要望書 ○全大教通知 ○内閣府通知. 2010年6月11日
文部科学大臣
川端 達夫 殿
全国大学高専教職員組合
中央執行委員長 中嶋 哲彦
「公共サービス改革基本方針変更案」に関する要望書
内閣府公共サービス改革推進室は、5月31日、各府省等担当官宛に、「公共サービス改革基本方針変更の案について(協議)」とする通知を出し、国、法人等の公共サービス事業について、内閣府として官民競争入札及び経営改善推進等の対象としたいとする事業と内容を具体的に挙げて、その事業に該当する省庁等からの質問・協議を経て6月29日開催予定の閣議で決定するとしています。
今回の変更案は、「市場化テスト」対象事業を定める「公共サービス改革基本方針」に国立大学法人を組み入れるというものです。具体的な事業として、国立大学法人における施設の管理・運営業務及び図書館運営業務があり、他に内部管理業務、試験実施業務、医業未収金の徴収業務等が記載されています。
全大教は、政府が国立大学法人の図書館業務等への「市場化テスト」制度の適用を内閣府において検討を開始した際に、「大学図書館等の研究教育機能の低下につながる「市場化テスト」に重大な危惧を表明する」とする見解(4月2日)を出し、問題点を指摘しました。(別紙参照)
私たちは、大学の教育・研究・医療水準を維持し発展させていく上で、業務を効率的に進めていくことは必要であると考えます。その立場から各国立大学でも業務の効率的推進のための様々な工夫と努力がされています。
しかし、以下に述べるように、大学図書館業務等を「市場化テスト」対象事業に組み入れることについては、重大な危惧を持っています。
第1に、教育研究業務の効果的・効率的遂行を著しく阻害するという点です。
第2に、全体として不可分一体な図書館業務を分断することによる図書館業務の効果的・効率的遂行を著しく阻害するという点です。
第3に、図書館業務のノウハウの蓄積の停滞と国立大学での図書館管理能力の喪失につながるという点です。
第4に、図書館相互の連携協力への重大な支障になるという点です。
第5に、国立大学の法人化の趣旨との相反という点です。
第6に、公的な役割を担う国立大学附属図書館職場の労働者に労働条件の劣悪化をもたらすという点です。
これらの問題点をふまえ、貴職に対し下記の要望を行う次第です。趣旨をご考察頂き、特段の配慮をお願いする次第です。
記
○ 閣議決定事項となる「公共サービス改革基本方針変更(案)」から国立大学法人についての項(第11項)を削除し、大学法人の主体的・自主的判断に委ねること。
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