6月1日に政府が発表した新型コロナワクチンの職域接種に関して、6月10日時点で97大学から相談があり、32大学が申請したとのことです。文科省としては20大学程度をモデル的に先行すること、あわせて、「大学等ワクチン接種加速化検討チーム」を設置し、各大学からの相談に応じているとのことです。
「大学における新型コロナワクチン接種についての要望」
2021年6月15日
文部科学大臣
萩生田 光一 殿
全国大学高専教職員組合
中央執行委員長 鳥畑 与一
貴職におかれましては、文部科学行政、高等教育の充実、ならびに新型コロナウイルス対応にご尽力されていることに感謝いたします。
6月1日に政府が発表した新型コロナワクチンの職域接種に関して、6月10日時点で97大学から相談があり、32大学が申請したとのことです。文科省としては20大学程度をモデル的に先行すること、あわせて、「大学等ワクチン接種加速化検討チーム」を設置し、各大学からの相談に応じているとのことです。
私たちは、ワクチン接種の加速による日本全体として集団免疫の実現に向けて大学が貢献すること、そして大学の教育研究機能の維持のために教職員・学生のワクチン接種が進むことを歓迎します。つきましては、今般の大学でのワクチン接種にあたり以下を要望いたします。
1.職域接種に必要な経費補助を迅速に行うこと
職域接種の実施条件としては「医師・看護師等の医療職の他、会場運営のスタッフ等、必要な人員を企業や大学等が自ら確保すること」等とされています。費用については予防接種法に基づき一回の接種につき2070円の補助を行うとしていますが、職域接種のための費用負担への懸念が障害とならないよう必要な予算を措置されることを要望します。
2.大学等の教職員・学生が広く接種を受けることができるようにすること
医療スタッフの有無で大学間の差が生じることがないよう、正規・非正規教職員にかかわらず希望者が等しく接種することができるよう要望します。また、「自大学以外の大学等・専門学校の教職員・学生等」への接種の検討も要請されていますが、大学の判断でそうした対応が行われる際には、当該大学が職域接種の中核的拠点として機能できるよう必要な措置を要望します。
3.ワクチン接種に関わるリスクに関する情報を十分提供すること
ワクチン接種は希望する者のみが対象で同意が必要とされます。ワクチン接種に関わるリスクに対して科学的なデータと情報を提供することはワクチン接種促進に貢献すると同時に対象者の自己決定権をも守ることになります。ワクチンの副反応については最新の知見とデータを提供することを要望します。
以 上