ。  法科大学院は、司法改革に伴い、弁護士や裁判官ら法曹の新しい人材養成機関として平成16年に開設された。法学部卒業生など既修者向けの2年コースと、社会人など法学未修者対象の3年コースがあり、修了者は新司法試験の受験資格が得られる。  新司法試験の合格率は当初7、8割程度と想定された。ところが修了1期生から想定を大幅に下回る結果となり、3回目の今年の合格率は約33%と前年実績をさらにおよそ7ポイント下回った。合格者ゼロの大学院も3校あり、修了者のレベルや法科大学院の教育の質自体への懸念が高まっている。  法科大学院は現在74校あり、定員は全体で約5800人となっている。当初は20校程度と予想されていたことを考えれば、「乱立」との批判もうなずける。  入学者の質の確保が難しくなっているほか、学部との兼務で専任教員が少ないなど教育体制の課題を多くの大学院が抱えている。  100人を超える大人数の授業や受験対策偏重の授業を行っているところもあり、大学評価機関から設置基準に合わないと指摘された法科大学院もある。受験知識偏重などと批判が強かった旧司法試験制度の反省から導入された意図からは隔たる状況だ。  法科大学院は年間100万~200万円の学費がかかる。入学者には相当な負担だ。法曹のプロを養成するねらいに見合った教育が行われず、合格率が低迷するようなら、志願者は減り、入学者の質はさらに低下しかねない。  実際、74校のうち46校で定員を割り込んでいる。それでも定員削減の検討を進めている大学院はまだ一部にすぎない。  新制度では、法学部出身以外にも多様な人材を法科大学院で鍛え、法曹界を活性化させるねらいが込められていた。  だが、社会人ら未修者の合格率は低迷しており、期待通りの形にはなっていない。地域による弁護士の偏在解消も課題だ。中間報告が指摘するように、再編では大学院同士の「競争的な環境」をつくると同時に、夜間コースや奨学金拡充など幅広い人材養成に一層の工夫が求められるだろう。 "[he-forum 13685] 北国新聞10/8 北国新聞2008年10月8日付 大学経営、民間に学べ 北國銀行で金大職員が研修  北國銀行の「金沢大学主任研修」は八日、同行本店で三日間の日程で始まった。民間が持つ接客や危機管理のノウハウを大学経営に生かしてもらう狙いで、今月と来月の二回で計三十人を受け入れる。初日は、事務系主任職の六人が本店営業部で行員の接客態度などを学んだ。  北國銀行と金大が六月に締結した包括的連携協力協定に基づく取り組みの一環。開講式では同行の村上良平常務が「銀行の経営基盤であるCS(顧客満足)や、お金の流れなど経済の知識を深めてほしい」とあいさつした。この後、参加者は本店営業部で窓口や貸金庫などを見学した。 "[he-forum 13686] 朝日新聞10/6 朝日新聞2008年10月6日付 育児中も論文を  大学で女性教員の占める割合が高くなっている。文部科学省が9月に発表した07年度の学校教員統計調査によると、学部で初めて2割を超えた。キャンパスに保育室をつくったり、午前9時から午後5時の勤務を徹底したり。女性が働きやすい環境を整えようと、大学側も様々な取り組みを進めている。  「ミルクを作るから待っていてね」  9月18日午後、京都大学(京都市左京区)のキャンパスの一角にある「保育室」で、女性2人が赤ちゃん3人の世話をしていた。赤ちゃんは昼寝をしたり、おやつを食べたり。木製のおもちゃなどに囲まれ、安心した表情に見える。  保育室は、年度途中の出産や、転勤で乳児を保育園に途中入園させるのが難しい女性研究者らを支援しようと、昨年12月につくられた。  「女性研究者支援センター」の1階にあり、この日は3カ月と5カ月、1歳の赤ちゃんが利用していた。運営は外部の業者に委託し、保育士らが交代で世話をする。利用料は月5万円だが、日本物理学会などで男女共同参画の推進にかかわり、センターの運営を任されている登谷美穂子特任教授は「多くの人がありがたがって利用してくれている」と話す。  女性研究者の少なさに危機感を持った京大が、センターを設置したのは06年9月。「相談・助言」「交流・啓発・広報」など4本柱の事業の中でも保育面の支援の充実ぶりが目立つ。稲葉カヨ・センター長によると、研究の世界では、「遅れたくない」という気持ちから「出産しても育児休業を取りたがらない傾向がある」。こうした思いに配慮し、家庭と研究の両立を可能にするためだ。  昨年2月にできた病児保育室は、多い月には平均で日に3人を超える利用がある。医学部付属病院の小児科医を兼任で置くなど、大学ならではの利点も生かした。10月から「お迎えつき保育」も始める。  ただ、京大の教員(助手を含む)のうち女性は212人で、全体の7.4%(07年5月1日現在)に過ぎない。さらに職階が上がるにつれて割合は少なくなる。稲葉センター長は「大学の意思決定にかかわれる女性はまだわずかしかいない」としたうえで、「女性が増えれば、授乳室など両立を支える場を整備しやすくなるし、声を上層部に上げていく力にもなる」と期待を込める。 ■支援した5人に成果  早くから女性の支援に力を入れてきたお茶の水女子大学(東京都文京区)は、女性研究者に適した「雇用環境モデル」づくりを進める。06年に学内公募で5人の理系研究者を選び、どのような環境が整えば女性が働きやすいかを検証する取り組みだ。  5人はいずれも小学生以下の子どもがいる。立場も助教から教授までさまざまだ。9時~5時勤務の徹底、学会や研究会の際に子ども同伴で泊まれる宿泊施設の整備、研究補助者の配置といった支援策を次々と打ち出してきた。  結果は現在、分析中だが、目に見える成果も出ている。羽入佐和子副学長は「通常、(グラフの形から)『M字形』と言われ、子育てをすると論文や研究発表の数が一時的に減るとされるが、彼女たちは維持するか向上したことがわかった」。  同大では、研究職を目指す女性への啓発にも力を入れる。9月24日には、「手本」となる同大の女性名誉教授6人との交流会を開催。松田千鶴子名誉教授(数学)は「研究や育児で挫折を感じてもあまり落ち込まず、発想の転換を心がけてほしい」と参加者に語りかけた。  郷通子学長は「私自身、子育てをしながら研究し、教えてきた。先輩女性がアクティブに研究している姿を見れば、学生も『自分もできるんじゃないか』と思う。先生方のそうした姿を見てもらうことが大事」と話す。08年度の女性教員比率は47.6%で04年度より約9ポイント上がり、全体の半数近くになった。 ■男女問わず交流会も  早稲田大学(東京都新宿区)は07年に男女共同参画宣言を発表し、教職員らの男女比「格差」の是正を目指してきた。  今年9月25日には、取り組みの中心となる「キャリア初期研究者両立サポートセンター」を大久保キャンパスに開設。男女を問わず、研究職について間もない人を主な対象に、子育ての相談に応じたり、交流会を企画したりする。くつろぎやすい畳の部屋や授乳室も設けた。  男女共同参画推進室の浅倉むつ子室長は「マンモス大ゆえ、ほかの研究者で出産などを経験した人の姿が見えず、孤立感を深めてしまうこともあった。同じ境遇にある人の交流の場を設け、情報交換できるようにしたい」と話した。  他にも産休を取る際の代替要員の費用を、所属部局ではなく全学予算から出す制度などを導入し、支援を進めている。目標とする女性教員の比率は25%(理工系は15%)という。  浅倉室長は「いろいろな人が研究に携わることは学問の幅を広くするし、深化させる。そして、女性にとっての環境改善は男性にとっての改善にもつながる。決して女性のためだけに男女共同参画があるわけではない」と強調する。(大西史晃)     ◇ ■女性教員2割超 大学側は環境整備  文科省が公表した07年度学校教員統計調査では、国公私立大の学部の女性教員の割合は21.2%。04年度より3.1ポイント上がり、初めて2割を上回った。大学院、短大、高等専門学校のいずれも04年度の調査より高くなっている。文科省調査企画課は、女性の高等教育機関への進学率が上がっていることや、支援制度が整って社会進出が進んでいることが背景にあるとみている。  99年の男女共同参画社会基本法の制定を受け、国立大学協会は翌年、10年までに各会員大学の女性教員比率を20%にするという目標を掲げた。  しかし、07年夏に行った調査では、助手を除いた教員の女性比率は11.4%にとどまっている。 "[he-forum 13687] 10/10しんぶん赤旗(主張) 2008年10月10日(金)「しんぶん赤旗」 主張 4人のノーベル賞 基礎研究支援の大きな契機に  科学界を中心に、日本中が大きな喜びにつつまれています。  ノーベル物理学賞を素粒子物理学者の南部陽一郎、小林誠、益川敏英 の三氏が、続いて、化学賞を発光生物学者の下村脩氏が受賞するという 快挙を遂げました。自然科学における日本の基礎研究の水準の高さが国 際的に評価されたことを、心から喜びたいと思います。 自然の奥深い謎を探究  「物質になぜ質量があるのか」、「宇宙はどのようにできたのか」と いう根源的な謎を探究し、南部氏は「対称性が自発的に破れる」という 大胆な学説を提唱することで、素粒子の質量を説明する理論に貢献しま した。  小林・益川両氏は素粒子の「対称性の破れ」がなぜおこるのかを 「クォークの新しい枠組み」によって解明し、六種のクォークの存在を 予言しました。  素粒子論の発展は、電気抵抗がゼロになる超伝導や、宇宙の生成・発 展の原理の究明、コンピューターなどの半導体技術の開発など、さまざ まな分野の研究の発展にも大きな影響をあたえました。  下村氏が受賞した「緑色蛍光たんぱく質の発見と発光機構の解明」 は、「オワンクラゲがなぜ光るのか」を考えつづけたなかで生みだされ ました。  脳の神経細胞の発達や、がん細胞が広がる過程の解明を促進するな ど、分子生物学や生命科学の発展に大きな貢献をしています。  こうした優れた研究は、いずれも、自然の奥深い謎を探究する基礎研 究の分野で成し遂げられたものです。純粋に知的な好奇心から出発した 研究ですが、長い視野でみれば、生産や医療、生活に役立つ新しい技術 をうみだすことにもつながりました。  基礎研究の重要な役割に光をあて若い世代や子どもたちに科学への夢 をはぐくむことは、人類と日本社会の将来にかかわる大きな課題です。 今回の快挙がその新たな契機となることが期待されます。  その点で指摘しなければならないのは、基礎研究に対する国の支援が あまりにも冷たい現実です。  自民党政治の「構造改革」路線は、「国際競争 力」を高めるとしてすぐに経済効果のでる研究に重点投資し、研 究者を目先の業績競争ばかりに駆り立てました。その結果、 研究現場ではじっくりと長期的視野で研究する環境が弱められ、国立大 学法人では四年間で六百二億円もの予算削減によって、教員の研究費が 底をつく事態もうまれています。民間資金も基礎研究には冷淡です。  次代の科学をになう若い研究者たちが、博士になっても安定した研究 職につけず、ポスドクなどの非正規雇用をくりかえす事態もひろがって います。「高学歴ワーキングプア」といわれ、若い世代から研究への夢 を奪う事態になっているのです。 抜本的な対策の強化を  こうした現状では、基礎研究の発展を望むことはかなわず、ひいては 社会の発展の基盤を損なうことにもなります。日本学術会議は八月、政 府に対して提言を行い、「基礎研究を推進する基盤は大きく揺らぎ、危 機的といえる状況」であると警告し、「早急な対策を講じること」を求 めました。  ノーベル賞受賞を契機に深刻な事態を大本から正し、基礎研究への支 援を抜本的に強めることは、国のはたすべき重要な責任です。 "[he-forum 13688] 10/10朝日新聞 ノーベル賞に沸いているけど… 日本の論文数5位に転落 2008年10月10日  日本の最近10年間の科学系論文数の伸びは主要国中最低レベルで、 数では中国、英国、ドイツに抜かれて2位から5位に転落したことがわ かった。論文数はその国の「科学技術力」を示す重要な指標。ノーベル 賞4人受賞にわく日本だが、先行きは必ずしも安泰とはいえないようだ。  オランダの学術情報出版社「エルゼビア」がつくっている世界中の主 要学術誌の約6割をカバーするデータベースから、スペインの科学情報 調査会社「スキマゴ」が集計し、07年の上位20カ国について、97 年と比較した。  それによると、日本の07年の論文数は9万185本で、米国、中 国、英国、ドイツに次いで5位。97年からの伸び率はわずか5%で、 中国(505%)、韓国(204%)、ブラジル(159%)はもちろ ん、西欧諸国(22~80%)、米国(10%)にも及ばず、下から2 番目だった。  政府は「資源に乏しい日本の未来を切り拓(ひら)く途(みち)は、 独自の優れた科学技術を築くことにかかっている」として、科学技術基 本計画を策定。96~05年度の10年間で約41兆円の政府研究開発 投資をつぎこみ、06年度からの5年間で約25兆円を投入する目標を 掲げているが、米国(年額17兆円)や中国(同10兆円)よりはるか に少ない。(杉本潔) "[he-forum 13689] 10/9朝日新聞社説 朝日新聞 社説 10/10 下村氏受賞―これぞ基礎研究の輝き  なんと2日連続の朗報だ。ノーベル物理学賞の興奮さめやらぬ間に、 こんどは米ウッズホール海洋生物学研究所の元上席研究員、下村脩さん がノーベル化学賞を受賞することになった。  下村さんは、海の中で光るオワンクラゲがもつ緑色蛍光たんぱく質 (GFP)を見つけた。この物質で目印をつけておけば、細胞の中で生 命活動を担うたんぱく質の動きをたやすく観察できる。GFPはいま や、世界中の研究室で欠かせない「道具」だ。  下村さんは便利な道具を開発するために研究を始めたわけではない。 なぜ生物は光るのか、という素朴な疑問から発光のメカニズムを追いか けて、たどりついた物質が幅広い研究の道具に使えることがわかった。 基礎研究の成果がどんな応用につながるのかは予想がつかない。  物理学賞の南部陽一郎さん、小林誠さん、益川敏英さんも素粒子物理 学という基礎科学だった。02年に続く物理学賞・化学賞のダブル受賞 で、日本の科学の底力を世界に印象づけた。  とはいえ、それは必ずしも「いま」の実力ではない。  下村さんがGFPを見つけたのは1960年代だ。小林さんと益川さ んの仕事は35年前だし、南部さんの業績は半世紀もさかのぼる。4人 がそうだったように、ノーベル賞につながる独創的な研究は多くの場 合、20代や30代ぐらいの若いときに生み出される。  いま優秀な若手をいかに育て、かれらが存分に力を発揮できる環境を 整えるか。優れた研究をどれだけ支援していくのか。それが日本の未来 の科学力を左右する。  06~10年度の第3期科学技術基本計画は、研究開発予算の目標と して計25兆円を掲げている。07年度は3.5兆円で、米国の17兆 円や欧州連合の12兆円、中国の10兆円に見劣りがする。もっと思い 切った投資がほしい。  さらに問題は、厳しい財政事情の下で、すぐに実用化できそうな応用 研究に予算が集中し、何に役立つのかわかりにくい基礎研究に対しては 投資が少なくなりがちなことだ。日本学術会議はこの8月、「基礎研究 の基盤をおろそかにすれば、長期的には我が国の科学技術政策に危機的 な状況を生み出す」と訴えた。  予算の配分にあたっては、「基礎研究の土台なしに応用研究の発展は ありえない」という意識がほしい。  最後にものをいうのは人材だ。自然の不思議を追いかける楽しさや答 えを見つけた時の喜びを幼いころから体感させる。柔軟な発想や思考を 伸ばす。子どもたちの理科離れ、学生の理系離れがいわれる今こそ、そ うした教育を工夫すべきだ。  4人の受賞を、日本の科学研究や教育の環境を改善する機会にした い。 "[he-forum 13690] 10/9日経社説 日本経済新聞 社説2 日本を元気づける連続受賞(10/9)  連日の朗報である。ノーベル物理学賞に続き化学賞でも日本人の下村 脩ボストン大学名誉教授の受賞が決まった。物理学賞、化学賞のダブル 受賞は6年前と同じだが、科学分野で日本の受賞者が合計4 人も出れば快さいを叫ばずにはいられない。  化学賞の受賞理由は「緑色蛍光たんぱく質GFPの発見と開発」。G FPの発する明るい緑の光は、生物の組織や細胞の複雑な動きを読み取 る目印として活用されている。  下村名誉教授は米国留学中の1962年にオワンクラゲから発光物 質のGFPを世界で初めて分離し、イクオリンと名付けた。それまで生 物発光は、ホタルと同じようにルシフェリンとルシフェラーゼの反応に よるとされていたが、GFPは発光の仕組みも違う新物質だった。  GFPの光を目印として利用し、生物の生きた組織の挙動を精密に追 跡する仕組みを、同時に受賞が決まった米国の2人の研究者が開 発した。アルツハイマー病で神経細胞が壊れていく経緯や、膵臓(すい ぞう)でインスリンをつくるβ細胞の動きの分析など、GFPは人類に とっての難敵の病気を科学的に解明するうえで強力なツールとなってい る。  下村名誉教授はGFPの発見後帰国して、名古屋大の助教授になり、 60年代半ばには厳しいが研究に専念できる「競争的環境」を求め再び米 国に渡る。昭和天皇も訪問されたウッズホール海洋生物学研究所などで 研究を続けた。物理学賞の受賞が決まった米国籍の南部陽一郎シカゴ大 学名誉教授と同じ頭脳流出組だ。  下村名誉教授は旧長崎医科大学出身でほとんどが旧帝大出身という日 本人受賞者のなかでは異色。実力で世界的成果を上げ、評価されたこと は地方大学を大いに元気づけよう。  物理学、化学両賞で日本の4人が受賞した喜びは尽きないが、 賞は過去の業績に対して贈られる。