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  全国大学高専教職員組合(全大教)は教育・研究・医療の充実と発展、働く教職員の労働条件改善のために活動しています  絵文字:矢印 右事務所案内・問い合わせ   絵文字:矢印 右よくある質問
 
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    全大教からのお知らせ

    カテゴリ選択項目:「①運動方針、声明、見解、要望等」「②賃金・労働条件関連(予算含む)」
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    Topics
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    2023/06/05new

    【ご協力のお願い】基盤的経費の減少・不安定化の影響アンケート(教員)

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    国立大学等の運営費交付金については、総額はここ数年横ばいが続いていますが、その内容をみると業績連動的な部分が増加し、教職員の人件費等に使える基盤的な部分は減少・不安定化してきています。そのため大学等の運営は大変厳しい状況となっており、教員からは「研究費が足りない」「人員が足りない」といった声が聞かれます。
    ★アンケートスタート

    また、教育研究の高度化や最近のインフレ傾向のなかで教育研究に必要な経費は年々増加しています。 そこで、教員の教育研究環境に焦点を当てて、どのような影響が生じているのかを調べることを目的に本アンケートを実施します。本アンケートで得られた回答は、全大教が行う文科省や財務省への要請、全大教の会議等のイベントなどで活用いたします。アンケートでは個人を特定することの可能な情報は収集せず、自由記述についても個人を特定することがない形でとりまとめて利用いたします。 ご協力のほどよろしくお願いいたします。

    13:00
    2023/01/06

    【新春座談会】「人文社会系の学問は役に立つ!」

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    政府の骨太方針が昨年6月に出ましたが、研究も教育も理工系、医歯薬系重視です。そういう方針に対して、われわれ人文系の研究者はつい、「稼げる学問重視だ」といった批判をしてしまうのですが、よく考えてみたら人文社会系も経済の役に立っているんじゃないか。人文系の研究というのは絶対に必要ですよね。そういうことを広く世間に知ってもらうべく、今回の企画を立てました。


    注:2面をダウンロードするにはログインが必要です
    09:00
    2022/12/23

    【声明】すべての学生を対象に授業料無償・給付型奨学金の拡大を

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    修学支援制度の本来の趣旨・目的に立ち返り、理工農系にとどまらず、すべての分野を学ぶ学生について、授業料等減免と給付型奨学金の対象とすることを求めます。
    すべての学生を対象に授業料無償・給付型奨学金の拡大を
    文部科学省「高等教育の修学支援新制度の在り方検討会議」最終まとめ発表に寄せて
      声明 

    2022年12月23日
    全国大学高専教職員組合中央執行委員会


     
    この度、「高等教育の修学支援新制度の在り方検討会議」は「審議の最終まとめ」を発表しました。それによりますと、これまでは住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯に限定されていた高等教育の修学支援制度(授業料等減免・給付型奨学金)の対象について、1多子世帯(3人以上)、2理工農系(私立)、3理工農系(国公立)を優先順位として中間層へ拡大するとされています。また、同「まとめ」は、修学支援制度を適用される大学等の機関要件の厳格化も打ち出されています。


     本来、授業料等の減免や給付型の奨学金は、日本国憲法に定められた国民の教育を受ける権利や日本も批准する国際人権A規約の高等教育の漸進的無償化をふまえたものであるべきと考えます。修学支援制度の目的は、意欲と能力のある学生が、経済的事情にかかわらず希望する分野で思う存分学ぶことができる環境をつくることにあります。


     政府は理工系人材の育成を方針として掲げていますが、これと修学支援制度とは分けて議論すべきものと考えます。同「まとめ」で示された内容によれば、これまでより支援対象が広がることになりますが、修学支援制度創設の際に支援対象外となった中間層の学生のうち、理工農系以外の学生は、依然、支援対象から外れることになります。機関要件の厳格化は経営困難から学生を守る等のためとされていますが、これもまた、修学支援制度とは分けて議論すべきものと考えます。機関要件の厳格化によって、むしろ学生の修学機会を狭めることになりかねません。


     修学支援制度の本来の趣旨・目的に立ち返り、理工農系にとどまらず、すべての分野を学ぶ学生について、授業料等減免と給付型奨学金の対象とすることを求めます。


    11:05 | 運動方針、声明、見解、要望等
    2022/12/23

    「日本学術会議の在り方についての方針」に対する声明

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    この度、内閣府は「日本学術会議の在り方についての方針」(12月6日)を公表し、この方針をふまえた「日本学術会議の在り方について(具体化検討案)」(12月21日)を示しました。私たちは、学術の発展を担う大学教職員の組合として、この政府方針および具体化検討案に対して意見を述べ、見直しを求めます。
    「日本学術会議の在り方についての方針」に対する声明
      声明 

    2022年12月23日
    全国大学高専教職員組合中央執行委員会


     
    この度、内閣府は「日本学術会議の在り方についての方針」(12月6日)を公表し、この方針をふまえた「日本学術会議の在り方について(具体化検討案)」(12月21日)を示しました。私たちは、学術の発展を担う大学教職員の組合として、この政府方針および具体化検討案に対して意見を述べ、見直しを求めます。

     12月6日付の政府方針は、日本学術会議からの意見聴取などを経ずに、一方的に出されたものです。まず、そうした決定プロセスに問題があります。

     政府方針および具体化検討案の内容に関して、特に問題の大きい点を三つ挙げます。すなわち、「政府等と問題意識や時間軸等を共有」、会員等の選考・任命について「会員等以外による推薦などの第三者の参画」「内閣総理大臣による任命が適正かつ円滑に行われるよう必要な措置を講じる」などとされている点です。これらの内容は、学問の自由を保障する憲法に抵触するものと考えます。

