緊急声明 日本学術会議推薦の新会員任命拒否に抗議し、その撤回を求めます
2020年10月7日
東北大学職員組合執行委員会
菅首相は10 月1 日、日本学術会議が推薦した新会員候補の一部6 名を任命しませんでした。
日本学術会議は、日本の全分野の科学者によって構成され、政府から独立して職務を行う国の特別機関であり(日本学術会議法第3 条)、また政府に勧告をすることができる(同法第5 条)学術機関として規定されています。
今回、新会員候補6 名が不透明な形で任命されなかったことは、日本学術会議の独立性が損なわれることを意味し、政府による学術研究への事実上の介入であると言わざるを得ません。
日本国憲法第23 条が保障する「学問の自由」への明白な侵害であり、日本における学協会や大学、さらには科学者個人の今後の学術活動全般に大きな否定的影響を及ぼすものです。この6名が任命されなかった理由が説明されないことは重大です。学術会議会員を政府が任命するという制度は、その活動を公的に支えることを示すものであり、任命を通じて学術会議の活動内容に政権が口を挟もうとするのは、学術研究に対する政府の責任を取り違えたものです。
また、労働組合としては、このような政治姿勢のもとで労働政策審議会、中央労働委員会など大臣任命となっている労働関係の委員人事に、時の政府の恣意が働き、政策決定への参加の保障や中立性が損なわれることを強く危惧します。
私たちは学問の自由を守る拠点である大学の職員組合として、日本学術会議の新会員6 名が任命されなかったことに対して強く抗議します。そして、菅首相に対して、速やかに今回の決定に至った理由を説明するとともに、任命拒否の撤回を行うよう求めます。
緊急声明.pdf