両賞とも評価された業績は60 ―70年代の研究。いずれも受賞者が若いころに上げた成果だ。そ の意味では好奇心と情熱のあふれる若い研究者が伸び伸びと研究ができ る環境を整えることがいかに大事かも教えている。  科学技術力は研究者の層の厚さに比例する。受賞に浮かれず、若手研 究者育成に力を注ぐことが重要だ。 "[he-forum 13691] 10/8毎日新聞社説 毎日新聞 2008年10月8日 東京朝刊 社説:ノーベル賞 基礎研究が勇気づけられた  02年の小柴昌俊、田中耕一両氏のダブル受賞から6年。そろそろ日本人が 受賞してもおかしくないとの期待が高まっていたが、3人の共同受賞は予想外 で、うれしい驚きだ。  しかも、対象は49年に湯川秀樹博士がノーベル賞を受賞して以来、日本の 「お家芸」とみなされてきた素粒子物理学である。日本の基礎科学の底力が改 めて確認されただけではない。宇宙の成り立ちに深くかかわる "[he-forum 13692] 10/9東京新聞社説 東京新聞【社説】2008年10月9日 ノーベル化学賞 若い研究者も後に続け  日本の科学技術の実力を示す快挙が続いた。三人のノーベル物理学賞 受賞に続き、下村脩氏の化学賞受賞も決まった。この勢いを失うことな く、若い基礎研究者は後に続いてほしい。  下村氏は、オワンクラゲ(発光クラゲ)の発光器官から「緑色蛍光タ ンパク質(GFP)」を発見した業績が評価された。  GFPをつくる遺伝子を他の生物のDNAに組み込めば、特定のタン パク質が作用したとき緑色に光る「標識」として使え、生きた細胞内で の物質の動きの観察が可能になる。医学など生命科学の研究推進に画期 的な成果をもたらした。  前日の三人の物理学賞受賞決定に続き、わが国のノーベル賞受賞は快 進撃といってもいいほどだ。  再度、日本人の研究が世界的評価を受けたことを喜びたい。  下村氏の活躍の場は米国にあった。長崎大で生物発光の研究に取りか かり、名古屋大助教授時代にウミホタルの発光タンパク質の結晶化に成 功したものの、国内での知名度は高いとはいえなかった。  受賞対象の業績は、研究の場を米国に移してからである。  前日、物理学賞受賞が決まった南部陽一郎氏の業績も米国で成し遂げ られた。遡(さかのぼ)れば、同じく物理学賞受賞の江崎玲於奈氏(一 九七三年)、医学・生理学賞受賞の利根川進氏(八七年)も米国など海 外での研究が評価された結果だ。  共通するのは、下村氏らが国内にとどまっていたら、国際的に認めら れたかどうかだ。  米国に世界中から研究者が集まるのは、独創性のある研究の意義を十 分に認め、年齢や地位に関係なく、正当に評価し、それに見合った処遇 をすることが背景にあると指摘されている。  日本人研究者が海外で活躍するのは歓迎だが、その理由が国内では自 由に研究できないためであれば、研究体制を根本的に反省しなければな らない。  わが国も九六年から始まった三期にわたる「科学技術基本計画」で、 若い基礎研究者の処遇を徐々に改善してきてはいる。だが、依然として 博士課程を終えた若手研究者の多くが就職できないなど、とても十分と はいえない。  基礎研究は一見、何の役にも立ちそうにないが、後になって思わぬ成 果を生む。科学技術にはこうした基礎研究の支えが欠かせない。若い基 礎研究者が国内で安心して研究に打ち込める体制づくりこそ今、最も求 められている。 "[he-forum 13693] 時事通信10/9 時事通信2008年10月9日18時43分 経営協議会審議、6校で不適切=国立大評価  文部科学省の国立大学法人評価委員会は9日、国立大と大学共同利用機関の全91法人について、2007年度業務実績の評価結果を公表した。外部の意見を反映させるための経営協議会の審議が6大学で不適切だったなどとして、評価委は「一部で取り組みが不十分」と指摘した。  宮城教育大、福岡教育大など6校は、学外の委員が参加する経営協議会で審議すべき財務諸表、役員報酬規定などを、事後報告で済ませていた。  弘前大、信州大など9校では、博士課程、法科大学院で学生の定員充足率が基準の9割を切っていたことが判明。今後、運営費交付金の返還が求められる。  小樽商科大、静岡大など10校と高エネルギー加速器研究機構では、研究費の不正使用を防止するための規定・体制の整備が不十分だった。   一方、30校と2機関は、教職員の個人評価を給与などに反映させる仕組みを導入済み。評価委は「運営効率化は基本的には順調に進んでいる」とした。 "[he-forum 13694] 長崎新聞10/10 長崎新聞2008年10月10日付 「苦労あったが、楽しかった」退任の齋藤寛長崎大学長 6年の任期振り返る  十日で退任する長崎大の齋藤寛学長は九日、長崎新聞社の取材に応じ、六年間の任期を振り返り、「苦労もあったが、楽しかった」と話した。  齋藤学長は二〇〇二年十月に第十三代学長に就任。〇四年四月に国立大学法人化して最初の学長として、かじ取りをした。「法人化でそれぞれが個性を出し、変革しなければならない時期に学長になったことで自分の持ち味が生かせたのではないか」とし、「『情報公開』と『説明責任』を掲げてやってきた。苦労はあったが、だんだん学内に浸透していき、楽しかった」と振り返った。  地域とともに歩むことを目指した同学長。本県に対しては「長崎は四百年前からまち全体が大学で、全国から若い人が集まり、勉強した。学問をする雰囲気を受け継ぐ代表のようなまちと思う。伝統を受け継いでほしい」とエール。  同大に対しては「長崎大の原爆からの復興は市民の生きてきた道筋とぴったり重なる。これからも教育と研究は地域と連携しながら進めることを世界で最も強く打ち出してほしい」と求めた。  「長崎大での二十五年間、周りには常に学生がいたので、離れるのは寂しい」とも。長野県生まれ。退任後も本県にとどまり、テレビ番組に出演する予定があるが、「しばらくは英気を養いたい」とほっとした表情を見せた。 "[he-forum 13695] 陸奥新報10/10 陸奥新報2008年10月10日付 弘大の博士課程で学生定員充足率が9割切る  国立大学法人評価委員会による、国立大と大学共同利用機関の2007年度業務実績の評価結果で、弘前大学(遠藤正彦学長)は博士課程において、学生の定員充足率が基準の9割を切っていたことが判明した。2009年度までに目標を達成できない場合、運営費交付金の返還が求められることになる。  各大学がそれぞれの中期目標・中期計画を基に5段階で評価し、結果を委員会が審査する。審査の結果、弘大の実績は「中期目標・中期計画の達成のためにはやや遅れている」と評定された。  弘大によると、課題となった大学院博士課程の充足率は06年度70.8%、07年度74.8%、08年度81.2%(ともに5月1日時点)。弘大は06年度までは85.0%、07年度は90.0%を目標としていたため、今回、入学定員の適正化に努めるように求められた。  弘大は既に医学研究科医学科専攻入学定員を55人から5人減とする対策を示している。  総務担当理事の藁科勝之副学長は「進(しん)捗(ちょく)状況から、(指摘は)覚悟していた。指摘されたものは真(しん)摯(し)に受け止め、09年度までに目標のクリアを目指したい」と話した。 "[he-forum 13697] 福井新聞10/4 福井新聞2008年10月4日付 関電に新エネルギー研究センター 福井大などと共同研究  関西電力は3日、新エネルギー技術に関して県内の大学や企業と共同研究を進める「嶺南新エネルギー研究センター」を、美浜町の原子力事業本部内に設立すると発表した。7日から活動を開始する。福井大大学院と福井工大、福井高専と太陽電池やバイオエタノールの研究に取り組む。  同センターは、研究開発室エネルギー利用技術研究所(兵庫県尼崎市)の下部組織となる。センター所長は渡辺敏緒同研究所長が兼務し、当面は所長代理2人と研究員5人の計8人体制。  福井大とは、太陽電池の効率化を目指し、エネルギー変換効率の高い窒化物半導体材料を用いたタンデム(多接合)型太陽電池の基礎技術の開発を進める。福井工大とは、太陽電池の低コスト化・軽量化を目的に、有機アモルファス材料を用いた技術の構築を図る。福井高専とは、木材や古紙などから低コストでバイオエタノールを製造する技術研究を行う。それぞれ当面、3年間をめどにしている。  関電グループが蓄積した技術やネットワークを活用しながら、ともに基礎研究を進める。その後、事業者として商品化に向けた取り組みも行う。  同社は「県が進めるエネルギー研究開発拠点化計画の一環として、新研究センターを設立する。産学官連携を図り、福井県への研究機能の集積に努めたい」としている。  7日は、同事業本部で開所式を行い、共同研究を進める福井高専物質工学科の吉村忠与志主任教授が記念講演する。 "[he-forum 13696] 毎日新聞福井10/9 毎日新聞福井版2008年10月9日付 福井大:付属病院に来春、保育施設 看護師ら夜勤に対応  福井大学は来年4月、子育てと仕事を両立する看護師や女性医師らのため職員専用保育施設を、付属病院がある永平寺町の松岡キャンパスに開設する。  同大学が女性職員に対し実施したアンケートによると、不規則な勤務時間のために育児が困難になり、離職せざるを得ない看護師が多かったという。また、近隣に夜間保育のある施設もなかったため、設置を決めた。  0歳児~小学校就学前の幼児が対象で、定員は20人。平日は午前8時から午後6時半まで預かり、午前7時からの早朝保育と、夜10時までの延長保育もある。また、週に一度、24時間の夜間保育も行い、看護師や医師の夜勤に対応する。  保育施設の開設について、大学担当者は「国立大学の法人化以降、保育施設を設置する大学が増えており、福井大はむしろ遅いほうだ」と話している。【菅沼舞】 "[he-forum 13698] 沖縄タイムス10/10 沖縄タイムス2008年10月10日付 看護大大学院が宮古で博士課程開講/3校の計画国文科省支援 看護大、臨地実習拡大/琉大、児童と模擬学校  文部科学省の大学院・大学支援プログラムに県内から、県立看護大学と同大学院、琉球大学の各取り組みが九日までに選出された。同大学院は「島嶼保健看護」領域を設置し、宮古島市に教授陣を派遣して修士・博士課程を開講。琉大は教員を目指す学生が児童・生徒に授業する「模擬学校(プラクティススクール)」で教育実践する。二〇〇八年度から三年間のプログラムで、同省が財政支援する。  看護大大学院の「大学院教育改革支援」は、宮古島市で高度な教育が受講できるのが特徴。これまで、離島で遠隔講義システムを使った講義の受講は可能だったが、同プログラムでは離島地域の保健看護の向上を目指し、同市での講義を本島にいる学生も遠隔講義で受講できる。二〇〇九年度の定員は修士課程二人、博士課程一人で、十一月から募集を受け付ける。  また、県立看護大学の「島嶼環境を活かして学ぶ保健看護の教育実践」は、島嶼県の保健看護の向上に貢献できる人材育成の一環として、宮古島市を中心に離島での臨地実習を全学的に拡大する。  琉球大学の「模擬学校による教育実践力向上モデルの開発」は、教職課程を履修する一、四年生を対象に学生の判断力やコミュニケーション力向上を目指す。  昨年からの取り組みで、同大や近隣の学童クラブなどで食をテーマにした「食べごと学校」や国語と算数を楽しく学ぶ「コックさん学校」などを実施した。学生は「教職に対する意欲が高まった」「教育実習前に自信がついた」など好評だった。一グループ二十人の学生が模擬学校を“設立”、児童・生徒約三十人の授業を企画する。十一月中旬から実践する予定。  中村透教育学部長は「既成概念にとらわれず、子どもたちとかかわること、人間関係をどう磨くかがポイント」と語る。 "[he-forum 13699] 毎日新聞10/9 毎日新聞2008年10月9日付 文科省:全法科大学院聴取へ 定員改善計画求める  文部科学省が20日以降、法科大学院全74校から教育の質を高めるための対策などについて、一斉にヒアリングを実施することが分かった。先月30日に中央教育審議会の法科大学院特別委員会が示した「中間まとめ」を踏まえ、現状と課題の認識を報告させた上で、具体的な改善計画の提出を求める。  ヒアリング実施は、6日付で各大学院に通知した。特別委の中間まとめでは、新司法試験の合格率が低い場合などには「大学院が自ら定員見直しを検討する必要がある」などと提言したが、通知は「(中間まとめで示した)改善の方向性を真摯(しんし)に受け止め、必要な措置を速やかに講じるようお願いする」とした。文科省のヒアリングは20日~来月11日、各大学院の担当者を順次呼んで実施する。各法科大学院の研究科長クラスを対象に聴取し、法務省の担当者も同席する。合格率が低い大学院などに自覚を促し、定員縮小や他大学院との統合などを積極的に進めさせる狙いがあるとみられる。【石川淳一、加藤隆寛】 "[he-forum 13700] 中日新聞10/10 中日新聞2008年10月10日付 静大とヤマハ発が包括連携協定締結 制御や材料生産を共同研究  静岡大とヤマハ発動機(本社・磐田市)は9日、協力関係を組織的に続けるための包括連携協定を締結した。ヤマハ発は単発的な協定を研究機関などと結んだことはあるが、包括連携協定の締結は今回が初めてとなる。静岡大が地域経済の活性化を目的に協定を結ぶのは、県や浜松市、金融機関などに次いで11番目。 (宮沢輝明)  協定には、制御や材料生産について共同で研究するほか、技術セミナーや合同研究発表の実施などを盛り込んだ。人材交流も進めていく。有効期間は3年間。  ヤマハ発にとっては、技術開発力が上がるのに加え、技術者の知識の向上や、大学を交えた大プロジェクトの構築も容易になるという。静岡大にとっては、大学の研究が地元産業の発展につながり、産業界のニーズを直接知ることができるというメリットも見込まれる。  調印式は同日、静岡大の興直孝学長と、ヤマハ発動機の鈴木正人取締役上席執行役員が出席して、静岡市駿河区の静岡大で行われた。静岡大は「強固な信頼関係の構築を目指し、具体的な企画をいくつも検討する。コラボレーションによる新展開に期待してほしい」とコメントした。 "[he-forum 13701] 時事通信10/11 時事通信2008年10月11日5時17分 奨学金滞納者を通報へ=信用情報機関に  大学生らへの奨学金事業を行う独立行政法人日本学生支援機構は11日までに、銀行などがつくる信用情報機関に滞納者情報を通報する仕組みを導入する方針を決めた。通報されると銀行でローンを組んだり、クレジットカードを作ったりしづらくなる。滞納額が増加する中、一種のペナルティーを科して債権回収を円滑にする狙いがある。   信用情報機関には銀行、信用金庫など約1400の金融機関が加盟。貸し出しの判断材料とするため、この機関を通じて個人への与信情報を交換している。  文部科学省によると、学生支援機構は年内に信用情報機関に加盟する予定。早ければ2009年度から、延滞時に通報することを新規の貸し出し条件とする。通報時期は、滞納開始から3-6カ月後とする。所在不明となった滞納者の住所照会も検討している。  奨学金貸出時に与信情報を照会したり、滞納者以外の債務額などを情報提供したりはしない。 同機構は日本育英会などの事業を引き継ぎ、04年に設立された。3カ月以上の滞納者は07年度末で約20万人で、1年で約6000人増加。同年度に回収すべき債権のうち、未回収額は660億円に上った。 "[he-forum 13702] 時事通信10/11(2) 時事通信2008年10月11日17時38分 日本の高等教育力、世界6位=英情報会社  英国の大学情報会社タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)とQS社は11日までに、高等教育力の国別世界ランキングを初めて発表し、日本は6位に入った。今年5年目となる世界大学順位では、上位200校から慶応大が外れ、前年の11校から10校に減少。国内トップは引き続き東京大だが、昨年の17位から19位へ低下した。国内勢が低下傾向の中、国内4位の東京工業大は90位から61位に躍進した。  近年、大学や企業の国際的な人材争奪が激しくなっており、国内でも国立大が法人化で業績が予算に反映される中、ランキングは一定の影響力があるとみられている。  国別順位は、世界上位500校に入った大学の順位と大学の立地、各国トップ校のレベル、国の経済力の4つが指標。トップの米国を100点として、英国、オーストラリア、ドイツ、カナダと続き、日本は6位(90点)。アジア勢は韓国が9位、中国(香港を除く)が15位だった。  一方、世界大学順位の指標は、世界の学者約6400人の相互評価が4割、教員・学生数比率と、教員の論文の重要度(引用された回数)が各2割、世界約2300社の人事担当の評価が1割などで、米ハーバード大が昨年同様トップ。  日本では、国内2位の京都大が25位で変わらず、大阪大が46位から44位へ上昇。東北大112位、名古屋大120位、九州大158位、北海道大174位、神戸大199位と、いずれも順位を下げ、唯一の私立、早稲田大は180位で変わらなかった。  アジアの有力校は、香港大26位、北京大とソウル大が50位だった。 ◇日本の大学 国内08年   世界08年  07年   高低  (1)東京     19   17   ▼  (2)京都     25   25   -  (3)大阪     44   46   △  (4)東京工業   61   90   △  (5)東北    112  102   ▼  (6)名古屋   120  112   ▼  (7)九州    158  136   ▼  (8)北海道   174  151   ▼  (9)早稲田   180  180   - (10)神戸    199  197   ▼ ◇高等教育力の国別順位     国名     総合点   大学順位  敷地  トップ校 経済力  (1)米国     100    1    1    1    1  (2)英国      98    2    4    2    3  (3)豪州      94    5    2    3    7  (4)ドイツ     92    3    7   15    5  (5)カナダ      同    4    5    5    9  (6)日本      90    6   13    4    6  (7)フランス    89    8    6    8   11  (8)オランダ    86    7    9   14   13  (9)韓国      79   16   12   12   16 (10)スウェーデン   同   13   11   16   19  "[he-forum 13703] 時事通信10/13 時事通信2008年10月13日15時31分 出身大学、さまざまに=ノーベル賞  日本人4人の受賞が決まった今年のノーベル賞。自然科学3賞では、2002年の小柴昌俊さん(物理学賞)、田中耕一さん(化学賞)のダブル受賞まで9人のうち、京都大、東京大出身者は7人を占めたが、今年は4人のうち3人が名古屋大と長崎大。有力候補に名前の挙がる研究者にも両大学以外の出身者が多く、「すそ野」が広がった形だ。  自然科学3賞の受賞者は、1949年の故湯川秀樹博士に始まり、87年の医学・生理学賞を受賞した利根川進さんまで、京大、東大出身者が独占。2000年に東工大出身の白川英樹さんが化学賞を受賞するまで続いた。  今年は、6年ぶりに日本人の受賞が決まったが、東大出身の南部陽一郎さん以外は、名大の小林誠さん、益川敏英さん、長崎大の下村脩さんと、各地の大学が快挙に沸いた。  さらに、「有力候補」として取り上げられる日本人研究者を見ると、「人工多能性幹(iPS)細胞」を開発した京都大教授の山中伸弥さんは神戸大出身。「カーボンナノチューブ」の飯島澄男さんは電通大。「光触媒」の藤嶋昭さんも横浜国大と、バラエティーに富む。  地方大学の「躍進」について問われた益川さんは「近年はインフォメーション(情報)の点ではどこにいても変わらない」と昔との違いを説明、「地方大学の不利な点は、研究者の層(の薄さ)にある」と課題を口にした。  ノーベル賞の歴史に詳しい東京大大学院の岡本拓司准教授(科学史)は「戦前には、東大、京大以外からも(選考当局への)推薦例はある。特色ある研究をする人は昔からいたのではないか」と指摘。「こつこつとやって新しい発見をするには、むしろ大きな組織よりもたどりやすい面もあるのかもしれない」と話している。 ◆受賞年  賞 氏名    出身大学               1949 物 湯川秀樹  京大理                1965 物 朝永振一郎 京大理                1973 物 江崎玲於奈 東大理                1981 化 福井謙一  京大工                1987 医 利根川進  京大理                2000 化 白川英樹  東工大理               2001 化 野依良治  京大工                2002 物 小柴昌俊  東大理                 同   化 田中耕一  東北大工               2008 物 南部陽一郎 東大理                 同     小林誠   名大理                 同     益川敏英  名大理                 同   化 下村脩   長崎大薬               ※物は物理学賞、化は化学賞、医は医学・生理学賞。08年は受賞決定者 ※南部さんは米国籍 "[he-forum 13704] JanJan 10/12 JanJan 2008年10月12日号 日本人ノーベル賞受賞に見る日本の大学の研究環境の悪さ 土井彰  「自由」で「平等」な雰囲気の中でこそ、素晴らしい研究の突破口が開けるのではないだろうか?画期的な成果なんて、決して、研究者のほっぺたを札束で叩けば出てくる類のものではないからである。  今年のノーベル賞受賞者の発表で、日本人が4名もいたことに日本中が沸いている。同じ自然科学を学んでいた者として、私も心から「おめでとうございます」と言いたい。  ただ、これをもって、「日本の科学技術の水準の高さが改めて確認された」とするメディアの報道ぶりには、少々違和感がある。なぜなら、(1)今回の受賞につながる研究成果のことごとくが、今から3、40年あるいはそれ以上も昔に成し遂げられた成果であって、決して「現在の」日本の科学技術の水準を反映しているわけではないし、(2)化学賞を受けられる下村先生の研究の主なる舞台はアメリカであって、決して日本でその素晴らしい成果が得られたわけではない、からである。  むしろ今回の快挙は、「基礎軽視、応用研究重視」という日本の伝統的な科学技術政策とは無縁の所で花開いた、と思う。小林、益川両先生はともに名古屋大学理学部物理学科の(故)坂田昌一博士の研究室出身である。当時、坂田先生が主導されていた研究室や物理学科の民主化に向けての取り組みは、全国的に有名であった。他大学で化学を専攻していた私にも漏れ聞こえていた情報では、なんでも、研究室の最高議決機関は学生、院生も含めた全員を集めた会議で、予算配分についても、教授―助教授―助手といった職階別ではなく、一度全部集めて、各人に研究テーマを出させ、それぞれのテーマの審議の結果に基づいて配分される、といった極めて民主的な運営がなされていたそうである(もっとも、坂田先生が亡くなられて久しい今はもう、そういうやり方は止めになった、と聞くが……)。  私が思うに、こういう「自由」で「平等」な雰囲気の中でこそ、素晴らしい研究の突破口(breakthrough)が開けるのではないだろうか?画期的な成果なんて、決して、研究者のほっぺたを札束で叩けば出てくる類のものではないからである。  とは言っても、自然科学の研究者の大半を占める実験系では、研究費の多寡が各人の研究成果を左右する、といった場面も少なくない。ところがその研究費でさえ、日本政府は現在年平均5兆円の研究開発投資をしているそうだが、これはアメリカの年17兆円、中国の年10兆円にはるかに及ばない。そのせいか、最近10年間の科学系論文数の伸び率は、中国の505%、韓国の204%、西欧の22-80%、アメリカの10%と比べて、たったの5%だった由。で、こういう研究活力を反映する指標のひとつとしての日本の総論文数が、かつての2位から5位に転落したそうな。  90年代に財界を中心として、バブル崩壊と関連づけて、「世界における日本の大学の競争力が落ちてきているのは、大学の間で競争がなく、大学人が大学という狭いギルドの世界に閉じこもって、国民や社会にとって何の役にも立たない「研究と称するお遊び」にうつつを抜かしているためである」といった批判が強くなり、その結果として、国立大学は独立法人化され、更なる実用研究重視路線に則った大学間、教員間の競争の加速が強制され、教員は悲鳴をあげている。  私が数年前まで勤務していた、二流といわれている地方のある国立大でも、教授ー助教授(準教授)-助手(助教)といった職階による選別に加えて、毎年教員は自己申告書を提出して、学科長等の管理者の評価査定を受けることが義務づけられ、いずれは給料にもこの評価結果が反映されることになった。  どういう評価項目があるか、というと、研究分野では、(1)国の科学研究費(科研費)をはじめとする研究費総額が多いか少ないか、(2)国や民間企業との共同研究をしているかどうか、(3)国や地方自治体などの審議会の委員になっているかどうか、(4)世界や日本の学会の役員になっているか、招待講演を年間何回行っているか、あるいは学会、研究会といった集まりを主宰したことがあるか、等々といった項目にそれぞれ点数が付けられ、その総点と上司の判断を加えて、教員各自の評価がなされるわけである。  毎年のようにこういう勤務評定がなされ、それに給料まで連動するようでは、じっくりと自分がやりたい(モノになるがどうかも解らない)大テーマを選ぶのは危険過ぎるので、とりあえずは論文になりやすい「データが出る」テーマに向かう、というのは止むを得ない選択かも知れない。また、評価を上げるためには、学内、学外(諸学会)のボスに気に入られないといけない。  私は自分の経験から言って、こういう「昇進や給料をエサとして教員相互を競争させるやり方では、決していい研究成果は生まれない」と確信している。むしろ、(現在は知らず、かつての)坂田研究室のような、「自由」と「平等」といった真の学問的雰囲気が横溢している研究現場からこそ、今回のような大きなbreakthroughが生まれるのではなかろうか?  そのためには、国の研究投資額を欧米並みに引き上げること以上に、「研究現場の民主化」(それはたとえば、教授が君臨するタコツボ型の「講座制」を打破して、かつての坂田研究室のようにする、といった)が必要であろう。そもそも、「研究を通じて学生を教育する」大学教員の特殊性から言って、(国益のためにも)「いい研究」と「いい教育」のためには、教員には、できる限りの「自由」が許される研究環境が必須である。そういう意味で、他分野では必要かも知れないピラミッド型の職階制は、大学には本来なじまない、と思う。ましてや、せいぜい数十名で構成される学科所属の教員を、身近にいる上司が勤務評定する、というのでは……。  そして研究費については、国の投資額を欧米並みに引き上げるのは当然として、研究費の配分法も民主化してほしい。日本の配分法は欧米と際立って異なっており(注1)、一言で言うと「学会のボスに配分を任せる」やり方であり、批判があっても決して、アメリカのような「研究者相互による審査」(peer review)のやり方に替えようとはしない。これは、学会ボスが学会における権限を保持したいがため、としか言いようがない。  以上が、日本人ノーベル賞受賞に沸く新聞やテレビを見ながら、今のままでは日本の科学技術の将来は暗いなあ、と嘆じる私の率直な感想である。これが「偏屈な私」の杞憂に過ぎないのなら、それは結構なことなのだが……。 注1:学閥・学会ボス支配が続く 不公正な日本の大学研究費配分・評価システム "[he-forum 13705] 長野日報10/11 長野日報2008年10月11日付 産学連携で人材育成 法大、信大と調印・諏訪商議所  諏訪市の諏訪商工会議所が法政大と信大との連携で新たに取り組む、諏訪地域「地力(じりき)知力(ちりょく)アップ人材育成講座」すわ地域「おこし塾」の事業推進に関する調印式が10日、同市のRAKO華乃井ホテルであった。関係者や講座の受講を検討している約50人が見守る中で、同会議所の有賀昭彦会頭と法政大の増田寿男総長、信大の小宮山淳学長が協定書を交わした。  すわ地域「おこし塾」は諏訪地区商工会議所・商工会連絡会議が主催。文部科学省の専門職大学院等における高度専門職業人養成教育推進プログラムから全額助成を受け、受講料無料で行う。地域おこしへの関心がある人15人程度を募集。法政大と信大のスタッフが、対面授業と双方向遠隔講義システムを併用して大学院の社会人向け授業の一部を提供する。  調印式で法政大の増田総長は「もう1度、新しい諏訪の産業を活性化していくのに、ほんの少しでもわれわれの力が役立てばうれしい」と話した。信大の小宮山学長も「連携大学として参画させていただけることは大きな喜び。必ずや10分なお手伝いができると思う」と自信を見せた。  すわ地域「おこし塾」は調印を終えた同日から、受講申し込みの受け付けを始めた。同会議所の有賀会頭は「なんとか地域に住んでいる人が中心になって(諏訪地方を)活性化できないかと夢見ている。受講生は地域のリーダーになっていただくような気持ちを持ってもらいたい」と述べた。  調印式典に続いて開講記念講演会が開かれた。法政大の学事顧問、清成忠男氏が「地域リーダーの育成」を演題に、内閣官房地域活性化統合事務局次長の福山嗣朗氏が「地域活性化と人材育成」をテーマにそれぞれ講演した。 "[he-forum 13706] [Fwd: メルマガ・共謀罪を廃案に!38号] -------- Original Message -------- Subject: メルマガ・共謀罪を廃案に!38号 Date: Sat, 11 Oct 2008 10:58:06 +0900 (JST) From: mag2 0000207996 Reply-To: mlmag-kyoubou@alt-movements.org To: NQJ35480@nifty.com ■■転送歓迎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ □ □ 共謀罪を廃案に! □ ___________________________ □ メルマガ 38号 2008年10月11日 □ 発行:盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会 □ mlmag-kyoubou@alt-movements.org ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ▽定期購読のお申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html 麻生政権は総選挙を先送りして、臨時国会での審議で得点を稼ごう としています。いまのところ共謀罪の審議入りは予定されていない ようですが、油断は禁物です。総選挙後も見据えて永久廃案を目指 しましょう。 ────────────────────────────── 38号 もくじ ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション  10/19 反住基ネット・オータムセッション ■国会情勢  追いつめられる麻生政権 ■集会報告  9/30 共謀罪に反対する市民と議員の院内集会 ■ニュース ────────────────────────────── ■これから予定されているアクション■ ────────────────────────────── ◆10/19 東京・イベント━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  反住基ネット・オータムセッション in東京 2008  持続可能な社会保障に、番号・カードは必要か?  http://www.juki85.org/2008AutumnSession/2008AutumnSession.html  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ とき 10月19日(日)10時~16時15分 ところ 東京・飯田橋 SKプラザ(東京清掃労働組合本部)     地下1階ホール ○JR中央線東京メトロ東西線有楽町線南北線飯田橋駅徒歩5分 http://www.tokyoseisou.or.jp/outline/map.html ◇プログラム ・セッション1【現実主義の間】  報告「(仮)社保カード検討会の議論と日弁連意見書」   吉澤宏治さん(弁護士)  講演「(仮)なぜ行政のIT化はうまくいかないのか?」   牧野二郎さん(DDTF代表、弁護士) ・セッション2【原則主義の間】  講演「わが国の『社会保障カード』プランの“罠”」   石村耕治さん(白鴎大学教授) ・セッション3【現場主義の間】  報告「介護・医療・福祉の現場から」   山本勝美さん(東京都保健所心理相談員協議会会長、『福祉労   働』編集委員) ◇参加費 1000円 ◇主催 反住基ネット連絡会 Tel.03-5155-4765(日消連気付) ────────────────────────────── ■国会情勢■ ────────────────────────────── ◆追いつめられる麻生政権━━━━━━━━━━━━━━━━━━  衆議院選挙の引き延ばし狙う  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇崖っぷちの麻生政権─────  いまや明確に麻生政権は崖っぷちに立たされています。これにア メリカから始まった世界的な経済危機が更に追い打ちをかけていま す。  政権発足後のご祝儀相場による支持率の高いときに衆議院選挙に うって出て、なんとしても政権の維持をはかろうとした自民党の思 惑は完全に吹っ飛びました。  いま問われているのは、過去から現在に続く、金持ちを優遇し、 弱者を切り捨て、憲法9条を否定し、戦争政策を推し進めてきた自 民党政治そのものなのです。  小手先の手段で解決できないほど、自民党政治に対する批判は高 いということです。 ◇自民党にノーの声を突きつけよう─────  自民党政治ノーの声を選挙で突きつけられることは必至とみた麻 生自民党政権は、いま選挙の引き延ばしに汲々としています。  そのため、「景気対策」を大上段にふりかざせば市民は反対しな いだろうと、「補正予算成立」の次は「景気対策」と声を大にして 叫びはじめています。それだけではありません。