     憲法第23条で定められている学問の自由とは、個々の研究者が自由に研究することを保障するに留まるものではなく、学術界全体が専門家集団として固有の価値観と規律によって自主的、自治的、かつ自律的に運営されることを含みます。これは、政府等の方針に学術界が従属させられ、その結果として破局的な戦争に突き進んだことへの反省から設けられた条文です。

     こうした学問の自由の理念に照らすと、政府が学術界に対して「政府等と問題意識や時間軸等を共有」を求めることには大きな問題があります。学術界は固有の問題意識と時間軸によって展開するものであり、それによって中立的、客観的な視点からの知見の創造を行うものだからです。

     次に、会員等の選考・任命に第三者を参画させることも同様に大きな問題を含んでいます。現行の推薦方式は、諸外国の同様の機関におけるスタンダードな方式です。報道によりますと、「第三者」として具体的には経済界の関与が想定されているとのことです。これは会員の選出に学術界の判断とは別個の判断基準を持ち込むことであり、学問の自由に対する侵犯と言わざるを得ません。さらには、諸外国から日本の学術界の中立性、客観性を疑われることになりかねません。

     三つ目の「内閣総理大臣による任命が適正かつ円滑に行われるよう必要な措置」を求めることは、学術界に対して政権におもねることを求めることとも受け取られかねず、これも学問の自由に対する侵犯となります。

     政府方針では「高い透明性の下で厳格な選考プロセスが運用されるよう改革を進める」ともされていますが、2020年9月のいわゆる「日本学術会議会員の任命拒否」に対して、政府はそのプロセスなどを全く明らかにしておりません。透明性を欠いており、改革が必要なのは政府側ではないかと思われます。

    以上のことに鑑みて、政府方針および具体化検討案は大きな問題を含むものであり、全面的な見直しを求めます。今後の議論にあたっては、政府の一方的な案によるのではなく、日本学術会議、そしてひろく学術界・国民との対話にもとづくようあわせて求めます。

     学術界の使命は、日本ただ一国の国力向上ではなく、人類文化全体の発展に貢献する真理の探究です。私たちは、真理の探究を支える学問の自由の保障こそが、科学技術の発展をもたらすと確信しています。


    11:01 | 運動方針、声明、見解、要望等
    2022/10/13

    全大教中央執行委員会「国際卓越研究大学法省令案基本方針素案意見」

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    文部科学省において、国際卓越研究大学に関するパブリックコメントの募集が10月13日締切で行われています。全大教中央執行委員会では、その内容を重視してパブリックコメントを提出いたしました。

    「国際卓越研究大学法施行規則を定める省令(案)」お
    よび
    「国際卓越研究大学法に基づく基本方針(素案)」へのパブリックコメント

    2022年10月13日 全大教中央執行委員会

    《法の定める前提》
    ・法第4条において、大学の設置者が申請を行い、文部科学大臣の認定を受けるとされている。
    ・同上第3項では、認定の基準は大学が各号の基準のいずれにも該当しているとき認定するとされており、設置者(法人等)ではなく大学の実績、体制等をもって認定を判断することとされている。
    ・そうした下で、同条同項第6号の定めは、大学での「研究に関する業務執行と管理運営に関する業務執行の役割分担が適切に行われていることその他業務執行体制が研究及び研究成果の活用を組織的に推進するために必要なものとして」省令に定める基準に適合していることを求めている。

    《施行規則を定める省令(案)の問題点》
    ・学校法人の設置する私立大学、国立大学法人の設置する国立大学、公立大学法人の設置する公立大学においてはいずれも、財務その他の管理運営業務は法人が、そして教育研究に関する業務は設置されている大学が担うことが通例である。
    ・法第4条第3項第6号は、「大学」が認定基準に該当するかを判断するとしている下で、財務その他の管理運営業務を掌理する役割が掲げられ、それが教育研究に関する業務を掌理する役割との分担関係が基準とされていることは、法第4条第3項で大学を認定判断の単位としていることと矛盾する。ここでは法人財務に関する業務の体制を問うものではなく、法で規定している通り「大学」内部での「教育研究」と「管理運営」の業務掌理の役割が分担されていることを認定判断基準とすることを明確にする必要がある。

     法第4条第3項第1号で定める実績について学術論文データーベースに基づいて論文の被引用数上位10%論文数が概ね1000本以上であり、かつ申請大学の論文総数に占める比率が概ね10%以上であることとされている。
     研究水準を示す客観的指標として論文の被引用数が重要であることは確かであり、報道によれば学術情報サービス会社「エルゼビア」のデータでは、2016年~2020年の5年間のTOP10%論文数は、東大5920本、京都大3977本であり、1000本以上を満たす大学は10数校とされる。
     しかし科学技術振興機構「151研究領域におけるTOP10%論文数の国際シェア順位の推移」を見れば、その研究領域は生命科学など理工系分野である。科学技術指標などで示されるTOP10%論文数のデータも全て理工系分野に限定されており、これは被引用数でもって研究論文の質を評価する手法が人文社会科学系では重視されていないことを示すと言える。また理工系においても全論文数におけるTOP10%論文の比率は領域における格差が大きいとされる。このような中で、単にTOP10%論文数のみならず申請大学の論文総数に占める比率を評価基準とすることは、人文社会科学系を軽視した理系偏重の大学の資源配分の圧力を高めるばかりか、理工系分野においてもTOP10%論文の「生産性」を基準にした研究者の新陳代謝への圧力が高まるのではないかと懸念される。それは優れた研究を生み出す研究者のすそ野を狭めることにもなりかねない。
     国際的に評価され人類に貢献する成果を持続的に生み出していく国際卓越研究大学を生み出していく上で、「概ね1000本以上」という基準が目安になるとしても、人文社会科学系の特性を配慮(被引用数以外の評価)する基準を明確にするとともに、「概ね10%」という比率の基準はむしろ削除すべきである。

