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    全大教中央執行委員会声明
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    03/12 17:16
    学校教育法、国立大学法人法等の改正案の十分な審議を求めます --認証評価の強化による均一化と行政の介入への道、 国立大学アンブレラ方式による経営の論理の優越に反対します-- 2019年3月12日 全国大学高専教職員組合中央執行委員...

    全大教からのお知らせ

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    2019/03/12

    全大教中央執行委員会声明

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    学校教育法、国立大学法人法等の改正案の十分な審議を求めます
    --認証評価の強化による均一化と行政の介入への道、
    国立大学アンブレラ方式による経営の論理の優越に反対します--

    2019年3月12日
    全国大学高専教職員組合中央執行委員会


      現在開会されている第198回通常国会に、政府は、「人づくり革命」を進めるためとして、大学関連の4法律案を提案しています。この中には、大学の認証評価の仕組みと位置づけを変更することや、国立大学の法人統合を可能とすること等が盛り込まれており、それぞれに重大な問題が含まれています。
      一法人複数大学方式は、以前から政府・文科省内で国立大学を減らす方策として検討されてきていました。政府が法人化以降、運営費交付金の削減により財政環境と教育研究条件の悪化をまねき、国立大学法人は将来への不安に駆られて複数大学連携の選択を余儀なくされている側面があります。今後も運営費交付金の確保がなされないのであれば、法改正によって一法人複数大学を可能としても危機的状況は変わりません。国立大学が国民の期待に応え発展していくためには、基盤的経費を増額し充実させなければならず、高等教育へのGDPあたり公財政支出がOECD加盟国中最低水準という現状を変えていくことこそがまず必要です。
      これらの重大な法案が、国会において非常に短時間の審議で決定されようとしています。以下、これら法案がもっている問題点を指摘し、慎重かつ開かれた議論を、時期を限ることなく十分に行うことを求めます。


    絵文字:マル 認証評価の仕組みと位置づけの変更について
      大学の認証評価は、各大学が自己評価に加えて第三者機関による評価を受けることで、大学自身による経営や教育研究活動の改善につなげるものと位置づけられてきました。今回の法案(学校教育法改正案、国立大学法人法改正案)では、認証評価の制度中に評価基準への適合の認定を義務付けることが盛り込まれ、文部科学大臣が不適合の大学に対して報告又は資料の提出を求めることとされています。
      この提案されている新しい認証評価制度は、従来の、大学相互の評価にもとづき改善の道を歩む、という位置づけを大きく変更し、大学の現状が評価基準に適合しているか否かを問い、かつ文部科学大臣による不適合大学への介入を実質上認めるものとなっています。
      認証評価制度に適合認定を組み込み行政の介入を認めることは、それぞれの大学が適合認定を目標に置かざるを得ない状況を生み、経営と教育研究活動を、独自に責任をもって展開していくことの支障になります。日本の大学から個性が失われていき、認証評価機関による評価基準に徹底的に縛られた大学が残る事態も予想されます。国立大学については現行法制下において、国立大学法人評価委員会が実施する法人評価にあたって教育研究活動の状況を評価する機関として独立行政法人大学改革支援・学位授与機構(以下、機構)が指定されています。改正法案により法人評価と認証評価の紐づけが強くなります。機構は運営費交付金により運営されており、また人事的にも政府と非常につながりが深い組織です。評価基準と評価の実施に、政府からの影響が強まる可能性は否定できず、国立大学における経営と教育研究活動の自律性の後退、大学自治の危機を招きます。


    絵文字:マル 国立大学のいわゆるアンブレラ方式の導入について
      提案されている国立大学法人法改正案の目玉は、一法人複数大学方式、いわゆるアンブレラ方式に道を開くとともに、一法人一大学の法人でも理事長を置くことができることとすることです。
      そもそも一法人複数大学制度自体が、国立大学において経営の論理が教育と研究に優越する状況を作り出し、学生のひとりひとりの学びや、教員による自由な研究による学術の発展を難しくするものです。法案によれば、一法人のもとに置かれる複数の大学の教育研究に関する重要事項を審議するための教育研究評議会(以下、評議会)は、当該の各大学に置かれる仕組みです。このこと自体は、教育研究活動が経営の主体である法人ではなく大学にあることを制度的に担保するものです。今回のアンブレラ方式(一法人一大学の場合も含む)が採られた場合にも、経営と教学の分離は厳格に守られなければなりません。しかし、改正法案の中の評議会の構成には大きな問題があります。
      一法人複数大学方式を採る法人やこの方式を準用する一法人一大学の法人では、理事長が置かれます。一法人複数大学方式が、国立大学法人の経営基盤強化の観点で導入されるのですから、理事長は明らかに経営に責任をもつトップです。その理事長が、教育研究現場の審議機関である評議会に評議員として出席する制度設計となっています。この仕組みでは、法人組織では個別大学の長よりも上位の理事長が評議会に同席し意見を述べる中で教育研究の重要事項を審議することとなり、経営と教学の分離が不十分です。学生の視点に立った教育と、学問の自由に立脚し個々の研究者の発想に基づく自由な研究が保障されなくなるおそれがあります。
      法案では、法人にひとつ置かれた学長選考会議が学長(=法人の長=理事長)と傘下のすべての大学の学長(名称は大学総括理事)の選考に関わることになっており、傘下の大学に対する法人理事長の強大な権力が発生することにつながります。
    また、法案は、一法人複数大学に道を開くだけではなく、一法人一大学の法人でも理事長を置くことができることとされています。全国の国立大学が、上述したような重大な問題点を抱える大学になっていく可能性をも秘めたものです。
      外部理事を置く場合の理事の員数の規定の変更も改正法案で提案されていますが、「大学修学支援法案」での外部理事複数任命を機関要件とすることとあいまって、理事長が民間から選考された場合にはとくに、理事会における民間出身者の比率が非常に高くなり、経営の論理の優越を著しくする道を開きます。


    絵文字:マル その他
      その他、国立大学法人法改正案は、一法人一大学が前提で構成された現行法に無理やり複数大学方式を導入しようとすることにより、たとえば「学長」の呼称ひとつとっても、現場に重大な混乱を引き起こすものとなっています。複数大学を傘下に置く法人の長が、いずれの大学の長も兼ねないときだけは「理事長」と呼ぶがそれ以外は「学長」と呼ぶ、また傘下の大学の学長は学校教育法上の学長の役割ではあるが、国立大学法人法では「大学総括理事」と呼ぶ等の混乱があります。傘下の大学の学生・教職員からすれば、「うちの大学の学長は『学長』じゃあなくって大学総括理事なんだって、」などというおかしな話になります。法案が現場に即して十分に練られていないことのひとつの証です。


    絵文字:マル まとめ
      認証評価制度の変更は、大学にとっては自律的な独創的な改革を行いにくくし、一律の評価適合を目標とする、改革とは名ばかりの組織いじりを誘導するものになります。そうした動きを、行政が監視し介入する道筋を準備しています。
      一法人複数大学方式(アンブレラ方式)の導入は、それ自体が教育研究に対する経営の優位を国立大学に持ち込むものであるところ、特に今回の法案の制度設計は、理事長が傘下大学の教育研究や人事に強大な権限をもって介入することを許す点で、自由な教育研究に基づく学術の発展を阻害するおそれが非常に強いものです。
      このような重大な法案が、国会においては一括で、非常に短時間の審議で決定されようとしています。国会では、以上指摘した問題点を真剣に取り上げ、慎重かつ開かれた議論を、時期を限ることなく十分に行うことを求めます。


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