来年1月に期限を むかえるインド洋派兵・給油新法延長の国会決議を強行しようとさ えしています。  いまや、麻生自民党政権は選挙引き延ばしのために、さまざまな 口実を見つけだすという末期的状態にあります。  市民を愚弄する麻生政権の悪あがきを許さず、衆議院選挙で自民 党にノーをつきつけましょう。 ◇油断せず、共謀罪を廃案の運動をすすめよう─────  麻生政権の選挙引き延ばしのなかで、衆議院選挙は11月中旬以 降、いやことによれば、年末年始選挙もありうるという状況にあり ます。  衆議院法務委員会ではいま7つの法案が継続審議になっていま す。そのうち内閣提出法案は共謀罪等新設法案のみで、あとは全て 議員提出法案です。  麻生政権による選挙の引き延ばしというなかで、法務委員会の開 催もありえます。気を引き締め、油断することなく共謀罪審議入り 反対・廃案の運動を推し進めていきましょう。  10・14インド洋派兵・給油新法延長反対国会前行動に参加しよう。 ────────────────────────────── ■集会報告■ ────────────────────────────── ◆9/30 院内集会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  共謀罪に反対する市民と議員の院内集会  三浦事件と共謀罪  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  9月30日(火)午後12時30分より、衆議院議員第二議員会館で40 数名が参加して「共謀罪に反対する市民と議員の院内集会」が行わ れました。  今回の集会では、米国で殺人と共謀罪容疑で逮捕されている三浦 和義さんに関するロス郡地裁の決定をうけ、改めて三浦事件とアメ リカの共謀罪の関係が問題となりました。 ◇賛成者の「落選」を─────  集会は先ず、民主党参院議員で現在、法務委員の今野東議員の報 告から始まりました。今野議員は共謀罪に反対するために法務委員 に就任したと述べ、共謀罪に反対する市民は選挙に向けて、現職議 員への共謀罪の賛否を問うアンケート調査を行い、条件付賛成者を 含めてそれらの議員の落選を目指そうと語ってくれました。 ◇ロス郡地裁における共謀罪取り扱いの問題点─────  次に、「三浦事件」について新倉修さん(青山学院大学教員)は 先日のロス郡地裁の決定を批判しました。この決定は三浦さんの殺 人容疑については日本の無罪判決が適用されましたが、殺人の共謀 については、日本に共謀罪がないことを理由に米国で起訴、処罰で きるというものです。新倉さんは共謀罪のロス郡地裁の取り扱いに ついて2点指摘しました。  第1に、日本には共謀罪は無いが共謀共同正犯という形で「殺人 の共謀」も犯罪として問われ、実際に日本の捜査も「殺人の共謀」 に関して実施され、その上で最高裁の無罪判決が出されており、実 質的に「殺人の共謀」に関する判断もされていると理解すべきであ ること、第2に、日本には(殺人に関する)共謀罪に相当する法律 が無いという結論を日本の刑法の非専門家による証言を根拠にして いることです。 ◇組織犯罪防止条約批准を認めない国会決議を─────  引き続き、弁護士の山下幸夫さんも米国の共謀罪は日本以上の無 期懲役を含む重罪となり、今回の「三浦事件」はロス市警を中心と した米国当局の復讐とそれに協力する日本の法務省の連携が見られ るとし、共謀罪の怖さをあらためて市民に広く知らしめて、日本で は二度と法案が提出されることができない状況を作るべきと訴えま した。  そのためには、山下さんは共謀罪の制定根拠になっている組織犯 罪防止条約自体に反対し、共謀罪の禁止だけでなく、条約の批准を 認めないという国会決議が必要という見解を示しました。この条約 については新倉さんも批准に反対であり、現在では存在意義の無い ものとしていました。  政権交代の可能性が近づいている現在、このような議論は非常に 有意義で、今後の共謀罪廃案運動の展開に資すると期待されるもの でした。  集会のその他の発言者は以下の方々です。  寺中誠さん(アムネスティ・インターナショナル日本)、星川淳 さん(グリーンピース・ジャパン)、大束愛子さん(ふぇみん婦人 民主クラブ)、鈴木猛さん(国民救援会)、中原道子さん(VAWW- NET ジャパン)、高田健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)山 口正紀さん(三浦和義氏の逮捕に怒る市民の会)、吉村英二さん (反住基ネット連絡会)。  また、保坂展人さん(社民党衆院議員)と松岡徹さん(民主党参 院議員)の秘書も参加されました。  (文責:市民連・宮田章) ────────────────────────────── ■ニュース■ ────────────────────────────── ◆三浦元社長、ロス移送へ ◇毎日新聞 2008.10.10 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081010ddm003040003000c.html  「一事不再理」また争点  「共謀罪」解釈巡り──日本で「共同正犯」無罪  弁護側、訴追却下を要求か ◆アメリカの共謀罪:解説記事  アメリカの共謀罪および日本の共謀共同正犯との違いについて、 毎日新聞に簡単な解説が2つ掲載されています。 ◇アメリカの共謀罪  毎日新聞 2008.9.27 http://mainichi.jp/word/news/20080927dde001040021000c.html   2人以上の間で成立した犯罪実行の合意を処罰する規定。犯罪  そのものが実行されなくても、犯罪に至る外的行為が立証されれ  ば有罪となる。カリフォルニア州刑法では、重い罪の共謀罪は重  罪そのものと同じ処罰が可能で、殺人の共謀罪が認定されれば、  禁固25年以上か、終身刑、死刑が適用される。   日本では刑法60条の規定で共同して実行した犯人を共犯として  処罰できるが、犯罪行為の成立が前提となり、共謀そのものを処  罰する規定はない。 ◇共謀共同正犯と共謀罪  毎日新聞 2008.10.10(記事末尾の「ことば」欄参照) http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081010ddm003040003000c.html   日本の刑法で共謀共同正犯は、2人以上が犯罪を共謀し、その  うちの誰かが実行した時に、実行に加わらなかった者も刑事責任  を問う。少なくとも1人が犯罪行為を実行することが要件。一方、  米国ではカリフォルニアなどほとんどの州で共謀罪は、2人以上  の間で成立した犯罪の合意そのものを処罰する。犯罪が実行され  なくても、計画、準備を進めたことなどを立証すれば罪に問える。   マフィアによる犯罪防止などを目的とした国際組織犯罪防止条  約が00年に国連で採択されたことを受け、政府は03年、謀議その  ものを罰する共謀罪新設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を国  会に提出した。だが「表現の自由を脅かし内心の処罰につなが   る」「捜査機関が乱用する恐れがある」などの批判も強く、現在  も立法化されていない。 ◆銃器捜査で初めての盗聴捜査  山梨県警が今年の春以降、全国で初めて銃器捜査で盗聴法に基づ く盗聴捜査を複数回行ったことが報じられています。 ◇朝日新聞 2008.10.9 http://www.asahi.com/national/update/1008/TKY200810080299.html  銃器犯罪で初の通信傍受 山梨県警、すでに数回実施 ◇共同通信 2008.10.9  銃器犯罪で初の通信傍受 山梨県警が今年実施 http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008100901000356.html ◆政府が在外米国人の私的通話を盗聴と元通訳兵らが告発 ◇CNNジャパン  2008.10.10 http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200810100005.html   米国家安全保障局(NSA)がテロ監視活動の一環と称して、外  国に滞在する米国人と国内の家族や恋人らとの国際電話を盗聴、  記録していたとの疑惑が浮上し、米議会が調査に乗り出している。 ◆電子フロンティア財団、NSA監視プログラムをめぐり米政府を提訴 ◇CNETジャパン 2008.9.19 http://www.yomiuri.co.jp/net/cnet/20080919nt15.htm   電子フロンティア財団(EFF)は米国時間9月18日、米国家安全  保障局(NSA)の監視プログラムをめぐり、AT&Tの顧客を代表し  て Bush政権を提訴した。同財団は、米政府が行っている米国民  のインターネット、電話通信に対する令状なしの監視は「極めて  違法性が高い」とし、監視プログラムの中止を求めている。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼定期購読・解除の申込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0000207996.html ▼バックナンバーはこちらから http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/ ┏━━━┓ このメルマガと市民連絡会について ┗━━━┛ 「盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連 絡会」は盗聴法反対運動のなかから広範な市民運 動の連携を目指して結成されました。現在重点的 に共謀罪反対運動に取り組んでいます。 ▼市民連絡会ホームページ http://www.anti-tochoho.org/ ▼メルマガ編集担当 小倉利丸 ────────────────────── 各地での共謀罪反対の集会やイベントなどの情報 をお寄せください。 このメルマガへのお問い合わせ、ご感想などを含 めて、ご連絡は下記へお願いします。 ▼このメルマガの連絡先 mlmag-kyoubou@alt-movements.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <第38号おわり・このメルマガは不定期発行です> ◎共謀罪を廃案に! のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000207996/index.html 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Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464-8601 GIAPPONE e-mail: iscida@nul.nagoya-u.ac.jp TEL: +81-52-789-4729 FAX: +81-52-789-4824 *--------------------------------------------------------* "[he-forum 13707] 読売新聞10/15 読売新聞2008年10月15日付 高知女子大整備を決定 「池」に3学部と大学本部…県議会 「永国寺」は存続、知の拠点に  9月定例県議会は最終日の14日、県が提出した高知女子大の再整備を含む一般会計補正予算案を原案通り可決し、橋本大二郎前知事時代からの懸案だった同大の整備計画の実施が決まった。高知工科大の公立大学法人化に関する議案も可決され、両大学は連携して計画を進める方針。県は今後、高知女子大池キャンパス(高知市池)を健康長寿県づくりの拠点、同大永国寺キャンパス(同市永国寺町)を社会貢献をする知の拠点に、高知工科大のある香美市土佐山田町を工学産業振興の拠点として、本格的に整備する。 ・・・  計画によると、高知女子大永国寺にある生活科学部のうち、健康栄養学科を学部に昇格させて池キャンパスに移転。2010年度から大学本部を池に置き、看護(入学定員80人)、社会福祉(同70人)、健康栄養(同40人)の3学部を抱える主キャンパスとする。  これに伴い、現在ある社会福祉学部棟と看護学部棟に渡り廊下でつながるA棟と、健康栄養学部が入るB棟を建設。文化学部が入る予定だったC棟は計画を取りやめる。今議会では、整備費の一部として1億1000万円が計上された。  永国寺キャンパスは、生活科学部の残る生活デザイン、環境理学科の2学科を募集停止し、文化学部(同80人)の1学部にする。同キャンパスにある高知短大は10年度時点では存続される。  さらに、高知工科大マネジメント学部などのサテライト教室を永国寺に設置することも決まった。将来は、同学部と高知女子大が連携し、新たに社会科学系学部を設置し、その場合、高知短大は廃止される可能性もある。尾崎知事は、高知女子大の共学化を打ち出しており、大学の名称変更も検討する。 "[he-forum 13708] 河北新報社説10/15 河北新報社説2008年10月15日付 地域と自動車産業/産学官連携で道を切り開け  ものづくりには夢がある。コツコツ努力し、粘り強く事をなし遂げる東北には、その土壌がある。  県境を超えた産学官の連携で東北をものづくりの拠点にし、世界に羽ばたいていこう。  11日に仙台市青葉区の東北大100周年記念会館・川内萩ホールで開かれたシンポジウム「地域と自動車産業」(主催・東北大、河北新報社、財団法人東北大研究教育振興財団)の議論は、こんな趣旨が込められているのだろう。  東北の力が今、まさに試されていると言える。  チャンスが目の前にあることは疑いない。周知の通り、トヨタ自動車の車両生産子会社セントラル自動車(神奈川県相模原市)が宮城県大衡村への本社ごとの移転を決定したのを手始めに、有力企業がエンジン、車載用電池、カーエアコンなど東北への新工場建設を続々と表明した。  特定の地域に、これほど集中して投資が行われるのは全国的にも珍しく、しかも自動車産業は2万から3万の部品から成るすそ野の広い産業だ。地元がこの好機を生かさぬ手はない。  今回のシンポジウムは、自動車産業と地域振興の在り方を探るスタート台だ。  一体、ものづくりの原点とは何か。忘れがちだったものづくりの夢、面白さが語られたのは、とても意義深かったと思う。  人間の考えたことが実際にものになる、頭の中にあるものがリアルになる。  難題が多く、一筋縄ではいかないからこそ、達成したときの喜びはとてつもなく大きい。汗と油まみれの現場だとしても、この面白さがある限りやめられない。そして、出来上がったものが人の役に立つとき、うれしさがまたこみ上げる。  ものづくりは、人の夢であり、努力、格闘の場なのであり、実にすがすがしい行為だ。  困難だから、息の長い仕事だからこそ、やりがいがあるのだろう。品質、低コスト、納期など厳しい条件が課されるだろうが、地場企業はそれに挑戦し、進出企業のパートナーとして、ともに成長、繁栄していく道を求めなければならない。  二つ目に強調されたのは連携、つながりの大切さだ。  得意技を互いに生かし、補完し合う中小・零細企業同士の連携、進出企業が地場企業に人材を送り、品質管理や生産技術を指導する連携、組み立てや部品納入などについて県境を超えて分担する連携などだ。  特に、産学連携では大学の役割について大きな提言があった。ともすれば、先端技術や次世代技術の開発にウエートを置き、地元企業の底上げに寄与した力は弱かったのではないかという点だ。産学連携の意味を再考する必要がある。  金融機関も、きらりと光る地場企業の発掘に努め、地場振興につなげてほしい。  自動車産業の相次ぐ進出は、立地というより東北の産業構造を大きく変える歴史的出来事であり、人、もの、金を循環させ、東北の発展を期したい。 "[he-forum 13709] 時事通信10/15 時事通信2008年10月15日16時47分 食育・健康づくり=新潟市、8大学と連携  新潟市は15日、市近郊の8大学と連携協定を締結した。市が各大学に業務委託する形を採り、まず「食育・健康づくり」をテーマに取り組む。  市は、2005年に新潟大、07年に県立新潟女子短大と包括連携協定を結んだ。さらに多くの大学の英知を地域に活用しようと、2大学を含む市内の8大学が9月に設立した「大学連携新潟協議会」と連携協定を結ぶことにした。  新たに連携に加わったのは、新潟薬科大、新潟国際情報大、新潟青陵大、新潟医療福祉大、日本歯科大新潟生命歯学部、敬和学園大学。  篠田昭市長と下條文武新潟大学長が協定書に署名。その後、篠田市長と8大学の学長らが握手し、協定締結をアピールした。  篠田市長は「『食育と健康』は8大学に多くの専門家がいるテーマ。市の知恵袋になってもらいたい」と期待を述べ、下條学長は「大学の枠を超え、得意分野を生かしながら地域に貢献していきたい」と抱負を話した。 "[he-forum 13710] 新潟日報10/16 新潟日報2008年10月16日付 新潟市と8大学が協定締結  新潟市は15日、市内を中心とする県内の8つの大学と連携協定を結んだ。大学の知的財産を生かして市の事業を進める狙い。2010年度までの3年間、「食育・健康づくり」をテーマに連携事業に取り組む。  協定を結んだのは新潟市内の新潟大、新潟薬科大、新潟国際情報大、新潟青陵大、新潟医療福祉大、日本歯科大学新潟生命歯学部、県立新潟女子短期大学と、新発田市の敬和学園大。  