     法第4条第3項第1号で定める実績について、上位10%論文数とその比率10%以上の基準と並んで、教員一人当たりのTOP10%論文数が概ね0.6以上あることが評価基準として示されている。1000本以上の論文数を満たせない規模の大学においても国際卓越研究大学の申請の可能性をもたらすものとされている。
     TOP10%論文数の水準については理工系の学問領域においても様々であり、概ねとはいえ、一律に0.6という数字を基準と示すことの妥当性に疑義が生じる。また研究水準の評価は「被引用数」のみで十全に行いうるわけではなく、学術振興会で行われているピア・レビューによる研究の質や価値の評価も重要であり、多元的な評価基準が必要である。
     多元的な研究評価の仕組みがない下で、この数値目標を達成するために、TOP10%論文数の生み出しやすさを基準にした研究領域の新陳代謝や、同論文の「生産性」を基準にした研究者の入れ替えへの圧力が高まることが懸念される。TOP10%論文数を多く抱えた「スター研究者」の採用の一方で、そうでない研究者の淘汰が進むことになれば、持続的で長期的な研究の発展の基盤が損なわれかねない。また地方大学等で特色ある研究を担いTOP10%論文を生み出している研究者の国際卓越研究大学への移動が促進されることになれば、国全体の研究の幅広いすそ野が失われることにもなりかねない。
     規模が小さくても国際卓越研究大学に匹敵している大学研究機関の評価においては、一人当たりのTOP10%論文数が目安となるとしても、その数値はより弾力的に設定されるべきであり、かつそれを補完するピア・レビュー等の多元的な評価基準も設けるべきである。

     法第4条第3項第2号で定める実績について、共同研究等における民間資金での負担経費合計額が5年平均で10億円以上か、または教員一人当たり概ね100万円以上を満たすこととされている。
     確かに国際卓越研究大学では、病院収入を除く大学収入の増加、いわゆる事業成長が年3%以上であることが求められているものの、民間資金規模の全体額ばかりか、教員一人当たりの資金規模も基準と示すことは、研究者個々人レベルの「マイクロマネジメント」となりかねない。大学が研究成果の社会還元を通じて事業成長を遂げていく、その中で民間資金の導入が必要だとしても総額を示すにとどめるべきである。「稼げる」研究領域への大学資源の集中、「稼げる」研究者とそうでない研究者の選別、稼ぐ能力に乏しい人文社会科学系の軽視につながりかねない等への懸念が指摘される中、規模の小さな大学においても国際卓越研究大学への可能性を示す配慮だとしても、一人当たり獲得資金額を基準とすることは弊害が多く、削除すべきである。

     法第4条第3項第7号に関連して、附属病院医療収入を除いた各年度収入から授業料・入学金ほか納付金、基盤的運営経費の合計額を除いた額が5年平均で20%以上の達成が求められている。
     事業成長3%達成の上で、学生負担軽減の観点から授業料等の値上げや運営費交付金の増額に期待することが困難であるなかで、外部資金の増収を通じて経営基盤を強化することが必要であり、一定の数値を基準とすることは必要であったとして、実態に合わない数値目標の設定は民間資金の増収への無理な圧力をより高めることになる。
    この結果、大学経営が付加価値を生み出す研究への予算配分を強め、短期的には事業収入増大に寄与しない基礎的研究の軽視を招きかねないと懸念される。このような数値目標の設定は、各大学の実情を考慮した弾力的な設定が可能となるように行われるべきである。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    p.1 「一 国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化の推進の意義及び目標に関する事項 > 1 国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化の推進の意義」の箇所について

    ・国際卓越研究大学はあくまで「大学」である。大学は、「学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。」「大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない。」(教育基本法第7条)と規定されており、国際卓越研究大学についてもこの規定が遵守されなければならない。
    ・「国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化の推進の意義」を定めるに際しても、あらためてここで規定された大学の意義、社会における位置づけを確認し、国際卓越研究大学に認定された大学において、学術の中心として高い教養と専門能力を培い深く真理を探究して新たな知見を創造する活動がその中心となるよう運営されなければならない。
    ・であれば、意義には例えば次のような文言が盛り込まれて然るべきと考える。すなわち「国際卓越研究大学として認定される大学は、国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用を目指すことの前提として、学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理を探究して新たな知見を創造する活動を基盤し、そのための体制を維持発展させることが求められている。」。

    p.2 「二 国際卓越研究大学の認定に関する基本的な事項」の箇所について

    ・省令(案)で求められた研究等の実績等のみで判断せず、変革への意思(ビジョン)やコミットメントの提示への評価を重視するとされている。国際卓越研究大学を目指した戦略性と計画の客観性、その実行能力を評価することは重要である。しかし11月の省令施行以降、数カ月の申請期間と審査機関を経て、大学ファンドの運用実績を勘案して国際卓越研究大学を段階的に数校選んでいくとされるが、一校につき、その運営費交付金に匹敵する数百億円を活用した最長25年に渡る事業計画を各申請大学は準備することになる。
    ・財政投融資を資金源とした大学ファンドの活用において、事業計画作成の準備期間は短く、そこで変革への意思やコミットメントの姿勢を過度に主観的に評価しかねない方針は、拙速で無理な事業計画の作成を招きかねない。あくまで事業計画の実現可能性を客観的に評価する原則をより明確にすべきであり、申請大学が準備期間を十分に確保できるように申請期間と審査期間を弾力化すべきである。

    p.5 「二 国際卓越研究大学の認定に関する基本的な事項 > 2 認定に関する基準 > (3)法第4条第3項第3号及び規則第2条第3項に関する基準」の箇所について

