福島第一原発事故をふまえたエネルギー政策の転換を
第43回定期大会特別決議. 3月11日、東北から関東の太平洋岸を襲った未曾有の大地震とそれに続く大津波は、自然豊かな農・漁村地域に壊滅的な打撃を与え、多くの人々の命を奪うとともに、そこに暮らす人々が営々として築き上げてきた生活を根こそぎ奪ってしまった。さらにこの地震と津波によって福島県浜通に位置する東京電力福島第一原発は冷却機能を喪失し、放射能を広範に拡散させる過酷事故を引き起こした。
全大教はこの大規模な被災と福島第一原発の過酷事故を目の当たりにして、全大教に結集するすべての単組・組合員に対し、3月18日、緊急の委員長アピール「全大教の全力をあげて被災者救援・被災地復興に取り組もう」を発表し、組織を挙げての救援と復興への取り組みを呼びかけた。
文部科学省への申し入れを含めたこの間の取り組みはいくつかの成果を上げてきたが、地震と津波による被災並びに福島第一原発から拡散した放射能汚染は当初の想定を遙かに超えていた。
今なお、多くの住民が元の居住地に戻れるのか、そこで暮らしは成り立つのか、との見通しもないまま厳しい避難生活を余儀なくされている。また、命・健康を脅かす放射能汚染への不安は各地に広がっている。
この現状を見る時、全大教は、日本の教育と研究をにない、知の創造と継承を基本的な役割とする大学・高専・大学共同利用機関の教職員を組織する組合として、あらためて、以下の国民的要求を掲げて奮闘するものである。
1, 大震災からの復旧・復興に当たっては、何よりもそこに暮らしている被災者の思いと要求を基本とし、日本国憲法に則っとり、基本的人権を尊重して速やかに進めること
2, 東京電力と政府は責任を持って、世界の英知と技術を集めて福島第一原発事故の早期の収束をはかること
3, 福島第一原発のような事故を引き起こさないために、現存する原発関連施設に関する万全の安全対策を早急に確立すると共に、今日の原発に依存するエネルギー政策のあり方を見直し、再生可能な自然エネルギーへの転換をはかること。
この国民的要求を実現するために、私たちは知とその継承を担う大学・高等教育に携わる者としての責務と役割を自覚し、その検証を自らの課題としてもおしすすめるものである。
2011年7月31日 全国大学高専教職員組合第43回定期大会
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