各大学と市は今後、食育学習の教材作成や、生活習慣病予防のためのプログラム開発をするほか、地元農産物の消費方策の調査、各区における生活習慣と健康状態の関連調査も行い施策への反映を目指す。市は、4事業で委託料1500万円を大学側に支払う。  8大学の代表が出席した協定締結式で篠田昭市長は「大学に知恵袋になっていただき、暮らしの質を高めたい」と期待を込め、下條文武新大学長は「得意分野を生かし、地域社会の発展に取り組みたい」と抱負を述べた。  8大学は9月に「大学連携新潟協議会」(代表・新大)をつくった。協定はこの協議会と市が締結した形。今後、大学側は自治体に限らず、民間企業などとの連携も視野に入れているという。 "[he-forum 13711] 共同通信10/16 共同通信2008年10月16日18時51分 大学病院の臨床研修また半数割れ 続く“地域格差”  来春医師になる大学生ら約8000人の臨床研修先を決める「マッチング」結果が16日明らかになり、大学病院に行く医師の割合が昨年と同じ49・1%と、4年連続で半数を割り込んだことが分かった。  都道府県別では、東京など大都市の病院が人気を集める一方、富山、島根など5つの県では募集定員に対して確保できた学生の割合(充足率)が5割にも届かないなど、“地域格差”があらためて浮き彫りになった。  日本医師会などでつくる協議会によると、マッチングに参加し、希望病院を登録した医大生は8167人。このうち7858人の研修先が決まり、内訳は大学病院が3859人(49・1%)、民間や自治体などが運営する市中病院が3999人(50・9%)だった。  都道府県別の充足率のトップは、昨年に続いて東京の91・7%。次いで沖縄(84・0%)、神奈川(80・1%)、福岡(79.9%)、京都(77・2%)、大阪(74・5%)の順。最も低かったのは富山の39・2%で、鳥取(43・3%)、長崎(48・7%)、高知(48・8%)、島根(49・5%)と続いた。  大学病院別の充足率は東大、慶応大など都市部の23病院が100%だったのに対し、東北や北陸地方を中心とする22病院で50%を切った。 "[he-forum 13712] 河北新報10/17 河北新報2008年10月17日付 医師定着へ専修コース 小児科や産科学費免除 山形大  山形大医学部(山形市)は16日、医師の減少が著しい小児科、産婦人科、救急医学、外科の専門医養成を目指し、各科の専修コースを新設すると発表した。募集対象は山形県外出身の在学生。専門医にまで育てることで、県内定着と、専門分野への医師の偏り解消を狙う。同学部によると、学部教育から専門医教育まで一貫した医師養成プログラムの編成は、全国で初めて。2009年度の開設を目指す。  文部科学省が深刻化する医師不足に対応するため、来年度の大学医学部の総定員数を大幅に増加させる方針を打ち出す中、山形大医学部は「医師の地域バランスや診療科の偏在を解消しなければ、問題の解決にはならない」(嘉山孝正・医学部長)と判断。その抜本的な対策として専修コースを設けた。  専修コースは、山形県外出身で卒業後も県内の病院で専門医教育を受けることを希望する人が対象で、4年生になる時点で選択。定員は小児科、産婦人科、救急医学が各2人、外科専修コースが4人で計10人。4年生からの3年間、授業料(年間約53万円)が全額免除される。  山形県が県内の病院に勤務を希望する学生を対象に行っている奨学金制度(年間200万円支給)にも推薦する。定員に満たない場合は2次募集を行い、県内出身者も対象にするという。  卒業後は同病院や山形県内の病院で卒後臨床研修(2年間)、専門医になるための後期臨床研修(4―6年間)を受け、専修コースと継続性を持ったプログラムで学ぶ。このため、卒業後、最低6年間は山形県内にとどまることになる。  卒業後に山形県での勤務を希望しなかった場合は、授業料に利息を加えて返還する必要がある。嘉山医学部長は「これまでは山形で学んでも、東京や仙台に人材が流出していたが、専門医の教育を受ければ、山形に定着する可能性がかなり高くなるだろう」と期待している。 "[he-forum 13713] 共同通信10/17 共同通信2008年10月17日21時48分 日弁連、3法科大学院に不適合 山梨学院、東海、京都産業  法科大学院認証評価機関の日弁連法務研究財団(東京、理事長・新堂幸司東大名誉教授)は17日、2008年度上期に評価した7校のうち山梨学院大、東海大、京都産業大の法科大学院3校を「不適合」と判定した。これまでに全国の法科大学院計74校のうち31校が同財団などの評価を受け、不適合は計8校となった。  評価結果によると、山梨学院大は定期試験で合格点に達しなかった学生に実施される再試験で、定期試験と同一問題を出題し、全員に単位取得を認めたケースなどがあり「厳格な成績評価が阻害されている」と指摘された。  東海大は民法、刑法などの法律基本科目の授業に続けて、同じ教員主宰の「自主演習」があり、実質は新司法試験対策となっているとして「カリキュラムの基本的な制度設計に誤りがある」と判断された。  京都産業大も学生の履修が法律基本科目に大きく偏り、各科目群をバランスよく履修できるよう配慮されていなかったという。 "[he-forum 13714] 日本経済新聞10/19 日本経済新聞2008年10月19日付 教育費、高校・大学で1人平均1023万円 年収の56%の世帯も  日本政策金融公庫は同公庫の教育ローンを利用した世帯を対象にした教育費の実態調査の結果をまとめた。高校入学から大学卒業までにかかる教育費は子供1人当たりの平均で1023万円。世帯年収に占める教育費の割合は平均34%で、年収が200万円以上400万円未満の世帯では56%に達していた。  調査は同公庫が200万円以内で教育資金を貸し付ける「国の教育ローン」の利用世帯のうち、1万490件を対象に実施。2753件から回答を得た。  授業料や通学費、教科書代など、在学中の子供にかかる年間費用は高校で92万5000円、大学では150万4000円。国公立大は104万9000円、私大は159万7000円で、約1.5倍の開きがあった。 "[he-forum 13715] 日本経済新聞10/18 日本経済新聞2008年10月18日付 東北6県の大学発VB、07年度10.8%増127社 経産局調べ  東北経済産業局がまとめた2007年度の大学発ベンチャー企業に関する基礎調査によると、東北6県に本社を置く大学発ベンチャー企業数(3月末時点)は127社で、06年度比で10.8%増えた。ただ、回答企業の約7割が資金不足に陥っていると答えており、ベンチャーが資金調達に苦慮している現状が浮かび上がった。  直面する経営課題について聞いたところ、資金調達に加え、販路開拓と人材の育成・確保を挙げる企業が多かった。新規株式公開した企業数は依然としてゼロで、同局は「販路拡大などの面でベンチャー企業の支援を一層充実させていきたい」(根井寿規局長)としている。  ベンチャー企業数を東北にある出身大学別にみると、東北大学の56社が最多で、全国の大学でも7位。全国の公立大で最も多かった会津大学の25社が続いた。 "[he-forum 13716] 産経新聞10/17 産経新聞2008年10月17日付 近畿の14大学などがコンソーシアム設立へ 科学技術立国・日本を支える人材育成目的に  医学、工学の高度な知識・技術をもち、科学技術立国・日本を支える人材育成を目標に、大阪大学、関西大学など近畿地方の14の大学、研究・医療機関が、学部や学校の枠組みを超えた教育プログラムを提供する「臨床医工情報学コンソーシアム(連合体)関西」を、近く設立する。コンソーシアムでは手始めに、武庫川女子、関西、大阪電気通信など5大学が平成21年度に工・薬学部などの学部生を対象に始める共通講座を、支援する。  現在、生命科学や医療の分野では、コンピューターによるシミュレーションなど工学系、情報科学系の知識・技術が不可欠。科学技術分野での日本の国際競争力を高める観点からも、分野をまたがった幅広い知識をもつ研究者が求められている。コンソーシアム代表に就任する大阪大臨床医工学融合研究教育センターの倉智嘉久センター長は「先端分野で働く人材を育てる新しいシステムにしたい」と意気込みを語る。  コンソーシアムで行う共同教育の原点になったのは、大阪大が平成17年度から始めた「社会人再教育プログラム」。企業研究者や医師、大学院生を対象に、医療現場で必要とされる情報処理など工学系の知識や、反対に工学系研究者に求められる医学の知識を提供しており、毎年約500人が受講している。  今回、同プログラムで培ったノウハウを、5大学に提供。学部生という、より早い段階から職業に直結する異分野の知識・技能を提供し、プロの研究者、職業人育成を目指す。共通講座は座学だけでなく、実習や演習も多く含み、5大学はそれぞれ、単位認定する。  また、コンソーシアムでは、専門教育だけでなくすべての学問のバックボーンとなる「教養教育」や、女性人材の育成、高校など初等・中等教育機関との連携も視野に、活動の範囲を広げる。  倉智センター長は「高度な知識・技能をもった職業人育成は、日本という国にとっても重要な課題であり、異分野に触れることで、学生の感覚も変わる。近畿の大学が連携する基盤としてコンソーシアムを発展させ、すべての意欲ある若者に最高最先端の教育を提供したい」と話している。      ◇  大学コンソーシアム 複数の大学が、情報交流や産学連携推進など共通の目的に向け設立する組織。全国大学コンソーシアム協議会には40組織が加盟。エリアごとに設置しているものがほとんどで、都道府県の枠を超えた大学コンソーシアムは少ない。 "[he-forum 13717] 河北新報10/17 河北新報2008年10月17日付 人材・資金確保に悩み 東北の大学発ベンチャー  大学・高専の研究を生かして設立された東北のベンチャー企業が、人材や資金、販路開拓に悩んでいることが16日、東北経済産業局が発表した「2007年度大学発ベンチャー企業基礎調査」で分かった。資金面では特に、研究開発や設備投資の資金不足を訴える声が多い。  直面する経営課題(複数回答)で最も多かったのが「販路の開拓、顧客の確保」(77.4%)と「資金調達」(同)。これに「人材確保・育成」(74.1%)が続いた。  資金確保については単一回答で、32.3%が「研究開発費で資金不足を感じている」とし、22.6%が「設備投資で資金不足」と答えた。「資金は十分」は9.7%にとどまった。  ベンチャー・キャピタルについては、61.3%が「支援を受けていない」と回答。22.6%が「支援を希望しているが、実現していない」とし、「出資を受けている」は9.7%のみだった。  07年度に東北で新設された企業は8社。内訳は東北大関連が4社、岩手大関連が2社、福島県立医大といわき明星大関連が各1社。  東北と全国の大学発ベンチャー企業の推移はグラフの通り。東北は07年度末で127社となり、地域別では関東(744社)、近畿(352社)、九州(170社)に次いで4番目に多かった。  調査は08年2、3月に全国の大学発ベンチャー企業1506社を対象に実施。うち東北は114社を対象に調査し、回答率は27.1%だった。 "[he-forum 13718] 朝日新聞10/20 朝日新聞2008年10月20日付 「おもてなし」でもトップ級に 東大病院、猛勉強中(1/2ページ)  東京大学医学部付属病院(東京都文京区)が「おもてなし」の姿勢を身につけようと取り組んでいる。医療水準はトップ級でも、患者に接する態度に気を配ってこなかったという反省からだ。国立大学も法人となり、サービス精神が求められる時代。「親方日の丸」体質の改善を目指す。  マナーや対話術などを学ぶ「接遇(もてなし)講座」はこの2年半で約50回を数える。看護師を中心にのべ3千人以上が参加した。例えば、こんな内容だ。  良いマナーの普及を担当する外来接遇係の看護師が2枚の写真を示して解説する。  「左はやぼったくみえます。右は身だしなみが整い、すっきりして頭がよさそう。できるスタッフという印象を与えます」  続いて講師として招かれた化粧の専門家が、自然なメークと清潔な髪のまとめ方を指導した。最後に、栄木実枝看護部長が「人は見た目が9割と言います。患者に印象のよい看護師でありたいと思います」と呼びかけた。  東大病院は06年4月、「接遇向上センター」を発足させた。法人化で民間と同じような病院運営を迫られるなか、患者との接し方を問題視する声が出たからだ。「医療レベルは大学病院のトップを切ってきた自負があるが、患者に親切であったかというとお役所的な部分があった」とセンター長の大内尉義教授。「民間病院ではイメージアップの取り組みに予算を付けるのは当たり前。今さらと言われるかもしれないが、時代の流れを受けての見直しです」  診察に待ち時間はつきものだが、最初に一言、「お待たせしてすみません」と言えているか。患者の顔よりパソコン画面のカルテを見てばかりの診断説明になっていないか。そんな接し方一つが病院の評価につながるという意識に欠けていたという。  センター設立のきっかけには、「気持ちよく受診してもらえば治療効果も上がるはず」という期待もあった。  講座のほか、笑顔やあいさつ、身だしなみの基本をまとめた冊子を職員に配布。特別講師に、乳がん患者の経験をもつ元テレビ朝日アナウンサーの山口容子さんや映画監督の山田洋次さんを招き、「心の通った人とのつきあい」を語ってもらった。好感度の看護師を投票するコンテストも実施する。  医師の参加が少ないのが課題だが、外来担当の看護師は「まだまだだけど、言葉遣いとか患者への対応が少しずつ変わってきた」と話す。  昨秋から院内の売店で「サンキューカード」(40円)の販売を始めた。ポストカードの形式で、気持ちのよい思いをした相手にメッセージを贈って励ましにしようという試み。職員間のやりとりが主だが、患者からの反応も期待しての売店販売だ。月に100枚ほど売れているという。(井上恵一朗) "[he-forum 13719] 読売新聞110/20 読売新聞2008年10月20日付 女子教育の伝統 連綿と 奈良女子大学 久米健次さん 古都から情報発信  男女の共同参画が叫ばれるはるか昔から、優れた女性を社会に送り続けている奈良女子大学。東のお茶の水とともに国立女子大の双璧(そうへき)を成す。全入時代の激風にさらされる女子教育トップランナーの生きる道は? 来年の創立百周年を前に、久米健次学長に聞く。 (聞き手は本多宏・科学部長)  ――国立の女子大学の存在意義とは。  前身の女子高等師範学校時代は教員養成という明確な目標がありましたが、現在は必ずしもそうではありません。特に2004年の法人化後は自ら問い続けていますが、少子高齢化、グローバル時代に活躍する女性を育てるという強い意識があります。  ――大学院での研究者や高度専門職業人の養成にも力を入れていますね。  理科系の大学院では男性が多いため、女性が遠慮しがちです。その点では、女性が積極的に学び、人材のすそ野を広げることに貢献してきたと自負しています。旧7帝大などに比べ、大学院の規模は大きくありませんが、例えば、数学と物理専攻の修士課程修了者数は、国公私立大全体の女性修了者の1割以上を占めるという調査もあり、一定の役割を果たしています。  ――古都奈良を生かした教育を重視しています。  教室での座学と同時に、現場を知りながら学ぶ動機を持たせるのが大きなテーマです。人材育成と地域の様々な資源を結びつけたいと思っています。生活環境学部の学生らがアイデアを出し、奈良漬の入ったアイスクリームやサブレなどの新商品を開発した「奈良漬プロジェクト」は大変話題となりました。  生活文化や歴史、景観などを3学部が協力して幅広く学ぶ「生活観光」にも取り組んでいます。昨秋の正倉院展では、スタンプラリーの印字面デザイン、町家での研究発表などを学生が企画しました。学生たちが学びながら、奈良からの情報発信に貢献しています。  ――大学の国際化への取り組みは。  奈良はシルクロードの東端でもあり、アジア全体を対象に見据えています。大学間の国際交流協定もアジア中心に進め、30校のうち、17校がアジアの大学です。大学院生の1割以上が中国、韓国、台湾などからの留学生で、強い結びつきができつつあります。  また、タリバンの支配で荒廃したアフガニスタンの復興には女子教育が重要との観点から、02年より国内の女子大5校が国際協力機構(JICA)と協力し、女性教員らを短期研修に招いたり、国費留学生を受け入れたりして積極的にサポートしています。  ――研究面でも海外に視野を広げていますね。  01年に設置した共生科学研究センターでは、紀伊半島から東アジアを視野に入れた広域的な環境変動に関する研究を行っています。05年に設けた「アジア・ジェンダー文化学研究センター」は、女性の高等教育を発展させるための研究拠点です。インドやパキスタン、新疆ウイグル自治区など広い地域で生活文化を調べています。  ――卒業生の結束が強い印象があります。  「佐保会」をはじめとした同窓会活動が活発です。生涯の友人として、家庭と仕事の両立など様々な苦労や喜びを分かち合い、支え合っていることには感激します。ただ、裏を返せば、社会をリードする人材を育成するという教育目標の実現が道半ば、とも言えます。大学として卒業生を含めたキャリア支援ができないかを模索しています。  ――学長のリーダーシップとは。  小規模な大学で教職員も少ないので、大学の隅々まで把握し、情報や意識の共有に努めています。「現場を忘れないトップダウン」が理想です。