    ・先端的、学際的な領域への対応として、「若手研究者・女性研究者・外国人研究者の登用・活躍」が要件とされているが、こうした領域における研究者は有期労働契約が多いのが実際である。この点、省令(案)では「適切な処遇の確保」が謳われているところであるが、基本方針にも同様に明記すべきである。

    p.6〜p.7「二 国際卓越研究大学の認定に関する基本的な事項 > 2 認定に関する基準 > (6)法第4条第3項第6号及び規則第2条第6項に関する基準」の箇所について

    ・省令(案)への意見で記したとおり、法第4条第3項の認定基準の判断は、「大学」を単位しなければならないはずであり、同条同項第6号に関する基本方針についても、「大学」の状況が認定基準を満たすかどうかを判断するものでなければならない。
    ・にもかかわらず、この箇所では、役割分担の主体のなかに、「法人の代表者」「事業財務担当役員(CFO)」が掲げられており、法第4条第3項が規定する「大学」が認定判断の単位であることと矛盾している。
    ・「法人の代表者」「事業財務担当役員(CFO)」の記述を取り払い、「大学」内部の業務掌理の分担について求めるものとしなければならないはずである。
    ・法の定めに背いて基本方針を定めることは許されないと考えるが、それでも基本方針において「法人の代表者」「事業財務担当役員(CFO)」「教学担当役員(プロボスト)」を取り上げるのであれば、これら役職の法人と大学での位置づけは正確にしなければならない。法人の代表者及び事業財務担当役員は法人の役員であるが、教学担当役員は法人においてはひとりの役員であろうが、一方で大学においては「学長」の立場であるはずであり、けっしてプロボストではないはずである。「教学担当役員」につづくカッコ書きでの役職は「プロボスト」ではなく当該大学の「学長」とすべきである。

    p.14~p.15 「三 国際卓越研究大学研究等体制強化計画の認可に関する基本的な事項 > 3 国際卓越研究大学研究等体制強化計画の認可に関する基準 > ③ 自律と責任のあるガバナンス体制」の箇所について

    ・合議制の機関は法人の代表者や中長期の経営戦略等の重要事項の決定を行うとされている。その決定は大学の研究や教育に大きな影響を与えることを鑑みれば、合議制の機関の構成員の選考手続きは重要なものとなる。合議制の機関の構成員の選考に関して、学内の教職員の意向が充分に反映される仕組みを整備する必要があることを明記すべきと考える。 
    ・「二 認定に関する基本的な事項」についての意見で述べたとおり、教学担当役員は法人においてはひとりの役員であろうが、一方で大学においては「学長」の立場であるはずであり、けっしてプロボストではないはずである。「教学担当役員」につづくカッコ書きでの役職は「プロボスト」ではなく当該大学の「学長」とすべきである。
    ・「教学担当役員」は上述の通り当該大学の学長であり、「教学に関する事項の実質的な責任者」との位置づけは不十分、不適切であり、「当該大学を代表するもの」とすべきである。
    ・「教学担当役員」が綿密な連携を進める対象として、「大学内の研究者」とともに掲げられているのが「教員代表組織」となっている。法令において定められている教員組織を代表する組織は「教授会」であり(学校教育法第93条)ここでも「教員代表組織」ではなく「教授会」と明示すべきである。

    14:35 | 運動方針、声明、見解、要望等
    2022/08/08

    2022年人事院勧告を受けて全大教中執声明を発表

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    人事院は、本日、国家公務員給与についてボーナスを 4.30 月分から 4.40 月分に 0.10月分を引き上げ(勤勉手当を 0.10 月分引き上げ)、月例給については初任給および若年層について引き上げるよう勧告を行った。
    「国公立大学・高専・大学共同利用機関で働く教職員の賃金改善を求める
    ~2022年人事院勧告を受けて~
      声明 

    2022年8月8日
    全国大学高専教職員組合中央執行委員会


     人
    事院は、本日、国家公務員給与についてボーナスを 4.30 月分から 4.40 月分に 0.10月分を引き上げ(勤勉手当を 0.10 月分引き上げ)、月例給については初任給および若年層について引き上げるよう勧告を行った。

     人事院は 2020 年以降、コロナ禍の影響を理由とする2年連続の引き下げ勧告を行ってきており、昨年は期末手当の大幅な引き下げを勧告した。人事院勧告による国家公務員の給与改定は、国家公務員の給与水準を参考とする広範な労働者賃金に影響を与えており、私たち国公立大学・高専・大学共同利用機関(以下「国立大学等」とする)においても6月期の期末手当について引き下げが行われた。

     2022年度の勧告は引き上げとなったが、昨年から続く食料品やエネルギー価格の上昇など生活物価の高騰に対して十分な内容となっていない。また、そうした経済状況を鑑みれば、すべての労働者へ行き渡るよう期末手当と全年齢層の月例給を引き上げることが求められている。


     国立大学等の教職員の給与水準が法人化以降も低く留め置かれていることは、国家公務員行政職(一)職員と事務・技術職員を比較したラスパイレス指数からも明らかであり、教員の給与水準は人材獲得で競合する大手私立大学よりはるかに低いと言われている。

     いま、大学附属病院の医療従事者は爆発的な感染拡大となっている新型コロナ感染症から国民のいのちと健康を守る最前線での勤務が続いている。在宅勤務、遠隔授業についても光熱費の高騰の中で費用弁済となる手当も十分にないまま行われており、ポスト・コロナにおいても教職員の業務および経費の負担が減じられる要素は見当たらない。


     国立大学等の教職員は非公務員であり、賃金は労使交渉によって決定される。労使交渉においては、労働組合法に基づき、労使対等のもと法人側には誠実交渉義務が課せられている。

