(衆議院・参議院 総務委員宛)
要請書(衆議院・参議院 総務委員宛). 2011年6月20日
衆議院・参議院 総務委員会
委 員 各 位
全国大学高専教職員組合
中央執行委員長 中 嶋 哲 彦
国家公務員給与引き下げ法案の廃案を求める要請書
貴職が大震災の復興にご尽力されていることに敬意を表します。
政府は6月3日、国家公務員給与を3年間にわたり5%~10%引き下げる法案を国会に提出しました。この法案は、次のような重大な問題があるとともに、私たち国立大学・高専教職員に大きな影響を及ぼすものです。
政府は、国家公務員の労働基本権を剥奪した「代償措置」が人事院勧告制度であるとしてきました。その人事院勧告制度によらず、国家公務員組合と公務員の合意を得ずに引き下げを決定したことは、何重にも公務員の権利を侵害する憲法違反の暴挙です。
さらに、閣議決定において、教職員が非公務員である国立大学・高専にも「自律的・自主的な労使関係の中で」といいながらも、国にあわせ「必要な措置」を「要請」するとしています。政府の「要請」は極めて大きな「圧力」であり、労働関係法に基づく自律的な労使関係構築への障害となるものです。
今回の東日本大震災の復旧・復興において、高等教育機関の果たす役割は、以前にも増して大きくなっています。教職員がもてる専門的知見や技能を動員して、さまざまな形での被災地の救援活動に従事するとともに、各自の専門領域から、復旧・復興政策の立案にあたっても数多くの提言を行なっています。こうした状況のなかで、短期的な財政需要のみから、高等教育機関教職員の労働条件を悪化させることは、研究教育の基盤を劣化させることにつながりかねません。
また、公務員給与水準に直接的な影響を受ける私たち勤労者の生活を破壊するものです。毎月の賃金が5%~10%減少することは、年収が30万円~100万円も減少することになります。職員にとっては住宅取得やローン返済、子供の教育費などの生活設計の見直しが求められ、将来の希望が奪われかねません。
こうしたことから、貴職に対して下記について要請する次第です。
記
1. 国家公務員給与引き下げ法案を廃案にすること。
2. 非公務員である国立大学・高専等教職員について、国の給与改正にあわせることを閣議決定で「要請」することはやめ、政府として自律的労使関係を遵守すること。
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