ただ、現場の事情がわかるだけに、急激な改革はやりにくい面があり、学長の危機感が伝わらないこともあります。  ――最近の学生をどう見ていますか。  堅実でまじめなのは変わりません。昔に比べ、企画の提案や説明などが上手です。ただ、少し控えめな面があります。高い潜在能力があるのですから、貪欲(どんよく)に頑張る人がもっと増えてほしいと思います。 くめ・けんじ  鳥取市出身。京都大理学部卒。奈良女子大理学部助手、助教授を経て、1992年に教授。副学長などを歴任し、2003年から現職。専門は原子核物理学。59歳。 "[he-forum 13720] 山陽新聞社説10/20 山陽新聞社説2008年10月20日付 法科大学院 厳しい自己改革が必要だ  法科大学院の現状に不安を抱かせる結果が、また明らかになった。法科大学院の認証評価機関である日弁連法務研究財団は、二〇〇八年度の上期に認証評価した七校のうち三校について、設置基準などを一部満たしていないとして「不適合」と判定した。  法科大学院の認証評価機関は同財団など三つあり、各校は五年に一回、評価を受けることが義務づけられている。不適合とされると、文部科学相が対象校に報告を求め、必要な改善指導をする。  現在、法科大学院は七十四校あり、今回を含めて三十一校が評価を受け計八校が不適合となった。割合は約26%に上り、実に四校に一校が運営などに問題があったことになる。  法科大学院は〇四年以降、全国各地に創設された。時代とともに司法へのニーズが多様化する中、法曹人口を増やして法的な思考力だけでなく、幅広い教養や人間味を兼ね備えた質の高い法律家を育成するというのが設立理念になっている。  「身近で開かれた司法を目指す」という司法制度改革の一環だ。今回の評価では、学内での成績評価が甘かったり、バランスの悪いカリキュラムを組んでいたことなどが問題として指摘された。  こんな状況で期待される法曹養成機関としての役割が、きちんと果たせるのか。残念ながら懸念を覚えざるを得ない。  法科大学院については、厳しい自己改革が求められるような課題が相次いで表面化している。当初は修了者の70―80%が新司法試験に合格すると想定されたが、〇六―〇八年の合格率はそれぞれ48%、40%、33%と下がり続けている。  さらに定員割れや教員不足の法科大学院も少なくない。最高裁の報告書は、新司法試験の合格者が中心となった最近の司法修習生に関して「実力にばらつきがあり、下位層が増加している」と分析した。  法科大学院の質向上策を検討している中教審大学分科会の法科大学院特別委員会は先月、各校の自主的な定員削減や統廃合などを推奨するという中間報告をまとめた。文部科学省と法務省は、これを基に各校へのヒアリングを実施し、年内にも改善策を出すよう求めるという。  学校によって事情は異なるだろうが、まず定員規模に応じた質の高い教員を確保した上で、指導内容を充実していくことが不可欠である。志願者や社会の信頼を得るためにも、これまでの取り組みをしっかり検証し改革を進める必要があろう。 "[he-forum 13721] 日刊工業新聞10/20 日刊工業新聞2008年10月20日付 国連大学、2010年にも東大、早大などと共同大学院を開設  国際連合大学は2010年にも東京大学、早稲田大学などとの共同大学院を開設する。国連大は東京に本部を置き研究を手がけるが、学部や大学院の学位取得の教育はしていなかった。日本の大学にとっては学生が“国連大・東大卒”などと名乗れ、全世界14カ所の国連大の拠点を活用できるのが魅力。国連大を窓口に、アフリカなど日本が手薄な地域とつながる日本の“教育外交”が進む点も注目されそうだ。  国際連合(国連)機関の一つである国際連合大学は、東大をリーダーとするサステイナビリティ学研究機構(IR3S)と7月に持続可能な開発分野で連携協定を結んだ。これを受けて参加大学の一部と、文科省が2010年度実施で準備中の共同大学院制度を活用することにした。候補は国連大本部(東京都渋谷区)と行き来しやすい東大、早大と茨城大、さらに国連大高等研究所と生物多様性で連携する横浜国立大学だ。対象は日本の参加大学学生と留学生になる。 "[he-forum 13722] 読売新聞秋田10/17 読売新聞秋田版2008年10月17日付 ≪医療ルネサンス≫秋田大に地域医療推進学 県費初の寄付講座  秋田大は今月1日から、医学部に「総合地域医療推進学講座」を開設した。県は医師確保対策と位置付け、講座にかかる費用を寄付する。県費による「寄付講座」は初めて。  講座では、〈1〉様々な病気の患者を総合的に診療できる「総合医」の養成〈2〉都市部と農村部の間で生じている医療機関や設備の格差を是正し、都市部に偏在する医師を適正配置する研究〈3〉秋田大が県内の基幹病院と連携し、学生らを大学と病院で交互に実習させる「循環型医師養成システム」の構築に向けた研究――などに取り組む。  講座は2012年度末までの期限付きで設置する。  県は、人件費や研究費など講座に要する費用として、今年度は1750万円、次年度からは毎年3500万円を大学に寄付する。  秋田大の本橋豊・医学部部長は「大学を出た後、地域に残って地域医療をできるような医師を一人でも多く育てていきたい。まずは、総合医の養成プログラム研究に力点を置きたい」と話す。  講座を担当する同大の長谷川仁志教授(循環器内科)は「いかに研修医や学生に実力をつけさせることができるか。それが秋田の医療を支えるメンバーを増やすことにつながる。学生も研修制度も日本一にしたい」と語る。  県は秋田大に対し、毎年4月末までに研究成果の報告を求め、成果を県の医療施策に反映していく考えだ。  谷田部知一・県健康福祉部長は「地域医療の確保、充実は県政の重要課題。医師確保、都市と農村の問題など講座への期待は大きい」と話している。 "[he-forum 13723] 朝日新聞10/20(2) 朝日新聞2008年10月20日付 企業寄付金受けると「研究結果に影響」2割 厚労省調査  全国の大学医学部・薬学部の教授を対象に厚生労働省研究班がアンケートをしたところ、製薬企業から奨学寄付金を受け取れば、その企業が有利になるよう判断に「バイアス(偏り)が生じる」「やや生じる」と答えた研究者が2割いたことがわかった。  奨学寄付金は企業から教育研究の奨励を目的に大学などに贈られ、研究者や分野を指定されることもある。  研究班(研究代表者=長谷川隆一・国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部長)は8~9月、全国の国公私立大学の医学部・薬学部から無作為に選んだ43学部の会計担当者と教授215人に調査票を送り、33学部の担当者と教授112人から回答を得た。  「奨学寄付金を受け取っている場合に判断にバイアスが生じるか」との質問に、「生じる」と答えた教授は3.6%、「やや生じる」が17%。「生じない」は67.9%だった。情報公開を求められた場合の対応は、3割に当たる10学部が「企業名、金額ともに非公開」とした。  薬害オンブズパースン会議の水口真寿美弁護士は「バイアスを2割もの人が自覚的に感じるということは重く受け止めるべきだ。情報公開の姿勢も不十分。大学と研究者、企業は積極的に社会に説明していく必要がある」と言う。  インフルエンザ治療薬タミフルの副作用についての厚労省研究班で昨年3月、所属する大学教授らの講座が、この薬の輸入販売元から多額の奨学寄付金を受けていたことが判明。同省はメンバーを研究班から外している。(立松真文) "[he-forum 13724] 毎日新聞福島10/21 毎日新聞福島版2008年10月21日付 公立大中期目標検討委:知的財産活用など求める報告書提出  県立医大と会津大の中期目標を調査検討してきた県議会の「公立大学法人中期目標調査検討委員会」(渡辺敬夫委員長)が20日、「NPOや民間団体との連携」などを盛り込んだ報告書を遠藤忠一議長に提出した。  中期目標は、両大学の公立大学法人化にあたり、06~11年度の6年間で達成すべき業務運営目標を定めたもので、県が05年度に策定した。県は見直しを進めており、県議会も独自に検討してきた。  報告書では、地域貢献のため、両大学に知的財産の活用に積極的に取り組み、知的財産の管理体制を整備するよう求めたほか、県立医大に対して▽医師派遣の充実強化▽中期計画にできるだけ数値目標を設定する▽会津統合病院の付属化の明示--などを要求している。渡辺委員長は「医師派遣に関し市町村枠を設けてほしいとの意見もあった」と話した。【西嶋正法】 "[he-forum 13725] 北海道新聞10/21 北海道新聞2008年10月21日付 道工試と北大が協定 新産業創出へ共同研究 施設利用や人材交流  北大大学院の工学研究科と情報科学研究科は二十日、道内のものづくり産業振興やIT技術など新産業創出を目指し、道立工業試験場と連携・協力協定を結んだ。協定に基づき、共同研究に取り組むほか、相互の研究施設利用や人材交流を通して連携を強化する。  北大と道工試はこれまでにも、個別のテーマでは協力してきたが、今後は道工試の職員が大学で専門的な研究に携わったり、学生が道工試でより実践的な実験に取り組むことが考えられるという。  「研究成果に対する評価を組織的に行うことで評価はより確かになる」「道内企業から道工試に技術的な相談があった場合、より広いネットワークを活用し答えることができる」などと官学連携への期待は高まっている。 "[he-forum 13726] 北海道新聞10/22 北海道新聞2008年10月22日付 道内3大学、食の安全・安心テーマ 文科省の連携支援事業 【江別】国公私立大学間の連携を図る文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に選ばれた酪農学園大と北大、帯広畜産大は二十一日、江別市の酪農大で記者会見し、「食の安全と安心」をテーマに人材育成に取り組む事業の概要を発表した。  三大学が取り組むのは「食の安全・安心の基盤としての地域拠点型教育研究システムのネットワーク形成」。事業期間は本年度から二〇一〇年度までの二年半で、総事業費は、二億五千万円を見込む。  三大学が研究成果を持ち寄って、農学や食品偽装などを戒める倫理学など総合的な「食の安全・安心基盤学」の教育プログラムを作成。恵庭市や富良野市など道内八自治体にサテライト教室を開設し、プログラムに基づいて生産者や農協職員ら地域で農業に携わる人に授業を行って、食の安全・安心を推進する「マイスター」を養成する。  また、地場型食品生産の振興に向け、無農薬・有機栽培など環境に優しい循環型農業の実践例を食品加工業者に情報提供する。  酪農大には同日、連携の拠点となるエクステンションセンターを開設した。十一月二十六日にセンター設置記念のシンポジウムを札幌で開く予定。 "[he-forum 13727] 読売新聞広島10/22 読売新聞広島版2008年10月22日付 工業高と大学 連携し成果…広島 情報通信技術で研究会発表も  広島市立広島工業高校は、広島市立大などと連携して情報通信技術の研究を行い、大学や企業の研究会で発表するなど成果を上げている。  「緊張したけれど、企業でも通用するレベルと言われびっくりした」。東京大で先月19日に行われた情報通信技術のシンポジウムで、自分たちで開発したマラソン大会の自動記録計測システムを発表した情報電子科3年の川浦貴文さんは充実した表情だった。  同高は2003年から、市立大、広島大と連携し、インターネットを中心とした情報通信技術の教育に取り組んでいる。きっかけは市立大から、ネット経由で家電を制御する機器を作ってほしいと依頼されたことだった。「我々はソフトウエアは専門だがハード作りは苦手。ものづくりが得意な工業高校に協力をお願いした。高校生と大学生が共同で作業することで互いに大きな刺激にもなった」と、同大の前田香織教授(49)は説明する。  当初は大学生に仕組みを習いながらだったが、生徒らは技術を次々と習得。ロボットの遠隔操作や市内各地に設置した気象観測装置のデータ回収と表示システムなど、内容は次第に高度になった。  06年度には、専門高校の特徴ある教育を支援する文部科学省の「目指せスペシャリスト」事業にも選ばれた。今年2月の校内マラソン大会に向け、無線タグを使ったタイムの自動計測システムに取り組み、ほぼ自力で開発した。大会では446人の参加者の99%の読み取りに成功した。  05年に製作した二酸化炭素濃度の計測装置の結果は、市役所などに自動配信されて表示され、市民の意識啓発に役立っている。  プログラミングなどの基礎は授業で習うが、製作や実験は放課後を利用して、自主的に取り組んでいる。「自分たちのアイデアが形になり、成果として出ることでやる気と自信が出る。好奇心や遊びが、最高の学びだと実感している」と、指導する谷口和久教諭(43)は話す。  シンポジウムに招待するなど活動を支援している東京大の江崎浩教授(45)は「高大連携でここまで成果を上げているのは珍しい。他の地域でも取り組みが広がるよう後押ししたい」と話している。(吉田典之) "[he-forum 13728] 中日新聞10/22 中日新聞2008年10月22日付 富山市と富大 官学連携強化へ協定 人材交流や共同事業 依頼窓口を一本化  富山市と富山大は二十一日、教育や研究、まちづくりなどさまざまな分野で協力し、地域の発展に役立てようと人材の交流や共同事業など連携を強化する協定書を交わした。同大が地方自治体と包括的な協定を結ぶのは、二〇〇五年の県に続き二回目。 (対比地貴浩)  同大によると、これまで市と大学がそれぞれ協力を依頼する場合、個人レベルで交渉することが多かった。互いに窓口を一本化することで、スムーズに協力し合えるようにする。  市役所での調印式で、西頭徳三学長は「教員個人が市の委員会に参加することはあったが、これを契機に交流が組織的になる」とあいさつ。市職員の講義、産学官によるベンチャー企業や新事業の支援など既に実施中の活動をさらに広げ、人材育成の取り組みを共同で行うことなどを提案した。  森雅志市長は「人口減少時代に入り、行政も今まで通りにはいかない。研究・教育機関である大学と連携すれば、市全体の活力につながる」と意義を強調し、情報交換を呼び掛けた。協定の有効期間は同日から五年間。 "[he-forum 13729] 毎日新聞10/22 毎日新聞2008年10月22日付 記者の目:ノーベル賞4氏受賞、うれしいが…=河内敏康  08年のノーベル賞は、日本人3氏と米国籍の南部陽一郎氏が受賞する快挙となった。物理と生命科学の基礎分野の功績が世界に認められたもので、一見「科学立国・日本」の底力を見せたかのように映る。だが、彼らの研究は30年以上も前に完成していた。決して日本の科学研究の現状を反映したものではない。目先の成果ばかりを追う今の実利研究重視の風潮が続くようなら、日本の科学研究の将来はおぼつかない。  ノーベル賞を担当した私にとって、今年は落胆から始まった。素粒子ニュートリノの質量発見で、物理学賞の最有力候補に挙がっていた戸塚洋二氏が今年7月、亡くなったためだ。  それだけに、物理学賞で南部、小林誠、益川敏英の3氏同時受賞の一報を聞いた時は言葉にならないほどうれしかった。興奮冷めやらぬまま、翌日には下村脩(おさむ)氏の化学賞受賞が飛び込んできた。生命科学分野では不可欠な「道具」の基になるたんぱく質を発見した功績。下村氏を探し出し、評価したノーベル委員会の眼識に感服した。  なぜ彼らの研究がすばらしいのか。私は、彼らの発見そのものが、知りたいと思う人間の欲求に根ざし、いちずにそれを突き詰めた成果だからだと思う。  南部、小林、益川3氏の研究は、根源的かつシンプルな問いから発している。「質量はなぜあるのか」「宇宙にどうして物質が存在するのか」。こうした疑問は、誰でも一度は考えたことがあるかもしれない。ただ、たいていの人はあきらめてしまう。下村氏も「なぜ生物は光るのか」という好奇心から始まっている。  暗いニュースばかりの中、「ノーベル賞に4氏」は、多くの日本人を勇気付けた。「日本の科学の底力」と前向きにとらえたい気持ちは分かるが、喜びにひたっているだけでは駄目だ。益川氏も受賞後会見で「30年も前の話」と指摘した。  なぜ、喜びに水をさすような解釈をするのか。それは、こうしたすばらしい研究が今後も日本で続出するとは思えないからだ。  理由は二つある。まず、教育システムだ。益川氏は子供のころから数学や理科に非凡な才能を発揮したが、英語をはじめ文科系の科目はからっきし苦手だったという。秀でた研究者を生み出すには、異質を許容する教育も必要だろう。だが、今はすべての教科の成績がおしなべてよくなければ認められない。テストの点に基づく偏差値で大学を決めている。  小林氏は、名古屋大の坂田昌一博士が提唱した新しい素粒子模型を新聞などで知り、坂田研究室の門をたたいた。今の学生に同じような主体性があるだろうか。ある大学関係者は「今の子供たちは自分の興味で勉強を始める前に、偏差値であきらめてしまう。卒業後もこの考えが抜けきらないほどだ」と嘆く。  より深刻なのは、日本の科学研究のあり方だ。成果を重んじるあまり、研究の中身や取り組む姿勢が小粒になってはいないだろうか。今の科学研究は、執筆した論文数が評価の尺度の一つになっている。「ネイチャー」や「サイエンス」など有名雑誌に掲載されれば評価も高い。評価は次の研究費の獲得に直結する。研究者は論文がたくさん書けるよう、成果の出やすい研究テーマを選ばされている。  益川氏がかかわった論文は約30編しかない。受賞対象となった小林、益川両氏の論文の投稿先も日本物理学会誌で、世界から見ればマイナーといえる。  さらに、将来の産業化が見えやすい研究テーマほど優遇される傾向が潜む。