     私たちは、法人側がこうした教職員の賃金水準や新型コロナ感染症禍の労働実態、生活物価の急激な上昇をふまえて労使交渉に臨むこと、そして誠実な労使交渉を行うことを強く求め、全国の国立大学等の教職員組合が連携し取り組みを推進するものである。


    15:00 | 運動方針、声明、見解、要望等
    2022/08/04

    パブリックコメントを提出「大学設置基準等の一部を改正する省令案」

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    現在、文部科学省において、大学設置基準改正に関するパブリックコメントの募集が8月6日締切で行われています。
    ・大学設置基準等の一部を改正する省令案及び教育課程等特例認定大学等の認定等に関する規程案に関する意見募集
     https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185001247&Mode=0
    ・「大学設置基準等の一部を改正する省令案及び教育課程等特例認定大学等の認定等に関する規程」改正案概要
     https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000237947


    全大教中央執行委員会は、その改正案の内容を重視してパブリックコメントを8月4日に提出しました。

    ①総則等理念規定の明確化
    【総論的な論点について】(全大教中央執行委員会)
    ●現場の大学においては、学生の経済的環境や学習環境の悪化や法人化の下での教職員の削減による多忙化が進んでいる。大学設置基準の改正にあたっては、こうした客観的環境の整備を欠いたまま、評価の強化に基づく教育改善は、現場の評価疲れを一層深刻化させ、現場の疲弊を招きかねない。より簡素で長期的な評価の仕組みとそれを支えるスタッフの確保が不十分なままでの評価の強化につながる改正を行うべきではない。

    ●「授業外学習が十分でない」状況(質保証システム部会「審議まとめ」)の改善や、透明性を持った情報公開「見える化」の必要性は大きい。しかしそれらの改善のためには、学生の経済的環境の改善を始めとする学習環境の改善や、教員・職員の十分なマンパワーの確保が必要である。現実には、教員・職員の削減と不安定雇用化が進むことで教育研究を担う人的パワーが落ちている。真の学習者本位の単位の実質化や教育の実質化を進めていく上では、奨学金制度の充実、学費負担の軽減、十分な教員・職員の確保とインフラ整備が不可欠である。今回の設置基準の改定内容は教員の多忙化や不安定雇用への依存を一層招くものになっており、質保証に逆行するものと考える。

    ②教員組織・事務組織等の組織関係規定の再整理
    【教育研究実施組織について】(全大教中央執行委員会)
    ●教員組織と事務組織を「教育研究実施組織」に一体化させる内容の改正であるが、教育基本法並びに学校教育法で定められた大学という真理探究の場における教育が、学問の自由の下での研究に基づいて行われるという特性への配慮を求める。独立して教員組織を置くことの重要性は、学校教育法において大学の特性に基づき教授会を置き、教育課程の編成などの審議を行うこととしていることと併せて、学生とともに学ぶ教員の職制上の組織の責任の明確化のためのものである。教育プログラム実施には、現行の大学設置基準における教員組織と事務組織を別に定めた体制でも十分に可能であり、この箇所に関する改正は不要であると考える。

    ●改正案で設立される「教育研究実施組織」においては、教育の他に学生の厚生補導や大学運営に必要な業務も教員と事務職員がともに担う規定となっている。現在、いずれの設置形態の大学においても、主に財政的・経営的理由によって、教員組織、事務組織ともに、人員削減・非常勤化が進行して、多くの問題に直面している。このような状況下で「教育研究実施組織」を設立することは、新たな組織の機能が充分に発揮されることができず、結果として教育研究の質の低下に繋がりかねず、さらには、組織の再編による一時的な業務量の増大の懸念もある。設置基準の改正以前に、充分な人的スタッフの確保ができる政策的・財政的な措置こそが必要であり、教員組織・事務組織については現行基準を維持することが望ましい。


    ③基幹教員、授業科目の担当、研修等に係る規定
    【基幹教員について】(全大教中央執行委員会)
    ●設置基準上必要とされる教員数を、専任教員数から基幹教員数に変える改正について、その理由として、クロスアポイントで勤務する教員数が増大していることや、従来の専任教員の概念が曖昧であったことが挙げられている。基幹教員への変更によって、授業8単位以上を担当する教員も4分の1まで基幹教員として設置基準上の必要教員にカウントされることになっている。この基幹教員は「一の大学で専任」である必要がなく、非常勤教員を基幹教員とカウントすることが可能となる。この結果、不安定な雇用関係にある非常勤教員へ、従来以上に依存する大学があってもそれを是正する法令上の根拠を弱めることになる。非常勤教員への依存をより高める大学が増えることは、今後大学教員として研究者を目指す若者の就くべき専任ポストの減少を招き、若者の研究職離れ、日本の研究力の低下に拍車をかけることにつながる。本来、非常勤教員への依存度を下げ、多くの非常勤教員を専任教員化することこそが、大学教育の質保証に必要である。専任教員の概念を維持すべきであると考える。

    ●専任教員の概念を基幹教員とする改正は、複数の大学や学部間並びに企業間での兼任も、4分の1まで設置基準上必要な教員数に算入することが認められることとするものである。これは、経営の困難な学校法人はもとより、基盤的経費が削減されてきている国立大学法人にあって、すでに削減してきた教員数を、現行規定時よりもさらに減少させることへの誘因になる。このことによって研究時間の減少によるさらなる研究力の低下を招く虞がある。また、コロナ感染拡大以降、遠隔授業が拡大するなかで、改正制度では、複数大学間で単一の遠隔授業を担当する教員がいても、それがそれぞれの大学の基幹教員としてカウントされることが可能となる。実際には、遠隔授業の良さを生かすためにはより多くの対面での教育が必要であり、大学の質保証のためには教員数を増加させることこそが必要である。教員数を削減することを可能としその誘因となりうる基幹教員への変更を行うことは妥当ではないと考える。

    14:00 | 運動方針、声明、見解、要望等
    2022/08/02

    秋のオンライン交流集会へ奮ってご参加ください!

