内閣総理大臣
菅 義偉 殿
2020年10月5日
山口大学教職員組合
去る9月16日、安倍晋三前首相の辞任を受けて首相に就任されたこと、本来であればお祝い申し上げるべきところですが、日本学術会議会員改選に伴う推薦候補6名の任命を、その理由を説明することもせず拒否するという前代未聞の暴挙に強く抗議せざるを得ないこと、誠に残念なことであります。
日本の科学者およそ90万人を代表する機関である日本学術会議がこれまで、学問の自由を守りつつ日本の科学の発展に大きく貢献してきたことは誰もが知るところです。これは、学術会議が内閣府のもとに設置され国の予算で運営されてはいるものの、1949年の創設以来、その運営・社会への発信は時の政府の介入を受けることなく、科学者自身の総意にもとづいて行われてきたことによると考えます。
日本学術会議法によれば、学術会議会員は内閣総理大臣が任命する(同法第7条)とされているものの、あくまで学術会議の推薦に基づいて(同法第17条の定め)行われる形式的な任命権行使であり、「任命拒否」は違憲・違法であるとの批判が高まっております。
すでに、新聞各紙・テレビ各局が、ことの重大性に鑑みて問題点を大きく指摘・報道し、大学関係者等からの困惑と批判の声が広がっています。貴職におかれては、今回の「愚行・蛮行」と言わざるを得ない学術会議人事への介入・拒否をただちに撤回されるよう、強い抗議とともに申し入れるものです。
以 上
山口大教職組抗議.docx