例えば、再生医療をはじめ応用科学のビッグプロジェクトには多額の研究資金が投入されている。優れた成果が生まれ、本当に人の役に立つことを期待しているが、研究分野が同じだからという理由で巨額の資金が投入されるケースもあるようだ。一方、基礎研究への支援は先細り気味だ。基礎から応用まで幅広く与えられる科学研究費補助金は毎年増加傾向にあるが、採用数は応募の約4割しかない。そのうち数学と物理系はわずか約5%だ。それを補う形で使うことができる大学の運営費交付金は毎年約1%削減されている。  ある研究者は「研究は多様性の基に発展がある。今の科学行政は近視眼的で、応用科学ばかりにお金がいく」と指摘する。下村氏のように基礎研究の分野では、応用など全く考えてもみなかったものが突然、花開くケースは少なくない。  今回のノーベル賞を機に、目先の成果に惑わされない、じっくり腰を据えた基礎研究への支援や、日本の研究を支える次世代の子供たちを育てる教育のあり方の見直しが求められる。(東京科学環境部) "[he-forum 13730] しんぶん赤旗10/24記事 2008年10月24日(金)「しんぶん赤旗」 石井衆院議員が質問主意書 博士課程修了者 就職確保と研究条件改善を  日本共産党の石井郁子衆院議員は二十三日、「大学院博士課程修了者 の就職確保と研究条件改善に関する質問主意書」を提出しました。現 在、大学院博士課程修了者(年間約一万六千人)のうち半数が就職でき ず「高学歴ワーキングプア」など社会問題化しています。  主意書は、ヘルシンキ工科大学で工学博士の学位を取得し、イギリス でポストドクターとして研究を行ってきた五十歳の研究者が、帰国後研 究職がなく非常勤講師で生計をたてながら無給で研究を続けている例な どを紹介。研究職確保の方策と研究条件の改善を求めています。  国立大学の法人化後、教育研究費に当たる運営費交付金が六百二億円 削減され、これは一橋大学規模の大学が十校なくなったに等しいと指 摘。運営費交付金の削減と人件費削減の押しつけをやめるべきと迫って います。企業による採用者の確保と教師や公務員の増員による採用の道 も求めています。  週十五コマの授業を持たなければ生活が維持できないという非常勤講 師の異常さも指摘。専任教員との「同一労働同一賃金」の適用を求め、 非常勤講師を専任教員として採用することが身分の安定につながるとし ています。  いまの状況では基礎研究分野での将来のノーベル賞の受賞は「夢のま た夢となりかねない」と、OECD(経済協力開発機構)加盟国で最も 低い高等教育にたいする公的支出をOECDの平均なみに引き上げるこ とを求めています。 "[he-forum 13731] 時事通信10/22 時事通信2008年10月22日18時5分 院生の就活、遅らせて=国立大8校、工学部長らが声明-経団連にも要請  修士課程の大学院生の就職活動早期化が教育・研究を妨げているとして、東大、京大など国立大の工学部長らで構成する8大学工学部長会議は22日、企業による採用活動を2年生の4月以降にすべきだとする声明を発表した。同日、日本経団連に提出した。大学側からも1年生に活動自粛を徹底させる。  声明では、就職活動が1年生の夏ごろから始まると指摘。半年以上になる場合があり、内定者の拘束も長時間にわたるという。早くから就職活動に巻き込むことで、博士課程への進学などの選択肢を奪っているとの危機感も訴えた。 "[he-forum 13732] 毎日新聞島根10/23 毎日新聞島根版2008年10月23日付 弁護士:定着へ新制度 島大大学院法務研究科、優秀者の授業料免除  山陰地域の弁護士の地域定着を図ろうと、島根大(本田雄一学長)は来年度から大学院法務研究科の成績優秀な入学者5人程度の、入学料と授業料を免除する制度を新設した。島根、鳥取両県の高校や大学などを卒業した入学者に限る山陰地域枠3人と一般枠2人を、入試成績と、入試とは別に実施する面接で選抜する。  同大大学院法務研究科は04年4月に設置された。定員は30人で、06年司法試験に1人、07年は3人、今年は4人が合格。8人の合格者のうち5人が山陰の高校や大学などを卒業している。  免除制度の期間は3年間。継続要件として、7段階で示した科目評価の平均点GPAが、2年次と3年次において前年次2・0(成績評価Bで70~74点)以上とされている。【御園生枝里】 "[he-forum 13733] 読売新聞10/24 読売新聞2008年10月24日付 社会人向け大学専門講座 最新の看護技術など人気  再就職やキャリアアップに役立つ勉強をしたいという社会人を対象にした「履修証明プログラム」が今年度、スタートした。秋にも千葉大看護学部で始まるなど国立では14大学が導入。人気も上々のようだ。  学校教育法の改正により可能になった制度で、背景には、従来の公開講座などでは物足りなく、より高度な講座を求める社会人側の要望と、少子化時代に対応して新たな学生を集めたいという大学側の狙いがある。  履修できるのは、大学入学資格のある社会人。看護や農業など専門分野を選び、知識や技術を習得する。120時間以上の講義や演習、実験を義務づけ、修了者には証明書が交付される。  千葉大では看護学部に想定を超える受講希望者が集まった。元看護師ら64人の応募者の中から、書類審査で選ばれた23人が今月1日、最新の看護技術や知識を学び始めた。受講生は12月中旬までに計360時間、在宅ケアシステムやリハビリテーションに関する講習を受ける。病院などでの実習も予定。同大によると、受講者は出産などで離職中の人や結婚を機に看護師を辞めた人がほとんどという。  プログラムを統括している吉本照子教授(看護学)は「充実した講師陣や病院などとのネットワークがある大学だからこそ、体系的に学べるカリキュラムを組むことができる。修了生たちは、再就職すればきっと戦力になるはず」と自信を見せる。  各大学のプログラムは、おおむね数か月程度で修了。計14日間という短期のカリキュラムをつくった鹿児島大の林業生産専門技術者養成コースなどもあり、仕事を抱えた社会人でも、受講することができる。  社会人教育に詳しいNPO法人「産学連携推進機構」(東京都千代田区)の妹尾(せのお)堅一郎理事長は、「大学に通うことが不可能な社会人に新たな扉を開いた。専門的に学習することができるし、看護など人手不足の分野では人材確保にもつながる」とメリットを強調。「潜在的なニーズはもっとあるはずなので、大学側は多様な講座を開設して、社会人に学び直しの機会を提供してほしい」と呼びかけている。(渡辺光彦) "[he-forum 13734] 読売新聞10/23 読売新聞2008年10月23日付 四国4県の8大学 講義を相互にネット配信 得意分野を結集 2011年度「四国学」手始め  四国4県の国私立8大学は22日、講義をインターネットで配信し、各大学で学生が同時に受講するシステムを導入すると発表した。2011年度に4県の歴史や文化を学ぶ「四国学」を開講し、将来は通常の授業に拡大、単位も取得できるようにするという。「大学全入時代」の到来を間近に控え、優秀な人材を確保するのが狙いで、地域に根ざした〈サイバー・キャンパス〉で生き残りを目指す。  参加するのは、香川大(香川県)、徳島大、徳島文理大、鳴門教育大、四国大(徳島県)、高知大、高知工科大(高知県)、愛媛大(愛媛県)で、この日、準備を進める組織「e―Knowledge(イー・ナレッジ)コンソーシアム四国」の設立総会を高松市の香川大で開き、各大学から計約40人が出席した。  設立趣意書などでは、50年に四国の人口は現在の約400万人から約280万人に減少すると予測され、「全国の高校生に四国の大学に入学したいとの思いを抱かせる工夫が求められる」と指摘。各大学が得意としている分野を集結させれば、入学希望者の増加が期待できるとしている。  この日の総会では、遍路道の歴史・文化や徳島県の阿波藍、黒潮文化圏など、各大学が取り組んでいる研究テーマを講義する「四国学」を、インターネット授業の第1弾とすることを決めた。今年度中に講義内容を検討して専用のホームページを開設し、09年度以降に試験講義を行う。  「四国学」に続いて、農学、医学、工学、経済学などについても、インターネットで授業を相互に公開するほか、生涯学習教育でも活用するという。会長に就任した角田直人・香川大理事は「各大学が連携し、講義内容を充実させたい」と述べた。 "[he-forum 13735] 四国新聞10/23 四国新聞2008年10月23日付 8大学「四国学」確立へ/情報技術活用し講義共有  四国の8大学が情報通信技術により、郷土に関する講義のコンテンツを共有する「e―Knowledgeコンソーシアム四国」の設立総会が22日、香川県高松市幸町の香川大であった。瀬戸内海や遍路、水問題などをテーマにした各大学の講義を「四国学」として確立し、学生が受講できる環境を整備。四国への理解を促し、地域で活躍する人材を育成するのが狙い。来春からの試験運用を計画している。  同事業は、▽四国に根付き、専門的知識により地域貢献する人材の育成▽全国に四国の魅力を発信する―などを目指す取り組み。文部科学省から本年度の戦略的大学連携支援事業として採択された。  総会には、コンソーシアムを構成する香川大と徳島大、鳴門教育大、高知大、四国大、徳島文理大、高知工科大、愛媛大の理事ら約40人が出席。会長に選出された香川大の角田直人副学長が「質の高いコンテンツの構築と人材育成で成果を挙げ、全国に普及する内容にしたい」と意欲を示した。  計画では、四国の資源の魅力や地勢、文化などに関する教養教育科目群「四国学」と、地域の課題に取り組むための専門教育科目群を併せて「四国の知」として構築。インターネットを使った双方向の同時講義やパソコンでの受講も可能とし、単位互換も実施する方針。  教養教育科目は、瀬戸内海や遍路、水問題、産業など地域性のある既存の講義の整理ほか、新設も検討。専門教育科目では、各大学の強みを生かせる共同講義を設けることも検討しているという。 "[he-forum 13736] 共同通信10/22 共同通信2008年10月22日20時12分 通勤手当2億6千万円が節約可能 大学職員など  会計検査院は22日までに、国立大学などが交通機関を利用する職員に支給した通勤手当について、支給額の算定基準が不適切として、2006、07両年度で計約2億5902万円が節約できた、と指摘した。  指摘額が最も多かったのは京都大の約1億1206万円。ほかに九州大、三重大など計6大学と大学共同利用機関法人「自然科学研究機構」(東京都)、厚生労働省所管の独立行政法人「労働者健康福祉機構」(川崎市)が、両年度で約5300万-約700万円の節約が可能と指摘された。  検査院によると、国は04年、一般の会社の大半が最も安い6カ月定期券を基に通勤手当を支給している実態を踏まえ、支給額の算定基準を1カ月定期券から6カ月定期券に変更。  しかし、京都大などは、年度途中の採用や退職、転勤により返納などの事務手続きが煩雑になるとして、1カ月定期券の価格のまま算定を続けていた。  検査院は「算定基準を一般の社会情勢に適合するよう定めなければならない」と改善を求めた。 "[he-forum 13737] 時事通信10/23 時事通信2008年10月23日13時48分 大日本住友製薬、大阪大学と共同研究を開始=精神神経分野で  大日本住友製薬は23日、統合失調症やうつ病など精神神経分野において、11月から大阪大学と共同で創薬の基礎研究を開始すると発表した。同大学大学院の医学系や薬学研究科など5講座と連携し、「精神神経創薬コンソーシアム(略称:ネディック)」を設立。大阪大学では遺伝子レベルでの研究が進んでおり、産学連携で早期に新規創薬のターゲット創出を目指す。第一期の研究期間は08年11月から11年10月までの3年間で、同社は約3億円を投じる。 "[he-forum 13738] しんぶん赤旗10/20インタビュー記事 2008年10月20日(月)「しんぶん赤旗」 4つのノーベル賞と日本の科学・技術の未来 学問 じっくり育てて 先細る基礎研究への投資 総合研究大学院大学教授 池内 了さん  南部、小林、益川の三氏のノーベル物理学賞、下村氏の化学賞のそれ ぞれの受賞でわが国の基礎研究の水準の高さと、重要な役割にあらため て光があてられました。しかし、足元の基礎研究をめぐる状況はどうで しょうか。総合研究大学院大学教授の池内了さんに寄稿してもらいまし た。(グラフとその説明は編集局) 写真 (写真)いけうち・さとる 1944年生まれ。専門は宇宙論、科学・ 技術・社会論など。著書に『科学者心得帳』『禁断の科学』ほか。  本年のノーベル物理学賞が南部陽一郎、小林誠、益川敏英 の三氏に、化学賞が下村脩氏に授与されることになった。日本の基礎科 学の実力が世界一流であることが示されて喜ばしいことである。特に、 科学を目指す若い人への励ましになれば、先輩からのこの上ない贈り物 になるだろう。  しかし、科学の現状を見るにつれ、喜んでばかりいられない気分にな る。 光当たる分野  日本は「科学技術創造立国」の旗を立てて科学技術振興のために大盤 振る舞いをしており、第三期に入った科学技術基本計画では五年間で二 十五兆円を投資することになっている(これとてもアメリカや中国の予 算に比べれば少ないのだが)。日本の未来は科学技術の底上げが必要と ばかり、緊縮予算が続く中での異例の措置なのである。  とはいえ、この基本計画の重点分野が情報技術・生命技術・新素材・ 環境とあるように、応用的な技術に偏っており、現在光が当たっている 分野ばかりである。目先の利益しか考えられていないのだ。その煽(あ お)りを食って、長期の視野に立つ基礎科学への投資が先細りという現 状にある。  研究の主体を担う国立大学では、二〇〇四年の法人化以来、経常研究 費に充てるべき運営費交付金は年々減らされ、累計で5%減になった。 人件費と教育費は削ることができないから、研究費に回る分には雀(す ずめ)の涙ほどでしかない。日常の研究の遂行に困難を来す事態になっ ているのだ。  削減分は「競争的資金」に回され、文部科学省が募集する予算に応募 しなければならない。その結果、大学教員は論文を量産することに追わ れるようになった。研究論文という業績がなければ予算が獲得できず、 研究が続行できなくなるからだ。「論文を書くか、さもなくば破滅」と いう事態が現実に進行しているのである。このような事態が続けば、大 きな構想を時間をかけて花開かせる研究が立ち枯れていくことは目に見 えている。 経済論理優先  さらに、企業などからの外部資金が獲得でき、特許が取れる研究、つ まり「役に立つ」研究が大学に求められるようになった。大学に経済論 理が持ち込まれているのだ。それによって、文化にのみ寄与する地味な 分野や、すぐに役に立つわけではない基礎科学分野はわきに追いやられ 衰亡し始めている。基礎的な科学が豊かな土壌を作り、その上に応用分 野の花が咲くことが忘れられ、ひたすら短期的な成果のみが求められて いるのだ。  いずれも国の科学技術政策がもたらした歪(ゆが)みである。金を投 じていることが、むしろ研究を貧しくさせているのは皮肉なことと言え よう。五十年で三十人のノーベル賞獲得という目標を掲げているが、こ のような状況が続くと、それは夢のまた夢となってしまうだろう。  本年のノーベル賞の業績は一九六〇―七〇年代になされたこと、好奇 心からの基礎的な研究であること、この二点を忘れるべきではない。六 〇―七〇年代は、まだ大学は貧しかったが(そのため南部・下村両氏は 渡米されたのだが)、自由な雰囲気と基礎研究を重んじる気風があっ た。少ないが研究を持続できる経常研究費もあったのだ。その過去の遺 産が今脚光を浴びているのであって、現在の科学技術政策がもたらした ものではない。  もうそろそろ役に立つことばかり求めず、じっくり学問を育てること に政策転換すべきではないだろうか。このままの状態が続けば国の科学 力は衰えるばかりであり、気づいたときは取り返すことが不可能になっ ているかもしれない。 基礎研究費 日本は最低  『科学技術白書』(2007年版)によると、主要国の研究費の性 格を比較しています。民間の研究を含むものの、研究費総額に占める基 礎研究の割合は日本は最低です。白書も「我が国は基礎研究の割合が低 い」と書いています。 グラフ 大学の予算 毎年削減  国立大学の運営費交付金(08年度、1兆1813億円)は、教員 数などに応じて国から支給されており、教職員の人件費や光熱費はじめ 教育・研究の基盤的経費を含んでいます。2004年の法人化以降、 毎年削減され、削減額の総額は602億円にのぼります。私立大学 も国庫助成を毎年削減されています。さらに自公政権は、来年度の交付 金を3%削減しようとしています。 グラフ 貧困な高等教育への公的支出  日本の高等教育にたいする公的支出は貧困です。GDP(国内総生 産)比で欧米の半分しかお金を出していません。 グラフ 雇用・収入 劣悪な若手研究者  ノーベル物理学賞の対象は小林、益川両氏の場合、二十代、三十代の 業績。研究者として歩み始めたころです。今の若手研究者の状況はどう でしょう。  たとえば理工系で博士号取得者は年間五千五百人で、研究職などに就 ける人は千五百人に過ぎません。政府が一九九〇年以来、「大学院生の 倍増」政策をすすめたものの、教員の人員増や大学・研究機関の予算の 抜本的拡充など大学院生の急増にみあう、当然の施策をしてこなかった ためです。非常勤講師や、一年から五年の短期契約の研究者「ポストド クター(ポスドク)」など短期雇用の職につくことを余儀なくされ、最 近では博士課程への進学者が減少する事態です。  