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     全大教教文部では、各大学の情報交換・取り組み交流の機会として、下記の通り、オンライン交流集会を開催いたします。この交流集会では、教文部や協議会・専門部が企画する分科会を行う予定です(現在8程度予定)。皆さまのたくさんのご参加をお待ちしています。

    1. 日 程:2022年9月9日(金)~11日(日) Zoom開催

    2. 内 容:教文部や協議会・専門部の企画する各分科会
     詳細については専用ページをご参照ください。https://zendaikyo.or.jp/?page_id=1903

    3. 参加申込み、参加費について
     ・参加申込書の要領で単組ごとで申し込みをお願いします。
     ・全大教加盟単組の参加者は、参加費無料です。
     ・参加申込み締切:9月2日(金)
     ・集会のZoom接続情報は、参加申込み記載のメールアドレスに9/8(木)に送付予定です。

    4. プログラム(予定)
     9月 9日(金)
      18:00~20:00 分科会(研究者雇止め問題対策WG企画)

     9月10日(土)
      10:00~12:00 分科会(女性部企画)
      13:00~15:00 分科会(附属学校部企画)
      15:30~17:30 分科会(教文部企画:大学自治の確立を目指して ―すべての設置形態の大学での自治を!―)
      18:00~19:30 オンライン懇親会

     9月11日(日)
      10:00~12:00 分科会(事務職員部企画)
      13:00~15:00 分科会(青年部企画)
      15:30~17:30 分科会(ハラスメント対応WG企画)
    ※その他、公立大学協議会企画の分科会が予定されています。

    5. 本集会の問合せ先:秋のオンライン交流集会担当中執
                 副委員長 笹倉万里子 ( sasakuramariko(*)gmail.com ) (*)を@に置きかえてください

    14:00 | 会議、学習会、行動、集約等
    2022/06/17

    全大教中央執行委員会声明を発表しました

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    研究者雇止めを助長し有期雇用労働者を使い捨てにする
    科学技術・イノベーション創出活性化法
    および労働契約法の脱法的な運用に反対する」
      声明 

    2022年6月17日
    全国大学高専教職員組合中央執行委員会


     
    2013年、科学技術・イノベーション創出活性化法(旧研究開発力強化法)を改正し、有期雇用研究者に関する特例条項(後述)が設けられた。これに対して私たちは、研究者の不安定雇用増大をもたらすものであるとして反対してきた。

     特例条項は、有期雇用の研究者については労働契約法第18条に定められている無期転換権の発生要件を5年から10年に延長するものである。この改正で5年ではなく10年とするのは、プロジェクト研究に従事する有期雇用研究者がもつ不安定な雇用への不安を払拭して研究に専念出来るよう、また、有期雇用の期間を延長してその間に期間の定めのない雇用に移行していくことを可能とするためと説明されていた。

     ところが、理化学研究所や国立大学法人などにおいては、有期雇用研究者や有期雇用職員に無期転換権が発生しないような形での雇用契約(10年を超えない形で更新上限を設ける)が幅広く見られ、法の施行から10年を迎える2023年3月には大量の雇止めが一斉に発生するおそれがある。こうした事態によって、優れた能力をもち懸命に研究を続け、新たな研究課題に挑戦してきた研究者が多数雇止めされようとしている。その大半は、我が国の研究力強化の先頭を担ってきた研究大学や研究機関に発生しており、地方大学を含めて研究者の流動化に依存した科学技術政策の行き詰まりを示している。政策の欠陥を真摯に研究に励む研究者に転嫁することは許されないし、これを放置することは我が国の研究体制に甚大な打撃を与えることにもなる。

     さらに深刻なのは継続中の研究プロジェクトの責任者が雇止めにあうことで、プロジェクトが中断に追い込まれ、そこで雇用されているスタッフもまた職を失うことである。不安定雇用を強いられる研究職に、優秀な人材を確保することは難しく、知的財産や人材の海外への流出にもつながっている。理化学研究所任期付き研究員の転出先の約四分の一は海外となっている。真のイノベーションの創出には、長きにわたり蓄積されてきた基礎研究で得られた成果と新たな視点で研究に取り組むための充分な時間、安定した地位が必要である。


     また、労働契約法第18条に定める有期雇用労働者の5年超での無期転換についても、いまなお無期転換を潜脱する恣意的な雇止め(5年を超えない段階での雇止め)が後を絶たず、2018年に国立大学法人などで起きた有期雇用職員の大量雇止め以降も繰り返されている。


     私たち全大教は、研究者から労働と生活の安定を奪い、日本の教育研究を劣化させかねない科学技術・イノベーション創出活性化法と労働契約法の脱法的な運用に反対するとともに、抜本的な制度の改善を求める。また、研究者が安心してイノベーションの創出や高等教育の充実に取り組めるよう、安定的なキャリアパスの整備と充分な財政措置を行うよう求める。


    12:00 | 運動方針、声明、見解、要望等
    2022/05/27

    文科大臣宛「2023年度概算要求期にあたっての要望書」提出

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    2023年度概算要求期に先立ち、大学をはじめとする高等教育研究機関のあるべき姿を実現するための予算配分および高等教育政策に関して、下記のとおり要望いたします。
    2023年度概算要求期にあたっての要望書
      要望書 

    2022年5月27日

    文部科学大臣

     末松 信介 殿

    全国大学高専教職員組合  
    中央執行委員長 鳥畑   与一


     貴
    職におかれましては、文部科学行政、高等教育の充実、新型コロナウイルス感染症対応にご尽力されていることに感謝いたします。

     さて、2023年度概算要求期に先立ち、大学をはじめとする高等教育研究機関のあるべき姿を実現するための予算配分および高等教育政策に関して、下記のとおり要望いたします。



