政府による日本学術会議新員任命拒否ついての声明
2020年10月13日
岩手大学教職員組合
私たち岩手大学教職員組合は、日本術会議の任命拒否撤回を強く政府に求めます。
2020年10月1日、菅義偉内閣総理大臣は、日本学術会議が推薦した新会員候補者のうち6名の任命を理由の説明なく拒否したと報じられています。
日本学術会議は、戦時下における科学者の争協力へ反省から、 人文社会・自然科学全領域に及ぶ、日本の科学者の内外に対する代表権を法的に付与され、「科学の向上発達と行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させる」ことを目的として創設された組織であり、その目的にために独立した立場で政府に勧告することができるとされています。
日本学術会議が、この目的を実現し、権限を行使するためには、その前提として、私たち研究者の活動が、政府から独立して自律的に営まれるものでなければならないことは言うまでもありません。学術研究は、政府から自律していることによって、自由な学問的批判と検討、またそれを通じた多様な角度からの真理の追究が可能となり、それが科学の発展、ひいては社会全体の利益につながるものだからです。
今回の菅内閣総理大臣による任命拒否は、日本学術会議法という法律を恣意的に解釈することによって、日本学術会議の独立性を根底から損なうものであるだけでなく、上記のように、大学などの教育・研究機関とその学術活動に対する不当な政治的介入にもつながりかねないものと考えます。
私たち岩手大学教職員組合は、任命されなかった6名が速やかに任命されることを求めるとともに、日本学術会議および学術研究が政府から独立して行われることの明言を強く求めます。