山形地方裁判所は5月26日、国立大学法人山形大学が山形県労働委員会の救済命令取り消しを求めた裁判において、山形県労働委員会の命令を取り消す判決を下しました。 この判決に対して、山形大学職員組合が加盟する全国大学高専教職員組合として控訴されることを要請するものです。山形県労働委員会の救済命令に関する山形地方裁判所判決に対する控訴のお願い
2020年6月8日
山形県労働委員会 御中
全国大学高専教職員組合
中央執行委員長 鳥畑 与一
貴職におかれましては、労働者の団結をまもり労使関係の調整にご尽力されていることに敬意を表します。
山形地方裁判所は5月26日、国立大学法人山形大学が山形県労働委員会の救済命令取り消しを求めた裁判において、山形県労働委員会の命令を取り消す判決を下しました。
この判決に対して、山形大学職員組合が加盟する全国大学高専教職員組合として控訴されることを要請するものです。
判決は「本件各交渉事項に係る規定の改正はいずれも既に施行されており、これについて改めて合意を達成するなどということはあり得ないから、本件各交渉事項について団体交渉を応ずるよう原告に命ずることは、原告に不可能を強いるものというほかない」との判断を基本にして原告の請求を認めています。
しかしながら、不誠実交渉という不当労働行為の事件の場合、事件の性質から、労働委員会における審査の時点では、その交渉事項に係る規定は施行されているものも少なくないと推察されます。従って、判決の論理に従えば、審査の段階でその交渉事項に係る規定が施行されている場合は、その交渉過程においてどれほどの不誠実な交渉がされていても労働組合は救済されないということになります。今回の山形地方裁判所の論理が通るならば、対等な労使交渉を築くこと、労働者の団結をまもることはできなくなり、本件以外の類似の事例にも大きな影響を及ぼすものとなります。
貴職におかれましては、この判決を確定させないためにも控訴していただき、貴職による命令の正当性を確認するとともに、健全な労使交渉が行われるよう再度尽力していただくようお願いいたします。