    1.国立大学法人運営費交付金の基盤的経費部分を増額すること

     昨今、大学をはじめとする日本の高等教育研究機関の「研究力の衰退」が大きな問題となっております。この間、いわゆる競争的経費の増加や大学ファンドの活用などがすすめられています。

     しかし、私どもとしては、日本の研究力衰退の主要な原因は「研究費の不足」であるよりはむしろ「基盤的経費の不足」だと認識しております。とくに、大学等において人件費に充当可能な予算が逼迫しており優秀な若手研究者を安定した職種で雇用できないことや、研究者の自由な発想による日々の教育研究経費が減少していることが問題です。

     また、教育研究を支援する事務職員の削減と非正規雇用への置き換えが進んだ結果、研究者が研究に専念できる環境も損なわれています。同一労働同一賃金の考えのもと国家公務員では非常勤職員へのボーナスの支給が進んでいますが、財源不足のためほとんどの大学等では支給されておらず、給与条件が好ましくないのでハローワークで募集しても人が集まらない状況となっております。

     そうした状況にあって、優秀な若者が大学院に進学を避ける、博士号取得者が海外に流出するなどの事態も発生しております。これらの点については、大学ファンドを活用した国際卓越研究大学を制度化するための法案審議の中においても、与野党問わず委員から指摘のあったところでもあります。

     しかし、大学院、特に博士課程の定員割れを理由として交付金を削減することは、構造上の問題の責任を大学側に転嫁するもので、現場としては納得しがたいものです。

     加えて、この数年においては、コロナ禍による物流や人的交流の制限、ウクライナ戦争による資源価格の高騰により、電気代をはじめとする大学等教育研究機関の経常費用が増大しています。それに対応するために、各大学では照明のLED化など出来る限りの設備投資を行うなど努力していますが、必須経費の増大は研究室運営にも支障が生じはじめています。そうした実態を踏まえたうえで、それに対応するための予算配分が必要です。

     こうした状況を改善し、日本の研究力を復活させるためには、まずは大学等への基盤的な運営費交付金の必要十分な配分が必要であると考えています。


    2.国立高等専門学校運営費交付金を増額すること

     国立高専では労働強化の傾向がいっこうに収まっておらず、一刻も早く労働環境改善に向けた見直しが必要です。教職員の雇用や学校運営に最も直結する、基礎的な運営費交付金は法人化時と比較して減少しています。その一方で、特別教育研究経費に関連した「高専の高度化、海外展開、地域貢献」だけでなく、従来からある「教育・研究、学生のメンタルケア、学生寮、部活動」などの業務を積極的に実施していかなければならない状況にあり、ここ数年教職員の多忙化は加速しています。国立大学や国家公務員との待遇格差改善も殆どなく、人員削減まで課され、まさに人的資源の面で、高等教育機関としての安定的な基盤が破壊されていると言わざるを得ません。基礎的な運営費交付金の充実を図ると共に、早急に効率化係数廃止を追求し、それらによって安定した教職員数を確保できるようにすることを求めます。また、2019年10月からの消費税増税に伴い増大した経費を補填する運営費交付金増額の措置を行うことを求めます。


    3.公立大学の運営費交付金が適切に交付されるようにすること

     公立大学の運営費(交付金)は、地方交付税の中に措置され、地方自治体に交付されています。公立大学(法人)への交付の実態は地方自治体(設立団体)によって様々でありますが、交付金の本来の趣旨に反し基準財政需要額を下回り、公立大学(法人)に十分行きわたっていない場合があります。公立大学が、高等教育を担う大学として十分に役割を発揮できるよう、地方交付税算定に係る単位費用を増額するとともに、公立大学(法人)に交付される運営費交付金については財政需要額等の基準を下回らないよう文部科学省の判断を示し、公立大学の充実に向けて努力することを求めます。


    4.大学共同利用機関運営費交付金を増額すること

     大学共同利用機関運営費交付金の基盤的経費の削減が続く結果、施設の維持や人材の確保などに困難をきたしています。安定的な基盤的経費なしに持続的な研究活動は困難です。また、人件費に占める競争的資金の増加は、研究者・技術者の雇用を不安定にし、大学共同利用機関からの人材の流失を引き起こしています。大学共同利用機関運営費交付金の基盤的経費の増額を求めます。


    5.若手研究者の安定的ポストの増と教育研究条件の改善を行うこと

     若手研究者支援としての「創発的研究支援事業」や「創発的研究若手挑戦事業」「大学フェローシップ創設事業」の各事業については一定の評価をしております。ただ、これらの事業は大学単位の指定であり、学術振興会などによるピアレビューの審査ではないので、審査方法等について、懸念もあります。

     大学では、運営費交付金の基盤的経費の減少により、すでに採用・承認を抑制せざるを得ないほどに厳しい財政状況となっています。この状況のまま、若手教員比率の数値目標、業績評価の強化や流動性の向上、研究資金の重点化や外部資金の獲得目標を課せば、むしろ、任期付きの不安定なポストの若手研究者の増、「若手」年齢層を超えた研究者のポストの減少、中堅・シニア層への業務のしわ寄せが起こることが懸念されます。また、現在の若手研究者だけでなく、研究者としてのキャリアパス全体への支援がなければ結局のところ若手研究者が腰を据えて教育研究に従事することはできません。