ポスドクは現在約一万六千人にものぼります。十月の文科省調査(一 千六百人)によると、平均年齢は三十三歳で、職名は「特別研究員」 「博士研究員」など百種類を超えるほど多様な雇用形態。非常勤が4 2%で、月給の平均額は税込みで三十万六千円。二十万円未満が1 3%、十万円未満も6%いました。  国立教育政策研究所の理系高学歴者の調査では、ポストドクターは 「将来の見通し」に対する強い不安感から、調査対象の約一割強に抑う つ状態が認められ、メンタル面への支援が必要と指摘しています。 グラフ "[he-forum 13739] 沖縄タイムス10/26 沖縄タイムス2008年10月26日付 非常勤の講義大幅減/琉大外国語/交付金減で方針 講師は反発  琉球大学で外国語の非常勤講師が担当する講義数が早ければ来年度から大幅に減少することが分かった。二十五日に那覇市内で開かれた「大学等非常勤講師ユニオン沖縄」の総会で報告された。ユニオンは、十一月の団体交渉で、大学当局に説明を求めることにしている。  現在、琉球大学では外国語講師陣の担当時間数の約75%を非常勤が担う。大学側はこれを50%まで減らす方針を示している。  非常勤講師からは「経費節減で講義のコマ数を減らすのはおかしい」「語学教育の後退につながるのでは」と不満の声が上がっている。  二十二日に同大で開かれた英語の非常勤講師対象の説明会で、大学側は国からの交付金が年々減額され、経営が厳しい状況を説明。カリキュラム編成で、二〇〇九年度共通英語教育から非常勤講師の講義数を現在の半分にすると伝えた。  女性非常勤講師の一人は「予算が厳しいからと、急にコマ数を減らされると生活が苦しくなる」と訴えた。  同大の平啓介副学長は本紙の取材に対し、「学生が自発的に語学を学べるようにカリキュラムを編成する。専門科目で、学生個々が専門英語を学べるようにしたい」と語った。  同大は、〇四年度の国立大学法人化以降、国からの交付金が毎年約一億円ずつ減額されている。 "[he-forum 13740] 山形新聞10/27 山形新聞 2008年10月27日 16:58 大学新設認可を文科省に答申 準備不足で不可1校  大学設置・学校法人審議会は27日、国公私立の延べ67校が予定し ていた2009年度の大学や学部、大学院などの新設を認めるよう文部 科学省に答申・回答した。うち大学の開設は11校だった。  これとは別に、通信教育で「文化振興政策の研究」をするとしていた 文化政策・まちづくり大学院大(京都市、定員25)は、教員、設備面 などで準備不足と判断され、認められなかった。開設不可の答申は3年 ぶり。  来春開校の11大学のうち、千葉県立保健医療大や新潟県立大など5 校は短大からの改組。愛知県立大は愛知県立看護大と統合、学部などの 再編で新組織に移行する。  大学院の新設は、埼玉、石川両県立大など8校。大学では学部設置が 13校、学科が3校。短大では新設が4校、学科が3校、通信教育の開 設が1校それぞれ認められた。教職大学院は、山形大と聖徳大が認めら れ、これで21校となる見通し。  日本保健医療大(埼玉県)など4校は、大学や大学院研究科などの新 設申請を取り下げ、南九州大(宮崎県)が予定していた人間発達学部設 置など13校の申請は保留となった。 "[he-forum 13741] しんぶん赤旗10/28 2008年10月28日(火)「しんぶん赤旗」 国立大病院 6割赤字 病院長 「医療の質低下」危ぐ  全国に四十五ある国立大学付属病院の六割以上の二十八病院が赤字状 態に陥っていることが二十七日、国立大学付属病院長会議の調べでわか りました。また、国立大学協会のアンケートでは、「医療の質および安 全性が低下する」と危ぐする病院長が八割以上にのぼることも判明しま した。国立大学付属病院長会議は同日、臨時総会を開き、政府にたいし て予算拡充などの対策を要望しました。  同会議によると、赤字の大きな要因の一つは、国の財政支援策である 運営費交付金の大削減です。同交付金のうち、病院関係の交付金は二〇 〇四年度に五百八十四億円でしたが、〇八年度には三百九億円へと約五 割も削減されました。削減された二百七十五億円は、二十八病院の赤字 合計七十六億円の三・六倍にのぼる額です。  資金繰りが苦しくなった各病院は、より多くの患者を受け入れて収入 の確保をめざしました。その結果、医師・医療従事者に過重労働として のしかかり、臨床研究や教育活動に支障が生じています。また先端医療 のための投資にも十分な予算が確保できなくなっています。  国立大学協会のアンケート調査によると、病院長の82%が「医療の 質および安全性が低下する」、93%が「非採算的な高度診療機能が低 下する」と回答。「医師確保が困難になる」は91%にのぼります。 「臨床系講座の研究機能」については全員が「低下する」と回答しまし た。 "[he-forum 13742] 石井郁子衆議院議員10/23質問主意書 大学院博士課程修了者の就職確保と研究条件改善に関する質問主意書 右の質問主意書を提出する。 平成二十年十月二三日                              提出者  石井郁子 衆議院議長 河野洋平 殿 大学院博士課程修了者の就職確保と研究条件改善に関する質問主意書 ノーベル物理学賞を南部陽一郎氏、小林誠氏、益川敏英氏が受賞、続い て化学賞を下村脩氏が受賞するなど、日本の基礎研究の水準の高さが世 界に示された。しかし、これらの成果は一九六〇年から七〇年代の研究 が評価されたものである。一方で、現在の基礎研究がおかれている貧困 な研究条件のもとで将来もノーベル賞受賞者がうまれるのか疑問の声が 各方面からよせられている。研究の主体を担う国立大学は小泉構造改革 のもと法人化され、以来、基礎的教育研究費や人件費である運営費交付 金が毎年減らされ、また教職員の人件費削減が押しつけられている。そ して即成果につながる研究にたいして予算が重点的につけられるなかで 「基礎研究の将来が危ぶまれる状態」が続いている。また、大学院の博 士課程を卒業しても研究職のポストがなく非常勤講師や短期雇用のポス トドクター(博士号取得後の任期付き研究奨励制度を受けている人)に つくことを余儀なくされ、「高学歴ワーキングプア」とさえいわれる事 態が進行している。 このような事態は我が国の基礎研究の衰退をまねくとともに学術・研究 の豊かな発展を阻害し、社会的基盤を損なうものといわなければならな い。基礎研究分野での将来のノーベル賞は「夢のまた夢」になりかねな い。このような現状を改善するため長期的視野にたち基礎研究を重視す るとともに人を育てる政策へと転換することが求められている。 そこで今回は研究者養成とりわけ大学院博士課程修了者の就職確保と研 究条件改善について以下質問する。 一、今年「日本物理学会誌」(六月号)に「ある非常勤講師の場合」 (勝木渥著)という一文が寄稿された。それには研究職につくことがで きず非常勤講師をつづけながら無給で研究を継続している五〇歳の人が いるという痛ましい例が紹介されている。日本の研究者のおかれている 現状を告発するものであり紹介したい。 一九八二年国立大学の信州大学で固体物理学を学び卒業したT氏は東北 大学修士課程で低温物理の実験系の研究室に所属した。一九八八年三月 から九二年三月までの四年間フィンランドのヘルシンキ工科大学低温研 究室で研究員として超流動ヘリウム3の研究を行い工学博士の学位を取 得、九二年三月から二年間イギリスのランカスター大学でポストドク ターとして超流動ヘリウム3の研究をおこない九四年三月に帰国した。 帰国後研究職もなく一〇年余にわたり複数の大学の非常勤講師を勤め、 それで生計をたて東京大学物性研究所(柏市)で無給の外来研究員とし て研究を続けている。 首都圏の四つの大学で一週間に一五コマの授業をこなしその合間をぬっ ての研究である。年間四五〇万円の収入しかなく、その上国民年金や健 康保険料が全額自己負担である。しかもその授業コマ数が次年度確保さ れる保障もなくきわめて不安定な状況におかれている。一週間に一五コ マをうけもつことは国立大学の専任教員ではありえないし、私立大学で は六コマが標準的である。このように生活を維持するため非常勤講師の 仕事におわれながら長期にわたって研究を続けるということはあまりに も過酷といわなくてはならない。このような例はけっして特異なもので はない。 政府は能力のある研究者がこのような状態で研究をつづけなくてはなら ない実態をどう認識しているか。 二、もう一つ例をあげたい。国立大学のK大学理学部生物学科を卒業し たKさんは東京大学の理学部動物学専攻に入り博士課程を修了した。博 士課程修了後に理化学研究所のライフサイエンスのポスドクを四年間つ とめその後アメリカの大学に二年間留学した。帰国後大学の公募に願書 を提出しても職はなく、現在常用型派遣会社の労働者として働き、東京 のある大学で専門外の電池開発にたずさわっている。月々手取り二五万 円で、多額の奨学金の返済もあり苦しい生活という。この方は「派遣会 社の技術社員としてただ生きている」だけで、「三四歳の時点で研究者 としては死にました」「こんな働き方なら、博士号をとる必要はなかっ た」と述べている。 政府は、博士課程を修了してもその高度な知識と能力をいかす場がなく 派遣会社の技術社員として生活しなければならないというのでは社会に とっての大きな損失と考えないか。 三、大学院の博士課程修了者(約一万六千人)のうち半数近くが就職で きず、今社会問題化している。政府が一九九〇年以来「大学院の倍増」 政策をすすめたものの、教員の増員など博士が活躍できる場を確保して こなかった責任は大きい。 大学や行政法人まかせにする態度はゆるされない。政府として若手研究 者にたいする研究職確保の方策をどのように考えているのか。また、若 手のみならず、若い頃適切な研究職につけなかった研究者(おおむね五 〇歳以上)に対する研究職確保の方策はどのように考えるか。 四、政府はポストドクター支援の拡大をはかってきたというが、文部科 学省の調査でさえ平均給与は月額三〇万六千円にしかすぎず、一年から 五年の契約期間をすぎれば引き続き就職が確保される保障もない不安定 な状況におかれている。安定的な就職を確保する抜本的施策がもとめら れるが政府として、具体的にどのようなことを考えているのか。 五、この間の国立大学法人の運営費交付金削減また五年間で五%の人件 費削減の押しつけが退職教官の定員不補充など教育・研究職の確保、拡 大を困難にしている元凶となっている。この五年間での運営費交付金の 削減額は六〇二億円で一橋大学規模の大学が一〇校無くなったに等し い。この四年間の国立大学法人の人件費削減による教職員の削減数を年 度毎にあきらかにしてもらいたい。 六、国立大学の運営費交付金の削減、人件費削減の押しつけをやめない かぎり教育・研究職の確保・拡大は困難である。政府として運営費交付 金については増額する、人件費削減はやめると言明すべきだがどうか。 七、若手研究者の就職難を解決するためには企業による博士課程修了者 の採用を増やす必要がある。平成二〇年六月四日の文部科学委員会で私 の質問にたいして森口政府参考人は「今後とも若手研究者の採用を一層 すすめてもらうよう働きかけていきたい」と答弁していたが、いつどの ように働きかけ何人の就職確保拡大につながったのかも具体的に明らか にされたい。企業による採用をふやすための来年度以降の取組について 具体的に明らかにされたい。また、他の先進国に比べても少ない教師や 公務員の増員をはかるとともに博士の採用の道を拡げるようにすべきだ がどうか。 八、また同日の質問にたいし、森口参考人はテニュアトラック制(ポス ドク後に研究職が保障される制度)導入に向けた支援、科学技術関係人 材のキャリアパス多様化促進事業など進めていると答弁していたが、ど の大学で何人テニュアトラック制が実施されているのか具体的に明きら かにされたい。今後テニュアトラック制による雇用創出をどれだけ生み 出していくのか具体的に明らかにされたい。 九、キャリアパス多様化促進事業がどのように取り組まれどのような成 果をあげているか具体的に明らかにされたい。博士の就職難は科学技術 分野だけではない。この事業の対象を人文・社会科学系にも拡げるよう にすべきだと思うがどうか。また採択機関を抜本的に増やすこと、機関 間の情報交換、連携・交流を強化すべきではないか。 十、先に大学非常勤講師の例をあげた。非常勤を一五コマ受け持って四 五〇万円の手取りではあまりにも安すぎるし専任教員との格差が激し い。一五コマ受け持たなくては生活が維持できないような状態を改善す るため、時間単価を引き上げる必要がある。文部科学省として目安をし めすべきだがどうか。専任教員との「同一労働同一賃金」の原則を適用 した場合、非常勤講師の一コマ給与をどれだけ確保すべきだと考えるか。 十一、また大学の教育の相当な部分を非常勤講師に依存していることも 問題である。先に例としてあげたT氏が授業を受け持っている国立大学 では非常勤講師数が専任教員数より上回り、教員数は非常勤講師四に対 し専任教員三という割合だった。 政府として、大学教育において非常勤講師が占める割合についてどのよ うな認識をもっているのか。これまで調査をおこなったことがあるの か。さらに今後調査を行う意思があるのか。 十二、非常勤講師は調整弁としてつかわれており人権上の問題でもあ る。このような安上がりの教育ではなく、非常勤講師が研究者として活 動でき、生活が保障されるよう専任教員として採用し身分の安定をはか るべきだがどうか。 十三、大学院博士課程入学者数は、志願者の意思や受け入れ側の条件な どから、分野や年度によって変動するのが自然であり、画一的に定員充 足率で評価することは大学院教育にとって適切ではない。大学院の定員 制度の柔軟化をはかるべきだと考えるがどうか。 十四、高等教育費にたいする公的財政支出が、OECD諸国の平均はG DP比で一.一%であるのにたいし、我が国のそれは〇.五%にしか過 ぎない。このことが日本の高等教育の教育と研究にさまざまなゆがみを もたらしている。高等教育費に対する公的財政支出を諸外国並にひきあ げ、抜本改善をはかるべきだがどうか。 右質問する。 "[he-forum 13743] 時事通信10/27 時事通信2008年10月27日16時46分 大学、短大15校に開設認可=看護系が多数  大学設置・学校法人審議会は27日、私立弘前医療福祉大(青森県弘前市)など大学11校、短大4校について、2009年度の新設を認可するよう塩谷立文部科学相に答申した。うち大学6校は短大からの改組や大学統合に伴う開設。計15校の中で9校が看護学部・学科を置く。  設置審は2大学での教職大学院新設も了承。今年度スタートした同大学院は21校となる。  一方、通信教育制の文化政策・まちづくり大学院大(京都市)については、教員組織、施設などが不十分で開設を認めなかった。  教職大学院3校は解決すべき問題があるとして、審査を12月まで継続する。ほかに大学1校、高等専門学校1校が開設申請を取り下げた。  大学経営が厳しくなる中で新設が相次いでいるが、文科省大学設置室は「03年度からは基準さえ満たせば開設を認める運用となった。少子化時代の高等教育のあり方は中央教育審議会で議論される事項だろう」と話している。  開設を認可、了承した大学、短大などは次の通り。  【公立大】千葉県立保健医療(千葉市)▽新潟県立(新潟市)▽愛知県立(愛知県長久手町、名古屋市)  【私立大】弘前医療福祉(青森県弘前市)▽日本赤十字秋田看護(秋田市)▽東都医療(埼玉県深谷市)▽こども教育宝仙(東京都中野区)▽東京有明医療(東京都江東区)▽びわこ学院(滋賀県東近江市)▽大阪保健医療(大阪市)▽広島都市学園(広島市)  【私立短大】仙台青葉学院(仙台市)▽有明教育芸術(東京都江東区)▽貞静学園(東京都文京区)▽平成医療(岐阜市)  【教職員大学院】国立山形(山形市)▽私立聖徳(千葉県松戸市) "[he-forum 13744] 時事通信10/28 時事通信2008年10月28日11時04分 一橋、慶大が連携=EU研究大学院軸に  一橋大学と慶応大学は28日、学部・大学院同士の単位互換、事務職員の人事交流など大学間の連携を進めるとした協定を締結した。欧州連合(EU)の研究を行う共同大学院設置の計画を軸に、他分野へも協力関係を広げる。  記者会見した一橋大の杉山武彦学長は「それぞれ自主独立の人材を送り出してきたという共通点がある」と述べ、相性の良さを強調。慶応大の安西祐一郎塾長は「両大学が組めばアジアでトップのEU研究と教育が推進できる」と述べた。  共同大学院は2011年度以降に設置する。欧州における国家の経済的、政治的な統合を研究し、アジアでの実践などに応用する。 "[he-forum 13745] 時事通信10/27(2) 時事通信2008年10月27日20時37分 改善なければ大学名公表=奨学金延滞で  文部科学省は27日、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金の返済が2割以上滞っていることに関し、延滞状況の改善が進まない大学は名称などの公表に踏み切る方針を決めた。厳しい措置を講じることで、各大学の取り組みを強化させるのが狙い。2009年度から実施する。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)財政投融資分科会で明らかにした。   支援機構の奨学金は、国が民間から調達した財政融資資金を主な財源として、各