     政府としても若手研究者支援の重要性は認識されており、10兆円規模の大学ファンドの運用益を活用した博士課程学生への支援が行われることとなっているのは、その表れだと思います。また、国際卓越研究大学に認定された大学においては、その助成を活用した人材育成として大学院生・若手研究者への支援が拡大される可能性はあります。しかしながら、これらの支援は大学ファンドや国際卓越研究大学制度の目的に縛られ、在籍する大学や専攻する分野によって支援を受けられる機会が均等に保証されないという危惧を抱きます。

     学術振興会の特別研究員など既存の制度の改善(通勤手当や健康保険関係)も必要と考えます。

     若手研究者支援は、幅広く、中長期に渡って継続的に実施されることが肝要であり、そのためには若手研究者と大学が厳しい状況におかれている大きな要因である財政状況の改善が求められます。運営費交付金の基盤的経費の増額・安定により、各大学が継続的に若手研究者を育成できる環境整備が必要です。


    6.有期雇用研究者の雇用の安定と無期転換にむけて適切に対応すること

     上記5と関連することですが、「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」等にいう、いわゆる「10年上限」により2022年度末での研究者の大量雇止めが懸念されています。仮に多くの研究者が雇止めという事態になれば、研究者の雇用と生活の安定や研究者としてのキャリアへの影響はもちろん、研究の中断や研究チームの解散といった研究そのものへの影響は非常に大きいものがあります。日本の大学の研究力にとって大打撃となる恐れがあります。研究者以外の教職員も含めて、各大学等において、雇用の安定を確保する労働契約法の趣旨に則った対応が行われるよう適切な対応を求めます。


    7.定年延長の着実な実施にむけて必要な予算措置を行うこと

     各大学等において、定年延長の確実な実施と中堅・若手層の昇任機会や新規採用の確保ができるよう必要な予算措置を求めます。


    8.教職員の労働環境の改善にむけた支援を行うこと

     教職員の長時間労働の是正、ワーク・ライフ・バランスの確立、正規と非正規との不合理な待遇差の解消など、教職員が健康でモチベーション高く業務にあたることができるよう、先進例の共有や必要な人員補充を行うための予算措置を求めます。

     一例として、教員の業績評価において、出産や育児等にかかる負担を配慮した方式を取るようガイドラインを設ける(育児休業の取得が業績評価に影響しないようにするなど)ことは、少子化対策や男女共同参画などの観点からも重要と考えます。


    9.施設整備費を増額し施設整備の充実を図ること

     施設整備の老朽化が進み、教育研究に支障が生じています。また、災害が生じた場合の施設の復旧に係る経費も十分に措置されているとは言えない状況にあります。各大学等の施設整備費および災害時の緊急的な復旧に対応するための予算の充実を求めます。


    10.大学自治を尊重した自律的・自主的な大学運営の確保

     2014年に学校教育法が改正され、教授会が「学長の諮問機関」と位置付けられ、学長に意見を述べる事項も「学生の入学、卒業、課程修了、学位授与」等に限定されました。また、いわゆる「学長選挙」についても、これを行わないようにとの政治的な圧力が強まっております。現状でさえ、国立大学法人法の規定は、学長を掣肘する仕組みを欠いたまま権限を集中させるという、いささか特異な組織形態となっております。それに加えて、大学ファンドによる支援を受ける国際卓越研究大学では、学長の上に最高意思決定機関としての「合議体」を置くことが議論されています。これでは、現場の研究者の意向とは関係のないところで大学の運営方針が決められていくことになりかねません。現場の研究者の意向を学長等の選考に反映させるための仕組みが必要と考えます。

     国際卓越研究大学の趣旨としては、「研究者の自主性の尊重」などが謳われていますが、研究成果の活用という基本方針が所与のものとされたうえでの「自主性」とは、結局のところ政府の設定した目標を実現するための方法を各自で工夫する程度のものでしかありません。そのような限定された自主性を与えたところで、研究者が最大限度の創造性を発揮するとは思われません。根本的な目標の設定についても研究者の自主性を保障すること・研究分野の多様性を確保することで、真の意味でのイノベーションやレボリューションが実現されると考えます。

     こうした点から考えると、「文部科学省に相談に行くと学部や研究科の改組が提案される」ことにも問題を感じています。現場のニーズに必ずしも即していない改組を行うために、大量の事務作業が発生し、教職員の時間がそれに割かれるだけでなく、教職員の人間関係も悪化します。政府が現場を信用し信頼する態度を持つことで、現場のポテンシャルが最大限に発揮されると考えます。


    11.学生支援

     2020年度から開始された新しい修学支援制度は初年度27万人に実施され、この制度によって進学できたという比率が34.2%であり、対象所得階層の進学率が約10%上昇したとされております。しかし、この制度の適用には厳格な所得制限があるうえ、留年した場合や履修科目の出席率が5割以下となった場合の支援打ち切りなどといった条件が付けられております。困窮世帯の学生は奨学金だけでは生活できず、アルバイトをする必要に迫られるなど、勉学に集中する環境が必ずしも整っていない実態を踏まえた対応が必要です。また、就職活動が思わしくなくて留年する場合などもあり、「留年イコール悪」というわけではありません。

     上記のような問題もありつつ、修学支援制度により低所得層向けの支援が始まった一方で、中間所得階層の教育費負担も重く、修学支援制度の拡充が求められております。既存の学費減免制度の撤廃によって中間所得階層への支援が逆に後退していることも懸念されております。また、コロナ禍が長期化する中で、困窮する学生への支援も引き続き必要です。こうした観点から、今後は中間所得層への支援策の充実を求めます。


    12.諸団体との連携と社会へのアピール

     日本学術会議や国立大学協会をはじめとする高等教育・研究関連諸団体と連携し、運営費交付金の基盤的経費の削減による大学等の厳しい現状と、その十分かつ安定的な措置の重要性について、引き続き積極的にアピールすることを求めます。

    以上


    13:00 | 運動方針、声明、見解、要望等
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